● シャイニング・ティアーズ総合エロパロ 2 ●

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1名無しさん@ピンキー
じっくりと、ムラムラを開放していこう!!
ゲーム、アニメ、小説どれでもありだ!!
2名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 00:39:36 ID:OJicxfPg
前スレ
● シャイニング・ティアーズ総合エロパロ ●
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1177165649/
3862:2007/12/16(日) 00:45:26 ID:O5ztHTK9
スレ立て乙
4名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 06:00:01 ID:5g+/gb90
>>1乙なのじゃ♪

俺のホウメイが言ってらしたぞぅ
5862:2007/12/17(月) 11:05:03 ID:Cmwq4lIY
人がいないようなので投下再開
6SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:06:34 ID:Cmwq4lIY
『――、――……っ』

「……?」
 家路への一歩を踏み出す。……その一瞬前に誰かの話し声が聞こえて来た。
「何だ?」
 勇者亭裏手の桟橋の方からだった。キリヤはその話し声に興味を持ってしまった自分にハッ、とした。
「……っ」
 もう時刻は真夜中だ。本当なら、そんな雑多な事象には取り合わず部屋に帰って寝たいキリヤだったが、内に涌いた好奇心には抗えない。
 ……こう言う場面で何にでも首を突っ込みたがる自分の性分が恨めしいキリヤだった。
「今度は何のイベントだ?」
 迷いは一瞬だ。キリヤは先程のカイネル達の時の教訓を生かし、身を隠せて尚且つ、退路が確保されている場所に陣取る事を決めた。
 もう、何が来ても驚かない。キリヤは覚悟を決めると、その人物達の姿と声が確認出来る場所へと移動する。
「っ」
 そうして、その人物達が誰だか判った時、キリヤは息を呑んだ。

「シオンに……マオ」

 酒場から何時の間にか居なくなっていた二人が何かを話していた。

――勇者亭 裏手
「それで、落ち着いたのか?」
「うん、何とか。……ゴメン。付き合わせたね」
 シオンの口振りは半分呆れている様だった。それが判っているのか、マオは気恥ずかしそうに呟く。
 マオの装いは通常のそれに戻っていて、酒もかなり抜けているのは間違い無い様だ。店の中で見せていた子供っぽい素振りが今の彼女には一切無かったのだ。
「全くだよ。……幾ら何でも、とばし過ぎだろう?自分の酒量位は計算に入れてくれ」
「判ってるわよ。……こんな時に、お説教なんて聴きたく無いもん」
 外に出たい。最初にそう言いだしたのはマオの方だ。シオンは首を縦に振らなかったが、結局は半ば引き摺られる形でマオに付き合う事になってしまった。
 だが、外に出た途端にマオは気分を悪くした。吐くほどマオは酒を呷っていたのだからそれは当然だった。そうして、シオンは今の今迄マオの介抱に付きっ切りになってしまっていたのだ。
それが、彼等の姿が見えなかった理由だった。
「じゃあ、僕は帰らせて貰おう。これ以上は時間の無駄だ」
「あっ」
 マオの様子を見て、シオンは踵を返した。これ以上留まる理由は無いと、この場を……否、シルディアを去る気だった。キリヤの危機に呼応して駆けつけてみれば、待っていたのはとんでもないサプライズだったのだ。
 だが、それにはもう十分付き合ったし、得られるモノももう無いだろうとシオンは踏んだ。その場に居るマオを無視する様にシオンは今まで不可視だった白と黒の両翼を広げた。

「待って!」

「っ」
 それを引き止めたのはマオの搾り出す様な叫び……否、そうとした表現出来ない声だった。
「・・・」
 マオは片手を自分の胸に置き、もう片手は固く握り締めていた。シオンは何も言わないマオに振り返る。
「待ってやったぞ?」
 感情を感じさせない声色と表情だ。無機的なそれでシオンはマオを睨んでいる様だった。
「また……どっか行っちゃうの?」
「ああ。行くさ」
 ……行かねばならないのだろう。それが今の彼の、ゼロとなってしまったシオンの持つ使命なのだ。仲間への感情よりは、世界の調律を優先する彼は一片の人間性も残っていない様な錯覚すら与えてくる。
「ヤダ、よ」
「……マオ?」
 マオはそんなシオンの様子に全身を振るわせ始めた。そして……

「行っちゃ、ヤダよぉ……!」

 マオは桟橋の縁にへたり込み、年相応の女の子宜しく声を殺して泣き始めた。
7SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:09:36 ID:Cmwq4lIY
「っ!」
 そんなマオに面食らったシオンは少しだけ呆然とした様だったが、もう次の瞬間にはマオの隣にしゃがみ込んで、その頭を優しく撫で始めた。
 捨て置けないとそう思った故の彼の行動だった。


「・・・」
 キリヤはそんなシオンとマオのやり取りを怖い顔をしながら睨んでいた。
 ……シオンの昔の交友関係について、キリヤは殆ど情報を持っていなかった。ただ、嘗てのシオンはヴァイスリッターに所属し、仲間達と協力して獣魔王を倒して英雄になった。その程度の大まかな情報しか持ってはいない。
 だが、今シオンの前に居るマオの様子は明らかにリーベリアで彼に会った時の彼女のそれとは異なっている。エルウィンやブランネージュに代表されるシオンの仲間達だってこんな生の感情をぶちまける様な真似はしていない。
「まさか、そう言う事だったのか?」
 では、一体これは何なのか?そう突き詰めて考えれば、キリヤの頭には閃くモノがあった。糸口となるであろうそれは恐らく、目の前の疑問の正解である……そんなモノが。
 ……簡単に言えば、シオンにとってマオが最も信頼するパートナーであったと言うだけの事だ。シオンの心に何度と無く踏み入ったキリヤだったが、シオンの心にはそれを示す様に彼女が占める部分がかなり多くあった事をキリヤは記憶していた。
ずっと前に解答は示されていたのだ。

 そして、それはマオにとっても同様だったのだろう。その証拠が、今の彼女だった。


「アタシは、待ってたよ?シオンの事」
「む」
 泣き腫らした目は血の色に染まり、声帯を震わせながら出て来るのは涙声。それが何故か、自分を批難している様にシオンには聞こえる。マオはシオンの帰りを……彼が指輪の力を御す修行の旅に出た時から待っていた。
「でも、君が戻らないって判ったからアタシはシオンを探しに出た」
「・・・」
 そう、シオンは戻って来なかったのだ。
 戻ってきたのは、エンディアスの秩序から外れたシオンと言う名の青年の成れの果て。その後、リュウナとラザラスを殺害し、逃げ出したシオンと呼ばれた男をずっと探していたのはその現場に居合わせたマオだった。
 エルウィンやブランネージュ達も各々の手段でシオンを探しだそうと躍起になっていたが、マオのそれは他とは一線を架する程だった。表面上は平静を装いつつも、彼女は狂いそうな己の精神を必死に律していたに違いない。
 その時は、彼女だけが真相を知らなかったのだから当然だ。ゼロ誕生の瞬間に居合わせたマオの不運だったのだ。

「アタシはずっと、自分の事……シオンの女だってそう思ってた」
「・・・」
 重たい話が続く中、マオは自嘲気味に呟く。そして、その呟きが一番胸に痛かったのは彼女の側に居るシオン自身だ。その彼の顔は苦痛に歪む様に痛々しい。
「もう、飽きちゃったの?アタシの事」
「違う!」
 気が付けば大きな声で、本気でシオンは叫んでいた。そんな事を思った事など一度も無いと、的外れな言葉を漏らすマオに対し怒っている様にも見えた。
8SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:11:38 ID:Cmwq4lIY
「じゃあ……アタシも、連れてってよ」
「っ……!」
 その言葉に世界が凍り付く。凍り付いたと思ったのは一瞬だったが、じっと見つめてくるマオの視線は殊更危うかった。
 ギリッ……シオンは自分でも知らぬ間に奥歯を噛み締めていた。
「独りに、しないでよぉ」
「それは……」
 泣き濡れたマオの言葉は全身に刺さる様に痛かった。だが、シオンの中では既に言葉は決まっている。そんな事は出来ない。
 なのに、シオンはそのフレーズが紡げなかった。
「アタシはさ、捨てられるよ?何だって。だから、アタシも……」
「マオっ!!」
 ……これ以上は聞くに堪えなかった。だから、シオンは心の赴くままに叫ぶ事しか出来なかった。心を占める純然たる怒りの感情、そして憎悪と憧憬はない交ぜになってマオに突き刺さる。
「軽々しく、捨てるとか言わないでくれ」
 そして、シオンは泣きそうな程に憔悴しきった様子で呟いた。
 捨てざるを得なかった者と進んで捨てようとしている者。シオンとマオの根本的な違いであり、そんなマオの在り方をシオンは許容出来なかった。
「マオはそれで良いだろうさ。でも……君の全てを僕は背負えないよ」
 マオが本当にそうしようとしている事実はシオンには重過ぎる。もう既に使命を背負ってしまっているシオンにそうなったマオを受け入れるだけの余裕などある訳が無かった。
「それなのに、君に人である事を捨てさせるのは……罪悪だ」
「シオン……」
 そして、それが一番大きな理由だ。シオンがマオに真実を伝えなかったのだって、半分はその所為なのだ。父親がそうであったように、一途な心を持つマオは真実を語れば絶対に自分もついていくと言って聞かなかっただろう。今、この時の様に。
「人として生き、そして死ねるのは幸運な事だ。自分からその枠を踏み越えるのは間違ってる」
 それはシオンなりの気遣いであったし、マオの事を考えた末の血を吐く様な決断でもあった。
「君は……こっち側に来る冪じゃない。来て欲しく、無いんだ」
 ……自分の好きな人がゆっくりと軋みを上げて、壊れていくのは見たくない。
それはシオンの見せた優しさだったのだ。

「アタシを心配して、くれてたの?」
「・・・」
 シオンはマオの問いには無言で、そして首を縦に振って答えた。
「一人で、背負い込みすぎだよ……」
 語られたシオンの言葉には真実味があって、何よりも嘘を吐いている様には見えなかった。だが、それで根本的な問題が解決した訳ではない。寧ろ、何一つ変わっていないと言っても良いだろう。
「……でも」
 だが、今のマオにはそれだけで十分だった。
「っ」
 シオンの手を取り、それを自分の胸にマオは導く。
「今はそれで良いや。真実を聞けてアタシは、嬉しかったから」
「マオ……」
 包む様に柔らかい肉の感触を感じたのは一瞬で、それ以上に熱く、また懐かしい彼女の鼓動をシオンは掌から感じていた。
「少し安心した。アタシ……未だ、シオンの女、なんだね」
 別離の果てにそれがまた確認できただけでも、彼女には収穫はあったのだ。
「……ああ。どうやらそうらしい」
 ゼロとして振舞うのならば、それは彼にとっては捨てなくてはならなかった過去。だが、キリヤとの接触で未だ自分には捨てられなかった人の心が燻っている事を彼は教えられた。
 ……為らば、この想いは結局捨てる事が出来ず、封印したと思っていた恋心。
 それに再び火が点きそうだった。
9SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:17:34 ID:Cmwq4lIY

「少し、遣る瀬無い気持ちになるな。マオのそれを考えると」
 キリヤは一部始終を見て胸がズン、と重たくなるのを感じた。今の彼女は人外に恋をすると身を壊すと言う良い見本だ。だが、シオンに惹かれたマオに罪は無いし、望んで人を捨てた訳ではないシオンもそれは同様だ。
「でも、考え様によってはこれで良いのかも知れないな」
 胸は相変わらず重たいが、キリヤはそう納得する事に決めた。彼等は彼等なりに真剣だ。傍観者である自分が彼是と後から意味付けした所で、それこそ本当に意味なんか無いのだから。
「それにしても……全く、不器用な男だなシオンは」
 ……彼のやり方は多分に間違いを含んでいた。だが、結果的にそれはマオの心に届いたのだ。
 今、こうして二人が出会えている事。それがシオンの決断が成したモノの成果だった。
 それがシオンにとってどれほど苦しい決断だったのかは判らないが、それはマオにもまたそれ以上の痛みを背負わせていた。
 そして、そこから解き放たれた彼女の顔は……キリヤから見ても綺麗だった。
「そう簡単に忘れられる相手じゃなかったって事か。……シオンも隅に置けないな」
 擦れ違っていた想いがまた一つになった瞬間だった。そんな場面に出会った自分の幸運を天に感謝するキリヤだった。


「……ねえ」
「うん」
「その……ね」
「どうしたの?」
「だ、だから……その、あの」
「だから何?僕に未だ恨み言でもあるの?」
 顔を真っ赤にしてマオはシオンに何かを伝えたい様だ。だが、シオンは天然なのか故意なのか判断に苦しむが、マオの仕草に含まれた意味を全く理解しようとしなかった。
「ん、んんん〜〜……だああああぁぁーーーーっっ!!」
「ぶおっ!?ぐあ……!」
 奇声を発して立ち上がったマオの石頭がシオンの顎にクリーンヒットした。その衝撃にふらつくシオンの胸倉を掴んでマオは激しく揺すりだす。
「ねえねえねえねえ、シオンくんてばさぁ?」
「ぁ、ちょ……頭を揺すらないで。星が、飛んでる……」
「君の可愛い彼女がこんなしどけない姿を見せてるのにさあ?君は何だってそれを無視するのかにゃ〜〜」
「もう、駄目なのか……この、俺があぁ」
 何やら陽と陰がごちゃ混ぜになった非常に不安定な状態にシオンはある様だ。だが、マオは血涙を流しつつ、彼の事を今までの照れ隠しの如くガクガク揺さ振り続けた。
10SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:21:06 ID:Cmwq4lIY
「判った。もう、判ったから手を離して」
「っ、もう。やっと判ってくれたのね」
 降参を認めたシオンはあっさりそう言うと、マオはやっと手を離した。……気のせいか、彼女はぷりぷり怒っている様だった。
「それで……何だっけ」
「んなっ!」
 シオンは懲りない男だった。呆れを通り越して怒りが湧いて来たマオは得物である金剛を取り出して、それをシオンの鼻先に突き付ける。
「察しなさいよ、アンタ。それとも此処で死を選ぶ?」
「先ず、その危ない物を仕舞って貰おうかな」
 マオは結構切実だった。恐らくシオンはマオで遊んでいるのだろうが、それもやりすぎれば怪我の元と漸く気付いた様だった。
 そうして、シオンは得物を引っ込めたマオの耳元で囁いた。
「だから、アレ……でしょ?」
「!」
「(ごにょごにょ)」
「う、うん……そう//////」
 少し赤くなったシオンが周りを気にする様な素振りを見せつつ、マオに呟いた。その瞬間、マオは耳をピクピクッ、と動かし、赤面して顔を俯かせた。

「マオ……僕は」
「アタシの部屋、当然来るでしょ?」
「え」
「そこで、しよ?」
 話がとんとん拍子に決まっている。シオンはオーケーを出していないのにマオは浮き足立っている様にも見えた。
 だが、こう言う場面でマオは強かった。一年前はシオンを自分のペースに巻き込んで引っ張り回していたのだ。そして、それがそう簡単に崩れる事は無い。
「正直、辛いの」
「え、あっ」
 再び腕を取ったマオが今度シオンの手を導いたのは胸ではなく、それは彼女の股座だった。一瞬の出来事にシオンは戸惑うが、声を出すだけで精一杯だった。
「っ!?」
「ん!……んんっ」
――くちゅり
 ぶるり、とマオの全身が震えた。シオンの指に熱くて柔らかい肉の感触がダイレクトに伝わってくる。だが、それ以上に彼が驚いたのはその触れた箇所の水気と滑り具合だ。確かに布越しの感触はあるが、もうそれは役に立って居ない事は明白だった。
「……これって」
「ねえ、鎮めてくれるよね」
 指に付着した熱い液体は夜の冷気に触れて湯気を立てている。それはマオの昂ぶりを如実に表していた。
「シオンの所為、なんだよ?」
「・・・」
 蟲惑的な仕草と囁かれる言葉に唾を口腔に溢れさせたシオンはそれをグビリ、と飲み干す。その言葉を言わせた時点で自分の負けだった事にシオンは気付けなかった。
「僕も、今はそう言う気分、かも」
 シオンは自分が何を言っているのかもうどうでも良くなっている。マオに火が点いている様に、今のシオンの劣情にも火が点いてしまったのだった。
「アタシも、ね」
 その言葉を聞いて勝利を確信するマオ。シオンの胸の中にダイブすると、シオンの破裂しそうな心臓の鼓動が頬に伝わってきた。


「ど、どうなるんだ?これから」
 シオンはマオとラブラブな空気を発散させながら宿舎の方へ戻って行ってしまった。出歯亀をしていたキリヤは当然その続きが気になる。
「どうする?ど、どうすれば良いんだ……!」
 だが、此処まで来てキリヤ迷っていた。己の欲望を優先したいと言う衝動と、自分の中の最後の良心が熾烈な凌ぎ合いをしている。それはキリヤの中に於いては秩序と混沌のぶつかり合い以上に大きな戦いらしかった。
11SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:23:46 ID:Cmwq4lIY
シオン……マオ……でも、俺は!」
 結局彼には決められそうに無い。だが、どの道このまま彼が迷ってしまえば時間切れになってしまう。……それを救う存在は確かにあった。

『無様ですね、心剣士』

「!?」
 頭の中に自分以外の声がする。どこかで聞いた様な声だ。
「な、何者……」
 キリヤは時間帯を気にしてか小さく答えるとまた声がした。
『私の買被りでしたか。貴方は此処で止まってしまうのですね』
「お、お前はまさか」
 その特徴的な声色には記憶があった。それは男の声で、リーベリアでは何度か死闘を繰り広げた相手だった。
『何を迷うのですか?キリヤ』
 そう考えていると今度は別の声が聞こえて来た。今度は女の声だ。
「あなたは」
 この声色ははっきりと覚えている。自分をエンディアスに導く夢の中で何度も、そしてゼクティの心の奥やエルナリートでも聞いた事のある声。
『貴方の思う侭に』

「……良く分かった、二人共。決心がついたよ」
 そう。決心がと言うよりは覚悟が入った。自分が最初からしたい事は決まっていた。
『さあ、行くんだ勇者』『二人を見届けるのです』
「有難う……キルレイン、セレスティア」
 一応、形だけでもキリヤは礼を述べた。セレスティアは兎も角、あの後キルレインがどうなったのかは確認されていない。普通に考えればお亡くなりになったと考えるのが自然だが、態々妹と一緒に嘗ての仇敵の下を訪れる事を考えると二人は暇なのかも知れない。
「今行くぞ……シオン!」
 今度は俺の番……などと陳腐な台詞を吐く気は無いが、それを見届けたいと思ったキリヤは間違いなく変態の域に足を踏み入れている。
 そうして走りながら影の鎧を脱ぎ捨て、一張羅である俊足の忍び装束に着替えるとキリヤは再び竜泉酒を取り出してそれを呷った。……もう既に素面ではやっていられない状況になっていた。

 マオの部屋が地階にあった事はキリヤには幸いした。その一階上のブランネージュの部屋では何やら男女のシルエットが激しく揺れている気がしたがキリヤは気にしない。
 覗くには絶好の場所を確保したキリヤは彼等がやって来るのを待った。
12SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:26:45 ID:Cmwq4lIY
――深夜 勇者亭別館一階 マオ私室
 足を踏み入れたのは暗い部屋だった。マオは蝋燭に火を点けると、室内が仄かに照らされる。
「此処に来るのも、久し振りだな」
「懐かしいでしょ。まあ、今は殺風景だけど」
 仲間の下から去る前はシオンも頻繁に通った部屋だ。だが、通されたマオの部屋は閑散としていて、窓際にベッドが一つ置かれているだけだった。
「前はもっとゴミゴミしてたよね。もう見る影も無いけど」
「汚かったって言いたいの?酷いなあ」
 半日前に帰って来た人間であるマオはその私物の殆どをずっと前に処分していた。それこそ、シオンが旅立つ前に預けたバスタードソード位しか勇者亭には残っていない。そして、それは今納屋の中で埃を被っている。
「……ん?」
 そんな寂しい部屋中に一つだけ異彩を放つものがあった。
 彼女が運び込んだ私物であるズタ袋の山が入り口付近に積まれている。その中に何故か鳥篭があった事にシオンは興味を惹かれた。
「あ、それは」
 マオはそれに近付くシオン止めようとしたが、結局それは叶わなかった。
「これは……へえ」
 籠の中を覗き込んでシオンはその正体が分かった。籠の中には赤い色の小鳥が窮屈そうに納まっていた。
「未だ、飼ってたのか?」
「う、うん」
「てっきり君の事だから離したとばかり思ってた。でも、違ったか」
「そうしようとは思ったけどさ。情が湧いちゃって」
 それは昔、シオンが山猫通りの詩人の卵に戴いたマオとの絆の結晶だった。耳を欹てていればマオの歌を囀ってくれるそれに当時のマオは大変喜んだ事をシオンは記憶していた。
 今も、きっとそうなのだろう。
「それ……シオンの最初のプレゼントだったから。手放し辛くって」
「は、はは。そう、だったっけ」
「そう、だよ」
 上目遣いしてくるマオを直視せずシオンは頬を掻いた。その後、この猫娘に色々貢いだ……否、貢がされた事はシオンもしっかり記憶している。やれ、本気の下着が欲しいだのステージドレスが欲しいだのと、当時はそれなりに手を焼いたのは良い思い出だった。

「これも、そうだよね」
「っ」
 吹き消される蝋燭の火。暗闇に包まれた部屋で窓からの淡い光だけが唯一の光源となった。それに照らされるマオにシオンは目を奪われる。
――ふぁさ
 衣擦れ音と共に、マオは服を一気に脱ぎ去った。意識しなくてもシオンの視線はマオの若い肢体に注がれる。……彼女を包んでいたのは先程と同じ下着だった。
「脱がせて、くれる?」
「む、ぅ」
「昔、みたいに」
 その下着もまた、昔にマオに乞われてシオンが贈ったものだった。どうやら、キリヤに呼ばれ、それを受けた時点でマオとのフラグは立っていた様だ。
 加えて、それは回避不能だった。
「・・・」
 覚悟を決めたシオンは目を閉じて、静かに心を落ち着ける。そんな彼の心に呼応するが如く、両手の双竜の指輪が輝きだした。

「やってやるぜ、雌猫」
13SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:29:59 ID:Cmwq4lIY
 光が収まると、そこにはシオンが立っていた。だが、そのシオンは今までの彼とは何処か違った。
 先ず、髪色が少し赤っぽい紫に変わり、次に瞳の色も彼本来の黒では無く、マオと同じ赤みを帯びた色になっている。最後に、表情と口調がかなり荒かった。
 これが意味する所は一つ。
「え、と……シオン、くん?」
「ああ、俺だぜ。マオ」
 陰シオンが降臨していた。
「ええっ!?アタシ、指輪してないにゃん!」
「そりゃ、お前のソウルが陽だからだ。俺は今はどっちにでもなれる」
 どうやら、今のシオンはパートナー次第で陰でも陽でも自在に変われる様だ。二つの指輪は混沌であり、また光と闇だ。人を辞めた彼には朝飯前の芸当なのだろう。
「それに、こっちの方が都合が良いだろうが」
「ふえぇ!?」
 無防備なマオの肢体を遠慮無く抱き締めるシオン(陰)は随分と慣れた手付きだった。それは、前はこう言う事は頻繁に有った事を示している様だった。
「昔はこうやって何度も、繋がっただろう?」
「ぁ、やん……シオン//////」
 そして、それは正しかった。昔を懐かしむなら、こっちの方が良いとシオンは言いたいらしい。マオはシオンに抗う事は出来ない。
「や、優しくしてくれなくちゃ、イヤにゃん……」
「フッ……んなもん当たり前だ」
「ひゃんん」
 口の端を少しだけ歪めて、シオンはマオの獣耳に軽く息を吹きかけた。たったそれだけの事だが、マオには存外に効果的だったらしく、強張っていた彼女の体から力が抜けた。
「ずっと気を遣ってきてんだ、壊さない様に」
「んくっ!んっ!……んんん」
 身動き出来なくなったマオの顎に手を添えて、シオンは若干遠慮がちに唇を重ねた。
「むっ」
 自分の唇がシオンのそれと重なっている事にマオは興奮しているらしい。マオは自分の方からシオンの唇を食むと、荒々しく貪る様に求めだす。ほんの少しだが酒の味がしてシオンは多少面食らったが、終始マオの好きにさせた。

「ぁ、んふっ……んんぅ……んっんっ……んあ!」
「っ!……ひゅう。今更、酷い抱き方はしねえよ」
――ちゅぽ
 空気が抜ける音と共に唾液の糸が二、三本シオンとマオの唇を橋渡す。シオンはその糸を指で拭い、脱力して身動きがとれないマオを優しく抱く。
 そうして、彼女の頭に手を伸ばして、壊れ物を扱うかの様に優しく撫で始めた。
「シオン//////」
 心地良い力加減で頭を撫で上げるシオンの手が気持ち良いマオは全身を真っ赤にして悶える。手櫛によってシオンの指の間から零れるマオの赤みを帯びた髪は心の色をそのまま表している様に見えた。
「ま、楽にしてろや。お前を愛してやるよ」
 会心の笑みを顔に引いたシオンはマオを安心させる様に力強く言う。
「……はい」
 マオは一切の迷いや衒いを見せる事無く、シオンに体を預けた。彼以上にこの瞬間を待ち侘びていたマオは普段は決して見られない従順な空気を纏う。
 ……それだけ、今の彼女はシオンに愛して欲しかったのだ。
14SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:33:41 ID:Cmwq4lIY
「さぁて、と」
 シオンはマオのブラのホックに手を掛けた。プチ、と金具を外すと彼女の胸を隠していた布が床へと落ちた。
 裸のマオの乳房が外気に晒される。ツン、と上を向いたピンク色の突起がシオンを睨むがそれは一瞬で、マオは乳房を腕で隠してしまった。
「やん//////」
 見られる事の恥ずかしさはマオにとっては無視出来ないモノだったらしい。好いた男に肌を晒すと言う羞恥が時を越えて彼女の内に蘇ったのだ。
 マオにしてみれば、この男に晒していない場所等は既に無い。だが、時の流れと言うのは彼女が思っている以上に大きな隔たりをシオンとの前に生じさせている。
 彼女自身、自分がこんな小娘の様な振る舞いをしてしまうとは思っても見なかった。
「緊張してんのかよ?」
「へ?」
「……いや」
 彼女の様子が無視出来なかったシオンはそんな言葉を零すが、直ぐにそれが失言だと気付いて口を噤んだ。
 ……実際、シオンも彼女同様に若干の緊張を胸に飼っていたのだ。彼はマオを抱く事に戸惑いが全く無い訳では無い。寧ろ、持て余すその感情が咆哮し、彼女を押し倒したいと言う欲望が堰を切って溢れ出しそうだったのだ。
 だが、結局シオンはマオを抱く事に同意し、理性を何とか保ちながら彼女の体に触れていた。一度抱くと決めた以上、それを途中で止めてしまっては嘘になってしまう。
 マオへ未だに情を募らせているシオンは男としては苦しい立場だった。
「しっかし、お前の胸は変わらないよな」
「なっ!?」
 気持ちを切り替える為にシオンは軽口を叩く。マオの腕から覗く乳肉を冷ややかな視線で見つつそう零すと、マオは途端に変な声を出した。
「見た目は随分と大人びたって感じを受けたが、変わらない部分も多々あるみたいだな」
「こ、これでも昔よりは大きくなったんだから!」
「そうなのか?」
「むぐ……!」
 値踏みする様にシオンがマオの肢体を眺めると、マオは黙ってしまった。
 ……確かに、以前に比べるとマオは背が少し伸び、髪の量も増えている。だが、体全体の丸みやふくよかさは殆ど変わっていない印象をシオンは持った。
 ……否、寧ろ前より彼女は痩せているかも知れなかった。

「まあ、んな事ぁどうでも良いけどな」
「いや、良くないよ。アタシにとっては」
 明らかにマオは臍を曲げてしまった。膨れっ面の猫娘を見るのは面白かったが、シオンはさっさと次に進む事にした。今はそれが求められる状況だった。
「でも、発育が宜しくないってんなら、それは俺が手を加えれば変わるかもな」
「ちょっ、シオ……んくっ!」
 マオの腕の隙間から、その乳肉に指を食い込ませる。昔と殆ど変わらない懐かしい感触はシオンが記憶していたものとそれこそ寸分と違わなかった。
 そして、それはマオも同様だ。嘗てはこうやって自分の胸をシオンは弄っていたのだ。
「前はそうだった。きっと、今でもそれは変わらねえ」
「ふっ、やっ!アン!」
 久方振りに触れてくるシオンの指遣いはマオの記憶にあるそれより格段に上手かった。図らずも喘ぎが口から漏れ、劣情の炎が燃え盛る。乳を揉まれただけでこうなるとは、マオ自身も吃驚だった。
「何か、反応が鋭いよな。そんなに持て余してたのかお前?」
「んっ、だって……久っ!し振りだからぁ……!」
 相当に持て余しているのは明らかだった。自分で処理しているのかどうかは知らないが、マオの膝はガクガクと笑っていた。もう立っている事すら辛そうだ。
15SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:36:09 ID:Cmwq4lIY
「溜め込むのはあんま褒められたもんじゃねえよな。俺も他人の事は言えないけども」
「にゃあ!?」
 もう立って居られないマオをベッドに牽引し、優しく寝かせるとシオンはマオの胸に顔を埋めた。
「小振りだけど、形が良い胸だ。あんまお世話になった記憶は無いがな」
「ふぅ……ん!……おっぱい、好きなの?」
 吐息を零しながらマオはシオンを見た。昔から殆ど胸に執着を示さなかったシオンだが、今の彼を見ていると嗜好が変わったのかとマオは考えずには居られなかった。
「あ?……別に乳自体に興味はねえ。所詮は脂肪細胞の無駄使いだぜ」
「……本当に?」
 口では何やら酷い事を言っているシオンだったが、マオにはどうも信じられない。ジト目で睨みながら、自分の胸に頬を摺り寄せるシオンは言動と行動が全く一致していない。
「本当だ。ただ、それがお前の体だってんなら、話は別だ。……愛でたいじゃないか」
「……もう、馬鹿//////」
 それがシオンの答えだ。彼にとって重要なのはそれがマオの胸か否と言う一点だったのだ。釈然とはしないが、言われて悪い気はしないマオは頬を赤らめる。
 ……否、寧ろもっと褒めて欲しかった。

「味も見させて貰うぜ」
「っ!くんんんっ!!」
 シオンはそう断りを入れてから、マオの片方の乳房を口にした。彼の言う通り、小振りだが弾力のある御椀型のおっぱいだ。舌の先で乳首の周りをなぞりながら甘噛みしてやるとマオが鳴いた。
「……少し、しょっぱい」
 ほんのりとした汗の味が絶妙な塩加減を与えていた。汗の香りとミルキーな甘い匂いが鼻を抜けてシオンの脳味噌に霞を掛ける。
 この手の香りはシオンは苦手だったが、マオの発するそれならば彼も我慢出来るのだろうか?乳臭さに魅了されそうになりながら、硬くしこった突起をコロコロと転がしていく。
「ぃ、ひっ!?……ふにゃああ!」
 見た目は大人っぽく変わっても、マオは本質的には子供っぽさを内側に大きく残している。耳を打つ可愛い悲鳴は、滾るモノを内側から涌き立たせた。
 雌猫をこうやって泣かす事は或る意味、シオンだけに許された特権だ。それを光栄に思いつつ、彼は片手をもう片方の胸に這わせ、指を食い込ませながら乳輪をなぞる様に刺激し始める。
「シオ……っ!」
――ちゅっちゅっ
 軽快な音が部屋に響いた。マオはシオンの施す気持ち良い愛撫に物足りなさを感じ出したのか、モジモジと自分の脚を擦り合わせた。
 ……胸を弄られるのは良いが、今はそれ以上に弄って貰いたい場所がある。
 シオンはそんなマオを無視する様に一心不乱に胸を嬲り続けた。それが数分続くと、とうとうマオは根を上げた。
「もう……もう!辛いよぅ!」
「(ニヤリ)」
 その言葉を捉えたシオンはほくそ笑む。そんな派手に焦らした覚えは無いが、マオにとってはこれ以上堪えるのは限界だったのだ。
 為らば、望み通りにしてやる。そう考えたシオンは空いたもう片手をマオの股座に突っ込んだ。
「にゃんっ!?」
 びくっ。跳ね上がるマオの体を押え付けながら、指をくの字に折り曲げて熱い泥濘の中に侵入させた。そこはもう既にドロドロに溶けきっていて、襞が無遠慮に指に絡み付いてくる。
 そうして、シオンは両の乳首を捻り上げ、また強く吸引しながらマオの蜜壷の入り口上部を指の腹で強く引っ掻く。
「ふきゃあああああああ――――っっ!!」
 耳にビリビリ来る叫び声が発せられた。マオは感電でもした様に四肢を引き攣らせ、白い喉を晒しながら仰け反った。飛沫く少量の愛液と涙の粒がベッドシーツに暗い染みを作る。マオの官能の絶叫にシオンは痺れそうになっていた。
「随分、派手に逝くな?お前の此処、豪い事になってんぞ」
「ふああ!あ、ぁぁっ!……♪」
 膣に突っ込んだシオンの指にはべとついた汁が大量に付着していた。マオはくったりと脱力し、夢見心地と言った感じで虚ろな視線を彷徨わせる。シオンの声は届いていないらしかった。
16SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:42:47 ID:Cmwq4lIY
「脱がしちまうぞ、これ」
「んっ」
 シオンはマオの下半身を覆う最後の布を取り払う。マオは抵抗らしい抵抗をせず、あっさりとそれは脱がされた。愛液を吸ってずっしりと重たくなったそれは下着としては半分お釈迦の領域だった。
「お前ってこんな汁気多かったっけか?正直、生臭くて敵わん」
「ば、馬鹿ああぁぁ//////」
 愛液を吸ったパンティを床に捨て、シオンは淡々とした表情を崩さずにマオを煽り続けた。
 髪色と同じ赤いヘアが薄く生い茂り、クレバスから匂い立つ雌の香りはそれこそ濃密過ぎて吐き気すら誘ってくる。マオの情念と肉欲をそのまま放ったかの様なそれが徐々にシオンの体に染み付き、理性を奪っていく。
 女性にはその手の話は禁句なのだろうか?マオは瞳に涙を溜めて、顔を手で覆う。
 ……その仕草が凶悪に映ったシオンは少し大胆になった。
「そうやって、俺の事を誘うんだな。全く、性質が悪い」
「……えっ!?ちょ、シオ――ひあああああ!!」
――ちゅむ
 シオンは既に御開帳されたマオの下の口と口付けを交わす。大きく開かれ、ひくつくマオの秘唇はそれこそ防御を全て捨て去っていたので詰め寄るのは容易だった。
 脚を大きく広げていたマオは当然、シオンの攻撃をかわせる筈も無く、引き攣った声を上げて鳴くしかなかった。
「汗のしょっぱさと酸味が絶妙だな。小便臭いのはこの際我慢するけどよ」
「やあああああ!!」
 汗、アンモニア、そして乳製品の香りが混じったマオの匂いは下半身がパンパンになるほどの破壊力を秘めていた。酸味を含んだ粘つく愛液はマオの奥底から次々と滲み出て、シオンがどれだけ啜っても涸れる素振りを見せなかった。

「にゃあああ!にゃはぁっ!」
 滴る果汁で口元を汚しながら、自分の女を舐め上げるシオンにマオは羞恥と興奮に満たされた叫びを喉から振り絞る。だが、どれだけ泣いた所でシオンが攻撃の手を緩める事は無く、暫くそれに翻弄されているとマオの口からは甘い喘ぎが聞こえ始めた。
「んぐっ」
 差し入れた舌が切り取られそうな強烈な締め付けが常に襲っている。襞の翳りから愛液の塊を掻き出し、嚥下してまた奥を嬲ると言う事を繰り返してみる。
「も、もっとぉ」
 そうして自分の呼吸が苦しくなって何事かと思えば、マオが自分の頭を押さえつけていると言う事実にシオンは寒くなる。
「もっとしてえ……!もっともっとぉ♪」
 注文は後から後から追加されるが、それを捌くのが難しくなってきた。窒息ならぬ膣息でこの世を去りたくないシオンは腕の拘束が緩い裡にマオの股座から抜け出す。そうして、口元の愛液を拭うと彼は安堵した。

「あ、危ねえ。危うく落ちるトコだったぜ……」
「……シオン?」
 気持ち良い愛撫が中断した事にマオは不満を隠そうとはしなかった。シオンは宥める様にマオに囁いた。
「いや、判る。気持ちは判る。でも、少し落ち着こうぜ?」
「はあ?」
 乱れるのは構わないが、それが死に直結するのは勘弁願いたいシオン。マオはシオンの言いたい事がさっぱり判らず、首を傾げるだけだ。
「拗ねるなよ。投げ出したりしないから」
「拗ねてないけど、ねえ」
 為らば、その膨れっ面をどうにかしなさい。そう言いたいシオンは苦笑しながら、手を再びマオの脚の付け根に伸ばした。
「あん!……ま、未だ弄るのぉ?」
「もうちょっとな。他に弄る冪は場所は残ってんだ」
「もう、良いでしょう?……頂戴よう」
 マオは飢えた自分を満たしてくれるモノを求めてシオンの股間へと腕を伸ばそうとした。窮屈そうにズボンに収まっているだろうシオンのライトニングフェンサーは外から見ただけではちきれそうだ。
 だが、シオンはその場所をがっちりガードしてマオに微笑んだ。
「がっつくな」
「うう〜〜」
 マオの気持ちはしっかり理解しているが、シオンとしてはもう少しマオの体で遊びたいのだ。久し振りの情事で只嵌めるだけでは華が無いとシオンは一応気を遣っていた。
17SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 11:45:59 ID:Cmwq4lIY
「んくっ、ふあっ!そ、其処は……!」
「俺が一番好きな……そしてお前の一番弱い処だなあ?」
 小指の先でクリクリその部分を弄ってやった。膣口の上部に位置する外性器はマオの最強のウィークポイントである事をシオンは知っている。
 実際、マオもその場所が敏感な所であると言う自覚はある。昔は飽きるほど嬲られて、しっかりと調教された其処は今でも自分でする時に多用するのだ。
「包皮越しだが、ビンビンキてるのが判るぜ。此処弄るとお前は良い表情するんだよなあ」
「いやん……苛めちゃ厭にゃんっ♪」
 口ではそう言いながらその顔は盛りの付いた雌だ。こんな可愛い仕草をされると、今直ぐに貫きたいと言う衝動が抑えられなくなりそうなシオンだったが、それはギリギリまで耐える事にした。これが最後だからだ。
 包皮越しに肉の豆を指の上で転がす。神経が密集した敏感な場所はそれだけ悲鳴を上げそうな快楽をマオに送る。シオンもそれを承知でそこを弄っていた。
「ぃ……ぎっ、くひぃ!ひぃ……ん!」
 指の間で挟みながら円を描く様に捻るとマオが震えた。そうして濁った愛液が再び大量に割れ目から溢れ出す。その様子は視覚的に危険な代物でシオンは生唾を飲み込んだ。
「相当好きなのは相変わらずか。……剥いちまって、良いかな?」
「っ!……それは、刺激が強いよぉ」
「だけど、そっちの方が派手に逝けると思わねえ?」
「そ、れは……っ」
 マオはもう判っている。自分自身でもそれを期待していると言う事がだ。もう既に取り繕うモノは存在していないのだから、この男に全て溶かされるのも寧ろ本望だとも思っている。マオは唾を飲み込み、そして決断した。
「(コクン)」
 目を閉じて頷いたマオ。シオンは何も言わずに包皮を剥いた。
――ぷりゅ
「きゃひいっ!?」
 たったそれだけだったが、マオの被害は甚大だった。軽く潮を噴いたのか、シオンの手はビチャビチャだった。
「む……相変わらず、立派なモンだな。また成長したんじゃないのか」
「か、ぁ……ぁ、うあ」
 実に見事なクリトリスだった。真っ赤に充血したツルリとした陰核が外気に晒されている。小指の先以上に大きなそれにシオンは何度となく狂わされた過去を持つ。
 マオは絶頂を極めたまま帰って来ていなかった。
「これだけデカいと本当に嬲り甲斐があるぜ。殆どこれ、チ○ポだろ」
「にゃあああああああああ――――!!!!」
 ぎゅうっ!挟み潰すかの様な指の圧迫が激痛と共に強烈な快感を与えてきた。悲痛な叫びの中にも何処か艶が入り混じる。
「おおっと悪い。加減を忘れたぜ」
「ぃ、痛いにゃんん……!」
「あーー、悪かった。敏感な場所だから、優しく愛でないと、な」
「っ、ぐすん」
 だか、痛かったのは本当らしい。珠の涙を零すマオに対し、流石に調子に乗り過ぎたと反省したシオンはキスで涙を拭ってやった。発生学的には男性の亀頭に相当する部分だ。そんな部分を今の様に責められれば男だって泣き出す事請け合いだろう。
「優しく……こんな感じで、な」
「んくっ……きゅうっ!ふにゃああああ♪」
 コツさえ掴めばこんな感じだった。裏筋に相当する部分を弄られて、トロトロと本気汁を零して悶えるマオは気持ち良さそうだ。
 もっと愛でてやりたくなったシオンは少しずつ弄る指の動きを大きくしていった。
「にゃっ!?にゃああ!にゃふっ!!」
 ミーミー泣くマオは本当に可愛らしくてついつい加減を忘れそうになるが、シオンは一番大事な部分を忘れない。それは理性を残して、相手を愛でると言う事だ。
 ちゅこちゅこ女のペニスを扱くシオンの手腕はマオを虜にしていた。
「ぃ、逝きそう……!」
「そうか?……じゃ、天辺まで昇らないとな」
 そうしてあっさりマオは絶頂の尻尾を掴んだ。シオンはそのまま動きを激しくしてマオを導いてやる。シオンの服を掴んで肩の窪みに顔を埋めたマオは今日何度目かの絶頂を極めた。
「んっ!んんんっ――――!!」
 声を押し殺して叫ぶマオ。愛液が小水の様に飛び散るがシオンの興味は別にあった。
18SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:03:10 ID:Cmwq4lIY
「ふっ、ふああああ……っ」
「さて」
ベッドに沈んだマオは肩で大きく息をしながらブルブル体を震わせている。それだけ大きい波が襲ってきていたのだろう。シオンは動けないマオの脚をぐっと開き、膣口を大きく指で広げた。
「……仕込みは十分。良い塩梅だ」
 開いた膣口は呼吸する様に開閉を繰り返していた。奥底から零れる白濁した愛液はもうとっくの昔に準備が完了していた事をシオンに伝えてくる。
 もう、これ以上弄った所で進展が無いのは間違い無い。漸く最終段階にやってきた事を確認し、シオンは着ている上着を肌蹴て脱ぎ捨てた。
 最後のお楽しみはもうそこまで来ている。先延ばしにはこれ以上出来ないので、シオンはやっと自分の剣を解放する。ジッパーを下げると、滾った欲望の化身が飛び出した。そして、それこそが、マオの望んでいたモノだった。
――天を摩す怒張
 ……と言うには些か誇張があるが、それでもシオンの一物は天井を向いて反り返っている。可愛い顔をしながら持っているのはかなり凶悪な武器で、女を泣かせる事に特化した肉塊だ。
 人を捨ててからと言うもの、一度として使われる事が無かったシオンの武器は久々に現れた獲物を貫きたいと吼えている様だ。カウパー液を涎の様に刀身にこびり付かせ、黒光りするそれはひたすらに雄々しい。
「うぁ//////」
 それが目に飛び込んだマオは正気を取り戻し、息を呑んだ。それこそ何度もお世話になり、愛を分けて貰ったシオンの剣。マオが愛して已まない物。恐る恐る指を伸ばし、その幹に触れるとシオンが呻く。
「っ!」
「きゃっ」
 ピク、と一物が跳ねる。自分と同じ、寧ろそれ以上にシオンが溜め込んでいる事をマオは瞬間的に判った。
「な、何か……凶悪。気のせいかも知れないけど、前より大きい?」
「あーー、そうだな。当社比二割り増しって処か。体積が」
「どれどれ……うわっ!す、凄」
 掌で包み込むとその場所の異常な熱さが伝わってくる。びくびく打ち震えるシオンの一物は我慢の限界に既に来ている。その証拠にシオンは辛そうに呻いた。
「……あんまり弄らんでくれ。暴発は避けたい」
「ご、ごめん」
 パッ、と手を離し、マオは謝罪する。若し誤射が起こってしまえば、目も当てられない事態になってしまう。シオンもマオもそれは望まない。
 では、どうすれば良いのか?そんな事は考えずとも明らかだ。飢えて涎を垂れ流している雌の孔、そしてそんな穴に踏み入りたい暴れん棒将軍が直ぐ近くにあるのだ。
「アタシを、犯すの?」
「ああ。お前に突き立てたいって衝動がもう抑えられねえ」
「(ゴクリ)」
 マオは口腔に溜まった唾を嚥下し、シオンのその台詞を反芻した。素直に自分を求めてくれているシオンと一つになりたいと言う圧倒的な衝動は彼女の内にも湧いていて、それはもう確かな形となって自分の奥底から本気の汁を溢れさせている。
 もうお互いに一杯一杯の状態だったのでマオは自分の尻をシオンに向けた。

「っ?」
 そうして、マオは自分の股座に手を添え、シオンの目の前で自分の場所を尻肉と一緒におっ広げた。
「来て、良いよ?シオン」
 広げられた陰唇からドロドロの液体が零れ落ちる。尻の穴も子宮への門も丸見えで些かマオは恥ずかしかったが、今はそれ以上にシオンを煽りたかった。
「そのぶっといオチ○ポ、アタシのドスケベオマ○コに食べさせて欲しいにゃん……♪」
「う……」
 その台詞だけでゾクゾク背筋に奔る物があった。マオの色香に完全に冒されたシオンはふらつきながら何とかマオの腰を引っ掴んだ。
「何もおねだりしてみろとは言って無いぜ、俺は」
「え?だって、本当の事だし//////」
 ……Oh,mammy.
 少し、弄り過ぎたのかも知れない。その所為で今のマオは妙なスイッチが入っている。それはそれで好都合だが、こっちの理性が砕かれては堪らないシオンは最後まで心を保たせられるか本当に心配になってきた。
「……往くぞ?」
「ん」
 幸いにして潤滑油代わりのお汁は幾らでもあったのでシオンは一物にそれを塗し、先端をマオの女に持っていった。
19SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:06:07 ID:Cmwq4lIY
「ふっ、ふう……ふうっ」
 バクバクとした心臓の鼓動が黙っても聞こえてくる。熱いシオンのモノが入り口に当てられ、今にもそれが入ってきそうだと考えると、もうマオは正気では居られない。
「ぅ、うお!?」
「んあぁ!!」
 そうしてほんの少し腰を動かすと、マオの其処が意思を持つかの様にシオンの先端を飲み込んだ。呻きながらシオンは自分の一物がマオの膣に食まれ、咀嚼される様子を頭に描き、冷や汗を垂らす。
 実際に先端は既に喰われ、奥へ奥へと誘われていた。
「……たく、エグい穴だな相変わらずよお」
 未だ先端だけだが、シオンは既に吐き出しそうになっていた。何度も往復したマオの穴だが、今日のその場所は以前のそれのどれよりも危険に満ちていた。
「んくっ……シオンの、おっきい♪」
 竿全体を舐め上げる襞の感触が思考を漂白し、搾り取る様に、また押し潰す様に締め付ける壁の圧力には勝てる気がしない。何故かシオンは天空塔49階から出現するボウライダー&ミノタウロス大部隊を相手にしている気がしてきたのだった。
 待ち望んでいた剛直がやっと与えられ女の快楽を甘受するマオは尻を振りながら更にシオンを咥え込もうとした。
「これは、押し通る冪、なんだろうな」
 このままでは圧力に圧倒される。そう踏んだシオンは無茶を通す事に決めた。入り口から最奥までを串刺しにすればマオも少しは大人しくしてくれるだろうと都合の良い解釈をし、シオンは腰を思いっきり突き入れた。
――パァンッ!
「かっ!ァ――――――!!!!」
 陰嚢と尻肉が良い音を立てた。子宮口まで一気に串刺されたマオはその衝撃に目を見開き、次いで思いっきり膣内を収縮させた。地味だが相当に大きな波が襲った様で、引っ掴んだベッドシーツは伸びて皺だらけだった。
「はっ、ハハハ……」
 マオのマン肉による熱烈な抱擁を受けながら、シオンは乾いた笑いを零す。
――やっぱ無理だった
 大将首狙いをした訳ではないが、そもそも突っ込んでいる状態ではマオの愛から逃げる事は不可能だったのだ。確かにマオは一端大人しくなったが、それ以上に痛い一撃がシオンの耐久力をごっそりと奪っていく。
 アドバンス並の苛烈さだった。襞の感触やら柔肉の熱さを堪能する間すら無く、ひたすらに射精感だけが募っていく。マオの其処は搾り取る事だけしか考えていないのでは?とシオンは思ってしまう。そして、それは正解に近い。
20SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:07:45 ID:Cmwq4lIY
「っ、いきなり、激しいにゃん//////」
「ちょっ!?……そんなに締めるなよ!」
「んにゃ?ひょっとして、辛いの?」
「かなり、ヤバイ。癒しの水プリーズ」
 ヤバイ状況を通り越して瀕死の状態だった。せり上がるシオンの欲望は今にも飛び出しそうで、肛門に力を入れてそれを先延ばしにする事位しか出来はしない。
 一回逝って楽になったマオは荒い息を吐きながら、堪えるシオンを振り返って何故か笑いそうになった。残念ながら、回復アイテムは持っていないマオだった。
「逝って良いよ?シオン……んっ、んん」
「いや、それは……ぐっ!」
 何故か射精を堪えようとするシオン。マオはそれを促すべく、以前仕込まれたやり方そのままに複雑に膣を蠕動させる。その一撃はシオンの守りを突破した。
「一回限りで……っ、終わりじゃないでしょう?アタシに熱いの、頂戴?」
「マオ……」
 マオの言う通りだった。シオンの内に蟠るそれは一回の射精で全て放出できる様な量では無い。為らば、一度出して余裕を取り戻せるのならばそれも良いかも知れないとシオンは思った。
 そして、その考えはあっさりとシオンを傾かせた。
「……判った。此処は俺の負けで良いぜ。そん変わり……な?マオ」
「ふえ?……うん//////」
 もう我慢するのも馬鹿らしいシオンはマオの耳元で何やら囁くと、大きく腰を動かし始めた。突き入れられるシオンの怒張に合わせる様にマオは腹に力を込めた。
『思いっ切り締めてくれ』……それがシオンの囁いた言葉だった。

「くっ、ぅ……っ!良い感じ、だぜ!」
「ひん!ぃっ!ふっ、ふはああっ!!」
 突き立てられる襞の牙が怒張に食い込んで精液と言う名の血が出そうになる。往復する一物の形が判るほどにきつく締め上げるとその摩擦に火傷しそうになる。
 マオの締め付けにシオンの射精のボルテージは上がり、マオもまた突き上げるシオンの怒張に絶頂の影を見た。下半身の一部分で繋がり、その快楽に蕩けそうになりながら、天辺を目指してヒートアップする二人は何処までも相性が良かった。
「アンッ!アンン♪♪」
「うおっ……流石に拙いか」
 引っ掴んだマオの腰を逃さない様に抱えて内側を抉り続けていたシオンは限界を来た事を悟って背筋を震わす。マオの膣の圧迫と襞の攻撃は執拗で退路が見当たらない。 
 マオもまた枕に顔を埋め、シーツを両手両足の指できつく握り悶絶している。彼女もまた限界が近い様で小刻みに震えるその体からは滝の様に汗が噴出していた。
「も、もう無理だ!何処、何処に射精せば……」
「膣内ぁ!膣内に注いでぇ!!」
 尻だけ突き出して突っ伏すマオの涙交じりの懇願がシオンの耳を打つ。シオンも実はマオの中にありったけぶち撒けたいと思っていたのでそれは好都合だった。
 ……否、此処は寧ろ膣内に注ぐ事こそが正解で、シオンの問いはあまり意味が無かった。
「任せろ!」
「きゃひぃ!!」
 抽送の速度を速めつつ、奥深い部分を小突くシオンにマオの理性は吹っ飛び、トロトロに蕩けていた。自分独りではどう頑張っても至れない快楽の境地だ。それを与えてくれるシオンがどうしようもなく愛おしいマオは何処までも女だった。
「一緒に、逝こうか……?」
「ひぎっ!?」
 そうして、シオンは自分の絶頂に合わせて、マオに止めを刺した。亀頭を子宮口にめり込ませ、加えて先程弄ってそのままにしていたクリトリスを再び無遠慮に捻り上げた。タイミングはバッチリだった。
「ふみゃあああああァああアあ――――――ッッ!!!!」
「ぐお……づっ!くあ、ぁ……!」
 揃って絶頂を極めた二人は目の前に火花が散る様を確かに見た。搾精するマオの膣と壊れた蛇口の様に精液でマオの子宮を犯すシオン。醗酵しそうに濃厚で黄ばんだ白濁は寒天並みの硬さを持って尿道を迸る。
 シンクロナイズによって威力を増した絶頂の快楽は息をする事さえ忘れさせた。
21SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:11:11 ID:Cmwq4lIY
「熱いよぅ……オマ○コ、熱いぃ♪」
「う、っ、熱い訳無いだろうが。人肌だぞ?」
 精液を一滴残らず胎の底で味わったマオは甘い声を漏らし、ぎゅうぎゅうと膣を締め上げる。幹に残る汁を吸いだされながらシオンは軽口を叩いた。生暖かいと言うのならば未だ判るが、それを熱く感じると言うのはどうなのだろうか?
 案外、男の脳と女の脳の違いなのかも知れない。
「でも、とっても熱いにゃん……♪」
「そうか?……マオの中は暖かいな。何度でも飽きない場所だ」
 考えた所で答えは出ないのでシオンは一物を獣の体勢のマオの中に収めたまま、勃起した彼女の陰核弄りに没頭する。一息入れたい気分だった。
「んくっ!そこ、弄っちゃイヤぁ。またおっきくなっちゃう」
「良いんじゃね?いっそ、針でも通して鈴でも付けてみるか?」
「え――」
 シオンは何気にとんでもない台詞を吐いた。マオはそれを頭に想い描く。

――妄想中

「……マオ?」
「っ」
 動きが止まったマオが心配になったシオンがマオの体を揺さ振るとマオの魂は現世に帰還した。
「どうしたよ?」
「え、っと……シオンが、アタシのご主人様?」
「あん?」
 全く以って意味不明な言葉だった。シオンはその言葉の意味を考えて、それを理解すると慌てて言い直した。どちらかと言えば、それは主従の証と言うよりは売約済みの証明と言う意味合いだが、マオはそれを誤解している。
「馬鹿、冗談だよ。ってか、んな事したら俺以外とこう言う事出来なくなるぞ?」
「アタシは、それでも良いけど//////」
 マオは本気だ。シオンはそれに薄ら寒くなった。

「だから、本気にするなっての!俺は女を飼う趣味は無い」
「シオンがアタシの事、最後まで面倒見てくれるなら構わないよ?」
「お前、俺以上に病んでないか?」
「ふふ……きっと、実のパパの血ね」
 ……少し、理解出来た気がするシオンだった。彼女の父親のディオクレスはアヤネとの愛を貫く為に王座すら捨てる覚悟があったと言う過去がある。そしてその血は実に厄介な事にマオにも受け継がれているのだ。その片鱗は外での会話の時も見え隠れしていた。

「一途で結構だけど、どうもな」
 マオがそう言う一面を持っている事にシオンはずっと前から気付いている。
気紛れそうに見えるが、その実誰よりも情が深い。子供っぽい癖に、人一倍泣き虫で背負い込む性分。加えて、向こう見ずで危なっかしい寂しがり屋。……其処に危うさを見出したからこそシオンは彼女と深く関わろうと思ったのだ。
 マオがルーンガイストの間諜である事が露呈した時もシオンはマオを信じたし、彼女が一人でルーンガイスト本陣に切り込んだ時も、クリーパーの群れに拉致された時だってシオンは彼女を救ったのだ。
 そして気付けば、マオはシオンにとって失う訳にはいかない女になっていた。

「……ゴメンね、シオン」
「?」
 マオの寂しそうな呟きが厭でも耳に突き刺さる。しゅんと垂れた彼女の耳を見る限り、気落ちしている様だった。

「迷惑、だよね。アタシみたいな……しつこい女は、さ」
22SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:14:54 ID:Cmwq4lIY
「む」
 シオンが目を細める。マオには何でこんなに不安定になっているのかがシオンには判らない。
「本当はずっと、そう思ってたんだ。アタシは結局シオンに付き纏う事しか出来ないって。だから、アタシは君に見限られたって」
「何を……」
 ひょっとしてこれは自分への恨み言なんだろうか?しかし、聞く限りではそうでも無い様に感じる。マオの言葉には自虐の匂いがぷんぷんしていた。
「でも、君が帰ってきてくれて良かった。最後にまた、愛して貰えたからさ」
「最後、だと?」
「だからさ、アタシの事は忘れて。アタシにはシオンしか居なかったから、それは無理そうだけど、君は違うでしょう?」
「・・・」
 シオンの頭に警鐘が鳴った。これは或る意味別れ話で、しかもお互いの誤解から来ている擦れ違い的なモノだと。シオンは半ば呆れつつ、マオの口上を黙って賜った。

「言いたい事は、それだけか?」
 そうして、マオの言葉が切れるのを確認すると、シオンは動く。
「なっ!?あん!」
――ぐりん
 刺さった一物を支点にしてマオの体を180度回転させる。
「お前さ」
「シオン……?」
 胡坐を掻いたシオンの上にマオが乗っかった。座位に近いその形はマオの体を抱き締めるのには丁度良かった。
「妙な妄想に取り憑かれ過ぎだ」
「っ」
 ぎゅっ、と強くシオンはマオを抱き締める。今日何度目かの抱擁だが、彼女の体はそのどれよりも小さく感じられた。
「お前がそう思うのも当然かも知れねえ。実際、俺はお前の下を離れて……その理由すら告げられなかったからな」
「・・・」
「それについては平謝りするしかねえけどよ。……こっちにだって事情があったんだ」
「知ってる、けど」
 先程、桟橋で語られた話だった。自分を巻き込みたくないから黙って去ったとシオンは言っていた。
 ……当時、マオにとってそれは大きなショックで心に大きな傷を残してしまった。
 マオにとってシオンがとても大きな存在だった事は事実で、それ故に彼女は自分の下を去ったシオンを深い部分で信じられなくなっていた。
 だが、それでもシオンを信じていたいマオは自分に非が有ったから彼は去ったと、そう思わなくては立ち行かない程に追い詰められていた。
 そんな果てにシオンが再び目の前に現れれば、こんな展開になるのは必定だった。
23SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:17:32 ID:Cmwq4lIY
「だけど、な」
 シオンはマオが悪くない事は良く判っていた。寧ろ、多くは自分の責任で、それにほんの少しの不幸が重なった末だと言う事もだ。それなのにこんな泣きそうな顔をしているマオを捨て置く事はシオンには出来ない。
「俺はお前を捨てた覚えは無いし、飽きてもいない」
「っ//////」
「良く考えろよ。お前の言う通りだったとしたら、俺はお前を抱いたりしてない。其処まで節操無しじゃねえよ」
「だって……」
「だってじゃねえ!」
「ひっ」
 説得……否、この場合は口説きとでも言えば良いのだろうか?シオンは心の侭、拗ねるマオに自分の魂をぶつけていた。その真剣さに熱いものが混じり、マオを竦ませるがシオンは止まらなかった。

「俺は、別れるつもりなんざねえ。お前みたいな良い女、忘れられるかよ」

 以前の様に心を閉じていれば、ひょっとしたらマオの言う通りになっていたかも知れない。だが、不幸な事にシオンはキリヤとの出会いを経て、自分は人の心を捨てられないと言う事に気付かされた。
 為らば、今更シオンがマオを手放す事など有り得ないのだ。
「今更、惚れた腫れたってのは可笑しいが、俺は本気なんだぜ?」
 シオンの言葉に偽りは無い。何度も死線を潜り抜け、多くの傷を負いながらも他の仲間が羨む程の絆を作り得たのはパートナーが彼女だったからこそだ。
「ぁ、ぅ//////」
 マオはその言葉を受けて赤面する。そうして、やっと自分が何を言っていたのか理解した。本当に危ない所だったのだ。
「ア、タシ……アタシ、あの」
「本当に、悪かった。ゴメンな。沢山、泣かせちまって」
「シオン……!」
 謝罪するシオンの言葉を聞き、マオは蟠りが解けた気分だった。
 涙腺が緩くなった訳ではないのだろうが、自然と頬を伝う涙が彼女の負った苦境を表している様でシオンは居た堪れなくなる。マオが泣き止むまで、シオンはずっとマオを優しく抱いてやった。

「アタシの考え過ぎ、だったのね」
「一概にそうとも言えないだろ。俺が愛想尽かされるのも、或る意味仕方が無い」
「大丈夫。アタシ、シオンの事は変わらず愛してるから」
「そ、そうかよ//////」
 少し落ち着いたマオは先程までの自分の思考を反芻しながら、シオンに甘えていた。今も昔も変わらずに信じられる、そして愛せる相手だと納得した彼女はその旨をシオンに伝えた。シオンは赤くなりつつ、頬を掻いた。
「ん……で、さ」
「うえ?」
 マオがまた上目遣いで覗き込んできていた。
「その御褒美って訳じゃないけど、欲しいかな//////」
「そんなもんで良けりゃ、幾らでも」
 くねらせたマオの腰が一物を刺激し、精を望んでいる様だった。シオンには当然断る理由は無いので、二つ返事で引き受ける。それ位の甲斐性は見せたかった。
「しっかり愛してね、シオン」
――ちゅっ
 軽く触れたマオの唇は頭にあった一切合切の余計な思考を凍結させた。マオへの気持ちが胸の中をあっと言う間に占拠し、それ以外の事を考えられなくする。シオンはマオに魅せられていた。
24SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:20:12 ID:Cmwq4lIY
「ふう、ふう……う、ぐっ」
 マオに覆い被さって、深い挿入を何度も何度も繰り返す。もうどれだけ時間が過ぎたのかは知れないが、かなりの長時間マオを穿っている気がした。
「あうっ!ふっ、ふああああ♪」
 派手さは見られないゆっくり目の抽送だが、それはマオにはとってはとんでもなく辛い所業だった。
 最奥を小突くシオンの先端が絶え間無く腹膜を刺激してくる。とっくの昔にポルチオの快楽に目覚めていたマオにとっては最上級の焦らしだと言っても過言では無かった。
「もう許してぇっ!馬鹿に、なっちゃうぅ!」
 吹っ飛びかけているのにそれが許されず、生殺しにされている。泣きながら脚をシオンの腰に絡め、更に深い挿入を実現してもマオが絶頂へ昇る事は無かった。
「口がきける裡は余裕があるぜ」
「やあぁ……!オマ○コ疼いて、切ないよぉ!」
 敢えてそうなる様にマオを煽っているシオンは極悪人だった。子宮口を磨く様に丁寧に擦り上げられるマオは理性を完全に手放し、色に狂う。
「偶には、こう言うのも……良いな。マオもそう思うだろ?」
「早く、逝っ、かせてぇ!奥っ、奥に熱いの欲しい!!」
 激しくするだけが能ではない。やり方次第では静かな抱き方でも女を悶絶させる事は可能だ。その証拠にマオは狂った様にシオンの射精を強請り、涙を零して懇願する。シオンの目に映るマオの顔は泣かさずには居られない程、可愛かった。
「うぐっ!……必死だな、お前」
「早く、飲ませて……!」
 噛み付くマオの襞はシオンに射精させようと一物を全方位から舐め上げる。ギチギチと細い糸が竿全体に纏わり付き、痛いほどに締め上げてくる。そろそろ辛くなってきたシオンは腹の底で渦を巻く灼熱感を解放したくなった。
「そうか。……じゃ、しっかり味わうんだな」
 本心を言えば、もっとシオンはマオを堪能したかった。だが、物理的に、生理的にそれを続けるのは難しい状況だった。体は疲労を訴えて鈍い痛みを与えてきているし、自慢の一物も既に折れかけていた。
 だが、これで全ての終わりではない。恐らくこの一発で今日は終わるだろうが、明日以降にもこうしたマオとの関係は連綿と続いていくのだろう。
 ……その足掛かりを得る為に。マオへの証を立てる為に。
 シオンはマオの体を折れんばかりに抱き締め、強く貫いた。

「シオン――!」
――ガリッ
「づうっ!」
 肩口に痛みが走り、その痛みが最後のスイッチを押す。搾り取られる様なマオの膣のうねりに戦慄きながら、沸騰した白濁をマオの最奥に吐き散らかす。
 射精の快楽に視界を歪めながらも、シオンは何が起こったのか確認する。
「ふっ、んっ!!んんんんん――!!!!」
 マオが涙を零しながら肩に噛み付いていた。
「う、が……ぁ……っ、く、糞。妙な癖がっ、付いたらどうしてくれる!」
 突き刺さったマオの鋭利な犬歯は肉を裂いて血の筋をシオンの肩に伝わせていた。不覚にもその痛みが気持ち良かったシオンは愕然とした。何時にも増して噴出す精液の量が多かった。
 ……この痛みが無くては逝けなくなってしまったら、それこそこの女から離れられなくなってしまうからだ。
「ふぐ、ふうううう……♪♪」
 そんなシオンの苦悩は知らないとばかりに、種付けによる絶頂で完全に蕩けたマオは乾きを癒すかの如く、注がれるシオンの愛を子宮で飲み干していた。
「……畜生が」
 その嬉しそうなマオの顔を見ていたら、苦悩が馬鹿らしくなった。シオンは噛み付いたマオを強引に引き離した。
「にゃぅ?……シオン?」
 マオは自分が何をしたのか理解していないのは間違い無い。きょとんとしていたマオは怖い顔で睨むシオンに固まってしまう。だが、シオンは別にマオに怒りをぶつけたい訳では無い。寧ろ、逆だ。
「お前に負けっぱなしだよ、俺は」
――ちゅっ
 触れた唇の感触は少し冷たかった。自分の負けを認め、勝者であるマオに捧げられる愛の篭った口付けだ。その優しいキスにマオはメロメロになった。
「シオン……♪」
 それに応えるマオは女の幸せとシオンの愛を全身で噛み締めていた。
25SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:22:12 ID:Cmwq4lIY
 戦いは終わり、お互いに抱き合って疲れた体を休める。大量の汁を吸ったベッドシーツが体に張り付き気持ち悪いが、二人は動くのが億劫だった。
「・・・」
 自分の腕の中にすっぽり納まったマオを見つつ、ノーマルモードに戻ったシオンは想いを巡らせた。
 本気で正体を無くしたマオの体は文句の付けようの無い程に美事だった。そして自分はそれにまたイカれてしまった。
 ……以前もこれと同じ感慨を味わった気がする。細部は違うが、その結末は今と殆ど同じだ。それが何時だったか仔細はどうでも良いが、シルディア戦役が終わって国に平和が戻ってきた時だった気がする。
 求めて已まなかった平穏の時。自分が旅に出る迄の短い時間。その時にマオと交わした逢瀬と恋慕は魂に刻み込まれている。
 火群の暗殺者では無い普通の娘。剣を置き、光と闇に抱かれる事も無かった自分。お互いに餓鬼だったあの頃は煩わしい事も多々あったが、思い返せば本当に楽しかった。

 だが、それも過ぎ去るのは一瞬で、その後に待っていたのは別離の時だった。
 もう二度と。そんな諦めにも似た感情が自分に渦巻き、気が付けば本当にその時の事は忘れていた。……否、忘れたかったと言うのが本音だ。思い出せば、何時も苦しかったからだ。
 しかし、そんな苦悩も今はどうでも良い。再び彼女とこう言う事をする機会が巡ってくるとは、世の中は不思議に満ちている。偶然、若しくは蓋然の産物。運命と言う言葉だけは好かないが、最悪それでも良い。
 だからこそ、目の前の出来事が信じられなかった。
 自分自身が否定し、半ば諦めていたそれが時を越えて自分に降りかかる。笑い話で済ませたい所だが、そうも言っていられない。若しかして、これは自分が見ている夢の世界なの出来事では?と疑いたくもなる。若し、そうだったとしたら……
「夢なら」
 儚く消え去るのが定めだ。
「……早く覚めて欲しいものだな」
 どうしてかうかない考えばかりが頭を過ぎる。シオンはそれを拭い去れなかった。

「普通、逆じゃないの?」
「うわっ」
 気が付けば、マオが顔を寄せて来ていた。シオンはそれに気が付けなかった。
「起きてたの?」
「うとうとはしてたけどね。でも、君の様子が変だから起きちゃった」
 そのまま寝ててくれれば良かったとシオンは思ってしまった。拙い部分を聞かれた訳では無かったが、今のマオをシオンは直視出来ない。
「で、覚めて欲しい夢って、見ているのは悪夢って事?」
「どうだろうね。僕にはどっちも大差が無い気がするよ」
「……自分にとって都合の良い夢なら、アタシはずっと見てたいけどな」
「マオらしいね、それは」
 マオの言う事にも一理ある。それが自分の願望を果たす様な素敵な代物ならば、それにどっぷりと浸かっていたいと思うのも或る意味正しい。だが、シオンはそんなモノには縋りたくなかった。
「僕はさっさと目覚めたいよ。覚めないからこそ悪夢なんだろうけど、夢って名の付くものは何れ覚めるんだ。それに心を奪われる前に、ね」
「終わりが最初から見えてるから?……確かに良い感じの場面で目覚めたくはないよね」
「そう言う事。目覚めたら、隣に君は居ないんだろうから……取り返しの付く裡に」
「っ!」
 マオは息を呑む。よもやそんな台詞を吐かれるとは彼女にも予想外だった。シオンはまた失う事を切実に恐れている。だからこそ、全て夢で片付けたいのだろう。そうすれば、受ける傷も少なくて済むのだ。
「プッ……クッ、ふっ、ふふ!」
そんなシオンにマオは不覚にも噴出した。
「笑わないでくれよ。本気でそう思ってるんだから」
「あっ、ごめんごめん」
 少しシオンはムッとしている様だった。そんな様子が本気で可笑しいマオは正気に戻る為に気を落ち着けた。
26SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:24:14 ID:Cmwq4lIY
「はあ……ねえ、シオン?」
「何?」
 一頻り笑ったマオはシオンに微笑を向けた。彼が何を恐れ、そしてまた何を手に入れようとしているのかを彼女は既に知っている。今のシオンに一番近いのは自分だから、それが痛いほどに判るのだ。
「それ、前提からして間違ってるよ?」
「マオ?」
「これが本気で夢だってそう思ってる?それとも夢にしたいの?」
「……そんな、事はないさ」
 そう問うてみたら予想通りの答えが返ってきた。シオンだってこの逢瀬を夢で終わらせたくは無いと言う事。為らば、これ以上自分が言う事は無いとマオは思った。
「じゃあ話は終わり。これは夢じゃなくて現実だからね」
「・・・」
 信じる信じないはシオンの勝手だが、それに意味やら解釈を求めている事がシオンのそもそもの間違いだ。だが、あるがままを受け入れられないシオンはマオの言葉を理解しながらも、実践する事は出来なかった。
「それでも未だ信じられないって言うなら、さ」
「あっ……」
 案の定そうなる事を予期していたマオはしっかとシオンの掌を握り締めた。若干、汗ばんだシオンの手は普段以上に熱く感じられた。
「ずっと、握っててあげる。それなら安心でしょ?」
 これ以上、上等な答えの示し方をマオは知らない。目覚めて隣に居ない事が怖いなど、子供の悩みかと一笑に伏したい所だったが、マオはそんな事はしなかった。シオンのその気持ちが良く判るからだ。
 為らば、こうやって手を握っていてやれば良い。寝ている時も起きている時も。そうすれば、疑り深いシオンだって厭でも気付く事だろう。マオはその手を離す気は更々無いし、寧ろ望む所だった。
「リアル、か」
 否、別にドリームでもシオンは構わなかった。だが、掌に伝わるマオの体温は現実をつぶさに教えてくる。もう叶わないと思っていた過去の残滓。胸を苦しめていた未練と言う名の痞えは現在系の形となって果たされた。

「ねえ、マオ」
「んにゃ?」
 ……好い加減に眠くなってきた。瞼を下ろせばそのまま眠りに落ちてしまいそうだ。だが、シオンは眠りに付く前にどうしてもこれだけはマオに伝えておかねばならなかった。
「これからの事だけど」
「あ……」
 その意味についてもう良く判っているマオは途端に悲しげな表情を晒す。それはシオンと付き合う以上は避けて通れない事だった。
「僕は「好きにして良いよ?」
 シオンの言葉を遮り、マオはそう答えた。それは彼女としては長考した末に導き出された答えで、シオンはその意味を噛み締めていた。
「本当はさっきみたいに泣いてでも引き止めたいけど、それはやっぱり卑怯だしね」
 だが、マオの言葉には続きがあった。彼女の顔は笑っているが、その赤い瞳は今にも泣きそうなほどに悲しげだった。
 マオとしては、引き止めたい。だが、シオンが調律者の使命を負う以上はそんな我侭を押し通す事は出来ない。だから彼女はシオンの自主性を優先させたのだ。
「本当に、僕の好きに?」
「うん。でも、行き先は告げて欲しいかな。エルウィンもそう言ったでしょ?」
 念を押す様に聞くシオン。マオはそうだと頷き、一つだけ条件を提示した。以前はその御蔭で彼方此方走り回されたのだ。それを避けるのは当然の選択だった。

「…………ん。じゃあ、そうさせて貰う」
 マオが自分の選択に任せてくれた事にシオンは何度も心の中で頭を下げた。好きにしろ、とそう言った彼女に答える様にシオンは自分の解を示す。
「きゃっ」
 そして、これがその答えだ。シオンはマオの背中に手を回して抱き締めた。

「暫く、ヴァイスリッターと行動を共にするよ」
27SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:27:07 ID:Cmwq4lIY
「シ、オン……それって、復帰するって事?」
 何とも意外な言葉がシオンから発せられる。聞き間違いかと思ったがそうでは無い。まさかとは思うが、その意思がシオンにはあると言う事なのだろうか?たどたどしくマオは尋ねた。
「そうじゃないけど……否、結局そうなるか。本当は迷ったけどね」
 どうやら、そうでは無かった様だ。シオンにはシオンなりの考えがあるらしく、マオはそれが読み取れない。
「どうして、今になってそんな」
「戻れる立場じゃないってのは承知してる。それでも、自分の胸に尋ねてみたら、そう答えてくれたんだよ。僕自身の……シオンの心がね」
「!」
 マオの目が見開かれた。まさか、ゼロになったこの男からこんな台詞を返されるとは不意打ちも良い所だった。未だにシオンが古巣で何をしたいのかマオには判らなかったが、仲間殺しの果てにそれを選択したシオンは実際大したタマだ。
 突っ込んで聞く冪ではないので、マオは何も聞かなかった。
「まあ、僕の代わりであるソウマにはちょっと申し訳無いけどね」
 ソウマを白騎士の新メンバーとして推したのはゼロだ。古巣に戻れない自分の代行者として彼を選んだにも関わらず、その本人が戻ってきてしまえばソウマの立場は殆ど失われたと言っても良いだろう。
 そんな所を気にしている辺りは実にシオンらしいとマオは笑みを零した。
「……じゃあ、シオンは」
「また僕は旅立つだろうけど、それは今じゃなくて良い。調律者としての使命は重要だけど、最優先事項は他にある。……君の、事とか」
 唐突に語られたそれがシオンをこの場に留めた理由だった。最後の台詞を顔を真っ赤にして呟くシオンは何となくだが可愛い。
 ……つまりはそう言う事だったのだ。使命は無視出来ないが、それを越える例外は存在するとシオンは思い知った。それは何処まで行っても自分は人の心を捨てられないと言う事の裏打ちで、シオンはそれを受け入れたのだ。
 そして、それが確認出来た事はシオンにとっては大きな収穫だった。
「いや、ヴァイスリッターって言うよりは、個人的に君の側に居たいって言うのが本音だな」
「//////」
 赤面状態で男らしい台詞を吐いたシオン。今度はマオの顔がレッドゲル並に赤くなった。

「今回は流石に堪えた。その懺悔と贖罪……じゃないけど、もうこれ以上君を泣かしたくないんだ」

 本当に個人な感情でシオンは動いていた。ここまで潔いと逆に清々しい。仲間殺しの罪が消える訳ではないが、今まで自分を散々泣かしてくれた事については水に流そうとマオは決めた。
「シオンっ♪」
「むぐっ」
 乳肉に顔が埋もれ、息が苦しい。マオの愛情表現は存外に危ない。
「許す。現団長として許したげる。馬車馬の如くこき使って上げるから覚悟してにゃん♪」
「……お手柔らかに」
 団長のお墨付きが出た。これで暫くはシオンのヴァイスリッター内での立場は安泰だ。……仲間達の痛い視線は覚悟しなくてはいけないが。
28SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:29:47 ID:Cmwq4lIY
「またシオンと……ラブラブな生活が出来るんだ」
 昔は確かに仲が良かった。それはお互いに覚えている。だが、これからは昔話では無くて現在形で作っていかねばならない事だった。
「前と同じく団長には睨まれるんだろうな、ははは」
「ヴォルグに口は挟ませない!ロートルには退場願うにゃん!」
 そして、それについてはシオンもマオもあんまり心配していない。ただ、昔は散々ヴォルグにからかわれた事をシオンは未だに警戒している。だが、そんな彼の義娘は逞しかった。今の団長はアタシだとアピールしている様だった。
「でも……シオンはやっぱりシオンだったね」
「キリヤが気付かせてくれた。やっぱり根っ子の部分では変われないって」
 シオンにとっての不幸……寧ろ、幸運か。どちらにしろ、リーベリアでキリヤと心を通わさなければこの結果には至れなかった。昔の女と縁りを戻せるとは、本当にシオン自身も考え付かない事象だったのだ。
「そっか。じゃ、キリヤに感謝しなくちゃ♪」

「感謝?…………」

――ピクッ
 感謝と言う台詞に鋭敏に反応するシオン。動きを止め、何かを思い出そうとしている彼の姿には何か黒いものが混じっている気がした。
「シオン?」
「――そうだった。ああ、そうだったな」
そして、シオンは思い出した。その顔は爽やかな笑顔で、見慣れたマオでも思わず見とれる程に美事なモノだった。
「(びくっ)」
 だが、実際はマオはそれに恐怖を感じ、シオンの腕の中で全身を総毛立たせた。
『♯』←こんな形の何かがシオンのこめかみに張り付いていたのだ。
「取り合えず、明日は『感謝を込めて』バーストレーザーを斉射しとくよ」
「うわ」
 自分がキリヤに何をされたのか、それは決して忘れてはならない事だった。古巣と言う名の死地に放り込んでくれた事に是非お礼をしたいシオンは口元をキュウ、と歪めた。
「あの……死なない程度に加減は。また人死には、困るから」
「それは勿論」
 マオは確認を求める様にシオンに言った。リュウナとラザラスの様な事は二度とあってはならない。そして、シオンの呟きを聞いたマオは何処かに居るであろうキリヤに対し、心の中で合掌した。


――その当の本人は未だ彼等の部屋に張り付いていた
「へっくし!」
 盛大にくしゃみをかまし、全身を包む寒気に身を振るわせるキリヤ。
「うう〜〜……寒気がする。風邪を引いたかな」
 確かに外気温は低いのだが、防寒は万全なので風邪を引いたとは考えられない。もっと別の何か……呪いの様なモノが身体に絡み付いている気がしたが、その正体についてキリヤはその段階では未だ判らなかった。
「でも、これはハッピーエンドって捉えて良いのかな?」
 最初から最後まで結局覗いてしまった。何やら喧嘩でもしている様な場面もあった様だが、今の二人はそれを乗り越え、在る冪場所に収まったと見て取れる程にラブラブだった。
「いや、良いんだろうな」
 キリヤはそう思い込む事にした。全ては主観だが、それは間違いではないと何故か自信を以って言える。傍観者にもそう見えるのだから、当事者同士でもきっとそうなのだろう。そうでなくては救いが無い気がしたのだ。

「しかし」
 辺りは真っ暗だった。夜明け前が一番暗いと言うが、そんな時間まで仲間の情事を覗いていた自分自身は何なのかとどうしても考えてしまった。
「……どうしようかな、これ」
 シオンとマオの愛ある行為を目の当たりにしたキリヤの息子は大変な事になっていた。ズボンの中でパンパンになったそれはちょっとやそっとでは治まりそうに無い。
 だが、残念ながらキリヤの欲望を受け止める人間は何処にも居なかった。
「アレ、おかしいな。何か、目から汗が」
 これも或る意味男泣きだろう。だが、それが噴出す理由は馬鹿馬鹿し過ぎて誰も取り合わない類のものだ。
「……侘し過ぎる。って言うか、俺は何やってるんだ本当に」
 答えてくれる者は居なかった。こんな事なら戦いに明け暮れるのではなく、女の一人でも作れば良かったと不覚にもそう思ったキリヤだったが、その考えは即座に捨てた。有り得ない事だし、今更のそれは遅過ぎるからだ。
「今日、寝付けるんだろうな俺……」
 自分の部屋に引き上げるキリヤは白み始めた空を遠い目で見ながらそう零す。
 
 盛りきや盛りきや愚息はまだ固く 窓の端にひさかたの色濃き日が出ずる 朝チュン
 
 ……そんなフレーズが帰り道では常に頭の中で木霊していた。
29SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:35:00 ID:Cmwq4lIY
――勇者亭 正午過ぎ
「ちわーーっす……」
「よう、キリヤ」
 覇気の無い声で勇者亭の敷居を跨ぐキリヤを出迎えたのは、普段と変わらない元気な声のヴォルグだった。
「こんにちは……」
「何か、元気無いなお前」
 ヴォルグはキリヤの様子に目を少し細めた。死にそうなほどに酷いキリヤの顔は血の気を感じさせない色で、目には大きな隅が出来ている。本当に血色が悪そうだった。
「ええ。殆ど眠れなかったんで昨日は」
「ああ?あれだけ飲んだのにか。お前、何やってたんだ」
「……秘密」
 何をやっていたと問われても、それは流石に口に出来なかった。イベントに捉まって寒い中何時間も拘束され、明け方過ぎに部屋に帰ってそれからずっと悶々としてたなど口が裂けても言えない事だった。
 ヴォルグは気にはなったのだろうが深く聞く事はしなかった。その心遣いは素直に感謝したいキリヤ。……彼本人としても昨日の出来事はさっさと忘れたかった。
「それより昨日は済まなかったな。お前だろ?片付けといてくれたのは」
「え、ええ」
「助かった。礼を言うぜ」
「はあ。まあ、放っとけなかったから」
 キリヤ自身忘れていた記憶が引っ張り出された。こう言う事は直ぐに忘れられる癖に、忘れたい事に限って頭に留まり続ける。世の中そう言うものだと理解しつつも釈然としないキリヤだった。
「ふっ……益々気に入ったぜ、キリヤ」
「おわっ」
「そいつは俺からのサービスだ。受け取っといてくれや」
「え、遠慮無く」
 別に礼を言われたいが為にやった訳じゃない。だが、ヴォルグはしっかりとその事を評価してくれていた。頼んでもいないのに酒が注がれたジョッキが目の前に鎮座している。胃が飲食を受け付けない状態だったが、キリヤはヴォルグの好意を断れなかった。

「人、居ませんね」
 ちびりちびり酒を啜りながら周りを見渡して、キリヤはそう零した。客は数人居る様だが、それはキリヤが知らない人間ばかりで彼の知己は殆ど居なかった。
「皆ダウンしてるんだよ。ピオスは往診だろ。クピードは其処に居るし」
「あの程度の飲みで潰れるとは、若い連中はだらしないぜ」
 昨日の騒ぎを乗り切ったのが年長連中だけだと言うのが恐れ入る。しかも、その彼等はケロリとした顔をして仕事をこなしているのだから侮れない。まあ、クピードは今は客として勇者亭に居るのだろうが。
「ソウマとエルウィンは死亡中か」
 ソウマは自分が昨日、部屋まで連れて行ったので死んでいる事が容易に想像出来た。エルウィンについては知らないが、きっと同じなのだろう。
「カイネルあんさんとその妹は……未だ寝てるのかな?」
 ……問題なのはルーンベールの兄妹についてだった。意図した訳ではないが、逢瀬の邪魔をしてしまったのだからきっととんでもなく怒っているに違いない。顔が割れていなくてもそれは同じで、暫くキリヤは彼等に顔を合わせたくなかった。
 だが、世の中やっぱり都合良くいかなかった。

「ちゃんと起きてるわよ」「俺達がどうかしたか?」

「ぶっ、ごふ」
 ステレオで聞こえて来た二人の声に思わずキリヤは酒を噴出した。
「「?」」
 カイネルとブランネージュは変なものを見る様に冷ややかな視線をキリヤに向ける。
「いや……どうも」
 ……どうやら、バレてはいなかったらしい。
30SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:36:49 ID:Cmwq4lIY
「後はマオとシオンか?……アイツは、帰っちまったのかな」
「アイツって、シオン?」
「そうだ」
 ヴォルグはちょっとだけ元気が無い声でそう言った。
 ……まあ、今ははぐれ雲をやっているシオンに対しその手の心配をするのは尤もだ。だが、キリヤはそれは違うと言う事を知っていた。

「それは無いでしょう。今頃、マオと宜しくやってる筈……」

「「「「なぬ?」」」」
――突き刺さる視線が痛かった
 キリヤはハッ、としたがそれはもう遅かった。吐いた言葉は呑めないので、突っ込まれる前にキリヤは慌てて取り繕った。
「い、いや……昨日の夜、見かけたから」
「宜しく、か。何か響きが卑猥だねえ」
 クピードがにんまりと笑う。……宜しくやっている、と言うか犯っていた訳だが、それは言わないお約束だった。多分、その意味は此処に居る皆が知っている。
「ったく、あんのじゃじゃ馬と表六玉は。……叩き起してやろうか」
「団長。そいつは、推奨されないよ」
 父親パワーが発動しそうになったのか、ヴォルグは本気で厨房を離れそうな勢いだった。だが、それは流石にキリヤが止めた。
「「「「?」」」」
「他人の恋路を邪魔したって、切ないだけさ」
 再び皆の視線が集中したがキリヤは動じず、酒を呷るとそう言った。……その侘しさは昨日キリヤは既に味わっていたのだ。
「嘆かわしい事だ。獣魔王殺しのプラチナペアが今では……」
「天空の塔を忘れてるわよ、兄さん。踏破したのもあの二人でしょ?」
「え!シオンは兎も角、マオってそんな凄かったのか!?」
 カイネルとブランネージュは堕落したシオン達に心底呆れていた。そしてキリヤはその事実を知って驚愕する。人は見かけによらないと言うのは本当だった。
31SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:39:38 ID:Cmwq4lIY
――同刻 マオ私室
「うぐ……」
 下半身の一部がムズムズする。夢と現の狭間を周遊していたシオンは現世に無理矢理意識を送還させられた。
「な、何?何が起こってる?」
 生温かい蛞蝓が一物の先端に這っている様だった。ざらざらしたその感触と一物全体を包む暖かさはシオンが昔に経験した事がある事柄だった。
 寝起きで胡乱な頭を無理に回転させ、かなり気持ち良いそれの原因を確かめる為、シオンは視線を自分の股に移した。
「ふにゅ?」
 ……自分の一物を咥えているマオとばっちり視線が合った。
「……何してんの?」
「おはよう、シオン」
 朝の挨拶……否、もう昼間だがそんな事はどうでも良かった。
「だから、君は何してんのさ」
「ん〜〜?……起きたらアタシの恋人が切なそうにしてたから、御奉仕♪」
 君の恋人は僕の一物なのか?……もうそう突っ込む気すらシオンには無かった。その前に、手を握っていてくれると言うあの台詞は何処に行ってしまったのだろうか?
「いや、生理現象にそんな目を輝かせられても……あう」
「んふ〜〜」
 都合の悪い事は全て封殺する様な強烈な御奉仕だった。されるのは好かないシオンも寝起きで力を出せないのか、マオを跳ね除ける事は出来なかった。
 ちゅうちゅう竿を吸引するマオは今日も元気に盛っている。

「寝起きに一発、すっきりする?身も心も蕩けてヨーグルトに……♪」
「何、その使い道が限定されそうなリンク技。その前に返って疲れるだけだと思うけどな」
 漸く竿を放したマオは意味不明な言葉を囀り、また臆面無くそう告げて来た。昨日の情事の名残か、二の腕とアレが重たいシオンは全く乗り気ではなかった。
「あ……あんんっ!」
「……って、勝手に跨ってるし!」
 シオンの返答は無視する様にマオは亀頭の先端を飲み込むと、その腰を一気に落とした。深い挿入にマオの膣全体が喜んでいるのか、優しい締め付けが竿の全体にきゅんきゅん伝わってきた。確かに気持ちは良かったが、一物は萎えそうだった。
「シオンくぅん」
「何ですか、マオさん」
 もう呆れる。そんな顔をしながらだらしない表情を晒すマオを射抜くシオンの黒い瞳。
「ホットミルク、オマ○コに沢山飲ませて欲しいにゃん……♪」
 それに臆する事無くおねだりするマオは大物だった。
「……はあぁ〜〜」
 元の鞘に納まったと思ったら、これだ。手を額に当てて嘆くシオンは雌猫の飼い主としての責務に押し潰されそうだった。

「でも……ま、良いか」
 考えてみても、この状況を脱するのは不可能だと思い至ったシオンはさっさと諦める事にした。
「君が僕の女房役だって言うなら、それに応えるのも旦那の甲斐性だよね」
「そう、思ってくれてるんだ//////」
 男気溢れる台詞を吐いたシオン。それが沁みたのかマオは全身を朱に染めた。
 ……と、言うかそれ位の覚悟が無ければやってられないと言うだけだった。人を捨てた者と人の身である者。それが恋慕を交わすのはそれだけで難しい。
 だが、こうやってそれを繰り返し、情を重ねていけば……何時かは本当にそうなる時が来るかも知れない。シオンはマオを本当に娶る事になっても構わなかったのだ。
 そして、マオにとってはシオンの考えはどうでも良い。理解出来ない事が判っているし、理解した所でどうしようもないのだ。重要なのは、シオンが自分を愛してくれている事。その一点だった。
「愛してるよ、シオン♪」
「…ああ。僕もだ」
 想いも心も既に一つ。それこそが二人の間にある真実だった。

〜了〜
32SPEEDY CAT:2007/12/17(月) 12:42:49 ID:Cmwq4lIY
――おまけ
「おぐぉぉおおおおおおおおお!!??」
 夕刻の勇者通りに爆音が木霊した。そして、それを切り裂いて響き渡るキリヤの絶叫。人々が何が起こったのかを確認しに集まり始めた。
「な、何が……俺は、何で」
 ぶすぶすと煙を身体から立てながらキリヤは地面に這い蹲っていた。
――突然、七色に輝く光が十数本襲って来て、気が付いたら倒れていた
 何が起こったか判らず、頭がおかしくなりそうな状況だった。神速連斬だとかサウザンドスラストだとか、そんなチャチなモノでは断じてない。もっと恐ろしいモノの片鱗を味わった瞬間だった。
――ジャリッ
 視界に誰かの足が映った。見上げようにもキリヤの身体はピクリとも動かなかった。
「それで、何か言い残す事はあるか?」
 その声を聞き、自分に起こった事を全て理解したキリヤは血で薄汚れた顔面を自嘲気味に歪めた。
「……そ、んなに、根に持って、たんだ」
「黙れ、阿呆が」
 嘲る様な一言がシオンの内部を煽る。陰シオンが降臨でもしているのか、その口調や声色は普段の彼以上に苛烈だった。
「し、シオン?それ位にした方が」
「マオは黙っててくれ」
 マオの宥める様な声が聞こえて来た。だが、シオンは苛立ちの募った声を彼女に返した。
「ははは……早速尻に敷かれてる、のか?」
「未だ言うか……!」
 明らかにキリヤはシオンを愚弄する類の軽口を吐いた。それがシオンにとっての逆鱗だったのか、彼は再びフルバーストレーザーの発射体勢に入った。
 ……流石にもう一度喰らっては、彼岸に渡ってしまう。肝を潰したキリヤは大声で叫んだ。
「判った!降参だ!私が全面的に悪う御座いました!済みませんでした!」
 だから勘弁して下さい。命乞いするキリヤは格好悪かった。
「……ったく」
 未だシオンの怒りは覚めやらなかったが、マオに人死には避けると約束した手前、これ以上キリヤをボコる事は出来なかった。
 燃える怒りを何とか飲み込んで、シオンはしゃがんでキリヤの手を取った。
「これで、チャラだ」
「さんきゅ」
 どうやら、手を出してはいけない相手に手を出してしまった様だった。ソウマの時は拳一発で終わりだったが、シオンはそれで済ませてはくれなかったのだ。
 今後、彼を怒らせる時はフル装備で挑もうとキリヤは心に誓った。

「――ゴフッ」

 シオンがキリヤを立たせようと瞬間、シオンは盛大に血を吐き出した。
「う、がっ……!?」
 がくりと膝を付いて何が起こったのか確認しようとするが、身体は言う事を利かなかった。まるでキリヤに起こった出来事が自分に降りかかっている様だった。
「シオン!?」
 マオが慌てて駆け寄ってきた。だが、彼女の叫びがどんどん遠くなっていく。
「シオン?シオンっ!!」
 視界が明滅してマオの顔も満足に確認出来ないほど身体はズタズタだった。シオンは漸く機巧が見えた。
「ダメージ反射、かっ」
 それが答えだ。キリヤの影の鎧と茨のバンダナが喰らったダメージの半分近くを跳ね返したのだった。本来は近接攻撃限定の反射だが、まさかリンク技にも対応しているとはシオンも予想出来なかった。
「転んでも、只では起きなかったみたいだなキリヤ……!」
「いや、自分でもすっかり装備の事忘れてた。正直、済まん」
「ああ。もう、良い」
――ドシャ
 そう言ってシオンは崩れ落ちた。キリヤもまた意識を失い、血溜まりに沈んでいった。
「いやああああああああああ!!!!」
 マオの絹を裂く様な叫びが通りに木霊した。

 ……その後、シオンはマオが直ぐに勇者亭に運んだのだが、キリヤは血相を変えたソウマが飛んで来る迄路上に放置されていた。
 因果応報と言う奴なのだろう。二人は全治三日と言う有り難くない副賞を賜る事になってしまったのだった。

「間抜けが」「馬鹿過ぎ」
 その始終を見ていたカイネルとブランネージュは揃ってそう零した。
33862:2007/12/17(月) 12:45:23 ID:Cmwq4lIY
投下終了。お疲れ様でした。
次回はカイネル&ブランネージュを予定。

年内中に投下できればいい、な?

長駄文失礼。
34名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 14:34:11 ID:2kNBaL3j
たまゆれ吹いたwwww
キリヤ何してんのキリヤwww
35名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 23:46:15 ID:mLolTtcD
>>33
GJ!!
36名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 01:59:13 ID:gFRinf1i
>>33
職人さん乙!
シリアスでエロいのにところどころ笑えるのは何故だww
37名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 03:34:44 ID:nU6Bbuu9
age
38名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 15:53:28 ID:yCvTvcvk
39名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 23:36:22 ID:M+useQKk BE:439680948-2BP(1000)
hssh
40名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:20:25 ID:EEMRQiTV
41名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 09:08:58 ID:IH0iVsgr
っほ
42名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 17:33:32 ID:vendeDDx
43名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 18:49:36 ID:zH2HQQbK
そこまでだロウエン!!
44名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 19:22:04 ID:XiTfSin4
45名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 07:13:19 ID:AqZg2M2H
ゼクティとエルウィンのエルフ丼をするのが俺の夢
46名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 18:17:24 ID:16grAAbG
>>45
それを試食するのが俺の責務
47名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 18:33:26 ID:XNsdgcRC
http://vote.rentalcgi.com/html/daioh.html

リュウナを宜しくお願いしますね。
48名無しさん@ピンキー:2008/01/08(火) 19:17:02 ID:W4SNCElV
49名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 13:32:46 ID:EF+uCDd4
>>46
ならおまえが試食する前に俺が毒味をしてやろう
50名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 09:59:20 ID:elVIzb7k
保守
51名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 01:44:54 ID:Ogd9MAG+
>49
その毒味の前につまみ食いをするのが俺の役目
52名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 00:00:15 ID:VtTsXyhv
ここは団長とマオの擬似親子丼を俺が頂くとしよう
53名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 20:42:53 ID:ZAG8aLqS
それってお前、ヴォルグも食えないと・・・アッー!
54名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 21:43:15 ID:ANHX1f/Y
悪いな、ゼクティは既に俺が食べちまった
55名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 04:03:06 ID:dZTQLYxf
>>54
よく見ろそれはキルレインだ
56名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 23:38:33 ID:8P66YbZ1
ヒルダさんからツヴァイを1人もらいたい
57名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 08:32:09 ID:tplx14xc
リュウナとラザラスって復活するときにまた属性変わってたりとか…
ラザラスは昔のに戻るだけとして、陰リュウナはどんなのだろう?
58名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 08:51:14 ID:QLxbt7Vw
ゼクティは俺の嫁なんだよ!
59名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 23:46:22 ID:lnk2cMf7
>>56
じゃあヒルダさんは俺がもらいますね
60名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 19:49:31 ID:NZ78k/Df
んじゃ乳姫は頂く
61名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 07:07:13 ID:CAQNcfYr
んじゃ声の安定しない方の姫様は私が飼おう
62名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 19:01:34 ID:04tlx995
ではブランネージュを貰う
63名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 23:50:08 ID:yeUTM76Y
>>62
ちょっと待て
64名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 23:30:05 ID:oXzbYqlB
ブランネージュは俺と結婚するべき
65名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 11:13:45 ID:gfK+LKEi
それはない。
66名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 03:38:15 ID:AYoUx44U
ブランネージュ様のためだけにシャイニング・ウィンドのビジュアル設定資料集を買ったよ!
67名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:24:04 ID:FJF/4lJ2
よし、どんなブランネージュのエロ絵があったか教えてもらおうか
68名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 06:59:19 ID:oldCPReZ
保守
69名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 10:33:01 ID:BhRmdCzK
>>67
表紙
70名無しさん@ピンキー:2008/02/06(水) 10:33:29 ID:BhRmdCzK
違った、>>66が買ったのはウィンドかwwwww

どんだけwwwwwww
71名無しさん@ピンキー:2008/02/09(土) 07:08:04 ID:bCJLjpdq
保守
72名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 09:31:23 ID:XUMEq2/c
>>62
激しく待て
73名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 08:18:19 ID:f/ZQEyaD
保守
74名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 20:19:01 ID:iHgnHkp2
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
75名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 22:46:08 ID:wb+aCp0j
誰もいらないなら、ブランネージュの手作りチョコは俺がもらうよ
76名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 06:06:36 ID:HnJEGhPb
それは食えるモノなのか?
77名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 06:53:44 ID:0G2YdwNL
保守
78名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 23:14:44 ID:QM+nEQJ2
ブランネージュのチョコは氷で出来ています
79名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 10:01:09 ID:rFdZf3vE
氷って、
80名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 23:47:00 ID:PxIVK8y+
俺のために頬を染めながら手作り氷チョコを手渡しに来てくれるブランネージュ
81名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:55:56 ID:3fQpbNE7
ブランネージュ様のチョコはどうでもいいが、氷は貰っていく。誰にもやらん。
82名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 07:57:22 ID:HaPzgtp0
保守
83名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 01:33:27 ID:cZXSZRfg
エルウィンとブランネージュの百合を脳内妄想したが、

悲しいかな、俺はゲームやってないどころかPS2も持ってないんだ…
台詞回しとか立ち居振る舞いとかさっぱりわからないよ…orz

悲しいからせめて夢の世界でだけでもブランネージュとキャッキャウフフしてこよう…
84名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 04:56:40 ID:J9NmPaJp
>>83
買うんだ
ティアーズは今安い
8583:2008/02/20(水) 08:59:51 ID:4PtwXvz5
ティアーズは安くてもテレビとPS2をあわせるとかなりの出費になる罠…
86名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 19:24:08 ID:ucHJaaIQ
じゃあ、漫画版を買ったらどうだろうか。
ウィキペディアと合わせればだいたいは補完できると思うが。
8783:2008/02/20(水) 22:28:05 ID:cZXSZRfg
>>86
そんなものがあるのか!
ちょっとこれから本屋回ってくる!
88名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 22:44:26 ID:iDCVPmUq
それが87を見た最後の姿だった…
89名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 22:55:07 ID:J9NmPaJp
SO3の漫画がウンコすぎただけに
ティアーズの漫画はそこそこまともでびっくりしたよ
同じ作者でもこうも違うもんかと
90名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 00:19:14 ID:l3rIRAYH
俺はあの人の漫画だと、パンツァークラインが一番好きだ。
打ち切りっぽい終わり方とか除けば、だが。
もう少し煮詰めてから、書いたらもっと面白くなったんだろうなぁ。

何気に天然セクハラがパンクラ主人公から、漫画版シオンに引き継がれてるw
91名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 17:05:28 ID:Q00xZmnZ
イケメンのシオンのイメージがw
9283:2008/02/22(金) 10:44:34 ID:88PC8uEM
ただいま。2巻まで見つけて買ってきたよ!
想像よりもはるかに明るいブランネージュだった…
エルウィンは想像と大差なかったけど。

さてこれで妄想が進むぜ。皆サンクス!
93名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 23:02:08 ID:LpOFckbi
クレハー
94名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 02:20:53 ID:aKDFtKwC
>>93
ソウマこんなとこで何やってんの
95名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 12:27:28 ID:uTZhGTuc
シャイニング・ウィンドの春のコスプレ大会SSはまだですか?
96名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:32:16 ID:7L5xCACW
今、他のスレでのお仕事終えたら書こうかと思ってる自分がいる。
Yシャツ1枚のゼクティのイラストは良かったぜ。
97名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 21:49:40 ID:nIjSRFbm
全裸で待ってます
98名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 04:57:20 ID:LasfKfxf
この気配はニュータイプか!?
99名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 20:56:47 ID:LasfKfxf
ttp://blog116.fc2.com/s/shinings/file/20080206134217.jpg
ttp://maoh.dengeki.com/try/0804/topic3.html

ったく不安フェスタなんて聞いてねーぞ!!
他スレじゃ当然の様に広まってるし俺のホウメイ様がエルデで個別ハァハァEDなんだぜ??
スゲーじゃんよ〜
100名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 23:55:49 ID:f9gDr2R0
>>99
ゼクティのおっぱいがムニュってなっているのを見て、
ホウケイのエロい腋を見て、
エロウィンの舐めたくなるような太股を見て、

思わず射精した。
101名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 00:37:07 ID:BtL139CB
>>99を見て、ひとつ教えて欲しい。
ウインドやアニメでのシオンの扱いってどうなってるんだ?
絵を見る限り、NTRれているように見えるんだが…
102名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:02:19 ID:5rvWdM6B
色々と無かった事になってる。
で、ソウマがシオンの代わりを務めてる。
103名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 02:58:27 ID:Mc8eghaA
ぶっちゃけ前作レイプ
104名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 09:20:53 ID:dB0d3Ket
ぶっちゃけどっちも(ry
105名無しさん@ピンキー:2008/03/02(日) 23:04:02 ID:BtL139CB
…やっぱりかorz
シオン好きな俺にはきつい情報だぜ。
…ソウマは嫌いじゃないんだ。むしろ、好きなほうなんだ。
でもこりゃないぜ、スタッフさんよ
106名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 06:18:49 ID:jVgiXBtz
シオンはまだいいほうだ
獣人勢の扱いはもっと酷いw
107名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 20:04:28 ID:vVwX2GKg
あげ
108名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 21:21:48 ID:OymXpnTq
>>106
キマリや真の団長の事か
109名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 23:36:08 ID:4AbnOdmf
シャイニングシリーズは代々エルフや魔女がとくにエロいと決まっている
110名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 00:35:11 ID:qUl6Q23m
ティアーズの全メンバー揃った辺りでよろ

シ「艱難辛苦を乗り越え遂に女性陣全員分の本気の下着+15を合成したZE☆」
ヴ「……俺の裕福なウルフグリーヴ+8(←売られた」
ブ「男勢の防具を売り払って、その結果がこれか?全く下劣な…」
ピ「そうは言っても貴女、ノリノリでガーターベルト付の下着を穿いてますが?」
シ&カ「ブランネージュテラエロス………(鼻血ダラダラ)」
ブ「な………(////)うるさい、死ね!!プリンセスアルゼンチンバックブリーカー!!」ベキバキボキ
ピ「ギャアァァァァァ!?パタ...(失神)」
シ&カ(gkbr...)
エ「シオーン?こんなのはどうカナ?」
シ「うおっ…黒のフリル付きとはまたエロい…」
エ「それだけじゃないんだから!(クルッとターン)」
シ「!?O(オー)バックだとぉ!?(鼻血がスプラッシュスター)」
ク「エルウィン!?いけませんそんな破廉恥な…」
エ「うっさい黙れ」
ク「グサッ…orz...」
マ「…うぅ…」
シ「どうしたの、マオ?」
マ「私、ただの紐パンだから…とてもじゃないけど勝てない…」
シ「いやいや、そんな事n…」
マ「かくなる上は“穿いてません”するしか…」
シ「ちょ、それは流石に!?」
リ「えっと…これでよいのでしょうか?」
シ「あ、リュウナ…ゴファ(吐血)」
ラ「リュウナ、それ、フンドシ…」

そんな勇者亭の一日

息抜きのただのパロなんで、エロ無
111上のは練習って事で ◆AbBeLqrOiY :2008/03/04(火) 23:23:28 ID:qUl6Q23m
何レスか頂戴致します。
ゼクティ×黒ヒルダです。
CAUTION!!†百合展開注意†CAUTION!!
ちとキャラを忘れてるかもだが、そこは目ぇつぶってくれ。
112 ◆AbBeLqrOiY :2008/03/04(火) 23:26:13 ID:qUl6Q23m
ヒルダレイアには黒歴史がある。それは、エンディアスへとやって来てわりとすぐの事だった。

ゼクティ・シリーズには存在を抹消された試作、『ゼクティ・ヌル』があった。
決してローションプレイでなく、単に独語の零が『null』というだけである。
彼女はツヴァイのように感情を排してあった。

ヒルダの研究所、その一室。体育館程もあるその部屋に、ゼクティ・ヌルとヒルダ(黒)、そして模擬戦用に殺傷能力を排したロボットがあった。
「さあゼクティ、そこのロボットへ突撃するのよ!!」
「いーおぉ!」
ズルッ!!
盛大にずっこけるヒルダ。
「…目標補足」
そんな事構わずロボットに超スピードで突撃する疾風の戦闘妖精(試作)。次の瞬間にはロボットの胴体が綺麗に両断されていた。
「まあ、言語機能はともかく戦闘能力は上じょ…」
ダッシュ斬りを決めたまま、真っ直ぐに走り続けるゼクティ。彼女の目前に壁が迫り…
ズガン!!
頭から突っ込んだ。
「え…だ、大丈夫かフランチェ……じゃなくてゼクティ…」
「思考停止……パニッパニ……」

「だあああ!!ストップスト〜ップ!!」
流石にこれ以上はマズい。問題点がどこか考えつつ、ヒルダは大きく溜め息を吐いた。


「あーもう、どうすりゃいいのよ!?」
とりあえず言語中枢は弄ってみたのだが、フ○ンチェン口調が直っただけである。
2回目の模擬戦では突撃の後で停止するよう言いつけたところ、ロボット破壊後すぐ先のヒルダよろしく派手に転び、そのまま動かなくなった。文字通りに完全に制止した訳だ。
しばらくの実験の後、問題点は命令外の事項の状況……特に自己の状況を認識する能力だと分かったのだが、それを修復する手段が見つからない。
「ゔ〜〜もうやだ!!寝るぞ!!」
考えてもどうにもならず、時間も遅いので寝る事にした。だが、その独り言が悲劇を呼ぶとは思いもしなかった。
113名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:28:17 ID:qUl6Q23m
研究所内、ヒルダの寝室。
寝間着に着替えたヒルダが床について5分程。ノックの音がする。
「誰?」
「ゼクティです」
特に命令もしてないのに何の用だろう?怪訝に思いながらも入るように促す。
ドアが開くとそこには…
「ってなんで裸ァァァァァ!?」
一糸纏わぬエルフの裸体。美しいその肢体に同性ながらドギマギして顔が赤くなる。
やはりそれを意に介さず、淡々と返事が返される。
「先程、『寝るぞ』とおっしゃられましたので。では、失礼します」
「はい?」
模擬戦と同じ超スピード。
ベッドに押し倒される。
「ちょ、ちょっと止め…むぐっ!?」
制止する声は、柔らかい唇に、続いて侵入してきた舌に遮られた。
混乱した頭は正常に働かず、いくらもがけどゼクティを引き剥がせない。
長い長い口付けの合間に、ゼクティがヒルダの寝間着を全て脱がした。
全身に感じるゼクティの肌はひんやりと冷たく、それが何故だか心地よく……そこまで考えて、ヒルダは自らの貞操の危機を思い出した。



「ぷは、はあ、はあ…はあ…」
どうにかゼクティの頭を押し退けはしたものの、体は完全に組み敷かれている。
(ただ一言『止めろ』と言えばいい。それで終わるはず)
そう思った。しかし…
「ゼクティ、今すぐこれあひあぁぁ!?」
『を止めろ』と続けようとした瞬間、ショーツの上から秘所を擦られて悲鳴をあげてしまい、最後まで口にできない。
「や、やぁ…ああぁ!?」
更に空いていたゼクティの左手がヒルダの胸へと伸び、優しく愛撫を始める。
快楽に体が反応し、ショーツがじっとりと潤む。
「ひんっ……くぅ!?くはぁぁぁぁん!!」
止どめとばかりに左胸の乳首をゼクティの舌が弄ぶ。その刺激に一瞬意識が飛び、強張っていた体から力が抜けてぐったりとする。
「ゼ…クティ…はあ…はあ…や…め……ひぎぃ!!」
軽くイってしまい息も絶え絶えなヒルダを、尚も責め続けるゼクティ。
再び口付けを交わす。舌を絡めあう最中、ヒルダの瞳から涙が零れた。気付いたゼクティが口を離し、それを優しく舐め取って抑揚なく問い掛ける。
「…ヒルダレイア様、私は至らなかったのでしょうか?」
快楽にぼやけた頭は、そこが命令を下す好機だと気付かなかった。
114名無しさん@ピンキー:2008/03/04(火) 23:30:06 ID:qUl6Q23m
問い掛けるゼクティが、表情は変わってないのにとても不安げで…。ヒルダはそんな事を考えていた。
その原因に思い至る。
(ああ、そうか……私の涙、ね……)
そして、逃れる機会を失う言葉を紡ぐ。
「ち…がう……きもち……いーの…」
それを聞いたゼクティの顔が、少し明るくなったように見えた。
「了解しました。では、続行致します」
抑揚のない声で返すと、ついにヒルダのショーツに手を掛ける。一切の抵抗はない。
露になったヒルダの秘所へ、ゼクティの人差し指が、ズブリ、沈み込む。
「はっあぁぁぁぁん!!くぁぁぁぁぁぁん!!」
その刺激に悦び、嬌声をあげる。
挿入された指が膣壁を抉り、そこから電撃のような快楽がヒルダの全身を駆け巡る。
二本目の指が挿し込まれる。
「いい、いいのぉぉぉ!!ゼクティィィィ!!」
増幅した異物感が心地よく、身体を翻弄する快楽に身を委ねる。
「ゼクティ、何か来る、来ちゃうのぉぉ!!」
指の動きが激しくなる。それと共にヒルダも絶頂へと登り詰め―――
「ゼクティ、ゼクティィィ!!イくぅぅぅぅ!!」
ふわり、宙に浮くような感覚。暖かく明るい春の風に包まれるような心地で、ヒルダの意識は真っ白になった。
115トリつけ忘れたorz ◆AbBeLqrOiY :2008/03/04(火) 23:32:11 ID:qUl6Q23m
「こいつはスクラップだぁぁぁぁぁ!!」
ヒルダの研究所に、怒号が響く。
こいつとはもちろん、ゼクティ・ヌルの事である。
あれから実に6時間、ゼクティの体力が尽きるまでの間ずっと犯されていたのだ。怒るのも無理はない。
「バカ言うな、彼女は私の妹の分身、貴様の勝手で殺す訳にはいかん!!」
そんな彼女に真っ向から反対するのはキルレイン。まあ、彼女がハードな目にあった事は話していないし、生命倫理的にも尤もな意見である。
「とにかく、こいつはスクラップだ!!」
「させるか!!ブラスローダーだ!!うりいやぁぁぁ、ぶっつぶれよぉぉぉ!!」
一体全体どうやったものか、ヒルダの頭上からブラスローダーが落ちてきた。
直撃は免れたものの、衝撃で吹き飛ぶヒルダ。
「う〜ん…あれ?な、なんですかこの惨事!?」
衝撃で、ヒルダの正確が入れ替わったようだ。そこで……
「え、あ、はい。彼女をスクラップにした事にしてちゃんとした人格に再教育――」


「こうして私は今ここに生きているの」
と、自らの記憶に残るヒルダのヨガリ顔とキルレインの言葉を思い出し、語るゼクティ。
サラッと凄い話を聞かされ、キリヤとヒルダ(白)は真っ赤になった。
116名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 16:13:01 ID:BLCL6YCf
GJ!!
オチにワロタwww
117名無しさん@ピンキー:2008/03/05(水) 17:38:38 ID:JzOOmpmH
良いよ、ゼクティ×ヒルダさん良いよGJ!!
118 ◆AbBeLqrOiY :2008/03/05(水) 22:14:25 ID:e2C8VJJ+
感想dクス
『感想こそ書き手の原動力』が信条故、嬉しいッス。
ヒルダ可愛いよヒルダ。
暇ならまた来るわ。ほな。
119名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 00:38:49 ID:OoswKWNW
GJ

Google
Japan
120名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 23:07:27 ID:Jb1oWzhi
くれはあげ
121名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 23:22:09 ID:iU+kRDak
>>111-115
神キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!

黒ヒルダがゼクティにヤられちゃうシチュは新しいな
興奮してフルおっきしたGJ
122名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 10:07:30 ID:v6xGp95n
くれは暮れはクレハ
123名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 23:57:26 ID:EhMT8DhC
>>122
はわっ!
124名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 15:10:59 ID:K61fzA2E
ガラハッド「ねんがんの『機械の体』をてにいれたぞ」
ニアころしてでもry
125名無しさん@ピンキー:2008/03/13(木) 17:52:28 ID:LQnwE3B5
そういえばこのスレの倉庫はないんですか?
126名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 23:43:23 ID:rNS3RVOU
あげ
127名無しさん@ピンキー:2008/03/17(月) 23:01:26 ID:cFurybMB
遅ればせながらゼクヒルGJ
責めのゼクティもまたいいな
128名無しさん@ピンキー:2008/03/19(水) 21:57:39 ID:t8duo2cI
呉羽とーか
129名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 11:33:04 ID:75DAifs/
くれは冬華
130名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 13:18:16 ID:OM08fU1Z
クレハのネタ思い付かん…
近日ブラン×エロウィン投下
131名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 17:40:00 ID:89fxSVOC
>>130
超期待sage
132名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 17:43:10 ID:1dKjzz9V
そう言えばシオン×マオの人がカイネル×ブラン書いてるって言ってたけど、どうなったんだろうな。地味に期待してるんだが。
133名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 13:45:20 ID:oWfSEHN2
134名無しさん@ピンキー:2008/03/25(火) 13:39:54 ID:MAY3h0wS
135名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:45:15 ID:Sg785uyE
陵辱ナイツっていう同人誌が出ると思っていた時期が、俺にもありました
136名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:12:11 ID:mi1X90+2
俺のブランネージュのラブラブえちーなSSはまだですか?
137名無しさん@ピンキー:2008/04/03(木) 23:05:11 ID:bgxEPlFC
ブランネージュに罵られながら踏まれたい
138名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 10:26:53 ID:iI/Pw2bg
ブランネージュの足舐めたい
139名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 03:18:49 ID:ghWARsPX
身の程を知るのね、豚
140名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 22:47:13 ID:tMUPcBwu
ブランネージュの手料理が食べたい
さらにブランネージュの裸エプロン姿も見たい
141名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 10:33:01 ID:lHzkdnjw
俺の中ではブランネージュ様は女神なので、いるだけでいい。
やはり崇拝するためにはブランネージュ様の神像を買うべきかもしれん。

とか全裸で考えてたら風邪ひいた。
142名無しさん@ピンキー:2008/04/10(木) 23:39:27 ID:E252PAN4
良かったな、ラザラスが看病してくれるそうだ
143名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 05:35:25 ID:rETbHN7v
アッー!!
144名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 20:16:44 ID:U75wxj8n
まとめサイトとか作んないの?
145名無しさん@ピンキー:2008/04/16(水) 22:13:26 ID:37E24V8e
http://15.dtiblog.com/o/ohkoku/file/ryuna2.jpg

このリュウナの顔、どう思う?
変なとこあったら言ってくれ
146名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 06:05:52 ID:/IHgPbBr
とりあえず、鼻?
何か膨らんでる気が
147名無しさん@ピンキー:2008/04/17(木) 22:42:55 ID:ITk7sifH
少し太ましいかも…
148名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 23:52:46 ID:632rEbXv
>>145
もう少しほっそりした感じにするとグッド
149名無しさん@ピンキー:2008/04/23(水) 22:49:19 ID:m1yOvAbn
>>145
わっふるわっふる
150名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 23:38:21 ID:c8bkOHHz
神が降臨したと聞いて
151名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 23:57:29 ID:H6kc4gKm
まぁブランネージュは俺の嫁なわけだが
152名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 00:17:57 ID:f6nROoGq
お前の物じゃない。…とカイネル兄さんが申しておる。
153>>130だよ ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:11:55 ID:y5XiAHN5
それは、シオンとカイネルが遠征に出かけた日の事であった。

「模擬戦?」
ブランネージュが問い返すのに、返事をするエルウィン。
「そ、模擬戦。シオンがマオやカイネルと出撃すると、大抵は何もする事ないじゃない?このままだと私達、どんどんレベル差が開いて…」
きっと多くのプレイヤーが体験するであろう、シオンとお気にキャラのレベルだけが上がっていく現象。ヴァイスリッターは正しくそんな状態であった。
「ふむ、納得だな。訓練は積むに越した事はない。どうする、個人戦か?他のメンバーも呼ぶのか?」
「うーん…とりあえずは一対一で良いんじゃない?」
「分かった、それではシルディアの城門前で行なおう。あそこなら人も魔物もいない」
この後、エルウィンは一対一を選んだ事を後悔する羽目になる。
悲劇へのカウントダウンが始まった。
154 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:12:33 ID:y5XiAHN5
シルディア城門前。
太陽が真南を横切るよりも少し早い時間。
「一本先取した方が勝ち。今から撃ち上げる矢が落ちたら試合開始。いいわね?」
「ああ、それでは始めよう」
ヒュン――空に矢が放たれて暫く……
トスッと大地に突き立った。同時。
「氷の飛礫よ、敵を討て!!」
ブランネージュのフリーズ。刃を飛ばすと危険なので、対応して鈍器となっている。
「なんのこれしき!!」
横っ飛びして避け、幾本もの矢で反撃。これも鏃の代わりに布製のクッションがついている。
「氷盾よ、ここに!!」
氷の盾を構築し、身を守る。
「それなら!!」
続く精霊の力を借りた炎の矢。
「逆巻く吹雪よ!!」
小規模な吹雪く竜巻を発生させ、飛来する矢を舞い上がらせる。
実力は同程度。このままだと最終的にエルウィンの体力かブランネージュの魔力か、どちらが先に尽きるかの勝負。
そこで、エルウィンは搦め手に出た。
「あ、UFO!!」
「え!?どこ!?」
ブランネージュが明後日の方を向く。
彼女がツッコむ隙を狙う作戦だったがまさか素直に引っ掛かるとは…
立ち位置が悪く、瓦礫が邪魔で弓が撃ち辛いので、魔法で詰みをかける。
「嘘よ!!ドライアド!!」
ハートを象った攻撃魔法が炸裂し、模
155 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:15:40 ID:y5XiAHN5
模擬戦はエルウィンの勝利に終わった。



「よし、勝った!!」
嬉しそうにはしゃぐエルウィン。
それと対照的に、呆然と立ち尽くすブランネージュ。
その様子を不審に思い、尋ねる。
「ブランネージュ?どうしたの、どっか悪い?」
彼女の前に歩み寄る。すると、いつもは色白な彼女の頬が林檎のように紅潮しており、ワンドを取り落として両手を胸に当てている。そして―――
「エルウィン……私、貴女を見ると……動悸がして……」
その様は正に恋する乙女そのもので。
「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってよ!?」
これは、まさか―――
「エルウィン…女同士なのに、変かも知れないが…大好きだ、愛している」
「み、みみみみ魅了されてるぅぅぅ!?」
いつもキツい感じのするブランネージュが恥ずかしげなのはそれはそれは可愛らしく……
「ってダメ、絶対!!何考えてんのよ私は!?」
暴走する脳みそにエルウィンがパニクっていると
「エルウィン、好きよ…だから…」
いつの間にかブランネージュがエルウィンの体を抱き締めていて――
唇に感じる、僅かにひんやりした、柔らかい感触。
それが氷刃の魔女のキスであると気付くのに、エルウィンは数秒を要した。
156 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:16:45 ID:y5XiAHN5
キスされた事に気付いたエルウィンは、更に硬直。
氷刃の魔女のキスはその名に恥じる事なく相手を凍り付かせ、重ねた唇はそのままエルウィンの唇を食む。
その間に、ブランネージュの右手がエルウィンの服の前を留めている紐を解く。
押さえ付けられていた乳房の圧力で胸元が弾けるように開き、そこでようやく我に返り、ブランネージュを突き飛ばす。
ブランネージュが尻餅をつき、短いスカートから覗く白い腿が凄まじい色気を……そこまで考えて、止めた。呑まれたら大変な事になる。
「ブランネージュ、目を覚まして!!」
その言葉は最早届かず。
「酷いわ、エルウィン。私はただ貴女とまぐわいたいだけ」
彼女の赤みがかった瞳に狂気を垣間見て戦慄する。
圧倒的な恐怖に追われ、片手で胸を隠しながら後退り、十分な距離を取ると城門へと走り出す。だが、
「氷鎖よ、彼の者を捕らえよ!!」
ブランネージュの手から伸びた氷の鎖が足に絡み、転倒する。
逃れようと這って進むが、それも無駄な足掻きでしかなく、追いつかれてしまう。
「駄目よ、逃がさないわ。貴女は私の物になるの」
エルウィンに、魔の手が迫る…
157 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:25:51 ID:y5XiAHN5
私は捕らえたエルウィンを、未撤去のルーンガイスト軍本陣(ドレスデン戦の場所)に連れ込み、そこに作った氷の拘束台にXの字に磔にした。
衣類は全て脱がし、背から尻にかけて直に氷が触れる形になる。
そんな彼女に、私も全裸になりしなだれかかる。
愉悦に自然、唇が歪む。
「綺麗…貴女を私の物に…ゾクゾクするわ…」
呟いて、エルウィンの白磁の首筋に舌を這わす。
その感触に、恐怖に押し潰されそうな心を抑え切れず、悲鳴が迸る。
その悲痛な音に、胸中に昏い欲望の炎が燃え上がるのを感じる。
「ああ、エルウィン…もっと鳴いて…」
彼女の耳元で囁き、舌による愛撫を継続する。
「イヤ、イヤァァァァ!!」
錯乱し、叫び続けるエルウィン。
(ああ、もっと狂わせたい。いっその事壊してしまいたい…)
浮かび上がる危険な欲望に身震いする。するのだが、それを怖いとは思わない。
期待に満ちた、ある種武者震いめいた震えなのだろう。
エルウィンの悲鳴が、心地よい旋律に聞こえる。それに耳を傾け、私はどうやってこの美しい妖精をモノにするかを思案し始めた。
158 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:27:07 ID:y5XiAHN5
暫くエルウィンの体を味わっていると、最高の責めを思い付いた。
それは、どこまでも残酷で、卑しくて、嗜虐的で、刺激的で―――。
ただ、それにはまだ機が熟してはいない。まだ、普通の責めを続けなくてはならない。
ペロ、と脇を責めてみると、怖いのにくすぐったがる、といったなんとも複雑な反応が返る。
一転、やや勃ちつつある胸の頂点を責めると、他の場所を責めるよりも高い声が上がる。
そのまま舌を、脇腹を滑らせ降ろし、括れたウェストのアクセントとなっている臍に運ぶ。
身を捩って、呻く。苦悶に彩られた声も違った趣だ。
(可愛い...。)
蠢く舌の感触に、堅く閉じた瞳から涙が滲む。
日の光に長い睫毛が煌めく姿は、今までに見た事もない程綺麗で…

更に顔の位置を降ろし、彼女の秘部へ。
ぴったりと閉じたそこを、指で軽く開いてみる。彼女が何やら叫ぶが、視界一杯に広がる美しすぎるピンク色に集中していて聞き取る余裕がない。この美しい物を味わいたいとばかりに、自然と私の舌は伸びて行く。

その味は、正しく甘露と言うに相応しく、貪らずにはいられない。私は舌の蹂躙するがままに任せる。
159 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:28:23 ID:y5XiAHN5
責めを続けていると、抵抗を諦めたのか段々と叫び声が止んだ。
さらに責め続け、僅かにエルウィンの膣内が濡れてきた所で、一旦責めを中断する。
本番は、ここから。
「氷よ、変容せよ」
掌に感じる、冷たい感触。
魔力が溶ける事無き結晶と化し、望むがままの姿へと変じる。
それは、全体に無数の突起を生やした、太い棒状――氷の張形。
目を瞑るエルウィンの脇腹をそれで撫ぜると、突然の冷気に驚き目を開く。その眼前で、私は禍々しい形の氷塊をいやらしく舐めてみせる。
一瞬の硬直の後、期待通りの、絹を裂くような悲鳴。その反応を楽しんでから、彼女を嬲る為の言葉を吐く。
「貴女は、これから私の手でグチャグチャに、もう何も考えられなくなるまで壊されるのよ…」
喉も裂けんとばかりに張り上げられる叫び。その声はそれまでと違う、意味を成す言葉。
シオン。彼女が愛する男の名。彼に助けを求める言葉。
それを無視し、私はエルウィンの内股へ私の凶器をあてがい、渾身の力で以て、その細い身体を貫いた。
160 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:29:19 ID:y5XiAHN5
絶叫が、私の鼓膜を破かんとばかりに震わせる。
敵兵の断末魔すらも凌駕する声量に、胸の高鳴りが加速度的に増していく。
痛みと、ずっと氷に触れている背中からの体温の低下に震えているエルウィン。頬は青ざめて涙が伝い、唇も紫に染まっている。
すぐに息が続かなくなり、うまく呼吸できず、苦しげに喘ぐ。
それら全ての仕草が、私の嗜虐心をそそる。
挿入した張形は余りに太過ぎたせいで、渾身の力が込められたにもかかわらず少ししか入っていない。
容赦せず、それを無理矢理に押し込む。同時にもう片方の手で、エルウィンの最も敏感な芽を摘む。
「――――かはっ!?………っ……」
膣を押し開かれ棘に抉られる痛みと、クリトリスへの刺激とに気力を根こそぎ奪い取られ、目を見開いてビクリと大きく痙攣したのを最後に、一切の力を失った肢体がカクリと拘束台から垂れ下がる。もう呻く事も出来ないだろう。
同様の責めを継続する。こうやって張形の暴虐と快楽を織り混ぜ錯覚させ続ける事で、苦痛を快感へと変えていく。
そうして、張形が最奥を突いた所で責める手を一旦止めた。
161 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:30:05 ID:y5XiAHN5
辺りが夕闇に染まった頃、漸く幾らか回復したらしいエルウィンが顔を上げた。
焦点の定まらない瞳で、ぼんやりと私を見ている。
「どんな感じだ?」
問いかけるが、彼女は怯えて目を逸らし、答えは得られない。
焦れた私は、ぐるりと挿入してある張形を回転させる。
忽ち、無数の棘に身悶えるエルウィン。
「もう一度聞くわ、どんな感じがするの?答えなさい」
「…いた…い……お……おなか…つめた…れふ…」
先程とは一転、必死といった様子で言葉を搾りだす。そのくせ、呂律が回っていないのが微笑ましい。
「気持ちいいか?」
「…いや……く…るし……ぃ……」
「嘘ね。どうしてココがこんなになってるのよ?」
言って、尚も氷塊の突き立つ彼女の股間に手を伸ばす。
そこは度重なる責めによって蜜を溢れさせ、グチャグチャになっていた。
氷に冷やされた愛液を指に絡め、彼女に見せつける。
「ち……ちがう……わたし……」
「違わないわ」
にちゃ、と音を立てて指の間で糸を引かせ、
「…ちがうの…」
「違わない」
鼻腔の前に指をやって匂いを嗅がせ、
「いや……いや……」
「嫌じゃない、貴女は感じてるの」
口に指を突っ込み、舐めさせる。
162 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:31:07 ID:y5XiAHN5
挿し入れた指で口内を弄ぶと、絶望の表情で大人しくなった。
再び唇を重ねて舌を挿れ、十二分に止めを刺してから身体を離し、呪文を呟く。
再び右手に集まった魔力には、先と違う形を与える。
それは、モーニングスターの鉄球のように棘を生やした小球を無数に連ねた器具に柄をつけた凶器。特別製のアナルパールだ。
私の唾とエルウィンの愛液とをよく塗りつけ、彼女の菊座にあてがい、球の一つを押し込む。
球は大した抵抗もなく体内に吸い込まれていき、もう何も考えられないであろうエルウィンは、微かに痙攣し、動きを止める。どうやら失神したらしい。
二つ目の球を入れる。
一つ目に先導されたそれは、一回り大きいにも関わらずすんなりと挿入された。
三つ、四つと飲み込ませる。
だが、反応が返らない。それが思った以上につまらないのだ。
「起きなさい、エルウィン」
体を揺すっても、何も言わない。
(起こすなら……こうだろうか?)
手を振りかぶり、一気にエルウィンの頬に打ち付ける。
パーン!!
乾いた音に、手の平に残る、ヒリヒリした痛みと柔らかい頬の感触。
(気持ちいいな…)
目の前で、エルウィンが弱々しく薄目を開いた。
163 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:33:14 ID:y5XiAHN5
目覚めたエルウィンを見て、すぐにアナルパールの続きを挿入する。
「あ゙あぁぁぁぁ……げほ、ゲホ、ッハア、あ゙ぁ………」
彼女が枯れた喉からの叫びにむせ、咳き込んだ。
私が次の球、また次の球と挿入れ続けると、その度に違った苦悶をするのが見ていて楽しくなる。
やがて、全ての球がエルウィンのお腹に収まった。
瞳は光が消えて虚ろに陰り、ただ震えるばかりとなった彼女に、私は最後の仕上げをする。
「さあ…思いっきり、果てなさい!!」
ズルッと、一息に、連なる氷鎖を引きずり出す。
声もなく、エルウィンは今日何度目かになる――もしかしたら、絶頂を伴う――失神をした。



張形を抜き取ってから、次に拘束具をはずす。グラリと倒れかかるエルウィンの冷たい肢体を抱き留めると、聞こえる弱々しい声。

「あっ…たかい……」

その表情は、魂の抜けたような、空虚な笑顔。
まともな思考を欠いたエルウィンが愛しく、夜闇の中、私は彼女を抱き締めた。
164 ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:44:26 ID:y5XiAHN5
翌日、ブランネージュは床に額を擦りつけて土下座していた。
その先にいるのは、部屋の隅でガタガタ震えているエルウィンだ。今にも失禁しそうなくらいに怖がっている。

あの後、帰りの遅い二人を捜しにきたシオンが、エルウィンに暴虐的なプレイをするブランネージュの頭上にハートが浮かんでいる事に気付いて万能薬を施し、彼女は正気に返った。
勇者亭に帰り、己が所業に戦慄くブランネージュと、レイプ目で壊れっぱなしのエルウィンを寝かしつけたシオンが、自分の知りうる限りを語ったところ、カイネルは青ざめながらこう語る。
「―――昔、母上が魅惑の香水の瓶を割った事があってな……その時見た光景は……いや、思い出したくもない」
居合わせた全員が青筋を浮かべ、やがて、ゼノヴィアの意見によって魅了能力のあるアイテムの封印が決定した。

寝て起きてだいぶ回復したエルウィンは、発狂は免れたものの、ブランネージュの顔を見ると泣いて逃げ出す程のトラウマを抱えたという。

<了>
165あとがき ◆AbBeLqrOiY :2008/05/05(月) 16:49:50 ID:y5XiAHN5
どうも、先日ゼクヒルを投下致しました、fool22と申します。
一言だけ謝らせて欲しい。
>>130は俺だが、5/5は3/21から近日とは言わないィィィィィ!!
みんなマジでゴメン。一時的に脳汁が枯渇してしまったorz...
お目汚し失礼しました。
166名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 18:10:22 ID:m1NREbgQ
今日は子供の日なのにアダルトなSSキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
超GJ!!
167名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 18:57:04 ID:9xh9Si55
>翌日、ブランネージュは床に額を擦りつけて土下座していた。
あのブランネージュが土下座するところを想像しただけでも抜ける、GJ!!
168名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 20:35:44 ID:DJBtxVSA
保守
169名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 23:45:53 ID:HzproMt2
>>165
GJ!!
黒いブランネージュ可愛いよ黒いブランネージュ
170名無しさん@ピンキー:2008/05/10(土) 23:22:47 ID:HZcF90gm
ブランネージュたん(*´Д`)ハァハァ
171名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 00:25:34 ID:yodrHhpa
俺、この戦いが終わったら、ブランネージュに告白するんだ…
172名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 01:07:03 ID:uQpx7Bxr
ダグ、>>171のソウルリターン全部持ってって
173名無しさん@ピンキー:2008/05/16(金) 23:24:27 ID:S34UTgbA
ダグ×171のSSが読めると聞いて
174名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 00:11:58 ID:jPxSpGLr
あー
ウインドのドラマCD今更売ってないよなぁ
175名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 11:47:40 ID:t1Tzh7Cc
ロウエンとジンクロウのいないドラマCDなんて(ry
176名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 23:39:52 ID:6sUgSLrf
おまえがモフモフ好きだということはよく分かった
177名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 08:52:00 ID:LU3kEhr3
俺はモフモフよりゼクティのが好きだ(へそだし的な意味で
178名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:15:06 ID:Btp738/4
ゼクティなら俺の膝枕で寝てるよ
179名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 09:16:28 ID:vvitefVH
ゼクティフィギュア欲しいなと
180名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 13:17:39 ID:7bsPZUo8
特盛りファンブックか?
181名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 20:27:14 ID:LBdDgrBh
ゼクティのフィギュアも欲しいし、ブランネージュの新しいフィギュアも欲しい

…が、お金がない(´・ω・`)
182名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 21:11:16 ID:0n2RAneu
ティアーズの女性陣で恋愛とかに関して誰が一番嫉妬深いのだろうか?
個人的にはブランネージュだけど、リュウナとかも何考えてんのかわかんない
 
戦闘中、ブランがさりげなく指輪を左手の薬指にはめているのを他のキャラが見て修羅場に……、という電波を受信した
183名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 22:49:40 ID:rg7u+mwT
ブランネージュに嫉妬してもらえるなんて羨ましい限りだ
184名無しさん@ピンキー:2008/06/15(日) 23:45:18 ID:spTqgstl
ブランネージュの素股SSはまだですか?
185名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 23:04:07 ID:426QbBoe
ブランネージュの足コキSSは(ry
186名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 22:54:39 ID:5kg8MwM+
情報収集のためにシオンが街の女の子に話かけているのを見て嫉妬したブランネージュが足蹴にしながら尋問するわけですね、わかります
187名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 23:27:28 ID:b4OIlWHj
そいつは最高じゃないですか
188名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 19:52:59 ID:gv/2LeYn
ドMの俺にはたまらんな
189名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:28:00 ID:RB6hCzKk
くれは
190名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 01:14:03 ID:8VxlA4jJ
保管庫とかまとめってないのここ?
過去ログ見れないから前スレの名作が・・・
191名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 18:38:07 ID:nUOuzeJ1
ゼクティの太股を舐めたい!!
192名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 22:46:34 ID:bFByIJOP
女性陣の太股はたまらんよな
193名無しさん@ピンキー:2008/07/09(水) 07:40:21 ID:EaMVmto2
説明書の絵を見てるだけでムラムラしてくるから困る
194名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 05:23:00 ID:Cb0w7vex
それは俺もよくある
195名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 10:14:45 ID:ykz5IltS
>>193
あれ?
俺書き込みしてたっけ?
196名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 17:59:13 ID:XXjLoyB8
>>186のシチュをおかずに、彼是5日くらい過ごしているがまだまだイける
197名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 10:08:28 ID:x4o2Nu50
ゼクティの身体中にサンオイルを塗るプレーのSSはどこですか?
198名無しさん@ピンキー:2008/08/02(土) 23:46:52 ID:yo9xNGIM
ローションプレーとはよく分かってるじゃないか
199名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 23:46:18 ID:kUb8prq+
ゼクティとエロウィンと一緒にお風呂入りたい
200名無しさん@ピンキー:2008/08/10(日) 10:46:29 ID:GEctY+MG
 
201名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 21:06:32 ID:/0tN/Eiz
キリヤと201人のクレハ達
202名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 16:53:10 ID:t10GUnKM
いくら絶倫のキリヤでも枯れ果てるな
203名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 12:57:58 ID:/CdQC+Vx
203こうち
204名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 23:11:42 ID:AMZUV7id
キリヤと204人のEVE達
205名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 00:33:21 ID:bFVLoZg1
そういやEVEも引っ張った割りに微妙だったな
206名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 20:08:25 ID:92xz95rw
赤くて3倍のEVEを微妙とな?
207名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 22:23:13 ID:MxOu90wl
ほす
208名無しさん@ピンキー:2008/09/08(月) 08:42:16 ID:WLrBM3Uh
のな!
209名無しさん@ピンキー:2008/09/12(金) 23:24:01 ID:BL/hVtvf
>>206
あそこの感度も3倍なのかねハァハァ
210名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 09:53:25 ID:61UbDtzE
保守
211名無しさん@ピンキー:2008/09/21(日) 23:34:06 ID:ONT22tCO
ブランネージュの太股を舐めたい
212名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 08:04:53 ID:AQ/ZqbTq
マオの耳を舐めたい。
213名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 09:00:03 ID:EF7U/j+F
いやそれは俺の役目だ。
マオをぎゅってしてちゅーしたい
214名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 20:17:31 ID:ncPMySQL
エルウィンの長い耳にふーって息吹きかけたい
215名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 10:55:35 ID:kekzWSMt
>>212-213
いやいや、そりゃオレの役目だろ。
キスして押し倒して…。
マオが実在したら、猫耳でも奇抜な服装でも付き合いたい。
216名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 20:49:30 ID:HdMyAqOJ
じゃあ俺がリュウナの二の腕ぷにぷにする。
217名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 22:16:03 ID:b7THDrAu
>>215
愛し合いたいのは俺の方が。
というかマオは普通に仲良くなりたい
218名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 04:36:05 ID:YqymonF2
ティアーズ的にマオとシオンには仲良くなって欲しい
219名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 17:55:22 ID:YlGzdo5z
俺もそう思う。
220名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:30:03 ID:Kpb4w+PR
マオはなあ…
ルーンガイストのスパイだったのをシオンに庇われ、それでも気にして単身死にに行って、またシオンに助けられて…だもんなあ。
edでもべスティアに帰らんで、シオンと一緒に勇者亭に住み込む位だもん。絶対シオンに懐いてるよな。
221名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 00:59:05 ID:PRHPKeEb
エルフのフォンティーナ王女エルウィン
魔女のルーンベール王女アイラ=ブランネージュ=ガルディニアス
''混沌の支配者''の魂の器の神竜の巫女リュウナ
ビーストクォーターのベスティア王隠し子マオ

一人だけ、最初から高貴な感じでないよねマオ。最初はあくまで町娘ってか。小説やドラマCDでもそうだが。

なんか一番無邪気で、いじめられてたとか親子云々やら歩んできた過去や心が人間くさくてかわいいんだよな。
混沌の支配者なんつー、シャイニング(ティアーズ・ウィンドのみかね?)の世界の根源っぽいのと
戦う宿命付けられてるシオンだし、彼の支えにも一緒にいてほしいなと思う普通の女の子だ
222名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 01:21:09 ID:nU13ojw1
だよなあ。ソウマには勿体無いよなあ…
223名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 01:42:30 ID:PRHPKeEb
クロスウィンドは設定部分は正史というかあるものだと思ってるが、結末や展開は黒歴史だと勝手に思ってる俺。

そういや前述の女性陣の設定以外でも小説・漫画・ドラマCD・アニメで
混沌の支配者ゼロボロスと双竜の指輪の関係、シオン、ゼロ、シオンの鎧、シオンの双竜の指輪同時使用、
ゼロボロスの魂を宿したリュウナ、カドゥケウスの杖、シャイニングソード(シオンの大剣版・カドゥケウス変化版)、
マオの金色の陽化、エルウィンの神弓の設定、ブランネージュの魔女としての設定、カイネルの蛇眼、
シオンの剣を預かったブランネージュ、一度死んで塔の力で復活したラザラス、勇者マキシマパパンとゼノヴィアママン
この辺りのファクターは全体的に全部いいなと思うんだよなー。ファンタジックだし。

料理の仕方というか…なぁ。なんでこうどれもこれも中途半端なのか。
エロゲ的ギャルゲ的キャラゲ的としてもRPG的ファンタジーとしてもアクションものとしても全部おいしい要素だらけと思う
224名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 01:50:34 ID:nU13ojw1
カイネルあんさんが無かった事になったのは納得いかない。
俺にとっては最高のパートナーだったのに。
クピードやヴォルグ団長も何処にいったのやら…
225名無しさん@ピンキー:2008/09/25(木) 07:56:41 ID:iEv7IW7O
マオはいいなぁー
226名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 22:51:34 ID:2cly9DnB
クロス・ウィンドについては、心剣の設定だけ引き継いで
ソウマの加わったヴァイスリッターについてはゲームのほうの距離感でいいんじゃね?
あっちはマオが大人っぽくてきちんと団長してるわけでさ
227名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 23:48:33 ID:+z4BXn75
ヴァイスリッターとパイズリったーって似てるよね
228名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 00:34:07 ID:lBuXgvbk
指輪を嵌めてるとヴァイスリッター団員から心剣が抜ける ってのはいいアイデアだとは思ったな。
かつて指輪と同調したことが、シオンと同調したことがある面々だからこそ。って風にも取れるし、
純粋に指輪すげえ感もいいし
229名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 00:35:10 ID:sn5t3/Gv
別に指輪なくても抜けるんじゃなかったっけ
ソウマが「指輪がなければダメだ」と思い込んでただけだろ?

まあ、ちょっと前まで一般人だったソウマは、あの勇者たちの尻に敷かれてるくらいがちょうどいい
230名無しさん@ピンキー:2008/09/27(土) 01:42:41 ID:zrkIQjZJ
>>229
指輪なくても(俺は)抜ける

こうですか?わかりません!
231名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 23:26:40 ID:WmLEtHXo
指輪がなくてもブランネージュで抜けました
232名無しさん@ピンキー:2008/10/07(火) 01:53:10 ID:IHbccJN1
保守
233名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 00:53:18 ID:28DYHVp5
前スレの見れない俺にとっては乳姫様のssが
あったのかどうかが気になる今日この頃。


乳姫様に挟まれてぇ
234名無しさん@ピンキー:2008/10/08(水) 22:43:47 ID:CW0VwlP3
俺が水風船で挟んでやるから我慢しろ
235名無しさん@ピンキー:2008/10/18(土) 23:59:00 ID:8iRQdEEH
ブランネージュ、やっと2人っきりになれたね
236名無しさん@ピンキー:2008/10/28(火) 22:35:59 ID:/1WOeQVl
性霊王ラッシィ
237名無しさん@ピンキー:2008/10/31(金) 14:52:56 ID:qs3a7p6q
ブランネージュ触ったらひんやりしてそう
238名無しさん@ピンキー:2008/11/02(日) 22:56:06 ID:iWtCZ3Ry
ふぅふぅ!
239名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 00:08:42 ID:DoQa+d/K
まおまおまお
240名無しさん@ピンキー:2008/11/13(木) 17:57:43 ID:cn++1tDR
イカス
241名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 23:57:57 ID:6YOvO3by
ばくえんきゃくばくえんきゃく
242名無しさん@ピンキー:2008/11/21(金) 19:33:16 ID:3snau3Ei
そこでアニメかよwww
243名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 00:26:30 ID:MMva0bqU
保守
244名無しさん@ピンキー:2008/12/15(月) 23:24:03 ID:xbkSn5Ek
神はまだか
245名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 23:01:46 ID:Pisn21Sy
俺だけの量産型ゼクティ
246名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 23:05:24 ID:aGc3S8UI
俺だけのマオあげ
247名無しさん@ピンキー
涙本うpしてくれる神はおらんかね