【なのは達と別れ、地下にある次元犯罪者・ジェイル・スカリエッティのアジトに侵入した
フェイト・T・ハラオウン。目的は、スカリエッティの逮捕、及びアジトの制圧。
そこでスカリエッティの護衛に来ていた戦闘機人bRのトーレと、bVのセッテとの戦闘に突入する。
しかし、AMF状況下・2対1ということに加え、切り札であるライオットブレードも
ソニックフォームも温存しながら戦わなければならない、という制約付きでの戦闘に、
フェイトは大苦戦を強いられる。そんな中、モニター越しに現れたのは、彼女が長い間
追い続けていたスカリエッティだった。彼は言葉巧みにフェイトを挑発、それに逆上したフェイトは
一瞬の隙を衝かれ、バインドで拘束されてしまう……】
「くぅっ……」
――尊い実験材料に変えてあげたんだよ、価値のない、無駄な命をね……。
その言葉は、フェイトの価値観・人生観からすれば、最も許せない発言だった。
思わずカッとなり、モニターに移るスカリエッティに飛びかかろうとした瞬間――
怒りに我を見失ったフェイトの、視界が狭くなった。我に返ったときには、突如地面から
飛び出してきた赤い糸状のバインドに、彼女は身体とザンバーを絡め取られてしまっていた。
(しまった……!私としたことが……)
今更、自分の短慮を悔やんでみても遅い。なんとかバインドを解こうと手足に力を込めたが、
全く解けそうにない。一体、どうすれば……。焦るフェイトの前に、奥の方からカツカツと
足音を響かせながら現れたのは――
「……――っ!!」