「さて、あと1ページ」
自然保護官となっておよそ2年。
前職場で同僚のキャロに釣られて選んだ進路であるため、最初は色々戸惑うことが多かったが、ようやく仕事も覚え、人並みに動けるようになってきた。
そうなると欲も目標も出てくるもので、今はキャリアアップのための資格試験を繰り返している。
トントン
「はーい、開いてますよ」
「エリオ君ただいまー」
入ってきたのは件の同僚、キャロ。
今日は休暇を取り、元上司であり保護者でもあるフェイトに連れられ、彼女の実家へと遊びに行っていた。
エリオも誘われたのだが、遊びに行った先でずっと参考書広げているのも顰蹙だろうと遠慮した。
「はい、これお土産、リンディさんが焼いたクッキーだって」
「ありがとう、これ終わらせたらお茶淹れるからちょっと待ってて」
「うん。あ、そうだ、フェイトさん、来週遊びに来るって」
「ふぅん」
エリオはノートに向かい、振り向くことなく交わした会話が途切れ、ペンの走る音だけが部屋に響く。
「ぁ、ホントにあった」
キャロは何か見つけたらしいが、退屈しのぎが見つかったのなら良いだろうと放っておく。
しばらくして問題集を解き終え、椅子を回すと、
「お待たせ、キャロおおおおおおおおおお!?」
キャロがベットの下から、いわゆるその手の本を引っ張り出し熱心に観賞していた。
「何やってんのおおおお!!」
大慌てのエリオに対し、キャロは瞳を妙にキラキラさせた上機嫌な顔を向け、
「男の子はたいていベットの下にエッチな本を隠してる、ってエイミィさんが言ってたからさ」
(クロノ提督か?! クロノ提督の事か!!)
「ぃゃ違うんだ、これはあのそのえと、先輩に」
「見つかると『友達に貰った、断ったのに置いてった』て言い張るってリンディさんが言ってた」
(実は血が繋がってるんじゃないのかあの二人!?)
「ねぇ、これだけ? 他には無いの?」
「それだけだよ! それも返してよ!!」
もみ合い、へし合い、奪い合い、二人の手からこぼれた本は、ページを開いて床に落ちた。
開いたのが真ん中あたりだったらまだなんとでも言いようはあっただろう、だがそこは後から数えたほうが早いページ、キャロはその意味が分からないほど察しの悪い人間ではない。
「へぇ、エリオ君、このページがお気に入りなんだぁ」
「えっと、その、あの・・・」
そこであられもないポーズをとっているのは、黒い下着に金色の長い髪の女性、それは、
「この女の人、フェイトさんに似てるね」
この場での主導権は決した。
キャロは本を拾うとベットに腰掛け、ここに座れと自分の隣をポンと叩く。
「エリオ君、一緒に見よう」
「いや、それは・・・」
「フェイトさんに言っちゃおうかな?」
「分かった、分かりました」
彼女の要求どおりに隣に座り、本の片側を持たされると、自然と肩と肩が密着し、伝わってくる彼女の体温がエリオの幼い股間を昂らせる。
彼女は始めはキャーキャー言いながら見ていたが、しだいに不満げな顔になっていき、
「これ、肝心な所が見えなくてつまんないね」
確かに写っている男女の中心は黒く塗りつぶされている。
「エリオ君」
「な・・・なに?」
その普段と変わらぬ声に、むしろこの状況で普段と変わらぬ声に、エリオは嫌な予感を覚えた。
「エリオ君のオチンチン見せて」
「!? 何言い出すんだよいきなり!!」
「駄目?」
「駄目だよ決まってるだろ!」
「見せてくれたらこれしてあげるよ」
と示したのは、女性が男性の中心を口に咥えているページだった。
「うっ」
キャロのプックリとした淡い桜色の唇と、その中で軟体動物の様に動く舌の感触を想像し、エリオのペニスがびくりと震えた。
「でも・・・その・・・」
「う〜ん、エリオ君だけだと恥ずかしいなら、先にあたしの見せてあげるね」
「は!?」
キャロはエリオが問いただす間もなくベットに上り、生地の厚いショーツを脱ぎ、スカートを捲り上げた。
服は着ていながら裸の下半身を晒している姿は、全裸より淫猥だった。
「エリオ君、女の子のここ、見るの初めて?」
「そ、っそんなの当たり前だろ」
「ふ〜ん、そっかそっか。じゃぁよく見てね」
脚を広げ、指でその中心をさらに広げげる。
そんなこと言われるまでも無く釘付けである。
「二つ穴があるでしょ、下の方が指を挿れる穴で」
(挿れてるの!?)
「上の小さいのが・・・ぇ〜っとぉ・・・ォシッコするところ・・・」
今まであっけらかんとしていたキャロが始めて言葉を濁した。
(そっちの方が恥ずかしいんだ・・・)
女心に疑問を抱きつつも始めて見る女性器に視線を外せない。
もし成熟した大人の女性のモノだったら、初心な少年ではその複雑な形状にむしろ嫌悪感を覚えたかもしれないが、幸いキャロのそこはまだ未発達でシンプルだった。
そこをまじまじと見ていると、内側からジットリと蜜がわきだしてきた。
(キャロ・・・ボクにみられて、興奮してるのか・・・な?)
「触ってみる?」
「ぃ・・・いいの?」
「うん、でも、優しくね」
「・・・うん」
ごくん 緊張で渇く喉に唾を飲みこみ、おそるおそる指でふれる。
「ひゃ! エリオ君の指、冷たい」
「ご、ごめん」
緊張のためか、それとも全身の血液が体の中心に集まってしまっているためか、指だけでなく四肢の末端が冷え切っている。
手をこすり合わせ、興奮して熱くなっている息を吹きかけてもいっこうに温まらない、
(あれ・・・あれ?)
かつてないほど思い通りにならない自分の体に、半ばパニックになったエリオは、手を温めることを諦め、キャロの秘裂へ舌をのばした。
普段の冷静さを保てていたら、排泄器官へ口をつけるのにもう少し躊躇したかもしれない。
「きゃ! エリオ君!? ふぁあ!!」
べちゃべちゃと音を立てて内側のひだから穴の中にまで舌を挿しこみ、溢れる蜜を喉に流し込む。
「ちょっと・・・エリオ君ちょっと待って! 落ち着いてぇぇあぁん!!」
いきなり暴れだすエリオを押しのけようと彼の頭を手で押しのけようとするが、ガッチリ腰を抱え込まれている上、舌が蠢くたびに力が抜けてしまいビクともしない。
エリオがひとしきり嘗め回した後、穴の上の小さな突起に吸い付くと、
「!? ああ! んあぁぁ!! !!」
キャロは足をつま先までピンと伸ばし、体は弓なりにそらし、穴からはコポリと蜜を吐き出した。
「はぁ、はぁ、はぁぁ・・・エリオ君に・・・はぁ・・・先に、お口でされちゃった・・・?・・・エリオ君?」
エリオはキャロの蜜で濡れた口元を袖でぬぐい、服を脱ぎ始めた。
ズボンもパンツも脱ぎ、全裸になると赤く充血し、先端を先走りで濡らしたペニスがあらわになる。
無言のエリオは力が入れられないキャロに覆いかぶさり、手で位置を調整した己の先端で彼女の穴を狙う。
「エリオ君! 今は、今は駄目ぇ!!」
エリオを受け入れることそのものに否はない、が、今は達してしまったばかりで敏感になっているので、少し間を置いてほしい、そのくらいの抵抗だった。
だがその抵抗でテンパリ気味だったエリオがキレた。
(ここまで煽って置いてそれはないだろ!!)
エリオは聞く耳を持たず、逃れようとするキャロを押さえつけ、一気に挿し込んだ。
ぶつ
「あ! あぁぁああああぁ!!」
乙女が破られる痛みに小さな体をのけぞらせるが、達して力が抜けていたことと、エリオのペニスがまださほどの大きさではなかったことが幸いし、想像していたほどの痛みでは無かった。
ペニスを根元まで埋め、腰と腰が密着するとエリオは間を置かず腰を振った。
始めは大きく引くたびに抜けてしまったが、今の自分のサイズでは前後に出し入れするより、挿し込んだまま揺するようにした方が良いと悟る。
「あぁん! はあぁあん!!」
エリオに組み伏せられたキャロは、彼の動きに合わせ喘ぐことしか出来ずに居た。
普段は思いやりに溢れ、常に仲間を大事にする彼が、今は自分の都合しか考えず、飢えた肉食獣の様に血走った目でキャロの体に凶暴な視線を注ぐ。
吐く熱く荒い吐息もどこか獣臭い気がする。
(エリオ君が、怖い)
だがそれと同時に、自分が、自分の体が彼の理性を飛ばし、獣性を剥き出しにさせたのかと思うと嬉しくもあった。
(でも、ちょっと、カッコイイかも)
彼のかつて無い猛々しい表情に、キャロの背筋から胎の奥までをゾクリとした快感が貫き、エリオのペニスを締め付けた。
途端にエリオは腰を震わせ、ドク ドク ドク とキャロの中で精を漏らす。
「う! うぅぅあっ!」
「きゃぁぁ!」
その熱い体液を勢いよく胎の奥に注がれ、キャロは再び達してしまった。
「キャッ、キャロ! ごめん・・・ごめんぼくなんてことを!!」
出すものを出して正気に戻ったエリオは慌ててキャロから離れようとするが、彼女は優しく彼を抱きとめる。
「大丈夫よ、エリオ君。ちょっと怖かったけど、あたしも気持ちよかった。
それにエリオ君の、まだあたしの中で大きいまんま、まだし足りないんでしょ? 良いよ、全部ちょうだい」
キャロの言うとおり、一度放出しただけでは彼の昂りはいっこうに収まらず、彼女の中に納まったまま、元の硬度とサイズを保っていた。
「い・・・いいの?」
「うん、あ、でもその前に、服全部脱いじゃうね」
キャロはまだ着たままだった服を取り払い、エリオの頬をなで、
「エリオ君、キスしよう」
幼い恋人達は2回戦を開始した。
それから1週間、彼らは毎晩の様にお互いを求めあっていた。
エリオは欲望のままにキャロを貫いた最初の晩は自己嫌悪に陥りもしたが、エリオはキャロが好きであり、キャロもエリオを好きだといってくれている。
将来的にもしかるべきけじめもつける。
そう開き直ってしまえば背徳感にも罪悪感にもさいなまれる事も無く、例の本を参考書代わりにお互いの体であれこれ実験して楽しむこともできた。
今日もいつもの業務を終え、シャワーで汗を流し、手をつないでエリオの部屋へ入ると、
「「え?」」
「あ!」
彼らの保護者兼元上司が、ベットの下からいわゆるその手の本を引っ張り出し熱心に観賞していた。
「いや、あの、男の子はたいていベットの下にエッチな本を隠してる、ってエイミィが言ってたから」
(フェイトさん、お前もか・・・)
おしまい