Hの時だけデレデレになる女の子2

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70クールアンデレな彼女-1 ◆GK0/6l5f56
 グウウ…キュルルル。

 金曜日の帰り際、教室中に響く盛大な音で俺の腹が鳴った。
 それを聞きつけたのか、俺の"彼女"、篠原美月(しのはら みつき)が近づいてくる。
 括れた腰に絡みつくほどまでに伸びた艶やかな黒髪と涼しげな切れ長の瞳には只ならぬ
気品が漂い、引き締まった美貌が凛とした雰囲気を醸し出している。
 ちなみに、美月は校内のクール・ビューティー部門で──誰がランキング取っているのかは
知らんが──首位を独走し、男子のみならず一部の女子からも熱い視線を浴びる女生徒だ。
「悪いものでも食べたか?」
 美月の声は鈴が鳴るように澄んだ響きだが、抑揚がないおかげでまったくもって心配
してもらっているという気が起きない。
「腹が減っているだけだ」
 俺は落ちているものを食べる野良犬じゃない。
 とはいえ、そそっかしい両親が先立つものも残さずに海外旅行に出かけちまったせいで、
昼飯抜かざるをえないのだ。おまけに週末は備蓄のカップラーメン2個でしのがなければ
ならず、育ち盛りの高校生には拷問に近い仕置きだ。
「そうなのか?それならばそうと初めに言え。」
──おわ、心の中で呟いていたつもりが思わず口に出てしまっていたのか。
「言ってくれれば、夕飯ぐらいは御馳走してやる」
「有難うございます、神様、仏様、美月様」
 急いで頭を机に擦り付けて、頭上で両手を摺り合わせる。
「礼には及ばぬ。君と私は"恋人"ではないか?」
──心にもないことを白々しい顔で平然と言ってのけるとは、さすが美月め。

 "恋人"というのは嘘ではない。
 俺の告白を受けた時、美月は顔色一つ変えずに「ふむ。私も独り身だから君を受け入れ
られないわけでもないな」という蛇の生殺しみたいな返事を返してきた。
 難解とは言え、どう逆立ちしたって拒絶の回答には聞こえない。
 以来、俺は"恋人"だと思っているし、美月も本気かどうかは別にして「"恋人"だ」と口
にしたのだから、少しは意識してくれているのだろう。
 だが、二人が世間一般で言うような恋人の関係かと言われると、正直そこは疑わしい。
 二人っきりで過ごした時間が少なすぎる。一緒に昼飯食べようとしても美月はすぐに女
友達に捉まてしまうし、一緒に帰りたくても彼女は合気道部の主将、俺は帰宅部でスレ違
い。おまけに土日も美月は合気道の練習か試合で、デートどころではない。こんなこと
ばかりでは、ポジティブシンキングがウリの俺も少々マイッる。
 トドメに、美月の態度。彼女の、よく言えば"凛とした"、悪く言えば"冷たい"態度は誰
が相手でも揺るがない。勿論、”恋人”の俺だって例外ではない。
──せめて二人っきりの時だけは、と付き合い初めの頃は期待したが、淡い願いだったぜ。
なぁ、恋人って、もうちょっとイチャイチャしたり、甘えたり、キスしたり、抱き合ったり、エッチしたり…
71クールアンデレな彼女-2 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:30:41 ID:tC3ff5Wp
 結局のところ、俺だけが一方的に盛り上がっていて、美月は冷めているというのが実態
だった。

「お前が"恋人"なんて言うと、恋人という言葉が不当に貶められている気がするぞ〜♪」
 顔を上げると、美月がプイとそっぽを向き「7時に訪ねて来い」とだけ言い残して、主将を
務める合気道部の練習へと向かった。
 何はともあれ、今日の飯が確保できただけで良しとせねば。ウンウン。

***

「うまい!うまい!」
 俺は只管、目の前の皿に盛られた料理を平らげていく。
「…よく食べるな」
 テーブルについた片肘に呆れ顔をのせた美月がこちらを見ている。
「ああ、ここ最近、カップラーメンばかりだったし、何より料理自体が美味しい。」
「ほう」
 褒められても顔の筋肉がまったく緩まない辺りは、さすが学校一の鉄面皮。もう少し、
表情が豊かだったならば、群がる男は今の十倍、いや二十倍は下らないだろうに。
 最も、そんなことになれば美月の"彼氏"の座に居座らせてもらっている俺の立場も危う
い。そんなことを思いながら最後の料理を腹に収めると、美月が食後のお茶を持ってきて
くれた。
「食事が終わったなら、風呂ぐらい入っていけ」
 そう言って俺の目の前に、湯気の立つ湯飲みを置く。
「そうしたいところだが、風呂を上がってみたら、美月の御両親にバッタリ…なんてのは
避けたいんだけど」
「安心しろ。二人とも共働きで、今は揃って出張中の身だ。今日は帰ってこない」
 おいおい、もしかして、と邪な思い抱いてチラリと視線を美月の顔に向けるが、彼女は
普段と変わらぬ素知らぬ様子でテレビのニュースに見入っている。
 どうやら、今回も俺の迸る妄想の先走りだった。
──家に帰って入浴するのも面倒だし、湧いているなら遠慮せずに入らせてもらうか。
「それなら、一風呂浴びさせてもらおうかな」

***

 風呂から上がってみると、脱いだ衣服が見当たらない。
「おっかしいなぁ、ちゃんとここのカゴに入れたはずなんだけど…」
 仕方がないのでバスタオルを腰に巻いて浴室を出て、リビングでテレビを見ている美月
に尋ねる。
「なあ、美月。俺の服が無いんだけど?」
72クールアンデレな彼女-3 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:31:47 ID:tC3ff5Wp
「洗った」
「……洗った!?」
「ああ。明日には乾く」
──こら、何を言っているんだ。風呂をかりるぐらいならともかく、明日までここにいたら、
いくらなんでも俺も暴発しかねないぞ。
「泊まっていけってこと?」
「何を言っているんだ。裸で帰るつもりか?」
 顔色一つ変えずにそれだけ言うと、また彼女の視線はテレビ画面に戻った。
──おいおい、それだけかよ!!年頃の男を一つ屋根の下に泊めるんだぞ!身の危険を感
じるとか、恥ずかしがるとか、期待にワクワクするとか。あ〜、何言いたいのか自分でも
わからんが、とりあえず、もっと俺を男として意識しろ!!!
 そんな思いで美月を睨むが、彼女は一向に意に介する様子もなくテレビを見ている。
 俺にも今ようやくわかった、冷め切った夫婦仲に苦しむ中年男の悲哀がほんの少しだけ。

──これでは、もう唯の友達関係じゃないか。

***

──で、お泊りだし、友達同士一緒のベッドで…って!
「み、美月、ちょ、ちょっと待て!」
「ん、何だ?」
 二人は今、美月の部屋のシングルベッドの前に立っている。
「男女七歳にして同衾せずと言うだろうが!」
「難しい言葉を良く知っている。偉いな」
「有難う…っておい!美月、よく考えろ!高校生の男なんてケダモノだぞ、ケダモノ。
襲われかねないんだぞ!そんなのと一緒に寝ようなんて気は確かか!」
「ふむ、世の一般的な高校生の男の生態については良く分かっているつもりだ」
──うんうん、さすが美月、物分りが良くて助かる。
「だが、君と私は恋人ではないか?」
──うんうん、さすが美月、理解が早くて助か…って、今なんて言ったんだ?

「だから、君と私は恋人同士ではないか。褥を共にして何か悪いことがあるのか?」

「……それって…」
「何度も言わせるな…恥ずかしい」
 そっぽを向いた美月の横顔は普段と変わらない落ち着いたものだったが、俺は無上の
喜びを感じずにはいられなかった。初めて気がついた。美月はちゃんと俺のことを恋人だと
想っていてくれていたのだと─変な話だけど。
 あまりの嬉しさに思わず美月の細くて柔らかな身体に抱きつく。
「きゃっ…ちょっと、準備が…!」
73クールアンデレな彼女-4 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:32:39 ID:tC3ff5Wp
 しなやかな肢体をベッドに押し倒して、そのまま唇を奪う。キス自体は冗談交じりで
何度かしたことがあるが、今宵の柔らかな感触は一生忘れないだろう。
 一度、唇を離して改めて見つめると美月の頬が少し紅潮していた。あまりに突然のこと
で怒っているのだろうか。

「ご、ゴメン、思わず」
「…気にするな……何事にも勢いは必要だ」

 もう一度唇を重ね、そのまま俺は舌を美月の口腔内に捻り込む。
 美月は落ち着き払ったように再び瞼を降ろすと静かに口を開いて受け入れてくれた。
唾液を充分に絡めながら、互いの舌を縺れ合わせ美月を味わい尽くす。
「…んんっ…んむぅ…」
 半開きになった美月の口の端から、吐息とどちらのものとも付かぬ唾液がこぼれ出る。
 たっぷり時間をかけてお互いを味わってから、やっと唇は離れた。
 耳にかかる黒髪をしなやかな指先でかき上げながら、美月は荒くなった呼吸を整えよう
と深呼吸をしている。
「君のせいだぞ」
 彼女は俺の手を掴むと、可愛らしいスカイブルーのパジャマの上から左の胸に押し当て
た。マシュマロみたいに柔らかな胸は見た目にも分かるほど激しい上下動を繰り返していた。
「ドキドキしている。君が私に好きだと言ってくれた時と同じぐらい胸が躍っている」
──う、嘘だろ、だって、告白した時なんて顔色一つ変えずに平然としてたじゃないか。
「私も人生で初めてあんな事言われたから、うまく顔に出なかったんだ、きっと。昔から
私は無愛想で人にうまく打ち解けられなかったから……その…あれだ…他人に、まして
異性に好かれることなんか一生ないのだろう、とずっと思っていた」
──信じられない。こんなに可愛くて綺麗なのに……そんなことを思っていたなんて。
「だから…君が好きだと言ってくれた時は心の底から嬉しかった」
 そう言って、美月は少し恥ずかしげにハニカミながら、澄んだ瞳でこちらを見つめてく
れた。
──こんなの反則だぁ。普段は恋人らしいことなんて何一つとして言わない癖にこんな時だけ。
 このまま美月に喋らせ続けると真面目に悶え死んでしまう、そうなる前にと、黒髪の
間から垣間見える耳朶にそっと口付けし、それを口に含んで舌で愛撫する。
「ひゃあっ…」
 可愛い声を上げるものだと思いながら、彼女のパジャマの前ボタンを一つずつ焦れなが
らも外していく。
 やっと最後の一つを外し胸元に手をかけた瞬間、彼女の白い指が防衛本能に促されて、
俺の手首をキュッと掴む。合気道をやっているせいか、美月は軽く掴んでいるつもりなの
だろうが相当痛い。
「っつぅ…ちょ、ちょっと強く握り過ぎじゃないか?」
74クールアンデレな彼女-5 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:33:43 ID:tC3ff5Wp
「あっ…す、すまない。つい、いつもの癖で」
 こちらの手首を掴む力が緩んだ瞬間を逃さず、彼女の胸をパッと肌蹴させる。
「きゃぁ、ひ、卑怯!」
 卑怯と言われてもこの千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかないのだ。就寝前なので
下着は着けていないから面倒が一つ省けた。
 美月の乳房は小振りだが上向きで形が良い上に、青い静脈が透けて見えるほど白かった。
 その女性の膨らみの頂上には白い肌と見事なコントラストを醸す薄桃色の小さな円が
描かれ、その中心ではプックリとした蕾が起ち上がっている。
 首筋と浮き上がった鎖骨に口付けをしながら、やわやわと左の乳房の下方を撫ぜる。
「ふぅぅんっつ…はあぁ…ず、ズルイぞ…っうぁぁ」
 意外に敏感なのか、柔肌はほんのりと紅をさしたように染まり、鴇色の乳首は興奮の
度合いを示してピンと隆起している。頂上への愛撫は控えて、周囲を揉みしだくと。美月の
胸の膨らみはモッチリと掌に吸い付き一瞬形を崩すが、すぐに元に戻ろうと復元力を
発揮する。
「やあぁぁ…ぁぁぁ…はぁう」
 今まで触れずにいた胸の突起をそっと摘んで、指の腹で桜色の乳首を転がした後、唇で
吸い上げて舌で舐る。口に含んだ小さな突起に唾液を塗して、舌先で掬い、今度は裏側で
押しつぶした
「ああ…んん…お…かしくなっちゃぅぅ!」
 一気に美月の嬌声が大きくなる。甘い嬌声に脳髄を焼かれそうになりながらも、普段の
欲求不満からちょっとした悪戯心が鎌首をもたげてくる。
「…なぁ、俺のこと好きか?」
「うぁぁ…はぁ…はぁ…な、んぅ…もう、充分わかっている…ぁんぁ…ではないか…ぁぁ
…肌を重ねあっているんだぞ」
 押し寄せる快楽に理性を流されまいと、必死に首を振って堪える美月の健気な姿が俺の
ちょっとした嗜虐心を煽る。
「フフン、それじゃあダメェ!」
「な、何だって…んっぁ…い、言えば良んだな?」
「そうそう、ちゃんと言って欲しい」
 もう一度、強く淡い色の乳首を吸い上げる。身体を仰け反らせて反応する素直な美月が
愛おしいが、溜まりに溜まった俺の欲求不満がこれぐらいで解消されるはずがない。
「わ、わかった。んんっ…ぃ、みが好…だぁ」
「へっ、聞こえないよ?」
「…私は君が好きだと言っている!!」
 頬を熟れた林檎と同じ色に染めながら、部屋中に響く声で美月が叫んだ。
 でも、それじゃあ、60点だな。
「"言っている"とか言われると他人言みたいだろ?」
「ぅううう……だぁ…ぁから、ど、どうすれば良いぃ?」
 ショーツの中に手を突っ込み、愛液で充分に濡れた秘部を直に撫ぜると、一気に喘ぎの
声色がトーンもボリュームもアップする。
75クールアンデレな彼女-6 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:34:27 ID:tC3ff5Wp
 クチュクチュといやらしい音が立ち、指先が暖かい液体に包まれる。蜜が滴る陰唇を
ベロリと両開きにさせて、クリトリスを指の腹で軽く刺激する。それから、空いた手で
グッショリと濡れて透ける薄布を引きずり下ろす。
「…ふひゃぁぁ…」
「どう、そろそろ素直になる?」
 まだ皮に覆われた淫核を弄びながら、口を開けた艶やかな桃肉の縁取りを親指と中指で
イジメる。そして、鼻にかかった甘い声が漏れる唇を塞いで、差し入れた舌で思うままに
口腔を蹂躙する。
 暫く嬲った後に唇を解放してやると、喘ぎに混じって恭順の言葉が美月からもれた。
「あぁぁぁ…なぁ…ぁぁる…なるからぁぁ」
「じゃあ、もう一回」
指の動きをピタリと止めて、美月の熱に浮かされて蕩ける瞳を覗き込む。
「…ぅ…す、好きだ。君のことが好きで、愛おしくて、離したくない。ああもう、どうし
て君は分かってくれない?私はこんなに君のことを想っているというのに」

──うっ、何でこんなに情熱的なんだ。きっと、ボソッと「好きだ」と言われるのかと
想像してたのに…

「何故そんな顔をする?…こ、こんな風なのは迷惑だったか…」
 悲しげに長い睫毛を震わせながら、そっと切れ長の目が伏せられる。
「いや、そうじゃない。嬉しいんだ!」
「そ、そうか…そうなのか…」
 頬を緩めた赤ら顔の美月が細腕を俺の首に巻きつけて、唇を重ね合わせてきた。
「…わっ、み、美月」
 よく見ると、目の端にうっすらと光る水玉が浮いている。
「いつも、いつも君のことを考えている。朝起きた時も、学校に行く時も、授業中も、
部活の最中も…今日なんて、君と一夜を過ごせるかと思うと何も手につかなくなって…
は、初めて部活を休んでしまった…」
 何と言えば良いんだろう、素直に目茶苦茶可愛いなと思ってしまう。
 自分にだけ見せてくれる普段の凛とした美月とは違う、いじらしい美月。

「な、なあ、美月。実は俺もう限界なんで…そのだな」
「…う、うん。私も…あの…受け入れられなくも…いや、君を受け入れたい。だから…
もらってほしい」
 よし、と寝巻きを脱ぎ捨て下着を手早く脱いだとき、さっきの美月の言葉が頭に
引っかかる。
──"もらってほしい"…??ってまさか!
「あの、えっと、この後に及んでなんだけど。言いたくなかったら言わなくて構わない
から、聞いて欲しい……その…経験あるか?」
76クールアンデレな彼女-7 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:35:21 ID:tC3ff5Wp
「……安心して欲しい。ちゃんと純潔だ」
 何が安心かはわからないが、とりあえず嬉しいやら不安やら微妙な気持ちが渦巻く。
「………痛かったら、痛いって言えよ」
「大丈夫だ。痛いのは慣れている。君は何も心配する必要はない」
 多分、そういう痛みとは違うと思うが、もう俺自身も抑えきれないほど起ち上がって
いるので、これ以上お喋りしている余裕がない。
 美月をベッドに仰向きに寝かせると、ゆっくりとそそり立った肉塊を秘部のとば口に
あてがい、彼女の内側へと徐々に沈みこませる。
「うあぁぁ…は、入ってくる…くぅぅ…」
 白い柳腰を仰け反らせ、必死に初めての快楽と苦痛に美月は堪えている。
 内側は思ったよりも、しとどに潤っていて滾々と湧き出す蜜が優しく俺の分身を包み込む。
だが、その一方で柔らかな肉壁は異物を押し出そうときつく締め付け上げてくるので、こちらも
痛苦と悦楽が半々だ。
「痛ぅぅ……」
 生成りのシーツに細い指先を立て痛みに堪える美月の姿にいたたまれなくなって、身体を
覆い被せ抱き合う。腕が背中に回され、美月の奥に侵入にすればするほど強く爪が立てられるが、
ほんの僅かでも彼女の痛みを感じ取れるかと思うとそれすら苦ではない。
 美月の華奢な身体を軋ませながらも、俺のモノは媚肉を押し分けて最奥を目指して一路突き進む。
「くぅぁぁぁはぁぁっ!!」
 白い喉を露にして、一際大きな声で美月が仰け反る。
「ごめん、一気にいくよ。きっと、その方が痛みが少ないと思う」
「あぁぁぁ…あぅぅぅ…ぅん」
 痛みによる喘ぎか同意の返答か分からない声が涎で妖しく光る唇から零れる。
 そして、俺は彼女の全てを一息に貫く。
「あああぁぁぁぁ!!」

 暫く繋がったまま、美月の黒髪を撫でながら彼女の耳元に口を寄せていた。
「き、きつい…」
「ご、ごめん…ま、まだうまく力が抜け…」
「美月が謝ることはないんだ。俺が美月の初めてをもらった世界で一人だけの男になれる
なんて、こんなに嬉しいことはない。」
 美月のほんのりと上気した桃色の顔が、額からみるみる真っ赤に染まっていく。
──意外に純というか、真っ向ストレートに弱いのかも。
「私は君が気持ち良くなってくれれば、それが一番嬉しい」
 恥じらいながら流し目でドキリとなるようなことを言われると、俺の分身も美月の中で
大きく嘶いてしまう。
「ひゃあっっ…お、大きくなっているぞ」
「今のはちょっと効いたな」
「我慢できないなら…動いてくれて構わないだが」
77クールアンデレな彼女-8 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:35:53 ID:tC3ff5Wp
「まだ、痛むだろ。無理しなくて良いんだ」
 俺がそう言うと美月は、何かに考えを巡らしているのかシーリングライトを見つめ、
やがて決心を決めたのかのようにボソリと呟いた。

「動いて…お願い…」

──ああ、もう知らないからな。泣いても、叫んでも、喚いても、もう止められないぞ。
どうして、こうもベッドの中じゃ大胆なのかエッチが終わったら聞いてみよう。だが今は
それどころではない。

 暖かくぬかるんだ花芯の奥に突きこんだ肉塊をゆっくりと引き抜こうとすると、それを
離すまいと暖かな媚肉が絡みついきて粘膜が擦れあうグチョグチョという淫靡な音がする。
 入り口まで襞ごとズルリと自分の肉を引き出し、もう一度来た道を戻るように腰を突き込む。
今度は入り口の濡れそぼった壁が肉冠を貪ろうと締め上げる。
「はぁぁん…はぁぁアッ!!」
 断続的に漏れる美月の嬌声と性器同士が互いを貪り合う音が、俺の中の衝動を駆り立て、
動きを加速させる。

──もっと啼かせたい、もっとよがらせた、もっと悦ばせたい、もっと淫らな美月の姿が見たい。

 美月の中も俺を求めるように妖しく蠢き、襞の一つ一つが俺の先端に絡む。
 痛みと快楽の狭間で悶え、首を左右に小さく振る美月の仕草に心は甘く締め付けられた。
「あぁぁ…ダメぇ、もうダメェ…ガ、ガマンできな……いぃぃ…!!」
 唐突に美月の細い肢体がガクガクと揺れ、そのままクタンとベッドに沈み込んでしまった。

──あちゃー、やり過ぎてしまった。痛かったら、言えとか言っておきながら、初めての
美月相手に衝動に駆り立てるまま攻めてしまって失神させてしまった。あー、バカバカ、
俺のバカァ!気絶するくらい痛いんだから、相当の激痛…だったはず。

 細かく痙攣する白い手足を見ながら、後悔と自責の念が今更ながらだが込み上げてきた。
「…み、美月?」
「…くはぁぁっ、はぁンゥ…はぁ…」
「ご、ごめん!その、俺、優しくやろうと…でもちょっと魔が差したというか…」
 蕩けて潤んだ瞳は俺が何を言っているのか分からないという風にこちらを見つめている。
「いや、だから…」
「痛かったけど……気持ち良かった」
「えっ?…そっ、そうか」
「……君だからだぞ…勘違いしないで欲しい」
78クールアンデレな彼女-9 ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:36:18 ID:tC3ff5Wp
 興奮で顔を上気させながらも、必死に普段の冷静な自分を取り繕うとしている辺りが
かなり愛おしい。
「もっと、気持ちよくさせる!」
「…えっ…えっ……うん…」
 溶鉱炉みたいに熱しきった美月の中をパンパンに膨れ上がった棒で捏ねくり回す。
そのせいで、俺自身の昂ぶりも抑えきれなくなってくる。
 イッたばかりで感度が尋常ないのか、美月は柳眉を寄せて激しく嬌声を上げる。
 数度の往復で互いの限界に昇りつめる。
「…ああ…んッッああぁぁ…はぁぁぁぁ…ダァメェ…またぁ…ぁぁん!!!」
「美月、美月、美月ぃぃぃ…!!!」
 彼女の名前を叫びながら、俺も絶頂を向かえ、亀頭の先から熱い液体が迸る。
 激しく俺の腕の中で、荒い息とともに柔らかな身体が何度も痙攣する。それに合わせて、
膣壁がキュウキュウと俺のペニスを締め付ける。そのお陰で、俺は文字通り最後の一滴まで
吸い上げられた。

 それから暫く、彼女をギュッと抱き締めて艶やかな髪を撫でていると徐々に彼女の呼吸も
落ち着いてきた。
「んんぁぁ…はぁ、良かった…君も気持ちよくなってくれたんだ…嬉しい」
 今まで見たことのない楽しそうな笑顔を浮かべた美月が俺の腕の中にいた。

***

 結局、初めてながら計三回も交わってしまい、気がつくと俺は美月を抱いたまま朝を
迎えていた。
 窓から差し込む新鮮な陽の光、姿は見えなくとも心を和ます小鳥の囀りと部屋中に
漂う芳しい朝食の香り、この三つは清々しい朝には欠かせない三種の神器だな。
 とりわけ、朝食の匂いは俺の眠気を吹き飛ばすには充分。
──きっと、昨晩と同様、美月が腕によりを掛けて作って─って、俺の胸に寄り添うこの
感触は…
「美月!!???」
「…んんっ?朝から素っ頓狂な声を上げてどうした?」
──おかしい。昨日の交わりの後、二人ともそのままの格好で寝た。そして生まれたままの
格好の美月が俺の腕の中にいる。な、何だ、何が起きているんだ?
「…な、なぁ…つかぬ事を聞くけど…ちょ、朝食の準備なんてしてない…よな?」
「ああ。何を言っているんだ。さっきまで君と一緒に眠っていたではないか?」
──やっぱり、じゃあ、誰が朝食作っているんだよ?しかも、まだ素っ裸だけど普段のクールな
美月に戻ってるし…あ〜、あの素直で可愛い美月はどこへ…

 何て、俺の嘆きは次の瞬間、吹き飛んだ。
79クールアンデレな彼女-10(完) ◆GK0/6l5f56 :2008/02/17(日) 13:36:40 ID:tC3ff5Wp
「美月ちゃ〜ん♪ご飯よ〜♪」
 階下から女の人の声がする
──俺たち以外に誰かこの家にいる…
「今起きた。直ぐに行くわ、ママ。」

──ママ、ママ、ママ?って。

 バネ仕掛けのおもちゃみたいに勢いよく上体を起こして、俺は美月を睨みつけ激しく
詰め寄る。
「おい、美月!嘘つくなんてヒドイじゃないか!!!」
 何を言っているのか分からないという顔で、美月も目を擦りながら上体を起こす。
 可愛らしいその仕草と、シーツがズリ落ちて露になったツンと上を向いた乳房にも、
気を取られている余裕などない。
「何を言っている?私が君に嘘をつくはずなどないだろう」
「おいおい!昨日言ったじゃないか、両親は帰ってこないって。にも関わらず、さっき、『ママ』って!」
「だから、嘘は言っていない!」
「この後に及んで!」

「私は、『今日は帰ってこない』と言ったじゃないか。より正確に言えば、『23時59分59秒までには
帰ってこない』ということだ。誰も、翌日も帰ってこないとは言っていないぞ?さっ、朝御飯だぞ。」

 俺がこの時、白く燃え尽きたのは言うまでも無い。

(了)