先日の事件でDAT落ちしたので、立て直した。
勝手にやってごめんよ、姐さん方。
>>1 助かりました。乙です。
今度こそ落ちないようにと思っていたが
あの空襲は不意打ちだったなー
落ちてたのか。
>>1
ありがdです。
早いとこ、なんかうpされるといいな。
仁義なき乙女とか読みたいな。 婚約者とか。
>1乙
>>1乙
もうあんなことないといいけれどそう言えないのがな
>>1さん乙。
まぁ、とりあえず規制入ったから当面は大丈夫…と
100%言い切れないのがなんとも。
>>1乙です。今回は無事に完走できるといいな。
ところで質問なんだが、前スレ最後の方のSSって保管されるかな?
いまいち総合保管庫の仕組みがよくわかってないのだけど。
>10
わざとならおkだがさげれてないよー保管庫乙
>1乙
>>11 すまない、sだけ全角だったみたいだ。
ついでに投下してみる。
パニパレで乃凪×亜貴。
入れ替わり(つまり体では亜貴×乃凪)での話なんで嫌な人スルーでヨロ。
「じゃあ、今日の科目を勉強しようか。三年の問題をすることになるけれど、あせらずやればできるから。」
「……。」
「大丈夫だよ、依藤さん。俺もできる限りのことはするし。」
「……。」
「不安なのはわかるけれど……。」
「ふ、不安とは違います。んっ。」
目の前の三年の教材、今日は三年の試験を受ける。
三年の試験を受けるということは確かに不安だけれど、今の私にはもっと気になることがあったりする。
「不安……じゃない?」
わからないというように頭をかしげる乃凪先輩。
本当は勉強に集中して少しでも乃凪先輩の役に立ちたい。
今回だって私事に巻き込んでこんなことになって迷惑かけているし、
なにより今回のテストは乃凪先輩にとって今まで以上に大切なテストなのだから。
でも、どうしても集中できない。
気になって仕方がない。
だってこんなこと初めてなんだもん。
というか女だったら絶対経験しないことだし……。
「大丈夫、依藤さん。気分が悪いの? 」
「乃凪先輩……。」
心配そうな顔で見つめてくるけれど、こんなの相談できない。
「トイレではないよね。だってあのビスケットさっき食べたばかりだし。」
「……。」
そうだよ、ノル。ビスケットにコレを抑える効果はなかったの。
って、抑える効果が無いからこうなっちゃってるんだよね。
「さっきから、下ばかり気にしているよね。」
乃凪先輩の言葉に頬が熱くなるのがわかる。
恥ずかしい。そこまで私、あそこ気にしていたの。
自分でも気づかず目線が何度かいってたのかもしれない。
「……もしかして、男の生理現象だったりして。」
「っ! 」
言葉にされるとよけいに恥ずかしい。私は思わず顔を両手で隠した。
「えぇ、当たり! 」
冗談交じりだった乃凪先輩も今の私の行動で現実だと気づいたみたい。
私はもう認めるしかなくて私は頷く。
私の体もとい、乃凪先輩の体は今なぜかあそこがたっているのだ。
「……んっ。」
かなり敏感になっていて擦れるだけで快感がおこる。
「せ、せんぱい……どうしたらいいんでしょう。さっきから全然治まってくれなくて。」
これを抑えないと勉強に集中できそうにない。かといってやり方とかわからない。
気が焦るけど、恥ずかしいし、もうわけわからなくてさっきから頭がパニック。
「どうしようって、いわれても……。」
乃凪先輩が困った顔をしている。
でも、私は乃凪先輩に頼るしかなくてすがるように声を出す。
「ないなぎ……せんぱい……。」
「たしかに、どうするかはわかるけど。でも……。」
乃凪先輩の視線がが顔とあそこを行き来する。
先輩の頬もこころなしか赤くなっているようにみえる。
やっぱり先輩も恥ずかしいよね、自分の体が目の前で発情しているのを見ているんだから。
「あの……依藤さんはいいの? 」
乃凪先輩は下を気にしながら上目遣いで顔を覗き込む。
そして躊躇いがちに言葉を続ける。
「俺に頼むってことは、その依藤さんの体を使うってことだよ。」
「……。」
たしかにそう。
先輩の体は今の私の体で、先輩に頼むことは私の体を使って乃凪先輩の体を慰めるってこと。
一人でする仕方を教えてもらう方法もあるけれど私自身が恥ずかしくてきっと出来ない。
「乃凪先輩、お願いします。」
結局私は乃凪先輩に迷惑をかけている。
言い訳かもしれないけれどパニックのまま時間をこれ以上潰すだけなんてダメだ。
早く済ませて少しでも早くテスト勉強しなくては。
「でも、依藤さんは内沼……んっ。」
乃凪先輩の言葉を塞ぐように私は先輩に口付ける。
私の中で今、葛ちゃんの名前を聞いたら決心が鈍りそうな気がしたから。
それに一刻も時間が惜しい。
「いいんです、乃凪先輩。お願いします。」
「……じゃあ、うん、しよう。」
ちょっとまだ戸惑った表情をしていたが私のキスで乃凪先輩自身も覚悟を決めたのか今度は先輩からキスをくれる。
「んむっ……。」
触れるだけのキス。
勢いでさっきキスしちゃったけれど今思えば私、ファーストキスだ。
乃凪先輩はしたことがあるのかな。好きな人とかは……。
今からキス以上のことをしようとしているのにそう考えるとチクリと胸が痛んだ。
「あっ……。」
少し触れられただけで電気が走るように快楽が突き抜ける。
乃凪先輩が制服の上からモノに触れている。
私の指が先輩のモノに触れているんだと思うとさらに体が熱くなった。
幾度か布越しで擦ると先輩はズボンのボタンに手を掛けた。
慣れた手つきでボタンを外すとジッパーを降ろす。
「まさか、自分のを目の前にすることがあるとは……。」
「す、すみません。」
「いや、依藤さんはなりたくてなったわけじゃないしね。しかたがないよ。」
下着も下ろされ初めて目にするそそり立った男性のモノに私は目が離せない。
「これが、男の人の……。」
「じゃあ、するよ。」
今なら止められるとでも言うような表情で声をかける乃凪先輩に私は頷く。
今さら止めてなんていうぐらいだったら揺らいだまま今もパニックになってるはずだ。
私の決心はもう決まっているから。
「大丈夫です。」
私は乃凪先輩の目を見てもう一度答える。
先輩はかすかに微笑むとわかったと呟いてそそり立ったものに手を添えた。
私の指が手が直に男の人に触れているのを私は今見下ろしている。
恥ずかしいけれど、それが逆に興奮している自分がいるのに気がついてる。
ゆっくりと先輩が指を上下に動かしていく。
「あっ、あぁ。」
ため息に似た声が口から漏れる。
これが男の人のモノを鎮める基本の行動、なんだよね。
男の人の視点で自分がその行動を見ているなんてとても不思議だ。
「……たぶん、俺の気持ちいい場所と一緒なはず。」
そう乃凪先輩は呟くと親指がモノの付け根から先までをすべる。
強烈な痺れが体を支配する。
「やぁ……な、なに。」
「刺激、強かった? 」
乃凪先輩は私に問いかけつつも指を止めようとはしない。
何度も同じ場所を往復し、そして先端を強く擦られる。
「ひぁあああああ。」
ただ擦られるだけとは違う、快感が体を突き抜ける。
すごく気持ちよくて体が痺れたような感覚に陥る。
「俺、これ好きなんだ。どうやら変わってないみたいだから、すごくやりやすい。」
先輩は自分の体を確認するように快感のツボを押していく。
「はんっ……きもちいい……きもちい……いぃ。」
私はそれに呼び起こされる快感に身を震わせて喘ぐだけの人形にでもなった気分だ。
「自分でするときより大きく感じるのは依藤さんの手が小さいからだな。」
「せ、ハァハァ、ないなぎ……せんぱっ……もするんですね、一人で。あんっ。」
「俺も男だしね。って今のこの姿で言っても変だけどね。」
ハハッと苦笑いを浮かべて先輩がいう。
「そうですねっ……、はっ傍から見たら、私が乃凪先輩にしてるように見えるんですよね。」
鏡に目を映すと頬を紅くして悶える乃凪先輩の姿と先輩のモノを指で静めようとしている私の姿が映っている。
他の人に見られたときは私がしているって映るんだ。
「俺が……依藤さんにしてもらう……。」
私の視線を追って乃凪先輩も鏡の中の私達を見ている。
鏡の中では頬を紅く染めた男女がいやらしく映っているのだ。
「依藤さんの指が……俺の……依藤さん、はぁ。」
鏡に映る女の、私の顔がさらに紅く染まっていく。
「乃凪せんぱっ……。」
先輩の熱い吐息が先端に吹きかかる。先輩も興奮してきたのだろうか。
チロリと出した舌が先ほどまで親指が行き来していた所を這う。
「そんなっ、……あん。」
「依藤さんのんっちゅ……舌が……俺のを……ちゅ……ちゅぱ……んっん。」
唾液が水音を奏でながら口の中にモノが納まっていく。
あまりの光景に私は鏡を見ていられなくて目を閉じる。
「ふっんぐ……ちゅ、ちゅぱ。」
目を閉じたことで聞こえる水音が余計に耳に響く。
「あっ……いいっ。」
自分の体を知り尽くしているだけあって乃凪先輩の与えてくる刺激に私はただ身を震わせた。
恥ずかしいけれど、凄く気持ちがいい。
閉じた視覚が触覚と聴覚を敏感にさせたみたい。
「あん……せんぱい。乃凪先輩……あっ。」
「ちゅ……かわいい……声。きもちいいの……んっ。」
「はい、気持ちいいです。」
「そう……きもちいいの。じゃあ。」
下半身に受けていた快感を止められて息をつきながら私は閉じた目を開く。
目の前に映る私を見上げる顔。
先輩は口からたれ流れる唾液を右手の甲で拭いながら反対の左手は唾液で濡れて光るモノを優しく擦る。
先ほどとは違って敏感な部分をあえて外されているからもう限界が近いと思ったのにイくことをギリギリで止められた感じ。
最後までして欲しいのに焦らされて変な気分。早く開放して欲しいよ。
「ねぇ、依藤さん。俺にもして……お願い。」
興奮から紅に染まった頬と潤んだ瞳。
自分自身でも見たことがない自分の表情。
これが私の男の人を誘う表情なんだと思ったら驚きと共に恥ずかしさがこみ上げる。
私がしているわけじゃないれど私がさせられてるような羞恥プレイのような錯覚。
「依藤さんの声を聞いていたら、俺も……こんなになって。」
先輩がスカートをたくし上げショーツの中に指を入れると少し粘り気のある水音が静かな部屋に響く。
「んっ……はぁ。」
指を割れ目に這わせただけで乃凪先輩は熱のこもったため息をつく。
「みて、すごいよ……依藤さん。」
割れ目に這わせた指を私の目の前にもってくる。
中指と人差し指の間に糸が架かり雫が指の間まで伝っている。
「ないなぎ……せんぱっ。」
「我慢できないの? 」
先輩の言葉に私は何度も頷いた。
「俺も、我慢できない。だから……、依藤さんの初めて……俺にくれないか。」
先輩の言葉が耳に響く。
私の初めてを……乃凪先輩にあげる……。
いきなりのことで頭の働きが遅くなる。
「依藤さん……。」
「私……のはじめて……。」
「うん、依藤さんの初めて。俺、依藤さんとその……最後までしたい。」
戸惑ったような不安混じりな声で乃凪先輩は補足する。
ここまで言われたら私だって理解せずにはいられない。
最後までってことはつまり合体というかあれを中に……。
「依藤さんは……どうなの。」
私の体は今、乃凪先輩としたいって思ってる。今すぐにでも欲望を開放したいと思ってる。
でも、心はどうなんだろう。
私はこのまま乃凪先輩としていいのかな。
「もし、ダメだとしても俺は構わないから。依藤さんがしたかったらでいいよ。
たとえ、無理だとしても鎮めてあげるから心配しないで。」
乃凪先輩、私のこと思ってくれている。いつも私のこと気にかけてくれて本当優しい。
「ただ、一つだけ。俺は誰でもいいわじゃないことはわかってほしいんだ。」
乃凪先輩の今の言葉……。
私だからしたいって思ってくれているの。
胸が高鳴る。だってこれある意味告白だよ。
先輩の言葉が凄く嬉しい。
「乃凪先輩……したいです。」
私の今の言葉、ただ今の欲を吐き出したいだけから出た言葉なのか、
それとも乃凪先輩だから出た言葉なのかはわからないけれど私は今乃凪先輩と最後までしたいと思っている。
「でも、乃凪先輩こそ女の子の初めては痛いって聞きます。いいんですか? 」
処女膜が破れる痛みを先輩は経験することになる。
そのことはとても気がかりだった。気持ちよくなるHなのに痛みを伴うなんて先輩が可哀相だ。
でも乃凪先輩はそんなこと気にしてないとでも言うように頭を優しく撫でてくれる。
「ありがとう、依藤さん。依藤さんは何も考えずに気持ちよくなればいいんだよ。」
「えっ。」
外見が変わっただけの私達。
今の乃凪先輩は姿は女でも力は男の人。
乃凪先輩の言葉が終わる頃には私は乃凪先輩を畳を背に見上げていた。
「ふ、普通は男の人が女の人にするんじゃないんですか!! 」
てっきり私が先輩に覆いかぶさるんだと思ってたのに反対に先輩を見上げている。
「うん、だから俺がしてあげる。」
笑顔を浮かべて乃凪先輩は私の上に乗りあがる。
正直よくわからなくて怖かったけれど、
「だから、依藤さんはなにも考えなくていいんだ。」
もう一度言ってくれたその言葉に優しさを感じ、安心して頷いていた。
ショーツを足から抜くと乃凪先輩がゆっくりと腰を落としてくる。
先輩の中から垂れてくる液を先で感じながら私は乃凪先輩を見ていた。
「んっ。」
「依藤さん、さっき女の子の初めては痛いけれど大丈夫かって聞いたよね。」
小さな入り口を先端が押し広げる。
まだ先がほんの少し入っただけなのにこの瞬間を待っていたといわんばかりに体が震えた。
「んっ、くっ。」
私が気持ちいいのとは反対に先輩の苦しそうな声が耳を通る。
「この痛さを……んっ、感じ……られることは……はっ、うれしい……ことなんだ。」
「あっんっ。」
「好きな……子の初めて……実感できるから。」
「あぁ……せんぱいぃ。」
先輩の声も快楽の中に埋もれていく。
ギリギリまで焦らされたモノが解放を求めて私の理性を奪っていく。
女の子の中に入っていくだけなのにすごく気持ちがいい。
「うわっ……ちょっと……依藤さん。まだ全部はい……ったばかり。くぅ。」
「……あっ……乃凪先輩。」
どうやら私は無意識のうちに更なる快楽を求めて腰を動かしていたらしい。
自分だけ気持ちよくなろうとして恥ずかしい。先輩は今、凄く痛いはずなのに……。
「そんなに……気持ちがよかった。」
「は、はい。」
「よかった。でも、いきなり動くから驚いたよ。」
「ごめんなさい。」
「いや、あやまらなくていいんだ。ただ俺がしてあげたいんだ。俺が君にね。」
柔らかい笑顔を見せて私を安心させる先輩。
ゆっくりと乃凪先輩は私の上で動き出す。
先輩も自分のペースで出来るからきっとこっちの方がいいんだ。
「んっはぁ……。」
少し戻った理性も乃凪先輩があたえてくれる快感に飲み込まれていく。
「ないなぎ……せんぱっ……わたしまた……暴走してしまう……はぁ。」
「んっ……気持ちいいの……依藤さん。」
「はい、きもちいい。……気持ちいいです! 」
乃凪先輩も気持ちいいといい。私だけ気持ちいいなんて悪い。
乃凪先輩にも気持ちよくなってほしい。
「っ……。」
「あああああああ。せんぱっ」
乃凪先輩が小さなうめき声をあげて身を震わせる。
予期せぬいきなりのしめつけに叫び声に近い声が私の口から漏れていた。
「見……つけた……。はぁ、気持ちいいところ。依藤さんの気持ちいいところ。」
「私の気持ちがいいところ……、んっあぁ……。」
「あっ……いい。」
乃凪先輩が少し腰を動かすと先ほどと同じくらいの強い膣圧がモノを締め付けてくる。
気持ちよくて漏れた声と乃凪先輩から漏れた声が重なって部屋に響く。
桜色に頬を染めてため息交じりの声を漏らしている乃凪先輩は今の私と同じで気持ちいいと思ってくれているのかもしれない。
「きもち……いいですか、先輩?」
私は聞き返す。さっき先輩に聞かれた言葉を。
「んっ……気持ちいいよ……依藤さん。」
予想通りの答え。その予想通りの答えがとても嬉しい。
もう私は限界だから最後まで先輩に気持ちよくなってもらうことは難しいけれど少し気持ちよくなってくれてよかった。
「乃凪せんぱ……い。も、私……。」
「限界? 」
乃凪先輩の言葉に首を二度、三度と縦に振る。
快楽が思考能力を奪い、言葉を奪っていく。
ラストスパートといわんばかりに激しく腰を動かす乃凪先輩。
こみ上げてくる吐き出したい欲望、これが射精感というものなの。
「あん……だめ……あっああ。」
「大丈夫、イっていいんだよ、依藤さん。」
先輩は言葉と共に何度か大きく腰を打ち付けてモノを解放する。
「あっあああああああああぁぁ。」
モノが外気に触れたとたん、私の意識は白く弾けた。
心地よい疲労感が私を包んでいく。
薄れいく意識の中で見えたのは私の吐き出した白い欲望が私の体の上を滑り落ちていく光景だった。
私の目が覚めたのはあれから30分後。
乃凪先輩の作ってくれた朝ごはんの匂いに釣られたみたい。
朝食前にノルが掛けてくれた燐で一時的に戻ったはいいけど「平常心を保て」なんて今日の出来事を思い出すor乃凪先輩を見たら絶対無理!
と思っていたけど何だかんだで放課後まで持ったのはテストという存在があった体と思う。
その後が大変だったけど……。
Hしたからとは思いたくないけれど葛ちゃんより乃凪先輩をあの日から私は意識してる。
乃凪先輩は私のことが好きだって言ってくれているし、そういう関係になる日も近い気がする。
先輩は私のこと大事にしてくれるだろうし、お互いにお互いの気持ちいい場所も理解しているからきっと体の相性はバッチリ。
いい関係が築けそう、ただ先輩は葛ちゃんが親戚になるって所はちょっとイヤみたいだけど……。
乃凪先輩に変わったときは本当に大変だったけれど、今思えばルカやヨッシーには感謝している。
女のままでは体験できなかったことをさせてもらったし乃凪先輩といい雰囲気だしね。
もう一度くらいは乃凪先輩と入れ替わってみてもいいかなと思ってる、私。
もし変われたら今度は私がしてあげたい、先輩に。
終わり
20 :
12:2007/12/31(月) 20:49:43 ID:i+Pdi+9w
出来れば旬の時期に落としたかった一品。
見てくれた方ありがとう。
今年中にUPという目標は達成したので次は年賀状書く!!
姐さん方よいお年を。
皆が2008年も萌えな乙女ゲー、エロパロに出会えますように。
21 :
12:2008/01/01(火) 22:30:21 ID:NiCF9WNU
自分の作品で微妙な空気作ってしまってスマソ。
自分の作品気にせず投下なり会話なりしてください。
というわけで仁義投下を待ってる、全裸で。
>20
GJ!
ただ単に他の人はまだ見てないか作品自体知らないんだと思うよ
>>20 最萌えノリちゃんキテターー!!
GJGJ!
>>20 GJ!!
すごい萌えたよ
でも、喘ぎが杉田声に変換されて、ちょっと萎えたのは内緒だw
保守
保管庫の人乙です
質問があるのだけど、此処って扱うのは乙女ゲーだけ?
乙女要素のある一般ゲーとかはどうなんだろう(スレ有りの作品もあるけどそれ以外で)
少し気になった
保守
保守
さらに保守
今勢いのある乙女ゲーって何?
もちろん黒蟻
いろんな意味で
>>28 遅レスだけど、
パレドゥみたいなのはこのスレでいいと思う。
それ以外に乙女要素のある一般ゲームってのが
思いつかないんだけど。
あれはダメこれもダメってやるよりは、
よっぽど趣旨が離れてない限り
受け入れていいんじゃないかな。
ほしゅー
幕末恋華花柳剣士伝の陸奥×倫を投下します
勢いのままに書いた上、初心者なので
文におかしな部分があるかと思われます
本番シーンはありません
嫌な方はスルーでお願いします
38 :
花柳 陸奥×倫:2008/01/23(水) 06:17:56 ID:HFzxDqkS
「ハロー!」
聞き慣れた騒がしい声が花柳館の道場中に響いた
「こんにちは、陸奥さん。才谷さんなら今日は来ていませんよ」
と倫が慣れた口調で陸奥に声をかける
「だろうな。才谷さんは今忙しいから、こんなボロ道場に顔を出す暇なんて無いはずだぜ」
ボロ道場・・相変わらず口が悪いなと思いつつ、倫が問い掛ける
「才谷さんがいないとわかってるのに、今日はどうしてここに?」
「うるせぇなぁ!才谷さんがいなかったら、俺はここに来ちゃいけねぇのかよ!」
いつもなら「そんな事は言ってません!」と反論する所だが、
ここで口を挟むと口論になるのが目に見えていたので、倫は暫く黙った
沈黙に耐え切れず陸奥が口を開いた
「おい!お前は今、暇なのかよ?」
「暇って・・稽古をしていた所ですけど・・」
「オーケィ!じゃあ俺についてこい!」
稽古をしていたと言ってるのに、この人は人の話を聞いていないんだろうか・・
力より知識の陸奥さんには武術の稽古など無意味に見えるのだろうか。また荷物持ちでもさせられるのだろうか・・
花柳館の皆は出払っていたので今は倫一人。また貧乏くじを引いてしまった・・
などと倫はその場で立ったまま考えていた
「おい!早く来いよ!」
陸奥が急かす
「荷物持ちなら、もう嫌ですからね」
「シャラップ!ああっ!もう黙ってついてくりゃあいいんだよ!」
陸奥が倫の手を強引に引いた
「着いたぜ」花柳館からそう遠くない所。倫には見覚えのある場所だった
この間、持たされた荷物を運んだ陸奥の宿泊している宿だった
陸奥に手を引かれたまま部屋につれられる
「俺はこれをお前に見せたかっただけなんだよ!」
差し出された小さい箱には、宝石のような綺麗な玉のような物がぎっしり詰まっていた
「わぁ、綺麗ですね・・これは何ですか?」
「キャンディって言う西洋の飴らしいぜ」
「きゃんでぃ・・」
鈴花さんから聞いたことがある。甘くて、果実のような味がして、
その甘さのあまり口に入れた瞬間にほっぺたが落ちるらしい
39 :
花柳 陸奥×倫:2008/01/23(水) 06:18:19 ID:HFzxDqkS
「でもこんなに小さい箱に入っているのだから陸奥さんが持って来てくれた方が早かったのでは?」
「あんな剣と飯を食う事しか頭に無い奴等の巣窟に持ってっちまったら、
お前に見せてやる前に辰巳か咲彦辺りが全部食っちまうだろうが」
「ふふっ、それもそうですね。陸奥さん優しいですね」
小さく笑った倫は陸奥が今まで見たことの無いような表情だった。いつも喧嘩ばかりだから
「(なっ・・こいつ、こんなに可愛かったか・・?やばい、顔が熱くなってきた。アンビリーバブル!
赤面してるであろう情けない顔は絶対見られたくねぇ)」
「よ、よし、今俺がキャンディを1個お前にやるから、目を閉じて口を開けろ」
「わかりました」
無防備に口をあけている倫の唇に目を奪われながらキャンディを口に運ぼうとしたが・・手元が狂い、
キャンディは手から離れ畳に転がってしまった。そして、動揺した陸奥が倫を押し倒す体制になってしまった
「陸奥さ・・ん」
「こ、こ、これはだな!キャンディを落っことしちまって・・」
倫が潤んだ瞳で陸奥を見を上げる
「(ああっ、もう止まんねぇ!)」
「なぁこのままで、もう一度目を閉じたまま口を開けてくれないか・・?」
陸奥が問い掛ける。倫は黙ってうなずいた
40 :
37:2008/01/23(水) 06:23:35 ID:HFzxDqkS
終わりです
短い上に中途半端ですみません・・
久しぶりにプレイしたら、この二人が可愛すぎて
気がついたら書いていました
続きは考えているので、その内書く予定です
あー乙
ここで終わるのもったいないな
全部で5レスくらいほしかった
GJ
42 :
37:2008/01/29(火) 00:02:09 ID:pV+uUQ+w
幕末恋華花柳剣士伝の陸奥×倫の
続きが完成しましたので、投下します
本番シーン有りです
文章もですが、梅さんの土佐弁にもおかしな部分があるかと思われます・・
嫌な方はスルーでお願いします
>>41 ありがとうございます!
続きも短い出来になってしまったのですが、
読んでくださると嬉しいです
43 :
花柳 陸奥×倫 :2008/01/29(火) 00:02:47 ID:pV+uUQ+w
陸奥は箱から新しいキャンディを1個取り出し、口に放り込んだ
倫の頬に触れながら、自分の口に含んでいたキャンディを倫の口へと移した
「凄く甘い・・」
鈴花さんの言った通り、口の中がとろけるような感じだった
さっきまでこれを陸奥が含んでいたんだと思うと恥ずかしくなった
「倫、お前は俺の事、どう思ってる?」
真面目な顔で陸奥が問い掛けた
「陸奥さんこそ・・私の事、どう思ってるんですか?」
「ストップ!ストーップ!俺に質問するのは俺の質問に答えてからにしやがれ!」
真面目な顔から一変、いつもの調子に戻った陸奥を見て倫は吹き出してしまった
「わ、笑うなって・・俺は真面目に聞いてるんだぞ」
「すいません」
小さく笑いながら倫が言った
「最初は何て自分勝手な人なんだろうって思ってました」
いつも才谷さんの事ばかりだし、
台所に入ってきてはつまみ食いして邪魔をするし・・
「つまみ食いは関係無いだろっ!」
「すいません」
倫が笑いながら謝った
時々、陸奥さんのこういう所が可愛いと思ってしまう
「それになぁ、俺が台所に顔を出すのはお前が・・」
「私、陸奥さんの事好きですよ」
「本当か・・?」
「喧嘩ばかりですけど、それだけ陸奥さんが私を真っ直ぐ見てくれているんだなって感じていましたから。陸奥さんはどうですか?」
「俺も・・お前の事がいつの間にか好きになっちまってた。だからもう今は我慢できねぇ」
二人はしばらく無言で互いを見つめ合っていた
「なぁ、俺にもキャンディくれないか?」
陸奥がねだるように言った
倫は体を少し起こし、舐めていたので、少し溶けてしまったキャンディを自分の口から陸奥の口へと運んだ
キャンディはすぐに溶けて無くなってしまったが、口の中にはその甘い風味がまだ残っていた
それを吸い付くすかのように互いの舌を激しく絡み合わせる
「陸奥さ、ふっぁ・・何か私変な感じ・・」
陸奥は倫を押し倒した。倫の上半身の着物をはぎ、まだ誰にも汚されていない少女の裸体に魅入った
「(ただのガキだと思ってたが、こいつちゃんと女だったんだな・・あんな男所帯に居て襲われてないのが不思議なくらいだ)」
「陸奥さん・・?私どこかおかしいですか?」
倫の体に魅入っていると倫がポツリと嘆いた
「何でだ?」
「陸奥さん、急に黙ってしまったから」
一応、江戸での遊学中やら島原やらで多少、女遊びの経験がある陸奥にとっては倫の反応が新鮮だった
「ノーキディング!お前の美しさに見惚れていたのさ」
その真っ直ぐな言葉に倫は恥じらった。倫の反応が可愛いらしくて、愛しいと思った
44 :
花柳 陸奥×倫 :2008/01/29(火) 09:16:28 ID:07abxh1D
陸奥は倫の胸に顔を近付け、乳首を舐め回し、吸ったり、甘噛みした
「いやぁ・・あんっ・・あん」
倫は初めての感覚に酔い始めていた。陸奥の荒くなった息が胸にかかると感度は増していった
もっと、とねだるように陸奥の頭を自分の胸に押さえ込む。意識が遠くなってきた時、
下半身の着物を脱がされそうになっているのに気がついた。倫は、はっと我に帰り、必死に抵抗する
さっきから違和感を感じていたので、見られたくないと思った
「倫、抵抗しても無駄だぜ?ここまで来ちまった以上な」
倫が一瞬気を抜いた隙に着物は脱がされ、必死に閉じていた足はこじ開けられた。陸奥が顔を秘部に近付ける
「やぁっ・・そんなとこっ、見ないで・・」
倫の言葉にかまわず陸奥は秘部に舌を入れ、溢れ出す蜜を舐め始めた
「ひゃぁぁぁぁんっ!」
舌で秘部をつき、吸い尽くす
陸奥が笑みを浮かべながら倫の顔を見上げると感じているのか倫の体は一層、激しく揺れた
陸奥の頭を掴み、顔を自分の秘部に押し付けた倫の秘部は確実に陸奥を欲しがっていた
「お前、いやらしいな。こんなに濡らして」
「言わないで・・はぁんっ・・下さいっあ」
「あんな男所帯にいて毎日犯されたくて、たまんなかったんじゃねーのか?」
「そんな事なっ・・ふぁ、はぁんっ」
陸奥が倫の秘部に指を入れ、クチャクチャと音を立てながら掻き回す
「ひゃぁぁんっ!陸奥さぁん・・何かここ、へ・・んっなのっ・・」
「(そろそろ、我慢できねぇ・・)」
陸奥は袴を脱いだ。倫は始めてみる男のそれに目を奪われた
陸奥は立ち上がったそれを倫の秘部に擦り付け始める
「ひぁっ・・はやくっ・・」
倫が物足りない様子で陸奥を見上げながら言う
「どうして欲しいんだ?ちゃんと言わなきゃわかんねーぜ」
陸奥が倫の秘部を擦り続けながらニヤリと笑い問い掛ける
「あっ、はぁ・・んっ・・陸奥さんのそれで私の・・ここを突いてくださぁっ・・」
倫がもう我慢出来ない様子で答えた。陸奥は倫の体を起こし、自分の上にのせると、一気に奥まで突き上げた
「やぁぁぁっん!いやぁぁっ!」
涙を浮かべながら倫が苦しそうな表情をする。陸奥は倫の胸の突起を揉みしだき、
つねりながら、舌を絡ませ熱い口づけをする互いの体は激しく上下する
痛みが和らいできて、倫は快感を覚え始めていた
「陽之助さぁんっ・・はぁんっ、気持ちいいのっ・・」
「はぁはぁっ・・出すぜ・・」
倫の中に熱い物が注がれる。絶頂を向かえた二人は気を失ってしまった
45 :
花柳 陸奥×倫 :2008/01/29(火) 09:18:48 ID:07abxh1D
「ん・・」
陸奥が目を覚ますと温かい日差しが部屋の中に差し込んでいた
「(あのまま、寝ちまったのか・・)」
隣では倫が静かに寝息を立てながら眠っている
「(ちくしょう!本当にこいつ可愛いな・・さすが、俺のマイハニー!陽之助さんって呼ばれるのも中々・・
しかし、理性が飛んじまってたとは言え、中で出しちまったし、どうしたもんか・・庵にばれたらどうなるかわからねぇぜ・・)」
陸奥がそうこう考えている内に倫が起きた
「おはようございます・・陸奥さん」
陸奥は不満そうな顔になった
「ノーッ!これからはだな、俺と二人の時は陽之助さんって呼べ!わかったな?」
倫は嬉しそうに頷いた。後で庵に朝帰りをした事でこっぴどく叱られるのも知らずに・・
後日、花柳館の倫の部屋で陸奥が眠っていると倫が陸奥を呼びに来た
「陽之助さん、才谷さんが来ましたよ。では、私は用事があるので出掛けてきますね」
「んぁ・・あぁ、サンキュー」
目を擦りながら陸奥は道場へと向かう
「おぉ、陽之助!待ちくたびれたぜよ!」
「すみません才谷さん」
「いいきに!ところで倫さんの事なんじゃが、最近女っぷりが増したと思わんか?」
「えぇっ・・そ、そうですか?」
「おまん、わしがやったあれはどげんした?」
「キャンディですか。えぇ、まぁ・・」
「で、どこまでいった?おまんの事だからキャンディをきっかけに手をさり気なく握るぐらいかのう」
「ええっと、その・・」
陸奥がゴニョゴニョと才谷に耳打ちする
「これは驚いたのう!おまんに先を越されてしもうたか!」
「シーッ!才谷さん声が大きいですって・・」
「はっは!すまん、すまん。わしは鈴花さんがキャンディを舐めてる隙にチューとしたら、ビンタされてしまってのう。
おんしのテクニックは、まっこと凄いぜよ!」
「さ、才谷さんに褒められるなんて・・!」
「二人共、随分楽しそうですけど何の話をしてるんですか?」
いつの間にか倫が立っていた
「んぁ?なななな、何でもねぇよ!つーか何でいるんだよ!出掛けたんじゃなかったのかよ?」
「忘れ物があったので、取りに来ただけですよ」
「なら、早く持っていってとっとと行っちまいやがれ!」
はいはい、と行った様子で倫が戸を開け、出掛けようとする
「あっ、その、なんだ・・気をつけて行けよな」
陸奥が声をかけると倫は
「いってきます」
と弾んだ声で出掛けて行った
「おまんら夫婦みたいじゃのうー」
と才谷が言うと、恥ずかしそうな様子を見せながらも陸奥がはにかんでいた
終わり
以上です!途中でPCの調子が悪くなってしまったので、
投下に時間がかかってしまいました
読んでくださった方、有難うございました!
UPありがとうございます^^
ほしゅ
48 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 15:53:24 ID:TVUo0HFd
保守
49 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 22:30:57 ID:qzn5EB4u
二月の新作ラッシュに向け、ageてしまうテスト
期待のソフト、SS期待作は?
ある意味DUELのSSが1番見たい
……が、難しそうだな
でゅえるらぶってヤツかな?
違ったらヒントお願い
55 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 03:59:41 ID:b+Fg9yZe
保守
ここってネタバレ一ヶ月ルールとかありだっけ?
ゲームのネタバレが含まれるSSの作品とかは注意書きだけでおk?
過去スレの流れでは、事前に注意書きをしっかり書いてあればおkってことだったかと。
白銀の調べが書きたいかな
>58
正座して待ってます!
保守あげ
保守と期待あげ
64 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 22:36:06 ID:O7TJEVrB
DUEL LOVEに期待
汗拭き中にヘブンポイントを刺激されまくって興奮してって流れでいけるな!
あれ、なんかDUELのウリである変態っぽくない……
66 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 03:39:44 ID:dbOa1nkK
age
67 :
月光 前編:2008/04/01(火) 02:01:54 ID:andojo1E
ネタ被りにビクビクしつつ放課後は白銀の調べの天也×要投下します。以下注意点。
・天也ルートのネタバレとなります
・ほんの若干ですが逆レイープっぽい描写があります
・どちらかといえば要×天也に見えるかもしれません
・前後編の予定です。後編は出来次第投下します
NGワードは『月光』でお願いします
私は、かつてない緊張を保って保健室の中のベッドに腰掛けていた。
普段見慣れているはずの場所はほとんど目に入らないでいて、
普段聞きなれているはずの運動部の声はそのまま耳に入らずにいて、
ただ、一人の足音を私は待っていた。
走ることなく、焦ることなく、きっと背筋をぴんと伸ばす彼。
私の緊張もこれからすることも何も知らずに『友人』との待ち合わせにやってくる彼。
ノックが二回。一拍置いて「失礼します」の声。そして私は彼――御代天也の前に立った。
***
天也が自分の『影』を失いかけて、私はまたあの気魂挿入の術を行った。
それでも、天也の影は薄くしか戻らずに自分の力不足を痛感させられていた。
『君のせいじゃないよ、要。僕は大丈夫』
天也はそう言って笑ってくれた。でも、異常な状態をすんなり受け入れられるほどヒトは強くない。
それに私は今まで剣以外での勉強から逃げ回っていたんだ。
結果としてそれが、大切な彼を守れないだなんて……。
「こんなんじゃ、駄目だよね」
マンションの一室での一人反省会中。思わず独り言を言ってしまう。
――彼に触れた唇を指で押してみる。
もう一度だけ触れた天也の唇はやっぱりすべすべで、ミントの香りがして……
って違う! 剣術以外での何か術を……。そう、この気魂挿入みたいな!
「コレだって、先生のヒントが無きゃ……」
彼に安息を与えられなかった。結果として、刹那の時間でしかなかったけれど。
それでもこれは房中術からのアレンジだけど立派に使うことが出来た技だし……
……ん?
「え? いやいやいやいや! でも!?」
今やっているのは私が天也に『陰の気』を注ぎ込む行為。でも、それは房中術のアレンジでしかないし。
そもそも本当の房中術っていうのは……その……
あの挿絵が思い浮かんでくる。思わず手元にある枕を投げそうになってしまう。
確かにそれは効果があるかもしれない。天也の暴走する『陽の気』を出しつつ私の『陰の気』も渡せる。
でもデスよ!? 私だってそんな経験ある訳じゃないし天也だって! ……もしかしたらあるかもだけど。
「ももも、もしかしたら他に方法あるかもしれないし!」
浮かんできた不埒な考えを払うように、私は綾乃さんから手渡されたお勉強用の書を広げる。
いくら広げても、自分に出来る術は一番最初に浮かんだソレしか無いと知らされるばかりだった。
そう。房中術。つまりは――男女の交わりにおいて気をめぐらせるその方法しか無いと。
***
「ごめんね、こんな所に呼んじゃって」
「いや、こちらこそ仕事で遅くなって済まない。……日下先生は?」
「用事があって外しているみたいなんだ」
言いづらい。どう切り出せばいいのか分からない。
「要、どうしたんだその隈は」
「へ?」
「寝不足なのか?」
保健室にある鏡に視線を移すそこにははっきり分かるくらいの隈が一対。
「ああ、ちょっとね」
「まさか、また無理をしたのか?」
「うー……無理っていうか、悩んでたっていうか」
今日、天也を呼び出す覚悟を決めるにも何にしても悩みまくった。知恵熱が出るかと思うくらいに。
覚悟を決めさせたのは、限られたこの時間。
神楽坂家からの援軍が来て私のお役が御免になる。その前に、せめて天也の身体だけでも。
「だから保健室に呼んだのか?」
「だからって訳じゃないんだけどさ」
「随分と歯切れが悪いな」
あからさまに可笑しな私の態度に天也は気遣うような視線を向けてくれる。
……罪悪感がチクチクとくる。駄目だ、これ以上黙っていると天也にまで心配をかけてしまう。
「あのね、昨日も天也に協力してもらったアレなんだけどさ」
「……ああ、それがどうかしたのか?」
「あれね。実はとある術を私がアレンジしたもので完全な術じゃないの」
「アレンジ、というと?」
言いづらいことをズバっと聞いてくるなあ。まああんな言い方したっら当然だよね。
「その、そのね。本当の術っていうのは房中術っていって中国の道教とかの流れを汲んでいる術であってその……」
「随分と耳慣れない言葉なんだが……その、あの術というとつまり……」
「うん。なんというか天也の協力が必要になるっていうか……」
やっぱりここまで来て何だけど、躊躇ってしまう。
それは本当なら思春期の男女が幸せな思いを重ねながらするような行為のはずだ。
放課後の保健室で学ラン同士の私たちが沈黙の中でするようなモノじゃない。
「と、とりあえずココ座ってもらってもいい、かな?」
白く、清潔に保たれたベッド。私が座る隣を指す。訝しげな表情をする天也。
彼が隣に腰をかける。その姿を見て私は腹を括った。
「――ごめんね、天也」
嫌われる、覚悟を。キミさえ元に戻るなら。
華奢なように見えて意外に鍛えているのか、彼の身体はほどよく筋肉がついている。
天也の肩を押して、私はそんなことを考えていた。
「か……なめ?」
「今からやるのは、本来の房中術。本当はキスだけで済ませられれば良かったんだけど……」
天也の上に馬乗りの状態になった。多分、こんな状況じゃなきゃ説明なんて出来ない。
「別の方法で、天也の『陽の気』を出しながら『陰の気』を注ぎ込まなきゃいけなくなったの」
出来るだけ天也の顔を見ないように。だって私は、これしか見つけられなかったから。
「その、そのですね。いわゆる褥を共にするというか夜伽というか……」
「な……!? 何でそんな必要があるんだ!?」
「そういう術だからなの! 男女の結びつきで気をめぐらせて長生きするっていうか……」
「いや、理屈はいい。だがキミは……」
「だから、男女の結びつきだから私と天也なら大丈夫……」
「それは知っているよ。そう、キミが女性なんだ」
眼鏡越しに見る天也の瞳は真摯なものだった。思わず、吸い込まれそうになるくらい。
「それならば、もっと自分を大切にすべきだ。僕なんかのために……その……」
「『僕なんかって』!」
私は、天也だからこんなにいっぱい悩んだのに。天也にだから、出来ることなのに。
「……要?」
話しかけられる。ああ、まただ。最初に時と同じようなことしようとしてる。
「嫌なら、犬にでも噛まれたと思ってくれていいから」
天也の呼びかけに応えず、私は学ランのボタンを外しにかかる。きっちりと止められた天也の制服が今だけ憎い。
「でも、私は天也じゃなきゃこんなことしなかった。それだけは信じて」
手が震えて上手くボタンが外せない。
さっき、嫌われてもいいって思ったばかりなのに。でも、視界は悪くなる一方。
泣いちゃ駄目だ。むしろ全面的に被害者なのは天也なわけだし。
そうだ――たとえこの事件を私の手で解決出来なくても、せめて天也だけは……
支援
73 :
月光 前編:2008/04/01(火) 02:32:53 ID:andojo1E
すみません。規制か何かくらったので
>>71までで前編とさせて頂きます
後編は出来次第後日投下します。中途半端ですみません。
>>67 行け押せ、要!
wktkしながら、全裸で待ちます
>>67 白銀の雰囲気出てて好きだ
後編楽しみに待ってます
76 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 13:19:49 ID:+Psyk7mH
保守
いい作品が多いな
78 :
月光 後編:2008/04/05(土) 18:59:16 ID:fWqQuezS
思ったより遅くなり申し訳ありません。後編投下します
・
>>68-71が前編となっておちます。そちらからお読み下さい
・天也ルートのネタバレとなります
・要×天也に見えるかもしれません。基本的に天也は受身です
・本編ストーリーを若干捏造しています
NGワードは『月光』でお願いします
そっと、前髪が梳かれた。そこには、天也の困ったような顔が見える
「参ったな……。どちらかといえば、そんな顔をするのは僕の方だ」
そして次に、その指は目尻に移動して、零れ落ちそうな涙を拭ってくれる。
「そんな顔をされて、そんな殺し文句を言われたら耐えられるはずも無いよ」
「へ? 殺し、文句?」
「自覚が無いのか」
天也の不思議な言葉についていけずに軽くパニック。そんな私を見て彼は穏やかに微笑む。
何だか今まで見たこともないような穏やかな表情に心臓が早くなった。
「協力、させてくれないか?」
天也の顔はいつものように真面目なものになった。けれど、顔は少しだけ赤く照れているようにも見える。
「……いいの?」
間を置いて私は問いかける。さっきまで押し倒していた私が聞くのも今更な感じがするけど。
「ああ」
「う、うん。それじゃあ……はじめよっか」
そう言った途端、この状況が急に恥ずかしくなってきた。
何というか私が見た少女漫画とかそういうのだとポジションが逆というか、そんなだった気がするし。
それに何よりこの先どうすれば良いの!? どうしよう!?
「その、要、こんなこと聞くのも失礼かと思うんだが……」
「へ!? ああ、うん。何?」
「……やはり、コレも……」
「うん。その……初めて……」
最後の方は、声になっていなかったかもしれない。それでも天也は分かってくれたみたいで。
お互い何だか顔が真赤になってた。初めて気魂挿入をし終えた後の空気に似ている。
でもあの時との決定的な違いはこれからが始まりな訳でして……。
「とりあえず、う、後ろ向いててくれないかな!」
「あ、ああ」
天也に後ろを向いていてもらう。息を一つ吐き私は集中する。
そう、これは甘やかな艶事なんかじゃない。あくまでも術、お役目なんだ。
ひどく煩く鳴る心臓を沈めるように気の流れを意識し、呼吸を整えた。
***
誰かに見られたら色々マズいので鍵をしめてから、自分の学ランのボタンに手をかける。
衣擦れの音がする。ゆるゆるとシャツのボタンを外していく。
サラシにオトコノコのズボンってすごくアンバランスだ。なんとういかその……えっちぃ気がする。
とりあえず、サイズ的な意味だけじゃなくって羞恥的な意味もあってそのまま振り返る。
天也は学ランの上だけを脱いですごーくその場に居づらそうに座っている。
でも、どうすれば良いんだっけ? あの本は一応軽く目は通したんだけど挿絵までしっかり見てなかったしな。
ええと、とりあえずぬ、脱がせなきゃ話が進まないよね。
「ご、ごめん天也! 失礼します!」
第一ボタンまで閉められたシャツに手をかける。あのナイフが刺さった時は無我夢中だったけどよく考えると……
「こうされていると……あの時のことを思い出すな」
どうやら天也も同じ場面を思い出していたらしく、私にも笑みが浮かんでくる。
「あの時は感じなかったけど……私、相当大胆なことしてたんだね」
「……僕もあの時は何も感じていなかったけど、キミにそんなことをさせたかと思うと済まないことをしたな」
「緊急事態だったし、そう思わなくても……」
シャツを開くと、傷一つない天也の身体。あんな風に鋭利な刃物が刺さったとは思えないほどに。
そのナイフの後を思い出しながら、指で触れる。多分、今同じことがおこっても天也には傷一つつかない。
……って、ちょっと何思い出にひたっちゃってるの私!? で、でも確かこういうのも必要なんだよね。
「い、嫌だったり気持ち悪かったりしたら言ってよね!」
「あ、ああ」
保健室のベッドの上で、二人で向き合いながらこんなことしてるなんてよくよく考えると凄くアレだ。
な、なるべく早く終わらせるべきなのかな? ええい、考えてても仕方無い!
「し、失礼シマスっ!」
天也の首筋に唇を当てる。付けた時には自分の気を押し流すように。離れる前に天也の気を吸い取るように。
漫画みたいに跡が付くのかと思ったら、一瞬だけついてまたすぐに戻った。まるで、雪が降り積もるみたいに隠して。
それでも、何度も何度も口付けずにはいられなかった。
冷たい、というのが印象。それは体温じゃなくって感覚的な意味で。
傷もつかず痛みも無いのが今の天也の状態だ。もしかしたら、という考えが頭をよぎる。
「ひょっとしてさ、くすぐったくも何とも……無い?」
「……そうだな。指やその……触れている感覚はあるんだが」
今の天也は気の流れの暴走で『変化』をしない、っていう状態になっているみたいだ。
やっぱり、ある程度は流れを作ってからじゃないと駄目なのかな。うう、何だか今更後悔。
「えと、目! 目つむって!」
私の言葉に天也は従ってくれる。そしていつもみたいに天也にキスをする。
相変わらずのミントの香り。そしてその奥には底冷えしそうなほど冷たい気の淀み。
少しでも、この寒さやわらげば良いと思う。私の気を混ぜて、天也の恐怖を消せれば良いのに。
絡まって、混ぜあって、解けて。全部、元通りになって――
「……っん」
舌が絡み合う。右手にそっと天也の指が絡まる。左手は、天也の肩にかかるシャツを落とすようにそっとなぞる。
唇が離れる。でも指だけは解かないでそのままでいて。私は傷跡のあった場所に舌を這わせる。
あの時、側に居たのに守ってあげられなかった代わりに。懺悔するみたいに、何度も何度も。
「……っ」
押し殺すような声が聞こえる。少し見上げてみると天也に表情の変化がある。
ほっぺたが赤くなって、我慢するように目を瞑って眉を寄せて……可愛いかもしれない。
「だいじょう、ぶ?」
「……ある意味、大丈夫では無いかもしれないな。初めてのことで、当惑している」
表情を悟られまい、というように私から顔を逸らしてしまう。
「私もすごくドキドキしてるんだよ。天也と同じように、さ」
肌に触れると、心音が伝わってくる気がする。高鳴ってくる心音と、高まる官能。
目が合う。初めて見つめられたあの視線とは違う、穏やかさに満ちたものだった。
この部屋を借りると決めた時、私は正直に天也の現状と今行っている術について綾乃さんに話した。
最初はびっくりして、次には呆れられたけど、最後は協力をOKしてくれた。
その時に教わった房中術のひとつがいわゆる、口とかでするアレだった。
綾乃さんの部分だけ伏せて説明したら、今度こそ天也に渋られた。というか思いっきり拒否られた。
でも何というか……逃げられると追いたくなる私の悪いクセが出てきてしまった。
「要! だからその……そういうことは……」
ベルトを取るのには手間取ったけど、それ以降は私が普段着慣れている制服と要領は同じだった。
流石に羞恥で顔が沸騰しそうになったけどやるって決めたからには曲げられない。
たとえソレが初めてみるオトコノコのだったり、むしろ相手の方が恥らっていて申し訳ない気持ちになったとしても。
「い……嫌なら、その、目とか瞑っててくれていいから」
冷静でいられるようにこれは術の一環とか言い聞かせているけど、いざ本番になるとそうもいかない。
どれくらい力を込めたらいいか分からないからおそるおそる指を絡めてみる。
天也の反応を見ながら、指を動かしたり弱めたりする。声を押し殺しているけど、明らかに息が荒くなっている。
「んっ……やめ……」
「今更……だって……」
止められない。どちらにせよ、今までの関係には戻れない。
それに、もうすぐ私はここを去らなきゃいけない。その前に、少しでも天也の心にある負担を軽くしたい。
思いが迸って、衝動になって私を突き動かしている。そして舌先でそろりと舐めた。
くぐもり声が、徐々にはっきりと聞こえてくる。切なく喘ぐ声に足先は震えている。
「苦しかったり、する?」
「ん……そう、だな。でも……」
大丈夫、と続くはずだったのかもしれない。でも私は思い切ってソレを含む。
包むように、でもゆるやかに刺激を与えていく。そこにも自分の気を与えて、余分は天也の気を出しすように促しながら。
私の頭を離そうとしているのか、私の髪に天也の指が滑る。
上目遣いに天也を見ると、頬を染めて余裕を無くしたような顔をしている。
「辛いなら、出しちゃっても大丈夫だから……」
一旦口を離して私は言う。天也は小さく否定をしながら私の髪を撫でる。
「そういう訳じゃないんだ。その……立場が逆だろうと、そう思っただけだ」
「……それこそ、今更じゃない」
確かに。女の子が積極的に『そういう事』をしているっていう構図はあまり無かったかもしれない。
でも、それでも――ちょっと恥ずかしいの我慢すれば助かる可能性があるなら。やるしかないじゃない。
段々と熱を帯びてくるそこから流れ出してくる天也の気。高まってくるそれらを、受け止める準備をする。
「やめ……それ、以上……はっ」
途切れ途切れの天也の声。息が荒い、頂点はもうすぐなのかもしれない。
構わずに促す。寒くすらあるその気を、少しでも減らすために。
「……っうぁ」
震える天也の身体と同時に開放される熱と気。それを受け止めると軽く咳き込んでしまう。
「その……何といえばいいのかは分からないが、済まない」
「う、ううん。何と言うか私も結構ノリっていうか……そんな感じになってて」
改めて向き合うと、すごーく恥ずかしくなってくる。ああ、でも取り合えず綾乃さんに教わった手はずは出来たし!
「これで一応は『陽の気』が出せたし『陰の気』も混ぜられたから大丈夫……」
「いや、これで終わりにすると僕の矜持にも関わる」
「……キョウジ?」
「プライドということだ。要はその……情けないじゃないか」
「情けない……って。私が術者だしそれを受けてるのは天也なんだから別に」
「そうじゃない」
近くに引き寄せられる。何かを言おうとするとそのまま天也に塞がれる。最初に私がしたように。
「キミが何と言おうと、男としての沽券に関わるんだ」
攻め立てられて、何かがこみ上げてくる感覚。頭が真っ白になるような、切なくなるような感覚。
「んっ……」
「退魔師という職業は、やはり大変なんだな」
今脱いでいる身体に残る細かい傷に一つ一つ口付けられる。剣術の修行で出来た手のひらの剣ダコには特に長く。
まるで、恋人同士が睦みあうみたいに優しい行動。目尻がら浮かぶ涙は天也がそっと拭って、そのまま下に手が伸びてくる。
「あ、そこは。自分で……」
「いや、僕にやらせてくれ」
反則的に耳元でそう囁かれると私は逆らえなくなってしまう。
そのままあっという間に立場が逆転する。色々な場所を触られて、口付けられて。
天也が言っていた『ある意味大丈夫じゃない』という言葉が浮かんでくる。
自分じゃないみたいな声が出る。抜けるような甘い声。そんな声を出す度に天也は満足そうに笑う。
一度離れた右手は再び繋がる。さっきとは違う、暖かい気の巡り。
生きている鼓動を感じる。血流が流れて、天也がここに居るのが分かる。
少しだけ躊躇った後に天也の同意を求める声が聞こえた。小さく頷きながら小さな包みを渡す。
ソレを見た天也は一瞬面喰らった顔になった後に、私のほっぺたに口付けてくれた。
衝動が、伝わってくる。私と天也が混ざり合って溶け合う。ひとつになる感覚。
あまりに強い気にあてられてぼやけそうになる意識の中で、天也の意識の底が見えてくる。
ひどく濃い闇。その中で膝を抱えている子供が居る。
全てを取り上げられ、周りに何も無く、泣きもせずに笑いもせずに動かない子供。
おそらくこのコは天也なんだ。望みを取り上げられて、ただ指示をされて、諦めることに慣れた天也。
この意識下で抱きしめてあげるなんて出来ない。それでも、少しでも明るい光を見せてあげられたら。
私が今の天也に希望をあげられたように。心の奥底で、本当はひどく傷ついている天也を助けたい。
「かな、め……一緒に……」
私を呼ぶ天也の声。意識が霞んでいく中段々と声が遠くなる。
「んっ……ふぁ……」
同意の言葉すら伝えられないもどかしさ。返事の代わりに繋いだ手に力を込める。
もう一度、天也が近づいて。冷たい眼鏡が顔に触れるのを感じて、私は顔を上げた。
私は陰。象徴は月。
せめてこの深い夜の中で傷つく天也を照らす月になれたら――
***
目を覚ますと、もう窓の外は暗くなりかけていた。
天也は眼鏡を外して寝息を立てている。軽くシャツを羽織っている姿といいとても新鮮だ。
「……うん、大丈夫みたいだね」
天也の『影』はまだ私より薄い。でもこれ位ならバレないだろう。
そろそろ学校内で『魔』が活動をし出す。今日こそ、全てに決着を。
天也がこうなった原因は、十馬に殴られた後に『塞の石』にぶつかったから。
ならば封印をして、事件を解決させる。そして私は、ここを去る。
きっと私がこんな手段に出たのもどこかで、天也の思い出になりたかったからだと思う。
何も言わずに出て行く私を許して欲しい。多分、これからのことを話したら決心が鈍る。
それに自ら危険な場所に行く私を止めてくれるだろう。だから、何も言えない。
刀の入った竹刀袋を担ぐ。ここからは退魔師としての神楽坂要にならなくちゃいけない。
けれど、その前に。ただの私で居られるうちに。
「ごめんね、天也。大好きだよ」
きっと届くことのない告白。気づかれることのない口付け。それを終えて私は保健室から中庭へと向かった。
【 終 】
86 :
月光 後編:2008/04/05(土) 19:16:09 ID:fWqQuezS
以上です。すごく中途半端というか後半飛ばしすぎですみません
これで結末が元通りEDだったら切ないな、とか考えていました
そして
>>74氏が風邪をひくといかないのでこれをドゾ
つ【天也の脱ぎたて学ラン】
お読み下さりありがとうございました。それでは失礼します。
一万年と二千年前からGJ!
ニヤニヤしちまったじゃまいかあああああ
保守
91 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 04:55:26 ID:IcCUODns
保守age
92 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/21(月) 00:41:40 ID:woDxFUNk
age
>>35 >>28じゃないけどパチパラとか、まだ発売もされてないけど
DS版ひつじ村とか。
ひつじ村はこれからスレ立つかもしれないけど、パチパラはないね。
個人的には一般ゲーでも、乙女要素あって専用スレがなければ
ここでいいと思う。
乙女要素ありの一般ゲーで、専用スレがある作品(例えば牧物とかアトリエとか)でも、
その時のスレの雰囲気が男性向け寄りの流れで、乙女系っぽい作品は
投下し辛いような雰囲気だった場合にも、このスレを使うのはありなんじゃないかなーと思う。
(個人的にはだけど)
基本的には
>>35の最後の三行に同意。
携帯アプリで配信中の乙女ゲー「ななつ夜幻世録」の需要ある?
乙女要素あって専用スレがないからここで書こう思うんだが、需要がなかったら書いても意味がない気がして…どうなんだろう?
そういう誘い受けをするくらいなら書かないほうがいい
>95
投下したい者がすればいいし、読みたい者が読むだろう
乙女系の雑誌でよく取り上げられてるし、投下するならここでいいだろう
>96の言うとおりだと思うが、個人的には読んでみたい
まあ、好きにすればいいと思うよ
>>95 自分はななつ夜プレイしてるんで読んでみたいけど
>>97のいうように最終的には自己判断でいいと思う
個人的には読みたいぞ
DUEL LOVEネタです。お嫌いな方スルーを宜しくお願いします。
+++++
肩に触れただけで、折れるかと思った。
細く白い。砂糖菓子を思わせるような脆い作り。
自分とは明らかに違うそのカラダ。壊さないように慎重に触れる。
髪が踊る。自分が与えたストーンのヘアピンがきらきらと輝く。
やはり似合う。自分目に狂いが無かったことに安堵しつつ、髪に口付ける。
「せんぱい、その」
恥ずかしそうに目を伏せる。赤い頬、たどたどしい口調。
全てがこの俺だけのモノ。
「あまり見られるとその……恥ずかしい、です……」
その仕草の一つ一つが男を煽ることを、この無垢な『少女』はまだ知らない。
胸を隠すように覆った手を掴み、開くともう一度苗字を呼ばれる。
「……違う」
「えっ?」
「お前が呼ぶべきなのはその名前じゃあ無いだろう?」
そう言いながら『印』を刻んでいく。甘い。声も、そのカラダも。
「で、でも……ひぅ……」
「あまり聞き分けのないことを言うな」
羞恥に耐える表情。同じ組み敷くような体勢でも、敵を倒すこととはまた違う感情がざわめく。
「だ、だって……」
うるませた瞳をめいいっぱい開いて、懸命にこちらに言葉を向ける。
「先輩だって……名前……」
そこから紡ぎ出されるのは、恋人からの何とも可愛らしいおねだり。
「……クッ……そうだったな」
身体を近づけそっと耳元でささやく。すると途端に顔を赤くする。
まだ赤くなるのか、などと思っているとそのまま顔を逸らして拗ねた表情。
「そんなに簡単に言えちゃうだなんて、ズルい」
――やはり、この『存在』は俺を捕らえて話さない。
あの日、俺の側を選んだ時から、俺もまた誓いを立てた。
誰のものにもしない。一生ほれ込ませて、まして手放してなどやるものか。
「本当に……ズルいです、正義さん」
名前を呼ばれた瞬間、全身の血が顔に集まったような気がした。
「……おりこうさんだ」
何かを言おうとする唇を塞ぐ。動揺や、この高鳴った悟らせまいと考えながら。
+++++
ネタで買ったのにキングのエロさにやられました。
>>100 キングキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
GJ!
保守
>>100の小ネタがツボにハマって、DUEL LOVEを衝動買いしてしまった
良い衝動買いだった
ちょっと今更だけど、
>>100GJ!!
保守
友達に借りたDUELにハマって見にきたら
>>100にキングの投下が……!!
自分にとってはなんてタイムリー!GJ!!
保守
ほしゅ
ほ
保守。
仁義なき乙女FD発売記念カキコ。
需要があるのかわからないけど投下します。
「武藤先生、いらっしゃいますか?」
見慣れた美術準備室のドアをノックする。
返事は………ない。
何となく、予想が付く。
「勝手に入りますからね」
床に散らばった絵の具、乱雑に置かれたキャンバス、そしてソファーの上には
「…先生」
返事が無いのも当たり前。気持ちよさそうに武藤は寝ていた。
ソファーによだれのシミを作って。
やっぱり、と沙紀が呟いた。
「ったく。放課後に来いっていったのはどこの誰ですかー?」
ホームルームで気だるそうに帰りの挨拶を済ませた後、沙紀を呼び出して準備室
に来るように言ったのは武藤だ。
「用事ないなら私帰りますよ?」
天音君が帰りに一緒に寄らないかとケーキ屋さんに誘ってくれたのに。
断らなきゃ良かったかな。
はぁ〜とため息をひとつ。
(私って本当に先生の彼女なのかな)
普通彼女を呼び出して平気で眠るだろうか。しかも爆睡。
武藤先生らしいっちゃ武藤先生らしいけど。
(最近放課後は忙しくて中々先生と過ごせなかったから、今日こそは!って嬉しかったのに。
先生は嬉しくないの?)
「先生のばか。いいもん天音君とケーキ屋さんに行くから」
床に置いていた鞄を持ち、扉に向かう。
走っていけば今ならまだ天音君に追いつけるかも。
「…なんで行っちゃうの?」
ぼそりと低い声が聞こえた。
「ケーキ屋に寄り道なんて、先生ゆるしません」
…聞こえてたならすぐ起きてくれればいいのに。
くるりと振り向いて睨みつける。
「起きてない先生が悪いんでしょっ。呼び出したならちゃんと起きていて下さい!」
「だって小泉、来るの遅い…」
武藤はまだ眠いらしくソファーの上でゴロゴロしている。
「もう。先生はたったの10分も待てないんですか?…起きて下さい。」
むにーっと今にも寝てしまいそうな武藤の頬を摘む。
「……小泉がキスしてくれたら、起きる。」
「どこの眠れる森の王子様ですか。」
むー、と唸りながら痛む頬をさすり武藤が見つめてくる。
「…してくれないなら起きない…。」
駄々っ子みたいなことを言って。先生は自分より年上のくせに子供っぽい。
「沙紀にキス、してほしい」
うっ。
反則だ、目を微かに潤ませてめったに呼ばない下の名前で呼ぶなんて。
頬が一気に熱くなるのを感じる、きっと今自分の顔は真っ赤だ。
「…き、キスだけですからね!」
軽く唇を合わせる。それでも自分にはこれが精一杯だ。
「…小泉、口開けて」
「は?!」
「うん、いーこ。」
驚いて口をあけると、すかさず武藤の舌が口内を犯してきた。
「んっ…ふ……」
ぬるりとした舌が沙紀の歯列を確かめるようにしてなぞり、溢れた唾液を啜られる。
悔しいけどこうして武藤にキスされると何も考えられなくなってしまう。
「あふっ…っ」
軽く唇を噛まれて、最後にちゅっと軽くキスをされて、ようやく解放される。
「やーらしい顔。」
「やっ…先生!?」
ふふっと笑うとソファーに寝転がったまま武藤が抱きしめてきた。
「あっ…ん、やだっ先生離してっ」
「真っ赤になっちゃってかーわいい。ね、このまましよ。」
組み敷かれて、目の前には武藤がこちらを楽しそうに見ている。
「ね…?」
耳元で囁きながら武藤の右手が太ももをなぞる。
首筋を軽く噛まれてビクリと沙紀の体が跳ねた。
「っだめ…先生、ここ学校…」
「ん、こっち向いて」
聞いているのかいないのか。
抵抗して顔を背けると、お仕置きだと言うように口づけされる。
「んはぁっ…」
制服は武藤の手によってあっという間に脱がされて、現れた敏感な胸の飾りが口に含まれた。
軽く噛まれたり、吸われたり、そうしてる間にも右手は太ももからその上へ、いやらしく動き始める。
既にうっすらと濡れ始めた下着の上から割れ目をなぞられて。
「っ!!」
「声、出していいのに」
相変わらずのんびりした武藤の囁きが耳元をくすぐる。
「…先生、あっっ…んっ私っ」
「…濡れてきた。きもちい?」
ちゅっとお腹にキスされて、どんどん先生の頭が下へ下へと降りていく。
「綺麗な肌…白くてすべすべしてる...んっ」
全身隈なく愛撫されて、キスされて。
(こういうときだけ…先生って元気だよね。)
刺青職人という職人柄か武藤はいつも沙紀の肌を嬉しそうに撫で上げる。
「ここに…お前に似合う刺青彫りたい...」
柔らかな太ももを甘噛みして、うっとりと武藤が囁く。
「だめ…そんなの龍さん達に知られたら怒られちゃう...よ」
武藤先生と付き合っていることが発覚してから、口をすっぱくして言われ続けている。
『お嬢の大切な体に傷をつけるなんて、ぜえったい、許しませんよっ!!』
ああ…今この瞬間でもみんなの姿が目に浮かぶ。
自分達は武藤先生...もとい無為先生に刺青彫ってもらったり、頼んでたりするくせに。
「龍さん…」
むっとした顔で武藤が沙紀をみた。
「他の男のこと考えてるんだ…?」
既に高ぶっている武藤自身を、濡れているとはいえまだ十分ではない沙紀に宛がうと一気に挿入した。
ずん、とお腹に響く衝撃。
「あっ…ああああー!!!」
「くっ………きつ…でも、全部入った…」
ぎゅうぎゅうと武藤を締め付けるその部分はまだ固い。
「や…先生、いた…」
「っ…悪い子にはおしおき…っん…」
「ああっ…!っ」
(付き合ってみてわかったことだけど…)
武藤は意外と嫉妬深い。
興味ないことにはとことん興味がないくせに変なところで嫉妬深いのだ。
じんじんと痛みを訴えていた部分は、それでも武藤に抱かれることを喜び始める。
「うあっ…ん…」
「んー…きもちよくなってきた…?」
「はっ…はうっ…」
しとどに濡れ始めた沙紀の秘部と自身が繋がっている部分を武藤は愛おしそうに眺めると、
ぐりぐりと今度は腰を使って動き始めた。
「ね、もっと足開いて…」
「っ…ひっ…やぁっ…」
「まだ余計なこと考えてる…?っ…」
(だめ…これ以上されたら、声が抑えられなく…なっちゃ…)
ここは学校で。
放課後とはいえ、まだたくさんの学生が残っているはずだ。
とりあえず今日はここまで。
週末にまた後半書ければ。と思います。
114 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 17:31:25 ID:p5yGDRO8
仁義キター!!
武藤先生好きなんで続き楽しみにしてます
ちょwwwwwおまwwwww これなんて生殺しwwww
武藤先生好きなんで、続きwktkして待ってます。
武藤先生キター!!
自分も先生すきだから続きを全裸待機してるよ
保守
118 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 23:26:02 ID:waq7n5Tp
保守
マイマス、UTM、ハトアリ書いてくださーい
クレクレ言う前に自分で書いたらどうだい
ほ
守
ヌルポンヌ
ラスエス2ってこっちでいいの?
今更嵌まってしまったんだが…
おk
好きなんで楽しみにしてる!
んじゃラストエスコート2の雅也×芹香で
クリスマス初キス→その後雅也宅にてネタです
前編はエロなしです。すいません
苦手な方はスルーでお願いします
「運命」を信じられるか、と問われるとき、自分は何と答えるだろう、とおれは考えた。
これは、「運命」なのだと、盲目的に信じ込んでしまうことはあるだろう。
おれはおれの過去にも、たった一つではあるけれど、そう感じ入っていた時期があったことを知っている。
これは運命以外の何者でもないと思っていて、だから、おれとその人が一生一緒に居られることを、信じて疑ってなかった。
つまり、こどもだったのだ。ものを、よく知らなくて、そして、自分ではよく知っているという気になっていた。
そう、おれは知らないことすら知らなかったのだ。
だから、おれの信じてた「運命」が、あんな形で崩れていってしまったのは、今思えば当然のことだったのかもしれない。
今のおれは、こどもでは、ないだろうか。確かに年齢は経ていて、あの頃よりは経験を積み重ねた。
”そのとき”のことがそのままおれの中に留まって、おれに多くのことを教えたし、それ以外のことだって、おれを作り上げてる。
おれは、自分が「大人になった」と信じたい。
けど、それは信じたいだけであって事実ではないから、どちらかというと「大人になりたい」という願いなんだろう。
おれはあれから、決して、大人にはなれていないけど、それでも、
おれはまだ、自分が大したことを知ってないと言う事はしってるから、たぶん、あの頃よりは、少しまし。…だと良いんだけれど。
「芹香」
台所で忙しそうに立ち回っている芹香に声を掛けながら、その傍に立った。
料理をしている芹香を見るのは初めてなんだけど、驚いた。びっくりするくらい、手際がいいんだ。
まるでコックさんみたいに。だけど、もしかして、おれを待たせないように気を使ってくれてるのかな。
少し、急ぎ気味に食材を片付けていく芹香は、何だかハムスターとか、うさぎみたいな、小さな動物みたいで可愛い。
おれは自分から声を掛けたのに、感心するやら、微笑ましいやらで黙って芹香のすることを眺め続けてしまう。
おいしそうだな。食べるの、すごく楽しみ…だ。
折角のクリスマスなのに、おれが食事の予約を忘れるなんてへましちゃって、一時はどうなるかと思ったけど。
こんな風に、おれの家で、芹香が、おれのためのご飯を作ってくれて。それを、二人で一緒に食べられるなんて、なんて幸せなんだろう。
どんな高級レストランで食事をするより、おれにとってはこっちのほうがずっと、ほんとうに、ずっとずっと嬉しい。
それでなくても、今日は幸せなこと、嬉しいことがたくさんあったのに。それで、…きっと、この後だって、あるんだ。
芹香の料理も楽しみだ。もちろん。でも、その後…なんて考えて、どきどきしてるなんて、芹香に知られたら、すけべだって思われるかな?
おしゃれな芹香だけど、華奢な指にのった小さな爪には、女の子がしてるの、よく見かけるみたいな、派手な色や飾りはついてない。
きっと、家事をするとき、邪魔にならないようになのだろう。
それでも、手入れを怠ってるわけではなくて、丁寧に形を整えられたそこは、どの女の子より女の子らしく見えた。
…でも、それってただ、おれが芹香の事を、大好きでたまらないからそう思う、だけなのかもしれないけど…
「雅也さん、えっと、なに?」
「…え?」
「え?じゃないよ。何か、言おうとしてたんじゃないの?私の事呼んだから」
今までずっと手元に目をやっていた芹香が、おれを見上げて、それからぱっと明るい表情を浮かべる。
面白いこと思いついた、って表情が既に言ってしまっているみたいな、芹香の笑い方だ。おれの、すごく好きな。
「あ!あ〜、私のあまりの手際のよさに見惚れたんだ!なんて…」
「うん。」
「えっ?!」
おれが素直に頷いたら、今度は芹香、見るからにびっくりしたっ!って顔して、おれを真っ直ぐ見つめていた目が、おろおろと泳ぎだすから。
可笑しくて、笑っちゃいそうになった。お玉を持って、…また、持ってるものが、ちょっと面白いんだなぁ。
そんな面白いもの持ったまま固まってる芹香の腰に、そっと手を触れさせたら、ぴくりと芹香が震えて、ぎゅっと体を強張らせる。
それで、おれのことを、じーっと見てるんだ。目をそらせたり、またちらっておれを見上げたり、すごく困った、みたいな顔して。
当然みたいに頬も赤らんでいて、おれの映ってる芹香の瞳はしっとりと潤んでいて、口の中に唾液が溜まった。
…おれ、へんたい、みたいだな。
芹香の腰に当てた手で、服の上からでもなめらかな気のするそこをそっと擦ったら、芹香はようやく気がついたみたいに、おれから顔を背けた。
あんなに手際がよくて、プロのコックさんみたいだった芹香の手も、すっかり止まってしまって、火にかけたままの鍋の中で何かがくつくつ言っている。
「…もしかして芹香、今も緊張してる…?」
「だ、だってこんな…見てるし、あ、雅也さんが、海で、つづき、とか言ったから…」
小さな声でぼそぼそと言う。
「せいいっぱい、ちゃ、ちゃかそうとしたら、雅也さん、うん、とかいうし、わたしの気も知らないで」
芹香は、そんな風に言うけど、芹香だっておれがどんな気持ちか、知らないでしょう?
そのまま抱き締めたい、ってすごく思ったけど、芹香がぷいとそっぽを向いてしまったから、抱き締めること、は、しないで、芹香の後姿にそっと身を寄せる。
肩を掴んで、芹香の髪の毛に唇を当てたら、僅かに覗いていた芹香の耳がぽっと赤らんだ。おれは、これで我慢してるおれ、偉いな、と、正直思ってる。
その耳にも口付けた。小さな声で、「そんなに固くならなくても」と囁く。
言ってるのに、その傍から芹香の動きはますますぎくしゃくして、お鍋が吹き零れてしまいそうで心配だ。
おれのせいで、折角の芹香の手料理がめちゃくちゃになってしまったら、申し訳ないな。
おれは、名残惜しかったけど芹香の耳からは口を離して、出来るだけ真面目に、はっきりと、「今は、何にも、しないし」と伝える。
芹香は黙ってる。あれ…?今のも、何か違ったのかな。足りなかったかな?おれは首を捻って、あ、と思い当たった。
そうだね、今のじゃおれのほんとの気持ちに言葉が足りてないし。おれは、芹香を台所との間に閉じ込めたまま、宣言するみたいに言う。
「したいよ?したいけど。おれ、芹香の料理、楽しみにしてるから…あ、もちろん、芹香も、楽しみ、だけど…」
「…っ!もう、雅也さんっ、いいっ、わかったからやめて!料理に、集中、できませんから!座ってて!」
芹香がひぃひぃと面白い声をあげながら、すごい剣幕で振り返って、おれのことをリビングのほうへ押し返す。
わかってたけど、おれを押す芹香の顔はまっかかで、少しふざけすぎたかな、なんて思った。…ううん、でも、ほんとのことだし。
「みてるのも、だめ?」
「だめじゃない、…けど、今日はだめっ。意識しちゃって、だめだから…」
「芹香?」
「え!な、なに、雅也さん?」
「おれ、今日初めて見たけど、料理してる芹香も、好き。慣れてるのに、せかせかしてて、何だかハムスターみたいで、かわいい…」
芹香が、押していたおれの胸をぽすんと叩いた。それから、泣きそう、に見えるくらい、困り果てた顔で、
「雅也さん、もしかして、わたしを緊張させて楽しんでる…?」
なんていう、けど、おれは逆に、芹香に訊きたいくらい。
そんな可愛いこと、ばっかりして。ほんとは、芹香のほうが、おれのこと、おかしくしたいんじゃないか?って。
*
最後の一口を丁寧にスプーンですくって、口に運んでからも意識を集中させて、丁寧に味わった。
あんなに空腹だったのに、今は満たされている腹に意識を異動されると満足感で思わず溜息が零れて、
おれよりも少し遅れてシチューを食べ終えた芹香と目が合う。
少し照れたけど、子供みたいに「ごちそうさまでした」と呟いたら、芹香の方も照れたみたいに笑って、「おそまつさまでした」と言ってくれる。
芹香の料理、ほんとにおいしかった…あんなに少しの時間しかなくて、材料だって有り合わせだったのに。
店で出されるような格式高い味では決して無いんだけど、芹香のお母さんも、おばあちゃんも、こういうご飯を作るのかな、と想像できて、
また、芹香がお母さんになっても、こんな風なご飯を子供に食べさせてあげるんだろうな、なんて羨ましくなるくらいに、家庭的で、心の篭った味だ。
好きな人の作る食事が、こんなにも素敵なものだった、というだけで十分胸は苦しくなるくらいなのに、おれは特に、そういうものに縁が無かったから。
余計に感じ入ってしまって、ほんとのところを言うと、感動、した。
実は、芹香の事が気になって、味が、よくわからなかったらどうしよう、と心配してたくらいだったんだけど。
杞憂だったな。確かに、芹香のことはずっと気になってた、けど。おいしいものは、おいしかった。
あれの味がわからなかったら、とても勿体無かったから。ちゃんと、味わって食べられて、よかったと思う。
食後の紅茶を入れようとしてくれている芹香の顔を覗き込んで、本当に本当に心から、「おいしかった。ありがとう」とお礼を言ったら、
芹香がくすぐったそうに笑う。目を細めて、くすくす、っていう可愛い笑い声を漏らしながら、「はい、何回もいってもらいました」と
美味しいものが食べれたおれだけじゃなくて、芹香も嬉しそうに言ってくれるから、おれまでもっと嬉しくなって、
言わなくても、砂糖を二つ、紅茶の中に落としてくれる芹香と二人、話らしい話はなにもしないで、ただにこにこしていた。
紅茶もおいしくて、あったかくて、おれか芹香が泣き虫だったら、どっちかが嬉しくって泣き出すんじゃないかと思うくらい、幸せだった。
「あ、そうだ。お皿、洗わないといけないよね」
「…いいよ。あとで、おれがやる。それくらいさせて?」
「え?でも、台所貸してもらったのわたしだし…」
話し続けようとする芹香の唇に、そっと指で触れる。きざだったかな。照れて笑ってしまう。そしたら、芹香も笑った。
二人して持ったままだったティーカップを置いたのと同時に、芹香の頬に触れて、実はまだたった、一度しか触れていない唇を塞いだら、そこからとろけそうになった。
とりあえず前編は以上です
既にぬるい感じがフルスロットルで申し訳ない
後半はそのうち書きたいです
GJ!!
地の文とかがすごく雅也っぽくてよかった
続きwktkして待ってます、全裸で
次の投下が楽しみ
プリンセスナイトメアのエロパロが読みたいな。
投下してくれる人いませんか?
ご自分で書かれたら如何かと
書けないッスよ……
書こうと思えば誰だって書ける
書けないんじゃなくて書かないだけ
クレクレ言ってないで自分から動け
武藤先生とチヒロの続きまだなのかー
>書こうと思えば誰だって書ける
いや、無理だろう
いい加減な事を言ってんじゃねぇよカス
日本語が書けるなら誰にだって書ける
その作品が上手いか糞かは別だけどな
フェイバリットディアはここに投下でいいの?
専用スレないならいいんじゃないかな?
乙女ゲーじゃないだろうけど男女選択物で恋愛EDもあるし
というかフェバ珍しいな
投下してくれたら嬉しいww
流れを無視して悪いが、携帯から作品を投下させて貰います。ゲームタイトルはPS2移植版のパレドゥレーヌ。
カップリングはフィーリア王女×ウィーギンティに挑戦してみた。エロは薄めです。
全部で7レス程度あります。ちなみにPC版とパレドゥロワイアルはプレイしたことがない。
※作中ではフィーリア殿下が少し下品に描かれています。そういったものが苦手な人はご注意を。
あと、全て投下するまで時間が掛かるかも知れませんが許して……。
「司教ウィーギンティ。盟約によりここへ参りました。
全ては人の子らの未来の為に」
背後から抑揚のない男の声がした。フィーリアが振り返ると、そこには顔を仮面で覆い、全身を白装束に包んだ長身の男が立っていた。
相変わらず、人間離れした得体の知れない神秘的な空気を纏っている。彼は謎の組織「協会」から派遣された司教であり、協会から提供されている王城の設備の定期点検にやって来たのだ。
侍女のエクレールによって執務室に通されて来た彼に対し、フィーリアはいつもの様に優雅な貴婦人の礼をとって迎え入れた。
――今日の整備業務を終えると、フィーリアとウィーギンティは王城の庭園で一緒にお茶を楽しんだ。
と言っても、ウィーギンティは世俗の飲食物を口にすることは敵わない為、出されたお茶に手をつけることはない。
「王の試練」が始められてから半年以上の時が過ぎていた。この期間を通して、フィーリアとウィーギンティの距離はぐっと近くなり、保守点検の後こうした個人的な時間を持つまで親しくなった。
今までに彼との間には様々な出来事があった。ブラッドベリーにある協会の館へ招かれたことや、国内で流行した深刻な疫病に対処して貰ったこと、またミルトンの領主クレメンスから彼との付き合いについて忠告の親書を受け取ったこともあった。
つい最近は、ウィーギンティから愛の告白めいた発言もされ、今や二人の関係は親密と言えるものになっていた。
ウィーギンティと他愛ない会話をしながら、フィーリアは他に考え事をしていた。「目の前のこと男は、一体自分をどう思っているのだろうか?」と。
勿論こちらは彼を異性として意識している。自覚がある。
エクレールも王女と司教の特別な関係を察してか、この時間だけは二人きりにしてくれている。日頃は常にフィーリアに付き従う彼女だったが、お茶の用意を手早く済ませると早々に庭園から出て行った。
以前彼は言った。「私を好きということ?」と尋ねたフィーリアに「そうかも知れません」と。彼の方もフィーリアをにくからず思ってくれているのだろう。
……彼の気持ちを確かめてみたい。普段は何を考えているのか良く分からない、謎めいたこの男の気持ちを、はっきりと目に見える形で示して欲しい。
そういったフィーリアの想いが彼女に大胆な行動を起こさせた。それとも単純に魔が差しただけかも知れない。
雑談が途切れ、ふと沈黙が落ちる。フィーリアは手にしていたティーカップをテーブルの上に置くと、たおやかに微笑んで「司教殿、」と呼び掛けた。
「はい。フィーリア殿下」
彼のいらえを聞くと同時に、フィーリアは衣装の裾を手で引き上げ片足だけ靴を脱ぐと、テーブルの中に足を差し入れた。
お茶用のテーブルの下でフィーリアの細く白い足先が、向かい合って座るウィーギンティの足をサラサラ撫でてゆく。暫く探っていると、指先が彼の両の太腿の間に割って入り、目当ての場所に辿り着く。
(司教殿にもあるんだ……)
足の先に当たる感触を確かめながら、フィーリアは少し意外な思いでいた。しかし当然と言えば当然だろう。
いくら不可思議で神々しい雰囲気を持つ司教であっても、彼の発する声は男のものなのだから、肉体の構造は立派に男のものを持っているはずだ。
フィーリアは指の腹でウィーギンティの膨らみを弄んだ。白いローブの上から上下にゆっくりと擦る。
「…………」
王女から淫らな戯れを受けている当のウィーギンティは、無言だった。その素顔は不気味な仮面に隠されている為に、何を思っているのか表情は読み取れない。
……フィーリアは今の自分自身に驚いていた。慎ましい王女として大切に育てられ、年端もゆかぬ少女である自分が、男性に対してこんな卑猥な行為をしているだなんて。
しかも相手は、仮にも聖職者である。
恋心から来る不安のせいか、それともただの悪戯心や好奇心からだったのか。自分にこんなはしたない行為が出来たとは、信じられなかった。
ウィーギンティの男性自身にはまだ変化がない。しかし暫く愛撫を続けていると、フィーリア自身の体がだんだんと熱くなってゆくのが分かった。
心なしか呼吸も荒い。――自分は、この卑猥な状況に気持ちが高ぶっている。興奮している。
しかし、ウィーギンティの静かな言葉によって、フィーリアは我に返った。
「……いけません。世俗の人間とのこうした関わりは我々にとっては禁忌です」
司教は穏やかな口調で窘めた。突然の出来事だったというのに、微塵も動じる様子がない。
フィーリアは足の動きを止める。彼女はそんな彼の反応に、悔しく惨めで寂しい気分になった。
そんな落胆を隠すかの様に、フィーリアは頬を紅潮させながら挑発的な笑みを浮かべて言い返した。
「つまらない反応。それでも男なの?」
――それから暫くの時間、二人は無言で対峙していた。フィーリアは彼の仮面の虚ろな眼窩を真正面から見つめた。
相手からの言葉を待っていると、ウィーギンティは微かに怒りを含んだ声色で言い放った。
「分かりました。では、今夜また改めて、フィーリア殿下のもとへお伺いしましょう。
よろしいですね。……ああ、そうだ。どのような中身がお好みですか?」
「えっ……?」
予想もしていなかった彼の返答に、フィーリアは言葉を失い赤面してしまった。最初、彼が何を言っているのか理解出来なかった。
自分からウィーギンティを試す様なことをしておいて、二の句が継げない。
「……特にご希望がないようですから、若い女性の好みそうな容姿を、こちらで適当に見繕って参りましょう。
それでは、そろそろ失礼させて頂きます。全ては人の子らの未来の為に。――では、後ほど」
そう言い残して立ち上がると、いつものごとく司教は一瞬のうちに姿を消してしまった。
フィーリアは暫く呆然と座っていた。彼女から彼を誘惑した形になったのだから自業自得とはいえ、まさかあのウィーギンティが誘いに乗るとは思っていなった。頭が混乱している。
まだ先程の情事の余韻が残っていたが、いつまでもこうしてはいられない。フィーリアは気持ちを切り替えようとした。
今日の公務はまだ終わっていない。やらねばならない仕事は山積している。
「あ……」
少しふらつきながら立ち上がろうとした時、両の太腿の間にぬるりとした感触があった。その時初めて、自身の秘所が濡れていることに気がついた。最中は緊張していて分からなかった。
フィーリアの中に、今頃になって羞恥心が込み上げて来る。自分は淑女にあるまじき振る舞いをした。
王女として恥ずべき行動を、軽はずみにとった。
ウィーギンティにも嫌われてしまったかも知れない。呆れられたかも知れない。……それでも、今夜自分とウィーギンティが結ばれるのだと思うと、罪悪感や恐怖と供に、震える程の喜びを覚えてしまう。
愛しいウィーギンティに、この身に触れて欲しいと思う。
【終わり】
中途半端な終わり方ですがここまで。ウィーギンティのエロなんて、これ以上は想像出来なかったorz
性欲自体あるのかどうか……。色々と矛盾している点があるかも知れません。
拙い作品を、最後まで読んでくれた人ありがとうございます。
眠気が限界なのでもう寝ます。お休みなさい。
GJ!
ウィーギンティ珍しいね
初めて見たかもw
なんか新鮮だった
足コキ?えろい・・・
本番はー?
表情みえない仮面、いいな
gj!
雅也×芹香の後半はまだかしら?
フェバを投下するって言ってた人も気になる…
仮面プレイいいねー
SMみたい
パレの人GJ!!
でも改行も頑張れw
一文ごとに改行したほうが読み易いかも
エロ書ける人が羨ましい
自分はアイディアが浮かんでこない
エロ妄想はするけど文才無くて形に出来ない
武藤先生とチヒロの続きは……?
わかんねぇ
誰だろう?
フェバって前専用スレあったけど落ちたんだね。
久しぶりにプレイして再熱して見に行ったらなくて(´・ω・`)
そうなん?(´・ω・`)
保管庫はないんだね……残念
フヒヒ
未完成の作品が結構あるんだね
続き書いてくれないかな
フェバのログみたらロクスに萌えた。ひねくれ聖職者ハァハァ
クライヴも見たいなー
とりあえず純白を再プレイしてくるか
良スレ
色々な種類の話が読めていいね
私もエロ書いてみたいなー
でも書こうとすると
恥ずかしくなって書けないorz
読むのは恥ずかしくないのに
178 :
SS保管人:2008/09/22(月) 11:03:37 ID:RAhniHb+
>>170 dat落ちの部屋その5に置いておきました。
>>178 保管人さんお疲れさまです
>>177 YOU書いちゃいなよw
一歩踏み出すところからエロ道は始まるんだぜ
180 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/30(火) 21:49:20 ID:jq8OrTji
ほしゅ
181 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 01:44:55 ID:csSJFUPX
ラブレボでの萌えが再燃したんだが、もう今ごろだと需要ないだろうな…。
需要なんて考えずに投下してほしい。
あとそういう誘いうけは叩かれるもとだから気をつけたほうがいいよ。
とりあえず最近PC版でラブレボ萌えが始まった自分は
>>182の投下を正座して待ってる。
今頃需要なんてねーよ!と言いたいところだが、
ラブレボ今でも好きなので、正座してお待ちしております。
182ですが、誘い受けに見えてたらすいませんでした。
書けたら投下しにきます。
投下が一ヶ月に1回あればいいほうなんで、需要あってもなくても、投下してくれるだけで神ですよ
保守ついでに吐き出し
このスレってあんまり雑談しないね
12対の乙女ゲーで敵が主人公をボコしつつ
苦痛には強いのですね屈辱のほうがお好みですか云々言うから
一瞬だけ屈辱=レイーポかと思った自分アフォw
普通に苦痛=主人公ボコす、屈辱=主人公の仲間をボコすだった
>>185 ラブレボ今でも好きだ
全裸にバイザーで正座して待ってるよ
>>187 人が少ないからとか、総合だからマイナーなゲームの話題は振りにくいとか
そういう理由なんじゃないかなー>雑談が少ない
保守
保守ついでに、D.C.GSはここでいいのか?
多分、書かないが聞いてみる。
駄目な理由はなんにもない気がする
自分はすげえ読みたいですよっと
>>192 サンクス。
サーカス専用スレはあるから、そっちに誘導されるかと思った。
ちょっと聞きたいんだが、このスレ的に陵辱はおk?
男性向けな感じの中田氏とかありの
>>1嫁
>*特殊なシチュ(レイーポ/近親相姦/3P等) の場合は注意書きをおながいします
投下の前に1レス、注意書きを載せればおK
個人的には全然おk
>194じゃないけど投下。
パレドゥレーヌ、レミー×フィーリア。
レミールートネタバレ
あとレミーの設定に自分解釈が混じってたり
PS2版しかやってないからその他のメディアと矛盾があるかも
15レスくらい
以上ご注意の上ドゾー
一年の長きに渡り繰り広げられた王の試練は終わりを告げ、
空だった玉座にようやく主を迎えることのできたターブルロンドは今、歓びに沸いていた。
騎士王の血だけではなく、
その才やカリスマをも正しく受け継いでいることを示した美しき女王、フィーリア。
彼女の為した偉業を讃え、ロザーンジュはこれから三日三晩の祝賀に明け暮れるのであった。
楽団が奏でるワルツが聞こえてくる。
舞踏会は夜通し続くそうだし、城下もお祭り騒ぎだ。
しばらくは、どこへ行っても静寂とは無縁なのだろう。
しかし彼だけは、どこか静謐な空気を纏って宵闇に紛れようとしていた。
闇色のカラスだけを供にして。
「レミー」
大抵のことでは驚かない、
むしろ人を悪い意味で驚かせる方が多い彼だったが、さすがにこれには驚いた。
鍛錬場を抜け旅立とうとしていたレミーを呼び止めたのは、
まさに今日、女王の座に即位したフィーリアその人だったからだ。
「…フィーリア様」
今のフィーリアは宝冠と豪奢なマントに彩られた女王の姿ではなく、
彼も見慣れた清楚な青いドレス姿だった。
こうして髪にリボンを飾っただけの彼女はやはりまだ、可憐な姫君といった印象が強い。
しかしこのお姫様は決して可憐なだけではなく、
強い意志と清浄な魂と、
そして時にレミーでさえ舌を巻く大胆さを持ち合わせていることを彼は知っている。
例えば今、彼女が主役である舞踏会をこっそり抜け出して来るような。
「いいのかな、女王陛下がこんなところで夜遊びしてて」
せいぜい皮肉めいた口調で言ったのに、フィーリアはクスクス笑う。
「レミーったら。
ずっと騎士らしい振る舞いなんかしていなかったのに、
どうして今日に限ってそんな正論を言うの」
「…確かにね」
肩のカラスがカァと鳴いた。
彼の胸のざわめきを警戒しているのか。
「で、フィーリア様は舞踏会を抜け出してまで、どんな悪さがしたかったんだい」
「…あのね、レミー」
すっかり旅支度を調えているレミーの姿を見れば、
彼がもうここから去ってゆこうとしている事は明らかだ。
何故かははっきりとは解らない、
でもこの旅立ちが彼にとって必要だということは解っている。
だからもう引き留めはしない。でも。
「きちんと伝えておきたくて。
…わたし、あなたが大好きよ」
珍しいことに、レミーがはっきりと表情を揺らがせる。
しかしフィーリアがそれを見ることはなかった。
そのときにはもう、フィーリアはレミーの胸に飛び込んでいたから。
レミーは反射的にその無防備な彼女の脳天を庇った。
彼の相方はカアァと鋭く鳴いたが、嘴を振るうことまではしなかったのでホッと安堵する。
なのでそれらは後からやってきた。
柔らかな髪、華奢な肩、鼻腔をくすぐる甘やかな香り。
初めてこんなに近づいた距離、囁かれた愛の言葉。
それらを感じて意識して、沸いてきたこのむず痒さや居たたまれなさ、
そしてどうしようもない幸福感。
それと背中合わせにある寂寥感まで混ざってきて、
もうレミーはぐちゃぐちゃだった。
「…本当、フィーリア様は物好きだよね。
まあ僕を騎士として迎えてる時点で解りきってることかもしれないけどさ」
相方の挙動に気を配りながらレミーは言う。
「生憎だけど、僕はその言葉に返事をすることができないんだ。
今だって、こいつが好き勝手やりすぎないように結構気を使っているんだよ」
この心が、魂が他の誰かに持って行かれているかのような言霊を口にはできないのだ。
奪われるよりはと、ぐしゃりと潰されてしまう。
文字通りに、この心臓を。
だけど、フィーリア様。
「昨日言った事の繰り返しになるけど。
僕は、フィーリア様の側にいたいと思ってる。
だから、僕は行くよ。
…この続きの言葉は、帰ってきてから、ってことにしてくれない?」
「…は」
フィーリアが、レミーの胸に顔を埋めたまま何か言った。
レミーが聞き返すと、フィーリアは顔を上げてもう一度言った。
「…行動には、制約はないの?」
「うん、まあね」
彼にとって最大の禁忌は言葉だった。
昨夜彼女に呼ばれた時だって、まともに事情を伝えることはできなかった。
何も言えないのだから、信じられないのが普通だとレミーだって思う。
だからもし彼女が望むなら、このカラスを殺したっていいとさえレミーは思っていた。
それは別に出来ないことではない。
ただ自分も共に死ぬというだけで。
禁忌を犯し、命と魂を一方的に奪われるのは癪だけれど、
フィーリアにだったら、相方ごと道連れにしてくれてやっても…
命も魂も、捧げてもいいと思ったのだ。
それこそ、まるでご立派な騎士様であるかのように。
自分でも笑ってしまうくらい一途に、そう思っていた。
「なら、レミー…
わたしに、思い出をくれないかしら」
目を伏せ、微かに頬を赤らめながらフィーリアは言った。
「淑女失格よね、こんなことをお願いするなんて。
でもレミーは、わたしを叱らないわよね?」
「僕がフィーリア様に淑女であれとお説教かー。
ちょっとすごい構図だね、それ」
クスクス笑いながらレミーは言う。
「だけどフィーリア様、一つ忘れてないかい?
ここには観客がいるんだよ?」
レミーは肩に留まる相方に視線を走らせた。
カラスは何故か自慢げな様子で鳴いている。
「レミーとそのカラスは切っても切れない関係なのでしょう?
なら、わたしは気にしないわ」
「…結構大胆なんだね、フィーリア様は。
でも、僕は」
レミーは唐突に腕を大きく振り上げた。
カラスが抗議の声をあげながらばさばさと飛び立つ。
舞い散る黒い羽に紛れながら、レミーは素早くフィーリアの唇を奪った。
「独占されるのは嫌いなんだけど、独占するのが好きなんだよね。
覚えておいてくれたら嬉しいな、フィーリア様」
ギャアギャアと悪態をつくカラスに、野暮なことはするなよなと睨みをきかせてから
改めてレミーはフィーリアに向き直る。
「ま、とにかく。
僕はこういう『悪さ』は専門外だから、
フィーリア様にあげられるのは、綺麗な思い出なんかじゃなくて
酷い爪痕になっちゃうと思うけどね…。」
手近な枝に留まり、監視するようにこちらを見ているカラスにチッと舌打ちして、
レミーはその視線からフィーリアを隠すように導いた。
再び重なり合った唇は、身体が震えるようだった。
その柔らかさも暖かさも、今のこの時が現実なのだと教えてくれる。
突如荒っぽくねじ込まれてきた舌にフィーリアの息は乱れる。
レミーが甘ったるい口づけだけを寄越すなんて有り得ないと、もちろん解ってはいたけれど。
「ふふ、久々に僕がフィーリア様を翻弄する立場になれて嬉しいよ」
深い口づけにてらてら濡れた唇を歪めてレミーは笑った。
「…ということは、最近は、わたしがレミーを翻弄していたということ?」
「おや、自覚してなかったのかい。それはますます恐ろしいねぇ」
真白い首筋に舌を這わせる。
あ、なんて、色っぽい声をあげてる場合じゃないんだよ、フィーリア様。
フィーリア様は怖くないのかい、僕に弱みを晒すことが。
例えば僕がフィーリア様のこの無防備な首筋を喰い破るかも、なんて思ったりはしないの?
きっと思わないんだろうね。僕はそんなフィーリア様が怖いよ。
そんな瞳で僕を見て、僕に全てを委ねるフィーリア様と、
その歓びに震える僕自身が、怖くて仕方がないんだ。
青いドレスに包まれた胸にレミーの手が重なる。
ドレスと下着、そして彼の手袋越しの柔らかさがもどかしく、
手袋の留め具を外してめくり、唇でくわえて脱ぎ捨てる。
そんなレミーの仕草はやはりカラスを連想させた。
そしてその連想のとおりに、獲物を啄むカラスのように
レミーはフィーリアの耳たぶや首筋を甘噛みし、気紛れに赤い痕を残してゆく。
彼がフィーリアに与えるものは熱と微かな痛み、
そして彼の唇が離れたあとの冷たさばかりで
レミーの言った『爪痕』という言葉の意味を、フィーリアは身体で理解した。
でも初めて知る悦びと共にくるそれらは、レミーが言ったような酷いものではなく
甘やかで優しかったから、とても切なくて、愛おしかった。
「…んっ」
ぞっとするほど冷たいレミーの素手がドレスの胸元から滑り込んできた。
その手はフィーリアのささやかな膨らみの柔らかさを愉しみながらドレスの下で暗躍し、
寒さと快感で硬くなっているその先端を捕らえてなぶる。
「あっ、レミーっ…。」
甘い声が漏れ出てしまう自身の唇を塞ごうと泳いだ彼女の手を、
レミーは難なく捕まえてしまった。
片手はくりくりと先端を弄び、
もう片方の手でフィーリアの指に指を絡めて捕らえながら
レミーはいつもの意地の悪い笑みを浮かべる。
「駄目だよフィーリア様、その可愛い声を聞かせてくれなくちゃ。
そのために僕は、」
頬をぺろりと舐めながら、いじらしい先端を挟む指先に少し力を込める。
「ゃあんっ…!」
「こうして、悪さをしてるんだからさ」
耳元で囁きながら、繋いだ手を離して今度はスカートに手をかけた。
本当は全部脱がせてしまえば楽だし、もっといろいろと愉しいこともできる。
今自分の手の言いなりになって形を変えているのだろう胸や、
その他にも恥ずかしくて可愛らしい彼女の全てを見ることも出来るだろうし、
事実見たくて仕方なかったが、
そうすればそれらは全て、彼の頭の斜め上あたりにいるカラスの目にも晒されるのだ。
それだけは絶対に嫌だった。
自分自身さえ自分のものとは言えないレミーだったが、
フィーリアだけは相棒に分けてやるつもりはなかった。
今はその目に映すことは叶わなくとも、
このぬくもりと柔らかさだけは、全部自分だけのものにしておきたかった。
幾重にも重なり大きく広がるペチコートの中へと侵入するのはなかなか骨が折れた。
しかしこれがペチコートだからまだマシだった、
クリノリンで支えねばならない豪奢なドレスだったら完全にお手上げだっただろう。
自分の肩に寄りかからせるようにしてドロワーズを片足分だけ脱がせる。
滑らかな太股をいたずらっぽく撫で回されながら脱がされて、
フィーリアの膝はもうガクガクと言うことを聞いてくれない。
皮肉っぽい笑みはいつもと変わらないくせに、
それとは裏腹の優しさが感じられる所作で、レミーはそうっとフィーリアを座らせた。
自分と彼女を隔てるスカートのボリュームを潰すように強く抱き寄せて、
その中にある秘密に指を滑らせる。
「ああっ!」
戦慄いたフィーリアをなお強く抱きしめたレミーは、
慎重に、繊細に指を動かしてぬめる秘裂を探ってゆく。
愛液が絡んだ、どうやら淡いらしい茂みやふにふにと柔らかい恥丘、そして。
「見ーつけた、っと」
「やああぁん!!」
その小さな花芽にレミーの指が触れた瞬間、フィーリアは大きく仰け反った。
しかし抱き締めるレミーの腕は逃げることを許さない。
残酷なくらいに鋭い快感で、初めてのフィーリアを容赦なく追いつめる。
「ほらほらフィーリア様、暴れないで、いい子にしてて。
気持ちいいんでしょ?もっと苛めてあげるから、ほら」
「あ、ああっ、だめぇっ、レミーっ!あぁぁ…」
レミーに縋るように抱きつきながら、フィーリアは怖いくらいの快感に身を委ねる。
「レミー、やっ、わたしっ、おかしくなっちゃ…
ああぁあぁぁっ…!」
跳ねてピンと身体を強張らせて、
その後ぐったりと脱力したフィーリアの身体を支えながら
レミーはそっと相棒のカラスの様子を窺った。
趣味の悪いことに、カラスは未だにじいっとこちらを見ている。
出歯亀め。内心で悪態をつきながらもレミーは止めない。もう止められない。
彼女を自分だけのものにしてしまいたくて堪らない。
代わりにあげられるものなど、今は何も持たない彼だったけれど。
初めての絶頂に上気した頬も、潤んだ瞳も、熱い吐息も全部全部自分だけのものにしたかった。
相棒の視線から覆い隠すようにしどけないフィーリアを胸にかき抱いて、
噛みつくように口づける。
絹とレースの陰に隠れて、レミーはフィーリアを一思いに貫いた。
「…ッ!!」
絶頂の余韻にまどろんでいたフィーリアは、
身を裂かれる痛みに強く唇を噛んで悲鳴を噛み殺す。
ごめん、という囁きが聞こえたような気がしてフィーリアは少し笑った。
レミーの表情は見えない。今の囁きも幻聴かもしれない。
でも今、彼は動かずただじっとフィーリアを抱き締めていて、
それは純潔を失った痛みに耐える自分への気遣いなのだろうな、ということは解る。
別にレミーが自分の痛みを気遣う必要はないのに、とフィーリアは思う。
彼と共にあった道はいつもどこかに痛みや影があって、
フィーリアはそんなところも承知した上で今日まで彼と共に在ったのだから。
散々憎まれ口を叩いて、時には牙さえ剥いて。
僕はこんな性格だから、なんて卑怯な台詞も平気で吐くのに、
そのくせ変なところで誠実だったりするのだ、レミーは。
「…レミー。わたしなら、大丈夫よ。
あなたの、思うように。…して、頂戴」
引かない痛みに切れ切れになる息を継ぎながら、
それでもフィーリアは微笑んでそう言った。
「…フィーリア様」
疎まれ、遠ざけられることには慣れているけれど、
受け入れられ許されることには未だに慣れることが出来なくて、
レミーはどうしても戸惑ってしまう。
「あんまり僕を好き放題にさせない方がいいよ。
どんな悪さをするか解ったもんじゃないからね。
ま、今更かもしれないけど」
フィーリアは、少しは痛みも引いてきたのか、いくらか安らいだ微笑を浮かべて
本当、今更ね、と可笑しそうに囁いた。
レミーはその言葉に苦笑する。
困るんだ、本当に。そんなふうに微笑まれて許されてしまうと。
それが嫌じゃなかったりするから、本当、すごく、困るんだ。
レミーがゆっくりと動き始めた。
つい先程まで生娘だったフィーリアの漏らす吐息は、
まだ快感の色からは程遠い。
膝の上に乗せられて、下からレミーの槍に突き上げられるこの体位も
初めての彼女には少々辛いものなのだろう。
青と白の絹地をかき分け小振りな尻を抱え、
レミーは膝で子供をあやすようにフィーリアを優しく揺すって、
ごく浅い箇所で抜き差しを繰り返す。
少し自分の背を倒してフィーリアを寄りかからせ、
獲物を追いつめる狩人のような冷静さで
まだ狭くてきついフィーリアの中を肉棒で探ってゆく。
「ぁ…」
ある一点を擦り上げる角度でフィーリアが微かに鳴いた。
ここか。
レミーはニヤリと口元を歪め、ごく小刻みなリズムでそこを苛めてやった。
「あ、あぁ、だめ、そこ…っ」
「何で駄目なの、フィーリア様?
さっき僕の好きにしていいよって言ってくれたじゃないか」
スカートの中での痴態を、もちろんレミーも見ることが出来ない。
だが、さっきまでは未知の侵入者を拒んでいるかのようにきつかった彼女の中が熱く解けて、
ねっとりとした蜜を垂らし始めたことを
レミーは自身の槍で生々しく感じることができる。
「レミー、の、いじわる…あぁっ」
今は快楽に吐息を乱すフィーリアが拗ねたように言った。
少しずつ律動を強めるレミーは改心の笑みを浮かべる。
「それこそ今更だね、フィーリア様」
その言葉に笑ったフィーリアは、
しかし快楽に翻弄されてどこか泣き笑いめいた表情をする羽目になった。
少しはやり返せたように思えて気を良くしていたレミーは、
そんなフィーリアの表情に煽られて結局自分の負けを自覚する。
「ね、レミー、わたし、もう、本当にだめみたいなの、
だからお願い、一緒に、一緒がいいの、レミー」
フィーリアは涙声で哀願した。
身体の内側から、自分の意志とは関係なしに湧き上がるそれに振り回されて、
自分の身体であるはずなのに、もう自分ではどうにも出来ない。
「了解。我が主のお望みのままに、ってね」
そう嘯いてみたものの、
自身を柔らかく包み込みながらきゅうきゅうと締め付けられるその感覚に
レミーももう限界が近づいていた。
スカートの中からじゅぶじゅぶと卑猥な音が響く。
ざらざらとした最奥を激しく突いてももうフィーリアは痛がる様子はない、
ただ甘い声で鳴くだけだ。
フィーリアは譫言のようにレミーの名をただ呼ぶ。
さざ波のように繰り返される自分の名前を聞きながら、
茶飲み話のついでにでも、
いつか彼女にかつて捨てた名を告げる日が来るのだろうか、とふと思った。
「あ、ぁ、レミー、わたし…!」
うん、と吐息だけでレミーは肯く。
「あぁ、レミー、あぁあ、ああぁんっ…!」
レミーを促すようにうねり、締まる彼女の熱に彼も素直に従う。
「…フィーリア、」
自分の全てをフィーリアの奥にぶちまけながら、
らしくないほど切実に、レミーもフィーリアの名を口走っていた。
遠く響くワルツは未だ止まず、
城も街も今夜は明かりを絶やすことはない。
だが確実に、二人の間にはひとたびの終わりが近づいていた。
決して触れ合うことはないだろうと思っていた、
赤と金、黒と青、闇と光がが寄り添い混じり合って深く繋がった。
冗談のようにさえ思える今は確かに現実で、
そして何と幸せな現実なのだろう。
「…じゃ、またね、フィーリア様」
レミーの腕に舞い戻ったカラスは不機嫌そうだったがそれは黙殺した。
どうせこいつとは一蓮托生の仲なのだ、
今くらいフィーリアを優先したって罰は当たるまい。
その『今くらい』の比重がレミーの中でどんどん増えているから
今こうして旅に出るわけだし相方の凶暴さも増しているのだが、
とりあえず今はその辺も纏めて黙殺する。
「…元気でね、レミー。あなたの無事を、祈っています」
フィーリアの中で様々な言葉が渦巻いていた。
行かないで。側にいて。好きです。愛しています。
フィーリアだって決してご立派な女王様ではなかった。
愛しい人にぶつけたい、少女らしい言葉を山ほど抱えていた。
その内のいくつかを、感情のままに彼に投げつけたこともあった。
けれど今は、レミーを縛るような言葉は全部仕舞い込んで微笑んだ。
彼の翼を、命をもいでしまいかねない言葉は、全部。
フィーリアに背を向け踏み出しかけたレミーは
ふと思い立ったように振り返り、カラスを振り払いながらマントを翻した。
その陰で、二人の唇が重なる。
再びマントが翻ったときにはもう、レミーの姿は闇に紛れて消えていた。
レミーは意地でも、相棒のカラスに無防備なフィーリアを見せようとはしなかった。
別れの寂しさよりもその可笑しさが先に立って、フィーリアの唇がほころぶ。
エクレールと再び入れ替わるために歩き始めたフィーリアの耳に、
もう姿は見えない癖に、手荒な扱いに耐えかねたらしいカラスの鳴き声と、
痛がるレミーの抗議の声が微かに聞こえた。
フィーリアはどうやら笑顔のまま、舞踏会へ戻ることが出来そうだった。
以上です。それでは。
>>213 GJ。本当にGJ。
凄く好みの文体で内容も切なくて萌えが再燃した。
今からレミー√やり直してくる。
>>213 GJ
レミー最萌えなのでニヤニヤしながら読んでた。
自分もパレドゥ引っ張り出してレミー√やってくる。
GJ!
自分もレミー最萌えなので嬉しかったし、萌えました。
同じくレミー√やってくる。
GJ!GJ!
レミー萌えるよレミー
そしてレミーが工作したかのような今の流れに吹いたw
自分もレミー√やってくるwww
ウェブカレで書こうかと思ったが
主人公の初期設定の名前が無いんだよな…どうしよう。
GJくれた皆さんありがd。ウレシス
パレドゥレーヌ、ロドヴィック×フィーリア。
というより殿下の自慰を亡霊が視姦
ロドヴィックAエンドネタバレ
殿下強気
亡霊が変態
17レスくらい
以上ご注意の上ドゾ。
その夜、クイーン・フィーリアはいたくご機嫌斜めであらせられた。
サンミリオンから送った荷が届く頃を見計らって
ここ、ロザーンジュへと空間を越えてやってきたロドヴィックだったが、
彼がわざわざ異国から彼女のために取り寄せた、
湯を注ぐと香り高く花がほころび開く茶や
口に入れただけでとろけてしまうらしいメレンゲ菓子、
朝露に濡れる薔薇の花を今摘んできたかのような飴細工にも全く手を付けず
薔薇色の頬をぷぅと膨らませてこちらを睨んでいらっしゃるのだった。
「お気に召しませんでしたか、陛下」
これらの品々を勧めてきた商人は出入り禁止にするか、などと
剣呑なことを考えながらロドヴィックは女王陛下のご機嫌を窺った。
「そろそろ寒くなってくる季節でしょうから、暖かいパイやタルト、
ホットチョコレートなどのほうがよろしかったですか」
亡霊である彼は暑さ寒さとは無縁なので、
どうしても季節を考慮に入れた心配りにはやや疎くなってしまう。
商売において致命的な彼の弱点だったが、
彼自身にはどうしようもない弱点だったが故に
余計に呼び寄せた商人の配慮の無さが疎ましかった。
末代まで祟って呪い殺してやる勢いで恨めしかった。
彼は、フィーリアが何かを食べているところを見ているのが好きだった。
元々、他人を招いて食事を振る舞い、その様を眺めるのが好きだったのだが、
自分がじっと見つめる中、一人食事を口に運ぶのがいたたまれないのか
一度招いた客が二度と招待に応じることはなかった。
しかしフィーリアは違った。
王族として生まれついた彼女は常に一挙一動に注目されることに慣れているのか、
ロドヴィックの視線にも動じずに、実に優雅に食事を楽しむのだ。
あの日、五年の間は職務に没頭しようと約束したのに、
クイーン・フィーリアは時折ふらりとサンミリオンを訪れては
ロドヴィックの執務室で気ままに茶と菓子を楽しんでいた。
約束が違うと咎めてみても、
嬉しい癖にとからかってみたり、これは視察だと屁理屈をこねたり
じゃあもう帰ると拗ねてみせては仕事と恋を両立させてみせろと挑発するのだ。
彼女を邪険に出来なかったのは、
剣を捧げた王だったからという事実もあるが
彼女の来訪にはまた利点も多かったからだ。
異国の品を買い付けるにあたって、
媚びることなく消費者の立場で感想を聞ける機会は貴重だったし、
彼とは違う淑女の視点がサンミリオンにより一層の活性をもたらしたのも事実だった。
女王陛下のお気に入りだと評判になれば何でも飛ぶように売れたから、
ロドヴィックは珍しい菓子や茶をあれこれと取り寄せてはフィーリアに供したが、
結局それらも全部言い訳にすぎず、
自分が心を砕いて用意した品々に目を輝かせ、
口に運んでは心底幸せそうに笑うフィーリアがただ見たかったのだと気づいたときに
ようやくロドヴィックは白旗を揚げたのだった。
それからは、移動に金も手間も時間もかからぬロドヴィックの方が
ロザーンジュへと赴くのが常となっていた。
エクレールは、やっと姫様の思いが通じたのですわねだって姫様はあんなにお可愛らしいんですものむしろ姫様の魅力に気がつくのが遅いくらいですわよこの仕事バカ、と
喜んだり怒ったり忙しそうだったが
彼にしてみれば、より効率の良い手段を選択したにすぎない。
女王との逢瀬は、彼に予想以上の利益をもたらした。
夕食後のプライベートの時間に設けた逢瀬の時は、
漫然と流れていたロドヴィックの時間にメリハリを与え
ひたすら仕事に明け暮れていた時よりもかえって仕事の能率を上げた。
サンミリオンの発展を、と曖昧なイメージのみを描いていた今までよりも
五年後の幸福と、彼女に逢える宵の口の一時を目指す今のほうが
明確なビジョンを持って仕事に臨むことが出来る。
そして何より、政務で疲れて自室に帰ってくる彼女が自分を見て、笑って。
彼が運ばせた菓子を嬉しそうに口に運ぶ、その愛らしさといったら!
これ以上の報酬が、この世に存在するだろうか?
だのに今日の彼女はむくれたままで、茶にも菓子にも手を付けようとしない。
暖かな菓子の名を挙げて見ても彼女の眉間の皺は、増すばかり。
ロドヴィックは焦った。彼の姿が僅かに揺らいでいる。
彼は肉体を持たないためなのか、精神の不調が覿面に堪えるのだ。
自分の死に様が思い出せず悩んでいたときも、
自身の意志とは関係なしにこの城を彷徨って、仕事に著しく支障が出た。
彼女を失えば文字通り自分は消滅してしまうかも、
いや、失う?
自分はまた愛しい人を失ってしまうのか?
焦りは迷走して絶望的な結末ばかりを描かせる。
「…たの」
「はい?」
不機嫌なフィーリアが、ようやくその花の唇を開いてくれたので
この解決の手がかりを逃すまいとロドヴィックは必死だった…
傍目には、全くそんな風には見えないのだろうが。
フィーリアは恨めしげにロドヴィックを睨みながら声を張り上げた。
「太ったのよ、わたし!
全部ロドヴィックのせいなんだから、ばか!」
手近にあったクッションを腹いせに投げつけながらフィーリアはもう涙目だった。
そのクッションが自分を通り抜けて壁に当たったぽすん、という音を聞きながら
ロドヴィックは困惑するばかりだった。
目の前の少女は華奢という表現が相応しいくらいで、
彼の目には『太った』なんてとても見えない。
「…陛下の体格が、特に変わったようには見えませんが…」
「当たり前でしょう、何とか元のサイズに戻そうと思って
一生懸命コルセットを締め上げてるんだもの!」
フィーリアはもう一度、ロドヴィックのせいだわ、と恨みがましく呟いた。
「…失礼ですが、私にどのような落ち度があったのでしょうか、
クイーン・フィーリア」
「…夜に食べると、余計に太るのですって。肌にも良くないのだそうよ」
フィーリアはため息をつきながら、
テーブルの上に広がった色とりどりの菓子を眺めた。
ああなんて悩ましく、フィーリアを誘うお菓子達。
「そういうものなのですか。知らなかったとはいえ、失礼致しました。
女性は美容に気を使うものですからね。
どうかお許しください、陛下。
以後、この時間に菓子を用意させるのは止めましょう」
慇懃に詫びるロドヴィックに、
逆にフィーリアの方が居たたまれない気持ちになった。
「…勘違いしないでね、ロドヴィック。
こうしてあなたと一緒にいられることは、とても嬉しいの。
あなたが、わたしを喜ばせるためにいろいろしてくれるのも嬉しいし、
お菓子を頂くわたしを見て、
ロドヴィックが嬉しそうにしているのを見るのも大好きなの」
ロドヴィックは多少戸惑って聞き返した。
「私は、嬉しそうに見えましたか、陛下」
嬉しいのは事実だったが、そこまで解りやすかっただろうか。
むしろ自分は不器用で、いつも大事なことを上手く伝えられないまま
後悔ばかりを積み重ねてきたというのに。
「ええ、とっても嬉しそう」
フィーリアは、やっと笑顔になって言った。
「ねえロドヴィック。
わたしね、あなたがわたしを愛してくれていること、ちゃんと解っているつもりよ。
だからロドヴィックも覚えておいてね。
わたしもロドヴィックを愛してるということを」
ロドヴィックの中から失う恐怖は消え去り、代わりに幸福感が満ちた。
優しく微笑むフィーリアに肯きしか返せぬ自分を忌々しく思いながら、
彼女の示してくれる理解に甘えぬよう言葉を探す。
もう、同じ過ちを繰り返したくなかったから。
しかしロドヴィックが言葉の海を彷徨っている間に
フィーリアの表情は再び曇り、テーブルを見てまたため息をつく。
「ああ、でも本当に、なんて美味しそうなのかしら…。
ロドヴィックが勧めてくれるお菓子は見た目も綺麗で美味しくて、
絶対外れがないんだもの」
フィーリアの憂い顔とは裏腹に、ロドヴィックは誇らしさをくすぐられる。
需要を読むのは商売において最も大切なことのうちの一つだ。
自分はフィーリアを理解し、彼女の望む物を提供できているということが
この上なく彼を幸せな気持ちにさせる。
だが自分だけ幸福感に酔っている場合ではない、
何か彼女の憂いを払えるような言葉をかけなければ。
何をどう言えばよいのかさっぱり見当がつかなかったが、
とりあえず思ったことをもう一度、素直に言ってみた。
「陛下、私にはやはり貴方の体型が変わったようには思えませんが」
「だから言ったでしょう、コルセットを今までよりもきつく締めているからよ。
コルセットを外したらもう、悲惨なの」
フィーリアはがっくりとうなだれている。
「エクレールはそんなことないって言ってくれたけど、
エクレールはわたしが傷つくようなことは絶対、言わないもの。
気を使ってくれているだけだわ」
「では陛下、実際に外して見せていただけませんか。
私は事実しか述べないということは、良くご存知でしょう」
フィーリアは押し黙った。
ロドヴィックはこの奇妙な沈黙に首を傾げたが、
やがてフィーリアが意を決したように立ち上がって
ブラウスのボタンを順々に外しはじめた時に、
とんでもないことを口走ってしまったことにようやく気づいた。
「いえ陛下、その」
自分はただ、効率の良い解決法を提示したつもりだったのだ。
疚しい気持ちなどどこにもなかったし、そもそも自分には性欲すらない。
「…申し訳ございません、配慮が足りませんでしたね。
お嫌でしょう、どうぞお召し物を直してください。
今エクレール様を呼んで参ります」
「待って、」
ロドヴィックに背を向けていたフィーリアの足下にコルセットが落ちる。
「…待って、ロドヴィック」
自らを抱くようにして胸元を隠しながら、フィーリアが振り返った。
「…わたしが不安になるのは、やっぱりあなたのことを思うときなの」
フィーリアは絹のスリップを纏っただけの姿だった。
「だから…、お願い、わたしを見て頂戴。
そして嫌なところがあったら言ってね、
わたしうんと頑張って綺麗になるから」
月明かりに照らされたフィーリアはこの上もなく美しい。
波打つ金の髪は柔らかな光を放ち、彼女の華奢な肩を守るように流れている。
腕の隙間から覗く膨らみは何とも柔らかそうだ。
その胸元とスリップの裾を縁取っているのは、
以前彼が反のまま贈った最高級のレースだ。
自分が見立てたレースがその膨らみに触れているのを見ると、
まるで自分がその柔らかさに触れているかのような錯覚を覚える。
「…お綺麗です」
半ば独り言のようにロドヴィックは呟いた。
「嘘」
恥ずかしさからなのだろう、
耳たぶまで真っ赤に染まったフィーリアは、ふいと斜め下を向いて拗ねた。
そんな彼女は恐ろしく魅惑的だった。
伏した睫が震える様が、どうしようもなく加虐心を刺激する。
「嘘ではありませんよ」
まずロドヴィックが与えたのは優しい、とろけるように甘い砂糖菓子だった。
「ですが陛下、そのお姿では身体のラインを確かめることは出来ません。
目的にふさわしいお姿になっていただけませんか」
次には、ほろ苦いチョコレートを。
躊躇いがちに再び後ろを向いたフィーリアは、
おずおずと靴を脱ぎ、ストッキングを脱いで
その小さく白い素足を毛足の長い絨毯に埋めた。
次いでスリップの下に履いていたドロワーズが落ちてきた。
するとヒップの丸みが透けてよく見えるようになる。
もう丸見えも同然の姿になったのに、
そんなことには気づいていない彼女は最後の一枚を脱ぎ捨てるのを躊躇って、
その桃尻がもじもじと揺れるいやらしい様を見せつけてくれる。
ようやくスリップが滑り落ちてきた時には彼女の羞恥心ももう限界で、
顔を覆ってその場にしゃがみこんでしまった。
「陛下、立って、こちらを向いて下さい」
少し辛めのミント飴。
フィーリアはどうにかこうにか立ち上がってこちらを向いた。
どうしても恥ずかしいのか、顔はしっかりと両手で覆ったままだ。
その裸身をじっと見つめる。
「…やはり、陛下はお綺麗です」
最後は、彼女の乾きを癒やすようなお茶を。
そして、自分らしく、事実を述べた言葉を。
「陛下。陛下はご自分がふくよかになられたと仰いましたが
やはりそれは間違いだと私は思います。
陛下のお身体の変化は、むしろ成長と呼ぶべきものでしょう。事実」
ロドヴィックはもう一度、フィーリアの裸身を見た。
その目は最早冷静な観察者のそれではなく、
舐めるような、犯すような視線だった。
「柔らかそうで魅力的なお身体です」
フィーリアは小さく、いや、と言ってより顔を俯かせた。
「陛下のお身体が、大人の女性へと近づいているのでしょう。
…いえ、もしかしたら陛下はもう大人でいらっしゃるのでしょうか…
そんなに滴を垂らして」
「いやっ」
今度ははっきりとした声でフィーリアは言って、
溢れる露できらめく腿を隠すように再びしゃがみこんでしまった。
ロドヴィックがゆらりとその傍らへ寄った。
「…陛下。どうか私に見せて下さい…
貴方がもう、大人でいらっしゃるのかどうか」
気がつけば、熱に浮かされたようにそう口走っていた。
椅子に裸のまま座って肘掛けに片足を乗せ、
フィーリアははしたなく涎を垂らす己の秘所を晒している。
手はロドヴィックに言われたとおりに両胸を揉みしだき、
桜色の先端を摘んだり、親指の腹でこね回したりしている。
「大変お上手です、陛下」
「…ロドヴィック…」
フィーリアが潤んだ瞳で彼を呼ぶ。
すでに死んだ彼には生に纏わる欲求などもう無いはずだ。
食欲も睡眠欲も性欲も、もう百年以上も感じたことはない。
では今自分の内にある、このじりじりと焦げ付くような熱さは何なのだろう。
記憶の最奥にある、まだ生きていた頃だって
これほどの熱情に捕らわれたことが果たしてあっただろうか?
フィーリアの白磁の肌はほんのりと薄紅色に染まり
本来感じられないはずのその熱ささえこの身に薫るようだった。
「貴方の髪に触れて下さい…私の代わりに」
フィーリアがその白い指先で黄金の髪を梳くと、
月の光を含んだ彼女の髪がさらさらと瞬く。
彼女の指はロドヴィックが告げた望みのままに彼女の身体を滑る。
薔薇の頬に。華奢な顎に。艶めかしいうなじに、なめらかな鎖骨に。
細い肩から健やかな二の腕、両手を重ね指を絡ませ。
瑞々しい双丘を寄せ、揉み、頂点を擦る。
「貴方は本当に、可愛い」
食い入るようにフィーリアの痴態を見つめるロドヴィックの熱っぽい囁きに、
フィーリアは小さくいやいやをする。
「手をそのまま下へ…なんて細い腰なんでしょうね、折れそうで心配になりますよ。
確かめるように、撫でてみて下さい」
言われたままに、腰のラインをなぞるフィーリア。
「…やっぱり太った気がするわ…」
「またそんな事を。女性らしい体つきに変わっていっているだけです。
私は貴方のその身体が好きですよ」
フィーリアは目を見開いてロドヴィックを見て、
合わさった視線に恥じらってまた目を伏せた。
「…あなたが好きだと思ってくれているなら…
それで、いいわ」
率直なフィーリアの言葉にロドヴィックも多少気恥ずかしさを覚える。
しかしさっきの言い方ではまるでフィーリアの身体だけを好いているようだ。
ロドヴィックは訂正した。
「…貴方の全てを愛しています、フィーリア」
伝えようと意識して紡いだ言葉は、
冷えきったこの身が熱く燃えたような錯覚さえ、与えた。
肘掛けにもう片方の素足も乗せて大きく開き、
秘めておくべき場所をロドヴィックにもっと見せつけるような格好で
フィーリアは羞恥と、それすら快感になってしまう自分のはしたなさに震えている。
唾液を絡ませた少女の指は自身の真珠を慰めながら、
彼に乞われるままに秘裂を広げて見せる。
「貴方は身体の内側まで綺麗なのですね」
「…そんなことっ…言わないで」
ロドヴィックの視線になぶられて、フィーリアの内側はヒクヒク戦慄く。
淫らな露が際限無く滲み出て座面は粗相をしたかのようにびしょ濡れだ。
「ロドヴィック…」
潤む瞳とは裏腹に、真珠をいじくる指先はあさましく動いたままだ。
「わたしのこと…嫌いにならないで…」
フィーリアの瞳から、ついに涙がこぼれ落ちる。
ロドヴィックは慌てた。
「何故そんなことを…」
「だって…」
ひっく、ひっくとすすり泣くフィーリア。
「だってわたし、はしたないわ、こんな…あぁ」
愛液にまみれた女芯は卑猥な紅色に充血して、はっきりとその存在を主張している。
「すごく恥ずかしいのよ、でもだめなの、わたし…っ、
…気持ちいいの、気持ちいいの、止められないの、
わたしどうしたらいいのロドヴィック、お願い教えてぇ」
涙声でよがるフィーリア。女の身体が覚えてしまった肉欲と、
少女らしい無垢さと潔癖さが彼女を翻弄する。
「…嫌いになど、なる筈がありません」
彼女の涙を拭えない、
彼女を抱きしめられない我が身を、これほど悔しく思ったことはない。
「指は、入りそうですか。痛むなら、無理せずとも構いません」
言われるままにフィーリアは指を内側に入れてみた。
熱くぬめる自分の中は妙な心地がした。
外側の花芽をいじった時のような鋭い快感ではなく、
じわりとなにかが沸き上がってくるようなもどかしさがある。
「外側と内側を、親指と人差し指で挟むように擦ってみて下さい」
「…っ、こう…?」
「そうです」
両指を擦り合わせるように動かすと、何かがちりちりと灼けるような感覚がした。
恐る恐る自分の中を指で探ってゆくと内側にも固い突起のような箇所があって、
そこを撫でた瞬間、フィーリアに電流が走った。
「ああっ!」
「見つかりましたか」
後はロドヴィックがもうどうこう言わずとも、
フィーリアは自分の指で快楽の頂点を求め始めた。
「ロドヴィック…、…こわい…!」
制御の効かない自分自身に怯えてフィーリアは泣き濡れる。
「怯えないで下さい、フィーリア」
半ば椅子からずり落ちているフィーリアに合わせてロドヴィックも身を屈める。
「そうしている貴方も可愛い。
貴方の可愛いところを、もっと見せて下さい。
少し爪先に力を入れて」
「…んっ…」
フィーリアは素直に従った。
何か大きな波が、自分をさらってゆこうとしているのを感じる。
「大丈夫だから、そのまま身を任せて…フィーリア」
ロドヴィックがそっと近づいて、二人は触れあえないキスをした。
それでも瞳を閉じて感覚を研ぎ澄ませれば、
彼の冷たい揺らぎを感じることができた。
「…愛しているよ」
「ふ、ぁ、や、あぁああ…!」
ぷしゃ、と淫らな噴水を吹き上げながら、
フィーリアは生まれて初めての絶頂に身を任せた。
脱ぎ捨てたスリップをのろのろと身に纏ってから、
フィーリアは気だるげにソファに身を横たえて
飴細工の薔薇の花弁を舐っていた。
「…美味しい…」
「それは良かった」
何とも艶めかしい光景だった。
ロドヴィックは確かに情欲の炎らしきものを自分の内に見出しながら、
肉体のないこの身に肉欲があるという滑稽さに自嘲してしまう。
「茶を淹れ直しましょう」
「ううん、今は冷めているほうがいいわ」
火照った身体に冷めた茶が心地よい。
舌でとろけたメレンゲの余韻を愉しみながらも
フィーリアは難しい顔で宣言した。
「ああ駄目だわ、こんなことをしてるから太るのよ」
「…まだそんなことを…」
「いいえ、油断していたらすぐよ、きっと」
その言葉とは裏腹に、フィーリアはソファに横たわったままもう一つメレンゲを摘む。
「…今笑ったでしょう」
「いいえ」
「嘘、笑ったわ」
フィーリアはぷいとロドヴィックに背を向けて宣言した。
「とにかく!わたし、もう絶対、夜お菓子を食べないわ!」
「解りました」
あっさりとロドヴィックがそう答えたので、
急に不安が募ったフィーリアは慌てて振り返る。
「どうしました?」
「…来なくなったり、しないわよね?」
「しませんよ」
こんなささいなやり取りからも、彼女の慕情が感じられて幸せな気持ちになる。
「早く昼下がりのお茶を毎日一緒に頂けるように、
頑張りましょうね、ロドヴィック」
「はい」
早く、そんな日々が来ればいい。
いや、自分の手腕で来させてみせる。ロドヴィックは強く肯いた。
しかし次の機会にも、ロドヴィックはサンミリオンからの荷物と共にやって来た。
「お菓子は絶対、食べないわよ」
「ええ、菓子ではありませんから安心して下さい。
この時間帯に相応しいものです」
フィーリアはホッとした様子で薄紅色の包みを開けた。
そしてそのままフリーズする。
「お気に召していただけましたか、陛下」
「…色恋にうつつを抜かしている場合じゃないって言ったのは、あなたじゃない」
ロドヴィックは涼しい顔で答えた。
「恋と仕事を両立させよと私を挑発したのは貴方ですよ、クイーン・フィーリア」
怒りと羞恥で真っ赤になったフィーリアが叫ぶ。
「…ロドヴィックのばかぁ!!」
手あたり次第に投げつけられた箱の中身―――
総レースのビスチェやスケスケのネグリジェ、
紐と大差ない下着に張型、何かの瓶、そもそも何なのか解らない怪しげなもの。
それらのものが次々とロドヴィックの透明な身体をすり抜けた。
―――夜はまだ、始まったばかり。
以上です。
もしかして亡霊は物持ったり出来るんだろうか。決闘するし
あとロドヴィックはTPOで結構喋り方が変わるから難しい
それでは。
GJ!
これはエロい亡霊領主ですねw
さて次は亡霊√をやり直してきますw
>>238 決闘はポルターガイスト状態だと自分は思ってる
馬も亡霊みたいだから亡霊同士はさわったりできるのかな?
おおおGJ!!!!
ロドヴィックの開き直りっぷりが素敵だ
レミーも可愛い
良いお話が読めて至福です
241 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/20(木) 14:35:03 ID:Js7SzsiH
age
今さらvitaminXにハマったので期待ageほしゅ。
VitaminXは専用スレあるよ
マジか。初めて知りました。
教えてくれてありがとう。今から行きます。
スレ汚し失礼しました。
過疎だ
乙女ゲー自体が量産されてるしSSでの補給がいらないということなんだろう
もしくはサイトがにぎわってるとか
総合スレだから萌え話もあんまりないしね
なるほど
書くほうの側ですが、乙女ゲ今発売待ち。
249 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/10(水) 00:09:31 ID:8HveCweP
楽しみにしてるよ
250
水の旋律2〜緋の記憶〜 好春×きら 投下します。
「真夜中の訪問者」辺りの話です。
注意
・相手は好春だけど京輔の幻覚を見ているという特殊設定
・京輔の扱いがちょっと酷い
以上、苦手な方はスルーしてください。
「柏木……これは、一体……?」
冷たい風が吹く秋の夜だった。
手塚京輔の家に呼びつけられた設楽優は、部屋に入るなり柏木好春に問いかけた。
部屋の主であるはずの京輔の姿は無く、敷かれた布団に寝ているのは阿修羅の太刀の娘。
「ああ、やっと来てくれたんだ」
優の問いには答えず、好春はそのまま言葉を続ける。
「設楽、ちぃ姉に幻惑謡(まぼろしのうた)をかけてくれない?」
状況が飲み込めないまま、優はその場に立ち尽くした。
***
柏木高校の校舎の隅、人気の少ない場所に優と好春はいた。
重要な話があると、呼び出されたのは優の方。
「設楽は知ってるよね。ちぃ姉が好きなのは誰かってこと」
「なんで僕がそんなこと……」
反射的に否定の言葉が出る。遮るように好春は言葉を続けた。
「……ちぃ姉を助けて欲しいんだ」
「え?」
唐突な言葉に、優は驚いて好春を見た。
「ちぃ姉はわかってて京にぃに弄ばれてる。ちぃ姉には何度も言ったよ。だけど……」
消え入りそうな声で、うつむきながら好春は続けた。
「……僕じゃ駄目なんだ。でも、設楽の言葉なら聞いてくれるかもしれない」
「ちょっと待てよ、柏木で駄目なら僕なんて」
「僕にはわかる。僕はずっとちぃ姉だけを見てきたんだ。だからちぃ姉のことを見ている人もわかる」
「……」
「頼むよ、設楽にしか頼めないんだ」
「柏木……」
一緒にパトロールに行くようになってもそれ程親しくなったように感じなかったクラスメートの
真剣な表情を初めて目の当たりにして、好春の普段からの柏木きらへの愛情表現は
決して軽い気持ちでは無かったのだとようやく優は理解した。
「……わかった。できる限りのことは、やる」
「ありがとう。設楽っていいやつだったんだな」
小さく笑いながら好春は呟いた。
優が突然好春に呼び出され、きらを助けて欲しいと頼まれてから数日が過ぎた。
好春の学校や巡回での様子は相変わらずで、あれは果たして現実だったのだろうかと疑問に思える程だった。
『ちぃ姉を助けて』
きらが手塚京輔のことを思っているのには気づいていた。
しかし。
『ちぃ姉は、京にぃに弄ばれてる』
あれは一体どういう意味なのだろうと優は思っていた。
あの時、あまりに切迫した様子に深く聞けなかったけれど、言葉どおりの意味だとしたら。
「……くん。設楽くんってば」
突然顔を覗き込まれて、優は跳びあがるほど驚いた。
「どうしたの? ボーっとして。珍しいね」
「なんでもない」
そっけなく答えて、あさっての方向を向く。
好春は普通だが、きらに対してはなんとなく顔を合わせづらかった。
「ヘンな設楽くん。……まあいつものことか」
──軽口を叩かれるのが不快ではなくなったのはいつだっただろう。
太刀を失った優の代わりとでもいうように突如現れた、阿修羅の太刀を持った少女。
優にとって彼女はとても強く見えた。
優に少しずつ関わるようになってから、きらは弱いところも見せだしたように思う。
少なくとも優が心を開くようになっていたのは確かだった。
──自分に、柏木きらを救うことができるんだろうか。
「……ほら、無駄口叩いてないで巡回を続けるぞ」
いつもと変わらないぶっきらぼうな口調で声をかけると、優は足早に歩き出した。
***
「……ホント、京にぃには失望したよ」
冷たい視線で京輔を見下ろしながら好春はそう吐き捨てた。
数分前、いかにも温和で人の良さそうなあの顔から吐かれた言葉が脳裏によぎる。
『妹に対して恋愛感情を抱くなんて……僕にはできないよ』
笑わせる。
認めるばかりでなく、開き直るなんて。
「どこの世界に妹弄ぶ兄がいるのか教えて欲しいよ」
答えは無い。答えて欲しいとも思わなかった。
ほんの少しの可能性にかけようと思った自分が間違っていたのだ。
「やっぱり、もうこうするしかないんだ」
床に倒れた京輔の服をまさぐり、携帯電話を取り出すとおもむろに操作し始める。
「これでよし、と」
数分後、受信したメールを確認してから電源を落とし、京輔の体の上に放り投げた。
***
チャイムの音がした。
「ちーぃ姉っ! いらっしゃい!」
「あれ? なんで好春がここにいるの?」
扉の向こうにいたちぃ姉が少し驚いた様子で僕を見た後、すぐに笑顔を作った。
隠してるつもりでもバレバレ。そんなにガッカリしなくてもいいのに。
ほんの少しの変化でも僕にはわかるんだよ、ちぃ姉。
「僕も京にぃに呼ばれてたんだ。僕はもう少ししたらホームに戻るけどね」
負けないくらい満面の笑みを貼り付けて、僕はちぃ姉を京にぃの部屋へと招き入れた。
「あれ? 京にぃは?」
「バイト先に忘れ物したって、取りに行ってるんだ。もう戻ってくる頃だと思うよ」
ちぃ姉はいつでも京にぃのことばっかりだった。僕といる時でさえも。
慣れたと思っていても、毎回少し胸は痛んだ。
「話があるって、なんだろう? 好春なんか聞いてる?」
「……あのさ、ちぃ姉」
祈るような気持ちで口を開いた。
もしちぃ姉が考え直してくれれば、あるいは。
「この前言ったこと。……京にぃのことなんだけど」
ちぃ姉の笑顔がフッと消える。
「……その話はしたくない」
「ちぃ姉!」
顔を背けられる。回り込むようにちぃ姉の正面に座り、ちぃ姉を真っ直ぐ見据えた。
「僕はちぃ姉に幸せになってもらいたいだけなのに……」
「…………」
黙ったまま視線を逸らされる。
「ちぃ姉、こっち向いて」
うつむいたまま首を横に振るちぃ姉がとても弱々しく見えた。
「……やっぱり、僕じゃ駄目なんだ」
わかっていたことだけれど。
その事実を改めて突きつけられ、胸が張り裂けそうになった。
「ちぃ姉……」
揺らぐ決心を奮い立たせるように、愛しい人の名を呼んだ。
そして、ちぃ姉の潤んだ瞳が僕を見た。
***
「設楽? 設楽聞いてる?」
「幻惑謡……どういうことだ」
「それって、思い通りの幻覚を見せたりできないの?」
「おそらく、ある程度は……」
「じゃあ、ちぃ姉が僕を見たら京にぃに見えるようにかける、っていうのはできる?」
優には好春が何を考えているのかいまいち掴めなかった。
それでも、この間言っていた『ちぃ姉を助ける』ことと何か関係があるのだろう。
素早くそう判断し、優は頷いた。
「完全にそうなるかは、わからないからな」
静かに目を閉じているきらの側に立ち、優は真言を唱えた。
「オン・ヤマラジャ・ウグラビリャ・アガッシャ・ソワカ──幻惑謡!」
優の手の甲の紋様が煌めき、淡い光がきらを包む。
「これで多分……大丈夫だ」
「ありがとう、設楽。お疲れさま」
好春の声のトーンに違和感を覚え振り返った優は、好春の酷く冷たい微笑みに驚いた。
「か……柏木……っ!?」
動かない体に好春の手が伸びる。
寝かされたままのきらを振り返ることもできず、
沈んでいく意識の中、好春の両の目の赤さだけがやけに目に焼きついた。
***
「……ちゃん、起きて。ちぃちゃん」
閉じられていた目がゆっくり開き、僕の顔を捉えた。
「あれ……京にぃ……私……」
「僕が帰ってくるまで起きてられなかった?」
僕の言葉に彼女はガバッと飛び起きる。
「あ、そ、そういえば好春は?」
「よっちゃんならさっき帰ったよ。ちぃちゃんがスヤスヤ寝てる間にね」
「そっか……」
「喧嘩でもした?」
少し顔を曇らせた彼女の頭を撫で、髪を梳く。
「京にぃ……」
嬉しそうに頬を染める彼女を見るとたまらなくなって、強く抱きしめた。
そのままゆっくり押し倒すと、彼女は驚くことなくそれを受け入れた。
それは、はっきりときらと京輔の関係を示していた。
──やっぱり、そうだったんだ。
こんなことになる前に、どうして気付けなかったんだろう。
誰よりもちぃ姉のことを見ているのは僕だという自信があったのに。
僕は黙ってちぃ姉に口付けた。
京にぃへの怒りとちぃ姉への恋慕と自分の不甲斐なさを注ぎ込むように、
何度も夢見た小さな唇に自分のそれを強く押し付ける。
「ん……っ」
息が漏れる。何度も角度を変え、唇を重ねた。
舌を伸ばし、小さな隙間をこじ開けてちぃ姉の口内へと侵入させると、
しがみついていた手に力が入ったのがわかった。
歯列をなぞり、舌を絡め、吸い上げる。
その度に彼女から漏れる声がさらに僕を追い上げていく。
唇を離すと、少し息を荒げてちぃ姉が呟いた。
「……初めて、キス、してくれた……」
愕然とした。
ひたすら体のみを求めた京にぃにも、それに耐え続けたちぃ姉にも。
彼女はそれ程までに手塚京輔を追い求め続けていたんだ。
改めて自分の滑稽さに笑いがこみ上げる。
本当は、僕がちぃ姉を幸せにしてあげたかった。
でも、こんなこと、もう終わりにしよう。ちぃ姉。
再度、ちぃ姉に口付けながら、衣服に手をかけた。
裾をまくり上げ、柔らかなふくらみへと手を伸ばす。
「んっ……ふ……」
鼻から抜けるような甘い声が僕の耳をくすぐる。
下着の上からやわやわと触っていた手をそのまま下着の中に差し込むとちぃ姉の身体が小さく跳ねた。
手を回して下着を外そうとすると、
「あ……、大丈夫、自分でする」
そう言ってちぃ姉は自ら下着のホックを外し、そのまま上へと押し上げた。
白い胸が露わになる。柔らかな肌に手を這わせ、撫でたり掴んだりしながらもう一方の頂に口付けると
ちぃ姉の口から小さな声が漏れた。
自分の唇で挟むようにして、先端を舌でくすぐる。
時々軽く歯を立てると、その度にちぃ姉の身体が反応するのがわかった。
交互に小さな蕾を味わってから、そのままキスを下へ下へと這わせると、ちぃ姉は突如スカートのホックを外した。
その行動に少し驚きながらも、いつもこうしていたんだと思い当たるまでに時間はかからず
僕は少し乱暴にスカートを脚から引き抜いた。
引き締まった、スラッとした脚が明かりに照らされ白く光っている。
その脚に手を這わせる。中心に近づく度に身体が小さく跳ね上がるのを見た。
少しだけ開かれた脚の中心に手を伸ばす。
全く拒む様子は見られなかった。それどころか、さらに脚を広げようとさえしていた。
「あ……」
布地の上から撫でるとそこはすでにしっとりと湿っていて、指が往復するたびにちぃ姉は短く声を上げた。
目を閉じ息を荒げるちぃ姉の顔を見て、なんとも言えない思いに囚われる。
ちぃ姉、僕だよ。
今ちぃ姉に触れているのは僕だよ。
気付いて欲しい。
気付いて欲しくない。
心の中を、相反する思いが駆け巡る。
葛藤を振り切るように下着に手をかけると、脱がせやすいようにかちぃ姉は少し腰を浮かせた。
そのまま下着を下ろし、脚から引き抜く。
立てられた脚に片手をかけ、もう一方の手を露わになった箇所へと伸ばす。
直接触れると、そこは想像していたよりずっと潤っていて、ちぃ姉は敏感に身体を震わせた。
反応を見ながら、周りをなぞったり蜜を塗りこむようにするとちぃ姉の声はさらに高くなった。
「ん……、あ……っ、ああっ……!!」
そのまま指を挿し込むと指はすんなりと奥へ進んでいく。
うっすらと開いた目に誘われるように再び口付けると、背中に手が回された。
「んっ、ん、……っん」
口付けたまま指を増やして、中をかき回すように動かすと微かに水音が響いて、
時折指が締め付けられる感触がした。
「はぁっ、はぁっ、……っ」
指を入れたまま親指で入り口の芽を押すようにすると、ちぃ姉は一際高く声を上げ腰を揺らした。
「やっ、京にぃっ、だめぇ……っ」
背に回された手が僕を引き剥がそうとして、痛かったのだろうかと不安になって反射的に手を離したけれど
見下ろした彼女の顔は朱に染まって、涙を溜めた瞳が何かを訴えていた。
彼女は何も言わなかったけれど、言わんとしていることはわかった。
ベルトを外す手がもどかしかった。
そのまま下着ごとパンツをずり下げ自分自身を外に出すと、触っても居ないのに痛いくらいに張り詰めていて、
ちぃ姉が見ているのは僕じゃないとわかっていてもなんだか恥ずかしくて、思わず顔を背けた。
ふいにその部分に温かい感触を覚えて驚いて視線をやると、
いつの間にか身体を起こしたちぃ姉の手が僕のものを握っていた。
口に運ぼうとするのを慌てて押し止めて、これが当たり前になっているという泣きたくなるような現実を思い知らされた。
彼女は少し意外そうな顔をしたが、僕の制止に素直に従った。
再度身体を押し倒しながら、もう一度口付ける。
「……いい?」
「うん」
一言頷き、微笑むちぃ姉の脚を身体に押し付けるように開かせ、自分自身を宛がった。
「……ああ……っ!」
「く……っ」
二人の体液が絡み合う音を立てるのを聞きながら、僕はゆっくりと腰を進めていく。
初めてではないだろうちぃ姉のそこは、少しずつ、でも拒むことなく僕を受け入れていった。
擦れる感覚と包み込まれる温かさ、そして今ちぃ姉にしていることの事実にすぐにでも達しそうになる。
「はぁっ、はぁっ、……大丈夫?」
全て押し込み、ちぃ姉の顔の横に手を付いて息を整えようとしていると、
ふいにちぃ姉の手が僕の手をそっと掴んだ。
「ちぃ……、ちゃん?」
「ねえ、今日の京にぃ、なんだかいつもと違うね」
「…………!」
その言葉に背筋がひやっとした。
違うのは当たり前だった。いつも二人がどうしているかなど知る由もないのだから。
いぶかしまれてしまっては意味が無くなってしまう。
京にぃじゃなければ駄目なんだから。
「京にぃが今日はなんだか優しくて……、なんか、嬉しいんだ」
ちぃ姉の目から涙が零れた。
「ちぃちゃん……今まで、ごめん」
「えっ?」
「たくさん、辛い思いや苦しい思いをさせてしまったと思う。でももう、そんな思いはさせないから」
ちぃ姉は何も言わなかったけれど、涙を流しながらすごく幸せそうな顔をして微笑んだ。
「もう二度と、……離さないからね」
そう、もう二度と。
手の甲に光り続ける紋様にそっと触れて、そこにキスを落とした。
──ちぃ姉。
「……愛してるよ」
ちぃ姉の答えを聞きたくなくて、口付けで言葉を奪う。
手探りでちぃ姉の右手を掴み、指と指を絡ませた。
そのまま、腰を少し引いてまた押し込んだ。
くぐもった声を聞きながら、少しずつ動きを早めていく。
唇が離れる頃には互いの息は上がって、部屋に響くのは荒い息とちぃ姉の嬌声、繋がる場所から溢れる音だけだった。
「京にぃ……っ、んっ、はあっ、きょ……に……ぃ…………っ」
言わないで。
僕の腕の中で京にぃの、……他の人の名前を呼ばないで。
僕の名前を呼んでよ、ちぃ姉。
喉から幾度と無く出かかる言葉を飲み込んで、代わりに律動を激しくした。
彼女から漏れる甘い声が一際高くなり、回された腕に力が入る。
「あ……! あ、っあ、やあぁ……っ、京にぃ……っ」
「っあ、んっ……!」
この時間が終わってしまうのが怖かった。
その気持ちとは裏腹に、快感に手放しで溺れたい気持ちが溢れる。
「あ、んっ、もっ、やっ……、やぁっ……」
僕を締め付ける感覚が短くなってきて、ちぃ姉の口からはひっきりなしに声が上がっていた。
「やっ、あ、あ、あああ──────……!」
固く繋いだ手にグッと力が込められた瞬間、ちぃ姉はビクビクと身体をひきつらせて達した。
ちぃ姉。ちぃ姉。──ちぃ姉。
「ぅあ……、ちぃ………………っ!」
あまりの快感の波に思わずちぃ姉の名前を呼びかけて、押しとどめてそのままちぃ姉の中に精を放った。
ちぃ姉は軽く気を失っているようだった。
あの術を使わなくてもすみそうだ、と少し安堵する。
繋がれたままの手の甲に、輝く紋様にキスを落とした。
「……余韻に浸る暇もないんだよね」
小さく一人ごちて、まだだるい身体を無理やり動かす。
グズグズしている暇はない。
グッタリと身体を横たえるちぃ姉に脱がせた衣服を着せ、そのまま抱きかかえた。
***
僕たちはたくさんの花に囲まれて、月を見上げるようにして並んで座っていた。
「ちぃ姉、この季節にも花はたくさん咲くんだよ。キレイでしょう?」
吹き抜ける風が、ちぃ姉の髪と花を揺らした。
「ねえちぃ姉、たくさんのチューリップ、見せてあげられなくてごめんね」
僕の左肩にもたれ掛かるように身体を預ける人にそっと語りかける。
あの部屋には念のため式神を残してきたけれど、たいした時間稼ぎにはならないだろう。
きっとそろそろ二人とも目を覚ましているに違いない。
追いかけてこられたら、見つかるのは時間の問題だった。
京にぃを、殺すことも考えた。
でも、ちぃ姉がきっと悲しむだろうからやめた。
じゃあ京にぃの思い人がいなくなればいいと思った。
そうしたらちぃ姉はきっと、悲しむ京にぃを見て悲しむのだろうと思った。
──もう、僕にはこうするしか思いつかなかった。
それならせめて最後くらい、ちぃ姉が幸せな気持ちでいてくれるようにしてあげたい。
そう思った。
それとも僕が無理矢理願いを叶えたかっただけだったのかな。
ちぃ姉、ごめん。
僕を許して。
京にぃや設楽……ううん、僕以外の誰かがちぃ姉の隣にいるのを見るのも、
京にぃのことで泣くちぃ姉を見るのも、
僕より先にちぃ姉が逝ってしまうのを見守ることしかできないのも、
……そのどれをも選べなかった、僕の弱さを許して。
あの日。
ちぃ姉が僕を見つけてくれたこの場所だけが、僕の帰る場所だったんだ。
でももう悲しい思いはさせないよ。
ちぃ姉は僕の我が侭、許してくれるよね?
「ちぃ姉、……愛してるよ」
微かな笑みさえ浮かべて静かに目を閉じている彼女にそっと口付けて、
僕は冷たく光る阿修羅の太刀に手をかけた。
以上です。
お付き合いいただきありがとうございました。
おお、乙でした!(*´Д`)
263 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/18(木) 00:33:22 ID:WDdD4Jy5
おつです
面白かった!
GJ〜
切ないけど水の旋律2好きだから嬉しいです!
GJです!!
面白かったです〜
267 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/29(月) 01:20:17 ID:W3WeSsZ/
ほしゅ
あけおめ〜
明けましておめでとう
ほしゅ
閑散としている
百合はスレ違い?
最初に注意書きしておけばおkじゃないか?
百合でも読みたいです
というわけで保守
百合も新鮮でいいね
276 :
松岡修造:2009/02/02(月) 12:35:21 ID:uwuznNMy
頑張れ!!!頑張れ!!!頑張れ!!!頑張れ!!!頑張れ!!!頑張れ!!!頑張れ!!!頑張れー!!!!!!!
君のような優秀な人材を!!!!雇わない会社なんて!!!!信じられない!!!!!
そんなの!!こっちから!!!願い下げだよ!!!!!!
落ちた会社以上の会社に!!!入って!!!見返してやるんだ!!!!!
さあ!!!!お米しっかり食べて!!!明日から!!!また頑張る!!!!!
wwwww
寂しい
確かにちょっと寂しいな
ほしゅ
ほしゅ
静かなスレ
このスレでいいんだよな。
SSを投下。
フェイバリットディアで、シーヴァス×女天使。
全11レス。
注意点は、和姦だけど少しレイプっぽいところ。
苦手な方はスルーをお願いします。
天使から魔物討伐の依頼を受けた勇者シーヴァス。
ここは、やっと辿り着いた何日かぶりの宿屋である。
野宿を含む強行軍に耐えた彼の体は、今や酷く消耗していた。
寝台でゆっくりと休めるのは、本当に久しぶりのことだった。
寝床に潜り、浅い眠りについた頃、彼を控えめに揺り動かす手があった。
「こんばんは、シーヴァス。起きて下さい」
まだ覚醒しきっていない意識の中に、鈴を転がすような女の声が響く。
シーヴァスは眠たげに低く唸った後、寝起きの掠れた声で返事をした。
「何だ、また君か。……今何時だと思っている?」
「いつもごめんなさい」
声の主、インフォスの守護天使ラビエルは、申し訳なさそうに苦笑いした。
愛嬌のあるその笑顔を見せられると、ついつい無体を許す気になってしまう。
天界の住人である彼女は、時間という概念が薄く、また地上界の一般常識にも疎い。
深夜にも関わらず、平気で訪問することもしばしばだった。
多忙なラビエルが、暇を見付けて会いに来てくれるのは嬉しい。
しかし夜の訪問が連続すると、さすがに辟易とさせられる。
突然の来訪者のために、部屋の燭台に火が灯された。
それまで闇に包まれていた室内が、弱々しい明かりに照らされる。
シーヴァスは、寝台の上に足を組んで座ると、気怠げに金髪を掻き上げた。
いつもは一つに結っている髪を、今は背に流している。
「用件は?」
天使に素っ気なく問いかける。
「はい。新しい武具をお渡ししようと思って」
にこやかに答えると、彼女は手にしていた刀剣をシーヴァスに差し出した。
一方彼は、短く礼を述べて刀剣を受け取ると、それきり黙り込んでしまう。
……彼は今、極めて不機嫌だった。
安眠を妨害されたことにも腹が立っていたが、何より、目の前にいるこの天使の存在に困り果てていた。
ラビエルは、男の部屋に夜遅く訪ねることの危険性を、全く理解していない。
旅に出てからこのかた、久しく女を抱いていない彼は、ただでさえ性欲が溜まっていると言うのに。
都市部であれば容易だが、こんな辺鄙な土地では商売女を買うことも適わない。
当然手淫だけでは物足りず、若いシーヴァスの性欲は、処理出来ないまま残っていた。
そんな状態の時に、見目麗しい女に来られては堪らない。
しかも、それが好意を寄せている相手ともなれば、尚更だ。
「……では、私はこれで」
重苦しい沈黙に気まずくなったのだろうか。
もう用件は済んだとばかりに、ラビエルはこの場を立ち去ろうとする。
「ラビエル。頼むから、当分の間は私の目の前に姿を現さないでくれ」
窓から飛び立とうと翼を広げかけた彼女は、突き放すような物言いに驚き、動きを止めた。
シーヴァスの元に戻ってくると、心配そうに顔を覗き込む。
近寄る彼女からは、女の甘い体臭が漂ってきた。
「一体どうしたのですか? 最近、元気がないように見えましたが……。悩みがあるのなら話して下さい」
ラビエルが前屈みになると、その豊満な胸が衣装から零れ落ちそうになる。
シーヴァスは目の遣り場に困ってしまった。
……ムラムラきてしょうがない。
意中の異性に、無防備な薄着で周りをフラフラされるのは、悩ましいことこの上なかった。
彼女は余りにも魅力的過ぎる体を持っている。
素っ裸に剥き、思うままに組み敷いてみたい。
長旅の疲れと相まって、欲求不満の限界に達している自分は、何をするか分からない。
劣情をどこまで抑えられるのだろうか。
「だから、それを止めろと言っているんだ。これ以上近付くな」
気難しい表情で、シーヴァスは吐き捨てる。
ラビエルにしてみれば、何故彼がこんな冷たい態度をとるのか、訳が分からない。
悲しげに眉根を寄せている。
幼い天使には、男女の機微をまだ理解出来ないのだ。
「私に何か出来ることはありませんか?」
彼女は小首を傾げて聞いてくる。
何か力になってやりたいと、本心から思っているのだろう。
その可愛らしい仕草は酷く扇情的だった。
彼女の一言に、遂にシーヴァスの理性の『たが』が外れてしまった。
「分からないのか、目の前をうろちょろするなと言っているだろうが! もう我慢ならない」
言い返す間も与えず、彼女のくびれた腰を強引に引き寄せる。
素肌に纏うドレスを勢いよく引き下ろすと、中には何も身に付けておらず、ぷるん、と大きな乳房が飛び出した。
華奢ながら肉感的な肢体が露わになる。
「きゃぁ! あっ……いけません」
ラビエルは悲鳴混じりに訴える。
「私の力になってくれるのだろう? なら協力して貰おうか」
抗議を一蹴すると、シーヴァスは柔らかな乳房にしゃぶりついた。
大きな手で乳肉を揉みしだき、ピンクの乳頭を指で弄びながら、わざとちゅぱちゅぱと音を立てて吸い付く。
必死に抵抗している彼女の唇から、かすかに嬌声が漏れ始めた。
弄られていた乳首もぷっくりと勃ち上がる。
シーヴァスは彼女を横抱きにすると、寝台に乱暴に放り込んだ。
寝台が軋むと同時に、彼女の背に生えた翼から、羽が数枚飛び散る。
顔を真っ赤にして体を隠そうとするラビエルは、両手首を掴まれ、そのまま押さえ付けられてしまう。
シーヴァスは彼女の耳元に顔を寄せ、低く囁いた。
「君が悪い。私の忠告を無視するからだ」
彼は天使の裸身に覆い被さる。
噛み付くように口付けをすると、長い舌を割り込ませ、暫くの間、好きなだけ彼女の口内を貪った。
満足して唇を離すと、つ、と唾液の糸が引いた。
「はぁっ……」
解放されたラビエルが、苦しそうに息を吐く。
彼女はシーヴァスの暴挙に困惑し、怯えきっていた。
肩は小刻みに震え、頬は上気し、目にいっぱいの涙を溜めながら、恐る恐る彼を見上げてくる。
「ラビエル」
愛おしそうに天使の名前を呼ぶ。
美しい髪を優しく撫でながら、彼女の汗ばんだ額に幾つか口付けを落とした。
「……貴方の好きにしていい」
少し躊躇う様子を見せた後、ラビエルは弱々しくそう言った。
諦めたように嘆息する。
彼を止めることは、今更もう出来ないと悟ったのか、観念したようだ。
それは渋々抵抗を諦めたという風だったが、彼女が本気でこの行為を嫌がっているようには、シーヴァスには見えなかった。
ひょっとして、ラビエルも自分と同じ気持ちだったのではないか……。
そう都合良く考えてしまう。
しかし今は、そんなことはどうでもいい。
ラビエル自身が、シーヴァスの求めに応じたのは事実なのだから。
弾力のある豊かな胸を愛撫しながら、白い首筋に舌を這わせていく。
「あぁんっ」
大分体がほぐれてきたらしい。
ラビエルは高い声を上げて反応した。
そろそろ下半身の様子も確かめてみようと、彼女の陰部に手を伸ばす。
指でなぞると、既にそこは濡れそぼっていた。
「天使のくせに、いやらしい体をしているな。もっと喜ばせてやろう」
方頬を歪め、シーヴァスは好色な笑みを浮かべた。
不意に太股に手をかけられ、反射的に身を固くするラビエルだったが、無理矢理足を開かされる。
びしょびしょになった女の秘部に顔を埋めると、陰毛が鼻先に当たり、甘ったるい愛液の香りが鼻孔を刺激する。
彼はぱんぱんに膨張したクリトリスを丹念に舐め、次々に溢れ出す愛液もいやらしく啜った。
過敏な箇所を攻められたラビエルは、びくっと身を跳ねさせ、なまめかしく喘ぎ始めた。
無垢な天使は、男から与えられる快楽から逃れようと、必死に腰をくねらせる。
しかしシーヴァスの力強い腕に捕まえられ、逃れようとしてもビクともしない。
もじもじと動く彼女を可愛く思いながら、彼は舌を固く尖らせ、膣に差し込み、ねっとりと口淫を続けた。
感じる部分を突きながら出し入れを繰り返していると、ラビエルから淫らな痴態を引き出した。
「あっ……あ、あ……駄目っ……」
普段の上品な彼女からは、想像もつかない乱れようだった。
絶頂に近付いているのか、気持ちよさそうに尻を浮かせ、仰け反っている。
シーヴァスの唾液と自身の粘液で腿まで濡らし、大洪水を起こしながら、とうとう彼女は果ててしまった。
「はぁ……はぁ……」
肩で息をしながら、焦点の合わない瞳で、ぼうっと虚空を見つめているラビエル。
そんな彼女を眺めながら、シーヴァスは手際よく寝衣を脱ぎ捨てた。
頼りない蝋燭の明かりで浮かび上がる、均整のとれた筋肉質な裸体。
よく鍛えられた見事な体躯は、彼が屈強な騎士であることを物語っている。
そして屹立した陰茎からは、先走りの汁液が止めどなく溢れ、てかてかと光っていた。
「いいな?」
彼が問いかけると、不安げに揺れる、潤んだ大きな瞳が見つめ返してきた。
初めて目にする雄の怒張への恐怖が、彼女からは見て取れた。
しかし、その逞しい一物に釘付けになり、視線を逸らせないでもいるようだった。
彼女は意を決して、シーヴァスに向かってこくん、と頷く。
意思が一致したことを認めると、彼はラビエルの足の間に体を収めた。
一度絶頂に達した、ヒクつく女の入り口に自身をあてがい、何度か往復させた後、ゆっくりと腰を進めていく。
中はぬるぬるとしていて、温かい。
途端に、彼女の表情が痛々しく引きつった。
「シーヴァス……っ!」
強ばった膣内は狭く、侵入するシーヴァスを拒み、押し戻そうとしてくる。
それでも構わず、彼は欲望のままに天使を貫いた。
ラビエルの短い悲鳴が上がる。
真珠のような大粒の涙をぽろぽろと流しながら、手足や、翼までもをばたつかせ、彼女は抵抗した。
肌を撫でる羽がこそばゆい。
「いやぁっ……やめて……」
ラビエルは、子どものように首を横に振りながら哀願する。
しかしシーバスは、もう何も考えられなくなっていた。
聖なる天使を犯しているという背徳感が、益々性感を高める。
快楽が、ゾクゾクと背骨にまで這い上がってくる。
彼女の嗚咽を聞きながら、気が付くと夢中で腰を振っていた。
「あぁっ! やっ……あっあっ、はぁ」
何の穢れも知らなかった天使は、されるがままになっていた。
何か支えてくれるものが欲しくなり、シーヴァスの首に腕を回す。
肉付きの良い乳房が、彼の厚い胸板に押し潰された。
「あぁっ……、私のラビエル」
彼は恍惚の吐息を漏らす。
この女を、ずっとこうしたかった。
陰茎を根本まで呑み込んだ彼女の粘膜は、シーヴァスに絡み付き、心地良い締め付けを与えてくる。
額に汗を浮かべ、金髪を振り乱しながら、彼は気が済むまで腰を打ち続けた。
「はぁ……、私以外の勇者と、こんなことは絶対にするんじゃないぞ。私とだけだ……」
天使を突き上げながら、息を弾ませて彼は言った。
『お前は私だけの物だ』と、彼女に言い聞かせる。
彼の下で苦しげに喘ぐラビエルは、泣きながらこくこくと頷いた。
激しく揺さぶられながらも、必死に彼にしがみついている。
「何か頼みたいことがあったら……、真っ先に私の元へ来い。いいな?」
全て言い終えると、ラビエルの中でシーヴァスが脈打った。
彼女の中に自分を焼き付けるかのように射精する。
終わり
以上です。
最後までつき合ってくれた方、ありがとう。
おおお懐かしい
GJ!!まさかフェバが読めるとは
天使ちゃんが可愛かった!
フェバきたー!!!
GJです!
巡回していてよかったw
エロいシーヴァスに萌えた(*´Д`)
GJ
297 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 20:48:47 ID:6fUCvoPS
かえるの絵本は乙女ゲーに該当しますか?
>>297 乙女要素のある一般ゲなら、ここでいいと思う
かえ本のエロパロか…ゴクリ
かえ本期待
>>282 GJ!!
さくさく読めたしシーヴァス視点なのが良かった!
今はエロパロ板全体が過疎ってるからなぁ…
ごめん誤爆
間違ってはないけどな
ほしゅ
308 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/22(日) 23:43:40 ID:0l593Bq9
保守
最近は何が流行ってるの?
ゆっくりしていってね
圧縮が近いらしい
多分GWあたりだね
職人も来ないし保守しかしてないから
圧縮で落ちてもいいんじゃんもう
そんな投げやりなw
きっとツンデレなんだよ
こんな過疎スレ、どうなってもいいんだからねっ><
もう知らないんだから/////
圧縮回避age
317 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 13:35:25 ID:TJWlk5sz
ageれてなかったorz
318 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/09(木) 18:10:37 ID:/SuT5joc
糞パクリエヴァオタよw
糞ユイよw
伊賀野カバ丸も寺田ヒロオのスポーツマン佐助の丸パクリだったから安心しろよw
石川賢の小説もパクッたことも認めろよ
永井が巨匠だからってそっちのご機嫌取りばっかしてんじゃねーよ
まあw永井から死ぬ程パクリまくってるがなw
当時単行本未収録だったマジンサーガからパクっておいて、
未だに「参考にしたのはデビルマンとマジンガーZ」とか誤魔化すんじゃねーよ
綾波は戦闘妖精雪風の深井零だしな
「自分には何もない」と台詞までパクっているくせに、
他からインスパイアされたとか嘘ぶくな
保守代わりに短い奴を投下。
パレドゥレーヌ。オベルジーヌの自慰。
ベルジュロネット領主邸に夜の帳が下りる。
城館の主であるオベルジーヌの寝室からは、灯火具の淡い光が漏れ出ていた。
その内装は大変豪奢で、洗練された調度品ばかりが揃えられている。
室内に響くのは甘やかな男の喘ぎ声。
寝台にあられもない姿で横たわる美青年から発せられていた。
完璧な男性美を兼ね備えた裸体を惜しげもなく晒している。
「はぁんっ……あっ、はぁ……ぼくのお人形さん……」
彼の周りには女王からの贈り物、手紙、彼女を象った人形など、フィーリアにまつわる物が散乱していた。
愛しい恋人に会えぬ寂しさを自分自身で慰めているのだ。
片手で陰嚢を揉みながら、天を仰ぐ男根をごつごつした大きな手で包み上下に激しく往復させる。
根元から赤黒くなった亀頭にかけて、裏筋も刺激されるように摩擦する。
そうしていると腰が甘く疼き、奥から切ない衝動が込み上げてくる。
(こんないい男が夜な夜な自慰に耽っているなんて……世も末だな、まったく)
どこか冷静に考えながら扱く手の速度を速める。
ふわふわした蜂蜜色の髪を持つ、青いドレスの可憐な少女を思い浮かべながら。
射精感が強くなり雁首が膨らんだ。
「フィーリアぁ……あぁっ……!」
頭の中が真っ白になった。
割れた腹筋の上にドクドクと精液をぶちまける。
「はぁ、はぁ……」
快感の余韻に浸る虚ろな目つきのまま、壁に掛けてある絵画に目をやった。
絵の中で自分に寄り添い、こちらに微笑みかける少女。
同じ絵を領内の各家庭にも飾らせ、毎日拝ませるようにしている。
彼女のことを思って何度協会製のベッドを汚したことだろう。
「むなしい……もう耐えられないよ、ぼくのお人形さん。君に会いたい……」
そう呟くと意を決したように起き上がり、手早く身支度を整える。
オベルジーヌは侍従を呼びつけ、言った。
「早馬を用意しろ。ロザーンジュへ発つ」
(えぇ〜? またかよ)
……と言いたいのを我慢し、侍従は「承知致しました」と恭しく答える。
政務を放り出して女王のもとへ飛んでいくのは、これが初めてではない。
「ぼくのお人形さん、今行くからね!!」
騎馬したオベルジーヌは夜陰にまぎれて駆け出した。
愛する女王を目指して――。
終わり。
変態領主ktkr!
GJ
(えぇ〜?またかよ)
ワロスww
オベルジーヌ自重w
領民も災難だろこれwwGJ
SS投下。2レス消費。エロ無しパート。
パレドゥレーヌ。オベルジーヌ×フィーリア。
晴天に恵まれたある休日のこと。
イシュメール城の中庭を一人散策していたフィーリアは、背後に人の気配を感じていた。
先程からつかず離れず尾けて来ている。
刺客か狼藉者か? と警戒したが、相手からは殺気や敵意を感じない。
かわりに、ねっとりとした熱い視線を送られている気がする。
独特の足運びから察するに、どうやら武芸の心得を持つ者らしい。
自らも嗜みのあるフィーリアはそう推し量った。
「誰かいるの? 出て来て」
いい加減居心地が悪くなり、歩みを止めて振り返ると呼びかけた。
すると、植木の影から飄々とした声が返ってくる。
「気付いていたんだね。私だよ、お人形さん」
よく見覚えのある金の巻き毛と長身痩躯が現れた。
なりを見ると簡素な旅装に身を包んでいる。
その姿を見た途端、花がほころぶようにフィーリアは破顔する。
素っ頓狂な喜びの声を上げた。
「オベルジーヌ! 来てくれたの!?」
「そうだよ! さぁ、私の胸に飛び込んでおいで!!」
スカートをたくし上げると、フィーリアは一目散に走り出す。
両手を大きく広げた恋人の胸へ嬉しそうに飛び込んだ。
彼女を受け止めたオベルジーヌは小さな体を軽々と抱き上げ、そのままクルクル回り出す。
風をはらみスカートの裾がふわりと膨らんだ。
啄ばむような接吻を交わしながら二人は抱擁し合う。
「会いたかったわ! オベルジーヌ! オベルジーヌ!」
「おーおー、言わなくても分かっているとも。ららら〜♪」
回転をやめ彼女を草の上に降ろすと二人は手を取り合い、キャッキャと楽しそうに飛び跳ねた。
思いがけない再会にフィーリアは幸せな気持ちでいっぱいだった。
ロザーンジュへの道中ずっと推敲を重ねていた愛の詩を、オベルジーヌは歌って聞かせた。
彼から捧げられた最高傑作に感激し、フィーリアは涙ぐんで聞き惚れる。
若い二人は愛し合っていた。
「あなたはいつも突然来るのね?」
東屋の長椅子に腰を下ろしながら悪戯っぽく笑う。
オベルジーヌは熱中すると周りが見えなくなる性質だ。
度々、何の前触れもなく王都に現れる。
「君に会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて仕方がなかったからだよ。
なぜ私達は離れ離れに暮らさなければいけないのだろう……こんなに愛し合っているのに」
いつも自信満々な態度をとる彼に似合わず、今日は妙にしおらしい。
哀れを誘う情けない声で続ける。
「いったい私達はいつ結婚出来るのだろうね?」
フィーリアの表情がわずかに曇る。
もちろん彼と一緒になりたい気持ちはあるが、女王に即位したばかりで今は結婚どころではない。
新政府が落ち着くまでは到底無理な話だ。
意気消沈した様子のオベルジーヌは芝居がかった仕草で更に続ける。
「君のことを考えると私は夜も眠れない。ああっ、これ以上不安にさせないでくれ……私は、私は」
「オベルジーヌ! 私、軟弱な男は嫌いよ」
言葉を遮ってフィーリアはぴしゃりと言い放った。
制止されたオベルジーヌは面食らう。
「はっきりさせましょう。あなたの騎士の矜持を私に示して」
『騎士の矜持』という言葉を出されオベルジーヌは気色ばむ。
「……構わないが、どうやって?」
「決まっているでしょう、決闘よ! 私と戦って勝ってみせて」
唐突な提案に一瞬戸惑うが、すぐにオベルジーヌの目つきが変わる。
気分が乗ってきたらしい。
悲しげに伏せられていた瞳に生気が戻り、活き活きと輝きだす。
口の端を愉快そうに吊り上げた。
「いいだろう、面白い! そう私達は騎士だ。剣を交えて語り合おうじゃないか。いざ始めん愛の決闘を!」
ひょっこり現れたオベルジーヌにエクレールは呆れ果てていた。
毎度のことなのでもう驚きはしなかったが、流石に良い顔はしない。
その上、これから彼と決闘をするつもりだと告げると、予想通り憤慨した。
しかし『ちょっとした戯れだから』と二人がかりで説得し、渋々だが協力を了承してくれた。
二人は決闘するに十分な広さのある場所へ移動する。
そして決闘用の刀剣を用意して貰うと、人払いを済ませた。
二人きりになりたかったので、食い下がるエクレールも追い返してしまう。
人目につかぬように慎重に準備を終わらせた。
しかし雌雄を決するには長い時間を要さなかった。
少女ながらにフィーリアも相当の使い手だが、結果はやる前から明らかだった。
オベルジーヌは領主諸侯の中でも屈指の武闘派。
彼の繰り出す剣戟は場違いなほど優雅であり、まるで舞でも踊っているようだ。
それでいて一撃一撃が鋭く、重い。
「ほらほら、どうしたの? それでは私は倒せないよ」
彼は余裕たっぷりに挑発する。
オベルジーヌが手加減をしているのは明白なので、フィーリアは尚更悔しい。
軽やかな剣さばき、野生の獣じみた鋭敏な動きに翻弄されてしまう。
(でも……素敵だわオベルジーヌ。こんなあなたを見たかったの)
フィーリアは半ば彼の姿に見とれていた。
そんな場合でないのは承知の上だが、戦う彼はひどく魅力的だったからだ。
跳躍に合わせ肩の上で弾む金糸、額に光る汗、躍動する筋肉、全てが美しい。
「ほら!!」
いつしかオベルジーヌの端正な顔には嗜虐的な笑みが浮かんでいた。
じりじりと獲物を追いつめる。
彼が鞭のように体をしならせると、隙を突かれ下から掬うように剣を弾き飛ばされる。
柄を握っていたフィーリアの手に痺れが走った。
「きゃぁっ!」
高い悲鳴が上がる。
強い衝撃を受けたフィーリアは、バランスを崩し尻餅をついてしまう。
「私の勝ちだ」
オベルジーヌは目を細めて怪しく笑った。
荒く息をつくフィーリアとは対照的に、彼の息はほとんど乱れていない。
「大丈夫かい? 痛かっただろうフィーリア」
決闘の興奮も冷めやらぬ中、オベルジーヌは恋人に駆け寄った。
倒れた彼女を優しく抱き起こしてやる。
「いいのよオベルジーヌ。だって、さっきのあなた凄く格好良かったんだもの」
濡れて潤んだ瞳がオベルジーヌを見つめた。
紅潮した頬も艶めかしい。
「お人形さん……」
気分の高揚している二人は、熱く互いの視線を絡ませあった。
しばらく無言で見つめ合う。
続く。
ごめん、いったんここで切る。
うっかりタイトルを忘れていた。
タイトルは『恋人はストーカー』。
ロールキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
wktkwktk
恋人はwwwストーカーwwwww
乙!
変態ロールが普通にかっこいい…
確かにこれくらいフィーリアがお花畑じゃないと変態とのカップルってのはないなw
>>326だけなら普通にカッコイイwww
なのにwww恋人はストーカーwww
だめだこいつら早くなんとかしないと(ノ∀`)
333 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 10:27:39 ID:Fb1HJ0LO
念のため保守しておく。
圧縮来ないな
保守
ほっしゅ
ほしゅ
今夜あたりヤバイな
保守
んじゃ自分も保守しておこう
新作ゲームも色々出てるし移植で再加熱もあるし書けたら書きたいほしゅ
>>325-326の続き。5レス消費。エロパート。スカトロ描写注意。
パレドゥレーヌ。オベルジーヌ×フィーリア。
肌に合わないと感じたらタイトルかIDで弾いて下さい。
「さて。この世で最も強く美しい男はこのオベルジーヌだってことを、分かって貰えたかな?」
華麗な美技を披露したオベルジーヌは自信に満ち溢れていた。
彼は自尊心が強く自己陶酔型の人間だが、実力が伴っている。
この謙遜しない態度がフィーリアには小気味よく映り、そんなところにも心惹かれていた。
「ええ、惚れ直したわ。さすが武力7名誉7の男ね」
彼女の賞賛に満足げに頷いたあと、オベルジーヌはわざとらしく思案する素振りを見せた。
「ふむ。そうだなぁ……」
それから息がかかるほど顔を近付け、フィーリアの耳元で囁く。
香水と整髪料の混ざった仄かな匂いが漂った。
「次は私の雄としての矜持を示してあげようか。剣の誓約の儀のように……今度は下の剣を捧げてあげる」
「し、下の剣……?」
いくら初心なフィーリアでも、彼の比喩と言わんとしていることが分かる。
少女が耳まで真っ赤にして俯くと、オベルジーヌは好色そうにニヤつきながら誘惑を続けた。
「私の下の剣というのは要するに」
「説明しなくていいわ!!」
慌てて彼の口を塞ぐフィーリア。
それから蚊の鳴くような小さな声で躊躇いがちに呟いた。
圧倒的な強さをもって打ち負かされ、彼の魅力にほだされていたのかも知れない。
「そう、そうね……捧げてくれるというのなら……そうして……」
許しを得たオベルジーヌは破顔一笑する。
フィーリアを引き寄せて力いっぱい抱き締めると、額に幾度も接吻を落とした。
「……お人形さん。私はね、ずっとこの日を夢見ていたんだよ」
決着をつけた二人を待ち構えていたのは仏頂面の侍女だった。
仁王立ちになって行く手を塞いだエクレールは、仇敵にでも対峙するように、きつくオベルジーヌを睨みつける。
それは相手を射殺しそうな勢いだった。
次に大切なフィーリアに飛び付き、どこか怪我をさせられていないか念入りに確かめる。
怒り狂う侍女をフィーリアは穏やかに宥めすかした。
自分を鎮めようと言葉をかけてくるフィーリアの妙なぎこちなさに、エクレールは気付く。
どこかそわそわとした様子で、時折オベルジーヌと目配せしあっている。
何か、間に割って入れない雰囲気がある。
オベルジーヌが馴れ馴れしくフィーリアの腰に手を回しているのも気に入らない。
一方オベルジーヌは不気味なまでの上機嫌だった。
口元をだらしなく緩ませ楽しそうに鼻歌を歌っている。
(この二人は……)
二人の間を流れる異様な空気に、エクレールの勘が働いた。
フィーリアは身を清める為の湯を用意して欲しいと侍女に告げる。
また、しばらくは私室でオベルジーヌと二人きりにして欲しい旨も伝えた。
彼が王都を訪問したことは執政官には黙っておいて、とも。
エクレールは全てを察した。
やっぱりか……という思いと同時に、言い知れぬ圧迫感が胸を襲う。
「畏まりました、姫様。すぐ湯浴みのご用意を致しますわね」
表面上は平静を装うが、内心彼女は気が気でなかった。
フィーリアとオベルジーヌは一応すでに婚約を済ませている仲だ。
しかし女王の姉代わりの存在であるエクレールには、これから二人が行おうとしている行為を考えると、心配でならない。
ヴィンフリートもどうせすぐ嗅ぎ付けるだろう。
この件が彼の耳に入れば非常に面倒臭いことになる。
(この変態野郎、少しでも私の姫様を傷つける真似をしたら……絶対に許さない)
フィーリアに気遣わしげな眼差しを送りながら、オベルジーヌには殺意を抱くエクレールだった。
彫刻を思わせる芸術的な肉体に、目を奪われる。
彼はまるで宗教絵画から抜け出した男神のようだ。
衣服を脱ぐオベルジーヌを眺めながら、寝台に腰掛けるフィーリアはそんな感想を持つ。
聖騎士ウラジミール直系子孫の名は伊達ではない。
そこに立っているだけで色香の匂い立つ姿態である。
「私に見惚れているのかな?」
フィーリアの心を見透かしたのか、彼はからかうように笑った。
図星を突かれたフィーリアは赤面し恥じらって長い睫毛を伏せる。
未だかつて異性を招き入れたことのなかった女王の寝室に、二人は今いた。
「脱いで。君の裸が見たい」
筋肉質な上半身を外気に晒したオベルジーヌは、じっと動かないフィーリアに催促する。
単刀直入な物言いに彼女は更に頬を染める。
今更もう後戻りは出来ないと覚悟を決め、すっと立ち上がるフィーリア。
複雑にかみ合う衣裳の釦を黙々と外し始める。
涼やかな衣擦れの音が、しばらく薄暗い室内を支配した。
自身の体に向けられる劣情を含んだ男の視線が痛い。
身に付けていたものが全て絨毯の上に落ちた時、オベルジーヌが生唾を飲む気配がした。
軽く舌舐めずりしたのも分かった。
まだ未完成である成長途中のしなやかな体が、この上もなく男を欲情させる。
「おお……、神よご照覧あれ。かの女王の麗しさを。これぞ地上の美……!」
フィーリアの全裸に感極まったオベルジーヌは、大仰な賛辞を送った。
彼女の抜けるように白い肌はほんのりと赤みを帯び、耐え難い羞恥に震える。
女性らしい流曲線を男の目から隠すように自らを掻き抱く。
「君は本当に綺麗だ。……このまま剥製にして私の寝室に飾っておきたいほどにね」
フィーリアはぞっとする。
嫌な脂汗が背にじっとりと滲んだ。
オベルジーヌが『フィーリアを剥製にしたい』と本気で考えていることを知っているからだ。
彼の狂気の片鱗を垣間見た気がした。
ふいにオベルジーヌが一歩前に進み、フィーリアとの距離を縮める。
極度の緊張によって彼女の心臓は跳ね上がる。
「私のお人形、私の宝石、私の妖精、私の天使、私の女王、私の太陽、私の女神……
フィーリア、我が妻となる人よ。夫婦の契りを交わそうか」
情熱的でくどい彼らしい台詞に、フィーリアは弾かれたように顔を上げる。
そして目を見張った。
いつもおどけているオベルジーヌがひどく真剣な面差しをしていたからだ。
「……抱いて……オベルジーヌ……」
勇気を振り絞ってそれだけ言う。
刹那、オベルジーヌの力強い腕がフィーリアの体を奪った。
気が付くと温かな胸の中にすっぽり収められている。
「あ……」
密着した途端、フィーリアの腹部に固いものが当たる。
思わず見下ろすと、彼の下肢を覆う布を内側から窮屈そうに押し上げ、存在を主張する熱い膨らみがあった。
オベルジーヌはおもむろに前を解く。
すでに起き上っている男根がぶるん、と躍り出し、勢い余って上下に弾む。
恐らく大勢の女性を喜ばせてきたのであろうそれは、垂直に屹立し割れた腹筋に張り付いている。
フィーリアは息を飲んだ。
「お、大きいわ」
感嘆の言葉が口を突いて出てしまう。
しかし淑女にあるまじき慎みない発言だったと知って、すぐに顔を両手で覆う。
指の隙間からオベルジーヌの逸物をチラ見しながら。
「そう? ありがとう」
フィーリアの感想に気をよくしたらしく、オベルジーヌは嬉しそうに笑った。
彼の無骨な手がフィーリアのたおやかな手を握り、ゆっくりと自身の昂りへと導く。
「私に触って」
フィーリアの震える指先が、恐る恐る雄の怒張へと触れる。
(これがオベルジーヌの……)
「これから“これ”で君をシジェルの野へ誘うよ」
フィーリアの肩に手を置き、オベルジーヌは身を屈めて顔を近付けた。
彼の動作に応え、フィーリアは背丈のある相手に合わせて爪先立ちになる。
ぽってりとした艶やかな唇がオベルジーヌのそれと重なる。
互いの唇を緩く挟んで塞ぎながらゆっくり感触を探り合う。
顎を傾けたオベルジーヌが下唇を吸い上げた。
フィーリアの腰が甘い衝撃を覚え反動で足の力が抜けてしまう。
口内に男の長い舌が侵入し、まるで生き物のように蠢く。
オベルジーヌの腕がフィーリアの背に、フィーリアの腕がオベルジーヌの首にそれぞれ回り、互いを引き寄せて掻き抱く。
裸の胸同士が密着し、擦れ、胸の突起が硬度を増したのをフィーリアは感じた。
再会の挨拶とは違う長く濃厚な口づけに息が詰まる。
「んっ、ちゅ……、くちゅ、んぅ、ちゅぷ……ふ」
絶え間なく舌を絡めとるオベルジーヌは息つく暇も与えない。
時折口の位置を変えながらねっとりと唾液を交換し合った。
オベルジーヌは舌を吸いながら、清潔な石鹸の香りを放つフィーリアの髪に手を挿し入れ、興奮に任せて荒々しく掻き混ぜる。
柔らかな女の唇を夢中で貪り、味わうことに没頭し、なかなか相手を離さない。
フィーリアはそろそろ首と顎が疲れてきていた。
酸欠状態に陥って視界が歪み、もう立っているのも辛い。
強い眩暈に襲われてオベルジーヌを顔から引き離そうとしたが、彼はそれを許さなかった。
大きな両手でフィーリアの顔を挟み、欲望の赴くまま口内をしつこく蹂躙する。
オベルジーヌが飽きるまで唇を犯した頃、フィーリアは呼吸困難で卒倒しそうになっていた。
脱力し崩れ落ちそうになるのを抱き留められる。
「はぁ、はぁっ、オベル、ジーヌっ待って、お願い……、待って」
自分をもてあそぶ男を涙目で見上げながら息も絶え絶えに訴える。
間髪入れず押し寄せてくる刺激の波にフィーリアはうろたえていた。
しかしフィーリアを映した紫水晶の双眸は、悪びれる様子もなく妖艶に細められただけだった。
「愛している……フィーリア」
そう言うと、オベルジーヌはフィーリアの両瞼に優しく唇を押し当てた。
耳たぶを甘噛みしながら何度も何度も『愛しているよ』、『大好きだよ』と繰り返す。
耳元で囁かれる重低音にフィーリアの臍の下がじゅん、と疼いた。
全身に広がる甘美な痺れが体を蕩けさせるようだった。
横抱きにした華奢な肢体を、そっと天蓋つきの寝台に降ろす。
フィーリアの豊かな蜂蜜色の髪が扇の形になって枕に広がる。
体重をかけないよう気を配りながら、オベルジーヌは少女の白い体に覆いかぶさった。
彼の背からきっちり巻かれた縦ロールが流れ、垂れ幕のようにフィーリアのかんばせを囲む。
体重の移動によって寝台の骨組みがギシ、と音を立てて軋んだ。
フィーリアの額や頬に接吻しながら、オベルジーヌの指が彼女の乳房へと伸びる。
発育の良い膨らみを下から掬い上げるように愛撫し、その頂をもてあそぶ。
乳輪に沿って指で円を描きながらなぞり、勃起した薄桃色の乳首をコリコリと押し潰す。
「あ、あ……んぅ」
小さな愛らしい唇から押し殺した嬌声が零れた。
滑らかなフィーリアの肌を撫でさする彼の掌は、皮膚が固くざらついていた。
槍や剣を毎日握り厳しい訓練を重ね、肉刺を作っては潰しを繰り返してきた騎士らしい無骨な手だった。
オベルジーヌの口が胸の突起をちゅ、と強く吸い上げる。
左右を交互に粘膜に含まれ舌の上で転がされる。
乳首を十分に堪能したあと乳房全体にしゃぶりつく。
「ふぁ……、やぁん……っ!」
何とも言えぬもどかしい刺激にフィーリアは思わず悲鳴を上げる。
オベルジーヌはその初々しく素直な反応を楽しんだ。
あどけない恋人をもっと乱れさせたくなって、彼は次々に舌を移動させる。
耳の裏、首筋、鎖骨、腋の下、脇腹、臍、内腿……と、女の性感帯を的確に捉え執拗に攻め立てる。
全身をねぶり回すぬるぬるした舌と、尖った鼻、肌に吹きかかる熱い呼吸、体の上を掃く金糸の束がくすぐったい。
オベルジーヌの顔が徐々に降下しちょうど足の間に到達した時。
絶え間なく悶えていたフィーリアははっとした。
「オベルジーヌ……、あ、あのね」
「ん?」
肝心なところで制止された彼は気の抜けた声とともに目線を上げる。
陶然とした紫の瞳に見つめられて、フィーリアは急に照れ臭くなった。
すぐに視線を逸らし、目を泳がせながらあらぬ方向を見てボソボソと呟く。
「……私も、あなたにしてあげたいの」
意味を量りかね一瞬きょとんとするオベルジーヌ。
しかし彼女が何を指して言っているのかすぐに把握し、その申し出を有り難く受けた。
「嬉しいよ。君からそう言ってくれるなんて。それじゃあ――」
初めての体験で右も左も分からないフィーリアは彼の指示に従った。
言われるまま体の位置を入れ替え、仰向けになったオベルジーヌの顔に臀部を向けて跨る。
この体勢によって、オベルジーヌの眼前に彼女の恥部が全て晒されてしまう。
排泄器官を隅々まで観察されてしまう屈辱的な格好。
16歳の女王は熟した林檎よりももっと真っ赤にのぼせ上がった。
(な、なに……これ……? いやぁ……)
フィーリアは羞恥で気が狂いそうだった。
情事はまだ始まったばかりだというのに、今すぐにでもこの場から逃げ出したい。
頭上に広がる壮観な光景に感動したオベルジーヌは、動揺する彼女に追い打ちをかけた。
「ああ、これは素晴らしい……思った以上だよ。君の可愛らしいおま」
「言わないで!! ……もう、見ないでぇ……」
オベルジーヌは喉の奥でくっく、と愉快そうに笑った。
性質の悪い意地悪にフィーリアは泣き出しそうになる。
同時に、今彼女の目の前にも顔を背けたくなる眺めがあった。
男の濃い繁みと、充血しきって血管のくっきり浮き出た太槍がそそり立っている。
こんな至近距離では正視に堪えない。
赤黒く変色したそれは物欲しそうにピクついている。
むせ返るような青臭さにフィーリアは頭がくらくらした。
彼女は淑女の嗜みとして閨房術の類を教育されている。
一通りの知識は身に付けているものの、実際男性に口淫を施すのは初めてだ。
ずっとこうして固まっている訳にもゆかず、フィーリアは意を決するとおずおず湿った鈴口に唇をつける。
「んぅっ……」
すると後ろからくぐもった低い声が聞こえた。
色っぽい呻きに驚いて身じろぎすると、すかさずオベルジーヌが促した。
「続けてフィーリア……もっと」
オベルジーヌは少し脚を広げ、求めるように軽く腰を突き出す。
先端を赤い舌でチロチロと撫で始めると逸物が更に膨張し、分泌された液体でフィーリアの唇が濡れた。
口内に苦味が広がる。
恥ずかしくて堪らなかったが、フィーリアは自棄になって雁首をぱくりと咥え、ちゅぱちゅぱと吸い付く。
――オベルジーヌの魂は歓喜に震えた。
(ああっ、我が祖ウラジミールよ――! 有り難うございます――!
お人形さんの小さなお口に……私の……ああっらめぇっ……)
フィーリアの慣れない性技はたどたどしいものだったが、一生懸命奉仕してくれる彼女の姿に愛おしさが湧き上がる。
こちらも負けじと、オベルジーヌは顔を覆う女の割れ目に舌を伸ばした。
膣内はすでに十分に潤い愛液が滲んでいる。
「ひぅっ!」
フィーリアの脊椎に衝撃が駆け抜けた。
オベルジーヌの巨根をしゃぶったまま裏返った悲鳴を漏らす。
今度はフィーリアが身を跳ねさせる番だった。
唐突な快感から逃げるように腰を引くが、張りのある小振りな尻をがっちり押さえつけられ身動きがとれない。
オベルジーヌが指で襞を押し広げるととろりと蜜が流れ出した。
「んっ、ちゅ、……じゅる、ん、お人形さんのお汁……ぴちゃ、甘い」
次々に垂れ落ちてくる雫を舐め上げ、内腿から女の中心へと舌を往復させる。
唾液を含んだ舌で膣内を突き、熟れて肥大化した陰核を緩急つけて吸い上げる。
オベルジーヌの顎はすぐに水浸しになった。
「いやぁ、あぁ、んっ……、ああぁあ、……あぁっ」
もうフィーリアは嬌声を我慢することが出来なかった。
オベルジーヌの巧みな舌遣いに翻弄されてしまう。
「あれ? お口がお留守だよ、お人形さん。せっかく上手だったのに」
舌の動きを緩めてからわざと残念そうに溜息をつく。
官能の奔流に呑まれ、口元が疎かになっていたフィーリアははっとする。
指摘され慌てて陰茎を頬張るが、途端に高い悲鳴を上げる。
オベルジーヌが菊座に舌を這わせたからだ。
陽動戦法で相手を引き付けておき、すかさず突撃を行う。
決闘において彼が好んで使う手と同じだった。
互いの生殖器を口で愛し合う筈だったのが、フィーリアはオベルジーヌの技術に負け、今や一方的に嬲られるだけとなってしまう。
また、彼女の下腹部には尿意に似た疼きが這い上がってきていた。
むずむずした未知の感覚に恐れおののきながら、フィーリアは初めての快楽を登りつめていく。
次の瞬間フィーリアの背骨が弓なりに反ったかと思うと、ぶるりと全身を激しく震わせた。
「だめぇ……! あっ、あん、だめだめぇっ……出ちゃうっあ、あっあっ――いやぁあ――!!」
「うぷっ」
足を痙攣させながら絶頂に達した彼女から、ぴゅ、ぴゅ、と潮が噴き出す。
その淫水はオベルジーヌの顔面をまんべんなく汚した。
粗相をしてしまったと勘違いしたフィーリアは、幼い子供のようにしゃくり上げる。
「……オベル、ジーヌ私っ、ひくっ……ごめんなさっ、今のは、違うんだからね……ひくっ」
「ふふ……謝らなくでいいんだよ。泣かないで、可愛いフィーリア」
ベタつく口元を拭い口に絡んだ陰毛を吐き出す。
したたり落ちる水滴を舐め取りながら、恍惚の表情を浮かべオベルジーヌは微笑んだ。
それは空恐ろしいほどの凄絶な美しい笑みだった。
続く。
細切れ投下になってしまいスマン。次回で最後。
すごい…変態が変態すぎる
GJ
らめぇに噴いた。GJ。
乙!
なんだろうハラハラした
危なっかしくて見てられないって言うか
続きが楽しみ
エロ過ぎ。
ただひたすらにGJ!
流石は変態…エロいわーw
保守
リトアン解禁超待ってる
コクピットの中で。
自分も
355 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/09(土) 12:55:04 ID:zE6kfz3Y
下がりすぎage
保守あげー
自分はガーネットクレイドル待ち
需要を顧みずに携帯のイケメン学園のSS投下したいんだが、
ヒロインにデフォ名がない場合ってどうしたらいいかな
無難な名前にしとけばおk?
>>357 小波みたいにメーカー名を名前にしてはどうだろうか
名前の部分に〔主人公〕と書き込む手法もあるようだけど
イケメン学園需要あるよー
>>357 妙な名前とかじゃなければその辺はお好みでいいと思う
前書きに主人公の名前は○○にしたとか書いてくれるとわかりやすいかも
投下待ってる
炎多留のエロパロは駄目だよね……やっぱり?
男女CPなら注意書きつきで可じゃなかったか?
どうだったっけ?
炎多留って女の登場人物いたのか!
全力で縦ロール待ち
>>358-360 レスありがとう!
メーカー名だと小波みたいにうまく人名っぽくならなかったので
普通の名前にしました
需要あるみたいでほっとしたよ
早速途中までだけど投下します
恋愛上等イケメン学園 龍海×主人公
・主人公の名前は「美咲」
気になる場合はメモ帳とかで置換して読んでください
・オナヌネタ
・本編半分までしかプレイしてないので
噛みあわないところがあるかも
大丈夫そうならドゾー↓
「……く、ぁ」
止まらない右手に、息がどんどんあがってくる。
いや、だからこれは。
男の生理現象ってヤツで、やましいことはなんにもない。
「…ぁ……はァ、…っ」
誰に対してか分からない言い訳を頭で繰り返しながら、
どことなく罪悪感に苛まれてた。
…や、誰に対してか分からないってのは嘘だ、やっぱ。
ちゃんと分かってるけど、認めてしまうと余計に罪悪感が生まれそうだから
意味もなく見て見ぬ振りしてるだけ。
隣の部屋に、あいつが居る。
高校に入ってからずっと男子ばかりの環境で過ごしてきたってのに、
そこに突然女子が一人やってきて、そいつを好きになってしまったらもう――
みんなが狙う中、やっとの思いで手に入れた美咲だ。
付き合って二ヶ月、まだ軽くキスするぐらいしかできてないそんな状態。
健全な男子高校生なら部屋で夜ヤることなんて一つだろ。
(しかも隣の部屋なんだよな…)
だから余計に、コーフンするのか?
いや、ぜってーそう。
チラ、と見た壁越しに、美咲は居るんだよな…。
声を押し殺して、ゆるゆると擦り上げる。
今現在、俺の頭の中では美咲があんなことやこんなことをしてくれてる。
俺の下に美咲が居て、ゆっくり出し入れする度に可愛く喘いで…
「好き、好き、もっとして」って何度も耳元で囁いてくれる。
その声を聞けば聞くほど止まらなくなって、ゆっくりじゃ耐えられなくなって…
激しく腰を打ち付けると、その声がもっと切なそうに……
――いや、ま、全部妄想なんだけど。
「ハァ…美咲…っ、も…、……やべ、」
出そう、と思った瞬間に、コンコンとドアがノックされた。
「あ゛!?」
一瞬で頭が現実に戻った。
あわあわと起き上がり急いで支度して、深呼吸する。
我ながら無駄のなさ過ぎる鮮やかな動きだな…ってそうじゃねぇ!
……鍵、かけといてよかった…ほんと良かった…。バレたら死ねる。
「亮、起きてる?」
(しかも美咲かよ!)
ドア越しに美咲の声が聞こえて、もう一度深呼吸した。
(今美咲見て普通で居れる自信ねー!)
さっきまで弄ってたソコはまだ熱っぽいし、
俺の中での美咲は好き好きって言いながら――
(って想像すんな、鎮まれ!!!)
寝たふりしてやり過ごそうかな、と思った時。
「寝ちゃったのかな、亮…」
寂しそうな声が聞こえて、そっこー0.1秒でドアを開けてしまった。
(……馬鹿か、俺)
体が勝手に動いてた。2秒目にはもう後悔だ。
案の定、扉を開けて美咲を見ただけで顔に熱が昇った。
「亮! 起きてたんだ」
「あ、ああ、まーな! で、なんだよ?」
ちら、と掛け時計を見て時間を確認すると夜の10時だ。
美咲が俺の部屋に訪ねてくるにしては遅い。
「うん、数学の宿題やってたんだけど、どうしても分からなくて。
…一緒にやらない?」
(『一緒にヤらない?』……)
いや、そういう意図はないと分かってても、全然頭が切り替わらない。
「教えて、亮」
(ナニを!?)
いや、数学だって分かってるんだけどな。
ごく、と息を呑んで、ぶんぶんと首を振った。
頼りにしてくれてるのは素直に嬉しいし、いつもなら
『しょーがねぇな、俺様が見てやるよ!』
とか言って部屋の中に入れてやるんだけど…
「や…、で、でも俺、宿題全然手ぇつけてねーし」
そっぽ向いて言うと、それは大変! と美咲が声を上げた。
「明日提出だよ? 早くやらないと間に合わないよ!」
「べっつにいーってちょっとぐらい遅れても」
「ダメだよ、ただでさえ亮はよくサボってるのにっ」
「あのな…」
とにかく美咲には早く部屋に帰ってもらわねーと。
気に入らねぇけど、数学なら他のヤツに聞いてもらって…。
(いや! それはダメだなやっぱ)
誰だろうとこんな夜遅くに男の部屋になんて行かせるかよ!
あーなんか想像するだけでイライラしてきた…。
「やろう、亮!」
更に気合いを入れて誘われると、イライラも手伝って結局0.1秒で
「入れよ」
と部屋に引き入れていた。
やっぱり2秒後にはもう後悔が押し寄せてきていた。
(襲ったら嫌われるよな…)
嫌われるのは嫌だ。嫌だけど、襲っちまいそうだし…。
ついさっきまで一人でしてた部屋に美咲がいると思うと、
鎮まりそうだったものも鎮まらない。
一方の美咲はやる気満々だ。ちゃっかり勉強道具一式を抱えていた。
俺も同じように問題集とシャーペンを鞄から出して座る。
「良かった、ちゃんと問題集持ち帰ってたんだね」
そう言いながら俺の隣に座ると、早速問題集を広げた。
その瞬間、なんかいい匂いがふんわりと漂ってくる。
「お前……」
「ん?」
「風呂入った?」
「うん、もうお風呂済ませたよ」
どーりでシャンプーの匂いが強いわけだ。自然に顔が熱くなる。
自然と髪に鼻を埋めるように近づけていた。
…なんか、早速我慢できそうにない。
「り、亮?」
「んー…? お前、いい匂いさせてんじゃねーよ」
「は、はい!?」
「…………」
あーヤベ、止まんねぇかも
と思った瞬間に、目の前の問題集を突きつけられた。
「亮! 勉強!!」
「………はぁ…。分かってるよバーカ」
罪な女だ、くそ。据え膳で拒絶されて引き下がる俺も俺だけど…。
気を紛らわす為にぐいっと伸びをして、美咲との距離を少し空けた。
「さーてベンキョーベンキョー、勉強しねーとな!
ま、俺にかかればこんな問題朝飯前だけどよ」
「亮から10秒間に3回も勉強って単語が出るなんて、明日は嵐になるね」
「うるせー、ちゃっかりカウントしてんじゃねぇ」
むっとしながらも、肝心の不自然さはスルーされた。
(はー…。よし、マジで勉強して邪念振り払うしかねぇ!)
真っ白な問題集の眩しさが今は味方に思える。
宿題の範囲を美咲に教えてもらって、しばらくもくもくと問題をこなした。
***
少しの間、平和が訪れていた。
「そういえば美咲、分からないところがあるとか言ってただろ。
どこだよ?」
「あ、うん。ここなんだけど」
すると、美咲が体と顔を近づけてくる。
せっかくの平和が呆気なく崩れてゆく予感がした。
(ちょ――…)
っと待て、と口に出しては言えない。肩がピト、とくっついて、足も……
せっかく俺がさっき距離取ったのに、なんなんだこの女!
咄嗟に姿勢を立て直した。
「え、なんで急に正座?」
「べ、別に!」
わざとやってんじゃねぇのか、なんかのテストなのか!?
「で!? えーと、これか!」
「うん」
「あー…さっき解き終わったヤツだな、これ」
「分かったの?」
「まーな! お前と違ってやればできるんだよ俺は」
ふん、と笑うと、美咲は苦笑いを浮かべた。
「はいはい。亮様教えてください」
「良かろう! これはさ、一問前の基礎問題に使う公式あるだろ?」
「これ?」
「そ。これでまず解いてく。
で、次に――」
と、トントンと教えていくと、すんなりと解けて美咲が目をキラキラとさせた。
「すごーい!」
「もっと褒めろ! んでもって敬え、ソンケーしろ!」
「亮様すごーい、かっこいー、しびれちゃうー」
「もっと気持ち込めろよ」
はいはい、とそれはまた流された。
「あ、じゃぁこっちもその方法で解けちゃう?」
「おう」
「ありがと! やっぱ亮に聞いて良かったぁ。
亮って頭柔らかいよね、意外に」
上機嫌にすらすら問題を解いていくと、
全て解き終えたらしくぱたんと問題集を閉じた。
「終わったのか?」
「うん、おかげさまでね!」
(よっしゃ、生殺しタイム終わった! よく切り抜けた俺!!)
きっとこれで美咲は大人しく部屋に戻ってくれるはず。
盛大に自分を褒めていると、
美咲は視線をきょろきょろさせてCDのラックに興味を持ち始めた。
嫌な予感がする。
「お前戻んねーのか?」
「うん、ちょっとCD見せて!」
「いーけど…」
よいしょ、とすぐそこまで移動するのがめんどくさいのか、
四つん這いのままCDラックに向かってゆく。
短めのパンツからすらっと伸びる足に目が奪われた。
(ってまた……)
なんでもかんでも反応しすぎ、と元気になりそうなそこに呆れながら、
気分を鎮める為に部屋の中に飾っている花に視線を移した。
ガーベラだ。見た目も可愛いし、俺の好きな花のひとつ。
(あー癒されるぜ)
邪念も全て持っていったガーベラの花に感謝しながら、なにげなくもう一度
美咲を見るとラックからCDを一枚取って興味ありげに見つめていた。
「それ、貸してやろーか?」
「ほんとに?」
「嘘つかねーよ」
「なんか今日は亮に借りばっかりできちゃったね」
「そーか?」
「そうだよ!」
そう言って、なにか考えてるみたいで少しの時間、黙り込んだ。
「…ね、なにか困ってることとかして欲しいこととかある?」
「は?」
「亮に借り作るの嫌なの!」
「貸しだなんて思ってねーって」
「私が嫌なんだもん。なにかないの?」
(そんなの山ほどあるっつーの!)
困ってること→襲っちゃいそうで困ってる
して欲しいこと→妄想の中の美咲を実演してほしい
(こんなんばっかかよ、俺)
もう一度ガーベラを見て汚れた心を洗おうと思ったけど、今度は効果ゼロだ。
そう何度も同じ手が効くわけない。というか、もう十分限界に達していた。
「……つかもう、俺かなり我慢したよな?」
ガーベラを見ながらぼそりと呟くと、美咲がきょとんと首を傾げた。
「亮?」
「して欲しいこと、ほんとにしてくれんだよな?」
あともう少しで終わりそうな数学の宿題は完全に放棄した。
美咲との距離をぐい、と近づけて顎に手を添える。
「え、えっと…」
視線を逸らされたけど、もう構ってられない。
「まず、キスから」
「キス“から”って――」
遮るように、触れるだけのキスをした。
急に大人しくなって、顔を真っ赤にした。
キスなんてそう何回もしたことねーし、
この前まではこんなキスだけで夜眠れなくなるぐらい嬉しかったけど。
足りない、って思った。
「美咲」
そっと呼ぶと、ぴくりと反応した。
嫌がってないことにほっとして、もう一度顔を近づけた。
「…ん、……」
美咲の吐息がすぐ近くに感じられる。
何度も何度も唇を合わせて、じっと美咲の瞳を見つめた。
「亮、なんか今日」
「うるせ」
見つめながらもう一度啄ばむように口付けて、しばらくそれを繰り返した。
何回してもキスは飽きない。なんでだろう。
(――もう勃ってきた)
さっきイけなかったから余計だ。
必死に鎮めようとしてたのをやめて、
美咲の身体に押し付けるように腰を寄せた。
「! り、りょう……」
「借り、返してくれんだろ?」
反論を許す余裕はない。
とりあえずなにか言いたそうな美咲の口を塞いで、今度は深く口付けた。
唇を割って舌を入れ、美咲の舌を絡め取る。
「んん……、はぁ…っ」
「ふ…、ん、りょ……」
ちゅ、ちゅ、と舌が動く度に音が響いた。
美咲の身体からはすっかり力が抜けていて、全体重を俺に預けてくれてる。
キスを続けながら手に触れて、一度絡ませてからそっと胸に手を乗せた。
ブラ越しにゆっくりと持ち上げるように触ると、美咲の肩が一瞬震える。
けど、そのまま嫌がる様子もなくまた力を抜いた。
(なんか…思ったより全然嫌がらねぇ)
されるがまま身体を預ける美咲は、俺のことを信じきってるみたいだった。
一方的に絡めていた舌にはいつのまにか美咲の意志も加わって、
絡めあってる状態だ。
(なんか…美咲、エロ……)
当たり前だけど。
十分大人のキスを堪能して、そっと唇を離した。
名残惜しそうに俺の目を見つめた美咲は、
一瞬ハッとして今度は目を伏せた。
「どうした?」
「あ、うん……。あの、初めてこんなキスしたなって」
そう言ってちら、とまた俺と目線を合わせて、顔を真っ赤にさせた。
(か、可愛い……)
美咲の身体に押し付けたままだった硬いものを、
もう一度強く押し付けると余計に顔を赤くさせる。
「なぁ。…わ、分かってるのか? これ、なにか」
「え……」
「だーから…その、キス、だけじゃ終われねぇってこと」
そのままもつれるように布団に押し倒して、美咲を見下ろす。
さっきの妄想みたいに。
でも、頭の中で考えてたのよりドキドキがハンパない。
顔を真っ赤にしながら俺の顔をじっと見上げてるのは、きっと美咲なりの
答えというか…「いいよ」って意思表示だろう、と都合良く解釈した。
恥ずかしそうにしてるのに、潤んだ目で見つめられると…
想像以上に、ドキドキする。
「……可愛いよな、お前ほんと」
「か、からかわないでよ…」
「からかってねーし!」
手を伸ばして唇をそっと撫でると、また黙り込んだ。
「さっきのキスさ…美咲、エロかった」
「もー、亮! それ以上恥ずかしいこと言わないで」
「やだね。今まで我慢してきた分、美咲のこと苛めてやるよ」
「我慢って…」
「――さっきだって、俺ここで」
言いながら、布団を撫でる。
さっきまでは隠そうと思ってたけど…引かれるの覚悟で白状してやる。
「お前とヤってんの想像しながら、一人でシてた…」
「一人でって」
「分かんねぇのか? ……こーやって」
さっきから硬くなったままのそれを取り出して、
美咲に見せるようにすっと擦り上げた。…これだけで、今は大きな刺激だ。
美咲は真っ赤になって、また俺の瞳を見つめてくる。
「イク前にお前が来ちゃって、今すげー不完全燃焼」
「亮…」
続きます
長い割りになかなかエロくなくてスマソ
乙〜
続き待ってるよ
投下乙!
乙!
乙!元ネタ全然知らんが続きは楽しみだ
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>>342-346の続き。7レス消費。最終投下。ヤンデレ描写注意。
パレドゥレーヌ。オベルジーヌ×フィーリア。
肌に合わないと感じたらタイトルかIDで弾いて下さい。
オベルジーヌの骨張った指はしとどに濡れ、ふやけていた。
まずは指を入れて慣らしてみたが、純潔の乙女だけあってフィーリアは痛がった。
鮮やかに色付いた彼女の陰部は十分に濡れそぼり、てらてらと光沢を放っている。
オベルジーヌは張り詰めきった自身をそこに添え当てた。
粘着質な糸を引かせながら彼女の愛液を先端によくまぶし、男を受け入れる準備の整った秘裂の上を、しばらく遊ばせる。
引き締まった臀部で強弱を調節しながら亀頭を陰核になすり付けたり、また先端だけで浅く出し入れし、わざとフィーリアを焦らす。
「……オベルジーヌっ……」
彼の戯れに歯がゆくなって、フィーリアは恋人の名を切なげに呼んだ。
「は、早くしたらっ……!?」
彼女の勝気な瞳は、少しの好奇心と大きな怯えをたたえている。
きっと心細くて仕方ないのだろう。
その必死に強がる物言いが、オベルジーヌの加虐心をむらむらと煽った。
「可愛い可愛い私のお人形さん。もう少し、力を抜いてごらん」
彼はどこか困ったように笑いかける。
「大丈夫、何も怖くはないよ。全て私に任せておいで」
オベルジーヌはフィーリアの脚を開かせると、角度を定めゆっくりと腰を前進させた。
挿入が始まった途端、フィーリアは大きく目を見開く。
オベルジーヌの肉槍がフィーリアを串刺しにした。
生まれて初めての痛みに全身が粟立ち、彼女は身を捩じらせる。
「くっ……ぁ、狭い」
彼の通った鼻梁に皺が寄る。
ずん、と膣にオベルジーヌが入ると同時に、彼の表情には蕩けるような愉悦が広がった。
心地よい圧迫感が押し寄せ、彼女のぬくもりがオベルジーヌ自身を優しく包み込む。
鋭い痛みに襲われたフィーリアはシーツを固く握り込み、強張った身を仰け反らせる。
「ひっ! はっ、あっ、やぁっ……」
一層強く突き立てられ、フィーリアの蒼い双眸から涙が溢れる。
局部を裂く激痛を堪えるようにギュッと瞼を閉じると、紅涙の玉が白い頬を滑り落ちた。
「……あぁ、いとおしい……!」
オベルジーヌは獣欲に従い、少女の腰のくびれを掴むと予告もなしに動き出す。
醜悪な男の凶器が破瓜したばかりのフィーリアを容赦なく抉った。
彼女の分泌する粘液に赤いものが混じる。
「はぁ、あぁっ、そんなに締め付け、られるとっ、……私はっ」
オベルジーヌは奥歯を食いしばり射精感を抑えつけた。
苦しげに浅く呼吸しながら彼は汗を流し、抽送する度に光る粒が宙に飛び散る。
力強い律動に合わせて、フィーリアの形の良い丸い乳房が卑猥に波打った。
彼女の膣内はうねうねと躍動し、オベルジーヌとフィーリアが互いに擦れ合って、えもいわれぬ極上の悦びを生み出す。
「君の奏でる、妙なる調べっ……、ああ、もっと歌って! 私の為にっ、はぁはぁ、……あ、あぁ、もっと聴きたい、甘美な歌声を……」
病的なまでの恍惚な表情でオベルジーヌは言い放つ。
フィーリアの細腰を抱き込み奥を突くと、彼女は縋るように足を絡ませてきた。
性器同士のぶつかり合う淫らな水音が間断なく続く。
やがてオベルジーヌの前後運動が加速し、待ち焦がれていた高みへと登りつつある頃。
ずっとされるが儘に揺さぶられていたフィーリアが、堰を切ったように泣き出した。
「こわい、怖いの……ひくっ、ん、オベルジーヌっ……ポエムよ、ぐすっ……あなたのポエムをっ、聞かせてっ……!」
オベルジーヌは絶句する。
「お願いっ……ふぇ、ひく、オベルジーヌのポエムが、聞きたいの……!! おねがいっ……」
幼さの残る儚げな体を縮こまらせ、小刻みに震えながら泣き濡れるフィーリア。
その姿態は憐憫を誘い、男の庇護欲をそそる。
心臓を鷲掴みにされたオベルジーヌは煩悶する。
上目遣いに訴えかけてくる7歳年下の婚約者が、この上もなく愛おしい。
体を折り曲げてフィーリアの唇を啄ばんだあと、息を切らせながら彼は言った。
「ポ、ポエムだって……? んっ、こんな時にポエム……お人形さん、まったく君はなんて欲張りな女王様だろうねっ……、
だがそこがいい! あ、はぁっはぁ、よし分かった。君がそれで安心するというのなら……、私は歌う」
今の彼にとって得意の作詩は無理難題だった。
理性がぶっ飛んでいるこの状況では、まともに思考が働いてくれない。
文章を練り上げるのは至難の業だったが、しかしこれも可愛い恋人のため。
亡霊領主ロドヴィック、女丈夫アデライードと同等である『知力4』の頭脳を駆使し、なんとか言葉を捻り出す。
「ね、ねぇ君 もう気付いている? う、動いちゃ駄目だフィーリア!
君とぼくの真の姿 その秘められた正体に ああ、だから締め付けないでッ……
そうぼくは シジェルよりの使者 シジェルよりの使者さ はぁん、気持ちいいっ!」
それはひどく滑稽な光景だった。
あろうことか、相手と繋がったまま詩を吟じているのである。
オベルジーヌは形の良い眉を歪め、汗だくになりながら喘いでいる。
フィーリアの中ではち切れんばかりになっているオベルジーヌは、少しでも振動を与えられると堪らない。
ひょっとして彼女はわざとやっているのか? とも考えたが、もしそうなら相当の悪女である。
舌を縺れさせて途切れ途切れになりながら、彼は努力を続ける。
「えっとなんだっけ……そ、そう、ぼくはシジェルよりの使者……し、使者なんだ
失った半身を探し出すため この地上に舞い降りた んんッ、あぁ……、
そうぼくは やっと見付けたんだ君を ぼくの片割れを ぐぅっ!
だ、だからねぇ ぼくは君に楔を打ち込む はぁ、はぁ、
気まぐれな君を繋ぎ止めておくために もう二度と手放さないために ……ああ、今二人は一つになった
これで君をシジェルへといざなえッる、 あぁあ私が昇天しちゃうッ
だから、君 怖がら、ないでッ……! もともと一つだった、ものが あるべき姿を、取り戻しただけなのだ、から……っ!!」
もうこれ以上は詩を紡げなかった。
キュッと引き攣るような痛みが陰嚢に走る。
フィーリアの滑らかな腹の上に、彼の汗がぼたぼたと落ちた。
我慢の限界に達していたオベルジーヌは、絶叫しながら再び激しい抽送を始める。
「あぁあもう駄目だ限界だァーーーーッ!! あぁっフィーリアぁ愛してるフィーリアフィーリアフィーリアぁ!!
君は、君はッ私のものだ! 好きだ君が好きだ好きぃ私の子を産んでーーっ!! ああっ……!」
「オベルジーヌぅ……っ!!」
オベルジーヌの脈動を感じながら、フィーリアはまた達してしまった。
膣が収縮し、引き絞られたオベルジーヌが彼女の中で爆ぜる。
熱く迸る大量の白濁がフィーリアを体の芯から焼いた。
ぐったりと横たわる恋人の髪を一房掬い上げ、オベルジーヌは柔らかく口付ける。
フィーリアはのろのろと彼の首にしがみつき、唇を重ねた。
とろん、とした目つきで宙を見つめる彼女は、すでに疲労困憊していた。
絶頂の余韻に浸る体は燃えるように熱く、動悸もなかなか落ち着いてくれない。
意識が朦朧としていたが、不意に耳に届いてきた不穏な話し声に一気に現実へ引き戻される。
女王の寝室の外から聞こえる、男女の言い争う声。
神経質そうな、それでいて深みのある低い声がまばらに聞こえてくる。
『――あの男を忍び込ませるとは、守衛はいったい何をしていた? 全員解雇処分ものだぞ。君も君だ、侍女殿。
……君が付いていながらどうして』
『少し落ち着きなさい、眼鏡。あなたらしくもない』
毎日、フィーリアがよく聞き慣れている二人の声だった。
常に冷徹な執政官の声音が、今は珍しく怒気を帯びている。
フィーリアとオベルジーヌはまだ日の高いうちから寝室に入り、晩餐も摂らないでずっと篭もりきっている。
正確な時間の経過は量れないがとっくに夜の帳は下りているのだろう。
いくら休日とはいえヴィンフリートは不審に思い、この件が彼の知るところとなったのだろう。
まさか何かあったのではないかと危ぶみ、二人は様子を伺いに来たというわけだ。
なにしろ相手は“あの” オベルジーヌであり、何が起きても不思議ではない。
『正式に婚約を交わしているとは言え、陛下にもしものことがあったら――』
以前から執政官には過保護のきらいがあったが、フィーリアの胸は罪悪感に痛んだ。
『お馬鹿さんね。姫様はもう、何も知らない小さな子供ではありませんのよ?
それともまさか、これからご寝所に踏み込んで安否を確認するつもりですか?』
執政官のたじろぐ気配。
声を抑えて喋ってはいるものの、なにぶん二人の声は存在感があって良く通る。
少し聞き耳を立てて集中すれば、壁越しでも会話はこちらに筒抜けだ。
『しかし、オベルジーヌ殿には前科がある』
『心配で心配で仕方ないのは私とて同じですわ。ですけれど、あの方は姫様がご自分の意思でお選びになったお相手。
姫様のご判断を信じて、もう見守ることしか出来ないでしょう? 私達には……』
エクレールの言葉にフィーリアの胸が締め付けられる。
酷い言われようだったが、これまでの経緯を鑑みれば、オベルジーヌが信用されないのは無理もない。
オベルジーヌを伴侶と選んだ時点で、周囲にかける気苦労が絶えないことは承知の上だった。
しかしそれでも、どうしてもフィーリアはオベルジーヌが欲しかった。
彼女が申し訳ない気持ちに沈んでいると、頭上から露骨な舌打ちが聞こえる。
驚いて見上げると、そこには憎々しげにドアを眇め見ているオベルジーヌの顔があった。
お楽しみの最中に水を差され気が立っている様子だ。
「おーおー煩い連中だな、まったく。いつも私達の邪魔ばかりする。特に――眼鏡の執政官殿は」
もともと相性の悪いヴィンフリートとオベルジーヌは、明らかに互いを良く思っていない。
オベルジーヌは執政官を口煩い小姑のように思い、疎んじている。
ただ単純に、若い男が恋人の側に仕えていると言うことが気に食わなくもあるのだろう。
つまらない焼きもちだ。
一方ヴィンフリートにも、恥ずかしい恋文を音読させられたかつての恨みがある。
ベルジュロネット公の異常な性癖を危惧した執政官は、女王との婚約も猛反対した。
政務にはけして私意を差し込まないヴィンフリートだったが、その時ばかりは違った。
フィーリアは『王の試練』を共に潜り抜けてきた戦友であり、家族であり、妹のような存在だからだ。
「愛し合う美しい私達を引き裂こうと言うのだな。……ああっ、なんと醜い嫉妬だろう!
この際だから、あの二人に存分に見せつけてあげようか? 私と君がどれほど愛し合っているか知らしめるために」
彼の口元に意地の悪い笑みがのぼる。
こういう男だとは前から知っていたが、フィーリアは憮然とした。
そして、すぐに毅然と言い返す。
「やめて頂戴、オベルジーヌ。ヴィンフリートやエクレールを悪く言うのは私が許さないわ。彼らは“私達”の大切な臣下なのよ」
フィーリアの真摯な眼差しにオベルジーヌは気圧される。
「むぅ……それはすまなかった」
不服そうにぶすっとしたままだが、オベルジーヌは退いた。
外の二人もしばし問答していたが、機転の利くエクレールが何とかとりなし、場を収めてくれたようだ。
主君の臥所を暴こうなどと言う無粋な真似をするつもりは、最初からヴィンフリートにもなかったのだろう。
胸を撫で下ろしたあと、寝室に備え付けてある協会製の置時計に目を移し、フィーリアは現在の時刻を確認する。
「今日は疲れたでしょう? ベルジュロネットから早馬で飛んで来てくれたんだものね。夜食を用意して貰ったら、もう休みましょうか」
気を取り直して明るく言ってから、彼女は立ち上がる。
すると、すぐにオベルジーヌから引き止められた。
「何を言っているんだい? 夜はまだまだこれからだよ。たっぷり可愛がってあげるからね」
何でもないことのようにサラリと言いのける。
彼の言葉を聞いて、せっかく熱の引いてきていたフィーリアの体に、再び熱が灯ってしまった。
「オ、オベルジーヌ……そんな、これ以上は……だめ……」
何か断るいい口実はないものかと思いを巡らせていると、オベルジーヌの起立した男根が目に入る。
ついさっき吐精したばかりだと言うのに、23歳の健康な青年だけあって、もう復活している。
その後、オベルジーヌは何度も何度も求めてきた。
紳士的だったのは最初のほうだけで、理性の歯止めを失ってしまった彼は豹変し、独りよがりで暴力的だった。
彼の好戦的な性格は夜の営みにまで現れていた。
オベルジーヌは性的に強く、その性欲は底なしだった。
少しフィーリアが慣れてくると『男女の営みとは一つの舞台だ! 私が主演男優、君は主演女優なのだよ。
さぁ、もっと私の上で踊って!!』と意味不明な主張を展開し、様々な要求をしてきた。
彼女を四つん這いにさせて後ろから貫いたり、自分が仰向けになると騎馬するように跨らせ下から突き上げたり。
姿見に向かって開脚させると、結合部を映して見せながら辱めたり。
無駄な肉の一切付いていない、洗練された体躯を誇るオベルジーヌはどんな体位も自由自在だった。
あらゆる角度から挿入し、あどけない少女を悶えさせる。
オベルジーヌの美しい肩の線の上で、黄金の巻き毛が忙しなく踊った。
「……お願いっ、もう、やめてぇ……体が壊れちゃう……っ!!」
性臭と汗の臭いの立ち込める中、泣きじゃくりながらフィーリアは懇願した。
しかしオベルジーヌは許さなかった。
「駄目だよ、まだだ! もう、離さない!!」
のノ字を描くように腰をグラインドさせてフィーリアの中を掻き回しながら、彼はもっともっと欲しがった。
フィーリアの踵を肩に引っ掛け、彼女の足の指をいやらしくしゃぶる。
(おかしいわ……彼の体力は3のはずなのに……)
オベルジーヌは正真正銘の絶倫だった。
一回一回の持久力も然ることながら、すぐに次の臨戦態勢が整う。
閨での彼はまるで暴君であり、悪名高き悪辣領主ベルジュロネット公オベルジーヌそのものだった。
相手の意思などちっともお構いなしに、嫌がるフィーリアを成人男性の腕力で捩じ伏せる。
小柄なフィーリアと長身のオベルジーヌとでは体格差があり過ぎ、組み伏せられると太刀打ち出来ない。
もう腰が砕けてしまいそうだった。
彼の背に爪を立てて引っ掻き回すくらいしか、抵抗らしい抵抗は出来なかった。
次第に全身の神経が麻痺し、フィーリアは力が入らなくなってしまう。
暴走するオベルジーヌは限度を知らなかった。
フィーリアが失禁しても、たとえ失神しても、情け容赦なく執念深く攻め続ける。
彼はそうしておきながら、情熱的な愛の言葉をフィーリアの耳元で絶え間なく吐き続けた。
体を玩具にされている憤りと屈辱感を味わいながら、しかし強い雄に惹かれるのが雌の性。
惚れた男に夢中で貪り食われ、被虐的な悦楽を感じてしまう。
恐怖と官能の入り混じる中、とっくに精根尽き果てていたフィーリアは、ただされるが儘になっていた。
体の上を吹き荒れる嵐が過ぎ去るのを、じっと待つしか出来ない。
結局一晩中、二人は獣のように交わった。
濃厚で淫靡な夜が明け、東の空が白んできた頃、やっとオベルジーヌは愛するのをやめてくれた。
「……ん」
猛烈な喉の渇きに襲われフィーリアは意識を取り戻す。
濃霧に包まれているかのように思考が働かない。
体は泥のように重く、鈍く頭痛もある。
緩慢な動作で、だるい上半身をなんとか起こした。
すると近くから人の呼吸音が聞こえ、辺りを見回すと、一糸纏わぬオベルジーヌが隣で規則正しい寝息を立てている。
精悍で安らかな寝顔だった。
こうして黙っていると絶世の美男子である。
黙ってさえいれば。
美貌を縁取る自慢の巻き毛は、昨夜の激しい情交で完全に形が崩れ、縺れて絡み合っている。
身嗜みには人一倍気を遣う彼の、普段ならば絶対に見られない姿である。
すやすやと健やかに眠るオベルジーヌが、フィーリアには憎たらしく思えた。
彼女の中に悪戯心が芽生え、端正な顔にそっと手を伸ばすと、尖った高い鼻を思いっきり摘んでやる。
「ふがっ」
眉間に皺が寄り、オベルジーヌの表情が苦悶に引き攣る。
それを見てフィーリアは噴き出した。
(昨日のお返しよ。ふふっ、オベルジーヌったら苦しそう……可愛い)
このまま摘み続ければ、彼は呼吸困難で永眠することだろう。
本格的にもがき始めたので、悪乗りはやめて解放してやる。
熟睡するオベルジーヌは、何事もなかったかのように寝返りを打った。
彼の広く逞しい背中を見つめながら、フィーリアはうっとりと溜息をつく。
(あなたって本当に面白い)
オベルジーヌは面白い男だ。
奇行が目立つが彼の一挙一動が楽しく、一緒にいて飽きないし退屈しない。
確かに狂気を内包する危険人物でもあるが、それこそがフィーリアを駆り立てる。
オベルジーヌのような複雑怪奇で気難しい男を傅かせたい。
挑み甲斐のある相手であればあるほど、フィーリアの闘争心が、征服欲が燃え立った。
経験値の差から昨日の夜伽では主導権を握られてしまったが、いつか形勢逆転してみせる。
そして何より、フィーリアとオベルジーヌは、互いの気性がよく似ていた。
どこか共鳴するところがあり馬が合う。
彼女はオベルジーヌにメロメロだった、ぞっこんだった。
痘痕も笑窪で、彼の何もかもが魅力的に見えてしまう。
(オベルジーヌ、あなたが好き。大好き。私の愛しい騎士オベルジーヌ。もうあなたしか見えない。私はあなたに一目惚れしたの。
その独創的な髪型……私の美意識を刺激する。そんな髪型してるの、あなただけ……ああ、迸るあなたの個性が素敵!
歌って踊れて喧嘩も強い。容姿端麗頭脳明晰、多才で文武両道。あなたみたいな殿方、他にいないわ。群を抜いて一際輝いている。
だいたい人柄も申し分ないわ。天上天下唯我独尊、我が道を往く。人の話は全く聞かない。いつも底抜けに明るいあなたが愛おしい。
打たれ強く、図太く、生命力に満ち溢れている。そんなあなたに私は夢中なの。そうよ、誰よりも愛してるの!
あなたの贈ってくれた、あの官能的なポエム……完全に私を悩殺した。嬉しくて嬉しくて、もう言葉も出なかったの……。
あなたは私のものよ。血の一滴から髪の毛一筋まで全部私のもの。……ああ、ああもう! 我慢出来ない。
オベルジーヌ、あなたの体中に口づけしたい。もう食べちゃいたい。頭からバリバリ食べちゃいたいの。もう絶対に離さない。
誰にも渡さないわ。――もし、もしあなたが、私の寵愛を受け入れないというのなら……あなた、死になさい。
もし私から逃げたりしたら、その時はあなたを殺すわ。あぁ、あなたと一つに溶け合って消えてしまいたい……。
あなたの全てを知りたいの。あなたのことなら何でも知りたい。だから私は、あなたの元へ密偵を放ち、動向を逐一報告させているの。
毎日の予定は勿論のこと、一日三食のメニューの内容、お手洗いの回数、誰と会っているのか一人一人まで隈なく知っているのよ。
あなたが昨日こちらへ訪れることも、実は知っていたの。……オベルジーヌ、あなたって浮気な行動が目立つわ。
正式に王婿となったあかつきには不貞は絶対に許さない。私を裏切ったら即刻去勢よ。ああっ……私の可愛いオベルジーヌ。
オベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌ
オベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌオベルジーヌ。
ふふふ……ふふ……ふふふふふ)
オベルジーヌがフィーリアに対して倒錯した愛情を抱いているのと同じように、
表にこそ出さなかったが、フィーリアも彼に対して倒錯した愛情を抱いていた。
フィーリアはオベルジーヌの瞼に軽く唇を押し当てた。
寝汗で張り付いた髪を払い、水分を摂るためにふらふらと寝台から抜け出す。
「っ!!」
体を動かすと、筋肉痛によって全身がずきずきと軋んだ。
特に歩く度に股間に走る痛みと、昨夜の名残である違和感が酷い。
痛みをやり過ごしながら何とか円卓に辿り着き、置かれた水差しから水を注ぐと一気に喉に流し込む。
冷水が火照った体に心地よく染み渡った。
一息ついて二杯目を注ごうと水差しを傾けた時、背後から唐突に男の腕が伸びてきた。
先程の悪戯が過ぎて起こしてしまったのだろうか。
それは、つい先刻まで安穏と惰眠を貪っていたオベルジーヌの腕だった。
「フィーリア」
眠たげな掠れた声がフィーリアの名を呼ぶ。
後ろからすっぽりと抱きすくめられ、彼の心臓の鼓動を背に直に感じた。
「なぁに? あなたもお水飲む?」
オベルジーヌの胸に体重を預けながら、おっとりと尋ねる。
その質問には答えず、オベルジーヌは彼女の頭に顎を乗せると呟いた。
「愛している、君を愛しているよ」
また彼は、何度も何度も譫言のように繰り返す。
余りにもしつこく反復するので、フィーリアは照れ隠しに口を尖らせた。
「もう、何度も言わなくったって聞こえてるわ。寝ぼけてるの?」
「ねぇ、君からも言葉が欲しい」
急に彼の語調が変わった。
「私らしくないって、君はきっと思うだろう。でもね、不安なんだ。……君は私を愛しているだろう?
さぁ言ってごらん、オベルジーヌあなたを愛している、と」
彼の腕に力が込もり肋骨が軋むほど強く抱擁され、フィーリアは息が詰まった。
「当たり前よ。私の夫はあなた以外には考えられないんだもの」
彼の腕に優しく手を重ねながら気持ちを告げると、肩に安堵の吐息がかかる。
「ああ……私は愛されている。そう、私達は愛し合っているんだ。世界は愛に満ちている!
分かるね? お人形さん。私達の愛は永遠、永遠なんだよ……」
オベルジーヌの体温に安心してまどろんでいたのか、気付くとフィーリアは彼の胸の中で寝息を立てていた。
無防備な愛らしい寝顔である。
「――おやすみ、フィーリア」
幸せそうに微笑んだあと、オベルジーヌは彼女をひょいと抱き上げた。
お姫様抱っこで寝台まで運ぶと、フィーリアに腕枕をしてやりながら、彼自身もゆるゆると眠りにつく――。
「姫様、おはようございます。ご朝食をお持ち致しました」
エクレールが二人分の朝食を銀盆に乗せ、運んできた。
出来立ての朝食の香ばしい匂いが、空腹のフィーリアの胃袋を刺激する。
「おはよう、エクレール」
鏡台に向かって身嗜みを整えていたフィーリアは、侍女に元気よく挨拶を返した。
昨夜の出来事があるので何となく気まずく、まともに彼女の顔を見られない。
「オベルジーヌは隣で眠っているわ。疲れているみたいだから、まだ起こさないであげてね。
ああ、そうだわ。後で腕のよい理髪師を呼んで欲しいの。彼の髪を――――どうしたのエクレール……?」
フィーリアは、様子のおかしいエクレールに心配そうに声をかけた。
彼女はきつく唇を噛み締め、俯きながら何かを堪えるように黙り込んでいる。
「ひめさまっ!!」
そして勢いよく顔を上げると、彼女はフィーリアに抱きついた。
「姫様……よくぞご無事で……! 嫌なことを強要されたり、何か酷いことをされませんでしたか?
姫様がオベルジーヌ様に殺されるんじゃないかって、もう気が気でなくて……もし、もし……姫様に何かあったら、私は……っ」
感情が高ぶったあまり、そこで言葉を止めてしまう。
エクレールの大きな瞳は充血し赤く腫れていた。
その上、目の下には睡眠不足のクマも出来ている。
フィーリアの身を案じるあまり、昨日は一睡もしていないのだろう。
「……心配かけてごめんなさい。私なら平気よ」
半分は嘘だったが、フィーリアは侍女を安心させるように優しく抱き締めて言った。
エクレールが無償の愛情をもってフィーリアを抱き締め返した時。
「私がフィーリアを殺す? ……人聞きの悪い。物騒な発言はやめてくれたまえよ」
寝室へ続くドアから、オベルジーヌの不機嫌そうな声が飛んできた。
二人がぎょっとしてそちらを見ると、欠伸するオベルジーヌが気だるげに髪を掻き上げながら、こちらへやって来る。
「ふあぁ、おはようフィーリア。……それと邪悪なエクレール」
彼のいでたちにエクレールは目が点になった。
そして次の瞬間、思いっきり甲高い叫び声を上げる。
「オ、オベルジーヌ様――――!? 服! 服を着なさい服をーーーーッ!!」
「ん? ああ、そういえば……」
凄まじい剣幕で指摘されて、彼はのんびりと自らの格好を確認する。
全裸のうえ、男性の生理現象として朝勃ちしている。
「まぁ、オベルジーヌ。そんな格好では風邪をひいてしまうわ」
フィーリアは暢気に言った。
真っ赤になってわななきながら、エクレールは慌ててフィーリアに目隠しをする。
「姫様、ご覧になってはいけません、お目が穢れます! オベルジーヌ様! 女王陛下の御前ですよ、
慎みなさい!! 汚いものを見せるんじゃありませんっ!」
エクレールの抗議にオベルジーヌは憤慨し、詰め寄った。
「き、汚い? 私の裸が汚いだって? この美しい肉体のどこが!? 鑑賞料を支払って欲しいくらいだ!!」
迫り来る変態からフィーリアを守るように自分の後ろへ隠し、エクレールは果敢にオベルジーヌと対峙した。
「この変態ッ!! 変態ですわ変態ーー!! これ以上私の姫様に近寄るな!」
「“私の姫様”ぁ? 君のじゃない私のだ! フィーリアは私のものだ!!」
激しく言い合う二人をフィーリアが仲裁しようとした時、突如、闖入者があった。
血相を変えたヴィンフリートが飛び込んで来たのだ。
「侍女殿、何があった!? 突然悲鳴が聞こえたが!?」
彼もまた目の下にクマを作り、ひどくやつれた表情をしている。
濃い疲労の色を見るに、昨夜は恐らくエクレールと同じ思いで過ごしていたのだろう。
興奮のあまり眼鏡がズレている。
「報告します、執政官! 姫様の御座所にて変質者が現れました!!」
「……なるほど、こう言うことか。誰ぞ! 誰ぞ出合え! 公然猥褻容疑の現行犯でベルジュロネット領主オベルジーヌを逮捕する!!」
フルチンのオベルジーヌは、素早く駆け付けたヴィンフリートの部下たちに取り囲まれてしまった。
「なんだってーーーー逮捕!? 離せー! 離せー! 全裸だったら何が悪い! 変態だったら何が悪い!」
取り押さえられ、何やら口走りながら暴れるオベルジーヌ。
「何も悪くない。あなたは素晴らしいわ最高よ! たとえ変態だったとしても、それは変態という名の貴紳だわ!」
女王の一声に、一瞬にして水を打ったように場が静まり返り、 さすがの執政官と侍女も言葉を失う。
「……たとえ牢に繋がれようとも、フィーリア、君から夜毎拷問を受けるというのなら……それも悪くはない」
「私が毎晩あなたを拷問するですって? ふふっ、あなたって人は……なんて素敵な提案かしら」
フィーリアは可憐にはにかんだ。
「君なら分かってくれると信じていた。フィーリア……」
「オベルジーヌ……」
常人には理解出来ない二人だけの世界が展開し、一同はポカンと口を開け呆然と立ち尽くしている。
事態の成り行きを把握しかねたものの、ヴィンフリートは小さく咳払いをしたあと命令を与えた。
「連れて行け。……いや、その前に何か着て頂こうか」
すると今まさに引っ立てられようとしているオベルジーヌが、場違いなほど堂々と言い放った。
「そんなことより、まず何よりも先に髪を巻かせて貰えないかな。髪も巻かずに人前に出るなど、これ以上の恥辱はない。騎士の名折れだ」
……ヴィンフリートは強い頭痛を覚え、思わず卒倒しそうになったが、後ろから侍女が素早く支えてくれた。
「……本当に困ったお方ですわね」
花の色彩の洪水の中を、アハハ! ウフフ! と追いかけっこに興じる一組の男女。
「オベルジーヌ、私を捕まえてごらんなさい! ホォーッホホホホホホ」
「こらこら待ちたまえ、私のお人形さん! ハッハッハ、ハッハッハッハッハ」
人目も憚らずじゃれ合う二人を遠巻きに眺め、庭園のテーブルで手際よくお茶の準備をするエクレール。
「お二人とも、焼きたてのお菓子とお茶のご用意が出来ましたわよ。こちらへどうぞ」
キャッキャとはしゃぐ二人に呼びかけると、待ってましたとばかりに、フィーリアとオベルジーヌがテーブルに戻ってくる。
椅子に腰掛けたオベルジーヌは、膝の上に小柄なフィーリアをちょこんと座らせた。
「はい。あーんして、フィーリア」
フォークで切り崩したケーキの欠片を口へ運んでやると、彼女はそれをぱくりと食べた。
「んっ! 凄く美味しいわエクレール」
「あら、お褒めに預かり光栄ですわ。……それにしても、見ているこちらが恥ずかしくなるほど、仲がよろしいですわね。
まぁ、姫様がお幸せそうなら私はそれで満足ですけれど」
ティーカップにお代わりのコクァール茶を注いでやりながら、エクレールは一人ごちる。
オベルジーヌは『口にクリームが付いているよ』などと言い、ぺろりとフィーリアの頬を舐めた。
「よし。今日は天気もいいことだし、一曲歌おうか!」
フィーリアとイチャついていたオベルジーヌは立ち上がり、突然提案する。
「そうね、歌いましょう」
二人は一つ深呼吸をすると、息をぴったりと合わせて流暢に歌い出した。
「るーるるー♪ 私たちは愛し合っている〜♪ 我が妻よ〜君は私が守る〜〜♪♪」
「そうよ二人は〜愛し合っているわ〜♪ らーらーらー♪」
その歌声は腹によく響き、無駄に美声で上手かった。
「ふふ、また始まりましたわね」
目の前で繰り広げられる愛のミュージカルを、エクレールはいつものように楽しんだ。
オベルジーヌの伸びやかなバリトンと、フィーリアの透明感のあるソプラノが重なり、絶妙な調和を生み出す。
「「そんな二人が〜♪ 最強の夫婦となって〜ターブルロンドを統治する〜♪♪」」
「大変お上手ですわ、お二人とも」
王国の将来に一抹の不安を覚えつつ、エクレールは拍手を送った。
気をよくしたフィーリアは、花のかんばせをキラキラと輝かせながら侍女を誘う。
「エクレール、あなたも一緒に歌いましょう!」
「えぇっ? 私もですか?」
少し楽しそうだったので『もう。仕方ないですわね』などと言いながら、エクレールはミュージカルに参加することにした。
――イシュメール城の庭園に、三人の爽やかな合唱が響き渡る。
「オベルジーヌ! 今あなた音程外したでしょ」
「え? いや、私は外していないよ! 誤解だ、この私が外すわけがない」
「外しましたわよね、姫様」
「ねー!」
「うぐぅ……汚名を着せられた……」
フィーリアと一緒になってオベルジーヌを苛めながら、エクレールは二人を祝福していた。
仲睦まじい二人を眺めているのは思ったよりも悪くない、と。
終わり。
最後まで読んでくれて有り難う。
GJ!!&投下乙!
ロールは拉致監禁のイメージが強いけどラブラブHもいいね!
てかロール頑張りすぎwww微笑ましかったw
ご馳走様でした〜
最後wさわやかwwwwwこの電波カップル好きだwww
末永くお幸せに!w
変態の口調たまらなかったGJ!
全裸で何が悪い!!wwwww
GJ!!GJ!!なぜか子安じゃなく高橋広樹で再生されたw
なるほど殿下もストーカーか…www
執政官と侍女の保護者っぷりにも萌えたよ
変態の名の貴紳wwwwwwwwwww
最高だww
だがそこがいい!wwwwwwwwwww
うん、笑って萌えるエロだった!
リアルタイムで途中まで見てたんだけど、時間開いたのはさるさん喰らってたのかな?とにかく乙です
キャラが立ってて良かったよ。GJでした。
全裸www
ポエムwww
エロと笑いの二つでニヤニヤした。GJ!!!
GGGGGJ!
最高だw
投下が増えてきて嬉しい
GJ!!乙でした!楽しかったよw
そんな髪型してるの、あなただけ には笑ったww
もっと乙女ゲのエロパロを読みたい
自分で書いてみるのもいいもんですよ
イケメン学園の続きマダー?
催促すんな
切ない声に一瞬怯んだ。
動きを止めた途端、体制を美咲に押し返されて勢いのままキスされる。
「美咲?」
「我慢してたの、全然気づかなくってごめんね」
……引かれるならまだしも謝られるとは思わなかった。
「……いーよ。お前鈍感なの、知ってたし」
喋りながら、またキスされる。
考えてみれば美咲からキスしてもらったのって初めてだな。
「引かないのか? さっきの」
「そう思うならなんで言うの?」
「や、勢いっつーか…」
「引かないよ、嬉しいもん。亮のそーゆー隠し事できないところも、可愛くて好き」
「あのな、俺は可愛くねぇっつってんだろいつも」
好きはいいとして、可愛いとか全然褒め言葉になんねぇ。
「可愛いじゃないだろ?」
声のトーンを落として耳元で囁くと、面白いぐらい真っ赤になる。
「今日はカッコイイって言わせてやる」
さっきまでの甘ったるい雰囲気が一瞬で戻ってきた。
「電気…」
ぼんやりと言われて、急いで消した。ぱっと暗くなると余計に変な気持ちになる。
美咲の背中に手を回してブラのホックを取るともう一度押し倒す。
服をたくし上げて、今度は直接触った。
「やわらけ…」
「いっ、いちいち言わないでいいから、そーゆーこと」
「照れてんのか? …可愛い」
恥ずかしがる美咲の耳にそっとキスして、わざと音が鳴るように舐めると驚くほど大人しくなった。
「ん…、くすぐったい…」
耳なのか胸なのか、いや、多分どっちもか。
舌を動かす度に、手を動かす度に美咲の甘い吐息が漏れる。
「ここ」
クリ、と硬くなってるところを抓むと、息を呑んだ。
「ぁ……っ」
「……敏感だな?」
「だ、って……んっ」
くる、と円を描くようにこねると、また声が漏れた。顔を見ると恥ずかしさで瞳が潤んでる。
それがまた余計にそそる。
ツン、と勃ったそれに吸い寄せられるように口元を近づけて、そっと舐めた。
「ひゃぁ…」
「なんだその色気のない悲鳴…」
「大きなお世話…、…ぁん、もうそこばっかり……ん…っ、ダメ…」
「イイ、の間違いだろ」
そんな顔して。そう付け足すと、美咲はうるうるの瞳でぐっと睨んだ――つもりだろうな、多分。
でも全然迫力がなくって、結局余計に可愛いなぁ、と気分が和んでしまった。
「ここばっかりじゃダメってことは、他も触ってほしいってことだよな、美咲」
「〜〜! ………もぉ、亮キライっ」
「冗談でも傷つくぞ、それは」
最後にくちゅくちゅと音が出るように舐めて唇を離すと、唾液が糸を引いた。
それを見てまた更に顔を真っ赤にして視線を逸らす。
美咲のこんな顔が見れるのは俺だけ、なんだよな…。
それでも強い独占欲が全部満たされるわけじゃない。そっと白い肌に唇を寄せて、強く吸った。
「っ……。りょう?」
「キスマーク」
首を傾げる美咲ににやりと笑って答えてやった。
痕をつけるだけで「こいつは俺のモノ」って証拠ができた気分になる。
首筋から鎖骨、胸、お腹、と転々と痕をつけて、唇が移動していった。
そうしながらボタンに手を掛けて、美咲のショートパンツを足から抜き取る。
とうとう唇が太股に触れて、甘噛みしながら唇で肌の感触を楽しんだ。
反射的に力が入ったのを感じてそっと撫でる。
呆気なく開いた太股の内側に唇をつけ強く吸い上げ、次は――
「美咲、濡れてる」
「だから、言わなくていいって……」
呆れたように、でももう諦めたのか、それ以上は言わなかった。
下着の上から見るだけでも濡れてるのはよく分かる。指で触れると余計に。
「あ……」
一直線に撫でると、美咲の体が震えた。
「なぁ」
ゆるゆると撫でたまま、声を掛ける。
「ん……っ?」
「美咲、初めてだよな」
「うん……はぁ……ん…」
頷くのを見て息をつくと、下着を下げて直接触れた。
ぷっくらと硬くなったそこに手を伸ばす。
中指で何度か擦るように刺激を与えると、さっきよりも吐息が激しくなる。
「ここ、気持ちいいのか?」
「ぅん……あぁっ……っ」
「そっか」
きゅっと抓むともっと声が甘くなった。あんまり声が大きいと気づかれるかもしれない。
咄嗟にキスをして唇を塞ぐと、美咲の方から控えめに舌を絡ませてきた。
「は……、…ん、ちゅ」
「ふ…ぅん……、っあぁ…」
お互いの吐息が交じる。
正直、もうこれだけでイキそうなのをぐっと堪えて、突起を弄っていた指を美咲の中に
ゆっくり差し込んだ。
しっとりと濡れていたそこはすんなりと指を受け入れて、熱いぐらい感じてる。
「痛くないか?」
唇を一瞬離して問いかけると、こくんと力なく頷いて熱い吐息を洩らす。
緩い動きで指を動かし始めると、濡れたそこがぴちゃぴちゃとやらしい音を立てる。
「やぁ……も…、りょぉ……」
「もうちょい我慢して…」
俺も初めてだからよく分かんねぇけど、女の子はゆっくりしないと痛いとか聞いた気がする。
「指、もっと奥まで入れていいか…?」
「う…、っん…あぁっ、…ん」
手探りで奥まで入れて、しばらく中をゆっくり刺激した。
甘い声が耳に掠める度に、俺の限界も急速に近づいてきてる。
……入れたい。
太股までしっとりと濡れてるのを見て、ごくりと喉を鳴らした。
口元をそこまで寄せて、指で刺激したままさっき刺激した突起を舐める。
指の音と、舐める音と、美咲の吐息と俺の吐息。
部屋の中にはその音しか存在してなくて、耳に強く響く。
「りょぉ……もぉ…っ、わ、……たし…はあ…ぁ…っ」
「美咲、俺も…」
もう無理、と告げて身体を起こすと、勃ちっぱなしだったのを擦りつけた。
先っぽが濡れたそこをぬるりと滑る。
「…くっ……ハァ…」
今まで感じたことのない刺激に、たったそれだけなのにすごく気持ちいい。
擦り合う度にくちゅくちゅとやらしい音が鳴って、お互いの息が荒くなった。
「美咲、力抜いて」
足を広げてそっと撫であげて、腰をそこに押し当てる。するとふにゃりと力が抜けた。
ゆっくりと腰を沈めながら、気を紛らわせるように唇を合わせた。
「……っ」
「はぁ…っ、……っつ…」
「キツ……っ」
きゅぅ、っと絞られて、一瞬で達しそうなのを必死で抑えた。
「力……、抜け…美咲……っ、ん…」
「んん……、くぅ…っ」
痛いのかもしれない。
和らげるように胸に唇を寄せて吸い上げると、少しだけ力が抜けた。
慎重に腰を進めると、感覚がそこ一点だけになったみたいに気持ちよさしか分からなくなった。
さっき一人でしてたのもあって、限界は思ったよりもすぐそこまで来てる。
息を吐きながら美咲の顔を盗み見た。
「……痛いか?」
「うぅん…、っ、だいじょうぶ……」
(無理してる)
衝動的に揺れる腰を必死にセーブして、とりあえず一回息を深く吐いた。
でも……
(あーもぉ気持ち良すぎ…)
まだ奥まで達してないのに、それでも十分すぎるぐらいの刺激だ。
全然我慢が利かなかった。
「美咲、ちょっと我慢して」
そっと耳元で囁くと小さく頷いた。
痛いのを我慢してる顔がまた可愛い。
美咲の表情を見つめながらゆるゆると腰を動かすと、その度にくちゅ、と擦れる音が
部屋に響いた。
「はぁ……美咲…、っまだ痛い……?」
「そんな…こ、と……あ、んん…っ」
繰り返し浅く息を吐いて、美咲は小さく首を振った。
ほっとして、少し早さを増して腰を揺らす。
「りょぉ…、あ、いやぁ……ん、なんか……ヘン…ッ」
「名前」
もっと呼んで、とせがんで美咲の口元に耳を寄せると、小さい声でうわ言みたいに
名前を呼ばれる。聞いたこともない甘い声で、何度も何度も。
「亮、亮、りょうっ…、あ、あっ、ん…も、……ダメ…ぇ」
「…っ、はぁ…っ、……ヤベ…」
散々我慢してたせいもあるかもしれない。もうイキそうだった。
自制は利かない。欲望のまま、腰を打ち付けていると――
コンコン
とノックの音が響いた。
「!?」
熱に浮かれていた頭が一気に現実に戻って、二人して扉をばっと振り返った。
辛うじて繋がれたままのそこは、動きがピタリと止まっている。
『亮、起きてるのー?』
「な、夏男……」
ふと美咲を見ると不安そうな顔を浮かべていた。
そりゃそうだ、見つかったら……ヤバイとかそういうレベルじゃねぇ!
縋るような視線に冷や汗を浮かべながら、引き攣った笑みを作った。
「心配すんな、お前が入って来た時鍵閉めといたから」
ドアの向こう側にある夏男の気配はまだあるから、安心はできないけど。
『おかしいわね、ロック聴いてないってことは寝てるのかしら』
察して早く去れ、と祈るような気持ちで美咲の顔を見ると、
同じように不安そうな顔でじっと時が過ぎるのを待っていた。
なんというか…さっきまで名前を呼んでくれた時の美咲が普通に戻っちまったみたいで
少し寂しくなって、つい…
「!? ちょ、ちょっと亮……んっ」
声を噛み殺して美咲が訴えてきた。
俺が腰をゆっくりと動かし始めたからだ。ドアの向こうでは夏男がまだぶつくさ言ってるけど…
「亮ダメ、まだ梅さん……、あぁ…もぉっ」
「声、抑えろって……」
「〜〜〜っ!」
トン、と突くと、顔を真っ赤にしながら瞳を潤ませてじっと見つめられる。
そんな顔しても……ダメだ、やめられない。今日一日、我慢しすぎて限界も限界。
夏男ごときに邪魔されて堪るか。
『もう、ったく早くお風呂入ってもらわないと光熱費が』
「ぁっ、…ん、んっ…ッ」
「美咲……、すげ、いい……」
「もぉ……、ダメぇ…はぁ…」
必死に声を抑える姿が可愛くて、余計に攻めたくなる。
遠慮せず腰を振っていると、キスを強請るように美咲の腕が首の後ろに回った。
抑えていた声は全てキスで埋もれて、小さくて熱い吐息だけになる。
いつの間にかドアの向こうからは夏男の気配がすっかり消えていた。
唇を離した美咲は怒ったように俺を見つめて、パシ、と腕を叩く。
「亮のバカ!」
「もうこれ以上我慢できるかよ……、それより、っ」
熱く息を吐いて、美咲の白い足を持ち上げた。
繋がりがもっと深くなって、余計に気持ちいい。
「あ…っ、あっ、ぁっ……ッ!」
「も…、イ……!」
熱い美咲の中で擦れる度に気持ちよくて、何度も何度も突く。
いつの間にか痛みも消え去ったらしい痛みも顔を真っ赤にして甘い声を出し続けていた。
きゅぅきゅぅと引き絞られる感覚に、頭がくらくらする。
もうダメだ、と思ったと同時に、ぬるりと美咲の中から突き立てていたそれを抜いた。
「……りょぉ…?」
「っぶね」
残っていたひとかけらの理性で中でイキそうなのを我慢して、
熱く固くなったそれを美咲の腹に擦りつけた。
「ハァ……っ」
やっと出せた…妙な解放感にぐったりとしながら、美咲にキスを落とす。
乱れた息もそのまま、ティッシュを取り出して拭き取っているとそっと手を取られた。
熱さを失って落ち着いた俺のそこに手を伸ばされ、一瞬ぎょっとする。
「美咲?」
「……亮、見つかったらどうするの?」
そう言って綺麗に拭ってくれる。そんなことされたらまた元気になるだろバカ…とは、
口に出しては言えない。
「お、怒ってるのか?」
段々頭には冷静さが戻ってきてる。むっと眉を潜める美咲に少し焦った。
「少し…」
「でもお前、夏男が居る時気持ち良さそうだっ――」
「亮!」
真っ赤になって遮られた。……あながち間違ってもないからだな、多分。
バレるかも、と思ったら「いけない事をしてる」って感覚が余計強くなって余計に感じたのは、
美咲というよりは俺の方かもしれないけど。
「見つかったらもう、こういうこと…とか、できないかもしれないでしょ?」
「へ…」
「部屋に入ること自体規則でダメってなってるのに」
亮と一瞬でも長く居たいんだよ、って言われるともうダメだ。
「お前…なんつー可愛いことを……」
「か、からかわないでよ」
「からかってねぇよ」
どんだけ破壊力を持ってるのかよく分かってないらしい美咲の腰をそっと撫でた。
ぴく、と体が震える。ちょっと感じてるんだったら嬉しい。
「……美咲、初めてだったんだよな」
中途半端に着崩れた美咲の身体を引き寄せて、温めるように抱き締めた。
一瞬強張った美咲の体が、次の瞬間には俺に委ねるように傾く。
「身体、大丈夫か?」
「うん……。亮は? 亮は、…したことあるの?」
いや、したことあったらもっと余裕あるだろ普通…と憎まれ口では返せなくて、
俺もつい視線を逸らす。したことないって、自慢できることじゃねぇし…
「美咲が初めてだよ」
「ほんと?」
「こんな嘘つくかバカ」
くしゃ、と髪を撫でると、くすくすと笑い声が聞こえた。あーもうくすぐったい!
「亮、我慢とかしないでいいんだからね」
「え」
顔を真っ赤にして俯けて、ぎゅっと抱き締められた。
「オイ、あんまくっつかれると――」
「えっ?」
若さってすげぇな…、と自分のを見て思った。さっき出したばっかなのにもう硬くなり始めてる。
「…あー、もう、気にしなくていいから。明日も学校だし寝ようぜ。
美咲、部屋に戻るか?」
「…………」
俺の話を聞いてる様子がない。
大きくなりつつあるそれをじっと見た美咲は、顔を真っ赤にしてぎこちなく手で触ってきた。
「な、なにしてんだお前」
「亮、また我慢しちゃうかなって思って」
たどたどしく擦られるだけですっかり元気を取り戻した。
手の動き自体が、とかじゃなくて、多分美咲が俺のを触ってるって事実に反応してる。
「まだできないけど…手でいい?」
「…はぁ……っ」
頷きながら熱い息を吐き出した。やべ、気持ちよくなり始めてる。
止まらない快感に、まだまだ夜は長そうだな、とふと思った。
***
「ぐー」
「…オイ、コラ寝てんじゃねーよ!」
ガッ、と机を蹴られてハッとした。
結局昨夜は一睡もできなかったんだよな…
いやさすがに一晩中してたわけじゃないけど。
気持ちが落ち着かなくて美咲が部屋に戻ってからも全然眠れなかった。
けど、疲れは溜まってるわけで…。
登校して退屈な授業を聞いてる内にすっかり寝てたみたいだ。
「ふぁ……」
「てめー俺の授業で寝るとは、喧嘩売ってんのか!
罰として課題プリント10枚の刑だ、明日までにやってこい!!」
「げっ! 横暴だぞこの不良教師!」
「うるせぇ、5枚追加するか、あ?」
「……ちっ、わーったよバカ由紀!」
結局その捨て台詞が仇となって2枚追加された。
帰りのHRで本当にプリントを渡され、がっくりと肩を落とす。
12枚って…つか高校総復習ってぐらいの範囲だし。なんなんだこれ。
「亮、昨日寝れなかったせいだよね…」
申し訳なさそうに言う美咲はちょっと責任を感じてるみたいだった。
もちろん美咲が申し訳なく思う理由はないわけだけど。
「美咲、手伝え!」
にっと笑って言うと、えぇ? と戸惑う声が返ってきた。
「でも私化学苦手だよ?」
「それでもいいぜ。夜部屋に来いよな」
まんまとプリントを口実にして誘うと、美咲も顔を真っ赤にしてこくんと頷いた。
結局その夜、プリント12枚は全然手につかなくて、
翌日さらに10枚追加されたことは言うまでもない…はぁ。
【終わり】
遅くなって&長くなってスマソ
本編やってたら亮があまりに純情で
なかなか続きが書けなかった誤算がありましたorz
多分元ネタ知らない人の方が多いと思うけど、読んでくれてありがとう!
GJ!
美味しく頂きました。
お疲れさま!
GJ〜
乙でした!
GJ! 乙でした!
元ネタ知ってるので嬉しかったよ
是非またよろしく
412 :
名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 19:14:26 ID:926h/Y6t
保守
リトルアンカー・雪乃×藍澄を投下します。
最終ラインは越えてない両思い以前の艦長と副艦長。
けっこうシリアス。8レスあります。
『恋ではなく、まして愛でもなく』
苦手と感じる方は、さくっとタイトルでスルーよろしく。
きっかけは教師として雪乃が藍澄に課した最初の小テストだった。
新造戦艦エリュシオンの新米お飾り艦長の天城藍澄を放っておけない
副艦長の白浪雪乃は、戦闘でめちゃくちゃな指示を出していた艦長を憂えて
藍澄の私室に乗り込んで来ると、保護者役から教育係に変貌していた。
「では、こちらの問題を」
「できたら誉めてくださいね」
「いいですよ。何でもしましょう」
雪乃は約束を違えない。
自分から口にしたのなら尚更、絶対に。
「艦長、やればできるじゃないですか」
「え? ということは……」
などと言いつつ、実際、藍澄には結構自信があった。
雪乃の教え方は上手かったし、彼の話すことは、一言も聞き漏らすまい
としていたから。
「全問正解です。まさか、ここまでできるとは思いませんでしたが……」
「い、いえ、……これも雪乃さんが丁寧に教えてくれたおかげですよ」
「あなたが頑張ったからですよ。私も教えた甲斐がありました」
本当に誉めてくれた。なら、もうひとつの約束も。
「とはいえ……これからも気を抜かずに勉強を続けるようにお願いします」
「はい!」
嬉しくて気合いが入る返事に、雪乃も微笑み返す。
彼は、こんな笑顔もできるのだ。もっと知りたい。
「雪乃さん、何でもしてくれるんですよね?」
「ああ……そうでしたね。何がお望みですか」
とんでもないご褒美のおねだりに驚き眉をひそめ躊躇はしても、
最後の最後で、雪乃は、やはり自らの言葉を撤回しなかった。
「ゆき……のさ……あ、やぁ……っ」
「いやじゃないでしょう。では、やめますか」
「や! ん、もっ……と…………」
「欲張りですね。あなたは」
自分がそうしたくせに、と言いたいけれど言えない。
彼は何も知らなかった藍澄に快感を与え支配している。
「そう……素直が一番ですよ。ここが、いいんでしたね。ほら」
男のくせに形の良い指が、自分では上手く触れられない箇所をまさぐりあばく。
撫でられるたびに熱くぬかるんでいく身体を持てあまして、あえぎが漏れる。
「ふっ……う……あぁっ……」
「艦長、いえ、藍澄……さん」
こんな時ばかり甘く響いて名を呼ぶ声に震えてしまう。
普段から他人にも自分にも厳しい彼は、自分の魅力を認識しているだろうか。
さっきまで勉強していた明るい部屋。
それが雪乃の私室でも、藍澄の私室でも、照明は落とさない。
その上、雪乃は、ほとんど衣服を乱すこともなかった。
乱れるのはいつだって藍澄だ。艦長としての軍服だったり、年相応の私服や
部屋着のジャージだったりしたが、どんなものでも大して変わりない。
今日はマリンブルーのキャミソールとスパッツに、ボーダー柄でワンピース
風のパーカーをはおっていたけれど、別におしゃれしたわけではなく部屋着だ。
雪乃のお気に召すような格好かどうかも、わからない。
彼のことだから、脱いでしまうなら関係ないとか思っていそうだ。
裾をめくられ、最後には下着も取り去って明かりの下へさらけ出された上で
あちこちすべてを、なでさすりいじられた。
繰り返される行為の果てに、自分のどこをさわられると気持ちよくなるのか、
藍澄はまたたく間に覚えてしまった。
それでも、決定的に交わったことはない。
雪乃が与え続けるじれったい快感だけが、いつも藍澄を翻弄した。
「雪乃さ……ゆきのさん、もう……!」
「困った艦長ですね」
雪乃は背中から藍澄を抱くようにして自分のベッドの端に腰掛けていた。
水色の細かいストライプのカッターシャツの第一ボタンだけが外されていたが、
他に乱れたところはどこにもない。
なのに、彼にもたれかかるようにしてベッドに上げられた藍澄の方は、衣服を
ほとんど床に落として、ボタンを全部外した状態の前あきのキャミソールだけが、
かろうじて腕に通されている状態だった。
雪乃の左手は藍澄の胸をこねていて、右手は足の付け根を彷徨っていた。
「なんて感じやすいんです……あなたは。ブリッジでも、こうなんですか」
「そんなこと、ありませ……んっ! だって雪乃さんが……あぁ」
一方的に与えられる快感に耐え切れず、藍澄は躯をよじり振り返って彼を見る。
「じゃあ私……しますから、こっち向いてください……」
「今日の課題はノーミスでした。無理しなくても、ちゃんといかせてあげますよ」
「ちがっ……ひとりじゃヤ、です……一緒に……私がしたい、から……っ」
うつ伏せになり雪乃の膝に横から乗り上げるようにして、藍澄がするりと前を
なでると、彼のグレーのスラックスの中で、かすかにきざしている気配があった。
だから、もう勝手に始めてしまう。
「させて……ください……ね……ぇ、……っ」
快感に震える指先でボタンをはずしてファスナーを降ろす。
そうして探りあてたものを両手でなで支えるように口元へ持っていき、
ちゅっと軽く吸い付いた。
途端にゆがむ眉とずり下がる眼鏡の奥の困惑を見つけ、嬉しさを隠せない。
「まったく、はしたない……」
雪乃はつぶやきながら、ついさっきまで藍澄の乳首をさいなみ啼かせていた手で、
彼を口にふくんでいる彼女の、頬と耳、汗ではりついた長い髪をゆっくりとなでる。
そんな風に優しくされると、藍澄はうっかり勘違いしそうになる。
でも、これは違うのだ。わかっている。
雪乃は自分で決めたルールを破らない。
彼が最初に告げた掟だ。
「艦内恋愛禁止」である、と。
藍澄と雪乃の行為に恋心は関係ない。
それが証拠に、戦闘や課題、テストなどと無関係に、電気を消して、
お互い裸になって抱き合ったことは一度もない。好意を口にしてもいない。
そもそも藍澄は、かろうじてまだ処女だ。
「ご褒美に痛いことは必要ないでしょう」
亡き英雄を父に持つ箱入り娘だった藍澄に、性交の経験がないことを、
雪乃は当然のように指摘していた。
破瓜の痛みを知らないのは事実だから、うなずくしかない。
それで最初に雪乃の出した宿題で大間違いを犯した時に、今度は藍澄が
雪乃を気持ちよくする番だと訴えた。
「生徒にご褒美だけじゃ変、です。……罰も必要じゃないですか?」
理にかなった提案なら、雪乃は承諾する。
恋も男女交際もろくに知らないまま戦艦の艦長として閉じこめられるなら、
そこで犠牲になる体験を、代わりに求めてしまうのは仕方がない。
これは代償行為に基づくマスターベーションの一種だ。
雪乃はこんな時も生真面目で、男性の生理的快感を解放する方法を
照れもなく藍澄に教え、実践させた。
宇宙に出てから、その回数は減るどころか、むしろ増えている。
「私にするのが、そんなに気持ちいいんですか」
今さらなことを聞く雪乃に、まともに返事をする気になれず、藍澄は
うなずく代わりに、固く立ち上がってきた雪乃のものを深くくわえて、
いっそう念入りに舌をまとわりつかせた。
唇から淫猥に響く音に、どちらも煽られ興奮している。
熱をもった部分が、面白いように広がっていく。
「さっきおさらいした……ステルス……みたい、で……かたくて……っ」
「上手い例えとは言いかねますが……いいでしょう。なら、あなたも……
もっと、そう……よくしてあげますから」
雪乃は下げていた両足をベッドの上にあげると、己をくわえさせたまま、
藍澄の腰を引き寄せ身体の向きを逆転させた。
横たわる雪乃に覆い被さる藍澄の体躯の中心は彼に丸見えになる姿勢だ。
羞恥に赤く染まる藍澄の肌を、雪乃は容赦なく撫でまわし、雫に濡れた
足の付け根の花弁に息を吹きかけたかと思うと、音をたてて吸い付いた。
「あぁっ……だ……めぇ……っ! まだっ……ん……ふっ」
「こんなに濡らして……好きなくせに」
「やぁ!」
「一緒がいいなら……続けて……っ」
互いの中心を互いの唇で浸食し合う行為は、ほとんど一線を越えている。
雪乃以外の誰かと、こんなことができるとも思えない。
それでも、やはり色恋ではあり得なかった。
雪乃の唇が藍澄の敏感な芽をついばんで、舌はぐにぐにと内側に入り込み、
中をかきまわすようにうごめいている。両腕はがっちりと腰と尻に回されて
藍澄が足を閉じたり、逃げようとするのを許さない。
熱く吸われる刺激に気が狂いそうになって、目の前でそこだけを露出させ、
はりつめている彼自身を両手でなでさすりあげながら、藍澄の中でくねって
いる雪乃の舌の動きと合わせるように、吸い付きねぶることを繰り返す。
体液が混じり合ういやらしさに頭がしびれて、何も考えられない。
これを自分の中に入れてしまったら──と思ったことはある。
本当に躯をつないでセックスしてしまったら、何かが変わるだろうか。
しかし、彼は頑なにそれを避けている。
初な藍澄がし向けようとしたところで、雪乃より早くいかされるのが落ちだ。
彼はきっと、年下のふがいない艦長に、あらゆることを指導しているだけで、
藍澄ごときに自分のすべてをさらけ出すつもりなど、ないのだ。
これは恋愛ではない。
二人は、自分で見ることができない恥ずかしいところにまで舌をはわせても、
ついぞその唇同士を合わせたことがない。
雪乃は藍澄の胸のつぼみを口に含み、あま噛みし、背中も腹も、手足の指先
からたどって最後にたどりつく女の中心に口づけることはするのに、ただの
挨拶のキスひとつしなかった。
そのくせ、メインクルーの仲間内でも軟派なタイプである操舵士のアルヴァや
整備士のヴィオレが藍澄に仕掛けるからかいまじりの誘いには、いい顔をしない。
どうせ藍澄が最終的に頼れるのは、雪乃しかいないのに。
雪乃の不機嫌さを感じると、藍澄は自分の私室に教師の雪乃の訪れを待つより
先に、不明箇所を残した未完の宿題を持って、生徒として彼の私室を訪ねたりする。
雪乃の艦長教育は決して公的な艦長室ではなされず、二人の私室のどちらかで
密やかに行われていたが、それを疑問に思うクルーはいないようだ。
プライベートな空間で、普段使えない二人だけの共通言語である
日本語での会話は、それだけで親密さを色濃くしそうなものなのに、
雪乃はあくまでも優秀で厳しくも面倒見の良い副艦長の態度を崩さず、
藍澄は未熟な見習い艦長でしかなかった。
しかし、勉強時間の後にやってくる、ご褒美と罰の時間は別だ。
雪乃が許す限られた性感を覚えつつある藍澄が、彼自身を解放する刹那。
その時だけは確かに、エリュシオン艦内で藍澄ひとりが知る雪乃だ。
「ゆきの……さん……ゆき……の……あぁふっ……んっ」
しゃぶりつきながら無心に呼ぶ名前は、たぶん彼の耳には届いていない。
彼の舌と指は、さっきから執拗に藍澄の花弁をぬるぬるとなぶっている。
何かが決定的に足りないことを補ってあまりある動作は、藍澄の反応に
先回りで対処している。丁寧になめられ続けると、すぐに震え出す。
できれば重くゆれる胸もさわってほしかったが、彼の肌触りの良いシャツに
すりつけているだけでも気持ちいい。
隠れた花芽を彼の頭に押しつけるように腰が動くのを止められない。
快感が背筋を走り、焼き切れそうだ。
そして藍澄の口には、今にも破裂しそうに熱く固くたぎる彼自身がある。
「い……っ、いいですよ……っ……いって……っ!」
せっぱ詰まったような雪乃の声が唇を濡らす粘液の音と相まってたまらない。
「あ、ああぁ…………ゆ……あぁっん、ふぁ……あああぁっ」
「もう……あ……あす……みさ……っく……う!」
どくりとはき出された男の白い体液が、藍澄の口内から飲み切れずあふれ出る。
感じ過ぎた藍澄の身体が跳ね上がる拍子に唇から解放された彼のものは、
さらに彼女の頭部や胸に飛沫の跡を残した。
意識を飛ばしてわななく藍澄の身体を、ゆっくりと雪乃の手がなでていく。
そこに、これ以上の快感を煽るものはなく、ただ、よくやりました、と
癒しなだめる穏やかさがあった。
激しい息づかいが、次第におさまり、快感に朦朧としていた意識も現実に
引き戻されていく。
裸の藍澄を置いて雪乃はとうに、何ひとつ乱れのない、いつもの彼に戻っていた。
横たわる藍澄の傍らに腰掛けて、べたついた頬をぬぐうようになでた。
「ああ……汚してしまいましたね」
「ごめんなさい……ベッド……」
「シーツやカバーは代えれば済みます。それより、あなたはそんなひどい格好で
私の部屋から出て行くなんて、許しませんよ。誰かに見られたらどうするんです」
「……シャワー……貸してください」
「心配しなくても洗ってあげます」
手洗いにこだわるきれい好きの過保護な雪乃が、放っておくわけがない。
そうして、また彼の手に感じてしまうだろうか。
本当はそれを望んでしていることなのに。
もういっそ赦してほしい。恋愛でなくていいから。
──この不毛な思いを、どうか赦して。
背中をまるめ、顔を隠すようにうつ伏せる藍澄を、雪乃は自分のベッドから
抱き上げて、すでに湯を張ったバスルームへと運んでいった。
<終>
GJ!
雪乃が最萌えだからめちゃめちゃ嬉しい
美味しく頂きました!
GJでした!
同じく雪乃最萌えなんで床ローリングさせていただきました。
ありがとうございます!
二人の距離感がいいね。GJ。
注意書きの最終ラインは越えていない〜で残念に思いながら読み始めたけれど
良いエロでしたGJ!
雪乃好きだし投下うれしかった
GJ
最後の一線越えないギリギリのエロってすげー好物だよ。
美味しく頂きましたGJ!
雪乃の声が聞こえたwそれ位違和感なかった
GJでした
めちゃくちゃ豊作
このスレ長寿だな
保守
緋色の欠片はあまり需要ないのかな?
>>432 そんな事無いと思うよ?
落としてくれるのに礼は出ても
まさかここの姐さん達は
一般スレのように「ヨネ厨云々…」とは言わないだろ
気にせずにどんどん投下してくれると嬉しい
遠慮しないで書いて欲しいな。
期待
wktk
まさかここで、風色という言葉を聞くとは思わなかった
>>439同様、wktkして待ってるのでガンガッテ!
慈円は見苦しいぞw
携帯アプリゲはマイナー過ぎ?
EDから無性に
製作意欲かき立てられてるんだ…orz
ちなみにラブマジ。
IDw
18禁乙女ゲもここでいいんだっけ?
「銀の冠 碧の涙」書いてみたんだけど。
>>444 さぁ早く投下する作業に戻るんだ
>>442もマイナーとか気にせず書いてほしい
それがきっかけでゲーム自体にも興味出るかもしれないし ソースは私
>>444 ローカルルール見ればわかる。板違い。
一般向け作品(漫画/アニメ/ゲーム/小説/ドラマ等)のエロ妄想・萌え談義、
およびオリジナル・パロディを問わないエロ小説創作等を行う板です。
以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等
>>444 過去に「月ノ光 太陽ノ影」や「Under The Moon」
の投下があったし保管庫に収録されてるから
18禁乙女ゲも問題ないと思う
保管庫にUTMと仁義あったよ
スレチではないんじゃ?
単独スレじゃなきゃいいのか。ごめん!スレチじゃないんだね。
昔、王宮だったかの単独スレが板違いで合流もめたりした記憶あったから勘違い。
>>444 投下どぞ!
451 :
442:2009/06/24(水) 01:37:43 ID:mGTlWdOu
>>446 日付変わったけど
アプリゲーも投下されてたね。
布教させるつもりで頑張ってみるよ、d
444です。 おKみたいなので投下します。
「銀の冠 碧の涙」の年下の同僚、和泉 亮と主人公の綾のED後の話です。
まだ発売後1ヶ月たってないのでネタばれは無いようにしたつもりです。
おかげで捏造タップリです。
主人公が働いているアロマパークホテルはゲームの中の記述には、どれくらいの規模なのか全然書かれていないのですが
ブライダルできるくらいの規模ってことで捏造してます。
***
亮×綾 『6月の花嫁』
誰ですか。ジューン・ブライドなんて日本で流行らせたヤツは。
6月に結婚した花嫁は幸せになれる―――。
そんな6月の花嫁(ジューン・ブライド)にあやかって日本でも近年、6月に結婚するカップルは多い。
おかげでアロマパークホテルは6月に入ってからは猛烈に忙しい。 大安吉日ともなると殺人的なスケジュールで
何組ものカップルの挙式をこなさなくてはならない。
不手際があったら洒落にならないイベントなだけに、アロマパークホテルでフロントをしている綾は何か見落としはない
かと胃をきりきりさせている。
それに気分がブルーなのは、忙しいという理由だけではない。
私が薬指に付けていた指輪を外して、このホテルのバイトをしている亮くん――和泉 亮が恋人になってまだ半年も経っていない。
教会の前で並んで神に誓っているカップルを見ていると、自分にもあんな時期はあったのに……と、ちょっと複雑な気分になる。
別れた直後は結婚はもうコリゴリ、と思っていたのに。 幸せそうに微笑む花嫁が羨ましい。
もし。 もし、あの純白のドレスを着る日が、またくるとしても。 亮くんはまだ大学生だから、当分無理だと思うし。
それに……。私より若い彼がいつまで私の側に居てくれるのかもわからない。
彼はいつも愛してるって言ってくれるけど、なかなか素直にその愛を信じることができなくて。
今みたいに仕事が忙しくてなかなか会えないと、そのまま距離が離れて終わってしまいそうな気がする。
目の前で式してる幸せそうなカップルが羨ましくて。
いつもは心から祝福するウェディングのお客様だけど、ごめんなさい。 いまはちょっとそんな気になれなかった。
☆★☆
鏡の前に自分の理想が具現化した形で立っていた。
純白のウェディングドレス。 マリアヴェールをまとい、白と青のカラーでまとめた花束を持った、清楚な花嫁。
「あ、綾さん!それっ!!」
花嫁の控え室で着付けをしてもらって、出番を待っている私のところに亮くんがやってきて驚いた声を上げた。
彼は今からバイトだ。
「ああ、亮くん。 今日のブライダル・フェアでね。 教会での模擬挙式に出る花嫁のモデルさんが電車の車両故障に
巻き込まれて急遽来られなくなっちゃって。 朝から急病とかと違って、あまりにも急すぎて代役のモデルさんも間に
合わないのよ。 で、しょうがないから私が出ることになったから」
「……なんで、綾さんが」
「しょうがないのよ。 ドレスが身長の高いモデルさんにあわせたサイズで、うちのホテルのほかの女の子達には
着られなかったの」
「だったらドレス替えればいいじゃないですか」
「あのドレスは有名なデザイナーさんの物で、アクセサリーの宝石と併せて、今日の模擬挙式の目玉なの。
もう宣伝しちゃってるから変更できないし。 私ならなんとか底が高いクツを履けばなんとか着られたし。 だから私が
出ることになったんだけど……どっかおかしい? 似合ってない?」
「……似あってますよ。 すっげー、むかつくくらい。 似合ってる」
「??? もしかして怒ってるの?」
彼はすぐに気分が顔に出るから解かりやすい。
「べつに。 怒ってませんよ」
「え?……どうして? このドレス、凄いでしょ? さすがよね。デザイナーさんのイチオシなんですって。 パールとか
本物で凄く重いよー」
亮くんの目の前でクルリと回ってみせる。
「……ファッションショーじゃなくて、模擬挙式の方に出るんですよね」
「うん」
「もう、何で綾さん、そういうの受けるかな…」
「え?」
「……別になんでもないです。 俺、もう行きます。 これからドアマンだから。 そのドレス、本当に似あってます。 じゃあ」
「え、ええ。いってらっしゃい。 がんばってね」
「はい」
最後は笑って出て行ったけど、やはり怒ってる、気がする。
……どうして? 褒めてくれると思ってたのに。
ぼんやり考えていると、スタッフの女の子がドアをノックして入ってきた。
「綾さん、もうすぐ出番です! 衣装やメイク大丈夫ですか? クツ高くて歩きづらいから私に捕まってください」
「あ、はい。 ありがとう」
私は釈然としないまま、手をとって貰って会場に向かった。
普通に挙式をするだけならそれほど時間はかからないが、模擬挙式はそのつど来場者に説明をしながら行うので結構
時間がかかる。最近では花嫁の希望にしたがって、和式からはじまって各国の結婚式も行えたりするのだが、やはり
主流は洋式ウェディング。 未来の花嫁候補たちは目を輝かせてどの挙式の様子を眺めている。
それが終わると綾の周りには幾人もの女性客が取り囲み、ドレスの説明や着心地を説明したり、写真を撮ったりしている。
(ふー、本当に重いなこのドレス。 足も痛いし)
営業スマイルを顔に貼り付けて、カメラのフラッシュに耐える。
なんとか一通りのイベントをこなして、やっと模擬挙式が終わる。
「おつかれさまー」
「おつかれさまー」
皆に挨拶をし、またスタッフの子に手をとって貰って控え室に戻る。
もう足も身体も限界で、とにかく早くこの窮屈で重いドレスを脱ぎたいそれだけだった。
「ありがとう。 じゃあ、私、これから着替えるから手伝ってくれる?」
「いいですよ」
二人で控え室に入ろうとすると、亮くんが廊下を歩いてくるのが見えた。
そして私に手を貸してくれていたスタッフに声をかける。
「すみません、今日の参加者の方がドレスのレンタルの日時について聞きたいことがあると言われているのですが、
いま披露宴の打ち合わせのテーブルでお待ちくださっています」
「そうですか。 それじゃ長くはお待たせできないですね。 ……綾さん、ドレス一人で脱げますか?」
「うん、大丈夫だと思う。 ダメなら誰かにに手伝って貰いますから。 お客様の応対お願いします」
「そうですか。 もし、ダメそうだったら内線で呼んでくださいね」
慌てて彼女が足早に去っていくのを見た後、控え室に入ろうとすると、その後を亮くんがついて入ってきた。
「亮くん?」
「綾さん……」
後ろからいきなり抱きしめられて驚いて振り返る。
「亮くん?どうしたの? 仕事は?」
「今、休憩中」
「そう」
「挙式してきた?」
なんだか泣きそうな声に聞こえる。
「ええ、終わったわ。 どうしたの? なんだかヘンよ」
「綾さんは俺以外の男と結婚式するの、全然平気なんだね」
トクンと心臓が跳ねる。
「……それは……仕事だし」
「綾さんが、また別の男と式、挙げるの。 ……俺、指咥えてみてるだけだった」
「亮くん……ごめん」
亮くんに言われた言葉が胸に突き刺さる。
彼が純粋であれば在るほど、自分がいかにスレた大人であるかを思い知らされる。
ごめんね。 もう一度ウェディングドレスを着て、式をして、夫婦生活を体験して、その後、修羅場の末、別れる。
そんなとこまで経験した自分にはお芝居でまたウェディングドレスを着るなんてこと、全然なんとも思っていなかった。
ただの仕事だから、と。
「これは仕事なんだし、俺、こんな事言うの、ほんと、どうしよもないガキだって、自分でも解かってるけど。
でも、綾さんが前の旦那と結婚したって聞いたとき、足元から地面が割れて闇にひきずりこまれるみたいだった。
……もうあんな思いするの絶対にごめんだ」
身体を抱きしめる腕に力がこもる。 まるで逃がさないとでもいうようにキリキリと身体を締め付ける。
「亮くん……」
「すみません。俺……。 こんなこと言って。 バカみたいですよね」
そう亮くんは自嘲気味に話すが腕は解かれないままだ。
彼の言っていることは確かに子供っぽい独占欲だ。
でもこんなにもハッキリと嫉妬されてうれしいと思う自分がいる。
「亮くん。 腕放して」
「え……」
亮くんが慌てて腕を放し、怒られた子犬のように頼りない瞳を向ける。
「……それからドアの鍵、閉めてきて」
「は?」
何を言われたか解かっていないようでポカンとしている。
「人が来たら困るから。 時間ないし、早く」
「え……それって……」
「フェアでドレスを着たモデルさんたちは別の控え室が用意されてて……だから……その……。 今はこの部屋、私が使っていい事
になってるの。 ……この部屋の中なら、何してもいいから。 この後の時間、亮くんの好きにして、いいよ」
もの凄く恥ずかしい。 でも亮くんが喜んでくれるのなら、この恥ずかしさも耐えられる……はずだったんだけど。
「えっ」
亮くんは目を見開いたまま、動かない。
(……なんで固まってるの? ……ひょっとして引いた!? 急にこんな変なこといいだしたから、もしかして引いちゃった!?)
自分の顔がみるみる赤くなっていく様が、鏡をみなくても解かる。
(やだ、もうこんなことしなきゃよかった)
「…………好きに……して、って?」
地球外生物でも見たかのように、頭のてっぺんからつま先まで、何度も視線を這わせられて、どんどんいたたまれなくなる。
「やだ、なんかもう恥ずかしい……亮くん、あんまりジロジロ見ないでよ」
きびすを返して視線から逃れようとすると、後ろからさっきよりもっと強い力で抱きしめられた。
「ちょ、ちょっと亮くん、放して。 腕痛い…」
慌ててもがいてみたが腕の力が強すぎて、全然振りほどけない。
と、耳元で囁かれる。
「……当ですか?」
「え?」
小さすぎてよく聞こえなくて思わず聞き返す。
「本当に?本当に、好きにしていい? 遠慮も…我慢もしなくていい…んですか?」
亮くんは私より背が高いから、私に両腕を回した状態で、少し屈んで、耳元で囁く。
さっきまで拗ねたり怒ったりしていた声とは違う。
子宮に響く、低くて甘い声。
いつも私の方が職場の先輩で、年上で、話していても、立場が上である事が当たり前だと思ってるけど、こうされると自分が彼よりも
ずっと小さくて弱い生き物である事を自覚させられる。 それが、こんなにも胸をドキドキさせる。
「…………うん」
「本当に? いいの? 知らねーよ? 泣いて『許して』って言っても、今日は我慢してあげられないけど、いい?」
したたるような欲望を隠そうともしない、亮くんがその声にドキッとする。
”泣いて『許して』って”って、ナニ?
自分の中で生命的な危険信号がチカチカ点灯するのを感じる。
ぞくりと、鳥肌が立つ。 OKを出したのは自分だ。 もう今更撤回なんて無理だろう。 けど―――。
彼が足早にドアの鍵をかけて戻ってくる。 自分が頼んだのに、閉じ込められた気分になる。
「その、あ、あんまり無茶されると明日の仕事が……あっ!」
いきなり首スジを噛まれた。
戒めてた両腕が緩んだかと思うと、直ぐにその手が私の両胸を揉みしだく。
「そんなこと今更言ったって駄目だから。 もう俺、止まんねーし。 俺の事煽ったの綾さんだから」
後ろから熱く硬いものがお尻に押し付けられて、焦る。
「……ちょっとまってっ! やっぱり……キスだけじゃだめ? 今日は家に早く帰るから。 そうしたらゆっくり、いくらでも
つきあうから……ね?ね?」
「もう言質とったから。 今更そんなつもりなかったなんて言わせない」
圧し掛かられてドレスの重みで足元がふらふらしてよろけると、そのまま壁際に押しやられ、冷たい壁にむき出しの肩や
背中が押し付けられる。
今、このときまで、酷い話だが、私は彼の事を、いつも素直に言うことをきく、よく躾られた子犬みたいとか思ってたフシがある。
でも全然違う。間違ってる。
大きな黒い獣だ。 まるで狼が私の上にのしかかって、頭から食われるような感覚。
ハアハアと荒い息を吐いて、顔中をキスされる。 両腕は抵抗できないよう壁に縫いとめられたまま動けないようにされて。
「綾さん……綾さん……綾さん……」
夢中で胸元にむしゃぶりついてくる。
「ね、待って、ド、ドレスが。 ウェディングドレス。 汚したら困るから! ちょっと待って! 脱ぐから。 直ぐだから。
本当に直ぐに脱ぐから!!」
もう火がついてしまった彼を止めることはできない、と判断したのでせめてドレスだけでも脱ぎたいと懇願する。
「駄目。 これ着たまんまでしたい」
「ちょ、ちょっとーっ!やめてっ!!」
「ウェディングドレスってそそるよな。 なんかすごいエロい。 結婚式場から花嫁拉致って、無理やり犯してる気分。
俺、前から思ってたけど、このスカートの中どうなってんの?」
「ひっ!」
ペラリとドレスの裾をまくられる。
やっと両手が開放されたかと思ったら、彼の両手は私の身体をあちこち撫で回していた。
「もう、ちょっと、落ち着いて。 ね、あ、まだ、クツ脱いでないし。 レースとかスパンコールとか繊細だから。 お願いだから破らないで〜」
「うわっ。なんだこのボタンの数。 どうしてこんなに背中にボタンがあるんだよ。 花婿をイライラで狂わせるためか?
やっぱムリだ。 俺もう待てないから、このままする」
「やだー、だめだめぇーー!」
私の悲鳴なんて無視して、彼は私の膝を舐めながら、厚底のクツを取って後ろの床になげ、足を広げられて、その付け根を凝視される。
「やっ」
慌てて両手で覆い隠そうとするが、すぐにまた両手首をつかまれてしまう。
「綾さん、ドレスの裾、持ってて」
「え?」
「このドレス、汚したくないでしょう? だったらこのままスカートの部分、持っててください。 じゃないと俺、ぶっかけちゃうよ」
「えっ! だめ……お願い……」
しかたなくスカートの裾を両手で持つハメになる。 これで手が塞がって、私はまったく亮くんに抵抗できなくなってしまう。
「下着もかわいーね。 真っ白でフリフリで。 これ、自前?」
「下着はレンタルできないから、ウェディング用の、業者から買ったの」
「へー。 うわ、やらしー。 これ横がちょうちょ結びになってる。 これも汚す前にさっさと脱いどこ?」
ガーターとストッキングを残したままでショーツだけを脱がせていく。
ピンッっと紐を引っ張ると、ちょう結びが解けて恥ずかしい部分を覆ってる小さな布がぱらりと落ちる。
ドレスを着たまま、ヴェールも、二の腕まであるシルクのウェディンググローブも、純白のストッキングもガーターもそのままに、下着だけがない、
という背徳的な姿にさせられてしまう。
先ほどまでショーツで覆われていたそこは、まだ濡れてはいないまでも、視線にさらされてヒクリと勝手にうごめいてしまう。
「純白のドレスの中は、こんな風になってたのか」
両手の親指と人差し指で、クパッっと割れ目を押し広げる。
「……すげ、ピンク色」
「やだ、見ちゃヤ」
職場の、こんなに明るい部屋でなんかしたことがない。 そんなところで、ありえない部分をしげしげと観察されて恥ずかしい。
亮が自分の指をペロリと舐めて湿らせてから、ツツッと裂け目を撫ぜる。
「はぅっ!」
浅いところをゆるゆると出し入れされて、すぐに其処は、はしたない液でぬめりだす。
何とか亮くんの手を妨げようと、ついドレスを離して手を伸ばそうとする。
「綾さん。 手、放したらだめですよ。 ドレス、汚れてもいいんですか?」
慌ててまた両手をドレスに戻す。
「…は………んっ……今日の、亮くん……いじわる…い…よ……うぅっ!それになんだ、か怖い……やんっ……」
「怖いですか? ……そうですよね。 でも、綾さん、いい機会だから、少しは俺が怖いヤツだってこと、学習してください」
「…ん………ふ……っそんなの……知って…る……から。 ちゃんと、解かってる……から……」
「まだまだ全然ですよ。 いつもいつも。 客にも、誰に対しても無防備なんだから。 俺、見ててどれだけ嫉妬してると
思ってるんですか。 今日だって、どれだけ理性を総動員させて、笑って式に行く綾さんを見送ったと思ってるんですか。
本当はドレスのまま掻っ攫ってつれて帰るか、新郎役のヤツぶん殴って俺が代わりに式にでようかと思ってましたよ」
「バカ……もう……あんっ……はぅ……」
「でもちゃんと我慢したでしょう? 褒めてくださいね」
そう言いながら、先ほどまでドレスとパニエの向こうに見え隠れしていた亮の頭がドレスの中に潜り込む。
「んぅっ……」
無理やり片足を持ち上げ、足を開かせ、淫らに硬くしこったその部分に熱い息がかかる。
「や、……しないで……それ…いや……」
懇願は無視され、ぬめる舌が卑猥な音をさせてそれを舐め溶かし、溢れる泉に激しく吸い付かれ、腰がそれに応えるように
勝手に激しく跳ね上がる。
啜っても啜っても溢れる恥ずかしい液が滴るその泉の中に彼の指がぐっと中にねじこまれた。
「んくっ……やっ…!」
深く突き抜けるような快感が背筋を駆け抜ける。
「やっ…すぐイッちゃうぅから。だめっ……」
その時だ。 外から部屋のドアをノックする音がした。
『綾さん? 大丈夫? ドレス脱げましたか?』
先ほどのスタッフが商談を終えて戻ってきたようだ。
どうしよう、どうしようとオロオロしていると、亮はにやりと笑って立ち上がり、私が快感に震える手で持っていたドレスの裾を
下げ、キレイに直した。 そして耳元に唇を寄せ、小声で囁く。
「どうします? 俺も貴方も服脱いでないし、このまま部屋に入ってもらいましょうか?」
「そんなっ! 亮くんがここに居る事をどうやって説明するのよ」
「貴方が気分が悪くなって介抱してたとか、なんとでも言いますよ」
確かにこのままごまかせなくもない。 ただ私の顔が不自然に赤いことくらいで変に思われることもないかも。 でも―――。
私はドアに向かって叫んでいた。
「大丈夫です。 さっきほかの人に手伝ってもらってちゃんと脱げましたから。 いま下着姿なので、ドア開けられないの」
『そうですか。 わかりました。 また後で声かけて下さい。 ドレス片付けにきますから』
「ありがとう」
ドアの前から人の気配が消える。
「いいの?……本当に最後までしちゃうけど?」
「………………ドレスだけはぜぇったいに、汚さないで」
今日、初めて私から彼に抱きつく。 初めてしたときのような性急なキス。
荒い息の中、舌と舌を絡められて飲みきれない唾液が頬を伝うと、それを追うように彼が舐め取る。
チューブトップなドレスで、大胆に胸元が露出しているデザインなので、肩の紐もないから引き下げるとすぐに胸が露になった。
そのまま浅いカップのブラも下げられて、胸を揉みしだかれる。
浅ましく先が尖って快感を待ち焦がれる胸を突き出すと、両手でじかに掴まれて、口に含まれ、軽く噛まれる。
「あ……あぁ……は……」
気持ちよくてたまらない。
「きれいだ……。 すげぇエロい花嫁さんだ。 綾さんのこんな姿、見られるの、俺だけですよね? もう誰にもほかのヤツに見せたり
しないですよね? ん……はぁ……俺だけの……俺だけのものだ……俺だけの……ちゅ……」
半端にドレスを脱がされ、体中にキスをされる。
全身が火であぶられているかのように熱い。 汗でまとわり付くドレスがもどかしくて、脱いでしまいたいのに、背中の部分にボタンが
あるせいで自分では脱げないのが忌々しい。
亮がついに自分の制服のジッパーを下げ自身を取り出す。 私も早く繋がりたくて、またスカートとパニエをたくし上げる。
「はやく」
私にせかされて亮くんが少し笑ったように見えた。
「いきますよ」
焼けた鋼のように熱いものがそこにあてがわれたと思うと、ぐっっと斜めに腰を推し進めてきた。
「はぁうっ! あぁあああーーーーっ!」
背中が弓のようにしなる。
「う……くっ……痛かったら……言ってください」
そう前置きして、亮が性急に腰を動かし始める。 ずぶずぶと奥まで犯されて、中からあふれ出した透明な液が太ももにまで伝っていく。
何度も何度も蹂躙され、華奢な身体が揺さぶられる。 繋がっている部分が、ひどく熱い。
「ぁあんっ!やぁ、あぁんっ…!」
綾が快感に声が抑えられなくなってくると、亮がキスで唇を塞ぐ。
「う……ンぅ……んん」
「は、……ぅっ……綾さん」
「ん……な…に?……」
「…はっ…この先、ほかの誰かと、……何回結婚しても。 …俺、何度でも……略奪するから」
「え?」
「逃がさないからっ」
吐露された強すぎる愛情に、嬉しさと、恐怖で背筋がゾクゾクする。
そして止めとばかりに、ぐりと最奥まで突き入れられた。 もともと亮の舌技で、イク寸前まで高められた身体だ。 ひとたまりもない。
「も、イクッ! イっちゃ……ぅんっ…やっ…見ないで、見ちゃダメーー」
自分の行く寸前の顔を獣の目をした亮に観察される。
慌てて顔を覆うが、彼の手が再度両腕を戒める。
「だめ。 見せて。 綾さんが俺のでかわいくイっちゃうところ」
一番恥ずかしい顔を見られてイヤなのに、もうイクのを自分の意思ではとめられなかった。
「あ、あ…やぁああああんっ!!」
私がイクのとほぼ同時に収縮する筒の締め付けに耐え切れず、亮もまた精を吐き出した。
どくどくと中を熱い液で満たしながら、亮がつぶやく。
「貴方の身も心も。 つま先から髪の毛の一本一本まで、全部俺のものだ。 もう誰にも渡さない」
☆★☆
亮くんが手間のかかるボタンを一個一個外してくれてようやく楽に息が吸えるようになった。 ホテルの制服に着替える。
ウェディングドレスはマネキンに着せなおしたけど。
「あーあ。 ぐちゃぐちゃのシワだらけ……」
確かに亮くんは汚さなかった。 だが……。見た目が……。これ、絶対に何してたかバレそう。
いや、それどころか、本当に返却できるのだろうか。
「大丈夫ですよ。 もし返品できなかったら、買っちゃいましょ。 これ。 今日の記念に」
「ばかっ! もう〜。着たまましなきゃこんな困ったことにはならなかったのに。 これ買える値段かな。 多分白無垢の和装よりは
安いと思うけど……デザイナーの一点もの……うう」
真っ青になりながら分割できるかな、なんて考えていたら。
「これ着て、いつか本当に俺と一緒に神の前で誓ってくれますか。 まだまだ先になると思うけど。 絶対に幸せにしますから」
真剣に聞いてきた。 これってもしかしなくてもプロポーズ?
「…………。 OKしたら今夜は、もうちょっと控えめにしてくれる?」
「ええー。 今日は寝かさないつもりだったのに」
「ふーん。そういう事言うんだー。 ふーん、どうしよっかなー」
「あ、ずるいよ。綾さん。 もう、綾さんが悪いんですよ。 かわいいことばっか言うから。 あ〜、やばい。 またしたくなってきた」
また抱きつかれそうになって慌てて飛びのく。
「休憩終わったでしょ。 さっさと仕事に戻りなさい!」
「ちぇ……」
「結婚式は6月以外でってことならいいよ?」
「えっ……それって、…OKってこと?………綾さんっ!!」
結局また抱きしめられた。
貴方となら、6月に結婚しなくても、幸せになれるわよね?
終わりです。
お粗末さまでした。
長文スマソ。 最後まで読んでくださった皆様、感謝いたします。
すみません、bQの一番最初の行が抜けてました。
「ところが私が思っていたよりもずっと早く、またウェディングドレスを着るはめになった。」
これがないといきなりウェディングドレス着てるの?ってことになるお。 コピペ失敗です。すみません。
>>464 GJ!黒い亮イイヨイイヨー
でも初めにタイトルとかでNG指定して欲しかったな
>>453-462 GJ
テンポが良くてさくさく読んでしまった
「銀の冠 碧の涙」面白そう
買おうかな
GJです。雰囲気がいいね、萌えた。
gj
是非またお願いします
乙&GJ
GOODJOB!
少々おたずねします。
ここはエロなしのSSは投下可能なんでしょうか。
直接行為が無くても、色っぽい雰囲気の作品なら構わないと思う。
そうですか……
元ネタが18禁なので、創作板なんかへの投下もためらってしまって。
色っぽい雰囲気が出る予定はないのですが、もしも路線を変更することになったらお世話になりに来ます。
ありがとうございます。
ご親切に誘導ありがとうございます。
各スレの雰囲気を見て、投下しやすそうなところにお世話になろうと思います。
スレ汚し失礼しました。
お疲れ様
保守
風色を最近クリアしたので
わっふるわっふるしながら正座して待つ
亮×綾面白かった〜
声が聞こえてきそうなくらい、すごく自然w
ゲーム自体には不満多いけど、こう見ると二人の関係とかは好きだなあ
GJでした ありがとう
自分も何か書いてみたいな
他のスレ見てるとエロ無しSS投下している所多いから、ここも何でも投下おkにしないか?
勿論グロ系はちょっと困るけど……
自分は書き手側だけど、自サイト持ってないから、エロ無しもおkにしてくれるとありがたい。
エロなし、とはじめにしっかり明記すれば、嫌な人はスルーってことではだめですかね。
そもそもここは投下自体それほどないわけだし、閑散としすぎるよりは内容が何でも投下が
あったほうがいいと思うのだが。
てかここが非エロ不可なんて明記されてない気がするのだが
何でも投下おk、といっても
もちろんBLはNGだよね?
乙女ゲーの男女カプでエロ無しのSSなら
投下可能にしてもいいと思う
801板がある割にはこの板はBL不可ではないという
書き込みを見たけれど、どうなんだろ?
自分は注意書きさえきちんとしてくれれば何でも良いのではないか
と思っているけれど
恋愛が主体なら非エロも読みたいし投下して欲しい。
投下前に一言添えておけばエロ無しも構わないのでは
ただ、801ものは……該当板か
>>474のスレに投下したほうが波風が立たないよ
エロなしおkには賛成するけど
BLはご遠慮願いたい
意外と人いるんだね
個人的に、18禁乙女ならエロなしでもおk
一般なら艶っぽい内容(押し倒しとかねちっこいキスとか)が欲しい
乙女ゲー総合スレにわざわざBL投下しないだろwと思ったけど
BL好きなら乙女ゲーの攻略対象同士くっつけたりするのかな
乙女専門の自分には分からんw
801板に棚とかいう投下用のスレがあるって雑談かどっかで聞いたことあるから
BLはそっちでやってるんじゃない?
エロパロだし、個人的には微でもいいからエロい雰囲気かフェチい描写が欲しいが
基本過疎だしエロなしばかりにならないなら多少は可でもいいんじゃないかな
自分も801関連はさすがに嗜好が違いすぎるのでアレだと思うけど
非エロについては注意書きさえしっかりあれば全然おk
ただでさえ過疎だしね
まあどうせなら13〜15禁くらいの内容ならなおよしってことでw
超健全創作を、自サイトがないからと投下すんのはやめてほしい。
わざわざ言わなくても職人は分かってるでしょ
BLはなしなら百合は?
ヒロイン×女キャラとか逆とか
う〜ん……
ローカルルールでは、百合を禁止にしないためにBLも禁止しないことになったんだよ
そう考えれば…分かるだろ?
乙女ゲーだからBLは無しで。乙女ゲーキャラのBL・百合……も無しで。
荒らされ易くなるから頻繁にageないでね。
>>1にもあるようにsage進行推奨のスレだし。
心配しなくても、
このスレにBLや百合を投下しようとする人はほぼ居ないと思う…
BLは数字板のが数字好きにも読んで貰えるし数字板棚スレのがいいと思うが
百合は百合板にたててもおちるだけだし
最初に注意書きさえしてくれれば別にこのスレでもいいな
ネオロマスレに前に百合含む3Pとかあったけどああいうのは百合スレでやるわけにもいかないだろうし
……そうなると、確かに百合は発表の場が無いよね。
(いるのか分からないけど)乙女ゲで百合を書きたい職人の為に
発表の場として提供してもいいんじゃないかな。
元ネタが乙女ゲーなら、エロなしだろうがBLだろうが百合だるうが構わん
萌えられればそれでいい
苦手なのがきたらスルー
いやいやBLだけはないわ
他にBL許可してるスレなんかないぞ。百合はスレによるが
当たり前だが801板でやってくれ
わざわざココに801を投下する人、まずいないから大丈夫
たしか801板にも乙女ゲスレはあったはず
落とすとしたらそっちに落とすんじゃない?
個人的に百合は全然おk
今までの流れを見る感じだと
エロ無しと百合は可、BLは不可ってことで良いのかな?
>エロ無しと百合は可、BLは不可
いいと思う
と言うか、そろそろ収拾つけないとレスの消費が勿体ない気もするし…
次スレからテンプレに追加して欲しい
百合は百合板に行って下さい
百合は可っていうかあくまで主人公を始めとする女キャラ主体
っていう捉え方でいいんじゃないの?
BLだと男キャラだけになるから当てはまらない
>>499 そうなの?
だったら百合も他の板でやってほしい
纏まらないね。
主人公が絡んでれば百合もありかと思うけど
少なくとも注意書きは必須だな
あまりに百合ばっかで埋まるならどうかと思うけど
そもそもここに百合ネタ投下したい人いるのか?
基本的に百合ネタ出来る程
主人公と接点がある女キャラが出る乙女ゲーは
少ないからねえ。
敢えて挙げるとネオロマくらいしか…
議論が収束しないままだと職人は投下し辛いと思うな
そろそろ終わりにしない?
有意義なやり取りとは到底思えないしね
とりあえず、エロなしSSは投稿可で確定でいいよね?
圧倒的に賛成意見が多いようだから
この議論自体、あまり意味のあるものではない
無駄にレスを食うだけで
他の姐さん達も言ってるけど、
ここに同性愛ネタを投下しようとする人間は、「確実に居ない」から
安心していい
同性愛もの(BL・百合)はまとめて禁止でいい。
BLはもちろんのこと百合にも
拒否反応を示す住人が一定数いることは分かった。
荒れを引き起こす原因となるものは出来るだけ潰しておきたい。
あ、もう302KBなんだ
投下が一、二ヶ月に1回あるかないかの超過疎スレなのに
議論だけは盛り上がるってのも変な話だよね
エロ無しはおk、同性愛ネタはNGでいいんじゃない
決定だね!
そしてまた過疎るのだった……
そういうこと言わないの
決まったのなら次スレから
テンプレに明記して欲しい
また同じ質問されたら
>>1読めで済むし
心配しなくても大丈夫だよ
次スレ立てる時に一言いってくれれば
まだまだ先だろうけど
うん、当分先だね…
つー事で、職人さんガンガッテください
そろそろ沈静化したかな? ってことで投下します。
「Starry☆Sky in Summer」から。
男子校から共学になったばかりで、女子は一人だけ(主人公)の星月学園。
弓道部部長で、普段は温厚なのにキレると怖い。 なのにプレッシャーに弱く胃薬がお友達な3年の金久保 誉と
2年の学園唯一の女子で天然入ってる主人公のカップルになったその後の話です。
山奥の全寮制学園で、主人公の選択している科目のせいで星の観察や研究が主な勉強なので一応門限がある
ようですが、夜中でも平気でふらふらしています。
ネタバレは極力なくしたつもりですが、その分捏造多しです。
エチーはありますが初なので薄めです。
誤字脱字は広い心でスルーお願いします。
「起きて。 目を覚まして」
身体が勢いよく揺さぶられる。 気持ちよく眠っているところを誰かに起こされた。
「あれ、誉…せん…ぱい……?」
目を開けるとそこには誉先輩がいた。
「どうしたの!? 熱? 怪我でもした? それとも貧血?」
目が覚めたばかりで状況を把握できないが、先輩はなんだかとても慌てているようだった。
「なんで誉先輩が……?」
周りを見回してみると、私が寝ていた場所は弓道場だった。 私と誉先輩は弓道部の部員だ。
誉先輩は弓道部部長で、私の恋人。 つい最近告白されて付き合うことになったばかり。
誉先輩は心配そうに手をおでこに当ててて熱をはかったり、私の身体中を何か異常がないかと確かめるように見回す。
「まさか……誰かになにかされたりした!?」
「?…なにかって? ごめんなさい、私、うっかり寝ちゃって」
だんだん思い出してきた。 なんで私がここにいるのか。
「……は?」
先輩は私の言葉の意味を図りかねて首をかしげる。
「今夜、流星群を観測したんです。 ピークの日は皆で観測したのですけど、私いまいちタイミングを外しちゃってて、
ちゃんと流星が見られなかったから、今日もう一回リベンジしようと思ってがんばって明け方まで起きて観測してたんです。
で、今日は昨日よりは数少なかったですけど、バッチリ見られたんですよ!!流星が大気圏に入って燃えるところまで!!
火の粉まで見えて。 本当にキレイだった〜!!」
「それで、どうしてこんなところで寝ているの?」
「あんまりキレイで興奮しちゃって。 なんだか目が冴えちゃって眠れなくなっちゃって。
夜明けの金星も見た後、そのまま弓道場で朝練でもしようかと思って」
「で?」
そういいながら誉先輩が両手を差し出して、私を起き上がらせてくれる。
「でも急に眠気に襲われて……。皆が来る前にちょーっとだけ寝ちゃおうかな? なんて。 部員の誰かが来たら起こしてくれるだろうし」
「もう。 『寝ちゃおうかな?』じゃないでしょう」
先輩が眉を顰めて苦笑いをする。
「大丈夫ですよ〜。 どんなに眠くても部活も授業も居眠りなんてしませんから。 今日もがんばりますから」
私がヘラっと笑って答えた途端、誉先輩の顔が曇る。
「あのさ!!」
突然声を荒げた誉先輩の声にビクッと身体が竦む。 頭の中を支配していた眠気がいっぺんに吹き飛んだ。
「そんなこと言ってるんじゃないからね!僕は!」
もしかして誉先輩、怒ってる? どうして?
普段はニコニコと微笑んで、周りをあったかく見守ってくれているやさしい部長。 そんな、滅多なことでは怒らない人だから、
今、目の前でいきなり怒り出した誉先輩の事を信じられない思いで見つめる。
何で怒ってるのか血が巡ってない頭で必死で考えて、あることに思い至る。
「あ、そう…ですよね。 風邪でもひいたりして、皆にうつしたら大変ですよね。 すみません……」
やっと答えを導き出したと思ったのに、でも違ったみたいだ。 誉先輩の顔はますます強張っていく。
いつもの穏やかな誉先輩とは思えないほど眉間にシワを寄せて、苦しそうに自分の胸の辺りを握り締め、
ぎゅっと握られたこぶしが震えている。 まるで何かを堪える様に。
「そうじゃない! 僕が心配してるのは……っ!」
「きゃっ……!?」
床に座ったままの体勢で、いきなり抱きしめられた。 整髪料の匂い? 誉先輩の爽やかな香りがする。
誉先輩の身長は180cm超えてて、私よりもずっと大きい。 こうして身体をすっぽりと包まれて。
別に力ずくで締め付けられているわけじゃない。 やさしく抱きしめられているだけなのに、なぜか胸が苦しくなる。
「君が寝ている間に、僕じゃない、”誰か”が先に来てたとしたら……そいつにもこうして大人しく抱きしめられてるつもりなの?」
先輩の声はもう、先ほどまでと違って大きな声ではなかった。
でも怒りが触れ合う肌から伝わってくる。 胸がヒリヒリする。 先輩は本当に怒ってるんだ。
「…そんな…ちが…………」
バカなことをした、と今更ながらに気が付く。 確かにこんな夜更けに誰もいない部室で一人練習するなんてどうかしている。
弓道は危険なスポーツだ。 ふとした油断から致命的な傷を負うこともある。
「ごめんなさい……誉先輩……一人で練習して事故があっても誰も来てくれないのに。 ……もうしませんから」
だから嫌わないで……と、半泣きでおろおろしていると、誉先輩はハァー。と、深いため息をつく。
そしてやっといつものように微笑んでくれた。
「まったく。 いつもよりも早く目が覚めて、寮の窓から外を見たら弓道場に昨日消したはずの電気がついていたから……
いやな予感がして慌てて来てみたけど。 本当に、気が付いたのが僕で……よかった」
「ごめんなさい」
もう一度ちゃんと謝ると、きゅっとまた抱きしめられた。
「もういいよ。 僕もよーくわかったから」
「何がですか?」
「僕が何を心配しているのか、君はこのままだと永遠にかわかってくれそうにないってこと」
先ほどまでの重苦しい空気は一掃され、先輩はいつものニコニコ優しい先輩に、戻ったような…気がした。 けど……?
私を抱きしめたまま、誉先輩が囁くような声で話す。
「僕ね、周りからいつも”おっとりしてる”って言われるって話したよね」
「はい」
以前、部活で皆とした雑談の中で聞かされた。
急に話がとんで私が会話の意味を理解できないでいるのに、先輩はそのまま話を続けた。
「”おっとり”って言うと聞こえはいいけど、実際は”のんびりした”とか、悪く言うと”のろま”って意味じゃない?」
「そんな、先輩は”落ち着いてる”雰囲気で、”のろま”なんかじゃ……」
私が慌てていうと、先輩は少し笑った。 でもいつもの笑顔じゃなくて、なにか苦いものを含んだ笑顔だった。
「まあ実際、放牧された牛みたいに普段はのんびりしてるんだけどね。 でも、今、悟ったよ。 君の事だけは”おっとり”はしていられないって」
「はい?」
「君がこうして僕の恋人になったというのに、虎視眈々と狙ってる部員が少なくとも二人は確実にいるしね。 ううん、弓道部だけじゃない。
生徒会にも、君のクラスメイトにも、中には先生まで……あっちもこっちもまったく気が休まらないよ。 僕の胃薬の量はどんどん増えていく」
誉先輩が何かを呟いたけど、声が小さくてよく聞き取れなかった。
「なんて言ったんですか?誉先輩」
「ふふ。君は別に知らなくてもいいことだよ。 ……ねえ、前に説明した牡牛座の話、覚えてる?」
「はい」
また急に話が変わった。 どうしちゃったんだろ誉先輩。 展開に付いていけない。
「ゼウスが美しい娘エウロパに恋をして、牡牛に化けてのんびりとしたフリして近づいて、背に乗せた途端猛スピードで連れ去ったって話」
「ゼウスはエウロパをさらって海を渡って遥かかなたのクレタ島まで連れて行き、そこで結婚したんですよね」
そうだね、と誉先輩が微笑む。そして。
「僕も君を猛スピードでさらって行くことにしたからね」
そう言うが早いか、両腕に閉じ込めるように抱きしめていた私を誉先輩は、トンと肩をついて床に押し倒して―――。
キス、された。
インターハイが終わったあと、誉先輩に告白されて。 それから、二人は何度もキスした。
でも今のは、今までとは違うキス。
いつものように淡く唇を重ねるだけのキスとは違う。
強引に舌が、深く入り込んでくる。 私は、それをためらいながらも受け入れる。
「ん……う……んっ!」
すぐには離れていかない誉先輩の唇がずっと、ずっと私を攻め立てる。 息をするのも許さないとでもいうように口腔を蹂躙されて。
いつものただほんわかと幸せな気分になるキスとまったく違う。
つい先日もした、部活の帰りにさっと掠めるようなキス。 皆にばれないかとヒヤヒヤ、でもうれしくてドキドキした。
やめて欲しいわけじゃない。 ……だけど、どうしてこうなったのかまったく解からなくて。怖くて。
一人焦ってパニックになってしまう。
「せ、せんぱ……い……ま、待って……」
「だめ、待てない。 今すぐに、僕のものになって?ね?」
「私は、もう、誉先輩のもの、だよ?」
「そうじゃなくて……このまま、ここで……、君の”初めて”を僕にください」
いくら鈍い私でも何を求められているのか解かる。 そんな直接的なお願いに、カーっと顔が赤くなる。
「ごめんね。 もっともらしいこと言って怒ってたのに。 でも本当は僕が一番、君にこういうことをしたいって考えてた」
「え……」
「君が床に倒れている姿を見て、驚いて、心配して、焦ったのは本当。 だけど、はじめは思わず見とれたてた」
「誉…せん…ぱい……?」
「夜空に横たわる星座の姫みたいに、袴姿で眠る君のまわりを長い髪が彩っていて……。美しすぎてゼウスに見られたらそのまま
天界に連れていかれてしまいそうだったよ。 ……よかった。僕が先に見つけられて」
真剣に語る先輩の瞳がきらきらして、星みたいだと思った。 キレイなのは先輩だよ。 こんなステキな人の恋人が私なんかで
いいのかっていつも思ってる。
「もう、先輩。 何を言ってるんですか。 恥ずかしいです」
「恥ずかしくないよ。 本当のことだから。 今だって君はきれいだ。 ……大好きだよ。 ……愛してる」
「………………私もです」
またキスをする。
今度は強引に奪われるのではなくて、お互いに求め合ってするキス。
私がおずおずと舌を差し出すと、先輩に強く絡めとられる。 もう心臓がドキドキしすぎていっぱいいっぱいで何も考えられなくなっていく。
先輩はやせて見えるけど、弓道をやっているせいでちゃんと鍛えられた身体をしていた。 厚い胸板で圧し掛かられて、でも、私が
重くないよう、自分の腕で軽く支えてくれている。
胸当てを外し、袴の紐を緩めて、道衣の帯を解く。
あっというまにテキパキと脱がされていくのが恥ずかしい。 なんだか誉先輩、手馴れてる気がする。
はらりと道衣の袷を開かれて胸が露になる感触。 はっとして両手で隠そうとすると、
「隠しちゃだめだよ。 きれいな君を全部、僕に見せて?」
そういいながら優しく両手首を掴まれて抵抗できないようにされてしまう。 身体を隠せなくなっていたたまれなくて、顔を背ける。
誉先輩の視線を感じて恥ずかしいけど目をぎゅっと瞑って我慢する。
「あっ……」
先輩の両手が私の腕を放して胸に優しく触れてくる。 弾力ややわらかさを確かめるように優しく。
いつも弓を引く、長い繊細な指が、まだ柔らかい私の胸の頂をきゅっと摘んだり、くりくりと転がすようにすると、身体が跳ね、
下腹部がきゅんと疼く。
こんな部分がどうしてこんなに感じるのだろう。 何もかも初めてのことで解からないことばかりだ。
「やっ……せ、せんぱい……」
急に胸の先に熱を感じて、びっくりして目を開くと、誉先輩が私の胸に顔を埋めているのが見えた。
舌先でチロチロと弾かれたかと思うと、口の中に含んできゅっと強く吸われる。 先ほどまでは柔らかかった頂がどんどんしこって
硬くなっていくのが自分でも解かる。 ショーツが溢れ出した液でじんわりと濡れる。 身体中にじんと痺れが走って、もうトロけそうだった。
「あっ……ああぁっ……」
「気持ちいい? もっと声聞かせて? どこがいいか僕に教えて?」
「はんっ……あぅ……そん、な…の……わかんないっ……」
ぬるりとした感触がそこを擦る度に、びくびくと身体を振るわせる。
先輩の手が身体を這って下の方に移動する。
まだ脱がされていないショーツに手が掛かると、これから起こる事を想像して、身体が緊張してしまい、つい、両足をぎゅっと閉じてしまう。
すると下着はそのままで手がすっと離れていってしまった。
「ごめん、今日はここまでにしよう……。 やっぱりちゃんと君が卒業するまで待ったほうが……」
起き上がろうとした誉先輩の制服を思わず掴んだ。
「先輩。 女の子押し倒して、ここまでしておいて、今更”また今度”なんて、酷いですよ」
「えっ」
先輩は私がこんなことを言うとはまったく思っていなかったようで凄く驚いた顔をしている。
「誉先輩……。 私はこの先、誉先輩だけだから……。 だから早くても遅くても…一緒だよ。 こんなこと先輩以外とは
絶対にしないから。 この先ずっとずっと先輩以外とはしないから。 だから今しても、他の人からすればちょっと早いかも
しれないけど、私が幸せなことには変わりないよ」
「……っ!」
誉先輩の目が見開かれる。
「それにここは初めて私が誉先輩と逢った場所だから。 もっとステキな場所になってうれしい。 ……明日から練習のときに
顔がニヤニヤしちゃって困るかもしれないけど……」
「しっ」
唇を人差し指で塞がれた。
「お願いだから黙って。 それ以上言われたら、もう僕のほうがどうにかなっちゃうよ」
そう言うと、先輩は起き上がって制服のベストを引き上げて頭から脱ぎ捨てた。 そのままネクタイを緩めてシャツのボタンを外し始める。
バサッとシャツを脱ぎ捨てて、乱れた髪を頭をふって直す仕草にドキッとする。 逞しい上半身が露になって誉先輩って本当に着やせする
人だな、って思った。
「はは……まったく、君には参るな。 …そうだね。 …………ごめん。僕はまた怖気づいてたみたいだ。
本番に弱いのは相変わらずみたいだね」
そっと触れるだけのキスをくれる。
「これからも、僕がだめなときは君が叱って……」
ゆっくりと両手で私の下着を下ろすと、両脚を押し開いていく。 こんな格好をしなきゃいけないなんて。 皆なんで平気なんだろ。
「痛かったら、言って。 ……でもやめられないと思うけど」
こくりと頷くと、熱いものが押し付けられる感触がした。 押し当てられたものは私の部分に何度か擦り付けられて……。濡れたような音が
聞こえてくる。 私もいつのまにかそんなに濡れてた。
ぐっと押し当てられて、そのまま潜り込んでくる。 凄い痛みが走って、息をするのがやっと。 でも痛いって言ったら、先輩が止めちゃいそうで
必死で我慢した。 先輩の為なら我慢できる……。 と、なにかが破れるような感触とともに先輩が私にキスをした。
「君の”初めて”、貰ったよ」
「え……」
思わず目を瞑ってたから解からなかったけど、誉先輩の額に汗がきらきらしてる。
先輩は少しでも私が痛くないようにゆっくりゆっくり進めてくれていたんだ。 それって男性からするととても大変なことなんだろうと思う。
ヒマワリみたいに、にっこり微笑まれて、それをみたら胸が熱くなって、涙が溢れて止まらなくなった。
「えっ!? どうして……あ、痛いの? ごめんっ!!」
「違うよ……。うれしいから……」
私がそういうと、とろけそうな笑顔で先輩も返す。
「僕の方こそ、ありがとう……。本当に凄く嬉しい」
私の様子を見ながら、先輩がゆっくりと穿つ。 結ばれている部分は今もとんでもなく痛いけど、それとは違うなにかが……。
もっと奥のほうからよくわからない感覚が、始めは小さく、そしてだんだん大きくなっていく。
「誉……せ、せんぱ……い……っ!」
「ん……っ……今は、”先輩”は取って……ぅ……」
「ほ……まれ……?」
「はぁ……もっと……」
「ほまれ……好き……ほま…れ……だいす、き……」
「―――っ!! ごめ……もう我慢できな……っ!!」
両脚を抱え込まれていきなりがむしゃらに突かれる。
「ひゃ……ああっ……んぅっ……」
誉先輩は普段は自分が我慢してでも周りが平和ならそれでいいと考える人。
でも、こんな情熱的な一面もあったんだ。
むきだしの欲望。
いつも控えめな貴方が私を初めて抱いてくれた。
うれしくて、うれしくて、死にそう。
熱い。
身体が沸騰する。
真夏の日差しを浴びたアスファルトみたいに、陽炎が立ち昇ってる。
気持ちよくてぐずぐずに溶けてしまいそう。
「あっ、あっ、……ああぁぁああっ!」
「愛してるよっ!……くっ……!」
最奥を突かれた瞬間、中でなにかが爆ぜる感覚があった。 身体がいきなり高みに放り出されて、ゆっくりと落ちていく―――。
誉先輩がごろんと私の横に寝転がった。
「まったく、こんな朝早くから、何してるんだろうね僕たち」
二人で見詰め合って笑った。 手をつないだまま。
☆★☆
この弓道場で初めて誉先輩と目があったときのこと、 私今でも覚えてる。
私が一年の春だった。 ずっと憧れてた。
あれから一年半。 誉先輩は私の恋人になった。 満天の星空の下で。
弓道場に朝日が差し込み始める。
青空に隠されて見えないけど、今も空では星が輝いている。
私達の頭上で変わらずに光り輝いている。
糸冬
終わりです。
お粗末さまでした。
長文スマソ。 最後まで読んでくださった皆様、感謝いたします。
非力過ぎてお役にたててないですが、もっと人気が出ますように(‐人‐)ナムナム
gj!
楽しませていただきました
是非またよろしくおながいします
GJ!!!
誉先輩萌えの自分もおいしくいただきました
ありがとう
乙!
原作知らないんだけど、楽しく読ませてもらったよ!
GJ
遅くなったけどGJ!
保守
543 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 05:45:25 ID:jRb3wncA
保守
毎日保守しなくても大丈夫だよ
しかもageる必要無し
>>535 原作しらないけど、とても面白かった
ほのぼのラブラブは良いなあああ
幸せな気分になれた
原作やってみたくなったのでちょっくら探してくる
保守
大豊作でびびった
ガーネットクレイドルのコンプ後に某図書カードの画像を見て萌え転げたので
それを下地に楓(そう)×美紅(みく)書いてみた。
ED後ゆえに冒頭からネタバレ全開なので気をつけてください。
お姫様として王子の誰かに恋をしなければいけない夢と、夢とそっくりな人が出てくる学園を
行き来するゲームで、従者が主人公に対して一度暴走したことがあることを前提にしていただ
ければゲーム知らない人でも問題ないと思います。
エロは初書きなので薄め。
文章に癖があるので苦手な人は『心の境界線』でNG推奨。
私のいる現実世界で、楓ちゃんと椿ちゃんと再会してから数ヵ月後。
元々夢の中でしか生きられない夢魔だった楓ちゃんと椿ちゃんが現実世界に、私のすぐ傍に
いるということがとても嬉しくて、あっという間に時は過ぎていった。
ののちゃんや兄妹に関わりがあった周囲の人が覚えていなくても、幼い頃にいなくなってしまった
「そうちゃん」の家で、白土楓とその妹の椿として存在しているのはサヤラーンが最後にくれた
小さな奇跡なんだろうと思う。
「うーん……ねえ楓ちゃん。この問題ってどの公式使えば良いんだっけ?」
そして今の季節は秋。私は楓ちゃんに天橋家のリビングで勉強を教えてもらっていた。
「ああ、この問題ですね。これはこの公式を使うようです。公式の解説の、ここを読むと似たような
例題が載っていますよ」
そう言って右手の人差し指でページを指差し、左手を私の左肩――自分から遠い方の肩に置き、
私をぐっと引き寄せた。
「そ、楓ちゃん?」
その急な行動に、慌てて楓ちゃんの顔を見る。と、楓ちゃんはいたずらっぽく笑った。
「いけませんか?椿のいない時でないと、このようなことはなかなかできませんので」
「それはそうかもしれないけど……」
椿ちゃんは今、寮にいるはずだ。最初は自分も行くと言い張ったけど、楓ちゃんが
勉強は私の部屋でなくリビングですること、その日はお母さんが家にいることを告げると
相当…本当に相当不満そうだったけど、寮で待ってることを了承したのだ。
私と楓ちゃんの交際に関しては渋々認めていても、「二人きり」を許すにはまだ時間がかかるらしい。
もし椿ちゃんがこの場にいたら私と楓ちゃんの間をイス一個分空けるか、テーブルのコーナーでなく
向かい合わせに座らせるくらいのことをしたかもしれない。
いや、確実にしたと思う。
「すみません、調子に乗りすぎたようです。お嫌でしたらやめます」
そんな椿ちゃんを想像しているうちに少しだけ間が空いてしまい、楓ちゃんはその間を私が嫌がっていると
受け取ったのか、そう言って私の肩から手を離しかけた。
「待って、そのままで良い!」
思わず叫んでしまってから、はっとする。楓ちゃんは私のその反応に驚いたようだった。
「良いの、そのままで。ちょっとびっくりしただけで、嫌なんかじゃないから」
これじゃ離れないで欲しいと言っているようなものだと気付いて、顔が真っ赤になる。
「わかりました。それでは、このままで」
再び楓ちゃんの左手が、再び私の左肩に優しく置かれる。
その触れた部分がひどく熱く感じられたけど、不愉快な熱さじゃなくて、むしろ心地よかった。
「それではさっきの続きですが、この例題を……」
「ああそっか、なるほど!」
楓ちゃんはさっきのやり取りが嘘のようにいつもどおりに戻ると、勉強を再開した。
私もそれにならって例題を参考に、早速解き始める。
今まで楓ちゃんに勉強を教えてもらっていたことは何度もあった。それこそ数え切れないくらいに。
見ただけでわかる変化は、私の肩に置かれた楓ちゃんの手ぐらいだ。
それだけの変化なのに、「恋人同士」であることが感じられて嬉しかった。
夢の中の学園では楓ちゃんは私の従者として徹していたし、私も大切な幼なじみ兼友人として接していた。
ミフターフの夢を見るまでは。
もうあの夢は閉じられてしまったから見ることはできないけど、最近その頃のことをよく思い出す。
サーリヤは元気かな。ファラーシャも傍にいるのかな。理人先輩や、キイチ先輩もこの現実のどこかに
いるんだろうか。
程なくして、ノートには私の書いた数式と楓ちゃんの付けた赤い丸が書き込まれた。
ひと段落着いてから、勉強に使っていたテーブルでそのまま休憩をとることにした。
私はマグカップにたっぷり注がれた温かいミルクティーを、楓ちゃんは私の家に置いてある
自分の湯呑みで日本茶を飲む。
幼なじみだし両家で仲が良いから特別なことではないのかもしれないけど、自分の帰る家に
好きな人の私物が当然のようにあるというのは何だかくすぐったい。
「鞠子様がこの場にいないと知ったら、椿は怒るでしょうね」
「そうかも……」
二人で顔を見合わせて苦笑する。
それでも、楓ちゃんが椿ちゃんに言ったことは嘘じゃない。
休日なのに御符汰学園の新理事長であるお父さんは何かと忙しくて、今日も出張だ。
でもお母さんは昼間は家にいるはずだった。
そう。いる「はず」だった。
久しぶりに寮から帰ることは教えていたけど、誰と一緒かまでは言わなかったのだ。
玄関をくぐった私と楓ちゃんの顔を交互に見て、後ろに椿ちゃんがいないことを確認すると
「まあまあまあ、母さん用事を思い出したわ。楓ちゃん、ゆっくりしていきなさいな。」
と有無を言わさずまくし立て、とどめに
「夜まで帰らないから大丈夫よ、安心しなさい。ただし避妊はきちんとね」
と信じられない言葉を言い放ってから私達がたった今入ってきた玄関を出て行った。
「おかーさん!?」
我に返った私がそう口にできたのは、母の姿が見えなくなってからたっぷり30秒たった頃だと思う。
恥ずかしいやら怒り出したいやらで真っ赤になってしまった私を、楓ちゃんが
「きっと本当に何か用事があったんですよ。それでついでにからかわれただけです」
となだめて、落ち着いた頃に勉強を開始したのだ。
そのときのことを思い出して、一軒家に二人きりという状況を改めて意識してしまった。
動揺をごまかすためにわざと明るい声を出す。
「ありがとね、楓ちゃんのおかげでだいぶわかるようになったよ!」
「いいえ、お嬢様は元々優秀ですから。一度理解してしまえば私がいなくとも大丈夫ですよ」
私がいなくても。その言葉になんだか寂しくなる。
「そんなことないよ!楓ちゃんは絶対問題の答えは教えてくれないけど、解き方は教えてくれる
じゃない。そっちのほうが自分の力になるし、応用力も付くからすごくためになるよ。それに私、
一人だとすぐに答えを見ちゃおうとするから楓ちゃんに見張っててもらわないと駄目なの」
後半はちょっとした嘘だった。でも、こうでも言わなければきっと楓ちゃんは離れていってしまう。
私に、大切にしたいのに壊してしまいそうになるから貝殻を返すと言った、あの時のように。
何故かわからないけど、そんな気がした。
「だから、私がいなくてもとか……そんなこと言わないで」
「お嬢様……。申し訳ありません。私の不用意な発言で不安にさせてしまったようですね」
きっと泣きそうな顔をしていたのだろう。楓ちゃんは謝ってきた。
私はふるふると首を振る。
「違う、楓ちゃんが悪いんじゃないの。私が我侭なだけ。楓ちゃんに、ずっと傍にいて欲しいだけ」
私はなんて自分勝手なんだろう。
楓ちゃんはもういなくなったりしないのに勝手に寂しくなって、勝手に不安になって。
自己嫌悪になって顔を伏せ、目を閉じると隣で楓ちゃんが動く気配がした。
「お嬢様。目を開けてください。」
思いがけず、右下のほうから声がして目を開けると、そこには私のイスの横に跪いた楓ちゃんがいた。
「そ…ちゃん?」
楓ちゃんは優しく笑うと、手を、と短く言って私の右手を取った。
そして。
「お嬢様。愛しています」
そう言って、まるで王子様がお姫様にするように左手の甲にキスを落とした。
「あ……」
「今、この場で誓います。この命が続く限り、私はお嬢様の傍にいます。もう二度と離れたりはしません。」
真っ直ぐな瞳で告げられて、涙が溢れる。
一度は、私から自由にしてあげなきゃと思った。でも楓ちゃんに好きな人がいると知ったとき、
すごく悲しくて、寂しくなった。
お母さんみたいに泣くなら恋なんかしないって決めてたのに、気付いたら楓ちゃんに恋をしてた。
そして今、私のことを愛してるといってくれて、ずっと傍にいるといってくれる。
「そうちゃあん!」
嬉しくて。今ここに楓ちゃんがいることが本当に嬉しくて。
慌てる楓ちゃんに構わずイスから崩れるように床へ座ると、すがりつくように抱きついた。
「好き…大好き」
そう言って楓ちゃんの唇に自分のものを押し付ける。
「私も、好きです」
初めての私からのキスは自分でもすごくぎこちないと思ったけど、楓ちゃんは嬉しそうに笑ってから
私の背に腕を回して、何度も何度も優しいキスをしてくれた。
私達は、まだ体を重ねたことがない。
私は時々抱きしめあったりキスしたりするだけで満足だったし、何より楓ちゃんと椿ちゃんが現実世界に
いることが嬉しくて、それで十分だった。
楓ちゃんは紳士だし、何より私の従者だった頃の癖が抜けないのかどこか一線を引いてるところがある。
だから、そんなことはまだまだ先だと思ってた。
でも。
「んっ…!?」
唇を押し付けあっていただけなのに、薄く開いた唇からふいに生温かいものが口内に侵入してきた。
それが楓ちゃんの舌だと気付くのにしばらく時間がかかった。
「っふ……ぷはっ、そ、んぅっ……」
呼吸をするためにむりやり唇を離して息を吸い、楓ちゃんの名を呼ぼうとした瞬間にまた口を塞がれる。
くちゅっという水音が羞恥を煽った。
いつもの楓ちゃんじゃない。
そう思って目を開くと、楓ちゃんの熱っぽい瞳が視界に飛び込んできた。
ゾクリ、と知らない感覚が身体の底から這い上がってくる。
知らない。こんな楓ちゃんは、知らない。
ふと、フルシュ・ジャリードで押し倒されたときのことが脳裏をよぎった。
許していないわけじゃない。それでも、あのときの冷たい手と唇は今でも忘れられない。
そして、楓ちゃんの大きな手が胸に触れたところで私は本気で抵抗した。
「っや……楓ちゃん!!」
びくりと楓ちゃんの動きが止まる。その瞬間、私は楓ちゃんを突き飛ばしてしまった。
二人以外誰もいないリビングに、私と楓ちゃんの荒い息遣いが響く。
自分の鼓動の音が聞こえてきそうだった。
「……あ………」
楓ちゃんは、声にならない声を発した。そして、信じられない、という顔をしていた。
信じられないといっても私が、ではなく自分が――楓ちゃん自身が何をしたのか信じられないという顔だ。
「楓ちゃ」
「申し訳ありません!!」
そして、我に返ったのか即座に私から離れると、頭突きする勢いで頭を床に着けた。
いわゆる土下座だ。
「ちょ、楓ちゃん!?」
「もう二度と欲望に身を任せたりしないと決めていたのに、また俺は同じ事を…」
いつもは「私」と言っている一人称が変わるくらい、楓ちゃんは動揺しているらしい。
私は楓ちゃんの見事な土下座により、こんなことに気付けるぐらい変に冷静になっていた。
私よりもずっと大きなはずの体がとても小さく見える。
「俺はまたあなたを傷付けてしまった。謝ってすむことではありませんが、本当に申し」
「ね、楓ちゃん。顔上げて。私の顔を見て」
「お嬢様……?」
恐る恐る、楓ちゃんが顔をあげる。
私は笑っていた。
目の前の大好きな人が必死に謝る姿がおかしくて、そして彼が謝っている原因が私に対する欲望から来るもの
だったことが嬉しくて。
「楓ちゃん。私、傷付いてなんかいないよ。抵抗したのは、えっと、突然でびっくりしたからで
嫌だったからじゃない」
「しかし、俺はあなたを」
「楓ちゃん」
「……はい」
また何か言いかけた楓ちゃんを制して続ける。どうか伝わりますように、と願いながら。
「私達の関係って何?」
「恋人です」
間髪入れずに返答があった。
「うん、そうだよね。じゃあ、なんで楓ちゃんは私に前と……従者とご主人様のときと同じ態度で
接するの?」
「十数年同じ態度で来たのですから、急に変えられるものではありません。それにお嬢様は、昔も
今も変わらず我々の大切な方です。恐らく椿も同じ気持ちでしょう。」
予想通りの答えに、苦笑する。
「本当にそれだけ?」
「……わかりました。正直に言います。私はフルシュ・ジャリードでお嬢様に乱暴を働きました。
あなたの気持ちを無視し、汚そうとしました。そのときに私はもう二度と欲望に流されたりしないと
誓ったのです。なのに…!」
それきり、楓ちゃんは俯いてしまった。
「フルシュ・ジャリードでのことは確かに怖かったよ。」
私の静かな声にその肩がピクッと震える。
「楓ちゃんの気持ちがわからなかったから。心がすれ違ったままで、楓ちゃんの心がわからなかった
からだよ。でもね私、あのことはもう許してるけど忘れないよ。だってあれも、楓ちゃんの一部だから」
ものすごく恥ずかしいけど、これは私から言わないといけない。
私から言わないと、きっと楓ちゃんはずっと自分を抑え続けるだろうから。
「今は恋人なんだよね。じゃあ、恋人にはそういう…欲望って、持っちゃいけないのかな?」
その言葉に楓ちゃんが顔を上げた。
多分、今私の顔はものすごく赤いと思う。
「楓ちゃんが私のことを大切にしてくれるのはわかるよ?でもね、たまに不安になるの。
今の私達の関係は、心は通じ合っててもどこかに線があるんじゃないかって」
勉強をしていたときの、あの肩に置かれた大きな手を思い浮かべる。あれは、きっと楓ちゃんなりの
どこまで自分の決めた線なのかの確認なんだろう。
笑ってごまかしながら、私が嫌がっていないかの確認。
私が嫌がることは、すなわち彼の引いた境界線の外になる。
「お嬢様……すみませんでした」
一瞬のためらいの後、ぎゅっと抱きしめられた。頬が熱い。それは赤くなっているだけじゃなくて、
涙が流れているせいだとここで初めて気付いた。
「謝らないでよ。勝手に線なんか引かないでよ。壊したいなら壊してよ!私は楓ちゃんが好き。
だから楓ちゃんになら何されてもいい」
「そんなことを軽々しく口にしてはいけません。ご自分が何を言っているかわかっているのですか!」
「わかってるよ!!」
楓ちゃんの腕から逃げ出して、真っ直ぐに顔を見つめる。
「私は楓ちゃんが好き。だから、私のことを欲しいと思ってもらえるのはすごく嬉しいの。」
見つめた先には、理性と本能の間で揺らぐ男の顔があった。
「楓ちゃん。私を壊して」
「……知りませんよ。どうなっても」
確かに、恐怖はある。高校生になって初恋もまだだった私に経験なんてあるはずがない。
駆け引きなんて知らない。
でも楓ちゃんなら。楓ちゃんだから。
「楓ちゃんなら、良いよ」
そう告げた直後、私の世界は90度回って背中が固い床に着いていた。
「んっ…はあっ………」
楓ちゃんの舌が私の口腔内を這い回る。そして私の舌を見つけると、吸い上げて絡めた。
くちゅくちゅと、さっきのキスとは比べ物にならない恥ずかしい水音がする。
唇の端から、唾液が零れた。
貪るとはこういうことを言うのだろうかとぼんやり思った。
「……最後まで守ろうとした線をあなたから踏み越えたんですからね。もう、止められませんよ」
壊していいと言ってるのに、こうやって何度も確認するのが彼らしい。
優しい人。優しすぎて、私のためにすべてを抑えようとしてしまう人。
私の大好きな人。
「何度も言ったでしょ。楓ちゃんなら良いって」
本当は恥ずかしくて死にそうだったけど、精一杯の笑顔でそう答える。
「私の知らない楓ちゃんを、もっと教えて」
「だからそうやって煽るようなことをですね…。もう良いです。わかりました。ここは床ですから、
お嬢様の部屋に行きましょう」
あなたの部屋で抱きたい、と耳元で低く告げられて背筋が甘い期待に震えた。
いわゆるお姫様抱っこで部屋まで運ばれた後、ゆっくりとベッドの上に降ろされた。しばらく使ってない
部屋は少し湿っぽかったけど、お互いにそんなのは全然気にならなかった。
楓ちゃんは額、目元、頬、鼻の先とあらゆる場所に軽いキスを降らせる。
ちょっと長くて、女の私でも惚れ惚れするぐらい綺麗な黒髪が時折私の顔に触れた。
そして唇にも一度軽いキスをしてから、さっきのように舌を侵入させて深く絡めてきた。
「はぁっ…っふ」
私が苦しそうに喘ぐと何度も唇を放して、私が息継ぎをするのを確認してからまた口付ける。
何度キスしたのかわからなくなった頃、ようやく唇が解放された。
「優しくしてさしあげたいですが、多分無理です。ですが、もう謝りませんよ」
「良いよ。抱いて、楓ちゃん」
楓ちゃんは私を一度きつく抱きしめてから、首筋に吸い付いた。
ちりっとしたかすかな痛みに震える。
「…こんなところに痕をつけてしまって、私は椿に殺されるかもしれませんね」
「私も椿ちゃんに説明するから大丈夫だよ」
「どう説明するんです?自分から誘惑したとでも言うんですか?」
「な、なんか楓ちゃん意地悪だよ!」
「優しくできないって言ったでしょう」
「優しくの意味が違うでしょ!」
こんな場にそぐわない軽口の応酬に、思わず額をこつんと合わせて笑いあった。
大丈夫、いつもの楓ちゃんだ。
そう思った瞬間、私のいつもより少し大きめに開いた服の胸元から手を差し入れた。
「やっ…」
「大変可愛らしい服であなたに似合っていますが、他の男の前では着ないでくださいね。
勉強の間、気になって仕方ありませんでした」
ブラの中をおおきな手が這い回り、膨らみの中心を長い指がとらえた。
「ひゃっ!」
未知の感覚に思わず腰が逃げる。
「痛いですか?」
「痛くはないけど…」
「じゃあ、気持ち良い?」
「わ、わかんない!」
照れでも何でもなく、本当に私はその感覚が何だかわからなかった。
「では、わかるまでしてみましょうか」
「へ?」
呟くようにそう告げると、いきなり私の服の裾を捲り上げた。
「そ、楓ちゃん!?」
「脱いでください。このままではどのみち皺になってしまいますよ」
「うう……」
本当は拒みたかった。でも、私は言ったんだ。
楓ちゃんなら何をしても良いと。
楓ちゃんが私の服を脱がせるのを顔から火が出る思いで手伝って、あっという間に裸になってしまった。
恥ずかしくて布団に包まるのを横で笑いながら、楓ちゃん自身もベッドの端に腰掛けて濃紺のワイシャツを
脱ぎ捨てた。まだ一緒にプールに入って遊んでいた頃以来の
――私の記憶がどこまでオリジナルなのかはわからないけど――
とにかく、あの頃とは全然違う引き締まった体に鼓動が速くなった。
「何を見てるんですか?」
「え?きゃああ!?」
質問して油断させておいて、布団を剥ぎ取ってしまう。もしかしたら、遠慮を無くした本当の楓ちゃんは
かなり意地悪な人なのかもしれない。
「や、見ないで!」
手で隠せるところなんてたかがしれてるけど、それでも必死で隠せるだけ隠す。
「隠さないでください。綺麗ですよ、お嬢様」
「そんなことないもん!スタイル悪いし、む、胸だってないし!!」
「本当ですよ。ミフターフのドレスもあれだけ着こなしていたじゃないですか。あのドレスはスタイルが
良くなければ似合いません」
「そんなこと言われたって……」
「私なら、何をしても良いんでしょう?」
「うううううう………」
「お嬢様。見せてください」
言質を取られているから抵抗しようがない。私はおとなしく胸の前で交差していた腕を解いて、体の横に置いた。
それからのことはよく覚えてない。
楓ちゃんにさんざん胸の先を嬲られて「気持ち良い」という感覚を覚えこまされた後、体中のありとあらゆる所を
指と舌先で辿られて、どこが気持ち良いのか言わされた。それだけでもいっぱいいっぱいなのに、今まで自分でも
よく触ったことのなかったとても恥ずかしい場所を舐められた。
そして今は。
「そうちゃ、もう許してえ……」
「駄目です。やめません。最初に境界線を踏み越えて煽ったあなたが悪いんですからね」
「そ、だけど…んあっ…やっ……」
楓ちゃんが動くと、結合部からぐちゅりと音がする。
初めての証拠の血が出たのは少し前。最初は気遣って埋め込んだまま動かないでいてくれた楓ちゃんだけど、
私が少し慣れたのを確認するとゆっくりと前後に動きだした。
「あっ……ぁ…っく」
「お嬢様……!!」
突然、楓ちゃんの動きが激しくなる。
カーテンを閉め切った薄暗い部屋に二人の激しい息遣いと水音、ベッドのギシギシという悲鳴が満ちた。
「お嬢様、以前に迦神先生が言った言葉を覚えていますか?」
「かっ、がみ先生…?っあ」
腰の動きを止めずに、楓ちゃんが問いかけてくる。どうしてここで、全然関係ない迦神先生の名前が出てくるんだろう。
「はい、私のことをインキュバスだと」
そういえば、フルシュ・ジャリードでこれからイブリースの元へ行こうというときに迦神先生が言ったんだ。
『インキュバスのナスル』と。
もう言葉を紡ぐのが難しくなっていた私は、覚えていることを示すためにコクコクと首を縦に振った。
「では、インキュバスというものが何かご存知ですか?」
「し、しら…っない」
私がそう答えると、今度は間があった。不審に思って閉じていた眼を開けて楓ちゃんの顔を見る。
そこには、従者でもなく紳士でもない、情欲に溺れるただの男がいた。
「インキュバスとは、夢魔のことですが…他の意味もあるんですよ」
「他の意味……?」
「はい。人間の女性が眠っている間に交わって妊娠させる、淫夢魔…という意味が」
「ああああっ!」
私の中にある熱をギリギリまで引き抜き、ぐっと最奥まで貫かれる。
慣らされたおかげで痛みはなくて、変わりに恐ろしいほどの快感が走った。
「私はもう人ですが今あなたにこんなことをしている以上、あの男の言うことは正しかったということですね」
楓ちゃんが、自虐的にククッと笑う。今まで私の見たことの無い笑い方だった。
楓ちゃんが自分自身の言葉に傷ついているのがわかって、切なくなる。
「でも、それも含めて楓ちゃんでしょう?」
守ってあげたい。この大好きな人を。
そっと両手で楓ちゃんの頬を包んで、笑いかける。
楓ちゃんの動きが止まった。
「私は、どんな楓ちゃんでも大好き。それが楓ちゃんなら全部好き」
少し上半身を浮かせて私から唇に触れるだけのキスをする。
「お嬢様…」
「私ね、ずっと恋をするのが怖かった。お母さんみたいに泣きたくなかったから。でも楓ちゃんに恋を
したから今があるの。だから、楓ちゃんに恋をして良かった。初めての恋が楓ちゃんで、良かった」
そう言って抱きしめる。
しっとりと濡れた肌が密着して、今私達が一つになっていることが実感できて心地良かった。
「お嬢様…愛して、います」
そう言って、楓ちゃんが痛いくらいに私を抱きしめ返してくれた。
「ずっと、あなたの傍にいます。生涯あなたをお守ります」
「壊しても、良いよ?」
そう笑うと、楓ちゃんが驚いた様子で私の顔を覗き込む。
「だから我慢なんてしないで。自分の気持ちを押さえ込まないで。どんな楓ちゃんでも受け止めるから」
「お嬢様……!」
「ふぁっ…あぁっ」
それまで動きを止めていた楓ちゃんが、突然動きだした。気持ちよすぎて、段々頭がフワフワしてくる。
「楓ちゃ、お願い、名前よんで……」
今だけは『お嬢様』でも『あなた』でもなく。呼んだことのない、私の名前を。
「はあっ……美紅…!」
「――っ!」
名前を呼ばれながら最奥を突かれた直後、私は意識を手放した。
「楓ちゃん、寮までおんぶなんて恥ずかしいよ!」
「いいえ、これは譲れません。まだ腰だってたたないでしょう?」
「それはそうだけど!」
秋特有の綺麗な夕暮れの帰り道、私は楓ちゃんにおんぶされていた。
最初は自分で歩くと言ったんだけど、脚に力が入らずに一歩踏み出した所でこけそうになってしまった。
それを抱きとめてくれた楓ちゃんが寮までおんぶをすると言い出して、こんな形になったのだ。
「大丈夫です。あなたをおんぶするのは慣れてますから」
「そういう問題じゃなぁぁい」
人通りの少ない道とはいえ、道いく人の視線が痛い。
「かなり無理をさせてしまいましたね」
手加減できなかったことを後悔しているのか、楓ちゃんはぽつりと独り言のように呟いた。
「……謝ったりしたら、絶対許さないからね」
あんなに恥ずかしい思いをして頑張ったのに、謝られたらすべてが水の泡だ。
「わかっています」
さっきと違うはっきりとした声音に安心する。
こつん、と目の前にある背中におでこをつけた。
ずっと気になっていたことは解決した。あとは、私のささやかな野望を成し遂げるだけだ。
「楓ちゃん、お願いがあるんだけど」
「何ですか?」
きっとすごく優しくて義理堅いこの人は、私から言わないと気付いてくれない。
「無理にとは言わないから。二人っきりのときで良いから。ちゃんと名前で呼んで」
ぴたり、と楓ちゃんの足が止まる。
少し考えるような、戸惑うような空気がしばらく漂ったあとに。
「……はい、美紅」
心地良い彼の声が、私の鼓膜を震わせた。
顔を見なくても耳が赤いから、今彼がどんな顔をしているのかわかる。
再び寮に向かって歩き出した楓ちゃんの広い背中に身を委ねながら、ゆっくりと目を閉じた。
御符汰学園近くのある喫茶店。
窓際の特等席に、艶やかな着物姿の妙齢の女性と、肩甲骨の辺りまで伸びた真っ直ぐの髪を持つこれぞ大和撫子
といった雰囲気の制服姿の少女が向かい合って座っていた。
いたって平凡な、見るものによっては眼福以外の何物でもない光景のはずだが、女性が楽しそうにコロコロと
笑っているのに比べ、少女のほうは愛らしい顔をしているにも関わらず眉間にしわを寄せ、紅茶にもほとんど
手をつけていなかった。
「――鞠子様」
「なあに、椿ちゃん」
「こうして鞠子様にお茶に誘っていただいたこと、椿は感謝しております。ですが、なぜあなた様が
ここにいらっしゃるのでしょうか?」
二人が出逢ったのは偶然だった。美紅の父親が新理事長になってからというもの、厳しく制限がかかっていた
外出もだいぶ自由が効く様になった。そのせいで残り少なくなった愛用のお茶を買いに行くついでにと一人で
繁華街に出かけた椿と、今まで男性に縁遠かった可愛い娘の恋路を邪魔しないようにと自宅から無理やり出て
きた鞠子が道端でばったりと出くわすことになったのだ。
「本日は、ご自宅に姫様と兄がいるのでは?」
「もう、椿ちゃんったら野暮ねえ。せっかくの機会なんだし二人きりにさせてあげたのよ。あの子達、付き合ってる
割にぜーんぜん進歩がないんだもの。楓ちゃんがあの子を大事にしてくれるのはありがたいんだけどねえ。
出掛けにちょっとからかっただけで真っ赤になっちゃって」
「で、ではやはり今はあの家に二人きりなんですの!?」
椿が勢いよく立ち上がったせいでガタン、とイスが不穏な音を立てる。
「そうよー?」
鞠子は彼女のこんな反応に慣れているのか、少しも動じない。
「お兄様は普段はああやって無害なふりをしていますが、姫様に対しては欲望の塊なんですのよ!?ですから
鞠子様がいらっしゃるならと椿が涙を飲んで同行することを自粛しましたのに!ああ、姫様がもし兄の毒牙に
かかっていたりしたら、椿は、椿は…!!」
「椿ちゃん、まあ落ち着きなさいな。声が大きいわよ」
「落ち着いてなんかいられませんわ!こうしている間にも、姫様の身に何かあったら…、鞠子様、椿はこれで失礼します」
「椿!!」
鞠子が今にも店を飛び出しそうな椿をピシリ、と有無を言わさぬ強い口調で宥める。
「お座りなさい」
その迫力に渋々椿がイスに座りなおすと、鞠子は諭すように話し始めた。
「椿ちゃんがあの子をとても大事にしてくれるのはわかってるし、嬉しいのよ?それは楓ちゃんも同じ。
でもね、やっぱり親として娘には幸せになって欲しいの。そんなにヤワな子には育ててないつもりだし、
ちょっとくらい無茶したって平気よ。楓ちゃんだって、あの子を本気で壊すようなことはしないわ」
それはあなたが一番わかってるでしょ?と微笑まれて、椿は黙り込んでしまった。
「……本当はわかっていますわ。お兄様が姫様をどれだけ大切にしているのか」
元々は一つの魂だったのだから。ずっと二人を、傍で見てきたのだから。
「ただ、姫様とお兄様が椿を置いて遠くに行ってしまうのではと、寂しいのです」
自然と涙が溢れて困っているのに、鞠子が優しく頭を撫でるものだから、余計にその涙は止まることはなかった。
翌日、珍しく起きてくるのが遅い美紅を心配して起こしに行った椿が、その首筋に赤いものを発見し、
兄を血祭りにあげるべく男子寮に向かったのはまた別のお話。
以上です。
拙い文での長文失礼しました。
ラブラブ目指したはずがなぜかシリアスに…。
欲望兄妹改め白土兄妹大好きだけど敬語加減が難しい。
おー投下きてたー! GJ!!
ゲーム買ってないけど、ゲーム誌で楓がいいなと思ってたので楽しく読ませてもらいました。
これ読んだらやっぱ欲しくなってきたー。
おお、新作が
純粋に面白かった
お疲れ様!
GJ
別スレで見かけた淫魔ってこのキャラだったのか!
しばらく積んであったんだけど時間が出来たらやってみる気になったよ、ありがとう
GJ!
良かったよ。gjでした!
最萌えカプ来てたー!
GJ! 楽しませて頂きました
ガーネット好きだから嬉しい
ドキドキしながら読ませて貰いました、gjです!
GJ
エロ従者ktkr
一人称が違うこと以外はGJ
賑わって来たね。
夏だもん
ここは落ち着いてる
保守
一月くらいほっといても平気だよ
以前スタスカの夏をうpした者です。
レスくれた皆様ありがとうございました。 性懲りも無く春も書いたお、ってことで投下させてください。
「Starry☆Sky in Spring」から。
主人公の幼馴染で、喧嘩は強いが実は難病を患っている、スタミナ3分のうお座の彼、七海 哉太
(ナナミ カナタ)と彼の心配してばかりいる主人公(デフォ名:月子)のED後の話です。
哉太ルートではちょっと主人公がやや強めな性格に感じたのでこんなのできました。
ネタバレは極力なくしたつもりですが、その分捏造多しです。
ヒロインからの強引エチーです。
誤字脱字は広い心でスルーお願いします。
『うお座の彼氏、Sな彼女』
小さい頃からずっと一緒だった幼馴染の月子と星月学園に入って2年目。
なんだかバタバタしているうちに彼カノな関係になって一ヶ月。
ずっと好きだった。
身体が弱い俺ではこの先ずっと月子の側に居られるかわかんなかったから、その気持ちをうち
明けるつもりは全然なかった。
今までそれらしい雰囲気になったことは一度もなくて、どちらかというと毎日からかって、いじわるして、
反応を楽しんできたし。
だから、まさか月子が俺の彼女になってくれるとは思ってもみなかった。
今まで生きてきた中で一番うれしい出来事だった。
目下の問題は俺の身体の病のこと。
普段、普通に生活をする分には問題なくても、ちょっと激しい運動したり、興奮すると気分が悪くなったり
倒れたりする。
体力の限界が3分。
ハァ〜。 ……俺のため息の意味、わかるよな?
☆★☆
もう直ぐ夏休み。 でも、期末テストが散々な結果で追試決定。
そんなわけで今もこうして図書館の机で向かい合って、テストに出そうな範囲を月子にビシビシ
叩き込まれているわけだ。
苦手な勉強でも、二人でいられるのは嬉しい。 だが、図書館って場所は失敗だった。
ふと気が付くと、あちこちでチラチラこいつの事を盗み見てる不埒な輩が多数出没して気になって勉強に
なりゃしねえよ。
「だからそこ、違うって。 ここは○○で…□□だから……」
「あ〜、もう全然わかんねっ!」
「もー。哉太、ちゃんと覚えてよ〜。 ちっとも勉強終わらないじゃない」
「わかんねーもんはわかんねーから。しょうがないだろ」
「ほんとにやる気あるの? ん〜、もうちょっと解かり易い本、前に先生が使ってたっけ。ちょっと探してくるね。
えと、確かこっちのほうだったような……」
月子は席を立つと本棚の方に専門書を探しに行く。
こいつを一人にすると碌な事が無いから、ちょっと心配で後を付いていくと、案の定、隙あらば声をかけ
ようと見かけない奴らが寄ってきていた。
月子自身は本探しに夢中になっているからまったく気が付いていなかったが。
「月子っ!」
周りのやつらをガン見して追い払ってやった後、声をかけると月子はお目当ての本を見つけていたところ
だった。
「えーと、有った! あれ? 哉太も来たの? 座ってさっきの問題を解いててくれればいーのに」
「……お前、一人でふらふらすんな」
「は? 何それ?」
分厚くて重そうな本を大事そうに抱きしめてきょとん、としている。
下からチワワみたいな眼で見てくんなっ!ほんと、こいつ隙だらけで困る。
二の腕掴んで本棚と本棚の間に引っ張り込むと、月子の手から本を取り上げて素早く屈み込んで
かすめるようなキスをする。
「―――っ!!」
月子はちょっとびっくりした顔をした後、すぐに顔が真っ赤になっていく。 ほんとカワイイ。
うろたえたように後ろの本棚まであとずさるから両手を本棚について月子が逃げられないように
閉じ込めた。
「誰かに見られたらどうするの」
「誰も見てねーよ。 本で隠したし」
ウソ。 さっきの奴らにわざと見えるようにした。
「もー」
ちょっと拗ねたような顔で赤く染まった頬のまま睨まれる。
「なー、たまにはお前からキスして」
「えっ? ……ムリ! そんなのムリムリ!! ムリっだって」
慌てて耳まで赤くしてムリムリ言ってるその顔が可愛くて、また俺からキスをする。
「ちょっ!……カナ…んぅ……ん」
ちょっと触れるだけのつもりが、我慢できなくなってもっと貪る様なキスをする。
舌を強引に絡め、ちゅ、ちゅと何度も吸い付く。
「ん……ンン?……ちょっと…ダメって……ぅんんッ!!……ァ……」
形ばかりの抵抗は、キスを続けるうちに直ぐに力が抜けて無くなった。
目じりが赤くなって、ちょっと涙で潤んで色っぽくて、とろんとして、益々ヤバイヤツ引き寄せそう。
それどころか俺までそのヤバイヤツの仲間入りしそうで。
「なあ、勉強の続き、俺の部屋でしねえ?」
俺ももっとここではとてもできない別の続きがしたくてウズウズして、月子の耳元で囁く、が。
「しない」
月子は急に元通りになって、俺から本を取り上げるとさっきまで座っていた席に戻っていった。
今までの桃色な雰囲気を急に無かったことにされて、一人ぽかんと突っ立ってる俺に、
「早く、この問題解いて! 私だってヒマじゃないんだからね! もー、部活休んでまで来たのに」
と声を掛けられた。
しょうがないので渋々俺も席に戻ったけど、なんか無視されたみたいでムっときて、問題の回答の
ところにサラサラとシャーペンで書き込む。
『エッチしたい』
「できたの?」と覗き込んだ月子は、文字を見た途端、固まった。 意味を脳内で理解したらしく、また頬を
赤くしながら睨みつけてきた。 そしてネコの付いたかわいいシャーペンを取り上げるとその回答の横に
サラサラと書き入れた。
『ダメ』
すぐに俺も返答を書き込み、そのまま筆談で会話が進んでいく。
『なんで?』
『ダメなものはダメ』
『だからなんでだよ』
『勉強終わってないし』
『じゃあ終わったらいいか?』
『ダメ』
『だからなんで? 別にいーじゃん、初めてじゃないし』
実は告白をした後、勢いで初体験を済ませていた。
『哉太、気分が悪くなるから』
月子が書いた文字にどくんと心臓が鳴った。
初めて月子とした時、最中はなんとか持ったんだけど、終わったあと気分が悪くなって倒れた。
こいつ、すげぇ心配して、泣き出して大変だった。 翌日も起き上がれなくて、ほんと自分の身体が情けなかった。
どうして俺の身体なのに俺の言うことを聞いてくれないんだろう。 贅沢は言わないから。 せめてあと少し。
月子が俺の部屋を出て行くまで倒れるのを待ってくれたら。 それだけでいいのに。
……月子にだけは心配かけたくないのに。
「そっか。 俺、スタミナないもんな。 良くわかった」
月子が悪く言ったわけじゃないって解かってる。 心配して言ってくれているって事も。
でも男のプライドってもんが、なんか傷つけられたような気がして月子の顔を急に見られなくなった。
「俺、もう部屋、帰るわ」
バタバタと教科書やノートを片してカバンに乱暴に突っ込んで、おろおろする月子を置き去りにしたまま図書館
を出た。
「くそっ!!」
こんなに胸が痛いのは病気のせいだ。 絶対そうだ。 いつもと痛み方が違っていてもわざと気付かないフリをした。
すれ違うヤツ、誰彼構わず殴ってやりたい最悪な気分で廊下を歩いていると、後ろから
「哉太っ!!」
と声を掛けられた。 振り返るまでもない。 月子だ。
「うっせ。 ついてくんなっ」
そう言いながら振り返ると、怒った月子にいきなり左手の手首を取られた。
「ついて来て」
「ちょ、どこ行くんだよっ!」
「いいから」
そのまま月子はずんずん足早に歩いていく。 ついた先は寮の月子の部屋だった。
部屋に入るなり、怒鳴られた。
「もう、哉太は! エッチしたいのは哉太だけじゃないんだからねっ!」
「えっ!?」
「私だって……。 哉太と、したいよ。 だけど、哉太の身体が心配だから……我慢してるのにっ!!」
「うそだろ」
「うそじゃないよっ! 私だっていっぱい我慢してるのに!! さっきだってあんなキスしてきて。
私の身体熱くして……どれだけ我慢したと思ってるのよ……」
そう叫び、両腕でいきなり抱きついてきた。
「ごめん……。 でも、俺の事欲しがってくれて、すげーうれしい」
ゆっくりと両腕を背中に回して抱きしめる。
「ばか」
月子の顔が胸埋められて、その部分が涙で濡れてじんわりと熱くなっていく。
「哉太はいつもいつも私に意地悪ばっかりする。 小さい頃から全然変わらない」
「だからごめん、て」
「やだ。 許してあげない。 もう今日は仕返ししちゃうから」
「は?」
「出来るだけ哉太の身体に負担をかけないように、ね」
そう言いながら、俺をベッドに座らせる。
「だから、哉太、絶対に動いちゃだめだよ?」
「ちょ、お前、なにするつもり…」
「いいから! 目も開けちゃだめ!! ちゃんと瞑っていて」
「だから何するのか言ってくんねーと、怖くてできねーよ」
「いいからっ! 約束だからね!!」
顔を真っ赤にさせたまま、月子が俺の制服のボタンを外しにかかる。
「え!? おいっ!?」
「大丈夫、大丈夫。 たぶん……できると思う……」
ベルトを外して、制服のスラックスのファスナーを下げていく。
「な、なにをだよっ! ちょ……えっ……っ!!バカ!やめろっ!! お前何す…っ!!」
月子が何をしようとしているのかようやく察知して思わず声をあげる。
「私がしたいの……。 できるだけ哉太は力抜いてて……」
下着からまだ硬くなっていないそれを取り出すとゆるゆると上下される。
「…………うっ!」
自分のではない、細く白い指が絡み付いて幹を摺るのを見て、瞬時に硬くなる。
「わっ…すご……急にこんなになるんだね」
「おまっ!ちょっ……あんま見るなよ」
「哉太こそ、目を瞑ってっていったでしょ」
「あ、ああ」
目を閉じて上を向くと、あの部分が生暖かいぬめぬめしたものに覆われて焦った。
こいつさっきは図書館で自分からキスなんてムリとかぬかしてなかったか?
キスはムリなのにこれはアリなのか?
「あ…む……ちゅ…目、絶対に開けちゃダメだからね…はむ…」
くちゅ、くちゅと濡れた音が部屋に響く。
「おい、まじか…よ……ぅ」
目を閉じているからか、余計に全身の神経全てがそこに集中してしまい、快楽に身を捩る。
「力抜いて。 リラックスしてる……?」
「ば……できるわけ、…ねーっての」
拙い舌技だが、月子のあの小さな口がしてると思うと、身体中が熱くて、直ぐにでも放ってしまいそうだ。
「ズ…ちゅ…んむ…んン……目、開けてないよね?」
「閉じてるって……ふ……っ!!」
錫口に舌を突き入れられて快感に身体が跳ねる。
「つ、月子、……ヤバ……俺……」
そういうと月子がそれを放した。 目を開けてみると、顔を上げた月子が唾液に濡れた唇を赤い舌で
ぺろりと舐め取るところだった。 その仕草が扇情的すぎた。
「俺もしたい」
「ダメ。 今日は哉太は何もしちゃダメなの」
そう言うと今度は俺をベッドに押し倒した。 本当に何もさせないつもりらしい。
そのまま自分で制服のボタンを外し、スカートはそのままで下着を脱いでいく。
「ごめんな。 俺、こんな身体で……ほかのヤツならこんな面倒なことしなくていいのに……」
「病気とか関係ない。 哉太以外の人とだったら、こんなことしないよ。 哉太が好きだから、するの」
「お前……」
「哉太を良くしてあげたいから」
にこりと微笑んで言う。
「哉太を私でいっぱい気持ちよくしたいから」
そう言いながら俺に跨る。
「ほら、目ぇ、閉じて」
「えー。 俺、見たい」
「恥ずかしいから絶対ダメ。 目開けてたら、やめちゃうから」
「わーったよ」
しぶしぶ目を瞑ると、俺に掛かっていた月子の体重がふっと軽くなる。 ゴムを付ける感触の後、
「哉太、入れちゃうよ」
熱い滴が先端を潤したと思った瞬間、さっきよりももっと熱い、狭いものにじゅぽっと飲み込まれていく。
「くっ……」
歯を食いしばっていないと、何かへんな事を叫んでしまいそうだ。
いいようにされて、女みたいに喘ぐなんてかっこ悪すぎる。
「あ……ん……はぅ…ん…んン……全部…はいら……ないよ…ぅ………」
俺がまったく何もしていないから、潤いが足りないのか、月子は全部納めるのに苦労しているようだった。
「二回目の初心者がいきなりそういう事するからだ。 無茶すんな」
俺は上半身だけ起こして目を瞑ったまま、手を頬に添えてそっと唇を合わせる。
「んぅ……だめっだって」
「別にキスくらいいいだろ。それくらいさせろ」
「もう…あ……あふ」
舌を絡めて、吸い付き、口腔を愛撫すると、苦しそうだった月子が腕を首に回してくる。
じゅんと急に潤ってきて、身体から力が抜けたせいもあって、俺の切っ先がどんどん狭かった中を押し広げて
潜り込んでいくのが解かる。
とうとう奥まで押し入ると、ゾクゾクと快感に震える月子がぎゅうと抱きついてきた。
「あ、……ぁ、……あ、…」
微かに聞こえてくる甘い声。
身体が痺れるようになって動けないでいる月子に焦れて、つい腰を揺すってしまう。
「まだ……ダメ。 哉太は動いちゃだめなん……だから」
「えー。もう俺我慢できないし」
「最後は哉太が好きにすればいいよ。 ん……大事な3分だから…有効利用しよ?」
「俺、3分持たなかったら超カッコわりぃ〜じゃん」
俺の軽口に月子はクスクスと笑うと、一旦、出口付近ギリギリに引っかかるくらいまで腰を上げる。
もうあと少しで抜けてしまうというぐらいまでくると、 今度は重力に任せてストンと腰を落とす。
「あぁんっ! ……ん…ううぅん……」
勢いがついているせいで先ほどよりももっと奥の狭いところの、行き止まりのところまで突き当たった感触がした。
熱くてトロトロな内側に絞られるように締め付けられて。
月子に言われるように、なるべく身体に力を入れないよう弛緩させているというのに繋がっている部分は
ガチガチに張り詰めていて、粘膜に包まれる気持ちよさで勝手にぴくんぴくんと跳ね上がる。
まだだ。 まだ。 もっと、月子が良くなるまで。 イク寸前になるまで。
この状態でそれまで自分がイカないままでいられるのか不安だったが、月子の前でかっこ悪いところを
見せたくなくてひたすら我慢して目を瞑る。
「いい……いいよ…………哉太ぁ……」
甘い声が股間をおもいきり直撃した。 危うく暴発しそうになったじゃないか。
こんなんでリラックスしろって、こいつ酷くね?
「お前っ!……エロい喘ぎ方すんなよっ、我慢するほうの身にもなれっ!!」
「そんな事言ったって、声。 でちゃうー。 あ、あんっ……やぁっ!!」
ばれない様に薄目開けて様子を伺うと、月子は過ぎた快感に涙目になりながら、でも必死で俺を喜ばせようと
またゆっくりと腰を持ち上げ、落とす事を繰り返していた。
最初はじれったい程、酷くゆっくりだったその上下運動が、やがて徐々にペースを早めていく。
ボタンを外して肌蹴た制服から見える白い素肌。 動きに逢わせてぷるぷる揺れる胸とつややかな長い髪。
「あ…ぁん……はぁっ……ん………っふぁ」
小さい頃からずっと一緒だった幼馴染の、聞くのはまだ二回目の脳みそ蕩かすような淫らな声。
ベッドがギシギシ鳴って、繋がってるところからもチュ、クチュッと音がして、目を閉じていても全然耐久時間の
足しにならないし。 逆に変な妄想掻き立てられてイクのが早くなるんじゃ、と心配になる。
と、急にピタリと月子の動きが止まる。
「……ね、……哉太、ちゃんとこの後、勉強する?……しないなら、ここでやめちゃうよ?」
今、そんな事を聞くのは反則だろ。
自分だって気持ちいいくせに、喘ぎ声を抑えながら、こんな風に寸止めしてくる月子に理性吹っ飛ばされて、
ついに我慢できなくなって両手を腰にあてがうと、ぐいっと最奥まで突き上げた。
「哉太っ! だめっ、動いちゃだめだって!……ああっ!やんっ!…ふ…!!……やああぁっ!!」
「くっ……!! どんだけ我慢すりゃいんだよっ! これっていったいどんな拷問なんだよ……。
お前のそんな姿を目の前にして”動くな”、”手を出すな”って。 俺…このままじゃ……はっ……くっ……
頭、おかしくなるっ!!」
折角月子ががんばってくれたのに台無しにせんとばかりに力いっぱい突き入れてしまう。
「まだ。……私が、いいって言うまで……だめ……んっ!哉太っ! だめぇっ」
もう止まらなかった。
更なる快感を求めて勝手に腰が突き上げてしまう。
快感をもっと得ようと貪欲に奥の奥まで突き入れてしまう。
唇から耳から首筋からメチャクチャにキスをして、両手で胸をこね回して、もう、ひたすら暴走していった。
座位の体制からベッドに月子を押し倒して、ガツガツ腰を振り続ける。
「哉太……あ、……あぅ…あたし…ヤ……あ、あ、あ」
身体に巻きついていた腕がもっと強く抱きしめてきて、月子に限界が来たことを知る。
「はぅっ……!! くっそ、お前っ!! エロくてかわいすぎ……くっ!」
「イっ!…あ、あ、イっちゃううっ!……やぁ、やあぁぁあん!!」
「――ッ!!」
痙攣するあの部分にキツく締め付けられて、俺もゴム越しに欲望を叩き付ける。
イッて、気持ちよさげな月子にほっとして、身体から力が抜ける。
息が徐々に収まってくると、くらっと目眩がしてベッドに突っ伏した。
「か、哉太!? 哉太っ!!」
「大声出すな。 大丈夫だって。 疲れただけだ。 誰かさんががんばってくれたおかげで、な」
心配そうに覗き込む月子の髪を引っ張って、キスをする。
「ありがとな」
そう礼を言うと、月子も恥ずかしそうに顔を赤らめながら微笑んだ。
☆★☆
お互い照れくさそうに身なりを整えていると。 月子がそう言えば、と話しかける。
「”いいっていうまで動いちゃダメ”って言ったのに、動いちゃったね〜、哉太」
制服ボタンを留めながら月子が意地悪な顔をして囁く。
「しょうがないだろ、あんなの。 あのタイミングで寸止めとか、お前どんだけ鬼なんだよ」
「最初に約束したのにねぇ〜」
「わ、悪かったって。 でもいいだろ?ちゃんとこうして俺、元気だし、お前もイケたし」
そう焦って言い返すも、ニヤリと笑う月子にドギマギする。 こいつがこういう顔をしたときは要注意って
長い付き合いで解かってるから。
「ねえ、哉太? 我慢できないなら、次は……」
月子はそう言うと、俺の制服のスラックスの後ろポケットにいつも突っ込まれたままの皺くちゃなネクタイを
するりと引っ張り出して、それに口付けるとパチンとウインクする。
「縛っちゃおうかなぁ〜」
―――こいつ、俺の為とか言って、なんか味をしめてないか?―――
うお座の星座は美の女神アプロディテとエロスが魚の姿で、離れないようにお互いを紐で結んでいる。
でも俺の彼女は俺を紐で亀甲縛りしそうな勢いです。
ハァ〜。
糸冬
終わりです。
すみません。 一回の文が長文過ぎてうpするとエラーになってしまい、文の長さを調整していたら
カウントが7から9に伸びてしまいました。
お粗末さまでした。 最後まで読んでくださった皆様、感謝いたします。
おー、またしても乙です!
朝からイイもの読ませてもらいました(´∀`*)
GJ
久々にここ覗いたけど面白かった
gj
楽しく読ませて貰った
またお願いしますね
おお、前回の夏の方か!
春も楽しく読ませていただきました。GJ!
初投下です。新参者ですがよろしくです。
『風色サーフ」より、オズウェル→エリカ(×アレック)
簡単な人物説明としてはこんな感じ
エリカ…整備兵。戦争終結のため特殊任務に向かった恋人(アレック)の帰りを待ち続けている
オズウェル…エリカの先輩に当たる整備兵仲間。彼女に想いをよせている。なおアレックには気づかれていた。
アレック…補給班の人間だが、ある事情により重要任務に臨むこととなった。任務は成功したようだが消息不明
アレックルートの空白期間(つまりアレック×エリカ前提)の話なんで、
誰も報われない感じ。でも一番報われないのはオズウェル
アレックルートの核心はぼかしたつもりだけど、時間軸がEDに近いんで容赦なくネタバレ有
エロ分はごく僅か。無理だと思ったらスルーでお願いします。
「アレーニア二等兵、お前に昇進と、別基地への異動の話が来ている」
そう告げる司令の声は常と変わらぬ厳格さを帯びている。
ここに来たばかりの頃――そう、彼クラウス・ウーデットがまだ副司令だった頃――だったら
きっと緊張してまともに口をきけなかっただろうな、とあえて話の内容から意識をそらして、
エリカは口を開いた。
「申し訳ありませんが、そのお話は辞退させていただけませんか」
「そうか。では私からそのように報告しておこう」
司令も、こうなることがわかっていたように、理由を問うこともなく承諾した。
この問答ももう何度目だろうか。理由を告げずに拒み、理由も聞かずに受理される。
それでも、今回も理由を聞かれずにすんだ事にエリカは安堵した。もし理由についてきかれていたら、
昔とは別の理由で、まともに返答する事ができなかっただろう、と思う。
細心の注意を払ったところで声に震えと不安が混じってしまいそうだった。
そう、二年以上前からこの基地にいる者ならだれでも、容易に、エリカが異動を
拒否する理由を察する事ができた。
――彼女は、アレック・ユーティライネンを待っている――
二年ほど前の事だ。とうとう勃発した帝国との戦争。軍事力では帝国にかなうべくもない王国は
起死回生の一手をうった。帝国に内紛を引き起こさせ、王国から撤退させる。
だがそのためには、単独で文字通り敵地の真っ只中に飛び込み、帝国の反体制レジスタンスと
接触する必要があった。王国の命運を決する、命がけの任務。
それがアレックに与えられた、否、彼の志願した任務だった。
彼がこの基地を飛び立って数日もしないうちに、帝国内で革命が起きた。
それはつまり、彼の任務が達成されたと言う事だ。国内情勢の悪化に伴い帝国は継戦を断念、
さらに混乱は続き、ついには皇帝が亡命し、帝国は崩壊した。
そう、作戦自体は完全に成功し、王国は危機を脱した。
しかしこの作戦の一番の功労者、アレック・ユーティライネンの消息は未だ不明である。
エリカがドックに戻ってきたとき、そこには工具を片付けるオズウェルしかいなかった。
他の皆は既に午後の作業を終えて食堂に行ってしまったようだ。
エリカも自分の道具を片付け始める。
「何の話だったんだ?」
「転属しないかって、話が来てたみたいで」
「で、やっぱり断ったのか」
「うん」
会話が途切れる。言葉だけを追うなら、どうという事もない会話。だがしかし、エリカは心ここにあらず
といった様子で、その事が無性にオズウェルの気にさわった。
またあの人の、アレックさんの事を考えているのか。
二人きりのドックに工具を片付ける音が響く。エリカが数度の要請にもかかわらず転属を拒むのは、
二年前のあの日――アレックさんが任務に飛び立った日だ――に、あの人と約束を交わしたからだ。
ここでアレックさんを待つ、という約束。
アレックさんの出撃を見送ったのは俺とエリカだけだったな、とオズウェルは二年前の事を思い起こす。
あの人の前では、こいつは泣かなかった。いつまでも待っています、そう約束して見送った。
そして機影が完全に見えなくなった後、俺の前で泣いた。そしてそれ以来、人前でこいつが泣いた事はない。
それでもはじめのうちはまだよかった。帝国内に革命の火の手があがり、彼の任務がどうやら
成功したようだというのがわかって、こいつもひとまずは落ち着いていたのだ。
ところが、帝国軍が撤退する頃になってもあの人の消息は不明なままで。それでも涙を見せまいと気丈に
ふるまう姿が痛々しかった。力になってやりたい。でも、何を言ってもあいつが逆に気を使うのが
わかりきっていて、俺も、他の誰も、あえてあの人の話題に触れることができなかった。
もうあと少しであの日から二年がたつ。こいつはいつまで、あの日の約束を守るつもりなのか。
いつまでこうやって、涙を隠し続けるのか。
・・・・・・俺は後どれくらい、エリカのこんな痛々しい姿を見ていなければいけないのか。
「なぁ、お前・・・」
「なに、オズウェル?」
オズウェルは、しまったと思った。ダメだ。これ以上訊いてはいけない。
だが一度開いてしまった口は、残りの言葉もあっさりと紡ぎ出してしまう。
「お前、まだあの人を待つつもりなのかよ」
ああ、言ってしまったと彼は思った。エリカが表情をこわばらせ、そして何かに耐えるように
ぎゅ、とこぶしを握ったのがわかった。
彼女の返答を聞いてはいけないと何かが警告するが、意識をそらすことができない。
「約束、したから」
震える彼女の声。その声を聞いた瞬間、オズウェルの中で何かのスイッチが入った。
嫉妬とも怒りとも焦燥感ともつかないなにかにせきたてられ、エリカをドックの壁に押し付ける。
きゃっ、と声を上げて、エリカはオズウェルを見上げた。事態が把握できない。
アレックさんのことは、たしかに私たちにとってデリケートな問題だけど、と
エリカは混乱する頭で考える。
でも話を振ってきたのはオズウェルだし自分はそれに返事をしただけだ。情けなくも声は震えてしまったけれど。
だから今の会話のなにが彼の気に障ったのか見当もつかない。
「あの、オズウェル?」
エリカが未だ困惑から抜け出せない状態のまま、唐突に二人の唇が重なった。
いきなりのことに驚き、半ば硬直しているエリカをよそに
オズウェルはエリカのつなぎのボタンをはずし、キャミソールの中へと手を滑り込ませる。
そのことに驚き声を上げてしまったのがまずかったのか。
「やっ、オズウェル、どうし・・・んっ」
口を開いた隙に、オズウェルの舌がエリカの口内に侵入してきた。
ぴちゃり。くちゅり。
舌を絡めとられ吸われる濡れた音がドック内に響きわたり、エリカはようやく
自分が今オズウェルに襲われているという事実を認識した。
「オズ・・・ウェル、んっ、やめて、ねぇ、オズウェルっ・・・」
なんとか逃れようとするがさすがに力の差は明らかだった。
息の合間の途切れ途切れの抗議もオズウェルはまったくの無視だ。
オズウェルが何一つとして言葉を発しないこともエリカの不安を更に煽る。
オズウェルの唇は首筋をたどり、鎖骨の辺りまで下ってきていた。
ブラ越しにエリカの胸を揉んでいた彼の手がとうとうその中へともぐりこみ、キャミソールと一緒に
たくし上げられ、ふくらみに直接手が触れる。同時にオズウェルの唇がその頂に吸い付いた。
「やだ、オズウェル・・・ふぁ・・・ひゃぁんっ・・・!」
おそろしく甘ったるい声がでて、エリカはあわてて口を閉じた。
なんで、オズウェルが。こんなこと、やってはいけない。アレックさんへの背信行為だ。
オズウェルだって、わかってるはず。なのに、なのになんで!
言いたいことは色々あるのに口を開くと全て喘ぎ声に変わってしまいそうで、
エリカはオズウェルの舌と指がもたらす感覚に耐え必死に唇を噛みしめた。
「なけよ」
一言も、それこそ嬌声も抗議の声すらあげず頑なに口を閉ざすエリカに業を煮やしたのか
ようやくオズウェルが言葉を発する。が、そのことに驚いたのはむしろオズウェル自身であった。
なけよ、といったのは自分なのに、啼けよなのか泣けよなのかも判然としない。
いや、この状況で前者だと断言できないあたり、むしろ泣けよに近いのか。
「なんで・・なんでだよ。俺じゃダメなのかよ。俺だってお前が・・・くそ!何でアレックさんなんだよ!」
愛撫の手を止めて絞り出すように話し始めたオズウェルの様子に異変を感じて、エリカはさまよっていた視線を
オズウェルに向けその表情を伺おうとする。いま、オズウェルはとんでもないことを言わなかったか。
俺じゃダメなのかよって、俺だってって、つまり、そういうことなのだろうか。オズウェルは、私のことを。
そんなエリカの動揺に気づかずオズウェルはなおも続ける。
「何で泣かないんだよ。あの人の、アレックさんの名前をどうしてよばないんだ。助けてって、
アレックさんって、言ってやれよ。俺にこんなことされてていいのかよ。いいから泣けって。
なんでいつもお前は泣かないんだ、どうして、」
「ごめん、ごめんなさい、オズウェル」
エリカの謝罪に言葉をさえぎられ、オズウェルは驚いて顔を上げた。ようやくエリカと目が合う。
支離滅裂なことを言った自覚はあった。今まで黙っていた反動か、整理のつかないままの
己の胸中をそのまま言葉にしてぶつけてしまっていた。エリカの抵抗を力づくで封じておいて、
俺にこんなことされてていいのかよという科白は無いだろう。だいたい、俺じゃダメなのかよなんて
こいつに言うつもりはなかったのに。暴走して、俺の気持ちだけまくし立てて。
この状況ではどう考えても謝罪すべきは俺の方だ。
なのに、どうしてエリカが謝ってるんだ。
「・・・なんでお前が謝るんだ」
「私、自分のことでいっぱいいっぱいで、オズウェルのことまで気が付けなくて。
でも、駄目なの。私、アレックさんに、いつまでも待ってるって、そう、約束したから、だから、
オズウェルの気持ちにはこたえられない」
「約束したからって、お前は約束だから待ってるのかよ」
「だって、待ってますって言ったのは私の方だから。自分からした約束なのに、反故にはできない」
「そういうことじゃない!」
言いたいことがエリカに伝わらないのがオズウェルにはもどかしかった。お前は、約束に縛られてるだけでいいのか。
怒鳴るような声に体を震わせたエリカをみて、その言葉はなんとか飲み込んだ。でも事態はまったく好転していない。
さっきは力で、今度は言葉で、エリカを傷つけている。
つかの間訪れた沈黙を破ったのはエリカだった。
「約束に、」
「え?」
「約束に、縛られてると、そう、オズウェルはおもっているの?」
「違うのかよ」
エリカはかぶりをふった。
「違う、そうじゃないの。もちろん、私は約束を守るつもり。でも約束それ自体のために、アレックさんを
待ってるわけじゃない。私が、アレックさんとの約束を守っていたいから。
・・・・・・アレックさんが好き。大好きなの。アレックさんは、必ず戻ってくるって言ってくれた。
だから、私もいつまでもアレックさんを待つって決めたの。私が、そうしたいの。
たしかに約束だけど、これはある意味では私のわがままだから」
声は震えていたものの、エリカはきっぱりと言い切った。
ふられた挙句目の前で盛大にのろけられたにもかかわらず、オズウェルは安堵した。
こいつは約束に縛られてたわけじゃない。全部、こいつが選んだ事だ。
たしかに、こいつが無理してふるまっていたのはアレックさんのせいではあるけれど、でもこんな状態の
エリカからこれだけの強さを感じさせる言葉を引き出したのも、やっぱりあの人で。
結局、俺が入り込む余地なんてなかったってことかよ。
嵐のように吹き荒れていた心の中が、平静を取り戻していく。
と、とたんに理性が戻ってきて、彼女と自分の状態を正しく把握しようとしはじめる。
俺は壁際にエリカを追いつめてて、そのエリカは・・・
あわててオズウェルは後ろを向いた。何故今までこんな状態で話ができていたのか。
「オズウェル?」
「何ぼーっとしてる、早く服を着ろ」
「!!」
ようやくエリカも我に返ったようだった。息を呑む音のあと、僅かの衣擦れ。
その間オズウェルは彼自身の約束の事を思い返していた。
夕暮れのドックで交わした、アレックさんとの約束。
あの人は、俺の彼女に対する想いにもとっくに気づいていたようだった。その上であの人は。
君にこんな事を頼むのは図々しいとわかっている、でも、聞いてほしいんだ、そう前置きして。
自分がいない間、エリカを頼む、と言ってきた。
そして結局――俺はその約束を引き受けた。
俺の気持ちを知ってるくせに、どうして、と思った事もあった。俺がエリカに手を出さないと
本気で思っていたのかと、そうたずねたい事もあった。なんて自分勝手な人だ、とも。
でもきっと、そうじゃない。人の心に聡いあの人のことだ、全部お見通しだったんだろう。結局俺にはエリカを
悲しませるようなことはできないってことも、エリカがあの人のことを待ち続けてしまうだろうことも。
きっと全てわかった上で、あの夜俺に話をしに来たんだ。
なんだか手のひらで踊らされていたようで悔しい。ああやっぱり、なんて自分勝手な人だ。
でも敵わないなと、そう思えた自分が新鮮だった。アレックさんのほうが俺より16も
年上なんだから、敵わないのは年の功のせいだと、そういうことにしておこう。
そこまで考えたところで、おずおずともう大丈夫という声がして、ようやく振り向く。
そして今更ながらに、エリカにまだ一言も謝っていないことに思い至った。
「あの、オズウェル、さっきの事だけど」
「悪かった、二度としない」
「・・・うん」
いったん言葉を切ってオズウェルはエリカの様子を伺った。オズウェルを怖がるでも、
無理をしているわけでもなく、ただ少し戸惑っているだけだといった感じでたたずんでいる。
ああ、なんて強いやつだ、とおもった。多分、許してくれるってことなんだろう。
その事に安堵する自分が幾分情けなかった。
「・・・本当に、悪かった」
「・・・うん。でも、私のことを心配してくれてたのは、わかったから。だから、もういいの。
この話は、これでおしまい。・・・あの、私たちも早くここを片付けて食堂にいかない?
私たちの夕食もだけど、フギンとムニンのこと、すっかり忘れてるでしょう?はやくいって
ティノさんからえさをもらってこないと。きっとあの子達もおなかをすかせてるわ」
「ああ、そういえば」
エリカがいつもの調子に戻ったのを確認する。きっと、もうこの話は蒸し返さない方がいい。
そうオズウェルは判断して、会話の糸口を作ってくれた二羽に感謝しつつ、あえていつもどおり、
何事もなかったかのように振舞う事にした。他愛のない会話をしながら、工具箱を片付け、
照明を消し、ドックを後にする。
二人で歩きながら、エリカとなんでもない会話ができるようになったきっかけもあいつらだったなと
オズウェルは思い出す。フギンとムニンの世話をしてるところをエリカに見られて。
その秘密を共有したとき以後、こいつと話すのが苦ではなくなったような気がする。
そういえばどうしてあの時エリカは俺を探していたのだったか――その答えに行き着いた瞬間、
盛大にため息を吐いてしまった。そうだ、あれは。俺とエリカの仲の悪さを見かねた
アレックさんが、二人も補給班に同行してみたらと提案して。そのプランをけって逃げた俺を、
エリカが探しに来たんだった。ああ、ここでもアレックさんに敵わないのか、まったく。
いきなりため息を吐いた俺をエリカが不思議そうに見上げる。なんでもない、そういって、
俺は食堂への歩みを幾分速めた。アレックさんが帰ってきたら、今日の事をどう説明しよう、と
考えながら。
数日後。またあいつに昇進、異動の話があったらしい。やっぱり断ってたあいつと、
また約束の話になった。今度は俺もあいつも平気で話せた、というか、俺の
アレックさんとの約束を話してしまう羽目になってしまった。やっぱり言うんじゃなかったなと
思いつつも、約束は守るもんだろ、なんてこの前のあいつみたいな事を言いつつかわそうとしたら。
「うん、守るべきだね」
なんて予想外の声が飛んできて。
顔を向けるとそこに、アレックさんがいた。エリカは確かめるのが怖いのかまだ振り返らない。
「すまない、エリカ。色々あって待たせてしまって」
二言目でようやく確信を得たのか、あいつが勢いよく振り返って、アレックさんに飛び込んでいって。
そこからはなんかもう、二人の世界だった。ただいまやらおかえりやらに留まらず、
愛してるよ、とか、私も愛してます、とか言いはじめるし。
お前ら俺がいる事忘れてるだろ、とつっこむ元気もうせた俺は、よかったな、約束守れて、とだけ
なんとか口にして、立ち去ろうとした。そのときのあいつは、あの日以来はじめて泣いていて。
ああ、やっぱりアレックさんには敵わないなと思ったのはこの前から数えてもう何度目だろう。
・・・・・・この前?
そして俺は、数日前の出来事をアレックさんにどう説明すべきかと言う問題が未解決だった事を
思い出し、盛り上がってる二人を前に頭を抱えた。
以上です。
おまけでオズウェルが更に報われない事になってるのはご愛嬌。
本人ルートのときも好きだけど、でもオズウェルはアレックさんルートの時も輝いてると思う。
あんた男だよ・・・!といきおいでアレックさんルートのオズウェルを書こうとしたものの
私がアレックさん大好きなばっかりに、予想以上に報われないオズウェルに。
オズ好きの方、申し訳ない。
そしてここまでお付き合いくださった皆様、ありがとうございました
GJ、投下乙
風色サーフ面白そうだね
個人的に読みやすい文章で良かった
お疲れさま
GJ!!
風色待ちだったので嬉しい限り
どうもありがとう
GJ!!!
自分も風色待ってたので嬉しい。
オズウェルはアレックさんルートでも輝いてるよね。
GJ
面白かった
風色キタ――――――――――――――――――!!!!!!
GJでした
確かにアレックさんルートのオズウェルの報われなさは異常だよなwww
出来たらそんなオズウェルが報われるものも待ってる
603 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/01(火) 12:05:35 ID:b6b6f3RP
GJ
唯一遊んだことのある女性向けゲー
良かったよ
エロパロが読めるなんて嬉しい
失礼
間違えて上げてしまった
圧縮の足音が聞こえて来たので
一応保守
保守しておく
今夜来るかも知れない
圧縮から逃れませう
オトメイト関係はここでいいのかい?
ハイ
そうです
いつ来ても良いように保守しとこ
保守
面白いゲームたくさんあるし、何か書こうかな。
これが噂の…
もう9月も終わりだねぇ
さすがにほしゅ
『風色サーフ』よりオズウェル×エリカで一本投下します
十五夜には間に合わなかったけど月見ネタっぽいなにか
オズルートなので恋人同士。
ほぼED後だけどたぶん最後のスチルよりは前な感じ
なのでやっぱり若干のネタバレありです
苦手な方、無理だと思った方はスルーでよろしくです
発端は親方の一言だった。
「おいお前ぇら、明日は月見会するぞ」
月見会?親方の発した耳慣れない単語にエリカは内心首をかしげた。
でもどうやらオズウェルたちには内容がわかったらしい。
「ああ、もうそんな季節か」
「あぁあ、親方、今年も張り切ってますねぇ」
「んだよトゥーフォン、華夏にだって中秋の名月って奴ぁあるんだろう?」
「いやだから、俺はスカンディラ生まれのユクトランド育ちなんですよ?
華夏の習慣っていわれてもあんまりピンとこなくて」
「そういやそうだったか?ま、いいか、ともかく――――」
どうにも話題についていけない。
親方とトゥーフォンの話の腰を折るわけにもいかないし、となると、聞くべき相手はやっぱりオズ。
「オズ、月見会っていったい何のことなの?」
「ああ、おまえはまだ知らなかったか。もともとは親方の故郷のジパングの習慣らしい。
秋の満月の日に月見団子とかいうものを飾って、月を見るんだそうだ。
で、それを口実に酒を飲もうって親方が言い出したらしくて、うちじゃ毎年秋になると
月見会と称して宴会をやる事になってるんだよ」
「そうそう、ちなみに華夏でも似たような習慣はあって、団子じゃなくって月餅を食べるんだよねー。
どっちも丸いし、やっぱり月とかけてるのかねぇ。」
いつのまにかトゥーフォンも会話に加わっていた。
お団子とか月餅っていうのも聞いたことがなかったけれど、なにやらお菓子の一種らしい。
「つまり、丸いお菓子を食べて月を愛でるっていうジパングや華夏の習慣にのっとって
みんなで宴会をしよう、と、そういうことでいいの?」
二人の話を整理して要約するとそういうことらしいのだけど。
「いやー、ちゃんと月を見てるやつが何人いるんだって感じなんだけどね」
「月なんてただの口実みたいなもんだ」
二人の息がぴったりで、エリカは思わず笑ってしまった。
誰かから聞いたことはあるけど、お酒を飲む口実って本当にいっぱいあるんだわ。
その後親方がコリンに声をかけたことが発覚して、第二種戦闘配置を敷く班が出るなど一騒動あったものの、
準備自体は着々と進められていった。
予想通り、収拾が付かなくなった会場をこっそり抜け出してきたのがつい先ほど。
せっかくだから私たち二人だけでもちゃんとお月見をしない?といったら、
騒ぎに辟易していたのはオズも同じだったのか迷うことなく賛成してくれたのだ。
じゃあコリンにつかまらないうちに早く、と会場を出たところで、はたと気づく。
月を見るって言っても、どこから見るのがいいのかな。
外じゃなくて部屋で見ないか、と切り出したのはオズウェルだった。
「兵舎の窓は南向きだから、部屋からでも大丈夫だろ。
その、……下心は無い…わけじゃないけど、そろそろ夜は冷えるから外で見たせいでお前に風邪ひかせたくないし」
なんて、正直に話してくれるオズウェルが愛しくて。
だから自分も、多少恥ずかしいけれど正直に気持ちを伝えたいと思った。
「だったら、私の部屋はどうかな?……その、オズの部屋はトゥーフォンも帰ってくるわけじゃない?
私の方は今一人部屋だから、遅くなってもいいというか……その……あ、朝までいても平気だし、それに――」
私はオズの恋人なんだから、下心があっても全然構わないのに…
恥ずかしさに耐え切れなくなって最後の言葉は消え入るようになってしまったけど、
オズにはちゃんと伝わったみたいだった。
顔を赤くしてちょっと目を丸くして。それから、言葉とはうらはらのとても優しい声で
「馬鹿、お前、自分が何言ってるかわかってるのかよ」
そう言って、触れるだけのキスを一つ、くれたから。
部屋の中、満月を見上げてエリカが口を開いた。
「前に補給班に同行したときにも、オズと二人で星を見たっけ」
「そういえば、たしかに」
そんなこともあったな、とオズウェルは思い出す。
あの旅で、自分と彼女の距離はだいぶ変わった。もちろん、あの後も色々あって。
今みたいな関係になったのは更に後になってからだったけれど、それでも初めて会ったときとは
比べ物にならないほど、変わった。
「星を見るのは好きだけど、でもこうやって月だけを特別に観賞するって言うのは初めてだから
ちょっと新鮮かも」
「遠い東の習慣だからな。こっちでは、昔は満月は狂気を呼ぶっていって、
あんまりまじまじ見るようなものじゃなかったらしいからな」
開け放した窓から夜の冷気が入り込み、エリカがわずかに体を震わせた。
「やっぱり、窓閉めよっか……え、オズ?」
体を震わせるエリカを視界に捉えた瞬間、思わずエリカを胸に抱き寄せていた。
温かい。燃えるような熱さではなく、もっと穏やかなあたたかさ。
わかっている。わかってはいるのに、抱きしめずにはいられなかった。
エリカの頬が赤いのも、先ほど少し震えていたのも、あの時とまったく理由は違うのに。
――――血を大量に失って震えているのに、傷口からの熱のせいで顔を真っ赤にしていたエリカ。
意識もないそんな状態の彼女を腕に抱き必死にこのロビュ基地を目指した、あの時――――
「もう、オズったら。」
それでも。違うとわかっていてもなお、抱きしめ返してくれる彼女のぬくもりが心地いい。
あんな思いをするのは二度とごめんだ。そんな思いをこめて、オズウェルは更に強くエリカを抱きしめた。
「ね、どうしたの。オズ?」
さすがにエリカも不審に思ったのか、もぞもぞと動いてオズウェルの顔を見上げる。
オズウェルは、少し罰の悪そうな顔をして言葉を紡いだ。
「お前が、さっき震えたのを見て、それで、お前、顔もちょっと赤かったし、」
「…うん、」
「あの作戦のときの事を思い出したんだよ。……怖くなった」
「オズ……」
その告白はエリカの心臓をもぎゅっと締め上げた。
大事な人を失う恐怖。その気持ちはエリカにも痛いほど感じられるもので。
「確かめたくなったんだ。俺も、お前も、こうしてちゃんと生きているんだよな」
「うん……だから、こうやって一緒にいられる。大丈夫、ちゃんと、生きてるよ」
そう。私たちは生きている。
だから、こうやって抱きしめあう事ができる。ぬくもりを分かち合う事ができる。
大好きな人と一緒にいられることがどれほど幸せかっていうことを確かめ合える。
「…………。いきなりこんなこと言ったのに、呆れたりしないんだな」
「当然じゃない。あの時オズウェルは、私のために必死になってくれたんでしょう?
私だって、あなたが撃たれるんじゃないかと思ったときは、本当に怖かったもの。
呆れるなんてありえないよ」
視線が絡み合う。お互いを、そのぬくもりを確かめたい。
その視線だけで、言葉を交わさずとも二人には十分だった。
最初は唇の感触をただ確かめるような、キス。
それから、オズウェルの舌が唇をつついてきて。
応えるように唇を開くとするりと彼の舌が口の中に進入し、その感覚に、
エリカは小さくふるりとその背筋を震わせた。
オズウェルの舌がエリカのそれを絡めとり、吸い上げる。
その吐息と、唇と、口内を這い回る舌の熱さにだんだん思考が緩慢になっていく。
後頭部に添えられていたオズウェルの右手でエリカのリボンが解かれ、無造作に、しかし床ではなく机の上へ。
そのなんともオズらしい気遣いも愛しくて、エリカはきゅっと彼の服を握る手に力をこめた。
ようやく唇が開放されたときにはエリカは立っているのもやっとと言った状態だった。
そのまま倒れこむようにベッドへと押し倒され、服を脱がされてしまい、
そしてこちらも衣服を脱いだオズウェルが覆いかぶさってくる。
初めてじゃないけれど、でもまだこうやって肌を重ねた事は数えるほどしかなくて。
それでもその数回でオズウェルはエリカの弱い場所を確実に探り当てていた。
オズウェルの手が体の線をなぞり、その唇が肌をたどるたびに、体中を駆け巡る快感に
体が跳ねてしまいそうになる。
「ふ、ぁぁ、オズ…っそこは、あぁっ」
「お前、ほんとに敏感なんだな」
「だ、…って、ぇ」
胸の頂を口に含んだまましゃべられて、どうしていいかわからないくらい感じてしまう。
そのうちに、脇腹を這っていた彼の手が下の方へ伸びてきて。
「すごいな。もうこんなに濡れてる」
「……っ、も、そんなこと、言わ…な、で、……はぁっ」
そのままオズウェルの指がじらすように入り口をゆるゆるとなぞる。
そのもどかしい感覚に涙があふれてきそうだ。
「指入れただけなのに。こんなに締めてきて」
いきなりじゃなく、いつも指で慣らしてからしてくれるオズのやさしさが、今はただただ辛い。
早く。早く、オズを感じたい。オズを確かめたい。
どうしようもなくオズを求めてしまう私の心と体の隙間を、どうか埋めてほしい。
「オズ…オズっ、おねがい、早くっ……オズが、欲しいの」
「っ…エリカ…!」
その懇願を受け入れたのか、オズウェルが一気にエリカの中に押し入ってきた。
「あぁっ!……は、ぁっ…オズ……オズっ!!」
オズウェルが内壁を擦りあげる度に、求めていたものが与えられた喜びに打ち震える。
今日の彼はいつになく激しいけれど、そのことも嬉しかった。
「っ、く、……」
求めていたのは、私の方だけじゃなく。
「は、…っあ……、オズ……!」
オズも、私を求めてくれている。そのことがとても幸せで。
「…エリカ…っ……」
この気持ちをオズに伝えたくて。
「オズ……好きよ、大好き…!今、私、とっても幸せ…っ」
「……っ」
瞬間、息を詰めたオズウェルに、体ごと抱き上げられる。
彼の上に向かい合って座る格好になっていた。
自分の重さでいつもより深くまでオズを感じる事になって。声が抑えられない。
「やぁ、オズ、深、い…………ふぁ、あぁぁ!」
容赦なく突き上げられ、揺さぶられ、追い詰められていく。
「お前の、せいだ、……さっきのは、反則だろ」
「ふぁ、さ……っき…?……やぁん!」
「だからっ……ああもう、わかれよ!」
「はぁっ、ん、…ああぁっ」
意味のある思考は快感にさらわれていって既に散りじりになっている。
「エリカ……俺も、俺だって愛してる、幸せなんだ、エリカっ……」
それでも、オズの言葉がが聞こえて。
私、こんなにも愛されてる。ああ、もう、駄目。
「オズ、オズ、……っ駄目、もう私、…ぁはぁっ」
「…っ、俺、も、……エリカ、」
「ああっ、は、やぁ、……っ、あ、ああぁぁぁっっ!!」
「…エリカ………っ!!」
意識が、真っ白にはじけた。
「結局、私たちもほとんどお月様を見てないんじゃないかしら」
「一応見た分だけ、コリンあたりよりましだろ」
「それは流石に比較対象が悪いよ」
「……それもそうか」
行為の後のこんなおしゃべりの時間も、私の大好きな時間。
でも、こうやって何も心配しないで一緒にいられるのも、お酒を飲んで大騒ぎできるのも、
今が平和だからに他ならないから。
「ね、オズ」
「ん?」
「来年も、その次も、その先もずうっと。こうやって平和に月を見上げられたらいいね」
「ああ。そうだな」
この平和な時を、平和な世界を、守っていけますように。
そう、平穏そのものの光をたたえる満月に願った。
以上です。
前回レス下さった方、ありがとうございました。
おかげでこの度オズ編のリベンジと相成りました
今度はオズにいい思いさせてあげられた……はず
ムッツリ(でも自爆)+ツンデレ(もうほぼデレデレ)、これで22歳とか信じられん
それではここまで長文にお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。
>>624 GJ!!
またしても…ありがとうございます!
風色好きとしては嬉しい限り
お時間のある時には、またお願いいたします
投下お疲れ様。GJ。
オズウェル好きなので嬉しい。
>>624 超GJ!!リベンジ嬉しい!
オズ最萌者として思いきり萌えますた
甘くて幸せでいいよいいよー
gj
良かったです
萌えた! GJ!
風色の人、GJです
631 :
スタスカ夏小ネタ:2009/10/18(日) 22:33:13 ID:K2ZQWcCP
秋真っ盛りですかスタスカ小ネタ夏組です。エロというかシモっぽいので注意。主人公のキャンセル名(夜久月子)が出ます。
+++++
今日のお昼はお財布を教室に忘れてしまって、梓君にご飯を分けてもらった。
梓君が持っていた宇宙食は滅多に食べる機会無いし、味が気になったし。
でも、さすがに一つの容器から二人でストローで吸うなんて、予想外だったなぁ。
……そういえば、他にも不思議なことがあったなぁ。
「それじゃあ、もう少し分けてもらうね」
そう言ってストローに口を付けた時にサイドから髪の毛が落ちてきた。
ぱさり、と音を立てたそれは微かに梓くんに当る。
「あ、ごめんね」
「いいえ、大丈夫ですよ」
ああ、こうなるのなら結んでおけばよかったなあって重いながら、私は落ちてきた髪を耳にかける。
そして、ストローがずれないようにそっと指で押さえる。
「……んっ」
何となくだけど、梓君と目を合わせるのが恥ずかしくて思わず目を瞑りながら吸ってしまう。
視覚が遮断された分、細いストローを介して宇宙食が喉を通る感覚がダイレクトに伝わってくる。
今分けてもらっている宇宙食の中身は野菜スープのようなものらしく、とてもあっさりした味わいだ。
「ん、おいし……」
梓君の言う味わ良いという言葉を理解して、思わず感嘆が漏れた。
「……あ、あの夜久先輩?」
「ふぁい?」
視線だけ上げて私を呼ぶ梓くんを見る。何だか真っ赤な顔をしている。
「やややや夜久ぁ! す、ストローから口を離せ!」
突然横から宮地くんの注意が飛んでくる。その声にびっくりして、思わずストローを離してしまう。
「ふぁ! ご、ごめんなさい! お行儀悪かった、よね?」
「……そういうことにしておく」
こちらを見ずに、宮地くんは視線を反らしてそう呟いた。
「あ、夜久さん。ほっぺに宇宙食が飛んでるよ」
「えっ?」
そういえば。さっき離した時慌ててたせいで中身が頬っぺたに付いたのかな?
「取ってあげるからじっとしてて」
「大丈夫ですよ。自分で出来ますから」
指で探ると、頬骨より少し下の辺りに付いていた。それを指で掬って、そのまま口に運ぶ。
流石にそのまま指をしゃぶる訳にもいかなないし、舌でちろりと舐める。
「っ!」
そのまま、何故か部長まで顔を真っ赤にしてしまう。そして、蚊の鳴くような声で一言、呟いた。
「その、指は……せめてテッシュか何かで拭こう、ね?」
何故か思いつめたような、それでいて必死さを帯びた声音に、私は首を傾げながら頷くしかなかった。
今日のご飯はすごく楽しかったな! でも、どうしてみんな顔が赤かったんだろ?
……今度錫也とかに聞いてみればわかるかな? うん。そうしようっと。
力つきました。夏組逃げて超逃げて。
よりによってこんなネタで下げ忘れましたスマソ
>>631 GJ!未プレイだけど充分ニヨニヨしました。夏組命無いなw
こういう話好きだw男連中だけわたわたする感じが
>>633 d。多分夏組はお母さんにフルボッコにされるはず
そして誤字発見しました。重ね重ねスマン
×味わ良いという
○味は良いという
乙
良かった
遅くなったけど、投下乙!
637 :
名無しさん@ピンキー:2009/10/29(木) 11:49:49 ID:vp3TZETo
保守
クラキミの投下がきますように保守
じゃ、軽めにネタ投下。
クラキミの主人公×ルナ。なにごともありえないネタで。
薄暗い倉庫のなか、じゃらりと鎖の音が響く。壁にもたれたままの秋山くんが目覚める気配はまだ無い。
私は後ろ手で縛られ両足も鎖で拘束されたまま、何とかつま先を伸ばし彼の身体を蹴ってみた。
「・・・ぅ、う・・・ぐ・・・」
「秋山・・・くん・・・。だ、大丈、夫・・・?」
重そうに頭を振りながら秋山君が身体を起こし・・・、私の姿をみて絶句する。
「おまえ・・・一体・・・?」
私は手早く事態を説明した。
この部屋には毒ガスがまかれていること。どちらか一人しか自由になれなかったこと。
「なんで、そんな・・・。・・・・・畜生!! 絶対に、・・・助ける。おまえを絶対に助けるから!!」
「う・・・ん・・・」
秋山くんが、半分泣きそうな顔で部屋を飛び出していく。
少しでも時間稼ぎにと、扉に工具入れを挟んで置いてくれた。
そして、彼の足音が聞こえなくなった頃。
「・・・・・くくく。何で、彼に助けをもとめなかったんだ?」
「・・・・・・」
倉庫のガラクタの間から、仮面の男が姿を現した。工具入れを引き抜き、扉を閉める。
「・・・・・・う・・・」
私は精一杯の力で仮面の男をにらみつけた。
「そんなの、嫌、――――っ」
「体力に勝る男子を開放してやったんだ。おまえにはこのくらいのペナルティが必要だろ」
冷たい床に微かな振動が響き始めた。
私の、身体の奥。ずっと深いところに埋め込まれた異物・・・・。
「あっ・・・イヤ・・・・・ん・・・は」
耐え切れず身体を床に倒す。甘ったるい臭いが、鼻から口から押し寄せてきた。
「何・・・この・・・」
「悪いが、これは毒ガスじゃあなっくってね」
「・・・あ」
頭がくらくらして・・・身体が・・・熱くなる。
下腹部の振動が一層激しくなり、声が次第に高く甘ったるくなっていく。
仮面の男は私をうつぶせに寝かせスカートをめくり上げると
私が身につけたままの皮製の拘束具をじっくりと眺めた。
「こうなると・・・一本だけじゃ足りないなぁ」
皮の下着のロックを外すと、お尻があらわになる感触がする。
異物を埋め込まれたままの入り口をわざと音を立ててかき回した。
「やぁ・・・っ」
くちゅくちゅと水音を立てながら、今度はじっくりと後ろの・・・穴を、こね始めた。
「ひんっ・・・。イヤ・・・・、そこ・・・、あああああっ!!!!」
ゆっくりとゴツゴツしたものが押し込まれていく感覚。
焼けるような痛みが押し寄せてくる。
「あ、ああ、・・・・・・・っ」
「さてと、手首の鍵はここにしまって置いて」
びちょびちょに濡れた前の穴に、コンドームに入れられた鍵が挿入されていく。
「やめ・・・て・・・」
「そして、下着の鍵はここ」
静かに振動を続ける私の下腹部をもう一度拘束し、その鍵を私の口の中に収めた。
「うぐ・・・ぅ」
「そろそろいとしの彼が来てくれる時間だな」
「う・・・・ぅ」
仮面の男は立ち去っていた。
でも・・・私は・・・・どうすれば・・・・。
・・・ bad end ・・・ ?
>638の暗闇の果てになりますよーに。
後悔はこれっぽっちもしてないぞ。
ごめん、今見直したら、ぜんぜん主人公×ルナじゃ無いよ。
正直ごめんなさい。後悔しました。
>>641 GJGJ!
クラキミの二次創作って初なんじゃないかな
死神がつけていったのは貞操帯なんですねわかります
ルナどういう反応するんだw
>>639 GJ!!
久々に覗いたらクラキミが来てるとは!
楽しませていただきました〜
>639
クラキミ来てた〜!GJです
このあとルナの救助が成功するとトゥルーなわけですねw
アラロスDSも発売されて少したつけど
サイトも健全ばかりだし、ネタ豊富だからぜひ萌えたい…
シャーク、カーティスとか誰か…
>>645 倉庫にいくつかあったよ>アラロス
自分はPC版しかやってないけど、移植でもそれっぽいシーン多いのかねロゼは
スチュアートの場合、
メイド服を着せようとして怒られて川´・ω・`川ショボーン
↓
仕方ないから着てみせて慰めるアイリーン
↓
*・゜゚・*:.。.川*´▽`川パァァ.。.:*・゜゚・*:
↓
次の日起きられなくて「二度としない…」と呟くアイリーン
↓
ふりだしにもどる
流れを無視して投下。
アラロスはそのうちうpしますんで、許してくれ。
「すみれの蕾」の若手演出家で俺様ご主人様の夜凪 トウワと学生時代からずっと奴隷(というかパシリ)の
主人公サツキの話です。
鈍い主人公は乙女ゲお約束ですが、このSSではさらに後ろ向きで奴隷気質が強い主人公なので、
苦手なかたはスルーお願いします。
ゲーム本編のネタバレはありません。 ですが捏造てんこ盛りです。
ファンディスク発売が公式で電撃発表されたので祝!「すみれの蕾」FDってことでうpします。
NGは『歩いていこう』です。
お風呂に入って寝巻きに着替えあとは寝るだけ、と部屋で読みかけのファッション雑誌を捲っていた、そんな時。
夜凪君から急な呼び出しがきた。
携帯のメールには「今すぐ来て」と一言だけ。
どんな用があるのかはまったく書いていない。 まあ、いつものことだけど。
なんだかよくわからないうちに告白させられて、二人が世間一般に言う恋人?らしきものになってから二ヶ月。
キスとか体を触られたりとか……それくらいは一応あったりするけど、まだ深い関係ではないっていうか……。
二人の関係は学園にいた頃から全然変わっていない。
私はいつまでたっても夜凪君の雑用係。
呼び出されたらすぐに駆けつけてお茶を入れるとか食事を用意するとか。
急に呼び出されて雑用をする日々。
……何もこんな夜中にまで呼びつけなくてもいいのに……。
ため息をつく。
でも、本当に嫌なら行かないはず。 こんな呼び出しでも呼んで貰えるのがうれしいなんて。
彼の言動に一喜一憂する自分をバカだと思う。
弟や母に小言を言われるのが嫌で、夜中にそっと家を抜け出した。
息が白い。 耳が冷たくてジンジンする。
こんな時間だからいつもはにぎやかな道も今は誰も歩いていない。
一人で歩くのは怖いけど。
等間隔に並んだ街灯の明かりだけを頼りに、
小走りになりながら寒い石畳の夜道を歩いていく―――。
☆★☆
やっと夜凪君のマンションに着いた。
合鍵を使って部屋に入ってみると、部屋の中は暗く、物音ひとつしない。
明かりのついていない寒々としたリビングには当然誰もいない。
そのまま廊下を歩いて今度はベッドルームの扉をそうっと開けてみる。
と、広いキングサイズのベッドには誰かが寝ている気配がする。
もしかしなくても、呼びつけておいて寝てるとか!? ひ、ひどい。
「夜凪君?」
小さな声でそっと名前を呼んでみるが返事はない。
「夜凪君……。寝てるの?」
もし寝ていたとしたら、起こした!と怒られるのを覚悟でもう一度先ほどよりもう少し大きめな声で声をかける。
「……ん…、ああ。来たの」
来たの、じゃないよ。 もう。
でもけしてそんなグチを言える相手ではない。
『夜凪君には絶対服従』。
そう、これはもう学生の頃からの刷り込み。 今さら変わらない、変えられない。
「あの、何かすることがあるの? あるなら私、早く済ませて帰りたいんだけど」
「へー、いきなり帰る話? いい度胸だね」
「だって……!? 夜凪君、明日仕事でしょ? 私だって仕事あるし……」
私が帰りたそうなそぶりをすると、即座に不機嫌なオーラが漂った。 いつもと変わらないポーカーフェイス
なのに空気が違う。
いつの間にか、そういう空気を敏感に察知できるようになっているいじめられっ子気質な自分が悲しい。
「あ、あの、べ、別にすぐ帰りたいってわけじゃ…な…」
おろおろして言いつくろう私ににこやかな笑みで彼は言った。
「そう。 まあいいや。 なら早く済ませようか。 その”用事”ってヤツを」
にっこりと微笑んで彼が言った。
「ベッドの中に入って」
「へっ!?」
「何を惚けた顔してるの。 早く」
「ど、どうして!? 用事ってそれ!? そのために私を呼んだの?」
「”そのため”ってなに? へー。 お前、期待してるわけ?」
「え、だって、ベッドの中に入れって……今、夜凪君が……」
「今日、寒いよねー。 先日まで暑いくらいだったのにいきなりこんな冬になっちゃうなんてさ。 まだ暖房も
毛布も冬服も出していないし。 ベッドが寒くてちっとも寝られないよ」
そうだった。 夜凪君は極度の低体温で低血圧だった。
うららかな秋の陽気が一転して、冬の木枯らしが吹いた今日。 彼はそんな寒さがとても苦手らしい。
学生の頃は冬の季節はいつも調子悪そうだった。
まあ、夏だって春だって彼は常にだるそうなんだけど。
それにしても暖房代わりか……。
好きな人と二人でベッドに入って、何もされないで寝るだけなんて、辛すぎるよ。
いや……夜凪君に何かされても困るけど。 恥ずかしすぎて憤死するかも。
もちろん自分から「して」、なんて死んでも言えっこない。
やっぱりこのまま家に帰りたい!!
彼になんとか考え直してもらうためにあれこれ代案を回らない頭で必死で考える。
「じゃ、じゃあ私、クローゼットから毛布を出してくるよ」
そういうと、はぁ〜とため息をつかれた。
「あのさ。 今からクローゼットの毛布を出してどうする気? 俺、日光に干して無い毛布で寝るなんてやだから」
「……じゃあ暖房を入れるから、もうちょっと我慢して」
「却下。 いいから早くベッドに入ってくれる? 今から暖房なんか出すより、お前の体で暖めろ。 お前は体温が
高いからベッドがすぐに温まるんだよ」
「……そんな、人を湯たんぽみたいに…………」
グダグダいい続ける私にうんざりしたような顔で夜凪君がため息をつく。
「いやなら別に、帰ってもいいよ」
「へ?」
「俺のいう事が聞けないというのなら、お前がここに居る必要なんて無いよね。 こんな夜中に呼び出して悪かったね。
早く帰ってね」
「………………うん」
本当にこのまま帰ってもいいの? それもなんだか悲しくて、脱いでしまったコートをもたもたと羽織りながら
身支度を整える。
いう事を聞かない人間はここに居る必要はないか……。
もう私は要らないってことなのかな。 このまま別れちゃうのかな。
奴隷は嫌だったけど、ひょっとして奴隷としてですらも、傍にいられなくなるのかな。
どうしよう。 でも、夜凪君は何も言ってくれないで、布団にもぐりこんだままだ。
「……じゃあ、私、帰るね。 夜凪君お休み…な…さい……」
ぽろりと涙がこぼれた。 ハッとして、夜凪君に見られないように慌てて後ろを向く。
やだ、鼻声になっちゃった。 バレたかな。 そんなのダメだよ、面倒な女だって思われちゃう。
『泣くなんてサイテー。これだから女は』って言われちゃう。
嗚咽しないように深呼吸して、必死で涙を止める。
早く。 早く部屋を出なきゃ。
あわててベッドから離れようとしたとき、腕を取られた。
「そんな顔で、夜道を一人で帰るわけ?」
やっぱりバレてた。
「じゃあ最初からこんな夜中に私なんて呼ばないで…ください。 手を離して。 私、帰りますから」
他人行儀に敬語で帰ると告げた。 すると夜凪君が一瞬、寂しそうな顔をした。
あの俺様でクールでいつもどんなことにも動じない夜凪君が?
今日はいったいなんの日なの? 寒波到来だけじゃなくてこのまま台風でも来るっていうの?
すると聞こえるか聞こえないか、くらいの小さな声で夜凪君が呟いた。
「……寒い夜くらいは恋人に甘えたいと思ったのに……」
”恋人?” ”甘えたい?”
夜凪君の口からこぼれた言葉に胸がきゅーっと締め付けられた。
話してくれたことはないけど、小さい頃から両親は仕事でいつも留守がちで。
だから彼はいつも一人ぼっちだったらしい。 彼は家族的な経験がまったくないようだった。
私のことちゃんと”恋人”と思ってくれてるの?
私に甘えたいと思ってくれてたの?
ベッドの傍まで戻って立てひざをする。
「ご、ごめんなさい。夜凪君がそんな風に思っててくれてると思わなくて」
彼の冷たい手のひらを握り締めて言う。
「夜凪君が傍にいてほしい夜はいつも傍にいるから。 ううん、ずっと傍に置いてください……」
寂しさを誤魔化す為にずっとクールを装ってきた彼。 少しでもその寂しさを和らげてあげられれば……。
そう思ってつい口から出た言葉だったのに。
「お前、それ……。 言ってる意味解ってる?」
「えっ?」
ぐるんと視界が一周して部屋の天井が見えた。 どうしてだか、ベッドに押し倒されて私の上に夜凪君がいる。
「”ずっと傍に置いてください”ね。 ふっ。……ククク。 俺はただ、お前に自分から(SEXを)したいって言わせ
たかっただけなんだけど、まさかそこまでねー。 ほんと参ったな、さき越されちゃった。 まあいいや」
満面の笑顔で彼が私を見下ろして言う。
「”プロポーズ”ありがとう」
「はっ? えっ?」
「うーん……。 そうだね。 お前が、そこまで言うなら結婚してやってもいいよ」
「えええっ? ち、ちがっ! 私、そういう意味で言ったんじゃなくてっ……」
「そう。 どうしてもこの俺と結婚したいの。 フフ、本当にお前は期待を裏切らない奴だよね」
そう言って笑う彼の顔が、学生時代にたった一度見て以来一度も見たことが無い、私が絆創膏を貼ってあげた
ときと同じ、心から嬉しそうな笑顔だったから、一瞬見惚れて、まあいいか、と思いかけたけど。
夜凪君の事は好きだけど……。
本当にいいの?サツキ。 結婚っていったら一生が掛かってるんだよ?
うっかり流されたらこの先、寿命が尽きるまで奴隷生活が待っているんだよ?
「え、えと、あ、夜凪君、今、凄くお仕事忙しいんでしょ? こんなに急に結婚なんてムリだよね?ね?」
「ぜーんぜん。 明日早速指輪見に行こっか。 買ったらカナデやセイに見せびらかしに行かないと。 ……そうか、結婚か。
これっぽっちも興味なかったし、一生しなくてもいいと思ってたけど、案外面白いかもね。 あいつらの顔が今から目に浮かぶよ」
「そんな理由で結婚するのはやめてー」
「もちろん、そんな理由だけじゃないよ。 『君の事を愛している』……これでいい?」
何その棒読み。
「う、うれしいけど、その、あの、でも、そう!まだご両親にもあったこともないし、こんな地味な私なんて、
夜凪君、絶対にすぐに飽きると思うし……」
「お前みたいに面白いヤツに飽きるなんてないと思うけどね。 ま、飽きたら別れればいいだけの事だし」
「…………ヒドイ」
私がよっぽど情け無い顔をしているのだろう。 彼が噴出す。
「ぷっ。ウソだよ。安心して。…………………………………………絶対に逃がさないから」
「っ!!ひぃっ!!」
悪魔だ。 悪魔が目の前に居る。
熱烈な告白に聞こえなくも無いはずの言葉が、この人の口からでると、なぜ?どうして?
こうも恐ろしい事を聞かされている気分になるの?
「フフ。 お前が自分から言いだした事なんだから、今更撤回はできないよ」
何か言おうと焦ってパクパクと口を開け閉めするが、喉が詰まって言葉らしきものが一切出てこない。
「あ、俺、お前の両親にそういうこと説明するの面倒だから、自分できっちり説得してきてね。
……どうしてもって言うなら挨拶くらいはしてやってもいいけどさ。 ククク」
本当に楽しそうな底意地の悪い笑い声。
怖い。怖いよ。 なんでそんなに楽しそうなの? この笑顔は私よく知ってる。 夜凪君が悪巧みをしている時の顔だ。
それもとびっきり悪い事を考えているときの顔。
「や、……やだ! 絶対に嫌。 大体なんでいきなり結婚なの? 夜凪君、私なんて好きじゃないくせに……」
押さえつけられた身体を必死でバタバタさせて抵抗する。
もう死ぬ気で暴れて逃げて帰ろうと思った、その時。
「お前、それ本気で言ってる?」
両手首を戒めている彼の手が急に力を強め、ビリビリとしびれてくる。 怒ってるの?
掛けていたメガネをいきなり外された。 視界がぼんやりと歪む。
「んぐっ……う、うぅ…ん……」
罰するように強引にキスをされた。
「お前、俺に捕まったと思ってるんだろうけどさあ……、本当に捕まったのは俺のほうだよ」
耳に舌を入れられ舐められる。
「ひっ!」
「お前の唇が……。 お前の身体が熱すぎるのが悪い。 もう手放せないんだよ。 ……観念すれば?」
そう悪魔が耳元で囁く。
「……でも、っ!」
「うるさい。 話はこれくらいでいいだろ。 それより寒い」
そういいながら彼は私の身体から手際よくコートやセーターを剥いで、ベッドの中に引き込む。
が。
「………………………………何これ。 お前の身体、冷たい」
「だ、だって、寒い夜道を歩いてきたら、いくら私だって身体が冷えるよ」
「はぁー。 本当に、まったくお前は使えないね」
「……ごめん」
しょんぼりした私に
「別にいいよ」
「きゃっ!」
いきなり二本の冷たい腕が私の体に絡みついて、そのまま広い胸に抱きしめられる。
「……ん……」
耳元に彼の息がかかって、身体が勝手にびくりと跳ねる。
「何? お前、本当になんか期待してる? 素直じゃないなー。 したいならしたいってはっきり言ってくれたらいいのに」
「っ!?そ、そんなことっ!? や、やっぱり私もう帰る!!」
そう言いながらベッドから抜けだそうと必死で手足をバタバタさせるのに、硬く抱きしめられている
その腕から抜け出せない。
「……そうだね。 まだ体温がいまいちだから、お前、もっと暖まってくれる?」
「な、離して、……あっ……っ!!」
胸をふにふにと持ち上げられ、捏ねられ、首筋にキスをされる。
「ひゃあっ!!」
ブラウスの裾から氷みたいに冷たい手が潜り込んできて、その手が下着の上から胸を好き勝手に
揉みしだく。
「あ……あっ……ん、んぅ」
下着越しに敏感な頂を擦られて甘い声が漏れる。
夜凪君にほんの少し触られただけだというのに身体が勝手に喜んでどんどん熱を帯びていく。
頬が熱い。 心臓の鼓動がドクドク煩い。
私の身体の熱を奪って、彼の手が次第に温まっていく。 だからその手がスカートの裾から太ももを
撫でさすっても、今度は悲鳴は上がらなかった。
「や、ああっ……ん……」
耳朶に歯を立てられ、また身体が跳ねる。
布団の中で、服を着たまま体中を愛撫されているせいなのか、どこもかしこも熱くてたまらない。
必死で抵抗して胸を押し返そうとする私の手首を夜凪君が掴んで、その指に口付けする。
「………………はぁ」
夜凪君がため息をついた。
「ああ、やっと暖かくなってきた。 ……今日は機嫌がいいから、どれだけでも奉仕してあげるよ。
どうされたい? 俺に命令してごらんよ」
「そ、そんなの、できないよっ。 もう、やめて……んっ……ゃあっ!!」
いつのまにかブラウスのボタンどころかブラのホックまで外されていた。素肌が空気にさらされて鳥肌が立つ。
暴かれた胸が恥ずかしくて隠そうと両手で覆うと、その手を取られてシーツに縫い止められてしまう。
「見ちゃだめ、……んっ! ん……ん……」
まったく抵抗できなくされたまま、キスをされる。 冷たい唇が軽く触れたかと思うと、すぐさま深く合わさり
私の口をこじ開けて、熱い舌が入ってくる。
「う……ん、んっ……っ!」
角度を変えて何度も何度もキスされて、身体がどんどん熱くなっていく。
彼が首筋や耳の裏にキスをしながら脱がした、ブラウスとブラジャーをベッドの下に放り投げる。
「……お前の匂いがする。 男を誘うような匂いだよね……」
「そんな…ん……じゃ、な……やぁっ!だめっ」
スカートを剥ぎ取られ、下着も脱がされて……いつの間にか全裸にされていた。
「”だめ”じゃないだろう? こんなにとろとろにして……。充分乗り気じゃない」
指が私の雫が滴る部分に触れ、彼がほくそ笑む。
「これならこのままいける、かな」
「え……」
下のほうを見てみると、彼が自分の服を脱いでいるところだった。
生暖かいものが私のあの部分に擦り付けられる。
そして私の両足を割り裂いて身体を押し進めてくる。
「や、ん、あぁあああっ!」
引き裂くような痛みとともに、彼が中に入ってくる。
「くっ……キツ……うっ!……なんだ、こ…れ……うぅっ……」
凄く痛くて、早く終わってほしくて、ただ我慢して目をぎゅっと閉じていた。
なのに自分の上から余裕の無い夜凪君の声がして、うっすらを目を開けてみると、涙に滲んだ視界の中で
そこには見たことも無い夜凪君が居た。
痛いような、苦しいような……汗を垂らして歯を食いしばって……。 私、どこか変なのかな。
「ご、ごめんね……。私、……んっ、よ、よくな……い?」
「バ、バカッ。……そんなじゃなくて……くぅっ……、いいからお前は、集中してなよ……」
「んっ、んん、あっ、ん」
入れられたばかりなのに奥まで激しく擦られる。 痛いのか気持ちいのか解らない。
部屋にグチャグチャと濡れた水の音が響く。 その音が自分の身体から出ているのだと思うと
恥ずかしくて堪らない。
「はぁっ、ん、うぅ、……ん、あ?、ああっ」
たまたま一部分に触れた途端大きな声が出てしまう。
「ここ? ここがいいの? ……くっ……いま凄い、中が……うっ、うねって……っ!」
「わ、わから…な……ああ、やぁっ!」
ひときわ強く突き入れられて大きな声が出てしまう。
暴かれてしまった気持ちいい部分を集中的に攻められて、中がヒクヒクと痙攣する。
「凄いね……俺のこと、うっ…ぎゅうぎゅう締め付けて……そんなにいい?」
「も、ゆる…して……あぅ……ああっ! んん」
またキスで唇を塞がれる。
「ん、ん、んんっ!!」
キスされたまま身体を強引に揺すられて、息が苦しくて、頭がぼーっとする。
早くこの甘い拷問から開放されたくて、もっと強い快感を得ようと勝手に腰が動いてしまう。
「ちょ……お前……くぅっ!……まったく……恐ろしいヤツ……うっ……」
「あ、ああ、夜凪…君……。 夜凪君……。 あ、ああぁ、私……やぁああっ!」
「はうっ……あっ、くっ……シマまるっ!うあぁあっ」
暖かいものが中に注ぎ込まれる。
大好きな人と初めての絶頂を駆け上る。
☆★☆
告白のときも、昨日の”プロポーズ”?もそうだけど、結局、私っていつも夜凪君が言わせたい
セリフを言うように誘導されている気がする。
彼は演出家だ。
私がそういう言葉を言うように場の空気を支配することなんてたやすいのだろうけど。
なんだか釈然としない。
……でもその結果がこれなら……。
嬉しくて。 それがはまっているのが信じられなくて、何度も何度も眺めてしまう。
左の薬指に輝くエンゲージリング。 彼は翌日、仕事場から出てきた私をそのまま拉致するように
車に引っ張り込んでそのままお店に行き、本当にこの指輪を買ってしまった。
「もう。 普通に、好きって言ってくれたらいいのに……」
本当にいつもいつも肝心な事は私に言わせて。
「何か言った?」
私のちょっと前を歩く彼はいつものように誰もが振り返るようなハンサムでクールで。
でもテレているのか、ちょっとそっぽを向いている。
変なところで不器用なんだから……。
もう、苦笑いするしかない。
これから、いつものカフェで、仲間を呼んで婚約したと報告するつもりらしい。
もうこれで私の逃げ道はまったくなくなるわけだ。
ちゃんと愛されている、って思ってもいいんだよね?
いつかちゃんと……言って貰えるよね?
学生の頃、私は夜凪君の奴隷だった。
いつも夜凪君の後ろをついて歩いていた。
4年たった今もそれは全然変わらないけど。
夕暮れの冷たい木枯らしの街中を。
あの頃とは違って、私達は手をつないで歩いていく―――。
糸冬
終わりです。
お粗末さまでした。 最後まで読んでくださった皆様、感謝いたします。
>>648 GJです!ありがとうありがとう
自分もFDに喜んでたひとりです。そこに最萌カプ投下されてて余計漲ってきました
「シマまる」でフいてしまったけど面白かったです
アラロスも読みたいし、クラキミの先生がすごい読みたい…!
自分に文才がないことを呪うよ…
>>648 投下乙でした
ネタ元ゲーやってないけど、楽しませていただきました
>>648 G J !
自分も今からファンディスク楽しみ
復習がてら再プレイしようかな
665 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/18(水) 23:07:31 ID:wMeRhkQL
遅くなったがGJ
あんまり雑談しないんだね
総合スレだから仕方ないのか
華ヤカ〜のキャラクター紹介のセリフがなんかすごい
攻略キャラの半分に蔑まれてる
こりゃ工口パロ向きな作品ですな
正真正銘の高木シナリオだからどうなるか分からないけどな。
いや高木もあの設定も大好きだけど。
「華ヤカ哉、我ガ一族」か。 公式できてたから見てきたけど、キャラ紹介以外に何もないのに
応援バナーってwwwww
しかもその応援バナーのセリフがwwwwww
とくに6男とか、あの手のムカツキキャラはべた惚れにした後、顔踏みつけてヒーヒー言わせないと気がすまない。
そう思うと、まあ確かに工口パ口向きな作品だよな。
ゲーム本編でそれくらいしてくれてたら、乙メイトを見直すが。
わかる
どうせすぐ主人公にメロメロになるんだろwと思ってしまう
そういうやつを跪かせてやりたい
オトメイトのゲームしたことないし、高木Dも知らないけど、たぶん特攻するわ
クラキミは風野と幼なじみがよかったな
風野は幼なじみへの牽制で
見られてるかもな?
とか言いながら学校の屋上で事をいたしそう
あの兄弟の中では珍しく普通にいい人そうな四男が
ヤンデレだったらごはん3ばいいける
全員がメロメロになって、メイド+財産を取り合って殺し合いになったら面白いかもね。
兄弟6人もいるからヤンデレは必ずいそう。
そういや、ドラゴンペナンスは攻略対象同士が殺し合って、
好感度が低いキャラから死んでいって、最後の生き残りと主人公がくっつくゲームらしいよw
やった事はないから、話に聞く限りだけど
そもそもBLで作ってた企画を
土壇場で乙女に改変した物だからなー>ドラゴンペナンス
男性向け作品がバラエティ豊富なのは
市場規模が違うから仕方ないとよく言われるが
BL作品のフリーダム具合は時々羨ましい
>>673 あれは途中の殺伐ぶりよりも他3人が死んだことなんて
まるでなかったかのようなEDに戦慄したな…
でも朱龍&龍姫の関係と緋褪EDはなんかエロくてよかった
昔のことだから今再プレイしたどう思うかわからんが
新作に期待
ヤンデレ好き多いんだね
砂のエンブレイスはここ?
あったのか
ありがとう
あ、でも今確認したら残量厳しいし
次スレ立たないみたいだよ
もしも投下出来なかった場合は、乙女ゲスレで構わないんじゃない
砂のエンブレイス懐かしいね
このスレにはお世話になったなぁ
職人さん達には楽しませて貰った
一年間ありがとうございました。
あけおめ〜
明けましておめでとう
保守
落ちちゃうぜ
保守
なんで乙女ゲの主人公は貧乳な子ばっかりなんだろ
貧乳設定の主人公多いかね?
薄桜鬼の主人公しか思い浮かばなかった
逆に巨乳設定の主人公もエーデルしか思い出せなかった
未プレイだから知らないけれど、UTMの奇乳ロリ主人公辺りも巨乳設定なんだろうか?
見てくれが貧乳なんだろう
ネオロマあたりとか
どうでもいいことだが対貧乳定番ネタ(?)の「俺が揉んで
大きくしてやる」を素面でやりそうな乙女ゲキャラっているんだろうか
ラスエスカッツェの店長しか思い浮かばなかった
まだ発売前だけど、公式の下ネタぐあいがひどすぎて…
令嬢探偵の社長なら素でやれる
女性社員に服の胸部分が余ってるとか言ったり、わかってて「チンチン」と言わせたり
耳ハムハムしたり・・・
付き合いはじめてからも仕事中に膝だっこしてくすぐるとか
手べろっと舐めたりスチルもセクハラし放題
声優
>>696の店長と一緒だわ
我々が貧乳だと申すか
巨乳主人公→デカすぎ!男性向けヒロインじゃないんだから自重!!
貧乳主人公→ちょw哀れなくらいぺったんw
貧乳主人公に対しての方が女は優しくなれる…のかもしれない
美乳の巨乳はむしろ大歓迎なんだが
主人公ではないが、緋色FDのフィーアの巫女姿があまりにも男性向けっぽくてフイタ思い出
巨乳でも貧乳でもなく普通くらいがいいんだけどなぁ
巨乳キャラにして巨乳がコンプレックスだったら貧乳の人が殺意湧くよね
美乳ならばなんでもいい
日本人女性の平均サイズはCカップ
結構ある
大きい乳も小さい乳もおっぱいはみんなよいおっぱい
主人公たちは皆華奢だから下手にでかくしても浮きそうだし
でかくはなくてもぺたんこって程でもない主人公が
多い現状で十分な気がするな
でも自分の胸のサイズを気にする主人公に攻略キャラが
そんなの関係ねえ!て感じの男らしい対応してくれたら萌える
おっぱいは重要
>>704 平均はAじゃなかったっけ?
とりあえず、ガーネットの主人公がいい乳だ(*´Д`)と思っていたら
ゲーム中のセリフでCと言われていてガッカリした件
Fくらいを期待していた
下着販売会社の調査によると
BカップとCカップが最も多いらしいね
>>708 あれはC以上に見えるよなw
そして絶対領域の太もも目覚めたw
>>702 特筆されない限り貧乳に見えても普通サイズなんじゃないか?
絵柄的に貧乳に見えるだけで
乙女ゲ主人公の見た目は中庸を意識してるのが多い
みたいだから、多分胸も普通設定のが多いんだろうね
公式ブログで貧乳をネタにされた主人公とかもいるけど…
去年の正月のブログにカゲローヒロインの乳サイズが載ってたな
エーデルのメアリが確かF
でっけー!
ワンドのルルがCでウィルオのハンナはB弱だったな
AじゃなくあくまでB弱ってとこに絵師の拘りを見た気がした…
他主人公は胸のサイズに言及されてなかったのに
わざわざ設定画にメリハリのない体とか胸もないとか
明記されてたファンタのメイに泣いた思い出
716 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 19:35:00 ID:4oX1cNnQ
ちっちゃいおっぱいもおっきいおっぱいもいいものだ
>>712 甘食のことかー!!
あれは今後、相手によって育つか否かが決まるからいいんじゃない?w
まな板でも爆乳でもその子らしければいいんじゃないかな
おっぱいに貴賎なし
おっぱいよりお尻
ガーネットでずぶ濡れの主人公が攻略キャラにしがみつく
スチルの尻に目が行ってしょうがなかったのを思い出した
学校ではミニスカ絶対領域、異世界では谷間くっきりの
ドレス姿とかけしからんにも程がある
おっぱいが小さくてもお尻が可愛ければ
どうにかなる
おっぱいも尻もいいけどやっぱ脚(太もも)だな
細いのもむっちりもたまんないんだぜ
ニーソもいいけどハイソックスもね!
黒ストもいいよ!
わたくしはくびれのラインにグっと来ます
わたしはくたびれのラインにグっと来ます
ミニスカに黒ニーハイの絶対領域こそ我が聖地と思っていたら
スタスカの主人公がちょうどそんなんだった
これで顔さえあれば……
圧縮に備え保守
スタスカは折角良絵師なのにカオナシヒロインで、大変勿体ない
728 :
名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 22:25:15 ID:mY/9el/X
乙女ゲで顔無しは怖いだけ
ギャルゲならいいけど
スタスカアニメ化と聞いてまず最初に主人公は!?
主人公の顔はどうなるの!?と思った自分ガイル
何はともあれもっとニーソor黒スト主人公は増えていい
でもストッキングだとエロの時ぬがしづr(ry
股の所をハサミで御開帳か破くとかどうよ?
ストッキングは噛んでから指突っ込んで破るもんだろう?
容量微妙
スレ数微妙
734 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 23:02:51 ID:+XUkPXZW
お姉さま達はやっぱり
短小包茎より巨チン設定の方が
興奮するの?
当たり前です
どっちにしても、それはそれでネタになると思う
貧乳を気にする主人公に実は俺も
短小包茎がコンプレックスなんだ…と
告白する攻略キャラとか?
こういうのがぴったり合いそうなキャラが
思いつかないのが残念……でもないか
ヒロインが強気に責める話なら「小さいのを可愛がる」系にもっていけるし、
コンプレックスで…っていう流れでもヒロインが小柄だからちょうどよかったです^^ とか?w
大きくても小さくても、「普通」よりはよほど色々書けると思うよ
暇なのでググッたが勃起した状態で5〜9センチも
あれば行為自体は問題ないらしいな
さすがにその辺のこと持ち出して慰めるような
主人公はいないだろうがww
_
( ゚∀゚)
( ∩ミ ブンブン
| ωつ,゙
し ⌒J
もぎたい
もぐな
>>739 男「痛かった?」
女「全然!」
こうですか?
いつの間にか圧縮来てたのか
ここが残ってて良かった
保守thx.
乙女保守
6レス投下。
工画堂スタジオ制作『妖ノ宮』の二次創作。
法縁×妖ノ宮。
攻略対象の笑い方がきもい注意。
苦手な方はタイトルをNG設定にして下さい。
■登場人物
法縁(ほうえん)……僧形のカリスマ指圧治療師。金こそが正義。
妖ノ宮(あやしのみや)……法縁の奥方。妖と人間の混血児。やんごとなき生まれ。
榊(さかき)……慈院に所属する指圧師。法縁の部下。
「法縁先生の超絶技巧性感あん摩〜カネの次に愛してる〜」
妖(あやかし)と人間とが共生する、極東の神秘の島国“八蔓(はちまん)”。
「かつて、八柱のオロチが蔓のように絡まり合い生まれた土地」とされる伝承が呼び名の由来である。
その八蔓において、国内の医療市場を独占する存在が“慈院(じいん)”であった。
慈院とは、老若男女を問わず、広く八蔓中に顧客を抱える指圧治療師の組合。
医療技術がまだ未発達な八蔓にとって、貴重な医の担い手と言えた。
彼らを統率するのは、余酪(よらく)地方の領主にして慈院総元締め“法縁(ほうえん)”。
この男はしたたかな野心家で、医療の独占状況を好いことに甘い汁を吸う小悪党であった。
法縁は筋金入りの守銭奴。
頭首が自らに代替わりしてからは、慈院の運営を金儲け主義に走らせる。
脱税、贈収賄……あらゆる不正行為と、神技の域とまで称される“癒しの指”の技術を悪用し、
勢力拡大に成功してゆく。
その狡猾さで頭角を現した法縁は更に磐石の地位を得る。
八蔓の亡き英傑“覇乱王”神流河正義の遺児であり、半人半妖の美少女
“妖ノ宮(あやしのみや)”を妻に娶ったのである。
ちまたでは「大妖を母に持ち、強力な妖術を操る」と噂され、畏怖の対象となっている魔性の姫君。
この弱冠十六才の姫君に法縁が気に入られ、互いに利害の一致した結果夫婦の契りを結んだのだった。
時期を同じく“四天王”による覇権争い“四天相克”の混乱も収束。
法縁、妖ノ宮の二人は一致団結し、八蔓の弱き民草からカネを巻き上げ続けた。
――余酪地方、慈院本部。
広大な敷地に堂々と構えた、閑静な趣のある高床式の木造家屋。
屋敷の立派な外観からも裕福な暮らしが窺える。
悪徳領主とその奥方が、それなりに楽しく幸せな新婚生活を送る住まいである。
新妻の妖ノ宮は脇息に体重を預け、ひとり文机に向かっていた。
お上を欺く為のインチキ帳簿を付けているのである。
こうした悪事にも平然と手を染める娘ではあるが、彼女は見目麗しかった。
まさに立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。背に流した光沢ある髪は黒蝶真珠。
容姿だけを見れば、蝶よ花よと育てられた人畜無害な深窓の美姫。
しかしその小作りな白い“かんばせ”の皮の下には、間違いなく毒婦の気性を潜めているのである。
妖ノ宮が筆を置いて一息ついた時、荘厳な襖絵をあしらった襖が引き開かれ、和室に入る者があった。
僧形の青年……夫の法縁である。
「ヌフフ……今帰った、妖ノ宮。いい子に留守番しておったか?」
「あら。お帰りなさい、あなた」
往診から帰邸した法縁に、妖ノ宮は可愛らしく飛び付いた。
「おっと。ヌフッ、どうした、わしが居なくて淋しかったか? ヌフフフ」
ヌフヌフと不気味に笑いながら、幼妻の頭を柔かく撫でてやる法縁。
つるりと剃り上げた坊主頭に、蛇を彷彿とさせる切れ長の細い眼。
その下には商魂の逞しさと我の強さを表す鷲鼻、常に善からぬ企てをしていそうな吊り上がった口角。
絵に描いたようなふてぶてしい面構え。
身に纏うのは紫の法衣と、贅沢な金襴の袈裟。見るからに胡散臭い人物である。
新たな金蔓を掴んだらしく、法縁は上機嫌であった。
「喜べ、妖ノ宮。資産家からまた暖かい“ご支援”を頂戴したぞ!
ほれ、これは土産じゃ。包みを解いてみろ、おぬしの好きな団子が入っている」
「わぁい、お菓子大好き」
嬉しそうに土産を受け取り、夫の為にお茶を淹れた妖ノ宮は微笑んで相槌を打つ。
「まったく笑いが止まらぬなぁ! 我が慈院は、大いなるオロチの加護を受けているのやも知れぬ。
……ヌフ、ヌフハハハハ!」
妖ノ宮は、嫁いだ法縁にうなぎ登りの上昇運気をもたらしていた。
俗に言う“あげまん”である。今や慈院は、政界にも多大な影響力を持つ揺るぎなき組織。
自らも時勢に乗ろうと、八蔓諸地方の名士が法縁に取り入る為に躍起であった。
「ヌ、おぬし」
と、不意に何事か気づいた様子の法縁が、妖ノ宮の顔を眺めながら目を眇めて言った。
「ははあ、ちと顔色が悪いなぁ。疲れが溜まっていると見える」
「そう?」
法縁を見上げ、妖ノ宮は小首を傾げる。
本人は頓着していなかったが、実際のところ彼女は心身ともに疲労していた。
地方領主の嫁、また慈院の女将として、大勢の門弟たちを養う大世帯を切り盛りしなければならない立場。
新しい環境の慣れない仕事に戸惑うことも多く、無理が祟ったのである。
「どれ、久しぶりに施術してやろう。湯で身体を温めてこい」
「……でも。あなたも疲れているでしょう? 往診から戻ったばかりだもの」
「なに、おぬしに体調を崩されでもしたら、わしが困るのでな。
ゆっくりと……時間をかけて……揉みほぐして……癒してやろう……ヌフフ!」
夫を気遣い妖ノ宮は遠慮したが、彼は意に介しない。
――どうやら法縁なりに、妖ノ宮のことを心配しているらしかった。
妖ノ宮が湯浴みを終えて戻ると、座敷はよく暖められ畳の上には既に布団が敷かれていた。
軽くお香も焚いたらしく、心安らぐ芳香が彼女の身体をふわりとくるむ。
すると僧装を解き白衣(びゃくえ)姿となって待っていた法縁が、
蝋燭の淡い照明によってぼうっと浮かび上がった。
陰影がついた彼はどこか胡乱な気配を醸し出している。
「ほれ、ここへ来い」
法縁の手招きに応じて、布団にちょこんと正座をする妖ノ宮。
湯上りの妖ノ宮は、烏の濡れ羽色の髪を高く結い上げて纏め人外の証である尖耳を露わにし、
着衣は薄い寝間着のみである。
男を魅惑する甘い体臭を、彼女は辺りに漂わせているのであった。
袖をたくし上げ、法縁は襷(たすき)を結んで腕捲りをする。
「ヌフフ……だいぶ肩が張っておるのう」
膝立ちになり妖ノ宮の背後に陣取ると、彼は肩の触診を始めた。
「んっ、そこ」
夫の指に押し揉まれた部位が痛気持ちよく、目蓋を閉じた妖ノ宮は思わず小さく鼻を鳴らした。
法縁の手指が眉上で切り整えられた前髪を掻き分け、こめかみを押さえると軽く円を描く。
「わしの指は癒しの指。力を抜いて、わしに全てを委ねるのだ。
ヌフ……雲オロチの腕に抱かれているが如き、極楽浄土へと連れて行ってやろう」
愛妻の耳元でそう囁き、法縁はほくそ笑むのだった。
生命維持の源とされる、生気と血液を“気血(きけつ)”と言う。
この気血の循環系として、人体の隅々まで巡る道筋が“経絡(けいらく)”。
経絡には主に正経と呼ばれる十二本の経脈があり、六臓六腑から出発し、全身を一巡りして再び戻ってくる。
これらの経路上に沿って点在する要所が、所謂ツボ“経穴(けいけつ)”である。
健康に変調をきたすと、それが経絡を通って関連ある経穴に伝わり、
凝りや凹み、皮膚のざらつき、黒ずみ、冷えとなって現れる。
指圧とは経穴を刺激することによって、内臓諸器官に働きかけ気血の流動を促進し、
自然治癒力を引き出す手技療法の一つである。
妖ノ宮の華奢な四肢が敷布の上に俯せになっていた。
少しでも力加減を誤って扱えば、容易く折れてしまいそうな身体である。
法縁はその細身に馬乗りになって跨った。
すると、爪を短く切り揃えた指先で背の柔肉に位置を定めそっと親指を下ろす。
彼の大切な商売道具が……じわり、と正絹に沈み込んだ。法縁の取穴(しゅけつ)は的確であった。
「ぬりゃっ!」
「……ぁ、ぅ〜っ……!」
枕に顔を埋めた妖ノ宮が、えも言われぬ圧痛に押し殺した呻きを上げる。
大和撫子ならぬ八蔓撫子である貞淑な妖ノ宮は、どうしても声を抑えてしまうのだった。
「気持ち良いか、妖ノ宮? ヌフフフ、なあに、声を我慢することはない。
ほら、おぬしの後見人であった赤月の夢路殿のところの凪嬢。あれは実に良い声を上げよったなぁ」
そう法縁に促されると、妖ノ宮は憮然とした。
彼女にとって過ぎし四天相克は辛酸を舐めた時期であり、苦い思い出しかないからである。
後ろ盾であった四天王・夢路は性質が荒く気紛れな男で、時に激しい折檻を受けたこともあった。
「次はこちらの経穴じゃ!」
「ぅん、きもち、ぃい……ぁっ、は、ぅ〜!」
筋肉が弛緩したかと思った途端、また快痛の波が妖ノ宮に押し寄せる。
法縁と妖ノ宮、二人の“えにし”を繋いでくれた、神流河の若手内務官僚・御月佐和人。
彼は以前「法縁への施術依頼は、自分の俸給ではとても無理だ」と話していた。
佐和人の言葉は正しく、慈院総元締め直々の指圧術ともなれば治療費は大変高額になり、
王侯貴族にしか手の届かないものである。
事実、法縁自らが指圧を施す得意先と言ったら錚々たる顔ぶれ。
例えば法縁と同じ地方領主のひとり辰親(たつちか)や、神流河最大の敵国“古閑”頭領の古閑隼人。
また、美味しい米の名産地として知られる、在田の英雄・子柴伊摩利に、
多角的な事業によって店舗展開をしている、豪徳屋店主の束原恩次郎。
もちろん決して法外な代金を吹っかけている訳ではない。
カネの亡者である法縁とて、腐っても玄人の指圧師。
慈院の頭首を務めるに足る技量の持ち主であり、多額の請求に見合う奉仕を提供しているのである。
そして、その妙技をいつでも無料で味わえるのが、妻たる妖ノ宮の特権なのだった。
よく鍛えられた柔軟な手指が、妖ノ宮の旋毛から爪先までを満遍なく揉みほぐす。
「どうじゃ? 段々と身体が軽くなって来たであろう」
「……ふぁ……は、ぁ……」
桃色の可憐な唇から零れる、蕩けるような吐息。妖ノ宮はふわふわと夢見心地をたゆたっていた。
切れ目のないゆっくりした指の加圧に合わせ、彼女は穏やかに呼吸をする。
指圧の心は母ごころ、押せば命の泉湧く。
法縁の愛情たっぷりな施術が、妖ノ宮に安心感を与え心身を癒す。
筋肉の緊張はすっかり和らぎ、血流は良好、細胞が見る見ると活性化した。
また法縁は、指圧の合い間に巧みな“あん摩”を織り交ぜて行った。
優しく撫でさする軽擦法(けいさつほう)、押し揉み広げる揉撚法(じゅうねつほう)、
筋肉を震わせる振せん法、関節を屈伸させる運動法、拳や手刀で軽くたたく叩打法(こうだほう)、
患部に母指球(ぼしきゅう)を当て体重をかける手掌圧迫法。
これらを絶妙に組み合わせた、律動感のある流れるような指さばき。
時に微細に時に力強く、それでいて安定した熟練の動作。
夢とも現とも判らなくなる快感に眠気を催し、いつしかウトウトと微睡む妖ノ宮であった。
全ての工程を消化する頃には、彼女は健やかな寝息を立てていた。
「……妖ノ宮、妖ノ宮。これ、妖ノ宮よ」
「ぅ、……ん? ほうえん……わたし、眠っていたの?」
法縁の呼び声に覚醒した妖ノ宮は、寝ぼけ眼を擦りながら布団から起き出した。
「む、目覚めたか。さあ、これを飲め。わしの煎じた薬草茶じゃ。気分が落ち着く」
言うと、法縁は茶盆を差し出した。
妖ノ宮が眠っている間に淹れたらしく、湯気のたち昇る陶器が載せてある。
「良い匂い……頂きます」
渋く香ばしい風味を楽しみながら、妖ノ宮は法縁手製のお茶を啜った。
発汗作用があるのか、すぐに身体の芯からぽかぽかと温かくなる。
「おいしい。法縁、ありがとう。疲れが抜けてとても楽になりました」
と、晴れやかな表情で彼女が礼を述べようとすると、法縁がそれを遮った。
「さあて、では最後の仕上げといこうかの。襦袢も腰巻も全て脱いで横になれ。ヌフ、ヌフフフフフッ!」
唐突な指示に一瞬きょとんとした後、妖ノ宮は頬をぷくっと膨らます。
「……すけべ。今夜はいや」
「はて、助平なのはどちらだか。わしはただヌッフフ!
施術の総仕上げに必要であるから、脱げと言っているまで。一体何を期待しておるのかな?」
施術の一環だと言い張り、怪しい薄笑いを浮かべる法縁。
そんな彼に疑わしげな眼差しを向けながら、渋々といった態で妖ノ宮は聞き入れた。
「……厭らしいことはしないで下さいね」
彼女が釘を刺すと、途端に法縁はニヤついて嘯いた。
「ああ。しないしない! ヌフフッ、だからさっさと裸になれ」
妖ノ宮は急かされて、寝間着の帯の結び目を戸惑いがちに解き始めた。
すると、男の色好みな視線が彼女の肢体に絡み付く。
「法縁、そんなに見ないで……私だって恥ずかしいの」
「なんだ、今更恥ずかしがることもなかろう? わしとおぬしの仲ではないか!」
「……生臭すけべ坊主」
尖った耳まで紅潮させ、妖ノ宮は拗ねたように小さく毒づくのだった。
ねっとりと鑑賞されながら衣の前を肌蹴ると、輝くばかりの玉の肌が現れる。
妖ノ宮はまだ裳着の式を済ませたばかり。
少女から女への過渡期にある彼女の艶やかさは、大輪の花に咲き匂う寸前の綻んだ瑞々しい蕾を思わせる。
「相変らず愛い身体だな……妖ノ宮」
しなやかな裸身に魅了された法縁は、我知らず咽喉を上下させていた。
枕を布団から退かし、替わりに数枚の折り畳んだ手拭いを重ねて置く。
生まれた儘の姿になった妖ノ宮は、それを顎の下にして腹這いに寝そべった。
「眼福に与かる」、そんな感慨が湧き起こる後姿である。
汗に湿った後れ毛が貼り付く白いうなじ、双肩はたおやかな輪郭を描き、
くびれた腰の流曲線に続いて、小振りのむっちりした尻山。
すらりと伸びた両手脚は無造作に投げ出されている。
「よいか妖ノ宮、治療こそ我が命。そう万人の幸せこそが……いや、おぬしの幸せこそわしの幸せ。
ヌフ、ヌフフフ……ッ」
わざとらしく殊勝な物言いをする法縁。
……と、妖ノ宮の脊柱に彼の大きな手が静かに乗せられた。労わるような心地良い熱を帯びる厚い皮膚。
ただそこに触れられているだけで、掌から放出される慈しみの“気”が体内に浸透するようであった。
法縁は薬箱から硝子の小瓶を一本取り出した。
開封すると粘り気のある液体を適量手に垂らし、暫く体温で暖める。
「ゆくぞ、妖ノ宮よ」
そう告げ、彼は眼前の雪肌に粘液を塗布し始めた。ひやりとした感触にびくん、と妖ノ宮が跳ねる。
「ひゃっ、何ですか? ぬるぬるする……」
「これか? ただの潤滑油だ。指の滑りを良くする、な」
植物から抽出した精油を用い法縁自らが調合した特製潤滑液で、非常に高価なものだ。
仄かに立ち込める陶酔的な香りには、催淫効果もある。
背のこそばゆさに耐えかね、妖ノ宮はクスクスと笑い出した。
「ふふふっ、くすぐったい」
「こらこら、笑うな。いい子だから大人しくしておれ」
震える脇腹にとろみを広めながら、法縁は彼女を叱った。
少女の透明感溢れる肌が、彼の手によって次第に濡れ光ってゆく。
柔らかな女体の背面に円滑油を丹念に馴染ませる。
肉を掬い上げ放したり、握って絞ったり、波立たせたりと変化を付けながら
筋肉の凝り、張り、むくみ等を取り除いて経絡を流す。
上から下へ下から上へと、植物の薬効成分を染み込ませるように。
やはり布越しに触れられるのと、素肌に直に触れられるのとでは違う。
男女の肌同士の摩擦が、妖ノ宮にもどかしい劣情を喚起させるのだった。
入念に下地を作ってから、頃合を見計らった法縁は妻に話し掛ける。
「覚えておるか? わしら二人の祝言、おぬしの白無垢姿は美しかったのぉ」
「……いきなり、どうしたの?」
顔を起こし、妖ノ宮は訝しげに答える。
「初夜の床では見物であったなぁ。
いつもツンと取り澄ましている面貌が、わしの与える快楽によって歪む様は……」
「へ、変なこと言わないで……ぁんっ」
妖ノ宮の花唇から、突如悩ましげな悲鳴が漏れた。
細腰に顔を寄せ、法縁がフーッと息を吹き掛けたからである。
著しく感度の鋭くなった皮膚は、僅かな刺激にも敏感に反応した。
「ぁ、駄目ぇ、そのっ触り方、やだ……!」
体表を羽毛で掃くような法縁の指の距離。その動きは愛撫の様相を呈してゆく。
「この淫乱めが。ヌフフッ!」
元来細長い双眸をさらに窄め、彼は満面の笑みを湛えながら妖ノ宮の羞恥心を煽った。
「嘘つき、厭らしいことはしないって約束したのに。法縁のはげ。つるっぱげ!」
「ヌフ!? 禿げ、禿げとな? まさか女房から禿げ呼ばわりされるとはなぁ。
わしはもう立ち直れぬ。……ヌフハハハッ、こいつ! こいつめぇ」
焚き付けられた法縁は哄笑しながら反撃に出た。
仙骨付近にある窪みに指を添えると、ぐっぐっ、と慣れた手付きで押し揉み始める。
「あっあっ、やぁんっ」
すると、まるで釣り上げたばかりの鮮魚のように妖ノ宮の身がピチピチと跳ねた。
腰周りに分布される経穴は、特に婦人科系の疾患を改善する効能を持つ。
一方で、性感の高揚にも活用することが出来るのだった。
「ほうれ、ほうれ! どうした、そんなに尻を振って?」
格言にも「女は耳で恋をする」とある通り、女人とは聴覚情報によって性的興奮を得る生き物。
卑猥な言葉を浴びせ掛けられながら受けるあん摩は、堪らないものである。
少女の性感帯を掌握した法縁は、鈴を転がすような愛らしい喘ぎ声を次々に引き出していった。
「それにしても、けしからん。実にけしからんなぁ」
法縁は言うと、粘液でテカったぷりぷりの尻たぶを鷲掴みにする。
「けしからん尻じゃ。ようし、こうしてくれる!」
「ぁう! いやぁっ……あっぁあ」
彼は実に楽しそうに、弾力ある円やかな双臀を捏ねくり回した。
如何わしい行為が本来の目的で、治療は最初から口実に過ぎなかったのだ。
法縁の桃尻への責めは執拗であった。何という尻への執念。
潤滑液のぬめりを使い、法縁は指で尻の割れ目を往復させた。
また力んで凹んだ尻えくぼや足の付け根を圧したり、菊蕾に指先を当てて振動させたりすれば、
妖ノ宮はいじらしい嬌声を上げた。
「やっだめっ、ほうえん、法縁ったら。……妖怪髪なし! すけべな人は嫌い。
もうっ……お、おしりやめてぇ……っ」
内腿のかなり際どい箇所にまで触れられた時、とうとう彼女は本音を洩らす。
「……嫌なの。顔見えないの、いやぁ……あなたの顔見たい……だから」
「よしよし。では前もしてやろうな」
涙目になって請われた舌足らずなおねだりに、法縁は嬉々として応じる。
彼の言葉を聞き妖ノ宮は気怠げに上体を起こした。
すると法縁の首に細い腕を回し、口付けをせがむ仕草を見せる。
「法縁……」
「それはまた後で、な」
「……っ」
求めを制止された妖ノ宮は、何とも複雑そうな表情を浮かべるのだった。
少女の火照った肉体が仰向けに横たわる。
眼下に晒された無防備な下半身の茂みに、法縁は保温用の手拭いを被せた。
妖ノ宮は胸の前で両腕を交差させ、乳白色のなだらかな丘陵を不安げに抱き隠す。
夫から目を逸らし、些か彼女は怒った様子で脈絡なく呟いた。
「……ど、どうせ小さいと思ってるんでしょ」
あどけない妖ノ宮はまだ幼児体型の域を出ていない。
ペッタンコとまでは言わないが、慎ましく控え目な膨らみである。
どうやら彼女は、その質量に引け目を感じているらしい。
「法縁だって大きい方が好きなんでしょ……凪みたいな。浮気者」
「待て。わしはまだ何も言っとらんぞ。浮気もしておらんし」
「言わなくても分かってるんだから……」
先ほど赤月の凪を話題に出したことを根に持っているのか、妖ノ宮は膨れっ面であった。
法縁は女性患者に対して平気でセクハラじみた施術をする為、浮気の心配もある。
黙ってさえいれば、法縁は中々の男前。彼女がやきもちを妬くのも無理はない。
可愛い妻が今にも泣き出しそうな顔をして拗ねるので、法縁は安心させるように
穏やかな口調で言い聞かせるのだった。
「ん。しかしまぁ、おぬしが気に病んでいると申すのなら。
ヌフフフ、たっぷりと時間を掛けて……わしが乳を大きくしてやろうぞ」
そう言うと、彼は指をぽきぽきと得意気に鳴らした。
幼妻は齢(よわい)十六、これから育てる楽しみが充分あると言うものだ。
「……お願いします。先生」
妖ノ宮も、こくんと素直に頷いた。
続く。
GJ!
法縁やさしいw
ツンデレ宮様もかわええ
GJ!
妖ノ宮やったことないけどやってみたくなってきた
法縁のヌフフとかヌフヌフとかクセになるわw
GJ、法縁のエロとかマニアックだな
× 笑い方がきもい
○ 笑い方がきもかっこいい、だと思うw
wktk
あの白無垢スチルは衝撃的だったわw
紹介した佐和人は切ないだろうなー・・・と思ったよ。
759 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 12:18:55 ID:8TWEE5+K
なんというか仲良しでいいですね。GJ!!
お疲れ様です!
妖ノ宮はタイトルしか知らなかったけど、妖ノ宮の反応が可愛いくて良かったよ。
ところで、ひめひび続!二学期のPSP版に収録されてる琉耶BADエンド後のドラマが…怖いがなんかエロい雰囲気だ。
ワンドオブフォーチュン エスト×ルル投下します。
以下注意・前書き
・エストルート最終試験5日目夜〜6日目にかけての話
・未プレイの人にはネタバレ要素有ります
・ビラール殿下が出ますが彼の口調は各自脳内補完してください
それではよろしくお願いします。
「……おやすみなさい。よい夢を」
ミルスクレア魔法院、男子寮の一室を模した部屋の中。
「ま、待ってってば、エスト!」
出て行こうとするエストに、ルルはとっさにそう叫んだ。
「その、……もう少しだけ、お話しない?」
「……早く帰りたいのなら、今日はもう休むべきだと思います」
「だけど……」
物言いたげな瞳に見つめられ、エストは小さくため息をついた。
「……少しだけですよ」
その言葉に、ルルはホッとした表情を見せた。
距離を明けて二人はベッドに腰掛ける。
ルルは取り留めの無い話をし、エストはそれを黙って聞いていた。
「……ルル。そろそろ休んだほうが」
「でも、あの……」
再び言葉をつまらせて、ルルはじっとエストを見る。
「言いたいことがあるならどうぞ。珍しいですね、あなたが躊躇するとは」
「…………あのね、エスト。い、」
「い?」
「一緒に、その、……」
「……」
ルルの言葉の続きを想像して、エストは呆れ顔を見せる。
「まさかとは思いますが、一緒に寝ようなどと言い出すんじゃないでしょうね」
「ダメ?」
「駄目に決まってるでしょう」
「だって、誰もいないから恐いし……」
「誰もいないなら恐くないと思いますが?」
「それに寂しいわ?」
「…………」
(何と言えば納得してくれるだろう、この人は)
考えを巡らせるが、こういうときのルルが決して引かないこともエストはよく知っている。
「…………では、向こうのベッドを使います。それでいいですか」
「……! うん!」
ルルはその言葉に顔を輝かせた。
脱いだマントを畳みながら、ルルはここ数日の出来事を思い出していた。
物語から出てきたような紫の霧。
呼び出した霧の中に消えていったエスト。
そして、追いかけてきた自分。
エストの、辛い過去のこと。
そのどれにも現実味が無くて、今この場にいることすら不思議に思える。
思いを巡らせていると、エストの声が飛んだ。
「僕はもう寝ますから、寝る準備が出来たら灯りを消してください」
「あ……うん、おやすみなさい、エスト!」
「……おやすみなさい」
改めて、部屋を見渡す。
(この部屋で、いつもエストは寝ているのね)
エストが潜り込んだベッドに目をやる。
(あっちは、使ってないんだよね。寂しくないのかな?)
エストのベッドからは既に何の物音もしない。
睡眠の妨げになってはいけないと、ルルは慌てて灯りを消した。
どれくらい時間が経った頃か。
ルルはもぞもぞとベッドの中で寝返りを打った。
まだ体が緊張状態なのか、なかなか眠れずにいた。
ここに来た時から、ずっと心の奥に何かがある。
それは明確な形を示しはしないが、確かに存在を主張していて、何かの拍子にフッと心に影を落とす。
体を起こしてエストのベッドの方を見ると、暗くて見えないが、やっぱり物音はしなかった。
「エスト、寝ちゃったよね……?」
小さな声で問いかけてみるが、返事は無い。
ルルはそっとベッドから抜け出し、部屋を出た。
数分後。
静かに部屋に戻ってきたルルは、物音を立てないようにそっとエストのベッドに近付いた。
どうやら布団にすっぽり潜り込んでいるようだ。
少しの躊躇の後、ルルはエストの布団を捲り、隣に潜り込んだ。
じっと目を凝らしていると、闇にだんだん目が慣れてきて、
こちらを向いて眠っているエストの顔がうっすらと見えるようになってきた。
(あれ?)
心なしか、その顔が少しずつ歪んでいくようにルルには見える。
(な、何か恐い夢でも見てるのかな?)
そのまま見ていると、エストは突然目を開けた。
「……あなたは一体何をしているんですか」
「! お、起きてたの!? 起こしちゃった?」
「自分の布団に入ってこられてなお眠り続けられるような図太い神経は持ち合わせてません」
本当は眠ってなどいなかったが、抗議の意味も含めてエストは皮肉を飛ばす。
「……いつまでそうしているつもりですか」
「えーっと……」
どうやら出る気がないらしい。
「帰れなくてもいいんですか。早く自分のベッドで寝てください」
閉じていた目が、暗闇に慣れていく。
そしてエストは自分の目を疑うこととなった。
「な……っ!?」
目の前で体を横たえているルルは、何故か下着姿だった。
さすがのエストもこれには動揺を隠せず、うまく口が回らない。
「ど……っ、な……に……、なんで」
「あ、あのね、寒いから、一緒に寝たいなって。いいよね?」
「全く意味がわかりません! 寒いなら服を着ればいいでしょう! 何を考えているんです……!」
慌てて上体を起こして視線を逸らし、エストは早口でまくし立てる。
ルルがどんな顔でこちらを見ているかが想像できるだけに、尚更顔が見られなかった。
「……エストだって脱いでる」
「これは……っ」
ルルの指摘どおり、エストの服はベッド脇に綺麗に畳まれている。
体中に刻まれた刻印が熱を持って言いようの無い不快感をもたらす為、
せめて少しでも緩和されるようにと最低限のものを残して脱いだのだ。
どうせ寝坊ばかりのルルより先に起きるのだから、見られる心配は無いと高をくくっていた。
思えば今日だって、その現場を見られたのだとエストは今さら思い出す。
「僕は男だから別にいいんです。それより早くベッドから出て服を着てくれませんか」
「いや……っ」
その瞬間、ルルはエストに抱きついた。
「ルル……!? な、何してるんですか!」
回した両手に力が込められる。
「おまじない!」
「だ、だから意味がわかりません! は、離れてください」
エストは慌ててルルを引き剥がそうとするが、ルルはますますエストにしがみつく。
「いや! 離れない!」
駄々っ子のように首を振り、エストの胸に顔を埋めてルルは声を上げた。
ルルの髪がエストの顔を撫でる。
体が熱かった。それは決して刻印のせいでは無いのだとエストにはわかっていた。
「……どんなおまじないですか」
「離れたくない大切な人がいたら、寝るときに、は……裸で、抱き合えって、聞いたもの」
顔を埋めたままルルは小さな声で呟く。
(どうせアルバロあたりに吹き込まれたんでしょう。どうしてそんなことを信じられるのか、全く……)
いつも飄々としている、少女の友人の顔が頭に浮かぶ。
「別に急に離れたりしないでしょう。明日には帰るんですから」
小さくため息を吐いて呟くエストに、ルルが素早く言葉を返す。
「ウソ! エスト、ウソついてる」
「…………」
一瞬言葉に詰まったものの、エストはルルの頭に手を置いてその言葉を否定した。
「嘘じゃありません。ちゃんと帰りますから、とにかく離れてください」
「じゃあ、目を見て言って……!」
ルルはうっすらと涙を浮かべ、それでもしっかりとエストを見据えた。
「私だけ帰るなんていや! エストと離れたくない、もっともっと、エストと一緒にいたいの……」
まっすぐぶつけられた感情に、エストは動揺を隠せなかった。
何を言われようと、どんなに食い下がられようと、彼女と一緒に向こうの世界に帰る気など無かった。
絶望しか持たない自分が、希望に溢れた彼女の未来を奪うなどということがあっていいはずが無かった。
(いいはずが、無い、のに)
彼女の手を取ってしまいそうになる自分を必死で抑えていたのに、
そんな自分の気も知らずに彼女はこちらへと手を差し出してくる。
「エストは、一緒に帰ってくれないの……?」
── 一緒に帰ろう、と言えたら。
溢れそうになるこの思いを伝えられたら、どんなに良かっただろう。
しがみつくルルの肩を両手で掴み、体の位置を入れ替えるようにベッドに倒れこんだ。
押し倒された、という状況がすぐには飲み込めず、ルルは目を瞬かせてエストをただ見ている。
数秒後、その体勢の意味に気付いたのか、一瞬で顔を赤らめた。
エストはそのまま顔をルルに近づける。
程なくして思わず目を閉じたルルに、柔らかい感触があった。
それは唇の、ほんの数センチ横だった。
「……何度も言っていますが、僕は気持ちを素直に言葉にするのは得意ではありませんので」
態度で示します、と言わんばかりに、そのままエストの唇がルルの首筋に落ちる。
「ま、待ってエスト!」
「何ですか? あなたのしようとしていた『おまじない』の意味がようやくわかりましたか?」
その言葉に、ルルははっと目を見開き、さらに顔を朱に染めた。
「からかわれたんですよ。何でも疑わずに信じるからこうなるんです」
そう言って体を起こそうとするエストに、ルルは思い切りしがみついた。
「だ、だからルル……っ」
「わかってるもの!」
今度はエストが目を見開く番だった。
「エ、エストは私のこと、子ども扱いしすぎだと思う!」
「………………」
エストの腕に添えられたルルの両手に、力がこもる。
自分の中で何かが崩れる音をエストは聞いた。
「……っ!」
息をつく暇もないほどの口付けに、ルルはただしがみつくことしかできない。
ほんの少し唇が離れた隙に、抗議の声を上げる。
「エストっ、──」
苦しい、と言う前に再び口を塞がれた。
開いた唇から何かが忍び込んだのに気付き、ルルは不安げにエストを見上げる。
エストは薄く目を開けてルルを一瞥し、またその瞼をすぐに閉じる。
口の中を弄られるという未知数な行為に、ルルの思考はついていかない。
それでも、歯列をゆっくりなぞられると、何か言いようの無い感覚が走るのがわかった。
エストはルルの頬を撫でていた手を徐々に下ろしていく。
すべすべした肌はとても心地よくて、触れているだけで何故か安心できる気がした。
その手がやがて布一枚で隔てられた胸へと到達すると、ルルは体を強張らせた。
「……っ、エスト……?」
下着の上からそっと触れてみる。
「え? えっ? ま、待ってエスト……っ」
「待ちません」
ルルの哀願をばっさり切り捨て、エストは下着をグッと押し上げる。
露わになった胸に一瞬息を飲んだが、躊躇うことなく手を宛がった。
「あ……っ!」
おそらく羞恥で顔を真っ赤にしているであろうルルが小さく上げた声は
エストにとっては相当な破壊力だった。
小さな頂に指が触れるたび、ルルから甘い声が漏れる。
普段の彼女からはとても想像が付かない姿に、エストの気持ちも昂っていく。
「や、やだ、エスト……」
「何が嫌なんですか」
「だって、恥ずかしい……!」
「あんな姿で迫ってきた人の台詞とは思えませんね。それにどうせ暗くてよく見えません」
「そ、そういう問題じゃ……あっ」
ささやかな抵抗に動じることなく、エストは彼女の胸に手を滑らせ続ける。
「や、あ、エスト……、っ……!」
与えられ続けた刺激が少し変わったことに気付き、ルルはさらに驚愕する。
「や……っ、だ、め……エス、ト……っ」
温かく、湿った感触。
エストの指と舌が胸の上を這い回る。
頂点を摘まれ、口に含まれ、体の奥から湧き上がるような何かをルルは覚えた。
と同時に、もっと下、ルル自身も触ったことのないような箇所にエストの手が伸びたことにルルは気付かない。
エストも意を決したように、その箇所に触れる。
「あ……っ! あ、エ、エスト……!?」
下着越しとは言え、ルルには十分すぎるほど強い刺激だった。
ルルの口から一際大きな声が上がる。
「や……ぁ! だ、だめ……、そんな……とこ……っ」
上へ下へと与えられる快感に、ルルの思考はついていかない。
胸にあった手が下におりていき、そのまま下着に手をかける。
「…………!」
何か言われて抵抗される前にと、エストは素早くルルの下着を下ろしてしまった。
ルルは驚きすぎて言葉も出ない。
遮るものが無くなったその場所に、エストは恐る恐る手を伸ばした。
内腿に手が触れると、ルルの体がビクッと跳ねた。
そのまま中心には触れず、撫でるように辺りに手を這わせる。
息を荒げたままルルがエストを見上げると、エストは手はそのままにルルを見つめ返した。
「……そんな顔しないでください」
目尻に溜まった涙を指でそっと拭って、再び口付ける。
そうして、手を少しずつ中心へと伸ばしていった。
「ん……っ!」
驚きのあまり思い切り両脚を閉じたルルに、エストは唇を離して呟く。
「……ルル。足──」
「だって! ……そんな、……」
エストが言い切る前にルルは顔を上気させたまま抗議する。
「あなたが痛がるのを見る趣味は僕には無いので、できれば抵抗しないでもらえるとありがたいんですが」
「でも、でも……!」
いつものような口調でさらっと言うエストに、ルルはなお抗おうとするが。
「怖い思いも痛い思いもできるだけさせたくないので」
わかってください、と耳元で囁かれて、ルルは今度こそ何も言えなくなってしまった。
再度唇が落ちてきて、閉じかけたルルの口を割る。
侵入してくる舌に恐る恐る自分の舌を絡めてみると、すぐさまエストの舌に絡め返された。
静かな部屋に小さな水音とくぐもった呻き声が響く。
いつの間にか体の力が抜けていて、エストの手が再びルルの下腹部を這い回っていた。
「ん……、んぅ……っ!」
エストの指が敏感な場所に触れ、ルルの体に小さな電流が走る。
これまで味わったことのない感覚に、ルルは咄嗟にエストにしがみついた。
唇が離れると、ルルは断続的に嬌声を上げ始める。
控えめに擦ったりなぞったりしていた指を、蜜が溢れ出したそこへとゆっくり忍ばせる。
柔らかく蜜を絡めながら、エストの細い指は徐々に飲み込まれていった。
「や……ぁ、なに……? ……っ!」
突然の微かな異物感にルルは一瞬体を強張らせたが、他の指が芽を弄りはじめると
再び小さく声を上げ始めた。
されていることが、自分から発せられる音がとんでもなく恥ずかしいのに、
やめて欲しくない、とルルは回らない頭でボンヤリ思う。
こんなことをするのは初めてなのに、どうしてだろう、ちっとも嫌じゃない。
そう思ったのも束の間、出入りが繰り返されていた指が知らぬ間に増やされて、
胸への愛撫が再び始まって、ルルの思考はまた中断させられる。
どれくらいそうしていたのか。
エストが指を抜いて、ルルの顔をじっと見る。
「……ルル」
おぼろげな知識しか持ち合わせていないルルにも、その真剣な表情に
何か大事なことが始まるのだと悟ることができる。
「エスト……」
どうすればいいのかわからなかったが、エストの呼びかけにルルは頷いて、同じように名前を呼んだ。
暗闇の中、衣擦れの音がやけに響く。
下着を脱いで再びルルに向き直ったエストは、そのまま脚を抱え上げた。
なにか熱いものが触れている、と思った瞬間、その箇所に押し当てられたものが
入ってくる感触が直に伝わってきた。
「っ!!」
思わず息を飲んだルルを見て、エストはすぐさま動きを止める。
「ルル……力を抜いて」
「ぅ……」
胸を上下させて呼吸するルルを見やり、シーツを握り締めた手に自分の手を添える。
ルルが少し落ち着いたのを確認して、エストはもう少し、とゆっくり腰を進める。
「あ…………!」
ルルの顔が歪んだのが見えて、エストは慌てて自分のものを引き抜こうとした。
「エスト……」
ルルの呼びかけに、エストは急いたように言葉を吐き出す。
「すみません、ルル。やっぱりやめましょう」
「え? あの、エスト……?」
その言葉に、ルルはこの行為がまだ終わっていないことを知る。
「我慢しなくてもいい。痛いでしょう?」
「……大丈夫! だから、続けて?」
「でも、その……」
これまでの立場が逆になったかのようだった。
「あなたに辛い思いをさせるわけには……」
──これ以上、ルルを傷つけるわけにはいかない。
そう思うエストと。
「これくらい、大丈夫! だから、やめないで……」
──エストを、ここで離しちゃだめだ。
そう思うルルと。
意見がぶつかれば、勝つのはいつも決まっていた。
「……痛い時は痛いと言ってください」
ルルは微笑んで、大きく頷いた。
時間をかけてゆっくりゆっくり、エストは腰を進めた。
ルルが少しでも痛そうな素振りを見せればその都度動くのを止め、
それでも最後、拒む内を押し広げられてルルはエストの手を強く掴んだ。
「……大丈夫ですか」
「……大丈夫だもん」
何度目かわからないエストの問いかけに、ルルは同じ答えを返す。
エストの指がルルの髪を梳けば、ルルは暗闇でもおぼろげに認識できるエストの刻印をなぞる。
これ以上ない程の近い距離でお互いの体に触れ、慈しむ行為は、ルルの一言によって遮られることとなった。
「あの、あのね、エスト」
エストは黙って続きを待ったが、ルルは頬を染めて口を閉ざしている。
(これって、どうしたら終わりってことになるのかな?)
そんな疑問を口にしてよいものか考えあぐねていたのだが、エストはそんなこと知る由もない。
置かれた状況を鑑みて、ルルの言わんとしていることを汲み取った、つもりだった。
「ルル」
小さく呼ばれて、そのまま口付けられる。
舌を差し込んでも、少し慣れてきたのか、ルルに抵抗の様子は見られない。
口内を弄りながら、エストは腰を少し引いて、そのまま押し込んでみる。
「……んっ!」
重ねた唇から声が漏れたが、先程までのように苦痛のみを感じさせるものでは無かった。
ルルの様子を伺いながら、エストはだんだん腰を動かしていった。
「あ、あ、エス、トっ」
振動に耐えるべくシーツを掴んだルルの手にエストが手を重ねると、指を絡め取られた。
もう片方の手で、再び胸を弄る。
「やあっ、あっ、も……っ、あっ」
意味を成さないルルの言葉が、ベッドの軋む音やシーツの衣擦れの音にかき消される。
鈍い痛み、小指ほどの快感や押し寄せる圧迫感、いろんな感覚、いろんな感情が渦巻いて
ルルはただエストに身を任せるままになっていた。
それでも、エストが根気よくルルを待っていてくれたおかげか、しばらくすると
エストの様子を伺う余裕が出てきた。
薄く目を開けると、さっきまで涼しい顔をしていたエストの表情が少し苦しそうに見えた。
エストらしからぬ荒い息遣いと、うわごとのように繰り返される「ルル」という紛れもない自分の名前。
(えっ? も、もしかしてエストも痛いのかな?)
額にうっすら汗を滲ませて、絡めた指にも一層力が入る。
「……っ、ルル…………、くっ、う……ルル……っ」
「エ、エスト! エストっ!!」
慌てて開いている手でエストの肩を叩くと、息を荒げたままエストはルルに睨むように視線を送る。
「あ、あの、……エスト?」
「……なんですか」
「ど、どこか痛い……? なんだか苦しそうだわ」
「………………」
意識を手放しそうな、まさに終息に向かう直前で突然止められて、エストは深いため息をついた。
脱力したエストにルルが慌てて侘びようとすると、エストは突然笑いだした。
「……、全く、あなたという人は」
何故笑われたのか、そもそも具合が悪くなったのかどうかもわからないルルはきょとんとしていたが、
エストに耳元で囁かれ、再度顔を赤らめた。
「いいから、少し黙っていてください」
そのまま、また激しい律動が始まった。
エストの動きはさらに激しさを増し、ルルはまたもエストに必死でしがみつく。
一つだけ、エストの真似をしながら。
「エスト……っ、エス、トっ……!」
「…………ルル…………!」
互いに名を呼び合うと、距離がさらに縮まった気がした。
そして、エストは小さくルルの名を呼んで、腰を引いた。
ルルの中から引き抜かれたものが、最後にルルの腿に精を放つ。
それが終わりの合図だった。
しばらく、二人とも無言だった。
息が整うと、エストは無言のまま放心状態のルルの後始末をし始める。
「……すみません、ルル。痛かったでしょう」
「わ、私なら大丈夫だから! それより、私の方こそ、ごめんなさい……」
「……どのことについてですか」
「う……、その、いろいろと……」
「まあ、元はと言えば迫ってきたのはあなたでしたね」
言葉はいつものエストだが、その表情は柔らかい。
「とにかく、帰ったらまず風呂に入ることをお勧めします」
ルルの体を拭き終えて、エストは自分の服に手を伸ばす。
「あ、待ってエスト」
次の言葉を待っていたエストに、ルルは満面の笑みで問いかける。
「今日はこのまま寝ない?」
「この期に及んで何を言ってるんですか。もう目的は果たしたでしょう」
「でも、まだ寝てないし……」
おぼろげな記憶からルルの言葉を引っ張り出す。
『離れたくない大切な人がいたら、寝るときに、は……裸で、抱き合えって』
(寝るとき、ですか)
もしかしたらルルは本当にその意味をわかっていなかったのかもしれない。
今さら、だが。
「……仕方ありませんね。ずっと枕元でぶつぶつ言われても困りますし」
「えへへっ。エスト大好き!」
「ま、待ってください! 飛びつく前にせめて下着だけは……っ」
決めたはずの心が揺れる前に、これ以上は自制しなければいけない。
──本当は揺れているのに気づかないふりをしているだけなのかもしれない。
大切に思えば思うほど、手放せなくなるのだから。
エストに言われたとおり下着を身に着けて、ルルはエストの隣に潜り込む。
「おまじない、効くかな?」
「……さあ、どうでしょうね」
「きっと効くわ! だって明日は一緒に帰るんだもの!」
そう言って、エストに体を寄せて目を閉じたルルの頭をエストは優しく撫でた。
「……効くと、いいですね」
エストの漏らした小さな一言は、眠りに落ちたルルの耳には届かなかった──。
***
試験から数日後。
「エースト! エストエストっ」
「っ! ……背後からいきなり飛びつくなといつも言っているでしょう!」
日が暮れかかったミルスクレア魔法院の門の外、寮へと続く道には
試験前と何ら変わらない二人の声が響いていた。
変わったことと言えば、ルルが属性持ちになったことと、二人の関係が少し──といったところである。
「一緒に帰りましょ!」
「……断っても付いてくるんでしょう」
しぶしぶ、という様子のわりに声は嫌がってはいない。
手を引かれ、今にも走り出しそうなルルに必死で抵抗していると、聞きなれた声がした。
「ルル、エスト。今帰りデスか?」
「ビラール! そうなの、ビラールも帰るところ?」
「フフ、この様子を見ると、うまくいったようデスね」
ルルはビラールのもとに駆け寄り、エストには聞こえない音量で何かを話し始めた。
二言三言、言葉を交わして、「ワタシはお先ニ」とビラールは立ち去ろうとする。
そして、思い出したかのように振り返ってエストに言った。
「ああ、エスト、心配しないでくだサイ。エストに内緒の話じゃナイ。『絆』の話」
「絆、ですか?」
突然のビラールの言葉に不思議そうな顔をしていたエストは、急に何かに気付いたように顔を上げた。
「……あなただったんですか、ルルにヘンなことを吹き込んだのは……」
「ヘンなコト、違う。大事なコト」
「そうかもしれませんが、おかげで僕は大変な目に合ったんです」
「大変、デスか。どんなコトでしょう?」
「…………」
「ルルに、聞かれまシタ。エストと離れたくナイと。だから、ファランバルドではどうするカ、
教えまシタ。絆を結ぶのダ、と」
「……………………」
「具体的に教えて欲シイ、と言われタので、説明したのデスが……」
「……ああもういいです!」
顔を少し赤らめて、エストは寮に向かって早足で歩き出す。
「あれ? あっ、エスト待って──」
慌ててルルが追いかけるのを、ビラールは微笑みながら見送った。
「ルル。これからはアルバロだけでなく、ビラールの言うことも素直に信じないようにしてください」
「えっ? どうしたのエスト?」
「あなたは素直に人を信じすぎる。振り回されるこちらの身にもなってください」
「なんだかわからないけど、ごめんなさい」
弱々しく呟くと、ルルは小さくなって頭を下げる。
「……もういいです。それよりルル、夕食後の予定は?」
「! 何も! 何も無いわ、エスト!」
途端に顔を輝かせ、今にも飛びつかん勢いでエストに詰め寄る。
「では、夕食後に会いましょう。自習室で待っていますので」
「じ、自習室……?」
「何か不満ですか?」
「その、せっかく授業以外で会えるんだし、勉強以外のお話にしない?」
「……あなたには教えたいことが山ほどありますので。覚悟してください」
「……エスト? なんだか目が笑っていない気がするわ……!」
怯えるルルの手を取って、エストは歩き出す。
「あ、じゃあ、頑張ったらご褒美が欲しいな!」
「…………検討します」
「じゃあ、まず先払いで!」
「何を言っているのか僕には理解できません」
「だって、今日はまだエストに好きって言われてないもの……」
「な、何を言ってるんですか! 毎日言うなんて約束した覚えはありません!」
「…………エストのケチ」
「……………………ああもう!」
口を尖らせるルルを抱き寄せる。
「とりあえず、これで我慢してください」
すぐに離れようとするエストを逃がすまいと、ルルは強くエストを抱き締め返した。
「エスト、大好きよ! これからも絶対絶対、離さないんだから!」
以上、投下終了です。
ありがとうございました。
あー寝る前に覗いておいてよかった
>>775 GJ、投下乙
二人のやり取り可愛い!
まだワンドやってないんだけど興味わいたよ
GJ
ルル無邪気でかわいいなぁw
萌えた
G――J。
ルルの体形、何げにエロいよね。
ちょっとロリに目覚めそう…w
God Job!ルルかわいいよルル
>>760 奈々美はハンカチをずっとずっと大切にすると思うので、
琉耶が当てつけに奈々美の口にねじ込んだりして今後も有効活用するだろう
孕ませはするかね?縛り付ける手段としては最高だけど「俺だけを愛し続ける」とは確実に矛盾するよね
780 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/27(土) 19:36:41 ID:T126UG+R
gj。
ワンドPSP移植きたな。
現在479 KB
そろそろ次スレの季節かな
そういえば、テンプレに項目追加するんだったっけ?
スレ立ては490あたり?
職人さんが投下のついでに立ててくれたら理想だけど
保守
・18禁乙女ゲー可
・エロなし可
・同性愛(BL・GL)不可
じゃ、次スレ立ててくれる人はこの3点をテンプレに追加お願いします
過去作品の投下があった、保管庫にあるんだからという書き込みあったけれど
板のルールで禁止されているのに18禁乙女ゲー可でいいの?
よく分からない
>以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
>年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&
>業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等
微妙なとこだが年齢制限付き限定のスレじゃなく
全年齢+18禁で範囲に含める分にはセーフ…かなあ
よそに18禁乙女単独の立てても落ちるだけだろうし
投下の先例がある以上、今後禁止にしてしまうと作者間の公平を欠くんじゃないかな
>板のルールで禁止されているのに18禁乙女ゲー可でいいの?
これは各個スレで融通できる範囲だと思う
スレ単位の自治重視だからなぁ
板LRを厳密に守っているスレのほうが稀だしね
というか18禁乙女ゲ可にすると何か不都合でもあるの?
スレにとって特に問題はないように思うけど
>>784って
>>790の間違いなのかな
過ぎてるがどうする?
可にしてもどうせそんなに投下ないだろうしね
いっぱい出て来たらスレ分ければいいんじゃない?
>>784はレス番じゃなく容量(490KB)のことでしょ。
残量20KBもあるけど、どうする?
いま482KB・・・
雑談で埋めるにしても、投下で埋めて貰うにしても、微妙な量だね
新しいスレ立てちゃってこっちは落とす、って手もあるな
総合質問スレから引用
>・980レス以降は24時間放置でdat落ち
>・480KB以降は1週間放置でdat落ち
>>794 賛成
新スレ立てるのが手っ取り早いと思う
今、エロパロ板に乙女ゲ関連のスレってどれだけ残ってるのかな
あー、関連リンクも更新しないとだね
IF作品スレは乙女ゲー可だそうだけど、別に入れなくてもいいかな?
いいんじゃないかな。テンプレ部分
>>797にさしかえるだけでいい?
あと18禁乙女についてって現状維持ならテンプレ変えなくても良い?
大丈夫なら次スレ立ててくる
なんという不吉なレス番w
そういや、攻略対象に男の娘がいる乙女ゲーもあったようなw
しかし一応主人公が女の子だから無問題か?
男の娘?kwsk
>>805 食いつきいいなw
はかれなの晴音さんじゃないか?
乙女ゲーには女装青年とかオネエならそこそこいるけど
個人的には男の娘と呼ぶならカコイイ晴音さんより
永泉様とかの方がふさわしい気がする
男の娘Wikiったら単に女装した少年もおkってかそっちの方が先なのね
外見上は美少女にしか見えない少年だけなのかと思ってたわ
>>806 thx〜晴音さんか
元々オカマキャラ好きなモノだから男の娘にもちょっと興味あってww
オカマと女装クンと男の娘との違いがよくわからんですw