スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part3
いたるの家出の続編です。
いたるの引越し。
桂家リビングにて。
「かんぱーい。」
桂家全員と誠といたると卯月が祝杯を挙げていた。
今やっているのは沢越家から桂家に引っ越したいたるの引っ越し祝い
兼歓迎パーティだった。
引越しと言うと元いた場所やそこにいた人たちとの悲しい別れがつきものだが
今回のいたるに関しては皆無だった。
引越し先は子供の頃から大好きな桂家だったし、
元いた場所からはずっと離れたかった。
それに学校の転校も必要なかったから友人関係もそのままだった。
だからいたるは今回の引越しを心底喜んでいた。
それはずっといたるを心配していた誠もそうだし
いたるを気に入っていた桂家全員もそうだった。
「あーそれにしても清々した。
やっとあの親父から離れる事が出来たよ。」
「長かったよなあ、俺も嬉しいよ。」
両親の離婚後ずっといたるを心配していた誠も本当に嬉しそうだ。
「さあいたるちゃん、遠慮しないでどんどん食べなさい。」
今日の料理は桂父が懇意にしてるレストランのシェフに
出張調理を頼んで作らせたものだった。
「そうよ、折角名シェフに来てもらったんだから。」
真奈美も本当に嬉しそうだった。
いたるの引越しを一番喜んでいるのは桂夫妻なのかもしれない。
「ありがとうございます、おじ様おば様。」
料理もデザート以外は全て出終わってみんなそれぞれ寛いでいると
「いたるちゃ〜ん、飲んでるぅ?」
酔って頬を染めた心がいたるに肩を組んで絡み付いてきた。
「心お姉ちゃん、私未成年だから・・」
「いいじゃ〜ん、一緒に飲もうよぅ。」
「心、いい加減にしなさい!」
言葉が心の頭を押さえつけていたるから引きはがした。
「いたたた、お姉ちゃんちょっとは加減してよお。」
「ダメ!心も今日からこの家ではお姉ちゃんなんだからしっかり自覚しなさい。」
「今までだっていたるちゃんにはお姉ちゃんしてたよぉ。」
「はいはい、いたるちゃんこっちにいらっしゃい。」
言い争いを続ける姉妹を尻目に真奈美がいたるの腕を取って移動させた。
「おば様どうしたんですか?」
「今日はいたるちゃんの大好物をちゃんと用意したわよ。」
席に着いたいたるの目の前に運ばれてきたのは特大の桃パフェだった。
しかも桃は缶詰じゃなくて生の高級桃を贅沢に使用していて
普通の店では絶対に出てこないパフェだった。
「おば様、これすごいですね!」
「この人がいたるちゃんのお祝いには欠かせないだろうって言ってね。」
それをばらされた桂父はとても照れくさそうにしてた。
「とっても嬉しいです、おじ様おば様。」
いたるは喜んでパフェを頬張った。
「本当に美味しいです。」
それは今まで食べたどんなパフェよりも美味しかった。
でも量が量なので1人で食べられそうになかった。
「お二人とも一緒に食べませんか?」
「じゃあ私たちも頂きましょうか。」
「そうだな。」
いたるはパフェを2枚の取り皿に盛り付けて二人に渡した。
3人で楽しそうにパフェを食べてる姿は本当の親子のようだった。
その様子を言葉も誠も微笑ましく見ていた。
「いたるが可愛がってもらえそうで安心したよ。」
「いたるちゃんはこの家に最初に来た時からみんなのお気に入りでしたよ。
とっても可愛くてずっと側にいて欲しいってそう思える子でした。
今でもそれは変わりませんけどね。
多分私の両親もそうだと思います。」
「そうだったな、あの時は言葉も俺をほったらかしで
心ちゃんといたるを取り合ってたっけ。」
「そ・それは済みませんでした。」
「いや、いいんだよ。
兄としては嬉しかったから。
いたるには言葉や心ちゃんみたいな人が必要だったし。」
「そうなんですか?」
「いたるは何かあるたびに1人で俺とお袋の所にやって来てた。
それはあいつにとって俺以外に頼れるやつや
遊び相手があまりいなかったからなんだ。
だから言葉と心ちゃんに会えてあいつは本当に嬉しそうだった。」
「私達は少しはお役に立てたんですね。」
「それどころかすごく感謝してるよ。
言葉達のおかげで随分助けられたからね。
ありがとう言葉今までいたるを可愛がってくれて。
心ちゃんも。」
誠が心の方を向くと心は酔い潰れて卯月に膝枕をされていた。
「心ったら・・情けないわね・・・」
こうして楽しい夜は更けていった。
数日後風呂場の脱衣所にて
「ねえいたるちゃんも?」
「う・うん、心お姉ちゃんも?」
「やばいね・・」
「うんやばい。」
実は風呂上りにふざけ半分で体重計に乗ってみたら思った以上に
二人とも体重が増えていたのだ。
理由は簡単、食べすぎである。
桂夫妻が出張に行く前に食材を置いていったのだが
それはいたるの好きなものばかりだった。
そしていたるの好きなものはカロリーが総じて高かった。
しかも食材の量も多かったのでカロリーも大量に摂ってしまったようだ。
「どうしよう?心お姉ちゃん。」
「カロリー控えて運動するしかないよね。
お父さんのツテでスポーツクラブに行けるから一緒に行こう。」
「そうだね、心お姉ちゃん。
あーでも三日坊主で終わりそうで怖いな。」
「じゃあお姉ちゃん誘うよ。
はっぱをかけてくれる人が必要だし。」
「でもどうやって誘うの?」
「そこは任せといて。」
誠と言葉のマンションにて。
「ねえ、お姉ちゃん。」
「なあに?心。」
「最近太ったんじゃない?」
「ええっ!?」
End