FantasyEarth ファンタジーアースでエロパロ 4dead
1 :
名無しさん@ピンキー:
2 :
1(前スレ343):2008/02/05(火) 08:48:54 ID:a39dVZME
やっと建てられたワー。
エロパロ板でこのスレにしか生息していないので、ローカルルールに反したスレ立てだったら
どうしようかとビクビクしているのぜ。
前スレに途中までしか投下できなかった文章は、読み返してみると色々アレな部分が多かった
ので、きちんと推敲しなおしてから今夜にでも再投下させていただく。
容量不足はよくある事だけど投下するまえに確認するのが基本なのだぜ
ハイドラ再戦01/17
姫は自室の窓枠に腰かけ、中庭を見下ろしていた。草花の表面に朝露の光が散っているのが、部屋からでもわかる。
さわやかな朝と言ってよいだろう。
(私の、当主としての門出を祝そうというのか……)
脇の辺りが小さくうずく。肉ではなく、その奥の骨がゆれるような感じだ。あのハイドラに一撃を受けた場所であ
る。その脇をおさえてため息をつくのと同時に、扉がノックされた。続いて「犬です。失礼いたします」という娘の
声がやってきて、扉が開いた。
「おはようございます……あら、お召し替えをと思って来たのですけど」
新しいウエイトレス衣装に身を包んだ犬は、主が青い戦装束をまとっているのを見て、少し意外そうに口元へ手を
やった。その手首に、うっすらと縄の跡がのこっている。姫はそんな犬にほほえんでやる。
「……いきなりとはいえ、私はもうジャンヌ家の当主なのだ。甘えてばかりもいられん」
すべては慌しい流れの中で行われた。
姫が犬を連れ戻ってきたことを知った前当主、すなわち姫の実父は、すぐさまライサラ本家へと走った。ライサラ
家の言い分を聞いて事情を把握した父が戻ってきたのは、つい昨日のことである。
父は戻るや否や、姫や犬を含む屋敷中の人間を集め、姫の行状を叱責した。
両家の友好関係が終わったこと。水面下で進行していた両国元首への同盟案提出が頓挫したこと。そしてライサラ
家の出方次第では、国家間戦争とは違う、きわめて私的な紛争が起こるかもしれないこと。それらを恨めしそうに述
べ立ててから、前当主は最後にとんでもないことを言い出した。
「もう面倒くせェ。アホらしいから俺ァ隠居する」
唐突にそう発表した父は、古くからの執事と、父を慕って同行を申し出た二人の侍女、あわせて三人を連れて屋敷
を出て行った。行き先は聞いていないが、しばらくは兵士たちの使う宿屋に滞在することになるのだろう。
「みなはどうしている?」
いきなりの襲名式から一夜明けて、残された侍女たちの動向が姫には不安だった。自分はまだ若く、当主としての
経験に乏しい。姫将軍ワドリーテの例があるとはいえ、女当主であることも不安の種だろう。夜の間に屋敷を出た者
もいるかもしれない。あるいは、屋敷に残った人間の方が少ないかもしれない。
だが、姫の不安をよそに、犬はかえって明るい顔をした。
「何も変わりません。みんな姫様に付き従う所存です。執事さんはいませんけど、かわりに侍従長の姐やが、みんな
を取り仕切っています。姫様が案じることなんて、なんにもないんですよ」
「そうか……」
思わずため息が出た。それが安堵のためか、当主としての責任への気負いのためかはわからなかったが、姫は考え
ることをやめて、窓枠を降りた。
「ならば私も、変わりなくジャンヌ家の使命をまっとうしよう」
犬が姫の真意に気づいて、背筋を伸ばした。
「では、姫様」
「戦に出る。体はなまっていないな、我が犬?」
「もちろんですわ」
犬の体が小さく震えていた。武者震いである。
その仕草が愛しくて、姫は気負いのない笑顔を浮かべることができた。共に戦える歓喜を体全体で表現してくれる
この娘の存在が、自分にとってかけがえのないものなのだと感じた。
ハイドラ再戦02/17
犬がそっと壁を指さした。その先の壁に、赤銅色の両手斧がかざられている。
「もう一度、姫様の横であのマルスを振るえるときがくるなんて」
「えっ、いやっそれはダメだ!」
気持ちが和んでいたところにマルスの名を出されて、姫はとっさにそう言ってしまった。当然、犬は不思議そうな
顔をする。
「えっ……そんなぁ、どうしてですの?」
「それは、その。アレだ。新しいのを用意してあるんだ」
「でも、せっかく陛下から賜った栄誉ある品ですのに……」
(ああ、もう!)
犬がなかなか納得しないので、姫のなかに焦りが生じた。とにかくなんとしても、マルスを使わせるわけにはいか
ないのだ。その焦りが、姫の口からよどみない言葉をすべり出させた。
「犬よ! お前は私の犬として生まれ変わったのだ。新たな服、新たな鎧、そして新たな武器で、私についてきてく
れ。それが私の願いなんだ」
犬がはっとしたように目を見開いた。姫の言葉は、この娘の心にしかと届いたらしい。
「姫様、そんな風に……申し訳ありません、わたしったら……」
犬は感激し、瞳をうるませさえしてこちらを見つめてくる。その視線がちょっとだけ痛かったが、姫は内心で、今
度こそ安堵のため息をついた。
(自慰になんて使ってしまったものを、持たせられるか……)
「あっ……」
犬に触られて乱れた自分。マルスにまたがって乱れた自分。淫らな自分の姿を思い出して、また股間が湿るのを感
じた。肉欲が一人歩きしているように思えて、姫の頬は羞恥の色に染まった。
「姫様? お顔が赤くなっているような……」
「なっ、なんでもない。戦いを前に、少し昂ぶっているだけだ」
「本当に? もしお体の調子が悪いなら、無理に戦わなくとも……」
そのとき、訝る犬をどうごまかそうか思案しはじめた姫を救うように、軍団通信になじみの声が響いた。
『はいはーい。まもなく目標時間でーす。目標のウォーロックは他国支配なのーでー、今すぐ制圧しないと間に合い
ませんー。ご協力お願いしまーすー』
間延びした声が頭の中に直接響き渡る。縦ロール銀行の店主が、目標戦を制しうる精鋭を募っているようだ。
目標の二文字を聞き、姫は我知らずその表情を引き締めて、犬を見据えた。
「ちょうどいいな」
「……支度してまいります!」
犬はもう四の五の言わず、一礼すると、部屋を出て行った。
姫の股間はもう乾いている。だが、その抑えがたい淫らな衝動が下腹部に居座っているのも感じる。
(聞き分けろ、我が欲動よ……こんな気持ちのままでは、私は何も手にいれられない)
脇がまたうずいた。ハイドラに喫した敗北は、三日たち、当主となった今でも、姫の心に重くのしかかっていた。
(戦おう……戦いが、きっと私を前進させてくれる……)
姫の決意に追従するように、全軍通信が鳴り響いた。
『ウォーロック古戦場跡にて宣戦布告しました』
姫は、犬がしたように背筋を伸ばし、来るべき戦に向けて神経を研ぎ澄ませた。そして、壁に飾ってあったマルス
を、何食わぬ顔でクリスタルの召喚技術を応用したインベントリにそっとしまいこんだ。
ハイドラ再戦03/17
扉の向こうから、男と女が何か言い争っているのが聞こえる。
「ジャンヌ家の言い分だけで動くわけにはいかん。これだけ言っても、弟に会わせんつもりか」
「坊ちゃんはジャンヌの姫君に負わされた傷が癒えておりませぬ故……」
「その姫君が去るのを手助けしたというではないか、野良犬め。なにを企む」
部屋に入ろうとしている男を、女がとどめている。粉砕され、仮板が打ち付けられただけの扉からは、その様子が
くっきりと伝わってくる。
自室のベッドに腰掛けたライサラ家の三男は、包帯に包まれた顔をふせ、耳をふさぎ、扉の向こうからもれ聞こえ
るやり取りを遮断した。
「ハイドラ。ハイドラ。お願いだ、兄上をここに通さないで……」
数分か、あるいは十数分。三男にとっては長い静寂を経て、仮扉の開く気配がした。
三男は反射的に瞳を閉じ、ふさぎこむように頭を抱えて震えた。
部屋に入ってきたのは女だけだった。翡翠に輝くハイドラ装備に身を包み、頭にはくすんだ薄緑の兜を据えている。
女戦士の気配に気づいた三男は顔を上げ、安堵したように鼻をすすった。
「兄上様はお帰りになられました」
「うん。ありがとう……」
三男は、来客を退けた従者の功績に礼を言ったものの、少し気恥ずかしそうに視線を落とした。
「包帯をお取替えいたしましょう」
ハイドラはインベントリから包帯を取り出すと、三男の顔に巻きつけられた古い包帯をはずしにかかった。三男の
顔があらわになると、ハイドラは「ほう」と、少し意外そうな吐息をもらした。
「まだかすかに腫れが残ってはおりますが……ほとんど癒えております。跡も残っていない。包帯などいりませぬな。
ジャンヌの姫君、気性に幼いところはあったが、正しい資質をお持ちのようです」
ハイドラは、ヘルムからのぞく紅い口元にかすかな笑みを乗せた。その気配を察知した三男が口をとがらせる。
「正しい資質って、なんだよ」
「今の坊ちゃんには難しゅうございます」
「…………」
三男は黙り込み、まだわずかに腫れの残る頬骨へ手をやる。次に額、さらに上顎。そうやってジャンヌの姫君に負
わされた傷を一つ一つなぞりながら、従者に問いかける。
「ボクは、生きる価値もないウジ虫以下のゲロ野郎なんだそうだ。ハイドラ。ボクのしたことは、そんなにも酷いこ
とだったか?」
その問いかけに、従者は、はっきりとうなずいた。
「唾棄すべき外道の所業でありました」
三男はうつむき、ため息をつきながら立ち上がった。眼前のハイドラをかわし、窓際に立って、視線を空に逃がす。
「まだ……よくわからない。姫の怒り。他家に嫁して、ボクにされるがままだったあの人のこと」
空の下を雲が流れている。しばしその様子を眺めていた三男だったが、やがてその背後で鳴った小さな金属音に振
り返った。
「あ……なっ、ハイドラ!?」
振り返った先に、あの翡翠の女戦士はいなかった。
いたのは、少し日に焼けた小麦色の肌を惜しげもなくさらした、一人の女だった。
女は、ハイドラスカートと胸をおさえる巻き布、そしてゲイターヘルムだけを身に着け、まるで三男を待っている
かのようにベッドに腰かけていた。その足元に、翡翠の甲冑が転がっている。
三男はうろたえ、その場に立ちすくんだ。
ハイドラ再戦04/17
ハイドラの手がよどみなく動き、巻き布の結びをゆるめて乳房の戒めを解く。おさえつけられていた二つのふくら
みが、解放のときを待ち焦がれていたように弾んで布をすべらせていく。
巻き布が左右の乳首にひっかかり、かろうじて乳房の露出を防いだ。
「坊ちゃん、私を抱けますか」
ハイドラの声は静かであり、一切のゆらぎを見せなかった。対して三男は、見慣れない従者の姿に視線を釘付けに
されながら、大いに動揺していた。
「いっ、いきなり、なにを!?」
「好きにしていただいてかまいません」
「いい、いいよそんなの! 鎧をつけろ! 早く!」
「縄で縛っても鞭で打っても、雷で責めても結構です。犬と罵ってもいい。蔑んでもいい」
「何を言ってるんだよ! できるわけないだろ!? 君にそんなこと、できる……わけが……」
三男は、言い終えない内に、何かに気づいたように愕然としてハイドラを見つめた。
「できるわけ……ないよ」
「なぜ?」
「だって君は、だって……」
うつむき、まごつくばかりの主を前に、ハイドラは大きくため息をついて、胸の巻き布を締めなおしにかかった。
「あなたは、虐げやすい者を身近に欲していたに過ぎませぬ」
語りながら、布を締めなおし、足元の甲冑を拾って、再び身に着けていく。
「坊ちゃん、あなたの心はまだ弱い。貴い家柄に相応しくあろうとすること、さぞ重荷でありましょう。しかも歯が
ゆいことに、私はそのお心を導くだけの言葉を持たぬ」
「ハイドラ……?」
すべての装備を装着して普段の姿に戻った女戦士は、兜の奥に秘められた瞳を主へと据えた。
「ジャンヌの姫君や、あなたの不慣れな自慰に耐え続けた奥方たちには感謝しております。私にはできぬことを、あ
の娘たちはしかとやってのけた」
「……ボクは」
三男が何か言おうとしたとき、全軍通信がクリスタルの波動を伝って二人に響いた。
『救援要請、ウォーロック古戦場跡』
要請を聞くと同時に、ハイドラの手元でガントレットが音を立てた。指を開閉し、はまり具合を確かめている。
「……坊ちゃん。きっかけはすでに得ているはず。あとはあなた自身が、戦いの中で理解してゆかなくてはなりませ
ぬ。自信とは何か。他者に信頼されうる強さとは何か」
「この要請を受けようっていうのか?」
ハイドラの口が、不敵に釣りあがる。
「戦う場に困らぬのは、幸福なことでありますな」
「でも……何度も救援要請が出てる。きっと負け戦だよ。そんなところに行っても、意味が……」
尻込みする三男をよそに、ハイドラの手に薄く発光した長大な大剣が現れた。本来ならばクリスタルの力を結集し
て召喚する異界の魔物の手にあるべき、魔性の剣が。
「戦いとは、勝利にすり寄っていくことにあらず。眼前に横たわる敗北を打ち倒すことこそ本義。それを、私めが体
現してご覧にいれましょう」
天井に触れない程度に掲げられたギロチンソードの刀身が、不気味に鳴動した。
ハイドラ再戦05/17
「てぁっ!」
小さな呼気と共に走った斧が、敵のステップ着地を正確に捉え、その体を打ち据えた。
力尽き、倒れる敵スカウト。眼前の敵を倒したばかりの犬は、気をゆるめることなく周囲の気配をさぐる。
「姫様、もう一人ハイドがいます」
「見えている!」
犬より数歩離れた位置で、もう一人のネズミを相手にしていた姫のレトセルスシールドが虚空を打った。瞬間、重
い金属音と共に、姿を隠していた敵スカウトが現れる。
盾を介して全身に気と衝撃を叩き込まれたスカウトは、一時的な酩酊状態に陥って、その場でたたらを踏む。
犬が動く。地を蹴って間合いを詰めると同時に、デリーターの刃を叩きつける。スカウトはまだ倒れない。着地し
た犬が、斧をさらに深くかまえる。犬の気を宿した斧が青白い軌跡を描き、棒立ちのスカウトへと吸い込まれていく。
ヘヴィスマッシュが命中した重厚な音に、スカウトの断末魔が弱々しく続いた。
二匹のネズミを片付けた姫たちは、武器をおろし、小さく息を漏らす。
「お見事です、姫様」
「ああ……こちら中央。ネズミは排除したが、オベリスクが少し損傷した。私と犬の二名で、引き続き防衛に当たる」
軍団通信で状況を伝えると、姫はその場に腰を下ろした。犬もそれに習い、隣に座る。
「間もなく敵キャッスルも陥落ですね。前線は一進一退のようですけど」
「ああ。中央渦巻きの全域をおさえられたからな。領域で勝ったのだろう」
ウォーロック古戦場跡の中央には、らせん状のうず高い山がある。ここを早期に押さえて守り抜くことで、攻撃軍
は領域において大いに有利になる。その重要なオベリスクの防衛に、姫と犬は当たっていた。主戦場から離れた僻地
にきたのは、実戦を行うのが二ヶ月ぶりになる犬を慮ってのことだった。
「しかし、二ヶ月ぶりの実戦とは思えないな。新しい武器はなじむか?」
姫は、犬の手にある片刃の両手斧・デリーターを指した。
「まだ少し違和感が……でも、じきに慣れますわ。このインペリアルセットも」
犬は、ビスチェに包まれた胸へ両手を乗せて、うれしそうに微笑んだ。各部に金属をあしらいつつも、鎧としては
思い切った簡略化を図ることでボディラインを際立たせることに成功した至高の逸品であり、姫が犬のために特別に
吟味した品でもあった。
「よく似合っているよ」
姫の褒め言葉で、犬は素直に頬を赤らめる。その頬を照れくさそうに手で覆う仕草が愛しい。だが、犬を傍らに置
いておける幸福に浸るのを拒むように、姫の脇がうずいた。
(……くそ)
「まだ、あの方に敗れたことを?」
沈んでいく姫の表情に気づいた犬が、的確な質問を投げかけてくる。姫は答えようとはせず、先ほど打ち倒したネ
ズミたちの方へ視線を移した。
力尽きて倒れたスカウトたちの体は、もうほとんど大地に溶け込むようにして薄くなっている。間もなく、クリス
タルの加護によってキャッスルに転送されるだろう。その様が、ハイドラに打ち込まれた直後の自分と重なる。
(私の心は、まだああして地にはいつくばったままだ。戦うだけではダメだ……あの敗北の記憶を粉砕しなくては、
前に進めやしない。だが……どうすればいい)
「姫様……」
犬が心配そうに顔を寄せてくる。頬に吐息を感じ、くすぐったい。姫もまた、誘いこまれるように犬に視線を重ね
る。
ハイドラ再戦06/17
『南西の前線に敵レイス発見! 護衛ナシ! ナイト急行されたし!』
姫の頬が熱くなりかけたそのとき、軍団通信に前線からの報告が入った。姫と犬は、互いに少しびっくりしたよう
に体を離した。
「警戒から、キャッスルのクリスタルは枯渇していると聞いていたが、まだレイスが出せるのか」
「で、でも、護衛もないそうですし、きっと最後の最後にとっておいたクリスタルを使ったんでしょう」
「そうだな、はは……」
白々しく笑いながらも、姫の頭の中では、一つの疑問が波紋を広げていた。
(護衛もつけずにレイスが出る……普通ならば考えられないことだ。ヤケを起こしているのか、あるいは……?)
『ちょっちょっ、おまっ! 聞いて聞いて! 変なの見た! 今変なの見た!』
『あっお前! なんでキプ前に戻ってんだよ、ハイドで敵キマ警戒するって言ってたじゃねーか!』
軍団通信がにわかに慌しくなった。敵のキャッスルを監視していたスカウトが、突如としてキープに現れたためら
しい。当のスカウトは何かひどくうろたえた様子で、全軍に通信を発している。
『聞いてくれ! 監視はちゃんとしてたんだ。そしたら、なんか新しい兵が二人はいってきて……こんな終盤に参戦
なんて珍しいだろ? 顔を見ようと思って近づいたら……飛んできたんだよ! ギロチンソードが!』
『あーレイスが出るときに気づかれたのか。運がなかったな』
『ちがうんだ! そのときまだレイスは出てなかったんだよ! むしろ俺のキルクリで出したみたいな感じで……』
『あ? じゃあ……なんだそりゃ?』
『あのレイスになった女ヲリはなんかヤバイよ! 一瞬でハイドの俺に気づいたし、生身でギロチン使うし……』
「まさか……!」
黙って報告を聞いていた姫の脳裏に、一つの確信が湧き上がった。
女ウォリアー。生身でのギロチンソード。ハイドに気づく鋭敏さ。これらの特徴を備えた人物を、姫は一人だけ知
っている。
「姫様、もしかして……」
犬も同じ予感に行き当たったらしく、顔を青くして姫を見た。
「間違いない、奴だ……! 奴が来たんだ! あの女にレイスなどやらせたら……この戦場、ひっくり返るぞ!!」
姫はオベリスクの防衛も忘れて、一目散にキープへと走った。犬がそれに続く。キープでは例の警戒スカウトが、
まだ落ち着かない様子で縦ロールはじめとした裏方の面子に何か話している。
「縦ロール! 向こうのレイスに覚えがある! 私をナイトで出してくれ!」
姫はクリスタルにつくや否や、草原に腰を下ろして銀行業務に明け暮れている縦ロールの娘に願い出た。
だが縦ロールから返されたのは、不審に満ちた細い眼差しだった。
「た、縦ロール?」
予期していなかった敵意に、姫は困惑した。縦ロールはこちらを一瞥しただけですぐに視線を切る。
「ナイトさーん。確か五騎くらいいましたーよねー。そろそろーレイス倒せましたーかー」
軍団通信で、レイスの討伐に向かったらしいナイトたちに縦ロールが呼びかける。
だがナイトたちからの返事はない。
「今戦ってるのかしらー。まー、討伐されるのも時間のもんだ……」
『ナイト死亡』『ナイト落馬』『すまんナイトやられた』
「ハァッ?!」
いきなりなだれ込んできた三つの報告に、縦ロールのみならず、キープ付近に待機していた一同が唖然となった。
ハイドラ再戦07/17
「ど、ど、どうしてー!? 護衛ーいっぱいでてきたんですかー」
『いや、なんつーか……正直に言うわ。負けた。真っ向勝負で。レイスに』
(やはり)
姫にとっては予測できていた事態ではあった。あのハイドラがレイスとなり、その戦闘センスを遺憾なく発揮すれ
ば、ナイトとて天敵ではなくなる。討伐隊には、護衛がついていないことへの油断もあっただろう。
やはり、レイスの正体はハイドラ本人に間違いない。姫の胸の内で、心臓が大きく脈打った。
「縦ロール、頼む。敵レイスと戦わせてくれ。奴をおさえなければ、前線が崩壊する」
今度は声を落ち着かせて願い出てみたが、やはり縦ロールは姫を見ようとはしなかった。
「ナイトさーん、まだ全滅はーしてないですよーねー。慎重にー歩兵にも気をつけてーヒットアンドアウェーで……」
『ム、ムリだ! どうしろってんだ! ア、アイツは殺戮機械なんだよ! アイツがいるかぎ……う、うわあぁああ!』
「…………」
壮絶な断末魔とともに通信が途絶えた。キープに集まった面々は、一様に『まさか』と言いたげな表情を浮かべる。
しばらくの沈黙の後、前線から送還された一人の兵士がキープに現れ、たった一つの事実を告げた。
『ナイトしぼう』
「なんでよ――――――!」
常に温厚で、冷静さを失わないことで知られる縦ロールが、メガネを振り落とさんばかりに取り乱した。縦に巻か
れた髪が無様に振り乱れる。単騎で四騎のナイトを退けるレイスの存在は、それほどに大きかった。
『前線やばい! レイスがとまらないッ! 無双にも程があるッッッ!!』
『オベ折られるぞ。短スカ、なんかブレイクいれてくれ』
『やろうと思ったけど無理! ハイドで近づいたのに、引き付けるだけ引き付けてからバインドもらったわ!』
『じゃ、じゃあ弓スカ、イーグルで削ってくれ』
『ダメですぅ〜。あのレイス、間合いがすごっ……イーグルよけるくせに、バインド当ててくるんですよぅ〜ッ!
っきゃ〜! 逃げ切れない〜!!』
間断なく送られてくる絶望的な報告に、キープを取り巻く空気が重く沈んでいく。中には「目標失敗か……」など
とつぶやく者まで現れはじめていた。
「え、えぇー。あんなーの相手にぃ、どうすればいいのー……」
軍師としての力も評価されている縦ロールだったが、一騎当千のレイスを相手にしては戦略も浮かばない様子であ
る。敗戦の気配が濃厚になってゆくキープ一帯において覇気を維持しているのは、いまや姫だけになっていた。
「縦ロール。四の五の言っている時間はない。私が奴をおさえる。おさえねば……負けるんだ」
「負ける……」
その言葉に、縦ロールの瞳が静かさを取り戻した。しかし、その底に潜む鋭利な敵意はまだ去らない。
「お姫さん。あの戦いもー、負ーけたんですよー」
「あの戦い……?」
「お姫さんがー、ナイトーになってー、どっかいっちゃったーときー」
「あっ……」
縦ロールの敵意の意味を、姫はようやく理解した。あの時、姫は犬を救うため、初動展開に必要なクリスタルを使
ってナイトを召喚し、戦場を去った。それが自軍にとってどれほどの痛手になったか、考えるまでもないことだった
のだ。
「僅差でしたー。オベやATの展開がもっと早ければー……押し切れてたかもー……」
「姫様、一体……?」
それまで黙っていた犬が、姫の背後で不思議そうに首をかしげた。
犬は、姫がナイトになって救出に現れるまでの経緯を知らない。そして、知られたくもなかった。姫は慌てた。
「そ、それはその、あの時はちょっと色々あってだな」
「おかげであたしぃー、工作員の疑いーまでかけられてー。縦ロール銀行は信用ガタ落ちですー。こんな状況でクリ
渡して、まーた裏切られたらー……」
「裏切るものか! クリスタルを渡してくれれば、行動で示す」
「信用できまーせんー。どうしてもってーいうのならー……条件がありますー」
無理もない要求だった。私的には一刻を争う状況だったとはいえ、それは縦ロールたちには関係ない。姫は、首を
縦に振るしかなかった。
ハイドラ再戦08/17
姫が承諾したことを認めて、縦ロールの口が不気味につりあがった。指先でメガネの位置を整えると、にわかにそ
の鏡面が濃さをまし、瞳を覆い隠す。銀行や軍師というより、商人としての表情が濃くなっている。
「この場で何かしろってことじゃないですー。後でーちょっとあたしの実家の商売をー手伝ってもらいますー。ウチも
ーライバル多くてー。お姫さんにーウチの目玉商品になってーもらいたいですー」
「承服できません!」
こたえたのは、姫ではなく犬の方だった。犬は全身をわなわなと震わせ、縦ロールへと詰め寄っていく。一歩一歩
重い足取りで進むため、ビスチェに包まれた乳房がその都度左右に揺れた。
「事情はよくわかりませんけれど、そんなの絶対許せません。姫様を、そっその、商品だなんて……!」
一方の縦ロールも、犬の剣幕にひるむことなく、どころかその鼻先を指で突き返しながらメガネを光らせる。
「あたしはー別に身をひさげなんてー言ってませんー。ただー写真のモデルーにーなって欲しいんですー」
「写真って……」
「有名な姫様のーちょっとこうセクシーなポーズでもいっぱい撮ってー雑誌にしたり、ブロマイドにしたらー、儲か
るかなって思うんですー。知り合いに良いカメラマンもーいるしー」
「せっ、セクシーって……! ダメダメ、そんなのダメにきまってますわ! 他のにしてくださいな!」
犬は顔を真っ赤に染めて、断固反対の意を示す。
「値切りや駆け引きは好きくありませんー。あたしがーこうと言ったらーこれ以外はありませんー」
「お、横暴ですわ、そんなの!」
「だまらっしゃーい。銀行から借りるもん借りてー、利子もつけずに踏み倒そうなんてー生きる価値もないウジ虫以
下のゲロ野郎だー」
「な、なぜそのセリフを……」
第三者が知るはずもないセリフに、さすがの犬も思わずたじろいだ。縦ロールはそれについては何も説明せず、た
だ得意げに鼻を鳴らす。
そうしている間にも、前線からは阿鼻叫喚の悲鳴が伝わってきている。そしてそれは、少しずつだがキープへと迫
りつつあった。
姫は拳を握り締めた。脇のうずきはいまだにやまぬ。
(この機を逃せば、私はきっと、永遠にこのままだ……!)
「……やろう。やってやる。雑誌でも写真でも、かまわん! 大儲けさせてやるッ!」
「ちょっ、姫様!?」
「縦ロールの言うとおりだ。駆け引きなどしている時間はない。それに、その女を敵にまわさない方がよさそうだ」
姫が苦笑すると、縦ロールも不敵に微笑んだ。
「商談成立ーですー。そうと決まればーハイ40個ー」
決まってしまえば、縦ロールの行動は早かった。すぐさま抱え込んだクリスタルを姫に渡す。
「……私も行きます。かまいませんよね、縦ロール?」
犬の表情にはまだ不満の名残が表情に表れていたが、それ以上姫の決意に踏み入ろうとしないのは、この際
ありがたかった。
「むしろー出て欲しいのは山々なんですけどー……在庫が微妙に足りないんですー」
「それなら問題ありませんわ。先ほどネズミを倒しましたから」
戦場を駆ける兵士たちは、すべからくクリスタルの庇護下にある。致命傷を負っても無傷で拠点に送還されるだけ
ですむ。倒された兵士の体からこぼれたクリスタルのエネルギーは、それを倒した者の懐に入るという仕組みだ。
数は揃った。犬も、晴れてサブの銀行から在庫のクリスタルを受け取り、姫と並んでキープ前に立つ。
「相手が相手だ。二ヶ月ぶりだなどと甘えていられなくなったな」
「こわくないです。姫様のおそばにいられるのなら、それで」
姫は、自然と笑みがこみ上げてくるのを感じた。自分を慕ってくれる犬のためにも、勝利を収めなくてはならない。
(勝つ。あの女にも、この戦争にも。そしてなにより、我が身にのしかかる敗北の記憶にもだ)
決意と共にクリスタルを掲げ、召喚の儀式を開始する。攻撃軍の赤色に縁取られた突撃槍と甲冑、そして異界の駿
馬が現れ、姫の全身をかためる。隣では、犬が同様の姿となって並んでいる。
姫は犬へと視線を重ねる。どちらともなくうなずき合い、意識を重ね、そして手綱を振るった。
馬が地を蹴り、最前線へと向けた疾走を開始する。
遠ざかっていくキープが見えなくなる直前、軍団通信ではない縦ロールの肉声が、草原にこだました。
「ジャンヌ家ご当主様のご出陣! ご出陣ーッ!!」
ハイドラ再戦09/17
並走を開始して少ししたとき、犬が突然手綱をひき、馬の足を止めた。
「どうした?」
「……いま、北東の方角になにか召喚の反応があったような……」
戦場の地形は、クリスタルを通じて兵士たちの頭脳に描き出される。オベリスクを建設することで、敵歩兵の数や
召喚の有無など、さらに細かい認識を実現するのだが、今北東には味方のオベリスクは建っていない。
「スカフォードでも建っていたのか。そして、それが一瞬で破壊された……」
姫はすかさず、全軍通信へと意識をチャネルした。
『前線の様子は?』
『相変わらずレイスは無双だけど、歩兵は減ってきた。レイスだけどうにかしてくれりゃ押し返せる!』
返答した者の声は、一抹の希望を見出したように明るい。本来ならば姫にとっても喜ばしい報せだが、犬が感じた
召喚の気配がある以上、裏を見抜かねばならない。
「姫様、もしかして……」
「キマイラだ!」
錬金術によって異界の獣を合成した魔獣キマイラ。三種のブレスを操る強力な召喚獣だが、なにより危険なのは、
キープに取り付いて自爆するファイナルバースト。北東に現れた召喚獣の気配は、そのキマイラに違いなかった。直
前まで優勢だったとはいえ、敵のオベリスクに干渉され続けたキープがその破壊に耐え切れないのは明白だ。
「なんて奴らだ……一騎当千のレイスさえ囮にして、キマイラを決めるつもりか!」
「で、でもでも、どこからクリスタルを……」
「あの女だ。あの女、もうキマイラを召喚できるほどのキルを稼いだようだな……!」
「そんな……いかがいたしましょう!?」
姫の腹はすでに決まっていた。
「お前はキマイラに当たれ! 奴は、私がおさえる!」
「で、でもお一人では……」
「やるしかないんだ。キマイラを阻止したとしても、結局レイスをおさえねば勝ちはない」
言うが早いか、姫は馬を走らせた。議論を重ねている時間はない。背中のほうで、犬が逆の方向へと走りだす気配
を感じる。
馬は鼻から猛烈に息を吐き、前線へと疾走するが、それでも姫にはもどかしかった。かかとで腹を蹴りつけ、加速
を促す。その視界の端に、突如として別のナイトが走り抜けているのを認めた。
(犬……!? いや、例の五騎の生き残りか!)
見たところ、その味方ナイトは相当消耗しているようだった。鎧ははげ、馬の足取りも頼りない。だがそれよりも
姫の目を引き付けたのは、その味方を追う、青い縁取りの敵ナイトの姿だった。そちらも相当に疲弊している。
(奴がレイスのクリスタルをキャッスルに運んだな。追われている味方のほうも輸送か)
姫は即座に手綱を繰り、馬の進路を二騎のナイトに向けた。二騎に垂直な進路で進み、側面を突く。
姫の存在に気づいた敵ナイトが、馬をいななかせて槍をかまえた。長大な槍身に電光が閃く。放たれた衝撃波が、
前方を直進する瀕死の味方ナイトを襲う。
(道連れにする気か!? いかん、命中するぞ!)
ディバインスラストの一撃が味方ナイトを貫くかに見えた瞬間、クリスタルの輝きが爆ぜ、騎馬の姿が消えた。代
わりに、光の中心からワイルドキャット装備の女スカウトが現れる。槍の一撃は、生身のその娘を打ち抜いた。
「にゃあッ」
か細い悲鳴とともに娘が転倒する。だが、ナイトの力は生身の人間には及ばない。致命傷には至らなかったようだ。
次の瞬間には、姫の放った一撃が相手ナイトを貫いていた。
騎手が落馬し、馬も二、三度地をかいて地面に転倒した。薄れていく体が、致命傷を負ったことを示していた。
「良い判断だ。もうだめかと思ったぞ」
姫は地面にへたってあえぐ女スカウトに一声かけ、再び前線への進撃を再開しようとした。しかし、ヘルムに隠れ
たその娘を目にしたとき、ふと、過去の記憶が頭をもたげてきた。
「君は……そうか」
娘が、不思議そうに姫を見上げる。
「召喚解除は、おぼえたようだな」
「えっ……」
娘の白い喉が、驚きを示す音を鳴らす。時を同じくして、犬の声が軍団通信に乗った。
『敵キマイラを発見しました! 迎撃の人員をまわしてください!』
北東から忍び寄っていたのは、やはりキマイラであったらしい。自軍のキープは、いまや前門の虎と後門の狼に狙
われている。これ以上足踏みをしている時間は、この戦場には残されていない。
「行かねばならん。君は、クリスタルをあの縦ロールに届けてやってくれ」
言葉を残し、三度前線への疾駆を馬に命じる。
ハイドラ再戦10/17
前線から後退してくる負傷兵の隙間を縫い、なおも前進するうち、姫はいつしか最前線へと躍り出ていた。
(みつけた……!)
青みがかった漆黒の四枚羽が、彼方に見えた。
『ぢェあッ!』
敵レイスは、果敢に突撃した味方の両手ウォリアーをギロチンソードの一振りで吹き飛ばし、悠然と坂を上ってく
る。さすがに無傷ではなく、それなりの負傷は見て取れたが、まだまだ余力を残していることが一見してわかった。
「ハイドラァッ!」
『来たか、ジャンヌの姫君ッ!』
相手の方でも姫に気づいた。強者だけが成しうる感覚の共有。姫は馬の勢いを落とすことなく、敵兵をかきわけて
突撃した。相対速度によって、両者の距離は一瞬にして詰まる。
相手が槍の間合いに入った瞬間、姫はたぎる闘争心を乗せて槍を突いた。馬がいななき、槍身に宿った異界の力が
一直線に放たれる。しかし……。
(……かわされたっ!)
レイスは衝撃波が命中する直前、一瞬のタイミングをとらえて後退した。衝撃波が霧散すると、間髪をいれずに左
手に青白い冷気を集束、それを姫に向かって撃ち出した。大振りの攻撃を外した直後であり、回避運動を取ることさ
えままならず、冷気弾が命中する。
「くっ……!」
急激に体を冷やされ、全身がかじかむ。その影響は馬にも現れ、速度が目に見えて鈍化した。
(今のは私が愚かだった……! だがこれで、頭は冷えたぞ)
馬を回頭させ、レイスの側面へと回る。馬足が鈍っているとはいえ、並の兵士がとらえきれる速度ではない。容易
く回り込んだころには、馬の体も熱を取り戻していた。
敵歩兵の少ないルートを瞬時に見極めて突撃する。貫く大振りのディバインスラストではなく、小突くピアッシン
グの間合へ接近を試みる。
『ぢェェいッ!!』
ギロチンソードが風を切り、放出された刃が姫を打ち据える。だが、重厚な鎧に覆われたたナイトにとって、一撃
二撃ならば耐えられないダメージではない。
「オォォッ」
レイスの連続攻撃を真っ向から受けながら、姫が雄叫びを上げた。突撃の勢いはゆるめない。やがて、馬の鼻先が
相手に触れるほどの位置にもぐりこむ。槍の先端が小さく輝き、レイスの体を打った。
(一気に削り取ってくれる!)
姫が第二撃を繰り出そうとしたとき、突如その視界が闇に閉ざされた。レイスの魔力で、周囲が闇の帳に閉ざされ
たのだ。
(かまわん、この距離ならば……)
迷うことなく槍を放とうとした姫の体に、軽い衝撃が打ち込まれた。
一瞬何をされたのかわからなかった。だが、前進しつつ放ったはずの槍が空を切ったことで理解する。
(しまった、シールドバッシュ……!)
闇の狙いは、姫から姿を隠すためではなく、忍び寄る敵の歩兵を隠すためのもの。そして馬は、敵の放った盾にや
られて動きを止めたのだ。闇の向こうからいくつもの足音が駆け寄ってくる。
(まずい……!)
すでに相当の無理を重ねている。敵の歩兵に、火力の強いソーサラーでもいれば、一気に体力を減らされかねない。
その予感を肯定するように、闇を切り裂くような猛火が巻き起こる。瞬間、姫は落馬さえ覚悟した。
ハイドラ再戦11/17
「ぐぁあっ」
「きゃああっ」
だが、悲鳴を上げたのは敵兵のほうだった。炎は姫の横を素通りし、群がってきた敵の歩兵をなぎ払った。
「ぬぅあぁぁぁ!!」
姫が状況を理解するより先に、さらなる一撃が敵を襲った。騎馬を中心にして巻き起こった竜巻が敵兵を薙ぎ払い、
姫の安全を確保する。
闇が晴れたとき、周りに敵兵の姿はなく、代わりに二人の味方歩兵が立っていた。
「さすがだな、姫さん! あの化け物レイスが後退しやがった!」
一人は、以前姫のファンだと打ち明けた、あの傭兵。手には巨大な黒いハンマー、モレクブロウが握られている。
「無駄口たたくな。次が来る」
もう一人は薄桃色の鍔広帽をかぶった女ソーサラー。面識はなかったが、リンダセットにあしらわれた紋章から、
傭兵と同じ国の人間だとわかった。
「おまえたち、私を助けに……」
「助けられたのはこっちのほうだ! あんたがあのレイスを押してくれたから一気に前進できた! 歩兵のことは俺
らァに任せて、あんたはあの化け物をシメちまってくれ!」
「危険だぞ、二人だけでは」
前線を押し返しているのは確かなようだが、それでも敵の群れに突撃するにはまだ早い。だが、傭兵は姫の気づか
いに対して、にっと歯を出して笑って見せた。
「心配すんな、ファンはアイドルの前で無様な姿は見せねェ。それに……」
傭兵の背後で巨大な火球が爆ぜ、凄まじい閃光を発した。あのリンダセットのソーサラーが、スパークフレアで敵
の進撃を阻んだのだ。その爆炎を背負いながら、傭兵は高らかに謳った。
「俺の相棒は、テクニカルだ!」
「……感謝する!」
ここまでされて、姫が二の足を踏むわけにはいかなかった。すぐさま気持ちを切り替えて手綱を振るう。
闇を撒いている間に、レイスは坂を下った平地にまで後退していた。一時的に退くことで、ダークミストで消耗し
た魔力を蓄えるつもりだろう。
先ほどの無茶がたたって、もう突撃戦術は使えない。回復されればされるほど、勝ち目は薄くなっていく。懐にも
ぐり込めれば、勝機が見えてくる。左右へ小刻みに進路を変え、少しずつ距離をつめる。無茶な軌道をとらされた騎
馬が鼻から真っ白な息を吐き出す。その呼吸の一瞬間を捉え、的確な偏差でアイスバインドの冷気弾が飛んでくる。
(やはり、強い! 私が読みきれない半歩の間合いを射抜いてくる……くそぉっ!)
少しずつ、確実に距離は詰まっている。だが、このままでは間合いを詰めきる前に、馬の方が限界を迎える。
その焦りが、姫に悪手を打たせた。間合いギリギリからのディバインスラストを放つ。それでも普通ならば当たる
はずだったが、相手はやはり、その攻撃を甘受しない。即座に飛翔し、鋭い一撃を回避。しかも前方へと飛翔し、着
地の瞬間にギロチンソードを振りぬいてくる。一撃を受けた左手の盾の一部が弾け飛んだ。
反撃とばかりにピアッシングを放つが、これもまた絶妙なタイミングで飛翔され、不発に終わる。
「ぜぇっ……!」
姫の息があがりつつあった。ダメージを受け続けたことはもとより、無駄な攻撃を繰り出しすぎたのだ。呼吸を整
えねば、まともな攻撃を放てなくなる。
『坊ちゃんは見つかってしまったようだが、この分ならば私だけで勝利をつかめよう』
着地したレイスが、霞がかった声を発する。その口調には、まだまだ余裕が感じられた。
(そうか……あのキマイラは、三男か……!)
余裕を見せつけられたことで、かえって姫にも冷静さが戻った。レイスの言葉通り、三男のキマイラは犬が討ち取
るだろう。この一騎打ちは、今や、そのまま戦争の勝敗を決定しうるものになっていた。
(どうすればいい……どうすれば)
冷静さを取り戻したことで、姫の視野が広がっていた。レイスだけではなく、その周囲に視線を配る。
周囲には敵の姿も味方の姿もない。レイスを押したのは確かだが、今ここで倒されれば、すぐさま前線に復帰され
る距離でもある。
そこまで分析した姫は、ふとレイスの少し後方に目をすえた。
「! 君は……!?」
ハイドラ再戦12/17
姫の視線が自分以外の場所に止まったのを隙と見て、レイスが左手に冷気を集束させた。しかし、それが放たれる
より早く、後方から小さな声が上がる。
「ヘァッ!!」
短く鋭い音とともに、短剣の刃が浮遊したレイスの腰の辺りに食い込み、薄紫の血がしぶく。誰の目にも明らかな、
致命的な一打。
『なにぃ……ッ!?』
予期せぬ方向からの攻撃にレイスが振り返る。現れたのは、ワイルドキャット装備に身を包んだスカウトの娘。姫
が窮地を救ったあの娘に間違いない。
(ここまでハイディング状態でついてきたのか、遠かったろうに!)
「たァーッ!」
娘が更なる攻撃を繰り出そうと短剣を振るう。レイスが、すかさずギロチンの刃を打ち出す。もとより満身創痍だ
った娘の体が、衝撃を打ち込まれて儚く宙を舞う。
(よくやってくれた……! 残りのクリスタルをもってキープへ戻れ!)
心の中で最大限の感謝を送りながら、姫は全身全霊を右手の槍に込めた。
相手は今、姫に背を向けている。完璧な間合い、完璧なタイミングで頭部を狙う。今スラストを打ち込めば、飛翔
して回避しようとしても胴体に当たる。
レイスとて無抵抗ではない。再び魔の霧で周囲の光を遮断し、姫の視界を奪う。だが、今となってはそれも苦し紛
れに過ぎない。
姫は言葉もなく、小さく息を吐き、勝敗を決する一撃を闇の彼方へと放った。
『敵キマイラ撃破! レイスの討伐に向かいます!』
北東に走った犬の報告を受けて、キープに残っていた縦ロールは胸をなでおろした。
「ちょっと待ってくださいー。どうやらーレイスは大分押されてるみたいですー。別の仕事を頼みたいんですけどー」
『そんなの他の人にやらせてくださいな! わたしは姫様を……』
「いいえーナイトさんにしか頼めませんー。なんせーキマイラの護衛ですからー」
『えっ……でも、クリスタルないんじゃ……』
「今ようやく輸送が到着しましたー。敵ナイトに粘着されてたそうで、死に戻りですけどー」
『でもでも、敵ナイトももういないみたいですし、歩兵で護衛しても……』
「もうキマイラは出ちゃいますー。お付きさんー、お姫さんは、勝利のためにー行動しているんですよー。あなたが
協力してあげないでどうしますかー」
『うう……わかりました、わかりましたわよ。キマ討伐隊を、そのまま護衛軍にすればいいんですのね!?』
縦ロールは満足したように頷くと、脇に控えた召喚候補者に向き直ろうとした。
「あ、あれー? さっきのキマ希望者さんどこへ……」
だが、視線の先に相手がいない。状況が状況だけに、縦ロールはきょろきょろと首を回した。
「……いきます。あの人のために……」
敵レイスの刃に倒れて送還されたスカウトの娘は、いつの間にかキープ前に立っていた。娘はヘルムに覆われた頭
を決意と共に上下させ、受け取ったクリスタルと、錬金術師が生成したキマイラの体液をかかげた。
(ありえない! かわされただと!?)
姫の必殺の一撃は、不可解に空を切るだけに終わった。上に逃げたところでかわせないはずだった。にもかかわら
ず、あの圧倒的なプレッシャーはそこに健在している。
直後、闇が薄らいでいく。その闇の下方、姫の視界の下に、不気味な光が浮かび上がった。
(そうか、上ではなく、下! 召喚解除を――)
『ぢェェいッッ!!』
歩兵に戻ったハイドラの剣が唸り、放たれた刃が走った。もう一撃とて耐えることは出来ない。姫は即座に判断し、
身にまとったクリスタルのエネルギーを解放する。鎧が消え、馬が去り、頭身が下がる。頭上紙一重の位置をギロチ
ンの刃がかすめていく。安堵するには早い。ハイドラの手にある刀身が再び光を発している。姫は左へステップを踏
む。しかし、来るはずの攻撃が、来ない。
「お前は強かったぞ、ジャンヌの姫君よ」
(しまった――)
ハイドラはあえて攻撃の手を一瞬遅らせ、姫の着地を狙って剣を振りぬいた。
着地と同時、姫の視界いっぱいに紫色の光が広がる。もうかわせない。ステップを踏んでも、体の一部が触れただ
けで倒れてしまう。
(ここまでなのか、私は……!?)
姫の思考は、視界と同じように真っ白に染まった。
ハイドラ再戦13/17
(コレは! 姫君め、何をした!?)
その音と閃光は、ハイドラにとって完全に予想外なものだった。
自らが放ったギロチンの刃が、ジャンヌ家の青い戦装束を打ち据えるかに見えた瞬間、鈍い金属音とともに、光が
はじけた。
予想していなかった刺激に思わず顔をそむける。頭のゲイターヘルムに何か小さなものがいくつもぶつかり、硬い
音を立てる。光がおさまり、前を向くと、ヘラクレスソードを片手に、ジャンヌの姫君が一散に突き進んでくるのが
見えた。不思議なことに、姫は盾を着装していない。
(そうか。なんて奴だ、ギロチンにバッシュを重ねたな!)
ただ盾で受けるだけでは、ダメージをおさえきれない。それ故姫は、突き進んでくる刃に盾をたたきつけ、真っ向
から砕いたのだ。飛散してヘルムにぶつかったのは、刃と運命を共にしたシールドの破片だ。
「ぐっ」
一瞬、一直線に向かってくる姫を迎え撃とうとするハイドラの目が、足腰から力が抜けた。
(無茶をしすぎたか……生身でこの剣を使うのは……!)
今膝を折るわけにはいかない。意識を集中し、全身の筋力を復活させる。
だがその動作は、接近するのに十分な時間を相手に与えることにもなった。姫はすでに、片手剣の間合いに踏み込
んでいる。
(まだここまで動くとは……だが、片手の一撃ならば耐えられる。耐えてみせる!)
全身の筋肉を引き締めて敵の一撃に備える。次の瞬間、ハイドラは見た。姫の両手に握られた、赤錆色の両手斧を。
(――マルス!? コイツ、この局面で武器を持ち替え……)
反射神経が、後方へのステップを命令する。しかし、防御のために膨張した筋肉が、限りなくゼロに近い微小な遅
れを生じさせた。明暗を分けるのに十分な重みを孕んだ、一瞬の遅れを。
「アァァァァァァッ――!」
懐にもぐりこんだ姫の口から、獣のような雄叫びが突き上がる。手にされた赤錆色の斧が青白い闘気の軌跡を描き、
翡翠に輝く胸部装甲をとらえる。
「ぐ、はッ……!」
ハイドラメイルの装甲を突き抜けて重圧が叩き込まれ、足が地を離れる。息が肺から溢れ、意識が薄れていく。
その一撃はハイドラの全身を揺らし、使いこまれたゲイターヘルムにヒビを走らせ、そして、それは中空へはじけ
ていった。
ハイドラ再戦14/17
「ぜっ……ハッ! ハァッ……」
緊張で硬直していた肺が復活し、酸素を求めて収縮する。
手の力が薄れ、全力を込めて振りぬいたマルスが飛んでいく。斧が地面に転がるのと、吹き飛ばしたハイドラが地
に崩れ落ちるのとが、ほぼ同時だった。
(どうなったんだ……敵は……ハイドラは……!?)
意識が混濁し、状況の認識もままならない。
絶体絶命のあの瞬間、思考がはじけ、後はもう無意識のままに体が動いた。一瞬のことだったが、その間の記憶さ
え定かではない。ただ一つわかることは、自分が、まだ戦場に身を置いているということだけだった。
片膝をついてうなだれる。体に力が入らない。首をあげることさえままならなかった。
『おい! おい! 聞け、おい! やったぞ、アンタらの姫さんがやった! 信じらんねェ、あの化け物をやっちま
いやがった!!』
『うそー!? 本当にあの『五十人斬り』をーやっちゃったんですーかー!? 保険いらなかったー……』
鼓膜を直接揺らす軍団通信が最初は恨めしかったが、呼吸が整ってくるにつれて、その意味を理解しはじめる。
(やったのか……勝ったのか、私は!?)
顔を上げ、さっきまで敵のいた場所を見る。
そこには大の字になって地面に倒れ臥したハイドラが横たわり、その傍らに、姫を幾度となく窮地に追いやったあ
の長大な剣が突き刺さっていた。
主の手を離れた異界の魔剣が、空気に溶けるようにして消えていく。
倒れたハイドラは、動かない。
「勝った……!」
実感が、言葉となって出た。
『姫様! 姫様ァ! 聞こえますか!?』
次に鼓膜を揺らしたのは、今何よりも聞きたい娘の声だった。
『さすがです! お見事です! こちらも、もうすぐ終わります! 勝ったんです、私たち勝ったんですよ!』
姫はインベントリから愛剣を取り出し、それを支えにして立ち上がった。
キャッスルへと送られつつあるハイドラの体を見つめると、自然に言葉があふれてくる。
「ハイドラ……! 強かった……まごうことなく、我が生涯で最上の相手だった……! だが、今この瞬間だけは、
私たちの勝利だ!」
燃えるような気持ちが、その体を突き動かした。姫は両手を空に突き上げ、腹の底から勝どきの声を上げる。
草原に姫の声が響き渡ったのと時を同じくして、はるか彼方の敵キャッスルで爆音が轟いた。その瞬間、ウォーロ
ック古戦場跡を司るクリスタルが、兵士たちの健闘を称えて、意識に語りかけてきた。
『戦争終結!!』
ハイドラ再戦15/17
戦争が一つの結末を迎え、支配権移行の手続きが進むウォーロック古戦場跡。その草原に、草よりも鮮やかな緑色
の光が転がっていた。
寝転がり、呆けたように空を眺めるハイドラの頭に、あのゲイターヘルムは乗っていない。少し波打った金色の髪
が草の上にたゆたっている。かすかに日に焼けた顔には、ドス黒い火傷の跡らしきものが散っている。
ハイドラが空を見上げていると、その傍らに立つ者があった。
「坊ちゃん……申し訳ありませぬ。負けてしまいました」
従者の謝罪に、ライサラ家の三男は首を横に振ってこたえた。
「ボクも似たようなもんだよ。現れたナイトが、あの人でさ……さんざん突きまわされた後で言われたよ。『実家に
帰らせていただきます』だってさ」
「あの娘が……それは、なかなか」
三男は苦笑まじりに腰を下ろし、ハイドラと同じように空を見上げた。
「君は強かった。すごかったよ、ハイドラ。あれだけ押されていた戦線を、あそこまで……。勝てなかったのは、ボ
クがふがいなかったからだ」
「ご自分を責められませぬよう」
「うん……大丈夫。みんなが褒めてくれたんだ。グッジョブ、ナイスガッツ、惜しかった、よくがんばった……不思
議だな。今までどんなにスコアを取っても言ってもらえなかった言葉をかけてもらえるんだ。結局、失敗だったのに」
「……左様でございますか」
「君の言ったことが、今なら少しわかる気がする。ボク、ライサラ家の血筋に恥じない自信を、スコアなんてただの
数字に見出そうとしていた。ボクは……もっと大事なことから目をそらしていた」
「結論を、急ぐ必要はございませぬ。私にも、あなたにも、まだ十分な時がある」
「うん。ハイドラ、立てるか?」
三男は立ち上がると、けだるそうに寝そべったままのハイドラに手を差し伸べた。
「坊ちゃんのお手を煩わせることなど」
ハイドラは主の手を借りることなく立ち上がった。三男は、自分より背の高いその女の露になった素顔をじっと見
上げた。
「ご覧にならないでください……戦友の呪いに汚れたこの顔は、主君に見せられるようなものでは……」
そういって主から背けたハイドラの顔を、垂れてきた金色の髪が覆い隠す。
「君の素顔を見るのは久しぶりだ。もっとよく見たい」
三男の小さな手がハイドラの頬に伸びた。顔を自分の方に向けさせ、恐縮そうにしている従者の顔を、やはりじっ
と見上げる。
「出会ったときとかわらない、強そうで、だけどボクにはやさしくて……きれいな顔だ。ボクは、君の顔がすきだ」
ハイドラが瞳を見開き、次にその瞳をしならせた。慈愛にも似た色が、その顔に浮かんでいる。
「あなたはそうやって、私の子宮を叩いてくださる」
「えっ、ごめん、聞こえなかった、なに?」
「いえ……」
静かに首を振るハイドラの様子に疑問符を浮かべていた三男だったが、ふと何かを思い出したように顔をあげた。
「ハイドラ……家を出ようと思う」
「坊ちゃん……」
「ボクはまだまだ小さい。屋敷に篭ってちゃ、わからないことも多すぎる……この世界の形を知りたいんだ。国々を
歩いて、人々の姿を見つめたい。それで、その……」
三男は、すこし気後れしたように視線を泳がせたが、やがて意を決して、両手を差し出した。
そこに、インベントリに収納されていた装備が姿を現す。傷一つなく真新しい、鋭いフォルムの兜。ハイドラセッ
トの最後の一つ、ハイドラヘルムだった。
「一人はやっぱりこわいんだ……一緒に来てくれないかな。そばにいてくれないかな……?」
上目づかいでおずおずと懇願されたハイドラは、言葉ではなく、動きでもって返答することを選んだ。
片膝をつき、胸に手を添えて、主の前に頭を垂れる。
その仕草の意味を理解した三男は、しなやかな曲線を描くハイドラの頭に、兜を戴せた。
「どこへなりともお供いたします、我が君」
間もなく、ウォーロック古戦場跡から二人の姿は消え去った。それどころか、彼らはもう、住み慣れた屋敷にさえ
戻らなかった。
ハイドラ再戦16/17
「こうしてもう一度姫様の身を清められるなんて、思ってもみませんでした……」
屋敷の片隅にある庭園で、姫の素肌に濡れた手ぬぐいを滑らせながら、犬は感極まったようにつぶやいた。
「ああ……」
水桶に腰を下ろした姫もまた、犬に身を任せながら、吐息混じりの声を漏らす。
「犬」
「はい」
呼べば返事が返ってくる。小首をかしげてこちらを見つめる瞳がある。姫の犬は、いまこんなにも近くにいるのだ。
「あっ」
姫の両腕が犬の体を抱きしめた。肌を覆う水滴がウエイトレス衣装に吸い込まれ、小さな染みを作る。だが姫も、
犬も、そんな些細なことを気にすることなく、互いに互いの唇を求めあった。
「んんっ……んーっ」
重なった唇を介して、どちらからともなく舌が差し込まれる。紅い舌が絡み合うにつれて、吐息と唾液が混ざり合
い、粘質な音を発する。
唇を離すと、交じり合った唾液が二人の舌を結び、重力に引かれて桶に落ちる。二人は鼻先をかすり合わせるほど
の距離に顔を寄せ合い、互いに上目づかいで見詰め合った。
「犬……もうどこへも行くな。ずっと私のそばにいろ。ずぅっとだ」
「はい、姫様……嬉しゅうございます……わたしの生涯を、姫様で満たしてくださいまし」
犬は瞳を潤ませ、頬を上気させている。姫がもう一度力いっぱい抱きしめると、今度は犬の方でも姫の素肌に手を
重ねてくる。脇のうずきがよみがえることもない。
「姫様……!」
完全にスイッチの入った犬が、あの妖しくうごめく指を姫の胸に這わせようとする。だがその指を、姫はとどめた。
不思議がる犬をよそに庭園の端に目をやり、誰もいないはずのそこに呼びかける。
「そこにいるな? 遠慮することはない。姿を現して良い」
「え……!?」
何もなかったはずの空間に、うっすらと人の姿が浮かび上がってくる。犬は驚いたようだったが、姫は最初からそ
の気配に気づいていた。
「あ……の……、あたし、その……助けてくれた、お礼をと……」
姿を現したワイルドキャットの娘は、姫たちの秘め事を目にしてしまった気まずさからか、あるいはその濃厚な情
交に当てられたのか、大胆に露出した両の太ももをすり合わせている。
「礼など……それを言うのはこちらのほうだ。君があのハイドラの後ろを取ってくれなければ、私はこうして犬を抱
くこともできず、弱い芋虫のままでいるしかなかった。あの女に気配を悟らせないとは、大したものだな」
「ど、どなたですの?」
「いつかお前にも話したことがあったが……ともかく君、こちらへおいで。犬にも紹介したい。えーと……」
手招きをしてみたものの、スカウトの娘をどう呼んでやればいいのかわからず、姫は言葉を失った。
「すまん、君の名前を教えてくれ。なんと呼べばいい?」
「名前……!」
その二文字に何を思ったのか、娘はヘルムからのぞく瞳に涙をため、両肩を震わせた。
ハイドラ再戦17/17
「ど、どうした? 何を泣く」
「あたし……あたし、存在感なくて……誰にも気づかれないし、顔もおぼえてもらえないのに……ナイトになれば少
しだけ目立てるけど……けれどあなたは、素顔のあたしをおぼえていてくれた! それだけでも嬉しくて、そのうえ、
名前まで聞いてもらえるなんて、あたし……」
説明交じりにぽろぽろと涙を流す娘の様子は、華奢な体とあいまって酷く儚く見える。自分や犬にはない性質に、
姫は胸が高鳴るのを感じた。
「もう泣かなくていい。私は君に気づいてやれる。さあ、こっちへおいで? ヘルムを取って、顔を見せてくれ」
「ちょっとちょっと、姫様!?」
「かまわないよ、犬。さっきも言ったろう? この子は私の恩人なんだ」
「でもでも!」
いきなりの闖入者をまだ受け入れられないでいる犬だったが、当の娘は、そんな犬を気にする風もなく、姫の招き
に応じて歩み寄ってくる。
姫が差し出した手に、娘の小さな手が重なる。姫はすかさずその手を引き、娘の肩を抱き寄せて、顔を覆ったヘル
ムを取り払った。
セミロングの髪に、涙をためた大きな瞳。年齢に不似合いなほどあどけない、無垢な顔が現れる。
「やはり可愛いな、き……お前は」
姫は思わず、涙で濡れた頬に口づけていた。この娘を見ていると、犬と触れ合っているときとはまた異なる衝動が
湧き上がってくる。
「教えてくれ、お前の名は?」
「『猫』……猫です。猫でいいです。あたし、あたし……」
「そうか、猫。私は皆に『姫』と呼ばれている」
「ひめ……ひいさま!」
「ちょっとー! 『ひいさま』って呼ぶのはわたしだけなんですからー!」
犬は、姫の関心を集める猫への敵がい心をむき出しにした。猫の方ではそんな犬を歯牙にもかけず、ただ姫の眼差
しを受け止めている。
「にゃんっ……」
その小さな口から、甘い声がこぼれおちた。姫の手が、ワイルドキャットガードに包まれた乳房にめり込んでいた。
ただ手を添えただけのつもりだったのだが、そのあまりのやわらかさに、吸い込まれるようにして手が沈んだのだ。
「大きいとは思っていたが……すごい。私や犬より遥かに……どういう肉付きだ。これで存在感がないなど、冗談の
ようだ」
「にゃあん」
「ちょっとちょっとちょっとー! なにトロンとした顔しているのよー!」
ここで、猫がはじめて犬の方へと視線を移した。姫を見るときの、熱をもってとろけるような瞳とは正反対の、硬
く冷たい視線で犬を見据える。そして、その口からちょこんと舌をのぞかせた。
「あー! あぁー!! なに?! なんですのー今のーッ!!」
「こら、犬。あまり騒いでやるな。初対面の相手なんだ、緊張もあるだろう」
姫にかばわれたことが嬉しかったのか、猫はますます熱を吹いて、姫に取りすがった。犬が顔を真っ赤にして、そ
の間に割って入る。
「なんですのこれはー! ホントなら今頃、姫様とめくるめいていたはずだったのにー!!」
庭園からは、しばらくの間女たちの甲高い声が漏れ聞こえていた。
それはやがて、甘い嬌声にとって代わられるのだが……そのヒメゴトに耳を傾けるのは、やはり庭園の花々だけな
のだった。
<さらに続く>
<次回姫様撮影会 or ハイドラさんとライサラ=ウォス最低だなの馴れ初め>
うん、「またエロシーンがない」んだ。済まない。
仏の顔も(ry
エロがどうこう以前に、考えナシに長文投下して前スレを浪費してしまってすみません。スレの本分を履き違えま
くって、結果的にスレを私物化するような真似をしてしまった。住人や職人の皆様にはまことに申し訳ない。
予告どおり今回でどうにか「状況」が整ったので、次なる投下を許してもらえるなら、雌ビッチどもが肢体を絡ま
せくんずほぐれつ肉欲と愛欲の限りをつくす湿度100%のエロエロな内容にすることを約束する。ぶっちゃけ許しても
らえなくても、投下するつもりでいる。短くてエロすなわち短エロになるよう最善の努力を尽くす所存。
だから、このオナニー野郎めのことを、汚物をかき集めて作った腐塊を見下ろすような冷たい瞳で罵ってください。
ぜひおねがいします。
シャンテの食事に毒と下剤を混ぜて大勢に囲まれてる前で脱糞ぎゅるびーんキボンヌ
おまえは俺たちに何度寸止めを食らわそうと言うんだ・・・・ッ!!
だがそれがいい
GJ
どこまでもウォスについてくハイドラに萌えた
>>22 吹いた
というか頭いいなおまえ
ライサラ=ウォス最盛期だな
oi
おい
>「にゃんっ……」
>その小さな口から、甘い声がこぼれおちた。姫の手が、ワイルドキャットガードに包まれた乳房にめり込んでいた。
>ただ手を添えただけのつもりだったのだが、そのあまりのやわらかさに、吸い込まれるようにして手が沈んだのだ。
>「大きいとは思っていたが……すごい。私や犬より遥かに……どういう肉付きだ。これで存在感がないなど、冗談の ようだ」
なんだこれは
行動が変態オヤジ並だぞ
このシリーズ良いな
エロ無いけど何故か読みたくなる
姫の話で盛り上がってるとこ申し訳ないんだが
好奇心でがおーの王様のちんぽを弄るエリスたんのSSを閃いてしまったんだ
需要あるかな?あるかな?
>>28 この板の現状をみろ。
一ヶ月に1,2本投下があるかないかだぞ
いますぐ書け、書いてくれ、書いてくださいお願いします
うおおおおおおおおおおおお
ジャンヌ家ごちそうさまです
エリスたんもおまちしています、はあぁん(*´ω`*)
31 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 20:17:04 ID:NPYLFLsY
32 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 02:46:54 ID:Al3HtR4R
ほ
ジャンヌ家最強説
後はダウナー系の皿が居れば完璧だな
ほっしゅほっしゅ
目隠しライサラオスを攻めまくりたい
36 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 15:34:28 ID:W/Qf1gWv
ファンタジーアースエロパロ保管庫みたいなのなかったっけ?誰も作ってない?
37 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:58:21 ID:lPam48AL
総合保管庫になかったっけ?
39 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 10:27:22 ID:cbP16oui
総合保管庫になかったぽいぉ
じゃあないんじゃね
41 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 01:44:41 ID:2Ez9qSOE
ほしゅほっしゅ
42 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 07:17:50 ID:/ZIFxxDJ
ほしゅ
43 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 20:48:45 ID:HJZCNTWZ
ほ
保守
保守するぜ!
適当だぜ!
保守
47 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 01:51:04 ID:DFEeMzyI
ほ
テクニカルな火皿で鼻水吹いた
49 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 21:05:57 ID:hBzFW4Bj
ほ
保守
_▲_
('A`) <次のスレ候補と聞いてやってきました
スカさん、あなたにパニられた時からこの胸、ドキドキしてるの・・・
へへへ、じゃあやっちまうか
あんあん
保守
うじゅりんぱ保守
(゚д゚)
ここは昔から代わってないのなwwww
保守
ほ
【雷サラ♂レス】
_▲_ _▲_
∩ ' A `)∩∩ ' A `)∩ このレスを見た人はコピペでもいいので
〉 雷 _ノ 〉 雷 _ノ10分以内に3つのスレへ貼り付けてください。
ノ ノ ノ ノ ノ ノそうすれば14日後好きな人から罵倒されるわパニに当たるわ
し´(_) し´(_) 降格しまくるわ体の良い所全部無くなるわでえらい事です
ほーす
>>61 そんなことになったら俺は自○するから問題ない
こんな日本で生きてても仕方ないし、海外いく金はないしな
あっ○の中は愛ですよ^^
保守
3ヶ月ぶりに来て見たが、かなり過疎ったなココ
65 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 10:19:16 ID:OStFuhpX
FEZ、というかキャラ作ってやるタイプのゲームは
キャラ起こしてSS書くのが難易度高いんじゃない?
というか常駐してた他のネトゲのスレも落ちたよorz
あ、ageちまったすまん
過疎りすぎワロタ
リレー形式でやってみては?
【1】
「ゆ…許して…。わ、私まだなにもしてないっ…だから、ね…? 許してよぉ……」
視界が涙で歪む。
あとずさる私の姿の何が可笑しいのか、彼らは口の端に暗い笑みを浮かべながら取り囲んでいく。
歯の根があわずカチカチと音を立てていた。
真新しい剣を持つ右手も、傷ひとつない盾を握り締めた左手も、今は細かく震え、自分の動揺を表している。
「お願い…。お、お願いしますっ。ゆるして…、許してぇ…」
精一杯の哀願も、この状況では逆効果に過ぎなかったようだ。
いっそう不気味な微笑みを濃くして、目の前に近づいてくる男達が答える。
「ダメだなw チェイン装備で降下とか…殺して下さいって言ってるようなモンだろww」
「見たとこ初戦争って感じだが、残念だったなぁ…w」
乾いた音を立てて、両手の装備が地面に落ちた。
あまりの恐怖に全身の力が入らない。
怖い…。死にたくない…。
「お、お願いします。…殺さないで、殺さないでっ…」
私は必死に、媚びる様に、丸腰のまま命乞いをする。
と、背後に何かが当たる感触がした。
「はい、いきどまりー♪」
男のひとりの声に、ハッと後ろを振り返る。
とても登れないような高さの崖が、私の退路を完全に塞いでいた。
「っ…!」
目の前には、敵軍の男達が5人。
追い詰めた獲物に舌なめずりするように、
「んじゃ、やっちまうかw」
「おk〜、最初は誰がいく?」
さも楽しげに語り合っている。
「あ…ぅあ……」
逃れることの出来ない絶望に、私の口からか細い声が漏れた。
──なんでこんな事になっちゃったんだろう。
確かに初の戦争で浮かれていたのは否めなかったが、ドランゴラ防衛戦ではセオリーの戦術。
周りにいた先輩達について、南東の重要区域に降下し、制圧する。戦争前に説明された通り、最初は順調だったはずなのに。
ああ、そうだ。降りてすぐに目の前が真っ暗になって……スカウトのヴォイドダークネスだったかな…。
それで、そのままどっちに走っているのか分からなくなって。
気づいたら、一人になってたんだ。
闇が晴れた時には、完全に孤立してて…あの男達が私を見つけて…。
やっぱり私が戦争なんて早かったのかなぁ。
先輩達は無事かなぁ。
殺される時ってやっぱり痛いのかなぁ。
やだな、死にたくないな。
頭の中に様々な想いが去来する。
もう助かりようのない状況で、最後に浮かんだのは家族の顔だった。
国に残してきた幼い弟と妹。それは両親を亡くした私の最後の宝物。
危険な戦争に参加してでも、私が養ってあげなくてはならなかったのに。
ごめんね──お姉ちゃん、もうダメだから…これからは2人で頑張るんだよ…。
そっと心の中で謝ると、私は目を閉じて「その時」を待った。
【2】
剣か、魔法か…。
どちらにしても、相応の激痛を覚悟した私の身に加えられたのは、意外な程に軽い衝撃だった。
「ガードブレイクっ!」
ガシャン!と音を立てて、身につけていたチェインメイルが吹き飛ばされる。
「きゃぁッ!」
悲鳴を上げて、私は両手で身を覆った。
「ッ!? え…っ?」
予想と違う展開に戸惑っているうちに、防具という防具を取り払われてしまった。
下着姿にまでされると、そのまま彼らはこちらをニヤニヤと見つめるだけ。
「……な、なに…? え?」
私は羞恥と混乱で目を丸くすると、その場にへたり込んでしまう。
こちらの防御を奪ってから、ということなのだろうか。それにしては様子がおかしい気がする。
相手にトドメをさすそぶりも見せずに、いったいどこを見ているのか…。
「──っ!! ま、まさ……か」
白い布切れで覆われている、胸と股間に注がれる男達の視線をたどって、私はやっと「ソレ」に思い当たる。
「だ〜から「ヤ」るって言ったろ?」
1人の男が手にした杖をもてあそびながら言った。
「ゃ……いや…。いやぁッ!」
「あきらめなww でっかい胸に、細ぇ腰。上玉だし楽しめそうだww」
ふるふると首を振って涙する私に、別の男が呟いた。
「見ろよ、この乳。ぷるぷる震えて、かーわいい〜」
「髪もサラサラだおww アソコの毛もきっと柔らかいおwwww」
「反応は処女っぽいなぁ……ま、天国に行く前に天国に連れてってやるからよw」
間違いなかった。
この男達は、私を……。
「──っ!」
瞬間私は立ち上がり、裸同然の格好のまま男達の間をすり抜けるように走り出す。
もうがむしゃらだった。
おびえていた全身が、私の予想以上にしっかり動いてくれた事に自分でも驚いた。
死ぬのも嫌だったが、だからといって犯されるなどまっぴらだ。
背後の男達の気配は動かない。
このまま逃げ切れば──足の速さだけは昔から自信がある。
「パンツ丸見えで走ってらw」
「お〜い。ンな恥ずかしいカッコでどこいくんだー?」
のんきに下品なセリフを投げかけてくるが、無視する。
(このまま、逃げてどこかに隠れれば……ッ!)
──だが。
【3】
「むーだ、だって。ほいっ、サンボル」
場違いな程にのんびりした声と共に、目の前に巨大な落雷が撃ち落される。
「ッ! きゃぁアぁァッっ!!」
視界が白く瞬き、すさまじい衝撃に私は吹き飛ばされるように地面を転がった。
「あ……ぁぐっ…」
呻きながら立ち上がったところに、第2撃が加えられる。
「ほら、がんばれー」
「ひぁぎゃッ!」
次々と襲う電撃。朦朧としていく意識。
「逃げなくていいのかい?」
ピシャアアン!
「きゃぅあッ!」
ピシャアアン!
「ぎゃぅッ! や、ヤメ…」
ピシャアアン!
「うぁッ、ッ──っ!」
連続して襲う衝撃に、ついに失神寸前で倒れこむ。
「おかえりー♪」
「ったくよう…。お前のサンボル、的確すぎるだろwww」
霞んだ意識のまま周りを見ると、きっちり逃げた距離と同じ分だけ吹き飛ばされていた。
元の場所に。まるで冗談のように。
「ぁ…あぁ……。 ぅあ…」
痛いのはもう嫌。殺されるのも嫌。犯されるのも嫌。
体が動かない。心が壊れそうだった。
だが、男達はまだ私を使って楽しむつもりのようだった。
「ほら、リジェやるよ。逃げていいんだぜ?」
仰向けになって呆けている私の口に、回復薬を含ませて無理やり胃に流し込む。
次第に痛みが引き、脱力した四肢に力が戻っていく。
「……………っ」
恐々と起き上がった私が怯えた瞳で見ているのがそんなに嬉しいのか、男達は黙って私の様子を観察している。
逃げてもいい? ウソだ。彼らは、私を逃がすつもりはない。
とことんまで追いつめてから、目的を果たすつもりなのだろう。
「ほら、逃げろよ? 犯しちゃうゾーww」
「それとも諦めて、股開くか?ww」
涙が止まらなかった。
どうしていいのか、どうしてこうなったのか、分からなかった。
でも今は逃げることしかできない。
たとえそれがこの男達の手のひらで踊る事と同義であっても。そう、逃げる事しかできないのだ。
「うぁ……うわぁぁあああああああッ!」
絶叫し、駆け出す。
「ははっ、よーし、その調子だw」
幾度となく雷撃を身に受け、地面に這い蹲りながら。
私は……これが夢であって欲しいと祈り続けていた。
【4】
「……ぅくッ……。 あぐ……っ…」
数十回に渡って繰り返された逃亡と攻撃。
もう逃げる気力もなく、うずくまって倒れこんだ私を、飽きずに男達が眺めている。
「もう…痛いのヤだ…いや…ぁ……うっぐ、えぐっ……」
子供のように泣きじゃくる私の顔は、ヒドい有様だったことだろう。
「なんだよ、終わりかぁ?」
誰かがわざとらしく煽ってくる声が聞こえたが、もう腹も立たなかった。
「…もぅ…許して……何でもします、…おねが…いだから…。痛いのはヤぁ…」
慈悲を願う呟きだけをひたすら繰り返すばかりの私に、男達が肩をすくめる。
「んじゃ立てよ」
うってかわって低い声で命令され、私はのろのろと身を起こす。
「──は…い」
有無を言わせない迫力だった。
「そのまま手を後ろで組め。動くなよ」
「…………」
言われるままに、私は顔を伏せながらも、素直に従う。
至近距離で何もかもが見られていた。
薄い布で覆われた、自慢のバストも。同じ色の下着で揃えたその太ももの付け根の部分も。
手入れを欠かさなかった肢体の全てを晒しながら、私は男の前に立つ。
「ほ。従順じゃねえかw 死にたくねぇんだろ?」
「…………」
「犯されるのはいいってか?」
「…………」
無限に続く苦痛を味あわされるくらいなら…いっそ殺して…。犯して気が済むならそれで許して…。
あっけなく萎えた心が、そう繰り返していた。
「なんとか言えよ」
無言の私にイラついたのか、私の剣を拾い上げて戦士風の男が近づいてくる。
「言えよッ!」
私を縦に裂くような一閃。高速で振るわれた切っ先が、空気の摩擦で炎を纏いながら足先から頭をかすめた。
身体に触れることなく振るわれたブレイズスラッシュが、恥ずかしい部分を隠していた下着だけを正確に捉える。
「!? 〜〜〜ッ!」
はらりと地面に落ちたソレを見て、何をされたのか思い知る。
生まれたままの姿を露にされた羞恥に身がこわばったが、今の私にはただ震えることしかできなかった。
「おまwww 燃やすなよ、もったいねぇなw」
「なに、中身のほうがメインだろ?」
仲間の非難めいた苦笑に、戦士の男は剣の腹で左の乳房を持ち上げながら答える。
「ひっ…」
上ずる私の声。冷たい金属の感触が、胸を撫で回していく。
「思ったとおり、色も形もいいな。こっちも使ってねぇ新品か?」
続けて今度は足の間にに剣先を差込まれた。
股間を持ち上げるように触れた剣先の感触のおぞましさに、ついに耐えかねた恐怖がはじけた。
小水が意思とは無関係に漏れ出し、太ももを伝って流れ落ちていく。
「うわ、こいつ!」
短く叫んで剣を引く男。
「って、おいおいおいwww」
「わはははは! お漏らしとはなww」
「焦げた下着の鎮火でもするつもりかよwww」
私の足元に広がって湯気をたてる水溜りを見ながら爆笑の声があがる。
「あ…あぁ…、あぅ…ぁ」
直立したまま、見知らぬ男の前で見られながら、全裸を晒しての放尿。
これ以上の辱めは無かった。
【5】
──もういいや。死んじゃってもいい。
心が折れた。
「ったく、誰がそこまでサービスしろっつったよw」
「おしっこ気持ちよかった? ねぇ? 気持ちよかった? すっごく興奮したおwww」
──犯したいなら、好きにして。
心が壊れた。
そして…私は顔を上げて、泣きながら微笑んだ。
男達は豹変した様子に、戸惑ったように首をかしげ、まるで次の言葉を待っているかのような視線でこちらを窺う。
答える代わりに、私は身体を仰向けに横たえ、自ら足を広げて秘所を露にしながら目を閉じる。
──もう終わりにして。
──殺してもいいから。犯してもいいから。
──だからこの地獄から、私を助けて。
なすがまま、されるがままに私は戦場の片隅で、壊れた嬌声を上げ続けた。
絶頂することで、本当にあの世に飛べるかのように。
終わりを求めて。いつまでも、いつまでも───。
お久しぶり〜…というか。
過疎ってるなら、こんなのでもいいのかな…と、また来てしまいました。
相変わらず冗長な文体でスンマセン;
おまけに直接描写がない変化球でスンマセン;
たった今(というか書き始める前)、ドランゴラで自キャラが降下先でひき殺されたんです。
ここって降下作戦が決まると嬉しいですが、自分の鯖では大抵降下=死です…(;ω;)
きっとD7に追い込まれたキャラはこんな目にあうハズ!
中央細道から落とされて、追い込まれた事、みんなにもあるよね! ね!
顔真っ赤なまま勢いで書いたので誤字・脱字もチェックしてませんが、
オナニー作文を投下逃げしてみます(=ω=)ノ
久々の職人乙
まぁあれだ・・・うん・・・ドランゴラ防衛降下失敗は世の常さ・・・・
中央でピア食らって敵側に落とされた事なら・・・
*'``・* 。
†._▲_*
.\(゚∀゚)_*。+゚ 俺のサンボル大活躍!
。*'``. 雷へ ゚*
`・+。*く・' ゚+
☆ 。*゚
`・+。*・ ゚
ひさびさの職人さんGJ
保守ってた甲斐があった。。。
>>69-74 よーしよしGJ!
ちょっとスカでドランゴラ防衛してくる(`・ω・´)ノシ
また職人が現れる日まで保守
ショタ皿♂:はぁ、職人さんこないかなぁ・・・
とてとてとて・・・・「へやぁっ!」
ショタ皿♂:うわっ・・・スカ子ちゃん?
スカ子:えっちしようっ
ショタ皿♂:あんあん
〜fine〜
5行目で漏れた
あえぐのはそっちなのかYO
まぁ板違いだが虹FEZのうpろだにあがってた絵思い出した
保守
保守
保守するんだぜ!
コリデールおっぱいから溢れ出る母乳を吸いたい
銀行でエロ。
キープ前のクリスタルがきらきらと輝いている。
初めて重要な任務「銀行」を任されたソーサラーは、少しばかり肌寒い下着姿で、震えながらクリスタルの前に座り込んでいた。
部隊のメンバーから「銀行は目立つように下着姿がいいよ」と教えられていた彼女は、その言葉に素直に従い、杖以外には下着しか装備していない。
(……やっぱり、恥ずかしい)
けれど、銀行は大事な仕事だ。戦況を左右することすらある重要な任務。
自分の感情などでミスすることは許されない。彼女は寒さと羞恥に震えつつ、戦況を聞きながらクリスタルの数を叫んだ。
クリスタルの周囲には、今は彼女しかいない。
時折来る、輸送ナイトと、キープから帰還してくる自軍の兵士が通り過ぎていくだけだ。
少しだけ余裕が出てきた彼女は、クリスタルの前に座りながらぼんやりとマップを眺めた。
ざしゅっ! ざしゅっ!
何かを攻撃する音が、近くで聞えてくる。
……ゲートだ! ゲートオブハデスが攻撃されている!
まずい、と彼女は焦りつつ、周囲を見回す。やはり、人影はなく、タイミングの悪いことにキープから戻ってくる兵士もいなかった。
「アイス・ジャベリン! 」
意を決して、ハイドしながら門を攻撃しているスカウトにスキルを放つ。
門は脆い。彼女の判断は、大よそ間違っては居なかった。このまま破壊されてしまったら、重要な召還獣を召還できなくなってしまうのだ。
「ブレイク!」
けれど、彼女は致命的な間違いを三つほど犯していた。
一つめは、まず装備を整える、という基本事項を忘れていたこと。
二つめは、周りに助けを求める、門が襲撃されていることを伝えることを思いつかなかったこと。
そして最後に、門を襲撃している相手を、見くびっていたこと。
「初心者さんみたいだね」
「ううう」
彼女に立て続けにブレイクスキルを決めた男は、のろのろとしか動けない彼女をあざ笑うように、猫なで声で言った。
「戦場で、そんなカッコしてると、悪いやつに襲われちゃうよ」
「…………!」
男は、そう言っていきなり彼女の下着の中に手を突っ込んだ。
総毛だった鳥肌の感触を楽しむように、男は彼女の胸を撫で回す。
やわやわと揉まれて、悪寒以外の感覚が彼女の中に湧き上がる。
「とりあえず、杖は危ないから、とっちゃおうね」
「や、やめ、やめてください!」
彼女の手から引き剥がした杖は、そのまま彼女の両足を固定することになった。
大きく開かされた足を、杖の先端に縄で括りつけられる。もう、彼女の意思で足を閉じることは出来なくなってしまった。
羞恥に震える彼女の目の前で、スカウトの男はチラチラと短剣をふってみせる。
「裸に剥いてからでも良かったんだけど、こっちのが興奮するよね?」
「離して! ほどいて下さい!」
自分の身に何が起こるか悟って青ざめた彼女が、開脚したまま後ずさる。
男はその様子をにやにやと眺めていたが、やがて彼女の手首を纏め上げ、ゲートの端に縛りつけた。
「じゃ、そろそろご開帳かな」
「いや、いやああ……!」
鼻歌を歌いながら、慣れた様子で短剣を扱う男に、自由にならない四肢でバタバタと暴れていた彼女は、首を振りながら叫んだ。
「大丈夫だって、しばらく人は来ないから、ゆっくり遊んであげるよ」
「…………!」
男の言葉に、絶望的な表情をした彼女は、一瞬動きを止めた。
その隙を逃さず、男は短剣で彼女の下着を裂いていく。
ただボロボロにするだけではなく、局部にのみ穴を開けて、にやにやと笑いながら露出された部分をつつく。
「恥ずかしいねー、乳首丸出しの銀行さん?」
「ひっ! ……あっ!」
つんつんと弄くられ、たちあがった乳首を指で弾かれる。
歯を食いしばって耐えていた彼女も、次第に小さく声を漏らすようになった。
「乳首気持ちいいの?」
「ち、ちがっ……あ、あっ!」
男がしつこくこねくりまわしていた桃色の乳首は、すっかり充血して、赤味を帯びている。
「気持ちいいんでしょ? 素直になんなきゃね?」
「やだ、やめて! んっ……」
乳首を弄くる手を止めて、男は彼女の下肢を撫でる。
さわさわと触れるその手は、太ももから次第に彼女の股間へと伸びていった。
「あれ? あれれ? これなに?」
「…………!」
男はにやにやと笑いながら、露出された股間をつつく。
その度にくちゅくちゅと厭らしい音がして、彼女がこの陵辱に恐怖以外のものを与えられていた事を知らせる。
「ねえねえ。これなに?」
彼女の目の前に突き出された手には、ねっとりと透明な分泌液が絡んでいた。
羞恥に頬を染める彼女に、男はその手を彼女の口に突っ込んだ。
「汚れちゃったから、綺麗にして」
「んんんんんっ!んんっ!」
自分のなんだから、とにやにや笑いを消さない男を睨みながら、彼女は口の中で暴れまわる指の苦しさに、涙を浮かべた。
その間にも、男は彼女を嬲る手を止めず、乳首を弾き、股間をまさぐる。
銀行のエロが書きたかった。
もう下着の銀行って殆どいないよな。残念。
初投下なんでクォリティ低いのは勘弁。むしゃくしゃして書いた。反省する。
おい
これで終わりとかねーよ
期待してるぜ!
銀行でエロ続き
「ぐちゅぐちゅだね、そんなに気持ちいいの?」
「あっ! うう……んんっ!」
「ねえ、乳首もアソコも丸出しでさ、しかもキープの真ん前で感じまくってるなんて、恥ずかしくないの? うちの国なら、こんな変態戦争になんて出て来れないけどなー」
男の言葉に、彼女は顔を真っ赤に染めて、何かを言い返そうとした。
しかし、それは言葉にならず、意味不明の嬌声に変わった。
「ああんっ! やっ、もう、ああっ!」
「折角だから、もっと弄ってあげるね、嬉しい?」
大きく開かされた足の間から、股間を覗き込むようにして言った男の言葉に、彼女は大きく身を振るわせた。
羞恥の為か、歓喜の為かは分からない。
「ここが気持ちいいの? それともこっち?」
「やっ……あああ! んんっ!」
ぐりぐりとクリトリスを捏ねられ、更に指で奥を擦られる。
自分で慰めるときとは違う、遠慮の欠片もない行為から与えられる強烈な快感に彼女は喘ぐことしかできない。
戦争中、しかも自軍のキープの前で敵兵に陵辱されている、倒錯的な感覚に、彼女は我知らず酔っていた。
「も、もう、もうやめてっ!」
「んー、やめていいの? 辛いと思うなあ。やめていいなら俺はやめるよ? そんでこのまま逃げるよ?」
「…………っいやあっ!」
男の言葉に、彼女は思わず叫んだ。
……こんな姿で、しかもいつ人が来るかも分からないキープ前に放置されたら!
きっと私は変態だと思われてしまう。陵辱を受けて、喜んでいた証まで丸見えなのだ。
自分の恐ろしい想像に、彼女は顔を引きつらせる。
「わがままだなあ。自分の立場分かってないよね?」
「ご、ごめんなさい」
にやにや笑いをやめた男の言葉に、彼女は恭順の姿勢を見せた。
先ほどのおぞましい想像が、彼女に抵抗の気力を失くさせたのだ。
大人しくなった彼女の様子に、満足げに頷いた男は、ごそごそと何かを取り出した。
「あったあった。じゃ、これ飲んでね」
「んぐっ!」
「はーい、じゃ、下のお口にもあげよっかな」
取り出したリジェネレートの瓶を、無理やり彼女の口に突っ込んで、飲み込ませる。
飲み込みきれずに顎を伝う液体を舐め取って、もう一本取り出した瓶を今度は彼女の股間に塗りつけた。
そのひんやりとした感触に、身震いして耐えた彼女は、直後に自身の変化を知ってうろたえる。
(熱い……体中が熱い……!)
微かに汗ばむ肌が、外気の肌寒さに震える。身体中が火照ったように赤くなり、敏感になっていた。
ボロボロの肌着が摺れる感覚や、吹く風にさえ感じてしまう。
「これねえ、うちの国の特産品なんだわ。リジェネレートっぽい媚薬」
「び、媚薬……っ!」
「そう、君がなかなか素直にならないからさー、そろそろ身体以外も素直になってもらおうかなと思って。俺、無理やりってあんまり好きじゃないんだよね」
どの口が、と勝手な事を言う男を睨む彼女の目には、知らず涙が溜まっていた。無理もない。
身体中を弄くり回され、媚薬を飲まされ、果ては敏感になっている股間にまで媚薬を塗りたくられた彼女は、既に限界にきている。
「でさ、どうする? 続ける? やめる?」
「…………」
「俺はどっちでもいいよ、君次第で。でもやっぱり、続けて欲しいなら、ちゃんとお願いして欲しいなあ」
にやにやと笑いながら、男は自らの衣服を寛げた。
鼻先に自分の欲望を突きつけながら、彼女に選択を迫る。
「続けて欲しいなら、舐めてよ」
「そ、そんなっ!」
「君のお願いを聞いてあげるだけじゃ、不公平だろ? どのみちこれが欲しくなるんだからさ」
苦渋に満ちた顔をした彼女の身体を弄くりながら、男はそう言った。
目の前に、彼女が心の奥で望んでいるものがある。
身体中が、快感を欲している彼女にとって、本当ならむしゃぶりつきたくなる代物だったが、微かに残る理性とプライドがそれを許さなかった。
「ふーん。じゃ、俺帰るよ」
「あっ!……待って、待ってくださいっ!」
しかし、そそり立つ欲望を衣服にしまいこもうとする男を見て、彼女の理性は砕け散り、プライドは置き捨てられた。
休みだってのに何をやってるんだ。
>>90で続き期待されたので書いてみた。
むしゃくしゃして書いた。反省している。続きは夜辺りに投下するかも。
ハァハァハァハァハァハァ
わっふるわっふる
銀行でエロ続きの続き
「んんっ! んっ!」
「下手だなあ。慣れてないの?」
好き勝手に腰を動かしながら、懸命に奉仕する彼女を、男は言葉で嬲る。
喉の奥に打ち付けられる塊に、えづきながら、涙と涎を垂らして彼女は必死に舌を動かす。
男はそんな彼女の様子に小さく笑い声を立てながら、乳首を捏ね、引っ張った。
「んはぁっ!」
「そろそろいいかな? じゃ、何が欲しいか言ってみて」
唾液でテラテラと光る欲望を、彼女の口から引き剥がすと、男はそう言った。
突然の開放に咽ていた彼女の髪を掴み、無理やり顔を上げさせる。
「キープの前で感じまくる変態銀行さんは、何が欲しいの?」
「わ、たしは変態、なんかじゃ……」
「自分からちんぽ舐めさせて下さいって、敵国の人間におねだりするようなのはね、俺の国じゃ変態さんだよ。ていうか、どこでも変態だよ?」
彼女の最後の抵抗を意に返さず、男はにやにやと笑ったまま、彼女の最後の理性とプライドを打ち砕いていく。
男の言葉に、彼女は絶句し、はらはらと涙を流した。
「で、変態銀行さんは何が欲しいの?」
「……て下さい」
「なあに?聞こえなかったから、もう一回言って」
彼女の白い頬を伝う涙を舐めながら、男は彼女を更に辱めようと、屈辱的な言葉を強請る。
乳首と局部が丸見えの下着は、敏感になっている部分に風を通す。
通り過ぎる風と、その所為で摺れる下着、全てに煽られて、彼女は叫んだ。
「わ、私の、中に入れて、下さい……!」
「どこに欲しいの? 言ってくれないと分からないなあ」
「わ、私の、あそこに」
あそこってどこ?と焦らす男を、彼女は涙に濡れた目で睨んだ。
「しょうがないなあ。じゃあ、手だけ外してあげるね」
「……あっ!」
「口でいえないなら、何処に欲しいのか広げて見せてよ」
短剣で、ゲートに括りつけられていた縄を解かれると、急に自由になった腕に戸惑う彼女に、男はそう言った。
羞恥と屈辱に震えている彼女の股間を男はからかうように撫で上げた。
ぬらぬらと指についた液体を、見せ付けるように舐める。
「……わ、私の、ここに、入れて下さいっ!」
理性と欲望の狭間で、ついに欲望に陥落した彼女は、大きく広げられた下肢の下に手を伸ばし、自らの股間を指し示した。
充血した媚肉を自らの手で開き、物欲しげに蠢く最奥を男の前に晒す。
がくがくと震える身体と、赤く染まった頬に絶えず零れ落ちる涙が、彼女が限界に近いことを教えている。
「そこまでお願いされたら、仕方ないなあ」
「…………っ!」
にやにやと彼女の痴態を眺めていた男は、一瞬の躊躇もなく、彼女に欲望を押し付けた。
熱く大きな質量が彼女の中に入ってくる。
ぐちゅぐちゅと、厭らしい音をさせながら、男はわざと先端のみを挿入し、彼女を焦らす。
「ああっ! あっ! いっ! はぁっ……ん!」
「君、戦争よりはこっちのが向いてると思うよ。まあ、でもこんなド変態じゃ、こっちの仕事でも大変そうだけどね」
「あっ! あああっ!」
緩やかに腰を打ちつけながら、男は彼女の耳元に侮蔑の言葉を囁いた。
ねっとりと己の欲望の絡みつく媚肉の感触を楽しみながら、好き勝手に身体を弄くりまわす。
「キープの前でちんぽが欲しい、なんて言った銀行は、君くらいじゃないかな」
「やあっ! んんんっ! もっ、あっあっ!」
乳首を舐め上げられ、クリトリスを擦り上げられながら、男に突かれる感覚に、彼女は歓喜と愉悦しか聞きとれない声をあげた。
敏感になっている身体中が、男の愛撫に震える。
打ち付けられる欲望を逃すまいと、彼女は我知らず男に合わせて腰を振った。
「何? もっと欲しいの? そんな風に腰振っちゃって」
「はぁっ! ああんっ! あぅっ……」
「もっと奥まで突いてーって? ほんとに淫乱だなあ。君なにしに来たの? みんな戦争してるのに。しょうがないなあ、ちんぽが欲しくてしょうがない変態銀行さんは」
好き勝手に彼女を嬲る男は、にやにやと笑いながら彼女の奥へと入り込む。
熱い塊が、彼女の敏感になった痴肉の中で暴れまわった。
もたらされる乱暴な快楽に、彼女は男の揶揄すら聞く余裕がない。
「じゃ、そろそろイクよ?」
「あっ! いっ! イイっ!」
緩やかに打ち付けていた欲望を一気に加速させ、男は彼女の中に白濁を注ぎ込んだ。
身のうちにつぎ込まれた熱い液体の感覚に身体を震わせ、一滴も残さず絞り上げようとするかのように、彼女の媚肉は男の欲望を締め上げた。
彼女もまた、この行為によって達したのだ。
「ああっ!んん」
ずるりと引き抜かれる欲望の感触にすら感じるのか、媚びを含んだ声で彼女は喘ぐ。
その様子に、男はにやりと笑い、リジェネレートの瓶に入った媚薬を彼女の膣に流し込んだ。
「うわっ! やばっ!」
「…………?」
にやにや笑いを崩さず、彼女が乱れる様子を眺めていた男は、焦ったようにそう言うと、突然彼女を嬲る手を止めた。
中途半端な状態で放り出された彼女は、じわじわと身体の奥で蠢く熱を感じながら、小さく息を吐いた。
「ごめんねえ、もう少し遊んであげたかったけど、今回はこれで」
「……えっ?」
「残念そうだね? もっとイキたかった? 戦争中にキープの前でもっと犯されたかったんだ?」
先ほど見せた焦りを、すっかりにやにや笑いに代えて、男は彼女の乳首を弾いた。
屈辱的な男の言葉に、彼女は唇を噛んで答える。
いくら、自分の身体が快感と開放を望んでいても、目の前の陵辱者にそれを強請ることは、彼女の微かに残る羞恥が許さない。
「じゃ、続きは誰かにしてもらいなよ」
「やっ……ほどいて! ほどいて!」
「ごめん、ちょっと無理。大丈夫、きっと可愛がってもらえるよ。君、戦争に向いてないみたいだし、新しい就職先の研修だと思ってさ」
ハイドした男が、足音だけを残して去っていく。
残されたのは、涙とよだれに塗れた顔と、厭らしく切り裂かれた下着姿で、己の杖に縛られているソーサラーだけだった。
二度に渡って流し込まれた媚薬は、彼女の中にじくじくと熱を生む。
下肢に伝う白濁液の感触に、彼女は身を震わせて、やがて来る「誰か」を怯えと微かな期待とともに待っていた。
銀行でエロ終わり。
むしゃくしゃして書いたけど、俺の性癖丸分かり\(^o^)/オワタ
わっふるしてくれた人と続き期待してくれた人ありがとう。
初投下なんでぬるくても色々大目に見てくれると嬉しいんだぜ。
GJGJGJ!!
初にしては書き慣れた感じのようだが・・・
この変態!変態いいい!!
保守し続けたかいがあったよ
ごちそうさまでした
馬鹿エロ。百合注意。
「よいしょっと」
「あ、私持ちます」
戦場から離れた僻地のクリスタルの前には、輸送を待っているソーサラーとスカウトの二人しかいなかった。
スカウトは弓を背負い、おぼつかない手つきでクリスタルを集める。
初心者らしい彼女は、ベテランソーサラーからクリスタルを受け取り、にっこりと笑った。
同じ部隊らしい彼女たちの間には、戦争中とは思えないほどほのぼのとした空気が漂っている。
「ありがとねー」
「いえ、まだ何もできないんで、これくらいは」
「うんうん、できることをやるのは大事だよー」
のんびりとした口調で、ピンク色のリンダ装備に身を包んだソーサラーは言った。
その落ち着いた物腰と優しい励ましに、初心者スカウトは少し頬を染める。
駆け出しの彼女にとって、ランクも称号も、そして装備も全てにおいて遥か上回る同じ部隊のソーサラーは、憧れの対象なのだ。
「あの、私戦争とか始めたばっかりなんで、よくわからなくって」
「そかそか」
「だから、その、色々教えてくれると、嬉しいです。あ、あの嫌じゃなければ」
わたわたと小動物めいた様子で、こちらを見つめるスカウトに、ソーサラーはにっこりと笑う。
栗色の髪をポニーテールにしたスカウトは、その初々しさもあいまって実に可愛らしい。
一つ頷いてから、ソーサラーは問いかける。
「ねえ、いっつも僻地でクリ掘りしてるのー?」
「あ、はい。まだナイトも上手くできないんで、たいていは」
スカウトの言葉に、ふうん、と頷いたソーサラーは、何か面白いことでも思いついたのか、楽しそうに唇を吊り上げた。
「僻地でさー、誰かに襲われたりとかしなかった?」
「お、襲われっ? たまに、ハイドして近寄ってくる敵兵はいましたけど……」
「そーじゃなくてー、こういうふーに」
ソーサラーの突然の言葉に、スカウトは戸惑ったように言葉を返す。
が、それを遮るように、ソーサラーは突然彼女を押し倒した。
いきなりの行動に、スカウトが目を白黒させていると、ソーサラーは彼女の装備を剥ぎ取り、裸に剥いていく。
「な、なにするんですかっ!」
「だってさー、こんなに可愛い子と一緒にいて、何もしないとかありえないもーん」
「え、だっ……わ、私たち、女同士ですよっ!?」
陽光に晒された白い裸身を、ソーサラーは舐めるように眺めた。
自分の身に何が起こっているのか、いまいち把握できないスカウトが、必死に腕を使って身体を隠そうとする。
「大丈夫、女同士でも気持ちいい……ってか、女同士のが気持ちいいよー」
「そ、そういう問題じゃ……」
ない、と言おうとした彼女の口をソーサラーが自分の唇で塞ぐ。
全てにおいて未熟な初心者スカウトは、彼女の行動の何一つ理解できず、ただ口付けに酔った。
「んんっ……んっ!」
「ごちそうさまー」
にっこり、と笑ったソーサラーは、飲み込めなかった唾液が伝わるスカウトの顎に舌を這わせる。
その感覚に、スカウトはふるりと身を震わせて、自分の内側から沸きあがる未知の感覚を振り払おうとした。
「実はねー、前から目をつけてたんだー。その様子だと他の奴らには手え付けられてないみたいで、安心したよー」
「……へっ?」
「じゃ、おねーさんが、色々教えてあげるねー」
先ほどの、色々教えて欲しい、というスカウトの言葉を勝手な解釈で受け取ったソーサラーは、楽しそうに笑いながらスカウトの身体に手を這わせた。
「ひゃっ! やっ! だめですっ!」
「だーいじょーぶ、駄目じゃない駄目じゃない」
「せ、先輩っ!」
性的なことに無知なスカウトは、ソーサラーの巧みな愛撫に、すっかり翻弄されていた。
憧れと尊敬の感情のせいで、押し倒されても強く抵抗できなかったスカウトは、もう既にその気力すら失っている。
「ねねね、どこが気持ちいいの? 耳? 乳首? おへそも好きだよねー?」
「はっ!……ああっ! やんっ!」
耳を甘く噛まれ、片手で乳首を、もう片方の手で窪んだ臍に指を這わせ、スカウトを苛む。
上気した頬と、潤んだ瞳に見つめられ、ぞくぞくとした快感がソーサラーの背筋を走り抜けていく。
「あー、あたしも一緒に気持ちよくなりたいなー」
「ああんっ! も、もうっ、やめ……」
「ね、自分だけ気持ちいいのは駄目だよねー?」
既にまともな言葉を紡げないスカウトの下半身に手を伸ばし、湿った感触を楽しむように手を上下に揺らす。
ピンク色の乳首を甘噛みすると、スカウトは一際高い声で鳴いた。
「じゃ、一緒に気持ちよくなろー」
「ひゃっ! な、なにっ!」
「クリスタルってねー、実は変形もできるんだよー」
股間を弄る手を止めて、ソーサラーはスカウトの耳元に息を吹きかけながら囁く。
そう言った彼女の手には、両頭に男性器がついた、卑猥な形に変形させられたクリスタルが握られていた。
「ちょっと痛いかもしれないけど、気持ちいいよー」
「や、やめ、やめてっ! やめてくださいっ!」
知識はあったものの、初めて間近でみたソレに、顔を真っ赤に染め上げたスカウトは激しく首を振った。
初めては、好きな人としたい、という年頃の女の子として真っ当な感覚をもった彼女にとって、それはおぞましいものでしかなかったのだ。
「だいじょーぶ、ちゃんと慣らすからさー」
「や、やですっ! は、はじめて、はじめてなんですっ!」
「知ってるー。だからさ、あたしに初めてちょーだい?」
悲痛な声で訴えるスカウトを覗き込むようにして、ソーサラーはにっこりと笑った。
その微笑に、こんな状況にも関わらず、スカウトは一瞬見とれてしまう。
なんだかんだいっても、彼女は憧れの人なのだ。
「じゃ、リジェリジェ、っと」
「つ、つめたっ! ひっ! ああっ……」
「んー、なんかリジェもいらないくらい潤ってるけど、やっぱり初めてなら、これくらいしないと駄目だよねー」
笑いながら、くちくちといやらしい水音を立てて、ソーサラーはスカウトの陰部を弄ぶ。
恥ずかしさのあまり耳を塞ぐスカウトの手を、彼女の衣服で縛り上げた。
「ちゃんと聞かなきゃー、これ、何の音?」
「…………わ、わたしの……い、言えませんっ!」
泣き出しそうなスカウトの顔を堪能したソーサラーは、しかし彼女を苛む指を休めず、更に追い込んでいく。
彼女の嬌声を塞ぐように口付けていた唇を離し、下肢へと口を寄せる。
「だ、駄目ですっ! そんなっ! あっあああっ!」
わざとじゅるじゅると音を立てながら、リジェネレートとスカウトの愛液を啜り上げる。
その卑猥な音に、彼女は耐えられない、というように首をふった。
「美味しかったよー」
「んんんっ!」
スカウトの恥部を存分にしゃぶり尽くした後、ソーサラーは混じりあった液体を顎から滴らせて再度彼女に口付ける。
口内を蹂躙する舌の動きに翻弄され、スカウトの目を次第にとろん、と恍惚を帯びてきた。
「そろそろいーよね?」
「ひゃあっ! あっ……んんっ!」
ピンク色の突起を舐め上げながら、スカウトの最奥にまで指を這わせ、彼女が存分に乱れる様子を見守っていたソーサラーは、唐突に指を抜いてそう言った。
指先に絡みついた粘液を舐めしゃぶり、片手に例の卑猥なクリスタルを握っている。
「いれるよー」
「や、やだっ! こわいっ!こわいですぅっ!」
イヤイヤをするように首を振る彼女を口付けでなだめながら、ソーサラーはゆっくりとクリスタルを押し当てる。
その冷たい感触と、恐怖に身を竦ませるスカウトの頭を撫でて、ソーサラーは一気にクリスタルを挿しいれた。
「ああああっ!ああっ!」
苦痛か、それとも歓喜か、スカウトは叫び、ぽろぽろと涙をこぼす。
ソーサラーは彼女の快楽を引き出すように、陰部の肉の芽を指で擦り上げ、耳元で囁く。
「これで大人になったねー、気持ちいいでしょ?」
「い、痛い!痛いですっ……抜いて、ください!」
「えー? 痛いだけじゃないでしょ?」
スカウトの悲痛な叫びを無視して、ソーサラーは血の伝う下肢を覗き込んだ。
クリスタルの透明な輝きに、ひくひくと絡みつく媚肉が、スカウトの快楽を伝えている。
ソーサラーが血の滲んだクリスタルの周辺を舐め上げると、彼女は嬌声をあげた。
「あっ! ああっ! ダメ、ダメぇ!」
「ほーら、気持ちいいんじゃない。嘘はいけないよー。じゃ、あたしもそろそろ気持ちよくなろうかな」
ひとしきりスカウトの喘ぎ声を堪能したソーサラーは、おもむろにリンダ装備を外し始めた。
どちらかと言えばグラマーなスカウトの裸体とは違う、スレンダーな身体は、しかし貧弱には見えず、すらりと伸びた手足が魅力的だった。
「じゃ、いただきまーす」
「せ、先輩っ! はぁっ……ん!」
スカウトの股間に刺さっているクリスタルは、元々が双頭の男性器の形をしているため、彼女に男性器が生えたようにも見える。
そのクリスタルの亀頭の部分に、ソーサラーは自らの媚肉をあてがった。
「ああっん! ね、気持ちいい? あたしたち、一つになったよ!」
「ひゃうっ! ああっ! んんんんっ!」
スカウトの裸身に跨って、ソーサラーは腰を振る。
その振動で、スカウトの中のクリスタルが移動して、彼女を奥の奥まで苛んでいく。
ソーサラーは、自らの快楽を求め、恍惚とした表情で腰を揺らし、スカウトに口付けを降らせながら喘ぐ。
「ああっ!んんっ!」
「ひぅっ! せ、先輩ぃっ! わ、私、もうっ!」
自分の中で未知の感覚が沸きあがり、爆発を迎えそうな気配を感じ取って、スカウトは怯えたようにソーサラーにしがみつく。
そんな彼女の肉の芽と、自分の肉の芽を擦り合わせるようにして腰を動かしていたソーサラーは、可愛い後輩の媚態に目を細める。
「待って、あたしも、もう少しっ、だから」
「先輩、先輩っ!」
一緒にいこ、とソーサラーはしがみつくスカウトの手を握り返し、深く口付ける。
舌を絡め合わせると、怯えて縮こまっているだけだったスカウトも、それに応えるように舌を動かした。
「あっ、もう、イクっ!」
「や、やだっ! あああああっ!」
ほぼ同時に絶頂に達した彼女たちが繋がっている下半身から、ぬらぬらとした粘液が溢れて、彼女たちの下肢を塗らした。
「いやー、ごちそーさまでした」
「…………」
衣服を整え、散らばったクリスタルと、とても人には言えないような方法で使ってしまったクリスタルを集めているスカウトに向かって、ソーサラーは上機嫌でそういった。
その様子をじっとりと見つめたスカウトは、黙って視線を逸らす。
「また、しよーね」
「…………っ!」
無視しようと顔を逸らせたスカウトの顎を掴んで、ソーサラーは耳元で囁くと、彼女の下肢を撫で上げた。
「輸送こないから、あたしキープまで持ってくねー」
ソーサラーは、固まってしまったスカウトの頬に口付ける。
彼女の手からクリスタルを取り上げて、ソーサラーは駆け出していった。
(……また、かあ……)
先ほどの絶頂の時にも感じた熱が、下半身にじんわりと広がるのを感じて、スカウトはふるふると頭を振った。
このまま流されてはいけない、自分は怒っているのだから。
そんな風に考えながらも、彼女はどこか「次」に期待するかのように、遠ざかっていくソーサラーの背を見つめた。
身体のあちこちに甘い痺れを感じながら、クリスタルの前に座り込む。
(……クリスタル、あんな風になるんだ……)
微かに頬を染めながら、不埒な妄想をしているスカウトの所に、やる気満々のソーサラーが帰ってくるまであと数分。
スレを私物化してすまない思っている。
銀行エロを書いた変態です。俺の変態フォルダは百八まであるのでお蔵出ししてみた。
適宜罵ってくれると嬉しい。保守がわりのお茶請けにでもなればもっと嬉しい。
よし、その変態フォルダののこり106を順次開放してゆくのだ。
俺たちはキミのような男を待っていた。
うむ、朝から会社でじっくり2話分も読みふけってしまった
この変態め!(変態的な意味で
106 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 12:59:11 ID:T50AzNUt
なんという変態。だがそれがいい。
充分クォリティ高いしGJ!
107 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 13:00:45 ID:T50AzNUt
ageてしまった、すまん。
携帯でなんか見てるから、二回もageちまった。
マジですまん。
俺の事は早漏野郎と罵ってくれていいから百合エロの続き書いてくださいお願いします。
残りの106を正座して待つよ。全裸で。
なんか活気付いてきたねw
お姉さん×童貞少年 ちょいショタ注意。
戦争の終結を知らせる音楽が、戦場に鳴り響いている。
激しい戦闘のせいで薄汚れた装備を、軽くはたきながら、少年は歩き出した。
今回の戦争でようやく新参兵から三等兵に昇格した彼は、部隊の溜り場へと帰るべく、移動を始める。
「おかえりー」
「あ、ただいま戻りました」
「お疲れ様、昇格したんだってね」
部隊の溜り場になっている酒場に赴いた彼を出迎えたのは、彼が密かに憧れを抱いているスカウトだけだった。
金色の髪をきらきらと輝かせ、その魅力的な肢体をスカウト特有の露出度の高い装備で包んだ彼女は、今日も年頃の少年には目の毒になるほどの色気を放っている。
「はい、ようやく三等兵になれましたっ!」
「おめでとう、じゃあ、乾杯しよっか」
「えっ!? あの、でも……」
弾んだ声で彼女に応えた少年は、スカウトの申し出に恥ずかしげに俯いた。
戦場に出るようになって間もない彼は、まだまだ年若く、飲酒の経験がなかったのだ。
「お祝いだからね、潰れたら私が介抱してあげるわ」
「そ、そんな、いや……でも」
「いいから、ほら、乾杯っ!」
既にアルコールの入っているらしい彼女は、戸惑う少年に無理やりジョッキを持たせると、強引に自分のジョッキを打ちつけた。
そのまま一気に酒を煽る彼女は、上気した顔を片手で仰いで、装備を緩める。
「あ、あのぅ、先輩……」
「なあにぃ? ……やだ、エッチ!」
ただでさえ露出度の高い装備が、彼女の手で緩められた所為で、その豊かな胸は谷間どころか半分以上が露出している。
ふるふると柔らかく揺れる白い丘陵に、少年は真っ赤になりつつも目を逸らすことができない。
そんな少年をからかうように、スカウトはふざけて彼に胸を見せつけるようにして腕を組む。
「ねえねえ、もう、した?」
「何をですかっ!」
目の前の魅力的ではあるがあまりに刺激的な光景に、微妙に視線を外そうとして失敗した少年は、ほとんど泣きそうになりながら叫んだ。
彼の様子を楽しそうに見つめるスカウトは、ケラケラと陽気に笑う。
「決まってるじゃなーい。アレよ、アレ」
「し、してません……」
少年は、ずっとソーサラーとしての訓練に励んでいたため、性的な経験は皆無だった。
自分と同い年の部隊メンバーは殆ど経験済みのなか、彼だけは未だにそこから脱却できる見込みがない。
コンプレックスをつつかれて、少年の語尾は小さくなる。
しゅん、と項垂れた少年の様子に、スカウトはにやりと笑いながら舌なめずりをした。
「まあまあ、ほら、飲みなさいよ」
「の、飲みますよ!」
慰めるようにスカウトが差し出したジョッキを、少年は自棄になったように煽った。
「え? わわわっ!」
「起きたー? 待ってたのに、ずーっと寝てるんだもの。つまんないわ」
酒場での自棄酒を煽った後から、記憶がない。
焦ったようにベッドから起き上がって部屋を見回した少年の目の前に、下着姿のスカウトがにじり寄っていた。
「あれ? 先輩?」
「折角、お祝いしてあげようと思って、来たのに」
いつもの健康的な色気から一転して、淫靡な雰囲気を漂わせたスカウトは、小さく笑いながら少年の衣服を脱がせていく。
薄暗い部屋の中で、彼女の美しい金髪がさらさらと生き物のように動いている。
「あ、あの、あのっ!」
「したかったんでしょ?」
ようやく、何が起ころうとしているのかを察した少年が、真っ赤になってスカウトを突き飛ばそうとする。
が、猫のように敏捷なスカウトは、逆に少年の手を掴み取り、舌を這わせた。
初めて感じる他人の粘膜に、少年の背筋にぞくぞくとした、快感とも悪寒ともつかないものが走りぬける。
「んっ、……あれー? なんか硬いモノが当たるんですけど?」
楽しそうに少年の指を舐め上げていたスカウトは、圧し掛かっていた少年の身体に起こった変化に気づき、にんまりと笑った。
からかうように、下着の上から「硬いモノ」の輪郭をやわやわと擦る。
「指だけで興奮しちゃった?」
「うぅぅ……」
グリグリと亀頭を弄くられて、少年の下着にはじっとりとした染みが広がっていく。
目の前でからかうように笑う憧れの女性に、裸体に近い下着姿で自分の性器を弄くられている。
想像の中では何度かお世話にもなったスカウトの、豊かな胸の膨らみが目の前で揺れた。
「かーわいい。じゃ、お祝いだし、サービスしちゃおうかな」
「えっ? せ、先輩っ!?」
しばらく少年の初心な様子に目を細めていたスカウトは、少年の目の前からずるずると下がり、股間へと顔を近づける。
少年の上から脚の間に移動したスカウトは、楽しそうに濡れた下着に息を吹きかけた。
「ひゃっ!」
すっかり立ち上がっている性器を、下着から取り出すと、彼女はソレを指で弾いた。
「結構立派もの持ってるじゃなーい」
「あの、先輩、ほんとに……」
「いただきまーす!」
まじまじと己の股間を見つめられる恥ずかしさに耐え切れず、少年はスカウトを制止しようとする。
が、スカウトは彼の困惑と羞恥を無視して、いきなりそそり立つ性器に口を付けた。
「あっ! すごっ!」
「ひもひひーひ?」
スカウトは少年の先端をじゅるじゅると音を立てながら舐め上げ、幹に舌を這わせる。
裏筋を何度も繰り返し舌で突付くと、少年の身体はその度にびくびくと震えた。
その反応に気を良くしたのか、スカウトはそれまでのねっとりとした舌での愛撫を激しい口腔での奉仕に切り替えた。
「んくっ! んんんっ!」
「せ、せんぱい、も、無理です! 出ちゃいますっ!」
切羽詰った少年の声に、一瞬咥えていた性器から口を離したスカウトは、その顔に白濁のシャワーを浴びた。
何もかも初めての経験に、既にとっくに限界値を越えていた少年は、はあはあと大きく息を吐きながら、ぐったりと枕に頭をうずめる。
「いっぱい出たね? 若いなあ」
「……………」
いつもと違う妖艶な微笑を浮かべたスカウトは、顔中に飛び散った白い液体を指ですくいとり、舐め上げた。
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして頭を抱えている少年を覗き込むようにして、その耳に囁く。
「……し、したい、です……」
少し低い声で囁かれた言葉に、少年の分身は正直にもまた頭をもたげている。
擦れた声でスカウトにそう言うと、少年は潤んだ瞳で彼女を見上げた。
「いーよ。……しよ?」
その様子に、スカウトは小さく笑うと、少年に優しく口付けた。
憧れの人の柔らかい唇の感触に、少年は驚いたように目を瞠り、やがて目を閉じる。
「んんんっ! んふぅ……」
スカウトの舌が少年の唇をこじ開けて、彼の口腔に侵入を始めた。
歯列を舐め上げられ、顎の裏を擦られて、少年はふるふると身を震わせる。
くちくち、という水音が、静かになった部屋に淫靡な響きを落とした。
「ふふ、キスは上手なんだ。どこで覚えたの?」
「……は、初めて……です……」
長い間口付けを交わしていた二人は、ようやく唇を離す。
つぅ、と唾液が離れた唇の間に伝い、薄暗い部屋の中できらきらと光った。
「ファーストキスもらっちゃったのか。じゃ、こっちの初めても貰おうかな」
「あっ!」
「もうこんなに元気になるなんて、すごいね」
からかように少年の性器を掴み、ゆっくりとその手を上下させたスカウトは、上気した頬で微笑んだ。
淫靡なキスの感覚に酔っていた少年は、そのいやらしい手つきと色っぽい顔に、さらに快感を煽られる。
「ね、私のも、触って」
「……熱い、それに、すごく……濡れてます」
少年の手を自らの繁みに導いたスカウトは、彼の正直な感想に少し照れたかのように頬を染め、指で額を弾いた。
「そういうことは、言わないの」
「でも……女の人が、濡れるのって……その、気持ちいいときなんですよね? 先輩、気持ちいいんですか?」
自分だけ気持ちよくなるのはイヤだ。先輩にも気持ちよくなって欲しい。
少年の言葉は、純粋に思い人を気遣ってのものだったが、スカウトはその言葉に眉を寄せ、再度指で額を弾いた。
「コラ! 大丈夫、ちゃんと気持ちいいわ。……でも、あなたも協力してくれたら、もっと気持ちよくなれるんだけど」
「な、何をすればいいですか!?」
ちらりと流し目を寄越したスカウトの媚態に、少年は勢い込んで尋ねる。
「私のココ、分かる?」
「は、はい」
少年の指を、自分の蜜壷へと導いたスカウトは、更にその指を上下に揺らした。
絡み付いてくる肉襞と、くちゅくちゅという厭らしい音、そして何よりもその熱さに驚きながら、少年は必死に頷く。
「ココをね、こうして擦る、とっ! ああんっ! き、気持ち、イイのぉっ!」
「こうですか? ここも?」
嬌声を上げるスカウトの痴態に、少年は必死に指を動かした。
そのおぼつかない手つきにスカウトは焦らされ、興奮を高めていく。
「あっ! そこ! イイ! あっ!……んもう」
「…………?」
少年が次第にコツを掴み、スカウトはその指使いに腰を揺らして乱れていたが、ふいに少年の手を掴んでそれを止めた。
不満げな少年に軽く口付けて、困ったように笑う。
「指じゃなくて、あなたので」
「んっ!」
スカウトは少年のはちきれんばかりの性器を指でやわやわと撫で上げて、耳元で囁いた。
「イカせて?」
その言葉に、少年は理性を無くして、体勢を乱暴に入れ替え、彼女を押し倒す。
突然の行動に、スカウトは驚いたように口を開けたが、すぐにそれを微笑みにかえて、少年の頬を撫でた。
「気持ちよくしてね?」
「頑張りますっ!」
スカウトは、気合の入った声に苦笑しながら、少年の首に手を回す。
見つめあった二人は、自然に口付けを交わすと、ゆっくりとお互いの距離を縮めていった。
少年が、性器を彼女の陰部に押し当て、ふとため息をつく。
「……きて」
励ますように小さく囁くスカウトの、緩くうねる腰に誘われて、少年は腰をすすめた。
お互いの分泌液が交じり合って、動くたびにぐちぐちと粘液が摺れる音がする。
「…………っ!」
とうとう全てをスカウトの中に納めた少年は、その蜜壷の感覚に一瞬我を忘れた。
絡みつくように緩く締め上げるそこは、とろけるように熱く、甘美だった。
「あっ! ね、動いて……」
組み敷いたスカウトに、潤んだ瞳と赤く染まった頬でそう強請られ、少年はゆっくりと腰を動かして行く。
白く柔らかな乳房を揉み上げ、薄茶色の乳首を舐めながら、少年は性急に欲望を打ちつけた。
「あっ! ああっ! イイ! イイっ!」
「せ、先輩、僕も、気持ちいいですっ!」
乱暴な腰使いに、スカウトは柔らかく身体で応え、拙い愛撫に震えた。
ギシギシとベッドが軋む音と、厭らしい水音、そして嬌声が響くこの部屋は、見慣れた常宿なだけに、どこか倒錯的だ。
「い、イイ! あ、イクっ! イっちゃうぅっ!」
「先輩、待って、僕もっ!」
びくびくと震えだしたスカウトの身体は、絶頂を迎えようとしていたが、少年はその直前で腰の動きを緩める。
快楽の涙に濡れた瞳でこちらを睨むスカウトに、少年は眉を下げて言った。
「い、一緒に、イキたいんです」
「……んもう」
可愛らしいお願いに、スカウトはくすくすと笑って、少年の乳首を弾く。
緩やかな律動を続ける少年に合わせて腰を振りながら、スカウトは悦楽の波に溺れていった。
「腰、痛いわ」
「すいません、先輩」
翌日、ベッドから立ち上がれなくなったスカウトに、少年はすまなそうに詫びた。
「しかも、こんなに痕ついてたら、チャレンジャージャケット着れないじゃない。お気に入りなのに」
「……着ないで下さい」
ぶちぶちと文句を呟いていたスカウトは、少年の言葉に意外そうに目を瞠る。
「なんで?」
「ほ、他の奴にっ! 見られたく、ないんです」
だんだんと小さくなる語尾に、少年は情け無さそうに頭を振ると、続けた。
「先輩が、僕のことなんとも思ってないのは知ってますけど……僕、先輩のこと好きなんです。ほ、他の奴に、先輩のそういうカッコ見られたくないんです」
「ふーん」
少年の告白に、スカウトは目を細めて聞き入っていたが、やがて口を開いた。
「私、好きじゃない人、襲ったりしないよ?」
「お、襲っ!? え、先輩? それって……」
「知らなーい。疲れたしだるいから、もう一眠りするね」
言葉の意味を少年が問いただすよりも早く、スカウトは寝入ってしまう。
その、可愛らしい寝顔を見つめながら、少年はにやけ笑いを抑えることが出来なかった。
変態フォルダからやってきました。
調子にのってほんとすまん。反省する。まじゴメン。
それもこれもみんな遅れて取れた連休とお前らのヌクモリティのせいですよ!
失礼しました。どうぞこの豚めをお好きな言葉で罵ってください。
この変態糞豚野郎!!
一日三作投下とか、やりすぎだ自重しろ!!!
いやしなくていwwwwもっとやれwwwwwww
うむ、IDで同一犯が確定してるな
お前の頭の中はそんな事しか考えられないのか?
そろそろ敬語で書き込みしそうですw
変態フォルダさんのおかげで今日もぐっすりと眠れそうです。
ありがとう、本当にありがとう。
守備範囲広すぎだろww
鬼畜に百合にショタまで取り揃えるとは、変態流石だな。
次はロリですよね?
変態フォルダさんマジGJ
カジノでエロ。 強制オナ注意。
「あっ! ……あーもう、また外した」
賑やかなカジノの中で、一際盛り上がっているルーレット台を前にして、ウォリアーは小さく悪態をついた。
美しい横顔を歪めて、肩のあたりで切りそろえられた銀髪をイライラとかき上げる。
装備した緑色のカクタスアーマーは、身体のラインがはっきりと分かる代物で、その白く形の良い胸と魅惑的な太ももを惜しげもなく晒している。
まだまだ駆け出しの彼女を初めてカジノに連れてきたのは彼女が所属する部隊の先輩だった。
短期間で国の戦術目標を達成したので、褒美として傭兵たちにゴールドコインが配られたとき、その使い道を知らなかったウォリアーは、彼に用途を尋ねたからだ。
初めてのルーレットでいきなり「アッカド」という両手武器を手に入れた彼女はすぐにルーレットにのめり込み、何度となくカジノに通うことになった。
「……うう……もうコインがなくなっちゃった」
外れ続きのルーレットで、なけなしのコインを使い果たしたウォリアーは、ため息交じりに台から立ち上がる。
もう少しで勝てそうな気はするのだが、やはり無い袖は触れない。
すっかり飲み込まれた彼女のコインを恨めしげに睨みつつ、彼女は出口へと向かった。
「お客様」
「なんですか?」
帰ろうとしている彼女を引き止めたのは、ディーラー姿の従業員だった。
不機嫌そうに振り返ったウォリアーに、彼は営業スマイルを浮かべながら続ける。
「いつもご利用ありがとうございます。……実は当店では、ただいま従業員を募集しておりまして。よろしければお客様に、と」
「私が? どうして?」
「はい。やはり、カジノをよく知っている方の方が即戦力になって頂けますし。それに、お客様のスタイルでしたら、きっと制服もお似合いになると思いまして」
にこにこと笑いながら、従業員は彼女のくびれたウエストとすらりと伸びた足を食い入るように見つめる。
その視線に身を引きつつも、彼女は誇らしく胸を逸らした。
カジノの女性店員の制服といえば、そのきわどさから余程スタイルがよくなければ映えないと常々言われている代物だ。
自分のスタイルに少なからず自信を持っている彼女にとって、それは最大級の賛辞だった。
「ふぅん。……やってみてもいいけど、条件はどうなの?」
「はい。一日にゴールドコイン十枚、といったところでいかがでしょうか。両替して頂いても構いませんし、勿論そのまま遊ぶことも可能です」
「じゅ、十枚っ!?」
破格の条件に、ウォリアーは思わず小さな悲鳴をあげる。
無理もない。ゴールドコイン十枚があれば、人一人余裕で一月暮らせる額だ。
「や、やってみたいわ」
「ありがとうございます。……今日は、この後ご予定はおありですか?」
「ないわ。でも、そういうことなら、面接でもしていこうかしら」
すっかり乗り気になって、彼女は微笑んだ。
一日にゴールドコイン十枚もの報酬が手に入る仕事だ。半分をルーレットに費やしたとしても、余裕で暮らしていける。
ウォリアーはそう計算しながら、最初の不機嫌さを忘れたかのように、従業員に媚びるようにしなを作った。
「いえいえ、面接するまでもなく、採用させていただきます。ただ、研修や仕事の内容を事前にお教えして、明日からでも店に出ていただければ、と思いまして」
「本当に人手不足なのね。分かったわ、よろしくお願いします」
困ったように笑った従業員に、彼女は親しげに笑って頭を下げた。
気が早いですよ、と笑いながら、彼はウォリアーの手を引いてカジノの裏へと案内する。
「さて、ではとりあえず、制服をどうぞ。サイズが合わないと大変ですからね。きつかったり、大きすぎたりしたら作り直しますから、着てみて下さい」
「はーい」
手渡された制服は、予想外に面積の狭い薄い布と揃いの手袋、編みタイツ、そして猫耳のカチューシャだった。
通された小さな個室で、一人にされた彼女は装備を外して、過激な制服に身を包んでいく。
狭い小部屋の中には、小さなテーブルと、ワインとグラスの納まった棚、そしてソファしかない。
「あっ! これじゃ……下着が見えちゃう」
背中一面ががはりと開いた上半身と、極端に切れ上がった股間の部分から、身につけていた下着がはみ出していた。
その様子が、なんだかただの下着姿よりも恥ずかしい気がして彼女はしぶしぶと下着を外し、再度制服に着替え始める。
「んっ! ……やぁん」
下着を外したせいで、網タイツは陰部に食い込み、彼女の恥ずかしい部分を刺激する。
ひのもどかしい快感の所為で彼女のたわわな胸の頂点は硬くなり、それは薄い制服を押し上げて自身を主張していた。
「は、恥ずかしい……って、ヤダ!」
なんとか下半身の甘い痺れの原因を取り除こうと、網タイツをずらした彼女は、予想外の
ことに声をあげる。
制服の下半身に、秘裂に沿って穴が開いていたのだ。
それも、きちんとそれ以上裂けることが無いように細工が施されており、これが欠陥品ではなく、そういう作りをしている衣装だということが分かる。
「こ、こんな……こんな格好で、人前に出るなんて」
疼きをどうにかしようとして弄った所為で、潤いはじめている股間に、彼女は羞恥のあまり頬を染めながら呟いた。
乳首の勃起を隠すことも出来ず、見えることは無いとはいえ、陰部を外気に晒して人の前に出る。
今更ながらに、彼女はこのカジノで働くことを後悔し始めていた。
「や、やめるっていおうかな……でも、契約書書いちゃったし……」
従業員にカジノのオーナー室へと連れて行かれたウォリアーは、そこですでに契約書にサインを済ませていた。
ゴールドコイン十枚という破格の給金につられて、よく見もせずに判まで押している。
「た、たしか……いきなり辞めると罰金って書いてあったようなっ!」
「済みましたか?」
うろ覚えの契約書をなんとか思い出していると、ノックの音ともに例の従業員の声がした。
「えっ! あ、終わりました、けど……」
うっかりとそれに応えてしまってから、彼女は自分の格好を思い出して、身を竦ませる。
緊張の所為で痛いほど張り詰めている乳首は、薄い布の下でますます硬く自らの存在を主張している。
「ああ、よくお似合いですね」
「ありがとう、ござまっ……ひゃっ!」
「いえ、きつくないかと思いまして。着心地はいかがですか?」
にこにこと笑ってドアを開けた男は、制服のおかげで強調された美しいプロポーションを楽しむように視線を上下に動かす。
胸元を隠すようにして立っているウォリアーに近づくと、彼はいきなり股間をまさぐった。
「だ、大丈夫です……けど」
「感触からして、下着をつけておられないようですが?」
「制服から、はみ出しちゃうんです」
男が首を傾げながら尋ねると、ウォリアーを俯いて頬を染めた。
「ええ、それが正しい着方なんですよ。初めて着る方は、それを知らずに下着をつけたまま制服を着てしまう方が多いのですが……やはり、お客様は素晴らしい」
「も、もうお客様じゃないですから……でも、ありがとうございます」
感心したように頷いた男の言葉に、彼女は少し嬉しそうに微笑んだ。
異常な制服だと思っていたが、元々がこういうものなら、仕方がないのかもしれない、と困惑を無理やりねじ伏せる。
「ええ。では、お仕事の方はもうお分かりですよね?」
「コインの交換と景品の交換ですよね? 大体のやり方は分かります。結構、通ってたんで」
「さすが。やはり、即戦力ですね。頼もしいかぎりです」
自信たっぷりに答えた彼女を、励ますように微笑んだ男は思い出したように手を叩いた。
「そうそう、VIPルームの方に飲み物を運ぶお仕事もお願いしたいのですが」
「はい、大丈夫です」
元々、彼女が通っていた時も、時折女性従業員が飲み物を運ぶサービスをしているのを見かけたことがある。
あれくらいなら、お安い御用だ、とウォリアーは頷いた。
何しろ、多少制服がいかがわしくても、日給がゴールドコイン十枚の仕事である。
「VIPルームのお客様は、カジノの上客の方々ですので、万一にも失礼の無いように、従業員には研修を行っているのですが……今日、されていかれますか?」
「あ、はい。お願いします」
ごく普通の客だった彼女は、そのVIPルームとやらに足を踏み入れたことはないが、やはりそうそうたる面々がゲームに興じているのだろう。
そんな中で失敗を犯したら、カジノの評判にも関わるのは自明の理である。
そう考えたウォリアーは、研修、という言葉に男がにやりと唇を吊り上げたことに気付かなかった。
「そんなに緊張しなくて構いませんよ。とりあえず、これでも飲んでリラックスして下さい」
「わ、美味しい」
ガチガチに緊張している彼女に、ディーラーはワインの入ったグラスを差し出した。
ヴィネル島は、カジノと闘技場の他に、ワインの名産地としても名高いが、何分高価なため、ウォリアーは今までそれを口にしたことが無かった。
ルビー色の液体は、芳醇かつ甘美な喉越しで、彼女の喉を潤した。
「では、先ずはお客様に対する気構えから。VIPルームのお客様のことは、”ご主人様”と呼んでください」
「はい!」
頬を緩めながらワインを味わっているウォリアーを微笑ましく見守りながら、男は切り出す。
「そして、お客様が何を望んでおられるのかを察して、できるだけご希望に沿う形でご奉仕してください」
「…………」
「何があっても逆らうことのないように。お客様のご機嫌を損ねるような事は絶対になさらないで下さい」
コクコクと真剣な顔で頷く彼女に、言い聞かせるようにして語るディーラーは、次第に彼女との距離を詰めていった。
ソファに腰掛けている彼女の隣に座った男は、唐突に彼女の手を取り、隠していた胸をあらわにする。
「あっ!」
「たとえば、お客様に身体を触られた時のことですが」
動揺するウォリアーを無視して、男は彼女の両手首を纏め上げ、片手でソファに縫いつけた。
いきなり押し倒された彼女は、顔を真っ赤にしながら、それでも懸命に頷く。
ウォリアーはまだ、これが普通の研修の一部だと信じているのだ。
普通なら、おかしなスカウトの仕方の異常に高い給金、そしてあの厭らしい制服、更には制服を見せた後の従業員の態度で、そろそろこの仕事がマトモなものではないと気付きそうなものなのに。
「おや? 乳首が勃っていますね」
「あうう……だ、だって……ひゃうんっ!」
ディーラーは布を押し上げて隆起した乳首を指で潰しながら、もう片方を制服の上から口に含んだ。
薄い布の上から、もどかしく与えられる快感に、ウォリアーは思わず喘ぐ。
「言い訳は駄目ですよ。この制服を着たのですから、早く立派なメス猫になって頂かなくては」
「め、メス猫……って! あぁんっ!」
「制服でお分かりでしょう? これはね、淫乱なメス猫の衣装なんですよ」
微笑みを崩さずに、侮蔑の言葉を口にする男に、ウォリアーは抗議の声をあげたが、乳首を噛まれてそれは途中から嬌声にかわった。
淫乱なメス猫、と彼女に耳元で囁いたディーラーは、熱く湿った股間を撫で上げる。
「やはり、見込んだとおりに淫乱だ。素質は十分ですね」
「あはぁ……あぅっ! い、いじっちゃダメぇ……」
「では、やめましょう。どうぞ、ご自分でなさってください。お客様の中には、そういうのがお好きな方もおられますから」
突然彼女から手を離し、男は笑ったままそう言った。
うるうると涙で瞳を潤ませたウォリアーは、その言葉に目を大きく見開く。
「えっ……?」
「本当は気持ちよくなりたいんでしょう? いつもしているように、自分で慰めて見てください」
「そ、そんなのっ! ……し、仕事と何も関係ないじゃないですかっ!」
暗に目の前でオナニーをして見せろ、という要求に、彼女は激しく抗議した。
その様子に、ディーラーはやれやれ、というように肩を竦めて諭すように言う。
「いいですか? あなたのお仕事は、お客様を満足させることです。お客様がちんぽを咥えろといったら喜んで咥えて、まんこに指を入れて頂いたら腰を振り、オナニーをして見せろと言われたら大股を開いてはしたなく喘ぐんですよ」
「だ、だって……契約書には、そんなこと」
「きちんと書いてありますよ。あなたはよく読んでおられなかったようですが。ちなみに、オーナーの許可なく仕事を辞めた場合には、罰として二年間給金なしで勤めていただきます」
どこまで逃げても無駄ですよ、と脅すように言った男の言葉に、みるみるうちに顔を青くしたウォリアーは、泣き出しそうに顔を歪めた。
美しい顔立ちが悲痛に歪む様を、男は満足そうに見つめている。
「わ、私……どうすれば」
「大丈夫、素質のある貴方なら、きっと立派なメス猫になれます」
「…………」
助けを求めるようにディーラーに縋った彼女は、唇を噛んで俯いた。
「さ、続きをはじめましょうか」
「つづき、って……!」
「ほら、オナニーの所からですよ。もう身体が疼いて仕方ないでしょう? 淫乱なメス猫らしく、精々はしたなく喘いでください」
力の抜けたウォリアーの身体をテーブルの上へと移動させ、男はその肢体を鑑賞するかのようにソファに腰掛け、足を組んだ。
厭らしい視線で全身を舐めるように見つめながら、そう言われ、彼女の身体はカッと熱くなる。
「や、やだ! ……できない……できません」
「さっきのワイン、美味しかったでしょう? 強烈な媚薬入りですけど」
「そんなっ!」
テーブルに身を横たえながらふるふると首を振る彼女に、ディーラーはにやにやと笑いながら言い放つ。
先ほどから感じていた熱の正体を知らされたウォリアーが、もじもじと身体を揺らした。
早く足を開いて、と脅すように低い声で言われ、彼女はのろのろと指示に従った。
「じゃ、いつも自分でするように、やってみてください」
「…………はい」
「ちゃんとお客様に見えるように足を開いて、よがる顔もお見せするんですよ。それから、お客様の許可なくイってはいけません。必ず許可が下りてから、イくように。基本的に、メス猫には拒否権も自由もありませんから」
あざ笑うように言われ、彼女はまた頬を赤く染める。
テーブルの上で大きく脚を開いたせいで、股間の裂目が大きく割れ、ウォリアーの恥部は男の目の前に晒されている。
全裸よりも恥かしく、とてつもなく惨めな状況に、彼女はほろほろと涙を流しながら指を陰部に這わせた。
「あっ! はあんっ! んっ!」
「ほら、乳首も摘まんで。自分だけ気持ちよくなってはいけませんよ。お客様を楽しませなくては。どんな気分か言ってみなさい」
「は、はいっ! ああっん! き、気持ちいいですぅっ!」
効いてきた媚薬で理性をなくし始めたウォリアーは、戸惑いがちに這わせていた指を、次第に激しく出し入れする。
その様子を満足げに見やりながら、ディーラーは更に彼女を辱めるべく、厭らしい指示を続けた。
「自分がいま、誰の前で、何をしているのか、大きな声で」
「ご、ご主人さまのっ! 前で、ま、まんこに、指をっ! はぁっ! んっ、い、入れてよがっていますぅっ!」
「いいでしょう」
お客様のことは「ご主人様」と呼ぶように教えられていた彼女は、疑いもなくそう叫んだ。
くちゅくちゅと恥かしい水音を響かせながら、二本の指で蜜壷をかき回し、自分の乳首を捻り上げながらウォリアーは悶える。
その痴態に、微かに興奮の色を滲ませながら、男は頷いた。
「ご主人さまぁっ! い、イッてもいいですかぁっ? イキたいですぅっ! も、もうダメぇっ!」
「我慢なさい。それにしても、初対面の男にオナニーを見られながら感じまくるなんて、とんだ変態ですね。普通の女はそこまで乱れませんよ? まったく、今までスカウトした中でも飛び切りの淫乱だ」
「ご、ごめんなさいっ! で、でも、もっ!無理ぃっ!」
じくじくと疼く身体と、男の蔑んだ冷たい言葉の両方に責められながら、ウォリアーは泣き出しながら解放を乞う。
その間にも、指は休むことなく出し入れを繰り返し、半ば白く濁った愛液がテーブルに水溜りを作っている。
「仕方ないですね、では、教えたようにイク時の台詞を言うんですよ?」
「は、はいっ! ありがとうございますぅ……」
「本当に、天職ですね、この仕事。戦争なんかより余程向いていますよ」
既に精神的に目の前の男に屈服させられたウォリアーは、卑屈なまで従順になっていた。
一番恥かしい姿を見られ、しかも言葉で責め続けられ、彼女の心は折れてしまったのだ。
興奮に美しい口元からはよだれが垂れ、赤く染まった全身から発情した牝のにおいが立ち昇る。
「ご、ご主人様っ! い、淫乱なメス猫が、イクところっ、を、見てくださいぃっ……」
「まあまあですね」
「はぁあっ! んっ! イク、イク、イッちゃううぅぅ!」
屈辱的な台詞をつかえつつ、しかし間違えずに言い切ったウォリアーは、男の冷めた言葉を聞く余裕もなく、直後に甲高い嬌声を上げて失神した。
テーブルの水溜りが一層面積を増し、それは床へと滴り落ちる。
「……この程度で気を失うなんて、まだまだ躾が必要だな」
くたりと力の抜けた彼女の身体を弄くりながら、ディーラーはにやりと笑った。
きちんとした「躾」を施す為に、道具が必要だと気付いた彼は、急ぎ足で小部屋を後にする。
前から目を付けていたウォリアーが、ついに自分の店の従業員になったのだ。
オーナーの許可さえあれば、自分でスカウトして調教した女性従業員は、基本的にその従業員の自由にできる。
ウォリアーを自分の「飼い猫」にする想像に顔を綻ばせながら、彼は口笛を吹きつつ廊下を早足で進んだ。
変態フォルダから来ました。
ほんとにスレ私物化して、お前いい加減にしろよってかんじですよね。すいません。
だって職人さん来なくて寂しいからついやってしまった。自重する。
そういう訳で俺のことは是非冷たい眼差しで罵ってください。お願いします。
今来たらちょうど投下したてホヤホヤw
これからじっくり読ませてもらうわ
「ご主人様」の字だけははっきり見えた
毎回素晴らしいものを読ませていただいてありがとうございます。
変態フォルダさんに会えて本当に幸せです。
ちょっとカジノいってくるわ。
あともうその妄想力に脱帽。変態フォルダさんマジはんぱねえ。
誰かあのAAもってきて。女の子が変態!変態!言ってるやつ。
Y^´ ∨// /,∠ ,. ' /l/// /, ' , '/ ! | l }´ 〈
〉 変 〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈 変 /
〈 態. ∨, '/l| ,.'-‐、`//`7/ /''"´__ | ハ l丿 態 {
人) ! ! (/! |ヽ〈_ ・.ノ〃 〃 / '/⌒ヾ.! ,' !く ! ! (_
ト、__/ ヽ、_,.イ /l l |:::::::```/:::::/...´.. //´。ヽ }! ,' !! ) /
ト' 亦 ,イ⌒ヽ/ !l l ! l し J ::::::::::::::::::::``‐-</ / ,'、`Y´Τ`Y
l 夂 (ハ ヽ l i ! l ', ! , -―-、_ ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ 〉,\ ! i ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、 ι 〃,'/! ヽ、\ ヽ、
! 能 // ,' lヽ! ii ',l ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、! / ハ ノヽ._人_从_,. \
| 心 { / ,' ' ,! ll l`、 { ヽ' \ ヽ ' '´ Λ ',} ( \
.丿 ∨ // ,',! l l l ヽ`、 \ \ ∨ し /! ∨ 変 ,ゝ、
∧ / / ヾノ //l l l l、_ヽ\ \ ヽ , ' ,.イ |ノ 態 (ヽ
/ノ__ ゚ ゚ (⌒`〃'j | l l l `ヽ `ヽ、.ヽ _,.}'′ ,.イl { | ヽ ! ! ,ゝ\
/ /`Y⌒ヽ/⌒ 〃 ノ | l l l } ヽ、._ } ノ,.イ l | ! ! | )_
変態って、素晴らしい褒め言葉だよね。
カジノのディーラー制服とミーアわんわんしておけばよかった\(^o^)/ナンテコッタイ
69〜74をうpした者ですが、ハイペースぶりに脱帽……。
変態つながりで、そのうち稚作を携えて戻ってきますww
いい刺激をありがと〜b
既に変態フォルダさんは凄腕職人な件。
過疎スレの活性化に加えて、職人の創作意欲まで刺激するなんて、アンタすげえや!
自重なんかしないでがんがん行こうぜ。
過疎スレだからって荒らすな。
ここはお前の日記帳じゃねえんだ。どうしてもやりたいならチラシの裏にでも書け。
ここの住人は優しいからって勘違いすんのもいい加減にしろ。
文章キモいは下手くそだわでいいとこねえよお前。
二度と来んなってか来ないでください。
スレの雰囲気悪くなるんで。
,〜-〜、
' ∞∞∞ヽ
|l |ノノイハ)) .@ エッチなのはよくないと思います!
|ヽ|リ゚ ヮ゚ノl| /'
.ノ|⊂l_介」つ/
ノノ,ノハヽヽ.
ζ`ノノ | .ヽζ'
~' ~'~’~’~'
135 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/12(月) 15:21:55 ID:8vxTvYK/
>>134 スレの私物化やめろ
糞みたいなキモい妄想垂れ流すな
二度と来るな
おK?
あ、これは変態フォルダとかいうカスのせいで空気悪くなってるけど、職人さんは気にせず投下よろ〜
ageた上に文章間違った。ごめん。
×あ、これは変態フォルダとかいうカスのせいで空気悪くなってるけど、職人さんは気にせず投下よろ〜
〇あ、これは変態フォルダとかいうカスのことだから、他の職人さんは気にせず投下よろ。
>>135 お前は何を言っているんだ
それより早く妄想を纏めて投下してくれ
,〜-〜、
' ∞∞∞ヽ
|l |ノノイハ)) .@ 空気悪くしてるのは ID:8vxTvYK/ さんですよ?
|ヽ|リ゚ ヮ゚ノl| /'
.ノ|⊂l_介」つ/ 何故そんなことするのかしら・・・
ノノ,ノハヽヽ.
ζ`ノノ | .ヽζ'
~' ~'~’~’~'
変態フォルダさんも煽られるくらい人気が出てきたのかぁ
いいことだね
変態フォルダさんも他の職人さんもこの調子で頑張ったください!
ID:8vxTvYK/のせいで完全にシラけたな
ちょっと外の空気吸ってくるわ
大作続きなんで、ここらでサラッとしたのが欲しい所
♂ヲリ「童貞と非童貞を見分ける根拠として俗に『ちんちんの乾く暇も無い』という言葉があるが」
雷サラ♂「そう言えば僕の知ってる非童貞はみんなちんちんが濡れてるな……」
♂ヲリ「お前のような童貞は銭湯でカラカラのちんこを見れば一発で童貞とバレてしまうから大変危険だ」
雷サラ♂「ぼっ、僕は気付かぬうちに童貞だと言う事をアピールしていたのか! はっ、恥ずかしいよ!」
♂ヲリ「ふふふそこで近所の道具屋が開発したこの『カワクマモナクナール』! こいつを飲めば常にちんちんから愛液が分泌され童貞である事をカムフラージュするという全国一億人の童貞たち待望の薬だ」
雷サラ♂「すっ、すごいや! 早速僕に飲ませてよ!」
♂ヲリ「ホイきた」
雷サラ♂「ゴクゴク……おっおっ何か……何かチンチンじゃなくて尻穴が濡れてきたよ?」
♂ヲリ「ふふふまんまと騙されたなこいつはカワクマモナクナールの姉妹品シリアナノカワクマモナクナール! こいつさえあれば前戯無しでいつでもどこでもちんこをぶち込める!」
雷サラ♂「だっ、騙したね!」
♂ヲリ「騙される方が悪い・・・それ早速! オホ! こいつはバツグンのぬめり具合だぜー!」
さらっとエリスたんの手コキ。ロリ注意。
大理石で作られた浴室は、白く清潔な雰囲気で、ところどころに刻まれた精緻細工が美しかった。
立ち込める湯気の中、ぱしゃぱしゃという水音、そして舌足らずな歌声が響いている。
「おとーさま、エリスがあらってあげるよ!」
桃色の髪を幼い身体にはりつけながら、エリスは満面の笑みでヒュンケルにそう言った。
大きな浴槽の中で泳ぐのをやめ、立ち上がったエリスはぺたぺたと足音を響かせながら獣人の父、ヒュンケルの元へと走ってくる。
「エリス、危ないから走るのはやめなさい」
「はーい!」
鬣を洗っていたヒュンケルは、身体を揺らしてぴるぴると水を跳ねさせながら、お転婆な娘を嗜める。
それに元気よく返事をしたエリスは、しかしいまいち聞いていなかったらしく、ヒュンケルに駆け寄った。
「まったく……」
可愛い娘の、いささか注意力に駆ける振る舞いに眉をひそめつつも、ヒュンケルはどこか嬉しそうに呟いた。
こうして親子で風呂に入るのは、随分と久しぶりなのだ。
愛娘の無邪気で可愛らしい申し出に、ついつい甘くなってしまうのも、無理はない。
獣王ヒュンケルは、一人の父親としては実にダメダメだった。
「エリスがあらってあげるよ!」
「分かった分かった。頼んだぞ、エリス」
「うん!」
ヒュンケルの目の前で、にこにこと微笑んだエリスは、父親の承諾の言葉に、無邪気に喜んで石鹸を手にした。
クローバーとハチミツを練りこんである石鹸は、エリスのお気に入りの品である。
もっとも、ヒュンケルはその甘い匂いが苦手で、いつもは別のものを使っていたのだが、娘に甘い駄目な父親である彼は、少し耳を伏せただけで何も言わずに娘に身を任せた。
「エリスがんばるよ!」
「こ、こら、エリス! どこを触っているんだ!」
石鹸を泡立てた小さな手で、エリスはいきなりヒュンケルの逞しい性器を握った。
萎えていてもかなりの質量があるそれを、エリスは無邪気に洗い清めていく。
ヒュンケルは、娘の突然の行動に戸惑いながら腰を引き、エリスを問いただした。
「エラちゃんがね、おとこのひとのここはきれいにしなきゃだめだって!」
「エラ? 賢王ナイアスの妖精か……!」
「それにね、すごくきもちよくなるんだって! よくわかんないけど!」
赤い髪をした妖精は、隣国の王ナイアスとの会談の際に何度か見かけたことがある。
娘にいらない知識を植え付けた虫の名前を、ヒュンケルは牙を剥きだしにして吐き捨てた。
不機嫌な父の様子には気付かず、エリスは幼い手つきでヒュンケルの性器を弄りながら、胸をはった。
「おとーさま、つかれてるんでしょ? つかれてるときは、ええと、”ぬく”? ほーがいいってエラちゃんが言ってたよ!」
「あ……あの……あの羽虫がぁっ!」
にっこりと笑いながら、褒めて褒めて、というように獣耳をぴくぴくと奮わせる愛らしい娘の姿は、常ならばヒュンケルの怒りを即座に沈めるはずだった。
しかし、親馬鹿である彼にとって、聖域ともいえる娘の純粋さを犯した小賢しい妖精への怒りは何物にも代えがたい。
ぴくぴくと怒りに身を震わせながらも、娘の手で反応し始めている自身に戸惑い、ヒュンケルは眉を寄せて娘の手を止めた。
「エリス、エリス。もう綺麗になったよ。ありがとう」
「ええー! まだだよ、エラちゃんは、しろいのがでるっていってたもん!」
「あー……あー……とにかく、大丈夫だよ」
不満そうに頬を膨らませるエリスの言葉に、ヒュンケルし一層エラ――ひいてはエルソード王国への敵意を募らせつつも、にっこりと笑ってごまかした。
「やだ! エリス、おとーさまつかれてるのやなの!」
「…………エリス」
純粋に自分の身を案じているエリスの、けなげな様子にヒュンケルは言葉に詰まった。
その隙を逃さずに父の腕を逃げ出したエリスは、ヒュンケルの立ち上がりかけた性器に更なる刺激を与えるべく、指をわきわきと動かしながら、にっこりと笑って言った。
「だから! エリスがんばるよー!」
「こ、コラ…………ガオーーーーーッ!」
浴室での微笑ましい親子の触れ合いの後、ヒュンケルがエルソード王国との戦争でちょっぴり過激に攻撃を重ねるようになったのは、言うまでもない。
あからさまにとばっちりであるエルソードの兵士たちは、ヒュンケルの愚直なまでの苛烈な蹂躙戦をして、ネツァワル王国を「脳筋」と呼ぶようになった。
その歴史の裏に、悪戯好きな妖精エラの影があったことに、気付いたものはごく一部だけだったという……。
「エラ……頼むから、ネツァワルに喧嘩を売るような真似はやめてくれんか」
「アハ、アハハハハ!」
大きくダメージを受けているキープで、ナイアスはため息とともにエラの羽を引っ張った。
笑いながら逃げようとするエラを小突きながら、ナイアスは戦場に響き渡る獣王の雄たけびに、もう一度大きなため息をついて呟く。
「親馬鹿はこれだから困るのぅ……」
空気(←何故か読めない)。
変態フォルダから来ましたよ。
>>28がいつまでたっても書いてくれないから自分で書いちゃったじゃない!
ハァハァして待っているのでぜひ書いてくださいお願いします。
>>28 サラッとしたのが欲しいといわれたのでサラッと流してみました。罵ってください。
親子なうえに獣とは…
変態過ぎて反応しないw
>>142-
>>143 キモい。うぜえからもう出てくんな。頼むから。
ID:8vxTvYK/はツンデレ
>>146-147 ごめんね、注意書きもっとちゃんとしとけば良かったね。
投下は最近始めたばっかだからそこまで気が回らなかった、すまん。
ちょっと修行の旅に出てくるわ。
自重すんなーもっとやれー
マジで書き手いねーからたのんます
貴重な職人さん追い出して何が楽しい。
すげえ速度で投下されてた事を今日知った俺涙目。
ID:8vxTvYK/は気に入らないなら気に入らないで自分でss投下するなりして空気変えたら良かったと思うんだ。
>>150 146だけど謝る必要ないとおもうぞ
人の好みは色々だろうし、読んでる人に合わせて書かなくても別にいいし
変態フォルダさん頼む、戻ってきてくれええええええ!
たった一人の釣り針に引っかかるこたあないぞおおお!
その他大勢があんたを待ってるんだあああああ!
変態フォルダです、とか名乗らなければいいんだよ。
俺は待ってるぜ!!!
誘い受けうぜえ。
すまん誤爆った。
華麗にスルーしてくれ。
確かにちょっと自分アピールはイラネって思ってた。
けど毎回楽しませてもらったし、投下初だって書いてたからそれも微笑ましく見守ってたのにぃっ!
修業の旅から早く帰って来ておくれ…
【1】
カセドリア連合王国首都アズルウッド。
その壁の区にあるホテル「マルクティス」の最高級スウィートで、その少女は軽やかに鼻歌を口ずさんでいた。
「ウッウッウマウマ〜♪」
手にした食器をテーブルに並べ、夕食の準備をこなしていく。
その手際の良さも、楽しげに行っている所作のひとつひとつも、まるで優雅な舞いを踊っているかのようだった。
「ライサラオス、やっぱいらへんで〜♪」
歌いながらキッチンに戻り、鍋の中の料理の火加減を確かめる。
小さなスプーンで味を確かめると、少女は口ずさんでいた怪しげな歌を止めて、満足そうに頷く。
「ん、カンペキ。お姉さま達も、これなら喜んでくれるよね」
身に着けていたエプロンをはずすと、コリデールと呼ばれる、ふわふわとした素材がふんだんに使用された白い服がその下から現れる。
リビングへと戻った少女は、まだあどけなさを残した大きな瞳で時計を確かめた。
「もうそろそろ、かな? 上手くいくといいんだけど…」
ひとりごちて、ソファーに腰掛け、ん〜〜〜!っと伸びをして息を吐く。
ショートカットにしたブラウンの艶やかな髪、スラリとした白い両手と瑞々しい若さ溢れる太もも。
そのどこをとっても、高価な家具類で揃えられたこの部屋に負けない一級品を思わせる。
年頃の娘としては、ほとんどボリュームが感じられないバストだけは特記すべき残念な点かもしれないが、それは見る者の好みにもよるだろう。
「ふわぁぁ…うにゅ…」
一仕事を終えて、気が緩んだようにあくびをする仕草も可憐でほほえましい。
ぼ〜…っと部屋のどこかを眺めながら、危うく睡魔に襲われそうになっていると、少女の耳に小さな音が聞こえてきた。
ガチャっというドアの鍵が開く音、続いて複数の足音が少女の元に近づいてくる。
敏感にその音に反応した少女は、パッと身を起こすと、
「お帰りさない、お姉さま〜」
声をかけながら小走りに来訪者を出迎えた。
【2】
「ただいまー…って、何この匂い?」
「ただいまルーシア。あら、ほんと。美味しそうな香りね」
ラコタというスカウト装備を身につけた女性と、ホーリーと呼ばれる高レベルソーサラー専用の装備をまとった女性がまっさきに反応する。
「リゼット姉さまもマリエ姉さまも、よくぞ言ってくれました!」
その言葉に、嬉しそうにエヘンと胸を張る少女。
「なんと! 今晩の夕食は、戦争で疲れたお姉さま達のために、私が用意したんですよっ」
「なになに? ルーシアちゃんが作ったの?」
ぴょこりと、新たな姿が現れる。こちらは女性…というよりも、エウディプ装備が良く似合っている幼げな少女だった。
「くんくん…、これシチューの匂いだぁ♪ キャロ、シチュー大好き!」
「シチュー…久しぶり…。楽しみ…」
続いて抑揚のない声で呟きながら、鎧姿の女性が部屋に入ってくる。
「あ、アゼリーお姉さまもお疲れ様です、自信作ですからいっぱい食べてって…ふにゃぁッ!?」
「ちがう。私の名前はアゼリィ。装備がアゼリー。発音、間違わないで」
「あぅあぅッ、わひゃってましゅっ、ごみぇんなひゃ…、あぃひゃひゃひゃッ!」
むっつりとほっぺたをつねられて涙目で叫ぶ少女の様子に、最後に入ってきた女性が苦笑しながら嗜める。
「アゼリィ離してあげなさい。ルーシアも悪気があった訳じゃないんだから」
「……りょうかい」
「あううううぅ、ヒドいれふ…」
赤くなったほっぺたをさすりながら泣く少女。その頭を優しく撫でながら、
「ただいま、ルーシア。お留守番ご苦労様」
聖女のような美しい声で、インペリアル装備の女性が労いの言葉をかける。
「クラリスお姉様…。おかえりなひゃい」
まだ呂律がはっきりしないまま答える少女の頬に、つねられたのとは違う朱がぽっと浮かぶ。
「あーぁ〜赤くなっちゃって。またルーシアのお姉様すきすきー♪ が始まった?」
「拾ってきたのは隊長なんだし刷り込みみたいなものなのかしらね?」
「ずるーい、私もルーシアちゃん撫で撫でしたぁ〜〜〜い!」
「……ちぇ。とられた………」
クラリス以外の4人が、その様子に口々に言った。
たまらず真っ赤になりながら、コリデール少女、ルーシアが叫ぶ。
「わ、私はネコか何かですかっ!? 拾ってきたとか刷り込みとかっ!?」
「だって…ねぇ?」
断固抗議するべく向き直ろうとしたルーシアの両頬に手を添えて、クラリスがやんわりと自分に向けなおす。
「あなたたちルーシアをからかうのもいい加減にしなさい。ほら、ルーシアもそんなに怒らないの」
柔らかい物腰の中にも有無を言わせない強さで言われ、リゼット達4人が口をつむぐ。
「お姉さま……」
ぽわわん…と、うっとりした顔でクラリスを見つめるルーシア。
その信頼の視線を受け止めて微笑みを返すと、クラリスはこう続けた。
「ルーシアは、私達「ヴァルキリー」の大切なペットなんだから。ね?」
「……はぃ?」
耳にした奇妙なセリフに、ルーシアが首をかしげる。
目をぱちくりさせて、言葉の意味を彼女が吟味している間にも会話は勝手に進んでいく。
【3】
「だいたい…ルーシアを怒らせて、相手してもらえなくなってもいいの?」
「あー…ソレ困るかも…」
「そだねぇ…。それはキャロもヤだぁ…」
「あの、お姉様…?」
おずおずと遠慮がちに呟くルーシアだったが、その場の全員にまるで示し合わせたかのように無視される。
「そ・れ・にぃ。拾ってきたのも、刷り込んだのも隊長の私なんだから。これは特権よ、特権」
「ああぁ、あの…っ!?」
次の言葉には、たまらず大きな声で叫ぶルーシアに、クラリスは頬に手を添えた姿勢のまま、笑顔で言った。
「そうよね?「ルーク」、君?」
「────!」
その一言で、夢見る乙女のような表情が真っ青になる。
「何か言いたいことがあるのかしら? そういえば晩御飯を用意してたのも「時間稼ぎ」見え見えだし…これはオシオキかしら?」
「そ……。そんな事…は」
バレてる。正直すぎる彼女の表情がそう語っていた。
カタカタと震え始めるルーシアの全身を、クラリスはゆっくりと…ほぐす様に撫でていく。
「んふふふ…今回の戦争、みんな頑張ったから…ご飯よりも早く始めないと…ね?」
コリデールの柔らかな素材を確かめるようにしながら、その手が少しづつ下がっていく。
「そ…そんなぁ……。せっかく作った…のに」
胸から腰をされるがままに摩られながら、涙を目の端に浮かべ固まったように動かないルーシアに、
「あなたが私の部隊にいるのは、給仕としてじゃないでしょう?」
クラリスは優しく語り掛ける。その指が下半身を覆うふんわりとしたスカートをつかんだ。
「そんなにアレが嫌なのかしら? 手の込んだ手料理まで用意して…」
「あ…あぁ…」
何をされるのか理解したルーシアは、それでも動けない。
魅入られたように、クラリスの次の動作を固唾を飲みながら見守っている。
「女の子だけの部隊に、君がいられるのは…なぜだったかしら?」
捕虜を追い詰めるかのような低い言葉と共に、がばっ!と勢いよく腰周りの布が捲り上げられた。
「あァあぁッ!」
無遠慮に下腹部が空気に晒され、短い悲鳴を上げながらルーシアはぎゅっと目を閉じた。
その場にいる自分以外の視線が、その部分──露にされた股間の一点に集中している事が否応なく感じられる。
「あら、可愛い下着。ルーシアちゃんらしくて素敵じゃない?」
「う…うぅ、みな…いで。お姉様…。こんなの「ボク」のじゃない…違うんです…」
「女の子らしくて、とっても似合ってるわよ? ねぇ、みんなもそう思うでしょ?」
白く清楚なレースがちりばめられ、高価な意匠を施された女性の下着。
身にまとったコリデールに合わせてコーディネートされたかのような、容貌に相応しい可憐な布地。
だがしかし。そこには、女性には決して存在しないものがあった。
「ボクのじゃない…見ないでぇぇ…」
見られているという事実に身体が反応し、小さな女性用ショーツの中に隠されていた「ふくらみ」が意思と無関係に体積を増していく。
やがて膨張した先端部が下着を押しのけてぴょこりと顔を出し、それが何なのかを白日の下に晒してしまう。
「いやぁぁあぁんッ!」
コリデール少女は自らの「男性器」を隠そうと、顔を振りながら泣き叫んだ。
羞恥に身悶えするその様子に、場にいる他の全員の女性達が生唾を飲み込んだ事にも気付かずに。
【4】
──部隊「ヴァルキリー」。
カセドリア連合国の中で、この名を知らない者はいない。ウィンビーン将軍を筆頭に活躍する、数ある部隊の中でも特別異質な集団だからだ。
まず、メンバーが全員女性であること。
長年続く戦争により徴兵年齢が引き下げられた昨今において、女性が兵務につくこと自体は珍しいことではなかったが、
その全員が女性であるというのは、他国を含めても稀有な例であろう。
さらにもうひとつ。この部隊を異質と断ずるに足る理由がある。
個々のメンバーが、各々の職においてトップクラスの能力を有しているランカーであり、彼女達が参加した戦争が無敗であること。
これは独立して間もない小国である我々カセドリアにおいて、特筆すべき事だ。
わずか10人ほどの規模ながら、数々の戦果を挙げた彼女達は、部隊長のクラリスを筆頭にカセドリアの英雄として名を馳せている。
そんな著名な部隊において、つい最近、同部隊に入隊した一人のソーサラーについて知る者はあまりいないだろう。
私達の独自の調査によっても、ルーシアという名前と、他のメンバーに比べて遥かに錬度不足なレベルであるという情報しか入手できなかった。
様々な憶測はあるものの、奇妙な事にメンバーの誰もが黙して語らない。
彼女達が拠点にしている、一般人には入ることすらできない高級ホテル「マルクティス」も、守秘義務を理由に当方の取材を断り続けている。
このルーシアなる人物が、部隊「ヴァルキリー」においていかなる存在なのか、今後も調査の継続が求められる。
「とまぁ、こんな記事が出回ってたりするわけだけど…」
クラリスから解放されて、涙目のままスカートの前をぎゅっと握りながら「ソコ」をガードするルーシアに、ラコタ装備のスカウト、リゼットが言った。
「真相知ったら、スキャンダルなんてレベルじゃないわよねぇ」
手にしたゴシップ記事をひらひらさせて、面白そうに笑う。
「でもでもぉ、ルーシアちゃんの事はぁ、皆で黙ってたらいいんでしょー?」
座った椅子をギッコンバッタン、危ういバランスで揺らしながら無邪気にエウディプ装備の少女が答える。
「そうよぉ。それにこんな姿なんですもの。そうそうバレはしないでしょう?」
「……バレるのは困る…ダメ、絶対」
ホーリー装備のフードを下ろし、長い髪を外に出しながらマリエが微笑み、アゼリーの黒いプロテクターを外しながらアゼリィが続ける。
「まぁねぇ? 身内からバレるなんて事は、あたしも思ってないわよ?」
リゼットはしたり顔で、仲間の言葉にウンウンと頷きながら、ルーシアを見据える。
雌豹を思わせるツリ目気味の瞳から、圧力を伴った視線が発散されていた。
「実はルークっていう名前の男の子で、ルーシアっていうのは真っ赤なウソ」
「女の子になりたいって願望から、この年で女装趣味に目覚めた変態クンでー」
「それだけじゃ飽き足らず、コリデにあこがれたあげくに偽証で兵員登録までしちゃった筋金入り」
「んでもって戦争中におしっこ我慢できなかったからって、僻地のクリ掘りほっぽりだして「してた所」をうちの隊長に見られたんだよねぇ?」
「しっかも、その時の姿勢が男の子スタイルだったってんだから爆笑もんだわ〜。いやまったく、こんな可愛い子がねぇ?」
「こんなこと、世間にバレちゃったらどーなっちゃうんだろ? 本人は軍に対しての偽証罪が適用されちゃうだろうし〜」
「それにぃ〜、そんな子を入隊させた私達、ヴァルキリーの名も地に堕ちちゃうかなぁ〜?」
わざとらしく大げさな抑揚を加えて語られる自身の恥ずかしい過去に、ルーシアは我も無くガクガク震えていた。
そう、全て事実だった。
あの現場を憧れだったヴァルキリー部隊長、クラリスに目撃された事で、何の因果か自分は今ここにいる。
【5】
「私だったら自殺級のエピソードだけどさぁ? この子が自分から暴露しないって保障はどこにも……」
「やめなさい、リゼット」
なおも続けようとしたリゼットのセリフを、クラリスが怒気をはらんだ声でストップさせる。
「お…っとと…。あちゃ〜、言い過ぎた?」
その思わぬ迫力にペロっと舌を出して気まずそうにいう彼女。クラリスはため息をついて、今にも崩れ落ちそうになっているルーシアを支えてやる。
「当たり前でしょう、全く…。ルーシア、大丈夫?」
「お…お姉様…ボ、ボク……。わた、しは…ルーシア…」
素に戻り「ボク」と自分を呼ぶ事を、かろうじて修正しながら、うわ言のように呟いているルーシアに、
「えぇ、分かってる。あなたは女の子よ。だから女だけのこの部隊にいるんじゃない。……そうでしょ?」
頬を伝う涙を拭ってやりながら、すがるような表情に優しく声をかける。
「料理が得意で、家事も大好き。ライトニング魔法の練習だって皆に追いつこうって頑張ってる。そんな貴方が私は大好きよ」
「お姉様ぁ……うぅ…うぇえ…ひっく…」
「この部隊にあなたがいる事に、おかしなことなんてないの。……ね?」
茫然自失だった表情が、やんわりと安心したように綻ぶ。
クラリスの胸に顔を埋めて泣くルーシアを、自愛に満ちた仕草で受止めて、
「ごめんなさいね。私もペットだなんて…意地悪しすぎたわ。許してくれる?」
詫びの言葉を呟く。黙ったままコクコク頷くルーシアを見て、今度はこの状況を作った元凶に目を向ける。
「う”……、いやぁ…そのぉ…」
バツが悪そうに、あさっての方を向いて頭をかくリゼット。
「ほら…最初に本名いったりペット扱いしたのは隊長だしぃ〜? ここは乗っかるトコかなぁ……なんて、ね? あはははは」
冷や汗を流しながら、しどろもどろで言い訳を始める彼女に、
「リゼットさん、ここは素直になったほうが…」
「クラリスお姉ちゃん、怒ると怖いよぉ? お尻叩かれるだけじゃ済まないかもぉ…」
「………ヘビスマ100発コース…。 ……死ぬかも」
仲間達が、口々に呟く。
「………うぐ…。──っはいはい! 私が悪かったですっ! すみませんでしたぁっ!!」
ヤケ気味に叫び、リゼットは、うぅーと眉根を寄せながら、なおも不信気な様子で唸っているルーシアと視線を合わせる。
「…………」
「…………」
しばしの間。
「その………ほんと、ごめん…」
がっくりと、視線に耐えかねたリゼットが頭を下げたのを見て、ルーシアはようやく元の、天使のような微笑みを浮かべたのだった。
【6】
「おちついた…?」
「はい……ご、ごめんなさい」
まだ心配そうなクラリスの声に、目を赤くしたルーシアは照れくさそうに笑う。
「すみません、取り乱して…あの、すぐにご飯の用意しますから……」
ごしごし目元を擦りながら、キッチンに向かおうとした彼女(と、いい加減明記してもいいだろう)の身体が、不意に押しとどめられる。
きょとんと、自分の腕を取るクラリスを不思議そうに見つめるルーシア。
「ふぇっ? お姉様…?」
「ダメよ、ルーシア。ご飯よりも先に、することがあるでしょう?」
ゆっくりと、言い含めるような言葉だった。
「ぇえっ!? だって、それは…さっき…え、えぇえっ!?」
「だから、その続きの話。私も皆もちゃんとルーシアを女の子として部隊に受け入れてるのよ?」
「は、はい…ありがとうございます……。って、それじゃなんで…っ!?」
狼狽しつつ、反射的に股間を押さえるルーシアに構わずクラリスは言う。
「では、ここで問題です。ルーシアちゃんは女の子です。そうよね?」
「は、はい…」
いきなりの問いだったが、素直に答えるルーシア。
「そう。女の子だからヴァルキリーの一員です。では次の問題。そのルーシアちゃんはまだ一緒に戦争に行けません。どうして?」
「そ、それはまだジャッジも使えないから…レベル…低いです、し…」
申し訳なさそうに俯く。
本当は肩を並べて戦場で戦いたかったが、この面子に混じったところで、前線で活躍など出来る訳もなかった。
彼女の戦争経験といえば、僻地のクリスタルを掘って輸送する。その程度なのだから。
「はい正解。まぁそこは私達が面倒みてるし、気にしなくても大丈夫、保障するわ」
「あ、は…はい。よろしくお願いします」
頷いて、自分から次を問題を待ってしまう。
知らない間にクラリスの話術に引き込まれている事などつゆとも思っていない。この単純さがルーシアの弱点だった。
「では、次ね。そのルーシアちゃんですが、普段の訓練のお礼に、先輩達が戦争から戻ってくると、必ずしていることがありますね?」
「っ!!」
答えはひとつ。
ルーシアは思わず声に出してしまうところを寸前で思いとどまり、顔を染めながら必死になって掴まれた腕をぶんぶんと振り解こうとする。
「いっつもダダを捏ねて、お世話になってる皆を困らせているけど…。さて、それはなんでしょう?」
にっこりと微笑みながらも、ギリギリと信じられない力で腕を握りながら、
「わざわざご飯まで作って、そのお礼をはぐらかそうとしたルーシアちゃんだったら……分かるわよね?」
涼しい顔で抵抗を物ともせず、クラリスは言った。
「待って下さい! だ、だってあれは…女の子じゃ…できない…もんっ! お姉さま達は尊敬してます! けど、けどアレは…!」
「一番私達が喜ぶ事なんだもの。心が女の子のルーシアちゃんだから余計に、ね? さぁ答えは? 3・2・1、はい!」
「い…いわない! いいたくないぃ〜〜っ!」
腕を掴まれたままへたり込んで、イヤイヤと顔を振る。
自分は女の子と思い続けているルーシアにとって、それは禁忌に属する事柄だ。口にだせるハズもない。
「もぅ強情ねぇ……。まぁいいわ。お礼が強制徴収なのはいつもの事だし」
「お、お姉さまっ!?」
上ずった声でルーシアが非難の声で見上げる。
と、いつのまにやら、他の部隊員達もクラリスに寄り添うように一斉に彼女を見下ろしていた。
口元に、微笑を浮かべて。獲物を狙う肉食獣のような視線を瞳に宿らせて。
「ひぁ…あぅぇ……。や、やだ…おちんちん…やめ…」
コリデールのスカートを抑えて、カチカチと歯を鳴らしながら半笑いになるルーシア。
助けて、許して、と言外に伝えたつもりだったのだが、残念ながらその願いは届かなかった。
【7】
「ちなみに、私はパニメインで7キルね」
リゼットが、ラコタ装備からこぼれそうな胸を揺らして言った。
「キャロも7でいっしょー! 中級メインだったからこんなもんかなぁ? カレスってキルとれないんだよねぇ」
はいはーい、と手をあげて、キャロットが元気よくアピールした。
「私は11キルね。ちょっと頑張りすぎちゃったかしら…?」
おっとりと微笑んで、恐ろしい数字を口にするマリエ。
「……火皿はずるい。バッシュメインで3キル……。 スタンプ厨……すればよかった…」
恨めしそうに、隣のマリエを見て言うのはアゼリィ。
「あ、あぅ…あ…」
そのキル総数を反射的に足し算してしまい、ルーシアは絶望的な気分で壊れそうになる。
「あ。ちなみにトップは例によって隊長ね? 両手のくせに最前線でほっとんど被弾せずハイエナしていくのは…流石っていうか何と言うか」
リゼットの言葉でルーシアが自分の方を向くと、クラリスは誇らしげに口にする。
「あと1で大台だったんだけど…残念だわ。19キル。 ルーシア、頑張ってね?」
「───……はぅっ」
か細い吐息と共に、ルーシアの意識が軽くトぶ。
合計47キル。
それはつまり、ルーシアがこれから彼女達相手に行なわなければならない「お礼」の総数でもあった。
「し、死んじゃいます…そ、そんなに出ない…。ム…ムリですぅ〜〜〜……」
比喩でも何でもなく命の危険を感じ、失禁しそうな程青ざめる。
内股座りのままで後ずさっていくのは、どうやって動いているのかすら不明な程の器用さだったが、これも必死さのなせる業といったところか。
「さて、いつものように1回づつのローテーション。……で、いいわよね?」
しっかりとそれを視界の端で補足しながら、クラリスの提案に、約1名を除いた一同が頷く。
「今日は私からでいいですか、隊長? ほら、さっき言いすぎちゃったから……」
「リゼットから? ん〜…まぁそうですわね。 だったらちゃんと態度で示すのよ?」
これだけの短い会話で、話がまとまったらしい。
「もっちろん! ルーシアぁ〜。お詫びにちゃーんと気持ちよくしてあげるからねぇ。んっふっふぅ〜」
クラリスの許可を得たリゼットが両手をわきわきと蠢かせてルーシアとの間合いを詰めていく。
「ひ…ひぁ…。ま…っ、そ、それお詫びじゃないですっ、やだ…こない…でぇ! ク、クラリスお姉さま、た、たすけ」
覆いかぶさるように迫るリゼットの奥に向かって、最後の懇願。
だが。
「じゃあ、次はキャロットで、マリエ、アゼリィの順でいい?」
虚しくも、その視界に映ったのはこちらに背を向け、段取りよく打ち合わせているクラリスの姿。
「お、お姉さまぁあぁっ!?!」
「私は最後でいいから、やり過ぎちゃダメよ?」
叫ぶルーシアの声が届いていないわけもなかっただろうが、聞こえた所で差異もまた、無かったことだろう。
「ほぉら。 あきらめなさいっての」
コリデールスカートの中に手を突っ込みながら、舌なめずりをするリゼットの言葉に、
「や、やだぁっ!……そこいぢらないでぇ……ぴゅーってしたくない、したくないんですぅッ」
どこをどう見ても美少女にしか見えないルーシアが、か弱い仕草で涙をポロポロとこぼす。
その哀願がまた、逆にリゼットの嗜虐心の燃料となってしまうのだが、こうなってはもはや手遅れと言わざるを得ない。
「あぁん、もうっ! 可愛すぎっ! いっぱい泣かせたくなっちゃうじゃないッ!」
「ひゃぁうぁあぁっ!? そ、そんなぁ!? い、いっ…いやぁぁぁァあんッ!」
かくてコリデール装備の由来の通り、哀れな子羊となったルーシア。
彼女(彼)の受難は、まだ始まったばかりだった。
刺激を受けた彼の人は修行の旅に出てしまいました………。お願いですから戻ってきてくだし><。
というわけで、またクソ長くてすみません。あっさりしたものを好む人には申し訳ないんですけど、オナニー作文投下しにきました。
間を空けると忘れ去られそうで怖いのですが、1週間に1回という形式で続きをもってこようかなと考えています。
今回は序章ってことで説明と、分かる人にしか分からないネタメインですけど、全7回、完結までお付き合い頂ければ幸いです;
では、こんなのでもわっふるして貰える事を祈って。
次回は5/22投下予定ですノシ
俺は5/22まで休眠に入る。誰も起こすなよ
安心しろ。お前が眠っている間、俺が保守してやる。
女装少年とはwwwww
Onlyも開かれるらしいし今が旬のネタですな
俺としたことが思わずおkk(ry
ついこの間までの過疎っぷりが嘘のようだ…。
俺は猛烈に感動している。
あんまり言い過ぎるのも良くないが、彼の人が復帰してくれたなら調度いい感じに賑わいが続くのではないだろうか。
それはともかくショタはいい。女装もいい。GJ!
おやすみ前の保守
触手×エラ。馬鹿エロ。
苦手な人はタイトル「エルソード」ではじいてスルーしてください。
175 :
エルソード:2008/05/17(土) 02:38:01 ID:oHaHo98H
いつものように、やたらと長く難解なナイアスの小言から逃げ出したエラは、パタパタと羽を動かして辺りを彷徨った。
戦争が終わったばかりのこの土地は、既に敵国のものとなっていたが、まだ支配権移行中なので、敵対国のエラがうろついていてもそれほど危険はない。
危険なモンスターは出てこないし、敵国の人間はエラの後ろのナイアスを恐れている為、手を出されるような事はまずあり得なかった。
パタパタと羽を忙しなく動かしながら、いつもの城とは違う、新鮮なフィールドを見渡して、エラは大きく伸びをした。
「うーん、やっぱり外はいいねー! ナイアスさまも閉じこもって本ばっかり読んでないで、少しは外にでたらいいのにー!」
古い書物の黴臭い香りに慣れきっていたエラは、フィールドの芳しい空気を胸いっぱいに吸い込んで、小さくボヤく。
その中に、ふと甘い花の香りがすることに気付いて、エラは吸い寄せられるようにその匂いの元を探してふらふらと漂った。
「あー! これだー!!」
ようやく、目的のものを探し当てたエラは小さく叫びながら、荒々しい戦場で逞しく、しかし清楚に花を咲かせている蔦に近づいた。
花の香りはますます強くなり、むせ返るようだ。
太い樹の幹にしっかりと絡みついた蔦には、桃色の可愛らしい花が零れるように咲き誇っている。
「うーん、いい匂いー! ……って、キャーー!」
甘く蕩けるような匂いに、ふらふらと蔦へと近づいていったエラは、いきなり蔦に絡め取られて叫ぶ。
うねうねと蠢く緑色の植物は、まるで意思を持っているかのようにエラの身体を這い回り、拘束していく。
「ヤダヤダヤダーー! 離してよー!!」
じだばたと暴れるエラの抵抗をものともせずに、蔦は器用に彼女の身体を恥ずかしい姿勢で戒めた。
両脚を大きく開き、手を上にした状態で蔦に絡め取られたエラは、大声で叫ぶ。
が、勿論蔦が彼女の願いを聞き入れる訳はなく、それどころかエラの服の下へとそのおぞましい触手を這わせていった。
「やっ! やだってばー! だめっ! ああっ!」
身体の拘束は解かず、しかし何本もの触手を器用に動かしながら、蔦はエラの身体を繊細に追い立てていく。
胸に無理やり絡みついた蔦が、彼女の乳房をいやらしく押し出し、また別の蔦はその頂点で震える淡い色の乳首の上を焦らすように何度もつついた。
上半身だけでなく、下半身にも絡みついた蔦は、容赦なくエラの敏感になった恥部を蹂躙する。
「はぁあんっ! だめえっ! きもち、いいよぉっ!」
髪を振り乱して喘ぐエラをからかうように、蔦は彼女の赤く充血したクリトリスを何度もなぞり、たらたらと零れる愛液を吸収していく。
下半身を責めていた蔦たちは、エラの愛液でテラテラと淫らに光った。
蔦同士は次第にお互いが絡み合い、グロテスクな男性器を模した代物へと変わっている。
176 :
エルソード:2008/05/17(土) 02:38:36 ID:oHaHo98H
「やぁあんっ! だめなのぉっ! それいやぁぁっ!」
その恐ろしい光景にも気付かず、エラは過ぎた快感に涙を滲ませながら喘いだ。
同時にありとあらゆる性感帯を嬲られる、その快楽にエラはすっかり酔っていた。
「へっ? んむぅっ! んんんむぅぅっ!」
男性器を形作った蔦に口を塞がれたエラは、その先端から、とろりとした液体が注ぎ込まれると、顔を真っ赤に染める。
周囲に漂う花の香りを煮詰めたような、濃厚な甘い香りのするその液体には、催淫効果を持ち合わせているらしい。
一気に朱に染まった全身をくねらせ、口元から引き抜かれた蔦から滴る液体にはしたなく舌を這わせた。
「はあぁうっ! 気持ちいいのぉっ! もっとぉっ! もっとしてぇっ!」
だらしなく口を開き、大きく開かれた脚を更に自分の意思で広げて、エラは蔦たちを誘うように腰を振る。
既にその顔からは欲情しか感じられず、いつもの陽気な妖精の姿はなりをひそめ、一人の牝が顔を出していた。
「きてっ! もっと! 奥にほしいのぉっ! さっきのいっぱい飲ませてぇぇっ!」
淫らに腰を動かして、先端のみを焦らすように挿入した蔦を自ら咥え込みながらエラは激しく喘いだ。
いつのまにか、くらくらと酔うほどに立ち込める濃密な花の香りが、エラの少ない理性を更に失わせる。
乳首を男性器型の蔦が突付き、乳房にべっとりと甘い匂いのする白い粘液を擦り付けていった。
「もっとぉっ! ほしいのっ! はやくぅぅっ! ……ひぃぃっ!」
蕩けた顔で腰を振って陵辱をせがむエラの、全く馴らされていない後ろの穴にいきなりもう一つの蔦が突っ込まれた。
痛みに顔を歪めたエラは、しかし間もなく再び快楽を求めて喘ぎ出した。
「やんっ! おし、りっ、なのにぃっ! いいっ! きもちよく、なっちゃうぅっ!」
乱暴に挿入された蔦は、しかし彼女の快感を引き出すように繊細な動きで小刻みにエラの直腸を揺さぶる。
その動きに合わせるように、先端までで焦らされていたエラの秘裂にもう一つの蔦が入り込んだ。
抵抗もなく、たっぷりと潤ったエラの粘液と、蔦から出る淫靡な液体が混ざり合い、ぐちゃぐちゃといやらしい音を立てる。
「ああっ! ど、どっちもっ! どっちもなんてぇっ! 酷いぃっ!」
酷い、と言いながらも、彼女の顔は快感に染め上げられ、そこからは歓喜しか読みとれない。
身をよじって絶頂を迎えようとするエラを、蔦は更に容赦なく責め立てつづける。
あまりの快感に頭を真っ白にしながら、エラは快楽の淵へと堕ちていった。
177 :
エルソード:2008/05/17(土) 02:39:01 ID:oHaHo98H
「どこにいっとんじゃ? エラ」
「えへ、えへへへへ」
珍しく心配そうに問いかけるナイアスを、いつものように笑顔で誤魔化しながら、エラは顔を赤くした。
「まあ、いいわい。次はホルデインと戦争じゃ。準備しておくんじゃぞ」
「はいはーい! ナイアスさまぁ!」
「なんじゃ?」
小さくため息をつきながら、支配権の移行が成立し、休戦状態になったフィールドから移動を始めるナイアスに、エラは元気よく言った。
片手を上げながら飛び回って、自分をアピールするエラをすこし鬱陶しそうに見つめながら、ナイアスは彼女を促す。
「この土地、絶対エルソードのものにしましょうねっ! 永久的に!」
「……何があったんじゃ?」
「なんでもないですー!」
いつもより何倍も熱心なエラに、ナイアスは訝しげに眉を寄せたが、それを笑顔でかわして、エラは鼻歌交じりに飛び回る。
(……うちの国のものになったら、いつでもやり放題っ!)
ウキウキと次回の楽しみに思いを馳せたエラは、期待に頬を染めて両手を握り締めた。
妖精らしい奔放さで、すっかり蔦の虜になったエラには、もうすでにその事しか考えられなくなっていたのだ。
(楽しみだなーっと!)
異常に機嫌のいい妖精を、不気味そうに見つめたナイアスはため息をつき、ホルデインとの戦争に頭を悩ませ始める。
「……呪われし獣人王の次は、ホルデインの小娘か。全く、ワシがゆっくりと知の探求に思う存分打ち込めるのは、いったいいつになるのやら」
「うふふふー! 絶対エルソードのものにするぞー!」
愚痴っぽい賢王と、やたらに陽気な妖精は、それぞれに呟きながら次の戦場へと向かった。
終わりです。お付き合いありがとうございました。
CIAは極秘に監視システムおよび粒子ビーム砲搭載の人工衛星「グレイザー1」を打ち上げた。
打ち上げは見事に成功し一同は安堵した。
しかし、そこの場には開発者であるトラビス・デインの姿はなかった。
打ち上げを前に解雇され自殺したのだ。
一方、ケイシー・ライバックは姪との旅行に備え支度を整えていた。
旅行はアメリカ大陸を横断する列車の旅で、疎遠になっていた姪との仲を修復するためにだった。
姪のサラとライバックは衝突しながらも列車の旅をスタートさせた。
二人が乗っている列車には、「グレイザー1」を打ち上げたスタッフが乗り込んでいた。
しばらく旅は平穏に続いていたのだが、一発の銃声が轟き車内は騒然となる。
列車は急停車し、ハイテク機器を装備した数十人のテロリストが乗り込み車内を占拠した。
たまたま調理室の冷蔵庫に逃れたライバックは、事なきを得て難を逃れる。
しかし、姪のサラはテロリストたちに連行され、列車の一部に監禁される。
恐怖にかられる車内に、死んだはずのトラビス・デインがテログループのリーダー、ペンと現れる。
そして、持ち込んだハイテク機器を操作し、乗り込んでいた「グレイザー1」のスタッフから暗証コードを聞きだしスタッフを皆殺しにした。
操作権限を乗っ取ることに成功したデインは、世界の富豪による暗殺依頼のプレゼンテーションとして、予告した上で粒子ビーム砲で中国の秘密化学兵器工場を破壊してしまうのだ。
乗っ取られた方の米軍のコントロール室は何もできないままに、その破壊の様を指をくわえて見る事となった。
その直後にデインは世界の富豪からの暗殺請負で小銭を稼ぎ、デインのメインの目的である国防総省の地下にあるとされる原子炉の破壊をする、と政府に通告する。
交換条件がない以上破壊そのものが目的である。
ライバックは乗客乗員そしてアメリカ本土を救うことができるのか。
ライバックのたった一人の反撃が始まるのだった
続きはまた今度
さすがエロソード
エルソードGJ!
3匹の妖精によってたかって****に群がられたい俺はもうダメかもしれん。
妖精な女の子の上と下と後ろのあ・・・(;´Д`)ハァハァ
た、たまらんっ!
>>183 いや十分ダメだろう
クラスチェンジNPC「あぁ? 転職してぇってのか?」
♀オリ「あ、はい。羽も持ってきましたっ!火皿になりたいんです!」
クラスチェンジNPC「しゃあねぇ。んじゃ転職させてやっから、そこで脱げ」
♀オリ「え?」
クラスチェンジNPC「え?じゃねぇよ。皿になるのに鎧なんか着てらんねぇだろが。ぁあ?」
♀オリ「で、でも……(もじもじ)」
クラスチェンジNPC「転職したくねぇなら別にいいんだぜ。とっとと帰れ」
♀オリ「あ。待ってください! ……わ、わかりましたっ。脱げば…いいんですね」
ぬぎぬぎ。
♀オリ「あの…これでいいですか……?」
クラスチェンジNPC「へぇ、結構ヤラしい身体してんじゃねぇか?」
♀オリ「やだぁ、見ないでぇ…」
クラスチェンジNPC「じゃぁ転職だ。動くなよ?」
さわさわ、こしょこしょ(羽でくすぐるNPC)
♀オリ「あんっ!なにするんですかぁ!」
クラスチェンジNPC「くっくっく。だから羽使ってやってんだろがよぉ?何をピクピクしてるんだ?」
♀オリ「だ、だって…」
じゅん。
♀オリ「(やだ。私濡れて…)」
転職で脱がされる俺のイメージはこんな感じ。メンテで暇だからやっつけで書いてみた。
>>184 。・゚・(ノД`)・゚・。
>>185 こりゃもう完全にダメだな
いいぞもっとやれ
雷皿♂「羽も持ってきました!パニカス♂になりたいんです!」
188 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:17:24 ID:RMCuGWgO
クラスチェンジNPC「あぁ? 転職してぇってのか?」
雷皿♂「あ、はい。羽も持ってきましたっ!パニスカになりたいんです!」
クラスチェンジNPC「しゃあねぇ。んじゃ転職させてやっから、そこで脱げ」
雷皿♂「え?」
クラスチェンジNPC「え?じゃねぇよ。スカになるのにローブなんか着てらんねぇだろが。ぁあ?」
雷皿♂「で、でも……(もじもじ)」
クラスチェンジNPC「転職したくねぇなら別にいいんだぜ。とっとと帰れ」
雷皿♂「あ。待ってください! ……わ、わかりましたっ。脱げば…いいんですね」
荒い口調の女NPCとな
そして雷皿♂がパニスカになると同時に奴隷になるとな
雷皿♂「あの…これでいいですか……?」
クラスチェンジNPC「へぇ、結構ヤラしい身体してんじゃねぇか?」
雷皿♂「やだぁ、見ないでぇ…」
クラスチェンジNPC「じゃぁ転職だ。動くなよ?」
さわさわ、こしょこしょ(羽でくすぐるNPC)
雷皿♂「アフア!なにするんですかぁ!」
クラスチェンジNPC「くっくっく。だから羽使ってやってんだろがよぉ?何をピクピクしてるんだ?」
雷皿♂「だ、だって…」
最低だな
ワラタwww
けど、これ雷皿♂から女性にすると燃えるな・・・
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†('A` ∩_ おいらをどこかのスレに連れてって!
/ヽ 〈/\ お別れの時にはお土産を持たせてね!
/| ̄ ̄ ̄|.\/
| .モツ煮..|/
 ̄ ̄ ̄
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サモンアタックR不人気すぎワロタwwww
ども、
>>166です。
約束してた22日になったので、2話目を持ってきたした。
楽しんで貰えると嬉しいです。
長文なので読むのも大変ですよね…感想くれる人、いつも感謝してます><
【2-1】
ラコタ装備のスカウト少女、リゼットを端的に表す言葉がある。
ポニーにした黒い髪、ほどほどに育った形のいいバストや、挑戦的に釣りあがった瞳。身体的な特徴は、このあたりの説明で事たりる。
ならば何をもって、彼女というべきなのか。それはひとえに、その性格に由来する。
──ドS。
自他共に認める、真性のサディスト。それが彼女だ。
それは短剣スカウトとして戦場を駆ける際にも存分に発揮される。ブレイク系も一級レベルで使いこなすが、彼女の得意技はパニッシングストライク。
しかも標的が回復アイテムを使用した直後の、安心した瞬間を好んで仕留めるのだから始末に終えない。
「相手がホッとした時が狙い目なんじゃない。イっちゃうほど気持ちいいわよ?」
とは本人の談である。
かような彼女は、常日頃においても、ルーシアを最も「可愛がる」人物でもあった。
素直でまっすぐな彼女を、とにかくあの手この手で戸惑わせて楽しんでいる。それは幼い子供が好きな子をいぢめる姿に近かった。
そんなリゼットの性格嗜好が如何なく発揮される時。
ルーシアは現在進行形で今、それを嫌というほど味あわされていた。
【2-2】
「ふわぁァあぁぁあぁッ!! あ──ッ! あ──ッ! んくぁはぁァあぁ──っ!」
「ほぉら、どーしたのぉ? まだまだこれからよ?」
「もっ! もうムリですッ! グリグリされッ…たらぁァあぁぁッ! あくっ! ひぃんッ! で、でちゃう! れちゃううううぅぅ──ッ!」
「ん〜? 出したいのぉ? ルーシアってば、女の子なのにびゅくびゅく射精しちゃうの?」
「は、はぃぃぃッ──! れちゃうです! も、もぅダメ、あはぅッ! イぃ…イッ! イクッ、イっちゃいましゅぅう──ッ!!」
「じゃぁ、すとーっぷ」
「う…うぁあぁはぁあぁ……。はぁ、はぁあ…、しょんなぁ! また途中…で…うぅ…、リ、リゼットお姉さま…ヒドい。……ぁあ…んくっ」
もう十回以上になるだろうか。
数える事すら出来なくなったルーシアは、ぜぃぜぃと荒い息を吐きながら、幾度と無く繰り返される寸止め地獄に喘いでいた。
極限まで射精感を揺さぶられ、決壊する寸前を正確に察知して放置されるというリゼットからの責め苦。
自らの男性器に嫌悪感を抱いている「少女」であるルーシアにとって、これは想像以上に過酷なものだった。
「あぅあ…へぁう…も、もう許してぇ…リゼッ…トお姉さ…まぁ…」
朦朧とした瞳で、開いた唇の端から涎までこぼしながら、息も絶え絶えになりつつルーシアは懇願する。
せめて射精さえ出来れば……。
ルーシアの頭の中は、もうそれだけで埋まっていた。
寄せては引くこの無限サイクルが終わらない限り、いつまでも、この女の身にあるまじき部分を意識し続けなければならない。
──出してさえしまえば、少なくとも心だけは女の自分に戻れるのに……。
そんな彼女の内心を、リゼットが気付かない訳も無い。むしろその反応を楽しむために繰り返しているのだから、懇願は逆効果だ。
「はぇぁ……、はぁ、ふぅぅ…。お、おね…お願い…だ、出させて…」
呆けた口調で繰り返すルーシアに、リゼットはますます笑みを深くする。
「ダメよ、ルーシア。 ほら、腰がさがってきてる。しっかり立ちなさい」
ぴしゃりと言い放つと、太ももを平手で軽く叩いてカツを入れてやる。
「あぅう……そん…なぁ。ムリ…むりぃい……」
無理といいつつも、言われた通りにカクカクと震える腰を2本の足で懸命に支えるルーシアを見つめ、
「ちゃんと立ったらスカートを自分で捲る。そう、そうやって恥ずかしい所がよーく見えるようにね?」
目の前で命令に従うコリデール少女の痴態を、至近距離で観察する。
「んく…ぅ…」
「可愛いわ、ルーシア…。スカートの中で、こんなのをピクピクさせてるなんて…」
「いや…ぁ、いやァん…」
瞳にサディスティックな危険色を浮かべたリゼットの言葉攻め。たまらずルーシアが羞恥に顔を伏せる。
「本当よ? コリデールに負けないくらい素敵。これが無ければ誰も男の子なんて信じないわ」
「ちが、違う…のぉ。 わ、私は男の子じゃ…」
直立姿勢のままスカートを持ち上げ、隠しようもなく股間を晒しながら、それでもルーシアは頑なに呟く。
男の子、というリゼットのセリフに、露にしている敏感なソコがピクンと反応したことに、果たして自身で気付いているかどうか。
「そうよね、ルーシアは女の子だもんね?」
ワザとらしく肯定してやると、すかさずコクコク頷く彼女。
いじましいその仕草にリゼットは苦笑する。ウソと一目瞭然でわかる姿を露にしているというのに、まったく何を言っているのだか。
(まぁ、そこが萌えなんだけどねー)
心の中で呟き、黙ってプルプルと耐えている相手をなおも追い込んでいく。
【2-3】
「じゃあ、これは何?」
人差し指で、ソレの先端をちょんっ、とつついてやる。
「ひゃんッ!?」
たったそれだけの刺激にも、悲鳴を上げて腰を引くルーシア。
「ねぇ教えて? ルーシアちゃんのぉ、ここにあるコレ、何なのかな〜?」
「ひぁッ、ぁんッ! ひゃぅっ…! そ、そ…あぅっ! それ…はんッ!……はぁッ!」
「うん。それはー?」
ちょんちょんと、不規則なリズムで刺激するたび、めくりあげたスカートで顔を覆いながらも、ルーシアが律儀に反応する。
下着はとっくの昔に脱がされて、今は部屋の隅っこに転がっていた。
リゼットの視界に映っているのは、腰周りを全裸にしたルーシアであり、いたずらされている部分を隠すものは何も無い。
「ほら、言って? 言わないとずっとこのままよ?」
しゃがみこみ、今度は0距離に近い位置でリゼットはルーシアの肉の反応を確かめる。
「そ、そんなぁ…うぁんッ! そ、それあはぅッ! それ…は…ぁんッ!」
(あっは。口と違ってこっちは素直なんだからー。えいえいっ)
愛らしい彼女っぽい、といえば多少の語弊があるかもしれないが、年相応の無毛の肉棒はつるつるとしていて、どこか愛嬌がなくもない。
そのくせ平均以上のしっかりしたサイズで存在を主張していたり、きちんと先端が赤く剥けきっていたりと、男性器としての逞しさは申し分ない。
彼女の心と同じく、アンバランスなその部分。
夢中になって刺激しながらも、リゼットはそんな事を思っていた。
(じゃ、そろそろ口も素直になってもらおっかな?)
そうひとりごち、次の段階に歩を進めていく決断を下した彼女は、
「ルーシア、聞こえないわよ? ここは何なの?」
質問をしつこく繰り返しつつも、焦れたように今度はピンっ!っと強めに弾いてやった。
健気に抵抗していたルーシアだったが、不意に異なる刺激を送り込まれては、たまったものではない。
「はひゃあッ!? い、言います、言いますぅっ!」
先端をピシッ、ピシッと弄ばれるたびに、打ち揚げられた魚のように腰を跳ねさせて痙攣するルーシア。
ついに屈服したように、ぼそぼそと言葉を紡ぎ始める。
「そ、そこは…お……ひひゃぅッ! お…」
「なぁに?」
股間から覗き込むように見上げるリゼットと、顔を隠したスカートの端から覗いたルーシアの視線が交差した。
瞬間、ハっとしながら口にしようとした単語を飲み込み、顔を振るとルーシアは涙声で叫ぶ。
「そこはッ…! ク、クリッ…、私のぉ、クリトリスですぅッ!!」
恥じらい、真っ赤になりながらの告白。
寸前で正直に答えることを拒んだらしいが、返って自ら羞恥心を煽る結果になった事に、ルーシアの顔はトマトのようになってしまう。
リゼットはというと、彼女の予想外の反応に数秒の間きょとんとしたものの、
「ふぅ〜…ん。そうなんだ…。これは、ルーシアのクリちゃんなんだぁ?」
思わぬ収穫を得たとばかりに、笑いを押し殺しながら呟いた。
「随分おっきなクリトリスね。これがルーシアの女の子の敏感な部分?」
「そ、そぅッ! そうです……っ、女の子のお豆ッ! ひゃぅあっ! だ、だからッ! 触っちゃダメなっ…のぉおッ!」
一転してくにくにと、柔らかなタッチで揉み解され、切羽詰った表情のまま無我夢中でルーシアは答える。
今にも達してしまいそうな顔で、睫毛を振るわせているというのに、この頑固さ。
呆れると同時に、リゼットは「やっぱりこの子はこうでなくては」と、最愛のオモチャの手ごたえに満足しきっていた。
【2-4】
(じゃあ、とことんまで付き合ってあげるわ。どんなイキっぷりになることやら)
「そうなんだぁ…。でも困ったわぁ、これだと私のノルマが終わらないわよねぇ?」
内心の悪巧みをおくびにも出さず、芝居がかった声でリゼットは手を止めて、残念がってみせる。
「ふぇぁ……? え…? ぇ?」
またしてもお預けを食らった事によるもどかしさよりも、言葉の意味が理解できずに、ルーシアは不安げにリゼットを見やる。
「だぁってぇ、私の1回はルーシアに射精してもらわないと終わんないんだもん。でしょ?」
「……──っ!?」
「女の子のクリは射精なんかしないでしょ? だからどうしようかなぁって…あー、困ったわぁ」
「そ、それ…は。 その…っ」
たくしあげポーズを維持したままで、自分の蒔いた種にうろたえるルーシアに、
「じゃあ、こうしましょう」
ぽむっと手を打ってリゼットは、名案と言わんばかりの顔で言った。
「クリだったら、感じるところは私と一緒でしょ? よーっく知ってるから、気持ちいい事たっぷり教えてあげるわ」
「え? へ…? あぇぇええッ!?」
ルーシアが意味不明は悲鳴を上げる。が、何も聞こえていないかのように、
「射精って終わりがないぶん、女の子の快感は無制限よぉ? 気絶するまで何度でーも気持ちよくなれるんだから」
言い放って、リゼットはウインクをする。
「は…はぅ…。あぁあ、あのっ! そ…その」
「なぁに?」
慌てて口を挟んでくる獲物を見据え、ルーシアは意地の悪い笑みを向ける。
「そんな…されたら…、そのっ、で、出ちゃいます…」
小さな声。観念したような呟きだった。
「出るって、何が?」
「そ、その…しゃ…射精…。だから…。出したら……その終わり…にして欲しいなぁ…なんて…」
「なぁに、それ? ルーシアのクリトリスって射精するの?」
心底わざとらしく。からかう様に、リゼットは大げさに驚いて見せる。
「う……、は、はぃ」
認めたくないという心が、一言づつ壊れていくのが手に取るように分かった。
「ルーシアって、女の子だったわよね? で、それはクリなのに? でも射精しちゃうの?」
「うぁ…ぅぁ。 だって…だってぇ…っ!」
混乱の局地に立たされたルーシアが、泣きながら男と女の自我の狭間で揺れ動く。
男としての射精欲求。
女のしての自分の姿。
ぶつかりあう本能と理想が、彼女の頭を無茶苦茶に掻き回していた。
(あらら、予想以上だわ…。まぁ、そろそろ助けてあげるかー)
ルーシアの心を散々に弄んでおきながら、ようやく嗜虐心を満足させたリゼットは、ゆっくりと彼女を抱きしめた。
「ルーシアいいじゃない。おちんちんがあったって。あなたは女の子、そうでしょ?」
一変した優しげな物言い。
恐慌状態一歩手前だったルーシアが、嗚咽しながらもリゼットを見やる。
その涙にぬれた瞳の美しさに、リゼットは一瞬心を奪われた。
「………。ほんと、かんっぜんに女の子よね…ルーシアって」
「リゼット…お姉ぇさ…ま?」
思わず口にでた声。呆けた顔で首を傾げられ、リゼットは慌てて言葉を続ける。
「あー…えっと。だからぁ、おちんちんがあってもルーシアは立派な女の子なの!」
「……ふぇ?」
「正直羨ましいのよ? ルーシアみたいに可愛い子で、射精まで出来るんだから。私には体験できないんだし」
「お姉さま…?」
ぽかんとして、言葉の意味を問おうとするそのあどけない顔。
(ぐぁ…、その顔は反則…。なんだってこの子ってば…あぁ、もう!)
今度はリゼットが心の中で悶絶する。愛しさが溢れて抑制が効かなくなりそうだった。
【2-5】
「お姉さま…、私のこれ変じゃない…?」
「う、うん。変じゃないわよ。 本当」
「でも、私は女の子…じゃ」
「うるさいッ!! いーから、あんたは女! ムカつくぐらい可愛いくて、しかも射精もできるの! OK!?」
わしわしと頭を掻きながら、湧き上がった気持ちを隠すために支離滅裂な事を言い放つ。
そして、ちらりと発言の成果を伺ったリゼットに向けられたのは。
「───あは…」
まるで花が咲いたかのような、そんな顔いっぱいに広がったルーシアの笑顔。
「ありがとう…リゼットお姉さま…」
そして限りなく無垢で、純粋な、心から安心して紡がれた言葉。
(あー…。ダメ。これには勝てないわ)
煌く視線を正面から受止められず、リゼットが照れ隠しに取った行動。
(いぢめてた方が、やりこめられるって何なのよ、もうっ!)
それはハイドで自身の姿を見えなくする事だった。
「ふわっ!? お、お姉さまっ、ど…どこ?」
恥ずかしい格好のまま、一人取り残されたルーシアが、とたんに慌てた声を出す。
「ちゃんといるわよ」
「み、見えないですよぉ…」
「いいの。このままで」
きょろきょろと辺りを見渡すルーシアの様子に、少しだけイニシアチブを取り戻したリゼットは、
「いーい? このまま射精させちゃうからね」
「ぇえッ!? そんなのっは、恥ずか…ッ! ひッひゃうぁあァあッ!」
ルーシアが言葉を返すよりも早く、一息にソコを握りこんだ。
不意を撃たれ、しゃがみこみそうになりながらも姿勢を正すルーシアの顔には、先程までの嫌悪感はない。
図らずも、自らの男性器を他人に認めてもらえたことで、精神的な安定を見たらしい。
「お姉さまぁ…あはぁ!…うぁッ、み、見えないけど…すごッ、ひぁん! い、いぢられてるっ、触られてるぅうッ!」
喘ぐその顔は、相変わらず羞恥に頬を染めてはいるが、軽い笑みさえ浮かべ与えられる刺激に身を任せているようだった。
姿を消したリゼットの手によって握られたソコは、ルーシアの目にはひとりでにシゴかれているように映っている。
「あぁァッ、はっ! んぅあふぅッ!……こ、これスゴい…ッ! なんかスゴいぃ──あひゃぅァんッ!」
何も触れずに上下している自分の皮や、見えないのに加えられる明らかに空気とは違う甘美な刺激。
魅入られたように、ソコを凝視しながら嬌声を上げるルーシアに、リゼットは一層その手技を施していく。
(見えない力で勝手にオナニーさせられてるような気分なのかしらね?)
「ねぇ、ルーシア? そんなに気持ちいいの?」
なんとなく姿を消したまま、声だけで聞いてみる。
そんな彼女はというと、耳にした言葉に反射的に頷くだけで、ひたすら意味のなさない叫びをあげるだけ。
「そう、じゃぁ。もっと良くしてあげるわね?」
その様子だけで、リゼットはルーシアの快感の度合いを察し、本格的に刺激を送り込み始める。
元々スカウトを職にしている彼女の技巧は、手先が器用なだけあって並大抵のレベルではない。
その気になれば、バッシュほどの刹那で果てさせることも可能ではあったが、せっかくこうして感じてくれているのだ。
なるべく長く、そしてその果てにある真に幸せを伴った絶頂を味わって欲しかった。
「ぁあッ! やぁッ!…な、何ぃ…!? ちが、違うの…キたぁあぁんッ、あふぁァァ───ッ!!」
叫ぶルーシアの、スカートの裾を握る手に力が入る。
上下の動きに加えて、ひねるようなストロークが根元から先端まで満遍なく往復していくようになっていた。
「そんな激しッ! ひやぁあァぁッ! おちんちんがぁッ、揉みくちゃにぃッ! いやぁあァぁん!」
(ぬるぬるで滑りがよくなってきたわね。なら、スピードアーップ)
ルーシアを快感に集中させるために、あえて無言で手コキを行っているリゼットが内心で呟く。
「はぁあぁァァ───ッ!? ああぁあぁあぁァ───っ! あひァぁぁあぁ──! あッあぁァ───ッッ!!」
行為の速度と同調して、ほとばしる絶叫もヒートアップしていく。
腰を突き出し、立ったままエビ反りになるかのような姿勢で、ルーシアは喉を振るわせる。
さしだされたその肉棒は、クチュクチュと卑猥な水音をたてながら、別の生き物のように蠢き続けていた。
噴き出した先走りが、無毛の竿から腫れ上がったように真っ赤な先端部までを覆っていく。
【2-6】
「あひゃァあッ! さ、さきっちょ! カ、カリ引っ掻いてりゅぅッ!」
「だ、らめぇッ! 先っちょに指たてちゃッ! あひゃぅッ! んァッあはァあァァ──ッ!」
「いやぁあぁぁァ──ッ! 皮剥いたり戻したりするのもッ! き、きもひぃいからァぁッ! あひぁッ!──らめでしゅぅぅ!!」
ビクビクと、のたうつ様に全身を痙攣させながら我を失ったように叫ぶルーシア。
与えられる刺激を、丁寧に喘ぎで説明しているのは、そうすることで気持ちよさを伝えているつもりなのか。
(ルーシア! もっともっとよ! 聞かせて、感じて!)
残像すら浮かびそうな勢いで、握り締めたルーシアを上下させながら、リゼットもますます高ぶっていく。
「あひゃぁあうぁあッ──ッ!も、もぅっ! らめッ!」
一際大きく声を上げ、ルーシアの足が崩れ落ちた。
(イっちゃった…? あ、立ってられなくなっただけか)
ぺたんとしゃがみこんでスカートからも手を離したルーシアだったが、その股にはリゼットの手が纏わりついたまま。
「あひぁんッ! 動いてるぅっ……スカートの中、スゴぃい…クチュクチュいって…あふ…やぁぁァあァんッ!」
コリデールスカートの真ん中が、見えない力で持ち上げられているかのように上下するのを、ルーシアは悶えながらも蕩けた視線で見つめていた。
やがて、上半身からも力が抜けると、ルーシアは仰向けになって目を閉じた。
腰から下はへたり込んだ時の内股座りのまま。両手はくったりと投げ出されてぴくぴく震えているだけだった。
(これは……)
リゼットに、どうぞ、と身体を差し出しているかのような姿勢だった。
(そんな狙ったようなポーズ…っ。 もー! 我慢できないってのぉ! 食べちゃうからね!)
手コキを加えながら、すばやく顔を寄せたリゼットが、反り立った肉の塊をぱくりとくわえ込む。
「ひァうッ!!!?」
とたん、脱力していたルーシアの身体がビクッ!と跳ねる。
指だけでも達してしまいそうな程だったのに、襲い掛かってきたのは、熱い粘膜とぬめる舌先。
盛り上がったスカートの奥から、じゅるじゅると吸い上げるような水音が聞こえ、敏感なソコが引き抜かれるような吸引で刺激される。
それだけではなかった。飲み込まれた粘膜の中では、のたうつように激しく動いている舌に、竿が舐め上げられ、先端のくびれをなぞられ、
頂点の小さな穴を、くりくりとほじられる。
もちろん口腔に収められていない部分には、10指を駆使した絶技が施され続けており、それらが渾然一体となった快感が、瞬く間にルーシアを
悦楽の彼方へ導いていく。
「ぇあぁあぁッ!! ふぁあぁァああァあ────ッ! あァはァあぁああぁァァ────ッ!!!」
「じゅぷッ、れろ! んっぷ、んぐむっ!」
忘我の嬌声と、荒いくぐもった鼻息が、淫らなハーモニーを奏でる。
やがてついに訪れたその予感に、ルーシアがあられもなく声を振るわせた。
「ひゃうァあぁあぁッ! お、お姉しゃまッ! あぁはッ──ッ! んっくぅ! お口がぁ、し、舌がぁ…ッ!らめらめらめぇぇェッ!!」
「っぷはッ! イきそうっ? ねえ、ルーシア、イきそうなのっ!?」
「はぃぃ…、もうっ、破裂しちゃうぁあ…まだそんなっ、ぁあ…そんなのらめェ…」
一度唇を離し爆発の予感を確かめてきたリゼットに、ルーシアは呂律の回らない言葉で答える。
すでに身体は反射以外の動きが出来ないほどに脱力していた。頭の中には白い光が断続的に弾け、夢と現実の境界を破壊していく。
「いいわ、出しなさい! いっぱい射精していいからね!?」
その言葉が最後だった。
ぬるりとした感触が、再び全体をくるんだかと思った次の瞬間、とがった肉のくさびが一番敏感なエラ部分の全周を力強くゾリッ!と削り上げる。
「ひぁッあっ!?───っあぁああぁぁあ───ッ!! で、でましゅ!でちゃう! きちゃぅぅうぁぁあぁあああぁ───ッッ!!」
全てが解放される瞬間の叫びが、部屋の空気を振動させる。
びゅくん!びゅるっ!びゅぷるっ!
「んぶぅッ!? んぐんむぅうぅ───ッ?」
とてつもない勢いで放出されたルーシアの精が、暴力的な圧力でリゼットの喉奥に叩き込まれた。
その物量に彼女はたまらず口内で跳ね回るソレを離し、むせ返りながら頭を突っ込んだルーシアのスカートの中で精液の雨を浴びる。
【2-7】
「けほッ、えはぅッ! はぁはぁ……もう。だ、出しすぎよ…ルーシアぁ…」
「はぁ…、はぁ…お、ねぇさ…ま……はぁっ、はぁっ」
ハイドをとき、顔面から首元までを白くコーティングしたような有様のリゼットが股間から這い出てくる。
虚ろな視線を向けて息を荒げるルーシアは、微かに笑みを浮かべ、その淫らな相貌に見入っていた。
「ルーシア?」
「ねぇ、お姉さま…。私、女の子でいいんですよね…?」
その言葉にリゼットは、迸りを受止めた顔のまま、頷いてやる。
「そうよ、ルーシアは可愛いただの女の子よ」
自信をもった口調で断言し、自らの顔を汚した白濁液を指ですくい取って、ルーシアの唇に寄せていく。
「んく…。うにゅ…これ、精液ぃ…?」
されるがままに、自分が吐き出した精を口に含むルーシア。独特といっていいその未知の味に眉根を寄せる。
「そうよ。女の子だったら大好きな……エッチなお汁」
リゼットの言葉に、ルーシアはぼんやりとしたまま、
「大好き…。うん分かった…」
胃に自分自身を嚥下すると、今度は自分からリゼットへ寄り添っていく。
「だったら、好きになる。私、精液…好きになる」
ゆっくりと、慈しむように舌を出してリゼットの顔を舐め取っていきながら、ルーシアは生まれて初めて、心と身体で絶頂できた喜びに浸っていた。
以上、2話でした。
今回のコンセプトは「ハイド」。短スカのスキルってどれもエッチですよね(偏見)
ヴァイパーやポイズンで媚薬注入とか、ヴォイドで目隠しプレイとか。ブレイクは拷問系でパニはきっとフィストファッk(ヘアッ!
ルーシア、書いてる本人もだんだん男に思えなくなってきてます。いいのか悪いのか…。
ともあれ次回はロリ娘のキャロット編です。原稿は出来てますので、5/29にまた投下しに来ます〜ノシ
キーボードのGとJを見るキマ!
男に見えなくなったら性転換しちゃえばいいじゃない、ファンタジーだもの
週末も保守
ワドさま陵辱パイズリ。エロはぬるい。
ワド→ライル要素あり。
苦手な人はタイトルの「ホルデイン」ではじいてスルーお願いします。
211 :
ホルデイン:2008/05/26(月) 22:13:03 ID:zkb4qMdT
しとしとと降る雨の雫が、装備の隙間から入り込み、ワドリーテの白い肌を濡らして行く。
重装備が濡れてますます重く身体に圧し掛かり、彼女は小さくため息をついた。
今日の戦闘で疲れきって火照っている体から、雨は熱を奪い取り、ワドリーテを冷やしていく。
(……風邪を引いてしまいそうね)
雨の雫を手のひらで受けながら、ぼんやりとそんなことを考えている間に、雨は勢いを増して、ワドリーテの身体を叩きつけるように降り注ぐ。
慌てて、目に付いた大きな樹の下へと避難して、彼女はほっと息を吐いた。
ワドリーテが、ホルデインの内乱に参加するようになってから、数ヶ月が過ぎた。
もともと庶民の出である彼女は、隣国の賢王に並ぶほどの学があるわけではなく、かといって比類ないほどの剣の使い手でもない。
そんな彼女が、今や反乱軍の中枢に食い込んでいるのは、ワドリーテのカリスマ性によるものが大きいだろう。
クリスタルの啓示を受けた、といって彼女が反乱軍の門戸を叩いたときには一笑にふしていた面々も、今では彼女なしでクーデターが成り立たないとすら考えているほどだ。
事実、均衡していた戦線も、次第にワドリーテたちに傾き始めている。
「マリアも、アンナも、元気かしら……」
濡れて肌に張り付く髪をかき上げ、ぽつりと呟くと、ワドリーテは重い甲冑を外し始めた。
ふと、故郷に残してきた羊たちの穏やかな仕草を思い出し、ワドリーテはなんだか切なくなってしまう。
一面に広がる牧草の中に、ふわふわと白い雲のように羊が浮かんでいる、懐かしい風景。
子供の頃から育てていた可愛い羊のマリアとアンナは、元気でやっているのだろうか。
センチメンタルな気分で装備を外し終え、適当に布で拭ったあと、ワドリーテは装備していた剣を見つめてため息をついた。
「これが、全ての始まり……」
クリスタルから啓示を受けた直後に、彼女の手の中に出現したこの剣は、なぜかはじめから彼女の手にしっくりと馴染んだ。
刃物など、包丁か鋏くらいしかもったことが無かったワドリーテはそれが不思議で仕方なかった。
この剣でいくつもの戦場を越えてきた。この剣で幾人かの命を奪った。
純粋な羊飼いの少女であった自分には、戻れないのだ、とワドリーテはこの剣を手にした時から覚悟していた。
「望み、そして行動せよ」
何度となく、味方の士気を高めてきたその言葉は、クリスタルから得た啓示の一つだ。
剣の柄を握り締め、ワドリーテは祈るように呟き、目を閉じた。
(もうすぐ、もうすぐやってくる。皆が幸せに暮らせる世界が。そんな国を、私はつくりたい。作ってみせる……!)
真摯な祈りを捧げるように、跪いて目を閉じたワドリーテの周囲には、雨が降り注ぐ音以外何も聞えなかった。
212 :
ホルデイン:2008/05/26(月) 22:15:07 ID:zkb4qMdT
「おいおーい、すげえ大物がいたぜー?」
「ワドリーテさまじゃん、雨宿り?」
「……何者ですっ!」
目を閉じていたワドリーテの前に、唐突に二人の男が現れた。
気配を感じて目を開いたワドリーテには、二人がどこからやって来たのか、全く分からなかった。
こんなに接近するまで、二人の気配に気付かなかった失態に、ワドリーテは内心臍を噛む。
スカウト装備の男たちは、短剣をちらつかせてにやにやと下卑た笑いを浮かべている。
(不覚……っ! 紋章から見ると、この二人は王国軍。でも、スカウトならなんとかなりそうね)
どうやら敵軍らしい二人を、ワドリーテは薄い下着をかき寄せ、かろうじて手にしていた剣を引き寄せて警戒を露わに睨みつけた。
返す返すも、装備の薄い状態で接近を許してしまったことが悔やまれる。
「なあなあ、アンタに賞金ついてるの知ってるー?」
「すっげえ額だぜ。生死問わず、首だけでも可、ってんだから相当お冠だな、王様は」
「……そう」
数の有利と、ワドリーテの丸腰に近い様子に、男たちは慢心しきってにやついた顔を崩さない。
彼らの言葉に、微かに息を飲んだワドリーテは、その動揺を悟られまいと努めて冷静に頷いた。
やはり、狙いは自分の命らしい。つぅ、と冷や汗が伝うのが分かる。
「でもまあ……なあ?」
「ただ殺しちまうのも惜しいような気がするよなー」
「………………っ!」
冷静を装うワドリーテの心中を察したのか、否か。
にやにやと笑っていた男たちは、彼らにしか分からないようなやり取りのうちに通じるものがあったらしい。
一人が風のようにすばやくワドリーテの剣を弾き、もう一人が彼女に立て続けにブレイクを決め、ヴォイドを発動させて彼女の視界を塞いだ。
「悪いよーにはしないからさー」
「ま、死ぬ前に天国見せてやるぜ?」
「は、離しなさいっ!」
すっかり動きを鈍らされた身体で、ワドリーテは必死に抵抗を続けたが、それは二人の男の興奮を掻き立てるものにしかならなかった。
暗闇の中で、もがく自分を拘束する男たちの無骨な身体と、生臭い息だけが彼女に現在の状況を教えてくれる。
(……こんな、こんな所で死ねない! 私は、国を、民を、導かなくては!)
今まさに犯されようとしているというのに、彼女の頭に浮かぶのはこの国の行く末への危惧しかなかった。
213 :
ホルデイン:2008/05/26(月) 22:15:32 ID:zkb4qMdT
「やっ! いやぁっ!」
「戦場でもこんくらい可愛げありゃ、なあ」
「俺は戦場でもエロい思ってたけどねー。見てこの乳。すげー!」
未だとけない暗闇は、徐々に恐怖に蝕まれていく。
男たちの荒い息と、乱暴な手つきがワドリーテの身体の至るところに押し付けられた。
抵抗しようにも、身体は拘束され、武器はその手を離れている。
男の一人が、ワドリーテの豊かな乳房を乱暴に揉みあげて、楽しげな声を上げた。
「すっげー、マジでいいわコレ」
「いやぁっ……やめなさいっ! ああっ!」
「乳首ピンク色なとこがエロいな」
ワドリーテの乳房を、強く、ときにやわやわと揉む男の手の刺激によって、ふるりと勃ちあがった乳首を、もう一人の男が摘みあげる。
彼女の身体を品評するような物言いに、ワドリーテは抗議の声を上げようとしたが、それは言葉にならなかった。
「はぁっ! あ……あぁっ! やっ! ひゃぅっ……ああっ!」
男たちの手が、ワドリーテの白く豊かな乳房を這い回り、その頂点をからかうようにすりあげ、全体をゆるゆると揉みしだく。
全く未知な刺激に、ワドリーテは戸惑いながらも快感の混ざった声を上げることしか出来ない。
「敏感だなー。それにしてもいい乳だね。俺ちょっとやって見たいことあるんだけど、いい?」
「あ? 好きにしろよ」
段々と薄まってきた暗闇の中で、ワドリーテは己の無力さを嘆いた。
カチャカチャという微かな音のあと、突然ワドリーテの胸の谷間に熱く柔らかな何かが押し付けられる。
「ひゃっ……あつぃっ! やあぁっ!」
「うはー、やっぱいいわ。エロい眺めー」
完全に掻き消えた闇の後で、ワドリーテが見たものは、自分の胸の間に挟まる男の欲望だった。
両手を後ろに、膝立ちで拘束されたワドリーテの胸の谷間に自らの欲望を押し付けた男は、中腰の体勢をとって腰を振った。
後ろで彼女の乳首を弄りながら胸を固定するもう一人の男のせいで、ワドリーテはその辱めから逃れることができない。
「やぁっ! やめてぇっ! いゃぁぁっ!」
純真な乙女らしく、嫌悪に顔をゆがめながら叫ぶワドリーテの顎をつかみ、彼女の胸を性欲処理の道具にしている男は野卑な笑いを浮かべた。
「ワドリーテさまのパイズリ、すげーいいよー」
「俺もやろうかな」
無理やり上を向かされたワドリーテは、男のいやらしい笑みを力いっぱい睨みつける。
その視線をものともせず、男たちは好き勝手に彼女の身体を弄ぶ相談を始めていた。
「やぁっ! あぁっ! や、やめっ!……はぁっ……」
彼女の後ろで乳首を弄くっていた男の手が、下半身へと伸びていく。
それに呼応するように、無理やり顎を掴んでワドリーテの表情を楽しんでいた男の手は彼女の乳房へと移動していった。
「おおっ、濡れてる濡れてる」
「まーじでー? ワドリーテさま、パイズリで興奮してんの?」
ワドリーテの白い太ももを大きく開かせた男の手が背後から彼女の秘所をまさぐる。
微かに湿ったその箇所を、指でつんつんとつつき、男はワドリーテが呻くさまを楽しげからかった。
彼女の乳房を苛む男が、その言葉に嬉しげに声をあげて、先走りでぬめった性器を白い谷間に押し込んだ。
ぬちゃぬちゃといやらしい音をさせながら、男はワドリーテの乳房を汚していく。
そのおぞましさに身を震わせ、ワドリーテはきつく唇をかみ締めた。
(どうせ殺されてしまう……これ以上の屈辱を味わうくらいなら……)
舌を噛み切ってしまおう、と心に決め、いざそうしようとした時だった。
214 :
ホルデイン:2008/05/26(月) 22:16:17 ID:zkb4qMdT
がさり、と草を踏む足音が響き、三人は思わずそちらに意識を飛ばした。
現在の状況からすると滑稽な行動だが、それは多くの戦場を潜り抜けてきたものたちの性だった。
目を眇めた二人の男たちが不審そうに辺りの気配を探る。
「……誰だ?」
「動物かなんかかなー?」
男たちが首を傾げながら間の抜けた会話を交わしたその時、突然稲妻のように刃物の光がひらめいた。
それは男たちの体を切り、ワドリーテの拘束された両手の戒めを裂く。
突然自由になった体に戸惑いながら、ワドリーテは自分を戒めていた縄を解き、取り上げれた剣を探して左右に目を光らせた。
「…………っなんだ!」
突然の攻撃に、目を白黒させていた男たちも冷静さを取り戻し、どこか分からない襲撃者への迎撃体勢をとり始める。
その後ろに回りこんだワドリーテは、手にした片手剣で男たちに当身を食らわせた。
「……………っ!」
ぜえはあと荒い息を吐きながら、横たわった男たちに冷ややかな一瞥をくわえると、ワドリーテは放り出されていた甲冑を着こんだ。
男たちの体液のついた下着は汚れ、とても身につけていたくはないが、仕方ないと諦める。
「なかなかいい動きだな、お嬢さん」
ふいにかけられた声に振り向くと、そこには銀髪のスカウトがにやりと笑って立っていた。
どこか崩れた雰囲気のある彼は、柄の悪いゴロツキのように見えたが、尋常ではない目の光が、そんな生易しい存在ではないことを主張している。
「……助けていただいて、ありがとうございます」
「気にすんな。嫌がる女を無理やりって連中は嫌いなだけだ」
ワドリーテの礼に、青年は皮肉げに唇を歪めて吐き捨てた。
その様子に、戸惑いを覚えながらも、ワドリーテは命の恩人ともいえる青年に、もう一度感謝の言葉を述べた。
「本当に、ありがとうございました」
「いや、しかしすげえなお嬢さん。殺してやるって目えしてたぜ」
くつくつと喉を震わせる青年は、心底愉快そうにそう言って、手を叩いた。
からかわれている、とワドリーテは悟ったが、そう強く出ることができない立場から、何も言わずに眉を顰めるだけに止めた。
「その根性、気に入ったぜ。ホルデインに愛想つかしたらゲブランドに来な。俺の名前はライルだ」
「……ライル様」
「様づけはやめろ。堅苦しいのはアイツだけで充分だ」
ワドリーテの呼びかけに、青年――ライルはくしゃりと顔を歪めてそう答えた。
どこか悪戯っ子のようなその表情に、ワドリーテは微かに微笑む。
「では、ライル殿」
「どっちにしても堅苦しいな。まあ、それでいい」
ワドリーテの譲歩に、ライルはにやりと不敵な笑みを浮かべてそう言った。
その瞳の力強さに、心惹かれている自分に気付き、ワドリーテは内心激しく動揺する。
先ほどまで男たちに陵辱を受けていた、苦い記憶すら、彼の前では掻き消えてしまいそうだ。
目の前の青年が、気を失っている二人の男たちのように、自分に襲い掛かる危険をなくはないのに、とワドリーテは自分の浮つきを恥じた。
しかし、それも青年の力強い眼差しの前であっさりと霧散してしまう。
(この人が、私に無理やり手を出すとは思えない)
整った顔立ちと、野性的ながらどこか品を感じさせる立ち居振る舞い。
この青年が女性に苦労することは、きっと生涯ないに違いない、とワドリーテは青年の美貌に感嘆の息を吐いた。
「ホルデインは、どうなると思う?」
ライルは、ワドリーテが自分に見とれていたことにも気付かず、大地に降り注ぐ雨を見つめながら彼女に問いかけた。
雨は未だ止む気配を見せず、色濃く染まった緑が目に鮮やかだった。
「……よくなるでしょう、きっと。よい国になります。してみせます」
「……そうか!」
ワドリーテの答えに、ライルは愉快そうに笑った。
楽しげに喉を鳴らす青年の姿は、その時ばかりは幼さを見せて、それがいっそう魅力的だった。
ワドリーテもつられて微笑み、樹の下は和やかな笑い声で満たされた。
215 :
ホルデイン:2008/05/26(月) 22:17:19 ID:zkb4qMdT
その後姿を見送りながら、ワドリーテは片手剣の柄をつよくつよく握り締めた。
(それにしても、この者たちはどうすればいいのかしら?)
ふと気付き、転がる二人の男に視線を落としたワドリーテは、やがて何事か思いついたかのように顔色を明るくした。
男がもっていた縄で二人を縛り上げ、もう一度甲冑を脱ぎ始める。
「せっかくの雨だし、汚れを落とすくらいはしておかないと」
呟きながら、下着姿のまま樹から飛び出し、雨のシャワーを浴びた。
降り注ぐ雨は、ワドリーテの髪を伝い、腕を流れ、全身を洗い流していく。
穢れが落ちていくような快さに、うっとりと目を細めて、ワドリーテは片手を高く掲げた。
「私は、必ずやホルデインに平和をもたらす! 正義の光は我らを照らすであろう!」
小さく呟き、誓うように掲げた拳を胸に当てて、ワドリーテは雨の中に佇む。
それはまるで、初めてクリスタルの啓示を受けた羊飼いの娘の頃に戻ったかのように真摯で純粋な姿だった。
ともかくも、なんとか本隊に合流したワドリーテは側近たちにこっぴどく叱られ、雨の中をずぶ濡れのまま彷徨っていたことを責められた。
引き渡した敵軍の男たちは、ワドリーテの射殺すような視線のおかげで、余計なことは言わずに彼らの軍の情報だけをぺらぺらとまくしたててくれた。
(助かったわ……)
小さくため息をついて、ワドリーテは頬杖をついた。
そんな気だるげな彼女の様子に、イグルーは微かに眉を顰める。
「姫様、何か隠し事がおありなのでは?」
「……何もないわ」
不信そうな側近の様子に、ワドリーテは分かり易く身体をビクつかせて目を泳がせる。
あまりといえばあまりに隠し事の出来ない彼女の性格は、微笑ましくもあったが、やはり統治者としては好ましくないのだろう。
相反する感情を咳払いで誤魔化して、彼はくどくどと続けた。
「いいですか、最近なにやら隣国ゲブランドの手のものがこちらにうろついているらしいでから、姫様はくれぐれも……」
「眠いわ……。誰か枕を持ってきてちょうだい」
長引きそうなお説教を、ワドリーテは欠伸まじり受け流し、兵がもってきた枕に顔を埋めて幸せそうに眠りへと落ちていった。
216 :
ホルデイン:2008/05/26(月) 22:18:11 ID:zkb4qMdT
この後、ワドリーテ・ベルクシュタイン・ホルデインは内乱をおさめることに成功し、この国――ホルデインの統治者となる。
片手剣を携える彼女の真摯な語りかけは国民の胸を打ち、内乱の傷跡深いホルデイン国内も、団結力によってその苦難を乗り越えようとしていた。
新たな領土を開拓すべく、エスセティア大陸の攻略へと乗り出したワドリーテは、そこで恩人ライルと意外な形で再会を果たすことになる。
「ライル様、あの女性はもしや……」
「なんだあ? 気に入ったのか、ケイ。お前はああいうのがタイプか」
「ちがいます」
ワドリーテの正体に薄々勘付いたケイは、ライルを問いただし、彼と彼女の関係に深いため息をついた。
「今度一緒に色街にでも行くか。案内してやるぜ?」
「結構です」
からかうようにそう言った兄の不敵な笑みに、ケイは頭痛を覚える。
この兄に、本当に国を任せても大丈夫なのだろうか。
ふと、そんな考えがよぎったが、ケイは頭を振ってその不遜な考えを振り払った。
「いい加減、軽はずみな行動は慎んでください」
「あんま肩肘張るなよ、ケイ。たまには適当にやってみるのも、いいもんだぜ?」
諌める言葉にも耳を貸さず、ライルはどこか楽しげに笑いはじめる。
「手強くなるかもしれねぇな、ホルデイン! 楽しみだぜ」
にやにやと口元を歪ませるその姿は、かつて帝国のスラム街で見せていたものと寸分も違わない。
子供のようなライルの様子に、ケイはうっすらと苦笑して、しかし何も言わずに頷く。
どこまでも型破りな皇帝に、兄に、ついていこうとケイは決意も新たに先を歩く広い背を追いかけた。
以上です。お付き合いありがとうございました。
>>214と
>>215の間に抜けがありました。
「…………ライルさまーっ!」
「お迎えか」
笑いの波が収まった次の瞬間、遠くからライルを呼ぶ声が聞えてきた。
雨に煙る視界の端で、こちらに近寄ってくる白い影がかすかに見える。
その姿で、誰がやってきたのか検討をつけたらしいライルはつまらなそうに唇を尖らせた。
「ライル殿、本当にありがとうございました」
「気にするな。せいぜい頑張って、この国であがくといい。俺の夢を阻むくらいの大国に、なってみせろ」
雨の中を駆け出そうとするライルを引きとめ、ワドリーテが三度目の礼の言葉を口にすると、ライルは片目をつぶって茶化すように彼女に言った。
「ええ。必ずや、民が幸せに暮らせる国を作ってみせます」
「楽しみだ」
ワドリーテの答えに、ライルは満足そうに笑って、雨の中を駆け出していく。
脳内補正でよろしくお願いしますorz
これはいい
もっとめちゃくちゃやられるのをちょっと期待しないではなかったがw
ライルとワドの関係を考えると楽しいよなー
そろそろ保管庫が欲しいと思っているのは俺だけじゃないはずGJ!
我らがワドさまはやはりこうでなくては!
,,..-―^―-..,,
/+ :+ :+ :+ :+ \
/*※*※*※*※*ヽ
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i~ミ〉 ,,,),,| | \
し'ゞ,, ,, ,/し' \
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ノ,;ノ ,;ノ ,;ノ ハ ハヾ、λ \
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`~''〜ム,ノ__,, ノハハハ,,_,ゞr〜'~` /(ヘ ω.)ヘ短ノ)L
`~`〜〜~
【3-1】
「やっほーい、ルーシアちゃん! おっまたせー♪」
リゼットと入れ替わる様に現れた賑やかな声の主。
スキップするような足取りで、手を振りながら駆け寄って来たこの少女の名は、キャロット。部隊最年少の女の子だ。
第2次性徴期すらまだ数年先と思わせるくらい、女としてはまだまだ発展途上である年頃で、見事な光沢の金髪ツインテール、
大きなクリっとした碧眼の瞳、凹凸のない小柄な身体と、その容姿はルーシアよりもさらに幼い。
部隊の先輩達を「お姉さま」と呼ぶ彼女が、唯一名前で呼ぶ相手でもあり、プライベートにおいて2人は姉妹のような関係だった。
見た目も然ることながら、ひとつひとつの行動が子供っぽく、エウディプと言われる彼女お気に入りの服も、狙ったかのように似合っている。
「うにゃー、ルーシアちゃんの匂いだぁ」
「わ、ちょっ! キャロ…ッ!?」
ベッドの中に潜り込んで、愛用のラブテンションを放り出すと、ネコのように身体を摺り寄せてくるキャロット。
日頃はこのように小動物のような愛くるしさを振りまく少女だったが、戦場においてはアイス魔法とファイア魔法を自由自在に使いこなし、
数々の戦場で類まれな戦果を挙げている称号持ちだったりする。
同じソーサラーという事で訓練に付き合って貰っているルーシアは、彼女の稀有な才能を嫌というほど理解していたが、
通常なら初等学校すら卒業していない年齢で、何故あれほど洗練された魔法を操ることができ、何故兵務についているのか、
その辺りには複雑な事情があるらしく、決して話そうとしてくれなかった。
「うにゅうう〜」
「あん、もぅ。キャロぉ…そんなにひっつかないでよぉ」
抱きついたまま顔をぐにぐにと押し付けてくるキャロットに、ルーシアは困ったように言った。
同じベッドで仲の良い姉妹がジャレあっているのような光景。
「だぁってぇ。コリデのモコモコが気持ちいいんだも〜ん」
すりすりと身体のあちこちを撫でられていたルーシアだったが、やがて微妙なタッチに変化したそれを敏感に察知する。
「やっ…ちょっ、コラ、キャロぉ! なんか手付きが!?」
「んー? どしたのぉ〜?」
キャロットが、手を休めて聞いた。
「どうしたの…じゃなくて…っ」
頬を染めて口ごもるルーシア。
身をよじって逃れようと試みながら、戯れでは説明がつかない触り方をどう言って諌めようかと思案を巡らせる。
キャロットは、そんな抵抗と葛藤を知ってか知らずか、
「んふー、えっちな事しにきたんだからぁ…これくらいでビックリされてもなぁー」
小悪魔的な笑みを浮かべ、自分の身体ごと前のめって、ベッドの上で上半身だけを起こしていた「姉」を押し倒す。
「いい? ルーシアちゃん。 次はキャロの番なんだからぁ…」
仰向けに倒れこんだルーシアを見下ろし、親が子供に「めっ」とするように、右手の人差し指を立てて言うキャロット。
「ちゃんとしてくれなかったら、裸のままカレスで固めて外に放り出しちゃうからね?」
あどけないわりに、妙な迫力を感じさせる声で脅され、ルーシアはゴクリと唾を飲み込んだ。
【3-2】
「ふわッ…! んふぅ…ッ! やぁあッ、いやぁあッんんっ!」
シーツを握る拳にきゅうっ、と力がこもる。
「んぐ…ぷむっ、ひもひひーれひょぉ?」
股間からのくぐもった声。
ルーシアは両足を開いたまま、四肢を投げ出して恍惚の表情を浮かべていた。
「はひゃッ!? やぁッあはぁ!? んぁあぁんッ!」
「はむっ、ぺろッ…んふふ…ぴくぴくしちぇる。あ〜…んむっ」
「ひぃんッ…! うぁあぁんっ! やらぁあ…これダメぇぇ、ヘンになるぅう…」
敏感な生殖器を小さな口腔でねぶられ、独特の快感に翻弄される。
唇を噛んで涙をこぼすルーシアの反応は、今にも達してしまいそうなほどだった。
喉を反り返らせ、蕩けたようにだらしなく弛緩した顔にも余裕が無い。
「えへへぇ、見えないのってイイでしょ。ルーシアちゃん、こういうのが好きなんだぁ?」
「ちが…そんなことぉ…」
どうにか否定しようと、ルーシアが自分の腰から足元にかけて盛り上がったシーツに視線を送る。
自身からは視認できない、シーツとスカートの奥で、もぞもぞと小さな少女が蠢いていた。
「ウソ。本当は好きなんでしょぉ?」
M字に開いた腰がビクンと跳ねる。
ちろり、と亀頭を軽く舌先でなぞられたらしい。たったそれだけで爆発寸前のような痺れがルーシアの全身を駆け抜けていく。
(あぁんッ、見えないのって…)
まるで分娩台で出産する妊婦のような格好で、ルーシアはされるがままに声を上げて身悶える。
(何されるか分からないのって……気持ちいい……好きぃぃ…)
飛びそうになる理性の片隅で、彼女は心の中でキャロットの指摘を肯定した。このゾクゾクする刺激はリゼットのそれでは味わえなかったものだ。
「ルーシアちゃん気持ちいいんだよねぇ? ねばねばが噴水みたいに溢れてるもん」
「えぇッ? やっ! いやぁぁァんッ!」
キャロットの指摘に、自分のソコがどうなっているのかを想像してルーシアは羞恥に叫ぶ。
真っ赤になって両手で顔を覆い、開いた足を閉じようとしたが、無駄な努力だった。
「いやなのぉ? じゃぁ、こぼれないように指で栓してあげるっ」
「ひにゃぅぅうぅぅ────ッ!!」
カリを指で摘まれ、もう片方の手の人差し指で尿道口をぐりぐりと刺激される。
抵抗しようとした両足がピーンと硬直し、指先が小刻みに痙攣。見開いた瞳が上下左右にブレる。
「あっは♪」
ルーシアの反応に小さく歓声を上げたキャロットは、とっておきの悪戯を思いついたように、
「こっちも止めたげるね……ぱくんっ」
そう言って今度は睾丸を口に含んで、舌先で転がした。
「──────ッ!?」
これにはたまらず、ルーシアの全身がガクガクと震え始める。
年端もいかない相手に性感を炙られる被虐の刺激と興奮に、危険域を突破した「何か」がせりあがってきた。
「ひあぁあァぁあぁ───ッ!」
魂が吹き飛ぶ予感に、叫ぶ。
あと、一息。ほんの小さなきっかけで炸裂するであろう悦楽の瞬間を、ルーシアは待ちわびた。
【3-3】
だがしかし。
最後の決定的な一撃が、いつまでたっても送り込まれてこない。
「……へぁ…う。 あふ…ぅん……、ぁ…う?」
何が起こったのか理解できずに、ルーシアは呆然と呟く。
肉竿に触れていた一切の感覚が、絶頂の寸前に失われていた。指も、唇も、舌も何もかもだ。
「ぇ……。な…なん…で?」
(あとちょっとだったのに…)
未練がましく歯噛みし、すがるような声で股間を弱々しく揺するルーシアに、
「だってぇ、これはただの準備なんだよぉ?」
がばっと、シーツごとルーシアのコリデールスカートを捲り上げ、潜り込んでいたキャロットが姿を現しながら言う。
「じゅん…び? 準備ってなによぅ……。わ、私、もう……」
ルーシアは涙声で聞き返した。
隠すものが無くなった自分の下半身を食い入るように凝視している。
唾液と自身の粘液に濡れ、淫靡な光沢を放ちながらビクンビクンと律動している男の証。
コリデールの半裸少女は、女の自分にあるまじきその部分を切なげに震わせ、新たな先走りをこぷりと先端から溢れさせた。
「すぅ〜…はぁぁぁ〜…ん〜。……すっごくえっちな匂いぃ〜」
脱力しているルーシアに見せ付けるように、キャロットはソコに顔を寄せると大きく深呼吸する。
至近距離から発せられる性臭にうっとりと目を細める様子は、娼婦もかくやという程の妖しさだった。
「おっきくしとかないとダメでしょ? だから準備なの」
そう言うと、キャロットは立ち上がってルーシアを跨ぐように仁王立ちする。
「ふぁ……ぅ?」
不思議そうに仰向けのまま見つめるルーシアに、
「もうっ、まだわかんないの?」
しょうがないなぁとばかりに、エウディプ装備のスカートをつかんで、ゆっくり、焦らすようにその手を上に持ち上げていく。
「ルーシアちゃんがぴゅーってしなきゃいけないのはぁ………ココでしょ?」
言葉と共に、目に飛び込んできたのはキャロットの最奥、秘めやかな器官。
白くわずかに盛り上がった肌に、一筋の線が通っているだけの、一糸まとわぬ未成熟なワレメだった。
「キャロの……あぁ…すご…ぃ」
ゴクリと喉を鳴らして、ルーシアは、魅入られたかのごとく視線を釘付ける。
下着を着けていないことにも驚いたが、シンプルな幼い縦割れからは、まるで失禁したかのように幾筋もの淫蜜が太ももへ伝っていた。
「あははっ、おしゃぶりしてたら私も準備できちゃったぁ」
くぱぁ、と指で左右に押し広げ、秘唇の中身を見せながら照れ笑いをするキャロル。
「ねぇ、ほら見てぇ。とろっとろだよぉ? 今からぁ、ここでルーシアちゃんはどぴゅってするのよ?」
「でも…私は、女の…子、だもん」
サーモンピンクの柔らかそうな粘膜、ぴょこりと飛び出た小さな突起。拡げられたその奥で蜜に濡れヒクヒク蠢く膣口。
その全てに男としての本能を揺り動かされながら、同時にルーシアは、自身が望んでも決して手に入らない「女そのもの」を羨望の眼差しで見つめていた。
(いいなぁ…。私にもこれがあったら…)
そんな事を思う。
一筋の愛液が、つぅっと、キャロットの秘所からこぼれ、狙いすました様に真下の亀頭に落下した。
「そんなの、キャロも知ってるよぉ?」
ルーシアの葛藤をよそに、キャロットは、物欲しげな微笑みを浮かべると膝をおって中腰になっていく。
「ルーシアちゃんは特別なの。 女の子を気持ちよくできる女の子なのっ」
己の指で割り広げた股間を覗き込みながら、幼すぎるその部分を肉棒に近づけて細い腰をくねらせる。
「キャロもそう。 まだちっちゃいけどぉ、エッチなこと大好きなんだもん」
その様子に、ルーシアは息を呑んだ。
「だから、ひとつになって溶け合って、ルーシアちゃんにもキャロの気持ちよさ、伝えてあげたいの」
「キャロの…気持ちよさ…を、私に…?」
詭弁といってもいい内容ではあったが、甘美な誘惑にルーシアは胸を高鳴らせ、情欲と願望に股間をますます硬くしていく。
その反り返りを熱い眼差しで見つめて、腰を下ろしたキャロットが、くちゅん、と互いの性器を接触させた。
「ぁふッ」
「んくっ…」
その燃えるような熱さに、ルーシアもキャロットも同時に声を漏らす。
「ね? トクベツな女の子同士で……一緒になろぉ?」
囁くように艶っぽい声が聞こえた刹那。
ぬちゅるっ。
返事を待たずに、ルーシアの先端が小さな蜜壷に呑み込まれた。
【3-4】
『ふッあぁぁあぁァッ──!!』
歓喜の叫びを重ね、弓なりに身体を仰け反らせながら、官能の愉悦に浸る2人。
「んくぅ、ルーシアちゃんの…おっきぃぃ…!」
張り裂けそうなほど怒張した切っ先を受け入れたエウディプ少女が、性粘膜を貪欲に脈動させると、
「やぁッ!? 中、動いてッ! おちんちん、しゃぶってるぅぅッ!?」
コリデール少女が、亀頭部分に加えられる肉感に恍惚の嬌声を迸らせる。
「キャロの中すご…ぃ…ぃいッ! ぬるぬるしてぇッ! あったかくてぇッ! 気持ち……いぃッ!!」
「あふッ、キャロもぉ…っ! ルーシアちゃんの固いので…お腹、燃えちゃいそぅだよぉ…っ」
小さな膣口が小刻みに震えながら、浸入してくる肉の塊を執拗に締め付ける。
波打ち、新たな蜜を溢れさせて幼さを感じさせるサイズでありながらも、しっかりと女の本能を発揮していた。
細い腰をピクピク震わせて、キャロットがさらに腰をおとすと、体重をのせた圧力がルーシアの男根にかかり、
左右に割られた秘唇が、ずぬぬぬっと一気に奥まで男根を迎え入れていく。
「あッ、あぁッ! はァぁあぁあぁん!!」
「んンッ…んはぁぁぁ…あはぅッ!」
ねっとりした肉壁に突き刺したモノを包まれて、ルーシアは陶酔したように身を強張らせ、
キャロットもまた、年相応の窮屈な膣を、無遠慮に拡張していく灼熱感に喉をそらして硬直した。
(はぅあぁ…キャロの中が……絡み付いてくるぅぅ…)
子供そのものといった無毛の性器の中で、潤んだぬかるみが、きゅうきゅうと収縮しながらざわめいている。
理性がそこから溶け出してしまいそうな、抗いがたい甘美感だった。
「ルーシアちゃぁん……」
上になったキャロットが、甘えた声を出しながらルーシアの胸に倒れこみ、僅かに開いた口から舌を突き出す。
「キャ…ロぉ……」
名前を呼び合い、2人の少女はそのまま自然に唇を重ねると情熱的に唾液を交換していった。
「んちゅ…んぷ……。あふ…んむぅ」
「ちゅるっ…ぱはッ…んむッんん…あむぅっ」
お互いの頬に手を添えて、ディープキスを繰り返す。静かな部屋にちゅくちゅぷと、淫らな水音だけが響いた。
上下の粘膜で繋がった、コリデールとエウディプの乙女。
性経験などあり得るはずもない年頃の同姓が、ベッドの上で重なり合って快楽を貪る光景。
見る者に倒錯した美しさすら感じさせる行為に、ルーシアもキャロットも酔いしれていく。
しばらくして、どちらからともなく唇を離すと、
「あは…、ルーシアちゃん、またおっきくなってる」
唾液の糸を引きながらキャロットが微笑み、覆いかぶさったまま太ももに力を込めて腰を振り始めた。
金属のように硬くなった肉のくさびが、ぬめった粘膜の中で跳ね踊る。
「あはッぁあぁあんッ! ひぁッ! ぁあぁァッ!」
膣壁の粒を削り取っていくような刺激に、ルーシアは腰をビクビクと痙攣させた。
キャロットはそんな相手に、意図的にゆっくりとした抽送を繰り返しながら、悦楽に悶える様を観察する。
「んふふ…とっても気持ちよさそぅ〜。……でもぉ、まだせーし出しちゃダメだからね?」
幼い少女とは思えない淫らな腰使いで、奥へ奥へとルーシアを飲み込んでいきながら、彼女は身を伸ばして傍らに置いた杖を手に取った。
やがて幼い肉穴を犯していたルーシアの先端が、コツンとした感触に触れてそれ以上進まなくなる。
「はぅあんッ!」
子宮口をノックされたキャロットがたまらず痙攣し、ルーシアは無意識にその行き止まりをぐりぐりと擦りあげてしまった。
「んぁはッ!? も、もうルーシアちゃん…元気よすぎぃ…」
急所に炸裂する思わぬ悪戯に、キャロットが小さな身体を敏感に反応させて苦笑する。
対するルーシアは、その彼女が手に握った杖──ラブテンションに目をやり、蕩けた頭の片隅で何が行われようとしているのかに思い当たる。
「キャロぉ……また、それするの…?」
躊躇するように呟きながらも、湧き上がる欲望が、ルーシアの心の中にある「女」を少しづつ消し去っていく。
「当たり前でしょー。<詠唱>しないとぉ、今のキャロじゃ、ルーシアちゃんの全部挿れられないんだもんっ」
キャロットはそういうと、繋がった部分をきゅうぅ!っと絞り上げて、心配顔のルーシアを黙らせた。
そのままの姿勢で、杖を構え、「力ある言葉」を紡いでいく。
小柄な少女の周辺に虚空から輝く光が集まり、溢れる魔力が空間に不思議な文様を描き出した。
BABEL、HELLEN、GASPA──浮き上がった赤い文字が周囲を回転しながら明滅する。
【3-5】
「やめて…キャロ…。壊しちゃう、壊れちゃうからぁ…」
知覚領域を拡大し、大魔法の行使に耐えうるだけの肉体強度を術者に与えるこの儀式がもたらす結果を、彼女は良く知っていた。
今までキャロットと身体を重ねる度に経験してきた事だからだ。
「じゃあ……いくよぉ…?」
「ま、待って…ダメっ!…だっ…メェぇえ───ッ!」
──じゅぷんっ!
せめてもの抵抗に身をゆすったルーシアの肉竿が、えいっと腰を沈めたキャロットの中に、今度こそ完全に埋没する。
『ぁひゃぅあァあぁあぁあぁぁァ────────ッッ!!』
最大級の快感に、壊れたような絶叫が重なった。
奥まで突き上げてなお、3分の1程があまっていたルーシアの男の部分が今はない。その全てがキャロットの内臓を串刺しにしていた。
詠唱による身体機能の拡張を利用し、かたくなに侵入を拒んでいた子宮口を無理やりこじ開け、女性の神秘の部屋へ欲棒を招き入れる──。
これこそがエウディプ少女、キャロットが最も好み、最も得意としている禁断の淫技だった。
「あ、あぁぁあッ! 入っちゃダメなトコなのにぃぃ! ひぃッ──ぁあぁァぁあッ!!」
狂気の悦楽に髪を振り乱して、悲鳴のような喘ぎを喉から搾り出すルーシア。
「んぁああぁッ! ルーシアちゃん! ルーシアちゃんッ!!」
馬乗りになったキャロットも、己の背徳の行為に我を忘れて腰を振りたくる。
先程までの緩やかなそれとは真逆の、貪るようなストローク。密着した股間から絶え間なく聞こえる卑猥な水音。
(やぁあぁァッ!! やらしすぎるッ! こんなエッチなの…やらしすぎるよぉッ!)
ルーシアは、力任せに送られてくる強烈な愉悦に悶え鳴くばかり。
敏感な肉の竿が突き入れた粘膜の中で勝手に抉り回され、先端を子宮に、根元を膣口に同時にしゃぶられ、子宮を出たり入ったりするカリ首が引っ掻き回される。
滾々と湧き出る愛液が纏わりついて、トランポリンの上で跳ねているかのような激しい上下運動をさらに助長していった。
(おぉ、お、おちんちん犯されてるぅッ! キャロみたいなちっちゃい子に! わ、わたしぃッ! 犯されてるぅぅッ!)
被虐的な思考に、ルーシアの心が倒錯した喜びを見出していく。
腰をふる相手に、なすがまま揺さぶられて強制的に快感を味合わされている自分。これは女にしか体験できない「犯される喜び」に他ならないではないか。
「あはぁあぁぁッ! もっとぉッ!! キャロぉ、お願いッ! もっと女の子みたいに私の事犯してッ!」
ルーシアの女性願望が理性を壊し、立場を異にする欲求となっていく。
ついさっきまで、キャロットの奥を穿つことにあれほど拒否感を示していたことすら忘れ、ただ己の快感だけを求めて叫んだ。
「いいよぉ! もっともっとズブズブしてあげるッ!」
キャロットの子宮と膣がそれに応え、叩きつけるような激しさでルーシアを絞り上げた。
【3-6】
「あはぁうッ! はひぃあぁッ! あ、ぁんッ! ひぁぁあぁあァぁァッ───ッ!」
「んぁぅあぁあ───ッ! ふッくぁんッ、んあぁあぁぁ!」
男と女の肉体と精神が入れ替わった異様なセックスに、うら若い少女達は狂い続ける。
「ほらぁ、ル、ルーシアちゃんも動いてぇ!」
「こ、こう? こうすればいいのッ?」
言われるままに、太ももに手を回したルーシアが腰を突き上げると、小柄で華奢な身体が見た目通りの軽さを示し、浮き上がるように跳ねて踊った。
「ふぁァぁんッ! そ、そうッ! ルーシアちゃん上手ぅッ!」
子を成す為の神聖な領域を、陵辱といっていい程に刺し貫かれながらも、甘悦に濡れた瞳を揺らし喜びの嬌声で答える。
「すごく素敵ぃッ! 赤ちゃんの部屋コンコンされるの大好きなのぉっ! ルーシアちゃん! もっと突いて突いてぇェッ!」
未熟な身体が痴態にわななくのを見て、ルーシアはその禁忌の性感帯を重点的に可愛がっていく。
「ぁはぅっ! 女の子同士なのにッ! わ、私ぃ、こんなちっちゃなキャロの大事ところいぢめてるぅぅッ!」
ちょうど女性同士の営みのように、攻守がめまぐるしく交代し、2人は犯し犯され、共に絶頂へのスロープを登っていく。
まだ陰毛も生えそろっていない年頃の少女達が見せる乱れ様は、常軌を逸した程に激しく、浅ましい狂気の所業のように見えた。
だが、当の本人達はそんな事などお構いなしに、純粋な程一途に、ひたすら肉欲を貪っていく。
やがて先に限界を迎えたのは、ルーシアだった。
一際甲高くなる嬌声に、キャロットはその瞬間を誘導するべく、すかさずラストスパートに入る。
「イっちゃいそうなんでしょッ!? イっていいよっ、ルーシアちゃん! 可愛い声でイっちゃえッ!」
「うンッ! うンッ! イっちゃうねッ! もぅ、もうダメなのぉ!」
にゅちゃくちゅと、ドロドロに一体化した結合部を揺すりながら、互いの顔を見つめあい──。
「イくイくイくイッくぅ───ッ! あァっ! はぁあぁぁんッ───ッ!!」
ついに歓喜の絶叫を上げたルーシアが、キャロットの胎内に突き刺した亀頭の先から大量の白濁液をぶちまける。
びゅるっ! びゅくっ! びゅくんっ! どぴゅる!
ドプドプと放たれるその勢いと熱さが、彼女の快感の大きさを如実に表していた。
尿道を駆け抜けていく迸りは、確実に孕んでしまいそうな量を壊れた蛇口のように子宮内に撒き散らす。
「はぁあァぁッ! まだでりゅッ、止まらないっ! イくの止まらない──ッ!」
「あはぁあぅぅッ! ルーシアちゃんのっ…いっぱいキてるぅうッ! キャロの卵、せーしで溺れちゃうよぉぉぉッ!!」
驚くほどの長さで続く射精を受けとめるキャロットも、下腹部に溜まっていく精液の感覚に未成熟な身体を精一杯震わせた。
(こんなエッチなら…またしてもいいかも……)
余韻に浸るルーシアは幸せそうに微笑みながら、子供少女を相手に犯されるという、背徳の快楽の虜になりつつあるのだった──。
以上で3話、おしまいです。
今回のコンセプトは「詠唱」(子宮内挿入)でした。ロリ少女が主導権を握るレズだけじゃ何か足りないかなーとまたニッチな方向に…w
ところが描写も含め意外と難しくて……前回以上に苦労しました…。 ふぅ;
次回は巨乳火皿、マリエお姉さん編の予定だったんですが、ちょっと遅れそうデス;
気長に待ってて下さい><
保守
保守だ!
エロ無し。長いです。
ゲブランドのケイとライルの関係に捏造があります。
苦手な方はスルーをお願いします。タイトルは「ゲブランド序」です。
よろしければお付き合いください。
豪奢な玉座で不遜に足を組み、豪快に舟を漕ぐライルを見つめて、ケイは小さ
くため息をつく。
ここの所、ライルは夜な夜などこかへと遊び歩いていて、公務は滞る一方だ。
ただでさえライルを毛嫌いしている臣下たちからは不満と批判の声が耐えるこ
となく、ケイの心労はいや増すばかりである。
曲がりなりにも一国の王、それも由緒正しきゲブランド帝国の皇帝がこんなこ
とでよいのだろうか、とケイは思わず自身が譲位したことを悔やみそうになっ
た。
その考えにふるふると頭をふり、気を取り直すように咳払いをすると、居眠り
を続けるライルを小突く。
ライルの、倣岸にして不遜、しかし宮廷でぬくぬくと暮らしていた自分分には
全く想像もつかない辛酸を舐めてきたがゆえの、かすかな優しさに憧れて自分
はここにいるのではないか。
不埒な考えを戒めるように、ケイは爪を手のひらに食い込ませるほど握り締め
た。
補佐として彼に付き従うことを選んだのは、ライルが目指す”誰もが平等に暮
らせる世界”を実現したいと思ったからだ。
途方もなく遠大で、馬鹿げた夢だと、貴族たちは笑うだろうが、自分はそのラ
イルの夢に魅せられたのだ。
所詮は諸子だと、彼を嘲り笑う貴族たちをやり過ごし、即位を敢行して彼らを
見返したライルは、その後もいささか強行な政策を強行したが、概ね善政を敷
いて帝国を導いている。
エスセティア大陸への侵攻も順調にその領土を増やす結果となっており、今の
ところライルに対する民衆の指示は熱い。
(だからこそ、この時期に貴族たちに攻撃される要素などできるだけ排除する
べだというのに、この人は……)
ケイの逡巡を意に介さず、眠り続けるライルの頬は微かに緩んでいる。
幸せそうな兄の寝顔を見つめ、ケイは深々としたため息をつくと、小さく頭を
ふった。
***
「聞いてらっしゃいますか!?」
「うるせえなあ、会議くらい寝かせろよ。どうせ着飾ることと浪費しか能が無
い貴族どもが、無意味に喚き散らすだけの代物だろうが」
「……たしかに現在の帝国会議の実情はその通りですが、貴族連盟の影響力は
そう馬鹿にできたものではありません。ライル様にはただでさえ敵が多いんで
すから……」
「わかったわかった」
顔を顰めてケイの苦言に耳を傾けていたライルは、それが長びきそうな気配を
敏感に嗅ぎ取って適当に頷いた。
いかにも聞くだけは聞いた、と言わんばかりの態度に、ケイはいっそう気合を
入れた小言を続けたが、ライルはそれにも生返事を返す。
「ですから、帝国の歴史を紐解いても貴族連盟という存在は影に日向に暗躍し、
ゲブランドの趨勢を左右するだけに足る……」
「なあ、ケイ。お前花街にゃ興味はねえか?」
「いきなり何を言い出すんですか? ライル様」
得意の歴史を持ち出して語り始めたケイを遮り、ライルは唐突に問いかける。
その問いに、眉を吊り上げて怒りを露わにしたケイは、不愉快な表情を隠そう
ともせずに鼻を鳴らした。
「ありませんよ。汚らわしい」
「……あのよ、ケイ。花街ってのは確かにそういう場所だ。お坊ちゃんが嫌う
のも分るがな、あそこにいる女たちだって居たくて居るヤツなんざいねえんだ
よ。やりたくてやってる仕事じゃねえさ。あの女たちが好きでもない男に股開
くのは、喰ってくためだ。自分や家族を食わせるために、毎晩化粧して着飾っ
て笑ってるのさ」
花街、という言葉に潔癖な嫌悪感を抱いたケイが眉を顰めるのに、ライルは彼
にしては珍しく饒舌に言葉を尽くして語りかけた。
風紀を乱す存在として毛嫌いしてはいたが、考えてもみなかった、売春街の実
態を知り、ケイは小さく俯いた。
こういう時に、年近い異母兄弟であるライルとの決定的な差を思い知る。
唇を噛んで、ケイは嫉妬めいた感情が膨れ上がるのを止められなかった。
ライルは弱者に優しい。自身もまた、貧民街の出身であったことも関係するの
だろうが、彼は帝国の最上位の支配者でありながら、弱者の視線に立つことの
できる稀有な指導者だった。
「それもな、俺ら帝国上層にいる人間の搾取が原因だ。食うにも困っててめえ
の身体売る女たちにゃ罪はねえぜ。それにな、買う男にだって罪はない。汗水
垂らして働いて貯めた金で、一晩甘い夢見させてもらいに花街通う男の楽しみ
奪う権利なんざ、好き勝手やってきた支配層にはありゃしねえんだ」
「……………すみませんでした」
「謝るこたない。確かに花街は色々と犯罪絡みでややこしくなることが多いか
らな。お前のいうことも分るさ」
「いえ、浅はかな発言でした」
悄然と肩を落とすケイの様子に、ライルは戸惑ったように彼を見つめていたが、
やがてにやりと笑みを浮かべた。
「ま、百聞は一見にしかずって言うしな。今晩一緒に視察に行くか!」
「えっ!? ちょ、ちょっとライル様」
高らかに笑って肩を叩くライルに、ケイは抗議の声を上げたが、それをあっさ
りと無視してライルは鼻歌交じりに豪奢な大理石で作られた王宮の廊下を歩き
出した。
その背を追いかけながら、ケイは未だに事の推移を測りきれずに眉を顰めたが、
やがてライルの背を追って小走りに歩き出した。
***
帝都の夜は、闇深く静かで、昼の賑わいを忘れたように静まり返っている。
もっとも、それは王城周辺に限った話であり、一般居住区では夜も華やかな笑
い声がそこかしこから響き、灯された明かりがそれを彩っていた。
スラム街の程近く、一際賑やかな一角に首都最大の売春窟、通称「ルーンワー
ル」は夜目にも鮮やかにケイたちを迎える。
不遜にも首都と同じ名を冠する花街は、しかし夜の首都と呼んで差し支えない
ほどの人出でごった返し、お忍びで訪れている皇帝すらもその人ごみに紛れて
誰に気付かれることもなかった。
貧富の差なく一様に夢見るような眼差しでふらふらと立ち並ぶ店に吸い込まれ
ていく男たちを尻目に、ライルは迷いない足取りで花街を進んでいく。
過激な衣装に身を包んで店の入り口から手招きを繰り返す女たちに目を奪われ
ながらも、なんとか彼について歩くケイは、むせ返るような華やかさにくらく
らと眩暈を覚えた。
城の中で出会う、着飾って取り澄ました貴族の女性とは違う、女たちの原始的
ともいえる魅力はケイにとって刺激的すぎるのだ。
「大丈夫か、ケイ」
「ええ、なんとか。ずいぶん慣れてらっしゃいますね、ライル様?」
気遣うようにケイを振り返ったライルは、じっとりとこちらを見つめるケイの
問い掛けに気まずそうに目を逸らし、口を開きかけた。
しかしそれ以上の言葉を口にすることはなく、ライルは再び背を向けて花街の
中でも一段と大きな店を指し示した。
「今日はここに入るぞ」
「”今日は”? あ、ちょっとライル様!」
どう考えても通いなれているとしか思えない発言に噛み付いたケイは、それを
振り払って店へと足を進めるライルの後を慌てて追う。
どきつい装飾が施された店の多い花街の中では、比較的品のいい構えの店に足
を踏み入れたケイは、むせかえる花の香りにまたも眩暈を覚えた。
***
「どうだ、ケイ。いいとこだろ?」
「もう、ライルさまったら、真面目な坊やに悪い遊び教えちゃだめよぉ〜?」
両手に華やかな美女を侍らせ、杯を煽るライルは、必要以上に場慣れしている。
当惑しつつも、ライルの両脇の美女にからかうように微笑まれ、ケイは真っ赤
に頬を染め上げた。
その初心な様子に、女たちの笑い声はますます大きくなる。
「か〜わいい! 今夜は私と、どう?」
「ずるい! 私がいいわよね、ね?」
整った顔立ちに朱を昇らせるケイを取り囲み、その腕を掴んで女たちはてんで
に勝手なことを言い合う。
取り合うようにして腕をつかまれ、しかし相手は女性とあって無碍に振り払う
ことも出来ずにケイはますます萎縮して小さくなった。
そんなケイの様子を見かねてか、ライルは女たちを手をふって押しのける。
「あんまりいじめるな、お前ら」
「いじめてないわよぅ、可愛がってあげようとしただけよぅ」
「そうそう」
ライルの言葉に女たちは唇を尖らせて抗議したが、その喧騒は一人の女性によっ
て静められた。
通りの女たちに比べれば格段にマシだが、それでも露出度の高いドレスに身を
包んだ女たちとは違い、その女性は宮廷でも通じるような優美なデザインのド
レスを着込んでいる。
白魚めいた指先には華美だがけしてけばけばしくない扇が優雅に握られ、色白
の儚い顔立ちに最小限に施された化粧はかえってその美しさを強調していた。
ライル達に侍っていた女性たちとは明らかに一線を隔すその女性は、ケイの姿
を見止めてにこりと微笑んだ。
「ライル様、今日はどちらの御曹司を誑かしていらしたの?」
「うるさいぞリーア」
「少しは悪い遊びもお控えになってくださいね」
嗜めるように眉を顰めて言った美女――リーアに、ライルは五月蝿そうに顔の
前で手を振る。
その仕草を、くすくすと笑いながら見つめていたリーアは、ふとケイの視線に
気付いて、彼の傍へと歩み寄る。
「はじめまして、リーアと申します。今日は楽しんでいって下さいまし」
「……ケイ、です。はじめまして」
間近に迫る美女の吐息は、甘い花の香りがして、それが彼女をとりまく蜜のよ
うな濃密な香りとあいまってますますケイに眩暈を起こさせる。
ぼう、と魂が抜けたように彼女を見つめるケイに気付き、リーアは彼の手を取っ
て立ち上がるように促した。
ふらふらとそれに従うと、リーアは満足気に笑って、嫣然とライルを振り返る。
「それでは、こちらの王子様はわたくしが頂いてまいりますわね」
「……お手柔らかにな、リーア。頑張れよ、ケイ」
彼女の発言に目を白黒させるケイをよそに、ライルとリーアは心底愉快そうに
微笑みあった。
***
リーアの白いすべらかな指に絡めとられるかのように、彼女の導くまま、娼館
の一室へと招き入れられたケイは、室内に置かれたシックなデザインのソファ
に腰を下ろしたあたりでようやく我にかえる。
慌てたようにリーアの指を振りほどき、わたわたと身体を揺らして彼女に語り
出す。
「あ、あの……これは、その、視察というか……ですから、そのっ! ふ、服
を着てくださいっ!」
「あら、着たままがお好み? 意外ね」
美しい衣装に手を掛けて、ほとんど半裸のままケイに擦り寄ったリーアはから
かうようにそう言うと、ケイの手のひらに自らの手を重ねる。
「そ、そういうことではなくてですね……。とにかく、あなたをどうこうする
気はありませんから、お願いですから普通にしてください」
「つまらないわあ。折角、可愛い子とデキると思ったのに」
初対面の楚々とした美女の印象をかなぐり捨てて、リーアは唇を尖らせた。
そんな彼女から怯えたように距離をとりつつ、ケイは必死に言葉を尽くしてな
んとか彼女に衣服を纏わせることに成功する。
「ところで、視察、ってライルに無理やり連れてこられたのかしら?」
「いえ……ライル様は……我が国の実情を把握しきれて居なかった不甲斐ない
補佐官の為に視察の機会を下さっただけです」
自嘲気味に問い掛けに答えたケイを見やり、リーアは苦笑してため息をついた。
「……ふーん。なんか、対照的よね、あなたたち。でも2人だと丁度いいのか
もね」
「どういうことでしょう?」
「ライルはね、この辺りに昔よく出入りしてたのよ。娼館じゃ、女に乱暴する
ような屑でも客は客として大事にしなきゃいけないんだけど、ライルはそうい
う屑叩きのめしてくれたりしてさ。ここら辺の女で憧れない女はいないってい
う位、すごいモテたの」
突然語り出されたライルの過去は、確かに興味深くはあったが、ケイにはどう
も話のつながりが見えない。
「……はあ」
曖昧に頷くケイに、苦笑のような表情を片頬にひらめかせ、リーアは話を続け
た。
「だけどね、昔からわりと考えなしで無鉄砲なところがあってね。適当ってい
うか。だから、あなたみたいな人が傍についていてあげた方がいいんだと思う
わ」
「ライル様は、ああ見えて思慮深い方だと思いますが」
リーアの言い分に、納得できないというように反論するケイを、彼女は慈母の
ような眼差しで見つめる。
「そうね。ライルは一人でなんでもできる。だからこそ、今まであの人の隣に
は誰も必要なかったの。存在できなかったのよ。だけど……今はあなたがいる
でしょう?」
補佐官として、片腕として常に傍に置くあなたが、とリーアは微笑む。
その言葉に、ケイは一気に頬を赤くして、しかし嬉しそうに瞳を揺らめかせた。
「……そうでしょうか。それなら、嬉しいですね」
「きっとそうよ」
そう言うと、リーアは立ち上がって部屋に備え付けられたキャビネットからグ
ラスを取り出し、テーブルに置かれていた水差しを傾けて、水を注ぐ。
差し出されたグラスを受け取り、喉を潤しながらケイはふと湧いた疑問をリー
アにぶつけた。
「そういえば……ここのところ、ライル様の夜遊びがいつにも増して激しいの
ですが、心当りは?」
「ああ、それなら例の件じゃないかしら」
ケイの言葉にふわりと笑ったリーアは、思いも寄らないライルの夜遊びの実情
を話し始める。
「今度のカセドリアとの戦争、長引きそうでしょう? だから、兵の士気を盛
り上げるために、私たちが慰安に行くっていう案が軍から出てるらしいの。そ
の打診に娼館を回ってるんだと思うわ」
「…………………………」
「本当は、皇帝なんだから命令一つでどうとでもなるんだろうけど。ライルは
優しいから、私たちみたいな女でも人間扱いしてくれるのよね」
寂しげに笑って、リーアは黙り込むケイを見つめた。
確かに、美しい女たちの慰安があれば、兵の士気はあがることだろう。
かなりの効果を期待できるその案に軍が乗り気なのは言うまでもないだろうが、
もし採用されたとすれば戦闘要員でもない彼女たちが危険に晒されることは間
違いない。
「軍の人たちはお得意さまだけど、私たちをモノとしか思ってない人が多いか
らね。もしライルの打診がなければ、何も知らされないまま戦場まで引っ立て
られてても可笑しくないわ」
「……すみません」
「謝ることじゃないのよ。それが普通だもの。ライルが特別なだけよ」
謝罪するケイに苦笑して、リーアは白い頬に手をあてる。
(そう、ライル様はいつだって、見えないところを見ておられる)
自分には思いも寄らない考えのもと、夜遊びと称して走り回っていたライルを
責めた愚かさを悔やみながら、ケイはうっそりとため息をついた。
歴代の皇帝の誰よりも、遠大にして崇高な目標を掲げるライルについて行こう
と決めたはずなのに、まだ彼の片腕どころか足元にすら近寄れて居ないような
気がする。
先ほどのリーアの”片腕”という言葉の重さに、ケイは密かに落ち込んだ。
「確かに、ライルは特別だけれど、あなたも十分特別だと思うわ。普通の貴族
さまは私のような下賎な女とは口を聞くどころか目も合わせないもの。あなた
には人の話を聞く才能がある。それはライルにはないものよ。誇っていいはず
だわ」
俯いていたケイは、続いたリーアの言葉に、顔を上げて目を瞠る。
どうにも自分は考え違いをしていたようだ。
ライルに及ぶことばかりを考えていては、いつまでたっても彼の後姿しか見え
ないのは当然。
ライルに出来ないこと、足りないものを補ってこその補佐官ではないか。
目から鱗が落ちたような気分で、ケイは深く息を吐き出す。
「…………ありがとうございます。……とても有意義な時間でした。ミス・リー
ア。名残惜しいですが、そろそろ帰らないと」
とても重要なことを気付かせてくれたリーアに、感謝の言葉を送ると、ケイはど
ことなくすっきりした顔で立ち上がった。
「……本当に、育ちがいいわね」
優雅に一礼をして踵を返すケイの見事に伸びた背筋を見つめて、リーアはぽつ
りと呟き、貝殻めいた爪を噛んだ。
***
「いいところだっただろう?」
「そうですね、とても」
珍しく、上機嫌なケイに目を瞠ったライルは、次の瞬間にやりと笑った。
「さては、リーアがバラしやがったな」
「ええ。対カセドリア攻略において皇帝陛下が骨身を惜しまず尽力されている
ことを、家臣として誇りに思います。ライル様」
「よせ。まあとりあえず、勝つぞ、ケイ」
「勿論です」
不敵な視線を交わした帝国の最高権力者とその補佐官は、夜の静寂に密やかな
笑い声を響かせた。
以上です。お付き合いありがとうございました。
ケイたんに萌えてしまった俺は異端…なのか?
何はともあれGJ!!
あぁ、これはいい……。
いいものを読ませてもらった。
GJだ!!
ゲブ民で良かったと思えるいい話だ。
ライルさまかっけぇ!!
それにしてもここ最近の速度は異常。
一ヶ月に一作品くれば御の字だったというのに、なんだこの良作の山は!?
ルーシアちゃんも各国の人もイイヨイイヨー!
もっとやってくだしい><
を他スレに盛大に誤爆った俺に何か一言。
保守
ちょっと思い立って保管庫作ってます。
とりあえず3〜4スレまで保管中。
小ネタは省いてます。
作者さん方、載せないで欲しい話とか自己申告して下さると助かります。
勝手ですいませんが、よろしくお願いします。
ログうpありがとうございました。
おかげさまで2代目スレまで保管完了しました。
職人さん別と初代まとめはぼちぼちやっていく予定です。
今後ともご利用・ご協力頂けると嬉しいです。
253 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 20:44:47 ID:MqZMZulE
乙
>>250 何回行っても繋がらないと思ってたら
覗き見防止パネルを貼ってるせいで
字が薄くて気付かなかった
_▲_
_、_ 保管庫グッジョブ
( ,_ノ` ) n
 ̄ \ ( E)
フ /ヽ ヽ_//
保守
保守
投下させていただきます
(1)
空の穏やかな雲の流れをよそに、その下では騒音と喧騒につつまれている。
その場にいるもの達はクリスタルと呼ばれる、鉱石を取り囲み、戦争に必要となる資源採取を行っていた。
―――オベリスク用クリスタル募集!
―――建築ナイト用くりぼ!!
―――AT用ぼしゅう!!
そんな声にせかされる様に、若葉のような緑で染色された、メイジ装備に身を包んだ少年は
採掘したクリスタルを額に汗を浮かばせながら声の主たちに渡していった。
渡すばびに感謝の言葉を投げかけられ、まだあどけない顔立ちをした彼は笑みをこぼす。
クリスタルを受け取り足早にかけて行く兵士の後ろ姿を見送りながら、
自分もいつかあんな風に前線に出てみたいなと考える。
頭の中には前線にでて、敵の兵士をなぎはらい、自軍の進撃の要になっている自分がいる。
味方からは頼りにされ尊敬の眼差しでみたれている。
自軍が侵攻しているところでふと、なにかの気配に気がつく
ヒタリヒタリと不気味な足音を立てているそれは、か弱い女ソーサラーに向かっている。
ハイドだ
少年は杖を握り締める。突然あらわれ、その両手にもった短剣でその女ソーサラーに牙をむいた。
女ソーサラーは突然の事で動くことができない。そこにとっさに前に出てそのスカウトに一撃を浴びせる。
スカウトは尻尾を巻くように逃げ出し、少年は女ソーサラーに感謝の言葉をもらう。
周りの仲間達も少年のとっさの行動をほめ、自分達も見習いたいものだと口々にいっていた。
「くりぼ」
はっと、その声で現実に少年は引き戻された。
なんともいいがたい空想が、外に漏れてしまったような気がして、恥ずかしさがこみあげてくる。
自分はまだ、新兵だ。クリスタルを掘る事しかできないけど、それでもみんなの役にたつことはできる。
今は自分のできることを精一杯やればいい。
そう思い声の主に、笑顔を見せながらクリスタルを渡そうとした。
「…あ、れ?」
そんな声が漏れてしまった。
振り向いたその先には誰もおらず、地面だけが広がっていた。
(2)
あたりを間の抜けた顔をしながら見回した。
クリスタルを募集してる男の人はいるが、この人じゃない。
さっき聞こえた声は自分のすぐ近くだったし、小さかったが綺麗な女の人の声だった。
(気のせいだったのかな…?)
首を捻りながら再び少年は採掘を始めた。
そんな矢先ツツーと、少年の首をなにか細いものが触れ、細い肩がビクリと緊張した。
手で首を払うが虫がいた形跡もないし、自分の近くで虫がいる気配もない。
困惑をよそに、その得たいの知れない感触は、首筋、肩、背中を襲う。
「ん…ふわ……」
ゾクゾクとしたむず痒さに情けない声が出てしまう。それはいっこうに治まらず、しかも徐々に大胆になり、少年を襲い続けた。
服の中にでも虫がはりこんだのかもしれないと思い、服をばさばさと動かしながら、その感触から逃れるため肘を振り回す。
「!?」
ふにっとなにか柔らかい感触が少年の肘に伝わった。
「ぁんっ」
それと同時に艶のかかった声が耳の中に入ってきた。さっきクリスタルを募集してきた声に似ているような気がした。
誰もいないのに、肘にある感触と声。
硬直したまま少年は目を凝らしてみる。
「!!!」
驚愕した。そこには地面があったが、よく見てみると、そこだけ視界がよどんでいる。
そしてさらに、もやを辿ると微かにだが人の形をしていた。
驚きの表情をしたまま、少年は口を釣られたばかりの魚のようにパクパクとさせる。
「あはっ…ばれちゃった♪」
おどけたような声が聞こえた。思考停止した頭をフルに活動させると少年は一つの答えにたどり着く。
「敵ハイ……」
敵軍のスカウトがキープクリスタルに襲撃をかけてきた。
それ以外ないと思い、他の仲間に知らせるために声をだそうとした。
「ぅ、ぁ……」
しかし敵のハイドがいることを伝えようとした少年の喉に、なにか冷たくて尖った感触が、その声を出すことを拒ばさせた。
「これ…なにか分かるわよね…?」
さっきとは別の声が少年の前から聞こえてきた。
二人もの敵スカウトに、サンドイッチされてるように挟まれ、体を動かすことがことができない。
「すっごくいたいよ〜…」
うしろからは相変わらず明るい声が聞こえ、尖ったものが少年の肌に少しだけ埋まる。
「……!!」
目をつぶりながら、刺さらない程度にぷるぷると少年はうなずくことしかできなかった。
「いい子…」
くすくす笑いながら、少年の頭をなでる。
(3)
「ひッ」
背中にほのかに柔らかい感触がしたと同時に、ぎゅぅっと抱きしめられ、少年は悲鳴を漏らした。
少年を抱きしめている手が、這うようにサワサワと動く。
「ぁぅ…ひ、ぃ…」
そのくすぐるような動きに、体を丸めながらか弱く声をあげる。
「声…だしちゃダメだからね?」
「静かにしてるのよ」
喉に押し付けられていたものに力が加えられ、少年の肌に少しずつ埋まっていった。
チクリとした痛みの範囲が広がっていく。少年は涙をこぼしながら耐え続けた。。
「ひっ?!」
サワサワと動いていた手の一つが、ゆっくりと下に下りていき少年のズボンの背後から侵入する。
熱のこもった二つの肉のふくらみを、熟しすぎた果実を扱うようにやさしく揉み解す。
「な、なに?や、だ…」
困惑した声を出しながら後ろをふりかえる。
そんな少年の反応を楽しむように、5本の指は円を描き、ときたまウェーブをかけ一本ずつ柔肉に指を食い込ませる。
そして、筋を柔らかくするようにギュッギュッと掴む。
指が一本一本動くたびに体をくねらせる少年は、ほのかに体を内側から溶かすようなチリチリとした感覚が広がっていくことに困惑した。
「ふあぅ…う…ぅ…」
「どうしちゃったのかなぁ…?」
「なぁに?感じちゃってるの?」
心がとろけていき体から力が抜ける。
そのまま抱きかかえられるように、少年は敵のスカウトに背を預けた。
甘い女の子の匂いが少年の鼻腔をくすぐり、目がとろみをおびる。
太ももを摩られるとピクリと体をはねさせ、そこにおしりをもまれると思わず声が漏れた。
「や、めて…ください…感じてなんかない…」
「感じるのは好きにしていいけど…」
甘ったるく耳に息を吹きかけられ、少年は肩をくねらせる。
「あんまり声をだすと、他の人に聞こえちゃうぞ♪」
「!!!」
はっとしたように口を押さえ、顔を青くしながら周りを見回した。
クリスタルの周りにいる人たちはこちらがわに気がついた様子もなく、少年は安堵の息をもらした。
(4)
「ばれちゃった方がよかったんじゃないのかなぁ」
「そうすれば助けてもらえたかもしれないわよ?」
「でもねぇ…」
「ばれたらすっごく恥ずかしい格好にして置き去りにしてあげるわね…」
仲間が回りにいるなか、敵のスカウトにいいように弄りまわされるシチュエーションに、少年は不思議とゾクゾクした。
こんなことされるなんて、思いもしなかった。
その無防備だった心のせいか、指にほぐされるように、頭の中までぼんやりしてくる。
戦争という一種の高揚が、このおかしな光景をあたりから消しているのかもしれない
「あぅっ?!」
突然股間を撫で回され、思わず声を漏らした。
ズボンがテントをはったように膨らんでおり、そこが見えない手でくにゅくにゅと動く。
「ん・・・ひ、やめっ」
「こんなにおっきくしちゃってぇ…」
くすぐったくもどかしい感触が少年を翻弄する。
スカウトはそれを先端を手のひらでなでながら、やさしく包み込むようにこねくり回していく
「ひぐっう、うぅ・・んぅ・・・」
「はうっ・・・やだ、手・・・どけて、くださぃ・・・やめて」
声が漏れないように手を唇におさえながら、ぼやける目でなにもうつらい股間を見続ける。
布は微かな波のようにしか動いていないが、それでも的確に刺激を与えていく。
抑えている唇から、はぁ、はぁと熱っぽい息が漏れ始めていた。
そして横に動いていた波がとまり、たてに動き始めた。
「あひぅっ、んあぅ、んぅぅ・・・」
「おっきくてあつぅぃ・・・服の上からでもわかっちゃうわね♪」
腰をひくがそのまま後ろにいたもう一人のスカウトに抱きとめられる。
見えない敵にもうやめて、と懇願の眼差しをむけた。
「かわい♪」
そう言うとズボンから手を抜き、上半身に手を滑らせる。
なぞるようにあつくなった少年の肌をさすりながら、胸板にある二つの頂点に指を進めていった。
「ここは・・・ちっちゃそうだね」
爪の先でカリっとひっかかれ、少年は口から無意識のうちにとめていた息を吐き出した。
ピリピリとした刺激が、胸の先端から発せられ少年を包み込んでいく。
「でもぉ・・あそこと同じぐらい・・かたいのかなぁ♪」
少年の呼吸に合わせるように、きゅっ、きゅっ、と程よいやさしさで人差し指と親指で摘み上げる。
「ふあっ、あ、ぅ・・・ひっ・・ぃ」
指でコリコリと挟まれるたびに、なんとも言いがたい甘さが、胸から腰、腰から全体にゆっくりと広がっていく。
必死に閉じようとしていた口は半開きになり、口の中で行き場を失った水分が零れ落ちそうになってしまう。
体の力は完全にぬけ、しりを地べたにつけながら、まるで自分で広げるように脚が開いた。
少年は残る理性を総動員して、必死に平静を装う。
しかし、やめてほしい、といった感情はすでになくなっている。
今はばれないように、もっと気持ちよくなるにはどうしたらいいのだろ?といったことしか考えられなかった。
(5)
「くすっ・・・どうしたの?さっき以上に硬くなってるわよ?おっぱいで感じちゃったの?」
「男の子なのにおっぱいで感じちゃうなんて変態さんだねっ♪」
変態、という単語を聞き、目をつむりながら首を振る。
少年の胸先を掴んでいた指は、乳搾りをするようにしっかりと力をいれ、搾りあげる。
きゅっと引っ張ると、指の中でころがす様にクリクリともてあそぶ。
股間の方は、膨らんだ先端を叩いたき、手のひらで包み込みながらこすり付けていた。
「ふあぁっ、ん…ひぃッ、だめ、だよぅ・・・ひぃうぁッ」
声が漏れる。周りの人に聞かれてしまう。唇を前歯でかみ締めるが、すきまからあふれ出てきてしまう。
「ふふ・・・でもさぁ・・・こんな大勢、人がいるところで声だしそうになっちゃてる方がよっぽど変態よねぇ・・」
くすくすと笑われ、顔が熱く染まっていく。
両方の胸をもてあそばれ、股間からは弱電流がピリピリと背筋を焦がしていく。
もう、少年は声を抑えるのが限界だった。
どんなに声を出さないでおこうとしても、唇はたまりにたまった声をふさぎきれなくなっていた。
「も、う・・・だめ・・・んうぅ?!」
開きかけた少年の唇が、なにも外に出さないようにふさがれる。
目を白黒させながら、まるで体の中身を吸い込まれそうになってしまった。
(な、なに?)
生暖かい物体が口の中に侵入し、歯茎や舌をからめとられてしまう。
「声出されちゃうと、さすがにまずいからね〜♪」
ねっとりと口内は絡まっていき、声のかわりに液体がすこしずつ溜まっていく。
そこに外から侵入してきた、やわらかい異物をつたって別の液体が口内にそそがれいった。
(これ、って)
ふさいでいる物体は、やけどしそうなぐらい熱く、そして柔らかかった。
そして、意思をもって少年の口内を我が物顔で蹂躙していく。
(キス・・・されてる?)
「気がついたぁ?」
楽しそうで、みょうに甘ったるい声が聞こえた。
こくり、とたまった液体を咀嚼する。頭がしびれた。
「本当はわたしがしたかったけど、今日はお預け〜・・・。その変わりに、こっちをいっぱい苛めちゃう♪」
器用に熱く、か弱く膨れ上がった先端をを持ち上げる。
そしてカリカリと爪で、ひっかいたりつぶしたりした。
「んぅあ、ぁ、ふ・・・う、んぅうぅ」
胸を弄られると、不思議と股間の奥の方がうずき、なにかが放出しそうに膨れ上がってくる。
それを見取ってか、股間をいじっていた手は、その膨れを弾かせるようにする。
目の焦点が上へ向いていく。
完全にぼやけた視界からは、なにも見えない。
周りに人がいるとか、ばれてしまうとか、そんな事まで頭がませずにいる。
今はただ・・・
「あはっ、だしちゃえっ・・・♪」
くすぐるように囁かれながら、ぎゅっと弄りまわされていた、胸の先端が摘み上げられ、押しつぶされる。
少年の体が震える。
「んぐっ?!っっんぅッ、んぅぅぅッ」
耳を甘噛みされながら、きゅぅ、と押しつぶされながら、グリグリと押しつぶされる。
ビクリッビクッ、と腰が数回動くと、じんわりと履いていたズボンに染みが広がっていった。
その染みを広げるように股間に添えられていた手はやんわりと動いていく。
まだビクビクと、下半身の痙攣に合わせるように、染みは広がり続けていた。
「ふぁっ」
突然ふさがれた唇が楽になり、そこから涎が糸を引くようにぽたりとこぼれた。
体の拘束間がなくなり、そのまま少年は腰を地面にゆだねるように落とした。
支えている手が振るえ力が入らない。呼吸は荒く、視界はぼやけたままだった。
「気持ちよかった?」
「かわいかったわよ♪」
答える気力も出ず、少年はただ白みがかった視界の中、弄られた余韻を感じ続けた。
(6)
どれだけ時間がたったのか分からない。
呼吸も落ち着いてき、目の前を見渡した。さっきと変わらない光景が広がっていた。
人数は多少少なくなっているが、まだ大して時間はたっていないようだった。
さっきの事が信じられず、放心したようにクリスタルから発せられる光を見つめる。
自分が今されてしまった事をぼやけた頭で思い出した。
敵のスカウトにいいように弄ばれ、イかされてしまった。
体を動かすと、粘り気のある気持ちの悪い感触が股間からする。
それに気がつくと胸の先端も、股間も、未だに弄られている錯覚を覚え、頭の中が白くゆっくりと麻痺していった。
「掘り専門の方は僻地クリスタルに移動してくださーーい!」
その声にハッとわれに返り、今自分がいったいどうゆう状況に置かれているのかを思い出す。
けだるい体をのろのろと起こした。
腰に力が入らず、足が震える。
体を動かすと、股間に感じる染みがよけいに感じられ、さっき受けていた感触がリアルに浮かび上がってくる。
重たい足をよろつかせ少しずつキープからはなれながら、僻地クリスタルを目指した。
今自分にできることをしないと・・・クリスタルを掘らないと・・・
周りには誰もいない。
だれも僻地に移動していないのかもしれない。
もしくは周りに気を回せるほど余裕がなくなっているのかもしれない。
「クリスタル・・・ちゃんと・・・掘らないと・・・かて、ない・・・」
ぼやくように言いながら、一歩、一歩足を進めていく。
思った以上に体力を奪われているらしく、足が地面に埋まっていく。足がもちあげられない。
「・・・あっ」
クラっと、視界がゆれた。
地面がゆっくりと目の前に迫っていた。そこで少年は自分が今、倒れ掛かっていることに気がついた。
目を閉じることなく、近づいてくる地面を見る。
しかし、顔が地面と接吻することはなかった。
両肩がそれぞれ支えられている。
「だいじょーぶ?」
「あぶなかったわね」
見えない誰かに助けられていた。その声を聞いたのは、もう遠い昔のように感じていた。
なんの感情も出てこないまま、体をもとに戻させられる。
「それじゃぁ・・・僻地にいこっか」
甘い声が、耳をくすぐった―――
こんにちは。
前スレでお世話になったものです。
最近ひと段落ついたので覗いてみたら、盛り上がっていたので、我慢できず再び投下させて頂きました。
男の子受けなので趣味が合わない人もいたかも知れませんが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
内容としては、ハイドってエロいよね!という言葉に共感した所から始まりますw
これからも、文章力向上を目指して頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
PS.
保管庫に私の稚拙な文章を残していただきありがとうございました。
昔の文章を読み、またこのような事は初めてなので顔を真っ赤にして悶えています。w
GJ
GJ
>>265 こんなキプ襲撃スカなら大歓迎だ!
♂キャラしか遊撃してこないのはどういうわけなんだ畜生!
>>269 まて、まずはお前がショタじゃないとダメだぞ
271 :
269:2008/06/21(土) 18:00:18 ID:WoR/0D5W
大丈夫、俺はまだ1年生だから立派なショタだ。
もちろん社会人的な意味でorz
保守
リビングのソファで転寝していたときのことです。
うつらうつらとしているときに、一緒に住んでいる弓スカ♀ちゃんが
私に話しかけてきました。
ぼそぼそと何かを喋っているのですが、なんと言っているか聞き取れず、
そしてどうしても睡魔がまさって、「あぁ、うん…」と曖昧な返事をして
いると、弓スカ♀ちゃんが「もういい」という感じに私に背を向けて
リビングを出て行こうとしました。。
その、出て行くときに「………ん"ゆ"ー」と
押し潰したような声で、弓スカ♀ちゃんがそう言いました。
普段では全然聞かない声に只ならぬ気配を感じて、飛び起きようとしたのですが、
どうしてか、体が思ったように動かないのです。
目もちゃんと開いているはずなのに、視界がぼやけ、
ぐるぐる回っているのです。
何とか重い体を起こし、フラフラになりながらも弓スカ♀ちゃんに
私が被っていたブランケットをつかみ、差し出しました。
そこで気がついたのです。
弓スカ♀ちゃんは3ヶ月前に、亡くなっているのです。
そこではっと、目が覚めました。
ものすごい汗と、動機と息切れ…。
確かに私はリビングのソファで眠っていましたし、
ブランケットも私の上にかかっています。
ふと、まだ体が重いことに気づきました。
胸に圧迫感があるのです。
先ほどのことが脳裏に浮かびます。
もしや、と思い、嫌な予感を抱えつつ、ゆっくり胸の上に目をやると
愛猫(短スカ♀ちゃん)が胸に乗っかって優雅に寝ていました。
確かに4.5`ある短スカ♀ちゃんの胸に圧迫されれば悪夢の2つや3つ見ちゃいますよ。
やけにリアルで…、生前痴呆症が進み、ハチャメチャなことをする
弓スカ♀ちゃんの存在を疎ましく思ってしまった私に対しての復讐でしょうか…。
すこしでも優しくできてたら、と後悔してしまうのです。
だから、こんな夢を見たのでしょうか。
なんだかこんなオチばっかりで申し訳ありません…
俺の息子が泣いた
保守
保管庫行けないのは気のせい?
保管庫、前はサーバーのエラーページだったのが404になってしまった…orz
保管庫なくなっちゃったんでしょうかねぇ・・・
280 :
保管庫:2008/07/03(木) 18:50:05 ID:UW84aOTi
いやマジで良かった安心したありがとう
職人の方々!
保管庫の人が職人別の仕分けに苦労してるみたいだから
協力してあげようぜ!
週末は保守
職人はシャイなんだ!
>>280 保管庫GJ!ところどころ見れないページがあるのが惜しい!
286 :
転載:2008/07/07(月) 21:31:40 ID:IhtqWALm
火皿♀って、ある日戦争してたら戦闘中に弓スカ♀が氷割ってあやうく敗北しかけて
「何やってるの!?足手まといになるならFOしてもらうわ!!!!」
って何時になく強い口調でいったら弓スカ♀が
「・・・ご、ごめんんゆー・・・ぐすっ・・・」ってボロボロ泣き出して
(しまった、言い過ぎちゃった・・・!)って思って謝ろうとしたけど
「な、泣けば済む問題じゃないんだから・・・」って思ってもいない言葉が口をついて出ちゃってそれから
街に戻って宿屋に泊まって寝る時間になるまでずっと弓スカ♀の元気が無いからさすがに心配になって
ベッドに潜りこんで目つぶっても弓スカ♀のことが気になって全然眠れなくて
(やっぱりちゃんと謝ろう!)って思って弓スカ♀の部屋の前まで言って
「弓子・・・起きてる?」ってドアをノックしても反応ないから勝手に入ったら
弓スカ♀が机に突っ伏して寝てて、
「全く・・・風邪引いたらどうするのよ・・・」って毛布を肩にかけてあげるんだけどふと机に目をやったら
『弓スキル大全』『戦争における弓スカウトの役割』『弓スカウト用スキル運用法』みたいな本がどさっと置いてあって、
これで勉強してるうちに疲れて寝ちゃったんだってことを悟って
「弓子・・・こんなに頑張ってるのに、あたしってばあんな事・・・!」って胸が苦しくなって
寝てる弓スカ♀の頭を撫でながら耳元で
「さっきはゴメンね、弓子・・・・・・・・・これは、お詫びよ」
って囁きながらほっぺたに優しくチュッってキスをするんだよねそして次の朝起きたら弓スカ♀が
287 :
転載:2008/07/07(月) 21:32:09 ID:IhtqWALm
「火皿子ちゃん、おはんゆ〜♪」って感じですっかり元気になってて、ホッとするんだけど何となく恥ずかしくて
「き、今日は昨日みたいなヘマはしないでよね」みたいなこと言ったら弓スカ♀が
「えと火皿子ちゃん・・・ありがと、毛布かけてくれて・・・」って言ってきて
「別に・・・弾幕役に風邪でも引かれたら、困るのはあたしなんだから」って言った直後
(・・・あれ?何で毛布かけたのあたしだって知ってるの・・・?・・・・ま、まさか!!!!)
「あ、あんた、も、も、もしかして、起きてた・・・」って言いながら弓スカ♀の方見たら
ほっぺたのキスしたあたりを手で撫でながら幸せそうなうっとりした顔してたから慌てふためいて
「ああああああ、あれはただのお詫びっていうか・・・か、か、勘違いするんじゃないわよ!!?
わ、私は別に、あんたの事なんか何とも思ってないんだから!!」
って教科書通りの台詞を喚きちらしてたら
「えへへぇ〜・・・火皿子ちゃん?」
「あによ!?」
「・・・次はお口にして欲しいんゆー・・・」
とか言われたから顔中真っ赤になって
「ち、調子に乗るんじゃないわよ、バカッ!!」
って走って逃げ出しそうな顔してるよな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どっから転載したんだよ
まじかわゆすなぁ
かわゆすなぁ
>>287を涙が枯れるまでねっとりと執拗かつ鬼畜にレイプしたい
保守
保守
ありきたりだろうが敵兵に囲まれリンチ(性的な意味で)される話が書きたいな・・・
何か一風変わったシチュエーション考えてるんだが何か目新しい発想ないか?
召喚で輪姦
すげぇな
その発想はなかった
踏み潰されてグロ化w
・カジノ島の温泉がオープンしたが何故か混浴。ハイドで忍び寄ってきて。。
・A国 vs B国でA国所属なのにバグでB国に配置されちゃう。
配置されたからにはと真面目にやってるのに、A国、B国からの両歩兵から諸々
・モンスタースマッシュでオーク相手に疲れ果てるどころか、何故かツヤツヤテカテカして
スッキリして帰ってくる♀オリ。後ろにはベタベタドロドロの半死半生のオークが累々と。。
・ジャイになったはいいが、敵スカの不思議なスキルで巨大化だけした元の姿にされてしまう。
その大きな体に敵兵がこびとのように群がってきて、色々されちゃう
・レイスになろうとしたが逆に門に引き込まれて、悪魔と触手に諸々(オチで敵兵の仮装だと安心かも)
パッと思いついただけ書いてみた。。
もうおまえ書いちゃいなYO
ほしゅしとくかー
ほっしゅほっしゅ
ほぉーっしゅ
ホッシュホッシュ
なかなか続編も短編もこないのぉ
がめぽがアップデート渋るから職人さん去っていったのかのぉ
僻地でクリ掘ってたらガチムチヲリ♂集団に犯される火皿♂
アッー
いや書かねえよ
While True
LOGPRINT (TRUE)
GPid = GETID("GlovePIE")
FEid = ("Fantasy Earth Zero")
ifb GPid <0 then
MsgBox("GlovePIEが起動してません")
Exit
endif
ctrlwin(GPid, TOPMOST)
SLEEP(5.0)
SENDSTR(GPid,"PPJoy.Digital1 = 1")
CLKITEM(GPid,"Run")
SLEEP(1.0)
CLKITEM(GPid,"Stop")
SLEEP(3.0)
LOGPRINT (FALSE)
SLEEP(2.0)
Wend
なんかうまくパイに入力されん・・・
火皿♀って、カレス被弾しまくって全身凍傷で凍え死にしそうになって、弓スカ♀が
「いやー!火皿子ちゃん死んじゃいやだよー!んゆーーー!!」って泣いてるのを聞きながら意識を失うんだけど
しばらくして目が覚めたら宿屋のベッドの上で寝てたんだけど何か違和感を感じると思ったら何と素っ裸でおまけに
あろうことか弓スカ♀が隣にいて同じく素っ裸でしがみついてきてて
弓スカ♀「あ!火皿子ちゃん目が覚めたんだね」
火皿♀ 「なななななななな何よこれ!何してんのよあんた!!」
弓スカ♀「だって火皿子ちゃん凍死しそうだったんだよ?だから暖めてあげてるの、人肌で・・・////」
火皿♀ 「も、もういいから!さっさと離れなさいよ!!」
弓スカ♀「ダメだよ火皿子ちゃん、もう少しこのまま安静にしてないと・・・」
火皿♀ 「・・・あんた、あたしに抱きついてたいだけなんじゃないの?」
弓スカ♀「うん」
火皿♀「あんたね・・・」って文句言おうとしたらふと弓スカ♀の顔に涙の後があるのを見つけて
火皿♀ 「あんた・・・泣いてたの?」
弓スカ♀「だって・・・火皿子ちゃんずっとこのまま目をさまなさなかったらどうしよう、って思って・・・」
火皿♀ 「ふ、ふーん、そう・・・・」
って泣くほど心配してくれた弓スカ♀に思わず胸がキュンとなって
火皿♀「・・・わ、分かったわよ。しばらくこのままでいるわよ・・・い、今だけだからね!!」って了承して
弓スカ♀「えへへ〜・・・火皿子ちゃんの体柔らかいんゆ〜・・・」
火皿♀「きゃっ!?ば、バカ!どこ触ってんのよ!!////」
とか言いながら素っ裸で抱き合ったまま結局一日中過ごしたりしてそうな顔してるよな・・・
もだえ死ぬからやめろ!やめろ!
いやもっとやれ!
ほしゅ
火皿♀って、部隊員の熱血脳筋馬鹿の両手♀とか
ところかまわず片道パニする短スカ♀とかいつもんゆ〜とか言ってる弓スカ♀とかを
醒めた目で見て「ふん、ガキばっか」とか言ってるんだけどある日宿屋に泊まったとき
「ぬいぐるみを抱っこしてないと寂しくて眠れない」っていうのが全員にバレて
両手♀から「あはははー!カワイイところあるなお前ー!!!」って爆笑されて
短スカ♀からも「火皿子ちゃんってばおっ子様〜♪」ってからかわれて
「うるさいうるさいうるさーーーーーい!!!」って涙目で枕とか投げつけてきて
その枕がナイスタイミングで部屋に入ってきた片手♀の顔面にクリティカルヒットして
「はに゛ゃっ!!?な、何をする!!」って思いっきり投げ返されたのをきっかけに
全員巻き込んだ壮絶な枕投げ合戦を引き起こしそうな顔してるけどそんな中
弓スカ♀って、枕投げを隅っこに隠れて見守ってたんだけど不意にポツリと
「火皿子ちゃん・・・寂しいなら私がいつでも隣に寝てあげるのに・・・///」
って爆弾発言して白熱した室内を一瞬にして沈静化させそうな顔してるよな・・・・・・・・・・
ho
shu
保守
初めまして、ではないのですが初めまして。
すっかり秋の陽気になってしまいましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
ホルデイン王国に住むある羊飼いのお話です。ワド様ではありません。
しかしその羊飼いも周りにクリスタルの声を聞いたと公言しています。けれどワド様のよう
に何をするわけでもなし、子供と遊び、羊を飼い、絨毯を織ってその日暮らしをしております。
そこへ村を出ていったはずの短スカ君も帰ってきて、毎日楽しく生きていたのですが……。
そんな羊飼いちゃんが「魔女」になっていくお話です。
かなり(というかすげー)長文ですがお付き合い頂けたらと思います。世界観は基本的に
NPCやFEZwikiに基づいていますが、有り得ない存在もちょこちょこ混じっています。あ、エロ
もあります。しっかり、たぶん。
オーレオール大陸、フロスティア山脈の麓の丘には羊飼いが住んでいる。丘は森を切り開か
れて出来たところで、小さなボロ小屋とその隣に大きなクリスタル。あとはただ広い草原があ
るだけの寂しいところだった。
そんな青々とした草原で、青白く光るクリスタルの下には人影がある。
赤茶のごわごわとしたウールコートをフードまで被った女が本を広げ、その周りに4人の子
供が座っている。それから少し離れたところに犬を腹にのせて寝そべる男が一人。
女は金色の前髪を梳くと、ページをめくり出す。
「えーごほん。むかしむかし、この世界メルファリアはクリスタルによって創造されました。
その昔も今と同じ、大陸はむっつありました。けれど国はひとつ。王様はひとり。その昔は世
界が一つだったのです。エルフの王様、エスセティアは長生きでした。王様はクリスタルから
もらった支配の指輪をもらって、長い長い平和を築きました。けれど、やがて指輪が壊れバラ
バラに散っていったように、王国もまた滅びバラバラになっていったのです」
「どうして指輪も王国もバラバラになっちゃったの?」
「うーん、じゃあ逆にアル君に聞こうかな」
そっと娘がアルに顔を寄せる。
「アル君はお母さんやお父さんは好き?」
「……? うん、好き」
「じゃあ学校の先生や村長さん、友達もみんな好き?」
「うん。みんな優しいから好き!」
「じゃあ、嫌いな人なんていないかな?」
「……雑貨屋のキャロはキライ。あの子右指が動かないからみんなにいじめられてるんだ。で
も僕はそんなにキライじゃなかったから、友達になろうって言いにいった。そしたら、嫌な目
で見られて、ぺって顔に唾吐かれた……」
「そっか……。それじゃあ、好きになれないね……」
「う、うん。けど、あの子いつも広場のクリスタルの前で寂しそうにしてるんだ。だから、も
しかしたら、友達になれるかもしれないから、もう一度話し掛けてみる」
「うん!」
離れてにこっと笑いあう二人。
「おい、アル! いつまでくっついてんだよー!」
「いてっ。なんだよ、羨ましいのかー! おまえもくっつきたいんだろー!」
「ちげーよ! いいからはなれろよー!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ子供達をよそに、犬は男の腹の上で痙攣していた。
「こいつ寝相悪すぎ……」
思い出したようにびくびくと腹の上で犬が震える。時折唸るような声をあげるのは、多分俺
を追いかける夢でも見ているんだろう。
おかげで悪夢みた。
「にいちゃーん!」
小屋の方から子供らが駆けてくる。
「遊ぼう!」
「寝てるからコンと遊んでくれ……」
寝ころんでいる頭の回りに子供達が騒がしく群がってくる。コンは無い首を動かして気怠そ
うに騒音の発生源を見上げていた。
「春眠暁を覚えず。意味が分からなかったら大好きなお姉ちゃんに聞いてこい」
「だからコンも遊ぶんだよ!」
ばっこーん!と人の話もお構いなしにコンが蹴飛ばされる。
目を点滅させて転がりながら飛び起きる様はあんまりにあんまりだった。
子供達は、でかいのからちびすけ、男から女まで一緒くたになって騒いでいる。はっきり言
って手が付けられない。関わりたくない。
うんざりしていると、小屋のほうから羊飼いが走ってきた。コンを蹴飛ばしたデブが走り寄
る。開口一番にさっきの事を怒られていた。しっかり見られていたらしい。しょげ返っている
のを周りの子供がからかっている。
ぎゃあぎゃあと子供達に揉まれている羊飼いに叫ぶ。
「おい! こいつら向こうに連れてってくれ!」
「でも、みんなあなたとも遊びたいって言うんですよ」
そうだそうだ、と肩と背中にちびすけ達が飛び乗ってくる。膝裏を蹴られ、体が崩れる。息
をのんだ瞬間には子供達が背中に乗っていた。
「勘弁してくれ……」
草の上に顔を押しつけられる。顔の先にはふてくされながら寝ているコンが見えた。こいつ
の気持ちが今はよく分かる。こいつら早くどうにかしてくれ。
「そうだ」
羊飼いが声を上げて走り去った。赤茶のコートを翻して小屋の裏に入ったがすぐに戻ってく
る。手には木製の円盤のようなものを持っていた。羊飼いが口笛を吹き、手に持ったそれをコ
ンに投げる。背中のバネで軽くジャンプすると見事にそれを口でキャッチした。
歓声があがる。
コンは誇らしげに(そう見える)羊飼いのもとへ短足を前後させて運ぶ。
受け取った羊飼いはコンの鼻面を軽く撫で、両手で俺に円盤を差し出した。
「これでコンと遊んであげてください」
その木はやたら軽く、表面に浅い溝がつけられ歯形があちこちでささくれ立っている。
俺が投げて、コンが取りに行く。そういうコミニュケーションをとる遊びらしい。
「乗り気じゃねえなあ」
「そ、そんなこと言わないで、一度だけやってみてください」
「俺こいつに嫌われてるし……投げても無視されそうだし……」
「ぎくっ」
「…………なんだよ、ギクッて」
羊飼いの顔をのぞき込もうとすると、尻を蹴飛ばされた。デブだった。
「聞けよ兄ちゃん!」
「さっさと言え!」
「姉ちゃんはなあ! あの丘下の岩まで円盤投げました!」
草に覆われた坂を半ばまで下ったところ、そこに小さく見える岩をデブは指さしている。
遠い。いや遠すぎる。こんな木を本当に飛ばしたのか? こいつ虚言癖なんじゃ。
子供達を見る。みんな、にやにやと嫌らしく笑っている。
羊飼いを見る。目が合うと、ひょこっと顔を反らす。
「……いーじゃねえか! 現役スカウトの俺に喧嘩売ろうって心意気だけは買ってやるよ!
おいデブ、俺の方が飛んだらお前夕飯抜けよ!」
何がおかしいのか子供達がくすくす笑い出す。嫌な感じだ。見れば羊飼いも堪えるように顔
を逸らして震えていた。
「ガキども、随分俺を舐めくさってくれてるようだけどな――――」
「ごたくはいいからなげろー!」
「お、おまえ! いいかてめえら、びびって腰抜かすんじゃねーぞ!」
肩が盛り上がり背筋が収縮する。力任せに投げた円盤は風を切って青空に舞う。勢いよく飛
んだ円盤はあっという間に岩を飛び越し、その先の森の中に入っていった。
「見た、見たかっ! ははっ、おまえら見たか!」
子供達は笑い転げていた。羊飼いも顔を赤くして丸まっている。
訳が分からず呆然と辺りを見ると、
「……なんでおまえまで見てんだよ」
子供達の笑い声が一層大きくなる。
コンはちょこんと鎮座していた。その長い胴体をすっと伸ばして円盤が消えていった方を悲
しげに見つめている。
羊飼いは丸くなりすぎて赤茶の団子のようになっていた。
「どういうことだ、これは」
俺が投げてコンが取る。そういう遊びじゃないのか。
「ご、ごめんなさい、あんなに飛ぶなんて思わなくて」
顔を真っ赤にして起きあがる羊飼い。前髪がくしゃくしゃになっていた。
「ほ、ほら、みんな笑うのはおわり」
「ちょ、ちょっと状況がよく分からないからわかりやすく説明してくれないか」
「いえ、あの、コンと遊ぶっていうのは円盤を遠くに投げてコンを喜ばせてあげるっていう」
「嘘をつくなあ!」
「ほ、ほんとなんです」
「そんなの健全じゃねえー!」
坂を駆け下りる。あんまりだ。こんなのあんまりじゃないか。
ぎゃはははと子供達は笑い続けている。デブが「おまえらびびって腰抜かすんじゃねーぞっ、
だってよ! 笑いすぎて腰抜けちまうよ!」とほざいていた。デブには夕飯抜きをしっかり言
い含めなければならない。
子供達が坂を駆け下りていく。
とうに夕陽は沈み、山脈の稜線に浮かぶ白い雲たちの腹が赤く照らされている。
「やっぱり、私送ってきます」
丘を降りた麓の村まで間の森を突っ切っても一刻、回り道をすれば倍は掛かる。日が長くな
ってきたとはいえ、暗くなるまでには帰れそうにない。
「やめとけよ。おまえに迷惑掛けたくないんだよ、あいつら」
「でも、危ないです」
「ここらはあいつらの庭だし、わざわざ要らないランプまで借りて心配させないようにしたん
だ。魔物だっていないし、ほら、ちゃんと手を振ってやれよ」
羊飼いは危なっかしく走り回る子供達を見つめると、はい、と笑顔で見送った。
次からはしっかり明るいうちに帰してやらないとなあ。
草原を越えて子供達が見えなくなると、踵を返して羊たちの方へと連れだって歩いた。もう
放牧の時間は終わりだ。
「今日はからかってごめんなさい」
「お、おい。そんな下らないことまだ気にしてたのか」
思わず肩をすくめてしまう。
「そんなのいいって。言わなくても、分かるだろ」
といっても羊飼いが気にしすぎてる様子はなかった。俺があんまりに森に入って出てこなか
ったものだから……。暗くなるまで出てこなかったものだから……。
「だって、枝に引っ掛かってたら普通見つからないだろ」
羊飼いは微笑んで、そうですねと頷く。
羊小屋は目の前だ。羊飼いは一吹き口笛を鳴らすとコンが勢いよく走り出し、日がな草をは
みつづける羊たちを追い散らし一つにまとめ上げる。昼間のぐうたら具合がまるで嘘のように、
羊飼いの合図一つで機敏に動く。
「昔からこんな風にコンと生活してたのか?」
「いえ、羊は男の仕事でしたから。女は絨毯です」
照れくさそうに頬をかく仕草をする。
「夏の放牧地はとても暑くて……ここと比べれば荒野のような草原でしたが、それでもみんな
も、私も、夏になるのを楽しみにしてたんです。笑われてしまうかもしれませんが、あまりに
暑いから羊は夜に放すんです。夜空には地平線まで星が続いてて……それが見たくて、何度叱
られてもついていくんです」
一緒に見られたらいいんですけどね、と空を見上げる。赤黒く山の向こうの空が染まるだけ
で、もうとっくに丘は闇に包まれている。コンは一人で羊たちを追い込み、一人で羊小屋の中
に押し込んでいた。
「でも、遊牧民の女は年端もいかないうちに嫁ぎ先が決まるって聞くけどさ……」
夜に女の子を歩かせて、万が一傷物になったら目も当てられないんじゃないだろうか。
羊飼いは固まっている。どうやら聞いたらいけなかったらしい。
「あの、なんだ、よくわからんけど、別におまえに魅力がないとか」
「いいです! 変なフォローはいらないです! ええ、そうですよ。12になってもお嫁に出さ
れず妹達の方が先に決められちゃいました! 父に聞いても答えてくれないし、兄には同情さ
れるし妹達には馬鹿にされましたけど、いいんです! 楽しかったから!」
そりゃそうだよなあ……。お嫁に入る前の女を、男に混ぜて夜の放牧地に放り出さないよな
……。羊飼いは小屋までの道中、ぷりぷりと怒っていた。コンはとっくに仕事を終え、一足先
にライトニングスピアのごとく家へとぶっ飛んでいた。
コンのあとに続き、二人で小屋の中に入る。羊飼いがランプをつけると、コンは火もついて
いない暖炉の前で丸くなっていた。こいつの指定席らしい。
このおんぼろと言っていい小屋の中は、清潔ではあったが恐ろしく質素だった。テーブルや
椅子などの少しの家具と機織り、壁に飾られた色とりどりの絨毯。それだけだった。
「スープはお口に合いますか?」
「ああ」
今日の丘上はにぎやかだった。けど、明日はどうだろうか。明後日は?
村から離れたこの山脈のしたの小さな丘で、この女は昼間は一人で羊を放し、夜は誰もいな
い真っ暗な草原に佇む小屋のなか、一人で絨毯を織って生活を営んでいる。今頃、村の年頃の
女は糸紡ぎを口実に男共と乱交騒ぎだろう。それに比べて、こいつの暮らしは……。
「村長が風邪をまた拗らせたらしい。明日、一緒に見舞いにいかないか」
「はいっ」
同情じゃない。ただ、俺は確かめなければならなかった。どうしてこんな世捨て人のような
暮らしをするのか。人畜無害を地でいく人間なのはよく分かっている。ただ、ある噂がナッツ
ベリーの行商人の間で流れていた。フロスティア山脈に啓示を受けた者がいる、と。
曲がり角を抜け日の当たる石畳の道に出ると、羊飼いと老婆が二人、樽の上で日向ぼっこを
していた。老婆は無愛想で気難しい嫌われ者として村人から扱われている。他の村人が話し掛
けたくない、関わりになりたくないのと同じように、俺もまた顔を突き合わすのは嫌だ。向こ
うだって俺達に話し掛けられ等してほしくないだろう。
羊飼いはそんな人間と一緒にいて、幸せそうに目を閉じていた。
老婆と一緒に佇んでジョークを交わすわけでもない。ただ日向ぼっこをしているだけ。
そんなことは俺が歳を喰ってもできそうにはないし、やりたいとも思わなかった。
「じいさんとの話は終わったのか」
おそろしくゆっくりと眼を開けると、陽に輝く金髪の合間から青い目が覗く。
こっくりと頷くとそれっきりまた眼を閉じてしまった。
その姿はあまりに無防備だった。元スカウトとはとても思いがたく、一人で僻地に生きるの
にはあまりに不用心だ。そう、最初に忍び込んで家の周りを見たときだって罠の一つもなかっ
た。あとで注意してやらなきゃならない。
ノックもせず村長の家に上がり込む。廊下は埃がひどく、窓から差す光できらきらと光って
いる。廊下の奥、応接間の中で村長は待っていた。ひび割れた皮のソファーを相変わらず愛用
しているようだ。
「久しぶりだな、じいさん」
「到着から二週間、一言も挨拶なし。やっときたかと思えば土産もなし」
「顔合わせづらかったんだ」
「次挨拶がなかったら放り出すぞ」
ソファーに身を沈める。ささくれだった表面が少し痛い。
「余所者が何の用じゃ?」
「帰郷だよ、決まってんだろ」
「家族もおらん、歓迎する者もおらん。それで帰郷とは」
ははは、と破顔して茶を飲み干す村長。
あんまりじゃないか、と思ったものの本当のことなので黙っている。
俺にお茶はなかった。
「それはまあ、いいだろ。それよりさあ、随分長いこと話してたみたいだけど、あんたら何話
してんだよ」
「おまえと違ってな、いい子なんじゃあの子は。最近病気がちで誰も見舞いに来てくれんのに、
あの子だけはいつも来てくれおる。さっきなど『よかったら今日は泊まってご飯でも作ってい
きましょうか?』だと。むちゅーじゃ! むちゅー!」
「はっ。そっすか」
あまり一緒に村へ降りてきたことがなかったから、安心した。
悪くはされてないのは分かっていたが、むしろ良い関係を築けているのだ。
「あいつがいい奴なのは分かってるよ。だがそれなら村に呼んでやればいいじゃないか」
元遊牧民が怖いのは分かるけど、女を僻地に押し込めるのはどうなんだよ。
「人聞きの悪いことを言うな。確かに最初はみんな怯えていた。なにせ石畳を羊と一緒に練り
歩いたんだからなあ。それで儂のところへ来て丘に住まわせて欲しいと言う。なんじゃそりゃ、
とたまげたもんだ。あんな所、ボロ小屋や小川はあるが井戸すらない。山脈には魔物が巣くう。
周りは一面草と森じゃ。あの子は元スカウトだから大丈夫です、と笑っておったがな。人が一
人で住まうよな場所ではないんじゃ」
深いため息をつくと、カップを口に運ぶ。前と変わらず元気な爺さんだと思っていたが、そ
の顔には深い皺と濃い疲労の色が染みついている。
「丘に住んでからのあの子は献身的じゃった。老若男女、誰に対しても変わらぬ態度で接する。
みんなあの子が好きなんじゃ。しかし、降りてこいと言っても笑って首を振るばかり……。
おまえ、帰ってきてからずっとあの子といるじゃろう。何か、言っておったっか」
無言で首を振る。
「犬や羊が大事だとは言っておった。だが、丘で放牧するだけなら村へ住めばいい。羊を村へ
降ろすとなると不満もでるじゃろうが、大した問題ではないだろう」
その理由がなんであれ、うまくやっているのはいいことだ。あんなところに住んでいるもの
だから、てっきり拒絶されているものだと思っていた。
これならそう悪いことにはならないだろう。
最後に、本題を訊ねる。
「ナッツベリーの一部で噂になってる。この地方にクリスタルの声を聞いた奴がいるって」
そんな噂が流れるのはオーレオールでは珍しくない。そもそも真偽など確かめようがないの
だから、ナッツベリーに目を付けられるかどうか、つまり、王国にとって悪質かどうかが大事
だった。それが、この村と羊飼いにとって大事なのだ。
村長は黙っている。しかし、商人から流れてきた以上は村の人間が噂を知らないわけがない。
「……茶を出したほうが良かったかな?」
「よせよ。俺はあんたらと同じようにあいつが好きだし、あんたらが今のまま、あいつを好き
でいてくれるのなら何も問題はない。俺が消えればいつも通り、何も変わらない」
声を聞いたという当の本人にも隠す気はないようだった。。
「何か変なことしてるとか、そんなのないよな」
「ああ、ああ。それはおまえがよく分かってることじゃろう」
そのくせ何かをするわけでもなく、隠れて怪しいことをしているという雰囲気もない。俺を
警戒しているという可能性もあるが、あの不用心さが欺瞞だとはとても思えない。
つまり、この件は全くの白ではないかということ。
「クリスタルの声って、どんなのだろうな」
爺さんは黙って首を振るばかりだった。
村長の家を出て、惚けていた羊飼いを叩き起こした。
村の大きさの割には整備された石畳を歩き、丘に帰る。
「……なんでそこで触ろうとするんだよ」
「大人しい子でしたから、大丈夫かなーって思ったんですけど、喉に触れたらガブッと」
「んで、血を出しながら逃げ帰ったと」
村長から、道化がやってきたときの話をきいた。見せ物として手懐けたJackalがいたらしい。
何を思ったのかこの女は、どうぞ触ってくれという言葉を真に受けて見事噛まれたらしい。
「多分、びっくりしちゃったんだと思います。怒ってなかったし、怖がってもいませんでした
から。わたしもびっくりして、何がなんだかよく分からなかったんですけど」
「そもそも、ああいうのに人間のような感情があると思うのが間違いだって」
……知らず知らずのうちに気を抜きすぎていた。自覚がないのが厄介な話で、曲がり角で体
ごと出てきた奴にぶつかった後、ようやく自分の腑抜け加減に気づいたのだった。
まったく不意の衝突だったので、情けなく尻をついてしまった。
相手の男も同じように尻をついて胸を抑えている。
「わ、わ……わり」
「ふッざけんじゃねえ! どこ見て歩いてんだよ!」
「…………はあ?」
痛みが吹っ飛び、頭に冷たい血液が流れるような感覚が走る。
「てめえこそ目ついてんのかよ。よく見てみろ、俺達が歩いてるところにてめえの方からぶつ
かってきたんだよ」
「あの、大丈夫ですか?」
前に一歩でる羊飼いを右手で押しのける。
「おい、謝るのはてめえの方だろ」
「知ったことじゃねえよ。女連れて白昼堂々通りの真ん中歩いてんじゃねえ」
「一言ゴメンナサイと謝りゃいいんだよ! 謝り方もしらねえのか」
「あ? なんで俺がおまえに謝らなきゃならないんだよ。謝るのはてめえの方だろうが」
頭に血が上っていた。俺がこんな奴に馬鹿にされる覚えはないし、ましてや一方的に怒鳴ら
れる理由などない。こんな馬鹿のせいで不快な気分になるのはまっぴらごめんだ。
「ほら、さっさと謝れよ。申し訳ない俺が悪かったです、って――――」
男に胸元を掴んで迫る。しかし、男は俺をみていない。
「ごめんなさい」
振り返る。羊飼いがぺこりと頭を下げていた。
俺の指が男に乱暴に離される。それを止めることも出来ない。嫌らしく笑った男は、じっと
りとした目で羊飼いをみて、言った。
「次からは気を付けろよ」
踵を返して去ろうとする男。その後頭部目がけて拳を振り上げ、
「……さん! 私たちも悪かったです!」
「だからって、おまえがあの野郎に謝ることないだろうが!」
「いいです! いいですから、もう帰りましょう!」
羊飼いは必死に腕にしがみついてた。男は勝ち誇った顔で歩いていく。どっちが悪いかなん
てどうでもいい。お互い謝って済むならそれでよかったんだ。
「何がいいんだよ……何もよくねえよ」
結局馬鹿をみたのはあの糞野郎でもなく、俺でもなく、こいつだった。
一週間が経った。何事もない、それでいて悪くない日々だった。
半ば休暇として勝ち取った仕事だったが、しかし、そろそろ切り上げないとまずいだろう。
もう戻ってくることは叶わないかもしれないが、もしそんな機会があれば、必ずここに顔を出
そう。こいつらに二度と会えないとは考えたくなかった。
「寂しくなるな」
コンは一心不乱に陶器にがっついている。餌中はもちろん俺のことなど眼中にない。
「……んん」
一生懸命な奴をみるとちょっかいを出したくなる。
おそるおそる陶器の端を掴む。ぴくり、とコンの動きが止まる。
や、やばいか?
さらに器を引く。引く。
「あ、あれ?」
コンは無反応だった。噛むどころか吠えもせず、じっと俺を見ていた。犬と言えば、昔村に
いた誰彼構わず噛みまくる馬鹿犬が思い浮かぶ。じゃあ、こいつは?
「あ、なにしてるんですか」
「も、申し訳ない!」
さっと器を返す。コンは無言で食べ始める。
羊飼いはぷんすかコートをはためかせて歩み寄ってきた。
「いや、あんまりに一生懸命だったもんで、つい」
「……コンは人を噛まないです。怒っても、怖くても、びっくりしても噛まないです。けど、
嫌なことは嫌だし怖いことは怖いんです」
「ごめんなさい!」
俺の謝罪などには見向きもせずコンはがむしゃらに食べていた。
羊飼いがまあまあそこそこの胸を張る。
「怒ったなら噛んでもいいと許可が下りるわけではないんです」
「あ?」
何故か得意げな顔をしている。
「なにその顔」
「かっこいいセリフかな、と思って」
「馬鹿」
なんだかんだ言い合っている最中もコンは食い続けていた。
コンの咀嚼の音が響くなか、草を踏んで歩く音が聞こえる。
羊飼いも気づいたようだ。坂の方から、誰かが登ってくる。
「ありゃあ……」
村長の倅だ。倅と言っても俺と対して年齢は変わらないが。
「よう。最近会わねーな」
どうどうと俺達の前まで来ると、見事に俺を無視して羊飼いに話し掛けている。羊飼いも変
わらぬ顔で対応しているから、それなりに親しいのだろう。無視されたことには何の感慨もな
い。そういや、村でぶつかった奴もこいつと徒党組んでたっけ。
居場所が無さそうに佇んでいるのも癪だったので、コンと一緒に昼寝をすることにする。
二人の会話が聞こえてくるが、羊毛1キロの値段とか遊牧民の絨毯はやはりよく売れるだと
か下らない話だった。それなりに仕事をするようになったみたいだが、やはり品のなさが言葉
の端々に出ている。昔から柄が悪く、つっかえの母親が死んで一層手を付けられなくなった。
(ま、柄の悪さなんて俺が言えたことじゃないか)
……しかしはやく帰って欲しいものだ。
「おい、おまえもうナッツベリーには帰らないのか?」
突然声が背中に響く。
おまえが早く帰ってくれと叫びたかった。
「おまえに教える義理はねえ」
「そうかよ」
わざとらしく、馬鹿にしたように鼻で笑っている。
「別にどうでもいいが、じじいが明日来いっつてたぞ」
顔も合わせず右手で追い払う仕草をする。
それから羊飼いと二言三言話していたが、聞きたくもなかった。
「なにしにきたんだ、あいつ」
爺さんのメッセンジャーボーイに成り下がったか。
倅が帰っていく足音と共に、羊飼いが帰ってくる。何か台無しにされた気分だった。
村長の家の中、俺はベッドで体を起こす村長と向き合っていた。
皺だらけの顔をしかめて、村長は唸るように言った。
「いつか、クリスタルはどのような声をしてるのかと聞いたな」
重苦しい雰囲気が寝室に漂っている。
「儂はな、人の心情を理解した振りをし、人の言葉を使い、人を惑わす人外がおるとするなら、
それは悪魔という他ないと思う」
村では唐突にある噂が広がっていた。
曰く、雑貨屋の娘の手が動かないのは羊飼いが触れたからであり、村長が治らずの病である
のは羊飼いが食事に毒を仕込んでいるからであり、独り丘から離れないのは悪魔との密会のた
めである。つまり、羊飼いはクリスタルの声を聞いたと嘯く魔女だ。そういう噂である。
「……あんた、本気で言ってるのかよ」
「いや、早とちりをするな。あの娘のことを言ってるのではない」
オーレオールでは自称、啓示を受けた人間による反乱が後を絶たない。何処何処に啓示を受
けたものがいる、という噂自体はどこにでもあるもので、いちいち目をつけられるようなもの
ではない。
しかし、それが悪質なモノとして噂になれば話は別である。
「儂は、クリスタルが人の言葉を操る等という戯れ言は信じぬ」
ひどく村長が咳き込む。症状は一向に良くならない。
「人は確かに言葉というユニークなものを使うが、メルファリアには様々なものが住む。人は
クリスタルから恩恵を受け、日々を生きているが、クリスタルの使い方に長けているのは妖精
であろうし、単にクリスタルに近い存在であるというならエルフの方であろう。何よりコミニ
ュケーションは言葉だけで行われるのではない。そうだろう?」
爺さんはあまり視点が定まっていない。
俺は無言で相槌をうって静かに聞いていた。
山脈からは遠い雷鳴が聞こえる。もしかしたら丘の天気も荒れるかもしれない。
「ならばクリスタルが人の思考に最適化された人の言葉を操って、我々に何かを伝えてくれあ
るなど、人の思い上がりとしか思えぬ。メルファリアが作られたその時、世界にいったいどれ
だけの言葉があった?」
「そうだな」
「ああ、そうじゃ。だからこそ、今ではあの子を村に受け入れたことを後悔しておる。あの子
は自分の生き方にすら迷っておった。なのに何を聞いたか知らぬがクリスタルの願いまで叶え
ようとしておる。その結果が、あれじゃないのか。クリスタルの願いなど捨ててしまえばいい。
丘から降ろすべきじゃった。そしてできるなら、こんな小さな村から追い出すべきじゃった。
もう少しだけ、儂らにあの子を思う気持ちと勇気があれば……」
またひどく咳き込んだ。銀の水差しからコップについでやる。
ゆっくりと飲み干すと俺の方をしっかり見て、言った。
「あの子を救ってやれないか」
「残念だけど、俺には何の権限もない」
「そうではない。そんなことを言ってるんじゃない。あの子はおまえを好いておる。おまえも
そうだと、前に言ったではないか。だから、一緒にいるのに何の権限も要らぬ。そうだろ
う?」
村長の家を辞した。結局何も答えず、ただ逃げてきた。
山脈は案の定、雲と霧でまったく見えない。
早く帰ろう。
「おーい、にいちゃーん!」
「お、アル!」
広場のクリスタルの近くに、アルと女の子が二人でいた。女の子のほうは見覚えがない。ア
ルは手を振りながら一人でやってきた。
「元気でやってるか?」
「……うん」
笑顔でやってきたと思ったらとたんに暗くなってしまった。
「なんだよ、みんなと喧嘩したのか?」
「……あの子ね、キャロっていうの」
あの子が、前に言ってた子か。目を細めて俺の方を見ている。
「やっと友達になれたから、今度はみんなで遊ぼうと思って。そしたらみんな、キャロを入れ
るなら遊ばないっていうんだ。キャロもみんなとなんか遊びたくないっていう。でもみんなで
遊んだ方が楽しいよね? 僕おかしいのかな?」
泣きそうな顔で見上げてくる。
とても優しい男の子だ。
「……ああ。仲間はずれなんていらない。おまえは間違ってないさ」
アルの頭を叩く。
「ほら、泣きそうな顔するな。女の子を心配させちまったらダメだ。ここからがおまえの腕の
見せ所じゃないか」
目をごしごしと拭うと、確かに頷いた。背中を力強く叩いてやる
アルは何か決心した顔で俺に礼を言うと、走り去っていく。
「デブが文句言ってみろ! 俺が殴ってやるから!」
雷鳴は近く、雨雲が空を覆いつつあった。
「コン」
曇りとはいえ、まだ陽があるのに森は暗い。
のっそり、コンが歩いてくる。
男達はニヤけるばかりで見向きもしない。
「コン」
どうしてコンがいるのか。どうして近寄ってくるのか。
一歩、一歩と枯れ葉を踏みしめるようにゆっくりと歩いてくる。
合図をしても、帰らない。
「コン!」
男達がコンを一瞥する。
けれど誰も興味を示さない。
男が笑う。
一歩、男が前に出る。男の気配を漂わせて、もう一歩。
手が、私の体に、
(コン!)
跳んだ。
雷が薄暗闇を照らす。
コンの頭が、男の肩に食らいついてた。
羊飼いの家が荒らされていた。
絨毯は切り裂かれ、窓は割れ、戸には穴が開いていた。まだ明るいのに羊たちは小屋へと入
れられている。羊飼いとコンの姿はなく、丘にはクリスタルが風を切る音だけが響いていた。
あたりを走り回って姿を探すも、影も形もなかった。
村に戻っているかもしれないと、来た道を駆け下りたがやはり見あたらない。
そうこうしている内に時間は過ぎた。
結局雨は降らなかったが、どんよりとした雲は太陽を隠し、あたりはいつもより暗い。
「なにがあったんだよ」
村の様子はいつもと変わりがなかった。
羊飼いだって、朝はいつも通りだったはずだ。
ぼけっとしてるあいつをからかって、羊の毛刈りは大変なんだとかアードラットの渓流に釣
りに行きたいとかそんなくだらない話をして。
「くそっ」
見当たらない。あとは街道の先か森の奥だ。暗くなる前に見つけなければ。
「……啓示を与えられるって言うなら俺にも教えてくれよ」
小屋の傍に佇む大きなクリスタルを見上げる。
あいつの無事を保証してくれるなら、人を弄ぶ悪魔だろうが構わない。
クリスタルは反応せず、どんよりとした空を青白い表面に映していた。
(女にしか伝えられない腰抜けが!)
地面を蹴っ飛ばす。
適当に草を蹴った脚に、硬い何かが当たった。
石版。
表面に文字が、
「汝を怖れず、汝を憎まず、ただ」
文字はひどく荒々しかった。
クリスタルが風を切って泣く。
目の前に広大な針葉樹の森が広がっていた。
森の一角は熱気に包まれていた。興奮と、女の喘ぎ声で。
「ハァっ……はっ、はっ」
腰を振る度に羊飼いは肺から呻くように息を漏らす。痛みのせいか顔をしかめ、眼を閉じて
いる。唯一自由なのは左手でだけで、仰向けにされても形が残る胸を、耐えるように抱いてい
た。残るのは胸の上にずらされた上着だけで、他はすべて剥いた。
まるで力の入っていない脚を持ち上げ、腰を押しつけるように突く。濡れていない膣はひど
く痛かったが、そんなことはどうでもいい。
「この三週間の間、あいつにこうして股を開いて腰を振ってたのか?」
「んぐっ……ぅぐっ………ふ、ふッ」
ずっと考えていた。どうやってこの女を無茶苦茶にしてやろうかと。
初めて、一人離れているところを襲ったときもそうだった。何も抵抗せず、ただ犯されてい
た。精は滾ったが、それだけ。草の上にこいつを押しつけ何度も何度も精を吐いたが、ただそ
れだけ。すべて終わった時のこいつの顔で、また苛立つ。
だが今日は違う。今日は思う存分こいつの体を貪れる。
「んぁッ、ん、っ……い、タ……」
「てめえらセンズリ好きだなあ」
一人は羊飼いの手を上から握って自分のものをしごかせていた。もう一人は胸にモノを押し
つけるようにして腰を振っている。
懐からシロップを取り出すと羊飼いの体の上に掛けてやる。液体が滑っていくと肌は震え、
腹は小さく痙攣する。こいつもちゃんと人並みに感じるの筈なのだ。
「……ぁ、ひっ……く、ぅ……ッ……」
だが膣はいまだ濡れていない。シロップで少しはマシになったが。
「全然乗り気じゃねえってことだ、こいつ」
二人が下卑た声で笑う。ははは、そりゃあんまりっすよ。自分でやったんじゃないすか。
「ほら、おまえも腰動かせよ。おまえの大好きな犬がそこで見てるぞ」
噛まれた肩も気にならない。血が出ているが痛くもない。
「声出せよ! ご主人様を守った犬の死体のまえで、腰振って喘いでますってな!」
「ぐ、……んうッ! ん、んッ! う、うっ、んむっ」
眼を閉じ、口をきつく閉じる羊飼いに無理矢理口づけをする。歯が邪魔をするが唾液を流し
込むように深く、舌を入れる。顎を上げてやると喉が痙攣したようにコクリと鳴った。
くちゅ、と唇が音をたてる。
唇の味を確かめるように、上唇から下唇を噛んでいく。口の周りはとうに唾液にまみていた。
「ん、ちゅ……くふっ、ふ、ふッ、ンふっ」
合わせた口の間から、腰を強く打ち付けるたびに息が漏れる。
前髪をかき上げ、額にキスをして離れる。
「おまえら使っていいぞ」
モノを引き抜く。血が付いているそれは、一向に収まっていなかったが構わない。
一人が開かせた股に飛びつくように覆い被さる。もう一人は空いた口に自分のモノをいれる
と猿のように腰を振っている。
「う、ぐぅ……ン、ンンん…………はっ、はぁ、ア、んっ」
シロップに濡れた乳房がぷるぷると震える。わずかについている脂肪が、シロップとともに
腹の上で揺れている。
「うぁ、あ、で、デ、出る!」
口からモノを引き抜いた男が羊飼いの顔に懸命にそれを擦りつける。尻が痙攣すると、モノ
はゼリーのような精液を吐き出した。男の手が羊飼いの頬を精液を塗りたくるように動く。
「あぁぁぁ……きっついな、こいつのなか……あーやべぇ」
羊飼いを喘がせようと角度をつけていた腰が、ただの前後運動に。
「ふ、ふっ、ん、ふっ、くぁっ、ん、んく、ふっ」
「おおぉぉ……出るぞ、出るっ!」
びくん、と震えると男が射精をはじめる。
射精にも反応を見せず、羊飼いは眼を閉じ続ける。
こいつは初めて犯した時も、そしてその次、またその次犯したときも、その次の日には何も
なかったように話し掛けてきた。無理矢理犯された女の気持ちはどんなものなのかと、柄にも
ないこと考えてしまうほど、普通の笑顔だった。犯されて喜んでいるのかと本気で勘ぐったが、
終わった時はいつも悲しげだった。
その顔が苛立つ。すべて無茶苦茶にしてやりたい。そんな気にさせる顔だった。
「でもそれも終わりだ」
射精の余韻に浸かっている男を無理矢理どかす。
たまりに貯まった精液が疼いていた。
音がする。暗くて目では確認できないが、枝葉が揺れる音とは明らかに異質だった。
「誰かいるのか!」
駆ける。森が空けている。月だ。
「――――」
その光景は何と表せばいいのか。
血まみれのコンが転がり、裸の女に男達が獣のように群がっている。
振り向いた野郎の目だけが、人間のものではないかのようにギラギラ光っている。
何と、言えばいいのか。
「てめえらああぁぁあああああああああ!」
短剣の鞘を投げ捨て、駆ける。
驚愕に歪む男達の顔。とろとろと背を向けた、その首筋目掛け剣を、
「……さん」
羊飼いの声が、聞こえた。
刃は届いてない。やつらが離れていく。
……追える。いくら逃げようがどこに隠れようが殺せる。そう何度も心で繰り返す。いつだ
って殺せる。我慢することなんてない。いつだってできる。
ゆっくりと振り返る。
悪夢のような光景は消えていない。
家は好き放題荒らされ、コンは殺され、羊飼いは言いように汚された。
嗜虐心がわき上がれば他人の家を壊しても許され、噛みついてきた犬は殺しても良いと勘違
いし、性欲が衝動的な行動にGOサインを出す。
そんな自分勝手な人間たちの、はけぐち。
「なんだよ、これ」
昨日までうまくやってたじゃないか。普通に暮らしてたんだ。こいつが何かしただろうか?
何もしてない。何もしてないだろう。確かにこいつは無防備で不用心だった。だけど、こんな
風にされる理由なんて何処にもあるはずがない。
羊飼いが精液にまみれた体を起こし、ふらふらとコンに近寄る。
お腹の白い毛が真っ赤に染まり、差し込む月の光に照らされていた。
羊飼いはじっと体を丸めてコンを撫でている。
「なあ」
かすれた声。
「俺は、おまえがどんな信条を持っていても、いいんだ。誰かを傷つけたくないって言うんな
ら、あいつらの首を掻ききらなかったことも責めない。家の周りに最低限の防備がなかったこ
とも、理由があるんなら責めねえよ。おまえがやりたいようにやればいいって、心から思うん
だ。…………けどなあ」
男の血にまみれた肩を見た。コンの歯形も、見えた。
涙が溢れる。
「おまえのことが大好きだった犬のことぐらい、守ってやってもよかったじゃねえかよ! た
だ連れて逃げるだけでよかった。ほとぼりが冷めるまで隠れているだけでよかった。あんだけ
懐いてたんだ。そのぐらい、ただそれぐらい、してやってもよかったんじゃねえのか!」
怖くても噛んではならない。
怒ったからと言って噛んでいいと言うことにはならない。
驚いて噛んでしまったとしても許されるわけではない。
なら、
「あんまりじゃねえのか?! あんまりだよな? どう考えたってあんまりだ! おまえのこ
とをあれだけ慕ってやつを守らなかったなんて、あんまりだよなあ!」
とまらない涙。
そう。あんまりだ。この馬鹿女が何をしたって言うんだ。コンが何したんだ。
ただ、こんな人里離れた場所で、静かに暮らしてただけじゃないか。人の気配がしない丘の
上で、人の想念から離れた丘の上で、穏やかに暮らしていただけじゃないか。
羊飼いはいつものごわごわのコートを羽織っていた。涙でぼやけた視界と月の明かりのせい
で、まるで血まみれの背中だった。コンの傍らに座り、ずっと毛を梳いている。
「コンに初めて会ったのは12の時でした」
小さな声で羊飼いが言った。
「その日は妹達の嫁ぎ先が決められた日で、家族は騒がしくはしゃいでいました。私だけ放っ
ておかれたような気分で、父に言いに行ったんです。どうして私は決めてもらえないのかって。
父は無言で首を振るばかりで答えてくれませんでした。その代わり、まだ子犬だったコンをも
らったんです。それはおもちゃであやすようなものだったのかもしれません。でもその時は大
喜びで、父に抱きつきました。それからはコンを毎日のように訓練したんです。朝も夜も一緒
でした。けれど、兄や父に教わるようにやっているのに、なかなか言うことを聞いてくれなか
った。来る日来る日も、むしろ時間が経つとどんどん言うことを聞かなくなっているような気
さえしました。それでもう嫌になって隅で泣いていると、母が教えてくれたんです」
精液と唾液にまみれた体。
「コンはおまえのことが大好きだから、本当にいつだっておまえを見続けているんだって。虫
の居所が悪くて当たり散らしてしまった後、媚びるように餌を多くあげる姿だとか。その日は
気分がよかったから、怒らなくてはいけないのに怒らなかった事とか。そういうちぐはぐな所
も全部、コンは見ているんだって。人の行動の意味が犬にとって同じだとは限らない。けれど、
一貫性のない気分屋で頼りにならないってことは伝わってしまうんだよって」
髪がきらきらと金色に揺れている。
冷たくなってしまったコンの体を、羊飼いは懸命に抱いていた。
「私は最低の主人だったかもしれません。
でも、それでも、私はコンの主人です。始めたことは、最後までやる」
青い眼には強い意志が宿っていた。
涙を流すなんて無様すぎる真似はしないと、暗闇を青白く照らす。
コンの亡骸を連れ、汚された体を引きずり、羊飼いは歩いていった。
村には帰る気がしない。しかし羊飼いに顔を合わせる気もしなかった。
俺は怒鳴られたら怒鳴り返すような人間だ。ろくな人間じゃない。だがじっと押し黙って嫌
な気分を溜め込むだり、怒鳴った相手が去ったあとで愚痴ったりするよりはいいと思っている。
因縁つけられて穏やかな気分ではいられないし、見知らぬ奴に怒鳴られて我慢する理由がない。
だったらスッキリした方がいい。そうだろう。
クリスタルに背を預ける。
春先とはいえ夜露は厳しく山間から吹き付ける風は冷たい。
夜空は満天の星だ。羊飼いが見ていた空は、この星空より綺麗だったのだろうか。ゆっくり
と眼を閉じる。コンは、どんな空の下で走り回っていたのだろうか。
眠りは決して深くない。そうしてある夢を見た。
家族は父と母、兄が二人、弟が一人。姉が一人に妹が三人。祖父と祖母、叔父。夢の中のそ
いつは誰もを愛していた。そして誰からも愛されるのが当たり前だった。遊牧民にとって特別
な意味をもつ夏の草原も、冬に移る石造りの廃村も。
それがいいことだと教えられたわけでもなく、そうしろと言われたわけでもなかった。
隣の家族も同じように愛したし、そいつもまたその家族に愛される。
みんなを愛し、みんなから愛される。そんな「当たり前」。
そいつはやがて大きくなり、クリスタルに魅入られていることが、やってきた戸籍の役人に
よって知らされた。適性のあるものは多くない。あるものは国に兵として差し出される。
洗礼のとき、そいつはある情景をみた。
太古の昔、まだ世界が一つだったエスセティアの時代の風景。
角度を変え、人物を変えて幾度も繰り返し見せられた光景は、望郷の匂いに満ちていた。
そうして彼女は、何も知らない子供のような「当たり前」を抱えて外に出た。
彼女が迎え入れられた場所は柄のいい者ばかりが集まるところではなかった。遊牧民の出身
とあって野蛮、野卑と奇異な目で見られたが、箱入り娘だった彼女の方がよほど品がよかった。
もちろん彼女が話が合う人間もたくさんいた。けれど、すでに彼女の「当たり前」は遠い遠
い当たり前となっていた。そうしてようやく、あの望郷の意味を理解した。
「当たり前」はひどく歪み、クリスタルの願いを受け入れたせいで、既に元の「当たり前」
の影はない。
『嫌いな人とは一緒にいられないです』
しかし形が変わってしまっても、大事な大事な「当たり前」だった。
意味はまったく変わってしまっても、大事な大事な「当たり前」。
そうして彼女は、羊飼いになる。
「……」
朝。日の出の時間。
雲が空一面を覆っていたが、赤い大気がすべてを真っ赤に染めている。太陽は隠れている。
東も西もわからない。ふとすれば今の時間すら見失ってしまいそうだった。
羊飼いは誰も嫌わない。誰にでも笑いかける。もし、あいつと一緒にいたいというのなら、
自分自身に一度、問いかけなければならないだろう。あいつが自分でしないのだから、一緒に
いたいと思うやつが自分に問うべきだ。
俺は笑いかけられるに値する人間なのか、と。
日々が過ぎた。もうこの生活は終わりだと分かりきっていたが、楽しい日々だった。
夜の丘を羊飼いと登る。
「おい、そこ夜露で、」
尻からこけそうになった羊の右手を掴む。
「滑るっていってたのはおまえだろうが」
はあ、とため息をつく。
羊飼いはぼけっと人の顔と右手を見比べていた。
「……」
「……何か言えよ、ほら……お礼とか」
少し顔を赤くして、嬉しそうに言った。
「あの、こうして触ってくれるのは初めてじゃないかなあって」
「馬鹿」
ナッツベリーからは松明が点々と伸び、今では村の広場に兵が陣取っている。今頃あの倅は
一人笑っていることだろう。あれだけ愛想を振りまいたのに、結局村人は何もしてくれない。
何一ついいことがなかったな、と。
だけどそれは的はずれというものだ。
そもそも、損だ得だとこいつは気にしていないんだから。
見下ろした村のクリスタルの広場にはアルとキャロ、それに他の子供達もいる。
不安な顔をして見上げているが、みんな仲がよさそうだった。
「やったな、アル」
羊飼いも笑っていた。
やがてあの火は丘に届き、羊飼いを魔女として焼くだろう。
しかし残ったものもあった。
羊飼いの行いが無駄ではなかったと、そう信じたい。
ワドリーテはあのヴィジョンを自分への啓示と受け取り国境の統一のため兵を起こした。幼
かった羊飼いはそれに共感し、「ひとつ」になるために誰もが誰もを嫌いにならないように、
と願った。
人は人を選り好みする。俺もそうだ。相手の顔立ち、性格、地位、財産、そういったものが
人の顔にフィルタを掛ける。俺が選り好みをした、そいつらだって同じだ。同じように俺を選
り好み、好きだ嫌いだと選別する。
でも、誰もを愛するというのは誰も選り好みしない、誰からも愛されるというのは誰からも
選り好みされない、そういうことだ。
そんなのは背の低い子供の幻想だと、幼かった羊飼いだって気づいていた。そして外に出た。
でも、それがまやかしだとしても本当は捨てたくはなかったんだ。大好きな家族も、生涯の
パートナーである牧羊犬も、羊の鳴く草原も、捨てたくなかったんだ。
けれど、確かめなければならなかった。クリスタルの夢ではみんな幸せそうだった。諍いが
ないわけではない。それでもみんな、大陸は違えども同じ場所にいた。嫌い合っているのに同
じ場所にいるわけがない、好きだから争っても同じ場所にいる。草原の外にはそういう世界が
あるんじゃないかと、確かめたかった。
「でもそんなもの何処にもなかった。当たり前ですよね」
眼下では、かがり火が煌々と燃え続けている。
「だから自分ぐらいはそうでいようと思ったんです。そしてもしできるなら、かなえてあげよ
うって」
そうして羊飼いは、魔女になってしまった。
人々に災厄を振りまき、自分の犬を殺し、独り丘に住む魔女に。
「一緒にいることが、相手を嫌わないでいることが、最初の一歩だと思うんです」
眼下の兵士に尋ねれば、こう答えが返ってくるだろう。魔女は殺せ、と。
だから誓おう。俺だけはこいつの「当たり前」だったものを守ると。俺は短気で、自分だけ
損をするのは許せないケチな人間だけど、それでもこいつの「当たり前」だけは守ろう。こい
つはもう、クリスタルの夢まで抱え込んでしまったのだから。
羊飼いの手を握る。
もう丘を降りよう。その先には、多くの人が待っている。
「そして、もし私ができるなら……みんなのことを好きになりたい。そう思います」
久々の投下GJです
クリスタルの啓示から魔女って設定はおもしろいですね
ただ、ちょっと切なくて読むのがつらかったです
こういう後味は大好き、GJ
というか保管庫の見ようとすると見れるのとみれないのあるんだが?俺だけ?
片手陵辱とかみれなす
>>331 保管庫鯖変わったとき、リンク先が以前の鯖のままになってるのがある。
リンク先のページhtmlを今の保管庫アドレスの続きに入れてアクセスしたら見られるよ。
333 :
331:2008/09/05(金) 18:21:22 ID:eCa1DBHh
レスdクス
思う存分堪能させていただいてきます
334 :
保管庫:2008/09/09(火) 19:58:25 ID:ZOuVzcUC
リンクミス修正しました。
ご指摘ありがとうございました。
いままでご不便をおかけして申し訳ありません。
今後ともご利用のほどよろしくお願いします。
>>334 いやいや、前から気づいてたのに今まで言わなくてゴメンw
まとめてくれてるだけでものすごーくありがたいです。
>>314-328 。・゜・(ノД`)・゜・。
俺も、俺も羊飼いタンと一緒に・・・うおおおおお
337 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 19:06:06 ID:a7te4pgn
hosyu
ho
ひさしぶりに保守
危なすぎるので保守あげ
火皿♀って、宿屋に泊まって朝になって集合時間になって部隊の集合場所に行ったけど
弓スカ♀がまだ来てなくて、しばらく待っても来ないから
「仕方ないわね・・・あたしが見てくるわ」って宿屋に行って、弓スカ♀の部屋のドアを
「弓子ー、さっさと起きなさいよー!」ってドンドンノックするけど返事が無いから勝手に部屋に入ったけどもぬけのからで、
「まさか・・・」って思って自分が泊まってた部屋に行ったら
さっきまで自分が寝てたベッドに弓スカ♀がシーツに包まるようにして寝てて、
恐らく『えへへ〜火皿子ちゃんの匂いんゆ〜・・・』ってシーツとか枕をクンカクンカしてる内に
二度寝してしまったんだろうというのが容易く想像できたから
「ち、ちょっとアンタ起きなさいよ・・・!」って叩き起こそうとしたけど
弓スカ♀のいたいけな寝顔に思わずキュンってなってしばらく寝顔を見つめてたら急に
「すー・・・すー・・・ん・・・火皿子ちゃん・・・」って寝言で言いだしたから
(あたしの夢見てるのかしら・・・くす)みたいな感じにますます胸がキュンキュンしだして
隣に寝っ転がってほっぺたつんつんとかして弓スカ♀がくすぐったそうにするのを満面の笑みで見つめてそうな顔してるけど、
一方その頃集合場所にいた他の部隊員についてだけどその中の一人の片手♀って、いつまで経っても火皿♀が戻って来ないから
「弓子も火皿子も何をしているんだ・・・私が見てこよう」って宿屋に向かって
探し回った挙句火皿♀が泊まってた部屋のドア開けたら
弓スカ♀と火皿♀が体を寄せ合うように仲良く並んで二度寝してて、
「すー・・・えへへ・・・火皿子ちゃん・・・すー・・・すー・・・」「ん・・・弓子・・・すー・・・」
みたいに寝言でお互いの名前を呼び合ってたから
「全く、この二人は・・・・・寝かせといてやるか、フフ」みたいな事を言いながらそっと部屋のドアを閉めそうな顔してるよな・・・・・
百合は実によいものだ
そのようですな
保守いたします
書いてあったスレが落ちたので転載
書いたのは自分ではありません
固有名詞は編集しましたが
漏れがあったらすいません
【1/8】
俺は敵キコリ発見の情報を聞き、
レイス討伐隊から離れ単騎僻地オベへと向かった。
狙われてるオベはアラート表示Uを優に超えた状態で、
度重なる敵キコリの攻撃によって、残り耐久が3割を切っている。
味方歩兵が駆けつける頃には折られてしまっているだろう。
非常に危険な状態だ。
敵片手ヲリ♀がオベに向かって走っている。
片手でキコリ?
俺は妙な違和感を覚えながら
急いでオベとヲリとの間に入って召還解除をした。
「ネズミ狩の為ナイト解除するッ!」
ネズミ狩か。そう言いった自分に対して苦笑いをする。
相手は女性とは言え、ホルデインでも名を馳せる手錬の
有名なヲリ♀だ。
対する俺は弓メインのブリカス。
皆がブレイクぐらい取れというので
護衛用にブレイクを少し身に着けている程度で、
純短スカと比べれば威力も技術も数段劣る。
加えて、レイス討伐の折に味方ナイトの数不足から
無理矢理敵レイスに接近して攻撃を行っていた為、
HPも半分を切った状態だった。
ヲリ♀は目の前に沸いたこのスカの俺を
どうやって手早く仕留めるべきか思案しながら身構え直し、
エンダーペインをその身に掛け、美しくギラリと冷めた殺気を俺に向け、
余裕さえ漂わせながら声を掛ける。
「そこの弓スカクン、単騎でヲリ相手とは勇ましいわねw
何より既に随分ヤラレてるみたいだけど、時間を稼ぐおつもりかしら?」
俺は無言のまま、軽い緊張と絶望とで
少し渇き気味になっていた咥内に残る唾を飲み込んだ。
せめて相手が皿かスカならば相手を倒し、
若しくは倒せないまでも味方歩兵が来るまでオベを守りつつ、
味方到着までの時間を稼ぐ事も可能だろう。
しかしHP満タンのヲリ相手にオベを守りつつ戦うのでは
如何せんこちらの分が悪い。
ここはまず短剣に持ち替えブレイクをちらつかせ相手を牽制して
味方の到着まで時間を稼ぐしかないと結論づけ、
まず、既に大分減っているHPをどげんかせんといかんと思い
リジェを口に運び時間を稼ぐ準備を備え、
相手がレインフォースを掛ける時間を利用して距離を縮められる前に
俺は武器を持っていた弓から短剣へと素早く持ち替えようとしていた。
*
【2/8】
その時、
「時間稼ぎはさせないおっ!」
ヲリ♀の痛烈な言葉と共に鋭いブーンとが俺に向けて放たれる。
「レインフォースも無しに来るのかっ!」
横に飛びさすり攻撃をかわしながら、「クッ」と俺は歯噛みをする。
俺は意表を突かれ、武器も持ち替えも出来ないまま
戦闘へと巻き込まれていた。
ヲリ♀がこちらに隙を与えない様、
ブーンを打ちながら距離を詰めてくる事を予測しながら、
ステップの着地膠着を狙われて転ばされる事の無い様に
相手の次のブーンの軌道を予測し、避わしつつ
武器持ち替えステップのタイミングを探る。
上手くいけば持ち替えた瞬間に、
相手の虚を突いてヴァイパーを当て、
ブレイクに繋げていける可能性もある。
さらに相手も迂闊に突っ込んで来れず、時間も稼ぎ易い・・・。
一方、ヲリ♀は相手の避け先まで既に予測し、
1発目とは逆方向へ、少し広めに2発目のブーンを打つ。
2発目のブーンを予測し、逆に避けながらランダムウォークをする俺に対し、
ヲリ♀は、気が付かれない程度に少し距離を縮めながら
「それで避けれると思ってるんだ?
それともひょっとしてブリカスで持ち換えのタイミングを見てるのかなぁ?
もう距離は十分に詰まってるのにね()うふっ」
と心の中で呟き、赤い口紅の乗った
少しぽってりとした唇を綺麗に微笑ませてから、
頑丈に守られて少し窮屈そうにしている胸を軽く揺らし、
左右に動く相手の中心に向けて雷電を一閃させながら飛び込み、
容赦なく俺を吹き飛ばした。
**
【3/8】
「・・っぐッ!!!」
体を吹っ飛ばされた瞬間、俺はもう何が何だか分らなかった。
ヲリ♀が雷電を持つ右手を一瞬後ろに下げたのは分った。
さっきはそこからブーンが繰り出されてきた。
今回のブーンも軌道予測し、スキル硬直の隙を突いて
持ち替えステップを入力したのだった。
・・・が、今繰り出されたのは・・・ヲリ♀の!?!?
もんどりうった俺が地面とキスをした時、
ようやく俺はスラムを食らったのだと分かる。
持ち替えステップの後、間髪入れずにヴァイパーを発動して
相手の虚を突く筈だった俺の構想は脆くも崩れ去ったのだった。
今までより良い点があるとすれば、
吹き飛ばされながらも漸くロストアファームからソードブレイカーに
持ち替えられた事ぐらいだろうか?
しかし俺には起き上がる迄の時間に、完全に距離をゼロに詰め、
俺が起き上がりステップをしても、着地を確実に取られる位置で
次の攻撃に備えているヲリ♀の姿を想像するのは、あまりに容易だった。
俺は絶望の色に染まっていった・・・。
〜解説しよう〜
放たれたブーンが2発だけだったのは
相手との距離を詰めた時の、自分のPW回復を見越しての行動だった。
そして当てる事よりも、相手の行動範囲を制限させる事が目的の牽制ブーン。
そしてブーンを打ったらじわりと相手との距離を詰める。
それを避けようとしてなのか、左右にランダムウォークする相手に対して、
その中間点にブーンを打ってもポテポテと結構当たるものだが、
ただの片手様ではない、戦う芸術家(ファンタジスタ)のこのヲリ♀たんは
更にその上をいっていた!
スラムで美しく舞いつつ相手の醜態を披露し、
更に確実な仕留めまで考えていたのだッ!
***
【4/8】
完全に相手に主導権を握られ、最早逃げるスペースも完全に無くなり、
更に苦しい立場となった俺は、起き上がるまでの刹那に
ヲリ♀のこの後の行動を予測してみた。
ヲリ♀の、片手にしてレインフォース無しでの殺到に関しては、
自分に対する自信も勿論だが、
それは俺を素早く仕留める為の、
両手武器持ち替え攻撃に備えてると解するのが最良だろう。
ヲリ♀は多分、起き上がり直後のバッシュに備えて
カウンターブレイクを狙うだろう俺の意表を突き、
ゼロ距離から離れる様にスタンプを決め、
ブレイクを入れ損なって仰け反り鈍足となったフラフラな俺に
止めバッシュを打ち込む!
その後はスマ2発で俺昇天といったところか。
もし俺がステップした時は、即座に両手に持ち替えて、
ストスマで距離を詰めてつつブーンを放ち
PWの回復をしながら追いかけっこをした後、
ブーンかストスマ→スマでトドメを刺して来るのだろうか・・・?、
こちらの方が若干死ぬまで時間を稼げるかも知れない。
だが、これでは俺はジリ貧のままに死んで、
オベも守れないだろう。
まぁ、どっちにしても両手に持ち替えてキコリをするんだろうな。
一番初めに感じた妙な違和感は今、
洗い立てのパンツを履いた時の様にスッキリしたぜ。
HPも更に減り、もはや逃げ場も無い、もう時間も無いが
頭の中が妙にスッキリした俺は自然と、
俺のカウンターブレイクを信じ、その意表を突くヲリ♀を信じて
勝負に出る事に決めていた。
そう、ヲリ♀たんを信じるんだ。俺はッ!
俺がネックスプリングで跳ね起きる時、
ヲリ♀はゼロ距離の位置には居なかった。
正面に立ってたんだ。
今にも吸い込まれそうな、少し切れ長の
大きな睫毛の長い瞳で俺を見つめ、
立ち上がり際に俺がステップして逃げるかどうか見ていた。
そしてそれはブレイクを入れるなら今よ、と誘っている様にも見えた。
俺はそれに誘われる様に、
目の前のヲリ♀たんの顔を網膜に焼き付けつつ、
目を閉じて大きく振りかぶりブレイクのモーションに入る。
その刹那、ヲリ♀もそのブレイクに合わせる様に
スタンプのモーションに入った。
ヲリ♀たん。俺、分ってるよ。
正面にブレイクを打たせて空振りさせつつ
背後に回りこむスタンプをするんでしょ?
信じてるよ・・・
****
【5/8】
激痛が前身に走る。
アーススタンプを食らった時独特の感覚だ。
これを食らうと暫くフラフラしてしまい足元もおぼつかなくなる。
その先に待っているのは、多分シールドバッシュだろう。
だが、苦痛に顔をゆがめつつも目を見開いた俺の目線の先には
俺のソードブレイカーと、その背刃に咥え込まれた
ヲリ♀の雷電があった。
ヲリ♀も、剣と剣が合わさっている所に戸惑った視線を走らせた。
アーススタンプの激痛に仰け反りながらも
間髪いれずに俺は腕をねじりソードブレイカーを横に引き抜く。
腕に走る激痛に「うっ」と声を漏らし、整った美しい眉をしかめさせて
ヲリ♀は雷電を手から離してしまう。
持ち主を失った雷電は「キンッ」っという音を立て、
空気を裂き回転しながら飛び地面に落ちた。
エンダーペインを掛けてもなお腕に走る激痛は10数秒続くはずだ。
自分に起きた事に一瞬戸惑うヲリ♀たん。
しかしすぐ我を取り戻し、今は連続ブレイクを何としても避けようと
痺れる腕を抱える様に押さえながら、俺の傍から離れようとする。
俺は咄嗟に仰け反った後の無理な体勢から離れようとする
ヲリ♀たんに足払いを入れる。
まだ激痛が走るあまり力の入らない状態ながらも、俺の足は
ヲリ♀たんの白い脹脛と弁慶の泣き所部分をなんとか捕らえ、
逃げようとするヲリ♀たんは苦痛のあまり
「うぁっ」と声をあげよろめいてしまった。
このチャンスを逃せば俺の死とオベリスクの倒壊が待っている。
「んぐおrmghyy1ッー!」
と、俺は訳の分らんうなり声を上げながらヲリ♀たんに追いすがり、
ヲリ♀たんの少しほっそりとした肩を鷲掴みにし、
渾身の力を込めガードブレイクを入れに掛かる。
「このぉおおおおっ><」
肩を鷲掴みにされたヲリ♀たんは、
赤い口紅の乗った少しぽってりとした唇をゆがめながら叫び、
振り払う様にステップをした。
*****
【6/8】
ドサッっと二人分の緑色の草原に倒れこむ音がする。
ガードブレイクを入れた俺はどういう訳か、
ステップをしたヲリ♀たんのパワーシールドぶつかり、
半ばシールドバッシュを入れられる様な格好となって
(実際はありえません)崩れ落ちた。
その上からヲリ♀たんが覆いかぶさるような格好となり倒れ込む。
倒れた拍子に、俺のソードブレイカーは
片方が手から離れ手の届かない所に転がり、
もう片方は、草原の柔らか目の土にめり込み自由が効かなくなっていた。
俺は自分の上に覆い被さってるヲリ♀たんに難儀しながら
「くっそー、ありえねぇ・・・ありえねぇ・・・」
とぼやき、残った手元のソードブレイカーを引き抜きに掛かる。
一方、倒れた拍子に平衡感覚を失いかけ、
軽い眩暈状態だったヲリ♀たんは
自分の腹の下で、何やら呻きながら地面に刺さった短剣を
必死に抜こうとしている俺に程なく気が付いた。
ヲリ♀たんは俺に馬乗りになるような格好で起き上がり、
まだ痺れの残った自由の利かない手に持った盾で
俺の手をボコボコと殴り、または地面に押し付け、
俺が短剣を取ろうとするのを防ごうとする。
「何すんだゴラァ!これってルール違反じゃんよ?ガメポに通報すっぞ!」
「何よこの死に損ない!そっちだって肩鷲掴みしたじゃん!?
このチーター!セクハラぁ!もぅツーホーしましたぉー?!」
お互い混乱しながら訳の分らない事を言い合い、
押し合い、へし合いしていると、
程なくヲリ♀たんの腕の痺れも取れてきた。
するとヲリ♀たんは馬乗り状態のまま
咲きたての赤いアネモネの花弁の様な唇を
片方吊り上げ気味にニヤリさせながら
「!!忌々しい腕の痺れも消えたおっ!
お望みのバッシュを今あげるおっおっ!」
と言い、雷電のない右手を左手に持った盾に添えて一際大きく振りかぶると、
下でジタバタともがき
「ちょwwwwまtlうmwtrty!!1!」
と言葉も詰まらせながら必死に抵抗をする俺目掛けて
「バッシュだけど、んゆーッ☆ミ」
と、謎の言葉を残しながら躊躇う事無く一気に振り下ろす。
ごっツンッ☆彡
抵抗もままならない俺はモロに盾の攻撃を受けた。
ダメージが93も入ったバッシュを受けるのは
過去にも先にも俺一人でこの1回きりだろう。
(実際にはありえません)
******
【7/8】
意識が朦朧とする俺に向け、
ヲリ♀たんは馬乗りの状態から膝つきの体制になり、
「最後手間取ったけど、このヴリトラで君を殴り殺して終わりだお!」
と言い放つと、両手武器に持ち替えようと
少し体を右にねじりながら右手を背中に向けて振り上げた、その時。
プツン
と乾いた音がした。
続いてガサっと音を立て、ヲリ♀たんの体を覆っていた
上半身の拘束衣が地面に落ちる。
朦朧とする意識の中、俺の視界には
ニコナの青い空に溶け込むような、ヲリ♀たんの
白い肌と薄紅色に上気した顔が映し出される。
「・・・!キャッ!!」
と、ワドリーテとは違う、ツンと張りのあるたわわな胸を
咄嗟に両手で覆い隠そうとする。
その刹那、スカート部と腕部からも
ブチンッ・・・ブツン・・・
と言う音がし、ガサガサッと拘束衣が乾いた音を立て地面に落ちた。
今まで隠されていた秘部が一度に次々と現れ、
ほぼ生まれたままの姿となった
自分の何処をどう隠せば良いか戸惑ってしまい、
ヲリ♀たんはそのままの格好でその場に佇んでしまった。
*******
【8/8】
「あぁ・・・ガドブレが力みすぎたのかな・・・、
それよりニコ・・ナの空とヲリ・・♀たんの裸がまっちんぐーb」
もはや万策尽き、不運に見舞われ最後のチャンスも逃し、
ほどなくヴリトラで粉砕されて死ぬ予定だった俺は、
半ば自暴自棄になり、意識が朦朧としながらも思わずそう呟く。
「ちょっ!!!何見てんだおこの変態!み、見抜き反対!」
と混乱しながら、ヲリ♀たんは言葉を返してきた。
「・・・だって、俺の視界の中で勝手に
すっぽんぽんになってるんだから仕方が無いし、
決して見抜きなどではない、その・・・もっとダイレクトな姿だ」
と、俺が困った様に言葉に詰まりながら返答する。
「み、見るなばかぁー!」
とりあえず俺の視界から我が身を守ろうと
錯乱したヲリ♀たんは身を前に屈めた。
ウホッ!そこは仰向けのままの俺のバディなんですがwww
次第に元に戻りつつある意識の中で、
自分の中で目覚め始めた危険な獣の呻きを察知した俺は
ヲリ♀たんに伝えた。
「やばい、そんなに密着されると
俺のオベリスクがA6に建設予定重複厳禁!」
「やだぁ><キモイのおっきくさせるなこの変態!」
ハッ!と、俺の異変に気付き、ヲリ♀たんは身を離すべく
ガバッと上体をあげた。
するとまたあられもない姿が視界に飛び込んできた。
「ウホッ!そのピンク色の乳●とピー(自粛)にA6突貫工事で建設完了!」
「もうこっち見るなぉ!このド変態!!」
「またお●ぱい密着されて俺のオベリスクがアラート2になりますた!」
「このやろう!ばかやろう!そのオベ折るどボケーッ!」
「ひぃ〜()嬉」
結局歩兵戦闘に忙しかったのかこの僻地には
増援キコリも駆除援軍もこなかったらしい・・・。
********
hosyu
氷皿♀たんが銀行をしている。
いつもの様に採掘したクリを数えている氷皿♀たん。
この子が銀行やってる時、普段あまりナイトをやらない俺も
ついついナイトをやりたがってしまう。
氷皿♀たんの言葉と笑顔がお目当てさ。
「ナイトをやるよ!クリスタル募集31個!」と声を掛けると、
「ありがとう。ナイト頑張ってね」と、いつものリップサービス。
周りの堀師が恨めしそうな視線をこっちに向けてきた。
へへへ、男の嫉妬は見苦しいな全くw
回りの微妙な空気には特に気が付く事も無く、
「えーと、31個ね。はいっ。どうぞ」
とクリスタルを手渡そうとする氷皿♀たん。
!?
クリスタルを受け取ろうと手を伸ばそうとした時、
氷皿♀たんの背後に揺らめく影が俺には見えた。
クリを渡そうとする氷皿♀たんめがけて
そいつはひらりと宙に舞った。
あ、あぶねぇ!間に合うか俺!?
「うおおおおおおおおおおおおっ」
とっさのトレードキャンセル、俺のレッドアンガーが
唸りながら旋風を巻き起こす。
間一髪、敵のパニは俺のクランブルによって阻まれ、
そのまま空高く舞い上がった。
続けざまにこの忌まわしきパニカスに五光斬見舞うべく
レッドアンガーを構え直そうとした俺の目の前に、
旋風によってルーメンを巻き上げられたまま
腕をこっちに向けたままの氷皿♀たんの姿が映った。
っ!氷皿♀たん!
今
日
は
ノ
|
ブ
ラ
だったんですか!!
(しかも少し透けてるのかほんのり下部分が黒いパンティー・・・)
見えたんだか見えなかったんだか良く分らないそのピンクの乳首と三角形に、
俺は大DOTダメ負わずにはいられなかった。
パニカスは俺の五光斬を待って居るのか、宙に舞ったままだった・・・。
>パニカスは俺の五光斬を待って居るのか、宙に舞ったままだった・・・。
なんかもうこいつパニカスとしての役割に誇り持っちゃってるな
やられ役にはやられ役の美学があるって誰かが言ってた
まあ、五光斬を待つまでもなく他の掘師にフルボッコだけどな。
へへ……こんな時でも弓スカは仕事がないぜ。
保守
なりきりHでもやろうぜw
>>359 お前が牛頭Lv39ヲリで俺がデザートカモLv19パニスカな
今すぐにでも出したいのに、
キプクリに銀行は自分しかいないから
その性格上トイレに行きたいなんて言い出せず
もじもじ我慢しながらなみだ目で
ひたすら召還カウントしてる火皿♀ちゃん。
ペットボトルなんてはずかしくて使えず、
ただ必死に耐えてる。
ときどき波に襲われて股間に手をやってしまうから
あるとき召還数が合わずレイスを死なせてしまって
たまたま虫の居所が悪かったレイス厨になじられて
さらになみだ目。
そうこうしているうちに限界は訪れて
椅子に座りながら純白のぱんつや部屋着のスカート、
靴下まで濡らしちゃう。
でも今ちょうど敵短スカがキプ襲撃を掛けてきたので
股間から黄色い水をちょろちょろと噴き出しながらもがんばって応戦。
もう涙で顔はぼろぼろ。
そのまま服も変える時間もなく、
結局戦争がおわったのはそれから30分くらいしたころ。
無事(?)解散し、ログアウト。
しちゃったあとはほとんど無心で狩り続けてたけど、
いざリアルに戻ってくると
いまさらながら自分のしたことの大変さに絶望。
虚脱感に肩を落としながらも、おかたづけ。
流し読みしてたららいおんのぽえむかとおもた
銀行が何を狩り続けてたんだ
まぁコピペ改変なんだろうけど
ケータイで保管庫見れないのでなんとかしてくださいお願いしますorz
>>361の話を脳内で自キャラ補完で書いてしまったんだけど場つなぎに投下していいかな…
>>365 投下する前に聞くとか
ここはエロパロ板だぞ?何を躊躇う!
つまりワッフルワッフル
367 :
脳内補完1:2008/11/11(火) 05:49:51 ID:avdkm3op
おはよう365です、勢いで何とか最後まで脳内補完したんで保守がてら投下します(´A`)
エロくもないし、単に自キャラを辱めて楽しんでるだけなんで生温かくよろしくお願いします。
初めまして、私はつい最近Lv35になった火皿♀です。
お恥ずかしいことですが、私…やっとスキル全部取れたレベルになったのに
ろくにスコアも出せない未熟者なんです。
だから、せめて。
ナイトしたりレイスしたり(ジャイだけはどうも肌に合わなくて…)
一生懸命裏方で頑張ってる、つもりです。
…でも…この前、デッドランカーになるよりも恥ずかしい目に遭ってしまいました。
そして、偶然とか…何といいますか、運命じみたこともこの世界にあるんだって
思い知らされてしまったんです。何があったか聞いてもらえますか?
それは某日、ウォーロック古戦場跡にて。
●ブランドに所属する私は、この土地で参戦した経験があまりありませんでした。
援軍で参戦したときのことです――
「誰か銀行やって」
HPの減ったナイトさんが、キープ付近で走り回りながらそう叫んでいました。
キプクリで掘っている人は名乗りをあげません。
自分から「銀行します!」っていえない私ですけど
こ、こういうときこそ積極的にやらなきゃ、って思うのです。
「わ、私で良ければ」
「あり」
痺れを切らしていたナイトさんは、持っていたクリをありったけ私に預けると
『敵レイス発見<pos>』の報告に導かれて前線へと走っていってしまいました。
あのナイトさんはHPの限界まで立ち向かおうとしている…私も頑張らないと!
私はキプクリの近くに、長いアエディリススカートの裾を折りながら腰を落ち着けました。
『久しぶりの銀行……失敗しないか緊張するなぁ…』
まずは一度深く息を吸い込んで、「ナイトの方、挙手をお願いします」と声をあげます。
368 :
脳内補完2:2008/11/11(火) 05:51:20 ID:avdkm3op
「ノ」
「ないとノ」
「の」
自分の呼びかけに応えてくれるということ、改めて銀行としての責任とやりがいを感じます。
「銀行[B:5]◆<cyr> 霊 巨 獣 騎3」
あああっ、いきなりコマンド入力ミス…恥ずかしくて顔が赤くなるのがわかります。
落ち着いて言い直し、次はレイスさんの確認です。
どうやら門は建っているようですがまだ出撃報告を聞いていないので
敵ナイトさんの警戒が来ないうちにレイスさんに出てもらうのが得策と判断しました。
「レイスさん候補の方募集します」
すると、目の前で無言で掘り続けていた人が「れぼ」と口にしました。
ありったけのクリスタルを渡すとその人はすぐにがけ下の門へ駆けて行き、
敵ナイトの目を逃れて無事に出撃できたようでした。
ほっ…と一息つくのもつかの間、すぐに戦況報告です。
「銀行[B:5]◆15 霊◎ 巨 獣 騎3」
後はじっくりと戦況を見て、ナイトの数を保ってころあいを見計らってジャイアントを…
ごくりと唾を飲み下すと、下半身にぞくっとした感覚が走りました。
……実は、人一倍緊張に弱いんです。
そう、実はさっきだってキープにいったん戻ってきた理由は…。
「Knightいざ参る!!」
「あっ!銀行[B:5]◆<cyr> 霊◎ 巨 獣 騎4」
いけないいけない、こんなことでぼーっとしている場合じゃないのに。
自分から言い出したことなんだから、最後まで集中してやりとげなきゃ…!
…そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど緊張していく体質が憎い。
「銀行さん、顔色悪いけど大丈夫?」(軍範)
「えっ?だ、大丈夫ですよ?」(軍団)
はぁっ…やっちゃった…。
「すみません、誤爆しました」
落ち着いて、落ち着かなきゃ…銀行はいつもクールにしなきゃいけないんだから。
「自軍Giantでます」
「敵ナイト発見です! 発言が数[G:3]」
「敵ナイト発見です! 発言が数[G:3]」
「なし」
「自軍Wraith 985/3200 [G:3] 連打=ピンチ」
「自軍Wraith 541/3200 [G:3] 連打=ピンチ」
…ええっ、なし、ってナイト死亡ですか?何かの誤爆なんですか?
動揺に動揺が重なって、報告を整理しきれず。
「銀行[B:5]◆<cyr> 霊◎ 巨1 獣 騎3?」
こんなことならちゃんと済ませてから戻ってくるべきでした。
そんなことを思っていた矢先に、コロン…と足元に転がってきた何か、それは
「こ、これは、ハイリジェネレートの瓶…!」
一瞬、これで、という発想が頭を過ぎりました。
でもいくらなんでもそれは女の子として……ついに冷や汗が出てきました。
369 :
脳内補完3:2008/11/11(火) 05:52:06 ID:avdkm3op
「Giant HP5200/5200 [F:2]移動中〜」
「なでまー」
「レイス死」
「銀行[B:5]◆<cyr> 霊◎ 巨1 獣 騎4」
「レイス死だってば」
「すいません、[B:5]◆<cyr> 霊 巨1 獣 騎4」
「ちゃんとログ読めよ」
「はい、ごめんなさい」
どうやら急に増えた敵ナイトに串刺しにされたレイスさんは少し不機嫌のようで
きつい口調で訂正を要求してきます。
「まぁ気にしないで、ちょっと反応遅れただけでしょw次れぼ」
キープで掘っていたもう一人の人が行ってしまい、ついに自分一人に。
これはもしかするとこの窮地を抜け出すチャンスでしょうか?
さっき見つけてスカートの裾に隠していた、ハイリジェネレートの瓶をぐっと握ると…
「きゃあっ!!」
いきなり手元を弾かれて、瓶と膝の上においてあった杖が
音を立てて遠くへ飛んでいきました。
何が起こったのかとよく目を凝らした瞬間に、黒い霧が視界を遮りました。
完全に油断していました…ハイド襲撃。
武器を失い、手探りで探そうとしても真っ暗で右も左も判らず助けられる仲間もおらず、
北の戦線は遥か北東へ行ってしまっているので、
このままこの敵スカウトになすすべもなくやられてしまうかもしれません。
ごめんなさい、満足な役目も果たせないまま敵にキルを謙譲してしまって――
敵スカウトは私の足を蹴り、身動きを取れなくしました。
地べたに這い蹲って「もう駄目」と思った瞬間…敵スカウトの気配が止まりました。
「……?」
恐る恐る顔を上げて振り向くと、やっと目潰しの毒の効果も薄れてきていて
仁王立ちで私を見下ろしている男のスカウトがいました。
武器を構えたまま、とどめをささないのでしょうか?
しかしそのまま殺されるより恥ずかしい仕打ちが待っていること、
気づくのが遅かったのです、私は。
「あ……」
膝を立てて、敵スカウトに向けて突き出した私のお尻の間から
あふれ出してくる、熱くて心地よい解放感。
転んだ衝撃でスカートの裾はめくれ、黒いタイツから
その下に着込んだ白い下着の布地がうっすら透けて見えていて、
私を長い緊張で縛っていたソレが太ももを伝って滴り落ち
膝の下に、水溜りを作っているのを…敵スカウトはじっくりと窺っていたのです。
油断をしてパニッシングストライクをされるよりも、ずっとずっとみっともない。
でも、私の体自身が惨めな私の姿をあざ笑うかのように
この解放感に身を任せることを、止めてくれなかったのです…。
370 :
脳内補完4:2008/11/11(火) 05:53:07 ID:avdkm3op
「あぁ……」
涙が出ました、緊張からの解放と羞恥心のあまりに。
周りに応援が来ないことを確認した敵スカウトは、私を一瞥して言いました。
「やたらソワソワしてると思ったらそんなにガマンしてたのかよw
いきなり攻撃されなくても背中つつくだけでももらしちゃってたかもなぁー」
…崖下のクリスタルのところまで届くような、大声で。
「やめっ…そんな大声で叫ばないで…」
「顔真っ赤にして、なみだ目になっちまって、あーかわいそww」
「さっさと…とどめさしたらどうなんですか…」
悔しさのあまり肩が震え、再び顔を上げることもできません。
私は役立たずの恥さらしのまま、ここで終わります。
「おっと危なく全チャで誤爆しそうになったぜw
キプクリ襲撃にいったら銀行がびっくりして漏らしましたーって――」
私は咄嗟に、クリスタルの横に飛ばされていた杖を拾い上げて反撃に応じました。
「アイスボルトっ!」
「ぐはっ!」
腹を抱えて笑っていたスカウトの顔面に、アイスボルトの弾が派手な音を立ててめり込みました。
私はよろよろと立ちあがって、きっと相手を睨み付けましたが
恥ずかしさと悔しさの涙で顔はきっと見られないほどぐちゃぐちゃで
どんなに鋭く睨み付けたって、威嚇にもなれなかったでしょう。
「いってて…おっと、アムブレ切れてたか…って、ぷっw
まだ垂れ流してんのかよ、どんだけ量多いんだよww」
「うっ…うああああっ!!!」
ブーツの中にまで熱いものが入ってきて…
でも、目の前の目撃者の口を、塞がなきゃ
そんな気持ちだけでいっぱいの自分が惨め。
手当たり次第に通常攻撃を打つ私の姿は、
とてもレベル35だなんて思えないほどみっともなかったでしょう。
敵スカウトはひょいひょいと軽やかに弾道を避けて、私から距離を取ります。
「折角襲撃にきたのにキプが一人だってのは損したが
面白いもんが見れたんでよしとしてやるよ」
「はぁ…はぁ…」
「戦争が終わるまで俺が全チャ誤爆しないようにお祈りしろよーじゃあなー」
「ま…待ちなさい!」
そういい残すと敵スカウトは踵を返して走り去っていってしまいました。
力の抜けた私はへなへなと地べたに座り込んで
水気を吸って色の変わった地面を見、改めて全身の力が抜けていくのを感じるのでした。
371 :
脳内補完5:2008/11/11(火) 05:54:04 ID:avdkm3op
それから死に戻りの人がキプクリに来てクリスタルを掘り始め、私は…
「さっきキプ襲撃あったみたいだけど大丈夫だった?」(軍範)
「えっ?あ、はい…何とか…」
「そっかー、ならよかったーあはは、ところで銀行さん、
クリからちょっと遠いとこ座ってるけど
もうちょっと近づいたほうが掘りやすいんじゃない?」
「い、いえ、ここでも掘れてますから……」
愛想を含んだ苦笑いで返すと、鈍感な♀弓スカさんも釣られて笑ってくれます。
戦争が終わるまで一歩も、そこを立ち上がるわけにはいきませんでした。
泣いた跡は服で拭えても、地面はすぐに乾かないので。
そして終戦。
「お疲れ様ー」
「援軍感謝」
「裏方&銀行さんありがとー」
夕日を背に兵士たちが斧を担ぎ、怪我をした人に肩を貸しながら去っていきます。
みんな、鎧もローブも泥だらけ土まみれで汚れていて…
これなら私の衣服の染みも、さして目立ちはしないでしょう、きっと。
さっきの弓スカさんがねぎらいの言葉をかけてくれました。
「援軍裏方ありがとう!またよろしくね!」
「は、はい…」
だけど…正直なところ、できればもうこの戦場で一緒になった人たちとは
顔を合わせたくはないです…特にあの敵スカウトの人とは。
私は肩を落として帰路につきました。
少しでも早く帰って、お風呂に入って、服を着替えてゆっくりと眠れば
今日のこともいずれ忘れられるはず。
ルーンワールにたどり着いて、憔悴しきった顔で門をくぐった拍子に人と肩がぶつかりました。
「あ、ごめんなさ……」
目が合った瞬間、私は、運命というものを感じざるを得ませんでした。
肩がぶつかったその人は、さも嬉しそうに声を殺して笑って言いました。
「よう、お漏らし皿ちゃん?」
援、軍、でしたからね…お互いに。
本当に、本当に愉快そうで。
これから先のことを予感すると、とても、とても愉しみで
私は胸が高鳴っているのを、運命と感じずにいられませんでした―――。
書き込んでから、脳内補完3の銀行マクロが最初の誤タイプのままだったことに気づいたorz
あとキプクリ襲撃とかやったことないんでまず何のスキル使うかとか知りませんので細かいことはスルーしてください。
このあと恥ずかしい弱みを握られた皿はばらされたくなければと脅されて
あんなことやこんなことを強いられるようにでもそれを次第に喜ぶようになってきてくぁwせdrf
自キャラでこんなことまで考えてるってばれたらそれこそ自分のFEZ生命が危ないwwwwww
お粗末様でした。
>でも、目の前の目撃者の口を、塞がなきゃ
とっさにこの考えが出てくるあたりさすが戦争ゲー容赦が無い
そこでその短スカ♂は
上にまたがって濡れた黒タイツに舌を這わせて
そのまま顔を埋めて直に浴びながら飲み干すぐらいのことをしないと・・・
それから部隊員にばらすぞと脅されて定期的にオナペットにされるくらいのことをしないと・・・
おまえら鬼畜過ぎワロタ
いいぞもっとやれw
だが、それがいい(ニヤッ
隣国出身の友達とチャットしてたらこんな話になった
ゲブ「ひっく、オフィシャルが閉店しちゃったよぉ…」
ホル「ふん、いい気味だわ」
ゲブ「ひどいよホル子ちゃん、どうしてそんな意地悪いうの?」
ホル「ひどい?毎夜毎夜本土いびりに来ていい迷惑なのよ」
ゲブ「だってあたし、ホル子ちゃんと遊びたかったんだもん…」
ホル「だったらカセ子と遊べば良いじゃないのよ、知ってるわよ?あんたカセ子にも同じこと言ってるの」
ゲブ「……」
ホル「どっちでもいいなら、もう私のとこには来ないで」
ゲブ「ごめんなさい、でも、私、ホル子ちゃんもカセ子ちゃんも、大好きだから…」
ホル「八方美人は嫌いよ…」
ゲブ「ごめんねホル子ちゃん、嫌いにならないで」
ホル「し、知らないっ!さっさとアベルでもアンバーでも行ってくれば良いじゃない!」
ゲブ「やだやだ、やだぁ!ホル子ちゃん行っちゃやだぁっ!」
その後俺はエルキャラを作った
ライルとワドの会話だと思うとほほえましい。
こんどはエルでホルホルとはいいご身分ですね(#^ω^)
378がツンデレホル子かもしれないぞ
ゲブ子がエル子になってホル子いびりする気なんじゃ?
ホル民としてはこれ以上はあまり笑えなくなってくるんだが。
閉店リーチのときにホルに目標経路潰しで復讐されて笑った
それにしても相変わらず勢いがないな
保守!保守!シュッシュッ!
もう限界だ・・・
寝るよ・・・
いい夢見ろよ
エロも何も無いが勢いでまとめたから今から投下する
変な文体だがヌルーよろ
三色1
「今日は良い天気ねぇ」
「うんっ。ひのこはげんきー」
「スノウも調子よさそうだね」
「えぇ。でも雷皿には無関係な事だったわねぇ」
「そんな事ないさ」
僻地のクリスタル前では金髪の少女と水色のポニーテールの凛々しい女子と素顔が仮面で覆われている青年風の男子が輪になり和やかに言葉を交わしていた
「スノウちゃん雷ちゃん。きょうのりょうりのやくそくおぼえてるー?」
「えぇ。楽しみにしてたわ」
「僕も準備してきたよ」
「雷ちゃんほんとう?この前みたいにステーキまっくろにしないー?」
「頼むからあれは早く忘れてくれ」
「あははっ」
三人はおもむろに持参したアイテムを取り出した。目の前にはパンやベーコン、アップル、ハーブ、チーズ、ポットなどこの世界では一般的な食材が並んだ
「ベーコンにハーブに三つ葉もどうぞーとろーりチーズもお好みでー」
少女はリズムにのりながら手際よくパンにトッピングをしていく
「アッというまにでっきあがりー」
掛け声と共にパンを包んだ手の内が炎に包まれたかと思うとポンッという少し抜けた音と同時に白煙が上がり香ばしい臭いが辺りに立ちこめた
三色2
「ひのこ特製ベーコンミックスサンドかんせいー」
「いい香りねぇ」
「おいしそうだね」
「雷ちゃんはひのこをみならいなさいー」
「ひのこちゃんの炎魔法は本当に羨ましいよ」
「ふふ。それじゃ私も下準備が整ったし始めるわ」
女子は水色の髪を靡かせ詠唱を開始した
「ハアァァァァァッ」
足下には魔法陣が現れ溢れんばかりの冷気が周囲へ流れはじめた。そしてオレンジとブルー色のポットを左右の手に取りバーテンダーの様に華麗に容器を操り冷気を絡めていく
「そろそろ良さそうねぇ。フリージングウェイブ」
絶妙なタイミングで氷魔法をかけ宙に舞った容器を取り満足げな表情を浮かべた
「アップルポット完成。ベースは二種類あるからお好みでどうぞ」
「スノウちゃんすーごーいー」
「アップル入りか。おいしそうだね」
「雷ちゃんさっきからそればっかりー」
「そうねぇ。次は雷皿にも美味しい料理を作ってもらいましょう」
三色3
「今回は失敗しないから安心してくれ」
自信に満ちた仮面の男子の前にはワインボトルとグラスが置かれている
「それヴィネルワインよねぇ」
「先日解禁されたボジョレーさ」
「悪いけど私はそんなのじゃ満足しないわ」
「スノウが酒にうるさいのは知ってるよ。まあ見てて」
男子は両手の平をボトルに当てた
「なにしてるのー?」
「初物は新鮮だけど飲みにくいのよねぇ」
「よし。出来た」
「えっ?」
驚く二人をよそにワインを注いだグラスを女子へ手渡した
「騙されたと思って飲んでみて」
「騙すも何も普通のワインでしょう?」
女子は渋々一口飲むと再び驚きの表情を
浮かべた「スノウちゃんどーしたのー?」
「ねぇ雷皿。あなた何したの?こんなに熟成された物は初めてだわ」
ボトルにはしっかりと2008と年代が刻まれている
「それは電解酒と言うんだ。文献によると雷力の作用で短時間で成分が変化して味に深みがでたりまろやかになるそうだよ。僕はまだ全てを理解できてないけどね」
「やるわねぇ。これ持ち帰りさせて頂くわ」
「気に入ってもらえたなら幸いだよ」
「ずーるーいー。ひのこにはなにもないのー?」
三色4
「もちろんあるよ」
男子は手元に置いてあった水で満たされた透明な瓶を少女へ差し出した
「ひーどーいー。ただのみずなんて雷ちゃんのばかっ」
「ただの水じゃないよ。電解水さ」
「でんかいすい?」
「雷力の作用でカペラの水の不純物を取り除いたんだよ。料理好きなひのこちゃんには良質な水が役にたつかなと思ってね」
「そーなんだー。雷ちゃんありがとー」
少女は受け取った瓶を大事そうに道具入れに収めた
「さぁ、お昼にしましょう」
「雷ちゃんのてづくりりょうりないよー?」
「そこは突っ込まないでくれ」
「あははっ」
「いただきまーす」
□■□■
前半糸冬
やっつけ作業で本当にスマソ
閑話休題
「ごちそうさまでした」
昼食を終え一息ついてから何か機を伺っていた女子は少女に視線で合図を送り小さくうなずいた
「ねぇ雷皿。ちょっと立ってくれる?」
「ん?どうかした?」
男子は訳も分からず従い立ち上がろうとした
「あれ?動けない。おかしいな」
動揺する男子をよそに女子と少女は不敵な笑みを浮かべた
「効いてるようねぇ」
「えっ?な、なにしたんだ」
「ポットに魔力を注いだだけよ」
「かめんとるのー」
三色5
状況を察した男子は慌てて口を開いた
「何度も言ってるけどすまないがこれだけは絶対に駄目なんだ」
頑なに拒絶するが前の二人には通じてる様子はない
「えぇ、。わかってるわ。でもそろそろ見せてくれてもいいでしょう?」
「雷ちゃんごめんねー」
少女の両手が仮面へ静かに添えられた
「や、やめてくれー」
一声が空しく響いた
「あらまぁ」
「わーおー」
現れたのは黒髪の少年と見間違えるくらい幼い顔立ちの青年だった
「見ての通りさ。僕は黒髪だ。分かったら仮面を返してくれ」
「何言ってるの。そのままでいいわよねぇ」
「くろかみー」
理解に苦しむ男子は俯きながらもさらに口を開く
「漆黒は皆が嫌う魔の象徴だ。二人ともそれくらい知ってるだろう?仮面をつける雷皿の道に入った理由もこれさ」
「ねぇ雷皿。それは何処の風潮?私達の間では魔力の象徴よ」
「そ、そんな訳ないだろ」
「魔法学校では黒髪は憧れの的だったわ」
「雷ちゃんもうだいじょうぶだよー」
そう言うと切ない表情をした少女は俯く男子の頬に軽く口付けをした
「ちょ、ちょっと。ひのこちゃん?」
動揺する男子をよそに少女は顔を赤らめた
三色6
「ひのこずるいわよ。私から先でしょう」
「もうしちゃったもんねーえへへっ」
女子も続いて反対側の頬にキスをした
「ちょっ、待って」
押し倒され三人の身体が重なり合う
「ワインで酔ったのか?」
「そうねぇ。そういう事にしておいていいわ」
間髪なく唇が重なる
「んっ」
「ずーるーいー。ひのこもするのー」
半ば強引に少女の唇が横から入り込み三人の唾液が交ざり合う
「あっんっんふっんっ」
「ねぇ雷皿。これでも嫌ってるって言える?」
「そ、それはー」
「雷ちゃんはひとりじゃないんだよー」
一瞬の沈黙の後、黙り込んだ男子の目から涙が溢れ流れだした
「ありがとう」
声にならない言葉を発した男子の顔は涙と唾液まみれになっていた
「なきむしー」
「ほら。仮面つけてあげるから早く顔拭いなさい」
「うん。でもこの事は秘密にしておいてくれ」
「当然よねぇ」
「ひみつなのー」
仮面がそっと戻された
「やっぱりこれが無いとな」
「でも雷ちゃんはらいさらおすしっかくなのー」
「だから素顔見たことはー」
「そうねぇ。キスの続きをしたらねぇ」
「えっ?」
「冗談よ」
「あははっ」
今日も三人は仲良しです
糸冬
うおむあえそっからだろおおがああああああ!!!
どんだけ賢者なんだよ!
わかってないな
初心な雷皿を染めていく二人に期待する展開じゃないか
期待sage
・・・・あれ?
保守
メンテ終わるまでやることないから保守がてら何か書いてみるぜ
シャ○テがいい加減強欲すぎるんで腹いせ恥辱話のつもり
嫌いだったらIDでNGしてくれ _▲_
メンテ終わるまでだから完結するか分からんけど暇つぶしに('A`)
笑えるくらいAAズレた
---------------
ここは誰もが一度は余暇のために訪れるヴィネル島の、カジノ。
煌びやかで眩いシャンデリアに豪華なカーペットに
いつも人々の賑やかな談笑が耐えない、孤島の天国。
しかし今日は何かが違った。
「うっ…うっ…どうしてこんなことに…」
明かりはついておらず、人の話し声もなく、
唯一…どこかで聞いたような女のすすり泣く声だけが
広いロビー内にむなしくこだましているだけだった。
すすり泣いている声の主の名は、シャンテ。
カジノ内で1,2を争う人気遊戯ハイアンドローを担当していて
明朗快活な性格も相成って、彼女目当てで来る顧客も多く
カジノには欠かせない人物の一人であった。
そんな彼女がどうして一人で、暗く冷えたロビーの床に突っ伏して
すすり泣いているのか、その理由は。
数日前。
「えっ…?それって、どういうこと?」
シャンテは耳を疑った。
同僚のリンスから告げられた今の状況は信じるのに耐え難いことだった。
「聞いての通りじゃ、シャンテ…」
目の前が暗くなりふらっと倒れこみそうになったのを
クラスバトル担当の同僚であるホウブが肩を貸して支える。
「大丈夫ですか…?しっかりして下さい」
しっかりなんてできるはずがない、正気を保つので精一杯なのだ。
更にリンスが目を細めて話を続けた。
「それで、じゃな…今まで経営難を隠されて
わしらが築き上げたこのカジノが…破産してしまったというのも…つらいのじゃが」
この先のことを言うのは、肩を震えさせて泣いているシャンテを
更に追い詰めてしまうことだとリンスも分かってはいたのだが…。
「残った多大な借金を、返さねばならん」
シャンテは混乱した頭で必死に考えた。
どうやって?この建物を売却して?経営権を譲渡して?
みんなで築いてきたすべてを売り渡して?
「どうすればいいの…」
「そこで、じゃな…?」
唐突にリンスが話の口調を変えた。
どことなく言うのを躊躇っているのは見て取れるが。
「知っての通り、ヴィネルには兄弟施設の闘技場があるじゃろう?
そこのオーナーの申し出なのじゃが…
カジノがもう一度経営起動に乗るまで、投資しても良いといわれたのじゃ」
「ほ、本当!?」
失いたくない。みんなで作り上げたこの場所を。
そのためにはどんな辛いことがあっても…。
「シャンテ…」
シャンテの必死な眼差しを見たリンスは、その条件を話し始めた。
「おい、時間だぞ」
低い男の声に呼ばれて、床に顔を伏せていたシャンテはびくりと体を起こした。
ついにこのときが…承諾したこととはいえ怖い。
リンスも、仲間も、誰もいない。
誰も手を貸して立たせてもくれない。
「はい…」
「言ったとおりにやれよ?何たって相手は
バンクェット大会の優勝チーム様だ、いいか?
丁・重・に、もてなして差し上げるんだぞ」
「は…はい」
男はシャンテにそういい残してロビーを後にした、すると
入れ違いに数人の男たちが談笑しながら入場してきた。
「ふー、しっかし長かったなー。」
「今年は賞金がすごかったな、しかも副賞まであるってか?」
「俺、名誉とかよりこっちのが楽しみだったんだがな」
「雷皿自重しろよwww」
「てか…こりゃいいや、『副賞』ってコイツかよ!」
シャンテの存在に気づいた男が一人、声を出して笑った。
それに釣られてほかの男たちも機嫌よさそうに笑い始めた。
「カジノ破綻って聞いてたがこんなカタチで提携してたなんてなw
ちょうど良いや、俺この女にRINGむしりとられたことあって
あんときゃいっぺん犯してやる!って思ったもんだぜwww」
「俺もだ、こいつ19Tで5の次に3とか言いやがってさ?
ケツの毛までむしりとられてな、あんときのことまだ忘れられねぇw」
「ひ…ひぃっ」
男たちがシャンテを見る目つきが変わった。
ただの優勝者に与えられた「景品」としてではなく
自分を知っている人たちが、鬱憤を晴らすために更に欲望をたぎらせて。
短スカと雷サラの男が今にもシャンテの服を強引に破り取りそうだ。
覚悟を決めていたのに、やっぱり鬻ぎ者になるのは怖い。
目をぐっと瞑った瞬間、また別の男が二人を制した。
「まぁ待てよ、俺ら優勝者様だぜ?
せっかく俺らのために用意していただいたなら、俺らの手を煩わせず
そっちからサービスしてくれるつもり、なんだろう?」
この男表には出さないが同じく散財させられたことがあるため
シャンテを助けるつもりなんて毛頭なく
このときこの立場を利用して最大の屈辱を味わわせてやろうという魂胆だった。
「わかるな?」
「わ、わかってますぅ…」
「いい子だ」
シャンテは事前に指示されていた通りに床に脚を崩して座り
スカートのすそを引っ張って見せた。
丈の短いスカートのすそがめくりあがると、白い太ももが露になった。
男たちが一気に囃し立てる。
「こりゃあいいや!知ってる女がストリップまがいのことしてると思うと
見知らぬ女よりよっぽど興奮するな!」
「だな、しかも散々手玉に取ってくれたあの女神様wだしな」
男たちの言っている恥辱の言葉は蛙の鳴き声だと自らに言い聞かせて
男の視線が集まる方向へ閉じていた両脚を向けて、開くシャンテ。
「…くぅ///」
「おおおおおおおおおっ!」
「サービス良すぎだろwww剃ってあるとかwwww」
視線だけでソコが真っ赤に腫れ上がってしまいそうだ。
だけどこれさえ耐えれば、また、カジノ再建への道が開ける…
また大事な仲間たちと一緒にわいわい…。
「おい!何顔そっち向けてんだよ!」
ウォリアーの男の一人がシャンテの髪の毛をつかんで強引に顔を前に向けさせた。
「い、痛いですぅっ」
「ほらほら、そんな泣きそうな顔してねーでもっと喜んで見せなきゃ駄目だろう?w
いつでもにこにこしてるのがサービス産業の基本だろうにw」
「は、はい、もっと見てくださぁい…
皆さんにお披露目するためにシャンテはココをキレイにしてきましたです〜…」
「へへ、こいつはたまんねーや。立派な痴女じゃねーか」
男たちは上機嫌そうに、あるものは台に座り、あるものは床に寝そべって
シャンテの痴態をまるで演劇を見るように鑑賞した。
ごめん賢者来たからまた今度orz
寸止めとかHIDOI
HIDOSUGIRU
雷皿wktk
賢者わらたwww
興奮して抜いてるんじゃねーよリアル雷皿♂w
リアルにホウブクビになったんだが
ホウブさんはあまりにも(リングを)やりすぎた
保守
保守!保守!
投下します
よろしく(^oへ)
414 :
1/11:2008/12/19(金) 20:55:46 ID:7uU2qKoa
「隊長、ワドリーテ様は無事、お帰りになられました」
一週間の調練の間、野営続きだった。
青い髪を結った副官が幕舎の前に立っている。
「姫様から羊を二頭頂いた。余った分はいつものように」
「みんな喜びます」
笑顔をつくった副官に、微笑みを返す。
二百二十五の歩兵。ワドリーテ様自ら剣を与え、鍛え上げ、食を共にした麾下である。
皆が自分の名前を呼ばれることを誇りに思い、忠誠を誓う。
兵達の笑い声が聞こえた。
模擬戦で近衛を完全にのしたことが愉快なようだ。
姫の御前だったのである。
「私も、隊長と共に戦えることを誇りに思います」
「数を除いて、同じ条件だったからな」
相手は一昼夜、原野を駆けることもできない兵だ。
兵も、それは分かっているが、やはり近衛は鼻持ちならなかったのだろう。
「今夜は存分に休め。あまりハメを外しすぎない程度に」
「はい! 隊長は、どうなさるのですか。
兵達が、戦勝の宴をと隊長を心待ちにしておりますが」
「すまない。待たせてしまっている人がいるから」
「あ、し、失礼しました! 兵共には私から!
ごゆっくりお休みください!」
一礼すると、顔を真っ赤にして去っていった。
良い副官であるが、少々生真面目な所がある。
彼女と同じように後ろで結っていた髪を解く。
帰る前に、少しでも髪を清めたかったが、のんびりしている時間はないだろう。
隊の銀揃えであるエンジェルの胸当ても外してしまおうと思ったが、止めた。
一度、兵達に顔を出さなければならない。
415 :
2/11:2008/12/19(金) 20:56:24 ID:7uU2qKoa
「おかえりなさい!」
扉を開けると胸に飛び込んできた。
「ただいま」
孤児の少年だ。今は、魔術の寄宿舎学校に通っている。
こうして家に居られる日は事前に伝えておく。
全寮制ではあるが、ある程度の融通が利く。そういう学校だった。
「会いたかった……」
短くとも週に一度。
何週間も帰ってこれないのはざらであり、戦時には一年以上戻れなくなる。
引き取るときにそう言った。
「私もだ」
胸にうずまり、動かない頭を撫でる。
「中に入ろう。まだ冷えるから」
テーブルにはパンと、まだ湯気の立つスープが置かれている。
質素なものを頼んでいた。
兵達に限らず、皆香辛料や塩でよく味付けられたものを好むが、
そういう類はあまり舌が受け付けなかった。
「実は、そのパン、僕が作ったんです。
あ、作ったと言っても生地を練っただけなんですけど」
「うん。おいしい。この生地はひげパンだな」
「はい。おじさん、髭を間違って剃ってしまったって、落ち込んでました」
質素な食事でもおいしそうに食べるのは嬉しかった。
辛い思いをした子供を、これ以上悲しがらせたくはない。
「今日、喧嘩をしました。もちろん、ぐーで」
「どうして?」
「ああ、それはその、女の子がどうこうっていう、くだらない理由です。
理由の方は別にいいんです」
「それは聞きたいなあ」
「あー……そのー」
「聞きたい。好きな子が出来たなら、紹介してほしい」
「僕が、じゃないです! 同じ先生についてる子なんですけど、
その子に好きだって言われちゃって、でもそういうのはよく分からないから、
ごめんなさいと断ったんです」
「はあ」
「そうしたらその女の子の友達が出てきて怒り出したから謝ったんです。
謝ってたら、今度は向かい部屋の奴が出てきてぶたれました」
「あら」
「こんなの初めてだったから、戸惑いました」
「突然言われれば、驚くのも仕方ないことだ。
でも、くだらないことでもないな」
「それは、そうかもしれないですけど……。
でも、女の子と一緒にいたら、こんな風に、いつでも、きっと帰ってこられなくなります」
思春期の男の子だ。
嬉しいのと、苦々しい気持ちとで複雑である。
「……喧嘩は、もちろん勝ったんでしょうね」
「はいっ」
食事を終え、暖炉の前で談笑したあと、二人でベッドに転がり、抱き合って寝た。
416 :
3/11:2008/12/19(金) 20:57:01 ID:7uU2qKoa
あの子は起きた朝に寄宿舎へと帰した。渋る様子は見せなかった。
それから数日の間、私は宮殿の中で雑務に追われた。
禿げた大臣から珍しくお褒めを頂き、少々話をした。
あまり、文官とは関わりを持ちたくない。
良くも悪くも国王の麾下という立場を崩したくはなかった。
「失礼します。貴方が親衛隊の隊長でありましょうか」
男が一人、ノックもせずに扉を開けた。
誰も手入れをしない、宮殿の私室で休んでいる時だった。
「そちらは?」
「我々は、貴方が養っている少年を、保護しております」
男の眼を見る。
「こちらがその証でございます」
青く輝く鉱石に金の鎖がついたアクセサリが二つ、男の手の中にあった。
一つは私があの子にあげたもの。あの子の名が彫ってある。
もう一つには見覚えがない。ホルデインの紋章が丁寧に彫られている。
その裏には、「親愛なる」の後に、私の名が刻まれていた。
「ご理解頂けたでしょうか。よろしければ、私の後についてきて頂きたい」
男の首を飛ばす。
アクセサリを掴むと、血と油を払うことなく駆けだした。
417 :
4/11:2008/12/19(金) 20:57:31 ID:7uU2qKoa
「全員、臨戦態勢をとれ!」
城外で野営を続けていた軍に駆け込み、叫ぶ。
「小隊長は全員私の元に! ……副官はどうした!」
途端野営地が慌ただしくなる。食事を取っていたものが掴んでいた物を放り出す。
隊の、黒髪の壮齢の男が一礼して膝をついた。
「副官は二日前の夕刻、宮殿より呼び出しを受け護衛数人と共に出頭しました。
それより連絡を受けていません」
「……次の死に順はおまえだったな」
男が返事をする。
「ナッツベリーより西へ三里の地点、小高い丘に陣を敷け。
斥候は戦時で四方へ。私か副官が戻るまで指揮を委ねる。
いずれも明朝までに戻らなければ、それからはおまえの判断で動け」
「お一人で動かれるでのあれば、護衛はお連れください」
頭を下げる男に向かって頷く。
何故、とは言わなかった。
418 :
5/11:2008/12/19(金) 20:58:04 ID:7uU2qKoa
城下を歩く。武装した兵士に城下民は道を開けた。
私が子供を養っていることを知り、それが誰なのかを知ることのできる人間は多くない。
「使者はどうしたのですか」
殺気がした。護衛を手で制す。
両側に連なる煉瓦の家々、その上の方から声だけが聞こえた。
「突き当たりの酒場にお入りください。
くれぐれも、穏便に」
三名の護衛の一人が、先に酒場の扉を開く。
中には近衛のワドノ軍、ウォーリアが七、ソーサラーが三。
隊の者二名が拘束されている。副官はいない。
加えて見たことのある役人の顔だ。
その役人が、口を開いた。
「苛烈な性格だと聞き及んでおりましたが、人殺しがお好きだという讒言が真だとは。
使者を殺したとて結果は何も変わりますまい」
後ろ手に縛られている二人を一瞥する。まっすぐに眼があった。
「……貴様らが行っていることは、国家とその元首である姫に対する反逆である。
恥を知れ」
跳ね、続けざまにソーサラーの首を打つ。
驚き体を硬直させている役人の顔を割る。
掃討は一瞬にして終わった。
「大丈夫か」
拘束されていた者の一人が、ウォーリアに肩口から胸にかけて斬られていた。
「刃物もロクに扱えぬ奴等相手に、副官をお守りできず、なんと言えばよいか……」
答えずに、微笑んだ。後ろの三名に振り返る。
「おまえたちは負傷者を連れて本営に戻れ」
「隊長はどうなされるのですか」
一人が不安を隠そうとせず、言った。
「いずれ戻る」
419 :
6/11:2008/12/19(金) 20:58:35 ID:7uU2qKoa
「私の首は、打たないのか」
法院の一室、男は馴れ馴れしい素振りで皮のソファに私を促した。
「貴様はワードノールの部族出身だったな」
男は眼を合わせない。
気取った白々しさに苛立ちを覚える。
「今回の件は近衛と親衛隊の諍いとして処理される」
「望みを言え。あの子供は私の親族でもない、ただの孤児だ」
怖れているのだ、私を。多くの兵と同じように、怖れている。
それを隠そうとして失敗している。
「私は当時こっちには来ていなかったが、
当初は、親衛隊も軍閥が姫への影響力を競う組織だったらしいな」
下らないことを口にし続けている。
それが分かっているのか、男は捲し立てるようだった。
「それを君が首を飛ばして派閥というものを押さえ込んでしまった。
つまり、君がお姫様への影響力を独り占めしているということだ。
それだけなら、問題はなかった。
君は政治に興味を示さなかったからな。
だが、今や親衛隊をモデルにして近衛の改革を行おうと禿が動き出した。
君はその急先鋒だ」
「あの子はどうしている」
私の名が刻まれたアクセサリを見る。
力の残っていないエンチャントはお守りとして使われる。
しかし、その加工は魔法を使っても容易ではない。
丁寧に刻まれた字に、努力のあとが見える。
「その内会う機会があるだろう。
しかし、少々殺しすぎた。すぐに、という訳にはいかない」
すぐに、こんな場所から出してやるから。
ごめんね、巻き込んで。
辛い思いはさせないと決めたのに。
「…………貴様らは、やることがいちいち温い。
温いから舐められ、舐められるから無駄な労力を使う。
そんな体たらくだから宮殿から追い出され、法院などに押し込まれるのだ、無能」
420 :
7/11:2008/12/19(金) 20:59:06 ID:7uU2qKoa
首都にあるのかも分からない、屋敷の部屋。
法院の男がやってくる日の朝は、体を拭かれ、髪を梳かれ、エンジェルを着る。
そういうことが連日続くこともあれば、二日間が空くこともあった。
もうこの生活はどれだけになるだろうか。
抱かれることに何の感慨もない。
ただ、あの子に会うことも叶わず、寝て食事をする生活が苦痛だった。
そして、今日もあの男は来た。
私は寝台の上に立ち、一枚ずつ脱いでいく。
男は自分で脱がせることもあったが、私が自分で脱ぐことを好んでいる。
裸になった私を男は見ていた。
屹立した男根を隠そうとはしない。
男が、座って股を開くよう促す。そうしてひとときの間眺めるのだ。
責めは執拗だった。
私の股間に顔をうずめ、二刻、四刻と時は過ぎる。
自分の息が荒くなっているのを感じていた。
疲労だけが原因でないのもまた、分かっている。
男が、首筋をなぞる。その指は水に浸したように濡れていた。
秘部から下腹部に、異物感が駆けめぐる。
腹からわき上がった声が、高く部屋に響いた。
声を押し殺そうとはしない。
胸の奥を掻き回すような衝動は、
殺そうとするほど形を変えて喉からせり上がってくるような気がした。
男根が膣で動くたび、視界が白く霞んでいく。
あ、と思った時には視界が暗転した。
次に意識が戻った瞬間、両手はベッドの両端をきつく掴んでいた。
気を、やってしまったのだ。
男は狂った獣のように腰を振り、中に精を吐き出していた。
一度、気をやってしまうと快感は抑えを知らなかった。
胸もとが赤いと男が怒鳴っている。
別の生き物のように勃っている乳首が噛まれた。
だからどうしたのだ。
そう発したつもりだった。
しかし声は出ず、甘えるような掠れた音が出るばかりだった。
性交をしてそんなことを言われたことはない。
けれど、確かに私の胸元は赤くなっていた。
421 :
8/11:2008/12/19(金) 20:59:37 ID:7uU2qKoa
初めのうちは、犯しているのは私であるはずなのに、
逆に私が犯されている気分だった。
犯されながらじっと見つめてくる眼は腹の底を見透かしてくるようだった。
だから女を乱暴に扱う。
その惨めな気持ちが、鏡のようにあの眼に映る、悪循環を生んでいた。
だが女の方に変化が出てきた。
わずかだが待つ姿に期待が混じり始めている。
侍女からも、似たようなことを聞けていた。
「今日は、少年に会わそう。ただし、こちらから向こうを眺めるだけだ」
手と足に錠をつけ、廊下を歩かせる。
曇りガラスが貼られた扉の前で立ち止まった。
「押し入ろうとしたり、声をあげた場合、苦しむのはおまえではない」
女は答えない。
この扉の先は小さなホールのような空間になっている。
向こうの音はよく聞こえるが、こちらかは伝わりにくい。
曇りガラスの一部をスライドさせる。
大きな空間に鎮座するベッドに、鎖で抱き合うように繋がれた、
親衛隊の副官とその子供が裸でいる。
二人は正座位だが、体の大きさから仰向けになりそうになる副官の女を、
少年が必死に抱きとめ腰を振っていた。
「貴様」
髪から覗く女の眼は、刺すような憎悪で燃えていた。
背筋に寒気に似た快感が走る。
「あの子供は、自ら女の穴を探し、突き入れ、自分で腰を振っている」
副官の女は少年の背に手を回しているが、眼を閉じていた。
しかし、頬は桜色に染まり尻は小刻みに動いている。
子供の方も荒い息の中に、高い呻きが混じっている。
強制されているだけの行為とは誰も思わない。
「あの女の副官、処女を散らしてからめっきり女らしくなった。
見ろ、あの脚を。子供の小さなモノとはいえ決して離すまいとしている」
女が背を向ける。
「次同じ真似をしたら、貴様のを噛み切る」
「帰るのか。君が去っても、止めてやることはないぞ。
あの女が失神するか、子供のものが勃たなくなるまで続くのだからな」
甲高い嬌声が部屋から響いた。
422 :
9/11:2008/12/19(金) 21:04:37 ID:7uU2qKoa
その日から、男は連日のように部屋へ来た。
私が体を痙攣させ、潮を吹くまで体を弄り続ける。
尻を掴まれ、乳房の先を吸われ、男は犬のように腰を振り続けた。
過ぎ去った後、快感を感じてしまうことを恥じたが、
恥じながらも微かな淡い期待を持っている自分が情けなかった。
体を触られ初めにイかされる時間が日に日に短くなり、
エンジェルを着ると下半身が甘く熱くなるのは気のせいではない。
その日はいつもの殺風景な景色とは違う、
調度が揃えられ燭台の光が照らす部屋へと通された。
「この薄い壁を隔てた隣の部屋に彼がいる」
私は既に裸に剥かれている。
「いつものように、声を上げないようにするんだな」
寝台に四つん這いにされ、脚をピンと伸ばして尻を上げさせられた。
男が秘部に吸い付く。
唾液ではない液体が、太股を伝った。
指が局所の中を激しくまさぐっている。
鼻の上の涙腺が熱くなる。
立ち続けていられなかった。
「…………ぁっ! ぁ、ぁぁあ……」
「見ろ、こんなに吹いたぞ。初めの頃とは別人ではないか」
シーツを掴んで荒い息を押し殺す。
水滴のような涙が次から次へと出た。
男の長く硬いものを、私の柔い肉が隙間なく銜えているのが分かる。
感じてしまうところを、男は知り尽くしていた。
「ひっ! うぅ、ぅぅぅ」
顔も、胸も、体を快感から逸らすようにベッドに押し付ける。
卑猥な水音が部屋中に響いていた。
腰の動きが激しくなる。
疼きが、熱を持った傷のように胸いっぱいに広がった。
「イ、あっ、あっ、あ、ああぁ……」
精液が出されている。男は私の尻を押さえつけて震えていた。
それから同じことが三度続いた。
体に力が入らない。
惚けている私を男は仰向けにすると、両手首に鎖をつけた。
どこかで扉が開いた音がする。
気づくと、ベッドの足下にはあの子がいた。
423 :
10/11:2008/12/19(金) 21:05:21 ID:7uU2qKoa
「犯せ」
男の声が聞こえる。
「おまえの好いてた女だ。好きなように犯せ」
間があった。火の燃える音が聞こえてきそうな静寂だった。
息を吐く音が聞こえた。
首を上げ足下を見ると、彼は眼を閉じ、手を後ろで組んでいた。
「人には、できることと、できないことがあります」
また、間があった。男は苛立っていた。
「そんなものはない」
「では、やりません」
不安でたまらない時、この子は自分の体に触れる。
男は怒りで顔を朱に染めていた。
「ならば使い物にならないおまえの性器、切り落とそう」
体が息を吸った。どこから力が沸いたのか分からない。
「子供に傷をつけるな。やるなら私にしろ」
見えないが、あの男が嗤ったような気がした。
「と彼女は言っているが、おまえは好いた女の指が一本ずつもがれ、
団子の様になっていく姿を見ても、やはりヤらないのか?」
震えているのが分かる。姿は見えなくても、あの子は震えている。
「やりません」
開いた口が塞がらない、という顔を男はしていた。
胸が、熱いもので満たされる。
男は何かを言おうとして息を吸うも、ふとやめた。
その眼には既に暗い光が宿っている。
男が出ていく音が聞こえた。
「五体満足なうちに、やらしてやろうと言うのに。後悔するな」
扉が閉まった。
首を上げる。やはり、震えていた。
顔を上げろ。こっちを向け。私の眼を見ろ。
おまえは私のできなかったことをやったんだ。
できれば抱きしめてやりたい。体を重ねたっていい。
一緒に暮らしてきて、こんなに誇らしい気持ちになったことは、ないんだ。
だから、悔やむな。悔やむことは一つもない。
「いいアクセサリだったよ」
彼が目を見開いたような気がした。震えは、大きくなるばかりだった。
424 :
11/11:2008/12/19(金) 21:06:10 ID:7uU2qKoa
屋敷が震えた。
闘争の気配がする。
「申し訳ありません、外堀を固めるのに手間取りまして。
あ…………これは、失礼しました」
隊の指揮を任せた男が、私の体を凝視したあと、かしこまった。
隊の身の振り方を彼にすべて放り投げたのだから、私がいなくてもやっている、
つまりいい指揮官であったということだ。
私が親衛隊そのものであるという見方は間違いだったということである。
「まだ私を隊長と呼ぶのか」
「はい。我々の隊長はあなただけですから」
男が下がる。
扉が閉まった直後、彼が飛びついてきた。
愛おしい子。もう、とっくに一人で立てたんだね。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
甘やかしすぎだと常日頃は思っていたが、
それも間違いではなかったのかもしれない。
久しぶりの投下乙
切ないな
保守
ほしゅ〜〜〜
ほす
2009初保守
( 'A`) <2009年もよろシコお願いします
ほしゅう
弓♀「んゆー☆」
両手♀「あら、こんにちは調子はどう」
弓♀「ゆっんんゆ」
両手♀「そりゃ御愁傷様、頑張ってね」
弓♀「…」
雷皿♂「おす」
弓♀「…」
弓♀「んゆー☆」
氷皿♀「こんにちは、弓♀ちゃん」
弓♀「!?」
陽気2「ホミャア」
弓♀「んゆぅ!(プスー・・・)」
陽気2「ムリムリィホミャアクサッ・・・クサイ!」
弓♀「んゆー!」ブッブリブリブリッ!!
434 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 17:31:12 ID:lFbxZAzO
ほしゅう
最近PSPを買ったので、モンハンを買ったのだが、
弓を引くとついつい脳内でんゆー☆って・・・w
保守。
暇になったらなんか書くかな・・・
ほ
投下したいんだけど、ちょっと長くなっちゃって、容量とかって大丈夫なのかな。
このスレのdatと上げようとしてるテキストのサイズ合計が512kにならないようにすりゃいいの?
俺携帯だから残りどれくらいか分からないけど、
投下するならどんどんやってくれ!
つーかどうか投下お願いします。
うーん大丈夫なのかな。
書き上げた直後だから、ジャンプ読んで推敲したら投下するわ。
1/13
「ライサラ家は、まだ何も?」
ジャンヌ屋敷の一室。いれたての茶を楽しんでいたジャンヌの姫君は、少し茶で湿った吐息と
共に、自分付きの侍女――自らを姫の『犬』だと定めた娘――に、そう訊いた。犬がウェイトレ
ス衣装のフリルを揺らしながら大きく頷いたのを見て、今度は重たいため息をつく。
「三男は結局家に戻ってはいないようだが……それで終結とはいくまいな」
「いずれは……」
ライサラ家、とりわけその三男とジャンヌ家とのいさかいは、他ならぬこの犬と三男との政略
結婚に端を発している。ライサラ家にしてみれば、一度結ばれた婚姻が姫の一存で解消された形
であり、その婚姻を両国同盟の足がかりにしようという目論見を一方的に砕かれたことにもなる。
にも関わらず、姫がジャンヌ家の家督を相続して以来、ライサラ家からは何の音沙汰もない。
再び犬と共に暮らしていけることは喜ばしいが、ライサラ家のこの静けさは不気味だった。
「姫様、そんな物憂げなお顔をしないで下さいまし」
犬が、姫の座っているソファーの肘置きに腰かけてくる。自然、犬がわずかに姫を見下ろす形
になる。犬だからこそ許される、主人への気安い仕草だった。
「だがな犬、私はもうジャンヌ家の主なんだ。いろんなことを憂えなきゃならない」
「ですけど! 今は、だって……寸の間、戦争も何もない静かな日じゃありませんか……」
見下ろす犬の瞳が潤んでいる。
(ああ、それもそうだ。せっかく犬との日々が戻ってきたのに――)
二人は息の詰まる毎日ばかり送ってきた。外を向けば戦争や他家との交流、相続に関する幾多
の手続き。中を向けば意外と火の車な家計に、人手不足による家事一切の繁忙化……そんな予定
の隙間を縫って、今日と言う寸暇が巡ってきた。
「姫様」
瞳を熱っぽくきらめかせて、犬が顔を寄せてくる。姫は瞳を閉じ、少し顎を上向けて、まだ湿
っぽい唇を差し出した。
「んっ……」
唇にやわらかい感触が重なる。鼻先をかすり合わせ、静かに互いの熱を感じあう。やがて犬の
手が姫の肩に伸び、そして、舌が姫の口の中へと伸びてくる。
茶の香が残る姫の口中を犬の舌が這い回る。頬に流れ着く犬のかすかな鼻息がくすぐったい。
久々の口づけだったが、犬はいつもと変わらぬ貪欲さで姫の唾液をむさぼってくる。
主従はあっという間に逆転していた。姫は今、もう、犬がもたらすであろう快楽に焦がれるみ
だらな雌になりつつあった。
2/13
「んん……んっ?」
吐息と衣擦れの音に混じって別の音が響いた。わずかに残っていた理性が、いったん犬を押し
返そうとする。だがそれより早く、犬の手が姫の乳房に降りた。
「ま、待て。ぁっだめ……」
戦にも着て行く伝統の青装束の上から触れられただけなのに、全身の湿度が凄まじい速度で増
していく。どろどろの粘液のようになってしまった肉体が犬の指先を求めはじめるのを感じる。
脂肪をこねられるだけでは足りない。乳頭に血が集中しはじめ、下着の内から恋しげに主張をは
じめる。乳頭だけではない、もっといろんな所をいじって欲しい……
「ふふ……」
犬が妖しく笑みながら、チェストのボタンに手を伸ばす。ああ、あの指が素肌に触れるときが
来る。逆らえない、姫はただただ熱い吐息をついて、無垢にその快楽を迎え入れようとした。
しかし、それはついに訪れなかった。蠢く犬の手を、別の小さな手がつかんだためだ。
「あ、あなた……!」
犬は、はじめてその少女に気づいたようにぱっと身を引いた。
少女は少し唇を尖らせて犬をにらんでいる。
「ななっなんですのその眼はー! ハイドでこっそり忍び寄っておいて……」
「待て、犬。その子は……猫はちゃんとノックをして、普通に入ってきた」
「う、うそ……」
猫と名乗るワイルドキャット装備のスカウトの少女は、最初からハイドなどしていなかった。
この異様に気配の薄い少女を、なぜか姫だけが鮮明に認識することができる。事実、犬は猫に触
れられる瞬間まで、その接近に気づかなかった。
「むぅー」
猫が不機嫌なのは、犬が自分に気づかないこと、犬が姫をもてあそぼうとしていた(ように見
えた)こと、犬が真っ向からにらみ返してくること……つまるところ、犬の存在が原因だった。
猫が屋敷にいついてからしばらく経っているが、この二人はソリが合わないらしい。
「……それで猫。何かあったのか」
まだぼうっとする頭を振りながら姫が訊くと、猫はインベントリから一通の書状を差し出して
きた。きちんと封印のなされた正式な書状に見える。
「そうか……ついに来たか」
ライサラ家からの書状に違いなかった。にらみ合いを続ける犬と猫を手で制し、そのまま猫か
ら短刀を受け取り、封を切ろうとする。
「あれっ!?」
封の表面に刻まれた印をみて思わず声が漏れた。とにかく封を切り、素早く書状に眼を通す。
そして姫は、その差出人との間に結んだまま、すっかり忘れていた約束を思い出した。
「縦ロールからだ。ウォーロック古戦場での約束を果たせと――」
3/13
「イイ! イイよぉプリンセス! その装束は本当に戦着なのかい? とてもそうは思えないセ
クシーなラインだネェ!」
ローグローブ台地の一角で、少し低い女の声に連動して、クリスタルのフラッシュが瞬く。錬
金術によって編み出された、視界を画像として記録するSSの撮影だった。
小さな滝のある一角に簡易テーブルとチェアを置いた縦ロールの女は、ぶ厚い眼鏡にフラッシ
ュを反射させながら、満足げに口元を吊り上げている。
ライサラ家との一件で協力を求める際、この縦ロールの商家の娘が提示した条件が『姫のセク
シーな写真を撮って売る』というものだった。一見ぽやんとした縦ロールの頭脳は今めまぐるし
く回転し、商品展開についての算段をいくつも立てているに違いない。
「よっし小休止! できた画を縦ロールとチェックするから少し時間をくんな」
撮影者が離れると、姫はがっくりと肩を落とした。撮影者の指示でポーズを取って、表情も整
えて……モデルがこんなに疲れるとは思わなかった。
「姫様、汗を……」
犬が姫の頭からキャップを外し、少し蒸れた髪や額をやさしくふいていく。犬にとっては何げ
ない手つきなのだろうが、どうしてもあの魔性の手さばきを意識して、なんだか額までジンジン
としびれたようになるのが気恥ずかしかった。
「お顔が真っ赤です。もう2時間にもなるのに、まだ続けるのでしょうか」
「ああ。だがあの女……パツキンといったか。大した腕だ。彼女が何を撮ろうとしているのか、
また、私がどのように撮られているのか、クリスタルを通して伝わってくる」
縦ロールが連れてきた撮影者は、幼なじみだという長身の女性だった。メルファリアでは珍し
い金色の長髪をまっすぐにおろし、パツキンと名乗った。
「姫様……あの、なんだか楽しそうですけど……」
鋭く言われて、姫は苦笑する。
「わかるか。なんだかな。パツキンの腕だろうか。ひととき別の自分になっているような不思議
な感じだ。ジャンヌ家の主ではない、身一つで奔放に各地を歩く女になったような」
「……イヤです。お一人でどこかへ行かれては」
不安げに眉をよせた犬の頬に手を添える。
「はは。例え話だし、今日限りの仕事だよ。それに多分、次が最後の撮影だろう。なんとなく、
あのパツキンがどういう構成で私を画にしようとしているのかわかるんだ」
少し離れた木陰にも目配せする。第三者に覗き見などされないよう、縦ロールにも秘密で猫を
見張りにあたらせたのだ。もとの気配の薄さもあって、縦ロール側の二人はハイドをした猫の存
在に気づいていない。
(猫も退屈させたな。もうすぐ終わる。そうしたら、三人で……)
寸暇の残り時間をどう使おうかと姫が考えようとしたとき、パツキンのからっとした声が撮影
の再開を告げた。
「ここまではオッケーだプリンセス! さあ、いよいよ大詰めだよ――『袋とじ』部分の撮影だ」
4/13
「だだだめェー! こんな姿の姫様を衆目にさらすなんて、許せませんわー!」
犬は撮影の中止を主張しながら、半狂乱の体で、姫の姿を隠すように取りすがった。
「しつっこいネェ! こちとらコレで飯食ってんだ、そのあたしが必要だって言ったら、絶対に
そのプリンセスの画が必要なんだよ!」
パツキンも退かない。
「で、でもでも! さっきまでの姫様だって十分素敵……素敵でしたわ! このわたしが認めま
す! 今までのでも十分……」
「わかってないネェ! あんなのはしょせん前座なんだ。いいか? これまでのプリンセスの画
はね、いわば夢の時間なんだ。男達は凛としてカッコイイプリンセスに憧れ、惚れ込み、『ああ
こんなネェチャンと恋人同士になれたらなぁ』って切ない想いを募らせるためのもんだ。普通恋
人同士になったらどうする!? お互い見つめあうままじゃあ何も始まらないだろ!」
「こっこここ、恋人ぉ!?」
「そうさ! 恋人同士仲良くなって睦まじくなったら残ってる現実なんて一つっきゃない! ドえ
れぇコーマンぶちかますしかないんだ! それでようやく、プリンセスは男どものなかで現実に
なるのさ! 右手は恋人って言葉を甘く見るんじゃないよ!」
「なっなっ、こー……なぁ!?」
屋敷暮らしでは耳にするはずもない下劣な単語の連発に、さすがの犬も切り返す術を失ってし
まった。姫自身、パツキンの言っているのが具体的に何を指しているのかはおぼろげにしかわか
らない。だがとにかく、彼女の言いたいことは理解できたつもりだった。
「心配するなパツキン。つまりその、私をこの姿で写してこそ、お前の作りたいものが完成する
ということだろう。例えどんな内容でも……その道で生きる芸術家が、この私を題材に作品を創
造しようとしている。中途で投げては、ジャンヌの名折れ……!」
硬直した犬をそっとよけて、姫はその姿を白日のもとに晒した。
上半身こそ普段と変わらぬ青いジャンヌの戦装束。だがその実、姫は下着を着装していない。
ライサラ家から犬を救い出したあのときのように、硬い布地が過敏な部位を刺激し、それだけで
頭をもっていかれそうになる。だがそれ以上に、下半身に鎮座する輝きが姫を昂ぶらせていた。
純白に輝くビスチェの一部――ウェスタレギングスとグリーヴスだった。大胆に切れ込んだハイ
レグは、実に局部以外のほぼ全部を露出させている。年相応の肉おきに加え日々の鍛錬で磨き
上げられた姫の太腿が、歩みとともに躍動する。
「いっ、いけません姫様! そんな下をはき忘れたみたいなあられもないお姿を晒しては……!」
「……犬」
姫は犬に背を向けて、首だけで振り返った。
「私は見て欲しいのだ。私の中に、私の知らぬ私がいる。こんな気持ちははじめてだ……私は世
に見せつけたい。ジャンヌの主ではない、ただの奔放な女の私を世にひけらかしたい。今だけの
私を、誰よりお前達に……」
「いいネェプリンセス、そういう変態的なあんたをアタシが切り抜いて永遠にしてやるよ。水場
に降りな! 野郎どもが泣いてヌかせて下さいって頼み込むようなアンタを引き出すからね!」
パツキンの指示に従って小川のせせらぎに降りていく。
「ああ姫様……んもう! こうなっては……!」
犬が大慌てで縦ロールに突っ込んでいくのを、完全な被写体となった姫は気づかなかった。
5/13
「そう、もっと足ひらいて! 右足は手で押し開くように! 左手は伸ばした左足に添えな!
肌にからむ滴が野郎のドロドロした汁だと思うんだよ!」
小さな滝の横で、しぶきに晒されながら撮影は続けられていた。姫はパツキンの指示に従順に
従い、時には川にアヒル座りで腰までを水につけ、時には壁に手をついてビスチェの食い込んだ
尻を揺らした。フラッシュが目を焼くたびに体温があがり、水と素肌の温度差が脳髄を痺れさせ
る。呼吸が荒れる。
「イイネェそう! そのエロ顔いただいたよ! だが本番はここからだ、プリンセス! アンタ
の顔は今から首の上じゃなくそのビスチェの下でぷっくり膨らんでるコーマンだからね! イイ
ね、コーマンが顔だと思うんだよ!」
(ここが……私の、顔?)
馬鹿なことを、と笑う気にはならなかった。それどころか自然と、その手が『顔』に降りて行
く。自らの体の上を蛇が這うように、つ、つ、と、下へ、下へ……。
指先が、水に濡れたビスチェ越しに『顔』に触れる。と言っても、ほんの少しビスチェの表面
に触れただけだ。まだ、なんの感触もやってこない。
(もっと強く触れたら……この顔をやさしく撫で回してみたら……)
唇を噛み、沸きあがる欲求を抑える。そこまでいっては、これは芸術ではなくなる――
「シてもいいんだよ」
「パツキン!? だが……」
思いがけぬ撮影者の許可。かろうじて躊躇してみせた声に期待が混じっているのを自分でも感
じる。
「いいんだよ。野郎どもがヌかせてくれと頼み込むくらいの画にするって言ったろ。それなら、
まあちょっと違うけど、アンタがヌいてるくらいの画でいいのさ。安心しな、下は写しやしない、
乱れてるあんたの顔をきっちり収めとくからネェ」
唾液が音を立てて、カラカラの喉にからみついた。この渇きを癒せるのか? この渇きを、こ
の行為で癒すことができるのか? 答えを探るように、姫の指に力がこもる。
「そこまでです!」
突然の犬の声に姫の行為は中断させられた。いや、声だけだったら姫は構わずに行為に没入し
たろう。指を動かすことができなくなったのは、その目に衝撃的な姿が飛び込んできたからだ。
「犬! その服は……」
躊躇なく水辺に降りた犬は、いつものウェイトレス姿ではなかった。肩口と腹部を切り抜いた
ハイレグスーツ。頭には猫のそれを模したと思しきとがった耳、尻には同じく尻尾、そして線の
一つ一つがかすかに肉に沈んだ、網目のタイツ。
「ミーア装備……です。縦ロールさんに頼んで、この姿でなら被写体の交代を許していただきま
した。だから姫様、もうどうか、そんな……あっ」
6/13
犬の言葉など半分も耳に届いていなかった。もうその頭脳を回転させることもできない。姫を
突き動かしたのは、一種のインスピレーションと言うしかなかった。
犬の手を取り、強引に抱き寄せる。
「あんっ」
右腕で背中を抱き、戦装束の下で張り詰めていた乳房に、犬の乳房を押し当てる。脂肪がゆが
み、乳首がつぶれ、それだけで腰が抜けそうになる。だから左の手で、網タイツの網目からガー
ドニーの内側に指をもぐりこませる。犬の尻を包むガードニーの布地に、尻たぶをつかんだ姫の
指が浮かび上がる。
「……こうだな、パツキン?」
呆けていたパツキンが、姫の呼びかけで芸術家の目を取り戻した。これまで以上のペースでフ
ラッシュが連続する。姫のインスピレーションは、この芸術家の歯車を回転させた。
「ひ、姫様、もうおよしになっ」
犬の唇をふさいで言葉を奪う。右手の爪が露出している背中の素肌を愛撫し、左手は尻尾のは
えた尻をこね回す。触れあい歪みあう乳房から、犬の体がこらえきれずに打ち震えるのが伝わっ
て来る。
舌も絡めずに唇を離したとき、犬の呼吸はもうすっかり蕩けきっていた。
こういう時、姫を良いように弄べる手管を誇る犬が、互いに装いを変えたこの場では、姫の拙
く荒々しい手管におぼれようとしている。その事実が姫の衝動を押し上げて行く。
「可愛いぞ、犬」
犬を滝の流れる岩場に押し付ける。流れ落ちる水が犬の右肩をかすかに濡らしていく。
「舌を寄越せ」
「あっ……」
「早く」
犬は、姫を制止する力も自分がこの場に割って入った意味も失くして、命令どおりに紅くぬめ
った舌を外気にさらした。それを、ハンドスキンを脱ぎ捨てた姫の指がつかむ。
「もっとだ。お前のだらしなく長い舌を全部だせ」
「えぐぅっ」
舌を無理やり引っ張られて犬がうめく。愛しい娘が間抜けに大口を開き、舌を引っ張り出され、
目の淵にうっすらと涙をためている……沸きあがるインスピレーションの源泉が嗜虐心であるこ
とに、姫は気づかない。
「そうだ、そのままだ。少しも戻すな。がんばってそのまま舌を突き出していろ」
手を離すと、必死に突き出された舌先が揺れはじめる。その懸命さがいじらしい。と同時に、
あさましい食欲にも似た衝動が頭をもたげる。
姫は舌なめずりを一つ。唾液でねばる口を開き、硬く震える犬の舌を一気にくわえ込んだ――
――パツキンは夢中でSSを撮り続けた。被写体に過ぎなかった姫が、今やパツキンの想像を超
えた偶像となりつつある。はじめこそ意欲を刺激されなかったお付きの娘も、豹変した姫と絡み合
うことで被虐の花が開いた。生涯最高の作品を作り上げられるかもしれない。
(けど、まだ足りないネェ。プリンセス達じゃない……きっとアタシに)
「縦ローーールッ!」
テーブルで出来上がった画の構成に腐心していた幼なじみが、呼び声にこたえてやってくる。
「なんでーすのー。あたしぃ、いーそがしいんだけーどー……お姫さんたーち、なんかすごいー
ことになってなーい?」
「アタシもシたくなっちゃった」
「ハァッ!?」
「プリンセス達ァとんでもないネェ。このままじゃアタシのクリスタルに収めきれない……だか
らアタシもあの二人と同じように高まらないと写しきれないんだよ」
「どーういう理屈ー?」
「いいから早くシておくれよ! 最高の一瞬がこうしてる間にも蒸発していっちまってる!」
「あんまーり過激すーぎるとー、出版禁止かかっちゃうかもーなんだーけどー」
「そしたらアタシが自腹切って出版費用もつから! だから早くゥ!」
金の話をした途端、縦ロールの眼鏡が光った。恐らく一瞬で損得勘定を終えたのだろう。パツ
キンは作品の完成を確信した。
「でーどうすれーばいいのー」
「……イジメて欲しい」
「えぇ〜。あれめーんどくさいからイヤーだー。わたしぃがネコじゃーだめー?」
「ダメだ! 詳しく説明してる暇ははいんだよ、頼む! はやく! シてぇぇぇっ!」
「……色情狂」
「はうっ! い、今の一言良かった、凄く! はじまってる!? もうはじまってる!?」
背後でため息が聞こえる。視線は蠱惑的な躍動を続ける姫らから外すわけにはいかないので顔
は見えないが、縦ロールはさぞあきれた表情をしているだろう。だが、それも一瞬だ。
「じゃあ、すーわってー」
「いや、今の角度が最高なんだ。なんとかこのまま」
「座れ」
言葉と共に縦ロールの手が肩に触れた。途端、抗い難い重圧を背中に感じ、ほとんど落ちるよ
うに、パツキンはせせらぎの中に座りこむ。
(た、縦ロール……本気だ!)
襲ってきた震えは、下半身を濡らす水のためではない。幼なじみは本気で自分をイジメるつも
りだ、姫があのお付きにしているように。その予感が、パツキンの長身を震えさせた。
8/13
縦ロールが、濡れることもいとわずパツキンの背中側に腰を下ろす。脇から差し込まれた手が
あれよあれよと言う間にシャツをはだけていく。下着も取り払われ、うっすら肋骨の浮いたパツ
キンの素肌が露にされる。
「いっ!」
胸元に激痛が二つ。薄い乳房のてっぺんを、縦ロールの指が力いっぱいつまみあげた。思わず
視線を外しかけたが、行為をエスカレートさせていく姫らの姿を一瞬たりとも見逃すわけにはい
かない。奇しくも、姫がお付きの屹立した乳首をこねくりまわす瞬間をフラッシュが捉えた。
「た、縦ロール。ダメ、もっとやさしいぎっ!!」
縦ロールは言葉もなく、今度は爪さえたてて、何の力も持たない小さな果実を虐待する。激痛
が神経を駆け上り、脳髄の中で跳ね回る。それでも芸術家の意地が、フラッシュを姫らに注ぐ。
「あぎぃっ……いだっ、いだいぃ」
声が漏れ、涙がにじむ。視界を保つためにこらえればこらえるほど、刺激を重ねられた乳首に
血液が集中し、かたくかたく張り詰めていく。血のもたらす熱が、痛みのもたらす熱が、混ざり
合っていく。
首筋に縦ロールの吐息が触れる。その指先と打って変わって、うぶ毛をそっとなぜていく優し
い空気の愛撫。脳へ駆け上る激痛とは逆に、そのくすぐったいような感触はしたへしたへ、ゆっ
くりと滴り落ちていく。
(あっ……)
優しい感触が背中を下り、痛みの源泉と交差した瞬間、高まり、張り詰めた熱が、これまでと
違う感触を脳に伝えた。情報量が、脳の処理できる限界を上回っていく。
(あたまン中、ぐじゃぐじゃになってく……!)
痺れる、痺れる。痛みを痛みと認識できない。水に浸った下半身に、吐息の余韻が到達する。
「あっ……んンッ!」
嗚咽が嬌声に変わったのを感じる。下半身を流れていく水、首筋に当たる吐息、すべてが極上
の快感として処理されていく。肉体のほんのほんの一部を責めあげられているだけなのに、全身
が直前までのパツキンとは別の存在に変容している。
「縦ろーるゥ……胸だけ、やだァ、ひんっ」
懇願はなおも入力される刺激にかき消された。突起をちぎり取らんばかりに苛まれているのに、
今やそこは痛みを享受し、なおも貪欲に張り詰めている。
「やっ、やだぁ。頼む、このままじゃアタシ……アタシぃ、胸だけで……」
「いいーじゃないー。気持ちーいいんでしょうー」
やっと縦ロールの声が聞けた。けれどその声は、あの吐息のようには優しくない。
「もっと、もっと他のトコもぉ」
「他って〜?」
「下……シタだよ! シタぁっ!」
「わかんーなーい。もうやめーたー」
「えっ……」
9/13
押し寄せていた波がさっと引いていく。縦ロールの手が離れたのだ。達しきっていない脳の熱
が、急速に逃げていく。
「パツキンーやだやだとーかわかんないことーばっかり言うんだーもんー。どこーをどうして欲
しいのーか、はっきり教えてーくんなきゃわかんなーい」
「だっだからァ、下だよ、シタァ! 下を……ほらっ。わかるだろ!? わかってよぅ!」
必死だった。このまま熱が引いてしまえば、もうあの快感は永遠に味わえない。それは即ち、
作品を永遠に完成させられないことにつながる。
すでに姫たち二人の行為は大詰めを迎えている。互いに衣服をはだけて乳房をこね合わせ、肉厚
な太腿を相手の局部に押しつけ、夢中で腰を振っている。嬌声があがらないのは、姫が相変わらず
お付きの舌をむさぼっているからだ。
幾度も吸い上げられて普段よりはるかに充血した舌。しなやかな二人の顎のラインに唾液がまと
わりつく官能的な輝き。互いの肉に押され、ぐねぐねと衣服の内で変形する局部。ビスチェを食い
込ませてゆれる尻肉。こんなにも素材は揃っているのに……!
「頼むっ縦ロール! アタシの、アタシの……コ……を……」
言葉が出そうで出ない。つい先ほどまであんなに連呼していた言葉が、どうしても出てこない。
「きこえーないー」
「ふぁっ!?」
かすかな感触が脇にうずくまる。縦ロールの指が、パツキンの浮き出た肋骨の隙間をなぞってい
る。子が母親の髪をすくように繊細に。
引こうとしていた熱がそこで留まる。沈殿し、わだかまる。いっそ狂ってしまえた方が楽なほど
の切なさがそこから這い出してくる。
「だから……コ……だからぁぁ……!」
「だからぁ……?」
縦ロールは未だに動かない。パツキンはギュッと目を閉じた。もう限界だった。理性を手放す覚
悟を決める。だが……手遅れだった。
やわらかく動いていた縦ロールの手が、突如雷光のように疾走し、パツキンの乳首を熱した。
「んぎゃぁぁぁーっ!」
閉じた目が開ききって、眼球がぐるりと回る。悲鳴に引きずられるようにして、舌が口からこぼ
れた。
焦がれに焦がれたところへ、いきなり最大級の熱を押し付けられたのだ。その落差はパツキンの
全部を壊滅させた。
「まぁーったくぅ! コーマンでーしょぉぉー! どえーれぇコーマンかーますんでしょぉー!
人にーはぁあんなにコーマンーコーマン言って、自分のこーとになったら恥ずかーしくって言えな
いんだぁー。そんな卑怯なブタ娘さんーはぁ、ここだけでどこまーでもイッちゃえー!」
「はぐぅっ、ご、ごめんなざ――やッやぁぁぁーッ!」
これまでの触れ方と明らかに違う。なぶるのではない、優しいのでもない。硬くしこった果実を
親指と人差し指がしごきあげる。指が一往復するだけで脳と下半身の両方で大量の液体が分泌され
ていくのがわかる。わかりながら脳が燃えていく。摩擦で削れていく。
「ほーらぁ、プロなんでーしょぉ? 芸術家なーんでしょぉ? アヘってないーで、ちゃんとちゃ
んーと写しなさーいよー」
「そんなぁッァッあッ、こんなッごんなぁッあぐぅぅッ!!」
フラッシュを焚く。もう表現もなにもあったものではない。パツキンはただそういうシステムで
あるかのようにクリスタルを光らせた――
10/13
(――みんな……みんな……ズルい)
ワイルドキャット装備でおさえこんだ胸がジンと熱い。猫は姫たちから少し離れた木陰にハイド
で潜んだまま、もうずっとこうやって、手に余る量の乳肉をいじっていた。
(ズルい……ひいさまにあんなに……可愛がられて……)
透き通った目がミーア装備の犬に据えられる。自分が姫にしてもらいたいことの全部を、今あの
犬がされている。嫉妬がわきあがり、今すぐ引き剥がしたい衝動に駆られている。けれど、ここに
隠れて周囲を見張るよう、姫に頼まれたのだ。
命令ではない。お願いされたのだ。だから猫は絶対に姿を現すわけにはいかない。
燃え上がるような嫉妬は、犬と自分とを置き変えてからだを慰めることで和らげた。猫なりに必
死な自慰だった。
そこにきて、あのパツキンと縦ロールまでがコトに及びはじめた。自分がこんなにがんばってい
るのに、そもそも姫を呼びつけた側が嬌声を上げている。怒ったものやら、笑ったものやら、もう
わけがわからない。
(もっと……気持ちよく……いいよね……誰かきたら、ちゃんとやるから……ちょっとだけ……)
我慢の限界だった。
猫は愛用の短剣を抜くと、大体の高さの見当をつけて、木の幹に力いっぱい突き刺す。そのまま
短剣をまたぎ、自分に突き立つ形の柄に腰を下ろしていく。
乳房と同様、ワイルドキャットの窮屈なレザーに押えつけられた局部の肉が、柄に当たる。
少し体重をかけて、しっかり刺さっているかどうか確かめる。その際にも少し肉がゆがみ、ツン、
ツンと脊髄をつつかれるような感覚が走る。
(ひいさま……もっと……)
この柄は姫の手、姫の唇、姫の舌……なんでもいい。姫に気持ちよくしてもらうのだ。ガニ股で
下品な格好だけど、どうせハイドで誰の目にも止まらない。猫はそのまま、全体重を柄に預けた。
「……ッ!」
どんな快感が襲ってきても声を上げてはならない。乳房をもてあそんでいた両手を口に当てる。
柄に押されたショウスのレザーがわずかに猫の中に食い入ってくる。
(もっと……!)
腰をグラインドさせ、もっと深く刺さるように動く。一突きごとにレザーが肉の裂け目に押しこ
まれ、尻に食い込んでいた部分が引っ張られて、肉の丘陵に沈んで行く。
(ひいさま、わかりますか……あたし、こんなやらしいこと、下品なこと、してます……)
11/13
背中に姫の存在感を感じる。姫が自分をちゃんと認識してくれていることを感じる。姿は姫にも
見えていないだろう。けれど姫は、猫が姫を想って乱れていることをちゃんと感じ取ってくれてい
る。それが背中越しにわかる。
(もっと、もっと……!)
一度柄を抜いた猫は、今度は避け目ではなくその入り口、レザーの上にも形の浮き出てしまって
いる核に、柄を押し当てた。
「――――ッ!!」
ひしゃげた核が快感を起爆する。じわじわと広がるようなそれまでの快感とは違う、もっと暴力
的で鋭利な快感。固く閉じた目の淵から涙が溢れるのを感じる。姫を想うだけでこんなに気持ち良
い。その姫が今自分以外の女に夢中になっているのがたまらなく悔しい。犬が何年姫のそばにいよ
うと関係無い、やっと、やっと、自分のことに気づいてくれる人が現れたのに……!
嫉妬さえも快楽に変わる。変えなくては壊れてしまう。
腰が勝手に動く。乳房の頂点がぴくぴくと物欲しそうに蠢いている。尻の穴が開いている。裂け
目から乱れ出る粘液が柄に絡んで小さく音を立てている。そんないやらしい猫全部が、もう姫のも
のなのに。
(ダメ、ダメェ。きもちい……こんなじゃすぐ……あ……? ひいさまも、もうすぐイっちゃいそ
う……あの犬と一緒に、イクんだ)
知らず知らず、猫の腰の動きが速度を増していく。もっと乱暴に核をつぶすように。姫と一緒に
絶頂を迎えられるように。
(ひいさま。ひいさま。あたしと……いっしょに!)
自分は今姫とつながっている。犬がではない。姫とつながっているのは猫だ。姫は猫を求めてい
るのだ。
ごまかしと妄想の助けを借りた、すすり泣くような自慰。たった一つ頼れる現実は、股間から突
き上がってくる快感の槍だけだ。か細い自分の体をその快感が貫いてくれるように、腰を動かす。
(ひいさま! ひいさまっ! あたし……もうダメェ)
嫉妬も渇望もなにもかもを塗りつぶして、真っ白な快感が下腹部で充満していく――
12/13
――結局、撮影会を終えた姫たちは、疲れきってそのまま寝入ってしまった。寸暇はこうして消費
され、再び雑事に忙殺される毎日がやってくる。忙しさのなかで、姫らは撮影のことなどすぐに忘
れてしまった。
しばらくして相続にまつわる手続きが一通りすんでくると、やっと少し骨休めできる時間がめぐ
ってくるようになった。ライサラ家からの沙汰もなく、相変わらず犬と猫は仲が悪いが、姫が幸福
を感じるには十分なゆとりがやってきたのだ。
「にゃん……ひいさまぁ」
姫は自室のベッドに腰を降ろし、膝に寝転んだ猫の髪をなでていた。
目標戦はまだ遠く、相続に関する儀礼での出費がなくなったことで家計も大分落ち着いてきた。
何の憂いもなく予定もない、気だるい休日の午後。
「こうなると少し、あの多忙な日々が恋しくもなるな」
つぶやきながら、猫の白い喉を指先でくすぐる。窓から射し込む陽光のもと、猫は幸せそうに笑
い、姫に抱きついてくる。
巨大と言ってもいいほどの乳房が姫の体に沿って形を変える。思わずつばを呑み込んでしまった
が、今はそういう時間ではない、のどかなひとときだ。姫は純粋な母性から、猫の背を抱いた。
「こらっ姫様にひっつくのはおやめなさいな! しっしっ」
犬が、わざと大きな音をたてて扉を開き入ってくる。幸せな時間を邪魔された猫が、犬に敵意い
っぱいの眼差しを向けるところまで含めて、もうこの屋敷の決まりごとのようになっていた。
猫を無理やり押しのけて姫の隣に陣取ると、満面の笑みを浮かべる犬。
「姫様! 縦ロールさんとこから戦争用の物資が色々届きましたわ。これで、次の目標戦を終える
まで、我が家は戦い続けられることでしょう!」
縦ロールの商家は、ジャンヌ家の御用達となっていた。無論、縦ロールにしてみれば無数にある
取引相手の一つに過ぎないだろうが、財政に関わるあれこれの相談に親身に乗ってくれ、大いに助
けられてきたのも事実である。
「順風満帆だな。行方の知れぬ父上にも、今の状態をお知らせしたいところだ」
「はい、それはもう……ところで『おまけ』とやらで、こんなものも頂きましたわ。中身はなにや
ら書物のようですが……」
犬が、包装されたままの『書物』を差し出してくる。経験の密書か、報酬の密書か……いずれに
せよありがたい。子供っぽくわくわくと包装を解いていった姫だったが、その中身が明らかになる
につれて、頭にかっと熱がきざしてくるのを感じた。
13/13
「こ、れ、は……」
その名も『ザ・ジャンヌ』。目を細めてめちゃくちゃカッコつけた姫の姿が表紙にでかでかと印
刷された写真誌――失われた記憶が、今呼び覚まされた。
「ままままさか!」
大慌てでページを繰ると、出るわ出るわ、様々なポーズとシチュエーションを振りまく、奔放な
女のあで姿……
「姫様、これって……」
「猫っ、剣を!」
顔面を蒼白とさせた犬を気遣ってやる余裕はなかった。猫の短剣を半ばもぎとり、誌面の中ほど
にある袋とじをさっと切り開く。
開いて、絶句した。
下半身をウェスタ装備に着替えた痴女のごとき姫と、扇情のみを追求されたであろう猫姿の犬、
そしてその絡み……
「ななななんで私が犬の舌を舐めまわしているんだ!? 犬! おい! なんでお前、こんなに私に
されるがままに……! いや、そうじゃない、私はこんな姿を人目にさらすことになるのか!?」
「だってだって、あのときの姫様ってばなんだか凄くって、わたしとても逆らえず……」
「猫! 猫!! お前見ていたよな!? こ、これは本当に私なのか!? あれっ猫? 猫、どこ行った!」
あのとき一種のトリップ状態にあった姫は、猫がハイドしたまま自慰に耽っていることに、確か
に感づいていた。しかしトリップから抜けきった今、そんなことを思い出せるはずもない。猫が、
自制しきれなかった自分を恥じて姿を隠したことにも気づけない。
「姫様、こんなやらしいお姿をわたし以外の……衆目に……おいたわしや……」
犬もまた、姫の素肌が人目に触れる悲しみと気まずさに耐えかねてか、部屋を飛び出していく。
残された姫は、犬が放り出していった写真誌を恐る恐る拾い、もう一度一ページ一ページ確認し
ていく。姫と同じ顔をした奔放な女は、さも当然のように、紙の上で己の姿を誇示している。
「パツキン……やはり大した芸術家だった……ああ! 素晴らしいさ、素晴らしい画になっている!
だが……だが……」
(な、なんなんだ!? この異様な恥ずかしさは!!)
それ以上直視できなかった。写真誌を放り投げ、ベッドに飛び込んで枕に顔をうずめる。
「う……う……うぉおおおおおおー!」
姫はそのまましばらく、じたばたとベッドの上を泳ぎ続けた。
――この雑誌はこの後、男性はおろか女性読者までも広く獲得し歴史的な売り上げを記録。様々
なルートから他国へも流れ、高額で取引される伝説の雑誌となる――
<おしまい>
なんかID変わってるけど
>>439です
容量オーヴァーにならなくてよかったぜ
このスレの上の方で短エロがどうのこうの言ってたけど
スマン、ありゃウソだった
あとマジ容量計算? とかそういうのどうしたらいいか教えて
一応このスレのdat見たりはしたんだけどそれでいんだよね? ね?
去年の2月以来か、1年ぶり乙
前回の寸止めっぷりと打って変わって全開だなw
次あたりにライサラとハイドラの馴れ初め期待
とりあえず俺のブラウザだと容量421KBになってるな
まぁ多少ずれはあるから450KB前後になったら次スレ考えた方がいいと思う
うっかり容量忘れて落ちることも多々あるしな
もう1年も経ったのか・・・
保守
今423KBらしいですが、投下物はびっくりの43KB。エロさ微妙なのにね!
足して512にならないから大丈夫だと思うけど、途中でレスできなくなったらぶってください。
つよくぶってください……!
ハイドラとライサラ=ウォス最低だなのなれそめ
1/19
薄明かりの下で褐色の肢体が蹂躙されている。
「くっ……くぅんん……!」
甘く色づいた喘ぎは、切なげに押し殺されている。誰にはばかっているのでもない、彼女の性
質だった。
声とは裏腹に、肉を割って出入りする快楽の熱を求めて尻を掲げる。ベッドに押し付けられた
上半身は我知らず、すがりつくものを求めてシーツをかき抱いた。一突きごとに重圧でひしゃげ
る乳房も、その都度、先端から射るような快感を彼女に与える。
「くぁっ! そ……っちはぁ!」
少年の手が彼女の性器に分け入ってくる。内壁に触れる指先からジンと快感がしみこんで、大
量の液体が分泌されていく。肉のぶつかる音に、粘質の水音が加わった。
「君のココ、ぐちゃぐちゃになってる。『五十人斬り』が僕ので……」
「ばか……そんな、したら……くっ、ぁっ」
四つん這いの身体を引き起こされ、背面騎乗の形でなおも突き上げられる。彼女もまた、張り
詰めて暴れる乳房に手を置きながら、腰を上下させた。動きに合わせて金の髪が揺れ、引き結ば
れた口から唾液がこぼれていく。男のものが狭い穴に押し入り、抜けていくたび、肛門がきゅん
きゅんと悦んでいる。
その間も少年の手は彼女の亀裂を愛撫し続けている。二つの刺激が互いに絡みついて脊髄を駆
け上ってくる。
「ね、僕、もう……」
「っ……いい、ぞ……! きて……」
「前に、出したい」
「えっ……」
「ちゃんとつながりたい……君の……君のナカにちゃんと……!」
「…………!」
「うあっ……! そん、な急に激し……」
彼女は前のめりになり、乳をおさえていた手をベッドについて、四足の雌のように腰を激しく
上下させた。切なげな表情は獣じみた形相に取って変わり、肛姦の快楽をむさぼりにかかってい
る。
「あっあぁ、だめ! も、出る……!」
絶頂に達する直前、少年は孔から己のものを引き抜き、彼女を押し倒した。
自分より一回り立派な肢体を精一杯抱き締め、その唇にしゃぶりつく。
たどたどしい口づけを受け入れながら、彼女は少年の怒張したものをやさしく愛撫して頂きへ
と誘う。
やがて絶頂――広がった鈴口から粘質の白汁がほとばしり、鍛えられた褐色の腹筋にねっとり
と広がっていく。
「……熱い、な」
ねばりついた精液を指にからめ、キスを終えた舌で舐め取る。
恋人の子種の熱を愛おしく味わう間、彼女はあいた手で、あえぐ少年の頭をそっとなでていた。
2/19
「んっ……ぷぁ」
少年をベッドに座らせると、彼女は両足の間に跪いて、奉仕をはじめた。それが自分のきたな
らしい部分に入っていたことなど気にもせずに舐めまわす。
射精を終えたばかりのものは、ぬめった愛撫の前に屹立することなく、唾液で清められていく。
「ねぇ……どうして前でさせてくれないの」
跪いて奉仕する彼女に、少年は息が詰まりそうな声で問うた。
彼女は即答せず、わざと醜い音を立てて奉仕を続けた。
「僕じゃ、君のはじめてにはふさわしくない?」
ぷはっ、と一息ついて、十分に唾液のからんだものにそっと手を添え、上下させる。
「膜になど、執着はない」
愛撫したままそっと唇を重ねる。それで後戯は終わりだった。
彼女は少年からはなれ、脱ぎ捨てた下着を拾って身につける。振り向いてみると、少年はまだ
うつむいて何か考え込んでいた。
「……子宮が許してくれぬのだ」
「え?」
「私の身体でお前に許していない場所などない。膣も、乳房も、汚らわしい方の孔もな。子宮だ
けが、別の生き物のようだ」
愛用のゲイター装備を装着していく。まだ火照りを残した指先に、金属の冷気が心地よい。
「僕が弱いから……?」
「馬鹿な。この私にはじめて土をつけたのは、お前なのだぞ」
「だけどレイスでだ。レイスが歩兵より強いのは当たり前で……」
意固地ですらある少年に微笑んでみせる。
「レイスなど関係ない、お前は本物だ。『五十人斬り』が保証する」
微笑をヘルムに隠して宿を出た。そのまま首都を出て、国内でももっとも獰猛なモンスターが
徘徊するエリアへと向かった。
道すがら、昔のことを思い出した。少年と出会って間もない頃の会話だ。
『ねえ、君はどうして戦うの?』
『……得意だったからだ。政変で主家が没し、私の中には武力以外の寄る辺もなく、戦う以外の
生き方など選べなかった。そういうお前はどうなのだ? 得意には見えぬがな』
『僕? 僕は……わかんないや。だから戦っているんだと思う』
『なんだ、それは』
(あの時は笑い話だった。お前と時を重ねた今なら、その答えに惹かれた意味がわかる)
エリアのキャッスルから離れるにつれて、モンスターの視線が殺意を帯びてくる。縄張りを侵
した者に、彼らは容赦しない。
オーク族とハーピー族の縄張りの境目を歩く。二つの勢力が不届き者を八つ裂きにするべく尖
兵を送り出す。彼女は愛用の三日月斧バルディッシュを構え、群がる白と緑の殺意に対峙した。
(お前のそれは挑戦だ。未知を既知にするための、自分にできる以上のことをしようとする挑戦
だ。己にできることしか選べなかった私とは違う)
バルディッシュを大上段に振り上げ、押し寄せる波濤のど真ん中めがけて、彼女は跳んだ。
(戦う理由を見いだせたとき、お前はきっと私を越える。そうしたら――)
3/19
日の低い内から日の沈むまで、半日以上をモンスター狩りに費やしてから宿へと戻る。
フロントで、モンスター狩りの報償から長期の宿泊費を先払いし、すっかり使い慣れてしまっ
た個室へあがる。
部屋にはすでに少年がいて、がっくり肩を落としてベッドにうずくまっている。この日も思う
ように戦功をあげられなかったのだろう。自己嫌悪の空気が、落ちた肩からにじんでいた。
「今日も、全戦で歩兵を?」
装備をはずしながら訊ねる。沈黙がこたえだった。
「なぜレイスにならん? お前がレイスになれば敵などいないはずだ」
「そんなの当たり前だろ!?」
少年がいきなり、怒声を張り上げた。
「レイスが強いのなんて当然じゃないか! 誰だってレイスになれば強くなれるんだ! 君の言
う『ホンモノ』はそんな仮初めの力で満足するのか!?」
「……どうした? なにがあった」
「えっ……」
「なにかあったから荒れているのだろう」
「…………」
少年は話そうとしない。
彼女はため息を小さくついて、脱ぎ捨てた鎧を部屋にすみに追いやると、少年の隣に腰を下ろ
した。
「なあ。お前はなぜ、レイスになった途端、見違えたように動きがよくなる?」
「……だって、視界は広くなるし、使いやすい能力も手にはいるし……レイスくらい強ければ、
歩兵になんて負けないのが普通で……」
「そこだ。その認識だ」
「認識……?」
「歩兵に遅れをとるはずのないレイス。その認識が、お前の中から不安を取り除く。自信は視野
を拡大し、思考も最適化される。おそらく神経も鋭敏になっていよう」
「だからそんなの、誰だって……むぐ」
反論しようとする少年の口に、指を置いて遮る。
「私はお前に惹かれたのだ……自信さえ抱ければ、お前はもっと先へ進める」
少年はそれきり言葉を失って、握り拳を震わせていた。
彼女は毛布をうまく動かしてベッドのなかに潜り込む。
「ここのところ、狩りにいそしみすぎた。今日は休む。お前のせいで二人寝に慣れてしまった。
次の夜は、甘えさせてくれ――」
背中にそっとつぶやいて瞳を閉じた。
次に目を覚ましたとき、室内に少年の姿はなかった。
ただ、脱ぎ捨ててあった彼女のゲイター装備が机の上にきれいに並べられている。
軽く身支度を整えてから改めて見ると、並んだ鎧の脇に一通の書き置きを見つける。少年の字
で、こう書いてあった。
『ガタがきてたから直しました。無理をしすぎないように』
ヘルムを確認してみると、ゆるんでいた鋲やすり減っていた部分が丁寧に直されている。彼女
が寝入った後、起こさないように静かに作業をしていった少年を想い、ヘルムを抱きしめた。
「お前は私にないものをたくさん持っている――」
恋人の手が入った鎧を装着し、朝の空気を胸いっぱいに吸い込む。今日は一段と、モンスター
狩りの技が冴え渡りそうだった。
その日を境に、少年は部屋に戻らなくなった。
4/19
「そしたら、これは今日の分ゆうことで、いただいときます」
首都の片隅。
集めた品をなじみの女商人に手渡し、取引を終える。渡したのは一見ガラクタにしか見えない
ものばかりだったが、うまくすればこれが代え難い逸品に化けるかもしれなかった。
「なにやら浮かない顔ですなぁ。悪しうことでもありましたえ?」
妙ななまりの女だったが、商売柄表情を読むのに長けているのか、こちらが悩みを抱えている
ことを察したらしい。流し見るような視線でこちらを観察している。
「……貴様には縁のないことだ」
「さいですか? みたとこ……待ち人探し人ゆうとこやと思いますけど」
正確な見立てである。いまだに、戻らない少年の足取りをつかめていない。
「だからどうしたと? 情報なら買わぬぞ。あいつは……自分の意思で戻らぬのだ」
「へえ、そしたらよござんすけど。なんでもどこぞに、えらい剣呑な魔物が沸いて出たとかで、
ようさん手にかかった人もあるゆうことです。心配と違うのかしらと、思いまして」
「……手にかかったといえ、所詮死の痛みに苦しむだけだ。クリスタルの加護あらば傷は癒えよ
う。加護を得られぬ者はそもそもそんな危険には近づかぬ。心配するだけ、詮無い」
「へえ……正鵠、正鵠。取引も終わっとることやし、退散さしてもらいますわ」
愛想笑いを一つ残して、商人は雑踏の中に踏み出していく。その途中、ぽつりと漏らした。
「あなたさんはお得意さまやから、老婆心ながら……案外人の噂が集まるところに、影がさして
たりするかもしれませんえ」
「……なんだと?」
聞き返す頃には、女の後ろ姿は行き交う人並みに紛れている。
(噂の集まるところ……)
一カ所思い当たって、彼女は早足で動き始めた。
行き着いたのは、首都に設けられた公式の掲示板。誰しもが匿名での書き込みを許されている
板には、あれやこれやの記事が張り付けられている。
それらしい文字列はすぐに見つかった。『五十人斬り』と銘打たれた書き込み記事の束。すぐ
に板からはずし、内容に目を通す。
『やっぱあのゲイター女強いわ、滅多に戦争こないけど他とは桁が違う』
『レアポップだけどそこまでじゃないよ正直。タイミングわかってるだけ』
『タイミングだけで五十人斬りは無理だろ』
書き込みの傾向は、賞賛とやっかみが半々といったところだ。風評など気にしたこともないの
で、それはいい。ある時点から書き込みの方向性に変化が現れ、それが彼女にとって重要だった。
5/19
『五十人斬り、ちょっと前からどっかのヘタレヲリと直結してる模様』
『そいつヘタレじゃねーぞ。レイスだったけど五十人斬りとタイマンで勝利してた』
『レイスでタイマンとか工作員じゃねーか。つかレイスなら勝って当然だろ』
『そのヲリ歩兵だとマジ工作員。突っかけるタイミングもわからないでウロチョロ』
『よっぽど下半身の相性がいいんだろうな、他に付き合う理由がない』
数日おきに一つ二つの書き込みがつく程度だった彼女の記事に少年の影がさした途端、おびた
だしい量の書き込みがなされている。少年に肯定的な書き込みは一割にも満たなかった。
「見たのだな、これを……」
数日前の夜、珍しく声を荒げた少年のことを思い出す。もとより自信に乏しい少年は、第三者
の屈折した意見を真に受けて荒れたのだ。
(だが、戻らぬのはどういうわけだ?)
『五十人斬り』の記事を板に戻し、他をチェックする。板を利用しにきた者が疑わしげな視線を
投げかけてくることもあったが構わなかった。ほんの少しでも、恋人の足取りをつかみたかった。
(……! これか?)
『今日の戦犯』と銘打たれた記事に、その書き込みはなされていた。三日前の日付だった。
『某五十人斬りの直結相手がクノーラ来てたんでヲチしたが酷い。飛び込んで蒸発の繰り返し』
『今までおっかなびっくりついてくるだけだったんだが、マイナス方面に成長しちゃったな』
『最後にレイスやってたけどすぐ戦争終了でどっか消えちゃったぞ。恥ずかしかったのか』
思わず、深いため息がこぼれ出た。
「無事で、いるのだな」
顔がほころぶのがわかった。
けして名誉な書き込みではなかったが、彼女はそこから、少年の意気込みをくみ取ることがで
きた。
(しゃにむに前に進もうとしている。いつか、殻を破るときがくるだろう)
彼女は記事を戻し、幾人かの視線を後目にして、掲示板を後にする。ヘルムからのぞく紅い口
元に、熱っぽい微笑を乗せて。
「待っている……お前が迎えに来てくれるのを」
6/19
さらに数日が過ぎた。
相変わらず、少年は戻らない。
けれど彼女の心はうきうきと高鳴っていた。我知らずにやけていたのに気づいて、一人背筋を
のばし直すくらいに。
だから、例の女商人にもすぐに見抜かれたのだろう。
「なんや嬉しそうですなぁ」
「……貴様には……」
「はいはいわかりよした、関係ございませんっと。ところでこれ、いただいた今日の分やけど、
お返しすることになりますわ」
商人が、さっき渡した包みを突っ返してくる。
「それでは……」
「へえ。ようがんばりましたなぁ。ここに来る前に送っときましたよって、見たってつかさい」
「……感謝する」
「も少し喜ばれると思ったのに」
少し意外そうに言われて、彼女は苦笑した。
「……渡す相手が戻らぬのでな」
「はれ。仲直りできて嬉しいのかと思いましたえ」
女は少し誤解しているようだ。いつもなら気にせず取引を終えるところだったが、かねてから
の上機嫌と、これまで取引に応じ続けてくれた商人を労う気持ちから、話す気になった。
「もとより、諍いなど起こしていない。あいつは……そう、男を上げにいったのだ。いずれ戻る」
「へえ……そらまた難儀ですなぁ。男上げるゆうたら、やっぱりあれに挑みなさるのえ?」
「何の話だ」
「はれ、違いました? ほらほら、前に剣呑なんが沸いて出た言いましたよし」
確かにこの前、この商人と取引した時にそんな話を聞いた覚えがあった。今の今まで気にもと
めていなかったことである。
「なんでも、めっぽう強力な野良レイスて聞いてます」
「……野良レイス?」
「血の気の多い人らは、それを退治して名を上げよう思ってるみたいですえ」
「馬鹿な。レイスなど、異界の魔物だぞ。誰かが呼び出さねば現れぬ。まして、戦争を終えれば
ハデス門は力を失う。レイスのままでいられるはずが……」
「さあ……でも、おるのは確かみたいですえ。クノーラ雪原で見たゆう人がようさんあるし」
礼もそこそこにその場を離れると、人々を押しのけるようにして、掲示板へと向かった。
すぐに『今日の戦犯』記事を確認する。クノーラ雪原以降、少年の目撃情報はない。
(これが、偶然か……?)
全身のうぶ毛がざわつきはじめる。
這い寄る予感から目を背けるようにして、彼女は別の記事を探した。
『謎の野良レイス出現』と銘打たれた記事を見つけ、その日付を確認する。
そして――彼女は走り出した。全速力で走り出した。
記されていた日付は、少年が最後に目撃された直後のものだった。
7/19
一人のソーサラーが雪の上を駆けてゆく。
口からは間断なく白い息が漏れ、額には多量の汗が浮いている。
ソーサラーは時折背後を確認し、そのたびに喉をならして、なおも駆けてゆく。
「なんなんだ……あんなのレイスじゃない! それともあれが、本当の……?」
真っ黒な巨影がソーサラーの背後から迫っていた。足跡に沿って、静かな羽音が確実にソーサ
ラーを追いつめていく。
降りしきる雪を突き抜けて、青白い冷気の塊が走った。疾走していたソーサラーに命中した塊
は、弾け、そのままその身にまとわりつく。
「畜生……畜生!」
いずれ追いつかれることを確信したソーサラーは、覚悟を決めて振り向いた。まだ詠唱状態は
続いている。杖にパワーを送り、振るう。
影の直上に小さな閃光が巻き起こるや、サンダーボルトの雷光が地面に突き刺さる。爆ぜた地
面が落雷の威力を物語ったが、命中しなければ無意味だった。
「くそ! 当たれよ! くそぉ!」
じりじりと後退しながら、なおも落雷を繰り出す。
そのすべてが際どいところで命中に至らない。影の動きを見越した偏差を試みても、紙一重の
地点でわずかに進路を変える。
「避けてやがるのか!? その図体で!」
影が、相手を覆い尽くさんばかりの距離にまで接近する。
最後の力を振り絞って、ソーサラーが杖を振るう。
落雷ではない。全身から、氷結した波が噴き上げた。
フリージングウェイブが空気を叩いた時、巨影は悠然と空を舞い、獲物を睥睨していた。
「あっ……」
『ぎぇあっ!』
影の着地と同時に紫電が一閃し、技の発動体勢にあったソーサラーの肉体を薙ぎ払った。
意識を失い、弛緩して崩れ落ちたソーサラーを前に、影は不気味に揺らいでいる。
その様はまるで笑っているようにも見えた。
やがてソーサラーの骸がクリスタルの力で薄れはじめても、影はその場で揺らぎ続けた。
猛然と駆け寄る足音が響くまでは。
8/19
(見つけた……!)
ここまで一気に走り抜けた助走を利用して、彼女は跳んだ。
直後、雪の中で不動を維持していたレイスが、振り返るや否やギロチンソードを打ち込んでく
る。発射された衝撃波が、つま先をわずかにかすめて空を裂いてゆく。
空中で大上段に振り上げたバルディッシュを、渾身の力で地面にうち下ろす。激突点を中心に
衝撃波が立ち上り、剣を振るったレイスの身を叩いた。
彼女は攻撃の手を休めない。身を起こし、すかさず突き上げるようにしてバルディッシュを打
ち込むが、ギロチンの剣身に阻まれる。
冷気の集束を感じ、すかさずステップを踏む。蹴った地点に、間髪いれずにアイスバインドが
着弾。
際どい攻防はなおも続く。
隙と見て打ち込んでも、変幻自在に動くギロチンソードがそれを防ぎ、距離をとれば冷気の弾
幕が襲ってくる。
互いに互いの動きを読み切って動いているのがわかる。果てしない攻防を経て、誤差のような
一撃がようやくかすめる程度だった。
(ああ、同じだ。間合いも、太刀筋も……なにもかもが、はじめて見えたあの時と)
一手二手と攻防を重ねるごとに、どうしようもない確信が彼女の中に積み上がっていく。
(なぜだ――)
襲い来る斬撃をスマッシュで叩き落とすと、彼女は足を止めた。
相手の力量は自分と伯仲している。致命的と言ってもよい停滞だったが、それでも彼女は、問
いかけずにはいられなかった。
「なぜだ」
追撃に出んとしていたレイスが、すんでのところで動きを止めた。
レイスもまた、この激戦の最中、相手の言葉に耳を傾けることを選んだのだ。
「なぜだ……私は、お前を待っていたのだぞ」
レイスはこたえなかった。彼女の言葉は止まらない。
「なぜそんな力に堕した!? なぜ私を迎えに来てくれぬのだ!? なぜ――」
『やあ、久しぶり』
ぞっ、とするような凍てついた声。もう、人のそれとはかけはなれていたが、それでもその声
は、彼女の耳にいくばくかの懐かしさを喚起する。
暗いフードの奥に、笑顔めいた不可思議な歪みが現れていた。まるで、彼女の存在にはじめて
気づいたかのように。
「お前……お前は!」
認めなくてはならない時が来ていた。
目の前の魔物こそが、彼女の待ちこがれた少年なのだと。
「……!?」
雪面にうっすらと張りついたレイスの影から、黒い縄のようなものが伸びて彼女の手足に巻き
ついてくる。
瞬く間に手首をひねり上げられ、バルディッシュが雪に落ちた。影ばかりではない、静かに羽
ばたいていた翼の縁までもが、家屋にからみつく蔦のように伸びて、彼女の全身を戒めていく。
ゲイター装備と素肌の間を、無数の触手が這い回っている。おぞましい触感に総毛がたつ。
やがて十分に張り巡った触手が、にわかにその動きを止めた。直後、彼女の装着した鎧が、い
びつな金属的悲鳴をあげはじめる。
「……! やめっ」
懇願する間とてない。アーマーの表面に亀裂が走ったかと思うや、次の瞬間には、金属の鎧は
内側から食い破られるようにして弾けとんでいった。
下着も裂かれ、降りしきる雪の中に、小麦色の色彩が露わにされる。
邪魔にならないと判断されたのか、ヘルムだけが手つかずで残されて、ひどく不格好だ。
だが、真に重要なのは姿ではなかった。
目は、飛散していく鎧のかけらの一つ一つを追いかけている。恋人が直し、そして破壊してい
った、そのかけらを。
レイスはそんな彼女を掲げ上げ、満足げに空気を振動させた。
『すごい力だろう? 僕はホンモノになったよ』
9/19
「んぐぅっ」
呆然と開いた口から喉の奥まで、真っ黒な触手が乗り込んでくる。
言葉を奪われ、さらには自由にならない両脚を左右に押し開かれる。
レイスの意図に思い至るのと同時に、触手の表面から粘質の液体が分泌されはじめた。肌に触
れると焼けるような熱を発する。レイスの魔力が形を変えて噴出しているのだ。無論、喉の奥も
同じものに焼かれていく。
『ずっと一人で寝させてごめんね』
やさしい声に気が狂いそうになる。
なんとかして別人だと思いこもうとするのを、そのやさしさは許してくれないのだ。
(なぜ……なぜ……!)
頭の中で無数の疑問符が回っている。
そしてその疑問符も、やがて来る肉体の感覚に焼き尽くされていく。
喉の奥や素肌から粘液が体内に染み込んでくるのがわかる。全身を焼かれているかのような苦
痛が襲い、しかし絶叫することさえできない。
どこからか糸のように細い触手が何本も伸びて、むき出しにされた乳房を優しく包み込む。そ
の先端に粘液を塗り込めるように、執拗にこねくり回す。
たちまち張りつめた乳首から、痛みとは違う、甘い感覚が泉のように沸き上がる。
やがて、吸盤の様に変形した触手が、濃く色づいた乳房の先端に吸い付いてくる。赤子のよう
に吸い付かれたところから、乳を吸い出されるように、快感の波を吸い上げられていく。
全身を呵む苦痛はなおも高まり、高まって、痛みを越えた快感として認識されはじめる。
刺激の量と鋭さが尋常ではない。人の神経には荷が重すぎる。いっそ発狂してしまえれば楽に
なれるはずなのに、魔力に焼かれているためかそれさえもかなわない。
レイスの冷たい手が、彼女の腰のくびれを強固に掴み、さらなる行為の進行を告げた。
その目が信じられないものを見いだした。
レイスの下腹部に、不気味に揺らぎながら屹立しているものがある。
その欲望が、魔力が、そこに凝縮されて、人だった頃の意識にしたがって成形されたのだ。
光線をゆがめるほどの魔力。全身に染み込む粘液など比較にならない密度だ。
それをどうするのか嫌でも考えて、無意識のうちに首を振り、許しを求めた。
レイスの顔面に虚ろに穿たれた眼が、にたり、とゆがむ。
固く閉じた後ろの孔に、欲望の塊が一気に突き込まれた。
10/19
「おごっ、ごぉっ……」
喉が震える、腰が跳ねる。
全身に伝播した波が、激痛なのか快感なのかまるでわからない。ただ、圧倒的な刺激を打ち込
まれて、体が反応していた。
押し広げられた肉壁が焼かれていく。体の内側、中心へ、得体の知れない感覚が上ってくる。
身をよじって逃れようとしても、全身を戒める触手と、剣さえ離して彼女を抱え込む手に支配
されてどうすることもできない。
逆にもがけばもがくほど、それは鋭く深く突き刺さる。
一突きごとに前の裂け目から噴き出る液が垂れ、雪を溶かしていく。
認識しきれない快感に、それでも体は反応しているのか。一突きごとに、絶頂に誘われている
のか。
(融ける……私が……融けていく……)
自分の体が、心が、遠くへ離れていく感覚。
彼女の精神が完全に弛緩したことを感じたのか、喉を陵辱していた触手が離れていく。
「ひっ……ぐひっ……ひっ……」
自由になった口から漏れるのは、生理的な空気の音だけ。言葉も絶叫も既に枯れ果てている。
抵抗することもなく、眠るようにして、己のすべてを投げ出していた。虚ろな瞳は、もうなに
も映さない。
そこまでしてのけた異界の魔物は、尻に突き立てていたものをゆっくりと抜き出し、ひくひく
と痙攣を繰り返す前の穴にあてがう。
『ずっとこうしたかった。君とちゃんとつながりたかった』
言葉は聞こえている。聞こえているが、彼女の脳はそれを理解しようとしない。
そして魔物も、ここに至って躊躇することはなかった。
胎内に、はじめての一撃が打ち込まれた。
多量に分泌された液体がその侵入を歓迎する。純潔の証は、欲望と力の前に陥落した。
(……痛い)
だがそれを、確かな痛みとして認識する。
『すごいや。ぎゅぎゅってからみついてくるよ……気持ち……イイイイイーッ!』
触手の動きとともに肉体が上下し、粘膜と魔力の塊とを摩擦させる。
分泌される粘液に紅いものが混じりはじめ、直下の雪を染めていく。
口から涎を垂れ流して、されるがままだった。座っていない首が、上下運動にあわせてがくが
くと揺れている。
『僕が! 君の! はじめての……!』
魔物の歓喜が雪の中に吸い込まれていく。
(私の……はじめての……)
『ああ、すごいぞ、ココはすごいぞ……! こんなんじゃ、もっ、だめ、すぐに……!』
(すぐに……?)
『ああ! 出るっ、出るゥッ……』
(出る……なにが……どこに……?)
己が望みの頂に手をかけたと思ったのか。全身を戒めていた魔者の触手がゆるんだ。
(どこに――?)
その時、光を見た。働きを停止していた眼が、風景を認識した。
体が動いた。生い茂る触手の波間から腕を伸ばす。
指先に触れたそれが、何であるか確かめることもなく、腕力だけで振り上げた。
一連の動きに明確な意識は介在していなかった。
『あっ……?』
レイスの肩口に、ギロチンソードの切っ先がめり込んでいた。
11/19
全霊を込めてたった一人の女を犯し抜いていたレイスの体から、魔力の輝きが散っていく。
刃は、吸い込まれるようにしてレイスの虚ろな身体に潜り込んでいく。
やがて、体重を支えきれなくなった触手が次々と千切れ、彼女の体が破瓜の血の上に落ちた。
「く――」
褐色の肢体が雪原に立つ。
真っ白な呼気とともに、彼女の両手に得物が現れる。
『……まっ、て。もうちょっとで……』
彼女はもう待たなかった。
青白い軌跡が、崩れかかった異形の魔物を撃つ。
吹き飛ばされる魔物の下腹から、凝縮された魔力が安定を失ってほとばしった。
かつて魔物が人だった頃にそうしたように、漆黒の精が彼女の顔に、肌に、張り付いていく。
彼女は、その異質な射精を受け入れた。
超濃度の魔力に肌を焼かれながら、地に堕ちた魔物を見下ろす。
『ヴリトラ……つくったんだ……』
レイスは己にとどめを刺した刃を見上げていた。真紅の三日月斧を。
「……これが、幾ばくかでも、お前の自信に、つながればと、願った」
まだ完全に覚醒したわけではなかった。体内を焼くような感覚は残っている。
それでも、一言一言を強く放つ。
『君に認められたかった。君の全部がほしかった』
黒い羽根や、ぼろ切れのような衣服、骨のような体の表面に、雪がほの白くつもっていく。
「言ったはずだ。膜になど執着はない。子宮だけが、別の生き物のようだと」
ヴリトラをインベントリに戻し、跪いて、朽ちようとしているレイスの顔に手を添えた。
「結局……我が子宮はお前の到達を許さなかったな」
『…………』
「私は待てたのだ……いつかお前が迎えに来ることを想って、幾日でも待てたのだ! お前、な
ぜ急いだ……」
『わかんないや』
レイスの体が粒子になって消えていく。クリスタルの加護ではない。雪が融けて水になり、地
にしみていくように、ただ、融けていく。
『ごめんよ、わかんないんだ――』
蒸気となって立ち上っていく体が、最後に拠り所を求めるように、長大な剣にまとわりついた。
けれど、やがてその儚い動きも薄れ、空にほどけていく。
地に突き立ったギロチンソードだけが、そこに残っていた。
最後までその顔に触れていた手を、剣身に移してみる。吸い付くような冷気を感じたのも束の
間、剣は弾け、闇の粒子となって、顔や肌に刻まれたドス黒い染みに吸い込まれていった。
「…………」
思い人の痕跡がその場から完全に失せてしまうと、他に術もなくて、仕方なく立ち上がり、歩
いた。
どの程度歩けたか。体内を焼く魔力の熱と、焼かれた肌の痛み、疲弊。そして絶望。様々なも
のが、彼女の足を崩し、雪の上に引きずりおろした。
冷たくなっていく意識の中で、遠くに聞いた会話が最後の記憶だった。
「……! これ、人間ですよ」
「おやまあ。なんでこんな寒い中全裸で……」
「女の人ですよ! あっち向いてください!」
「待て待て。こりゃ……たまに噂になる『五十人斬り』の人じゃないの」
「有名な人なんですか?」
「そうだね……うん、いや間違いないよ。戦ったのかな、『野良レイス』と」
「さ、さあ?」
「いずれにせよ、遊山どころじゃないな。運べる?」
「お館へ? では……兎瑠鹿! 日座巻! 出てきてください。この方を――」
12/19
目覚めたとき、周囲は冷気ではなく、暖かい空気に包まれていた。
しっかりした造りの部屋に、上品そうな家具。暖炉にくべられた火は、心地よい熱気を室内に
放出している。
ゆっくりと身を起こしてみる。これも上質そうな布団をのけて体に目を落とすと、柔らかい生
地の寝衣が身を包んでいる。
最後の記憶からあまりにかけ離れた状況から、自分が誰かに保護され、手厚く看病されたのだ
とわかった。
ある程度状況を把握した頃、少し離れた位置から自分を観察している、派手な赤い衣服を身に
つけた女に気がついた。出自はよくわからないが、確かテンブとかいう装束だったはずだ。
「……ここは?」
女が一向に話を切りだしてこないので、仕方なく問いかけてみた。すると女も、安堵したよう
なため息を一つついて、人懐っこい笑顔を向けてくる。
「ライサラ家のお屋敷です……っと、正確には離れなんですけど」
その家名には覚えがあった。主家が没落する以前、かつての主人から、その名を聞かされたこ
とがあった。
「私は……助けられたのか」
「はい、雪原に出られたお館様が、行き倒れているあなたを見つけて、こちらに保護しました。
二日ほど前のことです」
「二日……」
二日間、この女はつきっきりで看病してくれていたのだろうか。
そんな風に考えながら見つめていると、女は「ああ」と何かを思いだしたように手を叩いた。
「自分、胆露っていいます。お館様……あ、もちろんライサラ家ご当主様ですけど……の、なん
だろ、付き人? みたいなものですー」
自分とそれほど年が違うようにも見えないが、女はにこにこと少女のように朗らかな表情をす
る。最初、いささかの警戒心を抱いていたものの、その笑顔にほだされて、肩の力が抜けていく。
「ところで体におかしなこととか、欲しいものとかありますか?」
「いや……」
純粋な好意で訊いてくれたのだとわかったが、目覚めたばかりで、自分の体がどうなっている
のか、なにが必要なのかわからないというのが正直なところだった。顔の皮が変に突っ張るので
火傷の傷を思い出したが、もう痛みもない。
「じゃ、これを飲んでもう少し休んでください。今はお館様も出ていますし」
ベッド脇のテーブルの上に茶瓶が置かれている。胆露はその中味を椀についで差し出してきた。
言われたとおりに注がれた湯を飲み下し、熱を逃がさないように布団をかぶって瞳を閉じる。
すぐにでも微睡みに落ちそうだったが、ふと思い出して、口を開いた。
「一つだけ、頼みたい――」
13/19
ライサラ家で起居するようになってから、さらに三日が経った。
もう立ち歩いても子細ないほどに回復していたが、こうなると逆に、体を動かしたくてたまら
なくなってくる。
胆露に「外に出たい」と掛け合ってみると、この朗らかな女性には珍しく、少し困惑気味の顔
が返ってきた。
「うーん。できればこの離れに留まっていてもらいたいんですよぅー」
「ほう?」
「えーっと、そのー」
「……困らせたいわけではない。都合があるならば、重んじよう」
「うーん。言っちゃってもいいかしら……うん、いいよね」
ライサラ家や胆露に大恩ある身なのはわきまえている。故にそれ以上の追求は避けたのだが、
胆露は、なにやら一人で合点してしまったようだった。
「えっと、実はですね。あなたを当家で召し抱えたいって、お館様は考えているんです」
「私を?」
「かの『五十人斬り』様ですから。それでその、お館様にもいろいろ考えがあって、はっきりす
るまで、なるたけあなたを人目につけたくないというか……」
「なるほど。どう転ぶかわからぬ私に、屋敷内の有様を見聞されるのは良い気分ではなかろうな」
「とんでもない、そういうお話ではなくてですねぇ……うーん」
あわてて取り繕う胆露だったが、続く言葉を濁したことで、半分肯定しているようなものだった。
「……すまぬ。庇護にありながら出過ぎた物言いだった、外出の要求も含め、忘れてくれ」
「そんなに気にしなくても……」
「しかし、我が武力を見込んでの話とあらば……こう動けぬと体も錆びる。いっそ、お前が相手
をしてくれてもいいのだが」
「ふえっ!? 自分ですかぁ!?」
「何日も立ち居振る舞いを見ているのだ、生なかの使い手でないこと、私にはわかる」
「…………」
沈黙した胆露を取り巻く空気が、にわかに鋭いものを宿した。が、それも一瞬のこと、すぐに
あの笑顔が現れる。
「どうせならお互い、心身ともに気兼ねのないときにしましょう。ねっ?」
上辺だけではない、少女のようなまぶしいくらいの笑顔でこう言われては、苦笑で返すしかな
かった。
14/19
そして、さらに二日が経った頃、本館から戻った胆露は、状況の変化を告げた。
「明日、お館様のご子息様らを見ていただきます」
「見る? 会うのではなく?」
「それは明日になったらわかると思うので、ご安心を。またこれから準備に行かなくちゃなので、
一応ご報告まで。それと……以前頼まれていた件ですけど」
しばらく言いにくそうに逡巡していた胆露だったが、やがて少し気の毒そうに、口を開いた。
「……例の男性は、この数日間調べる限り、メルファリアのどこにも見かけられてないみたいで
す。それとクノーラ雪原のレイスも、あなたがいらした日を境に現れなくなったと」
「……そうか」
胆露が去り、部屋に一人、ベッドに腰掛ける。
ゆっくりと動いた手が求めたのは、枕元に出してもらっていたゲイターヘルム。
たまらないような気持ちに突き動かされて、それを抱きしめた。
同時に、それまで存在を主張することもなかった顔の火傷跡が、今更になって疼きはじめる。
胆露の報告は考えてみれば当然のものだった。
クリスタルの力を借りて呼び出した魔物を、己の焦燥に負けて我が身に取り込んだのだ。クリ
スタルを冒涜した少年が、加護の下に帰ってくるはずがなかった。
メルファリアでは極めて希有な『死』という現象が、いまはじめて、彼女の中に実感となって
現れていた。
それなのに。
「笑え……涙の一つも出てこぬよ。所詮、私たちの関係など、その程度のものだったのだ……あ
あ、その程度の。は、はは、は――」
笑いはとめどなく、いつまでもいつまでも溢れてきた。
必死になって笑い続けた。
15/19
「眠れなかったんですか?」
胆露と顔を合わせるや否やの発言だった。
眠れなかったのは確かだが、そればかりでなく、報告を聞いてからどうやって過ごしたかの記
憶さえ曖昧で、加えて人と接するのも億劫なほど、活力が失われていた。
「……会見の際は顔を隠しても良いか」
本館の廊下を案内されながら、かすれた喉を震わせてやっとのことで口にする。
「大丈夫ですよ。そんな堅苦しいものじゃないですから」
その言葉とは裏腹に、今日の正装として与えられたのは、最新のハイドラ装備一式だった。あ
くまで仮に貸し与えるという話ではあったが、意気込みがこもっているようで、重い。せめて愛
用のヘルムをかぶることで気を紛らわせる。
やがて招き入れられたのは、奥行きのある縦長の部屋。前面がガラス張りで、隣の部屋の様子
がわかるようになっている。
ガラスを挟んだ対岸に、屋敷の長らしい恰幅のいい男と三人の青年が向かい合って座っている
のが見えた。いや、一人は青年と言うより、少年といった方が正しそうだ。子息らに違いない。
「ハイドを応用した鏡で、こっちだけ向こうの様子がわかります。声もこっちにだけ聞こえるよ
うになってます」
「……のぞき見、盗み聞きをしろと?」
「やり取りを見聞きして、誰に仕えるか考えてみて欲しいとのことです。もちろん、意に添う方
がいなければ、無理は言いません。ちなみにお三方は、自分たちの方が選ぶ立場だと思って話し
ています。その方が人となりが出るでしょうから」
「わかった……ひとときとはいえ、養われていた身だ」
著しく気乗りしない。だが断るにしろ、ここまで用意が調っているものを一蹴するわけにもい
かない。かろうじて湧いて出た配慮に従い、落ちるようにして、椅子に腰掛けた。
「私は反対です。誰に付けるなどという話ではない。父上には悪いが、そのような素性の知れな
い者を家に入れること自体反対だ。我が家の財にすり寄ってきた野良犬かもしれぬ」
なかなかに強硬な意志を示したのは、長男らしい大柄の青年。名家の長男として、たゆまぬ生
活を送ってきたのだろう。使命感の強さと、いささかの頑迷さを感じさせる男だった。
「まあま、兄上。仮に野良犬だとて、首輪をつけて、餌をあげればなついてくれる。それに、そ
の牙がとびきり鋭いとなれば、躾次第では大きな利になるかもしれない。是非私がもらいたいね」
次男らしい青年は、いかにも世故に長けていそうな、愛想笑いの張り付いた顔をしている。ツ
テを元に足場を築いていくタイプだ。そして、本心では自分以外の誰も信用していないタイプだ。
そうして好き放題並べ立てる兄たちに比べて、三男らしい少年は覇気がない。当主が兄たちを
制して水を向けるまで、隅で小さくなっていた。体だけではない、年も、兄たちに比べて二回り、
彼女の前から去ったあの少年と比べてもさらに一回りは幼い。
「……僕、選ぶのいやだな」
「ウォス。父上の御前ぞ。言葉を改めよ」
口を開くや否や、長兄に咎められ、ますます縮こまってしまう。次兄はそんな弟をかばうでも
なく、侮蔑たっぷりのにやけ面をさらしていた。
三男は三男で、この場に臨んでおきながらこれでは――そう思ったときだった。
「ぼ……私は、その方に自分で選んでもら……いただきたいと思います」
なぜ、と聞き返されて、三男は即答した。
「強い方は、生き方を選んでいいと思うんです。選べないことが多すぎる世の中だから……」
その後はとりとめもない、そこそこに仲の悪い、親子と兄弟の会話だった。それでもたっぷり
時間をとられたところをみると、ライサラ家としてはそちらの方を重視させたかったらしい。
一通りの会話がすんだころ、外に控えていた胆露が戻ってきて耳打ちした。
「お一人かお二人なら、お話できる時間をとれるみたいです。話したい方はいますか?」
16/19
ライサラ家の中庭は、思ったより狭いものだった。回の字に建てられた屋敷の中央に、ぽつん
と草花が茂り、小さな泉から水が湧きだし、滑り込んでくる陽光を反射している。
(きっかけがつかめぬ)
ライサラ家の三男と会合してから、既に数分が、互いに無言のまま過ぎ去っていた。
三男はソーサラーの適正を持つらしく、見習いがよく着る鍔広帽とマントを着込んでいた。そ
の帽子の下に表情を隠して、なかなか顔を見せようとしない。
もっとも顔を隠しているという意味では、彼女も同じだったが。
そのうち沈黙にも飽きてしまって、庭に招かれた時の扉に視線を泳がせた。見張りというわけ
でもないだろうが、扉の横には胆露が控えている。こちらを気にしている素振りもない。
(だが、いるな。タンロ以外にも二人。ウルカにヒザマキというのはこいつらか。かろうじて気
配は読めるが……大したものだ。この狭い庭園内、どこに潜んでいるか掴めぬ)
「あのう」
「はっ!?」
全神経を傾けて周囲の気配を探っていたところ、いきなり声をかけられたので、少し驚いた。
三男は三男で、それなりに勇気を振り絞って声を出したのだろう。見上げる瞳に、必死めいた
色が浮かんでいる。
「なにゆえ、私などと話そうと思われたのですか?」
「説明するためには、あなたに謝らねばならぬことがあります」
先ほどの親兄弟の会話を陰から見聞きしていたことを明かして、まず頭を下げた。
「よいのです。父上には、そういうところがおありになる。貴殿が謝ることなどないのです」
一つ一つの言葉を選びながら、必死に格式ばった口調を作っていた。貴い家に生まれたことが
気の毒に思えるほど、三男は世故というものから遠くにいた。
深呼吸を一つ。本来の目的を果たすために膝を折り、三男の目線に合わせて告げる。
「先だっての会話で、貴君は私を強いと評した。ですが……私はそのような評価に値しませぬ」
「どうして。戦争で大活躍する、『五十人斬り』なのでしょう?」
「私は選べなかったのです。何一つ。誰一人。恐らくこれからもずっと」
「…………」
「貴君にはまだ、多くの時と機会が残されている。その手で一つでも多くの事物を選び抜かれる
こと、願っております」
片膝立ちで頭を下げ、それでこの場を去るつもりだった。背を向けて進もうとしたその手に、
小さな手がすがりついてくる。
「待ってください。あなたの力は本物だと聞いています。だからどうか、そんな風に諦めないで」
「なんと……?」
「あなたほどの人でさえ選ぶ手を持てないんじゃ……僕はこの先何一つ選べない。だからどうか、
諦めないで」
「もったいのうございます」
(この人も、己にできる以上のことをしようとして……無理をなさる)
その焦りを取り除きたいと思ってこの場に来た。けれど、このまま長居を続ければかえって悪
いことになる。少しだけ名残惜しい気持ちを、すがってくる手と共に振り払い、歩を進める。
17/19
「あの、最後に顔だけでも見せてください」
「我が顔面は戦友の呪いに汚れております。どうかお許しください」
「お願いです……ぼ、私にあんなことを言ってくれるのは、もうあなただけです。そんな人の顔
も思い出せないのは、つらい……」
今にも泣き出しそうな声に、決意が折れた。
ゆっくりとヘルムを外し、三男に見返る。きっとひどく醜い顔になっているだろう。せめて良
い思い出になればと、持てる力のすべてを結集して、笑顔を生み出す努力をする。
陽の光の中で、二つの小さな瞳が、慣れない笑顔を見つめている。
数秒。折良く陽がかげったところで、三男に背を向ける。儀式は終わったのだ。
「お見苦しきを、お許しください」
三男はもう呼び止めなかった。草花を踏まないように気をつけながら扉に向かう。気づいた胆
露が扉に手をかける。
「見苦しくなんかないよ!」
三男の声が足を止めさせる。胆露も、白々しく視線を逸らして、会合の延長を容認した。
「君は笑ってくれた。そんなにツラそうなのにだよ。強いよ、君はやっぱりすごく強い。僕の知
ってる誰よりずっと」
「……もったいのうございます」
「呪いだってなんだって関係ない。キレイだった。僕は好きだ。その顔が僕は好きだよ」
「もったい、のう、ございま……っ」
胸の奥からこみ上げるものをこらえることができなかった。うつむき、表情を隠すが、そんな
ことではどうにもできない。無礼を承知で、再びヘルムをかぶって顔を覆う。
(私たちは)
ヘルムの内側の頬を、熱いものが伝う。
体の奥底に潜むものが、ほんの少しだけ、きゅんとときめいたのを感じる。
三男の最後に口にした言葉が、記憶の中を駆けめぐる。
自分の口からも、恋人の口からも、そのたった二字の言葉の記憶が出てこない。
(ああ、私たちは……)
異変に気づいた胆露が数歩近寄ってくるが、その途中で異変の正体に気づき、また、視線をは
ずした。
三男は三男で、不意に立ち止まった彼女の背中を不思議そうに見つめている。
(どちらかからでもその言葉を口にできていたら、私たちは……)
「あの、どうか……?」
駆け寄ろうとする三男を後ろ手で制する。逆の手で、幾度もこみ上げてくる嗚咽を抑えこむ。
「ああ――」
そうして、そのままその場に立ちつくした。
誰にも見せない涙が止まるまで、ずっと立ちつくしていた。
18/19
薪木の弾ける音がおぼろげな意識を叩き起こした。
いつから微睡んでいたのか。辺りはまだ暗いままで、たき火の光がぼんやりと闇に抗っている。
「起こした? ごめん、休んでていいよ。番は僕がやる」
少し前に寝入ったはずの主君――ライサラ家の三男、ウォス――が、自分の代わりに寝ず番を
している。従者として許されない不覚だった。
「申し訳ありませぬ。進んで買って出たものを……」
「いいんだ。ハイドラ、ほとんど休んでないだろう? 僕だって野営のコツはつかめてきた。火
の番もね。君にばかり苦労はさせられない」
「……もったいのうございます」
ウォスが、小さく苦笑しながら寄り添ってくる。
「久しぶりだな、ハイドラの『もったいのうございます』。会ったばかりの頃はよくその台詞を
耳にしたけれど」
火が映すウォスの横顔が、苦笑から自嘲へと変わってゆく。
「もったいないのは、君の方だ。君はもっといろんなことができたはずだ。それが僕についてき
たせいで、今や敵国の大陸だ。君にはわがままを聞いてもらってばっかりで、報いられるものが
なにもない」
「若……」
どういえばいいものか。言葉を探しながら、かすかに寝乱れた髪を整える。普段頭を守ってい
るヘルムは、今は傍らに置かれて火の光を照り返している。
思い出の中にあったくすんだ緑のヘルムではない、出立の日、主君から授かった真の兜だ。
「私は……満ち足りております。あなたが子宮を叩いてくれたあの時からこれまで、ほんの一瞬
たりとも例外なく、です」
「しきゅ……えっ?」
「!」
きょとんとするウォスを突き飛ばし、闇に向かって飛び込む。空中で取り出したヴリトラを、
逆立ちした振り子のように振るって飛翔のベクトルに加算する。
着地とともにうち下ろした刃が、骨肉をつぶす音と手応えを返してくる。
「追っ手が!?」
ウォスがたき火を拾い、闇を照らした。
19/19
ハイドラの一撃に潰れたのは、人間ほどの大きさはあろうかという野犬だった。
追っ手ではなかった――思わず、大きなため息が漏れた。
「ねぇハイドラ。三度目の追っ手を追い返してから、なんだか少し緊張しすぎじゃない?」
「……最初はお屋敷つきの番兵たち。次は、ご本家つきの兵士たち。そして、先日打倒したのは、
金で雇われたのであろう正規兵たちでした」
「うん。どうしても僕らを連れ戻したいんだ。そりゃ、黙って出てきたのは悪いけど……なんだ
か必死すぎる」
「次か、その次か……いずれにせよ近い内に、恐らくタンロが来ます」
「父さんの付き人の? あのお姉さんって、戦えたの!?」
「刃を交えたことこそありませぬが、わかるのです。あの女は強い。あなたの元奥方や、ジャン
ヌの姫君より、更にです」
誇張ではない。初めて会った時点から既に途方もない使い手だった。あれから数年が経ってい
る。いざ対峙したときどのような結果が生まれるか、予想することさえできない。
(それに十中八九、ウルカとヒザマキも来る。あの三人を相手に、私一人でどこまでやれる……?)
武器を握りしめたままの手に、そっとウォスの手が重なってきた。
「ハイドラ、僕もいる。誰が来ても、何人来ても、一緒なら切り抜けられる。大丈夫!」
言葉とは裏腹に、ウォスの手はかすかに震えていた。自分が脅威を感じるほどの相手なのだ。
ウォスにとっては、もっととてつもない脅威だろう。
それでも、若き主君は従者の前で、大丈夫だと強く言ったのだ。
その言葉が、ハイドラの中から笑顔をすくい上げる。
「若……もったいのう、ございます」
顔を伏せるとたき火の光が目にはいる。体内に定着した熱が、顔に張り付いた火傷の跡が、か
すかに疼いた。
(見ているか……? またお前の力を借りることになりそうだ。許せよ、まだ会いに行くわけに
はいかぬのだ、我が戦友よ――)
火傷の跡がほのかに青白い光を放った。それは赤々とした火の光に塗りつぶされて、ウォスの
目には見えなかったろう。
けれどハイドラは、刻み込まれた熱に彼の面影を思うことができた。
かつて愛し、雪のように融けて去っていった男の、儚い面影を。
<おしまい>
燃えつつも萌えた。ハイドラさーん!
480 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 03:05:39 ID:e6RMsmNW
ジャンヌ家いいな
まとめスレに保管してもらったほうが良くね?このスレ
そろそろ次スレ?
保管庫さんに最新作が保管されたら立てた方がいいかもな
それにしてもハイドラさんが強者設定なのに乙女すぎて胸が熱い
職人GJ!!
484 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/05(日) 09:49:52 ID:Pw5d6Rik
保守age
485 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 07:47:18 ID:YLZsTSk9
ほ
「うー、キマブラキマブラ…」
今、キマブラを求めて全力疾走している僕は、ネツァワルに通うごく普通のスカウト。
しいて違うところをあげるとしたら、ハイブリッド(ふたなり)ってところかナー。名前はブリス。
そんなわけで、アンちゃんのいる軍管区へとやってきたのだ。
ふと見ると、ベンチに一人の若いソーサラーが座っていた。
「うほっ、いい♂…」
そう思っていると、突然その男が僕の見ている目の前で中部隊服のホックをはずしたのだ!
「訓練(や)らないか」
そういえば、この軍管区はハッテン場の訓練場があることで有名なところだった。
いい♂に弱い僕は、誘われるままホイホイと訓練場について行っちゃったのだv
彼…ちょっと無課金っぽいジャッジ持ちソーサラーで、ライサラオスと名乗った。
タイマンもやりなれているらしく、訓練場に入るなり、僕はサンダーボルトで吹き飛ばされてしまった。
「よかったのか、ホイホイついてきて。俺は不利キャラだって構わないで食っちまう人間なんだぜ」
「こんなこと初めてだけどいいんです…。僕…ライサラオスさんみたいな人、好きですから…」
「うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあとことんハメてやるからな」
言葉どおりに、彼はすばらしいテクニシャンだった。
僕はというと、ステップに重ねられるライトニングの波に、身をふるわせてもだえていた。
しかし、その時、予期せぬでき事が…
「ううっ…ブルブルッ…でっでそう」
「ん? もうかい? 意外に早いんだな」
「ち、ちがう…実は、さっきから持ち替えステップがしたかったんです。弓を持ってるのもそのためで…」
「そうか…いいこと思いついた。お前、俺のケツの中で蜘蛛矢しろ」
「ええっ…おしりの中へですかァ?」
「スカウトは度胸! なんでも試してみるのさ。きっと気持ちいいぞ。ほら、遠慮しないで撃ってみろ」
彼はそう言うと、素肌にまとった中部隊服を脱ぎ捨て、逞しい尻を僕の前に突き出した。
自分の取柄であるリーチを捨てるなんてなんて人なんだろう…。
しかし、彼の堅く引き締まったヒップを見ているうちにそんな変態じみたことをためしてみたい欲望が…。
「それじゃあ…やります。は、入りました」
「ああ…次はフルブレイクだ」
「それじゃあ…出します」
「いいぞ。俺のHPがどんどん減っていくのがわかるよ。しっかりベーコンを食っとかないとな」
「くうっ! 気持ちいい…!」
この初めての体験はスタンにオナニーブレイクでは知ることのなかった絶頂間を僕にもたらした。
あまりに激しい快感にブレイクを出しきると同時に僕のクヴェーラはブレイクの海の中であっけなく耐久0になってしまった。
「ああーっ!!」
「このぶんだと相当がまんしてたみたいだな。状態異常アイコンがパンパンだぜ。どうしたい」
「あんまり気持ちよくて…こんなことしたの初めてだから…」
「だろうな…俺も初めてだよ。ところで俺のウシャスを見てくれ。こいつをどう思う?」
「すごく…赤いです…」
「赤いのはいいからさ。このままじゃ収まりがつかないんだよな。今度は俺の番だろ?」
「ああっ!!」
「いいぞ…よくのけぞってビクンビクンしてやがる…!」
「で…出る…」
「なんだ? 今出したばかりなのにまた出すってのか? 精力絶倫なんだな」
「ちっちがう…!」
「なにィ? 今度はパニィ? お前、俺をスカフォードと間違えてんじゃねえのか!?」
「しーましェーン!!」