☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第43話☆

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1名無しさん@ピンキー
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。


リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 06:54:47 ID:woXI5TTI
『リンク』

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第42話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198238762/

【クロスものはこちらに】
リリカルなのはクロスSSその31
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1198322265/

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
・Nanoha Wiki
 http://nanoha.julynet.jp/
・アリサだもんっ!
 ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
・R&R
ttp://asagi-s.sakura.ne.jp/data_strikers.html
(キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 07:06:42 ID:LEML0drQ
一乙


朝刊が楽しみすぎて早起きになっちまうんだぜ!
4名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 07:57:09 ID:/s9TjNq3
いち乙
俺も一定の時間で起きれるようになった
5名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 08:11:50 ID:N3hU+emQ
>1乙

未読が1スレ分になっちまったぜ
じゃ、仕事に行ってくるノシ
6kometi:2007/12/26(水) 12:27:48 ID:8CgMePZs
前スレで投下していた、「cold sleeper」の続きを投下します。
スレ変わったからちょっと整理を、

・時間軸はsts後、設定は基本的に原作基準。
・フェイトメインですが、主役はオリキャラであるヴェルデ(通称テスタロッサパパン」です。
・前スレに投下した話には演出の範囲で一部、切断、串刺しがありました。
・はやてとヴォルケンズは俺の嫁、という人には「ごめんなさい、出番ないです」と謝ります。


今回のイメージは第12話です。
注意事項というほどではありませんが、ヴェルデさんがフェイトの胸倉掴んだあたりで
「Pray」をかけることを推奨します。できれば2番を。
7cold sleeper 第七話@:2007/12/26(水) 12:30:04 ID:8CgMePZs
「どうして・・・どうしてわざと負けたんですか!」
ヴェルデの傷は深かった。ライオットブレードは恐ろしい切断力を持っており、いくら非殺傷設定だったといっても、
急いで治療しなければ手遅れになってしまう。
「・・・・俺には、何もできないと思っていた。お前は、一人でも立派にやっていける・・・・だから、
せめてあの娘は・・・・俺が助けてやろうと・・・」
「あなたは・・・あなたは大バカです。救いようのない馬鹿野郎です!」
「ああ、俺は馬鹿だ。娘との約束を破るし、惚れた女には愛想尽かされるロクデナシだ・・・・けど、
そんなロクデナシにも、譲れねぇものはある」


魔法少女リリカルなのはSTRIKERS・異伝「cold sleeper」
第7話「Pray」


「約束だ・・・・その娘を開放しろ・・・」
息も絶え絶えになりながら、ヴェルデはトレディッチに言う。
フェイトが勝てば無条件降伏。それがゲームの条件だった。
8cold sleeper 第七話A:2007/12/26(水) 12:32:27 ID:8CgMePZs
『あらぁ、負けちゃったんですね。本当、使えないポンコツ』
その人を小馬鹿にした調子に、フェイトは嫌な予感を感じた。
「おい・・・約束を・・・・」
『約束? ああ、あれ。あんなもの、ごみ箱に捨てちゃいましたわ。守ると思っていたの、馬鹿らしい』
「なんだと・・・」
『そもそも、お父様を逮捕したフェイト・テスタロッサに、素直に従うと思っていたの? だとしたら、頭弱すぎ。
そんなあなたは彼女と一緒にここでミンチになってくださいな』
そう言って、トレディッチはモニターを一方的に切った。そして、ヴェルデが出てきた通路から、
巨大な球状の機械、ガジェットV型が出現する。同時に、施設内にAMFが展開され、バルディッシュの魔力刃が薄れていく。
「バルディッシュ」
『Sonic Move』
消えゆく刀身を構え、フェイトは駆ける。AMFといえど、直接攻撃は無効化しきれるものでもない。このまま一気に両断する。
そう思ってバルディッシュを振り下ろした瞬間、魔力刃が消失した。
「え? きゃぁぁっ!?」
ガジェットのアームがフェイトを振り払う。衝撃を緩和して着地するが、ソニックフォームだったのでダメージはかなり響いている。
『残念でしたぁ。そのガジェットは、動力にレリックを使っているの。並の魔法じゃ、傷一つつけることはできませんよぉ』
フェイトを嘲うように、トレディッチの声が響き渡る。
レリックは超高エネルギー結晶体であり、JS事件の発端となったロストロギアだ。非常に不安定な物質で、
暴走すればこの辺一帯が焦土と化すようなエネルギーを秘めている。
9cold sleeper 第七話B:2007/12/26(水) 12:34:36 ID:8CgMePZs
『Defensor Plus』
ガジェットが放った砲弾が、魔法障壁にぶつかって四散する。
一発一発が異様に重く、着弾する度に障壁が明滅する。そう長くはもちそうにない。
「なんとかならねぇのか?」
「なりません。封印しようにも、AMFが邪魔で・・・・・」
万全の状態なら突破できるかもしれないが、先ほどまでの戦闘と、ジェノサイドシフトの使用でかなり魔力を消耗してしまった。
今のフェイトに、施設とガジェット、2つのAMFをどうにかする手段はない。
「だったら・・・・・そいつを取っ払えば良いんだな」
デバイスを杖代わりにして、ヴェルデは立ち上る。
「物理ダメージで・・・・AMFの・・・発生・・装置を破壊する。それしかねぇ・・・・・・」
確かに、それは有効な手段の一つだ。だが、できるだろうか? 
殴る蹴るではガジェットの装甲を突き破ることはできないし、そもそもレリックが暴走する危険がある。
「危険です。レリックは、ちょっとした衝撃でも暴走する代物なんですよ!」
「だったら、暴走するよりも早く封印しろ。それが仕事だろ!」
フェイトの胸倉を掴み、脅すようにヴェルデは言う。
「良いからやるんだ、死んでも俺が守ってやる。だから・・・俺を信じろ」
飾り気がない故に、それは彼の本心だった。
まったく、この人はいつもこうだ。勝手でわがままで、そしてこんなにも優しい。
プレシアが好きになったのも頷ける。
そうしている間に、ガジェットは巨大なアームを振りかぶりながらこちらに向かってくる。
迷っている時間はない。2人は頷きあうと、互いに距離を取った。
「チャンスは一度だけだ。覚悟は良いな、俺はできている!」
「私もできています! バルディッシュ・・ザンバーフォーム、いけるね?」
『Yes,sir Zamber form』
10cold sleeper 第七話C:2007/12/26(水) 12:36:16 ID:8CgMePZs

体は限界。足はフラフラで、だんだん意識が霞んできた。
あのバルディッシュとかいうデバイスは、とんでもない切れ味だ。
機械の体でなければ、とっくに死んでいただろう。
気に入らないが、今はそれを素直に感謝するしかない。
『肉体の機械化には成功したが、クライアントが求めるものにはならなかったな。
内蔵兵装も一度しか使用できぬとは』
スカリエッティの言葉が思い浮かぶ。
上等だ。一回で十分。後はどうなっても文句は言わない。
彼の中の兵器が目覚める。全身の至る所に隠された発射口が、まるで拘束具を引き千切るように人工皮膚を破り、
封印されたはずの質量兵器――ミサイルが姿を現す。
「娘を守れずに、何が父親だぁぁっ!」
ヴェルデの叫びに呼応し、無数のミサイルが発射された。使えばそれで終わり。発射の反動は容赦なくヴェルデの体を蝕み、破壊していく。
そして、決死の覚悟で放った一撃は、見事ガジェットの装甲を吹き飛ばした。
「いまだぁぁ、撃てあぁぁぁっ!」
11cold sleeper 第七話D:2007/12/26(水) 12:38:30 ID:8CgMePZs

ガジェットの動きが止まり、一時的にAMFが解除される。
同時に、ガジェットから凄まじい熱量が放出され始めた。内部のレリックが暴走を始めたのだ。
暴発まで、恐らく数秒。ヴェルデが作ったこのチャンス、逃すわけにはいかない。
「アルカス・クルタス・エイギアス・・・・・封印すべきは旧き結晶、レリック」
フェイトの足下に金色の魔法陣が展開し、バルディッシュの内部で、6発全てのカートリッジが炸裂する。
「バルエル・ザルエル・ブラウゼル・・・・・・・・」
バリアジャケットの装甲が飛沫のように四散し、消滅する。
籠手、ブーツ、ベルト、リボン。何一つ残さず全てが取り外され、それらの維持に要していた魔力をスフィアの形成に回したのだ。
インナースーツのみとなったフェイトは、裂帛の気合いとともにバルディッシュを振り上げ、開眼する。
「雷光一閃! プラズマザンバァァァッ・・・・」
形成された極大のスフィアから迸る電光が周囲の地面を抉り、フェイトの金髪を逆立たせる。
そして、電光はバルディッシュの刀身に吸収され、極極極大の刃へと膨れ上がらせた。
「ブレイカアァァァッッ!!」
砲と化した刃が振り下ろされる。文字通り闇を切り裂く閃光は、堅牢なガジェットの装甲を突き破り、
その内部を破壊し、剥き出しになったレリックに注がれる。
「レリック・・・・・封印!」
『Sealing』
バルディッシュが封印完了を告げる。
静寂が再び戻り、フェイトは力なくその場に座り込んだ。
12cold sleeper 第七話E:2007/12/26(水) 12:40:37 ID:8CgMePZs

モニターに映る出来事を、トレディッチは歯噛みしながら見ていた。
どうして、どうしてああも簡単にレリックが封印できる。
こちらも制御不能を覚悟で組み込んだというのに、あれでは自分がいい笑いものではないか。
「それは、君がうちの義妹を侮ったからだ」
「誰!?」
第三者の声に、トレディッチは振り返ろうとする。だが、それよりも早く、クロノの鉄拳が顔面を殴打した。
「がはっ・・・・」
「すまないな。ガジェット相手に魔力を使い過ぎてね」
まったく悪びれずに、クロノは言った。その後ろには、気絶しているヴィヴィオを抱えるフェイトの使い魔アルフがいる。
「ど、どうして・・・・管理局の動きは、全て把握していたのに・・・」
後ろのモニターには、本局、地上本部問わず、全ての管理局の動きが映っている。
提督ほどの人物ともなれば、アクションを起こした時点で気付くはずだ。
「ああ、君は確かに見張っていたんだろう。だが、それは管理局だけだ」
「ユーノから電話があってね、海鳴から飛んできたのさ。あたしなら、怪しまれずに本局にも入れるしね」
フェイトがユーノに渡したのは、海鳴の自宅マンションの電話番号だった。
事情を聞いたアルフはすぐに本局に出向き、クロノにこのことを伝えたのである。
「それでも・・・それでもお前が動けば、気付かないはずがない!」
「残念だが、僕は休暇中だ」
プライベートでどこへ行こうと、管理局のデータベースには残らない。
事務課は普段からクロノに有給を取らせようと泣きついてくるので、休暇の申請はものの数分で成立した。
その馬鹿馬鹿しさに、トレディッチは笑うしかなかった。狂ったように笑って、憎悪に燃える瞳でクロノを睨みつける。
こいつの勝ち誇った顔なんて、見たくない。
「これで勝ったと思うなよぉっ!」
直後、地面が大きく揺れた。
13cold sleeper 第七話F:2007/12/26(水) 12:42:55 ID:8CgMePZs

突然、ガジェットが爆発した。最初からそうなるようにプログラムされていたのだろう。
恐ろしい念の入り様だ。だが、爆発自体は大したものではない。防御魔法で何とかなる。
何とかなるのだが、フェイトの魔力は既に尽きていた。
プラズマザンバーブレイカーは、フェイトが持つ魔法の中でも破格の破壊力を秘めている。
そのため、魔力消費も激しく、一度使えばしばらくは魔法が使えなくなる。
最早、フェイトには防御魔法を展開する力は残っていなかった。
(ごめん・・なのは・・・ヴィヴィオ・・・)
その時、フェイトの視界を、大きな影が覆い被さった。
爆風に背中を向け、その影はニヤリと笑う。
「言っただろ、死んでも守ってやるって」
もう動けないはずなのに。体中ボロボロで、あちこちから火花が散っているのに。
約束なんて、いつも破ってきたと自分で言っていた癖に。
それでもこの人は、私のことを守ってくれると言う。
「いやぁ・・・止めて・・・」
フェイトにできるのは、ただ叫ぶことだけ。
「お願い・・・死なないで・・・・お父さん!」
爆風が2人を包み込む。
世界が炎で埋め尽くされる寸前、フェイトは視界の端に、暖かい桃色の光を見た気がした。

                     to be continued
14kometi:2007/12/26(水) 12:46:45 ID:8CgMePZs
以上です。

ヴェルデさん、決死のミサイル発射。

呪文詠唱→BJ解除→余剰魔力で威力上乗せ→最強魔法→封印。


やりたいこと全部入れました。フルボッコされたガジェットV型には申し訳ないですが。


では、次回はいよいよ最終回。本家に則って後日談となります。
15名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 13:03:54 ID:EFaZek4d
ハドラーとポップを思い出した
16名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 14:34:23 ID:bOkuCVoB
保守
17名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 15:14:02 ID:nmUlE0iO
報告。前スレ埋め完了せり。
18A・T:2007/12/26(水) 15:28:04 ID:JBQ+YgCo
本来のHNのイニシャルだけ取ると、某最低野郎に出てくる鉄の棺桶と同じ略称になるなぁ……
コテハンの使用はこれ一回きりにするつもりです。
とまぁ、どうでもいい事は置いといて。感想行きます。
ヴェルデパパの内部兵装は全方位ミサイル一斉発射と来ましたか。
きっと標的に向かってまっすぐ飛ばないで、巧みなカメラワークで追尾していくんだろうなぁ。

どうやら大魔王様は慈悲を与えて下さるみたいですね。
蒼き鷹さん見たいに説得に折れて二人で自力の脱出して欲しい気もしましたが、魔力スッカラカンじゃ無理ですね。
ロボットアニメのネタばっかりで申し訳ない……

次回で最終回ですか。果たして二人は胸を張って親子と言える日が来るのか、楽しみに待っています。
俺も地獄シリーズとっとと終わらせてフェイト父を書こうと思う今日この頃。
すいません、宣伝になってしまいました。炎上は勘弁してくださいm(_ _)m
19名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:19:51 ID:38hFQHIp
なんかよく分からん荒らしがいるみたいだな…
上げとくか。
20名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:15:57 ID:Zt+cnsCk
ほす
21名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:29:15 ID:IViw8GSi
>>18
その、なんだ
特定し易すぎるからやめとけ
22名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:37:42 ID:EFaZek4d
無意味な自己主張ウザい
23名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:41:20 ID:a0wkw+94
なんだこれ
変なスレッドがイパーイたってる…スクリプトの荒らし?

ageます
24名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:43:57 ID:8Ma16WFH
>>14
今回もGJ。次回で最後か。ハッピーエンドにして欲しいが、せつなく物悲しいのもちょっと見てみたいな

>>18
まあなんだ・・・自重しようZE。評論家気取りは見ていて痛いだけだしな
25再び機動6課の休日 最終回:2007/12/26(水) 18:58:58 ID:zzXiDIDs
久しぶりの投下です。
最終回宣告してから書き終わりまで頑張った所かなりの量になりました。

間が空いたので相変わらずあらすじを

休日に遊びに行ったエリオとキャロを見守りたい
そんなフェイトの思いをはやてが子供化の魔法で解決させる。
だが、1番見つかりたくない親友のなのはにまでその姿を見られた挙げ句に捕まってしまう。
負けるなフェイト! めげるなフェイト!

再び機動6課の休日 最終回 始まります。
26再び機動6課の休日 最終回:2007/12/26(水) 18:59:04 ID:zzXiDIDs
久しぶりの投下です。
最終回宣告してから書き終わりまで頑張った所かなりの量になりました。

間が空いたので相変わらずあらすじを

休日に遊びに行ったエリオとキャロを見守りたい
そんなフェイトの思いをはやてが子供化の魔法で解決させる。
だが、1番見つかりたくない親友のなのはにまでその姿を見られた挙げ句に捕まってしまう。
負けるなフェイト! めげるなフェイト!

再び機動6課の休日 最終回 始まります。
27名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:59:56 ID:zzXiDIDs
「お待たせしました……あれ? プレセアさん……と、なのはさんにヴィヴィオまで。どうしたんですか?」
 しばらくして、エリヲとキャロが戻って来る。
「たまたまプレセアちゃんと会ってね。そこで色々お話聞いたら2人達も一緒だって聞いたから、どうせなら合流しちゃおうって思ってたんだ」
 それまでいやらしくなのはとヴィヴィオに弄られていたフェイトも、その少し前にタイミング良く開放され、最悪の事態は免れていた。
 もっとも、その時既に事は終えていたので、なのはとヴィヴィオも満足顔で2人を迎えていたのは言うまでも無い。
「そうだったんですか……それなら、僕達まだ回っていないアトラクションがあるですけど、良ければなのはさん達も一緒にいかがですか?」
「そうだね。パレードまでしばらく時間もあるし、ヴィヴィオもまだ遊びたいみたいだから一緒に行こうかな」
「わーい! みんな一緒一緒!」
 その横で駆け回りながら飛び跳ね、全身で喜びを表現しながら答えるヴィヴィオ。
「プレセアちゃんも大丈夫だよね? フェイトお姉ちゃんには私から連絡しておいてあげるから」
 なのはが目で合図をしながら、子供の姿でプレセアと名乗っているフェイトにも再確認をする。
「うん……じゃなくて。はい、お願いします」
「プレセアちゃん。フェイトお姉ちゃんと話す時みたいに普通でいいよ」
 途中で口ごもったフェイトの手をフォローの言葉と合わせながら優しく掴む。
 そして、逆の手にぶら下がっているヴィヴィオの姿。
「それじゃあ行きましょう」
 それに負けずとエリオの手を取り、先に進みだすキャロ。
 その後には手を繋いだなのは達と、まるで保育園の遠足の様な光景であった。
 歩いている途中、次に乗るアトラクションについて話し合った結果、やはり皆同じ事を考えていたらしい。
 ジェットコースター等の激しいアトラクションは既に乗り終えていて、残るアトラクションは観覧車を代表とするゆったりとした物ばかりであった。
 その中で順番を簡単に決めて実行に移り、最後に観覧車と良くある王道パターンのアトラクションにたどり着く。
「全員で1台は無理そうですけど、どうやって分けましょう?」
 残りのアトラクションを全て回り、最後の観覧車になった時にエリオがこう切り出した。
「私達と合流前のメンバーで良いんじゃないかな? プレセアちゃんはどう?」
 なのはが躊躇いも無く切り返すと、握っていたフェイトの手を離しそのまま後押しするように背を押した。
「あ、うん。それで良いかな」
 フェイトもなのはの気遣を察し、エリオとキャロのグループに加わった。
「それでは、先に乗りますね」
 小さな集団が先駆けて観覧車へと足を運び、誘導員にの指示通りに乗り込む。
 
「あのー、プレセアさん?」
 エリオとキャロが隣同士、フェイトがその逆で向かい合う形で座り、観覧車が上昇中で景色がまだ見難い間に最初に口を開いたのはキャロだった。
「ん、何かな?」
「成り行きで一緒に来て貰っちゃいましたけど、ご迷惑だったらすいません」
 そう言って丁寧に頭を下げる。
「ううん。全然迷惑なんかじゃないよ」
「でも、私達と一緒に遊んでても何かそわそわしてて……もしかしたら誰かを探してるんじゃないかって思ったんですよ」
「あ、ああ……うん。もしかしたらフェイトお姉ちゃんが来てくれるかなって考えてたの」
 それはあなた達が心配だから! とは口が裂けても言えるわけが無く、図星を突かれても必死に嘘をついて誤魔化した。
「フェイトさんも行きたいって言ってました?」
 すかさずエリオが口を挟む。
「行きたいとは直接言ってなかったけど、きっと複雑な気持ちだったのかな……」
 そのまま真剣に聞き入ってる様子を見て、フェイトが再び喋りだす。
「きっと心配で一緒に行きたいと思う気持ちと、私達だけでもこう言う所に行けるようになって欲しいって思う気持ちで一杯だったんだと思う」
 あたかも本人と言うか本人なのだが、本音を交えて子供の視線から言っている口ぶりでそう答えた。
28名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:01:05 ID:zzXiDIDs
「そうか。前にフェイトさんが仕事が入るかもしれないって言ってたときに、僕たちでも大丈夫ですって言ったから……」
 悔いるように考え込むエリオと一緒になって、キャロも残念そうな表情でそれを見つめていた。
「なのはさん達も来るって解ってたらフェイトさんも呼ぶべきだったね……」
 やはりこの2人は本当に良い子だ。
 今まで忙しくてほとんど構ってあげられなかったのに、自分の事を気遣ってまでくれる。
「えっ? プレセアさん! どうしました?」
「大丈夫……ですか? 私達何か酷いことしちゃったかな?」
「うっ……ううん。私も同じ事を考えてたら、フェイトお姉ちゃんが可哀相だなって思って……」
 思わず感謝の気持ちで涙ぐんでしまったフェイトを見て、大慌てで様態を心配してくれるだけでも、当人が感激して余計に悪化してしまったのは当然の結果であった。

「落ち着きました?」
 フェイトの隣に席を移り、嗚咽で呼吸が整わない背中を優しくさすっていたキャロが顔を外の景色へと向けた。
「綺麗な夜景ですよ、プレセアさんも見ませんか?」
 キャロと同じ方向へ顔を向けると……。
「わぁ……凄い……」
 星よりも規則正しく、そしてまばゆいばかりの光達が地平線を境に辺り狭しと散らばっていた。
 こんな景色を見る機会は、地球からミッドチルダに移り住んでからはほとんど無かった。
 もっぱら出動は昼の挙句、魔導師が必要な事件が起きるのは大抵地方であり、大都市の夜にそう言った事が起きるのは皆無である。
 それに、こちらでは空を飛ぶにも飛行許可が必要であり、ゆっくりと空から景色を眺める事は難しい。
「こう言った形で見る夜景って僕たちも初めてで……なんか新鮮です」
 フェイトと同じ理由でエリオもすっかり夜景に見入っていた。
 
「ありがとう、2人とも。おかげで落ち着いたよ」
 観覧車の軌道も終盤に差し掛かり、夜景がビルの山によって見えなくなる高度になるとフェイトが喋りだす。
「いいえ、綺麗な夜景が一緒に見れて良かったです」
「だね。でも、フェイトさんも一緒に居れば最高だったのにね」
 お互いに頷く様子を見て、また胸を貫かれるフェイト。
「本当に……2人ともお母さん思いなんだね」
「えっ? お、お母さんだなんて……そ、その……」
「そっ、そうだよね? フェイトさんに……お、お母さんって言ったら馴れ馴れしいもん……ね?」
 何気ないフェイトの一言に対し、不意を突かれた様にたどたどしくなる2人だが、キャロの最後の一言を聞いてその理由を確信した。
「馴れ馴れしくなんて無いよ。だって、フェイトお姉ちゃんは2人の事を大切な息子と娘だって言ってたよ?」
 正体さえばれてなければこうも強気になれるのかと思わせるほど、積極的に語りかけるフェイト。
「ほっ、本当ですか!? ……それ」
「うん、いとこの私が言うんだから信用して大丈夫。だから、今度いきなりフェイトお姉ちゃんに【お母さん】って呼んであげるといいよ。きっと凄く喜ぶから」
「そっ……そうですか……今度やってみます。ありがとうございます、プレセアさん」
 反応に困りながらも、エリオは丁寧にフェイトへお礼を言っていた。
 間もなくして、観覧車が1周して乗り場へと戻る。
「良い夜景だったね……久しぶりだよ。プレセアちゃん達も見れた?」
「うん、良い夜景だったよ」
 続くエリオとキャロも同じ返答であった。
「じゃあ、パレード見てから夕ご飯食べて帰ろうか?」
「はい、そうですね」
 フェイトがなのはの元へ行き手を繋ぎ、全員で観覧車に乗る前の構成に戻りつつ歩き出した。
「あれ……? もしかして事故!?」
 最初にそれに気が付いたのはキャロだった。
 直後に、それを見ていた観客達から悲鳴と怒号が響き渡る。
「ジェットコースターが……止まってる!?」
 キャロの見上げつつ指を差すその先に、まずなのはが状況を把握した。
「ロングアーチ、聞こえますか? 遊園地場にて高所の救助活動が必要な為、これから飛行状態にて作業を行います。
 なお、緊急を要するので飛行許可を待たずに作業を開始しますので申請を早めにお願いします」
 この状況の中、てきぱきと通信機を使って本局と連絡を取り、救助活動を宣言するなのは。
29名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:01:59 ID:zzXiDIDs
「レイジングハート!」
《All Right》
 まずはなのはがデバイスを起動して、バリアジャケットを身に纏う。
「プレセアちゃんも、フェイトお姉ちゃんに連絡を!」
 そして、実際にフェイトが子供の姿で目の前にいる事を承知している上でこう言った。
 つまり出撃して欲しいと言う合図だ。
《Axel Fin》
「スターズ1、高町なのは一等空尉。救助活動を開始します」
 そう言い残し、最も高度の高い所で逆さ吊りになった状態で止まっているジェットコースターへ飛び立った。
「キャロ! フリードは?」
「飛行許可は貰ったけど……こっちに飛んでくるまでしばらくかかるみたい」
 普段ならいつもキャロと一緒に居るはずのフリードも、都合悪く訓練の疲れで部屋で休養中だった。
 そしてエリオ単体の飛行法では救助には向かず、こちらの2人は八方塞だ。
 更に付近で高所救助が出来る係員がいるとも思えない。
 居たならばすぐに駆けつけて救助を開始するはずだからだ。
 そう考えると現在救助に向かえるのはフェイトだけと言う結論になる。
 だが、現在はやてに行使してもらった子供化の魔法の解除法が解らないし、このまま変身してしまうと2人正体がバレてしまう。
 バレない位置まで行って変身してから救助に向かうと言う手段も考えたが、時間をロスしてしまう上どの道救助活動中に見られてしまう。
 その挙句にデバイスモードで活動をしようものなら、流石に魔力の感知に不慣れな2人でもその正体がフェイトだと簡単に解ってしまうだろう。
(フェイトちゃん、急いで!)
 なのはからの念話と共に観客達から更なる悲鳴が響いた。
 宙吊りになった子供が1名落下し、重力に耐え切れなくなった人達が今にも転落しそうな体勢になっている。
 落下した子供は辛うじて到着前のなのはに抱きとめられた。
 そのまま逆さ吊りのジェットコースターの真下にシールドを展開するが、そこでなのはの動きが止まる。
 シールドの規模と地上までの距離を考えると、なのは1人ではシールドを維持しつつ乗客を安全な位置へ移動するにはリスクが大きすぎる。
 ジェットコースターと言っても規模は200人乗りで、全長は100mを優に超えている。
 その状況で本来ならば術者の手から展開されるシールドを、距離を離した状態でかつ直径100m規模で1片たりとも欠ける事が許されない条件で維持しなければならない。
 高度な防御魔導師でもこれほどのシールドの維持は厳しいし『不屈のエース』の二つ名を持つなのはでもこればかりは無茶な条件であった。
「ロングアーチ、こちらフェイト・T・ハラウォン。聞こえますか? どうぞ」
「はい、こちらロングアーチ」
 その様子を見た瞬間、既にフェイトは本局へ連絡を入れていた。
「私もなのはと一緒に救助活動を開始します。同じく飛行許可を申請しておいて」
「はい、了解しました……けど、本当にフェイトさんですか? 声紋が微妙に一致しないんですが……」
 通信に応対したシャーリーが不信な様子で返答をする。
「あ……ごめん。私の入隊直後の声紋を使ってみて。理由は後で話すから」
 子供化の影響がここでも出ていて、更に不便さを感じた瞬間だった。
「あ、あの……本当にフェイトさんなんですか?」
 不意の出来事に今までで一番驚いていたらしく、通信機を使った直後からずっと硬直していたエリオが質問を投げかけた。
「うん……これが終わったら全部話すからちょっと待っててね」
 フェイトが手早くポシェットから自分のデバイスを取り出し、空へ掲げる。
「バルディッシュ!」
《Yes Sir》
 バルディッシュの応答と同時にバリアジャケットが展開されるが……。
「わっ!」
 突然フェイトの視界が塞がれた。
 何が起きたのかと、近くの観客までもが事故現場よりもその様子を凝視していた。
 インパルスフォーム、つまり大人サイズのバリアジャケットが展開され子供のフェイトになだれ込んでいた。
「ごめん、バルディッシュも混乱してたみたいだね……」
《Sorry》
30名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:02:31 ID:zzXiDIDs
「うん、これでよし。ライトニング1、フェイト・T・ハラウォン。救助活動を開始します」
 インパルスフォームを縮小すると言う手段もあったが、この際なので昔のライトニングフォームを展開し、懐かしさに触れながらもフェイトが飛び立った。

「お疲れ様、フェイトちゃん」
「うん、お疲れ。なのは」
 すぐにフェイトが補助に入ったおかげで、結果は怪我人0の素晴らしい救助であった。
 なのはがシールドで乗客を保留させている間に、フェイトが機動力を生かして絶え間なく地上に降ろす作業を行う見事な連係プレイだった。
 はやての言っていた通り、魔力面では大人の時と全く変化が無かったので円滑な救助活動が出来たのも不幸中の幸いだ。
 ただ、物理的な面での不便さだけはどうにかならない物かと困っていたフェイトであった。
「エリオ……キャロ……嘘までついてて本当にごめんね」
 謝罪の言葉と共に、フェイトは正体を告げていなかった2人に向かってただひたすら頭を下げ続けていた。
「いえ、良いんですよ。良ければ理由だけ聞かせてください。僕たちはそれで十分です」
「そうだね。わたしもフェイトさんがどうしてそんな姿で私達の所に来たのか知りたいかな」
 フェイトを慰めるように両肩に手を乗せ、顔を上げるように仰ぐエリオ。
「一言で言えば心配だったんだ……それでさっきも言ったと思うけど、突然仕事の予定が無くなって一緒に行きたかったけど、2人で行くって決めてたし……それなら私がでしゃばらなくてもきちんとできるかなって思って……」
 その言葉を聴いたエリオは、キャロと顔を合わせると同時に2人はほっと方を撫で下ろした。
「それなら僕たちも謝らないといけませんね」
 フェイトが顔を上げると同時にエリオとキャロが同時に頭を下げた。
「えっ、そんな。悪いのは私だよ?」
 否定するフェイトに対してキャロが首を横に振りながら答える。
「本当はフェイトさんも誘おうと思ってたんですよ。でも、仕事があるかどうかすら聞かないで行っちゃったんです。だからおあいこですよ、フェイトお母さん」
「そうですね……おあいこって事にしましょうよ。フェイトお母さん」
 不意の【お母さん】攻撃に胸を打たれ、思わず目に涙を浮かべながらそのまま2人を両脇に抱き寄せる。
「ありがとう……本当にありがとね……エリオ……キャロ」
 外から見れば子供達がスクラムを組んでいるようにしか見えないが、3人にとってはとても深い家族愛を感じた瞬間だった。

「そうか、それはずいぶんと苦労をしたな。テスタロッサ」
「うん、でもまだ約束があるからしばらく続きそうなんだけどね」
 その後フェイト達はイルミネーションが動き回るパレードを見た後、レストランで夕食を食べ宿舎に戻り、ヴィータへのプレゼントをシグナムに先渡ししながら雑談をしていた。
「約束?」
 シグナムが眉を上げながらそう呟く。
「しばらくこのままで居て欲しいってなのはがね……」
「そうか……しばらくはそのままなのか……」
 語尾が聞き取りにくくなるにつれ顔を赤らめるシグナム。
「シグナム! また顔緩んでる緩んでる、顔!」
「……すまない。ただ、その様子だと主はやてにもしばらく弄られるだろうな……」
「うーん、そうだね。弄られるのは良いんだけど、私がこんな姿だと他の人達が馬鹿にされないかなって心配で……」
「フェーイートーちゃん♪」
 リズム良い呼び声と共に、後ろから突然なのに抱きかかえられシグナムに述べていた心配事を中断させられるフェイト。
「あ、なのは……」
「探したよ。今夜は約束通り最後まで楽しませて貰うから、今夜は寝かせないよ?」
 お姫様抱っこにシフトされ、そのままお持ち帰りモードで連れ去られそうなのでシグナムへ目で助けを求めるが……。
「シグナムさん」
「なのは……」
 お互い名前で呼び合った後、少し経ってから頷く2人。
「それでは後で……よろしく頼む」
「うん、シグナムさんは後でって事で」
 間違いなく念話でなにやら怪しいやり取りが行われていた様で、フェイトの救援むなしくシグナムはなのはに買収されてしまったようだ。
 しかも自分を使った取引なのは言うまでも無い。
 ひょんな所から始まったフェイトの受難はまだまだ続きそうである。
31名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:03:10 ID:zzXiDIDs
投下完了です。

なにげに続きはエロで書けそうな終わり方にしておきました。
引き継ぐ人がいればそれで良し、あるいは期待が多ければ書くかも?

ついでに言うと一回ここのスレで途中まで投下して放置してる奴もあるので
そっちの続き書こうかなとも考えてたり。

コテ名乗ってないのはそれが理由だったりします。
続き書くとしたら確定で解るので特定する必要は無いと思いますが……。
32名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:18:47 ID:HJW2Bg0C
>>31
月並みですがGJ

その後の夜の営みが非常に気になるぜw
33名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:36:25 ID:FN4XFA/A
あのさ、もしリインがなのは達とおんなじサイズだったらとか、
もしリィンが生きていて、更にリインが居たらとか、
『もしティアナが飛べたら(これ重要)』とか、
そういうのは考えたらいけないのかな?このスレ的に。
34名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:40:03 ID:o023Y1+J
空を飛ぶティアナなんてティアナじゃない
飛べないからこそティアナなんだ

って言ってみるテスト
35名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:49:37 ID:TbNRPlLK
過程がしっかり書けていればティアが飛べても問題ないと思うけど
36名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:59:59 ID:4vl6TTns
でもやっぱりティアナはフォワード陣にすら置いてかれて一人大地をてこてこ走ってるのが似合う
37名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 21:03:43 ID:UA2g8OwA
確か理論はちゃんと判ってるのに飛ぶ感覚が掴めないというか怖いというかそんな理由で飛行魔法が上手く発動できないティアに
絶頂のときの浮遊感がヒントになるかも、ってゆースバルの発案で隊長陣にエロエロな目に遭わされる、って
作品があったような希ガス
38名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 22:08:58 ID:/QkNjNC5
>>31
>エリヲ
>こちらフェイト・T・ハラウォン

誰だw
39名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 22:21:53 ID:IViw8GSi
緊急回避的に上げとくよ
40名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 22:32:34 ID:itDgO0I3
てす
41名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 22:41:55 ID:P4S49hP9
そういやおととい前スレで25日に投下するって言ってた日といなかったっけ??
ついでにクリスマス過ぎたら一気に過疎化したなオイwww
42名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:10:07 ID:8Ma16WFH
>>37
それは読んだ記憶あるな。はやて達が無駄にハッスルして見事にティアナ総受けなSSだったようなw
やはり、飛べないティアナはただのティアナだな・・・
43 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:14:38 ID:TbNRPlLK
中将SSの二話を投稿したいと思います
ちょっとグロいかもしれません
44尊ぶべき愚者 二話 1/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:16:35 ID:TbNRPlLK
「各種報道機関に送られたテロ予告とも取れるメッセージに関連した話題ですが、
昨夜、クラナガンで小規模な戦闘が行われ管理局側に犠牲者が出たとの未確認の情報が入ってきました。
今回の件に関して管理局からは正式なコメントは発表されておりませんが……」
どのチャンネルに変えても同じニュースしか流れないテレビにうんざりして電源を落とす。
「あ〜頭がいてえ」
 今の時間が朝の六時。
 そして、本部の仮眠室で横になったのが報告を終えた二時。
 しかし一睡も出来なかった。うとうとする事はあるのだがその度に、あの光景を思い出すのだ。
 昨日の事件。大通りと大通りを繋ぐ細い裏道。最初に足を踏み入れた時に嗅いだ濃密な血の臭い。
 原型を留めない程にぐちゃぐちゃになっていたのに片腕とデバイスがかろうじて形を保っていたせいで人間と認識で出来た二つの塊。
 仲間の血と贓物で汚れ断続的に息を吐き出すだけの男。

「ぐぅっ」

 胃の中身が逆流するが生憎と胃液が少し舌を刺激するだけだ。

「……医務室でも行くか」
 このざまでは任務に支障が出ると判断。
 制服のまま寝ていた事に気づきそのまま直行。

 地上本部の医務室を利用した事はない。
 基本的に健康だしそれほど大怪我を負った事もない。定期健診の義務もあるが診断書さえあれば一般の病院でも問題はない。
 それに、同僚からここの医務室の室長は腕は確かだが性格に難があると聞いていた。

 なので医務室初体験である。

 別に特筆する点はなかった。
 五台程のベッドと一台の机、あと医療機器が並ぶごく一般の医務室である。

 そのベッドの一つには保護した局員が寝かされていた。麻酔が効いているのかその寝顔は穏やかである。
「そいつは大丈夫なんですか?」
 机の上で作業している室長と思しき人物に尋ねる。
 昨夜発見した時は意識もあって大丈夫そうだったが、如何せん医学方面の知識はまったくない。
「まあ、外傷もリハビリ次第でどうにでもなるし、気になる点もあるが大丈夫だろう」
 ほっと胸を撫で下ろす。唯一の生存者なのだ。絶対に無事でいてほしくなった。

「見舞いが済んだなら出て行ってくれ。暇ではないのだ」
「あっ俺も診察を」
 作業する手が止まり、室長の目が途端に険しくなる。
「私は最近、徹夜続きでな。今日も付きっきりで看病していたお陰で一睡もしていないのだ」
「あ、いや、その」
「だが気にするな。この医務室に限ってはどんな人間でも分け隔てなく接するというルールがあるのだ。
例え、その日の食い物に困る貧乏人だろうと星を買い取れる程の資産家だろうと
懲役が千年を越える重罪人だろうと管理局を裏から牛耳る権力者だろうとこの部屋にいる限りは平等だ。
故に佐官待遇の私の睡眠を、凡百で、准尉になったばかりの小僧が妨害しようと何の問題はない」
 
 息継ぎなしで言い終えた室長を見て准尉は思った。噂以上の性格破綻者だ、と。



45名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:16:55 ID:X8mWKofq
>>42

飛べたってティアナはティアナだよ

・・・って言って欲しいんだろー?
46尊ぶべき愚者 二話 2/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:17:56 ID:TbNRPlLK
「で、どんな症状だ?」
 机に右肘を着き左手でペンをくるくると回す。
「その寝付きが悪いというか、寝ると悪夢を見るんです」
「ふむ」
 カルテに文字が走るが未知の文字のため准尉には読み取れなかった。
「PTSDか。あの程度で情けない」
「あの程度って」
 あの現場を見た後で何故にそんな感想が抱けるのか。
「本物の戦場に行けばあの程度は日常茶飯事だ。極度のストレス下だし。
殺傷目的なら無駄が多いが士気を下げるには役立つ」
 ちょうど今のお前のようにな、と室長は言う。
 やっぱこの人、性格悪いわ。
「だが、まあPTSDというなら治療が必要だな。普通は週に数回のカウンセリングを行うが」
「遠慮します」
 この人のカウンセリングを受けると症状が悪化しそうだ。
「では、昨夜の記憶を消してしまうか?」
 机の右隅に取り付けられた引き出しの最上段を開け、中から注射器を取り出す。
「なんでそんなもんが入ってんですか?」
「ここは医務室だぞ」
 何を当たり前な事を、とでも言いたげな顔をしながら准尉の右腕を掴む。
「そ、それもなし!」
「……注文の多い男だな」
 機嫌を損ねたらしい。室長は嘆息しながら注射器を最上段の引き出しに戻す。
「もっと、普通のはないんですか?」
「普通?」
 室長は首を傾げる。
 この男にとっての普通は常人にとっての異常なのだろうか。
「睡眠薬とか、精神安定剤とか」
「ああ。それなら」
 立ち上がると部屋の奥に設置された棚から小瓶を取り出す。
「これでいいか?」
 ラベルを確認するが確かに睡眠薬である。
「これでいいです」
「ではラベルに書いてある用法用量を守れ。間違っても自殺には使うな。私に迷惑がかかる」
 准尉は金輪際この男に関わるまいと心に誓った。



47尊ぶべき愚者 二話 3/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:19:13 ID:TbNRPlLK
「邪魔するぜ」
 さっさと帰ろう、と准尉が考えた所でドアが開き、三十台前半、がっしりとした体躯の男と四〇代の男が入ってきた。
「二尉に、ナカジマ三佐か」
 室長は後に呼んだ人物と険悪そうに視線をぶつけ合わせる。
「昨晩は失礼な物言いをして申し訳ありませんでした」
「……こちらこそ、すまない」
 互いに頭を下げ、どちらともなく顔をそむける。
 二尉と呼ばれた男はそんな二人を無視し慣れた手つきで隅に置かれていた折り畳み式のテーブルを展開し、脇に挟んでいた書類の束を上に乗せた。
 准尉は帰ろうとしたのだが、制服の裾を室長に掴まれていたので帰れずにいた。
 そして誰かからという訳でもなくテーブルの四方にそれぞれが座る。

「二尉、始末書を書くのは勝手だが、ここは医務室だ」
 煙草を吸おうとしていた、二尉のライターを取り上げ自分の白衣のポケットに落とす。
「気にすんな。俺の部屋、空調が壊れててな」
「直せ」
「金ねぇーだよ。セコい事言うーなよ」
「あの、この人達は?」
「ああ、准尉は知らなかったな。この男は航空隊の二等空尉だ。そして108部隊のナカジマ三等陸佐だ」
「よお」
 諦めきれないらしい二尉は火の点いていない煙草を咥える。
(三佐に二尉に室長か。俺が一番下だな)
「どうした? 顔色が悪いぞ」
「はン。どうせ野郎だらけでむさいのが嫌なんだろ」
「なははは。確かにこの空間は女っ気がしないな」
 室長と三佐は仲が悪いようだが、室長と二尉、三佐と二尉は割と良好らしい。

「全部で何枚あるのだ?」
「さーてな。多すぎて数えてねー」
「陸士部隊でも有名だぞ。六日働いて七日目に謹慎する男って」
「元教導隊のエースも堕ちたものだ」
「ほっときやがれ」
「えっ、ちょっと待て!」
 思わず叫んでいた。
「大声で煩いぞ」
「え、教導隊?」
 二尉を指差しながら尋ねる。
「元、だ」
「ちょっ、なんで教導隊の人間がこんな所で煙草咥えながら始末書を書いてんだよ!」
 管理局における教導隊とはエースが平時に就く仕事とされ、その人数は管理局全体でも百人程度である。
 要は超エリートである。
「色々あんだよ」
 ぷはーと紫煙を吹き出す真似をしながら天井を見上げる。
「色々って」
「六年程前の話だ。こいつは当時出向していた部隊の上官を半殺しにして解任されたんだ」
「……」
「その四年前に後見人が退職してたのも不味かったな」
「首にされ路頭に迷っている所を中将に拾われて現在に至る、と」
 ナカジマ三佐が締める。
「浅はかな男だ。私なら夜中に襲撃していた」
「うるせぇよ。俺は四年前に辞める気だったからどうでも良かったんだよ」
 十年前に何があったか聞きたい衝動に駆られた准尉であったが、言葉に出す前に、ドアが開き皆の視線がそこに集中した。
 そして、
「ゲイズ中将!」
 またしても准尉は叫び声を上げた。

48尊ぶべき愚者 二話 4/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:20:31 ID:TbNRPlLK
 結局の所、驚いたのは准尉のみであった。
 残りのメンバーはさも当然のように椅子を用意し場所を開け座った。
「ここに来て大丈夫か? 確か緊急会議があった筈だろ」
「まだ多少の余裕がある。それまで少しでも休んでくれとオーリスがな」
「そうか」
「それより、曹長の容体はどうなっている」
「昨日言った通りだ。命には別状ない。精神的にはどうか知らんが」
 ちらりと准尉を盗み見る。
 当事者でもない奴がダメージを受けているので当事者の精神の保障は出来ない、と言いたいらしい。


「しかし、二尉の謹慎が解けたのは僥倖だ。敵は魔力だけならAAA相当の魔導師だからな」
 そして話は自然とテロリストの話題になる。
 五人のうち四人が既に関わっている以上、当然の流れといえる。
「だが、市街地で戦われたら被害甚大だがな。当然、陸士部隊の方でも結界を張ったりして被害が出ないように努力はするが」
 一般的にAAAランク同士の戦闘で都市が消滅すると言われている。
「流石に始末書じゃ済まねえーよな、廃棄都市増やしちまったら」
「高ランク魔導師など安全装置の外れた質量兵器と代わりない。いや、使用可能な回数では魔導師の方が上か。
海の連中はそのリスクを軽視しすぎだ」
「中将は相変わらず海が嫌いですね」
「おっさんは教会も嫌ってるよな」
「私も嫌いだがな。宗教団体とつるみだしたら終わりだ」


「失礼します」
 再びドアが開き桃色の髪の局員が入ってくる。
「ゲイズ中将、ナカジマ三佐。そろそろお時間です」
「分かった」
 二人は連れ立って医務室から出ていく。
「それと室長」
 局員は手にしたファイルを室長に渡す。
「アインヘリアルに関する本局からの回答です」
「ああ。どうせ予算は割けんというのだろ」
「……はい」
 局員は残念そうに顔を伏せる。
「まったく。今のミッドチルダは日夜ガジェットの驚異に曝されているというのに」
「ええ。本局は地上の現状や中将達の苦労を理解していません。AMF登載のガジェットに対抗する為にはE計画の完遂が急務だというのに」
 室長と秘書は熱心に議論を交わし合う。准尉は感心していたが二尉は白けた顔で眺める。
「お前等、管理局辞めて役者になれ」
 煙草をゴミ箱に放り込み始末書の束を抱えると医務室から出ていく。
「? 二尉はどうしたんですかね」
「まだまだ青いな」
「ええ」
 局員の、今まで見せなかった妖艶な笑みに准尉は背筋を震わせた。
「あの、もう帰っていいですか?」
「ああ。好きにしろ」
 得体のしれない悪寒に准尉は脱兎の如く医務室を後にした。



49尊ぶべき愚者 二話 5/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:22:13 ID:TbNRPlLK
「そう言えば」
 二人しかいなくなった医務室で局員が妖しい目を室長に向ける。
 そこには先程までの物静な印象はない。例えて言うなら爪を研ぎ獲物を狙う猫科動物。
「昨夜は随分と三佐と熱くなっていたようですけど」
「見ていたか。まあ、ある種の同情はしている。定期検診を受けなければならない娘達がいる以上、
本局に尻尾を振らなければならないが、その娘達は地上部隊に所属しているから地上の機嫌を損ねる訳にはいかない、と」
「まさに板挟みですね」
「レジアスはゼスト隊の全滅に負い目を抱いているから、よっぽどの事がなければ悪いようにはしない筈だがな。
それに板挟みといなら君達のお陰で三佐に真相を打ち明けられない私達もだ」
 局員は涼しい顔で室長の厭味を受け流す。
「だからという訳ではないが、ナカジマ親子には手を出すな。タイプゼロのデータが絶対に必要という訳ではないだろう」
「それを決めるのはドクターです」
「ならスカリエッティにそう伝えろ」
「私はこれから本局に向かわなければならないので遅れますけど構いませんよね?」
「少しは構ってもらいたいな」
 やれやれと嘆息し倒れるように椅子に腰かける。
「本局に行くと言ったな。なら回収したロスト・ロギアの資料がないか無限書庫に問い合わせてくれ。どうせ、解析チームの報告書はコピー済みだろ?」
「それが仕事ですから」
 予想済みとはいえ、事も無げに言われ、室長は顔を押さえ天を仰いだ。
「用事がないならもう行きます」
「ああ、本局のご老人と君の親や姉妹に宜しくな。当然社交儀礼だが」
「ええ。しっかりと伝えます」
「……それと」
 室長は周囲を窺い、
「忙しくなりそうなのでガジェットによる威嚇行動はしばらく控えてくれ。既に予算確保には申し分ない」



50尊ぶべき愚者 二話 6/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:23:45 ID:TbNRPlLK
「本局のデータベースを浚った結果、該当する人間が見つかりました」
 各部隊長を集めた緊急会議が終了し、司令部に戻ったレジアスにかけられた第一声であった。
「……」
 レジアスは無言で先を促す。オーリスが端末を操作すると画面に、不鮮明ではあるがヘテロクロミアの男の画像が表示される。
 斜め上からのアングルなため、恐らく監視カメラ等の映像なのだろう。
「名前はヴィレオン・ブリュメール。出身は第四十九管理外世界、この世界は魔法技術こそ存在しますが
黎明期以前から管理局と対立しているため管理外世界に留まっています。
そしてこの男はロスト・ロギアの強奪、管理局員及び各次元世界の現地住人への障害などで指名手配されている広域次元犯罪者です」
「第四十九管理外世界へは?」
「既に連絡を取りましたが本件とは一切関係ないの一点張りで」
「珍しいとはいえ外見的特徴が一致しただでは証拠としては弱いという事か」
 レジアスは変色する程に強く拳を握り締めた。

「中将」
 オペレーターの一人が困惑気味の顔で中将を呼ぶ。
「どうした?」
「次元航行部の上級大将から通信が入っています。繋いでもよろしいでしょうか?」
「……かまわん」

 中央の大型モニターに白髪の、どこか疲れた雰囲気のある男が映った。
「どうも」
 レジアスがうやうやしく頭を下げる。
 階級が上の相手に対しては当然の行動であるが部屋にいた者達にとってはとても新鮮に思えた。
『いきなりですまないが、レジアス中将と二人で話がしたい。他の者は席を外してもらえないだろうか』
 お願いという形であるが彼等に拒否権は存在しない。
 反感と好奇心を押し殺しオーリスを含めた局員が出て行く。

『現在、本局ではミッドチルダにXV級を中心とした艦隊の派遣を検討中だ。お前の許可があれば二十四時間以内に到着出来る』
 本来なら有難がる申し出なのだろうが、レジアスは引っ掛かりを覚えた。
「本局は地上本部の戦力では事態を収拾出来ないと考えているのか?」
『……そうだ。そうでなければ人材不足を推してまで派遣などせん。到着後は本局の指揮下に入ってもらうからそのつもりで』
「貴様……!」
『そう怖い顔するな。ただでさえ悪人面だというのに。まあ、気持ちは分からんでもないがな。
今まで散々地上本部は力を持ちすぎだと本局から言われ続けてきたからな』
「……」
『お笑い草だな。対立しているとはいえ自分達の尻も満足に拭えない奴等に何を言っているんだか。
そしてそんなプロパガンダを本気にしている輩もいてな、まったく、半年でいいから地上に出向してみろと言いたくなる』
「……」

「お前は許可を取りに来たのか、喧嘩を売りに来たのか、どっちだ」
 ドアが開き不機嫌そうに顔を歪めた室長が入ってくる。
『室長か。言葉には気をつけた方がいい。お前が敬語なしで話せる相手ではないのだが』
「……この度は佐官風情が出しゃばり、無礼な口をきき誠に申し訳ありませんでした、上級大将閣下殿。どうかご慈悲のほどを」
『……お前は敬語なしでも構わんか』
 上級大将の表情には諦めにも似た倦怠があった。


51尊ぶべき愚者 二話 7/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:25:09 ID:TbNRPlLK
『話を再開するが、派遣後はこちらの指揮下に入ってもらうが、問題ないな?』
「大ありだ。こちらの指揮系統が正常に作動しているのに指揮権を譲渡出来るか」
「室長の言う通り。援軍という形なら、考えなくもないが、そちらの下に入る事は出来ん」
『……ちっ』
 上級大将はモニター越しに聞こえる程の舌打ちをした。
『弱い癖に口だけは達者だな』
「なに?」
『地上本部には使えない雑魚しか残っていないのだから大人しく本局の優秀な魔導師に従っていればいいのだ』
「すまない、上級大将。録音するからもう一度言ってくれないか」
『……お前の事だ。どうせ部屋に入った時から録音しているのだろう』
「……まあな」
『まあいい。何度でも言ってやる。弱い奴は己の分を弁えて強者に服従していればいいのだ』
「……」
「……」
 常軌を逸した暴言に二人は言葉をなくす。
『まったく。ミッド式発祥の地だからある程度、自由にさせておけばすぐこれだ。才能のない馬鹿がつけ上がる』

 腹の底からわき上がる怒りにまかせ怒鳴ろうとしたレジアスだったが、同時にひどく冷静になっていく自分がいる事に気付いた。
 そもそも、室長が指摘した通り上級大将は派遣の許可を取りに来た筈なのだ。
 それなのに先程からこちらを挑発する言動ばかりしている。
 しかも録音されている事を承知して。
 まるで故意に本局の立場を悪くするような。
 室長も同じ考えのようで困ったような視線を向ける。

「上級大将。そろそろ真意を聞きたい。こちらも暇ではない」
『……思いつく限りの罵詈雑言を並べたつもりだったが、意外に冷静だな。では本題に移ろう』
 上級大将は苦笑し、
『本局は今回の件を利用して地上本部の権威失墜と自分達による直接支配を目論んでいる』
「なんだと!」
『お前達が頑張りすぎたな。前々から目の上のたんこぶ扱いだったが、E計画か、あれが決定打だ』
「誰のせいで立ち上げないといけなくなったと思ってんだか」
『注意しろ。佐官クラスに死亡者が出ればすぐに本局から代理が来るぞ』
 苦笑を深くし、
『いざとなれば、先程の“失言”を流布してもかまわん』
「そんな事をして大丈夫か?」
『かまわんと言っている。こちらもかつてのミッドに逆戻りされては困るからな』
 一息つき、
『それと、実は派遣については最高評議会からも要請があったようなのだ。だから、派遣は既に決定事項だ』
「馬鹿な!」
『……今回はあまり評議会を信用しすぎるな。敵は正面から来るとは限らんぞ。では、我々の故郷を頼む』


52尊ぶべき愚者 二話 8/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:26:24 ID:TbNRPlLK
 勤務時間が終了した後、どういう訳か二尉に連れられてクラナガンの都市部を歩いていた。
「どうしたんですか。局員は本部に泊まり込むか、早々に帰宅するように言われてるんですよ」
「ただの巡回だ」
「巡回は基本自粛で、やるにしても十人以上でって命令ですよ」
「知った事か。それより、今日の街はどう思う?」
 問われて、准尉は周囲を見渡す。
「いつもより閑散としている、かな」
 テロ予告があったので当然といえば当然であるが、人通りは少なく僅かばかりの人間も急いでいるように見える。
「おっさんや室長が台頭し始める前はテロが頻発していたからな。みんな過剰に反応したんだろう」
「それで、安全をアピールするために巡回を?」
「そういうイメージ戦略は俺の仕事じゃない。俺はただ敵を見つけて捕まえるだけさ」
「じゃあ、俺はいらなくないですか?」
「……今月も金がなくてな」


 三時間程の散策も成果はなく、小休憩のため、二人は近くの居酒屋に入った。

「そしたら、あの程度で情けないっていうんですよ」
 二尉に医務室であった話を打ち明ける。
「慣れりゃそんなモンだろ。医者は切ったり繋げたりが仕事だし。いや、未だに俺はあいつを医者だと思ってねーけど」
「そんなもんですかね」
「そんなもんだ。俺も育った所は治安が悪かったからな。グロに耐性はあると自負してる」
「俺は生まれつき争いとか嫌いなんですよ。喧嘩もした事ないし。そんな事するくらいなら女の子と遊んでいる方が好きだし」
「じゃあなんで管理局に入ったんだよ。俺みたく管理外世界の生まれだから仕方なくって訳でもないだろ」
「いや、その。やっぱり親や故郷であるミッドを守りたいって思って」
 二尉は一瞬呆気に取られた顔したが、すぐに笑い出し、
「そうか、そうか。そりゃいいや。そのセリフ、中将達の前で言ってみろ。感動されるから」
 そんな当たり前の言葉で何故? と思ったがそれより気になる事があった。
「管理外世界の出身なんですか?」
「ああ、そうだよ」
「なんでまた」
 二尉はタバコに火を点け一服。
「……ヘビースモーカーですね」
「定期的にニコチン取らねーと死ぬんだよ、嘘だけど」
「……」
「入局の話だったな。別に大した事じゃねーけどよ。魔導師絡みの事件に巻き込まれてな、捜査に来た局員に強要されたんだよ。
ミッドチルダに移住するか、魔法を封印するかってな。
俺はその局員をボコって残るっつう第三の選択肢を選んだんだが、そいつの使い魔に逆にのされちまってよ。まあ仕方なく」
「割と波瀾万丈ですが、親は反対しなかったんですか」
「しねーよ。実の親の顔しらねーし」
「す、すいません」
「別にかまわねーよ。どうせガキを捨てるような奴らだ。碌な人間じゃねーだろーし」
「マジで波瀾万丈の人生ですね」
「波瀾万丈じゃねー人生があんのか?」
「そうそう。どんな人間の人生にも山があって谷があるもんだよ」
 店のオヤジが二人の前に小さく薄く切られた魚介類が出される。
「はいよ、刺身の盛り合わせ」
「ありがとよ」
「おいしそうですね」
 二人は合掌し食べ始める。だが、フォークを刺して食べる二人をオヤジは複雑そうな顔で見ていた。

53尊ぶべき愚者 二話 9/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:28:04 ID:TbNRPlLK
「オヤジよ、客の出入りはどうだ?」
「今日はあんまりよくねえな。まあ、一日だけだから、そういう日もあるってレベルだけどよ」
「やっぱりテロ予告のせいですか」
「でもま、この界隈に店を構えて結構経つが、むしろ賑わってた方が珍しいけどよ。十年以上前は治安もずっと悪かったし」
「中将達が頑張ったからな」
「そうだなぁ。最近は来ないが元気か?」
「ああ。多少肥満の気があるが元気だぞ」
 准尉を除者にして二人は盛り上がる。

「そういや、あいつの家の次男が結婚して後を継ぐらしいぞ」
「あの放蕩息子がか?。何があったんだか」
「お前さんもそろそろ身を固めたらどうだ? いい歳だろ」
「冗談だろ。それに結婚を心配するなら中将の娘さ。早くしないと嫁き遅れちま……」
 突然二尉の動作が停止する。両目を見開いたまま痙攣を始め全身から汗が吹き出す。手は震えフォークを落とす。
「ど、どうしたんですか!」
「と、とんで、も、ない殺気が。た、多分、俺の嫁きお……グァ!」
 ビクンと二尉の体が震える。
「准尉、もし、俺が、急死したら犯人は、嫁き……ぅぁぁっ」
 胸を押さえカウンターの上に倒れ込む。
「本当に大丈夫ですか?」
 慌てて二尉の手を取る。その手は氷のように冷たかった。
「准尉、さっきまでの、話は全部忘れろ。むしろ忘れて、くれ」
「は、はい! 綺麗さっぱり忘れます!」
「そうか……なら、いい」
 二尉の手から力が抜け、だらりと下がる。そして、彼の眼は固く閉じられていた。




54尊ぶべき愚者 二話 10/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:29:36 ID:TbNRPlLK
 十分後。何とか意識を回復した二尉と巡回を再開した。
「本部に戻って休んだ方が良くないですか?」
「いや、今は本部に戻るよりも巡回をしていた方が安全だ。そしてその話は二度とするな」
「まあ、忘れるとは言いましたけど、でも……」
「待て」
 二尉が足を止め、手で准尉を制す。
 その顔に浮かぶのは焦りと怒りと、僅かな恐怖。
 一瞬、懊悩し唇を噛んだ二尉だったが、あくまでも一瞬。体に力を込め動き出す。
 准尉も慌てて走っていく背中を後を追う。
 大通りから離れ、昨日の事件があったような細い路地を進んでいく。
 何も喋らない二尉に不安を抱き、准尉が話しかけようとした時、二尉が走りをやめる。
 背中にぶつかった准尉は何事かと思い前に出る。

 
 そして、忌まわしい光景を思い出した。


 そこはビルとビルの合間に生まれた小さな空間だった。

 紺のスーツを着た女が地面に倒れ、そこに男が覆いかぶさっていた。
 それだけなら婦女暴行の現場なのだが、男は女の首に喰いつき、ゴクゴクと喉を鳴らしていた。
 そして彼等の周囲は真赤に染まり、バラバラになった――
「ぁ……」
 准尉の意識は遠のき足から力が抜ける。
 胃からせり上がる吐瀉物を辛うじて飲み込む。

 そんな准尉の肩にゆっくりと手が乗せられた。
 見上げると大きく温かい手を乗せた二尉が笑みを浮かべていた。

「安心しろ」

 一言だけ言って、
「おい、そこの化け物」
 男が声に反応し立ち上がり、振り向く。

 左目は髪で隠れていて見えないが病的に青白い肌と赤い右目。
 そして長髪に外套、その下の肌着、更にはブーツまでもが黒一色で統一されていた。
 そんな風体でありながら闇に紛れるどころか闇の方からも拒絶される程の存在感を放つ。



55尊ぶべき愚者 二話 11/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:31:15 ID:TbNRPlLK
「食事中だ。話は後にしろ」
 路傍の石を見るように興味を失している目だったが、二尉達の制服で管理局の者だと気付くと、
「クククッハハッ嬉しいぞ。まさかそっちから出向いてくれるんて」
 血で汚れた口元を右手で拭い赤の世界から二尉達の元に歩く。
 自分達の常識が塗り潰される恐怖に准尉は一歩一歩後退していく。
 ――殺される。
 数時間前まではもし犯人を見つけたら敵を! と内心で意気込んでいた准尉だったがそんな気持ちはあっという間に萎えていた。

 准尉を庇うように二尉が前に踏み出す。そこに迷いはない。
「カニバリズムとは悪趣味だな」
「ケラケラ。お前だって肉くらい食うだろ。それと同じだ」
 男は徒手空拳のまま構える。
「こんな市街地で戦う気か?」
「オレは気にしないが、結界でも張ってやろうか?」
「駄目だな。いつでも結界を解除出来るから「市街地でも戦える」ていうアドバンテージが消えねえ」
「いちいち面倒だな」
「ここから少し行った所にある第四廃棄都市区画で戦おう」

「二尉!」
「忘れるなよ、准尉。第四廃棄都市区画だ」
 言い終わった瞬間、力が生まれ、二尉と敵は夜風を切り裂き飛び去った。
「む、無茶だ。司令部、応答せよ!」



56尊ぶべき愚者 二話 12/12 ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:33:02 ID:TbNRPlLK
 夜風の冷たさに空を飛んでいる事を実感しながら首を回して背後を確認する。
 敵も自分の右上の空間を飛んでいる。攻撃してくる気はないらしい。
 続いて真下を見る。眼下では人の営みが作り出す光が散りばめられた宝石のように流れていく。
 ここで戦いを開始する訳にはいかない。

「ハハッこの世界は良いな。月が二つもあって」
 耳障りな声は無視。
「フッ。返事くらいはいいだろう。これから殺し合う仲なんだ」
 准尉はしっかりと連絡してくれただろうか。ゆっくり飛んでいるとはいえ、もう少しで廃棄都市が視界に現れる筈。
「せっかくオレと同じ匂いがする奴に逢えて悦んだのに」
 この任務が終わったら香水を買おう。准尉の金で。
「昔いた世界の月には兎が住んでいるという伝承があったが、こっちにはナニがいるんだ? あの美しい月にならオモシロイのがいそうだが」
 無視。
「白痴か。お前?」
「うるせえな」
 あまりのしつこさについ答えてしまった。
「受け答え出来るじゃないか。ケラケラ」
「うるさい奴だ。それに、お前が散々絶賛している月だが、あれは古代ベルカが用意した質量兵器だ」
 ムカついた代わりに出鱈目を吹き込む。
「ああ、どうりで。あの月から妙な魔力が発せられてたが人工物だったか。流石はベルカだ。ヤル事が違う」
 思いもしなかった返答に言葉に窮するが、それもすぐに忘却の彼方に追いやられた。
 廃棄都市が目視で確認出来たのだ。


 廃棄都市はその名が示す通り、寂々としていた。
 そんな、生物がみな、死に絶えたかのような世界に二人はいた。
「一つの世界の中でこうやって無駄に土地を消費出来るのはとても贅沢だな」
「再開発の資金がないだけだ」
 制服の内ポケットから一枚のカードを取り出す。
「ちょっと確認するが、昨日と今日、人を殺す時、貴様は何を思った」
「別に。昨日はただ、呆気ない。今日はそれこそ食事だ。美味いか美味くないかだ」
 その言葉で二尉の僅かばかりの慈悲の気持ちは跡形もなく霧散した。
「ドゥリンダナ、セットアップ」
 カードは二尉の手の中で一振りの杖に姿を変える。
「ドゥリンダナ。騎士道物語に出てくる剣の名か」
「由来はな。こいつは人の未来を奪う為に作られた魔杖さ」
 二尉の足元に魔法陣が形成され太陽光を連想させる黄色の魔力が噴出する。
「往くぞ」
57尊ぶべき愚者 二話  ◆Ev9yni6HFA :2007/12/26(水) 23:34:28 ID:TbNRPlLK
以上です。
本編の中将が本局の介入を頑なに拒んでいた事にもっともらしい理由をつけようとしましたが無理でしたorz
このSSの理由だと地上部隊フルボッコ後も介入を拒む理由としては弱いからな

あと中将と室長が過労で倒れないか心配です。ゲンヤのストレスも
それと、ごめん淫獣。最初書いた時はちゃんと出番があったんだ

居酒屋での話は書いてる時は楽しかったけどちょっと悪ノリしすぎた、今は反省
58名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:35:46 ID:X8mWKofq
GJ!
リアルタイムで楽しませていただきました!
熱いですねぇ、今後の展開が楽しみです

それと、割り込み失礼しました・・・ちょっくら吊ってくる
59名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 00:18:04 ID:KNYQsf3F
乙ー
地味にドゥーエ出ててワロタw室長、あんたもグルか
アインヘリアルの予算は下りなくて当然か。質量兵器だし。ていうかAMF対策予算を却下してる本人達が何を白々しく(ry
おっさん達もなかなか渋くてよかと
60名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 00:24:00 ID:8TQpu5gF
GJです!

うんうん、こういう政治関係を含めたリリなのへのアプローチ、最初から読ませていただいていますが良いですね
裏から見ればあの世界もだいぶ違って見える。あらいたの、的なドゥーエもなかなか……
これは次回に期待せざるえない!
61名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 01:52:45 ID:l3LSoYaP
>>57
なんという吸血鬼
都築を期待せざるを得ない
62名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:08:30 ID:p/jNz3cY
最近ここのSSすげえ楽しみだよ。
63名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:42:14 ID:dJVEUMBy
64名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:43:03 ID:dJVEUMBy
GJです。
まあ、確かに敵前逃亡する陸士や二人に全滅させられる航空隊を見たあとじゃ、地上本部の威信?それはひょっとしてギャグでryにしかならないよなw
でもstsの後は本当に本局に支配されてそうで怖いな

室長が地上本部の存亡に関わる程の問題発言をしてたような。二尉が青いっていうより室長が真っ黒すぎるだけだろ
でもこんな人がいれば本編の中将も死なずに済んだはず……この一大事に一番の親友(らしい)は何をやってるんだろうんね

あと、月から発せられる妙な魔力ってゆりかごフラグか?

それと
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 ドゥーエ!オーリス!
 ⊂彡
妙な存在感があるね、この二人
65名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 05:26:06 ID:xmlgZrFh
室長テラ毒wwwwでもそれがいい
あるね、存在感。でも行き遅れフラgガクガクブルブルアウア
66名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 08:45:38 ID:A+v/8GIr
ソフト陵辱モノあるかなー、とこのスレに辿り着いたのに、最近では普通のSSの方が楽しみになってる。
ここ色んな意味で凄いわ。
67名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 08:58:09 ID:KNYQsf3F
>>64
一番の親友って誰?ゼスト?
68名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 08:58:27 ID:yWZnoA9i
エロパロ板ではよくあること
69( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 08:58:30 ID:K4FNCFFG
投下行きまーす。

注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・正直アリサ強杉。どこの跳躍系だ。
・非エロシリアス。…………シリアス……?
・なのは属性の方にはちょっと申し訳ない内容かも。
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」
70リリカルバイオレンス 6-1/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 08:59:06 ID:K4FNCFFG
 市街地に立ち上る、青白い光の柱。
「こんな街中で強制発動!?」
 単身、路地を縫っていたユーノは、それを見て、思わず声に出す。
「広域結界、間に合え!」
 ユーノが踏ん張るように大地に手足を伸ばす。優しげな緑色の魔方陣が地面に展開する。
「出てきた……」
 とある高層ビルの屋上。青白い光の柱を上げるジュエルシードを見下ろし、フェイトは
言う。
「でも、あっちも来たみたいだね」
「え?」
 狼姿のアルフが言う。フェイトは聞き返しつつ、感覚を澄ます。
 広大な範囲に、封時結界が張られていく。
「急がないとだね」
『Device Form』
 アルフの言葉に、フェイトが答える代わりに、バルディッシュがその準備をした。
『Thunder Smasher, Shot Ready...』

リリカルバイオレンス
 PHASE-6:Those who ask, those who refuse

『Sealing Jewel Seed No.……』
「たぁぁーっ!!」
 ビルの側面から、白い影が飛び出してきた。
『Sprite Slash』
 青白い光が、サンダースマッシャーの金色の魔力光に食い込む。お互いが反発してバチ
バチと火花を散らす。
「くぅぅぅっ」
 フェイトが踏ん張る。アリサは片手で握っていたレイジングハートを、両手で握りなお
す。
「レイジングハート、もう1段!」
『Sprite Slash, Dual Exercise』
 青白い光の刃に、さらにもう1段、魔力の刃が重なる。それは、アリサの固有の魔力光
であるオレンジ色に染まった。
 バシュゥゥッ!
「うわっ、ぅぅっ……」
 果たして、砕け散ったのは金色の魔力光の方だった。フェイトはバルディッシュを振り
上げるようにして、後ろにのけぞる。
 フェイトは構えなおしつつ、驚愕の表情でアリサを見る。
71リリカルバイオレンス 6-2/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 08:59:42 ID:K4FNCFFG
 ────クロスレンジの魔法を重ねた!? いや……原理はシールドと同じか……でも、
こんなのって!
「こんなときで悪いけど」
 アリサは睨みつけるような表情で、フェイトに向かって声を荒げる。
「いつかの答え、聞かせてもらっても良いかしら?」
「答え?」
 フェイトは、構えたまま訊き返す。
「アンタがジュエルシード集めてる理由」
「私は……」
 アリサの再度の問いかけに、フェイトは口を開きかけた……
 だが、その時。
『Caution!』
「ガァァァァァッ」
 赤い影が迸り、アリサに向かって突っ込んでくる。
 だが、その寸前で緑の魔法陣が広がり、それを遮った。
「フェイト! 言うんじゃない! 優しくしてくれる人のところで、ぬくぬくと育ってき
た奴の言う事なんか、聞かなくて良い!」
 アルフは、声を荒げて言う。
「優しくされる事だけが、幸せじゃないわ!」
『Ray Lance』
 アリサが、反論するように怒声を上げる。レイジングハートのコアが瞬き、鋭い光の矢
が、アルフ目掛けて放たれる。アルフは、シールドを張って、それを難なく凌いだ。
「こいつっ!」
「バインド!」
 再び、アリサに襲い掛かろうとしたアルフの足元に、緑の魔法陣が展開し、そこから光
の鎖が伸び、アルフを絡め取る。
「こいつっ!」
「アリサ! こいつは僕が抑える」
 ユーノは、バインドでアルフを捕らえたまま、言う。
「舐めるんじゃないよ!」
 アルフが紅く光を放ったかと思うと、緑色の光の鎖が、砕け散る。
 アルフはユーノの方を向き、飛び掛る。ユーノもすばやく、その場から逃げ出し、疾走
する。ただ逃げ出したのではない、アルフを出来るだけアリサから遠ざけようという考え
だ。
「確かにあたしは、お嬢様でぬくぬく育てられてきた。でも、それだけだったら、あたし
は間違いなく不幸になってた」
 アリサは片手でレイジングハートを握り、構えなおす。フェイトと、対峙する。
「アンタは何を求めてるの? ジュエルシードでどんな願いを叶えようって言うの?」
72リリカルバイオレンス 6-3/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:00:17 ID:K4FNCFFG
「例えそれを知ったとしても、多分あなたは私に協力してはくれない」
 フェイトは、淡々と言う。
「そうみたいね」
 アリサは、険しい表情で言った。
「正直言っちゃえば、今更、あたしにはジュエルシードなんてどうでも良いのよ。そもそ
も、ユーノと出会ったのだって、たまたまってだけ」
「…………」
 アリサの言葉に、フェイトは、僅かに困惑の気配を見せる。
「でもね、アンタはあたしの親友を傷つけた。そしてあたしはその原因を作った。だから、
あたしとアンタでケジメつけなきゃなんないのよ!」
 アリサの、一瞬、激昂したような声。そして、僅かに沈黙。
『Scythe Form』
 バルディッシュの刀具が展開し、金色の魔力光の刀身が現れる。
 アリサが、レイジングハートを持ち上げ、英国騎士の如く、目前に立てて構える。
「アリサ・バニングス。アンタのフルネームは?」
「フェイト・テスタロッサ」
 アリサの名乗りに、フェイトはやや控えめに応える。
 そして────
「はぁぁぁっ!」
 フェイトはバルディッシュを構え、飛び掛ってくる。
「レイジングハート!」
『Sprite Slash』
 ガキィンッ
 レイジングハートの光を帯びた刀身が、バルディッシュの魔力光の刀身を受け止める。
「!」
 フェイトは苦そうにアリサの表情を伺う。
 バチン!
 お互いの魔力光がはじけ、反発でお互い仰け反らされる。
「この」
 アリサが構えなおそうとしたとき。
『Arc Saber』
 バルディッシュの魔力光の刀身が、外れて、発射された。
「な!?」
 今度は、アリサの顔色が変わる。
 反射的に避ける。
『Caution!』
 だが、それはブーメランのように、旋回して、背後から戻ってきた。
「くっ」
73リリカルバイオレンス 6-4/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:00:47 ID:K4FNCFFG
『Protection, Dual Exercise』
 二重のオレンジ色の魔法陣が現れ、光の盾になる。魔力光のブーメランは1枚目の光の
盾を事もなく砕く。だが、確実にそれは減衰する。2枚目の光の盾とぶつかり、盾を砕く
が、刃も霧散する。
「しまった!」
 アリサがフェイトの意図に気付いたとき、フェイトは既にビルの屋上から、ジュエルシ
ード目掛けて急降下していた。
『Axel Fin』
 スニーカーから生えた、オレンジ色の光の翼が瞬く。アリサもフェイトを追って、自然
落下よりもなお加速して急降下する。
「待ちなさいよーっ」
 追いすがるアリサを、フェイトは振り向きもせず。
「バルディッシュ」
『Device Form』
 バルディッシュの刀具が閉じ、金色のコアが瞬く。
「待てっつってるでしょー!!」
『Ray Lance, Tri』
 アリサの、レイジングハートのスイングで、鋭い魔力弾が3つ、撃ち出される。
「くっ」
 フェイトが避ける。レイ・ランスはジュエルシードの周りに着弾した。
「ジュエルシード、ナンバーXIX、封印……」
「このっ」
 ジュエルシードに触れかけたバルディッシュを、上から垂直に突き立てられたレイジン
グハートが阻む。
 レイジングハート、バルディッシュ、そしてジュエルシードが絡み合う。そして──
「!?」
「なっ……!?」
 2人の顔色が変わる。小さく声を上げたのはアリサの方だった。
 ジュエルシードの光が増し、あたりを青白い光が包み込む。
 レイジングハートとバルディッシュのコアが、警告するように激しく明滅する。
 ミシッ……
 バルディッシュの矛先に、ヒビが入り、欠片が落ちる。
 バチバチバチバチっ
「うわぁっ、あぁぁぁぁっ」
 レイジングハートが弾き飛ばされ、アリサはもろともに高く放り出された。
「アリサ!」
「フェイト!」
 別に対峙していたユーノとアルフが、それぞれのパートナーの名を叫ぶ。
74リリカルバイオレンス 6-5/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:01:31 ID:K4FNCFFG
 光がおさまり、そこにフェイトが、半壊したバルディッシュを手に、呆然としていた。
「はっ」
 フェイトが我に返る。ジュエルシードは、脈動するように光を明滅させながら放ってい
る。ビリビリと、周囲の空気が振動している。
『Dangerous situation. Sir!』
 バルディッシュが言う。
「うん、バルディッシュは休んで」
『Sorry』
「謝るのはこっちだよ、ごめんね、バルディッシュ」
 宝石の嵌められた金属片に戻るバルディッシュ。その状態でも、全体にヒビが入ってい
た。
「っ……」
 大気の振動がいっそう増す。フェイトは慌てて、ジュエルシードに駆け寄った。
 半ば反射的に、ジュエルシードをその手に掴む。
「Great power, stop the work according to my command...」
 ジュエルシードを握り締めたフェイトの足元に、金色の光の魔法陣が展開する。
 だが、その光の脈動はおさまらず、むしろ徐々に増大していく。
「止まって、止まって……お願い……」
 ジュエルシードを握り締め、祈るように繰り返す。
 だが、フェイトの手越しにも強烈な魔力光を放ち続ける。
 バリアジャケットの手袋が避け、フェイトの右手から血が滲む。
「止まって……お願い……」
 フェイトの願いが通じたのかの様に、ようやく、ジュエルシードの青い光が収まってい
く。
 眩い光が消え、アルフやユーノ達からも、フェイトの姿が視認できるようになった。
「フェイト……!!」
 アルフはユーノの存在を放ったまま飛び出す。人間形態に移行しつつ、フェイトに駆け
寄り、崩れかけたフェイトの身体を抱きしめた。
『Ready』
 インテリジェントデバイスの声。
 アルフが戦慄し、顔を上げる。
「なんかあたしってサイテー」
 フェイトの背中、体勢を交差するアルフの目前に、アリサの姿。
「でも、黙って渡すわけにはいかないの」
 レイジングハートを2人に向けて、アリサは、自己嫌悪に不愉快そうに言う。
「退いて」
 アリサが言うと、アルフはアリサを睨みつけつつも、ゆっくりとその場を退く。
「アルフ……」
75リリカルバイオレンス 6-6/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:02:11 ID:K4FNCFFG
「ごめん、フェイト」
 弱々しく名前を呼ぶフェイトを、アルフは抱きしめなおす。
「レイジングハート」
『OK, Master』
 アリサの顔の辺りほどで浮いていたジュエルシードは、光になって、レイジングハート
のコアに吸い込まれる。
『Sealing Jewel Seed No.XIX』
 アリサは、レイジングハートがジュエルシードを格納するのを見届けてから、フェイト
達の方を見る。
 アルフは憔悴した表情で、周囲をうかがう。左、ユーノの姿。小さなフェレットだが、
高度な結界魔法を使う。
 アルフは、フェイトを抱えたまま、ユーノの居る方向とは反対側へ跳躍した。その跳躍
は尋常な高さではない。ビルの屋上から屋上へと伝い、姿を消していく。
「あー、なんか気分悪い!」
 ドカッ!
 アリサは、手近にあった電柱に蹴りを入れた。
「アリサ……でも、しょうがないよ」
 ユーノが、アリサを慰めるように言う。
「解ってるわよ! でも、一番許せないのは、そうやって納得してる自分が心の中にいる
ってことなの!」
 アリサは声を荒げた。
「…………そろそろ、結界切るね」
 他に言うべき言葉も見つけられず、ユーノはそう言った。
「うん、ああ、そうか。レイジングハート、解除して。ありがとう」
『OK, Shifts to sleep mode, Good-bye again』
 バリアジャケットが解除され、アリサは聖祥大附属小の制服の姿に、レイジングハート
は赤い球形の宝石に戻る。
「あ、レイジングハート?」
 解除される結界。街の活気が戻ってくる。路上を照らす水銀灯の強烈な光で、アリサは
それを見つけた。
 宝石になったレイジングハートの表面に、浅いものの、ヒビが入っている。
『No Problem, A crack of this level heals up immediately』
 すぐに治る、と、レイジングハートは答えた。
「大丈夫だよ、インテリジェントデバイスには、ある程度の損傷なら自分で回復できる機
能があるんだ」
 ユーノが、付け加えるように言う。
「そう、それなら良かった」
76リリカルバイオレンス 6-6/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:02:38 ID:K4FNCFFG
 安堵したような微笑みで、アリサは言った。
 が、すぐに、
「あ、でも、これってあの、ジュエルシードに吹っ飛ばされたときのよね?」
 と、思い出すように口元に指を当てて、言う。
「フェイトはそうならなかったわよね、なんで?」
 アリサが、ユーノに訊ねる。
「うん、多分だけど……」
 ユーノは、確証はない、と前置きしてから、
「レイジングハートは、かなり大容量の魔力を扱う事の出来るデバイスなんだ」
「Batteryみたいなものだってこと?」
「どっちかって言うと、コンデンサーかな」
「Condenser?」
 ユーノは言うが、この世界でアリサの年齢程度の小学生なら、よほどニッチでない限り
覚えてはいない素子の名前だ。もっとも、アリサのごく身近にその種類まで分類できる同
学年が約1名いるが……
「で、アリサの魔法出力だと、レイジングハートの、魔力を貯める機構は、ほとんどカラ
の状態なんだ。で、ジュエルシードが放出した魔力が、レイジングハートを逆流した。そ
れで、アリサの手元まで来たとき、アリサ自身の中には入っていかないから、そこで反発
して、アリサは弾き飛ばされた」
「ふんふん。じゃ、フェイトがそうならなかったのは?」
 頷きつつ、アリサはユーノに聞き返す。
「えっと……これも推測だけど、フェイトの魔法出力は高いから、バルディッシュの中で
ぶつかり合って、バルディッシュがダメージを受けてしまったんじゃないかな」
「ぐ……なんか嬉しくない」
 それが理由でジュエルシードを確保できたとは言え、プライドの高いアリサは、頭では
わかっていても、やはりいざ指摘されると頭にくる。
 イライラした表情をしながら、携帯で鮫島執事長と連絡を取る。
 フリップをパチン、と閉めながら、アリサは表情を緩めながら、軽くため息をついた。
「結局、あの子はどうしてジュエルシードを集めてるのかは、解らないままなのよね」
「どうも、自分で使う為とは思えない」
「うん」
 ユーノの言葉に、アリサは頷いた。
77リリカルバイオレンス 6-7/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:03:24 ID:K4FNCFFG

「すずかはもし、何でも願いがかなうって言ったら、何をお願いする?」
 翌日、始業前。聖祥大附属小、3年1組。
「え?」
 アリサの問いかけに、すずかは当惑した。
「なんでも……って、なんでもいいの?」
「うん」
 アリサが答えると、すずかは少し考えてから、言う。
「それじゃあ……私は、お姉ちゃんやノエルやファリン、アリサちゃんやなのはちゃんた
ちと、平和に暮らせたらいいな……」
「ふうん……」
 ────ジュエルシードにかなえて貰うような願いじゃないなぁ。
「? 私、変なこと言った?」
 すずかは、アリサの反応を見て、少し不安そうな表情でそう言った。
「あ、ううん。すずからしいなって思って」
「そうかな……」
 アリサが言うと、すずかは苦笑した。
「ところで、昨日なのはちゃん家に行ったんだって?」
「あ、うん……」
 その意図はなかったのだが、事実ではある。
「なのはちゃん、どうだった?」
「まだギプスしてたけど、それ以外は元気だった」
 言いつつ、アリサは「あはは」と、気まずそうに苦笑した。

 ────だが、ほぼ同じ時刻、フェイトがどのような境遇に遭っていたのか、アリサは
まだ知らない。
78リリカルバイオレンス 6-9/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:04:01 ID:K4FNCFFG

『今日で2日目……今日も発動はなし、かな』
 もどかしいように、時間が、日付が過ぎて行く。
『回収すれば、その分、当たる確率は減ってくるからね』
 念話越しに、ユーノが答える。
『フェイトが先に回収しちゃってるって事はないの?』
『絶対無いとは、言いきれない』
 アリサの問いかけに、ユーノは歯切れ悪く答える。
『しっかりしてよぉ、見つけるまでは、アンタが頼りなんだからね』
『うん……解ってる』
 アリサの困ったような、怒ったような、言葉に、ユーノの答えはあまり明るいものでは
なかった。
 春の日もまだ高い午後の時間。アリサとすずかは、海沿いの道路を歩いていく。
『Master』
 レイジングハートが、小さくアリサに呼びかけてくる。
「!」
 アリサははっとして、その場に立ち止まった。
「どうしたの?」
 すずかが立ち止まって、アリサを振り返り、訊ねてくる。
『ユーノ!?』
『うん、今、発動が始まったみたい』
 念話越しに、肯定の声が返ってきた。
『なのはの家の近く。僕もすぐ行く』
『うん』
 アリサはユーノに返事をすると、
「ごめんすずか、あたし、ちょっと急用思い出した!」
 と、すずかを追い越し、旧くからある住宅街のほうへ走っていった。
「アリサちゃん……」
 すずかは、寂しそうに眼を細める。
「終わったら、話してくれるよね?」
 アリサの後姿を見送って、そう呟いた。
「レイジングハート、誘導お願い!」
『OK, Standby, Set Up』
 オレンジ色の光の、垂直の魔法陣がアリサを包む。
『Flier Fin』
 バリアジャケットを纏い、西洋剣型になったレイジングハートを握り、空へ飛び上がる。
 オレンジ色の光の翼が羽ばたき、向かう先は、高町家からも程近い、小さな公園。
「封時結界、展開!」
 周囲の色相がぶれる。住宅街はユーノの結界によって隔離された。
79リリカルバイオレンス 6-10/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:04:39 ID:K4FNCFFG
「ありゃ」
 アリサが眼を凝らすと、公園の真ん中に、タコかイカのように枝を伸ばした樹が、手当
たり次第という感じで暴れている。
「!」
 それに気付いて、アリサは顔をしかめる。
『Photon Lancer, Multi Shot』
 気数の、金色の魔力弾が、樹の化物に向かって迸る。
 だが、それは、樹の化物の直前で、青い光の盾に遮られた。爆ぜ、霧散する。
「樹の分際で、シールド張るの?」
 アリサは、呆れたような声を出す。
『Arc Saber』
 金色の魔力の刃が飛び、タコの脚のようになった樹の枝を切断していく。
「負けてらんないかっ」
『Devine Shooter, Clash Mode』
 レイジングハートを構える。垂直の魔法陣がその先に展開する。レイジングハートのコ
アが瞬き、オレンジ色の光の矢が放たれる。
 オレンジ色の光の矢は、樹の斜め上方から刺し込む。青い光の盾が現われ、それを遮る。
「!」
「フェイト!」
 フェイトはちらり、と、アリサのほうに視線を走らせた。
「バルディッシュ」
『Yes, Sir. Device Mode』
 アークセイバーを発射したバルディッシュの刀具が閉じる。フェイトは自らの前方に手
で印を作り、魔法陣を展開する。その魔方陣に、バルディッシュを向けた。
『Thunder Smasher』
 バルディッシュから、稲妻を伴った、強力な魔力弾が迸る。
 それをも、樹の化物は、青い光の盾で、凌ぐ。
 だが。
 ミシッ
 光の盾にヒビが入る。砕け、霧散する。
『Sprite Slash』
『Scythe Form』
「はぁぁぁっ!」
 アリサは声を上げながら、フェイトは無言で、樹の化物に斬りかかった。
 本体を、2箇所、深く斬りつけられた樹の化け物は、急速に、老廃物が風化するように、
崩れ落ちながら、消滅していく。
 やがて、そこには、元の樹と、淡く明滅するジュエルシードだけが、残された。
80リリカルバイオレンス 6-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:05:02 ID:K4FNCFFG
 アリサは高度を落とし、フェイトは空中に浮かび上がる。そのジュエルシードを挟んで、
2人は対峙した。
「ジュエルシードに、あまり刺激を与えちゃ、いけないみたいだね」
 サイズフォームのバルディッシュを構えたまま、フェイトが淡々と言う。
 アリサは、頷いた。
「でも、譲る気はないんでしょ?」
「こっちにも、理由があるから」
 アリサの言葉に、フェイトはそう答えた。
 そして、申し合わせたかのように、2人はそれぞれのデバイスを構える。
『Sprite Slash』
 キィン
 レイジングハートの帯びた光は、オレンジ色のものになっていた。
「はぁぁぁっ!」
「うわぁぁっ!」
 お互いに声を上げ、飛び掛る。
 レイジングハートとバルディッシュが、交錯しかけた、その瞬間。
「ストップだ!」
 ガキン、キンッ
 バルディッシュの刀具の付け根を、ガントレッドのような防具に覆われた手が掴み、レ
イジングハートを、鈍く輝く杖が受け止める。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」
 2人のデバイスを止めた、3人目の魔導師は、そう、声を上げる。
「ここでの戦闘は危険すぎる、2人とも、速やかに行為をするんだ!」
81リリカルバイオレンス 6-12/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:06:33 ID:K4FNCFFG
>>70-80
レス番ミス、>>76は7/11、>>77は8/11でした。

今回は以上です。

毎度長くて申し訳ありません。
しかし淫獣結構美味しいじゃないか淫獣。
82名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 09:12:23 ID:ksWEvu5p
GJ
久しぶりのスーパークロノタイムくるー?
83( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/27(木) 09:14:19 ID:K4FNCFFG
しまった。最後の最後でパチッてる。

×「速やかに行為をするんだ!」
 ↓
○「速やかに行為を停止するんだ!」

 です。失礼しますた……
84名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 09:17:14 ID:dJVEUMBy
乙です
クロスケktkr

>>67
一応ゼストのつもりで書いた
SSじゃガチで死んでる可能性もあるが
85名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 10:25:23 ID:t+osUbSL
>>31
亀レスですがGJ!!
フェイトさんかわいいな〜
エリキャロコンビは良い子だし
なのはさんはフェイト欲を持て余しているし
シグナムは変態みたいだし。

個人的には続き(夜の営み)が気になります。
もし良かった投下希望。
86名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 15:21:20 ID:GebnCohC
つまんない文章で抜けない
87名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 16:46:06 ID:bloHfiMd
そりゃ、戦闘シーンで抜けたらマニアック過ぎですぜ旦那
88名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:24:31 ID:p6S/2xIP
>>57
GJ
本編と違って一般人との交流があって良いな

二尉の過去って六年前の話がティーダ関連で十年前が闇の書関連でいいのか?
ドゥリンダナはデュランダルの別名だし

それと一人だけヘタレていってる准尉が輝く日が来るんでしょうか

都築を期待してます
89名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:24:44 ID:XuZHo2f5
>>87
謝れ! 戦闘時のパンチラとか攻撃を受けて破れるバリアジャケットから覗く素肌とか
バインドや触手でエロすぃ格好に拘束されたりとかが大好きな俺に謝れ!!
90kometi:2007/12/27(木) 17:25:25 ID:e9Vfkx2i
投下いきます。

オリキャラ全開「cold sleeper」最終話。

以下に該当する人は読むと不快になるやもしれません。

・ハッピーエンドが嫌いな方
・高町なのはは魔王だ
91kometi:2007/12/27(木) 17:26:19 ID:e9Vfkx2i
えっと、流れ切るようなら、見合わせた方が良いですか?
92名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:29:35 ID:XuZHo2f5
>>91
今ドゾー
93名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:30:31 ID:1LV+n0YC
>>91
カモーン
94名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:30:44 ID:o84aQ6Fz
誘いうけはやめたまへ
カモーン
95kometi:2007/12/27(木) 17:31:09 ID:e9Vfkx2i
では、改めていきます。
96cold sleeper 最終話@:2007/12/27(木) 17:32:57 ID:e9Vfkx2i
声がする。
声の主は近くにいるはずなのに、酷く遠くに聞こえた。
「良かった、ギリギリ間に合って」
意識がどんどん薄れていく。向こう側では、妻と娘が手を振っていた。
「・・・・・どうしてここに?」
「三者面談、休んじゃったでしょ。ヴィヴィオに謝ろうと思って電話したけど、
どこにかけても捕まらないし、ユーノくんもケガで入院したって聞いて、
心配になって急いで戻ってきたんだ」
俺は・・・・・俺は死んだのか? だとしたらお笑いだな。
父親らしいことなんか一つもしたことないのに、あいつらが俺を呼んでいるなんて。
「ごめんね、ヴィヴィオを危険な目に合わせちゃって」
「別に、フェイトちゃんのせいじゃないよ。それに、ヴィヴィオとは約束したから。
どんな時も、必ず助けるって。いきなり破っちゃったけどね」
仮に天国に行けたら、また3人で暮らせるかな。そしたら、今度はちゃんと向き合おう。
危険な仕事からは縁を切って、3人で静かに暮すんだ。
「それで、この人が?」
あれ、1人・・・足りないような・・・・?
「うん、私の自慢の・・・・・お父さん」
そうだ、それよりも明日は・・・・・アリシアの・・誕生日・・・・。





魔法少女リリカルなのはSTRIKERS・異伝「cold sleeper」
最終話「お父さん」
97cold sleeper 最終話A:2007/12/27(木) 17:35:35 ID:e9Vfkx2i


目覚めると、そこはベッドの上だった。
傍らには、会ったことのない黒髪の青年と、栗色の髪の女性が立っている。
「目を覚ましましたか? 私は時空管理局提督クロノ・ハラオウン。こちらは・・・」
「はじめまして。高町なのは一等空尉です」
「・・・知っている」
調べたからな、と付け足す。
まだ眠気が抜けきれないので、右手で瞼をこする。
そこで、右腕が肌色の人工皮膚に包まれていることに気づいた。
「2日に及ぶ大手術だったそうですよ。うちの整備士曰く『こんな古い規格は見たことない』だそうです」
「ま・・・38年前のポンコツだからな」
段々と記憶がはっきりしてきた。そう、確か爆発に巻き込まれて・・・・。
「また死に損ったのか。あんたが守ってくれたのか?」
「いいえ、守ったのは彼女の方です」
「本当は、もっと早くに駆けつけるつもりだったんですけど、
フェイトちゃんとヴェルデさんにみんな取られちゃいました」
えへへと、なのはは笑う。
「ありがとうございました、フェイトちゃんを守ってくれて」
「別に・・・俺はしたいことをしただけだ」
「そうですね。案外、ストライカーっていうのは、そういう人のことを指すのかもしれませんね」
守りたいから守る、勝ちたいから勝つ。純粋な思いが力に変わるのだと、なのはは言う。
(まいったな。まるで見透かされているみたいだ)
多分、この女には色々な意味で絶対に勝てないなと、ヴェルデは思った。
「それじゃ、私はもう行くね。久し振りに会ったら、ヴィヴィオがぐずっちゃって」
「ああ、ユーノにもよろしくと伝えておいてくれ」
「はーい。それじゃ、ヴェルデさん、失礼します」
一礼して、なのはは病室を出ていく。廊下からヴィヴィオとかいう少女となのはが戯れる声が聞こえ、
それが段々と遠ざかって行った。
98cold sleeper 最終話B:2007/12/27(木) 17:38:11 ID:e9Vfkx2i
2人っきりになると、クロノはヴェルデに向きなおり、頭を下げた。
「本当に、ありがとうございます。義妹を助けてくださって」
「義妹・・・・そうか、お前がクロノなのか。フェイトから話は聞いている」
「それは、説明が省けて助かりますね」
苦笑した後、クロノは事件の顛末を語りだした。
「あの後、調査隊を派遣したのですが、施設の奥で戦闘機人が眠るポッドが大量に発見されました」
施設の破棄とともに生命維持装置が停止していたので、その中で眠る者たちは目覚めることなく死亡していたが、
一つだけ内側から破壊されたポッドがあったらしい。恐らく、何らかの拍子で目覚めたトレディッチが脱出するために行ったのだろう。
死を免れた彼女は、長い時間をかけて施設のコンピューターを復旧させ、自分を造りだした者の顛末を知ったのだ。
「戦うために造られていながら、彼女は戦うことができなかった。残された生き方は、復讐しかなかった」
そのトレディッチはどうも頭がおかしくなっているようで、娘である自分が捕まったのだから、
父親であるスカリエッティが助けに来てくれると留置所の中で訴え続けているのだそうだ。
だが、刑務所に隔離中のスカリエッティが助けに来てくれるわけはなく、また彼はトレディッチとの面会はおろか、
手紙のやり取りすら拒否していた。局員がそのことを伝えても彼女は信じず、ひたすらスカリエッティが助けに来てくれると言い続けているらしい。
加えて、言動もかなり支離滅裂になっており、コミュニケーションは事実上、不可能に近いであろうというのが彼女を診察した医師の見解であった。
結局、彼女もまたJS事件の被害者であったのだ。そして、非常に後味は悪いが、これでJS事件も本当に終結するだろうと、クロノは言った。
99cold sleeper 最終話C:2007/12/27(木) 17:40:17 ID:e9Vfkx2i
「それで、フェイトは?」
なのはの口ぶりから、無事でいるのは確かなようだが。
「彼女は、新しい任務の準備で忙しくて・・・・・・現在は会えません」
「そうか・・・」
悲しくない、といえば嘘になる。また氷漬けになる前に、ちゃんと別れは言っておきたかった。
「俺はまた、氷漬けか?」
「いえ、それに関しては無罪放免とはいきませんが、保護観察付きで、管理局への復帰が認められるそうです」
また、えらく寛大な処置もあったものだ。こんなポンコツを拾おうとするなんて。
「それに、手術を行った整備士は、一度オーバーホールをした方が良いとも言っていました。
今後のメンテナンスも含めて、時空管理局は万全のサポートをする用意があります」
もちろん、あなたの自由意思に委ねますが、とクロノは締めくくる。
仮にも犯罪者である自分を、こうもあっさり受け入れる管理局の現体制に、ヴェルデは戸惑いを覚えた。
だが、フェイトも似たような経緯で管理局に入ったと聞いたし、他に行く宛てもない。
だったら、死に場所を求めて管理局の犬に戻るのも、悪くないかもしれない。
「好きにしてくれ。どうせ、二度も死んだ身だ、こき使ってくれて構わないぜ」
「では、そのようにします。つきましては、あなたの今後の住居なのですが・・・・」
そう言って、クロノは一枚のメモを差し出した。
「ここを退院したら、そこの住所に行ってください。保護観察官もそこでお待ちですから」
100cold sleeper 最終話D:2007/12/27(木) 17:43:52 ID:e9Vfkx2i

そして、3日後。質量兵器を取り外し、オーバーホールを終えて新品同然の体になったヴェルデは、
世話になった病院のスタッフに礼を述べ、クロノに教えられた住所を訪れた。
そこは海が見える小奇麗なマンションで、指定されているのは7階の5号室だった。
「趣味悪」
夢見る乙女とか住んでそう、と勝手に思っておく。とはいえ、保護観察官とやらはここにいるようなので、
ヴェルデは観念して部屋を目指した。そして居住まいを直し、インターホンを鳴らす。
数秒後、扉の向こうから足音が聞こえたかと思うと、ガチャッと鍵が外された。
「遅かったですね、さ、入ってください」
「え、なんで・・・?」
出迎えてくれたのは、事件以来一度も会えなかったフェイトだった。
「ほら、こっちこっち」
フェイトに引っ張られながら、部屋に入る。夕食の支度をしていたのか、
奥の部屋からカレーの匂いが漂ってくる。
「寝室はここを使ってください。夕飯ができるまでまだ間がありますから、
それまでシャワーでも浴びてきたらどうですか?」
「そうだな。けど、俺錆びないかな・・・・・・じゃない、何でお前がここにいるんだ?」
ここにいるのは、保護観察官ではなかったか?
「聞いていないんですか? 私が保護観察官をすることになったんですよ」
「なっ・・・・」
不意に、目覚めた時にクロノが言っていた言葉を思い出した。
『彼女は、新しい任務の準備で忙しくて・・・・・・現在は会えません』
つまり、住居の手配だとか家具を揃えたりだとかで忙しかったというわけだ
101cold sleeper 最終話E:2007/12/27(木) 17:46:17 ID:e9Vfkx2i
更に、次の言葉はもっと致命的だった。
「今日から一緒に住みますから」
「なななななっ!?」
「親子なんだから、良いじゃないですか」
何なんだこの順応具合は。この前までのハニカミはどこにいった?
混乱気味のヴェルデを尻目に、フェイトは「明日は身の回りのものを揃えるために
お買い物に行きましょう」だとか「今度、私の子ども達を紹介しますね」だとかを口走っている。
「まいったな、覚悟しろってことか」
それに対する答えは、とっくの昔に出ていた。
自分は、目の前であれこれ夢想している娘を、心の底から守りたいと思っている。
口にするのは気恥ずかしいが、フェイトを愛しているのだ。
(悪いな、プレシア・・アリシア・・・・お父さん、そっちに行くのはもう少し先になりそうだ)
38年の時を超えて、青年が手に入れたのは、新しい家族との穏やかな日々。
「フェイト」
「え・・・?」
なら、最初にやっておかなければならないことがある。
自分達が、これから親子としての第一歩を踏み出すために。
「こんな駄目親父だけど、これからよろしくな・・・・フェイト」
娘の名前を口にし、不器用な微笑みを浮かべるヴェルデ。
フェイトは苦笑し、少し頬を赤く染めながら、嬉しそうに言った。
「はい。不束な娘ですが、よろしくお願いします・・・・お父さん」

                            fin
102kometi:2007/12/27(木) 17:47:36 ID:e9Vfkx2i


以上です。

一番最後の言葉をフェイトに言わせたいがために書き始めたSSもこれで終了です。
続きものは初めてだったので苦労しましたが、色々と勉強になりました。
ネタが浮かべばまた中編、長編に挑戦したいです。


ここまで読んでくださったみなさん、
自己主張の強いオリキャラを受け入れてくださり、ありがとうございます。
103名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:49:52 ID:o84aQ6Fz
>>102
ちょwwwおまwwwハッピーエンドじゃないかw
最初の注意書きは何だったんだ?!
兎も角、完結おめでとう&GJでした
104名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:51:41 ID:XuZHo2f5
>>102
おつかれでしたー
しかしトレ子に同情する俺は間違いなくロボスキー
105名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:53:02 ID:8PhCwpu6
>>102
お疲れさんです
これからこの親子が幸せに暮らせるように祈りつつGJ

>>103
良く見るんだ「ハッピーエンドが嫌いな人」だ
106名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 17:54:27 ID:o84aQ6Fz
>>105
あ、そっかちょっと目を洗ってくるわ
107名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 18:05:25 ID:OVtOw/2S
>>102
いい最終回でした。
しかし、これでフェイトに彼氏出来たら、倒す障害が増えますね(笑
こう言う場合恋人はなのはさんって言うヤツの方が多いのかな? かな?
ま、私はぶっちゃけ百合は 大嫌い ですが

とにかく、むしろこれが3期だよね? って言いたいぐらいの面白さです。
てゆーか、あなたは種死もどきのStSを超えたのは間違いないと思います。
108名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 18:09:58 ID:vwXJqxvp
>>107
   ∩___∩         |
   | ノ\     ヽ        |
  /  ●゛  ● |        |
  | ∪  ( _●_) ミ       j
 彡、   |∪|   |        J
/     ∩ノ ⊃  ヽ
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /
109名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 18:11:51 ID:VjqI8fBK
比較したりすんなよ、スレが荒れるから。
良いところ、楽しかったところは褒めて、
悪いところをきちんと指摘するに留めようぜ。
本編あっての二次創作なんだからさ
毒を吐くならアンチスレにいこうぜ
110名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 18:14:24 ID:o84aQ6Fz
      ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ.            ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ         /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、            ,        }    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ       |   _|
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |  \  >>107
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   > このスレの
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__ 百合カプ職人
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    / を追い出そうと
       l   `___,.、     u ./│    /_ する宇宙からの
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、刺客なんだよ!
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i
.     |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 ))
      l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
.     l.   |:.:.:.!';';';';';';';'|  /:.:.:.:!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;
     l   |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l   |    l. |   | /   //
       l  |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l    l、 :|    | } _|,.{::  7 ))
111名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 18:26:28 ID:AaC5izT3
>>107は、釣り云々以前に巣に帰れと

何はともあれ>>102完結GJ。なんとうハッピーエンドだ
>>24で、ちょっと切ないエンドも読んでみたいなとか言っていたが、やっぱ幸せな終わり方が一番だよなw
オリキャラながらも、違和感無く読めて素敵な家族愛を感じられたZE
112名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 19:00:01 ID:Sk59BITJ
>>107は普通に釣りだろ。
本気で言ってるなら痛すぎるし。
113名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 19:20:18 ID:B1OlF8S/
ここでカプがどうとか百合がどうとか言われてもなぁ……
書きたい人が書きたい作品を書く、それがこのスレじゃねぇの?
自分の嗜好に合わない物はNGなりスルーなりでいいじゃん、わざわざ事を荒立てんでも。
そして、良いと思った作品にはGJを。
それだけのことで、このスレは平和を維持できるんだぜ?
114名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 20:10:35 ID:S3cxslcO
そんな話より面白い話しようぜ
俺、ヴィータに足の裏でいぢめられたいんだ
所でいぢめって「ぢ」と「じ」どっちがあってんだ?
115名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 20:23:12 ID:wOhb4jFW
普通はいじめ
愛がある場合はいぢめ、と俺解釈
116名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 20:26:33 ID:pvPOyuJn
いぢめ、の場合は「いじめる」っていうよりも、「いじる」って感じが強い・・・ように思う
ちなみに、「いじる」を漢字で書くと「弄る」

いぢめ・・・うん、エロいな
117名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 20:33:01 ID:l3LSoYaP
>>115-116の意見はためになったぜ!

それと>>102GJ!!
良いSSだった。
118名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 22:10:29 ID:gfnq45UP
誰か陵辱物を書いてくらさい

422さん再降臨お願いしますよ…

ドきついのを心待ちにしてる変態は俺だけじゃない筈。
119名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 22:51:57 ID:xtJ5KISY
スバルとエリオが風呂場であれやこれや。
と、いうネタを書きたいのだが、SSは聞いた事がないんだ。
やはり、SS01を聞いてからのほうがいいのでしょうか?
120名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 22:57:16 ID:gfnq45UP
思うように筆が進まない…orz
余興までに小ネタを一つ
レジなの エロなし


カチャカチャ…
ここは地上本部の食堂で今食べてるのは美味しい料理。のはずなのに味がしない…

原因は向かいに座っている人だ。
「しかし貴女が航空魔道士、しかもあのエースオブエースの高町なのはだとは。若手とは聞いていたが…その歳で、たいしたものだな」
「あ、いぇ…そんなに凄くはないです…」
レジアス・ゲイズ中将。地上本部のトップといっても差し支えない、なのはにとっても雲の上の存在だ。しかもレジアス中将は本局や魔道士をあまりよく思っていない嫌いがある。
なぜそんな人と食事をしているかというと。
「先程はありがとうございました」
「いや当然のことをしたまでだ。それにあなたなら自力でも何とかできただろう」

局の近くで暴漢に襲われたなのはを偶然そこに居合わせたレジアス中将に助けたのが始まりだった。
元々武闘派なレジアス中将はその暴漢をボロ雑巾のようにぶん投げ即逮捕したのである。
そして場所が場所なだけにテロの可能性もあるとして軽い事情聴取をうけ、そのまま流れで一緒に食事を取っているのである。
「そ、そんなことないです!助かりました」
「そうか…それならいいのだが」ここで失礼なことをしてはさらに機動六課が疎まれてはやてに迷惑がかかってしまう。そんなことを考えてなのははガチガチに緊張していた。
「だが…やはり地上はまだまだ治安が悪く犯罪が横行している。もっと対策強化が必要だな。貴女はどう思う?」
「ふぇ……わたしは…対策強化をするより、近所付き合いとかを積極的にしたりしてお互いを意識しあうことが大切かなぁと……って全然趣旨がちがいますよね。ごめんなさい……」
「いや、興味深い意見だ。なるほど一人一人がお互いの抑止力になるのか」
「はい…あんまり厳しくしすぎるとかえって反発が激しくなるかと…」
「反発に恐れる地上本部ではないが、少し考えてみるか……ところで高町空尉、ここのデザートはとても美味しくてな、一度食べてみてはどうか」
「あ…はい。レジアス中将は甘い物は好きなんですか」
と、レジアス中将が何故か急に慌てる
「い、いや、別に好きという訳では…美味しいものは美味しいのだからしかたないだろう」
その鍛えあげられた外見に似合わない嗜好に思わずクスリと笑ってしまう。
「レジアス中将、わたしの実家は…第97管理外世界にあるんですが、ケーキ屋をやってるんです。ご多忙だとは思いますが、もし甘いものがお好きなら是非一度来て下さいね」
「ふ、ふむ…ケーキ屋か……たまにはいいかもしれんな」


これが時空管理局を震撼させた衝撃のカップル誕生の始まりだということは、まだ当人達すら気付いていない。
121名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:01:58 ID:gfnq45UP
続きません
ごめんなさい

ところでさ…俺のssって毎回微妙なんだけど
俺に足りないものって何だと思う?
今後のためにも某兄貴風に教えてくださいお願いします
122名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:08:41 ID:vwXJqxvp
ほんとになのレジで噴いたwwwww
123名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:31:49 ID:pvPOyuJn
>>121

他人の敷いたレールの上を走りたくなったのか?
最後まで自分を貫き通せってカズ・・・ごふんげふん・・・>>121
124名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:33:13 ID:e9Vfkx2i
レジアス、みんなに愛されているな。
125名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:44:35 ID:b+xcMOLN
レジ×なの……実際に見てみると本当に衝撃のカップリングだ。

とにかくオーリス(義娘)の反応が気になるな。
126名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:55:52 ID:wzFbcper
ままままままてまてまて。はっきりレジなのともなのレジとも書いてない。

レジ×美由紀の発端かも知れないぞ。
127名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:12:44 ID:4QaeRUJ6
レジなの吹いたwwwwwこれは意外にはまるwwww

というか三人娘とレジアスは腹割って話し合えば絶対息合いそうなんだよなぁ。
本編では結局1度も顔すら合わせなかったのが残念でならない。
128名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:15:40 ID:3mKBCRc9
>>119
とりあえず聞けるなら聞いておいたほうがいいと思う。
129名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:31:43 ID:gTjUtBCq
ここはレジヴィヴィを・・・・・・
いかん、なのはが発狂しそうだwww
130名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:42:55 ID:tPyH4VUE
>>127
レジアスが何を求めたかって結局平和だからなあ。
なんか小物扱いで終わったけど信念の人なのに。
131名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:54:56 ID:nhwD8CWu
>>130
進めていた計画は外道だったし、その割りに最期があっさりしすぎていたからしょうがないんじゃないか?
132名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:41:06 ID:wF4UBQa+
みんな最初はお国のため皆のためって理想に燃えてるんだよな
じゃないとあんな安月給の官僚なんかならんて。

んで、理想のためには清い水だけ飲むってわけにもいかず、
濁った水を飲み続けると、その目的が
自身の名誉欲や出世欲、金銭欲にすりかわっちゃうんだよな、
某防衛省の天皇みたいに。

そんななかやっぱ中将は「自分」のために動いていたわけじゃないから
立派だと思うんだよな。
133名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:46:06 ID:wfqU71gX
>>132
ふむ、そう考えると確かに立派だなあ中将。
でもひとつ気になることがある。
管理局員て安月給なの?
134名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:51:55 ID:bmV6ixft
それ以前にリリカルなのはの世界でお金の話がでたのは、
フェイトの通貨偽造とグレアムの支援金だけだったような。
もしもはやての家がグレアムの拠出金から設立されている場合、
海の提督の給与はかなり高いかもしれない。
しかしミッドと地球の為替レートがどうなっているのか分からないので、
ミッドの給料は地球の10倍の価値あるとなっている可能性すらある。
なぜならミッドチルダは数多くの次元世界を擁する、最高の先進国だから。
135名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 01:57:21 ID:ugW3N1kV
>>121
ちょww斬新すぎて吹いたwwwwwwwww

しかし幸いなこと(?)に高町家には一人行き遅(送信は此処で途絶えている。遺体の状態から見て鋭利な刃物が凶器おして使われたのは間違いなく警察は事件と見て調査をしている)
13639-362:2007/12/28(金) 01:58:40 ID:rf103U2x
投下してもよろしいでしょうか?
137名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:03:42 ID:wfqU71gX
>>134
おおさんきゅ
なのはの世界ってこういう推理できるところを
たくさん残してるから楽しいよな
ただ単に都築が考えてないだけかもしれないけどw

>>136
ドゾー
13839-362:2007/12/28(金) 02:09:04 ID:rf103U2x
注意書きなど
 ・前回までのお話の続編です。最初から読んでいただけるといいかもです。
 ・三つの分岐のうちのEND1の内容となります。
 ・暗い展開等が嫌いな方はスルーを。
 

今までタイトルが未定だったのですが、とりあえず決定しました。
『A crossroads of Fate』で行こうと思います。
それでは、どうぞ。
139A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:10:53 ID:rf103U2x
「・・・・・くそっ!・・・どうすれば、どうすればいいんだ!?」
深夜、ユーノは自室で一人髪を掻き毟り、悩んでいた。
帰宅してから、着替えもせずにベッドに倒れこみ、自問自答を繰り返していた。
悩んでいたのは、無論、先程のこと。
今までずっと、なのはが振り向かないから仕方ない、とずっと逃げてきたなのはへの想い。
それが、彼にとって最悪な形で向き合うこととなった。
彼がもともと好きだったのは誰か?
それは簡単な問いだ。
―高町なのはである。
では、現在彼の恋人であるのは?
それも簡単な問いだ。
―フェイト・T・ハラオウンである。
では、今彼がより好きなのはどちらであるのか?
「……確かに、僕はなのはのことがずっと好きだった。でも、僕はなのはから、いや、自分の不安から逃げたんだ。」
逃げた先には、都合よく彼を受け入れてくれる人がいた。
「フェイトのことを甘えん坊だとか言っておきながら、彼女に甘えてたのは僕のほうだったんだ。」
互いの傷を舐め合う関係は、舐め合っている間は、ひどく心地がよかった。
痛みを気にしなくてもよかったし、傷も舐め合ううちに癒えるはずだった。
だが、傷だと思っていたものは、傷でもなんでもなく、自分で傷と思い込んでいただけだった。
「僕は、確かにフェイトに惹かれはじめている……でも、なのはのことが好きなのも本当だ。」
どちらとも付き合うなど、ユーノは考えもしなかった。
前に言った「共有」など冗談でしかない。
そこまで彼は器用でなかったし、彼女たちがそれを許すはずもなかったからだ。
だとすれば、どちらを切り捨てなくてはならないだろう。
「なのはは、僕を好きでいてくれた。ずっと、好きでいてくれたんだ。」
彼が彼女を思うよりも、ずっと一途に想いつづけてくれた彼女を切り捨てることなど、出来るのだろうか。
そんなこと、出来るわけがない。
しかし、だからといってフェイトを切り捨てることなど、彼には出来なかった。
「僕が辛かったとき、ずっとそばにいてくれたのはフェイトだった。」
そして、彼女もまた、ユーノを愛しているはずである。
ただ、フェイトはなのはのことを割り切ったのだろうか。
「多分、割り切ってるんだろう…な。」
確証はなかった。けれど、彼女と一緒にいた時に、そのような感情を彼は感じなかった。
結局、割り切れていないのは、自分だけなのだ。
「僕は………どうすればいいんだろうか?」
もし、彼がフェイトとの関係の継続を望むのならば、なのはの告白を断ればいい。
もし、彼がなのはとの関係をやり直したいと望むのならば、なのはの告白を受ければいい。
「たとえ、僕がなのはを選んだとして、フェイトのことを知ったら……きっとなのはは僕と一緒にはいられないだろう。
 だってそうだろう?僕は、なのはが僕のために一生懸命頑張っているときに、彼女を裏切ったんだから。」
あの時のフェイトの告白を、受けるべきではなかった。
少なくとも、あやふやな気持ちのままで受けるべきではなかったのだ。
自分がなのはに冷たくされていると勝手に勘違いして、勝手に諦めて、それでフェイトの告白を受け入れた。
「けれど、あの時は確かにフェイトのことは、友達として好きだっただけだった。けど……」
思い出すのは、あの動物園から、昨日までの彼女。
そして、その笑顔、泣き顔、怒った顔、すべて。
彼女がユーノに囁いた愛の言葉、楽しげな声。
それらは、彼にとって大事なものになりつつあった。
「今の僕は、確かにフェイトも好きなんだ。」
140A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:11:43 ID:rf103U2x
どちらも好きならば、どうすればいいのだろうか?
「すべてを……なのはに言うしか、ないのかな。」
それで、彼女が自分を嫌ってくれればいい。
そうすれば、安心してフェイトと一緒にいることが出来る。
でも、そうでなかったとしたら?
それでも、彼女がユーノと一緒にいることを望んだら?
「…………その時は、僕はどうすれば、いいんだろうな…?」
力なくユーノは呟く。
いつしか、睡魔が彼を襲っていた。
「………明日には…決めなきゃいけないのに……まいったな……」
少なくとも、なのはにフェイトのことを言うことにしたが、それ以上考えることが出来ない。
彼の意識は、深い闇へと沈んでいった。







翌日、六課にユーノは再び訪れた。
無論、なのはへの返事のためである。
「……………………」
どちらを選ぶか決めたわけではなかった。
だが、少なくともなのはにはすべてを伝えなければならない。
そう思い、彼はここに来た。
ユーノは時計をちらりと見る。
なのはの言っていた時間には、まだ大分余裕がある。
コーヒーでも飲んで落ち着くのもいいかもしれないと思い、ユーノは食堂へ足を向ける。
重い足取りで、長い廊下を歩いていく。
「はぁ……ダメだな。気落ちしてても仕方ないんだ。」
そう自分に叱咤しても、どうにも足取りは軽くならなかった。
食堂は、昼食の時間が終わったために、人はまばらであった。
休憩しに来たユーノにとっては、こちらのほうが都合がいい。
紙コップのコーヒーを受け取り、適当な席を探そうときょろきょろと周囲を見回す。
すると、女性局員の誰かと、フェイトが昼食の後だろうか、何か話をしている。
思わず、ユーノは柱の陰に隠れる。
隠れなくてもいいはずなのだが、なのはのことがあり、フェイトに顔を合わせにくかったのだ。
「何やってんだよ……僕は……」
自嘲するが、それでも、フェイトの前に出て行く勇気が彼にはなかった。
しょうがないので、どこかで適当なベンチでも探そうと、彼女らに背を向ける。
「…そういえば、ハラオウン執務官。あの人は何なんです?教えてくれてもいいじゃないですか?」
ピタリ、と足が止まる。
141A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:12:29 ID:rf103U2x
「やっぱり、見られたのは失敗だったかな……」
苦々しげに、フェイトが呟く。
だが、局員は一向に構わない様子で、続ける。
「公園で一緒にいた人、どういう関係なんですか?」
「だから、さっきから何度も言ってるけど、ただの知り合い。それ以上でもなんでもないよ。」
公園…一緒にいた人、それはきっと自分のことだろうとユーノは考える。
この前、公園で一緒に食事をしていたのを、あの局員に見られていたのだろう。
誰かに見られた覚えはないものの、あの公園を貸切にしていたわけでもない。
しかし、フェイトはただの知り合いと言っている。
それがユーノの、自分のことであるならば、知り合いなだけではないはずなのに。

(きっと、フェイトは照れてるだけだ。……そうなんだ。)

ユーノは隠れながらも、彼女らの言葉を聞き逃すまいと耳をそばだて、そっとフェイトの表情を伺う。
気付かぬうちに、足が震え始めていた。
「そうは言ってもですね。一緒に昼食をとってましたよね?仲良さげだったじゃないですか。」
その言葉に、フェイトは不機嫌な表情を隠そうともしない。
普段は穏やかな彼女にしては、珍しかった。
「ただの愛想だよ。」
「愛想で、一緒にお昼食べるんですか?」
「……そうだけど。そんなに仲良さそうに見えた?」
「そうですね……遠目に見ると、初々しいカップルかなと。」
「止めて欲しいな、そういう冗談は。」
静かに怒りを込めて、フェイトは局員を睨む。
そんなことに一向に頓着しない性格なのか、無神経に彼女は続ける。
「冗談じゃないんだけどなぁ。…あの人、管理局でも結構有名な人ですよね?」
「そうだね。……それで?」
「いやぁ、あの人、フェイトさんのこと好きみたいですよ?」
「最悪だね………」
その声には、嫌悪感が溢れていた。
照れ隠しなどではない、本物の嫌悪が。
知らず知らずのうちに、固く握った右手からコーヒーが流れ出す。
それが靴を濡らしていたが、彼は気にも留めなかった。
確かに、自分は学士として名をあげている。
管理局での知名度もそれなりだという話を司書たちから聞いた覚えがあった。
だが、彼は『あの人』が自分であると思いたくなかった。
「そうみたいですよ。あの態度を見ればわかりますって。」
「…………………」
「まぁ、フェイトさんの態度は知らない人が見たら、あの人が好きだって思っちゃいますよ。」
「そっか。迷惑な話だね。勝手に、勘違いして。ただの愛想なのにね。」
忌々しげに、フェイトは呟く。
そこには、愛情も、友情も、何も存在していなかった。ただ、嫌悪を除いては。
「それで、本当はどうなんです?」
「じゃあ、言うけど…誰にも言わない?」
諦めたように、フェイトはその局員に向かい合う。
これ以上問答を続けても無駄だと悟ったのだろう。
彼女は、当然とばかりに大きく頷く。
「……クロノに、仕事の都合上で大事な人だから、丁重に扱って、って。」
「ああ、お兄さんの。はぁ、大変ですね。にしても、好きだなんて言われたらどうするんですか?」
「断るに決まってるよ。どうしてわたしが、あんな人と………!」
紙コップから、ぽたぽたと、雫が落ちる。
足の震えが、止まらない。
142A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:13:14 ID:rf103U2x
最近、管理局と無限書庫で大きな提携事業がある。
それが始まったのは丁度、あの動物園でのデートがあった頃。
クロノは、そこで責任者をしていたはずだ。
この前、スポンサーが気難しくて困るという愚痴を聞いた。
その時に、クロノはユーノの肩を叩き、こう言った。
『まぁ、何にせよ、君がこのプロジェクトで一番重要だからな。協力は、惜しまないでくれよ?』
公園、昼食、管理局でも有名…そして、クロノに仕事で関係のある人間。
「…………僕、か。」
そうはっきりと口にした瞬間、足の震えがピタリと収まる。
「つまり、恋人のように見えたのは、そういう風に演技してたから…ということですか?」
「演技…まぁ、そうかな。あの人に機嫌を損ねられると面倒だからね。」
「なるほど。」
「はっきり言うけど、わたしはあの人のことはなんとも思ってない。むしろ、大嫌い…そう、言えるかな。」
「はぁー…そこまでハラオウン執務官に言わせるなんて、よほど嫌いなんですね、その人。」
ユーノの思考が、急激に冷えていく。
今までの罪悪感に満ちた心が、嘘のように消えて。
彼女への気持ちが、色を失っていく。
凍りついたように止まっていた足が、動き始める。
こんなところには、あんな女がいる場所には一瞬もいたくないと。
「しかし、あの人も愛想だってわからないんでしょうかね?」
「……さぁね?よほど自分に自信でもあるんじゃないかな?」
後ろでまだ陰口を叩いているようだが、知ったことではなかった。
もう、彼の心は決まってしまったのだから。


「はぁ、なるほど。」
「じゃあ、もういいかな?」
多少は落ち着いたのか、刺々しい雰囲気をいくらか和らげて、フェイトは言う。
もうすぐ、休憩時間が終了してしまう。この後は仕事が詰まっているので、早く戻っておきたかった。
「いえ、本題がまだですよ。」
しかし、まだ言うことがあるのか、彼女はにやりと笑う。
いい加減疲れたのか、フェイトは何も言わずに去ろうとする。
「実は、スクライア司書長と一緒にいるところ、見ちゃったんですよね。」
ピタリ、とフェイトの足が止まる。
「さっき執務官があんなに嫌がったのも納得ですよね、他に恋人いるんですから。」
「ま、待って。確かにユーノとは恋人だけど、なんで貴女がそれを……!」
先程の冷徹な彼女とはまるで別人のように、フェイトは狼狽する。
「この前、喫茶店で見かけたんですけど…あのバカップルぶりはちょっと引きましたね……」
「そ、そうかな?あれくらい普通だと思うんだけど……」
「あれで普通……はぁ、そのスポンサーさんも勘違いする理由がわかりますよ。」
「……やめてくれないかな?その人の話。」
「わかりました。……とりあえず、司書長のどこが好きなんですか?」
「全部!ユーノは、かっこよくて凛々しくて、それで仕事も真面目でね。それで頭も良くって……」
「いやもう、すいません。わたしが悪かった……」
「ちょっと世間の目を気にしすぎるのが玉にキズだけど、それもユーノの奥ゆかしさだし、そうそう子供にも優しくて…」
抵抗を諦め、ぐったりと机にへたり込む局員に、力説を続けるフェイト。
ユーノが、今彼女のことをどう思っているかなど、まるで知らずに。

143A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:13:51 ID:rf103U2x
彼の足は、約束の場所、昨日なのはに告白された森へとたどり着いた。
無論、なのはに告白の返事をするために。
なのはから想いを告げられた場所。
そこで、先程の出来事を思い返す。
「フェイトは、僕のことをなんとも思っていなかった。」
告白される前であったならば、そのような事実はどうでもよかったのかもしれない。
「あの告白は……その後のことも、全部…演技、だったんだ。」
仕事の上で重要な人間だからと、それだけの理由で。
演技であったならば、フェイトが自分と付き合い始めてからすぐに甘えるような態度になったのも納得がいく。
喫茶店でいつも会っていたのは、なのはと自分の邪魔をするために必要だったからだ。
「割り切ってたように見えたのは、フェイトは最初から、なのはを諦めてなかったからだ。」
そうであるならば、なのはへの気持ちを整理する必要などないのだから、割り切ったように見えただけだったのだ。
「ははっ……とんだ馬鹿じゃないか、僕は。」
最初からずっとなのはだけを見ていればよかったのに、余計なことに気を取られたから苦しんで。
その挙句、それを理由になのはに嫌われる可能性だってある。
無論、それはフェイトだけの責任ではなく、それを受け入れてしまった自分の責任でもある。
「……なのはは、僕を許してくれないだろうな。」
それでもいい、今彼女に振られようと、なのはへの気持ちはもう変わらないだろう。
フェイトに再びその気持ちが傾くなど、今の彼にとっては悪い冗談でしかない。
自分のやるべきことは、なのはに自分とフェイトのことを話すこと。
そして、散々自分を馬鹿にし、嘲笑ってきた女を振り捨てること。
それだけだった。
ふと気付くと、足音が聞こえる。
待ち人が、来たらしい。
「ごめん、ちょっと待った?」
はぁはぁと、なのはがユーノに駆け寄ってくる。
「いや、僕も今来たところ。なのはも、別に走ってこなくてもよかったのに。」
「返事が、待ち切れなくって……はぁはぁ。」
まだ息切れしている彼女を、しばらく休ませてやる。
「ん…ふぅ。で、ユーノ君。返事、聞かせてもらえるかな?」
コクリ、とユーノは頷き、覚悟を決める。
これで、自分となのはの関係が終わることになろうとも、このことを隠したまま、彼女といることは出来ない。
「その前に、話したいことがあるんだ。聞いてくれるかな?」
そんな言葉を予想していなかった彼女は、一瞬キョトンとするが、すぐに頷く。
一体これからユーノが何を言うのか、不安と期待を織り交ぜながら。
「実は僕、なのはのことをずっと勘違いしてたんだ……」
「え?」
「なのはは、僕のことをなんとも思っていないって。どうせ友達ぐらいにしか思ってないだろう、って。」
「ご、ごめんね、ユーノ君。わたしが、不安にさせちゃったから…だよね?」
なのはは、自分のせいだと、責めるかもしれない。けれども。
「違うよ。僕が、結局なのはを信じることが出来なかったから。…………だから、僕は、他の人と関係を持った。」
なのはが息を呑むのがわかった。
罵倒されても構わない。
だが、それはすべてを言い終えてからだ。
本当になのはと向き合うためにはすべてを言わなければならない。
144A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:14:23 ID:rf103U2x
「誰……かな?」
うつむき、なのはは小さく呟く。
ユーノからは、その表情を窺うことは出来なかったが、暗い表情をしていることは容易に予想できた。
「……………フェイトだ、フェイト・T・ハラオウン。」
「……そっか、フェイトちゃんなんだ?」
「なのはが僕をどう思ってるかわからなくて、不安だったその時に、彼女は僕の近くにいた。だから、勘違いしたんだ。」
『勘違い』という言葉に、なのはは不思議そうにユーノの顔を見つめる。
「そう、勘違い。僕は、僕は、少なくともフェイトは僕のことを友達だって、そう思ってくれてるって…そう信じてたんだ。」
今にして思えば、恐ろしい勘違い。
自分となのはの仲を邪魔しようとしていた人間が、自分に好意を持つなど、あり得ないだろう。
何故、そんな簡単なことに思い当たらなかったのか。
「でも違ったんだ。彼女は、僕のことを邪魔者としか思ってなかったんだ……!」
悔しさに下を向き、拳をぎゅっと強く握り締める。
「それでさ、僕はフェイトのことが嫌いじゃなくてさ……だから、彼女の告白を、受けたんだ。」
「………………………」
「……けどさ、フェイトはなんで僕に告白したのか、わかっちゃったんだ。」
声は笑おうと努めるものの、瞳から流れていく涙が彼を笑わせてくれない。
「…………なんで、フェイトちゃんはユーノ君に?」
ぽつり、なのははうつむきながら、呟く。
その瞬間、ユーノの脳裏に、この三ヶ月の記憶が甦る。
今の彼にとっては、忌まわしいものでしかない、その思い出が。
「知ってる?あのプロジェクト。」
「あのプロジェクトって……ユーノ君とクロノ君が頑張ってる仕事のこと?」
こくり、と無言で彼は頷く。
クロノだって、ここまでやれとは言わなかったに違いない。
だとすれば、純粋な彼女の悪意だったのだ。
「そう。僕の協力が必要だから……だから、ご機嫌をとっておけだってさ。あはは、おかしいよね……」
涙が、溢れて止まらない。
自分は、フェイトを好きになっていた。
少なくとも、なのはと比べるのが容易ではないくらいにまで。
けれど、それはすべて、自分の独りよがりだったのだ。
フェイトにとっては、接待の仕事でしかなかった。
自分は、悪意や、嫌悪の対象でしかなかったのだ。
信じれば、信じるほどにあのフェイトの言葉は彼の心に深い爪痕を残していく。
止めようとしても、ハンカチで何度拭っても、涙が止まらない。
すっと、頬に手が触れる。優しい、その手が。
「ユーノ君……泣かないで?」
その手は、ユーノの涙をそっと手で拭う。
「いいよ、ユーノ君。ユーノ君は『僕が悪い』って言ってたけど、ずっと不安にさせてたわたしにも、やっぱり責任はあるよ。」
「でも!僕は、なのはを裏切って……!」
「いいの。そのことは、もう忘れよう?そんな酷い人のことなんて。」
悔しくて、情けなくて……嬉しくて、涙が止まらない。
なのはは、こんな自分でも、いいと言ってくれるのだろうか?
わからない、けど、彼女は自分を許してくれたと、そう思えた。
少なくとも、友達のままでは、いられるのだと、ユーノは嬉しかったのだ。
「今、ユーノ君はわたしにその話をしてくれたよね、それはどうして?」
「どうしてって、なのはにはどっちの返事にしろ、言わなきゃいけないって思ったから……」
そう、例え、自分がフェイトの嘘に気付かなかったとしても、彼女には告げるはずだった。
彼女を振ることになろうが、そうでなかろうが。
「それで、告白の答えは?」
なのはには、自分の返答など、わかっている。
わかっていて、あえて聞くのはその理由を、なのはを選んだ理由を自分に言わせるため。
「僕は、なのはと……一緒にいたい。今まで、気付かないで過ごしてた時間を、二人で取り戻したい。」
ユーノは、しっかりとなのはを見つめて誓う。
この言葉は、かつての自分なら迷いなく言えただろうと、意味もないことを考えながら。
なのはは、じっとユーノの瞳を見つめ返す。
彼女の聞きたいことは、それで終わりではないのだ。
145A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:14:55 ID:rf103U2x
「フェイトちゃんへの当て付け……なんてことは、ないよね?」
「それは、違う。僕は、彼女のことはもう考えない。」
正直に言えば、考えないのではない、考えたくもないのだ。
自分を裏切ってきた人間のことを、誰が進んで考えるものか。
「ねぇ、それは……ユーノ君は、わたしだけを、『高町なのは』だけを見てくれるって、そういうことだよね?」
うつむき、彼女はユーノの上着の袖をぎゅっと掴む。
微かに、震えながら。
きっと、これは、不安に震えているのだろうと、ユーノは優しげになのはを見る。
「うん。僕は、もう……なのはを、裏切らない。」
その言葉に、なのははユーノの胸に飛び込む。
なのはは、胸に顔をうずめ、ユーノから表情を隠す。
見られたくなどない。
ユーノを手に入れたという、愉悦に打ち震えているその自分を、表情を。
「そう……わたし、嬉しいな。ユーノ君が、そう言ってくれて。」
溢れ出る笑みを殺すように、なのはは静かに呟く。
「ユーノ君、あったかいね…こんなにあったかいなら、わたし、ずっとユーノ君の近くにいればよかった……」
甘く、甘く。
それは、傷ついたユーノの心に、心地よく沁みていく。
「もう、忘れるよね?考えないよね?フェイトちゃんのことなんて。」
「ああ、もちろ…んッ!?」
うつむいていたなのはが、顔をあげるやいなや、ユーノの唇を奪う。
キスされたと認識したユーノは、突然のことに後ずさる。
「な、なななのは!?」
狼狽するユーノとは反対に、なのはは明るく、にっこりと笑む。
「ダメかな?ユーノ君、OKしてくれたんだよね?」
「あ、ああ……したけど……」
「じゃあ、いいよね。」
嬉しそうな彼女を見て、ユーノは思う。
これまでずっと、なのはとこんなことをしたことがなかったと。
「なのは…なのはも、恋人らしいこと、したかったんだ?」
「うん。でも、教官だから…そんなことしちゃいけないかなって。……でも、もういいよね?甘えても、いいよね?」
ぎゅっと、もう離さないとばかりになのははユーノを抱きしめる。
ユーノも、無言で抱き返す。
それが、彼女への返答だった。
「ユーノ君、これからは一緒にいようね?………ずっと、ずぅっとだよ?」
嬉しそうに微笑むなのはは、ぞっとするほどに、綺麗だった。

146A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:15:27 ID:rf103U2x


これですべてが終わったわけではなかった。
そのことは、誰よりもユーノが承知していた。
なのはとの話を終え、彼は一人。
木に寄りかかるように、ぼんやりと立っていた。
ユーノは、フェイトに別れを告げるために、ここに残った。
彼の感情としては、もう会いたくもなかったし、メールで済ませたかった。
だが、芝居が見破られたと知ったとき、どんな表情をするか興味もある。
なのはは自分から言おうかと言ってくれたが、これは他人に任せるわけにもいかなかった。
彼は最後になるだろう、フェイトへのメールを見直す。
内容は、すぐに森に来て欲しいと、ただそれだけ。
このメールを見れば、彼が自分に会いたいのだと勘違いするだろう。
本当は、まったく別の内容なのだが。
よく考えれば、文字から本当の感情など、読み取れるはずなどない。
見直してみれば、フェイトからのメールがすべて事務的な、冷たいものに感じられた。
どんな表情をして、このくだらない内容を打っていたのだろうか?
「………もうそんなこと、どうでもいいか。」
軽く指がボタンに触れ、メールが送信される。
よく考えれば、どうでもいいのだ。
どうせ、今日ですべてが終わるのだ。
フェイトのくだらない演技、騙されつづけた自分が。
しばらくして、返信が届く。
あと十分もすれば来れる、そう書いてあった。
フェイトとの終わりまで、あと十分。





147A crossroads of Fate END1:2007/12/28(金) 02:19:28 ID:rf103U2x
さてさて、ユーノ君はなのはさんを選んだようですよ?


修羅場を期待していた方、またしてもすいません。
こんな内容でも読んだいただけると嬉しいです。

ちなみに、ハーレムルートやアクションシーンは存在しませんのであしからず。
148名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 02:52:19 ID:Tz28FGS0
>>147 GJです!
最初のフェイトと局員の会話の部分を読んでた時はPCの前で開いた口が塞がりませんでしたが、よもやこんな展開になろうとは・・・
ユーノの名前を出すなり局員にのろけまくる彼女の姿が切ないです・・・・
あと本筋とは関係ありませんが、フェイトに嫌われまくってる『あんな人』とはどんな御仁なのか少し気になりましたw
149名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:09:35 ID:IAMl5NxU
なんともGJなおてまえで。
さて、俺もなんか投下しようと思ったんですが、よろしいですか?
非常にお馬鹿な内容なんですが・・・・

150名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:14:32 ID:ugW3N1kV
>>147
修羅場を密かに期待していたが……とにかく都築を期待!!

>>149
構わん!
俺の頭上に落とせ!!
151名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:18:57 ID:Ru40zHhv
>>146
いやっほぅ! 待ってた物の続きが来たぜ!
この後の展開がwktkすぎる。GJ!
152名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:18:57 ID:IAMl5NxU
では、遠慮なく。
主人公はヴァイス&グリフィス&エリオ(六課の男組)
あるところへお出かけするお話です。
ついでに一言
「自分・・・・初めてですから・・・・」
153名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:20:48 ID:FyruHhXU
>>147
GJ
END1はこれで終了だよね?
154漢たちの挽歌 その1(1/2):2007/12/28(金) 03:21:50 ID:IAMl5NxU
注意:捏造設定ありです。では本編どうぞ



新暦075年12月某日2200時 機動六課のとある一室

此処で三人の男が集まりひそひそ会話を繰り広げていた。

「で、陸曹。明日のパーティーの準備は?」

「うす、しっかり根回ししてあります。紹介状もしっかり人数分」

「今更ですけど、本当に僕も行って大丈夫何ですか?・・・そういうお店にはまだ行っ
たことないんで良くわからないんですが」

ちなみに警備のカメラなどの死角となっており、三人の密談は誰にも知られず進行して
ゆく。

「問題はありませんよ。ミッドでは就職している時点で成人したものと見なされますからな
んら法に抵触しません」

「そうそう。第一、法に触れるようなら提督ともあろう人物が協力してくれるわけないだろ」

「そ、ソレもそうですね。×××さんちゃんと人数分の紹介状用意してくれましたし」

「では諸君、明日2000時ヘリ格納庫前に集合ということで」

『了解!』
155漢たちの挽歌 その1(2/2):2007/12/28(金) 03:23:57 ID:IAMl5NxU
翌日2000時 機動六課ヘリ格納庫前

「山」
「川」

闇にまぎれて暗号を交わす3人の男。皆妙にめかし込んでいる。

「よし、三人そろったな。誰にも見つかってないだろうな?」
「僕は大丈夫です。シャーリーも当直で何の疑いもなく引継ぎをしてました」
「俺も大丈夫だな。勘ぐる奴がいないから楽だった」
「僕のほうもキャロやフェイトさんにはバレてませんし」
「つーか男の隊舎だから見られる心配ねーだろ?」
「いえ、夕食を一緒にと誘われて・・・断ると不自然でしょうしそこそこに」

そろそろ名前を出してもいいだろう。グリフィス・ロウラン、ヴァイス・グランセニック、
エリオ・モンディアル。この三名は今夜極秘任務に参加するのだ。


目標は・・・


「気ぃつけろよエリオ。この任務は極秘中の極秘。ばれたら俺達は終わりだ」
「(ごくっ)はいっ」
「そう、慎重に慎重を重ねて且つ大胆に。とてつもなく困難な任務・・・いや使命なんだ」


ミッドチルダ首都・・・


「いいか、俺はともかくお前達二人は初の体験だ。最初は戸惑うかもしれないだが・・・」
「それでも折角のチャンス。やるならとことんまで」
「どんな状況でも楽しんだ方が勝ち。ですね」


クラナガン繁華街・・・


「さあ、車の準備は出来てる。準備は良いか?」
「いつでも!」
「何処へでも!」


の裏路地・・・・


「じゃあ行くぜ!漢のパラダイスへ」
「準備(軍資金)は万端(たっぷり)行きましょう!」
「フェイトさん・・・僕は今夜漢になります!!!」


ぶっちゃけランパブだった。
156漢たちの挽歌:2007/12/28(金) 03:25:54 ID:IAMl5NxU
その1はここまで。どんな感じでしょう?

追伸
とりあえず、その2(2/3)まではできてますが
157名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:33:56 ID:3SRx6XZd
待てやヴァイスwグリフィスはともかく十歳のガキをランパブ連れてくなw
158名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 03:46:36 ID:QhXciWlo
>>147一人に限ったことではないけどカップリングは逐一書いて頂きたい
それとも何ですか
保管庫から一々発掘したり好きでもないかも知れないカップリングのものをわざわざ読め、と
嫌いな奴だったら業腹なんですが?
159名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 04:06:57 ID:yfDcJVAA
この場合はネタバレになるからだろ…
>>1見ろよ。できる限りって書いてある。
まぁ、保管庫に収容されたらカップリングもタグ分けされるだろうがな。

…って、ageてまで難癖つける奴に真面目に答えてもしょうがないか?

>>156
大人の階段のーぼる♪
エリオ…そんなに楽しみかwwGJww
160名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 04:22:02 ID:QhXciWlo
何も「絶対に書け」とは言っていないんですけどね、カプ
構いませんとも
一々手間掛けて保管庫から掘り返すのも一興ですし
候補、予定すら書けない、
後で全く読み手が予想もしない様などんでん返しが作者様の意図だとするなら楽しみにしましょうとも

で、あなた作者?
161漢たちの挽歌:2007/12/28(金) 04:33:25 ID:IAMl5NxU
話の流れを追ってしまってあれなんですが、
どうもしばらくネットが使えなくなりそうな
ので今ある文を投下してしまおうと思ったん
ですがokですか?
162名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 04:38:03 ID:Ru40zHhv
>>161
落とせる時に落としちまいな!
163漢たちの挽歌 その2:2007/12/28(金) 04:39:30 ID:IAMl5NxU
では、いきます!

2030時  とあるランパブ前


車を止め三人の男達は悠然と目的地に到着した。

「こ、ここがクラナガン?」
「うわぁ、綺麗なお姉さんがイッパイだ」

訂正、約二名はキョドっていた。

「おいおいお前ら、まだ店にも入ってないのに何はしゃいでんだ?本番はこれからだぜ?」

妙な貫禄と共に継げるはヴァイス。ていうか普段からそれぐらい威厳を醸し出しとけばいい
のに・・・・

それはともかく、受付のため三人はその中へ。


受付には5分ほどかかるので、ここで少しこの店について紹介しよう。


此処、ミッドチルダは管理局の地上における本拠地といえる場所。ましてやその首都ともな
れば経済的にも発展するのは自明の理である。
人が増えればもちろんその欲望を形にしたものが出来るわけで、かといって堂々表に作る訳
にもいかずこういった裏路地に店が集中するの無理からぬ話である。
さて、先ほども言ったが此処は管理局の御膝元。当然お偉いさんの接待などはあるわけで、
結果として高級クラブなどもこういった場所にある(裏路地とはいえ下手な地方都市の繁華街
よりもずっと賑わっている)。そしてお偉いさんも当然人間な訳で、スケベ心はあるわけで・・・・
結果としてそういった接待の後にはこういったお店に結構の人が行きたがる。
しかし問題がないわけではない。偉い人が接待とはいえこういったお店に行くわけにはいかな
い(スキャンダル的な意味で)。だがイキたい・・・・もとい行きたい。
ではどうするか?その答えがこの高級ランパブその名も『マイバッハ』である。
オーナーのクラース・ライ・ダイムラー氏は元AAAの魔導師で結界の技術に関してはオーバーS
でも対処に手こずるほどであったという。その技術を応用し彼は管理局に許可申請し(勿論裏で)
常に結界で覆われた“提督及び将校クラス限定”、“一見さんお断り”のランパブを作ったのだ。
其処はまさしく幻の館。一定階級以下のものには場所を特定することすら不可能な程の隠蔽工
作、店の周囲に張られた結界は方向感覚を狂わせる効果があり特殊な会員証を持たなければ近
寄ることさえ出来ないという念の入れっぷり。更にフォーカス対策にはカメラを使うと何処か
らともなく“その筋”の人たちが現れカメラを破壊する等々。
しかし此処で一つの疑問が出てくる。“提督及び将校クラス限定”で、何故彼らがこの店に入
ることが出来るのだろうか?
164漢たちの挽歌 その2(2/4):2007/12/28(金) 04:41:25 ID:IAMl5NxU
すいません。分数打ってませんでした。とりあえずどうぞ


「グリフィス・ロウラン様、ヴァイス・グランセニック様、エリオ・モンディアル様。紹介状
の確認が終了いたしました。それではこちらへどうぞ」

と、ウエイターが丁寧に三人をVIP席へ案内する。
彼らが入れた理由はたった一つ、招待状があったからだ。
招待状も易々と入手できる物ではない。なにせ一部上級の人間にしか知らされない店だ。下手な
人間が手に入れればソレこそスキャンダルを呼ぶことになる。

しかし彼らはソレを手に入れた。それは何故か?
話は一週間前にさかのぼる・・・・。






その日、ヴァイス・グランセニック陸曹は非番にもかかわらず珍しく管理局本局などとい
う場所にいた。とある返上した資格の再交付の為である。たまたま用事のあったエリオと
グリフィスも一緒だ。
この三人意外と仲がいい。理由は単純、6課にはほとんど男がいないからである。(宇宙
の神秘か神の思惑かは不明だが)結果として数少ない男同士、結構話もしてたりしている。
エリオにとっては兄が二人いるようで楽しかったし、ヴァイスとグリフィスはいい友人(二
人ともプライベートでは階級を気にしないという風に合意している)と弟分が出来てやはり
それなりに楽しかった。

今日も今日とていろいろ話をしていた。
「いやー、グリフィスがいて助かったぜ。普通再交付とかってえらく時間がかかるじゃね
ーか。書類とか事前にそろえたりさー」
「ふふ、そうですね。いわばもう一度資格を取り直すようなものですから。でもまあ、以
前の経歴とかも結構きいてきますから完全に僕のおかげというわけでもないですよ」
「いやいや、結構忘れてたモンもあったしほんっと助かったよ。ありがとな」
グリフィスの発言に首を振りつつ礼を言うと、エリオがうれしそうに言う。
「ともかく、これでヴァイスさんも武装局員に戻ったわけですね。訓練は次の出勤から参
加するんですか?」
「おう!・・・・と言いたいとこなんだがしばらくは端っこの方で錆落としだな。射撃の腕は
なまっちゃいと思ったんだがどうもやっぱり戦闘中のカンみたいなもんは鈍ってるみたい
だしな」
「うーん、僕は魔導士ではないから良くわかりませんがソレこそ訓練で取り戻すべきとこ
ろでは?」
一般的には当然と思われることを問うグリフィスに、チチチと指を振りながらヴァイスが
返す。
「そりゃ、基礎がある程度だけ出来てるとか真っ更の状態とかならそうなんだがな、俺み
たいに中途半端で長いこと放置すると訓練を始めてもすぐには馴染まないんだそうだ。し
ばらくは訓練を遠くで見て自分ならどうするかとかを考えとけってさ」
所謂イメージトレーニングである。もとよりヴァイスの戦闘スタイルは地球の狙撃兵
のそれに近い。其処まで動き回らずとも効果的に敵をしとめることができるように立体的
且つ、有機的にそして相手の心理を読まなければ・・・(4kB分略)・・・というわけなのだ。
「なるほど、いや参考になりました」
此処で一通り話に区切りがついたらしい。丁度その時・・・・
165漢たちの挽歌 その2(3/4):2007/12/28(金) 04:42:06 ID:IAMl5NxU
「あっ!クロノさん」
向かいの方から歩いてきたのは現・XV級巡航艦クラウディア艦長で6課の後見人でもあ
るクロノ・ハラオウン提督であった。
「やあ、エリオ。それにグリフィスも久しぶり。えーっとあと君は機動六課の・・・」
「ヴァイス・グランセニック陸曹であります!」
さすがのヴァイスも提督の前では緊張するのかいつもよりシャンとしている。
「君たちはあまり本局のほうには用事がないと思っていたが何かあったのかい?」
「ええ、こちらのヴァイス君がしばらく返上していた武装局員の資格を再取得するとい
うんで付き添いをかねて、その他もろもろの手続きを」

なお、グリフィスが処理した手続きは本来はやての仕事だが、彼女はJ・S事件での負傷
を理由にグリフィスに一任した。ちなみにその負傷とは書類の書きすぎによる腱鞘炎だ
とか。・・・・・・いや、もしかするとただのサボリかもしれない。


閑話休題。

「そうか。大変かも知れないが、六課の試験運用期間ももうすぐ終わりだ。あと少しがん
ばってくれ」
「はい!」
「「了解!」」
3人の返事に満足そうにうなずくと彼は一言つげて帰るつもりであった。
しかし、ここで悲劇が(いや、喜劇かも)おきた。

はらり。

クロノの服から一枚の紙片が落ちた。
そして、エリオがそれを類稀な反射神経を持って捕らえた。
そこには
『またのお越しをお待ちしています。 マイバッハ:キャサリン』

空気が凍った。
「えーっと」
エリオは戸惑い、
「これは?」
グリフィスは困惑し
「なっ!」
ヴァイスは驚きに目をむき
「・・・」
クロノはただただ沈黙するしかなかった。
166漢たちの挽歌 その2(4/4):2007/12/28(金) 04:42:31 ID:IAMl5NxU
side Chrono

どうする、どうする どうする!
これはまずい、かなりまずい。
今まで執務官、提督と重要な決断を迫られる立場にいたが、これはある意味最大級のピンチ
ではないのか?
エリオに見られたのが特にまずい。エリオは何のことかはわからないかもしれない、だか
らこそ日常の会話でうっかり出てしまうやも知れない。そしてエリオはフェイトの保護下に
ある。つまり・・・・・・・

エリオ→フェイト→エイミィ

まずい。とてつもなくまずい。これでは僕の命が・・・・・いやまて、相手は子供。何かを
与えての口封じ。もだめだぁ!グリフィスにもヴァイス陸曹にも見つかってるー!
どうする、グリフィスはへたをするとはやてに、すると・・・・

はやて→フェイト→エイミィ
or
はやて→エイミィ

どっちにしろエイミィにつながってしまう!
僕の命は風前のともし火か、


ピコーン


「なあ、君たち。これ(名刺)のことを黙っていてくれたならここ(ランパブ)の招待状を融通
しようと思うんだが・・・どうだ?」

side out


と、その後大人二人だけに招待状を渡すつもりだったが、エリオが自分もいきたい!と言い
出したため結局彼は3人分の招待状の都合をつけることになってしまった。
招待状は、年間1人1枚しか出せないため友人のV・A査察官とY・S司書長に協力してもらう
ことになった。彼らも身内や想い人に内緒でこういう店に通っていることをネタにされては
首を立てに振るしかなかった。
167漢たちの挽歌:2007/12/28(金) 04:43:27 ID:IAMl5NxU
とりあえず、現在出来上がっている所までです。
では、
168名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 05:14:24 ID:vrNGtDz4
>>167GJ
続きwktk
169名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 07:49:45 ID:K04usaqE
>>167
GJ!!
なんつーことを・・・V・A氏は誰も疑わないだろうけど
Y氏はないだろうw
170名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 08:27:50 ID:Dbss9C5w
駄目だこいつら、はやくなんとかしないとw

>>121
そういやレジアスの奥さんってどんな人なんだろうか
なんか早死にしてそうなイメージがあるんだが
17139-362:2007/12/28(金) 08:33:48 ID:rf103U2x
えっと、END1のことですが、後数回続きます。
あと、カップリングはユノフェかユノナノになると思われます。
カップリングについては書き忘れていました、すいません。
172名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 09:05:13 ID:J+pD+6ze
>>167
エリオ〜〜!君がそこに行くのは色々な意味で危険じゃ〜w
>>121
GJ!何だかマジで良さそうな予感。しかし周りの衝撃を想像するとw
173名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 10:20:17 ID:KETxrREi
>>169
V・A氏は脳筋シスター辺りに頭を冷やされそうw
174名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 10:45:46 ID:icpvwz5p
>173
「シスター・セイン、この6人に、『いしのなかにいる』気分を味合わせなさい」
「まず、シスターなのが前提ですか!?」
175名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 11:18:38 ID:yfDcJVAA
>>167
男ってやつぁーw
GJww
176名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 12:10:23 ID:AJk/f0F9
>>171
GJ!
想像以上の下り坂な展開にニヤニヤが止まらないです。
続きも期待しまくりで待ってます。
177( ゚Д゚):2007/12/28(金) 12:18:23 ID:klHggAxc
>>146
別分岐、漁夫の利エンドなる単語が浮かんだ。
どうすればいいですか?
178名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 12:32:15 ID:9bP3+9e4
>>146
なんてナイスな修羅場展開!
胃が痛くなってきたのは俺だけじゃないはず


漢ってやつはいつもこうなのよね
エリオ、お前は帰れよ

どちらもG・J!!
続きが気になって仕方ねぇ
179 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/28(金) 12:59:43 ID:NX2EyCYH
久し振りに書きます

・祝 ! ! お 馬 鹿 フ ェ イ ト 大 復 活 ! !

・時間軸的には三期終了後だからなのは達は20歳になってる
・軽いオマケ程度だけどエロっぽいのあり
・キャラ改変上等
・フェイトを神格化してる人は見ない方が幸せ
180ユーノが盗った物 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/28(金) 13:01:11 ID:NX2EyCYH
「ユーノ=スクライア! 貴方を窃盗の容疑で逮捕します!」
突然何の前触れも無くユーノがフェイトの手によって逮捕された。
これで管理局全体が震撼しないはずはない。無限書庫司書長が窃盗によって逮捕されたのだ。
新聞社やTV局も大騒ぎ。翌日の新聞の三面記事のトップを飾るのはまず間違いない…が…
しかし、一つ解せない所があった。それは罪状が窃盗と言う事なのであるが、
具体的に何を盗んだのかと言う事が明らかにされていない所である。
「ユーノ=スクライア司書長が窃盗の容疑で捕まったとの事ですが、一体何を盗んだのですか?」
「そ…そういや何を盗んだんだろうな…。」
「え? 分からないんですか!?」
新聞社の記者が局員に質問をしても、肝心の管理局でさえ何を盗んだのか分からない始末。
あろう事か、むしろ何故ユーノが逮捕されなければならないのか理解出来ないと言う者も沢山いた。

「ユーノ君が逮捕されたって本当なの!?」
この騒ぎで彼女、高町なのはが動かないはずはない。そしてフェイトに手錠をかけられた状態で
連行されていたユーノの所へ駆け付けていたのである。
「僕は無実だー! 濡れ衣だー! 僕は何も盗ってなーい!」
「何を往生際の悪い。大人しく歩きなさい。」
ユーノ本人もまたワケも分からずに逮捕されて混乱しているらしく、涙目になりながらも
必死に無実を訴えていたが、フェイトは構わずに彼を連行していた。
「フェイトちゃん! ユーノ君が窃盗なんてやったのは本当なの!?」
「なのは…。」
ユーノが心配で仕方が無いなのはもまた涙目でフェイトに問い掛けるが、
フェイトは冷静な目でなのはを見ながら頷いた。
「そう。ユーノは無限書庫司書長と言う身でありながら窃盗を働いたんだ。」
「だから僕は何も盗ってなーい! これは濡れ衣だー! 本当信じてよー!」
「ユーノ君本当に何も盗って無いの?」
「そうだよ! 本当に何も盗って無いよ! って言うかいきなりフェイトに逮捕されて
僕自身ワケが分からないよ! 一体僕が何をしたっていうんだい!?」
ユーノは涙目でフェイトに再び問いかけるが、フェイトは厳しい目で答えた。
「だから窃盗の容疑があると先に言ったでしょ?」
「じゃあユーノ君は何を盗んだの?」
「そうですよ! スクライア司書長は一体何を盗んだんですか? まずそこが知りたいです。」
なのはの疑問の後で割り込んで来たのは周囲にいた名無しの局員。
確かに未だユーノが具体的に何を盗んだのかと言う事が不明のままである。
でありながらフェイトが突然ユーノを窃盗の容疑で逮捕したのだから、ワケが分からない。
管理局としてもまずそこはハッキリさせて欲しかった。だがそれだけでは無い。
「我々としても何を盗んだのかも知っておきたいですね。じゃないと記事に出来ません。」
「私達もニュースに流すには盗んだ品が何かも把握しておく必要があります。」
と、新聞社とTV局の人間もまたそう口を合わせて質問をしていた。
皆は知りたがっていたのである。何故ユーノが逮捕されなければならないのか? と言う事を…
「ほら、みんなもこう言ってるからフェイトちゃん教えて。ユーノ君は何を盗ったと言うの?」
最後にトドメとして再びなのはの口からフェイトに問い掛ける。そしてやっとフェイトの口が開いた。
「ユーノはなのはの凄く大切な物を盗んだんだよ。」
「え? ユーノ君が私の何を盗んだと言うの?」
「何も盗って無いよ!」
181ユーノが盗った物 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/28(金) 13:02:55 ID:NX2EyCYH
ユーノはやはり無実を訴えていたが、なのはも少々疑問に思った。
何しろ別に自分の持ち物で何か無くなったと言う事は全く無かったからである。
「別にお金が無くなったワケでも無し…貯金通帳や印鑑…カードなんかも無くなってないよ。
私の家には他に盗まれる様な貴金属品なんて無いし…あ! もしかして私の下着とか!?」
「そりゃ〜僕だってなのはの下着には興味あるけど…でもそんなの盗って無いよ!」
さりげなく爆弾発言かますユーノだが、それでも無実を主張。そしてフェイトは言った。
「そんな物じゃない。もっと大切な物だよ。」
「もっと大切な物?」
もっと大切な物と言われてなのはも首をかしげた。お金より大切な物とは一体何だろうと…。
レイジングハートは何時もの様に首に下げているし、娘のヴィヴィオに何かあったと言うのなら
それは窃盗事件では済まないはず。ユーノは一体何を盗んだと言うのか…
「分からないよ。フェイトちゃん良い加減に教えてよ。ユーノ君は何を盗んだの?」
「まだ分からないの!? ユーノはなのはの大切な処女膜を奪ったんだよ!!」
「エエ―――――――――――――――――――!?」
先程まで冷静だったと言うのに突然テンション高くなったフェイトの主張に皆は愕然とした。
むしろこれで愕然としないはずは無いだろう。
「そ…そんな事で!? そんな事で逮捕したんですか!?」
皆は大騒ぎである。そんなしょーも無い理由で逮捕されるのはいくら何でも
無理があり過ぎると言うのは誰の目にも明らかであるから…。
そして、それでも逮捕されるにはどういう事があるのかと考えた結果…
「なるほど! 分かりました! ですがその場合窃盗では無く強姦に当たるのでは?」
新聞社の記者の一人がそう質問をした。要するにユーノが逮捕されたのは
無限書庫司書長としての仕事の重圧やストレスが溜まり、若さと性欲余って
なのはを押し倒して犯してしまったのでは? と予想したのである。
「そ…そんな事無いよ! 私ちゃんとOKしたよ!」
そこで顔を真っ赤にしながらユーノのフォローを入れたのは当然なのはである。
確かになのはがユーノとやったのは事実であるが、強姦とかそういう事では無く
ちゃんとした双方の同意による物であるからして、逮捕される様な要素などありはしない。
「お二方ともに既に成人してますから、成人した大人同士の同意に基く物ならば犯罪では無いですね。」
「そ…そうだよ…そうなんだよ…。」
とりあえずその場の新聞記者やらTV局の人やらは納得してくれていたが、なのはは
死ぬ程恥かしかった。皆には秘密にしていたはずのユーノとの夜の行為が皆に広く知れ渡ってしまったの
であるから…。しかし、ユーノが不当に逮捕されてしまう事に比べれば…その位の恥は我慢出来た。が…
「いいや! これは十分に立派な犯罪だよ! なのはの処女は私が貰うはずだと言うのに
ユーノなんかがなのはを抱いてバコバコバコバコバコバコバコバコバコバコ(以下中略)
これが犯罪以外の何だと言う!? 私は認めないよ! よってユーノをなのはの処女窃盗罪で逮捕した!」
「エエ―――――――――――!?」
やはり凄いテンションで主張するフェイトに皆は愕然としてしまうが…なのはは引いていた。
「フェイトちゃん…それ絶対におかしいよ…。」
「なのは!?」
「女の子同士でそういうのって…やっぱり不味いよ…。」
「なのは! 何を言ってるの!? なのはは私が嫌いなの!?」
なのはに己の主張を否定されて涙目になるフェイトだが…なのはは厳しい目で答えた。
「そんな事は無いよ。私もフェイトちゃんは好きだけど…でもフェイトちゃんが考えてる様な
意味での好きは絶対に無いよ。それに…今回の事で少しだけ嫌いになっちゃったかも…。
やっぱり女の子同士でそういうのってダメだよ。どうして私がユーノ君好きになっちゃダメなの?」
「…………!!」
182ユーノが盗った物 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/28(金) 13:06:11 ID:NX2EyCYH
なのはの口から言われた否定の言葉はフェイトにとってどんな攻撃よりも大きな威力を持つ物だった。
「ユーノォ! これでまた一つ罪状が増えたぁ! まんまと盗みおって! 今度こそ逮捕死刑決定!!」
「エエ――――――――――――――!?」
なのはに否定された憂さをユーノにぶつけるフェイトに皆は又も愕然とした。
「ユーノ君は何も盗らなかったよ! 私の為に忙しい中を態々休暇まで取ってくれたのに…。」
「いえ! ユーノはとんでも無い物を盗んで行きました! 貴女の心です!」
「それの何処が犯罪なんですか? 普通に良い話じゃないですか…。」
結局この主張もまた皆にとって呆れざるを得ない物で、誰もが気まずい顔になっていた。
「いーや! これは十分立派な犯罪! なのはは身も心も私の物だと言うのに
それを盗んで行ったユーノの行為は即射殺されてもおかしくない大犯罪だよ!」
「はいはい大犯罪大犯罪。って事でそこでスクライア司書長は釈放しましょうよ。」

無論この事件はフェイトのお騒がせ事件として処理され、ユーノもまた
汚名を返上した後にその場で無罪放免、釈放となった。しかし…事件はまだ終わってはいなかった。
「とりあえず、アングラでは周知の事実と知られていたとは言え、一般的には暗黙の了解的に
無いと言う事にされていたスクライア司書長と高町教導官の交際が公式の物となったとして…
ハラオウン執務官はどうやってお二方の夜の行為を知ったのですか?」
「そう言えばそうだよ! フェイトちゃんはどうやってそれを知ったの!?」
確かに皆の疑問ももっともである。今回の事件の発端はフェイトがなのはとユーノの夜の行為を
何処かで知った事がそもそもの原因であるからして、どうやって知ったのか皆は気になった。
「決まってるじゃない! なのはに変な虫が付いたりしない様になのはの家の各所に
隠しカメラ仕込んでちょくちょく監視してたんだよ私は!」
「そっちの方がよっぽど犯罪じゃね―か!!」

この後、なのはの家を調べた結果、確かにフェイトの言った通りの隠しカメラが多数発見された。
そしてフェイトの家でそのカメラの撮影した映像を見る事が出来る様になっていたり、
映像を記録したディスクも多数発見されていたのであった。
無論その中にはなのはとユーノの夜の行為の映像も存在している。
「フェイトちゃん酷いよ! ユーノ君を変な理由で逮捕するだけじゃなくて
こんな事までしてるなんて最低だよ!」
流石に今度ばかりはなのはでも我慢は出来なかった。フェイトがディスクに記録していた
映像の中にはなのはの着替えやら入浴やら…果てにはトイレの中での映像も多数に
存在していた故にこれで怒らないはずは無いだろう。

翌日、『盗撮執務官逮捕!』の記事が各社新聞の三面記事のトップを飾った。
                  めでたしめでたし
183 ◆6BmcNJgox2 :2007/12/28(金) 13:07:33 ID:NX2EyCYH
フェイトの扱いに関する苦情は一切受け付けませんのであしからずorz
184名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:09:19 ID:fqgTFGz7
185名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:10:40 ID:fqgTFGz7
>>183
中途での送信失礼。

フェイトのおばかっぷりに激しくワラタww
こういうフェイトもかわいくて好きですw

GJ!
186名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:14:55 ID:4uKmtu4O
>>183
あなたは最高です
187名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:34:14 ID:Dbss9C5w
もうどうしようもないな、この執務官w
188名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 13:40:22 ID:F22Erizw
もっとシュールな感じに微妙に頭の弱いフェイトさんを見たい
つぶあんうめぇ
189B・A:2007/12/28(金) 13:44:55 ID:mjp927HN
>183
GJ

久し振りに腹の底から笑わせてもらいました。


ところで、投下したいんですがおk?
190名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 14:02:20 ID:Wb2XUgta
>>183
GJ
>「いーや! これは十分立派な犯罪!
あまりのアホっぷりに噴いた

>>189
どうぞどうぞ
191名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 14:04:23 ID:kL6g4Dp+
最近エロオ分が不足している・・・
誰かプリーズ!
192名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 14:11:42 ID:Q04ZVKKJ
>>183
盗んだ物の予想はついていたものの、久々に笑った

>>191
それはお前がやるんだよ! お前が信じるお前を信じろ!
193B・A:2007/12/28(金) 14:15:29 ID:mjp927HN
では、いかせて頂きます。


・A’s6年後、フェイト15歳です。
・凌辱ものです。
・前スレで投下したクロフェものと地味に繋がっていますが、
 読んでいなくても大丈夫です。
194執務官、襲われる@:2007/12/28(金) 14:17:56 ID:mjp927HN
ここに閉じ込められて、どれくらい時間が経っただろう?
暗闇の中で、フェイト・T・ハラオウンはぼんやりと考えた。
それはある日のこと、自宅で家事に専念していたフェイトは、突然、何者かに後ろから組み伏せられた。
そして、両腕両足にバインドを施され、口に猿轡を噛まされたまま暗い押入れの中に閉じ込められたのだ。
(そろそろ・・・・・かな・・・・・・?)
フェイトが思った直後、押入れの扉が開かれ、自分をこんなところに閉じ込めた男が現れる。
「・・・・・・ふぁめへ」
「君が悪いんだ・・・・・・」
フェイトの拒絶を無視し、男は彼女の首筋に舌を這わす。
長時間の拘束でフェイトの白い肌には玉のような汗が浮かんでいた。
それを男は丹念に舐めとる。
(いやぁ・・・・気持ち悪い・・・・・・・)
蛇が這っているような感覚に、フェイトは嫌悪感しか示さない。
普段は多くの局員から羨望の眼差しで見られている美貌が、今は醜く歪んでいた。
「君が悪いんだ・・・・・・・こんな・・・・こんな体をしているから」
男はフェイトを引きずりだし、馬乗りになる。
「こんな大きな胸・・・・・本当は誘っているだろ!」
「ひがう・・・・ひがひまふ・・・・・・・・・」
「本当はこうされたかったんだろ! 僕みたいな変態に・・・・こんな風に胸を鷲掴みされたかったんだろ!」
「ひやぁぁ・・・・・・・・」
はねのけようともがくが、それは力ない抵抗におわった。
195執務官、襲われるA:2007/12/28(金) 14:20:28 ID:mjp927HN
フェイトの頭が段々と霞で覆われていく。
胸を揉まれる度に思考力が奪われ、桃色の火花が頭の中でスパークする。
(嘘・・・・感じて・・・・・・・・)
否定しても、体は正直だ。男に胸を揉まれ、言葉で罵倒される度に、
フェイトの秘掘はグジュグジュと湿っていく。
触ってほしい。
胸なんかじゃなくて、もっと気持ちいいところを。
もっと深いところを、思いっきり抉ってほしい。
フェイトの理性を離れた体は、貪欲に快楽を欲していた。だが、男は執拗に胸ばかりを攻め立てる。
たわわな果実を乱暴に揉み潰し、先端の桃色を舌で弄び、時にそのやわ肌に顔を埋め、滴る汗を舐めとる。
(やめて・・・・・・これ・・・以上・・・・)
これ以上されたら、狂わされる。
「なんだ、もう濡れているじゃないか」
不意に、男はフェイトの秘掘を指でなぞった。
「ひやぁ・・・・」
「そんなに欲しかったのか・・・・・・・なら、あげないとなぁ」
男はフェイトから降りると、ゴソゴソと自分のズボンを下ろす。
そして、自分の肉棒を別の生き物みたいにひくつかせているフェイトの秘掘にあてがった。
「ひやぁ・・・・・・ふぅぅぅぅっ!?」
膣を貫かれる感覚に、フェイトは悲鳴を上げる。目からは涙を浮かべ、必死で抵抗するが、男は構わず腰を動かす。
優しさなんて欠片もない、ただ己の欲望を満たすためだけの乱暴な突きだ。
「ぐぅ・・・・良いぞ、やっぱり君は最高だ・・・・・・・・・」
身勝手な感想を口にし、男は腰を動かし続ける。
196執務官、襲われるB:2007/12/28(金) 14:23:17 ID:mjp927HN
不意に、男はフェイトの口から猿轡を取り外した。
「いやぁ・・・・あぁ・・・あぁぁ・」
「どうした、感じているのか?」
「ち、ちが・・・・・・」
「嘘をつけっ!」
男の平手がフェイトの胸を襲う。たったそれだけで、フェイトは軽い絶頂に達してしまった。
くすぶり始めた官能の渦に、フェイトの理性はどんどん奪われていく。
「感じているだろ!」
「は、はい・・・・・気持ちいい・・・・です・・・・」
「本当は誘っていたんだろ!」
「はい・・・・誘ってました」
「この雌豚が! そんなに欲しければたっぷりやるよ!」
男の蹂躙が更に激しさを増す。
(もっと・・・・もっとして・・・・・いじめて・・・・・罵って・・・・
フェイト・・・・フェイトを狂わせて・・・・・)
浴びせられる無数の罵詈雑言。雌豚、売女、淫乱、淫売、男狂い、色情魔。
見上げれば、男の蔑むような眼。
下からは突き上げられ、上からは胸を揉み潰される。
悦楽の炎が、フェイトの全てを焼き尽くしていく。
「あ・・・はぁぁぃ、いくぅぅっ」
「イケっ! 狂っちまえ!」
「イきます・・・・いっ・・・あ、あぁぁぁぁあっ!!」
男が吠え、フェイトは折れ曲がらんばかりに背中をのけ反らせる。
下腹部に熱い迸りを受けながら、フェイトは目を剥いて口から白い泡を噴きながら気を失った。

行為の後始末をしながら、男は打って変わって優しい口調で呟いた。
「まったく、付き合うこっちの身にもなって欲しいよ、フェイト」
ぐったりと気を失っているフェイトの寝顔を愛おしそうに見つめながら、クロノは苦笑するのだった。

197執務官、襲われるC:2007/12/28(金) 14:24:31 ID:mjp927HN

「いやぁぁぁっ、来ないでぇぇぇっ!」
周囲にあるものを手当たりしだいに投げつけながら、フェイトはベッドの後ろに後退する。
「な、なんで? 僕が何かしたか?」
「クロノがあんなにサディストだなんて知らなかった。変態、ロリコン、こっち来ないで!」
「いや、普通の行為じゃ飽きてきたから、趣向を変えようって言ったのは君の方で・・・・・・」
乱暴な男を演じるのは苦労したんだぞ、と心の中で呟く。
「それに、君だって感じていただろ」
「う・・・・それは、その・・・・・・・・」
「おあいこだ。僕も君も、十分変態だってことだ」
そっと、クロノはフェイトを抱きしめた。
「はうぅぅぅぅ」
腕の中で、フェイトはよくわからないうめき声を漏らす。そして、恐る恐る聞いてくる。
「クロノは・・・・・エッチな女の子は・・・・・嫌い?」
「まさか? 大好きだよ。特に、フェイトみたいなとびきりエッチな子はね」
「・・・・ありがとう、クロノ」
ポスンと、自分の頭をクロノの胸に預ける。
この人になら、何されても良いかなと思うフェイトだった。
「だからさ、次はもっと本格的な縛りを・・・・・」
「いやぁぁっ、この拘束魔ぁぁぁっ!」
それでもやっぱり、恥ずかしいことには変わりなかった。


                          終わり
198B・A:2007/12/28(金) 14:25:40 ID:mjp927HN
以上です。

エロってやっぱり難しい。
199名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 14:27:40 ID:lcgnpgKS
GJだぜ…まったくこの変態兄弟め♪
200名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 15:18:20 ID:4QaeRUJ6
>>183
アンタを待ってた!

でもなんかいつもよりオチが弱いかな? 展開も読めたし……
もっと過激にタマ取りに来て盛大に自爆するフェイトがみたいです。
これからも楽しみにしてます。フェイトかわいいよフェイト。
201名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 15:52:28 ID:NX9wK/6P
>>183
GJw
だから注意書きの時点で笑うんだって何度(ry
流石だな。この突き抜けたノリはあんたにしか出来ないよ……いや、やるのが怖くて
202名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 17:03:15 ID:qGJ93ZGy
>>198
GJ!!
虐められるフェイトかわゆい。
何だかんだでいちゃついてる二人に乾杯。
203名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 17:32:54 ID:0KSkXO9u
クリスマスの投下ラッシュのせいで過疎ってる様にしか思えないこの現状orz
オレ、前スレのスバノヴェの人待ってるんだけどいつまで待っても音沙汰が無い。
次スレ出来たら25日に投下するとか言ってたのに何かあったのか???
早くエピローグ見たいんだが。
204名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 17:52:57 ID:K04usaqE
>>183
GJ!!笑いがとまんねーw
これはプロポーズのときにクラナガンを崩壊させるレベルで雷雨がw

>>198
GJ!!まじサイコーでした!
205名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 18:09:04 ID:Ezh2j6wF
>>203
それにコミケがあるからね。明日、明後日は書き手読み手問わず人が
少なくなりそうな悪寒。
206名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 19:11:02 ID:PdytGgui
いつぞや盗作疑惑(ほぼ黒)があった人来なくなりましたね。
自サイトがあるんだからそっち行けとみなで言ったのがようやっと効いたのかな?
207名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 19:28:00 ID:kPvRjqxw
>>203
私もエピローグの投下待ってる一人。
何かあったんかな?
心配だ。
20839-528:2007/12/28(金) 19:46:29 ID:n0zbY6Q1
皆様
お久しぶりです。


25日にエピローグを投下する予告をしながら、体力の限界で朝まで寝て
しまって本当に申し訳ありませんでした。m(_ _;)m

その後色々と忙しく投下もするタイミングを逸してしまい……更に色々見
直して手直ししてたら、先ほどまで掛かってしまいました。

特に問題がないようでしたら、今日の20:00頃に最後のEpilogueを投下して
私の第一作目を完結させたいと思いますが、よろしいでしょうか。
209名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 19:56:42 ID:0KSkXO9u
>>208
待ってたよ待ってたよ〜!!
<支援一閃
210名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 19:58:31 ID:kPvRjqxw
>>208
待ってましたー!!
投下どうぞ!!!
211名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 20:07:56 ID:UmkjCYCj
>>206
つい先日も書き込んでる。多分自分がやったことがわかってないと思う。
21239-528:2007/12/28(金) 20:10:39 ID:n0zbY6Q1
すみません。予告から3日も過ぎてしまいまして申し訳ありませんでした。


それでは予定より少し遅れてしまいましたが、投下いたしたいと思います。

先スレで投下した「History repeats itself」の続きになります。
今回は本編(A〜F)のエピローグになります。

・エロ無し、ただしグロ(体内機械破壊等)表現あり
・JS事件から約2年後が舞台。(プロローグ、エピローグに一部違う時間あり)
・そのためオリ設定が一部(敵キャラ、デバイス設定、ナンバーズの進路等)入ります
・ノーヴェ&スバルが主役。あとギンガとウェンディもメインで出ます
 (プロローグ、エピローグに他のキャラも)
・スバル重傷(大破)、ノーヴェ負傷、あるいはStS本編17話やメガミ今月号
 (2008年1月号)のStSコミックのスバル負傷シーンがダメな(見られない)
 方は、このストーリーはスルーして見ないようお願いいたします
(なおスバル、ノーヴェ共に死亡しないで生き残ります)

※なお、今回投下分には直接的なグロ表現は入っておりませんが、前の章の
グロ表現と関わりのある文とかはありますので、ご注意のほどよろしくお願います。

※文頭が、前に投下した本文の続きという形になっておりますので、そこから見な
されると読みやすいかもしれません。


タイトルは「History repeats itself」になります。スルー等される場合はこれを
キーにしていただければと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。
213History repeats itself - Epilogue : 01:2007/12/28(金) 20:12:15 ID:n0zbY6Q1


   ……

「ノーヴェ」

   ……
   ……

「ノーヴェっ!」
「!?」

自分を呼ぶ声に、ノーヴェは我に返った。
「どうした、ノーヴェ?」
再び自分にかけられた声の主の方を、ノーヴェは顔を上げて見た。

「ボォーとしてたな」
声の主は、少し小さめの岩に腰掛けていたノーヴェの前に立って注意の言葉を
かける。

「全く、お前らしくないぞ」
目前にいるのは、濃灰色の変わったデザイン…縦横10cm位の角の丸い同色
のプレートで覆われたのコート……スケイルコートを身に纏った、少女。

「ごめん……チンク姉」

外見は十代前半に見られる…本人はいたくその点を気にしているようだが…彼
女が、ノーヴェに姉と言われているチンク・ナカジマである。


「どうした…体調でも良くないのか?」
心配な口調でノーヴェに尋ねるチンク。

「いや、何でもない。ただ…」
「ただ?」
ノーヴェが言いかけた言葉に、チンクが問い返した。

「昔のことを……思い出していた」
「昔?」
「うん」

そうノーヴェが答えると、今自分達がいる場所…周りを建物のような岩山に囲
まれた、円形状の更地…を見回しながらこう呟いていた。
「あの時の……こと」

ノーヴェの呟いた言葉を聞いて、チンクはこうノーヴェに尋ねた。
「3年前の……スバルの事件か」

「え!?」
チンクに図星を突かれて、一瞬慌てるノーヴェ。

「なんだ、その『どうして分かったのか?』って顔は?」
少し意地悪そうな笑みを浮かべながら、チンクが言った。

「え…いや…あの…」
何故かしどろもどろになるノーヴェを尻目に、チンクは言葉を続ける。
「姉を見くびるな。姉はその事件の直接の関係者ではなかったが……ここの地
理条件を考えれば、それくらいは推測可能だ」
214History repeats itself - Epilogue : 02:2007/12/28(金) 20:13:00 ID:n0zbY6Q1
「はー……」
「!?」
「やっぱり、チンク姉は凄いよ」
感服したようにノーヴェが言った。

「まあ、それもあるが……他にもある」
「ん?」
スバルの不思議そうな顔を見ながら、チンクはかつて長い間眼帯に覆われ閉じ
られていた右目…曹長補学校入校を機に治して貰った…を閉じ、残った左目で
ノーヴェを見据えるように見ながらこう答え……いや、尋ねた。
「なぜ……泣いていた? ノーヴェ」

「!?!?」
チンクの問いかけに、ノーヴェは思わず目元を袖でこすった。
……目元に涙を感じ、袖はそのしずくで僅かに濡れたことを確認する。

残った左目も閉じ、すぐさま両目を明けたチンクは、そんなノーヴェの挙動を
優しく……妹を見守る温かい姉の目で、見つめていた。


「……」
涙を拭った袖を、信じられないようにじっと見つめる、ノーヴェ。

そんなノーヴェに、チンクはこう尋ねた。
「ノーヴェ……お前は、いつまであの事件のことを引っ張るのだ?」

「う……」
チンクの問いかけに、言葉が出せずに黙ってしまうノーヴェ。

答えられずにいるノーヴェに向かって、チンクは更にこう尋ね続ける。
「あの時、スバルを助けられなかったからか?」
「…」
「スバルを殺そうとした奴をその場で捕まえられなかった……そして、未だに
その姿はおろか手がかりすら見つかっていないからか?」
「…」


3年前…スバルの右腕を切り落とし、腹部に背中まで貫く大きな穴を穿った少年。

その後アプローズ執務官のチームが追跡捜査したが、少年のその後の足取りは
一切掴めず……その正体は全く不明のまま。

少年がスバルや土人形に対して使った魔法…魔法陣による防御魔法への干渉浸
食、真空波による物体切断や超高圧圧縮空気による砲撃…も、ミッド式や近代・
古代ベルカ式のいずれとも魔法陣や術式が異なり……本局の無限書庫での調査
でも、完全に当てはまるものが見あたらなかった。

そしてあの事件の後、同じ少年の姿……そして少年が使ったのと同じような魔
法についての報告は、未だ一件もなかった。

あの少年は、風のように現れ……風のように消えてしまったのだった。


チンクは一度両目を閉じ…すぐさま再び両目を開くと、こう語り続ける。
「確かに、あの時ウェンディの画像を見ていれば、スバルをあの少年から守る
ことができたかもしれない」
「!」
自分が感じていることを、ズバリと言われてノーヴェは更に言葉を飲み込んだ。
215History repeats itself - Epilogue : 03:2007/12/28(金) 20:14:02 ID:n0zbY6Q1
「だが、それは過去の歴史に対する仮定……『IF』でしかない」
チンクはノーヴェに語り続ける。
「もし実際にその時、そのIFを行ったとしても、仮定の未来の通りにならな
いこともある。なぜなら、その時点では重要でなかった要因が、そのIFで未
来を変える重大な要因に変化してしまうことも考えられるからだ。あるいはそ
のIFによって、新たな要因自体が生まれてしまうことだって考えられる」

チンクは更に言葉を続ける。
「もしお前が少年のことを先に知っていたとしても、お前達が背後からズドン
とやられていたかもしれないんだぞ。なにせデバイスはおろか、次元航行艦の
センサーでも感知できなかった奴なんだからな。それに」

そう言うと、チンクはノーヴェの隣に座り肩に手をかけながら、優しく…ノー
ヴェを励ますように…こう語ったのだった。

「それに……スバルは、今生きているじゃないか」

姉の最後の言葉を聞いて、ノーヴェはそれまでの張り詰めた緊張が解けていった。
「う……うん」

ノーヴェも、チンクの言葉に同意するように肯いた。


 あの3年前の事件。

 スバルはすぐさま次元航行艦ヘリオスへ転送され、カラベル医務官…スバル
 達のメンテを長年行っていたマリー技官の後輩…によって欠損した腹部の器
 官を外部の代替システムで何とかカバーしつつ、予定を切り上げ直ちに本局
 へ急行。

 本局の医療技術センターに移送されると、マリー技官とカラベル医務官が中
 心になって直ちに緊急手術を開始。欠損部の完全な外部器官代行システムへ
 の切換が成功し、なんとかスバルは蘇生……もう少し遅れてたら蘇生も不可
 能という、最悪の危機は辛うじて乗り越えられた。

 ただし、綺麗に切断された右腕は再接合できたが、欠損した腹部の器官…背
 骨フレームを含む…等は再度一から作る必要があった。
 これらの人工器官や部品の再製作にかかる期間は、全部で約一ヶ月…ひとり
 一人IS等の機能や個人の体型等が異なるため、一品一品オーダーメイドで
 作る必要があったためである。

 そのため、スバルは新しい器官や部品ができるまでの約一ヶ月、下半身の運
 動並びに感覚機能の完全停止…下半身全体の神経ケーブルが通っていた背骨
 フレームも中の神経ケーブルごと欠損したため…そして腹部に外部器官代行
 システムからの各種ケーブルやチューブが腹部の開口部に何十本も繋がれた
 状態で、メンテナンスベッドから全く動けない状態になってしまった。

 約一ヶ月後、新しい器官や部品が揃ったところで、今度は今まで接続してい
 た外部器官代行システムの取り外しと新しい器官や部品の移植手術を実施。
 十時間近いのオペの末、ようやくスバルはメンテナンスベッドから出られる
 状態にまで復帰できたのだった。

 だが治療はこれだけではなかった。新しい器官や部品は初期不良や他の既存
 の器官などとの連携不調が発生する可能性が高いので、移植後2,3ヶ月は
 毎日のように動作チェックや微調整作業を行う必要があった。
216History repeats itself - Epilogue : 04:2007/12/28(金) 20:14:44 ID:n0zbY6Q1
 そして、何より下半身の全神経ケーブルが断絶・交換再接合したため、以前
 とは下半身の動かし方や感覚に差が出てしまった。
 そのため、移植直後は簡単な歩行や体のバランスすら取れなくなったりして
 いたのだった。
 かくして普通の人が長期間寝たきりになった場合に行うのと同様なリハビリ
 を、スバルも数週間行ったのだった。

 だが事故から半年後には完全に復帰したどころか、(移植した器官や部品は
 特に強化等していないのに)身体機能や魔法能力、更にISの能力も事故以
 前より上回るほど成長をスバルはみせた。

 移植手術後に立ち上がろうとして転び、悔しくて泣いてしまったこともあっ
 たが、不屈の心…かつて自分が憧れていた人から教わったことの一つ…でリ
 ハビリや調整作業に励み、スバルは見事不死鳥の如く甦ったのだった。


「まったく。事件前よりも元気になるのだから、世話がないわ」
チンクがそうぼやくように…だが嬉しそうに語る。

「うん……」
ノーヴェも、チンクの言葉に同意するように…先ほどまで漂わせていた悲しみ
の表情から一転、普段の明るさを感じさせる笑顔で…頷いた。



と、その時。

2人の前の空中に、通信モニタが現れた。

『こちらメジャーアクシス5……ゲイル1、ゲイル3、応答願います』
モニタ上のショートカットの少女が、2人に呼びかけた。

「こちらゲイル1、チンク・ナカジマ准陸尉」
「同じく…ゲイル3、ノーヴェ・ナカジマ一等陸士」
「どうした? リトモ・マイアーノ二等海士」
2人が呼びかけに答えた後、チンクがモニタ上の少女…メジャーアクシス5…
リトモ・マイアーノに尋ねる。

『つい先ほどアンノウンの出現を感知。全部で53体、そのうち16体がそち
らに向かっています』
「到達までの時間は? アンノウンに対する対処レベルは?」
リトモの返答に対し、チンクがすぐさま確認をする。

『距離200…現在のスピードだと約5分で遭遇すると思われます。アンノウ
ンについては現在データ照合中。現時点では対象の活動停止まででお願いします』
「「了解」」
2人がリトモの指示にそう返事をした後、通信モニタが閉じられた。


「さて、と」
そうチンクが呟くと、すくっと立ち上がりノーヴェの方を向いて言う。
「準備は良いか、ノーヴェ」

「ああ…いいよ、チンク姉」
BJ姿のノーヴェも、勢いよく立ち上がりながらそう答える。

「もうすぐ、姿が見えるな」
前方の岩山を見据えながら、チンクが言う。
「うん」
そう頷きながら、ノーヴェも同じく岩山を見据える。
217History repeats itself - Epilogue : 05:2007/12/28(金) 20:15:41 ID:n0zbY6Q1
「そろそろ、アンノウンの正体が分かる頃か」
そう呟くチンク。

「ああ…」
チンクの呟きに答えるように、ノーヴェは自信に満ちた口調でこう言った。
「アイツに…違いない」

ノーヴェは胸の前で右拳を左掌に打ち当てると、更にこう言葉を続けた。
「いや…何だっていいさ」


その時、再び通信モニタが2人の前に出現する。
『メジャーアクシス5より、ゲイル1、ゲイル3へ』
リトモの顔が、再びモニタ上に現れる。
『アンノウンのデータ照合完了』

リトモがそう言った瞬間、

ドスン。ドン…ドスン……

重たく堅いものを踏み鳴らす音が小さく聞こえた後。
岩山の陰から、4,5m位の巨大な人影が幾つも現れた。
「「!!」」
チンクとノーヴェは瞬時に身構え戦闘態勢に入る。

「リトモ、奴らはもう見えるところまで来てるぞ」
ノーヴェがモニタ上のリトモにそう告げる。
『えっ!?』
モニタの向こう側の少女が、驚きの表情を見せる。
が、すぐさま冷静な顔になり、モニタ上のリトモは連絡を続ける。
『アンノウンは【クリーチャー】……【ソイルタイプ】と断定……破壊停止を
許可します』

「やっぱり……」
そう呟きながら、ノーヴェは前方の巨人達を睨みつける。
「……アイツら、か」

ノーヴェ達の前方に現れた人影は、土塊の巨人達。

全く同じ形というではないが……3年前の第243観測指定世界を襲ったのと
同じような土でできた人形達……クリーチャーであった。



スバルを一度殺しかけた少年は、あの後その姿を現すことはなかった。

しかし、もう一つのアンノウン……土塊の巨人達は、その後も数回幾つかの次
元世界に出現し、何かを探すかのように暴れて人々に被害を与えてきた。
そして、同じような巨大なもの達……土や岩だけでなく、燃え上がる炎の怪鳥
や、根や枝で這い回り襲いかかる樹木などなど。

無機物からその形を作り出し…あるいは樹木等の植物を変化させ…何かを探す
ように各地の遺跡やその周辺を襲撃していく。
魔力や光学兵器は使用しないが、自分の身体を構成する物質…堅い岩や高温の
炎、種子や葉・花弁など…を駆使した物理攻撃を行う。

更に身体の表面にAMF…以前のJS事件の時のガジェット達…スカリエッテ
ィが使っていたのとは原理的に異なる…を付加させているため、通常の魔法に
よる攻撃が通らなかった。
218History repeats itself - Epilogue : 06:2007/12/28(金) 20:17:44 ID:n0zbY6Q1
以前からそれらの襲撃は散発的に発生していたが、この数週間今までにない頻
度で出現し襲撃を起こしていたそれらに、管理局は通常の『アンノウン』から
固有のコードネームを最近になって付けた。

何者かによって『作られた』もの達……『CREATURE(クリーチャー)』と。


新たな驚異となりうるクリーチャーと……そして、クリーチャーの出現と前後
して神出鬼没に姿を現す謎の魔導師たちに対して、管理局では新たな対策部隊
を組織することとなった。

部隊長は、5年前のJS事件解決の立役者の一人……
伝説の指揮官……八神はやて陸准将。

そして5年前の伝説のチーム……本局古代遺失部管理部……機動六課の面々。

更に……当時、機動六課と相まみえた……ジェイル・スカリエッティの戦闘機人
と……召還魔導師の少女。

そして……新たにこの部隊に加わる……若き魔導師をはじめとするメンバー達


今回の出動は……対クリーチャー新部隊発足後の、最初の任務であった。



「リトモ、他の状況は?」
チンクは右手に金属のナイフ…スティンガーを3本、左手にコートの表面から
抜き取った金属プレート…スケイルピースを持った腕を前で交差させて構えつ
つ、モニタ上の少女に問うた。
『19体がゼファー隊と交戦中、残り18体がトルネード隊に向かって移動中
です』
リトモからの回答を聞いて、ノーヴェは険しい表情になる。

「ゼファーって……」
「ああ、確か……」
ノーヴェの呟きにチンクが答えるように言いかけた時、モニタのリトモが新し
い情報が入ったようにこう報告を付け加えた。

『ゼファー1、スバル・ナカジマ陸曹長より、ゼファー隊が交戦したクリーチ
ャー19体全部を撃破とのこと』
リトモの新しい報告を聞いて、チンクと…ノーヴェの顔から険しさが消え、ホ
ッとしたような表情を見せた。

「まあ、スバルならクリーチャー如きに苦戦はせんだろう」
「ああ、そうだな」
チンクの言葉に、ノーヴェも賛同する台詞を返す。

219History repeats itself - Epilogue : 07:2007/12/28(金) 20:18:31 ID:n0zbY6Q1

「それに、スバルは……」
目前に迫ってくるクリーチャーを見つめながら……ノーヴェはこんな言葉を漏
らしていた。


そして……

ノーヴェは、心の中で……

その言葉の続きをこう……呟いていた。

『スバルは……あたしが守る』

『絶対に……何が来ようとも』



両足のギアリングが唸りを上げて回転を上げていく。

16体のクリーチャーが、2人に襲いかかってくる。

「行くぞっ!!」
両手に持ったスティンガーとスケイルプレートを投擲しつつ、チンクが叫ぶ。

ジェットキャリバーのローラーを軋ませながら、ノーヴェは前へ出る。
「オオッーーー!!!」
答えるように雄叫びを上げ、ノーヴェはクリーチャー達の所へ突き進んでいく。


刃舞う爆撃手と……破壊する突撃者。


5年前のクラナガン地上本部襲撃事件を思い起こさせる、彼女達とクリーチャ
ーとの戦いの火蓋が……この荒涼とした地で、切って落とされた。


220History repeats itself - Epilogue : 08:2007/12/28(金) 20:20:03 ID:n0zbY6Q1



10年の月日を挟んだ……二つの物語。



はじまりは……憎しみの激突。

生まれたのは……悲しみと、迷いと……心のつながり。

そして訪れたのは……思いがけない……悲劇。



 舞台が違う。

 役者が違う。

 台詞も違う。


されどその結末は、喜劇的なまでに……収斂していく。



運命に導かれるかの如く……俳優が集い、

役者達の知らない……台本に導かれ、

見えざるものの……演出に踊らされ、



次なる物語が……幕を、上げる。





かくして……歴史は、繰り返される。



221History repeats itself - Epilogue (&完結) : あとがき:2007/12/28(金) 20:29:54 ID:n0zbY6Q1
以上で、Epilogueが終了&本作「History repeats itself」『完結』となります。


発想の元となった夢(スバルが少年を見つけてからノーヴェと一緒に移送される
ところまで)を見てから、Epilogueまで含めて本編『完結』まで約一ヶ月近く掛
かってしまいました。

もう少しリズム良く書いて投下したかったのですが、自分の才能の無さのせい
で変な感じになってしまいまして、申し訳ありませんでした。


外伝的な話については、25日のChapter-F投下くらいまでは特に考えてなかっ
たのですが……

今月のメガミのマンガを見て、スバル入院中のティアナの来訪という電波が受信し
かかって怖い状況です。

もしかしたら書くかもというレベルですので、どうか皆様期待しないようにお願い
いたします。orz



私の拙いSSをここまで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。m(_ _)m
222名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 20:39:15 ID:kPvRjqxw
>>221
GJ!
そして完結おめでとうございます。
その後の展開や、スバル入院中のエピソードなど気になることが色々ありますが、それらが投下されるといいなぁ、と思ってます。
お疲れ様でした。
223名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 20:51:46 ID:T89HTZbC
投下&完結乙!
224名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 21:44:12 ID:1nMUHHiI
ss、やっちゃって(投下して)いいですか?
225名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 21:51:34 ID:TjhsdAMw
問うまでもない。GO!
22641-340:2007/12/28(金) 21:53:42 ID:1nMUHHiI
どうも340です。昨日は名無しで投下してしまいましたごめんなさい。
前回、前々回、前々前回レス下さった方々、ありがとうございます。
こんな一括で返事をしてしまい申し訳なさで一杯です。

さてところで調子に乗ってもう一つ書きました。うん、また短編なんだ。
先に謝っときます、ごめんなさい。
・エロなし
・はやレジ
・超オリ設定原作改変(ゴメンナサイゴメンナサイ


じゃあいっきまーす
227はやてとレジアス、もう一つの可能性:2007/12/28(金) 21:55:17 ID:1nMUHHiI
「あ、あの……」
怖い。
「はやてちゃんは何もしなくていいよ。僕達がリードしてあげるから」
「ハァハァ、あのはやてちゃんが目の前に…」
「フヒヒヒ」
ここはある高級ホテルの一室。
中にいるのははやてと数人の男達。
「か、勘忍して下さい」
「いいの?自分の部隊が欲しいんでしょ」
「一晩なら安いもんじゃないの?ハァハァ」
「フヒヒヒ」
泣きたい。やっぱり自分のような小娘が自力で部隊設立なんて無理なのだろうか。
「安心してね、優しくするから」「ハァハァ、たまらん」
「フヒヒヒ」
男の一人の手がはやてのスカートにのびる。

嫌だ。だけどここで守護騎士達を呼んだら全てが終わってしまう。でも嫌だ。
そんなことを考えていると男が服を引き裂き始めた。
「い、いゃっ!」
「ヒュー!やっぱり興奮するなぁ」
「はやてちゃん最高だぜぇ」
「フヒヒヒ」

自分の行為に後悔していたはやてだが
いきなりドアがぶち破られた。
「貴様ら…」
はやての位置からでは入って来た人が誰かわからない。
だがどこかで聞いた声だ…
「な…!?」
「げ…」
「フヒ?」
「自分達が何をやっているかわかっているのか?」
「「「レジアス中将!!」」」
「い、いえ、これは彼女が…」
「俺達は誘われて…」
「フヒヒ、サーセン」

「この期に及んで言い訳をするか―――少し、頭冷やした方がいいようだな」
次の瞬間、レジアスの右手は男の一人の顔面に刺さっていた。そして右手を引きそのまま回転し二人目に裏拳が決まる。
左手で三人目の男の襟首を掴み上げ、そのままぶん投げた。
「馬鹿者どもが…私は生涯現役だ」
「レジ、アス…中将!?」
228はやてとレジアス、もう一つの可能性:2007/12/28(金) 21:56:35 ID:1nMUHHiI
何故この人がここにいるのだろう。そのはやての疑問に答えるようにレジアス中将は言う。
「八神・はやて、久しぶりに見かけたから様子を見ようと思っていたら……全く、グレアムが泣くぞ」
「え……グレアムおじさんをお知りなんですか?」
「知ってるも何も奴と私は犬猿の仲でな…私が現場で窮地に立たされた時には、
海と陸の住み分けも無視していつもでしゃばってきて私の手柄を掻っ攫っていきおる。
嫌な奴でな。そのうえ引退間際に姪を頼むときおった。私のホームグラウンドは陸だというのにな!
だが残念ながらゲイズ家は受けた恩は絶対に忘れん!そして偶然このホテルで見つけた、明らかに不安げな顔をしたお前を見に来たらこのありさまだ!!」
そういいながら士官服の上着を脱ぎ、はやてに差し出す。
いきなりそんなことを言われたはやてはほとんど理解出来ていない。
「あ、あの…これは…?」
「着なさい。年頃の少女が余り素肌を晒すものではない」
「ありがとうございます…」
いそいそと渡されたおおきな上着を着るはやて。
「さて、どうしてこんな売春紛いのことをしていたのか教えてもらおうか」
「わたしっ!どうしても、自分の部隊が欲しくてっ!」
「私利私欲のためということか…!」
「違います!今の時空管理局の体制じゃあ不完全なんです!急に現れたロストロギアにより迅速に対抗するためには、専門の部隊が必要なんや!」
興奮のあまり最後は思わず敬語を使い忘れてしまった。
「そのために、こんな連中にご機嫌取りか…こんな形で」
「それは……」
「もし、本当にミッドのために、世界のためになろうと思うなら覚悟を見せてみろ。そのための舞台はととえてやる」
「え……どないな意味ですか?」
「お前に部隊をくれてやるというのだ私は陸の人間だが…つてがないこともない」
あまりのことに、反応出来ない。
「事件などすぐに起きるだろう。それを解決して私に覚悟を見せてくれればいい」
「いいん…ですか?」
「ああ、お前なら…ここまで辿り着けるかもしれんな」
「え?」
「いや、何でもない。こちらの話しだ。来週までに上に話しを通しておこう。こいつらが起きるまでにここからでていった方がいい。では私はもう行く」
そう言いレジアスは出ていこうとする
「あ、あの!……ありがとうございます!」
「気にするな。私は私の正義を通しただけだ………八神・はやて、部隊を持っても楽しいことなどなにもない。その若さ故風当りも強く、女故に舐められる事も多いだろう……だがな、どんなことがあっても己の信念、理想を忘れるな」
そう言ってレジアスは部屋からでた扉を閉め

「信念や理想を履き違えて……私のようにだけはなってくれるな」
誰にも聞かれない呟きを残して歩いていった。

部屋の中ではやてはまだ混乱していた。
自分がこれからどうなるのかはわからない。レジアス中将が本気で言っていたのかどうかも。
だがこの服の温もりだけは確かな物だ。

そう思いはやてはぶかぶかな上着をにぎりしめた。
22941-340:2007/12/28(金) 21:59:43 ID:1nMUHHiI
終わりです
つづ…けれるよう頑張ります
続けると断言できない自分が憎い。
ここまで読んでくれた人、ありがとうございます。
いつもどうり遠慮せずに叱咤激励罵詈罵倒お願いしまする。

次はフェイスカでもかきたいなぁ
ではノシ
230名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:02:59 ID:Dbss9C5w
GJです

同じレジアスSSを書く者として楽しみにしていました

しかし、今回は戦闘がないのにどことなくカワカミンがw
231名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:22:01 ID:4QaeRUJ6
>>229
三人目ずっとフヒヒばっかじゃねーかw
232名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:23:01 ID:mjp927HN
>229

GJです。


にしてもフェイスカ・・・・凌辱・孕ませしか思いつかない俺がいる。
233名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:26:18 ID:allc2lNW
>>232
同じく。フェイスカで純愛なんてむしろ気味が悪いなw
234名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:43:06 ID:T89HTZbC
スカりんがフェイトママンの夫だったとか・・・
235名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:45:52 ID:5p26bxVr
>>229
GJ!
フェイスカ……なのレジ、はやレジよりも想像しにくいw
236名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:46:52 ID:4QaeRUJ6
「おぉフェイト! これはお父さんが新しく開発したガジェットなんだけどね、
次の出張には必ず持っていきなさいな。きっと役に立つ筈だからね」
「いや、あの、父さん……さすがにそれは……」
「おぉ、何故そんなに嫌そうな顔をするのかね!?
お父さん心配なんだよ、フェイトが出張先で酷い目にあわないように、
昼も寝ないので夜に寝て一生懸命作ったというのに!
あぁプレシア……親の心子知らずとはこの事か……」
「いや、父さんは指名手配中なんだから居所ばれるような事しちゃダメでしょ」



スカフェイを想像したら親子ものになってた。しかも親バカ。
フェイトがスカリエッティを匿ってる的な。
237名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:54:52 ID:LWZBDBo8
>>233
陵辱から始まる純愛もある…たぶん
238名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 23:02:42 ID:1nMUHHiI
スカって何のために研究してた&ゆりかご起動させたんだっけ?
どこかに明記されてたっけ?
239名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 23:09:45 ID:Dbss9C5w
生命操作技術の完成、そのための環境作りらしい

別に三脳の元でも問題ない気がするんだが
自分のSSでも敵対させるつもりはないし
24039-528:2007/12/28(金) 23:12:46 ID:n0zbY6Q1
>>222
>>223

ありがとうございます。m(_ _)m
スバル入院中の話は書いて投下できる可能性は(かなり低いながら)あるの
ですが……

その後の話についてですが、、、
Epilogueの新部隊発足云々の話ですが、実は構想中(というか妄想中)のStS
の続編SSのプロットが元になっているのですが、これがもうオリキャラ全開
のストーリーになること100%なので、このスレのローカルルール的にもとても
ここには投下できないと思いますので、ご容赦願いますです。m(_ _;)m


>>229
レジアスGJ。

私としてはレジアスはStSの新キャラの中ではすごい『もったいない』……
管理局の暗部や、現実と理想とのギャップについて語れるキャラだと思って
TV本編を見ていたのですが……TV本編を見た時ドゥーエのあの刺したタイ
ミングに「部屋の空気を読め」と一瞬思ってしまった私でした。

レジアススレの盛況を見るにつけ、もしオフィシャルのStS小説本が出ると
したら、是非レジアスサイドのストーリーを……と思ってはみるのですが。



とりあえず、早速次の作品を書き始めてしまいました>自分

……エロパロスレなのに、ちょっとHな感じな台詞とかがあるだけで、少し
ギャグが入る、基本はほのぼののストーリーになりそうですが。

……あまり、期待しないでください>皆様
241名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 23:40:11 ID:ugW3N1kV
>>239
こうですかわかりません(><)

プーチン「君のような優秀な科学者は、是非とも我が国に招待したい………トイレに隠れていようとも必ず招待する」

これが後に管理世界と管理外世界の全面描く戦争に発展するとは誰も知らない……


>>239
それは想像しなかったww
つかそうなるとテスタロッサ家は何十人家族になるんだ!?
242名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 01:01:10 ID:OZxXO0rI
>>229
GJ!!フェイスカ・・・すごく見たいです。
243名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 01:30:26 ID:kwE8jHXC
前も言ったがフェイトさんとスカちゃんの絡みは好きだ
244名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:29:52 ID:J/el/JDD
フェイトとスカの絡みと聞いて、なぜか四つんばいのスカを踏みながらムチで叩くフェイトさんが思い浮かんだ
245名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:33:34 ID:z0gV06DW
>>244
実は昔、プレシアママンに鞭で打たれて以来、そういう方面に目覚めてしまったというスカリエッティを想像した
246名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 02:58:41 ID:/tsz9eTQ
3:10ころから一本行きます
247CRR:2007/12/29(土) 03:12:28 ID:/tsz9eTQ
かなりお久しぶりです。初めての方ははじめまして。

寝る前にボーっとしてたら本っ当に久しぶりに降ってきた。
ではいきます。

・エリ×キャロとシャマルさん
・エロ

ではドゾー
248CRR:2007/12/29(土) 03:15:54 ID:/tsz9eTQ
「ふぅ……平和ねぇ……」

機動六課、医務室。
部屋の主であるシャマルは、優雅な昼下がりを過ごしていた。
デスクの上にはポットに入った紅茶と、ちょっとしたお茶菓子を完備。
普段どおり何も無い、はずだった……

『シャマル先生!!シャマル先生!!』

「エリオ!?い、一体どうしたの!?」

その平和を打ち砕く思念通話が飛び込んできた。
声の主は、新人フォワード陣の黒一点、エリオだった。

『あの、その、大変な事になってしまって』

その口調から、かなり切羽詰った様子が想像できる。

「わかったわ!!今すぐ行くからね!!場所は!?」

エリオと会話をしながらも、シャマルは応急処置用の準備を整える。
医務カバンにいろんなものを詰め込みながら、医務室を勢いよく出ようとする。
その時、別の声がシャマルの足を止めた。

『あの、シャマル先生……?その、誰にも見つからないように来てくれませんか……?』

「え、キャロ……?一体どうして?」

『……見れば分かります』

頭にはてなマークを浮かべながら、シャマルはエリオとキャロがいるという、なのはとフェイトの部屋に向かった。



「………うっわー……エリオ、これ……」

部屋に着いたシャマル。
その部屋の隅、入り口からは死角になる場所にエリオとキャロはいた。

二人の性器は、みっちりと繋がっていた。

「はい、抜けなくなっちゃったんです……」

【キャロ・ル・ルシエの症状:膣痙攣】






緊急出動!スクランブルシャマルさん





249CRR:2007/12/29(土) 03:20:28 ID:/tsz9eTQ
立ったままのエリオとキャロ。
陸士の制服のズボンを下ろしたエリオと、スカートを捲ったキャロが、向かい合ったまま壁にもたれている。
二人の下腹部はぴったりと繋がり、当然下半身の凹凸はぴったりと重なっている。

「……で?ヴィヴィオが寝ている隙に隅っこで『ヤり』だしたら、なのはちゃんが来て……」

「はい……キャロがビックリしてしまって、この通りです……」

幸い、なのはは二人には気付かずにヴィヴィオを連れて部屋を去り、部屋にはエリオとキャロのみ。
しかし、一度痙攣を起こしたキャロの膣の筋肉は強張り、エリオのモノを離そうとしない。

「ごめんなさいエリオ君、私が驚かなかったら……こんな事には……」

「キャロ……」

本当に申し訳無さそうに俯くキャロと、それを慰めるエリオ。
二人の太腿には、キャロの愛液とエリオの精液が混じって泡立ったものがつつっと伝っていた。

(……バカップル……)

その光景を尻目に呆れ、しかし少し羨ましがりながら、シャマルはモニター越しにデジタル化された医学書を開く。
特に女性の体に関する部分に目を通していく。

「えーっと膣痙攣膣痙攣……うーん」

「どうですか……?」

「えーっとね……症例がなかなか見つからないのよ」

しかし、お目当ての『膣痙攣』に関する記事がなかなか無い。

「だから……どう対処したらいいのか……」

うなだれるシャマル。
その光景を見て、キャロの申し訳ない気持ちがさらに増幅される。

「え……あ……その……ひくっ……」

「キャロ!?」

その目に、涙が溜ってきた。
自らの失態にもかかわらず、自分ではどうする事もできない状況。
キャロはエリオに謝りながら、ポロポロと涙を流す。

「本当にごめんなさいエリオ君。ホントに……うえぇぇっ……」

「キャロ……大丈夫。僕は平気だから」

感情があふれ出すキャロを、エリオが優しく抱きしめる。
250CRR:2007/12/29(土) 03:25:35 ID:/tsz9eTQ
「エリオ君……」

エリオの胸に寄り添うキャロ。
その下半身はいろんな液でびしょびしょで、かなりギャップのある姿ではあるが。

(あぁぁっぁぁああぁあ!!ジンマシンがでるぅぅぅぅっっ!!)

歯が浮くような台詞に、ジェントルマン過ぎる行動のエリオ。
その光景は、シャマルの神経を逆なでするのに十分すぎるほどだった。

「うれしい!!エリオ君っ」

思わず抱き返すキャロだが、その動きが膣の筋肉の動きを微妙に変える。
それは、エリオの射精を促す動きとなった。

「ちょっ!!キャロ!!そんな動いたら……うっ!!」

動かないまま、エリオがキャロの中でゼロ距離砲撃。
エリオの砲身から放たれた何億と言う数の実弾が、キャロという目標に向かって広がっていく。
染み渡る感覚は、キャロをさらに興奮させた。

「ふああぁぁっ!?あ……あったかい……こども……できちゃうよぉ……」

キャロの目は蕩け、歳に相応しくない発情した牝の色を帯びる。
その光景から目を背け、シャマルは黙々と調べ続けていた。というか、まともに見ていたら甘すぎて死んでしまいそうだ。
エリオとキャロの生み出す空間はそれほどに威力があった。

(ダメよシャマル……集中集中!!早く症例と対処法を……あっ!!)

モニターには、やっとお目当ての情報が表示されていた。

「あった!!あったわよ!!」

「「本当ですか!?」」

思わず大きな声を上げたシャマルのほうを、二人が向く。
二人の切実な思いをこめた視線を浴びながら、シャマルは続けた。

「ええ。『膣痙攣(ちつけいれん)は、女性の膣に起こる突発的な痙攣により膣口が不随意に引き締まり、性交中に陰茎が抜去不能となるとされる症状である』」

古の昔から、タレントが膣痙攣で繋がったまま救急車で運ばれ……などという噂の絶えないこの症状。

「対処法は……なるほど、ふむふむ……」

シャマルはモニターを閉じる。
ポケットから手術に使う薄手の手袋を取り出しながら、繋がりっぱなしの二人に指示を出す。

「エリオ、そのまま続けなさい」

「えっ!?しゃ、シャマル先生!?」

シャマルの口から、意外と言えば意外なアドバイスが飛び出した。

「大丈夫。ベッドに移動して、キャロが上になるような格好になって続けなさい」

「あ、はい……じゃあキャロ、移動するよ……?」

「うん……あはぁっ……」
251CRR:2007/12/29(土) 03:28:28 ID:/tsz9eTQ
エリオがキャロの体を支えながら、ゆっくりと移動する。
身長差の関係で多少キャロは爪先立ちの体勢になってしまうので、
移動するたびにゆったりとしたピストン運動が繰り返される。

「っっうっ!!くぅうぅううっ……!!はああぁぁぁ……」

やっと二人がベッドにたどり着く。
普段はなのは・フェイト・ヴィヴィオで使っている大きなベッドの中央へ、歳に見合わない行為の準備が整ったエリオとキャロが陣取る。
その後ろに、シャマルが座る形になった。

「……いいわよ。始めなさい」

「はい……」

エリオはシャマルの合図と共に、キャロの腰を両手でがっしり掴み、キャロの体を上下に揺さぶった。
ベッドの反発力を効果的に使い、徐々にピストンは激しいものになっていく。

「はああぁっぁっ!!ふあぁぁぁあっ!!あんっ!!」

「くっ!!……き……つ……っ!!」

まだ痙攣が治まらず、ぎっちりとエリオのモノを掴んで離さないキャロの中。
おかげで、ピストンの衝撃がダイレクトに幼い子宮に伝わる。

「はああぁあんっ!!エリオ、くん……っ!!あああんっ!!」

「ううっ……!!キャロ……!!」

制服を乱し、口を半開きにしながら、キャロがエリオの上で跳ねる。
エリオの胸に置いた両手を支えに、キャロ自身も体を上下に揺さぶりながらエリオの手伝いをする。

「エリオ君……エリオくん……!!」

「くあっ!!キャロ、僕……!!」

共にお互いの名を呼び合い、絶頂に向けてのカウントダウンが始まる。
と、そのとき。

「エリオくん、私も、イくっああぁぁっぁぁぁああ!?!?」

キャロの声が唐突に裏返った。
なぜか後ろの穴に挿入感を覚えての絶叫だった。
キャロの後ろの穴には、手袋をはめたシャマルの右人差し指がヌプリと差し込まれていた。
252CRR:2007/12/29(土) 03:30:46 ID:/tsz9eTQ
「あひゃあああぁぁぁあ!!あああぁぁっぁあっ!!」

「うあぁぁああっ!!く……あああっ!!」

唐突な侵入者は、キャロの絶頂を強制的に早めた。
絶頂により更にキャロの膣は締まり、おまけに搾り取るような動きも追加され、
あっけなくエリオはキャロの膣内に本日何度目かの射精をした。

「あー……はー……はぁ……あ……しゃま……る……せんせ……」

ぐったりとエリオの胸に体を預けながら、キャロは後ろを振り向く。
シャマルとその右手は、自らの臀部に隠れて見えない。

「どう?これで抜けないかしら」

キャロの窄まりから、ワセリンまみれの人差し指を、ゆっくりと抜いたシャマルが話しかける。
シャマルのアングルからは、指を抜かれたばかりでパクパクと開閉を繰り返す幼い菊座と、
何度も出されかき回された結果である、泡だった精子が結合部からとろりと滲み出る性器が丸見えだった。

「あ……うっ……」

エリオが、力の抜けたキャロの体を持ち上げる。
寝たままの体勢なので大して体を持ち上げる事はできなかったが、それでも何とか十数センチは持ち上がった。

「はあぁぁああぁ……あっ……」

結合部から、ゆっくりとエリオのモノが姿を現す。
キャロの愛液と自らの精子をまとったそれは、ついに亀頭が現れ、完全にキャロと分離した。

「……やった、やったよキャロ!!抜けたよっ!!」

エリオの体から離れ、ベッドに体を預けたキャロ。
荒い息を交えながら、エリオへ話しかける。

「あ……ホントだ……ぁ……あ、え、エリオ、くん……」

「どうしたの?キャロ」

「あ……の、その……もう一回……もう……」

エリオのほうを向き、目を潤ませながらのおねだり。
うっすらと汗をかき紅潮した肌と、くしゃくしゃになった服や髪の毛はとても扇情的で、
何回も出したはずのエリオはすっかり元気になっていた。

「キャロ……キャロっ!!」

エリオが、がばっとキャロに覆いかぶさる。
今度はキャロの小さな胸にしゃぶりつき、自分も上着を脱いでゆく。
さっきのはほんのウォーミングアップだといわんばかりの勢いで、第二回戦が始まった。
253CRR:2007/12/29(土) 03:33:35 ID:/tsz9eTQ
その光景を、口をぽかんと開けて見つめるシャマル。

「……私は退散しましょうか……」

ちびっこカップルによるオトナな時間。
もはや自分の居場所を失った医師は、静かに部屋を後にした……

「……あ、ザフィーラ?今日、夜空いてる?」

……その後、すぐ仲間の騎士にこんな思念通話を飛ばした。



―――――その後、エリオとキャロが、部屋に帰ってきたなのはに見つかって頭を冷やされたり、
ザフィーラが翌日黄色い朝日を拝む羽目になったが、それはまた別のお話。



おわり。
254CRR:2007/12/29(土) 03:36:37 ID:/tsz9eTQ
以上。途中で間違ってageてしまってスミマセン。
題名になってるのにシャマルさん空気とか、ちびっこ共が妙に手馴れてるとか突っ込みどころ満載ですが、
さらっと読んでくれれば幸いです。

ではさようなら!!
255名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 04:34:47 ID:GTlrmb2Y
>CRR氏

朝前に目が覚めたと思ったら
エロエロでラヴラヴなエリキャロSSがあって吹いたwwwww

いや、勿論『実用的』内容と描写でGJ!!
しかしこんな展開は考えても居なかったぜッ!
256名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 04:57:30 ID:sOE4xTGA
>>240
完結おめでとうございました。
乗り気ではないかもしれませんが、入院中の話は是非読んでみたいです。
新作の方も楽しみにしてます。
257名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 08:14:36 ID:1u1F7Gur
>>244
いっそプレスカを書けばいいんだ
258( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:53:02 ID:Ni7cX2v7

投下行きまーす。

注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・正直アリサ強杉。どこの跳躍系だ。
・非エロシリアス。……いや、今回ギャグだろ…………
・スーパークロノタイム!! ……の、予定だったんですが……
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」
259リリカルバイオレンス 7-1/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:53:58 ID:Ni7cX2v7
「ストップだ!」
 交錯しかけた、鎌のデバイスの刀具の付け根を掴み、剣のデバイスの刃を、鈍く輝く杖
のデバイスで受け止める。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」
 黒い服──バリアジャケットに身を包んだ少年は、宣告する。
「ここでの戦闘は危険すぎる、2人とも、速やかに行為を停止するんだ!」
「むっ」
 アリサは、クロノと名乗った少年の、威圧的な態度に、不快感を露にする。──と、次
の瞬間。
『Devine Shooter』
「うわっ」
 クロノの顔目掛けて、いきなりブッ放す。クロノは紙一重でかわした。
「だめーっ、アリサ!」
 対峙して、身構えかけた2人の間に、ユーノが飛行魔法で割って入ってきた。
「なによユーノ、こいつ、あたしの邪魔してきたのよ!」
「でも、違うんだ、この人は敵じゃない」
 不機嫌そうに言うアリサに、ユーノが取り繕う。そして、クロノの方を振り返る。
「ハラオウン執務官、でしたね。すみません。この子、この世界の子で、管理局の事は知
らないんです」
 ユーノが言うと、クロノは幾分構えを緩める。
「いや、現場を押さえようとしたとは言え、管理外世界でいきなり実力行使に出たこちら
も浅はかだった。すまない」
 少し憮然としつつも、クロノはそう言う。
 ────あれ、この感じ……
 アリサは、無愛想なクロノの態度に、ふと何かを感じかけた。

リリカルバイオレンス
 PHASE-7:A new oath

『Caution!』
 レイジングハートの声に、はっと我に帰る。
「危ない!」
 紅い魔力弾が、クロノ目掛けて迸る。
『Round Shield』
 クロノのデバイス、S2Uが術式を組み、クロノの手の先に、小さいが、強固な光の盾が
現われる。
 アルフが放った魔力弾が、それに弾かれ、熱エネルギーに変換されながら霧散する。
「フォトンランサー!」
260リリカルバイオレンス 7-2/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:54:23 ID:Ni7cX2v7
 だが、より上方に位置するアルフの周りに、さらに魔力弾が生成される。
「フェイト、離脱するよ!」
 アルフの声に、フェイトはハッと、視線を動かす。
 その視線の先に、ジュエルシードが捕らえられる。
 アルフの魔力弾が、次々とクロノを襲う。
 フェイトは急機動で、ジュエルシードに迫った。
『Ray Lance, Tri』
『Stinger Ray, Multi Shoot』
 ほんの僅かにアリサの、そしてクロノの魔力弾が迸る。
「えっ」
 クロノは、眼を円くした。
「はぅっ」
 ほぼ同時に、フェイトが複数の魔力弾に掠められ、悲鳴を上げる。
「くっ」
 紅い疾風が、フェイトを庇うように移動する。
『Sprite Slash』
「サンダーインパクト!」
 瞬時に人間形態に移行していたアルフの右手が、レイジングハートと交錯する。
 拳に収束させたアルフの魔力が、レイジングハートの帯びる魔力とぶつかり合い、バチ
バチと火花を散らす。
 だが、アルフは同時に、左手で、印を括っていた。
「転移!」
「アッ」
 アリサはレイジングハートを振りぬく。だが、圧し勝ったのではない。アルフとフェイ
トの姿が、そこから消えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
 アリサは、空中に浮いたまま、その場で息を少し整え、たかと思うと、
「キーッ、また逃げられたー!!」
 と、その場で地団駄を踏むように暴れた。
 ひとしきり毒ついてから、ゆっくりと高度を落とし、クロノの対面に着地する。
「で? こいつは敵じゃないって話だけど、一体何者なの?」
 クロノを睨むように見つつ、ユーノに向かって訊ねる。
「えっと、時空管理局、って言って、主に僕らの世界を中心として、次元世界の安全を守
っている組織なんだけど……」
「その説明も含めて、話したいことがある。悪いが、同行願おうか?」
 クロノは、しかし、険しい表情で、威圧的な口調で言う。
「嫌よ」
 だが、アリサの答えは短く、端的なものだった。
261リリカルバイオレンス 7-3/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:54:44 ID:Ni7cX2v7
 クロノの表情が、一瞬、呆気に取られた物になる。
「あ、あ、あ、アリサ?」
 ユーノが慌てた声を出す。
「さっき言ったわよね、管理外って。その管理外の世界のあたしが、そっちの言う事を聞
かなきゃならない法的根拠は?」
 もしアリサが普通の小学3年生だったら、クロノの言う事に、黙って、とは言わないま
でも、従っていただろう。
 だが、彼女には生半可に知識があった。
「君は解らないのか、これは次元単位での破滅を及ぼしかねない事態なんだぞ!?」
「だったら」
 クロノは憤ったように、身を乗り出しかけながら言うが、むしろアリサは澄ました表情
で、言い返す。
「日本の警察なり政府なりに、協力を申し出てから、って言うのが筋じゃないの?」
「それは…………」
 言葉に詰まりかけるクロノ。
『ハイハーイ、お2人とも、そこまで、そこまで』
 突然、どこからともかく女性の声が聞こえてきた。
 2人のすぐ傍らに青緑の魔法陣が展開し、そこにテレビ画面のような映像が映し出され
る。そこには、妙齢と言っていいであろう女性が、笑顔をたたえていた。
 はっとして、2人はそちらを向く。アリサは突然の事態への驚きを伴って。
「何、これ?」
「通信モニター」
 アリサの問いに、ユーノが答えた。
『私は時空管理局武装次元航行艦「アースラ」艦長、リンディ・ハラオウンです。今回は
不肖の息子がご迷惑おかけしてしまって、ごめんなさいね』
「母さ……じゃなかった、艦長!」
 苦笑混じりの微笑で、優しげに言う女性──リンディに、反射的にクロノが声を上げる。
「へぇ、アンタ、この人の息子なんだ」
「ぐ……」
 ジト目でクロノを見るアリサに、クロノが悔しそうに歯を食いしばる。
『貴女……ええと』
「アリサ・バニングスよ。艦長」
 少し逡巡しかけたリンディに、アリサは名乗る。
『そう、アリサさんね。貴女の言う事は正論だわ。ただ、事態はそれを許している状況じ
ゃないの。あなたの世界では、魔法は幻想の領域にあって、公的組織はその存在を認めて
いないわ。それらを説得するとしたら、長い時間がかかってしまうでしょう?』
「むぅ」
 想像には難くない。自分の両親──官僚組織ではなく民間企業のトップだが──でさえ、
自分の娘が魔法少女だ、なんて理解出来るかどうか。
262リリカルバイオレンス 7-4/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:55:15 ID:Ni7cX2v7
『それでは、手遅れになってしまう可能性が高い。だから、こちらとしても本意ではない
けれど、直接介入の手段をとらせてもらったの、ごめんなさいね』
「最初からそう説明してくれれば良かったのよ」
 アリサは笑みさえ見せながら、リンディの言葉に応える。
「コイツと来たら、いきなり邪魔するわえらそーに命令するわでさ」
「なっ……そうは言うが、君は自分がどれだけ無謀な戦いを挑んだか解ってるのか!? 相
手の彼女は、AA、いやAA+は無条件につけても良い戦闘魔導師だったんだぞ!?」
「ですが」
 トトッ、と、ユーノがクロノと視線を合わせるためか、アリサの肩に乗る。
「アリサは、その彼女を何度も撃退しています。今回が初めてじゃありません」
「なんだって……!?」
 クロノは驚いて、息を呑むように言う。
『クロノ・ハラオウン執務官』
「は、はい、艦長!?」
 優しげな容姿に似つかわしくない、毅然とした口調でリンディが言うと、クロノは直立
不動の姿勢になった。
『管理外世界の現地住人に対する充分な説明の不足、不必要に相手を威嚇する業務態度、
それに次元事故当事者の逃走阻止の失敗、減点対象ね?』
「あ、いや、それは……」
 クロノは、慌てたように狼狽し、あたふたと手振りが先行するが、言葉での言い訳が続
かない。
 アリサは腕組みをして、2人のやりとりを見ている。
『本件が解決次第、本局での再研修を命じます。良いですね?』
「ハイ……」
 がっくりとうなだれた。
『それで、改めて言うのも申し訳ないのですけれど、謝罪も含めてお話させていただきた
いので、本艦まで来ていただけないでしょうか?』
 リンディは笑顔に戻ると、少し申し訳なさそうに繭を下げつつ、アリサに言った。
『信用して、良い相手なのよね?』
 アリサは、消沈するクロノをジト目で睨みつつ、念話でユーノに問いかけた。
『大丈夫だよ』
 ユーノが断言する。
「解ったわ、そこまでお願いされたらしょうがないわね」
 クスッと笑いつつ、アリサは言った。
『ほいじゃ』
 魔法陣のモニターに移る人物が、別のものに変わった。ショートカットの、自分達より
はだいぶ年上だが、リンディよりは年下であろう女性。
『転送ゲート出すねー。ほらほら、クロノ君、そんなにしょげないの』
 励ますというよりは、からかう感じで、女性はそう言った。
263リリカルバイオレンス 7-5/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:55:45 ID:Ni7cX2v7

 時空管理局、巡航L型武装次元航行艦『アースラ』。
 転送ゲートに、2人と1匹は姿を現す。
 そのまま、クロノの誘導で、正面のエレベーターに乗った。
「ユーノ、これは船の中なのかしら?」
 アリサが、肩につかまっているユーノに訊ねる。
「うん、次元航行船って言って……えーと……」
 ユーノは少し、言葉に詰まりかけてから、
「この世界……宇宙って言った方が良いかな。それらは複数個が繋がる形になって存在し
ているんだ。で、その世界の間を渡る為の船が、次元航行船」
「解ったような、解らないような……」
 難しい顔をして、アリサは首を振る。
 エレベーターが目的の階層につき、扉が開く。クロノが最初に、続いてアリサとユーノ
が踊り場に歩み出る。
「そうそう」
 思い出したように、クロノが振り返る。
「いつまでもその格好じゃ、窮屈だろう。バリアジャケットとデバイスは解除しても大丈
夫だよ」
 固い口調はそのままながら、表情を崩して、クロノは言う。
「アンタだってそのままじゃない」
 アリサは、ひねた表情で、突き放すように言う。
「それもそうだな」
 クロノが言う。すると、S2Uが縮み、カードの姿になって、クロノの手におさまった。
「悪いが、バリアジャケットは執務官の制服みたいなものだから、容赦して欲しいんだが」
「アリサ」
 クロノが言うと、ユーノが諭すような口調で、アリサに言う。
「わかってるわよ」
 ユーノに先回りされた状況に、不機嫌そうにアリサは言いながら、
「レイジングハート、戻って」
 と、言う。
『Yes, Shifts to sleep mode, Good-bye again』
 活動的な、すその短めのジャケットにミニスカートという形態のバリアジャケットが解
除され、聖祥大附属小の制服姿に戻る。宝石の姿になったレイジングハートを、ペンダン
トとして、首に下げる。
「君も、元の姿に戻ったほうが良いだろう」
 クロノはカードになったS2Uを懐にしまいながら、ユーノに向かって言う。
「へ?」
 クロノの言葉の意味が理解できず、キョトン、とするアリサ。
264リリカルバイオレンス 7-6/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:56:10 ID:Ni7cX2v7
「そうですね、この姿でずっといたから、忘れてました」
 ユーノはそう言ったかと思うと、彼の体が淡い緑色の光を放つ。
 その光のシルエットが膨らんできたかと思うと、アリサやクロノと同じくらいの年恰好、
男性にしてはやや長めの、蜂蜜色の髪をストレートにした、少年の姿になった。
「アリサにこの姿を見せるのは、久しぶりだね」
「へ、え? へ…………?」
 突然の事態に、さすがのアリサの頭もオーバーフローを起こし、目を真ん円くして立ち
尽くす。
「あれ……えっと……アリサ達に最初に出会ったとき、僕はこの姿だったよね……?」
「違う違う、最初からフェレットだったわよ!!」
 思わず身じろぎながら、気まずそうに訊ねるユーノに、アリサは声を荒げて言う。
「え、あれ、え、えーと…………」
 ユーノは、片肘を反対側の手で押さえつつ、指をおでこに当てるしぐさをして、しばら
く考え込む。
「あーっ! そ、そうだ……最初からそうだったね」
「そ、そうよ!」
 ユーノも思い出し、慌てて両手を振りながら、言った。
「しかしこう見ると……」
 ジロッ、と、アリサはユーノの顔を覗き込む。
「な、何?」
 ユーノは、後退りかけた。だが、アリサの眼が、それを許さないと言っている。
「えっと、いいかな、君達の事情はよく知らないが……」
「黙ってて! 今乙女の一生を左右する事態なんだから!!」
 クロノは割って入ろうと声を出したが、アリサはクロノを睨みつけて、ものすごい剣幕
で怒鳴る。
「…………はい」
 言って、クロノは軽くため息をついた。
 アリサはユーノの顔に視線を戻す。ユーノは接近するアリサの顔に、顔をかすかに紅く
する。アリサはさらに、ユーノの胸元、足元へと視線を走らせる。
 そして、アリサが上体を起こしたかと思うと、ビシッ、とユーノを指差した。
「合格! だから、許す!」
「へ?」
 先に気の抜けたような声を出したのは、クロノの方だった。
「ご、合格って、なにが?」
 ユーノが慌てた様子で聞き返す。
「決まってるじゃない、私のHusbandによ」
 アリサは、何を言っているんだというような表情で、言い返した。
「ああ、なるほど……」
 そう言って、納得しかけたユーノだったが、
265リリカルバイオレンス 7-7/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:56:40 ID:Ni7cX2v7
「って、僕がアリサの花婿!? どうして!?」
 と、はっとして、驚ききった様子で突っ込む。
「何言ってるのよ。アンタ、あたしの着替えやらお風呂やら、ずっと見まくってたわけじ
ゃない」
 アリサは顔を紅くしつつ、少し憤ったように言う。
「いや、でも、それはほら、不可抗力って言うか、僕がいやだって言っても聞いてもらえ
なかったというか」
「お父さんに、あたしが『フェレットに穢された』なんて言ったら、ユーノは間違いなく
Shot gunで蜂の巣よねぇ」
 言い訳するユーノに、アリサはジト目で睨みながら、脅迫するように言う。というか、
まんま脅迫である。
「確かに、まだ若い女性の裸を、謀って覗き、いや間近で堂々と見てたなど、許される行
為ではないな」
 クロノが、半ば呆れたような、半ば面白がっているような口調で言う。
「ほーら、執務官様もそう言ってるわよ」
「あ、酷いアリサ! こんな時だけは同調するなんて!」
 ニヤッと笑うアリサに、ユーノは思わず悲鳴のような声を出す。
「それとも何、アンタはあたしが相手じゃなんか不満でもあるって言うの?」
「え!?」
 アリサの問いかけに、ユーノはドキッ、とする。
「いや……不満は別に……その」
 正直に言えば無いわけではない。元来意思は強いが、我は強くないユーノにとって、ア
リサは疲れる相手なのだ。
 だが、そんな事を言えばこの場で3枚ぐらいにおろされることは間違いない。
 そして目の前の正義の執行者殿は決してユーノの味方ではない事も明白だ。
「あ、ありません」
「なら、決まりよね。解った?」
「は、ハイ」
 脅迫と言うか、もはや覆しがたい力関係の前に屈するユーノ。
「それじゃあ、話がまとまったところで、艦長が待っている。急ごう」
 クロノは、まこと女性とは魔性の生き物であると、“改めて”認識しつつ、その被害者
が自分ではない事に余裕の笑みを浮かべ、そう言った。
「はーい」
 アリサはわざわざ、ユーノと腕を絡ませつつ、顔に青い縦線が無数に入ったユーノを押
す様にして、歩き出すクロノに続いた。
 ついた先は、艦長のプライベートルーム。
「艦長、お2人をお連れしました」
 ドアの前で、クロノが中のリンディを呼ぶと、すぐに返事が返ってきた。
266リリカルバイオレンス 7-8/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:57:23 ID:Ni7cX2v7
「良いわよ、お通しして頂戴」
 バシュ、と、空気圧動作の自動ドアが開く。
「え?」
 アリサは、思わず眼を円くした。
 その中の光景は、和室そのもの。畳が敷いてあり、簡易的ながらも茶を点(た)てる道
具も拾っている。
「ようこそいらっしゃいました」
 明らかに日本人ではないリンディが、もちろん和装などではなく、その室内で正座して
いるのは、妙に異質な光景だった。
「ユーノ・スクライアさんと、アリサ・バニングスさん……あら、日本の方ではなかった
のですね」
 リンディは、アリサの、ネィティブジャパニーズではない外見に、少し戸惑ったように
言った。
「両親はイギリス人です。私自身はほとんど、日本で生まれて育ったようなものですが」
「グレアム提督と同郷か……」
 呟くように、リンディが言う。僅かに遅れて、クロノが冷や汗を微かに流したのは、誰
にも気付かれなかった。
「緑茶は?」
「大丈夫です」
 優しげな微笑で訊ねるリンディに、アリサは即答した。
 アリサは当然のように紅茶党だが、日本人との付き合いも深い為緑茶が苦手と言うわけ
ではない。
 …………苦手と言うわけではない、が。
「うげ」
 リンディが、自分の湯呑みに、大量の砂糖とクリームを入れるのを見て、思わず顔をし
かめた。
 緑茶に砂糖やクリームを入れる飲み方は、日本以外の国では割とメジャーだ。だが、リ
ンディは明らかに入れすぎである。紅茶なら葉の味は渋みしかせず、コーヒーなら溶け残
った砂糖で口元がザラザラしそうな勢いである。
 しかも、それをリンディは平然と口に運び、あまつさえ、満面の笑顔で言う。
「ああ、美味しい」
 アリサは、自分が生まれるより10年ほど昔に製作された、某アニメシリーズの第6作の
ノリで、空中をブレイクダンスしかけるのを、必死に抑えた。
 隣に座るクロノの、辟易した顔を見る限り、どうやら幸運にもリンディの味覚は遺伝し
ていないらしい。
「それで、管理局が、どうして管理外の、その、アリサには悪いけど、辺境のほうにある
世界の出来事に、気付いたんですか?」
 ユーノは、アリサに気遣って前置きしたが、辺境、と言う単語に、アリサの眉は、ぴく
ん、と、一瞬反応した。
267リリカルバイオレンス 7-9/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:58:24 ID:Ni7cX2v7
「この辺りの空間を巡回中に、小規模な次元震を観測、震源と見られる世界に向かってき
た、と言うのが経緯だ」
 クロノが説明する。
「そして、その原因がロストロギアだと言う事が判り、その詳細を調査していたところ、
アリサさんと、もう1人の彼女が、該当のロストロギアをめぐって戦闘しているのを発見
したと言う事です」
 リンディが、そう続けた。
「ロストロギア?」
 聞き慣れない単語に、アリサが反芻する。
「えっと、この……世界が、いくつもの次元世界が連なって出来ている、と言うのは良い
かしら?」
 リンディが、少し困惑げな表情で言う。
「よくは解ってませんけど、とりあえずは」
 アリサも、少し困ったようにそう答える。
「その中には、稀に進化しすぎる文明があるの。住人の精神の成長を遥かに上回って技術
が進化してしまい、結果として文明を滅ぼしてしまう。その後に遺された、技術の遺産。
それがLost Logia」
「使用方法ははっきりしないが、危険な量のエネルギーを持った、過去の世界の遺産」
 リンディの言葉に付け加えるように、クロノが続ける。
「その中には、使い方によっては、次元世界をまるまる消滅させることができる程の物も
ある。僕たち時空管理局は、そう言ったロストロギアを回収、力が振るわれることの無い
よう、管理している」
 そう言って、クロノは2人を、厳しい視線で見た。
「そして、ジュエルシードはその中でももっとも危険な部類に含まれる。次元に干渉する
能力を持つ。しかも不安定」
「あのジュエルシードは、僕が見つけたものなんです」
 ユーノが、言葉を発する。
「スクライアの一族は、遺跡発掘が生業だからな」
 クロノの言葉に、ユーノは頷く。
「僕があんなものを見つけてしまったから、それがアリサたちの世界にばら撒かれること
になって、だから、僕はそれを回収しようとして、僕が回収しなきゃならないと思って」
 少したどたどしいが、ユーノは強い意思を感じさせつつ言う。
「立派だわ」
「だけど、同時に無謀でもある」
 リンディが、感銘を受けたように良い、クロノは逆に、少し憤ったように言う。
「ここから先は、時空管理局が責任を持って回収する。君達は、それぞれの世界に戻ると
いい……ああ、ユーノは、アリサの世界に婿入りするんだっけか」
「いや、だから、それは」
268リリカルバイオレンス 7-10/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:59:18 ID:Ni7cX2v7
 クロノの言葉に、ユーノは思わず言葉を発しつつ、横からアリサがギロッ、と睨んでき
たのに気付き、ビクッ、と背中を跳ねさせる。
「あらあら、若いって良いわねー」
 ん、もう、とか言いながら、充分以上に若々しい子持ち女は、手を振りながら顔を赤ら
め、楽しそうに笑う。
「まぁ、急に言われても気持ちの整理もつかないでしょうし、今夜一晩2人で話し合って、
今後どうするか、ゆっくり考えてください」
 リンディは苦笑しながら、そう言うが、
「一晩も必要ありません」
 と、アリサが、低い、しかしはっきりした声で、そう言い切った。
「え?」
 リンディとクロノ、さらにユーノまでもが、驚いたようにアリサの顔を見る。
「あたしがジュエルシードを追ってたのは、もちろん、あたしの世界を守る為や、ユーノ
の手伝いでもあったけど、それ以上に、あの子と決着をつけるためです」
 アリサは、強い意志を感じさせる双眸でリンディとクロノを見据えつつ、言う。
「あの子に、フェイト・テスタロッサに勝って、そして、あの子が、なんでジュエルシー
ドを集めているのか……あんな悲しい顔をしているのか、その理由を問い質す為」
 アリサの言葉は、だんだんとややどもりがちになったが、それは彼女の意思の揺らぎを
示すものではなかった。
「君は、まだそんな無謀な事を言っているのか!?」
 クロノが反応し、声を荒げる。
「無謀無謀って、やってみなけりゃわからないじゃない」
「わかりきってる! 君とあの子の間には、絶望的って言って良いほど、魔法出力に差が
あるんだぞ!」
 キリキリキリキリ、音を立てそうなほどの睨みあい。
「クロノ執務官」
 割って入るように、ユーノがクロノに声をかける。
「魔法は魔力の量じゃなくて、使い方とその組み方によるんじゃありませんか?」
「い、いや、そうだが……」
 実は、それは、クロノの持論でもあった。
「アリサは、最初にフェイトと出会った時は、確かに手も足も出ませんでしたが、出会う
度に魔法と戦術に改良を加えて……今では互角か、それ以上かもしれません」
「信じがたいな……」
「まだ言うか、こいつはっ」
 遂にアリサの手が出かけた、その時。
「まぁまぁ、では、こうしましょう」
 と、場を和ませようとする口調で、リンディが言った。
269リリカルバイオレンス 7-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 08:59:45 ID:Ni7cX2v7
「お2人には今後もジュエルシード回収に携わっていただく代わりに、その身柄を一時、
管理局扱いとします。行動に関しては、我々の指示に従っていただくことになります。よ
ろしいですね?」
「艦長」
 リンディに向かって声を荒げかけたクロノを、リンディはまぁまぁと表情でいさめる。
 アリサは、ユーノと顔を見合わせた後、リンディに視線を戻した。
「もうひとつだけ、交換条件、って言うか、お願いなんですけど」
「あら、なにかしら?」
 リンディが訊ねる。ユーノは、軽く首をかしげた。
「デバイス、簡単な砲撃魔法が使える物、ひとつ用意してもらえませんか?」
「なっ」
 クロノの顔色が変わる。
「なんでそこまでしなけりゃならないんだ、大体、君はもうそんなに優秀なインテリジェ
ントデバイスを持っているじゃないか」
「えっと、私じゃなくて、もう1人、凄い魔力の持ち主がいるんです。あんまり器用じゃ
ありませんけど……それでも、掩護役ぐらいは出来ると思います」
「あ……そうだ、僕からもお願いします。その子もきっと役に立つと思います」
 ユーノも、アリサの意図を理解して、言った。
「タダでとは言いませんから」
 アリサが付け加えた。
「わかりました……」
「艦長!」
 クロノは、顔色を変えてリンディを見る。
「いいじゃない、どうせ部品は余ってるんだし、ひとつぐらい」
 妙に楽しそうなリンディに、クロノはどうなっても知りませんよ、と、渋い顔をした。
「ひとまず、話はその方向で。アリサさんは一度お家に帰って、準備をして、そしてお家
の方に話をしてくる事。何日か、こちらにい続けになる事もありますからね」
 リンディが言うと、アリサはユーノと顔を見合わせ、2人してにっと笑った。
「とりあえず、元の場所まで送ればいいよね?」
 クロノは、まだ不機嫌そうな様子でそう言いつつ、腰を上げた。
270リリカルバイオレンス 7-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/29(土) 09:00:49 ID:Ni7cX2v7
>>259-269
今回は以上です。

どうもユーアリで確定してきました。
(いや……これは……アリユーか?)
271名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 09:20:17 ID:yjt27WcN
>>254
GJ!
エリキャロ最高!!!!!
ラブラブいいよおおおおおお!
272名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 09:38:26 ID:Nv5gCtIs
フェレットでいちゃ嫌ってわがままいうんだよな
273名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 09:53:51 ID:FPv8besy
>>254
ちょい遅レスだがGJ。なんというバカップルどもだw
そりゃあ、シャマルさんも砂吐きたくなるってもんだZEwww
274名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:01:33 ID:GQmTLS+y
>>254
シャマルの前でも自重しない二人に吹いたwwwwwエリオテラ淫獣wwwww
275名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:37:26 ID:jXYRfoHQ
>>270
アリユー万歳。GJ!
276名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:37:52 ID:LP9O8WZc
>>254
CRR氏乙です。朝っぱらからw
277名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:51:32 ID:Nv5gCtIs
>>270
オレはアリユー好きだから嬉しいけど、
ちょっと話の消化に重視しすぎてるところが気にかかる。
話のやりとりは原作どおりなんだから、わりとはしょっても平気。
でもこうアリユー分がオリジナルなんだから、そこらへん強めてくれると面白い。
278名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 10:59:29 ID:1u1F7Gur
むしろなのは再戦に期待。
でも果たして親が許すやら……1度折ってるし
279名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 12:22:09 ID:cvkVSS4u
ものすごく流れぶった切った上にスレチな質問をしたいんだけど
erananoのレズ経験ってどうやってやれば上がるの
うん、スレチでごめん。
280名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 12:29:56 ID:ALo4rewl
そりゃ助手の女の子に調教させれば良いんだろ
281名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 12:34:43 ID:cvkVSS4u
あれ?助手にするためにはレズ経験が必要なんじゃなかったっけ?
282名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 12:55:36 ID:LP9O8WZc
気持ちよさに目覚めさせて堕ちていくところまでなら
結構職人さんかいてくれるよな。
なのフェイなんかはガチだ。
283名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 13:12:21 ID:OdDRXO47
erananoって日数制限ある?
284名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 13:22:13 ID:cvkVSS4u
>>280
ごめん、わかった。
ありがとう
285名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 13:36:56 ID:0RTqNvWt
>>270
確かに話は無理矢理かもだが、
アリユーな点ではGJでした!このままイってしまって下さい(ぉ
286名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 16:53:34 ID:2wZ5LYCU
>>281
レズ経験なしでも助手に出来るようにしてあります。

>>283
一応200日経過or$2550000で終了です。
$2550000だとすぐなので次のverでは増やそうかと思っています。
287名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 17:57:38 ID:GqmCDiOv
すまん、ちょっと皆の意見を聞きたいんだけど
中将&ゼストとオーリスって今何歳くらいだと思う?
288名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 18:11:24 ID:m3aRFZEK
中将は管理局に入って40年らしいから低く見積もっても50以上

他の二人は完全に私見だがゼストが40前半、オーリスは20後半かな
289名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 18:45:04 ID:Vt/baz10
8年前…ゼスト死亡
死亡時は前線で活躍するストライカーなため、身体的能力が著しく下がりだす
40代ってのは少し可能性が低い。30代、仮に死亡時35歳とすると、本編中ゼスト43歳

レジアスとゼストは親友であったらしいので、それほど年は離れては
いまいと仮定すると、レジアスの年齢は同じ40代の範疇に入るのでは?

ここで問題となるのがオーリスの発言
「入局して何年? レジアス中将は40年です。」
はやてに対するはったりの意味もあり、四捨五入して「40年」って
ことかも知れんと妄想する

例えばレジアスが実は入局37〜39年目で、入局したのが9〜12歳頃
だったとすると、ギリギリ40代後半という設定も可能かと愚考。
オーリスは20代半ば〜後半ぽい

ッ長文サーセンwwww 
290名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 19:35:40 ID:ZFaN9OYJ

40代・50代でも体が衰えないよう鍛えているんじゃないか?
ほら、シ○ワル○ネッガーとかス○ローンとかセ○ールとかみたいに。
291名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 19:37:50 ID:GzsmKrnH
一桁代で入局しててもおかしくないのがなのは世界だからな・・・
292名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 19:51:47 ID:3BNcuZrZ
レジー坊やって呼ばれてたぐらいだしなあ
しかしなんだ、中将の人気に嫉妬w
293名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 20:36:44 ID:FPv8besy
このまま行くと、【中将の沈黙シリーズ】とか誰か書きそうな・・・よ、読んでみてえw
294名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 21:14:19 ID:m3aRFZEK
>>291
ただ魔導師じゃない中将が10代前半で入局したとも思えないんだよな

そういえばレジアスとオーリスの親子関係が判明する前まではオーリスって普通に30越えてると思ってたよ
ほら、あの世界ってリンディさんやレティさん、桃子さん、プレシアママンみたいにやたら若く見える人がいるし

ただそうなると確実に行き遅r
<<どっかのバカがのたうちまわっていますが無害です>>
295名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 21:26:31 ID:FPv8besy
あの世界の女性陣は、若作りは得意中の得意でs(全力で逃走中
296名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 21:30:38 ID:Vt/baz10
>>294
>ただ魔導師じゃない中将が10代前半で入局したとも思えないんだよな
それは俺も考えたんだが、前例もあるしなぁ(マリー12歳・エイミィ13歳以前)
まあ、二次創作をする分にはその辺の設定は、公式設定がない以上、
書き手さんの想像でどうとでもいじくってしまってもよかろうよ。
297名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 21:57:22 ID:ZFaN9OYJ
質問です。

書いたSSの内容が何となく既存の作品(うろ覚えだけど多分どっかのサイトのSS)
に似ている気がするんですけど、投下しない方が良いですか?
29838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 21:59:39 ID:+693Xnen
最近このスレレジアスな流れになる時多いなあw
この流れをぶった切ってユノなの投下しますよ。

・ユノなの
・エロ無し
・なのは15歳
29938 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:01:04 ID:+693Xnen
スタート・ライン

「ユーノ、今日の分はこれで最後だよ」

そう言ってアルフが持って来た書類にユーノが目を通していると、急にアルフが口を開く。

「そう言えば、明日はやっぱり行くのかい?
「うん、休みも取れたし、毎年行ってるしね」

そう言ってユーノは微笑みを浮かべる。
と、そこに通信が入り、ユーノの目の前にウインドゥが開く。そこに映ったのは、クロノだった。

『……ユーノ、ちょっといいか?』
「……ねえ、クロノ。僕が明日休み取ってる事、なのは達と一緒に初詣に行くって事、知ってるよね?」

途端に身構えるユーノに、クロノは違う違う、と両手を振る。

『今日は別に調べてもらいたい事がある訳じゃない。
 ……実はな、明日休暇が取れたから、初詣とやらに行って見ようかと思ってな。
 待ち合わせはいつ何処でだ? フェイトが捕まらなくてな』

そう行ったクロノ。その顔は、何故か微かに赤い色に染まっていて。
ユーノは首を傾げるが、すぐに何かに気付き、にやつきながら言った。

「それは、みんな喜ぶとは思うけど……、行く神社に安産祈願のお守りってあったかな?」
『な、ユ、ユーノ!?』
『ち、ちょ、何で知って……っ!?』

途端に真っ赤になって慌てふためくクロノと、話を聞いていたのか、こちらも真っ赤になるエイミィ。
そんな2人を見て、ユーノは納得したように笑った。

「やっぱり、ね。クロノがわざわざ初詣に行くなんて、おかしいと思ってたんだ。
 神頼みなんて柄じゃないクロノが神頼みに行くなんて、こんな理由があるからとしか思えないよ」

そう言ったユーノに、クロノとエイミィはカマをかけられた事に気付き、撃沈する。
そんな2人を見て、ユーノは笑いながら口を開いた。

「武士の情け……って地球では言ったっけ? とにかく、明日クロノがちゃんとなのは達に言うんなら、僕はそれまで黙ってるから」

そう言って、ユーノは集合時間と場所を送って、通信を切った。
30038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:02:19 ID:+693Xnen
その頃、海鳴では。

「さーてようやくなのはちゃんが自覚してくれたんや、全力でくっ付けるでーっ!」
「「「おーっ!」」」
「に、にゃうう……」

やたらめったらにテンションが高いはやて、アリサ、すずか、フェイトの4人を、なのはは真っ赤になって見やる。

「……いやー、それにしてもロッサには本当に感謝やなぁ……」
「本当だよね……、ヴェロッサさんがいなかったら、少しでもぼかしてたら、なのは、まだ自覚してなかっただろうし……」

そうしみじみと呟くはやてとフェイト。
そこに、思い切り首を傾げたアリサとすずかが割って入った。

「それって、どう言う事よ?」
「私達、『なのはちゃんが自覚した』とは聞いたけど、『どうして』自覚したのかは聞いてないよ?」

そう言うアリサとすずかに、はやてはにっこり笑って、口を開いた。

「ああ、それはやな……」
「だ、だめーっ!」

そのままその時の事を話そうとしたはやてを、なのはは必死で止めに入る。
その顔は火を噴きそうな程真っ赤になっていて。

「え? な、何で止めるんや? 別にその時告白したとかじゃないやないか!」
「そ、それでも恥ずかしいもん!」

そう言って何とかはやてを止めようと、なのはは腕をぶんぶん振り回す。
と、そんななのはの背後にアリサが忍び寄り……、

「うみぃっ!?」

……なのはの頬を思い切り引っ張った。

「ひ、ひひゃいひひゃい〜!」

さっきまでとは違う意味で腕を振り回すなのはを無視して、アリサははやてに視線を送る。
あ、あはは……と乾いた笑みを浮かべるはやてに、アリサは命じた。

「……さあ、はやて。……話しなさい」
30138 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:03:00 ID:+693Xnen
「ふんふんふんふんふ〜ん♪」
「……何だい? 随分とご機嫌だね、高町さん」

花歌を歌いながら、今にもスキップしそうな程ご機嫌ななのは。
と、そんななのはに声がかかり、なのはが振り向くと、そこにはヴェロッサが立っていて。

「あ、ヴェロッサさん! お久し振りです!」

そう言ったなのはに、ヴェロッサは微笑んで手を振る。
そして、ずいっ、となのはに顔を近付けて、もう一度言った。

「……で? 何でそんなにご機嫌なんだい? 高町さん」
「明日、久し振りに、ユーノ君と会えるんです!」

そう満面の笑みを浮かべて言うなのはに、ヴェロッサは目を丸くする。

「……え? それだけ?」
「そうですよ?」

目を丸くしたままそう言ったヴェロッサに、なのははそう言って、首を傾げる。
そんななのはに、ヴェロッサは呆れたように微笑んで、口を開いた。

「……高町さん、君はそんなにスクライア司書長の事、好きなんだね」
「うにゃあっ!?」

そうヴェロッサが言うと、なのはは奇声を上げて飛びあがり、ヴェロッサはもう一度目を丸くした。

「ん? 高町さんが言ったユーノだから、スクライア司書長だと思ったんだけど、違ったのかい?」
「ち、違わないですけど! す、好きってーっ!」

そう完全に真っ赤になって叫ぶなのはに、ヴェロッサは呆れたように言う。

「……あのねぇ……、あの喜びよう、どう見ても久し振りに恋人と会えるって感じだったよ?」
「こ……こいっ……こいっ……」

真っ赤になって口をぱくぱく開閉させるなのは。
そんななのはの肩を掴んで、ヴェロッサは口を開いた。

「……これは、人生の先輩としての助言だよ。
 ……人を好きになったら、出来るだけ早く告白した方がいいよ? 言えなくなる時も、あるから」
30238 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:04:01 ID:+693Xnen
「……と、まあ、こう言う所やな」

そう言い切ったはやてに、アリサは怪訝そうな表情をする。

「……ちょっと待った。話聞いてる限り、はやてもフェイトも出て来てないんだけど」

この話、一体何処で知ったのよ? とアリサが聞くと、はやては微笑みながら答えた。

「なのはちゃんに自覚させたロッサ、な、私をちょこちょこ助けてくれたりしてくれる人やねん。
 ……やから、私とロッサって面識あるんよ。今回の話は、ロッサから聞いたって訳」

そうはやてが言うと、アリサは納得したように頷き……、
……自分がまだなのはの頬を引っ張ったままだと言う事に気付き、慌ててその手を離す。
なのはは痛みと恥ずかしさで頬を真っ赤に染め……、

「はやてちゃんだって、ヴェロッサさんとはどうなの!?」

反撃するように、そう言った。

「あ、あー、ロッサ? ……別に、どないもないで? うん」

……しかし、そう返され、なのはは思わず言葉に詰まる。
そんななのはに追い討ちをかけるように、はやては言う。

「……今んとこ、私にとってロッサは、お兄ちゃんみたいな存在なんやで?
 ……ちょうどクロノ君とフェイトちゃんの関係みたいなもんで、恋愛感情は、あらへん。
 ……なのはちゃんがユーノ君に抱いとるみたいな、感情はな♪」
「うにゃあああーっ!?」

そう見事までにカウンターの言葉を貰い、なのはは真っ赤になって飛び上がる。
そんななのはに、にこにこ笑いながら、すずかが口を開いた。

「なのはちゃん、頑張ってね♪」
「……にゃ? ……何を?」
「……やだなあ、告白に決まってるじゃない♪」
「にゃああーっ!?」

そう言われ、またなのはは飛び上がる。
すっかり3人のおもちゃになっているなのはを見て、フェイトははぁ、と同情の溜息を吐いた。
30338 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:05:06 ID:+693Xnen
そして、元旦。

「ね、ねえ、お母さん。だ、大丈夫だよね!? ……変じゃないよね!?」
「ええ、大丈夫。いつも通り、可愛いなのはよ♪」

慌てふためくなのはに、そうにっこりと笑って桃子は言う。
それでも不安そうな表情をしているなのはの耳元に、桃子は唇を寄せ、囁いた。

「いつも通りのなのはで大丈夫よ。……それがユーノ君が好きななのはなんだから」
「……え?」

そう言われ、きょとん、とするなのは。
その顔にみるみるうちに血の色が昇るのを見て、桃子は自分が口を滑らせた事に気付くが、時既に遅し。

「え、え、えええええーっ!!」

そう叫んで飛び上がったなのはを見て、桃子は頭を抱えた。
と、その手をちょんちょん、と突付かれ、桃子が顔を上げると、

「ね……ねぇ、お母さん。私……、どうしたらいいの……」

そう、少し泣きそうになって言うなのはと目が合った。
その顔は、今にも火を噴きそうな程真っ赤になっていて。

「……どうするも何も、いつも通りにユーノ君と接すればいいのよ」
「い、いつも通りって、私どんな風にユーノ君と接してたっけ!?」

そう桃子が宥めるが、なのははパニックに陥ったまま。
と、インターホンが鳴らされて、なのははその場に飛び上がった。

「え、あ、あわわわわ……」
「……美由紀ー、悪いけど、出てくれるー?」

途端に、あわあわと意味も無く両手を振り回し始めるなのは。
そんななのはを見て、桃子はもう一度頭を抱えた。

「……ほら、なのは? まずは落ち付いて、深呼吸して、ね?」

しかし、何とか気を取り直すと、桃子はなのはを宥めに入った。
30438 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:05:58 ID:+693Xnen
「久し振りね、ユーノ」
「あはは……、そうですね、美由紀さん」

一方、その頃居間では、ユーノと美由紀が話をしていた。

「ねえねえ、最近なのはとはどうなの?」
「な、なのはと、ですか? ……時々一緒に買い物に行ったりとかはしてますけど……」

そう、少し焦りながら言うユーノに、美由紀はにやにやと笑いながら詰め寄る。

「……ほほう。それはデートと判断していいのかね?」
「べ、別に僕はなのはと付き合ってる訳じゃないんで、デートじゃないですよ!
 と、言うか美由紀さんは、こんな事してる暇があるなら、まず自分の相手を見付けてください!」

美由紀の追及に、思わずユーノはそう叫ぶ。……叫んでしまう。
と、ぴたり、と美由紀の動きが止まり……、……その肩がぷるぷると震え始めた。

「……ユーノー?」
「あ、あわわわわ……」

そのまま地獄の底から響いて来るような声で名前を呼ばれ、ユーノはその殺気にがくがくと震える。
そんなユーノに美由紀は詰め寄り……、……その時、居間のドアが開いた。

「ごめんなさい、ユーノ君、待たせちゃったわね。……どうしたの?」

居間に入ってきた桃子は、居間の……、と言うか美由紀の纏っている殺気に目を丸くする。
と、桃子に気付いた美由紀が、纏っていた殺気を引っ込めた。
……その顔は膨れっ面をしていたが。

「……? ……まあ、いいわ。なのはー? そろそろ出てらっしゃーい?」

桃子は首を傾げるが、すぐに気を取り直すと、なのはを呼ぶ。
……しかし、なのはは現れずに。……いや、ドアの影からちらちらと何か布のようなものが見えていた。

「……なのは?」

それに気付いたユーノが声をかけると、その何かはびくっと震える。
……そして、観念したようになのはが扉の影から姿を現して……、

「……え?」

……ユーノは、硬直した。
30538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:06:27 ID:+693Xnen
桜色の下地に雪のように白を散らせた着物を身に纏い、髪をきっちりと結い上げている。
ただそれだけなのだが、それが凄く可愛らしく見えて。
ユーノは蜜に誘われる蝶のように、ふらふらとなのはに近付き……、

「ゆ、ゆーのくん!?」

……焦りまくったなのはの声に、我に返った。

「う、うわわわわっ! ご、ごめん!」

そう叫んで、ユーのは何時の間にか至近距離まで近付いていたなのはから飛び退こうとする。
と、なのはは、そんなユーノの手を掴んだ。

「……え?」
「……え、えっと……、に、似合ってる……かな?」

そう言ったなのはに、ユーノは思わず本心から頷く。そして、なのははそれを見て、嬉しそうに笑った。

「えへへ……、ありがとう、ユーノ君」

そう、ユーノとなのはが甘い空間を作っていると、

「……なのは、お熱いのはいいんだけどさ、……そろそろ時間なんじゃないの?」

……いきなり美由紀に声をかけられ、2人とも飛び上がる。
全て桃子と美由紀に聞かれ、そして見られていた事に気付き、2人は真っ赤になり……、

「そ、そそそそそ、そうだね! は、早く行かないとね!」
「う、う、うん! い、行こうなのは!」

……慌ててその場から逃げ出した。
居間に取り残され、桃子と美由紀は顔を見合わせる。
……その顔は、2人とも押さえ切れない笑みに包まれていて。

「ねぇ、お母さん。……気付いた?」
「ええ。……でも、なのは達は、向こうに着くまで気付かないんじゃないかしら?」

そう言い合って、桃子と美由紀は笑い合った。
……実際、ユーノとなのはは気付かなかった。2人が、手を繋いでいた事に……。
30638 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:07:17 ID:+693Xnen
「……ぅぅぅ……」

みんなについて神社への道を歩きながら、なのはは真っ赤になって膨れる。
集合場所に着くまで手を繋いでいた事に気付いていなかったので、全員に散々からかわれていた。

「……ちょっと、やりすぎたかしらね?」
「……うーん……、そうかも」

そんななのはを見ながら、アリサとすずかがひそひそ話をする一方。

「……興味無いように見えて、やる事はやってたんだよな、このエロノ」
「や、やかましい!」

到着した時に散々弄られた腹いせか、ユーノがクロノを弄っているし、

「……私が……おばさん……かぁ……。……お兄ちゃんとエイミィとの間に子供が出来るってのが嫌なんじゃないよ?
 むしろ嬉しいよ? ……でも……、おばさん……かぁ……」
「フェ、フェイトちゃん、そないに落ち込まんでも……」
「……はやてはいいよね? ヴェロッサさんがいるんだから……」
「こ、この前ロッサには何にもそないな感情無いって言うたやん!」
「……あんな誤魔化し方で誤魔化せるの、なのはぐらいだよ、はやて」

おばさんになると言う事に落ち込んだフェイトが、何故かはやてを弄り出している。
そんな混沌とした状況の中で、メンバーの中で1番年上のエイミィが口を開いた。

「……ほら! みんな落ち着いて!」

その声に、その場の全員が我を取り戻す。
と、そのタイミングを見計らったのか、なのはがつつつ、とユーノの横に近付いた。

「……ん? どうしたの? なのは」
「え!? な、何でも無いよ!?」

ユーノがそう聞くと、なのはは飛び上がり、慌てて離れる。
しかし、しばらくすると、またつつつ、とユーノに近付いて行く。
そして、ちらちらとユーノの顔を見ては、その度になのはは顔を赤くする。
そんななのはに、ユーノは首を傾げていた。
30738 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:07:49 ID:+693Xnen
そうこうしているうちに、8人は神社に到着する。
境内に溢れる人ごみを見て、クロノは一瞬げんなりした表情をして、口を開いた。

「……この人ごみじゃ、はぐれそうだな……」
「それなら、はぐれたらここに集合って事でいいんじゃない?」

そうエイミィが言うと、クロノはそうだな、と頷く。
そんな2人を見て、はやてがにやにやしながら言った。

「おー……、さすがに結婚しとったら、息の合い方も違うな……」
「……どーだ、恐れ入ったか!」

しかし、からかうつもりで言った言葉に素で返され、はやては言葉に詰まる。
そんな事をしながら、8人は人ごみの中に入って行き、

「……うにゃあっ!?」

……しばらくして、突然なのはのそんな悲鳴が聞こえ、ユーノは振り向く。
すると、なのはが別の方向へ向かう人の流れに捕まり、流されかけていた。

「……なのは!」

慌ててユーノはなのはの手を掴むが、そのままユーノも流れに飲み込まれる。
何とか抜け出そうとしばらくもがいていると、林の入り口で何とか解放される。
ユーノはほっと溜息を吐き、なのはを振り向き……、
……一瞬だけ凍り付き、慌ててなのはを林の中に引っ張り込んだ。

「ゆ、ゆ、ゆ、ゆーのくん!?」

そのユーノの行動に、なのはは何かを想像してしまい、真っ赤になる。
そんななのはを引っ張って、ユーノは林のある程度奥まった所まで行き……、
……何故か後ろを振り向かないまま、口を開いた。

「な、なのは。……ここなら、大丈夫だからさ。……その……、服、直して」
「にゃ?」

そう言われ、なのはは自分の身体を見下ろす。
……人ごみで揉みくちゃにされ、なのはの着物は、胸の先端がみえるかどうかまではだけていて。

「……き……、きゃーっ!」

そう叫んで、なのはは慌てて着物を整えた。
30838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:08:44 ID:+693Xnen
「……見られた……、見られたぁ……」

そう呟きながら、真っ赤になってへたり込むなのは。
以前温泉で1回全てを見せているのだが、それから5年も経つと、やっぱり恥ずかしさは違って。
しかも、ユーノが人だと言う事すら知らなかったあの時とは状況も大違いで。

「……ぅぅぅ……」
「な、なのは? ……えっと……その……」

何とかなのはを宥めようと、ユーノはなのはの肩に手をやり……、
……その瞬間、なのはが急に顔を上げ、ユーノは面食らった。

「……から」
「え?」
「ユーノ君に、せ、責任、取ってもらうから!」
「せ、責任って何っ!?」

顔を上げたと思うと、顔を真っ赤にしてそう叫んだなのは。
そんななのはに、ユーノは混乱しながらも、何とか聞く。
と、

「わ、私、もうお嫁さんに行けなくなっちゃったんだから! だからユーノ君に貰ってもらうのーっ!」
「ち、ちょっとーっ!?」

予想の遥か斜め上を行くなのはの叫びに、ユーノもパニックに陥った。
しかし、

「(……あれ? 待てよ? ……これって、ひょっとして大チャンス?)」

冷静になって考えて見れば、なのはの事が好きなユーノにとって、別に不都合な事は何も無くて。

「……いいよ」
「……にゃ?」
「……いいよ。責任取ってあげる」

そう言ってユーノがなのはを抱き締めると、なのはは飛び上がる。
そんななのはの耳元に唇を寄せて、ユーノは囁いた。

「……でも、なのは。本当にいいの? 僕が責任取って」
「……好……きじゃ……なかったら……、こんな事言わないよぉ……」

そう蚊の鳴くような声で言ったなのはが可愛くて、愛しくて。
ユーノはなのはを抱き締める腕の力を増した。



……その後、完全に存在を忘れていたフェイト達6人に、ユーノとなのはがたっぷり頭を冷やされたのは、また別のお話。
30938 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/29(土) 22:12:10 ID:+693Xnen
これで終わりです。

……俺はいくつユノなの告白話書けば気が済むんだろうかw
出来るだけ二番煎じじゃないようにないようにと考えていたら、何故か迂闊な桃子さんが浮かびましたw
310名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 22:13:27 ID:1PQr8qke
>>297
まずどのSSとどの程度似ちゃってるのか特定して確認汁
心配なら投下時に、注意書きで、某所の作品と偶然似てしまったけど、
これは自分のオリジナルですってことを明記しておけばおkじゃね?
ちょっと前、なのはさんの教導!の人とかそういう断り書きいれてたような
311名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 22:46:47 ID:ZFaN9OYJ
>310
わかりました、ありがとうございます。


内容は、いわゆる暴走フェイトさんものです。

某大手クロフェSSサイトと以下の設定が似てしまいました。
・フェイトのクロノLOVE
・オチにおけるバルの扱い
・ユーノの趣味
312実は、9話と10話の間に@:2007/12/29(土) 22:48:51 ID:ZFaN9OYJ
ティアナの一件もとりあえず一段落し、フォワード陣の訓練も順調に進みつつあるある日、
シャーリーのもとにフェイトがやって来た。
「シャーリー、ちょっと良い?」
「はい、なんですか?」
シャーリーは展開していた仮想ディスプレイを閉じ、フェイトに向き直る。
(あれ・・・・フェイト・・・さん?)
どことなく、フェイトの様子がおかしかった。少し鼻息が荒いというか、高揚しているというか。
まるで大好物の生肉を前にお預けを食らった犬みたいだ。すぐにでもかぶりつきたいのに、
それを必死で我慢しているような。
「シャーリー、この前、スバルたちになのはが子どもの頃の記録映像を見せていたよね?」
海上にガジェットU型が出現した日のことだ。待機任務から外されたティアナを諌め、
なのはの気持ちをわかってもらおうと、シャーリーはなのはには内緒で無印・A'sのダイジェスト版(編集:管理局)を持ち出したのだ。
あの時はお咎めなしで済んだのだが、やはり、入局前のプライベート映像まで見せたのはまずかっただろうか?
「あれのクロノの分、ある?」
「はい?」
予期せぬ上官の言葉に、シャーリーは困惑する。ただ、本能は身の危険を訴えていた。
命が惜しければ魔王の嫁には逆らうなと。
「クロノ提督の・・・・記録映像ですよね」
「そう、あるの?」
「えっと・・・・教導用に記録したものが、一応・・・・」
するとフェイトは、シャーリーの両肩をガシッと掴んだ。
「フェ、フェイトさん。痛い・・・・」
指が、指が食い込んでます。
「それ、頂戴」
「か、貸し出しですか?」
「頂戴」
「フェイトさん・・・・」
「頂戴」
「・・・・わかりました」
勝てると思いますか? 顔を真っ赤にして瞳が渦を巻いていて鼻から蒸気みたいに白い煙吹き出している金色の閃光に。
まだバルディッシュの錆びにはなりたくないシャーリーは、恐怖に震えながら映像が収められたディスクをフェイトに渡した。
313実は、9話と10話の間にA:2007/12/29(土) 22:51:55 ID:ZFaN9OYJ


シャーリーが新人達になのはが子どもの頃の記録映像を見せたと聞いた時、フェイトはあることを思いついた。
なのはの記録映像があるのなら、他の人物も記録映像として残されているかもしれない。そう、例えばクロノ・ハラオウンとか。
彼は十年前の時点で既にAAA+、新人の教導用として残っていてもおかしくはない。そう考えて、シャーリーのもとを訪れたのだ。
そして、フェイトの思いつきは見事に当たったわけである。

その夜。

『ストップだ!』
わざわざこのためだけに購入した特大シアターのスクリーンの中で、まだ声変わりもしていないクロノ少年が、
十年前のフェイトとなのはの間に割って入る。
『時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ。話を聞かせてもらうぞ』
「ぐふぉっ・・・」
溜まらず、フェイトはドクドクと鼻血を噴かす。
『世界はいつだって、こんなはずじゃなかったことばかりだ』
「ハァハァ・・・・クロノぉ・・・・」
『Sir.画面からはもう少し離れた方が健康に・・・・』
「黙ってて、今良いところなの!」
『・・・・・・』
心の中で、バルディッシュは己を造り出した使い魔リニスに、「こんな娘に育ててしまってすみません」と謝るのだった。
そうこうしている内に、映像は一番の山場、A's第12話クライマックス、通称闇の書の闇フルボッコシーンにさしかかる。
スクリーンの中でクロノは最新鋭のデバイス、デュランダルを構え、オーバーSランクの永久凍結魔法を放つ。
『凍てつけぇっ!』
「きゃぁぁぁぁっ!!」
興奮のあまり、フェイトは床の上をゴロゴロと転がった。同居人であるなのはが留守にしているから良いもの、
もしいたらあのなのはでも窓からポイしたくなる奇行っぷりだ。
やがて、闇の書の防衛プログラムのコアがアルカンシェルによって消滅されたところで映像は終わり、
スクリーンが砂嵐に変わる。
『Sir.気は晴れたでしょう。明日も早いのですから、そろそろお休みになられた方が・・・・・』
あくまでフェイトの健康を気遣うバルディッシュ。しかし、フェイトは彼の進言に答えることなく、再生ボタンに手を伸ばす。
『Sir・・・?』
憑かれたようにフェイトは映像を見続ける。
それから延々2時間、実に20回近くもフェイトは映像を見続けた。
『Sir.いい加減にしないと、お体に障り・・・・Sir,何故私を機械と繋いでいるのですか・・・・・・
まさか私の音声をクロノ・ハラオウンのそれに変更するおつもりですか? 
止めてください、これでも気に入っているんです。
何を言っても『Yes,sir』で返答するのがご不満でしたら改善しましたから、あ、あぁ・・・・・』
哀れ、バルディッシュの運命はいかに?
314実は、9話と10話の間にB:2007/12/29(土) 22:53:55 ID:ZFaN9OYJ

一方、クラナガン某所のスクライア宅。
夜間、突然訪ねてきたなのはは、問答無用でレイジングハートの先端をユーノに向けていた。
傍らの机には一般家庭用の液晶テレビが置かれており、画面ではなのはのプライベート映像や
パンチラ、お色気シーンを集めたビデオが再生されている。こちらは無印時代から
ユーノが撮り貯めてきた秘蔵の盗撮映像を編集したものだ。
「ユーノくん・・・・・」
低く、おどろおどろしい声でなのはは言う。
怖い、掛け値なしに怖い。これはトラウマになる。真っ向からぶつけられたティアナの気持ちが今わかった。
というか、どこから情報が漏れたんだ? やはりあれか、
新人たちに見せた映像の流出元が自分だということがバレたのだろうか? 
あちこちに手を回して揉み消したはずなのに。
「な、なのは・・・・・これは・・・・・・」
「アクセルシューターで蜂の巣になるのと、ディバインバスターで黒焦げになるの、どっちが良い?」
白い魔王降臨。だが安心しろ、ユーノ・スクライア。stsではちゃんと最後の方に出番がある。
つまり、ここでどうなろうと必ず生き残れる。
「気休めにもならないよ、そんなこと!」
叫ぶユーノは必死で結界を張る。この際、自分はどうなろうと構わない。
ただ、苦労して集めた盗撮映像が台無しになることだけは避けたかった。
だが、ユーノは失念していた。魔王には、結界なんぞぶち抜く必殺のメ○オウ攻撃があることを。
「ちょっと、頭冷やそうか・・・・」
深夜のクラナガンに、SLBの光が撃ち上がった。

                          終わり
315名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 22:54:58 ID:ZFaN9OYJ
これでおしまいです。

似ている、といえば似ている気がするのですが。
316名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:06:51 ID:sGH9WtGr
>>314
なのは「泣き叫べ淫獣。今宵ここに神はいない」
317名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:12:36 ID:vRmQNi/9
>>316
なのはさんはユーノが男の子だって分かってからも一緒に
お風呂に入るツワモノだぞ。
盗撮映像ぐらい「ふーん」で済ますと思うが。

>>315
なにはともあれ、GJ!
318名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:13:40 ID:1PQr8qke
>>315
フェイトの壊れ具合にワロタw
エリキャロが見たら泣くぞw
319名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:16:43 ID:FGSpaPzI
壊れフェイトGJ。お馬鹿フェイトの新しい方向性だなw
クロフェが増えてきて嬉しい限り。

>>316
そのゲームを思い出させるなーーー!!!!!
320名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:23:18 ID:7IgLMK+X
GJ。特に気にするほどの重複はないと思うよ。

しっかしあの話はおかしな話だった……
なのはの映像がどうしてあんな形で存在するのかが分からなかったし(なにせ、魔法と出会う前の映像まであったしなぁ。フェイトの鞭打ちもそうだけど)
あの映像がどこで誰に編集されたのかも分からないし、なによりどうしてなのはとは「他人」のシャーリーがあそこまでなのはの過去に詳しいのか。どこであの映像を入手したのか。
昏睡中の映像やリハビリ中の映像なんて悪趣味の極みだろ。
御都合主義と言えばそれまでだが。
321名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:30:01 ID:XAXRaahx
自分が脊損で入院した病院にはリハビリの映像を録っていた療法士の人もいましたね。
私自身、症例のデータベースに各種登録してますし。
あ、もちろん事前に同意の上でですけど。
322名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:30:30 ID:rHXMAjwd
それを言ってしまえば、stsの設定の大半が後付けのご都合主義なんだが
323名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:32:14 ID:szGsO+Iy
回想なら過去の映像が出るのも分かるが、
記録映像として魔法と出会う前のなのはが残っているのはどう考えても有り得ないからな……
324名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:33:56 ID:NzAWslHj
あれって新人研修用の合成映像じゃないの?
325名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:57:10 ID:TjpSIfyk
人の記憶を使って編集してるとかは…ないか?
326名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:57:15 ID:CKohxBBA
いやまて、あれが魔法に出会う前の映像とは限らないだろ
本人家族友人その他諸々協力の下後から記録したPVという可能性もある
327名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:58:37 ID:Ix8iGgUp
>>315

GJ!なんというフェイトそん・・・

しかし、スバル達が見た1期2期の過去映像と言い、メガミ連載漫画でヴィヴィオが観てたなのは達の映像と言い、
管理局は“人気者”であるなのはを広告塔としても利用してるのかねぇ?



こうかは ばつぐん だ!
328名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:03:00 ID:5lcy3170
あれはDVD版でも修正されてないのかな……?
あの記録となんでティアナが持ってる?レリックだけは放映時見ててさすがに??と思ったんだが
負傷とかリハビリのところはまだしも虐待シーンとかは削除されてそうだけど
329名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:10:59 ID:mRwcWwjv
>>324
戦闘画面だけなら分かるけど、事故後の映像は違うだろう。
つか、無印、二期の戦闘映像は、新人達には下手すると逆効果だ。技量云々の前に、才能の差を見せつけるだけだからな。

まあ、戦闘中の映像は、デバイスとかの記録を継ぎ合わせれば作成可能だろうけど。日常の映像はさすがにな。ストーカーじゃないんだからさw
330名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:26:35 ID:bRy2/XnZ
みんなに質問だがエロ有りでオススメを教えてください
331名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:28:59 ID:6cUdJR/k
目を瞑って、夢想しろ。それで十分だ。
332名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:29:27 ID:M66u2ufF
どういう傾向の、どういうカプの話が読みたいのか。
それが分からないと薦めようもないわけだが。
333名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:31:20 ID:liz1vbF/
いやー、お勧めって言われてもな。人それぞれ嗜好は違うからな。
なのフェイじゃなきゃヤダヤダーって香具師もいれば、なのユー以外認めんって香具師もいるだろうし
和姦でマイルドなエロがいいって香具師もいれば、陵辱的なのが大好きってのもいる。
334名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:45:24 ID:2fTPatN2
>>333
レジ×スカを忘れるなんて!!
335名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:34:33 ID:jYBO7IRD
>>308
>>315
GJ!!

ところで新しく出た公式設定の、アニメで“完璧”に空気だったカルタスがいつのまにか
ナンバーズに慕われる兄貴になっていて変な妄想が止まらんですッッ!!
336名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:34:46 ID:Vqttctcd
先生…スバルのエロい話が読みたいです…
337名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:36:55 ID:OCiGLMv0
>>320
プロパガンダフィルム説というのもあったが。
338名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:40:02 ID:liz1vbF/
>>336
書こうとして挫折…。エロいの書くのって難しい(´・ω・`)
339名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:40:19 ID:XD9U1+9X
>>329
ほら、よく特番とかでやってる再現ドラマだよ。
きっとあれのラストに 製作・著作MBS(ミッド放送)とかテロップが出てくるんだよw
340名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:47:55 ID:PGt85UoX
>>320
レイハさんとバルがほぼ完全に周囲の記録を採ってると脳内補完すればおk
341( ゚Д゚):2007/12/30(日) 03:53:21 ID:pdrYQx2B
え? S2Uとその主人の伴侶による盗撮行為じゃなかったの?
342名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 05:54:51 ID:E38FV3Gd
>>254
遅レスだけどGJ!!
なんというバカップルww
こりゃ若くして、できちゃった婚だな
343名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 08:25:56 ID:EnAGFP1w
>>335
それ本当? だとしたらギンガとラッド親しいことになるね。

再現フィルムの件は、本スレでやれとかの声出てきて荒れそうだから
この辺でお開きの方がいいかもw

344名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 08:53:38 ID:NAJpV6+C
>>343
ギンガとラッドが親しいというかそれ以前に
ナンバーズ更生組が「ゲンヤの娘」になってるらしいので
同部隊所属として触れ合う機会が多いんだと思う。
345名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 08:59:28 ID:gu1oIh9C
>>344
ゲンヤが父親ってのは比喩表現だと思うけどな。
346名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 10:45:58 ID:dVsGnjGE
ラッドはほら、仮面ライダーアギトのオムロンと同じ、『一人オスカー&マーカー』だから。
347名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 10:48:34 ID:ljs/2RKt
ラッド・カルタスとか顔も思い出せないんだが
ルキノとアルトの区別もつかねーのに…
348( ゚Д゚) ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:51:04 ID:pdrYQx2B

投下行きまーす。

注意事項
・捏造有り過ぎ
・レイジングハートの形状が(アニメ、リリちゃとも)違います。
・ついでに本編とレイジングハートの特性も違います。
・正直アリサ強杉。どこの跳躍系だ。
・非エロ。ラブコメ。もしくはギャグ
・アリサはツンデレというよりデレデレ。
・あぼーんキーワードは「リリカルバイオレンス」
349リリカルバイオレンス 8-1/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:51:35 ID:pdrYQx2B
 夕刻──陽は既に沈み、薄暮の薄い闇が海鳴市を包んでいる。
 自宅に着いたアリサは、まず、ガレージを覗き込む。
 そこに停まっている車は3台。主にアリサの送迎に使用している、黒いストレッチリム
ジンが1台と、買出し&使用人関係の送迎用の、ヨレヨレにくたびれたワンボックス、そ
れとボンネットの、オフロードタイプの旧い小型トラック。
 両親が通勤に使っている高級セダンの姿はない。
 ────どうせ、夕食に間に合うような時間に帰って来はしないのだけど。
 アリサは、そう思いつつ、その事を確認をすると、自室にとって返した。
「よし」
 作り付けのクローゼットの奥から、遠足に使ったリュックサックを取り出す。その中に
下着と、シャツ、ハーフパンツなど比較的動きやすく、またかさばらないものを選んで詰
め込む。
 カチッ、リュックの金具を閉めた。
 屋敷の廊下を移動し、玄関に出る。
 執事長の鮫島が、アリサを待ち構えるように立っていた。
「ごめん、鮫島、ちょっと出かけてくる」
 アリサは、臆した様子はなく、ただ低い声で、そう告げた。
「ちょっと、ではありませんよね? そのお荷物……」
 鮫島はそう指摘するが、アリサは無言で、彼の前を通り過ぎようとする。
「どこに行かれるのか、も、告げられないのですね」
 背中から投げかけられる鮫島の言葉に、ドアのノブに手をかけたアリサの動きが、一旦
止まる。
「ですが、引かれる気もまったく無いと」
 下手をすれば、両親よりも長い時間を共に過ごしている執事長は、アリサの心を見透か
すように、言う。
「悪いけど」
 アリサは、振り向かずにそう言った。
「解りました。旦那様と奥様には、私から上手く言っておきます」
 鮫島は、言葉の棘を取り、穏やかな口調で言った。
 アリサの表情が、ドアに向いたまま、はっとする。
「ごめん、鮫島」
 アリサは、ちらりとだけ、振り返った。
「ありがとう」
「いえ。アリサ様が、こう、と言い出したら聞かない方と言うのは、重々承知しておりま
すから」
 鮫島は、穏やかに、苦笑した。
「ただし、度がすぎたことはなさらないでください」
「うん、解ってる」
 どれだけ解ってることやら、と、鮫島は苦笑したまま、肩をすくめ、軽くため息をつい
た。
「それでは、行ってらっしゃいませ」
「行ってきます」
350リリカルバイオレンス 8-2/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:51:59 ID:pdrYQx2B

リリカルバイオレンス
 PHASE-8:It must do.

「アリサ、大丈夫?」
 人間の姿のユーノが、アリサの傍らで訊ねる。
 アリサは、眼を軽く閉じて、左手を、右手で握ったレイジングハートの背に当てていた
が、ユーノの声に、眼を開ける。
「術式は完璧。後はあたしが使いこなせるかどうか」
『Doesn’t need to be worried, Master』
 真剣な眼差しで言うアリサに、レイジングハートが心配要らないと答える。
「じゃあ、お願い、レイジングハート!」
 そう言って、アリサはレイジングハートの切っ先を下ろす。ユーノが飛行魔法で注に浮
きながら離れる。アリサがくるりと一回転すると、その足元にオレンジ色の魔法陣が展開
する。
 同時に、“対象”の足元にも、光の魔法陣が出現する。
「クケーッ、クケックケッ」
 “対象”は、どこか間の抜けたような鳴き声を発しながら、驚いて飛び上がろうとする。
 その姿、端的に言うなら炎の鳥、フェニックス。
『Chain Bind』
 炎の鳥の足元の魔方陣から、4本の、オレンジ色の光の鎖が延びる。鎖が、飛び上がっ
て逃げようとした炎の鳥を絡め取る。
「やった……!!」
 ユーノが言う。
 アリサは軽く歯を食いしばるようにして、レイジングハートを両手で握る。コアが赤く
明滅し、刀身にオレンジ色の光が走る。
「なのは!」
「う、うん」
 2人とは少し離れた場所に居た、なのはが、デバイスを構えた。
 それは、なのはが使用していたときの、錫杖型のレイジングハートと、イメージの似た、
白いデバイス。
 リング型のトップに、赤い球形のコアが入る。
「お願い、L4U!」
『Yes, Ma’am』
 L4Uと呼ばれたデバイスのコアが、明滅した。
『Blaze Cannon』
 桜色の閃光が、L4Uのコアから放たれる。
 狙いあやまたず、迸る閃光は炎の鳥を包み込んだ。
351リリカルバイオレンス 8-3/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:52:37 ID:pdrYQx2B
「かー、相変わらずすごいわね、なのはの砲撃は……」
 唖然としたような表情で、アリサは言う。
 だが、閃光が通り過ぎると、すぐに構えなおす。
『Flier fin』
 飛び上がると、空中にゆっくりと漂いかけたそれに、レイジングハートをかざす。
 そのジュエルシードは、光になって、レイジングハートのコアに取り込まれた。
『Sealing Jewel seed No.IV』
 レイジングハートの放圧弁が開き、水蒸気と共に、余剰の圧力が放出された。
 アリサは、オレンジ色の光の翼をはためかせながら、ゆっくりと地上に着地する。
「よっしゃっ」
「やったねっ」
 まずは、なのはとハイタッチ。
「なんとか、上手くいったみたいだね、アリサのバインド」
「決まってるじゃない」
 当たり前でしょ、と。一見つんけんした態度で言う──ところだった、今までなら。
 しかし、今のアリサは、にこ、と、どこか子悪魔チックな笑みを浮かべて、視線をユー
ノに向けた。
「先生が良いんだから」
「えっ!?」
 不意打ちに、ユーノはビクッ、と背筋を硬直させ、顔は真っ赤になる。
「えーと、ユーノ君……こっちが本当の姿なんだっけ?」
 なのはが、少しはにかみながら、ユーノを見る。
「あ……うん、騙したみたいで、ごめんね」
 ユーノは、申し訳なさそうに、視線を俯かせながら、なのはに言う。
「あ、ううん。それは気にしないで良いよ」
 なのはは、手をパタパタと振って、苦笑しながらそう言った後、
「それはいいんだけど……でも、なんだか、ずいぶんアリサちゃんと仲がいいんだね」
「やっ、あの、それは……っ」
 ユーノが狼狽の様子を見せる。すると、アリサが突然、ユーノの背中に飛びつき、ユー
ノの肩越しに、笑顔でなのはを見る。
「そう、将来を誓い合った仲なの、あたし達」
 あっさりと、アリサは言う。
「将来って、ふぇ、えぇぇぇぇぇっ!?」
 なのはは、2人の方を指差し、目を真ん円にして、声を上げた。
「それじゃそれじゃ、ユーノ君とアリサちゃん、けっ、結婚するの?」
「いや、あのね、なのは」
 ユーノは何か言おうとするが、それに覆いかぶさるように、アリサが大きな声を出す。
「そーなの、大人になったらね〜」
「ふぇぇ〜」
 なのはは、感心したような、まだ驚いているような声を出す。
352リリカルバイオレンス 8-4/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:53:12 ID:pdrYQx2B
「いや、だから」
「そーよね、ユーノ?」
 なお言い訳を試みるユーノを、今度は脅しの調子が入ったアリサの声がさえぎる。
「…………ハイ」
 ガックリとうなだれて、ユーノは肯定の返事をした。
『えー諸君、そろそろ言いかね』
 どこか芝居がかった、女性の声。
 モニターが出現し、そこに、「アースラ」のオペレーターの1人、エイミィ・リミエッ
タが映し出される。
『盛り上がってるとこわるいんだが、とりあえず艦の方に戻ってきて欲しいんだがね』
 エイミィが、苦笑混じりの顔を上げる。
「あ、……すみません」
 ユーノが言い、アリサとなのはも姿勢を直す。
『それじゃ、ゲート出すよー』
353リリカルバイオレンス 8-5/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:53:38 ID:pdrYQx2B

「これで、以前からアリサ達が持っていたのも含めて、丁度10、か」
 「アースラ」艦橋。
 CICコンソールに座るエイミィに、その背後に立つクロノが言う。
「でも、こっちで捕捉してた2つ、あの子に持っていかれちゃったよー」
 エイミィはため息混じりに言う。
「これであっちは7か……しっかり探して捕捉してくれよ。頼りにしてるんだから」
「解ってるよ」
 クロノは言うが、エイミィはあまり自信なさげに言う。
「でも、ひょっとしたら残りは……」
 エイミィが言いかけたとき、2人の背後の扉が、バシュッ、と開かれる。
「ただいま戻りました」
 そう言うユーノを先頭に、3人が入ってきた。
「おー、おっ疲れさまー」
 軽いノリで、エイミィが振り返りながら言う。
「ご苦労様」
 クロノも、微笑みを浮かべながら言う。
「なのは、デバイスの調子はどう?」
「え? あ」
 微笑のまま、クロノはなのはに訊ねる。一瞬、戸惑ったような声を出すなのは。
「凄い使いやすいです。私にぴったりな感じで」
「良かった。なにせインテリジェントデバイスを組んだのは初めてだからね」
 微笑みに少し苦笑が混じり、クロノは言う。
「なにさ、実際に組み立てやったのはほとんど私じゃないか」
 エイミィが、どこか拗ねたように言う。
「インテリジェントデバイスの要は、管制人格だろ。それは、僕が組んだじゃないか」
 クロノはそう、エイミィに言い返したものの、なのはの方を向き、
「もっとも、S2Uのデータに素子をポン付けしただけだから、まだ反応速度とか、術式の
組み合わせに不満が残るだろうけどね」
 と、なのはには苦笑気味に言う。
「不満だなんて、そんな。全然、使いやすいですよ」
 慌てたように、なのはは言い返す。
「まだ君は、僕や、アリサほど使い込んでないからさ。追い追い、君のレベルアップに応
じて調整していくと良い。インテリジェントデバイスは、そのへん、ある程度自動的にや
ってくれるからね」
 クロノは微笑みかけながら、そう言った。
「ほほぅ」
 なのはと会話しているクロノの表情を観察していた、ユーノが、ニヤッと笑って、言う。
354リリカルバイオレンス 8-6/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:54:06 ID:pdrYQx2B
「執務官殿も、結構隅に置けない様ですなぁ」
「? なんの話だ?」
 最初クロノは、何を言っているのか理解できず、キョトン、として、ユーノに聞き返す。
「たしかに、クロノ君、なのはちゃんと話してる時は、妙にニコニコしてるよね」
 思わぬ伏兵は、コンソールのシートに座っていた。
「なっ、何を言ってるんだエイミィ!?」
 ようやくその意図に気付き、ボッ、と顔を赤くしながら、裏返りかけた声を上げるクロ
ノ。
「そーそー、アリサに対するときは仏頂面なのに」
 ユーノの追撃が入る。
 そのユーノの言葉を聞いて、アリサは、最初、ムッ、と眉をひそめたのだが、
 ────あれ?
「君はっ、僕が自分の婚約者に対する態度が気に入らないからって、そんな事を言わなく
ても良いじゃないかっ!」
 狼狽しつつ、八つ当たりするように言うクロノの言葉。
 それを聞いて、アリサはその意味するところを知り、ボッ、と無言で顔を真っ赤にする。
「でも、どっちかって言うとなのはちゃんが特別って感じだよぉ?」
「なっ、エイミィ」
 裏返った声が、さらに半オクターブほど上がる。
「素直になったらどうですか執務官殿ぉ? 恋愛は自由ですよぉ?」
 エイミィはニタニタと意地悪そうに笑いながら、言う。
「じょ、上司をからかうんじゃないっ。なのはは、まだ魔法を使い始めたばかりだからと
思ってっ」
 なのはを指差して、その手をぶんぶんと振りつつ、クロノは声を高くする。
「大体、彼女だって困ってるじゃないかっ」
 ようやくそこで、なのはに話が振られる。
「え、いえ……別に、困ってる事なんてないですよ? クロノ君、凄く優しくしてくれて
るし」
 今まで黙っていたかと思いきや、顔をほんのり赤らめて、くすっ、と笑ってみたりする。
 グサッ
 クロノのハートに、直撃!
「いっ、いやっ、落ち着け、落ち着くんだ僕」
 クロノはコンソールに手を付き、胸を押さえてうずくまりかける。
「そっ、そもそも僕と、なのはは、5つも歳が違うんだぞっ……」
「へ?」
 半ば自分に言い聞かせるように言ったクロノの言葉に、アリサとユーノは訝しげに眉を
ひそめる。
「ええーっ!? く、クロノって、えっと、5つだから……14歳なのぉ!?」
 アリサがユーノの後ろから身を乗り出して、声を上げる。ユーノの眼も、真ん円だった。
355リリカルバイオレンス 8-7/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:54:28 ID:pdrYQx2B
「わ、悪かったなぁ! 晩成型なんだよ、僕はっ!」
 クロノが、真っ赤な顔で、アリサとユーノに向かって言う。
 実は、クロノも自分たちと同年か少し上、せいぜい11、12だと思い込んでいた2人だっ
た。
 エイミィは、あちゃー、という感じで、苦笑しながら、頬をぽりぽりと指で掻いている。
「まぁ、そりゃ、執務官やってるんだからそれなりなのは考えてみりゃ当たり前なんだけ
ど……」
 言うユーノだが、まだ眼が円い。
「でもまぁ、5歳ってつりあわない年齢じゃないよね」
 エイミィが言う。
「なっ!?」
「うちのお父さんとお母さんは、それよりずっと離れてます」
 ニコニコとしながら言う、なのは。
「え? ちょっと待ってよなのは」
 アリサが軽く驚いたように、なのはに声をかける。
「なに? アリサちゃん」
「アンタ、ひょっとして、クロノのこと好きって言ってる?」
 アリサが言うと、なのはの顔が、ボッ、と赤くなった。
「えっと、べ、別にそ、そう言うわけじゃないんだけど、嫌って言うほどの事でもないか
なって」
 狼狽しながら、なのはは言う。
「ほらほら、嫌じゃないって」
 エイミィが、肘でクロノをつつく。
「えっ、ええーいっ!!」
 クロノが遂に、逆噴射した。
「その話、止めーっ」
「うわーっ、クロノ君がキレたーっ」
 頭を手で庇う格好をしながら、逃げ出しにかかるエイミィ。
「執務官殿、殿中でござる! 艦橋でござる!」
 ユーノは、なぜ知っているのか、問い質したくなるような台詞を言う。
 そして、そんな状況を、この場の最大の責任者は、
「若いって良いわねぇ……」
 傍観していた。
356リリカルバイオレンス 8-8/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:54:55 ID:pdrYQx2B

 ────「アースラ」、居住区。
「さすがにちょっと、からかいすぎじゃないかしら?」
「あはは……」
 アリサが寝そべるベッドに、ユーノも腰をかけ、苦笑する。
 ポーン
 インターフォンの呼び出し音がなる。
「アリサちゃん、入るよ」
 なのはの声がした。
「あ、うん、どうぞー」
 アリサが返事をすると、バシュ、とドアが開き、なのはが入ってきた。
「なのは、さっきはごめん。ちょっと調子に乗りすぎた」
 ユーノは立ち上がり、幾分申し訳なさそうに頭を下げる。
「あ、いいよ、そんなこと……」
 言いつつも、なのはは顔を少し赤くしつつ、気まずそうに眼を逸らす。
「え、えっと……それで、何の用?」
 気まずい2人を見て、場の雰囲気を変えようと、アリサはなのはに促す。
「うん、アリサちゃん、バインド、って言うの、使ってたでしょ? あれ、私にも使えな
いかなって」
「L4Uには、コピーしなかったんだ。クロノの奴」
 なのはの言葉に、ユーノがそう言った。
「できるかな?」
「問題ないと思うけど、なのはの適性なら、チェーンバインドより、リング系の方が良い
んじゃないかな」
 なのはに訊かれて、ユーノは頷きつつ、そう提案した。
「じゃあ、それ教えてくれる?」
「ああ、良いよ」
 言って、ユーノは、作り付けの机の上をざっと片付ける。
「リング系って、あたしのとどう違うの?」
 アリサが、ユーノの後ろに近付き、肩から前を覗き込むようにして聞く。
「リング系のバインドは、魔力の手かせ足かせを出して、対象を空中に貼り付ける魔法だ
よ。しっかり固定できるから、砲撃主体の魔導師向けだね」
「なんか、そっちの方が上位そうじゃない」
 ユーノの説明を聞いて、アリサは、少し不満そうに言う。
「固定するという意味ではね。でも、チェーンバインドは、拘束以外にも、いろいろと応
用が利くんだ。アリサは、近接戦闘もするから、そっちの方が、使いであるよ」
「なるほど」
 ユーノの説明に、アリサは少し身体を離し、腕を組んで、うんうんと頷く。
357リリカルバイオレンス 8-9/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:56:39 ID:7Enn80VF
「それじゃあ、なのは、L4Uを展開してもらえるかな?」
「うん、L4U、お願い」
『Yes, Ma’am』
 なのはは、銀の縁取りの付いたカードを、手に持つ。キラり、と、カードが瞬くように
輝いたかと思うと、錫杖型のL4Uの姿へと再構成される。
「まれじゃあ、まず術式だけど……」
 ユーノは大学ノートと鉛筆を取り出すと、そこにミッドチルダ式のスペルを書き連ね始
めた。
358リリカルバイオレンス 8-10/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:57:15 ID:7Enn80VF

「見つけたーっ!!」
「うわっ!」
 突然、エイミィは叫びつつ、シートから腰を上げる。後ろに居たクロノは、ひっくり返
りかけた。
「沿岸部の海中に、4つ。これで全部だね。でも、この魔力反応は……」
 正面スクリーンモニターに表示を移しつつ、エイミィは、コンソールを叩き続ける。
 スクリーンの映像の中に、金色の魔力光が捉えられた。
「もう、あっちも始めてる! でも、まさか、これって……」
 エイミィは、戦慄して、ごくり、と、息を呑む。
「4つ、一度に強制発動させようって言うのか!?」
 クロノも、驚愕の声を出す。
「そんな、いくらなんでも、無茶だよ!」
 エイミィは、悲鳴じみた声を出す。
「全艦、即応体制に移行。武装隊、該当地を中心に沿岸部一帯の有事に備えて、即動待機」
 普段ののんびりした母親の顔から一転、凛とした表情でリンディが命令を下す。
 海中で大きな運動エネルギーを叩きつけた場合、一番恐ろしいのは、津波だ。武装隊を
待機させたのは、万一の際、広域に及ぶ津波を、障壁で回避する為だ。フェイトは、それ
を理解しているだろうか。
 赤い警告灯が艦内で点滅し、通路をスタッフが駆け回る。
「フェイトなの!?」
 アリサは、艦橋に駆け込んでくるなり、第一声をそう上げた。なのはと、ユーノも、続
いてくる。
「ジュエルシード、4つも!?」
 アリサが険しい顔で、正面メインスクリーンのPnP表示を睨む。
「フェイトちゃん、まさか、一気に!?」
 なのはが、息を呑むように言った。
「その通り、自滅行為だ」
 クロノが、言う。
「いくらなんでも、人間が扱いきれるエネルギーの量を超えている。このままいけば、彼
女は自滅してくれる。その後でゆっくり、ジュエルシードを回収すれば良い」
「っでも、そんなのって!」
 なのはがクロノの方を見て、悲痛な声を上げる。
「これが今、一番現実的な選択なんだ。武装隊は、君たちや近隣の町を守る為、沿岸部へ
の出動に待機していなきゃならない。他に手がない……」
「厳しいようだけど、これが最善の選択なのよ」
 クロノの言葉に、リンディが心苦しそうに続ける。
359リリカルバイオレンス 8-11/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 12:57:41 ID:7Enn80VF
「でも、それじゃあ、フェイトちゃんは……」
「良くて、オーバーフローでリンカーコア全壊、魔導師としては再起不能。下手をすれば
……」
 その先は、言うまでもない。
「そんな……っ」
 痛々しそうに言う、なのは。
 しかし、そのなのはを背中に────
「行くよ、ユーノ」
「うん」
「レイジングハートも」
『OK, Master』
 ────あたしが行ってやろうじゃないの!
 そう、言おうとした、その瞬間。
「すみません、艦長!」
 クロノが、僅かに、先に声を上げた。
「執務官権限において、魔導師3名、現場展開を命じる! ……僕も、出る」
「クロノ君!」
 凛とした表情で告げるクロノ。なのはの表情が、歓喜に変わった。
「すみません、艦長、この責任は、僕が」
 3人が、人員輸送用の簡易転送ゲートに駆け込み、クロノはリンディに、静かに、しか
しはっきりとした声でそう言いつつ、3人を追った。
「今為すべき事を為す者を、処罰する規定など、ないわよ」
 リンディは、苦笑交じりにそう言った。
「転送!」
 クロノがゲートに駆け込むのを待って、ユーノが、ゲートの転移魔法を起動させた。
360リリカルバイオレンス 8-12/11 ◆kd.2f.1cKc :2007/12/30(日) 13:00:54 ID:7Enn80VF
>>349-359
今回は以上です。

L4Uのデザインは、
 「リリちゃ版レイジングハート」のコアを球形に、柄をS2Uと同程度に伸ばしたもの
  です。
361名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 13:46:43 ID:XGOX03lJ
>>360
およよ、これはまさかのなのちゃんw
恋の行方も含めて続きが楽しみっす。


ところでちょっと上の方で『似てるSS』の話が出てましたが、実は今自分の
手元にもあって悩んでいます。

26-111氏、スレを見ていらっしゃるでしょうか?
今推敲段階のティアナ受けのSSが氏の書かれた
『ティアナは大変な特訓メニューを組まれてしまいました』(ちょうどこのスレの>>37で話題に出ているSS)
と構成が似ており、投下したものかどうか迷っています。
具体的には『悩めるティアナを救うべく六課メンバーが謎理論を展開する』という点で、攻めの相手やエロに至る理由等は別物です。
被る点が話の割と根幹に関わるものなのでマズイかも……とは思うのですがもしよろしければ投下の許可をいただけないでしょうか?
いつまでに答えがほしい、というのは特にありませんので気の向いた時にご返答いただければ幸いです。
362名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 14:20:33 ID:tRbw3dYY
>>361
是非!
363名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 14:21:08 ID:NAJpV6+C
GJ!

Love for You と来なすったか。
364B・A:2007/12/30(日) 14:25:14 ID:2abQB5u8
>360

GJです。



ところで、僕も投下したいんですが、良いですか?
365名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 14:29:50 ID:s7EEJklH
>>363
一瞬、某アイドル育成ゲームの商品名が浮かんだ俺ダメ人間www
366名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 15:14:36 ID:xcoIY8y+
>>360
GJです。

>>365
大丈夫、俺もだ。
36726-111:2007/12/30(日) 15:28:45 ID:W9OeXj8s
>>361

丸写しは論外ですが、そうでないネタ被りを気にしだしたらキリがないですぜ?
私の話は私の話、貴兄の話は貴兄の話。だ。御自分でも別物という線引きができているご様子、悩むことなどありません
私も是非読ませていただきたいです。ガツンとどうぞ!

それと、私も年が明けるまでに短いのを一本行きたいところです・・・「年末」と大激戦中ですが

それでは
368名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 15:48:23 ID:wEyeY2ut
>>364
バッチ来ーい!
369名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 15:50:19 ID:JCKTM8K2
>>364
おK
370B・A:2007/12/30(日) 16:06:08 ID:2abQB5u8
では、いかせて頂きます。

注意事項
・エロなし
・デバイス擬人化
・主人公は閃光の戦斧
371不屈の心と閃光の戦斧@:2007/12/30(日) 16:07:39 ID:2abQB5u8
「これが・・・・・ロストロギア?」
広間の真ん中に鎮座している箱を見下ろし、なのはは言った。
「なのは、不用意に近づいたら危ないよ」
と、フェイトは親友を気遣うが、自身も同じように興味があるのか、先ほどからチラチラと箱を気にしている。
その後ろでは、はやてが壁に描かれた古代文字に興味を示していた。
「リィン、これ、古代ベルカ文字かな?」
「えっと・・・・少し癖がありますけど、そうみたいです。ベルカの方言みたいですね」
「ユーノくん、これの解読ってできる?」
「待って・・・・・よし、結界形成完了」
結界を張り終えたユーノが、はやてのもとに飛ぶ。
「クロノ、僕とはやては壁の文字を調べているから・・・・・」
「ああ、封印は僕達でしておく」
言って、クロノはなのは達に向きなおる。
「さあ、2人とも。仕事の時間だ」
372B・A:2007/12/30(日) 16:09:35 ID:2abQB5u8
すみません、ちょっと間違えました。
やり直します。
373不屈の心と閃光の戦斧 第1話@:2007/12/30(日) 16:10:06 ID:2abQB5u8
「これが・・・・・ロストロギア?」
広間の真ん中に鎮座している箱を見下ろし、なのはは言った。
「なのは、不用意に近づいたら危ないよ」
と、フェイトは親友を気遣うが、自身も同じように興味があるのか、先ほどからチラチラと箱を気にしている。
その後ろでは、はやてが壁に描かれた古代文字に興味を示していた。
「リィン、これ、古代ベルカ文字かな?」
「えっと・・・・少し癖がありますけど、そうみたいです。ベルカの方言みたいですね」
「ユーノくん、これの解読ってできる?」
「待って・・・・・よし、結界形成完了」
結界を張り終えたユーノが、はやてのもとに飛ぶ。
「クロノ、僕とはやては壁の文字を調べているから・・・・・」
「ああ、封印は僕達でしておく」
言って、クロノはなのは達に向きなおる。
「さあ、2人とも。仕事の時間だ」

374不屈の心と閃光の戦斧 第1話A:2007/12/30(日) 16:12:08 ID:2abQB5u8

ここはミッドチルダ某所にある遺跡。
今回、アースラに下った指令はこの遺跡の最奥に眠るロストロギアの回収であった。
と言っても、ただ回収するだけなら所属が違うこの5人が揃って出てくる必要はない。
彼らが集まらなければならなかったのには、理由があるのだ。
「まったく、どうしてベルカはこういう厄介なものばかり造るのかな」
無限書庫のデータから、ここに眠るロストロギアは融合デバイスに関係するものだと判明したのだ。
はっきり言って、融合デバイスは時空管理局にとって鬼門である。なにせ、闇の書が現れる度に多大な被害を出してしまったし、
最後の事件に関しては管理局内の重鎮が裏で糸を引いていたというおまけつきである。神経質になるのも無理はない。
そこで、闇の書事件の関係者にして管理局で唯一融合デバイスを持つはやて、遺跡発掘のスペシャリストであるユーノ、
有事に備えて元アースラ組であるなのはとフェイトが召集されたのだ。

「それにしても、奇麗だねぇ・・・・・」
「うん・・・・本当・・・・・・」
なのはとフェイトが見下ろしているのは、件のロストロギアだった。
それは大人一人が両手で抱えられるくらいの大きさの立方体だった。
装飾と呼べるのは箱の上にポツンとはめ込まれた透明な石だけで、
それ以外は磨かれた鏡のようにピカピカだ。接合したような跡もなく、
巨大な金属をそのまま掘り出して造ったとしか思えない。
「クロノくん、これって、どういうロストロギアなの?」
「ユーノの調べでは、融合デバイスに関係するものらしいが、詳しいことはわかっていない。
だから、下手に触って暴走なんかさせないようにしてくれ」
「はーい」
「本当にわかっているのか?」
どうにも、彼女は遠足気分のようだ。まあ、日頃厳しい顔して教え子を滅多打ちにしているような彼女からすれば、
ロストロギアの回収なんか遊びみたいなものなのかもしれないが。
375不屈の心と閃光の戦斧 第1話B:2007/12/30(日) 16:13:36 ID:2abQB5u8
「なに難しい顔しているの、クロノ?」
傍らにいたフェイトが話しかけてくる。
「いや、なのはのはしゃぎようが理解できなくてね」
「懐かしいんじゃないかな? ほら、なのはが魔法を使い始めたのが・・・・・」
「ジュエルシードか」
確かに、最近のなのはは前線に出ることもなく後進の指導に力を注いでいる。
聞いた話では、自分のような無茶を他の局員にさせないためにかなり濃密な訓練カリキュラムを日夜研究しているらしい。
(なるほど、気分転換になってくれるのなら、それも良いか)
ずっと張りつめていたのでは良い仕事はできない。上層部には申し訳ないが、今回の仕事は彼女の気分転換になってくれたようだ。
などとクロノが思っていた、その時、後ろで古代文字の解析作業をしていたユーノの叫び声が聞こえた。
「クロノ、なのはを止めて!」
「なに!?」
直後、ロストロギアから閃光が迸った。更に遺跡が縦揺れを起こし、なのはの頭上の天井が崩れる。
「なのはぁぁぁぁっ!!」
最初に動いたのはフェイトだった。持ち前の機動力を活かし、眩しさで硬直しているなのはのもとへ向かう。

そして、遺跡は白い光で包まれた。

376不屈の心と閃光の戦斧 第1話C:2007/12/30(日) 16:15:02 ID:2abQB5u8

気がつくと、フェイトは何者かに抱きかかえられていた。
(クロノ・・・・・違う、もっと大きい・・・・・・)
クロノも背が高い方だが、それよりももっと大きい。
何より、自分を抱える腕や胸板が逞しく、無条件に安心感が沸き起こる。
(お父さんって、こんな感じなのかな・・・・・・)
会ったこともない父親の姿を思い浮かべる。顔は霞がかっていてわからないが、
きっとこの人みたいに、大きくて逞しい人なのかな。
「フェイト・・・・・フェイト!」
自分を呼ぶ声。
クロノだ。クロノが呼んでいる。
段々、視界がはっきりしてくる。
自分を心配そうに見下ろすクロノ、なのは、ユーノ、はやて、リィン、
そして・・・・・・・・・。
「お怪我はありませんか、サー・フェイト?」
見たこともない、黒髪の青年。
「えっと・・・・・・」
誰だろう?
黒髪に浅黒い肌。容姿は淡麗な方だが、目つきが険しいのでワイルドなイメージが強い。
着ているのは黒のノースリーブ。抱きかかえられているので下は見えない。
「あの、あなたは・・・・?」
青年は少しばかり嘆息すると、聞き覚えのある声で言った。
「自分でも戸惑っているのですが、私はあなたの杖・・・・・・・・」
闇を貫く雷神の槍、夜を切り裂く閃光の戦斧。
まさかと思い、フェイトは口にする。
「バルディッシュ・・・・?」
それに対する答えは、何度も聞いてきたあの言葉。
「Yes,sir」

                      to be continued
377B・A:2007/12/30(日) 16:16:39 ID:2abQB5u8
とりあえず、ここまでです。

それと、書き損じましたが、時間軸はA’s後、
なのは達が15歳の時です。
378名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 16:21:31 ID:xtw3gHMO
>>377
GJ。続きを期待せざるを得ない
379名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 16:31:41 ID:wEyeY2ut
GJ!
擬人化キター!!
続き待ってるぜ!
380名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 16:31:42 ID:JCKTM8K2
>>377
GJ!!バルディッシュktkr
381サイヒ:2007/12/30(日) 16:55:03 ID:mzKKNciE
クロフェバリアジャケットプレイ後編を投下させてもらいます。
前編と同じくエロオンリー。
ちょびっとだけ鬼畜&それなりの尻成分が含まれております。ずっとエロノのターン。
382( ゚Д゚):2007/12/30(日) 16:55:22 ID:bP4ugoMa
>>377
GJです!
バルディッシュ男前!
383彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 16:56:20 ID:mzKKNciE
 ぶつかるような勢いでフェイトの身体を押し倒すのと、唇を重ねるのに寸分のずれもなかった。
 すかさず舌を捻り込む。フェイトが舌を絡めてこようとするが、かまわず口内を蹂躙する。
 クロノの頭が上のため、そのつもりがなくても唾液がフェイトの口に流れ込んでいく。フェイトが咽る
が、クロノは唇を離さない。
 数分間フェイトの唇を貪り、首筋にシフトする。血管が透けて見える白い肌につく歯形。かすかに匂う、
シャンプーではないフェイトの髪の香り。小さく喘ぐ吐息。なにもかもがクロノを猛らせていく。
 まだ今日はほとんど触れていなかった胸に手を出すが、フェイトのバリアジャケットとクロノの手袋の
二重越しなため、柔らかさが指に伝わりにくい。
 それがもどかしく、胸元を思い切り引っ張った。バンドが切れるように外れて、豊かな片胸が露出する。
 元に戻ろうとするバリアジャケットに歪められ、乳房の血流が上半分に集中した。ただでさえ大きいも
のが、弾けそうになっている。
 力いっぱい握ると、それこそゴム鞠のような弾力が返ってきた。
「あっんっ! 痛いよクロノ……」
「最初にお預けされた分、激しくさせてもらうぞ」
「そんな……あぅうん!!」
「それに君はちょっと痛い方が感じるマゾ気味なところがあるしな」
「ちが……う……!」
 フェイトがなんと言おうが、クロノはそう確信している。
 この年齢まで蕾のままだったフェイトの身体を開花させ愛で続けたのは、クロノ一人である。その自分
が、この手の読みを誤るわけがない。
 現に股の辺りに手をやれば、ゆるく開いた花弁から新しい蜜が滴りだしている。バリアジャケットごと
指を押し込みかき回す。
「……んふぅ……はぁん」
 布越しに感じるふわりとした柔肉と二人分の体液の温度に、また一本脳の配線が焼き切れた。
 もう我慢がきかない。どうせさっきまで激しく貫いていた場所である。露出したままの男根も、二度の
放出など忘れたようにがちがちに硬くなっている。このまま本番になっても、問題などない。
 指を抜きながら股布を引っ掛けてずらす。
「も、もうするの!?」
 戸惑うフェイトを置き去りに、ろくに照準も当てずに勘だけで腰を突き出した。
「あ、はっ、あああん!!」
 ぐしゃぐしゃの膣を引き裂くように、クロノの剛直は一気に奥まで埋まった。
 そのまま穿ちよがらせようとした瞬間、膣がぎゅっと締まった。
384彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 16:57:30 ID:mzKKNciE
「うぁっ!?」
「乱暴にされたからお返し」
 囁くようなフェイトの声と共に、どういう力加減なのかその締めつけのままぐねぐねと蠢いて精液を搾
り取ろうとしてくる。
「さっきみたいに止めたりしないから、出したかったらすぐ出してもいいよ? 別にクロノが早漏でも嫌
いになったりしないから」
 普段のフェイトは滅多に見せない好戦的な笑みを浮かべて、膣道を締めたり緩めたりしてくる。まだ騎
乗位で攻めていた時の気分が残っているらしい。
「つっ……このっ」
 クロノも意地になって、フェイトを先にイかせようと腰を突き入れた。ただ激しく前後するだけに近い
が、その分フェイトにどこが突かれるか予測させない動きとなっている。
「ああ、はぁっ!」
 喘ぎ声を上げながらも、フェイトはクロノの股間に手を伸ばして根元にある袋を掌中で弄んでくる。く
いっと握られると、脳天に響く痛みでぶちまけそうになる。
 クロノもフェイトの乳首を噛み、前以上に激しく胸を捏ね回す。
 激しいだけで、遠慮も容赦もたぶん愛情も無い性交。クロノはフェイトの痴態を、フェイトはクロノの
精液を求めて貪り合う。
 自分より他人のことを考えるのが性分となった二人が、唯一己の欲望に忠実になる時間であった。
 いつまでも続くかと思われた攻め合いも、性感帯の場所が多いフェイトが段々不利になりだす。手が緩
慢になりだし、膣の動きも意図的なものではなくただ強く狭まるだけの本能的なものになっている。
 クロノが秘裂の上のぷっくりとした蕾を押し潰すと、完全に手の動きが止まった。
「ひぃぁん!! あっ、だめ、だめぇ!!」
 畳み掛けるようにそこと乳首を強く弾けば、フェイトの身体がクロノを持ち上げるほど強く反った。あ
ともう一押しで堕ちる。
 そこまで追い込んだところであえてクロノは動きをゆっくりとし、フェイトの細いおとがいを摘んで上
を向かせた。
「そういえば、さっきは散々我慢させられたっけ」
「……えっ……あっ」
 自分も同じことをされるのかと不安そうなフェイトに、作った優しい顔でクロノは微笑んでやる。
「君と一緒のことをするのも芸がないから、焦らしたりはしないさ。…………代わりに」
 そこで、一気に唇の端を吊り上げた。それはきっと、フェイトがクロノを抱く直前に浮かべた笑みと全
く同じもの。
「どこまでも抱いてあげるよ、フェイト」
385彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 16:58:34 ID:mzKKNciE
 宣言と同時に、槍のように尖った先端で天井部分を擦り上げる。そこにある少し膨らんだざらざらした
部分が、身体の内外で一番フェイトが感じる場所。
「ひぁぁんっ!?」
 不意討ちでそこを刺激されたフェイトが、一回で果てた。
 体中に力が入ってぎちりと肉棒が握り締められるが、クロノはすでに二回出しているため我慢は難しく
なかった。ペースさえ踏み違えなければ、だいぶ持続できそうだった。
 管理局屈指の魔導師とは思えない華奢な身体を抱え上げ、半回転させて乱暴に投げ下ろす。
 刺さったままの旋回で膣中を引っかき回され、痙攣するほど感じているフェイトの身体を押さえつけて
クロノはまた前後運動を再開する。
 もはや抱いているのではなく、完全に犯している光景だった。
「やだ! やだ! ま、また来ちゃう!!」
 絶頂を迎えて敏感になってるところに異なる体位で体内を抉られ、数秒間隔でフェイトは果て続ける。
 激しく腰を叩きつけられこなれた媚肉は、きつさではなくねっとりとした粘度でクロノに絡みついてく
る。
 バリアジャケットはあちこちが引っ張られ、スカートも腹の辺りまでずり上がりもはや服装の体を成し
ていない。
 その姿を見ているだけで、クロノの全身が燃えるように熱くなる。そのくせ背骨は氷柱にでもなったか
のように冷えており、時折悪寒のように身震いさせる。
「あ、ああぅん!! そこぉもっと突いてぇ!!」
「ここらへんか?」
「もっとぉ、もっと強くぅ!!」
 情欲が理性を通さず、フェイトの口からだだ漏れになっている。望みどおりに動いてやれば、身をくね
らせて盛大に啼く。高く上げた腰も意識してか自然にか自分から動き出しており、肉を打つ音がいっそう
大きくなる。
「犬みたいな姿勢で抱かれてそんなこと言うなんて、昼間の君とは全然違うな」
「あああぁっ……くはぁん!!」
 クロノの揶揄する声も、もう聞こえていない。
(……僕も、フェイトのことは言えないか)
 浅ましくフェイトの身体を貪っている光景は、クロノを知る者には信じ難い有様だろう。
 だがしかたがないのだ。フェイトへの愛と肉欲は表裏一体であり、片方が募ればもう片方も増大するよ
うになっているのだから。
 頭を振って思考を目の前のことに向け直す。意識が逸れていた間も、フェイトが腰を振ることで快感は
続いている。
 さすがにそろそろクロノも限界だった。睾丸がずきずきと痛んで、早く作った精液を出させてくれと訴
えている。
「そろそろ出す、ぞ……!」
 その言葉を最後に、クロノは一切の動力を腰だけに集める。固い子宮口を強く叩き、擦り立てる。何度
目かに、目の前が一瞬真っ暗になり、そして激しく光った。
「くっ……うああぁっ!」
 意思とは関係なく上がる叫び。肉棒が別の生き物のように跳ね回り、欲望の結晶を吐き出した。残って
いた古い精液を流し出し、またフェイトの子宮を溢れかえさせる。
386彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 16:59:30 ID:mzKKNciE
「はぁっ、ああ、ああああああああ!」
 クロノの精液を余すところなく受けたフェイトは甲高い絶叫を最後に、回路がショートしたように動き
を止めた。腰が、とさりとベッドに落ちる。不自然な体勢のまま、微動だにしない。
 軽くぴたぴたと頬を叩くと眼に色は戻ってきたが、口からはか細い息が吐かれるだけである。
 結合を解いたクロノも動かないようにして呼吸を整えているが、あくまで小休止である。飢餓感はまだ
フェイトの柔らかい肉が食いたいと思い、次の標的を目で捉えている。
 クロノが観察しているのは、うずくまって突き出される格好になっているフェイトの腰である。
 薄い布は激しい動きにより完全に食い込んでしまっており、肉づきのいい尻が丸見えになっている。
 さっきは腰を打ち込むたびに、白い尻肉がふるふると揺れてクロノの劣情を煽っていた。当然その触り
心地をクロノは知っている。肉のすぐ下に骨があるため乳房ほど強く掴めはしないが、なだらかな曲線を
描く双桃は一日中撫で回しても飽きないだろう。
 玉の汗が浮いているそこを見ているだけでも、心に淫欲が湧いてくる。次は、目でも手でもない場所で
味わいたい。
 クロノは人差し指を軽く舐めると、谷間に食い込んだバリアジャケットを引っ張り出し、間髪入れずに
指を差し込んだ。
「ひゃん!?」
 肛門を刺激するのは医学的にも立派な気付けの方法であり、気絶状態にあったフェイトが一瞬で覚醒す
る。
 もちろんクロノの目的はフェイトの目を覚ますことだけなはずがなく、そのままぐにぐにと窄まった肉
を広げ始める。
「ま、まだする気なの!? しかもお尻で!?」
「こんな可愛いものを見せてる君が悪い」
 身勝手極まる理屈を展開しながら、クロノは指を進めていく。あっという間に、根元まで入ってしまっ
た。
「や、やめて……痛いよ」
 フェイトを正常位で犯していた時に、溢れた愛液が後ろの穴まで垂れていた。あとはクロノの指につい
た少量の唾液。
 たったそれだけの潤滑液で突っ込んだのだから、フェイトが痛がって当然だろう。
「指……んぁぁ……抜いて……」
 フェイトは必死に身体をよじって逃れようとするが、指を挿れられている状態で力が入るわけがない。
なんとか腰だけ引こうとしても、クロノが腸壁をかりかりと引っ掻けば容易く動きが止まる。
「お尻でなんて、クロノの、変態……。あ、ううん! 大嫌い……!」
 動くのは無理だと悟ったのか、フェイトは言葉で抵抗してくる。
 平静な時に言われたら相当ショックな言葉なのだろうが、あいにく脳が半分麻痺している状態なのでク
ロノは涼しい顔である。むしろ鼠をいたぶる猫のように、その儚い反抗を愉しんでいる。
 指を動かし続けていると、腸液がにじみ出てきて出し入れがスムーズになってきた。それに伴って、フェ
イトの声に熱が籠り始める。
387彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 17:00:48 ID:mzKKNciE
「ひやぁっ! クロノ、そんな……はぅっ!」
 だんだん、言葉が意味を成さなくなってきた。肌も再び紅潮の兆しを見せている。
 なにもフェイトの後ろを弄るのはこれが初めてではない。指より太い肉棒を何度も突っ込み、性感帯の
一つとして開発してある。最初が無理やりでも、刺激し続ければ感じるようになっているのだ。フェイト
も後ろでするのはそれなりに好きらしく、危険日で普通に性交出来ない場合などは自分からねだってくる
こともある。今嫌がっているのは、意思を確認せず強引に始めたことに関する反抗だろう。
 フェイトの声が完全に艶一色になった時、クロノは口を開いた。
「さっきから人のこと変態だとかなんとか言ってるけど、お尻いじられて感じてる君も似たようなものだ
な」
「そんなこと、ない……! 私……変態なんかじゃ……」
 まだ理性の残っているフェイトが否定する。だがその答えも、クロノの予測に織り込み済みである。
「だったら選ばせてあげるよ。次もさっきみたいに前でするか。それともフェイトが言う変態的にお尻で
するか。どっちがいい?」
 クロノは菊座に寄った無数の皺を伸ばすように指を回しながら、返答を待つ。
 もっとも、答えは分かりきっている。後ろでの感じ方は膣とは別物である。前で散々愉しんだ後だけに、
その新鮮な快感にフェイトの理性は耐えられないだろう。
 しばらく、部屋の音はフェイトの荒い呼吸音だけとなる。その呼吸が、一際大きく吸って、吐かれた。
「…………クロノの鬼畜」
 恨みがましい目つきでフェイトが睨んでくる。それが最後の抵抗だった。フェイトの身体と表情から力
が抜ける。
「……挿入れて」
「どっちに?」
「お尻に……クロノの、挿入れて」
 陥落した恋人の姿にうっすらと笑みを浮かべるクロノ。この、強固なフェイトの意思が崩れる瞬間がた
まらなくて、いつも必要以上にいじめてしまうのだ。
「君がそう言うのならしかたないな」
「…………馬鹿」
 クロノは指を抜いて、入れ替わりに陰茎を挿入する。
「つっ……相変わらずきついな」
 フェイトの女陰も充分に快感を引き出す締めつけ具合だが、秘門はそれを上回る。締め方も、全体では
なく先端から中程までが特に強い。
 さらに感じる温度も微妙に違う。膣がどろどろのマグマの中に突っ込んでいるとするなら、尻は真っ赤
に灼けた鉄板に挟まれているようである。
 あらかじめ指で広げておいてもこれである。準備無しで挿入していたら折れていたかもしれない、とク
ロノは本気で思う。
388彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 17:02:04 ID:mzKKNciE
「全部入ったよ、フェイト。……気持ちいいか?」
「クロノの、太い……! お尻、広がっちゃうぅ!」
 直接的な返事にはなっていないが、声の高さが答えになっている。
 もう少し出し入れしやすいように、上下に揺らしてみちみちと肉道を広げるクロノ。それだけでも絶大
な快感が血管を駆け巡る。
 なによりも、不浄の穴を貫かれて感じているフェイトという絵図が、脳内麻薬を分泌させて止まない。
 しばらくそうやってきつさを堪能していると、切なそうな顔でフェイトが振り向いてきた。
「…………まだ動かないの?」
「動いて欲しいのか?」
「だ、だって、挿入ったままだと息しにくくて……ほ、本当だよ」
「ふぅん。……まあ、そういうことにしておこうか」
 微妙に泳いでいる目つきからして、本当の理由は別なところにあるのは明白である。焦らして白状させ
るのも面白いが、いじめるのはこのあたりでいいかとクロノは本格的な抽送を開始する。
 膣と違って、尻は抉る時よりも引き抜く時の方がフェイトは感じている。やはり本来出すための穴であ
り、入れられるためのものではないからか。
 だからクロノは突く時はゆっくりと、引く時は激しく根元から亀頭が抜け落ちる寸前まで出す。
「お尻……火傷しちゃう!」
 フェイトの言葉どおり、体温と摩擦熱で焼けるような熱さになっている。これも前では愉しめない。
 叩きつける反動で、秘裂から白濁液がぽたぽたと零れ落ちる。そっちも弄ってやりたいが、腰だけに集
中していないとフェイトがイク前に放ちかねない。
 だから、自分でやらせることにした。
「フェイト、こっちとか胸が寂しそうだけど、触らなくていいのか?」
「ふぇ?」
 飛びかけていたフェイトが数秒間言葉の意味を吟味し、あっという間に真っ赤になってぶんぶんと頭を
振った。
「最初は自分で弄ってたのに?」
「だってぇ、今そんなことしたらもっとおかしくなっちゃう……!」
 これ以上感じてしまうのが怖いのか、フェイトはシーツにしがみついて必死で拒んでくる。
 そうそう思うとおりにはならないかとクロノは諦め、いっそうフェイトの尻を穿つ。
(それにそんなことしなくても、んんっ、僕もフェイトも、もうすぐ……かな)
 クロノの予測は当たる。
「やっ、ま、またイクぅ!!」
 抜き差しに反応して収縮するフェイトの秘門だが、徐々にその間隔が狭まっている。クロノも滾りがす
ぐそこまで来ている。
「このまま出すのと、背中か顔に出すの、どっちがいい?」
「お尻が……いい……はあああん!!」
 フェイトが迎える十数度目の絶頂。その後を追うように、クロノは全力でフェイトの中に注ぎ込んだ。
 三度目なのに、まだこれほど出るかとクロノ自身が驚くほどの射精であった。膣にもあれだけ出したの
だから、冗談ではなくフェイトの腹は精液で満ちて膨れているかもしれない。
「やあん!! クロノがお尻で出してるぅ……ああああぁぁ!!」
 射出の勢いに、フェイトが背骨を折らんばかりに仰け反り全身を痙攣させた。そのまま倒れこみベッド
を軋ませる。
389彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 17:03:29 ID:mzKKNciE
 放出が終わってもクロノは腰を小刻みに動かし続け、ゆっくりと高みから下りていく。上った位置が高
かっただけに、急激に落ちたら気を失いかねない。
 それにつけて男根は少しずつ元の大きさに戻っていき、自然にぬぷりと肛門から抜け落ちた。
 栓の役目を果たしていた肉棒が抜けたことで、精液が逆流してどろりと流れ出てくる。
 前と後ろの穴から白濁液を流し、めちゃくちゃにされたきわどい服装で絶頂の余燼に喘いでいる美女。
被虐美の極みのような姿だった。
 見ているだけで、萎えかけていたクロノの股間が少し硬さを取り戻し上を向く。
「…………あ」
 その気配を感じたわけではないだろうが、フェイトが二、三度まばたきして忘我の境地から還ってきた。
「……まだ、したそうだね」
 フェイトの問いになんと答えたものかとクロノは考える。体力は限界だが、精力はまだ出し切れていな
い。出来るものならやりたい、と緩んだ自制心の間から欲望が訴える。
 クロノが悩んでいる間に、フェイトはするものと決めてしまっていた。
「じゃあ今度はこっちね」
『Sonick form』
 デバイスの声と同時に、フェイトの衣装がまた変化する。スカートが消えて、上と一体化したスパッツ
のようなものが内腿を覆う。
 今度のバリアジャケットはソニックフォーム。こちらも今のものではなく、フェイトが数年前に着てい
たものである。
 露出度は低めだが、やはり布地が薄くなって全身にぴっちりと張りつき、起伏に富んだラインを強調し
ている。ニーソックスに隠れていたほっそりと白い脚が、惜し気もなく見えているのもいい。
「ふふ……また少し大きくなったよ。やっぱりしたいんだ」
 衣装だけでなく、フェイトは手でもクロノの股間を擦って欲情を高めてくる。
 ソニックフォームのフェイトは指貫き手袋をつけているため、いつもどおりの指と未知である手袋の二
種類の感触にどんどん陰茎を硬くなる。それを物欲しげにフェイトは見つめている。
「……したいのは僕より君の方じゃないのか」
「そうだね。お尻いじめられたから、腰の辺りが凄く熱くて寝れそうにないの。ちゃんと最後まで満足さ
せてね」
 手淫を止めてベッドに寝そべり、両手を差し出してくるフェイト。身体中から女の匂いと淫卑さを立ち
昇らせており、表情にあるかすかな気怠さも色香を増す要素になっている。
(……こんなにいやらしかったかな)
 つい昔のフェイトの記憶を探ってしまうクロノだが、良く考えなくてもこの間まで無垢だったフェイト
をここまで開発したのは紛れもなく自分なわけで。
 やっぱり責任はちゃんと取らないとなと思いつつクロノは再びフェイトの身体に溺れていった。
390彼女がジャケット着替えたら:2007/12/30(日) 17:04:43 ID:mzKKNciE


「クロノ、雑炊できたよ」
「ああ、ありがとう」
「はい、あーん」
「…………これぐらい自分で食べる」
「あーん」
「…………」
「あーん」
 三度目にしてついにクロノは観念したらしく、口を開いた。フェイトはその中に、適度に冷ました雑炊
を入れてあげる。
 少し気分が悪いと言って昼頃まで寝ていたクロノだが、まだ到底本調子でないのは隈の浮いた目元と、
水分を失いかさついている肌が示している。
 フェイトの方も股に痺れるような鈍痛があるのと寝不足で頭が重いが、寝込んでしまうほどではない。
肌などは実につやつやしたものだった。
 出す方と吸い取る方の差が一目瞭然だった。まあ、昨夜は最初以降自分が負けっぱなしだったから、こ
れでおあいこだろうとフェイトは思う。
 仏頂面で雑炊を口に収めたクロノと、彼の世話を焼くのが楽しくて仕方がないフェイト。二人とも昨夜
の痴態の面影はきれいに消しており、傍から見たら和やかかつ清い恋人同士である。
 ただ、会話だけは昨夜の名残があった。
「それにしても、クロノって着たままでするの好きだよね。家でも着替えないで制服のまま押し倒される
こと、けっこうあるし」
「…………」
「普通にする時も、パジャマを半脱ぎのままが多いかな」
「…………」
 咀嚼中にしゃべりたくないのか、事実を指摘されて反論の仕様がないのか定かではないが、無言のまま
実に憮然とした顔でクロノは雑炊を飲み込んだ。
「ナース服で看病してあげようか?」
「……勘弁してくれ」
 それはもうコスプレは充分だという意味なのか、また激しくしてしまいそうだからという意味なのかどっ
ちなのだろうか。訊ねてみたら面白そうだ。
 意地悪なことを考えながら、フェイトは二匙目をすくってクロノの口元に運んだ。


     終わり
391サイヒ:2007/12/30(日) 17:06:35 ID:mzKKNciE
以上です。
旧ソニックはだらだら長くなるだけの気がしたんで本番削除。
今回書かなかったらもう機会はないでしょう。コンプリートならず。
あんまりぐちゃどろにならなかったのも要反省。

「むぅ、あれはブレイクインパルス!」
「知っているのユーノ君!?」
「ブレイクインパルスを言い換えればインパルスをブレイクする。つまりあれはクロノがインパルスフォー
ムを破くために考え出した技なんだ!」
「な、なんだってなのーーーー!」
とかも考えたけど、同人であったんで没。でもインパルスはもっと脱がしたかった。

インパルスをあと一回ぐらいは書きたいけど、どうにもネタが出ない分にはどうにも。
完全に鬼畜ロノにして、ローター入れながら模擬戦。
さらにセクハラバインド攻撃により失禁執務官でそのまま青姦陵辱、とか書ける才能があったらどれだけ人生楽しいか。
俺が書いたら絶対に途中でへたれる。

ではまた来年。
392名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 17:34:45 ID:+HHVWkXf
GJ過ぎですよまったく!! なんてエロイんだこのフェイトは!!
393名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 18:07:00 ID:FrKC4sh1
鬼畜ロノがすばらしすぎてGJ。
どうしてこういじめられるのが似合うかなー、この妹は。
394名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:02:52 ID:D4i2R+YH
何スレか前、非エロが多いぞという意見があり、
今回は予定を変更してエロを入れてみることにした。


というわけで、そうだ、なのスバを書こう!

エロありだゴルァ

いくぜゴルァ

395名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:03:45 ID:D4i2R+YH
あ、ゲリラさん、いつもコメありがとう。
毎回コメしてくれてるのに、返してなくてスマン。
396なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:04:48 ID:D4i2R+YH


【注意書き】

チューイセヨ(#゚Д゚) エロ表現あり
チューイセヨ(#゚Д゚) 暴力表現あり
チューイセヨ(#゚Д゚) なのはさんがスバルにあんな事やこんな事を…
チューイセヨ(#゚Д゚) なのはさんが 鬼 畜 
チューイセヨ(#゚Д゚) スバルが破損 
チューイセヨ(#゚Д゚) グロ表現?になるのか?痛々しい表現あり



397なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:06:06 ID:D4i2R+YH
スバル・ナカジマは瓦礫だらけの床に倒れていた。
体中からおびただしい量の血が流れ、
血だまりが今も床に広がりつづける。

左肩はもげ、右わき腹には大きな風穴が穿たれている。
傷口からは、金属製の部品やケーブルがこぼれ、
時折、香ばしい音をたてながら、火花がスパークしている。
その火花の散る様は、見るものに消えかけた線香花火を思わせる。

右腕はありえない方向にねじれ曲がっていた。
彼女自慢のナックルも半壊している。

彼女の両足の膝から下の部分は、ない。
正確に言うと、それらは体から離れ、
スバルを見下ろす、ひとりの魔導師の足元に転がっていた。
魔導師はソレを、汚らわしいゴミであるかのように蹴りはらう。

「これで分かってくれたかな?スバルじゃ私に勝てない、って」

「なのはさん…」

なのはの顔は能面のように無表情を保っていた。
彼女の白いバリアジャケットはところどころ綻んでいるが、それだけだ。
白い魔導師自身は、かすり傷ひとつ負ってはいない。
スバルの口から「悪魔」、という言葉が思わず漏れそうになるが、
彼女はその言葉を必死に飲み込んだ。

(なのはさんは今はロストロギアに操られているだけなんだ)

そう念じていると、スバルの頭を鋭い衝撃が襲う。

「うっ…痛っ…!」

「人がお話している時は、ちゃんと聞こうね、スバル」

スバルの頭部を踏みつけ、なのはが言う。
なのはは、そのままぐっと体重をのせるようにして、
スバルの頭部を、踏み潰さんばかりに圧迫していった。
見る見るうちに、スバルの顔が苦悶に歪んでいく。

398なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:07:15 ID:D4i2R+YH
「あッ…がっあぁ…!」

「ほら、返事は?はやくしないと、潰れたトマトになっちゃうよ?」

「は、話、聞ぃ…てなく、て、すっ…いません、でし…た!」

「うん。分かればいいんだよ、分かれば」

なのははスバルの頭にのせていた足を離す。

「でも、随分頑張ったね、スバル。私の上着をボロボロにするなんて」

なのはの頬がわずかに緩む。嬉しげな表情。
そこだけ見れば、正しく、教え子の成長を喜ぶ師の姿に違いない。

「ご褒美あげようか」

なのはは壊れかけたスバルの肢体を眺めた。
その視線が、スバルを舐め回すようにねっとりと這った。
なのはの顔には、嗜虐的な笑みが浮かぶ。
青褪めて震えだしたスバルに、なのはは優しい声で言った。

「大丈夫だよ。痛くしないから」


● ● ●



なのはは、スバルの体に申し訳程度に残っていたバリアジャケットを、
黄金の長槍を使って、ザクリ、ザクリと切り裂いていく。

「ひっ…!なのはさん!何をっ…!」

スバルが切羽詰った叫びをあげる。
なのはの乱行を防ごうと、唯一動かせる左手をつかって、
その場から逃れようとするが、なのはの魔の手はそれをものともしない。

「きゃあああぁぁっ…!」

胸の谷間から槍を挿し込み、穂先から上に持ち上げれば、
いとも簡単にスバルの胸元を覆う黒い布は裂けていった。
豊かな乳房がプルンと揺れて、その姿をあらわす。
なのはが手を止めて、スバルの胸を興味深げに眺めていると、

「なのはさん…見ないでください」

羞恥に顔を染めたスバルが、蚊の鳴くような声で訴えた。
目じりには涙がたまり、いまにも泣きださんばかりである。
399なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:08:35 ID:D4i2R+YH

そんなスバルの顔を見た瞬間、
未だ経験したことのないような情動が、
なのはの中にムラムラと湧き上がってきた。
ごくりと、なのはの喉が鳴る。
そして、なのはの目がギラギラと怪しく輝く。

スバルは身を起こして逃げようとしたが、
すぐになのはに組み伏せられた。

「うっ…なのはさん…」

なのはは、衝動のままにスバルのの豊満な
乳房をむんずと掴んで、握りつぶした。
なのはが揉むたびに、なのはの手の中で、
スバルの乳房が何度もグニャグニャと形を変える。

「ちょ…なのはさん!?あっ…痛い!やめ…くぅ!」

羞恥に真っ赤に頬を染めたスバルを見て、
なのはのサディスティックな部分がむくむくと鎌首をもたげた。

なのはは、衝動に任せて乱暴に揉むのを止め、
今度は、丹念にスバルの胸を揉みはじめた。
時に強く、時に弱く、時にゆっくり、時にリズミカルに、揉みほぐしていく。
すると、最初は身をよじって抵抗していたスバルだったが、
次第に、嬌声の交じった反応をかえすようになっていく。

「あっ……やぁ…なのはさん…こんな、こんな事」

たゆんと揺れるスバルの乳房の頂のつぼみに、
なのはは吸い付いた。そのまま、強く吸い上げると、
スバルの唇から、熱く湿った女の喘ぎが漏れ出した。

「…んん!や…やめ、てくださっ…あっ、はぁっ…」

「どう?気持ち良いでしょ?」

「そ、そんなこと…ひっ…ああぁ…うっ、ふぅんん…」

再びスバルの胸を、パンの生地を捏ねるようにして
ぐっと揉みしだくと、途端にスバルの口がだらしなく開き、
口の端から涎が垂れる。
なのはは、己の手の動きににあわせて、
上気した顔であえぐスバルの反応を楽しんだ。
400なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:10:10 ID:D4i2R+YH

「はっ…あっ……何でこんな事、んん!する、んですか?」

「何で?スバルが可愛いのが悪いんだよ」

その言葉を聞くや、スバルは驚愕に目を見開いた。
その様子を見たなのははニタリと笑って、
スバルの胸を揉みほぐす手つきはそのままに、
身をずらし、スバルのの股を膝でこじ開けようとした。
何をされるかスバルが気づき、抵抗の声をあげる。

「あっ…い、やぁあ!」

慌てて股を閉じようとするが、
そもそも膝から下がないので、大した力も入らない。

「ふふっ。嫌って言ってる割には、乳首硬くなってるよね」

なのはがスバルの乳首を摘みあげコリッと軽くひねると、
小さく叫びをあげて、ビクッとスバルの上体が反応する。

「きゃうっ…!」

「ふふふ、可愛い声。ここかなぁ?」

そのまま何度も乳首をこねくり回しながら揉みしだくと、
スバルの表情が恍惚となってくる。

「ふ、ぁ…」

スバルの半開きになった口からはトロトロと涎がしたたり、
瞳はトロンと潤んで、陵辱者と化したなのはをぼぅっと見つめる。

「ぁ…ん」

スバルのあえぐ声の中に甘いものが混ざり始める。
このまま、身を任せてしまおうかと、
スバルの脳裏に甘い誘惑がよぎった。

だが、唐突に股間に触れた冷たい感触に、
スバルの意識は覚醒し、驚きの声をあげる。

「ひゃあ!?」

スバルの反応になのはは、嬉しそうに哂う。
すでに真っ裸で一糸まとわぬ姿となっている
スバルには身を隠すものは何もない。
なのはは、目の前にさらけだされているスバルの股間を撫でた。
401なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:11:24 ID:D4i2R+YH

「なのはさん、そこはやめ、…いやっ!」

「あれぇ?」

なのはがスバルの割れ目をなぞると、
熱くねっとりとした液体がなのはの指に絡んだ。
一端、指を抜いて、スバルの目の前にかざす。
なのはの指は透明な蜜にまみれていた。
なのはが人差し指と中指をすり合わせて、離すと、
ネバネバした蜜が糸を引いてスバルの顔に落ちた。

「ふぅん…随分濡れてるねぇ。スバル?」

なのははスバルに向かって意地の悪い笑みを浮かべる。
スバルはまともになのはの顔を見れず、さっと顔をそむけた。

「…そ、んなこと…」

なのははスバルの太ももを持ち上げ、
そのままスバルの頭の方に持って行き、
スバルにも恥部が見えるように、
所謂まんぐり返しの状態にもっていった。

スバルは顔を背けるが、
なのはがそれを許さず、スバルの顔を強引に引き寄せた。
スバルの目に、蜜が垂れてヒクヒクと動く卑猥な肉の割れ目が、
否が応にも飛び込んできた。

「体は正直だよねぇ。こんなにヒクヒクしちゃってさ。いやらしい」

「そ、そんなこ、と……」

再びなのはがスバルの秘部に指を這わし、
花弁を押し広げる。

「ぐちょぐちょになってるの、自分でわかんない?」

そう言いながら、なのはは長い指を、
クレバスにずずっと埋め込んでいく。
402なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:12:26 ID:D4i2R+YH
異物が挿入される感覚に、
スバルは小さく悲鳴をあげてのけぞった。
スバルの膣は収縮し、なのはの指を締め付けるが、
なのはは、こじ開けるようにして、スバルの内部に
指をずんずんと潜り込ませていった。

(おかしいよ、こんなの…嫌なはずなのに。気持ちよくなんてないはずのに…)

スバルは、いけないことと知りつつも、
己の身になされる被虐に、
奇妙な喜びと興奮とを感じていた。

「あっ、や…、あぁぁっ…!」

「ちょっと挿れただけなのにこんなに濡らしちゃって、まるで説得力ないよ?」

なのはは指をさらに深くスバルの中に突き入れた。

「うっ…あっ!はぁあっ!」

なのはの指は今や、スバルの膣の奥深くにまで到達していた。
スバルは必死に己を保とうとするが、快楽のほうが勝ってしまい、
なのはの責めに、腰を振り嬌声をあげ続けていた。

「くうっ……!ん、あぁっ!」

スバルは歯を食いしばり、耐えようとするが、どうしても
甘さのまじる声が漏れ出るのが抑えられない。

「ぅあん…あっ!んっ!んん!」

なのはは、スバルの膣に挿入したまま、
指を折り曲げ、スバルの肉の感触を楽しんだり、
軽く前後に動かして抜き差しをはじめたりした。
スバルの耳にも、なのはの指の抜き差しにあわせて、
ちゅぼちゅぼと卑猥な水音があがるのが聞こえた。
最初はゆっくりだったピストン運動も、
次第に激しさを増し、
卑猥な水温が絶え間なくあたりに響いた。
なのはの手が膣壁を擦りあげる度に、
スバルの口から感極まったよがり声が漏れる。
403名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:12:57 ID:zFqtWX5U
sien
404なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:13:46 ID:D4i2R+YH

「あぁ…なのはさっ、やめ!か、き混ぜないで…いやぁ、あぁん」

時に突き上げ、時に抉るように、時に掻きまわす。
一体どこでこんなテクニックを覚えてきたのかと、
万人が疑うような洗練された手つきでなのははスバルを弄ぶ。

「んぁ、あ!あ、ぁぁ…!ふぅううっ!」

なのはがくいっと指を内側に折り曲げて、
膣奥の天井――所謂Gスポットと呼ばれる箇所――
を何度か擦りあげてやると、
スバルの肢体が電流を流されたように大きく跳ねた。

「あっ!あああああああああああああ!!」

スバルの膣口から潮が噴き出し、
なのはの指と腕を濡らす。
スバルの身がガクガクと大きく何度も震える。
なのはがスバルを蹂躙していた指を引き抜くと、
ピンと緊張していたスバルの体は、ぐったりとして力を失った。

「はぁ…はぁ…」

荒い息をつくスバルに、なのはは心底詰まらなさそうな顔で言う。

「スバル、もうイッちゃったの?」

「…はぁ…はぁ…」

荒く呼吸を繰り返すだけで、スバルは答えない。
絶頂に達してしまって、一気に力を削がれたスバルとは
反対になのははまだまだ体力は有り余っていた。

「この程度で逝ってしまうなんて、情けないなぁ」

そう言うと、人差し指と中指の二本の指を再びスバルの膣に捻り込む。
405なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:14:41 ID:D4i2R+YH
ずちゃっと、粘性の高い音を響かせてなのはの指が差し込まれると、

「あっ…ああッ!」

すぐにスバルの秘所から愛液が噴き出し、
膣内の肉は喜びに震えるように、
なのはの指をぎゅうぎゅうに締め付けた。
なのはは、構わず一気にズンと最奥まで突き上げた。

「う、あっ!そこ、深すぎっ」

次いで、空いている手のほうの親指と人差し指で
スバルの陰核をはさみこみ、ねじって転がす。

「ぐっ、あっ!やめッ…い、やぁああああああああ!」

達した直後で、敏感になっている体に与えられた
強すぎる刺激に、スバルは腰を浮かせ、声を限りに叫んだ。
なのははその反応を見てほくそ笑む。

「良い声。もっと聞きたいなぁ」

「ひっ…なのはさっ!やめて、やめてぇえええ!!ああぁ!」

なのははスバルの陰核の包皮をつぃっと剥くと、
むき出しになった肉芽の根元から先端にかけて
ゆっくりとしごいていった。

「くっ…!はっ、はひぃぃっ!」

スバルの体が断続的に小刻みに震える。
顔を歪ませ、歯を食いしばって快楽に耐えている。

「…んんん…!あひぃい!」

「粘るね。凄い凄い、そうでなくっちゃ」

なのはの攻めに、スバルは嫌々と首を振りたくるが、
陰核を捏ねまわすなのはの手は止まらない。
また、その間も、膣内に挿入したなのはの指は、
スバルの膣内部を無尽にうごめいている。
406なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:15:51 ID:D4i2R+YH
スバルはただガクガクと体を震わせ、
身をよじって悶えるしかなかった。

「くぅ…!ううぅ!…ふっ!ん、あぁっ!」

愛液がなのはの指にトロトロと滴り、
それがローション代わりとなって、
なのはの指先は滑るようにスバルの陰核をしごいていく。
その動きは速度を増し、
スバルに例えようもない快楽をもたらす。

「んっ!…らめぇ、ふぁのふぁひゃ、ん!もう、らめッ……」

「凄いことになってるよ、スバル?真っ赤になって、膨らんで、こんなに堅く…」

スバルの股間にある豆をなのはがピンと弾くと、
電撃に打たれたかのように、スバルの肢体が跳ね上がる。

「ひゃいぃぃぃっ!」

おもむろになのはは、スバルの秘所に吸い付いた。
陰核を口に含み、舌を使って包皮を器用に剥きあげる。

「あっ!ああんっ!な、の…は、さ…」

むき出しになったスバルの肉豆を、
なのはは飴玉を舐めるようにして、
舌の上でコロコロと転がした。

「あっ!あっ!んっ!あぁあぁぁぁあああッ!」

絶叫と共にスバルは二度目の絶頂に達し、果てた。
しかし、なのはは無慈悲に、再び口内で
スバルの肉豆を転がしつづけた。

「うぅ!あっ、あっ!んんっ!はぁ…はぁ…もぉ、ら、めれすぅ!」

すぐに次なる快楽の波に襲われて、スバルの肢体が
水揚げされた海老のようにはじけ、びくびくと跳ね回る。
もはやスバルの呂律も回らなくなっていた。
なのはが歯でスバルのクリストスを甘噛みすると、
スバルは堪えきれず、三度目の絶頂に上りつめる。

「あ、そこ、らめぇ!らみゃああぁぁぁぁぁぁ!」

407名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:16:35 ID:zFqtWX5U
sien
408なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:17:47 ID:D4i2R+YH

スバルの視界を白い光が埋め尽くす。
そして暗転。

スバルの体から力が抜け、手足は激しく痙攣を繰り返す。
目は見開かれたまま、口からはだらんと舌が出たままである。

「スバル?スバル…?」

なのはが呼びかけるも、スバルは応えない。
あまりの快感に、スバルの意識は飛んでしまっていた。
なのはは、ひとつため息をつくと、動かぬ愛弟子に向けて声をかけた。

「まだまだこれからだよ?」

そして、なのはは自らのデバイスたる黄金の長槍の柄を、
スバルの膣にずぶりっずぶりとゆっくり挿入していった。

スバルの膣は愛液に濡れ、快楽に拡張され、
緩みきっており、それなりに太さのある
レイジングハートの柄を容易に飲み込んでいく。

その様はまるで、処刑人が罪人を串刺しの刑に処するようであった。

やがて、スバルの膣の内部でなにかに突き当たり、
レイジングハートの侵入はそこで一端止まる。
それは、スバルの処女膜であった。
処女膜の中央には普通、指の太さの穴が開いており、
指を入れただけでは破れない仕様になっている。
レイジングハートの太さでは、この膜にあいている
穴を通り抜けることは出来ない。膜そのものを破らない限りは。

「いくよ、レイジングハート」
<<All right!!! >>

「あはっ!レイジングハートもノリノリだね♪」
<<Really exciting!!! >>
409なのはさんの教導!(その7):2007/12/30(日) 20:18:47 ID:D4i2R+YH
なのはは、手の中の長槍をぐっと握り締めると、
一気に体重をかけてスバルの中に押し入れた。

「ひぎぃぃぃぃ!」

処女膜が貫かれた痛みに、スバルが覚醒し、悲鳴をあげる。
スバルの秘部から膜が破れたことを示す鮮血が垂れる。

「なの、はさっ?何、をっ!ッあぁあぁぁぁ!!」

なのはは容赦なく長槍をスバルの胎内に押し入れた。
すでに槍の先端部はスバルの子宮口を突いていた。
しかし中々こじ開けられず、なのはは何度もRHを
スバルの中にガンガン突き入れる。

「ぐっ!ぁあああっ!」

「むぅ……」

入り込めない苛立ちに、なのはは小さく唸ると、
突き入れたレイジングハートを手荒に動かし、
スバルの胎内をぐちゃぐちゃに掻き回しはじめた。

「嫌ぁ!う、ごかさ、ないでぇぇぇぇぇ!」

そして、もう一度、体重をのせてレイジングハートを押し込む。

「ッぎゃっぁあぁあぁあぁぁぁぁあ!やめ、お腹が破れちゃうッ!」

苦悶に歪むスバルの表情と悲鳴は、
なのはの嗜虐心をますます煽るだけであった。
涙を流しながら「やめてください」と自身に哀願するスバルの
姿を見て、なのはの背筋は興奮でゾクゾクとした。
なのはの口の端が釣りあがり、
スバルを見据えたままニタリと哂う。

「ヒィィッ!」

これ以上ないほど顔色を青くしたスバルが悲鳴をあげる。
なのはは、レイジングハートを両手でしっかりと握りこむと、
スバルの胎内に突き入れたレイジングハートを、
スバルの身体ごとゆっくりと柄が上になるように持ち上げた。

「ぐっいやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!助けてぇえ!なのはさんッ!助けてッ!!」

口から泡を吹きながらスバルは師に助けを懇願した。
スバル自身の身体の重みによって、
黄金の長槍がずぶずぶと、
ゆっくりと、スバルの体内を貫いてゆく。

なのはは、自身のデバイスで串刺しにしたスバルを
勝利を謳う旗のように高々と掲げた。
410名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:19:37 ID:D4i2R+YH
支援d

自分で言うのもなんだが、このシリーズ、
何だかどんどんおかしな方向にそれていってるような…( ゚ー゚)?

ラーメン食ってくるノシ
411名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:23:39 ID:LgyrsUY6
なんという陵辱
GJ!!
412名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:31:21 ID:mLxfDSwE
うはvこういうの大好きvvvなのスバvvvv
にやにやが止まらないwGJっ!
413名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 20:36:13 ID:Vqttctcd
GJ
ちょww待ってwww話が向かってる方向がさっぱりわかんねwww
最初はにちゃんねる風にレジアスの甥っ子が頑張る話だったのに、いつのまにか大魔王跳梁跋扈で、挙げ句の果てにはスバル陵辱っすかww読めなすぎるww
いや、エロいから全然OKですがね
414名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 21:05:55 ID:wEyeY2ut
なのはさんの教導って性的な意味でってことだったのか・・・w
なにはともあれGJ!!
415名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 21:11:33 ID:kIT7yS1E
投下乙
エロい……ってかアルフどこ行った?消し飛ばされたか?
ていうか戦闘機人だからって無茶しすぎッスよwww
足切断、左肩もげ、右手折れ、胴体に風穴ってw普通に死ヌwww
416名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 21:32:07 ID:SFpwElsV
GJ
なんだこの飛躍具合はwwww


投下しても、いいっすか?
417名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 21:35:33 ID:fy8J9xLA
>>416
どうぞ
41841-340:2007/12/30(日) 21:36:54 ID:SFpwElsV
前回レス下さった方々、ありがとうございます。340です。
この前宣言したフェイスカを持ってきました。
・エロなし
・フェイスカ
・オリ設定あり

上の砲で期待してくれていた人、ごめんなさい。おそらくコレは、期待していたものには程遠いと思います。
今回は自重してネタはほとんど入れてません。ご安心を
41941-340:2007/12/30(日) 21:37:35 ID:SFpwElsV
フェイトは飾り気のない廊下を歩いている。まあここは監獄だから飾り気がないのは当然だが。
スカリエッティを捕まえてから一週間、やっと尋問が出来る。
一体彼が何を望んだのか、何をなそうとしたのか。聞かなければいけないことはたくさんある。
「ふぅ…がんばらなくちゃね」
部屋に着き、扉を開くとそこは取調室のような部屋で、椅子には拘束されたスカリエッティが座っていて、両脇には局員が二人立っている。
「フェイト執務官、わざわざご苦労様です!」
「うん、ありがとう。今から取り調べを始めるんだけど、少し二人にしてくれるかな?」
「は!……しかしそれは…」
「お願い。何かあったらすぐ呼ぶから」
「わかり…ました。それでは」
局員二人が部屋から出ていく。
フェイトはスカリエッティの向かいの椅子に座った。
と、それまで無言だったスカリエッティがいきなり喋りだした。
「これはこれは、フェイト・テスタロッサ。何の用かな?」
「貴方を取り調べに来ました。わかりきってるでしょう」
にやにやといつもの調子で答えるスカリエッティにフェイトは厳しく答える。
「この私がぺらぺらと喋るとでも?」
「ちなみにナンバーズはあれで全員?」
「ああ、私の傑作達は12体!素晴らしき戦闘機人達だよ!」
「その調子でぺらぺら喋ってくれると助かります」
「……」
心なしかしょんぼりしているように見えるスカリエッティ。
その後もいくつか質問をしていく
「さて――本題に入りますけど、貴方のバックには地上本部がいますね?」
「いいのかい?それを聞いたら、君も戻れなくなるよ……」
「構いません。だから答えなさい」
「ククク、いいだろう。いかにも、私のスポンサーは地上本部。戦闘機人や人造魔道士、
アインヘリアル等の見返りに資金援助や場所、情報提供等を受け取っていたよ」
「やっぱり……」
「君も薄々気付いていただろう?」
「ええ………あと、これは個人的にも聞きたい事なんだけど、何故こんなことをしたの?」
「こんなこと、とは?」
「今回の事件全部。レリックにガジェット、更にはゆりかごまで。
地上本部がバックについてるならわざわざ事件を起こさなくてもよかったんじゃない?」
それが知りたかった。なぜ捕まるという危険を犯してまで事件をおこしたのか。
「……」
急に黙り込む。
「黙秘権もありますが、あまり貴方の為にはなりませんよ」
「君が…」
「え?」
「君が欲しかったんだよ。私は」
「は?」
42041-340:2007/12/30(日) 21:38:13 ID:SFpwElsV
ちょっと待ってほしい。こいつは今何と言った?
「私が完成させることができなかったプロジェクトF、それをあの女プレシア・テスタロッサが完成させてから気にはなっていた」
「え、あの、ちょ…」
「最初はただの観察対象だった……それがいつのまにか、そう君達がプレシア・テスタロッサ事件と呼ぶあの事件から私は少しずつ君に惹かれていった…」
信じられない。そんな昔から私を知っていたなんて。しかもその内容も衝撃だ。
「その時既に私は犯罪者だ、何度も諦めようとしたよ。気分を紛らす為に女性型の戦闘機人も大量に造った。
でも足りない!君にはある何かが!私は……僕は……俺は……」
俯いて喋るスカリエッティ。
フェイトはただ黙って耳を傾ける。
「そうしている間にも君はどんどん強く、美しくなっていく……だが私は触れることすら許されない。
その金細工のような綺麗な髪に。ルビーのような緋い瞳も、絶対に私を見てはくれない…
そんな時だよ。君が私を調査していると知ったのは。もう、その時点で私は狂っていたのだろうな。
私は嬉しかった。君が、私を見てくれると!このまま罪を重ねれば君は私の所まで来てくれるのではないかとね!
それからの行動は我ながら手際がよかったよ。ガジェットを量産し、派手に暴れさせた。名刺を挟んだこともあったな」
なんて事だ…じゃあこの事件には私もかなり関係あるんじゃないか……違う違うそんなことじゃない。というかこれは告白なのだろうか?
「研究所で直接君を迎えたのは君を捕らえるためだよ。ゆりかごは私と君の城だ!地上本部や最高評議会などどうでもよかったのだよ!」
「ふざけないで!」
今まで黙って聞いていたフェイトが突然机を叩いて叫ぶ。
「そんなことで私が貴方のものになると思ったの!?大勢の人々の犠牲の上で貴方は笑えるの!?」
「君がいればよかったんだ…ただそれだけが私の望みだったからな………だがもう遅い。所詮犯罪者の私にはこんな形でしか愛を表現出来なかったのだよ…」
スカリエッティもただ単に、世の中の大勢の普通の男のように、人を愛したかっただけなのかもしれない。ものすごく歪んだ形ではあるが。
よく考えるとこんなに私に熱く思いをぶつけてきたのはスカリエッティが初めてかもしれない。
なのはやシグナム達の熱さとはまた少し違う。こう、何と言うか、体が奥から震えているような…って、いけないいけない。取り調べに集中しなきゃ!
「貴方の研究はちゃんと法律に則って行えば、大勢の人が救えます。司法取引になると思いますが、服役年数も大幅に減ると思いますよ」
「服役期間が終わって外にでても、私には何もないよ…」
「待ちますよ」
「何?……」
「人の役に立って、罪を償って、……そしたら今の告白、考えてあげます」
「な!?………私にチャンスをくれるというのか!?こんな私に!」
「ええ。ちゃんと反省するなら、10年でも20年でも待ちますよ。あ、でもそれじゃ私がおばさんになっちゃいますね」
スカリエッティは信じられない、という顔でフェイトを見ている。「私は……犯罪者だが…」
「知らないんですか?私も元犯罪者ですよ」
微笑みながら答えるフェイト。
「じゃあまた来ます。司法取引の権も考えておいてくださいね」
そういって部屋から出て局員に挨拶をして去っていくフェイト。
局員が入ってきてスカリエッティに話し掛けるが、スカリエッティは何も答えずただ一言呟いた。
「アンリミテッドデザイアも、返上かな……ハハハ…」



この日ここで起きた出来事が、極めて高いクローン技術や高性能の義手義足によって
数え切れない程の人々を救う「UNLIMITED・MERCY:無条件の慈悲」と呼ばれる天才医師を生み出したということは、
彼と、彼の妻しか知らない―――
42141-340:2007/12/30(日) 21:40:16 ID:SFpwElsV
うん、また短編になってしまったんだ。
何はともあれここまで読んでくれた人、ありがとう!

次はフェイスカの日常パートでも書きたいなと思いつつ。
340でした。では
422名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 22:02:30 ID:CQn4LuCd
>>396
あー…その…なんだ。
言っちゃ悪いんだが…迷走してないか。

そういう内容自体は嫌いではないんで、単発として見るといいんだが、
正直初期と同じシリーズで続ける意味がよく分からないというか…
一度話リセットした方がいいような気もする。
423名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 22:39:47 ID:Hw+AXtda
同じ世界で起きてる連続性の単発と見れば面白いと思うから
良いんでねえの?
424名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 22:59:34 ID:BV2vZgQI
>>396
終わりが夢オチか鬱ENDしかないんじゃないか、これ
425名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:08:43 ID:5PkmTgx+
>>421

GJ!!
スカフェとは新鮮なwww
日常パートも楽しみにしてます
426名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:17:12 ID:CQn4LuCd
>>423
う〜ん…その「同じ世界」で展開する必要あるの?ってところが気になるんだけど。
明るい世界観も暗い世界観もどちらも好きだけど、
明るかった話をいきなりダークにするのはちょっと抵抗がある。
それぞれ単独で完結させた方がよかったんじゃないか、と思うんだよね。
427名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:37:11 ID:Vqttctcd
まぁ、全ては完結してから考えようぜ。落下点がどうなってるかは全く分からんけど
428名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:41:58 ID:llQaqkC/
中将SSの人はやく来ないかな〜

あの地上本部の面々は好きなんだけどな
429246:2007/12/30(日) 23:42:58 ID:kM4HdTfF
>>421
スカが熱くて笑ったw
GJです。
なのスバ陵辱もGJです。
鬼畜なのはさん……久しぶりに書いてみたいなぁと。

とりあえず投下予告並び避難勧告。
0時くらいに投下しますです。

430名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:59:04 ID:CQn4LuCd
>>427
そうだな…うん、その通りだ。
俺も>>424と同じオチしか思いつかないが、作者さんに期待するとしよう。
431246:2007/12/31(月) 00:01:13 ID:iMQGgcJg
では予告どおりに。

注意
もしかしたら鬱展開あり。
もしかしたらなのはさんが病むかもしれない。
今回はエロなしです。というか、もしかしたらしばらくない。

とりあえず、どぞです。
432君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:01:58 ID:kM4HdTfF
 カーテンの隙間から、朝の日差しが差し込んでいた。
 丁度顔の位置に当たる光に、なのはが眩しそうに瞼を震わせ、しばし眠気と目覚めの間を彷徨った。

「ん、んん……」

 やがて、眠気が完全に治まった頃を見計らい何も身に着けていない上半身を持ち上げ、うん、と体を伸ばし
て頬を綻ばせる。
 視線をすぐ隣に移せば、ベッドに寝ているのはなのは同様生まれた姿のままの恋人だ。金髪の絹のような髪
に指を通しその感触を楽しみつつ、まだかまだかとなのはは彼女の目覚めを待った。
 やがて、彼女が小さなうめき声を上げて瞼を振るわせたと同時、待っていましたと言わんばかりにその唇
を柔らかい頬に押し付け耳元で囁くのだ。

「おはよう、フェイトちゃん」

 予想通りおはようと、起きるフェイトの顔は火照り真っ赤に染まっている。それは、先ほどのなのはの口付
けなどという軽い物ではなく、昨夜激しく愛し合った証。どろり、と零れ落ちた蜜に対してのもの。
 気付いたなのはが同じように頬を染めてはにかみ、フェイトの手を引いた。

「シャワー浴びよ。フェイトちゃんの髪洗ってあげるから」
「う、うん、ありがとう……なのは」

 答えるフェイトの声は、先ほどよりもゆったりとしたもの。やはり頭の回転の速い彼女も、目覚めた瞬間に
それは発揮される筈もなく、羞恥心とまどろみの間を彷徨っているのだろう。
 そんなフェイトを何時もと同じように、なのはが引っ張り、シャワーを浴びさせて。それでようやく、おは
よう、とはっきりした声で、フェイトの口から言葉が紡がれた。
 なのはも再び、おはようと満面の笑みを浮かべ、髪をバスタオルで乾かしながらキッチンへと向かってい
く。
 まずは朝一番の自分の務めである朝食の準備を始め、慣れた手つきで出来上がったのは、目玉焼きとトース
トが二人分。
 向かい合わせのテーブルに腰を下ろし、談笑しながらそれを味わって。
 時計を見れば、もう出なければいけない時間だとなのはがため息を吐いた。朝のささやかな幸せは笑顔で溢
れている。だから終わりが来るのを早く感じてしまうのかもしれないと感じながら。
 フェイトは黒の次元航行隊の制服。なのはは白の航空隊制服に着替え、二人で並ぶには少し狭い玄関へと同
時に歩を進めた。
 無論、何時もどおりの挨拶をするためだ。

「お仕事頑張ってね、フェイトちゃん」
「うん。なのはも気をつけてね。あんまり無理しちゃ嫌だよ?」

 分かってるよ、と頬を膨らませるなのはの唇にフェイトが唇を重ね、靴を履く。
 扉を開け、同時に一歩を踏み出して。
 ――――その夢は、余りにあっさりと終焉を迎えていた。

「おはよう、フェイトちゃん」

 金の髪を梳きながら、なのはが小さくそう呟いていた。
 瞳には涙を溜めて。嗚咽を唇を噛むことで、やっと堪えているような様子で。

「こんな事、現実じゃ起こらないのにね……」

 呟いた言葉は、フェイトには届かない程に小さく、か細いもの。
 しばらくなのははフェイトの髪を梳きながら震えを堪え、目をきつく瞑って涙を堪えていた。

「……」
433君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:02:45 ID:iMQGgcJg

 やがて涙が収まるとゆっくりと目を開けて、なのはが目を擦りつけながらフェイトを見る。相変わらず深い
眠りの中にいる彼女は、なのはが泣いていた事には気づかない。
 それで、もしかしたら何をしても気付かないじゃないかと思ってしまって。
 いけないと分かっていながら止められなくて。
 その唇に自分の唇を重ねようとして。

「ごめん、フェイトちゃん……こんな事したら、嫌われちゃうね」

 あふれ出した涙に、なのはが逃げるように顔を上げ部屋を飛び出した。


魔法少女リリカルなのはStrikerS
―君に届けたいただ一つの想い―
(4)


 じっと互いに視線を向け、目が合っては視線を逸らすの繰り返し。キャロがそれに耐えかね、俯きエリオの
名前を呼んだ。
 助けて欲しい、そんな気持ちが伝わるほどの弱弱しい声で。

「駄目だよキャロ。ちゃんと話さないと。キャロの気持ち、怒らないでちゃんとフェイトさんに伝えなきゃ」

 それをエリオが笑顔で跳ね除ける。キャロは返す言葉が見つからず、俯きフェイトを見上げたまま口を閉ざ
していた。

「あーあ、キャロ困ってるよ……フェイトさんも何か言ってあげればいいのに」
「そうやなぁ、でもフェイトちゃんの性格やし……エリオの手腕にかかってるってところやな」

 そんな家族の団欒とは言えない、重い空気を楽しんでいるのが二人。そして、それを見ながらため息を吐
き、やはり気になって顔を覗かせているのがもう一人。

「もう、スバルも八神部隊長もわざわざ盗み見る必要なんて――――」
「じゃあそう言ってるティアはなんでここにいるの?」
「ぐっ……う、うるさいわよ!」
「二人とも静かに」

 これも部隊長の仕事や、と笑顔で言ったはやてが目を細める。視線の先、キャロが動こうとしていた。口を
開き、何か言おうと思案している様子で。
 フェイトは相変わらず何も言わない。ずっと無言で俯き、他の事を考えている。フェイトが考えているこ
と、そこにはキャロがいない。そう分かっているからこそ、キャロが焦り何かを言おうと躍起になっていた。

「ふぇ、フェイトさん……体調は大丈夫ですか?」
「うん……」
「ちゃんと寝ましたか? 顔色だって……」
「大丈夫、気にしないで」

 キャロが涙を浮かべエリオを見上げた。どうしよう、と悩むエリオがそれでも首を横に振り、助けようとは
しない。
 キャロがもう一度フェイトと話すと決めたから。
 それで何も言ってくれなかったら、何も聞かず出来ることをすると言っていたから。
 エリオの気持ちがが伝わったのだろう。キャロが一度大きく息を吸い、言葉を紡いだ。

「やっぱり、何も言ってくれないんですか……?」
「……誰にも言えないから」
「なのはさんは? なのはさんにはも言わなかったんですか?」
434君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:03:34 ID:kM4HdTfF

 その名前に、フェイトの指が微かに震えた。震えを抑えようと、片方の手で自分の手を握り唇を引き結び、
それに耐えている。
 その様子に、ようやくキャロが納得する。なのはに言えないなら自分に言えるはずがない、と。
 初めから分かっている事。フェイトに出会い、フェイトを通してなのはを紹介された時からなんとなく分
かっていたことだった。
 フェイトが一番大切にしているのは、エリオでも自分でもない。なのはなのだと。
 それを悔しいと思ったことはない。なのはより大切に想われたいと思ったこともなかった。ただ漠然と、同
じ位置に立ってみたいと思っていただけ。
 だがそれ以上にあるのは、助けたいという一心。フェイトを今一番楽に出来る言葉をと、キャロが言葉を探
し、それを見つけた。

「何か、出来ることは無いですか? 何も知らなくても何か出来ること……ないでしょうか」

 キャロの口調が、先ほどとは違って聞こえた。優しくて、暖かい声。その事に顔を上げたフェイトが小さ
く、何と聞き返す。
 それを見て、はやてが満足そうに頷いた。エリオは少し強引だったけれど、結果が良ければいいだろう。

「あれ? 八神部隊長帰っちゃうんですか?」
「ええよ、スバルは見てて。私は心配で来た訳やないから」

 特に何が変わるわけでもない。相変わらずフェイトは上の空でほかの事を考えている。
 だが、それでも一歩前進した。フェイトがキャロの話を聞こうとしなかったら、殴りつけようかと考えてい
たはやてもだから踵を返していた。
 はやてと、彼女の背中を追いかけるスバル達。

「――――」

 そして、キャロの耳に届いたフェイトの呟き。
 ――――丁度、そのくらい。

「いたっ、痛いです……」

 なのはの苦痛に歪んだ声が、医務室から漏れていた。


* * *


「あれから二ヶ月も経ってるのに……まだ痛い?」

 頷き、なのはがこれ以上触られたくないと制服の上着に袖を通した。
 JS 事件から二ヶ月。それはゆりかごでの戦いの代償。
 最大魔力の低下と、体への異常。シャマルはなのはから視線を外し、手元にあったカルテを睨み眉を寄せて
ため息を吐いた。
 傷は決して軽くない。本来ならば、数年の休養をしても治るかどうかは分からない傷。スバル達の教導も、
ヴィータ達のサポートがあってこそ出来る程のもの。
 
「でも、なのはちゃんは大人しく休んだりしないわよねぇ……はぁ、困った患者さん」
「すいません……でも、休んでも治るとは限らないですから。今はスバル達に色々教えてあげたいんです」

 真っ直ぐな目で見つめられ、シャマルが言葉を失った。その笑顔が、輝いているからではない。消えそうな
くらいに、儚く見えてしまったから。
 そんな馬鹿な事と、シャマルが頭を振りたった今考えてしまった事をかき消そうとする。だが消えない。暗
い考えが、今もシャマルの心を苛み更に暗く堕ちてしまうかのように。
 そんな事は露知らず、なのはは診察が終わりと同時に立ち上がっていた。ありがとうございましたとシャマ
ルに会釈し、医務室の扉の前に立つ。
 それに反応して。
435君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:04:24 ID:kM4HdTfF

「待ってなのはちゃん!」

 シャマルが声をあげてなのはの腕を掴んでいた。
 なのはの冷たい手首が不安を煽り、シャマルが更に手首を掴む力を強くして。

「どうしたんですかシャマルさん?」
「えっ、あ……ごめんなさい」

 なのはは、捕まれた腕を不思議に見つめていた。シャマルも同じ。自分が掴んだ腕を、一瞬感じた不安を、
今感じている違和感に、理解できないと目を丸くする。
 なのはが少し腕を動かせば、我に返ったようにシャマルが手を引っ込める程に些細なもの違和感でしかな
い。

「大丈夫ですよシャマルさん」

 シャマルの不安を感じ取ったからだろう。なのはが扉に向けていた体をシャマルに向け、先ほどまで自身の
腕を掴んでいたその手を取った。

「私は堕ちません。堕ちたら、悲しんじゃいますから」

 そう。そんな事、あってはならないこと。
 そもそもその傷は、なのはが我が子を救う為に受けた傷。そんなもので、決してなのはが屈したりする筈
がないというのに。
 ごめんなさい、と更に俯くシャマルに、なのはが苦笑混じりに頷いてシャマルから視線を外し、医務室から
一歩足を踏み出し後、小さく言う。

「でも、堕ちたらまた心配してくれるのかなぁ」

 扉が閉まる。
 今度は腕を掴まれなかった。

「何で、あんな事言ったんだろ……」

 医務室近くの壁に寄りかかり、なのはが小さく零していた。
 腕を動かす。痛みは無い。
 今度は力を込めて。少し痛かった。
 特に辛くはない。これは受けるべきして受けた傷だから。だから、こんな事を考えるのは良くないことだと
理解している筈なのに。
 それにも関わらずここのところ、色々と変なことを考えてしまっている。今朝だってそれが原因であんな事
をしそうになったにも関わらず。
 そろそろいいかげんにしろとなのはが頭を振った。思考をクリアにして、余計なことを考えないようにと落
ち着くまでそれを繰り返す。

「ヴィヴィオと一緒にいれば、気も紛れるよね」

 そうしていればやがて、気晴らしでもしようと思えるようになる。
 ヴィヴィオといれば、フェイトの事も必要以上に考えずに済むだろうと、なのはが自室へと足を運び、扉を
開けて部屋を見渡した。
 不意に笑みが零れる。彼女にしては珍しい、少し意地悪な笑み。視線の先にいるのは、小さな体躯。足音を
消して背後から忍び寄り、声をかけようとして。

「あれ、寝ちゃってるのか」

 小さな寝息を立てながら眠る我が子に、なのはが残念そうにため息をつき苦笑いをし、すぐ近くに起こさぬ
よう腰を下ろし、そのまま何もせずヴィヴィオの寝顔を眺めた。
 たまにはこんな風にのんびりとした時間を過ごすのもいいだろう。ここのところ、色々と忙しかったからと
なのはが呟き、顔を上げる。
 窓から差し込む日差しは、いい具合に暖かい。これならば、お腹を出しているヴィヴィオも風邪を引かない
だろうと安堵し、柔らかい頬に触れた。
436君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:05:19 ID:iMQGgcJg

「ヴィヴィオはさ、これからの事凄い楽しみなんだよね……」

 きっと、その先には光しかないのだろう。
 学校への入学は来年度だというのに、もう勉強を始めてしまっているのがその証拠。いつか、自分に教えて
と教科書を突きつける日が来てしまうのかなと、その時の事を想像した。
 自分は空を飛ぶことしか出来ないから、ヴィヴィオに何かを教えることなんて出来るのだろうか。
 やはりフェイトのように、丁寧に教えられる方がいいのではないのか。
 だがそんな事は言っていられない。もしもそんな事があった時、分からないで済ますのは頂けない。少なか
らず母親の威厳は保っておかなければいけないのだ。高町家最強は、常に母親と決まっているのだから。
 まず手始めにと、ヴィヴィオの枕元にある魔道書の表紙を開いた。目次に目を通すと、あるのはやはり基礎
的なものばかり。むしろ、ヴィヴィオがこれで自分に教えを請うことなどあるのだろうかと疑問に思うほど。
 だがもしもということがあってはならない。適当なページを開き、しばらく文字を読むことに没頭した。

「んん……眠くなってきちゃった……」

 日差しは変わらず暖かい。
 本に並んでいるのは、子供向けの小さな文字。
 だが、やはり慣れないことはするものじゃない。本を閉じ、ベッドに体を投げ出してヴィヴィオの頬に自分
の頬を擦りつけて。
 さほど間をおかず、睡魔はなのはの元へやって来ていた。


* * *

 静かな、だが騒がしい物音がしていた。
 寝息を立てているなのはとヴィヴィオから視線を外し、フェイトが大きめのバッグを取り出し無言で服を
詰め込んでいる。
 ハンガーにかかっている自分の服を適当に詰め込み、下着を開いた隙間に丸めて突っ込み、バッグが許容量
を超えたら今度は別のものに詰め込んで。
 その動作の全てが、普段の彼女には見られない乱暴なもの。
 腕はしきりに忙しく動き止まろうとはしない。視線はベッドで寝ている彼女から無理やり逸らされ、落ち着
きはしない。
 まるで何かから逃げているようなその行動は、事実フェイトがなのはから逃げる為に行っているもの。
 もう耐えられるとは思えなかった。今朝の夢が、余りにも幸せすぎて苦しかったから。

「なのは、ごめんね」

 機動六課が建てられ、冗談のように何故か同じ部屋になったフェイトとなのは。
 フェイトは真っ赤になりながら密かに喜び、なのはは何時もどおりフェイトの腕に抱きつき一緒だね、と
嬉しそうだった。
 これは、そんな笑顔を終わらせてしまう事なのではないかと考えてしまう。
 不意にフェイトがそれまで動いていた腕を止め、一点を見つめた。
 手にあるのはピンク色のリボン。自分の一番の宝物。なのはとの友情の証。
 ――――そして、こんな自分には似合わないもの。

「……フェイトちゃん?」
「――――!」

 不意の声がフェイトの耳を打ち、たった今まで考えていた事を吹き飛ばす。慌てて声のした方向を見れば、
なのはが目を擦りながらこちらをじっと見つめていた。
 どうしたの、と首を傾げるなのははフェイトの隣にある大きなバッグを見つけ更に不思議そうに目を瞬かせ
ている。
 どこかいくの、と小さな声がした。
 まるで、夜遅くに出かけてしまう親を見るような瞳。フェイトにとっては、エリオやキャロと笑い合えるよ
うになり、フェイトが帰らなければいけないときに何度か目にしたもの。
 いつもの任務でない事など、無論なのはだって分かっている。たまにキャロ達と眠るとき、こんな大きな
荷物を持っていない事も知っている。
 だからきっと、どこに行くか分からないから不安なのだろうと、そう理解できた。
437君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:06:11 ID:iMQGgcJg

「キャロのところに行くんだ」
「そうなんだ。でも……」

 そう、そうならばこの荷物はいらない。それは、今さっき考えていた事。得に困ることなどないとフェイト
が頷き言葉を紡ぐ。
 
「もうこっちには帰ってこないから。六課が解散するまではキャロとエリオと一緒にいたいんだ」

 言って卑怯だ、とフェイトが口を閉ざしなのはから視線を逸らした。なのはが二人の名前を出して、何か言
う事など無かったことを知っているのに。
 予想通り、なのはがそう、と呟くのを耳にしながらバッグを持ち上げ、フェイトが彼女の目の前を通り過ぎ
ていく。
 なのはが待って、と呟くのに気付かないフリをして扉のスイッチに触れ。

「今までありがとうね。フェイトちゃん」

 思いがけない一言に、逃げるように部屋を後にした。
 部屋を出て、呟いたのは謝罪の言葉。心のどこかで、もうきっとなのはと一緒に寝るなんて事はないのかな
と思いながら歩を進ませる。

 ――――馬鹿。

「ほんとだね」

 頭に響いた自分の声にそう返し、フェイトが笑う。儚くて、すぐにでも消えそうな表情で、涙を零れそうな
程に溜めながら。
 こんな表情をキャロ達に見せるわけにはいかない。バッグにしまってあったハンドタオルで涙を拭い、不意
に自分を呼ぶ声に顔を上げた。

「フェイトさーん!」

 待ちきれなかったのだろう、キャロがエリオを引っ張りながらこちらへ走っていく。
 フェイトの腕に自分の腕を絡ませ、嬉しそうに、だがそうしていることを少し恥ずかしそうに笑いながら
フェイトを見上げていた。
 部屋へ行くまでの間、ずっとそんな様子。キャロがフェイトの腕を掴み急かし、フェイトがそれに逆らわず
足をもつれさせながら歩き、エリオがその後ろで二人を眺めている。
 後ろで二人を見ていたエリオだから気付いていた。フェイトの手に、ピンク色のリボンが握られていること
に。そして、それが何であるかも知っている。

「フェイトさん」
「なに、エリオ?」

 呼びかけた後、エリオが無言一点を見つめていることにフェイトが気付いた。何を見ているかに気付き、
部屋を出ようとしているのをなのはに見つかったその瞬間まで考えていた事を思い出す。
 部屋まではあと少し。キャロが扉のスイッチに手を伸ばしていたところ。だがいつまで経ってもフェイト
とエリオはこちらの元へ来てはくれない。そうキャロが二人へ顔を向け、目を瞬かせて。

「可愛いですね。フェイトさんのですか?」

 フェイトが握り締めている、エリオが怪訝そうに見つめているピンク色のリボンを見つけ微笑んだ。

「うん……私のなんだ」
438君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:06:59 ID:kM4HdTfF

 答えたフェイトの言葉に、今自分が言った事なのにと思いながらも、やはりキャロは首を傾げる事しか出来
なかった。
 いつも黒か黄色の物、身に着けるものは大抵黒い服だったからだろう。そう納得したフェイトが、そういえ
ばキャロの前ではつけたことは無かったなと思い出す。エリオには何度か見せた事がある。エリオがこのリボ
ンを知っているのも、それがあったからの事なのだろう。
 あの時は多分嬉しそうに、恥ずかしそうに笑っていた筈だ。もしかしたら、先ほどまでのキャロのように頬
を染めていたかもしれない。
 フェイトがそれに、苛立った様子で唇を噛んだ。
 今自分がどうなっているのかを全く知らなくて。
 自分がなのはをどう想っているかを気付きもしない。
 今これを持っている事に、どれくらいの苦痛を伴っているかなんて全く分かりもしない。

「キャロ、向こう向いて」
「えっ、はい……こうですか?」

 だから、そう言ってしまった。
 持っていたくなかったから、誰かにと思ってしまった。
 やめなさいと再び、頭の中で自分の声が響いた。いつもより切羽詰った、甲高い声。逆らうようにうるさ
い、と口にして。それ以降、声は聞こえなくなっていた。

「うん、やっぱりキャロに似合うね」

 目の前で、ピンク色のリボンで髪を結ったキャロが恥ずかしそうに笑っていた。
 フェイトがキャロの髪を撫でつけ、その笑みに笑い返す。
 ただその笑みは何処か寂しげで。何かが足らなかった。
 キャロは気付かない。フェイトからの突然のプレゼントにはしゃぐだけ。エリオもまた、フェイトの行動に
疑問を持つだけにとどまっている。
 気付いたのは一人だけ。しかし彼女には何も出来なくて。
 それが悔しいと泣いていた。

「なのはママ、どうしたの?」
「忘れ物……フェイトちゃんに届けようと思ったんだけど……」

 部屋に戻ってきた母に、目覚めたヴィヴィオが抱きつき頬擦りを繰り返す。嬉しそうに頬を染めながら。
 それを、なのはが溜まった涙を拭いながら見下ろし、ふと疑問に思ってしまった。

「……フェイトちゃんがいなくなってそんなに嬉しいの?」

 ヴィヴィオは答えない。そもそも、彼女はフェイトが”いなくなる”という言葉に疑問を持っただけ。
 何も答えてくれず。ただ目を丸くするヴィヴィオを払いのけ、なのはが疲れた様子でベッドに横たわった。
 あれは何だったのだろう。そんな事を考えながら。


* * *
439君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:07:55 ID:iMQGgcJg

 ――――そしてこれは、その少し前の事。
 ずずず、と伸びきったカップラーメンを啜りながら、ユーノがデスクに重ねられているデータにため息を吐
いた。
 無論、某提督による苛めに近い仕事量のせいである。しかし正当な手続きを得てこちらの元へ渡ったもの。
ふざけるなとつき返すことなど許されるわけもなく、仕方なく彼は仕事に精を出していた。

「これは……」

 その手が止まる。反対に文字を追っていた瞳は忙しく動き始め、口は秘書を呼びつけていた。

「いかがなさいましたか。スクライア司書長」
「ちょっと出かけます。今日中には帰ってくるので、戸締りはしなくていいです」
 
 分かりましたと秘書が背を向け去っていくのを待たず、ユーノが背広に袖を通し、データの入ったディスク
をポケットに突っ込んだ。
 向こうへ着くまでの間、概要だけでも理解しようとウインドウを開いた彼が、慣れた手つきで回線をクラウ
ディアへ設定する。
 そのすぐの事。

「早かったね。待ってたのかな」

 瞬時に応答した某提督事、クロノ・ハラオウンに目を丸くし、小さく苦笑した。
 もう十年の付き合いだ。自分が何を言おうとしているのかも、こいつは分かっているだろう。それを疎まし
く思うほど子供でもないし、十年は短くはない。
 まして、これに対する自分の反応を考えれば当然だろう。

「艦長室で待ってる。話はそれからでいいか?」
「構わないよ。あ、後君が送りつけたふざけた量の仕事は可能な限り遅らせるからそのつもりで」

 問題ない、と返すクロノに更に苦笑いを強くする。後は仕事漬けでさしたる話題もない二人の事。最近の事
件の事や、無限書庫の仕事量への愚痴を互いに浴びせながら、自分の近況を相手に伝える事くらい。

「――――悪いが無限書庫の仕事量は減らせないぞ。これでも抑えている方なんだ。感謝して欲しい」
「そ。ところで、僕の今日の食事は伸びきったラーメンと栄養ドリンクだったんだけど、その事にそちらから
の感謝は無いのかを聞きたいね」

 クロノがため息を吐きつつ口を開いた。それにまた小言の一つでも言われるのか、と身構えたユーノだった
が、次のクロノからの言葉に足を止める。
 僅かな時間無言で考え、別回線を開いた。通信のあて先は無限書庫。現れた秘書に申し訳なさそうに眉を下
げて。

「僕です。やっぱり帰れなくなりそうなので戸締りお願いします」

 彼女の小さな失敗が、大きな事件に変わりつつあることに盛大なため息を吐いた。

「ジュエルシードか。何だかなぁ……」

 JS 事件で見つかった一つのジュエルシード。スカリエッティからの彼女へのメッセージなのであろうそれ
が、今は苛立たしい。
 まるで、あの事件がこの為にあったのではないかと疑うほどに。
440君に届けたいただ一つの想い:2007/12/31(月) 00:08:45 ID:iMQGgcJg
以上です。ありがとうございました。
多分、次回からそれなりに書きやすくなるかも……。
次回の更新は休暇に入った為割と早いです。堕とし玉の時期には
間に合うよう頑張ります。
次回、なのはさんの人生相談。題目:上手な人付き合い。カウンセラー: 4 番の方。
ではではです。
441名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:13:07 ID:0/2Clm0l
>>440
GJ
これからどんな展開になるか楽しみです

>>410
いままでこのシリーズを楽しんで読んでたんだけど、いきなり凌辱路線になって
凌辱NGな俺にとってちょっと残念でした
442名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:22:36 ID:J5aavP1D
>>440
GJ
フェイトとなのはのすれ違いが、なんとも言えませんね
443名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:50:09 ID:/Yy5jvak
GJです!!!!
この話大好きです!!!続き楽しみに待ってます!!!!
444名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 00:55:42 ID:j/5aRa+y
>>410
最初の頃のネタまみれのあの感覚が大好きだったんだけど
今の展開も悪くないんだぜ。どうせならふたなりなのはが
スバルをずっこんばっこんするぐらい突き抜けても問題ないと思うんだぜ。
445名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:25:25 ID:E/jfWgKb
>私は……僕は……俺は……
ナドレ自重w
446名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:36:28 ID:Y8loHR8a
>>421
GJ!!いいスカ博士です。子供が生まれたら二人とも究極的な親馬鹿になりそうw

447名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:42:37 ID:yTXIV5yy
>>410
ここまでスバル壊しちゃうとは…
もうなのはが正気に戻っても後戻りできないな
ここで新人が登場しても嬲り殺しにあいそうだw
448名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:49:17 ID:916IJkuC
>>421

GJ
なんだか、スカリエッティが急にいい人に見えてきた。
通り魔とかから子どもを守るためにガジェット放ちそう。
449名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 03:17:14 ID:Jvvfyuf1
>>448
「あなたっ!!」
「おお!どうしたそんなに慌てて!私の世界で2番目に愛しいフェイトよ」
「……やっぱり1番じゃ無いんだ」ムスー
「……不服なら、今夜にでも補ってあげよう」
「き、期待してます///……それより、これ!」
ピラ

『保護者各位 
最近当校の学区内で変質者の出現情報が多数報告されています……
……各家庭でも御注意下さい……

聖王教会附属校初等科』

「……なんと!?私の世界で一番愛しい娘の〇〇が危険に晒されているというのか……こうしてはおれんっ!すぐに変態虐殺用のガジェットを……!!」
「私達も行こう、バルディッシュ!!」
『Yes Sir.』



などという電波がry
450名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 05:15:50 ID:bc/YN5t4
>449 
学校前で元六課関係者一同が勢揃い、大乱闘の末に、
一人残らず変質者扱いされている図が思い浮かんだのは気のせいでしょうか

さて、大晦日にちょっと投下させてくださいな

なのフェのような気がします、小ネタの非エロです

フェイトさんがお馬鹿なのは自然の摂理です、為す術はありません
なのはさんが壊れている気がします、でもベクトルが歪んでいます

遠慮なくパクってと仰っていらした朝刊の方が御座いましたので、
遠慮なくパクリとお口で奉仕していたら暗くなったので削除しました

とりあえず、あの魔法を拝借しつつ無茶な設定を付加させてみたり
451或る執務官の年末:2007/12/31(月) 05:16:59 ID:bc/YN5t4

クリスマスも過ぎ、ヴィヴィオから魔法学校の通信簿を受け取って、頭をワシャワシャ。
なんか花丸がいっぱいついている通信簿を閉じて、気がついた。

「……ねえ、なのは」

指先で、名前欄を指し示す。

−高町美美雄

「可愛くて格好良い漢字をあててみたの!」
「ふふ、なのはったら、疾風なりし天神が今、導きのもとに撃ちかかるよ」

「んー、いつかどこかで聞いたような」
「撃ち砕け、ファイア」

即座に毎秒266発のフォトンランサーが、馬鹿親を撃ち倒した。
とりあえず泣いて謝るまで、ヴィヴィオ・T・ハラオウンに改名させておく事にする。
452或る執務官の年末:2007/12/31(月) 05:17:55 ID:bc/YN5t4

『或る執務官の年末』



「ええやん、美空(びゅあっぷる)とかに比べれば可愛いもんや」
「えー、今日から八神迅雷怒濤と書いて、やがみはやてと読む事が決定されました」

長期休暇を利用して、すずかの家に泊まりこみにきている年末年始の事、
無意味に広い部屋の端っこで炬燵を囲んで、3人が四方山話に花を咲かせている。

すずかは右手で猫に埋まっており、迅雷怒濤は正面に猫で遊んでいる。
私は私で炬燵とザフィーラに埋まりきって、素敵に無敵。

「なんていうか、強そうだね迅雷怒濤(はやて)ちゃん」
「イヤやああああぁぁぁ!!」

あ、すごい、漢字が見えた。
どうやって発音したんだ、今?

「そうなると、フェイトちゃんにも漢字をあててみたいかも」
「ごめん、私ミッド人だから、表記と読みは一致するんだ」

「一人だけ安全地帯に逃げおった!?」

ちなみに日本だと、名前の読み方は規定する法律自体が存在しないので、好き勝手だ。
騎士(ないと)とか、永久恋愛(えくれあ)とかが成立するのは、これが理由になる。

極端な事を言ってしまえば、高町なのはと書いて、タカマチテンノゼオライマーとか、
タカマチレンポウノシロイアクマとか読んでも、間違いではないんだ。
453或る執務官の年末:2007/12/31(月) 05:18:38 ID:bc/YN5t4

「いや、外国人なら通名がある、腹悪運・会子とか、どや!?」
「く、痛いところを…するとお兄ちゃんは、腹悪運・黒之介とか?」

「イニシャルだけ見れば、腹☆黒か、流石やなフェイトちゃん!」
「なにその、もってけ射手座午後九時土瓶鈴!?」

すぱこんと、どこからともなく取り出したハリセンで叩いておく。
いや、手が届かないから、炬燵の反対側に居られると。

「はやてちゃん、並び順が日本風だよ」
「それよりも、そのハリセンどっから出したー!?」

バルディッシュの共有フォルダの中にありました。
有難う、どこかの次元世界の私、本当に有難う。

「P2Pはやめてんか、ウイルス怖いやん」
「でもほら、こんな感じにバルディッシュを通して様々な魔法式が」

ハリセンフォーム、真そにっく(裏返し)ふぉーむ、成人向け旧ソニックフォーム
うさみみフォーム、各種フォーム首輪と尻尾の付属パッチ、始末書自動生成ツール

「裏返しってどうなるの?」

「うん、胸と股間の当て布が丸見えになるから、視覚的に凄い威力が」
「どこの世界のフェイトちゃんも、そんなんばっかかあああぁぁ!!」

言われてみれば、見事なまでに戦闘用のバリアジャケットの式が無い。
どこの次元の私もこんなんばっかりのようで、いっそ清々しいかもしれない。

「とりあえず、お礼にスターズ仕様のソニックフォームを入れておこう」
「ああ、白地に青で競泳用白スク水のカラーリングにって、待たんかい!」

すぱこんと、良い音で叩かれた。
454或る執務官の年末:2007/12/31(月) 05:19:29 ID:bc/YN5t4

付録:除夜の鐘がなる頃に



お互いの晴れ着を敷かないように気をつけながら、身を寄せて、口付ける。
正面から眼を閉じて、そっと優しく、触れるだけ。

「今年最後のキスだね」

なのはの囁きに答えないまま、軽く抱き寄せて、咽を撫でる。

穏やかな温もりを感じる最中、遠くで鳴り続いていた鐘の音が、途切れた。
六根より生じる六類の煩悩を、前世、今世、来世にわたって祓い清めた、静寂の刹那。

どこかでカウントダウンがはじまり、歓声とともに終焉を迎える。

もう一度、口付けを。

今度は長く、深く、味わうように、舌を絡める。
唇を離し、乱れた口元を拭うように、再び重ねる。

「あけましておめでとう、なのは、今年もよろしく」
「フェイトちゃんも、おめでとう」

言い終わった口を、唇で塞いだ。

(終)
455或る執務官の年末:2007/12/31(月) 05:20:32 ID:bc/YN5t4
それでは、良いお年をー
456名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 08:26:07 ID:bqriFZsZ
GJ。良いお年を。来年もよろしくお願いします

きっとあなたの初夢はピンク色の閃光で鮮やかであろう
457名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 09:23:04 ID:h0VBbrjM
>410
という夢をみたんだ。

っていう夢オチも使えますな。SLBで気絶は確定でしょ。
458名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 13:07:19 ID:di76hNo9
>>455
何だよ共有フォルダってw
別の世界のフェイト…
なのはに萌え萌えしてるフェイトとか、
エリオに涎垂らしてるフェイトとか、
クロノに…だめだ、ほんとに何処行っても似たようなビジョンが…
459名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 13:16:42 ID:ZPC1TRO/
>>455
投下GJ。よいお年を。今年最後の日に日本酒吹いたw
高町美美雄・・・いい当て字じゃないか。さすが中卒はやってくr(略
46038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/12/31(月) 13:33:37 ID:l8w0Zw+e
>>455
ちょwフェイトさん駄目駄目だw

>サイヒさん
>>391でおっしゃっていた「途中でへたれるから書けないネタ」をユノなので使ってもよろしいでしょうか?
……うん、「エロいバインド使うのはユーノだろJK」とか考えてたらユノなので出来そうだな、とか思ってしまったんですorz
461名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 13:37:14 ID:g1QgSKZF
乙。
間違えてレイハとの共有フォルダ開いたり。
>458
型月のフェイトとか特級の若本使いと婚約したフェイトとかニューロエイジのフェイトとか某アークセイバーとか。
462B・A:2007/12/31(月) 14:05:21 ID:916IJkuC
>455
GJ。良いお年を。

では僕も今年最後の投下をさせていただきます。

注意事項
・エロなし
・デバイス擬人化もの
・主人公は閃光の戦斧
・ギャグからシリアスに変わる予定
463不屈の心と閃光の戦斧 第2話@:2007/12/31(月) 14:07:04 ID:916IJkuC
ジェルシード然り、闇の書然り、ロストロギアというものは、一歩間違えれば大惨事を巻き起こすものが多い。
だから、その扱いは慎重にならねばならないのだ。なのだが・・・・・・・。
「はやてちゃん、向こうは楽しそうですよ」
「ははは、ええやん。こっちはこっちで楽しもう」
「古代文字の解読なんてちっとも楽しくないですよぉ」
頭の上でぼやくリィンをたしなめつつ、はやては壁に刻まれた古代文字を追っていく。
一応ベルカの言葉なのだが、どうも地方訛りが強いようで、解読するのはかなり骨だった。
ユーノとタッグで頑張っているのだが、なかなか思うように進まない。
「ユーノくん、そっちはどうや?」
「えっと・・・・『仮初』・・・『肉体』・・・『仮初の肉体を与える』・・・・・
『融合騎』・・・『研究』・・・・・『融合デバイスの研究』」
はやてが四苦八苦している古代文字を、ユーノはスラスラと解読していく。
さすがは考古学者、餅は餅屋とは正にこのことだ。
「だいたいわかったよ。あのロストロギアは・・・・・・・」
振り向いたユーノの目に、丁度ロストロギアに触れようとしていたなのはの姿が映る。
慌てて、彼は叫んだ。
「クロノ、なのはを止めて!」
464不屈の心と閃光の戦斧 第2話A:2007/12/31(月) 14:10:27 ID:916IJkuC

そして、ロストロギアは発動。眩しい光が遺跡を包み込み、落盤からなのはを救うために飛んだフェイトは、
気がつけば人間になったバルディッシュに抱えられていた。
「ああ・・・・・バルディッシュ、なんだな?」
全員を代表し、クロノが口を開く。さすがの青年提督も動揺は隠せないのか、声が少し頼りなさげだ。
「はい、クロノ提督」
「けど、バルディッシュはここにあるけど・・・・・」
地面に下ろしてもらったフェイトは、床に転がっていたバルディッシュ(杖)を持ち上げる。そして、違和感に気づいた。
「あれ・・・?」
「どないしたん、フェイトちゃん?」
「えっと、うまく説明できないんだけど・・・・・・」
「魔力がデバイスじゃなくて、彼に流れているんでしょ」
フェイトの言葉を、ユーノは引き継ぐ。
「わかるのか、ユーノ?」
「うん、壁の文字を解読してわかったんだけど、あのロストロギアはデバイスの管制人格に体を与えるものなんだ」
「リィンのお友達が作れるですか?」
「ううん。あくまで体を与えるだけで、融合デバイスになるわけじゃないんだ」
ユーノ曰く、このロストロギアは融合デバイスを造る一環として、まずは管制人格の実体化のために造られたのだそうだ。
そして研究が完了し、役目を終えたロストロギアはこの遺跡に封印されていた。
それが、なのはが触れた拍子に再起動してしまったのだ。
「あの光を浴びたせいで、私はこのような姿になってしまったのか・・・・・」
「バルディッシュ、リィンとお揃いですね」
戸惑い気味のバルディッシュ(人)の周りを、リィンはキャッキャッと飛び回る。
彼女からすれば、自分と同じような存在ができて嬉しいのだろう。
「それで、バルディッシュは元に戻れるの?」
「えっと、そこまでは・・・・・まあ、ロストロギアは無事みたいだから、
持ち帰って調べればわかるんじゃないかな?」
「そうしてください。私も、人の体では些か落ち着かない」
彼らには理解し難い感覚だが、元々道具であったバルディッシュにとって、
現在感じている五感というものは非常に新鮮で、かつ不安定なものなのだ。
彼としては、さっさと杖に戻っていつものように黙々と仕事をしている方が落ち着ける。
465不屈の心と閃光の戦斧 第2話B:2007/12/31(月) 14:13:20 ID:916IJkuC

「なのはちゃん、さっきから黙っているけど、どないしたん?」
不意に、はやてはレイジングハートを持ったまま沈黙しているなのはに声をかけた。
「・・・・・いない」
「え?」
「レイジングハートが・・・・・ここにいない」
デバイスからレイジングハートの存在を感じない。
まさか、と全員が周囲を見回す。
あの時、なのははロストロギアの一番近くにいた。落盤から守るためにフェイトが突き飛ばしていたが、
誰よりも間近で光を浴びたのはなのは―――レイジングハートなのだ。
「マスター・・・・・」
そして、彼女はそこにいた。
ロストロギアが発動するまでなのはがいた場所で、落盤に押し潰されながら。
「レイジングハート!?」
なのはは急いで、彼女の上に覆いかぶさる岩を取り除く。
やがて、擬人化したレイジングハートの姿が露になった。
「わぁ・・・・」
「えっと・・・・・」
「可愛い」
なのはが抱えあげたのは、全長30cmくらいの人形・・・・もとい、女性だった。
髪は腰まで届く桃色。肌は白く、着ている服はなのはのBJを簡素にしたような感じのものだ。
外見年齢は20歳前後といったところだろうか。ただ、体の大きさはリィンとそう変わらなかった。
「わぁっい、リィンと一緒ですぅ」
バルディッシュの時以上にはしゃぐリィン。どうしたものかと困り果てる3人娘。
嘆息するクロノと苦笑するユーノ。そして、一人無言のままのバルディッシュ。
「どうして、どうしてこんなことになったのでしょう?」
レイジングハートの切ない悲鳴が、古代の遺跡に虚しく響いた。

かくして、人の形を得てしまったレイジングハートとバルディッシュ。
これが、ある些細な出来事のきっかけになろうとは、この時点では誰一人として知る由もなかった。

                      to be continued

466B・A:2007/12/31(月) 14:14:24 ID:916IJkuC
以上です。

次回はドタバタしたギャグっぽいものを書いて、
それからシリアスに移行してこうと思います。
467名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 14:48:01 ID:ZPC1TRO/
投下GJ
さて、どうなることやら。てか、リィン大喜びだなw
しかし、外見お姐さんでリィンと同じサイズのレイジングハートか・・・何かイイ
468名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 15:00:15 ID:1SkmS+pY
>>467
GJ!!何かレイジングハートがヴィヴィオのお姉さんみたいで
並んでいるところを想像するとほほえましいですね。
469名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 15:03:45 ID:1SkmS+pY
しまった>>467じゃなくて>>466でした。  _| ̄|○
470名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 15:56:24 ID:y+Isf0Hz
16:00ごろから投げ込みしまっス
471ておあー:2007/12/31(月) 16:00:23 ID:y+Isf0Hz
ダレモイナイ? ムシロコウツゴウ…

>>367
わかったよ、26-111兄ィ!! 兄貴の覚悟が!「言葉」でなく「心」で理解できた!
投下するって思った時は、兄貴ッ! すでに行動は終わっているんだね。

というわけで……前回レス下さった方、ありがとうございました。
そういえば25日は初代リインの命日でしたね……八神家は始末書に埋もれさせたり妻帯者の奪い合い
させたり獄卒させたり恋人とデートさせたりしてる場合じゃなかったわorz でも皆元気でやってるんだ
からリインも喜んでるよねきっと。ていうか書き並べたらザフィだけ勝ち組すぎて吹いた。


今回の注意

・時期は本編でいうところの9話と10話の間
・なのは×ティアナでエロ、一部はやても参加
・なのはに何か生えます
・ティアナが挿れられるのは後ろのみです
・全体的にアホアホな話です、無粋なツッコミは糠に釘です
・という事で登場人物がかなり壊れ気味でも気にしちゃいかん、いかんですよ


以上がダメな方はシルバーカーテンの使用をお願いします。
472『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:01:48 ID:y+Isf0Hz

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……もとい。

 ごめんなさぁいぃ、ごめんなざあぁい……と大号泣しての謝罪。


 夜の『お散歩』で高町なのはとティアナ・ランスターが和解してから数日後。
 機動六課では今日も基礎訓練と模擬戦漬けの毎日が繰り返されていた。

「それじゃあ、今朝の訓練はここまでね」 
「ありがとうございましたっ!!」

 早朝訓練を終え、隊舎に戻る隊長陣とフォワード陣。
 それはいつも通りの朝の風景で、なのはもまたいつも通りにその最後部を歩く。
 そのなのはに、いつもとは違う真剣な表情を浮かべたヴィータが近づき声をかけた。

「なあ、なのは隊長……」
「わかってるよ、ヴィータ副隊長……ティアナの事だよね?」

 気づいていたか、という表情でヴィータは頭を掻く。

「ありゃなんとかしねえとまずいぞ、下手すりゃ使いもんにならなくなる」
「わかってる……ちょっと荒療治になるけど、私に任せてくれる? こういう時に使う、教導隊で伝統
的に伝わってる方法があるんだ……」


 この会話の三十分後、ティアナはなのはに呼び出される事になる。
 これから語られるのは、誰にも知られぬうちに師弟二人が行っていた秘密の特訓、その一部始終であ
る。




『最強の凡人、誕生秘話なの!』





「失礼しま……ってええっ!?」

 ティアナはその瞬間、自分が開けたドアに転送魔法か何かが仕掛けてあって、まるでどこ○もドアの
ように別の空間、例えばいかがわしい店か何かに繋がっているのではないかと思った。

「ああ、よく来たねティアナ。さあ……気にせず入って」

 しかし、部屋の中で手招きしているのは確かに自分のよく知る人物であり、自分をこの場所に呼びつ
けた自分の上司である。つまり自分はこの部屋に入らざるを得ない。たとえそこに何か『罠』とでも呼
ぶべきものが仕掛けてあったとしてもだ。
473『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:02:21 ID:y+Isf0Hz
「し、失礼します……」

 おずおずとティアナは部屋の中へ足を踏み入れる。
 この部屋は平時は六課への来客が宿泊する際に使われている部屋であり、ティアナ達の部屋にある二
段ベッドとは違う、かなり大きめのベッドが置かれている。

 今、そのベッドに彼女を呼びつけた人物――高町なのはが座っている。


 下着姿で。



(どどどどどどういう事……!? ま、まさかなのはさんって……レ、レズ……)


 冗談じゃない。 
 隙を見せれば胸をモンデヤルしてくるのは同室者と部隊長だけでもうお腹いっぱいだ。既に二人もセ
クハラ魔がいるのに、この上さらにガチレズまで加わったとなっては本格的に貞操の危機である。

「えっと、驚かせちゃったよね……でも逃がさないよ」
「ひいっ!?」
 
 思わずドアに向かいかけるその足を、なのはのアクセルシューターが止めた。

「もし少しでも部屋から出ようとする動きを見せたら、その時はこの部屋にあるシューターが全部ティ
アナに向かって発射される事になるよ……『お話』聞いてくれるよね?」


 そう。これがティアナが妙な勘違いをしたり『罠』の存在を疑った理由。
 分厚いカーテンで日の光が遮られた部屋は、桜色に光る無数の魔力スフィアによって怪しく照らされ
ていた。

「ねえ、ティアナ……」
「聞きますっ! 聞きます聞きますっ!!」

 しかし、今やるべき事は話を聞くか人間をやめるか二つに一つ、部屋中に魔力スフィアがばら撒かれ
ている理由を考察することではない。ティアナは首を凄まじい勢いで縦に振ると、なのはに勧められる
まま椅子に腰を下ろした。
「……失礼します」
「うん……じゃあティアナ、早速だけど……どうしてここに呼ばれたか、理由がわかる?」
「いえ……」


 実は嘘だッ! ……というのは少し大袈裟だが。
 なんとなく心に浮かぶものはある。しかし、それとなのはが下着姿である事は関係ないはずなので口
には出さない。だがそんなティアナの予想とは裏腹に、なのはの口から出たのは今まさに彼女の心に浮
かんだ心当たりそのものだった。

「ねえティアナ……最近、魔力光が怖いと思った事があるはずよね。私やキャロみたいに、ピンクに近
い魔力光を」
「そ、それは……」
「あるよね?」
「はい」
474『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:02:48 ID:y+Isf0Hz


 なのはに凄まれティアナは素直に認めた。

 そう、彼女はここ最近、ピンク色の魔力光を見ると体が恐怖を覚え、硬直してしまう現象に悩まされ
ていたのだ。
 理由はハッキリしている。
 先日の模擬戦、なのはに撃たれた二発のクロスファイアーシュート。特に二発目はスフィアを集束し、
まるで砲撃のようになったそれが直撃した。
 非殺傷設定であったとはいえ、一撃食らっただけで死ぬかと思うほど痛かった。特訓による睡眠不足
があったとはいえ、その日の夜まで意識が飛んだほどである。それまでも模擬戦などで魔力による攻撃
を受けた事はあったが、この二発ほど強烈なダメージは受けた事がない。一撃で防御も反撃も不可能に
され、無抵抗な状態で受けたさらなる追い討ち。災害担当時代でも意識した事がなかった『死』の恐怖
が、彼女の心に深刻な傷を刻んでいたのだ。

「フェイト隊長やヴィータ副隊長から同じような報告を受けてるの……普段の動きに問題はないのに、
私に対した時やキャロとの連携だけ微妙に動きが悪くなるって……それに、私自身も少し変だなとは
思ってたんだ」
「そう……ですか……」
「ちなみにシグナム副隊長からの報告は受けてないわ」
「それは……別にどっちでもいいです……」

 余談だがシグナムのパンチも痛かった。スバルに習ったシューティングアーツの応用で衝撃の瞬間後
ろに飛んでダメージを緩和していなければ、奥歯の一本くらいは持っていかれていただろう。訓練時と
違いバリアジャケットを着用してないのだから本気で殴られても困る。まあどうでもいい話であるが。

「でもまさかあの程度でトラウマになるなんて……」

 あの程度って……とティアナは心中で呟く。
 もちろん彼女は知る由もない。目の前の女性には9歳の時四肢をバインドで拘束された上で魔力弾の
一斉射撃に晒された経験があるという事など。
 ちなみにその魔法――フォトンランサー・ファランクスシフトは使用者であるフェイト・T・ハラオ
ウン曰く『38基のフォトンスフィアから毎秒7発の斉射を4秒継続することで、合計1064発のフ
ォトンランサーを目標に叩きつける一点集中高速連射』だそうである。それだけの攻撃を受けた後、逆
に消耗したフェイトに大威力砲撃の二連発を叩き込んで撃墜した化け物と比較されてはティアナも気の
毒というものである。
 スポーツの世界においては名選手が全員名指導者に成り得ないものだが、おそらくはこれと似た部分
に原因があるに違いない。

「……聞いてる、ティアナ?」
「は、はいっ!?」
「……もう、自分の話なんだよ。もっとしっかり聞いて! このままトラウマが克服できなかったら、
機動六課にいられなくなるのはあなたなんだよ!!」
「それはっ……!」

 ティアナだってそれはわかっている。
 隊長であるなのはや同じフォワードのキャロと連携が取れない。たとえそれが僅かコンマ数秒の遅れ
だったとしても、時にはそのコンマ数秒がチームの運命を左右する事がある。自分ひとりならともかく、
仲間までも危険に晒す人間を置いておく部隊はいないだろう。それに管理局の仕事を続け執務官を目指
すのであれば、敵味方に関係なく多くの魔導師と同じ場に立つ事になる。その中で魔力光が桃色の人間
は何人居るだろうか。味方ならばまだいい、だが敵ならば命に関わる恐れもある。

「でも……!」

 それが自分でもわかっていたから、隊長達にも仲間にも話さず一人で何とかしようとしていたのだ。
 ……結局どうしようもできなくとも。

「でも……私にはどうしたらいいのか……! 今だって周りに浮いてる魔力スフィアやスフィアの放つ
桃色の光のせいで体がこんなに震えてるんです……怖くてっ……どんなに大丈夫って体に言い聞かせて
も震えが止まらないんです! 怖くて仕方ないんです……!!」
475『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:03:29 ID:y+Isf0Hz

 一度感情が爆発するともう止められなかった。
 数日前と同じようにティアナは泣いた。

 泣いて。泣いて。泣きじゃくった。

「大丈夫」

 そして、それをじっと見守っていたなのはは、数日前と同じように彼女を抱き寄せる。

「大丈夫……教導隊には昔から、魔法がトラウマになった魔導師を助ける為の方法が伝わってるの……
ちょっとハードかもしれないけど、私を信じて言う事を聞いてくれる?」
「……いうごど?」
「そう。この方法を使えば、きっとティアナの中にあるトラウマは消えるはず。どう、試してみる?」

「ばい"……」

 ティアナはなのはの言葉に頷いた。
 方法があるというのであれば、今はそれに懸けるしかない。
 彼女には夢を諦める事などできないのだから。

「うん、いい子だ」

 なのははニッコリとティアナに微笑む。

「じゃあ、まず今着ている服を全部脱いで」





「……ふぇ!?」





    ◆


 数分後。

「ぬ、脱ぎました……」
「オッケー……これで準備は完了、と」


 なのはの指示に従い、ティアナは着ていた六課の制服から下着まで全てを脱ぎ捨て一糸纏わぬ姿にな
っていた。

「じゃあ次はそのベッドに寝転んで」
「あ、あの……なのはさん」
「なあに?」
「その……私、これから何をされるんですか?」
「そっか、ティアナには言ってなかったね。大丈夫、痛い思いとかはしないから。むしろ気持ち良くな
るだけだよ」
「そうですか、気持ちよく……ってええっ!? そ、それってまさか……」

「そう、そのまさかだよ。ティアナの抱えているトラウマを、それを上回る衝撃で掻き消す……ピンク
の魔力光が部屋に溢れているこの状態で私がティアナの事を思い切り気持ちよくしてあげれば、きっと
次にピンクの魔力光を見ても思い出すのはこの部屋での出来事、トラウマは蘇らない!!」
476『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:04:06 ID:y+Isf0Hz


 なのはがグッと拳を握り込む。そのあまりの力強さにティアナも一瞬「あ、そうなんですかー」と納
得しかけるが、生来のツッコミ気質が直前でそれを踏み止まらせる。


「ちょ、ちょっと待ってください!」
「うん?」
「き、気持ちよくって、やっぱりその、全身をマッサージとか……?」
「それも確かに気持ちいいけど、そんなのじゃトラウマを超える快感なんて得られないでしょう」
「そ、それじゃあやっぱり……その……胸を揉んだりとか……」
「それもあるけど……って、はっきり言わせないでっ! わ、私だって本当は恥ずかしいんだよ!? 
でもティアナがまた元のように戻りたいって言うから、こうやって……もうっ!!」
「それなら誰か別の人に頼んだらいいじゃないですか!?」
「誰に頼むの!? ヴァイス君でも呼んで来たらいいの!?」
「ななな、なんでそこでヴァイス陸曹の名前が出るんですかあっ!?」
「うるさーい! もうっ、さっさと始めるよ!! ティアナも覚悟を決める!!」

「や、やっぱり私遠慮しま――ってバインド!?」

「今さら逃げるなんてダメだよティアナ! 女は度胸、なんでも試してみるものなの!!」

 そう言うが早いか、なのははバインドで拘束したティアナに覆いかぶさり両胸を鷲掴みにする。

「あふっ!? あ、やめ……あんっ……くうっ」
「さすがはやてちゃんのデータ通りだね……『痛いぐらいに強く揉まれる方が感じやすいようだ、おそ
らく生来のM気質と思われる』」

「そん……なっ……ど……こで……えっ……」

 最初の一揉みで情けなく大声を上げてしまったティアナだが、なんとか声を上げまいと抵抗する。

「ダメだよ、抵抗しても! 素直に感じるっ!!」
「いぃっ、ぁうあーっ!? ちょ、なのはさんっ、痛い、痛いですーっ!!」

 そんなティアナを感じさせるべく、なのははさらに力を込めて両手を握り込む。
 だが、当然愛も何もない一方的な搾乳が気持ちのよいわけがなく、敏感な箇所を思い切り痛めつけら
れてティアナは悲鳴を上げた。

「おかしいな……どうしちゃったのかな? もしかして、これでもまだ刺激が足りないとか……」
「違いますっ、お願いですっ、やめてくださいぃっ!!」
「こうなったらバインドで思い切り絞り上げて……」
「無理ですよおっ、ていうか話を聞いてください! このままじゃ死んじゃいますっ! 誰か助けてえ
えぇー!!」
「無駄だよ、この部屋には予め防音結界を張っておい……」



「そこまでやああああぁぁぁっ!!」
「は、はやてちゃーん!?」

 その時、ティアナにとっての救世主―あくまでこの時点では、であるが―が部屋に飛び込んできた。
477『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:04:47 ID:y+Isf0Hz

「八神部隊長!?」
「な、なんではやてちゃんがここに……」
「ふっふっふ……なのはちゃん、アンタが昨日私のパソコンに忍び込んで、秘蔵のmyおっぱいデータ
にアクセスした事に私が気づかへんかったとでも思うとるんか? 甘い、甘いで! 上等な料理にハチ
ミツをブチまけるがごとき思想や!! 私の秘蔵データを楽し……ゲフンゲフン、おかしな事に使われ
へんように、今日のなのはちゃんの行動は魔法でしっかり監視されとったんよ。そしてこんな展開にな
ったからには、私も放っておくわけにはいかへん」


 はやてはつかつかとなのはの元まで歩み寄ると、思い切りその頬を張り飛ばす。

「痛っ……は、はやてちゃん……!?」
「痛いか? せやけどな……大切なおっぱいをもがれた女の子の心はもっと痛いんやで!!」
「べ、別にもいでな……」
「口答えせえへんの!」
「はいいっ!!」

(い、いったい何がどうなってるの……)
 すっかり蚊帳の外に置かれたティアナには見向きもせず、はやてはなのはを正座させおっぱい道なる
ものについて熱弁を振るっている。

「……ええかなのはちゃん、おっぱいとは女の命や、魂や! そんなもんをいきなり鷲掴みにされて感
じる子なんかおらへん、居ったとしたらその子は筋金入りの超絶ド変態だけや……でもティアナはそん
な変態やあらへん。そうやんな、ティアナ?」
「え!? は、はいっ!! ところで部隊長、このバインドを」
「でも私が見たはやてちゃんのデータには確かに……」
「それは時と場合によるっちゅう話や。例えば好きな相手にめちゃくちゃにされてみたいっちゅう感情
は誰にでも少しはあるもんや、なのはちゃんかて少しはそういう気持ちがあるやろ?」
「そ、それはまあ少しは……」
「ティアナはその気持ちが人よりほんの少し強いっちゅうだけの話や。何もただ強く揉んだらええわけ
やないんよ。そこのところをきちんと分かってる人やないと、あのデータを100%使いこなす事はで
きへん」
「ごめんなさい……」
「あのー……部隊長?」

「まあ私もヴィータやフェイトちゃんからティアナの話は聞いとったし、なんとかしてあげたいってい
うなのはちゃんの気持ちもようわかる……ちなみにシグナムからの報告は受けてへん。せやから今日は
これからこの『おっぱいマイスター』八神はやてがなのはちゃんに女性にセク……もとい気持ちええ事
をする時の基本を一から叩き込んだげるよ」

「ちょっと待ってええええええ!!」

「訓練は厳しいで、ついてこれるか?」
「サー、イエッサー!」

 当事者の悲痛な叫びは無視され、二人に増えた悪魔がティアナを囲む。その様子はまさにまな板の上
の鯉、生贄に捧げられる祭壇上の処女そのものである。

「ほんなら始めるけど……私のセクハラはおっぱいありきや。せやからいきおいおっぱいを中心に説明
していく事になるわけやけどかまへんか?」
「うん、それでいいよ」
「ちょっと待ってください! 良くないです!!」
「了解や。まずは一口におっぱいとゆーても人それぞれ敏感な場所が違う、それを見つけるのが胸部セ
クハラの第一ステップや」

「あ、ひゃんっ、くうっ、くすぐっ、たいっ、ですぅ……んんっ!」

 はやてはまるで楽器の調律をするかのように、様々な角度からティアナの胸をまさぐりティアナの口
から漏れ出る声に耳を傾ける。
478『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:05:47 ID:y+Isf0Hz

「場所と同時に、強さも重要な判別要素や。もっともティアナの場合は既に強めがええってわかっとる
けどな」

「んっ、あっ、やっ、ふぁあっ!」

 さらに胸を揉む強さを微調整していたはやてがその先端を摘まんで小さく擦り上げた瞬間、ティアナ
の上げる声の質が変わったのがなのはにもはっきりとわかった。

「反応が……変わった!?」
「どうやらティアナは乳首が弱いみたいやね。まあ割と一般的なパターンやけど、中には下乳や谷間を
内側からいじられるのが一番効くゆう人もおるからこの作業は必須やな」
「ひゃうっ……!!」

 はやては乳首をピンと指で弾くと、一旦ティアナの胸から手を離す。

「第二ステップは指の緩急や。よく感じる場所を見つけても、のんべんだらりと指を動かしとったら刺
激に耐性がついてしまう。せやから……」

「ふぅっ……やめ、あぁっ……や、がみ……ぶた……いいぃっ!?」

 はやては巧みな指使いでティアナの胸に刺激を与えてゆく。

「刺激に強弱を与えてみるとか、一定のタイミングで刺激を与え続けてからいきなりそのタイミングを
崩してみるとかな。それから」
「……あ……っ!!」
「途中でわざと手を離してみるとか。相手が『え、なんで!?』みたいな顔をしたらもう八割方こっち
の勝ちやね」

「っ!!」

 まさに今自分がそんな表情を浮かべていた事に気づいたティアナが、羞恥で真っ赤になった顔をはや
てから逸らす。

「後は好きなタイミングで責めを再開したらええけど、焦らし過ぎにだけ注意してな。余裕があるんや
ったら言葉責めで相手におねだりとかさせるのもええかもなあ、一回屈服させてタガが外れたら後が楽
やし」
「そ、そうなんだ……」
「まあ今回はただのレクチャーやからこのまま続けるで、よかったなティアナ」
「よ、くぅっ……な、ん……か……あ、ぁあっ!!」

 はやては右手でティアナの乳首を弄りながら、左手でティアナの体をまさぐり始める。

「最終ステップは第一ステップと第二ステップの発展系や。胸以外の性感帯を見つけてそこにも刺激を
与える……確かにおっぱいは大事や、せやけどメインディッシュを美味しく頂くためには付け合せにも
こだわらなあかん。胸以外の場所も一緒に責める事でいつまでも相手に新鮮な刺激を与えられる、転じ
てこっちも色々な反応を長く楽しめるっちゅうわけや」
「んひゃうっ! はっあぁっ!!」

 はやての手が腋、へそ、太股……と縦横無尽に駆け回る。その度にティアナは悲鳴を上げて腰を浮か
せる。

「なのはちゃん、ちょっとティアナの体を持ち上げてくれる? うなじとかも責めてみたいから」
「うん、わかった」

 なのははティアナの両手足を拘束したバインドを操作しティアナの体を持ち上げる。
479『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:06:17 ID:y+Isf0Hz

「ひいっ!?」
「はあー……一回空間に固定したバインドをそのまま動かせるんか、相変わらず器用やなあ」
「ええー、はやてちゃんがやってって言ったからやったのに……」
「あははーまあそうなんやけどな」
「ひっ、あんっ、ま、あっ、たぁっ……!」
「まあそもそもただおっぱいの触り心地や柔らかさを楽しむだけやったらこういう技術はいらんねんけ
どな……ほんでも私ら『おっぱいマイスター』は相手におっぱいを触らせてもらってるっちゅう意識を
常に忘れたらアカン……『こんなに気持ちのええもんを触らせてくれてありがとうな、楽しい時間を過
ごさせてくれておおきにな』……そういう気持ちを常に忘れんと持っとる真の『おっぱいマイスター』
なら、こっちがおっぱいを触っとる間相手にも楽しんでもらえるように心を砕くのが当然や。その為に
は胸だけやなくていろんなセクハラの知識が必要になってくるわけよ……とまあ最後はちょっと話が横
道に逸れたけど、『おっぱいマイスター』式のセクハラ講座初級編はこんな感じや」

 講義を終えるとはやては息も絶え絶えのティアナから離れた。

「どないやろ? 胸に傾斜しすぎとるとは思うけど、こんなんでも女の子の体を気持ちよくする方法論
として手助けくらいにはなるやろか?」
「それはもう、十分すぎるほどに……でも、本当に私の力でティアナを気持ちよくする事なんてできる
のか心配になってきちゃった……」
「まあそないに構える事はあらへんよ。ほんでも教導隊伝統の方法ゆうぐらいやから、なのはちゃんも
以前にこういう経験はしとるんやないの?」
「ううん……私もこういう方法があるって聞いただけで……」
「……どうりで無茶苦茶な責め方するわけや」
「ほら、六課のフォワードは女の子が多いけど、やっぱり戦闘魔導師ってほとんど男性でしょ? だか
らなかなか実行する機会がなくて……」
「ああー、確かに色々とマズイわな……あれ? ほんならトラウマになった男の魔導師はどないすんの?」
「それは男性の教導か」

(※しばらくお待ちください)

「ごめん私が聞いたんが間違いやったわ。軍ネタとホモネタは微妙に生々しいから堪忍して」
「私も初めて聞いた時は結構凹んだよ……」
「ドンマイや……まあとにかく! こういうもんはテクニックも重要やけど、それにもまして相手への
愛情が大事や! 共に行為を行う相手を慈しむ事、その事だけ忘れんとおれたら後はもう何とかなるも
んや!!」
「わかったよ! ありがとうはやてちゃん!! 私頑張るよ!!」
「その意気やでなのはちゃん、とりあえずティアナはこれまでの愛撫で限界が近いはずやから、まずは
一発イかして楽にしたげてな。その後はなのはちゃん次第やで」


 言うべき事を言い、うら若き乙女の胸の感触を十二分に楽しんだ部隊長は悠々と部屋を出て行った。
480『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:06:49 ID:y+Isf0Hz


「さて、と……ティアナ?」
「はぁ……いっ……」

 はやてが部屋を出るのを確認したなのははティアナの方に向き直る。
 潤んだ瞳でなのはを見つめるティアナは、体の疼きを堪え切れないとでもいうように両の太股を必死
に擦り合わせていた。
 無理もない。先程までひたすら体中の敏感な箇所を責められ続けていたのだ。
 体を襲う快感の連続に為すがまま。しかし最後は寸止めの状態で放置され、自分の手で欲望を開放し
ようにも両手はバインドで塞がれている。たとえ見ている人間がいたとしても、16歳の少女にとって
自分を冷静に保つのはあまりに困難な状況だった。

「ごめんね、つらかったよね……少し……楽にしてあげようか……」
「は、いっ……お願、いっ……し……あぁっ!!」

 なのはは既に濡れそぼったティアナの秘所に手を伸ばす。
 薄い茂みを分け優しく指を挿し入れ、膨らんだ陰核に触れるとティアナの腰が大きく跳ね上がった。

「どう……かな?」
「くあぁあっ、あ、あっ! い、いい、ですうぅっ!」
「よかった……」

 なのはの指がティアナの膣内で踊る。
 はやてに教わったように、時にはゆっくりと、時には強めに……できるだけ刺激に幅を与えるよう努
め、相手を慈しむ気持ちを忘れずに。
 やがてティアナの声がだんだんと切羽詰ったものになりはじめ……


「あっ、あ、あ、ふぁあああぁっ!!」


 強く擦り上げた瞬間、ピンと張っていたティアナの体がだらりと垂れ下がるのがわかった。


「……はっ……あ、あ……はぁっ……っ……」
「よかった、イけたんだね」

 なのはは再びバインドを操作しティアナの体をベッドに横たえる。

「……でもまだこれだけじゃトラウマは払拭できないよね」

 少し逡巡する素振りを見せた後、なのはは自身の体をぴったりとティアナの体に沿わせた。

「ふふっ、いい匂い……シャワー浴びてきたんだね、朝練の後……」
「それは……浴びます、よ……それに……なの、は……さん……だって……」
「そうだね……でも、自分ではよくわからないから……ねえティアナ……上手くできるかわからないけ
ど、できるだけ頑張るからね……」


 そして荒く息をつくティアナの唇を、強引に奪った。

481『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:07:27 ID:y+Isf0Hz
    ◆


 それから数十分の間、なのははティアナの体に快楽を与えるべく思いつく限りあらゆる方法を試した。
 
 体中を撫で上げる。
 あるいは舐め回す。
 耳たぶを食み、息を吹きかける。
 秘烈同士を擦り合わせる。
 もちろん、はやてから入念なレクチャーを受けた胸も揉み解す。


 そうしてティアナを喘がせ、悶えさせ、愉しませるうちなのは自身もいつしか今までになかった感情
が生まれつつあった。


「……な……のは、さん……もう……じゅ……ぶ、ん……ですっ……」
「ダメ……だよ……ティアナ……まだ、大事な、仕上げが……残ってるから……」

 なのははティアナの体をうつ伏せにすると、何か呪文のようなものを唱え始める。

「な、のは……さん?」

 自由にならない体で、首だけを動かしてその様子を窺ったティアナの目に飛び込んで来たもの。

「えっと……ちょっと、大きい……かな?」


 幼少の頃に両親と兄を失い、天涯孤独の身だった彼女。 

 ゆえにソレを見た経験はほぼ皆無、あっても遥か記憶の彼方という状況でも――


 なのはの股間に生えているソレは、『剛直』と表現するに相応しいものだとわかった。

「ごめんね……私、あんまりこういうの見た事がないから……イメージで作ってみたんだけど」


 無理だ。

 あんなものを差し込まれたら……死ぬ。

「あ……や、だめ……なのは……さん……」

 ティアナは必死に首を振って拒絶の意志を示すが、なのはは全く意に介さずティアナの尻肉に手を伸
ばす。

「大丈夫だよ……ティアナ、初めてがまだなんだよね……だから」

 両手で尻肉を掴み、魔法で生み出したそれを宛がう。


「後ろの方に……挿れるね」


 ティアナの菊門に。
482『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:07:58 ID:y+Isf0Hz


「い、やっ……やめてくださいっ……なのはさん……いや……」


 そんなもの、もっと無理に決まっている。

 そもそも、なぜソレをそんな場所に挿れるのだ?

 至ってノーマルな性癖のティアナにとって、なのはの行動はまったくの予想外である。
 確かに先程までの全身への愛撫の中に、尻への責めもあった。気持ちもよかった。けれどそういうち
ょっと特殊な愉しみ方がジャンルとして確立されているという知識は持ち併せてはいないのだ。指が入
ったのだから男根(仮想ではあるが)も入れるだろうという予想など到底立てられなかった。
 ちなみにこちらも至ってノーマルな性癖のであるはずのなのはがなぜ『前がダメだから後ろにしよう』
という思考に至ったかというと、この話を最初に教導体の先輩から聞いた際の、

「……あれ、でも男の人って……前についてますよね? どうやって、その……繋がるんですか」
「確かに前はついてるが、後ろなら空いてるだろ? つまりだな、向かい合うのではなく……」

というやり取りが強烈に記憶に焼き付いていたからである。ちなみになのはにこの魔法を教えたのもそ
の先輩である。


 ただなのははそんな経緯をティアナに説明しないし、なぜソレをそこに挿れるのかについても当然説
明はしない。
 ゆえにティアナはただ異常事態を感知した本能の警告に従い、なんとかバインドを解こうともがく。
 

「い、いやあああぁぁぁぁっ!!」


 そして悲鳴を上げる。

 客観的に見ればトラウマを消すためにさらなるトラウマを上塗りしているようなものだが、慣れない
行為を繰り返した結果完全に別のスイッチが入ってしまったなのはは、半ば自身の欲望に従って容赦な
くティアナの菊門に剛直を押し付ける。

「だいじょうぶ、怖くないよ……ちゃんと濡らしてあるから、最初でもそこまでは痛くないと思うし、
慣れればクセになるって先輩言ってたから……」

 めりっ……という音とともに、なのはの剛直がティアナに押し込まれた。


「あっ、ああぁあっ、うああぁああぁあーーっ!?」

 膣にすら挿入された事のない少女に与えられた、体内に異物が侵入していく感覚。
 痛みなのか、快感なのかわからない。
 わかるのは、感覚器官の限界を超えた刺激が今体に与えられているという事だけ。

「ひゃああっ、ふぁ、ああぅあっ、ふ、あ、あ、あ、あ、あああっっ!!」
「凄い、ねっ……ひくひくっ、してる……すご、い、勢い、でっ……締め……付けて……くるっ……」

 作り物のそれにも感覚があるらしく、異物を押し出そうとする筋肉の動きになのはが息を詰まらせる。
それでも何とか剛直を押し込みきってしまうと、今度はゆっくりと差し込んだ剛直を抜き取ってゆく。
 
「はあぁ、たしのっ、なかでえぇっ! う、ごいてっ、るうぅっ!!」
「……そう……だね。少し……動かしてる、から……!」
483『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:08:33 ID:y+Isf0Hz

 ティアナは我を忘れてひたすら奔流に押し流される。
 一方のなのはも、ゆっくりとだがティアナの中で動く事で自身のコントロールを失いつつあった。

「ら! あ! めぇっ! で! すうぅっ!!」

 強すぎる刺激にティアナの意識は明滅する。

「くうっ! あ、あつっ、いっ!」

 未知の刺激を受けているのはなのはも同じ。敏感な場所を押し広げられるのではなく、締め付けられ
るという感覚に頭が真っ白になってゆく。

「く、あ、あ、ああぁっ!!」
「っく、う、ぅっ――!!」

 それでも精神力の違いからか、ティアナよりも先に意識のコントロールを取り戻したなのはが徐々に
だが出し入れの速度を上げていく。

「あ、はぁっ! なっ! なっ、のっ、はぁっ……さぁんっ!!」
「ティ、ア、ナっ! なか……にっ……出すよっ!!」

 どうやら剛直には擬似的にだが精を放出する機能まで再現されているらしい。
 しかしそんな事に想いを巡らす余裕はティアナにはもうなく――


「ふわあああぁぁぁあぁぁああーーっ!!」
「くうぅううぅっ!!」

 剛直がティアナの中に勢いよく精を解き放ち、二人は同時に絶頂に達した。


    ◆


「く……これ、すごい……」

 魔力を絶って剛直を消し去り、ティアナと結合を解いたなのははバッタリとベッドに倒れた。

「……でも……こんなにリアルに作らなくても……」

 そもそも彼女にこの魔法を教えてくれた先輩は男性である。いったいどんな風にこの魔法を活用して
いるのだろう。二刀流にでもするのか? さっぱり謎だ。

「ティアナ……?」

 なのははつい今まで繋がりあっていた教え子に声をかけるが反応はない。

「眠って……るの、かな……」

 いいえ、失神です。

「……ま、いっか……これだけやれば、確実に記憶の上書きもできたよね……それにしても」

 私のレイジングハートで突かれて悶えるティアナ、かわいかったな……女の子って、責められてる時
あんな声出すんだ……今度フェイトちゃんに……ってあれ? 私、何考えてるんだろう……

 
 なんだか新しい世界への第一歩を踏み出してしまった教導官であった。
484『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:09:23 ID:y+Isf0Hz



 ――その頃、部隊長室。

「はあ、今頃なのはちゃんうまくやっとるかなあ……」
「はやてえええええええええええええっ!!」
「おわわっ、なんやフェイトちゃん、そないに慌てて? もしかしてなんや事件か!?」
「ううん! 違うけど! なんだかすごくはやてに感謝したくなって!!」
「はあ、さよか……」

 さっぱり意味は分からないが、とりあえず目の前の女性があまりにいい笑顔だったので釣られて笑う
はやてだった。


 ――その頃、無限書庫。

「う、うわああああああぁぁぁーーー!!」
「ど、どうしたんだよユーノ!?」

 いきなり奇声を上げた十年来の友人に、書庫の手伝いに来ていた犬耳の使い魔が驚いて叫ぶ。

「き…切れた。ぼくの体の中でなにかが切れた…決定的ななにかが……!」

 たぶん赤い糸的なやつね……と呟いて倒れる司書長だった。彼の感じたものがただの錯覚だったのか
どうかはその後の本編が示す通りである。


 ――その頃、駐機場。

「の、のわああああああぁぁぁーーー!?」
「ど、どうしたんですかヴァイス陸曹!?」

 いきなり奇声を上げた前所属からの同僚に、ヘリを洗っていた整備員兼通信士が驚いて叫ぶ。

「き…切れた。オレの体の中でなにかが切れた…決定的ななにかが……!」

 たぶん赤い糸的なやつが……と呟いて倒れるヘリパイだった。切れたも何もまだ繋がってすらなかっ
た気がしないでもないが、結果的には好きな相手に繋ぎ放題になった感もあるので良かったのか悪かっ
たのか微妙なところである。




 ――そして、この秘密特訓から数ヵ月後。
485『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:10:09 ID:y+Isf0Hz

「旧式とはいえ、タイプゼロがこのくらいで潰れるかよ」

「戦闘……機人……」

(マズい……この状況……)
「ティアさんっ……」
(……あ、でもなんかこの周囲をピンク色の弾に囲まれてる状態、あの時に似てる……)
「ティアさん、どうしましょう……」
(……正直、凄く怖かったし痛かったけど、でも……気持ちよかったな、アレ……なんてったって今で
も思い出すだけで興奮して体が疼くくらい……)
「ティア、どうする? ……ティア、ティア!?」
(あ……なんか……テンション上がってきたっ! アドレナリンがガンガン出てくるっ!!)


(……お、おい、ウェンディ!? なんか一人だけ様子が変じゃないか?)
(心配ないっスよ。周りは完全に包囲してるっス、怪しい動きを見せたらすぐに……)




「クロスファイアアアアアアァァァァーッ!!」
「「「え、えええーっ!?」」」
486『最強の凡人、誕生秘話なの!』:2007/12/31(月) 16:10:41 ID:y+Isf0Hz


「シュウウウウウゥゥゥーーーーートオォォッッッ!!」




 ドガガガガガガガガガガガガガガガッ!!





(いいっ!?)
(……やる……っス……)


「……一瞬で!?」
「……周りの魔力弾を全部!?」
「……撃ち落とした!?」
「スバル、エリオ、キャロ! アタシに作戦がある、指示通りに動いて!!」
「「「……は、はいっ!!」」」

(……イケる! 前から薄々感じてたけど、なんかあの日以来ピンクの光を見ると体に妙な力が漲って
くる!! 動きもよくなる!! 脳汁も出る!! 他のも!!)

「ティアさん、ブーストかけますっ!」
「おっしゃー!! ばっちこーーい!!」


 新たなレアスキルに目覚めた凡人の最強(?)伝説は、ここから始まる。




487ておあー:2007/12/31(月) 16:11:53 ID:y+Isf0Hz


 以上です、お付き合いくださった方、ありがとうございました。
 一応注釈しとくとラストは16話と17話の間っス。「ウェンディの魔力(?)光は赤じゃね?」とかいう人はクアットロっスよ。
 あと作者はおっぱい星人じゃないっス。本当っス。ところで『00(ダブルオー)』って乳が二つ並んでるように見え(ry

 なお時間的にもわかる事ですが……今年の投げ込みはこれで最後です。ここを知って半年、読み手としても書き手としても
楽しませてもらい本当にありがとうございました。 ではよいお年をーノシ
488名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 16:23:42 ID:iiEOUGQm
>>487
リアルタイムktkr
教導隊の先輩GJすぎるwwwwwよくぞなのはさんにそういう知識を教えた!
すごく面白かったです。よいお年を
4894の422 ◆h7y.ES/oZI :2007/12/31(月) 17:33:52 ID:H9sV8rFA
今年は色々ありすぎてほとんど作品投下できませんでしたが……
とりあえず来年はもう少しがんばりますのでまたよろしくお願いします。

携帯からの書き込み初めてだからちょっとドキドキだー(帰省中ゆえPCが無いw)

ではみなさんよいお年を、また来年お会いできますよう。




……がんばって凌辱も書こうっと。
甘いのもねw
490名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 17:45:59 ID:J5aavP1D
>>489
よいお年を〜

小生、氏の陵辱モノをお待ちしております
491( ゚Д゚):2007/12/31(月) 18:40:24 ID:yIP8y12Y
ユーノ哀れ……
492名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 19:57:34 ID:P8XYOP7u
フェイトとエリオの年越し108ピストンなんてアホなことを考えてる俺
493名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 19:59:54 ID:ZPC1TRO/
>>487
GJ。凡人も一皮向けたら紙一重だなw
そして大喜びしているフェイトはやっぱり間違いなくこのスレの痴女代表!!!
よし、言いたいことは言った。大晦日だが全速力で逃げるわ!
494名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 20:00:09 ID:4wkwXqZK
いくぜゴルァ

非エロだゴルァ

オリキャラいるぜゴルァ
495なのはさんの教導!(その8):2007/12/31(月) 20:00:57 ID:4wkwXqZK
やあ、突然だが俺は死ぬかもしれん。

なぜって、鼻血が止まらんのだ…orz

それもこれもタカマチのせいだ!
失血死したらどうしてくれるんだ!
やべぇよ、俺、童貞なのにまだ死にたくないよ。
てか、鼻血で死ぬなんて格好悪すぎだ。
天国でレジィおじさんにどやされちまう…。
しかし、ついつい欲望に負けて、
壁に開いた隙間から、
あの光景をまた眺めてしまう。

おおおおお、すげー。
あ、あんなことして、うはっ、そんなことまでっ!
不謹慎だとはわかっているが、俺も男。
お、おおおおおおっぱいで、
鼻息が荒くなってしまうのも、し、仕方ないだろう?
ハァハァ…ハァハァ…ウッ…ハァハァ
くそ!タカマチ、その場所、俺と代われよ…。


しかし、俺を含めて隊員は当初17名いたはずなのに、
結局最後まで残っているのは俺一人…。
同じB区画からの義勇兵も数人来たが、瞬殺されてたし。

事態を収拾に来たらしい、
犬女とロボ娘もタカマチの前では無力だった。
赤毛の犬女は3分でノックアウト。
青髪の何かメカっぽいやつは、
タカマチのシールド破ったりして、
結構いいところまでいったんだが、
とどめを刺すときになぜか一瞬躊躇しやがって、
機を逃し、その後文字通りぶっ壊された。
まあ、そいつはいまタカマチと楽しくニャンニャンしてやがるんだが。
ちきしょー、俺もまぜろよぉぉぉぉっ!!

何故、チーム内でも最弱の部類にはいる
Bランカーの俺が生き残ってるかって?
そりゃあ、気配を消して、ひたすら隠れてたからよ!
存在感を消すスキルは誰にも負けないぜ!
だいたいだ、あんな非常識な化け物に、
まともに立ち向かってられるかってんだ。
倒せるわけ…
496なのはさんの教導!(その8):2007/12/31(月) 20:02:01 ID:4wkwXqZK

はっ!
てーか、チャンスじゃね?
タカマチは行為に没頭している。
完全に油断しきってる。
後ろもガラ空きだ。
今なら俺でもいけるのでは?

ゴクリと唾を飲む。
俺はそっと杖を握り締めた。
やっちまうか?タカマチを?

でも、もし失敗したら俺殺されるよな…。
お楽しみを邪魔されて怒り狂うタカマチが、
俺の身体をバラバラに切り裂く様子が脳裏に浮かんだ。
足が震え、手のひらにじっとりと嫌な汗が出る。

ど、ど、ど、どうしよう。
今を逃したらもうこんなチャンスは巡って来ないかも。
いやしかし、相手はSランカーだぞ、
常識的に考えて俺が倒せるわけねーじゃん。
いやいやしかし…。

と、俺が臆病風に吹かれて躊躇していると、
あの悪魔教官は、なんと自分のデバイスで
相手のサイボーグ娘を、串刺しにしやがった。
しかも、泣き叫ぶ彼女を見て、嘲笑ってやがる…。
って……メカっ娘の両足がねぇ…ひどすぎる。
今、ようやく俺はタカマチが「白い悪魔」と呼ばれる所以を知った。
確かにあいつは悪魔以外の何者でもない。
外道め…。
レジアスおじさんは管理局員であることを常々誇っていた。
時空管理局員は正義の守護者。
俺はずっとそう思っていたし、今もそうあるべきだと思う。
なのに!くそ!なんであんな奴が管理局にいられるんだ?

俺は気取られぬよう、細心の注意を払って、
震える手で杖を目線の高さに構え、
タカマチの後頭部をロックオンする。
やるんだ!俺!やれば出来る子なんだ!

「ぶるぁぁぁぁぁ!死にさらせ、タカマチィ――!!」

魔力弾を数発立て続けに打ち込んで、
俺はその場から脱兎の勢いで離れた。
断じて、タカマチが恐ろしくて逃げたわけではない。断じて。
これは、戦略的撤退である。
497某エリキャロSS書いてた224:2007/12/31(月) 20:02:29 ID:42WA2JSF
>テオアー氏
ちょwwww
いまその『先輩』で思いついたぜ!!



・数ヵ月後 次元拘置所ドクターの牢

先輩「心理療法士として来た○○だ」
ドクター「私は正常だ!そんなもの必要ない!!」
先輩「いいのかい?俺は“無限の欲望”も受け入れちゃう男なのさ」
ドクター「アッー!」

 ――その頃、ウーノの牢。

ウーノ「い、いやああああああぁぁぁーーー!!」
トーレ「どう、どうしましたか!ウーノ姉さん!?」

 いきなり奇声を上げた長姉に、隣の牢にいる妹のトーレが驚いて叫ぶ。

ウーノ「き…切れた。私の体の中でなにかが切れた…決定的ななにかが……!」

 たぶん赤い糸的なやつね……と呟いて倒れる“不可触の秘書”だった。
498なのはさんの教導!(その8):2007/12/31(月) 20:03:03 ID:4wkwXqZK

● ● ●


202 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 14:43:39 ID:+/m0B/3
    何かさっきから砲撃音がしないね。
    魔王の怒りは収まったのかな?

203 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 14:52:40 ID:As44rYu
    もう嫌だお…ミッド怖いお…故郷に帰りたいお

204 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:01:32 ID:0TaSukE
    タカマチを倒した!
    イイイイイイイヤッタァァァァァアア!

205 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:03:27 ID:hiNikATi
    はぁ?

206 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:05:45 ID:Uus0DaA
    プッwwwwwwwwww嘘つくなwwwwwwwwwwww

207 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:06:51 ID:1RudEL3
    >>204
    ちょwwwwwおまwwwさっきまで怖いとか漏れそうとか言ってた癖にwww

208 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:09:28 ID:0sAkakk
    なんだまた釣りかよ
    はいはいワロスワロス

209 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:13:00 ID:SzbZgV/
    >>204
    せやけど、それはただの夢や

210 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:15:24 ID:DqHnjTm
    夢でも見たんじゃねwwwwwwwwwwwwwwww

211 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:17:46 ID:8ONko2/
    >>205-210
    恐怖のあまり頭がおかしくなったんだろ
    触れてやらないのが、漢の情けってやつだぜ

212 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:19:33 ID:28To4bE
    >>204
    遂に壊れたか…

213 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:23:51 ID:0TaSukE
    【検閲削除】
499なのはさんの教導!(その8):2007/12/31(月) 20:04:19 ID:4wkwXqZK

214 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:26:29 ID:K0o39iN
    いやー。凄かった。なんか訓練中にテロリストが来てさー、
    やばかったぜあれは。ま、タカマチ教導官が倒したけどな。

215 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:28:35 ID:+/m0B/3
    え?タカマチが暴走してたんじゃねーの?

216 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:32:57 ID:J/oH0bu
    本局に乗り込んできたお騒がせテロリストタイーホ(・∀・)

217 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:33:12 ID:UDoh+2n
    スカリエッティの残党が攻めてきてたらしい

218 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:33:57 ID:DqHnjTm
    >>217
    kwsk

////////////////////////////////////////////


「ち、ちきしょぉ!信じてねぇな!」

何という奴らだ!
俺があのタカマチを葬って(殺してないけど)やったというのに。
しかし、再度書き込みをして反論しようとすると、
なぜか【検閲削除】という表示がでた。

「あれ?おっかしいなー。書き込みできねぇぞ……」

しばらくしてスレッドに書き込まれた内容に俺は目を剥いた。

「はぁ?テロリストなんか来てねーよ」

あれよあれよという間に、スレッドでは、
タカマチが侵入してきたテロリストをぶっ倒したことになり、
そのうちタカマチ賞賛の流れに変わっていた。
そして、いつの間にか関係ない話題に突入。

//////////////////////////////////////////////////////////

500なのはさんの教導!(その8):2007/12/31(月) 20:06:03 ID:4wkwXqZK

250 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 15:57:36 ID:Goc/da4
    なのはさん、お酒飲むと凄いぞ
    何か恋とはどういうことなのか?とかやたらしつこく絡んでくるのな

251 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:00:02 ID:i+B/kAa
    >>250
    高町さんのことを悪く言うのはやめてください!高
    町さんはいつも正しいじゃないですか!彼のことも
    しりもしないでひどいことばっかりいって!
    ねこ大好き

252 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:02:31 ID:+/m0B/3
    >>251
    縦読み乙。
    てか、「彼」じゃねーよwwwwwwwwwwww

253 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:03:27 ID:J/oH0bu
    >>247
    第97管理外世界の名物といえば、
    アニメーションとかマジオヌヌメ

254 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:05:26 ID:K0o39iN
    >>253
    へぇ、最近ミッドにも流れてきてるよね。どんなのがオヌヌメ?

255 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:06:38 ID:J/oH0bu
    >>254
    『DORAEMON』っていうのが面白かった。

256 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:18:59 ID:mAri+E/
    >>255
    あ、それ『異形の使者』ってタイトルでノベライズされてますよね。
    結構面白かったかも。97管理外世界の文化って面白いですよねー。

257 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:20:48 ID:Uus0DaA
   >>256
   『異形の使者』面白いかなぁ…?
   これでしょ?↓はアマドンの粗筋紹介欄からのコピペね。

   >私は慄然たる思いで机の引出しから突如現れたその異形の物体を凝視した。
   >それは大小の球体を組み合わせたとしか言い様の無い姿をしており、狂気じみた
   >青色が純白の顔と腹部を縁取っていた。這いずり回るような冒涜的な足音で私に
   >近付くと、何とも名状し難き声で私と私の子孫のおぞましき未来を語るのであった。
   >また、それは時空を超越した底知れぬ漆黒の深淵に通じる袋状の器官を有しており、
   >この世の物ならざる奇怪な装置を取り出しては、人々を混迷に陥れるのであった。

501なのはさんの教導!(その8):2007/12/31(月) 20:07:05 ID:4wkwXqZK

258 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/14 16:24:52 ID:0sAkakk
    >>257
    斬新だなw

////////////////////////////////////////////////////////////////

ふぅん。タカマチは飲むとしつこいのか…。
ほほぅ、『異形の使者』ねぇ。何かホラーぽくね?
って、感心してる場合じゃない!
このスレッドの流れ、まるで誰かに誘導されているみたいだ…。
嫌な予感がするぜ。

俺が再度書き込みをしようとすると、
【アクセス不能】の表示が出た。
もう一度トライ。
ピーと忌々しい音が鳴る。
またしても【アクセス不能】

「どーなってんだ?アクセス規制されてる?」

携帯型情報端末を手に呆然としていると、
ふと、俺の頭上に影が差した。
背後に何者かの気配を感じる。
俺の心臓が早鐘を打つ。
嫌な汗がじんわりと手のひらに染み出してくる。
のどはカラカラに渇き、
唾を飲み込むことさえできない。
すぐ後ろに獣のような息遣いが聞こえる。

俺は恐る恐る振り返った。

502名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 20:08:00 ID:4wkwXqZK
うーん。前回の感想レス見て、このまま続けて良いものか悩んだ(´・ω・`)
途中からシリアス路線にしたのは不味かった?でも鬱エンドにはならないんだぜ?
エロパロなのに非エロばっか書いてるというプレッシャーと、エロい住人は喜んでくれるだろう
と思って、前回は陵辱パートにしたんだが、「残念だ」という感想もあり、申し訳なく思う。
チキンな俺はこのままフェードアウトするかもわからんので、
3話の時要望があったID解説を今の内に載せておく。
503ID解答:2007/12/31(月) 20:08:55 ID:4wkwXqZK

≪3話≫

■狂導隊のガイドライン……元ネタ『ヨハネスブルクのガイドライン』
               ヨハネスブルクって何?気になる方はクグってくれ

■968 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/13 21:37:49 ID:SEkiRyu
 そもそも、Sランク以上の魔導師は存在そのものがヤバス
 だいたい【第97管理外世界】の出身者は化け物大杉。
 【八神はやて】だって【第97管理外世界の出身なん】だろ
 【闇の書事件】の時【闇の書のプログラム】に襲われて【リンカーコア蒐集】されたんだが
 【八神はやてと闇の書のプログラム達】はなんでのうのうと【時空管理局にい】るの?おかしいだろ?

■1000 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/13 22:22:22 ID:TP0/2nd
   1000ならなのはさんに笑顔で罵られながら踏んだり蹴ったりされるが
   最後の最後には優しくなでなでしてもらえる

   ↑文字通りのことが起きるw

■モブ(名無し)
RohHeiA→老兵A
2KohNIn=通行人
37TayHi=皆退避
774kuNn=名無し君
iHsaNAn=名無し(逆向きに読む)
S1ttakA=しっかた(ぶり)
k0/3HEi=古参兵

■ネタゲスト……本スレに頻出したAAのキャラ
Ron/LEE……ハートガン(元ネタのハートマンの役者さんがRonald Lee Ermey)
 ※本放送中の本スレにおける実況スレへの誘導のAAが決まってハートマンだった
Hoh0Emi……「フルメタル・ジャケット」の微笑みデブの事
Kka9+Ri=「計画通り」→夜神月(『デスノート』)
 ※彼のAAはデスノートに「和歌山県民」と書くなどしてしばしば本スレで暗躍した
/Se/JoH=聖上(『うたわれるもの』のハクオロ)
 ※本スレにおいてなぜかいつもなのはさんと仲良しだったハクオロさんAA
B0ssK18=「社長」→ボス K18(海馬)(『遊戯王』の海馬)
 ※ネタMADのデュエルでホワイトデビルマジシャンガール(なのは)に華麗に倒されたキャラ。
  個人的にも好き。

 
■その他
AvENgEr=アベンジャー(新人君)
DeUTchE=『平均的ドイツ人』のAAが元ネタだったので
504ID解答:2007/12/31(月) 20:09:45 ID:4wkwXqZK

平均的ドイツ人
 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ・∀・)<ナチスは悪。ネオナチを取り締まるよ
 ( 建前 )  \_______________
 | | |
__(__)_)______________
 ( _)_)
 | | |
 ( 本音 )  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( 。A。)<ユダ公うぜ〜。ドイツから出てけよ。ジークハイル。
  ∨ ̄∨   \_______________


■なのはキャラ
LA01sFi=シャリオ(ロングアーチ1)
ALtLA03=アルト(ロングアーチ3)
/Vw/G60=コラード(フォルクスワーゲンG60)
3r10/sS=3をひっくり返すとE→エリオ/最(s)速(s)の男(発言のAAが『スクライド』のクーガー)
DnaH48O=48O→シャマル+DnaH(逆向きに読むとハンド)
TBtaNuk=ちびだぬき→はやて
ICeg0Bo=geBoC0でげぼこ、つまりヴィータ
2/HaNnD=トゥーハンド→ティアナ
BrnG876=バーニング→アリサ&876→(高橋)弥七郎→シャナ→アリサ
nKoAvZe=noveノーヴェ/KAZ…数の子
SEkiRyu=A's漫画版でシグナムに蒐集された赤龍召喚師
loLiK0N=ユーノ(伏線:なのは視点の回想の『幼女ヌード写真集』)
PrJCt/F=フェイト(プロジェクトF.A.T.E.)
NNH/aoa=NaNoHa/でなのは本人
S0nG2/U=「song to you」=S2U→クロノ
TP0/2nd=スバル(タイプゼロ・セカンド)
NiNJn18=キャロ(人参イヤ)
59TUbsi=ニート(ごくつぶし)→シグナム
OMuRicE=オムライス→all right→レイジングハート

505名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 20:10:42 ID:4wkwXqZK
現在431kb。

ラーメンやけ食いしてくるノシ
506名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 20:15:05 ID:yuv+8L6/
>>487
GJ!
年の最後に笑わせてもらいましたw
このままいくとタイトルが百合星人ナノハサンになっちまうぞw
507497:2007/12/31(月) 20:21:34 ID:42WA2JSF
リロードせずに書き込んだ>>497です

>>505
……うあああ、やっちまったぁ
すみません
本当にすみませんでした!
今年最後の締めくくりを割り込みしてしまった orz

カチャ
;y=ー( ゚д゚)・∵;; . ターン
\/|497)

       (゚д゚ ) >>505さん、美味いラーメンをおごる、という事で手を打ちませんか?
   ゴト /|497|)
 / ̄;y=ー ̄ ̄/||
/_____/. ||
||       || 
||       ||


・追伸
毎度毎度、盛大に吹かしていただいておりますw
して、結局どうなったのかwktkしながら年を越えます。
ほんとうにすまんかった
508名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 20:31:13 ID:j/5aRa+y
>>505
>1000ならなのはさんに〜
あああああああああwww
気付かんかったwwwww
50926-111:2007/12/31(月) 21:31:16 ID:xYYw+Eq/
>>ておあー氏

栄光は・・・おまえに・・・ある・・・ぞ・・・
やれ・・・やるんだ・・・オレは・・・おまえを・・・見 守って・・・いるぜ・・・

・・・Good・・・Job・・・!



一本投下して今年を締めくくりたかったですが結局、「年末」に勝つことはできませんでした。無念
私信で申し訳ないが言わせてくれぃ。今年一年はいい年だったよ。色々と、濃い、一年だった・・・主に、4月からこっちが
諸兄のお陰だ、ありがとうよ。妄想のタネはもう少しストックがあるので、来年もよろしく頼む

それでは、諸兄等。良いお年をお迎えください。風邪引くなよー

510名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 21:51:03 ID:1SkmS+pY
本当に職人の皆さんには楽しませてもらったし、笑わせてもらったし、時には
目にモヤがかかって文章全然読めないときもありましたけど、本当に1年間ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
511名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 22:55:49 ID:W6pf3rbC
>>505
投下乙ですー

しかし、鬱エンドは無いという事ですが、スバル陵辱部分はどうするのでしょう?
ボロ屑にされたまではともかく、瀕死の状態で陵辱され、あげくに串刺しって……
死んでもおかしくない状態だし、よしんば生きていた、或いは蘇生できたにしても
トラウマ確実、管理局退職して、カウンセリング受けながらの長期療養の線が濃厚ですよねぇ。
本当、どんなオチをつけるのか?

まあ、大魔王ナノハ縦横無尽跳梁跋扈は、全部なのはさんの見た夢だった、今日も教導頑張ろう!
今日のメニューは模擬戦だ!
な、夢オチの線も濃厚ですが。
512名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 23:01:56 ID:j/5aRa+y
まぁまぁみんなそう夢オチと連呼しなさんなや

せっかくだからオレはこの後スバルがなのはさんに
優しくなでなでして貰える展開に期待するとするぜ
513名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 23:04:48 ID:L1K9ejGN
>>505
投下乙ー
この名も無き局員は……甥っ子か?なのはさん沈めたらしいけど、速攻で情報操作入って涙目w
背後にいる獣……アルフさんですか?今までどこにいたあんたwwなのスバ陵辱止めてやれよwww

さて、色々謎を残しつつも終焉を迎えそうですね
レイジングハートの真実とは?なのはさんは正気に戻るのか?そして一番ヤバげなスバルはどうなるのか?
是非是非次回投下もよろしくお願いします。楽しみにしてますよ
514( ゚Д゚):2008/01/01(火) 00:15:00 ID:mOvBk/F9
>>505
GJ!
言いたいことは既に他の人間に言われてしまったので俺はあえてこれを言うぜ。

ドラえもんテラヒドス
515名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:03:32 ID:HbAiYd7S
>>505
正直なのはの行いはレイハのせいってのを差し引こうが綺麗に終われる範疇を超えてるかと。
残念ってのも連載当初とのギャップが激しすぎるからだろうし。
この流れだとギャグじゃ終われないと思うし、少なくとも自分は笑えない。
陵辱に関しても書くならこの連載物に組み込まず単発作品にすべきだったかな、というのが感想。

とまぁここまで書いといてなんだが、組み合わせ方がちょっとってだけで
ひとつひとつの話は面白く書けてるし、今後も書き続けて欲しいなーと思う
516( ゚Д゚):2008/01/01(火) 01:37:05 ID:mOvBk/F9
そーかな。
コメディタッチで進めといて後半にドーンと読者・視聴者をのめりこませるってのは良くある手法だぜ?
517名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 02:30:17 ID:K2DNhO8G
それなんてひぐらし?
518名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 02:36:20 ID:FFBO4Nrk
白い魔王がなく頃に〜機人殺し編〜
519名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 02:39:14 ID:IIUa89dn
>>518
まさにピッタリじゃねーかwww
520B・A:2008/01/01(火) 02:41:35 ID:yKcohD0d
あけおめです。

容量に余裕があるうちに第3話を投下しようと思います。

注意事項
・エロなし
・時間軸はA’sエピローグ後でなのは達は15歳
・デバイス擬人化もの
・主人公は閃光の戦斧
・ギャグからシリアスに移行していきます(今回はギャグパート)
521不屈の心と閃光の戦斧 第3話@:2008/01/01(火) 02:44:49 ID:yKcohD0d
「ふぅ・・・・・」
ため息を漏らしながら、クロノはアースラの食堂を訪れた。
顔に疲労が滲み出ているのは、お偉いさんと一戦交えてきたからだ。何しろ、デバイスが擬人化するという前例がない事態に、
管理局が上に下への大騒ぎを起こしているからだ。クロノの仕事は、一部の過激派・・・・・いわゆる学術畑の連中から2人を守ることなのだが、
これが意外と骨の折れる作業で、根回しに説得にでかなりの時間を割かれてしまった。本来ならここで仮眠でも取りたいところだが、
通常業務も疎かにはできないため、せめて食事だけでもと食堂を訪れたのだ。
「クロノ、お疲れ様」
「お疲れ様です、クロノ提督」
先に休憩に入っていたフェイトと黒髪の青年――バルディッシュが出迎えてくれる。一汗流した後なのか、フェイトもバルディッシュも
管理局支給の運動着に着替えている。
「不憫ですね、この体は。動けば汗が出てくるし、喉も渇く」
「それが普通なんだが・・・・・・隣り、座るよ」
「うん。何か持ってこようか?」
「そうだな・・・・・時間もないし、日替わりで良い」
「なら、私が取ってきましょう。サー・フェイトは提督を労ってあげてください」
そう言って、バルディッシュは食券売り場に向かう。
「意外と順応しているみたいだな」
「バルディッシュの場合、単に無頓着なだけなんだと思うけど・・・・・それで、どうだった?」
「とりあえず、研究室行きは避けることができた。デバイスであるリィンが管理局の局員をしているのがプラスになったんだろう。
局員待遇でしばらく面倒を見るというのが、上の判断だ」
その代わり、何かあったら全部クロノの責任になるというおまけ付きではあるが、このことは黙っておく。
「そっちはどうだ?」
「うん、今まで通りかな。さっきまでみんなと模擬戦をしていたんだけど、魔法の発動もモードチェンジもちゃんとできるよ。
ただ・・・・・・・・・」
「私が本体から離れてしまえば、本体は私という管制人格の指示を受け付けなくなります。わかりやすく言えば、
私が近くにいなければ“バルディッシュ”はただの高性能なストレージに成り果てるということです」
日替わり定食を運んできたバルディッシュが、フェイトの代わりに説明する。
これ以上ないというくらい簡潔な説明に、フェイトは何も言えなかった。
522不屈の心と閃光の戦斧 第3話A:2008/01/01(火) 02:46:55 ID:yKcohD0d

「おまたせやぁ」
「ごめんね、お着換えに戸惑っちゃって」
「マ、マスター・・・・やはりこの格好は・・・・・・」
「レイジングハート、似合っているんだから恥ずかしがらなくても良いですよ」
先ほどクロノが入ってきた入口から、なのは達がぞろぞろとやって来る。なのはとはやてはフェイトと同じ運動着、
リィンは室内用の私服に着替えている。そして、レイジングハートは・・・・・・・。
「は、恥ずかしい・・・・・・」
着る服がなかったので、リィンの私服を借りていた。紺のスカートに白のブレザー。どことなく、名家のお嬢様といった感じだ。
もっとも、本人はものすごく恥ずかしがっているが。
「リィンの服が着れて良かったわ。女の子にどろどろのBJをいつまでも着させておくわけにはいかんからね」
「リィンの服が着れるのか。ということは、レイジングハートは幼児た・・・・・・・」
「Divine Shooter」
レイジングハートの手の平から放たれた赤い光球が、不用意な発言をしたクロノを黒焦げにする。
クロノは悲鳴を上げることもなく椅子の上でもんどりを打った。
「あの、バルディッシュ・・・・?」
もじもじと指を弄りながら、レイジングハートはバルディッシュの胸元まで飛び上がる。
「その・・・・どう、ですか?」
「服のことか?」
「はい・・・・・」
今にも消えてしまいそうなくらい真っ赤になって、レイジングハートは俯く。
「・・・・機能的には問題なかろう。色合いも良し、
バランスも悪くない・・・・・そうだな、似合っているのではないか?」
「あ、ありがとうございます」
最初の方は聞かなかったことにします、という彼女の言葉は、バルディッシュには届かなかった。

「あれ、クロノ、どうして真っ黒なんだ?」
遅れてやって来たユーノが見つけるまで、
クロノは黒焦げのままずっと放置されていた。

523不屈の心と閃光の戦斧 第3話B:2008/01/01(火) 02:50:42 ID:yKcohD0d

で。
「何故、このようなことに?」
バルディッシュの疑問に答えてくれる者は、少なくともこの場にはいなかった。
ここは時空管理局本局のデバイス整備室。マスター達はこれから事務仕事でしばらく出番はないからと、
彼らをここに預けていったのだ。それだけならばわかる。それだけならば・・・・・。
『ははは、人間になっちまったのか、バルディッシュ』
『これ、よさぬかレヴァンティン。彼とてなりたくてあのような体になったわけではない』
100歩譲ってベルカ組がいることも良しとしよう。だが・・・・・・。
「今日のお茶菓子は羊羹です。後、なのはさんが翠屋のケーキを差し入れで持ってきてくれました」
何故、こんなしみったれた場所でお茶会が開かれているのだろうか?
言い出しっぺは意気揚々と給仕をしているリィンだ。待っているだけなのも退屈だからというのが理由だが、
急須やお茶菓子などが隠されている場所を知っていたところを見ると、
マリエル技士官でも相手にしょっちゅうここでお茶会を開いているのかもしれない。
『どうせなら、みんなでお喋りした方が楽しいです。ねぇ、デュランダル」
『Yes, my friend(その通りです、親愛なる友人)』
独特なイントネーションでデュランダルは答える。
その横にはS2Uが寝かされていた。こちらはそもそも質疑応答機能など持っていないので、
本当にただいるだけだが。
『すみません、うちの馬鹿達がご迷惑をかけて』
「いいえ、クラールヴィント。私もバルディッシュも気にしていませんよ」
唯一の良心であるクラールヴィントが八神家を代表して2人に謝罪する。多少毒を吐いているようだが、この際無視だ。
「バルディッシュは、紅茶と緑茶どちらが良いですか?」
「緑茶で頼む。ミルクと砂糖を多めにな」
「はいです。リィンも苦いの苦手ですけど、こうすれば緑茶も飲めるです」
『お前ら、どういう味覚しているんだ?』
バルディッシュとリィンがうまそうにすすっているのは、クロノの母リンディが好んで飲んでいた砂糖とミルク入りの緑茶だ。
2人はそれぞれリンディとマリエルからこれが緑茶の正しい飲み方なのだと教わったのだ。
「あの、バルディッシュ・・・・その飲み方は、おいしいのですか?」
「ん・・・・まあ、珍妙な味ではあるが、飲めぬことはないぞ」
「リィンは好きですよ。苦い緑茶が甘くなるです」
524不屈の心と閃光の戦斧 第3話C:2008/01/01(火) 02:54:19 ID:yKcohD0d
『待て待てレイジングハート。いくらなんでもそれは無茶だ』
『Me too(私も同感です)』
レヴァンティンとデュランダルが止めるが、レイジングハートの視線はバルディッシュが飲む緑茶に注がれていた。
純粋な好奇心と、彼と同じ飲み物が飲みたいという思いが彼女の背中を後押しする。
「私も、飲んで良いですか?」
「構わぬぞ」
バルディッシュは自分が飲んでいた茶器をレイジングハートの前に置く。
覗きこめば、本来は緑色なはずの緑茶が白い色をしており、甘ったるい匂いが漂ってくる。
レイジングハートは、本能的にこれを危険な飲み物だと理解した。
(けれど、バルディッシュはこれを飲んでいました。だったら、私も飲みたい・・・・・同じものを飲みたい)
深呼吸で気持ちを落ち着かせ、レイジングハートは開眼する。
「いきます。全力全開!」
何を!? という一同のツッコミを受けながら、レイジングハートは白い緑茶をすする。
途端に、苦みと甘みがない交ぜになった異様な味が舌に広がり、全身に電流が走ったかのような錯覚を覚える。
ありていに言えば・・・・・・。
「ま、まずい・・・・・・・」
レイジングハートは、口から泡を吹きながら気絶した。
『言わんこっちゃねぇ。こうなるってわかってただろうに!』
『Raising Heart, no response(レイジングハート、応答ありません)』
『リィンフォース、マリエル技士官を呼びなさい。大至急!』
「は、はいです!」
大慌てで整備室を飛び出すリィン。口々に「気をしっかり持て」だの「すぐに整備士が来ます」と
レイジングハートを励ますレヴァンティンとクラールヴィント。
『戦友が重傷だというのに、えらく落ち着いておるな、バルディッシュ』
そんな中、一人冷静なままのバルディッシュに、グラーフアイゼンは話しかける。
「自業自得です。それに、あの程度でくたばるほど彼女は柔ではありません」
『貶しているのか信頼しているのかどっちなのかね。
まさか、何故彼女があのような暴挙に及んだのか、気付いていないのか?』
「ただお茶を飲むことに、何か他意があるというのですか?」
『お主が救いようのない大馬鹿者だということがよくわかった』
グラーフアイゼンの言葉に、バルディッシュは首を傾げる。自分は、何か彼の気に障るようなことをしただろうか?
『まあ、お主くらい鈍感な男には、彼女のようにグイグイと引っ張っていくタイプがお似合いなのだろうな』
「はぁ・・・・私と、彼女がですか?」
この老デバイスは訳のわからないことを言うな、とバルディッシュは思った。
少なくともまだこの時は、その言葉がどのような意味を持つのか、バルディッシュは考えようともしなかった。

一方、駆けつけたマリエルによって一命を取り留めたレイジングハートは、二度とあのお茶は飲まないと心に誓ったそうだ。

                                  to be continued
525B・A:2008/01/01(火) 02:57:23 ID:yKcohD0d
以上です。

果たして、ギャグになっているのか不安ですが。
ただ、恋する乙女”レイジングハート”や意思はないけど周りの言動に
いちいち反応するデュランダルとかは書いていて楽しかった。

次回からは、シリアスという大海に漕ぎ出そうと思います。
526名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 04:41:06 ID:pBBM12DQ
>>520-525
うはwwwwwwこれはwwwwwwwww
そういやバルはクーデレか?
527( ゚Д゚):2008/01/01(火) 09:02:32 ID:mOvBk/F9
>>525
GJ!
ベルカ組が良い味出してますなぁ。
グラーフアイゼンはおとんみたいだぜ。
528名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 11:01:50 ID:PUqYtrQ1
どうしてもバルディッシュのイメージがザフィーラと被るw
529名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 11:16:35 ID:h1YELPyy
あけおめ&GJです。
ほのぼのしてて良いですなあ。
リンディ茶って比率を間違えなければ結構イケると思った俺は異端?
530ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/01(火) 11:39:46 ID:tFt19cqh
あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します

流れをぶった切ってごめんなさい
でも確かに、抹茶ミルクアイスってあるし……あんな感じ?

(レスとか)
>395 お構いなく大丈夫ですよw私の方が特殊なような気がします。パクッテルシ
終わりよければっていうし、うん、きっと、多分、へ、平気だよね
苦しくったってー悲しくったってー訓練場の中では平気〜なの、ってまた古いな

>455 ゴミとゴミ箱のカップリングとかいいですよね(意味不
スク水仕様いいなぁ……いやちょっとまてフェイトそんwww
とりあえずMっぽいので或るフェイトの人ちょっといぢめていい?(ぺちぺち)

>487 最近はやての出番がこのスレで増えているのは自分のせいかと思わない事が無きにしも非ず調子に乗るんじゃないハゲ、いやハゲてないけd
とりあえずネイティブ京都風大阪弁の職場の先輩に感謝しときます、ありがとう先輩!
と肝心のGJを忘れたのですGJGJGJ主に揉み魔に対して


他の方々もGJなのです。でも全部読んでないのですごめんなさい
しかもネタが錯綜している……相変らずなんてドクター・カオスなスレなんだここは
さて大遅刻朝刊ww最初からこんなんで大丈夫なのか俺

(注意書き)
[熱血魔法少女"恋愛"アクションSS〜ソラノカケラ〜第40回・地上本部の憂鬱(1)][当分非エロ][多分シリアス][はやてとロッサ]
シルバーカーテン、もといNG発動キーはタイトルで「ソラノカケラ」「ゲリラ兵」を指定すれば確実に消えるかと思われます
よろしくお願い致します
設定は相変らず色々捏造してます
作中既に出てきているものもありますが、よしなに

では、朝刊〜
531〜ソラノカケラ〜(40)(1/2):2008/01/01(火) 11:40:34 ID:tFt19cqh
 翌朝、重大な事態になっているとはいざ知らず、はやては御機嫌でクライドと朝食の準備に取り掛かっていた。
シャマルは起きているにも関わらず、接近すらはばかられ遠くの方から寂しそうに手持ち無沙汰なのか観察だけをしている。
しかし、独占できて喜びも恋の炎も相変らずであったのだが、ここにきてはやては実はようやく客観性を取り戻す事が出来始めていた。
(殺意まで剥き出しにしてああは言ったたものの……実際うちはちゃんと恋人らしいこともあんまでけてへんし、
クライドはんも寂しい想いしてはったならシャマルのあれも仕方ないんとちゃうんかな……)
と一応現状の理解は大体常識的なラインに近づきつつあったのだが、それでもやっぱり彼に他の誰かが近づくことを考えただけで、
彼女自身殺意を抱ける自信とその自覚があるから如何ともし難かった。
(今ならリンディさんとも戦える自信があるわ……うちって案外嫉妬深かったんやね……)
はぁ、と小さなため息をつくと当然先程まで笑顔であったのだからクライドに突っ込まれる。
「どうした?はやて」
多少ではあるが無理矢理笑顔で返す。
「あ、いや、ううん、なんでもあらへんよ」
「?……それなら構わんが」
それだけ言って再び作業に戻る横顔を見ていると、どうしても踏み切れない自分がいて、でも誰にも渡したくない我侭な自分もいて、
未だに恋の迷い道から抜け出す方法の見当すらつかなかった。
(時間もあんまあらへんのに……どうしよ……)
そうして、現状を色々な意味でなんとかしようと思考を巡らすはやてであったが、彼女の想いとは裏腹に
時の歯車はその試行の時間すら与えてくれることはなく、容赦なく回り始めていたのである。

 事件の発端となったのは午後2時頃、いつも通り本局のデスクでシグナムを隣に携えて仕事をしていたはやての元に
ヴェロッサ・アコース査察官から緊急の通知として届いた一報であった。
(ん、なんやろか?)
該当するウィンドウを開くと、ミッドチルダ地上での危険産業廃棄物運搬車両から危険物強奪の報告の画面が出現する。
(え、これって――?)
盗まれた廃棄物の名前を見てはやては一瞬、目を疑った。
「これってあの副産物やんか……」
全ての物体を透過し、リンカーコアにのみ影響を与える魔導物質。
しかも一度深部まで冒されれば中毒に苦しみ続けることになり、高濃度であれば容易に死に至れる危険極まりない物質である。
「なんでこれがこんな簡単に盗まれとるん!?」
思わず叫んだ主に、付き従っていた将も驚いた。
「主はやて、如何なさいました?」
「ちょい、大事かもわからん。連絡してみる。担当は地上本部……?」
この段階で既に嫌な予感は確信を通り越してもはや危険だと、特別捜査官の勘が告げていた。
案の定対応部署には通信は繋がるものの担当に話が聴けない状態で、頑張るだけ無駄と見切ったはやては椅子から立ち上がる。
「あかんね、これは。ここにいてもらちがあかへん」
「どうなさいますか?地上のことですからあまり口を挟むのもどうかと思われますが」
「せやね。とりあえずロッサに確認してみよか」
532〜ソラノカケラ〜(40)(2/2):2008/01/01(火) 11:41:37 ID:tFt19cqh
居場所を確認してみれば同じ本局の中であったから、すぐに通信の画面が繋がり、緑色長髪の白スーツの彼の姿が映し出された。
「ごめんね、ロッサ。今平気?」
「可愛いお嬢さんの為なら僕はいつだってどこだって平気さ」
「もう、相変らずやね」
思わず苦笑いをしてしまうが、それも長くはない。
「冗談はおいといて、さっきの強奪の件なんやけど」
「ああ……担当部署は駄目だったかい?」
「うん、あかんかった。なんか混乱してる気がするんやけど……」
「実はね、先程、現防衛長官が緊急でレオーネ相談役に呼び出されてね。
しかもかなり青い顔してたからちょっと探りを入れてみたら案の定、これがでてきたってわけさ」
「なんやろ、めっちゃ嫌な予感がするんやけど。盗まれたものがいくらなんでもやばすぎるし……」
「そうだね。こうなったらあの人に聞くしかないかな」
「あの人?」
と、はやてが聞き返したその時、今度は能動的に開かなければならない通信などではなく、
強制的に真っ赤に点滅するウィンドウが目の前に立ち上がっていた。
「な――!?」
点滅を繰り返す警告の文字。
詳細な情報を見れば、ミッドチルダ地上で一斉に動き出した大量のガジェットの姿がいくつもの映像に分けて映し出されていた。
「ガジェット!?なんで今更こんな大量に動いてるん?!」
驚くはやてとシグナムを他所に、相変らずの大物ぶりで軽く手を広げてみせる緑色の長髪の人。
「何かかなりきな臭いんだけど?」
「うん。地上本部に行ってくるな!」
「こらこらはやて、慌てちゃいけないよ。情報もなければ命令もない。僕らがどうこうできる段階じゃない」
「めっちゃ嫌な予感がするんや――あれだけは、あの悲劇だけは繰り返したらあかんから。あれはそれができてしまうものやから」
「もう、相変らず強情だなはやては」
「それだけが取柄ですからー」
悪びれず笑う妹分に呆れを返してから、それでも的確なアドバイスをくれる辺りがさすが切れ者と評判の高い彼である。
「わかったよ。じゃあやっぱりあの人のところへ行かないと駄目だね」
「もう、さっきからあの人あの人って誰やー?」
「つまりだね――」

 管理局地上本部の両脇に高い本棚のある一室――その最奥で高い窓の下、ぽつり――と短く揃えた茶色い髪に橙色の瞳の女性がひとり、立っていた。
その切れ長の瞳に合わせた楕円形のメガネをかけた彼女の名前は、オーリス・ゲイズ。
亡きレジアス・ゲイズ中将の元副官にして娘である彼女は、空しげに窓の外を見つめていた。
533ゲリラ兵 ◆QCnUms2uBE :2008/01/01(火) 11:44:31 ID:tFt19cqh
しかしこのスレでメインカップルが年越ししても結ばれないとか……どうなんだ
長い目で見てやって頂ければ幸いです
ほいではまたノシ
534名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 12:16:39 ID:t/FKAw82
デバイスの会話がってソーディアンにしか見えないwwww
535名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 13:54:38 ID:+qHZHk9M
夕方頃に投稿しようと思ってるんですが、現在の容量ってどれくらいでしょうか?
536名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 13:56:36 ID:BO6JyIz6
>>535
452KB
537名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 14:16:33 ID:yJu5xBZv
あと40〜50kbしかないから危険じゃないか?
538名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 14:19:27 ID:H3ICMGbc
>>537
それだけあれば、2〜3人分くらいはいけるんじゃね?
ま、誰か一遍に長いの落とさなければの話だが。
539ておあー:2008/01/01(火) 16:22:23 ID:5tlXPe+2
も、申し訳ないんですが今投下しようかと思ったやつが27kbです……
非エロ&お前は昨日も投げ込んでるじゃねーかw ということで日を改めたほうがいいですか?
540名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:27:01 ID:nw3iG6LJ
早い者勝ちさ

BGM―――パリは燃えているか
541名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:36:00 ID:yJu5xBZv
>>539
PLEASE!!
542名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:40:25 ID:t+rSafNE
次スレ、建てておこうか
543名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:42:26 ID:H3ICMGbc
たのむ
544名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:43:47 ID:t+rSafNE
スマン、スレ建て無理だった・・・どなたかお願いします
545名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:44:12 ID:nw3iG6LJ
じゃあ、俺が
546名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:46:23 ID:nw3iG6LJ
俺も駄目だった
547名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:47:04 ID:H3ICMGbc
マジか?
じゃ、俺がトライする。
548名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:49:33 ID:H3ICMGbc
俺も駄目だったわ
549名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:55:29 ID:79DwH6RM
立ててみる
550名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:57:27 ID:79DwH6RM
551名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 16:59:03 ID:H3ICMGbc
>>550
552名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 17:00:20 ID:nw3iG6LJ
>>550
おつー
553名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 17:02:39 ID:yJu5xBZv
>>550
乙です。
554ておあー:2008/01/01(火) 17:03:02 ID:5tlXPe+2
新年なのに人多すぎ吹いたw でも>>550も他の人もあざーす、おかげで心置きなく投下できます。
そして明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

前回、ていうか昨日レス下さった方、ありがとうございました。
前の投下からホントに間が空いてないのですが、なんか年越し蕎麦を食べてたらジェバンニが来て短編を
書いていったんで落としちゃいます。年を跨いで二日連続投下のチャンスはこれを逃すとまたしばらく
来ないですしね……

今回の注意

・本編15話と16話の間くらいの話
・非エロ
・レジアスとヴィヴィオがメイン
・レジアスにオリ設定が追加されてます
・他にもちょっぴりオリ設定とオリキャラが出ます


新年一発目からすっぽ抜けのビーンボールですよ。以上がダメな方はソニックムーブでの読み飛ばしをお願いします。
555正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:03:59 ID:5tlXPe+2

 レジアス・ゲイズは街を眺めるのが好きだ。

 街角に立ち、自分の前を通り過ぎる人々の顔を観察する。

 彼らが笑顔であれば自分の心も躍るし、悲しい顔や憂鬱そうな顔を見れば逆に心が沈む。街行く人間の
表情は、彼らが住む世界が平和であるかどうかに直結するからだ。
 ゆえにレジアスは街角に立ち、彼が守るべき者達の顔をその目に焼き付ける。

 今日もまたレジアスは街角に立っていた。
 局内での階級が上がるにつれて、自らの意志で気軽に外出をするなどという事はできなくなったが、それでも
秒刻みのスケジュールをなんとか調整し、或いは頭が切れる副官の目を盗んでこうして時々街に出るようにしている。
 今日の場合は後者だった。ゆえに警護の人物などは一切ついていない。彼の命を狙う者からすれば暗殺には
格好のタイミングなのだろうが、幸いにしてそういった事態に襲われた事は一度もない。普段から映像や出版物で
その姿を毎日のように見る事ができる有名人であろうと、普通の格好で街に居れば意外と気づかれないものだ。
実はそれが少し快感でもあり、ちょっとした彼のストレス解消法にもなっている……部下のストレスと残業時間は
その分確実に増えているのであるが。
 
(平和そのものだな……むしろ『平和ボケ』と言えるかもしれんが……) 
 
 一時間ほど市民の表情を観察して出した、今日の結論がそれだった。
 危機感がないといえば聞こえが悪いが、目に移る全ての人間が何かに怯えるような表情をしていたり、非常食や
緊急時の避難場所について把握している状態よりはずっといいのかもしれない。『平和ボケ』は平和でなければ
起こり得ない。むしろ自分達の仕事は、世界中の人間を『平和ボケ』させるくらいでなければ満足な結果を得られて
いるといえないのだ。

(とはいえ、最近は局員にも怠惰な空気が流れていると聞く……締める所は締めねばならんな)

 レジアスは時計にちらと目をやると、地上本部へ戻るためその場を離れた。
 あまり長く抜け出すと、戻ってからの『お説教』がキツい。自分が原因なので素直に聞くしかないのだが、それでも
実の娘から叱られるというのは精神的なダメージが大きいものだ。ストレスを解消しに行って逆にストレスを溜める
結果になっては本末転倒である。

(……む?)


 しかし、地上本部を目指したはずのその歩みは僅か数歩で止まり、彼の目はある一点に釘付けになる。


 視線の先に居たのは一人の幼い少女。年の頃は五歳くらいだろうか。腰の辺りまで伸びた金髪は、両の側頭部で一部を
濃紺のリボンで括っている。瞳は翡翠と紅玉の見事なオッドアイである。
 少女の顔は何かを探すかのようにせわしなく動き、その動きに合わせて体もふらふらとあちこちを彷徨っている。

(迷子か……)

 周りの人間は誰一人少女に声をかけようとはしない。冷たいようだが自分も急いで戻らねばならない身だ、きっと
彼らにもそれぞれ事情があるのだろう。

(とはいえ、管理局に所属する人間が迷子を見捨てていくわけにはいかん)

 これは本部帰還の暁には張り手の一発も頂戴せねばならんな……などと考えながら、レジアスは少女の元へと近づいていった。



 魔法少女リリカルなのはStrikerS第15.5話『正義のヒーロー』
556正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:04:29 ID:5tlXPe+2


「……お嬢ちゃん、どうしたんだい?」
「ふぇっ!?」
 
 親と離れて不安な気持ちでいっぱいのはずだ、とにかく刺激する事は避けねばならない。
 そう思い、出来る限り優しい声を出したつもりだったが、いかんせん普段が怒声をあげてばかりの毎日である。不自然に
強張った声がでてしまい、見事に少女を警戒させてしまったようだ。
 振り向いた少女の目には、既にうっすらと涙が滲んでいた。

(こ、これはまずい……)

 自分で言うのも何であるが、レジアス・ゲイズといえば管理局内でも有名な強面である。
 ここで下手に騒がれでもしたら、自分の正体がばれてしまう。その上未成年者略取の容疑までかけられては局の面子丸潰れで
ある。

(ええい、仕方ない。久々で上手くいくかわからんが、アレを試すしかあるまい)

 レジアスはポケットの中から小銭を一枚取り出すと、少女の前に跪く。

「お嬢ちゃん、いいかい? この手の上にあるコインを、ようく見ていてね」

 左の手の平に硬貨を一枚置き、その上から右手をかざす。

「ほうら」

 右手をどけると、左手にあった硬貨は跡形もなく消え失せている。

「うわぁ!」
「この手の上にあったコインはいったい何処に消えちゃったんだろう? もちろん右手にもないよ」

 両手を改めた後、

「でも、こうすると出てくるんだ」 

 左手で服の袖を擦ると、そこからコインが現れる。

「うわぁー、すごーい!」 
「このコインはすぐに出たり消えたり……」

 両の手の平の上でコインが出現と消失を繰り返す。

「ありゃ、今度は何処に消えちゃったんだろう? それは……」

 レジアスの右手が少女の後頭部に回される。

「お嬢ちゃんの髪の毛の中だ!」

 戻ってきた指先には、鈍く銀色に光る硬貨が握られていた。


「すごーい! おじちゃん、魔法が使えるのー!?」
「アハハ、まあちょっとだけね」

 レジアスは苦笑いを浮かべながら硬貨をポケットに仕舞う。
 魔法、そのように便利なものが使えるならここまでの腕前になるのに、毎日数時間かけて練習する必要はなかったはずだ。
それとも魔法で同様の現象を起こすにもそれくらいの修練が必要なのだろうか。いずれにしても魔導師ではない自分には
わからない。わかるのはかつての愛娘同様、幼い子供は皆この古典芸能が大好きという事だけだ。『そんなもん魔法でも
できますよ』と言いたげな視線に負けず、時々部下に見せておいてよかった……などと思いつつ、彼は再び本来の話題を切り出す。
557正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:05:03 ID:5tlXPe+2

「ところで、さっきからちょっと困った顔をしていたけどどうかしたのかい?」
「あのねー、ママとはぐれちゃったの……」

 やはり迷子か。
 この年頃の子供は往々にして好奇心旺盛なものだが、それゆえ親が責任を持ってその行動を把握しておく必要がある。
 親の責務を果たせておらん、けしからん……などと思いながらレジアスは少女に母親の名を聞いてみる。

「ママのお名前、わかるかい?」
「えーっとねー、『たかまちなのは』! なのはママだよ!!」


 タカマチ? 何処かで聞いたような名だ。記憶を辿ってみる。

「タカマチ、タカマチ……まさか、管理局員の高町なのはか!? あの"エースオブエース"の!?」
「ママのこと知ってるのー!?」

 高町なのはといえば、地上部隊にもその名を轟かせている本局戦技教導隊のエースであり、その美貌ゆえに管理局全体の
『広告塔』の役目も果たしている有名人である……そして同時に、現在はレジアスが敵視する八神はやての部隊、『本局古代
遺物管理部・機動六課』いわゆる『六課』に出向中でもある。道理で聞き覚えがあるはずだ。
 しかし……

 レジアスは目の前の少女をまじまじと見つめた。
 どうみても四、五歳に見える。一方で高町なのはは確かまだ十代だったはず……年齢の計算が合わない。若齢での出産という
可能性もあるが、さすがに子供がいるのであれば管理局のデータベースには記されているはずである。
 
「あ、でももう一人ママがいるのー。フェイトママっていうの、ええと、本名はフェイト・テ、テス、テッサ……あれー? 
なんだっけ……」



 マ・マ・が・ふ・た・り・?

 一瞬『生命操作技術は女性同士の性交・妊娠そして出産も可能なのか?』と真剣に考えてしまったが、よくよく考えれば
あり得ない話である。
 目の前で考え込む少女が言っているのは、おそらくフェイト・『テスタロッサ』・ハラオウンの事だろう。彼女もまた、
本局から六課に出向中の執務官である。

 詳しい事情はわからないが、おそらく六課の誰かの実子で、二人に懐いているか何かの理由で彼女達を『ママ』と呼んで
いるのだろう。しかし知り合いの子供を預かっておいて迷子にさせてしまうとは、まったく酷いママもあったものだ。

 これはガツンと説教してやらねばならん、と決意を新たにすると、レジアスはニッコリと少女に笑いかけた。
558正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:05:33 ID:5tlXPe+2

「よおし、じゃあおじさんも一緒に君達のママを探してあげよう」
「ほんとー!? ありがとう、おじさん!! えっと……」
「レジアスだよ。おじさんの事はレジーと呼んでね。お嬢ちゃんの名前は?」
「ヴィヴィオって言います。よろしくお願いします、レジーおじさん!!」
「ああ、よろしくね。ヴィヴィオ」

 レジアスは少女―ヴィヴィオを肩車すると立ち上がった。

「わぁ、たかーい!」
「これなら街を歩く人の顔がよく見えるだろう? ママを見つけたらすぐおじさんに言うんだよ」
「はーい!」


    ◆


 とりあえず二人がはぐれた場所に行ってみよう、と考えレジアスはまずその現場―市民窓口センターを訪れた。
 そこで聞いた話によると、高町なのはは養子縁組の手続きについて聞く為にこの場所を訪れており、しばらくは応対に出た
その職員と話をしていたが、気がつくとヴィヴィオがいなくなっておりそのまま探しに外へ飛び出していったらしい。
 あの若さで養子縁組とは、ヴィヴィオを世話するうちに子育てにでも目覚めたのだろうか……などと考えながらレジアスは
その場を後にした。職員がこちらの顔を見て訝しげな表情になっていたが、おそらく目の前の人間が中将レジアス・ゲイズ本人
だとはさすがに思わないだろう。
 その後もなのはの痕跡を追ってあちこちを駆けずり回った二人だが、なのはの方もヴィヴィオを探し回っているらしく、
とうとう再会ができないまま数時間が経過してしまった。

「ふう……」

 二人は今公園に来ていた。
 夕暮れが迫る公園に人影はまばらだ。探し疲れたなのはがこの場を訪れているかも……と思ったがどうやら無駄足に終わって
しまったようだ。

「うぅっ……ママぁ……」

 ヴィヴィオは今にも泣き出しそうである。
 無理もない、この広いクラナガンで唯一の知り合いと引き離されてしまったのだ。さぞ不安な心境だろう。

 同時にまた、レジアスもかなり焦っていた。
 既に本部に戻る予定時間を大幅にオーバーしている。勝手に本部を抜け出した事は以前もあるが、さすがに長時間戻らなければ
オーリス達も緊急事態を疑うだろう。
 こうなったらいっそヴィヴィオを本部に連れて戻るか。地上本部から彼女を預かっている旨を六課に連絡すれば、そこから
なのはの元にも連絡が行くだろう。というかこの現状ではそれ以外に方法がないように思える。

 だが、おそらくオーリスから受ける罰は張り手百連発でも足りないくらいだろう。二度と市内に出る事はできなくなるかも
しれない。そう考えると急に本部に戻るのが惜しくなった。とはいえヴィヴィオの事を思うと個人の感情で考える訳には……
その時、悩むレジアスの視界にある物が飛び込んできた。


「ねえヴィヴィオ? お腹が空かないかい?」
「……んー、ちょっとだけ……」
「じゃあ、おじさんがあそこの屋台でアイスを買ってきてあげよう。一度おじさんから降りてくれるかな?」
「アイス!? でも……」

 アイス、と聞いて声のトーンが上がったヴィヴィオだが、すぐに声は沈みがちになる。

「でも、『知らない人にモノをもらったらダメだ』ってママが言ってた……」
559正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:06:11 ID:5tlXPe+2

 まだ幼いのになかなかしっかりした子供である。おそらく母親の教育方針がしっかりしているのだろう。なのはとはえらい違いだ、
養子を欲しがるのも結構だが、その前に彼女もヴィヴィオの母親に一から教育してもらったほうがいい。

 レジアスはヴィヴィオを降ろすと肩をぐるんと一回転させた。
 若い頃は純粋な体力であれば武装隊にも引けをとらなかったものだが、やはり年のせいだろうか体に堪える。よくよく思い出して
みれば、オーリスを最後に肩車したのはもう二十年近く前だ。そのオーリスが今自分の副官として局の第一線で働いているのだから、
自分も老いて当たり前だというものだ。
 レジアスは苦笑いを浮かべながら、

「そっかあ、でもヴィヴィオのママは知らない人からモノをもらっちゃダメって言ったんだろう。ヴィヴィオにとっておじさんは
知らない人なの?」
「……んーん」
「だろう? ヴィヴィオとおじさんはもう立派な知り合いだよ、だからおじさんがヴィヴィオにアイスをあげたって、全然大丈夫だよ」

 ぱあっとヴィヴィオの顔が明るくなるが、またすぐその表情が沈む。

「でも、お金がかかっちゃう……」

 本当にしっかりした子供だ。
 レジアスは感動した。オーリスにだってこんな時代があったはずなのだ。今ではすっかり頑固でわがままになってしまったが。
まったく誰に似たのだろうか。
 ここはどうやっても彼女にアイスをご馳走してあげたい。

「心配ないよ。おじさんとあの屋台のおじさんとは知り合いなんだ。だからおじさんが頼めば特別サービスしてくれるさ」
「ほんとに!?」

 もちろん嘘八百だがどうやらヴィヴィオは信用してくれたようだ。向日葵のような笑顔を浮かべると、既に屋台に向かって歩き出して
いるレジアスにぺこりと頭を下げる。

「じゃあ、お願いします」
「うんうん、喜んで」


 レジアスは屋台まで歩いていくと、自分と同年代の店主に声をかける。

「スマンがアイスを二つくれないか」
「へいらっしゃい、種類は何に致しましょうか?」
「種類か……」

 屋台のアイスなどもう何十年も食べていない。レジアスは店主に人気のあるものを適当に、と頼むと店主がアイスを選ぶ間
ヴィヴィオの様子を眺める。
 ヴィヴィオはどうやら公園のハトに興味津々のようだった。
 ハトといえば何処かの次元世界にも生息していてそこでは平和の象徴とされているようだが、アイツらは糞害が馬鹿にならない。
街の衛生を悪化させる恐れがあるので、畑違いではあるがミッドの平和を守る職の自分としてはあまり有難くない輩である。とはいえ
ハトと無邪気に戯れているヴィヴィオを見るとそのハトすらもいとおしく思えてくるのだから、子供というのは本当に大したものだ。

「お孫さんですかい?」
 店主がレジアスに話しかけてくる。
「……ああ、まあそんなところだ」
「ん……その言い方、もしかして娘さんでした? こいつぁすいません」
「いや、別に構わんよ」

 内心はあの年頃の子供を連れていると孫に見られるのか、と少しショックだったのだが機嫌がいいので怒鳴るのは勘弁してやる。
560正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:06:49 ID:5tlXPe+2

「そういえばお父さん、アンタ管理局のレジアス中将によく似てるって言われないですかい?」
「ん、ま、まあ時々はな……」
「次元世界を飛び回ってるエリート連中はなんだかんだ悪口を言ってるが、俺はあの人を尊敬してるんですよね」
「へ?」

 突然語り始めた店主に、レジアスは驚いて彼の顔を見る。

「オレはここでこうやって屋台を構えて三十年になるんですけどね、三十年もやってりゃそりゃあ色んな客にアイスを売りましたよ。
そんなかでも一人、忘れられない客がいましてね……まあなんとも顔立ちの暗い奴で、蚊の鳴くような声でチョコレートアイスを
注文してね、そんでそこ、あそこにあるベンチに座ったんですよ。なーんか気になっちまって、オレはソイツの様子をチラチラ見てた
んですけど、ソイツほとんど食ってないんですよね、アイス。オレもずっと見てたわけじゃないけど、結局数口しかなめてなかった
んじゃないかな。結局アイスはほとんど溶けちまって、ソイツはゴミ箱にアイスを捨てて行っちまったんですよ。その時は『ホント変な
奴だな』くらいにしか思わなかったんですけど、それから数日後にニュースを見てもうびっくりですよ。お父さんもフォードロイヤル
ホテルであった自爆テロ、覚えてるでしょ?」
「ああ……」
 
 確かに覚えている。死者百数十名を超えた大惨事で、その頃はまだ一介の部隊長だったレジアスも現場で救助活動を行った。

「あのテロの後、奇跡的に焼け落ちたホテルの跡地から発見された記録映像に映ってた犯人らしき人物ってのが、まさにあの日アイスを
買った男だったんですよ。そりゃお父さんと中将みたいな他人の空似かも知れねえし、ソイツはその日ただ普通に泊まってた客の
一人なのかもしれない、そりゃわかりませんよ? でもね、今でも考える事があるんですよ……あの日あのベンチに座って、アイツは
何を考えながらアイスを食ってたのかなって……」
「……」
「昔のミッドってのはそんなテロやら破壊活動やらがもう頻繁に起こってて、この公園に来る人の顔もなんだかみーんな沈んでた。
けど、中将が地上部隊を率いるようになってから、この街でそういう事が起こる事はめったになくなってね。此処に来る人の表情も
明るくなった気がするし、何よりアイスの売り上げは伸びた。まあ悪口言ってる連中の言う通り、やり方は強引なのかもしれねえ
ですよ。けどこの街で、ミッドで暮らしてる人間にとっちゃ、やっぱり行った事もない別の次元世界よりミッドが平和で安全な方が
嬉しいに決まってるんですよ。そういう意味じゃあ、ミッドの人間はみんな中将の事を心の中では尊敬してますよ」
「……そう、かもしれんな……」

「さあ、そうこうしてる間に……お待ちどうさんでした」
「あ、ああスマンな。いくらだ?」

 ポケットから小銭を取り出そうとしたレジアスを、両手がアイスで塞がった店主が顔を近づけて押し止めた。

「いやだなあお父さん、オレたちは知り合いなんでしょ? 金なんて払ったらあの子が気を使っちゃいますよ」
「おま……き、聞いてたのか?」
「昔ちょっと違法魔導師にやられちゃいましてね。補聴器代わりにつけたら、どうも自前の頃よりよく聞こえるようになっちまって……
というか自前でも十分聞こえる大声でしたけど」

 店主が首を右に九十度傾ける。その耳には任務で負傷した局員がよく用いる、聴力補助型の小型簡易デバイスが填められていた。

「元、局員、か……」
「いくら退局して三十年経ったっていっても、同期の出世頭の顔までは忘れませんよ。なんで中将がこんな場所にいて、あの子の
お守りをしてるのかはサッパリわかりませんけどね」
「……スマン、特殊任務というやつでな。他言無用で頼む」
「了解であります、サー。その代わりといっては何ですが、こちらからも一つお願いをしてもよろしいでしょうか?」
「何だ?」
561正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:07:15 ID:5tlXPe+2

「中将は私達志半ばで局を離れざるを得なかった全ての元地上局員、そしてミッド地上に住む全ての人間の希望です。これからも
さらに職務に邁進され、ミッドに恒久的な平和をもたらせるよう一層の努力をお願いいたします」

「言わずもがな、だ……上官に生意気な口を聞きおって。軍法会議にかけるぞ?」
「自分は既に一般市民であります。アイスの配達であれば喜んでお受けしますが?」


 レジアスと店主がニッと笑いあい、レジアスが敬礼のポーズを取る。
 
 レジアスに両手のアイスを渡すと、店主もレジアスに向かって敬礼のポーズを取り返し、二人はもう一度笑い合った。


    ◆


「どうだい、ヴィヴィオ?」
「おいしー! ありがとうございます、レジーおじさん!!」

 アイスを受け取った後、二人は屋台から少し離れたベンチに腰を下ろしていた。
 別に店主に会話の内容を聞かれても構わないのだが、なんとなく居心地が悪かったのが理由の一つ。そしてもう一つのは、彼の
存在を視界に入れたくなかったからだった。

(ミッド地上に住む全ての人間の希望、か……)


 ミッドに住む市民は、自分が首都防衛隊代表としての顔の他に、もう一つの顔を持っている事を知らない。それは一般の市民だけ
でなく、現役、退役に関わらず彼らのような一般局員も同様だ。

 戦闘機人計画。
 人造魔導師計画。
 「聖王の器」製造計画。

 そして、それらの全てが帰結するところ――生命操作技術の完成。


 過程も、結果も、多くの犠牲を伴うと同時に無視できない倫理的な問題を抱えている。


 そんなものに手を染め、あまつさえ地上の戦力増強に利用しようとしていると知れば、あの店主はどんな顔をするだろう。
 今日街で観察した人々はどんな言葉を口にするだろう。

 予想はつく。

 しかし、奇麗事では何も解決しなかったのだ。
 優秀な戦力はそのほとんどが本局や次元航行部隊に吸い上げられる。その事に対し彼らは何と言った?

562正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:08:11 ID:5tlXPe+2

『本局が扱う事件は地上のそれとは規模が違う』
『高ランク魔導師も戦闘機人も地上には過ぎた力だ』
『地上部隊が対応できない案件は本局が指揮を執る』


 ふざけるな。

 規模が違うから?

 だから地上に戦力は投入できない?

 いざとなったら自分達が助けてやる?


 地上で失われる十人の命は一つの次元世界の人間全てより軽いと言いたいのか。

 確かにそれは真実かもしれない、だが命を数の論理で語るのか。

 未だに地上からテロや違法魔導師による犯罪は消えていないのに、その対策ができないというのか。

 事件が起こってもお前達が到着するまで待てというのか。

 その間に、救えるかもしれない命が失われてしまってもいいというのか。


 目の前にあるこの命は……あとほんの少し手を伸ばすだけで救えるというのに!!


「……おじさん?」
「!!」

 ヴィヴィオが心配そうな目で自分を見ていた。

「だいじょうぶ?」
「あ、ああ、だいじょうぶだよ」
「でも……アイスが……」
「あ……」

 既に手に持ったアイスはドロドロに溶けかけて、レジアスの指を汚していた。



「……なるほどな」


 レジアスは立ち上がると、今にも崩れ落ちそうなアイスをゴミ箱に放り込む。
563正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:08:41 ID:5tlXPe+2

「あー、おじさん! 食べ物を残しちゃいけないんだよー!!」
「ああ、もちろんわかっているよ。ヴィヴィオ、君は本当に良い子だな……でも、おじさんはお腹が痛くてね。どうしても全部
食べきれなかったんだ」
「え? おなか……いたいの?」

 アイスを捨てた事に激怒していたはずのヴィヴィオが、一転して表情を曇らせる。

「うん、でもだいじょうぶだよ。すぐによくなるさ」

 レジアスはヴィヴィオの目線までしゃがみこむと、目の前の少女を心配させまいと笑顔を作る。
 
 彼の仕事は、人々がそんな顔をする事を少しでも少なくするためのものだから。






「……いい子……」


「……ヴィヴィオ?」



「おじさん……つらそうだから……こうやっていい子ってするとね、ママは元気になってくれるの」


 伸ばされた小さな手。

 その温もりが余りに眩しくて。


「……ヴィヴィオは……優しいな」


 だからレジアスは嘘をついた。


「……大丈夫だよ……ヴィヴィオのおかげで、痛いのもつらいのも、全部吹き飛んでしまったからね」


 いつもと同じように。いつもと違う気持ちで。
564正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:09:03 ID:5tlXPe+2


「もう大丈夫だよ。時間も遅くなってきた、もう行こうか」
「ダメだよー。おじさんがもーちょっと休んでから」
「そ、そうかい……?」

 ヴィヴィオに手を引っ張られ、レジアスは半ば強引にベンチまで連れ戻された。

「じゃあ、もう少しだけ休ませて貰おうか」
「うん!」

 レジアスが素直に従った事に気をよくしたのか、ヴィヴィオがぴょんと飛び跳ねながらレジアスの隣に腰掛けた。

「おじさん、今日はありがとう」
「何、気にする事はないさ。なんてったって……おじさんの仕事は『正義のヒーロー』だからね」
「せいぎの……ひーろー?」
「そうだよ、ミッドチルダを支配しようと企む悪い奴らをやっつけるのがおじさんの仕事なんだ」

 我ながら上手い事を言ったものだ、とレジアスは思った。

 確かに自分は悪と戦う正義の味方だ。そして、子供に正体がバレてはいけない。
 もっとも理由は『正義の味方であり同時に悪の幹部だから』という脚本家が吊るし上げられそうなものだが。

「じゃあ、ママ達ともお友達なんだね。だってママ達も悪い奴らをやっつけるのがお仕事だって言ってたから」
「……うーん、それは……どうかな。おじさんはヴィヴィオのママ達には嫌われてるかもなあ」
「なんでー?」
「色々と……あってね。ヴィヴィオにはまだわからないだろうなあ」
「……ママ達とおじさん、友達になれないの?」
「……友達……?」
「うん! 友達になるのって、すごくカンタンだってなのはママが言ってたよ。最初は名前を呼ぶの、ちゃんと相手の目を見て
名前を呼ぶだけでいいんだよ、って!」
「名前を呼ぶ……か……」



「ヴィヴィオー!!」


 レジアスがそう呟いた時、若い女性がそう叫ぶ声が聞こえた。


「あぁっ! ママー!!」

 その声を聴いた瞬間、ヴィヴィオが声の方へ向かって走り出す。
 レジアスもヴィヴィオの動きを追って立ち上がる。視線を上げた先にいたのは、ヴィヴィオに向かって一直線に走ってくる女性。
茶髪のロングヘアをサイドポニーで纏めた二人の捜し求める人物……高町なのは。

「ママー!!」

 最後の一歩はダイビング気味に、ヴィヴィオがなのはに飛び込む。
 なのはもしっかりとヴィヴィオをキャッチし、強く抱きしめる。
565正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:09:35 ID:5tlXPe+2

「ごめんね、ごめんねヴィヴィオ……一人で寂しかったよね、本当にごめんね……!」
「んーん、大丈夫! レジーおじさんと一緒に居たから、ヴィヴィオちっともさびしくなかったよー!!」
「……レジー、おじさん? って!?」

 そこで初めてレジアスに気づいたなのはが、驚愕の表情を浮かべたまま硬直する。
 無理もない。自分が逆の立場なら同じように固まっていただろう。先にヴィヴィオの口から名前を聞いていただけショックは
小さかったが、やはり本人を目の前にするとあまりの偶然に驚かずにはいられない。

「……レ、レジアス、ゲイズ中将……」
「気張らなくて結構だよ、今はプライベートタイムだ」

 本当は違うが、まあ似たようなものなのでそう言う。

「そ、それでは本当に今まで中将が……」
「ああ、ちょうど街で迷子になっているその子と出会ってな。成り行きで一緒に居る事になったが……その歳でよく出来た子だ。
よほど親の教育が良かったのだろうな」
「そ、そんな……」
「ただし。その子の保護者に比べ君にはガッカリだ。人の子を預かっておきながら目を離して迷子にしてしまうとは……養子を
迎える前に、もう一度自分を見つめなおしたほうがよいのではないか?」
「は、はあ……」
「む? なんだ、その子は六課の誰かの子供を預かっているのではなかったのか? それとも、まさか本当に君の隠し子……」
「いえ! 中将の言う通りであります!! 今回の件は、まったく私の不徳の致すところであります!!」

 二人のやりとりを黙って見ていたヴィヴィオが、たまらず声をあげる。

「やっぱり……なのはママとレジーおじさんって仲が悪いの?」

「え……」
「む……」

「そうなの?」

「……」
「……」

 沈黙。
 双方とも何と答えてよいものか考えあぐねる。なにせ、立場上は敵味方に近い形の二人だが、実はこれが初対面なのだ。

(むう……)

 ただこの場合、さすがになのはの方から切り出すのは難しいだろう。
 悩んだ末レジアスは――
566正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:10:01 ID:5tlXPe+2

「む、いかん。儂はもう地上本部に戻らねばならん。ではさらばだ!」


 闘争ではなく逃走を選択した。

「あ、レジアス中――」


「それと……楽しかったよ、ヴィヴィオ。ではまた何処かで会おう、ヴィヴィオ……それから、"なのは"教導官!!」
「!?」
「!!」


 レジアスは小走りでその場を去ってゆく。
 あっけに取られているなのはの横で、ヴィヴィオが手を振りながら叫んだ。


「さよーならー……レジー"パパ"ー!!」

「ええっ!? ヴィヴィオ、ええっ!?」


 この後ヴィヴィオから『レジーパパはなのはママとお友達になりたいんだよ』と聞かされたなのはは『それは友達から始めよう
って事ですか?』としばらく悩む事になる。


    ◆


 "パパ"か……
 地上本部への道を急ぎながら、レジアスはヴィヴィオの最後の言葉を思い出していた。

 おそらく、あの少女にとって自分に特別優しくしてくれる人、大好きな人はみんな『パパ』や『ママ』なのだろう。
 だからそう呼ばれた事は素直に嬉しい。しかしその反面、どうせなら『おじいちゃん』でもよかったな……などと考えてしまう。
今の実娘を見る限り、自分がそう呼ばれる事は一生ないだろうと予測がつくからである。
 もっとも彼自身、それは仕方がない事だと諦めていたしそれでいいと思っていた。

 この手は余りにも多くの罪と血でもはや真っ黒に染まっている。そんな手に孫を抱き上げる資格はないだろう。

 そんな風に考えていた。しかし……
 

「……儂はここまで弱かったか? それともこれがトシというやつなのか……お前がいれば何と答えただろうな、ゼスト」


 いつの間にか、自分は周りの人間だけでなく自分自身までも偽っていたのか。
 それとも気づかない振りをしていただけか。

 レジアスはポケットからコインを取り出し、両手で弄ぶ。

567正義のヒーロー:2008/01/01(火) 17:10:25 ID:5tlXPe+2

 おそらく答えは後者なのだろう。

 魔法文化が全盛のこの時勢に自分がこの古典芸能を気に入ったのは、自分に魔力資質がないからではなく、『見る者を欺きながら、
それでいて彼らを幸福にさせる』という点に惹かれたからだったのだから。


 きっといつからかどこからか、自分は道を違えてしまった。

 気づいていながら、なお引き返す道を選べなかった。
 それを止めてくれたかもしれない唯一の親友も、とうの昔に失ってしまった。


 それでも理想も絆も捨てたこの手に掴めるものがあるならば。


「自国では戦場の英雄でも、他国から見れば最悪の敵、だ……」

 正義とは往々にしてそういうものだ。悪には容赦なく力を振るう、そして悪を断ずる基準は自分の中にある正義のみ。
 ならば悪を打ち倒す為に、再び自分は自分の正義を貫くと誓おう。

 そしてこの手に掴んだ力は……その為に使う。

 

 それは、偶然がもたらした小さな出会い。
 歪だがなお揺るぎない信念を持って孤独な道を行く英雄の元に舞い降りた、ささやかな奇跡。
 しかし英雄の剣を染める真紅の血は幾重にも塗り重ねられ、ほんの一滴でその全てを洗い流す事などできはしない。

 ゆえに出会いは始まりたりえず、英雄は再び終わりの見えぬ覇道を進み続ける。
 彼がその死によって歩みを止める、その日まで。



「借りが出来たな……"高町"教導官」



 公開意見陳述会まで、あとX日――



To be continued 魔法少女リリカルなのはStrikerS第16話『その日、機動六課(前編)』
568ておあー(危険球退場):2008/01/01(火) 17:10:58 ID:5tlXPe+2
以上です。お付き合いくださった方、ありがとうございました。
うん、>>129が求めてるのはこういうんじゃないって事はよくわかってる。ただ娘が行き遅……ゲフンゲフン、仕事一筋だったせいで
初孫の顔を見る事ができず逝ってしまった中将に、せやけどそれはただの連れ回しやでもいいからおじいちゃん気分を味あわせて
あげたかったんだ。今は反省している(でもヴィヴィオがパパって呼んじゃったよ的な意味で)。

まあこんな自分ですが本年もよろしくしていただければ幸いです。
569名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 17:13:31 ID:MEwYSJh1
投下乙です!
570名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 17:18:56 ID:H3ICMGbc
>>568
レジヴィヴィがテーマらしいが、
俺はむしろレジなのを妄想してニヤけてしまったGJ!

・・・・・・・・・・・・・・・・

現在485kbにつき、職人様方、投下は次スレにおながいします

以下、感想、雑談ドゾー
571名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 17:30:42 ID:+qHZHk9M
GJです

なにこのおじいちゃんと孫
ほのぼのしてていいな
572名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 17:41:56 ID:yJu5xBZv
GJ!!ナンテイイハナシナンダ。
レジアス職人並みのクオリティ。和みました・・・
573名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 18:40:25 ID:QgbwgBP0
>>568
いや、読みふけってしまった。
GJです!
57439-528:2008/01/01(火) 18:59:39 ID:6FQPkOGB
皆様
明けましておめでとうございます。

>>505
遅レスになってすみません。
私のと似たようなスバル破壊のシーンがあったので、興味持って読んでみました。

最初読んだ時にはちょっとスバルの破壊が突発すぎた感があったのですが、その後の話で
フォローがあったので良かったです。

初めの頃の掲示板形式のギャグも良かったですが、このシリアスな流れからどうなっていく
か楽しみにしておりますので、頑張ってください。



と、ここで、新年のご挨拶を。

昨年は初投稿デビューでお世話になりました。

今見返してみると誤字あり変な表現ありと恥ずかしく拙いものでしたが、ご感想等
を返していただきましてありがとうございました。

前作のエピローグ投下後、次回作を執筆中なのですが…

昨年12/29夜、有明のお祭り(一日目)からの帰りに……財布を落として無くしてしまいました。orz
しかも、現金\70k&キャッシュカード全部&運転免許証&自宅の鍵も一緒に……

とりあえずクレカと通帳は自宅に置いてあったので、最寄りの交番へ行って遺失物届を出して、
銀行へ連絡してキャッシュカードを停止して交番の紹介で鍵屋さんを呼んでドアの鍵を交換
して(約\33k)……

色々やっていたため、有明の二日目は行けませんでした。orz

……まあ、三日目は気分転換を込めて行ってなのは関係の本とかを見て買ってきましたが。


あと拙作「History repeats itself」の「Chapter-E : 02」ですが、ようやく今日になって読めた
クロニカルの記載を見て間違いを見つけました。orz (誤字脱字はもとよりありましたが)

>ジェットキャリバーの両足首あたりにあるギアリングは、既に高速回転をして

ですが、正しくは

>ジェットキャリバーの両足首あたりにあるブレイクスピナーは、既に高速回転をして

でした。orz

申し訳ありませんが、まとめに入って修正されるまでは置き換えて読んでいただきますよう
お願いいたします。
575名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 19:09:19 ID:H3ICMGbc
>>574
>現金\70k&キャッシュカード全部&運転免許証&自宅の鍵

うわー。何という災厄……。まぁ、なんだ?
イ`。財布落とすと、血の気が引くよなぁ…。
576名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:42:27 ID:pBBM12DQ
埋まった?
577名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:43:45 ID:H3ICMGbc
あー。まだ488kbだけど、もうAAで埋めたほうがいい?
578名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:44:46 ID:pBBM12DQ
>>577
もう移動してる大丈夫だと思う
579名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:45:22 ID:nw3iG6LJ
        /, -=ァ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`\   /  ̄ ̄ ̄`ヽ
.       // /.:.:.:.:.:.:-.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽr/.:.:-=ミ .:.:.:.:.:.:.:.'.
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        /:::::/::::::::::::::/ ::::/:::::/::::/:::::/ ::::::{:::ヽ:ヽ ::::::V:ハ:::::::::::i.:.:.:.:.:.:.:ヽ: |
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         |::::::ハ::::Y ::{ ,ィニニニ二r'´  ゞ二ニニニゝ、 /:::::::::::l .:.:.:.:.:.:.:.:! |
         ',:::::l.ハ:::ヘ|::小. ,ィ=≡'´レ   '`ヾ==-、/}:::l :::::::: l:.:.:.:.:.:.:.:: ! |   すこし・・・お散歩しようか
         \{  \{| 八    ' ´:;    ` `  イレ |::::l ::::::::::l::.:.:.:.:.:.:.: ! |
             | ソii        j             |::::l ::::::::::l::.:.:.:.:.:.:.: ! |
             i ,!( ,!      `ゝt''´         |:::::l ::::::::::l::.:.:.:.:.:.:.: ! |
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                i、       ー一        /| :::l ::::::::::l::.:.:.::.:.:.:.: ! |
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580名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:46:34 ID:H3ICMGbc

                                  _
                                〃⌒ヾ
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               ___      /:│,.ィ/ \ ̄ ̄´   \
               \::..::.:`ヽ、  /::.:.j/ / /^     l \   ヽ
                \_::.:..:..ヽ__{::.: イ | _| /|   ハ ! \ lハ
                  `>=ヘ:::マ__j l|]l 斗‐/ハ│ヽlヽ! |
                  /::.:/: {!-'⌒| l| │Wx=、  ィ=、Yヽ| レッツゴーでありますよ
                 〃;ノヽ-}!::.::.:ヘ! l| │{! ′ r ┐⊂⊃
                  {厂ヽ、_::{i::.::.::│ハ  ト、\ __, .イ ∨_____
                /::/    7¨ ̄ ::| │ l >、_Vヽ_{`ト'-、| xー -、/ト、
                 〈::〈::. `ヽ/  .:::::::|  N/ヽ  \∧| ヽ_7>ヘノ  | \
              /_∨l::.`ヽi  .:\:::|  | f\ xー<>‐'´       |   ヽ
                / ̄¨¬=- ニ;__..:::::::| _|⊥ -く ___)      /     | ̄ ̄
             , -―/          ̄ ¨7ハ           、 /、_ノ  |
_____/こ>ー"   /              //∧    l  | (, ノ        |
.   / /´     l_           〃  l       ノ       ┼    !\
     l          ̄¨¬ニ.____/    l     l ┼  ゝ-、 9    :|、 \
     |               \       |   レ (フヽ  ノ       _| }\__)
     |             ヽ  \     |            _,. <_ノ
     |´  ̄`丶、_        \.  ヽ     |        _, -‐'´
.     \    / `丶二>ー\  ヽ  ',    |     _, -‐'´
         \_,/           ̄`ヽ_ノ>、__|__, -‐'´
.    ___/



【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第43話☆
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581名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:47:00 ID:nw3iG6LJ
            / / /_爪   ,ヘ/ヽ/ \∧ヽ三≡≧=_、
          __ =≦三三≡7ト /y′         \:.:.  ̄¬≒≧=_、
      /三:/' ./ / ゙/ /               \:. ヽ \ \ニヽ
     /:三:// / / .: /l/      / /     |  ヽ ヽ :. ヽ \ \|
.     /三/ / / / .:/l/   .:l //|_:| /| .: / / .: |     ', ト \  ∧
        / / /://〃   :.:N゙斗ャl/レ| / /l .: /.:.|.:.|.:.: |リ \:ヽ ∧    ・・・・はい
.       / / :/ ./'/ lヘ:.:ト.:K"ヒソ   レ///|: /.:.l.:.:/   \ヽ \
      / / :イ  /'/ l' ヽ|:.N  ¨´  l/ /'′ |/イ/ノイ     ', i.: ト\
     ///{.| 〈'/    ヘ: ',       _ _   : : 爪 〈;|       |,ヘ.: |
.    / /:ィ/  !.!     / \ゝ、  ´´   / リ`>、        リ .}: |
   /.: .:/ !l  {'      |\ >{::`丶. _.. ィ´:∧ /∧lニlュ、     }:|
    l: : / リ   __, -‐ イ ヽ\:::::{:::::::::::::「l.|:: /:.: ∨/  Flニ! ',   j /
    |.:/    , -〈:∧   !ヽ |::|:.:.:.:`::ー-::V '´.: .: .:|〈  Fl;7 l   /′
    l/     ∨:∧∧ =@ >:>; :.:.:.:.:.:.(( )):.:.:.:.: |ヽ\Fl7  |
   {      |∨∧∧   <:< ∧:.:.::.:.|i| :.:.:.:.:.:.|  //l′  !
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582名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 20:47:52 ID:H3ICMGbc
おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい ,  "´  ̄ ̄ ̄ ̄ `丶おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい
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【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第44話☆
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583名無しさん@ピンキー
                              、 
                                 ヽヽ
__________            , - ―- 、`;. :ヽ 
――――――――― '           /-――-、 `:. :. :.`、, - ― - 、 
---―――´ ̄ ̄ ̄                   , =―-` :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :丶_/ ̄`ヽ、
=====-                    /:. :. , -‐:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.ヽ:.ヽ:. :. :. :._ , -―-  _
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                    _, - '     / ,/ / :. :. :. :. :. :. :. :,:. :. :.,、:. :. :. 、:. :.ヽ:. :. :lゝー 、_ _ , -  ‐ '  ̄
    , ― 、         ,r -―――--レ'///:. :/:. :. :,:. :. :.ハ:./:. :ハ:.lヽ|:. l:.l:. :.l:. :. :|ヽ:. :. :. :.ヽ
` 、/ `l |  `  、             '  イ:. /:. :./:. :.l:. l::.!トリ.レ|.l  l.|リ|斗ハ、:.|:. :.l  丶、:. :. :.ヽ
   ` / /      `  、          /:. l:. i:. :.l:. :.l:. l:. :.|.r行ミ`|  l| 'チ圷》 l| .|l /、   丶:. :. :. :ヽ
.、  / /            `  、      /:. :. l .l:. :.l,:. :l:. ト:.;ル ヒ ソ    ヒ-ソ l .|ィ)  ゝ、  丶:. :. :.`、     こちらスターズ1
  `゛ 、               `、 、   /:. :. :.レ 丶 、|:. :.:|:.| ゝ  ̄       ̄ ,'| |イ    `ヽー---ゝ、:. ヽ    撃墜!
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