らき☆すたの女の子でエロパロ27

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332こなた逆ハーレム偽続編-かがみsisd-(1/4)
「最近思うんですが」
 事の発端はそう、天然メガネだ。
 って、友人をそんな呼びかたするもんじゃないな。
「どうかした? ゆき」
 天然二号、俺の弟も間の抜けた声でそれに反応する。
 こうやって野郎二人と飯を食うのもいいが、たまには女子とも楽しく飯を食べたいものだ。
 いやそりゃ、たまにこなたも居るわけだが……女にカウントしていいものか?
 今日は女友達と学食だそうで、うへぇいいご身分ですこと。
「泉さんって実は、可愛いですよね」
「へっ?」
「はぁ?」
 俺の口から出たのは呆れ声だ。
 あいつが可愛い?
 おいおい、そのメガネは伊達だったのか?
 コックローチのでももってきた方がいいぞ、あれ実は度が入ってるんだろ?
「えっ……へぇっ?!」
 だが、もう一人が過敏に反応する。
 何だ? 今の素っ頓狂に輪をかけたような声は。
「なっ、なななな、何を言い出すんだよっ。ゆきっ」
「おやおや」
 茹で蛸になったつかさを見て、ため息を隠すように眼鏡の位置を治すみゆき。
「やはり敵は、一番近くに居るものですね」
「敵? お前らさっきから何を話してるんだ……俺には皆目分からん」
 みゆきが「こなたが可愛い」と言ったらつかさが動揺した。
 短い一文なのに突っ込みどころ満載だな。
 とりあえず一つずつ問題を解決してくのが俺の役目か?
「まずみゆき、何だって? こなたが可愛いとかなんとか」
 あのチビオタクの何処にそんな要素があるって?
「ええ、大変魅力的な女性だと思いますね」
 眼鏡の奥の眼が妖しく光る。
 な、なんか睨まれてないか?
「それでつかさ、お前は何をそんな慌ててるんだ?」
「えっ、そりゃえっと。ほら……」
 顔を真っ赤にして誤魔化すようにオーバーリアクションでパントマイムをする。
 そこに壁を作って何が起きるというんだか……。
「分かってないですねぇ……かがみ君」
「だから、何が、だよ!」
 強調して言ってやった。
 大体お前はいつも遠まわしにものを言うから分からんのだ!
「昔の言葉を借りるならそう……彼も私も」
 と、つかさの肩を叩く。
333こなた逆ハーレム偽続編-かがみside-(2/4):2007/12/15(土) 14:39:02 ID:rgEnDrZR
 それにビクッと反応するつかさ。
 まだ分からん。
 早く言え! ためるな鬱陶しい!
「ホの字ってやつです」
 ……。
 ああうん、何ていうかな。
 手から落ちた箸を拾うのも忘れるぐらいの言葉が、脳に突き刺さる。
 あとで拾えばいいか、三秒ルール三秒ルール……ってんな場合じゃないってヴァよ!
「な、ゴホッ、なな、何だって?」
 口にしていた玉子焼きがハザードを起こし喉と鼻の間を平泳ぎして行く。
 ぐはっ、こんな所で死ねるか! 水っ、水をぉおー!
 そ、そうだつかさの飲み物を……ってギャー! ドロリ☆濃厚ーっ!!
「そのままの意味ですよ、ねぇつかさ君?」
「う……ま、まぁ」
 つかさも顔を真っ赤にしたまま頷く。
 って待てよ。ちょっと待てお前ら。
 そんなホの字だとか死語で誤魔化すな!
「じゃ、じゃあ何だ? お前ら……好きなのか? こなたのこと」
 いやいや、そりゃ俺だって好きだぞ?
 でもそりゃ、ライクってやつだろ。
 友達は友達……そういう意味ならあんな話の合うやつは嫌いなわけない。
「僕も色々考えたけど……友達としての好きとは、違う気がする」
 あの抜けまくったつかさが、俺の目を見て言う。
 おいおい、こりゃマジですぜ?
 恐る恐るその隣りのメガネを見ると……。
「ええもちろん、めがっさラブです」
 にょ○ーん! な、だから何なんだその挑戦的な眼は!
 俺に何か恨みでもあるってか?
「かがみ君は、それで?」
「そ、それでって?」
 二人の視線が俺に集中する。
 どちらも何ていうか……訝しげな眼。
「個人的……超個人的な意見を言わせてもらえば、一番の敵は貴方だと思ってます」
「僕も、そう思うな」
 んなっ、何だよその含んだ言い方は!
 ま、待てって今考えるから。
 こなただろ? こなた。
 あんなチビで、オタクで、貧乳で……胸は関係ないか。まぁでも無いようなもんだろ!
 それがええと何だっけ? 友達以上に好きかって?
 あはは、何をおっしゃるうさぎさん。さっきも言っただろ?
 好きは好き。でもそりゃ……ライクってヤツだって。
334こなた逆ハーレム偽続編-かがみside-(3/4):2007/12/15(土) 14:40:56 ID:rgEnDrZR
「別に、あいつに特別な感情なんかないっ」
 言い放ってやった。
 うん、これでスッキリ……ん? 何かしないな。
「ほ、本当に? お兄ちゃん」
「ああ、嘘は言わん」
 だから安心しろ、弟よ。あとメガネよ。
 お前らの恋の邪魔はするつもりもない、勝手にラブコメでも展開してくれ! 誠○ね!
「ふむ、では最後にもう一度確認です」
「んだよ、しつこいな」
 みゆきが薄ら笑いを見せる。
「泉さんの事は、特別には想っていないと?」
 またそれかよ。
 ったく、こいつはきつく言ってやらんと分からんらしいな。
「ああ、そうだよ」
 そこで、ちょっと苛ついていたのがいけない。
 そうだよな、俺はもっとクールな……こう知的なキャラが似合うはずなんだ。
 それなのに……その場の勢いで、やってしまった。
 声を、張り上げてしまったわけだ。
「俺があいつ……こなたの事なんか、好きなわけないだろ!」
 それと同時だったかな。
 俺の、後ろの扉。
 俺達の教室の扉が……勢いよく開いたのは。
「何の話?」
 扉から聞こえた声に、俺がゆっくりと振り返る。
 まるでスローモーションのコマの一つ一つが汗に映っていくように、その光景が眼に入った。
 そこに居たのは……渦中の人物、こなただ。
「いえいえ、男同士。しみったれた世間話ですよ」
「あっ、う、うん。そうそうっ」
 みゆきが空々しく誤魔化し、つかさが慌ててフォローする。
「本当? かがみっ」
 その眼が、俺を見る。
 な、なんだよその眼は。
 何で俺にわざわざ聞きなおすんだよっ!
335こなた逆ハーレム偽続編-かがみside-(4/4):2007/12/15(土) 14:42:39 ID:rgEnDrZR
「あっ、やっ」
 声が上手く出て行かず、言葉が続かない。
 いやそうだよ、扉は閉まってたじゃないか。
 俺が声を張ったところで聞こえてるわけないだろ!
「あっ、ああ……また皆でカラオケでもどうかってさ」
「……」
 じっと、俺を見る。
 だ、だから何で俺を見るんだ?
 他にも見てやれよ、弟とかメガネとか!
「そっか」
 俺の願いが通じたのか、視線が外される。
 思いっきり、ぷいっと変な効果音までつきそうなくらい。
「じゃあ今日行こうよ! 私新しいの覚えたんだー、平野の新曲ーっ」
 そのまま俺の横を通り抜け、みゆきとつかさの間ではしゃぐ。
 みゆきは相変わらず飄々としていたが、つかさは顔がバーニングディバイドしてる。
 こなたはその間で、笑ってた。
 ……うん、そうだよな。やっぱり聞こえてなかったか。
 心配して損したよ、ったく。
 もういいだろこの話は。
 それより今日行く事になったカラオケのほうが心配だよ、今月は小遣いそんな残ってないってのに。
 俺達四人は友達。
 それでいいだろ?
 いや、それで良かったんだ。今までは……な。
 今まで……こう区切ったわけは分かるだろ?
 これからは、違うってことさ。
 ……。
 ああ分かってるって、そう責めないでくれ。
 そうだよ。
 その引き金を引いたのは……他でもない、俺だったんだ。
336一息:2007/12/15(土) 14:44:12 ID:rgEnDrZR
こっからこなたサイドです
337こなた逆ハーレム偽続編-こなたside-(1/3):2007/12/15(土) 14:46:14 ID:rgEnDrZR
「私、思うんだけどさ」
 人の行き交う食堂の一箇所に席を囲み、香ばしいB定職に舌鼓を打つ。
 そんな中だった、友人A(仮称)が突飛なことを言い出したのは。
「泉さんって、誰か付き合ってる人居ないの?」
「ふぇ?」
 私を名指し、割り箸を勢いよく自分の口に運ぶ。
 そんな彼女の言葉に呆気にとられ、エビフライをとる箸を止める。
「どしたのさ、急に」
「だってさー、いつも決まった男子と居るじゃん」
「そうだよねー。私も気になってた」
 その隣りの友人Bも賛同する。
 お父さんがお弁当を忘れたからって久々に学食にしようとすると、これだよ。
 確か前にもそんな話題になったなぁ、誰が言い出したんだっけ?
「別にいないよ、つかさやみゆき君とかと。って事でしょ?」
「そうそう、そこよ!」
 ビシッと効果音がつきそうな勢いで箸で私を指す。……お行儀がなかなかどうして。
「高良君は成績も凄いし、あのルックス……憧れるわぁ」
「柊君はちょっと成績不振だけど、すっごい優しいもんね。二人とも女子には人気だし」
 ああ、分からないでもないかな。
 歩く萌え要素みたいなもんだしね、二人とも。
 ……ん? 二人。
「あれ、かがみは?」
「へっ?」
「えっ?」
 二人が向かいの席で顔を見合わせる。
 んで、自然を声を被せる。
「「誰だっけ、それ」」
 哀れかがみ……まさか認知すらされてないとは。
「かがみだよ、柊かがみっ。つかさのお兄ちゃん」
「あー」と、ようやく視界の隅に入っていた異物を思い出したらしい。
 まぁ確かに、ツンデレなんて一般人にはまだまだ分かりにくいか。
「居たわよねー、そんな人。違うクラスよね確か」
「なんかあのツリ目の怖い人だっけ? 無愛想よね」
「ぶ、無愛想?」
 むぅ……そこまで言う事ないんじゃないかな。
 そりゃちょっと、暴力的ではあるけどいいやつなんだけどなぁ。
 なによりあのツンデレっぷり、なかなかレアだよ? 最近では。
「へぇ、泉さん的にはそのお兄さんのがオススメなんだ」
「へ? な、なんで?」
 くわえたエビフライが、私の心臓と一緒に軽快に跳ねる。
 ほのかに顔が熱くなった気がした。
338こなた逆ハーレム偽続編-こなたside-(2/3):2007/12/15(土) 14:47:42 ID:rgEnDrZR
「だって、妙にこだわってない?」
「なっ、ないないっ。あれで寂しがりやだからさ、忘れてたら可哀想だしっ」
「ほほーぅ」
 と妙に慌てていたのを悟ったのか、二人の妙な目が私を見る。
 だ、だから何でそんな慌ててるんだろ……私。
「良かったわー、じゃあ高良君はフリーなんだ」
「柊君もかぁ、狙ってみよっかなー。案外押しに弱いと思うんだけど」
 顔に熱を持つ私をヨソに、二人で乙女な話題を振りまいていく。
 うう、このピンクな雰囲気は苦手だ。
「あれっ、泉さん?」
「わ、私もうご馳走様かなっ。先に教室に戻るねっ」
 まだ大きく乗ったエビフライも名残惜しいけど、顔の熱で味もよく分かんないや。
 はぁ……何か変なこと考えちゃったなぁ、イカンイカン。
 そうだ、思い出した。
 そういう話題を前にふったのは……私だったっけ。
 いけないな、自重しよう。
 そんなに気にすることじゃないよね。
 みゆき君やつかさだって、友達。
 それは、かがみだって一緒。
 それでいい、と思う……。
 うう、あの二人が変な事言うから……。
「俺がっ」
「?」
 教室の前まで来た時だった。
 少し開いた扉から漏れた声が耳に届くと、少し心が和らぐ。
 ……理由は、それの本人の所為?
 妙にこだわってる、か。
 それって……どういう事なんだろ。
 深く考えるのは、やめよっかな。
 いつものように笑っていられれば、それでいいよね?
 そう思って勢いよく、扉を開けた。
 それと、一緒だったかな。
 その心和らぐ言葉が……私を切り裂いたのは。
「こなたのことなんか、好きなわけないだろ!」
 一瞬、それの意味を租借することすら出来なかった。
 つかさや、みゆき君と視線があった。
 そして……見覚えのある背中も。
339こなた逆ハーレム偽続編-こなたside-(3/3):2007/12/15(土) 14:49:16 ID:rgEnDrZR
「何の……話?」
 私の言葉に、ゆっくりとその背中が振り向く。
 その時私は願ってしまった。
 理由は分からない。
 でも……それが、『彼』であって欲しくないって。
「いえいえ、男同士。しみったれた世間話ですよ」
「うん、そうそうっ」
 みゆき君やつかさの言葉が、右から左に流れていく。
 だけど、目の前の彼は……何も言わない。
 だから聞いてしまった。
 返ってくる言葉が怖い癖に。
 聞こえなかったと、そんな素振りを見せればいいのに。
「本当? ……かがみっ」
 その人の名前を呼んだだけなのに、もう一度心が跳ねた。
 混ざり合う視線が、私の心を軋ませる。
 私は何を、期待しているんだろう。
 私は何を、言って欲しいんだろう。
「ああ、また皆でカラオケでもどうかってさ」
 だけどそんな、求める言葉が返ってくるはずもなくて。
 ただ私の胸のきしむ音だけが、心を刻んでいくだけで。
 駄目だ、もう……顔を合わせられない。
 理由はやっぱり、分からない。
 だから、逃げた。
 かがみから……彼の、視線の先から。
「そっか、じゃあ今日行こうよ! 私新しいの覚えたんだー、平野の新曲ー」
 彼の前から逃げて、他の二人の間に入る。
 ……笑おう。
 出来る限りの笑顔で、笑おう。
 それなら、きっと……忘れられる。
 心に刺さった釘の傷みだって、さっきの言葉だって。
 そうだよ、何もなかった。何も聞かなかった。
 だってそうだよね?
 私たち四人は……友達、だもん。

(続く?)
340ぶーわ:2007/12/15(土) 14:54:09 ID:rgEnDrZR
個人的な我侭につきあってくださって書く人氏、感謝です!
書く人氏の本編も、超絶期待してます!!
オサワがせ失礼しました