Hの時だけデレデレになる女の子2

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524とある秘書との日常
春眠暁を覚えず――。
昔の人はよく言ったもんだ。壁一面のガラス窓から薄いシェードを通して、温かで包み込むような
優しい光が眠りを助長する。ああ、気持ちよすぎて涎が。
その下には確か重要な契約書類があるはずだったが、いや、今はこの心地よいまどろみのほうが重要だ。
どうか誰も俺の眠りを邪魔するな。
そんな儚い望みは、やはり儚いもので。
「いっっ……!」
痛みに頭を抱えて目線をあげると、百科事典ほどの厚みはあろうかというファイルを片手にゆうゆうと
持ち上げて、机の前に女一人。
「お、お前」
「副社長」
「はい」
いや、待て。なんで俺が敬語を使う必要がある。俺は副社長で
「契約書は、無事のようですね」
こいつは秘書だ。だったら、はいなんて返事はいらない。それならば…
「う、うむ」
威厳が出るようにどこかのオヤジの真似をし、尊大に頷いてみせると、秘書は眼鏡の上の柳眉を微妙に上げた。ついと、滑らかな動作で机の上の書類を救い上げ目の前にかざす。
「本当に危ないところでした」
「俺の頭はまだじくじく痛いけどね、あー、本当に痛ぇ…」
あの書類と反対の手に持っている分厚いプラスチック製のファイルの角が、遠慮も無く落とされた
に違い無い。そしてこの秘書はそれを戸惑いも無くやったに違い無い!
「何かご不満でも?」
隙の無い黒いスーツをかっちりと着こなした秘書は、正しい行いをしたのに何が悪いとでも言わんばかりの
態度だ。たまにはお灸をすえてやらないといかん。そうだ、ガツンと。
「だいたい俺が大事な取引先の大事な契約書を、汚すとでも?」
「まさか、そこまで頭の中身が足りない方だとは思っておりません」
……何かひっかかるが良しとしよう。この程度で文句を言っていては、この秘書との会話は成り立たないのだ。
525とある秘書との日常:2009/06/10(水) 23:30:07 ID:vcPYSyEC
そうだよな、俺の秘書サマは良く分かってくださる」
「ええ。優先すべきことはどちらなのか、良く分かっております」
「あ?それは何か?副社長の俺よりも、紙切れのほうが大事だと?俺の頭に傷は付いてもいいけど、
紙切れが汚れてはダメだと?」
と、たまには言い返してみると、机の前に立つ秘書の眼鏡のレンズがきらりと光ったように見えた。あれは、
あれだ。獲物を手に入れたライオンが舌なめずりをするようなもんだ。
あ?じゃあ獲物は俺?
「もちろんです。今までお気づきになりませんでしたか?」
「ああ、お気づきになりませんでした」
「私は社の為を思っての、選択をしたまでです。何故なら」
「なんだ」
秘書のつややかな唇が、いかにも意地悪そうに吊り上がる。
「副社長の涎がついてしまったので、もう一度サインをお願いしますなんて先方に言えませんものね」
「ぐ…」
「ようやくこぎつけた大口の契約が、副社長の涎でキャンセルなんて……、安っぽい週刊誌にも載せて
くれませんし」
「ぬ、ぬ…」
「さて、役に立たないお口はその程度で動かすのをやめて、その汚い涎をお拭きになって、さっさと
本業に戻って頂けますか」
「お、お前…」
「社員は名前で呼ぶようにと先日も、ご忠告申し上げた筈です。コンプラ室から呼び出し受けたいですか?」
「い、嫌だ」
あそこは、カブトガニみたいな頭をした、生きた化石のような女室長が仕切っている恐ろしい部署だ。
「では、遅れているメールのご確認を。その後はこの資料に目を通して頂いて」
「うおっ」
決して安くはない机がたわみそうな勢いで、ファイルが置かれる、というか放り投げられる。
「ああ、休憩はもうお取りになったようですから不要ですね」
「…昼飯、食ってない」
「昼飯?」
なんだそれ?という具合に秘書の細首が傾げられる。
「脳を動かすための重要なエネルギーだ。人間の三大欲求のひとつだ!」
「買ってきて差し上げます」
「おお?」
「ゼリー状の食べながら仕事ができるエネルギー源がよろしいですわね。どなたかの汚い涎みたいに
零れる心配も少ないですし」
「……な、なんて味気無い…」
「健康が心配ならば、サプリメントも」
「く、くそう」
「何か」
「鬼」
我ながら情け無いことに小さな小さな声で、ひっそりと呟いたのだが、いかんせん敵さんは実に地獄耳だった。
「ふふ」
「はは」
目が笑ってねぇ。
「明るいうちは仕事が進まないようですから、今日は徹夜されるということですね。感心です」
「誰もそんなこと言ってねえ!」
「副社長のスケジュールは秘書の仕事です。最近、ずいぶん心地よさそうに休憩ばかりなさっているから、
やることはいくらでもあります。ご安心を」
「この、鬼、悪魔め」
「もちろん私は定時で帰らせて頂きます」
「がーっ」


―――苦悶の声が響く、そんないつもの日常のヒトコマ。
526とある秘書との日常:2009/06/10(水) 23:31:03 ID:vcPYSyEC
 □□□



 会社というところは、肩書きに比例して仕事が増える。しかも、くだらん仕事とも呼べないようなものが
増えるのだ。
「いやあ、サオリちゃんが煎れてくれる茶は、いつも旨いね」
「おそれいります」
ずずずっと、うららかな日差しに包まれる午後にある意味ふさわしい下品な音で茶をすするメタボ爺を
見ながら、そう思った。くだらん仕事の典型例だ。
「君がうらやましいよ。美しい秘書と旨い茶、仕事もはかどるだろうねえ」
「煮え湯もいつも飲まされてますがね」
「うん?」
「ああ、いえいえ。こっちの話です」
デカい腹と同じく業界での力もデカいもんだから、タチが悪い。後ろに建前上はそっと控えている秘書の
視線が失礼を働くなと背中を刺す勢いで脅している。ああ、こういう所謂、重鎮たちとの付き合いのせいで
やれゴルフだ会合だと、仕事の時間はもちろんのこと俺の貴重な休みさえも削られていくのだ。
「とほほ」
「どうした?若い癖に元気が無いのう。そうだ、サオリちゃん」
「はい」
メタボ爺は何故か秘書に話を振ったと思ったら、
「もう少ぅし、スカートの丈でも短くしてやったら、副社長も一気に元気になるぞい」
鋼鉄の秘書をも恐れぬセクハラ発言かよ。
「おそれながら」
秘書はこれっぽっちも恐れてなさそうな無機質な声で言った。
「そろそろ腐りそうな脳みそでもお分かりかとは存じますが」
お、お前っ、あれほど失礼はするなと、散々自分で言っておきながらっ
「私、そういう下品な冗談の類は好みません」
「ほっほっほっ、相変わらずかたいのぉ」
「会頭様は、お腹のお肉と同様にますます柔らかくおなりのようで」
いくらメタボ爺とは言え、機嫌を損ねたら会社が危ないと人に言い聞かせておきながらっ
「そうそう、あっちのほうもふにゃふにゃでねえ、困って困って」
「困るモノでしたら、いっそのこと切り落として差し上げましょうか?」
なんだそのブリザード吹き荒れる絶対零度の微笑はやめてくれえっ
「そうじゃのう、手始めにまずそのハイヒールで踏んでもらって…」
「会頭様、老眼でお分かりではないでしょうが、出口はあちらです」
こ、この会社の未来は大丈夫なのかああっ
527とある秘書との日常:2009/06/10(水) 23:32:27 ID:vcPYSyEC


「お、お前」
「何でしょうか」
秘書との会話に何故かぽわーんと火照った顔で帰っていったメタボ爺を見送り、副社長室に帰るなりびしっと
指を立てて糾弾してやった。
「あの爺さんを怒らすとヤバイからとお前がガミガミ言うもんだからっ、俺はどうでもいい話にながながと
付き合ってたというのに!」
そうだ、たまにはびしっとしてやらないとな。秘書は多少は後ろめたいところがあるのだろう、珍しく目を
そらした。
「怒られなかったじゃありませんか」
「たまたまだろっ、たまたま!」
「会話を楽しんでいらっしゃいましたわ」
「結果的に、だ。お前は最初からあのメタボ爺が変態M男と見抜いてた訳では無いっ」
「それは、そうですが」
「そしてあの爺は、お前がサドだと勘違いしていたわけだが」
「何のことです」
不穏な空気を感じ取ったのか、秘書はわずかに後退りをした。退室しようとドアに手を伸ばそうとするから、
腕を壁について退路を塞いだ。
「……なあ」
我ながら、下心満載の下品な声だ。
今度は明確に空気を悟った秘書が、ぎくりと体を強張らせた。それでも、黒縁の眼鏡の奥から睨みつけてくる。
「お仕事の話でしたら、お伺いします」
「もちろん、仕事の話だ」
背中を壁に張り付けながら、いぶかしげに見上げる秘書に、ニヤリと笑ってみせる。
「仕事中に秘書が、イケナイ反応をしていないか、確認しないとな」
「何のお話か、分かりかねます!」
秘書には珍しく慌てた様子で逃げようとするのを利用し、背中で両手を拘束しつつくるりと壁側を向かせて、
そのまま押し付ける。
「副社長!」
肩越しに振り向きながら、秘書が声を荒げる。その様子につい楽しくなってしまった。
おおっといかん、楽しいと人格までついつい変わってしまいそうになる。
「そう慌てるな。確認するだけだから」
「……必要ありません」
秘書の腕は掴んだまま、背後から身体を密着させる。すっきりと髪を上げたうなじから、誘うような匂いが
した。
「ま、優秀な秘書様がその気なら…その先もアリだがな」
「……っ」
空いたほうの手を秘書のスカートの中に素早く潜り込ませ、目的地に到達する。ストッキングに包まれて
いても、明らかにと分かる反応ぶりだった。
「嫌っ……っ」
「何が?こんなに濡れてるのが?」
「…っ、んぅっ」
唇を噛んで声を我慢しようとしているのが、よけいにそそられる。ストッキング越しに熱の篭った脚の間を
指でぐいぐいと押してやれば、どんどん溢れてくるのが分かった。
528とある秘書との日常:2009/06/10(水) 23:33:57 ID:vcPYSyEC
「ワルい秘書だな、メタボエロ爺にじろじろ見られながら、濡らしたのか」
「ち、違いま……っ、ぁ、」
ピッと薄いストッキングを破り下着の上から、ゆっくり割れ目をなぞると悩ましげに腰が揺れた。
「何だ、おねだりか?」
ふるふると頭が否定の方向に振られる。
後ろで拘束していた手を離しても、秘書は前の壁に手をついて自分の身体を支えるのに精一杯だった。
これは、いい傾向だ。
「し、ごと…中、ですっ…や、ンンッ」
途中で下着の中に指を滑り込ませて直接触ったせいか、最後の声が高く跳ね上がった。
社内の男共が聞いたら卒倒しそうだな。
「でもさあ、仕事中にイケナイ体になってる秘書に、お仕置きが先……だろ?」
「ちが、…ぁ、や、…ぁんっ」
ぬめる指先を動かすととびっきり甘い声が漏れてくる。こうなるともう、こっちだって止められるわけも無い。
「……詩織」
後ろから耳朶を舐めながら、指を膣内へと進入させると熱くうるんでもっと奥へと誘ってくる。
「や、ぁ、……ダメぇ…っ」
頬を紅潮させて、秘書のふっくらとした艶やかな唇が震えた。
「くそ、」
何でこの秘書はこんな時だけ可愛らしくなるんだ。
おかげで我慢という文字なんか、無いも同然だ。
「お仕置き、だ」
「ぁ、あ、っ……ぁあんっ!」
結局、スーツ姿のままスカートを捲り上げ、ストッキングを破り下着をずらしただけの、性急な姿で後ろから
繋がった。
ああ、後で怒られるなこりゃ。
と思っても、こんな気持ちいいことができる機会をみすみす逃せるはずもなく。
「ダメ、ですっ、……ぁ、あっ…ん、動いちゃ、…んぅっ」
「動かないと、終わらないだろ」
「だって、ぁ、あっん、……やぁっ」
「だって動くと…、気持ちよくなる、か?」
「はぅ、んっ…ぁ、副社、長ぉ、…っ」
いつもは決して見せない素直さで秘書が首を縦に振る。
お堅い黒のスーツも眼鏡も、乱れた秘書をよりいやらしく見せる小道具になってしまった。
「お前、感じすぎ。ていうか、何でこんな濡れてるんだよ」
ぬるぅっと腰を引き、続けて奥まで突き入れる。膣内のぬめった襞が快感を示してひくつきながら、まとわり
ついてくる。
息が上がりそうになるのを、つとめて平静を装った。
「ほんとにあの爺さんのエロ視線で感じてたのか?」
「ぁ、んっ……ちが、ちがいます、…ンンっ、ぁ、っ」
「じゃあ何だよ」
奥に突っ込んだまま腰を揺らすと、秘書の背中が堪らないという風情で仰け反る。
529とある秘書との日常:2009/06/10(水) 23:34:54 ID:vcPYSyEC
「や、やぁっん、ぁ、だって、……ふくしゃちょ、が、ぁぁんっ」
「俺が?」
「私の、ことっ、……見てっ、ぁ、あっ、ああっ」
見られて、何だ。その先を妄想したのか。
これはもう、日頃の成果と言うべきか。
秘書の中に埋まっている暴れん坊が、ぐんと一回りデカくなった気がする。
「お前のこと、見て、俺がこういうことするって、想像した?」
「は、いっ…ぁ、ぁあンっ、…あっ」
「それで爺さんを罵倒しながら、濡らしてたってわけか」
「そ、そぅ、です……んぁっ、ぁんっ…」
ちくしょう。
何だこのエロ可愛い告白は。そんなやつにはお仕置きだ、お仕置き。
「イヤらしい身体だな……詩織」
「ぁ、やっ、ぁあんっ」
すっかり男を蕩けさせる身体になってしまった秘書の膣内の感触にぐっと堪えながら腰を引くと、ぷりんと
上向きの可愛い尻も一緒に付いてきた。
「ふ、くく、どうした?」
「ん、ぁ、あん、ダメぇ…」
社内の男共が聞けば脳死しそうな、しおらしい声で秘書が鳴く。
だが、この可愛さにほだされたらダメだ。こいつには、どっちが主人が身体にきっちり教え込んでおく必要
がある。
「何がだ?そういえば、動くなと、さっき言ってたな」
「や、やぁ…、いじわる、しないで、くださ…い、」
「ちゃんとオネダリ、できればな」
「やだぁ、ぁ、んぅ、…」
目元を赤くして今にも泣きそうになってる秘書を見てるだけで、ぞくぞくと込み上げてきそうなのをぐっと
堪える。堪える。
「ほら、詩織…」
「副社、長……も、もっと…」
「もっと、何だ?」
「いっぱい、突いて……気持ちよく、してくださ……、きゃうっぁンン!」
秘書が言い終わらないうちに、思いっきり腰を突き出す。そしてそのまま乱暴なまでに抜き差しを繰り返す。
二人の繋がった部分からは絶え間なく、秘書が発情している証である液体が溢れ出し、彼女の太腿をとろとろと
伝っていく。
「はふ、…ぁ、ああんっ、そんなに、…しちゃ、ぁ、ああんっ!」
「気持ち、いいか?」
「い…です、ぁ、あっん、副社長、ああん、も、ぁあ!」
「イく時はちゃんと言えよ」
「イく、イっちゃうのっ…、ぁ、あっ、ああん、ダメぇぇっ!!」


―――副社長室に甘ったるい声が響く、これも日常のヒトコマ。



終わり。