【ドラマ】セクシーボイスアンドロボ4【マンガ】

このエントリーをはてなブックマークに追加
432甘いお願い 2/3:2008/07/29(火) 14:55:38 ID:qMtKsMVd
 現れたニコの姿に思わず鼻を押さえてティッシュを取りに走るロボ。
「か、かぁわいい〜っ!!」
「そん……ちょっ、何!?」
 首から提げたデジカメと携帯のフラッシュが遠慮なく、ニコの体に浴びせられる。
「え?何って撮影会」
「ここはアキバじゃありませんー!」
「いいじゃん!ケチ」
 デレデレと鼻の下を伸ばして目も当てられないほどニヤけたロボの目の前には、

 白いレースのエプロン。

 モノトーンのヒラヒラミニスカート。

「ご主人様って言ってみて、ねえねぇ〜っ!」
「勘弁してよー……」

 そう、メイドさん。

「もういいでしょ?着替えさせて!」
「え〜!?まだダメですぅ〜。今日はこれで1日過ごしていただきます」
「はぁ!?」
「や・く・そ・く」
 そう言われると負けた身としては黙るしかない。
 がしかし。
「調子に乗るんじゃないのっ!!」
 怒り心頭のニコにさすがにビビったロボは慌てて方針転換に走った。
「あっ嘘、ウソです冗談です!あ、そうだ、お茶、その格好でお茶入れて。それで終わりに
 するから〜」
 お願いっと頭を下げて両手を合わせられては仕方ない。
「……わかったよ。
お茶だけだからね。コーヒーでいい?(プライドないのかよ)」
「うんっ♪」
 満面の笑みを浮かべられては折れないわけにもいかない。ロボのこういう所に弱いのだ、
と自分の甘さを嘆きながら流しに立ったニコを見ながら、当のロボは嬉しさを隠せない様子で
撮ったばかりの画像を確認して眺めていた。
 実のところ前々から1度はお願いしたい、と思いながらもニコの性格からしてなかなか
口にする事ができなかったのだが、ついにその夢が叶ったのだ!
『昨日思い切って買ってみて良かったよ…』
 あとはニコが意外と単純で負けず嫌いな事も勝因の1つ、ロボにとってはしてやったり、
てなもんである。
433甘いお願い 3/3:2008/07/29(火) 14:57:41 ID:qMtKsMVd
「はい、コーヒー入ったよー」
「あの、あれもお願いしマックス」
「…………おまたせ致しました。『ご・主・人・様』!これでいい?」
「いい、いい、いい〜っ!!くうぅ、日本に生まれて良かった〜っ!」
 バカ、と口パクで睨むニコの冷たい視線にもめげずにコーヒーに口を付ける。
 それにしても、と眺めるニコのメイドさんは本当に可愛い、と改めて思う。

 結び目の具合で普段より強調された胸の膨らみや、白いレースの付いたオーバーニーと
ミニスカートの間に見えるいわゆる『絶対領域』と呼ばれる肌の部分が、ニコの肌の白さを
一層引き立てて色っぽい。
 これに猫耳が付いたら……などと更によからぬ(?)想像を働かせながら、コーヒーに
紛れた生唾をゴクン、と飲み干した。

「ねえもう脱いでもいい?」
 着替えてくるね、と膝を立てたニコを
「まっ……待って、もう少し」
と慌ててロボは腕を掴んで引き止めた。
「なっ、何よう、もういいでしょ?いい加減恥ずかしいしー」
「そんな勿体無い!可愛いのに。もう少しだけ、ねっ!?だから、だからっ……」
 肩を引き寄せニコにキスをすると、その勢いで服の上から体を撫で回した。
「んっ、だめ、だってば」
「ん〜、俺もう無理……。理性が限界突破であります!ていうか可愛い過ぎる〜っ。ああもう
 脱がなくてもイケる!」
「え、あの、でもほら、服だめになっちゃうよ?って、ボタン外さないで。スカート捲るな!」
 押し倒した体の上で動きを止めたロボにニコがホッとしたのも束の間。
「じゃ、脱がせばいいんだな?」
「は?あの、えっと……ひゃあぁっ!?」
 後はもう、突き進むのみ?



 それから数十分後、変態!と罵りながらオーバーニーを脱ぎ捨てるニコと、側で赤い手形の
ついた頬を撫でながらも満足感から笑いが止まらないロボ。
『今度は横にあったチャイナドレスに挑戦してみよう』
などと懲りずにどうしたら着て貰えるか、と頭を巡らせていた。

* * * * * * *終わり
434名無しさん@ピンキー:2008/07/29(火) 15:06:51 ID:NdOQYc7R
Good Joooob!
来週の放送が益々楽しみになったw
435名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 12:32:00 ID:QXfbUh7o
メイドコスニコ!萌えの境地!
ロボの考えそうなことだw
GJ!
436名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 00:42:58 ID:Tyz3XNvt
数十分後ってのは、SEX終了後って意味なんでしょうか?
2人のその辺の設定の前提をおしえて〜
437名無しさん@ピンキー:2008/08/03(日) 00:43:22 ID:Tyz3XNvt
書き忘れました
GJです!!!!
438名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 22:45:04 ID:sCStQWjD
取り敢えず保守
職人さんGJ!
439名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 03:11:42 ID:jHCUjlfw
GJ!!!!得ろ万歳!
440名無しさん@ピンキー:2008/08/15(金) 05:39:54 ID:Efc9O+qL
星ゅ
441名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 17:54:21 ID:nn4RBzrp
ss作者もお盆休み?
442夏色 1/5:2008/08/22(金) 07:50:27 ID:h2CuM/xm
ある夏の一日のお話。微エロまでもいかないでしょうか…

××××××××××××

一緒に行こうとロボと約束をした夏祭りの日。
朝から爽やかさとは程遠い生暖かい風が頬に纏わりつく。
夏の暑さを主張する蝉の合唱にうんざりしながら、着慣れない浴衣に履きなれない下駄で
いつもと違うリズムを足音に刻んでようやくロボの家へとたどり着いた。

「ロボいるー?」
お決まりの文句で勝手知ったる部屋に上がりこみ、ロボは…と姿の見えない主を捜して
あたりを伺うと気持ちよさそうに寝息をたてて熟睡中のよう。
「ロボー、寝てるの?」
「…あと30分だけ〜……」
気だるそうに返事をかえして大きな身体が寝返りを打つ。
そばにあるテレビの前にはロボットアニメのビデオが整然と置かれている。
どうやら昨日は夜更かしをしたらしい。
「また観てたんだ。ほんと、飽きないよなぁ。感心するわ」
意味無く頷きながら、冷蔵庫から麦茶を取り出した。
「まだ時間は充分あるし、あと少しだけこのままにしといてあげるか」


ニコ様専用のコップと一緒に卓袱台に運んだマックスロボを相手に時間をつぶす。
「ねえ、マックス。あたしの浴衣姿、どうかな?似合ってる?」
澄みきった夏の空を思わせる青色にひまわり柄の浴衣。
「あのねぇ、お母さんが作ってくれたんだよ。意外でしょ?
ああ見えてもうちのお母さん、こういうの結構得意なんだよ」
決して高価の物ではないけれど、あたしには素敵な贈り物。
小さい頃もあたしと一海ちゃんの浴衣を仕立ててくれたんだよねぇ。ついでにお父さんの分も。
それで家族揃って夏祭りに行ってさ。懐かしい。
今は皆で出かけることもなくなっちゃったな。
いつからだっけ?
まず彼氏ができた一海ちゃんがそっちを優先するようになって、
あたしはあたしでむーちゃんや他の友達と遊ぶことが多くなっていた。
そして今年はロボと一緒に過ごす始めての夏をときめきと愛しさとほんの少しの切なさを
胸の奥に新しい一ページとして積み重ねている。
でも、だからといって遠い昔の思い出がなかったことになったりはしないんだ。
443夏色 2/5:2008/08/22(金) 07:51:40 ID:h2CuM/xm
ある日の食事時、唐突に『ニコに似合う浴衣を作ってあげるわ』なんて言い出したお母さんが
頼みもしないのに取り付かれたようにミシンに向かう姿が不思議で仕方が無かった。
けど、なんのことはない、あたしが一海ちゃんにポロッと漏らした一言をお母さんに伝えたらしい。
『ニコってば、夏祭りに浴衣で行きたいらしいよ』
ただロボと行くんだって喋っただけなのに、恐るべし一海ちゃん。

そんな一海ちゃんでも、時として優しい?お姉様に変わる。
「この髪型結構可愛いでしょ。一海ちゃんがやってくれたんだよー。
それに誰も何も言わないのにお化粧までしてくれてさ」
そこまではいいって拒むあたしを強引に説き伏せて
「好きな人のために綺麗に見せるのは当然のことよ。
夏の暑さは人を積極的にさせて、恋人達を燃え上がらせるの」
恋愛のプロセスにおいて手を抜くなんて一海ちゃんのセオリーに反するらしく、
故にあたしの意見なんて聞いちゃいない。
「素顔もいいけど少し手を加えるだけで女の子は変わるものよ。
見た目だけじゃなくて気持ちも華やいで内面も美しくなるの。
二コは綺麗な肌してるし、メイクはナチュラルでいいかな。
安心してこの私にまかせなさい!」
おもちゃにされている気がしないでもなかったけど一海ちゃんのセンスの賜物か鏡に映る自分に
わけもなくドギドギした。

夏の始まりに街で見かけた色っぽい浴衣姿の美人なお姉さんに例のごとく鼻の下のばして
いつまでも後姿を追いかけていたロボがおもしろくなくて
『ニコも夏祭りに浴衣着てきてほしいな〜』って、しつこい願いを
『めんどくさい。第一浴衣なんて持ってない』なんてつれない態度をとって
ロボの望みどおりになんてしてやるもんかって思っていたのに。
あたしときたらどうやら自分で想像している以上にテンションがMAXのようだ。
これも夏のせい?


手持ち無沙汰に本が並ぶ棚のほとんどを占めているロボット関係の雑誌を
適当に抜き取ってめくっていると
「あ、いいな…この音」
軒下で涼しげな音色を奏でて風鈴が揺れている。
一週間程前に買い物帰りにたまたま立ち寄った縁日であたしとロボがお揃いで買った風鈴。
耳に心地よく響く夏の音に心癒される。
二人で交互に飲み干したひとつだけのラムネの瓶はなぜか捨てられることなく窓辺で碧く透き通る。
444夏色 3/5:2008/08/22(金) 07:52:41 ID:h2CuM/xm
「あれ、もうこんな時間だ」
静かに時を過ごし、気付いたらすでに二時間は過ぎようとしていた。
だけど当のロボは一向に目を開く気配はなくてあたしは段々と苛立ちを深めていく。
「ねえ、ロボぉ。そろそろ起きようよー」
タオルケットに隠れた身体を揺らしてみたが、反応はまるでなし。
だったらセクシーボイスを駆使して色っぽく囁いてみる?って話なんだけど
そうそういつも使っていたら効果も薄くなってくるわけで
始めの頃は簡単にひっかかってMAXな早さで跳ねるように飛び起きて、正体があたしだってわかると
『また騙したなあ〜』って、ブツクサぼやいていたのに。
最近はフツーに目覚めて、ふにゃと表情を崩して、『おはよ〜二コ』と寝ぼけ眼で大きなあくびを繰り返す。
フツーすぎてなんかつまんない。
ま、ロボもそこまで間抜けじゃないってことか。

「う〜ん……ムニャムニャ」
「いつまで寝てるの。もうお昼すぎてるよー」
「まだいいだろ〜」
そう言ってまた無駄にデカイ図体を回転させて足を投げ出す。
まったく寝ぞうが悪いんだから。
「ダメだよ!」
「や〜だ」
ロボットの柄がプリントされたタオルケットをめくろうとするあたしとめくられまいと必死のロボ。
このままでは埒が明かないと踏んだあたしは
「起きなさい〜〜!」
「あ゛!?いててッ、いひゃいぃ!」
だらしなく横たわるロボの左右の頬をつまんで無理やり引っぱりあげた。

「……グズッ。酷いよ、あんまりだ」
鼻声まじりに涙目で頬をさするロボ。
しばらくして
「あれ、ニコ」
「え?」
落ち着きを取り戻した声に振り向くとロボがじっとあたしを見ていた。
「ニコ、その格好…」
沈黙が空間を包み、あたしは魅入られたように動けない。
何か言ってよ、ロボ。
「あれだな……馬子にも衣装ってヤツ?」
「はあ〜!?」
予期していなかった言葉に思わずカチンときた。
「何それ、サイアク!ロボのバカッ。あたし帰る!」
「うわぁ、ちょっと待って!違うって、ニコッ」
怒りに任せて身を翻すと慌てたロボに腕を掴まれて、突然の引力にあたしは
なすすべなくロボの腕の中に倒れた。
「大丈夫、ニコ?」
心配そうに見下ろすロボを押しのけて起き上がり
「もう、やだ〜。せっかく綺麗にしてきたのにぐちゃぐちゃになっちゃうよー」
髪に触れながら声を尖らせるあたしをロボは身体をずらしてベッドに端に腰掛け曲げた膝で
囲むようにして両手を優しく重ねる。
ロボの暖かい手は男の人と思えないくらいに柔らかい。ほのかにラムネの甘い味がした
あの日の唇と同じように。
445夏色 4/5:2008/08/22(金) 07:53:29 ID:h2CuM/xm
「ごめん。さっきのは冗談だからね!今日の二コは可愛いよ。
いつも可愛いけど、今、俺の目の前にいるニコは特別綺麗だ」
「ほんとに?変じゃない…?」
伏し目がちに問い返すあたしに
「うん、よく似合ってる。嬉しいな、俺」
よかった喜んでくれて。どうしよう照れちゃうよ。恥ずかしい。
「ありがと。 あ、ご飯食べる?」
と、ロボからすり抜けようとしたあたしの手首を掴んでそこから離れることを許さない。
「ロボ?」
ニヤニヤしたかと思ったら、えーっとね、と目を閉じ唇を突き出す。
「何、それ」
「おはようのキス」
「はあ?今、何時だと思ってんの」
「チューしてくれたら起きる〜」
「マジで言ってるんだ…」
「うん♪」
いい歳して甘えるロボに大きな子供が駄々こねるみたいだと思いつつ
じっと自分からのキスを待つロボにふとあることを閃いた。
よし、ちょっと驚かせてやれ。
肩に手を置いて軽くチュッと音をならすと嬉しそうに瞼を開きかけたロボの唇を再び塞ぐ。
首に両腕を絡ませて口内へ大胆に忍び込む。
「んっ…ニ…」
強く押し付けた唇の隙間から息遣いにまぎれて漏らす声に抗う様子は感じられない。
だって、あたしからのキスを拒む理由なんてないでしょ?
ねえ、ロボ。

やがてロボの長い腕が撫でるように背中から腰へとすべり、ぎゅっときつく抱きしめられて
より密着する二人の体温。
途切れ途切れにお互いの吐息が熱く零れて、長い口づけが終わりをつげると
唇から名残惜しそうにひいた糸が口元を濡らして白く光らせ、あたしはゆっくりそれを舌で掬い舐めた。
「少し付いちゃったね…」
あたしの色に薄っすら染まるロボの唇を指先で拭い、輪郭をなぞりながら
ぼうっと虚ろなロボの漆黒の瞳に自分の姿を映す。
「完全に目が覚めたでしょ?」
「…うん。俺、ヤバイかも……」
「ヤバイって、何が?どういうこと」
更に距離を縮めるあたしにハッとして未だ自分の頬に添えられたままの腕を振りほどく。
「その…だから、色々とヤバイんだよッ。
こんなキスされたら、それだけでも溶けそうなぐらい気持ちいいのに
昼間から押し倒したくなるだろ〜」
額に汗を滲ませ、ロボは堪りかねたように焦りの色を見せる。
…ああ、そういうことか。
そんなに刺激強すぎたかな?
446夏色 5/5:2008/08/22(金) 07:54:19 ID:h2CuM/xm
「やだー、何考えてんの、ロボ」
「しょうがないでしょー、男の生理的現象というか…。
それもこれも全部ニコのせいだよ!どうしてくれるの?」
「知らなーい」
って、とぼける振りして、ロボの耳に唇を寄せ甘く囁く。
「もう一回してあげようか?」
ふぅと息を吹きかけると
「ちょっ、それが危険なんだって!」
赤く色づいていく耳を押さえて後ずさり窓ガラスに勢いよくロボは頭をぶつけた。
バッカだなぁ。
「いってー!」
いつになくキョドっている様が可愛く思えて実におもしろい。
もう少し苛めてやりたい気もするけど。

「はい。じゃあこれで終了〜」
「え」
「なあに、何かご不満でも?」
あ、いやとちょっぴり残念そうな本音を覗かせて、
「まあ、いっか。ニコが俺のために着て来てくれたものをすぐに脱がせるのは悪いから、
今夜までは浴衣美人を存分に堪能して、楽しみはその後にとっておくことにしよう。うん、それがいい」
ひとり納得顔で言うとさっとうなじにキスして素早く離れた。
「こらッ」
「お返し〜」
ふいに襲ったくすぐったさに手を当てて小さく睨んで
もう!と背中を小突いて、その場から追い立てる。
触れた首筋が熱い。
あたしの手中にあった甘い果実はあっというまにロボの掌へと転がり落ちていく。
どうしても物事の結末はロボに軍配があがってしまう。
恋の神様は気まぐれだ。ずるいなぁ。

「どうしたの、ニコ。難しい顔して」
「ううん、別に。ロボ、さっさと着替えなよ」
ロボの肩越しに吸い込まれそうな青が一面に広がって遠くの空には真っ白な入道雲が立ち昇っている。
「あの入道雲、綿菓子みたいでおいしそう」
「え〜、どこがだよ〜」
真新しい洗い立てのシャツに袖をとおしながら、ロボが呟く。
「……なんて、実は俺も昔から夏の空を見るたび全く同じこと考えてた。
ソフトクリームにも見えない?」
「見える!あ〜なんか、イヤシイよねぇ、あたし達って」
「え、イヤラシイ?」
「バカ」
「バカじゃないです〜。オタクです〜」
おどけて笑うロボの顔はとても眩しくて真夏の太陽にも負けやしないと思う。
その笑顔は反則だ。

「今日も暑そうだなぁ」
「そうだね」
チリンと風にそよぐ音色に交じり、にぎやかな子供達の声が窓の外で弾けて
二人の肌を射す夏色の風景とともにその眩しい煌めきをそっと瞼の奥に閉じ込めた。


終わり
447名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 08:26:58 ID:beNggZMo
あ〜いい!
心に沁みた
GJ!
448名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 21:08:45 ID:BsbTV42O
>あたしの手中にあった甘い果実はあっというまにロボの掌へと転がり落ちていく

わかる気がする〜
何だかんだ言ってもロボのペースに巻き込まれるニコが可愛いw
詩的な文章が素敵だとおもいました
GJでした!
449名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 04:39:33 ID:+tcA3M0M
積極的に迫ってみるニコいいな〜
gj!
450名無しさん@ピンキー:2008/08/31(日) 00:22:48 ID:8U5uDDQH
保守
451名無しさん@ピンキー:2008/09/04(木) 07:11:18 ID:G2qQkof3
とりあえずほしゅ
452名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 04:02:17 ID:6GZyIJMt
何ヶ月ぶりかにここのぞいたよ!
職人さん方マジGJ!

次スレものんびり続いてくれたらうれしいな
453名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 22:25:45 ID:aSNqWxeh
本スレで続編書いてた人、こっちくればいいのに・・・
全年齢板じゃないからやっぱ誘導はまずい?
454名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 07:57:22 ID:LJTPgmgj
>>453
このスレの存在を知らないのかな?どうなんだろう?
もしそうならテンプレやSSスレってカキコから
気付いてくれるのを待つしかないかなー




455名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 13:48:54 ID:1+HsLuBe
あのまま流れてしまうのももったいない気がするね
456名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:19:13 ID:y7eqA4BU
そろそろ作品が読みたい…
457僕の好きな花 1/10:2008/09/16(火) 13:57:37 ID:SFb3SI6E
残り容量埋まるかな?位のがあったので投下します。一海ちゃん絡みでエロ無し、ベタな話です。


* * * * * * *

「ロボあたしに隠し事ない?」
「えっ、べ、別にっ。何にもないよっ!なんでっ!?」
「別に……ただ言ってみただけ」
 その時ふとテレビから流れて来る流行の曲が耳に届いた。
 今上映中の恋愛映画の宣伝が画面いっぱいに映っていた。私はそれについて大した興味は
なかったんだけど、ロボはというと普段アニメを食い入るように見てるのと同じ顔して
画面に釘付けになっていた。
 話題になっている熱烈とも言える激しいキスシーンを、それこそ穴が開くのではないか
と思える程眺めてゴクリと生唾を飲んだ。(多分聞き取れたのは私だから)
「ロボ、この映画観たいの?」
「えっ?……いや、何かヒットしてるみたいだから面白いのかなって……ていうか
 こういうのは恋人同士で観るもんでしょ!?」
「まあね。ロボには関係ないか」
「あ、まあ、うん……って悪かったな!」
「はいはいゴメンゴメン」
「心がこもってなーーーーい!!」

 いつもの通りの私と、そしてロボ。一見そんな風に見えるけど、多分何かが変わろうとしている。

 ロボ、嘘つくの下手だね。

 あれは数日前。
「あ、一海ちゃんだ」
 学校の帰りにカフェで窓際に座る一海ちゃんを見つけた。
 1人だったから珍しいと思って見ていたら、どうやら誰かと待ち合わせしていたようで
出入口の方へ軽く手をあげた。
「また新しい彼氏ー?」
 そんなのいつもの事で大して驚きもしなかったんだけど、暇だしまあ今度はどんな相手か
見てやれ、なんて私にしては珍しくその日に限ってちょっとした好奇心が働いた。
 今にして思えば、それは虫の知らせというのか第六感?というものだったのかもしれない。
 何故ならその時一海ちゃんの前に笑顔で座った相手とは。
「……うそっ……!?」
 それは間違いなく、


 ロボだった。

458僕の好きな花 2/10:2008/09/16(火) 13:59:19 ID:SFb3SI6E
 あれだけ昔はロボの事嫌がってたのにな。だけどいつの間に……。
 昨日の事を思い出しながら目の前のロボを見る。いつもと同じ。部屋でグダグダしている私達。
「ねえ、あたし邪魔じゃない?」
「ん?別にいつもの事じゃん。なに今更」
「いやだってさ、出掛けたり誰か来たりとかしないのかなーって。……その、デートとか、さ」
 そう言うとロボは肩をビクッとさせてこっちを見た。
「……何だ!それは俺に対するイヤミか、あてつけか、それともイジメか!?」
「ああもう、いいや。ハイハイ悪かったよ」
「だあ〜か〜ら、心がこもってないっての!!」
 本当に普段通り、表面的には何ら変わりなく私達は重なり合う時間を過ごしている。
 それはあの頃とまるで同じ感情を互いが持ち合わせているから。
 そう、何ら変わりなく。
 頭は下げて手元のロボットを見てるように見えたけど、ちらりとロボがテレビに目線
だけをこそっと向けたのがわかった。
 またあの映画のCM。
 ああそうか、もしかしたらそうなのかもな。
 バッグを手にすると私は立ち上がり、玄関に向かった。
「どこ行くの?」
「帰る」
「えっ、来たばっかりじゃん!何で?」
「ん、来週からテスト。勉強しないとね」
 ロボの顔を何となく見ないようにしながら靴を履くと
「んじゃ」
と軽く背を向けたまま手を挙げてドアを開けた。
「そっかぁ〜……頑張れよ!!」
「うん」
 そのままできるだけ普通に部屋を出たけど、階段を降りる足はもつれそうで、このまま
転がり落ちてしまうのではないかという変な恐怖に駆られながら、半ば逃げるように
家へ帰った。

 どうしちゃったんだろう私?
 急にあの部屋に居るのが……

 ロボの顔を見てるのが、嫌になってしまったのだ。
459僕の好きな花 3/10:2008/09/16(火) 14:01:17 ID:SFb3SI6E
 翌日の日曜もロボには会わず、テストと言った手前(本当にそうなのだが)部屋で
教科書を開いてはいた。中身はというと全然理解などできていないんだけど。
 1日そんなふうに無駄に過ごしたところであっという間に外は暗くなった頃、
「ただいま。あ、二湖いたんだ!?」
朝から張り切って出掛けていた一海ちゃんが帰ってきた。
 何よ、いたら悪いの?少しムッときた。
「……お帰り。一海ちゃんデートどうだった?」
「ん〜まあまあね。珍しいね?二湖がそんな事聞くなんて……まさかついに恋でもしたの?」
「違っ」
「照れなくていいじゃない。もしそうならい・つ・で・も相談に乗るからね♪」
「もう違うってば!放っといてよ!!」
 しまった!ハッとした時には一海ちゃんの驚いた顔が目の前にあった。
「あ、ゴメン……ちょっと試験前で苛ついててさ」
「あ、そっか、私こそ邪魔してごめんね。階下に行ってるから」
 私何を苛々してるんだろう。何も悪くないのに、一海ちゃん……ごめんね。


 試験は散々だった。
 多分辛うじて赤点は免れたって所かな?
 終わったものは仕方がないと開き直って、気分転換にちょっと商店街をぶらついて
帰ろうとしていて、ふとある場所で懐かしさに立ち止まった。
「また花屋になったんだ……」
 そこは以前『NH』の看板のあった花屋。
 店先に並んだ花を眺めながら、過ぎてしまったあの刺激的な日々を思い出す。
 もう戻ってなど来ないあの頃の私達。
「あれぇ、ニコ今帰り?」
「ロボ」
「花なんか見て……どうすんの?買うの?」
「あ、いや別に」
 その時店員さんと目が合ってしまって、何となくその場を離れにくくなってしまった。
「えっと……じゃ、これ1本下さい」
 適当に目に付いたピンクの薔薇を指差した。
「それにするんだ?ふーん。綺麗だね」
 バケツから引き抜かれた1本の薔薇を眺めながらロボは言った。
「そうだね」
 私の返事に頷きながら嬉しそうに花を見つめる瞳はきらきらして、その眩しさに思わず
目を逸らした。
460僕の好きな花  4/10:2008/09/16(火) 14:03:02 ID:SFb3SI6E
「なんていうの?それ」
 帰り道、ロボがラッピングされた薔薇にサービスで添えてくれたかすみ草を指差した。
「かすみ草って言うんだよ。知らないの?ま、花なんか縁がなさそうだもんねー」
「し、失礼だな!!……でも不思議だな。1本でも綺麗なのに、これを添えるだけで薔薇が
 一層際立つんだね」
 確かに、そのままでも綺麗な花がかすみ草ひとつでさらにその姿を引き立たせているみたい。
「あ、ねえニコ、その、一海ちゃん、何か言ってた?」
「え、別に。何で?……会ったりでもしてるの?」
「い、いやべっ別にっ!?会ってないよ、全然会ってない!会うわけないじゃん」
 あ、そう。別に力一杯否定しなくてもいいのに。
 ……バカみたい。
「ああ、あのさ、この前言ってた恋愛映画ってさ〜、好きかな?」
 見上げたロボの顔は、耳まで真っ赤だった。
「……知らない」
 その顔を見てしまった私は、なんだかわからない苛立ちに襲われかけていた。
「ん、ニコ何怒ってんの?俺なんか悪い事言った〜?」
 いつもの脳天気なイントネーションが、私の苛々を益々刺激する。
「そんなの自分で聞けばいいじゃん!!バカじゃないの?」
「えっ、ちょ、何だよそれ!?ニコ何怒ってんの?」
「怒ってなんか……」
「怒ってんじゃん!!」
 バカ。私が何も知らないと思ってるんだ。
「……あたし、もう帰んなきゃ。明日もテストまだあるんだ」
 持ってた花をロボの胸に押し付けた。
「あげる」
「ちょ、ニコ待てよ」
「一海ちゃん、ああいうの好きだよ。多分観たがってるんじゃないかな?」
 わけがわからない といった顔でその花をロボが掴むのを確認すると、私は背を向けて
駆け出した。
 ロボが何か言いながら追ってきたけど、聞かないように必死で走った。やがて振り向くと
夕方の人ごみに紛れてその姿は見えなくなった。
「あたし、どうしちゃったんだろう……?」

 ロボの顔がまともに見られなかったんだ。
461僕の好きな花 5/10:2008/09/16(火) 14:04:13 ID:SFb3SI6E
 その日の夜、ロボから電話があった。正直出る気が何故かおきなかったけど、出ない
理由を見つける方が面倒な気がした。
『もしもし、ニコ?俺だけど……まだ何か怒ってる?』
「別に何でもないってば。テストでちょっと苛ついてんだ、ゴメン、何?」
『ならいいけど……あのさ、今週の土日どっちか暇?』
「は?……何で」
『いや、何でってその、あの、ちょっと付き合ってほしいなと』
「……一海ちゃんに言えばいいじゃん」
『えっ?もうそっちから聞いちゃったの!?』
 電話の向こうでうわぁ!とかマジで!?とか喚いて慌てふためいた声が聞こえた。
『ん〜仕方ない……じゃ、そういうわけで、ニコもどう、かな?』
 仕方ないって、じゃ、って。
「……無理。その日、用事あるから」
『あ、そうなんだ。じゃ仕方ないな〜……』
「ごめんね」
 嘘、ついちゃった。
『いいよ。あ、テスト頑張って』
「うん」
『花ありがと。これ綺麗だよな』
「そう?」
『うん。なんかさ、このかすみ草?っての、ニ、ニコみたいだよね』
 携帯を持つ手が、向こうから聞こえるロボの声に一瞬にして凍りついた気がした。
「……そうかな」
『うん。似てるよ。ニコに』
 明るく言い放つ声に私の目の前は少しずつ影を落としてゆく。
「じゃあ、薔薇は一海ちゃんだね」
『え〜?そうかなぁ』
「似合うと思うよ。ロボ、プレゼントしてあげたら?じゃ、勉強するから切るね」
『へ?あ、うんバイバ』
 言い終わらないうちに電話を切った。
 これでいい。
 今度こそロボは好きな人を諦めたりはしないだろう。
 以前のように、いつか来るかもしれない別れの日々に脅える事はもうないのだ。
462僕の好きな花 6/10:2008/09/16(火) 14:05:48 ID:SFb3SI6E
 なのに、私は一体どうすれば良かったんだろう。叶ったはずの願いも、ずっと本心から
願ったロボの幸せも、何故か笑顔で喜ぶ事を躊躇っている。

 一海ちゃんはあのピンクの薔薇みたい。1本だけでもとても綺麗で、その存在感を
示して立っていられるんだ。
 でも私は。
「かすみ草かぁ……」
 誰かに寄りかかってひっそりと、まるで引き立て役みたいに咲いている。
 薔薇がある限り決して主役にはなれない。
 そしてそれは当然の事で、誰からも責められるものではない筈なのに、微笑むロボと
一海ちゃんの顔を重ね見る事ができない。
 苦しくてたまらない。
 なんで話してくれないんだろう?
 何を隠してるの?
 ううん、違う。そうじゃないんだ。それだけじゃないんだ。
 この痛みは私が今まで経験した事のない……ううん、多分1度だけ。そう、1度だけ
同じものを味わった事がある筈……。

 薔薇の一海ちゃんとかすみ草の私。

 私は今日ほど一海ちゃんを羨ましく思ったことはなかったかもしれない。



 試験と言っておいたからか、あれから数日経つが電話は掛かってきていない。
 まあ掛かってきてもどうかと思うんだけどね。
「ねえ二湖、この服どう?」
 お風呂に入って部屋に戻ると、一海ちゃんが明らかにデートモードに入ってる。
 今着てるワンピはこの前給料日に買ったばかりのやつだし。
「うん、いいんじゃない」
 当たり障りのない返事をして何気にテーブルを見ると、ある物が目にとまった。
 それはチケットだった。あの映画の。
「一海ちゃん……これ、行くの?」
「え、あ、うん2枚あるからって貰ったのよ。だから行こっかなって」
「へえー……彼氏と?いいね」
「うん。……やっぱり珍しい。二湖がそんな事言うなんて」
「えっ?そ、そっかなー」
「ああ、さてはやっぱり好きな人出来たんだっ!?」
 いきなり何なんだ!一海ちゃんは私の顔をのぞき込むとニヤニヤしてる。
463僕の好きな花 7/10:2008/09/16(火) 14:07:39 ID:SFb3SI6E
「二湖も行くんでしょ?」
「行かないよ」
「嘘、だって誘うって言ってたのに……」
 そこまで言っといて「しまった!」という顔で慌てて口をつぐんだ。
「誘うって誰が?」
「え、えっと、何でもないのよ。何でも」
 ふざけてるの?何だか本当にいい気がしない。
「……ねえ、一海ちゃんの彼氏ってどんな人?」
「え?どんなって……あ、やっぱり二湖何かあったんでしょ?」
「ないよ」
「もう、隠さなくっていいよ?お姉ちゃんが聞いてあげるってば」
「もう、いいってば!」
 私の苛立ちはついにピークを迎えてしまった。
「何なのよ2人して、はっきり言ったらいいじゃない!?あたしになんかコソコソ
 しちゃってさ!今更隠すことないじゃない。おかしいよ、一海ちゃんも……」
 ロボも。
「二湖!?ちょっとどうしちゃったのよ。本当に何かあったの?」
 何もないから怒ってるんじゃない。頭にきちゃってるんだよ。
「ね、もしかしてあの……オタクと何かあったの?」
「何も。何もないよ。言ってくれない。あたしには……」
 打ち明けてはくれない、何も。
「そう、そうなのね。わかった」
 そう言うと一海ちゃんは携帯を取り出してどこかへ掛けた。
「もしもし、一海です。ちょっとどういう事なんですか?話が違うでしょう!?」
『えっ、一海ちゃん?違うって……いや、それはその』
 ロボだ!そっか携帯知ってるんだ。って何で一海ちゃんが怒ってるの?
「私ちゃんと言いましたよね?二湖にはちゃんとあなたから伝えて下さいねって」
 あー、ロボから私に言うはずだったのか。
『いやそれがその、言う前に斬られたと言うかその……』
 はっきりしない奴だなぁ。だったらさっさと言やいいのに。また振られちゃうよ?
「そんなだったら私、姉としては大事な妹預けるわけにはいきませんから!!」
 ほらいわんこっちゃない……。

……………は?

「えっ!?」
 何でそこで私が出てくんの!?
 向こうで『ごめんなさい』というのを最後に電話は終わっていた。


464僕の好きな花 8/10:2008/09/16(火) 14:09:17 ID:SFb3SI6E
 マーックス!の歌声と共にガサガサと袋の揺れる音が聞こえる。それからゆっくり
階段を昇る足音、そして……
「ただいまっくす〜……って、あれっ!えっ、いたのっ!?」
「お帰り。いちゃ悪い?」
 ううん、と言いながらパン耳のいっぱい入った袋を流しに置く。さっきの音はコレか。
ていうかいつも挨拶してんのか?誰にだ。……ああ、ロボット達か。
「ニコ、テスト終わったの?」
「うん」
 そっかぁ〜って言いながら奥に着替えに行くロボを目で追うと、ちゃぶ台の上の牛乳瓶に
挿した薔薇とかすみ草があった。
「ああ、それもう元気なくなってきちゃったんだよね……ごめんな、せっかく
 くれたのに」
 ちゃんと飾ってくれてたみたい。水も綺麗だし、大事に手入れしてくれて。
「いいよ、仕方ないもん。それよりちゃんとあたしにも話してくれないかな?……一海ちゃん、
 ロボに聞けって教えてくれないんだもん」
 2人で何を隠してるの?
 一体何がしたいのよ。
 気になるよ、とても。
 上着とネクタイを掛けるとロボは私の目の前に座り、あるものを取り出した。
「これ、さ、行かない?」
「誰と?」
「俺と」
「誰が?」
「ニコ」
 …………は?
「えっ?チケット2枚あるけど」
「だから俺とニコ」
「一海ちゃんも2枚持ってたけど?」
「うん俺があげたの。2枚あるから彼氏とどうぞって。得意先から貰っちゃって
 余るのも何だし、一海ちゃん相談に乗ってくれたからさ、お礼というか何というか」
 2枚あるからって、どうぞって……ああ、『2組』あったわけね。それでか。って、あれ?この展開は。
「ロボが一海ちゃんと行くんじゃなかったの!?」
「へ?何で俺がっ!?一海ちゃんにはちゃんと彼氏がいるでしょ。あれ、ニコ
 知らなかったの?」
「知らない。じゃあ何でロボと一海ちゃんが会ってたの?あたし見たんだよ」
 カフェでの目撃談を明かした。
465僕の好きな花 9/10:2008/09/16(火) 14:11:16 ID:SFb3SI6E
「見たのっ?じゃあ話とか全部聞いちゃったの!?」
「聞いてないからわけわかんなくて、こうなってるんじゃん」
 そっか、って呟いたきりしばらくの間黙り込んでいたが、やがて顔をあげた。
「……あのさ、うまく言えないんだけど、例えばこの薔薇ってさ、かすみ草が無くても凄く
 綺麗なんだけど、添えられることでもっと魅力的に見えるんだよね」
 それってやっぱ、引き立て役って事じゃん。
「つまりさ、その花の良い所をちゃんと見せてくれるんだよね。……俺さ、ニコといる時の
自分が凄く好きなんだ。無理して飾らなくてもニコは変わらず見てくれる。他の女の子じゃ
 きっとこうはいかないよ。ニコと出会って色んな経験したから自分を好きになれて認める
 事が出来たんだと思う。だから俺は今はどんな花よりかすみ草……好きなんだ」
「で、一海ちゃんとは何を……」
「!?……ニコって……案外鈍いよな……」
 ロボはちらと飾った花を見て、それから私を見た。
「映画館の前で広告見ながら悩んでたら偶然一海ちゃんに会って、思い切って相談したんだ。
 最初気に入らないみたいだったけど真面目に話したらわかってくれて、それとなく
 ニコの気持ちとか聞いてくれるって。時々会って話してた。黙っててごめんね?」
 そうなのか。一海ちゃんロボと……私のために。悪いことしちゃったな。

 って、えっ?

「あたしの気持ち?」
「ニコ、俺のことどう思う?」
「へっ!?ど、どうって」
「友達とか、バカな奴だなぁとか、下手すりゃキモイとか……じゃなくって!
 その、す、好きとか嫌いとか」
「あたし?」
 私はロボのこと……。
「俺は、すっ好き……!」
 ………………えっ?
「だから。ニコの事好きみたいなんだけどっ!」
 この前花屋で会った時みたく耳まで真っ赤な顔をして、私の正面で正座したまま
固まっている。
466僕の好きな花 10/10:2008/09/16(火) 14:13:56 ID:SFb3SI6E
「え、あの、あたし!?あたしはてっきり、ロボは一海ちゃんと……」
「はあ?」
 付き合ってると思ってた。ロボはついに想いを遂げる事が出来たのだと。
「俺が好きなのはかすみ草だって言ったじゃん。ニコはそうやって誰かを……俺を
 幸せにしてくれてるんだよ」
 ちょっと恥ずかしくなった。私そんなに凄くないよ?1人で勝手に陰に隠れていじけてた。
 けどそんな風に感じてくれてたと思うと素直に嬉しかった。ロボにそう想って貰えたのが、
嬉しい。自分でわからない自分の姿を見出して好きになってくれるなんて。
「映画観に行きたいな」
「ああ、じゃ行く?……って、えっ!?」
「だから行くってば。付き合うよ、映画」
「……映画だけ?」
 やっぱり言わなきゃダメ?なんか私柄じゃないんだけど。……すっごく恥ずかしい
んですけど!?
「だからっ!付き合うよ。映画も……ロボとも」
「……顔、赤いね?」
「そっちもじゃん」
「妬いてた?一海ちゃ」
「うるさい!」
 真っ赤な顔しながらニヤニヤしてるロボがなんか腹立たしくなってきた。
「やっぱやめよっかな……」
「えーーーーーーっ!?」
 一瞬にして赤い顔がまた青くなった。やっぱりやめるのやめるか。面白いし。


 でもせっかくの映画はちっとも頭に入らなかった。
「ロボ寝ちゃうんだもん!バカ」
「ごめん……けどニコは起きてたんだろ!?」
 だって、寄りかかるロボの体に私の左肩は全神経が集中しちゃって、それどころじゃなかった。
「よし!DVD出たら真っ先に買おう。そんで一緒に観よう!……今度こそ寝ないぞ」
「本当は退屈なんじゃないの?普段ロボットアニメしか観ないくせに」
「だってデート、だし、か、彼女と映画なんて緊張と楽しみで夕べ……ん、ニコ?」
 耳まで朱くなりそうなのがわかる。
「照れてる?」
 ロボは可愛いねえ〜って私の頭をよしよしと撫でる。
「子供じゃないのっ!」
 なんて言いながら私の頬は自然と弛む。

 だって幸せなのは私の方もだからね。

* * * * * * *終り


うわぁぁぁうまく埋まらんかったorz
残り中途半端でごめんなさいごめんなさい!
467名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 15:58:47 ID:SFb3SI6E
次スレは保管庫も入れるんですか?>テンプレ
468名無しさん@ピンキー:2008/09/16(火) 23:46:41 ID:Eiqgzupc
>ニコといる時の自分が凄く好きなんだ

これを素直に言えるロボが自分は物凄く好きw
一海ちゃんもいいお姉ちゃんだ
GJ!


保管庫ですが次スレのテンプレに入れてもいいと思う
たてるのはまだ早いっすかね?
469名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 03:38:41 ID:M6C3+jUJ
ニコはロボに出会うことで自分で自分の味方出来るようになったけど
その変化はロボも同じだと思っていたので(1話では違っていたし)
こういう話はめっちゃいいなーと思います。GJ!
470名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 03:25:19 ID:cqu9g135
とりあえず次スレ立てました

【ドラマ】セクシーボイスアンドロボ5【マンガ】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221761797/

スレが立ってまもなく何日もレスがないと即死して落ちてしまうことが
あるようなのでよろしければ支援カキコお願いします
471名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 04:13:32 ID:FMBLUhEa
>>1
スレ立て乙&ありがとうございます。
5スレ目まで来ましたか…
472名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 04:15:35 ID:FMBLUhEa
>>471だったorz
473名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 04:16:57 ID:FMBLUhEa
とおもったらまた安価間違い
なんだこれorz
とりあえずあっちにも書いてきます
474名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 16:53:43 ID:WBVpT8/g
残り容量埋めてみる。 よっちゃん新婚ロボ家にお呼ばれされるの巻。


「ロボー、できたよー」
「おっ、やった!ニコのカレーだぁ〜。よっちゃん、たくさん食べてよ〜。
ニコのカレーは世界…いや、宇宙で一番おいしいんだから!」
おまたせーと、ニコが卓袱台に置いたカレーの食欲をそそる匂いに
待ってましたとばかりにロボは皿まで食べ尽くしそうな勢いで口に運ぶ。

「ねえねえ、よっちゃん。このサラダに使ってるきゅうりとトマトはね家庭菜園で
あたしが育てたんだよ」
「家庭菜園?おまえが?」
マジかよと言いたげなその表情がすべてを物語っている名梨にニコは淡々と
「今の世の中、物価高じゃない?ただでさえ苦しい家計を圧迫されて、
色々と大変だからさぁ、少しでも負担が解消されれば思ってね。実家の庭で作ってたの」
「結構、涙ぐましい努力してんだな、ここの新妻は。ま、節約するのもいいことだ」
「でも、ちっちゃいとこだから、作るものも限られてくるんだけどね」
感心だ、偉いと誉めそやす名梨と肩をすぼめて笑うニコの会話に
人知れず耳を傾けていたロボの顔がみるみる暗く沈んでいく。
「やだ、どうしたの!?」
「なんだぁ?」
「ごめんよ、二コ…。俺が安月給なばっかりに。そのくせ趣味にもお金つぎ込んで…
本当はもっといいものも食べさせてあげたいのに」
自分の不甲斐なさを憂い嘆くロボに世話が焼けるなぁとニコは頬を緩ませて
「ほら泣かない!男でしょ。ロボがオタク貧乏なのは昔からよーくわかってますって。
あたしはあたしなりにこれでも楽しんでやってるんだから。変な気まわさないの、ね?」
「…ニコ」
「それにロボが一生懸命汗水流して働いてくれてるから、あたしも頑張れるんだよ。
なんてことない普通のカレーもこうして仲良く卵をかき混ぜて食べれば
どんな豪華な料理にも負けないんだから」
「ありがとう…。俺、ニコと結婚して本当によかったぁ」
「あたしもだよ、ロボ」
二コの手を固く握り締めて見つめ合い、瞳に映るのは目の前の相手だけ。

「…おい、おまえら、俺は無視かよ」
何ともいえず漂う空気に居心地悪そうな名梨の困惑気味の声も届くはずもなく。

「ね、ニコ。今夜は一緒にお風呂入らない?」
「え〜、やだ…どうしようかなぁ。やっぱなんか恥ずかしいよ」
渋るニコに甘えた口調でせがむ。
「いいでしょ?このお願いだけはまだ一度も叶えてもらってないもん。
俺達、新婚さんなんだよ〜。恥ずかしがることなんてないよ!」
期待に胸膨らませるロボは一歩も退かない食いつきぶりで。

「いつまで続くんだよ…。この色ボケ茶番劇は」
新婚に関わるとろくなもんじゃねえなと終わりのみえない熱烈ぶりに呆れ返り
辟易しながらもカレーだけはおいしく平らげて、律儀に皿を洗い後片付けをすると
「勝手にやってろ」
と、なおもイチャつく二人を尻目に腹におさまったものとは別の胸焼けを起こしそうな部屋を後にした。


475名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 02:37:53 ID:OtKxHiDF
よっちゃんww
プロフェショナルな男も新婚さんの前では空気も同然?w
476名無しさん@ピンキー:2008/09/20(土) 11:13:35 ID:ihWMRA3M
つうかエロボの願いは叶ったのかな?
気になるw
477名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 07:47:02 ID:XVEZ07vR
埋め埋め


((<(・∀・)> <バテレン

<(・∀・)>)) <レンコン

<(・∀・)>  <トマトハ

\(・∀・)  <マーックス!
478名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 07:50:43 ID:XVEZ07vR
埋め埋め


(((((;`Д´)ノニコーーーーーー!!!

           ・・・・・(´Д` )

 ごめん・・   
 
俺行くね♪ヾ(*´∀`)ノ⌒Y⌒Y⌒Y⌒


           ハァぁぁッ━━━(゚Д゚ )━━(゚Д゚)━━( ゚Д゚)━━━━!!!???? 



(・∀・)ゴメンネー♪
479名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 07:53:47 ID:XVEZ07vR
埋め埋め


   ___
   /:::::::::::::::::::ヽ
   l/^_,ヽ,_:::::::::::)
  从 ・ω・) ̄´   < ぬ〜すんだバ〜イクでは〜しりだっすぅ〜
   ( O┬O
≡◎-ヽJ┴◎


行くっ先は…そこだぁーーーーー!
480名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 07:56:07 ID:XVEZ07vR
次スレ
【ドラマ】セクシーボイスアンドロボ5【マンガ】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1221761797/


埋ったかな?
481名無しさん@ピンキー
まだいけるんじゃね?
便乗ウメ


。          o
   。     。
 。    
       o   ○    。
    。  
 ○       。
             o      。
。      。

              o
    o           
。 ∧∧ヘヘ       ふたりでいると     。
  (  ノ  )    o あったかいネ・・・
  ./  |  \   
 (___ノ(___ノ    一緒に次スレに旅をしよう・・・   ○
/       \