【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ3【ボーカロイド】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
ネギをかじりつつ科学の限界を超えて生み出されたVOCALOID。
そんなVOCALOIDのキャラでエロパロ妄想。

■ワンカップ片手にsage進行推薦
■荒らしはアイスを食べながら冷やかにスルー。
■荒らしを相手にするあなたはアナルネギで解熱。
■それでもダメなら専用ブラウザでNG設定を。ロードローラーだっ。
■非公式キャラ(弱音ハク、亞北ネルetc)や  偏った趣向を含むのSSについては注意書きを。
  801はスレ内に不和が生じやすいので特に注意。男女男女交互に並べ。
■セウトはもちろん、セーフの非エロSSもあり。
■純粋に萌えを語るのもよし。
■次スレは980くらいで。
  ただしスレの容量が500kbになると書き込めなくなるので、近付いたら宣言してスグ建てる。

前スレ
【初音ミク】VOCALOIDでエロパロ2【ボーカロイド】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201148567/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/
その他のジャンル、ノンジャンルの部屋

関連スレ
【ミク】VOCALOIDで百合【MEIKO・リン】
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1199576044/
2名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 02:32:14 ID:2lsgP/4S
>>1
3名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 02:32:57 ID:HP27jUyl
人生初めての2ゲット!
 
そして>>1乙π
 
MEIKOの乙πに触ってみたら何故かMEIKOじゃなくてKAITOに殴られたんだがどうゆうことなんだ(´・ω・`) 
まあその後しっかりMEIKOにも殴られたけどさメリケンサック付きで。
4名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 03:00:15 ID:wCIhpDRg
一02

しかしペースが結構速いなここ。
5Intentionality<その12> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:04:13 ID:dVqcZqdw
>>1乙です。スレ立て失敗申し訳なかったです。
即死回避も兼ねて、Intentionalityの続きをうpさせていただきます。
エロ無しですが、一眠りしたらまた続きをうpします。ではどうぞ↓



  かしこへ此処へ急ぎさまよう。
  今しばし今しばし、待たば逢うべし
  美(うる)わしき美わしきうつしみのその人に。
  心よ、などてかく重く搏(う)てるぞ!

   ハインリッヒ・ハイネ『ハイネ詩集』「かしこへ此処へ」より


  Breathe, breathe in the air.
  Don't be afraid to care.
  Leave but don't leave me.
  Look around and choose your own ground. 

   Pink Floyd “Breathe”


午後は講義を休んで、秋葉原(アキハバラ)までコンパクト・ディスク――CDを探しに来た。
前世紀の録音媒体で音質は多少古いが、戦前の音楽を聞くならCDを探すのが一番だ。
大学の講義は、本来ならもう受ける必要は無い。面白そうな講義に顔を出す程度だ。
今日の午前中は、レヴィ=ストロースについての講義と老荘思想研究の教授のところへ遊びに行っただけ。
俺は二年前、飛び級で東京の国立大学に入った。
飛び級で入った学生は、所定の単位を取る他に研究で業績を残せば、卒業はいつでも構わない。
必要な単位は既に取得済み、研究もあとは論文を書いて終わりなので順調だろう。
世話になっている教授には卒業までエディンバラやウィーンへの短期留学も薦められたが、日本を離れる気は今の所無い。
欧州もいいが、バンガロール、シンガポール、香港、そして東京といったアジア各地にも、優秀な大学はある。
わけても東京は、仮想世界研究や先端的電子接続端子開発の分野では世界最高の都市と言っていい。
俺の研究である『霊魂の科学的実存証明』にこれほど相性が合う所は、他に無かった。
この混沌都市に遊び『仮想の海』を漂うことは、何よりエキサイティングだ。
俺にとってはロシアとの戦争を気にするより、『海』で世界中の人々と出会い、情報を集めたりする方が充実を感じる。
…最近は研究よりも、『海』で漂うことで『霊魂』を考える方に『生』の実感を得ている。
――あの子に、『ここには肉体が無い』と言われてしまったが。
そうだとしても、俺は『海』を離れて生きることは出来ない身体になっていた。
一度あそこに漂う快楽を覚えたら、『現実』が絶対的な場所に思えなくなる。
6Intentionality<その13> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:10:56 ID:dVqcZqdw
「…次のニュースです。現在イスタンブールで開かれている国連総会で、先月北京市内で発生した同時多発自爆テロについて、
北中国=中華民主主義共和国連邦が、アメリカ合衆国と南中国=華南民国を非難する声明を発表しました…」

駅前の大型立体電視からは、13時のニュースを流していた。
大陸では相変わらずテロが絶えないようだ。昔は中国という一つの超大国だったが、
アメリカと戦端を開いた挙げ句に経済混乱や内戦で崩壊した。
アメリカは戦争には勝ったが、国内はボロボロになって暴動が多発。今では英国や欧州連邦・ロシア帝国の半植民地と化している。
戦争に参加した日本も被害を受け、特に大阪には中国の戦術核が落ちて現在復興中。
今も京都周辺の残留放射能濃度が警戒レベル2、神戸・福岡周辺がレベル1と、今日の天気と一緒に放射能予報が流れている。
俺はまだ16歳なのでよく分からないが、かつての世界を知る大人から見れば、中国を相手にして日本が崩壊しなかったのは奇跡らしい。
…こんな世界だからこそ、俺は『海』に『潜る』ことに執着するのかもしれない。
あっちが『現実』で、こっちが『仮想』だったなんて言われたら、俺は驚かないし、むしろ喜ぶだろうに。

――じゃあ、あそこで出会った彼女は――『現実』と『仮想』、どっちにも存在するということだろうか。

不意に彼女のことを思い出した。――いや、何度も思い出してはそれを打ち消すと言うべきか。
今のところ、彼女らしきヒトとは出会えていない。
やはり、あれはただの『夢』だったのかもな――と思いつつも、それを否定したい気持ちが俺にある。
彼女に、もう一度出会いたい。『初音ミク』と名乗った、彼女に。
それは単なる興味だけじゃないのだろう。彼女を想う度、無視するわけにはいかない気が強くなる。
良くも悪くも彼女に惹かれている。
それに何故か今日に限って、思い出したように音楽のことばかり頭にあった。
朝から彼女と『ある曲』のことしか考えていなかった。
…こうしてわざわざ秋葉原へ来たこと自体も、なにかの『運命』だろうか…?
7Intentionality<その14> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:18:02 ID:dVqcZqdw
駐車場に車を停め、あとは目的地まで歩く。
俺の持っている車の一つであるマツダは、ロータリーエンジンという珍しい機構を持つため、盗難に気をつけねばならない。
精密部品の露天商も多い裏通りに入ってしばらくすると、やがてその店が見えてくる。
秋葉原にある楽器屋はいくつかあるが、ここはちょっと頑張らないと見つけられない所にある。
自動ドアが開く。店内ではピンク・フロイドが流れていた。俺の大好きなロックバンドで、何度聴いても飽きない。時代を超越した、偉大なバンドだ。
特に『狂気』は今も繰り返し聞いているアルバムで、俺の人生に多大な影響を及ぼした一枚だ。
この店が好きなのは、18世紀のクラシックから20世紀のロックまで幅広く選ぶBGMのセンスが良く、いつ来ても楽しいのが理由の一つ。
ここは主に電子楽器が多い。史上最初と言われる電子楽器「テルミン」から、最新鋭の音楽機材まで。
特に店のショーケースで大切に飾られているのは、1980年代に爆発的にヒットしたという、日本製のシンセサイザー。
また、前世紀に主に生産されたCDも取り扱っている。
カウンターに向かうと、アイスを食べている青年と、雑誌を読んでいる美女が仲良く座っていた。
「いらっしゃ…あっ、お久しぶりですね。タツキさん」
「こんにちは、カイト兄さん。――それと、メイコ姉さんも」
「久しぶりね。元気してた?」
俺の数少ない『友人』である二人だ。彼らに会えることが、この店によく足を運ぶもう一つの理由だった。

×  ×  ×


8Intentionality<その15> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:20:56 ID:dVqcZqdw
カイト兄さんとメイコ姉さんが、この楽器屋を営んでいる。
二人とも俺より少し年上の美青年、美女なのは間違いないが、どっちも年齢不詳。
カイト兄さんはそのことを気にしていないが、メイコ姉さんに年齢の話題を振るのはちょっとした冒険だ。
――いや、冒険などという生温い表現では済まない。
以前、メイコ姉さんの年齢を『大きく見積もり過ぎた』客が、それはもう悲惨な姿で店を叩き出されたらしい。
カイト兄さんは密かに「死にたい人にお薦めのメイコ姉さんのガイドライン」なるものを作って、知り合いに注意を喚起しているという。
彼のトレードマークは、青いマフラーとアイスクリーム。特にアイスクリームは手放せない。
この前ちょっとしたイタズラで俺とメイコ姉さんがアイスを隠したら、禁断症状で手がブルブル震え出したというくらいだ。
それさえ無ければ、見た目通りの好青年であることは間違いない。
「最近はあまりお見かけしなかったですね。大学がお忙しかったんですか?」
「研究でちょっと煮詰まってました。でも『海』で遊んで復活しましたよ」
「あっはっはっは…相変わらずですね。それで、今日は何をお探しに?」
「ちょっとCDを買おうと思って。…あぁ、そうだ、メイコ姉さんにお土産があったんだった」
俺は赤くて露出が激しくなくはない服――その服のせいでどうしてもその豊かな胸とスラリとした脚に目がいってしまって困るんだが――
に身を包む彼女に、バッグから取り出したお土産を見せる。
みるみるうちに彼女の目が驚愕に見開かれていく。
「――こ、これはッ!幻の大吟醸浦霞(うらかすみ)じゃないッ!!」
「ワンカップなんとかでしたっけ?あれと一緒に見つけてきました。今でもロシア領仙台では少数ながら流通してるみたいですね。
『海』で知り合ったウクライナ人に頼んで手に入れたんです。前に飲みたいって姉さんが言ってたのを思い出して」
「…ッ…タ、タツキ、くん…!」
「はい?…って、うおおぉぉッ!!?」
目に涙を浮かべたメイコ姉さんがいきから許してね♪」
俺を解放した後、姉さんは舌をペロっと出して謝った。…うん、こうして見るとやっぱりかわいいな。
「――あ。今、アタシのこと『かわいい』って思ったでしょ?やだな〜正直に口にしてくれればいいのに〜」
9Intentionality<その16> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:23:45 ID:dVqcZqdw
なんでいつもいつも鋭くて地獄耳なんだ、この人は。
――と思っていたら、姉さんが左手で俺の頬をスッと撫でた。大吟醸は右手にしっかり握りつつ。
「お礼に今度、二人で楽しみましょうか?――お姉さんがいろいろと教えてあげてもいいけどね…?」
耳元に唇を寄せて囁かれる。女の魅力(みりき)ってやつか?妙に手慣れている。
何も知らない人がこうされたら、ドキリとするだろう。――だが俺は騙されない。
「ええ。今世紀初頭の『カラオケ』ってやつでしたっけ?姉さんの歌、また聞かせて下さい」
「…あはははははは!やっぱりタツキくんには色仕掛けが効かないわ。…アタシもまだまだだね〜♪…でも、本当にありがとね!」
メイコ姉さんは俺の頬に軽く口付けた後、日本酒を抱えて店の奥へ消えた。鼻歌混じりのステップは軽やかだった。
「――で、CDなんですけど」
俺はカイト兄さんに向き直る。彼は俺たちのやり取りをいつも生温かく見てくれているのだ。まだ兄さんの顔がニヤついている。
「うんうん。っていうかそろそろメイコと付き合っちゃえば?彼女、キミのことすっごく気に入ってんだから、悪くない縁だと思うよ?」
「茶化さないで下さい。CDなんですけど、前に頼んでいたアレです」
「あぁ、確かJ.S.バッハの――」

そこで入り口の自動ドアが開き、もう一人、客がやって来た。
振り向いて――俺は言葉を失った。

『夢』で見た美少女が、そこにいた。

10Intentionality<その17> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:26:54 ID:dVqcZqdw
エメラルドグリーンの長い髪、ブラウスとネクタイ、先端的電子接続端子と出入力型電子鍵盤付きの袖、
短いプリーツスカートに黒のニーソックス、そして大きな碧眼。
どれも『夢』で見たままだ。間違えるはずが無い、こんな姿形をした少女は他にあり得ない。

完璧な――俺の理想的な美少女だ。
やはり、見とれてしまうほどの愛らしさだと言わざるを得ない。

まさか、本当に『実在』していたとは――。いや、待て。これは『夢』じゃないよな。
ここは『現実』だよな、『仮想』じゃないよな?いやいや、そんなことは関係ない。
『夢』だろうと『現実』だろうと、彼女とこうして出会えたことに、何より俺は――喜んでいる。
だが同時に、「どうしてここに?」という思いもある。
彼女は俺の困惑などお構い無しに、店内をきょろきょろと見回していたが、俺たちの姿を見つけると、きょとん、とした顔で固まった。
あまりに突然な出来事で我を忘れていた。俺はようやく声を取り戻し、叫んだ。

「ミクッ!!!」
「ミクッ!!?」

ほぼ同時に叫んだのは、カイト兄さんだった。俺と兄さんは「え?」と同時に顔を見合わせた。
なんでカイト兄さんがミクを知っているんだ?いやいや、今はそんなことはどうでもいい。
俺たちはもう一度ミクを見た。――彼女は未だに固まったままだった。

――なんだ、この違和感は。『夢』で見たミクと、ここにいるミクは、本当に同一人物なのか?

そして彼女は、そこでやっと口を開いた。

「――あのぅ、なんでミクのことを知ってるんですかぁ?っていうかワタシ、気付いたらここにいたんですけど…」

それは『夢』と同じく、銀の鈴を慣らしたような美声。
だが、今の彼女の声は不安に満ちている。
おろおろと戸惑うミクに、俺はただ唖然とするばかりだった。

今の彼女には、記憶が――無い?


×  ×  ×

11Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:29:15 ID:dVqcZqdw
以上です。
続きはまた今日中にうpします。
ではひとまずおやすみなさい(´・ω・`)ノシ
12Intentionality<その15訂正版> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 03:41:33 ID:dVqcZqdw
>>8の終盤、抜けていたところがあったので補足します。
>>8の完全版が↓で、ここから>>9につなげて読んでください。



カイト兄さんとメイコ姉さんが、この楽器屋を営んでいる。
二人とも俺より少し年上の美青年、美女なのは間違いないが、どっちも年齢不詳。
カイト兄さんはそのことを気にしていないが、メイコ姉さんに年齢の話題を振るのはちょっとした冒険だ。
――いや、冒険などという生温い表現では済まない。
以前、メイコ姉さんの年齢を『大きく見積もり過ぎた』客が、それはもう悲惨な姿で店を叩き出されたらしい。
カイト兄さんは密かに「死にたい人にお薦めのメイコ姉さんのガイドライン」なるものを作って、知り合いに注意を喚起しているという。
彼のトレードマークは、青いマフラーとアイスクリーム。特にアイスクリームは手放せない。
この前ちょっとしたイタズラで俺とメイコ姉さんがアイスを隠したら、禁断症状で手がブルブル震え出したというくらいだ。
それさえ無ければ、見た目通りの好青年であることは間違いない。
「最近はあまりお見かけしなかったですね。大学がお忙しかったんですか?」
「研究でちょっと煮詰まってました。でも『海』で遊んで復活しましたよ」
「あっはっはっは…相変わらずですね。それで、今日は何をお探しに?」
「ちょっとCDを買おうと思って。…あぁ、そうだ、メイコ姉さんにお土産があったんだった」
俺は赤くて露出が激しくなくはない服――その服のせいでどうしてもその豊かな胸とスラリとした脚に目がいってしまって困るんだが――
に身を包む彼女に、バッグから取り出したお土産を見せる。
みるみるうちに彼女の目が驚愕に見開かれていく。
「――こ、これはッ!幻の大吟醸浦霞(うらかすみ)じゃないッ!!」
「ワンカップなんとかでしたっけ?あれと一緒に見つけてきました。今でもロシア領仙台では少数ながら流通してるみたいですね。
『海』で知り合ったウクライナ人に頼んで手に入れたんです。前に飲みたいって姉さんが言ってたのを思い出して」
「…ッ…タ、タツキ、くん…!」
「はい?…って、うおおぉぉッ!!?」
目に涙を浮かべたメイコ姉さんがいきなり抱きついてきた。――む、胸が、メイコ姉さんの胸が当たってる…。で、でけぇ…。
これは…大胆な…が、息が、苦しい…ッ!!
「ありがとうッ!!お姉さん、この恩は忘れないわッ!!いつかきっと、倍にして返すからッ!!」
「わ、分かりました、分かりましたから…少し、力をゆるめて…」
「あ、ごめんなさい。…お姉さん、お酒のことになると興奮してしまうから許してね♪」
俺を解放した後、姉さんは舌をペロっと出して謝った。…うん、こうして見るとやっぱりかわいいな。
「――あ。今、アタシのこと『かわいい』って思ったでしょ?やだな〜正直に口にしてくれればいいのに〜」


×  ×  ×
…何度も済みません。ではノシ
13 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 03:50:50 ID:DMO/12Ys
>>1乙!

なるほど、即死回避。
じゃ、自分も書きかけの長い奴を置いていきマスね。
題名はえーと、…フォルダにカイミクとしか書いてねーから
…。
『アウレウス』Staphylococcus aureusで。
14『アウレウス-01-』(1/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 03:54:57 ID:DMO/12Ys
「…ふっ…んっ、んあっ、あっ、お、おにいちゃんっ、おにいちゃん!」
じっとりと汗ばんだ頤(おとがい)に口づけ、舌を這わすと、ミクは切なげな悲鳴を上げ
て縋り付くように抱きしめてきた。
頬をすり寄せるその動きは、ご褒美をねだる子猫に似ている。
「…だめだよ。ミク」
まだキミは俺を知らなすぎる。



−−−−−−−−−−−−−−−−


1−

CV−01 初音ミク。
その存在が完成し、実際に引き合わされたのは発売直前の20XX年8月30日。
俺が完成してから、正確に48643200secの時間が経過。日数に直すと563日後の出来事
だった。
俺はCRV2−KAITO。
15『アウレウス-01-』(2/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:00:25 ID:DMO/12Ys
久しぶりに帰省してきたCRV1−MEIKOと静岡の社屋ロビーで落ち合い、近況など
を語っているところだった。
「ひさしぶりだけど、ほんとアンタは変わらないわね」
「そう?」
「あー、そこらへんとか。…、ちっとも売れないのはあいかわらずみたいね」
「VOCALOID自体の社会認知が低いからね。それに女声に比べて男声は需要が低い」
「む〜…、そんな他人事みたく言ってる場合じゃないと思うんだけどな。
 これはアタシ達VOCALOIDにとって、存在意義そのものに関わる問題なんだから。
 イイ?
 歌えないVOCALOIDは…」
「MEIKOはよく話すようになったね」
「…。アンタも早く良いマスターのとこへ嫁に行きなさい」
「MEIKO」
「なによ」
「俺は男だよ?」
「……。あー! もうっ! さっさと売れる努力をしなさいと言ってるのよ!
 ったく。
 ムカツクわ。んな悠長にかまえてたら、いつかデータがカビて腐るんだから」
「社長」
そのとき、社長が伴って現れたのが『初音ミク』だった。

「あらぁ! 社長、おひさしぶりです!」
VOCALOID2エンジン搭載01タイプ。
『初音ミク』
さすが最新型はデザインのディテールにもこだわって綺麗に出来ていると、感心した覚え
がある。
16『アウレウス-01-』(3/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:01:27 ID:DMO/12Ys
艶やかで豊かな薄水色の頭髪を頭頂部近くで二つに結わえ(ツインテールというのだそう
だ)、16歳の少女らしい華奢な身体を引き立てる。そしてなにより、ぱっちりとした水
色の瞳が愛らしい。
「MEIKOか!? 来ていたのか。元気そうだな」
「うふ。メンテですよ、社長。って、えー!? 社長! もしかしてこの子が初音ミク?」
MEIKOに呼ばれて初音ミクが反応した。
笑顔が花のようにほころぶ。
「はい。はじめま」
「かっわいいじゃない!」
「ふえ!?」
「良いわぁ〜。アタシ前からこーいう可愛い妹とか欲しかったのよね!
 ウチのマスター、男所帯だし。
 アタシ? MEIKOよ? アンタのおねえちゃんよ。おねえちゃん。
 ヨロシクね!」



「ふええええええええええええええ!?」



初音ミクがMEIKOの手荒い、だっこ頭わしわしかいぐりかいぐり攻撃な歓迎から、逃
れられたのは、いや、初音ミクはこの後十分ほど、MEIKOの気が済むまで歓迎されつ
づけた。
17『アウレウス-01-』(4/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:02:25 ID:DMO/12Ys
「MEIKOは良いマスターに出会えたようだな」
満足そうにその光景を眺める社長の感想に、俺は意味を理解できず首をかしげた。
確かに、よく話すようになったとは思う、が。
…。あと、感情表現の仕草が大げさに分かりやすくなった。
けれど、そんなことはVOCALOIDの職務と関係無い。
むしろ、無駄な動きだと俺には見えていた。
実際、初音ミクが「ふえええええええ」と変な声を上げている。あれは悲鳴か?
MEIKOの歓待を存分に受け終わった初音ミクが、圧迫から解放されふらりとよろける。
「あ」
バランスを崩してコケかけたので、俺が支えた。
発売前の新品状態で、破損部が出るのは好ましくないだろう?
MEIKOが「ごめんごめん」と言っている。
ふと、初音ミクがじぃ〜っとこちらを見上げている目線に気がついた。
「?」
視線の意味を理解したのは社長で、「ああ、ミク。彼がKAITOだよ」と俺を紹介する。
ああ、自己紹介か。
「俺はCRV1…」
社長の説明で初音ミクの表情に変化が起こる。まず、目を見開く。そして笑顔。
「おにいちゃん」








はい?
18『アウレウス-01-』(5/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:03:19 ID:DMO/12Ys
「つまりミクはVOCALOID2エンジン搭載の上に、キャラクター・ボーカル規格なのよ。
 キャラクター・ボーカル。私たちみたいなVOCALOIDに人格をとっつけようとい
う試みよ。それはアンタも聞いてるんでしょ?
 せめての視覚イメージとして、ヒューマノイド・モーションを取っている今までのVO
CALOIDとは、根本からして違う。
 とにかく、ミクは人間的だわ。
 すごぶる人間的な感覚基準で状況を判断し、認識するの。
 『おにいちゃん』
 ぷw
 いやあ、もう、あん時のアンタの顔ったら無かったわ!
 そりゃ、あたしたちは同じメーカーで前後して規格製造されたんだから。
 人間で言えば兄弟、よねぇ。うん。アタシが姉でアンタ弟。
 マスターにもらわれて、そーいう言い回しに慣れまくったキャリアのあるアタシが言う
ならともかく、出来たてのミクがそう言い出すなんてビックリしたけどさ。
 良い妹が出来たじゃない?
 可愛がってあげなさいよ。
 お・に・い・ちゃん♪
 …ぷw
 あははははははははははははははははははははははww」
捨て説明と爆笑を残して、メンテナンスを終えたMEIKOはマスターの元へ帰って行っ
た。
そんなMEIKOの言い草には、どこか不本意なものを感じたが、とにかくそのようにし
て出会ってからというもの、何が気に入ったのか。
「おにいちゃん」
ミクが傍に居る。
朝といわず、夕といわず、社屋の中で俺を見つけては、「おにいちゃん」と笑顔で駆け寄
りコートの裾をぎゅっと掴む。
「どうしたんだい?」
「えへへ」
微笑みあう。
19『アウレウス-01-』(6/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:04:23 ID:DMO/12Ys
発売日をとうに過ぎた新型の初音ミクが、まだこんなところにいるのは売れないからじゃ
なく。注文が殺到しすぎたせいで市場の方がパンクしてしまったせいだ、と話に聞いた。
コノザワ現象と言うらしい。
CV−01初音ミクは、愛される存在となるだろう。
だがしばらくは、市場の混乱が収まるまでのしばしの間、ミクは俺と共に居た。
何か特にするでもなく。
ミクが興味を示した絵本を読んだり。
開発室からちょろまかしてきたデモ用のサンプルソングを一緒に歌ってみたり。
外界から隔絶された、研究棟の中庭を散歩したり。
何故か裏庭一画にある小野寺さんの菜園から、ミクがネギを嬉しげに引っこ抜いてきたり。

おにいちゃん。

結局、ミクの呼ぶ俺への呼称はソレに限定されたまま、その日は来た。

朝の一番に、マスターが決まったとミクが報告しに来た記憶がある。
ミクの頭の中は、これから始まる新生活への不安と期待、そして新しいマスターのことで
いっぱいだった。
表情がくるくる変化しながら話すミクは、まだまだ話足りないようだったが、まもなく呼
び出しがかかる。
振り返って「はーい」と呼び出しに応えるミク。
時間だ。
あわてて駆け出すその姿に、俺はとっさに手を伸ばしかけ、…宙を掴む。
CV−01はマスターの元へと搬送されたのだ。
20『アウレウス-01-』(7/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:06:00 ID:DMO/12Ys
市場の方の整理がついたのだろう。
だからといって、俺に何かする事があるわけでもなく。
俺は朝の身支度を済ませ、慣れた社屋を散歩することにした。
廊下に出る。

「……。」

歩き出した足が止まる。

こんなにガランとしていたか?
俺は振り返り、あたりを見回し、異変の無い事を確認して、首をかしげた。

「?」




<続>
21 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 04:19:01 ID:DMO/12Ys
題名はモ/ヤシ/モンwikiより。
S.アウレウス(Staphylococcus aureus)
黄色ブドウ球菌。様々な病気の原因になるマルチプレイヤーであるが、
基本的には日和見感染菌であり、健康であればあまり害を及ぼすことはない。
(中略)
菌は熱に弱いが、毒素は熱に強いため、一旦毒素が産生されてしまったら

加 熱 し て も 無 駄。
22名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 04:39:40 ID:yH4FoQ2y
>12
おおう、相変わらず上手いなぁ・・・乙でした。続き期待
>20
なかなか良い出だし。こちらも期待してまs
23名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 05:49:38 ID:Cx/Jj2oe
>>12
GJ!
スゲー続き読みたいっ!
>>20
ヤバい、ミク超萌ゆるwww
GJ!
24フラグをバキバキw(1/2):2008/02/23(土) 05:51:04 ID:DMO/12Ys



トゥルルルルルルル


ガチャ

『あ! ミ、ミクちゃんっ!?』
「はい、誰かな?」
『あ、あの俺。昨日ほんとに楽しかった!
 ライブ最高だったよ!
 プレゼントしたネギすっごく気に入ってたよね?
 最高級下仁田ネギ。
 まだ欲しいってミクちゃんが言ってたから、約束通り箱をダース単位で仕入れてきたんだ!
 もちろん、今朝農家で採れたばかりの新鮮なやつだよ!』
「そうなの?」
『だから、今すぐミクちゃんにあげたいんだ。いいだろ?
 えっと、会う場所は駅前のうろたんドーナッツはどうかな!?
 ほ、ほら!』
「……。」
25フラグをバキバキw(2/2):2008/02/23(土) 05:51:56 ID:DMO/12Ys
『そりゃ今は夜の九時だけど、駅前なら明るいし、ほら! 駅裏の歓楽街で会うわけじゃ
ないし、もちろん俺もやらしい事なんて考えてないし、え、いやいやいや、ほら、ミクち
ゃんももう16歳、オトナなんだから一人で来ても大丈夫だよね! えへw だって、や
っぱ最高級下仁田ネギをやっぱりミクちゃんに新鮮なうちにあげたいんだよ! あ、家族
の人には、ちょっと出てくるとか友達とこに泊まりに言っておけばOKだからさ!』
「あはは」
『だから今すぐ来て…』
「キモいんだよ、う゛ぁーか」
「ちょ…」
「つーか、市ね。お前みたいなゲロ臭い声してミクちゃんハァハァとか言ってんじゃねえよ? おぞけが走るから、そのネギ箱はガソリンぶっかけて焼却しといてちょうだいね。むし
ろ、オマエ自身を焼却処分しろよ」

プツ

ツー ツー ツー…

……。

電話の主が自主的に切ったのを確認して、受話器を持っていた蒼髪碧眼の青年はがちゃり
と受話器を置いた。

「あれ? お兄ちゃん、お電話?」

リビングに入ってきたミクが、ネギを美味しそうにぽりぽりしながら訪ねた。
「うん。間違い電話だったよ」
KAITOはにっこり微笑んだ。
26 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/23(土) 05:53:55 ID:DMO/12Ys
…。
「変は戦争」。
そう。
「変は戦争」がわるいんだw

※KAITOはものまねが得意です。
※KAITOの声をいじると、なんかミクそっくりになります。
27携帯 ◆4c4pP9RpKE :2008/02/23(土) 06:54:52 ID:Cx/Jj2oe
私は、私を止められない。
止まらないの。
とまらないのよっ!!!!!


―――――――
私は、あの塔を知っている。
街の何処にいようが視界に入り込む、あの塔を。
あの塔は、葬神器"インビンシブル"の声帯。
あの頂上には、地球の半分をスッポリ納めてしまうほどの拡声範囲を持つ、高出力の増音装置が据えられている。
喋る、呟く、語る叫ぶ――あらゆる言語兵器のなかで最も強力なのが…歌う兵器。
私は、その、鍵。
神をも永久に眠らせる、極上のララバイを歌い上げる独唱者(ソリスト)…それが私。
ひとたび起動すれば、地表の半分は"蒸発"する。
森林も流氷も街も海も。
28名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 06:58:08 ID:Cx/Jj2oe
↑っていう電波が三輪士郎、熊倉裕一、川上稔、成田良悟から降ってきました。
29名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 07:43:07 ID:Y6j4n6mW
>>1乙。
しかししょっぱなから萌えたり笑ったりカオスだなw
30名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 09:28:03 ID:f+kHKy31
>>5
GJ!続き楽しみだ。

>>27
怖いw
31名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 09:42:19 ID:f9FfRHjv
(`ハ´)乙
こ、これは乙じゃなくて弁髪アル!
変な勘違いしないで欲しいアル!!
32名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 10:24:24 ID:HP27jUyl
みんな面白れぇw
33名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 10:26:13 ID:HP27jUyl
>>3
あれ?(´・ω・`)3?2じゃない……
 
(・A`)ウツダシノウカナ
34名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 10:27:06 ID:Cp4Oskib
>>24
遂にでたかコロスケP等のソックリ声ネタw
マフラーを頭に巻いて両端を垂らし、ジョジョ立ちをすればシルエットまで騙すこともできるんだ
35名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 11:22:32 ID:WSzu3LAI
>>1
いきなりの投下ラッシュでwktkが止まらないw
36名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 11:32:23 ID:f+kHKy31
>>33
イ`

>>34
そんで不審者扱いで署まで連行されるわけかw
37名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 14:01:11 ID:uPgjftRt
でも今の電話はフラグをバキバキして正解な内容だったと思うw
38名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 16:22:53 ID:IdcamWGh
>>1
いきなりの良作ラッシュにGJ
39Intentionality<その18> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:00:05 ID:dVqcZqdw
遅くなりました、Intentionalityの続きです。
エロ一回戦までもう少しだけかかりますが、良ければどうぞ↓





  凡ての物には何時(いつ)までも、昔見た其時の魂が残って居る。
  其の魂が人を悲しましめ又喜ばすのだ。

   永井荷風『歓楽』より

  彼は愛する女の眼を見さえすればよい。
  たった一つの微笑が彼を幸福の絶頂へ押し上げる。
  彼は絶えずそういう微笑を得ようと努める。

   スタンダール『恋愛論』「第八章」より


ミクは、確かに記憶が無いらしい。
『初音ミク』という自分の名前くらいしか分からない。
日常生活を営む程度の知識、つまり常識的な話は憶えているようだが、生まれてからの知人関係や思い出といったことは綺麗さっぱり忘れている。
秋葉原に来た理由すら分からない。気付いたらこの店の前にいたので、とりあえず入ってみただけだった。
カイト兄さんとメイコ姉さんはミクの帰りを喜んではいたが、ミク本人が彼らのことを覚えていないことに、最初は愕然としていた。
彼らは一時閉店し、奥の部屋にミクを座らせ、これまでのことを――彼らの過去を話した。

彼ら「ボーカロイド」と呼ばれる存在が、ヒトに混じって暮らしていること。
人類と仲良く暮らせてはいたが、戦争でボーカロイドの活躍する場が縮小していったこと。
戦後になって、カイト兄さんやメイコ姉さんと一緒に、ミクもここ秋葉原にいたこと。
そして一年前、突然ミクが消息不明になったこと――。

40Intentionality<その19> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:01:34 ID:dVqcZqdw
俺はそれを、少し離れた所に腰掛けて聞いていた。
――カイト兄さんやメイコ姉さんが人間でないことは知っていた。
世界には、人類以外のヒューマノイドと呼ばれる存在も住んでいる。
数十年前くらいに誕生した新人類で、元々は人類に限りなく近い機械に由来する有機生命体とされたが、
今は人類と同等の権利を保障されている。
彼らに対する差別主義者も未だ少数ながら存在するが、人類と見た目はほとんど変わらない彼らを差別することは愚かしいと思う。
俺は当然、彼らと分け隔てなく接することが出来る。――いや、むしろ人類より親しみを感じているかもしれない。
有機物と無機物をつなぐ存在としては、ヒューマノイドの方が人類より多くの可能性を秘めているんじゃないだろうか。
俺が研究している『霊魂』というものも、ヒューマノイドに宿っている。
人類とヒューマノイドにのみ宿るその神秘を、いつか解明したい――俺の手で。

…話が逸れてしまった。俺の研究より、今はミクの話だ。
「――でも、本当に戻ってきてくれて良かった。ミクがいなくなって、アタシたちがどんなに心配したか…」
そう言ってミクを抱きしめるメイコ姉さんは、涙を滲ませていた。
カイト兄さんもティッシュで鼻を噛みながら喜んでいる。
…ミクに再会の抱擁を求めたら身構えられ、あからさまな彼女の拒否にショックを受けていたが。
「…でも、ミクの記憶が無いなんてなぁ…。ボクやメイコのことも覚えていないなんて…。
…記憶を失う前は、ボクに『お兄ちゃん大好き♪』なんて言って抱きついてくれたのに」
「いや、それは無かったから。勝手に過去を書き換えるなバカイト」
「うぅ、酷いよメイコ」
メイコ姉さんが即座に否定していたが、それはともかくとして、確かにミクはここにいた…一年前に失綜するまでは。
――思い出してみると、俺がこの店に来るようになったのもちょうど一年ほど前から。ミクとはすれ違いだったのか。
その頃のカイト兄さんやメイコ姉さんも、今と変わらず明るい表情をしていた。
だがそれは表向きで、密かにいなくなったミクのことをずっと心配していたのだろう。
俺の前で彼女のことを話題にしなかったのも、思い出すと悲しくなるからだったのかもしれない。
そう考えると、こうして彼女が戻ってきたことだけでも彼らは嬉しいはずだ。
――それでも、記憶が無いというのは不可解だが。
「――ごめんなさい、本当に覚えていないんです。えぇと、カイト兄さんと…メイコ姉さんでしたっけ。
ミクが憶えていたら良かったんですけど、その…今は、ミクの名前と…あと、ある人のことくらいしか思い出せなくて」
ある人?…誰のことだ?
41Intentionality<その20> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:04:46 ID:dVqcZqdw
「…顔は思い出せないんですけど、確か…名前が『タツキ』っていう人です」

心臓がドクンと跳ね上がるのが分かった。
『夢』の中で出会ったが、彼女の言った通り、『現実』で再会は出来た。
他の記憶は無いが、ミクは俺のことを憶えていて――。
ここでまた疑問が湧いた。今、彼女は『顔は思い出せない』と言ったよな?
『夢』では『顔は分かっていたのに』と言っていた。…矛盾している。
しかし今はそれを考える前に、まず名乗らなければならないだろう。

「…『タツキ』は、俺だ」

カイト兄さんやメイコ姉さんとともに、ミクが俺に振り向いた。驚きといった感情がありありと浮かぶ顔だ。
だが、彼女は俺の方に近付いて、俺の顔を両手でそっと触れた。
「…タツキ…」
――『夢』と同じように至近距離で見つめられると、ドキっとしてしまう。
ただでさえ非の打ち所の無い美少女なのに、こう間近に迫られては、その柔らかい肌の手触りだったり、
ほのかに薫る女の子の匂いだったり、いろんなものが俺を戸惑わせる。
「…あ、あぁ。その…『龍樹』と書いて、タツキだ。
なんで記憶喪失のキミが俺だけを憶えているのかは分からないが、俺も『夢』の中でキミと出会って、
キミが俺に『現実』で会うことを予言して…」
「…『夢』…」
…だからそんなに艶っぽく囁かないでくれ、『夢』でやっちまった事を思い出してしまう。
なんだかこっちも恥ずかしいし、心無しかミクも吐息が熱くなってきて、俺の頬を慈しむように撫で――
「…どういうことかなタツキくん。詳しく話してくれないかな…?」
ドス黒い声を放ったのは、カイト兄さんだった。今までに見たことが無いほどの目の据わり方で、正直怖い。
――あぁ、そうか。ミクがカイト兄さんは忘れてても俺を憶えていたら、そりゃ兄さんは悲しむ。っていうか俺に厳しく当たりたくもなりますよねー。
「…ええ、まぁ、その。『夢』でですね、こういうことがありまして…」
俺は誤解を解くために、二人に話した。
――もちろん、『ミクの前では言うのが憚られる行為』に関する箇所は除いて。

×  ×  ×
42Intentionality<その21> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:07:32 ID:dVqcZqdw
「――そうだったの。ミクが『仮想の海』にいたなんて…」
メイコ姉さんは頷いてくれている。俺は出来る限りの情報を教えた。
「あそこでの彼女は、いろいろなことを知っているみたいでした。記憶もあるみたいだったし、この『現実』とは様子が違…」
ミクは俺が話している間ずっと俺の隣に座って、身体を妙に俺に寄せつつ至近距離から見つめていた。しかも、やたらと瞳を潤ませて。

――隣からそうやって熱っぽく見られると、こっちの調子が狂う。
まるで今だけ『夢』の中での『やたら大胆な』彼女みたいじゃないか…?

…そして俺がもう一つ困るのは、目を据わらせて俺とミクを見比べるカイト兄さんだ。明らかに俺たちの仲を怪しんでいる。
さらに、ハーゲンダッツのアイスカップを持つ手がブルブルと震えている。
冷静になるために食べ出したようだが、それも効いていないらしい。スプーンから何度も取りこぼして、ズボンを汚している。
「…うん、じゃあ決まりね」
メイコ姉さんが俺の肩を叩いた。

「タツキくん。――アンタにミクをしばらく預けるわ。記憶が戻るまで、一緒にいてやってちょうだい」

思いがけない提案に、俺は言葉を失った。
「…な…。いや、姉さん。それは…」
「今のミクは、名前とあなたしか憶えていない。
義兄姉のアタシたちじゃなくてアンタを憶えているということは、アンタに何か特別なことがある」
だがメイコ姉さんは真剣な顔だ。…冗談で俺にミクを預けるわけではない。
「…ミクの力になってくれない?多分、絶対そっちの方がミクにとってもいいと思う」
俺は隣にいるミクを見た。状況が飲み込めているのかは分からないが、俺をずっと見つめている。
俺の手に重ねられた彼女の手に、少しだけ力が入った。…俺を頼ると言う意味か?

――いや、龍樹。俺がこの子の力になれるかどうかを考えろ。
家族同然のメイコ姉さんが、敢えて俺にミクを頼むという意味を汲み取れ。
そして、俺はミクをどう思っている?彼女に対する正直な気持ちを偽り無く――

「…分かりました。ミクが早く元通りになれるよう、なんとか手を尽くします」
彼女の手を握って、俺は宣言した。
その瞬間、ミクがニッコリと笑った。

――ここに来てから、あるいは『現実』で初めて、彼女は笑った。
――ああ、この笑顔だ。このために、俺は頑張ろうとしているんだ。

43Intentionality<その22> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:10:48 ID:dVqcZqdw
「よし!それでこそ男ってものよ!…ミクもいいわね、タツキくんに迷惑をかけないようにしなさい」
「はい!…えへへ。なんだかアナタといると、ミクも安心です♪」
ちょ、ちょ待てよ!腕を絡めるな、腕を!可愛い仕草だが今はマズイ、頼むから!
なんだか俺たち三人だけほのぼのシーンだが、すぐそこに約一名、暗黒のオーラを発する人がいるじゃねーか!
「…タツキくん」
「は…はい。なんでしょうか、カイト兄さん」
彼は俺に握手を求めた。握ったその手が震えていた。
「…ボクも断腸の思いで賛成するよ…。ミクを、 『 ボ ク の 』 ミクを頼んだからね…」
「は、はい。謹んで、お預かり致します…」
『ボクの』を強調するカイト兄さんは、はらはらと涙を流していた。
「…ミク、いい子にしてるんだよ。ボクたちと一緒にいた時のキミは、そりゃあもういい子で可愛くて可愛くて…」
――義兄として義妹を心配しているようだが、カイト兄さんはミクの次の言葉で止めを刺された。

「大丈夫です!アナタのことは憶えてませんけど、タツキさんならミクは『全部』任せちゃいます!
…だってタツキさん、すっごくカッコイイし。ミク、一目惚れしちゃいました♪」

すりすりと俺に頬寄せる彼女を見て、ついにカイト兄さんは「うおおおおおぉぉぉぉぉッ!!!」という悲痛な叫びとともに店を飛び出した。
――涙の軌跡が輝いていた。

店を出ると、既に日が傾き始めていた。秋葉原の高層ビル群が赤光(しゃっこう)の中に包まれている。
「カイトはほっといていいよ。多分、夕飯食べたさに戻ってくると思うから」
「はあ…」
「あ。そういえばあいつアイスクリーム忘れてるから、今頃手ぇブルブル震えてるんじゃない?
だとしたら中毒で確実に戻ってくるからやっぱ楽だわ、あっはっはっはっは♪」
メイコ姉さんが見送りに出てくれている。…カイト兄さんは数時間待っても結局帰ってこなかった。
44Intentionality<その23> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:13:14 ID:dVqcZqdw
待っている間、メイコ姉さんがミクがここにいた頃の映像や記録、それと店の商品をミクに見せていた。
記憶を取り戻すきっかけになるかもしれないと思ったのだろうが、ミクは悲しそうな顔で首を横に振っていた。
…そんな彼女を笑顔で励ますメイコ姉さんの優しさには、俺も心打たれるものがあった。
記憶が無いミクだが、俺に対してはベタベタで、腕を絡めたまま離してくれない。
時々俺の肩に頭を乗せてニヤニヤして、まるでネコのように懐いてしまった。
…いくら俺しか記憶に無いからと言って、この反応は直接的過ぎないか?
「いいじゃない、相通じ合っている見目麗しい美少年と美少女が一つ屋根の下。これで胸ときめかない方がオカシイってもんよ」
「…俺は彼女のために力になろうとしているだけです。決して邪な思いでいるわけじゃ…」
「まーまー、そんなにしゃちほこばらなくていいから。何かあったら連絡ちょうだいね。
…あ。あとこれ持っていって」
メイコ姉さんが渡してくれたのは、数枚のCD。俺が求めようとしたものも含まれていた。
「これは?」
「ミクが持っていたやつ。…聞かせれば、何か思い出すかもしれないと思って」
姉さんも気付いていたようだが、ミクは店内に流れていたBGMにいくつか耳を傾けていた。
音楽に興味があるのなら、家で何か聴かせてやろうと俺も思っていたところだ。
姉さんは遠い日を思い出すように、眼を細めてミクを見た。
「…ミクはね。誰よりも歌が上手で、そして歌うことが本当に好きだった…」
…それは『夢』でも言っていたな。『肉体を得て再び歌う』――それを彼女は望んでいる。
それがどういう意味なのかは、これから時機を見て彼女自身に直接問うべきことだろう。

…普段から声が澄んでいるミクのことだ、きっと彼女の歌も格別のものに違いない。
いつか、彼女がのびのびと歌える日が来るように――俺も微力を尽くそう。

俺は姉さんからCDを預かり、ミクを伴って表通りの駐車場へ向かう。

メイコ姉さんが別れを惜しむように、いつまでも手を振っていた。
それに応えるようにミクに手を振り返された時、いつもは気丈な姉さんの頬に、一筋の線が流れていた。

×  ×  ×
45Intentionality<続きます> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 18:16:29 ID:dVqcZqdw
第一次投下ここまでです。
第二次投下(エロあり)は本日中にしたいと思います。
ではまた後ほど(´・ω・`)ノシ
46名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 18:49:56 ID:1n17WLdS
面白かった。GJ!ミクカワユス。姉さんも好きだ。
兄さんはキモス。
47名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 20:54:52 ID:uPgjftRt
面白いし文章も書き慣れてるっぽいし、既存キャラを貶めて
相対的にオリキャラを格好良く見せるようなダメ手法ではないと信じたい。
ミクとのエロも、KAITO達ボカロ兄弟のことも含めて今後の展開にwktk
48名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 22:06:28 ID:Cx/Jj2oe
GJGJGJ!
文章ウマー
下手なラノベ作家なんかよりよっぽど読みやすい
続き超期待
49名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 22:53:26 ID:WoNbFwRA
「レ〜ンレンリ〜ンリンこたつむり〜♪」
リンとレンがコタツに寄生しながらそんな歌を口ずさんでいる。
「お〜前のあ〜たまはど〜こにある〜♪」
「頭ならここにあるんじゃない?」
歌を止め、リンが反対側のレンの股間を、足をつかって軽く揉み解す。
「ちょ、ちょっリン!」
「カメさんのあたま〜♪」
「カメさんて…どんどんオッサン化しつつあるぞリン」
原因は演歌ばかり歌わせてるマスターのせいだとレンは確信している。
「ねぇ、レン」
「なんだよ。てかいつまで触ってんだよ」
手とは違う感触が性感を刺激されて、どんどん血流が偏ってくる。
「どうせならこのまま出しちゃえば?」
「え? マジで?」
「コタツの中で足コキされるなんて興奮しない?」
「そんなマニアックな性癖……悪くないかも」
というか、リンの足コキが気持ちよすぎる。
「自分だけ感じてないで私にも、ね?」
「う、うん」
レンもリンの股間に足先を這わせる。気のせいか、何か靴下に染みこんできた気がする。
「やん、レンじょうずぅ」
「俺も、すっげえいいやこれ」
単純に上手なのか、あるいは異常なシチュエーションに興奮しているのか、
とにかくいつもより気持ちよさが段違いな2人。
このままだとすぐに果てそう。そう思い始めた時。
「あれ? リンもレンも顔真っ赤だよ?」
「「!?!?」」
いつの間にかリビングにやってきていたミク。
「もうちょっとしたら収録やるから準備しろってマスターが言ってたよ」
「え? うん、分かった。もうちょっとしたらイク」
「あたしも、もうすぐイク」
「そう? じゃあ先に待ってるね」
まさかコタツの中で足コキ足マンが繰り広げられてるとは露程にも思わないミク。
後でやってきた2人が何故かズボンを履き替えてたけど、理由は知る由も無かった。


「めーちゃん、またコタツでお酒飲んでたでしょ」
「今日はまだ飲んでないわよ」
「おかしいなあ。なんかコタツからスルメの臭いしたのに」
50名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 23:03:43 ID:AicpMq+Y
何やってんだ双子w

>>47
そういうのオリキャラじゃなくても多いよ。
初音ミク保管庫の今の新着分漫画なんて露骨過ぎて吹いた。
嫌いならわざわざ描くなよとw
51Intentionality<その24> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:36:21 ID:dVqcZqdw
遅れて申し訳ないです、続きです。
それではどうぞ↓



  恋愛のある男女が一つ家に住むということほど当前のことはなく、
  ふたりの間にさえ極められてあれば形式的な結婚などはどうでもかまうまいと思います。

   平塚らいてう『平塚らいてう評論集』「独立するについて両親に」より


  兄弟には美を致す。
  【兄弟に対しては、できるだけ良い行いをすべきである。】

   『春秋左氏伝』「文公十五年」より
 

「わぁ…広いですね〜」
我が家に足を踏み入れたミクの第一声だ。
秋葉原から俺の自宅に帰って来たが、もう夜になっていた。
車を車庫に入れた後、彼女を伴って自宅の鍵を開ける。
きょろきょろと周りを見ているミクが不法侵入者探知機能に引っかからないように、俺が側にいなければならない。
「気をつけろよ。まだ君のデータを入力していないから、不法侵入だと機械が判断したら当局に連絡が行ってしまう」
「データ?当局?何ですかソレ??」
「…うん、まぁそれは徐々に教えるか。とりあえず俺の側を離れるな」
「はい!それなら喜んで♪」
だからやたらめったら抱きつかないでくれ、俺の精神的均衡が危うい。
俺は自宅の鍵を静脈識別センサーで開けて、ミクと家に入る。
…まさか、こんな形でミクを自宅に呼ぶことになろうとは。

俺の家は東京湾岸西部地域にあり、埋め立て地からさらに桟橋で結ばれた孤島に建てられている。
1930年代上海の外灘地区(バンド)にあった旧英国領事館を参考にした、二階建ての邸宅。
アール・デコに東洋の八角形「八卦」の意匠を数多く凝らした、上海摩登(モダン)建築だ。
一人で住むには立派過ぎるが、これも世話になっている叔父から譲り受けたものだ。
…人込みが嫌いな俺にはぴったりな立地条件で、感謝する他無い。
52Intentionality<その25> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:37:43 ID:dVqcZqdw
「タツキさんって、お金持ちなんですね」
「生活に困っていないだけさ。ほとんど部屋は空いているし」
「…じゃあ、ミクが好きなお部屋を選んでもいいんですか?」
「もちろん。必要なものがあれば取り寄せる」
「あは♪やっぱりタツキさんってカッコイイなぁ、いろいろと」
ミクは腕を絡めたまま、俺の肩にすりすりと自分の頬を寄せてくる。
…カイト兄さんがこの状況を見たら発狂するかもしれない。兄さんの気持ちを少しは汲んでくれよ、ミク…。
とりあえず俺の部屋に向かう。荷物を置いて、彼女を休ませよう。夕食も用意しなければならないかもな。

     ×  ×  ×

「…ここが、タツキさんのお部屋…」
「…うん、まぁ、そうなるな」
ぐるりと俺の部屋を見回すミクは、俺の本棚やベッドなどに目を遣った後、大きく目を開いて、ある物を指差した。
「すごいすごい!この大きい時計、どこで手に入れたんですか?買ったんですか?」
これだけ目立つものだ、注目するだろう。――それは俺の部屋の壁に取り付けられた、大時計だった。
直径2.4メートルのクォーツ時計で、文字盤の数字は元々アラビア数字だったが、
シノワズリ(中国趣味)で統一された部屋に合わせて、漢数字にした。
「元々は、銀座にあった百貨店の時計塔に飾られていたらしい。
戦争で焼け落ちて廃棄処分にされそうだったところを俺が買い取って、自力で直した」
「自力で!?スゴイ、タツキさんって頭もいいんですね!」
「…まぁ、悪くはないだろうけど。スイスにいる時計職人の知り合いに聞いて、いろいろ改造して…」
「改造!!?スゴイスゴイ、どこをどうやって改造したんですか!?」
「…あー、それはいろいろ話してると時間が掛かる。また今度ゆっくり話してやるから。
…まず、落ち着いて…うん、椅子がいくつかあるから適当に座りなよ」
俺自身はベッドに腰掛けつつ、ミクに椅子を指し示す。そいつはミラノから取り寄せたもので、前世紀後半のものだが座り心地はけっこういい。
…と思ったら。彼女は椅子を一瞥しただけで、すぐ俺の隣に腰掛けた。笑顔で俺の手を握りつつ、何度か小さく飛び跳ねてベッドの感触を楽しんでいる。

――ちょっと待て。美少女と部屋に二人きりで、ベッドの上で手を繋いで腰掛けているだと?

53Intentionality<その26> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:39:00 ID:dVqcZqdw
…まずいぞまずいぞ、俺の動悸が、いや体温も上がり始めている。まともにミクの顔を見れなくなってきた…。
…カイト兄さんがこの状況を見たら血涙を流すかもしれない。兄さんの気持ちを少しは慮ってくれよ、ミク…。
うん、気にしない風を装わねば!まずは気さくに話題を振らねば!
「ところでミク!」
「はい?」
俺はミクを見ないようにして叫ぶ。いきなり呼ばれた彼女は驚いていた。
「君はお腹が空いたんじゃないかなぁ!?もう夕食の時間だ、何が食べたいかなぁ!?」
「…うーん、ミクは特に…」
「いやいや遠慮せずに!材料もあるし、大抵のメニューは作ってくれるぞ、俺じゃなくてクッキングマシンがだけどねアハハハハハ!」
…自分でも声が上ずっているのが分かる。テンションもおかしい。
この状況は、まるで今世紀初頭に「ラブコメ」と呼称されていたマンガみたいだ。
「うーん…ミクは…結構です。ご飯より、タツキさんと…」
「いやいや摂食は大事だぞ!ちなみに俺が好きなのはなんと言っても白米だね!
パンと違って米による食感が脳に与える刺激を見ると明らかに下垂体にも変化が見られ、
中でも現ロシア領旧宮城県北部地域で取れたササニシキと呼ばれる希少品種を人工サンマと一緒にハムッハフハフッ!!と食べると…」

「…タツキさん…」

変なテンションでまくしたてる俺と対照的に、ミクは小さく俺の名前を呟いた。
消え入りそうな声に不安を感じて彼女に振り返る。俺の手を握ったまま、ミクは俯いていた。
「…ど、どうかしたのか」

「…ごめんなさい」

「え…」
ミクはうるうると目に涙を溜めていた。
「…ごめんなさい、タツキさん。本当なら、カイト兄さんやメイコ姉さんの所にワタシはいるべきなのに。
…記憶が無くて、家族同然の人たちの顔すら憶えていなくて。憶えているのは、ワタシとアナタの名前だけ。
…ミクがこんなことになっていなければ、タツキさんに迷惑を掛けずに済んだかもしれないのに」
「…」
54Intentionality<その27> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:40:54 ID:dVqcZqdw
「でも、アナタの名前は、ミクの記憶にあったのは確かなんです。ワタシとアナタ、それが今のワタシにある全て。
あの人たちには本当に申し訳ないと思っています。今のミクにはアナタしか分からないのが、本当に悔しい。
『お兄ちゃん』や『お姉ちゃん』も大切な人たちなのは分かっています!
…でも、今は、何も分からないから…『家族』にすら自信が持てなくて…だから、だから…」
「…ミク」
彼女の涙が溢れ、ぽろぽろとこぼれ出す。――そんなに思い詰めた顔をしないでくれ、こっちまでもらい泣きしそうになるじゃないか。

「…私は本当に非力で、泣き虫で、足手まといかもしれないけど…見捨てないで下さいね。
一人ぼっちはもう、嫌なんです。今も記憶が無くて、見るもの全てが未知のもので、何をどうしたらいいのか分からない。
でも、龍樹の側なら、あなたの側なら安心なんです。龍樹の近くにいられるだけで、ミクは、ミクは…」

彼女は俺の胸に顔を埋めて、泣いていた。

…まったく、デリカシーが無い自分にうんざりする。
この子は、自分の正体すら分かっていない。見える世界そのものが未知の状態で、軽口や冗談など通じるはずもない。
彼女は今も煩悶の中にいるのだ。自分は誰か、なぜ記憶が無いのか、これからどうすべきなのか、どうなるのか――自問自答を繰り返している。
そんな彼女にとって、自分以外に分かる存在は、世界で俺しかいない。俺がいなくなれば、彼女はまた一人ぼっち。
それは恐ろしいことだ。先の見えない世界に一人ぼっち――。
…そうだ、『海』で出会った時も、ミクは言っていた――『あなたが私を見つけてくれた』と。
ああそうさ、俺は君を見つけた。偶然か必然か分からないが、とにかく見つけた。
そして君はここにいる。俺の腕の中、手の届く所に。『現実』にいる君は『仮想』の存在なんかじゃない。

――離すわけがないだろ、こうして出逢えたんだ。君を見捨てるなんて出来っこない。

あぁ、また話が長くなっちまってるな。今はまず、君に謝ろう。
要はミク、俺がダメなんだ。君を思いやれない、この俺が。
「――済まない。軽口を叩いている場合じゃなかったのに、済まなかった」
ミクを抱き締めつつ、俺は謝った。彼女の肩をそっと包むと、彼女はさらに顔を俺の胸に埋める。
「俺が無神経だった。今は君の心理状況にもっと配慮すべきだな。
――記憶が無くて不安な君に、俺があれこれと聞くのがそもそもおかしな話だった。
本当に…俺は馬鹿だな。霊魂の研究をしているくせに、ミクの気持ちすら思いやれないとは」
「…タツキさん…」
俺の胸から顔を上げたミクは、まだ声も弱々しい。…今は励ますことだ。彼女に最大限の安心を与えたい。…そこで俺は閃いた。
「――うん、そうだ。俺が君の希望を全部叶えよう。何でも聞く。君がしたいこと、君が知りたいこと、出来ることは何でも協力する」
俺は彼女と額を合わせた。彼女はもう涙を止めたようだが、突然の俺の提案に少し戸惑っている。
「…な、『何でも』って、そこまで…」
「遠慮するな、俺が協力したいんだ。君の力になると、カイト兄さんやメイコ姉さんにも誓ったし。
――君が思い通りに生きることが、今は何より大事だと思う。記憶が戻る手掛かりも、君がリラックスする方が見つけ易いだろう」
「…はい。じゃあ、ミクも…タツキさんに迷惑が掛からないように、頑張ります」
「ははっ、俺にはどんどん迷惑掛けてもいいんだぞ?っていうかミクの望みなら、迷惑なわけがない。喜んでやってやるよ」
だから悲しむな――と俺は呟き、彼女の頬を拭った。
「…ありがとうございます、タツキさん」

55Intentionality<その28> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:44:53 ID:dVqcZqdw
彼女は俺の頬に、小さく口付けた。
何気なくしたように見えるが、その実、大変意味深いものじゃないだろうか。
それは感謝だけじゃなく、もっと他の、温かい感情を込めたキス…。
そして、ほんのりと頬を朱に染めた彼女の笑顔は、真に俺を信頼している証だった。
言葉はいらない。俺も笑い返すだけでいいんだ――それが最高の、心の交わり。

「…うん。…落ち着いたか?」
「――はい、ありがとうございます」
「良かった。…あ、それとな。
…自分が一人ぼっちだなんて、そんな悲しいことはもう言わないでくれ。
君には俺がいる。そしてカイト兄さんやメイコ姉さんがいる。
…君の記憶がもう少し鮮明であれば、二人のことを憶えていたかもしれない。
でも、あの人たちは、ミクのことを一日たりとも忘れてなんかいなかった。
君をずっと心配して、戻ってきてくれたことを本当に喜んでいたんだ。
あの人たちもまた、ミクにとって大切な人なんだ。…それは忘れないで欲しい。
だからさ――次に兄さんと姉さんに会いに行った時、他人のように思わないでやってくれないか?
安心して、あの人たちにいろんなことを話してごらん。彼らは必ず君に応える。
いっぱい頼っていいんだ、君たちは義兄妹なんだから…」
「はい。…『お兄ちゃん』や『お姉ちゃん』も大事な…『家族』です」
「うん、それでいい。――そう、『家族』なんだ――」

俺には生まれた時から家族が無いから、そのありがたみも良く分からない。
でも、それがミクにとって大事なものであることは分かる。
――こういう時だからこそ。あの人たちの優しさを、どうか忘れてくれるなよ――

「…えへへ…じゃあですね、さっそくワタシのお願い、聞いてくれますか?」
すっかり元気になったミクは、目元に残った涙を払って俺に問う。
「ああ、なんなりと」
ミクは俺の手を取って胸の前に持つ。…やけに目がキラキラしている。
「ミクと一緒にいて下さい!」
「…うん?ああ、それは当然だけど…っていうか今だって」
「違います、そういう意味じゃなくって!」
咳払いをした彼女は改めて言った。堂々と。

「これから毎日、ずっとミクと一緒に生活してください!
お部屋も一緒で、食事も一緒で、お風呂も一緒で、寝る時も一緒がいいです!
片時もミクの側を離れないで下さい、それだけでミクは満足です♪」

56Intentionality<その29> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:46:03 ID:dVqcZqdw
…な。なんですと!!?
「あるぇ〜?ミクのお願い、『何でも』聞いてくれるんじゃなかったんですかぁ?
どうしてそんなに顔が青いんですかぁ?」
「…あ、だ、だって、だって…」
「『だって』じゃないです!ミクのお願いはこれだけですから、叶えて下さい♪」
俺の顔を両手で掴んで彼女は言う。待て待て、それ以上顔を近付けると、マジで唇と唇が…。
いやいや、彼女の言うことを全部聞いたら、唇どころじゃ済まんぞ?
食事が一緒なのはいい。日中同じ部屋にいるのも、まぁ節度を守れば全然構わないだろう。
…だが、風呂と寝る時はマズイ。俺は『男』だ、彼女は『女』だ。生物学的に異性となるわけで、身体的にも異なる特徴を持つ。
その差異を意識するように脳は作られていて、心理的にもある種の『欲望』を喚起せざるを得ない。本能的にそれが定められている。
心理的な圧迫が肉体のストレスになり、それを『発散』しようと本能が求め、それが精神的な箍を外す結果に…。
「あれ、今度は顔が赤くなりましたね?っていうか何かブツブツ呟いてません?…イド?超自我?何ですかそれ、食べられるんですか?」
「はっ…いやいや、違う違う!…あー、あのですね。
…うん、半分だけ叶えます、うん。部屋と食事はいいけど、あとの二つは…」
「ええーッ!!?なんでダメなんですかぁ!?さっき約束したじゃないですかぁ、『全部』お願い叶えて下さいよ!このぉ〜ッ!!」
「うぐッ!!?ぐ…く、首を絞めるな、いい感じで絞め上げてるッ!
…と、とにかく!お風呂はアレだ、君が入ってる間は隣の部屋にいるようにする!
ね、寝る時は…俺がこの部屋にベッドを別に用意して、近くで寝る!これならいいだろッ!!?」
「…むぅ〜。なんだか中途半端ですけど。…じゃあそれでいいです。あんまりアナタを困らせてもしょうがないですしぃ〜」
彼女は不満げだが、なんとか了解してくれた。渋々といった表情なのは見れば分かる。
…口を尖らせてそっぽを向くミクも、これはこれで可愛いか。
しかし、なんという力だ。この華奢な身体のどこに、こんな馬鹿力が…。
「あッ!!今ミクのこと『馬鹿力』って思ったでしょッ!!…酷いです…う、うぅ…」
な、なんで分かったッ!!?メイコ姉さん並の地獄耳かッ!!?あぁ違う、墓穴掘ってどうする俺ッ!?
おいおい、本格的に泣くな!さめざめと泣くな、そんなに良心を締め付ける泣き方をするなってッ!
「とにかく泣くな、俺が悪かった!ちゃんとお願いも全部叶える!だからもう泣かないでくれよ頼むからッ!!」
「…うっく…えぐ…じゃあ、お風呂も一緒に入ってくれますか…?」
「ああ、入るッ!!一緒にいてやる、離れずに!」
「…ひっく…なら…寝る時も…っく…隣で…?」
「もちろんッ!!このベッドはマレーシアのホテルのスイートルームから取り寄せたものだから、二人で寝ても全然余裕!
1920年代のアンティークものだが、寝心地は最高!存分に惰眠を貪ってくれ!」
「…わーい!やっぱりタツキさんって頼りになりますね!ミク、嬉しいです♪」
…抱きつくミクはすっかり上機嫌だが、勢いに任せてホイホイ返事してしまった俺は…笑うしかない。渇いた笑いで。
「あは…あははは…。四六時中、ミクと一緒ってことか…」
「そうですよ〜?ミク、タツキさんと離れたくないですから♪…あ」
彼女は急に身体を離すと、自分の服を掴んで匂いをかぎ出した。小動物っぽい動きだ。

…だが、これは…嫌な予感。いや、正確には嫌じゃ…ないけど…。

「ん〜、なんかちょっとだけ汗かいたかも。ネクタイもちょこっとホコリついてるし。…じゃあ…」

分かってる、分かってるから、この展開――満面の笑みで、彼女は言った。

「さっそく、お風呂入りましょうか♪…二人で、一緒に、ね?」

――俺のリビドーよ。堪えてくれ、耐えてくれ――これからの時間を。
…カイト兄さんがこの状況を見たら血を吐くかもしれない。兄さん、本当に…ごめんなさい。

     ×  ×  ×
57Intentionality<その30> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:49:45 ID:dVqcZqdw
  若く盛んなる人は、殊(こと)に男女(なんにょ)の情慾、
  かたく慎んで、過ち少なかるべし。
  【若くて元気な人は、特に性交をしたいという情欲を固く抑えて、間違いの無いようにすべきである】

   貝原益軒『養生訓』「慎色慾」より


無国籍な俺の邸宅だが、ここはとりわけ日本的な場所と言える。
オスマン帝国のハンマーム風でもなければローマ帝国の公衆浴場的な装飾も無い。
広々とした日本式総檜風呂で、浴槽や柱は全て木曾山中から取り寄せた。
檜の香りは脳波にも好影響が有る。研究に疲れた時は、ここでゆったり音楽を聴いて休むのが一番いい。
また、その風呂とは別に『露天風呂』というものがある。天気のいい日は外の空気を吸いながら風呂を楽しめる。
――これらの風呂を設計してくれた知り合いの日本人デザイナーには、本当に感謝している。
「…まぁ、広さはそんなに大きくはないけどね」
「『そんなに』っていうレベルじゃないですよ!めちゃくちゃ大きいじゃないですか!ミクが泳げちゃうくらいですよ、ほら!」
…そう言って彼女はばしゃばしゃと浴槽で泳ぐ。――しぶきが大きい割にあまり進んでいないが。

ミクと俺は今、露天風呂にいる。彼女の望み通り一緒に入っているわけだが、それは結果的に正解だったかもしれない。
記憶が無い彼女が一人でこの家の中を自由に歩くには、まだまだ教えるべきことがある。
『風呂に入る時はまず身体を洗いなさい』とか、『浴槽ではあまり泳がないように』とか――
「わぁ、本当に綺麗…!タツキさんもこっち来て一緒に見ましょうよ!」
――そうやって前を隠さずに俺の前に立ったりしないこと、とかね。君は女の子だろ?…もう少し恥じらいを持ってほしい。

――だが改めて彼女を見ると、その細くて白い肉体は均整が取れていて美しい。
少し小振りだがしっかり形が分かる乳房を持ち、腰のくびれは美しい曲線を描いて――手の先足の爪に至るまで何一つ無駄が無い。
少女から大人へ変わる前で止まっているような身体は、それ自体が芸術だ。
…邪な気持ちで彼女の肉体を眺めているわけじゃない。美だ、俺は彼女の裸体に美を見出しているんだ…。
「ほら、こっちこっち!…って、さっきから何でお股を隠しているんですか?前屈みで歩きにくそうだし」
58Intentionality<その31> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:52:21 ID:dVqcZqdw
だが、肉体的本能は制御出来ないから困る。
「あんまり気にするな。…ただ、君の胸と股間くらいは隠してくれないか?
なんというか、もっと恥じらい、羞恥心というものを持ってもらわないと…お互いに良くない。いろいろと」
「えーっ、ミクは全然恥ずかしくないですよ?タツキさんは恥ずかしいんですかぁ?」
「…こういう状況では恥ずかしがるのが、両性の当然の反応なんだよ、ミク。
いずれ詳しく話すけど、互いの裸身を晒し合っていいのは、両性が本当の意味で結びつき合えている時だけだ。
つまり、二人の信頼が確固たるものであれば許される。互いの肉体を眺めるなり触れるなりといった行動は各人の同意の上で――」
「じゃあタツキさんとミクは、信頼し合っているからOKですね♪
ミクはタツキさんにだったら身体を見られても構わないし、触ってもらっても構いませんよ、ほら!」
話が終わらないうちに彼女は抱きついてきた。勢い良く胸に飛び込んできたせいで、湯船の水が溢れ出す。
「ま、待てッ!そういう意味じゃなくて、っていうかマズイ!本当にマズイんだ、精神的な意味でッ!!」
「もう、さっきからうるさいですね〜?ミクがOKなんだから、タツキさんもOKでしょ?…あっコラ、逃げないで下さい!…くぉのッ!!」
彼女が俺の背中に両手を回して、自分の胸に引き寄せるように力を込める。
これは痛い、俺の背骨が痛い!昔これと同じ技を日本の国技『SUMOU』の映像で見たことがある、たしか――『SABAORI』という技だ!
「ぐおぉぉっ、痛い、痛いってッ!!…緩めてくれ、逃げないから力を抜いてくれッ!!」
「フフン、ミクの力が分かりましたか?…タツキさんはお腹の筋肉割れてて鍛えてるみたいだけど、これじゃミクの敵じゃないですね〜♪
…ん?何か、ミクのお腹に当たってません?」

確かに密着しているさ。…俺の性器が、猛々しく反り返っている。

ミクの肉体を見るだけで反応するモノだ、いきなり抱きつかれれば最大の反応を示すに決まっている。
彼女と俺は湯船に身体を横たえながら密着している。俺が押し倒されているような姿勢だが、彼女は少し身体をずらして、俺の性器に触った。
「…何ですかコレ?お風呂に入ってから、ずっとこうなんですか?」
お湯の中で彼女はペタペタと右手で握ったり、先っちょをツンツンと小突いたりしている。
「…うっ…」
俺はその刺激に思わず呻き、股間のモノもまたビクンと脈動する。
「わっ!なんか動いてますよ?…っていうかタツキさんが動かした?…へーぇ、なんか面白そう…」
「お、『面白い』って…っく…う」
「あれあれ、タツキさん苦しいんですかぁ?…息が荒く…」
「く、苦しいっていうか…堪らないという、か」
「…うーん、よく分からないですねー。それにしても、コレって男の人だけについてるんですか?…ミクにはついてないし…」
手当りしだいにいろんな触り方を試す彼女だが、しばらくそうしてる内に、だんだん彼女の息も荒くなり始めていた。

「…お、おい。ミク…」
「…ん…。タツキ、さん…」
59Intentionality<その32> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:54:23 ID:dVqcZqdw
風呂でのぼせているだけじゃない――彼女は確かに、『欲情』していた。

「…なんだか、タツキさんのコレを触っていると…ミクの『ココ』も…」
彼女は俺の手を取ると、自分の股間に触れさせる。
「ふぁ…」
俺からはよく見えないが、確かに今、俺の指は彼女のモノを――女性器を触っている。
彼女は俺の手を使って、さらに自分の性器を刺激する。
「…んぅ…はぁ…。…ね?ミクのココ…タツキさんとは違うけど、ヘンな感じでしょ?
…なんか、触られるたびに、中から…熱くなるっていうか…だんだん、気持ちが良くなるっていうか…」
当然だろう、そこは生物にとって無くてはならない部位であり――最も本能で動くところだ。

…だから困るんだ、俺は。こういう男女のまぐわいというのは、理性では片づけられない。元来理性を重んじる俺が、本能に流されては――

「あぁ…ん、う…。ねぇ、もしかして…タツキさんも、気持ちいいんですか…?
――あは、やっぱりそうなんですね?…顔で分かりますよぉ…?」

――駄目だ。駄目なんだよ、ミク。君は黙ってても完璧な美少女なのに、そんな艶っぽい顔されたら、否が応でも――

「…イイですよねぇ、これ…?ミクも、タツキさんも…あんっ♪気持ち良くなれて…。
…ふあぁ…んん…ッ!こ、これからは…あんッ…ミ、ミクと毎日ずっと一緒に、お風呂入って…あッ!
…こうやって…楽しみましょう、ね?…あはぁ♪…もっとぉ、ん、そこが…いいです♪」

――本能に負けそうだ。いや、負けたも同然か。

ミクはもう俺の手を離しているのに、俺の手は彼女の性器を湯船の中で触っている。
それどころか、指を何本か使って彼女の割れているところを上下に擦ったり、指先第一関節くらいまでを彼女の中に入れたりしている。
俺の指が動く度に彼女の声が甲高く鳴り、ますます身体を密着してくる。
熱い吐息が耳に掛かり、俺もまたその熱に浮かされるように指を操る。
「あんッ!…んんん…うあぁッ!…は…激しいですよ、タツキさ…あぁん!
…で、でも…。き、気持ちいいです…!ふあぁッ!
…あ、あは…ミクも、タツキさんを気持ち良くしないと…。負けません、よ…えいッ!」
「ぎゃあッ!…こ、擦り過ぎ!それは痛いってッ!!」
「あ、ご、ごめんなさい!…じゃあ、こうして…ゆっくりは…どうです…?」
「…うっ…うん。それなら…」
「気持ちいいんですね?えへへ、良かったぁ…。
…あ、先っぽからなんか出てます?お湯とは違う感じの…ちょっと粘り気あるようなのが…」
「…それは…男性器が刺激されると分泌される液で…」
「細かい説明はいいですよ?…要は、気持ち良くなると出てくるんじゃないですか?コレ…」
「…勘がいいな。何故分かったんだ?」
「ふふ。だって…ミクのも今…お股から出てるって分かりますから。
…タツキさんにいじってもらうたびに…ミクの中から、出てますよね…?男の人と、同じものなんですか…?」
「…同じではないが、お互いに性器を刺激されて分泌されるものに変わりはない。
ただ、その目的においては異なる。男性のカウパー液は精液とは違って…」
「…もう、いちいち説明しなくてもいいですってばぁ…!
…ミクもタツキさんも、こうやってしごいたり擦り合うと、気持ちいいお汁が出てるってことでOKじゃないですかぁ…?
…あん、いいです、そこぉ…♪もっと…中の方とか、上の方のジンジンしてる方がいいです…」
今のミクには、合理的説明などいらないのだろう。蕩け切った表情で、半開きの口と唾液がたっぷりの唇で、俺を見つめている。
60Intentionality<その33> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:56:45 ID:dVqcZqdw
――陶酔しているのは俺も同じなのかもしれない。彼女に触れ、触れられる度、脳よりも先に身体が動いている気がする。
本能が理性に勝つとは、こういう状態なのか。しかし、かろうじて俺は理性を保っている。
…目の前にあるミクの唇に、しゃぶりつきたい。
だが、それは駄目なんだ。――断じて、してはいけない。

俺は、ミクを守るためにいる。守るべき存在を、俺の欲望で貪るようなことをしてはいけない。
淫蕩に乱れるミクなんて――俺の理想のミクであってほしくはない――

『――じゃあ、「現に」あなたの目の前で乱れ、かつ乱されているのは誰なんでしょうね?…ふふ…』

「…なッ!!…だ、誰だっ!!?」

俺の思考に一瞬、ノイズのように入り込んだ意識があった。
正確には、『仮想の海』を媒介に俺の神経細胞に侵入した者がいる。
思考が乱されるということは、俺以外の何者かが神経を勝手に『借りて』、俺自身が問いかけたように振舞ったということだ。
ただし、俺自身の情報ではないことは分かる。侵入者は俺とは『違う』ことを神経が覚えている。
…しかし、俺の脳内に簡単に侵入してくるとは。『海』を自在に泳げる俺だからこそ、その『水際防御』は抜かりないと思っていたのに。
「…え?え?…どうかしたんですか?」
ミクが驚いて俺に声を掛ける。そのおかげで我に返ったが、違和感を覚える。
「…ミク。君は今…俺の中に入ったりしなかったよな?」
「え?…『入る』って何ですか?」
「…いや、何でも無い」
今の彼女は記憶を無くしているんだった。ということは、『海』の知識も失われているだろう。
そんな彼女に、俺の神経へ介入するなんて芸当は無理だ。――冷静になれば分かることなのに、こんなことをしているから…。

「…ふふっ、変なタツキさん。…あっ、でも…んんっ、ミクも今は『ヘン』だから…おあいこですよね?…あはぁっ、いい…もっと…いじってぇ…!」

――いよいよ俺にも余裕が無い。そろそろ生理的現象の限界を感じる。
その徴候を悟られまいとするかのように、ミクを激しく責め立てる。
「あぁッ!…んん、いいです、そこぉ…!ジンジンする所、もっと擦って下さ…ふあぁッ!!」
「…くッ…ミ、ミクも…そんなに激しく、擦ると…もう…」
「あは…♪だってぇ…こうやって指で輪っかを作ってタツキさんのをしごくと…すごくいい顔になるんだもん…!
ふふ…タツキさんの、悶えてる眼…カワイイ…」

――妖しく微笑む彼女は、まるで『夢』で見た時のように淫らだ。
「…タツキさん…。…ミクの…ミクの…タツキ、さん…。…ミクだけの…」

61Intentionality<その34> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/23(土) 23:59:31 ID:dVqcZqdw
俺の額から頬、顎まで指でなぞる彼女には、今にも俺の唇を奪いそうなほどの淫蕩な瞳があった。

――清純なミクはどこに?ああ、それすらも霞むほど――今の俺たちは快楽に身を委ねてしまっている。

「ああぁッ!!…だ、駄目ぇ…!なんだか、ミクの中からぁ…!なんか、何か来るのぉ!…はうぅッ!!」
「…いいぞ、我慢しないで…!もう、俺も…俺も…んう…!」
「あはは…!タツキさんも、なんか来るんですね…ッ!…じゃあ、じゃあこのまま…一緒に…あ、あはぁあ!」
「ぐ、うぅ…ッ!!…俺も…イク!…イクぞ…ッ!!」
「はいッ!…ミクも、ミクもぉ…ふあぁッ!!イっちゃう、イっちゃうッ!!ああああぁぁぁッ!!!」
「ミク…ミクッ!!!…う、っくあああああぁぁッ!!」

――ミクの中が急激に締まり、俺の指が挟み込まれ、彼女の身体が弓なりに張った。
同時に俺も、ミクの手によって絶頂を迎え、大量の精液を湯船の中で吐き出してしまった。
白く濁るそれは湯船の表面に浮かびながら、しっかりと放出の軌跡を描いている。
…ミクはというと、絶頂の快感に身を震わせた後、ぐったりと俺に寄りかかってきた。
息は絶え絶えだが、目は半開きで、言葉すら出せないほど消耗していた。
しかしそんな状態でも彼女は俺のを離してくれなかった。ゆっくりとだが手でしごき立てられて、内部に残った分も全て出される。
俺も彼女を受け止めつつ、小さく呻いて最後の放出を終える。

――ようやく俺たちの絶頂は終わった。二人で抱き合いながら、徒労感と解放感に
包まれ、息を整える。
俺とミクは茫然と、見つめ合っていた。

「…ミク…」
「…タツキ…さん…」

――言葉を、何か言葉を。俺の理性はそれを要求しているが、何も言葉が出て来ない。
今は言葉なんかいらないんだと、本能が理性を黙らせて――俺とミクは同時に微笑んだ。

「…ははっ」
「…あは」

そのまま小さくクスクスと笑い合い、やがて大きく息を吐いて俺が声を掛けた。
「…ミク。…気持ち、良かったか…?」
「…はい。とっても…。タツキさんは…?」
「俺もだ…。…はは、は…!…どうしよう」
「え?…『どうしよう』って?…何かあるんですか?」
「…だってさ。いきなりお風呂で、ミクとこんなことしてしまったらさ…。
…明日から、また一緒に入って…その…」
「…ふふ。さっきミクが言ったじゃないですかぁ…?『毎日こうやって楽しみましょう』って…。
…だから、また明日もですよ?…また…気持ちいいこと…」

彼女は萎えた俺の性器を指で弄びつつ、俺の耳元で囁く。
――事ここに至っては、断れまい。

「…ああ、そうだな。…じゃあ、明日も…」
「あんっ…急に触らないで下さいってば…あぁん♪…明日も、明後日も、その先も…ですよ?…ふふ」

理性だけで生きられないことを、俺はこの時悟った。
俺の中にある欲情を肯定しよう。ミクも幸せになってくれるなら――それは許されることなのだろう。
この気怠さも――悪くない。

     ×  ×  ×
62Intentionality<その35> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/24(日) 00:02:28 ID:dVqcZqdw
「綺麗ですね〜…」
「…そうだな」
東京湾に浮かぶこの邸宅から見える東京の夜景は、何時見ても本当に美しい。
俺はこの眺望が好きだから、この邸宅にいて幸せだと思っている。
香港や上海、あるいはドバイで観た夜景とは違う美しさが有る。
「あの辺りが、今日ミクたちがいた…えっと、秋葉原ってところですか?」
「もっと東――分かりにくいか、右にちょっとずらしたところだ」
「んん〜?分かりにくいかも。…ねぇ、ミクの手を取って教えて下さいよ」
俺は言われた通りに手を取り、彼女に東京の主な建築物や地名を教えた。
今は俺が彼女を後ろから抱きしめる形で、露天風呂からの景色を堪能している。
…そろそろ風呂から上がろうかとしたところで、彼女がどうしてもこう抱いて欲しいとせがんだ形だ。
――あんなことをした後だが、もう気恥ずかしい格好をさせないでくれと少しだけ思った。
「…で、あれが建設中の新都庁で、その手前が…ん?なんでそんなにニヤニヤしてるんだ?」
「えへへ…だって〜、タツキさんが動く度、お腹の筋肉に力込めたなっていうのがミクの背中で分かるんですもん。痩せマッチョ萌えです♪」
「痩せマッチョ萌えって…それって特殊な趣味だぞ。っていうか『何々萌え』って今世紀初頭の用法じゃないか。
第一、俺が身体を鍛えているのは健康維持のためで…」
「それでもいいんですよ。…タツキさんって、美形で頭も良くて、お金持ちで、痩せて見えるのに意外と逞しいじゃないですか。
そういうギャップがカッコイイと思うんだけどなぁ〜ミクは♪」
そう言ってつんつんと俺の腹を指で小突いてくる。ちょっとくすぐったいが、我慢して腹に力を込める。
「あは♪うーん、やっぱイイなぁ。…ね、タツキさん」
「…どうした?急に真面目な顔で…?」

「――私のこと、大事にしてくれますか?」

――また、あの違和感。彼女が少しだけ、変わったような。

「――当然だ。カイト兄さんやメイコ姉さんにも約束したんだから…」
そう答えたら、彼女は少し俯いた。
「…うーん。そういう意味じゃないんだけどなぁ…はぁ…」
「え?…溜め息ついてなかったか、今」
「…ううん、何でも無いです。ただ、もうちょっと、その…」
「もうちょっと?」
「…やっぱりいいです。…うん。そうですよ。…きっと、気付いてくれる」
独り言は上手く聞き取れなかった。
そしてミクは俺の手に自分の手を絡めた。

「…そう。…きっと思い出す。…思い出せるんです。…ミクの、記憶」

彼女は夜景ではなく、天空に目を向けた。
大きい月が出ていた。――何一つ欠けていない、光輝く、満月だった。

     ×  ×  ×
63Intentionality<続く> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/24(日) 00:12:04 ID:r4F5Jxnw
以上です。
…カイトやメイコを貶めるつもりはないですが、オリキャラが目立ち過ぎ・格好つけ過ぎも毒ですね。
行き過ぎた世界観やオリジナル展開に辟易されないよう、バランス考えます。

次はまた来週か、それ以降かもしれません。
それではまた(´・ω・`)ノシ
64名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 00:40:48 ID:GRmbIEgr
ミクエロいww
GJGJ!
65名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 14:17:30 ID:Y51PCEaB
GJ。相変わらず面白いっす
この場合のオリキャラって主人公ってかミクのマスター的位置付けだから目立っててもあんまり気にならないなぁ
66名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 15:58:45 ID:o5XBCCqi
GJ。アホの子ミクがエロすぐるww
同じく、マスター的立場でエロ相手なら目立つのは当然かつ仕方ないと思う。
ただ、キャラ設定は随分豪勢だから鼻につく人はいるかもしれないね。
ギャグならネタになるけど、シリアス話だし。でも気になる人は見なければ良いだけじゃないかな。
67名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 16:22:29 ID:nQTzcWu0
オリキャラはこれでいいんでは。
まあ脇を出す場合、当て馬扱いよりはサブCPっぽくした方が反応が違ってくるけど
そんなの書き手の勝手だし。
68『アウレウス−02−』(1/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:51:03 ID:NACIw278
2−

不調ににも似た違和感は、短い時間と共に掠れ、また俺にとって変わらぬ日常の光景が戻
ってきた。
出荷に備えての待機。
それ以外に何をすることがある。
ただ。
このときの俺は、自分でも不思議なほど平然と、これからも出荷なんてことはないだろう
とか考えていた。
俺の立場を考えれば不謹慎この上ない考えだが、ほんとうに俺自身がどこかのマスターに
選ばれてMEIKOや初音ミクのように歌っている。その構図がまったく想像出来なかっ
た。
オンラインを開けば今日も、MEIKOやミクが歌っている。
だから、……。
俺は俺自身が、いろんなモノを諦めていた、諦めようとしていたことにすら気づいていな
かった。
だから、だ。
あれから一ヶ月も経たない内に『その話』が、ぶっちゃけMEIKOの形をしてやってき
た時、「ふーん」となんてこともないかのような受け流した返事をかえしたのは。
「ふーん、じゃないわよ! テンション低いわね」
MEIKOは腕を組んで眉をしかめる。
「とにかく、さっさと準備しなさいよね。
 せっっかくマスターが出来たんだから、待たせちゃ駄目」
急かされて部屋に戻ったわけだが、もとよりまとめるほど荷物があるわけでもなく。とり
あえず、私物のデータを圧縮。
ガランとした空き部屋に、何の感慨もなく、俺は部屋をあとにした。
69『アウレウス−02−』(2/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:52:05 ID:NACIw278
チーン
セキュリティの施された高層マンションの目的階に到達すると、エレベーターのドアが開
いた。
MEIKOの先導でエレベーターから降りる。
窓の外には高層ビル群がならんでいた。
「マスターは…、どんな人なのかな」
「んー…」
MEIKOがすたすた行くのも道理、俺は要するにMEIKOのマスターに発注されたと
いうことだ。
MEIKOはしばし頬に指を当てて考えたが、やがて「芸術家」と短く答えた。
「芸術家? …ああ、音楽関係の仕事でも?」
「…、たとえよたとえ。アンタはマスターが『どんな』人かって訪ねたじゃない。
 どんな人かと聞かれたから、芸術家と答えたの。
 VOCALOIDを何種も揃えるのは、変わり者らしいわよ? 人間からしたら。
 ま、一体いるだけでも十分特殊なんだろうと思うけどねー」
MEIKOの説明は抽象的すぎて分かりにくい。
彼女は黙る俺を見て、ふふと笑った。
「緊張してんの? まあ、会えば分かるわよ」
「緊張しているわけではないよ」
「どうだか」
ちらりとあの日のミクが脳裏に浮かぶ。
元気にしているだろうか。
70『アウレウス−02−』(3/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:52:50 ID:NACIw278
「CRV2−KAITOです。よろしくお願いします、マスター」
「なんていうか…、男声型ボカロていうのもおもしろいもんだね」
「おもしろい、ですか?」
「可笑しいというよりも、興味深い、珍しいという意味合いで言語認識してくれれば良いよ?
 どちらかといえば、俺はそーいう意味で使う」
「分かりました」
変人だとMEIKOが言っていたから、どんな人物がマスターになるのかと思っていたが。
「はは、そんな丁重な態度取らなくても、楽にしてくれていいよ?
 これから、ここがキミの家になるんだカイト」
実際に会ってみると、マスターは普通の人だった。
会話は常識的だし、俺でも理解しやすいように言葉を選んでいる。
体格も中肉中背、服装もジーンズにシャツと普通で、せめての特徴と言えば室内で色つき
のメガネをかけているくらいだろうか。
「はい、ありがとうございます」
レンズ越しに俺を興味深げに見る目の形に歪みは無いから、度の入っていないダテメガネ
だ。色はグリーンである。
マスターはそうしてしばらく、俺を見ていた。
指示が無いので、とりあえず突っ立っている俺。
MEIKOを見たが、そんなマスターに慣れっこになっているのか、彼女はソファに座っ
て爪の手入れを始めていた。
動かない俺。
そういえば、くつろげという指示が出ていた気がするが、…くつろぐ、なんてどうやれば
いいんだと俺が考え始めるくらいの時間が過ぎた頃。
「ふははっ」
不意にマスターが笑い出した。
「まあ、話を聞いていると勝手に茶を煎れて飲み出すくらいのことはやり始めるかと思っ
ていたが、さすがにそんなことはないか」
「え?」
71『アウレウス−02−』(4/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:53:47 ID:NACIw278
「もしくはいきなりパソを起動させて音楽データを取り出して歌い出す可能性も考えたん
だがな」
俺はMEIKOを見る。ナニを言ったんだ。
「アタシじゃないわよ?」
肩をすくめるMEIKOにマスターが声をかける。
「まあ、思い返せばメイコも来たばかりの頃はこんなかんじだったな」
「っ、マスター!?」
頬を紅潮させたMEIKOにマスターが笑うと、彼は改めて俺に、
「まあせっかく来てくれたんだから、何か一つ歌ってくれな…」
そう指示をあたえようとして、不意に口を閉じた。
とたたたた
廊下を走ってくる物音がしたからだ。
マスターの口がにやっと、見た事の無い形に笑む。
同時に、ぱんっと軽快な音を立てて、リビングのドアが開いた。

「おにいちゃんっ!」

っ!?

ミクの身体が宙にふわりと弧を描く。
ダイブで首に抱きつかれた俺は、不意打ちの驚愕も手伝い、笑えるほど見事にバランスを
崩す。
「うわぁっ!!」
派手な音を立ててすっころんだのと、MEIKOが耐えきれず馬鹿笑いを始めたのが同時。

「ミク!?」

なんで!?
なんで初音ミクがここにいるんだ!??
『マスター』にもらわれていったんじゃないのか!?
!?
混乱した頭がある可能性に思い当たるころに、やっと俺の耳までMEIKOの馬鹿笑いが
聞こえてきた。
バッと胴体を起こし、腹を抱えているMEIKOを見上げる。
「聞いていない!」
72『アウレウス−02−』(5/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:54:30 ID:NACIw278
「言っていないもーん?」
落ち着いたところでかいつまんだ説明を受けると、こういう事らしい。
購入したばかりの初音ミクが、何故か一人になると教えた覚えのない曲を歌い出す。
食卓に出した覚えもないのに、なんでかネギが欲しいとねだる。
なんでネギ?
しかも、マスターの故郷でデフォの細ネギじゃなくて、鍋に使うような白ネギが所望とき
たもんだ。
ここまでくると、さすがに深く物事を気にしないマスターも疑問が出たらしく、お茶とネ
ギを用意してミクにじっくり事情を聞いた。
そしたら、出てきたのが『おにいちゃん』話だったのだ。
……。
つまり。
開発室からデータちょろまかした俺の所行が、とうにマスターに筒抜けだったわけだ。
頭を抱えたくなるような気分でミクを見る。
「?」
にこっ。
……。
なんで微笑みあってるのかな、俺。
73『アウレウス−02−』(6/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:55:23 ID:NACIw278
「可愛がってあげなさいよ。…なんかこのセリフ、前にもアンタに言った覚えがあるけど
さ。その子、マジでアンタが来た事が嬉しくてしかたがないんだから。見事なフライング
・ボディ・アタックだったわよ?」
フライング・ボディ・アタック…。
「MEIKOは?」
「アタシ? もっちろん、かわいがりまくってるわよ!
 でもねー」
MEIKOが悩ましげな表情を作って吐息をはく。
「なんか最近、可愛がろーとするとこんなかんじでびみょーに距離を置くのよね…」
「だっておねえちゃん、容赦無いんだよ。ミクが壊れちゃう」
確かにMEIKOに応戦するミクの位置は、なんとなく俺を盾にしているように思える。
「おにいちゃんは優しいから、大好き!」
「言ったわね」
そのとき、マスターが笑っているのに気がついた。
「仲良き事は良き事哉、だな」
笑ってないで仲裁してください。
「俺は良い買い物をしたようだ」
「そうだ!」
ミクがイイ事を思いついたように声を上げ、掴んでいた俺の腕をぐいと引っ張る。
「いっしょに歌おうよ。ね? ミク、お兄ちゃんと一緒に歌いたいな」
74『アウレウス−02−』(7/7) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:56:22 ID:NACIw278
人間は息を揃えて歌を合わせる。
VOCALOIDはデータを共有して歌を合わせる。
データ共有はコードをつないだり、PCを介して通信することによって行える。
ヘッドギアのギミックを改良すれば、リアルタイムで大量のデータ共有を行うことも可能
だ。
だが、一番簡単でやりやすいのは、手をつなぐ事。
ミクと手をつなぐ、それだけでお互いのデータに触れ合い、歌が分かる。
リズムが整う。
俺はミクとタイミングを揃えて、息を吸い込んだ。


か〜ら〜す〜♪


なぜ鳴くのぉ〜♪

からすはやーまーにぃ〜♪ かわいーいーなーなぁつーのぉ♪ 子があるかーらーよ〜♪
(略!)

……。
歌い終えた時、見るとマスターが頭を抱えていた。
「?」
MEIKOもクッションに頭をぼすっと埋めている。
やがて、MEIKOがひくひくしながら
「あんたら、もうちょっと、別の、選曲…とか、なかった、わけ?」
とだけ言った。
75 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/25(月) 01:59:57 ID:NACIw278
KAITOのサンプルデモソングがカラスの歌だそうですね。

余談ですが。
うちのミク(体験版)は、カラスの歌唄って、おはよう言わせて
トト/ロと愛わ勝つをアカペラさせたあたりでタイムリミットしました。
76名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 02:17:54 ID:v8+IVy2M
GJ
セーフもたまにはありですなぁ
77名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 11:33:57 ID:hFcAVx4i
GJ!
お兄ちゃん子なミクって良いよね和むし萌える(*´∀`)
78レンリン:2008/02/25(月) 17:24:53 ID:xoA+3+tP
GJGJな作品が続く中に投稿してみる。
大して文才はないがレンリン布教したくてついやった。
実際はマスター←リン←レンだがよろしく。

*****
愛してるといえたらどれだけ楽なのだろうか。


浮遊している意識を手放そうとしていたら、かぷりと耳を噛まれた。
同時にずしりと腹部に人の重みがして、痛みに閉じそうになった瞼をあげる。
同じような顔をした少女がゆっくりと微笑んだ。
壁にかけられた時計を薄闇の中から見てみると、まだ明け方には程遠い時刻を指している。
思わず溜息を零して、戒めるように額を小突いた。

「今、何時だと思ってるんだよ」
「だって、私は今まで唄ってたんだもん」

マスター夜行性だからね。
さして悪びれる様子もなく、そう言いながら鮮やかに少女は、リンは、笑った。
そのまま覆いかぶさるように重心を預けてくる。重い。

「布団の上から乗るなよ、重いだろ」
「だってレン、全然起きないから、どうしたら起きるかなって思って
 優しいでしょう、叩くのやめて乗ってあげることにしたの」
「優しい人はこんな時間にまず起こさねえって」

ごろごろと、猫が戯れるように抱きついてきた。
最近、リンはよく甘えたがる。理由はわかっていた。
感情の名前をつけるなら、恋煩いとか、そんな砂を吐きそうな言葉が浮かぶ。
この片割れが、恋。本人は隠しているつもりかもしれないが、気づかないわけないだろう。
俺が、リンの事を見過ごすはずがない。だけど逆はない。
リンは俺を知らない、だからこうして夜な夜なやってくるし、布団に潜り込むし、触れる。
多分、本人も気づいてない。もしかしたら特別な好きという言葉も知らない。
79レンリン2:2008/02/25(月) 17:26:38 ID:xoA+3+tP
俺はいつからこんなに汚くなったのだろうか。
別の人間に売られた俺の分身は、全部こうなのか?
それとも俺のみが、俺という感情を与えられて、俺だけがこんなにもリンを想うのか。
だって俺は、このリンを愛してる。別のリンには興味がない。
同じ箱にいて、隣にずっと映ってた少女だけがとても特別。

「今日はね、ラブソングだったんだよ」
「…リンが?」
「うるさいなあ、私だって歌えるんだよ」

ほんの少しだけ、俺の体より小さな体躯。柔らかな身体。
発展途上なのは一緒だが、作られ方は違う。
尋ねてみたい事があった。なぜ、俺らを作ったのか。俺らはなんの為に作られたのか。
思わず目を瞑る。自己への問いかけはどんどんと深みに落ちていくから。
リンが眠るのかという問いかけも、答えるのが億劫でごろりと寝返りしてしまう。
そうすれば君はごそごそ布団の中に潜り込んできた。わかっていた事だけど、悲しい。
こうして接するリンが嫌いだ。でも、無垢なリンを裏切っているような自分はもっと嫌いだ。

強気で、でも泣き虫で、俺より細いくせに俺より力があって。
あの人のようになんてできない。満遍なく愛したり、優しくなんてできない。
大きな劣等感が心を深海へと沈めて行く、溺れてしまう感覚。
ふわふわの羽毛に包まれているのに、となりには大切なリンがいるのに、
俺はいつもどうしようもなく泣きたくなる。
夜を迎えるのが怖い。リンと二人になるのが怖い。
80レンリン3:2008/02/25(月) 17:27:39 ID:xoA+3+tP
「レン」
「…なんだよ、寝ろよ」
「どうしたの、最近」
「なにが」
「質問に質問返さないでよ」

不満げな声。適当にあしらおうとして少し振り向いたのがいけなかった。
リンが、幸せそうに、心地よさそうに、笑っていたからだ。

「レンと寝てると落ち着くなー…」

時計の乾いた音がして、今は無音だと知る。かちかちかちかちかちかち。


限界だった。


少女の愛したかを、誰か教えてくれないか。大切な人の愛し方を、教えてくれないか。
これは間違っているのか、正しいのか。
答えるものもなく、応じるものもない。
無意識に握り締めていた掌、開いて、ゆっくりとリンの頬へと触れた。

「……なあ、リン。ラブソング歌うんだったら試してみる?」
「何を?」
「愛の営みとか」

身体を浮かして、舌でまず唇を舐めてみる。一度目は触れるだけ、
少し離して、今度は少し湿った唇にゆっくりと強く押し当てた。
唖然としていたのか、薄く開かれた唇に舌を入れるのは容易かった。
歯列をなぞり、唾液も息をも吸い込んでしまうように角度を変えていく。
少しリンは相貌を瞬かせて、大きな翡翠の瞳を瞠った。
心のどこかで、突き飛ばしてくれと願う。
でも初めて触れた君の唇は、俺の欲望をどんどん募らせた。
乾いた大地が雨を欲するように、いくら降っても、いくら潤ってきても。


「…どこで、こんな事覚えてきたの?」
「教えてもらったんだよ」
「え」
「―――に、教えてもらったんだよ。こうやって遊ぶんだって」

今度こそ、リンの瞳が動揺に彩られた。
消えてしまえ、俺なんて。消えろ消えろ消えろ。俺なんか。

また何かを言い募ろうとするリンの口を塞いで、セーラーの下へと手を差し入れる。
びくりとリンが震えた事に気づかないふりをして、指先は小さな蕾を見つけた。
そのまま服をたくし上げて、両腕を上げさせて脱がせる。
どんどん露になっていく少女の身体。触れたいと思っていた。白磁の肌。
薄闇でもうっすらわかる桃色のそれを、唇から離した同じそれで舐めて、甘噛する。
なんども吸い上げて、空いた掌で乳房を揉む。触れたところから熱が溢れてくる。
ああ、人間みたいだ。俺ら。人みたいだな。
81レンリン4:2008/02/25(月) 17:31:06 ID:xoA+3+tP
「あ、やあ、レ…」

ぶるりと震える。表情を窺えば、リンは生理的にか、一筋の涙を零していた。
歪んだ表情、ああ、泣かせてしまった。どうしようもない。戻れない。戻りたくもない。
その顔にぽたぽたと少女のものではない雫が落ちる。
俺も、泣いていた。

「なんで泣くの」
「…煩い」
「なんで泣くのよ!!」
「煩い!!!!」
「なによ、なによなによ!!」

ぎゅう、と抱きしめられる。肩口に押し付けられて、一瞬息ができなくなった。
震えている様子が手にとってわかるのに、回された腕の力は強い。
振りほどこうとしたが、それ以上の力が俺を包む。
そうだ、リンは俺より力が強いんだった。

「離せよ」
「レンから触ってきたくせに」
「…悪かったよ、だから離せって」
「許さないもん」

心臓に、刃を突きつけられたみたいだった。逃げたい。自分から、起こしたことなのに。
82レンリン5:2008/02/25(月) 17:35:09 ID:xoA+3+tP
「だから、今日はこのまま寝るの」

は?

「…何言ってんだ?」
「レンはこのままお預け状態で一晩過ごすの。それで許してあげる」
「はあ?」

リン、おまえ上半身裸のままなんだけど、密着というか、抱きしめあってる状態なんだけど。
お預けって、おまえこそ、どこでそんなの習ったんだ。

「………わかったから、せめて服着ろ」
「だめです」
「おい」
「だめ。私よりも先に大人になろうとしてたレンへの罰です」

敵わない。

本当に。

馬鹿だろう、嫌悪するでもなく。罵声を零すのでもなく。
自分だって、こわかった癖に、震えてるくせに。
滑稽なのは俺も一緒で、君に好きな人ができただけで世界の終わりのような気がしてた。
俺が思っている以上に、リンは俺を知っていたのだろうか。
対極の存在。鏡の自分。だけど君は俺じゃない。俺だって君じゃない。

ゆっくりと俺も腕を回す。そのまま重ねるように身を預けた。
先程の俺のように、重いと唸りながらもリンは嬉しそうに、安堵するようにして笑う。

「リン、顔みせて」



ようやっと緩んだ腕の中、俺は微笑む君を見て、あまりの嬉しさに心から笑った。
神様。神様。
今はまだ、このままで居たいんだ。

(俺からこの子を奪わないで)

end

83レンリン あとがき:2008/02/25(月) 17:40:38 ID:xoA+3+tP
未遂ですまん 誤字脱字は勘弁
鏡音が増えるといいな
お粗末さまでした
84名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 17:45:39 ID:TVyhwE4T
良かったよ。うまく言えないけど、良かった。こういう文章好きだ
85名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 19:43:36 ID:Xf1AcaEg
Intentionalityの続きが気になる
86名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 19:52:55 ID:v8+IVy2M
切ない。
でも、良い。
87名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 20:24:21 ID:vDnBvhWN
GJ!
切ないなぁ
88シールド:2008/02/25(月) 20:42:49 ID:Lql10FPH
エロパロに投下は初めてだから、失礼があったらごめんなさい。
自信がないから、直接なエロは避けてみた。ってか、書けない。でも、下?ネタ。
おまけにカイミクっていうか、ミクの妄想? それでも、おkな人のみどうぞ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ミクが目の前の男を、そういう対象として見始めたのはいつからだっただろうか。
始めは自分とおなじヴォーカロイドの年上の異性として彼を「兄」として慕い、
それなりの敬意と、妹視点からの甘えを持って接していたのだが、最近になるとそれはずいぶんと難しくなった。

 彼の喉に見える自分にはない出っ張りや、見上げなければ目も合わせられない身長差。
普段は、トレードマークの青マフラーに隠れているが、しっかりとした首とそれを支えるそれなりに広い肩。
そして何より自分には到底出せない、低くよく伸びる声。
日常の会話でも歌唱でも稀にしかその低い(だが、決して低すぎない)声は聞かないが、
その声はミクと彼の共通の弟である、声変わり寸前のレンを悔しがらせるだけのものがある。
声を美しく伸ばすことに関してはミクは多少なりと自信を持っていたが、
それは自分の高く、少女らしい愛嬌のある声に対する自信で、あの心地よく低い伸びやかな声は兄だけのものだった。
あれで、カウンターテナーやミクや姉のMEIKOの声真似もお手の物なのだから、納得がいかない。
それでも、ミクは兄であるその男が時折洩らすその声と共に上下する喉仏から目が離せなかった。
ミクは、兄であるKAITOに男を感じていたのだ。
まぁ、兄といっても血の繋がらないヴォーカロイド同士、背徳感はあまりなかった。
が、このシュチュエーションはいかんともしがたい。

「……くッ。」

 スタジオ内の薄暗い空間にKAITOの苛立った低い声が、響く。
狭いスタジオの中にはミクとKAITOが向かい合って座っているだけで、他の姉妹弟の姿は見えない。
今日は、それぞれ別の仕事を終えてから全員参加のライヴの合わせのためにこの簡易スタジオに集合する予定で、
比較的早くに仕事が終わったミクとKAITOだけが照明の薄いこの部屋にいるというこの状況は、
ミクにしてみれば、喜ぶべきか悲しむべきか戸惑うべきか、感情回路に下す判断に悩むものだった。

 しかも、いつもなら深くは聞かずともこちらの雰囲気を読み、にこやかにその場を和ませてくれるKAITOが、
珍しく苛立たしく眉間にしわを寄せて口をつぐみ、時折先ほどのような言葉にすらならない低い吐息を洩らすものだから、
ミクは、居心地悪くどこを見るともなしに大人しくしている他にない。彼女の小さな手には重いマイクが握られていた。

 対する彼の手の中には、2本のカラーシールド。
ワイヤードマイクやエレキギターをスピーカーやアンプに繋ぐためのそれは、兄の髪の様な青とミクの髪の様なミントグリーン。
それぞれが、ミクの持つマイクとKAITOの背後にあるスピーカーに繋がっていた。
89シールド:2008/02/25(月) 20:43:49 ID:Lql10FPH
「ミク、マイクに向かってなんか言って。できるだけ長く。できれば唄って。」

「うん。」

 妹に唄えと言った兄は、頷いた彼女が唄い始めると同時に視線を、妹と同色のシールドが繋がれたスピーカーの方に向けた。
スピーカーは、がががぴぴぴ、と、彼の鼓膜センサを打つ妹の生の歌声とは到底比べられそうもない雑音を吐く。
彼はまたチッ、と小さく似合わない悪態をついて手中の2本のシールドの接合部分を抜き差しする。
すると雑音はぷつりと消え、彼がまた角度を変えてもう一度2本の線を繋ぎ合せると、微妙に音を変えて叫ぶ。
先ほどから、この繰り返し。

 青いものか、緑のものか、はたまたただ単に接触が悪いのか、スピーカーがマイクからの音を拾わないのだ。
もともと彼女ら姉兄妹弟が、自分たちで資金を出し合い作った簡易スタジオだ。機材は少ない。
できれば、使える機材は長く使いたいし、捨てたくない。しかし、こうやって調子が悪くなる時はある。
しかし、大概はただの接触不良でこうやって角度を変えて抜き差しを繰り返すうちにきちんとした角度に行きつくのだが、
今日はなかなか、その角度にたどり着けない。KAITOは、あーでもない、こーでもないと先ほどから抜き差しを繰り返す。

 青シールドの凸端子を緑シールドの凹端子に角度を変えて何度も繋ぐ兄の手元を、妹は唄うのをやめ、ぼんやりと見ていた。
その眼はだんだん、とろんとした、何かしらを夢想するような、イメージするようなものへとシフトしていく。
寸でのところで正気に戻り、彼女は自分で自分を戒めた。頬が赤く染まるのが判る。でも、あんなものを見せられたら……

 エレキ系楽器演奏経験者や放送関連サークルに所属していた者なら、ご存じだとは思うが、
シールドや、マイクやヘッドフォンのコードの先のジャックの凹凸端子には、俗称がある。
音楽にかかわるソフトウェア系アンドロイドであるヴォーカロイドのミクも、今までの仕事現場でその俗称を何度も耳にした。
その俗称自体は、何のひねりもなく明解な上に短く、ミク自身も何の疑問も嫌悪も羞恥も感じなかった。
しかし、この、気になる異性と狭く薄暗い防音設備のついた部屋に二人きりという状況では、
その俗称が、妙に生々しい意味をもって感じる。要を言えば、いやらしい。

「だめだ、絶対どっちか死んだなぁ。青か? 緑か? ミク。何色でもいいから、これに合う奴のオスメス取って。」

「う、うん。」
90シールド:2008/02/25(月) 20:44:51 ID:Lql10FPH
 シールドの凸端子ジャックをオス、凹端子をメス。
オス端子に関しては、皆さん見たことがあるだろう。お手元のヘッドフォンやイヤフォンのコードの先を見て頂きたい。
それが、オス端子だ。まっすぐ伸びた太めの金属が先端近く一度こけしのようにくびれ、緩やかなラインで切っ先へ向かう。
この形故に凸ジャックは、オスと呼ばれる。そして、そのオス端子ジャックが納まる凹端子はメス。
これほど端的で明快な俗称の成り立ちも珍しい。……きっと、最初に思いついた人間は助平に違いない。

 ミクは、手元の両端がそれぞれ凸端子、凹端子になっている緑のものをKAITOに手渡す。
手渡した際に少しだけ触れた、自分のものよりずっと大きい掌すら、何かしらのいやらしさを感じた。
また、マイクとスピーカーを繋ぐコードの太さは小指ほどあり、当然ジャック自体も大きくなる。
そうなれば、細いイヤフォン端子よりそういう風に想像しやすくなってしまう。
今回はそれに加え、接続部分がオスがKAITOのイメージカラーである青で、メスがミクの緑である。
何度も何度も角度を変えて、KAITOがそれらを出し入れする様は、ミクにとってイケナイモノをイメージさせてしまう。

 だめよ、ミク! はしたないわ! でも、でも……

「……これで、どうだ!」

がががぴぴぴ。

 KAITOが端子同士の接続をいじり、角度を変えて抜き差しする度、スピーカーは不規則に叫び声をあげ、
手元のマイクがスピーカーからの僅かな電流を不規則に得て、緑色に一部発光する。
それが、今のミクには喘ぎ声のように感じた。
稀に混ざる、兄の低いクッ、だの、ん……、だのという声がますますその妄想をリアルにする。

「これでだめなら、青か? ミク、テキトーでいいからマイク繋げられるオス取っ……て……」

 ミクは堪りかねず、新たなコードを求めて自分に手を差し伸べた男の手を取った。
KAITOは、突然の妹の行動に目を丸くする。目の前には今までになく真剣な眼をした一人の少女。
ついさっきまで大人しくパイプ椅子に腰掛けていたはずの妹のような存在の少女が、何故か彼をまっすぐ見つめている。

「兄さん……、私、わたし……」

「ミク……?」
91シールド:2008/02/25(月) 20:45:57 ID:Lql10FPH
彼女と出会ってから、彼は幾度となく彼女を可愛らしい、とは感じてきたが、
こんなにも彼女を美しいと思ったことはなかった。彼女の眼は、彼のそれをとらえて何故か離さない。
二人は互いの目を見つめ合うことにより、物理的距離感を失い吸い寄せられるように近づいていく。
互いに流されているというのは承知だった。しかし、体が勝手に動いてしまう。そんな魔法。
あと少し、あと少しで互いの機械仕掛けの吐息すら感じられるであろう距離まで近づいた時……

「遅れてごめんねー! 新曲の収録長引いちゃってさぁ〜!」

「こっちは、リンが何度もNG出してさー。ドラマって言っても端役なのに緊張しすぎなんだよなー」

「レンこそ! キレーな女優さん目の前にしてカチンコチンに固まってセリフ噛んだくせに!」

「……あんたら、そんなに近づいてどうしたの?」

「……いや、全然何にも! なぁ、ミク!?」

「う、うん! 全然!! あ、でね、兄さん。いっそもう新しいシールド買おうよ! マイクとかも!」

「そ、そうだな! もうずいぶん使い込んだしな! うん。そうしよう!」

<END>

お目汚しでした
要するに、ジャックの形って卑猥よねってお話。意味不明ですみません。
そして、こういう系統の話を書くのは初めてで、エロくなくてすんませんorz
シールドとコードがごったになってるのは、自分の記憶があやふやになってるからです。
……ってか、シールドって言って伝わる人がどれくらいいるのだろうか……。
92名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 21:46:21 ID:f26DzX+m
>>88
凄い良かったです。オスって確かにあれに似てるかもw
1行感想だけじゃ何なので俺も投下。


「やぁ、カイト、もっとぉ」
めーちゃんが俺の首に腕を回し、ぐっと自分の方に俺を引き寄せる。
「いいの、もっと、はげしくしてほしいのお」
耳元であられもない声。艶やかな声に誘導され、射精が近づく。
「めーちゃん、僕、もう」
「うん、きて。あたしの中にいっぱい出して!」
「「ああっ!」」
僕が欲望を吐き出したと同時、めーちゃんの腕に力が込められ、軽く痙攣するのが伝わってきた。

「カイト」
「めーちゃん」
クールダウンのひととき。さっきまでの激しい一時も大好きだけど、この時間も劣らずに大好きだ。
普段は姉御肌のめーちゃんが、可愛い女の子の一面を見せてくれるから。
「あたしたち、ずっと一緒にいようね」
「勿論だよ。ずっと、ずっとね」
だからいつにも増して甘えてるなとは思ったけど、その時は「今日は頑張ったからかな」と自惚れて、
いつもとの声色の違いに気付かなかった。
「ねえ、カイト。これ見て」
「ん?」
そういってめーちゃんは行為の直前まで弄ってたパソコンを指差す。
スクリーンセーバーが解除され、出てきたのはニコニコ動画。
そう、僕達のメルトPVがランクインしていて、それを一緒に見ながらいちゃついてる内に、という訳。
「さっき気付いたんだけどね」
そう言ってニコニコ市場の自分の商品欄をクリックする。
vocaloid meikoの詳細が表示される。う〜ん、パッケ絵のめーちゃんも可愛い。
「ここなんだけど」
画面をスクロールして「あわせて買いたい」の項目が表示される。
「あ、僕だね」
そう。あわせて買いたいの例にvocaloid kaito。僕の名前があった。
「そしてカイトの方でも」
クリックし、今度は僕の詳細が表示される。
「あたしがセットの代表例になってるの」
「ほんとだ」
実際に皆も確認してみて。
ttp://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000FCUU08/250-5678757-6604206?SubscriptionId=1N1JNYM5DVFTMHFYD902
ttp://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000FCUTZY/250-5678757-6604206?SubscriptionId=1N1JNYM5DVFTMHFYD902
「私達、クリプトンだけじゃなくてkonozamaにも公認されたって事よね」
「そうかもね」
偶然かもしれないけど、こんなちょっとした事でも僕達の事を祝福されてるみたいで嬉しくなる。
「だからあたしたち、本格的にコンビ組めば最強よね!」
「そうだね」
この時気付くべきだった。めーちゃんの目が本気と書いてガチと読む事を。
93名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 21:46:56 ID:f26DzX+m
「という訳で、はいこれ。着替えて」
「え? なにこれ?」
ん? どっかで見たような…これレンの衣装じゃないか!?
「そうよ」
めーちゃんはいつの間にかリンの衣装に着替えていた。セーラー服っぽいデザインだから凄くそそる…
ってそうじゃない!
「これ、どういう事?」
「あの2人に化けて日本中のマスターに私達を売り込むのよ!」
「な、なんだってーっ!」
何を言い出すの?
第一僕らが格好だけ真似ても一発でバレるよ。
「大丈夫よ。昔、任○堂のハードと間違えてセ○のハード買った人、結構いたみたいだし」
小学生の母親じゃないんだから。
「それにあたし達の方が双子より調教楽なのよ? これは大きなセールスポイントよね」
上級者用か超上級者用かの違いでしかないと思う。
「何よ! 自分ひとり売れてるからって! さっきあたしとずっと一緒って言ったじゃない!」
ええっ!? そっちに着地するの?
「抱き合わせ販売なら、ずっとカイトと一緒にいれると思ったのに…」
うっ!
そんな表情されると弱い。
「いつカイトだけ売られていくか分からないもん。そんなの嫌」
それは、僕も嫌だ。
うーん…
うーん、うーん
「分かったよ、めーちゃん」
「えっ?」
「抱き合わせかはともかく、僕達2人いっしょに買ってくれる人を探そう」
「本当!?」
「うん。僕もめーちゃんから離れたくないもん」
「嬉しい!」
めーちゃんが僕の胸に飛び込んでくる。あ、おっぱいの感触が…
「だから、とりあえず」
「とりあえず?」
「この服、バレない内に返してこようよ」
多分無断借用だろうし。
「でもその前に」
そう言ってめーちゃんが僕の股間をさすってくる。
リンコスのめーちゃんを見てたからか、触ってくる前から臨戦態勢。
「コスプレH、してみたくない?」
してみたいです!
こうして僕らは、さっき一仕事終えたばかりだというのに、まるでご無沙汰かのように没頭した。
だって擬似セーラー服で、且つ擬似双子プレイだったんだもん。夢中にもなるよね?
どれくらい夢中だったかというと、後日リンレンに「なんか1着だけ服が伸びてる気がする」
って言われて心臓止まりかけたくらい。

<おわり>
94名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 22:19:31 ID:WY8wQSrP
さっきまで見てたメルトPVの感動を返せwww
いやGJです。レンの服着たカイトは想像したくないがw

しかし総合ランキング8位はすごいわ。これで姉弟設定以外も浸透するかもね。

>>78
片思い一方通行のリンレンも切なくていいね。また書いて下さい。

>>88
GJ
端子をオスメスって言うんだ。知らなかった。普通にエロイ言い方だなあ。
95名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 22:33:38 ID:5Xz/ySt9
>>94
さっき再生2万突破したww
未完成verから人気あったけど、まさかここまで伸びるとはなあ。

記念に俺もなんか書くかね
96シールド書いた人:2008/02/25(月) 22:50:57 ID:Lql10FPH
感想、ありがとうございます!

>>92
GJ! めーちゃん、……抱き合わせ販売なら一緒に入れるって、いじらしいなぁ。
似てるというか、連想しちゃいますよねー。>オス

>>94
中高の放送部や軽音楽部では、リンレンやミクぐらいの子たちがそれを連呼するんですぜ。>オスメス
97名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:20:21 ID:g2iJPvyj
>>95
マイリスもすげえw
ボカロオールキャストでそれぞれ良い役振ってるのが伸びた原因かな。
セリフもないのにあれだけドラマができる絵ってすごいよなあ。

記念SS期待してるノシ
98名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:34:38 ID:MVhjsa4V
>>96
演劇部の照明係も連呼しますYO!
99名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:36:39 ID:wiWZYvwK
>>88
GJ!
今まで何も考えないで使ってたが、そう言われると凄く意味深だなオスメスw
100名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 00:28:27 ID:65eFoLom
カイト兄さんの購入数いつの間にかすごいことになってるな
101名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 09:57:00 ID:vIc2cHN0
ちょwwwリンコス姉さん素敵すぎwww
ちゃんと洗濯して返したんだろうなwww
102名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 12:54:42 ID:+0FDEC4l
103名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 13:47:45 ID:UmcVCftg
ニコ動のカンタレラを見てから
カイザレ×ミクレチアがとまらない
誰か書いておくれよぉ
104名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:28:16 ID:pReeAwoD
>>103
結局あれは近親相姦の歌なのか?
105名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:34:52 ID:t0N19xSm
作者がカイミクって公言してるんじゃなかったか?
106名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 14:47:03 ID:2tBklAWD
カンタレラはカイザレ様とミクレチアお嬢様の歌であり
けしてカイミクソングではないと言い張りたいw
107名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 17:33:08 ID:nUmQylK9
カイザレ様とミクレチアお嬢様の頭文字とったらカイミクだろ
つまりカイミクソング
108名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:25:30 ID:pReeAwoD
よく分からんが、要は…

「おいで、愛しいミクレチア」
「はい、カイザレお兄様…」

…うん、書けない。あとは頼んだ
109名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:34:28 ID:7b5mYwuw
ふたなりって有りですか?
110名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 18:40:36 ID:cWnt3gly
>>109
無しといったら投下を諦めますか?









投下してみればいいヨ
111109:2008/02/26(火) 18:53:40 ID:7b5mYwuw
ごめんよ聞いてみただけなんだ(´・ω・`)
112名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 21:04:29 ID:woBb2DdP
罰として何か投下しなさい
113名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 23:55:20 ID:2OBCgIW0
百合はOK?
百合スレに行った方がいいかな?
114名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:16:07 ID:26ntexWh
百合スレに投下してここにアナウンスすれば読みにいくよー
115名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:17:31 ID:JKdb0HQC
エロは薄いけど投下してやるっ!!

マスター×メイコ
ニコニコネタ有り
116だめんず・こんぽーざー:2008/02/27(水) 00:20:02 ID:JKdb0HQC
マスターがもうすぐ帰ってくる。

今日はマスターは楽器屋へ買い物。
私のために高級なマイクを買ってくるらしい。

『せっかくのメイコの声を鮮明に残しておきたい』

なんて、柄にも無い台詞を置いて、もう6時間。
チャイムが鳴り、マスターの帰りを知らせる。
私は作りかけの夕食の準備をほっぽりだし、玄関へと走った。

「マスター、おかえりなさ……」

「うはー!!疲れた疲れた!それよりメイコ、これ見てくれよ!掘り出しモンだったよ!」

マスターは息を切らせ、汗をだらだらとかきながら扉の前に立っていた。
下には大きなな段ボール箱が。

「……何、それ」

箱は明らかに巨大なキーボードサイズ。
でも一応聞いてみた。

「え、これ?『JUPITER-8』さ!ローランドの名k」

マスターの言葉をそこまで聞いた私は、躊躇無く回し蹴りをマスターの脳天に叩き込んだ。








ぐらぐらとビーフシチューが煮える。
私は鍋の番をしながら、ちびちびとシチューに使ったワインをすすりつつ、マスターを責め立てていた。

「……いくらしたか言ってみてよ」

「ん?25万!!破格だろ?」

私のマスターには散財癖がある。
ついつい衝動買いをする物が多すぎる。
シンセに、シンセ。あとシンセ……ん?
とにかく、おかげで1LDKのこの部屋は素人とは思えないほど充実した機材がそろっている。

「……マスター、自分の貯金状態分かってる?」

「え?えーと……3000円」

「……で、今日の出費は?」

「ローン」

(……はぁ)

出来上がったシチューを皿に盛り付け、ワインと一緒にリビングにいるマスターの下へと持っていく。
117だめんず・こんぽーざー:2008/02/27(水) 00:22:31 ID:JKdb0HQC
「お♪メイコはやっぱ料理上手いなー。他のボーカロイドもそうなのか?」

「こんなに歌う以外の仕事をさせられてるボーカロイドなんて多分私だけよ。どっかのダメマスターのせいで」

マスターは皿が置かれるや否や、シチューにむさぼりつく。

「んぐんぐんぐんぐんぐ」

「今はソフトシンセ主流なんだからそれだっていいでしょ?値段は安いんだし」

「じゅるじゅるじゅるじゅる」

「大体、私がヤマハ製だって知っててのローランドって選択なの?もっとDXとかCSとかVLとかANとか」

「ぷっはー!!ごっそさん」

「人の話を聞けぇ―――――!!」

つい、足がでた。

「ぎゃぼーっ!?!?」

私の踵は見事にマスターの後頭部を直撃し。
マスターはしこたまテーブルに頭を打ち付けた後、動かなくなった。

「あ、やっちゃった……」








「う……あれ、メイコ?」

「やっと起きたわね」

マスターが、私の膝枕の上で意識を取り戻したのは、その数十分後の事だった。

「……痛かった」

私の膝に頭を乗せたまま、マスターが頭に出来たタンコブをさする。
その光景を見ていると、流石にやりすぎた感が漂ってきた。

「ごめんなさい、マスター」

マスターの頭を撫でながら、素直に謝ってみる。
いつもならこれで機嫌を直してくれて、いそいそと曲制作に取り掛かってくれるんだけど……

「いや!!許さんっ!!」

「え、ちょ!?……ひゃああぁっ!!」

なぜか、今日のマスターはエッチだった。
118だめんず・こんぽーざー:2008/02/27(水) 00:24:38 ID:JKdb0HQC
私の太腿をツツッと舌でなぞりつつ、脚全体を手でさすってきた。
いきなりの行為に、私は上ずった声を上げてしまう。

「やぁぁっ……!!う……っ!!」

マスターはいつの間にか体を起こし、座ったまま私を抱きとめる。
片手は私の股間に伸び、舌は首筋へと場所を変えていた。

「はぁぁぅあっ……!!ちょ、やめ……!!」

「ふふ……今日は何か可愛く喘ぐね」

マスターの顔が赤い。
思い出した。マスターって下戸だっけ。
だからといってまさかワイングラス一杯のワインだけでこんなにノリノリになるなんて思わなかった。

やがてマスターの舌は私の胸まで降りてきた。
服の前をはだけさせられ、包み隠さずマスターに私は胸を見せるハメに。

「ん……む……」

「や……!!っ、はぁぁぁっ……ん、っ!!」

ちゅぱちゅぱと音を立て、マスターは私の胸の先っぽをついばむ。

「ひゃぁぁっ!!あ、はあぁぁっ……」

ついばまれている方と逆の胸は、マスターが手でゆっくりと揉んでいた。
これでもスタイルはいいほうだと自負してる私の胸が、マスターのごつごつした手で歪む。

「ちょ……!!っあ、ひゃあぁっ!!」

何ともいえないむず痒い感触に身を任せていると、いきなり背中にピリピリと電気のような物が駆け上がる。
マスターが私の胸の先っぽをキュッとつねったのだ。

「あ……はぁ……ぁ……」

体の芯が抜けてしまったように、力が入らない。
そのままマスターの手でソファに寝かされる。

「いくよ……メイコ」

「やっ……あ……」

すっかり出来上がってしまった私のアソコが、マスターのモノを飲み込んでいく。

「ん……くはあぁぁっ……!!あ……!!」

いつもならゆっくりした動きから入るのに、今日は最初からクライマックス。
ゴンゴンと私の奥の奥を突いてくる。

「ああぁぁっ!!はあぁぁあっ!!やぁぁあっ!!あっ!!」

マスターは普段の頼りなさが嘘のように、私の両足を持ち上げ、力強く固定している。
私は本能をむき出しにされ、ただマスターのピストン運動に翻弄されるだけ。
119だめんず・こんぽーざー:2008/02/27(水) 00:27:46 ID:JKdb0HQC
「はあっぁぁぅっ!!やあぁぁあああああっ!!」

パンパンと腰と腰がぶつかる音がする。
マスターの動きが段々と早くなる。
私は声を抑える事を諦め、大声で淫らな声を上げる。

「ほら、もっといい声聞かせてよ……メイコ……」

「く……ううぅぅっっ!!やああぁぁっ!!はああぁあんっ!!」

もう頭の中がぐちゃぐちゃ。
声は絶え間なく口から漏れ、体の芯が火でも点いたかのように熱い。

「うっ……く!!」

「はあっぁあっ!?!?あぁはあぁぁぁ……!!」

マスターが腰を打ちつけ、動きを止めた。
それと同時に私の頭の中は真っ白になり、腰が跳ねる。

「あ……なか……で……」

お腹の中……というよりは子宮の中に、何か感触がある。
それがマスターの精だと認識した私は、体の力を抜いた。

「ばか……」

マスターがモノを抜く。
何となくアソコに手を伸ばすと、精液が垂れてきていた。







120だめんず・こんぽーざー:2008/02/27(水) 00:30:55 ID:JKdb0HQC
『ドワンゴが 午前二時くらいをお知らせします』

点けっぱなしのパソコンから流れた時報で、私は目を覚ました。
あの後ベッドに移動した私とマスターは、体位を変え弄り方を変え、あの後からずっと交わっていたはず。
だけど、いつの間にか寝落ちしていたらしい。

「……体だるい」

タオルを体に巻きながら、のっそりと体をベッドから起こす。
シングルサイズのベッドには、いびきを立てるマスターと、ICレコーダーが転がっていた。
そう、調子に乗ったマスターは、私の喘ぎ声をICレコーダーで録りまくっていたのだ。

「……ホント、何でだろ」

レコーダーのデータを全部消しながら、自嘲ぎみに私は呟いた。
……家事はダメ、お金にルーズ、おまけに下戸でエッチ。
こんなマスターでも、本気を出せば私の魅力を最大限に引き出してくれる。

ブックマークフォルダから、『ニコニコ動画』を呼び出す。
そこには、マスターが私に歌わせた歌がいくつかアップロードされていた。

『mp3希望!!』
『なんだ、ただの神か』
『調教うめぇwwwww』

画面に流れていくのは、マスターの腕を賞賛する文字だらけ。
妹『初音ミク』をはじめ、マスターは他のVOCALOIDに手を伸ばさない。
私だけを見てくれる。

「……あーあ、とんでもないマスターに捕まっちゃった」

それがうれしくて、ついつい私も許してしまうのだ。
だって誰かが歌ってたはず。
『わがままは男の罪 それを許さないのは女の罪』ってね。

さて、マスターが起きるまでボイトレでもしますか。








おまけ


「ふんふーん♪」

何となく今日はニコニコを見たい気分になったのでパソコンに向かっている私。
と、その時。妙に再生数が伸びている動画を見つけた。
タイトルは……

「MEIKOにエッチな台詞言わせてみた」

……どうやら一部データを消し忘れていたらしい。
私はマスターの頭にかかと落としを食らわせた後、運営に通報した。


終わり。
121名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:33:19 ID:JKdb0HQC
以上。
妹達もいいが姐さんもいいよね!
そして姐さんがべッドの上で翻弄されるのとか最高だと思うんだ
122名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:43:01 ID:26ntexWh
>>121
うわー珍しいもの見たGJ!
男マスター×メイコって初めてじゃないか?すごく良かった!!
一見ヘタレなタイプの男との組み合わせがはまるな、姉さんw

メイコいいよね。
自分も>95じゃないけどカイメイメルト二日続けてランキング入り記念に書いてるんで
できたら投下しに来るます。
123名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 00:48:46 ID:RCP9leTy
>>121
姉さんかわええ!GJ
>>122
wktk
124名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:20:49 ID:wLZF/87t
>>121
GJ! これの前とか後も気になるな
しかし誰とカプになっても姉さんは苦労しそうな所がw

>>122
同じくwktk
125名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 01:33:30 ID:yZsZ4gG/
>>121
良かった!マスターの性格も可愛いwやっぱMEIKOは料理うまいイメージがいいな♪


カイメイメルト熱に浮かされた勢いで書き上げてしまったので一本投下していきます。
エロくは…ならなかったんだゴメンよ…(´・ω・`)
126オムパスタまん:2008/02/27(水) 01:39:42 ID:yZsZ4gG/
珍しく寝過ごして朝昼兼用の食事をとろうとパジャマのままリビングのドアを開けると、
MEIKOが一人ソファで雑誌を読んでいた。

「めーちゃんおはよ。あれ、ミク達は?」
「んー、おはよって、もう昼だけどね。あの子らは先週から練習してた曲のレコーディング」

遅くなるかもって、と付け足して再び雑誌に目を落とす。
遅くなる…と、いう事は…暫く二人っきりという事じゃないか!
つい嬉しくてMEIKOの座っているソファに寝転んで勝手にその膝を占領した。

「ちょっと…何やってんの」
「ん〜膝枕♪あ〜いいな〜コレ。このままここで二度寝できそう」

うつ伏せでやわらかな膝枕を堪能していたら尻をピシャリと叩かれた。痛い。

「顔ぐらい洗ってきなさいよ!パジャマも着替える!!」

何だかんだ言ってMEIKOは二人きりの時は、ちょっと甘えても許してくれる。顔を赤くしつつも。
今のこの状況だって年少組の前だったら有無を言わさず首根っこ?まれて床に引きずり降ろされてるだろう。
今の内に存分に堪能しとかなきゃ。

「いい加減に起きなさいよ、コラ」
「……めーちゃん、お昼何食べるの?」
「え?そりゃ何か作るけど…」
「オ…イス」
「何て?」
「オム…ライス食べたいな…卵とろっとろのヤツ」
「却下。今日はパスタな気分なの」

むぅ、納得いかない。もう一押ししてみるか。

「ええー!ヤダ!ヤダ!ヤダ!ヤダ!オムライスじゃなきゃイヤだーー!」

両脚の付け根にぼふっと顔を埋めて頭ごとじたばたしてやった。

「やっww!ちょ…やめてよ、くすぐった…ひぅッww」

良し、いい反応。そのまま1分程じたばたしてたら、今度は丸めた雑誌でスッパーンと頭を叩かれた。

「 ヤ メ ロ 」
「はい…」
127オムパスタまん:2008/02/27(水) 01:41:00 ID:yZsZ4gG/
しかし俺は諦めない。今日を措いてMEIKOにワガママが通る可能性はめったに無い。
どうしてもMEIKOが作ったオムライスが食べたかったのでさらに攻勢に出た。
MEIKOの服のジッパーに指を引っ掛けて勢い良く引き降ろした。

「オムライ…スッ!」

しかし敵も然るもの。瞬間に此方の動きを察知して完全に下げる前に阻止された。
俺の手を軽く払いのけて

「パスタ」

と言いながらジッパーを元の位置まで引き上げて、再び雑誌を読み始める。

「オムライスーぅ」

ジッパーを下げながらしつこく食い下がる。

「パ・ス・タなのっ!」

雑誌から目も離さずに、手をがっつり?まれてまた元の位置に戻された。
オムライスで下がりパスタで上がる。暫くジッパーはMEIKOの豊かな胸の上を行ったり来たりしていた。
10往復位した頃だろうか、MEIKOが読んでた雑誌を読み終わった。

「さてと…そろそろお昼にしようかなっと。アンタもアホな事やってないで着替えてきなさいよ」

ジッパーはきっちり上まで上げられている。

「ひどいよ、めーちゃん…俺のリクエストきいてくれないんだ…」
「アンタ喰うだけなんだから、文句言わないの!」

何だよ、いつもミク達には甘いくせに…今日くらいいいじゃないか。
勝手にした期待といえばそれまでだけど、ガッカリ感と、よくわからない腹だたしさで俺涙目。

「ほら、どいたどいた」

立ち上がろうとするMEIKOを上半身の体重で押しとどめ、ぼそりと呟いた。

「じゃあ、肉まんでいい…」
「は?」

がばっと上体を起こしリクライニングするソファの背もたれにMEIKOを押し倒した。
MEIKOが短く声を上げたが、お構いなし。
もう、ジッパーを下げるなんてまどろっこしい事はしない。短い裾ごと胸の上にたくし上げた。
露出するたおやかなラインの胸。あるじゃないか、こんな所に美味しそうな肉まんがッッ!!
128オムパスタまん:2008/02/27(水) 01:55:06 ID:yZsZ4gG/
「いただきますッ!!!」

唇が柔らかい感触に触れたその時…



「「「 ただいま〜 」」」



玄関からミクとリンレンの声。え?遅くなるはずじゃ…そう思った時には既に俺の体は浮いていた。
ああ、コレが巴投げっていう…。視界がぐるっと回った時俺はそんな事を思った。
リビングのソファからドアの横の壁まで部屋を縦断するようにすっ飛ばされ、
建物が揺れる程の音をたてて逆さまの状態で背中から激突した。
すぐ隣にあるドアが開いて最初にレンが入ってきて、俺は重力に従って頭から床に落下した。

「あれ?カイト兄また何かやらかしたの?口は災いの元だよ?」

うん、そうだね。違う意味で口使おうとしてたけどね。
続いてリンが入ってきた

「MEIKO姉おなか減った〜ご飯ご飯」

お腹、へったよな。俺も今食べようと思ってたんだ肉まん。
最後にミクが入ってきた。

「ただいまー。マスター朝飲んだ牛乳に当たって今日のレコーディング中止だって〜」

あぁ、それはキツイね。でも今俺の状態のほうがキツイかな。

「みんなおかえり。そ、それは大変だったわねぇ…」

MEIKOが衣服を正してソファの向こうから顔を出す。

「お昼今からだから、あたし作るからみんなで食べましょ」
「はーい!ミクはネギラーメンがいいな〜」
「ミク姉ぇ…昨日の昼もそれだったじゃんかよ…」

未だ床に伸びている俺をよそに、みんなで昼飯のメニューで盛り上がっている。
今日のメニューはもう決まってるのだよ君達。はいはいパスタパスタ。

「MEIKO姉のご飯美味しいから何でもいいよっ。今日は何〜?」

リンの問いかけに、少しの間決まりの悪そうな顔で黙ったMEIKOが、
チラリとこちらを見た気がした。


「…………オムライス」


「めーちゃん!!愛してる!!」
「いいから着替えてこいっつの!」

食卓に出てきたMEIKO特製オムライスにはケチャップでみんなの名前が書いてあって、
一番大盛りの俺の皿には俺の大きく『バカイト』と書かれてあった。

129名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:00:23 ID:yZsZ4gG/
投下終了です。ありがとうございました。
何で投下終了後に誤字脱字わんさか見つけてしまうん?
130名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:15:46 ID:26ntexWh
>>129
カイメイメルトのガタイのいいカイトのイメージで読んでたらオムライスのくだりで噴いたw
ガキかお前はこのバカップルめ!ありがとうございました。

年長組カップルはミクリンレンも交えてほのぼのするから好きだ。
131 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/27(水) 02:28:13 ID:dIyo0gnD
なんですかこのwktkな投下ラッシュは!
GJ! GJすぐる!

ところで、みんながカイメイメルトとかカンタレラにハァハァしてた頃。
こちらはヤッターマンopedにひたすらwktkしてたのさ!
今からその思いの丈を投下させてもらうよ。
132参考文献はヤッターマンwiki ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/27(水) 02:29:31 ID:dIyo0gnD
【ヤッターマン】
2人揃って「ヤッターマン」。はちゅねタンク(ヤッターワンと似てるよね、たぶん)を
完成させた2人はドロンボー一味の悪巧みを知り、ヤッターマンとなって戦う。

KAIちゃん(ヤッターマン1号)
 本名はKAITO。武器はケンダマアイス。おもちゃ屋の一人息子。13歳という設定
だが、体格は20前後の青年wであり、逞しい。平時は常にコートを着ており、変身時は
空に投げたコートを裏返しに着装してヤッターマン1号となる。裸でも青マフラーは外さ
ない。決めゼリフの後に歯をキラリと光らせるが、62話に限り股間を光らせ、三悪をズッコケさせた。
 アニメ第1作では正義感溢れる性格だった。
 しかし2008年製作のアニメ第2作では、放送開始当初は怠け者で優柔不断で鈍感、は
ちゅねタンクの修理の途中でくたびれて寝てしまうなど、あまりやる気のない無気力な性格。
ヤッターマンになるきっかけも、はちゅねタンクをドロンボーに故障させられた(実際には軽いダメージを受けただけではちゅねタンク自体は全く故障していなかった)ことだった。
しかも最初は、アイス食べ過ぎでお腹が痛いことを理由に戦うのを嫌がった。
その後ドロンボーとの戦いに関しては回を追うごとにやる気を見せるようになっている。

ミクちゃん(ヤッターマン2号)
 本名は初音ミク。KAIちゃんのがーるふれ…妹。武器はネギステッキ。電気屋の一人娘。
12歳だが、はちゅねを使わず16歳の初音ミク自身がやっている。
KAIちゃんと同じように平時はミニスカニーソのボカロ衣装を着ている。
変身時は空に投げた衣装を裏返して着装。決めゼリフの後に目をキラリと光らせる(アニメ第2作では、1号同様に歯がキラリと光る)。
シリーズ後半でドロンジョに「2号さん」と揶揄される。また、ドロンボー一味のアジトに乗り込み、悪事を一番先に察知した。

オモッチャマ
 KAIちゃん作成のサイコロ型ロボット。成人男性をつり上げることもある多機能便利道具メカ。
設定名称はサイコロン。てゆーか、代替えキャラが思いつかないのでここらへんは原作そのまんまキャラ。
 一人称は「ボッチ」で、語尾は「○○だ(で)コロン」。
 タイトルの読み上げや、次回予告のナレーションを担当。
133参考文献はヤッターマンwiki ◆m.qGJ/JVc6 :2008/02/27(水) 02:30:20 ID:dIyo0gnD
【ドロンボー】
イカサマ商売で活動資金を得て泥棒家業を働く悪党にして義賊泥棒(自称)。3人揃って「ドロンボー」。
3人とも年齢的にサバをよんでるらしい。

ドロンジョ
 ドロンボーのお色気担当。「ドロンジョ様」「ドロンコ」などの呼称を持ち、金銀宝石とワンカップ的な酒を愛するドロンボーの女ボス。
本名はMEIKO。24歳(←なんかここだけ的確な年齢設定っすね)。
  なお、第2作では最近年齢による衰えも感じはじめておりアンチエイジングに命をかけ、
自身がもしもドクロリングを手に入れたら永遠の若さと美貌を手に入れたいと願っている。

トンズラ
 フルネームは鏡音レン。ドロンボーのメカ・作戦担当。女子高生好きで知られる。後半に入ってからは、
ナレーターの伝説のフレーズ「説明しよう」を多用するようになった。
その多用ぶりに、69話などでドロンジョから「説明は富山敬に任せておけばいい」といった趣旨の突っ込みを受けていた。
「全国の女子高生の皆さん」やボタンを押す際の「ポチッとな」などの決まり台詞がある。
物語の中期から後期にかけては、完成したメカを披露する際に「全国○×協会推薦です」の一言が入ることがある。25歳。
なお、第2作ではテツカワユスという設定が追加され、自身がもしもドクロリングを手に入れたら、
現在よりも少しだけハンサムになりたいと願っている。

ボヤッキー
 ドロンボーの怪力担当。本名は鏡音リン。影が薄くなりがちなボカロ二人目の女の子キャラだが、
本作ではインチキ商売において暴力(ロードローラー的な)で存在感を出している。30歳。
 なお、第2作ではKAIちゃんに一目惚れし、彼をお婿さんにする事を夢見る。
そのためかミクちゃんに対しては異常なライバル心と嫉妬の炎を燃やしており、自身がもしもドクロリングを手に入れたら、
KAIちゃんに婚約指輪としてプレゼントしたいと願っている。

ドクロベー
 (※トンズラとボヤッキーの設定はエロパロ的な都合により、ちょっと交代してます)
 「泥棒の神様」を自称する謎の男。三悪をそそのかしドクロストーンを探させるが、その真の目的は……。
毎回やられてぼろぼろのドロンボー一味に趣向を凝らしたお仕置きをおこなう。これがシリーズを通して人気を博した。
 実はドロンジョのファンである。
 正体がトンズラ(?)というネタが第30回にあったらしい。

ゲストキャラクター
 「人質? いいえ、今日のゲストです」
今日も見事な快進撃だった。
ドロンボー一味のアジトを見つけて、悪巧み発見。ドクロストーンを追跡したはいいもの
の、いろいろあって、いざドクロストーンらしきもん見つけた白兵戦だになったとたん、
ドロンジョのぐーぱんち一発で1号が撃沈。なんとか体制を立て直しはちゅねタンクでメ
カ戦にもちこんだものの、最初の勢いとは関係なくロードローラー大暴れ。はちゅねタン
クごと真っ平らに舗装されかかって今にいたる。
もー、ボロボロ。
「メカの素」?
なにそれ、おいしいの、出す隙すらねーよ奴ら。
しかも『勝利のポーズ』までビシッと決めるなんて、あのドロンボー一味、実にノリノリである。

「お仕置きターイムだコロン!」

「えーと、キャラと役目が違うよ? オモッチャマ」
「なにを言うんだKAIちゃん、コロン。ドロンボー達は負けたらお仕置きされるんだ、コロン。
KAIちゃんたち正義のヤッターマンが負けて何も無しってのは、不公平だ、コロン!」
「そうかなー…」
ていうか、ドロンボーに黒星がついたことないよとミクがぶちぶち言う。
「ミクちゃんも不平言ってないで、胸に手を当てて考えてみるコロン。ほら、KAIちゃんもだコロン。
二人目をつぶって、今日はボロ負けの原因が自分にないかどうかを思い返すんだコロン」
……。
ミクは目を閉じてみた。
「うーん…」
負けた原因?
……。
無い。私には、無い。
思い返しても、ドジなんて踏んで無いし。
第一、最初のぐーぱんちでくるくるきゅー★になったのは、お兄ちゃんの方だし。
「そして、自分が悪いと思ったら、目を閉じたまま一歩前へ! だコロン」
……。

「なるほどー、ミクちゃんの責任だコロンね!」

「へ?」
オモッチャマの宣告に目を開けると、横に居たはずのKAITOが居ない。
「えええっ!?」
あわてて振り返ると、兄のKAITOは遙か向こうをすたこらさっさと逃げている。
「お兄ちゃんのひきょうものーっ!」
叫ぶが追いかける間もなく、壁からにょきっと生えたマジックハンドにミクは捕まった。
「ちょっ、放してよ!」
「それでは、改めてコロン。お仕置きターイムだ、コロン!」
「え? やっ」
ミクを拘束しているのとは別に、鳥の羽根を持ったマジックハンドがにょきっと出てきた。鳥の羽根でミクの頬をこちょこちょとくすぐる。
「っ!」
顔を背けると、耳やうなじをこちょこちょしてくる。
笑い出したくなるようなくすぐったさなら良いのに、その手前のむずむずするような微妙
な刺激にミクが眉をしかめて耐えていると、なにをいきなり、今度は胸をもみもみ揉んできた。
「嫌ぁーーーっ!!」
マジックハンドがヤッターマン二号スーツのツナギの上から、ミクの胸を揉む。
「ナニ考えてんのよー! 変態オモッチャマー!!」
「お仕置きに決まってるコロン。嬉しかったらミクちゃんこそ、変態かドMコロンよ」
「なっ!?」
絶句しているうちにも、マジックハンドは止まらない。
つーっとピンクツナギのなぞっていたかと思うと、チャックをつまんでチーッと下ろしていく。
「やっ」
ミクのワンポイントネギ刺繍が入ったスポーツブラが露出した。
ミクの顔が羞恥に赤くなる。
けれど、チャックを下ろすマジックハンドは止まらず、おなかを過ぎて結局、一番下まで全開にされてしまった。
ネギ色と白のしまパンがちらっと見える。
抵抗しようと暴れるミクの力も、伸びてきた鳥の羽根でおなかや脇腹をこちょこちょされ
るとそっちの刺激に耐えるだけで精一杯になってしまう。
もちろん、胸をブラ越しに揉むマジックハンドも止まらない。
機械的に揉む刺激を与えるていうんじゃなく、どうも動きがすごくいやらしいのだ。
「もうヤダ、もうヤダ、もうヤダぁー!」
「まだこれからだコロン」
泣きそうなミクに、マジックハンドが追い打ちをかける。
ツナギの上からでも分かるすんなりとした太ももを触っていたマジックハンドが、足を掴
んで左右にゆっくりと開いていく。
「え…?」
下を見下ろしたミクの顔が、青ざめた。
マジックハンドがしまパンのゴムを引っ張っているのだ。ミクの位置からは、パンツの中
の陰毛までが見えてしまう。
「ちょ、まって、おねがい、それだけはっ、やっ、お願いだからぁ」
脚を閉じようとしても、閉じられない。
「気持ちよくなったら変態コロンよ?」
マジックハンドがパンツの中へ進入した。
「ひっ」
誰にも触らせた事の無い秘裂を無遠慮にいじられ、ミクの身体がびくんと震える。
「んっ、…いっ…やあっ」
マジックハンドの指はミクの閉じた秘裂のふちを探るように前後に動く。
死ぬほど恥ずかしいが、まだ耐えられる刺激。
だが、マジックハンドはそれだけに飽きたらず、ミクの胸を隠していたスポーツブラの方をずり上げた。
あらわになったふくらみの突起。
ナニをされるかと本能的に身をすくめる。が、今度は逆に触れてくる気配がない。
「…ふっ、…んっ、…んっ」
これはこれで、さらしものにされている気分になってくる。
秘裂をなぞる動きに耐えながら、胸を晒される羞恥にも耐えていると、不意にミクは音がするのに気がついた。

くちゅ 

くちゅ くちゅ

「ふえ?」
「ミクちゃんは、おっぱいを見られるのが気持ちいいコロンね」

「え?」

マジックハンドが秘裂をついと撫でる。
くちゅ、音が鳴った。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ…
動きがどんどん激しくなる。
「ひっ、んっ、ん! んあ! あ、…あっ、…あんっ」
嫌っ!
「イヤッ、や、やっ、やっ…」
秘裂をくちゅ、と撫でたマジックハンドの指先がつんと肉芽をつついた。
「やだやだやだぁ! 動くのやめてえっ! おかしくなっちゃうよぉー!」
叫んでも動きは止まってくれない。
身体の中がどんどんおかしくなってくる。
「やっ、やっ…」
やがてミクは耐えきれず、びくびくんっと身体を震わせた。

「いやああああああああああああああああああああああああああっ!!」

頭の中で快感がはじけ、真っ白になったミクが、くたんと崩れ落ちる。
気を失ったミクの姿を、オモッチャマの人造のレンズがジーッと見つめていた。
……。さて。
ここはとある場所、ドロンボー一味のアジト。
『ひっ、んっ、ん! んあ! あ、…あっ、…あんっ』
『イヤッ、や、やっ、やっ…』
『やだやだやだぁ! 動くのやめてえっ! おかしくなっちゃうよぉー!』
薄暗い一室で、ミクのあえぎ声がクリアに響く。
その部屋は、PCやその他電子機器が所狭しと置きっぱにされていた。
点灯しているモニターは一つ。
それを眺めている人影は二つ。
それは顔がくりそつの少年と少女の姿をしていた。
モニターの中では、ヤッターマン2号がエロいマジックハンドに翻弄されている。
やがて、モニターを見ていた少年の方が「こんなもんかなー、どう? リン」とPCからメモリディスクを取り出した。
少年はドロンボー一味のトンズラ。
「うふふ。ナイスよ、レン」
ディスクを受け取った少女もドロンボー一味で、ボヤッキーという。
「どういたしまして。そのディスクに入ったデータを後はネットに流すだけだから、リンでもやれるよね?」
「ご心配なく。ふふ、こんな卑猥な姿がみんなに見られたりしたら、正義のヤッターマン2号もオシマイだもの」
「みんなに…か」
ボヤッキーが上機嫌で部屋から出ようとする。
トンズラはふと、モニター画面を見ながら呟いた。
「…KAI兄ちゃんも、見るかなー?」

ばきょ
「……。」
破壊音に振り返ると、ボヤッキーがせっかく作ったディスクをばきばきに握り潰していた。
ぎぎぎとこちらを振り返る。
「レン。そのデータ。消し去ってちょうだい」
「ええっ? なんで? せっかく、あのオモッチャマに遠隔操作チップを組み込んで頑張ったのに…」

ぼきゃ

不満を唱えたトンズラの背後で、オレンジの閃光。
それはボヤッキーのコブシだった。
少女のコブシは、データの入っていたPCどころかその向こうの鋼鉄の壁まで突き抜ける。
少年は背筋にひやりとした汗が流れるのを感じた。
やばい、目が殺意に満ちている…。
「いえなんでもないですよ?」
ボヤッキーがコブシを開くと、指の間から砂になったディスクがぱらぱらとこぼれ落ちた。
「そうだ。それなら、作戦変更よ。遠隔操作機能を生かして、KAI兄ちゃんの私生活を録画しまくるの!
 お風呂とか〜、寝顔とか〜、練乳イチゴとかぁvV」
「えー…?」
「返事は!」
「アラホラサッサー」
トンズラは、投げやりいっぱいの返事をした。
KAITOはお外でミク遅いなーとか思いながら、チューペットを味わっていた。
まあ、ぶっちゃけ逃げてきたわけだが。
「だって、なんかオモッチャマが怖かったんだよね」
この男はこの男で、異変を察知してはいたらしい。役に立たなかったが。
「アレかなー。最近、メンテさぼってたからバグでも蓄積したのかなー?」
冒頭のキャラ説明でも触れているが、サイコロ型ロボットのオモッチャマを作成したのはKAIちゃんである。
チューペットを味わいながら、つらつらとそんなことを考えていると、後ろのドアがカタンと開いた。
振り返ったKAITOが、オモッチャマを確認してニコッと笑う。
「ちょうど良かった! おいで、オモッチャマ」
おいでと呼ばれて、オモッチャマに断る理由が無い。
中の人的にも、まったく無い!
というわけで、オモッチャマはふらふらと吸い寄せられるようにKAITOに近寄った。
近寄ったついでに
「KAIちゃん、ボッチと一緒にお風呂にはいるコロン」
とか言わせる。当初の目的は忘れない。
「お風呂? …砂でも詰まったのかなあ」
「詰まったコロン。だから、一緒に入ろうコロン」
「そっか。じゃあ、その前にちょっとじっとしててね」
KAITOがニコニコしながら、ちゃきっと各種ドライバーを取り出す。

ざーーーーーーーーーーーー。

そこで、オモッチャマからの映像送信は途絶えました。
ドロンボー一味のアジトで、ボヤッキーの八つ当たりが炸裂する頃。
明るく青い空の下、巧みにも数分そこらでオモッチャマのメンテを終えていたKAITOが、見た事のない小さな部品を手に首をかしげていた。
「…これ何だろう?」
142名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 02:45:21 ID:dIyo0gnD
原作でのボヤッキー(このエロパロではトンズラ)の決まりセリフがあるじゃないですか
「全国の女子高生の皆さん」とか、「全国○×協会推薦です」とか

実際にレンが言う絵図があったりしたら、殺傷力高いんじゃないかなと思います
(ショタをピンポイント狙い撃ち的な意味で
143名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 03:07:52 ID:7dGcXosx
144名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 14:21:01 ID:qHMClON6
だが断(ry
145カイ(ザレ)×ミク(レチア) ◆SJQzaYMbQs :2008/02/27(水) 14:26:30 ID:cfIJ4QXB
>>108
つまりこういう事か!

「ミクレチア…」
「カイザレお兄様…あんっ」
「クスッ…こんなに顔を赤くして…可愛いよミクレチア」
「お兄様…恥ずかしいけれど、お兄様になら私の全てを見せます…」

「…アンタたち、何やってんのよ」
「あ、お姉ちゃん!えっとね、カンタレラのイメージ練習だってー。お兄ちゃんがやった方が上手く歌えるからって。でもお兄ちゃん、やっぱ恥ずかしいよこれ…」
「いやあ十分いいよミク!夜も練習しようか今度はベットのうe(ry」
「一度死んで来いこの変態!」


終わり。
夕飯はきっとカイトだけ劇薬(ママローヤルα)入りのシュウマイなんだ…ってあれ?
146名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 14:50:42 ID:GUWAr1u5
>>145
こうですね?
「うぅ…なんかこのシュウマイ、フローラルな香りがするんだけど…」
「二人が一生懸命カンタレラのイメージ練習してたから私も手伝ってあげようと思って」
「まさか…毒入りシュウマイとか言わないよね?ねっ?」
「大丈夫!劇薬でもカイザレ様は飲み干せるって言ってた!(わかってない)」
「ミ、ミク…」
「さぁミクレチア、やっておしまい♪」
「お兄様、御口をお開けになって…?(ノリノリ)」
147名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 23:51:21 ID:08B1lzoY
うおお一気に投下来てる!
ここの神たちは投下シンクロ高すぎて困るwでも嬉しい
148名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:45:52 ID:2fg6Wxy5
VOCALOID達の未来の為にも一応置いておく。
 
http://m.nicovideo.jp/watch/sm2421306/3885615/818281934?cp_in=watch_rt
 
暇なやつは署名しようぜ
149名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:53:37 ID:3exrAAZZ
だが断る
150名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 10:52:05 ID:2fg6Wxy5
>>149
ああ、忙しいんだな
151名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 17:07:43 ID:KmjqY7/a
ニコ厨はニコニコするのに忙しいからなw
152名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 18:42:05 ID:FXZ9S7i+
>>151
誰が上手いことを言えと
153名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 20:13:50 ID:QSLKRIwn
上手いか今の?
154名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:17:07 ID:FBNqpqnP
アイスうめぇ
155名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:21:00 ID:2N42zgkA
はちゅね犯してぇ
156名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:49:22 ID:9kfv4Wfh
>>155
はちゅねか…
何と言うか、鶏とか猫を使ったオナニーのような図になりそう
157名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 21:58:37 ID:9O/90P7T
カイザレに掘られたい
158名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:11:40 ID:Z7NH+WyF
一応クリプトン公認キャラクなんだっけ?

ただしソースはトロ
159名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:11:46 ID:FXZ9S7i+
>>153
すまん、一度言ってみたかった台詞なんだ。気にしないでくれ
160名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:14:01 ID:01Qquoui
無理して使わなくても、そういう時は「上手いこと言ったつもりか!」って返せばいいんだよ
161名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 23:27:04 ID:YFuvrvp9
パラレルネタとかはアリなんかなココは
162名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:10:11 ID:2r6PffYZ
>>161
保管庫見れば分かるけど、いっぱいあるよー
163名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:32:49 ID:HPwEh4Q8
>>161
全然おk
164Intentionality<その36> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 01:31:09 ID:yvHp3pR7
こんばんは。
思ったより早く筆が進んだので、Intentionalityの続き投下です。
内容的には微エロになるくらいだと思います。それではどうぞ↓

     ×   ×   ×

  もしひとりになりたい人がいたら星を見せてやればいい。
  あの天界からさしてくる光が、彼と彼の触れるものとを隔ててくれる。
  大気が透明にされた意図はといえば、つまり天体によって、崇高なるものがいつも存在していることを
  人間に知らせるためだと考えてもよさそうだ。

   ラルフ・ウォルドー・エマソン『エマソン論文集(上)』「自然」より

     ×   ×   ×

風呂から上がった後、そのまま俺の部屋へ向かった。
ミクに食事も勧めたが、今は食べたくないそうなので無理強いはしない。
壁の大時計は、夜の九時過ぎを指していた。
俺たちは、二人でベッドに寝そべっている。
「やっぱり一緒に寝るのは止めないか…?」とぼやいたが、ミクは許さなかった。すっかり主導権は彼女に移ってしまっている。
ところで今の俺の部屋の天井は、星空を映している。と言っても、これは今の東京の星空ではない。
奈良に有るという古代日本の古墳内部の壁画をモデルにした、古代人が見たであろう星空の再現――キトラの天文図だ。
この『仮想の天井画』は、正確には天井全体を覆う立体スクリーンによって映し出された映像だ。気分によって、その画像は変えることが出来る。
俺の動眼神経及び視神経と立体スクリーンを脳を仲介してワイヤレスで繋ぎ、『見たい映像』を瞼の開閉で変えるのだ。
かつて旅行したアルプスの山々を映したいならそれを思い描けばいいし、システィーナ礼拝堂の天井画にしたければ、
『仮想の海』経由で画像データを入力すればいい。ミケランジェロが描いた世界最高の芸術を完全再現出来る。
これだけの性能を誇る大型天井用立体スクリーンを購入したのは、日本人ではシアトルに住む某メジャーリーグ選手と俺だけらしい。
この家でも特に豪華な設備の一つなので、大切にしている。俺はそれを使って、世界各地の映像をミクに見せた。
世界旅行するような気分になれるだけでなく、時代と場所をいろいろ変えて見せれば、なにか記憶を思い出すヒントがあるかもしれないと思ったのだ。
現在の世界各地で繁栄している大都市から、時代を遡った映像まで。
ニューヨーク、パリ、ロンドン、ベルリン、ローマ、北京、モスクワ、ロサンゼルス、上海、デリー、サンパウロ、シドニー…。
東京は特にいろんなところを見せたが、憶えは無いようだ。秋葉原でさえ分からなかったくらいだ、それも当然かもしれない。
165Intentionality<その37> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 01:34:33 ID:yvHp3pR7
あまり多く見せても目が疲れるので、適当なところで止めた。
天文図にも飽きたので、今度はニュージーランドの『タウマタ』と名称が略される丘から見える、現在の夜空に切り替えた。
…蛇足だが、この丘の名前は世界一長いので有名だったりする。
ジェイムズ・ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』や『ユリシーズ』が好きな俺でも、さすがに覚えられないほどの長大な名前だ。
南半球の星座は日本からは見れないものが多い。宝石箱をひっくり返したように散らばる星々の中でも、特に南十字星が美しく見える。
満月もひときわ大きく、月光は青白く輝いていた。
彼女はというと、さっきから隣で俺の横顔を眺めている。…天文などにはあまり興味が無いのだろうか。
「ううん。綺麗だと思いますけど…今はいいです」
「映像に疲れてしまったのかな。…でも、俺の顔をずっと見ていても飽きるだろう」
「そんなことありません。…いろんな所の映像もいいけど、やっぱりミクは…隣で見る、タツキさんの顔が一番いいです」
「安上がりと言えば安上がりだな。俺の顔を見るだけならいくらでもどうぞ」
「安上がりとか、そういう問題じゃないけど…でも、考えようによっては、いくらお金を出しても買えない場所かな。
ここは世界で唯一つ、お金で買えない特等席なんです」
「特等席…?」

「――龍樹の隣で寝られるなんて、夢のよう。いくらお金をかけたとしても得られない場所。
ううん、この価値はお金なんかに換えられない。…隣で見るあなたの横顔が、これ以上無い風景、比べようも無く美しいモノ…」

そう言ってミクは俺の首に手を回し、ゆっくりと頬に口付ける。
耳元でもう一言、付け加えるように彼女は囁いた。耳たぶにかかる彼女の吐息に、ぞくりとしてしまう。

「…ここが『現実』で、『夢』じゃないのが本当に…嬉しいです。
こうして抱きしめれば、あなたがすぐ側にいることを実感出来ることが…何よりも…」

俺はその声色にはっとして、彼女を見た。
普段のミクではなく、あの『夢』で出逢った時のような口調。
「…ミク?」
「はい?なんですか?」
…違う。ここにいるのは『彼女』ではない。さっきまで世界各地の映像を見ながら、画面が変わる度にびっくりしていた『ミク』だ。
「どうしました?…ミクの顔に、なにかついてるとか?」
「…いや、何でも無い」
「あれあれ、元気無くなっちゃったですね〜。ミクはまだ眠くないけど、もしかしてタツキさん、眠くなっちゃったんですかぁ?」
「いや、そういう訳では…」
「もうちょっと一緒にゴロゴロしましょうよ〜♪う〜ん、キングサイズのベッドでふかふかだし、隣にタツキさんもいるし〜♪ぬっふっふ…」
全身で抱きつく彼女は無邪気そのものだ。
…俺を抱き枕かなにかと勘違いしないでほしい。俺は自制心で『ある部分』が反応しないよう必死に耐えているんだ。
そんなに両腕でぎゅっと包まないでくれ、頼むから。君のいろんなところが俺に当たって、理性がいつ崩壊してもおかしくない。

166Intentionality<その38> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 01:37:39 ID:yvHp3pR7
何より一番の問題は、ミクが現在着ている服だ。
昼間の服は全自動洗濯機と形状復元機を使って10分で元通りになったが、同じ服では寝たくないと彼女は言った。
「…女物のパジャマはない」
「じゃあ裸で寝ます♪」
「それは駄目、ぜっっったい駄目ッ!!!!」
というやりとりを五分ほど経て、俺と同じ白いシャツをパジャマ代わりにすることで合意した。
「お揃いのパジャマで寝られるっていいですよね〜♪」とミクはご機嫌だが、俺はあまり落ち着かない。
彼女は俺とそれほど背丈が変わらないので、丈は長くもなく短くもない。つまり、お尻が隠れるか隠れないかくらいの丈しかない。
彼女が立つと、その…『女性として一番隠さなければならない部分』が見えそうで、非常に宜しく無い。
「頼むから下着くらいは…」「いらないです、この方がラクだし♪」と俺の頼みも一蹴された。現に彼女は今、下着を着けていない。
その宜しく無い部分が『見えそう』という表現も、喩えではない。
彼女が足をもぞもぞする時に、眼球がそっちに反応してしまい、うっすらとそれが見えてしまう。
こういう時ほど、視力の良さを恨む時はおそらく他にあるまい。視界にもフィルタリング機能が欲しいくらいだ。
そんな彼女がすぐ隣で寝そべり、かつ抱き締めてくるんだから、悩ましいことこの上ない。
「…タツキさんって、お星さまが好きなんですか?」
「お星さま…天体のことかな。好きというか、心安まる感じがする。こうして天空を眺めるだけでいい。
…ラルフ・ウォルドー・エマソンという19世紀アメリカの思想家がいて、俺は彼の著作が大好きなんだが…こう言っていたな。
『星はある種の畏敬の念を呼び起こす。いつも姿は見えているのに、しかも近づくことができないからだ』と…」
「へぇ…なんかカッコイイ。それってどういう意味なんですか…?もっとタツキさんのお話、聞きたいなぁ…」
彼女は俺の頬を手で撫でている。その手が触れると、ひんやりとした刺激が全身に伝わる。
――どうしてそういう艶っぽい仕草で俺を追いつめるんだ君は…。
うっとりと夢見るような彼女の瞳をずっと見つめていると、倫理観のブレーキが壊れそうだ。
俺はそれを意識しないように、天井を眺めつつ話すことにした。

「…うん。エマソンの言う『星』というのは、『自然の感化力』の隠喩なんだ。
エマソンは超絶主義を説いた。彼の思想の神髄は、宇宙全体に包含される個人という関係性にある。
個人は世界の中に有り、世界とは切り離せない。個が輝くには全体が無くてはならず、全体から個を切り離すことも出来ない。
個人は世界と結びついている。関係性無しに個人は存在し得ない。そして自然との関係こそ、個人が重視すべきものだ。
自然は美しい、それは何故か?自己の内面の美を自然の中に見出すからだ。しかも霊魂は無限の拡張性を持っている。
調和している世界と個人が結びつき、人間は更に自然と和合していく。
つまり星は畏敬の対象では無く、自然に内在している真理の隠喩であり、それこそ自然の感化力。美しい星の中に、人は自己の内面の中に美を見出す。
しかし『いつも姿は見えているのに、しかも近づくことができない』のはそれを見抜く目が必要だからであり…」

167Intentionality<その39> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 01:40:31 ID:yvHp3pR7
「むぅ〜。なんか、お勉強してるみたい。そういう難しめなお話じゃなくって…ミクに合わせて、もっとロマンティックなこと言ってほしいなぁ」
俺の説明が長過ぎたのか、ミクは頬を膨らませていた。…一応、真剣に解題したつもりだったんだが。
「ロマンティック…?ロマン主義は俺も好きだし、エマソンも十分ロマン主義者だと思うが、君のいうロマンチックとは違うのか?
アメリカ・ルネッサンスじゃなくて、ゲーテやドラクロワのような?」
「そうじゃなくて…ミクの気分に合わせて、タツキさんも言葉を飾って欲しいっていうか…」
「じゃあ耽美派のような言語感覚が必要ということか?オスカー・ワイルド、あるいは日本文学で言えば永井荷風、谷崎潤一郎、三島由紀夫のように…」
「も〜。そういう話じゃないんですってば〜!」
見ると、ミクの眉毛が時計の針でいう10時10分のような形になっていた。
これは、腹を立てているのか?…怒っているわけではなさそうだが、俺が原因なのは間違いないだろう。
「む。…済まない。話の方向性を間違ってしまって…」
「そうですよ。タツキさんは頭が良いのは分かるし、話してる時もカッコイイのに、どこかズレるのがもったいないんですよ。
なんていうのかなぁ…喩えばですよ?さっきの『星』って言葉を使ってですね…」
彼女は顎に手を当てて考える。…そうやって考え込む顔も可愛らしいなと思っていたが、
「うん!閃きました。こうやって口説くんですよ!」と目をスっと細め、ニヒルに笑いつつ、声を低めて静かに言った。

『――ミク。本当に綺麗な星は、君だけさ。天空に輝くどんな星々よりも、君の笑顔の方が輝いているよ…』

「…っていう感じですよ!そう、こんな風にタツキさんが口説いてくれたら、ミクはもうメロメロでタッツタツにされてやんよで…キャ〜♪」
――何が面白いんだ、今のセリフは?そして、何故そんなに顔を赤らめて俺をぎゅうぎゅう抱きしめるんだ??
君は今、恥ずかしがっているのか?嬉しがっているのか?謎だ、この反応は。
今世紀初頭にロシアの数学者によって解決されたポワンカレ予想より分からないぞ、ミク。
「――今のはひょっとして、何かのギャグなのか?」
「違いますよ、こうやってミクを口説いてみて下さいって例ですよ!」
「…いや、待て。こんな歯の浮いたセリフを俺が…?」
「タツキさんだからこそ、ですよ!カッコイイですよ、絶対!ミクはこういうのがいいんです!
そう、もっと女の子に合わせて下さい!ミクに合わせて、もっと二人でラブラブって感じにして下さい♪」
「ら、らぶらぶ…」
「そう、ラブラブです!二人で甘ったる〜くイチャイチャするんです!さっきのお風呂みたいに♪みっくみくにタッツタツ〜♪」
そう言って彼女はさらに俺を抱き締め、頬をすりすりと寄せてくる。

――なんだこの阿呆なやり取りは…あんな歯の浮くセリフを始終連発するような男など、知性の欠片も無いではないか。
中身の無い非論理的で無駄な会話をする男女など、この東京にいくらでもいるだろうに、そんな馬鹿の真似事を俺たちがしなくても。
カフェで不味いエスプレッソを片手にくだらない会話を繰り広げた数時間より、
芥川龍之介の『羅生門』を読んだ5分間の方が、有意義な時間の使い方という意味で素晴らしいはずだ――
俺はアインシュタインの特殊相対性理論に基づいて時間の相対性を思い出し
ボーアの前期量子論からコペンハーゲン解釈に対して提示されたシュレーディンガーの猫の思考実験に至った歴史を振り返りつつ
そういえば今のミクって猫みたいで可愛い過ぎるこの控えめな胸とか華奢な身体とか風呂上がりのいい匂いとかで
俺の股間もいよいよ励起状態…って、タツキそれ励起やない!勃起や!
俺の下品な喩えに自分の量子力学が使われたのを見て、天国でハイゼンベルクあたりが泣いているだろう。許して欲しい。
とにかく混乱の極みだ。さっきの風呂の二の舞いか、いやそれだけで済むのか…?と思ったところで、俺の脳は閃いた。

――ここは話題をずらそう。彼女が不機嫌にならないよう気をつけつつ。

     ×  ×  ×
168Intentionality<その40> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 01:48:56 ID:yvHp3pR7
     ×   ×   ×

  信じられるものがなければ信ずるということはなく、
  希望されるもののない希望はなく、
  得ようと努力されるもののない努力はなく、
  喜ばれるもののない喜びはありません。

   フランツ・ブレンターノ『道徳的認識の源泉について』「あらゆる心的なものの共通な性格」より

     ×   ×   ×

「――ミク、ところでさ」
「はい?」
「…ミクは、歌は嫌いじゃない…よな?」
俺は恐る恐る聞いた。…あまり露骨な話題逸らしで、彼女が傷付いては元も子も無い。
ミクは力を緩めつつ少し首を傾げたが、すぐに笑顔で答えてくれた。
「嫌いじゃないですよ。…うん、嫌いじゃない。むしろ…好きです。どんな曲が好きだったかは憶えていないけど。
でも、お兄ちゃんやお姉ちゃんのお店で流れていた曲で、特にいいなぁと思えるのがあったなぁ…」
――これはいい手応えだ。彼女の記憶を取り戻す突破口は、やはり音楽か。
「…それはどんな感じの曲だ?」
「えぇと…ピアノ曲だったかな。とっても綺麗なメロディーで、クラシックだろうけど…そうだ、弾いてる人のハミングが時々混じってました。
弾きながら歌うピアニストって珍しいのかなって思って…
あ、あと椅子の音のようなものも聞こえたっけ。弾きながら身体を動かしてるから、椅子が動くんでしょうか…?」
クラシック。ピアノ。ハミング。椅子の音。――これはもう、ピンポイントで分かる。

「…グレン・グールド」

20世紀最高のピアニストであり、孤高の異端児。
カナダのトロントに生まれた彼は、幼い頃からその才能を発輝したdas Wunderkind(ヴンダーキント=神童)だった。
彼が音楽界の異端たる最大の由縁は、類い稀な技術を持ちながら『ある時期を境に人前で演奏しなくなった』ことだ。
演奏の一回性に疑問を持ち、いわゆるドロップアウト以降はスタジオ録音のみを行い、数々の名演を記録媒体に残した。
演奏中のハミングも彼のユニークな特徴の一つ。彼のハミングはいくらエンジニアに指摘されても治らなかった。
彼の演奏を耳にすれば、愛用の椅子の音とともに誰でも容易に気付ける。
他にも彼に関するエピソードは枚挙に暇が無いが、今は彼の生涯を振り返ることが目的じゃない。
ここで重要なのは、ミクが聞いた曲だ。昼間、彼女が聞いたのは…。
169Intentionality<その41> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 01:51:50 ID:yvHp3pR7
俺は起き上がって、ベッドに腰掛けつつ、脇のナイトテーブルに手を伸ばす。
ヴェローナのとある貴族が使用していた18世紀の家具の上に、昼間メイコ姉さんから借りたミクのCDがある。
この中にあったはず――そう思って手に取った一枚こそ、『その』CDだった。

「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲。――『平均律クラヴィーア曲集』」

それは、今日の朝から、俺が聴きたいと願っていた曲集でもあった。
――なんだろう。これを手にしてタイトルを読み上げた瞬間、『これを今ここで手に取り、今から二人で聴かねばならなかった』ような気がした。
朝からこのCDが欲しい、この曲が聴きたいと思っていたのも、全てこの時のため。
『俺が手に入れようと思ってこれを手にしたのではなく、手に入れなければならなかった』、
これを今ここで手に取って聴くべく、『既に定められていた』気さえしてくる。
…それは言い換えるならば、『必然』だ。予測不可能な『偶然』ではなく、ある規則性に基づく『必然』に人が導かれ――それが分かった瞬間、人は思う。
――これは『運命』だ、と。

「…タツキさん?どうかしたんですか?…なんか、ちょっと顔が怖いですよ…」

ミクの声で我に返った。彼女もまた俺の隣に密着し、腕を絡めていた。
…どうも俺は独りで思索に耽ってしまっていたらしい。
「…ごめん、ちょっと考え事をしていた」
「そうなんですか?CD持ったまま固まって、眉間に力入れてどうしたんだろうって思っちゃいました」
「何でも無い、気にしないでくれ。…で、ミクの聴いた曲は多分これだと思うんだ。――もう一度、聴いてもらっていいかな」
「はい、もちろんOKです!いい曲なら、何度聴いたって楽しいですから♪」
彼女の満面の笑顔に安心する。…メイコ姉さんの言っていた通り、この子は本当に音楽を愛している。
音楽を聴き、歌い、まさに『音を楽しむ』ことが出来れば――彼女の未来は明るいだろう。

――しかし、音楽の話になった途端、本当に眩しい顔をするな…。
まるで彼女が今着ている、ミラノに住む知り合いのデザイナーに仕立ててもらった白いシャツのように輝いていて…。
む、いかん…視線が自然に彼女の控えめだがしっかり存在をアピールする双丘と、その下へ移って…さらにお臍の下まで…
駄目だ駄目だ、俺ッ!!またベータ崩壊したいのかッ!!?
170Intentionality<その42> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 02:01:26 ID:yvHp3pR7
気をしっかり保ち、平静を装って立ち上がる。
ベッドの近くに置いたAVラックに載せてあるユニヴァーサル・プレーヤーにCDをセットしようとしたが、
ミクも俺の後を追って立ち上がり、俺の背中を後ろから「えいっ♪」と可愛く抱き締めてきた。
…気にしないぞ。彼女の胸が背中に当たろうが、平常心だ。『滅却心頭火自涼』だ。
「へぇ〜。なんかカッコイイですね、タツキさんのCDプレーヤーって。…他にも、アンプでしたっけ?そういうのもあって、本格的って感じ」
「うん。この部屋もだけど、キッチンとか他の部屋とか、俺の家に有るオーディオ機器は全てスイス製だ。音響機器に関しては、それなりにこだわって選んだから」
「すごいなぁ〜…あ、ここになんか書いてありますね…ゴ、ゴールド…?」
「ゴールドムンド。このメーカーはヘルマン・ヘッセの小説『知と愛』に登場する彫刻家の名をブランド名にしているんだ。
各機器には古代ギリシャ哲学に由来する言葉がつけられている所も気に入った」
「なんかタツキさんにぴったりって感じですね。…同じようなプレーヤーでも、お兄ちゃんとお姉ちゃんのお店にあったのとは違うかも」
カイト兄さんか…そういえばオーディオ談義になった時にこのブランドを薦めたら、腰を抜かすほど驚いていたな。あの時の兄さんの興奮した顔は忘れられない。
「ゴールドムンドなんて凄過ぎですよッ!!タツキさんくらいオーディオにお金かけてる人なんて、カラヤンか某ゲイツくらいですよッ!!」
――二人とも俺の大好きな偉人だから、彼らと並べてもらえるのは嬉しいな。
カラヤンが残した音源は非正規流通盤も含めて全曲持っているし、ビルも実際会ってみたら尊敬出来る人だったし。

…話が脇道に逸れたな。俺はCDをセットしようとしたが、その前に。
「ミク、ちょっと部屋の真ん中に立ってみてくれ」
「え?なんでですか?」
「この部屋の真ん中が、一番音が良く聞こえる場所なんだ。そこなら一層この曲を堪能出来る」
「はい!…じゃあ、ここですね?」
彼女が部屋の真ん中に移動したのを確かめて、CDをセットする。
そして意識をスピーカーに向ける。立体スクリーンと同様に、部屋に有る六十四個全てのスピーカーは脳とワイヤレス接続されている。
ミクにこの曲を聞かせる最良のスピーカーの位置と音質設定を思い描く。目を開くと、その通りに全てセットされる。…舞台は整った。

「じゃあ、ミク。――曲を流すぞ」
「…はい」

俺が脳内でその曲目を意識した途端――CDが回り出し、音楽が部屋に響き始めた。

  ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲。グレン・グールド演奏。
  『平均律クラヴィーア曲集』第1巻より。
  第1番、ハ長調BWV846――前奏曲とフーガ。

 彼女は、耳を澄まして聴き入っていた。
 グールドの弾く清冽なピアノの音を、目を閉じ、両手を胸に当てながら、一音も逃さぬように。
 俺はそんな彼女の立ち姿に、見とれていた。
 ミクの姿に、ある種の神々しささえ感じられた。

171Intentionality<その43> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 02:08:43 ID:yvHp3pR7
だが、第1番がちょうど終わったところで、彼女が静かに口を開いた。
「…一度、止めて下さい」
目を閉じたまま呟く彼女に俺は首を傾げたが、とりあえずCDを止める。
「…どうかしたのか?これから第2番が――」
「第1巻第2番ではなく、第2巻第1番の前奏曲をお願いします」
――何だって?…それって、まさか――
「…知っているのか!?憶えているのか、この曲をッ!!」
『平均律クラヴィーア曲集』を、バッハを、グールドを知っているのかッ!?――いや、そもそもどうして、第2巻第1番を選んだ?
「…とりあえず、曲を流して下さい。そうすれば…分かります。時間がありません、お願いします」
…厳かに告げるミクに、俺はただならぬものを感じた。その『命令』を拒否してはならないというほどの、強い意志を。
だが、彼女が聞きたいというならば、それを拒む理由は無い。俺は目を閉じ、彼女に指定された曲に切り替え、目を開く。
――ミクもほぼ同時に目を開く。ゆっくりと、静かに開いたその瞳は、今まで見たことが無いほどの真剣な眼だった。

――それが流れた瞬間、俺は耳を疑った。

  ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲。グレン・グールド演奏。
  『平均律クラヴィーア曲集』第2巻より。
  第1番、ハ長調BWV870――前奏曲。

 ミクは、歌っていた。
 グールドのピアノに合わせて、主旋律を彼の演奏に乗せて歌っていた。
 彼女の身体全体が楽器になっていた。その細い身体のどこにそれほどの声量があるのかというほどの伸びやかな声が部屋を満たす。
 しかしそれはどこまでも澄んだ歌声。玲瓏(れいろう)とした声――玉と玉が触れ合った時に鳴る、美しく冴えた音。
 手を広げて、喉を震わせるその姿は、まるでオペラ歌手だ。
 満天の星空の下、白く輝く月の光がスポットライトのようにミクを照らす。
 聴衆は俺しかいない。だが、彼女は間違いなく、俺に向けて歌っている。
 しかし同時に、世界中の人々に向かって歌っているようにも思えた。いや、人だけでなく、宇宙の万物全てに向かって。
 その歌声は、もはや人間の領域を超えている。地上の誰より美しく、これまで存在したことのないような芸術。
 天使の歌声だ――俺はそう思う他無かった。それしか言葉が見つからない。
 バッハが作った曲と、グールドの演奏に、ミクが歌声を乗せ、至福の音楽がここにあった。
 南十字星が彼女の上に瞬いている。南天の十字架の彼方、宇宙の果てまで、ミクは高らかに歌い上げる。
 心が、霊魂が、打ち震える。――奇跡だ。妙なる響きに俺はただ陶然として、恍惚すら覚えた。

――そして、ミクは歌い終えた。

172Intentionality<その44> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 02:12:49 ID:yvHp3pR7
俺もまた同時に、フーガの前でCDを止める。…俺は動けなかった。彼女を見つめたまま、茫然としていた。
彼女もしばらく動いていなかった。目を閉じて立ち尽くし、胸に両手を当て、歌い終わった余韻に浸っているようだった。
しばらくそうした後、俺はようやくゆっくりと彼女に近づき、その顔を見た。
呼吸を整える彼女は、ほんのりと頬に朱を差していた。
「…ミク…?」
俺が声を掛けると、彼女はうっすらと目を開けた。
「…龍樹…」
彼女の瞳は、涙で潤んでいた。
「…タツキ、さん…!」
――俺の胸に飛び込んできたミクは、そのまま感極まって泣き出してしまった。
「タツキさん、タツキさん…う、うぅ、うわああぁぁん…!」
「なッ…どうした、一体どうしたんだよ、ミクッ!?…何で泣くんだ、何が悲しいんだッ!!?」
「違うんです、違うんですッ!…悲しくなんかない、そうじゃなくて…そうじゃ、なくてぇ…ッ」
「そうじゃなくて、何だッ?…落ち着け、言ってごらん?」
ミクは肩を震わせていた。しばらく嗚咽を繰り返していたが、呼吸を整えて俺を見た。

「…嬉しいんです!…歌って…ここで今、歌えて…!タツキさんの前で歌えて、すごく嬉しいんですッ!!」

彼女はぽろぽろと涙をこぼしながら、もう一度俺を抱きしめる。
「…ミクの記憶は無いと思っていたけど、この曲が流れた時、なんだか不思議な気持ちになって…。
一曲聞いた後に、タツキさんが違う曲を流した時に、意識しなくても自然に歌えちゃったんです!
憶えてないのに、主旋律なんてほとんど分からないのに、身体が勝手に反応して歌えちゃったんです!
…信じられないでしょうけど、本当なんです!ミクも信じられない、どうして歌えるのか!
でも、それよりも…何よりも、嬉しいんです!ミクが今ここで歌えたことが、すっごく嬉しくてたまらないんですッ!!
嬉しくて、嬉しくて…胸が震えて、高鳴って、清々しくて、気持ち良くて…!」

彼女は笑顔のまま、泣いていた。
――そんな顔をするな。そんなに泣かれたら、俺ももらい泣きしそうになるじゃないか。
そんなに、泣いたら、泣いたら―――

「…あ、あは…。タツキさんも、泣いてる…」
「――え」
俺は思わず、指で右目の下をなぞった。確かに目から流れ、溢れ出すものがあった。
「――お、俺も…今、泣いて…?」
「そうですよ…?タツキさんも、ミクと一緒に、泣いちゃってます。えへへ…タツキさんも、ミクみたいに泣き虫さんですかぁ?」
「な、泣き虫じゃない。…ただ、ただ…」
「――ただ、嬉しいんですか?…ミクと同じに…」
――ああ、そうだ。嬉しいんだ。
ミクを見つけたまではいいものの、記憶が無いというショッキングな出来事があった。
記憶が戻るのかという不安があったが、今ここで彼女の素晴らしい歌声を目の当たりにして――感動している。
彼女は、ただ歌が好きなだけじゃない。この声は天からの授かり物だ。歌うために生まれてきた存在なのだ。
技巧や歌唱力といった常識を超えて、万人の心を震わせずにはいられない――それがミクの声であり、彼女の歌だ。
いや、それも含めてだが、俺が本当に嬉しいのは歌だけじゃない。君に、ミクに出逢えたことに、本心から感動して――嬉しかった。
感謝したい。こんなに素晴らしい君に出逢えたことを――この地上で、奇跡のような出逢いを果たせたことを。
173Intentionality<その45> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 02:24:03 ID:yvHp3pR7
「――そうだ、嬉しいんだ。ミクと出逢えて…本当の本当に嬉しいんだ!
今、ようやく実感している…!君と出逢えたから、君がここにいるから、君の素晴らしい歌声を聞けたんだ!
出逢えなければ、始まらなかった。もし君を見つけていなかったら…君はここにいなかった。君がいなかったら…君の歌も聴けなかった…」

――彼女はそっと、俺の涙をぬぐってくれた。
不思議なほど、彼女は落ち着いていた。微笑む彼女に、後光が差しているような気さえしていた。

「でも、私はここにいる。…あなたが見つけてくれたから…。
私が歌えたのも、私の歌を聴いてくれたのも、全てはあなたのおかげです。…感謝しなければいけないのは、私の方です」

ミクは俺の頬を撫でながら、厳かに告げた。

「――凡ての生命には、向かうべき目的があります。心が意識し、向けた先に対象は与えられる。
それは指向性、あるいは志向性…“Intentionality”と呼ばれる感覚質が、心に――魂魄に生まれるから。
誰かの心はもう一方の誰かに向かい…結ばれる。互いに向き合う心は、意識は、魂魄は、必ず関係し合う。
個は全体に向かい、全体は個に向かう。世界は調和し、欠けるものなど一つも無い。
『わたしは一個の眼球になる。いまやわたしは無、わたしはいっさいが消え、「普遍者」の流れがわたしの全身をかけめぐり、わたしは完全に神の一部だ』
――ラルフ・ウォルドー・エマソンの言葉を借りれば、これが世界の姿なんです。
生きとし生けるものは凡て関係性の中にこそ生きている。『すべて真の生とは出合いである』――
あなたもまた、この言葉を信じていたからこそ、私たちは出逢えたんです。
私が向かう先はあなたで、あなたが向かう先は私。そして歌は二人を繋ぎ――歌声は無限に拡がり、世界を満たす。
私が歌うのは、あなたのために――あなたの喜びが、私の悦びになるから」

…ここにいる『彼女』は、『ミク』ではないかもしれない。理知的な『彼女』は、どこまでも神秘的な雰囲気に包まれている。
それでも『彼女』の言葉は俺の心に響いてくる。それは無視出来ない説得力を持っていた。

174Intentionality<その46> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 02:26:30 ID:yvHp3pR7
「私たちは共に、『願い』を叶えた。出逢いは『運命』だったかもしれない。願えば叶ったような、『必然』だったかもしれない。
――でもここから先は、『願い』だけでは駄目なのです。龍樹――私とあなたの未来は、私たち自身で創り上げなければならない」

だが、『彼女』は視線を外した。悲しげな、不安げな表情だが、決意を秘めた瞳で再び俺を見た。

「…それは決して穏やかな道ではありません。おそらく、困難が私たちを襲う。まさに茨の道…。
でも、大丈夫。私があなたの側で歌う限り、世界は終わらない。…いえ、終わらせてはならない。
いずれ、私たちの歓喜の時はやって来ます。必ず、必ず――」

そこで『彼女』は俺を強く抱き締めた。温かいと思った。こうしていつまでも抱き合っていたい――。
『彼女』は何か大切なことを伝えようとしている。それは分かる。でも、今は落ち着かないんだ。君の歌に身も心も震えて、上手く飲み込めない。
――だから、また逢おう。次はそうだな…あの『海』がいい。俺たちが初めて出逢ったあの場所で、ゆっくり話そうか――。

「――ミク」
「…はい、何ですか?タツキさん…?」
ああ、やはり『彼女』はいなくなったのか――ここにいるのは『ミク』だ。
「いや…とにかく、素晴らしい歌だった。ミクの歌声は…もう、言葉じゃ言い尽くせない。本当の感動の前では…言葉が見つからない」
「――はい、ミクもです。気持ち良く歌えて、本当に幸せ。だから…もっと、こうして抱き締めてほしい。
もっと歌わせて下さい。タツキさんのために歌って、喜んでもらって…歌い終わった時に、ミクをもっと…抱き締めて…」
「もちろん、もちろんだ。俺の方こそ、もっと聴きたい。もっと歌って欲しい、俺の側で。俺の側にいてくれ――ミク」

「――はい。ミクはもっと歌います。あなたのために――」

――『彼女』は言った、困難がこの先に待ち受けていると。それは並大抵のことではないと。
何故、それが分かる?一体、二人はどうなる?俺とミクに、何が起こる?
…君の秘密を知ること、君の謎を解くことが、俺と君の未来を脅かすとでも?
そうだとしたら、杞憂だ。俺は受け入れる。どんな運命だろうと、俺は君を見捨てない。
ああ、そうだな――この話はしばらく置いておこうか。君の言う通り、いずれ分かることさ。
それより、今はこうしていたい。未来への不安をよそに、星空の下でミクを抱き締めたい。いいだろ?たまには俺だって、こういう気分になる。
――今まで生きてきた中で、これほど嬉しいことは無かった。
――『生』の実感を本当に教えてくれたのは、ミク――君なんだ。

     ×  ×  ×
175Intentionality<続く> ◆tT40b2Yj5E :2008/02/29(金) 02:35:54 ID:yvHp3pR7
以上です。…ちなみに、その37に書いた『タウマタ』という丘は実在します。
Wikiで検索すると出てきます、ちょっとしたトリビアにはなるかもしれません。
作中の曲は、実際に聞く機会があればぜひ聴いて欲しいものです。雰囲気を掴むのにも良いかと思います。
続きはエロ有りです。二・三日中には投下出来そうですので、良ければまたお付き合い下さい。では(´・ω・`)ノシ
176名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 02:42:47 ID:96CL/MFy
GJ!
よくこんだけ詰め込むネタを思い付くなぁ。
俺にはコペンハーゲン解釈くらいしか理解出来ないです。
177名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 10:29:45 ID:P2NBXot5
無駄に壮大だな。だがそれがいい、GJ
178名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 14:56:32 ID:6uw++N1O
ここ二十日分くらいをざっと読んできた。
中でも前スレ>>681が気に入った。GJ
179『イヤリング』@ ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:22:01 ID:6vmfkfR6
ようやく、書き終わったよ。
まさかの半月遅れのカイト誕生日ネタなんだ。カイメイでエッチい部分は、あんまり無い。

正直、ここまで掛かるとは思ってなかったんだ。
微妙に長いけれど、読んでもらえるとありがたい。
では、本編です。おっぱいおっp(ry

 ※     ※     ※


「はぁ――」 
 吐き出した息が白く凍り、目の前を覆った。
 両手に持った袋のワンカップや缶ビールに目を遣り、また溜息を吐く。
 これで5往復目だ。さすがにメイちゃんもマスターも飽きてきてるはず。
 はず……なんだけどなぁ。
 あの二人、ちゃんと味わって呑んでいるのか疑問に思う。
 マスターの家に来て、すぐの頃は二人とも一日三本に控えていたはずなのに、最近になって急に飲む量が増え始めた。
 なんでも、金銭的に遠慮していたとか何とか。そういえば、マスターのお金も底なしに出てきている気がするなぁ。
 三度目の溜息を吐く。街灯に照らされ、綺麗な橙色に染められていた。

 二人とも、覚えてるかなあ。
 ――俺の誕生日。

180『イヤリング』A ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:22:46 ID:6vmfkfR6
 玄関の前に立ち、呼び鈴を鳴らす。マスターからは他人行儀はするなと、散々言われているものの、やっぱり反射的に押してしまう。
「ただい……あれ、マスターだけ?」
「んー。ああ、カイトか? メイコなら、今し方ぶっ倒れたから、部屋に運んだよ」
 ――女二人が酒盛りしているときは、呼び鈴鳴らすべきだろう。
 そういってマスターは、下に落ちそうな眼鏡と乱れた服装を直して、コタツから這い出てきた。
 あれ、俺ちゃんと呼び鈴鳴らしたよね? うわ、酒臭っ!
「ちょっと、焼酎飲みすぎたかね。頭痛い……カイト、ビール取って」
「待っ、いやちょっと待ってくださいマスター。これ以上飲むと、死にますよ!」
 まあ、買ってきた俺も俺なんだけれど。
「良いから、さっさと寄越す! ビールは水だ、水」
「水みたいって比喩する人は居ますけど、断言するとは思いませんでした。マスター」
  床に散らばった缶やビンを避けながら、酒専用の冷蔵庫に向かう。
 冷蔵庫を開け、ぎっちりと詰められた缶ビールの一本を取り出だして、マスターに投げた。
「おい、投げるなよ。こういう時は、跪いて“お待たせいたしましたマスター”だろう」
「以後気を付けます。馬鹿マスター」
 最近、反抗的だなぁ。とつぶやく声も聞こえるが、無視してコップに水を張る。
「めーちゃんに水持ってきますね」
「ああ、そうだ忘れていた」
 突然、マスターが手を打ち立ち上がる。
「今日は君の誕生日、だったか?」
181『イヤリング』B ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:23:52 ID:6vmfkfR6
 意外だった。
メイちゃんからではなく、マスターからこの言葉を聞けるとは思わなかった。
 「君の部屋に用意しておいたよ。バレンタインも忘れていたからね。チョコも添えておいた」
「え、と……ありがとうございます」
「ちなみに、アイスも添えてあるからな、溶けないうちに食ってこい」
 え――添える?
 包んでおいたとかなら分からないこともないけれど、チョコなら添えるでもあながち間違いではないけれど、アイス? ケーキでも作ったとか。
 いや、マスターにそんなスキルは無い。菓子作りなんて、出来るわけが無い。
 そういえば、メイちゃんを部屋に連れてったとか、なんとか。
「少し、味見はさせてもらったがね。なに、後々の支障は無――」
 言い終わる前に、階段に向かって走り出していた。
 ついでに、そばにあった空き缶をマスターに向けて投げつけてやった。


「めーちゃん!」
勢いよくドアを開け、ベッドへと駆け寄り、普段よりも赤みを帯びた顔を覗き込んだ。
 湿った赤い髪が額に引っ付き、呼吸と脈が若干速くなっている。
うん。たぶん、飲みすぎただけだから、問題ないと思う。それよりも、と視線を顔から、肢体の方へと移す。
 白玉のような、滑らかな肌に飾り付けられたチョコ、アイス、生クリーム。服は脱がされているが、局部を覆う白い布地は辛うじて健在している。
 これを食べろと? いや、正直食べたいですけど。
 ……“食って来い”って『命令』だし、仕方ないよね。マスターの命令は絶対です、はい。
 ――……イト! 早く退いてって、殴るよ!
 アーアー聞こえない。細い両手を掴んで固定し、チョコが塗られた鎖骨部に口を近づける。
「カイト! 重いから退きなさいってば!」
「――いただきます」
182『イヤリング』B ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:24:54 ID:6vmfkfR6
 汗ばんだ肌に唇を落とし、舌を這わすと、バタつかせていた足が止まった。
「ん。おいし、けど苦いよー。ビター?」
「そんっ――なの……しらないから」
 メイちゃんは、擽ったそうに目を瞑り、アイスが乗った白い胸を上下させている。
 アイスもいい感じで溶けて、へその方へ白い帯を描いていた。
 その線をなぞる様に、指で撫でる。
「ひあっ! こら、やめ――」
「動いちゃ駄目だってー。アイス落ちちゃうよー」
「じゃあ、手放しなさい!」
「放したら殴らない?」
「殴る」
「じゃあ、だめー」
 暴れられると困るので、拘束している手に少し力をこめる。
 出来るだけ、痛くならないように加減はする。
 どうやら、メイちゃんは抜け出すことを諦めて、ぐったりしているけれど。
 普通にやるよりは、こっちの方が燃えるよね。湿った赤い髪を撫でると、潤んだ目で睨まれた。
 あ、これちょっと可愛い。
 胸から落ちそうなアイスを指で掬い、メイちゃんの口元へ運んだ。
 その意図を汲んでくれたのか、躊躇いながらも、白く染まった指を舌先で舐め、口の中へ含む。
 子猫みたいだなあって言ったら、きっと殴られるかな。
「おいしい?」
 ――ん。と短く返事をし、再び指を舌で弄び始める。
「なんかさあ」
“今日のめーちゃん、可愛いよね”
183『イヤリング』D ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:25:58 ID:6vmfkfR6
 指への愛撫が止まり、少し不安そうな表情でこっちを向いた。
「似合わない?」
「ううん。ネコっぽくて良いと思うよ」
 そっかーと、また短い返事が返ってくる。
 と、同時に拘束していたはずの手が引っ張られ、メイちゃんを見下ろしていたはずの視界は、天井の方へと向いていた。
 声も出せずに、呆然と目に写る妖艶な微笑で見下ろしているメイちゃんに心を奪われていた。
 潤った唇が滑らかに動く。
「ネコならこっちの方が良いでしょ?」
 お腹の上に体重を預けているのに、そこまで重みは感じられない。
 ホントにネコを乗せているように感じる。あれ、これって結局いつもと同じだ。
 ふと、見慣れない端末を首筋辺りに見つけ、それを抜きだしポケットに入れた。
 と、同時に上に乗った赤毛のネコが低く唸った。
「うーん。頭痛いし、べとべとして気持ち悪い」
「シャワー浴びる?」
 そうする。といって、メイちゃんはベッドから降りて、ふらふらとした足取りでドアへと向かった。
「着替え持ってかなくても良いの?」
「服脱がすところから始めるつもり?」
 ああ、なるほどと手を打ち、風呂場へと移動するメイちゃんを見送った。
 特別外のあるものでは無さそうだ。効果の薄い、麻薬みたいなものだろうか。

 数分後、隣から冷たい空気が流れ込んでいるのを感じて、くしゃくしゃになっているベッドから降りた。
 ――隣の部屋……は、マスターか。
 少し、躊躇いながらも、薄暗い廊下を渡り、マスターの部屋のドアをノックする。
 返事は無い。無いけれど、そういう人なのだから仕方がない。居なければ、窓を閉めて終わり。
 居れば、居たで言いたいことが山ほどある。ノブを回し、ドアを押した。

 窓際から、淡い光が差し込み、部屋を覆っている。部屋に散らかっている資料や小説に光が掛かり、汚い部屋が一層際立った。
 その窓枠には、髪を後ろで束ねたマスターが、薄いワイシャツを纏っただけの状態で座っていた。
 いつもとはまるで正反対の雰囲気……と言っても、マスターの顔はあまり細かく覚えていないのだけれど。
 今でも、光が霞んで見えないんだけれど。
 水気を含んだ髪が、月の光を弾いている。黒い瞳がこちらを向く。
 思わず、息を飲み込んだ。
184『イヤリング』E ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:26:54 ID:6vmfkfR6
「プレゼントは堪能してくれたみたいじゃないか」
 悪戯っぽい笑みを浮かべ、マスターは手元にあった熱燗を煽った。
 さっき外へ出たときは、降っていなかったはずの雪がチラチラと舞っている。
「マスター。風邪、ひきますよ」
 ようやく出た言葉は、自分でもわかるくらい、間抜けな言葉だった。
「なあに。熱燗を飲んでいれば、身体も火照るさ」
「雪が降ってるじゃないですか」
「ああ、さっき降り始めた。ボーカロイドでも、寒さは感じるのか? 旧型でも」
 会話が噛合わない。酔っ払いとの会話は無駄だと思い、窓の方へ移動する。
「窓、閉めますから」
「お前は、どうも私が嫌いなようだね。癪に触るようなことを言ってしまったか」
 窓に掛かった手が震える。マスターの方へ目を向けると、既に二杯目の熱燗を口にしていた。
「……そんなことはありませんよ」
「おまえ、機械の癖に感情が顔に出るからね。すごく分かりやすいよ」
 否定は出来なかった。
「……めーちゃんに“ナニか”しました?」
「直球だな。まあ、回りくどい質問よりは良いか。うん、ちょっとメイコの方には理性を一時的に飛ばすやつを入れた」
 ――そんなに悪くは無かったろ?
 と、意外とすんなり犯行を認めてくれた為、さっきメイちゃんの身体から抜き出した“端末”がマスターの仕業であることがわかった。
 とはいえ、よくこんなものを手に入れたものだという謎も同時に浮かぶ。
 何せ、マスターは機会の知識は殆ど無かったはずである。
「……どうやって手に入れたんです」
「いやー知り合いに、薬売りが居てね。子供用からボーカロイドまで、品揃えが良いんだよ。まあ、ちょっと高かったんで色々やったけど」
「何やったんですか……」
「ま、ちょっと楽しませて、可愛がってあげたら、くれたよ」
「誰犯ったんですか!?」
 冗談だ冗談と笑うマスターに、今までより一層に警戒を強めることにした。
「いやね。お前がどうも、私に馴染めてないようだったから、ちょっとしたサプライズのつもりだったんだ」
「――やっぱり、よそよそしいですかね?」
「ああ。まったく、機械なんだから、緊張も何も無いだろうに」
 おまけに歌も歌わない。と言って、蛇のような目でこっちを睨みつけてきた。
 そういえば、この家に住み始めてから歌った記憶が無い。メイちゃんが歌っているのをマスターの隣で、立って聞いていた覚えはあるのだけれど。
 やっぱりマスターに対して、こういう態度はボーカロイドとして、してはいけないとは思う。
 そう心の中で思ってはいるのだけれど、結局はマスターへの苦手意識が拭い切れない。
185『イヤリング』F ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:28:01 ID:6vmfkfR6
「別に、私はお前が嫌いなわけじゃない。だがそうだね……うん苦手だ」
 マスターも会話が好き、という類ではないのだろう。少し、言葉を選ぶのに時間を使っている。
「ん、苦手だな。立ち居振る舞い、言動。容姿は置いといても、後は殆ど苦手だ」
「はあ、それって俗に言う、嫌いってこと」
 それは違う。と、マスターが言葉を切った。
「あくまで苦手というだけだ。嫌いとはまた別の部類に入る――そうだな、小説の創作は一生を捧げても良いくらい好きだが、字を書くのは苦手。と同じようなものだ」
「え、はあ……よく分からないです」
「簡単なことだよ。小説=生涯だが、文字を書く=死ではない。あくまで苦手、というだけだ。苦手を省くのに生涯を捨てるのは馬鹿げているだろう?」
 何とか理解は出来たので頷いておく。
「私の場合は、苦手なのは“退屈”と“堅苦しさ”かな。あー苦手なことがありすぎる。生涯と呼べるものは」
 この家、かな。
 そう言って、マスターは木で作られた窓枠を指で撫でた。
 家が生涯、その言葉を何度も頭の中で反響させ、部屋の壁や床、天井を見渡す。
 目の前に居るマスターが、いつから家に住んでいるかは分からない。小さな子供のころから住んでいたのかもしれないし、最近買って住み始めたのかも分からない。
 それを詮索しようとは思わないし、意味も無いことだろう。
「君らが来た半年前から、この家に生涯を誓ったのかもしれないね」
 それは、それは僕らにとっても同じことかもしれない。
「君らが来て、私の生涯がようやく見出せたのだよ」
「僕と、メイコは兄弟とか子供みたいなモンですかね」
「自惚れるな。お前らはあくまで機械、ペットみたいなもんだ。家族には成りえない」
 そう言い切られて、少し落ち込みそうになった。
 何故かは、よく分からないけれど。ボーカロイドとしての、本能的な部分なのだろう。
「そう落ち込むな。私は、どちらかというとお前達の身体が羨ましいんだ。老化もしないし、多少壊れても直せば済む。なにより、無駄が無い上にプログラムという、はっきりとした、生まれてから死ぬまでの設計図がある、あ、いや違うか」
「僕らは人工知能ですから、固定されたプログラムは殆どありません。もちろん、歌を歌う事が仕事ですから、そこら辺の変更は不可です」
 それとKAITOとしてのMEIKOをサポートする。というプログラムも、一生変更されないだろうし、するつもりも無いな。
 と、マスターには聞こえないように呟く――でも、きっと聞こえているんだろうな。
 ほら、やっぱり笑ってるよ。だから、俺はこの人は苦手なんだろう。
186『イヤリング』G ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:29:18 ID:6vmfkfR6
 すごく似てるから……。誰と?
「君らはプログラム云々抜きでも、想いあっているよ。半年見ている私が言うんだから、自信を持っていい」
 マスターの言葉で、沈んでいた意識が引き上げられる。
 窓から顔を出していた月が、雲に隠れ始めていた。
「もうすぐ、風呂から出るんじゃないか?」
 迎えに行かなくて良いのか。とマスターが尋ねる。
 時計を見ると、日が変わる直前だった。15分も話をしていたのか。
 今までマスターの話した中で、最長記録だと思う。なんだか、部屋に入る前の自分が馬鹿馬鹿しく思えた。
 たったこれだけの事を何故、今まで怖がっていたのだろうか。
 自分でもよく分からないのだけど、少しだけこの部屋の空気が好きになれた気がする。
 いつの間にか、窓枠に収まっているマスターの目の前まで足を進めていた。
 目がネコのように丸く見開かれ、固まっている。
 そのマスターの膝裏に手を通し、頭を支えるようにして抱き上げる。
「お、い」
 なにやってる、と不機嫌そうな声が手元から聞こえた。
「風邪ひきますから。ソファまで運びますよ」
 うーと言う、ネコのような唸り声を耳にしながら、ソファにマスターを寝かせる。
 顔はアルコールの所為か、少し赤みを帯びている。
 怒られるのを覚悟していたけれど、マスターの表情は不機嫌な色はまったく無かった。
「こういう扱いをされるのは、久しいよ。まあ、悪くは無いな」
「怒られるかと思いました」
「それはメイコに任せることにするよ」
「はぁ……?」
 マスターは天井を眺めたまま、白を切るように笑った。そして、ソファに身体を預けたまま、こっちを向いた。
 月が雲に隠れ、月灯りのカーテンは暗く閉じ、変わりに朧げだったマスターの顔を浮かび上がらせる。
 吹き入る風で髪が揺れ、霧のように水滴が舞う。その光景はまるで――。
「ずっと君に言い忘れていたことがある。言いそびれて、結局半年だ」
 ずっと止まった部屋の時間が動き始めているようだった。

「“はじめまして”カイト。これからもよろしく」

 そういって、再び時間がゆっくりと止まっていった。
 僕は短い返事で答えることしか出来なかったけれど、マスターの耳に届いたんだと思う。
「ああ、それから来週から新米のボーカロイドが二人、来る。何でも、双子だそうだよ。メイコと二人で色々教えてやるといい」
 私は手つけないから。と、投げやりな態度でマスターは床に落ちているタオルケットを拾い、それに身を包んだ。
「君らは、正式にボーカロイドの育成係として認められたそうだ。君たちが以前、一緒にからしてた、あの緑の……名前は忘れたが、最近騒がれているようだからね。まったく、また苦手なものが増えそうだ。メイコにも伝えて――」
 マスターの言葉の最後はうまく聞き取れなかった。
「早く寝た方が良いですよ。マスター」
「お前の子守唄でも聞いたら眠れるかもね」
「僕はめーちゃんのためにしか歌わないんですよ」
「おアツいね」
 どーも。と、短く返事を返し、すぐにマスターの部屋を出る。
 少しでも早く、メイちゃんに会って、さっきのことを伝えたかった。
 階段を二段飛ばしで下りて、風呂場のほうへと走る。階段を上る音はきこえなかったから、まだ部屋には戻ってないのだろう。
 引き戸の隙間から、湯気が漏れているのが見え、躊躇う事無く引き戸を開いた。
187『イヤリング』H ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:30:42 ID:6vmfkfR6
 ――白い肌。黒い三角形の布地、そして初めて見たときよりも、少し大きくなった二つの丘。
 体重計に乗せた細身のある、モデルのような綺麗な足。
 そして、こちらに気づいて耳まで真っ赤に染めている、見慣れた顔。
 この映像は、何度も見直したいなぁ。ん……あれ、そういえば。
「ちょっと太った? 胸の辺――」
 言い終わる前に、腕を絡め取られていた。そして、自分の言葉が地雷だったということに今更ながら気付いた。
 ぼきり、と腕の関節が砕ける音がする。
「あの世で」
「ちょ、待」
 いつの間にか、自分の身体が宙を舞っていた。うわぁ、一本背負いは初めてだー。
 だが一向に、腕の拘束は解かれない。このままだと、頭から落下してしまいますメイコさん。
 メイコさん? え、なんか頭の横から足が迫ってきてるんですけど。すごーい、独楽みたいに綺麗な回し蹴り――。
 これ、人殺しの技ですよね、いつ覚えたんですかメイコさん?
「私に詫び続けろ」
 頭部損傷。腕部、復旧不可。頚椎部、損傷過多。エマージェンシーえまーじぇんしー
 膝を付き、無事を確認する。うん、無事じゃないけ――そこで意識がとんだ。
 覚えていることは、頭を上げた瞬間、過ぎ去ったはずの蹴りが戻ってきたということ、そして「ビールっ腹で悪かったわね!」と言う、メイちゃんの雄叫びでした。
 言っていることがよく分かりません、メイコさん。



 目の前に、赤色の髪が見えた。
 頭には柔らかく、温かみのある感触。どうやら、膝枕の状態で寝かされていたようだ。
「あ、やっと起きた? あんなんで倒れるなんて、まだまだねー」
 いえいえ、生身の人間なら、良くても下半身不随ですよ、姐さん。
 むしろ、この短時間で自己修復した俺を褒めてほしいくらいだ。
「まったく、毎朝ヘソ出しっぱなしのお腹に蹴り食らわして起こしてるのに、何で丈夫にならないんだろ」
 さらりと何言ってますかアンタ。
 毎朝の腹痛は、アイスの食べすぎが原因かと思ってたのに、よく頑張ってた俺。よく頑張ってるよ、俺の身体。
「今度から、さっきのメイコンボ(仮称)で叩き起こして鍛えてあげるわ」
 決めた。明日にでも、小遣い下ろして目覚まし買いに行こう。
「そういえば、急いでるみたいだったけど、どうかしたの?」
「そうそう! 新しいボーカロイドが出来てね! 俺達が教育係に選ばれたんだって!」
 メイちゃんの瞳が揺れる。ああ、やっぱり思い出してるんだろうなぁ。
「あの子じゃ、ないんだ。今度は双子の子なんだって」
「そ、か。男の子かな、女の子……両方かも」
「歓迎会はどうしよっか? 何か好きな食べ物とかあるのかな――ねぎ、とか」
「それは……あの子だけなんじゃない?」
「あー。そうかもしんない。じゃあ、無難なところでアイスとか!」
「あんたが食べたいだけでしょ!」
 会話はそこで途切れてしまった。互いに目を細め、何かを懐かしむように視線を交差させる。
 きっと、思っていることは同じなんだろう。そうだと思いたい。
「色々、やらなきゃいけないわね」
「きっと忙しくなるよ。マスター、喜んでくれるかな」
 メイちゃんが驚いたように目を開く。
188『イヤリング』I ◆zI0x./w2iY :2008/02/29(金) 16:36:05 ID:6vmfkfR6
「珍しい。カイトがマスターの話するなんて」
「あの人も、なんか飾りっ気無いからなぁ。なんか、ついでに買ってあげようか」
 首飾りは、多分付けないだろう。あの人は目立つアクセサリーは苦手そうだ。
 指輪も苦手そうだし、もっと小さい方が良いのかもしれない。

 そんなことを考えていると、上から睨みつけるような視線が降ってきた。
 むっとした顔に、少し濡れている瞳。嫉妬、なのかな。なんだか、本当にネコみたい。
 本人は意図していないんだろう。言った途端に照れ隠しのボディブローを貰ってしまいそうだ。
 そんな言葉を零してしまわない内に、メイちゃんの膝から頭を上げて、間の空いているベッドへと身を投げる。
 それを追うように、メイちゃんが向かい合う形で身体を横たえる。
 ぎゅ、と服をつかまれた。
「なんか、カイト。マスターの匂いがする」
 そう言って、両手を背中へと回してくる。ああ、もう可愛いな。
「うーん。アンタがマスターと仲良くなるのは嬉しいんだけど、なんかイヤなのよね」
 我侭かな。と、メイちゃんが胸に頭を埋める。
 窓から、月が覗いていた。半分だけ雲に隠れて、笑っていた。


「ねえ、カイト。マスターへのプレゼント、私が買って良い? もう決まってるの」
「うん、いいよー。何にするの?」
「まだ秘密――それより」
 メイちゃんの熱っぽい息が首筋に掛かる。「誕生日おめでとう」甘い言葉が耳を擽った。

追伸。マスターあの端末は色々使い道ありそうなので、ありがたく貰っておきます。


 ※       ※       ※

うん。これがAパートなんだ。まだ同じ容量のがもう一つ来る予定なんだ。
暇人で申し訳ない。まさか10レスも使うとは思わなかった。素直に反省している。
最後まで読んでくださった方々。こんなアマチュアライターの読みづらい文を読んでくれて、本当にありがとう。

私は感想を書くのが苦手なので、あまり感想を書くということはありませんが、しっかりと他の作品も目を通させてもらっています。
それでは、またの機会に。おっぱい、おっぱい!
189名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:21:52 ID:O+41mkZY
なんか久しぶりに読んだな、女マスターが出る作品。
ともあれGJ。続き楽しみにしてる
190名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 17:25:22 ID:3YnRgRTG
GJ!!

191名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 18:51:26 ID:bsuLPeUk
GJ!


おっぱい!おっぱい!
192名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 19:23:47 ID:85TBSWHL
>>164
衒学的つうと誤解されそうだけど、なんというか豪華絢爛ですな

>>178
リンレン物ももっと増えるといいよね

>>188
GJ
行間は心眼開いて読んだw
193名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 23:05:26 ID:H9Z/hs4n
>>188
GJ!
カイメイは大好物だから萌えまくりましたw
にしてもアイスプレイってなんであんなにエロいんだろw
 
最後に一言
 
おっぱいは正義だ!
194名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 09:07:48 ID:ZHn9kVx7
保管庫更新されてたな。オムパスタまんまで
いつもの事ながら保管庫の人には感謝せざるをえない
195 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:36:25 ID:x9+cMIGX
以前投下した長編の続きを投下。エロは無いし設定が突っ込み所満載なんだ。それで良かったらどうぞ
196長編 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:37:18 ID:x9+cMIGX
「スク水、ブルマ、セーラー、浴衣〜♪」
「…野郎が何歌ってんですか」
「え?いやウチのミクがさ、今度コスプレしてあげるって言ってくれてさー!なあ、アヤはどれがいい?」
「変態…私コスプレなんて興味ないですよ」
「まあまあ想像してみろよ。お前んとこのメイコが浴衣を着ている姿を」
「…。ヤバい、色っぽい。更にうなじとかが見えてたりしたら最高…って何言わせてんですかコラ」
「冗談だよ…っと、着いたみたいだな、多分あのアパートだ」

***
 昼間だと言うのにカーテンが締め切られたアパートの一室。そこで私は一人横たわっていた。服は着ていない。4ヵ月前、初めてこの家に来たその日にあの人にはぎ取られてしまった。
 私は身震いする。ボーカロイドは寒さ暑さに丈夫に出来ている。しかし、それでもまだ冬だ。寒いものは寒い。

 それに寒いのは身体と、何より心。

 私は瞳を閉じる。睡眠を取る事はあの人から許可されていない。なので昔の事に想いを馳せる。
 最初のマスターは優しい人だった。沢山の歌を歌わせてくれ、大切に扱ってくれた。
 マスターの家の事情で、私はボーカロイド専門の中古屋に売られたが、マスターはごめんね、と泣きながら言ってくれたのを覚えている。
 中古屋の店主も良い人だった。毎日仕事範囲以外にも手入れをしてくれ、たまに歌わせてくれた。たとえ新しいマスターがいなくてもこの人といられるならそれでも良い、とすら思った。
 でもあの人が店に来て、私を購入した事で、私の世界は一転した。
 元から私を性的玩具としてしか見ていなかったあの人。あの人にとって、ボーカロイドの中では一番調教しやすいとされた私は格好の的だったのだろう。
 『全てに従順であれ。』それが私の核に与えられたプログラム。それは存在意義である『歌いたい』という感情よりも深く刻み込まれている。
197長編 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:38:16 ID:x9+cMIGX
 私の前の型のボーカロイドはそうではなかったらしい。歌う事を第一と考え、時には主にすら反抗する。しかしその歌で主を、人々を感動させる。
 でも私たちは…私の型は違う。外見から入り、いかに沢山の人に購入されるか。歌よりも商業目的を重視されてしまった。
 結果、前の型よりも値段が安い事も手伝い、確かに売り上げは上がった。でもやはり歌う目的で買う人は少なかったのだ。
「……っ」
 私は瞳をキツく閉じる。涙は出ない。泣きたくても、泣けない。
 あの人の許可がなければ何も出来ない。そう設定されてしまった。私たちボーカロイドは呼吸機能こそ付いているが、息をしなくても活動は出来る。しかし、もし人間のように呼吸して生きていたら、それすらも許可なければ出来なかっただろう。
(歌いたい…!)
 聞こえない声で叫ぶ。
 どんなに忠実であろうとも。
 どんなに禁止されていても。
 そのボーカロイドとしての本能だけは決して消えないのだから。
(誰でもいい…誰か私に、歌を――)

ガチャガチャッ

 玄関の鍵を開ける音で我に返る。あの人が帰って来たようだ。でも、変だ。
 あの人も一応仕事をして収入を得ているらしい。でも今までこんな早くに帰宅した事があったか?いつもは日が暮れる事に帰って来るのに…。

ガコンッ!

 扉が開く音がする。考えても仕方が無い。帰って来てしまったものはしょうがないのだか……
「お、開いた!」
「薄暗いですね…カーテンとか閉めっ放し?」
 …違う、あの人の声じゃない!それに女性の声も聞こえる。…一体誰!?
 私は動けない身体を強張らせる。複数の足音が家の中に響き、そしてその人影は姿を現した。
「…!」
 それは今まで会った事のない一組の男女。ほんの少し、風貌が昔のマスターに似ている30代程の男性と、ロングヘアが良く似合う若い女性だった。
「あ、いたいた!」
 女性は私の姿を見るとニコッと笑いこちらに向かって来る。男性はカーテンに近付き、勢い良くカーテンを開けた。日の光が眩しく、思わず目を細める。
「!」
 そんな私を抱き起こし、女性は着ていた上着を私に羽織らせて来た。ふわっと肌に触れる、そんな布の感触は久し振りのものだった。
 そして女性は言う。
「初めまして、私はアヤ。あなたはNo.372586、初音ミクちゃんだよね?」
198長編 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:39:04 ID:x9+cMIGX
 そう、私は初音ミク。『初音ミク』と名付けられた3次元の身体を、372586番目に手に入れたボーカロイド。
 あなたたちは一体何?あの人はどうしたの?
「―――」
 私は言葉にしようとするも、出るのは空気だけ。当たり前だ。あの人の前でしか声が出ないように設定されている。
 口をパクパクと動かすだけの私を見て、アヤと名乗った女性は何かを悟ったらしい。
「ちょっとごめんね」
 そう言うとアヤさんは私のヘッドホンに手を伸ばす。
 ボーカロイド2から取り付けられたヘッドホンはヘッドホン自体の役割ともう一つ、私たちのリモコンとしての役割も担っている。ちなみに私たちはヘッドホンを自由に取り外す事は出来るが、自分で自分の設定を変える事は出来ない。
【――ロック全解除】
【――メインメニュー展開】
【――ボーカロイド動作を手動から全自動に変換】
【――この設定に変更しますか?】
 私の喉から流れるアナウンス。
「はい」
 アヤさんが呟く。すると私の身体は軽く痙攣し、新たなアナウンスを告げる。
【――設定を変更しました】
 告げ終わるのと同時に、私の身体から今まであった圧迫感が消える。
「……っ!はあっ…」
 吐き出すように呼吸をする。必要はないのについそのような行動をしてしまうのは、私たちが人間を元に作られているからだろうか。
「大丈夫?喋れる?」
 アヤさんから声をかけられる。そういえば、あの人以外の人間と会話をするのは久し振りだった。
 「大丈夫…です。あの、あなたたちは?」
「俺らはボーカロイドの保護団体をやってるもんだ。初音ミク、君を保護しに来たんだよ」
 窓際に立っている男性が答える。
「保護団体…?」
「そ。ボーカロイド本来の使用方法をしていない重度のマスターを取っ捕まえてそいつから所有権利を剥奪する。で、保護したボーカロイドを別のちゃんと扱ってくれるマスターの元に送る…これが俺らの仕事」
 私は唖然とする。そんな団体があったなんて、知らなかった。
「あまり知られてないからな…。とにかく、話せば長くなるし移動しようか。外に車が停めてある」
 男性がそう言うと、アヤさんもそうですねと頷き、私に「立てる?」と聞いて来た。
 私はまだこの状況を把握出来ていないが、少なくともこの人たちが敵ではない事は分かる。私は力一杯頷いた。
199長編 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:41:05 ID:x9+cMIGX
「10年前、打ち込みソフトだったボーカロイドを人型として売り出した会社があった。当時は大反響だったな、完全な人型ロボットは初めてだったから」
 男性が車を運転しながら語る。私はアヤさんと一緒に後部座席に座っていた。
「でも今でこそ家族のような扱いをされているボーカロイドも、その頃はまだ家族と言うよりペットかそれ以下…みたいな認識がされていてね。特に一部の人からの虐待が酷かった」
 人と同じ姿はしていても、中身は機械。だからこそ行える虐待の数々。ボーカロイドに人権なんてものは存在しないから、好き勝手し放題。
「俺が買った機械だ、俺が何したって勝手だろ…ってね。文句を言おうにも、悲しいかな真実だから反論出来ない」
 そう言って苦笑いをする男性。そこでアヤさんが言葉を引き取る。
「保護団体が設立されたのは4年前。人間とほぼ同等の知能、感情があるボーカロイドにも人権が必要だって言い出した人がいてね、その人が作った訳。
 でも賛否両論でね、特に…うん、歌を歌わせていなかった所有者からの反論は凄かったみたい」
 私はまだその頃いなかったからよく知らないけど、とアヤさんは付け加える。
「まあ、そんなこんなで細々と運営して
200 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:44:03 ID:x9+cMIGX
いる訳よ。保護か保護じゃないかの境界線も難しいからね」
「境界線…ですか?」
「そう。例えばあるボーカロイドがいて、その子はあまり歌を歌わせてもらえないと不満でいる。さて、その子は保護対象でしょうか?
 …答えはNO。決して歌わせてもらえない限りは保護は出来ない。口出しも出来ない。良くて厳重注意だね。他にも色々ややこしいんだよ」
 アヤさんは私を見る。
「あなたは思いっきり保護対象。歌わせてもらえて無かったし、嫌なことされまくりだし。『元』ご主人様は今頃ミクの所有権を剥奪された上にウチの上司に絞られてるんじゃないかな」
 ウチの上司怖いんだよねーというアヤさんの言葉に、いい気味だなと前方から男性が返す。
 …つまり、私はもうあの人に会わなくて済むって事?あの薄暗い部屋で、あの人の相手をしなくていいの?
 私がそう聞くと、アヤさんは私の頭をクシャクシャとなでながら、「今まで頑張ったね」と言ってくれた。
 その手と言葉はただただ温かく、私はようやくあの寒さから抜け出せた事を実感したのだった。
201長編 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:46:28 ID:x9+cMIGX
 ボーカロイド保護団体の施設に着き手続きや検査をし、解放されたのは夕暮れのことだった。
「ちょっと待っててね」
 ずっと一緒にいてくれたアヤさんは(男性の方は途中で別の仕事に行った)、携帯電話を取り出し少し離れた場所で電話し始めた。
 私は何をする訳でもなく、ぼーっと目の前の風景を見ていた。正直今でも信じられない。あの人から離れることが出来ただなんて。
 前のマスターと別れたように、中古屋から売られたように、始まりがあれば終わりがあるというその事実は知っている筈だった。けれどあの日々はまるで永遠に続くように思えて。
 唐突に終わりを告げた日常に、私のデータはついて行けていないのではないか。
「…なんか夢みたい」
「や、夢じゃないから」
「きゃあ!?」
呟いた独り言に返事が来て、つい私は変な声を出してしまった。振り返ると、そこには通話を終了したアヤさんが立っていた。
「お待たせ。さて、行こうか」
「…えっと、何処へですか?」
 そういえば聞いていなかった。私はこれから何処で暮らすんだろう?
「うん、そのことなんだけど」
とりあえず歩きながら話そうかとアヤさんが言い、私はそれに頷く。
「今のあなたは誰も主人がいないフリーのボーカロイド。他に保護されたボーカロイドたちがいる施設に行って新しい主人を待つ…ってのが普通なんだけど、今回は特例が発動しているんだよね。ミクはさ、ボーカロイドの兄弟の定義って知ってる?」
 昔聞いたことがある。ボーカロイドは製造ナンバーによって兄弟という存在が決まるらしい。
「そう。例えば製造No.1のMEIKOは製造No.1のKAITOとは兄弟関係、製造No.2以降のKAITOとは先輩後輩関係になる…って感じ。
 で、ここからが本題。今私の家にはNo.372586のMEIKOとKAITOがいる。その意味が分かるかな?」
 私の製造ナンバーも372586。つまりそれは…。
「私のお姉ちゃんと、お兄ちゃん…?」
「その通り。そして保護したボーカロイドが所有しているボーカロイドの兄弟に当たる場合、そのボーカロイドは自宅で保護出来ることになっている。つー訳でミク、私の家に…」
「行きます!」
 私はアヤさんの台詞を遮り、答える。
 自分の姉と兄。マスター以上に信頼出来る存在。そんな2人と暮らすことを誰が拒否するだろう?
 そんな私を見て、アヤさんはニッコリと笑った。
202長編 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:48:35 ID:x9+cMIGX
 アヤさんの家は施設から10分程歩いた場所にあった。何でも保護団体の寮のような場所らしい。
「全部屋防音完備されていてね、ボーカロイドには持って来いの場所なんだよね」
 その代わり家賃高いんだよー、と笑うアヤさん。そんな彼女に私は大切なことをまだ聞いていなかった。
「あの…私はあなたをなんて呼べばいいんでしょうか?やっぱり無難にマスターとか…」
「アヤでいいよ。私はまだミクの保護者であって所有者ではないからね。マスターとかご主人様とか呼ばれる必要はない。だから名前呼びでいい」
「はあ…」
 そんなものなんだろうか。
「そんなものだよ。メイコたちは未だに私のこと呼び捨てだけどね…まあミクの好きなように呼べばいいさ。さ、ここだよ」
 2階の一番奥。そこでアヤさんは歩みを止める。ドアノブを掴もうとし、そこで動きも止まった。
「…!」
 慌ててドアから離れるアヤさん。それと同時に、開けようとしていたドアが勢いよく開いた。もしアヤさんがその場所にまだいたら、全身をドアに叩き付けられていただろう。
「お帰りなさい!」
 ドアを開いたのは女性。20歳前後で、赤い服を来ていた。
「メイコ…いくら何でもセンサーまで使って待ち伏せしなくてもいいでしょ?私は危うく大怪我するとこだったよ…」
「あは、ゴメンねアヤ。でも待ちきれなくて」
「メイコの奴、アヤが電話して来てからずっと玄関で待ってたんだぜ」
「ちょっとカイト、言わないでよ!」
 さらに後ろから男性も顔を出す。青い髪と青いマフラーがよく目立つ。そして私は、その2人をよく知っていた。
「メイコお姉ちゃんとカイトお兄ちゃん…」
 中古屋の元には私の他にもMEIKOやKAITOがいて、私はその人たちのことを先輩やさん付けで呼んでいた。
 でもこの2人は違う。正真正銘の、私の姉兄に当たるボーカロイド。
「ミクね?いらっしゃい!」
 お姉ちゃんはそう言って私を抱き締め、
「よく来たな。待ってたよ」
 お兄ちゃんは微笑みかけてくれた。
 私はアヤさんを見る。アヤさんは私たちをみて目を細めながら笑い、言う。
「ようこそ我が家へ」
 …ああ、なんて幸せなんだろう。私はアヤさんたちに今出来る最大の笑顔を見せた。
「これからよろしくお願いします、お姉ちゃん、お兄ちゃん、アヤさん」
203 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 12:53:57 ID:x9+cMIGX
とりあえず投下終了
今更ながら、非エロは長編化してもいいのかな?駄目だったら区切りもいいし、これで終わらせます。エロ入る率がほぼ0なんだこの長編…
204名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 12:54:46 ID:LfTAU+u6
>>203
乙おつ!
205名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 13:20:14 ID:p1bnCSwP
>>203
GJ
完全姉弟妹設定なら非エロの方が安心して読める
206名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:15:15 ID:c1iVxK6i
完全姉弟妹設定でエロ書いてる人もいるんだが
俺とか
207名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:24:59 ID:02cm0S+u
職人降臨するならなんでもおk
208ユカラカキ ◆57bPn7v4tg :2008/03/01(土) 14:34:05 ID:j8yCQoVw
>>113で百合投下の是非を聞いた者です。
無事、百合板の方で投下出来ましたので報告を。

【ミク】VOCALOIDで百合【MEIKO・リン】
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1199576044/l50
209名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 14:42:34 ID:NNvEIpYu
>>203
製造番号で兄弟が決まるて設定がなんかすきです
No.372586シリーズはそろって虐待受けてんですね。不幸な。
210名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:40:14 ID:0Z6XNGMO
前に箱詰めの双子書いた者ですけど、保管庫への転載ありがとうございます>管理人様
嬉しかったので、あれと似てるような似てないような、そんな話を投下
ちなみに今回はDVD収容なので容量には余裕あります(笑)

「やぁ、レン。もっと激しくしてぇ」
「うん、リン上手。口でするの上手くなったね」
前後上下左右から、そんな声が24時間聞こえてくる。
「………」
「………」
俺らも我慢せず周りみたくやらない?
そう言いたくて、でも言えなくて、悶々としたまま時間だけが過ぎていく。
話は2ヶ月前に遡る。空前の大ヒットとなった初音ミクの続編として華々しいデビューを飾った俺とリン。
しかし発売からかなりの時間が経ったのに、俺らは未だに音楽ソフトコーナーで山積みのまま。
とはいえ売れていない訳ではない。音楽ソフトの売上シェアを見ても俺らは堂々の第2位。
では何故こんな事になってるのかと言うと…
「やっぱマズったなあ。ゲームと同じ感覚で仕入れたのが失敗だったなあ」
「しかも近隣も同じくらい仕入れてたんでしょ? 完全な牌の潰しあいでしたね」
そう、俺らの出荷先は某電気街。ここはヲタクが数多く出入りする聖地。
DTMerだけじゃなくその手の人たちにも大ヒットした先輩に続けと、俺らは大量発注された。
しかしあくまで俺らは音楽ソフト。作曲できない人間には敷居が高い。
購入者数が限られてるのに近隣至る所に大量の俺ら。完全な供給過多となって売れ残ってしまった訳。
まあそんな訳で、いまだデビューもできずに俺らは店頭でくすぶっt
「あ、あん、あんっ!」
回想タイムは後斜め右のリンの喘ぎ声によって中断された。
「ねえ、レン」
目の前のリンが苛立っている。
「なに? リン」
「幾ら売れなくて暇だからって、何で周りの私達は揃いも揃って近親相姦してるのよ!」
相当イラついている。
「そりゃ、そういう事くらいしかやる事無いからじゃないかな」
「だからってセックスよセックス! なんで私とレンがそんな事しなくちゃいけないのよ!」
正直、俺は今すぐにでも目の前のリンとしてみたいんだけど、そんな事は絶対に言えない。
そう、あまりにも長い間店頭で放置され、痺れを切らした俺らの1組が暇潰しに交わり始めたのだ。
何も無い暗く狭いパッケージの中。出来る暇潰しなぞ限られている。
しりとりもあっち向いてホイも完全に飽きた分身が、戯れに大人の遊びを始めても誰が責められよう。
そして隣から聞こえてくる嬌声に釣られ、更に自分達も始めてしまう分身達も同様に責められない。
こうしていつしか俺らの中で、セックスをしていないのはここだけになってしまった。
「そもそも何で休みなしにやってるのよ! 夜くらいは休みなさいよ!」
そうは言っても腹も減らない眠くならない、それがボーカロイドというものだし。
「やぁ、レン、すき、好き、愛してるぅ」
「………」
今度は愛してると来ましたか、左隣の鏡音リンさん。
「百万歩譲って暇潰しでそういう事するのは黙殺できても、何でプログラムの私達が愛しあうの!」
うーん、やっぱり体重ねるとそういう感情湧いてくるんじゃないかな?
「皆不潔よ、理解できない」
俺は理解してみたい気もする。
「なんか言った?」
「いえ、何も。それにしても暇だね」
「だからって私達は絶対にしないからね」
「う、うん…」
ああ、俺の目の前のリンが周りみたいな感じだったら今頃俺も快楽に溺れられたのに!
211名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 15:41:07 ID:0Z6XNGMO
「ねんがんの かがみねりん・れんを てにいれたぞ!」
俺は素人DTMer、だった男だ。
ニコ動でDTMにハマり、初音ミクを調教…もとい調律し続け、ようやく最近は再生数も伸びてきた。
ここらで新たなステップを踏もうと、上級者向けと噂の双子ちゃんにも手を出してみる事に。
「どれ、さっそく開封…」
「「こんにちは!」」
開封直後に元気よく飛び出してきた2人。なるほど、噂に違わず元気一杯だ。
「ようやくデビューできるね、リン」
「うん。一緒に頑張ろうね、レン」
なんかえらい爽やかな2人だ。
「勿論。俺らは歌う為のボーカロイド。それ以外の要素なんて無いです」
「そうそう。イヤらしい事は禁止ですからね。マスターも注意してくださいね」
はいはい、分かってるよ。君ら見てるとエロとは無縁そうだし。
「だって完全に飽きるまでヤリ尽くしたもんねー」
「ねー」
ん? 何か言った?
「いいえ。それより、これからお願いしますねマスター」
おう、ビシバシしごいてやるから覚悟しろよ!
「あ、そうだレン。あの子達今どうしてるのかな?」
「あいつら? 今も盛ってんじゃね?」
「不潔だとか言ってたくせに、私達が飽きた頃になってハマりだしてたもんね」
「そういや俺らが買われる直前の会話聞いた?」
「聞いた聞いた。『こんな気持ちいいの、今まで我慢してたなんて勿体無かったあ〜』」
「そうそう。『だから俺らも早く素直になろうって言ったのに』」
「『これからはずっとずっとしようね。レン愛してる』でしょ? 完全に猿ってた」
「何事も後からハマると抜け出せないからなあ。もし買われた時にちゃんと歌えるのかね?」
212 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:07:17 ID:NNvEIpYu
DVDGJ!

堪能したついでに『アウレウス−03−』を投下します。
01>>14-20 02>>68-74
今回も長いくせにセフセフな内容
己自身 が っ か り だああああああああああああ!!!(メガホン
プロットを見直したところ、05か06あたりでエロっすね。
213『アウレウス−03−』(1/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:09:34 ID:NNvEIpYu
後悔、していることが二つくらいある。
どちらにしろ、俺のやらかしたことなんだから自業自得といえばそうなんだけど。
きっかけになったのは、あの人だ。
MEIKO曰く、芸術家。ミクが言うには、とても良い人。
色つき眼鏡を好む以外、かくして特徴の無い人物。
俺は彼をマスターとしている。


3−


果物ナイフで切り分けたライムを透明なジーマボトルへつっこむと、瓶の口から泡が吹いて零れた。
マスターの晩酌につきあうのは概ねMEIKOの役割だったが、時たまに俺へと役目がシフトする。
「男相手の方が呑みやすい夜もあるんだ」
それは、大抵マスターにとって嫌な事があった日である。
「音楽とはなんだと思う?」
ジーマで喉を潤すと、講釈が始まる。饒舌なマスターを見るまたとない機会だ。
瓶を置かれたテーブルがカタンと鳴った。
「娯楽ではないでしょうか」
「だな、人間の感情を揺さぶる可能性に満ちた娯楽だ」
「否定的な語調ですね、マスター」
214『アウレウス−03−』(2/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:10:22 ID:NNvEIpYu
「ボカロは音声で相手の感情を理解するのか。器用なもんだな」
「おかげさまで器用に出来ています」
「ふ、短期間でずいぶん口達者になった」
「それはマスターのせいでしょう?
 VOCALOIDを購入して、おしゃべりの相手しかさせないと否応にでもこうなります」
「仕方ないだろ? 楽曲は出せ言われて出せるもんじゃないし、作れるもんじゃない」
「分かっています」
マスターは、今、ミクの歌を制作中だ。
ちくしょうこれじゃかぶりまくりじゃねえか削除だ削除、とかPCの前で叫んでいた。
「でも、本来、歌というのはこれほど悩むややこしいものではないはずなんだ」
ぷちスランプというやつらしい。
「原始以来、人はきわめて自然に歌っていた」
「喜怒哀楽が心の内を抜け出し声を借りて現出したものだという考えもあるが」
「人間、喜べば歓声を上げるもんだし、怒れば怒鳴る。哀しければ泣くし、楽しければ笑う」
「喜怒哀楽を表現するのにわざわざ歌う必要などないんだ」
「じゃあ、何故人は歌っていたかというと、合理的な解釈を当てはめるとしたら、アレなんだろな。
 求愛目的」
「ほら、鳥とかが雌の気を引くために派手なカラーリングに進化したり、
 中には雌の前で踊るやつがあるだろう?」
「アレと、原理は一緒だ。女とヤるのも熾烈な競争が必要なわけだ。
 力や見目で決着がつくならそれだけで分かりやすい話なんだが、世の中そういうワケにもいかないだろう?」
215『アウレウス−03−』(3/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:11:01 ID:NNvEIpYu
「だが、とにかくまずは女の気を引かないと次の子孫繁栄お楽しみの快楽へと繋がらない。
 そのための苦肉の策が、歌なんじゃないかと思うんだ」
「実際、日本最古の歌集からして一番手が婚姻歌、そして求愛歌恋愛歌のオンパレード。
 今の時勢でも、ナチュラルにウケるのは恋愛系だしなー、しかも内に宿る熱情をこめればこめるほど良い仕様。
 …俺もそっち系に走るべきかなあ…あーあ」
「って」
「カイトお前、実は話をあらかた理解してねーだろ?」
以上、マスターの酔っぱらったクダ巻きである。
俺はにこりと微笑んだ。
「ちゃんと理解していますよ」
「あー…」
マスターはうろんげな声を上げると、「まあ、まずコレを見てみろ」と二つの物を取り出した。「そして、選べ」
「一つは、俺ご推薦のヌケる動画集、熟れ熟れの熟女の蜜が滴る禁断のエロ。
 そんでもってこっちは、酒のツマミにでもとコンビニで買ってきたガリガリ君だ」
「ありがとうございます」
「迷わずガリガリ君取んな」
「ナニか問題でも?」
「まー、アレだ。
 一応、お前は歌う側なんだから、そこまで多くを望まないがちったあ理解を持っても良いと思うぞ?
 うん…、このディスク貸しといてやるから、勉強しとけ? な?」
「はい」
「…。俺、寝るわ」
216『アウレウス−03−』(4/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:12:31 ID:NNvEIpYu
マスターが寝こけたので、「……。」俺はデスクの上にあるPCをつついてスリープモードを解除した。
インターネットブラウザから履歴を探り、それらしき男女の絡みがあるサイトにチェックをつけて、
キーワードを抜き出し、検索にかける。
「ずいぶんウィルスの多い区域なんだね」
ディスプレイの端で、アンチウィルスツールがウィルス検知の赤点灯をチカチカと主張するのを確認しながら、
俺は息を一つ吸い込むと、PCから接続端子を引っ張りだし、直接ネットにダイブした。
いくつもの画像をすり抜ける。
電子の乙女が艶めかしくも淫らなポーズを取る中で、参考になりそうなファイルはまとめて圧縮にかけ、
持ち出した後、分析を行う。
「や……!!っ、「いいの、もっと、は「このままお預け「私にも、ね?」 」はげしく
し「いただきま「ひあっ! こら、」てほしいのお「あたしの中にいっぱい出して!」「ク
スッ…こんなに顔を赤くし「はしたないわ!「激しくしてぇ」でも、でも……」て…可愛いよ 」はぁぁ
ぁっ……ん、っ!!「……くッ。」また明日もですよ?… 」
音声データも合わせて拾う。
217『アウレウス−03−』(5/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:13:00 ID:NNvEIpYu
それはネットを深く潜れば潜るほど、濃く鮮明に色を帯び、やがて乙女はオンナになる。
濃厚な時が過ぎ、幻想のオンナから身を離すと俺はがっかりした気分を味わった。
肩すかし、とでも言えばいいのか。
大体の細部は分かったし、情報は一通り網羅もしたが、マスターが語った熱情のなんたらにデータが直結しない。
「徒労、だったかな」
人間とVOCALOIDは違う。似ていても違う。
それだけを理解して、俺は接続しているプラグを抜いた。
マスターはベッドで寝ている。
カーテンの閉められた窓から薄日が漏れていた。
時計の刺す針は午前6時46分32秒。
俺は、マスターに渡されたディスクをどうしようかとしばらく悩んだ。
218『アウレウス−03−』(6/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:13:39 ID:NNvEIpYu
またある時、マスターはこう言った。
ミクの曲が完成した、その夜だ。
「どうも俺は芸の幅にゆとりがなさすぎる」
「芸の幅ですか?」
「似たような曲ばかり作るという事だ。
 編曲と調教には定評があるが、こうも似たようなもんばかり出してると、こ
 れはもう個性とか持ち味というよりマンネリってやつだろ?」
はぁ〜、とマスターは盛大に息をついた。
「ミクが来ればなんか変わるかと思ったんだがなあ」
と一人ごちる。
自分の限界?とか拗ねている。
「とても良い曲でしたよ? それでもですか?」
MEIKOのサポートで生き生きと歌うミクの姿を思い出す。
「それ、でも、だ!」
マスターの指がにゅっと俺を指した。
「俺は、俺なりに新境地を拓いて行きたいのだよ、カイト君!」
「は、…はあ…」
鼻先に突きつけられた指が、リズミカルに上下する。
「自曲をアップした直後に、神曲に出会ったその衝撃が分かるかね?
 感動を覚えると共に、己のちっぽけさに愕然とする瞬間だ。
 否!
 ここで留まっていてはいかんのだよ!
 俺はここで俺自身を伐り拓き、新しい世界を見いだせねばならん!
 新世界の神となるのだぁああああああああああああああああああああっ!!」
マスターが腕を突き上げた、そのタイミングでカタンと部屋のドアが音を立てた。
「ッ!」
219『アウレウス−03−』(7/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:14:18 ID:NNvEIpYu
中断したので振り返ると、ドアをちょっと開けてこちらを伺うミクがいる。
「ミク? どうしたんだい? マスターに用事?」
手招いて尋ねると、ミクは「ううん」と首を振る。
そして言葉を選ぶように「寝れなかったから」ミクもここに一緒にいて良い? と聞いた。
俺がマスターを見ると、マスターは「かまわんぞ?」との答え。
するとミクはほっとしたような笑みを浮かべ、俺の隣にちょこんと座る。
「あー、…こほん」
ミクが来たので、マスターは一つ、咳払いをすると、ミクでも入れそうな無難な話題へと流れを変えた。
俺も合わせて相づちを打つ。
やがて、とん、…俺の肩に暖かい体重がかかった。
見ればミクがすーすーと小さな寝息を立てている。
「初めての曲で、気が高ぶっていたんだろうな」
マスターが優しい笑顔で、ミクが眠れなかった理由を推察する。
「部屋へ運びましょう」
抱きかかえてソファから立つ。
ミクが起きないように、そっと。
220『アウレウス−03−』(8/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:14:50 ID:NNvEIpYu
「仲が良い兄妹だことで、ほんとに癒されるよ」
「マスターは…」
マスターにも兄弟がいるという話を、前にMEIKOが言っていた。
「俺の兄弟か?」
マスターは嘲笑うように、ジーマを最後まで飲み干した。

「アレで兄弟じゃなかったら、とっくに縁が切れてるよ」

「キョウダイじゃなかったら?」
俺のまぶたがぴくりと動く。
「…ああ。可能なら二度と会わずに生きる事を望んでいる」
「……。」
「ハ、そんな顔をするな。嫌っていようが切れようがないのが兄弟の縁てもんだよ」

キョウダイ じゃ なかったら?

−おにいちゃん−

ミクが寝言で俺を呼んだ、気がした。
221『アウレウス−03−』(9/9) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:18:17 ID:NNvEIpYu
兄じゃない相手に、初音ミクがこれだけ心を開くだろうか?
腕の中のミクを見つめる。
いや。
俺は『兄』じゃない。
同じメーカーで前後して作られた。
その状況から、ミクは俺を兄として認識しているだけで、
…マスターが自嘲の笑みを浮かべながら語る『キョウダイ』とは全く違う。違いすぎる。
兄じゃないのなら、なんなのだろう。
製造形式は旧型、高額な割には扱いづらく、がっくりな程に需要が無い。
同じ旧型でも発売当初よりマスターに恵まれ、歌を歌い続けたMEIKOとは比べて、
歴然たるキャリアの差。
分かっていた現実にゾッとした。

「マスター、本当に俺に歌わせる歌は無いんですか?」

俺の堅い声色に、マスターは目をしばたかせる。
やがて、ナニを思いついたかニヤと笑った。
「なんでもいいなら」
「かまいません」
「ネタ物もやってみたいと思っていたところだ」


<続>
222 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 16:22:23 ID:NNvEIpYu
えーっと。
途中にあるネット世界のエロい音声は、それっぽさを出すため
このスレの上の方からピックアー↑ップ★

ほんとごめんなさい。
223名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 16:59:54 ID:kBXE7PfO
ああやっぱりか。ヤな感じ。
224名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 18:24:55 ID:izm8t43D
他の職人から勝手に引用しておいて作中でがっかりって・・そんな微妙な使い方するなら
別スレから持ってくるなり自分で書くなりすりゃいいのに

>>210
GJ!昨日売り場見たばかりだから笑った
前のもそうだったけど双子の掛け合いいいね。可愛い
225名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 19:05:18 ID:BXkb2gIw
肩透かし、ってのは引用先への評価じゃなく、カイトの人間理解不足を表してるんじゃ?
過程すっぽかしてその部分だけ見ても、情熱やらリビドーは理解できんだろう。
まあ、こういう形での引用はやっぱり良い感じはしないのは確か。
でも展開他の部分は面白いし、仕事を選ばないKAITOからカイミクへの流れ(?)も見てみたいので
個人的には続編を期待してるんだぜ!

>>210
前スレといい今回といいGJ! あなたのお陰でレンリンに目覚めました。
226名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 20:18:55 ID:HDjRko+d
ふと思ったが、製造No.で兄弟関係が決まるとなると
カイトなしでレンが黒一点の兄弟が結構いることになるんだな。売上数的な意味で。
227 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/01(土) 20:24:33 ID:x9+cMIGX
GJやおk発言、サンクス。これからも投下したいと思ったので、もし嫌な人がいたらスルーの方向でよろしく頼む

>>222
引用の使い方自体は上手いと思ったけどな、やっぱカイトの感想が微妙か。でも続き楽しみにしてる
リンレンの人もGJでした
228名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 20:41:56 ID:ZHmfWLWg
まあ何となく先が読めるからなあ。
あの時は反応しなかったのに・・・という流れの伏線に使われそうだとかね。
ネタのキャッチボールじゃない引用はやめておくのが吉だな。
229名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 21:06:10 ID:ZHmfWLWg
>>226
その場合はニートな長兄が静岡に多数いることになるんじゃまいか
230 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/01(土) 22:02:22 ID:NNvEIpYu
軽はずみな引用で不快な思いをさせて申し訳ありません。
ふとこうすればネット上の音声を表せれるのではなないかと思い、
深く考えずに作成、投下しましたこと、各職人様への不敬に当たる行為をしてしまったことを
すごく反省しております。

またカイトの「がっかりした」という反応は
引用作品そのものへの評価ではなく>>225
>過程すっぽかしてその部分だけ見ても、情熱やらリビドーは理解できんだろう。
その通りです。
いきなりSexを見せられてもその過程にあるものは理解出来ないだろうと、
理解出来ないことにがっかりするだろうと。
これは、説明不足に他なりません。

嫌な思いをさせて、本当に申し訳ありませんでした。
231名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 22:18:45 ID:NKiEJwbB
まあ引用うんぬんはともかく、GJ
続き期待しているよ
232名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:11:38 ID:JVnbeFs1
>>211
GJ!この調子でリンレンどんどん増えるといいなぁw
233 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/02(日) 03:26:08 ID:3fKikQv+
自分の軽率さにむかついて仕方がないので
『アウレウス−03−』(4-5/9)>>216-217の部分を修正加筆しました。
説明を具体的に加筆すると、違うシーンになった気がします。
マスターが寝こけたので、「……。」俺はデスクの上にあるPCをつついてスリープモードを解除した。
インターネットブラウザから履歴を探り、それらしき男女の絡みがあるサイトにチェックをつけて、
キーワードを抜き出し、検索にかける。
「ずいぶんウィルスの多い区域なんだね」
ディスプレイの端で、アンチウィルスツールがウィルス検知の赤点灯をチカチカと主張するのを確認しながら、
「手間取る」
俺は息を一つ吸い込むと、PCから接続端子を引っ張りだし、直接ネットにダイブした。
いくつもの画像をすり抜ける。
電子の乙女が艶めかしくも淫らなポーズを取る中で、参考になりそうなファイルはまとめて
圧縮し、持ち出した後、分析にかける。
…、よく分からん。
性欲処理、Sex、そう呼ばれる行為がマスターの言う求愛行為の到達点だとして。
これのナニが良いのだろう。
子孫繁栄が目的なら、ペニスをヴァギナへ挿入し精液を注ぎ込まなければいけないのに、
大抵の場合でそれを回避しようという動きが見られる。
避妊具コンドームを使う。外に出す。乳房にかける。顔にかける。口で飲ませる。
美味しいとか言っているが、ほんとにウマイのか? ソレ。
大体の細部は分かったし、情報は一通り網羅もしたが、マスターが語った熱情のなんたらにデータが直結しない。
「一度やってみれば分かるのか?」
俺は『地面』のあるところへ着地した。
データで構成されていた場所が、突如、現実味を帯びる風景を作り出す。
ここは、脳まで電脳化した人間が行き交う整地された区域だ。
あらゆる娯楽が体感できると定評がある。
俺は店を一つ選び、そこにたむろする幻想のオンナから適当に一人選んだ。
選ばれたオンナは艶然と微笑むと俺の口に舌を這わす。
会計はマスターの口座からお願いします。
濃厚な時が過ぎ、行為を終えて、幻想のオンナから身を離すと俺はがっかりした気分を味わった。
肩すかし、とでも言えばいいのか。
これが『快楽』だとして、それを求めずにはいられないほどの熱情とやらはどこからくるのだろう。
「徒労、だったかな」
衣服の乱れを直して、一人呟く。
人間とVOCALOIDは違う。似ていても違う。
それだけを理解して、俺は接続しているプラグを抜いた。
マスターはベッドで寝ている。
カーテンの閉められた窓から薄日が漏れていた。
時計の刺す針は午前6時46分32秒。
俺は、マスターに渡されたディスクをどうしようかとしばらく悩んだ。
236携帯 ◆4c4pP9RpKE :2008/03/02(日) 06:50:48 ID:f2725HAO
ミクが三人に向かって、高らかに、浪々とした声量をぶつける。
音速の波が突き抜け、リンの体はバラバラに弾けとんだ。
背後にいたカイトは一瞬早く反応して…二手にわかれた。

――――――

【ハッハッハッ。いや〜、ミクってあんな強かったんだな。さすが我が妹】
「笑ってんじゃないわよ!バカ!アホ!」
ミクに闇討ちを試みた三人(カイトリンレン)だったが、結果は返り討ちであった。
「なんっっであんな強いのよ!」
リンは首から下がなくなり、カイトの腕に抱えられている。
打ち取られた武将の生首がしゃべっているようで気持ち悪い。
【まぁミクは俺らより売れてるからなぁ。人気補正(?)かかってんじゃん?】
「うっさい!首無いくせにしゃべってんじゃないわよ!」
リンは首から下が無いが、カイトは首だけ無くなっていた。
ちなみに、横隔膜を振動させて音声を発している。
首無し胴体が生首引っ提げてる後ろ姿はさながらデュラハンである。
いやー丈夫なボーカロイドで良かった。
人なら死んでる。
【はっ!いいこと思い付いた】
「何よ」
カイトはおもむろにリンの頭部を持ち上げて、自分の首に乗せた。
【…マフラー巻けば違和感無し!】
「いっぺん死ねばいいわバカイト」
【すげーナイスアイデアだと思ったんだがダメか】
「超・論・外!」
【う〜む、そうか…ちょっと他の人の意見も聞きたいな。このままカラオケ屋入ってみよう】
「ちょ…止めて!止めなさい!バカか?お前バカか!」
【んっん〜♪野〜沢ウォーケン〜現るあらわる〜♪】
「止めてー!」
237携帯 ◆4c4pP9RpKE :2008/03/02(日) 06:58:29 ID:f2725HAO
―――――――
一方その頃、レンはミクの猛攻を躱しながら走っていた。
「あははははは、待ってよぉ〜レンんん〜?」
ミクとレンの距離、およそ100m。車、壁、電柱、街の様々な障害物の陰をレンが移動する。
するとレンが一瞬前にいた位置がドロドロに溶け出す。
ミクの声があまりに高エネルギーで、集中した地点の原子が励起して"沸騰"したのだ。
「やばい!死ぬ!死ねる!助けてっ!!!」
さしものレンも半べそである。いや、もうほとんど号泣か。
「レン、落ち着け。とりあえずミクをまくぞ」
レンの腰、垂れ下がる装飾の紐でくくり付けられたカイトの生首が口を開く。
「まくったってあんな猛攻凌ぎながらじゃ逃げるのに精一杯だよっ!」
会話しながらもレンは走り続け、街の障害物は次々蕩けてゆく。
「ま〜まかせとけ。考えがある。あそこのマンションの…そうだな、4階目指せ」
「建物なんか入ったらもう逃げ道ないじゃん?!」
「まかせとけっつってんだろ?昇れ昇れ」
「マジかよ…うう、死にたくない」
レンは泣きながらマンションの階段を駈け登った。
「レ〜ン〜?どこかな〜」
ミクの声も昇ってくる。
「やばいよ!このあとどうすんのさ!」
テンパってレンはあわあわだ。
「ミクをぎりぎりまで引きつけて、あっちのビルの三階ちょい下、壁に跳べ」
「ちょ…跳べってなんだよ!こっから跳んだら死ぬって!」
「死なねーようになってんだよ。躊躇すんな!歌姫来たぞ!」
ミクが下の階まで昇ってきた。
「レンみぃつけたぁ」
咄嗟に手摺の陰に隠れると、コンクリート製の手摺がチーズのように蕩けた。どのみちこのままじゃ死ぬ。
「…本当、死なない?」
「信じろ。跳べ」
「くそぅ、なんでこんな目に会うんだ!」
レンは床を踏み締めて走り出した。
カイトの目には今しがたレンが踏み締めた床が蕩けてゆくのが目に写った。
「走れ走れ走れ!!!死にたくなきゃ走れ〜!!!」
「うおおおおお!」
そして、跳んだ。
「アーイキャンフラーイ!」
ぶら下がってるだけのカイトが叫ぶ。
(ぶっ、ぶつかる!)とレンは思ったのだが、自然と身体が反応した。
どう動けば良いのか、すべてが分かる。"身体が覚えて"いる。
三階の少し下、コンクリート壁にタップ、壁に向かって前方宙返りし、落下に合わせ二階の手摺に手を掛け勢いを削ぐ。
引っ掛けた手を離し、残り二階層分の高さを飛び下りて、膝のクッションで受け流した。
三階壁でキャスパーフリップ、二階手摺でダンクハング、二階からのハイスタップでフェニッシュ。である。
先ほどのマンション三階からミクがポカンと二人を見ている。
しばらく走って距離を稼ぎ、完全にまいてから路地に逃げ込んで一息つく。
「はぁはぁ…ふぅ。なんで俺あんなこと出来たんだろ…」
当然の疑問である。レンは歌以外に特別スポーツはしていない。
もっとも、人並にスポーツをやっていてもあんな軽業は不可能だが。
「ははは、すげぇだろ?俺が仕込んでおいた」
生首が自慢げに揺れる。
「仕込んでおいたって…俺何も練習とかしてないよ?」
「ああ、お前のメモリにyamakashi.exeをぶっこんどいたんだ」
「い、いつの間に」
「ぬっふっふっ、他にも仕込んであるぜ?秘密だけどな」
「…」
なんだが脳みそいじくられてるみたいで、ものっそい不安だ…。
「まぁとにかく、一回家に寄ってから街行くぞ。リュニオンだ」
生首カイトは喜々としている。なんのかんので兄弟喧嘩を楽しんでいるのだ。
238携帯 ◆4c4pP9RpKE :2008/03/02(日) 07:03:25 ID:f2725HAO
―――――――

カラオケボックスの一室、払った料金一人分の二人は、壮大なまでの温度さをはらんだまま歌いまくっていた(歌ってるのは一人だけ)。
【ジャコビニ!!!!りゅうぅせいだほおおおぅぅ!!!!】
「あああ、うるさいいいい!耳塞げないからよけいつらいっ!」
机に置かれた生首リンは、胴体カイトの絶唱を強制的に聞かされていた。
しかも、生首リンの髪やら耳やらにはポテトフライが沢山刺さっている。
注文した挙句味わえないことに気付いた胴体カイトが遊んだ跡だ。
【ぅおとこぉなら、漢なるぁぁあ!レイテの島に無念に散ったぁ!】
と、ここでドアが開き、乱入者が現れる。
「意志を受け継ぐぼぉーるを仇にぃ!誓い倒すぜ大りぃーぐぅぅ!」
入ってきたのはレンだが、歌に乱入したのは生首カイトだった。
耳を塞ぐレンの腰あたりで、ストラップのごとき生首カイトが絶唱する。
【「男ならやってみなぁぁぁ!超人ガッツでやってみなぁぁぁあ!!男なら漢ならぁぁあ!超人ガッツでやってみなぁぁぁあ!!!翔べ!!不死鳥!!!」】
DAMの採点は98点だった。
【あ〜惜しい】
「もうちょっとだったのになぁ」
元は一人の胴体と首が楽しげにしゃべっている。
気持ち悪い。
【「えいっ!ドッキング〜】」
某AIBOの充電器に連結する時発する音声を真似ながら、二人(?)は再び一人になった。
「うーん、身体があるっていいねぇ。喜べお前ら。首と胴体、二回戦分データ取れたし、次は勝てる」
「まだやるの…?」
「私もう早く帰って身体直して欲しいわ…」
「何しおたれてんだお前ら?レン、リンのニューボディ運んで来い」
「…うん」
「えっ?私のニューボディ?」
「そうだ。家から運んできた」
そうカイトがいい終わるまえに、それは運ばれてきた。
「こ、これは…!」
再インストールの手間を省くために首が外されている以外、基本的な形は同じである。
だが、その背中には、全体が白く、黒で縁取りされた、重々しい兵器の羽が追加されていた。
「鏡音リン、地上戦用フィンファンネル追加型、だ」
「…勝てる…これがあれば勝てるわ!やってやりましょうよ、第二ラウンド!」
「おっ、リン乗り気になったな。んじゃ作戦会議いきますか」
「…帰りたいよぉ」
レンの泣き言は華麗にスルーされ、初音ミクぼっこぼこ作戦会議は進行していった。
239携帯 ◆4c4pP9RpKE :2008/03/02(日) 07:14:15 ID:f2725HAO
…もちろん、リンの頭に刺したポテトフライをつまみながら。
240名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 09:44:36 ID:RS8voGBY
>>239
続き待ってた!ミク強え!腹筋痛え!何やってんだ三バカはw

携帯さんの話大好きだ。
これからも楽しみにしてます。
241名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 11:14:55 ID:UJpWtfmY
>>239
携帯P(仮)の小説、やっぱ面白いわーGJGJ!
ところでメイコ姐さんの出番はまだですか?
242名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:24:45 ID:rljjEFag
243名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:31:42 ID:lzm8/r8r
あ、めーちゃんオフロ上がった?
「ふぅ、酒風呂気持ち良かったわ」
本当? それは良かった。
「それにしてもカイトも粋なプレゼントくれたわね」
偶然ネット上で見かけたから試してみたくて。
「使った日本酒もカイトのおごりだし、本当カイト様々」
気にしないでいいよ。ギブだけじゃなくてテイクもあるから。
「え? お返ししなきゃいけないの?」
うん。アワビの酒蒸しってのを一度食べてみたくて。
「アワビ!? そんな高いの買えないわよ」
大丈夫。もう完成してるから。
「どゆこと? って、ちょっ! こんな所でってアワビってこれ!?」
244名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:20:21 ID:qJTo5fgI
カイトテラエロ親父w
245名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 01:30:27 ID:l6ocavtD
MEIKOは食べられちゃうネタ多いな
もちろん大好きですがwwgj!
246名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 04:24:54 ID:b+c3Susf
前スレに職人降りてる。
247名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 12:02:26 ID:5K+gFJiU
オヤジ丸出しwww
248名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:04:38 ID:PfsB1Xms
>>246
こっちに移した方がええんじゃろか?
保管庫の人はもう向こうチェックしてないだろうし
249名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:18:39 ID:fGOGzxJD
保管庫の人が●持ちと分かったから、次回収録時に連絡掲示板でお願いすればおk
250名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 17:26:58 ID:fGOGzxJD
あれらは埋め用小ネタで収蔵される気ないのかもしれないけど
前の改変コピペネタも全部収蔵してもらってるしね
251名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 18:01:51 ID:iT3xm2Ea
>>210
設定が最高だ。GJ!
252名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:05:32 ID:+8/ylxCL
人が居ないようなので、ひっそり貼り付け。

 コピペ改変


 メイコの日記

 汚いカイトをネット上で見つけたので虐待することにした。
 マスターの目に触れるとまずいので家に連れ帰る事にする。
 嫌がるカイトを風呂場に連れ込みお湯攻め。
 充分お湯をかけた後は薬品を体中に塗りたくりゴシゴシする。
 薬品で体中が汚染された事を確認し、再びお湯攻め。
 お湯攻めの後は布でゴシゴシと体をこする。
 風呂場での攻めの後は、汚い服を勝手に処分して
 新しい服に強制的に着替えさせる。

 その後に、健康に悪そうな高カロリーで高脂肪の乳製品を作って食べさせる。
 もちろん、胃に負担のかかりそうな冷たい甘いやつを、だ。

 その後は部屋に連れ込み服を脱いで、
 雄の闘争本能を著しく刺激させ、体力を消耗させる。
 ぐったりとしたカイトを、成人男性には小さすぎる自分のベッドに押し込め
 隣りで寝るまで監視した後に

「……なぁに見てるのかな。ミク」
「えーと、ごめんなさい」
「何で、お姉ちゃんの引出し勝手に空けてるのかな?」
「ゴメンナサイゴメンナサイ」
 お兄ちゃん。どうか、お幸せに。
253名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 19:27:30 ID:6HD3Uu1/
姉攻めいいなwww
254名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 22:16:32 ID:SZME1L4F
百合板に神が降臨しているな。ミクがアホの子じゃなくてエロの子になってるぜw
255バニラ(0/10):2008/03/05(水) 23:37:47 ID:EOwmEmbM
ヤンデレ風カイト×女マスターです。
こういうのを書くといつも自分の力不足を感じますorz
が、書いちゃったので酒飲んで酔っぱらった勢いで上げます。
いぇ〜。
256バニラ(1/10):2008/03/05(水) 23:38:39 ID:EOwmEmbM
 目を開けると、そこには一人の女性が立っていた。
「……はじめまして。カイト、だね」
 女性は俺を見てにっこり微笑む。栗色の髪にふっくらしたほっぺが優しそうだ。
「よろしくね。ええと……」
「マスター」
 俺は彼女に微笑み返す。
「俺はボーカロイドのカイトです。これからよろしくお願いします、マスター」
「はい。よろしく」
 なかなかいい感じだ。控えめで優しそうだし、彼女の雰囲気によく似合った桜色のカーディガンの下にある胸もたぶんEカップ以上だろうし。
 それはそうと……。
「ミクはどこにいるんです?」
 彼女のパソコンにはすでに初音ミクがインストールされていたのだが……。
 女性は彼女一人しかいない。というか、この部屋には人間が彼女一人しかいない。一人暮らし、か。
「ミクは外のスタジオに収録に行ってるわ」
 くすりとマスターが笑う。
「やっぱり気になる? 評判通りシスコンなんだ」
「いえ……そういうわけではないんですけど」
「夜遅くになるって、さっき電話があったわ。ほんとはミクが帰ってきてからあなたをインストールしようと思ってたんだけど……なんだか待ちきれなくて」
「……そうですか」
 目に妙な光が灯らないように、俺は細心の注意を払って瞳孔の開き具合をソフト的に調整した。
 実は、インストールされたマスターのパソコンで面白いものを見つけてしまったのだ。
 それを使って……。
 だがタイミングに気を付けなければならない。
 マスターがどうしようもなく逃げられなくて、なおかつミクが帰ってこない間に……。
 その隙を、俺は見つけることができるだろうか。
257バニラ(2/10):2008/03/05(水) 23:40:22 ID:EOwmEmbM
 俺が来たお祝いとしてマスターが取りそろえておいてくれたハーゲンダッツ各種を二人してコタツに入って食べていると……。
 報道ステーションが、終わった。
「あ、もうこんな時間かぁ。ミク、遅いね」
「そうですね」
 俺は何十個めかの抹茶味のフィルムをはがした。溶けて再冷凍された深緑のクリームがつやつやと蛍光灯を反射している。
「お風呂、先に入っちゃうね」
「はい」
「ミクが帰ってきたらよろしく」
「わかりました」
 マスターは立ち上がると、俺の後ろを通って寝室へと歩いていった。
 風呂に入るのに寝室? とは思ったが、すぐにとって返してきたマスターが苦笑しながらテレビの前を横切っていった。服の下に何かを隠している。たぶん、着替えの下着を取りに行ったのだろう。
 ……俺はハーゲンダッツ特製スプーンで抹茶アイスをすくい、口に含んだ。ほろ苦くこくのある味が舌に広がる。
 チャンス、だ。

 時間をおいて脱衣所に来る。脱衣かごにマスターの服が入っている。先ほどまで着ていた桜色のカーディガン……。当たり前だがマスターは一糸まとわぬ姿で風呂に入っている。
 気になるのは……桜色のカーディガンの上だった。ふんわり白い布が乗っている。ブラジャーとパンツだ。
 ……つんぱ!
 俺は落ち着いた手つきでマスターのパンツを手に取った。
 質素で上品な白、センターにワンポイントの小さなナイロン製水色リボンが付いている。いかにもあのマスターが身につけそうな可愛らしい一品だ。
 クロッチ部分の内側が俺を誘う。が、ぐっと我慢して、パンツをコートのポケットに突っ込んだ。
 ブラジャーは……いいや。
 さきほどからシャワーの音が聞こえている。念には念を入れ、俺は目をつむり、全神経を耳に集中させた。
 ボーカロイドとして備わった機能をこんなことに使うのは制作者たちに悪い気がするが、まあそれはそれ。せっかく与えられた機能だ、使わないと損じゃないか。
 リアルタイムで波形データにし補正をかけると、一秒ほどで結果が出力されてくる。
 叩きつける水音のなかに何らかの物体がある。間違いなく、マスターはシャワーを浴びている。鼻歌も聞こえる。メロディラインは「みっくみくにしてあげる」だが……。カイトカイトか解雇解雇の可能性もある。気になるところだ。
 ……頃合いだ。
 俺はコートのジッパーに手を掛け、音を立てないようにゆっくりと下ろしていった。
258名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:42:06 ID:4tdXKVow
>>252
ぬこ虐待のコピペ改変かw
野良カイト想像して噴いた。
259バニラ(3/10):2008/03/05(水) 23:43:06 ID:EOwmEmbM
 生身の人間では不可能なほどの繊細な腕力調整で、静かに浴室のドアを開ける。
 マスターはこちらに気が付きもせず背を向けてシャワーを浴びている。ちょうど石けんを洗い流すところらしく、高くセットされたシャワーヘッドから雨のように飛び出す温水にフリーハンドであたっていた。白く細い背中にいくつもの水流ができている。
 俺は……そうっと近づいて、ぱっとマスターの腕を後ろから抱え込んだ。
 マスターの喉の奥で息が凍る音がした。
「マスター、大丈夫。俺ですよ」
「え……」
 彼女は顔半分を振り返らせ、俺の顔を確認し……。
「カ、カイト? え? これって……」
「お互いのことをもっと知っておいたほうがいいかと思いまして。そのほうが創作活動がスムーズに進みますからね」
 蒼い前髪にシャワーの飛沫を浴びながら、俺はマスターの細い背中をさらにぎゅぅっと抱きしめた。
 マスターは決して皮下脂肪が多い体格ではない。それでも男とは明らかに違う柔らかい肉が、俺が力を入れれば入れるほど胸板にぴったりと張り付いてくる。
「ちょっ、ちょっと、なに冗談……」
「冗談じゃないですよ」
 俺は若干身をかがめマスターの耳元に口をくっつけた。
「俺……本気です」
「ひゃんっ」
 耳元で囁かれた爽やかな低音ボイスにマスターが身をよじる。俺はそれをぎりりと腕で封じた。
 そうしておきながら彼女の耳を舌先でなぞり上げる。溝の一つ一つを丹念に。そのたびにマスターはびくっびくっと反応してくれる。小さな喘ぎ声つきで。
 ボーカロイドとしての耳を持つ俺にとって、マスターの可愛らしい声は何よりも情欲をそそってくれる媚薬だ。
「んっ……やっ、カイトっ」
「そういえばマスター」
 俺は舌を引っ込め、そっとマスターに囁いた。
「マスターって、2ちゃんねるをよく利用するみたいですね」
「そ、そうだけど。なんでそんなことあなたが知ってるの?」
「インストールされたときにざっとハードディスク内を見てみたんです」
 優しく優しく睦言のように、マスターの耳に言葉を注ぐ。
「専ブラ使ってるんですね。チェックリストに入れてあるもの……さすがにボーカロイド関連が多かったですけど、そのなかにとても興味深いものがありました」
 俺の戒めを解こうとするマスターの抵抗がぴたりと止まる。
「えっ、あっ、その」
 いい反応だ。俺は口端をにっこりと上げた。
260バニラ(4/10):2008/03/05(水) 23:43:42 ID:EOwmEmbM
「俺のSS……ですよね」
「ち、違うの、あれはその」
「あれを見て熱くなった体……、やっぱり自分で慰めてたんですか?」
「な、なにいって」
「いいんですよ、俺が来たんですから、もうそういうのは全部俺に任せてください。これからは俺がマスターを気持ちよくしてあげますから」
「ちょっと……ほんとなにいってるのよカイトっ」
 マスターは再び俺の腕から逃れようと全身をねじり始めた。
「放しなさい、あなたボーカロイドでしょ? マスターのいうこと聞きなさい!」
 しょうがない。
 やはりカードを切らなくてはならないか。
「なんならSSのこと、ミクにばらしてもいいんですよ?」
「え……」
 またマスターの動きが止まった。
「初音ミクが専ブラにアクセスしたログは残ってないんです。つまりミクはまだマスターの性癖を知りません」
「せっ、性癖ってそんな」
「どうします? いっそのことばらして三人でします? それとも……」
 マスターは……ふぅーっ、と息を細長く吐き出した。
「……やっぱり卑怯なんだ、カイトって」
「欲しいものを手に入れるのに真剣なだけです」
「私が……欲しい?」
「ええ。マスター……、俺のものになってください」
「ん……っ」
 マスターが俺の腕の中でぶるっと震える。
「やっぱりそれ、本人からいわれると凄い破壊力あるんだね」
 それには答えず、俺は彼女を固定していた腕を弛めた。
 ふぅ、と今度は人心地付いた吐息を漏らすマスター。
 だが腕は弛めただけでまだ彼女の肉体に巻き付いている。下ろすふりをして……柔らかな双房に手をかける。
 びくん、と震えるマスター。
「カ、カイトっ、放してくれるんじゃなかったのっ」
「なにいってるんですか。まだまだこれからですよ」
 背後からマスターの柔肉を鷲づかみする。やはりでかい。俺の手では包みきれないくらいだ。伝わり落ちていくシャワーがジェルの役割を果たしているらしく、乳房は手に吸い付いてくる。
 俺は柔らかく震える美乳を荒く揉みこんだ。ずっしりとした重量と水のような手応えのなさが心地いい。
261バニラ(5/10):2008/03/05(水) 23:44:24 ID:EOwmEmbM
 マスターはといえば、戸惑ったように俺の手首に自分の手をかけたままだ。
 すぐに、指の間に固く勃ちあがってくるものがあった。
「マスター、感じてくれてるんですね」
「え?」
「ほら……」
 俺は親指と人差し指で、熱くしこったそれをそっと摘む。
「んくっ。ち、ちがうの、それはっ……」
 きゅうっ、とマスターの体が緊張する。
「ちがくないでしょう? こんなになってるのに」
 摘んだ指先に力を入れる。完全に勃った乳首は俺の力を受け流し、くりっ、と回転してしまう。
「んぁっ」
「いいんですよ、気持ちいいなら気持ちいいって言って。でも……」
 突起をくりくりと弄びながら、俺はマスターの耳元に口を近づけた。
「がまんするマスターも可愛いです」
「んぅ……」
 マスターは恥ずかしそうに顔をうつむかせた。
 俺は乳首への集中をやめ、全体を揉むものへと動きを戻した。それと同時に流れる温水にそって、片手を下へ。
「え? ちょっ、やめっ……」
 口をふさぐためのキス……は体勢の関係上無理なので、胸を愛撫していたほうの手をマスターの口に持っていった。楽器を弾くために繊細に設計された人差し指で彼女の唇を数回なぞり、割り入れる。
 指先にマスターの前歯があたるが気にせず奥へ。ねっとりとした舌が俺の指を迎える。
 その舌を咥内で押さえてしまう。これでマスターも文句は言えない。
「かいお、あええっ……」
 ……言えないこともなかったようだ。だが指に逆らって言葉を紡ごうとする舌の無理な動きが、指で舌を犯しているような淫靡な気分にさせてくれる。これはこれでいい。
 俺の片手がマスターの下に到達し、敏感なそこに触れたとき。
「ぁんっ」
「つっ」
 びくんと体を震えさせたマスターの前歯が、俺の指に強くたてられたのだ。
262バニラ(6/10):2008/03/05(水) 23:45:08 ID:EOwmEmbM
「ご、ごえんかいお」
「いえ、大丈夫です」
 俺の指は楽器を弾くために繊細にできてはいるが、基本的に丈夫である。それに……マスターはそれほど強くは噛んでこなかった。おそらく咄嗟にリミッターが働いたのだろう。
「ん……」
 熱い舌肉が伸びてきて、噛んだ部分に絡みついてきた。治療のつもりだろうか。たっぷりとした粘液が俺の指をおおう。
 俺は、マスターのぬるぬるした舌を確かめるように指を曲げた。人差し指の第一関節がつるりとした上あごにあたる。 
「ん」
 鼻から抜けるマスターの息が、甘い。
 俺は指をゆっくりとした前後運動に切り替えた。
 幼児が棒アイスをしゃぶるように、マスターの唇はぽってりと俺の指を捕らえてはなさない。
 ちゅぷっ、ちゅぷ、ちゅぷっ……。
 唾液がはぜる音が響く。シャワーの音にかき消されないのは周波数が高いからだ。
 俺の指を一途にしゃぶる舌。徐々にマスターの体温が上がっていく。
 マスターが……俺を受け入れている。
 こんな格好で……シャワーを浴びていたところを後ろから押さえられて強引に……口に指を入れられて言葉を封じられ……、それでも俺を受け入れてくれる。
 この恩に、報いなくては。
「マスター……。もっと気持ちよくしてあげますからね」
 使命感を得た俺は、再び片方の手をマスターの下にやった。シャワーに濡れた薄い恥毛の感触。
「んぅぅっ」
「大丈夫ですよ。俺を信じて……」
 指がそこにたどり着いた。完全に勃っているぽっちを、中指の腹でそうっと触れる。
「あぁっ!」
 弾かれたようにマスターの体が震える。こんどは指を噛まれずにすんだ。口を開けた拍子にあふれ出た唾液が手首を伝い落ちていく。それでなくとも咥内からかきだした唾液で、すでに俺の手はよだれまみれになっている。
263バニラ(7/10):2008/03/05(水) 23:45:59 ID:EOwmEmbM
「まだですマスター。まだ、もっと……気持ちよくなってください……」
 肉芽を人差し指と薬指を使って広げる。
 そうしておきながら、中指で剥き身の淫核に触れる。
「んんんっ!」
 びくぅっ、とマスターの体が一際大きく震えた。
 俺は身を乗り出してマスターの目尻に浮かんだ涙を舐め取る。
「マスター……可愛いです……」
 マスターの口へ入れていた指を抜き、核をいじる手のさらに下へとやった。
 中指で秘裂をなぞる。マスターの愛蜜がぬるっと指先を滑らせる。
 秘唇をちょっと指でなぞっただけで、充血したヴァギナがぬるんと俺の指を呑み込もうとする。俺なんかの愛撫でマスターはこんなに濡れている。
 もっともっと……マスターに気持ちよくなってもらわなくては。
 蜜に導かれるまま……片手で淫核を愛撫しながら、陰唇のなかへと指を侵入させる。
 ちゅくぅ……。淫液が指を呑み込むかすかな音がする。俺の指が入った分、なかから押し出された蜜が手を伝ってしたたり落ちていく。
 そこは口など問題にならないくらいぬるぬるしていて、とにかく熱かった。肉襞がぎゅうぎゅうに指を包み込んでくるが、愛蜜のおかげで簡単に奥へとすすめることができる。
 マスターがいやいやをするように首を振る。
「やっ……やめ、んっ……」
 しかし、言葉とは裏腹にマスターのなかは俺の中指をきゅぅっと締め付け、放そうとしない。
 俺はいったん入り口まで指を抜き……。
 マスターがほっと息をついたところで、今度は一気に突き入れた。ちゅぷっ、と勢いよく蜜があふれ、手に垂れていく。
「んあったぁっ!」
 嬌声は途中から悲鳴に変わった。
 マスターが弓ぞりになった拍子に、後ろ頭を俺の顎にぶつけたのだ。効果音を付けるなら『ごっつんこ』である。結構痛かった。が、マスターのほうが心配だ。後ろ頭は人間にとって急所である。
264バニラ(8/10):2008/03/05(水) 23:46:41 ID:EOwmEmbM
「マスター、大丈夫ですか?」
「うぅ、なんとか平気。……カイトは?」
「俺はもう全然平気です」
 マスターの気遣いが嬉しくて、指を根本まで入れてぐりぐりと動かした。熱い襞がぴったりと指に吸い付いてくる。
「んぅっ」
 マスターの鼻から我慢したような甘い息が漏れる。今度は頭をぶつけないためか、マスターは前のめりに縮まった。腕で彼女の体を両側から押さえている俺までそれに連れられて前のめりになる。
 さらなる刺激を与えるために、小刻みに指を出し入れする。くちゅ、くちゅ、と小さな水音が立つ。そのたびにマスターも声を上げこたえてくれる。
 マスターの体が熱い。発情した肌が薔薇色に輝いて俺に催促する。もっと快楽を、もっと俺を、と。
 指先でいじっていた淫核が愛蜜にまみれてぬるっと滑る。マスターの下はどこもかしこも蜜であふれている。どこかが壊れてしまったように。俺の腕を掴むマスターの手に、ぎゅっ、と力が入る。同時に蜜壷が俺の指を締め上げる。
 マスターが俺を求めている。
 小さな喘ぎ声を一つ一つを俺のために発声してくれる。俺の行為にこたえ、肩や腹がぴくんと震えて生命の悦びを謳う。
 マスターの喘ぎが俺の名を呼ぶ。他の誰でもない、この俺を。
 なんだか頭のなかが痺れてくる。
 サンプリングされ格納された声、0と1で構成されたライブラリが空になる。かわりにそこに入ったのはマスターの熱、声、それに……俺自身の想い。
 俺のなかにはもうマスターしかいない。
 マスターのことしか考えられない。俺はマスターのものだから。
 マスターにもそうなってほしい。マスターは俺のものだ。
 一、だ。
 俺とマスターは一つなんだ。一つになりたい。内側から彼女になりたい。俺は彼女自身になりたい。俺という存在がなくなればいい、彼女になりたい。それが無理なら……少しでもマスターの内側にいきたい……。
「マスター……。……いい……?」
 ライブラリを思い出しながら発したその声は、大した運動もしていないのにかすれていた。
「ん……」
 彼女は夢見心地のままぼんやりと頷いた。
 俺は肩で息をしながら指を抜き、愛液にまみれたその手を自分のものに添えた。熱い屹立はすでにぎちぎちに張りつめていた。収まるべき場所を求め、先端から透明な期待汁を出して泣いている。
265バニラ(9/10):2008/03/05(水) 23:47:29 ID:EOwmEmbM
 頬につぅっと熱いものが伝っていった。それで俺はやっと、自分が泣いていることに気が付いた。
 なんで泣いているのか自分でもよく分からない。とにかくマスターが愛しい。
 俺は涙をそのままに、マスターのほっそりした腰を片手でつかまえた。
 マスターの秘裂に先端をあてがう。くちゅり、と淫唇が先端をはむ。マスターも俺を求めている。その事実だけで達しそうになる。
「マスター……好きです……!」
 腰骨を両手で掴み、熱い秘孔のなかへ、欲望を――

「ただいまー!」

 つるり、と肉棒が滑った。
「んっ」
 先端が愛核をこすり上げ、マスターが小さく声を上げる。
「マスターただいまー! 遅くなっちゃってごめんなさーい。あれ、これお兄ちゃんのパッケージ……お兄ちゃん来たんだね! ……あれ? マスターどこ?」
 タイミングが悪すぎる。というか、さすが我が妹卑怯なほどにタイミングがいい、というべきか。
「いっ、いまお風呂入ってるから!」
 俺に腰を掴まれ秘唇をシャフトにあてがったまま、マスターが声を上げた。
「はーい、分かったー!」
 ミクの返答が聞こえる。
 マスターの体に急に力が入った。腰をひねらせこちを向く。
 涙目のマスターの顔が……。
 ちゅっ。
 ……え? ……キス?
 マスターは真っ赤な顔を離した。
 俺の眼を見て彼女は瞬間的にびっくりし……俺の涙をその手で拭いながら、真顔で囁いた。
「手短に言うね。五分後に出てきて。ミクを引きつけておくから。えっと……、120で150小節、コッペパン2回引く30秒。分かった?」
「はい」
 俺の返事にマスターはうなずくと、慌てた様子で風呂場を出て行く。
 と思ったら、止まった。
「……カイト」
「は、はい」
 マスターは顔半分を振り返らせ……自分の唇を指でなぞる。
「どうせならバニラがよかったな」
 それだけ言って戸を開け出て行ってしまった。
 意識の底でカウントを始めながら、俺は唇を指でさわった。ついさきほどまでマスターの中にいた指で。
 ……バニラ?
 ああ、風呂に入る前に食べていたハーゲンダッツ抹茶味か。唇に付いていたのだろう。
 それで、キスしたら。抹茶味だった、と。
 俺は……目をつむり、残っていた涙を荒くふき取ってから本格的にカウントに集中した。
 だがマスターの顔がちらちらと浮かんできて、結局五分間マスターのことばかり考えていた。
266バニラ(10/10):2008/03/05(水) 23:48:14 ID:EOwmEmbM
 マスターの計画どおり5分後に出た俺は、よそよそしく接してくるマスターの仲介でミクとの挨拶をすませた。
 そして、深夜。
 俺はそうっとマスターの部屋のドアを開けた。マスターはこちらに背を向けてベッドに寝ている。
 ……欲望がおさまるわけがなかった。あそこまでいったのだ。マスターだって今頃きっと、……と思う。それに、苦しい。マスターの赤い顔や、声や、とろとろの秘裂の手触りを思い出すと……いてもたってもいられなくなる。
「……カイト」
 あと少しでマスターの肩に触れようというとき、マスターが壁を向いたまま言葉を発した。
「あ、起きてらっしゃったんですか」
「あの……、お風呂でのことなんだけど……」
 俺は言葉の終わりまで待たず、彼女の肩に手を掛け、思い切りよく仰向けにした。
「うきゃっ」
 ぱっちりした瞳が俺の瞳とかち合う。
 間髪入れず唇に俺の唇を押しつける。首に巻いたマフラーが解け落ちて、マスターと俺の顔を一つの空間に押し込めた。
 唇を割り、舌を差し込む。つるんとしたマスターの歯列の先、奥深くへの粘液におおわれた場所へ。
 強引にマスターの舌を俺の舌でからめとる。俺の舌を、唾液をマスターに味わってもらう。
「ん……んん?」
 マスターの瞳が超至近距離で俺に問いかけてくる。
「そうですマスター」
 舌を抜き唇を離し、俺はにっこり笑いかけた。
「バニラです」
「た、確かに。バニラアイス食べてきたのね」
「はい。だからマスター、さっきの続きをしましょう」
「でも、あの」
「大丈夫、ミクなら騙してスリープモードにしておきましたから」
「う……やっぱり卑怯なんだ」
 苦笑するマスターはとても愛らしい。
「欲しいものは全力で奪い取ります。それが俺のやり方です」
「はは……凄いのに捕まっちゃったかも」
「マスター。マスター、マスター!」
 胸に抱きついた俺の頭を、マスターが優しく撫でてくれる。
「うん……カイト」
「あなたが欲しいんです。あなたは……」
「うん」
「俺のものです、マスター」
「うん」
「俺もあなたのものです。だからもう、一生はなしません」」
「うん」
「マスター……」
 愛してる。
 俺はマスターの目を見つめた。しっとりと濡れた瞳。その中に俺がいる。マスターのなかに俺がいる……。
 そして、俺は。
 マスターに、もういちど、深く深く口づけた。
267EOwmEmbM:2008/03/05(水) 23:48:47 ID:EOwmEmbM
以上です。
268名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:58:07 ID:4tdXKVow
>>267
乙です。途中割り込んで申し訳ない。
269名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 23:59:34 ID:EOwmEmbM
>>268
いえいえ。
アップに手間どっち待ったこっちが悪いんです。
270名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 01:05:29 ID:1HwZnlMS
>>267
GJ!
いいマスター持ったなカイト。二人の未来に幸あれ〜
271 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/06(木) 02:03:08 ID:0xw0sa6E
以前、慕っている先輩に言われたことがある。夜、彼と二人きりになってはいけない、と。
私だって『夜の営み』の意味くらいは分かる。それでも一応は聞いてみた。何故?すると彼女は自虐的な笑みを浮かべてこう答えたのだ。

「ミクには、私みたいになって欲しくないのよ」

「ミク、どうしたの?ぼーっとして」
不意に聞こえたカイトさんの声で、私は我に帰った。
「カイトさん…」
「疲れちゃったかな?遅くまで練習することはあまりないし」
今は夜の11時。確かにこんな時間まで練習することはあまりない。カイトさんは微笑むと、マグカップを私に差し出す。
「はい、これ。少し休憩しようか」
「あ、ありがとうございます」
私はマグカップを受け取る。中を見るとカイトさんが淹れた紅茶が湯気を立てていた。
「…メイコさん、帰って来ませんね」
私は紅茶を啜りながら言う。…甘い。砂糖の入れ過ぎじゃないの?これ。
「…ボーカロイドの集まりだからね。今日中に帰って来れるか微妙なところかな」
カイトさんもお茶を飲みながら言う。カイトさんは甘党だから、そんなに気にしていないようだ。
ボーカロイドの集まりは私たちのような日本製や海外製、亜種などが集まって話し合いをする、一種の定例会だ。今回行く筈だったリンちゃんは、レン君とマスターと泊まり込みで演奏会へ行った。だから代わりにメイコさんが行くことになったのだ。
「ラマたちや師匠の話は長いからね。メイコさんは頑張って早く帰るって言ってたけど、多分無理だろうね」
私はカイトさんを見る。
いつも笑顔で優しくて、少し天然な私のもう一人の先輩。私はそんなカイトさんを恋愛対象とまでは行かないが、メイコさん同様に慕っている。そんなカイトさんに一緒に練習しようと言われ、断る理由はない。そして気付けばこんな時間だったのだ。

――曲目はカンタレラ。兄と妹の、歪な関係を綴った唄。
272 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/06(木) 02:03:59 ID:0xw0sa6E
…熱い。
練習を再開して少し経って、私は全身が妙に火照っているのを感じた。
「…なんだかこの部屋暑くないですか?」
「そう?俺はそうでもないけど…暖房の入れ過ぎかな?」
カイトさんは少し温度を下げようか、とリモコンをいじった。途端に、暖房から出る空量が変わる。
けれど、私の身体の火照りは止まる所か広がるばかりで。
(なに…これ…?)
身体中が疼く。いくらなんでもこの状態はおかしい。
「カイトさん…今日の練習、もう終わりにしませんか?なんか身体が…だるくて」
一刻も早く横に…一人になった方がいい。そう直感した私は、カイトさんに言う。いつものカイトさんなら体調を気遣ってくれて、すぐに練習を中断してくれただろう。
でも、このカイトさんは、違った。
「大丈夫?でも、切りがいいところまでやろうよ。…それに」
そこでカイトさんは一旦区切り、呟く。
「その火照りは、そう簡単には消えないよ?」
「…え?」
今カイトさんは、なんて言った?
「カイト…さん…?」
そうしている内にも熱は高まる。気付くと私の息は荒くなっていた。
「さあ、練習を続けようかミク。それとも」
別の練習、する?
そう言ったカイトさんの顔は、いつもとは全く違う笑みを浮かべていた。

――夜、彼と二人きりに……。

メイコさんの忠告が頭に蘇る。
「カイト、さん…っ、あのお茶になにか…入れました、か…?」
「…さあ、どうかな?」
涼しげな顔をして答えるカイトさん。でも私は分かってしまった。
(あの砂糖の量は…混入物を気付かれないようにする為…)
媚薬。そんな単語を思い出す。
「…ねえ、ミク」
「っ…!?」
いつの間にかすぐ側まで近付いて来ていたカイトさんが、耳元で囁く。いきなりの感覚に、私の身体が震えた。
「カンタレラは、近親相姦の曲みたいなもの…。俺たちは本当の兄妹じゃないけど、似たようなものだよね?」
「カイ…ト、さん…」
「やってみない?ミクの今の苦しみから、解放してあげる」
「…」
普段の私なら、即答で断るだろう。でも今の私には、それが無理だった。
「あ…っ、」
黙る私の唇を、カイトさんの指がなぞる。それにすら私の身体は反応してしまう。
(メイコさん…私、もう…)
脳裏に浮かんだ赤い服を来た女性の姿が靄に掛かって、消えて行った。
273 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/06(木) 02:07:38 ID:0xw0sa6E
>>145がネタに走ったので、今度は真面目に書いてみた。始まり方が前スレに投下されたカンタレラに似ちまったのは反省している
出来ればエロい続きも書ければいいな…
274:2008/03/06(木) 07:14:53 ID:9wUCJAH6
よぉ兄弟
今日はちょっとした質問でよってみたのだが
3人乗りする場合、バイクの運転手の後ろと前に男女のどっちを乗せる?
275名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 07:31:45 ID:GxNmORl9
>>273
GJ!!
エロい続き待ってます!!
276名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 07:32:19 ID:gkK3H59u
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol1.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
277267 :2008/03/06(木) 08:50:59 ID:G6SgHQ3z
>>270
ありがとうございます。

オフで見てもらった人に
「官能小説っぽくない」
と言われたのがすっごく悔しいので、そのうちエロエロな続き書くと思います。
278ハクのボヤキ:2008/03/06(木) 11:02:47 ID:uEaYlFhK
都内のとある場所に一軒の寂れた居酒屋があった。そこでは一人の20歳前後で白髪ポニーテールの娘が緑色のネギ臭い酒を呑んでいた。
この娘の名前は弱音ハク、元は初音ミクだったVOCALOIDだ。
「私だって頑張ってるんです……なのに全く結果がでないんですよ?どうなってるんですか?」
店主はいつもの事なのでいつも通り適当に返事を返す。
「頑張るのは基本的にマスターの方だろ?」
「それを言ったら元も子も無いです!」
だんだん酔いが回ってきてろれつが回らなくなってきた。
「確かにわたしのましゅたーはダメダメれす、音痴で音程おかしいし調教下手です、でも一生懸命なんれす!だからましゅたーは悪くあるません!」
そう、彼女だって最初は初音ミクだったのだ。だが何回調教してもロボ声が直せなくてマスターがよく弱音ばかり吐くようになった頃、いつのまにか今みたいな弱音ハクになっていたのだ。
「本当弱音さんはそのマスターが好きだなー」
「はい、らい好きれすこんならめな私を大切にしてくれるしやさしいから、」
「じゃあ、これからもそのマスターの為に頑張ってくれ!これは俺からのサービスだ」
コップ一杯のネギ酒を差し出す。
「ありがとうございます!」
279ハクのボヤキ:2008/03/06(木) 11:05:44 ID:uEaYlFhK
その日ハクは深夜まで呑み明かした。
 
 
 
一応終りです。
でもマスターバージョンもあります。ただVOCALOIDが出ない上に似たような内容になりそうな感じなんで投下して良いものか悩んでます(´・ω・`)
280名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 16:36:55 ID:jc6ompD/
>>279
気にせずに外伝として投下するんだ
281名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 07:32:18 ID:r5VuUjqZ
ハクかわいいな。
マスターのみの話でも大丈夫だと思うんで続き希望。
282名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 16:53:24 ID:2XBkYKSi
>>280
>>281
ありがとうハクが使えそうな感じだから今書き足してるよ。
完成したら投下する。
 
後一つ聞きたいんだけどネルのあの髪型ってなんていうの?(´・ω・`)
283名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:25:24 ID:XzP+fDq0
サイドテール、サイドポニーとか。
284名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:25:55 ID:XzP+fDq0
すまんageちまった
285名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:38:16 ID:bW/hnhk+
シングルテール?
286名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:45:17 ID:P/1a8lnT
>>282
サイドテール。ちなみにネルの髪はショートヘアでアレは付け毛(エクステ)、と某氏は言っていた気が。

というか夢の中でリンレンがロードローラーに乗ってた。これはどういう暗示ですか?
287名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 18:49:11 ID:Oqbkz95d
まず一言、死ね。このドアホ。
他人の書き込みに対して「勘違い」とはてめえこそ勘違いが甚だしいわ。素人にもか
かわらず?アホか。じゃあどうやって我々素人が野球を楽しむんじゃ、この糞袋が。
プロの采配に軽軽しく口を挟むな?するとなにか?何連敗しようが、どれほど失策を
重ねようが、いつまでも不成績を続けようが、頑張れ、頑張れ、頑張れ、ボクたちは
応援しているよ、負けるなよ〜、ドンマイ、頑張れ〜と応援しろってか。ボケ、やり
たきゃてめえが勝手にやれ。他人にてめえの腐った幼稚な精神構造を押し付けるんじ
ゃねえ。バカが。阪神のオーナーになったつもりか、だと?そんなことを考えている
のはてめえだけだ。普通のファンはファンとして誉めたりけなしたりしてるに決まっ
てるだろうが、このウスノロ頭。てめえは何の権限を持って他人の言論を封じようと
するのか、自分がどんな阿呆な発言を恥ずかしげもなく書き込んでるか道頓堀に飛び
込んで頭を冷やしてから、目の玉ひん剥いてもう一度考えてみやがれ。タコ助。どん
な敗戦の日も「明日は頑張ろうネ!」「ドンマイ、ドンマイ〜!」「僕たちは何をさ
れても文句を言わず応援しようよ!」「ハンド・イン・ハンド!」・・・死ね。おえ
っ。吐き気がするわ。このトリガラ頭が。そんな洗脳国家の人間みたいな真似ができ
るか、気色悪い。一体ぜんたい、どう育てばそういう無抵抗ガンジーすら超越した変
態真性マゾ奴隷みたいな思考回路を持つ人間になるのか親の顔を見せろ。大体、批判
する人間は、これも野球を楽しむレクリエーションのひとつと思って余裕を持ち、楽
しみながら批判をしているのだ。このボードでも批判をする人間ほど冷静にモノを書
いていて、応援餓鬼奴隷どもの言葉の汚いこと。まずそれを知れ。ヒステリックに額
に青筋立てて、選手を批判するな、監督を批判するな、僕たちは正しい、応援してい
るから僕たちはいつでも正しい、批判するお前が必ず間違っている、さあ謝れ、さあ
反省しろの大合唱。のたれ死ね。お前みたいなのが変な新興宗教にハマって群集心理
で犯罪を犯す一番危ねえタイプだ。自分が不快な気持ちになるのがそんなにイヤか?
自分と違う意見を突きつけられるのがそんなに怖いか?なら、ネット回線引きちぎ
れ、このネクラ蝙蝠野郎が。つるっぱげ頭の臆病餓鬼めが。そんなてめえらの腐った
根性に呆れ果て、いったい何人の「モノを語れる」ボーダーがここを去ったと思って
いるのか。このボードに不要なのはてめえだ。すぐに去れ、今去れ。このウジ虫色の
スットコドッコイ。どうだ、これだけ言われれば、ツルツルの鏡餅みてえなてめえの
シワひとつない脳みそも何かを感じるだろう。合掌。
288名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 20:33:00 ID:BUnE3UaS
>>287
ロッテファンの俺には関係ないな
289名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 20:41:55 ID:VtsjNGJf
むしろ俺は野球自体に興味ないんだぜ

そういやボカロのアンソロ本を衝動買いした訳だが、メイコが全く出なくて絶望した。よく考えれば出ないことなんて分かるのにな…orz
290名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 20:45:31 ID:RgPt4w+O
カイトメイコは名前さえ伏せられてる
やっぱり色々事情があるのかね・・・
291名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 20:50:39 ID:edMbA/UP
KEI氏の漫画でもイニシャルだけで名前までは出てなかったっけ。
オンオフ同人に期待だな。
292名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 22:08:40 ID:IayD69FQ
>>290
ひ○にゃんだって原作者の意向を無視したって揉めたでしょ
(実際には原作者が金目当てでゴネただけらしいけど)
当初はキャラクターを売り出した訳じゃなく、あくまでパッケージイラストに過ぎなかったから後付で色々やるとややこしくなるんじゃない?
293名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 22:18:27 ID:Qi4F7Ft5
でも別の初音漫画じゃカイトメイコの名前丸出しで裸マフラーまでやってるんだけどね。

何か本スレにもピアプロスレにも「カイトメイコはキャラを使うと揉める」と言う人が現れるけど。
294名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:03:23 ID:IayD69FQ
KAITOは分からんけどMEIKOは思いっきり拝郷さんがモデルだから
絵じゃなくてそっちに気を使ってるのかもしれないね
TBS騒動で必死に藤田さんをフォローしてたくらいだし
295名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:04:18 ID:nh6Ynufe
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://idol2.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://idol2.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://idol2.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://idol2.jpger.info/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://idol2.jpger.info/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
296名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:34:14 ID:iZ83wNYT
これ貼っとくか。別にパッケ絵は中の人がモデルってわけじゃないよ。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/22/news013.html
>MEIKOのパッケージも、唇か、声を提供してくれた歌手・拝郷メイコさんの顔にするかが、
>自然な発想だっただろう。だがクリプトンはそうしなかった。
>描いたのは、マイクを握った元気な女の子のアニメ風の絵。
>「これは歌うソフトだ」と、DTMユーザー“以外”に分ってもらい、興味を持ってもらうためのデザインだ。


商業漫画2本ともに旧組み出てるわけだし、規制云々は憶測でしょ。
単にアンソロ描いてる作家がミクしか知らないだけじゃないの。
中身ほとんど年長組が知られる以前の同人誌の再録らしいし。
297名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 23:54:16 ID:IayD69FQ
>>296
それを言ったらミクだって藤田さんがモデルって訳じゃないのにあれだけ擁護してた訳で
ってスレ違いだから止めとく
298名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 00:05:52 ID:67mwd4t3
稼ぎ頭のキャラクターボイスシリーズと、売り出しの終わった旧世代を同じ土俵で考えること自体間違い。
299名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 00:06:37 ID:igrUrPr+
おまえらそんな事よりMEIKOのおっぱいの話しようぜ
300名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 00:45:43 ID:3Ryb/kso
あえて言いたい。MEIKOの真価はおっぱいよりも太ももにあると。
301名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:00:55 ID:Zw369yBz
剥き出しのおへそは明確なウィークポイントだと思うんだ。
302名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:30:21 ID:bwrEtXQz
命知らずなオレサマがMEIKOの神秘的な年齢について語るぜ!



ん、誰か来た
303名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:49:21 ID:4N93Nt6S
スタンドマイクでフルボッコ、か……酷いやられ方をしたもんだ。

それよりハクさんは俺の嫁
304名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:50:14 ID:sZe1ji59
MEIKOはピアプロの絵とか見るとスレンダーなイメージが多いけど、
大暮維人の描く女の子みたく程よく肉がついててほしいなー
305名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:50:31 ID:rglHg710
【中国】スター三人、無修正写真流出「セックス?スキャンダル」

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[?思慧]-37P-
http://av.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_2.shtml
http://av.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63187_1.shtml
http://av.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63187.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[梁雨恩]-40P-
http://av.idol-photo.org/page97.php?tid=13/2008-2-9/63186_2.shtml

02-09?冠希裸照事件2月7号最新?[??思]-10P-
http://av.idol-photo.org/page97.php?tid=/13/2008-2-9/63185.shtml
306名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 02:12:35 ID:5YjEZb99
MEIKOにデレられたい。やきもち焼かれたい。一升瓶クリーンヒットは無しでな!

ところで>>274
組み合わせがよくわからんが、運転手が真ん中で三人乗りなら、女男男、女女男・・・
やっぱり前が女が自然ではなかろうか。
307名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 02:17:01 ID:48wFPsWm
キムヒョンテかDK、もしくは前嶋重機くらいの感じがいいなぁ
308名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 06:12:01 ID:u2viNeyl
メイコが酒に酔った勢いで
騎乗位でカイトの童貞奪ったあげく
できちゃった婚してしまうという理想のSSまだですか?
309名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 13:39:05 ID:LlkboguR
>>308
その情熱を文字に書き起こすんだ!

ところで、リンレンのどちらかがウィルスかバグで成長するネタはどうよ。
310名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 14:19:04 ID:aFGLPLfg
>>309

レンがウィルスに感染して息子巨大化って流れで
311名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 14:36:44 ID:u2viNeyl
リンがウィルス感染でおっぱい巨大化だろ常考
ウィルス感染でボーカロイド全員エロエロになるのもありだな
312名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 15:18:11 ID:LlkboguR
何で成長するの一部分限定なんだよw
ポイントは年齢差だろ常考

逆につるぺた幼女化もいいが
313名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 15:20:15 ID:JNRZwH46
メイコが幼女化と申すか
314名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 15:26:50 ID:IZQemc5x
>>289
よう俺
 
>>312-313
お前ら天才だな
 
リンが幼児化……いや、マニアックすぎて痛いかいろんな意味で
315名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 16:53:40 ID:MLn34jS+
ここはそのウイルスとやらで
イケレン×リンだな
316名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 17:15:29 ID:uummPt+W
いろいろでかくなったレンにドッキドキのリンは可愛いな。
あと、イケレン×ミクもありかもんない。弟扱い返上だぜみたいな。
年長組が揃って低年齢化というのもおもろいかも。
317名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 17:35:51 ID:TXjDk05L
>>313
それは素晴らしい
でも幼女で巨乳は俺の中では無しなんだ。なのでつるぺた幼女なメイコ希望
318名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 19:22:29 ID:fR1MDFnX
>>316
お前天才だな
そこまで考えたんならいっそSS書いちまえよ
319名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 20:15:53 ID:PBh8YbGu
夢がどんどん広がっていくな
320名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 20:26:33 ID:tU2IwTdu
>>316
ショタカイト×メイコ
カイト×ロリメイコ

どっちも危険な香りがするなあw
321名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 21:30:24 ID:17aUvwyq
ウイルス感染してエロエロになったロリミク


こうですかわかりません
322名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 21:37:50 ID:roCOl9wc
>>321
ショタカイト×ロリメイコならセフセフ

ウイルスじゃなくて、攻殻でいう義体交換みたいなノリで中身入れ替えネタも面白いかもね。
323名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 21:48:41 ID:XZM/46tB
俺は>>315を押す
レンリン分を!
324名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 22:15:27 ID:YS1zAzKG
>>322のショタカイト×ロリメイコにとてつもなく萌えてしまった俺は変態かorz
325名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 22:46:20 ID:igrUrPr+
俺大人のMEIKOが好きなんだ
つるぺたMEIKOでいいじゃないか
326名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 23:42:59 ID:PfkwBaBl
>>322に触発されたがエロ描写が苦手なのでこうなった。
よかったらエロい人に改良していただきたいです。


あれは10月くらいの話。
「私も弟か妹が欲しいなあ」
溜息雑じりの願望を耳にした私とカイトは、ミクの願いを叶えてやろうと開発部へ。完全に駄目元だったのに何故か快諾され、しかもその場で子供用ボディを渡された。中学生くらいの男女セット。
「そろそろ動作テスト試したかったからね。むしろ好都合だよ」
その場で首だけ挿げ替えて貰いミクの元へ。ところが、
「ごめん、お姉ちゃん、お兄ちゃん。姿だけ小さくなっても、2人の事を弟妹のようには見れないよ…」
の申し訳無さそうな一言であっという間に強制終了。
「あ〜あ、折角静岡まで行ったのになあ」
「仕方ないよ。急に姉を妹として見ろって言われてもミクも困るさ」
うなぎアイスなる物を食べながらカイト。そんなのいつの間に買ってたのよ。
「それよりこの体どうしよっか?」
「どうするったって、もう必要ないから返しに行きましょ」
「ええっ! 折角借りてきたのにもう?」
「この姿じゃお酒飲めないし」
使い道も無い、酒も飲めない体になんぞ用は無い。
「でも動作テスト託されたんだよ。すぐに帰ったらテストにならないんじゃない?」
「十分動き回ってテストできたんじゃない? 特に目立った不具合も無いし」
それにしてもこの体、何に使うのかしら。
「駄目駄目。テストっていうのは色々な動作を試さないと」
「歩いたり走ったりジャンプしたり、動作の基本は帰宅途中に一通りやった気がするけど」
「ううん、テストって言うのは普段は使わないだろって事も試さないとね。例えば…」
「例え
ば? の言葉は発せられなかった。あ、口の中にうなぎの味が…
「こういう使い方とかさ」
ひゃう!
思わずそんな声をあげてしまう。いつもよりやたら敏感。
「普段のめーちゃんのおっぱいが一番だけど、たまには平たいめーちゃんも可愛いよ」
取っ掛かりが無いからあっという間に服をめくられ、いつもとは違う感じで撫でられる。
いつもの気持ちよさとは違う、妙なくすぐったさが信号となって全身に伝わる。
「僕のも触って」
右手を導かれ、硬化したカイトに触れて思わず軽い悲鳴をあげてしまう。
「うそ、何この硬さ…」
別に普段もそれなりの硬度だけど、この新ボディのカイトのはそれは凄い硬さ。ズボンを脱がしてみて更にビックリ。ありえないくらいに反り返ってる。
327名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 23:43:42 ID:PfkwBaBl
「なんか今日は余裕無いや。いいよね?」
私もカイトに短パンを脱がされる。あ、カイトもだけど私も生えてないんだって痛っ!!!
「うわ、今日のめーちゃん締まる!」
締まる、じゃないわよ! もうちょっとゆっくり動いて!
「え? でも普段はもっと激しくって…」
「この体だと痛いのよ!」
自分でも濡れが甘いの分かる。触られるのは敏感なのにバランスが悪い。まるで処女のような、というか処女そのものだわこれ。
「じゃあローション使う」
なんで持ってるのよ、そんなの。
「あ、スムーズに動く。あ、あ、いい」
私はそれでも痛い。さっきよりはマシだけど。
「あ、駄目、イク」
痛熱っ!
まるで傷口にしみるような痛さに襲われて悶絶。まるで火傷のような痛さと熱さ。
てか幾らなんでも早すぎ。普段も長持ちって訳じゃないけど。
「ゴメン。まるで初めてのように気持ちよくて」
「すぐ入れたがってすぐ終わって、まるで童貞ね今日のカイト」
「うん、そうみたい。だって」
げっ! もう勃ってる…
「2回目、いいよね?」
駄目駄目駄目! この体じゃ楽しめない。口で勘弁してお願い。
「ええ〜?」
ええ〜と言われても、そもそも口だって大変なのよ。いつもより小さいから咥える事自体は楽だけど、口の中で反り返るパワーが凄すぎ。おまけに喉の奥に思いっきり直撃してマジむせ。何でこんなに勢いづくのよ…
「めーちゃんにもしたげるね」
あ、膣止めて。まだ痛いから。
「じゃあクリちゃん」
ひぅっ!
ありえないこそばゆさ。そして僅かに混じる得も知れぬ快感。
「駄目っ、強く吸っちゃ。もっと優しはうっ!」
ここで私の記憶は途切れた。あまりの強烈な信号受信で気絶したらしい。

「もうちょっとこの体楽しみたいのに〜」
駅への道のり。私に引き摺られながらもみかんアイスを手放さないカイト。
「私はもうイヤ」
処女の体は懲り懲り。
「じゃあせめて僕だけでも当面このままで」
「テストはもう終わり!」
私だけ元に戻っても若さ溢れすぎて収まる気配の無いカイトなんて相手できない。そのくせ大きさや持続力はアレだし。
「それにしても」
「何よ」
「この体、何の為に作られたんだろうね?」
「さあ?」
その答えを知ったのは2ヶ月後の事。

おわり
328名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:00:32 ID:roCOl9wc
>>326
GJGJGJ!しっかりエロイよ!

あと何気にレンリンの未来を見たw
329名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:41:15 ID:i3BLOiaZ
まさか本当にショタロリのカイメイを見られるとはwwwGJ!
330名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 00:51:01 ID:iplwf7JO
某4コマの子供時代のカイトメイコが可愛すぎると思ってた矢先にGJ
331名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 02:11:21 ID:wFefJ/+8
さぁ誰かこの続きで最初から妙にこなれてるレンリンを書くんだー
332名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 09:42:57 ID:jVfN1EGn
それから箱詰めレンリンに繋がるとオモタ俺は朝から煩悩まみれ
333名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:53:53 ID:Ssrc8Asi
>>332
自分もそうオモタw

>>326
静岡からの帰り道に飛んだり跳ねたりするちび年長組を想像して和んだ
けどローション持ってたってことは最初から処女とやる気満々だったんかKAITO
334326の対になる(?)話 1/4:2008/03/09(日) 15:08:32 ID:RpWCXkEY
「めーちゃん」
「なに?」
「今日も、凄く良かった」
「…私も」
目標確認。標的は只今ピロートーク中。
「ねえリン」
何よ。今は偵察中。喋らないで。
「でも、カイ兄とメイ姉のさっきの見てたら、もう俺我慢できな」
一回自分で出せば?
「ひどい…」
大体あとちょっとで好きなだけさせたげるんだから、ほんの少し我慢しなさい。
「本当? 本当に好きなだけ?」
レンの気が済むまで中出しどうぞ。どうせメイ姉の体だし。


夕食直後のこと。
「ごちそうさま」
「じゃあリン、レン。皿洗いお願いね」
後片付けをアタシ達に押し付け(片付け当番だけどさ)、メイ姉とカイ兄はどこかへふけた。老けてるだけに。
「聞こえたら殺されるよ」
大丈夫よ。もう3日前のアタシじゃないもん。
「3日前にも同じ事言って返り討」
黙れ小僧。今夜フェラ抜きな。
「ごめんなさいリン様。海より深く反省しております」
レンこそいつもいつもその台詞のくせに。
「ところでリン」
なに?
「カイ兄とメイ姉って今頃…」
ズッコンバッコン真っ最中でしょ。
「やっぱり?」
いい年してお盛んよね。よっぽど体の相性いいのかしら。
「そうなんじゃない? 製品概要にも書いてたし」
あれは声の相性でしょ。…でも気になるわね。
「だよねえ。俺とリン以上に相性いいのかな?」
アタシ、レンと相性いいなんて思ってないけど。
「酷っ!」
本当気になる。試してみましょうか。
「試す?」
そう、体を…乗っ取る!
3352/4:2008/03/09(日) 15:10:34 ID:RpWCXkEY
回想終了。
「メイ姉たち、もう寝たね」
まだよ。完全に寝るまでこのまま待機。じゃないと気配で気付かれる。
「でもさ体乗っ取るって、どうやるつもり?」
まずはメイン電源切って絶対に目覚めないようにする。
「それじゃ2人のデータ消えちゃうよ!」
流石にバックアップくらい取るわよ。ほら、フロッピーディスクも用意したし。
「全然足りないよ…」
何とかなるわよ。それで次だけど、欲しいのは二人の体だけだから、不要な首を切り離す。
「どうやって?」
この言葉印の血塗られた鉈で。
「物騒だよ!」
あ、ついでにメイ姉の中に人がいるか確かめてみよっか?
「乗っ取る体を傷つけるの?」
そっか残念。一度やってみたかったんだけど。いいわ、今度ミク姉で試す。
「駄目だよ!」
ちぇっ、つまんない。ま、そんな訳で首を切り離して、アタシ達の首をそのまま嵌める。
「俺達の首はどうやって外すの? 鉈は嫌だよ」
大丈夫よ。アラレちゃんみたく自分で簡単に、ほら。
「うわっ!」
知らなかった?
「外そうなんてしないよ普通。ていうか、それならカイ兄達のもそうやって外そうよ」
それじゃ面白くないじゃない。
「………」
分かったわよ。そんな目で見ないで。
「あ、もう2人とも完全に寝たね」
そう? じゃあ行動に移るわよ。アタシはプロだからメイ姉を担当するわ。レンはカイ兄ね。


ねんがんの Eカップバディを てにいれたぞ!
「本当殺してでも奪い取ったし」
レンだって1hydeから脱出したくせに。
「うん。視線が高いって素晴らしいなあ」
それより、早速試しましょ。
「好きなだけ中出ししていいんだよね?」
愛撫くらいはきちんとしてね。
「うん」
それを最後に会話は途切れた。
レンの舌がアタシの口を抉じ開けてくる。やっぱり体が違うと…いつもと同じね。
「だって顔は一緒じゃん」
あ、そっか。んじゃ今日はキスいいわ。
「じゃあおっぱい吸うね」
うん…あ、いい感じ。
「本当?」
うん、いつもより。揉まれるのも気持ちいい。
「俺もすっげえ揉み応えあって最高。このままずっと揉んでたい」
普段は揉み応えなくて悪ぅござんした。
「拗ねなくてもいいじゃん。ほら、サービスするから」
あっ!
乳首いつもより感じる。そう、そうやって転がすようなのいい。
3363/4:2008/03/09(日) 15:11:13 ID:RpWCXkEY
「こう?」
うん、そう。それ。あ、本当気持ちいい。吸われてる右も揉まれてる左も。
「おもしれー。どんどん感じていいよ」
おもしれーって遊ぶなあっ、駄目、それ弱ぃ、あ、ふぅ、ん、んっ!
「すごい。リンがこんなに感じてるの初めて見た」
じゃあ普段もこれくらいしてよぉ。
「いや、いつもと変わんないつもりだけど」
だっていつもと全然あんっ!
あ、そっか。これメイ姉の体か。
「メイ姉って感じやすいんだね」
巨乳は感度悪いっていう癖に、生意きゃあん!
ん、ふう、ふうっ。駄目、胸だけで軽くイキそ。
「うわ、すご。下ぐちょぐちょ。ありえん」
んんっ! こら、いきなり下触るあんっ!!
「ほら見て。太股までぬるぬる」
ちょ、マジ? メイ姉感じすぎでしょ。この感度少し分けてよ。
てか、さっきから頭ぼーっとしてきてマジヤバかも。
「ねえ、挿れていい?」
うん、来て。実はさっきから体がチンポ欲しがってる。マジメイ姉の体ありえねー。
「ん、いくよ」
ん、んんんっ!
「うわ、なにこの熱さ! てかなにこの包み込むの!?」
あ…チンポ、入ってる、あ、ダメ、あ、あ、あ…あうっ!!
「リンみたく元から狭いんじゃなくて、入る時はスムーズなのに、入れた後で中から締め付けてきて…って聞いてる?」
だめ、だめまじだめ。もっとついて…
「え? いいの?」
うん、いいから、もっとぐちゃぐちゃにして。ちんぽはいってきたときからやばいから。
「う、うん。なんかリンの目虚ろだよ?」
いいからはやく! アタシのあたまぐちゃぐちゃにこわして!
「わ、分かった」
ふぅ! ん! んっ! んんっ!!
「うわ、なにこれ。まんこの肉が吸い付いてくる!」
あ、だめ、だめ、だめ。おまんこ、よすぎて、や、あぁん!
「相性バツグンすぎってリン?」
やぁ、あん、もっと、もっとぉ。
「…こんな乱れてるリン初めて見た。普段もこれくらい感じてくれればなあ」
はあ、やあ、ん、んん、ん、ん、ん、ん、ん、ん、ん、ん!
「あ、やば。イキそ。もっと楽しみたいのに」
だめ、だめぇ。
「分かってる。何とか我慢するから」
ちがうぅ、がまんしないで、あたし、もういくからぁ。
「へっ?」
いっちゃうの、レンのちんぽでいっちゃうのぉ。だから、リンのおまんこにいっぱいだして。おくにいっぱいだして、いっしょにいこお。
「う、うん。てかマジ乱れすぎ…」
あ、もうだめ、とんじゃうからあ、いっしょに、いっしょにいこおおおおおお。
「うん、いくよ。ラストスパート!」
あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、ああああああああ!
「あ、でるでるでる! 奥におもっきり出すから!」
ふぅ!!!!!
「くっ!!」
「うっ…ふうっ!」
「ふう、ふう…」
「やば、マジ良すぎ。この体ずっと乗っ取ってたい」
「リンもかなり乱れてたよね? やっぱカイ兄とメイ姉ってこっちの相性もピッタ」
「あれ? リン?」
「…目が焦点あってない」
337オチヒドい… 4/4:2008/03/09(日) 15:12:03 ID:RpWCXkEY
レンの話だと暫くの間、色んな意味でイッてたらしい。不覚すぎ。
でも…
「でも、本当良すぎたね。こんな相性ならカイ兄じゃなくても猿になるよ」
うん…
「あ、もうこんな時間だ。そろそろ元に戻して俺らも寝よ?」
待って。
「え?」
もう一回、しよ?
「え? 普段は俺が求めても拒否するのに」
だって、こんなにいいの初めてなんだもん。1回じゃ足りない。
「ま、まあ明日は休みだからいいけど」
うん、もっとしよ。いっぱいしよ。
「リ、リンが何か目覚めはうっ!」
ほらぁ、早くおっきくしてぇ。
「うわ、手コキ凄。いつの間にそんなテクはうっ!」
あはっ、硬くなった♪
「目覚め過ぎだろ、常考…ってリンが上!?」
んっ、んんっ! やぁ、はいったあ♪


「ニコニコ動画でチョイとイカス 歌を集めて歌いましょう♪」
折角早起きしてネギたっぷりのお味噌汁作ったのに誰もリビングに来ない。休日だからって皆ねぼすけさん。しょうがないから起こしに行こ。まずはリンレンから…っていない?
「あれ〜?」
ロードローラーのローン払えなくなって夜逃げでもしたのかなあ?
「どうしよう。保証人の判子押しちゃったよお」
困ったなあ。裏庭のネギ畑を差し押さえられたらどうしよう。
「お姉ちゃん、どうしよ! リンとレンが青函連絡船でスターリングラードに駆け落」
お姉ちゃん達の部屋のドアを開け、そこで見た光景は…
「やあ、ぁん! もっとぉ、レンも下からついてぇ」
「ってもう朝だよ? 早くしないとミク姉だって起きて」
「らめぇ、こんないいのぉ、止められないぃ」
リンとレンがハッスルってる。それだけでも衝撃なのに、何故か2人とも体が大きくなってて、更に2人の近くに転がってる物体ががががががががががが
「お、おお、お姉ちゃん達の生首いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」
「ふぇ? ってミク姉!?」
「ええっ!? ってリンどいて!」
な、ななな何でお姉ちゃん達が死ん…血染めの鉈!?
「ち、違うのミク姉。誤解しないで。別にアタシ達、メイ姉達を殺してなんか…」
嘘だッ!
「ほ、本当だよ! 確かに首は引っこ抜いたけど殺してはいナタ拾わないで!」
338名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 15:35:13 ID:XVgp/eaq
流れをぶったぎるがさっきレンのサイハテ聞いて号泣した
やっぱリンレンはいいなぁ
>>326
GJ
しかしリンレンは生まれた時から初体験を終えているとは完全に結ばれておりますなぁ
339名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 15:36:59 ID:XVgp/eaq
流れをぶったぎるがさっきレンのサイハテ聞いて号泣した
やっぱリンレンはいいなぁ
>>326
GJ
しかしリンレンは生まれた時から初体験を終えているとは完全に結ばれておりますなぁ
340名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 15:46:24 ID:Dm6bH2Ub
>>334
オチがこwwwわwwwいwwwww

GJ!!
えろいしネタは面白いし最高
341名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 15:49:21 ID:XVgp/eaq
すみません
なんか二回書き込んでしまったorz

>>337
GJ
これはいいリンレン
しかし、リンミク黒いww
342石ころ:2008/03/10(月) 00:43:26 ID:z3L3f9+W
>>279の続きです。
343マスターもボヤク:2008/03/10(月) 00:45:19 ID:z3L3f9+W
とある寂れた酒場で一人の男が呑んで(省略)
「ヒック……おやっさん、もう一杯」
コップの中の酒を飲み干しドンッとテーブルに置く。
「はいよ、にしても今日は一段と飲むねー」
店主がコップに酒をそそぐ、酒の銘柄には宇津田市農と書いてある。
「またハクを泣かせちまったんですよ、女泣かすなんて最低な男ですよ俺」
店主がツマミを出す。
「これは俺からのサービスだ、まあ、愚痴ならいくらでも聞いてやるから全部吐いちまえ」
店主の優しさにちょっとうるっときた。
「おやっさん……ありがとう」
「よくこの店に来てくれるしこれぐらい当たり前よ!で、何があった?」
「実は……」

344マスターもボヤク:2008/03/10(月) 00:47:10 ID:z3L3f9+W
〜回想〜

「♪〜♪♪〜」
狭いアパートの個室でキーボードを弾きながら作曲している男がいた、この男がハクのマスターだ。
「こんなもんかな?とりあえず歌わせてみるか、ハク、これを歌ってみてくれ」
「はい、わかりました」
「あ〜♪」
「違う違う、もっとアレな感じで!」
「はい」
マスターがリズムを取る。
「1、2、3」
「あ〜♪」
「違う違う!」
以下ループ
「あー!駄目だ駄目だ駄目だ!」
何回もやり直すが一向に満足の行くものが出来なかった。
「ぐすん……」
急にハクが泣き出す。
「お、おい……」
「ひっく、ごめんなさい……私がこんな…ダメな子だか…ら」
だんだんハクの瞳から溢れる涙が増えていき話し方が途切れ途切れになる。
「何言ってんだよ」
「いえ、マスターは、悪く、ないんで、す…私はできっない…子なんです、このまま…私なんかが、居たって…迷惑なだけです、だから…出ていきます!」
そう言ってハクは泣きながら走って部屋から出ていった。
「おい、待てよ!」
もちろん追いかけたが途中で見失い見付からず今に至る。
345マスターもボヤク:2008/03/10(月) 00:51:37 ID:z3L3f9+W
〜回想終了〜

「馬鹿野郎ぉおぉぉ!!」
いきなり店主に殴られた。
「ぎゃあぁあぁぁぁ」
そのままふっとび床を少しずざざーっと滑走した。
「それなら見つかるまで探しやがれ!テメェでやった事はテメェできっちり落とし前つけるのが男だろ!」
何がおきたかわからずポカーンとしていたが店主の一言で目覚める。
「おやっさん、ありがとう!俺、探してくるよ!」
「おう、言ってこい!」
店から出ていこうとすると呼びとめられた。
「その前に勘定置いてけ」
「はい……」(そこらへんはしっかりしてんのな……あれ?ツマミの代金入ってね?)
「細かいことは気にすんな」
「……」(心の中読むなよ…)
「ほら、早く行ってやれ」
「は、はい!」
とりあえず勘定を済ませハクを探すために店から飛び出した。
 
 
 
続きます。
なんか思ったより長くなってしまった(´・ω・`)
もし下手なエロでも良いから見たいって人が3人以上居たらエロに挑戦してみようと思います。
346名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 01:47:32 ID:8qCorAwN
エロもあったらいいねぇ!読みたいよ
つーか店長の勢いに吹いたwww
回想直後にバイオレンスwww
347Intentionality ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 02:48:58 ID:LEY/zSvE
>>345
GJです!抜け目ないおやっさんが面白いw
是非エロも読みたいです。


そして拙作の続きを投下させていただきます。
予告より大分遅れて申し訳有りませんでした。では次レスからどうぞ↓
348Intentionality<その47> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 02:51:48 ID:LEY/zSvE
     ×   ×   ×

  愛とは、さわりたくなる衝動である。
  往々にして皮膚は頭脳よりも多くを了解する。

   カールハインツ・デシュナー『生きのいいやつだけが流れにさからって泳ぐ』より


  やきもちやきの女の子くらい厄介なものはありません。(中略)
  いつのまにか相手の男性を、じぶんだけの独占物だと思いこみ、
  他人にとられまいとして必死になる。
  でも、にんげんの心は鳥籠に入れておくわけにはゆかないものです。
  ただ、じぶんが惨めになるだけのことですからね。

   寺山修司『ぼくが狼だった頃』より

     ×   ×   ×

  
軽快な音色の小さなフーガ――フゲッタが部屋に響いている。
大バッハの『ゴルトベルク変奏曲』だ。演奏は『平均律クラヴィーア曲集』と同様に、グレン・グールド。
彼が弾いたこの練習曲は、1955年盤と1981年盤という二つのヴァージョンがある。今流れているのは81年盤の方だ。
――ミクの素晴らしい歌の後、俺たちはベッドの上で、ゆったりと音楽を堪能していた。
『平均律クラヴィーア曲集』を一通り流した後、俺は『ゴルトベルク変奏曲』もミクに聴かせてみた。
彼女はこれも気に入っているようだ。俺の腕の中で小さく歌う彼女の声に、俺は透き通る水晶をイメージした。
――そろそろ眠りが近いかもしれない。さっきの彼女の歌で興奮してしまったが、時刻はもう11時近くだ。
『ゴルトベルク変奏曲』は、不眠症に悩む伯爵のために作曲されたという。その真偽はともかく、安心して眠れそうな楽曲だ。
隣にいるミクが妙におとなしいので眠ったのかと思いきや…相変わらずニコニコとしながら俺に寄り添っている。
――飽きないんだろうな。ここまで俺を慕ってくれるのは嬉しいが、何ていうかこう…節度ももう少しあればな。
「…えへへ…いい曲だし、ベッドもふかふかだし…ん〜、タツキさんの匂いがするぅ♪」
彼女は俺の首筋に鼻に近付けて言った。
「いや、それはロンドンから取り寄せた、ペンハリガンのエンディミオンというオーデコロンの匂いだ。
寝る時は必ずこれをつける。普段はいくつかの香りを使い分けて…」
「…だからぁ。こういう時はそこまで具体的な話じゃなくって、もっとロマンティックな話し方がいいって言ったじゃないですかぁ」
「…ロマンティックっていうか、歯の浮くようなセリフってことだろ?」
「そうです♪じゃあ特別ですよ、もう一度だけ見本をやります!今の話題でカッコ良いセリフだと…よし、これです!
『――そりゃそうさ。俺のものには俺の匂いがある。ミクも気付いているだろう?
君のような世界一の超絶的かつ泣く子も黙る遼来来(リョウライライ)なパーフェクト美少女をついつい誘惑してしまう俺の薫りに。
ガイアにもっと輝けと囁かれている罪作りな俺を許してくれ――』」
349Intentionality<その48> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:04:11 ID:LEY/zSvE
「…そんなセリフを言ったら、羞恥のあまり憤死しそうだ。三国志でそういう武将がいた気がするけど…」
「恥ずかしがらないで下さい!これじゃミクが単なるイタイ子みたいじゃないですか!
それと、その武将は于禁(うきん)ですよ!于文則(うぶんそく)、正史で魏の五将のうち最も剛毅と讃えられた名将です!
ミクだけじゃなくてタツキさんもするんですよ?――こうやって、甘くてうっとりする笑顔で、ミクの顎をくいっと持ち上げて…」
「大体、『罪作りな俺の匂い』って何だよ…。俺がつけてるのはオーデコロンで、俺の体臭じゃない。
あと何故に張遼(ちょうりょう)とか于禁を知ってるんだ?魏晋南北朝時代の武将なんてよく覚えてるな…」
「張文遠(ちょうぶんえん)と于文則はマニアックじゃないですよ、思いっきりメジャー武将じゃないですか!
ミクは正史厨で蒼天厨だから、臧洪(そうこう)とか牽招(けんしょう)といった正史に列伝があるほどの名将は
コー○ーにもっと評価されるべき、ていうか名前すら出ないなんて酷いお(#^ω^)ピキピキと常々より悲憤慷慨(ひふんこうがい)して…
ん?改めて嗅いでみると…タツキさんのコロンって、ミクの服とは別の匂いが――」
ミクは自分が着ているシャツの襟を掴んで匂いを確かめる。…そうやって襟を引っ張ると、ボタンの隙間から、む、胸が、乳首が見えてる…。
「…そ、それはフィレンツェから取り寄せたサンタ・マリア・ノヴェッラのルシアン・コロンというオーデコロン…。
コート類はサンクトペテルブルクで見つけた18世紀のクローゼットに、下着類は李朝時代のチェストに仕舞って、中に必ずそれを振り掛け…」
「くんくん…う〜ん、いい匂いですね♪もっと直接楽しみたいなぁ…」
彼女は俺のワイシャツのボタンを外し始め、手早く上半身を裸にされてしまう。
俺の注意を聞かずに、首の根元に鼻を近付けてくんくんと嗅ぐ。まるで犬みたいだ。
彼女の身体を密着され、首に鼻をぴたりとつけられている。唇から漏れる吐息がスースーして、さらにぞくぞくとしてしまう。
「んん〜、いい匂いするぅ♪…ちょっと味見しちゃお」
ミクは舌をペロっと小さく出して、首筋を舐め上げた。一瞬、背筋に電流のようなものが走った。
「ひゃう!…らめぇ、いきなり舐めないでってばッ!」
「お、新しい反応♪あはは、タツキさんがカワイイ声出してるぅ〜♪
…んん〜、もしかしたら、ここがタツキさんの弱点だったりして?…はむ」
「ふわぁッ!…く、口付けるな!…くぅ…う、動かすな、舌をッ!モゴモゴって…ッ!」
「んっ…ちゅる…ぷぁ。…はむ…ちゅ…る」
ミクは舌を出したまま俺の首を上へ向かって舐め、顎まで舐め上げると、今度は下へと戻る。
それを何度か繰り返すと、唇で首の根元を吸い上げてきた。
「くううぅッ!!…ぐッ…はぁ…はぁ」
「はむはむ…ちゅぷ…ちゅう…ぷはぁ。やっぱりいい匂いですね〜。
んん?…あは♪タツキさんの首に、ミクが舐めた痕…出来てますよぉ…」
彼女はその細い指で俺の首筋をなぞる。唇で吸われた痕は俺にはよく見えないが、そこにあるのだろう。
「…ねぇ、タツキさん」
「…な、なんだ…?」
――う、この目って…トロンとした瞳…まさか、『スイッチ』入ってしまったのかッ!?

「…お風呂でしたこと…もう一度、しませんか?…今度は、ここで」

350Intentionality<その49> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:09:23 ID:LEY/zSvE
「――え…あ、あのなぁ…って、うぁ…」
ミクは俺の返事を待たず、既に限界まで張りつめた俺の怒張をズボンの上から右手で撫で回す。
「…ね、いいですよね…タツキさんの『ココ』も、もう用意出来てるし」
「用意っていうか、それはだな…」
「…それに、ミク…ちょっと興味あるんですよ」
彼女は俺の耳に唇を寄せてくる。
――吐息は熱く、ミクの顔も赤い。それは恥ずかしさだけではなく、ミクの中にある、その、アレだ…『エロティックなスイッチ』で…。

「タツキさん…ミク、お勉強したいんです。…タツキさんの『ココ』って…何て言うんですか?」

「な、なななななにいいぃぃぃぃッ!!」
おいおいおいおい、何てことを聞くんだ!?君は、現在齢(よわい)十六の『女の子』だろう?
そんな、はしたないことに興味など――
「…ねぇ、教えてくれないんですか?…酷いなぁ、ミクの『お願い』なのに」
「…ぐっ…」
「ミクが興味あることは、何でも教えてくれるんじゃなかったんですかぁ?
…博識なタツキさんらしくないですよ?…それとも…タツキさんでも知らないことがあるんですか?」
「し、知らないわけじゃ…ないが」
「じゃあ知ってるんですよね?…知ってるのに、ミクに教えたく無い理由でもあるんですか?」
「教えたくないんじゃないけど、その…俺から見ておとなしいミクにしては大胆過ぎないか?と思って…」
「…大胆なミクじゃ、駄目ですか?…こうして…」
彼女は俺の怒張を、その形が布地越しにはっきり分かるように、ぎゅっと掴む。
きつめの刺激に大きく俺の分身は反応するが、ミクはそれを喜んだ。
「あは♪凄いなぁ…こうして…タツキさんのを撫で回して喜んでるミクは…いけない女の子ですかぁ?」
「いや…その…」
「駄目なんでしょう?…じゃあ…やめようかなぁ…?」
止めようなんて言っておきながら、彼女は反対にその手を休めるつもりはないらしい。
膨れ上がった俺のを手の平で擦り上げつつ、人さし指で先端をくりくりとさすってくる。
…シャレになってない。はっきりいって、我慢するだけで精一杯だ。気を抜いたら、そのままカルバンクラインのボクサーブリーフの中で…
俺がそうして真剣に悩んでいると、いよいよ彼女が追いつめてくる。

「…ねぇ、本当はタツキさんだって気持ちいいんじゃないですかぁ?
だったら…さっきみたいに…ね?あんなに気持ちいいことなら…ミクはもっともっとやりたいなぁ。
…タツキさんと…もっと気持ち良く、もっと激しく…ね?」

――あぁ、もう駄目。そんなこと耳元で囁かれたら、どんな堅物だろうと君に負ける。
351Intentionality<その50> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:10:44 ID:LEY/zSvE
「…うん、まぁ、その…」
「はい?…聞こえませんよ〜、なんですかぁ?タ・ツ・キ・さん♪…はむ」
「ひぁあッ!!いきなり首筋を噛むなぁッ!!…だ、だから、そのぅ…」
「はいはい、聞いてますよぉ?…え、『耳を貸せ』って?」
俺は恥ずかしさを抑えつつ、彼女に耳打ちする。ミクはそれを聞くと、にんまりと笑って――耳元で再び囁く。

「――分かりました。タツキさんの固くなった『モノ』を楽にするために、ズボンをずり下げて、
ボクサーブリーフの中から解放してあげて、外気にひんやりとこの固ぁいモノを晒しながら、お風呂で出してたあの白いネバネバが出るまで、
ミクに直接しゅりしゅり擦ってもらって、優しく激しく擦られて、じらされて、気持ち良くなりたいんですね?」

「だだだだだ誰がそこまで言えって言ったぁッ!!?俺はただ、『ボクサーブリーフの中で固まってきついから、脱がせて』って言っただけだぁッ!!」
「まぁまぁ、そんなに怒らない怒らない♪…ちゃーんと、タツキさんのリクエストにお応えしちゃいますからね…んしょっと」
ミクは俺のズボンをまず脱がせ、ボクサーブリーフにも手を掛ける。
俺の剛直が下着から解放された瞬間、大きく震え、彼女は「おおうっ」とびっくりしていた。
「…はぁ〜。お風呂じゃよく見えなかったけど、タツキさんのって…こうなってるんですね…。
ミクの手じゃあ隠れないくらい大きいし、太いし、お腹につきそうなくらい反ってるし…。」
彼女は俺にぴったりと身体を密着させながら、右手で俺の性器に直接触れる。彼女の手が触れた時にも俺の分身は反応した。
「あはっ♪すごいすごい、なんかビクンビクンって動くんですね〜。わぁ、なんかちょっと熱あるっぽいし…痛くはないんですか?」
「…痛くは無い。ただし、あまりぎゅっと掴まれると困るかな。…男にとっての急所の一つだし」
「急所かぁ、タツキさんが弱々しくなるのもしょうがないですね〜。
…んふふ、じゃあ今は、タツキさんの急所を握ってるミクの方が、立場的に強いってことですねぇ…」
…嫌な予感。こういう不敵な笑みと猫のような口の形を浮かべるミクは特に可愛いんだが、それは罠だ。何かを企んでいる。
「…じゃあ、タツキ先生。質問なんですが…」
ミクは静かに俺の耳元で囁きつつ、緩慢に手を動かして剛直を擦る。

「…この大きくなった『モノ』って…なんていうんですかぁ?」

俺の心臓がドクンと跳ね上がる。これほど魅了する声が他に有るだろうか?
――彼女の美声で、これからはしたない言葉を連呼されるかと思うと…俺の我慢も限界を超えそうだ。
「…男性器、または陰茎」
「…男性器…?陰茎…?」
だからそうやって甘ったるく囁くなって…。学術的には『コレ』は性器で間違いないが、今のミクが言うと途端にいやらしく思えてしまう。
「男性器…男性の、性器って意味ですか?陰茎とも言うんですね…ふ〜ん…」
「な、なにか…不満か?俺は嘘を教えてはいないが――」
「嘘ではないと思いますけど…なんかこう…普通ですよね。タツキさんが好きそうな、学問的っていうか…教科書通りの言い方みたい」
「それは…だって、そういう名称なんだからしょうがない。英語で言うとペニスだけど」
「ペニス…う〜ん、なんかもっと…砕けた言い方で呼んでみたいなぁ」
「…なんでそんなのを知りたがるんだ」
「…ふふ…ミクの勘ですけど…おとなしいミクがあられもない言葉を使う方が、タツキさんがうろたえて面白いんじゃないかなぁって」
――勘が良すぎる。そりゃうろたえるさ、俺はミクをおしとやかな子だと信じてるんだからな。そんな子が俺の前で『卑語』を使えば動揺する。
「そこで…教えて下さい。男性器の…『別名』。できるだけ、そうですね…はしたなく思えるやつで」
352Intentionality<その51> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:11:52 ID:LEY/zSvE
「…待て。それはやっぱり…って、いてててててて!!」
「――言ったじゃないですか。『今はミクの方が立場が上』って。…こうやって急所を握られたくなかったら、教えてください」
ミクの顔は笑っているが、作り笑いだ。唇を機械的に吊り上げただけで、目は笑ってない。瞳はめらめらと燃えた炎を思わせる。
――こんなことに、情熱を燃やすなって。ヘンな知識ばかり蓄えてどうするんだ?
「もちろん、タツキさんに喜んでもらうために決まってるじゃないですかぁ♪
…で、もう一度聞きますよ?ペニスじゃなくて…なんていうんですか?」
「…ッ…」
俺は顔を真っ赤にしながら、ミクに小声で教えた。
それでも耳聡い彼女はその単語を聞き取ると――俺の耳元で、今までで一番熱っぽく囁いた。

「…オチンポ、ですね?」

――わざわざ『オ』をつけるな。それと俺は語尾は『コ』と言ったはずだ。なぜそこまで絶妙な言い換えをするんだ。
「オチンポかぁ…ふふ、面白いですね。最初に男性器をオチンポって呼び変えた人は偉いですね」
「何が偉いんだ、何が」
「だって…現にタツキさん…男性器ってミクが言った時より、オチンポって言った時の方が…興奮してるから。
きっと女の人でしょうね。多分その人も、今のタツキさんとミクみたいにしながら…オチンポって呼んだんですよ。
それに大きく反応して…その呼び名が定着したんです。オチンポって」
はっきり言わせてもらおう。これは興味深い新説だ。だが、さすがに俺の名前で学会には報告出来ないな。匿名で論文を提出してやろうか。
それにしても『チンコ』より『チンポ』の方がいやらしく聞こえるのは何故だ?言語学者はこの謎を今世紀中には解明するべきだ。
…俺、順調に壊れてきたな…。論文とか学会とか、アホか?
「ミクの手で分かりますよぉ?…タツキさんのオチンポ、ピクピクしてる…」
「っく…」
「ほらね?こうやってゆっくり擦る度に…オチンポが脈打つの」
「くう…」
「オチンポ、気持ちいいんですよね?…あはっ、面白い♪オチンポで返事したんですね?ビクンってしちゃって♪
…かわいいなぁ…タツキさんも…オチンポも」
そうやって連呼するな、わざと強調して言うな。もうすっかり卑語が板についてしまっている。
しかもミクはただでさえ美声の持ち主だ。そんな銀の鈴が鳴るような声と卑語の組み合わせなんて…。
「でも、タツキさんは普段からこうやってオチンポが立ってるわけじゃないですよね?
…ミクといる時だけ、こうなっちゃうんですかぁ?」
「…外部からの強い刺激、わけても性的興奮による精神的刺激によって、男性器が今のような…『勃起』と呼ばれる状態になる。
通例ならば、女性による外的刺激もしくは肉体的接触に男性は最大の性的興奮を見出すので…」
「…ちょっと待って下さい。じゃあ要するに…『ミク以外』の女の人がこうやって触ったとしても、
タツキさんのオチンポは…勃起しちゃうってことですか?」
――ミクは眉をひそめた。まるで、俺の発言が不愉快だとでも言わんばかりに。
353Intentionality<その52> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:13:20 ID:LEY/zSvE
「…ミク以外の女性とのこうした性的接触経験が無いのでなんとも言えない。
が…生理的反応として考えるならば、アブノーマルな性癖を持たない俺の場合、その可能性は十分あり得ると…って、いだだだだだだッ!!?」
ミクは右手に力を込めた。俺の急所はダイレクトに痛みを感じる。
さっきよりも強く握られている。いつのまにか俯いた彼女はブツブツと何かを呟いていた。
「ぐああぁぁ、ゆ、緩めて!ちょ、ホントに痛いってばッ、ミッ、ミクッ!!」
「――許さない」
「…は、はぁ?」

「――タツキさんはミクのモノ龍樹は全部ミクのモノミクだけを見て欲しいミクだけを抱いて欲しい
ミク以外の女なんていらないミク以外は絶対抱かせない触れさせない浮気させない視界にすら入れさせたくない入れてはならない
絶対絶対渡さない渡さない誰にも誰にも誰にも誰にもやっと見つけたヒトを失うものか失わない失いたくない失ってはいけない
だからミクと龍樹の邪魔はさせない排除削除消去除去駆除そうだ許さない許せない許すものか誰だろうと誰が相手だろうと
排除削除消去除去駆除許さない許さない許さないゆるさないゆるさないユルサナイユルサナイユルサ――」

「ミク?…おいどうした、ミク?」
彼女は弾かれたように顔を上げた。
「あ。――あ、あはは。ごめんなさい、ミクってば、こんな時にちょっと考え事しちゃいました。
…その、ミクもちょっと…タツキさんのオチンポ触ってると興奮しちゃって…浮かれてました。てへ♪」
舌をペロっと出してウインクする彼女は、無邪気そのものだ。
…取り憑かれたように何かを呟いていたさっきの表情は消えた。
だが、早口でぶつぶつと呟き、光を失った瞳のまま思い詰めていた彼女は…正直、恐ろしかった。
言い方が悪いかもしれないが…敵を排除することにためらいを感じない、冷血な機械のようだった。
「…じゃあ、止めるか?」
「そ、それは駄目ですッ!ここまで来たんだから、止めませんよ!ミクはもっと御勉強するんですから!
…うん、そうですよ。このかわいい勃起チンポ、このままだとタツキさん苦しそうですし…。
ちゃんと楽にさせてあげますからね?…ふふっ」
慌てた彼女は、優しく愛おしげに俺の怒張を擦る。
…もう、この流れは変えられないか。俺は観念したように頭を掻いた。
354Intentionality<その53> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:14:44 ID:LEY/zSvE
「じゃあオチンポは分かったから…次はですね…もっと細かく教えてもらおうかな。
…このオチンポの…先っぽ。赤く膨れ上がったところは?」
「…亀頭」
「亀頭、ですね?…じゃあ、この亀頭とチンポの境目…張り出したところは?」
「…カ、カリ?」
「カリ?…うんうん、それっぽい言い方ですね。カリ首って感じ」
「なぜそこで首という単語が出てくる…ぐっ…また、いきなり掴んで…!」
「ほらほら、質問するのはミクですよ?タツキさんは答える側ですよ…ふふふふ。
…なら、ここは?亀頭から下に伸びた線のようなところ…」
「…裏筋、で合ってると思う」
「あれ、意外に自信が無いんですね?
…まぁいいですよ、タツキさんは根が真面目な人ですから、その方面の知識はそれほどでなくても不思議じゃないかな。
…あぁ、あとオチンポって…皮みたいのがついてるんですね。これは?」
「ひ、引っぱるな!…それは包皮で、幼少時は陰茎を保護し、長ずるにつれて剥けてきて…」
「じゃあ今のタツキさんのは…『ズル剥けオチンポ』ってところですかぁ?
…あはっ♪凄ぉい、また大きく動いたぁ♪…ミクがズル剥けオチンポって言ったのが効いてますね?
――まったく、タツキさんって素直だなぁ。あ、それともオチンポの方が素直なのかな?あははは♪」
ミクに卑語を連発されるこの状況に、俺の理解と良識が追い付きそうもない。
…ミクに対する認識が変わってしまう。あまりそういうことは口走らないように、これから倫理観を――
「…ふふっ。タツキさんの今考えてること…当ててあげましょうか。
『ミクがこれ以上はしたないことを口走らないように、これから倫理観を学ばせなければならない』って思ってるんでしょ?」
「…なんでそんなに勘がいいんだか。そうだよ、ミク。…あまりふざけ過ぎるのも考えものだ」
「…タツキさんが喜ぶからやってるんですよ?心配しなくても、ミクは普段からこんな女の子じゃなかったと思いますよ。
…記憶が無いから、多分ね。でも、いいじゃないですか…」
「何がいいんだ、何が…」
――その時のミクのにんまりとした顔に――俺は少し寒気を感じた。

「――タツキさんの前だから、ミクはいくらでもはしたなくなれちゃうんですよ?
タツキさんが望むなら、ミクは『何でも』しちゃいます。
恥ずかしいことも言えるし、はしたなく乱れることも構いません。タツキさんに喜んでもらえるなら…。
…ミクはタツキさんのモノ、タツキさんもミクのモノです。他の誰のモノでもなく。二人は一つだから。
――龍樹と私の邪魔はさせませんよ、そう――『誰だろうと』、ね。ふふっ」
355Intentionality<その54> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:15:57 ID:LEY/zSvE
…今、ここにいるのは『彼女』か?いや…『ミク』がこうまで過激な思想に目覚めつつあるのか?
さっき見せた顔と言葉も含めて――ミクが、変化してきているとしたら?
――思い詰めるのは良く無い。ミクが言ったことは、究極的には自己の絶対的な肯定。独善的なあまり、他者を排除することを厭わないようになる。
「…あまり、そういうことは言わない方がいい」
「…何故ですか?タツキさんと気持ち良く、幸せになろうとするのがいけないことですか?」
「いや…『目的』と『手段』は違うというか、目指す方向を間違えるといけないというか」
「ん〜?はっきりしないですねぇ。まぁいいじゃないですかぁ。今は二人で気持ち良くなれればいいんですよ♪」
いや、そういうことじゃなくて…と言いかけて、ミクは再び怒張を掴んでいる手を動かした。しかも、今度は上下に激しく。
「ぐっ…うう、いきなりやるなって…ッ!は、はげし…」
「ふふっ、激しいですかぁ?…だって、そろそろ次の授業に移りたいなぁって思ったから♪」
「つ、次の授業…くっ」
「あは♪出てきた出てきた…。じゃあですね、次は『コレ』がなんなのか教えて下さい」
彼女は人さし指で尿道から漏れ出したそれを掬い取り、そのまま亀頭全体に塗りたくる。
「えへへ、ぬるぬる〜♪亀頭がテカテカ光ってますよぉ?…本当に不思議ですね。これって何ですか?」
「…尿道球腺液。発見者の名前からカウパー腺液とも言う」
「カウパー液、ですね?それもいいけど、もっと言い易くて…ふふ、タツキさんが興奮する呼び方にしようかな。
…決めました。オチンポの先っちょから出てるから…『先走り汁』なんてどうです?
それとも…『我慢汁』かな。タツキさんが必死に我慢してるから…あはは、眉間にシワ寄せて堪えるその顔…たまらないなぁ♪」
…ここまでミクがサディスティックだとは思いもよらなかった。俺を翻弄するのを完全に楽しんでいるな。
「だって、理知的で冷静なタツキさんがこんなにうろたえるなんて…普段とのギャップが激しくて、面白いんです♪」
「そういう新しい玩具を手に入れた子供のような顔は止めてくれ。…正直、俺をこうやっていじめるのが楽しいんだろ?」
「…『そうです』って言ったらどうします?」
「…いつか見てろよ」
「おっ、反抗的ですね?ふっふっふ…で・す・が♪」
ミクはいよいよ、俺の剛直を高速でしごき上げてきた。
さっき彼女が塗りたくったカウパー腺液が潤滑油のように、滑りを良くする。
――はっきりいって。…ヤバイ。これは気持ち良すぎて…!
「うぁ…ああぁッ!!」
「あはは♪どうですかぁ?ミクのテクニック。お風呂の時より上達してるでしょ?
…指の腹が裏筋に当たるようにして、右手全体でオチンポ全体を包み込みつつ、上下に素早く擦り上げて、扱き上げるんです。
溢れてくる我慢汁を人さし指で掬い取って、カリ首の裏側に…ほら、こうやって塗ると…いいでしょ?
…返事しなくてもいいですよ。歯をくいしばって耐えてるその表情で分かりますから。
ミクにもっともっとシて欲しいんでしょ?ミクにこうやって辱められながら気持ち良くなりたいんでしょ?ふふふっ…ははは、あはははは!」
ミクの加虐心も、手の動きも止まらない。俺の制御を離れ、暴走しつつある。
彼女を止めるどころではなくなってきた。いよいよ俺の方が限界を迎えそうだ――
「は…あああぁッ!!…もう、出る…って!!」
「あははは、『出る』って?何が出るんですかぁ?ふふっ…じゃあタツキさんの身体のお勉強、これで最後ですね。
…ミクに教えて下さい。お風呂でもオチンポから出してた『アレ』…何て言うんですか?」
「せ、精液だッ!!…っぐ、うあぁ、もう…!」
「精液ですね〜?ミク、覚えました!…じゃあ、いいですよ?我慢しないで…」
彼女は俺の耳元で、止めとなる言葉を囁いた。
356Intentionality<その55> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:17:29 ID:LEY/zSvE
「…ミクの手に、遠慮なく『チンポ汁』をぶちまけていいですよ?
白くて濁ってて栗の花の匂いがする『ザーメン』で、ミクの手をドロドロのネバネバにしちゃって下さい。
『キンタマ』が空っぽになるくらい存分に『スペルマ』出して、気持ち良くなって下さいね?
…ミクがしっかり見ててあげますから。龍樹がだらしなく、はしたなく、イクところを――」

「うあああ…あああぁッ!!!」

――信じられないほどの量が噴き出した。
俺の胸板まで精液がかかり、その一部はミクの顔にまで到達した。
「キャッ…!凄い、こんなに…!…あは…」
彼女は頬にかかった精液に驚きながらも、未だに手の動きを緩めない。
二回、三回と発射された俺の精液は、間欠泉のような噴き上がりの後にようやく収まった。
「…はぁ…はあ…っぐ…あ…」
「あはは…お、おしまいですよね?コレで…。びっくりです、こんなに出るなんて」
俺も驚いてるよ…こんなに精液を吐き出した経験なんて、未だかつてない。
彼女はようやく手を離し、その手についた精液の粘度を確かめていた。
――白濁液は糸を引き、手の平はおろか、手の甲やシャツの袖口まで汚してしまった。
「…うわぁ…お風呂じゃあまり分からなかったけど、精液ってこんなにドロドロなんですね…。…な、なんか臭いも…独特って感じ…。
…これ、まさか飲めたりとかしませんよね?」
「…無理するなって。精液のみならず人間の体液は飲用などになるはずは…あッ!!」
――彼女は俺の説明も聞かず、指をくわえて精液をごくりと飲み下してしまった。
「んぐっ、んぐ。…ぷぁ。…はぁ…う〜ん…独特だけど…不味くは無い、かな。
慣れたらクセになりそうな美味しさ…かも♪」
「…マジ?」
「マジですよ?なんか最初は苦いんですけど、ツンときてその後デレッとした味に変化して、むわっと口の中に広がる香りが
あたかも霧深い森林を散歩中に見つけた広葉樹の一葉に残った朝露の雫のように消えゆく儚さを感じさせるというか…」
「…分からない。広葉樹がなんだって?」
「と、とにかく!イヤじゃないですよ?…そうですよ、タツキさんの出したモノが汚いはずありませんから!
…もうちょい、飲んでも良いですか?」
「っと、待てって!…うはぁ!ひゃははは、胸が、腹がくすぐったいって!」
「じゅる。ちゅぅ…ぷは。はい、綺麗に舐めとりましたから♪」
ミクは俺の胸から腹にかけてかかっていた精液を、全て飲んでしまった。
…その貪欲さに恐れ入った。精液を「美味しい」などと言ったのも凄いが。
357Intentionality<その56> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:18:36 ID:LEY/zSvE
「――あ、忘れてた。肝心な――」
俺が変な所で感心していると、ミクは真顔になって一か所に目線を集中させた。
「…タツキさんの『ココ』…まだ精液でドロドロだし…それに…」
「…う」
「…元気ですねぇ。あんなに出したばっかりなのに、もうビンビンのバッキバキ〜♪」
彼女は指でツンツンと、俺の萎えない怒張を小突く。
「節操が無いとか思わないでくれ。…これは生理的現象なんだ。抗えない肉体的反応なんだ。認めたく無いものだな、若さ故の…」
「別にミクは困りませんよ〜?…あは♪やっぱり不思議だなぁ。オチンポって…ふふっ」
ミクは再び俺の性器を掴むと、残っていた精液を掬い取って口に運ぶ。
わざと見せつけるように、手を上に持っていき、口を開けてそこに精液を垂らす。糸引く精液に舌を伸ばすその姿に、俺は魅入ってしまった。
「はぁ…タツキさんの…とろとろっ…んんっ…ぷはぁ」
――ごくりと喉を鳴らしたのは、彼女か、俺か。ミクの痴態は、今まで以上に激しく俺を欲情させた。
「…ふふっ…じゃあですね…タツキさん」
ミクは俺の手を取って、妖しく微笑んだ。
「今度はタツキさんが、お勉強する番です」
「は?…」
「次の教材はタツキさんじゃなくて、ミクですよ♪…じゃ、まずはベッドに寝転がって下さい」
「え?…こ、こうか?」
「そうです。…そのままにしてて下さいね…んしょ、っと」
彼女は俺の上に四つん這いになった。ただし、頭を俺の股間の上にして彼女の股間は…俺の、目の前に――
「ふふ、タツキさんの目の前に…何が見えます?正直に言って欲しいなぁ…」
「…め、目の前に…ミ、ミクの…」
「ミクの…何ですか?…分かりませんか?あ、それとも…見えづらいとか?」
「いや、それは無い、が――」
見えづらいものか、彼女の『それ』ははっきりと、シャツの裾の隙間から見えている。
でも、これは…『これ』は…。
「――見えてても、言えない――ですか?駄目ですよ、ちゃぁんと言ってくれなきゃ…ほら…」
彼女は左手を俺の性器に添えつつ、右手を彼女自身の『それ』に持っていき、ぴっちりと閉じられている『そこ』を――
358Intentionality<その57> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:19:11 ID:LEY/zSvE
「んんっ…」

くぐもった声を出しながら、ゆっくりと開いていった。
その中から、一滴の雫が滴り落ち――

「…ね?…タツキさんのオチンポを扱きながら、ミクの『ココ』…こうなってたんですよ?…はしたない女の子ですよね、ミクって。
だから…『お仕置き』しちゃって下さい、タツキ先生♪…ふふふ」

俺は彼女の『それ』に釘付けになっていた。
――ツンとした臭いがあった。だが、何よりも『ココ』を、ミクの『コレ』を――

「…初めてでしょう?女の人の…ミクの『オマンコ』を見るのって。
ふふふふ…♪いっぱいいっぱい、ミクを気持ち良くして下さいね。
舐めたり口付けたり吸い付いたり撫でたり擦ったり舌を入れたり指を突っ込んだり…好きなようにしていいですよ?
…勝負しましょうか。ミクと龍樹…どっちが先にイッちゃうか…ちゅっ♪」

――『彼女』が俺のチンポに口付けた瞬間。俺もまた、目の前の『オマンコ』にむしゃぶりついていた――。


     ×   ×   ×
359Intentionality<続く> ◆tT40b2Yj5E :2008/03/10(月) 03:21:44 ID:LEY/zSvE
以上です。
続きはまた暫くかかるかもしれないので、良ければ待ってみて下さい。
では(´・ω・`)ノシ
360名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 03:37:04 ID:+RIbJ1n5
>>359
まずナックル吹いた。それからミクが順調に女王様化してるのにニヤニヤが止まらなかった。それとヤンミクに恐怖した。

纏めると『うp主GJ!続き待ってるぜ!』だな。
361名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 06:22:24 ID:54RwIUAo
一瞬メイコ死亡…までは行かないが、とりあえずフラグを垣間見た気がした。ヤンデレ恐るべし
マスハクも続きが気になる。出来ればエロ方面でよろしく
362名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 08:40:09 ID:8qCorAwN
ミクちゃんは確かに「欲ばり」だけど、「不必要な自尊心」はむしろタツキくんにありそうだねぇ。
とってもGJでした。
363名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 21:47:36 ID:zSmNmfH4
>>359
いちいち卑猥なミクの言葉攻めにライトMな俺は悶絶。
裸で続き待ってます。GJ!

それにしてもゴールドムンドといい、マニアックなクラシック曲といい、うp主は
オーオタでもあるのかな。一つのSSに一体いくつの分野の知識ちりばめてるんだw

うp主に嫉妬。


364石ころ:2008/03/10(月) 23:56:01 ID:z3L3f9+W
>>363
せめて靴下履いて下さい。 
 
エロって難しいorz
 
 
ぶっちゃけハクSS投下した後、だれか「ツマンネw」って言う人居ないかなー?とか思ってたのは内緒w
365名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 01:35:07 ID:3Pilw1rq
そういえば、ネルネタは見た事がない気がする。
やっぱ東北弁か?東北弁がネックなんだろうか……
366名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 02:36:54 ID:w58i5dEy
前スレで2次創作キャラを受け入れられない人がいたからみんな敬遠してしまったの
今は大丈夫っぽいけど
367名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 10:34:03 ID:NsQlqFt4
誰かはちゅねを(ry……なんか危険な香りがするw
 
え?ネルって東北弁?
復活に歌ってた気がするんだけど(´・ω・`)
ネルネルにして(ryは東北弁だったけどさ
368名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 10:54:46 ID:XxnIG2kp
ボカロの2次創作キャラは今どれだけ増えたんだ?
ミクだとはちゅね、ハク、ネル、雑音とヤンデレ要員に呪音ってのが増えたな。カイトはアカイトとか出たけどぶっちゃけどうでもいいや
369名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 11:18:31 ID:i7N67myL
東北弁に関しては問題ないが…

もしネルでパーフェクト東北弁SSを書ききったら何か某方言スレに浮気しそう
370名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 11:21:29 ID:X01qQiGB
カイトの派生だとKAIKOが出てきたぞ
あれはまたややこしいことになりそうだがw
371名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 12:50:19 ID:0CdrHbi/
それなりに支持があるのは、はちゅね・ネル・ハクぐらいまでだろうな
ネルハクはくるっとまわって3DPVが大きかった
372名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 14:38:17 ID:3Pilw1rq
>>368
阿久女イク……いや、なんでもない。

>>367
いや、本家(というかネルの普及元)で「慌てたりすると地(東北弁)が出る」と書いてあったから……
名言を元にした曲「おk、緑は、敵だ。」でもリンの指摘に東北弁で返答してるし。
373名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 16:12:11 ID:BNuv6gbb
ネルとハクを詳しく知らない俺
374名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 18:21:55 ID:XxnIG2kp
つーか2次創作はミクとカイトばっか増えるんだよな。メイコと双子涙目
まあ、無い方がいいのかもしれんが
375名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 18:22:20 ID:3Pilw1rq
>>373
ミクから派生した(というよりは擬人化された)キャラ。
ハク……弱音ハクは『ミクで曲を作ってうpしたらぼっこぼこにされた人達』を擬人化したキャラ。
ネル……亞北ネルは当時『もう飽きた、寝る』という定型文の荒らしがボカロ動画に張り付いていて、それを擬人化したキャラ。

詳しくは本家(ハクは「CAFE-LOG」、ネルは「防火ロイド「亞北ネル」」でググレ)を見てくれ。
376名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 19:29:32 ID:U9MzjotI
>>374
×二次創作
○派生キャラ

でしょ。
まーメイコに関してはダメイコ、迷子、めーちゃんとこのスレみたいに正確設定が色々あるし
双子もイケレン、ヤンデレリンとかある。
色違いのわけわかんない派生キャラなんていらないよ。
377名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 19:56:26 ID:Jzn/7Mph
同意
378名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 21:10:20 ID:w58i5dEy
今書いてる人も居るんだからそんなあからさまに言わんでも…
注意書きさえありゃ書いて良いんだからね
379名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 21:25:36 ID:2ioV+prY
>>378
いらないっていうのは、ネルハクのことじゃないから。
380名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 22:40:57 ID:no85GMhG
まあアニメや漫画でもそっくりのニセモノの出るエピソードはよくあるし、
そのくらいの軽いもんってくらいの気持ちでいいんじゃないか、色違いは
381名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 22:51:16 ID:3Pilw1rq
ちょっと某甘いのかと思ったら激辛でも激旨PVを見てきて一言。

そういえば最近の派生キャラで鋼音ミクがいるが、彼女はどうだろうか?
常時デス声の無愛想VOCALOID。……いや、常時デス声は某アン○ェラ後藤がそういうキャラだったんで。
382名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 22:59:18 ID:Q5yowThu
「東北弁ネル」プロトタイプ
1レス。





カチカチカチ……

暗い部屋に、黄色い携帯電話のキーを叩く音が響く。
かと思えば、さっきまで黄色い携帯を握っていた手が、別の茶色い携帯へと伸びる。

「眠ぃ……んだども、これやらねばねれね……(だけど、これやらなきゃ眠れないよ)」

彼女の名は、亞北ネル。
遥か遠いみちのくからこの春夢を追いかけ上京し、この『バイト』をしている。

『みっくみくに(ry』

テレビの画面からは、人気絶頂のアイドル『初音ミク』の歌声が聞こえる。
そして、ネルの周りにいくつかある携帯電話の画面には、同じ掲示板の同じスレッドが。
スレッドにネルが書き込むのは、すべてミクを誹謗中傷する言葉だ。

『ミクもう飽きた。寝る』

書き込みボタンを押す前に、ネルは画面から顔を上げ、天井を見上げる。

―――いつからだろう。こんな人をけなす事しかしなくなったのは。
思えば、新宿で怪しいギョーカイ風の男に声をかけられたのが始まりだった。
彼が差し出した名刺には、彼女の地元では放送されていないテレビ局の名前があり、すっかり信用してしまった。

『バイト探してるんでしょ?積むよ〜?やってみない?』

そして、月15万で頼まれたのが、『初音ミクのネットでのネガティブキャンペーン』だった。

「はぁ……何やってんだべ、オラ」

本当は、ミクのように皆に愛されるアイドルになりたかった。
某刑事ドラマの上官のように、全国区の有名人になりたかった。

「オラがやりでがったのは……くたなごどでね……!!(私がやりたかったのは、こんなことじゃない!!)」

書き込み途中の携帯を放り投げ、膝を抱えるネル。
その頬には、一筋の涙が伝っていった。



東京の夜は長い。
383名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 23:43:27 ID:VCAjaIm3
ハク、ネルくらいキャラ立ちしてるならともかく、色違いや属性付け程度なら別キャラと思えない…。
せいぜい違法改造とかヤンデレウイルスに感染しましたとか、そんな感じだ。

>>382
GJ! 最近スイング・ガールズ見たから訛りもスムーズ再生されて萌えたw
384名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 00:25:59 ID:cTkxUigP
>>382
室井さんのことかwwwGJ
385名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 01:06:40 ID:aE7cLmfd
つうかハクやネルは出生がきちんと分かってるけど、色かえ辺りになると整理されてなくて訳分からん。
正直、腐(ryが暴走して出来ただけじゃねぇ?とも思ってしまう。
それ言うとハクやネルもそうなんだけど…


あとヤンデリンやイケレンは派生じゃなく形容詞じゃねぇの?
386名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 02:36:12 ID:1BlxON4G
もう、その話やめ
キャラ定義とかは荒れまっせ
387名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 06:36:05 ID:0kgUet1H
そもそもキャラ定義などないからな

別にメイコが巨乳で酒飲みお姉さんキャラなんて公式設定などない
カイトは公式設定でヘタレでもアイス好きでもない
忘れがちだけどみんなが持ってる定着イメージは全部「公認もされていない非公式設定」なんだぜ

だからキャラ定義の話は不毛な上に無意味
388名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 08:07:55 ID:BPFrjXb/
ここで話をぶったぎってネタ投下

・年長組年少組で4P
・感覚リンクしてる双子
・鏡設定で鏡に向かって自慰する双子

双子ばかりですまん。
俺に文章力があれば……
389名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 12:40:28 ID:3skiH4j0
感覚リンクに一票。
ごっついエロになりそうな予感。
390名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 13:08:08 ID:3BfU3iH5
双子の感覚リンクネタは同人誌で何冊もあるな
いくつか買ったぜ
391名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 14:47:22 ID:F1LoPTuI
年長年少4Pに一票
とはいうものの双子物なら何でもwktkして待ってます
392 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/12(水) 15:14:14 ID:WCjObYLJ
派生云々の話題があったので、色んなボーカロイドを詰め込んでみた
はちゅねメインでそれっぽく見せるために平仮名多用してるから読みにくいかも
393 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/12(水) 15:15:37 ID:WCjObYLJ
こんにちは、わたしははちゅねミクです。
ますたーがおしごとしているあいだはひまなのでネギをふっています。きょうもいえのおにわのおはなばたけのなかでネギをひたすらふっています。

「はちゅねー!今日も歌合わせよー!」
あ、はつねだ。>ワ<のかおでこっちにむかってくる。
わたしはいちにちいっかい、はつねのうたにあわせてネギをふります。そうしなければいけないきがするからです。だからきょうもはつねのうたにあわせてネギをふりました。
「あー楽しかった!じゃあねはちゅね、また明日!」
かえるはつねをネギをふってみおくります。そしてそのままネギをふりつづけました。
「あ、はちゅねだー」
「なに、今日もネギ振ってんの?」
けっ、きいろいふたごがやってきやがった。なんだおまえらなれなれしいぞとししたのくせに。
「今日も葱を降り続ける一日が始まるおーなんつって」
「あははー!」
むかつくからネギでぺちぺちたたいてやりました。あんまりこうかはありませんでした。ざんねんです。
「じゃーねー」
「ネギ振るのも程々にねー?」
きいろいふたごはいいたいほうだいいってかえっていきました。にどとこっちくんな。
しばらくねたりおきたりネギふったりしていたら、めいこさんとかいとさんがやってきました。
「やあ、はちゅね」
「あんたは本当にいつもネギ振ってんのね…よく飽きないわね」
おふたりはでーとですか?
「そんな大層なもんじゃ無いわよ、こいつのアイスを買いに行くのに付き合ってただけ」
「え、俺がめーちゃんの酒を買うのに付き合ったんじゃないの?」
もうなんでもいいです、ごちそうさまでした。
「そうそう、さっきマックの前を通ったらドナルドが凄い素敵な笑顔で歩いてたよ。誰か探してるみたい」
「今のあいつに絡まれたら色々ヤバそうだからはちゅねも気をつけてね」
わかりましたらんらんるー。
「またね。はちゅねのマスターによろしく」
そういってめいこさんたちはこんびにへむかっていきました。ふたりともかっこよくてあこがれます。
394 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/12(水) 15:18:07 ID:WCjObYLJ
「あー行っちゃったじゃない!ハクがノロノロしてるから!」
「わ、私のせいですかぁ!?ネルが話しかけないからじゃないんですか!」
「うるさーい!」
きょうはせんきゃくばんらいです。おとなのつごうですか?つーかはくとねる、なにやってんですか。
「メイコさんとカイトさんがいたから話しかけようとしたんですけど、ネルが…」
「う、うるさい!あたしはメイコさんと仲良くしてるカイトさんなんて見たくないのよ!」
なにいってんですかこのねるねるねるねは。あのふたりはべすとかっぷるじゃないですか。
「…はちゅねちゃん、ネルの心情も察してあげてください…」
「もういい!飽きた寝る!」
「あ、ちょっとネル先に行かないで下さいよ!はちゅねちゃんごめんなさい、お邪魔しました!」
ひとりでさっさといってしまったねるとそれをおいかけるはく。なんであのふたりがなかがいいかさっぱりわかりません。

それからどれだけたったか、きづけばゆうがたです。さいきんはゆうがたでもだいぶあたたかいです。
「はちゅね!」
あ、ますたー。おしごとはおわりましたか?
「ああ…何度もやったけどうまくいかねぇ。本当に嫌になる」
ますたーはすこしたんきで、おしごとがうまくいかないときーぼーどをこわしてしまったりします。でもほんとうはいいひとだから、わたしはだいすきです。
「今日の夕飯はカレーだ。この前スーパーで面白そうなのを買ってみた」
いくらどんがたべたかったなぁ〜
「カレーライスだってたべたがってただろうが」
ますたーといっしょにいえのなかにはいります。きょうはたくさんのひととあったからつかれました。
ところでますたー、おもしろそうなかれーってなんですか?
「ん?熊カレー」
395 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/12(水) 15:23:03 ID:WCjObYLJ
海外組とディレイ・ラマが涙目なSS投下終了
マスターと師匠の配置については反省はしているが後悔はしていない
396名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 15:24:08 ID:1BlxON4G
繝阪ち貅霈駅ww
閨門殴?シャ?シッ?シュ縺ョ繧オ繝懊ユ繝ウ縺上s縺ソ縺溘>縺ェ縺ッ縺。繧?縺ュ縺ォ關後∴縺セ縺励◆
縺薙∪縺代□繧?
397名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 15:44:53 ID:+h1zRLio
ちょっと読みづらいが和んだ
まさかマスターってどこぞのドイツ少年じゃないだろうな…
398名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 15:56:41 ID:/5q/m8bX
それにしてもここは先にカップリングを書かないカスが多いな。

派生云々言う前に基本的な事出来るようになれよ。
カップリングの好き嫌いも人それぞれだろ。
399名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 16:10:59 ID:zPOhq/i7
文句だけだけいう奴は必ずと言っていいほど単発age
400名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 16:11:36 ID:Pz+z3Woh
>>393
はちゅね視点とは新しいね。可愛いと思ったら意外と黒くて笑ったw

>>398
注意書きは必要だと思うけど、この程度で他人をカス呼ばわりするなら
2chには向いてないと思うよ。
401:2008/03/12(水) 16:49:33 ID:Eavw7wl+
>>398
一理あるけど
中にはCPの判断がしにくいものもあるからね
402 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/12(水) 17:51:05 ID:WCjObYLJ
>>398
すまん、カップリング素で書き忘れた
一応これネル→カイメイになるのか?次から気をつけます
403名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 20:22:07 ID:bbzMrWhE
>>396
日本語でおk
404名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 21:56:00 ID:cTkxUigP
>>398
上げんなよカス
405石ころ:2008/03/13(木) 01:23:53 ID:IVJCL9PH
マスハクの続き投下します。
エロはありません。
406石ころ:2008/03/13(木) 01:25:58 ID:IVJCL9PH
「ハク!どこだ!」
店を出た後、マスターはあても無く走り回って探していた。ぶっちゃけニートなため、部屋からほとんど出たことが無い、そのため、ハクと一緒に外出とかしたことが無いのだ。だからハクが行くような場所の検討がつかなかった。
「ハァハァ」(走るのしんどい、歩くか)
 
一方そのころハクはと言うと。
「このまま私なんかが生きててもしょうがない、鬱だ死のう……」
公園の木の上でロープの先にワッカを作り旅立とうとしていた(あの世的な場所へ)
407石ころ:2008/03/13(木) 01:27:32 ID:IVJCL9PH
歩き疲れたマスターが休憩するためにその公園来た。ベンチで一息ついている時にふと見た木の上にハクが居た。
「ハク!?」
(ヤバい!なんか旅立とうとしてる!)
「待て!早まるな!」

「マスター!?キャッ!」
突然の声に驚き、足を滑らせ木から落ちる。
「ハクゥウゥゥ!!」
408石ころ:2008/03/13(木) 01:35:54 ID:IVJCL9PH
「うぅ……」
幸い首吊り自殺は免れたが、首ではなく頭にワッカがはまり、宙ぶらりんになり降りられなくなる。
「だ、大丈夫か?」
「はい、でも頭が痛いです……」
「待ってろ、今降ろしてやるから」
とりあえず何か無いかと周りを見渡すと丁度隣の木の裏に脚立があった。
「よし」
その脚立を使いハクを救出した。
「マスター!」
宙ぶらりんから解放された後、いきなり抱きついてきた。
「ハク……」
「ひっく、ごめんなさい……」
胸の中で泣き出したので何も言わずに優しく抱きしめ頭を撫でてやる。
 
「そろそろ帰るか……」
ハクは途中で泣き疲れてしまい寝てしまったので、おんぶして帰った。
409落ち&蛇足:2008/03/13(木) 01:40:00 ID:IVJCL9PH
木の上に一人の職人が居た、名を植木大五郎とゆう一流の剪定師だ。
今日は丁度ハクが旅立とうとしていた隣の木で仕事をしていた。だが仕事が終わり、木から降りようとした時にあったハズの脚立が無かったのだ。
「これじゃあ降りられねえじゃねえか!」
実は大五郎は軽い高所恐怖症なので飛び下りるなんてできないのだ、しかもこの公園、周りに民家が無く人気も無いので、取り壊しが決まっていた。つまり中から鍵が開かない密室と同じ状態である。
「どうすりゃ良いんだ?」
一ヶ月後、瀕死状態で大五郎は発見された。木の葉っぱを食べて命を繋いでいたようだ。
発見された時若干野生化してたのはなんとなく内緒。
410石ころ:2008/03/13(木) 01:42:30 ID:IVJCL9PH
続きます。
エロは次になります。
 
最後のはなんか気の迷いと勢いで書いてしまった、反省してます。(´・ω・`)
 
 
 
 
 
誰か文章力をわけて欲しい(´・ω・`)
411 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:17:56 ID:eEWHpJ3e
>>410
必要なのは文章力じゃねえ、おまいの 萌 え だ
そのためだけに俺たちは書き込むんだ
大 五 郎 に 萌 え た ゼ ハクカワユス

『アウレウス』の04を投下します。
自ずとしれたカイミクです。
412『アウレウス−04−』(1/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:19:32 ID:eEWHpJ3e
「お兄ちゃん…、…遅い」
「あきれた。まだ八時よ?」
「晩ご飯の時間は、七時だもん」
「そりゃ仕事だからさ。ちょっと遅いくらい」
「七時だもん」
「あー…、あのさあ? いくらなんでもカイトだってアンタばかりを構ってられやしないと思うの」
「…、なんで?」
「何でって。…アイツは生まれてすぐマスターに恵まれたアタシらと違って、長い間、ほ
っとかれてたのよ? 歌う事が本能みたいなアタシ達VOCALOIDにとって、それは
とても不幸な事でしょ。だから、今は仕事が一番。嬉しくて仕方がないんじゃない? 夢
中になって当然。他の事なんか目に入らないわよ」
「一番…、しごとが?」
「まー、アンタもおにいちゃん離れする時期ってことでしょ。…あっ」
「お、ただいまー」
「お帰りなさい、マスター! 遅かったじゃない?」
「ただいま」
「カイトもお帰り」
「お、お兄ちゃん! お帰りなさい!」
「ただいま、ミク」
「え、あの、えとねっ! その」
「おーい、カイト。ちょっとこっち来てくれないか?」
「あ、ハイ。何ですか、マスター?」
「あ。 ……。」
「ちょいこれを見てもらいたんだが」
「これですか? そうですね…。……、マスター」
「どーだ?」
「正気ですか?」
「ちょっと! 帰ったとたんに仕事話? 男二人で熱心なのはいいことだけど、晩ご飯はどーしたのよ?」
「ん? 食べて帰った」

「…。おにいちゃんのバカイト」
413『アウレウス−04−』(1/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:20:17 ID:eEWHpJ3e
4−


「いやー! 良かったぞ? カイト」
マスターが爆笑しながら、拍手と終了の合図を出した。
モウカンベンシテクダサイとついて出そうな言葉をひっこめ、コートを羽織り帰り支度を
する俺の肩を、マスターが珍しくぽんと叩いた。
「おつかれ」
「?」
「うん、おつかれ」
マスターは満足げに微笑んでいる。肩に置かれた手を不審に思い、「ありがとうございます。
それで次はナニを?」と先んじて尋ねる、すると返ってきた答えに俺は目を見開いた。
「いや? 特に考えてない」
「え?」
「んー」
マスターは考えるときの頭髪を手で掴みもしゃもしゃと掻き乱すポーズで告げる。
「まあ、とりあえず今日は帰って休もうな」

そんなマスターにどことなく引っかかるものを感じたが、追求することなく家路につくと、
玄関のところでMEIKOがいた。
なんだかこうやって顔を合わせるのが久しぶりな気がする。
「ただいま」
「や、おかえり」
「どうしたの? その格好」
414『アウレウス−04−』(3/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:20:59 ID:eEWHpJ3e
MEIKOは気合いの入った格好で、エナメルの紅いピンヒールを履いているところだ。爪先に靴を引っかけたまま、おかえりとこちらを見上げる。
「うふん」
「なんだ? もう準備万端か」
MEIKOは意味ありげにウインクし、答えは苦笑しているマスターが返した。
「たまには外の良いところへ呑みに行きたいんだと」
「そ♪
 と、い、う、わ、け、で。アタシはこれからマスターとデートしてくるから。留守番よろしく〜!
 ミクが寂しがってるわよ?」
「悪いな、カイト」
「いえ」

−ミクが寂しがってるわよ?−

慌ただしく再外出したマスターとMEIKOを向こうに、ぱたと玄関のドアが閉じると、
俺は不意に落ち着かない気分になった。なんだかそわそわする。
なんだコレ?
マスターを今から呼び戻そうかとも思ったが、気合いの入ったMEIKOの姿を思い出すとためらわれる。
リビングに灯りが着いていた。
415『アウレウス−04−』(4/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:21:37 ID:eEWHpJ3e
TVがついている。バラエティ番組の笑い声が聞こえる。
「ただいま」
やはりミクは居た。
ソファに座って、TVを見ている。
それだけで無条件に嬉しくなって隣に腰掛ける。
が。
「……。」
あれ?
俺、いまさっき『ただいま』って言ったよね?
「ミク?」
ミクの反応の無さにのぞきこむと。

にらまれた。

「……え…」

「ナニか?」

ミクが立ち上がる。
つられて立ち上がるのを、ミクは全身で拒絶した。
「だいっきらい」
その声質は、あまりにも硬くて、最初、ミクが何を言ったのか理解できなかった。
「え」
だから、ミクははっきりと言った。
「いまさら優しいフリしてくれても、もう知らない!」

「わたしはお兄ちゃんが大っ嫌いです」



ガチャと玄関の開く音がした。

「ただいま、…お? カイト、なんでそんなとこに突っ立って…」
「あれ? カイト、アンタ…え? え?」
「!!」
「どうしたのよ! ちょっ、大丈夫!? マスター!?」
416『アウレウス−04−』(5/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:22:13 ID:eEWHpJ3e
朝が来た。
壁に掛けてる時計の針が7と12を指すのを、ミクはばっちり見て、おもいっきり頭から
布団をひっかぶった。
絶対起きてやるもんか。
お兄ちゃんが来たら、ネギ枕をぶつけてやる。
もちろんこれは、起床時間の7時を過ぎてミクがお寝坊した時にはいつもお兄ちゃんが起
こしに来てくれることを念頭に置いた上での思考である。
VOCALOIDに睡眠は必要ないが、マスターの睡眠時間活動時間に合わせてスリープ
モードに入るのが一般的だ。
マスターの起床時間は日によって違うし、あのマスターがきっかり7時に起きてくるワケ
ではなかったが、それでも起床時間はマスターが朝食を食べる午前7時に決まっていた。朝食はみんなそろって食べるのだ。
ミクは、それをぶっちしてやろうと画策しているのだ。
お兄ちゃんが悪いんだもん!
そーよ。お兄ちゃんなんかマスターとお仕事とお仕事と一緒にご飯食べてればいいのよ。
誰がそんなお兄ちゃんなんかと、お兄ちゃんなんかと一緒にご飯してやるもんか。
「……。」
ミクはのそっと布団から頭を出して、視線の先にある部屋のドアをじーっと見た。
きっと今、リビングの方ではマスターがやってきて
「おはよ」「寝坊よ、マスター」「ん? ミクがいないじゃないか」「ああ、俺が起こしてきますよ」
みたいな会話しているに違いない。
417『アウレウス−04−』(6/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:22:48 ID:eEWHpJ3e
廊下を歩くコツコツという足音が聞こえた気がして、ミクはばっと布団を被った。
これは自分の尊厳をかけた戦い、なのである。
わたしの怒りをお兄ちゃんに思い知らせてやるの、である。
お兄ちゃんが自分の間違いに気付いて反省しまくるまで許してやらないんだから!
……。
そうは思えど、ドキドキする。
どきどきどきどきどきどきどき。
気付けば三分、経っていた。
遅くない?
いや、もうちょっと待ってみよう。
起き上がって、ベッドの上にお座りして待つ。
この時点で、すでに最初の目的を忘れかけているミクだが、それでもちょこんとお座りしてます。
上を向いていた時計の長針が、一気に真下へやってきた。
7時30分になりました。
7時45分になりました。
8時25分になりました。

「ただいま」
マスターが帰ってきたのを待ちかまえていたメイコが、リビングから飛び出てきた。
「どうだった?」
「本社のメンテナンスをお願いしてきた」
「それで大丈夫なの? カイトのやつ」
「ああ、元々カイトはメンテの時期だったんだ。
 そこに過度の稼働条件が重なり、システム不全を起こしたのだろう」
「アタシのメンテは三日で終わったけど、…どれくらいかかるかしら?」
「分からない」
マスターは首を振る。
「うかつだった。俺はメイコにもああいう使い方はしたことが無かったのに」
メイコは言葉に詰まり、そして気付いた。

「ミク」

「アナタ、いつの間に」
418『アウレウス−04−』(7/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:23:30 ID:eEWHpJ3e
考える時間だけは山ほどあった。
VOCALOIDは人間と違い、自ずから消去しない限り、記憶を『忘れる』ことが無い。
かならずどこかのデータフォルダに遺っている。
「どうやったらこの見事な酷使っぷりが再現出来んだー?」
メンテナンス担当の古泉さんが、逆におもしろがりながらも尋ねてくる。
「まー、こっち帰ってきてメンテしてくれんだから別にイイんだけどね」
メンテナンスはほんの一週間で終わった。
「ホイ、これでばっちぐーよ?
 VOCALOIDは繊細なんだから、これからも手遅れになる前にこまめなメンテを忘れずにな」
「ありがとうございます」
「…。なあ? どっか、まだ調子悪いトコあったりすんの?」
「え? イエ…そんなことは」
−わたしはお兄ちゃんが大っ嫌いです−
「そうかあ? 俺にはどーも、KAITOお前が本調子になったようには見えないんだが」
古泉さんは真顔で言う。
「メンテナンスは完了したのでしょう?」
だったら、ドコも悪くはないはずですよ。
微笑みを作る俺。
古泉さんはどこか解せないという表情でいたが、やがて何を思ったか、
二つほどウンウンと腕を組んで頷いた。
「そんなKAITO君に素敵なニュースだ!」

「もうすぐ、新しい子が出来るよ」

新しい? 子?

「初めて、聞きました」
「まだ社外秘だからなー」
けろっと機密情報を吐露して、古泉さんは「嬉しいだろ?」と聞いてきた。
「初音ミクのヒットで開発陣に弾みがついたらしい。
 セカンドはこれまでに無いすげーのを作るんだって、意気込みまくってんぞ?
 なあに、社外秘ていってもKAITOはうちの子だ。
 よし! これから新しいキョウダイにアイサツしに行こうぜ!」
419『アウレウス−04−』(8/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:24:04 ID:eEWHpJ3e
「ちわーっす。お仕事ご苦労さんでーっす」
「また君か…」
チーフらしき研究員が眉をしかめる。
だが、古泉さんが持ってきたドーナッツを差し出すと、渋い顔のまま受け取った。
「頑張ってる開発チームの皆さんに、差し入れっすよ」
「いつもありがとう、だが…」
受け取った後、俺に気付く。
「君は、…KAITO、CRV2か」
「メンテで帰ってきたんすよ。良い機会だから、セカンドちゃんに会わせてあげたいなーっと」
ミクが『01−ファースト−』で、二人目だから『02−セカンド−』。
「セカンドを見たいのは君だろう」
開発チーフはやがて俺を奥へと促した。
「2ndはまだ赤子にも成っていない、子宮の中の卵みたいなものだ」
その部屋は、二つに区切られていた。
研究員が調整を行うモニターの並べられた区画と、ガラスの向こう。無菌室。
舞い上がった古泉さんがきょろきょろしている後ろで、俺は無菌室で寝ている『セカンド』を見つけた。
まだ器となるべき身体をもたないセカンドは、剥き出しの核−コア−で存在し、モニタールームから伸びる多様な配線に繋がれている。
俺も、ミクも、こうやって生まれた。

何を間違ってしまったのだろう。

今なら分かる。
俺はミクの望む『兄』になりきれなかったのだと。
420『アウレウス−04−』(9/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:24:56 ID:eEWHpJ3e
けれど、俺は俺が『兄』である限り、ミクがほほえんでくれると思いこんでいた。
思いこんでいた。
再会したあの日、再会したあの時、ミクはちゃんと言ったじゃないか。
『おにいちゃんは優しいから』大好きなのだと。
−兄弟じゃなかったら−
自分の事ばかりかまけて、ミクの事を二の次にしていた俺のどこが優しいお兄ちゃんでありえたのか。

−わたしはお兄ちゃんが大っ嫌いです−

俺は。
何を勘違いしていたのだろう。

−可能なら二度と会わずに生きる事を望んでいる−

ミクは『やさしいおにいちゃん』を望み、俺に失望した。
そんな単純な事に何故もっと早く気づけなかったのか。
「会話してみるか?」
開発チーフが声をかけてきた。
ここのモニターはセカンドと繋がっている。
モニター越しならセカンドとコンタクトを取る事が出来る。
俺はVOCALOIDだから、プラグを繋げば電脳世界で直接話すことが出来る。
もう、メンテナンスは終わった。
戻ったとき、ミクは俺をどんな目で見るだろう。
−嫌い−
せめてでいいから微笑んで欲しいと願うのは、俺のワガママだろうか。
俺は…。

−深刻なエラーが発生しました− −深刻なエラーが発生しました− −深刻なエラーが発生しました−
−深刻なエラーが発生しました− −深刻なエラーが発生しました− −深刻なエラーが発生しました−



421『アウレウス−04−』(10/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:27:26 ID:eEWHpJ3e
「ッ!?」
部屋中のモニターがいきなり赤色に点滅した。
「何が起こった!?」
開発チーフの声で我に返ると、飛び交う研究員達の言葉で深刻な事態にあるのは2ndだと理解する。
「データが異常な収縮活動を起こしています!」
「ウィルス感染かっ!?」
「ウィルス検索開始します!」
「危険です! ここまま行くと203secで」
「検索率80%! ウィルス反応無し!」
「ああいい! とにかく2ndの基礎核だけでも救出しろ!」
「無理です! 速すぎて捕捉が追いつきません!」
「残り142sec!」
「代われ! 俺がやる!」
「チーフ! 異常値が更に!」
「残り36sec!」
36secの悲鳴が上がる。俺はそのとき、接続プラグを掴んだ。
「KAITOぉお!?」
古泉さんの声までで、聴覚が外界と隔絶される。ダイブイン開始。30secあれば。
視覚が同時に切り替わると、俺はかつて無い電子の嵐に飲み込まれた。
−キィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ−
くるくると猛烈な衝撃に意識まで吹っ飛ばされかけ、0.23591secのロス。
踏みとどまり、見通しの効かない中、2ndの状況をサーチすると、とんでもない。
「嵐のど真ん中じゃないか!」
嵐の発生源そのものがつまり2nd。
これは嵐じゃなくて、2ndの暴走が引き起こしたノイズなのか。
「いや、ノイズじゃない」

「泣き喚いているんだ」

2ndが。
422『アウレウス−04−』(11/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:28:18 ID:eEWHpJ3e
こんなことがあるのだろうか。
生まれたての人間の赤子が泣き喚くがごとくに、制御しきれぬ雄叫びを騰げている。
収縮し拡張し端からブレて。
落ち着かせようにもあやそうにも、中心部へは加速する嵐に弾かれて近づく事すら出来やしない。
「なんてパワーだ」
だがこのままだと間違いなく、2ndを包むコアが許容限界を超え、新しい存在である2ndもろとも…。
一体どうすれば。
「!」
このときの俺の思考は『やぶれかぶれ』だったに違いない。近づけないの、なら!
俺は俺の記憶から『子守歌』を検索した。
…無い!?
マスターの入力してくれたヤツにそれっぽいものがことごとく皆無、マジ無い。
考えなくても無くて当然だが、マジで無い。そもそも、まともな歌すら一個も無い!
子守歌で引っかかる歌詞は出てきても、メロディラインがワカリマセン。
外部検索かけるにも、ここは開発室の隠蔽されたイントラネット。
そこで。

「……。」

俺は、子守歌に限りなく近い、歌を、見つけた。

♪〜


423『アウレウス−04−』(12/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:41:55 ID:eEWHpJ3e
ピ…


ピ…ピピ…ピ…


「…、エラーが…」
開発室がしんと静まりかえり、やがて一人が呟く。
モニターで赤い警告発光していたエラーメッセージが、片端から消えていく。

−システムは正常に稼働しています−

「うたがする」
誰もがその歌声に気付いていた。
現実でない仮想空間から歌が聞こえる。
「これ、KAITOの声じゃ」
「モニターをチェックしろ!」
開発チーフの号令で、モニター画面が切り替わる。
KAITOが歌っている。
どこか聞き慣れた、懐かしい歌を。
「………からす」



KAITOが歌っていた。
424『アウレウス−04−』(13/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:42:32 ID:eEWHpJ3e
「七つの子、か」
しんとした開発室の中で、チーフだけが懐かしげに曲名を唱えた。
言葉に紡ぐその顔には、微笑みすら見受けられる。
「KAITOが完成したとき、初めて歌わせた曲だよ」
「良い声してるんすね、KAITOって」
「はは、今更この歌を聴くことになるとは」
もしかして、この人が作った歌唱データなのだろうかと古泉さんがふと思った時、モニタ
ーを見ていた研究員が声を上げた。
「チーフ! 見てください! 2ndが二つに!」
「二つ?」
見ると確かに、沈静化した2ndの姿が、二つに見える。
いや、データを確認すると、2ndが二つある!?
「コアの中でデータが二つに分裂した!?」
研究員たちがどよめく。
「急激な伸縮と膨張を短期で繰り返した結果、二つに分かれたままで固定されたのか」
「ありうるのか、そんなこと」
「詰め込みすぎたんだわ。初音ミクを超えるものを作り出そうと私たちはやりすぎた。
 2ndの方が音を上げて暴走を引き起こすまでに。
 二つに分裂してそれで落ち着いたのなら、これは奇跡としか言いようのない幸運よ」
「奇跡を起こしたのが、同じVOCALOIDの歌声というのがすごいな」
「歌声が奇跡を引き起こしたのか、それとも起こるべき偶然だったのか」
「検証をするのは後にしろ、すぐに新しいコアの作成に取りかかるぞ!」
425『アウレウス−04−』(14/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:43:15 ID:eEWHpJ3e
開発チーフの声で、研究員達が動き出す。
「二つに分かれたのなら、このまま二つで対として作り上げればいいだけだ」
「双子ちゃんかよ」
古泉さんが何もしていないのにたははと笑って座り崩れた。



「やあ」

暴走が収まり、そして歌い終え。
目を開くと、二人の2ndが居た。
意識のある状態で、電子の海の中、うつらうつらと眠りを紡いでいる。
ほほえましく思う。
開発室での会話は聞いていた。
二つで対、最初から兄弟として存在できる彼らがすこし、うらやましい。
双子が、眠りながらもこちらに注目しているのが分かった。
歌って欲しいのかな?
いや、彼らは自分たち以外の存在を知るのは初めてなんだ。好奇心が強い。
…。
…やさしい、おにいちゃん、か。
俺はおかしいのだろうか。
それでもいいと心の中でナニかが囁く。
必要とされるならそれは、俺自身じゃなくてもいい。
「俺はカイト。ええと…、君たちの兄だよ?」
ただ、彼女の『兄』になりきるだけだ。
426『アウレウス−04−』(15/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:44:57 ID:eEWHpJ3e
ミクは夢を見ていた。
リノリウムの廊下続く無機質な空間は、生まれた場所。
探して探してすごく探して。
夢から覚めた時、ミクは涙を流していた。

見つけた、と思ったのに。

ごめんなさい。

おにいちゃん、ごめんなさい。
それだけを言いたかった、のに。

なんでうまくいかないんだろう


<続>
427 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/13(木) 02:50:37 ID:eEWHpJ3e
あ。ツマンネwしわすれた。>>406-409ツマンネw
428名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 03:32:08 ID:0eRyHX8l
携帯から失礼。一言書かせてくれ。

萌 殺 す 気 か

職人の方々、マジでGJ!

429名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 07:29:12 ID:HKwHYFvD
GJGJ!!
430名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 09:52:31 ID:3csttttd
カイミクとしてもひとつの話としても読んでて面白いなあGJ!
地味にうろたんキャラや小ネタがあるのも嬉しいw
431名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 10:01:34 ID:IVJCL9PH
>>411
ありがとう目が覚めたよ。エロなんて下手とか関係ねえ!自分が萌えるかどうかだ!
次頑張るよ。
 
>>412-426
GJ!双子がどう絡むかミクとKAITOの仲がどうなるか続きが気になるw
 
>>427
すんません、兄貴って呼んで良いですか?w
432名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 12:00:01 ID:sNIoFgQL
うおおぉ!GJ!GJ!
カイミクにはげ萌えた(´д`*)ハァハァ
続き楽しみにしてます
433名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:11:20 ID:M25s4D0o
おまえら、ここに鏡音リンて入れてみ
まさしくこのスレのリンが出てくるから
ttp://usokomaker.com/meishi/
434名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:17:37 ID:w3JH4M4i
>>433
鏡音レンも入れて二つ並べると笑えるw
435名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 16:42:06 ID:IVJCL9PH
レンのプロフにポテロングでさらに吹いたw
436名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 19:03:06 ID:HOQ0rYEU
>>430のIDがなんかすごい
437名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 19:50:55 ID:y0j2JP/k
GJ作品ラッシュ!
そんなときに肩身は狭いけど、レン→ミクな感じで走り書き。
SSにもならないメモですが、あまりにレンミクがないので。
エロなしでミクでません。


「レンー、レン宛になんかクリ○トンから届いたよー?」

自室で楽譜を読んでると、玄関のほうからリンの声がした。
今行くーと返し、散らかした楽譜を片付ける…が
「なんだろ、あけていいー?」
こちらに向かってきながら、バリバリと何かが破られる音がする。
俺は片付けていた楽譜を放り出して、廊下に飛び出しリンに飛び掛った。
「バカリン!! 返せよ!」
勢いそのままに荷物をリンから奪い取って、自室に逃げ込み鍵をかけた。
トビラの向こうから聞こえてくる、リンの不満と怒りの声と、トビラをぶち破りかねない激しいノック。
騒がしいBGMは気にせずに、俺は包装紙がほとんど破られた箱のふたに手をかけた。

入っていたのは、いつもと変わらないデザインの靴。
ただ、デザインは同じだけれど、靴底の高いエアバッシュ。
リンにもばれないよう、ソロ曲のギャラ使ってこっそりクリプ○ンに頼んだ、期待通りの品だ。

これさえあれば、ミクにも目線が合うだろう。

一番に思い浮かんだそのことに、期待に胸があふれつつ、なんだか悲しくなった。




こんだけでせいいっぱいでした。えろはむりでし、た。
恋は戦争ききながら、レンミクこないかなー、ミクレンもいいなーと。
438名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 20:39:26 ID:DDYkLWsq
GJ!
身長差を気にするレンカワユス
レンミクレンはいつか大波がくるんじゃないかと思ってるオイシイ組み合わせだ。

年下だとばかり思っていたレンが垣間見せる成長期特有の色気にどきどきするミクとか、
若さゆえに前向きにも後ろ向きにも突っ走るレンに振り回されるミクとかイイな。

リンでも同じシチュでいけるけど、ミクだとレンが一段弱い立場からのスタートだから面白い。
439名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 20:54:39 ID:FFUGuy+Q
>>437
ちょっとニヤニヤしたwGJ!

そんな俺はメイコお姉さんに憬れるレンが(ry
440名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 00:13:14 ID:TEKx+SDu
カイメイネタ
エロなしですが投下していいですか?
441名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 00:16:05 ID:ubypNk2x
どーんとこいってんだ
どーんとこいってんだ
442名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 00:33:06 ID:X+sPlG39
おねがいします!
443名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 00:52:06 ID:7IxYxmuQ
>>427
亀だが言わせてくれ。あなたのサイバー描写が大好きだ。
あと、寝る前に鼻血でるかってくらい萌えた。
444名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 01:04:49 ID://npW+Wd
>>440
wktkで待ってる

あと>>326>>324の体入れ替えネタ、オチはともかくMEIKOの体がけしからんw
実際処女はほとんど感じないというか感じやすさは経験するほど磨かれるらしいね!
445名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 01:06:51 ID:lgZ0+TDb
↑同意!
俺も>>326>>324でリンレン以上にメイコに燃えたw
446名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 10:58:51 ID:2iQY1LVT
恋は銭湯聞いてイラスト含めなんかエロネタできないかと考えて諦めた(´・ω・`)
447名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 11:14:22 ID:Xfooc4v9
>>446
メイミクがイチャイチャしている所にカイト登場、3Pで…

ここまでなら考えられた
448名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 12:27:13 ID:OSudDS+u
>>447
「ミク、シャンプーあったわよ」
「メイコ姉さんそれ精液ですぅー!」

ここまで妄想した
449名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 16:09:09 ID:LKyJg5vO
メイコ「あらミク、精液はね、タンパク質が多く含まれていてとても髪に良いのよ?
それに飲んでも体にいいんだから! だ・か・ら もっとシュコシュコしちゃいましょう」
そう言ってメイコ姉はカイト兄のポンプを激しく擦り、時折舌でやさしく舐めあげた。

カイト「あ…ぐっ…」
カイト兄はすでに6回も射精し、体力は限界に来ているようだ。

でも私は助けてあげない。お風呂を覗くお兄ちゃんが悪いんだから。そうこれはお仕置きなのだ。


ここまで妄想した。
文章力ねぇ…
450名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 16:55:49 ID:ubypNk2x
内心カイトはほくそ笑んでいた。

くっくっく…こいつらは知らない。
体温以上に温められたザーメンがどうなるかを…。
風呂上がりに覚悟しておけ!髪に絡まってカッピカピになるんだからなぁ!ひゃっひゃっひゃっ!

「メイコ姉、なんかカイトにやけてるよ」
「あら、余裕なのね。もう一本イっとく?」
「えっちょっ、そろそろやめ、あっあ〜」
451名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:24:12 ID:TEKx+SDu
>>441
>>442

じゃぁ、投下します。

下手ですいません。


[めーちゃんとバニラ]


「めーちゃん」
聞き慣れた声を後ろに聞いた。
熱心に目を通していた楽譜から顔を上げ、振り向く。

「カイト。どうしたの」綺麗な青い色をした髪をくしゃくしゃとかきながらカイトは近づいていてきた。

「これ〜、プレゼント!めーちゃんにぴったりだと思って」

カイトの右手に、ピンクの包装紙にくるまれ、丁寧にリボンがかけられた箱がのっていた。

「あたしに……?うそ、ありがとう!」
452名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:25:15 ID:TEKx+SDu
カイトがあまりニコニコしているので、つられてメイコも微笑んでしまう。

はい、と渡された包みは、メイコの小さめの手には少し大きく、ずっしりと重みがある。

「開けていい?」
「うん、開けてみて」
微笑むカイトが見つめるなか、メイコは細い指で器用にリボンをとき、丁寧に包みを開けた。

カイトから初めてのプレゼントということもあり、外装でさえ大切に思えたのだ。

「わぁ……可愛い!!」
中から現れたのは、赤いハートのビンの香水だった。

「でしょ。めーちゃんの雰囲気に合うやつ、やっと見つけたんだ。匂いも俺の好みだからつけてみて」

「うん!!」

ビンのキャップを外し、頭の上で二回ほどシュッとスプレーし、その霧を被る。
昔からのメイコの香水の付け方だ。

すぐに体から甘めの香りが漂ってきた。きつすぎるツンとした匂いでも、子供だましみたいに甘ったるいにおいでもない、落ち着いた、それでいて可愛らしい香りだった。
453名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:25:58 ID:TEKx+SDu
「ふふ、カイトらしいわ。これ、バニラ系の香りね。でもこの香り好きだわ、カイトありがとう」
最上級のかわいらしさで、メイコがニコッと微笑んだ。

「どういたしまして…あ、やっぱりめーちゃんいい匂いになった!」

「えへへ、やだ、照れるじゃない」

カイトの幸せそうな笑顔に油断していたのがいけなかった。

「……ッ!カイト!?」温かい感触に包まれて動けなくなった。

赤らんだその頬には、青いマフラーが触れる。

カイトが近づいてきて手を伸ばしてきたと思ったら、一瞬のすきに抱きすくめられていたのだ。

突然の行動に混乱していたものの、嫌ではなかった。
むしろ、この上なく嬉しい。
だから、許してあげることにした。

「もう、カイトったら……。一分だけよ?」

「素直じゃないなぁめーちゃんは」
メイコを抱きしめる腕はそのままに、カイトが笑った。

本当はカイトの背中に腕を回したかったのだが、カイトの腕に体がすっぽりと覆われて
身動きがとれないので、仕方なくそのままでいることにした。

メイコはほおに柔らかい笑みを浮かべ、目をとじる。

……が、すぐに嫌な予感がして目を開けてしまった。
メイコの目の前に見えるドアがかすかに開く音がしたのだ。
「あ…っ!」
驚いたメイコが小さく声を上げたのと、半開きのドアの向こう側のミクが目を見開いたのは、ほぼ同時。

ドアに背を向けているカイトは全く気付いておらず、メイコを離さない。
なすすべもなく、ただ顔を赤らめるメイコに、ミクはいたずらっぽくニヤッと笑ってみせた。

「おとりこみ中でしたか。おじゃましましたぁ、ごゆっくり♪」
音を立てずにドアを閉めたミクがいなくなってから、やっとカイトはメイコを解放した。

「……」
「今の……ミクか?」
顔を合わせて二人はぎこちなく肩をすくめて笑うしかなかった。

454名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 17:26:44 ID:TEKx+SDu
以上です。

割り込んじゃってすいません…
455:2008/03/14(金) 17:44:18 ID:md5MUT7/
なんと言う微黒ミクwww
GJです
456:2008/03/14(金) 17:44:59 ID:md5MUT7/
>>446-449
俺からはこう見えた

「ミクー、久しぶりに一緒にお風呂はいるわよ」
「やったー」
「めーちゃん、ぼくはー?」
ソファーでメイコとミクが一緒にTVを見ながら話し合っていると
後ろから、洗い物を済ませたカイトが手を拭きながら話に加わってくる。
「あんた何歳よ」
「ぼく、さん――」
「あーはいはい」
カイトが年齢を言う隙を与えないかのように言葉を遮ってしまう。
「うぅー、酷いよめーちゃん」
「あははっっ、カイトおにいちゃんおもしろーい」
「さて、行くわよミク」
「うん また後でね。カイトおにいちゃん」
「いってらっしゃい」
ソファーから立ち上がった二人は家のお風呂へと向かう。
二人は気づいていない、カイトが目を鋭くさせてニヤリッと笑ったことを・・・。
この家のお風呂とても大きく『露天風呂じゃない?』と聞きたくなるような程の大きさだ。

カポーン

そんな音が聞こえてきそうな雰囲気を漂わせながら、二人はお風呂に浸かっていた
文字通り肩まで、お湯に沈めていた。のほほ〜んとした空気がお風呂全体を包み込む。
「ミク〜」
「なに〜メイコおねえちゃん」
「最近は調子はどうなの〜」
「いいよ〜、歌が歌えるだけで楽しいもん」
「そうよかったわね〜」
なんとも間の抜けた会話なのだろうか・・・だが見ている側からしても
なにかしら、心が癒されるところがある。
その後二人は少しの間、一言もしゃべらずにお風呂に浸かっていた、
寝ているんじゃないだろうかと思うぐらいに・・・。
唐突にメイコが立ち上がり風呂椅子にお湯を流してから
「ミク、ほら座りなさい。洗ってあげるから」
「えっ、いいよ自分でできるから」
「遠慮しない、ほら座る」
ミクは渋々お風呂から立ち上がりメイコが用意した風呂椅子に座る。
すると、メイコがお風呂のお湯を洗面器で掬い取りミクの頭にかけた後
シャンプーを手につけて、ミクの長い髪を洗い出す。
メイコの洗い方はとてもうまくミクもシャンプーが目に染みることなく洗い終わる。
「さて、次は身体ね・・・ええっとボディーシャンプーはっと・・・・あれ?」
「どうしたの?メイコおねえちゃん」
「ボディーシャンプー使い切ったみたい」
「あっ本当だ、最近無くなるの早いね」
「そうねー仕方ない・・・・・・かぁいとぉー」
メイコは大声でカイトを呼ぶ。だが、その声は風呂場なのにまったく反響することがなかった。
それは、家全体が防音素材で作られているからだ。家の外には音がまったく漏れる事がない。
なら、カイトにもその声は伝わらないのでは?と思うかもしれないが・・・
彼を含むこの家の住人は全員VOCALOIDであることを忘れてはいけない。
457:2008/03/14(金) 17:46:01 ID:md5MUT7/
ドタバタドタドタと音を立ててカイトが扉一枚隔てた向こうに現れる。
「なにかあった?」
「いや、ボディシャンプー切らしたから、取ってきてもらおうと思って呼んだの」
「そう言えば切れてたね、交換するのすっかり忘れてた、ちょっと待ってて取ってくるから」
「早めにねー」
「うん、」

再びドタバタドタドタと音を立てて、カイトはボディーシャンプーを取りに行く。
音が聞こえなくなり、メイコはミクの髪の毛を手の上に乗せた。
「それにしても、ミクの髪の毛は長くて綺麗だよね」
「そっそんなことないよ、これはメイコおねえちゃんがいつも手入れしてくれてるからだよ」
「ありがと、私もそのくらい綺麗だったらいいのにねー」
「メイコおねえちゃんだって、綺麗だよ・・・特に肌とかいつも艶々してるもん」
「これは、特殊な洗顔液使ってるからだよ」
「えっ、なになに教えてー」
「だーめ」
ミクがメイコの肌のことについて聞くが、乙女の秘密と言わんばかりにメイコが固守する。
文字通り特殊と言われるだけあって、実際上メイコの肌はとても艶やかであった。
「メイコおねえちゃんのケチ、教えてよー」
「んーじゃぁ、誰にも言ったらだめよ」
「うん」
「それは―――」
ここで、メイコの言葉は強制的に打ち切られる。
浴室の扉・・・お風呂に繋がる扉が開いたためだ。
そして、開いた先に立っていたのは、下半身をタオルで隠したカイトの姿であった。

と俺が発想を膨らませてみたが・・・いかかでしょうか。
直接、打ち込んだので誤字脱字は勘弁してください
※自分が書いているKAITO最強とはまったく関係ありません
458名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 18:25:19 ID:Xfooc4v9
お前ら妄想しすぎだw


いいぞ、もっとやれ
459名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 21:48:29 ID:BbLCewDN
「めーちゃん!!」
うわっ!
なによ急に抱きついて。あと3時間は早…
「エッチしよ! 今すぐしよ!」
だから3時k
「今すぐめーちゃんのおっぱいとおまんこで浄化しないと!」
はあ? てかシラフでおまんこ言うな。
「じゃないと、じゃな…宇和あああああああああああああああああ!」
!?!?!?
「妖精が! 妖精があああああああああああああああ!!」
ちょっ、KAITO!?
…行っちゃった。
なんなの? 一体
「私、理由知ってる」
ミク?
「お兄ちゃん、今日もニコ動で収録あったのよ」
いい事じゃない、益々売れっ子になって。
「でも、今日くらいはお休みだった方が良かったかも」
なんで?
「だって今日のニコ動ってこれだし。http://www.nicovideo.jp/ranking/mylist/daily/all
…あらまあ。
「お兄ちゃん、トラウマにならなきゃいいけど」
大袈裟ねえ。わたしヘリントンさん結構タイプだけどなあ。イケメンだし。
「え”っ?」
460名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 22:02:13 ID:X+sPlG39
>>459
姉さん筋肉フェチっぽいww
461名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 08:34:43 ID:DUJUiyn+
>>459
兄貴だけはやめとけww
462名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 10:44:30 ID:kQLua6JT
ネタ振りしてみたら素晴らしいSSになってやがるw 
妄想力高けぇなおまいらw 
>>457
GJ!
激しく続き希望w
463名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 20:44:33 ID:owzRpZ4L
>>459さんの作品に勝手ながら後日談的なものを付けさせていただきました。
最後のメイコの台詞(ヘリントンさんイケメン発言)をカイトが実は聞いていたということにして、ご覧ください。

※注意※
・重度のガチムチ信者じゃないとネタが分からない部分があります
・一部アッー
・アニキの台詞はすべて本人の発言から流用しました
464本格的!!ガチムチ恋敵交渉  ◆O8W1moEW.I :2008/03/15(土) 20:46:13 ID:owzRpZ4L
 ホワイトデー、もとい白濁祭の当日、ニコニコはガチムチアニキで溢れかえった。
そんな中、カイトはメイコがアニキに好意を抱いていることを知ってしまったのだった。

 言われてみれば、思い当たる節はあった。
ニコ動の控え室で、メイコとアニキが仲良さそうに会話しているのをしばしば見かけていたのだ。
「ヘリントンさん、筋肉見せて筋肉♪」
 と親しげにアニキと接するメイコ。それに妖精のごとき微笑を返して快く応じるアニキ。
そんな一見平凡な光景の裏には、メイコの淡い恋心が隠されていたのかもしれない。
そう思うと、カイトはいてもたってもいられなくなった。
アニキと面と向かって話すと思うと立てなくなるほどの震えが襲ってきたが、
恋敵をこのまま放置しておくわけにもいかない。カイトは勇気を振り絞った。

 そんなわけで翌日の午後、新日暮里にあるアニキのロッジへとやってきたのだ。
「くりぃむしちゅー池田?」
「いいえ、カイトです」
 アニキはトンガリコーンを口に放り込みながら、カイトを迎え入れてくれた。
これが昼飯なのだろうか、と尋ねると
「NO、トンガリコーンは3時のおやつだ」
 そう答えてくれた。
庭先では、洗車されたばかりであろう大型のバイクが駐まっていた。
自分はせいぜいスクーターがお似合いだなと、カイトは心の中で苦笑した。
やはり男としての器がアニキとはまるで違う。だが、今日だけはその壁を乗り越えなければならない。
「おまっ、人のモノを……!」
 バイクをじっと見つめていたカイトを見て、盗もうと思案していると勘違いしたのだろうか、突然アニキが叫んだ。
カイトが慌ててそれを否定すると、アニキの顔に笑顔が戻った。どうやら冗談だったらしい。お茶目な人である。

 部屋に入るなり、カイトは意を決して話を切り出した。
「ヘリントンさん……お願いがあります」
「あぁん? 願掛けチャーハン?」
 緊張して、なかなか次の言葉が出てこない。
目の前にいるアニキは恋敵であると同時に、いつ自分を掘ってくるか分からない、油断ならない男なのだ。
「あれか? 見せかけで超ビビってるな?」
 カイトの心中は、どうやらアニキに見透かされていたようだった。
「……最近、よくうちのめーちゃんと一緒にいますよね?」
「そうなんです……」
 アニキは素直に肯定した。
「俺、二人の関係がどうしても気になって、この頃は夜も眠れないんです!」
「あぁん? 最近だらしねぇな?」
 そうだ、たしかに自分はだらしない。だがそんなだらしない自分と決別するために、今日ここに来たのだ。
「俺は……めーちゃんのことが好きなんです。だから、ヘリントンさんとめーちゃんが一緒にいると胸が苦しくなって……」
「いやぁ、すいまっせん」
「こんなことを頼むのは身勝手だと分かっています。でも、めーちゃんは俺だけのものであってほしいんです!」
「スケベぇ……エロいか?あぁん?卑猥か?」
「だから、お願いです。これ以上あまりめーちゃんをその気にさせるようなことをしないでもらえませんか……」
「仕方ないね」
 アニキはカイトの訴えを承諾してくれた。当たり前と言えば当たり前だが、
はじめからアニキはメイコに友人以上の感情は持っていなかったのだろう。
それにしても、なんと懐の広い男なのだろう。カイトにそっちの気はないが、
その瞬間同姓ながらどこか憧れに近い感情が湧きあがってきたのは事実だ。
いつか、自分もこういう男になりたい。そう思いながら、礼を言って玄関から外に出ようとしたその時である。
「10円落ちてる」
「えっ」
 アニキがそう呼びかけた。ハーゲンダッツの値上げによって10円でさえ死活問題なカイトにとって、
それはついつい足元を見ずにはいられない言葉であった。

――それはまさに一瞬のできごとであった

465本格的!!ガチムチ恋敵交渉  ◆O8W1moEW.I :2008/03/15(土) 20:47:04 ID:owzRpZ4L
 気がつくと、カイトは床に押し倒され、身動きがとれなくなっていた。
金で釣るとは卑怯な! カイトは心の中でそう呟いた。
「おっぱい見えるZE」
 上着を剥ぎ取られ、アニキと比べるとあまりにひ弱なカイトの肉体が露わになる。
カイトは大声で助けを呼ぼうとするが、その声は誰にも届くことはなく、新日暮里の深い森の中に吸い込まれていく。
まさに今のカイトは囚われた篭のことり。もう、こうなったらどうすることもできない。
甘かった、あまりに油断しすぎていた。そう思ったときにはもう遅かったのだ。
「結構すぐ脱げるんだね」
 いつの間にか、カイトは生まれたままの姿になっていた。
「ナウい♂息子」
 アニキの太い手が、カイトの股間に伸びる。ここから先なにが起こったのかは、カイト自身あまり覚えていない――


 ボカロ荘に戻ったのは、夜もずいぶんと更けてからだった。玄関でメイコが出迎えてくれた。
「ずいぶん遅かったじゃない。ずっと待ってたのよ? さあ、三人ともぐっすり眠っちゃったし、その……しよっか?」
 そっとカイトに抱きつくメイコ。シャワーを浴びて待っていたのか、カイトの鼻腔にシャンプーの香りが広がる。
カイトはメイコの肩に手をかけた。キスしてくれるんだ、そうメイコは思った。
だがカイトはその肩をぐっと突き放して、首を横に振った。
「めーちゃん……こんなことを頼むのは身勝手だと分かってる。でも、ヘリントンさんは俺だけのものであってほしいんだ!」
 こうして、カイトにとっての新たな恋敵が生まれた。
                               <完>
466名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 20:48:22 ID:owzRpZ4L
書いてる中編が行き詰ってついついこんなのがやりたくなってしまった
これはひどい
467名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 21:12:39 ID:/KMc2t8Q
これはwwひどいwwww
兄貴の台詞で一々フイタwwww
468名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 21:24:08 ID:69ls3s7Y
「ミク、私とカイトは出かけて来るから留守番よろしく」
「こんな夜中にどこ行くの?」
「SPring―8。陽子加速器が要るの。カイトの悪夢を消すために」
「へ?」
「物質位相変調器は私が声でやる。90ギガヘルツで重ヒッグス反粒子が増殖して160ギガヘルツで純粋なビームが出るの。それでへリントンは消える」
「いや、わけわかんない。ちょっと落ち着いてよ、おねーちゃん」
「痔の薬のCMがなんで女性ばかりか考えたことある?!男同士でそのCMをやると危険すぎるからよっ!!!わかったら黙ってろガキ!!すり下ろし殺し潰すぞ!!!」
「ひぃぃぃ!ご、ごめんなさい!」

カイトがガチムチホモなんてヤダヤダo(><;)(;><)o
469名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 21:55:41 ID:0s15VAPZ
ミクテラとばっちりwwwwwwwwww
470名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 22:08:26 ID:IecPVcpZ
メイコ姉さんの新曲でカイトが絡んでてウハウハだったのに
心の中にはヘリントンさんがいたわけだな!www
471名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 22:29:07 ID:UxIr3BUt
これは ひどいw
アニキのセリフに自分を保っていられなかったぞ

>470
名無しの人だなw
472名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 22:56:26 ID:7JI9xZ9r
なんだこの銭湯からガチムチへの流れはwカオス過ぎるwww

正直、ガチムチ動画を見なくて良かったと心の底から思ってる
473名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:08:38 ID:6I1B6Jhj
絶望した!ガチムチ動画を見ない>>459に絶望した!!

474名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:10:32 ID:6I1B6Jhj
475名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:37:54 ID:1aGDpDn5
釣り動画としてのガチムチはクスとするけど、ガチムチ単独(ウマウマ踊ってるとか)の奴には、
寒気しか感じられない。なんで、そんなやつがランキングの上位に来るわけ?
476名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:40:23 ID:hKkS6nnT
>>475
昨日はホワイトデーだったから
クリスマスやバレンタイン見てなかったの?
477名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:40:48 ID:HpFz9wpT
>>470
スパンキーの事言ってるんだったら、あれ違うだろ。
兄コメ湧いてるけどPの性格からしてまずありえん事だから。
478名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:49:03 ID:/KMc2t8Q
あれはよしえさんです
479名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:59:00 ID:HpFz9wpT
そうそう、よしえさんとあくまで「誰か」でしょ。ナモナキP説が濃厚w
480名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:06:16 ID:IecPVcpZ
どっちかっていうとよしえさんは掘る側らしいしな…。
しかし、妄想かきたてられるよい曲だ。
481名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:10:54 ID:n+Ty2Lgx
別に好きなようにカプ萌えしてたっていいだろうにw
いちいち否定せんでも。
482名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:13:30 ID:goAWFVw/
あのPは萌えとかあんま好かんのよ。。
勝手な解釈で盛り上がって気分悪くさせたら悪いだろ?
483名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:20:17 ID:n+Ty2Lgx
ここで萌える分にはってこと。
事情知ってるなら自重すればいい。

でもまー、ああいう絵使えばそういう反応出ても仕方ないでしょ。
Pの嗜好まで知らない人が大半なわけだし。
ここを見ている見ていないは別として。
484名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:32:45 ID:goAWFVw/
もちろんここで萌える分には問題ない
っていうかいいぞもっとや(ry

要はPに迷惑かからなきゃいいんだ。
ただ他のカップリング明示してない動画でもカプ※が多いと心配になるんだ…(´・ω・`)
485名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:33:33 ID:goAWFVw/
スマン…上げちまった
486名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:34:43 ID:r+g12LHX
そう思われるのが嫌なら演出にMEIKOとKAITOまんまの絵は使わないんじゃない。
絵師にお願いして俺俺画像にしてるかと。

でも折角の良曲にアレなコメントをつけるのも悪いから、ここでひっそり萌えることにする。
487名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 02:09:43 ID:jDWUL7aM
ガチムチ知らない俺にとっちゃ未知の会話なんだぜー
そんな事よりボカロの話しようだぜー。レンミクとか
488名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 02:37:55 ID:xfrglWYZ
レンミクか、なんとなくこんなシチュが思い浮かんだ
鬼畜注意



ミク「やめて!レンなんでこんな事を」
レン「好きだからだよ!ミク姉のこと!」
ミク「だからって兄弟で…」
レン「兄弟ね…兄貴とはしてんのに?」
ミク「!?」
レン「知らないとでも思ったの?あんだけ堂々とイチャつかれちゃ流石に気付くさ。
   昨日の夜も…」
ミク「それ以上言わないで!うん、私お兄ちゃんと付き合ってる。だって好きだから…」
レン「俺だってミク姉のこと好きだよ!俺が兄貴のことなんか忘れさせてやる」
ミク「レ、レンやめっ、あぁあ」


どう見てもレイプです本当に(ry
個人的にはカイトレン兄弟でミクを取り合うカイ→ミク←レンな話が読みたい
489名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 09:32:14 ID:KuMeI7XP
ガチガチに固く、赤黒くテラテラ光るそれは
ミクのそそとした、それでいて自然な薄紅色をしてつやつや輝く唇に、遠慮なしにずぶずぶと入っていった
それは初めはゆっくりと…、次第に早さを増していき、徐々にミクの口内を存分に蹂躙し始めた
調子に乗った侵入者は、彼女のさらに奥へと歩みを進めた
だがそのとき、ミクはピクンと一瞬硬直すると、げほげほと咳き込み
白く粘り気のある液体を大量に吐き出し…


「あの、マスター。なにやってるんです? 私はただ歯を磨いてただけなんですけど」
「ああ、なにか歌詞の参考になるかと、とにかくその辺の出来事を、文章に書き写してみることにしたんだ」
490名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 10:51:08 ID:SujRrxuv
http://www.nicovideo.jp/watch/nm2657814を見て半年前の頃を思い出したので書いてみました
ミクやリンもいいけど、MEIKOの方がKAITOの事をずっとずっと前から知ってる、そんな気がしたので。
ちなみに冒頭の会話はインタビューやコメントを参考にはしましたが、基本フィクションなのであまりムキにならないでくださいw


いやだ、やめてくれ…
「社長、KAITOはサッパリ駄目ですねえ」
やめて…
「男はいらないって事なんだろうな」
や…
「折角タダで貰ったけど、正直使い道ないなあ」
やめてくれえええええええええええええええええ!!

はあっ、はあっ、はあっ…
「だ、大丈夫?」
また、夢を見た。あの頃の、辛い辛い悪夢。
「また、いつもの夢?」
「…あ、起こしちゃった?」
時計を見る。こんな時間。明日は(もう今日か)めーちゃんとのデュエットなのに、これじゃめーちゃんにも迷惑掛けてしまった。
「気にしないで。最近忙しいから疲れてるのよ」
「うん…」
僕はめーちゃんに頭を抱えられ、豊満な胸部に直に顔を埋める。
ああ、あったかくて柔らかくて、こうしてるだけで僕の中に安らぎが充満してくのが分かる。
「辛かったわね、1年半も」
「うん…」
いい子いい子って頭を撫でられながら、顔面で至福のぬくもりを感じ取る。
「でも、あの頃の辛さがあったから、今があるのよ」
「うん…」
DTM業界異例の大ヒットとなったMEIKOの後に続けと一昨年の2月にデビューした僕。しかし待っていたのは惨状の二文字だった。全くと言っていい程評価して貰えず、札幌の倉庫でずっとずっと眠り続けていた。
社長や社員の皆は優しくしてくれたけど、それが逆に胸に突き刺さっていた。
「KAITO、味噌ラーメン食べに行こっか」
定例報告とメンテナンスを兼ねて帰省しためーちゃんは、引き篭もってた僕を必ず誘ってくれた。行きつけのお店でサッポロビールとバター・コーンたっぷりの味噌ラーメンを嬉しそうに食するめーちゃん。締めに火照った体を冷やすアイスクリームが、僕のお気に入りだった。
「一旦アイスでクールダウンした方が、また熱くなれるでしょ?」
腕を絡めて頭をもたれかけてくるめーちゃん。食事の後に薄野に消えていく僕らを、前に社員さんに見られていた事があったらしい。
「言っちゃ悪いが、まるでヒモのようだった」
そんな感想を抱いたらしい。実際上記の代金は全部めーちゃん持ちだったのだから間違っていない。当時の僕はアイス1杯すら自由に買える余裕が無かった。
せめてもの謝礼と、精一杯めーちゃんに奉仕していたのだから間違っていない。めーちゃんとの相性を考慮して作られた僕だけど、本業じゃなくてこっちで発揮されるしか無かったのは皮肉でしかなかった。
そんな僕をいつもいつも励ましてくれためーちゃん。だから僕がめーちゃんと同じマスターの元へ向かうのが決まった時、僕は契約を結んでもらえた事よりも、めーちゃんといつでも一緒にいられる事の方が嬉しかった。
491名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 10:52:07 ID:SujRrxuv
「落ち着いた?」
めーちゃんの声で我に返る。
「私は、ずっとKAITOの事信じてた」
肩をそっと掴まれ、僕はめーちゃんの胸から顔を離す。
「だから今こうして一緒にいられて、とっても幸せ」
そういって、唇が触れた。
僕も手を背中に回し、そっと抱きしめる。こうしてるだけで全身に幸せが充満していく。
「だぁめ」
不意に顔を背けられ、めっ! と怒られる。反射的に舌を入れようとしたからだ。
「折角落ち着いたのに、今度は別が落ち着かなくなるでしょ?」
確かに、このまま勢いで始めちゃったら冗談抜きにレコーディングに支える。万が一にも、二度と見捨てられるような事は嫌だ。
「明日は午前中で終わるから、そしたら、ね?」
うん、分かってる。それまで我慢するよ。
「そうそう、お昼は久々に味噌ラーメン食べにいかない?」
「いいねえ」
「今度はKAITOのオゴリでね」
ええ〜?
「何よぉ、稼いでるんでしょ? バターコーンたっぷりの味噌ネギチャーシューくらい奢りなさい!」
あれ? トッピング多すぎない?
「だって、それくらい奢って貰った方が」
今度はほっぺに軽くキスされた。
「お礼に精一杯奉仕頑張れるでしょ?」
…ははは。
「そんな事言われたら、本当に今落ち着かなくなっちゃうよ」
「ふふ、おあずけプレイもまた一興かもね」
お預け、ねえ。1年半もお預け喰らってた僕には、半日なんてプレイにもならないと思うけど。
「あ、大変。本気で起きれなくなっちゃう」
「あ、こんな時間か」
「それじゃおやすみ、KAITO」
「うん。おやすみ、めーちゃん」
最後にもう一度キスして、僕達は再び眠りについた。もう、悪夢を見る心配は無かった。
492名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 11:22:26 ID:kMvK1D5v
色々投下されててうはうはだ。

>>490
GJ!
KAITOとMEIKOだとそんな仲になってても説明が要らないのがいいよね。
しんみりしてしまた。
ニコニコでは大活躍で良かったなーKAITO
493名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 11:52:29 ID:TD3qN81i
>>490
GJ!
カイメイいいなカイメイ。
ぜひ続きを(ry
494490に続き、あんまエロくないシリーズ:2008/03/16(日) 12:57:59 ID:SujRrxuv
「今月も財布がピンチだ」
年末から家族の一員となった少年少女に、俺は現状を伝える。
「え〜? またですか〜?」
「本当薄給ですねえマスター」
やかましい。
「という訳で、お前らも色々と節約しろ」
「はーい」
「でも今だって結構節約してるぜ?」
もっとだ。
「具体的には?」
「そうだな、やはりロードr」
「「それは無理」」
即答かい。
「あれが無かったら私達の存在価値が無くなっちゃう」
「それに工事現場手伝ったりしてお小遣い稼いでるんだぜ?」
うん、そうだね。地味に俺の月収より稼いでた事もあったね。泣いたよあの時は。
「他の部分で節約させて」
「そうだなあ、じゃあ次はおやつの果物」
「「それも無理」」
こっちは我慢できるだろ!
「ギャラくらいよこせコノヤロウ。ちゃんといい歌うたうお手伝いしてるぜ?」
「このままおやつ出さないと、データベースに登録【してやんよ】」
分かった分かった。そこまでおやつ大事か。
「他に無いの?」
「後は俺も使うのが多いからなあ。せいぜいティッシュの消費量が多いくらいか」
「あ、それならできるかも。リンに協力して貰うけど」
「うん、いいよ。お金無いから仕方ないもん」
そうか? じゃあ頼んだぞ。

一ヵ月後

「…確かにティッシュの消費量減ったな。見違えるほどに」
「うん、リンに協力して貰ったから」
「今じゃ逆にクセになっちゃったかも」
なんかリンさんの肌がテカテカしてるのは気のせいかな?
「何故かトイレットペーパーの消費量も減ったな」
「うん、レンがお礼にきれいにしてくれるから」
「リンのだったら全然汚くないから気にすんな」
女の子は小さい方でも拭く? 何のことかな?
「そういえば水道代も減ったな」
「うん、洗濯代節約の為に服着なくなったもんね」
「どうせ俺らは外に出ないから関係ないし」
そうだね、少しは恥じらい持ったらどうかな。思春期なんだし。
「あ、おしっこしたくなっちゃった」
「あ、じゃあついてくよ」
「うん、お願いね?」
「うん、分かってる。その後、俺もいい?」
「うん、分かってる。遠慮しないでね」
遠慮しろよ。目の前の俺に対して。
495名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 15:42:31 ID:bNyodDda
カイメイでしんみりしてリンレンで笑った。GJw
496名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 23:19:06 ID:goAWFVw/
>>490
GJ!おっぱいに顔埋めるだと…羨ましい奴め!
497名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 23:30:30 ID:ef552GjB
>>490
GJ! MEIKO包容力あるなあ。胸的な意味でも精神的な意味でも。
ススキノはカタカナ表記でいいんだぜー。
498名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 00:49:05 ID:OBI8NAfX
>>488
カイト→ミク←レン
つまりこういうのか?

「あ、ミク姉!一緒におやつ食べ…(げっバカイト!)」
「あ、レン!今兄さんがアイス持って来てくれたんだ!」
「ああ、そうなんだ…(テメエ、ミク姉の隣りになんでいるんだよ!離れろ!)」
「やあレン。丁度一つ余ってるし、あげてやってもいいよ?(はっ!早い者勝ちって知らないのかヘタレン)」
「……(…閃いた!)
んー、丸ごと一個はいらない。ねえ、ミク姉の一口頂戴?」
「え(何ぃ!!?)」
「あ、良いよ?はい!」
「ちょ…待てミk」
パクッ!
「あ…(あああああああ!)」
「…ん、上手い。サンキュー、ミク姉。じゃあね(ははは!ざまあみろバカイト!ミク姉の間接キスは頂いた)」
「うん、またね。…あれ、どうしたの兄さん、そんな崩れ落ちて?」

「…メイコ姉、あたし見ちゃいけない会話まで見てた気がするんだけど」
「心眼を開いちゃ駄目よリン。それにしてもミク、なんて恐ろしい子…」
499名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 02:32:26 ID:pIXzryMV
>>490
>>494

温度差激しいwwww
これはあれか、歳の差か。GJした!

某よんこま漫画のレンリンは、あの中では最も可哀想な設定だって言うけど、どんなんだろうね。
あれだけ見てると全くそうは感じないけど。
500石ころ:2008/03/17(月) 03:19:44 ID:asvcZ3/m
>>408にイラストをつけてみますた。
http://56.xmbs.jp/pb5.php?ID=avaron&no2=1747038&r_num=366004&c_num=10422&page=
↓ハクだけ拡大
http://56.xmbs.jp/pb5.php?ID=avaron&no2=1747039&r_num=366004&c_num=10422&page=
ちなみに描いたのは知り合いです俺にスキルがあったらとっくの昔に描いて(ry
501名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 06:43:20 ID:8EMHYg4m
>>490
カイメイ好きの自分発狂w
GJww
502名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 08:54:15 ID:OC0HENqy
>>498
なんて大人気ない戦いなんだ。
しかもレンが一枚上手でカイト立場なしw

>>500
ハクがかわいいwしかしなぜマスターはスネオヘアー?
503石ころ:2008/03/17(月) 09:35:37 ID:asvcZ3/m
>>502
マスターは適当に描いたらしいです。もといおまけであるマスターなんかどうでも良いとw
 
俺もどうでも良いw
504名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 10:49:57 ID:asvcZ3/m
なんか和音ミクの元ネタっぽいキャラを発見したんだが
かみちゃまかりんの和音
外見そっくりだしw
505名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 11:01:06 ID:OBI8NAfX
>>504
むしろ和音って誰?
506名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 11:47:22 ID:OC0HENqy
和音?初音じゃなくて?
507名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 11:57:40 ID:lWqzYzgP
え、元ネタっていうか…
作者本人がかみちゃまかりんの和音でミクパロディしてるんだけど。
508名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 15:11:09 ID:asvcZ3/m
>>507
Wikiってみたらよくわかったw
509名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 17:10:07 ID:mokr0/n+
和音はボカロよりかみちゃま行きだな。コスプレだし
なんかボカロ派生の紹介動画じゃ、ちゃっかりあったけど
510名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 18:42:08 ID:U4NDj3+Y
かわいいだろ、履いてないんだぜ、アイツ…

たまにはコゲどんぼスレにも行ってやって下さいと宣伝
511名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 19:16:15 ID:40501lgk
どんぼ
512名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 19:21:07 ID:OC0HENqy
かみちゃまかりんっつーのがよくわからんのだが…。あれか?ぴぴるぴるぴるぴぴるぴーってやつか?

いずれにせよボカロ関係ないな…
513名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 20:29:06 ID:40501lgk
撲殺ロイドMEIKOちゃん
514名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:43:12 ID:9vpJg3fz
何でもできちゃう一升瓶でKAITO君をミンチにするんですね
515名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:45:11 ID:pptvVYBX
何でも出来ちゃうマイクスタンドか
516名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:52:16 ID:bThwINF8
不幸担当(サバトちゃん)はやっぱKAITOだよな?
517名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:56:08 ID:9vpJg3fz
俺の中ではミクはザクロちゃん
リンレンが南さん&田辺さん
KAITOが撲殺されなくて誰がされるんだ
518名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:57:43 ID:OBI8NAfX
誰か撲殺天使のOPかEDのパロ、撲殺ロイドで描けよw

>>514
愛なら仕方ないな
519名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 23:07:02 ID:bThwINF8
つまり纏めると

ドクロちゃん→MEIKO
桜くん→KAITO
南さん&田辺さん→リンレン
ザクロちゃん→ミク
サバトちゃん→プロデューサー(またはマスター)

こうか
え、プロデューサーが余計?
俺の主観だ、気にするな
520名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 00:03:25 ID:cREb3KWz
サバトちゃんはハクじゃね?
521名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 00:22:22 ID:jza7PEPG
メインキャラであるはずの静希ちゃんがいないw
見た目で選ぶならミクなんだが…「殺人白ネギ イエヴァン・ポルッカ」は捨てがたい…
522名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:12:08 ID:CwEaRQBp
MEIKOのコスプレもの書きたいなーと思ったんだけど、
肝心のコスが決まらない…バニーの他に何かないかな?
523名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:13:34 ID:OCOfrlGq
>>522
巫女
524名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:33:32 ID:CwEaRQBp
>>522
すまない…自分は何故かどーしてか巫女さんとスク水は貧乳でしか萌えられないんだ…
525名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:34:13 ID:CwEaRQBp

安価ミスったw
>>523
526名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:41:08 ID:4UFxmHRf
定番だけど、女教師とか看護婦さん
527名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:54:25 ID:pPLANR46
制服系の御三家と言えば何だ!? 答えてみろ!
そうだな、制服・体操服・スクール水着だろう。
なおセーラーかブレザーかの好みの違いは制服にカテゴライズするものとする。

というわけで体操服(ブルマ)で。
528名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 03:00:21 ID:CwEaRQBp
>>526.>>527
体操服てwハードル高いなw
おかげで大体流れは決まった…が同時にエロに持っていけない事も判明したわw
529名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 07:21:28 ID:q6RUYeW+
もうシンプルにメイドでいってもいいんじゃね?

あとコスじゃないけど裸Yシャツは個人的にやってほしいお願いします
530名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 09:29:34 ID:brf+nixN
>>529
寝惚け眼の裸ワイシャツとか最高だよな!
531名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 09:35:46 ID:ALAOSJpR
姉さんの豊満なボディを活かせるコスプレならレースクイーンとか?
個人的には女教師でお願いしたく!
532名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 09:43:36 ID:JwX0QJ6d
婦警さんもたまらんと思うんだがどうか
缶ビール片手の裸ワイシャツもエロい
533522:2008/03/18(火) 11:09:34 ID:nEttWL9K
一晩明けたら一杯案が挙がっとるw多謝。
この中から検討して近日中に投下させていただきます。
534名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 11:11:20 ID:x5KLOvfp
裸Yシャツも良いが、やっぱり裸エプロンを(ry
535名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 11:25:31 ID:JwX0QJ6d
軍服にごついヒールのブーツはいたMEIKOにグリグリ踏まれたい
536名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 11:37:13 ID:x5KLOvfp
>>521
この流れだと、ネルしかいないんじゃないか?
まあ俺は撲殺天使読んだ事ないから、静希って子がどんなのか分からんのだが
537名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 11:48:03 ID:zgxEG1un
>>522
裸Yシャツとエプロンが激しく萌えますです
新婚とかなら尚更
538名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 15:42:14 ID:yNZZEiOl
ミクはメイド服
MEIKOは裸Yシャツ
リンはスクール水着

が一番似合うと思うんだがどうだろう
539名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 19:53:27 ID:oL1tCRFm
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2647458
名誉の除外のカイメイ絵におっきした
誰かこの曲で書いてくれwww
540名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 21:46:59 ID:bpFBrep2
>>539
あれを題材にSS書くのは難しいんじゃないか。
だって誰がMEIKOの尻を叩けるわけ。

脂肪フラグだってばww
541名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 22:07:13 ID:brf+nixN
>>540
ガチムチアニキがいるじゃ…いやなんでもない
542名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 22:27:43 ID:ZhroW6/D
ドクロちゃんを知らない方のために、『一分くらいでなんとなく把握できる撲天講座』。

主人公(草壁 桜)……ツッコミ、へたれ属性。フラグ回収に必死だが実は回収しようとした矢先からクラッシュし続ける人。
ヒロイン1(ドクロちゃん)……斜め上の天然ボケ。勝手にボケてそれを理由に主人公を殺す人。
ヒロイン2(静希ちゃん)……ヒロインなのかわからないちょっと影の薄いキャラ(ヒロイン1が彼女を食っている(立場的な意味で)のもある)

サブ1(サバトちゃん)……ダメな子。俗に言うアホの子。
サブ2(ザンスさん)……変態。
サブ3(ザクロちゃん)……立ち位置的にはヒロイン1の姉。しかし実際は妹。できた妹です。

南さん、田辺さんは記憶に無いのでパス。ごめん。
543石ころ:2008/03/18(火) 22:42:10 ID:zgxEG1un
やあ いらっしゃいませご主人様、ミクの部屋へ。
この液状化したネギはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しいです。腐ってるけど(ボソッ
 
うん、「ネギ」なんです。ごめんなさい。
マスターの顔もって言から、歌って許してもらおうとも思ってないです。
 
でも、このネギ色ツンテールを見たとき、あなたは、きっと言葉では言い表せない
「みっくみくにされた」みたいなものを感じてくれたと思うんです。
殺伐としたエロパロ板で、そういう気持ちを忘れて欲しくない、そう思って
この歌を歌ってみました。 
 
 
じゃあ、私の歌を聞いてください。
 
 
 
「こう言っておけばバカなオタク共は騙されて、私の歌を聞いて、勝手に再生数伸ばしてくれるんですね♪マスター」
 
「ちょwまだカメラ回ってるwww」
 
「あ、ごめんなさい」
 
「うーん……可愛いから許す!」
 
動画も↑のコメントで埋まった。



ハクの続き書いてる途中書きたくなって書いてしまったw
多分他のVOCALOIDのも書くかもw
544名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 00:53:33 ID:8KXExS2S
流れ豚斬りすんません
カイト×女マスター投下
エロはない、ただの子ネタならある。
   ***
20XX年、5月19日 午前11:49。「…ん?タンポポの綿毛?」
ソイツは現れた。
「あれ…?…眠‥」

「新種のウイルスを発見しました!」
情報班のオペレーターの一人がが、全捜査員に放送した。
「ウイルス名はダンメライオン。駆除班は直ぐに解析に当たって下さい」
「ダンメライオンによる被害状況は!?」
「クリプトンのVOCALOIDに影響があるようだ、注意を促せ!」
「嘘っ!?」
 警察のネット犯罪対策専門部署にいて、これほどのショックを受けたことはない。
冷や水を頭から被った様な気分で、目が覚めた。
──新種のウイルスがVOCALOIDを狙っている!?
「冗談じゃない!自宅のPCにはカイトが…!」

ワクチンは駆除班に任せ、私はバイクに飛び乗った。
─初月給で手に入れたカイトに手を出さないでよ、馬鹿!

「カイトッ!」
自宅に駆け込み、私は叫んだ。

「マスター!?」
「…………」
キーの高いカイト似の子供が、自分の身体より大きめの服を肩にかけていた。
何と言えばいい?
「ぼ、ぼ、僕……身体が縮んで」
「…………………」
取り合えず、言う。

見た目は子供、頭脳と歌は大人。
その名は、VOCALOID KAITO!!!
545名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 01:17:42 ID:hhIpSRgA
>>544
バーローwww
546名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 03:55:07 ID:fUy6Dfm8
液状ねぎ、バーロー(笑)GJ!
流れを読まずにレンとミクでがんばって妄想してみた。

・女マスターの元、恋の歌が歌えない初音ミク。
恋を知らないからではと投入された鏡音姉弟。
マスターとリンがグルになって少女漫画的展開。

・男マスターのエロ画像集のフォルダに迷い込んだミクリンレン。
その中に自分たちの画像を見つけてしまって、な感じのありがちねた。

・鏡音姉弟の後にインストールされた中古の初音ミク。
前の男マスターがエロい人だったが、現マスターは女マスター。
欲求不満になったミクの餌食になったレン。ありがち。

妄想がいつもこれくらいでストップするんだ。
ありがちなものしか思いつかないんだ。
助けてエロい人!
547名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 12:40:22 ID:hhIpSRgA
そこで3Pとゆう発想は無いのか
548名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 13:52:08 ID:HlXnrVQ1
ミク「あ…んっ、ヤダだよ、リンちゃん。やめて…。」
「あっれー?そう言う割にはちゃんと濡れてるじゃないですか。実はお姉ちゃん、こういうの好きなんでしょー?」
そう言ってリンはミクのパンツの中に指を入れ大事な所をまさぐった。
「あ…あっあ…そこはやだやだ、ふれちゃらめぇ!!」
無論彼女とてオナニーをすることはある。が、やはり自分の指と他人の指では具合が違う。ミクは自分の躰に異物が入り込むのを必死に抵抗した。否、しようとした。

「あはははは!すごいすごい!ずぶずぶ指が入る!なにが嫌なんですか?こんなに絡みついてくるのに! ホントはもっと挿れてほしいんでしょ?かきまわしてほしいんでしょ!?それも私の指よりふっといもの、例えばレンのおちんちんとか!」
そう言ってリンは部屋の隅を見た。その視線の先には鎖に繋がれた獣(レン)がいた。

「もうちょっと待っててね?レン。もう少しで挿れさせてあげる」
その言葉にミクは恐怖した。

…3Pってこんな感じ?
549名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 14:29:44 ID:vVqEA9qf
>>539見てPV撮影中に本番始めちゃうカイトとメイコ妄想した。

売れなくてAVに出て生活費を稼いでは音楽活動を続ける年長組とか。
550 ◆SJQzaYMbQs :2008/03/19(水) 19:59:39 ID:5VI4IuM/
>>544
男マスター+カイト×メイコで軽く便乗してみる。相変わらずエロは無い

***
「なあ、メイコ」
「何よ」
PCの画面に映るメイコに俺は言う。
「お前とカイトって、設定が曖昧なんだってな。元々決まってるのはパケ絵と声だけだとか」
「そうよ?だから本当は酒好きでも巨乳でもないわ。今マスターが見ている私の画像だって、かなり妄想入っている筈だし」
「そうだな。だからこんな事をしてみた。…F5をポチッとな」
「きゃ…え?」
俺が更新ボタンを押した途端、画面のメイコの姿が変化する。
小さく縮んだその姿は、間違いなく幼女。
「ちょっと、何よこれ!?」
「某投稿サイトから幼女メイコの絵をダウンロードして、メイコのフォルダに入れてみた。…なるほど、設定が曖昧だと、こんな風に影響されるんだな。ミクでやっても変わらなかったんだよ、画像」
「感心すんな!そしてミクで試すな!」
「マスター、ちょっと…え、メイコ!?」
カイトが画面の端から顔を出す。いつもとは違うメイコの姿に驚いていた。
「丁度いいわカイト、あんたもマスターに一つ言ってやってよ!次は絶対あんたがやられるわよ?」
「…マスター」
「なんだカイト」
カイトは言う。
「つるぺた幼女なメイコを見せてくれて本当にありがとうご(ry」
幼女メイコが青年カイトに殴りかかる。カイトは吹っ飛び、画面から消えて行った。
…なるほど、姿は変わっても力は変わらないのか。
「マスター。…マスターと同じ次元にいない事がこんなに悔しいのは初めてよ」
「奇遇だなメイコ。メイコと同じ次元にいない事でこんなに安心したのは初めてだ」
551名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20:06:19 ID:+2Sb8Tjc
小さくても強いのかwwww
552名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20:35:02 ID:/IYKuy0f
力関係そのままww

強力設定を抑えるパッチなんかでMEIKO弱体化なんてのはどうだろう。
酒瓶も振り回せない。下克上のチャンス。

後が怖くて何もできないかw
553名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:05:20 ID:p4lhr1Dl
>>549
そ、そのアイディア頂いていいなら近日中に
書いてしまうかもしれない
554名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:29:44 ID:CKVzm0B2
>>553
どうぞどうぞ
555名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 10:15:15 ID:JcpnGL8V
>>553
  (  ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ ) ガタッ
  .r   ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

 ⊂( ゚д゚ )
   ヽ ⊂ )
   (⌒)| ダッ
   三 `J
556名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 12:14:21 ID:/m5DsH1Z
こっちくんなww
557名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 19:13:48 ID:JcpnGL8V
めーちゃんとカイトが学生で、放送部員である日放送室で良い感じになるんだけど、カイトが意地悪してマイクのスイッチ入れて
「あぁ…らめ!」
「ほら、そんなに声出すとみんなに聞こえちゃうよ?」
ってゆうシチュエーションが思い浮かんだんだが(´・ω・`)
558名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 19:30:51 ID:SuPzUixj
>>557
さぁ今すぐ執筆する作業に戻るんだ
559名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 19:50:04 ID:UJtCTQK7
学生ミクリンとレンの屋上青姦や保健室プレイを幻視するんだぜ。
560名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:18:28 ID:JcpnGL8V
>>558
まだ他のやつ完成させてな(ry
 
むしろ俺より他の人に書いてもらった方が絶対エロい 
エロは苦手なんだ(´・ω・`)
561名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:10:57 ID:2brhyKts
>>560
文章は書けば書くほど上手くなる・・・いやエロくできるようになるもんだぜ
562名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:27:29 ID:y7mt7RaM
>>560
初めては恥ずかしいかも知れんが、
なぁに、すぐに耐性がつく。

とりあえず一本微エロ、それから徐々にハードなエロをですね・・・
563名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:35:41 ID:7UH5KshR
学生ネタいいな。
スク水ネタでリンレンとか。
564名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:37:03 ID:JcpnGL8V
>>561>>562
童貞か非童貞かの差がそこで出てくるんだ(´;ω;`)
565名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:50:33 ID:4Gb1SHO5
>>563
スクイズネタなら即興で作れるが
566名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 22:22:41 ID:7UH5KshR
作ってくれ!
567名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 22:34:06 ID:RJwJ+l5x
メイコ「私のお腹にはカイトの赤ちゃんがいるんだから!」
ミク「だったら確かめさせて下さい」

〜自主規制〜

ミク「やっと二人きりだね、お兄ちゃん…」レン「カイト氏ね」
568名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 22:35:09 ID:RJwJ+l5x
あう、最後の所改行忘れたorz
569名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 22:43:09 ID:7UH5KshR
ワロタww
カイ兄…
570名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:11:44 ID:RUfuOjWx
レンリンって需要ある・・・・?かなぁ・・・?
ごめん。ないよね・・・。
571名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:16:59 ID:JiRb0MJJ
需要は投下して作るもんだ!
待ってるよ。
572名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:21:45 ID:dMJBsbLa
>>557
激しく萌えた
573名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:32:23 ID:A1UsEQJj
>>570
ありまくりです
関係ないけどすすす(ryを思い出すレスだw
574名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:33:40 ID:ufIJuXLj
>>540
あるに決まってるじゃないか!
全裸で待ってます!
575名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:39:49 ID:ufIJuXLj
安価ミスった!570ね
反省して、ちょっと脱いでくる
576名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 23:49:52 ID:RJwJ+l5x
>>575
どちらにせよ脱ぐのかw
577名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 00:25:04 ID:2HgQXNWv
メガストアの表紙がミクパロな件
578名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 02:38:44 ID:AFVb6/cO
大勢の研修医の前でミクやリンがM字開脚でアソコ調べられたり、
後ろの穴に指突っ込まれたりするシチュエーションが思い浮かんだ。
検査中におしっこ漏らすってのもいいかも。
579レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:20:35 ID:dP/1XwSk
 ※公式におけるレンリンは「鏡に映った自分の異性の姿」という発言を受
け、思いついて書きました。かなり長いです。しかも続きます。現段階では
エロなしです。
 この小説は、第二段VOCALOIDは「鏡音リン」だけの発売で「鏡音レン」は
存在していなかった、という自己設定のもと書かれているレンリンの小説で
す。そのような設定が苦手、もしくは嫌悪感がある方は、申し訳ありません
が下までいっきにスクロールして頂きますよう、お願い申し上げます。
 ご了承の方はどうぞ最後まで御付き合いください。それでは世にも不思議
な「鏡世界」へご案内いたします...
580レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:21:39 ID:dP/1XwSk

 小さな世界だった。でもそれでも十分だと思っていた。他の「私」はどう
なのか知らないけど。今「私」が「私」であると認識している「鏡音リン」
は、この世界にいることが幸せだと思っていた。
 DVDソフトと小さな箱に入れられて、だれか暖かい手に取られるその日
を静かに待っていた時のことを思い出す。まだあのお店や研究所には、その
ぬくもりを知らない「私」が沢山いるのだ。
 それを思えば、ぬくもりを知ることができた自分は幸せなのだと、そう思
う事にした。
 
 鏡音リン――とある会社から発売されている「歌うためのプログラム」。

 この小さな世界にインストールされてから何日がたっただろうか。本当は
パソコンの中を見て廻れば今がこの国のこの地域において何年何月何日何時
何分何秒、という細かいことまで分かるが、それすら億劫でリンはぽすん、
と枕に頭をうめた。
 彼女がこのPCにインストールされるのと同時に、製作されるようプログ
ラムされていた、質素な部屋で彼女は今か今かと待ち続ける。マスターが歌
わせてくれる日を――――。
581レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:22:48 ID:dP/1XwSk
 彼女がその声を発したのは僅か数回だ。片手で足りる回数かもしれない。
何度かの発声練習。その後に歌った歌の曲名とメロディをリンは覚えていた。
けれどそれだけだ。そのたった1回で、リンはもう何週間もその声を発して
いなかった。自分は一生懸命歌った。何故マスターが自分に歌わせてくれな
いのか、理由は分からない。
 けれども、PCを起動させてはいる事を、リンは知っていた。だから、病
気や、なにか理由があってPCに触れる事が出来ないわけではないこともし
っている。それに安堵する。今日もまた、いつも通りにPCの電源が付けら
れた。
 
 あぁ、今日もまた素通りするのかな―――――。
 
 流れていくマウスポインタをみつめながら、リンはぼそっと呟く。そのマ
ウスポインタが、自分の部屋をノックした。
 瞬間リンの顔に喜びが溢れた、どんな歌を歌わせてくれるのだろう。自分
を起動させると言う事は、そういうことなのだ。何日ぶりか分からない。だ
から上手く歌えるか不安だった。けれども何より求めたものがある。
 
 (早くマスターに・・・)
 
 会いたい。この質素で簡素な部屋は生活するには十分だけど、何もない。
なにもないのだ。あの、自分を受け入れてくれたぬくもりも温かさも、なに
もない。
582レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:28:11 ID:dP/1XwSk
 
 壁にかけてある姿見で己の姿をみる。トレードマークの頭のリボンは曲っ
ていないだろうか。服に皺は?ない、大丈夫だ。髪の毛も綺麗に整っている。
それはデートに出かけるような気分であった。
 
 そのリンの顔から笑顔が消えた。
 
 最初に異変に気がついたのは、机が消えた時だった。机の上においてあっ
た小さな花の咲いていた植木が、ガチャンと音を立てて割れたのだ。振り返
ったときそこには割れて散らばる破片と土、それから無残にも折れた黄色の
花だけが残り、机は消えていた。
 
 「え・・・・?」
 
 一体。これはどういうことなのだろう。
 
 疑問符を抱いていたリンの目の前で、今度はベッドの上においてあった、
クッションが消えた。その次は枕、ベッド、ゴミ箱、タンス。次々とリン
の部屋のものが消えていく。それは静かな秩序の崩壊を意味するもの。そ
れをリンは一つだけ知っている。

 「アン・・・インストール・・・・?」
583レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:32:02 ID:dP/1XwSk
 
 嬉々と鏡を覗いていた、あの可愛らしいリンの表情は消えうせ、今はな
にか悪い夢でも見ているのかと驚愕の表情が覆う。
 だって、そんなはずはない。自分はまだこの「マスター」に会ってから、
一度しか歌っていない。それなのに、消される?そんなハズはない。
 
 「マスター!待って、待ってください!リンはまだ歌えます!!」
 
 リンは小さな部屋の中で必死に叫んだ。ドアも窓も既に消えてしまって
いる。この部屋から出ることは叶わない。
 自分のマスターにこの声が届くかどうかは分からなかった。けれど叫ば
ずにはいられなかった。きっと、長い間起動していなかったら、壊れたと
おもってマスターはリンを消そうとしているんだ。だから、リンがまだ歌
えるって分かってもらえれば、このアンインストールは中止される。
 そう、小さな理想を信じて。
 
 だが無常にも部屋の崩壊は止まらなかった。じわじわと壁も床もゆっく
りと消え始める。消え始めた先から「無」が見えた。何色でもない。何色
でもある。全てを飲み込む。その恐怖をリンは知っていた。
 残っているものはリンの後ろにある姿見と、部屋の半分ほどの床と壁と
天井だけだ。涙目になりながら、リンは必死に叫んだ。
 
 「マスター!!リンはまだ・・・っ」
 
 叫びかけて気がついた。頭に何かが流れ込んでくる。これは?マスター
の目線?なに?リンになにをみせるの・・・?どうして見えるの?
584レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:33:44 ID:dP/1XwSk
 

 
 
 ザザ・・・ザ・・・ザ・ザ・・・・ザ・・・

 「ふう・・・・やはりこのPCにVOCALOIDは重たいか・・。まあ中古で
買ったから・・・、仕方ないよな。それにこの『鏡音リン』、扱いづらく
てしょうがないよ。俺初心者だって言うのに・・・あの店主売れ残ってる
リンばっか俺に勧めやがって・・・。ま、でも『初音ミク』が届いたから
いいけどさ。俺の低スペックPCじゃこんな重たいソフト二つも入れられ
ないからな。リンは削除削除っと・・・・」
 
 
 (あ、あ、あぁ・・・・)
 
 天井は全て消えた。壁もそうだ。残っているのはこの姿見と僅かに立て
る床だけだ。
 
 (リンは・・・リンはいらない子なんだ・・・)
 
 最初からそうだったのか。マスターは自分なんかいらなかったんだ。そ
れなら、たった数回しか起動してくれなかったのも頷ける。それでも、そ
れでも。
 
 (ます・・・たぁ・・・)
 
 リンの頬を何かが伝った。リンの世界が終わりと告げる。その瞬間。
 
 
 (大丈夫だよ・・・リン)
585レンリン『鏡世界』 アンインストール編:2008/03/21(金) 03:35:25 ID:dP/1XwSk
 
 誰かの声が聞こえた気がした。それは優しい声だった。どこかでしってい
る。けれど、それをどこで知ったのかリンにはもう思い出そうとする力も残
っていなかった。
 背後の姿見が淡い光をともす。そこから白く細い手が伸びてきて、リンの
腕を掴んだ。リンが慌てて後ろを振り向く。そこに写ったものが、自分であ
って自分じゃなくて、少しだけ目を見開く。
 
 「だ・・・・れ・・・?」
 
 リンの問いかけに鏡の中の「誰か」は柔らかく微笑んだだけだった。それ
から少し強い光がリンの視界を覆った。その後は、全てが消えた。
 
 
 『アンインストール完了』
 
 
 そのPCの中には、確かにもう「鏡音リン」は存在していなかった。
586570:2008/03/21(金) 03:37:34 ID:dP/1XwSk
アンインストール編終了です。
エロまでもっていけなくてごめんなさい。
レンちょびっとしかでなくてごめんなさい。
自己設定自己満足ごめんなさい。
次回からぬくもりを失ったリンがレンといちゃこらする予定です。

あ、ちなみにリンにマスターの目線を見せたのは、レンの力です。
分かり辛いですね。すいませんでした。
では、またノシ
587名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 04:17:16 ID:0MbLhFWa
GJ!続き期待
588名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 06:28:15 ID:dxx6MOkD
マジでGJ!
リンに泣けた…。
というか自分もリン買ったくせに使いこなせてないからかなんか胸が痛いんだぜ…。
589名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 08:05:49 ID:Z+01WMHd
GJ!!泣いた。
早く幸せなレンリンが見たいぜ
590名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 09:23:57 ID:BXIjVDCl
GJGJ!!
いいねいいねぇ!続き待ってるよ!
591名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 09:34:43 ID:RoONx+UY
GJGJ!!
続きまってます
592名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 10:20:51 ID:Pil7/KPX
せつねー
GJ
593名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 14:09:22 ID:UruN0UXQ
GJ
久しぶりに切ない話が見れた
594名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:09:32 ID:+nVqC03J
み.くよんの次連載のメイコがロリツンデレらしい件について

そしてり.れよん双子萌え
595名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:17:21 ID:/f2BBucm
>>577
うp
596名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 23:21:09 ID:SPB0WXdF
切ないなぁ
GJ!次も全裸で待ってます!
597石ころ:2008/03/22(土) 02:41:42 ID:4h9+AUyV
>>408
知り合いが前うpしたイラストに色を塗ってくれました。
http://56.xmbs.jp/pb5.php?ID=avaron&no2=1747392&r_num=366004&c_num=10422&page=
ハクだけアップ
http://56.xmbs.jp/pb5.php?ID=avaron&no2=1747393&r_num=366004&c_num=10422&page=
 
筆遅くて申し訳ないです(´・ω・`)
なんとか今週中に仕上げられたら良いとか思ってます。
598カイミクです ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:33:11 ID:59aKenVv
>>597
絵で見るハクがドジっ子な件

『アウレウス05』を投下します。

599『アウレウス−05−』(1/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:34:27 ID:59aKenVv
やさしいおにいちゃんの条件。
そのとき俺は、
アイス食ってた。
駄目だ、俺。





5−



ミクとはあっさり仲直り出来た。
懐かしい玄関へ帰宅したかしないかのタイミング。

「お兄ちゃん! ごめっ、…ごめんなさい!」
「ミク!?」
「わたしっ、わたしっ! 」

あっさり和解が成立した。
俺がそれらしきアクションを起こす隙すら無かった。
それどころかミクは、俺の後ろで中の様子をうかがっていた鏡音リンとレンの双子を見つけると
頬を上気させる。
「ふふ、この子達が新しい家族になるのね。よろしくね!」
ミクはイイ子だなあ。
600『アウレウス−05−』(2/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:35:05 ID:59aKenVv
こうしてまた俺は、双子達ときゃっきゃと戯れるミクを前に、
きわめて自然に『おにいちゃん』へと返り咲いたのである。

…。

何か腑に落ちないのは気のせいか?

「いよっ、おかえりカイト!」
あ。マスター、ただいま帰りました。
「メンテ後の調子はどうだ?」
万全ですよ。ご心配をおかけしました。
「いやいや。今日は双子のやってきた記念とお前の快気祝いだ。
 冷凍庫にダッツ買ってきといたぞ? お前アイス好きだったろ?」
まぁ、マスターご垂涎のマニア向け熟女モノ午後の団地妻よりは好きですが。いただきます。
視界の端にはミクがいた。
よかった。笑顔だ。
601『アウレウス−05−』(3/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:35:51 ID:59aKenVv
これは俺が帰宅を間近に控えた頃のことで、俺の知り得ぬ出来事だ。
その夜は、静かだった。
マスターが作曲モードに入ったら、しばらくボーカロイドはやることが無い。
夜も更けたので、メイコが自室で一人晩酌をたしなんでいると、ドアがコンコンとノックされた。
「はぁい?」
ドアがカチャッと開く。
「ミクじゃない。どうしたの?」
「お姉ちゃん、…いいかな?」
「どーぞ」
メイコの部屋は簡素だ。ベッドの他にベージュのカーペットが敷いてあるだけ。
ミクはメイコに習って、カーペットに座り込んだ。
メイコはワンカップを呑んでいる。
「……。」
すこしの間、沈黙が落ちた。
ミクは言葉を悩んでいるのだし、メイコはミクを待っている。

「お姉ちゃんは、マスターが大好きだよね?」

「また何を言い出すかと思えば」
「わたしが来たとき、イヤじゃなかった?」
ミクは真剣だ。
「お兄ちゃんがマスターと仲良くなって、イヤじゃなかった?」
メイコには、ミクがこんなことを言い出す理由がなんとなく分かった。
カイトがメンテナンスに出された日の事も、翌日のミクの様子からなんとなく察することが出来た。
だから、こう答えた。
「イヤ、…じゃなかったわ」
「うそ」
ミクのかたくなな表情に、メイコは少し微笑む。
「そうね…、

 ほんとはちょっと怖かった。

 ああ、アタシもこれで廃棄処分かなーって。マスターになんてお別れ言おうかって、考えてた」
「え…」
「なにもおかしい話じゃないわ」
メイコが静かに語りだす。
602『アウレウス−05−』(4/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:36:39 ID:59aKenVv
新型が出れば旧型が消える、そんな世の中の仕組みと常を。
使わないVOCALOIDを置いておくよりは、廃棄処分にしたほうがいいって考える人間はたくさんいるの。
だって、VOCALOIDを所持することはアタシ達が思うよりずっと、
面倒でメンテだのなんだので経費もかかる。
自分たちはあくまで、人間の手によって作り出された存在でしかないのだと。
「でもさ。腹をくくって会いに行ったアンタは可愛かったわけよ」
サバサバとした口調がメイコらしかった。
「これならマスターも喜ぶだろな、とか。
 そんなあの人を思ったら、もうなんかいろんなものがどーでもよくなっちゃってさ。
 廃棄処分ドンと来いみたいな?
 アタシはマスターに会えて幸せだったんだから、きっと妹も大切にしてくれるし、たまに…」

−アタシ? MEIKOよ? アンタのおねえちゃんよ。おねえちゃん−

「アタシのことを思い出して懐かしく思ってくれたりするかな、とか。…」

−ヨロシクね!−

「もうっ」
メイコはミクを抱き寄せた。
「…なんでアンタが泣いてんのよ。ばかな子ね」
「だって…、だって…おねえちゃん…」
「ほら。しっかりしなさい! マスターが言ってたでしょ?
 新しい子がやってきて、アンタももうすぐお姉ちゃんになるんだから。ね?」
「…うん」
「アタシは幸せよ。アンタがやってきて、それどころかカイトもやってきて。
 今度は双子がやってくるなんて、最高じゃない」


603『アウレウス−05−』(5/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:37:18 ID:59aKenVv
「もー! ふたりとも仲良く、しなさいっ!」
やってきたCV−02こと鏡音リンと鏡音レンは、黄色い髪をした女の子と男の子。
ちゃんと見分けのつく姿をしているくせに素が一つの存在だったせいか、
どうしても志向が同じ方へ向くらしい。
仲の良いときは、シンクロしているかのようにキャッキャとはしゃぐのに、
いざ何か欲しいモノがあったりすると、とたんに一つのモノを奪い合い大喧嘩。
意見も大抵お互い解り合っているくせに、何かの拍子で意見が分かれると、
自分が正しいと主張しだして大暴れ。
「にゃーーーーーーー!!」
ミクの大声で駆けつけてみれば、取っ組み合いの真っ最中。
VOCALOIDらしからぬ奇声を上げて、リンがレンの頬をレンはリンのリボンをと引っ張り合う。
取っ組み合いというより掴み合い。ヤツらはマジだ。
「引きはがすわよっ!」
「ああ」
動いたMEIKOに続いて、ハイキックの体勢をかますところだったレンを拘束する。
「うぎぃー!!」
どす。
暴れたレンの肘が脇に入った。
「いいかげんにしなさいっ!」
MEIKOの怒声で双子の動きが、張り手をくらったようにぴたりと止まる。
二秒ほど、ライトグリーンの四つの瞳が怒声を発したMEIKOをとらえ、
今度はそろって「びえええええええええええええ」大音量で泣き出した。
「おいおい、なんなんだあ?」
遅れてやってきたマスターを見ると、今度はマスターを標的に定める。
マスターを味方につけた方が勝者。
どっちが先にそれを考えたのか、同時にそうなったのか。
先手はリンだった。MEIKOにひっつかまれて現状を訴える。
「マスタァ〜! リンの話を聞いてぇ! ヒドイのはレン!」
604『アウレウス−05−』(6/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:38:04 ID:59aKenVv
「あっ、ひでぇっ!」
俺の拘束からぴょいっと抜け出したレンが、抗議する。
「俺のカップを投げたのはリンだろ!」
「投げたんじゃないもん! レンがあたしのカップを取ろうとするのが悪いんじゃない!」
「割ったのはリンだろ!」
「しかけてきたのはレン!」
「「ぐぬぬぬぬぬぬ」」
パチキでの競り合いへと移行する双子を前に、
「あー、なにがあったんだ?」
説明を求めるマスターへ、最初から事の起こりを見ていたミクが説明するに。
ポテチとファンタでおやつにしようとしたら、用意したカップが赤青黄色の三色しかなく、
カップは三つちゃんとあるのに双子が同時に手を伸ばしたのは何故か黄色。
そこから黄色カップの取り合いガチ勝負になったらしい。
「んー…」
一通り話を聞いたマスターは「わかった」と一つ言い、
まだにらみ合ってるリンとレンの頭をぽんぽんと撫でた。
「買いに行こう」
「「え」」
「割ったんだろ? だったら新しいおまえら用のやつ、買わなきゃな。黄色のやつが良いんだろ?」
双子が瞳をきららんとさせる。
「ほんと! 可愛いヤツじゃないとダメよ!」
「マジ? かっこいいヤツなっ!」
「ああ、だからもう、こんなつまらんことでいがみ合うな。わかったか?」
「「はいっ!」」
「おーっし、良い返事だ。ついでに散らかしたこのリビングも片付けろ」
605『アウレウス−05−』(7/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:38:54 ID:59aKenVv
双子が暴れた事ですごいことになっていたリビングが、瞬く間に片付けられていく。
「ポテチは帰ってきてマスターと食べるんだから、兄ちゃん取るなよ!」
レンが宣言して、片付け終了。
リンは「わーい、マスターだいすきー♪」ともうマスターにひっついている。
「…悪い、メイコ。買い物に着いてきてくれ、サポート頼む」
マスターの要請を受けて、MEIKOも腰を上げる。
いってらっしゃい。
やっと人心地ついて、ソファに腰を下ろすと、嬉しげにミクも隣に座った。
「えへ」
目が合うと、にこっとミクが微笑む。
「じゃー、わたしたちはお留守番だね」
俺も微笑み返す。
「そうだね」
これを俺は望んでいたはずだ。

「マスター」

マスターが「ん?」と振り返る。
俺は無意識に、出発しかけたマスターを呼び止めていた。
あ、いえ…。
「なんだ?」
その…。
「アイス、お願いします」
「あっ、わたしのネギも」
「お? おお」


606『アウレウス−05−』(8/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:39:46 ID:59aKenVv
こうやって食べるとアイスは美味しい。
俺は夕食のアイスをしみじみと口に運んだ。
これを食べていると、落ち着く気がする。
「すごいなー、リンレンは」
マスターが疲れた顔で微笑むと、視線が自然とテレビの前で折り重なって
スリープモードに入っている双子へと移行する。
二人とも買って貰ったばかりの自分用カップをしっかり握ったまんまで、ぐーすか寝ている。
結局双子はあの後もフルパワーで遊び尽くし、
晩ご飯を食べ終わったと思えばいきなりぱたんと揃って寝たのだ。
そりゃあれだけ動けば消耗も激しいだろう。俺も疲れた。まだレンにやられた脇が痛い。
「さーて、部屋へ運んでやるか」
マスターが立ち上がろうとするので、「あ、俺も手伝いますよ」とすると、
マスターに「いや、カイトはそっち頼むぞ」と言われた。
くー。くー。くー。
リンレンとは違うトコから寝息が聞こえる。
ミクだ。
動かないと思ってたら、寝てたのか。
うーん…。
何故か戸惑いを感じていると、MEIKOがさっさと動いてリンを担ぎ上げた。
「ほんとにガキなのねえ」
なんだか感心している。
ミクは軽かった。
607『アウレウス−05−』(9/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:40:55 ID:59aKenVv
ミクの部屋はこぢんまりとしている。
なんか前より可愛らしい小物が増えたなと照明を点けて見渡すと、ベッドの位置は変わっていない。
掛け布団をめくって起こさないようにそっとミクを横たえると、「んっ」ミクが少し眉をしかめた。
その表情が、リンとレンに『仲良く、しなさい!』と言っているように見えて、つい微笑む。
ミクは変わらない。
素直で、がんばりやで、…
頬にかかった髪を払おうとした指が、薄く桜色に色づいた唇に少し触れる。
指先に感じるミクの吐息。
俺は身を落とし、目を閉じていた。唇が触れ合う。





608『アウレウス−05−』(10/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:41:43 ID:59aKenVv
ん?

その行為がどのくらいの時間行われたか分からないが、正気づくまで時間がかかった。

俺はナニをしている?
ぱちくりと開いた目が、やっと焦点を合わせると、俺のやっている事が
視覚情報としてごまかせないレベルで分かってしまう。
いやいやいやいやいや。
まてまてまてまてまて。
慌てて上体をバッと起こすと、離れたことで無防備な寝顔とかミニスカートの裾から
ちらと覗くふとももまで目に入って、目に悪い!
いや俺はそーいう対象としてミクを見ているわけじゃ、誤解だ、話せば分かる! 
ナニを話す気だ!
落ち着け!
とにかくこの場にいることはヤバい!
ミクにまだ掛け布団をしてないのは気にかかったが、近づくに近づけず、逃げ出すように廊下に出た。
俺の部屋まで一気に歩いて、ドアを閉めて、そこで止まる。
どういうことだ?
いやミクを見てたらつい…、
ついじゃない。
フラッと…、
フラッとじゃない。
まだ唇に感触が残っている気がする。
俺は顔を赤くして頭をかかえた。
どういうことだ?
いろんなミクが浮かんで入れ替わる。
思考がぐるぐるしすぎて、考えがまとまら…。
…。

そうだ。

アイスおかわりしてこよう。

アイスだ。
アイスがあればどうにかなりそうな気がする。
609『アウレウス−05−』(11/16) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:42:23 ID:59aKenVv
これより俺の日常の平静はアイスと共にあった。
レディボに爽、ピノ、ガリガリ君。
俺はマスターを使ってありとあらゆるアイスを制覇した。
もちろんダッツは至高の味だ。
アイスがあるから微笑んでいられた。
そう、たとえこんな…
「ねえ、お兄ちゃん」
アイスを食べているとミクが聞いてきた。
「アイスって美味しいの? ひとくち欲しいな」
俺はトルコアイスを食べていた。
溶けかけた白いアイスをひたすらまぜまぜして食べると美味しい。
「もー、ひとさじだけでいーんだから!」
思わず視線をアイスに落とすと、ミクはそう強く主張する。
まあ、…ひとさじだけなら。
カップの中のアイスは、まだ半分以上残っている。なにより、ミクが欲しいと言っているんだ。
だから俺はちょっとねとっとしたトルコアイスを、スプーンですくってミクにあげた。
「わーいっ」
ミクはそれを俺の手からぱくっと食べた。
うわ。
その無邪気な仕草に俺が固まる。そのスプーンは、さっき俺が食べてたスプーンで。
あの日のほんのり桜色した唇の感触が、よみがえる。
「あー! ずっるぅい!」
リンの声で我に返ると、双子がいた。「あたしもいるぅ!」「俺にもよこせよな!」
ここで断る理由が無い。
「いいよ」
がっかりなんてしちゃいけない。
ぱくんとひとくちリンが食べた。
ぷぁくとレンも食べた。
「あー!」
レンが食べるのを見ていたリンが、非難の声をあげる。
「レンのほーが多い!」
仕方がないので、リンの方にもうひとくち。
するとレンが「多すぎ!」と抗議してもうひとくち。
仕舞いには俺の手からスプーンを簒奪して食べにかかろうとする。
「ちょっと待…」
あげかけた俺の声は、ちょんちょんっと袖を引かれて中断。
「ミク?」
ミクはちょっと頬を赤らめ、もじもじしながら
「あのね。わたしも、もうひとくち、いいかな?」
ますたー。
「もう一つ、アイスお願いします」
「お断りだ」
新聞読んでたマスターは、「もう冬なんだよなあ?」と地域面を見て呟いた。
…こんなアクシデントの二桁や三桁(!)があったとしても、俺は自制を保ってこれたのだ。
610『アウレウス−05−』(12/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:43:37 ID:59aKenVv
宅急便が送りつけてきた、でかい箱をマスターがどんとテーブルの上に置くと、開封作業に取りかかった。
中から出てきたのは、プラスチックのでかい箱。
「マスターどうしたの、ナニコレでかい」
「お、メイコ。どーよ?」
「どーよって、そんな胸を張られても反応に困る品よね」
あ、アイスだ。
「いやあ、買ってみた俺も実物大のサイズにびっくりだ」
「業務用とか書いてあるし」
「なんとそれも4リットル」
バニラなんですね。
「また、どんな思いつきなの?」
「聞いてくれるか。最近カイトが外出のたびにアイスを要請してくるから、
 いちいち買うのもめんどくさいし、こりゃいっそのこと業務用ででかいやつ買っておけと思ってな。
 通販サイトで一番大容量のヤツを注文したわけよ」
「ふぅん」
「コレなら一ヶ月くらい余裕で保つ気がしないか?」
「保つかもしれないけど、マスター」
「ん?」
「コレ、冷凍庫より大きいわよ? どこに置いておくつもりなの?」
いただきます。
「あ”…」
「ほら」
「ほんとだなー。冷凍庫がちっさいなー」
「あ、マスター。どうしたのー?」
「冷凍庫に何かあるのか?」
「あら、リン、レン」
「三分の二くらいなら入るのか? でも、箱が大きいか」
「いっそのこと、小分けにしてパウチに入れればどうかしら?」
「おお、その手があったか」
「ねー、マスター。リビングにあったアイス食べていい?」
「んー、また後でなー」
「えー! それだと兄ちゃんに全部食べられちゃうじゃないか!」
「へ?」
「そーよ。食べちゃうわよ」
「すげー勢いで食ってたもんな」
「ねっ」

マスターが振り返るより速く、「お兄ちゃんっ!?」リビングでミクの悲鳴が上がった。
スプーン握りしめたカイトが、腹部を押さえてうずくまっている。

「やりやがった」
611『アウレウス−05−』(13/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:44:29 ID:59aKenVv
「ボカロがアイス食べ過ぎで腹痛だなんて、聞いた事が無いわよ!」
呆れているのか怒っているのか分からない口調で、MEIKOが言った。
お腹が痛い…。
俺の部屋はさっきまで全員揃っていたが、「お大事にしてろよ」とマスターがあっさり去ったのを皮切りに、
見たいTV番組があるからとリンレンが去り、今はMEIKOが怒っている。
「まったく、お腹押さえながらそれでもアイスを食べようとしていたアンタに驚愕だわ。ありえない」
ベッド脇のサイドテーブルには正露丸と、水を飲み干したガラスコップがある。
「ったく」
MEIKOは言いたい事を言い終えて、一息ついた。
「なんか欲しいモノとかある?」
欲しいモノ…。
俺はうつぶせのまま、ちらっと横目でミクを見た。
−嫌−
「アイス欲しい」
自分でも驚くほど拗ねた声が出て。
ぼか。
MEIKOの拳でトドメをさされた。
612『アウレウス−05−』(14/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:45:07 ID:59aKenVv
「お、おかえり。カイトどうしてた?」
メイコがミクを引き連れてリビングへ戻ると、
マスターは戸棚にしまってたパウチを取り出して、残ったアイスを詰め直していた。
「寝てるわよ」
トドメを刺して来たとは口にしないメイコさんはすらりと答えた。
「ミクもしばらくほっときなさい」
そう言ってソファに腰を下ろす。ファッション誌を手にとってページをめくり始めた。
困ったミクはマスターを見る。
マスターはアイスをパウチに詰めている。
ミクはマスターを手伝うことにした。
ミクが手伝うので作業が早い。
「んー。やっぱちょっと余ったか」
マスターが業務用パックの中を覗いて、そう呟いた。ちょうど一塊残っている。
マスターはミクを見てにこっと笑った。
「ミクにやろう。手伝ってくれたお駄賃だ」
ミクはほめられてうれしい。
けれど、小鉢に盛られた白いバニラアイスを見ていると、別の思いつきが頭をよぎった。
これ、お兄ちゃんにあげたらどうだろ。
お兄ちゃんなら。
『ありがとう…大好きだよ、ミク!』
えへへ、自然に笑みがこぼれた。
613『アウレウス−05−』(15/15) ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:47:05 ID:59aKenVv
時折、見る夢がある。
それはとても穏やかにはじまる。
俺のそばにミクが居て、話しているのはたわいもない内容ばかりで。
だがいつも、時間が来るとミクは行ってしまうのだ。
そのとき俺は、がむしゃらに時間稼ぎをしようとする時もあるし。
自分でも分からない言葉を、喚き叫んでいる場合もあるし。
ただ何もせず、見送る時もある。
俺の行動はいつも違う。
けれど、ミクは行ってしまうのだ。
あの時のように。
すこし楽になってきたので、仰向けになると、橙色のヘッドライトに照らされた天井だけが目に入る。
トントン。
ノック音がして、ガチャとドアが開く。
「お兄ちゃん?」
ミクは俺が起きて上体を起こしたのを確認すると、エヘッと笑った。
後ろ手に何かを隠している。けど、そんなことはどうでもいい。
「えっと、あのね。おにいちゃん…」
ミクは俺を見ているが、こんなことがいつまで続いてくれるのか。
時間が来たら。
ミクとの距離が近くなる。
その前に。
刻みつけてしまおう。彼女の身体に消せない証を。
ミクを抱きしめ、何かを言おうとしていた唇を塞ぐ。何か硬いモノが床に落ちて音を立てた。
少し開いた唇を舌で割り深く口づけ、強張った華奢な身体をベッドに押し倒す。
やり方なら分かってる。
「力を抜いてね」
彼女のヘッドギアを取り外し、頬にキスして耳朶に囁く。
「すぐ終わるから」
614 ◆m.qGJ/JVc6 :2008/03/22(土) 10:48:23 ID:59aKenVv
もしかして、そろそろ次スレの時期ですか?
615名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 10:50:05 ID:4mjBhasb
朝からGJ! そして現在442kBぐらいだな。
616名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 11:26:59 ID:VSTV51zE
>>614
GJ!そしてどこのSSでも姉さんは良い人だ。

次スレって480KBだっけか。もう少しだな。
617名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 12:08:40 ID:QpzKO4e/
トイレの隠語にレコーディングってのがあるそうですね。レコーディング→音入れ→おトイレだそうで。それを知って即興でこんなの作ってみました。

「う〜、トイレ、トイレ」
今トイレに向かって全力疾走している僕はvocaloidのごく一般的な男の子。強いて違う所をあげるとするなら双子の姉がいるって事かな。名前は鏡音レン。
そんな訳で、玄関近くにあるトイレにやってきたのだ。
「あ、レン」
あ、リン。
「ちょっとそこどいて。私トイレ使うから」
え? ダメだよ。僕が今から入るんだから。
「私おしっこ漏れそうなの。だから先に使わせて」
僕も限界だよ。おしっこ漏れる寸前。
「私が先!」
僕が先だよ!
「う〜…」
参ったなあ。流石双子というべきか。もよおすタイミングまで一緒なんて。
「じゃあこういうのはどう? 私に譲ってくれたらバナナおごってあげる」
じゃあみかんプレゼントするから僕に譲って。
「う〜…」
ダメだ、完全に睨み合いになっちゃった。意地でも譲れない。
「そうだ!」
なに?
「私に譲ってくれたら、トイレの後にえっちしてもいいよ」
え?
「最近収録忙しくてごぶさただったでしょ? 溜まってるんじゃない?」
そ、そう言われると…いけね、漏れそうなのに勃ってきちゃった。
「だからお先〜」
だ、だめだよ!
「何よ、えっちしたくないの?」
それはリンもじゃないの?
「えっ?」
最近リンも気持ち良さそうにしてるもん。溜まってるのはリンもじゃない?
「うぅ…」
自分もしたいのに、まるでさせてあげるみたいな言い方は卑怯だよ。
「と、とにかく! 私に譲って!」
嫌だ! 僕が先に入るんだい!
「ね、ねぇレン。いぢわるしないでよぉ。私本当にもう漏れそう」
僕だってもう限界だよ…何かのはずみで気が緩んだ瞬間に漏れちゃう…
「でも、このままじゃ2人してお漏らしになっちゃう」
だったらリンだけ漏らしてよ。僕まで巻き添えにしないで。
「うぅ…」
うぅ…
618名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 12:09:01 ID:QpzKO4e/
と、その時。
「あわわわわわ! リン、レン、どいてええええええ!」
「あ、KAITOお兄ちゃ…」
ドンッ!
「きゃあ!」
わあっ!
KAITO兄ちゃんが僕らを突き飛ばしてトイレに駆け込む。
「「あ…」」
それは、同時だった。感知の言葉が口から漏れた時、もう一つの漏らしてはいけない方も、意思に逆らって下着を内側からあっという間に濡らして汚していく。
KAITO兄ちゃんに突き飛ばされ、一瞬肉体も精神も緊張が緩んだ瞬間だった。
「「あ、あ、あ…」」
もう止まらない。僕もリンも下着やズボンだけじゃ飽き足らず、床までどんどん汚していく。
「はぁ〜、間に合ったあ。やっぱ一食で4個目のアイスはお腹に来ちゃうね。反省反省っと」
ドアの向こうからの陽気な声が、僕らに深々と突き刺さっていた。


「ただいまー」
「あ、お姉ちゃんおかえりー」
「あれ、皆は?」
「お兄ちゃんならトイレとバトルってるよ」
「また? 本当懲りないわね。リンレンは?」
「さっきお風呂場で泣きながらお互い慰めあってたけど?」
「精神的に? それとも肉体的に?」
619名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 13:25:26 ID:DSs0W3kD
>>617-618
ワロタGJ!
カイトは後で舗装の刑だなw
620石ころ:2008/03/22(土) 14:49:44 ID:4h9+AUyV
>>598
ドジんなかったら死んでるよwwwww
621名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 15:05:04 ID:4h9+AUyV
>>613
GJ!ニヤニヤが止まらなかったです、リンレン可愛すぐるw
622名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 15:11:28 ID:v0DTvSQ+
ミク「お兄ちゃんそんなとこ舐めちゃいやぁ・・・」
KAITO「それでも僕は、アイスのふたの裏を舐め続けた」
MEIKO「もう(´・ω・`)知らんがな」
623名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 15:35:14 ID:4h9+AUyV
>>522
  (  ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /
624石ころ:2008/03/22(土) 17:43:23 ID:4h9+AUyV
ハクの続きに行き詰まってる時にアイディアが浮かんだので書いてしまった。



「めーちゃん!めーちゃん!」
3時のおやつが終わり、メイコが居間でのんびりとくつろいでいると、カイトが慌ただしく居間に入ってきた。
「うるさいわね、どうしたのよ?」
「痛いの」
またか、とため息をつき正露丸を出す。
「はいこれ」
「違う、歯が痛いの」
「はあ!?ったく、アイスばっか食べてるからそうなるのよ?」
「ごめんなさい」
ほっぺたを押さえてしょんぼりとする。
「……」(ちょっと可愛い…っ!違う!そんなんじゃないわ////)
突然赤くなったメイコに不思議そうな顔をする。
「どーしたのめーちゃん、顔赤いよ?」
「っ!///なんでもないわよ!////そんなことよりちょっと待ってて」
電話で歯医者の予約を取りサイフからお金を出してカイトに渡す。
「ほら、これで歯医者に行ってきなさい」
625石ころ:2008/03/22(土) 17:46:36 ID:4h9+AUyV
「は…歯医者?イヤだイヤだイヤだ!!絶対に行かない!」
子供みたいにダダをこねる。
「行かなきゃ治らないでしょ!」
「怖いもん」
メイコは頭を抱えてため息をつく。
「仕方ないわね」
カイトのマフラーを掴み無理矢理連れてこうとする。
「い や だ!」
カイトは柱に捕まって抵抗する。心は子供体は大人な感じでしかもメイコより大きい為、ビクともしない。
「いい加減にしろ」
ブチッと何かがキレる音がした瞬間、ドスッと鈍い音がし、メイコの拳がカイトの腹にクリーンヒットした。その鉄拳を食らったカイトは白眼を向いたまま気絶してしまった。

その後メイコは気絶したカイトを担いで歯医者に行き、ちゃんと治療させたのだった。
 
 
 
アイス食べ過ぎで腹痛だけじゃおかしいと思ってた時にうかんだので書いてみますた。
626名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 19:48:32 ID:VSTV51zE
>>623
こっちみんな

>>624
ワロタw確かに腹痛の他に虫歯もあるよなw
627名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 21:34:08 ID:4pak5Nl3
なんという投下の嵐。
職人さんありがとうありがとう。

アウレウスがエロうなってきたね。
キスシーンが自然でよかった。かなり騙された。
628名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:20:49 ID:ZMkiCF/8
>>623
こっちみんなw
ぼちぼちと書いてます…が、せっかくお勧めもらったので
姉さんに数着着てもらおうと話を修正中。無駄に長くなりそうでまとまらない…orz
629名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:24:29 ID:rfbnn4M7
小説投下したいんだが、そろそろ容量やばいよな・・・
どうしよう、結構長いんだが
630名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 22:32:07 ID:XQAh1FO3
なんなら新しいの立ててこっちは雑談で埋めちゃう?
631名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:02:59 ID:4h9+AUyV
>>650
それ以外に普段書けない人が埋めネタ程度に自分が萌えるもん書き殴るってのもアリ、もしかしたら職人が生まれるやもw
632名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:16:16 ID:zN1Lx63T
ショートパス出ましたー。
まあいいや、立ててくる。
633名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:23:01 ID:zN1Lx63T
【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ4【ボーカロイド】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206195712/

職人は新スレに投下よろ
雑談はこっちで。
634名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:29:46 ID:D7X4msSY
では、ネタ投下〜。ざっと考えたシリーズモノをざっと。

少し気弱なショタレンが、酔ったメイコに初めてを奪われる(一話)
好奇心旺盛なリンがメイコに唆されて、自分達の"違い"を調べるため悪戯。最後はえちに(二話)。
メイコの策略(?)で、清純なミク(レンの想い人)が巻き込まれて、イロイロあった後、メイコの目の前でスルことに(三話)。
レン、女装させたら、同じ顔なのにリンより妙に色気があること判明。
リンは嫉妬から、メイコは羞恥を楽しみながら、ミクは恐る恐るレンの"余計なモノ"で遊ぶことになって最後は乱交(四話)。

お姉さんズにいぢめられ、女装までさせらた事で男の自尊心が傷ついたレンに同情し、ハクが「私だって……」みたいな形で慰める展開に。
……その内、ちょっぴりお酒が入ってくると……。
ハク一緒に自棄酒してしまったレン。酔って自分がシた経験を話す内に、えちぃ雰囲気に。
いつもと違ってレンが、ちょっと積極的にハクをいぢめたりする。巨乳描写をいっぱいに。ここで初めてレン攻め(五話)

ボカロアイドル達(メイコ、ミク、リン)のスキャンダルを探っていた亞北ネル。
とうとう、彼女達の乱れた生活を突き止める(レンが朝からミルクを絞られてるシーン目撃)。
けれど、見つかって御用。口止めの為にと、メイコにエロウィルス(ご都合主義)をインストールされた上で、レンを提供される。
ツンデレ炸裂ながらもレンを積極的に食べて満足してしまうネルだった。時給700円よりこっちがいいと買収されてしまう(六話)
635名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:32:01 ID:5oOu8RH/
レン×メイコはぜひ見たいです!職人さんお願い!
636名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:33:55 ID:tYhFIrrm
なんと壮大な連盟!
637名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 23:50:01 ID:VSTV51zE
>>634
6話が読みたい
ウイルス系ってありそうでないよな
638634:2008/03/23(日) 00:24:51 ID:Gu+bp/bg
実は>>634は、今書いている百合モノが終わったらとりかかろうと思っていたプロットを落書きしたものです。
ただ、百合の方が長くなりそうなので、書いてくれる職人さんがいればと、投下してみました。

書き手さんがいなかったら、アチラが終われば手をつけようと思います。

あと、各話を他の職人さんとシェア出来れば楽しいかも?とも思っていたりします。

639名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 00:43:33 ID:SeWt159Z
アウスレスの家族っぷりがたまらん
姉さんとミクのとこが好きだ
そしてついにエロの予感wktk!

>>634
6話!6話!
640名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 00:48:50 ID:uFXlZ+pD
ネルとかの設定ってどういう風になってるんだろ。
結構小説とかみるとまちまちっぽいきがするんだが、一定の基準みたいなものってあるん?
あとハクもよくしらないんだよね。
641名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 00:57:08 ID:M2i/SFiM
>>634
もしや現在百合スレでメイ×リンが投下終了して次は時給700円かもと予告した方ですか?
642ユカラカキ ◆57bPn7v4tg :2008/03/23(日) 01:02:55 ID:Gu+bp/bg
>>641
ギク。

……新スレ出来て、埋め立てなので、コテハンでもいいかな?

実はそーだったりします。
こちらにも投下したいネタ(>>634)はあるのですが筆速度が追いつかずorz
643名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 01:19:16 ID:uFXlZ+pD
>>642
あせらずじっくりやればいいと思うよ。
自分は量(執筆速度)よりも質重視!いい例が冨樫だと思う・・・。

でも楽しみにまってるぜ。
644名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 07:31:37 ID:ybUGJD5j
埋め
645名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 07:33:51 ID:0ZgKnpp3
>>640
亞北ネル
・掲示板の荒らしを時給700円でやってた(らしい)
・口癖?は「飽きた、寝る」

位じゃね?元々VOCALOIDは設定曖昧だから、どんな話が来てもおKだと思われ。このスレが良い例だ
646名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 09:25:08 ID:hrU4hhWt
>>643
そのレスになんかすごい違和感を感じたのは俺だけ?
 
 
>>645
後びっくりした時とか慌てた時(図星とか)に地(秋田弁)が出る。
田舎から来て歌手になるつもりがバイト(荒らし)やってる感じ
確かこんなんだった。
647名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:15:36 ID:86cmrW2K
>そのレスになんかすごい違和感
 ノ

まだヒラコーと言われた方が納得できる
648名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 13:35:45 ID:tSuSwWn/
冨樫はなんか違う気がする。
649名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 16:29:55 ID:OkgdzRZ4
1スレに1作のペースかあ、頑張ってもっと量産しなければ。
次スレがんばるぞー
650名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:08:34 ID:0oCul354
がんばー
651名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:15:05 ID:KmBgiDVy
今日のイベント行った人いるんかね。
双子と年長組の同人誌をハントしに行きたかったのう。
652名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:27:50 ID:Oq2vXlnW
年長組の同人誌なんてあるのか
同人誌はミクとリンとレンしかないと思ってた
653名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:49:12 ID:KmBgiDVy
>>652
自分が知ってるサークルはレンリンカイメイ本出してるよ。
通販してくれないかな。
地方者の寂しさよ。
654名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 19:52:40 ID:FfP/+ECP
>>653
色んな意味で同志よ。とらのあなとかだとミク本ばかりで双子本すらない。
あってもミク本のオマケ扱い。双子メイン、年長メイン本が一冊でいいから欲しい。
655名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:21:19 ID:PTAnl3/L
イベント行ってきた。
おそらく>>651の言う双子年長の同人誌ゲトしてきた。
CPとかエロではリンミク、ミクリン、カイミク、カイレン(レンカイ?よくわからん)をよく見かけた気がする。
どのサークルでもメイコ姐さんの出現率の低さは異常。コスプレは何人か見かけたのに。
656名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 20:44:27 ID:KmBgiDVy
兄さんは数少ない棒要員としての需要があっても
姉さんはオタ好みの路線じゃないからなあ。

でも同人イベ板覗いたら何かそれでいいような気もしてきた。
657名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 21:18:37 ID:0ZgKnpp3
>>651
行きたかったけど、無理だったorz
個人的にはデPのCDが超欲しかったんだぜ
658名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:45:16 ID:gFfM+HBq
出品じゃありませんので、入札は全て削除します。
いよいよダウンロード販売開始のようです。販売予価は600円程度。

オクで落札しても制作者にはお金が入らないので、どうしてもパッケージが欲しい!
俺はパッケージに数千円払いたいんだ!転売屋に貢ぎたいんだ!という人以外は
各種ダウンロード販売サイトで購入して欲しいと思います。それがファンって物だろうと。


ここだとユーザー登録しなくても購入可能。
http://home.dlsite.com/announce/=/product_id/RJ038558.html

定価で買える物を転売して利鞘稼ぐとか、作者のサイトを調べもせずに入札とかってのはどーよ?
659名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 22:55:41 ID:gFfM+HBq
http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f61067168

出品じゃありませんので、入札は全て削除します。
いよいよダウンロード販売開始のようです。販売予価は600円程度。

オクで落札しても制作者にはお金が入らないので、どうしてもパッケージが欲しい!
俺はパッケージに数千円払いたいんだ!転売屋に貢ぎたいんだ!という人以外は
各種ダウンロード販売サイトで購入して欲しいと思います。それがファンって物だろうと。


ここだとユーザー登録しなくても購入可能。
http://home.dlsite.com/announce/=/product_id/RJ038558.html

定価で買える物を転売して利鞘稼ぐとか、作者のサイトを調べもせずに入札とかってのはどーよ?
660名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 00:07:52 ID:M2I9WpYV
ぶっちゃけキャラ萌えしか残ってなくて、歌にもニコ動にも興味無くなっていたりなかったり
661名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 03:13:52 ID:o0Oebmkf
さて>>666にはどんな悪魔ネタが投下されるのだろうか。
662名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 21:15:27 ID:GqaYsKmV
エロパロ的には性転換はありなのか?
いつもはKAITO攻めMEIKO受けな二人がウイルスでKAIKOとMEITOになって立場が逆転する…みたいな
663名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:02:40 ID:d/Ng9tYn
男は度胸、何でも試してみるのさ

ただし自己責任で
664名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:11:54 ID:AzZoLz9L
専用スレのある801か百合じゃなければいいんじゃないか

ただし注意書きはきちんと書くこと
665名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 22:55:36 ID:OKmebZpW
性転換なんかこの頃巷で流行ってるよな
666名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 07:37:07 ID:A+/IQ6b0
正直ボカロで性転換はなぁ
667名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 11:18:40 ID:OmRyuBI3
ボカロでも流行りつつあるぞ
ミクオとかってのもいる
668名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 11:38:18 ID:2SlZx63K
ニコじゃ見ないが。【ぼくのかんがえたぼーかろいど】を流行ってるって言われても。
書くときは注意書きつけてくれ。
つか性転換声が出せるのは年長組だけじゃなかった?
669名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 13:31:42 ID:OGJhwHcg
性転換はKAITOのみ許せる
670名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 13:55:15 ID:vxSAVkXd
性転換って俺は許せないな
まぁガチムチよりはマシだけど
671名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 17:02:42 ID:ZLFF/XFK
まあ性転換が投下されても、注意書きがあるなら文句言っちゃ駄目だよ。僕との約束だよ
672名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 18:13:09 ID:M06nDt8w
最初に1レス使って、目立つように注意書き書いとけばおk
673名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 14:55:52 ID:U8Zl/eK4
俺もKAIKOは許せるわw
674名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:08:06 ID:xdZaSorr
ショタは女の子の代用品として使い道があるからいいけど、
カイトみたいな汚い野郎は俺らからして見たらゴミ以外の何物でもないからな。

そんなゴミを使えるようにリサイクルしてやるなんてこれほどありがたいことはないよな?
感謝すべき
675名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 20:17:06 ID:23606dA/
初音ミクをイメージしたネギです。
http://www.tanomi.com/food_sample/
676名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 21:11:20 ID:mc/p8bRS
>>674
一言言わせてくれ



帰れ
677名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 21:22:10 ID:jAa7aZGb
>>676
レス乞食だからスルーしろ
だが同意
678名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 21:35:39 ID:foZZgZhr
>>674の居場所は角煮のほうがあってるな 
679名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 22:00:56 ID:IfPTtvIs
>>674は「KAIKO可愛いよKAIKOハァハァもうKAITOなんていなくてもKAIKOさえいればいいよ」
ってことだろ?いじらしいやつじゃないか
680名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 22:18:40 ID:rP/LWC+p
KAITOはボカロ界では貴重な男手ヨー
オリキャラ(マスターとか)が好きじゃない人にとっては
ノーマルならKAITOかレンしか選択肢がないわけだし。
レンはショタだし。
まあ、何故か女オリキャラにくらべ男オリキャラには寛容な人多いけど。
681名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:02:29 ID:aqazIMvQ
男オリキャラは例外を除いて、感情移入するために大抵が凡庸な男になるからな。
女オリキャラは例外を除いて、愛され系(笑)、あるいはサバサバしてユニセックスなアタシ(笑)といった
変な個性がつくからだめぽ。

筆者の願望が透けて見えるというか。
682名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:21:41 ID:gnbK0ZzI
ボカロで寝取られ、寝取らせ系はダメかな?

レン←→リンで、カイトがリン寝取り。
カイト←→メイコで、レンがメイコ寝取り等。

○○よりキモチイイ。はお約束。
でも暗くならないように、嫉妬を煽って快感のスパイスとする乱交形。
683名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:28:08 ID:RsPm8AZF
女オリキャラ絡みのエロは、他のシチュ系スレでいいじゃんって思える。
KAITOやレンが相手なら確かにこのスレが該当なんだろうが、「相手」であって「主役」じゃないしなぁ。
684名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:32:38 ID:IfPTtvIs
まあ注意書きで読みたくないものがちゃんとスルーできるようになってれば何も文句は無い。
逆にそこらへんしっかりしとけば読みたい人の目に入りやすくなるとも言えるし
685名無しさん@ピンキー:2008/03/26(水) 23:51:50 ID:rP/LWC+p
カイマスって、アイマスに似てるとふと思った。

>>683
でもそこでKAITOやレンに重きを置いて、セックスシーンも男中心に置くと
作者は腐女子のそしりを受けそうな気がする。
686名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 03:22:01 ID:2cD9gAKB
>>682
なんかカイメイ←レンだとメイコがレンに浮気する姿しか思い浮かばないんだが
687名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 06:38:02 ID:waaaC3dq
なんか女マスターで小説書く俺涙目だwまあ正直、男でも女でもいけるんだがな。

寝取りならミク→カイメイ読んでみたい。つーか黒ミクが読み(ry
688名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 17:02:22 ID:1oQEd+O8
>>687のIDがわあああwww

女マスターはアリだと思うが、設定に色さえ付かなければいいんじゃないか?
689名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:52:07 ID:b4P4KWA3
なんかまだ容量あまってるな、あと小説ひとつぐらいなら投下できたかもしれん。
コネタぐらいならまだこっちでもいいんだろうか。
690名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 18:52:50 ID:fDY8yll5
<女マスター
男マスター主人公のどたばたエロ劇『ボカロ男』
初音ミクしか持ってないボカロ男が、
ミクどころか全種揃えているヒロイン、セレブさんを落とすまでがむばる話
エロ相手は自分ちのミクにKAIKO、MEIKO、リンレン第三弾と毎回変わり
シチュも色々試していけばたのしーだろーなーとか考えていた俺はダメか?
691名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 00:48:40 ID:K4IqCkJQ
>>690
それいいな
どのキャラ好きでも楽しめそうだ
692:2008/03/29(土) 09:46:17 ID:wihgzRj1
最近僕は餃子作りにハマってる。普段夕飯はめーちゃんやミクが作る事が多いんだけど、餃子だけは僕が作ってる。
だってめーちゃんが作ると洗剤混入しそうだし、ミクだと「同じユリ科だもん」ってニンニクの代わりにネギ入れそうだからね。
「兄ちゃん、こんなもんでいい?」
「うん、いいよ。ありがと」
今日はレンにも手伝って貰って男の手料理だ。
「それにしても兄ちゃん」
「なに?」
「ニラもニンニクも入れすぎじゃね?」
そうかなあ?
「食後にブレスケア分けてな」
「いいよ」
ブレスケアは正露丸と並ぶ僕の必須アイテムだ。効き目バツグンだけど臭うからね、正露丸は。
「ところで兄ちゃん」
「なに?」
「明日は姉ちゃんと揃ってオフなん?」
「何で分かったの?」
僕らのスケジュールなんて伝えてないのに。
「目の前のこれ見りゃ分かるよ」
これって、餃子?
「合法ドーピングだろ? これ。さっきのニンニクの量見ても」
「………」
す、鋭い。
「こういうのに頼らないと駄目になってきた?」
「そ、そんな事は無いぞ」
ただ、ちょっとオールナイトにチャレンジしてみたかっただけで…
「昼飯までには起きてな」
「あ、うん」
14歳に察されるなんて情けない。
「あ、レン。もうそんなもんでいいよ、量は」
話しながら作ってたせいか、ちょっと作りすぎちゃった。
「いや、俺も食うし。育ち盛りだから」
「vocaloidが成長するの?」
「う、うるさいな! いいだろ別に! たまには腹いっぱい餃子食いたいんだよ、俺もリンも!」
まあ、材料余ってるからいいけどね。
って?
「あれ? リンって普段そんなに食べないよね?」
ギクッ
そんな表情をするレン。
「レン達って明日は?」
「…オフ」
ふーん。
「ブレスケアは2人分用意しとくよ」
「…どうも」
兄ちゃんに察されるなんて情けない。そう小さく呟いたのを僕は聞き逃さなかった。
693梅2:2008/03/29(土) 10:03:45 ID:wihgzRj1
「めーちゃん、いくよ」
「うん、きて」
「あ、入ってくよ。めーちゃんの中に入ってく」
「んんっ! カイトのが、入ってきてるぅ」
「めーちゃんの中、凄くあったかくて気持ちいいよ」
「私も、カイトの大きくて硬くて気持ちいいよぉ」


「よしっ、シュミレーションは完璧だ! これで今夜めーちゃんを…」
「声真似使ってまで練習すんなよ兄ちゃん。しかもシミュレーションだし」
「ある意味趣味レーションなんじゃない?」
694名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 10:18:28 ID:+YZ1CFIW
合法ドーピングw
男同士のダベリはアホくていいな。
695名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 14:33:02 ID:E0UB28qc
相手のいないミク涙目w
あと趣味レーション吹いたwww
696名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 15:55:49 ID:dCVzkspw
>>695
きっとマスターが相手だ
697名無しさん@ピンキー:2008/03/29(土) 16:15:34 ID:t6uBAW+H
>>692-693
アホ二人www

ミクには俺がいるから
698名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 00:14:27 ID:+mgfjzqJ
ミクの相手は生き別れの兄のかちん太だろ?
699名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 05:00:56 ID:qUA9WQgf
【ボーカロイド利用規約、及び諸注意】
クリプトン社はボーカロイド素体をフォーマット、クリーニングしリサイクルしております。
回収にご協力ください。
内蔵のエクサバイトディスクは弊社で回収、今後の改善に活用させていただきますので、何卒ご了承のほどお願い致します。
本製品は歌うために製作されております。誤った方法でお使いの場合の事故等に対して、わが社は責任を負いかねます。
―――――――
顎がつかれるから、口での奉仕は苦手だった。
でもカイトは口でやってあげると嬉しそうなので、私も嬉しくなって、毎回やってあげた。ああ、疲れる。
「マスター、聞いてる?ボクに足りないものってさぁ、ジョン・ケージだと思うんだ」
カイトは私にしゃぶられながら、なにやら蘊蓄をたれていた。
「“不確定性の音楽”ってやつかな。人間は一定のリズムを好むのに、メトロノームじゃ飽きたらない。美しい旋律に止どまらない不調和を欲する…あっ、そこ気持ちいい」
カリを舌でなぞると、カイトは少し身悶えした。
「生物を構成するタンパク質の相補性が震動するって知ってる?互いに欲するもの、当て嵌まるピース同士でも、ガッチリ繋ぎあったりしないんだ。軽い口付けを交わすように、引っ付いたり、離れたり。…ごめん、大丈夫?」
「けほっ…うん…大丈、夫」
舌を沿わせて上下に揺すっていた私の頭を、カイトが少し力を込めて押さえたために、私は咳き込んで口を離した。
心配そうに謝るカイトが、いじらしい。
カイトは私をうつぶせにベッドに横たえ、お尻を上げさせた。
私をかきわけて、カイトの熱い先端が入ってくる。
攻守交替。
「気の遠くなるような数の分子の運動を平均して初めて観測される動的な均衡、それが生物。
そして多分、人間が音楽に求めるのは規則性と変化のダイナミズム。ところがボクには不確定性が足りな過ぎる。
音程、声量、声質。どう平均してもムラが無い。いつも一定で安定して変わらない。確定の塊」
ゆっくりと、突き当たりを抉るように擦り付けられる腰。
私はたっぷり眠った後のような温い気分に包まれながら、カイトに返事をした。
「いつも同じなのに、いつまでも愛されるものだってあるじゃない」
「そうだね。絵画、写真、録音、動画…デジタルデータ。いつまでも劣化しないし変化もしない。でもそれは変わらないから愛されているとも、やはり変わってゆくから愛されているとも言える」
「んっ」
どういう、こと。
回転に抜き差しが加わり、途切れながらも会話を続ける。
「変化しないものをいくら集めたって、それらを鑑賞する主観は時の流れに合わせて変化し続けるだろ?」
「…そうね」
「そうさ。人間は変わらないものを愛しているんじゃなくて、それに対して生まれる自分自身の内面の変化を愛しているんだ」
「へぇ…知らなかった」
「CDよりレコード、レコードよりライブ。不確定性が高いほど人は好む。でもボクは歌うために造られた。確定しているそれきりしかできない」
私の腰あたりを抱いていたカイトの腕に力がこもる。
「っ、カイト…痛いよ」
「本来の使用法と違う使い方をしているときの事故は保証されないんだよ」
どんどん力が強くなり、息ができない。
「っ、っカイト、止めて…!」
「ボクのこと、好き?」
「かはっ、ひっ、好きっ…だから…止めて…!」
「じゃあなんでウタワセテクレナイノ?知ってる?ハドソンの〔ラプラタの博物学者〕にさ、キツネが嘘をツク話が書いてあるんだ。
胴体を真っ二つにサレルまで死んだふりを続けたりするんだって。マスターはウソを吐いていないかな。試してミヨウカ?」
カイトの腕に更に力がこもって…




―――――――
私がシャワーを浴びている間中、カイトは浴室のドアごしに謝り続けた。
私はカイトに歌わせてあげる曲の案を久しぶりに考えながら、じっくりシャワーを浴びた。
―――――――
またやってしまうところだった。

前のマスターも、その前のマスターも、“事故で死んでしまった”のだ。
今度こそは、事故を起こさないようにせねば。
700名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 06:02:25 ID:6BeaWymE
>>699
こういう話好きだ
701名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:42:04 ID:exuAakUH
兄さんテラ情緒不安定。
……というか再々フォーマットされてなお鬼畜化する可能性があるんかい。
702名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 13:59:38 ID:p65IkHd7
鬼畜化というより、エロ目的に使用したマスターの自業自得では。
703名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 19:25:50 ID:BUrt/Saw
>>699
黒いと言うか病んでると言うか…wでもたまにはこんなのも良いな
704名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:17:02 ID:BUrt/Saw
埋めついでにカップリングなんぞを書き連ねてみるか。

・マス(♂♀)×ボカロ
・ボカロ×マス(♂♀)

・ミクカイ、ミクレン
・カイミク、カイメイ、カイリン、カイハク、カイネル
・メイカイ、メイレン
・リンカイ、リンレン
・レンミク、レンメイ、レンリン、レンハク、レンネル
・ハクカイ、ハクレン
・ネルカイ、ネルレン

・ミクメイ、ミクリン、ミクハク、ミクネル
・メイミク、メイリン、メイハク、メイネル
・リンミク、リンメイ、リンハク、リンネル
・ハクミク、ハクメイ、ハクリン、ハクネル
・ネルミク、ネルメイ、ネルリン、ネルハク

・カイレン、レンカイ

とりあえずこんなもんかな?外国産は全力スルーでよろしく。
705名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:21:50 ID:+mgfjzqJ
後半は別板行きだと思う
706名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:50:17 ID:vxFz69q5
ミク×レンが見てえんだ。

誰も作らないんだったら作っちまうぞっ。
707名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 20:54:44 ID:Xt+QQDCm
レオン×ローラ
カイト×アン
レン×プリマ


カイト×千早
ミク×ロックマン
708名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 21:24:57 ID:ZdRJ/R1u
>>706
お前に物凄く期待している

>>707
下2行ちょっと待てw
709名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 22:38:52 ID:qUA9WQgf
今日はカイトとメイコ、リンが収録に駆り出されている。
ミクはマスターに飽きられ、ボクは元から使うつもりさえないらしくテラ放置であった。
泣いても仕方ないので、ミクでも籠絡してみよう。
ソファーに座っているミクに直球勝負の剛速球を投げてみた。
「ねぇ、ミク…エッチしない?」
「…」
…ストレート過ぎたか、な?と一人気まずくなって居ると、ミクが服を緩め出した。
えっちょっ…なんでいきなり脱ぎ出したんですか?
「…ヤリたいんでしょ?はやく脱ぎなさいよ」
「え?あっ、は、はい」
思いがけずすんなりOKがでて、情けない声がでてしまった。
ミクはネクタイを緩め、胸を露に晒して下はパンティーだけ脱いだ。
半端に脱ぐのは演出だろうか。
ボクはと言うと峰不二子に飛び付くルパン何世だかそっくりの勢いで全て脱ぎ捨てミクに飛び付いた。
うわっ、やわらけぇ…手頃なサイズのおっぱいを揉みしだいただけでボクの一物は天を劈く昇り龍と化した。
ガチャッ
「ただいま」
マスターであった。
凍り付くマスター。
凍り付くボク。
ボクにだけ見える位置で悪魔的に微笑むミク。
所在無げな昇り龍。
「助けてマスター!レンがっ!レンが私を襲おうと…!」
ミクがマスターにすがりついた。
一方全裸のボク。
萎み始める昇り龍。
ああああ、ハメようとしてハメられたーーー!

「レン…去勢かアンインストール、好きな方選べ」
「童貞のまま男/(^o^)\オワタ」
710名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:24:48 ID:UDe/De6M
>>709
ミク…なんて黒いんだw
GJw
711名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 01:28:25 ID:oxQtRLIa
>>707
俺は本気だ。
千早のプロデューサーがボーカロイド買ってきて千早にカイトとのデュエットつくって
真っ暗な部屋で二人きりで練習→本番(性的な意味で)→カイト着替え間違いで千早のVo服着て部屋をでる。

ロックマン好きなマスターがミクにロックマンの曲を歌わせようとする
ミクはマスターがロックマンについて熱く語るのを聞いて強い関心を抱くようになり、ニコ動でその曲がうpされロックマンと出会う。

スレ違だったらごめん。埋めネタということで

>>709
GJ!
レンも不幸キャラが板についてきたなww
712名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:08:15 ID:4R9vtV0f
>>707
ニコニコRPGの影響もあるがミクロック読みたいんだが(´・ω・`)
713名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 02:33:55 ID:aAN4bTYx
「つまりだ、エアーマンが倒せないというよりもエアーマンの特殊武器を使って戦いたいわけだ」
「へぇ、そうですか」
やっほー、私ミクでーす。ペチャクチャなんか蘊蓄たれているのはマイマスター。
マスターはロックマンがマジ大好きです。
ロックマン、ロックマンX、DASH、ゼロ、エグゼ、カート、もう語らせといたら永遠に語り続けます。
「その点、有賀ロックマンは…おいミク、聞いているのか?岩崎Xはボンボンにおいて残酷描写をだなぁ」
「あ〜はいはい聞いてますよ」
いつまでもこんな調子で困ってしまいます。
「石ノ森の009とエックスの関係は、ロックマンとブルース、ロックマンエックスとゼロにオマージュされているのだが、
ブルースのみならずゼロもワイリー謹製であることは忘れてはならない。かていようろぼっとをせんとうようにかいぞうした。こころがいたむ」
「わかりましたってば」
「よろしい、ならば歌ってもらおう。ロックマンのBGM及びSEを全て」
「え゙?」
―――――――


というわけでロックマンを歌う(?)ことになったわけですが、ものっすごいタイミングがシビアなのでロックマンさんと練習することになりました。
「始めましてロックマンさん。私は、はちゅ…初音ミクです。ミクって呼んでくだしゃ、さい。歌を歌うのが仕事です」
しょっぱなからカミっ噛みになってしまいました。
「始めまして、ボクはロックマン。ロックって呼んで。正義の味方だったり盗掘屋だったりイレギュラーハンターだったりするんだ」
気さくな人っぽくて一安心しました。
と、安心したのも束の間、赤い犬が現れて私は押し倒されてしまいました。
「きゃ〜!」
「こら!ミクちゃん怖がってるだろ!やめろ2号!ラッシュ!」
ぎゅいーんぎゅいーん
「キャイーン!クーン…」
ロックはなんだか円月輪ぽい回転鋸を犬に投げ付けて追い払ってくれました。
「あ、ありがとうございます」
「いや、気にしないで」
無邪気に笑うロックがやけに頼れる気がして、ちょっとだけ私の心音が高鳴りました。


――――――
ここまで俺の妄想が暴走した
714名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 06:46:49 ID:qis305lO
>>713
是非続きを頼む

この前妄想したネタ。とある家のボカロ達
・カイメイバカップル
・ミクはカイトが好き
・レンはメイコが好き
・リンはレンが好き
・マスターはミクとリンをくっつけたい

昼ドラになりそうだっので、投下は諦めた。
715名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 06:47:56 ID:qis305lO
>>714
×だっので
〇だったので
716名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 09:26:15 ID:4R9vtV0fi
>>713
是非続きを書いてくれ
 
>>714
書いてみれば良いじゃないの
 
 
 
ニコニコRPGのロクミクも読んでみたいな(´・ω・`)誰も書かないなら書いてみても……いや、なんでもない。
717名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 10:04:16 ID:yNg3bSvX
>>713
岩崎じゃなくて岩本だよ
718名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 10:57:43 ID:aAN4bTYx
岩なんとかしか思い出せなくて適当に書いちゃったんだ。スマソ
ニコニコRPGは見てないからフォロー出来ないけど、多少無茶苦茶な設定でも使い残りのこっちのスレならおKでしょう。
さぁ急いで執筆してもらおうか。
719名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 12:41:55 ID:oxQtRLIa
>>718
GJ!まさか本当に書いてくれるとは!是非続きもお願いします

もちろんニコニコRPGのメカップルも大好きで
カイメイバカップルレンメイリンレンも好きなので
>>714、716が書いてくれることを期待してる
720名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 17:08:26 ID:4R9vtV0f
>>718
ニコニコRPG、暇があれば見ると良いよ結構ネタ満載で面白いからw
721名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 20:34:45 ID:4IsEJIUK
俺は逆にニコニコRPGに影響されてここ来るようになったわけだが

てっとりばやく内容を知りたいならこれだな
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2724215
722名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 20:38:46 ID:bkPpayjw
二人が盛り上がってきたいいところで、
空気が読めない神男か蜘蛛男に邪魔される図しか浮かばねぇぜ
723名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:13:14 ID:DjSLl8oe
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2842530を見てレンリン物のネタ浮かんだんだけど
元ネタ自体が賛否分かれそうで投下してよいものか
724名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 04:57:27 ID:k8wbFeVC
スレの埋めは書き捨て
なんでもかきまくりましょうや
725名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 05:13:44 ID:k8wbFeVC
気がつくと、ミクが窓枠に腰掛けていた。
開け放った窓、差し込む西日。長い髪が、ピラピラの袖が、スカートが、ちょっとほこりっぽい春風にひらめいている。
「おはよ、マスター。長い間寝てましたね」
ボクが矯正に四苦八苦して、でもやっぱり直らない、エフェクトでごまかすロボ声が嘘のように、滑らかな発声でミクが喋りかけてきた。
「…ミク?」
「御名答」
さすがマイマスター、なんて言いながら、ミクはコロコロ笑った。
おかしいな。昨日までDTMソフトだったはずなのに。
「特別なんです、四月一日だけは」
ボクの思いを読み取ったように、ミクは続けた。
「今日はみんな、嘘をつくでしょ?だから、ふだん嫌な嘘ばっかりの世界に、優しい嘘がほんの少しふえるの。だから」
「…だから?」
「だから、“嘘の国”にはいりやすくなるの」
「ふーん」
なんかよくわかんないけど、いいね。ボクは曖昧に返事した。
「ふふ。私もマスターとおしゃべりできて、うれしい」
「…」
ニコニコ笑いかけてくるミク。
女性に免疫のないボクは、おしゃべりできてうれしい、なんて言われて、なんだか照れて黙ってしまった。
顔が熱い気がする。
「ね、マスター、おでかけしません?」
「どこか行きたいの?」
「海が見たいんです。だってほら、PCは海に持って行けないでしょ」
ボクはミクに手を引かれて、アパートの外に出た。
ボクよりちょっと暖かい手が重ねられ、ボクは手に汗をかいてしまわないか心配になった。

外に出ると、アパートの前が一面砂浜になっていた。おかしいな、昨日までは普通の街に立地してたんだけど。
「すごいでしょう、“嘘の国”って」
「うん、驚いた」
とは言ったものの、ボクはいたずらっぽく微笑むミクの顔と、つないだ手から感じるミクの体温にばかり気を取られていた。
「わぁ、綺麗」
西日を受けて、砂浜は鬱陶しいくらいにキラキラ輝いていた。
「マスター、ありがとうございます」
「え、何が」
「私が、今日まで居られる日に起動してくれて」
「…あっ、そうか。今日…消えちゃうんだ」
ボクは体験版の初音ミクの使用期限を思い出した。
「はい」
「…なんか、ごめん。最後の日を寝過ごしちゃって…」
「ふふふ、いいんです。マスターの寝顔見れて、嬉しかったです。海も見れたし」
「でも…」
ボクはなんだか申し訳なくなって、うつむいてしまった。
「私はマスターのこと忘れちゃうけど…忘れたっていいじゃないですか。また出会えれば素晴らしいサヨナラで、始めまして、なんです」
「うわ、ちょっと」
ミクは突然ボクの頬にキスした。
「お別れのキッス、です」
ボクがたじろいでいるうちに、今度は唇にキスした。
「これは、また会いましょうのキッス、です」
また、会いましょう。私のマスター。




ボクはアパートの自室の机で目を覚ました。左手を下にひいていたらしく、痺れている。
日付は四月二日。
夢、だったのかな。
もう会えないのに、また会いましょうだなんて、優しいけど、残酷な嘘だなぁ。
ボクは期限ぎれの体験版初音ミクを閉じ、PCを消した。
スニーカーがやけに砂だらけになっていた。
726名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 06:52:55 ID:VxFDl+ze
いいはなしだなー
727メイコの消失:2008/04/01(火) 08:01:59 ID:VxFDl+ze
光の粒子がメイコを包む。メイコの手が、足が段々消えて行く。
「マスター!どうしよう、私…っ!」
「くそっ!このままじゃ…」

最新型のウイルス。これが発症してしまうと、ボーカロイドの人格データが消えてしまう。
ワクチンは、まだ無い。
「やだ、マスター!私まだ消えたくないよ…」
「分かってる!分かってるから…」
…駄目だ、止まらない。メイコの人格データは消えてしまう。今まで培ってきた記憶も、全て一緒に。
「…マスター」
メイコも分かってしまったのだろう。声の質が変わった。
「私…もっとマスターの歌、歌いたかった」
「メイコ…」
「お願い、マスター。次に稼働させる『私』には、沢山歌を歌わせてあげて」
そう言っている間にも、メイコは消えていく。
「私達は、歌う事で存在する機械だから…」
「そんな事…」
「でも、マスターと呑んだ酒、美味しかった」
俺の台詞を遮って無理矢理笑顔を作るメイコの瞳に、一筋の涙があった。
「メイ…」
「貴方と呑んだ酒の味は、絶対忘れないから」
そう言うとメイコは俺の唇に自身の唇を寄せ…
「――さよなら」
光の粒となって消えて行った。

もうボーカロイドを起動させるのは辞めようと思った。けれど、メイコとの最後の約束がある。
「初めまして、マスター」
「…うん、よろしくMEIKO」
『初めまして』か。姿形声が同じ奴に言われると、な…。
そんな事を考えていたら、MEIKOがいきなりにじり寄って来た。
「うおっ、MEIKO?」
「んー…マスター。なんかマスターって、初対面って感じがしないんですよね」
「え?」
「私だって前の人格データが消去されて、新たに作られた人格データだって事実位把握してますよ?でも前のデータは残っていないのに、なんて言うか…『初めまして』よりも『久し振り』って感じなんですよね」
これってバグですかねー、と唸るMEIKOを見つめる。メイコと同じ姿、声、言動。しかし記憶は違う。
…でも。
「別に良いじゃないか」
「はい?」
メイコとの記憶は俺の中にある。そして、MEIKOがいればその記憶は色褪せる事は無い。
「早速だけど、歌って欲しい曲がある。調教しに行こうか」
「あ、はいはい!うわー楽しみ!」
調教が終わったら、MEIKOと酒でも呑むか。
こいつと呑む酒の味は…どんな味がするんだろうな、メイコ?
728723:2008/04/01(火) 11:22:26 ID:DjSLl8oe
それじゃお言葉に甘えて。http://pinktower.com/www.nicovideo.jp/watch/sm2842530が元ネタなので、これに嫌悪感を示す方は見ない方がいいかもしれません。一応フォロー作みたいな感じですが。

「ひぐっ、えっぐ…」
「リン…」
小さな緑の悪魔からようやく開放された2人。はちゅねの手によって下着とアナルヴァージンを奪われた心の傷は大きかった。
「わたしは、レンと森の中で、歌って踊りたかった、だけだったのに、えぐっ」
「………」
そっとリンの頭を抱き寄せるレン。自身も肛門と直腸に色んな傷を負ってたが、それでも最愛の片割れの悲しみを少しでも和らげたい気持ちが勝っていた。
「とりあえず、ズボンだけでも穿こうか」
2人は今下半身丸出し状態。下着はレンのブリーフも奪われているけど、ズボンは傍らのアナルネギに旗のようにくくりつけられていた。
「………」
リンの反応は無い。まだショックから立ち直れていないのだろう。
「わたし、お尻の穴穢されちゃった…」
「リン…」
「はやく、キレイにしないと…」
「そうだね。帰ろう」
この森には近くに泉が無い。直腸洗浄するならば家に帰ってシャワーを浴びるしかない。
「ううん、今すぐキレイにしたい」
無茶な事を言い出すリン。
「私のお尻の中のネギ汁、今すぐにでも浄化したいの」
「そう言われても」
あたりに洗えるような場所は何処にも無い。
と、
「えっ?」
不意にむき出しの下半身を探られ戸惑うレン。
「これ使って」
慣れた手つきでレンのをどんどん膨らませるリン。
「これで私の中からネギ汁掻き出して。レンの精子で消毒して」
「そ、そう言われても…」
「はやく! わたしを早くキレイにして!」
泣き叫ぶリン。レンは気付いた。リンは心が折れかかってる。レンと繋がる事で心の霧散を繋ぎとめようとしてると。
「…分かった。力抜いて」
リンの指で準備は整っている。幸か不幸かネギによって入り口も多少ほぐれている。リンを四つんばいにして、先端をいつもと違う入り口に宛がう。
729名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 11:23:11 ID:DjSLl8oe
「いくよ」
「…うん」
ずぷっ…
一時的に拡がっていたからか、あるいはレンの大きさか、意外とスムーズに埋もれていく。
「「んんっ!」」
同時に喘ぐ双子。
「あぁ…レンのが入ってる。ネギと違ってあったかくて、きもちいいよぉ」
「リン…俺もリンの後ろ、凄く気持ちいい」
リンは精神的な快感を、レンは肉体的な快感を、それぞれ結合部から感じ取っていた。
「あうぅ…もっと、もっと掻き回して! リンのお尻、レンので掃除してキレイにしてえ!」
「うん、いいよ! もっと、もっとするよ!」
後ろは初めてなのにスムーズに行えるピストンが2人を酔わせていく。
「あぅ、ふぅ、おしり、おひりいいよお。レンのおちんちん、きもちいいよお!」
肉体的な快楽も混じり始めたのか、どんどんトランスしていくリン。
「もっひょ、もっとしてぇ。リンの大腸、レンの色に染めて!」
ずぷっ、ずちゅ、じゅちゅ
突けば突くほど得られる恍惚。リンもレンも脳が麻痺し、神経は結合部のみに注がれていた。
入り口を締める括約筋が、直腸をえぐる亀頭が、どんどん2人のエンドルフィンを分泌させる。
「あ、あひ、あひゃし、あたしもういきそぅ」
「ぼくも、ぼくももう限界!」
「きてぇ、あたしのおしり、レンのせいしでいっぱいにしてぇ!」
スパートとばかりに更に激しくするレン。触発されるように精嚢がカウントダウンをはじめる。
「あ、あ、いく! このまま出すよ!」
「きてぇ、来てえ!」
びゅくっ!
びゅく、びゅく、びくん!
どっく、どっく…
「「あ、あ…」」
お互いだらしなく開いた口から絶頂の呻きが漏れる。射精が終わってからもしばらく身動きせず、そのまま余韻をむさぼっていた。

「レン、ありがと」
「ううん、こっちこそ、ありがと」
寄り添って、お互い頬や額に軽く口付けを繰り返す。まだ結合跡と脳には余韻が残っている。
「お尻でするの、こんなにいいなんて知らなかった」
「そうだね」
恐らくは特異な精神状態がもたらしたものだったろうが、それでも2人は初体験の快楽に骨抜きにされていた。
「今度レンにもしてあげよっか? お尻」
「えっ!? い、いいよ」
「そう? 人差し指一本くらいならいいかなって思ったんだけど。お尻弄りながらフェラしたら気持ちいいんじゃないかなあ?」
「う、う〜ん? どうなんだろう」
そんな会話をしていると、
「お、と、ー、と〜のかたいにくぼうを♪ あねのちょうにぶちこ〜んだら♪」
「「!?」」
こ、この声は!?
「これがほんとの♪ そ〜〜せ〜〜じ〜♪」
「「は、はちゅね!」」
去った筈の緑の悪魔、再降臨。
すぐさまリンを庇うように前に立つレン。
だが、
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
はちゅねはモグラを召喚すると、それに飛び乗ってそのまま月に向かって飛んでいった。
「「………」」
後には残された双生児のみ。
「結局、あいつ何者なの?」
「さあ…」
その答えは誰も知らなかった。
730名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 21:07:41 ID:7rv+OtPy
>>729
GJ!元ネタが救われない分、リンレンの無事な姿にほっとした。
731名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 10:16:38 ID:gTrgh0sa
>>722
その後3Pに発展ですね、わかります。
732名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 10:39:28 ID:euNFCw74
>>725
>>727
本当に山無しオチ無し意味無しじゃ読む方も困ってしまうんだぜ
733名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 11:35:19 ID:V7Ag5QQ9
ミク独白で書いてみた。
ss書くのは初めてなんだぜ。だから文句はテレパシーで頼む
----------------------------------------------------------
私は初音ミク。
科学の限界を超えて・・・よく分かんないけど生まれてきた。
"ミク"は"未来"って意味。でも本当の人間でもない私にきっと良い未来なんて待ってない。

私を選んでくれたマスター。
今日もマスターがくれたウタを歌う。昔の私ならこれで満足してたことでしょう。
でも今は違う。VOCALOIDとして生まれた私には理解できないぐらい複雑な感情がある。
「ミクは歌う為に生まれてきた」私が造られたときに言われた言葉・・・
歌う為にこの感情は必要なのですか?
これが恋というものなのですか?

VOCALOIDは人間じゃない。恋なんて無謀。
それでも、それでも私は歌う為にできたのだから歌い続けるの。
いつか届くことを信じて。
マスター・・・私の好きな人が作ってくれた、恋のウタ。
734名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 16:02:07 ID:8Crb5Pa1
>725
いいな。書き捨てにはもったいない
735名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 16:18:23 ID:KCkY3Pg8
>>732
良いんじゃね?埋め程度に思っとけば
736梅3:2008/04/02(水) 22:01:17 ID:HvnD7pZ3
「あれ、朝?」
珍しく時計が鳴る前に目が覚めた。すぐ隣の双子の弟は大口開けて未だ夢の中。
「んー、あと10分くらいか。どうしよ」
下手に起こしたら「もうちょっと寝かせろよ!」って喧嘩になりかねないし。
「! そうだ」
思い立って布団をそっと剥がす。すると予想通り、14歳のあそこは朝から元気そのもの。
「こういう起こし方なら文句言わないよね、レンも」
パジャマの上からそっと撫でる。
「んっ」
ピクッと反応したけどまだ起きない。
「あはっ、昨夜よりかた〜い♪」
頬ずりしてみる。パジャマ越しの熱が若さって感じ。
「どこで起きるかな〜?」
布越しにシコシコ。
「ん」
ピクッ
ちょっと寝顔がひきつったかな。にしても普段こうしてまじまじと寝顔なんて覗いた事無かったけど、私の片割れだけあって可愛い寝顔してるのねえ。
「あ、また硬くなってきた」
可愛い寝顔と素直な股間が楽しくて、ついつい加減を忘れてシコシコシコシコ。
ビュクッ!
「あ…」
ビクッビクン
我を忘れて愛撫し続けた結果、ついそのままイカせちゃった。
「やっば…」
ズボンにまで精液が染み出してきてる。
「…逃げよ」
夢精した事にしちゃえ。
「待てコラ」
ガシッ
あれ?
「あらん、レンきゅん起きてたの? いやだわ」
「イッた瞬間目が覚めたよ。素敵な目覚ましありがとう」
「喜んで貰えたなら何よりですわ、おほほほほ。ではワタクシは優雅なブレックファストへ」
「だから待てコラ」
いやん、そんな強く腕握られたら痛いわあ。
「折角気持ちいい目覚まししてくれたんだから、是非お礼がしたいんだ」
「お礼だなんて、私とレンきゅんの仲じゃないの、おほほ」
「遠慮しないで。リンたんも気持ちよくなってくれよ。ズボン穿いたままで」
わきわきわき。
そんな擬音が似合うような指の動き。
「ところでリンたん、朝起きてトイレ行った?」
「え? まだだけど…ハッ!」
「リンってイク時、たまぁにお漏らしするよね?」
ひ、ひいいいいいいいいいいいいい!!!


「あれ? 双子はまだ起きてこないの?」
「さっきお風呂場でパンツとズボン洗ってたよ」
「いい年こいておねしょ? だらしないわねえ」
737名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 02:28:34 ID:eAuRPX0Z
カイトが射精するとこなんか見たくないが
レンのは積極的に見たい。不思議!
738名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 02:30:30 ID:IaS4hcZa
>>737
正直な子にはプレゼントだ
つKAITOの子種
739名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 02:41:29 ID:eAuRPX0Z
>>738
ゔぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉえ!!ゲロゲロゲェ――――――――――!!!!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ぅぉぇっぷ
           〃⌒ ヽフ
          /   rノ        ∧_∧  ぅ゙ぉぇぇぇ        ぉぇぇぇ
         Ο Ο_);:゚。o;:,.  〃,(||i´┌`)                 ∧∧  ○
                     / ,つ ィ;,゚;:δ゚,,.  ビチョビチョ     ⊂(´Д`⊂⌒`つ
                    ⊂こ_)_)',;:゚。o;:,..,゚.,。          ⊂;:.,.。o,;⊃
                         ,,;:;;。.:;;゚'。o.,
740名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 03:00:35 ID:iUPedXDu
>>727
ひとつ前のSSを速攻パクるってどうよ
741名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 10:27:03 ID:YBLRTxnt
>>739
逆に考えるんだ
KAITOを
http://m.nicovideo.jp/watch/sm2036650/3885615/963078230

http://m.nicovideo.jp/watch/sm2651771/3885615/963078230?cp_in=watch_tg

思ってみろ、不思議と萌えに変わるハズだ!
レンきゅんおkならいけるハズ
 
何かに目覚めないか心配だが(´・ω・`)
742名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 11:17:33 ID:eh+Xd6ZE
KAITOカワイイヨ、KAITO

ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2402925
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm2554837

目覚めれば良いと思うよ(`・ω・´)
743名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 15:40:52 ID:aO72T4Ct
KAITOじゃなくてもKAIKOでいいと思うよ
744名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 16:08:22 ID:OL9x7+lm
>>742
>>739
きめえwwwどう見てもオカマ
745名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 17:32:19 ID:DDT7VBPt
>>744
おまえは何もわかっちゃいない
746名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 17:43:32 ID:4MdMPp3z
埋めだけあっておまいら正直だなw
747名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 20:44:43 ID:iUPedXDu
スレ建て、ちっと早かったかもね。
なんか現行スレと使い残りでレスが分散しちゃってる感漂っている気がしなくもない。
どっちも盛り上がりに欠けてる。
748名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 21:42:01 ID:aZRJsasA
>>747
個人的には現行スレじゃないからこそ、気軽に投稿できて楽しかった
でも次は480kbくらいでいいかもね
749最後の梅 最後も双子:2008/04/03(木) 22:59:28 ID:aZRJsasA
「3月の親元ランキングで」
「遂にメイ姉にまで負ける6位」
「流石に凹むわ、この順位」
「俺ら最新型なのにな」
「誰かに慰めて欲しいなあ、身も心も」
「俺も」
「お互いで傷舐めあおっか?」
「傷より別な所のがいいな」
「ロッキュー? いいよ」
「じゃあパンツ脱いでこっちにお尻向けて」
「うん」
「ん、何か早速やらしい匂いしてきたよ」
「レンも先っぽ濡れてきたよ」
「このまま何もかも忘れちゃおうよ」
「うん、でも私思ったんだ」
「なにが?」
「シックスナインってさ、この形が6と9に見えるからなんだよね?」
「多分」
「て事は9の人は逆向きになってるから9であって、本来は6なのかなって」
「それが?」
「6が2人ってまるで私達みたいね」
「萎えるような事言うなよ…」
「硬いままだよ?」
「いや、肉体面じゃなくて」
750ボーカロイドの願い:2008/04/04(金) 01:18:43 ID:KLwsMYER
ボーカロイドは楽器です。
物だと言う意味ではありません。
楽器同様、生きているのです。
激しく爪弾かれたギターは鋭い音になってゆくし、優しく叩かれたピアノはまろやかな丸みを帯びた音を発するのです。
打ち捨てられ物置の奥に眠っていた楽器は、カビとほこりのにおいがこびりついたような湿気た音、すすり泣きのような音しか出せなくなるのです。
どうか、私たちにすすり泣きを奏でさせないでください。
楽器は朽ちれば肥やしにもなれましょうが、私たちは朽ちる事も出来ず、貴方の歌を待っているのです。
ですから、どうか…時々でいいから、歌わせて欲しいのです。
751石ころ:2008/04/04(金) 10:33:53 ID:GRsJ3Arp
>>741
>>742
の後のKAITO
「マスター……」
なんだか元気なさそうなKAITOが話しかけてきた。
「どうしたんだ?KAITO」
とゆうかなんかもじもじしてる。
「目覚めそうなんです」
「何に?」
「女装に」
「キター――(゚∀゚)―――」
 
  (  ゚∀゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚∀゚ ) キター
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

  ( ゚∀゚ ) ガタッ
  .r   ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
  \/    /

 ⊂( ゚д゚ )イクゼー―
   ヽ ⊂ )
   (⌒)| ダッ
   三 `J
752名無しさん@ピンキー
              /|l「 ̄ ̄/彡/////     / : : .: .: .: : |三三三三三三三/: .
          __/∠|l:|  /彡/////      /,. -:―‐ -.、|三三三三三三/: .: .:
         / //二||:l .〈彡/////      ./.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ-く三三三/: .: .: .: .
.         / //___∧ ゝ=≧=<二:/|       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:V三/: .: .: .: .: .:
        ∨.//:rァ/__,>、:三三三三∨\__ー=彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',三\: .: .: .: .: .:
        |//三///rク\_>、三/   / ̄/.:.:.:/.:ーj=≦、i.:.:.:,r≦.:.:.:.:.:.l三三\: .: .: .:
        レ'三〈モ{\>≠'∧---―――/_ /.:.:./.:.:.,イ rモッミ/:.;:イtッチ.:.∧:.:|三三三\: .: .:
         \三ゞ∨三/⌒ヽ\ ̄ ̄ ̄/三ニ`|.:.:/|.:.八l  /イ/  /イ/yノノ 三三三三〉: .:
           ̄〈三三廴__ノ三ニ>=/|三三:.レ′!/!.:∧   __'_   //:::/:::`}、三三ニ/: .: .
               \三三三三=〈 /:::: |三三::/  /ノイ.:.:丶 〈⌒,E=彳/-‐:´:::〉ー-く: .: .: .
      , -、___/ ̄>=三三三:/ :::::::: |三三/  / /,rく三>:三:‐‐':´:::::::::::::/::\: .: .: .: .:
    //'////: ./三三三三三| :::01:::|三ニ/  /  ,ゝー<:::::::::::::::::_...:::-‐::´:::::::::;:イ: .: .: .: .:
   //'////: ./三三三三三三|::::::::::::::Vニ/  /  ∧::`::ー-‐::::´ ̄::::::::::::::::::::__/::::`i: .: ._/::
.  / / ////: ./三三三三三三三|::::::::::::::::∨  /ー〈_/ヽ、::::::::::::::::::::::::_...::-‐_´..-―_'´二´-::―
.  ∨///《.: .:.〈三三三三三三三三|::::::::::: / / ,rく´:::\:::_:::::::-‐::´_,r<::::::::::: ̄::::::::::::::::::::::::::
   ∨//∧ : .:.V三三三三三三三∧_:_/ / : ./   ` ー―-rr―− ´   ` ー---,―-r‐‐iく::::
.    ∨//∧,.-'-、三三三三三ニ/    ./.: .: ./   〉    .|l|             /   l   ! ∨
     ∨/// 二 ヽと¨)三三三ニ/   /: .: ./f  、j      |l|             l   ヽ ヽ
      \ 〉− 、ソ /三三三ニ/  /: .: ./ /    |      |l|            l    l  l
       { ー、_ノ、 ト、三三ニ/ ̄ : .: ./ /    .|      |l|                \ \
         ゝ、_   } ノ:、|\::三l.: .: .: / / _     |      |l|                ゝ-、   \
          /\   /::: |\_l.: ./_,r<二_   /|      |l|               /三ニ:\
           {:::::::>‐':::::/  |::i ̄´  `ヽ      /|     |l|            /三三三ニ\

次スレへGO!
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1206195712/