【MH】モンスターハンターでエロパロ 11匹目【モンハン】

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701名無しさん@ピンキー
「次からは気をつける」と本人が言っているのにこれ以上どうこうできるわけもない。
この話は事実上もう終了してるよ
702名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 01:34:09 ID:HAmXx9bK
まぁ、耐性なくて読んだ人はご愁傷様ってことだね。
でも気遣いに関心があるなら>>690は耐性ない人を気遣えよっ!このS!とは思うけどw
703名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 02:24:25 ID:k8KeURMe
住人の皆さん、こんばんわ。昼間にやらかしたものです。
先ほどはあんな粗末な物を投下してしまい、今自分で読んでいて恥ずかしい限りです。
ただ今全力で投下した分を皆様のご指摘の下で、再編し、練り直し、さらに続きを書き、まとめた上で出直してきます。
スレ汚し本当にすみませんでした。
704名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 20:39:25 ID:zpaBYqBn
執筆者として、
読者を驚かせたいと言う気持ちと、
不快な思いをさせたくないって考えの間で揺れているところを想像すると、
なんだか可愛らしく思えてこないか? 孤独の人が。
705名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 20:52:05 ID:eHcGY9ts
可愛いからこう言ってしまいたくなる

続き……まだ?
706名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 21:11:20 ID:7YxIu7r4
悪い人じゃなさそうだけど、不器用っぽいひとだと思うよ。
和むかどうか、反応の分かれやすいところだろう。
俺としては、反応多いんだから、いい加減注意書してーと。
707名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:29:42 ID:EDV5SStU
黙って読めよ。
文句ばっか言ってもしかたないじゃん
708名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 23:37:54 ID:ad3zsuoI
>>707
そういう書き込みすると周りから文句が出て荒れる元になるからやめようぜ
偉そうな書き込みしてすまんね
709名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 00:34:40 ID:+v+Eocfo
とりあえずみんな裸に正座でwktkしとこうぜ
710名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 03:06:33 ID:oHYh0KWk
>>709
せめてネクタイくらいさせてくれ
711名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 03:31:26 ID:7WCFWJ2D
>>709ヤクーツクにいる俺はどうしたらいいんですか?
712名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:32:59 ID:ZxtpqZrW
前回投稿文を見直しし、修正したうえで一区切りつけました。
皆様の食指に合うか不安ですが投稿させていただきます。
713名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:33:19 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記1〜

 その日は急に、何の前触れもなくやって来た。
遡ること半日前、沼地を歩いていたボクに突如、見たことも無い雷が当たった。
あれがすべての始まりだった

「うーん・・・頭がすごく痛い・・・・さっきのあれは一体・・?ううっ」
体調がものすごく悪い。あたりを見回すと夜。場所はどうやら雷を浴びた場所から移動していないようだ。雷は明るい時におちてきたから、
つまり、半日もこの場所で気絶していたことになる。
だがボクにはそんな事よりも、自分の身に起こった<変化>の方が遙かに深刻だった。
「寒い・・ううっすごく寒い!こんな事今まで無かったのに・・それに暗くってすぐそばしか見えない!」
何が何だかもうわからなかった。
「・・何だか足が前と後ろで形が全然違う!?前足の方は感覚が鋭くなっている。本当にどうなったんだ、ボクの体は・・・」
その感覚の鋭くなった、かつての前足で体のあちこちを触ってみる。前の体ではけして出来なかった事だ。
まず頭。額には固い突起があるのが確認できた。
「良かった・・角はまだあるんだ・・・。」
次に顔を触るが正直どこがおかしいのか解らないので、徐々に手を下の方へ。喉を過ぎて胸の辺りでまた異変に気づく。
「何だろうこのふにゃふにゃは?二つあるけど・・前から付いてたのかな?」
胸に付いているそのふにゃふにゃ。触り心地が面白いので、揉み続けてみるとなんだか変な感じになってきた。
「・・・何だろうこの感覚。段々感覚が鋭くなってくるみたいだ。・・ちょっと気持ちいいかも。」
しかし、触っていても状況は打開しないので、少し名残り惜しいがまたどんどん触る場所を下へ。胸を過ぎ、お腹を過ぎついにあの場所へ。
「あれ?こんな場所に毛が生えてる?その下は・・・割れてる?どーしよう?どこか切っちゃったかな?どうなってるんだろう?。」
その場所を深く知ろうと<前足>だった物で、まさぐった瞬間強烈な刺激がボクを襲った。
「っん!な、なんだ!?今の電気が走ったような感じは!」
もう一回その場所を軽く擦る。するとやはり何かが腰から頭へと駆け巡る。その刺激に思わず体がビクッとなった。自分のではないような変な声が漏れる。
さらに<前足>を奥へと動かす。穴のような物がある。そしてその場所も先程までとは行かないが、似たような刺激があった。
「この場所は危険だ。ここを調べるとボクおかしくなっちゃう。」
本能でそれを感じ取り<前足>をさらに下へ腿を通り、膝を通り、かつての後ろ足の先へ。
それにはかつての後ろ足の面影はもはやなく、足の先は5本に分かれていた。
「ボクの後ろ足こんな形だったのかなあ?前はもっと堅かった気もするけど・・・。」
はっとなり前足2本で体をくまなく触るとさっきの敏感な場所のさらに先の、体の裏側に尻尾は付いていた。
頭にはちゃんと髪もある。だが背中の半分まで垂れ下がっているそれは以前のように光輝いてはいなかった。

714名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:34:20 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記2〜


目を覚ましてからここまで約40分そろそろ移動しようとした矢先に新たな問題が発生した。
立てない。いつものように4本足で立とうとするが全くうまくいかない。それでもどうにか立ってみせると、何だかこの体勢が苦しい。
特に尻尾があったあたりがすごく窮屈な感じだ。その体勢からいろいろ体を動かすこと20分。
どうやらこの新しい体は後ろ足2本で立った方が、都合がいいらしい。
「こんな姿仲間に見られたら、なんて言われるか・・・。情けない恰好だなあ。」
泣きべそをかきそうになりながら、ようやく立つことが出来たので辺りを調べることに。
しかし、この体は歩きにくい。沼地の泥が何だか気持ち悪く感じるし、小石でも踏もうものなら、今まで感じたことの無い痛みが走る。
「あた!?つ〜痛い!またやっちゃったよ・・」
さらに体についていた泥が乾きだし、容赦なく体温を奪う。
10分ほど歩いた所でボクの精神は限界を迎えてしまった。
何だか急に眼から水が出てきて止まらなくなった。
「どうしてボクがこんな目に?」泣きながらそれだけを繰り返し考えていた。

 ガサッっと向こうの方で音がした。でもボクはまだ泣いたままだった。
音がどんどん近付いてくるのに気づいた時にはもう手遅れだった。
目の前に現れたのは3匹の赤い生き物。普段沼地でよく見る生き物だ。
普段はこちらに目もくれない彼らだが、今日は何かが違う。まるで餌でも見つけたような形相だ。
と不意に1匹がボクに噛みついてきた。ボクは避けようとしたが、いつものようにはいかず、左<前足>に牙の端が当たってしまった。
「っ〜!」痛すぎて言葉にならない激痛だ。
「まずい・・このままじゃ、ボク食べられる!逃げなきゃ!」
ボクは必死で走った。前の体なら全然疲れないしとっくに振り切ってもいい筈なのに、
振り切れるどころか追いつかれそうだ。それに何だかもう息が上がっている。あの二つあるふにゃふにゃが走るたびに揺れて
もすごく邪魔だ。ボクは頑張って逃げたが、ついに疲れてその場に倒れこんでしまった。全身の力がどんどん抜けていく。
どうやら噛まれたときに何かされたらしい。
もう駄目だと思った。こんな事が頭をよぎった。「散々な1日だったけど、ある意味らしい終わり方かも。短かったな〜ボクの命。」
そう覚悟した。そしてボクはあの人と運命的な出会いをした。
715名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:35:01 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記3〜


覚悟を決めて諦めた次の瞬間、ぼくと3匹の間に何かが投げ込まれ
「目を閉じろっ!!!」
の掛け声とともに何かから強烈な光がばらまかれた。
そして風のようにボクと3匹の間にその人は入って来て、
「おう、嬢ちゃん大丈夫かい?話は後だ少し待ってくれよ。」
そう言うと再び風のように駆けて行き、3匹に背中の巨大な物をぶつけていく。
3回「ビタンッ!!」っという大きな音がすると後に残っていたのは、気絶した3匹だった。
銀色の物に身をくるんだその人は、巨大な物を背中に担ぐとボクの方へやってきた。
怯え、震えながら見上げる僕を見るとその人は
「毒にやられてるな・・急ぐからもってくれよ!」と言うと
ボクを<前足>で持上げて抱きかかえ、そのまま移動を始めた。
このときのボクにはもう逆らう余力も返事をする気力も無かった。

 気がつくとボクは何だか柔らかくて、暖かい物に包まれていた。
体にも何だか薄い皮みたいな物が身につけられていた。
あたりを見回すと、ここは沼地ではなく周りが木で出来た洞窟のようだった。
「お、気づいたか。」
声がしたのでそちらを見ると、さっきとは違う格好の人間が木で出来た物に乗っている。
「人間だ!逃げなきゃ、殺される!」
そう思い、動こうとするが体に力が入らない。力を込めた<前足>も痛む。
「よせよせ、イーオスの毒にやられて2日も眠ってたんだ。あと2日は安静にしてろ。」
そう言うと動いてズレた柔らかいフカフカを元の位置に戻してくれた。どうやらこの人は大丈夫そうだ。
そう思って安心するとまた眼から水が出てきた。
「どうして、・・どうしてこんな事に・・」 口からこぼれたその言葉を聞いたその人は
「なんだよ嬢ちゃん、喋れんのか。変な体に裸であんなとこにいたから、もしかして危ないやつかと思ったけど、これで安心したよ。」と言った。
それをよそに泣き続けるボクにまたまた異変が!お腹から音がする!ぐ〜っていう音がお腹からする。
何か他の生き物が中にいるみたいだった。心配になったボクは、
「あの・・この音・・・ボクおかしくなったの?」
と恐る恐る聞いてみた。するとその人は何だか楽しそうに声をあげながら
「それは、空腹って言ってな、嬢ちゃんが生きてる証拠だ。ちょうどいい飯にしよう。」
そう言うとその人はボクに近寄ってきて
「それじゃ、また失礼するよ。」と言ってぼくを持ち上げた。
その人はボクをまるで包むように抱きかかえる。何だか安心感があって、暖かくってずっとこの状態でいたかった。
ボクは知らないうちにこの人の身に付けているものを掴んでいた。

 いい匂いがたくさんするところへ運ばれて、ボクは木で出来たもの、
さっきまでこの人が乗っていたのと同じもの上に降ろされそうになった。
ボクはこの人から離れたくなかった。でも口に出して言うのは何だか怖い
だからボクはぎゅ〜っと掴んだ<前足>を 離さなかった。するとこの人は
「なんだ、このままがいいのか?」と聞いてきた。
ただうなずきたいのに、何だか体が言うことを聞いてくれない。
胸がドキドキしてきて、顔が熱い。やっとの思いで小さくうなずくと、何だか顔を隠したくなった。
716名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:35:41 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記4〜



その人はボクを抱えたまま、木で出来た物に乗るとこれまた木で出来たでっかい丘の上に有る金色のものを2回叩く
「チン☆チン☆」と音が鳴ると奥から小さくて、赤い毛の生き物が出てきた。
「紹介しようこいつの名前はシンバ。この家の料理を任せている、アイルー達のリーダーだ。体は小さいが役割は大きい頼れる家族だ。」
そのアイルーはボクを見て
「ご主人さまやったニャ!ついにお嫁さんを見つけたんだニャ!?しかもこんなかわいいお嫁さんをもらうなんて!オイラは感動したニャ!!今日はオイラの奢りニャ!!」
と騒ぎ出し、大急ぎで奥へと帰って行ってしまった。
「あの・・お嫁さんってなに?・・・アイルーってどんな生き物?」聞きなれない言葉ばっかりだったので聞いてみることに。
「・・あの野郎余計なことを。・・・うーんそれについては飯を食べた後にゆっくり話すよ。今は飯が優先だ。もう少し待ってくれ。すぐに食べ物が来るから。」とボクに言った。
その時の顔が何だか見ていて気持ち良く、ボクは思わず掴んでる<前足>に力を入れてしまった。
料理を待っていると、急にその人がボクの頭をなで始めた。急だったので少しびっくりしたが、何だか気持ち良かった。
「いやー君があんまりにもかわいいから、何かをせずにいられなくてね〜。もしかしていやだった?」と聞いてきたのでボクは全力で首を横に振った。
だけどすぐに手が止まった。ボクは物足りないので、自分で頭を動かしてみた。
するとまた手が動き始めた。うれしくなってつい声が漏れる。
「えへへ〜☆」嬉しそうにしているとこの人は
「もっとなでてほしいのか?全く甘え上手な奴だ。」
とさっきの顔で言ってきた。その顔を見ていると本当に安心する。
離れたくない。ボクは掴んでいる<前足>にもっと力を込める。
「あの、頭に付いている角も・・・同じように触って・・」と言うと
頭と角どっちも撫で始めた。これは反則だ。気持ちいい。ずっとしてほしい。何だか顔が緩む。
「やっぱりこれ飾りじゃなくて体の一部なのか?本当に変わった体しているんだな。」と言われたので、小さくうなずく。
何だかあのふにゃふにゃや、ビクッとする場所を触っている時と同じ感じになってきた。
でも不思議と怖くない。むしろもっとあの感じが欲しいとさえ思った。
そんな事をしているといい匂いが近づいてきた。どうやら<料理>とやらが出来たらしい。
717名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:36:50 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記5〜


 <料理>は食べたことのない味だった。食べるごとに体が温まり
何かが満たされていく。自分で食べたいところだが<前足>が痛くて物がつかめない。
かと言って掴んでる<前足>は離したくない。うまい方法が見つからなくて「む〜」っとうなっていると、見かねたレオンが「全くしょうがねーな。」と言って
食べ物を口まで運んでくれた。まだ力が入らず硬くて噛めないものもあったが、そう言ったものは口の中を見せると、
口をつけていったん取り出し、柔らかくしてからまた、口をつけて戻してくれた。
口がつくたびに、食べる時とは違う何かが満たされていく。
「この気持ちは何だろう?でも・・嫌じゃ無い・・」ボクは自分がさっきこの人がしたのと、
同じ顔をしている事に気づいてなかった。

 食事が終ると、さっきのフカフカのある場所へ戻ってきた。
ボクはまだ離れたく無かったから、掴んだままの<前足>を緩める気にならなかった。
それを見たレオンは困った顔をしながら、
「しょうがない嬢ちゃんだな全く。わかったよ。一緒に<布団>に入ってやるから離してくれ。」といって一緒にフカフカの中に入ってくれた。お互いに顔を合わせてフカフカに入ってるが、何だかレオンの顔が近くてドキドキする。

フカフカに入るとボク達はお互いの事を話し始めた。ボクの体のいきさつ。この人の事。
さらにこの世界について。ボクの新しい体、<人間>について。
さっきから<前足>と呼んでいる部分は、どうやら手という名前らしい。
ここはゼルス村という名前で、ボクがいた沼地を抜けた所にある山の中腹にある村で、
ボクを助けてくれたこの人はレオンと言い、この村唯一の常在ハンターだ。

「そうか。そんな事があったのか。そいつは辛かったな。でもそれでその不思議な体にも納得がいったよ。・・・なあずっと気になってたんだが、ひとつ聞いていいか?
何で言葉が話せるんだ?」
自分でも不思議だ。「わかんないよ。気がついた時からたぶんこうだったと思う。」
「そうか。なら聞いてもしょうがないな。それより君についてだけど麟 麗(リン レイ)、君はキリンと呼ばれている生き物が転生した者である可能性が一番高い。」
「そうなの?・・転生って何?」
「その生き物が魂や心はそのままで別の生き物に、生まれ変わることさ。君の場合は人間だったみたいだけどね。」
「はあ。そうなんだ。うーん・・・なんだかあまり感じないなあ。」実際に実感なんてものは無い。
「でも俺から見ると、外見はまんまキリンと人間くっつけた感じだぞ?銀の髪、赤い瞳、額の蒼い角、腰の尻尾。」
「レオンがそう言うならきっとそうなんだね。ボク、レオンの言うこと信じるよ。」今のボクにはそれしか出来ない。でも、もし例えそれ以外が出来たとしても、ボクは今の選択肢を選んだと思う。

718名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:37:51 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記6〜



「俺も正直最初は君の体を見てびっくりしたけど、だいたい事情は読めてきた。君は、初対面の俺の事を信用してくれているみたいだから、こちらとしても助かるよ。
もっと嫌がるかと思ったんだけどな。まあ、力になれて嬉しいよ。」そう言ってレオンは笑いかけてくれた。
「ねえ、レオンは何で僕にここまでしてくれるの?どうしてあの場にいたの?」
「君がうたれた雷について調べてたんだよ。村の人が怯えちゃってね。別に深い意味や目的は無かったよ。そしたら目の前に、襲われて死にかけた人がいたから助けた。それだけだよ。」
レオンの言葉から温かい何かを感じた。その感じを表現する言葉をボクは知っている。
「レオン優しい。レオンとこうしてくっついていると安心する。気持ちいい。・・ねえ、頭撫で・・」そう言い終えるよりも早く、レオンは頭を撫でていた
「君は・・麟は本当に甘え上手だな。本当に何でもしてあげたくなるよ。・・・でもいいかい?これから他の人の前に出る時、それも大勢の人の前ではむやみやたらにその角や尻尾を他に人に見せちゃいけない。」
半分好奇心でこんな事を聞いてみた。
「もし見せたらボクどうなるの〜?」帰ってきた答えの内容が怖かった。聞かなきゃよかった。
「うーん何をされるかわからないね。何処かに連れて行かれて、解剖されるたりもするんじゃないかな?そうなった場合二度と会えないかも・・」想像しただけで震えた。
「そんなのヤダ!せっかくレオンと会ったのに二度と会えないなんてヤダ!!」ボクは泣きじゃくった。そんなボクをやさしく撫でてレオンは言う、
「ははは、麟は大袈裟だな。大丈夫だよ。もしそんな事になっても、おれが麟を全力で守るよ。絶対にね。」
「じゃあレオンはずっとボクと離れないでいてくれるの?」そう尋ねると、
「麟さえよければね。そのためには人間の事もっといろいろ勉強しなきゃいけないよ?そのためには
今は休むこと。わかったか?寝付くまでは一緒に話をしてやるから、ちゃんと寝るんだぞ!」そう言ってレオンはボクの髪を優しくとかす。
「うん。レオンの言うとおりにするよ。どんなお話しする〜?」
「そうだな・・・麟の前の体について聞いてないから聞きたいけど、その前にその頭の角どうにかならないか?危なっかしくて気になるんだが・・・」
「あ、レオンごめんね!今すぐしまうから!!」ボクは角を髪に変えて前髪に紛れさせた。
「!!!!麟、角ってそう言う風になるのか?!!」レオンがびっくりしている。
「そうだよ〜。ありゃ?知らなかった?」
「そりゃそうだよ。世界のどこ探したってキリンと仲良くなった奴なんて、いないって。・・・麟と話ししてると自分の常識って奴がいかに狭かったか思い知らされるな。」
「そう?ボクの目の前に一人いるじゃん。すごく仲良くなってる人。」レオンはあきれ顔。
「・・・話を元に戻そう。麟ってどこで生まれたか覚えてるか?」
「うーん、どこかは分らないけど、気がついたら赤くていつも明るくって暖かい場所にいたなぁ。」
「そりゃたぶん俺たちが火山って呼んでる場所だ。この辺でいちばん近い火山はグズルス山だと思うけど、なんで沼地にいたんだ?結構距離あるぞ?」
「それがね、ある日地面とかから赤いのがドバーって出てきて、地面の形とか変わっちゃってね、住みにくくなったの。だから引っ越ししたの。」
「・・麟ちょっと待ってくれ。・・・たしかあの山が最後に噴火したのって100年も前だぞ!?お前そんなに長生きでそんなに若いのか!?」
「さあ〜、時間がどれだけたったなんて気にならなかったよ、測る物も無いし。周りに同じ種族がいなかったから、自分が若いとかも分んなかったな〜。」
「信じられん・・・俺よりずっと長生きなんて・・・」レオンは何だか遠くを見るような目だ。
「・何だか驚き疲れた・・・麟が寝てから別のベッドで寝るつもりだったけど、ここで寝るよ。
朝そばにいなかったら騒がれそうだな。そうなったらずっと服離さないかもしれないからな。」
当たってる・・・心の中で思った。
「良かったぁ。レオンと一緒うれしい。・・さっきから少し気になってるんだけど、
レオン〜この足の間らへんから出そうになってるものって何?」
レオン「!?ちょ、麟?待て!それまだ出すなよ!」そう言うとレオンはまた僕を持ち上げて、別の場所に移した。

719名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:38:50 ID:ZxtpqZrW
特殊生態系体験記7〜



その場所はトイレというさっきよりもずっとせまい場所だった。
「麟・・一応確認するが使ったことあるか?」
「無いよ〜。・・レオンこれどうやって使うの?」
「その上に来ている物を脱いで座って、出したい物を出すだけだ。おっと尻尾に気をつけろよ?中に入れちゃだめだぞ?」
「じゃあ、レオン脱がせて〜。ボク初めてだし〜。」なんだかレオンの顔が赤い。
「・・・麟は自分がものすごくかわいい女の子だって事をもう少し意識する必要があるようだな。」
レオンはボクの服を脱がせながらつぶやいている。言われたとおりに尻尾に気をつけながら座る。
「これで終了だ。後は出したい物を存分に出せ。おれは外で待ってるから。」レオンは何だか戸惑ってるようだったけど、そんな事はお構いなし、
「レオン・・・・初めてで恐いよう、一緒に居てよレオン・・。」そう言うと
「・・こう来ると思ったよ。さあ早いとこ出しちまいな。あんまり人に見てもらうもんでもないしな」と言って頭を撫でてくれた。
それで気も体も緩んだのか一気に水と大きいものが出てきた。それと同時に変な臭いもしてきた。
「う・・・レオンこの臭いは何?なんだか気分が悪いよ〜。」
「そりゃそうだ。これは排泄物と言って体の中で出来たゴミだから臭くて当然だ。」
出し終わると、今度はレオンが手に紙を持っている。
「ここまで来たら、やけくそだ。麟、拭いてやるから動くなよ?」そう言ってレオンは大きいものが出てきた所にそれを当ててこすり始めた。
「!??!!!?レオン!?何してるの!?」
「何って、汚くなったところを拭いてるんだよ。今出てきたのは麟にとってもう用が無い、汚いものなんだ。それをそのままにすると、いけないからこうやって拭くんだ。」
麟にとってこれまた新しい刺激だった。出口をレオンがぐりぐりするたびに何だか、体がビクッとなる。
2〜3回こすって新しい紙へ、という動作が続くうちに後ろは終わり、次は前。こっちは2回擦るだけだったが、2回目で問題発生。 あの部分を擦ってしまい、思わず声が出た。
「ひゃあ!」腰から電気が走る。何だかまた胸と顔が熱くなってきた。
「どうした?痛かったか?」と慌てて聞いてきたので、
「・・気持ちいい・・」隠さずに素直な気持ちを言ってみた。もっと触って欲しい。レオンの大きな手で。
「うーんこりゃ本格的にいろいろ教えないとだめだな。ってかもうそんなもん知っちゃったのか?見た目によらず淫乱だなぁ。」
「うん・・でもレオンが触るとここすごく気持ちいいんだよ?・・・」頭がぼーっとする。
「そのまま、もう少し我慢してくれ!さっきの部屋でいろいろ教えてやるから。」
急いでボク達はフカフカのある部屋へ戻った。
720名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:44:48 ID:ZxtpqZrW
〜特殊生態系体験記8〜



「いいか麟。その場所は麟にとってすごく大切な場所だ。だから一番大切な人と自分以外に触らせたり、
見せたりしちゃだめだ。特に麟はすごく珍しいから、そんな事したらすぐにめちゃくちゃにされちまう。
おとといのイーオスに噛まれたときよりももっと痛い事をされちゃうんだ。そんなの嫌だろ?」
正直イーオス云々よりレオン以外がボクのあの場所を見るって言葉の方が何倍の頭に残った。
「わかったよレオン。ボク、レオン以外に見せないし触らせない。レオン以外にしてほしくない!」
「よーし、いい娘だ!その調子だぞ!」
レオンは頭をポンポンっと軽くたたいた。これもやっぱり気持ちいい。もうレオンが何しても気持ちがいい気がした。
さっきからずっと続いているあの場所のうずうずに拍車がかかる。
「・・じゃあレオン、ボク今レオンが拭いてくれた場所、すごく触ってほしいけど、
これはだめなの?レオンはボクにとって一番大切な人だよ?」さっきから一つの事しか頭に浮かばない。「レオンに触って欲しい。」
「麟、俺の話聞いてたか?」レオンは困った顔をしている。
「聞いてるよ。それよりレオンは触るの嫌?ボクのここ触りたくないの?」その間にもどんどんうずうずは膨らむ。
ふと、ボクの足をどこからか出てきた、暖かい水が伝っていく。ボクの体は心よりもずっと先に、大人になっていた。
「そりゃ触りたいよ!麟のそこ触りたく男なんているわけない。少なくとも俺の好みはすべて含んでるし、きっと他の奴も同じだ。」
「本当に!?好み沢山入ってるんだよね?じゃあレオンはボクの事好き?」
「好きだよ。でも好みがたくさん入ってるからだけじゃあない。麟は甘え上手だし、顔もかわいいし、性格も素直で明るいし、その上胸もあってスタイル良いいし。好きな理由あげたら切りがないよ。」
「・・じゃあなんで触ってくれないの?早く触ってよレオン〜。ボク我慢の限界だよ〜」ボクは何だか泣きそうだった。
「・・・わかったよ。わかったからそんな目で人を見るな。何だか麟に悪いことしてるみたいに思っちまう。したらすぐ寝るぞ。」そう言ってレオンは手でボクの体を抱き寄せた。
「いいか痛くなったらすぐ言うんだよ?無理はしちゃだめだ。ただでさえ麟は弱ってるんだからな。」レオンはボクの事を本当に気遣ってくれている。そんなレオンだから、ボクの大事な場所を触って欲しい。
まだ出会ってちょっとしか経ってないけど、ボクはこの人とこれからずっと一緒。理由は分らないけどそんな予感がした。
「じゃあさわるぞ。」「うん・・・いいよ・・」
ボクの服の中に手をいれ、あの場所を触ったレオンが一言。
「うわっ!びしょびしょじゃねーか!?・・・ごめんな麟。こんな状態じゃ我慢するのきつかったろう?今すっきりさせてやるからな。」そう言ってレオンは、手を動かし始めた。
「んっ・・はぁ・・ふっんん・・あ・ん」レオンの指がボクのあの場所の割れ目をなぞる度に、ボクの口から声が漏れる。
「ん・・気持ち・いいっ・・あ、あ・・はぁんっ」何故かこの声をレオンに聞いてほしく無かった。けど声を押し殺そうとしても、漏れてしまう。
顔も出来れば見られたくないけど、ベッドの上は狭い。行き場のない顔をボクはレオンの胸にうずめた。
「んん!!はぁ、あ、あ、ああ・・うんんっ!んく・・ひゃぐっ・・ん〜っはぁ」レオンが触り方を変えた。
ボクの敏感な場所、あのビクッとなる小さな出っ張りを何度も擦る。何度もボクの体を気持ちいい刺激が、腰から頭へ駆け巡る。
刺激が重なる度に大きな声が出る。息が荒くなる。何かが出そうになる。そして・・レオンの事をどんどん好きになる。
「?!はぁ、んっはぁ・・はぁ、レオ・・ンん〜っ、あ、あ・・ボク・おかしくなっああ!・・・おかしくなっちゃう・っん!」何かが頭とあの場所から、出る寸前だ。
でもレオンは手を緩めるどころか激しく動かす。そしてついにボクは限界になった。
「あ、あ、あ、あ、出るっ!!レオン〜出るっ!出る出る出る〜っ!!!はぁ、な、何か出ちゃうよ、来ちゃうよ〜!!あ、あ、あ、ッーーーー!!!!」
とうとうボクの頭に何かが来た。それと同時にボクはあの場所から勢いよく水を出した。少しの間出るのが止まらなかった。
出るのが止まると、次は体のガクガクが止まらない。レオンへの好きも止まらない。
ボクの頭は真っ白。その中にレオンの事だけがある。どうしよう、本当に大好きだ。
ボクは体の力を振り絞って呟いた。
「・・・レオン、大好き・・ずっと一緒・・・・」ボクは目を閉じた。こうしてボクの人間としての一日が終わった。
721名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 05:50:21 ID:ZxtpqZrW
今回分はこれで終わりです。皆さんのハイレベルSSには到底かないませんが自分なりに頑張ってみました。
麟はもともとツンデレにする筈だったのですが、自分の願望が独り歩きしてしまい、デレデレになってしまいました。
よければ、これからも続きを投下したいと思いますので、どうか長い目で見てやって下さい。
ではおやすみなさい。
722名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 13:46:51 ID:GN1ydEZP
業務連絡:まとめwikiに6スレ目保管完了
またスレ別作品保管庫一覧に「直接投稿」の項目を設けました
wikiへの直接投稿作品はひとまずここに分類しておこうと思いますので
アクセス規制などでスレに投稿できない場合には是非ご利用ください
723名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 14:54:21 ID:t329janU

いつもご苦労様です。
724名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 23:55:20 ID:kdWFCCzL
とりあえず、改行を入れてくれないと読みにくくてしょうがない
それとエロシーンが何かこう・・・・出来損ないの同人誌読んでる気分だ
725名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 12:54:01 ID:qFeKdZCk
春休みだなぁと思わせる文章ですた
726名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 16:08:38 ID:v6VDpMju
出来れば一人称をボクじゃなくてわたしとか
普通のにしてくれないか
たまに誰が喋ってるのか訳分からなくなる
こだわりなら良いけど
727孤独を知らない男:2008/03/17(月) 21:57:42 ID:8Obgzzlp
今回はちと長いですが非エロです。
視点が二度ほど変わりますので、読む際は御注意を。
 
それでは『孤独を知らない男』第六話投下いたします。
 
 
 
『孤独を知らない男』:第六話
 
 
 
灼けるような太陽の下を自由に行動できる生物は少ない。
ましてや、熱を帯びやすい砂漠という地形ではそもそも生存可能な生物も少ない。
水分もなく、ただ茫然と見渡す以外にない広大な大地。
ここで生活できない生物は、この場所を地獄と呼ぶ。
しかし、僕らはここが天国だと思っている。
ここは僕らに与えられた土地であり、この土地は僕らが生きていく事を許してくれた。
まさしく砂漠に住まう者にとっては、この砂漠こそが寛大な神なのだ。
 
でも、稀にこの砂漠を嫌うものもいる。
僕の姉さんなんかは、たぶんそうだった。
姉さんは優秀なリーダーだったけど、いつもどこか上の空だった。
そしてその表情は、一体なにを考えているのか?と本人に訊ねるのを躊躇わせた。
訊ねたが最後、姉は今にも全てを捨ててこの土地を飛び出しそうに思ったのだ。
リーダーという責任と地位のある立場でいなければ、
もっと早くに彼女はここを飛び出していただろう。
 
ある日姉さんは、僕に一つの告白をした。
いつも僕らの狩りを手伝ってくれていた人間の事を好いてしまったというのだ。
僕はそれはそれは天地がひっくり返ったかと思ったほど驚いた。
やっと年頃となった姉との結婚をかけた、雄同士の戦いが始まる時期が迫っていたし、
なにより相手は、いくら親しくとも全く別種族の人間なのだ。
ダイミョウザザミの長老から人間になる方法を教えてもらったと言っていたが、そういうことは問題ではない。
僕は全力で、その恋慕を遂げることに反対した。
 
しかし、今思えばそれが良くなかったのかもしれない。
僕が反対したことによって、姉さんは吹っ切れてしまったのだと思う。
退路を断ち、自分を追い詰め、覚悟を決めてしまう。
姉自身が無意識の領域で行ったこととは言えど、僕はその計略にしっかり嵌ってしまったのだ。
彼女の恋を容認していれば、姉は罪悪感を認識して行動には起こさなかっただろう。
でも、僕はまだそういった事には疎い年齢だった。
僕は早熟で交尾の経験はあったけど、そういった感情をまだ知らなかった。
僕の反対を受けて彼女は俯き、聞こえるかどうかという小さな声で、群れを僕に託すことを告げた。
 
そして告白の日の夜、狩りを終えて後、姉さんは姿をくらました。
 
姉さんの失踪から一ヶ月。僕は砂漠を巡回している。
そりゃあ当然、群れに混乱はあった。
狩りの後、いきなりリーダーが何も言わずに姿を消したのだ。
しかし「リーダーがいなくなった」との報告を受けた瞬間に、僕は全てを理解した。
そうなっては、もう姉さんに関して僕ができることは何もない。
僕は、ただ僕にできる事をやるしかなかった。
直ぐさまリーダーに就任した僕は群れの混乱を抑え、
すっかり姉に対して欲情してしまっていた雄には、夫を戦いで失った寡婦の雌をあてがった。
そうして混乱は収束し、やがてリーダーとしての僕の働きも軌道に乗ってきた。
 
728孤独を知らない男:2008/03/17(月) 21:59:22 ID:8Obgzzlp
「ギァッ」
 
そんな時の巡回中に、聞き覚えのある声が僕の耳に届いた。
まさかと思って振り向くと、そこには人間の女性が立っていた。
濃い赤茶色で修道服のようなロングローブは、常にあの男が身に着けていたもので、
その声と、全体からにじみ出る雰囲気は、僕に一つの予感を呼び起こさせた。
 
『姉…さん…?』
『一ヶ月ぶりだね…』
 
女性は、力なく微笑んだ。
間違いない。これは姉さんが人の姿になったものだ。
あのダイミョウザザミの爺さんが言った通り、本当に人間になったのだ。
 
でも、僕はなんと声をかけていいか分からなかった。
姉さんの性格はよく知っている。
泣き虫で甘えん坊のくせに、一度決心したことは決して曲げようとしない。
そんな姉さんが敢えてここに戻ってきた理由を鑑みると、とてもこちらから話し掛ける気にならない。
それに姉さんの表情と雰囲気は、どこか悲しげだった。
 
『戻って…来ちゃった…』
 
弱々しいその声に、僕はハッと我に返った。
疑う余地はない。姉さんとあの人間との間になにかがあったことは明白だ。
姉さんを巣に連れて行こう。姉さんは僕達に対して罪悪感を抱いているだろうし、
彼女はもう群れの仲間でもなく、同じ種類の生物ですらない。
でもどうなろうと、姉と僕は同じ家族であったのだ。
群れとしての家族意識が強い僕らなのだから、こんな時こそ助けてやらねばならない。
 
『取り敢えず、巣へ行こう。
 みんな姉さんのこと心配してたから。』
『………うん…』
 
僕の提案に姉さんは少し躊躇したようだったけど、やがてゆっくりと頷いた。
そして僕と姉さんは歩き出す。僕が彼女を先導しつつも、離れ過ぎてしまわないように。
 
 
 
巣の最奥。群れのリーダー専用のスペース。
僕はそこに姉さんを案内し、座り込むように蹲った。
姉さんは既にへたり込むようにして座っているので、
僕の方から、姉さんと相対するように座ったのだ。
 
『……………』
 
姉さんは座ったまま、やや視線を落として自分を抱き締めるように腕を組んでいた。
その体が小刻みに震えているように見えるのは、決して気のせいではない。
原因は、ここに来るまでにいた仲間たちの視線だ。
巣の最奥に来るまでには、ほぼ全ての仲間たちの横を通り過ぎなければならない。
そして僕らの種族はとても勘が良く、みんな一目で彼女が前リーダーであった事を見抜いただろう。
しかし、見抜いたとは言えその事情は全く知らないのだ。
失踪した前リーダーが、現リーダーに連れられて巣に戻ってくる。それもすっかり変わり果てた姿となって。
そしてその驚愕の視線は、もちろん姉さんそのものに注がれる。
そこに悪意はないだろうけど、それだけでも姉さんの罪悪感を刺激するには十分だった。
いたたまれなかったことだろう。みんなの視線が苦しかっただろう。
自分は群れを捨てたのだ、という事実が彼女の上に重くのしかかった事だろう。
仲間達はそれよりも、姉さんが人間になっている驚きの方が遥かに勝っているのに。
 
729孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:00:30 ID:8Obgzzlp
『…大丈夫かい?姉さん。』
『…ッ!』
 
姉さんの体がビクリと震えた。
みんなの視線の下に晒してまでも、僕が姉さんをここに連れてきた理由は二つ。
一つは、とある事情で巣以外の場所がとても危険であること。
一つは、この最奥のスペースにはリーダーである僕の許可なくしては誰も入れないこと。
みんなが姉さんに詰め寄って、彼女の精神を追い込まないようにしようと思ったのだ。
 
『ごめんね…』
 
俯いたまま、彼女は震えた声で僕に向けて謝った。
一体一でもこれなのだ。大多数に詰め寄られてしまえば巣を飛び出しかねない。
泣き虫で甘えん坊のくせに、へんに責任感が強いところもあるのだ。
だから、姉さんは優秀なリーダーだったのに…
 
『いいよ。みんな上手くやってるし、とても幸せだ。
 産卵の時期も近い…今年再婚した女性たちは、みんな新しい子供を身籠って嬉しそうだよ。
 姉さんにぞっこんだったあいつも、ようやく相手を見つけて喜んでた。
 ………上手くいってる。だから心配しなくていい。』
 
目を細め、優しく語りかけるように僕は言った。
 
そしてとうとう、姉さんは泣き出して僕に縋り付いてしまった。
蹲る僕の体に抱きつくように縋る姉さんはまるで赤子のようだった。
本当に泣き虫なんだから……
 
『大丈夫…大丈夫だよ姉さん…
 だから、いったい何があったのか話してほしい。
 僕らは家族だ。悩みがあるなら相談してほしいな。』
 
僕は彼女を引き剥がすことはせず、抱きつかれるに任せた。
すっかり立派になったトサカを揺らして姉さんの頭に鼻をすり寄せ、
安心させるように細く小さく鳴いてやる。
姉さんがどうしてここに来たのかは分からないけど、
僕らには想像もつかない事が起こったから、あの姉さんが今ここにいるのだろう。
なら僕は弟として、そして群れのリーダーとして彼女を受け止めてやるべきだ。
 
姉さんは、少し落ち着き始めた頃にぽつりぽつりと話をし始めた。
 
730孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:01:26 ID:8Obgzzlp
 
どうして私は里帰りなんてしたんだろう。
ここに到着して弟の言葉を聞くまではとても心が苦しかった。
一人だけでここに来るのはとても不安で、なにより怖かった。
でも…私は少し自暴自棄になっていたのかもしれない。
群れのみんなに拒絶されて喰い殺されても、
或いは角竜に遭遇して突き殺されても別にいいやと思ったのかもしれない。
それは、彼のためだけであった自分の体が穢されたこともあるだろう。
でもそれ以外の事実も、私にこの自殺願望にも似た感情を発生させたんだと思う。
 
それは──彼が私を愛していないこと。
 
彼はいつも私から一定の距離を置いて接していた。
今まで彼とは3度繋がったことがあったけど、どれも私から仕掛けたもの。
日常生活では、それは私を気遣ってくれてたけど…何故か愛情は感じなかった。
それよりも、寧ろ敬意や宗教じみた信仰や忠義心に近かった。
しかも私のことを「美しい」とは言ってくれたけど、「愛してる」と言ったことは一度もない。
でも、それは最初から押し掛けみたいに私が仕掛けてきたことだから無理ないかと思ったし、
私が彼を愛している事実と、いつか彼を本気で振り向かせるという決心があれば十分だと思っていた。
 
でも、あんな事があって………
その時でさえも、彼は私を「美しい」としか言わなかった。
「美しい」とは客観的な物言いで、その言葉は私個人よりも、
私の背負っている背景に向けて言っているように感じた。
もちろん、私が彼を愛している事実や感情に嘘偽りはない。心から彼を愛している…
 
だけど、彼の「美しい」という言葉を聞いた瞬間、私はとても恐ろしくなった。
もしかしたら、私と彼の関係はいつまでもここから先に踏み込む事はないんじゃないか。
彼は私の事を一生真剣に愛する事はないんじゃないか。
もしそうなれば…私のこの恋心もいつかはすり減ってしまうんじゃないか。
私はとても怖かった。同時にそんな事を怖がる自分を呪った。
やがて彼への愛が薄れていってしまう可能性を考えて怖がるなんて、私はなんという卑怯者だろう。
自分から好いて迫っておいて、彼が与えてくれないとなったら急に怖がり出す。
私はなんて弱虫で意地汚い女なんだろう。そう思った。
 
だから、私は逃げてきたのだ。
彼への愛が薄れない内に死にたかったのかもしれない。
それとも…彼が追ってくる事を期待していたのかもしれない。
どちらにせよ、私はほとほと自分が嫌になっていた。
 
でも、弟はそんな私を前のように受け入れてくれたのだ。
姿を変え、群れを捨て、自分の感情だけで男の下へ走った私を許し、慰めてくれるのだ。
こんなにありがたいことはない。
私は弟に縋り付き、泣いてしまった。
本当に、自分でも泣き虫だな、と思う。
 
そして泣き止み始めた頃、私は弟に全てを話した。
私と彼とのこと、生活のこと、起きた事件のこと、全て話した。
弟は私を受け入れてくれたのだ。私もそれに応えなければならない。
途中で泣き出さないよう、しっかりと意識して言葉を紡いでいく。
パーシェルとのことは…あんまり心配させないようにほんのちょっとだけしか話さなかったけど、
それだけで弟の表情が大きく歪んだのが見てとれた。
そして私は…自分の思っていることについても話した。
 
731孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:02:36 ID:8Obgzzlp
『……つまりあの男は、姉さんのことをなんとも思ってないのかい?』
 
弟の声に静かな怒気が篭り始めた。
パーシェルとの事件の流れから、彼が私を愛していないんじゃないかという主観を述べたのがまずかったのか。
 
『ち、違うよ。私のことは大事にしてくれる…
 私のわがままにも付き合ってくれるし、私をあの時受け入れてくれただけでも感謝してるよ。
 でも…何か足りないなぁって…私がもっとわがままに思ってるだけだよ。』
 
誤解を解こうと、つい饒舌になってしまう。
ここで弟が誤解して彼に襲い掛かってしまったら、とても悲しい。
どちらも私にとっては大事な存在なのだ。傷付け合う事はしてほしくない。
 
『姉さんは甘過ぎるよ…もっと相手から求めてもいいと思うな。』
 
弟は若干呆れているようだった。
でも、なんとなく弟と会って少しは気持ちの整理がついた。
群れを捨てたことに対する罪悪感はまだチクチクと胸を刺すけど、
彼に対する私のありかたについては、話すだけ話したら少しスッキリした。
 
『いや、いいよ…彼に対する気持ちが将来薄れちゃうとしても、
 私、やれるところまでやってみるよ。精一杯に彼を愛してみる。』
『…う〜ん…』
 
弟は釈然としないようだけど、私は思い出したのだ。
どうして私が群れを捨て、当人の意思を無視してまであの人に迫ったのか。
それはあの人に対する気持ちを、一生で一度だけでいいから聞いてほしかったからなのだ。
ここ一ヶ月の間、彼と一緒に生活してきて少し欲張りになりすぎてた。
確かに、愛してもらいたくないのか?と問われれば愛してほしいと答えると思う。
でも、そもそも私のわがままから全ては始まったのだから、彼と一緒に生活できるだけで良しとしよう。
私が彼を愛し、彼と共に生活できるというだけでも十分に幸運で幸福なんだ。
気持ちを偽るのではなく、割り切って考えよう。
まずは直ぐに家に帰り、自分の思いを全て伝えた上で彼に謝るのだ。
彼はきっと「そうか」と言って私の頭を撫でるだろう。それでいいのだ。
 
『そうだ!』
 
と、私が決心したのに、弟は急にとんでもない事を思い付いたのだ。
 
『姉さん暫くここで生活してみたらどうだい!?』
『…え?』
 
そんなことは、私は考えてもみなかった。
群れを捨てた私が群れの中に一日たりとて滞在していいはずがないし、
それは私の命とかよりも、群れの統制に関わることだ。
みんなは私を憎んだだろうし、事情を知れば怒り出すかもしれない。
現リーダーである弟に不満を述べて、私を殺せとせっつくかもしれない。
それでも弟は私を庇うだろう。そうなれば群れの中で内乱が起こる。
この砂漠という厳しい環境で私達の種類が生き残るには、群れの統制がよくとれている事がとても重要だ。
もし私のせいで反乱分子が誕生し、群れの中に不穏な空気が漂えば、
それはそれだけで群れが滅ぶ要因になってしまいかねないのだ。
そりゃあ、滞在できるならそうしたい。群れのみんなと会話をし、懐かしき生活を思い出してみたい。
あの人にはあとから連絡すればいいのだし、みんなに対してしっかり謝りたくもあった。
 
732孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:04:33 ID:8Obgzzlp
『だ、駄目だようそんなこと!』
 
でも、絶対に駄目だ。群れを分裂の危機に晒すわけにはいかない。
しかし弟は『いいからいいから。取り敢えずみんなと話し合ってくる』と告げて立ち上がると、
一般の仲間達が居住している空間に向かってトットットットッと走って行ってしまった。
人間の体で、武器も携帯していない私がドスゲネポスである弟を止められるはずもなく、
私はただ『クアアアアア…』と情けない声をあげながら、去り行く弟の尻尾を見送るしかなかった。
 
『あぁぁ……どうしよう……』
 
私はなんてことをしてしまったのだろう。
やはり群れに戻ってくるべきじゃなかったのかもしれない。
一度群れを捨てて人間になった元リーダーを、暫く巣に滞在させてはどうか?
そんな提案を出せば、それだけで仲間達は弟に対して不信感を抱く。
そうなれば、その不信感はやがて群れの内部に亀裂を生むだろう。
やってしまった。私の意思が弱いばっかりに、とてつもない迷惑をかけてしまった。
私の中には後悔と謝罪の念がぐるぐると渦巻いた。こんなつもりじゃなかったのに。
いっその事こっそり抜け出してしまえばいいかもしれない、とも考えたけど、
この巣は袋小路になっていて、ここから出ようとするなら仲間達の居住空間を通って行かなければならない。
つまり、巣の最奥であるここから脱出するには、絶対に仲間達の視線に身を晒さねばならないのだ。
と、いうことは………結局私には待つこと以外の選択肢がないじゃないか!
うわぁぁぁー!なんでこんな事になっちゃったのー!
っていうかなんでそんな事考え付いたのー!
 
『お待たせ。』
 
私が一人悶々としていると、弟がひょっこりと戻ってきた。
出て行ってから10分ほどしか経っていない。
私達は主に直感でものを考えるから、会議は短いのだ。
しかし弟を見た瞬間、私は死刑執行を待つ脱獄囚のような気持ちになった。
なんという申し訳なさ……そこに転がってる石で頭を打って死ねばよかった……
そんな事すら私は思っていた。
 
『話し合いは終わったよ。みんな姉さんのこと歓迎するってさ!』
『………へ…?』
 
でも、弟の嬉しそうな言葉に、私はつい間抜けな声を出してしまった。
歓…迎…するって……え?歓迎っていう名前の処刑方法でもあるの?
 
『だから姉さんの杞憂だってば。
 みんな姉さんのことは心配してたんだよ?』
 
目を丸くしている私の傍に寄り添うように弟は蹲った。
そして私はたっぷり十数秒かけて、歓迎という意思の意味を理解した。
 
733孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:05:46 ID:8Obgzzlp
『え…えぇぇ〜〜〜〜!?
 あんたちゃんと私のこと全部伝えたの!?
 私が人間になった理由とかも全部話した!?』
 
私が考えたのは、よもや弟が事実を隠蔽してみんなを騙したんじゃなかろうか、ということだった。
信頼し、愛すべき肉親をそのように疑うほどに、弟の言葉は私にとって驚愕すべきものだったのだ。
 
『全部話したよ。姉さんから聞いたことは間違いなく全部伝えた。』
 
弟がそう言うと、私は自分の全身から力が抜けていくのが分かった。
完全に予想外だった事実に、精神が放心してしまったのだ。
でも…まさか…まさか仲間達もみんな私を受け入れてくれるとは思わなかった。
不埒で、分別がなくて、責任を放り出す私を許してくれるなんて…
みんな、みんな私のせいで物凄い迷惑を被ったはずなのに…
 
『姉さん…みんな姉さんには感謝してるんだよ?
 姉さんがあの男を好きになってくれたおかげで、みんな凄く豊かに暮らせたんだから。
 いつだって食糧には困らなかったし、狩りで仲間が死ぬことも殆どなかった。
 寒冷期の餓死者が0だった時期なんて姉さんがリーダーをやってた時だけだったんだよ?
 あの男はみんなに豊かさをもたらし、そしてあの男をみんなにもたらしたのは姉さんなんだ。
 そんな姉さんが困ってる時に『追い出せ』なんて事を言う了見の狭い奴なんて、ここにはいないよ。』
 
弟がそう優しく語りかける言葉を聞いて、私は涙が出そうになった。
私は、自分のことを情けないリーダーだと思っていた。
狩りは人間に頼りっきりで、私自身はその人間と呼吸を合わせて指示を出すだけ。
モノブロスの狩猟で囮を命じ、ドスガレオスの狩猟で猟犬のような真似を仲間にさせた。
そのような屈辱的なことを仲間に命令する度に、私は心の中で何度謝っただろう。
でもそんな私のことを、みんながそんな風に思っていたなんて…
私は感謝と感動がごちゃ混ぜになりながらも、胸の中いっぱいに暖かく広がって行くのを感じた。
 
気付けば、私はすっと立ち上がり、他の仲間達の方へ向かっていた。
リーダー専用のスペースと居住区画のギリギリの境目には、多くの仲間が既に詰め掛けていた。
みんなじっとこっちを見て、何人かは時たまクーと小さく鳴いている。
誰も言葉らしい言葉は出さないけど、その目は私を暖かく認めてくれているような気がした。
 
私は、仲間の一人の顔をそっと抱きかかえながら、別の仲間の鼻先を撫でた。
その途端、みんなは目を細めて私に向かって鼻先を突き出し、私の体を優しく撫でてくれた。
これは、人間でいうなれば抱擁だ。
みんなが私を抱擁し、その度に「おかえり」と小さく呟いてくれているのだ。
私は両手と自身の鼻を使ってそれに応える。みんなの優しさに応えたかったのだ。
私はとても幸せな気分になった。
私の心の中にあった苦しいものが、これでまた一つなくなった気がした。
 
『ただいま………ありが…とう…』
 
私は微笑みながら、目を瞑って仲間達の抱擁に応え続けた。
そして私は………暫くの間この巣に滞在することになった。
 
734孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:08:07 ID:8Obgzzlp
 
俺は珍しく、大量の酒をかっくらっていた。
集会所に来るや否や、ホビ酒を瓶で五本も頼み、
テーブルでぐいぐいそれを飲んでいた。
周囲の飲み客たちは、そんな俺の方を気にしながらも、声をかけてくる様子はない。
俺のただならぬ雰囲気に気付いていて、それを警戒しているのだろう。
要するに触らぬ神に祟りなし、といったところか。
 
トネスが家を出たことに、俺は少なからず罪悪感を覚えていた。
俺の認識が甘かったのか。あいつは予想以上の傷を負っていたというのか。
誓いを果たせなかったこと、あいつの苦しみを分かってやれなかったこと、
この時はそれらが俺の上にのしかかったから、俺は酒を飲まずにはいられなかったのだろうと思った。
まあ今にして思えば、こいつは女房に逃げられた男がヤケ酒してるだけだな。
俺は遂に四本目のホビ酒を開けて、ビンから直接飲み始めた。
しかしさっぱり酔えない。こいつは少ない量でも酔っ払える庶民の味方じゃなかったのか。
それとも、俺自身がこの酒で酔おうとしていないのか…
 
「随分荒れてるじゃない。」
 
と、俺の対面に一人の女が座った。
機嫌の悪いこの俺の対面に座るとは、どんな度胸のある物好きだ。
そう思って、瓶に落としていた視線を上げてみると──
 
「…なんだ、お前か…」
 
──そいつは見覚えのある顔だった。
まったく、なんでこんな所に来てるんだ。
そいつはこの集会所で真っ当なハンターの依頼斡旋を窓口で行う受付嬢だった。
 
「つれないわねぇ。何度か肌を重ね合った仲じゃないの。
 お前、じゃなくてちゃんと名前で呼んでほしいな。」
「………ちゃんと仕事しろ。」
 
3年前、俺はこいつを何度か抱いたことがある。
見た目もいいし体の具合も良かったんで、
こいつはハンターの男連中からかなりの人望を得ていたようだが、
本人曰く、その中でも体を預けた相手は俺だけだそうだ。
まーかなり眉唾ものな話ではあるが、それが少しだけ気分よくて何度も抱いた。
今はもう、そんな仲じゃあないがな。
 
「ジェロスもちゃんと仕事しなさいよ。
 今は稼ぎ時だからね…この村のハンターはもう全員出発したか、
 或いは依頼を終えて帰って来てるかしちゃってるのよ。だから今日の仕事はこれでお終い!」
 
彼女はそう言うと、ホビ酒の瓶を一本かっぱらって栓を開けた。
 
「ふん…」
 
俺は文句を言うこともなく、手持ちの酒をあおる。
そして深いため息を一つついた。
そのため息は、特にそのつもりはなかったが、対面の女に聞き取られてしまったようだった。
酒を一口飲んだ女は、急に深刻そうな顔をして俺の顔を覗き込んだ。
 
「村長さんから聞いたよジェロス。
 その…グランデさんとのこと。」
「………そうか。」
 
2年間一度も口利かなかった奴がいきなり話し掛けて来たのは、そういうことか。
あの狸村長め。この女を使って俺を慰めるつもりか。
 
735孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:09:36 ID:8Obgzzlp
「…ジェロスと同棲してるトネスってひと、今どうしてる?」
「実家に帰った。」
 
実家に帰った。その言葉を聞いて女は妙に納得したような顔をした。
そう、あいつは里帰りすると文面に書き残して消えてしまったのだ。
今の砂漠はあいつにとって危険地帯でしかない。
気の立った角竜はうろうろしているし、ゲネポスの群れだっている。
あいつが元々リーダーをしていた群れも、今やあいつにとっては安全ではないだろう。
そこまであいつを追い込んでしまったのは、一体なんだったのか…
 
「追いかけないの?」
「追いかけてどうする。」
 
狙った獲物をハンターとして追いかけるのとは訳が違う。
獲物を追う時、俺はそれを仕留められる確信を得なければならない。
確信なくして行動すれば、時には命取りとなる。これも我が家の家訓だが。
トネスを追いかけたところで、どうすればいいのか分からない。
どうすればいいのか分からないから追わない。いや、追えない。
あいつはまだ自然そのものだ。無茶して追って引き止めるより…このままの方がいいのかもな。
 
「じゃあなんでこんな所でクダ巻いてんのよ。」
 
そう、そこが問題だ。俺の心はあいつを追わず、自然に任せることを決めているはずなのだ。
つまり諦めがついている筈なのだが…どうしてこんなに酒が飲みたくなってるんだ?
誓いを果たせなかった事か? 確かにショックなことだが、微妙に違う気がする。
才能ある弟子を失ったからか? 意味分からんぞ。何故それで酒飲む必要がある。
そもそもこの酒には酔えていないのに、どうして更に飲みたくなっているのだ。
トネスは自然のものだから、いつか自然に還るのは至極当然だ。
自然の摂理としてのゲネポスの帰巣本能が働いたのかもしれないしな。
だからと言ってこのタイミング…ええいもう俺の心はどうなっているのだ。
 
「…それが分かりゃクダは巻かん。」
 
なんとも情けない答えではないか。
いや、そもそも答えになっているかどうかすら疑問である。
俺がくいっと酒瓶を傾けると、女は呆れたようにため息をついた。
 
「ジェロス。あんたは縛られすぎなのよ。
 自由をたてにギルドに逆らってるあんたが掟に縛られてどうすんの。」
「…掟は重要な概念だ。ただ、その内容に問題があるだけだ。
 俺達の一族が否定しているのはギルドそのものではなく、ギルドの中身だ。」
 
もっともらしいことを言って、俺は酒瓶をテーブルの上に倒す。
もう中身がカラになってしまった。しかしまだ酔えない。
 
「どっちも同じじゃないの。
いい、ジェロス。掟っていうのは守るためにも、破るためにもあるんじゃないのよ。
掟っていうのは人間の精神を導くために存在するの。」
 
と、俺はその言葉を聞いて一つの可能性に思い当たった。
俺は目を鋭くさせ、体を少し丸めて女をジロリと見る。
 
「お前…トネスの正体を知ってるな?」
 
女は目を少し開き、息を詰まらせた。
間違いない。こいつはトネスの正体を知っている。
でなければ、トネスと我が家の掟についてここまで執着はしない。
前言撤回だ。どうやら今回のことは、村長は関係ないらしいな。
こいつは自分自身の意思と情報のみで、俺に話し掛けて来たのだ。
 
736孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:11:55 ID:8Obgzzlp
「……トネスさんが村長の家に保護された時、私が彼女の相手をしたのよ…
 彼女は泣きながら全てを話してくれたわ。
 とても驚くような話だったけど、彼女が純粋にあなたを愛してる事はとてもよく分かった。」
「お節介焼きめ…」
 
なんだってこいつは俺に捨てられたくせにこんなお節介を焼くのだ。
俺の事を憎んでもよかろうものなのに。
俺は割と本気で、女に対して悪態をついた。
でも、実際はちょっと拗ねてたのだと思う。
 
「ジェロス…あんた本当はトネスさんを愛してるんじゃない?」
「……………」
 
とうとう核心を突きやがった。
俺がわざと押し潰していたものをあっさりと暴いてくれる。
女は少し苛立っているようだった。俺も少し苛立っている。
ただし俺の場合は女にではなく自分に、である。
 
「本当にあんたは融通が利かないんだから。
 その性格がいったいどれだけの人間を泣かせてきたと思ってるのよ。」
「…自然に対しては敬意を払う事にしている。
 掟にもあるし、それが俺の信条でもあるから今日までやってこれたと思っている。」
「だから彼女は出ていったんじゃないの!」
 
とうとう女は声を荒げた。その刺々しさに周囲の喧噪が一瞬止むが、
また直ぐに何もなかったかのように騒音は復活する。
 
「あなたねぇ…女性は愛されてほしいのよ。
 それにあなただって、愛される事を本当は望んでいるはずよ。
 でも、あなたは掟に縛られてどんな一線も越えられない。
 彼女はそれが分かって絶望したから、出て行ったんじゃないの。」
「…縛られてるとは思わない…」
「ええ、そうね。縛られてる自覚があったらこんな所で飲んでないものね。」
 
こんな所で飲んでない、か…
女の皮肉めいた言葉と口調に俺は反撃しない。いや、出来ない。
反撃できるだけの確信がないのだ。
最早俺の心は俺にも分からない。
 
「そうかもな…やっぱり好きなのかもしれんな。」
 
本気で女性を好きになった経験はなかった。
俺の目は常に雄大な自然に向いていて、人間に向ける分の目の余りがなかったのだ。
刹那的な快楽さえ満たされればいいと思っていたし、相手もそう思っていただろう。
この女もそうだった筈だ。だからこいつは俺を憎んでいないのだろう。
しかし、トネスは違う。トネスは自然そのものだ。
素直に美しいと思ったし、並々ならぬ好意を寄せてきている事にも気付いていた。
そしてそれに応えようと思う気持ちも、責任云々ではなく恐らくあったのだろう。
あいつにあそこまでさせてしまった責任をとるために、俺はあいつを家に置いたのではない。
だから、彼女が穢された時の怒りは凄まじいものだった。
美しいものを穢された怒りは、己の信じる神を否定されたに等しかった。
 
737孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:13:42 ID:8Obgzzlp
「掟、か…」
「人間の精神を導く、ね。」
 
俺の呟きを女が補足した。
トネスを美しいと思いながらも、愛する事がなかった。
俺の心に深く根ざした一族の掟と信条。それが躊躇わせたのかもしれないな。
なにせ28年間ずっと刷り込まれてきた教えだ。俺の無意識の部分にも作用していただろう。
そしてそれが、トネスにとっては自分の愛を否定された事に感じたんだろうか。
掟は人間の精神を導くもの…
なら、守る必要も破る必要もない。
 
「トネスさん──彼女はどんな事になろうとも、あなたを愛し続けるわ。
 それはとっても『自然な』想いだと思うけど?」
「ああ…その通りだ。」
 
『自然な』を強調して言った女のわざとらしさを責めるでもなく、
俺は立ち上がり、倒した瓶を起き上がらせた。
そして女にはもう何も言わず視線も送らず、集会所から去る。
その姿を周囲は奇異の視線で見ていたが、もちろん俺は一向に気にしない。
しかしやっぱり、我が家の家訓は正しかったな。
『自然の中にあっては、己も同じく自然であれ』。
自然じゃなかったのは、俺一人だけだった。
自然に生まれた気持ちを自然に現すことが出来なかったのは俺だったか。
 
馬車用厩舎の管理者に握らせておいてある金はまだ効力を持ってるはずだ。期間契約だからな。
俺は家に帰ると急いで狩りの支度を整え、濃い赤茶色のロングローブを羽織り、つばの広い帽子を深く冠る。
狩り場で寝泊まりする事の多い俺には欠かせない装備だ。
ローブは睡眠時の毛布にもなり、身に着ければ寒さと日照から身を守る。
帽子は日照や雨や雪、ガブラスの毒からも体を守り、土埃や砂嵐から目を守る。
どれも鎧の上から着けるには若干重いのが難点だが…慣れれば苦にはならない。
 
「無事でいるといいが…」
 
俺は一人でそう呟くと、全ての支度を整え終わったことを確認し、家を出た。
ようやく、酔いが心地良く回って来始めた。
738孤独を知らない男:2008/03/17(月) 22:16:10 ID:8Obgzzlp
これにて第六話終了です。
ああまだるっこしいなあもう!
さっさと再会して和解してベッドインしろよ!
 
あと、注意書きは今後忘れずに入れようと思いました。
739名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 22:28:41 ID:Nje1nxlw
GJ!
乙かれ様です、新作お待ちしておりました、しかもリアルタイムで見れた〜
続きの製作頑張ってください。(製作の漢字ってこれで合ってましたっけ?)
740名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 00:31:44 ID:1w4y4pJB
ゲネポス系に攻撃するのを躊躇っちまうじゃないか
どうしてくれんだ
741名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:20:56 ID:cX+VRJ5K
オレも今日ドスゲネポス倒すの躊躇っちまったよ・・・
742名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 01:39:18 ID:ZhroW6/D
クダ巻きの部分でちょっとジェロスが可愛く思えたのは内緒。
前回で一悶着あったけど、次もがんばってください!
743名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 02:32:52 ID:cGVeuSlp
GJ
姿が変わっても仲間を慕い続けるゲネポス軍団に
不覚にも目頭が熱くなった
744名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 04:56:44 ID:jBMUce+p
GJ!姉想いな弟に優しい仲間に世話焼きなお姉さん。こういう人たち見てると何か癒されるな。
745名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:30:25 ID:GM0uVoa6
こないだの続きが出来たので投稿します。
デレのみなんで、お口に合うか分りませんが一生懸命書きました。
では投下します。
746名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:31:00 ID:GM0uVoa6
〜特殊生態系体験記9〜


 夜。雪山の中腹の村。その村の家の内の一つがレオンの住みかだ。
そして、家の寝室のベッドに部屋主と訪問者、麟の姿がある。
男の横の少女は、すやすやと寝息をたて、たまに男の名を
呼ぶ「・・レオ・ン・・」出会ってまだ三日しかたっていない。
だが、この少女には期間なんて関係なく、すでにこの男の存在が
かけがえの無いものになっていた。
「全く・・可愛い顔してよく寝てやがる。・・気楽な奴だ。」
男は少女の頭を撫でながらぼやく。
さっきまで掃除と洗濯を必死にこなしたせいか、
少し体に疲労を感じる。
性の快感初体験の麟。その麟が絶頂を
迎えた。別に悪いことではない。こういう物は初めてが肝心だ。
初めてでつまずくと、それがトラウマになり、その行為がずっと
出来なくなる事もあると言う。
その肝心な初体験を絶頂で迎えることが出来たと言うことは、
むしろ良い事、素晴らしい事だ。・・・ただ一点を除けば。
絶頂を迎えた時に麟は失禁をした。よほど
気持ち良かったのだろう。別にこれも悪くは無い。
ただ布団の中で服を着たままだった事。これだけが唯一の大問題だ。
初めてだと言うのに相当な量を噴出した麟は、
絶頂の直後寝てしまった。やはり慣れない感覚に疲れたのだろう。
しかしこのままのベッドでは眠れない。
レオンのやるべきことが一気に増えた。
まず麟を起こさないように着替えさせる事。
これはとてもスムーズに進んだ。寝ている麟の両足を上に上げ、
座っている体勢にしたら腰を持ち上げて、ズボンごと下着も剥ぐ。
下着を取ると、麟の秘部が丸見えになった。
出会った初日に、泥まみれの麟の体を洗ったので、一回体の
全ての部分には目を通してあるし、トイレでも見ているが、
やはりドキドキする。赤と白。さっきまでの刺激で充血した赤に
麟の肌の白さ、そして銀の体毛が芸術のような光景を作る。
下着を取る際に少し糸を引いたその場所は、
麟の呼吸に合わせゆっくり閉じたり、開いたり
を繰り返している。そこをタオルで拭く。拭く度に麟の体が
少しピクンとなる。後は新しい下着とズボンを履かせて終了だ。
次はベッド。シーツもマットも使い物にならないので、
予備の物に全部変える事に。麟を椅子を幾つか
つなげた物に横たえると早速交換開始。
そんなこんなでレオンが麟と再びベッドに入ったのは1時間後だった。
すっかり濃くなった夜にレオンは、初日の闇を重ねる。
あの日以来ずっと考えていた事。
なぜ俺はあの場所に?あのタイミングで?
ふと頭に何処かの街で偉そうに説教を垂れていた、老人の言葉を
思い出す。「偶然に思えることは、すべて必然!
・・即ち起こるべくして起こることなのだ。」
そんな事を考えながら夜は静かに更けていった。

747名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:32:22 ID:GM0uVoa6
〜特殊生態系体験記10〜


 朝が来た。目が覚めたレオンは体を起こす。
30度に傾けた途端体にかかる負担が一気に増え、胸が苦しい。
「うぐ!な、なんだ?」目をやると、麟が首に
手をまわし、胸の上に乗っている。レオンは手をほどこうとするが
ほどけない。「・・どんな力なんだよ、こいつは。」
諦めて起きるのを待っていると、すぐに麟が目を覚ます。
「・・ん・・・あ、レオン〜、おっはよ〜!」
レオンが目の前にいる事を確認した麟は首に掛った手で自分の体を
レオンに寄せ、顔に頬ずりする。その表情はとても嬉しそうだ。
 起きたので顔を洗いに井戸まで行こうとすると、早速
「レオン、昨日みたいに抱っこしてよ〜。」と麟が甘えてきた。
別にいいが、他人にあれを見られるのは少し恥ずかしい。
「駄〜目〜だ!そんな事ばっかりしてると
自分の力で歩けなくなるぞ?だから今日からは自分で歩くんだ。」
などとらしい理由を付けて麟を歩かせる。二人で井戸に向かう。
並んで歩くとやはり麟は、レオンの肩くらいの身長しかない。
恐らく、160センチ位だろう。
もちろん手をつないでいる。麟はつないだ手を両手で持ったり、
時々自分の手と大きさを比べてみたりと、どこで覚えたのか
見事に女の子をしている。まぁどこからどう見ても女の子だが。
井戸で顔を洗う。雪山の雪解け水は、冷たく新鮮な感じがして、
一気に目が覚める。「ひゃあ〜!ちべたいっ!」そう言って麟は、
赤い眼をパチパチさせて顔をふる。一個一個の動作が
いちいち可愛くて見るたび口元が緩む。
「俺もいいようにやられてんなぁ。」小さく呟く
部屋に戻り、くしで麟の銀髪をとかす。嫁いで行った妹と昔、
この家に住んでいた時期があったので
家には女物の生活必需品が一通り揃っている。
髪をとかしている間も麟はずっとにこにこ笑顔だ。
何が嬉しいのかさっぱりわからないが、こんなに嬉しそうにされると
悪い気はしない。髪が終わると麟からこんなリクエストが。
「・・レオン、尻尾もいいかな?」そういやこいつ尻尾あるんだっけ。
麟はズボンを半分下ろし、中に入れていた尻尾を出す。
正直やる意味があるのかわからないが、やってあげる事に。
最初はぼさぼさだが、梳かしていくと髪のようにサラサラ
になっていく不思議な毛だ。深く入れすぎたのか、
櫛の先が麟のしっぽの付け根に引っ掛かり、尻尾の本体を
引っ掻いた。
「うひゃあ?!」びくんと弾む麟。「どうした?」
声をかけると、「レオンそこ、ボク弱いからもっと優しくして。」
どうやら、尻尾本体は敏感でくすぐったいらしく、麟は鳥肌だ。
少し面白いので、偶然を装って今度を優しく引っかける。
「ん!」声を漏らし麟の肩が少し震える。
これ以上やるとまた「きもちいいよ〜!」とか言って
部屋を汚すことになりかねないので、自重して止める。
とかし終わったら、朝食だ。
748名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:35:15 ID:GM0uVoa6
〜特殊生態系体験記11〜


昨日と違い、別の椅子に座らせる・・・予定だったが、
何故か椅子が一つしかない。目星は付いている。
シンバがさっきから俺を見てにやにやしている。
昨日の掃除を手伝ってくれた奴は、どうやら事情を理解したらしく
得意顔でにやついている。
「・・おい!なんで朝から赤飯なんだ?それにもう一つの椅子はどこだ?
納得のいく説明をしてもらおうか?」
俺の問いかけに奴は笑いながら「お祝いですニャ!」と一言言うと
奥に戻って行った。麟はいまいち状況が把握できず。
俺の膝の上で頭にはてなを浮かべている。
麟にフォークとスプーンの使い方を教えながら食べたせいか、
食べ終わった頃にはすっかり昼になっていた。
寝室のベッドの上に麟を座らせ、書斎から持ってきた本を使い、
麟にこの世界についてみっちり、教えていく。
最初から言葉を扱っていたので、薄々感づいてはいたが、
こいつは頭がいい。説明したことはすぐに噛み砕いて、理解する。
大体の説明が一回で済むので楽だ。
それに一生懸命聞いてくれるし、その度コロコロ変わる表情、
大きく見開かれる赤い瞳に目が行ってしまう。
思わず説明に力が入る。結局この世界の事、
自分のハンターと言う職業、モンスターについて、
人間の文化、人間についてを昨日より深く説明した。
気がついたら夕方だった。
「・・・と言う訳だ。これで大体終わりだ。難しかったか?」
「ううん!レオンが一生懸命説明してくれたから、ボクすぐわかったよ。」
「俺じゃなくて麟がすごいんだよ。」そう言いかけたが、
麟が先に口を開く。「レオン、説明はあれでほんとに終わり?」
以外に質問に少し驚く。「なんだ?聞きたいことあるのか?」
「うん!ボクまだ昨日シンバが言った、
お嫁さんについて説明してもらってないよ。
あれの説明してよ、レオン。」
シンバの野郎余計な事を!!それに、麟もまだ覚えてるなんて。
何だかとてつもない大樽Gを蹴ってしまった気がした。
「わかった、説明する。いいか、この世の生き物は、
動物も植物も最終的な生きる目的は、自分の子孫を増やす事だ。」
「うん!だから、女とそれを守る男に分けたんだよね?」
「そうだ。そして人間の場合は、男と女がいったん相手を決めると、
人にもよるが、ほとんど相手を変えずに、決めた相手と、
子供を作り、そしてずっと一緒に暮らしていくんだ。
そしてお互いが同意の上で決めた男の方を婿、女の方を嫁と言う
そして二人一緒の状態を夫婦と言ってだな・・・」
そこまで言い終わらないうちに、麟がレオンに突進した。
749名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:36:09 ID:GM0uVoa6
〜特殊生態系体験記12〜


レオンは床に倒れ、上に麟がしがみついている。
胸に顔をつけ、頬ずりし、麟は顔をあげた。
瞳がこれでもかと言わんばかりに輝いている。
「レオン!レオンレオン〜!ボクレオンのお嫁さんになる!
どうすればお嫁さんになれるの、レオン〜?子供作ればいいの?
ってか子供ってどう作るの〜?教えてレオン〜。」
・・稀に見るいい流れだった。渋滞や事故が何処にも無かった。
大樽Gを蹴るさっきまでは。
「ねえ、レオン早く〜!知ってるんでしょ?
ねえねえレオン〜!!」こうなった麟は止まらない。
レオンは観念した。
「わかった!わかったからはしゃぐな。
教えてやるから、ベッドに戻れ!」
やけくそに言い、麟を剝すと、説明を再開した。
「お嫁になるには結婚という儀式をしないといけないんだ。
大勢の知り合いと神様の前で、
お互いがお互いを永遠に愛し合う事を誓うんだ。
そうすりゃ、結婚成立!晴れて二人は夫婦だ。」
「じゃあ、それをすればボクはずっとそばにいて良いんだよね?
レオン、それって今から出来るの?」
「出来るけど、まだ駄目だ!最低でも麟が一人でキチンと
暮らせるくらいこの世界に慣れたら一緒に結婚してやる!
それが出来るまでは、結婚はお預けだ。」言い終えて麟を見ると、
レオンはギョッとした。麟が泣いている。
「どうした!?麟?さっきの事か?違うぞ!
結婚しないって言ってるんじゃなくて、
時期が来たらしようって・・」そう説明するレオンに麟は、
そっと顔をよせ、小声で「違うよ。」とだけ言うと
両手をレオンの顔にそえて、丁寧にキスをした。
瞳から流れる涙が、ほほを伝いレオンにも触れる。
その熱い感覚に、何故かレオンも泣きそうになる。
キスを終えると、嗚咽の混じった声で麟が口を開く。

750名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:38:34 ID:GM0uVoa6
特殊生態系体験記13〜


「レオン、ボクね、・・ひうっ・今とっても嬉しんだよ?
ふぐっひぐっ・・ボクいままでずう〜っと一人だったんだよ?
時々人間に襲われるし、・・うぇっ・・同じモンスターにだって
襲われ・・えっぐ・るし。それが・・ひうっ・はじめて
ううっ・・優しくしてくれる人に会って、その人は・・はぐっ
優しくって、温かくって、ボクのために色んなことしてくれて、
・・ううっボク本当にレオンに感謝してるんだよ?
どうしようもない位にレオンの事・・大好きなんだよ?
そしたら、今その人がボクが頑張ったら、ちゃんと結婚するって、
・・えっえっ・お嫁にしてくれるって・・・
ずっとそばに居ても良いって言ってくれたんだぁ。
そしたらボク何だか、止まらなくって、泣いちゃったぁ。」
えへへと泣き顔で微笑む麟を見たレオンは、
ただ愛おしい感情に動かされた。
麟の事を強く強く抱きしめる。麟の少しだけ窮屈そうな
呼吸が聞こえた。
「麟!これから、子作りを一緒にしよう。
最初はすごい痛いけど、悪い。我慢できない。
っていうか俺、ほしいいんだ。
麟と子供を作りたい。麟の子供が欲しい。」
プロポーズにもとれる言葉。レオンはありったけの思いをぶつける。
麟は顔を真っ赤にし、うなずく。何度も首を縦に振る。
 ベッドに横たわる麟。上に覆いかぶさるようにレオン。
「・・始めるよ、麟。その痛かったらゴメンな。」
「レオン!謝っちゃダメ。ボクの方こそよろしくね。」
二人はキスをした。レオンは麟の口に舌を入れる。麟も真似をする。
お互いの愛を混ぜ合わせるようなディープキス。
ねちゃねちゃと入り混じる、舌。唾液。思い。
キスが終わるとお互いの服を脱がせ合った。
麟はまだ服に慣れてないせいか、手間取る。
レオンを待たせまいと一生懸命なその仕草が欲情をそそる。
「麟・・本当にきれいな体だ。なんだか触るのもったいない。」
「レオン・・・何もしない方がボクにもレオンにも勿体無いよ。」
的を得た事を言われ照れくさそうに笑うレオン。
そして、それを見た麟もまた笑顔。甘い時間が過ぎる。
レオンがキスをする。麟は嬉しそうに受け止める。
二人はベッドに横に並ぶ。麟はレオンの首回した手をきゅっと握る。
濃厚なキスをしながらレオンは麟の胸を弄り始める。
麟の豊かな胸。すべすべした白い肌。弾力のある乳房。控え目な乳首。
乳首の周りにわずかに広がる乳輪のぶつぶつをゆっくり、指で擦る。
751名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:38:57 ID:GM0uVoa6
特殊生態系体験記14〜


「ん・・んむ・・んん・・・」キスで口は閉じているが、
小さく唸るような喘ぎ声が漏れる。
弄るとすぐに乳首が硬化した。その硬化した乳首をまた指で擦る。
左の乳首は少し先が割れている。そこに爪を優しく引っかける。
「ふむ!・・むうっ・・・ん、ん・・」
指で擦る毎に体をビクンとさせる。赤い瞳が熱を帯び始める。
レオンは胸を弄りつづける。指と爪で刺激を蓄積する。
快楽に身を揺らす麟。不意に麟が口を離す。顔が耳まで真っ赤だ。
「レオン・・んっそこだけじゃなく、ここ・・も・」
そう言って麟は首にかけた手をほどくと
片方の手でレオンの手を自分の秘部に導く。そして首に手を戻す。
導かれたレオンの手は感じ取る。秘部の熱気を。湿気を。そして願望を。
「もっと、触って欲しい。気持ち良くしてほしい。」麟の秘部は訴える。
レオンは願望をかなえるべく手を動かす。最初は陰核。
膣からの愛液が掛ったのか、ヌルヌルする。
皮を剥ぐと刺激が強いのでかむった状態から弄るのが普通だ。
だがレオンは皮を剥ぎ、中の突起を露出させる。
外に付いている部位の中で一番敏感な部分の一つ。
息がかかっても感じるような部分。その突起の付け根。
普段は皮に隠れているほんの少しだけ窪んだ部分。
そこに爪をあて、優しく搔く。「コリっ」と言う感触が指に伝わる。
「ひゃあっ!!・・うんっ・・ひあ!あ、あ・・」
腰から来る、けた外れの刺激に思わず大きな声が出る。
「やっぱりこの声は恥ずかしい!」そう思っても抑えられない。
抑えられるわけがなかった。頭の芯がだんだん痺れてくる。
「んんんっ!・・は・・ぁはぁっ・・んく・・」
レオンが指を動かす。秘部からコリッと言う感覚が来るたびに、
麟の体はビクンと弾む。快楽に心と身を踊らせて。
 「!?ん、ん、ん、んっ!!あ・・レオン・ああっ!!
ボクなんかクる!・・キちゃうよっ!・・・んあ、あ・・
来るっ!来るっ!レオ・・っーーーーー!!!」
麟は小さく連続して震えだす。顔を歪め、目をつむりながら。
そしてほとんど泣き顔な、涙を含んで潤んだ瞳でレオンを見つめる。
麟は軽い絶頂を迎えた。レオンはそれを眺めていた。
すると麟はレオンの顔に両手を添えた。
「・・・大・・好き・・」麟はそう言うと静かにキスをした。
静かだけど、激しくて濃厚なキス。今度はレオンが麟を離す。
「麟・・・俺もう我慢の限界だ。麟の中に入っていいか?」
「うん・・どうなるか、んっ・・わからないけど・・・
レオンになら何を・・されても平気だよ。」
 ベッドに麟を横たえるとレオンは、足の方へ移動した。
そして麟の足を上げて大きく広げる。麟の秘部が顕わになる。
レオンには今日2回目の風景。麟の秘部は溢れ出た自身の愛液で、
麟の少女のようなそこは、見た目と裏腹に大人の光沢を放っている。
膣の入り口に指をあてる。「クチュッ」と音を立てて、
静かに愛液が溢れ出す。こんなにも愛おしい生き物が他にいるだろうか。
レオンは麟の入口に自分のモノを当てる。
「・・・行くよ・・麟の中、入るよ・・」
「・・・うん・・あ、ちょっと待って・・
うーん・・・そうだなぁ・・よし!決めた!」
「どうしたんだ?」レオンは戸惑う。麟は微笑む。
「・・ボクにようこそ、レオン・・・」一瞬の間。
「おまえ、まさかその一言考えるためだけにか?」
「うん。はじめての記念の言葉だから、ちょっとだけ、
かっこつけちゃった。・・・ダメ?」
752名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:39:42 ID:GM0uVoa6
〜特殊生態系体験記15〜


レオンは震えている。少しの空白。いきなりはじけるレオンの笑い声。
「ぶわはははははは!ひ〜、く、苦しい!!」
笑いこけるレオンを見て麟はほっぺを膨らませる。
「なんだよぅ〜!一生懸命考えたのに、
そんなに笑う事ないじゃんかぁ〜!!」麟が泣きそうに怒る。
「いや〜、ごめんごめん。なんだか麟の行動見てたら、
急に、緊張してる自分がおかしく見えちゃってさ。
気抜いたら笑いが出ちゃったよ。」くくくとまたレオンが小さく笑う。
「・・ありがとう麟」落ち着いたレオンがつぶやく。
「ふえ?ボクまだ何もしてないよ?」
「違うんだ。・・そのなんだ、俺と出会ってくれて本当に
ありがとう。俺、今ものすごく幸せだ。ありがとう、麟。」
「レオン・・・ボクも今すごく幸せ。それに今の
レオン見てたらなんか、胸が苦しくって、
とってもエッチな気分になってきちゃった。」
「じゃあ、続きしようか。麟。」
「うん・・え〜っと・ようこそ、レオン。」
レオンは力任せに麟を抱き寄せると、精一杯のキスをした。
キスが終わると、二人はお互いに顔を合わせ、ゆっくりとうなずく。
レオンはモノを麟に入れる。「ブツッ」強烈な痛みが麟を襲う。膣口からは
鮮血が流れ出た。
「つっーーーーーー!!!!・・・はぁ、はぁ、はぁ・・ん、ふう」
「麟!大丈夫か?!麟やっぱ抜くか?」
「へ・・いき!それより・・もっと奥に・・・」
処女膜が破れた。麟は気丈にしているがやはり痛そうだ。
小さな肩が震えている。レオンは自分の無力さを呪った。
「ジュブ」麟の膣口はレオンのモノをゆっくりと確実に飲み込んでいく。
「・・ふっ・・ふっんん!・・・はぁ・・はぁ・」麟が息む。
中はまだ最初なのできつきつだ。麟が息むたびに締め付けが強くなる。
ゆっくりと入れ続け、ついに麟の入口はレオンのモノをすべて飲み込んだ
「麟、これで全部入ったぞ!大丈夫か?どこかおかしくないか?」
「大・・丈・夫!!それよりボクの・・中はどう?
きもち・・いい・・・?」この状態で他の事に気を配れる。
女は偉大だ。レオンは感動していた。
「ああ、すごく気持ちいいよ、麟!」
「レオン・・・これからボクどう・すれば・・いいの?」
「大丈夫!麟は動かなくて大丈夫だ。今からゆっくり抜いたり
入れたりを繰り返すからな。いやになったらちゃんと言うんだ。」
そう言うとレオンは本当にゆっくりな動きで、麟の中を往復し始めた。

753名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:40:08 ID:GM0uVoa6
〜特殊生態系体験記16〜


 麟は相変わらず、痛みと戦っている。最初よりは幾分か楽だ。
レオンが陰核を擦りながら動いているおかげで、麟の痛みは、
軽減されている。それでもやはり痛い。経験したことのない痛さ。
「うう〜!!はぁ、はぁ、はっ!くう〜っ・・くはぁ!はぁ」
レオンが動く度に痛みが走る。本当に痛い。たださっきから
同時に変な感覚が麟をつっつきはじめていた。
レオンが抜こうとすると、例えようのない切なさが。
逆に入ってくる時は、言いようのない充実感、満足感が。
麟はこの感覚に神経を集中させる。体が馴染むたびに、
感覚は強く、はっきりと麟を刺激する。そしてさっきから
遠ざかっていた、気持ちいい快感を麟に届けてくれる。
麟はいつしか痛みよりもこの感覚に夢中になっていた。
レオンが動く度に快感が麟に訪れる。痛みよりも快感が強くなる。
息む声が喘ぎ声に変わる。麟は出来上がった。
「くはぁ、はぁ、はあ、あ、あ!?んぐっあ、あ、あ、ああ」
麟の変化にレオンも気づいた。
「どうした麟?・・気持ちいいのか?」
「んああ!う、あ、あ、あ!はぁん!う・・ん!いい!いい!」
麟は新しい快感にもう夢中だ。他の事を考えるなんて勿体なくて出来ない。
「ああぁ!ひもちひいっ!!レオン〜っ!!もっと、あ、あ!
もっとうごいい!!て、んんっ!」
膣の中もさっきの押さえつけるような感じではなくて、
なんだか、歓迎しているようにレオンのモノを吸いつけている。
麟が物欲しそうな目でレオンを見る。レオンはそれに応え、
麟にキスをする、その間レオンの動きは止まる。
少し止まっていると、麟がレオンを促す
「レオン、もっと動いて・ん・・ボクもう平気だから。」
レオンも麟の中がだんだんと気持ち良くなってきているので、
動きたくて仕方がなかった。
ジュプジュプと音を立てる入口。まだ血こそ出ているものの、
完全に痛みは消えた。代わりにあるのは快感。
麟は大人として、女として覚醒してしまった。
もう止まらない。絶頂直前の言いようのない、あの圧倒的な快感。
あれがイクことなくずっと続いている。
何も考えられない。目の前の愛する者の事以外は。
「レ、レオン〜!!レ、オンっ!!ああ〜、あ、あ、あ、あ
いい!いい!いい〜!!ボク!ボクっひもちひい!いい!!!」
麟は完全に目をつむり、叫んでいる。
「麟、の中気持ちいい!!お、俺も、もう出る!
麟、俺もう出ちまう!!」
「いいっよ!!出して!中に、はうんっ!!!出して、レオンっ!!」
レオンの動きが止まる。そして震えたかと思うと。
麟はお腹の中に温かいものがじわっと広がるのを感じた。
それは初めてなのに、とても体になじむ感覚だった。
「・・麟。」「・・レオン。」二人はそのまま、
見つめ合い、お互いの名を何度も呼びあっては、キスをした。
何度も、何度も。
754名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 05:42:44 ID:GM0uVoa6
これで今回分は終わりです。
おそらく突っ込みどころ満載なので遠慮なく、突っ込んでやって下さい。
次回は、麟に我慢プレイか奉仕プレイをさせる展開をぼーっと考えています。
それでは失礼します。こんな変態にお付き合いいただき誠にありがとうございます。
ではではノシ
755名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 06:02:15 ID:TDEUgQcs
俺はコメントを控える。後の人に任せた
756名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 09:57:00 ID:Z/UkRL/a
>>754
ひとまず乙
正直文章にはまだまだ読みにくい所が多いが、言われたことをすぐに考える
姿勢には好感がもてる
しかし、改行しすぎて余計見難くなってしまったようだ
他SSでもみて改行の仕方を参考にするといいかもね
日々成長しているぞ!ともかくガンガレ(えらそうでスマン)
757名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 11:12:09 ID:jI9pL7Zr
>>754

とりあえず我慢プレイに1票いれとく
758名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 12:51:26 ID:FZiOqKn/
携帯から失礼します。
御指摘ありがとうございます。
今後の参考にさせてもらいます。
今回は前回指摘を頂いた、エロと改行に力を注ぎましたが、あんまりうまく行かなかったですね。
次はさらに気を付けます。この後の展開は麟に、焦らしと我慢プレイを味わってもらう方向で練っています。
あと、何だか読んでいると所々に、ワードの原文では、ちゃんとした文字なのに、化けてる箇所がありますね。
調べてこっちも改善してきます。
759名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 15:15:54 ID:nt/Jm/rb
アンタは絶対良い職人になると思う、頑張って。
個人的に応援してる。
760名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 19:48:31 ID:q0jLKehq
こいつ俺の言った事理解したのかな

セリフと地の文の間には改行を入れろよ
761名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 20:59:13 ID:rbNuO4Lo
うわーまた無意味に偉そうな勘違いクンがご降臨あそばしましたわ
762名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:00:50 ID:zNtBuASC
>>761
春だからね。
痛い子には触らないであげるのが大人の優しさってものですよ。
生きてる価値がカケラたりとも存在しないような糞餓鬼はスルーしてあげましょう。
763名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:25:25 ID:nt/Jm/rb
>>762
過度に辛辣な叩きよりも、職人の腕が向上する様なアドバイスをしてやろうぜ。
周りが褒めるに褒めれない状況を作ったり、書いたとしてもすぐ批判レスが
数件着てるとか、書き手としてはかなり凹むもんなんだぞ。

板の空気も悪くなるし、そういう批判は何度言っても通じない奴に使おうぜ。
お前らの指してる職人は二回しか書いてないんだぞ?
批判するなとは言わないけどもう少し我慢強さを付けて欲しい。
思った事をすぐ書き出す様なら、このスレは文句だらけになると思うしな。
変化の無い様だったら好きなだけ叩いても良いと思うけどさ。
と言うか、生きてる価値がカケラたりとも存在しないって、本気で言ってるのか?
何かお前の文からは厨ニっぽい臭いがする、糞餓鬼とか軽々しく使うもんじゃない。

容量消費してスマンカッタ、職人をあからさまに上から見る雰囲気に少しイラッとした。
このクソ長文の代わりにSS書いてくるわ。
764762:2008/03/19(水) 22:30:29 ID:zNtBuASC
>>763
ごめん、分かりにくかったかな。
私は>>760の事のつもりだったんだ。
気分を害されたのでしたら申し訳ございません。
765名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:32:05 ID:TDEUgQcs
>>763
春の風物詩キタコレ
今のうちにトリップつけていきなよ
766名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 22:36:50 ID:nt/Jm/rb
>>764
orz、まさかそっちの方とは…。
不快感感じさせて本当にごめんなさい、以後気を付けます。
逆に私がこのスレ荒らしてるのかもしれません、しばらく自粛します。
迷惑をお掛けしました。
767名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 23:26:33 ID:tRFgPtR1
孤独を〜〜〜の続編をテッカテカになって待っている件について
768名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 04:19:58 ID:4CVk6LEu
確かに気になるが、最近キリン方の人のが気になってきた。
シチュは好みだし、作者の成長と展開を楽しめるからダブルでお得な感じがする。
文は読みにくいし、言い回しが下手な部分もあるけど、それはこれから改善されそうだし、期待しているな。
769名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 05:53:31 ID:P/5eG7wP
>>758投下ご苦労様です。
私もSS書きの初心者なのですが、とりあえずアドバイスを。(といっても、簡素この上ない物ですが)
 
セリフとセリフ(後は地の文)が同じ行で続いていると読みにくいので、改行されるといいかと。
後、「・・・」は全角だと読みにくくなるので、記号の「…」で統一すると良いかもしれません。
最後に、上達するには他の職人のSSを、意識して読み、学ぶのが良いかと思います。(幸いエロパロ板には質が良いのが多いですし、ここの保管庫でもOKですし)
私もこれで、多少まともなものを書けるようになりましたから、曲り形にも効果はあると思います。
 
以上、簡単なアドバイスでしたが、参考になると嬉しいです。
このSSのキャラやシチュがとても好みなので、これからも頑張って投下して下さい。
続きに期待して、楽しみにしてます。
770名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 11:11:18 ID:xmUOhYSN
保管庫がみれない・・・。
PSPだったらみれないのかな?
771名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 12:30:32 ID:QP1YDnjE
PSPで見れたぞ
772名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:38:41 ID:xmUOhYSN
ナヌ!
俺は、なぜか 裏2ちゃんねる[真] って所になる・・・。なぜ?
773名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:50:39 ID:3opcWFGH
またまた続きができました。
改行を改善するべく、6冊もの小説読み(ホラーですが)
書いてきました。もちろん言うまでもなくデッレデレてん開ですが、
そこをなんとか読んでくださると助かります。では投下します。
774名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:53:41 ID:3opcWFGH
〜特殊生態系体験記17〜


その日の夕食は麟が腰が抜けて動けないと言うので、寝室に持ってきてもらった。
なんだろう滑車3台分の夕食。…すごく・・豪華です…。隣で麟がはしゃでいる。
「わ〜!レオン、昨日のよりすごく美味しそうだね〜!」
「…おい!シンバ、何故今日はこんなに豪勢なんだ?」
「それはもちろん、お二人にはこれ位は補給が必要と判断したからニャ!」
かわいい顔で可愛げのない事を言うシンバ。何処か憎めない態度も相まって、レオンはこれ以上言及する気が失せてしまった。
食事が終ってレオンはシンバの言葉をようやく理解できた。なるほど確かに、今日は麟にぶっ通しで教えていた事と、秘め事とでひどく腹がすいていたらしい。
あれだけの量をさらっと平らげることが出来たのだから。
(後で、マタタビでも持って行ってやるか)
心の内でレオンはシンバの心遣いに感謝した。
 ベッドの上では麟が満面の笑みを浮かべて、レオンを見ている。
「どうした、麟。そんなにさっきのうまかったか?言っとくが毎日は無理だぞ?」
「…違うよ。ただレオンを見てるだけで、何だかぽわーってなってね、安心するの。」
麟は先ほどの行為の余韻に浸っているようだ。
(麟の初めてがうまくいってよかった)
レオンも安堵していた。初めてであまりに痛かったため、それ以降できなくなると言うケースも有る、と言う事を聞いたことがあった。
ベッドに入り、寝る準備をする。さすがに今日はもうする気になれなかった。それは麟も一緒だった。二人は寝るまで、ずっと軽いキスや、お互いの事を褒め合った。
 そして朝、出会って5日目。レオンは目を覚まし、体を起こす。何事もなく体を起こすことが出来た。麟は隣で丸くなっている。
「寝ぞうもかわいいのか、こいつ。まさに反則だな。」
ふっと笑い、寝室の鏡の前へ。そこでレオンは驚き反省した。甘かった。あの麟が、何もしない筈がなかったのだ。
レオンの右胸にハートマークが描かれている。人の唇大の線をつなぎ合わせて。キスマークでハートマーク。それを素でやるから麟は恐い。
レオンは急いでベッドで寝ている麟を起こす。
「起きろ麟!これはいったいなんなんだ!」
「うにゃ〜…おっはよ〜、レオン。あ、それ見てくれた?!どう、レオン?ボクの自信作!
レオンにボクの印つけてみたんだ〜!…嫌だった〜?」
「いや、そりゃ嬉しいけど、いくらなんでもこれはつけすぎだ!せめて一個!いいな!」
全く朝から騒がしい。でもこんなのも悪くない。
「麟、腰大丈夫か?痛まないか?」
「うん。まだ少し腰が重いけど、レオンが気持ち良くしてくれたから大丈夫だよ。」
麟は笑顔でそう返す。跳ねた髪と笑顔のコラボレーションが素晴らしい。
井戸に行き、顔を洗い、髪を梳かす。その次は朝食だ。
「ご主人、昨日はよく眠れたかニャ?」
「ああ、おかげ様で疲労も全くない。いつもありがとさん。」
そう言って、マタタビを渡すと、シンバは踊りながら奥に戻って行った。
775名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:54:33 ID:3opcWFGH
〜特殊生態系体験記18〜


朝食が終わると、昨日の復習をしてみた。ヤッヴァリ、こいつは理解の仕方がびゃあ、うまひぃ〜〜☆
予想通り、昨日の内容はほとんど覚えていた。午前中で復習は終わり。午後に少し武器屋に用事が有ったので、心配だが麟を置いて出掛ける事に。
「じゃあ、少しだけ出掛けてくるから、大人しく待ってろよ?」
「う〜…わかったよ、ボク待ってるね。」
少しだけ不機嫌そうな声色と膨れたほっぺで麟は喋る。
「じゃ、行ってくるよ。」
「うんいってらっしゃい!」
麟は家から出ていくレオンを窓越しに見ていたが、やがて見えなくなった。
(レオン見えなくなっちゃった。つまんないな。)
麟は寝室のベッドの上に座り込んだまま、ぼんやり外を見ている。家の中だけならと許可をもらった尻尾を上下に揺らしながら。
どれだけの時間が経っただろうか。麟は自然と昨日の事を思い出す。レオンと繋がったあの感覚。絶頂の瞬間にお腹に広がった、暖かい感覚。
それらの感覚は麟を行動させるのに十分なきっかけを与えてくれた。
(もう駄目!我慢できない!レオンに会いに行こう!きっとレオンを見つけたら、また偉いって誉めてくれるに違いない!)
麟はドアから村に出た。それは間違った判断だと気付かずに。
 ゼルス村は、村と分類されてはいるが、かなり大きく、家も50棟を超える。そんな中で、行き先も知らない麟がレオンが入った家を見つける事は容易ではない。
歩き回って探す麟だが、やはり見つからない。仕方がないので少し怖いが、村の人に聞いてみる事にした。
「すみません、あの〜レオンって言う人知りませんか?」
聞いた大半の人は、名前は知っているが、居場所は知らない。だが居場所の代わりに聞こえるのは、レオンの評判。
「あの人には世話になってるからね〜。」
「こないだも、ギアノスから山の牧場を守ってもらったよ。」
口々にレオンの活躍を聞く。麟は嬉しかった。自分の最愛の人は周りからもこんなに愛されている。
その人と麟は、ずっと一緒に居る約束をした。その優越感が一気に麟の警戒心を下げてしまった。だから、
「あ、その人ならこっちの家に入ったよ。連れてってあげるよ。」
と言われたときも麟はほいほいとついて行ってしまった。
「はい、ここだよ〜。中へどうぞ〜。」
中年の男に麟は連れられ家の中に入ってしまった。
「おじさん、ありがとう!レオン〜!…レオン?ねえ、レオンいる〜?」
「レオンなんて人は、ここにはいないよ。」
「え?…おじ・・さん?」
「君は馬鹿だね〜!人を信じすぎなんだよ!これからひどい目にあうとも知らずに。」
776名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:55:04 ID:3opcWFGH
〜特殊生態系体験記19〜


麟の目の前に中年の男Aが現れた!中年の男は麟に覆いかぶさった!
「きゃあ!痛い!!」
「へへっ!大人しくしてればそれなりに可愛がってやるからよ!」
麟は重くて中年の男をどかせない!中年の男は麟の服を破いた。麟の胸がまず露出する。
「いやあ!見ないで!お前なんかが見ちゃダメなんだから!」
麟は激しく首を振り嫌悪感を顕わにする。
「嬢ちゃんそんな事言っても、ここにはおれしかいないんだ。俺以外の誰が見るってんだ!」
中年の男はそう言うと下半身に目をやる。
「これだけ、綺麗な胸してんだ!下もさぞかし立派なんだろ〜な〜!」
男はにたっと笑った。気持ち悪いその顔に麟はどんどん、嫌悪感を募らせる。
「ダメダメ!絶対にダメ!そこはレオンのなんだから〜!レオン以外はダメなんだから〜!!」
(レオン助けて!ボク、怖いよ!!寒いよ!!お願いレオン〜!!!)
心と声で力いっぱいに叫ぶ。
とうとうすべてを脱がされた麟は震えている。
「なんだ!お前尻尾が付いているのか!丁度いい!!調教のし甲斐がありそうだ。」
麟はこの時この家のドアが開いている事に気がつかなかった。
「へえ〜、何をどういう風に調教するんだ?」
突然の声に振りかえる中年、沼地で聞いたあの音。「ビタンっ!」レオンは中年を大剣の腹で叩いた。倒れた中年が崩れ、その向こうにレオンの姿があった。
「っ〜〜〜〜〜〜!!!!レオン〜〜〜!!!!」
涙を浮かべ抱きつく麟。その瞬間麟の頬を衝撃が襲った!「パァン!」麟の頬が赤く染まる。麟は何が起こったか分らず、痛みさえ確認できなかった。
「バカ野郎っ!!!!なんで家を出てきたんだ!!あれほど出るなと言っただろう!!!」
「・・・あ・・う・・・あ・あ」
麟は声にならない声を上げる。
「これで、お前は自分がどういう身かわかっただろう!?お前は俺達男から見れば、のどから手が出る位欲しい女なんだよ!!
レオンは激昂した。
「そんな女が常識も知らずに外を歩いていれば、こうなることは目に見えてんだよ!なんで出てきた!」
麟は大粒の涙と大きなと声をあげて泣いた。
「だって!だって会いたかったんだもん!!!レオンに!どうしようもなかったんだもん!!それにレオンを探せたら、ほめてもらえると思って…」
言いかける麟をレオンは優しく抱いた。そして静かな声で言う。
「麟、もしお前に何かあったらそれはできなくなっちまう。そうお互いどっちともが居ないと、そんな事や結婚は出来なくなっちまうんだ。」
レオンは麟の頭を撫でながら続ける。
「麟、俺はお前に向かってくる危険はすべて払ってやる。命を賭けてもだ!でも麟が自分から危険に向かって行っちゃったら、俺どうする事も出来ないよ、麟。」
レオンは麟を抱きしめる。しばらくの沈黙。聞こえるのは麟の泣き声だけ。
「・・・な・・さい。・・・ごめんなさい。ごめんなさい!」
何度もごめんなさいを口にして、麟はまた泣き出す。レオンをしっかりと抱きしめて。
777名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:55:28 ID:3opcWFGH
特殊生態系体験記20〜


「叩いてゴメンな?麟。痛かっただろ?」
レオンは麟をおぶって家に帰る途中だった。中年にはあのあと思いっきりの脅しと、村には今回の罪を知らせたので、尻尾の事やリンの事はもう大丈夫だろう。
「んーん。悪いのはボクだから…それにこれボクがレオンのって証にもなるし。」
「今度からは出かける時は麟も一緒に行こうな。・・・実は俺もさびしくてさ、予定よりもかなり早めに家に帰ったら、麟がいなくて焦ったよ。」
「いいの?レオン、無理しなくていいんだよ?レオンがボクのために無理して欲しくない。」
「俺が好きで無理するからそれはいいの!麟こそ無理するなよ。」
「じゃあ、ボクも好きで無理する〜!あははは、これじゃきりがないね!」
そう言って麟は少し晴れた頬をゆっくりさする。愛しむ様に。
家に着くとすっかり暗くなっていた。何だか今日も疲れたのですぐに夕飯に。今日の夕飯は普通だ。シンバ曰く、
「色んなことがあった日こそ、普通が一番ニャ!」
…なぜ知っている。だが、レオンは何だか聞く気にもならず、力なくそうかよと笑う。確かにいつも食ってる筈なのに、身にしみてうまかった。
夕飯を終え、寝室へ。あんな事があったからか、麟はばつが悪そうにしている。
怒ったレオンを初めて見たせいもあり、話しかけづらいようだ。
「麟、昼の事は気にするなとは言わないけど、最初は誰だって、知らないんだしそんなに落ち込まなくても…」
レオンは麟に呼びかけるが麟はうんと力の無い返事をするだけだ。落ち込む理由は分かっている。
麟は優しい。これまでみてきた人の中で一番に。だからこそそんな麟は自分が許せなかったのだろう。愛する人を心配させた自分を。
「・・・わかったよ。そんなに自分が許せないなら、おれがお仕置きしてやる。文句は言わせないぞ。」
「え?どうして?レオンどうしてボクの考えてる事分かったの?」
「どうしてもだ!」
そう言うとレオンは麟をベッドの上にのせ、服を脱がす。あれだけの事があったにもかかわらず、抵抗は無かった。一応割り切れてはいるらしい。
ベッドの上に座らせ、麟を裸にすると、レオンは昨日と同じく胸から弄り始める。この形のいい胸が誰かに触れられかけたと考えると、内心気が気じゃなかった。
乳首を指でこすり、爪で優しく搔く。くすぐる様に優しく、優しく。
「ん・・ふう…ん…ん」
麟の声が響き始める。麟は胸を揉まれるごとにきれいになっていくように感じた。汚れたものが落ちていく感覚。清められているようだ。
「レオン…下・・も…お願い。」
ポツリと麟が言う。何だか昨日より疼く。早く弄って欲しい。しかし、ここからがレオンのお仕置きだった。
麟の足を開くと尿道付近を擦る。そこは、陰核や膣内に比べると遙かに、感度の鈍い場所だ。
「ん・・ん・・ん…?レオ・・ン?」
麟は物足りなさそうに、声をかける。言葉の奥に本音が聞こえる。なんで弄ってくれないの?と。
778名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:55:56 ID:3opcWFGH
〜特殊生態系体験記21〜


 レオンはいっこうに尿道以外を触ろうとしない。
「レオン、ん・・他も・・」
「まだだ。まだもう少し触りたい。ダメか?」
レオンにダメかと聞かれては、駄目とは言えない。しかし、5分程ずっとそこばかり触っている。普段はもっと気持ちいい所を触ってくれるのに。
麟はなんとか他と同じように感じる事が出来ないだろうかと、尿道に意識を集中する。が、集中すればするほど陰核や膣の疼きは加速していく。
その疼きはたまにレオンが陰核を皮の上から、ちょんと爪の先で触れただけで
「ああ!」
と声が上がるほどだ。麟は我慢の限界だ。
「レオン!ここの気持ちいいところ触ってよ〜、レオン〜。」
「分ったよ、触るぞ。」
だがレオンはすぐには触れない。まずは息を吹きかける。くすぐったい感覚と少しの快感が麟を襲う。
「ひゃ・・ん・ん、ん・・ふう・・」
麟はようやく来た快感に、喜んだ。が、まだ全然足りない。麟の様子を把握したレオンは次への行動へ移る。
皮を剥き陰核を露出させる。麟はやってくる刺激の予感に胸を躍らせる。レオンは露出したそこを、こすらずにただっつついている。
「!?・・ひう・・ん・・ん」
確かにさっきよりは気持ちいい。けど、足りない。足りない。
「レオン〜!足りないよう!気持ちいいの足りないよう〜!」
「これが、お仕置きだ。ふっふっふ。苦しいだろう?」
レオンは何だか楽しそうだ。麟は体の全神経を陰核に集中させる。少しでも敏感に感じ取るために。
それは麟の陰核に変化をもたらした。一回り、膨らんだそれはレオンのモノと同じようにかすかに脈打っている。
まるで自ら近づかんと膨らんだそれを確認したレオンは、陰核の付け根と本体に指を当て一気に擦りあげた。
「くはぁ!!!・・ん・・んいい!」
気持ち良かった。ただただ気持ち良かった。昨日、一昨日とレオンが感じさせてくれた、快感と同じだった。強さを除いては。
「ふうん!!・・あ、あ、はぁん!いいよぅ!レオンいいよっ・・んん!」
頭が真っ白になっていく。違う。レオンが触る度に頭からはレオン以外の事が一つずつ、抜け落ちていく。
麟は体を震わせ、快楽を貪る。体が震えると同時に、膣からどくどくと愛液が流れ出る。
「はぁ、はぁ、ふ・・んんっ!!あ、あ、あ、あすごい!いい!」
もっと欲しい!もっと欲しい!もっと!もっと!もっとっ!!刺激が、快感が、レオンが欲しい!!!
「レオン・・はぁ、はぁ、んく・・中に!ボクの中に入って、レオン!」
麟はおねだりをする。出来るだけ可愛く、妖艶に。レオンの心を動かせるように。

779名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 20:56:22 ID:3opcWFGH
特殊生態系体験記22〜


「じゃあ、麟、昨日よりももっと気持ち良くなろう。後ろを向いて、麟。」
そう言うとレオンは麟をバックの体勢にする。そして、その状態で麟の中にレオンは自分の分身を進めていく。
昨日よりもずっと緩くなった中はとても気持ちがよかった。麟にとっても、レオンにとっても。
「くはぁああ!!ん、ん、ん、ん!んーーーーっ!!!」
入れた途端麟が連続して震える。どうやら小さくイッたようだ。レオンは構わず腰を進める。
「うわあ!?う、う、ううん!うん、うんうむう!っ――〜んん!」
気持ちがよすぎて麟は思わずびっくりしてしまった。
人間の膣は大抵、正上位で入れた時に最もスムーズに入るようにカーブが出来ている。膣の壁がこの時圧されたり、特定の部位がこすれたりすると快感になる。
バックの場合はモノのカーブが膣とまったく逆。つまり抵抗が大きくなる。大きくなるとそれだけ、擦れたり、圧したりが増えるので、結果より気持ち良くなれる。
麟は今まさしく、その状態だった。レオンが動く度に、擦れて、圧されて気持ち良くなっていく。入口のいやらしい音が大きくなる。
「あん!あん!はぁん!あんっあぐっーー!!ひ、ひゃあ!」
腰がとろけそうなくらいに気持ちいい。頭にはレオン以外もう何も無い。ほどなく麟の絶頂が近づいてくる。
「あ、あ、あ、クる!きちゃう!!レオン、ボクとんじゃあっ!!うう〜!」
その時レオンは止まった。麟の入口付近で止まった。麟はあと一歩でせっく…じゃなくて絶頂に行き損ねてしまった。
「…れおん?・・ろうして、止めたうの?」
イきかけて舌ったらずになった麟の甘える声が聞こえる。
「これもお仕置きだよ、麟。そうだな〜あと6回はイクの我慢してもらおうかな〜」
レオンは笑いながら言うが、麟はそれどころじゃない。
イク直前のあの、出したくないのに何か出そうな、気持ち良さ。あんなのがあと6回も続いたら、おかしくなってしまう。
レオンからは止める素振りが見えない。何より気持ちがいい事には変わりが無いのだ。麟は恐る恐るうなずいた。
それと同時に動き出すレオン。積りだす快感。でも麟の快感がけして溢れる事は無かった。溢れる寸前でピタッと止まる刺激。
沈んでいく興奮。しかし、もういいやと萎える一歩手前で動きを再開するレオン。
「このまま!れっ!おん、このまま!あ、あ、ああっ!!あと一回!!お願いレオン、あと一回!!」
懇願むなしくまた、少しづつ冷めていく快感。その繰り返しの中で、麟はついに我慢が出来なくなっていた。
「レオン…ボクも、ダメ!イきたい!イきたい!!レオン、ボクもう分かったから!自分の事分かったから!だから、いかせてよぅ〜!!レオン〜!」
泣きながら叫ぶ麟。するとレオンは動きを再開した。
「んん!んん!あ、はぁ〜!!!んん!んう!んう!んう!」
時々レオンに体を寄せ首を捻りキスをしながら、麟は6回目の上昇を開始する。そしてあと一回でまた止まるレオン。諦めかけたその直後レオンは陰核を擦る!再び上がる、快感そして…ついにあと1回が、0になった。
「っ―――――――――!!!ふっ―――――――んんっ!!!ん―――!ん――――!!」
何度も何度もイク麟。その度音を立てて吹き出る、快感。ただただ体全部で気持ちいいを表現する麟。それとほぼ同時にレオンも麟の中に、熱い未来を注ぎ込んだ。
「っ―――はぁ、はぁ、はぁ!う!う、う、う、う、〜〜〜〜!!!」
吹き終わると、麟は体をガクガクと震わせ倒れこんだまだ呼吸が荒い。小さな肩が横に上下し、膣からは精液が流れ出ている。
「どうだった。麟?きつかったか?」
優しく頭を撫でながらキスをして、レオンは麟に聞いてみる。少しやりすぎた感があったからだ。
横に向かい合う麟は、ゆっくり微笑みキスを返す。
「…しゅごく気持ちよかっらよ、れおん。えへへ…ボクもう、れおんじゃないとらめみたい。…らいしゅきらよれおん。あいしてりゅよ…ずっと、ずっと、ずっと…ZZZ。」
力なく、けどしっかりと麟は幸せをかみしめるように、言った。その笑顔のまま眠りにつく麟。曇り一つない笑顔。
曇り一つない幸せ。そうまだまだこれからが二人の幸せの本番。夜は今日も更けていく。
780名無しさん@ピンキー:2008/03/20(木) 21:02:44 ID:3opcWFGH
これで今回分は終わりです。
皆さんの意見お待ちしております。
今回は中年に麟をやらせるはずだったのですが、指がその展開を拒否したので、変えました。
次回は活力剤を間違って飲んだ麟に暴れてもらう予定です。
ではこの辺でしつれいします。お付き合いありがとうございます。
781孤独を知らない男:2008/03/20(木) 21:48:25 ID:/m2kIaNF
タイミング的にはアレかなとも思いますが、ちょっとリアル事情の時間が迫ってるので今の内に…
あ、あと今回も非エロです。すいません。
 
それでは、『孤独を知らない男』第七話投下いたします。
 
 
 
『孤独を知らない男』:第七話
 
 
 
月も出ない暗い夜。風も吹かない静かな夜。虫も蠢かぬ孤独な夜。
闇の中にいれば心まで吸い込まれそうな暗黒の中、
小さな少年が、僅かに開いたドアの隙間から室内を覗き見ている。
少年は一歩も動かず、室内のある一点をただじっと見ていた。
心が抜けたように一点に視線を釘付けにしている少年。
これは俺だ。俺の幼かった頃の記憶。たぶん5歳くらいだろう。
 
少年…いや、幼子と呼んでもいいかもしれない。
その幼子の視線の先にあるのは、中年の男。
椅子に座り、机の上の蝋燭の火をじっと凝視している。
この男は俺の親父だ。幼子は親父の姿を、斜め後ろ方向から見上げていた。
 
親父は幼子に気付いている様子はなく、ただ睨むように蝋燭の火を見ていた。
空気の微かな動きに反応して左右に揺らめくだけの炎の先を見る親父の視線は、
蝋燭の火に縫い付けられているようで、全く別のものを見ているようだった。
目を剥いて蝋燭の火を食い入るように睨む表情は、どこか鬼気迫っていて、
触れたらその瞬間に、親父は親父じゃない別の何かに変わってしまうような気がした。
蝋燭の灯りによって闇からぼんやりと浮かび上がる親父の顔は、
この世のものならぬ、異世界に住む魔獣のようにも見えたのだ。
そして、まるで眼力のみで蝋燭の火を消さんとしているような親父の、刺すような目。
それを向けられているわけでもないのに、幼子はその場から全く動くことが出来ず、
ただ黙って立ち尽くし、殆ど呆然と親父を見続けるしかなかった。
 
我が一族の掟に、変わった項目が一つある。
『当主が子を成した際、子が齢五を数える頃には、配偶者は当家より絶縁すべし。』
何故、この掟があるのかは分からない。いつ頃生まれた掟なのかも分からない。
だが掟になっているからには、絶対に従わなくてはならず、俺の両親とて例外ではなかった。
俺はよく憶えてないんだが、おふくろと親父はとても仲が良く、
結婚する際も、おふくろはこの掟を承諾した上で嫁入りしたそうだ。
だから結婚当初は19同士だったのに、俺が生まれたのは遅くだった。
確か両親が32の時だったな。俺が生まれたのは。
 
親父は、蝋燭の火を睨む。
この暗闇を唯一照らす小さな光。
それを押し潰すように、そしてどこか縋るように視線を固定させている。
永久と思うほどの時間が流れる中、その空間の時間は止まっていた。
瞬きすらせず、身じろぎ一つせず親父は火を見続けていた。
殺気にも似た雰囲気を纏ったその姿は明らかに異常と呼べるものであったが、
幼子はそんな親父から目がはなせなかった。
そうなると幼子と親父はまるで金縛りに遇ったかのように、全く動く事がなかった。
いつか幼子が恐怖を覚え始めてベッドに飛び込むまで、ずっと。
 
蝋燭の火以外の明るさが一切ない暗い夜。
ふくろうやこうもりや虫の羽音さえない静かな夜。
意思をもって動くものなど何もない孤独な夜。
蝋燭の火は、ただただ親父の姿だけを闇の中に映し出していた。
 
この夜は、おふくろが絶縁されて家を出ていった日の夜だった。
 
782孤独を知らない男:2008/03/20(木) 21:53:42 ID:/m2kIaNF
 
「………またか。」
 
揺られる馬車の中で目を醒ました俺は、最初にそう呟いた。
近頃は親父の夢ばかり見る。いったい何故だろうか?
 
「走馬灯かな…」
 
太刀を抱えたまま続けて呟く。
この馬車を借りる時、厩舎の管理人から情報が入った。
本来なら、ギルドに楯つく者がハンターとして馬車を借りる事は許されない。
しかし俺は金払いがいい。厩舎の管理人は表立った協力はしてくれないが、
こっそり馬車を手配してくれたり、情報を俺に渡してくれたりする。
つまり厩舎の管理人は、俺にとっては大事な情報屋の一人にもなるわけだ。
そして先ほど入った情報の一つは、俺に対するギルドの動きに変化があったこと。
どうも秘密裏に俺の事を嗅ぎ回っているらしい。恐らく近々暗殺者が放たれるだろう。
 
原因は…たぶんパーシェルのことだ。
通常なら向こうに非があるのだからあれっきりは何も起こらんが、俺の場合は少し勝手が違う。
ギルドは俺を殺したがっているのだから、その大義名分が欲しいはずだ。
そこでパーシェルの事件を持ち出し、俺を民衆に実害を加える者として吊るし上げるつもりだろう。
そこに、事件の罪がどこに準拠しているのかは関係ない。
重要なのは、『俺が』一般民衆を殺害したということだ。
実際に殺したのはトネスだが、間違いなく奴らは俺の仕業に仕立て上げるだろう。
ま、それはともかく、だ。俺にとって大事なのは暗殺者への対応。これだけだ。
我が一族には対人用の戦闘術や体術も存在するから、並の暗殺者なら軽くいなせる。
問題はギルドナイツが動いた場合だ。真正面からの戦いなら引けをとらんと思うが、
暗殺となれば、ちょっとヤバいかもしれない。
奴らの技量で四六時中狙われたんじゃ、流石の俺でも倒せるかどうか分からん。
まあ、歴代最強と謳われた俺の曾祖父なんかはギルドナイト二人を同時に相手して殺したというから、
ギルドとしても危険を犯してまで、発見し難い貴重な人材に暗殺を命ずる事は少ないだろう。
相手が相手だしな。
 
しかし俺が考えた所でギルドの意向が変わるわけでもなし。
ギルドナイトが来ないことを祈って、暗殺者への対応を練っておくぐらいだな。
幸い、暗殺者への対応術も20ぐらいは方法があるし、
それらを組み合わせ、戦闘術や体術の応用も利かせれば対応は200通り以上はある。
そうそうやられるような事はあるまい。
 
「旦那ァ、そろそろ着きやスぜ。」
 
御者のその声で、俺は瞑想していた目を開き、壁に預けていた背を起こした。
取り敢えずは、トネスだ。
馬車の中でも色々考えたが、答えらしい答えは出なかった。
だから考えてる途中でつい眠ってしまったのだ。
しかし、まずは会ってみようと思う。
トネスの姿を見た瞬間に自分がどうするのかは分からないが…
じんわりと、心の中に空気の塊のようなものが作り上げられていく。
不思議と重さは感じない塊だ。
 
俺はその空気の塊を吐き出すようにため息をついた。
酒はとっくに抜けているから、この気持ちは酔いのせいではないだろう。
美しいと感じた心が、それを愛するという事に直結するのなら、
或いはこの気持ちは今まで俺が一度も経験して来なかったものかもしれない。
もしそうだとしたら、俺はとんでもない間抜けだ。
全く、本当にこの歳になって自分の心を制御し切れていなかったとはな。
まだまだ俺も未熟ってことか。
 
783孤独を知らない男:2008/03/20(木) 21:56:27 ID:/m2kIaNF
「止めてくれ。ここでいい。」
 
太刀を腰に差しながら、俺は御者に声をかけた。
太刀を腰に差したのは、隣にある巨大な荷物を背負うためである。
荷物を太刀の上から背負っては、咄嗟に武器を抜く事が出来なくなるからな。
大きな荷物の中身は…まあ今の所は秘密だ。
腰に装着するのは太刀のみではなく、矢筒も、という事だけ言っておこう。
 
「へ? 本当にここでよろしいんで?」
「お前灼熱の砂漠まで行きたいのか?」
「……ここでよござんすね。」
「ああ、ここでいい。5日後の同時刻にここに来てくれ。」
 
そう言うと、俺は荷物を背負って馬車から降り、街道を進みはじめる。
御者の横をすり抜ける時には、「ご苦労さん」と言って金貨を親指で弾き飛ばして渡し、
ここまで馬車を引っ張ってくれたアプトノスの横を通り過ぎる時には、横っ腹をぱしっと叩いてやる。
アプトノスにとっちゃこのぐらいは撫でるようなもんだ。
俺は背中で、御者の「まいど」と言う声と、アプトノスの気持ち良さそうないななきを聞きながら、
砂漠を目指して歩いていった。
 
 
 
「クァックァッ」
 
頭の上から響いて来た仲間の声で、私は目を醒ました。
上半身を起こし、目をこすりながら上を見上げると、
仲間の一人が私を見下ろしていた。
目をこすっていた手を下ろして私が小さく「クー」と鳴くと、
その仲間は自分の巣に向かって走り去っていく。
 
「ふぁ〜ぁ……ん…んん〜〜〜〜ッ…!」
 
私はそれを見送ってから、あくびをしつつ大きく伸びをする。
あれから私は、一般の居住区画にあるスペースの一つを分けてもらい、
そこに乾燥した草で巣を作って、住まわせてもらっている。
私は事の詳細を既に自分でみんなに伝えてある。もちろん謝罪もした。
だからこそ、みんなは私のこのスペースを与えてくれたのだと思う。
人間になった事で、私には人間特有の思考や感情が生まれていたけど、
仲間達の機微を感じ取る力は衰えていないようだ。
 
「クー」
 
あくびと伸びを終えた後、軽く鳴いてみた。
周囲の仲間たちは、まだ寝ている者もいたが、大体はもう起きていた。
起床している者の内の数人は入口周辺に集まっており、
残りの仲間は、各々自分のスペースにある巣の傍で蹲っていた。
今は産卵の時期。卵を産んだ者の番は卵を守り、産んだ本人は積極的に狩りに出る。
自然界では子守りの仕事は主に男性が引き受けるのだ、とジェロスから習っていたし、
そういった光景は何度も見たので、別段違和感はない。
違和感があるとすれば、入口に集まっている仲間達の数が非常に多いことぐらいだ。
入口に集まるのは、狩りに出る者が全員揃うまでそこで待っているため。
つまり女性はこれから集まって狩りに出るのであるが、
通常ならもうとっくに出発しているはずである人数が、入口には屯していた。
 
784孤独を知らない男:2008/03/20(木) 22:02:26 ID:/m2kIaNF
「…慣例が変わったのかな?」
 
私は独り言を呟きながら立ち上がった。
とっくに出発しているはずの人数がまだ入口にいるという事は、
更なる狩りの人員の集結を待っているという事であり、
いつもよりも大人数で狩りに出かける事を意味している。
 
『どうしたの? 私がいた時より人数が多いけど…』
 
私は入口で屯している仲間達の一人に話し掛けた。
話し掛けた相手は、元未亡人ながらも今回めでたく再婚した女性で、
卵を産んだばかりの人なはずだから、狩りには並々ならぬ意気込みを持っているはずだ。
 
『あら、そう言えばあなたは知らなかったわね。
最近とても凶暴な雌の角竜が出ててね、際限なく縄張りを広げてるから危険なのよ。』
 
角竜ディアブロス。その存在は何度も見た事があるし、
人間になった時、より詳しい生態をジェロスから教わった。
ディアブロスの雌は繁殖期になると異様に凶暴化し、縄張りを広げまくる。
そうして広げた縄張りに複数の雄を招き入れ、互いに争わせて勝ち残った一匹と番になるのだという。
縄張りを広げるのは大量の雄を招き入れるためと、大事な時期に食糧を確実に確保するため。
その激しい生態から、この時期の角竜の雌は、
リオレイアとは違った意味で女王と呼ばれる事もあると聞いた。
縄張りを確実に広げるためなら他の生物の縄張りであろうと、
全く容赦なく侵略していく姿は、まさしく女傑であるそうだ。
 
『そんなに凄いの…?』
 
でも、大抵は角竜の雌同士で牽制し合うので、
ゲネポスの群れが安全に狩猟をするだけの縄張りスペースは残される。
少なくとも私がいた頃はずっとそうだった。
そしてそれが自然のバランスだとジェロスは言っていた。
 
785孤独を知らない男:2008/03/20(木) 22:03:31 ID:/m2kIaNF
『そりゃ凄いわよー。
 もう四匹もライバルの雌を殺してるらしいし、
 体格も今まで見たことないぐらい大きかったわー。』
 
でも、稀にそういったバランスを崩す個体が現れることがあって、
そういった個体は進化した種類である可能性がある、と言っていた。
そして進化した個体は、既にそこにある生物を淘汰して栄える、ということも。
 
『…ね、私も参加していいかな?』
 
私はちょっと恩返しをしたくなった。
以前ほどの牙や爪はもうないし武器も持って来ていないけど、
ちょっとしたアイテムなら持って来てるし、調合術も教わっている。
もし角竜に襲われた時、仲間を守るくらいの事はしたいと思ったのだ。
 
『まあ、狩りは人数と年齢さえ満たせれば自由参加だからいいけど…
 あなたの場合はちょっとどうかしら…』
『大丈夫。狩りの足は引っ張らないよ。
 ね、お願い。私もみんなの役に立ちたいの。』
 
通常の狩りではリーダーは出て来ない。
代わりに狩りグループの中で一時的に定める指揮者が、主に狩りグループの指揮をする。
狩りにリーダーが出るのは特別な状況での狩りだけだ。
だから、弟には秘密にしておく。私が狩りに出たがっても確実に難色を示すからだ。
 
『う〜ん…爪と牙の代わりになるものがあれば良いわよ。』
 
そして私と話している女性が、恐らく狩りグループの指揮者だろう。
彼女は少し考えるような素振りを見せたけど、やはり直感的に決定を下した。
弟をだますような形になるのは少し気が引けるけど、
いつまでも守られっぱなしでは気が済まない。
私は指揮者の女性にお礼を言うと、自分の寝場所の傍に置いたアイテムを取りに行き、
人数が揃うのを待ってから、仲間達と共に狩りに出かけた。
 
786孤独を知らない男:2008/03/20(木) 22:04:50 ID:/m2kIaNF
 
「ギャアアッ!」
「グワァッ!」
 
突撃隊の数人がアプケロスの群れに突っ込んだ。
アプケロスは非常に攻撃的な動物で、真正面から群れに挑めばとても危険だ。
しかし攻撃的であるからこそ、狩るための方法もある。
まず数人の突撃隊が大声で騒ぎ立てながら群れに突っ込む。
攻撃的なアプケロスは一致団結して突撃隊に対応する。
突撃隊は攻撃する姿勢を見せつつも決して深追いせず、逆にじりじりと下がっていく。
そうして全てのアプケロスが突撃隊に視線を奪われ、注意を向けた瞬間を狙い──
 
「クオオォォーーン!!」
 
──群れの最後尾にいる個体を、後ろから他の全員で攻撃する。
突撃隊が注意を引き付けている間に、群れの後ろからできるだけ獲物に接近し、
最後尾にいる一匹に不意打ちを喰らわせるのだ。言わば本命の攻撃隊である。
私達は一斉に飛び掛かってアプケロスの体にしがみついた。
アプケロスは悲痛な叫びをあげながら尻尾を振り回そうとするが、
こうなればこのアプケロスの命はもうなくなったも同然。問題は時間だけだ。
獲物をしとめる際、攻撃隊の中でも役割がちゃんと定められている。
獲物の動きを制限する係、上から覆い被さって動揺を誘う係。
そして一番重要なのが、獲物にとどめを刺す係。
 
「カァァァァァァァァッ!」
ドズゥゥッ!
 
私は素早くアプケロスの首に腕を絡ませ、砥石で研いだ鉄鉱石を頭に突き刺した。
人数が揃うのを待っている間に素早く作った即席簡易ナイフだけど、
アプケロスの頭蓋骨は分厚いので、こんなもので貫けるとは思わない。
大事なのは頭蓋骨に衝撃を加え、脳にダメージを与えること。
すかさず私は鉄鉱石ナイフを引き抜いて、今度は喉に突き刺した。
脳へのダメージと呼吸器へのダメージでアプケロスはドサリと倒れ込む。
 
大事なのは、素早く行うこと。
とどめにもたついてしまえば他のアプケロス達が加勢してくる。
その前に獲物を行動不能にしておき、素早く他のアプケロスが襲って来ないように牽制するのだ。
その全てを一瞬で行わねば狩りは失敗。今度は一転してこちらが逃げる番となる。
でも今回は成功だ。加勢が入る前に獲物を倒せた。
直ぐさま仲間が他のアプケロスを牽制し、私はその間に完全に息の根を止める。
 
これが私のいた群れの狩りの仕方だ。
 
「ギャウッ!」
「ガウゥッ!」
 
アプケロスの群れを追い払ったあと、突撃隊も無事合流して来て、
私達は仕留めた獲物の解体に取りかかっていた。
腹を開き、腐りやすい内臓はまず最初に食べてしまう。
私は人間になったので生の状態では食べられないから、肉を少し貰う程度だ。
後の肉は持ち帰り、番の男性に与えたり備蓄にしておいたりする。
生まれてくる子供達に備えて、食糧を蓄えておくことは重要だ。
砂漠には腐敗菌が少ないので長い期間蓄えておけることを、私達は本能的に知っている。
 
787孤独を知らない男
『結局、角竜出なかったね。』
 
私は狩りグループの指揮者に話し掛けた。
彼女はもう、自分の分の肉をしっかりと剥ぎ取って口にくわえていた。
 
『いいじゃないか、出ないなら出ないで。』
 
彼女の言葉に、私は思わず微笑んだ。
狩りを無事に終えた安堵感と、みんなの役に立てたことが嬉しかったからだ。
やがてアプケロスは私達みんなの空腹を満たすに足る肉をすっかり供出し、
残るは骨と甲羅と一部の肉などの残骸となっていた。
 
『じゃ、帰ろうか。』
 
全員がしっかり持ち帰り用の肉を持ったことを確認し、指揮者はみんなに促した。
でも、私はやるべき事がある。そしてそれはみんなには関係のない事だ。
私個人のことでみんなを煩わせてはいけない。家族が巣で待っているのだから。
 
『あ、ごめん。ちょっと先に帰っててもらえる?
 後から直ぐに追い付くからさ…』
『? 別にいいけど…なんで?』
『ちょっとやる事があるだけ。心配いらないよ。』
『ふーん…』
 
指揮者である彼女は少し訝しげだったようだが、群れの不利益になるとは考えなかったようで、
自分自身も、やっと巡り合えた再婚相手に早く尽くしたいという気持ちがあったのだろう。
私の頼みを深く追及するでもなく認めてくれた。
そして彼女が号令すると、狩りグループは一斉に巣に向かって帰り始めた。
 
「さて、と…」
 
私は帰っていく仲間達の背を見送ると、早速アプケロスの方に向き直り、
目を閉じて心を鎮め、ジェロスから教わった祈りと感謝を述べる。
こうしている間は時間がとてもゆっくりに流れているような気がして、
えもいわれぬ心地良さというものを感じる。
だから私は、この祈りと感謝を欠かさないようにしようと思っている。
そして祈りと感謝も終わり、最後はドキドキノコを添えるだけなのだけれど、今は持ち合わせがない。
 
「代わりにこれで…」
 
仕方なく、代わりにアオキノコを供えた。
回復薬調合のために持って来たものだけど…しょうがないよね。
どうか成仏してください…
私はもう一度アプケロスに祈りを捧げると、
仲間のみんなに追い付くために、巣への道の方を振り向いた。
 
ドガァァァァァアアアアアアアン!!
 
その直後だった。
爆発のような音が響き、少し離れた場所の地面が実際に爆裂した。
そしてそこから飛び出た大きな黒い影。
老山龍も一突きで殺せそうな、太く逞しい一対の角。
刺々しいハンマーのついた長い尻尾は一振りで岩をも砕く。
ギラリと睨むような眼光に、凶悪な面を一層際立たせる漆黒の体表。
そこに刻まれた、歴戦の激しさを思わせる数々の古傷。
 
それは、今まで見た事も聞いた事もないほどの巨大な黒いディアブロスだった。