【心と】  障がい、不自由のある日常  【身体】

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1名無しさん@ピンキー
身体障碍(がい)、知的障碍、精神障碍(心の病)などを抱える人物モノです

永続的なものに限らず、一時的な不自由になるものもアリ
(例)ケガで入院し不自由
  ショックな出来事で引きこもったり、パニック障碍のようになったり

類似スレ
盲目の美少女と
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159362829/
病弱少女のHなSS ←スレタイは近いけど趣旨は当スレと遠いような
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1183997747/
(執着、依存の狂気系スレは多数あります)

例えば「両腕が不自由な姉を介助するSS」なら、 既存の姉スレでも当スレでも、ご自由に
小説にした場合、「この状況が心の病に当たるか?」と,判別が難しいことも多いです。変に拘りすぎずに、投下者の裁量に任せましょう
2名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:02:44 ID:9GSBaFXQ
このスレ的小説
長編中心で、特に良作と思ったモノなど。どうやら有名作ばかりのようです
 
  「や。」というサイトにある「縛」 兄妹18禁その他
高校生の妹(手足の麻痺等)を介助する兄(隠れ変態)
妹の一人称語りで描写がリアル。全体的に作り物っぽくない活きている印象
ありがちな美少女設定などを排除してて、生っぽさを助長し成功してると思う

  「想いを束ねて」にある「瞳シリーズ」 優しい恋愛
16歳位の少女(知的障害)と中坊少年の交流。読んでて気持ちが良い
上手いヒロインの表現とセリフまわしで、ゴリ萌え炸裂
エロが無いからこそ萌エロい
このスレに居るような、えっちなぉ兄ちゃん達は、くるくるしたくなるでしょう

  「僕の部屋!!」にある「灰色の空」 エヴァ二次創作 18禁ハーレム
やたらセンスが良いし、ほとんどエヴァ関係ない話なんで紹介
読み進むごとに重度メンヘラ?ぽくなる。自虐、逃避、空虚
母親が死んで身寄りも無く、1人暮らしすることになった14才・鬼ショタっ子
彼の持つ「ある要因」により、女性達は極端に惹かれるか、嫌悪する
深く関わろうとすれば彼は避ける
ちなみに小説序盤の綾波は、アニメ最終話の「無口じゃない綾波」がモデル
雰囲気作りが上手いので、直接的ピストン運動以外のエロで勃起させる
ついでにMIDIの音源集も良かった

  「常夏の水たまり」にある「夏空の下」 イトコ 薄め18禁?
親族旅行中、事故で親と叔父叔母などが全滅
旅行に行かなかった従姉妹(スムーズに喋れない.。脳に障害?)と共に暮らす
精神障害やら無感動無表情やら、このサイト自体にそういう設定が多いらしい
障害よりもイトコ関係が主題っぽく、序盤しかまだ読んでないが良さげだったんで紹介

チョロっと読んだだけでも、ナンカ引っかかるのは良作に多いというか
上記4作品はいずれもそうでした
3名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 17:04:37 ID:9GSBaFXQ
  彼女は美しかった まっ白な顔をしてた
  きれいな髪をしてた 声もやわらかだった
  彼女の室はいつも 花の香りがした
  いい香りがした ものすごくあったかだった
  彼女は人もうらやむほどの ほとんどをそこでは持ってた

  そこに入る訳は 8つの俺でも解っていた
  今より良くなるために 必要だと解っていた
  そこは動物園だった みんな変な形をしてた
  仲間ですよと紹介された こんがらがって涙が出てきた
  こんな変なやつらの 仲間でも友達でもないと

  一週間話せなかった 誰とも話せなかった
  全部嫌いになった ご飯も嫌いになった
  その日もベッドの中で じっと息を殺してると
  誰かが蒲団の中に 手紙をつっ込んでいった
  よかったら12号室の 私の所に遊びにおいでと

  彼女は微笑んでいた ベッドに体を起し
  ものすごいきれいだった 泣きたいくらいきれいだった
  ほんの少し話をした 本当はもっと話したかったけど
  恥ずかしくてどうしようもなくて そこに来て初めて表にかけだした
  表に出て彼女の前で 走ったことをすぐに悔やんだ

  彼女と話したその日から ほんの少しづつだけど
  誰かの問いに答えたり 誰かに話しかけれるようになった
  何人かの友達もできて やっとそこの暮らしに
  やっとそこの暮らしに慣れてきた 3か月目の朝突然言われた
  ここにいても君の場合はなんにもならない 君も家に帰りたいだろう

  みんなとは違うと言われ ここに入ってきて
  そして やっとやっとここに慣れたのに ここも違うらしい
  4時間電車に乗って 元いた教室に戻った
  懐かしいはずのクラスの顔、顔 みんなよその国の人に見えた
  今日からまた仲間ですと 先生は俺を紹介した

  彼女は美しかった 彼女は美しかった
  きれいな髪をしてた 声もやわらかだった
  彼女の室はいつも 花の香りがした
  いい香りがした ものすごいあったかだった
  彼女は全てを持ってた 白く長いはずの二本の足を除けば

  彼女は美しかった 彼女は美しかった
 
http://www.youtube.com/watch?v=XthvTgblizU
4名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 19:43:49 ID:VQq7xlSh
スレ立て乙
障碍全般スレ、いいね
ただ、>>2-3はいらなかったと思う
5名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:56:12 ID:FrEEZCwB
これからに期待
6名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 10:09:56 ID:TEGulAAN
障害者系って好きな奴多そうだけど過去スレ無いの?
うろ覚えだけどアニメや他のエロ板には結構あったような
7名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 08:18:26 ID:vaop7lr0
期待age
8名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:21:44 ID:bvDNxf3e
エロパロて1週間で30レスつかないと落ちるとかだったよね?
9名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:26:20 ID:bvDNxf3e
リリカルスレってなんでこんなに人気なの?
詳しくないがそんなに人気無いアニメじゃないかな
10名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 15:27:29 ID:bvDNxf3e
誤爆あげ
11名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 19:20:11 ID:xudPSPg/
障害のある人に対してまでエロを望むって人間とは欲が深いなー
12名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 03:59:20 ID:cH0uV3TY
保守上げ

二次裏にも同様のスレがたったことがあった。
その当時に
「エロパロには障害スレって無くね?」
「過去にあったかもしれないけど俺は見たこと無い」
という話題で盛り上がるぐらいだったから、
エロパロの障害スレって今まで無かったんじゃないか?
13名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 04:01:48 ID:cH0uV3TY
>>11
障害を壁と考えず分け隔てなく接するのが紳士。
14名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 21:00:42 ID:VaJHtGTd
二次裏ってふたばちゃんねるのこと?
2ちゃんではそれらしき板タイトル見つけらんないんだけど

ttp://homepage2.nifty.com/go-ken/hiroin-top.htm
ヒロインにはなれない
対人恐怖から引籠る
障害小説ってあんま無いな。鬼畜系なら多いのかな?
15名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 01:13:55 ID:9sYPcdZy
>>14
すまん、>>12は二次裏じゃなくて角煮のスレのほうだった。
16名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 01:54:57 ID:QexuIOWi
障害を乗り越えて結ばれる二人に惹かれるわけですよ
17名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 07:57:33 ID:ngQlcknH
基本サディストじゃないと書けないな。業の深いことだ。
18名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 21:49:10 ID:iZOvA/eD
んなこたーねーだろ

うーんとだな…

生まれつき目の見えないお嬢様

メイドたちのエロ話を小耳に挟んで興味津々

ある日実直だけがとりえの作男を呼び出し

ペニスとやらを触らせろと無茶を言い出し、作男大迷惑&大興奮
19名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:14:19 ID:8mB/F3yX
事故で突然足や腕がなくなったヒロインを慰めたりとか王道じゃね?
20名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 04:13:56 ID:W2KP4D5f
支援上げ!
21名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 07:18:41 ID:bnF2fRCB
後宮に入れられる予定だった大貴族のお姫さん。
あるとき重い病を患い、一命はとりとめるも薬の副作用で失明。病や障害は不浄と見なされ、
後宮行きの話は消滅&静養と称して田舎の分家に養子に出されて家から追われる。
分家は分家でお姫さんの扱いに困り、風変わりで有名な学者にお姫さんを無理やり嫁がせて縁を切る。
変わり者だが心優しい学者はお姫さんを哀れみ、慰め、慈しみ、誠心誠意の愛情を注ぐも、
変なところで学者としての探究心発動、研究と称して夜な夜な奇抜な実験プレイを繰り返す。

失明で不自由+家族からの扱いで不自由+実家と学者の家との生活の差でちょいと不自由


スレタイでここまで無駄に妄想。
良スレ期待保守。
22名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 14:46:44 ID:flIC4HwS
失明ネタなら、盲目スレが既にあるが……
障害で話のネタになりそうなのって、後は聾唖と車椅子くらいじゃないかね
唖も聾もドラマでは時々出てくるしな
23名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 01:36:45 ID:09E9Qynd
>>19に同意かな
事故とかで腕/脚を切除した恋人に
「これからは俺がお前の腕/脚になるから心配するなよ」
はやっぱりお約束、だけど萌える展開。
24名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 04:02:52 ID:exXNnDKb
両手無しと両足無し。ちょっと考えた程度だと、どっちが辛いか答えが出なかった
足なら大腿が残ってれば歩けるから・・・と思うが、根元から無い場合はどっちだろw
感覚器官なら目が辛いかなとか漠然と思いつく
25名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 05:23:17 ID:fA1ricJh
知的障害なら夏日とか参考になるか?
ttp://www.studio-ryokucha.com/kajitsu.html
26名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:41:15 ID:DXLiu8Wf
>>24
どっちも辛いし、どっちも乗り越えられるものだよ。
27名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 09:56:44 ID:i9PTnwr2
おまいら好みのゲーム作ってるらしいですよ

ttp://news4vip.livedoor.biz/archives/51125990.html
28名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 04:46:00 ID:7zKIr5Xq
>>27これはまた何も分からない人からバンバン苦情がきそうなゲームだな。
気になるし、少し購入検討してみるか
29名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 19:33:55 ID:YJ0IJSft
個人的には伸びて欲しいんだが…
とりあえず保守
30名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 17:22:41 ID:pugc5yY6
ホームページが行方不明(移転先が消えている)のでアドレスのみ。

ttp://ueno.cool.ne.jp/tanba/novel/INDEX01.htm
ここの「愛玩」と「こころのたび」。
31名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 04:42:14 ID:h23TzGCK
>>30
その作者は7年以上前に亡くなってる。
そのサイトはもともとbekkoameに有ったサイトのミラー。
トップページに有ったBBS(当時はブログなんて無かった)で倒れて救急車で運ばれた事や入院して手術する事になった、とか書き込みが有った。
32名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 19:40:08 ID:TQ/4nEoI
>>31
…なんか洒落にならんとゆーか奇遇とゆーか…
33名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 14:19:14 ID:NO4GZMPn
その作者も小説も知らないのに、なぜかショックを受けた。
34名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 04:58:14 ID:OYt5i+lm
障害者に障害物競走をさせるというのはどうだろうか



ONEって障害率高くない?
35名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 06:33:10 ID:6BkM9Si1
保守☆
36名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 08:45:45 ID:VhtagWvO
シャム双生児のエロ
こんなこと思いつく俺は死ねばいいと思う
37名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 10:44:28 ID:Ok1l5z65
話自体は面白そうだけどどうしても「障害ある人に食いつく輩」に見えるんだよな
38名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 02:47:35 ID:n4xUsyyQ
けど実際、甘える人はとことん甘えてくるからなあ……。
39名無しさん@ピンキー:2008/04/30(水) 22:24:47 ID:dPz0FBRI
今更だけど
>>3の曲聴いて泣いた
40名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 02:06:07 ID:rXfnp0T2
41名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 00:36:20 ID:y0aHS9TP
>>23を見て、事故で両脚をなくした車椅子でけなげに常人と同じ生活を送ろうとするも、
やはり世間の目は厳しくて、それでもけなげに頑張る少女に惚れる話を、
HAPPY ENDな感じで書き終わり、さぁ投下しよう、とした時に気付いてしまった。

「………義足履けばいいんじゃね?」

ボツだよー♪ ひゃっほい♪

手も義手があるから除外。
だから、精神病で書いてみようかなぁと思う。
近い内になんか書いて投下します。
wikiで調べてこよ。
42名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 04:20:03 ID:XTIPggbv
>>41
せっかく書いたなら投下すればいいじゃない

43名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 09:07:29 ID:UbzjXRB8
いや、四肢欠損者がみんな義肢をつけてるわけじゃないから。
つけない人は普通にいるから。
44名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 23:23:34 ID:tP3mS91n
両脚の場合、普通は義足じゃなく車椅子だと思ってたのだが。

と、頭髪の不自由な俺が言ってみる。
つまり>>41は早く投下しる
45名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 00:49:38 ID:fOvb+wFJ
>>41
けなげに頑張ってるのが見たいから




オネガイシマソ
46名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 02:58:04 ID:a9hyFS+k
・・・その子は生まれつき腕がない。
足もない。
目も鼻も口も、頭すらない。
首も、胸も、腹もない。
あるのはただ空間のみ・・・
47名無しさん@ピンキー:2008/05/06(火) 22:00:49 ID:T2II8Dz9
>>46
『機能なき構造は死体、構造なき機能は幽霊』
48名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 02:44:34 ID:YjUWS5NR
車椅子の少女をお姫さま抱っこでベッドに移し換えるのが至福。
49名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 01:48:39 ID:6MgKcomo
>>48
足の不自由な美少女を膝にのせて本を読んであげたい。
50名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 01:47:06 ID:SyYkWlj1
車椅子の子も良いけど、目の不自由な子に顔をぺたぺた触られたい。
51名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 05:00:59 ID:nYb2DWoI
前にN速のかたわスレに投下されたSSよかったな
ネタないし参考までに必要ならここに貼るべきかな?
52名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 10:50:20 ID:jCWztRgo
>>51
ちょっと読んでみたいな


それにしても過疎ってるな…、やっぱマイナーなシチュなのかな…
53名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 01:14:30 ID:vhPatkGH
身体障害の小説ってないよな…
検索しても出てこない
54名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 02:54:45 ID:1Pl+mzGy
>>44
若い女の子だったら見た目気にして義足作ると思う
義足でも歩くのは大変だろうから、相当練習が必要だろうし普段は車椅子かもしれないけど
的外れなこと言ってたらごめん
55名無しさん@ピンキー:2008/05/18(日) 08:48:15 ID:dEss3LtC
どうせだったら、義足で陸上やってパラリンピックの金メダリストになるとか
義足で有りながらファッションモデル目指すとか
そういう前向きな話の方が楽しいよなと思ったり
てか、実際にそういう女性いるもんな
56名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 06:57:01 ID:MX3vO89f
最初は障害を背負ってネガティブだったのが、主人公との出会いによって前向きになるってのが好きだ
57名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 21:57:46 ID:S6dZsXgL
>2
「縛」、面白かった。
紗耶の状態がかつての自分そっくりですごい興奮した。
当事者の考え方感じ方がすごくリアルだ。

俺病気で左半身がほとんど動かせなくなったことがあるんだが、
そんなさなかにも右手だけでオナる工夫したりしてた。
意外と片手オナは大変。
58名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 05:52:18 ID:ALtg82jz
WeAre*の神明菊菜とかも良さげ
59名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:12:07 ID:d7q8/R2K
>>52
というか、>>27のブログスレの未掲載のとこに
投下されたやつね。転載しとくぞ。

池沼も出せよ。

・告白編
主人公「障害がなんだ!障害も過去も全部ひっくるめて○○さんのことが好きなんだ!!」
ヒロイン「ア・・・アア・・・アアアアアアアアアアッ!!!!」
彼女は奇声を上げ鼻水と涙で顔をぐちゃぐちゃにし、失禁しながらオレに抱きつき、オレの胸の中で
その小さな体で涙を必死にこらえようとしていた。

・ラブラブ編

ヒロイン「あう」
そう言うと彼女は先ほどまで水洗トイレで水遊びをしていた手で一生懸命握ったオニギリを差し出してくれた。
主人公「え・・・と、じゃあ・・・いただきます。」
オレは覚悟を決めてオニギリを頬張った。オニギリの中心部には泥が入っていて、土臭さが口いっぱいに広がる。
主人公「おいしいよ、○○さん」
ヒロイン「あうあうあうあ〜・・・へへへ!!」

・SEX編
主人公「ご、ごめん。○○さんの中が気持ちよすぎて・・・もう我慢できないよ」
ヒロイン「あー」
天井の一点を見つめて動かない彼女とは対象的に情熱的なほどからみついてくる彼女の下半身の前に
オレはもう限界だった。
主人公「クッ・・・で、出るっ!!」
ヒロイン「発車ちまーーーぢゅ!!!ぷるるるるるるるるるるるる!!!シュポッ、シュポッ、シュポシュポシュポシュポシュポォォォォォォォ!!!」
ビュクッビュクッビュクッ!!オレは自己の愛情と欲望のまま彼女の中に白い思いをぶちまけた。
主人公「ハアハアハア・・・」

こんな感じの奴
60名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:13:02 ID:d7q8/R2K
・バッドエンド編
こうしてオレは逮捕された。罪状は強姦罪および準強姦罪。
オレは彼女と愛し合っていたこと、彼女も愛を受け入れてくれたことを必死に説明したが、
刑事は「とぼけるなっ!被害者の親御さんも被害者も無理矢理犯されたと証言してるんだぞっ、ゲス野郎!」
とまるで聞いてはくれなかった。「そんな馬鹿な!?彼女に・・・彼女に会わせてください!せめて話だけでも・・・」
刑事「被害者に面会させられるわけ無いだろうっ!!」こうしてオレはあっさりと起訴された。
公判中、面会に来た姉と両親にはあらゆる言葉で家族の恥と罵られた。
高校時代の親友達や大学の同級生達も全員オレに冷たい視線を送っているそうだ。
苦労して入った大学は判決が出次第、退学処分になるらしい。
親友の中で唯一面会に来てくれた××が言うには、
彼女はオレのことはすっかり忘れ、今はレゴブロックに夢中らしい。
それだけ伝えると××は「もう僕には関わらないで」と話すと面会部屋を去っていった。
彼女と2人で暮らすはずだった同棲生活はオレの長い1人部屋暮らしで終わりそうだ。

END

・鬱エンド編
新婚旅行中の事故から2週間、ようやく△△(主人公)は意識を取り戻した。
△△は肉体的には軽傷だったものの、脳に深刻なダメージを受けたらしく知能の著しい低下でまともな社会生活はもう無理らしい。
僕(××)が見舞いに行った時は尿瓶の尿を頭から浴びて無邪気な顔ではしゃいでいた。
でもこれでいいのかもしれない。今、彼は彼女と二人で仲むつまじく介護を受けている。
彼の両親もようやくあきらめが付いて彼女との交際を認めたようだ。彼らには辛いことが多すぎた。
仲良く漏らしたウンコで料理ごっこをする二人・・・彼らは誰にも邪魔されない二人だけの世界でようやく愛し合うことができたのかもしれない・・・
END
61名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:14:53 ID:d7q8/R2K
・バッドエンドにすら届かないゲームオーバー編
「おいしい?」
☆☆が自ら作ったサンドイッチを頬張るオレを見てほほえみながら言う。
あの日・・・☆☆に告白されたあの日・・・彼女ではなく☆☆を選び彼女と別れてからもう半年が過ぎた。
☆☆は五体満足でかわいく、両親にも愛されているごく普通の女の子だ。
当初あったヤリ捨てるような形になってしまった彼女との別れへの罪悪感も、月日の中で
「どうしようもないほど障害があったのだからしょうがない。オレは悪くない」という言い訳にその居場所を奪われてしまった。
☆☆を選び、彼女を捨てた俺を責められる男がいるとしたらその男は神の化身か何かだろう。
言い訳とサンドイッチの旨味に満たされたオレは、次の講義に出るため☆☆と共に歩き出した。
噂によると彼女は今どこかの施設にいるらしい。オレには彼女と、そしてそれを取り巻く現実は重すぎた。
そしてなによりオレ自身が弱すぎた。彼女を支えるという決意は甘美な現実の誘惑にあっさりと打ち負かされた。
多分オレは今後も普通の女の子と普通に恋愛し、そして普通に結婚し、普通に暮らしていくのだろう。
弱いオレが幸せになるためにはこの選択は絶対に間違っていない。
間違っていないはずなのに・・・これでよかったんだろうか・・・?

END
62名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 16:19:26 ID:d7q8/R2K
・グッドエンド編
「あう〜」最近ようやく彼女はオレを判別できるようになった。
オレが側によると失禁しながら笑顔をこぼしてくれる。
両親は猛反対したが、オレは彼女と本格的に同棲する資金を貯めるため
昼は大学、夜はバイトと医師試験の勉強と急がしい毎日を送っている。
後悔はしていない。彼女を支えられるのはオレしかいないのだ。
はむ、と彼女の握ったオニギリを夜食に頬張る。今日は泥も入ってなくなぜかべちょべちょしているのみと、
かなり上出来の仕上がりだ。
「幸せにしてくれる女性は必要ないんだ。オレが幸せにするよ」
明日締め切りのレポートに油性マジックで落書きし疲れて寝てしまった彼女の横顔を見ながら、
そんなことをつぶやき、オレは再び机に向かった。数分後嗅ぎなれたニオイが部屋に漂う・・・
「・・・明日はまた洗濯が大変だな」
END

施設のオッサンにまわされる感じのバッドエンド
>>600
彼女はテレビを見ながら無表情のまま男達に体を預けていた。
画面に動物が写ると時折あうあうと笑顔をこぼす。男達の欲望が次々と吐き出されても、
いっこうにかまう様子はなかった。オレはそのナメクジの交尾のような異様な光景に吐き気をもよおすと同時に
彼女を助けなければ!という正義感にかられ、ロッカーから飛び出そうとした。
・・・だがオレは飛び出せなかった。彼女を捨て健常者の女に走り、あまつさえ自己の犯した非道を受け入れることすら
出来ず、こんなところで彼女の様子を伺う女々しい男に正義感などあるわけがない。
ただ自己の罪悪感を弱めたいという思いから生じる偽善に過ぎない。
オレは結局男達がその欲望を吐き出すだけ吐き出すまでその場で目を閉じ耳をふさぎ、彼らが去るのをじっと待っていた。
彼らがいなくなるとオレは静かにロッカーから出た。一瞬彼女と目があった時、「あう〜」彼女が笑いかけてきた。
オレは泣きながら一目散に施設を逃げ出した。その後、彼女と会うことは二度と無かった。END

元スレの神乙ってことで
63名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:49:22 ID:Fx9kTo83
こんな話が読みたい。
主人公 日本人傭兵として戦場を渡り歩いた男。
イラクでのパトロール任務中、自爆テロに遭遇。
右腕を失い、日本に帰国する。
ヒロイン どこの大学にも居そうな子
駅で痴漢に会っていた所を主人公に助けられ、出会う。

二人は交際し始めるが、周囲の偏見の壁は高かった。
支え合い、二人が結ばれるまでの話   
64名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 18:56:56 ID:iHwv0uIh
SEEK2に池沼出てくるよ。
壊れてた心を取り戻していくって感じの話になるので好みが分かれるだろうけど。
65名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 19:01:40 ID:LxLG9dkC
以前からずっと気になってたんだが、恥を捨てて聞いてみようと思う。
「池沼」って、どういう意味なんだ?
や、意味と言うか大体のニュアンスは分かるんだけど、なんと言うか単語の由来とかそういうの。
66名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 19:22:42 ID:qutbpjU4
知的障害→知障→ちしょう→池沼、と聞いたことがある
67名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 01:31:28 ID:bnmzTksn
このスレ見てたらこれ思い出した
ttp://moemoe.homeip.net/view.php?article_id=263
68名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 15:49:48 ID:USyou+kr
池沼にもいろいろある。
おまえらがイメージしている池沼顔ってのは
だいたい分かるが、池沼の中には可愛らしい子もいる。
そういう子は小さい頃から、近所のエロおやじの玩具にされて、父親が誰か分からない子供を妊娠する。
69名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 16:16:29 ID:se7f5C9o
四肢切断(先天障害)の小説とCGのサイトでさ、
どこかの部屋で四肢を切断されて飼われてる少女に、精神薄弱の男が世話役としてあてがわれて
その内に出来ちゃって、女の子が唯一身につけてる髪留めのゴムをプレゼントしたらその男が居なくなって、
数日後にご飯のハンバーグの中から髪留めが出てきて「お兄ちゃんだったんだ……」って泣く話のあるサイトって知らない?

先天的に手足のない女の子の家に家庭教師としていくうちに仲良くなっちゃう男のほのぼの系な話とかもあったんだけど。
70名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 19:19:42 ID:dHam5h0O
開くんじゃなかったこのスレ
>>69のレスを読んだだけでいま衝撃を受けている
71名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 12:20:17 ID:OebE6ppb
>>69の話の意味がいまいちよくわからん・・・
72名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 17:31:12 ID:uRtG4wOc
なんか残酷だな
もっと幸せになれるような話しないか?
73名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 19:01:10 ID:NwikFdX0
>>71
昔見たそういう内容のサイトを知らないかって話じゃね?
74名無しさん@ピンキー:2008/05/28(水) 20:24:00 ID:TQT0Sbiq
ツンデレで、口が悪くて、ケンカっ早いが、
お化けが嫌いで、ちょっとだけMが入ってて、心を許した人には優しい
萌えキャラみたいな下半身不随ってのを知っている。

ただ残念なことに男なんだが。
75名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 04:15:51 ID:eNJk6CvL
>>74
なんてキャラ?
76名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:06:27 ID:BpTCKMLz
>>74
実話マンガの登場人物で、実名も載っているけど、
マンガになってるとはいえ実在する人物なので、ここに書いていいかちょっと。
77名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 14:37:46 ID:H/s37W6y
足が動く頃は国内屈指のスポーツ選手でモテまくってたので3P経験あり
でも実は更に優秀な兄と比べられて父親からはかわいがってもらえなかったというトラウマ持ち
猫耳っぽい髪型で素直クールの萌えキャラみたいな下半身不随ってのを知っている。

ただ残念なことに男なんだが。
78名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 15:51:14 ID:RQJWjDSa
むしろ身動き出来ない男にあれこれしてしまうシチュに萌(;´Д`)ハァハァ
79名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 20:02:25 ID:adaIb3Fz
>>77
しかも最近、新境地・漆黒ギレに目覚めたな。
普段から泣きまくってるし、お化けに群がられてたシーンはエロゲそのものなのに、男なんだよな。

おーい、誰かこのキャラ女の子にしちゃってー。
80名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 00:20:29 ID:fN4KPMLf
>>77
なんという箇条書きマジックw
しかしそいつならシスターといい感じになりそうじゃないかw

同シリーズのキャラでもう一人
明るくて何かとトラブルに巻き込まれるドジッ子
妹を殺され、仲間を失い、その後右目と両足を失い車椅子の生活をしている
全てが終わったあとギャングのボスの近くで亀と一緒に暮らす

残念なことにやっぱり男なんだが
81名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 01:05:05 ID:cIpgQInZ
お前らまとめてジョジョスレへ行けww
かなりの箇条書きマジックだから困るwww
82名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 11:14:45 ID:vA7TfglO
目が見えないけど凄腕のスナイパーで、金髪ストレート。
性格は義理堅くて、無口っ子ってのはどうだ?

ただ残念なのはそいつが(ry
83名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 13:01:33 ID:GQNfT3z5
ジョジョ多いわw

ところで男が障害者なネタもアリっちゃアリだと思う
車椅子でも四肢欠損でも女を悦ばせることができなくなって
絶望してたところに女神降臨

あと某ホラー映画じゃないが盲目&聾唖の男女とか
嫁と間違われて襲われる聾唖の女
別人だと伝えたいが伝えられない、みたいな
84名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 18:55:50 ID:yWeni6RM
お国のためなら足ぐらい簡単に捨てられます
半機械化になっても気にしない。だって愛する自国のためだもん!
でも何だかんだいいながらも男のことを守っちゃうツンデレ軍人

パニック障害は辛いけど神父様のために戦います
アポロ11号と自分を重ねちゃうロマンチスト

なやつらを忘れてますよ。
当然おとk(ry
奴等が女だったらいい感じにこのスレ向きなんだけどなー
85名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 21:18:39 ID:ih0u20hJ
もう全員女でいいよw
ここまでいくと、設定と名前だけ残しておくだけでオールOKになってきた。
何という箇条書きマジック…。

とりあえず猫耳っぽい髪型の下半身不随は俺の嫁。
86名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 00:30:24 ID:V0kvoJdb
もう下半身不随の猫耳・ジョディちゃんでいいわw

分かる人少なそうだけど、いばらの王のアリスはいい達磨っぷりだと思う
87名無しさん@ピンキー:2008/06/07(土) 12:50:53 ID:Ct1RIMf7
投下期待
88名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 02:46:06 ID:GUY2gUhp
ふたなりとか、性同一性障害とかも含むのか
89名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 14:44:04 ID:vFMtkfYm
なぜだかこっちにSSがあるようなので一応誘導しとく
ソフトすぎる気もするが

身体障碍者の人に萌えるPart6
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/feti/1210499343/
90名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 23:58:50 ID:ANFXQwJg
質問
男障害者×女のしちゅでもおkなの?
91名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 00:52:22 ID:wYRdgJ1E
私は生まれつき足が動かなかった。
そのような子だから両親にも捨てられた。
だがそんな両親だがこれから生活に困らないようにと
生活するためのお金と
寡黙な介護士の「それ」を置いて行ってくれた。
「それ」とはかれこれもう共に暮らして16年となる。
私は「それ」最初は意識していなかったのだが最近一人の異性としてみるようになってしまった。
そう。私は「それ」を愛してしまったのだ。
だが障害を持つ私とそれとでは釣り合わないだろう。
…だが私もこのまま思いを心にしまっておいたまま「それ」と暮らしていきたくはない。
だから告白する。
たとえその思い通じずとも。

「…あなたに伝えたいことがあります。」
「…」
いつものことだが「それ」は一言も口にせずじっとこちらを見ている。
「私はあなたのことを愛しています。」
「…」
「それ」は静かにこちらの言うことを聞いている。
「だから…」
「……」
「私と交わってください。」
「………コクリ」
「それ」はほんの少し首を前に傾け肯定の意を表すと
こちらに近づいてきた。
どうも「それ」は私をリードしてくれるらしい。
「んっ…」
1度目は軽いキス。
そして二度目に「それ」は私の唇を割って
私の口に舌を入れてきた。
私も入ってきた舌を私の舌で舐めまわす。
「ンはぁ…」
そうして唇を離すと二人の間に涎でできた淫猥な橋がかかっていた。
3分…いや5分だろうか…
もはや二人とも一言も言葉を交わさなかった。
そんな静寂の中で
私と「それ」は新たな段階へ
行動を移す…
92名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 00:54:09 ID:wYRdgJ1E
初書きの私にはこれが限度orz
すんません。どこか永眠できるところはないでしょか。
93名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 00:50:33 ID:HIsa1oAL
死ぬなら書き上げてから俺の胸の中で安らかに眠れ
94名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 01:10:02 ID:yDLlZcpv
例えば、
負けず嫌いでしっかり者のクラス委員の少女が交通事故にあい、
後遺症で片足動かなくなったけど、
そんなこと気にせずリハビリ頑張って事故前とほぼ同じ生活を取り戻し、
彼女は何があっても変わらない強い人間なんだなと、
尊敬と嫉妬が入り交じる微妙な気持ちで見てたら、
その委員長の少女は体育の授業中一人だけ見学してて、
友達が楽しそうに走り回ってるのを少しさみしそうに見つめていた…

とかそういうのに萌えればいいんですね、わかります。
95名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 01:19:54 ID:M1PMDasI
>>69
お〜い、まだ見てるか?I少女の館っていう所に家庭教師の方のっ
ぽい話はあるが、ハンバーグの話はないから分からん、まぁ良かっ
たら試しに見てきてくれんか?
96名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 12:35:53 ID:22zXwPBu
今更だがビっ子さん良いな…
ああいうハンディーがあっても凛としてるタイプは堪らない
97名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:56:49 ID:7AjSn/XY
事故で四肢切断した上その事故で両親が死んで絶望の淵にいる女の子を隣の家の優しくて美人のお姉さんが引き取って献身的に世話してあげる
みたいな
98名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 21:14:00 ID:Q/7rDSF5
事故で四肢切断した上その事故で両親が死んで絶望の淵にいる男の子を隣の家の優しくて美人のお姉さんが引き取って献身的に世話してあげる
男の子が受け取った保険金は全部搾り取られる
ならあり
99名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 23:00:52 ID:7AjSn/XY
本当に鬱方向に流すの大好きだなお前らwwww
100名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 10:15:16 ID:wFOSoA57
搾り取られるのが金じゃなくて精液ならあり。
10169:2008/06/30(月) 01:57:28 ID:rD+Ryp/F
>>95
これだあああああああっ!!
ありがとう!何年探したかわからないぐらい探してたんだ!

でも中身が結構減っている上に更新が全然ない……。
悲劇系の話は削除しちゃったのかなあ。
102名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 06:04:54 ID:DXrhpo49
>>98
動けないのをいいことに色々できそうだな
103名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 11:28:57 ID:UBZQfDGq
>>101
え、何、当たり!?マジすか?おめでとう!
昔のも読みたかったなぁ…
104名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 19:04:46 ID:OPeXEZ9o
スクランの所に鬱展開のやつがある
105名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 17:01:50 ID:8QZeOE7E
>>98
良いMシチュ
106名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 03:32:53 ID:7QIeVGPn
しっかりと自立してる車椅子の女の子と偶然出会って仲良くなるシチュエーションが読んでみたい。
107名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 13:59:26 ID:aOMP/qMG
その子が十代なら俺も読みたいな。
108名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 21:32:45 ID:zp1a/koO
SSマダー?
109名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 23:57:31 ID:bev0R6i2
みんなも知ってる手足がなくて背中にV字の傷跡のあるメガネの子とかこのスレ向けじゃないか?
110名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 01:11:20 ID:bqsmMQt+
記憶障害をもつ眼帯少女も
111盲目サヴァンと視えない誓い1:2008/07/23(水) 04:33:08 ID:MSdDneZu
お医者さんが言うことが正しければ、僕は《白痴の賢者》という病気なのだそうだ。
「普通、天才と馬鹿は紙一重と言います。ですが彼は紙一重の狭間に挟まった、正にイディオットサーヴァント。サヴァン症候群です」
これは僕が4歳になったとき、すぐにこけつまろびつして怪我する僕に検査を受けさせた両親が聞いた診断だ。
お医者さんの診断はまだ続く。
「精査の結果、彼はモーツァルト症候群であるとわかりました。音感や音源を記憶する力が異常なほどに優れているのです。それには理由がありまして……目が悪いのです」
「目の見えないサヴァン患者は音感が鋭くなるのです。既に左目は失明しています。負担が倍かかる事になった右目も、いずれ光を失うでしょう」
後は両親の泣き声で満たされて、お医者さんの声は聞こえない。
一度聞いた音は全て覚えているから、両親の泣き声も覚えている。
「神様!なぜ私達がこんなめに!」
今にして思えば、あのころから両親は自分達中心に生きていた。
なぜこの子が、ではなく、なぜ私達が、だった。
高校生まで僕は普通学級に居た。
まだ目も見えていたし、
「近ごろは特別学級というものを創ることは差別にあたり、障害者の人権を損害する事になるのです」
と、僕の両親から相談を受けた先生は言っていた。
「キモい」
「死ね」
「キチガイ」
「生きてても親に迷惑かけるだけだろ」
「よるな、俺までイカれる」
普通学級は、普通の人のクラスであって、僕のクラスではなかった。
加えて、僕は普通の人より覚えるのが上手かった。
始め戸惑ったものの、言葉に音階を与えて曲にして覚えると、もう二度と忘れなかった。
皆より馬鹿なのに覚えるのが上手かったから、すごくいじめられた。
音が好きだから、僕は思った音を自在に奏でる音楽室のピアノが大好きだった。
そうして、小学校と中学校と高校の間は音楽室で多くの時間を過ごした。
家では大人しくしていないと両親に迷惑をかけるし、クラスではぶたれるけど、音楽室があるから学校は大好きだった。
「君は音楽の道に進むべきだわ」
高校の選択授業で音楽担当のもじゃもじゃ頭のパパイヤ先生は僕を褒めてくれた。
もっと学校に通いたかったけど、転校することになった。
箒で殴られて右目も見えなくなってしまったから、養護学校と言うところに移るらしい。
ピアノはあるとの事なので僕は別に嫌がらなかった。
普通は普通に、異常は異常に、灰は灰に、屑は屑に。
全寮制の隔離施設みたいな養護学校に着いて、説明を受けるために先生に付いて行く両親を尻目に僕は真っ先にピアノのあるところへ向かった。
施設には手摺があり点字のガイドまで付いているから、一人で歩くのに苦労は無かった。
音楽室。
点字でそう記された部屋に入る。スライド式のドアだった。
手摺を放し、一歩一歩あるく。
数歩あるくと足音が強く反響する場があった。
目が見えないから、僕は足音の反響で障害物を察知する。
爪先で触れると、
コツン
硬い音。
恐る恐る触れるとヒンヤリした感触が手に伝わって来る。
グランドピアノだ。
椅子を手繰り寄せ、鍵盤の前に座る。
サッと鍵盤をなぞり、

tone…

ひとつ鳴らしてみて驚いた。
引く人が少ないからだろうか、学校のホンキートンクで鉛筆の挟まったプリペアドピアノとは比べるべくもない、完璧な調律のピアノだった。
僕は感動して、一心に曲を弾いた。
優しく弾くべき曲を歓喜のままに叩き付けるように弾いた。
「上手いね」
突然響いた声に驚いて、僕は椅子ごと転びそうに……
ガターンッ!
いや、転んだ。
彼女との付き合いは、その瞬間から始まった。
112名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 12:43:03 ID:+4almDH+
|ー゚)
113名無しさん@ピンキー:2008/07/27(日) 05:55:32 ID:qWbHhZ1I
つ、続きはまだか!!
114名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:43:31 ID:HWKBta1K
ほしゅ
115名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 23:44:22 ID:Tnt94dBR
圧縮回避
116名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 23:59:36 ID:iYmIjHPg
期待保守
117名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 17:13:02 ID:POTx3ajJ
うを
118名無しさん@ピンキー:2008/08/11(月) 12:20:42 ID:trRs4kuK
age
119名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 00:58:01 ID:Wx6Y8osh
新作と続き期待
120桐漱:2008/08/19(火) 03:36:07 ID:7NFJJDk2
小ネタ
「私を……抱いて下さい」
 彼女はそう言うと抱きついてきた。
 ちょっと待ってくれ。一体どうしたらそうなるんだ? 君と俺とは接点がないはずだ。
「十年前……貴方は下半身不随の私が虐められてた時、真っ先に助けてくれました。その、お礼です……」
 それ何てエロゲ? ってか何倍返しになるんだよソレ。お礼だったら……あれだ、昼飯奢ってくれればいいからさ。
「――やっぱり、嫌ですよね……こんな不自由を持った人は……」
 おいおいおいおい何でそうなる……。嫌な訳ないだろ? 君は俺が今まで出会った中では間違い無くトップクラスの華麗さだ。
 美少女という単語も君にこそ当てはまるべきだと私は本気で思うよ。
「じゃあ……何でですか? 貴方は彼女いないんですよね?
 私、今ここで襲われても何も文句はありません。寧ろ、嬉しいです。
 中出しだって構いません。私、赤ちゃん好きですから。
 強姦まがいだって」
 はい、止めようね。そんな事言うの。女の子がそんな事言っちゃいけません。
 ……はっきり言うけど俺は、まだ進路も確定してないようなニートで、だらしない男学内ナンバーワンだよ? 俺なんかよりいい男はいるんだからさ、そんな昔の事引きずってちゃ駄目だ。
「……分かりました。じゃあ最後に後ろ、向いてくれてますか? 渡したい物があるんです」
 ? 何だろう。まさか『私をプレゼント』みたいなパターぁああ!?
 
バタン!
 
「――貴方が、いけないんです……私は貴方が好きなのに……私には貴方だけしか居ないのに……大好きなのに……愛してるのに……!」
 
――バチッ! バチッ!
 
「でも……もう逃げられませんよ……ニート? 私就職決まっていますから、大丈夫ですよ……もっといい男? そんな男いませんよ……さぁ、これからずっと一緒……誰にも渡しません……。
 誰にも渡さない誰にも渡さない誰にも渡さない誰にも渡さないっ! 彼は……私のモノ……! 私だけのモノ……! ふふふ……あはははははははははははははははははははははははははは!」
 
……ちょっとひぐらし読みすぎたかな?
121名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 11:47:26 ID:V3u5y3cA
俺はこういうの好きだ
GJ
122名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 01:57:28 ID:76sK2CBQ
>>120
GJ!!
純愛ルートと強姦まがいに襲っちゃう鬼畜ルートも読みたいですw
123名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 13:11:01 ID:C7QWOrop
>>120
GJ!!
つ、続きは?続きはあるの?
124桐漱:2008/08/21(木) 02:36:26 ID:dRfgAJVz
●ヤンデレ一歩手前(精神不安定)ルート
 う……俺どうしたんだっけか……?
 気づいたら簡素な(最低限家具はある)部屋にいた。さっきまであの子と喋っていた筈だが、ここは……?
「あ、気が付きましたか?」
 問答しているとあの子が入ってきた。車椅子で来たということはこの部屋は一階だろう。
 手にはトレイに乗せた急須があった。
 ……渋いな。ここはティーカップだと思っていたのだが。
「だって貴方はお茶の方が好きでしょ?」
 何で知っているんだろうと考えながら手を伸ばす。が、手が動かない。
 驚いて自分を見た。縄で縛られている。解こうと動くが、体に力が入らない。
「あんまり騒がないで下さいね? 吃驚してお茶をこぼすの嫌ですから。まぁ、力が入らないでしょうからその点は心配いりませんが」
 淡々と告げる彼女の声を聞いて思い出した。俺は彼女と話していて急に痛みが来たと思ったら意識が遠のいて……。
「思い出しましたか? では再度聞きます。私を抱いて下さい」
 起伏の無い喋り方に冷や汗が出る。今俺は『何と』話しているのか誰かに問いたくなった。
「私は聞いているんですよ? 喋れない、なんて事は無いですよね?」
 ……抱いてとかふざけた願いなら却下だ。俺は――ドン!
 俺の言葉を遮ったのは信じられぬ事に銃声だった。硝煙の臭いと床に銃痕であろう穴がある。……本物だ。
「どうして? ねぇ、どうして? どうして私を見てくれないの? 綺麗って言ってくれたよね? 可愛いって言ってくれたよね? 貴方が言うからきっと本当の事だよね? じゃあどうして?
 ……あぁ、そっかあの売女だね? あの雌犬だね? 優しい貴方を惑わしているのは。害虫は駆除しなくちゃね? ふふふ……」
 笑う彼女は綺麗だったが、俺の知っている彼女の笑みでは無かった。
「待っててね。今駆除してくるから。夕御飯迄には戻ります」
 まるで買い出しに行くかのように言う彼女に恐れさえ覚えたが、ここで止めなくてはダメだと俺は心の中、自分を叱咤する。
「止めてくれ……。頼む! 人殺しなんて、止めてくれ!」
「……何、で?」
 そう言う彼女の目は怒り狂った獣のソレのようだった。
「あんなゴミに……! あんなゴミに! あんなゴミに! あんなゴミにぃ! 貴方は何で優しさをあげるの!? 何でっ!?」
 ――俺は何と言うべきか分からなかった。しかし、言わなくてはならない。彼女をとめるために……。
125桐漱:2008/08/21(木) 02:40:53 ID:dRfgAJVz
 ここでアンケート兼選択肢。
@:己の貞操より、他人の人命なので抱いてもいいから止めさせるよう交渉する。
A:どんな事であろうと軽々しく彼女とそんな関係にはなれないがどうにかして説得する。
 さぁどっち?
126名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 06:45:00 ID:bYlULLTT
ここは2だろう俺の趣味的に考えて
ということでwktk
127名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 18:11:16 ID:4ctN5fSf
間違いなく2だな
128名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 06:48:16 ID:c8zVc1yQ
今更ながら>>2の瞳シリーズに死ぬほど萌えた
エロがないことが逆に萌えることってあるんだね
他にこういうのないだろうか
129桐漱:2008/08/23(土) 00:33:33 ID:sSwDItKd
 少数ながらも希望の2で行きたいと思います。
 ちなみに題名はありません。元々小ネタのつもりですから。では、投下。
130桐漱:2008/08/23(土) 00:34:59 ID:sSwDItKd
 俺は怒り叫ぶ彼女へ何て声をかけたらいいか必死で考えた。
 何処かこの答えを間違えたら終わりだと俺の直感が警鐘を鳴らしていたからだ。
 考えろ……考えるんだ! クールになれ俺!
 だが、都合よく浮かぶはずもない。あの子の言うとおり抱いてやれば良かったのか……? いや、そんな事良いわけがない! しかし……このままでは……。
 待てよ……。
あの時、彼女は何て言った?
『「――やっぱり、嫌ですよね……こんな不自由を持った人は……」

『』
 そうか……君は……。
 ある確信に至った俺は彼女の名を呼ぶ。すると、彼女は叫ぶのを止めこっちを見た。
 これは賭だ。掛け金は俺。報酬は無し。確率はゼロに近い。こんな馬鹿みたいな賭、やりたくないがやるしかない!
「どうしても、殺すのか」
「うん、だって貴方を惑わすんだもん」
 先程までの清楚さはどこへやら、彼女はまるで子供のような口調で返す。それともこれが本当の彼女なのか。
「どんなに頼んでもか」
「うん。でも、私を抱いてくれたら考えてあげる」
「何度も言うが抱く事は却下だ」
 ピクリと彼女の銃を持つ右手が動いた。
 冷や汗が出るが怖じ気づいたらこの賭は負けだ。
「どうしてもお前が人殺しを働くというなら俺は舌を噛みきってでも死ぬ」
 そう言って舌を噛むのを見せる。そうすると彼女の顔は蒼白になった。
 よかった……。まだ彼女は狂ってない。予想通りとはいえ、安心する。
「だが俺だって死にたくない。お前は人殺しをしないと気が済まない。だから、条件を出そう」
 自分で言うのも何だが無茶苦茶な理論だ。だが今の彼女ならあるいは……。
「今から言う条件を呑んでくれたら俺はもうお前を止めたりはしない。自殺もしない。お前の言う通りにしてやる」
「! 本当!?」
 彼女はあからさまに喜んでいる。本当に子供のようだった。
「ね? 条件って何? 私、何でもするよ!?」
 さぁ、ここが山場だ。勝てば解放。負ければ一生奴隷ってか。
「条件は」
 ゆっくりと焦らず、宣告するように喋る。
「俺を、俺の足を――」
 ――頼む……正気に戻ってくれ!
「――その銃で撃て」
 彼女は何も言わなかった。否、何もいえなかったのだろう。何を言うべきか分からないのか、口をパクパクさせている。
131桐漱:2008/08/23(土) 00:37:00 ID:sSwDItKd
 暫くして彼女は体を震わせながら口を開く。
「――撃てば、撃てば、いいんだ……撃てば彼は、彼は、私に……撃てば、いい、んだ……撃て、ば……」
 それは俺にではなく自分に告げているのだろう。ブツブツと呟きながら何度も繰り返す。
 ――お前は本当は優しいんだよな? 本当に俺を想っているだよな? だからお前は迷っているんだ。俺を撃つことに。俺の『足』を撃つことに。
 気付いたんだ。お前は俺と結ばれたいから抱いて欲しいって言ったんじゃない。
 お前は俺を――優しくしてくれる人を独占したいんだろう?
 だから自分を捨てることさえ、誰かを殺すことさえ厭わないんだろう?
 確かに世の中にはいるよ。誰かに依存しすぎる余り、人殺しをするのも厭わない奴は。
 でもな、お前は一つソイツ等とは違うんだ。
 お前にはまだ理性がある。それが唯一の突破口だ。
 お前に俺は殺せない。当然だよな? 俺を殺したら誰が自分(てめえ)に優しさをくれるんだって事になる。
 彼女は未だに体を震わせながら呟ていた。目は虚ろぎ、焦点がまるであっていない。
 今、彼女は何を想っているのか。俺に知る術はない。ただ、正気に戻ることを祈るのみ。
 しかし、そもそもこの賭は俺が間違って死んじまえば、彼女は発狂してしまう可能性があるし、死ななくても開き直る可能性だってある。
 ではどうすればいいか? 脅すようにしても彼女が俺を傷付けず、尚且つ間違って傷付けても発狂しない箇所。

 『足』だ。

 彼女は足の不自由の大変さを誰よりも知っている。誰よりも分かる。
 だから足を撃つよう条件とすれば彼女はきっと思いとどまってくれる。
 だが、これは予想外だ。彼女は俺が思っている以上に足を失う事(はたまた俺を撃つ事か、その両方か分からないが)に対しての反応が大きい。
 もしかしたらこれは失敗かもしれない。彼女を苦しめ彼女を追い込んでしまったのか。
 俺は結局彼女を奈落の底へ突き落としてしまったのか……。
 畜生……畜生……俺は女の子一人助けられないのかよ! 畜生!
 
 
 
「――ごめんな、さい……」
 ふと、透き通るような声が聞こえた。顔を上げて彼女を見れば一筋の涙が流れていた。
 彼女の手から銃が滑り落ちる。鈍い金属音をたて床に落ちるも暴発はしなかったのは幸いだった。
 再び彼女を見ると彼女は静かに泣いていた。
132桐漱:2008/08/23(土) 00:38:43 ID:sSwDItKd
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
 撃たくなちゃ……撃てば彼は私のものになるんだ……撃てばいいんだ……足を……彼の足を……撃ったら……
 動かなくなっちゃうの……? 歩けなくなっちゃうの……? 私みたいに……私の足みたいに……。
 こんな足じゃ無かったら彼は私を見てくれたのかもしれない……私を選んでくれたのかもしれない……。
 その足をこの世の何よりも恨み、呪ったこの足と、この世の何よりも想い、愛しい彼を……彼の足を同じにする?
 あの苦しみから助けてくれた彼を苦しめるの?
 あの寂しさから助けてくれた彼を苦しめるの?
 か れ を く る し め る ?
 嫌、だ……嫌だ……! 彼を傷つけるなんて……! 彼を苦しめるなんて……! 嫌だ、嫌、いやああぁああああああ! 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
――うてばかれをたすけられる
――うてばかれをくるしめる
――わたしは……わたしは……かれを……どうしたいの……?
 ねぇ……だれか……おしえて……どうしたらいいの……こわいよ……くるしいよ……たすけて……。
 もう……くるしいのはいやだよ……たすけて……たすけてよ……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 しきりに何かを呟く彼女は明らかに異常だった。
 俺は彼女に近付くためにまずこの鬱陶しい縄を解く。
 時間が経った為か力が入るようになった俺は体に力を込め、やっとのことで縄から抜ける。
 彼女に近付く。ピクリとも動かない。
 呼びかける。反応が無い。
 体に触れる。小さな呟きが聞こえる。
「……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
 ごめんなさいと仕切りに謝る彼女はとても悲しかった。
 誰に謝っているのか。誰か――答えは一つ。俺しかない。俺が彼女をこうしてしまった。俺が彼女を追い詰めたせいでこうなってしまった。
 俺のせいだ……。
 罪滅ぼしのためか俺は彼女を抱き締める。
「ごめんなさ「――すまない……本当にすまない……お前を苦しめるつもりは無かったんだ……許してくれ……もう謝らないでくれ……悪いのは俺なんだ……頼む……戻ってくれ……」
 こんな事で彼女が助かる筈も無いのは分かるが俺はずっとこうしていた。
「……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「……戻ってくれ……謝らないでくれ……許してくれ……笑ってくれ……! ――りん……!」
133桐漱:2008/08/23(土) 00:40:15 ID:sSwDItKd
「――りゅう……さん……?」
 初めて口にした彼女の名前。たまたま覚えていた彼女の名前。それが奇跡を起こしたのか。
彼女が俺の名前を呼んだ。彼女が、戻ってくれた。
「りん……! りん! すまない! りんを俺は……! 俺は……!」
「りゅう、さん……なまえ……私の、名前……もっと、呼んで……」
 あぁ呼んでやる……! それでお前が笑ってくれるなら何度だって呼んでやる!
「りん……! りん! 凜!」
「柳さん……ありが、とう……ありがとう……」
 俺は何度も彼女を呼んだ。彼女――凜は俺の背中に腕を回して抱きついて来た。ソレを感じた俺は抱き締める腕を強くする。
「柳さん……私、貴方に酷いことをしてしまって……本当にごめ「謝るな! 謝らないでくれ! 俺がお前を追い込んでしまったのが悪いんだ!
 だから……頼む……謝らないでくれ……! もう、凜の悲しい声は聞きたくないんだ……」
 もしかすると俺は泣いていたのかもしれない。凜はそんな俺の頭を撫でてくれた。撫でる手はとても暖かった。
「……私は貴方に酷いことをしてしまいした。だからもう二度と貴方の近くに寄りません。ですが、どうか……どうか私の最後のお願いを聞いてください」
 凜はやや悲しげな顔をしながら俺を見据える。
「……柳さん、私貴方が好きです。大好きなんです。烏滸(おこ)がましいのは分かっていますが、許されないのは分かっていますが言わせて下さい。
 私は貴方を愛しています。この世の誰よりも愛しています。だから……ごめんなさい。愛しているのに傷付けてしまって、本当に……ごめんなさい……」
 謝りながら彼女は泣いていた。そして、彼女は背中へ回した手を離す。
 今まで包んでいた温もりが外気によって奪われていった。
「貴方を傷付けてしまって、貴方の恩を仇で返してしまって、本当にごめんなさい。許してくれとは言いません。ですがせめて貴方に本当の恩返しをさせてください。
 何でも言って下さい。何でもしますから。どんな事でもしますから。お願いです。私は貴方に……柳さんに助けられてばっかりなのに、何も恩返しできないまま、私は貴方と別れたくはありません」
 
134桐漱:2008/08/23(土) 00:43:52 ID:sSwDItKd
 俺の今この気持ちは誰もが分かってくれるだろう。
 そう、この可愛らしい凜を俺はとてつもなく愛しく感じた。その想いを伝えるべく俺も彼女を見据える。
「傷付けた? お前の苦しみに比べたら何でもない。
 恩を仇で返した? んな仇、俺は知らん。
 俺が望むのは唯一つ。お前が、凜が欲しい。俺は凜を好きになった。愛しくなった。これからずっと一緒にいて欲しい。離れないで俺の傍にいて欲しい。こんなぐうたらだが絶対お前を幸せにしてみせる。
 ……だから俺と付き合って下さい」
 そう告げると凜は顔を真っ赤に染めた。
「で、でも! 私、足が「俺が介護する。家事だって俺も出来る。不自由にはさせん」
「他に可愛い子は一杯いるし……」
「最初に何つった? お前はトップクラスに可愛い。特に今は最高級に可愛い」
「……また、また貴方を傷つけちゃうかもしれないよ!? 嫌でしょ!? そんなの!」
「そん時は俺が全力でお前を助けてやる。例えどんなに傷付いても、俺はお前を愛してやる」
 我ながら調子の良いことを言ったもんだと思ったがこれは俺の本心だ。嘘、偽りのない、な。
「……りゅうぅ……ひっく……う……うわぁああぁああああぁぁああん!」
 急に彼女はしがみつき、泣き出した。
「……ひっく……一緒にいて……ひっく……いいんだよね? 傍にいて、いいんだよね? ずっと……ずっと一緒だよね?」
「あぁ……勿論だ……!」
 今度は俺が凜の頭を撫でる。凜の髪をすくと何だか癖になりそうな感じがした。
「ふふふ……りゅーう……大好きぃ……」
「俺も……大好きだ……凜」
 俺達は抱き合ったまま二人でベットに向かい、そのまま(何もせず)横になる。
 これから前途多難かもしれない。何たって俺はだらしない男学内ナンバーワン。怪我の一つや二つは覚悟しとこう。
 だがま、今はこの温もりをしっかりと味わうことにしようか。
135桐漱:2008/08/23(土) 00:50:22 ID:sSwDItKd
後書き
 ……アレ? 小ネタじゃない……エロがない……アレ?
 えぇっと、これは……その……そう、純愛にするための仕様だと思って下さい。今度は入れますから……はい……頑張ります。
 続くの、かな……? 個人的には書いてみたいけど……エロ少ないし……ま、要望あればやってみます。
 では、私は>>1さんへの花束を持ってお見舞いに行ってきますノシ
136名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 01:43:58 ID:FPcKzvTf
>>135
待ってましたGJ!!


欲を言えば、二人のこの先も読みたいな…
137名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 18:41:16 ID:gTKWnrqv
このスレ的にはビっ子さんとか大人気だろうな
138名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 20:26:27 ID:lbpVWFUg
ビっ子さんって娼婦なんだっけ?
あとタバコ吸うよね
実はそこまで好きではない
139桐漱:2008/08/24(日) 23:02:05 ID:IdfCIZqf
 ビッ子さんって何? 検索したけど画像しか出てこない。
140名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 03:52:11 ID:x36HVjjy
>>137
正直アレでやられた…

>>139
普通にググって出てこない?
141名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 02:40:59 ID:cvj2cPkO
保守
142名無しさん@ピンキー:2008/09/02(火) 18:27:41 ID:rkbwLoxb
>>120
GJ!
こんなのを待ってた!!!!
143名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 04:02:38 ID:NxVUtcX/
>>135
>>126でリクエストしたくせに見るのが遅くなって正直すまんかった
だがGJしたい気持ちには誰にも負けないくらいある
だから、GJ!

えろ?そんなもの話のおまk(ry
嘘ですこの2人の超読みたいです。
でも無くてもこの2人なら超読みたいです。
つまりはこの2人の続編希望してます。
144名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 14:33:36 ID:WM5qOpE2
自分もビッ子さん見てきた
設定は好きだけど顔が好みじゃなかったな
145桐漱:2008/09/11(木) 22:00:09 ID:vwEKVsU0
 SS、出来ました。以上。
146桐漱:2008/09/11(木) 22:01:03 ID:vwEKVsU0
 ただいま〜。
――カチャ
「動かないで下さいね」
 金属音と同時に額に突きつけられる銃口。そして妻の非情な命令。
 ……帰ってきて早々ホールドアップとは一体何事だ。
「ふふふ……何事だと思います?」
 見に覚えがない。
「本当に?」
 あぁ
「じゃあコレは何ですか?」
 そう言って妻は一枚の写真を見せてきた。そこには俺と一人の女性が並んで歩いているのが写っていた。その女性はこの状況から解ると思うが妻ではなく、背が低く年は見た目20±2ぐらいだろう。という女性だ。
「さ、ただハいてもらうのも何だし、ゲームをしながらしましょうか」
 妻は手に持っている一丁、腰から一丁、更に車椅子から一丁出す。
 ちなみに妻の持っているのは、SAAというどこぞの山猫が使ってそうな代物だ。
 そして、某少佐よろしくその銃でジャグリングを始める。
「まずは……この女がどこに住んでいるのか教えてもらいましょうか? あ、勿論聞いてないことは言わなくて結構ですからね?」
 ヤバい……完全にキレている。選択肢が一気になくなっってしまった。『後に悔いる』から『後悔』何だなと改めて実感する。
 とりあえず妻の質問に答えることにしよう。〇〇県〇〇市〇〇だ。
「……では彼女とはいつ頃知り合ったのですか?」
――カチンッ!
 質問すると同時に引き金は引かれ、空ぶった撃鉄の音がする。
 ちょっと待てお前はご――カチンっ!
 俺が四歳の時からですからこれ以上引き金を引かないで下さいお願いします。
「大丈夫ですよ。一発しか入ってないんですから」
 せめてそこは嘘でも良いので入ってないって言ってくれ……。
 嫌な予感というか俺の第六感が危険だと叫んでいる。
「次の質問です。あの女とはどこまでいきましたか?」
――カチンっ!
 うっ……キスすらしてませんっ。
「よろしい。では他に彼女のような関係はいますか?」
――カチンっ!
 だんだん慣れてきた自分が怖い……。はい、いません。つーか浮気なんてしてな――カチンっ!
 もうやだ……。
「最後です。彼女の名前は?」
 どうやら俺が答えるまで引かないつもりだろう。そのせいか、答えるタイミングを見失った。
「どうしたんですか? 言いたくないんですか? 言いたくないなら言いたくないで結構ですよ。私が必ず見つけてあげますから……ふふふ……」
 
147桐漱:2008/09/11(木) 22:01:48 ID:vwEKVsU0
 ちょ、ちょっと待――カチンっ! カチンっ!
「でもなるべく貴方の口から聞きたいですからね……名前は 何 で す か ?」
 ……そいつの名前は城島さやか……俺の妹だ。
「え……?」
 連絡もせず、上京してきたんだ。俺に道案内をしろとまで言ってきてな。
 我が儘な奴だとは思いつつ何せ兄妹だ。昼休みを利用して近くの店で昼飯を奢ってやったんだ。
 この写真はその帰りだ。
「……ごめんなさい」
 そう言って妻はジャグリングを止め、俯いてしまった。
 まぁ、今日は発砲しなかったし、そんなに怒ってないからさ。
 だが今度からは俺の言うことを少しは聞いてくれ。心臓に悪い。
「うん……ごめんなさい」
 さ、飯を食うぞ。ほら、手を出せ。
「うん……」
 おいおい、元気出せよ、な?
「うん……」
 ……今日久しぶりに夜の運動をしようと思うんだが、俺の要求聞いてくれるか?
「うん……って、え?」
 よし、じゃあとっと食うか! 夜が楽しみになってきたな〜。
「ず、ずるい!」
 何とでも言え。もう約束したんだからな。
「うぅ……お願いだから、以前みたいなのは止めて……」
 却下だ。さて……まずはこれを今すぐ、これをやってもらうかっ!
 
一、王道の裸エプロンで羞恥プレイ。
 
二、女体盛りでマニアックな羞恥プレイ。
 
三、バイブでじらしながらの放置プレイ。
 
四、挿入したまま食事をする、かなりマニアックな放置プレイ。
148桐漱:2008/09/11(木) 22:11:35 ID:vwEKVsU0
 私、桐漱は、他の職人さんを待っています。
 いつ、誰が、投下してくれるのかはわかりません。
 ただひとつ判る事は、このスレが過疎っていると言う事です。
 どうしてこのスレが過疎っているのか、私にはわかりません。
 これを読んだあなた。どうかSSを投下して下さい。
 
 それだけが私の望みです。
 
       桐漱
149桐漱:2008/09/11(木) 22:15:57 ID:vwEKVsU0
>>140さん
 絵は出てくるんですが……。
>>142>>143さん
 感想ありがとうございます。
 このスレの趣旨上、やはりエロは大切だと思うので……何とかエロを書いてみます。そのためにもアンケートを……。
150名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 09:55:38 ID:0bmczIk1
規制解除ktkr

>>145-149
GJ!!!1!!1
続編ハァハァ
アンケートはやっぱり一だろ俺の趣味的に(ry
四も捨てがたいがやっぱり一が萌ゆる
151名無しさん@ピンキー:2008/09/18(木) 20:59:39 ID:OpnC9vWC
4だ。

4に決まってる。
152名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 03:06:42 ID:P3A2rsCD
自分は4かな
153名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 10:47:58 ID:tfhdYAzJ
4を選ばざるを得ない
154名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 21:11:43 ID:bDU1axqN
このスレ的にセックスボランティアってどうなん?
155桐漱:2008/09/30(火) 08:15:12 ID:BSI0JstS
 朝早い方々おはようございます。
 さてさて、通勤時間を利用して書いていたのだが漸く終わりました。
 ちなみにシチュエーションは『挿入したまま食事』です。では、どうぞ。
156桐漱:2008/09/30(火) 08:17:10 ID:BSI0JstS
「ぁ……りゅ、柳さん……」
 我が愛しい妻が顔を真っ赤にし、上目遣いで俺に尋ねてきた。勿論、それだけでも充分可愛いのだが、今この状況を楽しまずして何時楽しむ事にしよう。
「ん〜〜何だい? 凛」
 わざとらしい口調で妻の名前で返答する。ベッドの上で呼んでやるように。
「んっ……柳さん……も、もう……」
――ジュリ……
 そう言って妻は(足が不自由なために手を支えにして)動かそうとする。
 当然、そんな事はさせない+虐めたくなるので意地悪をついついしてしまうのだ。
「だ〜〜め」
――グチュウ!
「ひぁああ!」
 浮いた腰を手で押さえつけ、沈ませる。妻――凛は突然の強い快感にやや失神気味だ。
「はぁ……はぁ……りゅうさぁん……はぁ……なんでぇ……」
 それは凛が嗜虐心を煽るからさ。と内心のろけてみた。
 さて、物分かりの良い人は気づいたのかもしれないが、今凛は挿入状態で俺の腕の中にいる。
 格好はTシャツ一枚で下は何も履いていない。しかし、少し大きめのTシャツは挿入しているところを微妙に隠している。これが余計にエロさを醸し出しているのだ。
 ちなみに靴下は履いている。これは譲らない。
「今回は我慢が出来ない凛の為に、我慢強くする訓練何だから俺が食べ終わるまで駄目なの」
 まぁ、半分本当だから嘘は言ってない。だからセーフ。
「じゃ、じゃあ……早く食べ終わってください……」
 そう言って、凛は俺に先程より強く抱きついてきた。
 足が不自由な凛は足で支えるという事ができないので、必然的に俺に抱きついた体勢になってしまう。
 そうなると大きすぎず小さすぎずの凛の胸が俺の体に押し付けられ、思わず襲いたくなったがぐっと我慢する。うん、俺偉い。
「はいはい」
 無論、そんな気はないし、俺は意地悪なのである。故に、
「あ、醤油」
「ひぅっ! あ、あんまり動かないでぇ……」
醤油を取るふりをして腰を動かしたり、
「ほら、凛も食べない?」
「ぁああ!? いき、いきがぁ……」
わざと耳に息を吹きかけてみたり、
「おっと、手が滑った」
「ひゃぁんっ! わ、わざとしないでぇ!」
コップの中にあった水を背中に垂らす等々をして凛の反応を楽しむのは仕方のないことなのだ。
「……りゅうさん」
「ん?」
 あらぬ方向を向いて物思いに耽っていると、急に凛が呼んできたので俺は凛を見る。
「りゅうさん……」
157桐漱:2008/09/30(火) 08:20:15 ID:BSI0JstS
 凛はとろーんとした上目遣いで焦点がギリギリ俺に向けられた。口は半ば開いたまままるで食事を待つ雛のようにこちらを向いている。
 物欲しげにこちらを見る凛はそれだけで理性の壁を破壊してくる凶器そのものであるかのように感じられた。
「私、もう……」
 凛は雀が鳴くように小さく、しかしよく聞こえる透き通った声で俺の胸に寄りかかった。
 凛の手は段々と艶めかしい手つきになり、腰はわずかにだが確かに上下へと振り、かつグチャグチャと水音を立たせながら更には熱い吐息をこれでもかと俺の胸板に吹きかけてくる。
 よく保ったなと思うほど俺は今まで襲わなかった自分を誉めたくなった。
「おねがい、りゅうさん……もう、がまんできないの……うごいてよぉ……りゅうさぁん……」
 凛は本当にギリギリの状態らしい。だが飯が食べ終わるまでという約束だし……どうしよう……。
 
一、我慢するけど食い終わるまでは無理でした。つまり何が言いたいかというとデザートをいただきます。本当にありがとうござ(ry
 
二、まだだ! まだ(躾は)終わったわけではない! でも耐えるのは無理だから今すぐベッドへ直行。しかし躾は続き、その間愛撫で寸止めしながら。つまりS全開。
 
158桐漱:2008/09/30(火) 08:22:31 ID:BSI0JstS
 以上。朝早く失礼しました。
 誰か他にも書き込んでくれないかなぁ……。孤軍奮闘はカッコイいけど出来ればやりたくないシチュエーションだと、私は思います。
 では因果の交叉路でまた会いましょうノシ
159名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 00:55:25 ID:4VrxtuNl
U!弐!2が良いッス!
160名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 22:12:30 ID:sAUNJZ7Z
>>111の続きが気になる・・・
161名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 08:01:25 ID:bi0jzEn3
保守
162名無しさん@ピンキー:2008/10/30(木) 19:03:27 ID:9MSCODz5
保守保守
163名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 02:16:30 ID:6hKnEBxr
車椅子以上の障碍になるとちょっと抵抗あるな。
164名無しさん@ピンキー:2008/11/08(土) 20:54:18 ID:1okGFRWN
>>153
今更とか言われるかもしれない。
だがあえて言うなら2だろ俺の趣味的に(ry
165名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 23:44:41 ID:CszGYdpb
166名無しさん@ピンキー:2008/11/10(月) 23:45:36 ID:CszGYdpb
>>163
精神障害もありなんだぜ
167名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 08:06:25 ID:DEWcJzie
保守
168名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 18:01:12 ID:wPzu48fk
age
169名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 02:58:29 ID:u1moM05f
保守
170名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 13:33:26 ID:w3i7HGyI
ほっしゅ!

以前別のスレで投下したやつをこっちに張るのっていいのだろうか?
171名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 13:44:02 ID:WPCpejnC
>>170
自分で書いたなら別にいいと思うけど、どうせなら改稿やらなにやらしてみた方がいいんじゃないか?
172名無しさん@ピンキー:2008/12/05(金) 13:47:33 ID:w3i7HGyI
>>171
おk
ちょいと頑張ってみるかな
173名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 07:41:07 ID:IU9Q8KMt
投下期待
174繋がるんじゃね?:2008/12/12(金) 14:08:33 ID:f2Jvsev7
お待たせしますた。
投下してみま。

元のスレって記載しておいたほうがいいのかな?
175ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:10:05 ID:f2Jvsev7
どこかでひぐらしが鳴いている。
もうすぐ夏が終わるのだろう。
彼女は今日も元気でいるだろうか。
元気でいてくれないと困るのだが。

そんなことを思いながら、俺は果実の手入れをしていた。
手入れといっても、水をまいて虫がついていないか簡単にチェックするだけだが。

「ん。もうすぐだな」
ひとりごちる。
スターフルーツは9月の上旬には実が熟す。
実が熟せば熟すほど黄色に変わる。

長かったと言えば長かった。
インターネットで調べてみたり。
専門雑誌を漁ってみたり。
得意なやつにアドバイスをもらったり。

小さな苗からはじめて、
もうすぐ食べられるまでに成長した。
彼女は喜んでくれるだろうか。

「・・・・・・と。時間か」
感慨に浸っていたら時間になってしまった。
「絵の具、画用紙、パレット、キャンバス……よし、準備完了」
必要なものを確認して、かばんに詰め込む。
俺のじゃない、彼女の物だ。
「さて、行くか」
かばんを背負い、自転車にまたがって。
山の上にある病院を目指して走り出した。







「はぁ、はぁ……」

何の悪意があって山の上になど病院を建てたのか。
お年寄りが大変だろうに。
自転車から降りて走り出す。

「あと……もうすこし……」
病院は見えている。
目が悪いから彼女は見えないけど。
彼女の病室も確認できる。
……窓だけど。
もうすぐ終わるはずの夏も。最後のあがきなのか。
普段より気温が高い。
セミの鳴き声がうるさい。
176ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:14:07 ID:f2Jvsev7
『スターフルーツ?』
『ん』
『なにそれ?』
『果物』
『ふーん……食べたいのか?』
『願い事』
『願い事?スターフルーツに?』
『お星様』
『おま』
『……だめ?』
『……手術』
『?』
『手術はいつ?』
『わかんない』
『それを食べるのは?』
『わかんない』
『……わかった。その代わり時間かかるぞ』
『?』
『作ってして持ってきてやる。取れたてしんせん。誰も願ってないやつ』
『ん』
『そのかわり―――』
『ん』



ガキの頃に結んだ小さな約束。
自分でも律儀だなと思う。
そんな約束、すぐに忘れてしまえるのに。
たぶん、お願いをした本人も忘れているだろう。
それでも俺は、あの約束を守ろうとしている。
頑固なのか、臆病なのか。
……あの日からずいぶんと経った今も、
俺はまだ答えを得ていない。
177ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:19:25 ID:f2Jvsev7
そんな感傷に浸りながら、俺は病院にたどり着いた。
医療施設特有の、消毒液の香りが鼻につく。

503号室。
それが彼女の部屋。

コンコン。とノックをして

「はろー」
部屋のドアを開けた。

「……遅い」
彫りの深いはっきりとした顔立ち。
寝ていれば確実に『眠りの森の美女』と名付けられるだろう容姿。
十中八九美人と言われるだろう彼女―――柘榴は不機嫌だった。
俺の遅刻が原因だけどさ。
「悪いな。坂に負けた」
疑り深い目で見られている。
ホントだよ。あの坂がなければ2.3分は余裕だった。
「……絵の具」
「はいはい」
絵の具一式の入ったかばんを見せる。
専用ケースのため、多少荒く使っても中身は崩れない。

「彗」
「どうした?」
「……屋上」
「屋上?」
「ん」
「マジ?」
「マジ」
「……冗談がきつい」
またあの地獄に戻るのか。
「だって暑いだろ」
「雲」
「雲?なんかいいのあるのか?」
柘榴の視線から見えるよう顔を寄せる。
ガキの頃からやってきた動作だ。いまさら何言われようと……な。
「クジラ」
腕を伸ばし大きい入道雲を指した。
「クジラか。確かにここからじゃ見ずらいな……」
「見ずらい」
「……日傘あるか?」
「ある」
「あいよ。車椅子借りてくるから待ってろ」
「ん」

柘榴の返事を聞きながら病室を出て、近くの看護師さんに車椅子を貸してもらった。

どうしてここまで出来るかって?
数学より簡単だ。
おれ―――星夜彗は樹柘榴のことが好きだからさ。
178名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 14:22:38 ID:f2Jvsev7
***

「ガーネー」
「んー?」
「まーだーかー?」
「まーだぁ」

残暑?猛暑の間違いだ。

車椅子にキャンバスを載せて絵を描く柘榴。
言い忘れたけどガーネットの和名が柘榴石なのな。
幼い頃に教えてもらった小さな秘密。
それ以来おれは柘榴をガーネと呼んでいる。

「すーいー」
「んー?」
「暑いー」
「ん、わり」

そんなことを考えている間に、日傘がズレたらしい。
あわてて角度修正。

「ガーネー」
「んー?」
「のど渇いた」
「んー……」
「はらへったー」
「んー……」
「飯の時間だー、帰るぞー」

屋上で過ごすこと約三時間。
階段を上る途中に発見したパイプ椅子を失敬した。
椅子に座りながら傘を差し続けているが、いい加減腕がつらい。
それに、これ以上居続けると看護師さんに怒られる。
179ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:25:38 ID:f2Jvsev7
「ダメ」
「おいおい……」
「クジラ……」

入道雲を眺めてみる。
クジラと判別しにくくなっている。

「形変わってるだろ……」
「ギリギリ」
「……あと5分だけな」
「んー」

普段表情を見せないガーネが少しだけ嬉しそうな顔をしていた。

(俺も安いな……)

心の中でため息をつきながら、空を見上げる。
入道雲以外は何にもない青い空。
吸い込まれそうな……とは誰が言ったのだろう。
今なら共感できると思った。

「すーいー」
「ん?」
「終わったー」
「あいよ。病室戻るか」
「ん」

ようやく終わったらしい。
パレットと筆を受け取り日傘を渡す。

「後でやるのか?」
「やるー」
「ん」

ならしまう必要はないな。
絵の具一式は階段の近くにおいておけばいいか。

「ちょっと待ってろなー」
「ん」

いつもと変わらない会話。
いつまでも変わらない会話。
彼女はこの日常をどう思うのだろうか。
180ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:29:13 ID:f2Jvsev7
半身不随。
彼女の足はもう動かない。
小学校の頃、車にはねられて病院に運ばれた。
脳出血とわかり、緊急手術が行われた。
必ず快復する。
そんな思いは簡単に裏切られた。
「残念ですが……快復の見込みはありません」
ドアが少し開いていた診察室から聞こえた嗚咽。
彼女の母親が泣いていた。
柘榴の病室を知らなかった俺は、母親から聞こうと思っていた。
看護師さんから診察室にいると聞いた。


そこから先の記憶はない。
ショックだったのだろう。
気がついたら彼女の隣のベッドで寝ていた。

彼女はまだ目覚めていなかった。
ベッドから飛び降り、そっと彼女の近くによる。

彼女の右手を両手でそっと包んだ。
温かいけど冷たかった。
涙があふれてきた。

病室にいるのはおれと彼女だけだった。
声を殺して泣いた。


それから俺が泣いた記憶はない。
いや、泣く資格などないのだ。

だって彼女が事故にあったのは―――
181名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 14:38:42 ID:f2Jvsev7
「彗?」
「……ん?ああ、わり。ぼーっとしてた」
「…今日の彗、なんか変」

表情には出さないが、俺を心配しているのだろう。

「いつもどおりだ」
「……ん」
「おいおい。否定してくれよ」

苦笑交じりに言った。

「いつもどおりだ」
「…鸚鵡返しか」
「ん。おなかすいた」
「あいよ。戻るか」

階段の近くまで車椅子を押して。

「ほら、乗っかれ」
「ん」

こっから先はおんぶだ。

「ん。よいしょ」
「……じじくさ」
「…よぉばぁさんや。飯はまだかね」
「……」
「いて!こら。殴るな! 」
「知らない」

自分から振ったくせに、機嫌を損ねたらしい。
面倒な性格だ。


「彗」
「…ん?」
「……ごめんね」
「…気にするな。いつもどおりだ」
「……ん」

きっと、なんでぼーっとしたのか分かったのだろう。

「急ぐぞ、お前の飯がなくなる」
「ん」

後悔の念を振り払うように、階段をおりた。
182ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:42:32 ID:f2Jvsev7
「ご馳走様でした」
「ご馳走様でした」

俺はコンビニで買ったおにぎり。
彼女は病院食。

休みの日は二人一緒に病室で食べるのが通例になっている。
かといって、食事中に喋ることはない。
どちらもよく喋るほうではないし、彼女のほうは基本やることが決まっている。
俺の学校生活はソロであることが多い。
昼飯は屋上で静かに、休み時間と授業中は睡眠。
前者はともかく後者は病気のためだ。

ナルコレプシーを知っているだろうか?
睡眠障害の一種で『居眠り病』『過眠症』などと言われている病気の一種だ。
この病気は時間場所問わず眠気の発作に襲われる。

ナルコレプシーにかかったのは、たぶん事故があったあの日以降から。
精神または神経の異状による病気。

精神系の病にやられるのは道理と言うか必然と言うか。

…いや。
きっと、俺が弱い。
ただそれだけの話なのだろう。
183ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 14:45:47 ID:f2Jvsev7
「彗」
「ん?」
「あれ」

彼女は窓から見える空を指差す。
入道雲しかなかった空が、だんだんと暗くなっていた。

「雨か」
「雨だ」
「絵の具そのまんまにしなくてよかった」
「よかった」

絵の具じゃなくて紙だが。

「とりあえず持ってくる」
「ん」
「ついでだからなんか買ってくる。なんか欲しい物あるか?」
「……ジャンプ」
「りょーかい」

おにぎりの包みを袋に入れて。病室を出る。
まずは屋上へ絵の具一式を回収しに。
184ほしふるーつザクロ:2008/12/12(金) 15:00:33 ID:f2Jvsev7
病室を出たとたん。

「ふぁ〜・・・」

あくびが出た。
発作だ。過眠症の。

動いている間はどうにでもなる。
ガキの頃から培ってきた結論。
椅子に座るなり止まるなりしたとたんに眠気に勝てなくなる。

「はやく終わらして寝るかな」

食後に薬を飲んだが、遅効性だ。
眠ってしまえば意味を為さない。


階段を上り、屋上を目指す。
絵の具一式を丁寧にしまい、次は購買へ。

歩いていても眠気は治まらない。
寝ないだけだ。眠くなくなるわけじゃない。

ジャンプを買って病室へ向かう。
外は見なかった。ぶっちゃけ気付かなかった。
雨はもう降り出していた。
185名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:04:49 ID:f2Jvsev7
「ただいま」
「おかえり。遅い」
「絵の具片付けてたんだって」
「……ん」
「ほら、機嫌悪くするなって。ジャンプ買ってきたから」
「……ん」

ジャンプが入っている袋を渡し、ベッドに腰掛ける。
長くて細くて癖のない髪。くしゃくしゃになるように頭をなでた後、
手櫛で綺麗に整えるのが好きでさ。

「……」

彼女も嫌がらない。
まぁ、向こうがやってくれって言ったんだし。

「ガーネ」
「んー?」
「少し寝る。雨が止むか5時になったら起こしてくれ」
「りょーかい。彗」
「ん?」
「こっち」


腕を使って体をずらし、ベッドを半分ほど空ける柘榴。
186名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:07:02 ID:f2Jvsev7
「いや、いいって」
「ダメ。風邪引く」

ガキの頃はよくやってたけど、今はちょっと……

「あれこれ考えない」
「……すまね」
「気にしたら負け……膝枕する?」
「流石に……それは」
「……ん」

靴を脱いでベッドに入る。
彼女のぬくもりが落ち着かなくなると思っていたけど。
逆にすごく安心する。


眠くなったらすぐに家に帰る。
それが基本だった。
天気予報は毎朝確認してるから、傘が必要な日もわかってるつもりだった。
今回は外れたらしい。

外れてもそんなに酷い雨じゃないから自転車を走らせて帰ってしまう。
だが、いまさら気付いた。

嵐だ。


いっそ清々しいくらいの豪雨だなー。
明日は晴れるといいな〜
……じゃなくて。

「あーあー……帰れるかな」
「お泊り?」
「それは無い……たぶん」

まぁ、眠け限界。

「んじゃ、よろしく」
「ん。おやすみ」
「おやすみ」


限界だったらしい。
彼女に返事をした後、俺はすぐに意識の闇に落ちた。
187名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:12:35 ID:f2Jvsev7
***

「ザク……ガーネー。まーだー?」
「もうちょっと待ってー!」
「早くー」


今日はみんなと近くのこうえんであそぶんだ。
でも、ザクロ…じゃなくてガーネのじゅんびがおそい。

「早くしないとザクちゃんって呼ぶぞー」
「やだぁ!」
「早くー」

ガーネはほんみょうなのにザクロってよぶのがキライなんだ。
ほんにんは、
「だってザクロは苦いんだよ?果物なのに。苦いんだよ?」
って言ってた。

「おまたせ!」
「おーそー……」
「?」

ビックリした。
いつもはズボンとか男の子っぽいものしかきないガーネが。
ワンピース着てる。
ものすごくおひめさまみたいで……

「すいちゃん?」
「うわ!」
「どうしたの?」
「な、なんでもない!」
「……変なの」

お顔があつい。
でも、しかたないよね。

今のガーネ。
ものすごくかわいいんだもん。
188名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:15:34 ID:f2Jvsev7
「は、早く行こう!みんなが怒っちゃう!」
「うん!」

ガーネと手をつなぎ、公園に向かって走り出した。


こうえんまでもう少しのところに、アクのダイマオウがある。
こいつは、もうすぐのところで行く手をふさぐ悪いやつだ。
その名はアカシンゴウ。俺のテンテキだ。
この前ガーネに言ったら笑われた。

「むぅ、マオウめ」
「仕方ないよ。それに魔王って言うのやめない?」


ガーネの言葉をムシして、いつまでたっても青にならない信号をにらむ。
こうなったら!

「だーっしゅ!」
「あ!」

車は通ってなかったし一気にわたっちゃおう。
いつもやってることだし今日も大丈夫。


「ほら、ガーネも早く!」
「えぇ!?でもお母さんが赤の時はわたっちゃいけないって」
「早くしないとおいて行っちゃうぞー?」
「でもー……」
「大丈夫だって、車通ってないから。」
「……よーし!」

深呼吸するガーネ。
そこまで気合入れなくてもいいのに。

「えーい!」

ガーネが走ってこっちにきた。





信号の先にはカーブがあって、昼間は車どおりが少ない。
丁度この先もカーブが続き、規制がなかった頃は、走り屋のスポットだった。
走り屋が悪いのか、俺達が悪いのか。
どっちも悪かったのだろう。
スポーツカーがカーブを走ってきて……


彼女を撥ねた。
189名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:20:54 ID:f2Jvsev7
目を開けると、視界が歪んでいた。
泣いていたんだと、気付くのに時間はかからなかった。
俺に泣く資格など無いのに……

子供の頃は毎日のように見ていた夢。
毎夜の如く襲いかかってきた悪夢。
いつのまにか、もう飛び起きたりしなくなっていた。
慣れたのか。擦れてしまったのか。
きっと、どっちもなのだろう。


体を起こそうと思ったが起きられなかった。
いつの間にか、俺は彼女に抱きしめられていたから。

「夢を見たの?」
「……ああ」
「あの日の?」
「……ああ」

あふれる涙は止まらなかった。

「俺があの時お前を急かさなかったら……」
「そうだねー」
「俺があの時ちゃんと信号を待っていたら……」
「そうだねー」
「……ガーネ」
「んー?」
「お前は、俺を恨んでいるか?」
「んーん」

彼女を見る。
彼女も泣いていた。

「何故?」
「だって……」

彼女は泣いていながらも、向日葵のような笑顔で言った。
190名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:24:08 ID:f2Jvsev7
「すいは、いつも一緒にいてくれた」
「……」
「自分の用事があっても、私を優先してくれた」
「……」
「私が行きたい場所は、無理してでも連れて行ってくれた」
「……
「いつだって私を一番に考えてくれた」
「……」
「すい」

彼女の腕に、力がこもる。

「私はね、すいが好き」
「!……」
「あの事故の前から好きだった」
「……」
「そして、私は今もすいが好き」
「……」
「だから、私の足で心を痛めないで」
「……ガーネ」
「……んー?」
「俺は……お前のことが好きでいていいのか?」
「違うよ」

顔が真っ赤に、涙を流しながら、それでも向日葵のような笑顔を絶やさず。
彼女はこう言った。


「ずーっと、私のことを好きでいてほしい」

俺もきっと、顔が真っ赤のはずだ。
顔が熱い。きっと顔は茹でダコになっている。
191名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:25:03 ID:f2Jvsev7
「……ガーネ」
「んー?」
「キス……していいか?」
「ダメ」
「……」
「ちゃんと告白してくれなきゃダメ」
「…ガーネ」
「んー?」
「お前のことを……愛している」
「ん」

そっと、自分の唇を彼女の唇に乗せた。
そっと、彼女を抱きしめた。

「ファーストキスだ」
「俺もだ」
「……すい」
「ん?」
「セックス……してくれる?」
「……やだ」
「……」
「……こうゆうのは、男から言わせろよ。俺の立つ瀬がないだろ」
「…そっか」

二人で小さく笑う。

「ガーネ」
「んー?」
「……お前とセックスしたい」
「ん……来て」


俺は、彼女の中に埋もれていった。






事がすんだ後、顔を合わせるのが恥ずかしかった。
でもそれは俺だけだったらしくて。
彼女はいつもどおり振舞っていた。
さらにいうと彼女は大胆になった。
192名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:26:17 ID:f2Jvsev7
「はよー」
「んー」
「今日も屋上か?」
「ん。でもその前に」

彼女は目をつぶる。
俺は彼女に近寄り、唇を重ねた。

「……なんか慣れないな」
「新婚気分?」
「まだ結婚して無いだろ。それにどちらかといえばバカップル状態だ」
「だねー」
「だな」
「ん。すいー」
「んー?」
「結婚してくれる?」

派手にこけた。
今このタイミングで言われるとは思わなかった。

「……あーもう!」
「?」
「俺の立つ瀬が……」
「最初から」
「……」

ため息を一つついて、
ポケットから小さな箱をとりだし、彼女に渡す。

「ほれ」
「?」
「あけてみろって」

俺って赤面症かな。
すぐ赤くなる。
でもしょうがないと踏んでみる。

「彗……」

中から出たのは、婚約指輪。
何の飾りも無い、シルバーリング。

「樹柘榴さん」
「……はい」
「一生……傍にいていただけませんか?」
「……星夜彗さん」
「……はい」
「貴方となら……どこまでも」


彼女に渡した小箱の中から指輪をとって、
差し出された彼女の薬指にはめた。

「……泣くなよ」
「だって……」
「あーもう」

ベッドに座っていた彼女を抱きしめて、唇をふさいだ。
193名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:27:43 ID:f2Jvsev7
「ガーネ」
「んー?」

後ろ手に持っていた紙袋から、お星様を取り出す。

「スターフルーツ?」
「そそ。結構がんばったんだぞ」
「……覚えていて、くれたんだ」
「あたりまえだ。好きなやつの約束は忘れないぞ」
「……うそだぁ」
「いやいや」
「……だって、忘れてる」
「…なにを?」
「絵」
「絵?」
「絵」

……あ
確かに忘れてた。

『……わかった。その代わり時間かかるぞ』
『?』
『作ってして持ってきてやる。取れたてしんせん。誰も願ってないやつ』
『ん』
『そのかわり、絵を描いてくれ』
『絵?』
『絵。お前の描いた絵、好きなんだよ』
『ん』

忘れてたのは俺だけか。

「……ガーネ」
「んー?」
「樹海行ってくる」
「ダメ」
「情けないな、俺」
「そうだねー」
「否定してくれたって」
「……するところが無い」

ちょっと視界が歪んだ。
194名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:28:19 ID:f2Jvsev7
きっと、これからもずっとこんな調子で日常は流れていくのだろう。
途中で挫折を経験したりもするだろう。
喧嘩だって多々あるはずだ。



それでも。



彼女と一緒なら、どんな事だって乗り越えていける。
そんな気がする。


さて、まずはだ。


「とりあえず、絵の具一式と果物もって、屋上に行くか」
「ん」


ガキの頃に結んだ小さな約束を、
叶えに行くとしましょうか。


〜fin〜
195名無しさん@ピンキー:2008/12/12(金) 15:31:37 ID:f2Jvsev7
もともとあるやつを移すってのは結構面倒だと知った。
次からはメモ保存しておくかなぁ。

注:このSSはエロが含まれて『おりません』

原スレ:女の子と二人きりになってしまった 3回目
>>503-572の間
196名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 21:00:46 ID:5jhAHTT1
>>195
おお、なんかパワーアップしたな。乙。
197名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 03:00:57 ID:TgeGAAl2
>>195
乙です
198名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 19:11:14 ID:k7ib2a6K
新年保守
199名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 03:43:49 ID:cMBerWjn
このスレ読んでたらさっちゃんと魔法の手っていう絵本思い出すよ
確か右手全部と左手数本の指が無い幼女の話だった

あと1本思いついたので近日中に形に出来る様に頑張ります
200名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 22:05:50 ID:vPhOrRrr
http://jp.youtube.com/watch?v=3TX4PH98mfM

このCMで誰か書いて!
201名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 22:03:13 ID:6HCARDYU
 
202名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 18:01:19 ID:xMFMCVPI
そんなCMはじめてみたw
203名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 01:32:47 ID:X4xqGfUC
保守
204名無しさん@ピンキー:2009/02/10(火) 21:34:43 ID:icDOYye+
>>199
俺だけになってもお前を待ち続ける!
205名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 02:22:09 ID:JS+n94fS
>>200
ちょっとぐっときた
206名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 11:25:32 ID:LhCpC0Io
ほしゅあげ
207名無しさん@ピンキー:2009/02/22(日) 11:26:57 ID:LhCpC0Io
ほしゅあげ
208名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:35:14 ID:GlGbfFsk
ど素人の上携帯ですが投下してみます

タイトル 姉の心
209名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:36:19 ID:GlGbfFsk
「早く起きちまったな…」
ゴールデンウイークが過ぎた平日。午前10時。
高校は開校記念日で休み。ラッキーな1日。
郊外の完全バリアフリーな一軒家。リビングのソファーに上下スエットのまま寝転ぶ。
(そっか…今日母さんいないんだな…)「おはよう…」
「あっ姉ちゃん。いいのもう起きて?」
「うん…」
(かなり眠そうな表情。車椅子に座りパジャマ姿のままリビングに姿を現す)
「あれっ良介…?学校は…?サボり…?」
「いやだから開校記念日で今日は休みなんだよ…昨日話しただろ…!?」
「ヘぇ〜」
(テーブル。イスの配置されていない自分の位置に車椅子を動かし、コーヒーをカップにそぞき飲む)
(俺は中学を出て高校に入ったばかりで、姉ちゃんは養護学校を出て大学に入ったばかり)
(俺の物心が付いた頃から姉ちゃんは松葉杖を付いたり、車椅子に乗ったりしてて、とりわけ朝がいつも苦手だった)
「母さんは友達と何かの舞台とか言ってたよ…」
「ふ〜ん…」
(下半身麻痺の上にかなりの低血圧。これが姉ちゃんの生まれつきの障がい…)
「う〜ん…」
(体を倒しテーブルに伏せてしまう)
「おい姉ちゃん!?」「寝るなら自分の部屋で寝ろよ!?」
「うるさい…」
210名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:38:20 ID:GlGbfFsk
(あまり感情の波がないというか天然な性格というか…)
(1日中室内にいて本当に色白でいつも眠そうな姉…)
「う〜ん…」
「おい姉ちゃん…」
(って姉ちゃんまたノーブラかよ…)
(テーブルに押し付けられた姉の胸元が目に入る)
ガチャンガチャ
「ンッ…?」
「……?」
ガチャン!!
「キャッ!!」
ドスッ!!
「おい姉ちゃん!!」
「姉ちゃんマジで大丈夫か!?」
「痛てて…」
(ありえない…)
(姉の上半身がテーブルから床へ引きずり込まれて行く過程がスローモーションで見えた)
(急いで駆けつける)
(姉ちゃんの座ってた車椅子の右の車輪が完全に本体から外れ、車椅子自体が潰れてやがる…)
「頭打たなかったか!?」
「ケガしてないか!?」
「姉ちゃ…」
(床と大破した車椅子の上でうつ伏せに倒れ込む姉を抱きかかえる)
「だっ大丈夫…」
「前から落ちたし、腕は痛いけど…」
「マジか…」
(パジャマの上腕の裾をめくると少し赤く腫れている)
「格好悪いわね…私…」
「……」
「いやそんなことないよ…どこのメーカーだよこれ作ったの…」
「良介…」
「何…姉ちゃん…」「ゴメン…私やっぱりまた寝るわ…」
「ああ…いいよ…」
211名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:39:56 ID:GlGbfFsk
「よっと…」
(姉を背負ってリビングを出て一階の玄関横の姉の部屋に移る)
(背中に姉の胸が押し付けられるのを感じながら)
「ここでいい…?」
「うん…」
(ベッドの上にゆっくりと姉の体を降ろす)
(カーテンが締め切られた殺風景な部屋…)
「じゃあ俺車椅子片付けて来るから…」「片付いたらちょっとまたここに来て…」
「えっ…?うん分かった…」
(5分後)
「姉ちゃん…」
「……」
(ベッドに腰掛けたままの姉)
(いつもの眠そうな表情ではなく、少し思い詰めた表情の姉)
「これ松葉杖…ここに掛けとくね…」
「あと病院に電話したら今日の夕方の6時位までに代わりの車椅子届けてくれるって」
「そう…」
(沈黙)
「良介…そこに座りなさい…」
「なっ何姉ちゃん…?」
(明らかにいつもと様子が違う姉)
(机とセットの椅子に座り、姉に対面する)
「はぁ…」
(姉の表情が少し緩み)
「ねぇ…良介…」
「良介には休みの日にどこかへ遊びに行くとかそういうことはないの…?」
「えっ…あっいや…」
「ほらっ俺休みの日はやっぱり家でゆっくりしたいっていうか…あんまり人混み好きじゃないし…」
212名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:41:28 ID:GlGbfFsk
「でっでも来週は学校で仲良くなった人達とライブに行くんだ」
「そう…」

「ねぇ良介…」
「なっ何?」

「確かに私の生活の補助をしてくれるのは助かるし、嬉しいわ…」
「でもね良介…私の運動の日に合わせて早く帰って来たり、体調が悪いときにずっと看病してくれたり…」

「もうあなたも高校生でしょ…」
「勉強や遊びや部活にバイト、それに恋愛だってしたいでしょ…?」
「お母さんもまだまだ元気だし、だからもうこれからは私に気を使うことはないの…分かった…?」
(いつもの姉からは想像も付かない言動に言葉を無くすが)
「ゴメン…やっぱりウザかったよな…」
「いやっ…それは違うわ」
「そんな風に思わないで…ただ心配なのよ…」
「私のせいで良介の大事な時間がなくなっていくのが…」
(良介…力もあるしいつも手伝ってくれる…)
(でもね良介…こんな障がい者の姉のためにあなたの生活を犠牲にするのは間違っているわ…)

(視界に椅子から立ち上がりスゴいスピードで迫り来る良介の姿が写る)
(私の両肩を良介の両手がつかみ)
「姉ちゃん…俺の時間なんてどうでもいいよ…」
「それに前に男手があった方がいろいろ助かるって言ってただろ!?」
213名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:42:59 ID:GlGbfFsk
「……」

「姉ちゃん頼むよ…これからもいろいろ手伝ってもいいだろ!?」

(左頬に姉ちゃんの右手のひらが触れる)
「良介はやさしいのね…小さい時からそう…」
「姉ちゃん…」
「なんだよ…何かいつもと雰囲気違うよ…?姉ちゃん…」

「クソッ!!」
バタン
「……」
(弟に押し倒される)
(姉を押し倒してしまう)
「ハァハァハァ…」「ゴッゴメン…」

「いいよ…続けて…」
(姉の右手が弟の左手をつかみ、その左手のひらをパジャマ越しに自らの右乳房に触れさせる)

「姉ちゃん!!」
「何してんだよ!!」
「………」
「やめろよ!!姉ちゃん!!」
「続けなさい…良介…」
「私があなたにしてあげられることはこういうこと位しかないの…」
「姉ちゃん…」
「……やっぱり私じゃ魅力ないのね…」
「姉ちゃん…」
「ぶっちゃけ姉ちゃんかなりかわいいよ!?いやかわいいってゆうか顔整ってるってゆうか美人だし…スゴい綺麗だよ…」
(パジャマのボタンが弟の手で上から順番に外され胸部が弟の目の前で露わになる)
「………」
「どうかな…?結構大きいでしょ…?」
「うん…」
(上に重なる弟をよけ、両手を使い不自由な両足をベッドの上に乗せる)

214名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:45:52 ID:GlGbfFsk
「良かった…ちゃんと大きくなってるわね…」
(立ちすくむ弟の局部をスエット越しに触る)
「なっ何すんだよ!?姉ちゃん!!」
(スエットと下着を一気に下ろし、限界まで勃起した局部が現れる)
「やっやめろよ!!姉ちゃん!?」
(局部を右手で握りしめ、口に含む)
ジュルジュル…
(姉の口から弟の局部が抜きでる)
「姉ちゃん…」
「男の人ってこうすると気持ちいいんでしょ…?」
「おっぱいで挟んであげるからもっと近くにいらっしゃい…」
「……」
(限界まで勃起した弟の局部を姉が両胸で挟み上下させ、さらに局部の先を舌で舐め始める)

「うん…チュパチュパ…」

「姉ちゃん…ヤバいってああっ!!」
(さらに舌先で弟の性器をいやらしく舐め、両胸を上下させ続ける)
チュチュパ…
「ああっ!!出る!!うっ…」
(勢いよく勃起した弟の性器から精液が放出され、姉の口と頬に付着する)

「ハァハァハァ…」「ハァハァハァ…」
「姉ちゃん顔…」
「……」
(鏡を見ながら無言でウエットティッシュで顔に放出された精液を拭き取り始める姉)

「良介…こういうことしてくれる彼女早く作りなさい…」


215名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 21:46:24 ID:GlGbfFsk
投下終了します
216名無しさん@ピンキー:2009/03/03(火) 23:00:13 ID:c7X9sGGb
ハイ
まあ
終了という事でね
お疲れ様という事なんですけれども
これからも
えー
二人仲良く暮らしていただきたいなと
こう思った次第です
ハイ
217名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 17:19:05 ID:Ut8/Tq/B
良いな。ぐっじょぶ!!
姉にのめり込む弟が見たい。
218名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 17:21:26 ID:5/XX+pD3
GJ
次も気が向いたら投下してくれ
219名無しさん@ピンキー:2009/03/04(水) 21:08:16 ID:/mafxHdT
>>216>>217>>218
おお…
レス感謝です
病弱な〜のスレには一回投下したことはあるのですが
ここは初でした
また続きか別の話を投下できたらしようと思います
220名無しさん@ピンキー:2009/03/05(木) 07:51:36 ID:8CCJHbu5
障がい → ハンデ
221名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 21:47:47 ID:LHb91soq
 
222名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 20:40:06 ID:9bEPXTL5
>>219
新作待ってるぜ
223名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 00:55:42 ID:zSk2NoXj
新作に期待
224名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 23:53:46 ID:IqcgSDSN
「や。」ってサイトが携帯からじゃ見つからない。すまないが誰か貼ってくれ
225名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 14:23:46 ID:S93uww9b
えっ
226名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 00:30:46 ID:OGo2FuMW
バカ発見。ちょっとは考えろ
227名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 03:08:12 ID:bnAorF2P
何処に障害があるとお前らは良い?
228名無しさん@ピンキー:2009/04/13(月) 12:19:42 ID:aWCXJoea
229名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 13:46:36 ID:i02LXWJY
盲目だと、別スレと被るから喋れないで
230名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 19:47:33 ID:AIB/4qf+
じゃあ
目が見えるだけで後は何も出来ないというのはどうか
231名無しさん@ピンキー:2009/04/19(日) 01:59:25 ID:8Olac1Ve
目が見えるだけってのは結構いたりするよ。
知り合いが介護してた人に筋緊張が酷くて動けないし喋れないけど目線だけで二択の会話が出来る人がいた。
232名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 01:04:46 ID:I2EjZsR5
目が見えるだけで何も出来ないのは鮪っぽいから嫌だな
233名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 12:44:00 ID:0yTIo3hw
234名無しさん@ピンキー:2009/05/08(金) 13:12:25 ID:HY0tZ+a8
昨日、障がい持ってる子と縁を切りました。
いい子だったから、辛いけど。
パートナーのいる私に、その子が女を求めてきたら
私は、受け入れられないし(既に相手がいるから)
後々、苦しい思いをさせそうだから。
ここ、見てるかな?
ごめんね。あなたを想って、縁を切ったの。
ごめんなさい。許して。
235名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 13:03:19 ID:NMowITQ+
は?
236名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 04:18:21 ID:gCWpyaku
>>2
>「や。」というサイトにある「縛」

兄と妹じゃなくて姉と弟の話なんじゃないの?
237名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 17:23:22 ID:z6XxR/za
保守
238名無しさん@ピンキー:2009/05/30(土) 21:30:23 ID:sYP1ZC6v
昔読んだ本でバックでつかれてる片足の娼婦が出てくる小説あったな
なんか妙にえろくて厨房のころフルボッキしたのをスレタイ見て思い出した
239名無しさん@ピンキー:2009/06/06(土) 09:09:38 ID:eFhaLgwq
保守
240名無しさん@ピンキー:2009/06/14(日) 19:36:17 ID:B+oEW96W
保守
241名無しさん@ピンキー:2009/06/24(水) 13:47:46 ID:CaKUhYPQ
>>238
想像したら興奮した
なんて小説なんだろ?
242名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 23:14:58 ID:ND9B7b7I
上げ
243名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 23:15:54 ID:sb2opdPj
補習
244名無しさん@ピンキー:2009/07/07(火) 23:43:38 ID:YrlCPQWR
義肢っ子萌え上げ
245名無しさん@ピンキー:2009/07/11(土) 01:39:11 ID:/gHwRJ9U
ななりースレか
246名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 01:28:47 ID:ZNteAmn8
盲目美少女スレであっちが落ちたらこっちに合流とか言ってる人いるけどこっちの住民としてはどうなん?
247名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 01:48:55 ID:FWyuZ2Bn
存分にやりたまえ
248名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 22:46:47 ID:vszxQliM
俺も構わんと思うが?
249名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 01:52:57 ID:Aho5Z/tR
一応ジャンル内に入るから問題ないんじゃね
250名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 20:17:57 ID:NxmfyYiC
隻眼隻腕隻足美少女萌え
251名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 01:41:23 ID:Nd5vBMrr
大変だな
252名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 15:29:17 ID:uQfUkWBI
盲目スレで病弱スレと合流しねえかっつってるけどお前らどーよ?
253名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 15:31:23 ID:uQfUkWBI
ごめん間違えた病弱スレ「とも」合流だ。
254名無しさん@ピンキー:2009/07/19(日) 16:27:39 ID:d4UmnGIV
類似スレに挙げられてるぐらいだし全然問題ない
255名無しさん@ピンキー:2009/07/21(火) 23:50:20 ID:ROuNLct5
病弱スレにも一応、声をかけておきました
256名無しさん@ピンキー:2009/07/22(水) 22:05:45 ID:/BdfTq0P
・・・が、反対意見があったので病弱スレとの合流はナシで。すみません。
257名無しさん@ピンキー:2009/07/26(日) 13:14:12 ID:NhyK9eUR
お疲れ様
258名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 02:09:31 ID:7a4pvFoU
スレ違いかとも思ったけど貼り
かたわ少女とかどうよ、もうやった?
ttp://2.bp.blogspot.com/_PlVSuZAj1is/SnFLBrYARDI/AAAAAAAAAOE/cJ_Bw4Nv_yg/s1600-h/rinproposal20p.jpg
259名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 07:33:07 ID:ZZhf7acg
>>258
231レス前に既に通った場所だッッッッ。
…でもなんかそれ絵柄ちがくない?
260名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 07:44:51 ID:7a4pvFoU
>>259
何ヶ月か前に、ようやっと体験版出たんだぜ
公式サイトから落とせる
全部英語なのが難だが、なかなかに良い出来で面白い

あと>>258の絵は有志の人の二次創作
261名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 22:38:34 ID:ZZhf7acg
>>260
そいつぁ失礼した。
やってみてぇなコレ。火傷の子が可愛い。
262名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 00:03:23 ID:SoXkKgWA
盲目こいやあ
263名無しさん@ピンキー:2009/08/04(火) 22:13:03 ID:ncRZ01FX
一日目
「ごめんね。今朝からちょっと、頭が痛いの」
「お弁当、一緒に食べようか」
「ううん。もう平気…え、ここで?」
「はぁ…はぁ…直秋のこと、大好きだよ」
二日目
「おはよう。昨日は、ありがとう」
「え…ダメだよ。まだそんな積極的になんて…」
「しょうがないなあ。キスだけだからね」
「直秋くん、一緒に帰ろう」
三日目
「迎えに来てくれたんだ。嬉しいな」
「いや…まだ、早いってば」
「そんな顔しないでよ。…分かった」
「男の子にキスしたの、これが初めてだよ?」
四日目
「最近私によく話しかけてくれるよね」
「でも、ちょっと馴れ馴れしいかな。嬉しくない訳じゃないけど」
「好きだなんて、軽々しく言わないで」
「…もう少し考えさせて。まだあなたのことは、友達としか思えない」
五日目
「あ、同じクラスの…石山くん、だっけ?」
「面白い人」
「ごめんね。用事があるの」
「まだ何かあるの?」
六日目
「失礼ですが、どちら様ですか?」
「よく…分からないの」
「ごめんなさい。見覚えが…ないです」
「どうして泣くの?」
七日目
「え? 私にお弁当?」
「私部屋にいるのに…あ、何だかお父さんのみたい」
「……」
「美味しい…のに、何で涙が出るのかな?」

「記憶退行? がやっと止まったってママが言ってた」
「いつもお弁当ありがとう。お兄ちゃんのこと、大好き」
「これ食べてるとね、とても幸せになれるんだ」
「ずっとお弁当、作ってほしい」
264SS保管人:2009/08/11(火) 21:08:30 ID:p/eTKK+u
2chエロパロ板SS保管庫
http://green.ribbon.to/~eroparo/

スレ住人の皆様、このスレに投稿されたSSを当方の保管庫に収蔵させて貰っても宜しいでしょうか?



265名無しさん@ピンキー:2009/08/11(火) 21:46:26 ID:Fk+HKh/c
構わないと思うが
266名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 13:47:05 ID:qfe6+eKo
お願いします。
267名無しさん@ピンキー:2009/08/16(日) 14:49:00 ID:a5I/Fv4+
問題無さそうなのでオリジナル・シチュエーション系の部屋15号室に収蔵させて貰いました。
268名無しさん@ピンキー:2009/08/23(日) 22:28:59 ID:d8fmkdFY
保守あげ
269図書館にて:2009/08/27(木) 19:17:14 ID:shOd/eyx
「この高島陽子には夢があるっ!」
俺の隣で陽子は突然立ち上がった。
いつもの図書館の近くにある広場は、夕日で紅く染まっている。
時計は、五時を指している。
「へぇ。どういう夢だよ?」
陽子は俺の問いに、自信満々で答えた。
「私は、自閉症についての専門家になる!」


俺と陽子は、いわゆる幼なじみだ。
陽子は少し変わった奴で、昔から友達と呼べるような奴は俺一人だった。
小学校に入ったときは、俺は一組だったのに、陽子は、ひまわりとかいう教室に、卒業するまで入れられていた。
五年生の時、ひまわり教室の掃除を割り当てられた
おもちゃに溢れた教室、それは俺にとっては、何かを閉じ込めておく牢獄に似ていた。
俺がクラスの仲間と一緒に掃除をしていても、ひまわり教室の奴等は好き勝手していた。そんな中、陽子だけが、掃除を手伝っていた。
さて、話は今から数カ月前になる。
俺も陽子も高校生。
俺は平凡な三流高校。
陽子は、中学生の時から養護学校。
陽子は学校に行くことを嫌って、いつも図書館にいる。
ある日、陽子は言った。
「私、自閉症……なの」
270図書館にて:2009/08/27(木) 21:54:20 ID:shOd/eyx
風が強く吹いた。
風が、陽子の足元までのびた髪をはためかせる。
陽子が口を開く。
「自閉症って…別にこのままだと死んでしまう、っていう病気じゃないの。何て言えばいいのかな…」
陽子は、頭を抱えて唸りだした。
今まで抱えてきた疑問が、消えた。
このまま陽子を放置すると自分自の身体をかきむしるという彼女の癖が出てきそうなので、少し注意をそらす事にした。
陽子は体をいきなり触られることが嫌いなので、俺は陽子の耳元どそっと囁いた。
「お前が自閉症でも、俺はお前が好きだ」
「なっ……」
陽子の顔が赤くなる。
ベネ(良し)。作戦成功。
時計は六時を指していた。
陽子が家に帰ったので、何もやることがない俺も帰ることにした。
そして、何気ない日々が続いた

そして、今に至る。
「何で、専門家になろう、って決めたんだ?」
俺の質問に、陽子はすんなり答えてくれた。
「う〜ん。養護学校の【専門家】が【彼ら】を理解していないから、かな。」
そのまま陽子は続ける。
「【彼ら】にとっては、養護学校は世界そのものと言っていい。ある意味【彼ら】の楽園かもしれない。でも、そこはとても楽園とは言えない状態でね。」
俺は陽子の話を黙って聞いた。
271図書館にて:2009/08/27(木) 23:45:29 ID:shOd/eyx
「【専門家】は【彼ら】を理解しようとしなかった。
理解の無い教育は、只の苦痛だ。
実際、教室はいつも騒がしかった。普通の人と比べて感覚が少し鋭い私にとっても苦痛だった。
だから、私は【彼ら】とちゃんと向き合い、理解できる【専門家】になろう、って。
私も、【彼ら】だから」
陽子の話を聞いて、疑問が浮かんだ。
俺はその疑問を陽子にぶつけてみた。
「なあ。【彼ら】って、何?」
「私と同じ養護学校の生徒。知的障害者とか」
…陽子、お前時々さらりと難しい事言うよな。

気がつくと、もう時計は六時を指している。
「もうこんな時間か。また明日な!裕太!」
陽子は手を降って、駆けだした。
陽子は、いろいろとこだわりのようなものを持っている。
六時になったら帰るのも多分その一つ。
俺も、やることが無いので帰る事にした。
272名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 23:23:43 ID:MajaqK+Y
保守
273名無しさん@ピンキー:2009/09/04(金) 23:31:35 ID:v4JEuqvO
>>271
続き待ってる
274名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 22:21:10 ID:EOofDP8q
投下します

女の子が両足動かなくて車椅子、男がヤンデレ気味です
苦手そうな人は「ユウちぃ」でNGにして下さい
275ユウちぃ:2009/09/12(土) 22:22:06 ID:EOofDP8q
朝、登校時間の二時間前に起きた僕は、制服に素早く着替えると千佳の家の呼び鈴を鳴らした。
やつれた顔をしたの妙齢の女性―千佳の母親だ―が、僕を出迎えた。

「ああ、ユウちゃん…おはよう。いつもありがとうね…」
「いえ、気にしないでください」

彼女と目も合わさず素っ気なく言うと、さっさと家の中に入った。彼女も特に咎めるような事はしない。
突き当たりの部屋の前に立ち軽めにノックする。

「ちぃ、朝だ。起きろ」

返事は無い。僕は黙って部屋のドアを開け、中に入った。
窓際のベッドですやすや寝息を立てながら、千佳が眠っている。僕は彼女の両足に視線を向けた。
今はもう動かない千佳の足。その事実は少しだけ僕の心を掻き毟る。
僕は軽く千佳の頬を叩きながら、もう一度声をかけた。

「ちぃ、起きろって。朝だ」
「んん…………ふぁ、ユウくん、おはよう…」
「早く起きろよ。支度するぞ」

ぶっきらぼうな僕の言葉に、寝起きの千佳は素直に従った。両手を使ってのろのろ起き上がり、ベッドの上にちょこんと腰掛ける。
はっきり目が覚めたのか、緊張した面持ちで佇んでいる千佳。
僕はパジャマの下に手をかけると躊躇い無くそれを脱がせた。

「ふぁ…」

小さく千佳が呻いた。
千佳の白い下着、その丁度一番大事な場所にできているシミに、一瞬僕が目を止めてしまった事に気付いたのだろう。
真っ赤になって顔を背ける千佳。だが僕は顔色一つ変えず、パジャマを脱がせてしまう。
壁に掛かっている千佳の制服を取り、スカートだけをさっきの逆の要領で手早く履かせていく。
おしりの部分に通す時だけ僕に体重をかけさせ、体を浮かせるようにする。
体を預けながら千佳は小さく囁く。

「ご、ごめんなさい。重いよね…」

千佳はいつもそうだ。僕が迷惑がってるとでも思ってるのか。

「いいから早く着替えろよ…」
「は、はい…」

上半身の制服とブラジャーを渡してやる。さすがに見ていては着替え辛いらしく、後ろを向いて終わるのを待つ。
着替え終わった千佳を抱え上げ、車椅子に乗せた。また小さく『ごめんなさい』と呟く。
居間に行くと、千佳の母親は既に勤めに出たようで誰もいなかった。
僕が作った朝食をとって僕らは家を出た。始業時間まではまだだいぶある。

276ユウちぃ:2009/09/12(土) 22:22:50 ID:EOofDP8q

幼なじみの千佳が車椅子の生活を始め二年がたつ。
健康だった頃の彼女は多少気弱でおどおどした性格だったものの、何の問題も無く暮らしていた。
最近は子供の頃のように僕の後をちょこまかついて来る事も無く、特に高校に入ってからは僕以外の男子とも喋るようになってきていた。
『俺は一生コイツの面倒見るのか』なんて思っていた僕の思いも杞憂に終わる、そんな風に思った。
その矢先――千佳は男に暴行を受けた。五人もの男に代わる代わる輪姦され、絶望した彼女はその日の内に道路に身を投げ出した。
幸い一命はとりとめたが、以来千佳は両足が動かなくなり、僕は彼女の介護に務めている。奇しくも『一生面倒見る』というのが実現しかけている訳だ。


学校においても僕らの生活は変わらない。
下足箱では靴を履き替えさせ、階段では千佳をおんぶしながら車椅子を片手で持って昇る。移動の時はもちろん僕が車椅子を押している。
とにかく僕は千佳が不自由しないように彼女にべったりとくっついて過ごしていた。
そんな僕らを見て「おしどり夫婦」と言う人もいる。でもそれは遠くから僕らを見ている人だ。
クラスメイト達は決してそんな事は言わない。僕らがどれだけ歪か知ってるからだ。
互いに友達と話している時も、僕は常に千佳を視界の端に捉えている。
幸い僕は以前はクラスの中心人物だったし、千佳は悲劇のヒロイン扱いで、クラスメイトから疎まれる事もなかった。
有難い。僕は千佳に尽くす事を邪魔されなければそれでいいのだ。
そういえば以前、僕が千佳の事を縛っている。彼女を解放しろ、と言ってきた奴がいた。
彼の名前は思い出せないが、どうしてるだろう。退院したという話は聞かないのでまだ病院にいるのだろうか。

277ユウちぃ:2009/09/12(土) 22:24:22 ID:EOofDP8q
昼、食事を終えて教室に戻る僕らの耳に無遠慮な会話が聞こえてきた。

「ほら、あの女だよ…」
「あー、例の車椅子女」
「あの五人にマワされたってヤツ?」
「ばっか、ちげーよ。五股かけてとっかえひっかえヤりまくってたんだろ?」
「マジかよ。スゲービッチじゃん。俺らも頼めばヤらしてくれっかな」

僕は咄嗟に千佳の耳をふさいだが、遅かった。千佳はカタカタ震えだし、怯えたように頭を抱える。

「ひっ、嫌、やめて…。わ、私…」
「ちぃ!ちぃ、落ち着け!大丈夫だ!」

必死に呼び掛けるが千佳は止まらない。

「嫌ぁ、ユウくん…。助けて…嫌!ごめんなさい!止めてぇ!」
「ちぃ!大丈夫だって!何も起きてない!」
「ひっ…ひぅ…あぁ…」

何度も強く呼び掛けた事でようやく千佳は落ち着いてきた。僕はほっとため息をつく。

「勇人、どしたんだ?」
「なんかあったの?」

背後から声がかかる。振り向くと拓也と希美が立っていた。二人とも互いに僕と千佳の友人だ。

「悪い。ちぃを教室に連れていってくれないか」
「へ?…………ま、まあいいわよ」

希美は呆けた顔をする。僕が千佳を他人に預けたのがよほど意外なのだろう。

「わりぃな。俺ちょっと行くとこあってよ。五時限目には戻るから」

拓也達と別れ、僕は校舎裏に向かった。目的のものはほどなく見つかった。

「あーダリ。つーか、ヒマ。なんか笑える事ねー?
「誰か死んだりしねーかな」
「誰か殴らしとくれるだけでもいーよな」

下卑た声が堪に触った。僕は無言で彼らの座る場所に踏み込む。

「あん?んだ、テメ――」
*********************

「早く戻んないとな。五時限目始まっちゃう。あ、返り血落とさなきゃ…」
あわてて教室に戻る。その途中、クラス委員長の三沢に会った。

「あ、勇人くん。千佳ちゃん不安がってるよ。早く教室戻りなさいよ」
「わぁってるよ。いいんちょこそ授業始まるぞ」

三沢と一緒に教室に戻ると千佳が震えながら待っていた。
それを見て僕も安心する。拓也達を信じてない訳ではないが、やはり千佳の事を他人に任せるのは不本意なのだ。
278ユウちぃ:2009/09/12(土) 22:26:58 ID:EOofDP8q
とりあえずここまでです

ここからエロくなっていく予定ですが、ここエロ投下してもいいんですよね?
279名無しさん@ピンキー:2009/09/12(土) 23:11:26 ID:h4kRQbKz
もちろんですとも!
280名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 00:29:49 ID:ZxWjZMPw
面白かったGJ!
ユウは血の気が多くて怖いなw
名前が同じせいか、ホーリーランドを思い出した
続き楽しみにしてるよー
281名無しさん@ピンキー:2009/09/13(日) 16:55:53 ID:1Ym56hYf
>>278
期待
そもそもエロ投下する場所だよw
282名無しさん@ピンキー:2009/09/17(木) 00:54:12 ID:ZN1muYr8
>>278
エロパロ板にあるスレで何を言っとるのかねw
283名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 17:26:52 ID:1em00vJz
「ユウちぃ」の続き書いたので投下します

284ユウちぃ:2009/09/18(金) 17:27:47 ID:1em00vJz
夕方、ゆっくりと散歩気分で家路についた僕らは、千佳の家の居間でお茶を飲んでいた。
昼間の出来事から未だ立ち直っておらず、千佳の表情は晴れていなかった

「ちぃ、どーした。ほら、この茶菓子うまいぞー」

空々しい空虚な言葉を投げ掛ける。千佳はそれには答えず、こちらをちらりと伺うと、探るように言った。

「ねえ、ユウくん…昼休みの時…私だけ先に戻らせて…どこ行ってたの?」

ぴくりと僕の肩が震える。まさか千佳にバレた?
いや、「彼ら」は校舎裏に放置しておいたからそう簡単に見つかるとも思えない。
事実、僕らが下校するまで警察や救急車が来た気配はなかった。

「どこって…ちょっと野暮用があっただけだよ」
「野暮用…」
「そうそう。つーかほら、どうでもいい事じゃん。あんまプライベートを探るなって」

おまえが言うなと、突っ込みたくなるセリフだ。
千佳の生活を、文字どおりおはようからおやすみまでサポートしている僕に、それを言う資格はないだろう。
しかし、当の千佳はそれであっさり引き下がった。

「そ、そうだよね。ごめんなさいユウくん、ごめんなさい…」
「だからすぐ謝るクセ直せって。ほら」
「ん……」

僕は千佳の頭に手を伸ばしクシャクシャと撫でてやった千佳は目を細め、子犬のようにされるがままになっている。
こうして二人でいる時、僕らは少しだけ昔に戻れるのだ。
そうしていると千佳が突然ぴくっと動いた。そのままモジモジしていたが、やがて顔を赤らめながら言った。

「あ、あの…ユウくん」
「なんだ、どうした」
「………………………………………………………………………………おトイレ」

僕は千佳をトイレに連れて行く。学校では女子に頼めばいいが、家ではそうはいかない。一般家庭に車椅子用のトイレなんてついてないのだ。
同い年の女子をトイレに連れていって用を足させる。これだけ聞くと変態的なものを想像してしまうが、別に変な事をする訳ではない。
精々スカートを脱がせて手間を省いてやるくらいだ。
それでも用を足した直後に下着のまま抱き抱えられる千佳は恥ずかしそうだったが。
285ユウちぃ:2009/09/18(金) 17:34:16 ID:1em00vJz
居間に戻ると午後7時。
僕は夕食を作り二人でそれを食べた。千佳の母親の分も作っておいたのだが――。

「お母さん、仕事で遅くなるって…」

千佳の母親が「遅くなる」時は深夜2時くらいまで帰って来ない。その間は二人きりというだ。

「ユ、ユウくん…その…お、お風呂、入りたい…かな」
「ん、わかった」

僕は普段通りの口調で淡々と返事すると、千佳を抱え上げ風呂場へ向かった。彼女の体温はいつもよりほんの少し高いようだった。


僕らは順番に風呂に入ると(もちろん千佳の体は僕が洗った)、千佳の部屋に向かった。
風呂場からずっと千佳を抱き抱えていた僕は優しくそっとパジャマ姿の千佳をベッドに降ろす。
そのまま僕は立ち上がろうとしたが、千佳は僕の首に腕を絡ませ、しがみつくように離れない。

「ちぃ?」
「…………」

千佳は何も言わない。ただ動かない両足を少しでも擦り合わせ、切なそうに身を捩らせている。

「……ユウくん」

熱く濡れた瞳で僕を見つめてくる。その表情はあどけない顔立ちからは想像できないほと淫猥だ。

「……我慢……できないんだ?」
「……ごめんなさい」

消え入りそうな声で言う千佳。僕の胸をちくりと痛ませる。
二年前の事が千佳に残した傷痕は両足だけではなかった。
五人もの男に犯し尽くされた身体は、肉欲と快楽に慣れさせられ自ら男を求めるようになっていた。
淫らに開発された身体は、二年経った今も本人の意志とは無関係に昂ぶり、凌辱の記憶と共に千佳を苛んでいる。
だから千佳は僕をはけ口にした。一番身近にいて、最も信頼していた僕を。
言うなれば、僕を生け贄にしたのだ。
だが、どちらにせよ僕が千佳の求めを断われるはずがない。
286ユウちぃ:2009/09/18(金) 17:37:11 ID:1em00vJz
僕は期待と情欲と不安が混ざった瞳を見つめ、優しく口づけした。

「んっ」

唇が触れると微かに千佳は反応したが、すぐに口を開け舌を入れて来た。
僕は侵入してきた舌を絡め取り、逆に歯茎の裏や上顎を丹念に舌で愛撫する。
誘うのは千佳、責めるのは僕。それが僕らのいつものやり方だ。

「んっ、ふぅん、んぁ」

千佳の息が荒くなってきた。さっき以上に脚を擦り合わせ、パジャマの胸には突起が浮かんでいる。
僕は唇を離し、パジャマのボタンに手を掛けた。

「やぁ、はぁん、ダメだよ、ユウくん」
「こんなに勃たせて、何言ってんだ」

曝け出された千佳の乳房はその性格の通り控えめな大きさだ。
昔はもっと大きく、服の上からでもわかるほどだったのだが、長い病院生活で痩せこけた為にすっかり小さくなってしまった。
その小さな双丘の頂につんと尖った乳首が自己主張している。

「はんっ、んっ、ひぁ、やあぁぁ!あぁぁぁ!」

小ぶりな胸を包み込むように揉むと敏感に反応してくる。乳首を軽く摘むと涙混じりの嬌声を上げた。
僕はさらにそのまま下を責めようとパジャマのズボンに手をかける。
千佳は一瞬抵抗したが、彼女の服を脱がせ慣れている僕には何の意味も無い。
あっという間に千佳の秘部は露になった。そこはもう充分過ぎるほど濡れていて、割れ目に押し入ろうとした僕の手をぐしょぐしょにする。

「んぁ、ひっ、んっあっ、あっ、はぁん…」

手マンだけでさっき以上に感じている。
くちゅくちゅと水音を立てて指を動かす僕に、千佳は堪えきれなくなったように叫んだ。

「やあぁっ、お願い、ユウくん!も、いれてぇ!」
「うん……挿入れるよ」

ゆっくりと千佳の中へ侵入した。男を知っている身体は射精を促す動きで包み込んでくる。
僕も腰を動かし始めた。二人は互いに昇り詰めていく。

「いい、いいよぉ。もっと激しくしてぇ!」

うまく体を動かせないもどかしさから腰を振りたくる千佳。僕の首に回した腕に力がこもる。
それに呼応するように僕も動いていき、二人はついに限界を超えた。

「ユウ…くん、ユウくん、ユウくん!」
「ちぃ…くっ、あぁ…ちぃ、ちぃ!」

互いの名前を連呼しながら僕らは同時に果てたのだった。
287ユウちぃ:2009/09/18(金) 17:42:10 ID:1em00vJz
けだるい余韻から抜け出した僕はベッドから立ち上がろうとした。
しかし千佳は脱力しながらも先程と同じようにしがみついて離れようとしない。
「ちぃ」
「…………」

諫めようとする僕の言葉にいやいやをするように首をふる。

「ユウくん…もう一回」
「ちぃ…?」
「ご、ごめんなさい。でも…嫌なの、寂しいの…ごめんなさい、ごめんなさいユウくん、…いやらしい私の事…嫌いにならないで…」
子供のように泣きじゃくり、必死に訴えかける千佳。
ことここに至って、ようやく僕は「何があった」なんて間の抜けた質問をしていた。
今の千佳を見て何もないと思う方がどうかしてる。
震える背中を撫でていると、しゃくり上げながら話し始めた。

「お昼に、ユウくんが、いなくなっちゃって、私…怖くなって、そしたらユウくんが、三沢さんと戻って来て…」

ああ…そういう事か。僕は自分の愚行を恥じた。
自分が怯えている時に、一番傍にいるべき男が勝手にいなくなった上、別の女子と戻って来たのだから、不安定な千佳の精神に影響しないはずがない。
要するに千佳は三沢と一緒にいる僕を見て、僕を取られる、と思ったのだ。
僕は三沢と一緒に教室に戻るべきではなかった。いや、少なくともさっき千佳に昼休みの事を問われた時、適当に誤魔化すべきではなかったのだ。
その結果がこれだ。千佳は不安と喪失感、そして性欲を満たす為に、必死で繋ぎ止めるかのように僕を求めている。

「ユウくん、お願い…私の事嫌いにならないで。嫌だよぉ…ユウくん、置いていかないで…」

僕はただ彼女の頭を抱きしめて言った。

「大丈夫、嫌いになんかならない。何処にも行かないよ。ずっとちぃの傍にいるよ…」

その言葉に安心したように頷き、僕に顔を突き出す。
僕はその唇に軽くキスし、胸に手を伸ばした。
そうして僕らは再び愛し合い始めた。
288ユウちぃ:2009/09/18(金) 17:43:03 ID:1em00vJz
千佳を寝かしつけ、彼女の家を出た時は既に日付が変わっていた。
自宅に戻りながら僕は先程の会話を思い出し、自嘲の笑みを浮かべた。

「嫌いにならないで、か」
ねぇ、ちぃ。可哀想なちぃ。両足が動かないちぃ。五人もの男に暴行されたちぃ。君は知らないだろう?


その五人に君を襲うよう指示したのが僕だって事。


あの頃の僕は、人見知りだったちぃが自立していくのを喜ぶ反面、恐れてもいた。ちぃは僕だけのものだと思い込んでいた。
でもあの日、僕は見てしまった。ちぃに告白している男子生徒の姿を。
僕はその時、多分何かが結果的にズレた。
今思えばなぜあの時自分の想いを伝えなかったのだろう。とにかく僕はちぃの心を繋ぎ止めるより壊す事を選んだ。
でも僕は身体まで壊そうと思った訳じゃない。
だからちぃの両足が動かないと知った時、僕の目が覚めた。

「嫌いになんかならないよ、ちぃ…」

そうだ、嫌いになんかならない。だけど君を好きにもならない。僕の行為は愛情ではなく償いでしかないからだ。
僕らの関係をなんと呼ぶのか。恋人でも幼なじみでも無い、強いて言うなら互いが互いの奴隷のような関係。
その関係を明日も明後日も、ずっと続けていくのだろう。
僕は千佳の部屋の窓を振り返った。

「おやすみ、ちぃ…また明日」


289ユウちぃ:2009/09/18(金) 17:55:23 ID:1em00vJz
以上です

終わってみたらどっちもヤンデレ気味?
期待してもらったわりにエロ少なくて申し訳ない
ここのスレタイ見て思い浮かんだものですが
趣味全開なんで不快になられたらすいません
290名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 19:16:43 ID:euavi17+
GJ!エロ少なめだけど面白かったよ
途中までは共依存なのかと思ったけど、これはユウくんが一方的に悪いなw
291名無しさん@ピンキー:2009/09/18(金) 23:58:32 ID:J+eEV53g
ユウくん病み過ぎで怖えーよw
でもちぃは可愛いなぁ、私は好きですよ
292名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 06:45:30 ID:Vf61MDQA
>>286
GJ
ちぃエロい。
293名無しさん@ピンキー:2009/09/20(日) 22:15:57 ID:s8z4zJmz
後味悪っw
でもスゲー良かったっス!
294名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 01:00:41 ID:tdDsU0Ld
保守
295名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 04:02:28 ID:Szxuv5ie
隻腕とか隻眼に萌える
296名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 11:01:54 ID:O0tanova
芋虫
297名無しさん@ピンキー:2009/09/27(日) 23:25:17 ID:AbZ8oSWb
保守
298名無しさん@ピンキー:2009/09/29(火) 18:25:09 ID:3SYWx4Ud
新堂エルの漫画は良かったな
299名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 03:17:29 ID:CTsYMChF
投下します。
喋れない女の子。声が出ないのではなく、言葉を持たない子です。
楽しんで読んでもらえれば幸いです。
3001/11:2009/10/04(日) 03:18:22 ID:CTsYMChF
言葉を持たないということは、一体どんなものなのだろう。こいつを見るたびに、そんなことを考える。
俺の隣に座り、俺のMP3プレイヤーを奪って音楽を楽しんでいるこいつ。一見すれば、こいつはただの可愛らしい女の子だ。
が、こいつは他の奴等と、決定的に違う部分がある。
「おい、あとでちゃんとそれ返せよ」
俺が言うと、可愛らしい笑みを浮かべ、こう答える。
「ハー」
「……今はいいけど、あとで返せな」
「ハー!」
彼女が出す声は、掠れた息の通り抜ける音でしかない。しかも、それは言葉を出そうという意思すら感じさせない。
それもそのはず。彼女は、いわゆる『言葉』というものが喋れないのだ。俺や他の人が言う言葉はきちんと聞き取り、理解するのだが、
彼女は自身の言葉を持たない。どうも言葉というもの自体を使いこなせないらしく、字も読むことはできるのだが、それを自身の
言葉にして表すことはできない。だから、彼女は筆談も不可能だ。
また、生まれつき声帯がおかしいらしく、言葉を発することもできない。出てくる音は、ちょうど、鳴きすぎて声を嗄らした
子猫の出すような音だ。
「ヒァー」
不意に声の調子が変わり、俺はそちらに目を向ける。彼女はイヤホンを放り出し、冷凍庫を見つめている。
「何だよ、またアイスか?」
「ハー!」
「さっき食ったじゃん。もうダメだぞ」
俺が言うと不機嫌そうな声を出し、膨れっ面を見せる。
「ハー……シァー!」
「……わかったわかった、あと一個だけな」
「ハー!」
結構わがままな子でもある。何かと俺に物をねだってくるし、断ると不機嫌になる。俺のデザート横領は数知れない。
何と言うか、こいつはすごく猫に似ている。声はまるで子猫の鳴き声だし、意思の疎通の仕方も似ている。性格なんて言わずもがな。
そして、こいつは苗字が二井谷という。『にいたに』と読むらしいが、谷を『や』と読むこともできる。
なのでそれをもじって、俺はこいつのことをもっぱら『ニャー』と呼んでいる。猫っぽい響きといい、こいつにはぴったりだろう。
ちなみにニャーも、この呼び方を気に入っているらしい。
「おいニャー、これ食ったらそろそろ帰れよ」
「ヒァ〜……ハ…」
ニャーは元気のない声を出し、僅かにうつむく。
「また喧嘩かよ。お前、少しはなぁ…」
「シァーッ!ヒャーッ!」
今度は一転、俺に向かって怒りに満ちた声を出してくる。
「……はいはい、おんなじこと言うなってのね」
「ハ」
こいつの家族以外で、ニャーの言いたいことを理解できるのは俺だけだ。と言っても、俺からすれば、どうして他の奴が
理解できないのか、そっちが理解できない。仕草や表情は変わらないのだから、その辺を見れば大まかな意思の疎通はできるのに。
3012/11:2009/10/04(日) 03:19:28 ID:CTsYMChF
そういえば、俺がこいつと仲良くなったのも、その辺が縁になったんだった。
大学のレポート地獄にうんざりして、現実逃避のために、たまたま近くでやってた夏祭りに行ったときだ。
凄まじい喧騒の中、何だかあちこちきょろきょろ見回して、不安そうな顔をしてる女の子を見つけた。見た感じでは、
明らかに迷子になった小学生って感じだった。そんな彼女に、俺はどうしたんだと声をかけた。が、帰ってきた言葉は―――
「シー……ヒァー、ハー」
「……ん?」
「ヒャー!ヒャー、ヒャ!ハッ!」
一瞬ふざけているのかとも思ったが、彼女は真面目だった。そして、何やら指差す先を見ると、ヨーヨー掬いの店がある。
「……やりたいの?」
「ハー!」
「もしかして、別に迷子じゃなかったとか?」
「シァー、ハー」
「……なるほど。迷子になったせいで、やりたいのにできないと」
「ハーッ!ハー!」
何だか嬉しそうに頷く彼女は、とても可愛らしく見えた。元々が現実逃避のために来ていたので、俺はこの不思議な女の子に
付き合うことにした。
結果、ヨーヨー掬いを一回で一個。焼きそばを一つ。杏子飴一つ。金魚掬いは一回で6匹掬い、屋台の人を降参させていた。
次に射的へ向かおうとしたところで、彼女の家族と出会い、ニャーは無事、家族の元へ戻った。
聞いてみると、家は比較的近所とのことだった。そして、小学生にしか見えなかったが、ニャーはこれでも中学三年になるそうだ。
それから一年が経っているので、ニャーも高校生ということになる。まあ、まともな学校には行けてないんだろうけど。俺は相変わらず、
大学の底辺学生だ。
あの日以来、ニャーとはちょくちょく会う仲になり、今ではこうして家に押しかけられることも珍しくない。その度に、俺の財政は
圧迫されるのだが、どうもニャーには甘くなってしまう俺がいる。
こいつが来るようになってから、俺の生活は少し張りが出た。あまり色気を感じないとはいえ、女っ気があるというのは悪くない。
そのせいも多分にあるんだろう。
「……夕飯、食ってくか?」
「ハー!」
「オーケー。お前んとこ、電話入れとくか」
「ヒァー!」
「んなこと言ったって、心配かけちゃダメだろ。それに、向こうでも飯用意してたら、無駄んなっちまうしな」
「ヒァー……ハ〜…」
「わかればよろしい。ま、飯にはまだ早いしな、適当にやってていいぜ」
「ハー」
家に来ると言っても、ニャーはニャーで好き勝手にやっていることが多い。俺も必要以上には構わず、課題やらレポートやらを
こなしている。どうやらこいつにとっては、それがとても居心地よく感じるらしい。
3023/11:2009/10/04(日) 03:20:24 ID:CTsYMChF
俺のPSPを持ち出し、勝手に作ったセーブデータで遊び始めるニャーを尻目に、俺は夕食の準備に取り掛かる。RPGじゃないし、
データの上書きの心配はない。
「ニャー、チャーハンと野菜炒めと、どっちがいい?」
「……ハ!」
「チャーハンか」
「ハー!」
「オッケ。ちゃちゃっと作るから、テーブルの上だけ物どかしといてくれ」
ネギを刻み、卵を溶き、鍋を火にかけたところで、ニャーがトコトコと近寄ってくる。
「ハー」
「テーブルはオーケー?」
「ハー」
「ほいよ。じゃ、そこから皿出して…」
「シァー!」
「……そこの解凍したご飯、言ったら入れてくれ」
「ハー!」
こいつはなぜか、俺の料理の手伝いをするのが大好きだ。役に立っているとは言い難いが、本当に楽しそうなので、いつも手伝って
もらっている。俺としても、楽しげなこいつを見ているのは楽しいものだ。
二人で飯を作り、皿に盛り付け、テーブルに運ぶ。俺の手料理を、これまた本当にうまそうに食ってくれるので、俺もついつい
気合を入れて作ってしまう。
「ハー!」
「うまいか、よかったな」
「ハッ!」
「はは、お前も一緒に作ったんだし、当たり前か」
コロコロとよく変わる表情も、見ていて飽きない。もっとも、その辺が年齢より幼く見える所以でもあるのだが。
「ところで、それどうよ?進んだ?」
「ハー!」
ニャーは何やら得意げに、途中停止してあるゲームの画面を見せてきた。
「……げ、もう上位かよ。武器何使ってんの?」
「ハ!」
「……ガンランスとか、渋いなお前。てかさ、そんなに気に入ったんなら、ニャーもそのうち買おうぜ。そしたら一緒にできるぞ」
「ヒァー……ハー!」
「無理無理、俺は買えないって。貧乏学生にそこまで期待するな」
こういうどうでもいい話が、すごく楽しく感じる。お互いに構えず話せるから、余計そう感じるんだろう。
大学の友達も、別にいないわけじゃないし、話してて楽しくないわけじゃない。けど、ニャーと話している方が、なぜかよっぽど
楽しく感じる。
3034/11:2009/10/04(日) 03:21:23 ID:CTsYMChF
「ところでニャー。お前、彼氏とかできた?」
「……クー」
俺が尋ねると、ニャーの手が止まり、俺をジトッとした目で睨みつけてくる。
「怒るなよ。単なる興味なんだから」
「クァー!シィー!」
「お、怒るなよ。わかった、俺が悪かった、すまんかった」
「……シュ〜…」
ここまで怒るとは予想だにしなかったが、ともかくも嫌な話題らしいので、もうその話はしないことに決めた。
飯を食い終わり、食器を下げる。もういい加減、ニャーは帰った方がいいと思うのだが、帰る気配は微塵もない。
「おい、ニャー。そろそろ帰った方がいいんじゃないのか。いくら何でも、うちの人心配するだろ」
「……ヒァ」
「やだって、お前なあ…」
「ハ」
ニャーは不意に、洗面所を指差した。トイレというわけではなさそうだし、手を洗いたいわけでもなさそうだ。
「……何?シャワー?風呂?」
「ハー」
「いや、いいけどさ……お湯張っとくか?」
「ハー」
こいつが風呂に入りたがるのは初めて見た。そこまで帰りたくないんだろうか。
ともかくも、俺は風呂桶にややぬるめのお湯を張ってやる。夕飯を食うことは言ってあるし、少々遅くても送ってやれば問題ないだろう。
「ニャー、もう風呂入れるぞ。ちゃちゃっと入ってきちまえよ」
「……ハー」
ニャーは俺の顔を見上げ、風呂を指差す。
「……何?俺に入れって?」
「ヒァー!ハ!」
「……一緒に入れ?」
「ハー」
「一緒に!?」
「ハー」
「い、いや、それはほら、まずいだろ。仮にも男と女だし…」
「シァー!!クァー!!」
「……わかったよ、わかりましたよ。入ればいいんだろ、入れば…」
何だか妙な流れになってしまったが、言った以上は仕方ない。服を脱ぎ、狭いユニットバスに何とか二人で入り込む。
ニャーの体は、やはり外見と同じで幼く見える。ああは言ったが、俺達の関係もあって、あまり『女』だとは意識しない。
仲のいい子供と一緒に風呂に入っているだけだと思えば、そんなに慌てるようなことでもないだろう。
「狭いなー。ニャー、平気か?」
「……ハ」
俺は風呂桶の中で足を曲げて座り、ニャーはその間に体を入れている。後ろを向いているので、肩と背中しか見えない。
3045/11:2009/10/04(日) 03:22:07 ID:CTsYMChF
それにしても、風呂に入っているのはいいが、ニャーはあまり声を出さず、動きもしない。いつものこいつらしくないなと思っていると、
不意にこっちを向いた。
「ん?どうした?」
「………」
ニャーは答えず、そのまま体ごとこっちに向き直った。つるぺたな胸より、俺はその真剣な顔に目を奪われた。
「……ハー」
「な、何だよ?」
いつもと違って、表情がまったく読めない。何が言いたいのかも、まったく理解できない。
「……ハ」
「だから、何だって…」
言いかけた言葉は、最後まで出せなかった。
まったく突然に、ニャーは俺の口を自身の唇で塞いできた。予想もしない行為に、俺はただ驚くばかりだった。
思った以上に柔らかく、温かい唇。荒い鼻息が頬をくすぐる。それら全てが、俺から平常心を奪っていく。
その上、口の中に柔らかい物が入り込んできた。怖々と侵入してくるそれが、ニャーの舌だとわかった瞬間、俺は理性を総動員して
ニャーの体を押し退けた。
「ぷはっ!お、おいよせって!ニャーよせ!」
なおも俺に迫ろうとするニャーを、肩を掴んで無理矢理引き剥がす。そんな俺を、ニャーはなぜかムッとした顔で見つめる。
「い、いきなり何だよ…!?」
「………」
不機嫌そうな顔ではある。しかし、その目はどこか悲しげだった。
俺達はそのまま、しばらく見詰め合った。
今の今まで、何も感じなかったニャーの体に『女』を感じる。キスをされたことだけが原因とも思えない。その雰囲気も、明らかに
変わっている。目の前にいるのは、今までの『女の子』ではなく、一人の『女』だった。
「……ハー」
一瞬、俺が気を抜いた隙を突き、ニャーは肩の手を払いのけ、逆に俺の肩に手を掛けた。そして、俺の腰にゆっくりと跨る。
「うっ…!」
複雑な表情を見せるニャーの顔。肌に直接感じる体温。そして、下腹部に感じる、他とは明らかに異なる感触。
吹っ飛びそうになる理性を全力で押さえつけ、俺は再びニャーの体を押し退けた。
「よせ…!ニャー、やめろ…!」
不機嫌そうな、それでいて悲しげな表情のニャー。その視線から逃れるように、俺は立ち上がった。
「そ、その、適当に温まって出て来いよ!俺は、その、先に出てるから!」
振り返りもせず、湯船から出ると体をざっと拭き、部屋に戻る。
バクバクと心臓の音がうるさい。あんなニャーの姿は初めて見た。それに、いきなりどうして、あいつはあんな真似をしてきたんだろう。
混乱した頭でわかるわけもなく、とにかく気を落ち着けるために、そんなことを考える。しかしそれを考えれば、あのニャーの体と、
唇の感触が蘇り、再び落ち着かなくなる。
そんな俺に追い討ちをかけるように、洗面所のドアが開く音がした。思わず振り返った俺は、そのまま固まってしまう。
3056/11:2009/10/04(日) 03:23:06 ID:CTsYMChF
そこではニャーが、一糸纏わぬ姿で立っていた。体はざっと拭いてあるようだが、張りのある肌のところどころに水滴が光っている。
髪は黒く艶かしく輝き、今まで彼女に感じたこともなかった色気を醸し出している。
「お、おいニャー!おまっ、お前、服っ…!」
「……ハー…」
怯えているような、悲しんでいるような、ニャーはそんな声を出す。
「な……何だよ、どうしたんだよ…?」
「ハー……ハーッ!」
突然、出ない声を張り上げると、ニャーは俺に飛びついてきた。いきなりで対処しきれず、俺はその場に尻餅をついた。
俺自身、タオルを腰に巻いてるだけで、ほぼ裸だ。湯船の中より、もっとはっきりと彼女の体を感じる。
温かくて、滑らかで柔らかい肌。俺の体をぎゅっと抱き締める、小さな手。
その手が、俺の腰にあるタオルにかかる。止める間もなく、ニャーはそれを剥ぎ取り、向こうに放ってしまった。
「おい、ニャー…!」
「……ハーッ…!」
俺を見上げる、潤んだ瞳。それがスッと閉じられ、目の前に近づく。そして、唇にあの柔らかい感触。
再び、ニャーは俺の腰に跨っている。それどころか、まるで俺の腹に秘部を擦り付けるかのように、腰をぐいぐいと動かしてくる。
そこで、はっきりと悟った。ニャーは、俺を誘っている。抱いてほしいとねだっている。
一瞬、頭の中に様々な思いが駆け巡る。未成年相手にそれは犯罪だとか、でもここまでされて我慢できないとか、いざという時に
責任は取れるのかとか、信じられないほどの勢いで頭が働いた。
だが、それも一瞬のこと。こんなことをされて我慢できるはずもなく、ここで止めては彼女に恥をかかせるだけだ。
頬を両手でそっと包み、優しく押しのける。ニャーは名残惜しげに舌を伸ばし、そこに唾液が糸を引く。
「……おい、ニャー」
俺が呼ぶと、すぐに声の変化に気付いたらしく、ニャーは俺の顔を見つめた。
「お前……何するのか、わかってるのか…?」
「ハー」
「何されるのかも、わかってるのか?」
「……ハー」
ニャーは真面目な顔で頷く。次の言葉を出せば、もう後戻りはできない。それでも、俺は言った。
「後悔、しないな?」
「……ハ…」
躊躇いがちに、しかし確かに頷く。それを見て、俺も覚悟を決めた。
ニャーの体を抱き寄せ、平たい胸にある小さな突起に舌を這わせる。途端に、小さな体がピクンと跳ねた。
「ヒャッ…!?ヒァ…!」
突然の刺激に驚いたようで、ニャーは嫌がるように身を捩る。しかし、その力は弱く、俺の行為を妨げるようなものではない。
「ハッ……ハァ…!ヒャッ…!」
ニャーは掠れた喘ぎ声を上げ、俺の腕をぎゅっと握ってくる。熱い吐息が耳にかかり、それが何とも言えない快感をもたらす。
舌先で突付き、舐め、弄ぶ。俺の刺激に、ニャーは素直に反応する。
「ハァッ……ハッ、ハッ……フゥー…!」
背中を撫でれば、子供のように艶やかな肌の感触。上気した体からは、少しずつ汗の匂いがし始め、腹に押し付けられた秘部からは
熱い液体が滲むのを感じる。
3067/11:2009/10/04(日) 03:23:52 ID:CTsYMChF
右手を滑らせ、ニャーの太腿を撫でる。そのまま内股へと回し、一度下腹部を通してから、そっと秘所に這わせる。
「ハァーッ!ハッ……ハァッ!ハ、ハゥ…!」
抱きしめた体がビクリと震え、ニャーの手が俺の腕から肩へと移る。俺を押しのけようとし、しかしそれを躊躇い、肩に手を置いたまま
ブルブルと震える。俺は胸から口を離し、彼女の顔を見つめた。
「ニャー、平気か?」
そう尋ねると、ニャーは不安げな目に少しだけ安堵の色を見せた。
「……ハー」
「無理は、するなよ」
「ハ…」
小さく頷くと、ニャーはまた顔を寄せてくる。それに応える形で、俺も顔を寄せる。
俺の唇を、頬を、彼女の小さな唇が優しく触れる。やはりというか、前戯の知識はほとんどないらしく、ニャーはただただ、俺に何度も
キスをする。でも、それが彼女の純粋さを表しているようで、何とも微笑ましい。
キスを受けながら、俺は彼女の秘唇を撫で、滲み出る愛液を指に絡める。十分に付いたところで、そっと秘唇を開き、指先を沈める。
「ハァーッ!ヒャァッ!!ハッ!!」
「ごめん、痛かったか?」
指を抜くと、ニャーは大きな目をまん丸にして俺の顔を見つめる。どうやら、痛かったというよりは、びっくりしてしまっただけらしい。
「ごめんな、もうちょっと準備してからがいいよな」
「ハー……ハッ!?フ、ハァ!」
小さいながらも、しっかりと膨らんだ陰核をくすぐるように撫で、摘み、くりくりと弄る。途端に、ニャーの体は弾かれたように
跳ね上がる。
「ここ、気持ちいいか?」
「ハァーッ!ハッ!ハッ!ヒァッ!ハーッ!!!」
どうやら相当に敏感らしく、ニャーは掠れ声で叫びながらガクガクと体を震わせている。
頃合を見て、再び慎重に彼女の中へ指を沈める。今度は驚くようなこともなく、ただ俺の指を痛いほどに締め付けてくる。
「ファ…!ハッ!!ハァ〜!!」
興奮と緊張とで、今や彼女の体は真っ赤に染まり、顎からはポタポタと汗が滴り落ちている。全身もじっとりと汗ばんでおり、
俺にしがみつく体は、はっきりとわかるほどに熱くなっている。
そして、彼女の中はそれこそ、火傷しそうなほどに熱い。ぬるぬると熱い粘液が指に絡みつき、中の肉が指をぎゅっと締め付けてくる。
その感覚だけでも、俺の最後の理性を取っ払うのには十分だった。
指を引き抜くと、ニャーの体がピクンと震える。引き抜かれた俺の指を見て、そこに糸を引く愛液を見て取ると、ニャーは恥ずかしげに
俺の胸に顔を埋めた。
「……おい、ニャー。そろそろ……いいか?」
「ハ…」
その言葉に、ニャーは目だけを俺の方に向け、やがてコクンと頷くと、再び俺の胸に顔を埋める。きっと、恥ずかしいというのも
あるだろうが、怖いのだろう。
ニャーの頭を撫でながら、体をずらして挿入可能な位置まで持ってくる。そして、秘唇をそっと開くと、そこに俺のモノを押し当てる。
「ハッ……ハァ…!」
いよいよ、ニャーは体を強張らせ、震える吐息を漏らす。そんな彼女の頭を優しく撫で、そっと抱き締める。
「ニャー、痛かったらすぐ言えよ。無理はしないから」
「……ハ……ハー…」
少しずつ、慎重に腰を突き出す。ニャーは腰を浮かせて逃げようとするが、怖いながらも覚悟は決めているらしく、やがて再び
腰を下ろしていく。
3078/11:2009/10/04(日) 03:24:38 ID:CTsYMChF
ゆっくりゆっくり、俺のモノが彼女の中に入り込んでいく。先端部分が入り込むと、その熱さと締め付けで、一気に突き入れたい衝動に
駆られるが、辛うじて思い止まる。
「ハーッ……ハーッ、ハーッ!!ハーッ!!!」
だんだん痛くなってきたのか、ニャーの声は喘ぎではなく、悲鳴に近くなっている。おまけに、俺の胸にじわりと熱いものが伝うのを
感じ、俺は動きを止めた。
「ニャー、泣いてまで無理しなくていいぞ。もう十分だろ?」
残った理性を総動員し、そう声をかける。が、ニャーは涙に濡れた顔を上げると、必死にかぶりを振って見せた。
「ヒァー…!ヒャー…!」
「んなこと言ったって……大体、お前まだ小さいんだし、無理だって」
「ヒャー!」
一体何が気に入らなかったのか、ニャーは涙声で抗議すると、こともあろうに、自分から結合部に全体重をかけた。
ずぶりと、俺のモノが根元まで彼女の中に埋まり込む。一気に根元まで広がった快感に、俺はまた理性が吹っ飛びかけたが、ニャーの
悲鳴がそれを繋ぎ止めた。
「ハーーーーッ!!!ヒアァーーーッ!!!ハーッ!!!ハーッ!!!ハアァーーーッ!!!」
「お、おいニャー!!平気か!?大丈夫か!?」
涙をぼろぼろと零し、必死に叫ぶニャーの姿は見ていて痛々しかった。何とかしてやりたかったが、俺が彼女の体に手をかけると、
彼女自身の手で振り払われた。
「フアァ…!ハアァ〜…!」
彼女の声が、悲鳴すら掠れ声なのは幸いだった。きっと、あれをまともな声で叫ばれたら、今頃きっと隣人に通報されているだろう。
「ニャー……どうしたってんだよ…!?どうしてそこまで…!?」
「……ハー…!」
比較的すぐに痛みは落ち着いてきたらしく、ニャーは涙をゴシゴシと拭っている。やがて、新しい涙が溢れなくなると、
ニャーは俺の目をじっと見つめてきた。
「ハー…」
苦痛に歪んだ、しかしその中に確かに見える、女の意地の光。
「……これぐらいできるって、見せたかったのか…?」
「……ハ」
「……馬鹿だな、お前」
思わず口走って、俺はニャーの体を抱き締めた。
「俺は、お前が痛がる姿なんか、見たいわけじゃないぞ。むしろそんなの、見てて辛い」
「…………ハ」
結合部には、新たに温かい液体の感触がある。ただ、そんなのをまともに見たら一気に萎えそうなので、俺はそこを見ないようにした。
「……でも」
「ハ?」
「今、すげえ気持ちいい」
「……ハッ!」
俺の言葉に、ニャーは辛くも嬉しそうな笑顔を浮かべた。無邪気で、可愛い笑顔だった。
「んで、ごめん。できれば、じっとしててやりたいけど……動かして、平気か?」
「ハー」
「悪い。痛かったら、今度こそ言えよ」
ゆっくりと、腰を引く。途端に、彼女の中がそれを止めようとするかのように、強く締め付けてくる。逆に突き入れると、
痛みにヒクヒクと震えつつも、必死に俺のモノを受け入れてくれる。
3089/11:2009/10/04(日) 03:25:29 ID:CTsYMChF
腰を動かしつつ、小さな体を抱き締める。すると、ニャーは顔を上げ、俺の唇に顔を近づけようとする。
その頭を抱き寄せ、今度は俺の方から唇を重ねてやる。嬉しそうに目を細め、ニャーは舌を絡めてくる。
それこそ全身で、俺達は繋がっていた。キスをし、抱き合い、男女としての交わりを持つ。
今の俺には、ニャーはただの友達などではなかった。この上もなく大切な、ただ一人の女の子。恋人とまで呼べるかはわからないが、
少なくとも何より大切な存在だった。
「ニャー……く、気持ちいいよ…!」
「ハーッ……フアァ、ハー…!」
ただでさえ、熱くきつい中の感触に、長く耐えるのは無理な話である。彼女の動き一つ一つが俺を追い込み、だんだんと気遣うことすら
難しくなっていく。
「はぁ、はぁ…!ニャー、もう出そうだ!」
「ハーッ…!ハッ!」
俺が言うと、ニャーはしっかりと俺に抱きつき、腰に足を絡みつかせてきた。
「いや、ちょっ……腰引けって意味……が、あっ……も、もう無理だ!出る!」
止めることなど出来るはずもなく、俺はニャーの中に思い切り精液を注ぎこんだ。途端に、ニャーの体がビクリと震える。
「ハーッ、ハッ!?ハァーッ!ハッ……ハッ、ハ……ハ…」
中に流れ込むのがわかるのか、ニャーは俺のモノが跳ねる度、中をぎゅっと締め付けてくる。それはまるで、精液を一滴残らず
体の中に取り込もうとするかのような動きだった。
結局、途中で腰を引くこともできず、俺は彼女の体内に全て注ぎ込んでしまった。やがて、俺のモノが硬さを失ってくると、
彼女の中から自然に抜け出た。それと同時に、ニャーはぐったりと俺に体重を預けてきた。
「はぁ……はぁ……ニャー、大丈夫か…?」
「……ハ…」
相当に消耗したらしく、その声に元気はない。しかし、どこか満足そうにも聞こえた。
「風呂入ったのに、また汚れちまったな」
「……ハー…」
「……また、一緒に入るか?」
俺が尋ねると、ニャーは顔を上げ、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「ハー!」
「よし。お前、まだ痛いだろ?連れてってやるから、じっとしてな」
そっと抱き上げる。ニャーは嬉しそうに、俺の胸にかじりついてきた。
こんなにも軽く、小さく、温かい体。たった今まで交わっていた相手とは、とても思えない。
でも確かに、俺達は関係を持った。ただの歳の離れた友達としてではなく、男と女としての、大人の関係を。
30910/11:2009/10/04(日) 03:26:16 ID:CTsYMChF
「ええ、はい。どうしても一緒にいたいようで……いえ、そんな。僕の方は大丈夫ですよ。そんな……はい、はい。ええ、はい。
ええ、それでは、また。失礼します」
時間も時間で、おまけにあんなことをしては、ニャーが帰れるわけもなく、帰すわけにもいかない。彼女の家に、今日は泊めるとの
連絡を入れると、特に何の疑いもなく、あっさりと承知してくれた。信頼関係っていうものの大切さを学んだ気がしたが、それを
悪用してるような罪悪感も同時に生まれる。
「とりあえず、連絡はしたからな。何も気にしないでいいぞ」
「ハー!」
パジャマなどはないので、ニャーには俺の服を着てもらっている。さすがにだぶだぶだが、パジャマにはちょうどいいだろう。
「……にしてもさ、ニャー」
「ヒャ?」
「お前さ……どうしていきなり、あんな真似したんだよ?結局中に出しちゃったし……いや、もしもの場合には責任は取るけど…」
俺が尋ねると、ニャーはムッと唇を尖らせた。
「ヒャ。ハー、ハー」
「……背伸びしたかった……なんてわけじゃなさそうだな」
「ハー」
「……ま、どうでもいいや」
「シァーッ!!」
「いや、そのどうでもいいって意味じゃないって。別にそれがどんな理由だって、お前は俺にとって、大切な子なんだよ」
「……シュー」
ニャーは、それでもまだ不服そうな顔をしている。
「とにかくさ、今日はもう寝ろって。疲れただろ?」
「ハー……ヒャ」
「……ほら、こっち来いよ。一緒に寝ようぜ」
「ハッ!」
俺が寝転ぶと、ニャーもいそいそと寄ってくる。だが、布団を開けてやったにも関わらず、ニャーは俺の上に乗ってきやがった。
「……どうして俺の上なんだよ…」
「ハッ!……クー」
今までとは違う音に、俺は首を傾げた。
「ん?何か言いたいのか?」
「ハー。シュ……シュアー、クァ」
「……?」
ニャーは必死に、何かを伝えようとしているらしい。しかし、今までに聞いたこともない声で、しかも表情はどこか苦しげなので、
言いたいことはまったく理解できない。
「クー……シュ……ク…」
31011/11:2009/10/04(日) 03:27:15 ID:CTsYMChF
やがて、ニャーは俺の顔を真っ直ぐに見つめてきた。その顔は真面目で、しかしどこか楽しげな笑みが浮かんで見えた。
その口が、ゆっくりと動いた。そして、掠れた声が、一つの言葉を紡ぎ出す。
「……ス……キ…」
「っ!?」
今、こいつは確かに言葉を喋った。生まれついて、ただ一つの言葉も持たないはずの彼女が、だ。
そして、俺は突然に、今までの疑問の答えを見つけた。
「……そうか……そうか。お前、ずっとそうだったのか」
「……ハー」
食事中に、不用意に尋ねた質問。こいつはずっと、俺が好きだったんだ。だが、俺は気付かなかった。そのことに、ニャーもまた
気付いていなかった。だから、俺がそんな質問をしたことに驚き、怒り、無理矢理に『恋人同士がやる行為』をしてみせたのだ。
「ダメな奴だな、俺。普通に言葉がなくても通じることだけ、わかってやれなかったなんてさ」
「……シュアー」
ニャーはおどけた仕草で、俺の頭をこつんと叩いた。
「……ニャー」
「ヒャー?」
「……俺も、お前が大好きだ」
「……ハッ!!」
ニャーは満面の笑みを浮かべ、俺に抱きついた。俺もしっかりと、その体を抱き返す。
これ以上は、言葉なんて要らない。そんなものがなくったって、お互いの温もりだけで十分だ。
お互いの温もりを味わおうとするかのように。お互いに放すまいとするように。そして、お互いの気持ちを確かめ合うように。
強く強く抱き合ったまま、俺達は幸福な眠りへと落ちていった。
311名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 03:28:19 ID:CTsYMChF
以上、終了。
それでは失礼します。
312名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 10:28:31 ID:SCaPPgnE
これは新しい。ケダモノじみた純愛っていいよね。
ところで途中から、
ニャーの頭に猫耳がついている情景が頭に浮かんだんだが俺は正常だよな。
313名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 13:03:15 ID:ENzPDXkB
はじめて喋った言葉が告白の言葉だなんて可愛すぎる!
二人で幸せになってもらいたいね。
314名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 13:25:05 ID:Kv/zXlg8
で、続編はいつごろになりそうかね
315名無しさん@ピンキー:2009/10/04(日) 13:27:35 ID:aJNexlWc
>>311
GJすぎて他に感想が(ry

>>312
俺も思ったw
316名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 17:42:08 ID:TT4vpcD/
>312,315
よう同志。
可愛いなあこの娘。


時にここ、SFやサイバーパンクっぽいのはスレ違いかねー。
機械義肢とかそんな方向の。
317名無しさん@ピンキー:2009/10/07(水) 21:31:35 ID:eZJPQeZP
投下してから考えるんだ!
さあ、さあ
318名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 01:22:08 ID:0bhLYfCa
神明菊菜可愛いよ
319名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 17:55:04 ID:L2iM00Z4
>>305
GJ
320名無しさん@ピンキー:2009/10/13(火) 21:26:10 ID:N6cjMb7N
GJ、知り合いにニャーみたいな子でもいるのかな?
321名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 23:08:27 ID:Vn4KkzED
>>319
なんでそんな半端なとこにw
322名無しさん@ピンキー:2009/10/14(水) 23:19:42 ID:As3rWYTX
>>305の文が良かったってことか!
323名無しさん@ピンキー:2009/10/15(木) 01:57:39 ID:ozMp/1ab
ウチの馬鹿ぬこは、牙と爪を突き立ててくれるぜ…。
324名無しさん@ピンキー:2009/10/21(水) 23:25:42 ID:x+qsK6wa
いいれす
325名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 19:45:21 ID:CYUNV0cI
すいません。以前「ユウちぃ」書いた者です。
続編のようなもの書いたのですが、障害関係ない話になっちゃっいました。
スレの主旨と違うもの投下しても良いでしょうか?
326名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 07:38:09 ID:ujrnE7TK
いいよ!
327名無しさん@ピンキー:2009/10/30(金) 09:08:03 ID:r1tJ1P0H
主人公がアレだから無関係にゃならんと思うぞ?まぁ要するにお願いします。
328名無しさん@ピンキー:2009/11/04(水) 20:47:39 ID:77kbtXv7
スイマセン、投下するとか言っといて1週間も来れませんでした
「ユウちぃ」投下します
329ユウちぃ+:2009/11/04(水) 20:48:57 ID:77kbtXv7
真夜中。私は目を覚まして飛び起きた。全身にぐっしょり嫌な汗をかいている。体が妙に熱くて頭はぼんやりする。

「はぁはぁ、はぁ……」

荒い息を整えて時計を見ると午前4時過ぎ。ユウくんが向かえに来るまであと三時間もない。
今日もまた2年前のあの日の事を夢に見た。
あの夢を見た後はいつもこんな風に体が熱くなっている。
股間がむずむずしてしょうがなかった。そっと手を当てて確かめてみると、パジャマのズボンはなんともなかったのに、ショーツはしっとり湿っている。

「くぅ、んっ」

ぼうっとした頭でそこを探っている内に敏感な部分を擦ってしまった。途端に下半身にじぃん、と痺れが広がる。
私は無意識に指を動かしてい快感を貪っていた。くちゅくちゅと水音を立てて私の膣内を私の指が弄る。

「んっ、はぁん、やっ、こんなの、ダメなのにぃ……止めなきゃ……んんっ、ダメっ、止まんないよお……」

割れ目から溢れるおツユがショーツをぐしょぐしょにする。
遂には両手を使ってクリと中、両方を責め立てしまう。

「ふあぁぁぁぁっ!もっ、もう、イクっ!んあぁぁぁぁ!」

イッてしまった……。余韻から覚めると激しい自己嫌悪が襲ってきた。
あの日の事を夢に見て、アソコを濡らして、しかもオナニーまでしてしまうなんて……。
私はノロノロと服を脱ぎ始めた。後二時間くらいでユウくんがくる。こんな濡れたショーツをはいているなんて知られたら、恥ずかしくて死んじゃう。
しかし両足が不自由な私は、ショーツを変えるだけの行為に30分もかけてしまった。
疲れてベッドに倒れ込むとすぐに眠気が襲ってくる。
脱ぎ捨てたショーツをベッドの下に隠し(乾いたら適当に洗濯物に入れる気だった)、私はそのまま眠りに落ちた。
でも私の身体はまだ収まってなかったようで、起きたら代えたショーツにもシミが出来ていた。しかもそれをユウくんに見られるという最悪のおまけ付きで。


あの日、私を絶望に叩きこんだ事件から2年。
両足の自由を失った私が今日まで生きてきたのは隣家の幼なじみの勇人くんのおかげに他ならない。
ユウくんはこうなった私を見た時、この世の終わりみたいに嘆いていたらしい。
でもそれからユウくんは私の世話を積極的にやり始めた。
母子家庭で勤めに出なくてはならなかったお母さんはとても喜んでいた。もちろん私だって、最初は恥ずかしかったけど、昔から大好きだったユウくんといつも一緒にいられるようになってとても嬉しかった。
実際、私たち親子はユウくんに救われたようなものだ。でも、だからこそユウくんに対して申し訳ない気持ちで一杯になる。
ユウくんはいつも茶化すように「気にすんな」って笑うけど、どうしてユウくんがそこまでしてくれるのかわからない。
ユウくんが優しいから?私の事を放っておけなくて?確かにそれもあるんだろうけど、私はユウくんから義務感のようなものを感じるのだ。
どうして?私がこうなった事にユウくんには責任なんか無いはずなのに……。
330ユウちぃ+:2009/11/04(水) 20:50:03 ID:77kbtXv7
その日もいつもと一緒だった。朝、ユウくんに起こされてユウくんと学校に行きユウくんと一緒に過ごす。
私が謝りユウくんが謝るなと怒る。それはわたしたちの日常だった。
でも、お昼休みになって、ご飯を終えた私の耳に聞こえてきたあの会話……。

「ほら、あの女だよ…」
「あー、例の車椅子女」
「あの五人にマワされたってヤツ?」

ダメだ、と思った時にはもう遅かった。一瞬で頭が真っ白になり、「あの時」の光景が脳裏に蘇る。
奪われる唇。揉みしだかれる乳房。突き出される肉棒に割れ目に押し入ってくる舌。
荒々しく蹂躙されていく私の身体。でも私は次第に歓んで――

「嫌!ごめんなさい!止めてぇ!」

気付けば私は涙を流し、半狂乱で頭を抱えこんでいた。肩は震え、口は勝手に言葉を紡ぐ。
怖い。怖くて堪らない。
そんな私に救いの声が投げ掛けられた。

「……ぃ、ちぃ!大丈夫だ、ちぃ!」

ユウくんの声。それが意識をゆっくりと落ち着かせる。そうだ、あれは過去の事なんだ。そう認識する事で私は現実に引き戻されていく。
でも、気が付いた時にはユウくんの姿は無かった。クラスメイトの希美に連れられ教室に戻る所だった。

「ユウくんは……?」
「さぁ?なんか用事あるみたいな事言ってたけど」

希美に聞いても不思議そうに答えるばかり。
私はため息をつくと、下腹部に目を向けた。身体の奥底が熱くじゅんと潤んでいる。たったあれだけで浅ましい肉体は反応してしまっている。
辛くて苦しくて、きっとユウくんの顔を見れば安心できるのに……。私は必死にユウくんのいない不安と身体の疼きに耐えていた。
教室に戻っても浮かない顔の私に希美は優しく声をかけてくれる。

「千佳、その……元気出してよ。勇人くんがいなくて不安なのはわかるけど……」
「うん、ありがとう……」
だけど答える声も上の空。希美には悪いけどやはり気になってしまうのだ。
でもそんな私をさらに追い詰めたのは他ならないユウくんだった。
ようやく戻って来たユウくんは隣に私じゃない女の子を連れていた。
途端、私の心が凍り付く。
クラス委員長の三沢さん。とても美人で私と違って明るくて。お手本のような魅力的な女の子。
ユウくんは背も高いし頭も良いし、私のひいき目を抜いても間違いなくカッコ良い部類の男の子だ。
だから二人が並んでいるのはすごく絵になった。そしてそれはとても私を不安にさせた。
ユウくんが三沢さんの肩を抱き、彼女は頬を赤らめ、やがて二人はゆっくり顔を近付けて――。
そんな光景が浮かんできて私はぶんぶん頭を振る
でも元から不安定だった私の心はもう完全にぐちゃぐちゃになっていた。
さっきの無遠慮な言葉と今見た光景、蘇る「あの日」の事への恐怖心と三沢さんへの醜い嫉妬心、そして抑えきれない身体の火照り。それらがない交ぜになって泣きそうになる。

「ちぃ、大丈夫か?」

ようやく私の傍まで来たユウくんが心配そうに尋ねてきたけど、愛想笑いで応える事しか出来なかった。
331ユウちぃ+:2009/11/04(水) 20:50:59 ID:77kbtXv7
その晩、お母さんが帰って来ない家の中で、私はユウくんを求めた。ユウくんはいつも通り少し笑って私にキスをする。
ユウくんの手が私の身体を撫で上げていく。その愛撫はとても優しくて、いつも私を甘く酔わせる。
だけど今日は違った。朝から昂ぶっていた身体とぐちゃぐちゃになった心は一度くらいのエッチでは誤魔化されてくれなかった。

「ユウくん…もう一回」
「ちぃ…?」

昼からずっと抱えていた不安とユウくんがいなくなるかもという喪失感を埋めようと私は知らず口に出して二度目を求めていた。
その浅ましい願いがますますユウくんに悪く思われてしまいそうで、私は子供のように泣きながら言葉を重ねた。
ユウくんはただ一言、「何があった」とだけ聞いてきた。私が昼からずっと不安に思っていた事を伝えるとユウくんは黙って目を閉じる。その姿を見てある事に気付いてしまった。

「私はユウくんがいなくちゃ生きていけないけど、ユウくんはいつでも私を捨てられる。」

それはずっと考えないようにしていた可能性。私はそれが一番怖かった。ユウくんが私の前から消えてしまう事が。
だから言葉が自然と口を衝いて出た。

「置いていかないで…」

なんて自分勝手な言葉だろう。ユウくんに自分を捨てて私に尽くせと言ってるのと同じだ。
私みたいなのは生きてたって迷惑なのに、恥知らずにもユウくんと生きていきたいと願っている。
けれどユウくんはただそっと私の頭を抱きしめる。そして優しく耳元で囁いた。

「大丈夫、嫌いになんかならない。何処にも行かないよ。ずっとちぃの傍にいるよ…」

その言葉には不安も恐怖もなにもかも全てを吹き飛ばすような不思議な力があった。
そう、ユウくんが傍にいてくれる。これ以上何を望むのか。
ユウくんが私の唇を塞ぐ。頭にピンクのもやがかかったように思考が停まり、私はゆっくりと二度目の行為に溺れていった。


そんな幸せな気分で眠りについたのに、悪夢はその日もきっちりと、まるで義務のように私の元を訪れた。
332ユウちぃ+:2009/11/04(水) 20:54:16 ID:77kbtXv7
「んぶっ、んふぅ、ちゅぶ、はぁ、も、もうひやぁ、ひゃめへぇ」
「おっ、いいな。初めてにしちゃうめーじゃん、千佳ちゃん」

夢。これは二年前の夢。
私は学校帰りの制服姿のまま、手足を縛られ知らない男の人のペニスをくわえさせられていた。
周りには4人の男の人がニヤニヤして立っている。

「うっ、もう、出すぞ!」
「んんっ!?んはぁっ!……うぐ、げほっげほっ!」

口の中に苦くて生臭いものが出され、たまらず吐き出してしまう。
白くてドロドロしたものが制服を汚すのを私はぼーっと見ていた。

(これが、男の人の、せーし……。私、こんなの口に出されて……)
「ほらほら休んでるヒマないよ」
「んじゃ、俺はコッチ」
「ひっ!?いやぁ!」

いつの間にか、制服の下に手を入れられ胸をまさぐられていた。更に別の一人がスカートの中に顔を突っ込み下着の上から股間を舐めてくる。

「へぇ、おとなしそうな顔して結構デカイじゃん」
「こっちはちょっとすえた匂いがすんな。つか千佳ちゃん、ちょっと濡れてね?」
「ひぃっ、やあぁぁぁぁ!やめっ、やめてぇぇぇぇ!」

おっぱいとアソコを無遠慮にいじくられ、恥ずかしくて頭ブンブン振って悲鳴をあげる。でもそれ以上に怖くて身体が縮こまり、私は抵抗も出来ずにいた。

「んな嫌そうな顔すんなよ。乳首ビンビンになってる癖に」
「くふっ、んんっ……ふぁ、あんっ」
(いやだよ……、なんで私がこんな目に……)

私は小さく喘ぎながらそんな事を考えていた。
それでも徐々に嫌悪感が減り、触られている部分が痺れてくる。頬が熱くなってくるのが自分でもわかる。

(気持ちいい……?いや!なに考えてるの、私!?)
必死にその感情を否定しても、甘い声が止まらない。同時に頭がぼーっとして切なくなってきてしまう。
333ユウちぃ+:2009/11/04(水) 20:56:41 ID:77kbtXv7
「惚けた顔してんな。良くなってきたか?」
「んじゃもう挿入れちまうか」
「あ、テメ、ずりぃぞ、抜け駆けかよ」
「いーじゃねーかよ。『アイツ』に話つけたのオレだぜ?」

彼らの話すのを聞いて、私はびくりと身体を震わせた。
だけどもう遅かった。濡れた割れ目に固いモノが押し当てられて、今にも突き破らんとしている。

「やだっ!やめてっ!お願い、やめてぇぇぇぇ!いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ズン!という衝撃と一緒に下半身が圧迫される。自分のなかにミリミリと押し入る異物感と激痛に私は声も上げられなくなった。

「かはっ、あぐっ、がああぁぁぁぁ……」
「千佳ちゃんの処女、もーらい♪つーかキツいな〜」
(あぁ……やだよ、私の初めて、奪われちゃったよぉ……)

壊れてしまいそうな激痛が何よりそれを実感させる。同時に瞼には一番近しい男の子の笑顔がちらりと映った。

(ユウくん、私処女じゃなくなっちゃった……。ごめんなさい、ユウくんにあげたかったのに……。ユウくん……ユウくん、助けて……)

当然ここにはいないユウくんが私を助けてくれるなんて事は無かった。

「おら、そろそろ動くぞ」
「あ……が、い、痛い、やだ……抜い、てぇ」

男は私の呻き声など耳に入らないように、腰を動かしてくる。
その間にも他の男達は胸やお尻をさわさわと撫でてきた。痛い痛いと喚く私をあやすように刺激を送りこんでくる。
やがて挿入している男が小さく呻く。

「ぐっ、いくぞ。たっぷり出してやる」
「えっ!?いやぁ!やめてぇ!そ、それだけはダメ!許してえぇぇ!!!」

ビュルッ、ビュクッ、ビュッ!

「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

お腹の中が大きく動いて熱いものが出されていくのが感じられる
やだよ、赤ちゃんできちゃうよ、と弱々しく呟く。身体はもう糸が切れたように動かない。

「あ、あはは、はは……」

私は心が砕けてしまったかのように空虚な気分で、血と精液が混ざったものを見ていた。
それでも私に休息は与えられなかった。

「んじゃ、次オレな〜」
「や……も、やめ……」
334ユウちぃ+:2009/11/04(水) 21:02:07 ID:77kbtXv7
どれくらい時間が経ったのか。
男達は5人とも好き放題に私を犯し、私の身体はどんどん開発されていった。
アナルやフェラも何回もさせられ、もう身体のどこでも気持ちよくなってしまいそうだ。
私の格好はひどいもので制服は上着だけ脱がされ、はだけたワイシャツからはおっぱいが曝されていた。
下着は上下ともどこかに行ってしまっていたし、スカートは大きく捲れて、お尻が丸出しになっている。
今も挿入されている結合部が完全に丸見えだった。
ジュプジュプと音をたてるそこは、既に破瓜の痛みはかけらも無く、出し入れされる度に悦びに震えていた。

「ふぁ、あんっ、ああっ、ふ、太いぃ!くひっ、やぁん、おちんちん、ふ、深くてぇ!ひぃん、激し過ぎますぅ!」

もう恥も外聞もなかった。
私は存分に嬌声をあげ、自分から腰を振っていた。
男達はそんな私に仕上げとばかりに一斉に群がってきた。

「はぁぁっ!?うそっ!?うしろもぉ!?」

まずはおしりの穴が責められた。ほんの少し前の私ならそんな所は他人に見せる事すら嫌がってた。
でも今は前の穴と同じように気持ちよくなる所という認識しかない。排泄機関ということさえ忘れかけていた。

「はひぃんっ!そんな、んあぁっ!はぁっ、に、二本なんてぇ!ひあぁ!す、凄いぃっ!くふっ、んひぃっ!こ、こんなの、あんっ!耐えられないよぉっ!!」
それでも両方の穴を同時に責められたのは初めてだ。
あまりの快楽に頭が真っ白になり、だらしなく涎を垂らしてよがることしかしない。
考えられるのは自分を貫く肉棒の硬さと太さだけ。
だから目の前に3本目が突き出された時、私は何の躊躇いも無くぱくりとくわえこんだ。

「はむ、ちゅぶ、んぶ……ん、はぁ、おひんひん、おいひい……」
「うわ、自分からしゃぶってるぜ、この娘」
「もうすっかりチンポ大好きになっちゃったな〜、千佳ちゃん」
「は、はいぃっ!私っ、おちんちんだいすきですぅ!だからぁ、もっと、もっとくらさいぃっ!」

すぐさま残りの2人のものも差し出される。私は迷いなくそれを手で扱き始めた。
今や私の身体はおちんちんでいっぱいだった。
私は狂喜の声をあげながらひたすら快楽を貪り続ける。
一瞬、誰かの顔が思い浮かんだ気がしたけど、どうでもいい。今はただもっと気持ちよくして欲しかった。

「んはあぁぁっ!す、凄いよぉ!おまんこもおしりも、おくちでするのもいいのぉ!も、もぉ、おかひくなっひゃうぅ!もうひゃめぇ!イク、イクぅ〜〜〜〜〜〜っ!!」

―――――――――――。
335ユウちぃ+:2009/11/04(水) 21:02:51 ID:77kbtXv7
真夜中。私は目を覚まして飛び起きた。全身にぐっしょり嫌な汗をかいている。体が熱くて頭はぼんやりする。

「また……」

また、あの夢を見てしまった。しかもついさっきあれだけユウくんに愛してもらったというのに。
あの後、男達は満足して帰っていった。残された私は正気になった途端、自殺を図った。いまもあの時の絶望がありありとよみがえってくる。

「くひぃんっ!」

股に手をやるとお漏らししたかのようにぐちゃぐちゃになっている。

「もう、ヤダよぉ……」

つくづく自分の浅ましさが嫌になる。
あの夢は、恐怖から始まり快楽に溺れ、後には絶望と自己嫌悪しか残さない。
こんな夢をあと何回見るんだろう。私は声を殺して泣き続けた。
ふと時計を見ると午前3時過ぎ。ユウくんが迎えに来るまであと4時間。

「ユウくん……」

普段なら頬を上気させ、下着まで濡らしているような姿を絶対に見せたくない。
けど今は恥ずかしい姿を曝しても無性にユウくんに会いたかった。
私はユウくんの家の方を向き呟いた。

「ユウくん……、早く来て……」

336ユウちぃ+:2009/11/04(水) 21:08:41 ID:77kbtXv7
以上です
続編ともちょっと言い難いものになっちゃいました
スンマセン

ホントの続編の話も考えてるんで書き終えて住人の皆様が許してくれたらまた投下しようかな

拙作にお付き合いいただきありがとうございました
337名無しさん@ピンキー:2009/11/05(木) 00:41:38 ID:I7ucd0xF
千佳ちゃんかわぇぇぇぇぇ
こんなイジメてオーラ全開の可愛い娘がいたら理性が決壊するわ
338名無しさん@ピンキー:2009/11/06(金) 14:26:43 ID:vDi4s5Jz
339名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 19:39:31 ID:SlgdKEq3
何が心と身体だ、きめぇ
>>1はくたばれ
340名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 12:33:56 ID:HMAPbp9d
隻眼の女の子萌え
341名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 19:29:20 ID:MkZJV2Ax
>>332
GJ
342名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 23:52:11 ID:sle8rAla
>>341
なぜ332限定…
343名無しさん@ピンキー:2009/11/09(月) 00:19:58 ID:LtOWMDZy
超短いの投下


僕の妹は生まれつき目が見えなかった。
だけど彼女は僕に顔を近付けてスンスンとにおいを嗅ぎ、「お兄ちゃん」と笑った。

僕の妹が5歳の時、両足が動かなくなった。
だけど彼女は「お兄ちゃんにおんぶしてもらうから」と笑った。

僕の妹が10歳の時、耳が聞こえなくなった。
だけど彼女は「わたしが聞こえなくてもお兄ちゃんはずっとわたしのお話聞いてくれるよね」と笑った。

僕の妹が15歳の時、とうとう喋ることすら困難になった。
彼女はベッドの上でぱくぱく口を開き、何かを懸命に僕に伝えようとしていた。
僕が彼女の口元に耳を近付け聞き取ろうとした時、

チュッ

彼女は僕の頬に軽くキスをして、「お兄ちゃん、大好き」消えそうな声でそう言って笑った。
彼女の笑顔はそれ以来見ていない。

僕の妹は20歳になった。
僕は今日もまた病院で彼女が再び笑ってくれるのをずっと待っている。
344名無しさん@ピンキー:2009/11/11(水) 19:23:10 ID:gKEgGyS/
>>343
投下乙
なんか物哀しいですなぁ
345名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 02:18:31 ID:6XGGBEuz
こんな素晴らしいスレがあったなんて…。
巡りあえて良かった。今日仕事休もう。
346名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 02:29:55 ID:fUJSc/WJ
それは駄目だろw
347名無しさん@ピンキー:2009/11/12(木) 02:51:38 ID:2gghW+mo
仕事は行けw
348名無しさん@ピンキー:2009/11/21(土) 14:10:54 ID:1PcnhD+u
保守
349名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 22:04:38 ID:WXxxeFQM
良スレ
350名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 19:36:58 ID:ddUi5q17
なんか絶妙なスレだな
351名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 15:12:29 ID:+B6g5PTA
四肢無しの女の子とヤりたい。
352名無しさん@ピンキー:2009/12/04(金) 09:07:52 ID:Z5hMqjOy
達磨状態の美少女か
353名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 01:26:34 ID:X0JbQrQn
ブラックジャックに達磨になった女の人が旦那いるけど義手つくってくれたBJに恋してしまうって話があったと思う
354名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 08:36:08 ID:yPAX1hhe
>>353
リハビリで恋してくんだっけ?
BJは自分の子どもの頃を思い出して励ますんだけど、女性はそれに恋しちゃう。
355名無しさん@ピンキー:2009/12/05(土) 21:48:25 ID:/mZk1EPg
>>354
そんでもってなんか義肢盗まれて、なんだかんだあってBJが
鞄に入った義肢めっけたら、BJの写真が入ってたっつー話。
…そういやあまり雑談ってしないほうがいんだっけ?
356名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 00:31:10 ID:IpJzBKsQ
スレのテーマから脱線しなけりゃ大丈夫なんじゃないの?
職人さんが雑談の中からヒントを得て〜なんてのはよく見かけるしさ
357名無しさん@ピンキー:2009/12/10(木) 03:33:01 ID:2ieO/K+E
四肢の無い美少女がヒロインの話の投下期待
358俺に障害:2009/12/10(木) 04:21:00 ID:ipe6jiIK
野外オナニー妖怪
外で人知れず白濁液を撒き散らす強力な妖怪である
しかし妖怪なのでつかまる事は無い恐ろしい妖怪である
今日も夜道を飛び回る
かの阿部清明でも倒す事はできなかったと言う
発見するたびに白濁液を撒き散らしながら高速で消えて行ったそうな
完全に奴のオナニーショウである
359名無しさん@ピンキー:2009/12/11(金) 23:48:45 ID:hhrahbHp
age
360名無しさん@ピンキー:2009/12/15(火) 20:34:38 ID:vhYetwKF
腹が減ったなぁ
361名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:06:11 ID:pEZnnXcW
「あったかいわね〜、まさに小春日和!」
ある春の、うららかな午後。私…安来一子(やすぎ いちこ)は、柔らかな陽光のさす並木の下を歩いていた。花粉を乗せた温かな春風が、心をのどかにしてくれる。
「ほら、タケー!一緒に来てよ。私、ドアだって開けられないかもしれないのよ?」
そんなのどかな気分に浸った私は、短い方の腕を振りながら、相棒であり恋人でもある男、松江武史(まつえ たけふみ)を呼んだ。
「…ったく、人使いの荒い女だ」
彼はそう言って苦笑する。口は悪いが、根はやさしい。いや、優しいなんて言葉じゃ言い表せないくらい。
「何してたの?」
「いや、桜がきれいだなと思ってさ」
タケはそう言って、桜の木を見やる。…もうそんな季節なのだ。…私とタケが正式に同棲を始めてから、もう3年も経つ。
「…ホント、きれいね。和の心、って感じするわよね」
「そうだなぁ…」
「手をつないで歩けたらよかったのになぁ」
私は腕を振りながら、空を見上げる。雲ひとつない、青すぎるまでの空が高くまで続いている。
「なぁ、いっちゃん。そのために今日、あの辺鄙な場所まで行くんじゃないのか?」
タケはそう言って、腕を私の腕に絡めた。ちなみに、いっちゃんというのは私のあだ名である。
…もう気づいていると思うけれど、私の手は、存在しない。
左腕は肘までしかないし、右腕も手首がバッサリと切れている。そして左胸から股のあたりにかけて、大きな傷痕が残っている。
今日わざわざ外に出ている理由はピクニックではない。私の手の代わりとなるロボットアームの被験をしに行くからである。
362名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:06:40 ID:pEZnnXcW
私が両腕を失ったのは、3年ほど前の話。駅前の映画館に、タケとともに2人で遊びに行った時のことだった。
その時私は、左脇に飛んできた虫を払うため、左腕を挙げ、右手で虫を追い払おうとしていた。よりにもよってそんな珍妙な体勢の時に、冗談のような話なのだが、近くのビルが突然爆発したのである。
その時ビルの破片のひとつだった金属のがれきが私の方へ飛来し、左腕をもぎ取り、右手首を切断し、そして左脇腹に突き刺さった。
噴水のように血が出て、その後私は、意識を失った。今にして思えば、生きていること自体が奇跡だ。
出血多量で死んでいてもおかしくなかった、と医者からは聞かされたし、実際私も、その怪我をしたときは死ぬのだろうとおぼろげに思った。
その命を助けてくれたのが、今私にべったりと付き添ってくれる男…タケに他ならない。彼は「もし彼女に血が必要なら、俺の血を今すぐ抜いて使ってくれ」とまで頼んだらしい。
といっても私の血液型は割とありふれたものだったので、彼の血を使うことはなかった…というのは、彼には言えない話。
彼が私のことを助けてくれたのは、むしろ治療後の精神面に他ならない。

私が気がついたとき、隣にいたのは両親でも三途の渡守でもなく、心配そうな表情をしたタケであった。
この世の終わりが訪れるかのような表情をしていた。私は今この世に帰ってきた、もう心配しなくてもいいよと彼の頬をつねろうとしたとき、私は手に違和感を覚えた。
…嫌な予感がした。何かの夢だろうと思った。けれど意識ははっきりと、これは現実だと伝えていた。
右手の手首から先が、なくなっていた。左手に至っては、肘ごとなくなっていた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そりゃそうだ、20年以上も付き合ってきた両手がなくなれば誰だって叫ぶだろう。少なくとも私は叫んだ。
「…起きたか」
悲鳴を聞いたにも関わらず、彼は結構冷静だった。
「いや、いや…いやっ…!タケ、どうなってるの?…どういうことなの?」
「…1週間前、爆発事故があった…のは、覚えているか」
ない手を振ろうとしている私に、タケは静かに語りかけた。
「あの時お前の体に、窓枠に使われているアルミサッシが飛んできた」
「…うん」
「アルミサッシは、ちょうどお前の左腕と右手をもいで、更に腹に突き刺さった。命はなんとか助かったが…両腕は…もう、助からなかった…」
タケは慎重に、私をできるだけ傷つけない言葉を選びながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。
しかしどれだけ語彙の広い人がいても、両腕を失った人に、その人の心を傷つけないで事実を伝えることなんて、できるわけがないだろう。
「治療費は全額、その工場主が取ってくれた。当たり前の話だけどな…テレビ見るか?」
「いい」
「じゃあ飯、食うか」
「いいって言っているでしょ!?…どうして私に構おうとするわけ!?」
今からすれば、タケは何一つとして悪いことをしていないのだから責めるのはお門違いもいいところだった。
しかしその時の私は、理由なく彼を責めた。いわゆるやつあたりというものである。
「私はね、もう手がないのよ!?食事も読書も掃除もできない!自分一人じゃテレビのチャンネルだって変えられない!鼻だってかめない!電話もかけられないのよ!?
あんたに何が分かるって言うわけ!?あんたに何ができるって言うわけ!?」
「…落ち着いたら…また、連絡してくれ」
タケはそう呟いて、うなだれながら部屋を出ていった。私もまた、うなだれた。
何かの間違いだ、夢で逢ってくれと何度も願った。しかし現実は、残酷に私の望みを破壊する。
今にして思えば贅沢な話だ。命があるだけでも、ありがたいと言うのに。…タケもよく、私に愛想を尽かさなかったものだ。
363名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:07:23 ID:pEZnnXcW
3日くらい経った後。私はようやく、自分の置かれた状況を把握した。
左肘から先、および右手首から先は、もう戻ってこない。左脇腹には大きな傷跡が残っているが、内臓などに別条はない。これから私は長いリハビリ生活に入る。
医者からの説明を受け、さらに両親との面会をすませた後、私はタケに謝ろうと思い、私は丸まっている右手の先でナースコールのボタンを押した。
「すみませんが、私のところに面会してくれている松江武史を呼び出していただけませんか?」
やってきた看護師は、あからさまに驚いていた。
看護師が電話をかけてから30分ほど。タケは私の入院している病室に、ゆっくりと入ってきた。
「遅いよ」
「悪いな、昼寝してた」
「ねぼすけ」
私はそう言って、もげた右手で彼の頭を殴る。
「あいたっ…何すんだ」
「私を泣かせたんだから…私が退院したら、なんか美味しい料理でも食べに行かせなさいよ」
彼の顔を見ると、不思議と謝りたくなくなる。素直になれない自分が悔しかったけれど、こいつに頭を下げて謝るのはもっと悔しい。だから私は笑って誤魔化す。
タケもそれが分かっているんだろう。だから笑って、「バカ言ってんじゃねぇよ」とつぶやいて、そばにあった椅子に座った。
「…リハビリはすんのか?」
「もちろん。明日にでも始めたいわねぇ」
私はそう言って、にやりと笑う。それを見て安心したのか、タケもふっと顔の筋肉を緩ませた。けがをしてから初めて、私は笑顔になれた。

厳しく長いリハビリを終えて、私はある程度のことならできるようになっていた。ドアノブを回したり、肩で箸を使ったり、服を着たり脱いだり。
なんとか日常生活が送れないこともない、というレベルになった時、私の退院は決まった。私は両親に連絡を入れ、今後の身の振り方を伝えた。
せめて大学を終了するまでは、こちらにいたい。その申し出に、父は猛反対した。腕のない娘を一人で置くなんて無理だ、というのである。
しかし私も強情だった。リハビリをしたのだから大丈夫だ、もし大学を辞めて家で一生暮らすのであれば、何のためにリハビリをしたのだ、と。
結局母が父をなだめ、私はこの都会に身を置き続けることになったのだった。しかし私は、現実をあまりにも甘く見ていたとしか言いようがなかった。
私の住んでいる場所は、安いアパート。そこのドアノブは、リハビリで使ったものよりはるかに古く、固く、手を失っていた私には回すことすら困難だったのである。
腕を失った両親は、私のことが心配だからこそ実家に帰そうとしたのだ。それを跳ね除けた私が、いまさら両親に住む場所を変えろ、なんて言えるわけがない。
そんな私を見かねたタケは、ドアノブをあけるような単純なことから、洗濯、炊事、掃除、片付けに至るまで、ほぼ同居するような形で、私の世話を焼いてくれるようになったのだ。
そんなことをずっとされてしまったのだからたまらない。私は世話を焼いてもらっているうちに、いつしか彼のいない時間は寂しいと思うようになった。
そして私の心で彼が占める割合はどんどん膨らんでいき、しまいには心がすっかり彼に依存するようになってしまっていた。
…私は別にかまわないが、タケは私につきっきりだ。聞けば家族との仲もだんだんと悪くなってきているようだった。私のせいで、彼の人生を棒に振らせたくなかった。
364名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:07:45 ID:pEZnnXcW
そんな、恋人とも友達ともヘルパーともつかぬ関係が続いていた、冬のある雨の日のこと。
大雨の降りしきる音と、風呂場から聞こえるざあざあという音…タケが風呂に入っているのだ…をBGMに、私はテレビを見ながらぼうっとしていた。
退屈なCMが終わり、番組の目玉であるお笑いタレントが登場する。さて、どんなことが始まるのだろうと思った時、それは起こった。
「…がっ!?」
何の前触れもなく突然、私の腹が痛みだしたのである。その痛みたるや想像を絶するもので、今思い返してみても冷や汗をかいてしまうほどだった。
「ぎっ…ぐがっ…あぐっ…!」
うめき声をあげても、強く抑えてみても、脇腹は猛烈に痛むばかりだ。たまに痛くなることはあったが、ここまでひどい痛みは初めてだ。
「痛い…痛い…!」
日本中に期待されて登場したテレビの中のコメディアンは、私のことを助けてくれない。彼の面白いジョークも、今ではまるで聞こえなかった。
「だ、大丈夫か!?どうした!?」
風呂場から、全裸のタケが走ってやってくる。髪はしっとりと濡れており、体も水浸し。そんなのが床をぬらしながら走ってくるのだ。
「た、タケ…!痛い…痛い…タケ…!」
それでも私は、思わず左手を伸ばす。すぐに駆けつけてくれたのが、嬉しかった。
けれど常人の半分程度しかないうえ、指も掌もないそれを伸ばしたところで、彼に届くはずがなかった。
「傷か!?」
「う、うん…がっ…いだい…いだい…!」
タケはすぐさま、私のシャツをまくりあげる。左脇の肋骨の少し下のあたりから臍にかけてカッと走った、大きくて醜い傷跡が、あらわになる。
あの爆発事故の時に金属片の突き刺さった場所で、何針も縫ったという傷跡だ。
「…何ともなってないが…痛むか」
タケの質問に、私は何度もうなずく。タケは私の傷に指を這わせ、そしてさすり始めた。
温かくて、優しい感触が、私の傷の痛みを少しずつ和らげてくれる。
「…どうだ?」
「…ぐっ…あ、ありがとう…タケ…」
私は必死に笑顔を取り繕う。
「…も、もう…大丈夫だから…」
「大丈夫なもんか!痛いから泣いてるんだろ!?」
「な、泣いてなんかないわよ!」
「とにかく!傷痕ってのは、温度や湿度の変化よって痛みだすことがあるらしいんだ。よかったよ、俺がいるときで…」
彼はそう言いながら、私の傷をじっと見つめる。視線が胸からへそに移り、そしてその下の…
「…あ」
「…悪い」
今までされていた行為を思い返し、私の顔はすぐさま朱色に染まった。
「バカ!変態!」
「あいたっ!…なんだよ、せっかく心配して来たのに…」
「とにかく風呂入り直しなさい!あと、ちゃんとタオル使って床拭いてね!これからはちゃんと股間は隠すこと!わかった!?」
私はそう叫んで彼を追い払い、ため息をついた。傷はまだ少し痛むが、これくらいの痛みなら十分に我慢できる。
…考えてみれば。既にタケとは長い付き合いだ。最近は毎日一緒にいる。そろそろ、ここらで関係に白黒つけてもいいのかもしれない。私はそう思った。
365名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:08:07 ID:pEZnnXcW
「…なっ…」
お風呂から上がったタケは、私を見るなりその表情を驚き一色に染めた。
「タケ」
小奇麗なベッドの上に、私は正座する。恰好が問題なのだろう。私は下着姿なのだ。
「…なんだよ」
「腕もなくて、我儘で乱暴で、一人じゃ鼻もかめないような女って好き?」
「…ば、馬鹿言うんじゃない。ほら、さっさと寝ろ。また傷が痛んだら…」
タケは答えをはぐらかそうとするが、そうはいくもんか。はっきり言ってもらわないと、こっちだって困るのだ。
「好き?」
「あー、もう!ほら、早く…」
「好・き?」
私のしつこさに根負けしたのだろう。タケは大きく息を吸い、ため息をつき、そして叫ぶように言った。
「…好きだよ!好きだから世話してるんだろ!?」
「そう、よかった…」
こんな聞き方をしたら、誰だって「好き」と答えざるを得ないだろう。それでも私は嬉しかった。タケの口から「好き」という言葉を聞くのは、初めてだったから。
「ねぇ…しようよ、タケ」
「ばっ…何言ってんだお前!?」
「私、タケに何もしてあげられないもの…だからせめて…タケの好きにして?」
「あのなぁ、場末の娼婦かエロマンガの台詞じゃないんだから、そういうことはだな…」
タケは断ろうとしていたのだろう。しかし私の熱烈な視線にたじろいだのか、途中で言葉を切り、深くため息をついた。
「…どうなっても知らないからな」
「覚悟のうえよ」
私はにやりと笑う。傷はもう、ほとんど疼かなかった。

外の街灯の光がわずかに入ってくるだけの暗い部屋の中で、私たちは2人きり。
彼のたくましい腕に抱かれながら、ついばむように、幾度も幾度も唇を重ねる。
…最初はそれだけでも十分に興奮できたし、舞い上がるほど嬉しかったのだが、この状態からかれこれ10分以上は経っている気がする。
「もう、タケ!あんたさっきからキスしかしてない!」
「あ、いや…」
「無理やり押し倒して、ひいひい叫ばせればいいじゃない。そう言うの好きでしょ?」
「そう言う趣味はないし、俺はいっちゃんが嫌がるようなことはしたくないの」
タケはきっぱりと言い張る。こんなところばかり律儀でも、私は困ってしまう。
「…あのさぁ、タケ。こんな場面で気遣いされても鬱陶しいだけだってば」
「いや、だけど…」
「はぁ〜…がっかりだわ、ホント。ヘタレの腰抜けだったなんて!もうやめましょ、気分すっかり萎えちゃ…」
こういう気遣いは、燃えるように愛し合いたい人にとってむしろ障害となることが多い。そして私は、その燃えるように愛し合いたい人であった。
だから私は、タケを挑発する。挑発して、そう言った障害をできる限り取り除くのだ。
「言ってくれたなぁ?」
「ちょ、タケ?」
よし、タケに火がついた。あとはその火に油を注いでやるだけだ。
といっても、挑発したところで、優しい…悪く言えば腰抜けのタケは、私に「これをしていいか」「痛くないか」と逐一聞いてくることだろう。
「最後に確認するぜ。何をしてもいいんだよな?」
「ええ。腰抜けのあんたにできるもんならね」
「…やってやるよ」
そう言ったタケの目はぎらぎらと輝く。先ほどまでの目つきが人間のそれだとしたら、今のタケの目つきは猛禽のそれだ。
「覚悟はいいよな?」
「…い、いいわよ。かかってらっしゃい」
その目つきを見て私は初めて、彼が私の想像以上に心遣いをしてくれているのだということに、そして彼をむやみに挑発するべきではなかったということに気付いたのであった。
366名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:08:34 ID:pEZnnXcW
体躯を這いずり回る舌。その舌は私の体に走る傷痕を舐めまわす。
「…あ、ああ…」
ぬめぬめとした、生温かくて湿っぽい物が、傷のあたりを這いまわる。その異様な行為に、私は怯える。
それでも私は、怖さと同時に、しびれるような悦楽と、彼に対する深い罪悪感を覚えていた。
「…も、もう…やめて…」
「どうせお前のことだ。傷が穢れたものだとか、醜いものだとか思っているんだろう?」
その、私をおびえさせ、悦ばせるいやらしい舌の持ち主…タケは囁くように言う。言い当てられた私は、最後の抵抗とばかりに、弱弱しい声音で言った。
「ほ、本当に気持ち悪いだけ…」
「気持ち悪いだけ?」
タケはにやりと意地悪く微笑み、私の股間を指でまさぐった。
「ひゃっ!?」
「これ、何だ?」
目の前で、まさぐった指を開閉する。指と指の間に、汗とは違った、粘性のある液体がぬらりと糸を引いた。
「この、いけず…!」
「言ってくれなきゃ分からないなぁ〜?」
わざとらしく言って、タケはその指にちゅぱちゅぱと吸いつく。
「…あーもう分かったわよ!興奮してました!あんたに手術痕舐められて興奮してました!これでいい!?」
タケは私の答えを聞いて、満足げにうなずいた。ああ、もう…こいつ、とんでもない意地悪男だ…!
「…だから、舐めて…もっと…」
「分かった」
タケはにっと笑い、今度は私のもげた左手を舐め始めた。
舐められるたびに走る、性感とは違った不思議な感覚に、私の心はじわじわと陥落させられていった。
367名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:09:21 ID:pEZnnXcW
「…ね、ねぇ…タケ」
「何?」
何分ほどそうされているのだろうか。私の左手の先を、丁寧に愛撫するタケに、私はおずおずと切り出した。
「…そ、そろそろ…その…して、欲しいんだけど…」
何も言わずに、タケは立ち上がる。彼の体の中央に位置するそれは、私が何も触れていないにもかかわらず、天を突いている。そして私の肩を押さえ、
「…あ」
「どうしたの?」
唐突に間抜けな声をあげた。何があったんだろう、と思って私が尋ねると、タケの口から信じられない一言が飛び出した。
「…ゴムがない…」
「はぁ!?」
高まったムードに突然冷や水を浴びせるのに十分すぎる一言だった。
「だ、だってこんなことになるなんて考えたことも…ちょっと今から買ってくる!」
「待った!」
あわててそのままの格好で外へ行こうとする彼を無理やり引き留め、そして大きなため息をついた。
「なんというか…ホントあんたって空気が読めてないわね。KYよ、KY」
「…ごめん」
「いまさら謝ってもらっても、ムードは戻ってこないのよ。今から買いに行ってたら、その間にますます冷めちゃうわよ」
せっかくめぐってきたチャンスを、私は逃したくなかった。だから冷めたことを嘆くより、これ以上冷めることを防ぎたかったのだ。
「…だから」
私は言葉を区切り、そして覚悟を決める。
「このまま、来て」
私の発言に、タケは真剣な顔を作って考え込む。そして私の目を見据えて、言った。
「分かった。…無理はするなよ、体に変な負担はかけたくない」
「うん」
私はうなずいて、両足の力を抜く。タケの手が両足にかかり、ゆっくりとその帳を開いていく。
…そしてそのまま動きを止めた。視点はどう考えても、私の股にある女穴にそそがれている。
「…こうなっているのか…」
「このアホ…もうやだ!」
まったく、さっきまでのかっこいい男っぷりは何だったのだろうか。私はあの間だけ夢でも見ていたのか。
「…悪い悪い。じっくり見るのはこれが初めてだからさ」
「ムードってもんを大事にしなさい!あーもう今から取り繕おうとしなくていいわよ、なんかわざとらしくて逆に冷めるから」
ああ、もう情けないやら哀しいやら恥ずかしいやらで涙が出てきた。…どうすりゃいいんだ、私は!
368名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:09:52 ID:pEZnnXcW
「…っ!」
「むぐっ…」
なんてことを思っていると、突然、私の唇が塞がれた。タケの顔が視界にアップになる。
「…ふぁっ…た、タケ…?」
「好きだ、いっちゃん…行くぜ」
私の頭が口づけをされたことを理解するよりも先に、彼は思いっきり腰を突きだす。膣に張った膜は突き破られ、体の中に、タケの逸物が侵ってきた。
「…いっ…あれ?」
破瓜は、思ったよりも痛くなかった。…激痛を経験しているから、というのもありそうだけど、思ったよりもあっけないものだった。
…私が「キスをされ、間髪入れずに挿入されてしまった」ということに気付いたのは、その痛みを覚えるよりもずっと後のことだった。
あまりにもあっけなくて、何か哀しい。というより、実感がわかない。
「…き、っつい…!」
むしろタケの方が痛がっていないだろうか。…私の股って、そんなにきついのかな?
「…大丈夫か?」
「余裕よ、余裕。拍子抜けしちゃったくらい…あんたこそそんなんで大丈夫なわけ?」
「大丈夫だ。…動くぞ」
そうひと声おいて、タケはその腰を前後させ始めた。肉棒はリズミカルに、私の膣内を掘削する。傷ついた皮膚を無理やり広げられるような、びりびりとした痛み。
未知の感覚は、私の脳髄をしびれさせた。
「…タケ…もっと、近くに…!」
右腕でタケの背中を押さえ、引き寄せる。両足で彼の腰を無理やりロックして、そして…
「…ふぅ…」
まだまだこれからだ、と私が思った時、気の抜けるような声で、タケは溜息をついた。…私の中に、どろりとしたものが注がれていくのが分かった。
その始まりも分からなければ、終わりだってあっけない。…興奮はしたけれど、私の欲求はまったく満たされなかった。
タケが早すぎるというのもあったけれど、私が別の悦楽を見つけてしまったこともあるだろう。
「タケ。早すぎ」
「悪い…」
「さっきから謝ってばっかりね」
そう言って、私は右腕の先端をタケの顔に突きつける。
「…なんだこれ?」
「ほら、さっきもしてくれたでしょ?私、そっちの方が気持ちいいと思うから」
「…変態女」
「あんたも十分変態よ、バカ」
私が苦笑すると、彼の腕がふわりと私の背に回った。そしてそのまま、締め付けるように強く抱きしめられる。
「…あのさ、抱きしめてって言ったんじゃないんだけど…」
「俺は、いっちゃんの人生の一部になりたい。…いいか?」
タケは強い調子で、そう言った。真面目な話をしたがっていることは、すぐに分かった。
「ど、どういうこと?」
「体だけじゃなくてさ。いっちゃんが困っているなら、俺が助ける。いっちゃんがしたいことを、俺がサポートする。いっちゃんが悲しいなら…俺が慰める」
「それってつまりプロポーズ?」
私は冗談半分で尋ねた。タケはあっさりとうなずく。
「ああ」
「…ば、バカ…!あんたねぇ、そんな気持ち悪いこと、よくもまぁ平然と…!」
「気持ち悪いか…そうか…」
「…バカ、あんた…ホントもう、KYだし、ああ、もう!」
言いたいことがうまくまとまらない。ああ、もう…こいつに泣かされるなんて、思ってもみなかった…!
「バカ!バカ!ホントあんたってバカよね!私の人生の一部になりたいなんて、どれだけバカなのよ!」
「男ってのはバカな動物なんだよ」
「そりゃあんただけよ!バカ!」
手がなくてよかった。あったとしたら、多分手当たり次第に色々な物を投げつけていただろうから。
369名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:11:15 ID:pEZnnXcW
こうして私たちは、晴れて結ばれ、結婚を前提に付き合うことを決めたのであった。
タケのご両親は苦々しい顔をしていたし、タケの弟さんに至っては私のことをバカにしていたらしい。
そんな家族と絶好する覚悟すら決めていたというタケに、私はただ感謝するしかなかった。
苦い顔と言えば、私の両親も同様にいい顔をしていなかった。タケのことを全く信じていなかったのだ。しかしそちらの方は、タケがきっちりと話をつけた。
今では私の父とタケは、夕食で酒を酌み交わすくらいの仲になっている。既に私と彼が結婚するものだと思い込んでいるようだ。
この他にも本当に色々あって、そのたびに私は彼に頼った。そしてあの初夜からかれこれ2年以上経ったある日のこと、タケは私にあるチラシを見せた。
『ロボットアームの被験者募集』。その話に、私は飛びついた。こうして話は、冒頭にさかのぼるというわけだ。
370名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:11:36 ID:pEZnnXcW
今、私たちは研究所で、そのロボットアームの実験をしてもらっている。
「…おおー。ほらほら、動く」
腕にとりつけられているのは、無骨で重いが、ある程度思い通りに動く義手。
取り付けるのに結構時間がかかったが、その甲斐あって楽しい時間を過ごさせてもらっている。
「すごいもんだな。ちょっと…そうだな、ピースサインしてみてくれよ」
「…こうかな?」
機械的な外見のごつごつとした腕は、機械的なノイズを出しながら、親指、薬指、小指に当たる部分をほぼ同時に折り曲げていく。
「おお、ピースサインになった!すげぇなぁこれ!」
「…結構ゆっくりなのね」
「まぁ音もうるさいですしねぇ。そのあたりを改良するのが我々の仕事ですが」
よれよれの白衣を着た研究員が、ノートに色々なことを書き込みながら話した。
「手に残っている神経から、電気信号を読み取るんです」
「すごいもんですねぇ、ロボット技術もここまで来たか…」
タケは興奮した様子で、私の腕についているロボットアームを色々な角度から見つめる。
「今は盲目の人に映像を見せるカメラも開発されているんですよ。技術はまだまだ発展途上ですが」
「なるほど、必要は発明の母ってわけですね」
「不幸な事故や戦争で四肢や視力を失う人も数多いですからね。そういう意味では、この技術は母親に恵まれています」
私がロボットアームで「むすんでひらいて」をしている横で、タケと研究員は熱心に話しこんでいる。…そうだ、いいこと考えた。
「これらの技術は日進月歩ですが、やっぱり本物の障がいを持つ人に使い心地を聞かないと分からない部分がありますからね。今回の被験募集はそれが目的なのですが」
「ハハハ、こいつも喜んでますよ」
「失礼ですが、奥様ですか?」
「まぁ…そうなる予定の人…ってところですか」
「ご婚約をされているので?」
「そうですね、彼女のご両親には既に話がついておりまして…」
手のひらを適当に開き、気づかれないようにアームを近づける。そして彼の頬に素早く近づけ…
「あとは俺の親をどうやって説き伏せるかってとこいたたたたたたた!」
私は、彼の頬を、思いっきりつねりあげた。
「アッハハハハ!」
「ったく、何すんだ!」
「あー!すっきりした」
私はケラケラと笑う。胸がすっとしたような気分だ。考えてみれば、彼をつねるのも3年ぶりってわけか。
「あ、そうだ。せっかくだし、手、つなごうよ」
「あのなぁ…すみません、このアームは触っちゃって大丈夫ですか?」
「かまいませんよ。にしても、仲がよろしいですねぇ…」
研究員はよれた白衣の襟を整え、ため息をついた。
371名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 02:15:16 ID:pEZnnXcW
リハビリ気味に書いたものだけど、何かもう色々と足りないのはご容赦ください。
そう言えばなんで途中でageになっているんだろう、ちゃんとメル欄sage設定になっているはずなのに…
372名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 08:27:56 ID:UvhpgCpn
>>366
GJ
傷痕舐めるのいいよね。
373名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 17:02:28 ID:qK73RtD+
すばらしい
GJだ
374名無しさん@ピンキー:2009/12/19(土) 02:04:42 ID:GAm9ZEZG
なんというすばらしいGJ。
>考えてみれば、彼をつねるのも3年ぶりってわけか。
特にこの一文に壮絶に萌えた。
375名無しさん@ピンキー:2009/12/19(土) 20:37:32 ID:nWDyTOob
素敵なクリスマスをありがとう
376名無しさん@ピンキー:2009/12/20(日) 23:06:00 ID:RSMwJIr7
GJ

一つだけツッコミをいれると、小春日和は晩秋から初冬にかけての
春のような陽気のことで、冬の季語。
377名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 23:47:58 ID:yMQL5IXg
お前らレインツリーの国は読んだか?
作者がアレだから作風の好き嫌い分かれそうだけど、一応ヒロインは聴覚障害持ってる子だ
378名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 00:12:52 ID:lKfeOUPQ
>>377
お、図書館戦争の人だね。
ちょっと興味でた、読んでみるよ。

それじゃあオススメ返しこちらは視覚障害だけど。
谷崎潤一郎の春琴抄、まだ読んでない人いたらオススメ。
379名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 03:23:30 ID:ZfdLSEbF
そういや図書館戦争にも聴覚障害の子いたな
380名無しさん@ピンキー:2009/12/27(日) 23:16:39 ID:8ZkAiyhs
レインツリー良いな、女の子が障がいバレないように必死に隠してデートしようとするところが良いわ
381名無しさん@ピンキー:2010/01/01(金) 01:29:37 ID:mMzrC4hA
明けまして保守
382名無しさん@ピンキー:2010/01/02(土) 03:42:30 ID:qXExq5R6
さっきちらっと見た四日間の奇跡という映画の女の子がそれっぽかった
383名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 03:05:29 ID:VmWSOWba
※バックグラウンドとか書くのダルいから妄想で補填してください。
前に書いたSSを一部流用してますw

 美雪は透き通るような美しい白磁の肌を持った女性だった。其の美しい白く背中の丁度
腰の辺りには痛々しい傷痕があった。
 彼女が未だ高校一年生だった時にトラックに跳ねられた時に、砕かれた腰椎をボルトで
固定する為の手術で付けられた手術痕。
 あの日から、美雪は下半身不随という重い障害を負い、車椅子と生活を共にせざるを得
なくなった。
384名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 03:06:10 ID:VmWSOWba
「先生、恥ずかしいです」
 一糸纏わぬ姿で美雪は広いダブルベッドの上で上体を起こして座っていた。
 筋肉が衰えて細くなった二本の足が人形の様にベットの上で投げ出されている。
 明かりは消さない。
「美雪。誕生日おめでとう」
 先生と呼ばれた男は、そう言ってから、そっと美雪と唇を合わせた。
「それと、先生は止めてくれ。もう僕と君とは教え子と生徒という関係じゃないんだ」
「慶一さん、ん」
 再び、キスを交わす。今度は互いに舌を絡ませあう、長くて濃厚なキスだ。
 唇を合わせたまま、そっと、慶一は美雪の腰を抱き、ベットへとその芸術品の様な美し
さと活力の調和が取れた上体を押し倒す。
「本当に良いんだね?」
 慶一が訊くと、美雪はこくりと無言でうなずいた。
「僕は君が二十歳になるまで二年も待ったんだ。如何なっても知らないよ」
 美雪の緑の黒髪という言葉が似合うストレートの長い髪を撫でながら慶一が微笑む。
 指で梳くようにして撫でれば、彼女の髪がさらさらと指を通り抜けていく。
「大丈夫です先生……慶一さん。私は四年前に貴方に命を助けられた時から、この日を夢
に見てました」
 美雪は頬が少し紅揚させながら恥ずかしさからか俯きがちに言った。
 今度は美雪の耳を愛撫する。両耳の裏を指でそっと撫で、そしてその指を耳殻をへと移
し、そして甘噛みをすると、美雪は目を瞑り、時折、吐息を漏らしていた。
「……んっ」
「美しくなったね美雪。とても素敵だ」
「本当に?」
「本当さ。100点満点だ」
 悪戯っぽく微笑むと、そのまま耳を愛撫していた指を首へと這わせ、そして首へとキス
をし、美雪の健康的に薄っすらと割れた美しい腹筋をなぞっていた。弾力の在る柔らかい
筋肉だった。未だ、事故に会う前は陸上で長距離を走っていた彼女の身体は幾らか丸みを
帯びて女性らしくなっていた。
 今度は胸。張りのある形の良い乳房に手を伸ばし、双丘全体を掌で優しく触ってやる。
 そして、不意打ちのように控えめな乳首の周りを舌の先で輪を描 くように舐める。
「あ……」
 すると、美雪が少し驚いたように声を出した。
 口の中で、硬くなった乳首を舌で転がすと、美雪は首を横へと振って、ビクリと身体を
反らす。彼女は口を真一文字に結んで声が漏れるのを我慢していたが、喘ぎ声を押し殺し
たような淫靡な吐息を漏らしている。
「我慢しなくて良いよ」
 耳元でそっとつぶやき、そして、再び乳首を愛撫する。
「んん――ああっ」
 美雪の身体の奥底から快感が沸きあがり始めていた。
 徐に右手を美雪の恥丘へ伸ばしたとき、彼女は困惑した様な顔を浮かべていた。
385名無しさん@ピンキー:2010/01/06(水) 03:06:58 ID:VmWSOWba
 美雪は臍から下が麻痺していた。麻痺しているといっても完全な麻痺ではなく、めずらしいケースの不全麻痺だった。
 臍から下の左半身は完全に感覚神経も運動神経も麻痺していたが、右半身は八割の感覚神経と二割の運動神経が残っている。
 彼女は本当に少しだけだが右足を動かすことが出来た。しかし、膝を伸ばす事は出来ても曲げることが出来なかったり、足首は全く動かせ無かったりと本当に一部だ。
 感覚神経も、感覚が全く無いところが島の様に点在していて、同じ太腿でも触られているのが分かる所と分からない所とが点在していた。
 勿論、膣内も同じだ。
 慶一も其のことを知っていた。その柔らかい脂肪の肉趾を掌で包むようにして撫でる。撫でながら今度は先ほどと逆の 乳首を吸って、ソレを口の中で転がす。
 じっくりと、彼女を焦らす様にしてクリトリスには触れずに恥丘を指でなぞり、その指で彼女の大陰唇――生殖器を保護する脂肪に富んだ左右一対の襞をなぞる。
 知っていて、両方を平等に愛撫した。
 美雪は右半分が何も感じないことのもどかしさを感じながら左半分が自分にもたらす微弱な快感を少しでも漏らさぬようにと身をゆだねた。
「ああ!」
 其の時、一際大きな矯正を美雪が上げたのは慶一が丁度、クリトリスの真上辺りをなぞった時だ。
 美雪の身体に麻痺による感覚が無い部分とある部分の境目は感覚が過敏になっていた為だ。
「え?」
 慶一は彼女の胸への口での愛撫を止め、彼女の白く長い美しい脚の付け根へとその対象を移した時、美雪は驚いたような声を上げた。
 すでに彼女のソコは充血して赤みを帯びていた。その右半分はぴくりとも動かず、左半分はみだらに膣口を慶一に見せ付けるように開口し、ひくひくと痙攣していた。
 慶一が指の腹で彼女のクリトリスを少しだけ撫でた時、美雪の身体にスイッチが入ったかのように震えた。
 強い快感が彼女を襲ったのである。
 彼女は右半身が麻痺していたから本来ならばクリトリスにつながる感覚神経も半分は機能していない為に快感が減るはずなのだった。
 しかし、そのクリトリスは麻痺の境目として感覚が過敏になっていたから、クリトリスで得られる快感と遜色の無い快感が得られた。
「あっ!……ん」
 美雪の反応を見ると寧ろ、それ以上かもしれない。彼女の左足だけがプルプルと震えていた。
 そして、指を既に開口していた膣口をなぞるようにして沿わせると、ソコが愛液でしっかりと濡れているのが分かる。
「ちゃんと、濡れてるよ」
 愛液で濡れた指でソレをクリトリスに塗るように撫で付けると、美雪の身体がビクリと跳ねた。
 今度は顔を彼女の舌先でクリトリスを転がし、舌の腹で舐めあげる。
 湧き上がる快感に耐えられなくなったのか、美雪が首を左右に振りながら絶叫した。
「イっちゃう……ああっ、あああ!!」
 ぴくぴくと小刻みに美雪の身体は痙攣し、力が抜けていった。彼女は絶頂に達していた。

続く……と思う。
386名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 01:35:43 ID:Z1iHrwb8
GJ
続き楽しみにしてます
387名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 09:49:04 ID:OVTuQ84r
傷痕に舌を這わすって描写が好き
388名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 04:41:18 ID:gqsVAbAe
GJ
なぜかあらすじがよく連載漫画とかにあるやつっぽく感じたw
389名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 17:42:43 ID:pdC0L6/e
>>384
gj
続き期待
390名無しさん@ピンキー:2010/01/13(水) 00:53:50 ID:fEzZCPSb
ほしゅ
391名無しさん@ピンキー:2010/01/17(日) 01:50:35 ID:hkF61nBD
ほしゅ
392名無しさん@ピンキー:2010/01/23(土) 15:36:37 ID:gGZ1QDbh
ほおっふ
393名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 00:18:22 ID:FONj8X9U
オシャレ松葉杖は厨二アイテム
394名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 22:59:26 ID:8QAiEck1
ほしゅ
395名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 03:09:44 ID:EVZB/MsR
ある
396名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 21:43:01 ID:2LfETxsM
発作を起こして苦しがってる娘を
お姫様抱っこしてベッドに運んでやりたい
397名無しさん@ピンキー:2010/02/16(火) 03:22:51 ID:VZ/aRV+b
398名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 20:54:28 ID:KtxDOIpL
399名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 22:12:11 ID:b+47/Fd2
>>396
紳士なのかそうじゃないのか
400名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 19:11:22 ID:qLiCzIXy
>>396
っ【看護士】
401名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 21:08:08 ID:UX8qAmcM
>>399
変態という名の紳士
402名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 19:17:43 ID:lVjzXTln
喋れない娘が絶頂の衝撃で言葉を発するSSきぼん
403名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 22:44:40 ID:r+urcxGa
>>402
なんてシチュだおい(; ・`д・´)
404名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 02:09:43 ID:/vZNIakc
>>発想が天才すぎるw
405名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 00:00:00 ID:KjhnFKTX
なぜか北斗の拳の第一話を思い出した
406名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 04:04:58 ID:rXdWh9ob
初めて聴いた少女の声が千葉ボイスとか想像してしまったじゃねえか
407名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 00:02:27 ID:kvB6ekAr
「ケーーン 来ちゃ・・・何か来ちゃうーーー!」
「しゃ しゃべった リンがしゃべった!」
408名無しさん@ピンキー:2010/03/06(土) 11:29:05 ID:EV5lmc4Z
ふいた
409名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 06:05:14 ID:E+N2dcNr
>>407
ねーよw
410名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 03:55:49 ID:z56BsTMd
これはひどい

色々な意味で
411名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 21:08:22 ID:n3kORimp
このスレに集まるような人たちと同じ嗜好の人たちが
世間にどのくらいいるのか気になる。

個人的には、麻痺してくったりした足を、他の人間が車椅子の足のせ台にあげてやるそれだけの仕草にエロスを感じる。
412名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 05:45:28 ID:iqpgpEad
>>411
良いシチュですなぁ
確かにエロい
413名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 21:02:58 ID:l+WV56ot
どちらかと言うと、断然自力ではまったく立てない車椅子派だったんだけど
最近、一方の足だけが不自由でひきずりながらクラッチついて歩いているのも
良いなと思うようになった。
クラッチ→事故→完全に車椅子生活という経緯が一番萌えるけど。
414名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 00:30:17 ID:esobd0Ae
素晴らしい萌えシチュ
415名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 20:46:43 ID:iZHl6Phi
>>411>>413
の流れで、しゃがんで少女の足を車椅子の足台に載せてやった青年に向かって
少女が「あの杖、もう要らなくなっちゃったね…」と、壁に立てかけられた
杖を見ながらつぶやく、というのを想像した。

>>383さんの続きが激しく読みたい。
416名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 11:23:30 ID:vdIUfwv5
盲目はスレ違いか
417名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 18:47:22 ID:s2QIm/OD
>>416
以前は盲目スレあったが合流しましたよ
それにスレタイ見れば分かるように盲目単独スレが現存してたとしてた状態で
ここに盲目ネタを投下してもスレ違いにはなりま千円
418名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 00:32:13 ID:3eiC+94P
精神的に病んでいるのはヤンデレスレ行き?
419名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 00:44:42 ID:76iW/pSw
アルビノなんかはここかしら
420名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 01:21:41 ID:VldX2S3V
盲目スレの過去ログ見たけど、凄く良かった。
不謹慎だけど手で自分を確かめられるってのも良いな…
421名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 02:47:26 ID:wUYyQDKR
>>418
ここで構わないんじゃない?
精神的とはいえ不自由なわけだし
422名無しさん@ピンキー:2010/03/26(金) 02:49:56 ID:EFeJcS4a
>>418-419
心と身体とスレタイに書いてる大抵に障碍はこのスレに落として問題ないぜ
423名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 17:52:31 ID:zo762+cX
>>422
保管庫みたら精神的なのも確かにあったな
424名無しさん@ピンキー:2010/04/05(月) 21:34:56 ID:bPBrkMPl
保守
425名無しさん@ピンキー:2010/04/14(水) 02:54:47 ID:EZ5Zs4Ko
保守
426名無しさん@ピンキー:2010/04/21(水) 21:09:40 ID:Rs9zMpJH
保守
人いないなぁ
427名無しさん@ピンキー:2010/04/22(木) 14:09:11 ID:celbkzdm
マイナーな趣向ではあるからねぇ
428名無しさん@ピンキー:2010/04/26(月) 20:15:14 ID:OE3KmBue
普通の小説だけど「きみのともだち」読んだ人いる?
重松なんたら作だったっけか。
429名無しさん@ピンキー:2010/04/30(金) 01:08:42 ID:atkQmMKd
保守
430名無しさん@ピンキー:2010/05/02(日) 13:14:50 ID:49TR+6ji
過疎ってるなー
431名無しさん@ピンキー:2010/05/11(火) 02:16:57 ID:PaJAie0F
保守
432名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 03:28:04 ID:Afg4sm43
ほしゅ
433名無しさん@ピンキー:2010/05/14(金) 15:24:45 ID:cDX4MWM/
これって依存とかもありなの?
434名無しさん@ピンキー:2010/05/18(火) 03:16:54 ID:hwHhLu63
>>433
【貴方なしでは】依存スレッド6【生きられない】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1256917745/

依存スレは別にあるよ。
435名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 07:15:43 ID:H7IOOrp8
過疎ってたんで久々に一本書いてみた
投下させてくれい
436暗闇と静寂:2010/05/19(水) 07:18:30 ID:H7IOOrp8
真っ暗な闇の中、僕は震える手でゆっくり彼女の裸体に触れていく。
肌が触れあった瞬間は互いにぴくりと反応し、思わず固まってしまった。
それでも今、僕らは自分の身体を許し合っているという事実が僕をその先に進ませた。
手探りで彼女の身体を責めていくと一際柔らかい場所に指が触れる。

「はぁ、んっ……」

彼女が反応したのを頼りに、その場所をひたすら弄くる。とても柔らかな其処がいわゆる乳房だと気付いた時は僕はもう夢中で彼女の胸を揉みしだいていた。

「んぁ、はぁぁ、あうぅん、ひぁ……あっ、くぅ、あぁぁぁ!?」

闇の中、彼女の声だけが響き、僕の興奮は最高潮に高まっていく。


凍り付くような静寂の中、彼の指が恐る恐る手探りで私の身体に触れてくる。
煌々と明るい部屋で裸体を晒す私は恥ずかしさでいっぱいになる。心臓が痛いくらいバクバク鳴っていて、今すぐ逃げ出したくなるほどだった。
彼の指が肌に触れた瞬間、私はびくりと震え彼もまた動きを止める。しかし彼は目を閉じたままの顔をきっと引き締めると再びその手を伸ばしてきた。
目の見えない彼の手つきはぎこちなく、だからこそ優しかった。そのゆったりとした責めに私はじわじわ昂らされていく。
やがてその手が私の胸に触れると、彼はそこを重点的に責めてきた。執拗に揉みしだかれる胸責めは今の私には強烈過ぎた。

「〜〜っ!」

口はだらしなく開き、喉が震えている。聞こえないけどきっと私はいっぱい感じた声を上げてしまってて、しかも彼にそれを聞かれてしまっているのだろう。
恥ずかしさでいっぱいになりながら、私はちらっと彼の顔を盗み見た。
目の前には真っ赤になって必死に私を愛嘸する彼の顔があった。それを見た途端、私はなんだかその顔がとても愛おしく思えて、そっと彼の胸に手を添えた。
437名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 07:20:59 ID:H7IOOrp8
とんとんっ、と胸を軽く衝かれる。それぞれ目と耳が不自由な僕らは互いに言葉を交わす事が出来ない。だから僕らは身体に触れる事で二人だけに通じるサインを決めていた。
三本指で軽く二回、それは「ちょっと待って」という合図だ。
僕は慌てて夢中になっていた手を止めた。闇の中、ゴソゴソと彼女が動く気配がしたかと思うと、唐突に下半身に生暖かい感覚が生まれる。

「あぅ、うあぁ?」
「はむ、ちゅ、んぅ……ちゅば、ぺろ」

水音を立てる生暖かい感覚は僕のペニスから湧いているらしい。不快なものでは無い。むしろ今まで味わった事の無い快感だった。
時々固いものが当たるけど……。
そこで僕ははたと気付いた。これは歯……か?じゃあ生暖かいものは……舌?

「や、やめ……」

驚いた僕は慌てて制止の声を上げるが、彼女の耳には届かない。彼女がどこにいるのか見えず、腰が抜けそうな快感に晒され動けない僕は、掴んで止める事もできずにされるがままになっていた。

「うあ……で、出ちゃ……う……あぁっ!」
「んぅっ!?」

背筋が抜けるかのような射精感が通りすぎ、僕は彼女の口に思い切り出してしまっていた。彼女は驚愕の声と共に派手に咳き込む。

「げほっ、えほっ、ごほっ!」
「ご、ごめん!大丈夫!?」

その声を聞いた途端、罪悪感が襲ってくる。目の見えない事が恐怖となる。目の前に彼女がいて、自分のせいで苦しんでいるのに、それを見る事すらできないなんて……!
僕は必死に手探りで彼女を探し回った。
だが手に当たる感触はベッドのシーツ以外何もなく、代わりに僕の左頬にそっと触れるものがあった。
彼女の手だ。それはそのまま二回、僕の頬を優しく撫でてきた。「大丈夫」のサイン。それを僕に伝えると、彼女は肩に手を置き体重をかけてくる。
ぽすっという音をたて、僕はベッドに押し倒されていた。
438名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 07:22:12 ID:H7IOOrp8
不意討ちに近い形で押した彼の身体はあっさりベッドに横たわった。素早く彼の身体の上に跨がり騎乗位の体勢をとる。
困惑した表情で見上げてくる彼の手を取ると、私はそれを彼の胸元に持っていった。そのまま自分の手を彼の手に重ねて、「私にまかせて」とサインを送った。
彼の物を見ると一度射精したにも関わらず全く固さを失っていない。口に含んだ時にも思ったが、その外見はとてもグロテスクだ。しかしそれも彼の物だと思えば不思議と怖さはなくなってくる。
私は怒張したそれに手を添え、すでにグショグショになっている秘部へとあてがった。先端が触れ合い、その刺激に思わず小さく喉を鳴らしてしまう。

「――ッ」

いよいよだな、と思った。正直言えば少し怖かった。心臓はさっきから破裂しそうにバクバク鳴っている。
でも目の見えない彼の方からしてもらう事はできないし、それに怖くはあっても逃げ出したいとは思わなかった。それは多分、目の前の彼も同じ気持ちだと確信してるからだろう。
私は意を決し、途中で躊躇わないよう一気に腰を落とした。

「ッ!〜〜ッ!!」

ずん!という衝撃と共に激痛が身体を駆け巡った。お腹の奥でミチリと何かが破れる感覚がする。
必死に歯をくいしばってその痛みに耐えていた私は眼下に見える彼の顔に思わず目を止めた。

(なんて顔……)

今まで私が見た事もない、悲痛な、そして不安そうな顔だった。

(……私のせい?)

自分の耳に届かなくても、私は今きっと苦痛の悲鳴を上げてしまっているのだろう。私の身を案じる彼がこんな顔をするのも無理のない事だった。
私は痛みを押し留めながら、彼の左頬にゆっくり手を伸ばし、何度も何度も「大丈夫」のサインを送った。自分でもやり過ぎなくらい執拗に。
とにかく彼に苦しんでいると思われるのだけは嫌だった。あなたとのこの行為に私が苦しむ事なんて何もない、この痛みさえ愛おしいのだと伝えたかった。
すると頬に伸ばした手がぐいっと引かれ、私は彼と繋がったまま、彼の胸の中に倒れ込んだ。彼の腕が背中に回され、強く抱きしめられる。大好きな人の匂いが鼻腔いっぱいに広がり私はくらくらと陶酔してしまう。
ぼーっとしている私に彼は顔を近付けると探り当てるように口づけした。入り込んでくる舌の熱さに私は秘部の痛みも忘れ、同じように舌先で彼の口腔内を味わう。脳がとろけそうな感覚に二人とも貪るようにキスを続けた。
それで私は彼にも私の気持ちが伝わっていると理解した。
どれほどそうしていたのか。気がつくと秘部の痛みは薄れ、代わりにむずむずした感覚がそこに生まれていた。

(やぁっ、何?身体が、熱くなって……)

未知の感覚に私はモジモジと身体を揺すっていたが、つい我慢できなくなって少しだけ腰を動かしてみた。
「ッ!?」

瞬間、私は声を漏らして喘いだ。さっき胸を弄られた時とは比べ物にならないほどの快楽が襲ってくる。

(や、すごぉ……い、こんな、私、初めてなのに。ふぁ、やだ……わ、私……自分から……)

涙と嬌声にまみれながら私は自ら腰を振っていた。自分の浅ましさに顔が熱くなる。それでも私の動きは止まらない。恥ずかしくてたまらないのに、身体は勝手に動いてしまう。

(あぁ……こんな、ダメなのに……。でも、気持ちいい、気持ちいいよぉ!)

私は自分の喉が微かに掠れているのを感じ、よほどの声を上げている事を知った。それでも彼は先程のように止めたり私を気遣うような素振りは見せない。それどころか自らも腰を使い出し、一層私の事を責め立ててきた。

「ッ!?〜!〜〜ッ!!」
(あぁ!ダメぇ!こ、こんな激しいのぉ!……すごくて、もう……飛んじゃう!アタマん中飛んじゃうよぉ!!)

彼の態度の変化を疑問に思うような余裕はもうなかった。いや、私はすでに彼にその行為を止めて欲しいのか続けて欲しいのかすらわからなくなっている。ただひたすら脳を灼くような快楽に酔い、私の意識は白く染まっていった。
439名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 07:22:56 ID:H7IOOrp8
「あっ、ん……ああっ!ひあぁ、くぅ……はん、あん、ぉああ!」

彼女は僕の上に跨がり、激しく体を揺さぶっていた。その動きが彼女の体重を通して伝わってくる。
結合部は熱く、互いの性器が淫泌な音を立ててぶつかりあっている。

「はぁ、あうぅ!んっ、くひっ!」

耳が通じず言葉を持たない彼女は意味のない喘ぎをただ漏らすだけだ。それでも彼女はとりつかれたように必死に腰を振る。

「……動くよ」
「ひゃあぁ!?あぅ、んあぁぁ!あひぃぃぃぃ!!」

届く事のない言葉をかけながら、僕も思い切り腰を突き上げた。彼女はいよいよ獣じみた嬌声を上げる。
ともすればそれは悲鳴のようにも聞こえる声だ。だが僕は動きを止める事はなかった。挿入れたばかりの時とは違い、彼女の声は悦の感情で満たされているからだ。
例え目明きでなくとも、この耳でずっと彼女の声を聞いてきたのだ。彼女自身すら気付いてない感情でも読み取れる。

「んんっ、ああぁ!あっ、あっ、あああ!んああああぁぁ〜〜〜〜!!」
「くっ、んん!」

激しい喘ぎが一層強くなる。昇り詰めていた彼女の情感が絶頂を迎え、熱い淫肉が僕をきつく締め付ける。僕も我慢出来ず、彼女の膣内に思い切り精を吐き出していた。

「……かはぁ、はぁ……ん」
「はぁ……はぁ」

長い長い嬌声を終え、互いに荒い息を吐いて絶頂の余韻に浸っていた。だが彼女はふっと糸が切れるようにベッドに倒れこむと、そのまま眠り姫のように動かなくなった。


真っ暗な闇と音一つしない静寂、夜の気配が満ちた部屋の中で、僕は眠る彼女を腕の中に抱いていた。
僕らは出会った時から言葉を交わす事が出来なかった。彼女は手話で話していたが僕はそれを見る事が出来ず、彼女は僕の話す言葉を聞く事が出来なかったからだ。
そんな僕らが共通して認識出来たのは「触れる事」だった。彼女の頬に触れ、彼女の髪に触れ、彼女の手に触れ、彼女の身体に触れる事で彼女に想いを伝えてきた。
そして僕らは通じ合い、今僕の腕の中に彼女がいる。
僕はもう彼女との間にどんな障害も感じなかった。暗闇だろうと静寂だろうと二人の間に通じない想いなんて無いと。

「大好きだ……」

僕はそう呟いて彼女の頬に顔を擦り寄せ、キスをしようとした。すると彼女も起きていたのか、自分から口づけてきた。
柔らかな彼女の唇。その感触は確かな言葉となって、僕に想いを伝えてきた。

「私も大好きだよ♪」


440名無しさん@ピンキー:2010/05/19(水) 07:29:37 ID:H7IOOrp8
以上です
1レス目以外タイトルつけ忘れた…orz
やっぱり障害とエロの両立って難しいな
なんかどっちも中途半端になった気がする
441名無しさん@ピンキー:2010/05/20(木) 22:32:42 ID:bFhDrwxd
久しぶりに見たら良作来てた!!
聾唖の娘と盲目の彼の組み合わせって良いな
気持ちを伝えようとするのがホントに良い(*´`*)
442名無しさん@ピンキー:2010/05/22(土) 02:42:42 ID:X/4ypcle
Gjなんだぜ
443名無しさん@ピンキー:2010/05/24(月) 19:54:16 ID:2z+fYNPZ
>>433
結果的に依存属性も付いてきたなら別に良いんじゃね?
その属性専用スレがあるからと言って、このスレでその属性を含んだ話を投下しちゃ駄目って話でも無いでしょ

>>435-440
GJですよ
こういうのも良いなぁ
444名無しさん@ピンキー:2010/05/27(木) 01:54:06 ID:lbcFkUsm
>>440
萌えるじゃねぇか!
これから毎日SS書こうぜ?
445435:2010/05/28(金) 21:28:35 ID:M/aC9IqL
おお、感想ありがとう!
前に>>275書いた奴なんだけどだいぶ毛色が違う話だから大丈夫かと思ってた
またぼちぼち書くんで良かったら
446名無しさん@ピンキー:2010/05/31(月) 09:15:03 ID:TGZPzEom
不妊ってこのスレ?
447名無しさん@ピンキー:2010/06/01(火) 21:37:56 ID:m2BTSCG5
ありだと思う
448名無しさん@ピンキー:2010/06/04(金) 22:00:56 ID:iRSvADYw
>>434
【貴方なしでは】依存スレッド7【生きられない】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1273827110/
スレが移行したよ。
449名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:07:21 ID:uvcel2OI
その話が始まってから、30分が経過した。精神にかかる負担は大きくなる一方だった。保健室へ逃げようかと、生まれて初めて考えた。
「…と、このように不妊の女性は女として扱われなかったという時代だったわけです」
歴史の教師は、ただだらだらと、聞きたくもない蘊蓄を続ける。そんなものが耳に入るはずがない。
私が祈ることはただひとつ。一刻も早く、このラクダのよだれのような無駄話を終わらせて欲しかった。
「妙恵、大丈夫か?」
前の席の男…幼なじみの石川統也が、振り向いて心配そうに声をかけてきた。
授業に真面目に取り組んでいる私がこんなにだらしなく寝るだなんて、信じられないことなのだろう。
「大丈夫、ちょっと気分が悪いだけだから…」
私はそう返し、頭を腕の中へ沈め込んだ。これ以上話を聞いていることなんて、できそうになかった。一分一秒でも早く、昼休みになって欲しかった。
今は、歴史の授業。この蘊蓄教師が話していることは、「不妊の女性」について。
そして私がその話を嫌がっている理由は「ある病気の後遺症として子供の産めない体になったから」である。

私…磯子妙恵は生まれつき病弱で、そのせいで多くの病気をしてきた。胸や腹には手術痕だって残っている。
体が比較的丈夫になった今では、病院の世話になることも少なくなってきたが、それでもやはりたまに病気をしてしまう。
しかし自分で言うのもなんだが、私は周囲にそんな印象を感じさせないほど成績がよく、そして運動もできた。
私が病院少女だということを知っているのは、今や家族と、幼なじみの友人である石川統也だけだ。
石川統也は、幼稚園時代から付き合いのある古い友人だ。家が近いこともあり、休みがちな私としょっちゅう遊んでくれた。かれこれ10年以上の付き合いになる。
小学校、中学校とともに同じところに通っていたことから、どちらが言い出したわけでもなく、自然と同じ高校を志願していた。
彼の性格は、一言で言えば飄々としている。学校内では成績は中堅より少し上、なんだかんだで委員長を引きうけていたりする。
彼の趣味は植物の栽培という、この年齢の男とは到底思えないほど穏やかなものだ。彼の優しさに、私は何度救われてきたことだろう。
私は、そんな彼がとてもいい人だということを知っている。とても優しく、そして穏やかな性格だ。それは幼馴染の私が一番よく分かっている。
病気がちだった私を常に見舞ってくれる彼は、淡い恋心を抱くのに十分すぎる相手だった。
450名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:07:53 ID:uvcel2OI
さて、そんな私は高校に入る前に、大病をやらかした。1ヶ月で治癒したが、その時の後遺症は、私の体に深い傷痕を残した。
そのほとんどが体にほぼ無害なものだったが、卵管異常と子宮の変形の2つは「無害」で済ますわけにはいかなかったようだ。
その2つは不妊を引き起こし、さらに妊娠しても死産・流産、母胎損傷の可能性がとても高くなると言われた。
その時は確かにショックを受けたが、当時はまだ中学生だったから、私は事の重さをまだうまく理解できていなかったのだ。
高校生になって、私は生物、歴史、保険などの授業や、選択で取った哲学などで、常識とも言える次元の話につまづくことになった。
それは「生命の存在意義」だ。
すべての生命は、子孫を残すことを存在意義に据えている。しかし私には、その生命の存在意義であり根本原理であるそれができない。
そして日本において、それとほぼ同義として扱われやすい「結婚」、そしてその結婚と同一視されやすい「恋愛」が、私を苦しめ始めた。
その結婚や恋愛というものの原点を考えると、やはり子供を作る行為である「セックス」にたどり着く。
…子供を作れなくなった私は、子供を作るための行為を行わなくても良い。ということは、恋愛をする権利が私にはないのではないか。そもそも生存する権利すら…
私はもう、頭の中がぐちゃぐちゃになっていた。そしてその嫌な現実を忘れようと努めた。そのために私は、一日の大半を勉強に費やすようになった。
どこかに目標を定めているわけではなかったが、闇雲に勉強するクセのおかげで、私は1年次の期末試験で満点を連発してしまい、すっかり秀才のレッテルを貼られてしまったのであった。
そして今、私は葛藤している。恋愛する権利すらない私に、この優しい幼なじみを愛する資格が、果たしてあるのだろうか。
私が不妊の女だということは、まだ統也には知らせていない。…知られたら、どう反応されるのか。それが怖かったから。
そして私は、この優しい幼馴染が、好きで好きで仕方がなかったから。

「…はぁ」
昼休みのベルが鳴ると、私は早速ため息をついた。
「…本当に大丈夫か?最近ひどいらしいけど…」
「ああ、それなら大丈夫!私、最近眠くて眠くて…ほら、「春眠暁を覚えず」って言うでしょ?」
「…ならいいけど…」
統也に心配をかけるわけにはいかない。私は笑って誤魔化した。
「…あのさ、妙恵。放課後、暇か?」
いつになく真剣な表情で、統也は私に問うた。…こんなにまっすぐ見つめられると、思わず緊張してしまう。
「え?…ええ、暇だけど」
「そうか…それじゃあ今日のホームルームが終わったらさ、ちょっと付き合ってくれないか」
「何するの?」
「ちょっと…な」
統也は目を逸らしながら、ぼそぼそと言った。何か後ろめたいことがある時、統也はかならずこのように、目を逸らしてぼそぼそと呟く。
…なんだろう。何か私にとって悪い事でもしたのかな?例えば私の服に間違えて種を植えてしまったとか…さすがにそれはないか。
「分かった、じゃあ楽しみにしておくね」
私はそう言って、統也に笑いかけた。もっとも、楽しみにしているのは私の方なのかもしれない。
統也がこうやって私のことを呼び出すときは、決まってプレゼントをくれたりする時だったから。今日は何がもらえるんだろう。
451名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:09:16 ID:uvcel2OI
放課後。私は統也に連れられて、生徒があまり立ち入らない学校の屋上へやってきた。
「で、結局何するの?こんなところで」
といっても、もう15分も経ったのに、適当な雑談が繰り返されるばかり。彼はこんなことをするためだけに、私を呼ぶような男ではなかった。
「…あ、あの…ああもう!た、単刀直入に言うぜ、妙恵!」
私が尋ねること10回目、ようやく統也はその重い口を開いた。
「付き合おう、俺と!彼女になってくれよ!」
「え…?」
それはまさに、衝撃的な告白だった。
「やっぱり俺には、遠まわしに伝えることなんて無理だよ…うん…」
統也はぼそぼそと呟く。私はというと…ただ呆然とするしかなかった。呆然って英語でなんていうんだっけ、なんて間抜けなことを考えていたくらい。
「私なんかと…?」
「ああ。俺はお前が好きなんだ。ずっと気になっていたんだ…」
「今、答えなきゃダメ?」
「うん」
私に強くつめよる統也。嬉しくないといえばウソになる。しかし…
「…ごめん、統也。私は…恋愛をする権利なんて、ないんだよ」
そう。私は、恋愛なんてできるような人じゃないのだ。
「…なぁ、妙恵」
統也は私の肩を掴んで、詰め寄るように言った。
「どうして妙恵には、恋愛をする権利がないんだ?」
「え…そ、それは…」
「俺たちは種族や身分が違うわけではない。ならどうして、そんなことを言うんだ?」
「だって…!」
私は、恋をする資格も、される資格もないのに。そもそも生命としてすら出来損ないだというのに…
なんで、こんな私を、好きになってしまったのだろう。好きになってくれなければ、私のこの淡い恋心が、泡のように消えられたかもしれないのに。
「…統也はどうして私のことが好きなの?」
「そんなことに理由なんているのか?」
「おかしいよ、理由がないなんて!」
私は大声で、統也の発言を遮った。統也は驚いた表情で、私を見つめた。
「…高校に入る前、私…すごく大きな病気をしたでしょ?」
「…ああ、大騒ぎだったな、あの時は…」
「…その時の後遺症で、私は妊娠できないって、妊娠しても流産や死産をする可能性が高いって言われた」
「に、妊娠って…俺はそんなんじゃ…!」
「聞いて!…人はなぜ結婚をするの?人はなぜ愛し合うの?…その根源には、子供を成すという本能が根付いている…違う?
どうして去勢した雄犬は欲情しないの?…それを考えれば、分かることでしょう?」
そう。子孫を残せなくなった動物は、子孫を残すためにする行動すら行わなくなる。私もいずれ、そうなってしまうのだろう。
「…私は生き物として出来損ないなのよ!統也に愛してもらう資格なんてないのよ、私は!」
だから、いっそのこと嫌いになってほしかった。そのうち相手への情愛が消えていくであろう私なんかを好くより、もっと統也自身の幸せを追い求めてほしかったのだ。
「妙恵…」
私の体が、突然力強く抱きしめられた。統也が私を、ぎゅっと抱きしめてくれている。嬉しさのあまり抱き返してしまいそうになるが、それを私は理性で必死になって抑え、拒絶する。
「離してよ、離してってば!」
「…妙恵の考えは、間違っていると思う」
「どうしてよ!…離してってば、もう!」
「確かに生命の根本原理は子供を成し、次世代へつなげていくことだ。植物だって自分の種をどうやって撒き散らすか、ってことをちゃんと考えているからな」
私を抱きしめる力が、さらに強くなる。離してくれと暴れても、もう逃げることなんてできないだろう。
「だけど人間は、結婚してもあえて子供を成さない人がいるし、逆に非効率的になるほど子供を作る人もいる。それはどうしてだ?」
452名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:09:37 ID:uvcel2OI
「色々と理由はあるだろうが、俺はこう考える。人は愛を説くために生きるのさ」
「綺麗事よ、そんなの!」
「いいじゃないか、綺麗事で。誰だって子供を作ることだけが愛なんて考えていないさ」
私を抱きしめる腕、それは優しくて、大きかった。…いつの間に、こんなに大きくなったんだろう。一緒に育っていたような感じがしていたのに。
「まぁ…うまく言えないけど、そう卑屈にならないでくれよ」
「統也…」
嬉しかった。無骨で気取らない、本当に「うまく言えていない」言葉だったけれど、それが逆に私を安心させた。
「…いいの?私なんかで」
「何度も言わせないでくれよ、誰だって…」
「違うの!…私なんかよりもっといい女の人なんて、たくさんいるんじゃ…」
「そんなわけないだろ。俺はお前が好きだ、だから放課後にこうやって告白しているんだよ」
それを聞いて、私の心に、改めて喜びが広がった。…やっぱり嫌いになろうとしても、嫌われようとしても、無理みたいだ。
「嘘じゃない?本当に私のこと、好き?」
「ああ、嘘じゃないとも」
「夢じゃないよね?」
「俺の顔でもつねってみたらどうだ?」
…下手だ、本当に。とっても下手で、口説き文句っぽさがかけらもない。まぁ、その方が統也っぽいからいいんだけど。
「…やっぱり優しいね、統也は」
「べ、別にそんなこと…」
「言わないで。私も、統也のこと、好き」
「…ってことは」
「統也の想いに…どれだけこたえられるかは分からない。でも…私でよかったら、いいよ。付き合おう?」
「…そ、そうか。ありがとう」
私が頭を下げると、統也もそれにつられたのか、頭を下げた。
「でも…いつから私のこと、好きだったの?」
「…小さい頃からさ、なんとなく…守ってやらなきゃな、って思っててさ…」
「そう…ありがと、統也。やっぱり優しいね」
「べ、別にそんなこと…ないよな…うん…」
統也がぼそぼそと言葉を紡ぐ。本当に分かりやすいな、と思い、その直後にそんな彼の癖を知っているのは学校の中でも私だけなんだろうなと気付いて、少し嬉しくなった。
そして幼馴染というのは、本当に有利なポジションなのだなと思い、笑いがこぼれた。統也は優しい。でもその優しさに気づけたのは、私が彼と近い場所にいたからだ。
…本当に、たったこれだけで、私が一生抱えていたかもしれない悩みをある程度まで断ち切っちゃうんだもんなぁ…
453名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:10:00 ID:uvcel2OI
その後統也と一緒に家に帰ると…最近はこうして一緒に帰ることも少なくなりがちだった…、テーブルの上に置手紙があった。
『妙恵へ
山形の伯父さんの一回忌があるので、泊りがけで山口まで行ってきます。ご飯は置いてあるから、チンして食べてね♪
両親より』
音符マークの意匠が凝っているあたりが、それほど急いで家を出たわけではないのだろうなぁと思わせる。
山形の伯父というのは、正確には母方かつ私にとっての大伯父に当たる。まぁつまり、私にとっては遠い親戚になる。
両親は高校生の私にむやみに欠席をさせるべきではないと考えたのだろう、私を置いて家を出たようだ。…つまり、私の家には今、両親がいないのである。
「…いないのか、おじさんもおばさんも」
そして、私の幼馴染であり、親友であり、ついさっき彼氏になった統也が、この置手紙を見ている。
「うん。そうだ。晩御飯、食べてく?」
「え、でもひとり分しかないだろ?」
「近くの西友でお惣菜買えばいいでしょ?お腹いっぱいにはならないかもしれないけど…」
それは私からの、誘いの合図でもあった。今日は私と、時間を過ごして欲しい、そういったメッセージ。
「…それとも…私とご飯食べるの、いや?」
「あ、いや、そういうわけじゃ…電話借りていいか?」
「うん、いいよ」
どうやら統也は、私の誘いを受けてくれたようだ。私は心の中でガッツポーズを取る。
「…ありがとな、妙恵」
そう呟いて、統也は電話の受話器を持ちあげ、慣れた手つきでボタンをプッシュした。


家から歩いて3分くらいのところにある西友は、夕方ということもあり、レジに人が結構並んでいた。
「ねぇ、統也は何が好き?」
そこの総菜売り場で私は、後ろにいるはずの統也に尋ねた。しかし、返事はない。
「ねぇ、統也ってば…あ」
無視するな、と思って振り向くと、そこには若い女の人がきょとんとした様子で立っていた。もちろん統也ではない。
「ご、ごめんなさい…」
私は頭を下げて、その人に謝る。まったく、とんだ赤っ恥だ。統也ってば、どこに行ったんだろう。帰ってきたら文句を言ってやらないと…
「…あ、やっぱりここにいたのか」
と思っていたら、ちょうど統也が帰ってきた。左手を固く握り、偶然を装っている。…隠してるな、何か。
「ちょっとはぐれちゃってさ。悪いな…」
「探し物でもしてたの?」
「ど、どうして…」
「私を誰だと思ってるの?それくらいお見通しなんだから…」
笑いをこらえながら、私は言う。統也は本当に隠し事の下手な男だ。こんな態度じゃ、見破ってくださいと土下座して頼んでいるようなものなのに。
「で、何買ったの?」
「…いや、別に…私物だから。先に買ってくる」
統也は逃げるように、レジに向かう。
「あ、ちょっと統也!」
呼びとめるより先に、ちょうど人が少ないレジに並ばれ、その後ろにさっきの女の人が並ぶ。…一緒に買ってもいいのになぁ。
とりあえず惣菜は、統也の好きそうなメンチカツでも買おう。私はそう思って、パックにメンチカツを入れた。
454名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:11:10 ID:uvcel2OI
私の家での夕食の後。私がシャワーを浴びて統也の私室に行くと、私より前にシャワーを浴びた…正確には私が懇願してシャワーを浴びせた統也が、そわそわとした様子で歩き回っていた。
「統也、それ挙動不審っぽいよ」
「そ、そうか!?…善処する」
「なんか落ち着きがないね。どうしたの?」
「…ま、まぁ…その…色々と考えててな」
私の問いをはぐらかそうとする統也。何か、怪しい。でも…これは、使えるかも。
「そういえば西友で何買ったの?」
「ま、まぁ私物をな、ちょっと…」
「嘘でしょ」
たじろぐ統也。このまま勢いで押そう。私は悪戯っぽく笑い、統也の胸にしなだれかかった。
「…隠しごとは、して欲しくないなぁ…」
「…妙恵って…意外と積極的だよな」
「統也がへっぴり腰過ぎるだけだと思うなぁ?」
「お、俺が!?」
「うん。…知り合って10年以上も経って、今日やっと彼女になれました。でも彼氏は私の望むことを全然してくれません…なんて、私、嫌だな」
上目づかいで、私は統也に迫る。私を思ってくれているのかもしれないが、時には獣のように求めてほしい。
「…いいんだよ?少しくらい乱暴にしても」
「で、でも…」
「統也…私が…中学生くらいだった頃に聞いた話なんだけどね、『相手のわがままをぶつけ合うのが恋』なんだって」
服をつかみ、統也の胸に抱きつきながら、私は甘えるような声を出した。
「言いたいこと、分かってくれた?」
「…ああ。…それじゃあ、遠慮なく…」
口ではそう言いながら、それでも遠慮がちに、統也は私の肩を抱く。そして唇を尖らせて、顔を私に近づけてきた。
面白いなぁ、この顔。そんなことを思っているうちに、私の唇は彼の唇と触れ合う。柔らかな唇の感触が、私の唇に感ぜられた。
「ちゅっ…」
「むっ…」
唇と唇が触れ合うだけの、本当に軽い、子供のようなキス。それでも長さと愛情はたっぷりある、遊びではないキス。
もうすでに大人になりかけている私たちにとっては、それは精神的にとても重く。そのキスは文字通り互いのファーストキスを捧げ合うような、重要な行為だった。
「…っぷはぁ!はぁ、はぁ…」
唇が離れると、統也はまず激しく息をした。その息とともに、ロマンチックで艶めかしげな雰囲気が一気に吹き飛んだ。
「統也ってば…息してもいいんだよ?」
「そ、そうか…ごめんな、下手で」
「ううん?」
私は頭を振った。
「これから一緒に上手になっていこうよ」
「そ、そうだな…」
「まぁそれを差っ引いても、上手とは言えないけどね…でも…」
私はそう言って服をはだけさせた。
「すっごく興奮した。…しようよ、統也」
「な、なにを…!」
「分かってるんでしょ?」
私は統也にしがみついて、言う。少しは艶めかしげに見えればいいんだけど。
「それとも統也は…女の子の口から恥ずかしいことを言わせて興奮するの?」
そう言って私は、統也の唇を奪う。
「ちゅっ…じゅるっ…」
さっきの控えめなキスとは違った、キスというよりは私の一方的な口腔凌辱ショー。内頬をこそぎ、歯茎を舐めあげ、下を無理やり絡め、唾液を無理やり流し込む。
遠慮を知らない、ひどい口付け。一方的すぎる、あんまりにもひどいフレンチキス。それは、奪う、という表現が、正しいと思う。情欲を掻きたてるための、キス。
「…ねぇ、しようよ、セックス」
唇を離した後、私たちの間には唾液の橋がかかっていた。それを舌で舐めとりながら、統也を押し倒さん勢いで、私はにじりよる。
ガラスに映った私の微笑は、さながら獲物を追い詰めた豹のようだった。私の提案に統也が頷いたのも、ある意味必然と言えただろう。
455名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:11:42 ID:uvcel2OI
「さっき…西友で、これ買ってたんだ」
統也はそういいながら、財布の中から、四角いもの…小銭よりは大きいが…を取りだした。…封入りのコンドームだ。箱はどこかで捨てたのだろう。
…なるほど、こういう事態を想定していたわけか。でも…それ、私の体質的に必要ないんじゃないだろうか。
「え、別にいいって、どうせ私、妊娠しないし!」
「だからこそだよ」
統也はきっぱりと言った。
「そういうところは、きっちりしておきたいんだ。妊娠しません、だから中に出したい放題です…なんて、相手の弱みにつけ込んでいるのと同じだろ?」
「そ、そうかもしれないけど…でも…」
「俺は妙恵の弱みにつけ込みながら、愛をはぐくみたくはないんだ。大体、これをつけるのは人として当たり前のことさ。普通と同じでいいんだよ、妙恵」
真顔でどきっぱりと言う統也。…しっかりしているのは、体だけではなかったようだ。
「意外と紳士だね、統也って」
「そ、そうか…?まぁ、とりあえず…」
「あ、待って。私がつける!」
私はコンドームを受け取り、封から出す。封の中のそれは、ゴム風船のような感触がした。
そして統也のズボンを脱がせ、そのいきりたったものに、説明書を読みながら、異物が挟まらないようにゴムをかぶせていく。
…ちょっと面白いかも。しっかりしているのは、確かに体だけじゃない。こっちの方も、昔に比べて大きくなっている。
「ねぇ、どんな感じなの?」
「なんかむずかゆい感じがするなぁ…」
着け終えた後、私は興味本位で聞く。私にはつけるためのものがついていない、たったそれだけの単純な理由。
それに返ってきたのは、なんとも間抜けな、ロマンティックな雰囲気とは無縁のものだった。…そりゃそうか。
「あ、服脱いで。私も脱ぐから…」
「自分で脱がしておいてそれかよ」
「いいじゃない、別に」
私の発言もロマンとは無縁だなぁ、なんて思いながら、私は服をさっさと脱ぐ。
私の股座は、さっきのキスでもうすでに湿っていた。…私は、ひどく淫らな女なのかもしれない。けれど…今は淫らなままでいたかった。
「来て」
私はベッドの上で、文字通り股を開いた。そこにゴムのかぶさった、いきり立った剛直をあてがわれる。少しくすぐったい感じがした。
456名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:12:57 ID:uvcel2OI
「…それじゃあ、いくぞ。力抜いて…せぇ、のっ!」
掛け声とともに、私の何かを引き裂きながら、体の中に異物が入ってくる。
「く、くふっ…ふぅ…!」
一体感。統也とひとつになれたという、ひとつになっているという、一体感。そしてそれに伴う安心感が、私の心の中を満たしていく。
「…ぎっ!」
しかしその次に来たのは、快楽とは無縁の激痛だった。
「くっ…ふぅっ…!」
痛い。とにかく痛い。ひたすらに痛い。たとえるなら、乾燥してカサカサになった口の中に、無理やり拳を突っ込まれているような痛さだ。
「痛い…痛い…痛い…っ!」
「だ、大丈夫か!?」
統也が驚いて、私に声をかける。こういうところは、本当に優しいなぁと思い、ため息を突こうとする。しかしそれですら、私の股間に激痛を走らせた。
「…だ、大丈夫…!私は、大丈夫だから…!」
「大丈夫なもんか、そんなに痛がって…!」
「嫌!」
離れようとした統也の腰を、私は足で押さえ込む。あまりの痛さに、目尻から涙がこぼれた。
「…離れないで…」
「で、でも」
「…ねぇ…顔、近付けて…」
私はそう頼む。顔を下してくる統也に、私は軽く口付けをした。
「…ちゅっ…」
「!」
「…こうしてくれるだけで、私は耐えられるから…」
痛いのは嫌だったが、せっかくひとつになれたのだ。離れるのは、もっと嫌だった。
「分かった。じゃあ、力抜いて…」
「抜かない?」
「抜かないって…動くぞ」
統也はそう言って、腰をゆっくりと前後に動かしはじめた。
「ぐっ…ぐぅ…!」
そのたびに、私の股に、肉をえぐられるようなものすごい痛みが走る。痛い。とにかく、痛い。
「大丈夫…力を抜いて…」
目に滲んだ涙を、指でぬぐわれる。ふっと安心できる瞬間。私は力を抜いて、彼のなすがままにされることに決めた。
「いい子だ…」
そして、ついばむような口付け。…ああ、いいかも、これ。とっても痛いけど、彼の優しさを間近で感じられて。
不思議だ。痛くて痛くて、たまらないのに、キスをされるたびに、心に安心感と嬉しさが広がる。
「た、妙恵…っ!」
統也の何度目になるか分からない口付けの後、私は名前を呼ばれて口付けをされる。そして口付けをしたまま、統也は震えた。
唇に、彼のけいれんが伝わってくる。果てたのだな、ということがなんとなく分かった。
457名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:13:20 ID:uvcel2OI
「はぁ、はぁ…」
唇を話して、荒い息を出しながら、統也は私の中からその剛直を引き抜く。異物感がなくなり、ひりひりと舌痛みだけが残った。
「ご、ごめん…もう、無理…」
私はそう言って手を振る。体力的な疲労もともかく、痛みのせいで精神的な疲労がひどかった。
「分かってる。…悪いな、妙恵」
「いいって…女の子が最初に…その、イくっていうの?あれは難しいって聞くし…それに今のは私が一方的に悪いんだし」
私は笑顔を作って言った。まったく、情けないなぁ。自分で誘っておいてこの体たらくだ。
「これが大きすぎるのも考え物だな」
「くすっ…自分で言う?」
「いやまぁ自意識過剰かもしれないけどさ…でも俺はお前に痛みしか与えることができなかったのは事実だし…」
「そんなことないよ?」
私はそう言いながら、彼の腕に抱きついた。
「確かに気持ちよくはなかったけど…それとは別に、なんか…一体感っていうのかな。好きな人に抱いてもらっているってことが分かって、よかったな、って」
「そ…そう、か…」
「また、しようね」
「そうだな。それより…変なことは考えるなよ」
統也は急に真顔になって、私に言った。
「これから2人で、上手くなっていけばいい。そうだろ?」
「…うん」
私は頷く。確かに彼に言われていなければ、変なこと…膣を広げるトレーニングとかをしていたかもしれない。
しかし、なんという皮肉。私が本来気にしなくてもいい生殖という行動に夢中になっているのは、ほかならぬ私なのだから。
今度は…もっと、痛くなければいいな。私はそう思って、ふぅとため息をつく。意外と体力を使うなぁと思いながら、私は暗闇へと意識を預けた。
統也と恋仲になれて、良かった。そう思いながら。
458名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 04:14:01 ID:uvcel2OI
なんか書きたいことを上手く書けなかったけれど、以上です。
不完全燃焼気味だなぁ…
459名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 15:01:15 ID:tAuzioMx
・障碍にコンプレックスを抱えていて、そのせいで恋愛に思い悩む姿に萌え。
 メンタル派

・欠陥部分に萌え。五体満足ではない、肉体の欠けた形こそ美しい!
 フィジカル派

スレ的にはどっちが多いんだろ。
460名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 18:01:27 ID:jGAhYN48
俺はメンタル派だな。
文章に局限するなら、障碍という特性(属性)とキャラが、
どう向き合っているか、どう付き合っているかが重要だろうと思う。
イラストの場合はどうでもいい。そもそも欠損絵は趣味じゃない。

461名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 20:09:17 ID:KCriQ2py
>>458
面白かったです。Gj
462名無しさん@ピンキー:2010/06/08(火) 23:49:45 ID:6+RSElfI
>>449-458
乙!!
こういうのも良いなあ

>>459
俺はメンタル×フィジカル派
両方揃ってるとウマー
463名無しさん@ピンキー:2010/06/09(水) 16:00:05 ID:GJQ4oV5X
>>449>>458
乙です!玩味致しました。

>>459
どちらかというより、その二つの周囲の対応含めての相関性がくるんだよね。
いたわられ過ぎるのが辛いけど、強がり過ぎて相手を拒絶したあとの後悔も辛いし、実際体にも無理をさせているといった感じの。

フィジカルだと機能不全系がいい。
車椅子とか、がちがちに装具で固めて杖を支えに歩くとか。
464名無しさん@ピンキー:2010/06/14(月) 15:14:04 ID:HVkMdzSW
保守
465名無しさん@ピンキー:2010/06/15(火) 12:53:38 ID:F2g9WLgb
盲目は別スレ?
466名無しさん@ピンキー:2010/06/15(火) 18:44:39 ID:OCqkP1Na
ログも読めないような不自由な作者さんはちょっと…
467名無しさん@ピンキー:2010/06/15(火) 19:30:14 ID:9VdPaqhs
>>465
かってあった盲目スレは無事天寿を全うし当スレに合流しました
468名無しさん@ピンキー:2010/06/15(火) 19:54:57 ID:Jr3stOft
>>465
ちょっと前に盲目のキャラ出てくるSSあるのに
469名無しさん@ピンキー:2010/06/16(水) 21:42:47 ID:m6b6KS0E
「こういうシチュは、このスレに投下しておk?」って書き込み多いみたいなんで・・

スレ立てたの私ですが>>1の説明分かりにくかったですかねw
すごい大雑把に言えば、障がいっぽいものナンデモ投下OKでいいんじゃないかなと。こだわると議論スレみたくなっちゃうしw
ピンポイントで欲しい人は専門スレ立ててもらってということで・・どうですかね?みなさん

書き手の表現方法次第で、ハッキリ障碍と分かりにくいこともありますよね
例えば>>3の歌詞も最後まで見ないと、どういう女の子か分からないですよね
時代や国によっても障碍の定義が違いますしね
470名無しさん@ピンキー:2010/06/17(木) 00:02:58 ID:d83cpSsi
許容範囲かどうか迷ったらとりあえず投下して見れば?
可否は読んだ住人の判断に任せるって感じで
こう言っちゃなんだがそんなに活気あるスレって訳でもないしスレの賑わいになるなら投下してもらった方が良いと思う
471名無しさん@ピンキー:2010/06/18(金) 03:27:09 ID:tWbFH2H7
俺もスレの範囲内と多少なりとも思うのならまずは落として欲しいかな
結構さびれたスレだし…
472名無しさん@ピンキー:2010/06/19(土) 22:42:31 ID:qSojHLMk
投下ならいつでもウェルカム
473名無しさん@ピンキー:2010/06/20(日) 05:41:42 ID:lxfoJR3z
今日1日くらいは潰せるんじゃないかな

「病ん×デレラ」
ちゃんと小学生してる心理描写と、情景描写が秀逸
切ない系萌えで、話毎のヤンデレ日記で駄目押し
>>2の「瞳シリーズ」が気に入った人向けか


「ハゲとニートと手の無い彼女」
まだ出だししか読んでないけど、読むに耐えないような物・・じゃないはず
 「昔から、ハゲなんだよ。生まれた時からさ」
 「素敵な頭ですね」

両方ともニート社 http://neetsha.com/
474名無しさん@ピンキー:2010/06/25(金) 22:37:48 ID:UL4gjB7B
保守
475名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 03:44:30 ID:NcidifP2
476名無しさん@ピンキー:2010/07/02(金) 15:48:47 ID:OAu0EwuW
477名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 19:44:13 ID:5mCaA4/c
478名無しさん@ピンキー:2010/07/04(日) 22:19:07 ID:mFQCbQFV
479名無しさん@ピンキー:2010/07/05(月) 21:36:58 ID:8fT6DB+J
480名無しさん@ピンキー:2010/07/06(火) 22:07:40 ID:Uaj0L76T
ケイブw
481名無しさん@ピンキー:2010/07/12(月) 09:34:02 ID:YAl+CsCk
保守
482名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 00:40:23 ID:sjii+jqb
投下したいと思います。
感情を失った女の子。真の意味でなくなると廃人なので、ちょっと都合のいいなくし方ですが。
それでは楽しんでもらえれば幸いです。
4831/6:2010/07/14(水) 00:41:09 ID:sjii+jqb
平穏を崩されるなんて言うのは、本当に一瞬のことなんだと実感する。
俺達はどこにでもいるような恋人同士で、どこにでもいるような普通の男女で、どこにでもあるような人生を送るんだと思ってた。
そんな俺達の、至って普通なデートの最中。全く突然に、暴走した車が俺達に突っ込んできた。
避けるなんて、考える以前の問題だった。気がついたときには地面に倒れ、俺の脚はおかしな方向に捩じれていた。
そして彼女は、一見どこにも外傷を負っておらず、まるで眠っているように見えた。その直後から、全身に凄まじい激痛が
襲ってきたため、後のことはよく覚えていない。
病院に担ぎ込まれ、色々と治療をされて少し落ち着いた頃、まったくの無傷に見えた彼女が、実は生死の狭間を彷徨っていると
伝えられた。何でも、彼女は頭を強打し、脳に損傷を受けているかもしれないとのことだった。場合によっては、大変な後遺症が
残るかもしれないとも聞いた。
そして、それは現実となった。
辛うじて、彼女は一命を取り留めた。だが、その代わりに大切なものを失った。
「喜美、腹減った?」
「いや」
「そうか。何か手伝うことは?」
「ない」
「いるものは?」
「ない」
「怒ってる?」
「ありえない」
至って普通な、いつもの会話だ。喜美は黙々と、ひたすらに膨大なデータをパソコンに打ち込むという単純かつ苦痛を伴う作業を、
顔色一つ変えずに黙々とこなしている。
「音楽でも聞く?」
「ご自由に」
「退屈じゃない?」
「別に」
「そうか……変わったな…」
「変わったな」
彼女は、一切の感情を失った。ちょっと前まで、音楽が好きで、単純作業が大嫌いで、何か嬉しいことがあると、名前の通りにかわいい
笑顔を見せてくれた彼女は、もういない。今の彼女は笑うことも、泣くことも、怒ることもなく、それどころか退屈だとか不快だとか
思うことすらなくなってしまった。それでも、失ったのが感情だけだったというのは、不幸中の幸いだったということだ。むしろ、
奇跡に等しいとまで言われた。
彼女自身は、この状況を何とも思っていない。というより、思えないのだろう。感情を失って悲しいとか、感情を失ってるんだから
思うわけがない。むしろ、彼女は自分の体がこうなったため、逆にそれを利用して、こういった内職を多くこなしている。
まるで機械のように退屈を知らず、飽きるということもない彼女には、まさにおあつらえむきだろう。
「……なあ、喜美」
「何」
「俺のこと……どう思う?」
4842/6:2010/07/14(水) 00:41:57 ID:sjii+jqb
その質問にも、彼女の手は止まらない。
「好き『だった』人。今は君のことは、何とも思わない」
「………」
「だけど」
手を止めず、顔を向けず、彼女は続ける。
「あの頃みたいな感情はなくなったけど、変わらず信頼できる人物ではある。であれば、たぶんまだ『好き』なんだろうな」
「……俺は、喜美がどうなっても好きだ」
「嬉しくないけどありがとう」
恋人同士としての感情も、彼女は失くした。それでも、彼女はこうして恋人としての関係を続けようとしてくれる。
もしかしたら、本当はもう俺のような存在は邪魔なだけなのかもしれない。それでも、俺は彼女の好意に甘えていたかった。
彼女は全ての感情を失ったせいか、自分のことにも随分と無頓着になってしまった。しかも退屈しない分、仕事に打ち込みすぎて
時間を忘れる傾向があるので、俺が色々と身の回りの面倒をみることが多い。
「ん、もう8時になってる。喜美、そろそろ飯作るけど何がいい?」
「何でも」
「ご飯系、パスタ系、どっち?」
「作りやすい方」
「……じゃあタラスパかペペロンチーノ、どっち?」
「たらこが腐りやすそうだからたらこスパゲッティ」
以前の喜美なら、絶対ペペロンチーノを選んでただろう。何しろ辛党で、しかもたらこは好きじゃなかったんだから。だけど、今は
好き嫌いすらなくなってしまった。作る方としては、些か張り合いがない。
「どう喜美?うまい?」
「たぶん」
好き嫌いがない上に、うまいものを食って幸せだとかいう感情もないので、この質問にはまったく意味がない。それでも、
何か話さなければ無言の食卓になるので、そう聞かざるを得ない。
一人相撲な会話をしつつ、一緒に夕飯を食べる。食器を下げるとすぐに、喜美はまたパソコンに向かおうとする。
そんな彼女を、後ろから抱き締める。喜美は特に抵抗もせず、足を止める。
「したいのか」
「……うん」
彼女はもう、俺に対して恋人としての感情を持っていない。だけど、俺の彼女に対する気持ちは、今も全く変わっていない。
「君も変わってる。こんな私を抱いて楽しいか」
「喜美は喜美だ」
「以前の私なら、狂喜乱舞するような台詞だな。でももう、君の言葉に心が動かされたりはしない。それでもいいのか」
返事をする代わりに、体をぎゅっと抱き締める。喜美はちらりと時計を見てから、俺の手に自分の手を重ねた。
「作業は終わってないが、余裕はあるな。まさかセックスに三時間もかける気はないだろう」
「ないない」
「なら大丈夫だ。じゃあ一回離れてくれ、脱ぎにくい」
4853/6:2010/07/14(水) 00:43:09 ID:sjii+jqb
俺が手を離すと、喜美はパパッと手際良く服を脱ぎ捨てる。恥じらいもないおかげで情緒も消えているが、まあこんなことを
気にしていてはキリがない。
俺もさっさと服を脱ぎ、ベッドに腰掛ける喜美に顔を近づける。頭を抱き寄せると、喜美は目を細めて応えた。
そっと、唇を重ねる。以前は、喜美の方から積極的に来ることも多かったが、今では俺のキスに応えるだけとなっている。
舌を入れ、喜美の舌に触れる。それに応える舌の動きは、ただただ感情のない、文字通り舌を絡ませようとするだけのものだった。
以前のような、恥じらうような反応も、情熱的に応えるような反応も、今はない。ただ俺のする行為に、形だけで応えているような、
そんな味気ないものだった。
それでも、愛する彼女には違いない。俺は片手で喜美を抱き寄せつつ、もう片方の手を胸に伸ばした。
「……ん」
僅かに、喜美が反応する。全体を手で包み、優しく捏ねると、無表情ながらも熱い吐息を漏らす。
唇を離し、その顔を見つめる。そこにやはり、表情はない。
「どう、喜美?気持ちいい?」
聞いてすぐに、しまったと思った。そして喜美は、予想通りの言葉を吐く。
「いや、別に」
「………」
「感覚としては、くすぐったいような、何とも言えないものがある。前はそれが気持ちよかったけど、でも、今はもう、それは快感に
結びつきはしない」
そう、喜美は快感も失っていた。俺が何をしようと、もう気持ちいいと思うことはないのだ。
はっきりと否定されたのが何だか癪で、俺は両手で喜美の胸を揉みしだく。
以前に、可愛い声を聞かせてくれたところを責め、乳首を口に含み、舌先で転がすように舐める。さらにちゅうちゅうと吸い上げると、
喜美は俺の頭にポンと手を置いた。
「まるで赤ちゃんみたいだな」
「……そんなに可愛く見えるのか?」
「いや、別に」
顔も口調も無表情だが、喜美の体は明らかに赤く染まり、うっすらと汗ばんできている。
「気持ちよくない?」
「特に何とも」
「でも、体は正直だね」
「エロ漫画の台詞みたいだな」
すべすべのお腹を撫で、そのまま下へと手を滑らせる。そして、指先が割れ目に触れると、くちゅ、と小さな音が鳴る。
「こんなに濡れてる。感じやすいのは変わらないね」
「別に体は変わってないからな」
指を割れ目に挟み込み、ゆっくりと前後に擦る。喜美のそこはすっかりびしょ濡れになっていて、何度か擦っただけで指全体に愛液が
絡みついていた。
その指を、そっと中に入れる。喜美の体が、ピクッと震えた。
「んっ…」
気持ちよさから出た声というよりは、単に反射的に出てしまったような声。それでも、全くの無反応よりはずっといい。
4864/6:2010/07/14(水) 00:44:01 ID:sjii+jqb
「喜美の中、すごく熱い」
「そうか」
あまりにもそっけない返事。そんな返事を聞く度に、俺は彼女が本当に変わってしまったんだと痛感する。
「君も、完全に勃起してるみたいだな」
「ああ……まあ」
こんな言葉も、以前の喜美なら言えなかった。恥ずかしがりやで、電気を消して部屋を真っ暗にしなくちゃできないくらいだったのに、
今の喜美はどんなことを聞こうと、また口にしようと、恥ずかしがるそぶりもない。
「ごめん、喜美……もう、入れてもいい?」
「好きにすればいい」
投げやりにも聞こえる言葉を受け、そっと足を開かせる。割れ目に俺のモノを押し当て、ゆっくりと腰を突き出す。
「くうっ…!」
「………」
先端に愛液が絡み、ぬるぬるとした感触と共に、ぎゅっと締め付けられる。最初こそ、ゆっくり挿入しようと思っていたが、
あまりの気持ちよさに思わず根元まで一気に突き入れてしまった。
「うっ…」
無表情のままに、喜美が声をあげる。
「ごめん、痛かった?」
「痛かった。でも別に何とも思わないから、気にするな」
それは本心なんだろうけど、なぜか俺の心がひどく痛む。
「……ごめん。じゃあ、動くよ」
少しずつ、ゆっくりと、俺は腰を動かし始める。喜美の中はややきつく、すごく熱い。気を抜いたらすぐに出してしまいそうで、
あまり激しく動くことができない。
だが俺の下で、喜美は無表情に俺を見つめている。その顔を見る度に、俺は現実を突きつけられる。
もはや、喜美は何の感情もなく、また快感もない。俺が喜美を抱くのは、ただの俺のわがままであり、喜美はそれに付き合ってるだけだ。
楽しいわけでも、気持ちいいわけでもなく、また苦しいわけでもない。ただただ、俺のわがままを何とも思わず、受け止めているだけ。
そんな喜美を、俺は強く強く抱きしめる。
「喜美…!好きだ……好きだ…!」
「………」
喜美は答えない。当たり前だ。今の喜美は、俺なんか何とも思っていないんだから。
俺は喜美が好きだ。でも、好きなのは俺だけだ。喜美は俺を何とも思っておらず、そんな喜美を俺はわがままに付き合わせている。
こんな関係は、もしかしたら喜美にとっては不幸なだけなんじゃないか。そんな考えが、よぎることもある。
だけど、離れたくない。俺は喜美がどうなろうと、ずっと好きなんだ。
喜美の体を捕えるように強く抱きしめ、欲望のままに腰を打ちつける。腰のぶつかり合う乾いた音、結合部から響く湿った音、
そしてベッドの軋む音が部屋に響き、お互いの汗の匂いが混じる。
「う、あっ……喜美、もう出そうっ…!」
「赤ちゃんを作る気がないなら、せめて外に出してくれ」
「くう……出る!」
喜美の無感情な言葉を受け、ギリギリで中から引き抜く。直後、俺は喜美のお腹に思いっきりぶちまけた。
二度三度とモノが跳ね、その度に白濁を喜美のお腹に吐き出していく。そんな様を、喜美は無表情に眺めていた。
4875/6:2010/07/14(水) 00:45:00 ID:sjii+jqb
やがて、最後まで出しきってしまうと、喜美はかかった精液を指で掬った。
「終わったか。時間の余裕は十分だな」
言いながら、掬った精液を舐め取る。そこにぽたりと、新たな液体が落ちた。
「……なぜ泣く」
「……ごめん、喜美…」
涙を流しながら、俺は謝った。
「俺……わがままばっかりで、喜美のこと不幸にしてるよな…。喜美は、こんなの楽しくもないのに……俺ばっかり、
楽しんだり……本当に、ごめん…」
「………」
喜美はお腹に落ちた涙を指で掬うと、しばらくそれを見つめていた。やがて、それも同じように口へと運ぶ。
「君は勘違いしてる」
「え…?」
「私はあの事故に遭って、幸福と同時に不幸を失った。今の私には、何の喜びもない代わり、何の苦しみもない。苦痛も、退屈も、
何もありはしない。感情に振り回されることもない。君を思って眠れない夜も、今はない」
そう言いつつ俺を見つめる喜美の顔は、相変わらず無表情だった。
「君の好意に応えることもできない。好きだったはずの君に対する感情も消え失せた。だけど、記憶まで消えたわけじゃない」
俺の目を見据えたまま、喜美は淡々と続ける。
「私は確かに、君を愛していた。あの事故に遭わなければ、それは今も続いていただろう。であれば、恋愛感情自体は
消え失せたとしても、私は君が好きなのだろう」
「喜美…」
「君といる時間が幸せだった。君と話すことが楽しかった。最初のセックスは痛いばかりだったが、それでも幸せだった。それほどに
私は、君を愛していた。そんな君が悲しい顔をしているのは、何よりも辛かった。だから、そんな顔をしてくれるな」
そう言うと、喜美は妙な感じに顔を歪めた。
4886/6:2010/07/14(水) 00:45:57 ID:sjii+jqb
「……『うまく笑えてる』だの、『上手な笑顔』だの、くだらない歌詞だと思っていたものだが、いざこういう状況になると、
意外と忘れるものだな」
「喜美…?」
「そうだと感じることはないにしても、君がそばにいる。それだけで、私は『幸せ』だ」
そして、喜美は笑顔を浮かべた。目だけが笑っていなかったが、それは確かに以前の笑顔だった。
「悲しむな。君が悲しむと、恐らくは私も悲しい。もっとも、君のその優しさに、私は惚れてたんだがな」
「……初耳、だな」
「当たり前だ。言ったのは今のが初めてだ」
笑顔を収めると、喜美はベッドから降り、服を着始めた。
「変なところも好きだったがな。私が君を名前で呼ばず、君は私を名前で呼ぶことで、二人とも『きみ』と呼び合えるとか。どっちも
君と呼べば済む話なのにな」
「ああ、いや、それは……好きな子を名前で呼ぶのって憧れるだろ?」
「そうだな」
「あっ!そうなると喜美は俺のこと…!」
「納得していたことだ。気にするな」
喜美は本当に、俺のことを好きでいてくれたんだと実感していた。こうして何の感情も抱かなくなった俺に対して、過去の記憶のまま、
恋人として接してくれる。
なら、俺はもう迷わない。下らないことに惑わされたりはしない。
「喜美」
「なんだ」
「俺はこの先も、ずっとずっと、喜美が好きだ」
「ありがとう。嬉しくないけど」
喜美の心は、この先もきっと変わらない。感情のある俺の心は、もしかしたら揺れることもあるかもしれない。
だけど、俺は約束する。
何があっても、どんなことが起こっても、俺と喜美は、この先もずっとずっと一緒だ。
489名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 00:46:39 ID:sjii+jqb
以上、終了。
それでは失礼します。
490名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 01:17:14 ID:BjvbN0Bx
491名無しさん@ピンキー:2010/07/14(水) 23:48:40 ID:XDDb8Omh
>>489
いいね
ニヤニヤしながら読めた
492名無しさん@ピンキー:2010/07/15(木) 14:22:28 ID:WDiMaadr
イイハナシダナー
493名無しさん@ピンキー:2010/07/22(木) 00:05:45 ID:XQGg5tgr
保守
494名無しさん@ピンキー:2010/07/27(火) 13:01:03 ID:VgtaVxjl
卍解
495名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 08:49:46 ID:5nmIoD3C
496名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:11:16 ID:gHaazJF2
ゴンゴンゴンという、自分の借りているアパートの部屋の鉄扉が乱暴に叩かれる音で目が覚めた。
誰だこんな時間にと思って時計を見ると、既に朝日が昇り始める時間だった。
かつてないほど不愉快な目覚め方をさせられた。ちょうどいい、そろそろ起きるとするか。そしてこのやり場のない怒りを、非常識な客人にぶつけてやるとしよう。
「はーい…」
間抜けな声で返事をし、目をこすりながら玄関の扉をあけると、そこにはとてつもなく不気味な女が、夜の影のように立っていた。
「うわぁ!?」
思わず驚いてしまう。そりゃ当然だ、ドアの前に幽霊のような人間が立っていたのだから。
全身の肌を隠すようなシャツとズボン、そしてブーツ。服の上からでも、体が引き締まっていることがよくわかる。
そして直視に堪えないような痣とひどいやけどの痕が、目のあたりから額にかけてを覆っている。
ウェーブのかかった前髪がその痛々しい額を隠しており、青い瞳にはまるで生気が宿っていない。さながらホラー映画のゾンビを思わせる。
「…ハンス、私だよ。分からないか…?」
そのひどい痣ややけどのある女性は、顔をしかめてそう言った。その声と話し方に、俺の懐古心が一気に刺激された。まさか、この人は…
「アマリアさん!?アマリアさんですよね!?」
「そうだよ。お前をわざわざ早朝に訪ねてくる女が、私の他にいると思うか?」
なんとそのゾンビレディは、旧知の間柄の幼馴染だったのである。これにはさすがの俺も仰天。痣のせいですっかり印象が変わっていたので、まったく気付かなかった。
「まったく…だが元気そうで何よりだよ」
アマリアさんはそう言って笑った。

アマリアさん…本名アマリア・アーゼルハイト・ボーフムは、俺の幼馴染にあたる人だ。俺の2つ年上で、家が近所にあったので、小さい頃はよく遊んでもらったものだ。
金髪碧眼、容姿端麗な美人で、成績優秀で運動神経も良い。見かけだけなら非の打ちどころのないような女性である。
しかし中身は非常に几帳面で好戦的、しかも喧嘩もものすごく強い人だった。そんな彼女は、俺…ハンス・ディンクラーゲにべったりくっついていた。
なんでも彼女いわく「ハンスは根性も体力も男らしさもない。だから私がハンスを見てやらなければならない」ってことらしい。
女らしさのないとても強気な人だったが、俺はアマリアさんが嫌いではなかった。
だがアマリアさんは高校卒業と同時に、両親の事情で遠くの土地へ引っ越した。それから俺たちは、連絡を取り合っていない。
そんなアマリアさんが今日、ふらりと姿を現したのだ。

「さて、ハンス。上がってもいいか?」
返事をするよりも先に、アマリアさんは俺の家に踏み込んでいた。
昔からこういう強引なところの目立つ女性だった。といっても、もとより断るつもりはない…むしろアマリアさんが来るのは大歓迎だ。
「今までどこへ行っていたんです?」
「ま、色々とな。ああ、疲れた…」
大きなため息とともに、手に持っていたカバンを放るアマリアさん。完全に自分の家の感覚である。
「…ハンス、朝食はあるか?」
「あー、今から作るところです」
「じゃあ私のも頼む…ベッド借りるぞ…」
アマリアさんはそのまま、頭から俺のベッドにもぐりこむ。
…この女は俺が男だということを、そしてここが俺の家だということを、忘れているのではないだろうか。
まぁあのアマリアさんに対して、欲情なんてできるわけがないのだが。
「何か食べたいもの、ありますか?」
尋ねてみたが、返事はない。聞こえていないのかと思って見に行くとアマリアさんは、使い古した俺のベッドの中で、すやすやと寝息を立てていた。
よほど疲れていたのだろう、ずいぶんと寝るのが早いものだ。失礼だとも思ったが、まぁ朝食の用意の間に絡まれるよりはずっといい。布団をかけ直してやり、俺は台所へ戻った。
497名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:12:06 ID:gHaazJF2
白パンにバター、チーズ、そしてバナナ。ついでに今日はちょっと贅沢をしてスクランブルエッグも作ってみた。これに牛乳を注いで、完成だ。
朝食ができたのでアマリアさんを起こしに行くと、アマリアさんはベッドに座って、痣だらけの目を細めてぼうっとしていた。
「アマリアさん」
「ん、ありがとう…すまない、眠ってしまっていたようだな」
「珍しいですね、アマリアさんが眠りこけるなんて」
「…長旅で疲れたんだよ。ちょっと服を整えるから、先に席についていてくれ」
眠たげな眼をこちらに向けて苦笑するアマリアさん。女性の着替えをまじまじと見るのはよくないだろう。
「…分かりました。二度寝はしないでくださいよ?」
そう釘を刺し、俺は台所に戻る。おそらく二度寝して、あと20分くらいはテーブルにやってこないだろう。
昔からそういう人だった。俺は嘆息し、湯気の立つスクランブルエッグを見つめる。アマリアさんがこれに舌鼓をうつ頃には、これはすっかり冷めていることだろう。

だが予想に反し、きっかり1分後。アマリアさんは体を引きずるように台所にやって来た。
「おお、おいしそうじゃないか!パン食なんて久しぶりだよ」
「あれ、普段は何を食べてるんですか?」
「シリアル。安いし手間がかからん」
あっさりと答えながら、椅子に乱暴にこしかけるアマリアさん。椅子が軋んで、変な音を立てた。
「意外とダメ人間ですね」
「…そうかもしれないな」
指摘に対してそう返しながら、アマリアさんは髪をかきあげ、そしてパンをひっつかみ、ちぎらずに食べた。
その仕草を見て俺は、何年も会っていないうちに、アマリアさんはとてもだらしなくなったなぁと思った。
昔は礼儀作法にすごく気を使う人だった。パンはちゃんとちぎって食べる。食事は残さず、丸く食べる。好き嫌いはしない。
彼女曰く「こういった日ごろの行いが、その人間性を示すのだ」とかなんとか。
それが今では、食事には遅れるし、パンはバターすら塗らずにそのまま口に運ぶ。しかもパンばかり食べ、おかずがまるで目に入っていない。
そして何より、はつらつとしていた彼女の目には、いまやまったく生気がなく、それこそ抜け殻のようになっている。
「卵、食べないんですか?」
「…あ、すまない。えーっと、フォークフォーク…」
俺の視線に気づいた彼女は、はっと気づいてパンを皿の上に置き、目の前においてあるはずのフォークを探し始める。…本当に目に入っていないのだろうか?
「…アマリアさん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ、寝起きはちょっと調子が悪くてな…このパン、おいしいな」
「そのパン、俺が作ったんじゃないんですが…」
「誰かと食べる食事が楽しい、ってことさ」
アマリアさんはやっと、昔のような大胆不敵な笑いを浮かべた。
498名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:12:54 ID:gHaazJF2
朝食を終えた後、アマリアさんは再び俺の布団にもぐり、すやすやと寝息を立て始めた。
いくら気の置けない仲良しとはいえ、寝ている客人を置いたままどこかへ行くわけにもいかないので、俺は積んであった本を暇つぶしに読んで時間を潰すことにした。
「…」
ベッドを見ると、アマリアさんはすやすやと眠っている。こんなにひどい痣や火傷を、彼女はどこでこしらえてきたのだろうか。

あんまりにも暇なので、今のうちにアマリアさんとの思い出でも話しておこう。
前述したように、俺とアマリアさんはいわゆる幼馴染の関係に当たる。アマリアさんは俺より年上で、小さい頃は、本当によく世話になったものだ。
たとえば水が怖かった俺に泳ぎを教え、後に水泳部のエースにまで仕立て上げたのは、ほかならぬアマリアさんだ。
だが教え方がうまいかと言えば、決してそんなことはない。俺に泳ぎを教えるときに彼女が取った行動は、近くに流れている川に俺を突き落とすことだった。
必死になって岸にあがってきた俺を、再び突き落とす。その繰り返しである。見かねた近所のおばさんが警察を呼び、大騒ぎになった。
アマリアさんは色々な方面から大目玉をくらったようだが、全然悪びれた様子がなかった。曰く「こんな小さな川で溺れ死ぬほど、ハンスは弱くない」だとか。
他にも苦手だった算数や歴史を教えてくれたり、悪癖を矯正してくれたり、好き嫌いをなくしてくれたりしたのもすべて彼女である。
だがそのたびに、度の過ぎた暴力がついて回った。強気で勝気でどうしようもなく乱暴な人だった。
そんな暴力的な女を好きになる幼子なんていないだろう。もちろん俺もアマリアさんのことが怖かったし、嫌いだった。
できることならアマリアさんとは顔を合わせたくなかった。だが、俺がどれだけ避けようとしても、アマリアさんは必ずついてくるのだ。
いつしか俺は諦めてしまい、彼女のお眼鏡にかなうような男になろうと心掛けるようになっていた。
つまり「アマリアさんに殴られずに済むように、最初から完璧であることを心がける」ようにしたのだ。
その結果として、今の俺がある。こう見えても成績優秀で友人も多い。だからアマリアさんは俺の幼馴染でもあると同時に、恩師のような存在でもあるのだ。
アマリアさんが引っ越してしまった時、寂しさが俺の心の中によぎったのは、多分そういったところにあるのだろう。
今でも理想の女性像といえば、あの頃の大胆不敵で傍若無人、何でもこなせる完璧超人、そして男を引っ張っていくというアマリアさんのような女性である。
「…くぅ…くぅ…」
無防備な寝顔を晒すアマリアさんの顔。
波打つ髪と引き締まった体躯は、テレビ番組やグラビア雑誌などでは見ることができない、妖艶さとはまた違った、大人びた魅力を持っている
…本当に、どこでこの火傷を負ってきたのだろうか。そんなことを思いながら、俺は乱れた布団をかけなおしてやった。
499名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:13:45 ID:gHaazJF2
アマリアさんが目覚めたのは、そろそろ日が沈み始めるという時間であった。
「…っくぅ…!ふぅ。…おっとっと」
「大丈夫ですか?」
ベッドから這い出て早速バランスを崩すアマリアさんに手を伸ばすと、その手を振り払われた。
「大丈夫だ、一人で立てる」
その態度に少しむっとしたが、昔から変なところでプライドの高い人だったと思いなおす。アマリアさんはそのまま、器用に姿勢を直した。
「ところでアマリアさん。夕食は?」
「…え?もうそんな時間なのか」
「たっぷり10時間以上は寝てましたね」
「…そうか…」
髪をかきむしるアマリアさん。そして髪をかきあげてから俺の方へ向き直る。
「よし、朝食の礼だ。今日は奢るから、どこかへ食べに行こう」
「い、いや、いいですって!俺が奢ります!」
「私がよくないんだ。早いところお腹にものを入れたいし、お前にもらった朝食の礼をさっさと済ませたい。ほら、行くぞ」
ただれた火傷の下にある青い目を細めて笑い、アマリアさんは玄関へと歩いていく。そして…
「あいたっ!?」
扉に盛大に頭をぶつけた。ガツン、という痛そうな音が聞こえる。本当に大丈夫なのだろうか?
「いたた…あ、これ扉か…」
「…アマリアさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ!とにかくハンス、戸締りはきっちりしておけよ」
そう言って、アマリアさんは外へ出た。…まったく、どこまでも勝手な人だ。
500名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:14:15 ID:gHaazJF2
外は既に日が落ち、空が赤黒く染まり始めていた。
スパゲッティで有名な本格イタリア料理店をうたったその店は、夕食時ということもあって大繁盛…もとい、大混雑であった。
その中で運よく席を取れた俺たちは、メニュー表を見ながら他愛もない話に花を咲かせていた。
「…なぁ、ハンス。ここに来てこんなことを聞くのもなんだが…ここ、何料理の店だ?」
「外に書いてあったでしょう、「本格イタリア料理店」って!読んでなかったんですか!?」
「…そ、そうだったな。イタリア料理か…ハンスもなかなかしゃれているじゃないか、え?」
アマリアさんはそう言って、俺の頭を撫でる。彼女に頭を撫でられると、未だにドキドキしてしまう。
昔、算数を教えてもらっていた時。難しいテストで100点を取った時、アマリアさんはにっこりと笑い、
『よくやったね、ハンス』
と褒めてくれたのだ。嬉しがる俺を、アマリアさんはネコでも撫でるかのように優しく撫でてくれた。
その時のことは今でもたまに夢に見るくらい、鮮烈に印象に残っている。アマリアさんに頭を撫でられるのは、嫌いではなかった。
「どうした、顔が赤いぞ?」
痣の残る目で俺の顔を覗き込みながら、にやにやとするアマリアさん。もうお互いに、いい歳をした大人だというのに、どうしてこうもドキドキするんだろう。
「い、いや、なんでも…!」
「そうだ、ハンスの顔が赤いということで、赤いものでも食べるとするか!えーっと…」
アマリアさんは剛毅に笑い、メニューを右手だけで器用に広げた。
「…ハンス、ここ本当にスパゲッティの店なのか?スープの名前しか書いてないぞ。クラムチャウダースパゲッティなんて初めて聞いたぞ?」
「…それ、スープのページですよ」
俺はそう言って、そしてひとつの疑問を投げかけた。
「アマリアさん。もしかして視力が…」
「あ、いや、…そんなことはない。そんなことは…ほんの冗談だよ」
アマリアさんがそう言ってメニューをめくろうとすると、突然隣の席からスープ皿が落っこち、飛んできたスープがアマリアさんの服を汚した。
皿は割れなかったが、他人の食べ残しのスープがアマリアさんの左袖や左腿にべったりとついてしまっている。
しかしアマリアさんは気付かない様子で、目を細めてメニューを見ている。
「あ、す、すみません!」
隣の若い男は、上ずった声で叫ぶように言った。
「…ん?何か…あ!」
アマリアさんが気付いたころには、既に男は逃げていて、服の汚れだけがその場に残っていた。
「…まったく、最近の若い奴ときたら、謝れば何だって許してもらえると思い込んで…おいこら待て、服を…うわっとっとっと!」
アマリアさんは思いっきりバランスを崩して、その場に倒れかける。
「あ、危ない!」
倒れそうになったアマリアさんの左手を、俺はつかむ。手ではない何かをつかんだような感触があった。
「…え?」
「っ!」
アマリアさんはあわてて俺の手を振り払うが、既に遅かった。感触が、人の手のそれとまったく違う。どこか機械的で硬く、そして…表面はどこかゴムっぽい。
どうして…こんなに、硬いんだろう?
「…アマリアさん、その手…」
「…あ、ああ。ちょっと頑丈になったんだ…ま、まぁいいじゃないか!これとかおいしそうだぞ!」
アマリアさんは話を無理やりそらそうとするが、俺にとっては料理なんて既にどうだってよかった。どうして彼女の柔らかいはずの手が、こんなに硬いんだ?
「いや、その服の中…!一体どうなっているんですか!」
「…なかなか大胆な誘いだなぁ、え?」
アマリアさんは少しさびしそうに、そう言った。
「あ、いや、そうじゃなくて…!」
「大体察しの通りだよ、ハンス。これは義手。そして私の視力はそうとう低くなっている」
アマリアさんはその硬い左手で、俺の頭を軽くたたく。その手は、人の手からは考えられない音を立てた。
「ハンスだけには、知られたくなかったよ」
そう、さみしそうに笑うアマリアさん。彼女と知り合ってから十数年経ったというのに、そんな表情を見たのは初めてだ。
「あ、アマリアさ…」
「店主、注文!」
俺の発言を、アマリアさんは大声で遮った。そして今度は小声で、囁くように言った。
「…あとで、じっくり話す。それと…今日は、泊めてくれないか」
答えなんて、決まっている。俺は黙ってうなずいた。
501名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:15:12 ID:gHaazJF2
自宅に戻った後、俺はベッドの前で、落ち着かずにずっと部屋の中を歩き回っていた。
「先にシャワーを浴びせてくれないか」と言われ、俺はアマリアさんをシャワールームへと連れていった。
シャワーを浴びるとか、泊めてくれと言われたりとか…ということは、やはり、アレの要望なのだろうか。いや、まさか彼女に限ってそれはない…いや、でももしかしたら…
アマリアさんがおかしい兆候は、確かにいくつもあった。
食事のマナーが悪くなった。疲労困憊の度合いが激しくなった。壁に頭をぶつけたり、簡単な文字すら読めなかったりすることも多かった。
足を引きずるように歩いていることも多かったし、左手はあまり激しい動きをしていなかった。何より彼女は、肌を見られること、触れられることを過剰なまでに嫌っていた。
ただ俺は、それを「疲れているから」「趣味が変わったから」「元々プライドの高い人だった」などと解釈していたのだ。
しかし現実は違った。彼女は本当に、そういうことをせざるを得ない体になってしまったのだ。
そして彼女のプライドの高さが、その現実を他人に伝えることを否定していたのだ。
「…待たせたな」
低い女の声が部屋に響いた。心臓が跳ね上がる。振り向けばそこには、袖口の汚れた服を着て、左手をポケットにしまい、他のほとんどの肌を隠したアマリアさんが立っていた。
しっとりと濡れた髪と上気した頬が、彼女がシャワーを浴びてきた後だということを物語っている。
「ずっと歩きまわっていただろう…足音がこっちまで聞こえてきたよ」
アマリアさんは苦笑しながら言った。
「まったく、落ち着きのない子だ」
「あ、す、すみません」
「いい。むしろ少し嬉しいくらいだよ。…なぁ、ハンス。約束してくれないか」
「え?」
「…決して、目を背けないで…」
上目づかいで懇願するアマリアさん。演技ではないことは、すぐに分かった。初めて、彼女の女らしい表情を見た気がする。
「…はい」
俺は小さく嘆息し、頷いた。アマリアさんは小さく深呼吸をして、服を脱ぎ始めた。
肌をぎっちりと覆う袖から、ぎこちなく腕を抜くアマリアさん。片腕だけで、器用に長袖のシャツを脱いでいく。
その一挙一動が、俺の精神を高揚させる。自分にとってはあこがれのお姉さんであった、アマリアさんの裸だ。興奮しないわけがなかった。
「…そ、そうまじまじと見ないでくれ!恥ずかしいだろう!」
「え、いや、でも目を反らすなって…」
「そ、そりゃ確かにそう言ったが…!」
アマリアさんはそう言って手を振り上げたが、俺をしばらく見つめた後に、ふぅとため息をついて手をおろした。
「意地悪…」
そう小さく呟いてむくれ、アマリアさんはさっさと服を脱ぎ始めた。…意地悪、か。とてもかわいらしい言葉だ。スパルタな彼女には、似合わないくらい。
そんなことを思っていると、ほどなくしてアマリアさんは下着姿になった。ほっそり…というより、げっそりとした体躯だった。
目立たないようにしてあるが、よく見ると左手足の色が、人の肌にしては少しおかしい。そして肩や太ももの付け根に、人工物っぽいものが見えた。
しかしそれ以上に、彼女のつけている下着の色が気になった。
「へぇ、ピンクですか。アマリアさんって意外とかわいらしい趣味してますよね」
「…あとで絶対殺してやる」
アマリアさんはそう言って俺を睨み、そのピンク色のショーツに手をかけ、緩やかに下ろした。同じくブラジャーもホックをはずして、焦らすようにゆっくりと取る。
ほどなくして、煌々とともる電灯の下に、彼女の裸体があらわになった。
502名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:15:46 ID:gHaazJF2
「…明かりを…いや、いい」
アマリアさんは何かを言いかけ、そしてそれを、首を振って打ち消した。そしてベッドに腰掛け、腕の人工物のようなものに手を当て、小さく息をした。
「くっ…」
左肩の付け根が動き、直後に腕が外れる。アマリアさんは目を閉じて嘆息し、その腕をベッドのわきにおいた。続いて左足も、同様にはずし、わきに置く。
「…おぞましいだろ?」
ベッドに腰掛け笑うアマリアさんの、あばらが浮き出るほどげっそりとした体躯からは、左の手足がごっそりと欠けていた。
左手の付け根は丸まっており、左足に至ってはその上の骨盤部分までごっそりと切れてしまっている。
痛々しい傷痕が数えきれないほどあり、ウェーブがかった髪をあげた額から目にかけては、目を覆いたくなるような痣と火傷と刺し傷がいくつもあった。
その姿は、あまりにも痛ましかった。アマリアさんに言われていなければ、絶対に目をそむけていただろう。
「…」
「…なぜ、黙っているんだ…!」
アマリアさんはしぼり出すような声で叫んだ。
「馬鹿にすればいいだろう、気持ちの悪い女だと!おぞましい女だと!手足は二度と生えない、傷は二度と治らない、視力だって二度と戻ってこない!」
「そんなことはありません。きれいです、アマリアさん」
「自分自身もだませぬ見え透いた嘘は、他人を不愉快にするだけだぞ」
「嘘じゃないですよ」
俺はふっとため息をつき、アマリアさんを抱きしめた。
「嘘だろう!こんな傷だらけの体のどこが…」
「考えてみれば、アマリアさんの裸を見るのってこれが初めてなんですよ」
俺はそんなことを言いながら、肩を抱くようにアマリアさんの左手の付け根に掌を乗せた。
「そのアマリアさんの裸を、醜いと思うわけなんてないじゃないですか」
「ふん…口説き文句にしてはずいぶんと助兵衛で月並みだな」
鼻を鳴らしてふてくされるアマリアさんの目尻には、涙が光る。その涙をぬぐいながら、俺は尋ねた。
「その割には…泣いてるようですけど?」
「…な、泣いてなんか…!」
アマリアさんは反論しかけたが、途中で頭を振って言葉を止め、そしてうつむいた。
「…怖かったよ!とても怖かった!こんな傷だらけになってしまった私を…社会が、世間が、どうやって扱ってきたか、分かるか!?」
アマリアさんが再び顔をあげた時、彼女の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
「私は勝手だ…幼いころからいじめてきたお前に、最後に、泣きつこうとして…!でも…」
すすり泣きながら言葉を紡ぐアマリアさんを、俺は強く抱きしめた。
抱きしめているとそのうち壊れてしまいそうだと思うほど、アマリアさんの体は脆く感じられた。
腕を抱いているはずなのに、まるで肘でも触っているかのような感覚だった。痣だらけの額は見ているだけでも目をそむけたくなるほど醜かったが、それですらなお愛おしい。
「お前に嫌われたらどうしようかって、ずっと考えてたんだよ…?怖くないわけなんて、ないじゃないか…!」
「卑怯な人ですね、アマリアさんは」
「ひ…卑怯…?」
「俺がアマリアさんのことが好きだってこと、とっくに知っているんでしょう?」
俺は彼女を正面からぐっと抱きしめる。涙でぐちゃぐちゃになった顔が、目の前に迫る。不安そうな表情。昔の彼女なら、絶対に見せないであろう表情。
「まったく、とんだ悪女だ」
言葉は悪ぶっているが、無論皮肉。本心は嬉しくて嬉しくて、今すぐにでもアマリアさんの唇をふさいでしまいたかった。
「…そうだよ、私は卑怯者の悪女さ。私に捕まったこと、一生後悔させてやる!」
右手の中にある肘のような感触のものがくいっと動き、同時に俺の背中にアマリアさんの右手がかかった。
うるんだ瞳が俺の瞳を覗き込む。酒臭い息と安っぽい石鹸の香りが、俺の鼻孔をくすぐる。ウェーブがかった髪が俺の額をこすって、少しくすぐったくなった。
「…優しく抱いてくれ、ハンス…」
「無論そのつもりですよ」
くしゃくしゃになったアマリアさんの金髪を撫でながら、俺は微笑みかける。それにつられたのか、アマリアさんもクスリと笑った。
503名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:16:09 ID:gHaazJF2
ベッドの上に寝転ぶアマリアさんは、子供に飽きられて捨てられた、傷だらけの人形を思わせた。
あばら骨まで浮き出たげっそりとした体躯には、豊満な肉など何一つとしてついていない。食肉的に言えば「まずそう」という奴だ。
体中につけられた痛々しい傷痕と、根元しか残っていない左腕。そして『左足が付け根からない』という姿。
左の手足がひっこ抜けた人形といった形容がそっくりそのままあてはまるような、異様な体躯だった。
だがそんな彼女を見て、俺はドキドキしていた。あの憧れていたアマリアさんの裸が、目の前にあるのだ。思いっきり、壊れるまで抱きしめてしまいたかった。
「…ハンス」
そんな思いに気付いたのか。小刻みに震えながら、アマリアさんは俺を呼ぶ。
「怖いですか?」
「こ、怖くなんか…いや…」
アマリアさんは途中で言葉を打ち消し、俺をじっと見つめて言った。
「怖い」
「…え?」
「そう言っておかないと意地悪されそうだからな」
アマリアさんはそう言って目を伏せる。そんな動作が、たまらなく愛おしい。そしてその台詞が逆効果になることを、アマリアさんはご存知ないのだ。
俺はアマリアさんの右腕を持ちあげる。不思議そうな顔をするアマリアさんの腋に、俺は舌を這わせた。
「ひゃっ!」
アマリアさんはかわいらしい悲鳴を上げる。汗ばんだ腋は当然のことながらしょっぱかった。
腋のあたりにある傷痕へと舌を這わせると、悲鳴は次第に熱を帯びていく。
「ひっ…ど、どこを舐めてるんだこの変態!」
「さぁ、どこでしょうね〜?」
そう言いながら、今度は舌を胸のあたりに這わせ、そのあたりにつけられた傷痕に吸いつく。乳頭だの乳首だのと言ったものではなく、そこについた傷痕に。
「…あっ、はぁっ…やめろ、ハンス…!」
「これまで意地悪されてきた分をお返ししているだけですよ。…で。どこを舐めているでしょうか〜?」
そう言いながらアマリアさんに尋ねると、アマリアさんは顔を真っ赤にして、ぼそぼそと呟いた。
「…胸」
「胸の?」
「…ち、乳房の…上のあたり…!」
「んー、それじゃあ分からないなぁ…いててててっ!」
かまわず舌を這わせようとすると、頬を思いっきり引っ張られた。
「調子に乗るな、まったく!」
アマリアさんは涙ぐみながら、俺の頬を容赦なくつねりあげる。肉が削がれそうだ。
「ふぉ、ふぉふぇんふぁふぁい!」
「まったく、最低だよお前は!私が…ああ、もういい!」
アマリアさんは怒ったようにそう言って、俺をつねっている手を離した。
「本っ当にデリカシーというもののない男だな、お前は!私が女だということを忘れてないか!?」
「ごめんなさい…」
やはりアマリアさんは、厳しい人だった。
504名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:16:32 ID:gHaazJF2
体中につけられている傷痕を舐めたり、なぞったりするたびに、アマリアさんはなまめかしい声をあげた。
ポルノビデオの女優があげるような、あのうるさい声とはまったく違う。くすぐったがっている少女があげるような、かわいらしい悲鳴。
「ひゃっ…ひゃめへぇ…」
今は腰のあたり、彼女の左足があるべき場所を舐めている。舌を這わすたびに、アマリアさんは嬌声をあげる。
それがあんまりにもかわいらしいものだから、俺はもうすでに何度も何度も、飽きることなく傷痕に舌を這わせていた。
最初のうちは嫌がっていたアマリアさんも、そのうち怒るのに疲れたのか、それとも快楽に流されたかったのか、今じゃすっかりとろけた顔で甘い声をあげている。
「まったく、アマリアさんって全身性感帯なんですか?」
「あっ…あぁ…」
俺はそう言いながら、彼女の足の付け根についた痛々しい傷をなめる。アマリアさんはその度に力が抜けるような嬌声をあげるのだ。まったく、癖になりそうだ。
「とんだ変態ですね、ちょっとがっかりですよ」
「ち、ちがうんだ…ハンスがぁ…ハンスが…ひゃあっ!」
「俺が?」
俺が尋ねると、アマリアさんは目尻に涙を浮かべ、甘ったるい声で俺に言った。
「は、ハンスに、優しくされると、興奮、しちゃって…!」
「へぇ…そりゃとんだ好きモノだ。そんなアマリアさんには…ちょっとお仕置きが必要ですね?」
俺は冗談めかしてそう言って、指を彼女の女陰に這わす。アマリアさんの表情が恐怖で歪んだ。
…あのアマリアさんがここまでうろたえるなんて。よかった、意地悪して。
「ほらほら、もうぐっしょりだ。傷くらいでこんなに興奮しているなら、こっちの方は…どうなっちゃうんでしょうかね?」
「あ、ああ…!おねがい、指はやめて!おねがい!」
「意外と怖がりですね、アマリアさんって」
「違う、そうじゃなくて…ホントにやめて…!」
涙をにじませながら、アマリアさんは首を横に振った。…なんて少女らしいしぐさ。剛毅な彼女には全然似合っていないけれど、これはこれでかわいらしい。
「へぇ…どうしてです?今更怖くもないでしょうに」
「…初めては…ハンスの、ハンスのもので…もらって、欲しいから…」
「…え?」
股間をまさぐる手が思わず止まる。…あのアマリアさんが、初めてって…?
「も、もしかしてアマリアさん…」
「…っ!そーだよ!悪いか!どうせ私なんて手も足もなくて痣だらけで傷だらけで乱暴で偉そうで性格悪くて…わっ!」
顔を真っ赤にして猛然と反論してくるアマリアさんを、俺は押し倒して黙らせた。びっくりするほど力のない体だった。
「…アマリアさん、すっごく女の子らしくて…かわいいですよ」
「えっ…ふ、ふん」
アマリアさんの顔が驚きに染まり、そしてすぐに不機嫌そうな顔に戻った。…ああ、なんてかわいいんだろう。
今の彼女はかよわくて非力で、まるで年端もいかない少女が不機嫌さをアピールしている時のようだ。あの高飛車で偉そうな雰囲気はまったくない。
「それでは、アマリアさん…いただきます」
「あ、ああ…」
俺は彼女の頭を撫で、そして慎重に、自分の硬くなったペニスをアマリアさんの股ぐらにあてがった。アマリアさんの体が、ぴくっと硬直する。
「は、ハンス…」
「なんです?」
「そ、その…顔…お前の顔、じっと見ていたいから…」
アマリアさんは、その青色の目を不安そうな色に染めながら言った。
「この辺なら見えますか?」
「あ、ああ…ありがとう…さ、来てくれ」
アマリアさんはほっとため息をつき、近寄った俺の顔に軽く口付けをする。それを合図に、俺はギンギンに硬くなった自らのペニスを、アマリアさんの中へとうずめた。
505名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:22:16 ID:gHaazJF2
何かをプツンと破るような感触。「いた…っ」というアマリアさんの小さな声。丸まった左手が、ぱたぱたと忙しげに動く。
自身の剛直が女肉の中にうずまる。アマリアさんが深呼吸をして、俺に向き直った。
「ハンス…やっと…ひとつに…なれたんだな…」
「…アマリアさん」
「ハンス…っ!」
彼女の腰の付け根が少し痙攣し、直後に腰に彼女の右足がかかり、引き寄せられる。いわゆるカニばさみというやつをやろうとしていることが、なんとなく分かった。
「やっと…!やっとひとつに…!」
「アマリアさん…」
「ハンス、ハンスっ…もっと、もっと…!」
切なげな声をもらしながら、アマリアさんは右手で俺のことを抱き寄せる。痣だらけの顔がもの欲しそうな表情を作り、生温かな吐息を漏らした。
「…ちょっと我慢してください」
俺はアマリアさんの体を押さえつけ、髪を整える。痣だらけの額が露わになり、俺はその額に軽く口付けをした。
「ひゃっ!あっ、あっ…!」
「ほら、どうですか?」
顔にできた痣を舐めると、普通の肌とは違った触感があった。アマリアさんのため息が首筋にかかり、くすぐったくなる。
「ほら、アマリアさん…なんとか言ってくださいよ」
「いいっ…!ハンス…もっとぉ…!」
アマリアさんは嬌声をあげ、恍惚とした表情を作る。傷痕や痣を舐めるたびにこんな声を挙げられては、こっちの欲情もおさまりがきかなくなる。
「ハンス、ハンスっ!ハンス!」
俺のことを呼ぶアマリアさんの表情は快楽と喜悦に染まり、それはそれは幸せそうだった。俺のことを抱きしめる腕の力が強くなり、途切れた左腕はせわしなく動く。
…なんて、かわいらしいんだろう。あの強気で、理不尽だったアマリアさんが、俺の腕の中では初心な少女のようになっている。
「も、もう、私っ…!」
「いいですよ、存分にイっちゃってくださいっ!」
だからなお、悦ばせたくなる。俺は呟くように言い、腰のストロークの速度をあげた。アマリアさんの呼吸がさらに荒くなり、漏れる嬌悦の声も高くなっていく。
俺はせわしなく動く彼女の左腕に舌を這わせ、その痛々しい傷痕を舐めあげた。
「ひっ、ん…!」
アマリアさんがかわいらしく吠え、体を小刻みに震わす。剛直に纏わりつく媚肉がぬらりとうごめき、俺のため込んでいる物を放出させようとする。
アマリアさんが達したことは、誰にでも分かることであった。それはあまりにもあからさますぎる、絶頂。
「アマリア、さんっ…!アマリアさん…!」
そして俺はその直後、自らの情欲をアマリアさんの膣内に解き放った。
「はっ、はぁっ…!」
解放感。充足感。征服感。達成感。色々なものが入り混じった感情が、俺の心を満たしてゆく。アマリアさんはしまりのない表情で荒い息を繰り返すばかり。
お互いのからだじゅうが興奮と悦楽で痙攣し、互いに同時に絶頂を迎えたことを体で物語っていた。
「はぁ、はぁ…目…チカチカ…する…」
しばらく後、アマリアさんの呟きで、俺は思い出したように自分の肉棒を、彼女の体内から引き抜いた。
アマリアさんの右手足はだらしなく垂れ下がり、女陰部からは血混じりの白濁がどろりと垂れ落ちる。
惚けたような顔で「…ハンス…」と呟くアマリアさんを見ていると、興奮が再び鎌首をもたげた。
あのしっかり者だったアマリアさんが、俺との行為に陶酔し、そして無防備な姿をさらしているなんて…!
「アマリアさん…!」
「わっ!こら!がっつくなこの野猿!私の体のことも少しはいたわれ!」
アマリアさんは右手で俺の顔をつかみながら、短すぎる左手を振りまわした。
「まったく、こっちは腕も足も一本欠けてるんだぞ!お前が平気なことでも、こっちは疲れるんだ!」
「あ…ご、ごめんなさい…だって、あのアマリアさんだから…」
「あの、とは何だ。乱暴であえぎ声がでかい女ってことか?」
「いえ…」
むくれるアマリアさんの顔を撫でると、アマリアさんは少し赤くなって「ふん…」と呟いた。
「小さい頃から憧れていた女の人でしたから、どうしても抑えがきかなくなるんですよ」
「…バカだな、お前」
アマリアさんは右手だけで器用に、俺の体へ抱きついてきた。俺は体を整え直し、かけ布団を体の上に被った。
506名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:22:40 ID:gHaazJF2
俺の胸の中で、金髪の美しい女性が甘える。少し前までは、考えられなかったシチュエーション。
体を満たすのは、憧れの女性といたしてしまったという達成感と喜悦。そして若干の後悔が、俺の脳裏をよぎる。
「…ツヴァイフェルでビルの爆発事故があったこと、覚えているか?」
その胸の中で甘えるアマリアさんは、そんなことを唐突に口に出した。
「ええ、覚えています。確か文字通りの大爆発で、何人もの犠牲者が出たとか…連日その報道ばかりでしたよね」
「私はその爆発事故の時、爆心地の近くにいたんだ。それで…ガラスの破片を浴びてな」
アマリアさんは軽い調子でいうが、それは重苦しい雰囲気をはねのけるためにあえてやっていることなのだということはすぐにつかみとれた。
「目もその時にやられた。色々な飛来物が体に刺さったり当たったりして…痛かったなぁ、あの時は」
「そうだったんですか…」
「確かあの事件では重体の者が1人しかいなかったと報じられたはずだが、あれは私だよ。…生きているのが奇跡と言われるほど凄まじいけがだったようだ」
腕に抱きつきながら、その痣だらけの目を上目遣いにして俺を見つめるアマリアさん。
「何とか生き延びることができたが…その代償として私は、視力と腕と足を持っていかれた。ほら、今の私はひどい顔だろう?とてもじゃないがミスコンには出られないような顔だよ」
アマリアさんは笑う。その笑いが強がりだということは、誰にでも気付けることだろう。
「そんな私を待っていたのは長く苦しいリハビリと、それよりも苦しい世間からの冷たい目だった。
生きる気力を無くしかけてたよ。でも…お前のおかげで、取り戻すことができた」
アマリアさんは片腕だけで、ぎゅっと抱きついてくる。力は足りなかったが、これでも精一杯抱きついているのだろうということは伝わってくる。
あの憧れだったアマリアさんにここまで好かれているのかと思うと、年甲斐もなく興奮してしまう。
「ありがとう、ハンス」
「いえ、そんな…俺こそ、謝らなきゃいけないくらいです」
「え?」
「さっきはちょっと…アマリアさんをいじめすぎましたって」
「悪くはないよ、お前にいじめられるのも」
アマリアさんは微笑む。その顔は確かに直視に堪えないほど傷だらけだったが、その頬笑みは聖母のように穏やかだった。
「…大きくなったな、ハンス…」
胸にまとわりつくのは、アマリアさんの髪。アマリアさんにこんな風に甘えられたことなんてなかったものだから、俺の胸は高鳴りっぱなしだった。
しかしそれでも、訪れる疲れと眠気には勝てず、俺は睡魔へと身をゆだねた。
507名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:23:02 ID:gHaazJF2
その翌日。俺は時計を見ながら、どうして目覚ましをセットしておかなかったのだろうかと後悔していた。
俺は何も引きこもっているわけではない。自分としての勤めが存在するわけで、だらだらと遊んでいるわけにはいかないのだ。
「やっぱりこれ、美味しいなぁ」
それを知らないのか、知っていて余裕を見せているのか、アマリアさんはのんきなものだ。今日も俺に朝食をたかっている。
あのしっかりとした義足はきっちりとハメてあるが、姿はというと下着姿。あの袖と裾の長い服は、今はベランダに干してある。
「ハンス、私決めたんだ」
「何をです?」
「絵を描いてみようと思う」
アマリアさんは忙しそうに飯を食べている俺が見えないのか、そんなことを言い始めた。
「絵ですか。いいと思いますよ」
俺は目玉焼きを切りながら、適当に答えた。彼女に構っている時間はそれほどないのだ。
これから朝食を胃に流し込んで、適当に皿を洗って、すぐに行かなければいけない。
一挙一動を急いでいると、体の後ろにふんわりとしたものがかかり、俺の顔に彼女のブロンドの髪が触れた。後ろから抱きつかれているのだということが分かった。
「ずいぶんと気のない返事だな?」
「い、いえそんなことありませんって!」
「決めた。最初はお前の絵を描く」
アマリアさんはそう言って、俺にますます体重をかけてきた。ゴムのような感触の義肢が、俺の汗ばんだ体に触れた。
普段だったら喜んでいたかもしれないが、今はあいにくものすごく急いでいる。彼女のこんな悪戯心も、今は鬱陶しい。
「そ、そうですか…」
「そうだな、絵を描き上げた…その時は…」
首筋に生温かい息がかかり、耳たぶに髪がかかって少しくすぐったくなる。
「…こんな傷物の女でよかったら、もらってやってくれ」
「あ、アマリアさん!?」
「傲慢すぎるかな?」
淡々としてそれでいて高慢な、彼女らしい口ぶりで、アマリアさんは俺に尋ねた。答えなんて、決まっているじゃないか。
「まさか。これまではアマリアさんにお世話になりましたから…これからはその恩を返すときです」
「ふん、口だけはいっぱしになって…」
アマリアさんは小さくため息をつき、そして俺のことをじっと見据えた。
「頼りにしてるよ、ハンス」
アマリアさんはそう言って笑った。その頬笑みは、昔彼女が褒めてくれた時のようにたおやかで、そして今まで見せてくれた彼女の笑みの中で一番優しかった。
俺の甘っちょろい覚悟が、この世の中にどこまで通じるかは分からないが…恩人を捨てられるほど、俺も非情な人間じゃない。
「筆は俺が買いに行きますから、今日は俺の家で大人しくしていてください」
「分かった。ベッド借りるぞー」
アマリアさんは俺から離れ、左の義足を引きずりながら、ベッドへと歩いていった。
「まったく…」
俺は溜息をつき、朝食を再開する。
…筆を買うの、忘れないようにしないと。
508名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:27:00 ID:gHaazJF2
俺が小学生だった頃、俺の家の近くには俺より1つ年上のおねーさんが住んでいました。
よく遊んでもらったもので、少し世間離れしており、そして賢かった彼女に、俺は少しばかりの憧れを抱いていました。
その後おねーさんに久々に会ったことがあるのですが、その時のおねーさんはどこにでもいそうなただの女子大生になっていました。
小学生の頃に抱いていた幻想が一気に砕けるような感じがして、少しさびしかったです。
509名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 19:27:25 ID:gHaazJF2
誤爆した
510名無しさん@ピンキー:2010/08/04(水) 21:20:58 ID:ucfslRbK
>>508
タイムリーな誤爆だなおいw
511名無しさん@ピンキー:2010/08/05(木) 12:04:38 ID:niFK+9ty
読んだよー
GJ
512名無しさん@ピンキー:2010/08/06(金) 12:47:32 ID:yvJrB0XM
ギュッてしてぇーーー!!
513名無しさん@ピンキー:2010/08/17(火) 11:47:52 ID:KvgOVglL
ほしゅほしゅ
514名無しさん@ピンキー:2010/08/24(火) 12:46:19 ID:QctUHCf4
捕手
515名無しさん@ピンキー:2010/08/27(金) 13:04:56 ID:ckZayn7F
アマリアさん可愛かった
516名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 07:12:02 ID:F6n1ocBH
威圧のタリスマン
517名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 18:53:05 ID:xy/VI+ln
ここ、発達障碍モノは良いのかな?
身体か精神と複合した方がベネ?

小ネタ的な感じで書いたらポツポツ投下してみたいんだが
518名無しさん@ピンキー:2010/09/06(月) 20:03:35 ID:F6n1ocBH
いいんじゃね?
住人にとっても、むしろ投下は望むところだろうし
519名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 01:17:29 ID:o9wJF/Hg
>>374
先天性のサリドマイド児のような短肢の娘だったら

自分の両手を切り取ってロボットアームを付けるか
パンツも脱ぐのにも届かない両手と一生付き合っていくのか
という地獄の選択を迫られるのだろうか?
泣けて来た。

それとも手の先にさらにロボットアームを付けるという難題に取り組むのだろうか?
520名無しさん@ピンキー:2010/09/08(水) 01:20:44 ID:o9wJF/Hg
おまけ

>機械的な外見のごつごつとした腕
手袋フェチの1人としては、外出時はロボットアームを隠すために
いつも手袋をはめているのか気になるw
521名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 16:58:03 ID:1ibsNeil
トリスケリオン
522名無しさん@ピンキー:2010/09/14(火) 23:15:45 ID:Pqie6m8R
mtgをプレイしたいのか?
523名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 01:07:13 ID:TgNHqddH
ここって版権は駄目かな
524名無しさん@ピンキー:2010/09/15(水) 01:18:10 ID:UZl4+kkY
最初に原作について書いてあれば問題ないと思う。
525名無しさん@ピンキー:2010/09/17(金) 22:04:15 ID:pnMgvn0j
>>523
おkでしょ
526名無しさん@ピンキー:2010/09/24(金) 18:21:55 ID:hrYe5rgw
保守
527名無しさん@ピンキー:2010/10/05(火) 14:56:14 ID:uPhOp18/
保守
528名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 12:06:04 ID:HA9Qn3Vt
モックス・ダイヤモンド
529名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 17:47:19 ID:oykpNw9o
実在する病気だとちょっと気がひけるんだが
このスレはファンタジー物はスレ違い?

何らかの呪いで足が動かなくなって車椅子の女の子とか
魔法で精神だけ0歳に戻されて介護が必要な女の子とか
怪しげな術をかけられて時々発作のようにおかしくなるので引きこもりの子とか
530名無しさん@ピンキー:2010/10/10(日) 23:16:12 ID:V4Oyyud0
ウェルカムだぜ兄弟
3番目の奴とか好み
531名無しさん@ピンキー:2010/10/11(月) 02:25:44 ID:oSoMScHi
>>529
余裕でおkだろ常考
532名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 11:59:48 ID:JnmchP24
過疎スレだと思ってたけど結構人いるよね
533名無しさん@ピンキー:2010/10/18(月) 20:32:25 ID:2xp2GbeV
うん
534名無しさん@ピンキー:2010/10/22(金) 19:18:35 ID:QkEbWIIY
hoshu
535金木犀:2010/10/26(火) 23:02:40 ID:aP3I67NM
目の前にいる美しい少女。天蓋付きのベッド上で、ゴテゴテと過剰な装飾の
ついた下着姿で仰向けになっている。家は裕福で、家族も素晴らしい人達だ。
だが、全てを持っている人間などいない。俺は少女が唯一得ていない場所に
キスをしていた。左の膝があるはずの場所に。

彼女は、左膝から下を得ることなく、生まれてきた。

彼女の矜持なのだろう。義足を一度も装着する事のなかったその場所は滑ら
かな柔らかさを保っている。その感触を味わうように唇を這わせると、ふぅ、
とため息のような吐息を漏らした。自身の右手をそろそろと薄い胸を包む下
着の下に這わせる。俺はベッドに投げ出されていた彼女の左手をとり、もぞ
もぞと動く腰の中心へ導いてやった。微かなためらいを見せた後、おそるお
そる下着の中へ手を入れた。くちゅ、と微かな音。

それを見ることもなく、彼女の左の太腿の内側に舌を這わせる。白磁のよう
な肌にぬらりとした跡を刻むように。びくり、と体を跳ねさせながら少女は
両手の動きを速める。ふー、ふー、ぐちゅ、ぐちゅ。吐息と水の滴る音が重
なる。

少女の体がたてる音を聞きながら太腿の裏に舌を這わせていると、小さな小
さな声で、口で、お願いします。と囁いてきた。顔を見ると羞恥と興奮で首
の下まで赤くなっている。わなわなと震える唇は期待と恐れを示しているの
だろうか。
536金木犀:2010/10/26(火) 23:07:18 ID:aP3I67NM
唾液でてらてらと輝く左の太腿を静かにマットに沈める。
少女の下着に手を掛け、下に降ろす。左から先に抜けた。右足までは
脱がせず、膝のあたりで下着を止める。
ピンク色の襞に舌を這わせると、小さく腰が跳ねあがった。暴れる腰
を押さえつけ、膣口から核まで舐め上げる。はっ、はっ、んっと荒い
呼吸音。いつもの如く、声を出さないように手の甲を噛んでいるのだ
ろう。なんとなく、手の甲に着くのであろう歯形を思い出す。

特に何の感慨もなく舌を動かしていると、少女の体がびくり、びくり
と蠢動する。ようやく終わる、とほっとしながら膣口に舌を深々と差
し入れる。ひっかけるように上に舐め上げると大きく腰が跳ね、脱力
するとともにぶわり、と愛液があふれ出た。

俺が俯きながら口もとの愛液を手の甲で拭っていると、少女が、どう
ぞ、と呟いた。
表情は、上を向いているので読み取れなかった。

俺は萎えかけていた性器をズボンから取り出し、少女の左の太腿を捧
げ持つ。
性器を下端にあてがった。少女の体が微かに反応する。すぐに性器は
力を取り戻した。
537金木犀:2010/10/26(火) 23:09:40 ID:aP3I67NM
腰をあさましく前後する。顔が、目が熱い。頭も熱病にやられたかの様な熱
さだが、不思議とどこかが冷えていて、無我夢中に腰を振る自分を嘲笑する。
Sexual Perversion。Paraphilia。Psychopathia Sexualis。
うるせえ。うるせえ。

我慢することもなく射精する。少女の太腿から腰まで飛び散った。

少女は天蓋を見続けていた。

力が抜け、性器をさらけ出したまま少女の上で手をつく。乱れた息を整えな
がら太腿に飛び散った精液を見つめていた。少女の清らかな肌の白と異なる、
汚らわしい、白。

ゆるり、と少女の左手が太腿に伸び、精液に触れる。そのまま肢体に飛び散っ
た精液をつなげるように上体に登っていく。

その指に誘われるように顔を上げると、上体を起こしていた少女を目が合った。
近い。吐息が微かに顔に当たる。

指は腹を抜け、乳首を跳ねあげ、彼女の唇に当たる。ちろり、と毒々しい程の
赤い舌が指を舐めた。

視線は絡んだまま。

その目が写すのは、哀しみ?怒り?蔑み?それとも他の何か?

少女の瞳の中の己を見る。どんな目をしているのだろう。

開け放たれた窓から、金木犀の香りを乗せた風が吹きこんでいた。
538名無しさん@ピンキー:2010/10/26(火) 23:39:57 ID:aP3I67NM
以上、「金木犀」一応、終了。
幕末〜大正の間のイメージなんですが、飾りつき下着やらその時代にない英語
やらでしくじった。
後、「上体を起こしていた少女を目が合った 」は、
「上体を起こしていた少女と目が合った」でごめんなさい脳内変換よろしく。
男は新撰組、五稜郭戦帰りまたは旅順帰りのいずれかでPTSD気味、って事
で長編として書いていきたいけど、時代考証が難しいです。

このスレはエロいだけじゃない、心に響くものがあります。大事にしたいねー
539名無しさん@ピンキー:2010/10/27(水) 02:59:54 ID:fHceeXws
540名無しさん@ピンキー:2010/10/29(金) 13:27:17 ID:/K4jdbN3
>>538

好きな雰囲気かも
541名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 20:46:32 ID:nKNzR2vO
金木犀>>535-537を第1話でカウント
第2話続行
*****************より以下、軽く戦場表現あり
苦手な人はスルー
542金木犀:2010/10/31(日) 20:49:32 ID:nKNzR2vO
第2話

さぁ、ご機嫌取りの時間だ。破顔する。

「お口がご懐妊してしまいますよ。千代(ちよ)様?」
「口から赤子は生まれない、という事ぐらい存じておりますわ。誠(まこと)」

鼻で嗤いながら目を細める。

「体を拭いて、誠。私の足があなたの精で孕んでしまいそうよ」

へいへーい。と後始末をし、下着を換え、寝巻を着せる。下着も寝巻も共に豪勢な作りだ。外国の貴族やらが着るものを手間暇かけて輸入しているのだろう。御大層なこって、と思いながら寝具をかけてやると、手を掴まれた。

「足を撫でて、誠」

千代が俺に言葉を発する時、必ずと言っていい程俺の名を発言に組み込む。逆に、俺が千代に声を掛けるときは名前を呼ぶことを強要される。彼女なりの依存なのかもしれない。無言で寝具の上から左腿を撫でる。心地よさそうに目を閉じた。やがて静かな寝息。
寝た子を起こさぬよう、静かに部屋を後にした。
543金木犀:2010/10/31(日) 20:53:21 ID:nKNzR2vO
*****************
ダダダッ ダダダッ ダダダッ ダダダッ
ヤベェ!マキシム機関銃か

慌てて目の前の塹壕に飛び込む。小隊からはぐれちまった、と毒づく前に30年式歩兵銃を構える。引き金を引く必要は無かった。
泥の壁によりかかっている「それ」・・・・左前腕、右手五指断裂、顔面並びに胸部の重度の裂傷及び頸部切断面から漏れる呼気音。ほっとけば死ぬ。わざわざ弾を無駄にする必要もあるまい。鮮血に彩られた顔面の中で、青い目だけが目立っていた。

「Как дела?邪魔するよ」

そいつの隣に座る。他の場所は敵味方の死体で埋まっていた。機関銃の音は続いているし、俺も疲れた。弾倉交換か、機関銃の砲身が熱を持って打てなくなるまでゆっくりしよう。それまでには足の遅い伍長ドノも追い付くだろう。

お隣さんが、指を失った手で軍服の胸ポケットをゴソゴソしている。なんだ、タバコでも吸いたいのかい?と手を伸ばして探ると、写真が出てきた。肩を並べて一緒に見る。

カイゼル髭を蓄えた軍服姿の美丈夫と、金髪の美女。男は緊張しまくっているが、女のほうはやさしく微笑んでいる。見る者をも微笑ませるような、在りし日の一葉。

「あんたの嫁さんかな?綺麗だね」

通じるはずもないし、聞こえもしないだろう。写真が見えているのかも分からない。ただ、今際の際に望んだのは、思い人の微笑。それだけは分かった。
ひゅーごぽ ひゅーごぽっ ごぽっ ごぽ・・・・呼吸停止。お疲れさん。写真を死体のポケットに戻す。

少尉殿ぉぉぉと、鬼瓦、いや、伍長が飛び込んできた。他の兵達も続けて転がりこむ。どれだけ心配したか・・・と喚く鬼瓦を尻目に、塹壕から恐る恐る機関銃のある方向を探る。この先、目標の機関銃台まで身を隠すような場所は無い。味方の二十八糎砲の支援も得られない。

状況から、取り得る選択肢は三つ。
一つ、隠れ続けて、砲撃で塹壕ごと吹き飛ばされる。
一つ、撤退して、背後から撃たれる。
一つ、突撃して、正面から撃たれる。

「伍長。何名残った?」
「少尉を除く18名。他は機関銃に・・・」

減りすぎだ。何が悪かった?と浮かぶ自責の念を唇を噛んで押さえる。後悔は後だ。

「伍長、全員に伝達。着剣、突撃用意。1分隊の掩護射撃とともに2分隊前へ。1分隊は1弾倉射撃後、再装填し、前へ」
544金木犀:2010/10/31(日) 20:55:48 ID:nKNzR2vO
兵達と共に銃剣を抜き、着剣する。雪がちらついてきた。

「1分隊射撃よーうい」

機関銃の銃声が止むのを待つ。ちらり、と足元の写真の男を見た。女の元へ早く帰んな、と呟く。

「2分隊突撃よーうい」

伍長が低いが、良く通る声で号令。銃声が止んだ。

「撃てぇー!」
「前へ!突撃ぃぃぃ!」

絶叫とともに2分隊が飛び出す。はずみに男の死体は蹴り飛ばされていた。
1弾倉5発の掩護射撃。速やかに装填。横殴りの雪。

「1分隊突撃ぃぃぃぃ!!!」

塹壕を飛び出て、体を低く前へ。雪が泥を隠していく。
マキシム機関銃が、こちらを向いた。
白煙。
銃声。
絶叫。
無音。

・・・・・・。
かっ、かっ、と音をたてる自分の呼吸に目を覚ます。
目を固くつむり、夢の残滓を追い出す。過呼吸になっている事を自覚し、意識的に呼吸を止める。過去そのものを寝ている間に追体験する事も夢というのだろうか。

窓の外には金木犀の黄色い花が見える。
和菓子のような小さな黄色い花は、彼の地にも咲いて香りを撒き散らしていた。
彼の地においては故郷を思い出させ、故郷においては彼の地を思い出させる香り。
呼吸が落ち着いた。大きく、ため息をついた。
545金木犀:2010/10/31(日) 21:35:31 ID:nKNzR2vO
第3話

「おはようございます。千代様」
「おはよう。誠」

千代は既に女中の手により着替えをすませ、ベッドの淵に腰かけていた。隣にはイギリス製の車椅子。抱きかかえるように車椅子に乗せる。香水がふわりと香った。

「香水を変えられたのですね。千代様」

千代は、さらに香らせるように長い髪をかき上げた。

「Jicky。調香士の悲恋の相手への献辞を込めた香りだそうよ。誠」

ほー、さいですかー。と生返事をすると睨まれた。
指を目の前に差し出される。ぱくり、と銜えた。そのまま口内を蹂躙される。口の利き方に気をつけなさい、という事か。へいへい。
満足したのか指を抜くと、これ見よがしに自らの口に含んだ。ぴちゃ、ぴちゃと俺の目を見ながら指を舐めまわす。目は潤み、顔が上気している。私に欲情なさい、と行った行為に自ら溺れているのだろう。
千代が開いた手で髪をかきあげ、耳を露出させた。腰をかがめ、耳に甘く噛みつく。唇を這わせ、舌でねぶりまわす。強く抱きついてきた。

「ああ、良いわ、誠」

あん、と甘い声で鳴く。このまま行為に耽りたいが、朝食の時間に遅れれば二人揃ってあの女中頭―タエさんにどやされる。

「朝食に遅れます、千代様。タエさんに叱られてしまいますよ?」

むー、と言いながら解放される。口を不服そうに尖らせていた。
部屋を出て、食堂に向かう。大理石が敷き詰められた回廊。高い天井にはシャンデリア。彼女の父が、娘のためだけに建てた豪奢な屋敷。だが彼女は、自分だけの世界を展開する檻として利用する。俺はその中に招かれた、数少ない人間だ。
546金木犀:2010/10/31(日) 21:40:12 ID:nKNzR2vO
あの戦争の後、どうも俺は体をおかしくしたらしい。不眠、過呼吸、頭痛に吐き気。食欲性欲の減退。常にそれらに悩まされ、歩くのもままならなくなった。
軍人として使い物にならなくなった俺は軍を除隊した。実家に戻ってゴロゴロと不毛な時間を過ごしたのが効いたのか不調が和らいできた頃、思わぬ人間が訪ねてきた。

「少尉殿ー!いらっしゃるかー!」

和服姿の鬼瓦・・・伍長だった。
お互いもう軍人でもないのに俺の事を少尉と呼び、自分の事も伍長と呼べ、敬語はまかりならんと押しつける鬼瓦は兵役を全うした後、実家の問屋を継いでいるはずだった。
家に上げ茶を勧めながら何の用だ、と問うと、少尉殿の徳を見込んでお願いに参りました、と頭を下げた。

「ある女性の、身の回りの御世話を願いたいのです」
「玄関はそこだ。帰れ」

襟首を掴んで放り出そうとすると、待った待った、借りを返して頂きたい、と暴れる。借りなど作った覚えはないが、話だけは聞くことにした。どうも伍長がとことん世話になり、頭の上がらない叔母がいるらしい。
その叔母は「やんごとなき血筋」の体が不自由な女性の世話をしているのだが、寄る年波に勝てず、思うように世話ができなくなったために力添えを求めている―というものだった。

「そんなもの、新聞で募集をかければ済むだろうに」
「色々と事情があるようで。世間に広めるわけにはいかんのです。しかも、叔母からの注文は清廉潔癖、智に深く武に秀でて、口は堅く身元がしっかりしている者!ま・さ・し・く軍神様の事でありますよ」
「軍神様は精神薄弱になったりしねぇ。性根腐って家でひっくり返ったりしねぇぞ」
「鬼の霍乱、とも言いますからなー。はっはっはっ」

伍長が深々と頭を下げた。幼い頃より世話になった叔母に初めて頼られた。その願いに応えたいが、私には少尉しか思いつかなかった。迷惑千万なのは承知の上、何卒お願い致します、と。

下げられた伍長の頭を見ながら思う。あの戦争を生き残れたのは伍長のお陰だったな、と。士官学校を出たばかりのひよっこの俺を一人前にしてくれたのはこの男だった。
そうだ、俺も伍長に初めて頼られたな、と苦笑してしまう。

「伍長の顔を立てる為だ。会うには会うよ。ただし、積極的には希望せんぞ」
「ありがとうございます!さすがは軍神様!」
547金木犀:2010/10/31(日) 21:43:30 ID:nKNzR2vO
だから、軍神様はやめてくれ。

数日後、俺は屋敷を訪れていた。でかい門の横にある守衛所で要件を伝えると、程なくして初老の女性が出迎えてくれた。

「女中頭のタエ、と申します。初めまして、「少尉殿」。うちの甥っ子がお世話になりました」

微笑みを浮かべながらの挨拶。あの鬼瓦、何を吹き込んだ。今度会ったらかち割ってくれる。
歩きながら伍長の話になった。あの戦は少尉殿が率いるわが部隊が、突破口を切り開いたから勝利した、しかも俺が無傷で帰ってきたのは少尉殿のお陰、あの人は生ける軍神様だ、八幡の神様だ、とうるさかった、と笑う。
気でも触れたか、鬼瓦。

「幾人もの方と面接致しましたが、どうもお気に召さないようなのです。難しい性格の方ですので・・・」

それはそれは。まぁ、私如きには無理ですなぁー、と答えるとタエさんは微かに苦笑する。一際重厚な扉の前に立ち、ノックする。扉を開けながら、呟いた。

「あなたが軍神様なら、あのお方は女神様。お似合いかもしれませんわ」

御冗談を。中へ招きいれられる。

「お連れ致しました。千代様」
548金木犀:2010/10/31(日) 21:49:19 ID:nKNzR2vO
広大な部屋に配置された重厚な机の奥に座るのは、洋装の美しい少女だった。開け放たれた窓からは沈丁花の香りを乗せた風。タエさんはドアを閉めて退出した。

「近くへ、誠」

いきなり名前で呼んで命令か。気色ばみそうになるのを隠しながら近づく。雰囲気は執務室だが、壁一面の書架にびっしりと本が詰め込まれている様は最早図書館だ。
そういえば、この娘はどこが悪いんだ?上半身から下は机で隠れていて見えなかった。

「初めまして。お嬢様」
「千代で良いわ」

深窓の令嬢、という表現が相応しい少女だった。だが、年頃の娘さんはこんな目をしていない。生きる為に、全てを見透かそうとする目。こんな目をするのは、命の取り合いをするような連中だ。まさしく、戦場の軍人のような。

「誠は、戦場へ行っていたのね。仕事で人を殺めるのは、どういう気持ち?」

突然の質問に、機先を制される。心拍数が急激に上がる。少女は薄笑いを浮かべながら質問を重ねた。

「何人殺したの?どうやって殺したの?撃って?刺して?ねえ?ねえ?教えなさい」

赤い血。染まる雪。言葉を発そうにも、息が、できない。ぐらり、と体が揺れる。

「撃たれるのは痛いの?撃つのは・・痛いの?」

写真の男と少女。死体に屍体。散乱する腕と足。意識が遠くなる。せめて一矢報いようか。

「今度ゆっくり話してやるよ、千代」

気の利いた毒も吐けず、意識を手放した。
549金木犀:2010/10/31(日) 21:53:22 ID:nKNzR2vO
第4話

目を開ける。目の前に心配そうに見つめる少女の顔。後頭部の柔らかな感触は、膝枕か。ありがたいこって。すみません、と上体を起こした。すぐに肩を押さえられる。

「無理しないで。倒れた衝撃で脳震盪を起こしているかもしれない」

詳しいな。お言葉に甘えて今度は横向きに頭を乗せる。違和感。アール・ヌーボー調の黒いドレスの乱れたスカートの先に、左足がないことに気づく。
どくん。
凝視する。目が離せない。のどが渇いて、息が荒くなった。股間が熱くなる。

「気づいた?」

少女の冷たい声が、耳朶に熱くかかる。俺の頭の下のスカートのすそを引っ張りあげた。白い太腿が見えた。その先は丸くなって、消失している。

「気持ち悪いでしょう?あなたはこんなのに頭を載せているのよ」

忘れていた性欲が、吐き気がするほどに湧いてくる。なぜだ。ただの膝から下を欠損している足。可哀想に、と上っ面だけ同情すれば良い対象。そんなものに激しく欲情する。
本当に俺はおかしくなっちまったか。俺の乱れた吐息を太腿に感じて少女は息をのみ、そして・・・嗤う気配。

「お舐め、誠」

むしゃぶりつく。手が頭を除けようとするが、構わずに唇を這わせる。今度は頭を腿に押しつけられた。太腿が、腰が妖しく蠢いている。微かな香水の香り。
手を内腿に這わせると、はぁ、と微かな吐息。俺も知らず知らずのうちに腰を蠢かせていた。微かな刺激でも頭が痺れる。舌でちろり、ちろりと舐める。
俺は何をやっているのだろう。じゃれつく犬を相手にするように、俺の頭を少女が優しく撫でる。温くて柔らかい掌がとても心地良い。
550金木犀:2010/10/31(日) 21:57:09 ID:nKNzR2vO
こんこんこんとノックの音。

今度こそ頭を除けられ、したたか床に打つ。目の奥で火花が散った。正気に戻る。少女は真っ赤な顔でスカートの裾を直して足を隠した。
タエさんと、担架を持った医者と助手らしき男が入ってきた。

「タエさん、客室を使って診療させてください」

両手を器用に使い、車椅子に戻りながら少女はタエさんに命じた。
・・・タエさんには敬語かよ。担架に乗せられ、部屋から出る。少女は車椅子で疲れたように俯いていた。小一時間ばかり客室で激しい後悔と一緒に横になった後、背中を丸めて屋敷を出た。

ふと、少女―千代の部屋を見る。こちらを見ていたのか、千代と目が合った。きっ、と睨まれると、カーテンを閉められた。肩をすくめて門をくぐる。それにしても射精したズボンで歩くのは最悪だ。

数日後、実家に届いた千代からの手紙には、ありがたく採用してやる。給料もはずんでやるからから荷物まとめてすぐに来い、という趣旨の文。
住み込みだったのか。いやその前に本当に俺を雇うつもりか。小娘相手に浅ましく腰を振った自分を思い出し、恥辱を拒む自尊心と金の間で逡巡したが、金に負けた。
まぁ嫌になったら逃げればいい。逃足には自信がある。

しばらく家を出ると家族に伝えると、穀潰しがいなくなると赤飯が振る舞われた。
くそったれ。
551名無しさん@ピンキー:2010/10/31(日) 23:49:50 ID:CapeEkcr
規制かな?
552金木犀:2010/11/04(木) 22:29:02 ID:l9Ptom1/
第5話

初めの頃は、四六時中タエさんと共に千代に仕えた。一月も経ち、慣れ始めた頃からタエさんは少しずつ手を引き、二月目にはほとんど俺一人で仕えていた。
その頃から千代の要求は過激さを増していった。最初は髪を梳かせ肩を揉め、だったのが、気付けば足舐めろ、だ。もちろん要所要所で反抗し、出て行こうとすると行かないでごめんなさい、と泣く。古来、男は女の涙に弱い。
それが悪かった。3歩進んで2歩下がり、を繰り返した結果がこの様だ。

「まーもるもせめるもくーろがねのー♪」

機嫌良く檜風呂の中で調子外れに歌う千代。俺は一緒に風呂桶に入り、彼女の背中から腰に手を回して支えている。

「洗って、誠」

風呂から引き揚げ、檜の床に千代をそっと座らせる。海外からわざわざ取り寄せている洗髪用の石鹸で髪を洗い流す。
千代はシャボン玉を作り、息を吹きかけて飛ばしていた。ふわり、と俺に吹きかけ、割れるシャボン玉を見つめる。ふわり。ふわり。

手で泡立てたハーブの石鹸で背と腕を洗う。うふふ、とくすぐったそうに悶えた。仰向けに寝そべらせる。
胸に泡を広げ、両の胸を優しく揉む。唇を噛みしめて、声をこらえているようだ。乳輪の周りをなぞるように指を這わせ、たまに乳首に触れる。体がゆるゆると蠢く。

下腹部を円をかくように撫でた後、あえて股間を避けて、右足を洗う。足の指に触れると、いやん、と逃げるのを押さえて洗う。
左足は太腿だけなのですぐに終わった。名残惜しく、下端部に口づける。
股間に手を伸ばせば、お湯よりも熱く反応していた。手全体で股間を洗うと、もじもじと腰を動かしだした。そのまま手を動かし続ける。あぁ、あぁ、と声を上げる。
553金木犀:2010/11/04(木) 22:30:11 ID:l9Ptom1/
手に熱さを感じながら苦笑する。まったくもって異常だ。少女に、大人が性的に尽くす。千代の要求はオブラートに包まれた調教だ、と早い内に気付いていた。
分かっていて受け入れる。男娼なんか目じゃ無い。狂っている。美しい少女の痴態に反応できない自分。普通の男なら、勃起した己の性器を少女につきたてるだろう。
つまらぬ倫理観を飛び越える事を、少女自身が望んでいるのだから。

人差し指と中指を割れ目を往復させる。声も出せずに、体を仰け反らせている。
だが俺は、と千代の左足を見る。生気溢れる少女の、唯一の死。欠損。空虚。意識すればするほど、俺の中の獣がもぞり、と動き、勃起する。
泡まみれになった千代の性器の突起に甘く歯を立てる。石鹸の苦さの中に熱い蜜を感じる。千代が刺激から逃げようと体を動かすが、腰を捉えて離さない。このまま食いちぎったらどんな反応をするだろうか。獣が甘く囁く。
千代と日々を過ごすうち、戦場の夢を見なくなっていた。替わりに、獣の如く千代を傷つける妄想に囚われる。夢を見なくなった代償か?俺はこの少女に何を望んでいるのだろう。

激しく舌を動かし、手で千代の下半身をくまなく這わせる。舌を強く、蜜を流し続ける穴に差し込む。千代が一際大きく体を大きく仰け反らせて、気をやった。
俺は激しく責め立てたその手で、己の性器をしごき始める。ぐったりとした千代の左足をじっと見ながら。獣欲に身を任せ。

「だめよ、誠。自分でするのは」

千代がけだるげに言った。自身の性器に手を伸ばし、広げる。白い体の中の一筋の赤。
傷だ、これは。女という美しい存在に嫉妬した神がつけた烙印。この裂け目の中から五指を失った血まみれの手が出てくるのだ。そんな想像が脳裏をよぎる。獣が、逃げる。

「この中でなら許すけど?どうかしら、誠?」

俺は肩をすくめる。性器はもう萎えていた。それを見て千代は苦笑する。

「本当に意地悪ね、誠。冷えたわ。もう一度入りましょう」

泡を流し、今度は対面で檜風呂に入る。抱き着いた千代が、俺の耳を噛み、頬へ舌を這わせる。くすぐったくてしょうがない。
千代は決して口づけをしない。鼻頭をぶつけるほど顔を近づけるのは日常茶飯事だったが、口づけは一度もなかった。ひょっとしたら待っているのかもしれない。
だが俺も自分から口づけようとは思わなかった。最後の砦、とでもいうのか。口づけすれば負け、と考えてしまう。まぁ、減るものでもないが。

「いーかーにきょうふーうふーきまーくもー♪」

また、歌い始めやがった。可愛い顔して、以外に音痴だな。
554金木犀:2010/11/04(木) 22:32:01 ID:l9Ptom1/
第6話

ぱち、ぱち、ぱち。俺の算盤の音が響く。かりかりかり。千代の万年筆の音が続く。俺は収支報告の確認、千代は様々な種類の書類にサインをしていた。
執務室の千代の机に対して直角に配置されている俺の机上には、書類で富士山ができていた。書類は全て、千代の会社や工場からのものだった。

「その山を崩したらどうする、誠?」
「泣きます、千代様」

先に書類の処理を終えた千代の問いかけに答える。にやり、と笑いやがった。本気か。

「崩すのはご自由ですが、夕方の散歩に行けなくなりますよ?千代様」
「それは困るわ、誠。久々に晴れているのに」

窓の外の紫陽花を見ながら千代は頬杖をつく。梅雨の合間の久々の晴れ間。穏やかな眼差し。千代は珍しく友禅の和装で、髪に刺した銀のかんざしの飾りが窓からの風に揺れる。だが、静寂はタエさんの声と怒声に破られた。

「困りますわ!男爵様!」
「女中如きが、声をかけるな!下郎!」

ノックもなく扉が強く開け放たれた。シルクハットにフロックコートの優男。手にはステッキと白いドレスのようなものを持っている。
かっかっかっ、と大きく足音を立てて千代の前に来る。俺は立ちあがって、深々と礼をした。頭を下げたまま、千代を窺う。
感情を消し去り、全てを窺おうと目つきが鋭くなっている。この男との関係を察し、万が一に備えて体の力を抜き、意識を研ぎ澄ませる。

「何の御用ですか?男爵様?」
「君を貰い受けに来たのだよ。千代!さぁ、このドレスに袖を通したまえ!」

大げさな動作で机の上にドレスを広げたのは純白のウェディングドレス。千代の顔が歪んだ。

「私如き不具者には、男爵様は勿体のうございます。後、私の名を呼ばないでください。高貴な口が穢れてしまいますわ」
「あぁ、千代!千代!千代!何度でも呼ぶよ!どうか私の」頭を下げ続けている俺をステッキで指す。
「下賤な者に聞かせるにはもったいない私の名を呼んでおくれ!」
「・・・どうかこの下賤な場所からさっさとお引き取り下さいませ?男爵様」

やばい。面白すぎる。こんな分かりやすい華族が本当にいるなんて。笑いをこらえるのに体が震える。くそ。「男爵さま」は大げさに手を広げると、真面目な顔で千代に顔を近づける。

「悪いが、また融資して欲しい。馬鹿な部下が事業を潰したんだ」
「潰したのはあなたでなくて?男爵様。金を返す必要はございませんから、二度と来ないでください。・・・誠、金庫の中の茶色の鞄をお渡しして」

はい、千代様、と金庫を開け、中から鞄を取り出す。ずしり、と重い。男爵に渡すと、中身を見て満面の笑みを浮かべる。
口笛を吹きながらシルクハットのつばに手を掛けて一礼。身を返してドアに向かう。ドアの前で舞台俳優のように振りかえって千代を見た。

「この事業の結果を報告に来ますよ!ウェディングドレスはその時まで取っておいてください。ち・よ・さ・ま!」

千代は無言で返した。
555金木犀:2010/11/04(木) 22:35:08 ID:l9Ptom1/
沈黙が部屋を包む。千代は腕を組み、俯いていた。考え事をしているのだろう。俺はその横に直立不動で立ち続ける。
どの位時間が過ぎただろうか。千代が腕組をといて机上のドレスを汚いものを触るように摘みあげると、横の屑籠に落とした。俺に微笑みかける。

「お散歩に行きましょう。誠。この部屋は臭いわ。あいつのせいで」
「はい、千代様」

窓を全て開け放った後、車椅子を押して部屋を出る。既に日が傾いて庭を赤く染めていた。道沿いに咲いた紫陽花の間を抜け、木々に遮られた芝生まで来た。
芝生が乾いている事を確認し、千代を降ろす。ぽんぽん、と千代が右手で芝生を叩いたので、そこに座ると千代は俺の胡坐に頭を乗せて寝そべった。

「何も聞かないのね。誠」
「使用人は余計な口を利かないものですよ。千代様」

あなたは使用人などではないわ、という千代の呟きには聞こえないふり。そうね、どこから話そうかしら、と人差し指を口に付けて独り言。

「探偵ごっこをしましょう、誠」
「どうぞ、千代様」
「華族の妾の娘と没落華族の従兄弟。妾の娘の実父も継母も、家族全て亡き者。さぁ、何が起きる?誠」
「・・・娘に遺産と厄介事が転がり込んでくる事でしょう、千代様」

なんだ、つまんない、と千代は口を尖らせる。これは千代自身の話だ。軽く言っているが、遺産を巡る熾烈な争いがあっただろう。
時代遅れの特権階級の欲望は、彼女にどんな影響を与えたのだろうか。突然、頬をつねられた。

「誠、私が不愉快な思いをしているときに笑っていたわね」
「滅相もございませんよー、千代様。痛いです」
「あの場面では、悪人に迫られる姫を助ける必要があったはずよ、ナイト様」
「何分出自が町人でありまして。お姫様」

もう、減らず口にはお仕置きが必要ね、と芝生に倒された。シャツのボタンを外されて、胸と腹を露出される。顔に手が這い、首筋に舌が蠢く。
腹に馬乗りになった腰が強く押しつけられた。友禅の前見頃が割れ、深紅の長襦袢が覗く。細い指が口内に荒々しく入ってくる。舌を掴まれた。引きずり出そうとする指に付き合って、自ら舌を出す。

「ああ、なんて忌々しい舌。噛みちぎってやりたいわ」

千代の顔が近付く。舌を噛まれた。唇はぎりぎり触れていない。男を意のままに操っている倒錯感に目が輝いている。噛まれたままの舌先をちろちろと舌がつつく。
痛いが、扇情的な行為に頭が痺れる。舌を離されほっとしていると、今度は鎖骨を噛まれた。これは痛い。もがいているとあら、痛かったかしら失礼、ときた。
絶対わざとだ。ゆるゆると舌を這わせ、乳首を舐め上げ、甘く噛まれた。思わず体が痙攣する。更に臍を舌でつつきながらズボンを脱がされた。俺の性器は萎えたままだった。

「・・・もう!私の足にしか感じないのね、誠」

千代がくるりと体を回すと、裾が顔に覆いかぶさった。右足の膝とふくらはぎで俺の頭を固定し、左足の末端がげしげしと顔を叩く。鼻に当たって涙が出た。
556金木犀:2010/11/04(木) 22:37:57 ID:l9Ptom1/

「ほら、ご褒美よ、誠」

遠慮なくいただく。前見頃をまくって長襦袢から左足を露出させ舌を這わせる。すぐに下半身に血が集まり勃起した。何かが性器に絡まる感触。千代がその上から握った。
快感を期待して興奮する。しごかれた。ざりざりっ―いたた、痛い!

「痛いです!千代様!何ですか!?」
「何って、誠。私の髪をあなたのものに巻きつけて、力いっぱいしごいているのよ。痛い?お仕置きには、痛みが伴うものよ」

うふふ、と笑う。暗澹とした気持になったが、力を加減したのか痛みよりも快感が勝るようになった。しゃりしゃりとしごかれ、亀頭を手で撫でまわされる。時折、内腿に手を這わせ、玉袋を優しく触られる。なんと心地良いのだろう。
左腿を抱え、舌を這わせながら目を瞑る。香水と少女の甘い香りに身をゆだね、射精した。

千代が身を離し、横になった。友禅の襟が乱れ、長襦袢の下の胸元が見えた。深紅の長襦袢に、陶磁よりも白い肌が映える。精液が絡んだ髪を口に含んだ。
服を整えている俺を見ながら艶然と笑う。あぁ、その肌に傷を刻んで血を流させたらどんなに美しいのだろう―獣が呻く。

「不味くはないのだけど、ね。砂糖水をたらふく飲ませたら甘くなるかしら?誠」
「糖尿になってしまいます。千代様」

それは困る、と口を尖らせる。なら言うな。千代に膝枕をし、髪の精液をハンカチで拭きとる。千代は腰にまとわりつき、股間に顔を埋めてぐりぐりと振っていた。
まるで着物を着た猫だ。千代の温かさに触れ、俺の中の獣が静かに目を閉じる。ほっとした気持ちと、微かな―飢餓感。

「色々あったのですね。千代様」
「別に。大した事ないわ、誠。私はお父様とタエさんの言う通りにしていただけ。回りが勝手に自滅していったのよ。あいつは、後書きの様なもの」

髪からのぞく目は、過去を嘲笑うかのように細くなっていた。

「私と家族の物語は、もう終わった物語。それに誠は登場しないし、登場して欲しくもない。今は、私と誠の物語。二人だけの物語を紡ぎましょう?」

物語、か。たしかに彼女と家族の物語には俺は登場しない。過去をほじくるな、ということだろう。湿った風を感じた。そろそろ雨が降るかもしれない。
帰りましょう、と声をかけ車椅子に乗せる。百合の香りがどこからか漂ってきた。
557金木犀:2010/11/04(木) 22:39:38 ID:l9Ptom1/
第7話

「お気を付けください、少尉殿」

近い。鬼瓦―伍長が席から乗り出して目の前で囁く。顔を押して席に戻した。わ、顔の脂で手がぬるぬるする。
書類やら手紙やらを出しに外回りをしていたら、郵便局で伍長と鉢合わせした。千代の世話を頼まれて以来顔を合わせていなかったから、10カ月ぶりか。
近くで一杯、と誘われて着いていき、近況をお互い話し終えた矢先だった。

「何に気を付けるんだよ」
「華園(はなぞの)男爵ですよ。お嬢様に縁あるお人です」

たぶん、だいぶ前に千代に金をせびりに来た奴だろう。あれ以来顔を見ていない。華園というのか。確かに頭の中は華やかそうだ。手酌でぐびりとやる。

「なぜその華園男爵を知っている?」
「華族やら成金やらと上流な連中と取引がありましてね。色々と聞きたくもない事が耳に入ってくるのですよ。口さがない奴らばかりですからな」

お猪口を傾けながら苦々しげに伍長は言う。お嬢様と男爵は良くも悪くも有名である。
莫大な遺産を持ちながら屋敷から一歩も出ない、片足の妾の娘に対する没落華族の偏執的な片思い―まさにひそひそ話にはもってこいなのですよ、と。

「気をつけなければいけない根拠は?」
「男爵の使いが来ましてな。まぁ、見た目からすると用心棒として雇ったゴロツキでしょうが・・・商売をするふりをして根掘り葉掘り少尉の事を聞いてきました」
「どう対応した?」
「もちろん、偽情報を流してやりましたよ。
見た目ばかりの阿呆!腕力弱く銃を撃てば己の足を撃つ!
戦では突撃の号令に敵ではなく味方の陣に走って行った日本国始まって以来の腰ぬけ!と。欺瞞は戦争の基本ですからな!」

はっはっはっ、と豪快に笑う。なんか腹が立ったので鬼瓦よ割れろ、とばかりにお猪口を投げつけ、多めに金を置いた。
いやいやここは私が、と煩いので手刀を脳天に落とし黙らせる。

「ありがとよ、御馳走さん。またな」
「荒事の時は是非お声を!少尉殿!小隊員全員駆けつけますぞ!」

何を期待してやがる。陽が傾いていた。遅くなると千代にどやされるからさっさと帰ろう。屋敷に戻ると、執務室で千代とタエさんが押し問答をしていた。
558金木犀:2010/11/04(木) 22:41:30 ID:l9Ptom1/
「どいて!タエさん!探しに行く!」
「千代様、誠様はもうすぐ帰ってきますわ。どうかお待ちください!」

俺の顔を見て、ほっとした顔は共通だったが、すぐに片方が怒りを露わにした。

「誠!どこに行っていたの!どれだけ心配した事か!!」

うわぁ、ヤバいどやされる。タエさんはおほほ、と俺の横をすり抜け・・逃げた。車椅子が近付いてくる。無表情で寝室に連れて行け、と言われる。怖い。
寝室に入り、ベッドに腰掛けさせるために抱えると、酒臭い、と言われた。ベッドに腰掛け、俺を睨みあげる。

「私を置いて酒を飲んできたとはどういう了見かしら?誠」
「タエさんの甥っ子に郵便局で会いまして・・・無理やり酒を飲まされてしまいました、千代様」

すまん伍長。俺のために罪を被ってくれ。

「人のせいにするのは良くないわ。誠」

伍長、お前は戦争以外には役に立たない男だよまったく。
靴を脱がして、と言われたので膝をつき、靴を脱がせる。右足だけの靴の中は裸足だった。その足で、顔をぐい、と押され、爪先が口の中へねじ込まれる。

「臭うでしょう?誠。あなたのせいよ。心配しすぎて汗をかいてしまったわ。綺麗にして頂戴」

右足を捧げ持ち、ひとつひとつの指を丹念にしゃぶる。千代はくすぐったいのか体を捩じらせていた。言うほど臭くはないが、やはり革靴の臭いはする。
しかし俺の口だって酒の臭いだ。どっちがいいのかね、などと考えながら指の股に舌を這わせると、舌の感触に慣れてきたのか、ふぅ、とため息のように喘ぎ始めた。
千代がスカートの裾を捲りあげ、下半身を露出させた。下着は濡れて色を変えている。下着を脱ぎ、欠けた左足をゆらゆらと振りながら千代が笑みを含めて尋ねる。

「私の醜い脚は、あなたにとっては良いものなのかしら、誠?」

答える代りに、左足の末端に舌を這わせる。獣が目を覚ます。千代が喘ぐ。右足が俺の股間を愛撫するので、ズボンを脱ぎ露出する。勃起した性器を右足がなぞりあげた。
強い快感に頭を痺れさせながら、千代の性器に手を伸ばし弄ぶ。掌で蜜を溢れさせる割れ目をぐちゃぐちゃと撫でまわし、拳でぐりぐりと押す。愛撫という名の暴力だ。
濡れて熱くなった裂け目は、どんな刺激でも大きく反応を示す。千代は恥も外聞もなく身を捩り、声を上げていた。
獣欲に身を任せ、左足に強く噛みつく。この柔らかな肉を噛みちぎり、咀嚼したい―獣が懇願する。・・・あぁ、そのうちな。
右足首を掴まえて性器にさらに強くこすりつけ、更なる刺激を求めた。もっと。もっと。
千代の性器の上部の尖った場所を摘み、擦りあげると大量の愛液を吹き出して腰が跳ねあがった。俺も耐えきれずに千代の右足に射精する。千代の体がぶるり、と震えた。
559金木犀:2010/11/04(木) 22:42:49 ID:l9Ptom1/
千代の体を綺麗にすると、抱き着かれてベッドに倒された。胸に顔を埋められる。

「本当に、本当に心配だったのよ。誠」

安心しきった声。愛情を注ぐ男に対する女の本心。「好き」も「愛している」の言葉もなく、口づけもなく、性交すらない歪んだ欲望の行為の数々。
その間に挟まる穏やかな日常。それらを通じて感じる事の出来る千代の想い。俺も、きっと「愛している」と思う。もし何か危急の事態があれば、喜んで命を差し出すだろう。

だが、と思う。本当に俺は彼女の存在を愛しているのか。欠けている足を持つ、可哀想な少女を性的に弄び、弄ばれ「愛しあっている」と思い込んでいるのではないか、と。
戦場で狂った俺に、獣を内包する俺に、まともな愛し方などできないだろう。今、優しく千代の髪を撫でているこの手で、彼女を八つ裂きにして臓物を貪る幻想に酔う俺はこの先、何を望む?

千代を見る。目が合う。すっと、目を閉じ、顎を上げた。唇が、震えている。求められている―思考が、乱れる。・・・俺は、唇を震える唇に。・・・獣は、震える手を細い首に―

ぐー

唇が触れる直前に、千代の腹が鳴った。羞恥に顔が引きつっている。俺は腹が捩れるほど笑ってしまった。

「誠!あなたが悪いのよ!心配して何も食べていないのだから!笑いすぎよ!」

ひー。枕で叩かれまくる。はいはい、タエさんに食事の準備をお願いしてきます。とベッドを立つ。部屋を出ようとすると、千代に声を掛けられた。

「今日は、甥っ子さんとどんな話をしたの?誠」
「・・・男爵が私の事を調べているらしい、との話です。千代様」
「・・・そう」

千代の表情は部屋が薄暗くて見えなかった。この件は黙っていようと考えていたが、千代に質問されると反射的に答えてしまった。
見事に調教されているな、と苦笑する。まぁ俺が気を付けていれば良いだろう、という考えが甘かったと気付かせられたのは翌日だった。
560金木犀:2010/11/04(木) 23:26:10 ID:l9Ptom1/
第8話

陽も暮れて外回りから帰ってくると、屋敷の門でタエさんと守衛が尋常ではない様子で俺を待っていた。

「誠様!千代様が、男爵様の御屋敷から戻らないのです!」

慌てふためくタエさんを落ち着かせ、話を聞く。俺が出かけてすぐに、千代が珍しく一人で門まで出てきて、守衛に馬車を呼ばせ、車椅子も一緒に乗せて出て行ったという。どちらへ、と守衛が聞くと、一言、「華園家へ―」と。

タエさんには一言もなく、心配になり男爵の屋敷には行ったが、胡散臭い風体の輩に誰も来ていない、と門前払いを食らったという。
警察にも行ったが、そこでも門前払い。そして今に至る、という訳だった。

はぁぁー。ため息をついてしまう。まったくもって面倒くさい事になった。あのお嬢様は何をしている。何にしろ、男爵の屋敷には行かなければなるまい。
守衛に人力車を頼む。念のために護身用の何か、と探すと、守衛所にシャベル―俺には円匙(エンピ)の名が馴染み深い―があったので、それを借用した。
人力車が来たので乗り込む。タエさんと守衛に見送られた。はぁー。ため息が止まらない。

人力車に揺られながらつらつらと考える。千代は俺の話を聞いて、行動した。一人で話をつける、と。・・・嘘をつけば良かった、と思っても後の祭りだ。
たぶん、男爵は千代を傷つける事は無いだろう。根拠はないが。だが、もし、千代に何かあったら―獣が吠える―冷静でいられるだろうか。
伍長に声をかけようかな、と思ったが、小事が大事を超えて大惨事になりかねないので、やめた。

男爵の屋敷に着いた。門構えと門から見える屋敷は、千代の屋敷よりも立派だが、どこか荒廃した空気。樹の手入れや掃除がされていない道のせいか。
門前には、着流しの若者。人相も悪い。あきらかにやくざ者だ。男爵と極道は似合わないが、適時、雇っているのだろう。合理的と言えば合理的だ。
無視して通ろうとすると、止められた。土工でもない人間がシャベル片手に入ってきたらそりゃ止める。

「何の用かな、あんた」
「この屋敷に女性が一人来たはずです。お迎えに上がりました」
「誰も来てねぇ。帰った、帰った!」

男の肩越しに道を見る。人の肩幅の二輪とそれより少し狭い二輪が通った後。確定−千代の車椅子は、ここを通った。そして、出ていない。男を押しのけて門を通る。
「失礼―」−しますと言おうとしたら、いきなり殴られた。踏み込みの無い一撃だから大した事は無いが、痛い。・・・先に殴ったのはお前だからな。
シャベルの剣先を男の脛に刺突。いぎ、と痛みに屈みこんだ後頭部へ柄の一撃。倒れた。獣が、首級を欲しがり首へ剣先を落とそうとするが、堪えた。
殺しちゃまずいよ、殺しちゃ。自分に言い聞かせながら陽の落ちた屋敷の道を行く。あぁ嫌だ。
561金木犀:2010/11/04(木) 23:27:52 ID:l9Ptom1/
屋敷内は以外に綺麗だった。電灯は灯されていない。豪華絢爛ではなく、質実剛健を旨とするような調度品が配置されている。
女中なり使用人なり誰かいないか、とあてもなく歩き回っていたら、電灯が灯された廊下を見つけた。突き当たりで男が3人−角刈り、五分刈り、坊主、と髪型で判別―
椅子に座っている。そこか。こっちに気付いた。駆け寄ってくる。

「てめぇ、何者だ!」
「この屋敷に女性が一人来たはずです。お迎えに上がりました。後、門の人はお休み中です」

角刈りの詰問に、門で放った言葉に少し付け加えて答える。角刈りが無言で短刀を抜いた。他の2人もつられて抜く。角刈りが頭か。話が早い。俺も肩に担いでいたシャベルを両手で持つ。

角刈りが坊主に顎で指示する。坊主がうおお、と短刀を突き出しながら飛び込んできた。へっぴり腰。一番若手なのか、慣れていないのだろう。可哀想に、様子見のおとりか。
シャベルの剣先を―首に向ければ首級が獲れるぞ、と囁く声を無視−坊主の肩口に向けた。間合いの差で短刀の刃が俺に届く前に、シャベルの剣先が肩に刺さる。
短刀が落ちたのを確認して、振り抜いてシャベルの持ち手を坊主の顎に喰らわせた。ごっ、という音と共に崩れ落ちる。止めを刺せ!と叫ぶ声をなんとか無視。
やはり、殺さない方が難しい。

息をつく間もなく、五分刈りが短刀を突き出してきた。シャベルの剣先を短刀を持つ手に刺突。手の肉が割かれ、骨が露出する。痛そうだ。
間合いがなくなったので右手で顔を掴み、大外刈りで体勢を崩し、頭を地面に叩きつける。角刈りが短刀を俺に振りおろす―右手に転がった。痛たた、左肩を切られた。
幸い、浅手だが腹が立ってきた。この野郎、殺す。

角刈りが短刀を腰だめに突っ込んでくる。
わざと、右手でシャベルを間合いの外で左から右へ大振り。角刈りは踏み止まって避け、また突っ込んできた。
大振りした力を利用して体を低く回し、角刈りの足首へシャベルを横薙ぎにする。シャベルの柄が当たり、角刈りが転倒する。俺はシャベルの刃を顔へ―
すんでの所で手首を返し、平たい部分で叩く。ぐちぅ、と音がした。手加減できなくてすまんね。

静かになった3人をまたいで、奥に進む。突き当たりの部屋のドアを開けた。賓客室だろうか。豪華な調度品が並ぶ。天井には壮麗なシャンデリア。
一人掛けのソファに男爵。ローテーブルを挟んで、車椅子に座る千代。
誠!千代が顔を輝かせて俺の名を呼ぶ。良かった、無事のようだ。ぱん、ぱん、ぱんと拍手。男爵だった。

「見事!シャベル一本でここまで来るとは。さすがは元近衛師団兵だな。塹壕の白兵戦で鍛えた腕前はいまだ健在か!」−俺の事は調査済みか。伍長の偽情報は役に立たなかったようだ。

「どういうおつもりですか、男爵様」
「どうも何も、招待もしていないのに千代と君が来ただけだ」
「・・・何故、千代様はいないと?」
「千代を返したくなかった」
「では、返して頂く」
「そうはいかん」
562金木犀:2010/11/04(木) 23:29:36 ID:l9Ptom1/
男爵は立ちあがると、フロックコートの袂から拳銃を取り出した。構える。
姿勢は半身。足は肩幅。左手は腰に当て。右手を肩に水平にし、無駄な力を抜く。
軍式の基本射撃姿勢。銃口は微塵の揺るぎも見せない。

「・・・男爵も、軍に?」
「ふむ。まぁ、私は海軍水雷艇乗りだよ。最も、船が日本海で奮闘空しく撃沈してしまってね。臆病風に吹かれて軍をやめ、今君に銃を向けている、とういわけだ」

そうか。あんたもか。銃を見る。軍でも使っていた二六年式拳銃だ。威力は弱い。二,三発覚悟で刺し違えるか。覚悟を決めて前に出ようとすると、男爵をふん、と鼻を鳴らし銃を降ろした。

「シャベルに銃では余りに不公平だ。士族出身たる私の誇りが許さん」

銃をテーブルに置く。ごとり、という音に千代が身を竦める。ソファに立て掛けていたステッキをとり、柄を引いた。仕込み刀の刃がシャンデリアの灯に照らされ青く光る。

「やはり、決闘はこうでなくては。さぁ、愛しの君には誰が相応しいか、決めようではないか!」

両手を広げて大時代な決闘宣言をし、俺に切りかかる。シャベルの底で合わせる。当たりが重い。相当な手練のようだ。
俺も遠慮なく刃を突き立てる。軽く、いなされる。ふと、聞きたくなった。

「男爵は、まだ戦争の夢を見ますか?」
「・・・ああ。撃沈された時をね。火の熱さ、水の冷たさ、油の臭いや悲鳴もばっちりだ。助けを求めて私に掴みかかる仲間を、溺れさせて生き残った私を笑うかね?」
「笑いません。あなたは、勇敢に戦ったと思います」
「ありがとう。君に言われると救われるよ」

横殴りの強烈な一撃、二撃。体を後退させてかわす。袈裟切り、唐竹割りと続く。シャベルを盾に受ける。ぎいん、ぎいんと音がうるさい。
横殴りに振る。かわされた。男爵が青眼に構える。穏やかに微笑んでいた。

本気じゃないな、と思う。喰らえば致命傷の一撃だ。だが、必殺の意思がない。あえて俺が受けやすい攻撃で仕掛けている。まるで庭球の試合の様だ。爽やかさえ感じる。
おかげで頭の中で喚く獣も黙っていて更に気分爽快だ。

意外にウマが合うかもな―なんとなく。さて、ここはどう決着をつけよう。シャンデリアを中心に間合いを計りながら回る。
千代は唇を噛みしめて俺たちを見ている。回り続ける。男爵が千代を背にした。後ろに気を使い、やや前に詰めた―俺の間合い―踏み込む。

ぱん、と爆竹の様な音が鳴った。男爵の顔が歪む。
ぱん、ぱん、ぱん、ぱん。男爵が膝を着く。
ぱん。男爵の首から血が吹き出る。前のめりに、倒れた。

千代の手の銃から、煙が棚引いていた。震える手で、かち、かちと引き金を引き続けていた。
563金木犀:2010/11/04(木) 23:34:00 ID:l9Ptom1/
第9話

警察署から解放される頃には夜が更けていた。屋敷へ戻る馬車内では、千代が俺に震えてしがみついていた。歯がかちかちと鳴っている。
警察署では拘置を覚悟していたが、以外に早く取り調べが終わり、屋敷へ戻って沙汰を待て、という事になった。華族がらみの事件は政府が介入するからだろうか。俺と引き離された千代が激しく取り乱した事も関係するかもしれない。
屋敷に着いてからも俺から離れたくないと車椅子に乗らないので、車椅子を守衛に預け、抱えて部屋に戻る。タエさんが風呂を用意してくれていた。一緒に入る。警察署で縫ってもらった左肩が気になるが、仕方がない。
湯船に一緒に浸かる内に少し落ち着いたのだろうか。震えているだけだった千代が声もなく泣き始めた。そっと、抱きしめた。
部屋に戻っても泣き続ける。添い寝をしているうちに、千代は泣きながら眠りに就いた。泥の様な疲労を感じる。部屋に戻るのも面倒だ。俺も千代の隣で目を閉じた。

重苦しさを感じ、目を覚ます。目の前に千代の顔。体の上に乗っていた。俺の顔の上にぽろり、ぽろり、と涙が落ちてきた。

「達也(たつや)を・・・殺してしまった・・・誠が殺されてしまうって・・・思って!!!」

良かったな、男爵。名を呼んでもらえたぞ。実は殺し合いという訳でもなかったんだ、というのは俺たちだけの秘密にしてもいいかな?そっと、千代を胸に抱きしめる。

「千代様に命を救って頂きました。本当に、ありがとうございます」

突然、千代が唇を被せてきた。技巧など無い、貪られるだけの口づけ。歯ががちがちと当たる。はぁっ、と唇を離した。怒りや恐れや哀しみ、色々な感情に彩られた目は大きく見開いている。そして、ゆっくりと服を脱いだ。
千代が下にさがりながら、俺の服を剥ぎ取った。性器を口に含まれた。熱い口腔でもみくちゃにされる。千代が口を離した。俺の性器は勃起しなかった。

「どうして!私に感じてくれないの!私の大嫌いな足には腰を振るくせに!」

千代が俺に掴みかかる。爪が俺の顔を引っ掻いた。もう少しで目をやられそうだった。獣がもそりと腹の中で動く。千代が全身を使って暴れる。押さえつけようとすると左肩の傷を引っ掻かれた。激痛。怒りに頭が真っ赤になり、獣が吠える。
千代が腕に噛みつく。その腕ごと千代をマットに押さえつける。歯が、肉を突き抜けるぶつり、という音。骨に当たっている。激痛のあまり、空いた手で首を押さえつけた。
押さえるだけのつもりだった手が、千代の首を絞める。腕に噛みついたまま更に歯を立ててきた。俺の手に、更に力が入る。千代が苦しみに耐えかねて腕を離した。俺は・・・絞め続ける。
千代が苦しんでいる。恐怖を目に浮かべて。俺は激しく興奮していた。獣が喜悦する。千代が―笑った。茫然。腕から力が抜ける。千代の喉が空気を求めてごほごほと鳴った。俺は、千代を、殺そうと、して、いたのか―!
564金木犀:2010/11/04(木) 23:35:16 ID:l9Ptom1/
「は、ははは!どうしてやめるの?貴方のもの、大きくなっているわ!」

千代が俺の勃起した性器を見て哄笑する。

「ああ、ああ、やっぱり!いつも、いつも、私の左足で死を感じて興奮していたのでしょう?誠は、死を通じて私を見てくれるのね!それなら・・・」
ベッドの横のテーブルから銀のかんざしを手に取る。
「私を殺して犯しなさいよ!犯して殺してよ!!」

かんざしを逆手に持って俺に突き立てる。庇った前腕に刺さる。何度も刺された。千代は狂ったように泣いて、笑っている。そうか、そんなに俺を求めているのか。獣が嗤った。応えようぞ、と。
かんざしの刺さったままの手で、千代の首を押さえてマットに押し倒す。こんな細い首、折ることなど簡単だが、まだだ。
かんざしを抜き―千代の左肩に突き立てた。悲鳴が上がる。なんて心地よい音なのか。もっと聞きたい。かんざしをぐりぐりと動かした。はは、もっと鳴け。
千代が苦しみ、俺の腕と体を無茶苦茶に引っ掻いた。血が流れて千代の身体を汚す。白い肌は、俺と千代の血で紅く彩られていた。なんて美しいのだろう。もっと、汚したい。

首から手を離し、千代の右足首と左足の末端を掴む。無理やり股を開かせた。その中に割って入る。千代が逃げようとするが、腰を押さえつけて固定する。
勃起してはち切れんばかりの性器を、千代の性器に力いっぱいねじ込んだ。狭く閉じた通路を、こじ開ける感触。

「嫌ああー!痛い・・・やめて・・・やめて・・・!」

千代が痛みに悲鳴を上げる。涙を流し、俺の胸をかきむしる。痛いな。かきむしる両手を片手で一まとめに掴み、千代の身体の横に固定する。
捩じられた上体から、乳房が除き目の前に来た。ついでとばかりに乳房に思い切り噛みつく。血の味がした。また悲鳴。

お前が望んだのだよ、千代、と口元が嗤いの形に歪む。股間を見れば、俺の性器に血がまとわりついていた。滑りが良くなった事に気を良くして、腰を全力で振る。
千代は力尽きたのか、声も出さずにされるがままだった。俺の腰の動きに合わせて、千代の頭ががくがくと動く。肩に刺さったままのかんざしの飾りがしゃりん、しゃりんと鳴った。
俺は吼えながら千代の中で射精した。

「ははははは!望みは叶えましたよ、千代様!次は―私の番です」

優しく、優しく、両手で千代の首に手を掛ける。
千代が目を閉じた。首にかかる俺の手を、傷ついた手で優しく包み込む。微笑んだ。
−何故暴れない―?

「千代様―」
「どんな形でも、貴方が私を愛してくれた。満足よ。愛しているわ、誠。幸せよ―」

千代の首から、手がずり落ちる。涙が頬を伝う。千代の顔にぽとり、ぽとりと落ちた。
565金木犀:2010/11/04(木) 23:37:35 ID:l9Ptom1/
第10話

「・・・もう。男は女の前で涙を見せてはいけない、と習わなかったのかしら、誠?」

千代が俺の頭を抱え込み、血まみれの胸に抱く。しがみつき、声を出して泣いてしまう。千代を傷つけた自分を呪って。少し、落ち着いた。頭を上げ、申し訳ありません―と言う前に唇を人差し指で押さえられた

「殺す気がないなら、肩のかんざしを抜いてくれないかしら、誠」

左肩に刺さったままのかんざしを恨めしそうな目で見ながら言う。俺は慌てて引き抜いた。痛っー!と千代に拳で殴られた。千代に股で固定されたままなので、まともに喰らう。脳が揺れた。ぐぅ。

「嫁入り前の娘の身体を散々傷つけたばかりか、無理矢理処女まで奪った―。責任の取り方は分かっているわね、誠?」

お前から先に仕掛けてきたんだろう、という言葉を飲み込み、はい、とだけ言う。

「よろしい。では―」腰を動かし、ふむ。と頷く。「誠のものも大きいままだし・・、今までの事は無かった、という事で初めから愛して頂戴。今度は恋人らしく、優しくね―」

何という切り替えの速さか。思わず笑ってしまう。確かに千代の中に入ったままの性器は勃起したままだった。血まみれのまま、さぁ、さぁと千代がせっつく。俺はゆっくりと性器を引き抜き、始めて自分から千代の唇に唇を重ねた。

「んん、うふ、はぁっ・・・」
口づけに千代が吐息を漏らす。舌を絡める。しょっぱさと鉄の味。二人の血と涙の味。
乳房を優しく触る。ああ、と千代が悶える。乳首を吸う。俺が乳房に噛みついた跡が痛々しく血を滲ませていた。血を舐めるように舌を這わせる。千代の体が跳ねる。

「ああ!痛い!気持ち良い!!もっともっとして頂戴!」

千代の傷を、血を舐める。肩の傷に唇が触れた時は一際大きく嬌声が上がった。千代の手が俺の性器をまさぐる。導かれるままに四つん這いで千代の顔をまたぎ、俺の精液と千代の血にまみれた性器を大きく空けた口に差し込む。

「んぐ、ん、んふう」

呻きながら、俺の性器を啜る。ぴちゃ、ぴちゃと音が響く。気持ちよさに思わず腰を振る。苦しさに眉をひそめながら、千代が腰の動きに合わせて舌と口を使う。より激しく音が響く。耐えきれず、口内に射精した。

「ああ、こんなに一杯・・・!」

くちゃくちゃと音を立て、舌を出し俺に見せつける。んぅ、と飲み込んだ。私にも、と股を開き誘う。血と精液にまみれた千代の性器に舌を這わせた。
血の鉄くさい臭いと精液の生臭い臭いで頭が陶然とする。技巧も何もなく貪ると千代が腰を震えさせながら押しつけてくる。舌を這わせ、指を膣内の入り口でかき回す。ぶしゅり、と愛液を吹き出し千代の腹が痙攣した。
566金木犀:2010/11/04(木) 23:38:38 ID:l9Ptom1/
「私を、愛して、誠―」

千代が誘う。ゆっくりと腰を進める。入った。ああ、と千代が呻く。奥まで入った。熱い。

「痛くありませんか?千代様」
「少し・・・。でも気持ち良いわ、誠。後ね―」口づけながら囁く。「千代って呼んで」
「千代・・・」口づけながら腰を動かす。
「誠ぉ!」口づけに応えながら、腰を合わせる。「ああ、誠、もっと、もっとよ。たくさん―愛して!」

無我夢中で腰を振る。千代は髪を振り乱して、俺に腰をぶつけるように悶える。千代を強く抱きしめ口づけしながら千代の奥に精を放つ。千代の体が仰け反り、落ちた。

「うぅ・・うぅ・・・」

千代が泣きじゃくる。どんな涙なんだろう。俺も千代を抱きしめながら一緒に泣いた。何故、今泣いてしまうのだろう。わからなかった。

互いの傷を消毒し、包帯を巻き合いながら千代は言葉少なに男爵の事を語った。千代が幼いころから、偏見なく接してくれた唯一の男。
没落しても、家柄を守ろうとわざと乱暴で高慢な物言いをする、風変りで、優しい兄代わりだった人。だからこそ、千代は彼を男として見る事ができなかった、と。
戦争から帰ってきたら、生き急ぐかのように千代を求めてきた。それ以来疎遠になったという。

「いつもお金を貸しても、すぐに倍になって私の口座に振り込まれるの。あの人はお金なんかに困っていなかったのよ。ただ、私にちょっかいを出したかっただけなのね」

慣れぬ手つきで俺に包帯を巻きながら、穏やかに千代は笑った。寂しかったのかな、と。

「女性にもてる人だったのに、言い寄る人はみんな退けて。私なんかに心を砕いて。あの人の屋敷で言ったの。あなたは私の兄のような人。恋人は誠、と。
あの人、笑い飛ばして―少し泣いていたわ」

千代も笑って、泣いていた。俺は千代を抱き締めた。窓から一陣の風が吹き込む。金木犀がひときわ強く香り、俺たちを包む。そろそろ、花が落ちるのかもしれない。
567金木犀:2010/11/04(木) 23:40:20 ID:l9Ptom1/
第11話

あの夜から、一年近くが過ぎていた。俺は芝生の上で千代に膝枕をしていた。日差しが心地良い。
結局、あの件は華族の身分の返上という千代の申し出によって、手打ちとなった。「寄付」という名で関係者にばらまいた札束の威力も大きかっただろう。
そうして平民の身分となった千代は、俺の妻になった。

俺の実家で初めて家族と顔合わせした千代は、余りの緊張におかしくなったのだろう。
茶の間に通され、ちゃぶ台の前で四つ指ついて挨拶しようと頭を下げたら、角におでこをしたたかぶつけた。
悶絶する千代を前に、俺の両親―初めて見た元華族を前に肝を潰していた―も、心を許した。今となってはいい思い出だ。千代は思い出したくない、と頭を抱えるが。

そして今、千代の様子がおかしい。何かを言おうとして口ごもる。朝からそんな調子だったので、庭に連れだした。そろそろいいだろう。千代を向かい合わせに俺の胡坐の上に座らせた。
千代は顔を下に向けて目を合わせない。両手で頬を挟み、こちらに顔を向けさせた。

「千代、何か言いたい事があるのだろう?言葉を選ばなくてもいいから、言ってごらん?」
「私は・・・」千代の目から涙が溢れて俺の手を濡らす。
「貴方の、子を、産みたいです・・・私が、こんなだから、五体満足な子じゃないかも、しれないけれど・・・」嗚咽が漏れる。
「どんな子でも、一所懸命、育てますから・・・産ませて・・・ください・・・!」

一年を掛けて考えた末の、決意の言葉。薄々気づいていた。初めての夜以来、千代は、顔に、口に、体に感じたいと言って膣内で射精をさせなかった。子を成すのを恐れていた。
俺からは何も言わなかった。子を作り産ませるのは簡単だが、育てるのは、並大抵の覚悟では足りない。元気な子でも、そうでなくても。
その覚悟がなければ、二人で生きていけば良い。そう考えていたから。
千代は覚悟を決めた。次は、俺の番だ。

「千代との子なら、例えどんな子でも、欲しい。二人で、大切に育てよう」

強く抱きしめた。千代の涙が頬を濡らす。風が吹いた。金木犀の香り。今年もまた咲き始めたのだろう。
かつて千代は俺に「二人だけの物語を紡ごう」と言った。その物語に新しい登場人物が現れて、今度は三人の物語になる。
来年の今頃は、三人で金木犀の香りを楽しみたいな。千代の髪に顔を埋めながら思った。

新たな物語の頁をめくるように、また金木犀の風が吹いた。
568名無しさん@ピンキー:2010/11/04(木) 23:42:18 ID:l9Ptom1/
金木犀 終了
569名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 01:06:26 ID:9WebdvoA
……ものすごいものを読んだ。
興奮と寂寥感と幸福感で感想が言葉にならない。
570名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 01:49:51 ID:KqZ2e0MX
素晴らしすぎる…
独特の切なさと雰囲気がすごい好きでした
571名無しさん@ピンキー:2010/11/05(金) 20:45:40 ID:CWJGoXdv
いいものを読ませてもらった。
572名無しさん@ピンキー:2010/11/06(土) 05:25:20 ID:RBKUTiSN
こんなところでとんだ快作に出会うとはw
573名無しさん@ピンキー:2010/11/07(日) 18:02:18 ID:hZU2EFSe
凄いものを読ませてもらった……
なんかこう、心理的にぎりぎりのところで生きていた二人が幸せになれる話ってのは、いいね。
胸がいっぱいになった。
574名無しさん@ピンキー:2010/11/11(木) 19:44:58 ID:npBf8xyX
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|_|´・ω・`) 誰もいない・・・
|桃|oSSo
| ̄|―u'
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|_| ・ω・`) ・・・
|桃|oSSo.
| ̄|―u'
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|桃|o   ヾ
| ̄|―u'   SS「金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)」<コトッ
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|_|  ピャッ!
|桃| ミ
| ̄|    SS「金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)」
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575金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 19:46:16 ID:npBf8xyX
第1話

マリヤは目を開けた。

目の前に広がるのは、血。絶叫。自分の口から出ている。
11体の屍。男がいる。女がいる。少女がいる。

絶叫。
576金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 19:47:30 ID:npBf8xyX
私は畑を耕していた。生きる為に耕すのか。耕す為に生きるのか。
耕しても、今年は実るだろうか。実っても、生きていけるだろうか。
実らなければ、どうする?
耕す。痩せた地に鍬を突き立てる。心が死んでいる。そう思う。
妻を得てから生活に疲れ、死を望むようになった。生きる理由など、何もない。
耕す。教会で何度祈りを捧げても、魂は救われなかった。神などいない。そう思う。
耕す。もう何も考えたくない。耕す。今晩、死のう。耕す。

ふと、顔を上げた。畑の柵の向こう側、夕陽を背負い、幼い少女が見つめていた。白い。
髪は白に近い金色、肌も、服も白い。目だけが、紅い血の色。目が、離せない。
膝が震える。
近づいてくる。夕陽の中から。動けない。体が震える。得体の知れない恐怖―膝をつく。

「大丈夫?」少女が首を傾げながら尋ねる。「泣いているわ!どこか、痛いの?」
「どこも、痛くありません・・・」私は、泣いていた。
「わかったわ!心が痛いのよ!そんな時は、これよ!」

ポケットから、紙に包まれた菓子を取り出した。
私の口に持ってくる。口に入った。甘い。

「つらい時は、自分に正直になりなさい、ってお父様が教えてくれたの!私は、つらい時は甘いものを食べたくなるから、甘いものをいつも持つの!」
うふふ、と笑う。
「おじさんも、自分に正直になるといいと思うの!」

頭を、撫でられた。体に雷が走る。
体中の力が抜け、小便を漏らし、脱糞し、射精した。
汗、涙、唾液、ありとあらゆる体液が私の体から流れる。

少女は怪訝な顔で私を見つめる。深紅の目に、飲み込まれる。
私は必死に彼女の名を聞いた。

「私は、ラスプーチンと申します・・・貴方の名は・・・!」
「マリヤよ!」

マリヤ。これは、天啓だ。私の、生神女。口に残る菓子は聖餐。私は、選ばれた。

「ラスプーチンおじさん、さようなら!またどこかで!」

夕陽の元へ去っていく。甘い菓子の香りを残して。
言葉もなく見送る。歓喜に身が震える。
私の進むべき道が、示された。
577金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 19:50:24 ID:npBf8xyX
私の上で腰を振る男が、うめき声を上げる。腹の中に、精を放たれる。
また別の男が乗ってきた。腰を振る。私の口を貪る。臭い。もう何人目だろう。
破瓜の痛みは、麻痺して最早痺れに変わっている。
燃えている私の家が、肌をちりちりと焼く。
あの中ではお父様とお母様が燃えているのだろうか。

税金を滞納する農民達を処刑せよ。皇帝の命に従わなかった地方軍司令の父。
皇帝の遠縁にあたる私が、話をすればきっとわかってくれる、と言って。
代償は、私達の処刑。農民達も同じ運命なのだろう。
また、男が変わった。もがくだけ無駄だった。
四肢を、皇帝の兵達が押さえているのだから。

せめて、右手に握りしめている恋人の写真だけは守ろう。
戦争から帰ってきたら、結婚しよう。そう言ってくれた。
出征前に、誓いの証として撮った写真。軍服で、緊張した表情の彼と浮かれた表情の私。
見る者をも微笑ませるような、在りし日の一葉。もう決して戻らない日々。
皇帝が始めた戦争で、あの人は死んだ。涙の日々の最中に訪れた、今日。
股間に熱い感触。男が変わる。悔しい。憎い。憎い。
枯れ果てたはずの涙が、流れた。もう、壊れたい―。

―変わるよ。殺してやる。奴らを― 低い、女の声。
―我々に、おまかせなさい― 静かな、女の声。
―お休みなさい― 甲高い、女の声。

マリヤは、壊れた。

リーザは、目を開けた。
口を貪る男の鼻を噛みちぎる。悲鳴を上げて男が離れた。
手を押さえていた男達が動揺して手を離す。
鼻を噛みちぎった男の腰からサーベルを抜き、腹を刺す。浅く刺し、横に引いた。
服が割け、臓物が垂れ下がる。足を押さえていた男達も手を離した。立ち上がる。

「お前らの腐ったニンジンじゃあヨガれねぇんだよ!!」

叫びながら、切りかかる。阿呆、ズボン降ろしたまま逃げようとしやがる。
ケツを4つにしてやる。倒れた。後で虐めてやるから待ってろ。
2人切りかかってきた。後ろに引いて避ける。大振りでがら空きになった顔を薙いだ。
ヒャハ、目を切られた2人でサーベルで刺しあった。刺しつ刺されつ、てか?
パン。ピストルの音。残念。アタシの投げたサーベルの方が早かった。
ピストルを奪って止めを刺す。

ケツを4つに割ったヤツを散々いたぶって肉片にした後、死体から奪った武器を装備した。
さぁ、狩りの時間だ。親父お袋と家燃やした代償はでけぇぞ?
男達にボロボロにされたスカートのポケットから菓子を取り出して口に放り込む。
ニタニタと笑いながら、歩きだした。
578金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 19:52:26 ID:npBf8xyX
第2話

闇。ろうそくの火が灯る。明りに映し出されたのは、栗毛で短髪の少女。低い声で呼ぶ。

「アンナ、いるかー?」
「・・・ここよ」

静かな声。ろうそくの火がまた灯る。黒髪で長髪の少女。

「余り大きな声をださないで、リーザ。頭が痛くなる。ソーニャ、出てらっしゃい」
「はーい」

甲高い声。3つ目のろうそくの灯に照らされたのは、金髪で巻き毛の少女。
その足元には、マリヤが胎児のように体を丸めて眠っていた。
右手には、固く握りしめられた写真。

「まだ、起きないねー」ソーニャが心配そうに言う。
「まだ、休息が必要なのよ」アンナがマリヤの髪を優しく撫でる。
「叩き起こそうぜ」リーザが言うと、アンナが睨んだ。

まだ、起こすのは時期尚早。アンナは呟く。私達は、私達の計画を進めなければ。

「ソーニャ、御免なさい。いつも貴方ばかりにお願いして」
「いいよー。ソーニャは気持ちいい事が大好きだからー」

ソーニャが屈託なく笑う。リーザは不貞腐れている。
最近、活躍の場がないからだろう。アンナは2人を抱き締めた。

「私達は、3人で一人。マリヤは私達。私達はマリヤ。どうか、忘れないで」

そして、3人はマリヤを中心にして円になり、声を合わせる。ろうそくの灯が揺れる。

「愛する者よ、自ら復讐するな、ただ神の怒りに任せまつれ。録(しる)して『主いい給う。<復讐するは我にあり>、我これを報いん』」

3つのろうそくが同時に吹き消された。闇。
579金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 19:57:47 ID:npBf8xyX
私は、教会の懺悔室に入った。目の前の小さな扉が、ぱたん、と引かれる。
祭服を着た神父。目の細かい網のせいで、顔はよく見えなかった。

「迷える子羊よ、懺悔を」
「私は、皇帝を憎む、罪深き娼婦です。司祭様。皇帝に家族と恋人を殺され全てを失い、
体を売って生きるのが、死ぬほどつらく、自殺さえも考えてしまいます」
「・・・」神父は黙り込む。
「神父様は、この悲しい時代を変える為に皇帝へ請願される、
と娼婦仲間から聞きました。どうか、私をお仲間においれください!」

神父はためらっている。ちっ、と舌打ちしそうになるのを堪えて、網にすがりつく。

「戦争の終結、労働者の保護、人権の確立の請願―難しい事は私にはわかりませんが、
この時代が少しでも良くなるのであれば、私は、命を投げ出す覚悟でございます!」
「これは、危険な事なのです・・・」

後ひと押し。懺悔室を飛び出して、神父の座る部屋へ飛び込む。
神父が驚く隙をぬって、膝にすがりつき涙を流す。神父が私の涙を指で拭う。獲った―
580金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 19:58:45 ID:npBf8xyX
ぱちり、と目を開くと、目の前に神父様。二人きりの部屋で、涙を指で拭われている。
ははーん。瞬時に理解。アンナが、この状況を作り出したわけか。
私に、この男を犯せ、と。理由は分からないけど、アンナのやる事に間違いはない。
何より、神父様を喰えるなんてとっても貴重。あそこがじゅん、てなる。

神父様の指をぱくり、と咥えた。驚いている。かわいい。音を一杯立てて、しゃぶる。
目がとろーんとしちゃって。いやらしい顔。燃えちゃう。
私の胸に視線は釘付け。
だって、お仕事の為にいつも胸元の空いたドレスを着ているんだから。
リーザは嫌がるけど、しょうがないよねー。
あ、股間が膨らんできた。ごそごそっと、ズボンを脱がした。
少し抵抗したけど、うるうるした目で見上げたら抵抗しなくなった。いい子。
いただきまーす。ぱくり。うふふ、童貞さんだったらいいなー。
ちょっと臭いけど、いいよ。私が隅から隅まで綺麗にしてあげるからねー。
亀頭の先端を舌でちょろちょろ。両手で竿と玉を撫で撫で。
びゅ、びゅー。わ、すぐに出た。
もったいないなぁ。口から溢れた精液を神父様に見せつけながら飲み込む。
濃くておいしい。じゃ、入れますかー。その前に、魔法の言葉を神父様にプレゼント。

「神父様ぁ。罪深き私の汚れを、神父様の清き体で・・・清めてくださいませぇ」

ほーら、鼻息荒くなった。馬鹿だねー男って。
まぁ、そんな事言ってアソコがぐちゃぐちゃになっている私もおバカちゃん。てへ。
四つん這いになって、スカートをめくって尻を差し出す。
もちろん、下着なんか履いていないんだから。
アソコを自分でぱくり、と開ける。この背徳感がたまらない。
がつん!いやん、一気に突っ込んできた。激しい・・・ああん、気持いい!

「あ!あ!神父様ぁ!素敵ぃー!ソーニャは気持ちいいですー!」

サービス、サービス。声出すと自分も盛り上がるし。あ、自分の名前叫んじゃった。
いつもアンナに「私」か「マリヤ」って名乗れ、と言われるけど、気持ちいい時は無理ー。
どくん、どくん。・・・って早っ!
後ろを見ると神父様は股間丸出しで腰抜かしている。冷めるー。
ま、こんなもんか。アンナ、交代しよー。

瞼が、開いた。目の前に股間丸出しの神父。ソーニャは終わったのか。
私は股間から生温かい何か―精液だろう―を垂れ流して立っていた。
気持ち悪い。不愉快だ。顔をしかめながら神父の目を覗きこむ。怯えて体が震えている。
私が少し力を込めて見つめると、男も女も怯える。マリヤの紅い目のせいか。
人の目を見て怯える連中に腹がたつが、何かと言う事を聞いてくれるので仕方がない。
仲間に入った、という前提で命令する。

「神父様、これから毎週伺います。決行の目途がついたら、教えてください。私も協力致します」
「は、はい・・・」

がたがた震えて。情けない。私は部屋を後にした。
スカートからハンカチに包まれた菓子を取り出し、口に含む。甘さに少し落ち着いた。
外に出て空を仰ぐ。鈍色の曇天。冬が、近い。
581金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 20:01:30 ID:npBf8xyX
寒い。雪が降っている。私は踏み固められた雪道を歩く。人、人、人。
老若男女入り乱れている。日曜日の陽気な雰囲気など欠片もない。皆、沈鬱な表情だ。
神父の主導する請願行進の人の列は通りを埋め尽くし、どこまでも続いていた。

私の流した噂は瞬く間に広がり、労働者だけではなく、女性や子供達も行進へ参加していた。
皆、口々に要求を叫びながら宮殿へ歩く。
宮殿前の広場に着いた。無数の皇帝の兵達が、列を成して私達と対峙する。
人々が恐れをなして、歩みが止まった。そろそろ良いだろう。
交代よ、リーザ。存分にお暴れ。

目を開けた。・・・良かった。今日は男が上に乗ってない。
最近アタシが目を覚ますと、大抵男が上に乗っかっていた。
ソーニャが客を引いて、殴られたりひどい目にあった時はいつもアタシが引っ張り出される。
今日は・・・なんだこれ。回りは人が一杯。前には糞ったれの皇帝の兵。
うひひ、面白そうだ。火薬庫だここは。火をつければ、盛大に燃えるぜ?
両ポケットからハンカチを2枚取り出し、繋げる。
足もとの石を拾い、繋げたハンカチに乗せる。親父に習った、一番簡易な投石器。

酔狂な親父は、護身だと言って軍隊の技術をマリヤに教えた。
お嬢様なマリヤは嫌がって覚えなかったが、アタシには骨の髄まで染み込んでいる。
親父、アタシはあの時間が大好きだったよ。

さぁ、祭りの時間だ。前のおっさんを力いっぱい押す。
おっさんは前の人を押し―連鎖して、自然と群衆の足がつられて前に出る。
「皇帝に嘆願を!」「私達に食料を!」「戦争反対!」皆、口々に好き勝手言ってやがる。
バーカ、皇帝様は愚民どもの話になんか耳をかさねーよ。ほら、兵達が射撃準備を始めた。
あと少し・・・投石器の石が届く距離。火をつける場所。

騎兵隊長が、撃とうとする兵達を怒鳴りつけて止めている。
正義漢ぶりやがって。あいつ、邪魔だな。
ここだ。投石器を振りかぶって、石を飛ばした。
騎兵隊長の馬に当たる。馬が驚いて騎兵隊長を落馬させた。
兵達が恐慌状態になって、撃つ。ぱぱぱぱぱぱぱぱぁんん!
一番前の連中が血しぶきを上げて倒れた。銃声は止まらない。さて、逃げよ。

逃げまどう人々を避け、裏通りに出た。のんびり歩く。
銃声は続いている。今日は何人死ぬかな?
自分達を守ってくれるはずの皇帝様が、銃を向けた。
愚民どもの怒りに火を注いだ。その火は、あんたを焼くまで消えないだろう。
皇帝様、あんたの権威は糞溜まりに落ちた。うひひ。外堀が、埋まっていくぞ?
銀色の空から雪が降ってきた。今日は積もりそうだ。
582金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 20:05:59 ID:npBf8xyX
第3話

「ああっ!あはぁん!いいっ!もっとぉ!奥にぃ!」

私の上でよがり狂う白い少女。その半身は、暖炉の火に照らされて夕陽の様に光る。
赤と白に輝く体の下で、恐怖に身体の自由を奪われている私。

「ラスプーチンおじさんのこれ!大きすぎる!壊れちゃうううん!」

私の生神女・・・マリヤ様。痛みさえ伴う凄まじい快感に、射精する。
マリヤ様は体をのけぞらせ、余韻を楽しむ。すぅ、と私の目の前に顔を持ってくる。
紅い目。この目だ。私を、縛り、操り、翻弄する、紅い目。
マリヤ様の白く、長い髪が遅れて降りかかる。髪に遮られて、世界と遮断される。
私と、マリヤ様だけの白い世界。

あの天啓を受けた後、全てを捨て求道の旅に出た。そして得た真理。
神は、人だと。人は祈り、儀式を行う事により、人の中に、自分の中に神を見出すのだ。
全ての人が神なのだ。後は簡単だった。
苦しむ人がいれば、言葉を掛け、祈り、儀式を執り行えば、本人が神となり、己の苦しみを受け入れ心穏やかになる。
場合によっては、病さえ治る。これこそ神の思し召しだろう。苦しむ人々を手助けする日々。
そんな私の前に、マリヤ様はふらり、と現れた。

マリヤ様の啓示に従い、首都に出て、更に多くの人々を手助けした。
いつしか私は崇められ始める。奇跡の人、と。
老若男女、身分の差を超え、信者を名乗る者達が周囲を埋め尽くした。
そして明日、私は皇帝の宮殿へ招聘される。病に苦しむ皇太子を助ける為に。

陶酔した目をして私を見つめていたマリヤ様が、すぅ、と瞼を閉じた。開いた。
先程と打って変わった、冷徹な目。見る者全てを畏れさせる、深紅の神の目。
啓示が始まる―私の体が硬直する。
快感の余り、涙と鼻水と涎に汚れた私の頬を、マリヤ様の両手で固定される。

「ラスプーチン、お前は、明日、宮廷で、皇太子の為に祈るのです」

マリヤ様の息が、鼻と口を通じて体内に入る。甘い。更に勃起する。声が私の魂を犯す。

「そして、皇帝と皇后の魂を、癒し、導き、滅ぼしなさい。私の命に従って」

はい、と言おうとしても、言葉が出ない。
口をだらしなく開ける私を見てマリヤ様は嗤い、また瞼をゆっくりと閉じる。
583金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 20:06:46 ID:npBf8xyX
ぱちり、と開けた。無垢な、童女のような目。

「うふふー。ラスプーチンおじさん。もっと、もっと頂戴ー」

腰を上げ私の性器をずるり、と抜く。性器に舌を這わせる。
指を肛門の中に入れられ、刺激される。
激痛と快楽。噴水のように精液が飛び散り、マリヤ様の髪を、顔を汚す。
口を大きく開け、性器を飲み込まれる。

「ふぐ、うぐぅ、げはっ、うぅ・・」

マリヤ様の喉が、性器に絡みつく。
えづきながら、小さな口から泡立った涎を垂れ流す。
また、喉の奥に射精した。口からごぽり、と精液が吹き出した。
艶然と笑いながら、また、腰の上に乗る。中は熱く、奥へ奥へと誘い込む。
精液に汚れた自らの胸を揉みしだき、性器の核をこねくりまわす。激しく腰を振る。
ぐちゃん、ぐちゃん、と愛液と精液にまみれた腰がぶつかる度に淫猥な音を立てる

「ああ!気持ちいい!もっとソーニャを気持ちよくしてぇぇん!」

マリヤ様が別の名を叫ぶ。これも神格の表れだろか。なんでもいい。
私は、マリヤ様に従うだけだ。呪縛の解けた腰を激しく動かす。
マリヤ様の頭ががくがくと前後に揺れる。

「ああん、うう・・・もう、もう、駄目ぇん!ああああ!」

絶叫に誘われ、激しく精を放つ。
腰が跳ねあがる。目の前が真っ赤になる。激しい頭痛。性器が痛い。
マリヤ様が腰を上げた。私の性器からは、精液と共に血が吐き出されていた。

「うふふ。まだよ。まだまだ・・・」

マリヤ様がまた、性器に口づける。まだ、夜は終わらないのか。
584金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 20:10:01 ID:npBf8xyX
どぼん。男達が、氷が張った川に何かを投げ込んだ。逃げるように立ち去る。
数分待って、アタシは木陰から出て川を覗きこんだ。くそっ、面倒くせぇ。
近くにあった太い枝を使って、引き上げる。
髭面の男。ラスプーチン。白髪が増えて、ちょっと老けたな、おい。
激しく殴打されたのだろう。顔は腫れあがり、体中の至る所に銃弾が穴を開けているが、生きていた。
アタシを見る。見んな、この。蹴っ飛ばした。やれやれ。
この糞寒い中、出張ってやったんだ。不愉快にさせんじゃねぇ。メモを取り出す。

「えーと、アンナから伝言です。―貴方のお陰で、皇帝の権威は最早風前の灯となりました。
幾年もの間、私の命令を守り、皇帝に対する世間の悪評を一手に引き受けた貴方のお気持ちは
如何ばかりのものであったでしょうか。心より、感謝致します―だってよ」

ラスプーチンは口をぱくぱくさせている。お前は魚か。
顔面を蹴ろうとしたが、こいつが頑張って何年も皇帝一家に重用されたから、
国がぼろぼろになったんだよなー、と思い、顔面は勘弁してやった。

「あ、でもよー、あんた、アンナの命令を無視して大戦を避けようとしたり、
増税に反対したりしたみたいだな。アンナは後始末に大変だったぞ?」

もう一度蹴っ飛ばす。水しぶきが手にかかる。冷てぇ。
腹が立ったので、もう一蹴り。川に半分落ちた。

「今回のてめぇの暗殺計画だって、アンナが苦労して準備したんだ。でも、生きてるからな―。
つー訳で、アタシ決めた。お前、死刑!」びしっ、と両手で指差す。

「貴方は、誰だ・・・」ラスプーチンが途切れ途切れの声で問う。
「リーザ。初めまして。さようなら」嗤う。

引き上げた時に使った枝を使って、今度は頭だけ水につける。
ごぽごぽ。5分・・・10分、泡が止まった。
念のため、後5分。よっしゃ、こんなもんかな。
足蹴にして、川に落とした。沈んだ事を確認して、家路に着く。
ポケットからぼろぼろになった写真を取り出した。
マリヤと、恋人の写真。寒さに冷え切った体が温まる。あと少しだマリヤ。あと少し・・・
風が吹いた。うひゃ寒いー。帰ったらウォッカでも飲もうっと。
585金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 20:11:40 ID:npBf8xyX
第4話

屋敷から出てきた兵達とすれ違う。夏の暑い最中なのに、皆一様に青白い顔をしていた。
事前に金で買収していた兵の案内で、「私達」は屋敷の地下室に案内される。
一人で、地下への階段を進む。微かな硝煙と、血の臭い。
一番下で、鉄製のドアを開けた。重厚な、死の臭い。
明滅する電灯に照らされた、血まみれの死体達。
皇帝と、その一族。

体制の崩壊と権力闘争の行きつく先は、先の権力者の流血。古今東西、変わらぬ歴史。
「私達」はそれに少しだけ、手を加えただけ。自分の都合の良いように。
すでに、新しい権力者たちの血を血で洗う抗争は始まっている。
皇帝の時代よりも既に多くの血が流れているが、もう、関係無い。

「私達」は、私を、取り戻す。

扉に背を預け、目を閉じる。濃密な血と硝煙の臭いに酔うように、意識が沈んだ。
586金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/11(木) 20:13:11 ID:npBf8xyX
闇の中の三つの炎。マリヤを囲み、照らしている。
私達は、互いを抱き締めあいながら、マリヤを見つめていた。
誰も、何も、言えない。言わない。
口を開けば、それが私達の終わりの始まりだから。
どの位の時間がたったのだろう。

ソーニャが、私達の手を取って、マリヤの元へ導いた。
一番弱くて、一番優しい子。マリヤの情愛が具現した娘。

リーザが、口を開いた。始めよう、と。
一番強くて、一番寂しがりやな子。マリヤの勇気が具現した娘。

私は、何も言えない。アンナの名を持つ私。
一番のつもりで、本当は何もできない。知恵が具現した娘。

三人でマリヤを囲み、手をつないだ。ソーニャの目から、涙がこぼれ落ちた。

「こんな事言っちゃいけないけど・・・生まれ変わったら、今度は3姉妹が良いなぁ・・・」

えへへ、と笑いながら涙をこぼす。手を伝わって、感情の波が伝わる。
リーザが顔を歪めた。泣いているのだろうか。

「ソーニャは弱いから一番下だ。アタシは真ん中。アンナは一番頭が良いから、長女だ」

私は、何も言えない。言ったら、砕ける。力いっぱい顔を歪ませて、にっこりと笑った。
2人も力いっぱい笑う。

さぁ、始めよう。

―起きなさい。マリヤ―
587名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 00:36:06 ID:aKIbmKM1
強烈。これはいい。毒ワインのようにクる。
素晴らしい味わいに感謝と称賛を。
588名無しさん@ピンキー:2010/11/12(金) 19:58:20 ID:fCL1lHiv
こりゃ続きが楽しみだぜ。
589金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/13(土) 00:10:38 ID:jlMtm/9A
マリヤは目を開けた。

目の前に広がるのは、血。絶叫。自分の口から出ている。
11体の屍。男がいる。女がいる。少女がいる。
全てが全て、血にまみれている。
絶叫はいつしか哄笑に変わった。止まらない。
死体の山に身を投げる。血を自らの体に塗りたくる。
髪へ、顔へ、乳房へ、股間へ。純白の肌は、紅く彩られる。

哄笑は突如として止まる。動きが止まる。目を閉じる。世界が闇に包まれた。
590金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/13(土) 00:14:52 ID:jlMtm/9A
手をつないだまま、茫然としている私達の真ん中で、マリヤが立っていた。
顔が俯き、白い髪に隠されて表情は分からない。
マリヤの肩が震えた。泣いている?うぅ、うぅという呻き声。

「うぅ・・・うふ・・・ふふふ・・・ふふふふふ・・・」

含み笑い。肩を震わせて。顔が上を向いた。哄笑が響く。

「ふふふ!何て事!ああおかしい!あははは!!」

突如首をぐい、と傾け、私を見る。ぎぎぎ、と音がするように2人を見回した。

「貴方達は、だぁれ?・・・あぁ、私の・・・欠片ね・・・ふふ・・・」

―まずい。マリヤを眠らせないと―何かが私に訴えるが、体が動かない。声も出ない。
リーザがマリヤの肩を掴む。動きがそのまま固まった。

「まずは・・・あなたから・・・壊しちゃおう・・・か」

リーザを跪かせる。うふふ、とマリヤがスカートをめくった。
そこには、およそ人のものとは思えない歪んだ形の、男性器。
リーザの口内へ突き刺す。そのままゆらゆらと腰を動かし始めた

「ああ、ふうう、私・・・私を・・・犯して・・・気持ちいい・・・」

マリヤが喘ぐ。体が震えた。
性器を引き出すと、リーザの口からどぼり、と白濁した液が垂れる。
リーザは瞬き一つせずに固まっていた。
押し倒したリーザをマリヤが犯す。激しく腰を振りながら、マリヤは嬌声を上げた。

「うふふ!ああ・・・良いわぁ!私なんか、汚い兵達に代わる代わる犯されて・・・
痛くて、悔しくて・・・貴方は気持ちいいでしょう!?ねぇ!?」

リーザの腰が浮き上がるほど激しくマリヤは突き上げる。
マリヤが体を震わせて吼えた。リーザの体を投げ捨てるように離す。
リーザは何の反応もない。こちらを向いた目は、ただの人形の目の様だった。
リーザは、もう、無い。そう感じた。
591金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/13(土) 00:16:14 ID:jlMtm/9A
今度はソーニャを尻から犯し始めた。
ぱん、ぱん、と腰が尻をうつ音と、マリヤの悲鳴のような喘ぎだけが響く。

私は、二人を見つめながら考えていた。瞬きさえも叶わぬまま。
憎悪。私達三人の最初の共通認識。ばらばらになったマリヤの魂を繋ぐ細い糸。
憎悪の行きつく先は、全ての元凶、皇帝への復讐。
復讐を終えたら、マリヤに戻る。そう決めて、私達は行動した。

ソーニャは、男を淫らに操り。
リーザは、力で邪魔者を排除し。
私は、姦計を用いて他者の欲望を利用した。

いつしか、復讐はマリヤの為ではなく、私達の存在意義に変わっていた。
マリヤを目覚めさせる事無く、私達三人だけで歪んだ生を謳歌していた。
その間、マリヤは眠り続ける。
満たされぬ憎悪を内に秘め。そして、マリヤは変質した。

その結果が、これか。
マリヤに押し倒されながら思う。異形の性器が入った。何も感じない。

聖書の一節<復讐するは我にあり>が怖くて、怯えた、優しい少女。
だからこそ、心に刻まれた一節。
あれは、<悪に対して悪で報いるな。悪人への復讐は神が行う>の意だ。
言い得て妙だ。これは、私達三人への天罰かもしれない。
人々を殺め、マリヤを黙殺した、私達の罪への罰だ。

マリヤが腰を振る。まるで自分が犯されているかのように悲鳴を上げながら。
感情が流れ込む。哀しみ。憎悪。恐怖。憎悪。憎悪。

ごめんなさい。
もう何も考えられない。
私達は、あの時、マリヤと共に死ねばよかったのだ。
そうすれば、こんなにマリヤが苦しむ事は無かった。
自分を壊すほど、憎悪を育む事は無かった。
憎悪しかない女になる事は無かった。
ごめんなさい。ごめんなさい。

私が、無くなった。

マリヤは、いつまでも腰を振り続けた。
592金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/13(土) 00:19:36 ID:jlMtm/9A
私は、部屋を出た。
階段を上がったら、兵がいた。血まみれの私を見て驚く。
逃げようとしたので、殺した。
また、血が付いた。
屋敷を出ようとしたら、門で兵達に銃を突きつけられた。
銃を奪って、殺した。
もっと、血が付いた。
夏の日差しに当てられて、体が異常に臭う。
森を抜けると、大きな河に出た。岸に出て体に付いた血を流そうとしたが、取れない。
面倒になったので、河に身を投げた。河の冷たさと、太陽の温かさが心地良い。

深い河の流れに身を任せながら、死ぬかも、と思った。
別に問題は無い。特に生きる理由もない。死ぬ理由もないが。
もし、死ななかったらどうしよう。

壊したいな。
うん。ともかく、壊したい。
綺麗な森を壊して、焼いて。素敵な街を壊して、焼いて。美しい人を壊して、焼いて。
きっと、その景色は美しい。

どこから?
ふと、極東の大地と、海を越えた島国が浮かんだ。いいかもしれない。
ポケットをまさぐった。写真と、何かを包んだハンカチ。
ぼろぼろの写真。知らない人が写っていたので、捨てた。
ハンカチの中身は、お菓子。濡れていたので、捨てた。

ゆったりと、流される。私は、目を閉じた。
593金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus):2010/11/13(土) 00:24:35 ID:jlMtm/9A
第5話

男は、悩み、苛立ち、怒りを露わにしながら歩いていた。
男の思想を理解しない民衆に。政府に。時代に。全てに、怒りを覚えていた。
男を守る突撃隊の兵士達でさえも、声を掛けるのを躊躇うほどに。

突如、男の前を守る兵士達が立ち止った。
男は兵士にぶつかりそうになり、怒声を浴びせる。
兵士達は、動かない。

ひょい、と兵士達の隙間をぬって、女が男の前に立つ。白い服に、白い帽子。
俯き加減の為、帽子に遮られ、顔は見えなかった。帽子からのぞく髪は純白。
本と万年筆を差し出す。最近出版した、男の著書だった。

「大変な感銘を受けました。『我が闘争』、きっと歴史に残る書となりましょう」

鈴が鳴るような、美しい声。男は気を良くし、本にサインする。
女が顔を上げた。紅いルージュ。白い肌。紅い、目。
男は魅入られた。時が、止まる。

「総統閣下は、お悩みのようです」女は本と万年筆をバッグにしまいながら言う。
「そんな時、私はこうしますの」バッグから、薄いジュラルミンのケースを取り出す。

ケースを開けると、甘い香りが漂ってきた。
蜜に漬けられた、黄色い花びら。
女は一枚摘むと、自分の口に含んだ。毒は入っておりませんわ。にこり、と微笑む。
また一枚摘み、今度は男の口に手を伸ばす。
回りの兵は止めず、男も自然と口を開けていた。

女の指が唇に触れる。女の唾液と蜜に濡れた指が、男の唇をぬるり、と滑る。
男の体が、電流を浴びたかのように震えた。
指と花びらが、口の中に入った。微かに指が舌に触れ、抜かれた。
口に残るのは、柔らかな甘みと、芳醇な香り。

「・・・これは?」男が、掠れた声で聞く。
「東洋の島国に植生する、金木犀、という名の花です」女は、微笑む。
「先日まで、その国におりました。その花の香りが大変気に入りまして、
蜜漬けにした次第ですわ」

うふふ、と笑った。ケースをバッグに戻し、男を見つめる。

「つらい時は、自分に正直になればよろしいのです。総統閣下は、何を望むのですか―?」

男は女の紅い目の中に夢想する。
第三帝国の王となり、世界を蹂躙する夢を―。
世界が、人が炎に包まれる日々を―。

女は微笑し、男の傍を通り抜ける。兵達が、道を開けた。

「お待ちください!貴方の名は―」
「マリヤ、と申します。また、どこかで。総統閣下」

男は、身を震わせる。
女は立ち去った。金木犀の香りだけを残して。
594名無しさん@ピンキー:2010/11/13(土) 00:27:05 ID:jlMtm/9A
金木犀(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)終了
595名無しさん@ピンキー:2010/11/14(日) 11:41:46 ID:dyMRTn26
素晴らしかった!GJ!
596名無しさん@ピンキー:2010/11/17(水) 07:36:25 ID:1oLiDJay
盲目っ子は萌える
597名無しさん@ピンキー:2010/11/21(日) 20:13:01 ID:QF2/a+8M
>>594
GJ!!

>>596
あぁ、盲目っ娘は浪漫だな
598名無しさん@ピンキー:2010/11/24(水) 23:37:02 ID:UwVC9fv+
すげぇ力作やん…
599名無しさん@ピンキー:2010/12/07(火) 11:14:13 ID:jDEFemz3
600名無しさん@ピンキー:2010/12/20(月) 20:56:51 ID:o6isOLMR
萌えるDMが届いた


Subject: 障害者でも恋やSEXは、我慢できません・・・

はじめに、私は障害者です。
いきなり障害をもち自分に自信がなくなってしまいました。
見た目は、健常者と全く変わらないですし、日常生活にも問題はないと医者に言われています。

ただ、耳が普通の人より悪くて補聴器を使ってるだけなんです。
補聴器を着けてから、人に避けられてるようで・・・
仕事の無い日は毎日家に閉じこもって涙が出そうになります。

でも、こんな毎日が嫌で嫌で、以前のように普通にデートもショッピングもSEXもしたいです。。。
そんな毎日から抜け出したくてこのサイトに登録しました。
プロフの写真を見てもらったら分かると思います。 
他の人と見た目は、本当に変わらないです!!
こんな私の我侭を聞いてくれる男性は、いないでしょうか?

毎月5万円程で、お願いしたいと思っています。 
もし、このメールを見て気になってくださった人がいましたら連絡頂けませんか?
末永くお待ちしております。

愛美 22歳
601名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 03:52:48 ID:V96wPnmV
ほしゅ
602名無しさん@ピンキー:2010/12/29(水) 20:14:36 ID:QHC55k8f
>>600
確かに萌えるね

俺は車椅子もしくは松葉杖好きだが補聴器もいいな
603名無しさん@ピンキー:2010/12/30(木) 01:19:25 ID:A2I1Zu/v
>>600
萌えるけどリアルじゃないよな〜
家に閉じこもってるくらい元気ないんだったら
デートしたいとか思う気力なんて沸かないはずなのにw

そんな俺はメンヘラが好きですよ
604名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 01:48:57 ID:lpkcoktJ
俺もメンヘラの可愛い女の子好き
そして浮上
605名無しさん@ピンキー:2011/01/02(日) 12:56:59 ID:3l6Ondve
ハンデのある幼馴染みの女の子ってシチュエーションが好き
606名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 19:57:22 ID:zmE5s79C
>>605
でも、その子のハンデがふたなりだとしたら・・・?
607名無しさん@ピンキー:2011/01/04(火) 23:42:27 ID:EkUA37bk
何と奇遇な
608名無しさん@ピンキー:2011/01/08(土) 19:15:26 ID:5MUGYK1A
亀レスで申し訳ないが
これだけは言わせてほしい

>>568
GJ
609名無しさん@ピンキー:2011/01/16(日) 05:21:46 ID:xxsaRSxN
保守
610名無しさん@ピンキー:2011/01/18(火) 23:58:15 ID:QPJH8OXT
とってもこのスレ向きだと思ったので紹介してみる。

>車イス少女
>高校三年生の春。桜の花びらが舞い散る坂道で、少年は車イスの少女に出会った。
>足は動かず、自力では歩けない彼女。しかし、その心は鳥のように軽かった。
>晴れ時々シリアス。黒髪の乙女とイチャイチャします。
ttp://novel18.syosetu.com/n2611p/
611名無しさん@ピンキー:2011/01/31(月) 20:04:23 ID:0P6UNAMx
ほしゅ
612名無しさん@ピンキー:2011/02/01(火) 02:09:55 ID:XC3+ctMh
オレンジデイズが再放送されてたの見たけどやっぱ俺の萌えポイント突いてきた作品だわ
613名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 05:38:38 ID:hPzhMfNr
すっかり過疎だな
614名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 17:52:58 ID:FovlO3pO
美優は鏡越しに自分の身体を見てウットリとした顔で笑った。
その鏡には美しい顔をした少女が映っている。
「綺麗……お人形さんみたい……」
しかしその少女には一つだけおかしなところがあった。
手足が根元から無いのだ、断面はまるで昔からそうであったかのようにツルリとしている。
「手術は成功だね、幻痛も落ち着いたろう?」
「ええ、先生ありがとうございます、こんな風になるのが夢だったの」
美優は朗らかに笑う。だがその目には濁りがある。
人生というのを諦めきった故の願いを成就した、それが美優の今の姿だった。
「くふふ、僕も一度やってみたくてねえ、女の子をオナホールにするなんて
なんだか背徳的でゾクゾクしちゃうよ」
医師の男は醜く笑う。その内面の醜さがそのまま滲み出たかのようなその顔は
脂ぎっていて生理的嫌悪感を誘うものだった。
「それより手術代金の支払いを頼みたいんだがねえ」
「もちろんですわ、代金はあたし自身、今日からあたしは先生の物ですわ」
美優がそう言うと、その視線の先の医師の股間がモッコリと盛り上がる。
美優が言う理想の姿も医師からすれば性欲の捌け口でしかないのだった。
医師は美優の膨らみかけの乳房を痛いほどにつかみあげる。
するとその痛みの刺激が快楽へと変換され、美優の乳首はピンと尖り立つのだ。
「僕の赤ん坊をたぁくさん産んでもらおうか、ピアスは乳首とあそこと……舌や唇にも
つけてやろう。刺青はどんな柄がいいかな、ホッペタにチンポの刺青を入れてやってもいい。
アナルは当然拡張するとして、問題は尿道をどうやって拡張するかだな、それから……」
そんな医師の呟きに美優はブルブルと身体を震わせて、それだけでイってしまう。
今はない足の間にあるスリットは最早ヌルヌルで、蛍光灯の明かりでツヤツヤと
輝いていた。それを見た医師はニヤリと笑ってズボンとパンツを脱ぎ出す。
「やっぱり最初は処女をもらわないとねえ」
もともと細身の少女は今ではさらに軽い。
医師はヒョイと美優を抱えあげてズブズブとその秘所に赤黒いイチモツを沈めていった。
「ああ先生、愛してますわ。もっと壊して! あたしを好きにしてぇ!」
壊れた男と壊れた女の夜はそうして更けていった。
615名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 20:19:59 ID:17Xm/tgQ
>>610

茜さん可愛いよ茜さん
616名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 23:07:08 ID:7vOpad76
>>614
ナイスエロス!
読み切りだとしたら勿体無い
何故こんな体を望んだ?彼らの終局は?妄想が膨らむ
是非続きを読みたいな
617名無しさん@ピンキー:2011/02/10(木) 23:41:58 ID:28vV0Xjn
>>614
おい、期待の新人読み切りすぎるぞ。連載希望。
618名無しさん@ピンキー:2011/02/11(金) 19:45:12 ID:6Eh3/DPS
>>614
これは連載読みたいですw
619名無しさん@ピンキー:2011/02/12(土) 20:18:26 ID:PUaIXiub
>>614
GJだぜ
620名無しさん@ピンキー:2011/02/21(月) 19:42:13.26 ID:01lGnSGL
hosyu
621名無しさん@ピンキー:2011/02/27(日) 00:57:20.15 ID:T+m4rWIh
復帰
622名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 19:43:50.74 ID:l/iWBKHA
ほしゅ
623名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 03:42:02.15 ID:XyXNSfpJ
ちょっくら3レスばかりのSSを書いてみた。
624榊とお嬢様:2011/03/08(火) 03:42:37.61 ID:XyXNSfpJ
大きな大きな豪邸の守衛に挨拶を交わし、車を走らせ車庫につけ
数十メートル歩いて正面玄関から入る。
中にはメイドがその日の仕事のためにあちらこちらを歩いていて
その幾人かと挨拶を交わした後、お嬢様の部屋にたどり着いた。
「入りますよ」
と一声かけてもお嬢様は返事一つなさらない。
仕方なくそのままドアを開けると、お嬢様はいた。
「榊、入ってもいいって言ったかしら?」
大きな50インチプラズマテレビの真正面に陣取るソファーの上に彼女は座っている。
「返事がないようでしたので、大事があってはいけませんからね」
そう言うと彼女は苦虫を噛み潰した様子で私のほうに顔を向ける。
「大事? いまさら何を恐れる? いっそ私は死にたいくらいよ」
「それは困ります、婚約者としては生きていてもらいたい」
「ふん、誰が望んで婚約など、どうせ父の権力を受け継ぎたいだけでしょう」
そう言って彼女はそっぽを向いてしまった。
仕方がなしに私は彼女の隣に座る。
彼女は、小さかった。
手は肘から無く、足は膝からない。
幼少期の列車事故で彼女が失ったのがそれだった。
「権力も魅力的ですが……一番はお嬢様、あなただ」
「何を言う、歩くことすらままならない女を、誰が愛するというんだ」
「私です」
瞬間、お嬢様の目はハッと見開かれた。
嘘ではない、私はお嬢様を愛している。
聡明で他人に気を許さない気位の高さも、その透けるような肌も、
短い手足だって全部含めて愛している。
「やめておけ」
だがお嬢様はそんな私を拒絶した。
「列車事故は公式の言い訳に過ぎん、実際は、変態にさらわれたんだ」
「なにを……」
「私の服を脱がしてみろ、婚約者なんだから別にいいだろう?」
彼女の言葉、それは聞かないほうが私の幸せになるかもしれない。
だが私の手は彼女のワンピースを脱がしにかかっていた。

少しずつ、少しずつ彼女の裸体が露わになっていく。
そうして下着を脱がすまでのあいだに、私は彼女の身体の
さらなる秘密を全て見ることになった。
「私をさらった奴は元医者だったらしい、刺青もそいつが彫った」
彼女の身体は確かに、列車事故によるもので欠損したわけではなかった。
考えてみれば手足の先、それは綺麗に切り取られている。
そして彼女の身体には、傷痕はなかった。
625榊とお嬢様:2011/03/08(火) 03:43:14.92 ID:XyXNSfpJ
代わりにあるのは夥しい面積の刺青、男根を模した下腹部の刺青、
見知らぬ男の名前の刺青、便器、奴隷、牝豚、様々な卑猥な文句。
そしてクリトリスにあるべき皮がなかった。
「こうされたのは10年前、まだ私が6歳の頃だ。おかげで成長と
ともに刺青は伸びて不細工になるばかり、嫌になる。
それにクリトリスは常に刺激されるから、出先でも
下着の替えを用意しないとすぐ湿ってしまう」
それは衝撃だったと言わざるをえない。
だが、私はこの上なく欲情していたと言っても過言ではない。
私は、彼女のその裸体を抱きしめた。
「同情か? 所詮その程度の男だったか」
「いいえ違います、あなたが欲しい、欲しいんです」
私は思わず彼女をかき抱いた。その頬に頬を合わせ、良い香りのする
髪に鼻をうずめた。胸に彼女の豊かな乳房が押し当たる。
「分かってるのか? 私は言うなれば他人の玩具だ。
苦しむのはお前自身だぞ?」
「そんなことよりもただあなたが欲しい。
力づくででもだ」
そう言って私は彼女の唇に口づけをした。
柔らかな舌が泳ぐ彼女の口内は瑞々しくて、逃げる舌を追いかけて
私は彼女の中を縦横無尽に舐め尽くした。
「んはぁ……この変態め、抵抗できない女を犯すつもりか?」
「お嬢様だってその気でしょう? ほらこんなに濡れて……」
お嬢様の繊毛渦巻く秘所はぐっしょりと濡れている。
指を這わせれば容易く中へと沈みこんだ。
「……ぁ……ひ……」
突如としてお嬢様の身体が硬直する、どうやらイってしまったようだ。
「淫乱ですね、ますます欲しくなりました」
そう言うや私は服を脱ぎさり、お嬢様の前にイチモツを見せつける。
「凄い……」
イチモツを凝視するお嬢様、これから自分を陵辱するそれから
目が離せなくなっている。
「榊、あのな」
「分かっていますよ、激しくしてあげます」
「ちょ!違っあっあぁ」
入り口にあてがってすぐに根元まで叩き込む。
ズンッと子宮口まで押し当てる途中、何かがはじけるような感触がした。
「お……ほ……」
ビクビクと痙攣しながらお嬢様は短い手足をピンと伸ばす。
「まさかお嬢様、処女?」
「バカ、6歳に入れられるわけがないだろう」
626榊とお嬢様:2011/03/08(火) 03:43:40.40 ID:XyXNSfpJ
そう言われればそうだと私は思った。
だがそれよりも、何の感慨もなく処女を奪われたお嬢様の気持ちを
考えると、ゾクゾクと背筋を快楽が駆け上る。
「ああお嬢様、愛しいです、食べてしまいたいくらいだ」
そう言いながらズンズンと長いストロークで打ち込むと、
お嬢様は白目を剥かんばかりの勢いで、悲鳴をあげた。
「あぐ、あぁ、はぅ、んぁ、あう!」
だがそれも段々と快楽の反応へと変わっていった。
「はぁ、お嬢様、お嬢様ぁ!」
「あぁ榊、榊ぃ!」
瞬間、お嬢様の手足がピタリと私の身体に密着する。
それと同時にあそこがキュウっとしがみつくように締めつけてくる。
「く……おぉ」
陰嚢がギュッと持ち上がるのが分かる。
ダクダクとお嬢様を孕ませるための濁液が溢れ出し、お嬢様を汚す。
「さ……か……きぃ……」
「お嬢様……く……」


数時間後、そこには白濁の池に伏したお嬢様がいた。
「おいひぃよ……さかきのせーえき………」
「お嬢様? おーい、お嬢様?」
「やん……かなってよんでさかきぃ」
どうやら理性が吹き飛ぶほどに貪ってしまったようだ。
しかしメイドにどう説明すればいいのか。下手したらソファーも張り替えだろうし、いやはや。
「さかきぃ……らいしゅき」
でも、まあ素直なお嬢様も可愛いからよしとするか。
「佳奈、一緒にお風呂に入ろうか?」
「さかきと? うん、はいる」
愛おしい佳奈お嬢様、これからは壊していいのは私だけだ。
627名無しさん@ピンキー:2011/03/08(火) 21:17:38.57 ID:XyXNSfpJ
短いですが、こんなもんで
628名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 02:22:35.75 ID:Zx2Oktul
GJですよ
しかし展開早いせいか榊さんド変態に見えるな
がっつき過ぎだろうw
629名無しさん@ピンキー:2011/03/14(月) 14:28:42.10 ID:ovxG0+3q
http://katawa-shoujo.com/index.php

小説でもエロパロでもいい、誰かに依頼したい。
誰かかたわ少女のキャラで書いてくれないか?
630名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 23:41:09.16 ID:qZR0eVEF
短編投下します。盲目・和姦
631名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 23:42:24.41 ID:qZR0eVEF
幼馴染みの彼女は、生まれた時から目が見えない。身体もあまり丈夫ではないのだけれど、やたら好奇心旺盛で、僕はいつも手を焼いている。

今日も僕が病院にお見舞いに行くと、彼女は目を輝かせて僕に尋ねてきた。

──今日の空の色は、雲の形は、どうですか。

──庭先の紫陽花が、もうじき、咲く頃でしょう。どんな色をしていましたか。

僕は苦笑いしつつも丁寧に答える。
すると彼女は、うっとりと耳を傾け、想像するのだ。
僕の語る色鮮やかな世界を。
そして、
──綺麗ですね、世界は。

そんな風に言って、柔らかく微笑む。

僕はそんな彼女を、たまらなく愛おしく想い──その一方で、嫉妬にも似た奇妙な憧憬を覚える。

僕にそんなことはできないから。

できないと言うより、分からないと言った方が良いかもしれない。
『綺麗』とか、『美しい』とか、分からないんだ。

例えば、

夜明け前の空の群青。

朧月夜に浮かび上がる桜。

柔らかい街灯の光の下で、深々と降り積もっていく雪。

……こんな景色。

彼女の言に拠れば、これは『美しい』らしいのだけれど──本当に、そうなのだろうか。
僕にはよく分からない。
どういう規準を満たせば、それを美しいと呼べるのか分からないし──そもそも、何かを見て美しいと思ったことも無いから。
僕はただ、自分の見た景色を言葉にし、それらしく飾り立てて彼女に話しただけだ。
僕自身は、何も感じていない。
それなのに、彼女は──自分の瞳で見てすらいない彼女は、それを美しいと言うのだ。

(僕は、どこかがおかしいのかな)
彼女を見舞いに来る度、僕はそんなことを考える。
けれど。
一体全体、何処がおかしいというのか。何が欠けているというのか。
分からない。
だから今日も僕は、だらだらと思考を続けながら彼女を眺めている。

彼女は、
痩けた頬。昏い瞳。綺麗に切り揃えられた、色素の薄い髪。整った顔立ちは、精巧なビスクドールのようで。

どこか、人間味を欠いている。
けれど僕は、彼女のそんな所が好きだった。
ガラスでできたような焦点を失った瞳を見つめていると、落ち着くのだ。

僕は視られていない。
僕の欠損を弾劾する者はいない。
だからただ、静かに語っていればいい。
――そんな風に、思うから。
632名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 23:45:02.24 ID:qZR0eVEF
「――あの、お話の続きは…?」
いつしか会話が途切れていた。
怪訝そうな表情を浮かべている彼女。
僕が何も返さないでいると、不安になったのだろう。そっと体を起こし、
「あの……?い、いますよね……?」
と、心許なさげな面持ちで、僕が座っている方へと手を伸ばしてくる。
「あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」
慌てて僕は、安心させるように彼女の頬に触れてみせた。
彼女は安堵の表情を浮かべて、
「もう……どっか行っちゃったかと思いました」
と言いながら、頬を撫ぜている僕の手を、そっと包み込んだ。
「はは……何も言わずに出て行ったりしないよ」
そう宥めすかしてはみたものの。
「…いえ。やっぱり不安ですから、見張ることにします」
妙なところで頑固だった。
しかし目が視えない彼女のことだ。一体どうするつもりだろう、と思って見ていると。
おもむろに、撫ぜている僕の手、人差し指を、ぱくっ、と咥えた。
そして、
――つかまえた。
と、言わんばかりに笑みを浮かべてみせる。

ぬめる唾液と、温かい頬肉に包まれる指先。
そっと口蓋の筋をなぞると、ぴくん、と体を震わせるのが分かった。
濡れた指先を引き抜いて、糸を引く唾液をそっと舐め取る。

「まだこんな時間だけど…良いかな?」
誘ってきたのは彼女からのようなものだが、一応断りをいれる。
彼女は口端に唾液をつけたまま、こくり、と頷いた。
ベッドに潜り込んで、そっと抱き寄せる。
柔らかくて、温かくて。生きている。僕が。――或いは、彼女が。
「キス、しませんか」
囁きに応えて、頬に、額に、首筋に、次々と口付けし――最後に一際強く、唇を吸い上げる。
「ん、んぅっ……ちゅ……ぷはっ」
ほんの数秒息を止めただけなのに、肩で息をする彼女。
息継ぎの為にやや間をおいてから、もう一度。
今度は唾液をたっぷりと絡めた舌を入れ、舌の付け根あたりを舌先でちろちろとなぞり。
「んぷっ……ちゅ、じゅる……ふぁっ」
堪え切れず身体を跳ねさせた彼女の、今度は首筋に、そっと舌を這わし、軽く甘噛みをしてみる。
首筋の柔らかい皮膚と、すぐその下で脈動する温かい血管が歯に食い込んだ。
微かに彼女が喘ぐ。
お互いが生きていることを確認する、ただそれだけの単純作業。
けれどそれは、互いに何がが欠如している僕と彼女にとって、ひどく大切な行為だった。
633名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 23:45:42.41 ID:qZR0eVEF
頸動脈を舐め回しつつ、患者衣のボタンをそっと外し、前をはだける。
僕の掌で覆えてしまう程度の膨らみが露になった。
柔らかな曲線を描く雪丘。薄桃色の乳首は既に固く立ち上がっていた。
「……少しは、成長したでしょうか?」
僕の視線が気になるのか、問いかけてくる彼女。
残念ながら、と首を振る僕に、彼女は溜息を吐いて見みせる。
「――第二次性徴も、じきに終わるというのに。困ったものです」

まあ。
薄い乳房といい、肋の浮いた腹といい――確かに、豊満とは言い難い躰ではあるけれど。
「今のままでも十分可愛い」
そう言いながら身体を起こすと、膝立ちになって、ズボンの上からでもそれと分かる程屹立した男根を彼女の鼻先に持ってくる。
「ほら」
「あ……」
彼女はズボンの膨らみの上に顔ごとくっつけ、すんすん、と鼻を鳴らし。
「あなたの匂いがします」
そう言って、笑う。
僕の匂い。どんな匂いなのだろう。臭かったりしたらやだな、などと思いつつ、僕は黙ってジッパーを下ろした。
赤黒く充血し、脈打つ肉棒が露になる。

先走りでてらてらとぬめるそれに、彼女は再び鼻先をくっつける。躊躇することなく、むしろ愛おしげに。
「えへへ。やっぱりこれ、好きです」
……鈴口に触れる鼻頭の、ひんやりとした感触。じっとりとした吐息が亀頭を包む。
時折竿にあたる唇の感触が、やけに心地よい。
「ん……はむっ」
十分に匂いを堪能したのか、彼女は顔を離し、口で僕のモノを頬張った。
「ちゅ……ず、ぢゅる、ちゅぱ」
口づけ、舐め回し、啜り、吸う。
とろとろの唾液が泡立ち、温かい粘膜が亀頭を包む。
――鼻腔をひくひくと蠢かせているのは、匂いを楽しんでいるのだろうか。
漏れそうになる声を抑えながら、僕は乳房に手を伸ばす。
揉む――というよりは、こねる、と表現した方が的確だろうか。掌でそっと乳房を包み込むようにして刺激する。
「んんぅっ……ん"っ――」
でろでろと肉棒を舐め回していた舌が一瞬硬直し、くぐもった声が響いた。
「ほら、ちゃんと舐めてよ」
小声で咎める。目を潤ませた彼女は、こく、と頷いて、愛撫を再開した。
それに合わせて、僕も徐々に手の動きを激しくする。乳首を指の腹で擦り、激しくこねくりまわす。
「ん"っ……ぷはっ、胸そんな、こねっ、こねないでくださ……ひゃっ」
堪えきれず彼女は嬌声を漏らして、身を捩らせる。ぬぽ、と湿った音を立てて陰茎が口から押し出された。
「はは……もう限界?じゃあ、挿入れよっか」
そっとクロッチを横にずらす。既に濡れそぼっていた秘所が露になった。
「わ…すっごい濡れてる」
呟いて、彼女の表情を伺う――が、快楽に染まりきったその表情に、もはや羞恥の色はなかった。
634名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 23:46:24.58 ID:qZR0eVEF
「ご…ごめんなさ、わたし、も、我慢、できなくて、」
吐息を荒げながら、彼女は手探りで肉棒を探り当てると、そっと手を添え、僕に挿入を促す。
「せっかちだね」
じわじわと、彼女の中に自身を埋めていく。
溜息にも似た喘ぎ声と共に身体を震わせる彼女。
――軽く達したのだろうか。
そう思って一気に奥まで貫くと、ひっ、と小さく鳴いて、身体を捩らせた。
「も、もうちょっと、ゆっくり、ゆっくりしてください。ゆっく…やっ!」
話している最中に再度腰を振る。
「さっきはあんなに急かしてきたのに。どっちなの?」
「う…だ、だって……」
困り果てたような表情を浮かべる彼女を、僕はそっと抱きしめた。
「わかったよ。きみのペースに合わせるから」
「は、はい……」
彼女は少し申し訳なさそうに微笑んで、
「……じゃあ、あの、ぎゅってしたままするやつ……したい、です」
早速おねだりをしてきた。
「はいはい。……よっ、と」
そのまま抱き上げ、対面座位の形になる。
「んっ……これ、だいすき、です」
そろそろと慎重に腰を上下させながら、嬉しそうに彼女は告げた。

僕はというと、時折頬に触れる髪がくすぐったくて仕方がない。
というか、
肉付きの薄い尻をぐっと掴み、引き抜く直前まで彼女の身体を持ち上げて。
「……ぅ?」
戸惑う彼女に微笑みかけてから、落とす。
と同時に、一気に腰を突き上げる。
「――っっ!!」
ごりっ、と、子宮口を抉った感触。
気をやりかけたのだろう、一瞬傾いた彼女の身体を抱きとめる。
「大丈夫?」
問いかける僕に、彼女は息も絶え絶えに、
「…そこ、だめ……弱いんです。こりこりされると、すぐ、その……」
「ふうん……」
僕は微笑んで、
「じゃ、もっとしよう」
そのまま何度も腰を突き上げ、亀頭で子宮口をつつく。
「だめっ!だめって、言ったじゃ、ないです、かぁっ!」
涙目で睨んでくる彼女。
「ごめん。でも、こっちの方が気持ちいいでしょ?」
そう言って、僕は増々激しく腰を突き上げる。
「んっ、ふぁっ、こ、壊れちゃ…ん……んぁっ!」
気づけば、彼女も自ら腰を振りたくっていた。
「も、だめ…んぅっ!」
彼女は吊り上げられたかのように体を反らして、身体を痙攣させた。
精を残さず搾り取ろうと収縮する膣と、ねっとりと絡みついてくる肉ヒダの感触。
堪え切れず僕は精を放った。
「くっ……っ」
「あっ…膣内で、たくさん、出てる……」
ぼんやりと呟く彼女。
そのまま僕達は、ベッドに倒れこんだ。
635名無しさん@ピンキー:2011/03/15(火) 23:46:52.74 ID:qZR0eVEF

*** *** ***


窓から差し込む陽光は、いつしか橙色に変わっていた。
「こんな昼間から……随分、しちゃいましたね」
そう言う彼女に、しかし後悔している様子は見られなかった。布団にくるまり、満足気な表情を浮かべている。
「んー……」
気怠げな僕の様子にくすりと笑った彼女は、僕をじっと見ていた。
視えない瞳で。
僕もまた、見つめ返しながら――唐突に、質問を投げかけてみる。
「ねえ。きみはさ、どんなモノを『美しい』って想うのかな?」
突然の問いかけに、彼女は困ったように首を傾げる。
暫し考え込んだ後、そっと口を開いた。
「…たぶん、遠いと感じるモノ、だと思います」
「遠い……って?距離が?」
「はい。わたしにとって、遠い景色。いえ――目の前にはあるのだけれど、けっして触れられないような、モノ。 言葉。風景。それが、わたしのこの視えない瞳に、美しく映るのです。
ああ――それはひどく、憧憬に似通っていますね」
「憧憬、か。そっか」
「――ふふっ」
好きですよ。
最後にそう締めくくって、彼女は微笑んだ。

それを聞いて少しだけ僕は、美しさというものを垣間見たような気がして。
そのまま、心地良い午睡に墜ちていった。
636color:2011/03/15(火) 23:49:41.33 ID:qZR0eVEF
タイトル付け忘れた…。
以上です。読んでくださった方、ありがとうございました。
637名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 00:17:23.85 ID:VHzryONv
切ねえ……。
そんな彼女にとって、触れて中に入れている彼はどう「みえて」いるのかと思う。
GJ。
638名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 00:38:47.70 ID:sIwRLywk
GJだ
639名無しさん@ピンキー:2011/03/16(水) 19:55:01.11 ID:tD9YTLUw
GJ
640名無しさん@ピンキー:2011/03/17(木) 23:07:36.22 ID:XTGUq5JS
>>624 良い仕事!佳奈のエロさを凌駕する榊の最後の一言に濡れた。
>>631 梅雨時の様な、甘い気怠さを感じさせる雰囲気が心地良いなぁ。GJ!
641名無しさん@ピンキー:2011/03/18(金) 23:44:13.03 ID:yDyFhqaG
庄司陽子の漫画にあったそうだが
目の見えない女の子をたぶらかして
セックスしながら手づかみでスパゲティを食べるような
ケダモノじみた生活をさせるというのもいい
642名無しさん@ピンキー:2011/03/20(日) 09:32:00.64 ID:Zgk73pno
軍人スレに投げようとしたSSですが、やっぱりここに置かせて下さい。
長いです。エロ少ないです。戦闘たっぷりです。盲目っ子です。苦手な人はスルーで。
金木犀を巡る、最後の物語。

金木犀(Suthat Tinh yeu)
643金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/20(日) 09:37:09.36 ID:Zgk73pno
例えどんなに年老いて記憶が薄れようとも、あの金木犀の下で過ごした日々を、忘れはしまい。


1950年6月3日02時50分 ベトナム トンキンデルタ

上弦の月の夜の中、風上から石鹸の香りが微かに漂ってきた。敵が近い。
右手を上げ、兵達の動きを止める。藪の中に息を潜め待ち伏せる。
ハハハッ、と大きな声で笑いながら、警備兵2名が巡回路に従って歩いてきた。
迷彩の軍服に、鍋をひっくり返したような鉄帽。―フランス軍正規兵。
目の前を通り過ぎると同時に抜刀し、刀を男の背後から腎臓に突き立てる。
捩じりながら抜き、横に振る。
ぎしゅ、という音と共にもう一人の男の首が落ちた。首を失くした体から血が吹き出る。
笑っている表情をした首を一瞥しながら、先に刺した男に止めを刺す。

低く、小さく号令する。
「・・・phía trước(前へ)」
兵達が音もなくジャングルの茂みから現れ、するするとフランス軍陣地へと歩みを進める。
さほど大きい陣地ではない。落とすのは容易だろう。だが、と兵達を見つめる。
年端の往かぬ少年達。幼さの残る青年達。彼等のほとんどは、今回が初めての実戦だ。
しかし、銃を握り締める手こそ震えているが、目は不安を殺し闘志を漲らせている。
近くの少年兵に、大丈夫か?と日本語で話しかけると、ダイジョウブ、タツヤサン、と
カタコトの日本語と共にこわばった笑みを返してきた。

陣地ギリギリまで接近した。後は、攻撃を行うだけだ。手信号で、少年兵達に合図を送る。
皆、手榴弾を手に取り、投擲の準備を終えた。俺も左手に拳銃を持つ。小銃や機関銃は俺が撃っても
当たらないから、他の者に割り振っていた。そのかわり、手榴弾を多く持つ。
右手の刀を高く上げ、振り下ろすのと同時に手榴弾が陣地の掩体へ飛んでいく。
複数の爆発と共に味方の機関銃の援護射撃。敵も生き残った掩体から防御掃射を開始した。
一番初めに藪を飛び出し陣地へ駆ける。
少年達も掃射に撃退されぬよう前後左右の間隔を開けて、突撃開始。
掩体へ飛び込み、機関銃手を拳銃で撃つ。弾薬手が軽機関銃を向けたが、引き金を引く前に首に刃を
突き立てた。自分の仕事ぶりに満足し、思わず口が嗤いの形に歪む。
掩体から他方を覗く。声をかけた少年兵の倒れた姿。一瞥し、次の掩体へ向かう。

俺は、全てを捨てて、敵を一人でも多く屠らなければならない。例え、仲間がどれほど斃れようとも。
そうでなければ、父の遺志の名のもとに、国を捨て故郷を捨ててこの国に残った意味がないのだから。

復讐以外に、戦う意味など無いのだから。たとえあいつがどれだけ悲しんでも、戦うしかない。
644金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/20(日) 09:44:08.73 ID:Zgk73pno
1940年3月1日 ベトナム フエ市内

私は必死に医者を探していた。今日ほど、目の見えない自分を呪った事はないだろう。
目が見えれば、人にぶつかって怒号と共に蹴られ、泥の中に突っ伏す事もないはずなのに。
こうやって這いつくばって、泥まみれになって当てもなく前に進む事もないはずなのに。

何度蹴られ、壁に突き当たり、どれほど進んだだろうか。
「どうしたの?」
少年の声。おかしな発音。―外国人。
一瞬、夜な夜な母を「買う」外国人達を想像し憎悪に言葉を失ったが、必死にすがりつく。
「お母さんが、動かない!助けて!助けて!」
叫ぶ。もう、頼れる者はこの少年以外にいない。
「わかった。僕のお父さんの所へ行こう。」
優しい声。そっと、手を繋がれた。

どの位の時間がたったのだろう。私は着替えを与えられ、傷の手当ての後に寝台へ寝かされていた。
消毒薬の匂い。たぶん、ここは病院なのだろう。
不安に揺れる私に、覚えのある気配と、聞きなれた声が届く。
「目は、怪我をしたの?」
「・・・赤ちゃんの頃、病気で。」
気まずい沈黙。取り直すように、明るい声で少年が話を続けた。
「僕の名前は、辰也(タツヤ)。日本人。君の名前は?」
「・・・ラン。」
タツヤの微かな溜息。僅かな間。何を、隠しているのだろう。
「ねえ、ラン。僕のお父さんから話があるんだ。聞いてほしい。」
タツヤと入れ替わった、より大きくて重厚な気配。
「始めまして。ラン。私は辰也の父で、軍医だ。落ち着いて、話を聞くんだ。」
低い声。流暢な現地語。すぅ、と息を吸い込む音。
「君のお母さんは、死んでいた。残念だ。」

すぅ、と涙がこぼれた。ただただ、涙だけが溢れてきた。
「落ち着くまで、ここにいなさい。辰也が傍にいるから、何でも言うといい。」
大きな気配が離れていく。そっと、額に小さな手が載せられる。
タツヤの手は、温かくて、柔らかかった。自然と、嗚咽が漏れた。
645金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/20(日) 09:52:31.97 ID:Zgk73pno
1950年6月10日07時15分 ベトナム 北部農村

朝靄の中、村の入り口に着くと、水田で作業していた者達が歓声を上げて出迎えてくれた。
祝福の言葉に頷きながら、俺は隊列の最後尾を進むリヤカーの辺りから目を離せなかった。
不安げに、隊列の中に恋人を捜す少女。
リヤカーに積まれた死体の山に家族を見つけ、泣き叫ぶ母親と、必死にこらえる父親。
ぎりり、と噛みしめた歯が鳴った。目の奥が熱い。
だが、涙だけはだめだ。俺が泣けば、兵達の士気が下がる。
俺は「勇猛果敢な日本兵の息子」で、「首切り鬼」として畏れられているのだから。
これまでの戦いで、俺を信じて死んでいった者たちに申し訳が立たない。

兵達を解散させ、やっとの思いで家に着く。中に入ると同時に、ぶつかる様に抱きつかれた。
「お帰り、お兄ちゃん。」
流暢な、日本語。こわばった心が、ほぐれる。
「離れろよ、ラン。汚れているし、臭いぞ。」
「嫌だ。お兄ちゃんの匂い、好きだよー。」
アオザイが汚れるのにも構わず、ようやく膨らみ始めた胸を押しつけるように更に強く抱きつきなが
ら、ランは朗らかに笑う。だが、すぐに眉を曇らせた。
「悲しそうな、声だね。・・・泣いていいよ。」
「うるさい。泣くわけねーだろ。」
既に、涙声になっていた。ランが見えないはずの目をしっかりと俺に向け、優しく微笑む。
「ランの前では、『首切り鬼』じゃなくてもいいんだよ。」
優しい一言に、膝から崩れる。ランの細い腰に腕を回しながら、声を殺して泣いた。

俺は別にこの国の独立とか、支配とか興味は無い。ただ、父はこの国の何かを信じて、死んだ。
分かっている。父の遺志を継ぐと言いながら、戦争に乗じて復讐しようとしている自分の嘘に。
それでも、俺を信じて少年や若者達は彼等自身の正義の為に戦い、倒れる。
その死が、俺の心を少しずつ削りとる。削り取られた分を補うように、闘争を求める獣が大きくなる。
獣の成長に恐怖と喜悦を感じ、更に心が揺れる。この涙は、何の涙だ?怒り?悲しみ?それとも―

俺の穢れを落とすように、ランの柔らかく温かい手が、ずっと背中をさすってくれていた。
646金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/20(日) 09:58:58.93 ID:Zgk73pno
1941年12月8日 ベトナム ハノイ市内

「お兄ちゃん、お腹空いた―!」
私は日本語で叫ぶ。
「もう少しでお父さんがお仕事終わるから、我慢しろよ。ラン。」
タツヤ―今は私のお兄ちゃん―は、この国の言葉で返す。
私達二人の、お勉強を兼ねたお遊び。

母を亡くした後、身寄りの無くなった私を、タツヤは「この子から言葉を学ぶ」などと言って傍へ置く事を自身の父へ訴えた。
そんな子供の我儘は何故か聞きいられ、しばらくすると、「ラン、お前は今日から私の娘として育てる」と一方的に彼の父から言われ、今に至る。

日本軍司令部へ呼び出しを受けたお父さんと共に来た私達は、司令部前の広場の木陰で用務が済むのを待っていた。
普段とは違う異様な緊張感が漂う司令部内に、耐えきれず外に出ていた。寒いが、中よりはましだ。
「寒いなー♪暇だなー♪腹減ったなー♪」余りにも暇すぎて、適当に歌う。
「ガキみたいに歌うなよ。」お兄ちゃんのあきれた声。
「だって私6歳だしー♪お兄ちゃんだって11歳だしー♪私達ガキだよー♪」
「うるせぇ。フランス人形。」
お兄ちゃんが、小さく呟いた。私の大嫌いな言葉と知っていて。
反射的に、拳を声のした方へ振るう。バシッ、という音と共に、悲鳴が上がった。
「何しやがる!」
「フランス人形なんて言わないで!!」

人は私の事を、美しいと称して「フランス人形のようだ」と言う。
目の見えない私に変わって、ありがたくも鏡代わりに言葉で表現してくれる。
私は、美しい、というものがどんな形をしているか知らない。見た事が無いから。
ましてや人形など、触れても見る事なんかできないのに。
だがその言葉は私の忌まわしい血を意識させるのには充分だ。

毎晩私の母を買い、悲鳴のような淫らな声を上げさせていた男達。
鼻にかかった、癇に障る発音の言葉で、母と私を罵る男達。
体臭を香水で隠し、より気分の悪くなる臭いをまきちらしながら母と私を殴る男達。
私は、そんな異国から来た男達の一人の血を継いで生まれたのだ。
目が見えないのは、せめてもの救いなのかもしれない。

涙が溢れる。悔しくて、悲しくて。もう、何が悔しいのか、何が悲しいのかも分からない。
「・・・ごめん。悪かった。」そっと、髪を撫でられる。
お兄ちゃんは、きっと困った顔をしているのだろう。
でも、「困った顔」って、どんな顔だろう。分からない。
言葉は知っている。雰囲気も伝わる。感触も分かる。でも、分からない。もどかしい。
目が、見えたらいいのに。お兄ちゃんを、見たい。

耐えきれず、わーわー泣いていると、突然お兄ちゃんの頭辺りから、「ごつん」という音。
お兄ちゃんの悲鳴がまた聞こえた。びっくりして泣き声が引っ込む。
「愚兄賢妹とは、この事か。妹を泣かせてどうする。馬鹿モン。」
低く抑えた、お父さんの怒声。それが急に猫なで声に変わる。
「ランは可哀想だなー。よーし、お父さんがおんぶしてやるぞ。」
目の前に壁の様な気配。喜んで飛びついて首に手を回すと、すっくと宙に浮く感触。
微かな消毒薬の匂い。お父さんの匂いだ。

「今日は、何かあったのですか?」
お兄ちゃんがお父さんに尋ねる。いつだってお父さんには敬語だ。私にはいじわるするのに。
お父さんの背が、少し強張った。緊張している。
「・・・とうとう、アメリカとの戦争が始まった。」
お兄ちゃんからも、緊張した雰囲気が伝わった。重苦しい沈黙。

私はこの張りつめた空気を溶かしたくて、「アメリカ」という言葉から思い出した「おおスザンナ」を歌う。
お父さんがよくレコードをかけてくれた、明るい歌。お父さんも、お兄ちゃんもヤケクソ気味に一緒に歌いだした。

幼い私には分からなかった。これからどんな時代が始まるのかを。
647金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/20(日) 10:02:50.79 ID:Zgk73pno
1952年9月18日11時20分 ベトナム 北部農村

「太貴了!便宜一点児!!(高い!安くして!!)」
「哎呀!(アイヤー!)」
俺は華僑相手に物資を怒涛の攻勢で値切るランを、少し離れた所から見ていた。
隣にいる中国軍兵士が、ため息交じりに呟く。
「ランちゃんも酷いのぉ。もちっと、ワシの客に優しくしてもらわな困るわぁ。」
糸のように目を細めながら、胡散臭い日本語でぼやくこの男の素性は良く分からない。
「劉(リュウ)」という名の中国人民解放軍少尉。中国の軍事顧問団のはずだが、
「雇い者やさかい、命張るなんて阿呆らしゅうてなー」と本人は横流しに精を出す。
少数の部下達と共に、ふらりと各国の軍隊の横流し品を扱う華僑をこの村に連れてきては、
ついでに命令書を渡してはまたふらりと去っていく。
歳は俺より12コ上。巧みな日本語は「関西の大学に通ってたねん」という事らしい。

渡された命令書を暗記し、証拠を残さぬよう火を付ける。
「司令部拠点へありったけ召集か。物騒やなぁ。」
「ええ。劉さんは、なにか知っていますか?」
「フランス軍機甲師団がぎょーさん、南部から北上しておる。兵力1万5千ってとこか。」
劉さんがタバコを取り出して不味そうに吸う。俺に勧めようとした手は、下げた。
俺はタバコは吸わなかった。ランがタバコの臭いを嫌うからだ。「あいつら」を思い出すから、と。
「正直、数は問題やあらへん。あのワキガ共はヘタレやさかいに。問題は奴らのLégion étrangèreやな。
特に精鋭中の精鋭、第1落下傘大隊の「ベルセルク中隊」や。」
劉さんは流暢なフランス語で発音した。「外国人部隊」第1落下傘大隊―ベルセルク中隊。
父を、殺した部隊。「ベルセルク」が率いる、戦争の犬達。微かに、血が騒ぐ。
「いっぺんフエで見かけたけど、ドイツ語喋っておった。ナチの残党やで。殺しが好きすぎて、
戦争が手段じゃなくて目的になっておる。おっかないわぁ。」
タバコの煙を吐き出しながら、飄々と劉さんは話す。俺も緊張も恐怖も感じなかった。
俺もこの人も、もうどこかが狂っているのだろう。

「お兄ちゃーん、劉さーん、終わったよー!」
ランに、二人で歩み寄る。劉さんがランをからかいながら次に必要な物資を聞いていた。
「んじゃ、ランちゃん、またよろしゅう。おおきにー。」
「ありがとー劉さん。慢走!以後再見!(気をつけてねー!またねー!)」
ランがぶんぶんと大きく手を振る。劉さんは背を向けながら小さく手を振り、去っていく。
ランが見えないとわかっていても手を振るこの男の斜に構えた優しさが、不思議と嬉しかった。
648金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/20(日) 10:06:33.88 ID:Zgk73pno
物資を村人たちと運びながら、俺の上衣を掴みながら歩くランに話しかける。
「ラン、ありがとう。助かったよ。」
「えー、いいよー。私、これぐらいしかできないしー。」
ランは朗らかに笑う。言葉は武器だ、と彼女は言う。言葉だけが、人を助け私を守る、と。
幼い頃から各国の語学習得には超人的ともいえる努力と才能を見せた。
目が見えないから、発音だけで覚える。意味は聞いて、推測して理解する。
父の交友や職務を通して知り合った人々を捕まえては、質問攻めするランは一種の名物だった。
様々な方法で得た言葉は枢軸国側だけでなく、連合国側の言葉さえも含んでいる。
俺も父の熱心な教育で、ベトナム語は問題なく話せるが、英語やドイツ語は頼りない。
フランス語と中国語はランに習っている。最も、頭には入らないが。

家に戻り、ベッドに倒れこむ。召集の準備を考える前に、少し休みたかった。
うとうとしていると、ランが上に乗っかってきた。切り揃えられた長い髪が、俺の顔に振りかかる。髪に挿している銀のかんざしの飾りが、しゃりん、と鳴った。
「なんだよ?」
「また、どこかに行くの?」
「ああ。場所は秘密。」
「・・・そう。」
ランが俺の胸の上に頭を載せる。ランの艶やかな髪を撫でた。柔らかな感触が心地良い。
「あのね、お兄ちゃんが留守のあいだ、その・・初潮、来たの。」
これまで来てなかったのか。どれだけ発育が遅れているんだ、と思いながら言葉を選ぶ。
「・・・えーと、日本では赤飯なんだが、ここは何かあったっけ?」
「ばか。違うよ。私、女になったんだよ?わかるでしょ?」
ランの放つ甘ったるい匂いが「女」を意識させる。見えない目で、俺の目を覗き込む。
色素の薄いブラウンの瞳が、正確に俺の瞳を射ぬく。
滑らかな白い肌の頬が、かすかに赤くなっていた。俺の耳に唇を近づけ、囁く。
「ねぇ、・・・わかる・・・よね?」
耳に感じる熱い息と微かな唇の感触に、身が震える。
アオザイの薄い布を押し上げる胸の感触が、酷く扇情的だった。
股間が硬くなるのを気づかれたくなくて、ランの肩に手をかけ、押しのけて立ち上がった。
「わかんねーよ。阿呆。腹減ったー♪めーしでも作ろー♪」
「バカぁっ!」
俺の背に枕が投げられた。鼻をすする音がしたが、聞こえないふりをする。
泣いているのかもしれない。

台所で食材を切りながら、ため息。ランは俺のことを、昔から一人の男として見ているが、
俺には妹としか思えない。なのに、欲情してしまった。そんな自分が情けない。
この村の村長の孫娘で、村を出て司令部で公刊文書の翻訳の仕事をしているユイを思い出す。
俺の初めての相手。恋人、と公言はしていないが、とても大事な人だ。
ユイを抱きたいなぁ、などと思っていたら、指を切った。泣けてくる。

結局その日丸1日、ランは口を聞いてくれなかった。
649金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/21(月) 10:07:10.78 ID:FYxGY85e
1945年8月25日 ベトナム フエ市内

外は異様な喧騒だった。戦勝を祝う連合軍と、敗戦に呆然とする日本軍。
独立を目論む現地の活動家と、新たな利権を狙う商人たち。無数の人々の熱気。

陸軍病院の医務室の中で、お兄ちゃんと私はお父さんと対峙していた。
「辰也、私は、参謀と共にこの国に残る。ランを連れて、日本に帰れ。」
「嫌です。ランと一緒に、父さんに着いていきます。」
「そうだよ!お父さんと一緒に行く!」
お父さんとお兄ちゃんが行く場所なら、這ってでもついていく。

どのくらい、押し問答を続けただろうか。はぁ、とお父さんがため息をつく。
「勝手にしろ。後悔しても遅いぞ。」
「後悔するなら行きません。早く支度しないと、参謀さん達に捨てられますよ、父さん。」
「そうだよーお父さーん。」
よかった。3人が離れ離れにならなくて。嬉しくて飛び跳ねてしまう。

「辰也、護身用だ。お前は銃はさっぱりだが、剣の腕は一人前だしな。くれてやる。」
「ステッキ、ですか?」
「違う。仕込み刀だ。」
お父さんが軍刀と一緒にいつもステッキを吊るしているのは知っていた。
抱きつく時にそのあたりに触ると、危ないから、といつも手を外された。
シャリン、と金属が擦れる音がした。お兄ちゃんの感嘆の声。

「父から貰った。お前の名の由来でもある、オジキの形見だ。若くして死んだらしいが、相当な手練だったそうだ。」
「・・・大事にします。」
「いいなー!ランにも何かちょーだい!!」
「ランには、妻の形見をあげよう。私の母からもらったものでな、妻はとても大事にしていたよ。銀のかんざしだ。」
お父さんが、しゃりん、という音と共に私の髪にかんざしを挿してくれた。
頭を大きく動かすたびに、しゃりん、しゃりんと心地よい音が遠慮がちに鳴る。嬉しい!

「父さん、何故、ここに残るのですか?」遠慮がちなお兄ちゃんの声。
「・・・この国でな、たくさんの友ができた。その友の信じるものに、付き合いたくなったんだ。
お前達には苦労をかけるだろう。すまん。」
お兄ちゃんが私の手をとった。強く、握られる。私も強く握り返した。決意を込めて。
お父さんに頭を撫でられた。その手に、そっと手を重ねる。

きっと、私達はこれから辛く、悲しい日々を生きるのだろう。でも、怖くない。
私にはこの人達がいるから。この人達のために、目の見えない私ができることは少ない。
命をかけて頑張ろう。必要なら、母のように体を売ってでも役に立とう。

何があっても、ずっと、ついていく。
650金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/21(月) 10:12:35.11 ID:FYxGY85e
1952年10月7日05時05分 ベトナム 北部山岳地帯

突然の爆発。悲鳴。射撃音。フランス軍の突撃ラッパ。隣の父が、猛然と反撃を開始する。
―いつもの夢だ。分かっているのに、あの時と同じ恐怖に包まれ、体が強張る。
敵の奇襲に対し、父と共に掩体から射撃を行う。
父が狙って放つ弾丸は確実に敵を屠るが、俺の弾丸はまったく当たらない。
「辰也!手榴弾を投げろ!」
手榴弾を手に取るが、焦りに手が震えて着火紐を掴めない。あげくに、手榴弾を取り落とす。

突然、掩体に黒い影が疾風のように飛び込んできた。
両手に持った幅広でくの字型の大型ナイフ―グルカナイフ―で父に斬りかかる。
父がとっさに銃で防御。鈍い金属音と共に、銃身に亀裂が入り、父は弾き飛ばされる。
俺が居合で放った刀身が、2本のナイフによって受けられた。

刃を合わせながら、男の青い目と目が合う。青い目の中に映る自分があまりにも必死そうで、笑えた。
フランス軍の迷彩服に、見慣れないベレー帽と部隊章。右頬に大きな傷。首から下げたペンダント。父と同じよう年頃だろうか。
白人は皆同じに見えるが、フランス人とは違うような―突然、男がにやり、と笑う。
「Japanisch?」

ドイツ語。虚をつかれ、目が泳ぐ。腹部に衝撃。蹴られた、と認識する前に男が間合いをとる。
逃がすか、と追う俺に向かって男がナイフを投げた。
体が動かない。ナイフの刃先が俺の胸に吸い込まれる―衝撃―
地面に突き飛ばされた俺が見たのは、首にナイフが刺さった父。倒れこむ父を抱える。
どくり、どくりと脈打つように吹き出る血が、俺の体を濡らした。俺は、ただ震えていた。
男の姿は消えていた。父を殺した相手「外国人部隊第1落下傘大隊」と、「ベルセルク」と呼ばれるグ
ルカナイフを使う元ドイツ軍降下猟兵がいることを知るのは、ずっと後に戦果報告を読んだ時だった。
651金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/21(月) 10:42:34.63 ID:FYxGY85e
目を開けた。目覚めて見る他人の家の天井というのは、なぜこんなに落ち着かないのだろう。
ユイの家。夜明け前だった。隣で寝ているユイの穏やかな表情を見つめる。
ランが人形のような近寄り難い美しさと例えるなら、ユイは万人を惹き付ける花のような可愛らしさだ。
昨晩の行為で見せた痴態を思い出して、性欲が溢れてくる。

そっと、シーツの中にもぐりこんでユイの乳首を唇でついばむ。微かな声と共に、身を捩らせた。
更に舌でつつくと、シーツを捲り上げられた。ユイが不機嫌そうに睨む。
「やぁ、おはよう。」
「おはよう、じゃないわよ。何しているの?」
「いやぁ、起こしたら悪いかな、と思って。」
「はいはい。したいなら、キスして。」

笑いながら、ユイが誘う。唇を合わせ、舌を絡める。閉じていた目を僅かに開けると、うっすらと
目を開けていた。お互い笑いながら更に甘くキスを重ねる。
キスを続けながらユイの胸を優しく揉みしだく。形の良い眉を潜めながら、甘い声。
俺も乳首を撫でられる。思わず、身をすくめる。また、目があった。笑みをたたえた、挑戦的な目。

・・・受けて立つ。唇と目を合わせながら、手をユイの股間へ伸ばす。そこはすでに濡れていた。
指を中に潜らせる。ぬるり、と呑み込まれた。熱く締められる。
ああ、と体を悶えさせながら、俺の性器が掴んだ。巧みに、しごかれる。

ユイの与える強い快感を耐えるように、膣内の指を激しく動かした。
「・・・やぁん!もう!激しすぎ!」
言葉とは裏腹に、快感を得ようと腰をさらに指に押し付けてきた。
さらに深く指を潜り込ませて、膣内の上部を指の腹で擦り上げ続ける。
ユイの体がビクンと跳ね上がり、じわり、と熱い愛液が溢れて手を濡らした。

はー、はー、と荒い息をしながらユイが体を下げながら俺の下半身に舌を這わせる。
柔らかな刺激。舌と唇が性器に届き、飲み込まれる。今度は俺が身悶えする番だった。
俺のものを口内で刺激しながら、ちらちらと見上げる視線が満足気に笑っている。
俺は体を起こし、ユイを四つん這いにさせて尻を上げさせた。
恥ずかしげに動く、美しく丸みを帯びた白い尻がよけいに嗜虐心を呼ぶ。

一息に突き入れた。悲鳴のような喘ぎ声。俺の下半身がユイの流す熱い愛液に濡れる。
手を伸ばし、腰の動きに合わせて揺れる乳房を激しく揉む。
ユイは枕に顔を押し当てて声を殺しているが、隠しようも無い程の嬌声だった。
技巧も何もなく、力任せに激しく突き上げる。痺れるような快感。性器を抜いて、尻に射精した。
尻から背中まで白濁が汗に濡れた背中を汚す。余りの虚脱感に力が抜ける。
同じように力尽きて突っ伏したユイの背中にそのまま体を被せた。
652金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/21(月) 10:54:26.24 ID:FYxGY85e
無言で、互いの荒い呼吸を感じる。ぽつり、とユイが呟く。
「ねぇ、戦争終わったら、ランちゃんと3人で、日本に行ってみたいな。」
「・・・ああ、行こう。でも、まだランがお前になついてないだろう?大丈夫かな。」
「ふふ、そうだね。頑張らなくっちゃ。」
ランとユイは目下緊張状態にある。昔は仲が良かったのに、今は「泥棒猫に取られた」とランが
一方的にユイを嫌っている状態だ。残念ながら、獲物は俺だ。
たまに村に帰ってきては、必死にランのご機嫌を取るユイの姿は悲愴感さえ漂っていた。

しばらく微睡んでいると、遠くから音が近づいてきた・・・プロペラ音。
飛び起きて、朝焼けの空を見上げる。いくつもの攻撃機と輸送機が上空を司令部方面へ飛んでいく。
ユイを叩き起し、自分も服を着て仕込み刀を身につける。
「タツヤ、早く行って!私は村の人達を避難させるから!」
「了解!」
出ていこうとする襟首を捕まれ、力強くキスをされた。すぐに、突き放される。
「行ってらっしゃい!死なないでね!」
「お前もな。気をつけて。」
ユイと同時に、家を飛び出した。俺は司令部へ。ユイは村の広場へ。
振り返ると、ユイが立ち止まってビシッ、と敬礼する。俺も走りながら敬礼を返した。

司令部は蜂の巣を突付いたような騒ぎだった。俺も部隊を編成し、武器を受領する。
付与された任務は遊撃隊としてジャングル内での捜索・殲滅。
専門武器を扱えない上に若年兵が多い俺達にふさわしい、捨て駒のような命令だった。

ジャングル内をゆっくりと進む。遙か遠くから爆撃音。遅れてくる地響き。
ユイの村の方角。心配になるが、防空壕に逃げていればきっと大丈夫だろう、と自分を納得させる。

先に進ませていた斥候が戻ってきた。
敵装甲車の隊列を発見した、との報告。無線兵を通じて、司令部へ報告する。
無線から、対戦車用の部隊を派遣させる、それまで現地に釘付けにせよ―との命令。
思わず、笑ってしまった。馬鹿阿保無理だこの野郎。尻尾を巻いて逃げだしたいが、下手すればベト
ミンの政治部に村ごと粛清される。あきらめて、隊員たちに集めて作戦を伝達し、現地に向かった。
653名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 12:48:59.11 ID:TdwsDDN1
支援
654名無しさん@ピンキー:2011/03/21(月) 22:51:19.96 ID:37FRDLob
ハッピーエンドの予感がしない。
だが超期待。
655金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/23(水) 11:50:21.98 ID:9q2/LK5Y
車両1台がようやく通ることが出来る道。配置について、1時間後。地面から、キャタピラーの響き。
やがて、装甲車の列が爆音と共に姿を表した。周囲には警戒兵を配置している。目を凝らす。
浅黒く、背の小さな東洋人達。現地徴収兵か。彼らの士気の低さに期待しよう。

俺の合図と共に、兵達が装甲車へ手榴弾を投擲する。爆発が重なる。
それを合図に、道路の反対側のジャングル内から爆発音。大木が数本、道を塞ぐ。
幸いなことに初撃で警戒兵が散り散りに逃げていく。先頭の装甲車はキャタピラーが外れ、立ち往生していた。
これで進撃を十分に遅らせる事ができるはずだ。
後は損害を最小限に抑える為に適当に攻撃しながら撤退すればいい、と思った自分が甘かった。

装甲車後方から、ありえない速度で白人兵達がこちらへ突進してくる。慌てて、応射。
数人が倒れたが、ひるむことなくこちらへ飛び込んでくる。白兵戦が始まった。
まずい、と思いながら顔面に突き出された銃剣を刀で払い、首を薙ぐ。
ベレー帽。見たことのある部隊章。―第1落下傘大隊―ぞわり、と鳥肌が立つ。
撤退を命じようにも、兵達は分断され、散り散りになり個々で応戦していた。

どうする、と思いながら前方へ転がる。背中を薙いだのは、血に汚れたグルカナイフ。
ああ、お前か。待ち望んでいたよ。俺の愛しい敵―ベルセルク。
左手の拳銃を撃つ。木の影に隠れ、避けられた。男も拳銃で撃ってきた。構わず、突進。
隠れている木を通りぬけざまに拳銃を向けたが、ナイフで叩き落とされた。逆に拳銃を向けられる。
逆手に持った刀で、拳銃を弾き飛ばしながら、首を薙ぐ。
男が深く屈んだ為、浅くベレー帽を切っただけだった。俺の腹を薙ぐナイフは体を捻り、避ける。

木の影へ飛び込み、息を整えた。相手は、ナイフ一本。だが、もう一本は確実にあるはずだ。
銃の類はもう持っていない。腰と胸にいくつかの手榴弾は見えた。
俺は仕込み刀に、手榴弾6発。似たような装備。奴も、射撃が苦手なのだろうか。
味方は散り散りで恐慌状態。さぁ、どうする?絶望的な状況に、思わず喜悦の笑みが溢れる。

突然、大砲と迫撃砲の連続音。味方か。フランス軍のラッパ音。聴きなれた、撤退の合図。
木の向こうから、ハッハッハッ、と豪快な笑い声が聞こえた。こちらに叫ぶ。
「Sehen wir uns wieder!」
えーと、また、会いましょう、か。・・・勝てる気はしないが、何故か逃げられた、と思う。
男の気配が消えた。緊張を解く。夢に見る程、望んだ決闘を果たせなかった事への失望のため息。

いきなり、目の前の藪から銃を突きつけられる。―油断した―撃たれることなく、男が姿を表した。
「なんや、お前か。気ぃ抜いたらあかんでー。おうちに帰るまでが戦闘や。」
にやり、と銜え煙草の劉さんが笑う。言葉もなく、ずりずりと無様に尻餅をついてしまう。
「劉さんが指揮していたのですか。」
「まぁ、砲術指導やな。移動に手間取ってしもうた。まだまだ訓練が足りんのぉ。」
不味そうに煙を吐き出しながら言葉を続ける。
「でな、新しい指令や。ワシの歩兵部隊と合流して、ここからお前のツレの所の村まで、お掃除や。」
ユイの村。焦燥感が募る。負傷者は砲兵部隊に任せ、劉さん達と共に掃討戦を開始した。
656金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/23(水) 11:57:00.99 ID:9q2/LK5Y
1947年11月9日13時20分 ベトナム 北部農村

お父さんとお兄ちゃんを迎えるために、私はユイお姉ちゃんに手を引かれていた。
私より3つ上のお姉ちゃん。数年前まで、お父さんの仕事のためにフランスに住んでいたという。
そのせいで、村の子供達から白い目で見られていた。よそ者の私とくっつくのは当然の事だった。

お父さんたちが戦いに行っている間は村長さんの家に預けられていたから、いつも一緒にいる。
お水を汲みに行くのも、ご飯を食べるのも、何から何まで面倒を見てもらっていた。
お姉ちゃんからフランス語を習い、私は日本語を教える。とても、楽しかった。
「あ、ランちゃん!お父さんとお兄さんが帰ってきたよ!」
良かった。生きて、帰ってきてくれた。とても嬉しくて、涙がぽろぽろと流れる。
でも、お姉ちゃんのお父さんはこの前の戦いで死んでしまった。申し訳ない気持ちにもなってしまう。

「ただいま。ラン。ユイちゃん、ランをありがとう。」
お父さんの声。私は涙声でおかえりなさい、としか言えない。
「ただいま、ラン。いい子にしていたか?」
お兄ちゃんの声。力いっぱい、飛びつく。汗と泥と火薬の匂い。お兄ちゃんの、生きている証。
「ありがとう、ユイ。」
・・・お兄ちゃん、ユイお姉ちゃんに何でそんな声で話しかけるの?どんな、表情をしているの?
「ううん、ランちゃんは、とってもいい子だったよ。タツヤも怪我がなくて良かった。」
・・・ユイお姉ちゃん、お兄ちゃんに何でそんな声で話すの?どんな、表情で答えているの?

まるで、恋人同士みたい。お兄ちゃんは、ランのものなのに。
私は、お兄ちゃんをもっと力を込めて抱きしめた。こんなに心配しているのに。こんなに好きなのに。
どうして、ランを無視するの?でも、そんな気持ちは声にはできなかった。
表に出してはいけない、と思ってしまったから。でも、悲しさと悔しさでまた、涙が溢れてきた。
結局その日は悲しい気持ちのまま、眠れぬ夜を過ごしてしまった。

その日、お兄ちゃんは夜遅く帰ってきた。ユイお姉ちゃんの匂いを纏わり付かせて。

翌日、私はユイお姉ちゃんに尋ねた。昨日の夜、ずっと、考えていたことを。
「ユイお姉ちゃんは、お兄ちゃんの事が好きなの?」
お願い、そんなことないよ、って笑い飛ばして。だけど、恐ろしく、長い沈黙。・・・やめて。
「・・・うん、そうだね。」

頭を殴られたような衝撃。吐き気がして、胸を押さえてしまう。激昂し絶叫する。
「お兄ちゃんはランのものなの!誰にも、渡さない!」
激情のままに、駆け出す。すぐに転ぶ。お姉ちゃんに掴まれる。暴れてまた駈け出した。また、転ぶ。
すぐに掴まれた。必死に暴れる。どんなに叩いても爪を立てても、お姉ちゃんは離してくれなかった。
「危ない!ランちゃん!お願い、落ち着いて!」
お姉ちゃんの、悲痛な声。でも、激情は抑えられなかった。

「なにやっているんだ!ラン!」
お兄ちゃんの怒声とともに、すごい力で引き離された。
「お兄ちゃんはランのもの!絶対!絶対!」
お兄ちゃんに強く、抱きしめられた。でも、何も声をかけてくれない。どうして。どうして。
泣き叫ぶ。抱きしめる力だけが、強くなった。
657金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/23(水) 12:06:06.38 ID:9q2/LK5Y
1952年10月7日17時37分 ベトナム 北部山岳地帯

夕焼けが綺麗だなぁ。途切れる意識をなんとか繋ぎ止めながら、思った。
まるで、今朝タツヤと見た朝焼けみたいだ。あの時は、こんな事になるなんて考えもしなかったよ。
タツヤを見送った後、村人達を集め防空壕へ避難した。
案の定、だれそれがいない、なんて事になって探しに出たら、思いっきり空爆に巻き込まれた。

あーあ、やめとけば良かった。でも、しょうがないよね。
タツヤに、私の夢を話したから、バチが当たったかな。それにしても寒いなぁ。
だらだらと出ていた血も止まった。もう、出尽くしたかな?だけど、まだまだ死ねないよ。
だって、タツヤにランちゃんとの約束を伝えないといけなからね。

初めて会った時からランちゃんは、タツヤの事が大好きなんだ、って分かっていたよ。
でも、ゴメンね。お姉ちゃんも好きになっちゃった。
私のお父さんが死んだ時、ずっとそばにいてくれて慰めてくれたから。
あの優しくて、温かい眼差しに、囚われた。

だけど、ランちゃんも少しだけ、悪いんだよ。
本当は戦争が終わってから、タツヤに恋しようと思っていたのに。
あの日のあなたの目を見てしまったから。恋に狂う女の目。
見えないはずなのに、まっすぐ私を貫く熱くて冷たい、女の目。とっても、怖かった。
でもね、家に帰って鏡を見たら、私も同じ目をしていたの。

その日の夜、タツヤを呼んで、キスして、押し倒したわ。ランちゃんに取られないように。

次の日、ランちゃん暴れたよね?あの時のひっかき傷、まだ腕に残っているんだから。
でも、私はあなたの心を傷つけちゃったね。
何日も、何日も家の中で泣き暮らして。ご飯も食べずに泣き続けて。
あなたの嘆き悲しむ姿を見て、タツヤもとっても苦しんでいたわ。
あなたのお父さんは恋の病はほっときゃ治る、って笑っていたけど。

あなたの部屋に無理やり入って、「戦争が終わった日に、タツヤに選んでもらおう」って言ったらまた怒ったね。
「私が敵うはずがない」って。
「私はお仕事の為に村を出る。あなたは村でタツヤの側にいる事ができるのよ」って言い返したら、ちょっと考えたよね。
勝算があるかも、と思ったのかな?私はもっと畳み掛けたわ。
「もし、どちらかが死んだら、生き残った者がタツヤを守って、愛されましょう」って。

残念。あなたは、お人形。お人形として愛されても、決して女として愛される事はない。
タツヤはあなたの事をとても大切にしているから、自身の命をかけて守る。あなたの全てを傷つけないように。
もし恋人にしたら、自分が死んだ時にあなたの魂が引き裂かれる、ってね。
本当に、悲劇ね。大事にされているからこそ、報われぬ愛。

今ならわかる。死にゆく者は、愛される中で死ぬ。
でも、生き残った者は、その愛を抱えたまま愛した者のいない世界で生きていかなければならない。
とても、かわいそう。だから、タツヤが引き裂かれないように、あなたに私のブーケを渡すわ。

ああ、ようやく愛しい人が来た。もう、取り乱しちゃって。まぁ、落ち着いて、聞きたまえ。
さぁ、なんて言おう。息を吸う。少ししか吸えない。一言くらいしか言えなさそう。
ランちゃんとの約束を、なんとか短い言葉で伝えないと。
愛してる、って言いたいけど、重荷になったら嫌だし二人の邪魔になるから言わない。よし、決めた。

「ランを・・・愛して・・・ね」

うわ、これじゃ女として愛するのか妹として愛するのかわかんない。まぁ。いいか。
さぁ、ブーケは投げたわよ。これを活かすも殺すもあなた次第。頑張ってね、ランちゃん。
しっかり、生きてね。タツヤの幸せの為に。

もう、いいよね。私、頑張った。タツヤの腕の中で眠れる。幸せじゃないか。
おやすみ、さよなら。愛しい人。
658名無しさん@ピンキー:2011/03/23(水) 22:15:00.80 ID:biAMrODW
切ない……
GJでした
659金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/24(木) 19:26:23.63 ID:P3zD0Uqj
1954年1月23日12時29分 ベトナム ハノイ南方

私の命令により、丘上からの砲撃が始まる。絶え間なく続く砲火。
眼下のフランス軍陣地には反撃の機会もなく、幾百もの鉄と火の塊が降り注いでいるはずだ。
ふと、目をやると砲弾による火と煙に包まれた地獄の中に、影が歩み寄る。
「あの阿呆。死ぬつもりか。・・・もうええ、死んでまえ!」
毒づきながら、タバコに火をつける。砲煙に呼ばれたのか、雨が降ってきた。寒さがこたえる。

1時間後、キリの良い所で砲撃を終了させた。
同時にベトミン達が突撃したのを確認して、丘を降りて敵陣地に向かう。
霧のような煙の中、雨によって泥の河となった陣地に入った。
砲撃により、陣地内はほとんど吹き飛ばされていた。形の残っていた防空壕を覗く。
泥の上を覆う血の海。折り重なった死体の山。他の防空壕も。手榴弾と銃弾と刃物による、死の嵐。
誰も頭上に砲弾が雨のように降り注ぐ中、敵が扉を蹴破って侵入するとは思うまい。

陣の中央部、小さいながらも強固に作られた司令部付近でベトミン達が怯えた表情で立っている。
それもそうだろう。戦うべき敵がたった一人に殲滅させられているのだから。
味方といえども、「首切り鬼」の名は最早、忌み嫌われる恐怖の対象でしかない。

半地下の司令部内に入る。一撃で殺られたと思わしき死体の列を越え、奥の部屋に入る。
白い顔を更に青白くした白人のおっさんが、部屋の隅で震えていた。
その対角線上の角には、仕込み刀を抱え、拳銃を弄んでいる暗い目をした男。
「30分で終わりました。砲弾の無駄です。言いつけ通り、指揮官は生かしています。」
この前の陣地戦で、上から下までくまなく殲滅させた際に叱り飛ばした事を思い出した。
「根に持つ奴ちゃな。まぁええ。お前、今のままだとほんま死ぬで。」
ぽかん、と間抜けヅラ晒しやがって。ここまで阿呆だったか。

「お前が死んだって別にかまわへん。でも、ランちゃんはどうすんねん?」
阿呆がうつむいた。少しはこたえたか。惨状にえづきながら部屋の様子を伺いに来た兵士に、
敵指揮官を捕虜として扱うように命じ、外に出させた。うわ、あのおっさん、部屋を出た途端吐きやがった。
「なぁ、ユイちゃんが死んでもう1年や。そろそろ、ええやろ?」
更に、阿呆が小さくなる。私も、何が「ええやろ」なのかわからぬまま、タバコの煙を吐く。

「死んだもんに愛情注いでもなーんもならへん。自己満足や。
それより、生きてるもんに愛情注いだほうが、お互い得るもんがあると思うんやけどなぁー。」
ユイが死んでから、ガキが阿呆になった。前は烏合の衆をまとめてそれなりに良い動きをしていたのに、
今は一人でホイホイ突っ込んでドツキ回して終わり。ガキのつまらんセンチメンタリズム。
生きているのは、ただの運だ。実力ではない。
それにしても、似合わない真似をしているせいか、タバコの煙が目に染みる。まったく。
「あれから村に帰ってないやろ。休暇や。村へ帰ってランちゃんにワビ入れてきぃや。」

紫煙越しに阿呆を見ると、このままアリンコになるんじゃないか、という位に小さくなっていた。
660金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/24(木) 19:57:01.24 ID:P3zD0Uqj
1954年1月30日20時50分 ベトナム 北部農村

湯浴みのためのお湯を沸かしながら、ぼんやりと竈の火を見つめていた。ランに張られた頬を触る。
涙ながらに叩かれた胸も疼く。両方とも既に痛みはないのに、自然と手を伸ばしてしまう。
俺が村を離れていた間、ユイの祖父である村長が面倒を見てくれていた。
―ランは君が居ない間、ずっと村の入り口に目を向けて耳を澄ませていたよ―
村長の優しい声を思い出し、胸を締め付けられる。
村長も自慢の孫を亡くしたのに、ユイの事は何も言わなかった。俺の事も責めなかった。
ランは俺の足音を聞き分ける。それでも足りず、見えない目を向けて待ち続ける。
どれほど寂しい思いをさせたのか、想像もできなかった。
「・・・ユイに合わせる顔がないな。」自嘲する。

湯を持って、ランの部屋へ入る。
換気の為に細く開けた窓から差し込む青い月光だけが、ベッドに座る彼女を照らしていた。
髪を飾るかんざしが青く光る。部屋に漂う柔らかな甘い香り。ランの匂い。
物憂げに俯いている顔を見て、1年でずいぶん大人っぽくなったな、と他人事のように思った。
ベッドの足元に湯を置く。ランが顔を上げる。しゃりん、とかんざしの飾りが鳴った。

「顔、拭いてほしいなー。」
「メンドくせぇ。自分でやれ。」
「へー、あれだけ私の事待たせて泣かせてその態度?へー。」
しぶしぶ、顔を拭いてやる。猫のようになー、と鳴いて満足そうだ。
「・・・ねぇ、お兄ちゃん。昔みたいに、私の体拭いてよ。」
「・・・やだよ。ガキじゃねえんだ。」
「そう言うと思った。いつもそうだよね。覚えてる?昔2人でお父さん待っていて、
私が駄々をこねたらお兄ちゃんが今と同じ事を言って、私の事を怒らせて・・・。」
「ああ、覚えているよ。」

もう、何年前だろう。フランス人形。一番の禁句。あの後、家に帰ってからランを洗ってやった。
2人で入った日本式風呂。その後ラムネを飲んで、温かい布団で一緒に眠った。
あの時は当たり前で、今となっては夢のような日々。
「また、怒らせたい?お兄ちゃん?」
「あいよ。わかったよ。でも、隠す所は隠せよ?」
嬉しそうに微笑みながらランは立ち上がり、背を向けてアオザイを脱ぎ始めた。
薄絹の滑る音と共に、足元にアオザイが流れ落ちる。ランの白い肌が月光で青く輝いた。
甘い香りが強くなった気がした。そっと、滑らかな長い髪を持ち上げ、湯に浸したタオルで背を拭く。
昔は幼く骨の形を見せていた体は、今は女性らしい細く優美な曲線を描いていた。

「ほらよ、終わったよ。」
「おしりも、足も、拭いてよ。」
やだね、と言いかけたが後ろを振り返り俺を見る目に、有無を言わせぬ力がこもっている。
本当に見えていないのか?今更ながらに疑問に思いながら、黙って、膝をついて尻から足まで拭く。
小さく形よく引き締まっているが、女らしい柔らかな弾力。喉の渇きを覚えた。拭き上げ、タオルを湯に戻す。
顔を上げると、ランはこちらを向いていた。
「前も、拭いて・・・。」
囁くような、小さく、かすれた声。タオルを絞り直し、細い首を拭く。肩から腕へ。胸へ手を伸ばす。
小さいが形の整った乳房を拭いたとき、ふるり、とランの体が震えた。細い腰と腹を拭く。
股間へ手を伸ばすと、少しだけ体を硬くした。膝をついてつま先まで拭き、立ち上がる。
661金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/24(木) 20:06:20.55 ID:P3zD0Uqj
「・・・ありがとう。お兄ちゃん。いつも私のわがまま聞いてくれて。」
ランの声は小さく、震えていた。そっと、俺の頬へ手を添える。その手は、ひどく冷たくなっていた。
「前ね、ユイお姉ちゃんと約束したの。戦争が終わった日に、お兄ちゃんにどちらか選んでもらおう、って。」
ランの目から、涙が溢れた。
「こんな事させて。ユイお姉ちゃんが死んだ事を利用してるのよ・・・。私!」泣き叫ぶ。
「『どちらかが死んだら、生きたほうが彼を守って、愛されましょう』ってお姉ちゃんに言わせたの。
とっても、ひどい約束をさせたの。目が見えない私が、守ることなんかできるはずないのに!
お兄ちゃんに、愛される資格なんかないのに!」

ぽろぽろ、ぽろぽろとランの涙が玉のように零れ落ちる。
俺は頬に触れたままのランの手に手を重ねた。冷たい手が少しでも、温まるように。空いた手で、ランの涙を指で拭う。
「でもね、それでもね、私、お兄ちゃんに、愛して欲しいの!お兄ちゃんの事、守りたいの・・・!」
ひどいよね、ごめんね、とうわ言のように呟きながら、ランは泣き続ける。
その謝罪は、誰に対する言葉なのだろう。目を瞑り、己の気持ちを確かめ、意を決した。

夜の冷気に晒されて冷たくなった体を引き寄せ、抱きしめる。涙の熱さを胸に感じる。
顔を上に向かせ、優しく、キスをした。ランが驚いて目を見開く。
「・・・俺は昔からランの事を愛していたよ。」
そう、愛していた。でも、その愛は女に対しての愛なのか。家族としての愛なのか。わからない。
ユイの言葉に縛られている?劉さんの忠告に踊らされている?ランに嫌われたくないという俺の汚い打算?
思いは千々に乱れる。ただ、ランの想いを受け入れたい。その気持ちだけは確かだった。

涙を流し続けるランにまたキスをしながら、優しくベッドへ押し倒す。
毛布をまくり上げ、二人でくるまるように入った。
強く抱きしめ、ランの冷えた体を温める。ランが手探りで、俺の上着のボタンをもどかしげに外し始めた。
手を導いて介助する。上着と共にズボンも下着もろとも脱がされた。
裸で抱きしめると、ランの体温が急激に上がったような気がした。
662金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/24(木) 20:20:03.94 ID:P3zD0Uqj
ランがかんざしを外し、俺の方を向いて何か言いかけたので、キスで口を塞ぐ。
今、何か言葉を交わすとランに対する気持ちが折れそうな気がした。そのまま舌でランの唇をなぞる。
応えて差し出された舌と舌をからませる。吐息が甘く漏れた。胸に手をやると、怯えたように体を強ばらせた。
見えないから、何をされるのかわからずに怖いのか。

「ラン、胸に触るよ?」
こくり、と頷く。今度は怯えさせずに済んだ。
怖がらせない様に、柔らかな乳房をそっと包みこみ、優しく撫でる。
「胸に、キス、するよ?」
こくり、と頷いたのを確認し、乳首を口に含み、舌で転がす。ランの口から微かな喘ぎ声。
唇を這わせながら隣の乳房に移動し、舌を這わせる。体を悶えさせるように反応した。
唇を這わせて胸から鎖骨、首筋を舐めながら、腰に手を這わせる。悶えが強くなった。
「ランのあそこに触ったり、キスしてもいいかな?」
恥ずかしがって横を向く。耳を甘く噛んだ。声にならない甘い悲鳴。

「だめ?」
躊躇いがちに、頷いた。耳に舌を這わせながら、ランの股間を指でなぞる。微かに濡れていた。
できるだけ優しく指を動かすと、少しずつ熱い蜜を染み出させる。
ランは荒く息をしながら、俺にしがみつく。また唇を這わせながら、下半身に向かった。
臍を舌で舐める。くすぐったそうに身を捩った。足を開かせて、間に座る。
内腿を撫で、舌を這わせる。ランは両手で口を抑えて快感に耐えていた。
そっと、舌を割れ目に這わせた。腰を上げて仰け反る。
逃げようとする腰を押さえて、舌全体で舐め上げた。くぐもった喘ぎが聞こえる。
そのまま舌を動かし続けると、ランの滑らかな腹が脈動するように動く。蜜がとろり、と溢れた。

「私も、お兄ちゃんの、気持よくしたい・・・。」
ランが俺に手を伸ばす。手をつかみ、こちらに引き寄せた。キスの後、ランが手探りで俺の性器を探り当て、触れる。
触れた瞬間、ためらって手を遠ざけたが、すぐに両手で包み込まれた。
口を開き、舌を伸ばしてゆっくりと性器を含む。ぬるり、と熱い感触。心地良く―無かった。むしろ痛い。
「ごめん、ラン。歯が当たって、ちょっと痛いかなー。」
ランが慌てた様子で口から性器を外す。
「あ、ごめんねー。私も話で聞いただけだから、やり方がよくわからないんだよねー。」
えへへ、と悪びれずに笑う。久々に、ランの笑顔を見たような気がした。俺も笑う。
2人の間にあった、氷のように張り詰めた空気が溶けたような気がした。
ランが飛びつくように抱きついてきた。勢いがありすぎて、お互いの頭がぶつかって眼の奥で火花が散る。
痛みに呻きながら笑う。ランも痛いよー、と頭を両手で抑えながら笑っていた。
663金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/24(木) 20:30:51.18 ID:P3zD0Uqj
今度は手を伸ばして俺との距離を測り、ゆっくりと抱きついてきた。
「お兄ちゃん、とっても、大好き。あのね、やり方教えて?」
「まずは、キスするだけでいいから・・・。」
ランが手で俺の性器を掴んだ。頭を下げてついばむようにキスをする。
しばらくすると慣れたのか、舌を這わせ始めた。柔らかい感触に、反応する。

「ふふ、ぴくぴく、してるよ。」
ランが唇を這わせながら呟く。その唇の動きさえも、甘い快感だった。
ランの頬に手を当て、こちらを向かせる。ん、どうしたの?という顔。ランを誘導して、仰向けに寝かせる。
足の間に入り、割れ目に俺の性器をあてがった。ランが怯えた表情で俺に手を伸ばす。
入り口にあてがったまま上体をかぶせると、強く抱きしめられた。
「ラン、大丈夫か?」
「大丈夫だから・・・して・・・。」

少しずつ、腰を進める。窮屈な入り口に阻まれながら、ゆっくりと呑み込まれる。
ランの眉間に皺が寄る。腰の動きを止め、声をかけようと開いた口をキスで阻まれた。
「大丈夫、やめないで。お願い。」
痛みに耐えながら俺に微笑む。腰を更に進めた。抵抗を引き裂きながら、一番奥まで入った。
そこで動きを止め、口付ける。ランは目に涙を貯めながら、ふー、と息を吐いた。へへ、と笑う。
「笑っちゃうくらい、痛いね。」
「今日はこれで、終わろう。」
「やだ。最後まで、して。少し慣れてきたから大丈夫だよ。」
強がりだ。たぶん、激痛に耐えている。心がためらうが、ランの覚悟に応えるべきなのだろう。

できるだけ痛みを与えないようにと、ゆっくりと真っ直ぐに腰を前後に動かす。
動くたびに、んっ、んっとランの痛みに耐える声。少しでもまぎれるようにと強く抱きしめる。
ランも精一杯の力で抱きしめてきた。急激な快感。ランの中から抜き、白い腹に精を放つ。
「熱い、ね・・・。」
ランが微笑んだ瞬間、目に貯めていた涙が流れ落ちる。頬を撫でると、幸せそうにこすりつけてきた。

ランの体の始末を終え、ベッドに潜り込むと優しく抱きしめられた。
「ユイお姉ちゃんの分まで、頑張って、生きようね。」
ぽろり、とまた涙を流す。
「そんなに泣いていたら、ユイに笑われるぜ。」
そうだねー、とまたランは泣いた。

青い月光に照らされながら、声もなく涙を流すランは、とても美しかった。
光が流れ落ちるようなランの髪を撫でながら、ユイを思う。胸を締め付ける、この想い。
早く忘れるべきこの想いを、不思議と手放す気になれなかった。ランもきっとそうなのだろう。
2人で、同じ想いを抱えて生きて行く。俺達に与えられた、甘い痛みの罪と罰。

全ての責苦は俺が担う。どうか、ランが幸せになりますように。
俺の全ての幸いをかけて、何かに願った。
664金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/26(土) 09:19:19.11 ID:oXoxTj3R
1954年2月21日05時20分 ベトナム 北部農村

私は、床に座るお兄ちゃんの背中に耳を押し当てていた。心臓が脈動する音。血液が流れる音。
筋肉が軋む音。呼吸の音。全てが全て、愛おしい。
「どうした?」
肉体越しに聞く声は、低く、くぐもって聞こえる。
「ううん。もう、行っちゃうんだなー、と思って。」
「・・・ディエンビエンフー。これが犬たちとの最後の戦いだ、って劉さんが言ってた。」
最後の戦い。お兄ちゃんの声の中に、名残惜しそうな響きを感じる。
劉さんと敵を「血に飢えた犬ども」なんて言っているけど、2人ともその犬に喜んで噛み付く犬じゃないか。
みんな、狂った闘犬だよ―なんて想いは胸の中にしまい、黙ってお兄ちゃんの体の音を聞く。

「なぁ、日本に、行こうか。」
ぽつり、とお兄ちゃんが呟く。
お父さんの遺志を継ぐ。そう言って始めたお兄ちゃんの復讐は、もう、終わる。
日本、か。お兄ちゃんは国に戻り、私は国を捨てる事になる。
「うん。行く。」
躊躇いなく答える。場所の問題ではない。お兄ちゃんの傍で生きる事だけが、重要なのだから。
665金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/26(土) 09:23:03.92 ID:oXoxTj3R
私は手探りで、お兄ちゃんのあぐらの上に向かいあわせで座る。
唇を求めると、応えてくれた。手を取り、私の胸へ導く。
「ねぇ、しよ?」
「時間ねぇよ。」
無視して唇を合わせて、強引に貪る。舌を絡ませながら、アオザイの下衣ごと下着を脱ぐ。
お兄ちゃんの抵抗を押しのけて、ズボンのチャックを下げて大きくなっていた性器を露出させた。
口に咥えながら、自分の性器に手を伸ばし刺激を与える。
既に太ももを濡らすほど蜜を溢れさせていた。軽く指で触れるだけで、達しそうになった。

初めて口でしたときは歯を立てたなー、なんて思いながら、覚えた技巧を必死で駆使する。
快感が限界に来たのだろう。お兄ちゃんが私を押しのけようとしたが、抵抗し頭を離さなかった。
口の中で精を受ける。苦く、青臭さくて、体の奥底を熱く陶然とさせる味。
味わいながら飲み込み、口から零れた精液を指ですくって舐める。仰向けになって足を開いた。

「ふふ、時間ないんでしょ?早くぅ・・・!」
まるでかつての母のような淫らな声。どんな顔で私は誘っているのだろう。
お兄ちゃんがそっと、上に被さってきた。優しく、中に入ってくる。いつだって、この人は優しい。
もっと乱暴にしてくれてもいいのに。こんなにダメな私を、殴ったり、叩いたりしてもいいのに。
自分でも理解し難い罪悪感に責められながら、お兄ちゃんの与えてくれる甘い快楽に身をゆだねる。

「お兄ちゃん!もっと!もっとぉ!」
初めてお兄ちゃんに抱いてもらってから日も経っていないのに、自分でも怖くなるくらいの快感に溺れ、
体が勝手に暴れる。強く、抱きしめられて体の自由を奪われた。
体の隙間を満たされる感覚に満足しながら、更に快感を得ようと力の限り、腕と足を絡ませて体の奥底へ誘う。
弾けるように、麻痺にも似た絶頂が体を駆け巡る。強張っていた全身から、力が抜けた。
「あっ、はぁ、ああん・・・!」
絶え間なく絶頂に達し、呼吸さえできない苦しさに涙が溢れる。これ以上は、壊れる―
息も絶え絶えになった頃、中から抜かれ、下腹部に射精された。
気を失いかけながら、手を伸ばして精液を塗り広げる。ベタベタとした感触にまた、快感を覚えた。

下衣と下着を履かせてくれた後、お兄ちゃんが膝枕をしてくれた。
時間がないというのは嘘だったのかな、と思いながらも髪を撫でられ、うつらうつらと夢見心地。
気づけば戸外から村の人達が活動を始める音が聞こえた。もう、陽が登ったのか。
「そろそろ、行くよ。」
「・・・うん。」
私は渋々立ち上がる。背中から、優しく、強く抱きしめられた。
「なぁ、お兄ちゃん、じゃなくて、辰也、って呼んでくれないか?」
「えーと、タツヤ・・・。なんか、恥ずかしいなー。」
ははっ、とお兄ちゃんも笑った。

「じゃ、行ってくる。」
「行ってらっしゃーい。・・・えーと、タツヤ!」
いつものように、不安で泣きそうになるのを堪えながら、頑張って精一杯笑う。
歩み去る気配を感じながら、私はいつものように戸口から手を大きくぶんぶんと振った。
振った分だけ、弾丸がお兄ちゃんに当たらない、と変な願掛けをしながら。

手を振りながら、ユイお姉ちゃんにお願いする。
どうか、私の分の命で、お兄ちゃんが生き残りますように、と。
手がしびれても、肩の関節がギシギシと音が鳴り初めても、私は手を振り続けた。
666金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/26(土) 09:25:45.75 ID:oXoxTj3R
1954年3月13日17時00分 ベトナム ディエンビエンフー

男は、これまで愛した者と、これから愛する者を想いながら、刀を抜いた。
男は、さしたる感慨もなくタバコに火をつけた。
男は、ペンダントの中の愛した家族の写真に口づけし、ナイフを抜いた。

ディエンビエンフーの戦いは、静かに、幕を開けた。
667金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/27(日) 10:21:00.95 ID:3FqpBpvR
1954年5月8日02時57分 ベトナム ディエンビエンフー イザベル陣地

君、見たまえ。君の刀刃が写す月は、なんて美しく青い月なのだろうか。
これほどの月はモンテ・カッシーノでも、ノルマンディーでも見ることはできなかったよ。
陣地内のスピーカーから普段流している勇壮なドイツ軍歌よりも、「月光」を流させたのは英断だな。
まさしく、終焉に相応しい。

さぁ、手榴弾を虚空へ放とうか。君の頭上から幾千もの破片が降り注ぐぞ。
どうする?前に来るか後ろに下がるか横に逃げるか?・・・正解だ。
その場で死体を盾に伏せる度胸は見事だが、目の前に転がってきた手榴弾をどうする?
ほぉ、盾にした死体を手榴弾に被せて破片を避けたか。見事。

私にも生きていれば君と同じくらいの息子がいたよ。ピアノの上手な子だった。
大戦前は妻も私も音大の講師をしていてね。
息子も音楽の道に進んでもらいたかったのだが。まぁ、時代が悪かった。
生きて戦後を迎え、喜び勇んで家に帰ると、燃えカスになった家族とピアノが出迎えてくれたしな。

こういう時、信仰というのは実に不便だ。家族を追って自殺したくてもできないのだから。
仕方無しに、また兵隊になったよ。とびきりの地獄に放り込まれる部隊を選んでね。
しかし、生真面目な性格が災いしたな。職務に忠実すぎて、人ばかり殺して自分はなかなか死ねない。
ましてや、君の父君を殺した時はさすがに良心の呵責を感じたものだ。

だけどね、きっとあれは運命だったのだよ。
あの時震えていた少年が、「首切り鬼」の名で勇名を轟かすことになるとは、露ほどにも思わなかった。
今や君の名を聞けば、臆病者達が陣地を捨てて逃げ出すほどだ。
「ベルセルク」と「首切り鬼」。まったく、お似合いの二人だ。
お互いの一撃一撃に凄まじい快感を覚えるよ。おや、君も喜悦に歪んだいい顔をしているじゃないか。
ああ、気づけば私達は闘争の犬に成り下がっていたようだ。

我々の生への希求は強いが、死への渇望はそれよりもなお深い。
私は安住の死を求めて戦っている。自身の死か、他人の死かどちらか分からなくなっているがね。
君は何を求め戦う?復讐を為す甘美な魂の死か?愛する者を守る為の苦痛の生か?

しかし、歳だな。昔は不眠不休で戦えたのに、今はとても体が重いよ。
君の攻撃は的確で、非情で、とても、美しい。最後の悪あがきをしてみようか。
君の左手の銃に零距離で体を晒そう。そう、君は私の胴体部を撃つ。
私は膝を突きながら、君の大腿部へ銃を撃つ。君が倒れた所で、私がナイフで止めを刺す、はずだが・・・。
君は倒れなかったな。大した精神力だ。そうか、止めを刺されるのは私か。

長かった。この青い刃の向こうに、私の終りが見える。愛しい家族達よ。今、逢いに行く。
668金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/27(日) 10:24:37.32 ID:3FqpBpvR
1954年5月8日09時23分 ベトナム ディエンビエンフー イザベル陣地

男は、一歩を踏み出す。激痛に耐えながら、愛しい者の待つ家へ。真っ直ぐ、前を見据えて。
男は、立ち尽くす。タバコの紫煙越しに、雨雲の隙間から見える青空と、差し込む光を見つめながら。
男は、微笑む。首から離れた自分の胴体と、胸に置かれたペンダントをその目に映して。

陣地の一番高い場所に掲げられていたフランス国旗が降ろされ、血と泥に汚れた新たな国旗が翻る。
ディエンビエンフーの戦いは、静かに、幕を閉じた。
669金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/29(火) 09:44:26.79 ID:FGqOPeX+
1954年9月12日07時58分 香港 アバディーン・ハーバー

私は岸壁から客船を見上げた。朝陽が眩しい。乗客と積荷の積載が終わり、船が離岸する。
ステッキをついて右足をかばうタツヤと、それを支えるラン。その隣には鬼瓦のようないかつい老人。
実際、「鬼瓦、と呼びたまえ」と自己紹介されたが―。タツヤが祖父母に連絡を取ると、鬼瓦氏を寄越してきた。
色々国際情勢やら身分やらが気になっていたが、鬼瓦氏が旅券からパスポートまで皆の分を用意していた。
まったく、大した権力だ。
あの戦争の終局が見え出した頃、所属していた軍と国家に粛清の嵐が吹き荒れ始めた。
どう生き延びようか考えていた頃、タツヤから国を出るから一緒にどうだ、と誘われ九死に一生を得た。

「鬼瓦さん、どうもおおきにー!」
「頼んだぞ!鬼瓦商会香港支社長!我が商会の興亡は君の両肩にかかっているぞ!」
船内で何か礼をさせてくれと鬼瓦氏に話すと、我が商会で働かないかと誘われたので喜んで、と言ったら、
香港支社長に任命され結構な金を渡された。まぁ、金儲けは人殺しよりも得意だから、期待には応えようか。

「劉さん、お元気で!」
「劉さん、ありがとうー!またねー!」
二人は泣きそうな声で叫ぶ。今生の別れでもあるまいし。苦笑いと共に叫ぶ。
「色々ありがとー。ほな、またなー!」
ランが、ブンブンと私に向かって手を振る。見えないと分かっていても、私も小さく手を振った。
壊れた月のような男と、盲しいた太陽のような女。
色々と難儀するだろうが、きっと、幸せになるのだろう。

別れに微かな寂しさを感じ、似合わないと一人嗤う。船が向きを変え、彼らの姿が見えなくなった。
兵役を終えたらやめる、と誓っていたタバコに躊躇いなく火を着け一服。
あんなに不味い、と思っていた紫煙がひどく美味だった。

「んじゃ、恩返し、始めますかぁ。」
劉家の家訓、「恩も恨みも岩に刻め」だ。タツヤ達から受けた恩は子孫代々、義を以て返していこう。
私は、紫煙と共に悪名高き九龍城へ意気揚々と一歩を踏み出した。
670金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/29(火) 10:09:20.12 ID:FGqOPeX+
1954年10月19日16時40分 日本

夕陽に照らされる庭園の金木犀の下で、私達は彼らを待っていた。
今年も金木犀は狂おしいほど咲きほこり、その香りを穏やかな風に乗せている。
「寒くないかい?千代?」
「大丈夫ですわ。誠。」
だが、誠は自分の上着を、車椅子に乗った私の膝にかけてくれた。温かな手が、風に乱れた私の髪を梳かす。
誠の顔を見る。穏やかな顔で、夕陽に赤く輝く金木犀の花を見つめていた。
苛烈な時代を生き抜いた証のように髪は白くなったが、優しい眼差しは少しも変わらない。

「あの子がこの家を飛び出したのも、この頃でしたね。誠。」
「そうだね、千代。早いものだ。」
この家の事業を継がず医者になると言って家を出たのも、突然結婚すると言って優しく聡明な女性を
連れてきたのも、虐げられる国の人達の力になると国外へ飛び出したのも、いつもこの時期だった。
私達はいつも、この金木犀の香りの下で出迎え、見送った。いくつもの季節を越え、また私達は待つ。

風とともに、鬼瓦さんに案内されながら2人が姿を表わした。
「あら、2人とも、あの子達にそっくりですわ。誠。」
「ああ、これは、驚いたな。千代。」
悲しい思い出でもあるあのステッキをつき、少し足を引きずって歩く姿は、あの子と瓜二つだった。
傍に寄り添い支える女性も、その妻の雰囲気と似ているような気がした。
髪を飾るかんざしの輝きを見て、不意に、涙が溢れる。
あの子達を失った悲しみと、あの子達が帰ってきた、という思いに。

誠が悲しげに微笑みながら、ハンカチで私の涙を拭いた。
「かわいい孫がお嫁さんを連れて帰ってきたんだ。さぁ、笑って出迎えようじゃないか。千代。」
「そうですわね。とても、幸せなこと。笑いましょう、誠。」
別れの悲しさと出会いの嬉しさに声を詰まらせながら、私達は笑顔で彼らを出迎える。

いつだって、この金木犀の下で出会いと別れがあった。
私は誠と出会い、あの子達と出会い別れ、今度は孫達と出会った。
次は、私達が彼らに別れを告げ、新たに彼らは自身の大事なものと出会うのだろう。
せめてその日まで、誠と共に彼らに安らぎを与えよう。静かに、誓った。
671金木犀(Suthat Tinh yeu):2011/03/29(火) 10:29:55.50 ID:FGqOPeX+
1957年9月20日17時05分 日本

残暑厳しい一日だったが、夕暮れには柔らかく心地良い風が吹く。
微かな金木犀の香りをランが嗅ぎつけ、誘われて共に夕焼けの庭園に出た。
「今年も、咲き始めたねー。」
ランは嬉しそうに笑う。祖父母が愛した花の香りを、ランも毎年楽しみにしていた。

祖父母が亡くなった時期も、ちょうど1年前のこの頃だった。
金木犀の花が咲く頃に祖母を看取った後、祖父も金木犀の花が散る頃、眠るように亡くなった。
まるで後を追うように。
伴侶との新たな旅立ちを予感させるような、優しい最後の微笑みを思い出す。
そういえば、凄惨な最後にも関わらず、父の最後も穏やかな顔つきだった。
愛する者と悔い無く生きた者達は、ああやって静かに終わりを迎えるのだろうか。

「ねぇねぇ、おばあちゃんから聞いた、おじいちゃんとの馴れ初めの話、聞きたい?」
聞いて聞いて、とばかりにランがじゃれつく。それを抑えつけ、金木犀の下で膝枕をしてやる。
「ああ、聞きたいな。」
「ある所に車椅子の寂しがりやのわがままお姫様と、戦に疲れた優しいナイトがおりました・・・。」
何故かお伽話風に脚色し、ランは嬉々と祖父母の話を始める。まるで見てきたかのように、粛々と。

ブラウンの瞳が、俺を写す。視覚を失った分、吸い込まれるような深く美しい眼差し。
傾いた夕陽が、俺達と金木犀の影を長く伸ばす。風が微かな甘い香りを運んでくる。
夕陽に赤く染まり笑うラン。月光に青く染まり泣きじゃくるラン。どちらも、同じランだ。
たまらなく愛おしくなり、目頭が熱くなる。そっと、髪を撫でた。

「で、ね・・・あ、そうだ、私、できたかもー。」
俺の気も知らずランは話し続ける。・・・今、何か言ったか?
「あ、私の話聞いてないー。もういいー。」
「ごめん、ラン、何ができた?」
「ひどーい!絶対教えない!」
そっぽを向かれた。俺はご機嫌取りに必死になる。不意をつかれ、ランに押し倒された。
甘い口づけ。恥ずかしげに、私達が一番欲しかったものだよ、とランは耳元で呟いた。
・・・そうか。赤い夕焼けに浮かぶ青い月を見上げながら、ランを抱きしめる。

俺達は生きた。俺は狂気の中。ランは暗闇の中。生と死が交錯する中。
これからも生きる。それぞれの想いを胸に秘めながら。出会いと別れを繰り返しながら。

父の横顔。母の後ろ姿。ユイの微笑み。劉の苦笑い。ドイツ兵の悲しげな目。鬼瓦の温かい眼差し。
祖父と祖母が手を取り合って、互いを見つめ合う姿。
全てと出会い、全てと別れる。そして、俺達にもいつか別れの日が来る。

ランの温かさが愛おしい。狂おしいほど、愛おしい。
この温かさと離れるとき、俺はどんな顔をしているのだろう。ランはどんな顔をしているのだろう。

「ねぇねぇ、お腹空いたー!」
「・・・今日は、外食に行こうか?」
「いいねー!」
朗らかに笑うランを立ち上がらせ、手を取り、歩き出す。
そうだな。俺達に辛気臭いのは似合わない。笑って、行こう。いつも。いつまでも。

俺達の背中を押すように、金木犀の風がそっと、吹き抜けた。
672名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 10:38:18.86 ID:FGqOPeX+
金木犀(Suthat Tinh yeu) 終了 
占有ごめんなさいまじ自重
673名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 19:25:57.14 ID:xAhkO6Lm
GJ! GJ!! GJ!!!
幸せな結末で良かった!
もう一度最初から読み返してくるよ!
超乙でした!
674名無しさん@ピンキー:2011/03/29(火) 23:02:50.44 ID:IB8j5/Y9
GJだ
675名無しさん@ピンキー:2011/03/30(水) 22:01:11.46 ID:zrx68R39
聾唖少女のとか読みたいんだが、台詞とかでやっぱ難しいかな?
676名無しさん@ピンキー:2011/03/31(木) 23:40:25.54 ID:rjbxijrZ
かたわ少女面白かった
677努力:2011/04/02(土) 23:54:47.29 ID:0gcxtgJf
“ちょっと、来い! (゚Д゚#)”
昼休み、惰眠を貪ろうと目論んでいた俺の目の前に、達筆な文字&顔文字付きの紙が突き出された。
半ギレ気味に目を上げれば、クラスメイトの花梨(かりん)が睨んでいた。
メガネ美人が睨むと怖さが乗数的に増加する。
自慢のツインテールも逆立って見える。ええ、マジギレなう、ですね。わかります。

ブレザーのネクタイを捕まれ、書道部の部室へ連行された。
がちゃり、と鍵を開け、畳部屋へ俺を放りこむと後ろ手でまた鍵をかける。
花梨はここの部長で、鍵を顧問から預かっているからこそできる貸し切りだった。
経験上、貸し切り=折檻に繋がるわけだが。
何だ、何かやったか!?必死で記憶を辿るも、頭の中の容疑者は黙秘権を行使していた。
花梨が俺のネクタイを掴み、俺の顔を自分の顔の位置まで下げる。首が締められて苦しいっす。
でも、シャンプーのいい匂いだぁ。くんかくんか。
「ァアー!ウーガー!クー!キー!ワァアー!!」
いきなり花梨が顔を真赤にして俺に吠えかかる。普段、決して声を出さない花梨が。
いや、出せない、という方が正しいのか。

花梨は生まれつき聾だった。声は慣れない者が聞けば、意味を成す人の声としては認識できない。
だから、花梨は人前で絶対に声を出さない。自分の発声が異質だという事を、身を以て知っているから。
花梨の声を聞ける、という事は特別扱いという事で誇れる事なのだが・・・。
いかんせん、卍解状態の花梨の声は、慣れている俺でも聞き取れなかった。

落ち着いて、言いたい事を書いてくれ、と伝える為にうろ覚えの手話を使う。
えーっと、「安心」―胸を両手で撫で下ろす形―
でもって、「書く」―右手をペンの形にして、左の手のひらに書く感じ―
花梨は理解したのか、ふー、ふーと息を荒げながらメモ帳にしゃしゃ、っと筆ペンで書き殴る。

“さっき、クラスの子にキスしていたでしょ!!”
―繋がった。昼休み開始直後に、隣の女子に「耳の透明ピアスの留め金が難しいからやって」とお願いされて、
あいよ、とやってやったのだ。
花梨の席から見たら、頬にキスしているように見えなくもない。
溜息交じりに、自分のメモに書き、花梨に見せる。
“ピアスを留めた。クラスでキスするわけない”
“雌犬のピアスなんか留めないでよ!!”
雌犬の漢字の流麗っぷりに感心しながら、筆談による説得は無理だとあきらめる。つーか、メンドくさい。
678努力:2011/04/03(日) 00:01:48.43 ID:CroA37v7
後は、実力行使のみ。花梨を抱きしめ、キスをする。じたばたと抵抗されるが、腕力で離さなかった。
抵抗が収まり、キスを受け入れ始めた。唇をついばみ、舌先でちろちろと相手の舌を舐める。
「くぅ・・・ん・・」
子犬が甘えるようの声。おー、よしよし、かわいーなぁ。
俺は無言で、ゆっくりと大きく、口の動きで花梨に言葉を伝える。
『え・い・ち・し・た・い』
花梨が、阿保、馬鹿、無理、と言わんばかりにおろおろと首を振る。冗談だったのに。

その様子を見て俺のSっ気が発動した!嫌がる花梨のブレザーを脱がし、ワイシャツのボタンをいくつか外す。
ピンク色のブラが出てきた。お、飾りがいっぱいある。今日は脱がされるつもりだったかな!?などと妄想。
ホックが背中側だったので、脱がさずに上にずり上げた。ぷるん、と程良い大きさのおっぱいが登場した。
大きさは、まぁ良いでしょう。乳首は淡い桜色。美しいッ!と鑑賞している間に腕で隠された。

てめぇ、美の鑑賞を邪魔すんじゃねぇ!と逆ギレ気味に花梨を抱きしめて拘束しながら足払いをかけ、畳に優しく寝かせる。
逃げ出そうとしたので、両手を掴んで花梨の頭の上で抑えつけた。
おおー、おっぱいがワイシャツから飛び出てイヤラシすなぁ。
花梨は相当嫌そうな顔しているが、キニシナイ。乳首をちゅちゅ、と吸う。ほれ、固くなった。
体は正直だなぁオラオラ、と脳内で絶叫しつつ、両方のおっぱいに吸いつき続ける。

「かー、はぁー、んん・・・」
花梨が少し感じ始めて、少しHな息をし始めた。
抵抗が弱くなったので両手を離した―途端、花梨が頭突きをかました!
うげええ!追撃を防ぐためガードを固めたが、何も起きない。
両手のガードの隙間に花梨の手が差し込まれ、優しい力で広げられた。
マッハ突きを覚悟した俺に、花梨がキスをした。
ぽかん、としている俺を横目に下着を脱ぎ、スカートのポケットに突っ込む。
また寝っ転がり、恥ずかしそうに横を向きながら、俺に手でおいでおいでをした。
飛んだ。俺、飛んだね。ルパンばり。偉大なるイカロス様、人は、萌えで飛べました。

花梨とキスしながら、あそこに手を伸ばす。少しだけ、濡れていた。前回は強く触ったら痛そうだった。
教訓を生かし、今回はできるだけ優しく触る。そーっと、ぷくん、て膨らんでいる外側をふわふわ撫でる。
ヒダヒダの所をさやさやして、一番真ん中の所を下から上まで指でなぞり上げる。あ、濡れてきた。
なんか、うれしいね。もっと感じて欲しい。真ん中の上、クリトリスのあたりをやわやわと触る。
「くう・・ん。くぅん・・・」
キスをしながら花梨が子犬みたいに鳴く。可愛すぎて萌え死ぬる。ミトコンドリアが狂いそうです。

突っ込みたい!必死でズボンを脱いで、チンコ出して、ゴムを着け・・・ありません。死ね俺。
花梨がナニダラダラシテンダボケ、という感じで俺を見る。メモにサラサラっと。
“ゴム忘れましたサーセン”
蹴り飛ばされ、無様に部屋の隅まで転がり壁にぶつかる。背骨が折れるかと思った。
目の前にパサリ、と半紙が落ちてきた。見事な行書体で「部室内イチャラブ禁止」―花梨の作品。悪夢だ。
当の花梨は自分のブレザーから財布を取り出し、何かを掲げた。
そ・・それはッ!日本の至宝オカモトコンドーム0.02EX!!
黄門様の印籠の前に、俺は悪代官ばりに平伏した。
679努力:2011/04/03(日) 00:12:37.60 ID:CroA37v7
俺の前に転がってきたゴムちゃんをいそいそっと装着し、花梨の中に入った。ぬるん、と呑み込まれる。
熱くて、柔らかくて、すぐに出そうだった。あそこだけじゃなくて、接している肌全てがしっとりと吸いつく。
本当に一つになった感じがした。歯を食いしばりながら、ゆっくりと動かす。
「ん・・、ああ・・ん・・・」
花梨も痛がる様子もなく、眉をひそめてHなのを我慢している感じ。小さな喘ぎ声でも凄くいやらしい。
前回に比べて中がより濡れているし、柔らかくなったような感じがした。
花梨がニコッ、と笑いかける。本当に、可愛い。頭まで真っ白くなって、腰が勝手に激しく動く。
花梨が口で手を噛みながら、我慢している。時々、ん!んん!と喘ぎが漏れた。もう、我慢出来ない!
びゅ、びゅーと音が鳴った気がするくらい、射精する。花梨の中がきゅ、きゅと絞めつけてとても気持ちがいい。
射精が止まり、花梨の体に突っ伏すと、強く抱きしめてくれた。

お互い背を向けて自分の後始末。うわー、なんか気不味いよねーこの時間。
始末を終えて花梨の方を向くと、既に一寸の隙もなく立ち、腕組みをして俺を見ていた。
怖いっすよ笑って笑ってー。ヘラヘラっと媚びの笑顔を振りまく俺の前に、ふわりとメモ用紙が舞い降りた。
“手話ヘタクソ。教えてやるから帰りに家に来い。誰もいないから。”
嬉しくて上を向いた俺の唇に、花梨の唇が被さった。途端に昼休み終了10分前のベルが鳴った。
慌てて戻ろうとする花梨の手を捕まえ、こちらを向かせる。伝わるかな?

花梨を指さした後、左手で自分の心臓を抑え、右手でその上を大きく回すようにさすった。

花梨の顔がぱっ、と輝いた。俺に飛びつくように抱きつき、耳元で囁く。
「あー・・うぃ・・しーてぇー・・るー・・!」
ぎゅー、と力のかぎり花梨を抱きしめた。やった、伝わった!
おっと、授業、授業。手をつなぎながら、俺達は教室へ走った。
680名無しさん@ピンキー:2011/04/03(日) 00:19:41.91 ID:CroA37v7
終わり。>>675へipadやスマートフォンを駆使する電脳聾唖っ子を提示したかったが、無理。
持ってない&興味ないから書けなかった。誰か電脳に詳しい職人が書かないかな。
昔に比べたら電脳化のおかげで少しはそういう人達に優しい時代になったかも、と思ったり。
681名無しさん@ピンキー:2011/04/04(月) 23:53:41.50 ID:GBjKunrq
GJでした! 花梨さん可愛いなぁ
ていうか上手いなあ

>>675
>>435とかどうでしょう
682名無しさん@ピンキー:2011/04/05(火) 04:17:54.39 ID:VnVQEqep
GJ!
最近投下が多くてありがたいです
683名無しさん@ピンキー:2011/04/09(土) 05:39:07.90 ID:IuoBk7rG
皆様次スレの季節のようです
684名無しさん@ピンキー:2011/04/13(水) 00:40:15.54 ID:6PhfLRfT
保守
685名無しさん@ピンキー:2011/04/17(日) 20:54:54.69 ID:b8R5apB9
「さて、今日の私はオンナノコの日です。」
「そのようですな。」
「ですが、私はシたい。しかしながら、ケツマンコは、事前準備をしておりません。」
「そうですな。」
「されど、クチマンコは先程歯を磨いて頂いたので、したくありません。」
「ほぉ。」
「と、言う訳で、ワ☆キ☆マ☆ン☆コ!バッチコーイ!」
柚香(ゆずか)様が、天蓋付きのベッドの上でネグリジェから覗く短い四肢を、バタバタさせて気合を入れる。
事故で失ったのは、美しい四肢だけだった。母親譲りの美貌は、衰えるどころか以前より華麗さを増している。
ついでに気合と根性と性欲は3倍増しになった。貧相な胸は変わっていない。
「柚佳様、黙ってお休みください。早くお休みにならないと胸の成長の阻害になります故。」
「うっせー!クソ執事のくせに主人の傷抉るんじゃねぇ!揉んでデカくしなさい!命令だからね!ほら早く!」
ワガママと口の悪さも3倍増しだった。やれやれ、と柚香様の胸をネグリジェの上からマッサージする。
揉むほど無いので、自然とそうなる。以前マッサージと言ったら噛み付かれたので、これは禁句だ。
「ん・・うん・・気持ちいいよぉ・・・。」
身を悶えさせながら柚香様が喘ぐ。薄く透けた布を押し上げる薄桃色の乳首を指で軽く摘む。
「あ!ああ!いやぁぁん!」
体が跳ねる。四肢がない分、自由奔放に動きまわる体だった。濡れた目で私を見て、にやり、と笑う。
「ほら、クソ執事ぃ。前戯はいいからさっさとクソチンポで私のワキマンコに汚いザーメン撒き散らしなさいよぉ!」
私はチャックを下ろし、性器だけ露出させ、ベッドの上に正常位で柚香様の腋にあてがう。
柚香様が腋で私のモノを締めつけた。滑らかな肌は、汗で濡れていた。ゆっくりと動く。
柚香様の熱く荒い吐息が私の下腹部にかかる。ちろちろと柚香様の舌が腰のあたりを舐め回す。
「ああん!クソ変態にワキマンコ犯されて気持ちいい!あんたはダルマ女のワキマンコは気持ちいいの!?ねぇ!?」
「ええ、気持良くなければダルマで変態でワキマンコをクソ変態に犯されて喜ぶお嬢様の執事など、やっておりません。」
あはは、と柚香様は楽しげに笑う。先走り汁と、汗で滑りが良くなった腋を犯し続ける。
口や膣と違った、乱雑で粗野な締め付けは痛みに近い快感だった。
「ああ、気持ちいいよぉ・・・ワキマンコぉ気持ちいいよぉ・・・!」
柚香様は気違いじみた行為と自分の言葉に酔って、うなされるように喘ぐ。
やがて来た絶頂を耐える事なく、柚香様の腋へ白濁液を撒き散らす。
「あ、ああん・・・ふふ・・・こんなに、いっぱぁい出しちゃってぇん・・・」
柚佳様はうっとりとした表情で腋へ舌を伸ばして、届く範囲の白濁を吸い、舐めとった。
柚香様の体を清め、寝付かせるためにまたベッドに登る。
柚香様の上に被さり、体重を掛けぬよう腕と足で支えながら、絶妙に体は合わせる。
ずいぶん前に「クソ執事、寝れないから肉布団になりなさいうふふ」から始まった就寝前のイベントだ。
正直、ツライ。柚香様が微笑みながら、私を見る。とても綺麗だ。本当にそう思えた。
「ほら、もっと私に体を近づけなさい。本当にダメな執事ねぇ。肉布団一つできないのかしら?」
はいはい。体を近づける。短い四肢が動いて私の体に触れた。たぶん、抱きしめられているのだろう。
柚香様の顔が首に近づく。唇が頸動脈に触れた。噛み付かれたら終わりだな、とぼんやり思う。
ぼそぼそと、微かに呟いた。ありがとう、と。私も小さく呟く、どういたしまして、と。
すー、すー、と大きく息を吸う音。私の匂いでも嗅いでいるのだろうか。香水は付けていないが。
やがて、呼吸音は小さく、規則正しくなった。柚香様を見る。穏やかな表情で眠っていた。
天使のような寝顔、か。神様も腰を抜かす程の美しくて口の悪い天使だ。
静かにベッドを降り、羽毛布団を被せる。おやすみなさい。そっと、部屋を出た。
686名無しさん@ピンキー:2011/04/18(月) 15:05:00.22 ID:vqNLw7e9
良いノリだw
687名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 19:58:29.15 ID:TpK8l0FY
どなたか新スレ建てお願いします
688名無しさん@ピンキー:2011/04/19(火) 20:04:21.57 ID:3R4Zzd2F
テンプレいじってみた。自分は立てられないのでどなたかよろ

スレタイ
【心と】障がい、不自由のある日常2【身体】


身体障碍(がい)、知的障碍、精神障碍(心の病)などを抱える人物モノです。
永続的なものに限らず、一時的な不自由になるものもアリ。
(例)ケガで入院し不自由
   ショックな出来事で引きこもったり、パニック障碍のようになったり
小説にした場合、「この状況が障がい、不自由にあたるか?」と、判別が難しいことも多いです。
変に拘りすぎず、投下者の裁量に任せましょう。

■前スレ
【心と】  障がい、不自由のある日常  【身体】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204098249/

■関連スレ
病弱少女のHなSS 第二病棟
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1211710410/

■保管先(2chエロパロ板SS保管庫-オリジナル・シチュ系-15号室)
http://green.ribbon.to/~eroparo/contents/original15.html

【注意事項】
・書きながらの投下はお控えください。書き終えてからの投下をお願いします。
・SSの最後には、投下が終わったことが分かるように了をつけるなどしてください。
・特殊嗜好の作品の場合は投下前に注意書きをお願いします。
・sage進行でお願いします。
689 忍法帖【Lv=1,xxxP】 :2011/04/20(水) 16:51:24.19 ID:fhzWTchW
俺も無理だ……誰か頼む
690名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 22:49:51.44 ID:RUZzE8mO
立てたよー

【心と】障がい、不自由のある日常2【身体】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1303307370/
691名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 22:58:31.91 ID:SnMr6tqB
乙武
692名無しさん@ピンキー:2011/04/20(水) 23:01:00.21 ID:fhzWTchW
>>690
乙です。
693名無しさん@ピンキー:2011/04/21(木) 22:58:37.10 ID:Q7kZMZSr
埋め
694名無しさん@ピンキー:2011/04/22(金) 19:50:30.80 ID:7gbasXEB
生め
695名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 22:20:13.13 ID:8LHfnKan
目の見えない足の動かない女の子に
子ども作るためだけにあてがわれた男
しかしだんだん情が湧いてきて……
696名無しさん@ピンキー:2011/04/23(土) 23:59:00.76 ID:iUv3bfnW
>>695
最後は駆け落ちして、子供を抱いて顔を撫でて笑う妻の笑顔でEND
697名無しさん@ピンキー:2011/04/25(月) 21:29:58.83 ID:wWJmURkD
良い発想だ、盲目で車椅子で可愛い女の子とか居たらもう堪らん
698名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 08:50:48.33 ID:Ao6HzHTE
>>697
ギアスのナナリーとかですね。
699名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 15:33:17.96 ID:+coOUOH/
なぜ障害のある娘に惹かれるんだろうな?
700名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 18:27:00.08 ID:5qFNsWUq
>>699
5体揃ってる人より魅力的だからに決まってんだろ
全部揃ってるとか美しくない
701名無しさん@ピンキー:2011/04/27(水) 20:51:02.15 ID:6btupxPB
>>699
そこに障碍がある美少女、美女が居るから
702名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 01:24:25.28 ID:b1xr6qH0
ヤフチャのアダルト部屋で・・・
ryokoryoko_aroma1←家庭ではレスの欲求不満の悲しいアラフォーばばあ!
“癒しのアロマ部屋”で夜な夜な、たるんだ身体を披露してます
旦那とは、レスで浮気相手を探して今夜も公開頑張ってます!
住んでる地区は、千葉でも東京寄りなんで関東の皆さん!
溜まってる方は、是非1発抜いて貰いましょう。誰でもさせてくれるよ
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バスケットやってる高校生の息子と中2の娘にバレたら大変だな!!!
公然わいせつ罪で訴えてやるかな! あははは〜!
703名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 01:38:16.39 ID:a7JK90fm
何故このスレなんだw
704 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/28(木) 02:53:05.66 ID:GOCUdva4

埋め小ネタ――『ゆがみ』


「私のこと、好きなんかじゃないんだよね?」
 白いブラウスのボタンをふたつ外したとき、彼女は小さくつぶやいた。
「だってさ、こんな体の女なんて、好きなわけないよ。絶対」
 その声はかすかに震えている。
 僕は彼女の顔を見る。うつむいて目を合わせようとしない彼女に、そんなことないよ、
好きだよ、と言って首を振る。
 一番下までボタンを外しブラウスを左右に開く。袖から腕を抜いてやると、下着だけを
残して彼女の上半身があらわになり、下を向いた顔が恥辱と苦悶に満ちる。初めて裸身を
見られた少女のような、強い緊張と動揺が僕にもはっきり伝わってくる。
 彼女の胸には大きな傷があった。
 幼いころの事故が原因で、向かって右側、彼女の左鎖骨からヘソのあたりに至るまで、
幅太く深い傷跡が残っていた。本来乳房のあるべき場所はえぐれ、ところどころデコボコと
赤黒い肉が盛り上がり、産毛も生えず異様にツルツルしていて、肌のあたたかみといった
ものはまったく感じられない。対して右胸には傷はないが、不具となった半身を補うように
乳房や腰が過剰に成長し、信じられないほど肉がついてしまっている。
 彼女は、まるで左側と右側で別の生物が合体したような、いびつな姿をしていた。
「うそだよ、絶対うそ、だってこんなだよ、こんなんで好きになってもらえるわけない」
 下着へ手を伸ばそうとする僕に、彼女が消え入りそうな声で続ける。
 たしかにこの異形の肉体を見れば、誰もが目を疑い、声を失うだろう。彼女が事故に遭う
前からいつも一緒にいて、もうすっかり平気になっている僕以外は。
 彼女は職場では一切を秘密にしている。おのれの異形を必死で隠しながら普通の生活を
送るというのは、おそらく僕の想像もつかないほどつらいことだと思う。
 偽りの日常のなか蓄積されるどうしようもないゆがみは、こうして僕とふたりでいる
時にだけ、解き放つことができるのだ。
 そんなことないよ。僕はもう一度言って、彼女を守る錠のようなフロントホックに指をかけた。
705 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/28(木) 02:58:02.39 ID:GOCUdva4

 下着は右の乳房に合わせたものなのでひどく大きい。丸々と張り出していた乳房が、
ホックが外された途端はじけるように飛び出して、すぐ重力に負けぬるりと垂れ下がる。
いっぽう左胸では、詰めていたパッドが落ち中のえぐれた部分が丸見えになる。性徴前の
子供のような直線といえば聞こえはいいが、成人女性の胸としてはやはり異常に鋭角的で、
その薄すぎる脂肪と筋肉の奥に心臓が動いている様子さえわかる。
 僕はだらしなく垂れた乳房を左手で掴み、片手では持て余す肉のボリュームを感じながら、
脈打つ心臓部の赤い肌に頬を寄せた。ほとんど剥き出しにさらされているその臓器はとても熱い。
僕の頬を感じて彼女の身が固くこわばり、鼓動のビートがさらに上がる。
「ほんとは私のことなんて何とも思ってないんでしょう?」
 せつないほどに激しく胸を波打たせながら、また彼女が言う。
「ただ幼馴染だから優しくしてるだけでしょう? ただ同情してくれてるだけ、
 愛情とかそんなものじゃない、こんなみにくい体した女、誰にも愛されるわけないよ」
 彼女はいつもこの調子で、行為の最中ずっとみずからを貶め続ける。見えない罪への罰を
与えるかのように。
「女……そう、女の体じゃないもんね。人間の体じゃないよ、こんなの」
 日々抑圧されている感情を、僕の前でだけは隠そうとしない。
 頭の上で聞こえる声はいよいよ涙の響きをおびてくる。
 そんなことない、好きだよ。何の癒しにもならなくても、僕は言い続ける。
 彼女は体も心も徹底的にゆがんでいる。そのゆがみのすべてを、僕は受け止めるのだ。
「ん、んっ……」
 左手の指を動かしているうちに、色の濃い親指大の乳首が固くふくらんでくる。
 彼女のえぐれた左胸の乳首は欠損している。その分、右の乳房の先端は愛撫の刺激を鋭く感じ、
貪欲に反応するのだ。指先で撫でまわし、軽くつまんで引っぱったり、逆に指がうずまるほどに
押し込んだりしていると、後ろ向きな言葉をつむいでいた彼女の口から甘いため息がもれる。
「気持ち……いいよ、……ねえ、私、気持ちよくなってもいいの……?」
 この体がたしかに女体であるということを、彼女に伝える。それこそが僕と彼女の性行為の
本質なのだ。
706 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/28(木) 03:03:26.01 ID:GOCUdva4

 僕は彼女をベッドに横たえ、股間の下着を取り去った。茂みの奥にあらわれた器官は
疑いようもなく人間のものであり、きちんと女の形をしている。
「そこだけはまともだよね……? だからもうそこだけ見てて。そこを見られてる時だけ、
 私は女でいられる。そこでつながってる時だけ、自分のこと女だって思えるのよ」
 彼女の言葉どおり、割れ目の谷の奥はもう十分に準備ができていて、口を開けて僕との
交わりを切望していた。すぐに僕は屹立した肉茎をあてがい、彼女に応えた。
「んっ……ぅんんっ……」
 ゆっくりと、しかし力強く腰を沈め、彼女の女に僕の男を受け入れさせる。
 中の熱くやわらかな肉を分け入り、ひだをこすって、僕の脈動を彼女に感じさせる。
「ねえ、私の……気持ちいい? ちゃんと気持ちいい? ねえ……」
 大丈夫だよ、気持ちいいよ。執拗なくらい尋ねてくる彼女の顔を真下に見据え、僕は言う。
 腰を動かしながら視線を少し下にそらすと、彼女はそれを敏感に察知して、両手を伸ばし
僕の頭をぐっと掴んだ。
「おっぱい見ちゃだめだよ、萎えちゃうでしょう?
 目つぶってよ、ね、今つながってるとこだけで私を感じて、おねがい……」
 彼女の悲愴な思いが伝わってきて、僕の胸にたとえようのない愛おしさが広がる。
 その感情はすぐさま僕に高まりをもたらした。
「あ、やめ……!」
 僕は彼女の手を振りほどくと、眼下の平らな胸に唇を押しつけた。彼女の悲鳴じみた声が
聞こえる、かまわずに赤い胸へ舌を這わせる。月面のように広がっている不均整な肉の肌を
丁寧になぞると、彼女は身を震わせ声をあげた。
「やめっ、やめて、やめて、おねがい……っ、や、あ……」
 しかし僕は伝えたかった、彼女のあらゆる部分を愛しているのだと。どんなに無様な格好を
していても彼女の肉体は僕を感じて反応してくれている、立派な女体なのだから。
 彼女の心臓が爆発してしまいそうなほど脈打っている。それを横目に見ながら僕は、かつて
愛らしいピンク色の乳首があっただろう場所を、唇で強く吸った。
「あひっ、ひああ、あっ、っ……!」
 僕の茎をつつんでいた肉壷が強く収縮して、同時に彼女の全身が細かく震えた。
 ピンと背をのけぞらせ、僕に胸を押しつけるようにして女の快楽を味わっている。
 僕は唇に熱い鼓動を感じながら、彼女の腰を強く抱き、すべての精を放った。

「大好きだよ……、ずっと、ずーっと、そばにいてね。ね……」
 明日が来れば、また彼女はゆがみ始める。
 事が終わりぐったりと惚けている今この時だけ、彼女はまっすぐな笑顔を僕に向けるのだ。

(おわり)
707名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 03:23:29.01 ID:1Rcbk3a4
gj
708名無しさん@ピンキー:2011/04/28(木) 19:25:23.52 ID:a7JK90fm
>>704-706
GJ
こういうの好きだわ
身体に刻まれた傷ってエロいよね
709 忍法帖【Lv=18,xxxPT】 :2011/04/28(木) 19:27:26.65 ID:GQarS1SE
お二人ともお幸せに
710 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/29(金) 22:28:55.24 ID:tjP3qwbS
まだ書けるかな?埋め小ネタ――『シンコ姫とガラスの足』 (レズ描写あります)


 生まれた時から、新子には右足がありませんでした。
 体のほかの部分はとてもかわいらしい女の子なのに、細い脚の先っちょだけが、くるぶしの手前で
ツルンと丸くなっているのです。原因はよくわかりません。何人もお医者さまに見てもらいましたが、
誰もが驚き、面白がるばかりで、新子の足を生やすことはできませんでした。
 右脚に長さが足りないので、うまく左足に体重をかけなければよろよろと立つこともできません。
ほかの子みたいに自由に走ったり跳んだりできない自分の体が、新子は嫌いでした。
 内向的で卑屈なせいでしょうか、継母やふたりの義姉からもいじめられる毎日を送っていました。
新子にはむずかしい家事を言いつけてひっくり返る姿をケラケラ笑ったり、誕生日のプレゼントに
新子の欲しがったきれいな靴をわざと右足だけ贈ったり、それはそれは陰湿なものでした。
 このつらい日々に耐えていればいつか必ず足は生えてくる――幼いころはそう信じていた新子も、
成長するにつれて、それが何の根拠もない幻想だと思うようになりました。そして同時に、この欠けた
足こそが私が私である証なんだ、これのおかげでひどい目に遭うことが私の喜びなんだと、ゆがんだ
マゾヒスティックな資質を花開かせていきました。

「ほら、シイちゃん、靴下を脱いで私たちに見せなさい」
 胸やお尻が少女らしくふくらみ、右足首もいっそう丸みをおびてきたある日のこと、新子は、
いつものようにふたりの姉に見下ろされていました。椅子にすわったまま、右膝をかかえ上げて、
言われたとおり白い靴下を取り去ります。それは靴下というより椅子の脚についているカバーの
ようで、中から靴下にも負けない白くすべすべした肌があらわれます。
「なにこのみにくい足、こんな片輪であなた恥ずかしくないの?」
 上の姉が薄笑いをうかべて言いました。新子は赤くなって身をすくめます。
「ほら隠さないの、恥ずかしいところ見せてごらんなさい」
 下の姉がふくらはぎを掴んでグイと引き上げました。ふたりに足首の先をまじまじ見つめられて
しまい、新子は目をつぶって体をよじらせました。足の無い足首は隠すべきところ、恥ずかしい
ところで、こんなふうに見られるととてもイヤで涙が出そうになります。なのに、その何も無いはずの
部分からむずむずくすぐったいようなほのかな熱が湧いてきて、しだいに甘い感覚へと変化し、
体じゅうをじんわりと包んでいきます。新子は苦しそうにあえぎました。
「なあに? シイちゃんったら、こんなことされて感じてるの? 変態ね」
「ほんとうに恥ずかしい妹だわ、あなたって」
 きつい言葉を浴びせられるほどに、足首の熱は高まっていきます。さらに姉たちは、新子を罵倒
しながら熱くなった場所を乱暴に撫でたり、肉と骨の感触を味わうように先端を揉みしだいたり、
唇を寄せて薄くにじむ汗をすすったりと、いろいろな方法で足首をいじめます。
「んっ、ふう、っ……、お姉さま……もう、やめてよ……」
 息を荒げて懇願する新子に、上の姉は冷たい目を向けて言いました。
「口のきき方に気をつけなさい。やめてください、でしょう?」
「やめて……ください……」
「うそばっかり。こうされるのが嬉しいくせに」
 そう言われると新子は黙ってしまいます。たしかに体は姉の乱暴を愛撫のように感じ、反応して
います。本能は何よりも正直で、口から出るのは形だけの拒絶です。新子は自分の卑しい性分を
悟りまたいっそう恥ずかしく、体の芯がとろけるように熱くなるのでした。
711 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/29(金) 22:31:25.77 ID:tjP3qwbS

 そんな恥辱と屈折の日々を過ごし、新子が十五歳を迎えたころ、王宮で大きな舞踏会が開かれる
ことになりました。王子さまが花嫁をさがすためのものに違いないという話が国じゅうをかけめぐり、
母や姉たちも王子の目にかなおうと、豪勢に着飾っていそいそ出て行きましたが、歩けない新子は
家でひとり留守番を命じられていました。新子はつぶらな瞳にどこか影のある、長く垂れた黒髪が
美しい少女になっていました。
 ああ、いまごろ王宮ではみんな楽しく踊っているだろうに、私はなんて情けない存在なのかしら。
そんなことを思いながら、なんとなく右足首をいじってひとり遊びしていると、来客を告げる鐘が
鳴りました。玄関にあらわれたおばあさんは新子の足もとを見て言いました。
「あんたが新子さんだね、どうだい、あたしの魔法で足を生やしてあげよう」
「魔法ですって?」
 いぶかしむ新子におばあさんは、持っていた杖をひらりとかざしました。するとどうでしょう、
足首の肉がみるみる盛り上がり、射精にも似たえもいわれぬ快感とともに、左足を鏡写しにした
ような見事な右足が形成されたのです。
「す……すごい、すごいわ!」
 足の裏にたしかな床の肌ざわりを感じながら、新子は興奮して言いました。すらりとふくらんだ
くるぶしの先に、なめらかな白い肌、ところどころ青く透き通って見える血管たち。五つの指先を
きゅっと丸めると、健康的なピンク色をした爪が見えたり隠れたりします。
 嬉しそうに生まれたばかりの右足を撫でている新子に、おばあさんは笑顔で言いました。
「その足とドレスで舞踏会にお行き。いつもいじめられているあんたへのプレゼントだよ」
 新子は自分の体が、華麗なドレスに包まれていることに気がつきました。
「これが……これが私?」
 信じられないという顔で、ドレスの裾を持ち上げその場でくるりとターンします。
「ありがとう! ありがとうおばあさん!」
「ただし、魔法の効果は今夜の十二時までだ。それまでに帰って来なきゃいけないよ」
「はいっ!」
 笑顔でこたえると、新子は月の輝く街へと飛び出していきました。
712 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/29(金) 22:35:17.63 ID:tjP3qwbS

 王宮内の誰もが、生まれ変わった新子の姿にため息をもらしました。母や姉も、新子の足もとを
見るや茫然としています。今や新子は国内に並ぶもののない美少女。生まれて初めて味わう健常の
喜びを全身でかみしめ、幸せにふるえていました。
「僕と踊ってくれませんか?」
 そのうるわしいドレス姿はもちろん王子の目にもとまりました。ダンスなんて絶対できないと
思っていたけれど、新子が王子と手を合わせると、不思議なことに右足がリードするように動いて、
何も考えなくても美しく躍動的なステップを刻んでいきます。
 若い王子はすぐに、腕の中で泳ぐように踊る少女に心を奪われました。
 ふたりはこっそり舞踏会を抜け出し、王子の部屋で特別な時間を過ごすこととなったのです。
「僕と結婚してくれるかい……?」
「ああ王子さま、私なんかにそんなこと! なんて素敵なの……!」
「僕は本気だよ、さあ、ベッドにおいで……」
 ドレスを脱ぎ、窓から差し込む月明かりに裸身をさらした新子は、自然と右足を後ろにやって
隠そうとしましたが、もうその必要はありません。
 王子は、染みひとつない新子の体を見て感動の声をあげました。ベッドに横たわった新子の
なだらかな胸の丘に手を伸ばします。ほのかなピンクに色づいた敏感な部分が、丘の上で王子の
愛撫を待っています。指先を受け入れるとぴくりと震え、少女らしいおびえをみせました。
「こわがらなくていいんだよ。君は美しい……」
 心地良い低音でささやくと、王子は熱い息をつきながらピンクの先端に唇を寄せました。
 初めて味わうしびれるような感覚に身をよじりつつも、そのとき新子の心にわずかな違和感が
芽生えていました。
「あの、王子さま……。足を……右足を、さわっていただけませんか?」
 新子の突然の申し出に、王子は怪訝な目を返しました。
「君は足が性感帯なのかい?」
 新子はとまどいました。正当な男女の営みであるはずの乳首を愛撫される感覚は、足の無い
右足首を乱暴に扱われた時の快感とはまったく違って、芯の部分が熱くなってこないのです。
肉体の奥にある自分の本能が、物足りなさすら感じてしまうのでした。
 おそろしいその感覚は、王子が右足をさわってくれても変わるものではありませんでした。
左足と同じ、足としてそこにある右足は、裏のところがくすぐったいというごく普通の触感しか
持っていませんでした。
「ああ! なんてことなの!」
 右足を生やしてしまったばかりに、新子は、あの被虐的な性の喜びを失ってしまったのです。
「ああ王子さま、私は片輪になってしまいました!」
 錯乱した新子の耳に、時計台の大きな鐘の音が聞こえました。十二時です。
 魔法のことを思い出し、すっかり動転しながら新子は部屋を飛び出しました。追いすがる
王子の声と足音が響きます。そのとき、新子の右足がガラスのように透き通って、足首から
離れコロリと転がりました。魔法の効果が切れたのです。ドレスも元のボロ切れみたいな
ワンピースに戻ってしまいました。
 新子は必死の思いで王宮から逃げ出しました。杖のような右足首が土を突く感触に、何とも
いえないなつかしさを感じながら……。
713 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/29(金) 22:38:59.13 ID:tjP3qwbS

「……それで、逃げてきちゃったの?」
 ボロ切れだけをはおって帰ってきた新子に、下の姉ははあきれて言いました。
「やっぱり、あなたにはその足がお似合いよ」
 上の姉がそう言って笑います。そんなちょっとした攻め言葉を聞いただけで、新子は唇を
ゆがめて喜びに震えました。
「ほら、泥だらけになってるじゃない。洗ってあげるから、おいで」
 姉たちは新子を床にすわらせ、湯を張った洗面器を用意して、右足首をそこにつけました。
じわりと熱がひろがって、新子が息をつきます。
「お姉さま、私は変態です。欠けている部分でしか感じられない変態なんです」
 目をうるませながら言うと、上の姉がふたりを代表するように答えました。
「よく言ったわね。じゃあ、これからも私たちが毎日いじめてあげる」
「お姉さま……!」
 新子は両手を腰の後ろに回され、タオルで固く縛られました。さらに左の足首をベッドの
脚に縛りつけられます。なんとか動かせるのは右脚だけ、という格好になり、
「不自由な方が燃えるんでしょう?」
 冷たく攻撃的な四つの瞳で見下ろされると、新子の全身にゾクゾク鳥肌がたってきて、
湯の中の足首には早くも快感が芽吹きはじめます。
「きれいになったかしら? ちゃんと足を上げて見せなさい」
 上の姉の言葉に、新子は膝を伸ばして足首をさらしました。しずくがふくらはぎを垂れ、
いったん膝裏のくぼみに収まってから、内ももの方に流れて跡を作りました。
「とりあえず、留守番をほっぽって家を出たお仕置きをしなくちゃね……!」
 そう言うと姉は、まるで子供のお尻を叩くように、新子の先端を平手で強く張りました。
 ピシャン! 水を含んだ高い音と同時に、短い悲鳴が響きます。
「ぁう! うっ、あぁあ!」
 新子の悲しげな声に耳を貸さず、いえ、聞こえているからこそさらに何度も、姉は手を
振り下ろします。貫くような衝撃が新子の細い体を弾かせました。
714 ◆UsjP9J/qHI :2011/04/29(金) 22:48:53.21 ID:tjP3qwbS

 下の姉が新子の右側にまわり、無防備な股間に手を差し入れてきました。ワンピースの
短い裾はめくれ上がり、何も着けていない内部が丸見えです。
「そろそろこっちもいじめて欲しいんじゃないの?」
「そこはっ……!」
 ハッとした新子が抵抗を試みようにも、四肢は拘束され、心はそれ以上に固く姉たちに
捕らえられていたので、なすすべなく指の侵入を許してしまいました。姉の指先の触れた
ところがとても熱くなっているのが自分でもはっきりわかって、それを知られることは
耐えられない恥辱であり、また耐えられない快楽でした。
「もうこんなに湿っているじゃないの。お姉さま、この子ったら叩かれてよがっているわ」
「ああ……っ……!」
 ねばつく液をすくいとった指先が、新子と上の姉の眼前でひろげられます。上の姉は
叩いていた手を止め、やれやれといった風に、
「まったくしょうのない子。罰にならないわね」
「ごめんなさいお姉さま、ごめんなさい」
「許さないわよ。そんなに感じるなら、これを使って奉仕なさい……」
 そう言って自分も下着を脱ぎ、肉付きの良いお尻を新子に向けました。
「まさか、お姉さま、そんな……そんなこと!」
 姉はなめらかに丸い新子の足首を、みずからの女性器に押し当てました。姉のその部分も、
茂みの奥でも光って見えるくらいに濡れています。新子の目の前で、細い脚とはいえ性器に
入れるにはあまりに太い足首が、少しづつ姉の中にうずまっていきます。中はあたたかで
吸いつくようにやわらかく、まるで足首が生殖器になったみたいに、みだらに動くその部分に
神経が集中するのを感じます。
「あ、は……、ふとぉい……!」
 姉がゆっくり腰を振って、足首を中へと沈めていきます。下の姉はその様子にうらやむような
視線を送りながら、新子や自分の股間からあふれる潤滑液をぬぐって結合部にこすりつけています。
 今や新子の足首は、完全に姉たちの性具になっていました。
「シイちゃん……、あなたはね、私たちのオナニーの道具なのよ」
 上の姉が、髪を振り乱しながら言いました。お尻の向こうに上気した横顔が見えます。
「足の欠けてるあなたはね、せいぜいオナニーの道具として生きるしかないの。わかった?」
「わかりました、私はただのいやらしい肉性具です、お姉さま、どうか私でオナニーしてください……!」
 新子はぼろぼろ泣きながら叫びました。自分の中の何かが弾け、頭が真っ白になりました。
 それはとても気持ちの良い瞬間で、これが味わえるなら人間なんかでいられなくてもいいと、
新子は心から思いました。

 それからしばらくたって、お姫さまをさがしているという王子が新子の家を訪れました。
「こちらに右足の無い女の子がいると聞いた。このガラスの足をつけてみてもらえないだろうか。
 ぴったりと合えば、僕はその子を花嫁にするつもりです」
 新子は彼の執念に驚きました。はたしてガラスの右足をつけると、あの夜と同じように、
足首の先にピタリとくっついたのでした。
「おお! 君があの時の姫さま!」
 しかし新子はその右足を、王子の股間めがけて思いきり蹴り上げました。
 ガラスの右足は粉々に砕け散り、王子は泡をふいて倒れました。
「ごめんなさい王子さま、でもこれであなたも私の仲間ですね。案外良いものですよ、片輪って」
 そう言って新子は笑いました。ガラスの破片が新子のまわりでキラキラ輝いていました。

(おわり)
715名無しさん@ピンキー:2011/05/01(日) 06:44:42.02 ID:BKkkpXpm
この発想は無かったw
GJ!!
716 ◆UsjP9J/qHI :2011/05/04(水) 19:14:58.33 ID:nCGBcLhS
埋め小ネタ――『ある盲目少女の初夜』


「どう? どんな感じ?」
「なんだか、気持ちいいです……ドキドキして……ふわふわ、してます」
「さぁ、もっと脚を開いて……ここはどうだい?」
「あ、は……そこが、いちばん、くすぐったくて……」
「敏感なんだね。とってもきれいだよ」
「きれい……って、どういう感じですか?」
「とてもきれいなピンク色をしてる」
「ピンク色ってどんな色ですか?」
「えっと、……桃色?」
「桃は食べたことありますよ、すごく甘くて、トロトロしてます」
「うん、そういう感じだよ、とてもおいしそうだ」
「わたしのそこが? 甘いんですか?」
「確かめていいかい?……」
「あ! あっ、あぁ……! なんか、あったかいのが……動いてますぅ……っ!」
「ああ……甘いよ、とっても甘い女の子の味がする」
「はあ、はぁっ……、それが、ピンク色なんですか……?」
「そうだよ、おぼえておくといい」
「あなたのもピンク色なんですか?」
「えっと……俺のはちょっと黒ずんでるかな」
「クロズンって何ですか?」
「ええとね、黒……ピンクの反対って言えばいいのかな」
「甘くないんですか?」
「ちょっと苦いかもしれない」
「確かめても……いいですか?」
「ああいいよ、ほら、口開けて……」
「ん、んっ……んぶっ……っ、ごほ! ごほっ」
「ごめん、ちょっと深かったかな」
「大丈夫です、ごふ、……苦くてしょっぱかったです、これが黒?」
「そうだよ、おぼえておくといい」
「あの、もう一度いいですか? もっと黒を知りたいんです」
「もちろんだ、今度はゆっくりね」
「んっ、ぐ……じゅぶ……、この味……」
「うっ、いいよ、よく味わって……俺も気持ちいいよ……」
「わらしの舌におぼえさせてくらはい、これが、黒なんれすね……!」
「ああっ、くわえたまましゃべられたら……も、もう……!」
「ふぶっ!?」
「あっ、ああ、出……!」
「何ですか!? あ、あ、いっぱい出てきましたっ」
「あ、はぁ……それが……精液だよ……」
「精液……どろどろで、ぬるぬるで、苦味とえぐみと、すごいニオイ……。黒い、とっても黒いです」
「あ、いやゴメン、それは白いんだ」
「白い? 白っていうと……」
「黒の反対だね」
「ピンクの反対が黒で、黒の反対が白なんですか?」
「ええとね……」
「なんだかややこしいんですね。わたし、見えなくてよかったかも」
「アハハ。そうかもね」
「そうです、見えなくても全然気持ちいいですよ。もっと気持ちいいことしましょう!」
「ゴメン、回復するまでちょっと待って……」
「えーっ、白いのくださーい!」

(おわり)
717名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 20:22:37.03 ID:sN6MSdeU
新スレもよろしくおねがいします
718名無しさん@ピンキー:2011/05/04(水) 20:26:24.36 ID:jPnwTCd8
GJ
うめ
719名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 12:58:09.37 ID:2UxnB2Fm
目が見えない、耳が聞こえない、口がきけない
足が動かない、腕が動かない
精神に障害がある、
いろいろあるけどそんな彼女たちとハーレムを作ったら楽しいだろうね
720名無しさん@ピンキー:2011/05/05(木) 16:19:32.09 ID:IIJ9u6Cv
束縛凄いんだろなw
721名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 00:09:03.62 ID:fBEwCY+M
テイルズオブハーツに出てくるお姫様が最後下半身不随になるのだが
騎士にお姫様だっこしてもらったりして
なんというか、萌えたな
722名無しさん@ピンキー:2011/05/06(金) 09:32:55.82 ID:kzCUYiGk
半身不随の可愛い女の子がお姫様抱っこされるとか萌えるな
723名無しさん@ピンキー:2011/05/07(土) 19:47:41.70 ID:NFcsgk6B
埋まりそうで埋まらない微妙な状態だ
とりあえず身体に大きな傷が残ってる女の子萌え
724名無しさん@ピンキー:2011/05/08(日) 01:46:42.66 ID:8HgU4hCe
全員かたわ少女をプレイするんだァー!
725名無しさん@ピンキー
>>88
両手の障害で足である程度のことは出来ても、オナニーで出したくても
自分のおちんちんはどうしても触れなくて悶々としているふたなりの女の子
こういうのはふたなりスレとこことどっちが良いかな?

>>120
>>723
大人しい性格の双子の妹が、ひぐらしの魅音のように姉と区別するために
間違って刺青を彫られたら。
すぐにばれ跡取りにも向いているわけでもなく、魅音のように入れ替わらず姉が
跡取りになり、刺青彫られた妹のこと気にかけて、姉が妹以上に不憫に思い
妹もまた姉にそう思わせてしまったことが原因で気にしてしまう。
こういうのもこのスレに含んでも良いかな?