2 :
泉こなた:2007/12/11(火) 14:23:36 ID:7YnxGsZx
4 :
鼻血(ry:2007/12/11(火) 14:30:02 ID:r6c7Pqi3
>>1お疲れ様です。
>>2さんはもらっていきますね。
ブフ
5 :
ツンデr(ry:2007/12/11(火) 15:01:14 ID:mVxhgPZe
>>1、乙なんだからねっ。
ていうか、
>>2は既に私の腕の中だっていってるでしょ。
全く、すりすりさわさわ・・・
6 :
バルサ巫(ry:2007/12/11(火) 16:18:33 ID:VIVcWQtw
>>1さん乙♪
甘いねお姉ちゃん、私は一足先に
>>2ちゃんのスカートの中だよ。
すーはーすーはー
>>6 い、いきなりこな☆フェチ発病だなんてぶっはぁ!!
>>1乙やで
>>2 お持ち帰りやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
12 :
粉粉:2007/12/11(火) 19:29:45 ID:BX4bca+I
フウ…
上手くまいたか…
こな砂糖デコイは、守備良くみんなの手にわたってるな。
ったく、新スレだってのにいきなりフェチ発症だもんなあ。
一々相手してたら体もたないよ…
はぁ、しばらくまた段ボールスネーク生活か…。
前スレ
>>675のぶっとびかがみに萌えた
つかさのぶっとびぶりを軽く超えたぜこいつは(゚∀゚)
>>1乙
1ヶ月で4〜5スレか……速っ!
アニメ終わったら伸びなくなるスレが多いなかまだまだ健在とは…、今まで投下してくれた作者さんたちのおかげだよ
そしてスレ住人も…、アンタら最高だ!
>>14 しかも、何がすごいといって、雑談とか1行レスでダラダラ伸びてるわけじゃないんだよなあ。
密度がやたらと濃い。
来年までにめざせ 1000作品
17 :
とある幽霊:2007/12/11(火) 21:58:49 ID:6JpidV6q
>>1 遅ればせながら、スレッド作成お疲れ様でした。これからも、よろしくお願いしますね。
>>12 くじけないで、こなた……私はいつでも、あなたの成長を見守っていますからね。
ええ、性的な意味でも。
>>12 ダンボール箱から首だけ(=ω=.)って顔を出す黒ヒゲこなた!
ダンボール箱で作ったロボットコスチュームのロボこなた!
そしてぇぇっ!ダンボール箱の中で目を潤ませてこっちを見上げる小猫ナタァァァァァァァッ!
>>14 自分の場合は、アニメが終わってからの方がらきすたに使う時間が多くなった
放映中はアニメだけで満足してたんだけど、終わったら物足んなくなって
原作とか関連本とか買いあさったり同人誌やSSを読み漁ったり
イラストサイト渡り歩いたり思い余って自分でも書いてみたり
そして今、ここにいる
前スレが埋まった事をお知らせいたします
埋め乙!
>>20 兄弟よ!
お前だけじゃないって事を忘れないでくれ!
らきすた知らずにここに迷い込んで、作品読んで今じゃらきすたにどっぷりな俺は異端か?
24 :
7-896:2007/12/11(火) 23:01:54 ID:r6c7Pqi3
>>24 お…俺がその子をひろう…!
ってうわぁぁぁぁ
>>24 きわめてかわいいが、今回の場合
ひろってひろって、と媚をうったりしません
なぜなら、そうした瞬間、拉致る候補が軽く3〜4名はカタいですから
次のニュースです
昨夜未明、糟日部駅付近で、蠢く青い毛の塊が出現しました。
その特徴から「青い我眠様」と称され、
付近の住民から恐怖の声が上がっております。
しかし、何故か一部の住民は、これを捕獲せんと、今日もキャンプを張って
例の塊が出現するのを今か今かと待ち続けている状況です。
空気読まずにこっそり質問。
SS書いてる途中気付いたんだが、
方向がおかしくなってSMになりそう…というかなってるんだけど
こういうのも投下して大丈夫なのかな…
注意書きかけばおkですか?
>>1にそう書いてあるです。ためらうことはない。
注意書きして投下せよ、ミッションスタート
>>29 トン
でもまだ出来上がってないのよ…
今週中には投下するぜよ。
申し訳ない。
31 :
ぶーわ:2007/12/12(水) 00:26:25 ID:P/dy0nb9
>>24 拾?
あ、いやなんでもありません。
そんな事より、かわえええ…
やばい、
>>31といい、ここぞとばかりにstray KONATAが蔓延中
萌えの見本市やああああああああ!
某幽霊神様「
>>31ったくこの子ったら、襲われてるのにこりもせず
どうして媚を売るようなまねばっかり・・・・って
これ、デコイじゃないの!本物は・・・っと
神様、谷の神様、私にサーチの力を・・・あ、みつけた」
こなた「このロリコンどもめ!」
某幽霊神様「青バックベアードっ!?」
>>19 きゃあ
それでネタ仕込んでたのに、気が付いたらスレの流れがそっちへwww
>>31 そこをどけえぇえぇええぇえぇぇえぇぇぇえええ!!
すみません、取り乱しました。
>>14 とりあえず、アニメ開始以後のこのスレの勢いの変化をまとめてみた
T アニメ前半(5月〜6月下旬・2〜5スレ)
スレを追うごとに消費にかかる時間が短くなる。(2スレ:約3週間→5スレ:9日弱)
U アニメの中期から終盤手前(6月下旬〜9月上旬・5〜14スレ)
1スレあたりの消費所要時間が大体7〜9日程度で安定的に推移
V アニメ最終回前後(9月中旬〜9月末・15〜18スレ)
アニメ最終回直前の第15スレ目は、4日弱という記録的短時間で消費された。
そのあとは次第にペースが落ち着いて、安定してくる
W アニメ終了後(10月〜 ・19〜スレ)
アニメ終了後も大きくペースが落ちたりはせず、大体のスレが8〜10日前後で消費される
「あー、あと、今のところは試験範囲やないからな」
この恐ろしいペースに、こな☆フェチが一役買ってることは
言うまでもあらへん、みんなここテストにでるでえ
泉、泉〜?、なんや泉は休みか。
面白い小ネタが出ては、みんなこぞって便乗し
荒らしっぽい書き込みがあっても即座にネタにして荒れ知らず
そんな柔軟さこそがこのスレの魅力であり凄さだと思うです
伝説の名言「まらん」がでるくらいだしなあ
あ、これテストに出ませんよ?
今回の保管によりあと24作品で
1000となります
管理人さん超乙!!
記念すべき1000を踏まないように
さっさと仕上げるかな。
1000作品目が壊れネタだったとしたら
ある意味、この長スレの歴史を刻んできたこのスレシリーズを
象徴する出来事かもしれない。これはこれでw
なるほど、投下作品1000作品目ですか……
壊れネタで狙ってみるのも、面白いかもですね。
でもその前に、今書いてるリクを終わらせなければ……
だかしかし、潟gレジャー設定なため、また息子が大変なことに。やっぱりエロは大変です。
個人的に好きなカプのこなかがであることが、さらにマイソウルを加速させます。
なんと危険なリクをしてくれたのだろうか。
コメントフォームの名無しさん達は……
>>27 「本当ですね?
本当に泉さんが飛び出したら泉さんと一発させて貰えるんですね!?
………………ぶふぅ!(鼻血)」
「そうよ、みゆき!
こなたがビュッと飛び出したら一発やらせて貰えるのよ!
だからさっさと私の番で色々飛び出しちゃいなさい、ビュッと!」
(ま、万が一当たっても飛び出さないように中で突っ張っとこ……)
『こなこな危機、一発ゲーム』
>>45 だがちょっと待ってほしい。
『黒ひげ危機一髪』は本来、樽から黒ひげを脱出させるゲームである、という事を
忘れている人があまりにも多いのではないだろうか?
かがみ「いやったぁぁあ〜〜!私の勝ち……って、あ〜〜っ逃げたっ!!」
黒ひげなら我先にとみんな何本も刺しそう
かがみ「ずぽ、ず、ず」
みゆき「ずぽ、ぶぴゅっ(←鼻血を突き刺す音)」
つかさ「ゆきちゃん!お姉ちゃん!何本刺すの〜?」
かがみ「こなたがでてくるまで!」
みゆき「ぴゅっ、あばば(←溺れ中)」
ななこ「ウチが先に泉を出すんや!売れ残りなんかやないっ!」
こなた「ぴょん(←出る音)」
一同「「「「「こぉぉなぁぁぁぁたぁぁぁぁ」」」」」
>>44 うおお!今からwktkで全裸待機させて頂きますっ
さて、私もクリスマスに向けたふたなりえろを仕上げようかな…
49 :
ぶーわ:2007/12/12(水) 11:34:08 ID:P/dy0nb9
おほ、1000作品目とかうっかりとっちゃわないようにさっさと投下しちゃいますね
0から始めよう! 続き投下させてもらいます
・パラレル&オリキャラあり 苦手な方はスルーよろ
↓13レス拝借します
「かがみは、白と青のどちらが好きですか?」
「? 何よいきなり」
天使が白いハンカチと黄色いハンカチを差し出す。
くれるの? タダなら貰うけど。
「そうね、青かな」
「なるほどなるほど、では先に渡しておきますね」
そして手渡される。
っていうか私にも触れるのか?
「何なの? これ」
「『祝☆−500TP突破記念、もうちょっと敬いま賞』です」
……。
ええと、うん。
せいっ!
「な、殴りましたね! しかもグーで!」
「んな惨めなもん要らないわよ! つーかまだ499でしょ!」
ハンカチを投げ返す。
「わっ、わわっ……ふぎゃ!」
慌てて投げ返したそれを拾おうとするが、上手くとれず近くの壁にぶつかる。
ったく、そそっかしいんだから相変わらず。
「うぅ、限定品なんですよ? プキンちゃん初回DVD特典の」
いらねーよ! 知らねーよ!
はぁ……こいつ相手にしてると疲れる。
朝から騒がないで欲しいわ、頭が痛くなる。
あんまり騒いでこなたを起こさないでよ? 寝起きは機嫌が悪いんだから。
つっても、こなたには見えてないんだっけ。ややこしいな。
「一緒みたいなものじゃないですか。499なんて」
何言ってるのよ、分かってないわね。
どうしてその1TPが届いてないか覚えてないの?
初めてゴミの清掃で稼いだ1TPなんだから!
「あれから下がりに下がって+1から−500ですか……しかも二日で」
「う、うっさいわね。私の所為じゃないわよ!」
ほとんどこなたがエロゲばっかやってた所為でしょ!
「今日から心機一転、頑張ればいいじゃない。ようやく協力もしてくれるみたいだしさ」
少しくらい、という単語が気になるが……。
一応、エロゲは駄目だとは言っておいたから大丈夫よね。
「どうします? また散歩にでも行きますか?」
「つっても今日は学校も休みなのよね」
どうしよっかな。こなたが起きるまで待っててもいいけど、昼過ぎまで起きないし。
だからって声だけじゃ起きないのよね、こいつ。
宿主に色々ポイント稼いでもらわないと、こっちはいちいちポイント使わないといけないし。
……さすがに500超えはきついわよね。
だって触るのに5TP、しかも一回しか触れない。
500TP支払って触り放題にする? 否! そしたら−999TP!
「『呪★−1000TP記念、もうちょっと奉りましょ……』んぎゃっ!」
五月蝿い口は黙らせましょうね。
うーん、どうにか節約出来ないものか。一回しか触れない……そう、ここが問題よね。
「5TPで、触れるわけよね?」
「ええ、そうですよ。一度だけ」
「じゃあさ、ずっと触ってたらどうなる?」
「もちろん離すまで持ってられますよ、消費する事もありません」
ふむ。離さなければずっと持ってられる、と……。
「じゃあ触れてるものに触れるのは?」
「ええと……出来るみたいですね、右手で触れてる状態なら左手でも触れる事が出来ます」
と、ハウトゥー本めくりだした。
そこあたりはまだ曖昧らしい。役立たないなぁ本当。
「それじゃ、複数個一緒に触ったら? 両手一緒とか」
「む、難しいことを聞きますね」
必死にページをめくっていく。
「ええと、駄目ですね。触れるのは一つだけです」
「そう……ポイントじゃあ、使うわ。触れるようにして」
「へっ? 何をするんですか?」
「いいからいいから」
私の考えが上手くいけば、これまた大進歩よね。
ええとそうね、これでいいかな。
「ティッシュ、ですか?」
「そう、それでさ。こうしたら……」
「あっ!」
天使が感嘆の声を漏らす。
ティッシュを持った手で、そのままティッシュ箱を持ち上げたからだ。
「やっぱり! 間接的なら触り放題ってわけね!」
私はティッシュを持ってるだけで、ティッシュ箱はティッシュに引っかかってるだけだもの!
「せ、せこいですね……」
うっせーよ! でもこれは大発見よ、凄いことなのよ?
ええと、手袋でもあればいいんだけど……靴下は嫌だしなぁ。
お、丁度いいところに軍手。
パソコン弄るのに使ってるのかな? 投げっぱなしにしてあるから勝手に使ってもいいわよね。
「あと二回じゃあお願い」
両手に軍手をはめ、戦闘準備はバッチリ!
触り放題:−500TPがまさかの−10TPよ! ざまぁないわ!
「どうするんですか?」
「まぁそうね……とりあえず、部屋の片付けからかな」
散乱したゴミ。
散らばったシュリンク。
投げっぱなしのお菓子。
雪崩れている漫画。
カップラーメンの空の山……はぁ、やりがいがありそうね。
「ちゃんとカウント、しときなさいよ」
「は、はい。頑張ります」
ゴミは分別してゴミ箱へ。
本は本棚に名前順に。
うわっ、床もホコリだらけだし! まぁいいわ、ティッシュで地味にとっていこう。
はぁ……こりゃ大仕事ね。
「……ドタバタうっさい」
と、片付けの途中でようやく部屋の主が体を起こす。
予想通り、機嫌の方は悪いみたい。まぁ予想はしてたけど。
「部屋片付けてるの、あんたも手伝いなさいよ」
「いいよ……そんなの、何所に何があるか分かってれば」
機嫌悪そうに布団を被りなおす。くそう、この物臭め。
ん、待てよ。今は触れるじゃないか!
「駄目よ! 布団も干すんだから起きなさい!」
「んおぉお!」
布団の端を掴み、引きずり出す。
横で寝られてたら邪魔なだけよ!
「ほら顔洗って歯も磨いてくるっ」
「むー……まだ眠いよぅ」
遅くまで深夜アニメなんか見てっからだよ!
「だから顔洗ってくるの、朝なんだから起きなさい」
こなたの体を掴み、立たせる。
すると渋々と部屋を出て行く。
昨日の一件以来少し距離が縮んだのか、私の言うことにも耳を傾けてくれるようになった。
まぁ、まだそこまでだけどね。
「ふわぁぁああ」
豪快なあくびと共に部屋の主が戻ってくる。
体の感覚を確かめるように伸ばすと、パソコンの前の椅子に腰掛ける。
そして電源を入れる。
「エロゲは駄目よ、エロゲは」
「んあ……分かってるって」
まだ寝惚けた眼でマウスを動かす。
その後ろでせっせと部屋を片付ける私……って手伝いなさいよ!
「あ、そうだ」
殴ってやろうかとしたところ避けられた。
そして何かを思い出したかのようにテレビをつける。
その後に……。
『良い子のみんな! 大きな声で呼ぼう、せぇーの』
「「プキンちゃーんっ!」」
狭い部屋の中でこなたの声がコダマする。あと、天使も。
聞き覚えのあるOPがテレビから飛び出し、二人して手拍子。
「うー、プキンちゃん可愛いよねー」
「はぅぅ、可愛いですねぇ」
完全にシンクロしてやがるよこいつら。
ああ、また頭痛くなってきた。
「おとといのヤツ、まだ見てなかったんだよね」
おととい……ああ、私が泣かした日のやつか。
それの録画ってわけね。
「あんたもこれ、好きなんだ」
「うんっ、好きー」
と、無邪気に笑う。機嫌のほうはどうやら最高潮らしい……寝惚けてた眼もパッチリだ。
「幼児向けのはずなのにこのクオリティ、無駄に豪華な声優、仕込まれた小ネタ……どれをとっても今期ナンバー1だよ!」
な、なんか熱くなってるがよく分からん。
「あー、でもこの話作画が悪いらしいってね」
「? 何で知ってるの?」
「板で叩かれてた、ってかアバンからそうだったし」
……あまり専門用語で話さないでくれ、ついていけないから。
「ピン☆ポン☆パン☆ポン プキンちゃん〜♪」
こっちはまた主題歌歌ってるよ! ってゆーかお前は見ただろ!
「固い外皮を〜突☆き★破☆れ〜♪」
こなたまで!
ああもう、勝手にやってくれ。
「でもよく録画なんかしてたわね」
「うん……お父さんが、ね」
少し含んだものいいで、言葉を漏らす。
オープニングを楽しんでいるようだが、眼の奥には影。
どうやら、根っこは深いみたいね。
うーん、その原因さえ分かればなぁ。
でも無理に聞いたらまた癇癪起こすだろうし……。
「父との和解、言うは安しですね」
うっさいわね、大人しくアニメ見とけ!
「うぅ……またぶったぁ」
「? どうかした?」
「いや、何でもないわ」
ったく、口を開けばロクでもない事しか言わないんだから。
『出たなっ、悪の組織トリックオアトリート団!』
部屋を片付けながら、私も横目で見る。
なんか妙に甲高い声のピンクの髪の女の子が戦ってる、かぼちゃに乗って。
……小学五年生に何やらせてんだか。
物語ってのは往々にして……ってもういいか、十分理不尽よね今回も。
『キョーキョッキョッキョ! この悪の帝王カーボ様に勝てるとでも思ってるッキョー?』
悪の帝王もう出ちゃったよ! 展開速えええ!
あとは何か適当にザコと戦って、最後にかぼちゃ食べて終わった……なんだこれ。
「うーん、確かに作画がイマイチだったね。まぁそれでも頑張ったほうじゃないかな」
知らねーよそんなの! って……結局最後まで見ちゃったよ。
「んおおっ、綺麗になるもんだね」
テレビからようやく眼を離すこなた。そしてすっかり片付いた部屋を見回して、感嘆の言葉を漏らす。
どう、凄いでしょ? これでも結構マメに片付けするほうなんだから。
「いい? 無駄に散らかしちゃ駄目よ。小まめにゴミは捨てないと」
「はーいはい、オバケの癖にお堅いなぁかがみは」
「誰がオバケよ! まだ生きてるわよ一応!」
「あー、そーでしたそーでした」
耳を塞ぎながら私の話を聞き流すこなた。畜生、部屋を片付けたお礼はないのか!
「お疲れ様です、かがみ」
「ポイントのほうはどう? ちゃんとカウントしてたでしょうね」
アニメに夢中で見てませんでしたとか言ったら……咬みきる!
「ええと、ちゃんと数えてましたよ……まず三回触ったので−15TP」
お試しと軍手両手分のやつね。
マイナスはいいわ、次よ次。
「ゴミの清掃:1TP×35回、本の整理:2TP×40冊……」
「ああ、そういう細かいのはいいから。全部でいくら?」
「ええと……+165TP、ですね」
おお、行ったじゃない! これでええと−15してるから……。
「現在−349TPです」
「ふぅ……これで、500台は免れたわね」
ようやく一息。
寝転がれる地面もないのでノンビリと空中浮遊。ああ、慣れると気持ちいいわこれ。
+150か。頑張ったなぁ……少しくらい休んだってバチは当たらないわよね。
「むぅ、エロゲが駄目ならすることないなー」
「普通のゲームしなさいよ、色々あるじゃない」
空中に浮きながら、こなたと駄弁る。
しかし本当に色々あるな……。噂の3にW○iまで……箱はいらんだろ。
「んー、じゃあ何か一緒にする? これとか」
「何これ、クイズゲーム?」
おいおい、ひきこもりが私に勝てると思ってるわけ? いいわよ知識の差ってやつを見せてやるわ!
……オチは、聞かないでくれ。
そうやって私は、この体の生活を謳歌していた。
だから、忘れてた。とても……とても、大切なことを。
それを私は、思い知らされる事になる。始まりはそう……電話、かな。
・現在のTP:−349TP(↑)
ジリリッ、ジリリッと騒がしい音が耳を劈く。
ああ、五月蝿いなぁ。音から察するに電話?
んもぅ、誰かとったりしないわけ?
こなたがとるわけないから、おじさんが起きるまで鳴り続けてるわけか。
ってゆーか相手もいい加減諦めればいいのに。
「かがみっ、かがみっ」
「……んあ? 何よ」
天使に声をかけられ体を伸ばす。
雀もチュンチュンと耳を劈き、朝が早い事をを知らせる。……って随分早くないか? 何よこんな朝早くに。
「どうでもいい話だったら、ぶっとばすわよ」
「うぅ、相変わらず敬ってませんね」
朝のアニメが見たいとか言い出さないでよね。グーでいくわよ?
「た、大変なんですよっ」
「何がよ……早く言いなさいよ」
まあベッドの上ではこなたが寝息を立てている。
これで昼まで起きないだろうなぁ、昨日も遅くまでクイズゲームで対戦してしまった。
ってゆーか強すぎ! 答え全部覚えてるとか卑怯すぎだろ!
「ええと、あ、あっちです。あっち!」
と、天使がキョロキョロ辺りを見回したあとに壁を指差す。いや多分、その向こうにあるものを言いたいんだろう。
「あっちに何があるわけ?」
まだ私も眠いんだけど。
「い、いいから早くっ、急ぎましょう!」
「はいはい、分かったわよ」
ったく、五月蝿いなぁ。
今日は月曜日。
土日、と連夜でゲームばっかしてたからロクにポイントも稼げなかった。
いやまぁ、そりゃ二人でやるゲームってなかなか終わらないわけよ。
どっちかが負けるから勝つまでやめないし。協力プレイなら終わりがなかなか見えないし。
ああ、外に行くなら軍手外さないとね。他人から見たら浮いてるようにしか見えないってわけ、とんだ超常現象よ。
「ここ、ここですよ!」
「ここって……」
見覚えのある道を天使のあとについて行くと、これまた見覚えのある場所に。
鼻をつく医薬品の香り。味気のない縦に伸びた建物。そしてシンボルの、赤い十字架……ここは、病院?
そう、私の入院してる!
「な、何っ。何かあったの?」
さすがにここまで来れば私も慌てる。
だって、私が居るのよ? 私、っていうか私の体!
もしかして急に心配停止とか!?
「あ、それは別に……」
んだとこの野郎!!
だからさっさと用件を言え用件を!
「い、痛いですっ。千切れますっ!」
一回千切れろ!
「こっちです、こっち」
「? だから何所に……」
確かに向かっているのは私の病室じゃない。
こっちはむしろ……あまり入った事はないけど、私も入ったのかもしれない場所。
集中治療室、ってやつ?
そこの扉を進むと……不思議な光景が待っていた。
「かがみ、静かにしていてくださいね」
「えっ? あ、うん」
その光景に呆気にとられている私を背に、天使がその光景に組み込まれていく。
「おはようございます」
「おっ、おはようございます」
天使がそこに『居た』少女に、声をかける。
こんな所に少女が居るはずがない。
だってそこには、今にも息絶えそうなもう一人の少女が寝転がっているのだから。
……そこまで考えて、思考が止まる。
もう一人の? それはおかしい。
だって『それ』は、見下ろしている少女と同じ顔だったから。
「こんにちわ」
「こ……こんにちわ」
「こんばんわ」
「……こんばんわ」
私と同じように一通りの挨拶を終えると、その少女が天使を見る。
そう……『見ている』、私にしか見えないはずの存在を。
「ご自分の名前が言えますか?」
「えっ、ええと」
まだ状況を把握できない少女に、天使が優しく微笑みかける。
私の時も、こんなだった。
そうだ……この子は、私と同じ。
今にもその命の灯が消えかかってる、儚い存在。
「『小早川……ゆたか』です」
「ではゆたか、自分の状況が分かりますか?」
「え、えっと。えっと……」
そりゃ困惑するだろう。
いきなり目の前の自分が死に掛かってるんだから。
「貴方は事故に遭いました、このままでは死んでしまいます」
「えっ……」
少女がその大きな眼を見開く。
「ですが貴方には、生き続けるチャンスが与えられます」
次から次に訳の分からない状況を突きつけていく天使。
私の時もこんなだっけ?
ああそっか、あんときゃカンペ見まくってたから緊張感がなかったのか。
今回は覚えてやがる……私の時もこれくらいやってくれても良かったのに。
「チャンス……ですか?」
「はい、その体で善行を積めば貴方はまた行き続ける事が出来るでしょう」
そうよ、そう言えば分かりやすい。
いきなりカンペだしたりTPだの訳分からん説明なんかするからややこしいのよ!
「ここでは貴方も辛いでしょう? 場所を変えましょうか」
「あ、あの。そっちの人は?」
と、私を見る。
そりゃそうよね、こんな集中治療室に私みたいなのが居るわけないか。
完全防菌した医者ぐらいよ、普通は。
「貴方と同じよ、私も死にかけてるってわけ……詳しくはそっちの天使に聞いて」
「天使?」
私私と、自分指差す天使。
はぁ……ったく、そんなんだから誰も敬いなんか……。
「て、天使様なんですか!?」
しな……ん?
少女の表情が変わる。
眼を眩しく光らせ、天使を見る。
期待というか、驚きというかこれはむしろ……。
「かっ、かがみっ。わ、私敬われてますよっ!」
見りゃ分かるよ!
彼女の眼に光るのは、尊敬の眼差し。
はぁ……難儀な子。
これからこの尊敬する天使様に、酷い目に遭わされるってのに。
・現在のTP かがみ:−349TP(−)
ゆたか: 0TP(−)
「ではいいですか? ゆたか」
「はい!」
私と同じように、病院の中庭に。
そこでえっと、ゆたか……ちゃんでいいのよね。年下っぽいし。
ってゆーか小学生? ……が、天使の前で正座をする。
余程その天使様を尊敬してるらしい……ああ、可哀想に。
「まず……」
「?」
天使が咳払いをし、人差し指を上に。
「……」
「何、どうしたの?」
……が、そこで固まる。
ん、どうかしたわけ?
ん、何こっち見てんのよ。
「ちょ、ちょっとかがみ?」
「?」
そのままゆたかちゃんから少し離れたところまで私を引っ張る。
「つ、次何でしたっけ?」
「はぁ? あれはどうしたのよ、馬鹿に分厚い教本(絵付き)は」
いつも惜しげもなく出してるじゃない。今日に限って忘れたわけ?
「だ、だってあの子見ました? 敬ってるんですよ!? 私を!」
そんな驚くところかよ!
「まぁそうね……難儀な子」
「なんでですか!」
その口が言うかその言葉を。
「いいですか? もしかがみが敬ってる先生が、参考書ガン見しながら授業を進めたらどう思います?」
「どうってそりゃ、『こいつ大丈夫か?』ぐらい……」
「だからですよ!」
……。じゃあちょっと待て。
あの子の前でいいかっこしたいってか! 敬ってくれてるからってそこまですっか!
「はぁ……仕方ないわね。大体は覚えてるから、私が話すわ」
「本当ですか!」
諸手を上げて喜ばれる……はぁ、こいつ大丈夫か?
「え、ええと。ゆたかちゃん?」
ようやく彼女の前まで戻ってきて話を進める。
私もうろ覚えだけど、まずはあれ。
こなたみたいな人を探さないと、成仏しちゃうんだっけ。
「まずは自分の体から離れるから、『宿主』の人にとり憑かないといけないの。代わりの体ね」
「代わり、ですか?」
「うん、その人から離れると成仏しちゃうの」
確かそんなだったわね。にしてもこの子、いちいち驚く姿が可愛いな。
こらそこ! 「あ、そうだったー」とか言ってんじゃねえ!
「それでその、宿主ってのが……」
「それはですね!」
とようやく思い出したのか、間に入り天使が良い所を持っていく。
そしてゴソゴソと封筒を取り出す……大量に。
「ちょっと、何でそんなにあるわけ? 私の時は一枚だったじゃない」
「なんか、引っかかってて出てこなかったみたいです」
このクソ野郎! と、殴ろうとしたけどゆたかちゃんの視線があったのでやめといた。
くぅ、やりにくい。ってゆーか何で私がこいつの面子のために、我慢しなきゃならんのだ!
「えーと、やっぱり同性がいいですよね。良い人がいいですよね。ひきこもりなんか選ぶと最悪ですよ?」
が、我慢しろ私。
あの純粋な眼で見てるゆたかちゃんを失望させるのは私も心苦しいから遠慮したい。
「あっ、この子なら同い年ですよ。ええと……『岩崎みなみ』さん。この子は良い子ですよ、とっても」
「えっと……よく分かんないので任せます、天使様に!」
笑顔を返され、奇声をあげ浮かれる天使。おいおい、随分私の時とは対応が違うぞ!
「ええと、確か毎朝犬の散歩に出てるみたいですね」
履歴書を広げながら、天使が道を案内していく。
その間もしきりに期待の眼で見られて、ご機嫌なわけだ。
あんな笑顔なんざそうそう見ないわね……私も少しぐらいは、敬ってやるべきなのか。
「ここですね」
病院から程なくして、その家らしき場所に辿り着く。
……なんか見覚えのある通りだな。
ああ、向かいの家はあれじゃない? みゆきの家よ確か、一回だけつかさと遊びに行ったことがあるわ。
どうしてるかなぁみゆき……まださすがに寝てるか。
「あっ、彼女です」
視線をみゆきの家から戻すと、丁度家の門から一人の女性が出てくる。
……ん?
「ちょっと、同い年なんでしょ? あれじゃ高校生ぐらいじゃない?」
「いいえ、中学三年生ですね」
あれで中学生? 背が高いわねぇ……こなたなんかと比べたらいけないわね。
……。
「ってじゃあゆたかちゃん中学生なの!?」
「はい、三年生です」
しょ、小学生かと思ってた。
どうりで物分りがいいはずね……まさか2コ下とは。
「もぅ酷いですよ、かがみさん」
「あははっ、ゴメンゴメン」
顔を膨らますゆたかちゃん。はて、なんか前にも似たような勘違いをした気がする。
「彼女にまずは、触れてください」
「? こうですか?」
犬を連れて歩く女性を追いかけて撫でるようにその体に触れる。
これでとり憑いた事になるわけね。
「宿主とは密接な関係になります、感覚を共有するわけです」
「カンカクをキョーユー? ですか?」
「ああ、ええと」
説明に困り私に助けを請う……速ぇよ!
もう、しょうがないわね。
「味とか痛みとか、あの子と同じように感じるわけ」
自慰の快楽も……なんててさすがに言えないか。そういうの知らないわよね、汚れを知らなそうというか何というか。
「宿主が善行を行えば、もちろんポイントは加算されます。あっ……」
天使の声に女性を見ると、早速ゴミを拾って近くのゴミ箱に入れた。
まさか素でやるとは……本当に良い子を選んだな。
「ゴミの清掃、1TPですね」
とメモしていく。さっそく+1か……私の時とは大違いね。
ちなみに私が始めて宿主から貰ったポイントは−80、雲泥とはこの事か。
「これが10000TP溜まると、見事生き返れます」
「い、一万ですか?」
さすがに桁には驚いたらしい。
ゴミを拾うなら一万回……気が遠くなるわね。
「大丈夫、すぐ溜まりますよほらっ」
天使がまた女性を指差す。
すると今度は気の良さそうな老婆と話をしている。
どうやら道を聞かれているらしく、そのままその老婆を連れ道を引き返していく。
「えー、道を教えてあげる:+10TP。しかも道案内までする:+20TP」
すげっ! 見る見るうちにポイントが!
「ああっ!」
するとゆたかちゃんが声を上げる。
その見る方向には、猫……道路の真ん中に、居る。
朝とはいえ通勤ラッシュの車が行き交う道路を、その小さな猫が歩いている。
もちろん……危険よね? ってかやばいでしょ!
た、大変! 助けなきゃ!
って軍手外したんだったぁああ!
「ポ、ポイント使うわよっ! 急いで……」
天使に声をかけようとしたその一瞬だった。
ガードレールを一瞬で何かが飛び越え、流星のようなスピードで子猫に向かって駆けて行く。
そのままその子猫を抱くと、その勢いのまま反対車線へ。
……もちろん、言わなくても分かるわよね?
さっきの女性……みなみちゃん、だ。
「儚い生命を救う:1000TPっと」
ってちょおおおお!
「な、何。今の1000もするの!?」
「はい勿論、それ相応のリスクがありましたから」
たっ確かに。
今彼女は自分の身を賭けてあの子猫を守ったわけだ。
……しかも一瞬の躊躇もせずに。
「ただいまのポイント1031TPです☆」
「わぁっ、ありがとうございますっ」
天使と手をとって喜び合う二人。
……た、立つ瀬がない。いきり立って見せ場を奪われるとは。
「結構すぐ溜まるんですねっ、かがみさんはどれくらい溜まったんですか?」
「えっ、わ、私? 私は……」
言えるか!
未だマイナス街道猪突猛進だなんて!
「ま、まぁ……ボチボチよ」
「……ぷっ」
てめぇ笑ってんなやぁ!
つか大概お前の所為だろうが!
「あと、ポイントを消費すると行動を増やす事が出来ます」
「行動を?」
「宿主とお話したり宿主だけに姿が見えたりしますよ」
合計150はきついけどね……って1000もあるなら特に問題ないじゃん!
「お話出来るんですか?」
「はい、まぁ使う必要はないと思いますが」
そりゃそうよね、何もしないでも勝手に+1000だなんて。
うちの宿主じゃ……はぁ。ってゆーか家にひきこもってるのにどうポイント稼ぐんだよ!
「いえ……使いますっ」
「へっ?」
天使が眼を丸くする。
そりゃそうよね、このまま傍に居るだけで勝手にポイントが溜まってくのに。
わざわざマイナスしてまで話す必要性は……。
「私の命を救ってくれる人なんだし、ちゃんとお願いしたいです!」
な、なんて真面目な子。
私なんざひきこもり脱出させて高得点狙いで使ったってのに。
「それで、どれくらいポイント使うんですか?」
「ええと声を伝えるので50、姿で100だっけ?」
「うっ……た、高いですね」
さすがにポイントの十分の一だもんね。
そう簡単に……むぐぁっ!
「いえいえいえ、そんな事ありませんよー」
天使が私の口に手を突っ込む。
「このお姉さんは時々変な事言うんですよ、心を通わせるのにポイントなんて不必要ですよねー?」
「本当ですか!?」
喜ぶゆたかちゃん
……。
そろそろ、限界突破しちゃっていいかしら? 天元突破しちゃっていいかしら?
「か、かがみっ! 噛んでますっ千切れますぅっ!」
口で天使の手を噛んだまま、壁の向こう側に引きずる。噛んでんだよ! 千切ってんだよ!
そして胸倉を掴む。
「あー、まずはちゃんと話し合いましょ? ねっ☆」
「ガ、ガンを飛ばしながら言う言葉じゃないですよ! ☆可愛くないですし!」
「うっせーよ!」
ドスを効かせた目で、天使の涙目の顔を睨む。
「ポイントが必要ないですって? 私の時は150も持ってったじゃない!」
「だ、だって可哀想じゃないですかぁ。せっかく1000も溜まったのに……せっかく敬ってくれてるのにぃ」
こちとら−350だっつの!
+1000のどの辺が可哀想なのか、たっぷり聞いてあげようじゃない!
「ってゆーかポイントも使わずにそんなこと出来るわけ!?」
「ええ、まぁ」
じゃあ私がせっせと貯めてるのはなんなのよ!
ポイント使うだの使わないだのでこちとら必死にやってるのに!
「どうやんの!? 私にも教えなさいよ!」
「……」
すると、眼を逸らす。
こ、この顔は覚えがある。
何か誤魔化す時に遠い眼しやがるんだ!
「ぶつわよ……グーで」
「え、ええとかがみ。怒らないで聞いてくださいね」
「いいや、怒る。言っても怒る、言わないでも怒る! 殴る!」
「ど、どこのヤクザですかぁっ!」
「いいから吐きなさい! 何したわけ!?」
「ひぅっ! あ、あの……実はですね」
もう振りかぶってる拳を見て、ようやく口を割る。
もちろんその手は、彼女の顔にめり込んだわけ。
ええもちろん……勢いよくね!
「かがみのから代わりに……引いちゃいました」
……。
祝☆−500TP突破記念もうちょっと敬いま賞DVD限定プキンちゃんハンカチ(青)が……赤く染まった瞬間だった。
・現在のTP かがみ: −499TP(↓)
ゆたか:+1031TP(↑)
63 :
ぶーわ:2007/12/12(水) 12:04:07 ID:P/dy0nb9
>>63 乙です!
ていうか、天使酷すぎだw
ゆーちゃんがこれからどう絡んでくるかが見物ですねー
天使さんヒデェww
待遇に差があり過ぎる。
>>63 GJ……なんだけど、箱(XBOX360)だけもってる俺涙目orz
本人、十分楽しんでるんだけどなあ。
そこだけが残念です。
箱は噂の3を買うよりはよっぽど賢い選択ではないかと
噂の3とw〇iだけ持ってる俺は……
今年のクリスマスにペケ箱買おうかと思ったけど
竹島NG独島OKなチョン仕様で萎えた
>>63 ゆーちゃん加入で笑わせておいて、フラグ立ったそばから突き落とす伏線(鳴りっぱなしの電話)張るなんて、鬼か貴方は!
だがぐっじょぶと言わざるを得ない。塗ったのも含めて。
>>63 おおう、ゆーちゃんが。
だが天使さんひどすぎないかw
がんばれかがみー!
GJ!ゆーちゃんも仲間入りか・・・
こなたの反応は?
ゆい姉さんは?
天使の腕は?
全てに期待しつつ待ちますよ。
>>63 ワロタw かがみのポイント使ったのかよw
GJ ! 楽しませてもらいました !
73 :
23-49:2007/12/12(水) 19:31:50 ID:8FcgcpJF
どうもです
前スレで予告しました「二等辺三角形」後編です
投下させてください
・みなみ&ゆたみさ
・みなゆた分多め
・エロなし
・11レス使用(本編8+エピローグ3)
重い気持ちを引きずりながら廊下を進む。それは確かな重量を伴って、私の歩みを鈍らせる。
そのくせ、重みの理由は判然としないのだ。
「……」
視線を手元に移す。
こちらの重みは、一目で分かる。トレイに乗せた、五人分のアイスティー。同じ数のストロー、
ガムシロップ、ミルクとレモンリキッド。あと、お茶請けのクッキーが少々。
大した重さでも量でもない。そのはずなのに、妙にずっしりと感じる。
腕にも、心にも。
今日は、この私、岩崎みなみの家で勉強会が開かれることになっている。参加者は私を含めた
四人。
しかし、一つ数の多いグラスが示すとおり、予定外の来客があった。参加者の一人、小早川
ゆたかが来る途中で出会ったという、同じ学校の先輩。
日下部みさおさん。
理由はまだよく分からないけど、認めたくはないけれど、この憂鬱の原因。親友のゆたかが
慕っている、その人が。
「……」
ため息を一つ。
ドアの前に立ち、トレイを苦労して片手で支えつつ、ノックをして開く。
異様な光景に出迎えられた。
「……?」
ゆたか。日下部先輩。田村さん。パトリシアさん。
四人が四人とも、部屋の奥、裏庭に面したガラス戸の前で黙りこくったままこちらに背を向けて
いる。そういえば、ドアの前に立っても話し声などは聞こえなかった。庭を見ている、のだろうか。
「あ、岩崎さん。おかえり」
比較的ガラス戸から離れた位置にいた田村さんが、最初に反応してこちらを見た。ゆたかと
パトリシアさんが続く。一拍遅れて先輩が、しかし物凄い勢いで二人よりも速く振り向いた。瞳と
八重歯が怖いぐらいにキラキラと輝いている。
怖いぐらいというか、怖い。
「岩崎さんっ!」
「は、はいっ」
全身がびくりと竦み上がった。よくトレイを取り落とさなかったものだ。
「いぬっ!!」
「は――…………え?」
よく見ると、しゃがみこんでガラス戸に張り付いている先輩の真正面。ちょうどその影に隠れる
形になって、チェリーがお座りをしていた。
「さ、触ってもいい!? なでていい!?」
千切れんばかりに尻尾を振って、無邪気かつ必死な様子で訴えかけてくる先輩。……尻尾?
……ああ。チェリーのだ。見事に重なっているから一瞬分からなかった。
などと失礼極まりないことを思っていると、その間の沈黙をどう受け取ったのか、先輩が今度は
泣きそうな顔になる。
「だ、だめ? でもちょっとだけ! お願いだからちょっとだけ!」
「あ――は、はい。どうぞ」
思わずそう答えていた。
抵抗を覚える暇さえない。
先輩は顔の輝きを倍化させ、「ありがとう!」と叫ぶと勢いよくガラス戸を引き開けた。そして
そのまま庭に飛び出し――は、しない。
「ワウッ!」
「みょおおおお!?」
驚いたことに、チェリーの方から先輩へと飛びついたのだ。
「ひゃっ、わひゃっ! ちょ、コイツ、おまえ――うひっ!」
彼女は、確かに人懐っこい性格をしてはいるが、基本的に大人しいため普段はもっと消極的と
いうか、されるがままであることが多い。だというのに、今はこうして、出会ったばかりであるはず
の日下部先輩に寄りかかり、その顔に鼻先をこすりつけている。
「ハッ、ハッ、ハフッ、ハッ」
「あーも! よしよし! よーしよしよし、落ちつけ。いい子いい子。よーし良い子だー。――うふはっ」
先輩の方も、ひるむことなくチェリーの背や頭を撫でさすり、嬉しそうに笑っている。
「すごい……チェリーちゃん甘えんぼ……」
「てゆーかなんなんスかこの扱いの差は……」
「ウフフ」
ゆたかが感心した声で、田村さんが恨みがましく、それぞれ呟く。パトリシアさんは先輩の傍らで、
一緒にチェリーを撫でている。
ひとまず、持ちっぱなしだったトレイをテーブルに置いた。
それにしても、チェリーが自分から、こんなにも人に甘えるなんて、本当に珍しい。私が相手でも
ほとんどない。母に対してならたまにはあるが、それもめったにないことだ。少し悔しい。
……悔しい?
「あ、名前! なまえなまえなまえ! 名前、なんだっけ!」
「Cherry だよ、ミサオ」
興奮気味に尋ねる先輩に、パトリシアさんが答える。
「ちぇ、りー?」
「ワウフッ」
「くぁ〜〜〜〜! チェリーチェリーチェリーチェリー! もふもふだーっ!」
文字通りの嬉しい悲鳴を上げながら、先輩がチェリーを抱きしめた。
「あ……」
瞬間、二人の姿が、今日最初に見たゆたかと先輩の姿に重なった。そして、そのときから燻り
続けていた正体不明の感情が、ようやく確かな形を取って浮かび上がる。
――そうか。
――そうだ。
――そういうことだったんだ……
ふ、と肩から力が抜けた。
妙な可笑しさがこみ上げる。
「――みなみちゃん?」
馴染んだ角度からの声。振り向くと、ゆたかは不思議そうな目をして私を見上げていた。
「珍しいよね。みなみちゃんが声出して笑うなんて」
「……え?」
声が、出ていた……?
虚を突かれて茫然としていると、ゆたかがゆっくりと笑った。最初は優しく、次第に可笑しそうに。
「ふふふ……でも、おかしいよね、センパイ。本当は早くチェリーちゃんに触りたかったのに、
みなみちゃんに許可もらってないからって、話しかけるのまで我慢してたんだよ?」
「そうそう。もう、笑いこらえるの大変だったよー」
付け加えるように、田村さん。彼女も少し顔を赤くして、口元を押さえている。
目を正面に戻す。
先輩は笑っている。嬉しそうに。本当に、心の底から嬉しそうに。
「そう……」
少し、あきれた。先ほどの発言といい、人の物を触ることに何かトラウマでもあるのだろうか。
しかし一方でこうも思う。
もし先輩が、私の戻るのを待っていなかったら。もし、部屋に入った瞬間、先輩とチェリーがああ
してじゃれあっている姿を前触れなく見せられていたとしたら――きっと、今のように気が晴れては
いなかっただろう。逆に、先輩に対して憎しみすら抱いていたかも知れない。
そうならなかったのは、先輩のおかげ。
……でも元はといえば、あんな気持ちになっていたのも先輩が原因なのだから、それを考えると、
ちょっとずるいと思う。それぐらいは、思ってもいいと思う。
「……ゆたか」
「なに?」
先輩とチェリー、そしてパトリシアさんは窓際を離れ、庭に出て追いかけ合いを始めている。これ
なら声が届く心配はないだろう。
「私、今日、ヘンだった」
「え? えっと……」
声に困惑が滲んでいる。ゆたかなら、そうなるだろう。申し訳ないけど、前置きもなしに言うのは
さすがに少し、恥ずかしかったから。
「ううん、ヘンだった。たぶん……嫉妬、してたんだと思う。先輩に」
「へ……?」
「ゆたかと、仲良さそうにしてたから」
「……そうなの?」
頷く。
きっと、顔が少し赤いと思う。
本当に、なんて幼稚な感情なのだろう。自分がこんなにも子どもっぽいなんて思っていなかった。
でもそれは、ある意味で当然。ゆたかは私にとって、ほとんど初めての友達なのだ。つまり友だち
というものに対して、私の経験は幼稚園児並に浅い。だから、ゆたかが他の人と仲良くしていたと
いうだけで、あんなにも暗い気持ちになっていたのだろう。
或いは、人との付き合いを避け続けてきたことへの、それは罰だったのかも知れない。
「言ってくれればよかったのに」
「……今、気付いたばかりだから……」
「そうなんだ……」
ゆたかの声に、嫌悪や軽蔑の色はない。むしろどこか嬉しそうに聞こえるのは、錯覚だろうか。
顔を見ればもう少しはっきり分かるだろうとは思うけど、勇気がない。
「うん……だから、一つ聞かせて」
「……なに?」
「…………私が、行く前に、何が……?」
気が付いてしまった以上、やはりどうしても気になってしまう。あの道端で、ゆたかと日下部先輩
だけのときに、何があったのか。何度もあった、意味の読み取れない会話の裏に、どんな前提が
あったのか。
どうしても、知りたかった。
「それは……えっと……」
「……」
「……ごめん。ないしょ」
「……そう」
声が、気持ちが、沈む。自分でも情けないほどに。
本当に、どこまで幼稚なのだろう。
「ごめんね? でも、やっぱり先輩は知られたくないと思うんだ」
「……ん」
「あ、でも――でもね? そのことは言えないんだけど、それにちょっとだけ関係したことで、みなみ
ちゃんに訊きたいことがあるの」
真剣な声。
思わず、視線を向けていた。ゆたかと目が合う。
すごく、ひどく、澄んだ瞳だった。
「わたし、みなみちゃんを独り占めしちゃってないかな?」
「……ひとり、じめ?」
よく、意味がわからない。
独り占め、独占……ゆたかが、私を? そんなこと、今まで考えたこともない。
逆なら――私がゆたかを、という話なら、少なくとも無意識ではそうしようとしていたと、たった今
気付いたばかりではあるけれど。
「ええと……どう言えばいいんだろ……みなみちゃんはわたしと仲良くしてくれるけど……あ、
ううん? わたしは嬉しいんだよ? わたし、みなみちゃんのこと、大好きだから」
「……」
「でも、ね? わたしが良くても他の人が……えっと、たとえばみなみちゃんがセンパイにって、
今言ったみたいに、わたしも他の人に同じように思われてるってこと、ないかな?」
……なるほど。
ゆたからしい、優しい心遣い。でも、気持ちはわからないでもないけど、それは杞憂。
「……大丈夫」
私には、ゆたか以前には誰もいなかったのだから。
それに、仮にそういう人がいたとしても、
「それは、その人自身が私に言えばいいこと。……だからゆたかは、気にしないでいい」
田村さんやパトリシアさんなら、言ってくれるはず。
ゆたかは少し目を見開いて、薄く笑うと、庭へと向き直って言った。
「そっか。そうだね。……ふふ、センパイとおんなじだ」
「……?」
同じ? 日下部先輩とって……何が?
私も庭に目を移す。先輩はチャリーと向かい合う形で座り込んで、なにやら語りかけている。
「ヴぁ!」
「ウァゥ?」
「ちげーよ。ヴぁ! ヴぁ、ヴぁ、ヴぁ!」
「ハッハッハッハッ」
「だから、ヴぁ! だってヴぁ!」
「……」
「あ、ゴメンゴメン。……ヴぁ」
……いや、何をやっているんですか。
二人の間で審判のように立っているパトリシアさんが、こちらの視線に気付いて肩をすくめた。
さすがの彼女も反応に困っているらしい。それはそうだ。犬に言葉を教えようとしても……
――――あ……
「チェリー……」
「え?」
「チェリーが、そうかも知れない……」
「へ? ……あ!」
そうだ。彼女は喋れない。だから、もし今ゆたかが言ったようなことを感じていたとしても、それを
私に伝えることはできない。
「そっか……どうしよう、わたし……」
私がチェリーと過ごす時間は、高校に上がってから確実に減っている。中学に比べて登下校に
手間がかかるようになり、家にいる時間はそのぶん短くなった。家にいても、進学校である陵桜
学園の授業についていくために、予習や復習の時間も今まで以上に多く取っている。
そして何より、放課後や休日にゆたかたちと遊ぶという新しい習慣ができたのが大きい。
これらのため、毎日の散歩を母に代わってもらうことさえ何度かあった。チェリーが寂しい思いを
していたとしても、それはむしろ当然と言える。
困った。
本当に、これは困った。
チェリーを蔑ろにしたくはない。なんと言っても大事な家族だ。かといって、ゆたかも同じぐらい
大切な友だち。どちらかを選ぶなんて――どちらかを選ばないなんて、できるわけがない。
「う〜〜〜〜ん……、よしっ。じゃあみなみちゃん」
難しい顔で考え込んでいたゆたかが、私を見据える。
何を言うかは、予想ができた。
「チェリーちゃんを優先してあげて」
「でも……」
「だいじょうぶ! 寂しくなったらちゃんと言うから。わたしは喋れるんだから、そのぶんだけハンデ」
……それは、確かに妥当なところかも知れないけれど、でも…………だめだ。他に良い案なんて
浮かばない。とりあえずは、ゆたかの言うとおりにしてもらうしかなさそうだ。
「わかった……」
「うんっ。――それじゃ、その代わり、みなみちゃんもちゃんと言ってね? わたし、たぶんまた、
今日みたいにセンパイとか、あとお姉ちゃんとか、他の人を優先しちゃうことがたぶんあると思う
から」
「……」
そうか。ゆかただけでなく、私の方も、か。
なるほど、それなら公平だ。
「……わかった」
「ありがとう。じゃあ、やくそくっ」
言って、ゆたかが軽く握った手を伸ばしてくる。私も頷いて応じ、立てた小指を彼女の小指に、
そっと絡めた。
ふわりと暖かい感触。
「……約束」
「えへへ。うん、やくそく」
「……」
「……」
「……」
「……でも、ちょっと恥ずかしいね?」
笑いをこらえているような顔で、頬を染めてゆたかが言う。
……うん、まあ。
どちらからともなく指をほどく。ゆたかは照れ笑いを浮かべながら、両手を胸の前で擦り合わせ
始めた。けれどその小指同士だけが微妙に触れ合っていないのを発見して、少し嬉しくなる。
と、ゆたかが何かに気付いた様子で私の背後に視線を投げた。
「そうだ、田村さんも――って、田村さん!? どうしたの?!」
同時に振り返っていた私も、見た。田村さんが、ソファーの上でエビ反りになってびくびくと震えて
いるのを。
「田村さん!? 田村さん! 大丈夫!?」
ゆたかが私とテーブルを回り込んで駆け寄り、しかし触れていいものか迷っているのだろう。
両手を宙にさまよわせながら呼びかける。
「だっ――だぃじょうぶ……」
鼻と口元に強く押さえつけられた両手の隙間から、くぐもった声で答える田村さん。
「で、でも、顔真っ赤だよ!?」
「――や――ほん、とに……ちょっと――ゼェ、ゼェ……思い出し笑い、しただけ、だから……」
「え? そ、そうなの? でも――」
「ナニごとデスか?」
ゆたかの声を聞きつけたのか、パトリシアさんが戻ってきた。
「あ、パティちゃん。田村さんが……」
「ヒヨリ? Oh、またホッサ起こしマシタね?」
荒く息をつく田村さんを見て、パトリシアさんはなんでもないことのように言う。……発作?
田村さんに持病があるなんて、聞いた事はないけど。
「またって……大丈夫なの?」
「Of course。モゥマンタイね。ニホンのマンガ界の未来を背負うヒヨリが、コレシキのコトで死ぬ
ハズがありマセン! オソラクは、特上の idea をヒラメイタだけデショウ」
パトリシアさんは自信たっぷりに語る。
アイデア……そういえば、田村さんは漫画を書いているのだった。今よりももっと軽いが、似た
ような状態でメモを取る姿も、見たことがある気がする。
「えっと……そうなの、田村さん?」
「へ……」
「デスよね? ヒヨリ?」
「あ――あ、ああ! うん! そう、その通り! ――だから言ったでしょ?思い出し笑いだって。
あはは。や、思いつき笑い、かな? あはははは!」
パトリシアさんに言い当てられたことに驚いたのか、戸惑い、そして誤魔化すように笑う田村さん。
その様子を見る限り、どうやら安心してもいいようだ。
パトリシアさんが鞄からノートとペンを取り出した。
「サァ、ヒヨリ? 忘れないウチに memo しておきナサイ?」
「え、えぇ!? こ、ここで?」
「当たり前デス。また忘れたいのデスか?」
「い、いやぁ、でも……たぶん忘れられそうにないし……」
「ナンデモいいカラ! 書くのデス! ……ナンデモいいカラ、ネ?」
「え――あ、そっか! そうだね。わかった。あ、ありがとう、パティ」
田村さんは、何故だか一旦躊躇したが、パトリシアさんが片目を閉じて優しく言うと、ようやく
ノートを受け取りペンを走らせ始める。パトリシアさんは「いえいえ」と頷くと、私たちに向き直って
言った。
「ソレじゃ、ミナミ、ユタカ。少し離れまショウ。描いてるトコロは見られたくナイものデスよ?」
「あ、うん。……すごいね、パティちゃん」
「フッフッフ。ジャの道は heavy デス。フジョシのコトはフジョシに任せナサイ」
ゆたかの素直な賞賛に、パトリシアさんは照れることなく胸を張る。フジョシ……確か、「婦女子」
ではなく「腐れた女子」だったか。しかし私には彼女たちが腐っているようには思えない。
「あ、もうベンキョ始めてんの?」
と、そこに先輩も戻ってきた。部屋には入らず窓際に留まっていて……何故かチェリーを背負って
いる。
そのチェリーが、田村さんに向かって吼え始めた。
「バウッ! バウッ!」
「ひゃあっ!?」
「おいおいおい、どーしたんだよいきなり? ほら、いーこいーこ」
「ソゥデスよー? 気持ちはわかりマスが、ヒヨリの邪魔はこのワタシが許しマセン」
「クゥ〜ン……」
「あははっ。――まだ始めてませんよ、センパイ。それより喉渇いてるでしょ? どうぞ」
「おう、さんきゅ」
「ワタシもいただきマスね」
にわかに賑やかになった部屋の中で、私は今度こそ、肩の力を抜いて笑うことができた。
・
・
・
その後は、皆でお茶を飲みながらの雑談となった。
主に日下部先輩とパトリシアさんが中心となり、意外なほどのコンビネーションで場を盛り上げた。
ゆたかはいつも以上に楽しそうによく話し、田村さんも先輩に積極的に質問を浴びせては、そこから
また何かの刺激を得たのか、時折ノートにペンを走らせる。私も、いつもより少しだけ多く、口数を
増やせていたと思う。
何故か、田村さんが先輩だけでなく私やゆたかの方もちらちらと見ており、その度にパトリシアさん
が意味ありげな笑みを浮かべていたことが、少し気になったけど。
やがて買い物に出ていた母が帰宅し、本来は勉強の合間の休憩に充てるはずだった昼食を取る
こととなった。日下部先輩も誘ったのだが、さすがに悪いと断られ、また母がちょうど人数分の食材
しか買っていなかったこともあり、次の機会を待ってもらわざるを得なかった。無駄な食べ残し等を
極力出すまいとする母の習慣が裏目に出た形だ。
「すいません……ちゃんと、母に連絡を入れておけば……」
私としたことが、話に夢中になりすぎてしまったらしい。
詫びを入れつつ、先輩を皆で玄関まで送る。
「いやいやー、いきなり来たあたしが悪いんだしさ。気にすんなって、ホント」
ペタペタと足音も高らかに、笑って答える先輩は、裸足の上にスリッパを履いている。靴下のまま
庭に出てしまったためだ。芝生には父による手入れが行き届いているため、足に怪我などはして
いないらしい。
ちなみにパトリシアさんの方は、事前に靴を移動させていたので、普通の格好。
「でも、残念ですね……」
「ホントっス。おばさんの作る料理、絶品らしいっスから。先輩のリアクション見てみたかったっス」
「あっはっは。いやー、つーかそんなの食ったら家のメシ食べらんなくなるかも知んないし」
「ブシは食わねどタカヨウジ、デスネ?」
「いやパティ、それかなり違う」
先輩が靴に履き替え、「じゃ」とドアを開けると、いつの間にかチェリーが玄関の外に回りこんで
いた。田村さんが一歩下がる。
「あ、チェリーちゃん」
「お? おー、おまえも見送りか? あんがとな」
「ワウッ!」
本当によく懐いている。妬ましくも微笑ましい。
先輩はチェリーの頭を撫でながら、思い出したようにポケットから携帯電話を取り出した。
「な、岩崎さん。お昼の代わりっつーか、一つお願いしていい?」
「……はい」
何を言うかは、だいたい分かった。
ようやく、少しだけ、この人が理解できた気がする。
「チェリーの写メ、撮りたいんだけど」
やっぱり。
自然と頬が緩んだ。
「……よろこんで」
――瞬間、
「……」
「わぁ……」
「Wow……」
「むっふぉ〜……!」
先輩は茫然と口をあけ、ゆたかとパトリシアさんがため息をもらし、田村さんが奇声を発した。
「え――」
そして次の瞬間、日下部先輩が勢いよく身を乗り出し、携帯のレンズを私の方へと向けなおす。
「ちょっ! い、今の! 今のもっかい! もっかい!!」
「え、あの……」
「だっ、ダメっスよ先輩! あの微笑みは小早川さん専用っス!」
「なにぃ!? 小早川、おまえあんなイイモン独り占めかっ! やっぱおまえちびっ子の妹だっ!!」
「えっ! えええっ!? そんな違いますよ! ――何言い出すの田村さん!」
「ならオッケだな。岩崎さん、ほら!」
いや、あの……
「ならばワタシもいいデスか? AYANAMI smile、Please デス」
「なっ!? パティまで……だったら私も――」
「え? え? じゃ、じゃあわたしも……って、わたし携帯持ってないよぅ。パティちゃん、貸して!」
ちょっと……みんな、待って……
あ、チェリーまで……こら、足を拭いてない……って、お母さん、いつの間に……火のそばを離れて
いいんですか? いやそれよりも、笑って見てないで、助けて……
「あたし! あたしが先!」
「ダメっス! せめて最初は小早川さんとのツーショット! これは譲れないっス!」
「バウッ!」
「ひゃわっ!?」
「ほら! チェリーもそう言ってるだろ!」
「なんで犬語がわかるんスか!」
「ならワタシは Cherry との two shot がいいデス」
「あ、それいいね。ほらみなみちゃん、笑って?」
「いや、だから……」
許容量を大きく越える事態に半ば自失状態となっている私を、取り囲みながらも置いてきぼりに、
チェリーも含めた五人はますますヒートアップしていく。
止める人が誰もいない。
勉強会が始められるまでには、まだまだ時間がかかりそうだった。
―了―
82 :
中書き:2007/12/12(水) 19:43:36 ID:8FcgcpJF
以上、「二等辺三角形」本編終了です
まさかのみなみ総受けエンド
いや、みなみ視点オンリーを宣言した時点で見抜かれてたとは思いますが
以下、エピローグと後書きにもう4レスお借りします
【Vega】
今日のこなたお姉ちゃんは、お昼前に家を出た私を見送ったあと、自分の部屋に戻って
そのまま夕方まで寝ていたらしい。
昨日の夜はまた、徹夜でインターネットのゲームをやっていたんだって。
「いや〜、ほんのちょこっと息抜きのつもりだったんだけど、めがっさレアなアイテム拾っちゃってさー。
みんなに見せびらかしてるうちにテンション上がりまくっちゃって♪」
そうじろう叔父さんと三人で囲む夕食の席で、楽しそうにお姉ちゃんは語る。
よっぽど嬉しかったみたいだ。
その顔は、かがみさんとのことを喋るときに匹敵するほど輝いていた。
レアアイテム、かぁ。
私も、ゲームの方はやらないけど、インターネット自体はよく利用するから、
それがどういったものかはなんとなく知っている。
ものによると、出会えるのは何万、何百万分の一の確率なんだとか。
「そうなんだ。よかったね、お姉ちゃん」
「うん!」
と、私の言葉に元気よくうなずいたお姉ちゃんが、ふと不思議そうな顔になる。
「……ゆーちゃんも、そういえばちょっと嬉しそうだね。何かあった?」
「えっ?」
「そうか、今日はクラスの友だちの家に行ったんだったね。楽しかったかい?」
「あ、はい」
そして優しく問いかけてきたそうじろう叔父さんに、うなずいて返す。
こなたお姉ちゃんの目がキラリと光った。
「みなみちゃんと、何かあったんだ?」
「へっ? べ、別に、そんなんじゃないよっ」
みなみちゃんをみんなで取り囲んでしまったことを思い出して、恥ずかしくなって、慌てて首を振る。
ああ、もう。なんであんなことしちゃったんだろう。
今度ちゃんと謝らなくちゃ。
「ホントにー?」
「う、うん。そうじゃなくて……そう。うん、そうなんだ。そうじゃなくて、みなみちゃんの家に、行く途中にね。
私にもあったんだよ。アイテムじゃないけど、すっごくレアなこと」
言いながら頭に浮かんだ元気な笑顔に励まされて、にっこりと笑い返すと、
ニヤニヤと迫ってきていたお姉ちゃんが、きょとんとなって止まった。
叔父さんも、ちょっと驚いてるみたい。
そんな二人に向かって、私は口を開く。
今日という日に起こった、レアで、とっても素敵な出会いのことを話すために。
【Deneb】
今日という日の思い出がたっぷり詰まった携帯を兄貴にさんざん見せびらかして、
喋るだけ喋って満足した私は、自分の部屋に戻った。
いや、こうやってまた携帯を開いてたりするあたり、まだ満足してねーのかも。
舌を出してお座りしてるチェリー。なんとなく笑ってるようにも見える。
ぎこちない笑顔を浮かべてる岩崎さん。ううん、もったいない。
その岩崎さんと、小早川とのツーショット。いくらか良い顔だけど、ちょっと小っさいよな。
パトリシアに腕を抱えられてるメガネの田村。真っ赤になってら。
「へへっ」
しばらくニヤニヤと眺めていたけど、ふと思い立って携帯を操作しなおし、アドレス帳を呼び出した。
この時間なら、まだ家の電話の方にかけても大丈夫だよな。
発信ボタンを押して、数瞬の接続音のあと、けれど聞こえてきたのは話し中を告げるツーツー音。
ならば携帯の方に、と……
『――はい、柊かがみです』
「あ、もしもし柊!? 私――」
『ただいま電話に出ることができません。御用の方は発信音の後にメッセージを――』
って留守電かよっ。
ん? てことは、家の電話の方使ってんのも柊本人か?
……まさか相手はちびっ子じゃねーだろーな。
うう、ちくしょ。猫みたいなニヨニヨ笑いが頭に浮かぶ。気持ちが沈んできやがった。
と、そこにドアがノックされる音に続いて、母ちゃんの声。
『みさおー、お風呂入っちゃいなさい』
「あ……はーい……」
って、むぅぅぅう。なんて情けない声出してんだ私。
ダメだダメだ、しっかりしろ。そうと決まったわけじゃない。
仮にそうだとしても、なんだってんだ。むしろ望むところだ。そうだ。そんぐらい思わなきゃ私じゃない。
「……よし、よしっ!」
ほっぺを叩いて気合を入れる。
再挑戦。リダイヤル。案の定、また留守電だったけど。別にいい。それでいい。
「――あ、柊? もしもし! 私、みさお! 何回もごめんな。でもどーしても話したいことあるから。
えっと、できれば電話じゃなくて直接! 明日にでも! だから返事くれな! メールでもいーから!
ホント、すっげー大事な――」
“ピーッ”
「あ……」
時間切れ、か。まいーや。言うことは言ったし。
携帯を畳んで机に置く。
さてっと――そんじゃ、ひとっ風呂あびてくるとしますかね!
【Altair】
入浴を済まし、自室に戻る。クーラーをつけようかと思ったけど、ベッドの脇でチェリーが寝息を
立てているのを見て、窓を開けるにとどめた。網戸をすり抜けた夜風が、ふわり、と頬をなでる。
勉強机に座り、ノートと問題集を取り出す。
結局昼間は、ほとんど宿題を進められなかった。
まだそれほど切羽詰まっているわけではないけれど、このまま寝てしまうのはさすがに抵抗が
ある。せめて今日やろうと思っていたところまでは終わらせたい。
……皆は大丈夫だろうか。
問題集をめくりながら、ふと、そんなことを思った。
「んっ……」
一段落視したところでペンを置き、軽く背筋を伸ばす。
気配を感じた。
振り向くと、眠っていたはずのチェリーが頭を起こし、こちらをじっと見つめていた。
「……」
その黒い瞳に誘われるように、立ち上がり、歩み寄って傍らに腰を下ろす。首筋を撫でると、
彼女は気持ちよさそうに目を閉じた。
「……今日は、ありがとう……」
何が、かは自分でもよく分からない。
だけど心からの言葉。
感謝の気持ちを込めて、毛並みに沿って丁寧に撫で下ろす。
チェリーがほとんど反応を示さないのはいつものことなのに、どこか寂しく感じるのは、昼間が
賑やか過ぎたせいだろうか。
「……もっと、甘えてもいいんだよ……?」
正三角の白い耳がぱたぱたとはためく。
それは肯定? それとも否定?
手をあごの下に移して軽く掻くと、くうん、と眠たげな声をもらす。
「ふふっ……」
私も眠くなってきた。
まだ宿題は途中だけど、やはり今日はもう寝てしまおうか。
一旦机に戻り、ノートと問題集を片付ける。まあ、間に合わないということはないだろう。でも
もし、仮に間に合わなかったとしたら、そのときは皆を――親友たちを、頼ろう。
「……いい、よね……?」
チェリーの尻尾が持ち上がり、そしてぱたり、床に落ちた。
照明を落とし、チェリーをもう一度だけ撫でてから、ベッドに入る。
それじゃあ、みんな。
そのときは、どうかよろしくお願いします。
おやすみなさい。
86 :
23-49:2007/12/12(水) 19:47:48 ID:8FcgcpJF
以上です
ゆたみさみなの物語、これにてようやく完結させることができました
ここまで来られたのは、月並みな言い方ですが、このスレの皆様のおかげです
拙い話に長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました
では
リアルタイムGJ!
萌え死にました。パソコンの前で萌え死にましたとも!
そして直撃を受けたひよりん!強く生きろ…!
本当にごちそうさまでした。
>>63 >>86 こ、言葉が浮かばない……。
いや、『GJ』のバージョンアップ版みたいな言葉を言いたいらしいんですが、なんだろう、
萌えと衝撃と癒しと温かみと優しさとだってヴぁと……とにかくいろんなのでいっぱいいっぱいで
全然言葉が出てこん!!
どちきしょー、私にもうちょっと言語能力あったらいいのですが、その辺はどうしようもないので、
もう日本語になってない日本語でGJっぽいのを送りますっ。
憐れなかがみんと、素敵なみなみちゃん、そして陽だまりのようなゆたみな、乙でしたっ!!!
でもこんな凄いSSがこんなペースで飛んでくると、自分の文章おとすきがなくな
完結乙かれさまです
それぞれのキャラ、特にみなみの描写が秀逸でした。
みさおはこなたとかがみの間に入ってもデネブになってしまいそうな気がw
GJ!
な、夏の大三角形……!!
いやもう、ほのぼのしたりきゅんきゅんしたり忙しいのなんの。これぞもう一つのらき☆すたか。
シリーズ完走お疲れ様、面白かったです。ぐっじょぶ!!
最初に言っておく!
こいつはかーなーりGJ!!
GJ
描写が上手くて見入ってました
1000作目になる前に自分もさっさと投下しますかね
「近くて遠い」の続編に当たります
かがみ→こなたで4レスほど拝借します
運命という都合が良い言葉、一体何処の誰が考え出したのだろう。
どんなに辛い事でも、どんなに悲しい事でも運命という一言で説明がつくのだから。
無力な私は与えられた運命に抗らえず、恨みを積み重ねるしかなかった。
冷えた身体に温もりを
時刻は世界が美しい紅色で一色に染まる黄昏時。涼しげな、だが少ずつ寒くなり始めてきた夕風を受けながら私達は帰り道を辿っていた。
「こなた、寒くない?」
「平気だよ」
こんな遅い時間まで付き合わせてしまった上に風邪でも引かれて貰っては面目ない事にも程がある。気遣いの言葉を掛けると、こなたはウィンクしつつ右手の親指を立てて応えた。
「かがみは平気なの?」
「うん、大丈夫」
返された質問に出来る限りの明るさで答える。
ついさっき教室でこなたを求めたからだろうか、こなたの仕草が、言葉が、反応が、全てが愛しく感じられる。
私の隣にいるのは一人の友達ではなく、愛している人。
最愛の人との下校というシチュエーションは私に幸せな時間を与えてくれると共に、胸が締め付けられるような不安を募らせていった。
確かに今の私は幸せだ。こなたと話せる、こなたを見られる、こなたの傍に居られる。
今はこれで私の心は満たされている。
だがそれはあくまでも今の事でしかないのだ。
これからもこなたは私と一緒に登下校してくれるだろう。お昼ご飯だって同じ机で食べてくれるだろう。電話を掛ければ出てくれるし笑い掛ければ笑い返してくれるだろう。
そうして私は心の渇きを潤し―――
またすぐにこなたを求める。
私達の関係に変化が現れない限り、私はこの循環を悲痛な別れが訪れるまで延々とくり返す事になるのではないだろうか。
気持ちを打ち明けなければいけないと頭では分かっているが、臆病な私には実行に移す勇気がなかった。
私達を分かつのは無慈悲なる運命か、冷酷に流れ決して止まる事のない時間か。
「かがみ、どうかしたの?難しい顔して」
マイナス思考のスパイラルに陥っていた私を心配が入り混じったこなたの声が抜け出させる。
「いや、ちょとね……」
私は語尾を濁して答えた。まさか考えていた事を話すわけにはいかない。
「はっはーん、さては……あれかね」
漫画だと『にへらぁ』みたいな効果音が付けられるだろうか、口を思いっきりにやけさせて私の考えを読み取ったかのようなこなた。
「どれだよ」
「老若男女問わず掛かってしまう重度の病気……」
こなたの台詞には続きがありそうだったので、私は変に感情を込めるこなたを見守る事にした。こなたは一瞬空を見上げると、すぐに視線を私の方に戻して人差し指を突き立てた。
「そう、恋の病だよっ」
核心を突き止められた私の心はどきりと反応する。
「そ、そんなわけないでしょー!」
全く言われた通りだったのだが、はいそうですと頷くわけにもいかないので私は全力で否定した。意外と焦っているのか顔が火照ってしまう。
「そんなに大きな声で否定するなんて怪しいねぇ。顔も赤いですよかがみ様」
その所為ですっかりからかわれてしまった。少しは予測してたけどね。
伝えたいけど伝えられない想い。口には出せないけど言葉を探してしまう。
「ま、私はかがみの事応援するよ」
「え?」
何の前触れもなく聞こえたこなたの偉く真面目な声に私は目を丸くした。
私を真っ直ぐ見つめるこなたには普段の軽い調子は何処にもなく、新作のゲームや珍しいグッズを目の当たりにしたかのように真剣な目をしていた。
それでも優しく微笑んでいるこなた。
「中途半端な気持ちじゃないんでしょ?だったら応援したいじゃん」
こなたの友人としての優しさが痛い。
「こなた……」
私の胸の内を知らないこなたはこう言った。
「私で良かったら相談に乗るよ?」
私の心が悲鳴を上げる。
中途半端な気持ちなんかでは、絶対にない。そうでなければ同性を好きになったりなんかしないから。
だが―――
「ねぇかがみ、好きな人いるの?」
―――罪深き私の片想いの相手は、まるで自分のことみたいに真剣な表情で私に問うのだった。
「……いるわよ」
私の目の前に……
そう繋げる事が出来たら……
逃げてばかりの臆病者には到底不可能な可能性を切実に願った。
「そっか。どんな人?」
「い、言えるわけないじゃない」
私はまたからかわれるかもしれないと思いながらも顔を赤くしてそう言った。話題を変えないとそろそろぼろが出そうな気がする。
「それに、エロゲで培ったあんたの恋愛感覚は役立ちそうにもないしね」
「うわっ!酷いなぁ」
意地悪く言ってやるとこなたは心外だとでも言うかのようにショックを受けていた。
「じゃあ何か?リアルで恋愛した事でもあるのかしら?」
ここぞとばかりに攻める私。
「むむむ……それを言われちゃお終いだ」
反論出来ずお手上げといった感じのこなた。
「そう言うあんたはどうなの?」
「へ?何が?」
本当にとぼけているのか分かってて私に言わせようとしているのか。こなたはすっかり元の調子に戻っていた。
ちょっとくらいは聞いておいた方が良いかもしれない。
「ほら……好きな人とかいるの?」
私は少し躊躇いながら質問した。
「いないよ」
こなたは即答した。私は気付かれないようにホッと胸を撫で下ろす。
何だか神妙な空気になっちゃったわね。
「リアルでは?」
「……かがみ、私がネット上で何とかは俺の嫁とか言ってると思ってるの?」
「言った事ないの?」
「ないよ!」
ちょっと声を荒げてこなたが否定する。さっきまでのしんみりとした空気は何処かへ消えてしまった。
「……ふふっ」
「……ははっ」
私達は立ち止まって笑い合っていた。
「……もうこの話題は止めようか」
「ではかがみんや、ギャルゲの主人公が無条件にモテる理由について語ろうっ」
「一人でやってろ」
前にゲームが成り立たないからとか悟ってなかったか?と妙にハイテンションなこなたを軽くいなして私は歩き出した。こなたが急いで私の後姿を追いかけているのが足音で分かる。
こんな関係が続くのも、後少し。
この関係で満足出来る期間はもっと短いかもしれない。
こなたが私の後ろに位置している今考える。
私は神様に今の関係が続くよう願うべきか、私に勇気をくれるよう願うべきか。
……こんなにも残酷なジレンマを与えた神様に頼るなんて馬鹿馬鹿しい。いるかどうかすら分からないのならいないと考える方が良い。私は神頼みをする自分が情けなくなって首を振り思考回路を組替えた。
その動作とほぼ同時期に空から大きな雨粒が降ってくる。
「ん?」
こなたもそれに気付いたらしく、私の少し後方でいつの間にか雲行きが怪しくなっている夕方の空を見上げていた。
瞬く間に雨は激しくなり、私達の身体を濡らしていった。
「わわっ!雨だ!」
「取り敢えず木の下にでもっ!」
私はこなたの手を引いて並木の下に駆け込んだ。
突然降り出した雨はその内雷雨に変化するのではないかと危惧してしまうほどで、バケツを引っ繰り返したようという表現がまさに適切そのものだった。なるだけ素早く避難したものの、私達の身体は既にびしょ濡れになっていた。
「天気予報では雨の心配なかったのに……通り雨かな?」
「さっさと止んで欲しいわね」
分厚く黒い雲に覆われ数多の水滴を落下させる空を見上げる私達。一時的な避難所となった木の下だが、雨は相当酷く樹木も全てを受けきれずにその役割を大して果たさなかった。
「エロゲとかだとおいしいシチュなんだけどなぁ」
「こんな時でもそういう思考かよ」
全く違う方向に嘆きの矛先を向けるこなたに私は光の速さで突っ込む。
確認したところこなたも雨具等を持っていなかったので、私達は通り雨である事を信じて止むのを待つ事にした。
「ごめんねこなた」
「ん?」
そう言ってから恥ずかしくなって、私は濡れた髪を指で梳くこなたから目線を逸らした。
「私に付き合わせちゃったからこんな事になっちゃって」
羞恥心からか申し訳なさからか、私の声は尻すぼみに小さくなっていった。
「かがみの所為じゃないよ。私が付き合いたいから付き合ったんだし」
そんな私の言葉を最後まで聞き取ってくれたようだ。私は寝てただけだけどね、とこなたは苦笑しながら付け加える。
確かにこなたが待っててくれなかったら一人で帰宅していただろうし雨にも鬱陶しさしか感じなかっただろう。
それがこなたがいるだけでつまらないものであろう帰り道は楽しい会話の花が咲き、雨に打たれるのもちょっとは良いかなと思える。
謝るより先に感謝するべきだったわね。
「それにしてもちょっと寒くなってきたね」
心の中で反省する私にこなたが身を寄せてきた。いきなりの事に胸が高鳴る。
「かがみ、温かい」
「こなたも温かいわ」
こちらからもこなたに身体を近付ける。服が濡れているからだろう、体温がより温かく感じられる。私は心臓が脈打つ速度が速くなるのを認識しながらこなたの体温を直接感じていた。
「早く帰って暖かい飲み物でも飲みたーい」
こなたが誰にともなく呟いた。私はもう少しこうしていたいけどなぁ、と本音が出そうになって慌てて口を紡ぐ。
そんなこなたの願いが天に通じたのか、今まで土砂降りだった雨は嘘のように姿を消して雲が晴れていった。数分後、晴天とまではいかなかったが雨は小降りになり十分帰れそうな天気になる。
「災難だったわね」
こなたに同意を求め視線と言葉を送ると、こなたは空を見上げてニヤニヤしていた。私の呼び掛けに気付いて視線を向けても表情は変わらなかった。
「な、何よ」
「いやぁ、さっきの雨もかがみんと同じくツンデレだなぁと実感していたのだよ」
「はぁ!?」
最初は意味が分からなかったが、こなたはそんな私に説明してくれようと芝居掛かった声で言った。
「べ、別にあんたの為に止んだんじゃないんだからねっ!」
妙に感情込めるわね。少し理解できたような気がする。
そんなこなたを見ていると、こなたは制服のリボンに手を掛け解き始めた。思わず心が反応してしまう。
「な、何でリボン解くの?」
「何か気持ち悪いじゃん濡れたままだと」
こなたはそう答えて解いたリボン、次に制服と絞り始める。薄い生地に含まれた水分が地に滴り落ちた。
私はそんなこなたの仕草や透けて見える肌の色に釘付けになっていた。
リボンが解かれた事で更にはっきりと分かる、濡れた制服の上から透けてブラが見えた。私はその光景にこなたの雨はエロゲだとおいしいシチュという言葉を思い出す。その通りだわこなた。
「……どうかした?」
きょとんとした顔のこなたの質問に答える事すら忘れて私はこなたの姿に見入っていた。
触りたい。欲望がふつふつと私の身体の奥から湧き上がってくる。
もう気持ちを抑えられない。告白するしかない。私はこなたに―――
―――告白するの?もっと良く考えろ、安直な答えを出すなと自分に問い掛ける。
断られるだけならまだ良いだろうが、告白してしまうともう二度とこの関係には戻れないかもしれない。同性愛というのはそれほどまでに障害多きものなのだ。
欲望で形成された私の人格は言う。
もう少ししたら今の関係で満足出来なくなるのだと。
不安で形成された私の人格は言う。
こなたは私を受け入れてくれるとは限らないのだと。
貪欲な私の人格は問う。
告白しないまま別れを迎えて辛くないのかと。
臆病な私の人格は問う。
こなたの将来を壊さないと保障出来るのかと。
「かがみ……今日のかがみ何か変だよ」
小首を傾げて私の顔を覗き込むこなた。とても愛しくて、私の頭の中は真っ白になった。
ただ目の前にいる人を求める事しか出来なくなって―――
「こなた……好き」
自分の気持ちを伝えた。
「私もかがみの事好きだよ?」
「そうじゃなくてっ!」
伝わらないもどかしさや悲しさが私の声の調子を荒ぶらせる。
私はもう何も考えられなくなり―――
「かが―――」
困惑して自分の名を呼ぼうとしていた人の唇を塞いだ。
そして自分がしでかしてしまった事の重大さに気付き、念願だったこなた本人を感じる事なくすぐに開放した。
「かがみ……」
目を見開いたこなたは私から目線を逸らさない。私に余裕がないからなのかこなたの表情からは何も読み取れない。
大波となり一気に押し寄せてくる背徳感や罪悪感といった感情。
「ごめん」
私はそう呟いて雨上がりの道を駆け出した。
ただひたすらに、意味がないと分かっているのに、心の中でこなたに謝り続けながら。
98 :
6-748:2007/12/12(水) 21:18:25 ID:lgziq6IU
以上です、ありがとじゅしたー
自分なりにかがみ→こなたを伝えようとしたのですが
上手く伝わってますかねというところはありますorz
情景描写とか上手くなりたい…
続きも書きあがっているので最終チェックが済み次第、
早ければ明日にでも投稿させて頂きますね
99 :
久留里:2007/12/12(水) 21:36:46 ID:RB8wIVoh
>>98 リアルタイムGJ!!
かがみん純粋で可愛いよかがみん
さて、今ひかげネタでSSを書いているが、
起承転結の「転」で行き詰まっているので代わりのものを投下します。
・ひかげ×ひなた
・2レス使用
・オリジナル設定多々あり。受け付けない人は快速列車をご利用下さい。
・作者はまた風邪を引きました
よければすぐに投下します。
「お姉ちゃん……………」
ぼうっとしながら天井を見つめる。
12月の雨の日、私は見事に風邪を引いた。
今、私は平日の昼間にもかかわらず。自宅の布団の中に潜っている。
ガスストーブが先週やっと入ってくれたお陰で部屋は暖かいけど、
ガス代が掛かるし、喉が渇いてしょうがないので切ってしまった。
布団から出なければ暖かいしね。
本当は学校に行って友達と遊びたいんだけど、生憎私は風邪を引いている。
みんなにうつす訳にも行かないので、お姉ちゃんが学校に電話をして、私は家で大人しくしていることにした。
4月からこの街の市営住宅に越してきて、桜園小学校に転校して、私はそれなりに楽しい生活を送っていた。
学校生活はいじめられなくなった分、むしろ毎日が楽しくてしょうがない。
お家の方は相変わらず貧乏だけど、それでもお姉ちゃんと楽しく過ごしている。
お姉ちゃんの収入を考えれば貧乏な方がおかしいんだけど……。
でも、私はお姉ちゃんに食べさせてもらっているし、私もドッジボール部をやっているから、
あまり文句は言えない。
学校生活を楽しみすぎて、ちょっと油断していたかな?
昨日から咳が止まらなかった私は放課後、クラブ活動を休んですぐに帰に帰った。
それから、ずっと布団の中にいる。ひとりで。
一人で家にいるのは、もう慣れた。
お姉ちゃんは遅くまでお仕事なので、毎日の洗濯とお風呂掃除は私の当番だ。
ちなみにお父さんとお母さんは、もう居ない。2年前に天国に行ってしまったからだ。
お姉ちゃんに会える時間は少ないけれど、ご飯の時と寝る時は一緒だし、
お休みの日はお姉ちゃんとお出掛けすることも多い。
実はこっそり旅行の計画も立てているんだけど、肝心のお金が………ね。
だから、私は一人でもちっとも寂しくない。お姉ちゃんがいるから。
けど、今はすごく心細い。恐い、寂しい。
午後になって、熱をもう一度測ってみた。39度。上がってるわ…。
どうりで身体が自由に動かせない訳だ。吐き気も収まらないし。
特に平熱の低い私にとって、これは地獄とも言える苦しさだ。
お昼になった。今頃学校では給食かぁ。
今は……お粥くらいなら自分で作れるけど、
お姉ちゃんに一人で居る時は火は使わないように言われているし、
それ以前に朝から気分が悪くて何も食べたくない。
結局、もう一度ガスストーブのスイッチを入れて、布団に潜る。
枕元には冷蔵庫で見付けたポ○リスエットとコップを用意する。
ストーブはガンガンに焚いているハズなんだけど、部屋はとても寒い。
寒いのは、家具も何も無い殺風景な部屋のせいでもあるけれど、たぶん、私が高い熱を出しているからだ。
(頭が)熱い、(身体が)寒い、咳が止まらない、苦しい、吐きそう。
私は、布団の中で地獄の苦しみにひたすら耐えていた。
前の学校で散々いじめられていたので、この程度の苦しみには耐えられる……ハズだった。
思わず、私は、
「お母さん、お父さん、苦しいよ………!! 助けて!!」
会えるはずもない両親に助けを求めてしまった。
お姉ちゃん、早く帰ってきてよ!!
その時だった。
カチャン。
玄関の鍵が開く音がした。
誰? ………ってお姉ちゃんしかいないわね。何故?
「ただいま〜。ひかちゃん、大丈夫?」
まだ外は明るいのにお姉ちゃんが帰ってきた!
何か、助かったような気がした。
鞄を下ろして、お姉ちゃんはそのままぐったりとした私のもとに来てくれた。
「ごめんね、お姉ちゃん、何もしてあげられなくて」
「……お姉ちゃん…………」
「今日は早番だったから良かったわ」
そっか。だからこんな時間に帰ってこられたんだ。
「ちょっと頑張れる? お医者さんのとこへ行きましょう? 今タクシーを呼ぶわね」
「だ…………大丈夫だ…よ……」
どう考えても大丈夫じゃない。私がそう思ってるから確かだ。
でも、この家にタクシーに乗るお金も無ければ、保険の無いお姉ちゃんが高額医療費を払えるお金もない。
「お金のことは心配しないで大丈夫よ」
お姉ちゃんが心配させるようなことをしているから、お金のことを心配してるんでしょ!!
ツッコミたいけど、その気力が無い。
「お金よりも、ひかちゃんの身体の具合の方が心配だわ」
お姉ちゃん……………。
急に恥ずかしくなってただでさえ赤い顔が余計赤くなる。
「それに、ひかちゃんだけは保険に入っているから、病院代は安く済むのよ。私はアウトだけど」
苦笑いしてお姉ちゃんは保険証を見せる。
確かにそこには「ミヤカワヒカゲ」という名前『だけ』が入っている。
これは後から聞いたんだけど、私は学童保険とやらに入っているそうで、
中学3年生までの義務教育機関中はこの保険で病院に行けるらしい。
お母さんが小学校に入学した時に入れてくれたらしい。
私は、お姉ちゃんに支えられながら病院に行って、診て貰った。
幸い、インフルエンザではなく、2〜3日休んでいれば治るという。
2〜3日も学校お休みか。はぁ。
病院で貰ったお薬のお陰で、私はずいぶんと楽になった。
お姉ちゃんも朝までずっと看病してくれた。
と言っても、いつも通り一緒に寝ていただけなんだけど。
そして2日後─────。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
「私もこじらせちゃったみたい…………」
ニコニコ顔を見せるお姉ちゃん。しかし、いつもと違って笑顔が死んでいる。
「お仕事、休んだ方がいいんじゃない?」
「だ、大丈夫よ。お仕事……しないと同人誌が買えないし」
買うなよ。ていうか、家の方を心配してよ。
「だーめ。今日は家で大人しくしていなさいっ、はい、電話機。
私じゃ相手にしてくれないから、自分で掛けなさいよね。
じゃ、私、学校行ってくるから、お姉ちゃんはずっと寝ているのよ。じゃあね」
「い…いってらっしゃい」
結局お姉ちゃんは家を抜け出して、バイトに行ってしまった。
お店で迷惑掛けてなければいいんだけど、心配だな。
以上でございます。1レスオーバーですみません。
今風邪薬飲もうと思ったら、有効期限切れてたorz
明日は何とか出社したいとです。
>>98 かがみの想いが切ねぇ…
これからどうなるのか気になる!!明日楽しみにしてます!
遅くなりましたがGJ!
>>98 GJ!!
かがみ→こなたの心理描写とても良かったですよ
続きを期待してます
皆さんGJです
みさゆたもかがみんも宮河姉妹も全て!
にしても凄まじい投稿数だな。
これなら今年中に1000も楽では?
1000までもうすぐと出てからまた加速し始めた希ガス
>>98 うぅむ・・・これは切ない。
抑えきれないほどの気持ちかぁ…この後どうなっちゃうんだろう…
続き待ってます!GJ!
109 :
20-612:2007/12/13(木) 00:06:37 ID:aRV7KTc4
>>63 うわ、天使外道wwww
これからどうなることやら、楽しみにしてますよ☆GJ!
>>86 お疲れ様〜
日常の積み重ねの生み出す擦れ違いが、とても説得力ありました。
とても楽しめました♪GJ!
>>98 嗚呼、切ないですなあ……
一度崩れてしまった友情の絆、どうなるんでしょう?
続き、楽しみにしてます。
GJ!
>>103 さりげない日常がとてもいい!
GJです!
……ところで、小ネタを思いついたのですが、投下してもいいですか?
こうなりゃ保管累計1000作品を超えて目標1000スレだ
どんどんカモーンщ(゚Д゚щ)
>>92 そっちのアルタイル・デネブ・ベガですかw。
112 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 00:19:50 ID:j8SDqT/4
今日は平日なのに、相変わらず凄まじい勢いだなあ。
>100
今後の話の展開に期待。お姉ちゃんの風邪の具合が気になります。
無理しなければいいのだけど。
>98
かがみの心の動きが繊細に描かれていますね。
逃げ出してしまったかがみは、どうなるのか、
こちらも続きを楽しみにしております。
謝って、あげてしまってすみません。
みゆきさんごめんなさいorz
114 :
20-612:2007/12/13(木) 00:28:33 ID:aRV7KTc4
では、投下させていただきますね。
Tiny☆Starsは執筆途中ですが、新たに電波を受信したので書いちゃいました。
内容としては、25スレ目の631に書いた埋めネタの続きです。
最初に一言、ぶーわさん、7-896さん、妄想屋(仮名)さん、のネタとキャラを拝借しております。
ですので、お三方の許可がない限り、まとめWikiへの掲載はしないでいただきたいです。
2スレ分あります
────────────────────────────────────────────────
捕まえられた宇宙人よろしく、両脇を抱えられた私はかがみの家に。
玄関前に立つころには諦めもついたよ、もう。
私の荷物はまつりさんが持ってるしね。
「ただいまあ、こなたちゃん連れてきたよう」
まつりさんの言葉にもかかわらず、誰も答えない。
みんな出かけてるのかな?
そう思ったとき、いきなり地面が揺れだす。
地震かと思った次の瞬間、奥から爆音と共にみんながやってきた!
ひい、ふう、みい……
あれ?
なんだかやたらと多くない?
ていうか、私が何人もいるんだけど!
「いりゃっしゃいましぇ、いじゅみこにゃたれしゅぅ」
みきおばさんのそばでニコニコしている、舌っ足らずな私がいた。
ゆうちゃんを思い出させるような笑顔と服装がとっても可愛い。
他にも、いろんなフンイキの私がいるのにはまいったよ。
かがみみたいな私やら、みゆきさんみたいな私、みさきちみたいな私までいる!
「いらっしゃい、異世界から呼ばれたオリジナル泉こなた。
私の名はこなつー。
あなたとは別の世界で作られた泉こなたのクローン・アンドロイドだよ。
もちろん、モデルは"私の世界の泉こなた"だけどね」
かわいそうなものを見る目で私を見ているこの子は、ひょっとしてロボット?
泣き黒子は右についてるし、頭の上には日本の触角が。
いや、黒子だと思ったのはちっちゃなランプだ。
たぶん、動力が動いていることを示すインジケーターみたいなものかな?
その後ろからは真っ赤な服をきたみゆきさんが現れた。
いや、よく見ると服が赤いのは止まらずに出続ける鼻血のせいだよ。
貧血で倒れないか、ちょっと心配。
というか、いったい何がどうなってるの?
ロボットな私は、私は異世界から呼ばれたって言ってたけれど、それと関係あるのかな?
わけのわからない状況で、目が回りそう。
たしかにマンガやアニメではありがちだけど……
115 :
20-612:2007/12/13(木) 00:29:34 ID:aRV7KTc4
「みゆきの言ったとおりの場所にいたわ。
この子も別の世界のこなたなのね?」
私とロボットな私を見ながら、かがみは言った。
ていうか、かがみ、なんだか危ない顔してるよ?
思わず後ずさり、しようとしたら何かブヨブヨしたものを踏んづけた感触が。
見ると、うしろにはスライムみたいになったみゆきさん。
あれ?
あっちにいるみゆきさんとは別人?
ああ、どっちかが私と同じ異世界から来たみゆきさんなわけね。
「成功です。
これでいろいろな世界から泉さんを集め続ければ……」
スライムなみゆきさんが赤い液体をまき散らしながら話してる。
たぶんこれも、鼻血だよね?
あっちのみゆきさんの服を赤く染めているのと同じ。
こんな分析をしている間に、私はみんなに取り囲まれていった。
まわりの空間は徐々になくなり、みんなが私の体に触れられるほどの距離に。
あっちこっち触られ、なでられ、においをかがれ、しゃぶられ……ひゃうっ!
そ、そこは!
酸欠気味になってきたところへ敏感なところを触られ、頭がぼうっとなってくる。
も、もうダメ……意識が……
消え行く意識の片隅でひとつだけ気になったことが。
廊下の隅の暗い所で、のの字を書いてるは、誰?
「ううう…… だれも敬ってくれない。
『そんなことやめて』って言っても聞いてくれないし」
そ、そんなこといいから、だれ、か、た… す……
────────────────────────────────────────────────
最後に改めて……
ぶーわさん、7-896さん、妄想屋(仮名)さん、勝手に出しちゃってごめんなさい!
イイヨイイヨー
合作こそ掲示板ならではのキワミ
GJです
118 :
7-896:2007/12/13(木) 01:05:58 ID:cVNe2VOi
>>115 ぜんぜんかまわんのですよww
というか、自分の作品使ってもらえると、俺懐きますゆえ。
うれしくて懐きますゆえ。
オッケェーーーイ!(古田的な意味で)
この年末に、また一週間大陸へ島流しorz
今週中に一枚落書き投下して、現地でSSネタ練ります。インターネット繋がったら投下できるかも。
帰ってきた頃には1000作品かな……
ゆたかとみなみがどんなエッチができるか考えてみた。
1:普通に誰も居ない教室で
「ん・・・」
「んっ・・・」
ぴちゃぴちゃと水音がする。
ゆたかとみなみが口付けを、それも互いの舌を絡ませ唾液を混ぜ合わせていた。
「ん・・・ゆたか、苦しくない?」
「大丈夫・・・だよ、みなみちゃん・・・」
キスを終えると、次はゆたかのスカートの中に手を入れ、下着を一気にずり下ろした。
「や、駄目!」
「静かに、すぐに気持ちよくなるから」
そして、みなみはゆっくりとゆたかの性器を人差し指でいじり始めた。
2:中学時代の制服を着て
「みなみちゃんも、中学の制服、持ってるんだ」
「うん・・・」
ゆたかはみなみに近づき、制服のネクタイを解いた。
「ブレザーっていいよね、すぐに脱げるから・・・」
みなみの上着、シャツのボタンを外し手早く外していく。
「あ・・・」
そしてブラをたくし上げると、そこにはまだ育ってない胸があった。
「まだそんなに、大きくないね」
「やだ、恥ずかしい・・・」
それに比例して、みなみの乳首が固くなっていった。
3:お互いの下着を取り替えて
=泉家 ゆたかの部屋=
「みなみちゃん・・・みなみちゃんの下着、私のえっちな液で汚れちゃったよ・・・」
手をやるとすぐにわかった、ぐっしょりと濡れ太ももにもその液が垂れ流れていた。
「私・・・こんなにえっちだったんだ・・・」
ゆたかは我慢できず、股間に手を当てたまま指を動かし始めた。
=岩崎家 みなみの部屋=
「ゆたか、ゆたかぁ」
みなみの理性のタガなど既に外れていた。
「私、ゆたかの下着で・・・おなにぃ・・・しちゃってるよぉ!」
ゆたかの下着の匂いをかぎながら、彼女は自身の性器を乱暴にいじり続けた。
これ以上は駄目、思いつかないよ・・・アァン
121 :
ぶーわ:2007/12/13(木) 01:36:48 ID:fwxyBPC3
122 :
117:2007/12/13(木) 01:39:59 ID:zJfg5HFw
>>121 毎度毎度すいません……そして本当にありがとうございます!
>>121 いいこと思いついた
毎回消えにくいとこにあげるってのはどうだろう
最近みさおとゆたかのssは投下されましたか?
みてない気がするんだけど・・・見逃したかな
なんか、大作がいっぱい並んでるw
さっさとまとめ読み終わらないと追いつけないな、自分orz
後ほどまとめて読ませていただきます。皆様GJでございます。
で、こちらのスレですが、1レス50行でよろしかったでしょうか?
こうしてこなたとかがみの愛が育まれ、
みゆきが鼻血を噴出し、
つかさがふっとんだりし、
みさおが横から嫉妬し、
あやのがそれをなだめつつも兄と愛し合い、
みなみとゆたかが主従関係(主がゆたか)を築き、
みんな一斉にこなたに襲い掛かり、
ひよりが原稿を進め、
パティがそれを後ろからいたずらし、
上からかなた様がみんなの様子を見守るのですね。
全く持って、何でしょうかこのスレの作品スピードは
ええい!らき☆すたのスレはバケモノかっ!
正直、このスレのせいで睡眠時間が毎日1時間くらい削られてる
>>128 何となくわかる、特に容量が限界に近付きつつある時期は毎日来ないと、
1日2日来ないだけでもう500Kオーバーしてて、次にきたときには新スレ……なんて事も充分ありうるペースだもんね。
しかもそれが雑談、駄文で埋まるのではなくレベルの高いSSの集中砲火なんだからなんと恵まれた環境でしょう、嬉しい悲鳴が今日も聞こえる。
高クオリティを維持し続けているこのスレ。
それはひとえに、作者さんたちの活動は無論のこと、
動き回っているキャラクターたちの活躍あってこそなのです。
今日は、そんな彼女たちの本音を、ちょっと覗いてみましょう。
=============
こなた「正直、体がもちましぇん、いろんな意味で。
またひきこもりたくなったよ・・・かがみさま〜助けて;;」
かがみ「こなたのことで心揺れ動いたり愛し合ったり、
また、森羅万象に突っ込んだりで、正直多忙です。
残業手当てほしいですマジで」
つかさ「ばるさみこす〜、うにょ〜ん。つかさでぃす。
最近黒化が進んでいます、つかさでぃす」
みゆき「人間は、体の1/3血が抜かれると死ぬとされています。
どうして私、生きてるんでしょうか(オロオロ)
そもそも、最近鼻血以外で出演してないような気がします;;」
こなたはたまに、過去を掘り返されたりしてるからなあ。
体もそうだが、精神的にも色々きつそうだ。
>>120 グッジョブ過ぎてガチで涎出た
淫語属性の俺をどうしてくれる気だ
しかしocn規制のおかげで酷いよ……
水曜一日見なかっただけでなんなんですかこの伸びは…
まとめてですみませんがみなさんGJです。
そういえばこなたの方程式買ったんですが、
各キャラの衣装が載ってて服装の描写に大助かり。
以外にバリエーションがあっておにーさんびっくりですよ。
>>133 しかもよく見ると、毎回新調かよ!ってんじゃなくて、結構使い回してるのがリアルだよな。
「あ、この服装のボトムってこっちの衣装と同じじゃん」とか。
>>132 今は調子良いけど、Yahoo!BBもしょっちゅう規制食らうんだぜ。
保管庫にひなた×ひかげのエロSSがあったので、
こちらもネタだけ考えてみた。
・5年生後半になって第二次性徴が始まり、身体のことを意識するひかげ
・6年生になって興味本位で姉のエロ同人誌を読み、覚醒するひかげ
・家に帰るたび、連日自慰にひたるひかげ
・そして、自慰がひなたにバレて、徹底的に「教えられる」ひかげ
・小学生にして毎晩ひなたとヤる毎日を送るひかげ
・学校で性教育を受けて、その後トイレでやってしまうひかげ
・etc.
今から内科行って薬貰ってくる。その後で刑務所行ってくる
みさお「うゅ〜T△T 最近出番が増えて、しかも基本的に
素での出演でいいから楽なのはいいけどよぉ、
こんだけ出演してて、ひぃらぎとの仲深め合いとか
ほとんどねぇってのはど〜ゆ〜こったよ。
何?ちびっことひぃらぎ見て嫉妬してる私が
最高に萌えるだって!?ふざけんなバーローちきしょー;;」
あやの「まあまあみさちゃん・・・
本編でほとんど出演なかったけど、ここでは多く
出してもらってて、実は私、結構満足だったりするよ。
まあ、大抵誰かの副次的な扱いだったりもするけど・・・
気にしてないから安心してみさちゃん^^#」
本当だ、最近純粋なみさかがを見た記憶がないな
ゆたか「皆さんに多く出してもらってて、いつも感謝してます。
素の役から責めの役から黒い役まで、
性格設定たくさんあったけど、無理なく描かれてて
とても楽しいですよ」
みなみ「ゆたかほど、出てないけど…出演量に異議はない。
私いつも、こんな感じのため…心理動向を
割りと自由に…いじられてるのが…
ちょっと…こそばゆい…」
ひより「くぅ〜、実は最近、出番少ないっス〜T〜T
でもいいっス!私は原稿一筋!かえって都合が
いいってもんっスよ!!
(でも、傍観者にすらなれないってのは痛いっス…;;)」
パティ「ノンノン!よくないデス。ひよりんこんなに可愛いのに。
みなさんは日本の至宝の1つを見逃してマ〜ス。
オウ、goodIdeaひらめきマシタ。
また私とクンズホグレツで出せば怪傑ゾロリで〜す!
(決して私の出番が少ないからじゃないデス)」
こういった傾向分析みたいなレスまで見事なSS仕立てに
これが『らき☆エパ』クオリティか
140 :
ちび:2007/12/13(木) 13:57:33 ID:6qcO/275
初投稿です。二次創作自体初めてです。
これから修行します。理系なので文章自体酷いですが、つかさが大好きなので頑張って見たいと思います。
色々教えてください。
エロまでいく体力がありませんでした・・・。
141 :
つかさとこなた:2007/12/13(木) 14:01:04 ID:6qcO/275
「こなちゃん!!私そういう冗談はよくわかんないからやめて!!」
自分をベッドに押し倒し唇を強引に奪ったこなたのことを、つかさはぎっと睨んだ。
こなたはそれをみて自分の行為に後悔をした。
つかさに甘えていた、なんでも許してくれると。
この結果にならないように真剣に何度も考えてきたのに…でも最後につかさの優しさの計りかたを間違えた。どんな顔をしていいのかわからず、でも睨まれていたくなくて、気付けば涙が溢れていた。
「こな、ちゃん?…ごめんなさい。」
〜つかさとこなた〜
ことの最初はクラスでの些細な会話だった。
授業が終わって、こなたは今日もまだ四時間も授業がある…とうんざりして机にうつ伏せていた。そこにつかさが手を後ろに組んで話しかけてきた。
「なんだか眠そうだね。またネットゲーム?」
「うううん。まあ昨日はちょっとたまってたアニメを見てて夜更かしにもなったけどさ…。今日も授業長いなあって…。今日私はあと何回時計を見るんだろうね。」
「あはは。私もあと何回見るんだろ、ちょっと滅入るね。」
はた…と会話が途切れそうになる。するとつかさがつないだ。
「でも夕飯何かな〜とか、今度どんなお菓子作ろうかな〜とか考えてると結構時間が早く進んだりするよ。こなちゃんそういうのってない?」
「あは〜それでかがみんは太らされるんだね。う〜ん、ゲームは詰まったりしてると頭がいっぱいになって退屈しないんだけどね。私も夕飯の事でも考えてよっかな。」
「私達勉強しろよってお姉ちゃんに突っ込まれそうだね。」
「だってしたくないんだも〜ん!!ねぇつかさ、好きな時に登校して勉強する学校できないかな。」
「いいなあそれ」
「私の変わりにテスト受けてくれる優秀な腹話術人形とかいないかな」
「いいね〜それ!!」
意見に多いに賛同するつかさに、唐突に、こなたの胸が高鳴った。
そのことに固まったこなたに、つかさは不思議そうに首を傾げた。リボンが揺れる。
「どしたの?こなちゃん」
142 :
つかさとこなた2:2007/12/13(木) 14:04:30 ID:6qcO/275
それ以来、こなたはつかさを意識した。よく観察した。
自分の意見を押し付けず、みんなで楽しめる話題をふる、
でも感情には素直で、沢山笑って、涙目にもなる。
全然裏表を感じない。自分の作るお菓子でみんなが喜んでくれているのを心から喜んでいる。
末っ子に育った処世術だとは思えないこなたは、自分ではなりえないこの純粋な女の子を意識すればするほど同性として憧れ、やがて好きになっていった。
こなたはつかさに恋をした。それをこなたは自覚した。
女の子同士だから多分嫌われて終わりだと、随分悩んだけど、この気持ちを知られないで終わるのは嫌で、卒業前とかになってもし通じ合ってしまって、もう手遅れだねなんてのも嫌だった。
誰にも文句を言えないくらいの気持ちと確認出来たなら打ち明けちゃおう、そう決めてこなたはデートに挑むことにした。
高校のルールで一人一校は行かないといけない、大学の体験入学にかがみが行った日。こなたはたまには二人で遊ぼうよと、さりげなく誘ってみた。
うん、いいよ。二つ返事でデートは決まった。
つかさが密かに観たがっていた、だけど子供っぽいから言えなかった、コメディ映画を一緒にみて、
昼下がりはあちこち服を見て、つかさの着せ替え人形になって、夕方、二人はこなたの家に来た。
家に誰もいないのは偶然と言ったけど、本当は今日、誰も帰って来ない。
「でもね、やっぱりこなちゃんは特別だよ。中学校のときもそうだったんだけど、最初に出来た友達って凄く安心できるっていうか、一緒にいて落ち着くんだよね」
「わかるかも、私もつかさといると癒されるよ。リアルで美少ゲーの中の萌えを感じるもん。」
「あはは、萌えられちゃった」
頬っぺたを指先で撫でて照れをアピールするつかさ。
「つかさ…?」
「なあに?こなちゃん」
簡単に言える事のような気がした。でも口から出た言葉は違った・・・
「萌えってなんだろうね?」
やっぱり気味悪がられるかもしれないと思うと怖い。もう無理だ。
「わわ、私に聞かれても〜!!」
「…萌えってなんだろ」
そのこなたの弱々しい反応につかさは「萌え」に物凄く悩んでいるのだと勘違いし、自分なりに一生懸命考え始めた。
「萌えだよね…、え〜っと…」
つかさが下を向いて悩んでいると、床に影が出来る。つかさの座る椅子の前にこなたが立っていた。
「こなちゃん?」
上目遣いで心配そうに見るつかさ。こなたはうつむいて、肩が震えている。
「こなちゃん!?」
つかさが立ち上がった。
「・・・」
こなたはつかさの胸にもたれた。つかさはしっかり抱き留め、ぎゅっと包み込んだ。そして優しく頭を撫でた。
「こなちゃん、…どうしたの?」
こなたは何も言わなかった。そんなこなたを、つかさは優しく受け入れてくれた。
思いが強くなっていく。気持ちが止まらない。こなたは抱かれたままゆっくり足をベッドへ進めた。そして、つかさの両肩を持って、ベッドに座らせた。踏みとどまるか、最後の瞬間。
「ねぇこなちゃん。寂しいの?」
こなたはつかさを押し倒した。そして冒頭に戻る。
143 :
つかさとこなたend:2007/12/13(木) 14:06:22 ID:6qcO/275
こなたは自分の行為に後悔をしている。口づけの感触でぼんやりした頭も、つかさの拒絶ですぐに冷め切ってしまった。
「こな、ちゃん?…ごめんなさい。」
「うううん。わたしだよ。・・・ごめん。」
すぐにこなたは離れようとした。するとつかさは、自分の上にいるこなたの肩を押さえて言った。
「ちょっと待って。」
レースのカーテンしか降りていないが、日も落ち部屋は電気も点いていないので、薄暗かった。
つかさはじっとこなたを見つめてくる。もう、睨んでいない。ただ、興味深く見られているような感じだった。いたたまれなくこなたはずっとは見つめられない。
静かな時間が随分と流れた。次第にその「ちょっと待って」にこなたは期待していった。
華奢なつかさの躰の輪郭が、温かい生命力が、柔らかさがこの状態だとはっきり伝わってくる。
顔を見つめると少し赤くなっている気がした。息を共有している。つかさもそれを思っているだろうか。
「好き・・・、なの?」
「愛してる。」
「うわ・・・」
つかさは耳まで真っ赤になった。顔を横にそらす。そして視線だけ戻す。流し目のようで、いつもより美人に見える。瞳がいつも以上に潤んでいる。目が合うとそらされた。
「ど、どんだけぇ〜・・・」
「私、ちょっとおかしいよね。やっぱマリみてとかストバニとかの見過ぎで・・・」
こなたの首に手が回り、引き寄せられ、今度はつかさからキスをした。
こなたは目を見開いた。状況が理解できない。でもその瞳に映ったつかさが、目を優しくつぶっているつかさの顔が上気していてとっても幸せそうだと言うことだけがわかった。
長いキスだった。つかさが大変なので二人は横向きに抱き合った。お互いにしっかりと抱き合い、足を絡ませ、唇の柔らかさを押しつける具合で探る、優しいけど、キスだった。
ほてった顔をつきあわせ、見つめ合って、つかさが言った。
「ホントにさっきの、ごめんね。なんか私馬鹿にされてるのかなって思って。そしたら凄く悔しくなって」
「え〜っと、ごめん、でもなんで?」
「私もずっとこなちゃんのことが好きだったから。でもこうなるまで自分でも気付かなかったよ。」
こなたは呆然と、思いが通じたうれしさに浸っていた。
つかさは耳元に近づいて囁いた。
「ねぇ、おじさんとゆーちゃんはいつ帰ってくるの?」
「きょ、今日は二人とも用事で・・・」
「帰ってこないんだ。じゃあさ、仲直り記念と交際記念になるようなことしようよ。」
ごくり。こなたはつくづく自分GJと心で叫んだ。
「こなちゃん。大好きだよ」
「嬉しい。つかさ。私もだよ」
「こなた、大好きだよ」
「!?何故に呼び捨て・・・!」
「えへへ、やっぱ変だね。こなちゃん。」
「なぁに?あかり?」
「え、だれ?!」
このあと、こなたはこの愛の語らいがつかさの言う記念になるようなことだと漠然と理解し出すのだった。
144 :
ちび:2007/12/13(木) 14:08:49 ID:6qcO/275
2ch自体もそうなんですが、
素人全開でものっすごいすいません。
本当におじゃましました。なんかご指摘下さると嬉しいです。
>>144 いらしゃいませ( ´∀`)b
投稿の際はメール欄に「sage」と入れて下さい。
※2ch(bbspinkも)では、スレの最初の投稿(
>>1)にスレ内の様々なルールが
記載されているのでまずは目を通して下さい。
SSは楽しく読ませて頂きました。
今後ともよろしくです
>>144 うお、こいつは先がなかなか気になる展開。
言うほど酷い文章では無いですよー。GJです!
ただ、
>>1でも見てsageるくらいのマナーは守りましょうね。
147 :
ちび:2007/12/13(木) 14:59:06 ID:6qcO/275
優しい対応ありがとうございます。
ここの小説の保管庫にはまっていたので、嬉しいっす。
ルールはしっかり守りたいと思います!!
>>147 いらっしゃいませw
久しぶりにこのスレで純粋なつかこなを見た気がします。GJです。
ちゃんとルールを守れる新人さんは大歓迎ですよ。
これからも作品お願いしますねw
ちなみに『二つ返事』とは、相手が気乗りしていない時に使うので
あの場面では使わない方がいいかもですね。
>>147 ようこそ、我らの聖域、もしくは妄想の吹きだまりへw
ルールをきちっと守れる方を拒絶する理由はありませぬ。
存分に貴方の力を振るい、そして癒されてくださいませ。
151 :
148:2007/12/13(木) 15:49:43 ID:Jp6EG9n/
>>150 なんか二つ返事が脳内で勝手に生返事に変換されてた(´・ω・`)
>>150 いや、ここは辞書で引くというよりも
このスレらしくピンクの人に聞いてみた方が
そうですね、二つ返事というのは…
あ、すみませんちょっと鼻血が…
>>147さん、初めてのSSお疲れ様でした。
ちなみに二つ返事とは、『躊躇うことなく、すぐ承諾すること』をさす言葉です。
例えば、増殖した泉さんの数を確認しようとしたかがみさんの
「ちょっとみんなのところ行ってくるわね」
という言葉に対する
「ういうい、いってらー」
という泉さん(15人目)の返事が、これに該当するでしょうか。
あの時の泉さんの飄々とした表情……こうして少し思い出すだけでも……ぶぴゅるっ
理系? 文系? でもそんなの(ry
文法や約物のルールなどはググレばすぐに調べられるから、
文学部卒だろうが理工学部卒だろうがオールOKですよ
GJ
ぶーわさん、ちびさんお疲れ様です。GJっす!><
ほんとここの投下はレベル高くて怖いんですが、
投下予定無ければ行かせていただきますが、よろしいでしょうか?
157 :
ちび:2007/12/13(木) 17:20:59 ID:6qcO/275
うぅ。さっそく「約物」をググっちゃいました…。最低だ・・・俺って。
皆さんの寛大さに感動です!!
いつも保管庫で見てましたが、ここはあったかいし面白いし凄いっすね。
どおりで傑作がそろうわけです・・・。
とりあえず、返り血を浴びたのでシャワーを浴びなくちゃ・・・。
ふつつかものですがよろしくお願いします。
158 :
ちび:2007/12/13(木) 17:21:59 ID:6qcO/275
うわぁ!!すいませんどうぞ!!
159 :
24-494:2007/12/13(木) 17:25:50 ID:5bmBsaXI
うわ、20-612さんすっとばしてる、ごめんなさい。
では、
タイトル:猫祈り、奉る、司る
エロ:有り
カプ:いのり×まつり
レス:5レスほど
備考:途中までの投下です。
エロ初挑戦で行き詰まり感が出てしまい、
スレ住人の方の意見を頂きたく投下します。
12月のある日の柊家。
両親二人が町内の温泉旅行に出かけたため、おとなしく留守番する四姉妹。
午後の柔らかな日差しが窓越しにまぶしく、部屋を締め切ってさえおけば、
それなりに暖かな、そんな昼下がり。
居間のテーブルに向かい合わせで座る長女と次女。休日らしく、のんびりと
そして、ぐったりとテレビを見ながら過ごしていたときのお話。
「もうすぐ、クリスマスだねー」
「そうねー」
「今年も家族で過ごすのかなー」
「そうねー」
「私はあんまり危機感ないんだよねー」
「そうねー」
「姉さんはもう少し危機感持ったほうがいいと思うんだけど?」
「そうねー」
次女、まつりの質問に全く気のない返事をする長女、いのり。右手をテーブルの上に
ぴたりとくっつけ、その上に頭を置き、見るとも無くテレビを眺める。まつりはといえば、
左手をテーブルにぴたりとくっつけ……まあ、左右対称に同じ格好をしているわけで、
いのりがたまにごそごそと動く以外は、姉妹ということもあり、鏡合わせの状態が
1時間ほど続いていた。
それにしても暖かい陽射しだ。こんな日はのんびりと昼寝でもするのが一番。
と、ようやくまつりがいのりの動きに不信感を抱き、問い詰める。
「ところで、姉さん。さっきから一人でなにやってんの?」
体を起こし、姉の方に向き直る。すると、テーブルの下からいのりの左手がするすると
持ち上がり、手に持った物体をまつりの目の前において、にんまりと笑ってみせる。
「ビール!? いつのまに!」
「へへ、実はもう、四本目なんだよー」
よく見てみると、いのりの背後には既に中身のないビールの缶が転がっていた。あ、
ちなみに五百mlね。まつりは急に目が覚めたように背筋を伸ばすと、人差し指を突きつけ
こう言った。
「私のは!?」
うん、そうだね。酒飲みなら、皆そういうよね。いのりは待ってましたとばかりに立ち上がり、
台所へ歩いていくと大量のビールを抱えて戻ってきた。
「ねえ、部屋行かない? かがみに見つかるとうるさそうだしさ」
「うんうん。あいつ堅いからね。私の部屋汚いから、姉さんの部屋でいい?」
いのりは赤くなった顔でうんうんと頷く。
そうと決まれば話は早い。まつりは父ただおの隠し持っているつまみをいくつか戸棚から
引き出し、ニヤニヤ顔で姉の後を着いて行く。よっぽど暇だったんだね、この子達。
いのりの部屋に着くと待ちきれないとばかりに姉の抱える缶ビールに手を伸ばす。
そのまま座ることなく、プシュッ!
「んぐっぐっぐっ、プハーッ! おいしいーーーー!」
「だよねー。お昼から呑むお酒ってなんでこんなに美味しいんだろうね?」
既に二口目に入ったまつりは缶ビールを口に当て、上を向いたまま頷く。そう、もちろん
飲み干した。そこでようやくまつりはテーブルの前に座り、つまみを広げる。ただおが隠し
持っていただけあり、近所の人に貰ったであろう、見たことない珍味や、出かける予定があったら
絶対に手を出さないような臭いのきつそうなものまで様々だ。
「さて、何からいきましょうかねぇ〜?」
右手と左手をこすり合わせてまつりが舌なめずりする。その背後には何故か、まだ水滴の
残る空き缶が三本。お見事。さすがお神酒(みき)の娘達。
数時間後、いのりの部屋の片隅に、作者が数えるのを放棄するほど詰まれた空き缶があった。
二人ともすっかり夢見心地で並んでベッドにもたれかかっている。ベッドの脇にある窓からは
まだまだ暖かい陽光が差し込んでおり、部屋中にぬくもりを注いでいた。
しばらくぼーっとしていた二人だが、急にまつりが立ち上がりおかしなことを言い出した。
「そろそろ、お風呂入らないと!」
ああ、たぶん作者の意思を汲んでくれたんだね、まつりはいい子、まつりはいい子。
そして彼女はいのりの部屋のタンスを勝手に物色し、おそらく気に入った下着を数点
取り出した。
「うわっ! 姉さんこれ、エロ!」
「ちょっと、なに見てるの!?」
まつりの右手にあったのは黒のレースの下着。それも後ろ側に布は無く、ほぼ紐。
「そ、それはデニムとか履いたときに線が見えるから……」
「うわ、これも!? すご! これとか! 巫女キタ!」
「ちょっと、やめてよ! って、きゃっ!」
「うそっ!?」
あまりの恥ずかしさに唯でさえ赤い頬を更に紅潮させたいのりは、まつりの暴挙を止めるべく
立ち上がる。だが、さすがにフライングして呑んでいた分のアルコールが足に回ったのか、
立ち上がったその瞬間に前のめりに崩れ落ちた。
いのりは頬の感触を確かめるべく右手を引き寄せる。
引き寄せた右手は、その感触をゆっくり、じっくりとまさぐる。
「ちょ、あ、ね、ねえさん……」
上ずった声がいのりの頭上で聞こえた。直接触って分かったことだが、出かける用事も
無かったためか、部屋着のトレーナーの下には何もつけてない。ほぼ直接伝わる体温が
掌に気持ちいい。
ふふ、と笑うと、ぺろりと舌を出すいのり。顔を上げ、伏していたその場所、つまり、まつりの
胸をじっくりと眺める。仰向けになったため、見た目こそ緩やかなカーブを描いているが、十分な
大きさがある。トレーナー越しにも分かるほどに突起した中心部を見つけ、そこに人差し指を
あてる。
「あっ……」
かわいい。と、いのりは思った。俺も思った。もう一度、突起に触れる。
「ぅんっ……」
触れられた瞬間に目を閉じるまつり。そのしぐさにいのりは幼き日々、頭を抱え抱き合って
眠った夜を思い出し、まつりを抱きしめずにいられなくなった。
「まつり……」
「……ねえ、さん……」
仰向けになったまつりの上にその姉が覆いかぶさる。アルコールで熱くなった頬と頬が重なる。
えもいわれぬその感触により強く頬を擦り付ける。
「ねえさん……」
何かを求めるような妹の声に体を起こし、目を合わせるいのり。まつりはすっと目を閉じ
軽く顎を突き出す。いのりは妹の頭をかき抱き、顔を近づける。小さく開いたその唇が妹の
それと触れあい、すぐに激しく重なる。
舌と舌とを絡めあい、互いの唾液が入れ替わる。許容できないその水滴がまつりの頬を伝い
床に流れ落ちる。
「ん、んは、ま、ちゅ……」
いのりはまつりの髪の毛をかき乱し、激しく求め続けた。体温が上昇する。アルコールが全身に
いきわたり、触れている部分すべてが熱い。これほどまでの熱さを二人が二人とも今までの経験で
感じたことは無かった。
まつりが体を起こして体が入れ替わる。まつりは姉の上に馬乗りになり、額の汗を拭うと、邪魔な
トレーナーを脱ぎ捨てた。
「きれい……」
恍惚とした表情で妹の肢体を眺めるいのり。程よく膨らんだ胸、小さな乳首、人口の造形では
作りえないであろうカーブを描く腰。いのりは仰向けのまま右手を伸ばし、そのカーブに沿うように
まつりの肌を撫で上げる。
「あ、んあぅ、ね、ねえさんも、熱い、で、しょ?」
床に寝たままのいのりのシャツは首で引っかかり、ちょうど顔を覆い隠す形になった。
まつりの中で何かが弾けた。首のところで引っかかったシャツごと、いのりの腕を頭の上に回す。
左手でそれを押さえ、姉の胸の谷間に顔を埋める。運よくフロントホックになっており、それを口でついばみながら
上手にはずした。
いのりは何が起きているのか、どうなっているのか分からず、いや、よく考えれば分かることだが、
シャツによって視界を遮られたことに加え、”蹂躙”される感覚に身を浸していた。
まつりがホックをはずすと、いのりの柔らかな乳房が左右に弾ける。揺れる乳房眺めながらまつりが呟く。
「姉さんのが大きい……」
先ほど自分を誉めてくれたことを思い出し、少しむっとする。仕返しとばかりに乳房に触れることなく一気に
柔らかな丘の上の突起を口に含む。
「ああぁっ!」
いのりが呻く。その声がまつりの耳に入り、さらに気持ちを掻き立てた。
舌の上で姉の突起をころころと転がし、時折甘噛みする。そのたびにいのりの腰がビクンと動く。
それに気づいたまつりは自らの腰を突き出し、姉の右足に股間をあてる。そして甘噛みする。いのりの腰が浮き、
足に力が入る。その瞬間いのりの太ももがまつりの秘所を刺激する。
「ぁうあんん……」
言葉にならない感覚がまつりの背中を突き抜ける。
「ごめん、姉さん。私、もう、無理」
まつりが不意にいのりから離れ立ち上がった。
「え!? そんな……」
妹の言葉にいのりが切ない声を出す。絡まったシャツを何とかしようと試みるも、焦りと酔いで上手くいかない。
すると立て続けにまつりが呟いた。
「最後まで、責任とってね」
デニムのジッパーを下ろす音がいのりの耳に飛び込む。心臓の音がそれをかき消すのではと思うほど大きくなっていく。
デニムを脱ぎ捨てると、再びいのりの上に覆いかぶさり、露になった乳房に二度、三度と口づけをする。いのりの
息が荒くなり、体をよじるしぐさが増えていく。
まつりが慣れた手つきで姉の着衣を剥ぎ取っていると、いつの間にか目隠し代わりのシャツが外れ、それは
簡易拘束具となっていのりの動きを封じ込めた。
まつりの中でふつふつと湧き上がる新しい感情。顔を近づけ、キスをする。舌を吸い、舌を入れ、いのりの口内を
犯し続ける。
「んん、ちゅ、んちゅ」
いやらしい水音が脳内を蹂躙していく。
ふと、まつりは唇を浮かせる。いのりは切ない目で繋がったままの銀糸を追う。その唇が小さく開く。
「姉さん、いい事教えてあげるね」
「い、いい、こ、と?」
甘い声と共にまつりの唇がいのりの柔らかい頬に触れた。すでに、いのりの秘所は濡れそぼっており、耐え切れなくなった
粘液が床に垂れ流れ始めていた。腰をくねらせ、次の所作を待ち望むように突き出している。だが、まつりの両手はいのりの
顔を押さえつけている。まつりはいのりの感情を知りながらも焦らし続ける。そうすることで自分の中が熱く、高まっていく事に
気づいたからだ。
まつりはキスを続けた。舌先で肌を舐め上げるようにして頬から耳へ、耳から瞳へ。
「はあんっ! そんなっ……」
突然いのりが声を上げる。まつりの瞳は目じりが垂れ下がったまま恍惚とした笑みを浮かべていた。半開きになった口元からは
唾液が流れ、それが叫びを上げた姉の上にぴちゃりと垂れた。
いのりの瞳の中にまつりの舌先が入り込んできたのだ。柔らかい粘膜と粘膜が絡み合い、ぴちゃぴちゃと音を立てる。
感触自体に特別な感覚はない。しかし、いま行われている行為を、いのりは頭の中で反芻する。実の妹にキスをされ、
胸を吸われた。さらに、自分でも信じられないくらいに熱くなった体を持て余し、求め続けている。自分がしていることの
背徳感と、自分が犯されていることを再確認させられたいのりは、一度目の絶頂を迎えていた。
165 :
24-494:2007/12/13(木) 17:33:54 ID:5bmBsaXI
以上です。
タイトル間違えましたね。正しくは「猫祈り、奉り、司る」です。
申し訳ありません。
この後の「本番」に入るにあたり、率直な御意見頂ければ幸いです。
それではスレ汚し、失礼いたしました。
ここがエロパロ板であることを思い出しました。
GJ!
167 :
24-494:2007/12/13(木) 19:10:51 ID:5bmBsaXI
すみません。
2/5と3/5の間に3行ほど抜けを発見しました、謹んでお詫び申し上げます。
↓
床に倒れるはずのいのりは何故か絨毯よりも柔らかい感触を頬に受け、はてと小首をかしげて、
下を見る。そこにいたのは呑み仲間である、妹。
「あ、あんた、けっこう……」
168 :
24-494:2007/12/13(木) 19:15:45 ID:5bmBsaXI
3/5と4/5の間もだorz
情けない。
↓
息の荒くなったまつりが目じりを下げいのりのシャツの中に手を入れる。脇の辺りまで手を差し込み
そのままシャツを捲り上げる。
「ぃやっ!」
今後投下前確認をもう少しきっちり行います。失礼しました。
投稿テスト
なんでPCからだと投稿できないんだろ?
>>171 早い、早いよカテジナさん!!
カラーでこの速度ってどんだけー。
ああ、早く帰りてーーorz
>>165 多少の誤字脱字は別にして、丁寧に作られた文章だと思いました。
拒絶反応を示す人もいるかもしれませんが、作者=ツッコミの立場で
書かれた文章は面白いと思います。多少のユーモアを交えつつ
エロい雰囲気が出せていると思いました。「本番」も楽しみにしてます
関係ないけど
http://www.imgup.org/iup519233.jpg こなたって、みゆきのことこんなふうに思ってたのね……
これがまだ本番じゃないって言うんだぜ…
どうなるんだ…GJ
今日アニメ版のファンブックを買ってきた
おおよそ満足なんだが、なぜかこなたとかがみが部屋でエロい雰囲気になってるイラストが載ってない……
他にも載ってないのあるのかな?まさかあまりに百合フラグ過ぎて黙殺された?
>>175 キャラアニで現在テレカ発売中だから販促のためワザと外されたのかも
刺激か強すぎるから・・・というのは冗談としてピンナップ全部載ってる訳じゃないしな
「いやー、最近は新人さんも多くなってきて潤ってきたねー」
「でも新人さんは分かるのかな? このスレは大分特殊だよね」
「そうですね、大分浸透した設定とかがありますから」
「みゆき……特にあんたはね」
「えっ、どうしてですか?」
「ふっふっふ、大丈夫だよかがみん。そんな時のために開発したのがコレだヨ!」
「何よそれ、辞書?」
「そう……らき☆すたエロパロ用辞典だよ!」
「へぇ、あんたにしては気が利くじゃない……ア行はどうせ峰岸しか乗ってないから飛ばしましょうか」(柊ちゃんのくせにーっ)
「カ行ならほら、お姉ちゃんもこなちゃんも入ってるんじゃない?」
「そうね、どれどれ……」
-カ行-
・かがみ
ツッコミ役のため大概の人が主役にする。ほとんどのSSに主演、もはや主人公。こなたが好きなのはもはやスタンダード。
・かがみん
こなたがかがみを呼ぶ時に使用されるが、荒れるので最近はあまり使用されない。
・かがこな
こなかがとは違うらしい。一部で人気。
・かがみさ
かがみ×みさおのSSの総称。大概みさおの一方通行→こなたに嫉妬するコンボ。
・かなた
ある意味このスレの火付け役。てけてけかなたさん(◆cj23Vc.0u.氏)が一世を風靡し、多くのスレ住人を虜にした。
・黒キャラ
キャラがヤンデレ化した時の総称。大概流血沙汰。
・黒つかさ
自然発生。こなかが作品が当初から多かったため、横恋慕する形でヤンデレ化。
・黒ゆたか
星に願いを(23-251氏)に初登場。珍しくゆたかがヤンデレ化しサディストな一面を見せ一時流行った。
・こう
アニメしか見てない人は知らない人。
・ゴッドかなたさん
人として袖が触れている(ぶーわ氏)にて初登場。誤解されがちだが、かなたさんとは別人。SSに登場した神様がかなたさんの姿をしていたのをスレ住人がそう呼び始めたので定着。
--派生 ゴッドさん
ゴッドかなたさんがゴッドマンの仮面をつけたときの名称。
・こなあや
ねーよww
・こなかが
こなた×かがみのSSの総称。数が多いため、まとめページにも特設された。あまりに数が多いためか、一部の作品で皮肉られた。
・こなた
本編では主人公。スレでは病弱、ひきこもり、総受け……などなどあまり良い目をみない。スレ住人曰く「薄幸が似合う」とのこと。
・こなたんズ
壊れネタにて登場。50人50色のこなたのキャラが考えられた。
・こなつか
こなた×つかさの作品の総称。かがみの存在があるため、こなつか単品は珍しい。
・こなみさ
こなた×みさおの作品の総称。みさこな、と呼ばれることが多いがマイナー。ゴッドかなたさんは好きらしい。
・こなフェチ
こな☆フェチ(7-896氏)で初登場。こなたを全員が愛でるという話がスレ住人のハートを掴み、一躍ブームに。他の作品でもたびたび登場し、人として袖が触れている(ぶーわ氏)では世界を救った(?)。
--派生 ○○☆フェチ
色んなキャラを全員が愛でるという壊れネタにて登場。こな☆フェチほどのブームにはならなかった。
・粉雪
こなた×みゆきの作品の総称。作品が投下されるたびに「こなゆき、ねぇええええええええ!」と叫ばれることが多い。
・こなゆた
こなた×ゆたかの作品の総称。作品数も意外と多く、人気も高い。
・コラボ作品
20-612氏が発案。スレ住人の考えたキャラが競演した夢の作品。
・壊れキャラ
こな☆フェチでキャラが壊れ始めたのをきっかけに、壊れたキャラを呼ぶ総称。大概鼻血。
・壊れネタ
壊れキャラが登場する作品のこと。7-896氏のページに特設されている。
「……あら、ちゃんと出来てるじゃない。あんたにしては普通だし」
「でしょ! ふふんっ」
「ねっ、ねっ、お姉ちゃん。私のところは? 『つ』、『つ』っ」
「私のところも気になりますね、何と書いてありますか?」
「はいはい、えーと『つ』と『み』ね」
「あっ、ちょ……」
・つかさ
バルサミコ酢とか?
・みゆき
なんか鼻血
「……」
「……」
「えっえと、別にこれはさっ、時間がなかったっていうかさっ」
「お姉ちゃんのはちゃんと書いてたのに……こなちゃんの癖に、こなちゃんの癖に」
「いけませんよ泉さん、あまりオイタすると……食べちゃいますよ(どくどく」
「ギャー! まさかのコラボー!」
(終われ)
1レスの小ネタのつもりが2レスになっちゃいました
実名使いまくってスマソ
こういうのがまとめサイトにあってもいいと思うんだ
あ、名前とか作品名とか無許可で使っちゃったので保管はなしの方向でw
>>179 >--派生 ○○☆フェチ
>色んなキャラを全員が愛でるという壊れネタにて登場。こな☆フェチほどのブームにはならなかった。
まだだ!まだ終わらんよ!って人もいるだろうから、「なっていない」でいいんじゃね?
こなぁあああああああああゆきぃいいいいいいいいい
ねえ( ゚д゚ )
>>179 ・かがみさ
かがみ×みさおのSSの総称。大概みさおの一方通行→こなたに嫉妬するコンボ。
みさお「ぅゆ〜〜〜T△T ちびっこのくせに、ちびっこのくせにぃ〜〜;;」
185 :
7-896:2007/12/13(木) 22:20:05 ID:cVNe2VOi
〇〇☆フェチは、ネタが思い付きしだい全キャラやるつもりですよ。
おお!ぜひやってくれ!特にひよりん☆フェチとか大いに興味ありだ(゚∀゚)
ゆい☆フェチの予感…!
期待しまくって待ってます!
流れぶった切って申し訳ないのですが
作品の投下おkですかね?
>>178 >ア行はどうせ峰岸しか乗ってないから
あきら様涙目w
そこでそうじろう★フェチですよ
どんとこい!
ていうか、ここはSSスレだ。
何ためらうことあろう(゚∀゚)9m
192 :
6-748:2007/12/13(木) 22:35:24 ID:JqjfwHUG
そいじゃ投下させて頂きます
昨日予告した「冷えた身体に温もりを」の続きです
かがみ→こなた、4レスほどお借りします
久々に過去の作品を振り返って読んでみると楽しい。
『あふ☆いや』や『てけてけかなたさん』、『こなたルート』など……
ふと読み返していたら、『てけてけかなたさん』に、
かなたが『PIYOPIYOエプロン』を着てるシーンが……
まさか、この時点でかなたの声優を予想していたのか!!
>>188 ということで、過去の名作にも負けない新作期待しているよ!!
しっかり考えて行動しないと後先取り返しのつかない事になるのは分かりきっていた。
それでも我慢出来なくなって。
自らの欲望に身を任せた結果が最悪の形となってこなたと私の心に傷を残した。
届いたとしても
どのくらい走っていたのだろうか。心拍数は平常の倍速ぐらいの速さで肺は焼け付くように痛み、呼吸はかなり荒くなっていた。
それでも私は足を止めなかった。足が地面を強く蹴りだす度に雨上がりの帰り道は泥水が跳ね、一部が革靴や白色のニーソックスに飛び散る。
大分前からこなたが私を追ってきていない事は分かっていた。それにもしそうなら私の脚力では振り切れそうにないだろう。
私はこなたから逃げているのではない。
私の心の中で止め処なく増幅する不安や焦り、罪悪感といったものから逃げようとしているのだ。
どれだけ長く走っても、どれだけ速く走っても逃げようはないのに。逃げたら全てを失ってしまうのに。
そんな事、痛いくらい分かっているのに。
人目も気にせず走り続ける。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
家に着いた頃には、喉はカラカラに渇いており全身の至る箇所の関節が苦痛の声を上げていた。
軋む身体を気力で動かし玄関の前に移動してドアノブに手を掛ける。幸いにも鍵は開いており他に無駄な動作をせずに済んだ。先に帰っていたつかさのミスが今は有り難い。
「はぁ……ごほごほっ!」
呼吸を落ち着けようと大きく息を吸い込んだが、逆効果だったのか途端にむせ返ってしまう。雨に打たれたがまずかったのか頭がくらくらして意識の確立がままならない。
早く休みたい。今の私には休息と冷静になる事が必要だ。己の欲求を満たすべく私は自室へと疲労の所為で重い足取りで向かう。
つかさは私の言った通り勉強しているのか居間には姿が見えなかった。他の家族はまだ帰宅しておらず、私が部屋に入るまで誰とも会う事はなかった。余計な心配は掛けたくないし今の私ではまともに会話を成立させる事さえ難しいだろう。
一安心して自分の部屋に入る。鞄を床に放り投げ倒れ込むようにベッドに身をあずけた。
「はぁ……」
これで何度目の溜息になるだろうか。疲れていると思っていたのに不思議と目が冴えている。
私はこなたに告白した。しかし未だに実感が湧かないでいた。
何かが違う。何かが足りないのだ。
その隙間を埋める何かはすぐに見付かった。こなたの返事だ。こなたが私をどう思っているのかを聞かせて貰っていない。
しかし違和感の正体はそれではなかった。そう考えてから重大な事に気付く。
返答を聞く前に逃げ出したのは他ならぬ私だという事に。もし断られてしまったらという恐怖感を目前に逃亡してしまったのは私だ。
それなのに私は、こなたに告白したと勘違いしていた。自分の気持ちを伝えただけで満足してしまっていた。
こなたの返事を聞くのが怖かった。
私は告白なんかしていない。自己満足の為、自分の気持ちを強引に押し付けたに過ぎない。
自責の念が身体の奥底から込み上げてくる。
涙腺が決壊した。
「うぁ……」
声にならない嗚咽が喉から漏れる。
「うぁぁぁ……!」
私は枕に顔を埋め、泣き叫んでしまいそうな衝動を抑えるのに必死だった。
「ねぇかがみ」
こなたの声が聞こえる。
私はこなたと並んで人通りの多い街道を歩いていた。不思議な事にあれだけ痛みを発していた身体はすっかりと健康な状態に戻り、疲労感も吹き飛んでいる。
服装も胸の辺りに黄色のリボンが付いた服にジャケットを羽織り、お気に入りのミニスカートといつの間にか着替えていた。
「何?」
私は茶色のラインをあしらったジャージに膝下丈の短パン姿のこなたの方を向いて言った。繋がれた手に込められた力が強くなる。
こなたは笑っていた。
「かがみはどうして私の事好きになったの?」
何だか少し違和感を覚えたが、あまり深く考えない事にした。
はっきりとした理由なんてない。知り合ってから時間を共有していって、気付いたら想いを寄せていた。言葉にするのは難しい、一種の感覚的なものなのではないだろうか。
こなたの優しさ、儚さ、強さ。良い面も悪い面も全て含めて泉こなたという人間が好き。
明確な理由なんて必要ない―――
「おい見ろよ、女同士で手繋いでるぜ」
「えー?もしかして彼氏いないのー?」
「あれがレズってやつかよ」
そうこなたに伝えようとした時、見知らぬ通行人の声が聞こえた。
私の芯の弱さや思い込みが作り出した幻聴かもしれない。だがすれ違う人々から送られる冷たい目線は私の勘違いではなかった。
「私は……」
不意にこなたが私の返事を待たずに口を開いた。
「かがみとこうなって、後悔してないとは断言出来ない」
胸に大きく痛々しい刺が突き刺されるとほぼ同時に、広がっていた街頭の景色が色を失った。広がるセピア色の世界は瞬く間に漆黒の色に染まっていく。
空間の崩落が始まった。静寂の中音もなく崩れ落ちる世界。
私とこなたを繋ぎ止めていた手が離された。笑顔を失ったこなたによって。
私の中で何かが砕けた。
「……こなたっ」
私は温もりが消えた手を必死に動かそうとした。しかし身体が言う事を聞かない。ピクリとも動かないのだ。
どんどんと離れていくこなたは微かな光を纏っていた。その姿はやがてぼやけていき、周囲の時空も歪み始める。
苦しそうな、私を恨んでいるような表情でこなたの身体が背景の闇と一体化していく。
「こなた!こなたぁ!」
私の叫び声は何の意味も持たなかった。
廃墟のような世界が反転する―――
「こなたっ!」
―――私は叫びながら上半身を起こした。周囲を見渡せば窓、机、扉。服装は気合の入った外出用の私服ではなくセーラー服。
「……夢か」
目が覚めた今思い返せば幾らでも不自然な点は思い当たった。
そこまで気が回らなかったのか、正夢を見ているようで認めたくなかったのか。
今となってはどうでも良い事だ。今も思考力が低下しているらしく考える気にすらなれなかった。私はベッドから降りようとしたが……
「あいたたた……」
全身に激痛が走った。仮眠を取る前の気だるさはなくなっていたが筋肉痛はまだ治っていないようだ。
動けないと思うと一気にだるさや面倒臭さが私を支配する。結局ベッドから降りるに降りれず、私は上半身だけ起こしたままボーっとしていた。
「お姉ちゃん?」
廊下から妹の声がする。
「何?入って良いよ」
私がそう答えると、控えめに扉が開かれてつかさが室内に入ってきた。
「お姉ちゃん、何かあったの?こなちゃんの名前、凄く叫んでたけど」
「え!?」
私の寝言は思ったよりも大きく、勉強中のつかさにも筒抜けだったらしい。
「えっと、ちょっと電話しててね、それでヒートアップしちゃったのよ」
「そうだったんだ」
誤魔化せるか誤魔化せないかギリギリのレベルの嘘だったが、それでもつかさは納得してくれたようでそれ以上の追及はしてこなかった。
ごめんねと心の中でわざわざ心配してくれた心優しき妹に謝る。
本人にもちゃんと伝えていない想いをまだ言うわけにはいかない。
私がもう一度、ちゃんとこなたと向き合って、想いを伝えたら―――
つかさにも、勿論みゆきにも全てを伝えよう。私は心の中で誓った。
「それよりもつかさ、あんた私に用があって来たんじゃないの?」
「あ、うんっ。ちょっと分からない問題があって……」
私は椅子に座るようつかさに促して、持ち込まれた数学の問題集のチェックが付いた設問に目を通し始めた。
「つまりこれは相加平均と相乗平均の関係を使うのよ」
「へ〜、さっすがお姉ちゃん」
その台詞はもう聞き飽きたわ。私の解説に偶に相槌を打ちながら問題が解けるごとに感嘆の声を上げるつかさ。本当に理解しているのかどうか心配になる。
つーかどんだけチェックマークがあるんだ。数問かと思っていた私の予想と現実は掠りもしなかった。
「本当に理解してんの?」
「えっ!?いや、少しは……」
その少しがどれぐらいなのかは分からないが一応理解はしているらしい。
「……ちゃんと後で復習しとくのよ」
私はそう釘を刺して問題集の頁を捲ると、次のつかさが出来なかった問題を探す。
うわ、応用問題は半分以上チェックじゃない。まぁ基本であれだから仕方ないか。
「この問題はね……」
自分の復習や確認にもなると思って、私は一問一問丁寧に説明していく。
「つかさー、かがみー、ご飯よー」
リビングの方から聞こえる、私達を呼ぶお母さんの声。
「もうそんな時間か」
時刻を確認すると七時を回っていた。
「続きは夕飯の後ね」
「うんっ」
つかさに続いて私も自室を出て、他の家族が集まっているリビングへと向かう。
そうして普段通りに食事を済ませた。会話に支障も来さなかったし何ら普段の食卓と変わりはなかった。こなたはちゃんと美味しく食事を取れているだろうか。
夕食後、残った問題を片付けて違う教科の勉強を少しやり、入浴を終えて就寝まで読み掛けのラノベを読み進める。欠伸が出始めた頃にそろそろ寝ようと本日二度目のベッドに横たわった。
明日に備えて寝るべきなのだろうが、全く眠気は襲ってこなかった。今日の事、明日の事、そしてこれからの事を考えるとどうしても身体が寝る事を拒否してしまう。
でも私には、自分の気持ちを伝える事しか出来ないのだ。
だったら―――
「あれこれと考える事ないわね」
私は色々と交錯する想いを断ち切るように呟いて布団を被った。
明日する事は決まっている。なら迷う事はない。
その結果がどうなるかは分からない。ならその後の事はその後考えれば良い。
気持ちの整理がついた私は次第に瞼が落ちていった。
「こなちゃん遅いね」
「そうね」
翌朝、私とつかさは駅でこなたの到着を待っていた。待ち合わせの時間はもうとっくに過ぎている。
もしかして、避けられてる?私の頭をそんな疑問が過る。
あり得ない事もないだろう。そうなってしまいかねない事をしてしまったのだから。
「お姉ちゃん、もう電車来ちゃうよ」
「しょうがないわ、私達だけで行きましょう」
一体どうしたというのだろうか。こなたに何かあったのだろうか。
原因が私じゃない事とこなたの身に何もない事を祈りながら、私は電車に揺られて学校に向かった。
「じゃ、また昼休み」
「うん、またね」
学校に着きつかさに別れを告げると私は自分の教室に向かった。クラスメイトと軽く挨拶を交わし机のフックに鞄を掛ける。
―――こなた、本当にどうしちゃったの?
その事しか考えられなくなり、私は携帯を取り出して電話帳を開いた。そこからこなたのメールアドレスを引っ張り出しそれに宛ててメールを作成する。
『今日休むの?』
あまり長ったらしく文章を書くのも気が引けたので、短い言葉で話の旨だけを伝えるメールをこなたの携帯に送信した。すぐに返信が来るはずもないから私は一時間目の準備に取り掛かる。
休み時間、携帯を確認するが新着メールはなし。次の休み時間も結果は同じだった。
これはつかさに聞くしかないか。別れ際に昼休みにと言ってしまったが、私はつかさの所属するクラスに足を運ぶ。
授業で分からないところでもあったのだろう、つかさはみゆきの席にノートを持っていって何かを聞いているようだった。
やはりそこにこなたの姿はなかった。教室内を見渡しても蒼い長髪の女子生徒の姿は見当たらない。
「あ、お姉ちゃん」
出入り口付近で突っ立って考え事をしていた私に気付いたらしく、つかさはみゆきと一緒に私の方に歩いてきた。
「こなたは?」
ほぼ確信していたが念の為確認する。
「今日は休みだって」
「先生のお話によりますと風邪を引かれたようで」
みゆきが委細を説明してくれた。風邪という事は恐らく昨日の雨に濡れたのが原因だろう。
「そう、ありがとう」
私はそう言って教室から離れていった。
私の所為だ。こなたは否定してくれたけど私はそうとしか思えなかった。
単にそれを理由にこなたに会いたいだけなのかもしれないけど―――
私は自分の教室に帰ると、荷物を持って下駄箱を目指した。
こなたと向き合う為、授業中の学校を一人抜け出す。
待っててこなた―――
198 :
6-748:2007/12/13(木) 22:42:39 ID:JqjfwHUG
終わりましたー
かがみの切ない物語は後少しだけ続きます
次からやっと絡みシーンが書けるw
ぐじょーぶ!
かがみんの切ないきもちが手に取るようにつたわってきたよ。
次は絡みか?からみなのかっ!(゚∀゚)
濃厚にねっとりぐっちょりと・・・・
かがみ「こなた、何かバカっぽいよ」
GJでした。
1レス目のかがみの疾走感から一気にのめりこみました。
くるのか、ねちょぐちょ。
この描写の上手さでどう来るのか期待してます。
>>198 切なさ炸裂とはこのことか。片思いの行く末にはらはらしながらGJ。
>>198 GJ!もう少しこの感覚が続くのか…こなたは大丈夫なのかな。
風邪ってのは口実だとほぼほぼ確信してるけど。会ってくれるかが心配。
何はどうあれ、次が楽しみですー
203 :
24-494:2007/12/13(木) 23:42:54 ID:5bmBsaXI
>>198さん 乙でございます。
仕事終わったら、ゆっくり読ませていただきます。
>>166さん
>>173さん
ありがとうございます。
自分では「エロく無いんじゃないか?」って心配してたんで、
ちょっと安心しましたw
>>171さん
拙作のためにわざわざイラストを……感無量でございます。
GJ&ありがとうございます。
自分のイメージどおりのイラストで描写にちょっと自信持っちゃいそうですw
次回は「本番」参ります。タイトルどおり、”あの人”も参戦します。
でわ ノシ
ちょっと目を離すと
>>178氏の小ネタとか
>>198氏のSSとか、相変わらず職人さんGJ!!
>>203 イメージから外れてなかったようでヨカター( ´∀`)
目を凝らすと唾液とか愛液とか見えるかもしれませんw
本当はもっと汁たっぷりにしたかったんですが、どうも汁表現が上手くできませんorz
妄想屋さんみたいなシルマスターになるにはどうすれば…
1 :名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 14:16:32
1日半で150KB超〜読むのが追いつきません。
相変わらず、凄まじい速度ですね。
今から投下いたします。
207 :
23-251:2007/12/14(金) 01:00:28 ID:gU/iaSP6
「星に願いを」 第15話(最終話)
・こなかが入れ替わり
・続き物
・エロあり
15.
冬の代表的な星座。オリオンが暗く浮かびあがる赤銅色の月に
鋭い視線を投げかけている。
「こなた……」
皆既月食が始まると同時に、私達はもつれる様にベッドに倒れ込む。
50分後までに全てが決まるけれど、敢えて今は忘れよう。
ただ、ひたすらにこなたを愛することだけを考えることにする。
まず、こなたの首の後ろに回し、甘くて、とても切ない口付けを交わす。
「ん…… 」
耳朶に微かに届く息を漏らしながら、こなたは微かに唇を動かした。
ぷにぷにとした弾力がある感触が伝わって、体の芯が熱くなる。
私は『私』の身体と、こなたは『こなた』の身体と交わる。
究極の自慰ともいえる変則的な交わりだ。
「ん…… くぅ」
軽いキスに、物足りなくなって、こなたは唇をこじあけて
舌を絡めてくる。
とろりとした唾液が、私の喉に流れ込んでくる。
生理的には『私』の唾液だけど、背中がぞくりと震える。
「んんっ」
私も、こなたに負けじと舌を伸ばして、歯茎から頬の粘膜を
丹念になめとる。
「く…… んんっ」
深く貪るような深いキスを続けながら、こなたの背中をぎゅっと
抱きしめて白い太腿をからめる。
こなたの体温が太ももに伝わって、下腹部がじゅんとなってしまう。
「んんっ」
ディープキスはずっと続いていたけど、流石に息が苦しくなって
唇を離す。
薄い粘性をおびた半透明の液体が、闇の中で伸びて千切れて、
シーツに落ちた。
「こなた。脱がすよ」
「『かがみ』の身体だから許可は要らないよ」
こなたの返事に苦笑すると、私は『私』の身体のブラウスを
脱がしにかかる。
一つ一つ丁寧にボタンを外すと、白い飾り気の無いブラが見えて、
『私』の素肌が、晩秋の冷たい空気にさらされる。
ストリップをしているようで、とても恥ずかしいのだが、
同時に、背徳的な興奮を覚えてしまう。
顔を赤らめながら『私自身』の身体をぬがしている姿を
みて、こなたはにやりと笑って言った。
「『かがみ』の身体っておっぱいあるから、十分楽しめたよ」
「何やってたのよっ」
私はかっとなって怒鳴った。しかし、こなたにすぐに
反撃される。
「かがみだって『私』の身体を、好き放題、欲望に身を任せて
いじくりまわしたんじゃない? 」
こなたは、私に上着を脱がされながらも、含み笑いを
浮かべて私を見上げた。
「う…… うるさいっ」
「図星かな」
私は狼狽して何も言い返せない。悔しくて恥ずかしい話だけど、
大当たりだったから。
私とこなたが入れ替わった日以来、こなたの反応が良すぎる
身体の虜になってしまい、結局、毎晩自慰をしてしまった。
こなたの体で絶頂を迎えるたびに、罪悪感に苛まされて、激しく
後悔してしまうけれど、次の日には、あまりにも完備な誘惑に勝てずに
下半身に手を伸ばしすという、はしたない行為を繰り返していた。
「が、我慢できなかったのよ」
「嘘をつけない、かがみんに萌えるねえ」
ショーツとブラだけになったこなたは、満足げに頷くと、私の服に
手を伸ばす。
スカートまで手際よく脱がされて、あっという間に下着姿にされてしまう。
「黒のブラなんて、私を挑発する気かな? 」
「そ、それは昨日、店で買ったのよ」
「かがみんは、黒が似合うねえ」
笑みを浮かべたまま、人差し指でブラの頂上をつついてくる。
「ひゃん! 」
電流が奔って私は小さく身体を震わした。本当に『こなた』の身体は
敏感すぎる。
私の反応に調子にのったのか、こなたは利き手でブラの上から乳房を
円を描くように丁寧に愛撫をはじめてきた。
「こ、こなたぁ…… んんっ」
痺れるような快感がたて続けに襲ってくる。私は、何度も喘ぎ声をあげて
こなたにしがみつく。
暫く、私の反応を十分に楽しんだこなたは、愉悦の表情を浮かべたまま、
私の背中に手を回した。
ブラのホックがあっさりと外れて、今日の為に買っておいた黒色のブラは
ベッドにぽとりと落ちる。
こなたは、私の胸元にもぐりこんで、今度は直に乳首の上を舌でつついた。
「やめ、んあああっ…… 」
先ほどとは比べ物にならない大きな刺激に、私は、大きく背中を
そらして叫んだ。
第一ラウンドは一方的に攻められっぱなしだ。とても悔しいので、
そろそろ反撃といきたい。
「こなたばっかり、ずるい」
私は、乳房をなめているこなたから必死で逃れると、彼女が身に
着けている下着に手を伸ばす。
なにせ『私自身』のブラだから直ぐに外せる。自分の胸と桜色に染まって、
硬く膨らんだ乳首が空気に晒された。
指先の腹の部分でなでるように、『私』の乳房を触っていく。
ほとんどオナニーをしているような感覚だが、快楽の池に溺れていくのは
私の恋人だ。
「ちょ、待って、かがみっ」
こなたの口から、ようやく私が待ち望んだ悲鳴が漏れた。
指先から何とか逃れようと、こなたは身体をゆさぶるけど、
のしかかるようにして、こなたの身体を抑えながら、執拗に
愛撫を続ける。
私は、こなたの乳房を揉みながらも、もう一方の手を下半身に
伸ばした。
クロッチの辺りに手を伸ばすと、湿り気を帯びている。
「こなた。濡れてるね」
「な、そんなことないもん」
こなたは、子供っぽい口調で否定する。
「でも、ぐしょぐしょよ」
意地悪な口調でこなたの耳元で囁く。そして、下着の上から
人差し指と中指の腹を使って丹念に擦り始める。
「んんっ…… かがみぃ…… ひゃんっ」
大事な部分の上を指先が通り過ぎる度に、こなたの体は
びくびくと跳ねる。
最初は湿っている程度だったけど、加速度的に下着に染みが広がってくる。
「こなた。汚れるから脱がすね」
「ちょ、まっ」
こなたは慌てて下着に手をあてて脱がされまいとする。
「待てない」
私は冷然と言ってこなたの手を取り払うと、腰を持ち上げさせて、
女の子の大切な場所を守る下着をするりと抜き取ってしまう。
「うひゃうっ」
声が裏返っている。普段は表情の変化が比較的乏しいこなたも、
今は顔が真っ赤に染まっている。
「こなた。さわるよ」
返事を待たずに、私は、『私』の大切な部分に手を伸ばす。
何しろ自分の身体だ。どこが一番敏感なのかどこの誰よりも詳しく
知っている。
「ば、ばか…… そこだめっ…… ひゃあ」
秘められた場所の周囲を丁寧に愛撫しながら、こなたは嬌声を部屋中に
響かせた。
瞬く間に、クリと呼ばれる突起は大きく膨らんで、周辺からは大
量の液体があふれ出す。
「かがみ…… やめっ、あうぅ」
身体をよじって、何度も喘いでいる。
こなたが、あまりにも気持ちよさそうによがっているのを見ると、
私の身体も、たまらなくなってしまう。
「こなたあ、私もしてよ…… 」
「な、何をすればいいの」
こなたは、蕩けるような声で尋ねる。
「あの、あのね」
自分から言うのは、猛烈に恥ずかしい。
「んっ…… はっきりいってよ」
愛撫によがりながらも、こなたは意地悪そうな目線で
私に恥ずかしい台詞を言わせようとたくらんでいる。
またまた、攻守が逆転しそうだ。
でも、私だって気持ち良くなりたい。
顔から火のでるような恥ずかしい気持ちを振り払うようにして、
声を絞り出す。
「わ、私のアソコを、舐めてほしいのよ」
卑猥すぎる言葉に、流石のこなたも目を白黒させていた。
頼むからそんな目で見るのはやめて欲しい。
「かがみって、底抜けのエロだね」
「仕方ないでしょ」
「自分に正直になることはいいことだよ」
こなたは嬉しそうに瞳を輝かせて、私の穿いている黒いショーツを
剥ぎ取り、秘所をじーっと眺めている。
「うーん。『私』のアソコってこんな色をしていたんだ」
こなたは、私の太腿をこじ開けて、頭をつっこませる。
全裸で大股開きの姿勢は、途方も無く恥ずかしい。
私は自分の顔を手で覆ったけど、それでも、指の間からこなたの
揺れる頭をちらちらと見てしまう。
こなたはアソコを散々堪能したあと、ようやく舌を伸ばしてくれた。
「こなた、ちょ、あっ…… ああっ、ああっ」
アソコの粘膜にざらついた舌が直接触れて、私は甲高い悲鳴をあげた。
あまりにも強烈な刺激に、狼狽して後ずさろうとするけど、
こなたが両腕をのばして、私の身体をがっしりと押さえつけてしまい、
逃れられない。
「いやあ、あ、あううっ」
私は何度も、荒い息を吐きながら腰を淫らにくねらせる。
こなたの絶妙な舌使いに、快楽の波が次々に押し寄せて、ほとんど何も
考えられなくなってしまう。
「駄目っ、こなた、そこ気持ち良すぎっ…… んあああっ」
よがり狂う私の痴態を眺めながら、なんと、こなたはアソコの愛腋を
すすっていた。
「嫌あああっ、飲まないでよっ」
あんまりな行為に私は激しく首を振った。
「かがみんのラブジュース、あっ『私』のだけど。とっても美味しいよお」
「こなたの、馬鹿あっ」
首筋まで真っ赤になりながらも、こなたの舌遣いに私は嵐に浮かぶ
小船のように翻弄され続けている。『私』の二つのテールが
太腿にかけながら、絶頂に導こうとこなたは夢中でアソコを舐めている。
「こなたぁ…… ひゃん。だめ、いっちゃうから、だめえええ」
涙目になって必死に哀願すると、ようやくこなたは顔をアソコから
離してくれた。
「かがみは、本当にえっちだねえ」
「アンタが、激しすぎるからいけないのよっ」
私はゆでたこのような顔で叫んだ。
「かがみん。二人一緒に気持ち良くなりたいよ」
こなたも、堪らなくなったのか、物欲しそうな目で私を見つめてくる。
「だったら貝合わせしよっか」
私は、思わず口走ってしまった。
「マニアックすぎだね。かがみ」
こなたはにやりと笑った。
貝合わせとは…… 女の子同士が向かい合って「アソコ」同士をすり合わせる
という、とても卑猥な性技である。
どうして知っているのかというと、ライトノベルの隣にあった百合物の
18禁小説をついつい、立ち読みしてしまったからだ。
美少女ゲームを、こよなく愛するこなたの事を言えなくなってしまうけど。
まさか自分自身が実践することになるとは、露とも思わなかった。
「い、いくよ。こなた」
「らじゃー 」
ベッドの上で向かい合って座り、太腿を絡み合わせて、アソコの位置を合わせる。
私は『私』、こなたは『こなた』、まるで鏡を見ているような感じだが、
全裸で大またを広げている格好は、いろいろな意味であまりにも危なすぎる。
ただでさえ、底をつきかけている理性を跡形も無く吹き飛ばすには
十分な威力だ。
「かがみ、これって何てエロゲ? 」
「知らないわよ! 」
真っ赤になって口では言うけど、既に欲情の深い海にもぐりこんでいる。
私は、羞恥心を吹き飛ばしてこなたに要求した。
「アソコ…… 動かして」
『こなた』の生えかけの恥毛と、もう少し密度の多い『私』のそれが、
淫らに擦り合わされる。
「もっと強くして」
恥毛の奥にあるひだの粘膜があたり、くちゅくちゅという卑猥な音が
奏でられる。
クリも同時に接触して、こなたはむず痒そうな顔をして喘ぐ。
「ふあっ……あん、んん」
膣から溢れた愛液が混ざって、二人の間のシーツの染みがどんどん
拡がる。
貝合わせは、たまらなく扇情的な行為なんだけど、接触を続けていく
うちに、物足りなくなってくる。
女の子同士では膣の中までは刺激することができないからだ。
「ねえ。こなた…… 」
「ん? 」
「もっと気持ち良くなりたいよ」
普段なら死んでも言えない様な、恥ずかしい台詞がぽんぽん飛び出る。
「かがみ…… 今日は飛ばしてるね」
私とこなたは再びベッドにもつれるように倒れて、深いキスをする。
悦楽に酔いながら、つんと立った乳首をこすりあわせて、お互いの
利き手をアソコに伸ばす。
「んあっ…… 」
耳朶にこなたの嬌声が響く。反応があったことが嬉しくなって、
私はアソコへの刺激を強める。
同時に、こなたは眉をひそめながらも、懸命に私の大事な部分を
揉みほぐしていく。
「んああっ、いい…… いいよお」
こなたの指が私の膣を出入りして、その度に、ぴしゃぴしゃと液体が
外に飛び散る。
「こなたあ…… んあ、こなたああ」
私は、恋人の名をうわ言のように繰り返して呼びながら、
ひたすら睦に指を突っ込み、欲望の赴くままにかき回す。
「ああっ、いっちゃうよ…… かがみ、わたし、いくっ」
「私も…… んあ、んああっはあああ」
快感が急速に高まる。
私はこなたを気持ち良くさせたくて、こなたは私を絶頂に
導きたくて懸命に指を動かして、身体がその度に生きのいい魚の
ようにびくびくと跳ねる。
「だめ、こなた。いくっ…… いくあああっ」
「かがみ…… わたしも、んあっ、ふああっ」
二人の呼吸がどんどん荒く短くなる。
体のあらゆる場所から大量の汗が噴き出して、白いシーツを
べったりとぬらす。
「もう、だめ、いっちゃう、いっちゃうよお…… 」
私も、こなたも限界が近い。
「一緒に…… 」
私は、辛うじて声を絞り出すと、指の動きを早く強くする。
「ああああっだめ、だめ、こなっ…… 」
「かがみ…… イク、いっちゃう、ああああっ」
加速度的に快感が高まり、もう後戻りは不可能だ。
私とかがみは、悦楽の頂きに駆け上がり、最高峰で弾けた。
「んあああああっ…… うああああっ」
「んんっ…… んあああああっ」
突如――
白く強い光が差し込み、私とこなたの周囲を包み込む。
あまりにも強烈な光で、視界は真っ白で何も見えない。
白色の世界はたっぷりと数分は続いたが、強烈な白光は、
現れた時と同じように突如として消え去り、私とこなたは
元に戻っていた。
「かがみ…… 戻ったね」
「うん…… 」
私は、こなたの顔を見ながら何とか掠れた声を出して頷いた。
しかし、体力、気力ともに限界に達していて、次の瞬間に
ベッドに倒れ込んだ。
ほぼ同時に、こなたも糸が切れたように崩れ落ちる。
私達は、喜びに浸る余裕すらなくて、深い眠りに落ちてしまった。
翌朝。
私達が付き合っていることは、あっさりとこなたのお父さんにばれてしまった。
理由はあまりにも莫迦莫迦しい。
こなたの部屋の鍵をかけていなかった為、帰宅したこなたのお父さんが、
彼女を探して部屋に入ってしまい、素っ裸で抱き合うようにして眠っている
私達を見てしまったようだ。
次の日の朝、毛布と掛け布団をかけられていることに気がついて、
私は、マリアナ海溝の底にもぐりたい気分になった。
しかし、こなたのお父さんは、私のゆでたこのような顔を見ると、
苦笑混じりに「こなたをよろしく」と行ったきり、何も非難めいたことは
言わなかった。
ただ、背を向けた後に「百合萌えは守備範囲外のはずなんだがなあ」
と自分に言い聞かせるように呟いていた台詞は、はっきりと聞こえて
しまったけれど。
あまりにも恥ずかしくて、すぐにでも逃げ出したい気分だったけれど、
結局、こなたに押し切られて、朝食をいただくことになった。
こなたが作るメニューはご飯に、薩摩芋のお味噌汁、スクランブルエッグ
と野菜の盛り合わせだ。
ごくありきたりのメニューだけど、味噌汁の腕前は悔しいことに
私より断然上手い。やっぱり、経験を積まないと駄目らしい。
泉家を辞そうとする時に、岩崎みなみちゃんの家に泊まりに行っていた、
ゆたかちゃんが帰ってきた。
彼女はこなたの顔を見ると、嬉しそうに飛びついた。
「うおっ、ゆーちゃん。どうしたの? 」
「よかった…… お姉ちゃん戻ってきて、本当に良かったよ」
暫く、こなたの小さな胸に顔を埋めて、ゆたかちゃんは
泣きじゃくった。
ゆたかちゃんは、ようやく泣きやむと、私の方を向いて、
「かがみ先輩。本当にごめんなさい」
と、深く頭を下げた。
「う、うん。分かったわ」
私は、ありきたりな返事しか言えなかった。
あまりにも異常な経験をしすぎて、思考が鈍っていたのかもしれない。
頭をあげたゆたかちゃんは、傍に近づいてきて、私だけに
聞こえるような小さな声で囁いた。
「かがみ先輩。私、負けませんから」
完全な宣戦布告だ。
面白い。受けて立とうじゃないか。
「今度は、召還魔法はナシだからね」
私が悪戯そうに笑うと、ゆたかちゃん頬を少し膨らませて言った。
「こなたお姉ちゃんは、かがみ先輩と相思相愛ですけど、
くれぐれも油断しないでくださいね」
あどけない笑顔と対照的な、小憎ったらしい挑発的な言葉だ。
「ゆたかちゃん。あなたには負けないから」
私も言い返し、こなたに抱きついて、ゆたかちゃんに
見せつけるように、キスをしてみせる。
「かがみ!? 」
「むー 」
ゆたかちゃんは更に頬を膨らませた。
そして、こなたに駆け寄って、頬に軽く唇をあてる。
「ゆ、ゆたかちゃん!? 」
こなたは立て続けにキスされて、目を白黒とさせている。
「今日は、ほっぺで我慢します。かがみ先輩」
「唇は絶対に許さないからね。ゆたかちゃん」
結局、火花を散らしながら泉家を後にすることになってしまった。
『前途多難』という言葉が、今の私にはぴったりと当てはまるだろう。
電車を乗り継ぎ、久しぶりの我が家につく。
私の顔を見ると、つかさが嬉しそうな顔をして飛びついてきた。
「よかった。お姉ちゃん良かったよお」
一瞬で『入れ替わり』が終わったことを見抜くとは
流石、双子というべきだろう。
「よく分かったわね。つかさ」
「うん。こなちゃんとお姉ちゃんの雰囲気って、全く違うもん」
つかさは、普段はおっとりとしているけれど、見るべきところは
しっかりと見ている。
「それから、お姉ちゃん」
ひとしきり、喜びを分かち合ったところで、つかさが改まった
口調になる。
「なに? つかさ」
「私、こなちゃんから手を引くつもりはないからね」
「あんたもか」
つかさにも、巨大な釘をさされた感じだ。
「だって、こなちゃん好きなんだもん。いくらお姉ちゃんと相思相愛でも
あきらめないから」
つかさはきっぱりというと、軽やかに身を翻して自分の部屋に
戻ってしまった。
つかさの後ろ姿が消え去った後、私は一週間ぶりに自分の部屋に戻ると、
勉強机の上に一枚の便箋が置かれていた。
手紙の書き手はこなただ。
お世辞にも綺麗な字とはいえないが、PCの申し子みたいなこなたが、
敢えて肉筆で綴った字には無上の温かさを感じる。
私は、貪りつく様に中身を読んだ。
かがみへ。
もし、私とかがみが元の姿に戻れたら、かがみはこの紙を見ていると思う。
『入れ替わり』なんて超常現象に驚きまくったし、ゆーちゃんが原因だって
ことが分かった時は、正直へこんだよ。
私は、ゆーちゃんの何を見ていたんだろうって何度も思った。
あと、つかさとあんな事してごめん。でも、かがみも、ゆーちゃんとイイ事
してたからおあいこかな。
ゆーちゃんは妹のような子だし、つかさも大切な親友だけど、一番大好き
なのはやっぱりかがみなんだ。
かがみとしゃべったり、ゲームしたり、じゃれあったりするのも好きだし、
かがみが宿題を自分でしろとか注意をしてくれるのも、私の為を思ってのことだと
分かってる。
今までかがみに甘えてばかりだったけど、もっとしっかりしないといけないね。
急には変われないとは思うけど。
もし、元に戻れたら、かがみと二人で遠くに旅行にいきたいな。
できれば、沖縄のような南の海がいい。
かがみ。沖縄なら埼玉で見れない、南十字星が見れるんだよ。
私は、南の低い空に煌くあの星に願いたい。
かがみといつまでも一緒にいれますように。
(了)
223 :
23-251:2007/12/14(金) 01:18:15 ID:gU/iaSP6
温かい感想を頂いた皆様。そして、読んでくださった全ての方に感謝いたします。
なんとか話を終えることができました。
SSを完結させることがとても苦手でしたので、最後まで書ききることがまず最初の目標でした。
そして、もう一つは、エロくてストーリー性のある話を書くことでした。
こちらの方は上手くできたかどうか、正直言って分かりません。
読者の皆様方のご判断にお任せしたいと思います。
「らき☆すた」スレが今後も楽しい場所であることを願いつつ、後書きを終えたいと思います。
本当にありがとうございました。
まずはGJをいわせてもらう、超エロGJ!
そして完結おめでたう!
エロも見事だったし、2人の描写、そして周りの関係性もよろしかった。
2重にも3重にも楽しめる作品だったと思います。
重ねていいます、GJお疲れ様。
みゆき「わたしも泉さんをあきらめませんだばだばだば」
こなた「ぬおっ!みゆきさんいつの間に!」
みゆき「私を仲間はずれにするなんてみなさんつれないですだばだば
私も参加します、まずは熱いベーゼからだばだば」
こな・かが「こらwwww鼻血出しながら迫るなwwwwwアッー!!!」
>>223 リアルタイム遭遇った!
ぐっじょぶ一言だけじゃ全然足りないんだが、あえて言わせてくれ!
GJ!!!!!!
気づいたら読みふけっていて、投稿されるのを楽しみにしてた作品です。
自分もこんないい作品書いてみたいんだぜ…。
是非次の作品も楽しみにしてます…!
完結おつかれさまでした!
ああ、そうだ。
説明文がなんとか読めるよう、やたらと巨大ですのでご注意を……
(説明文は完全に俺の妄想であり、実在の原作・アニメ・SSとはなんら関係ありません。)
>>227 ちょwwwwwwまた貴方はなんてものをwwwwwwwwwwww
>>223 あああああああああ!!
なんたるGJ!
このシリーズが大好きで、楽しみだったから終わっちゃったのが何だか悲しいんだぜ
>>223 完結お疲れ様でした!GJ!
言葉じゃ表せないくらいGJ!
次回作も頑張ってください
>>223 完結お疲れ様でした。
DVD通常版のあの下手字で、それでも一生懸命にラストの手紙を綴っているこなたを想像して頬が緩みます。
あと、「負けませんから」宣言はラブコメの華だなあ、とか。ぐっじょぶでした!
>>227 「これは……趣味の世界だねえ」(某二課の泉巡査談。ちなみに原作版)
いやもう。可愛いしスカート丈短くて生足だし裏設定で色々噴くし。GJでございました。
>>223 まずは完結お疲れ様でした。GJすぎるのですよ
読んでる間、頭ではわかっててもこなたとかがみが脳内映像にしようとするとごっちゃになって、
どっちがどっちだかわからなくなってたりもしましたわぁ…想像力不足orz
ロマンチックなこと書いたこなたが可愛いのです。やっぱりこの二人は大好きだ!
ぬるぽ
>>232 そいや、パトレイバーの野明も、苗字は泉だったなあ。
こなた「野明だけはガチ」
かがみ「意味がわからん」
こなた「フォワードとバックアップは一心同体!
かがみんはツッコミ役だからバックアップ
遊馬もツンデレ気味だからピッタリだね」
かがみ「ツンデレいうな。ていうか、それってつまり、あんたの
フォローってことだよね。冗談じゃないわよ」
こなた「TωTかがみんのいけず…」
かがみ「バックアップか…まてよ、そうねえ、
後ろからのツッコミ役ってことだよね?」
こなた「そうだけど…」
かがみ「気が変わった。やっぱり引き受けるわよ。
安心して後ろを貸しなさい。一心同体いくわよっ!」
こなた「えwwwwちょまwwwww意味ちがwwwwwアッーーー!!」
かがみ「やっぱりバックよねぇ…(うっとり)」
>>223 完走乙です。
やっぱこなかがいいなー
これから繰り広げられていきそうな戦いにもニヤニヤ。
ところで、以前別スレでらきすた物書いてませんでしたか?
こっちにはこないのかなぁなんて思ってたんですが
もし心当たりがあったら、そっちの作品も好きでした。
人違いだったらスマソ。
240 :
柊tks:2007/12/14(金) 17:59:20 ID:T3tW1mYe
>>236 かがみ姉貴オッスオッス!
自分、前いいすか。
241 :
hndmyk:2007/12/14(金) 18:40:45 ID:Ac7hGFmc
tksさんは私のものです(決定事項)
ええ、お次はお小水です。
所で、この胸をごらんください、こちらをどう思われます?
まずはいらしてください(ズルズル)
投下します
『狂った歯車は壊れゆく』の続き
一番報われていると思われる終わり方でここでは完結させます
ゆたか→こなた
非エロ
8レス使用します
初投下させていただきたいのですがよろしいでしょうか。
かがみとつかさのSSです。エロはありません。
入学前後の設定に若干の設定違いがあります。
かがみのキャラは少し弱気気味です。
4スレです
245 :
242:2007/12/14(金) 19:20:57 ID:Q/19EWJQ
あ、ご親切にどうも
先に行かせて頂きます
「ただいまー」
玄関を開けようとし、だけど鍵がかかっていて開かない事で
私はお父さんがいないんだと思い出した。
邪魔になるから傘をとじて鍵を取り出す。
鍵を開けて家に入った途端に雨が本降りになった。ギリギリセーフだ。
傘立ての中に使っていた安物のビニール傘を差し込む。
傘をさしていたって全然濡れずにすむわけじゃない。
横風が吹くと傘で防ぎきれなくて制服は濡れてしまった。
寄り道せずにぼんやり歩いていたから水溜まりに入ってしまい
ローファーの中まで染み込んだ水が冷たくて気持ち悪い。
さっさと着替える事にした。
風呂場からタオルを取り出し、自分の部屋に行き鞄を放り投げる。
濡れた制服と靴下を脱ぎ捨てて、暖かそうな服をチョイス。
下着姿は寒いので素早く服を着て制服をハンガーにかけた。
濡れている髪や腕、足を拭き、役目が終了したタオルと靴下は洗濯機へ投げ込む。
いつもなら、お父さんがいるから暖房が利いたリビングで丸くなるところだけど、
今日はお父さんがいないから暖房が利いていない。
自分の部屋の暖房を入れ、利くまで手っ取り早く温まる為に台所へ行きお茶を沸かす事にした。
ヤカンに水をいれてコンロにかける。
沸騰するまでの時間、ぼんやりと窓の外を見た。
外って言っても、雨が強くなって窓を叩いているからぼやけた風景しか見えないんだけど。
雨、酷いなぁ。
……ゆーちゃん大丈夫かな。
こんな雨に濡れたら明日絶対熱出しちゃうよ。
でも、ちゃんと朝に傘渡したし……大丈夫。
それにしてもゆーちゃん遅いなぁ。
もしかして学校で倒れたんじゃないだろうか。
私が気付かなかっただけで、保健室に行ったんじゃ……
ヤカンがピーとマヌケな音を出し、その音で我に返った。
急須にお茶の葉とヤカンのお湯を入れながら、思わず自嘲の笑みを浮かべる。
こんなに心配するなら、最初からゆーちゃんを引き止めておけばよかったんだ。
そうすれば……
そうすれば、どうなった?
何か変わっただろうか?
何も変わらない。
ただ、ゆーちゃんが学校で倒れたんじゃないかと言う、
私の決断力不足が招いた心配をしなくてもよくなるだけだ。
頭が痛くなってきたからお茶を湯飲みに注ぎ、椅子に座って温まる事だけに集中する。
両手で湯飲みを包み一口。熱いぐらいだ。
冷えている指先が熱で温まり、血が巡るのが分かる。
湯飲みの中のお茶を冷ますためにグルグルと回し、一気に飲み干したところで電話がなった。
お父さんかなと思って何も考えずにコードレスの受話器を取り、席に戻る。
「もしもしー」
『柊ですけど……って、こなた?』
「んあ? かがみ?」
『そうだけど。分かってなかったそんな間延びした声出すの止めなさいよ』
「てっきりお父さんからだと思ったんだよ」
お父さん以上に保護者っぽい事言うけどね、かがみは。
雨足が強くなってきて受話器から聞こえる声が聞こえにくくなり、かがみの声に集中する事にした。
『こなた、携帯は? 繋がらないんだけど』
「あ……ごめん、充電忘れてた」
『またか』
そんな事言われても家の電話あるし、置いたら置きっ放しになるよ普通。
常時ポケットに入れてないし。確か部屋の机の上に放置してたっけ。
『まぁいいけど。で、用件だけど……前に貸してたラノベあったでしょ?
日下部が読みたいって言ってたから今度持ってきて。というか、読んだの?』
ラノベ……?
ああ、あれだ。続きが気になったから自分で買っちゃったやつか。
そう言えば返してなかった。
本を買いに行ったのも夏休み中だったから、かなりの間借りてた事になる。
「読んだよー。眠れない時に睡眠薬のつもりで読んでたらハマって」
『そっかそっか』
受話器の向こうのかがみの嬉しそうな声。
かがみの表情って声聞いただけで簡単に想像できる。
『何なら最新刊貸そっか?』
「いやぁ、結構前に自分で続きを買っちゃったんだよ」
随分とあれから時間が経ってる気がした。
ラノベを買いに行った日、確かゆーちゃんと二人乗りしたっけ。
そして、帰ってきてから……どこか、訳が分からなくなった。
空っぽの湯飲みを見つめていると玄関が開く音がして、雨の音の音量が上がった。
良かった、学校や帰り道で倒れてはなかったみたいだ。
「お帰りー」
『おじさん? ゆたかちゃん?』
「ゆーちゃんだよ。お父さんは今日帰りが遅くて」
玄関を閉じれば音は小さくなるはずなのに、雨の音が大きくなったままだった。
あれ、玄関閉め忘れ? なんて思いつつ玄関へ向かう。コードレスは便利だ。
「かがみ、本返すの明日でいい? 学校に」
続けて「持っていくよ」と言うつもりだったのに、ぶつ切りになってしまった。
視界から入ってきた映像に驚いて、声帯を震わすって脳からの命令が遮断された。
私は朝、ゆーちゃんに傘を渡したはずだ。
じゃあなんで――今、ゆーちゃんはびしょ濡れなんだろう。
すぐにタオルを持って来るべきだっただろうけど、それも出来なかった。
電話をしている私と目が合って、その瞬間にゆーちゃんは玄関の方へ走り出して。
「ゆーちゃん!!」
今回は、今朝とは違い『追いかける』という選択肢しかなかった。
椅子から立ち上がり、逃げたゆーちゃんを急いで追いかける。
『こ、こなた!?』
「ごめん!! いったん切るよ!!」
『えっ、どうし』
返事は聞かずに電源を切ったけど、受話器を元の場所に戻す時間は面倒でそのまま床に落とした。
ゴドンという音が背後で聞こえる。壊れたら困るけど今はどうだっていい。そんなの。
玄関先でまた雨の中へ走り出そうとしているゆーちゃんの腕を捕まえた。
制服が腕にピッタリとくっ付いてしまって冷たい。
髪やスカートからも水滴が滴り落ちている。
「ゆーちゃん、大丈夫!? とりあえずタオル!!」
雨が入り込んできている玄関を閉め、
ゆーちゃんの手を離してしまったら問答無用で逃げてしまいそうだから、
掴んだまま風呂場へバスタオルと小さなタオルを取りに行き、
さっきよりは暖房が利いているだろう私の部屋へ連れて行った。
視線があってから私の目を見ようとしないゆーちゃんに大きなバスタオルをかけて、
私は小さい方のタオルでゆーちゃんの髪を拭く。
リボンのせいで拭きにくかったから、勝手だけどリボンを外した。
ワシワシとちょっと強く拭いて、後は髪の流れに沿って撫でるように水分を取っていく。
あっという間にタオルが冷たくなっていった。
無言でいるのが気まずくて、何とか話題を探す。
「……こ、この前とは逆だね」
この前って言えるほど最近ではないけど。
自転車二人乗りよりも前。私が熱を出した前日。
雨に濡れた私を、ゆーちゃんがタオルを持ってきて拭いてくれた。
物凄くテキパキと動いてくれた。
「じゃあ、暖かいお茶持ってくるから、その間に着替えてて。私の服勝手に着ちゃっていいよ」
ゆーちゃんの部屋は暖房利いてないから、そこで服を探させるもの寒いだろうし。
身長も少ししか違わないからブカブカにはならないと思ったから。
俯いているゆーちゃんに私は背を向けて、次の瞬間ゆーちゃんの冷えた指が手に触れた。
私はゆーちゃんの髪を拭いたけどそのタオルも床に落ち、ゆーちゃん自身はバスタオルを羽織っている状況で
全く自分を拭いていないから指も濡れているし、水滴も滴っている。
水滴がゆーちゃんの指を伝い、私の指の指から床へ落ちていった。
寒さからか、指が震えている。
「さっきの電話、かがみ先輩から?」
「うん」
でも、ゆーちゃんの声は震えてなかった。
むしろ私の返事の方が震えていた。
「お姉ちゃんは、かがみ先輩と仲がいいよね」
「うん」
背後から手を強く掴んでくる。
振り向くと、ゆーちゃんの頬を水滴が伝っていた。
それは、決して雨なんかじゃなくて。冷たいだけの雨じゃなくて。
様々な感情が詰まった、熱い涙だと思う。
私はそれを拭おうと握られていない方の手を伸ばし、語りかける。
「かがみは私の大事な」
「ヤダ」
大事な友達の一人なんだよ。
言葉にしたかったのに、ゆーちゃんの静かな叫びに止められた。
ポツリと呟いたに等しい声量なのに、私にとってはとても大きい声に聞こえた。
「お姉ちゃんが他の人を見るのが、他の人の名前を呼ぶのがヤダ!!」
感情が暴走しているようにゆーちゃんが叫んだ。
きっと自分でどんな事を言っているかちゃんと分かってないと思う。
でも、嘘は言っていない。嘘を言えるような心理状況じゃないんだ。
「お姉ちゃんが欲しい、私はお姉ちゃんが……」
指が痛い。
そこまで強い力で握られているわけじゃないけど痛い。
痛いぐらいのゆーちゃんの感情が伝わってくる。
「お姉ちゃんが、好きだから……っ」
その言葉は不思議なほど胸にストンと落ちてきた。
ジグソーパズルの最後のピースがはまったとか、そう言う清々しいものではないけど。
落ちてきたその言葉を、無理やり奥まで押し込めたような感じだけど。
でも、何だか凄く安堵できた。
――あぁ……私の、負けだ
泣きながら想いを告白してくれているゆーちゃんの唇に人差し指をそっと付けた。
私が風邪で寝込んだ時にしてくれたように。
ひく、とゆーちゃんがしゃくり上げて震えた。
泣いたから、それと寒いからだろう。
私は居た堪れなくなって、ゆーちゃんを抱きしめた。
ゆーちゃんの肩に掛かっていたバスタオルが床に落ちる。
折角着替えた服が濡れるのだってどうでもいい。そんなのどうでもいい。
冷えたこの子を暖めたいと思った。他でもないこの私が。
ここまで苦しめた罪滅ぼしにもならないだろうけど。
「ゆーちゃんが私に対する好きと同じ感情で私がゆーちゃんを好きかって言われると……
それは正直分からない。いや、多分違うんだと思う。
でも!! 私のゆーちゃんに対する感情は妹……従姉妹に対する好き以上だとは思う」
普通の好きならキスされた時点で嫌悪している。
だから、私はゆーちゃんの事を人として嫌いなわけでもなく、従姉妹として以上は好きで、恋人としては愛せていない。
この感情の名前は何だろう。
保護?責任感?義務?……きっとそんな堅苦しいもんじゃない。
いや、伝えたいのは感情の名前じゃない。だから考えなくていい、こんな事。
「私は、ゆーちゃんを受け入れる。私を……ゆーちゃんにあげる」
私は今酷い事を言っている。
恋愛感情で見てないけど恋人になる。
ゆーちゃんの想いを侮辱するような最悪な告白。
なのにゆーちゃんはぎゅうっと抱き着いてきて「ありがとう」と途切れ途切れに伝えてくる。
その言葉の響きと抱き着いてくる腕が胸をズキズキと痛ませてきた。
礼を言わないでゆーちゃん。
私はそんな礼を言われるような人間じゃない。
ありがとうという言葉が苦痛で、それを紡ぐ唇を塞いだ。
三度目にして初めて私からのキスだ。
冷えた唇に泣きそうになってしまう。私が泣く資格なんてこれっぽっちもないのに。
ゆーちゃん、ごめんね
口には出来ない言葉。
私からゆーちゃんへの想いとゆーちゃんから私への想いは比重が違いすぎているから。
ただ重ねるだけの、体温を分かち合うかのような、色気なんて欠片もないキスの後。
ゆーちゃんは薄明な笑みを浮かべ、私の耳元に口を寄せた。
「私はそれでもいいから」
それは私の気持ちを悟ったゆーちゃんの気遣いなんだろう。
「お姉ちゃんが受け入れてくれたんだから、
後は私がお姉ちゃんに好きになってもらえるように努力するだけだよ」
気遣い、それと、強がりだ。
無理して言ってるだろうにそのゆーちゃんの言葉は今の私を救済してくれた。
つかさは言っていたっけ。
『すぐに人を好きになれたら楽なのに』と。
確かにそうだ。
でも……少しずつなら好きになれると、今の私は思う。
「ゆーちゃん」
呼んで気持ちを伝えようとしたけど言葉が浮かばない。
好きだよではないし愛してるでもない。
「ゆーちゃんは……私の特別なんだよ」
どうにか紡ぎだせた言葉は安っぽいかもしれないけど正直な気持ちだった。
それから私達は一つの約束をした。
『家族には、ゆーちゃんが高校を卒業するまで私達の関係を隠す事』
お父さんやゆい姉さんには絶対に言えないと思ったから。
特にゆーちゃんのお父さん、お母さんには。
私が楽観的なだけなのか、まだお父さんとゆい姉さんは許容してくれる可能性がある気がした。
けども、おじさんとおばさんはどうなのか分からない。
優しいお母さんとお父さんだと思う。ゆーちゃんを大事にしてるって分かる。
だけどそれ故に言えない。
私の感情はそこまで確かなものじゃない。
ゆーちゃんと私の関係がばれて、お父さん達に『別れろ』だとか
『それは思春期特有の勘違いだ』とか否定的な事を言われた場合に、
それを気にせずにゆーちゃんと一つ屋根の下で暮らせるほど私は強くない。
いや、一緒に暮らせるかどうかも怪しい。ゆーちゃんは実家に帰ることになるかもしれない。
だから隠す。高校卒業までという期限は短いぐらいだ。
本当ならお互いに仕事を見つけて、独り立ち出来る時まで待つべきだと思ってる。
でも。
「ゆーちゃん、着替えないと風邪引いちゃうよ」
「もうちょっとだけ、このまま……」
抱き合って、雨に打たれて寒いだろうに離れようとしないゆーちゃんを見ていると
それらの悩みが、全部全部崩れていけばいいのにと思う。
雨に打たれて崩れていく砂の城の様に脆く壊れていけばいいのにと、思う。
常識なんて、と。
『行ってきまーす』
「おーう、気をつけてなぁ」
結局朝帰りに近かったお父さんが、眠そうに返事をする。
昨日あれだけ雨に濡れたんだからゆーちゃんは風邪を引くんじゃないかと心配していたのに
当のゆーちゃんは元気で、一緒に学校に行こうと誘ってきた。
昨日の体調不良が嘘みたいだ。私は医者じゃないからその理由なんて分からないけど。
病は気からってやつなのかもしれない。
ゆーちゃんが袖を引っ張ってきた。
言われなかったけど何を望んでるのかはすぐに理解できて、手を繋いで学校へ向かう。
他人に目撃されても恋人同士には見えないだろう。
きっと仲がいい姉妹にしか見えないと思う。
「好きだよ、こなたお姉ちゃん」
「ありがと……ゆーちゃん」
こんな言葉を交わしているなんて一見しただけなら分からないだろう。
ゆーちゃんのその言葉にどれだけの想いが乗っているかなんて、他人が分かるわけがない。
繋いでくれている手から伝わる感情も、私以外に分かるわけがない。
私だって、ゆーちゃんの全てを分かっているとは言えないけど。
――分かりたいと、心から想う
日差しが眩しい、冬にしては珍しく暖かい日の事だった。
リアルタイムGJ!!
以上です
自分が見た夢がここまで長くなるとは思ってませんでした
ゆたか→こなたのシリーズは完結です
これが一番報われてると思います
読んでくださった方、続き楽しみにしてくださった方、ありがとうございました
次、みさあや終わらせます
すまん、割り込んでしまった。ちょっとEDで白石のライトセーバーに斬られてくる
>>256 完結キタコレ。おずおずながら一歩を踏み出すこなたにしっとりとした風情を感じました。
シリーズ完走、お疲れ様でした。
259 :
242:2007/12/14(金) 19:58:10 ID:Q/19EWJQ
>>256 続きが気になって仕方がなかった作品にリアル遭遇。
もっと鬱展開になるのかなと実は怖さ半分で心配していたのですが
こなたもゆたかも悲劇にならずうれしいです。
お泊り会のシリーズでエロパロスレに掴まってしまいました。
そのときお泊り会シリーズは完結していたのですが、
今回のように続きを待つとリアルタイム遭遇の喜びもひとしおです!
その後に初投稿するのは大変恐縮ですが、勢いでなければ投稿できませんので、
投稿よろしいでしょうか。
261 :
243:2007/12/14(金) 20:07:49 ID:Q/19EWJQ
>>243です失礼しました初投下させていただきます。
かがみとつかさのSSです。エロはありません。
入学前後の設定に若干の設定違いがあります。
かがみのキャラは少し弱気気味です。
3スレです
時計代わりになっているテレビから今朝のニュースが流れている。
昨日決まった今年の世相を表わす漢字は 「偽」そうだ。
私はその言葉に、そんな気分だった二年前の高校入学直後の自分を思い出した。
−高校受験−
二年前の春、合格発表の張り出しの前で私は、隣にいるつかさの番号を先に探していた。
模試の合否判定でもずっと安全圏にいた私と違い、つかさはかなり無理をして私と同じこの高校を受験したからだ。
「あったよ私の番号っ!おねえちゃん。」家を出るときから泣き出しそうな顔だったつかさの表情が緩み涙を流す。
そして不安と心配の半分の荷を降ろした。いや、つかさには悪いが、試験の出来も自信のあった私はほぼ安心して自分の番号を探した。
「えっ?お姉ちゃん!」つかさの声が耳に入ると同時に、私は凍りついた。
そう私の番号はなかった。
元々自分のことよりも誰かのことを気にするつかさの涙は、うってかわって私への涙に変わった。
泣き止まないつかさを連れて何とか帰宅した。玄関に迎え出た家族は、私たちの様子を見てかける言葉を選んでいたのか一瞬の沈黙が訪れた。もちろんその沈黙を破ったのはまつり姉さんだった。
「あれ?やっぱりつかさは、だめだったの?」
ぱんっ!
信じられない程の強さでまつり姉さんの頬を張り倒したのはつかさだった。
「何で、何で!うえ…うえっ……」つかさは、はずみで壁に倒れかかったまつり姉さんの胸ぐらを掴んで押し付けたまま嗚咽を漏らしている。さすがに、もう説明するだけの余裕はない様だ。
それが切っ掛けでしがみ付いていたつかさが私から離れた。この時私は取りあえず目先の自分の義務を果たすために、
「合格はつかさ、不合格は私!」と言い残して、家族の言葉を待つことなく一気に自室へ駆け込んだ。
これも性格なのか自分でも嫌になったが律儀に部屋着に着替えた私は、何気なく本棚に目をやった。
合格発表まで封印と思って隅にまとめていた未読のラノベの新刊数冊が目に留まった。
字面を追うだけでも気が紛れるかなと思ってその一冊を手に取してベッドに横たわった。その振動のせいか受験で整理が乱雑になっていた本棚から物の落ちる音がした。
見ると数冊の参考書と、皮肉なことにその内の一冊に挟んであった数枚の模試の成績表が床に散らばっていた。
既に無意味になった役立たずの数字が並ぶ紙切れを拾う気にならず、そのまま手にしたラノベの字面を追った。
その後私は、先に合格していた私立のとある学園に入学した。
262 :
243:2007/12/14(金) 20:11:30 ID:Q/19EWJQ
−大学受験−
「お姉ちゃん、どうしたの?」
テレビに見入っていた私に、登校の支度が出来たつかさが声をかけてきた。
つかさは、自分ひとりでは授業についていけないからと言って、結局合格した公立高校には行かなかった。
私と一緒に合格していた同じ学園に入学して二年以上の高校生活を送ってきた。
宿題や試験のときは色々頼って来たけれど、年が明ければ一緒になんとか卒業できそうだ。
調理師になるため専門学校へ行くかと思ったが、その前にいろんなことを料理に生かしたいからと
食品化学や栄養学関係の学科を持つ短大受験の準備もしている。
台風一家の件がが堪えたのか新聞や報道番組にも目を向けるようになり食の安全が気になる様になったからかもしれない。
案の定さっきのニュースと食品偽装のことを口にした。
私も今は、きちんと今のところ自分の志をかなえるための手段として志望の大学を選んで、
そのための努力として受験勉強を進めている。
−つかさ−
あの公立高校の合格発表の日、今となってはあまりにも視野の狭かった自信過剰の
自分への恥ずかしさと絶望感で逃げ出したかった。
けれどそれを押し止めたのは理性や思考ではない。今考えると恥ずかしいけれどつかさの前での
姉としてのあるべき姿という思い込みだった。つかさがいなければ逃げ出したまま家に帰れず、
色んな感情に流されて馬鹿なことをしていたかもしれない。
合格発表の後、私は部屋にあったわずかなお菓子以外に食物を取らなかった。
そんな私をそっとしておいてくれたつかさは、3日目に自分の作った食事を私の前に置いた。
「お姉ちゃんが食べるまで私も食べない!」というつかさのハンストに私は折れるしかなかった。
入学後も私はある程度の成績を保つために登校し授業を受けているだけだった。
私なりには誇りにしていたがちょっときつめな容姿なので、こちらから働きかけないと友人が出来る事はない。
わかっていたがそれでもいいと思っていたので、実習や実技の便宜上のグループ以外には関わりのない人になっていた。
自分の受験の失敗を知られている負い目か同じ中学の、あやのや日下部をも避けていた。
入学後暫くして、面白い友達ができたとつかさが昼休み自分のクラスに呼んでくれたおかげで
完全に独りぼっちにならなかった。
後で日下部とあやのから聞いて知ったのだが、中学時代に料理研究会で面識のあったあやののところにつかさは
幾度かクラス内での私の様子を訪ねに来たらしい。
つかさが、こなたやみゆきのクラスや友人を話題にしても、私が自分のクラスや友人の事を話さない事を案じていたのかも知れない。
そして知り合った二人の親友。
こなたとみゆき。
つかさがいなければ、生涯の悪友以上の関係になりそうなコイツ…こなたと知り合うことはなかった。
みゆきとは委員会で知り合っただろうが、つかさとこなたがいなければ委員会の顔見知り以上にはならなかっただろう。
むしろ、成績上の競争相手としかみなさなかったかもしれない。
二人とつかさを交えて日常を楽しんでいる内に、私の中でつまらない価値観で固まっていた自分が解放されていった。
263 :
243:2007/12/14(金) 20:12:47 ID:Q/19EWJQ
−偽者−
そう入学当初のあの頃の気持ちだ。
受験自体が目的になっていた私は志望校でない教室にいる自分が、偽者であるような気がしていた。
あの受験結果が気まぐれな神様のサイコロ遊びだったのか運命なのかは私には分からない。
けれど、つかさ以外の何者でもないつかさがいなければ、偽者ではない今の私はいない。
連休と夏休みを共に過ごした頃には、こなたやみゆきに二人に会えた事から受験の事は負の感情ではなくなった。
あやのや日下部とも中学と同様のクラスメイトの関係に戻れた頃につかさの件を知った。
それらの気持ちをつかさに感謝を込めて話したが、つかさはいつもの通りの笑顔で言った。
「わたしがお姉ちゃんと一緒にいたかっただけだから。」
ああ、ほんとうにつかさ以外の何者でもないつかさ、私の妹。
以上です。
行動的にすると黒つかさにされてしまう作品が多いので、
天然でかがみを幸せにできるスーパー白つかさを書きたかったのです。
それとまつりさんごめんなさい。
あなた以外この役をこなせる人はいないのです。
>>261 初投下乙&GJです。
たしかに白つかさは久々かもしれないです。
かがつかの姉妹愛は、やっぱりいいですね…
で、
9時すぎたら投下しても大丈夫でしょうか?
早すぎるかな…?
クリスマスなので、つかさとかがみの「あの話」をSSにしようかとアンテナを立ててみた。
電波がちっとも受信しない件についてorz
>>264 よし、やってまえ
266 :
17-234:2007/12/14(金) 21:07:49 ID:nCggvlJh
ぐい、と肩を捕まれて起こされる。
僕はやっぱりこの人の尻に敷かれてるのが一番良いんだろうか。
そんなことを考えていた。
「まぁ白石さん、座りなさい。」
「はぁ…はい…」
ソファに座るように促される。
相変わらず手は上で固定されて動かせない。
となると、このあとに起こることはすぐに思い浮かぶ。
「はやく。」
「は、はいっ」
立ち上がる。
頭の中では分かってる。
なにかが間違っていることも、なにかが正しいことも。
やめて欲しいという気持ちと、もっとやってほしいという期待。
ああもう僕はダメだ、いろんな意味で…。
座ることを渋っていると、案の定。
「…はやく…しなさい…よっ!」
「あぐっ!!」
思いっきり蹴られた…しかもおなか。
衝撃を避けることができず、仰向けにソファに崩れ落ちる。
どさ、と僕の体を受け止める音がする。
ちっちゃい体のどこからそんな力が来るのか…。
「…すっごくイライラするんだけど」
「けほっ…すいません」
「あんたはあたしにだけ従ってれば良いのよ!この役立たず!」
「ご、ごめんなさいっ!」
また蹴られた。今度は足だ。
声がうわずる。
やめて、やめて、もうやめて…右から誰かが叫ぶ。
うそつけよ、これが欲しかったんだろ?と左から声がする。
どっちを信じて良いのか分からない。
どっちが自分なのか。
どっちが自分じゃないのか。
「…なぁにそんなに震えてるのかな〜?怖いのかな〜?」
いつの間にか、体を縮めて目を思いっきり瞑っていた。
全身が震える。寒くないはずなのに。
止まれ。体がいうことをきかない。
うっすら目をあけて彼女を見上げる。
ぱっちり、目があう。
なんともなかったピンクの唇が、ゆっくり、不敵に歪められた。
「それとも…わくわくしてる、かなぁ?」
ぐん、と下半身に衝撃が走る。
それは僕のモノが、彼女の手で思いっきり握られたからだろう。
たぶん、というか、絶対。
目を見開く。声が出ない。
酸欠の金魚みたいに、ぱくぱく口を動かしても、何の言葉も出てこない。
違う!!そんなんじゃない、息が出来ない、もうやだ、お願い。
「白石さーん、汗がすごいよー?いっぱいいっぱいなんだねー」
額が濡れているのはそれ以外に考えられない。
それをみて、彼女がくすくすと笑いながら、僕のズボンのファスナーを下ろす。
じっ、と音がして、窮屈だった感覚がなくなって行く。
やめて、その笑みでさえ、今の僕には、だから、
「あ、あきら様っ」
「なぁに?」
よし、声出せた!
あとは、あとは、
「もっ…と、いじめて、下さい…」
…あれ?あれ?
今、自分なんて?
なんていった?
思ってること、待って、違う!ちが、う!
「言ったね?」
「っ…!」
彼女の瞳がらんらんと輝いている。
獲物をみつけた肉食動物みたいに。
優しく、頬を撫でられる。
下着の上から掴まれて、根元から上に扱かれる。
ひっ、という変な声と共に、全身がぶるっ、と震えた。
違う、だから、僕は、その逆を、
「だ、だから、」
「ん?」
息が、出来ない。苦しい。
助けて、お願い、開放して…我慢できない、もっと…
「やさしく…して、下さい…」
「えー」
「お願いだから、痛く、しないで、下さい…」
どんなエロゲの台詞だー!!!
ばか、撤回しろ、自分!!
泣きそうだ、恥ずかしさと悔しさで。
自分の愚かさに、かんぱい…
年下の彼女に見下されて、顔が赤くなる。
顔を背けたら、無理矢理正面を向かされ、唇を塞がれた。
優しいキス、じゃない。
体に、意識に、全てに麻酔をかけられるような。
そんな効果のあるくちづけだった。
じゃましたる
白石さん、顔が真っ赤になってるよ?ふふ、楽しい。
すっかり調子狂っちゃっみたいだね?
でもね、これからなんだよ?
「んっ…んぁっ…ん…っ」
男の人にしては高めの声が口から漏れる。
あたしの手が、その硬くなった棒を握っているせいか…激しいキスを繰り返しているからかな?
目が虚ろだよ?大丈夫かな、この子。
さっきから喘ぎっぱなしで、変になっちゃった?
「あ、あき、ら、さまぁ、あ」
「ん?どうした?」
唇を離したとき、彼はあたしをみていた。
目には涙が溜まっていて、息遣いが荒くて。
すごく可哀想な感じが、すごく可愛くて。
「もう、我慢できないの〜?」
図星だったみたいだね。
う、って声をあげて、恥ずかしそうに首を縦にふった。
「でもね、あたしはまだ満足してないの。」
「えっ…?」
白石の目が点になる。
あたしはそのまま立ち上がって、白石を放置してみる。
まぁ、用があるんだけどね。
「あ、あきらさ…ま?あれっ?え?」
「ごめん白石くん、ちょっと待っててねー♪」
----------------
「待って」って、そんなこと、言われても…
ふと自分の下半身に目をやる。
トランクスが、一部だが濡れてきた。
もう先走りが出過ぎて、そこにシミを作っている。
いじって欲しいのに、誰もいないなんて…
あきら様、早く、はやくいじっ…
「……っ?!」
もぞもぞしてたら、突然腕を拘束していたベルトが取れた。
ベルトの金具が滑ったのか、よく分からないが、とりあえず取れた。
手を抜いて、手首をみてみると、赤い痕がいくつもついていた。
キツく縛られていた上に、ばたばた暴れたせいだろう、傷が出来ていた。
ふと、ドアをみる。
これは、チャンス以外のなんでもない…鬼の居ぬ間のなんとやら。
あきら様に触って欲しかったここに、下着の中に手を突っ込んで握ってみる。
あきら様が触ってくれた時よりは気持ち良くはないが、それでも、焦らされるよりはまだマシだ。
「んっ…ぁ…!!」
ずっと触られないなんて、我慢するなんて出来なかった。
だから今、こんなに気持ち良いんだろう。
僕は握って、いつも一人でするみたいに、柔らかく上下に擦る。
なんでこんなに焦らされた後って気持ちいいんだろ…
でも頭の中ではあきら様にされてる感覚。
あきら様、お願いだから、そんな、早くしない、で…
「なにしてるの?白石さん。」
なにって、あきら様が僕の………
ひいぃぃぃぃぃ!!!!!
思わず声に出してしまった。
僕の目の前3cmのところに、あきら様の顔がある。
その顔は、今まででもみたことのないくらい、恐ろしかった。
「白石さん?どういうことなのかな?」
「あ、あの、えっと」
「なにを右手に持ってるのかな?」
「そ、その、左手には、外れたベルトを……っ!!」
左の頬が、痛い。
ひりひりする。
彼女の手が、僕の右手に重ねられる。
先走りでぬめぬめの、その右手に。
「し・ら・い・し・さん?」
「は、はい…」
「あたしがいなかったから、おなにーしちゃった、のかな?」
そう言いながら、先端に指先を滑らせた。
ぬるぬるっ、とした液を楽しむように、指先はそこを弄ぶ。
反射的に膝を折って隠そうとする。
「っ、ご、ごめんなさい、だって、だってっ…!」
「言い訳しちゃうの?女々しいよねー、男が言い訳?それでいいわけ?」
……うまいこと言ったつもりか?
「よかった〜、あきら、今これ持ってきたんだー」
手を抜き、指先についた透明な液をぺろり、と舐めながら、彼女は鞄を指差す。
なにが入っているのかよく分からないが、学校の鞄みたいな大きさだ。
「じゃーんっ♪」
彼女から発せられた効果音とともに現れたのは、金属ではなかった。
「………なんですか?」
「これね、部屋にあったから引っ張ってきたのー♪」
延長コードがそこにあった。
コンセントとか繋げる、あれだ。
使ってないものだったのか、束ねてあった。
「ねー白石さん?これ、なにに使うか、分かるよね?」
「へっ?なにか、電気使うんですか?」
「ちっちっち、わかってないなぁ…」
ちょっと古いリアクションありがとうございます。
にこっとしながら、そのコードを僕の首の後ろにあてる。
締められそうで、一瞬首筋が寒くなる。
なんか、恐ろしくなる。
「あ」
「な、なんですかあきら様」
なんつーことをこの子は平気でいうんだろうか、まったく…
「下、脱いで。」
「へ?!」
「なに、あたしの前じゃぬげない?あたしにいじめられて、たたせてるくせに?」
「わ、わかりました、脱ぎますぅ…」
仕方ない、下着と一緒にズボンを脱ぐ。
自分の勃起したものが一気に外気にさらされる。
「うわ、ほんとにたたせちゃってるー」
「い、言わないでください…」
「だって、本当のことじゃない?」
彼女の持つコードは、僕の膝の下に通される。
なに?なんだ?
首の後ろ→膝の下→首の後ろ
と通される。
「なにもわかってないよね、白石さん?」
ええ、わかりません。
「え?なに、ひっ…!」
首の後ろから延びたコードは、強制的にM字に開脚させるために、
僕の膝を必要以上に折らせる。
「っ、あ、あきら様っやだ、いたっ、やだぁ!」
足をばたばたさせる度に、膝裏にコードが音を立てて食い込む。
彼女はくっくっ、と笑いながら、僕の首の後ろでコードを交差させ、前で結んだ。
しかしこの体勢は、体の硬い僕には、ちょっとした地獄だ。
膝が痛くて伸ばそうとすると、首に繋がれたコードが、自分の首を容赦なく締め付ける。
その締め付けに、
一瞬、ほんの一瞬。
痛みと違う感覚がよぎった。
そんな自分が怖かった。
「あきら…様、痛っ!!やめて、下さい…!!」
「どこが痛いかな?」
「膝、と、首…」
「大丈夫、自分でちゃんと膝を折って置けば、首は締まらないから」
そういう問題じゃない。
自分が、変わってしまいそうで怖くて、僕はいつの間にか、泣き叫んでいた。
「やだ、くるしっ…いや、嫌だぁ!!」
「いやだ?こう、されても?」
「…ひっ、ひああっ!」
びくん、と全身が震えたのは、彼女が僕のを咥えたからだ。
その可愛くて小さい口に入るそれが、僕を更におかしくするのは、容易いことだった。
「あきら様っ…あ、あ…」
「ん?ひもひー?」
「きもち、いぃっ…はぁ…あぁ…」
僕の両手は、必死に膝を支えていた。
膝をできるだけ内側へ、もう苦しくならないように。
痛くならないように。
彼女の唇に力が入り、ぢゅる、ちゅぷ、と音をたてながら、僕のものが音をたてて、出たり入ったりする。
手が根元に添えられて、肉棒が扱かれる。
「っくぅ…あ、あきら様ぁ…あ…んっ…」
情けないかな、僕は彼女の名前を繰り返して唱えることしかできないでいた。
着ているシャツが汗で濡れて張り付いて気持ち悪い。
じゅるり、と吸い付かれて、舐め上げられて、
左手でむにむに、とお尻を触られ、また声をあげてしまう。
年下の彼女に好きなようにされている。
今彼女に縛られて、恥ずかしい格好をさせられて、しかも良いように弄ばれて。
恥ずかしいはずなのに…なのに、すごく、すごく嬉しくて…
「んあ…あきら、様っ…」
「ん…?」
彼女はしゃぶりついていた僕のモノから口を離して、ちょっと首を傾げて僕をみた。
うぉ、可愛い。
「あきら様…だ…大好き、です…」
「……ありがとう♪」
にこっ、としたその顔に、惚れ直してしまうのは仕方ないことだろう。
息が苦しいのは、さっきからずっと喘いでいるからで、
でもそれが、なんだか気持ち良くなっているのは、きっと気のせい、で。
彼女はまた、僕のを咥えて、卑猥な音を盛大にたてながらさっきより早く上下する。
びくっ、体全体が反応してしまう。
「っぁ、あきら様、はやっ、ダメっ…!」
「んっ?んっ…ん、んぁっ…」
いや、そんな激しくされたら。
もう、気持ち良くて、
頭が、働かな、
「あき、で、出ちゃう、あ、あぁぁっ……!」
――――
こきゅ、と彼女の喉が鳴る。
射精するときに止めていた息を吐き出す。
自分の息を整えてから、ゆっくり目を開く。
僕はぎょっとした。
「な、な…」
「ん?なに?」
あきら様!顔!顔についてますよ!
「全部…飲めなかったの…」
「っ……ほっぺについちゃってますよ…?」
頬に垂れる、白っぽい、どろっとした精液を、彼女は指でとっては舐めている。
「あの、あきら様…これ、外して下さい…」
「あ、うん」
案外あっさり外してくれた。
コードは僕の白い体に、赤い痣を何本もつくっていた。
体が楽になったは良いが、全身筋肉痛になりそうだ…
まだ18だから大丈夫…かな…
ティッシュを見つけて、彼女の頬をふく。
うん、きれいになった。
「ねぇ…白石〜…」
「はい?どうしました…?」
ソファに横にのびている僕の胸の上に、馬乗りになるあきら様。
体が軽くて、肌もぷにぷにしてて。
でも、ここは、女の人になりつつあった。
するり、と彼女はスカートを上げる。
目の前に晒される彼女の濡れた下着。
「仕方ないから、舐めさせてあげようか?」
「素直じゃ、ないですね…」
でも僕にはこれはちょうどいいのかもしれない。
虐げられて、攻められて。
「あきら様…すご、びちょびちょですよ…?」
「あんたが悪いんでしょ!は、早くしなさいよ……」
そう言われたなら仕方ない。
というか、僕の口の上に乗られたのだから、そうするしかないのだが。
スカートを自ら捲っているあきら様の顔が赤くなっているのはなんでだろう?
やっぱり恥ずかしいのだろうか…
舌先を、下着の上からその濡れたところへ滑らせる。
ダイレクトにくる、そこの熱とにおいが、僕の舌の動きを良くする促進剤になる。
下着を強制的にずらしてみてみれば、彼女の溜め息にも似た甘い声が聞こえる。
「ふぁ…白石ぃ…っん…」
僕の髪を掴んで離さない。
痛いから離して欲しいのだが、そんなことを言える余裕がない。
そんなことを言ってるくらいなら、彼女の愛液を啜っていたいんだ。
そういえばストッキングはどうしたんだっけ。
あぁ、トイレに行ったときにぬいでいた…かもしれない。
窮屈だと言っていた気がする。
歯を立てないように気をつけながら、むきだしにされたそこにしゃぶりつく。
ぷっくりしたちっちゃなクリトリスを唇で啄む。
「い、ひぁあぁぁっ!!」
がくん、という音がしそうなくらいに、彼女は全身を震わせる。
左手で捲っているスカートがくしゃくしゃになっている。
僕は舐めやすいように、そこの襞を広げると、案の定、存在を主張するかのように出て来た。
弄んで欲しそうに赤くなっている。
「ばか、そ、そこ…だめ、だめぇ…!」
舌をちょっと出してそこを撫でるように転がしてあげる。
「んぁあぁ!あ、んっぅ…!!」
目を硬く瞑って震える彼女。
止まることを知らない彼女の愛液のせいで、僕の顔とシャツが濡れて行く。
「あぐ、待って、待ってぇ…」
「ん…?どうひたんれふか?」
彼女が突然ストップをかける。
それに従って、そこに口をつけたまま要望に答える僕。
彼女は突然くるり、と座る方向を変え、そのままぺにょん、と倒れた。
なんだっけ、69?
その姿勢になった。
「うわ、またかっちかちになってるよ?みのるのおちんちん。」
「そ、そんなこと言わないで下さいよ…!」
あらためて言われると恥ずかしいものだ。
って今名前で呼んだ?
いやしかし、この状態で勃起しないほうがおかしいだろう。
「いっただっきまーす♪」
「ちょ、あぅ…んっ…」
急にくる、舌のざらりとした感覚と、生暖かさは、自分の中で止まっていた時間を動かした。
先の方を攻められるのが弱いことを知ってるのだろうか。
彼女はそこをちゅるちゅる吸いながら、僕の反り立ったそれをしっかり握って扱く。
やばい、そんな強くされたら、先に果ててしまいかねない。
僕は彼女の愛液と僕の唾液で滑るところに、指を入れてみる。
くちゅっ、と音がして、人差し指がその穴に飲み込まれる。
入れた瞬間の急激な締め付けに驚いたと同時に、彼女が声をあげた。
「ふぇっ?!」
口にものが入ったまま喋るんじゃありません、と言われたことがあるが…
この場合は可愛いから良いことにしよう。
指の入ってくる異物感に驚いたのか、それとも別のものか…
クリを舌で潰すように弄りながら、人差し指を奥へ侵入させていく。
まだ第1関節しか入ってない。
「ん、んっ…ふぁぁ、へんらのぉ、ん…」
「…?」
今なんて?
彼女は咥えながらもなにか言っているらしい。
もうちょっと奥へ指をいれてみるか。
第2関節まで入ったので、くいっ、と指を曲げて遊んでみる。
舌を動かすのが疲れたので、クリを吸ってみることにした。
「んぁっ…!ばか、らめ…ぇ…!!」
指が飲み込まれた。
きゅぅ、と囚われたような感覚だ。
指先をちょっと曲げてみると、くぷ、くちゅっ、と音がする。
指を引き抜き、中指を追加してみる。
「ふぁ、ダメ、み、みのるぅっ!」
指の往復だけで感じてしまうものなら、今彼女の手の中にあるモノをいれたら、
彼女はどうなるんだろう。
想像しただけで…
じゅる、じゅるる、とクリを吸う。
指の締め付けがキツくなる。
彼女の高い、甘い声が。
「だ、ダメぇ、いっちゃ、あ、あぁぁぁっ……!!!!」
「はぁ…はぁ…うぅ…」
「おーい、あきら様〜?」
彼女の体の重みが心地良いが…
生憎、彼女の手の中の僕のモノは、元気に反ったまんまである。
「ん…よいしょ…」
かなりぐったりなご様子。
と思ったら、彼女はこっちを向いて座っていた。
いつの間に。
「ねーみのるー」
「…なんでしょう?」
「これ、どうして欲しい〜?」
見上げた彼女の顔は、やっぱり不敵に笑っていて。
ぺちぺちと僕の肉棒を叩く。
「あ、あきら様の…なかに、入れて下さい…」
「ん?なんで?」
なんで?!
言わなきゃならないのか!
これは…恥ずかしい…かも…
「あきら様と…気持ち良くなりたいからです…」
「ふーん…じゃぁ…」
彼女はにやっ、としながら僕のを、彼女自身の腟口にあてる。
ぬるっ、と先端が触れる。
彼女が腰をゆっくり沈める。
「っ…んっ…」
狭くて、キツくて。
やっと先が入ったところで息をついたら、彼女はぽそっ、と言った。
「白石か…悪くは、ないわね…」
「……?」
なんのことですか?と聞こうとした瞬間。
「仕方ないな、あげるよ…」
彼女はそう言って、体重をかけるように、飲み込んでいく。
やっと半分、というところで、ひっかかる。
まさか、と思った。
そういうことだったのか?
「あ、あきら様、痛いなら、無理…しないで下さい…」
「っるさい…良いの!」
「でも!」
「デモもストもないの!そもそも!嬉しくないわけぇ?!っ、んぁ、ばかぁ!」
空いてる右手で、クリを触ってあげる。
優しく撫でるだけで、敏感になっている彼女は反応してしまう。
「ばか、あ、あんっ…」
僕は彼女の腰を持って、自分の腰を突き上げる。
「ひあ?!あ、みのっ」
「あきら様…好き、大好き、ですっ…」
めり、めり、と壁を壊す音が聞こえた気がする。
一番キツいところを通り抜ける感覚。
ず、と彼女の体の重みが僕の下半身にきた。
もうそれ以上進まないということも、壁に突き当たっていることも分かった。
「はぁ…はぁ…っ…」
「あきら様…痛く、ないですか…?」
恐らく彼女自身、初めてなんだろう。痛そうな顔をしていたので申し訳なくなった。
が。
「ひっ、あ、あきら、様っ?!」
「白石のくせにー!」
彼女はそう言って、ぎりぎりまで引き抜き、
一気に腰を下ろす。
「あ、あ、あきら様っ!!」
「んぁぁ!み、みのるぅっ…熱い、すごっ…」
一気に絞り上げられるような、全部持っていかれる感じ。
手でされるより、口でされるより、もっと、良い。
休みなく、ぱちゅん、ぱん、と鳴り響くその音。
そして、彼女のあえぐ声が、叫ぶようになっていく。
「み、みのっ、突いて、もっと、ついてぇぇ!」
「…っ…っ!」
彼女は僕の胸に手を突いて、自らの腰を振っている。
僕はそれに応えるように、腰を突き上げる。
「あ、んっ…おっきくて、熱いよぉ…!」
「すごい、きつくて…最高ですっ…」
先端が奥を突くたびに、
2人の目が合う。
彼女が喘ぐ。
何度も何度も、僕の名前を呼ぶ。
キスをする。
泣きそうで、うれしそうで。
そんな表情を、お互いしていたんだと思う。
「ひぁ、だ、ダメ、あたし、あたしぃぃ!」
「あ、あきら様っ、あきら様っ!!」
何度も突き上げる。
ぱん、ぱん、その音が鳴り止まない。
速度を早くする。
ダメだ、あ、もう。
「あぁぁ、いっちゃ、う、みの、るぅ、ぁぁぁ…!」
「っ、あきら様っ…!!!」
17-234
介抱と悪戯の境界線Fパート
A→B→C→F
A→D→E→F
となる共通ルートです。
これで完結します。
ふと目が覚めた。
いつもの部屋、いつものベッド。
あたしの部屋。
ただ、いつもと違うのは、隣に白石がいたことだ。
あたしは洋服を着ていた。
しかもパジャマ。
下着も新しいのになってたし、ちゃんと電気も消えていた。
隣の白石は、ぐーすかぴーぴー。
気持ちよさそうに寝ている。
ちょっと笑っているようにも見える。
疲れてしまったのと、酔いがあるんだろうと思う。
目の前の白石の唇が半分開いていて、
よだれがたれている。
あたしはその唇にキスをする。
お疲れ、みのるん。
あたしだけの、ひと。
以下後書き
「ちょっとー!どういうことよー!!!」
「ななななんですか!突然そんな」
「なんなのよこの作者は!」
17-234(ぎくっ)
「初めて投下してから時間はたってるし
なんなのこの分岐?わっかりずらいし」
17-234(すいません…)
「そしてなにこの展開!」
「いや、いろいろやって欲しいことを詰め込んだらこんなことに」
「ばかー!(ぼこっ)」
「うへぇ」←白石
ということです。
いろんないみですみませんでした(´・ω・`)
って邪魔されたw
>>285 お疲れ様でした。
あきら可愛いよあきら
最後でばっちり乙女なあきらがイイ!
GJ!
|
ヽl ,、 l/ .| ズゴォォォォッォォッォォッォン!!!
〃")' ~´ヘヘ)"ヽ | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
!( ソノ八)ヽ) ソ | ;;;''''
ヾl.゚ ヮ゚ノ!. )) 卩__ ,.';;''
o=====U===∩====[]コ[i(●==冫
>>270 ./ソ、j、iヾ. )) |ノ ̄ ̄ ヽ;,, ;・;・
.~(ノ!_j~´ |''''';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
____∧________ |
お前は失礼だ!
だからって無関係なAAで容量食いつぶすのもな……
久しぶりに白石を見た気がす
GJです
288 :
23-251:2007/12/14(金) 22:31:48 ID:gU/iaSP6
多くの温かい感想を頂き、ありがとうございます。
今はただ、ほっとしています。
>239
電気あんまスレで、一つだけ書きました。
239氏の認識している話と違うかもしれませんが。
>256
完結お疲れ様でした。
ゆーちゃんとこなたの関係が切なすぎる。
相思相愛になれるのだろうか。それとも……
>285
男女のえっちはとっても新鮮ですねw
続きを楽しみにしてた
白石とあきら様の人がやっと降臨なされた!
GJです!強気なあきら様かわいいなぁ…
>>288 それです。
昔はこなたが攻められるパターンが貴重だったせいか
文体が記憶に残ってたので。
それにしても皆投下ペースが早い、まとめてGJ!
>>286 邪魔してると言いつつ、実は連投規制回避の支援してたんだよ!!
なんというツンデレ…
293 :
書く人:2007/12/15(土) 00:12:05 ID:oKtiJgWd
TS有り。駄目な人はスルーで
294 :
書く人:2007/12/15(土) 00:13:12 ID:oKtiJgWd
小学校から中学、高校と上がるに従い疎遠になり、社会に出る、あるいは大学に進学すると一挙に親密になる。
それが思春期を経る少年少女達の通常だ。親しい男女づき合いとなると友情というラインを飛び越して恋愛感情になってしまうのが原因だろう。
けれども、『通常』に対しては必ずと言っていいほど『例外』が存在する。
泉こなたと彼女の友人達も、その例外だった。
ちょこんとした癖毛が一房、通勤時間の駅前にあふれる人の波の間から、まるで潜水艦の潜望鏡のように突き出ていた。
癖毛の主は背の低い、セーラー服の少女だった。たった癖毛以外の髪は、癖の少ないつややかなストレートだ。
「やふー、かがみー、つかさー」
少女が見知った後姿を見つけて声をかける。バスを待っていた一組の学生服が振り向く。
「おーす、こなた」
「あ、おはよ、こなちゃん」
二人の少年達を比べ見たとき、多くの人は二種類の――それも真逆の反応を印象を持つ。
『そっくり』と『正反対』だ。
そっくりという印象を持った人は、その外見的容姿を見ての評価だろう。
背格好、肌や髪の色、顔の基本的な造形。それらがとてもよく似ているのだ。
相違点がるとすれば、片方の目が若干釣り目で鋭く、もう片方が丸く穏やかな印象だというところだ。
逆に正反対という印象を受けた人は、二人の纏う雰囲気について言ったに違いない。
こなたから見て右――釣り目気味の少年は能動的な印象を、こなたから見て左の少年は、やはりその目つき同様柔らかく受動的な印象を受ける。
それは服飾にも言える。右の少年が学生服を適当に着崩し、長髪を首の後ろで結んでいて、左の少年はきっちりと着ていて、額にバンダナを巻いていた。
その印象は、言葉づかいとも一致していた。
「こなた」と呼び捨てたのが右の、左の少年が返した「こなちゃん」と呼んだのが左の少年だ。
右の少年は柊かがみ、左の少年は柊つかさ。名字と類似した容姿から分かるように兄弟であり…
「くぅ〜!毎朝性格正反対の双子男子と一緒に登校!BLゲームみたい!改めて人生勝ち組だなって思うよ!」
「BLゲームってなんだよ!つかお前は女だろうが!」
「びーえるー?」
眉をしかめて言うかがみと、BLとは何か解らず首をかしげるつかさ。
こなたの言うとおり、二人は双子だ。しっかり物の兄、かがみとおっとりとした弟のつかさ。
こなたと、そしてもう一人を加えた計4人で、彼らはいつもつるんでいる。そのもう一人と言うのが…
「おや、みなさんもお揃いで。おはようございます。こなたさん、かがみ君、つかさ君」
落ち付いた声音がこなたの頭上方向から聞こえた。
わざわざ一人一人の名前を分けて呼んだ、丁寧な口調と言葉づかいを乗せた低い声。
そちらの方を見れば、三人にはなじみの顔があった。
「おはよう、ゆき君」
「おはよー、みゆき君」
「おっす」
三人それぞれの返事に、声の主はどこぞの韓流スターの様な笑顔で答えた。
彼の名前は高良三行(みゆき)。同世代の少年と比べても頭一つ分近く上背があり、ただでさえ背の低いこなたから見れば見上げるような高さ。
それでも威圧感を感じないのは、その物腰の柔らかさによるところが大きい。眼鏡と、軽くウェーブのかかった、色素の薄い天然パーマが特徴だ。
295 :
書く人:2007/12/15(土) 00:14:00 ID:oKtiJgWd
「どしたの?今日はいつもより遅いね?」
みゆきは三人とは電車の方向も違い、また遅刻しないようにと早めの電車できているので、登校で会えることはめったにないのだが…
「ええ、少々出掛けの際に少し眼鏡を見失いまして…」
「メガネ?」
「ええ。顔を洗った際にどこかにやってしまったのですが……その…」
「その…どうしたんだ?きになるじゃんか」
言葉を濁すみゆきにかがみがたずねる。
みゆきは照れ臭そうに、女性のように白い肌を少し染めて
「おはずかしながら…頭の上にありまして…」
こんな風に、とみゆきは眼鏡のグラスを額の所に上げてみせる。
「って!マジでやる奴がいるのか!?」
「けど、そう言うのって結構やるよね。僕も料理で使うバルサミコ酢を手に持ちながら、バルサミコ酢を探してたり…」
「ああ、王道だねー。GJ!」
「GJじゃねえよ。というかつかさ、お前いつもそんなことやってるのか?」
「ひ、ひどいよお兄ちゃん。いつもじゃないよ、たまにだよ」
それでも十分だと、言うかがみと、そんな二人の言い合いを見て顔をほころばせるみゆきとこなた。
と不意に、こなたが少し神妙な顔をする。
「……けれど、結構珍しいかもね、私たち」
「ん?朝にこうやってそろうことが?」
かがみの確認にこなたは首を横に振る。
「そうじゃなくてさ、こうやって男子女子混合でつるんでるのって、私たちぐらいじゃない?付き合ってるとかそう言うの抜きでさ」
「そーいえばそうかも」
つかさが同意を示す。
高校生。多感な年ごろだ。特に男女関係ではその傾向は強い。
クラスメートに異性を感じ、ただ一緒に歩いていただけで関係が邪推され、噂される年齢だ。
そんな中で、こうして男女入り乱れて仲の良い友達グループというのは珍しい。
「そう考えると……僕たちがこのような関係を構築できたのは、ある意味奇跡かもしれませんね」
「奇跡ってオーバーな…」
言いながらも、かがみは少しだけ共感を覚えた。
居心地のいいこのメンバー。こなたが異性であることを考えると、この気の置けないメンバーが、この居心地のいい空気を形作る可能性は、どれほどのものだったのだろうか?
そう考えると、確かに奇跡なのかもしれない。
「―――ま、こなたが男か女かわかんない体型と性格だからってのも、その奇跡の一因かもな?」
「なんですと!」
「お、お兄ちゃん…」
「だいたい、なんでまたそんなことを考えたんだよ、こなた」
気になってかがみが訊いてみると、こなたはいつもの寝起きの猫のような弛んだ顔をして
「ん、もしもさ、かがみや、つかさや、みゆき君が女の子だったらどれほどの萌キャラになろうかと考えていたらその流れで…」
「結局そっち方面かよ!」
「いやいやいや、自分の持ってるポテンシャルをなめちゃいけませんよ?
天然ドジっ子に双子巫女で、しかも片方が料理上手で片方がツンデレ!そしたら私ゃちょっとしたエロゲの主人公じゃん!」
「人の性別を勝手に変えて妙な想像するな!大体、人をツンデレ呼ばわりすんじゃねえ!」
「おやあ、私、かがみんがツンデレなんて、今日は一言も言ってませんよ?それともついに自覚が出てきた?」
「〜〜〜〜っ!…ふんっ!バスが来たぞ!」
「自分の失言に真っ赤になりつつも、反論したらどつぼにはまることが分かってて、なんとか我慢して話題を変えようとするかがみん萌え〜」
「あ・の・な・あ!」
小学校から中学、高校と上がるに従い疎遠になり、社会に出る、あるいは大学に進学すると一挙に親密になる。
それが思春期を経る少年少女達の通常だ。親しい男女づき合いとなると友情というラインを飛び越して恋愛感情になってしまうのが原因だろう。
けれども、『通常』に対しては必ずと言っていいほど『例外』が存在する。
泉こなたと彼女の友人達も、その例外だった。少なくともこの時はまだ、例外的な存在だった。
ひょっとしたら、こなたは気付いていたのかもしれない。
この例外的な―――みゆきの言葉を借りるならば『奇跡』のような関係を崩す種が、それぞれの心の中に育ち始めていたことに…。
【続く?】
書き込もうかと思ってやっぱりやめたネタが書き込まれてしまったこのなんともいえない気持ちがまた
297 :
書く人:2007/12/15(土) 00:15:52 ID:oKtiJgWd
前スレで「こなた以外男」とかほざいた者です。
需要があれば供給もある。逆もまた真なり。
続きを期待する声があるなら続けます。
連投規制回避なら、
狙って誤爆スレや2get禁止スレ(Bananaサーバ販売開始〜スレ)に書き込んでも有効ですよ
300 :
17-234:2007/12/15(土) 00:36:26 ID:DckaQZZO
|ω・)ヒョコ
GJくれた方々ありがとう。
白石はMだと思うんだ、基本。
Janeとか使っても規制かけられる?
今回それだったんだけど…
よっぽど酷いリロードを繰り返したり、(板全体で)人の少ない時間帯に大量投下しなければバーボン送りにはならないはず
バイバイさるさんは基準が判明していないのでどうしようもないですが
>>297 GJ!俺はこーいうネタも大好きだから続き希望ー。
学生時代、こーいうグループの中にいたかったなぁ…
>>297 GJ!男ねぇ・・。色々面白そうですね。
続き書いてほしいですし頑張ってください。
男でも巫女か。
電波を受信したので、
問題がなければ、今から投下しようと思います。
305 :
23-251:2007/12/15(土) 01:24:15 ID:gnCuMJXS
「泡立つココロ」
・こなた×ゆたか+みなみ
・ダーク注意(苦手な人はスルーよろしくお願いします)
306 :
23-251:2007/12/15(土) 01:25:15 ID:gnCuMJXS
>305 追加。
・エロあり注意。
「お姉ちゃん」
午後9時30分が過ぎた頃、月の光が薄い影をつくる中、ゆーちゃんが
パジャマ姿で部屋に入ってくる。
私は、オンラインゲームでパーティを組んでいる仲間達に、別れの挨拶を
打ち込んで画面を閉じた。
「ゆーちゃん。いらっしゃい」
PCが置かれた机から立ち上がり、ベッドに座って手招きをする。
「お姉ちゃん。今日はもういいの? 」
ゆーちゃんは、画面と私を交互に見ながら言った。
「うん。ゆーちゃんが来たからもういいんだ」
「ごめんなさい。」
「ううん…… 謝ることないよ」
私は努めて柔らかい口調で言うと、ゆーちゃんは懐に飛び込むように
抱きついてきた。
「お姉ちゃん。お願い」
ゆーちゃんは、心持ち唇を上向きにして、瞼を閉じる。
私は高鳴る鼓動を押さえながら、少女の唇に触れた。
滑らかで柔らかい感触が伝わる。ゆーちゃんの肩に掌を置くと、
身体が微かに震えている。
「ん…… くぅ」
私は、ゆーちゃんの口の中に舌をねじ込み、かき回していく。
「ふああ…… んんっ」
ゆーちゃんは、頬の裏から喉の奥まで、私の愛撫を受け、くぐもった
声で何度も呻く。
それでも懸命に舌を絡めて、少しでも快感を得ようと健気にがんばる姿が
なんともいじらしい。
私は、心ゆくまでディープなキスを堪能した後、一旦、ゆーちゃんから
身体を離した。
ゆーちゃんは、既に体力を大方使ってしまったようで、肩で息をしている。
「大丈夫? 」
「心配しないで」
明らかに無理をしていることは分かっていたが、既にゆーちゃんの痴態に
興奮してしまっている。
「いいよね」
ゆーちゃんが小さく頷くのを確認してから、パジャマを脱がしにかかる。
「寒い…… 」
小さく呟いて両腕で震えている。季節は銀杏が舞い散る季節になっており、
下着姿では、エアコンだけでは流石に辛いものがある。
私は、ゆーちゃんの身体を抱きしめたまま、布団の中にもぐりこんだ。
「あったかくなったかな? 」
「うん…… ありがとう。お姉ちゃん 」
服を脱がした本人に、お礼を言われてしまった。
ゆーちゃんは、あらゆる意味で素直すぎる。
「ゆーちゃん。今日はもっとえっちなことしようか」
「本当!? 」
期待に満ちた瞳を向けてくる。。
私は、服を脱いで下着だけになり、ゆーちゃんのパジャマの
下も脱がしてしまう。
「ぎゅっとして…… 」
おねだりしてくる可愛い従姉妹の背中をひっかく。
「痛っ」
ゆーちゃんが眉をしかめる。顔を歪める姿にも萌えてしまう。
「お姉ちゃん。いじわるしないで」
「ごめんごめん」
私は笑いながら、背中のホックをぱちんと外す。
「は…… 恥ずかしい 」
ブラがベッドに落ちて、ゆーちゃんの膨らみかけた乳房が露出する。
「綺麗な乳首だね」
「あ、あんまり見ないで…… 」
恥ずかしげに顔をしかめる姿がいじらしい。
私は、伸ばした舌を、ゆっくりと首筋から、鎖骨へと下ろしていき、
乳房を経由して、乳房にたどり着いた。
「い…… いやっ」
「嫌なんだね。ゆーちゃんは」
私は、あっさりと舌を引っ込めて、ゆーちゃんに背中を向けた。
「ち、違うの。お姉ちゃん。私、嫌とかじゃなくて。ただ声を出しただけなの」
ゆーちゃんは必死な口調で弁解する。本当はいじって欲しくて
たまらないのに、嘘をついてはいけない。
「本当にいいのかな? 」
私は、意地悪そうな顔をつくって尋ねる。
「あの、お姉ちゃん。もっと、えっちなこと…… してください」
「後悔しない? 」
「うん」
ゆーちゃんは、蚊の鳴くような声で頷いた。
お望みとあれば遠慮はしない。
私は、ゆーちゃんの硬くなった乳首をたっぷりと堪能した後、
更に舌を下ろしていき、可愛らしいおへそを通過し、遂に
下腹部を責める。
「ひゃ、ひゃああ」
ゆーちゃんがあどけない顔を歪めて、悲鳴をあげる。
女の子の大切な部分を、直接舌で舐められる行為は、
刺激が強すぎるのだろう。
小さなアソコの膨らみが、舌端による愛撫を受ける度に
膨らんでいく。同時に、ぬるぬるとした愛液が大量にあふれ
出してくる。
「おねえちゃん。あっ…… んんっ」
アソコへの執拗な愛撫を受けて、ゆーちゃんは嬌声をあげながら、
華奢な身体を震わしている。
「我慢しなくていいから」
私は、ゆーちゃんのクリを舐めながら、指を膣の入り口に
差し入れる。
「だ、駄目、あうぅ」
ゆーちゃんは、懸命に身体を捩って逃れようとするけれど、
私はもう片方の手を、細い腰に回して逃さないように固定してしまう。
「おねえちゃん。ん…… だめっ。わたし…… 変になっちゃうよぉ」
「ゆーちゃんの、イヤラシイところ、見てみたいな」
私はサディスティックな口調で言いながら、更に激しく舌を
動かしていく。
「んあ…… だめ、だめえ。おねえちゃん。ああああっ! 」
ゆーちゃんは、部屋中に響くような大きな声をあげて、
あっという間に頂に上り詰めた。
ベッドの上に倒れ込んだゆーちゃんは、荒い息をついている。
「お姉ちゃん…… 大好き」
ゆーちゃんは、甘えた声を出して暫く私に腕を抱きしめて、
快楽の余韻に浸った。
ゆーちゃんが起き上がった時は既に11時を回っていた。
下着とパジャマを身に着けから、ゆーちゃんは私と名残惜しそうに
キスを交わしてから言った。
「お姉ちゃん。おやすみなさい」
「おやすみ。ゆーちゃん」
私は下着姿のまま、ゆーちゃんに手を振った。
ゆーちゃんが去ると、急速に眠気が襲ってくる。
何とか気力を振り絞ってパジャマを着ると、崩れるように
ベッドにもぐりこみ、私は、瞬く間に夢の世界の住人となった。
翌日の夕方。
私は、下校しようとする時に、下級生に呼び出された。
本当はかがみとゲマズに寄るつもりだったのだけど、
下級生の子が、あまりにも真剣な表情だったから、かがみが
遠慮したのだ。
呼び出したのは、良く知っている長身で寡黙な子だ。
彼女が私を呼んだ理由は、分かっていたけど敢えて知らない
フリをする。
体育館の裏まで無言で歩いた後、突如、彼女は振り返って、
いきなり言葉の刃を投げつけてきた。
「泉先輩。ゆたかに何をしたんですか! 」
美人が怒ると怖いな…… 私は、外れたことを考えている。
「何ってナニかな? 」
「とぼけないでくださいっ」
ゆたかと親しい下級生である、岩崎みなみちゃんは、
私の胸倉をつかもうとして、無造作に払いのけられる。
「くっ…… 」
悔しそうな表情をして顔を歪める。
私はどうやら、みなみちゃんの敵になってしまっているようだ。
「ゆたかが、急に私を避け始めたんです」
みなみちゃんは、とても辛そうな顔をしながら口を開いた。
「どうしてカナ? 」
「ふざけないでください! 」
激しい口調だ。みなみちゃんは、本気で怒っている。
「絶対におかしいと思って、ゆたかを問い詰めたんです。
そしたら、泉先輩とあんなことをしているって」
みなみちゃんの視線だけで、焼き殺してしまわれそうだ。
しかし、私は、みなみちゃんの熱さとは対照的に、感情は冷え切り、
醒めていた。
「私がゆーちゃんと何をしていたからって、それがみなみちゃんと
何か関係があるのかな」
自分が話している言葉の残酷さは、もちろん分かっている。
「このっ…… 」
ついに理性を弾き飛ばしたみなみちゃんは、私の頬を引っぱたこうと
して無様に失敗した。
格闘経験者をなめてはいけない。大振りのビンタを大人しく受ける
程、私はマゾではない。
荒い息をしているみなみちゃんの綺麗で歪んだ顔を、悠々と
見上げながら、更に傷口を広げるよな、挑発的な言葉を投げつける。
「みなみちゃんは何を怒っているの? もしかして、ゆーちゃんの
事が好きなのかな? 」
「知っているなら、何でそんなことするんですか! 」
そろそろ頃合かな……
私は、遠くから走ってくる人影を確認すると、決定的な一言を吐き出した。
「単なる嫉妬だね」
「絶対に許せない」
みなみちゃんは、激しい怒りに、完全に我を忘れて殴りかかる。
私は遭えて避けなかったため、地面になぎ倒された。
「やめてっ! 」
予想通り。最高のタイミングで金切り声をあげながら、ゆーちゃんが
飛び込んでくる。
私は土の上に倒れており、泣きながら駆け寄るゆたかちゃんを
見上げている。
「ゆ…… ゆたか? 」
可哀想に。みなみちゃんは明らかに動揺している。
「ひ、ひどい」
ゆーちゃんは、滅多にみせることがない表情―― 怒りに身を震わせている。
私の頬は、グーで殴られた跡がくっきりと残っている。
殴られた拍子に切れた唇の端からは、赤いものが滲み出している。
「こなたお姉ちゃんに、なんてことするのっ! 」
ゆーちゃんは激しい非難の言葉を浴びせながら、みなみちゃんを睨みつけた。
怒った顔ですら可愛らしいのだけど、みなみちゃんにとっては、落雷が直撃した
ような衝撃だろう。
「ち、違う…… 」
みなみちゃんは必死で弁解しようとするけれど、ゆーちゃんはもはや
一顧だにしなかった。
「お姉ちゃん。帰ろう」
倒れた私を抱え起こして、肩を貸そうと試みる。
しかし、私が寄りかかったら、ゆーちゃんの方が倒れてしまいそうなので、
「いいよ」とだけいって歩き出す。
体育館の裏をあとにしながら、ちらりと後ろを振り返る。
みなみちゃんが全てを失ったような顔で、呆然と佇んでいた。
ごめんね。みなみちゃん。私は心の中で呟いた。
でもね。どんな手段を使っても、ゆーちゃんとの恋路に割ってはいる人は
決して許すことができないんだ。
(了)
312 :
23-251:2007/12/15(土) 01:34:54 ID:gnCuMJXS
今回は衝動的に書きました。
何故か、どんどんこなたが黒くなってしまった。
そして…… みなみちゃん、ごめん。
寝ようと思ったら……リロードしたのが間違いだった(良い意味で)
>>312 リアルタイムGJ!!
こういう独占意欲の強いこなたもイイネ
さて、私もそろそろ投稿したところですが、
風邪ひいたせいで肝心なネタが未完成ですので(←だったら早よ寝え)
また今度にします。
314 :
7-896:2007/12/15(土) 03:15:02 ID:0UzAGmwo
>>314 うめぇwwwww
ほとんどイメージどおりじゃねーかwww
ホント、アンタはなんちゅーもんをwww
もうすぐ1000か……こりゃしばらく自重だな
>>256 完結お疲れ様です。
こなたならきっとゆーちゃんのことを本当に好きになっていけると思うのです。
GJだけでは言い切れないほどの感謝をあなたに。
>>297 若干最初戸惑ったけど、これはこれで先が楽しみな作品となりましたー。
>>314の絵を見てかがみがワイルドっぽい感じを受けた…w
っていうかこなた可愛すぎるww
>>312 こなたが策士ですなぁ…だがこれはこれでGJ!
たまにはこんなこなたもいいものです
衝動的な
>>312につられて衝動的に続きを書き出してしまった……
続き書き許可頂ければ幸いです(続きがあるのでしたらそちらをお出し下さい)
そのくらいGJ!!
まさか1000作品目にはなるまいと高を括りながら(遅筆的な意味で)、
書き上がったら投下…出来るかなぁ……
その前に許可下りるのか……?
そもそも書き上がるのか?
初SSだし……
>>314 それどんな逆エロゲ状態?
319 :
23-251:2007/12/15(土) 04:03:03 ID:gnCuMJXS
まずは、感想ありがとうございます。
午前3時を過ぎて活性化するこのスレに萌え。
こなた型が多いのかな。
>318
自分は、完結した作品として保管庫に掲載しますが、
今作品に限りますが、「続き書き」を明示して頂ければ、
続きを書いてもらっても良いですよ。
>314
GJ!
なんかコバルト文庫の挿絵みたいですなw
>>318 あるよね、続き書きたくなるのって
俺もこなた逆ハーレムの続きを色々創造しちゃったぜ
まぁ、結局はこなかがになったけど!
321 :
318:2007/12/15(土) 04:17:49 ID:8UuOUIwS
>>319 了解しました、ありがとうございます。
これで安心して寝られます(ぉ
週末はこれにかかりっきりになる事必至w
で、
>>320はそれを是非とも。
wktkして待ってますので
>>321 まぁ許可が下りたらってのが前提ですねw
テキストにしてハードディスクに眠らしときます……
>>297を読んで、
>>314の絵を見たら、
三人に告白されて「みんなのこと好きだから、だれも選べないよ……」なんて言いながら涙を流すこなたや、
こなたが「みんな受け止めてあげるから……」とか言った後4Pに……、
なんて電波が飛んできたんだが、発信源誰だ!?
おかげで眠れないじゃないか!w
324 :
322:2007/12/15(土) 05:23:32 ID:rgEnDrZR
あ、ちなみにもう書きあがってるんで書く人氏の許可が下りれば投下できます
無理なようでしたらお蔵入りさせときますね
うあ、逆ハーレムが気になるんだぜ・・・こなかがこな好きにしたら特に
逆にこなただけが男の方があう気がするのは俺だけなのか?
329 :
書く人:2007/12/15(土) 11:31:36 ID:aQvDazau
>>324 許可する!っていうか投下お願いします!!
結構需要があるようでうれしいです。
7-896先生もありがとう!
私も頑張って続きを書きます。
またしても作品ラッシュ、もうどうなってるんだこのスレ
>書く人氏
それなんて逆エロゲ?
主要キャラの内誰か一人が、というのは
俺も色々考えてはいたけど
こなた以外全員ってのは流石に思いつかなかった
こいつはお兄さん一本とられたってかんじだ。
続きに思いっきり期待せざるを得ない。
なんていうか、恋愛模様がマジ面白そうだこれ。
余談だけど、ニコニコのすた☆らきを思い出したのは
俺だけでいい
>23-251氏
こなたが黒く・・・ってのはこれまた、何気に初パターンじゃないか?
格闘有段者で飄々しかも黒い・・・それなんて完璧超人?
段々と俺の中で、目が細いを通り越して、
線目なこなたが形成されてゆく・・・
ほら、リチャード・ウォン(パトレイバー、サイキックフォース)
とか・・・イメージそんな感じw
>7-896氏
ハハハハ・・・これで完璧に逆エロゲだぜ
おまいさんマジすげえぜ(゚∀゚)
というわけで皆にぐじょぉぶ!( =_,_,=. )b
331 :
ぶーわ:2007/12/15(土) 14:34:18 ID:rgEnDrZR
>>329 許可ありです! じゃあお言葉に甘えて投下させていただきます!
ぶっちゃけ俺の1000%SPARKING妄想なんで、軽く小ネタとして流して読んでください!
・こなた以外男物注意! 苦手な方はスルーをよろしく
・
>>295の書く人氏の続きですが、本編ではありません。本編は本人降臨に超期待!
・かがみ主観4レス+こなた主観3レス、計7レス拝借します。
「最近思うんですが」
事の発端はそう、天然メガネだ。
って、友人をそんな呼びかたするもんじゃないな。
「どうかした? ゆき」
天然二号、俺の弟も間の抜けた声でそれに反応する。
こうやって野郎二人と飯を食うのもいいが、たまには女子とも楽しく飯を食べたいものだ。
いやそりゃ、たまにこなたも居るわけだが……女にカウントしていいものか?
今日は女友達と学食だそうで、うへぇいいご身分ですこと。
「泉さんって実は、可愛いですよね」
「へっ?」
「はぁ?」
俺の口から出たのは呆れ声だ。
あいつが可愛い?
おいおい、そのメガネは伊達だったのか?
コックローチのでももってきた方がいいぞ、あれ実は度が入ってるんだろ?
「えっ……へぇっ?!」
だが、もう一人が過敏に反応する。
何だ? 今の素っ頓狂に輪をかけたような声は。
「なっ、なななな、何を言い出すんだよっ。ゆきっ」
「おやおや」
茹で蛸になったつかさを見て、ため息を隠すように眼鏡の位置を治すみゆき。
「やはり敵は、一番近くに居るものですね」
「敵? お前らさっきから何を話してるんだ……俺には皆目分からん」
みゆきが「こなたが可愛い」と言ったらつかさが動揺した。
短い一文なのに突っ込みどころ満載だな。
とりあえず一つずつ問題を解決してくのが俺の役目か?
「まずみゆき、何だって? こなたが可愛いとかなんとか」
あのチビオタクの何処にそんな要素があるって?
「ええ、大変魅力的な女性だと思いますね」
眼鏡の奥の眼が妖しく光る。
な、なんか睨まれてないか?
「それでつかさ、お前は何をそんな慌ててるんだ?」
「えっ、そりゃえっと。ほら……」
顔を真っ赤にして誤魔化すようにオーバーリアクションでパントマイムをする。
そこに壁を作って何が起きるというんだか……。
「分かってないですねぇ……かがみ君」
「だから、何が、だよ!」
強調して言ってやった。
大体お前はいつも遠まわしにものを言うから分からんのだ!
「昔の言葉を借りるならそう……彼も私も」
と、つかさの肩を叩く。
それにビクッと反応するつかさ。
まだ分からん。
早く言え! ためるな鬱陶しい!
「ホの字ってやつです」
……。
ああうん、何ていうかな。
手から落ちた箸を拾うのも忘れるぐらいの言葉が、脳に突き刺さる。
あとで拾えばいいか、三秒ルール三秒ルール……ってんな場合じゃないってヴァよ!
「な、ゴホッ、なな、何だって?」
口にしていた玉子焼きがハザードを起こし喉と鼻の間を平泳ぎして行く。
ぐはっ、こんな所で死ねるか! 水っ、水をぉおー!
そ、そうだつかさの飲み物を……ってギャー! ドロリ☆濃厚ーっ!!
「そのままの意味ですよ、ねぇつかさ君?」
「う……ま、まぁ」
つかさも顔を真っ赤にしたまま頷く。
って待てよ。ちょっと待てお前ら。
そんなホの字だとか死語で誤魔化すな!
「じゃ、じゃあ何だ? お前ら……好きなのか? こなたのこと」
いやいや、そりゃ俺だって好きだぞ?
でもそりゃ、ライクってやつだろ。
友達は友達……そういう意味ならあんな話の合うやつは嫌いなわけない。
「僕も色々考えたけど……友達としての好きとは、違う気がする」
あの抜けまくったつかさが、俺の目を見て言う。
おいおい、こりゃマジですぜ?
恐る恐るその隣りのメガネを見ると……。
「ええもちろん、めがっさラブです」
にょ○ーん! な、だから何なんだその挑戦的な眼は!
俺に何か恨みでもあるってか?
「かがみ君は、それで?」
「そ、それでって?」
二人の視線が俺に集中する。
どちらも何ていうか……訝しげな眼。
「個人的……超個人的な意見を言わせてもらえば、一番の敵は貴方だと思ってます」
「僕も、そう思うな」
んなっ、何だよその含んだ言い方は!
ま、待てって今考えるから。
こなただろ? こなた。
あんなチビで、オタクで、貧乳で……胸は関係ないか。まぁでも無いようなもんだろ!
それがええと何だっけ? 友達以上に好きかって?
あはは、何をおっしゃるうさぎさん。さっきも言っただろ?
好きは好き。でもそりゃ……ライクってヤツだって。
「別に、あいつに特別な感情なんかないっ」
言い放ってやった。
うん、これでスッキリ……ん? 何かしないな。
「ほ、本当に? お兄ちゃん」
「ああ、嘘は言わん」
だから安心しろ、弟よ。あとメガネよ。
お前らの恋の邪魔はするつもりもない、勝手にラブコメでも展開してくれ! 誠○ね!
「ふむ、では最後にもう一度確認です」
「んだよ、しつこいな」
みゆきが薄ら笑いを見せる。
「泉さんの事は、特別には想っていないと?」
またそれかよ。
ったく、こいつはきつく言ってやらんと分からんらしいな。
「ああ、そうだよ」
そこで、ちょっと苛ついていたのがいけない。
そうだよな、俺はもっとクールな……こう知的なキャラが似合うはずなんだ。
それなのに……その場の勢いで、やってしまった。
声を、張り上げてしまったわけだ。
「俺があいつ……こなたの事なんか、好きなわけないだろ!」
それと同時だったかな。
俺の、後ろの扉。
俺達の教室の扉が……勢いよく開いたのは。
「何の話?」
扉から聞こえた声に、俺がゆっくりと振り返る。
まるでスローモーションのコマの一つ一つが汗に映っていくように、その光景が眼に入った。
そこに居たのは……渦中の人物、こなただ。
「いえいえ、男同士。しみったれた世間話ですよ」
「あっ、う、うん。そうそうっ」
みゆきが空々しく誤魔化し、つかさが慌ててフォローする。
「本当? かがみっ」
その眼が、俺を見る。
な、なんだよその眼は。
何で俺にわざわざ聞きなおすんだよっ!
「あっ、やっ」
声が上手く出て行かず、言葉が続かない。
いやそうだよ、扉は閉まってたじゃないか。
俺が声を張ったところで聞こえてるわけないだろ!
「あっ、ああ……また皆でカラオケでもどうかってさ」
「……」
じっと、俺を見る。
だ、だから何で俺を見るんだ?
他にも見てやれよ、弟とかメガネとか!
「そっか」
俺の願いが通じたのか、視線が外される。
思いっきり、ぷいっと変な効果音までつきそうなくらい。
「じゃあ今日行こうよ! 私新しいの覚えたんだー、平野の新曲ーっ」
そのまま俺の横を通り抜け、みゆきとつかさの間ではしゃぐ。
みゆきは相変わらず飄々としていたが、つかさは顔がバーニングディバイドしてる。
こなたはその間で、笑ってた。
……うん、そうだよな。やっぱり聞こえてなかったか。
心配して損したよ、ったく。
もういいだろこの話は。
それより今日行く事になったカラオケのほうが心配だよ、今月は小遣いそんな残ってないってのに。
俺達四人は友達。
それでいいだろ?
いや、それで良かったんだ。今までは……な。
今まで……こう区切ったわけは分かるだろ?
これからは、違うってことさ。
……。
ああ分かってるって、そう責めないでくれ。
そうだよ。
その引き金を引いたのは……他でもない、俺だったんだ。
336 :
一息:2007/12/15(土) 14:44:12 ID:rgEnDrZR
こっからこなたサイドです
「私、思うんだけどさ」
人の行き交う食堂の一箇所に席を囲み、香ばしいB定職に舌鼓を打つ。
そんな中だった、友人A(仮称)が突飛なことを言い出したのは。
「泉さんって、誰か付き合ってる人居ないの?」
「ふぇ?」
私を名指し、割り箸を勢いよく自分の口に運ぶ。
そんな彼女の言葉に呆気にとられ、エビフライをとる箸を止める。
「どしたのさ、急に」
「だってさー、いつも決まった男子と居るじゃん」
「そうだよねー。私も気になってた」
その隣りの友人Bも賛同する。
お父さんがお弁当を忘れたからって久々に学食にしようとすると、これだよ。
確か前にもそんな話題になったなぁ、誰が言い出したんだっけ?
「別にいないよ、つかさやみゆき君とかと。って事でしょ?」
「そうそう、そこよ!」
ビシッと効果音がつきそうな勢いで箸で私を指す。……お行儀がなかなかどうして。
「高良君は成績も凄いし、あのルックス……憧れるわぁ」
「柊君はちょっと成績不振だけど、すっごい優しいもんね。二人とも女子には人気だし」
ああ、分からないでもないかな。
歩く萌え要素みたいなもんだしね、二人とも。
……ん? 二人。
「あれ、かがみは?」
「へっ?」
「えっ?」
二人が向かいの席で顔を見合わせる。
んで、自然を声を被せる。
「「誰だっけ、それ」」
哀れかがみ……まさか認知すらされてないとは。
「かがみだよ、柊かがみっ。つかさのお兄ちゃん」
「あー」と、ようやく視界の隅に入っていた異物を思い出したらしい。
まぁ確かに、ツンデレなんて一般人にはまだまだ分かりにくいか。
「居たわよねー、そんな人。違うクラスよね確か」
「なんかあのツリ目の怖い人だっけ? 無愛想よね」
「ぶ、無愛想?」
むぅ……そこまで言う事ないんじゃないかな。
そりゃちょっと、暴力的ではあるけどいいやつなんだけどなぁ。
なによりあのツンデレっぷり、なかなかレアだよ? 最近では。
「へぇ、泉さん的にはそのお兄さんのがオススメなんだ」
「へ? な、なんで?」
くわえたエビフライが、私の心臓と一緒に軽快に跳ねる。
ほのかに顔が熱くなった気がした。
「だって、妙にこだわってない?」
「なっ、ないないっ。あれで寂しがりやだからさ、忘れてたら可哀想だしっ」
「ほほーぅ」
と妙に慌てていたのを悟ったのか、二人の妙な目が私を見る。
だ、だから何でそんな慌ててるんだろ……私。
「良かったわー、じゃあ高良君はフリーなんだ」
「柊君もかぁ、狙ってみよっかなー。案外押しに弱いと思うんだけど」
顔に熱を持つ私をヨソに、二人で乙女な話題を振りまいていく。
うう、このピンクな雰囲気は苦手だ。
「あれっ、泉さん?」
「わ、私もうご馳走様かなっ。先に教室に戻るねっ」
まだ大きく乗ったエビフライも名残惜しいけど、顔の熱で味もよく分かんないや。
はぁ……何か変なこと考えちゃったなぁ、イカンイカン。
そうだ、思い出した。
そういう話題を前にふったのは……私だったっけ。
いけないな、自重しよう。
そんなに気にすることじゃないよね。
みゆき君やつかさだって、友達。
それは、かがみだって一緒。
それでいい、と思う……。
うう、あの二人が変な事言うから……。
「俺がっ」
「?」
教室の前まで来た時だった。
少し開いた扉から漏れた声が耳に届くと、少し心が和らぐ。
……理由は、それの本人の所為?
妙にこだわってる、か。
それって……どういう事なんだろ。
深く考えるのは、やめよっかな。
いつものように笑っていられれば、それでいいよね?
そう思って勢いよく、扉を開けた。
それと、一緒だったかな。
その心和らぐ言葉が……私を切り裂いたのは。
「こなたのことなんか、好きなわけないだろ!」
一瞬、それの意味を租借することすら出来なかった。
つかさや、みゆき君と視線があった。
そして……見覚えのある背中も。
「何の……話?」
私の言葉に、ゆっくりとその背中が振り向く。
その時私は願ってしまった。
理由は分からない。
でも……それが、『彼』であって欲しくないって。
「いえいえ、男同士。しみったれた世間話ですよ」
「うん、そうそうっ」
みゆき君やつかさの言葉が、右から左に流れていく。
だけど、目の前の彼は……何も言わない。
だから聞いてしまった。
返ってくる言葉が怖い癖に。
聞こえなかったと、そんな素振りを見せればいいのに。
「本当? ……かがみっ」
その人の名前を呼んだだけなのに、もう一度心が跳ねた。
混ざり合う視線が、私の心を軋ませる。
私は何を、期待しているんだろう。
私は何を、言って欲しいんだろう。
「ああ、また皆でカラオケでもどうかってさ」
だけどそんな、求める言葉が返ってくるはずもなくて。
ただ私の胸のきしむ音だけが、心を刻んでいくだけで。
駄目だ、もう……顔を合わせられない。
理由はやっぱり、分からない。
だから、逃げた。
かがみから……彼の、視線の先から。
「そっか、じゃあ今日行こうよ! 私新しいの覚えたんだー、平野の新曲ー」
彼の前から逃げて、他の二人の間に入る。
……笑おう。
出来る限りの笑顔で、笑おう。
それなら、きっと……忘れられる。
心に刺さった釘の傷みだって、さっきの言葉だって。
そうだよ、何もなかった。何も聞かなかった。
だってそうだよね?
私たち四人は……友達、だもん。
(続く?)
340 :
ぶーわ:2007/12/15(土) 14:54:09 ID:rgEnDrZR
個人的な我侭につきあってくださって書く人氏、感謝です!
書く人氏の本編も、超絶期待してます!!
オサワがせ失礼しました
>>340 これはGJ!!!
まて、あれ?
これ違う2人でも行けそうな気がするので
性別反転ネタを借りても良いでしょうか…?
違う2人のヒントとしては、私のIDですが…
需要ないかそうですかorz
逆エロゲに続きktkr!!(゚∀゚)
やばい、これからの時代はこなたハーレムですよ?
性別逆転しても、やっぱりこな×かがが一番しっくりくると
この続きを読んで思った。
それにしても、この日に出てきたネタに即座に、
これほどの量&質で続きを出せるとは流石はぶーわ氏だ。
何気に、ぶーわ氏によるこなた逆ハーレム絵も見たくなった俺。
男みゆきが古泉に見えて仕方ないw
おすかがには普通に谷口がいたし
なんだ?らきすたTSにはハルヒキャラを出せみたいな条約でもあるのか?w
男かがみはキョンだしなw
男つかさは・・・国木田?
ぶーわ氏GJ!それ以上でもそれ以下でもない!
あと男かがみ人気無さすぎて悶えた
あまりに俺すぎる
346 :
7-896:2007/12/15(土) 15:30:27 ID:0UzAGmwo
>7-896氏
ちょwwwwwwwwwwそれなんて天の岩戸wwwwwwwww
しかもかなた様wwwwwwwwwww
>>328もこれで浮かばれるであろうwwwwwww
そうです、ブームです→結論
このノリで、逆にこなたのみ男というパターンもいいかもしれない。
たしかに保管庫にあったけど、
あれは元からというパターンではないからね。
元から男、というパターンで1つ・・・
今考えたが、それって単なるヲタクってことじゃん
それなんて俺たち・・・(゚∀゚)
こなた「んまぁ、なんてしちれいな!」
やっぱりみんな思うんだよなwww
男かがみ→キョン
男みゆき→古泉
こなたの声はハルヒだし、これなんて憂鬱?www
>>340 GJ!こちらの続きも読んでみたい…!
性別反転のブームに俺も乗りたいZE!
乗りたいZE…遅筆な上に電波がこない、ZE…orz
ひよりの書いた漫画っていう設定でBLものを書こうと
思ったことがあったなぁ
本物のBLを読んだことないからやめたけど。
>>297 前スレで「こなた以外男性化」の話が最初に出たとき、
こなたがかがみの風邪のお見舞いエピソードをそのシチュに置き換えて
妄想してたくらい自分では気に入っていたので、実際文章化はすごいGJ!!
続きwktkです!
>>340 ストライクゾーンをど真ん中にボールがきたwwww
GJです!!!是非この続きも…!
353 :
書く人:2007/12/15(土) 17:56:19 ID:oaRxB9F1
難産でした。一応形になったので投下します。
注1:TS有り
注2:エロなし
注3:みゆ(♂)×こな(♀)
注4:叩かば叩け!あ、け、けどっ、あんまり痛くしないでね…っ!(びくびく)
高良三行(みゆき)は如才ない少年だった。
勉学にも、運動神経にも、容姿にも、そして性格にも恵まれていた。
友人関係も彼は良好だった。クラスメートの誰とも適度に親しく――そして適度に距離があった。
だれとも近しいとは、つまりは誰からも遠いとうことだ。
広く浅く。知人友人は多いがいつも行動を共にする、親友というべきものはいない。
だが、その事を問題視する者はいなかった。本人も含めてだ。
孤立しているわけでも、孤独なわけでもない。
寂しくはない。こんなものだと思っていた。
つい最近までは…。
「みゆっき君、今日はごはん一緒にどう?」
昼休みに、いつもの声がかかる。こなただ。隣にはつかさもいる。いつものチョココロネの袋を手にしている。
毎回昼休みごとにかかる声を、みゆきは待っていた。
「ええ、ご一緒させていただきます」
「やりぃ!」
こなたは近くにあった無人の机を動かして場所を作る。
「結構久しぶりだね、ゆき君と一緒に御飯食べるのも」
「そうでしょうか?」
つかさに言われて、みゆきは最近の昼休みのことを思い出す。
言われてみれば、確かに最近はクラス委員の仕事が多くて一緒に食事を取れなかった気がする。
「最近ずっと振られっぱなしだったからなぁ…まいったよ」
「すみません」
毎日の昼休み、こなたはみゆきに声をかけていた。
ありがたいことだ、とみゆきは思う。
いくら用事があったとはいえ、長い間をはさんでしまえば、その輪に戻るのが気まずくなっていたかもしれない。
普通はそんなことはないのだろうが、色々と考えすぎてしまう癖があるみゆきは、そう感じていたことだろう。
だから、昼休みごとにかけてくれるこなたの言葉は
『いつ戻ってきてもいいよ』
と言ってくれているようで、彼はうれしかったのだ。
「おまたせ…ってもう食ってるのかよ!」
「あむ?かがみ、遅かったね」
いつの間にか、チョココロネにかじりついていたこなたが、やってきた少年に言う。かがみだ。
かがみは不機嫌半分あきれ半分と言った風にため息をついて、近くの椅子を引っ張り座る。
「少しぐらい待てっつーの」
「もう、かがみんってば一人残されるのが寂しいんだ〜」
「お前の中だと俺はどういう位置づけのキャラなんだよ!」
「そりゃ勿論、狼の皮をかぶった寂しがりやのウサギさん」
「二重の意味で失礼だなお前は」
「あはは、けどあってるかも」
「つかさ、お前まで…!」
かがみが輪に加わったことで、会話が一気に弾む。
こなたが話題を振り、かがみが答え、つかさが相槌を打つ。
そのテンポが心地いい。
「三人とも、本当に仲がいいですね」
思った言葉が、口から出た。
いってから、しまったと思う。なんだか改まって言うのも気恥しい言葉だと。
けれど、返ってきたのはからかいの言葉じゃなかった。
「ん?そりゃ違うよ、みゆき君」
「って、えっ!?」
「どんだけぇ?」
こなたの言葉にかがみとつかさが驚く。
そしてそれはみゆきも同じだった。
こなたは、自分達と近しいと思っていなかったのか?
もしそうだとしたら―――
「三人じゃなくて、四人、だよ。みゆき君も入れてね」
「――ぁ」
言われて、はっとする。
目の前で回っていた親友の輪。素晴らしく、そして羨ましいと思っていた絆の連なり。
無意識にみゆきは自分を仲の良い者達の勘定の外に置いていたが…言われて気付いた。
自分も、その素晴らしい輪の中に入っているのだと。
「なんだぁ?こなた、恥ずかしいセリフだな」
「おやぁ?そういうかがみこそ、さっきすごく切なそうな声を上げてなかったかなぁ?」
「―っ、そ、れはだな!」
再び、こなたとかがみの掛け合いが始まる。
気づかせてくれてありがとうと、言うための時機は既に逃してしまった。
その様子を笑顔で見つめながら、みゆきはこなたの事を考える。
やはり、彼女は凄い、と。
こなたがいなければ、自分はこんな風に親しい友人を……親友を得ることは叶わなかったろう。
この三人と過ごす時間があれば、ひょっとしたら何人もの友人を作ることは出来たかもしれない。
けれどそれによって出来るのはOne of friends ―――多くの友人のうちの一人だ。
かけがえのない友人―――かがみや、つかさや、そしてこなたのような親友を作ることはできなかったと思う。
入学のときに差し出されたこなたの手を掴んでよかったと思う。
それは自分を、自分の知らない価値、自分の知らない世界へと導いてくれる手だったのだ。
みゆきは、こなたという少女と友人になれたことをうれしく思い―――
―――同時に僅かに感じた違和感と空虚感が混ざったような感情を、気のせいだと思って無視をした。
「みゆき君と二人きりで帰るのって、ひょっとしたら初めて?」
「そうですね。いつもは方向も違いますし」
放課後、みゆきとこなたは二人で電車に乗っていた。かがみとつかさの姿はない。
みゆきの家は上り方面、こなたと柊兄弟の家は上り方面。
だから一緒に変えるとしても、普段はみゆきとは駅で別れることになるのだが…
「アルバイト、大変ですね」
今日のこなたは、アルバイト先であるコスプレ喫茶に学校から直接行くため、こうしてみゆきと同じ電車に乗っている。
「いやいや、最初はコンプ祭りのためだったけど、最近はバイト自体も楽しくてさ。
しかも結構古株になっちゃったから頼られちゃって」
「ふふふ…僕も一度やってみたいかもしれません」
「いいね!近所の執事喫茶に知り合いがいるから紹介してあげようか?」
などと、とりとめない会話をつづけていて、二人は、自分たちの乗る電車が、乗り換えの激しい駅に止まったことを失念した。
ドアが開き、人が流れ始める。
群としての人間の動きは、個体を簡単に押し流す。まして、小柄なこなたの体はなおさらだった。
「わとぉっ…!」
「こなたさん!」
ホームに押し出されそうになるこなたの体を、みゆきが捕まえる。
手を取り、引っ張り、抱き寄せた。
「あ…」
みゆきは胸の下側――鳩尾の辺りで声を感じた。
その内に社内の陣以降密度は下がり、人の流れは流出から流入へと方向を変える。
空いた座席や吊り輪がどんどん埋まり、電車の中の密度は元に戻る。
アラームが鳴り、列車が出た。
「座り損ねましたね」
その段になって、みゆきは一息をつく。
自分は次の駅で降りるからいいが、こなたはもう少し乗っていなくてはならない。
先ほどの乗り換えの時に空いた席に、彼女を座らせれれば良かったのだが…
「あ、あのさ、みゆき君?」
「なんですか?」
みゆきは自分の腕の中に収まったこなたを見ながら答え―――その状況の意味を認識した。
「す、すみません!」
腕の中のこなたを放し、自分でも分かるほどうろたえた声を上げて半歩下がる。
もしもここが電車ではなく人がいなければ、そのまま何メートルか飛び下がっていたかもしれない。
「いや、謝んなくていいけどさ。助けられたわけだし…」
照れくさそうにこなたは頬をかく。
どう答えようかとみゆきは考えるが、彼の優秀な頭脳は別の作業で容量いっぱいだった。
学生服の厚い布地越しに感じた、こなたのほっそりとした骨格。
わずかに感じた、つつましやかなふくらみ。
香水とは異なる、女性特有の甘い香り。
みゆきの、思春期の少年としての感覚は、忘れていた――忘れかけていた事実を想いださせた。
泉こなたは―――目の前にいるのは―――
「――みゆき君?」
「な、なんですか?」
「なんですかじゃないよ。そっちこそどしたの?急にボーっとして」
「いえ…その…」
言葉を濁すみゆき。
けれども気づいてしまった事実はいかんともしがたい。
目の前にいるの親友は―――女性なのだ。
必死で、みゆきはそんな心の迷いを打ち消そうとする。
いけない。彼女は友人だ。親友であり、そんな対象ではない!こんな思いを抱くのは、ある種の裏切りじゃないか。
それは潔癖な少年らしい心の動き。けれども、彼の心を惑乱させた少女は、無意識にして無慈悲な追撃を加えた。
「あ、ひょっとして―――私に女の子を感じてドキドキしちゃったり?」
「―――」
ああ、駄目だ。
みゆきは自覚する。
想っただけなら、ただの気の迷いで済む。
けれども想いは言葉と言う形にされてしまった。
生じてしまった言霊は、強制力を持って彼を変える。
認識とは、対象物と観測者の関係によって変化する。観測者が変われば認識は変わる。
見慣れたはずの眠たげなこなたの瞳が、長く艶やかな髪が、首をかしげる仕草が、全てが別物に見えてくる。
その全てに―――異性を感じる。
電車が駅に着く。みゆきが降りる駅だ。
ドアが開いた。彼は降りない。
「みゆき君?」
こなたが、うつむいたみゆきの顔を覗き込んできた。
不審さと若干の不安が見える。
自分がからかったせいで、みゆきが傷ついたのではと思ったのかもしれない。
もちろんそれは間違えで、またみゆきにとってはどうでも良いことだ。
今の彼に重要なのは、そんなこなたの表情もまた、魅力的だということだ。
そろそろ、ドアが閉まる頃、みゆきは顔を上げてこなたを見て―――
「だとしたら…」
みゆき自身でもびっくりするようなしっかりとした声音で――
「もし、本当に僕がこなたさんにドキドキしたのだとしたら、どうします?」
言い残して、電車から降りる。
「――――」
こなたが何か言ったような気がしたが、それは扉が閉まる音でかき消えた。
みゆきが振り向けば、こなたが覗く窓はだいぶ離れたところまで行っていた。
こなたの表情は見えない。
「はぁ……」
溜息。
脱力感を感じる。頬が熱く、動悸がする。
けれど後悔はない。むしろ快い開放感があった。
「ああ―――そうか」
少しずつ冷えていく頭が状況の分析を済ませてゆく。
昼間に感じた僅かな違和感。あれは、四人という単語によるものだ。
かがみやつかさを含めた三人と親友でありたいと思う気持ちと同じように、自分の心の中にはもう一つの隠れた想いがあったのだ。
こなたさんと親しくありたい。
あの時の違和感は、無意識の庭で静かに芽吹き育っていた、この欲求の叫びだったのだ。
恋心と言う、欲求。
「そっか…好きなのか」
我知らず、みゆきの口元に笑みが浮かんだ。
やはり、こなたは自分を知らない世界に導く手なのだろう。
まずは今までなかった親友を与え、知らなかった話題を提供し、そして今―――自分を初恋へと誘った。
みゆきは、歩きだした。
まずは帰ろう。
家に帰って、今日の授業の復習をして、明日の授業の予習をして、それから―――
―――恋を成就するにはどうすればいいか、少し調べてみよう。
【高良三行自覚編・了】
あとがき
以上です。次はつかさの自覚編を書こうかと思ってます。
おおおお本格TSktkrGJ!
本格こなたハーレム編突入(゚∀゚)
これは4p展開に期待せざるをえない(゚∀゚)
そして繰り広げられるこなたの処女争奪戦待て次号(゚∀゚)9m
かがみ「寝言は寝て言うものよこなた」
こなた「少しくらい夢みさしてくれてもいーじゃん(=△= )」
GJ!
そういえばこなたとつかさの出会いってどうなるんだろう?やはり困っているこなたをつかさが助けるとかになるんだろうか?
GJ!!!!
百合ばっかり食べてた所為か、久々のノーマルが新鮮です!
照れる二人が可愛すぎる!
>>358 新たなブーム到来ですなー
ぶーわ氏の続きも欲しかったりしてなんだかもうw
>>359個人的には原作と同じで
困ってたつかさをこなたが助けて〜がおいしいな
つかさは男になっても頼りないイメージがある
いい意味で
363 :
23-49:2007/12/15(土) 20:16:09 ID:yP6EA6Zq
新たな流れをぶった切り、一人マイノリティー街道を突き進む俺、参上
どうも、23-49です
>>178さんの用語辞典から受けた電波が形になりましたんで
他に誰もいないようでしたら投下させてください
・こなた&あやの
・エロ無し
・8レス使用
・前作ゆたみさの設定を継承
夏休みが明けて二週間ばかりたった、ある日の昼休み。
私は灰色をした人の群に囲まれていた。
立木文彦とくじらの声が四方八方に飛び交っている。
「焼きそばパン三つ!」
「カツサンドください」
「はいお釣り、130円ね」
「ああっ、もうない! ……すんません、じゃあコレとコレ」
場所は、今のでわかったよね?
陵桜学園高等部の学生食堂の片すみに置かれた、パン売り場の前。
「あ、こら返せ!」
「これは私のお稲荷さんだ!」
はいそこ、変な想像しないの。
パン売り場って言ってもおにぎりや助六ぐらいなら置いてるんだから。
それにしても……九月になったばかりでまだまだ暑いってのに、こう人に囲まれちゃたまんない。
チョココロネ、残ってるかなあ……
あ、っと。
どーも。泉こなたです。
本日は昼ごはんのチョココロネを買いに学食まで来ているところです。
いつもなら学食じゃなくて、登校中とか前の日の帰りとかにコンビニやスーパーで買っておくんだけどね。
昨日も今朝もうっかりしちゃってさー。
たまにやっちゃうんだよねー。
中学から合わせるともう五年以上も続けてることだってのにサ。いやマイッタマイッタ。
あーあ、早く順番来ないかなー。
ってゆーかコレ、列も順もへったくれもないよ。みんな我先にと群がってるし。ちょっとしたカオス。
こーゆーのってマンガやエロゲだけじゃなかったんだねぇ。
それともアレかな。そういうの書いてる人って、学食でパンを買ってたような人が多いってことかな。
いや、どんな人って訊かれても困るんですけどネ?
――むっ! とかなんとか言ってるうちに包囲網に綻びを発見! 突入する!
ふう、やれやれ。無事目標確保、っと。
さすがにいつも買ってるのと同じのは置いてなかったけど、まあ贅沢は言うまい。
次は飲み物を買わなくちゃー……って! 自販機もめちゃ並んでるよ!
こっちはちゃんとした行列だけど、それって逆にショートカット不可ってことだよね。
もーぉ、ツイてないなー。
今日はかがみが来る日だってのにっ!
うん、そーなんだ。
私のヨメこと柊かがみがさ、前はほとんど毎日ウチのクラスまで来て一緒に食べてくれてたのに、
最近……二学期が始まってからだね。二日に一回ぐらいの割合でしか来なくなっちゃったんだよ。
理由を訊いても、
『別に。なんとなくよ、なんとなく。てゆーか、よそのクラスに顔出しすぎかなって、前から思ってたしさ。
いや、そりゃ今さらなんだけど……いいじゃない。女の子には色々あるのよ』
とかなんとか、ハッキリしない。
もちろん納得なんかしてないよ。だった顔がツンモードだったもん。つまり本心は別にあるってことさ。
でも、「女の子」を理由に出されちゃった以上、私には反論できない。
いや、私も女だけどさ。なんてゆーか、キャラ的にね?
最初は、男でもできたのか! と思ったんだけど、普通に自分のクラスで食べてるだけだったし。
つかさやみゆきさんとケンカでもしたのなら、全く来なくなるはずだし。
あと登下校のときもね。
朝、駅前につかさしか来てなかったり、帰りにゲマズに誘っても前より断られることが多くなったり。
そのくせ、居るときは普通に居るんだ。変な様子とか一切なし。
わけわかんないよ。
ふん。いーんだ、かがみなんか。
ソッチがそういう態度に出るんだったら、コッチにも考えがあるもんね。
というわけで今日は焦らしプレイだ。
ふっふっふ、私のことを待ちわびてソワソワしてるかがみんの姿が目に浮かぶ浮かぶ。
ははは! 見ろ! 夫の帰りを待つ新妻のようだ!
――っと、私の番だ。早く買わなきゃ。
「……ん?」
あれ? 今なにか……灰色のモブの群の中に、一つだけ目立つのが混じってたような?
視線を逆スクロールさせると――いた。
一人だけ、私と同じように通常の着色を施された人物が。……いや、比喩表現だけどね?
さておき。
私ほどじゃないにしろ、長く伸ばした栗色の髪をカチューシャでまとめたオデコな女生徒が、
今まさに何かの丼を受け取ってカウンターを離れるところだった。
知ってる顔だ。
あ、向こうも気付いた。
柔らかい印象の糸目を少しだけ見開いて、ぺこりと頭を下げてくる。慌てて私も会釈を返した。
えっと……どうしよう。
あ、先にジュース買わなきゃ。
ゴソゴソ、チャリン、ピッ、バコン。よし。あ、すんませんすんません。すぐどきます。
さて、と。
どうしよう。素通りするわけにも――って向こうから来たよ。
「こんにちは、泉ちゃん」
「あ、ども。えっと、峰岸さん」
峰岸、あやのさん。
隣のクラスの、かがみの友だち。
世に言う“3−Cトリオ”の一角をなす、私たち“3−Bカルテット”とは被りメンバーのかがみを巡って
日夜仁義なき争いを繰り広げている相手。又の名を“アヤノ・ザ・オデコック”。
なわけないよ。なにその厨設定。
ああもう、消し消し。バックスペースバックスペース、っと。
……って、そういえば。
「あれ、一人? みさきちは一緒じゃないの?」
「みさ、きち?」
そう、みさきち。日下部みさお。又の名を“ミサオ・ザ・ヤエヴァー”。
違うって。
八重歯と独特な喋り方が印象的な元気っ娘。
峰岸さんとは100%の確率で四六時中行動を共にしている……わけないか、さすがに。
でもそんなイメージがあるんだよね。
「――ああ、みさちゃんね。今日はクラブの方に顔を出すんだって」
「あー。えっと、陸上部だっけ」
「ええ。もうすぐ引退だから、色々あるみたいよ?」
なるほど。
そっか。クラブに入ってると、この時期も一つの区切りになるんだ。その発想はなかった。
……かがみの変化とも関係あるのかな? クラブはないけど委員会やってるし。
「泉ちゃんこそ、どうしたの? 今日は柊ちゃん、そっちで食べてるはずなんだけど」
「え? あ、うん。これ。朝買い忘れちゃってね」
パンが入った紙袋とジュースのパックを軽く持ち上げて、超簡単な説明。
でも、それを言うなら、
「峰岸さんも――あ、座れば?」
「そう? じゃ、失礼して」
相手にトレイを持たせて立たせたままだということに気付いて、近くの空席を示す。
人出は多いけど、広く作られた食堂はそれほど混雑していない。峰岸さんは素直に腰を下ろし、
私を見上げると言葉の続きを待つ体勢に入った。
ほんのちょっと思っただけなのに、そんなキチンとされても、その、なんだ。困る。
てゆーかタヌキそばですか。渋いっすね。
「えっと……峰岸さん、弁当派じゃなかったのかなって」
「そうでもないわよ? まぁ、基本はお弁当だけど、学食もけっこう好きなの。
今日はみさちゃんも柊ちゃんもいないって分かってたし、ね?」
「ふぅん……」
むう、ソツのない答えだ。
かがみみたいな強がりも、つかさみたいな天然も、みゆきさんみたいな高級感もない。
しかしツッコミどころがないわけじゃ、ない。
今の言い方、そして表情……
「どうしたの、泉ちゃん? 早く戻らないと、柊ちゃん、きっと待ちくたびれてるわよ?」
「あ――う、うん」
やっぱりだ。
何かある。コヤツは何かを知っている。
女の勘――いやオタクの勘――いやいや、かがみのヨメとしての私の勘がそう告げている。
ならば、よし。
予定を変更。
焦らしプレイから放置プレイへ。
「ちょっとゴメンね」
紙袋とパックを峰岸さんの向かいの席に置き、スカートのポケットから携帯電話を取り出す。
アドレス帳から目当ての番号を呼び出して発信。
コール一つ半で繋がった。早いね。
「もしもーし、かがみー?」
『おー、こなたー。どうしたの? パン買えた?』
「うん、買えた買えた」
『だったら電話なんかしてないで早く帰ってきなさいよ。待ってるんだから。食べられないじゃない』
「え? 食べないで待ってくれてるの?」
『つっ――つかさが言ったのよ! 待とうって! わ、私は早く食べたいんだからねっ!』
ほっほぅ。
そしてそれに素直に従ったというわけですか。やっぱ優しいねーかがみは。
かなり気持ちが動きそうになったけど、だめだめ。ガマンガマン。
「そっかそっかー。でも悪いけど食べちゃっていいよー。私こっちで食べるし」
『そうする――……はァ? なんだって?』
「だから、このまま食堂で食べていくから。オナカすいちゃってもう一歩も動けないんだよねー」
『元気そうな声で何言ってんだ。さっさと戻ってこい』
「そーゆーコトなんで。つかさとみゆきさんにも謝っといて? じゃにー」
『え? ちょっとなに本気なの? 待ちなさいよこな――』
ピ、っと。ミッションコンプリー。
電話をポケットに戻しながら、不思議そうな顔で箸を止めている峰岸さんに向き直る。
向かいの椅子の背もたれに手を置いて。
「というわけで――聞いてたよね? ご一緒させてもらっていいかな?」
「え……?」
あ、引いてる。
ちょっと強引すぎたかな。でも私も今さら戻るわけにはいかないし。
「……あ、ごめん。迷惑だった?」
「ううん、私はいいんだけど……」
よしっ。やっぱりこの手の優しそうなタイプには押しよりも引きだね。
……ちょっと悪い気もするけど。
「でもいいの? 柊ちゃんが」
「いーのいーの。かがみはつかさに会いに来てるんだし」
本人が言っていたことだ。
峰岸さんにも、聞かれていたとしたら、同じ答えをしているだろう。かがみの性格なら。
「うーん……でも、どうして急に?」
「ん、ちょっとね。なんか珍しい機会だし、セッカクかなって思ってさ」
嘘ではない。
夏休みに、従妹のゆーちゃんが例のみさきちと仲良くなったって話を聞いて
レアな組み合わせっていうのも面白いなと思ったのは確かだ。
まあ完全な本心でもないけどさ。
「今まで二人きりで話すことってなかったし、これからもなんとなく無さそうじゃない?
このチャンスを逃すわけにはいかないよ」
「そんなことないと思うけど……」
うーん、と、お箸の先っちょを唇に当てる峰岸さん。
自然な仕草が良い感じに萌えるね。
「ま、いっか。それじゃあ泉ちゃん、座って?」
「やたっ。おじゃましまーす♪」
喜び勇んで椅子を引く。峰岸さんは「あらあら」とアリシアさんみたいに笑った。
ふっふっふ、切り込まれたとも気付かず、呑気なものよ。
さあて、それじゃあ聞かせてもらいましょうか、かがみに起こった変化の理由(ワケ)を……
……とは思ったものの。
「えっと……臭いよね?」
「うん……たぶん……」
会話が弾まない。
共通する話題がないんだよ。
私と峰岸さんの両方が確実に知っているものといえば、この陵桜学園とその周辺ぐらいだ。
授業の内容だとか先生に対する愚痴だとかで細々と繋いできたけれど、それもそろそろ限界。
もう話すことがなくなりかけている。
切り札というか本題というか、かがみの話がまだ残ってるんだけど、
もう少し打ち解けてからと思って先延ばしにしているうちに、完全にタイミングを逃してしまった。
やっぱり最初から素直に訊けばよかったかなー?
てゆーか慣れない相手と話すのがこんなに大変だとは……知ってたけどね。忘れてたよ。
ゆーちゃんはみさきちとどうやったんだろう?
……向こうが勝手に喋ってくれたんだろうな。
てことは、この場合は、私の方が頑張らなきゃだめってことか。ちゅるちゅる。
「ねえ、泉ちゃん」
「ぷぇっ!?」
……変な声が出た。
ジュースを飲んでいるときに急に話しかけないで頂きたい。噴き出さなかったからよかったけどさ。
「……だいじょうぶ?」
「う、うん。平気。――なに?」
「その……お昼、それだけなの?」
「へ?」
本日のメニュー。
チョココロネ一つ。りんごジュース一本。以上。
確かに少ないね。でも、
「そだよ」
「そんなので足りるの?」
「うん。身体ちっちゃいからねー。燃費がいいんだ」
「ん〜〜……というか、食べないから大きくならないんじゃない?」
「あはは、そうかもね」
いや、てゆーかなんで今さら? 普通最初に訊かない?
あ、そうか。
紙袋にゴミを入れて丸めだしたからか。もう一つや二つ、何か出てくると思ったんだろな。
思慮深いというか、奥ゆかしいというか。
お姉さま的というか。
あるいはやはり、
「アリシアさんって感じだよね」
「え?」
「あ」
何を言っているんだ……!
「ありしあ、さん?」
「……ごめん、なんでもない。忘れて」
ううう。久々に食らったよ、“何の話ですかバリヤー”。そんな無垢な目で私を見ないでっ!
まったくもう、なんだって口に出すかな。
理解のある人間が最近で急に増えたから、ブレーキが甘くなってるのかも。
なんて意味もなく自己分析していると、アリシア――もとい峰岸さんが「ああ」と声を上げた。
「えっと、『ARIA』のアリシアさん?」
「へっ?」
なんて言いました? ありあ?
「あ……ごめんなさい。違ったかな……」
「え? あ、違う違う。――じゃなくて、合ってる合ってる」
恥ずかしそうに縮こまる峰岸さんに、慌てて訂正を入れる。
「そうなの? よかった」
「そぉそぉ。『ARIA』のアリシアさん……だけど……」
なんで知ってるの?
そんな意味を込めた視線を投げると、どうやら察してくれたようで、納得顔。
「私だってマンガぐらい読むわよ。『ARIA』は、けっこうお気に入りかな?」
「そ、そうなんだ……」
意外だ。
悪いけど、意外だ。想定の範囲外だ。その発想はなかった。コペルニクス的転換だ。ちょっと違うか。
どっちかって言えばマイナーな部類に入ると思ってたんだけど。アニメ化もしたとは言え、深夜だし。
でも、
言われてみれば、マッチしている気もする。
峰岸さんと、『ARIA』。両者の持つ、空気というか、そんな感じのものが、どこか共通している。かも。
「綺麗なお話だよね? 水の都、ネオベネチア。ウィンデーネと呼ばれる水先案内人。
地下に鉄球を走らせて重力を作ってる、なんて設定も面白いと思わない?」
「はあ……」
むう。
しかしやはり、私らとは視点というか、感性が違いますね。大幅に。
私なんかにゃそんな綺麗な感想なんてとてもじゃないけど持てまっせん!
「あ、ごめんなさい。泉ちゃんには分かりきってることだったよね? それで、アリシアさんがどうしたの?」
「えっ! あ、うん。いやその……峰岸さんが、似てるかなって」
「私が? ……そんな、私はあんなに素敵じゃないわよ」
照れたようにクスクス笑う峰岸さん。
本気で否定しているようには見えないけど、それがイヤミにもなっていない。
ズルいなぁ。みゆきさんとは別の意味でズルいよ。
「じゃあ、泉ちゃんは……アリア社長かな?」
「ぶっ、ぶいにゅっスか!?」
噴いた!
何も口にしてなかったけど、あえて言うなら全米を噴いた!
なんという不意打ちっ……!
予想外ってレベルじゃねえぞ!
「あっ、ごめんなさい。でも泉ちゃん、猫ってイメージだから」
「むう、自分じゃキツネだと思ってるんだけどね……」
いやちょっとなんていうか、今の一言で峰岸さんのイメージがかなり急角度に折れ曲がりましたよ。
「じゃあ、せめてヒメ社長になりませんか」
「あら、ダメよ。ヒメ社長は柊ちゃんなんだから」
「ええ〜? かがみは藍華でしょー。ツンデレツインテだよ?」
「……? 髪型はあんまり関係ないと思うんだけど……」
「そうかなあ? じゃあ――」
「うん――」
「――」
「――」
そのあとも色々と、マンガやアニメ、あるいはそれらを原作とする映画やドラマの話題で盛り上がった。
峰岸さんは、ライトかと思えば変なところで妙にマニアックだったりもして、
何より自分とは微妙に、あるいは大きく異なる見解が新鮮で、退屈はまったくしなかった。
というか盛り上がりすぎた。
もう昼休み終わっちゃうよ。
「いやー、意外だったねそれにしても。峰岸さんがこんなに詳しいなんて」
「うふふ、どういたしまして。でもほとんどは彼の受け売りなんだけどね?」
彼? って誰?
……ああ、代名詞じゃなく、いわゆる“カレシ”のことですか。
そーいや貴女にはいるんでしたねそういう人が。
「えっと、みさきちのお兄さんなんだっけ?」
「えっ!? どうして知って……そっか、柊ちゃんね?」
え、あれ? マズかったかな?
「もうっ。泉ちゃんにはなんでも話しちゃうんだから」
「そんなこと……」
――あ。
これは、チャンスかも?
「そんなこと、ないよ」
「え? ……泉ちゃん?」
そうだよ。
かがみだって、私に話してくれないことはあるんだから。
「かがみさ、最近……新学期になってから、そっちでお昼食べること増えたでしょ」
「そうだけど……え? ということは、聞いてないの?」
「……ということは、知ってるんだね?」
よぉし、引っ掛かった。
運び出しは上々。
ここから上手く緩急を使い分けて……
「ええ。もちろん」
って、あれ?
ちょ、ま……そんなアッサリ……
「でも、柊ちゃんが言ってないなら、私が話すわけにはいかないわ。部外者だし」
「ま、待ってよ……部外者ってことはないでしょ」
思わず情けない声をあげる私に、峰岸さんは底の知れない笑顔で答える。
「部外者よ? まあ、完全に無関係でもないけど」
「だったら――」
「だぁめ。だって部外者というよりは傍観者……そうね、物語の登場人物と、読者ってところかな?
いくら裏側を知っていても、本の中に入ってそれを教えることはできないの」
いやそりゃ二次元世界への突入の不可能性は私も十分に理解していますけれどもっ!
「そんなの、現にこうして話してるじゃんっ」
「そうね」
いや「そうね(笑)」じゃなくて。
くそう、なんなんだこのガードの固さは! C組の栗色は化け物か!
「知りたい?」
「や、そんな、別に……ううん。知りたい」
「そうよね。うちのクラスまで覗きに来るぐらいだもんね」
「え――」
気付かれてた!?
そんな……かがみにも気付かれなかったのに。
アホ毛も隠してたのに――つかさにリボンまで借りたのにっ!
てゆーかモノローグでも明言を避けたことをそんなアッサリばらさないでよっ!
「じゃあ――ヒント」
人差し指を、ぴっ、と立てて、峰岸さん。
笑顔の上にさらに笑顔が浮かんでいる。ちょっと怖いんですけど。
「な、なに……?」
「私が読者で、泉ちゃんは物語の登場人物――いい?」
ひとまず、うなずく。
納得はしてないけど。
「でも泉ちゃんは主人公じゃないの。少なくとも、私が“読んでる”ぶんにはね。
――それでは、主人公は誰でしょう?」
……?
いやごめん全然意味が――いや待て。
物語とかは置いとこう。状況を見るんだ。
今私が置かれている状況。
主人公とは、つまりその中心人物か。私ではないとするなら、それは――
「……かがみ?」
「正解」
さらに、さらに、笑顔。
ねえ、それ威嚇? 威嚇なの? 怖すぎるんだけど。
「そしてもう一人」
「え?」
「そのもう一人に、読者としての私は感情移入をしているの。だから、こうして会話ができたとしても、
私が手助けをするのはそのもう一人のほう。泉ちゃんじゃないの。だから、教えてあげない」
「はい?」
「はい、ヒント終わり。あとは自分で考えてね?」
「え……って、ちょっと待って――」
「残念。時間切れ」
予鈴。
「あ……」
「さて、と」
峰岸さんが席を立つ。トレイを食器返却口へと返しに行って、そしてまた戻ってくる。
私はそれを茫然と眺めているしかなかった。
「それじゃ、戻りましょ」
「……」
言われるがままに席を立つ。そのまま並んで校舎へと。
思考がまとまらない。脳がフリーズしてる。再起動ってどうやるんだっけ。
ちらり、見上げる。
隣を歩くその笑顔は、いつの間にか普通のものに戻っていた。
優しげに細められた糸目がどこを見ているのか分からない。
「……ねえ」
「なぁに?」
何もかもがさっぱりだけど、判明したことも無いではない。
「せめてさ、そのもう一人ってのが誰だか教えてよ」
「う〜ん……だぁめ」
一つはこの、目立たなくて優しそうな人が、思わぬ強敵らしいってこと。
「社長命令です。アリシア、答えなさい」
「あらあら、社長は人間の言葉は喋らないわよ?」
そして、どうやら、
「ぶ、ぶいーにゅ?」
「うふふ、ごめんなさい。猫の言葉は分からないの」
「ぬおぉぉ……」
新しい友達ができたらしいってこと。
「いーじゃん教えてよぉー!」
「だ〜め♪」
今日のところは、それでよしとしようと思う。
372 :
23-49:2007/12/15(土) 20:30:46 ID:yP6EA6Zq
以上です
ありがとうございました
続きとか特に考えてないです
てゆーかこのあと妄想屋(仮名)氏の「喧嘩をやめて」ルート以外に何があるのかと
うは、なんという心理戦!
いいなあ、こういうの。
さて、ただいまご指名にあずかりました妄想屋(仮名)でございます。
……うん、空気読めてないのはわかってるんだ。
ごめんね、明日出発だから時間なくって、ごめんね(´・ω・`)
----------------------------------------
こな☆フェチに感染したのは、いつものメンバーだけではなかった。
校内きってのヤンデレ・言○軍団がこなたに襲い掛かったのだ!
いかな格闘経験者とはいえ、多勢に無勢。あっという間にもみくちゃにされる、こなたとこなつー。
「中にだれもいませんよ?」
「ちょ、お腹のフタ開けんなー!」
「こ、こなただけに鉈デスカ!? ……って、シャレになんないよ! どなたかへるぷみー!!」
刹那。どこかで聞いたような発射音とともに大爆発が巻き起こった。吹っ飛ぶ言○軍団。
こなた「あ、聞き覚えがあると思ったらガンダムじゃん」
「こなた! 大丈夫っ!?」
「その声は……まさか!?」
こなたが見上げた、その空にいたのは……
つ【
ttp://freedeai.com/up/src/up5816.jpg】
「……え、えっと、こ、こういう時なんて言えばいいのかしら?
……えーっと…… 『お前を……殺す』?」
「ちょ、かなたおかーさん、元『神様の秘書』がそれはマズイっしょ。 ……んー、『月はいつでもそこにある』、とかとか?」
「こなつー、それWじゃなくてXだよ」
----------------------------------------
はい、塗りますた。
なんとか間に合った……
さあ、準備準備。
374 :
7-896:2007/12/15(土) 20:50:07 ID:0UzAGmwo
>>372 この組み合わせみたかったんだ
意外とイケそうな気がしてたんだが難しくて…
書いてくれる人がいたとは!GJ
376 :
ぶーわ:2007/12/15(土) 21:11:59 ID:rgEnDrZR
>>346 で呼ばれたので自重しないで描いてみました
ttp://www.uploda.org/uporg1157238.png どうみても憂鬱です 本当にありがとうございました。吊ってきます
自分の偽続編の続きも一応考えてますが、さすがに書く人氏の本編が終わるまでは自重しますね
許可が下りれば……自重しなくて大変なことに!
>>372 GJ!
こなあやてあーたなんてマイナーなものをw
これは辞書に新規登録しなくちゃ!
>>374 挿絵キタ! ここは一番、ツボだったシーンです!
もちろんポイントはこなたの頬が染まっててみゆき君のが染まってないところですよね? 答えは聞いてない!
>>376 挿絵にひとこと
ええ、鏡君の意見に大賛成です
泉こなた:平野 綾
柊鏡:杉田 智和
柊司:松元 恵
高良三行:小野 大輔
これできまりでしょう(゚∀゚)
こなた「かがみくん、あんた、死刑だから( =_,_,=.)9m」
378 :
23-251:2007/12/15(土) 21:35:34 ID:gnCuMJXS
>372
GJです。
繊細な心理描写と、落ち着いた雰囲気がある文体が素敵ですね。
今から投下いたします。
こなた×ゆたか(エロあり注意)
土曜日の朝、私は、珍しく早い時間に目を覚ました。
すぐ隣にゆーちゃんが、すーすーと小さな寝息を漏らしている。
従姉妹のゆーちゃんと恋人同士になって、はや1ヶ月が経つ。
お父さんは、あっさりと承知してくれたし、何故か赤飯を炊いて
祝ってくれた。
(祝い方が激しく間違っている点については、指摘はしなかったが)
私に男の恋人が出来るのがよほど嫌なのか、娘の選択を尊重して
くれているのかは微妙だけれど。
ゆい姉さんも私たちの関係を知っている。
しかし、ゆーちゃんの両親はまだ知らない。
もし、二人の関係を知ってしまったら…… どうなるかは
分からない。
最悪、実家に帰されて、ゆーちゃんと離れ離れになって
しまうかもしれない。
ゆーちゃんと別れることは絶対に嫌だったから、ゆい姉さんと
お父さんには、話さないでもらうように頼んでいた。
いまだ夢の世界にいる、ゆーちゃんのふっくらとした
ほっぺたをつんつんとつつく。
「ん…… 」
鈴の鳴るような音を漏らして、ゆーちゃんはむずかる。
更につつき続けると、
「んんっ」
と、首を振って、無意識に私の人差し指から逃れようとする。
でも、まだ目を覚まさない。
もうちょっと寝かしてあげることも考えたけれど、ゆーちゃんが
起きないと、やっぱりつまんない。
唐突に、私の頭の上に電灯がともった。
あまりにもベタなシチュだけど、無性にやってみたくなる。
ゆーちゃんの唇に、自分のそれをゆっくりと近づけ、重ね合わせる。
眠り姫を目覚めさせるキス――
唇を重ね合わせて数十秒が経ったとき、ゆーちゃんは瞬きを
繰り返して、目を覚ました。
「えっ、あっ!? 」
寝ぼけているゆーちゃんは、事態が分からずに驚いたままだ。
私は、ちょっと笑ってからかうような口調で囁いた。
「おはよう。ゆーちゃん」
「あ、おねえちゃん」
ようやく、ゆーちゃんは私がキスをして起こしたことに気がついて、
紅くなりながらも、ほっぺたを膨らました。
「お姉ちゃん。ずるいっ」
「えっ、なんで『ずるい』の? 」
「私だって、お姉ちゃんをキスして起こしたかったのに」
「あはっ」
私は思わず笑ってしまった。それから、ゆーちゃんを抱きしめて
耳元で囁く。
「明日、キスで起こして」
「う…… うん」
耳元まで真っ赤になってゆーちゃんは頷いた。うーん。可愛い。
ゆーちゃんは本当に萌えの塊だ。
あどけなくてころころと変わる表情をみていると、たまらなく
愛しくなってしまう。
「ゆーちゃん。ちょっといちゃいちゃしたいな」
「いちゃいちゃ? 」
「そうだよ。土曜日の朝は、恋人同士で愛を確かめ合うんだよ」
私の妙な言い方に、ゆーちゃんは笑った。
「お姉ちゃん。『いちゃいちゃ』と、『愛を確かめる』はずいぶん
違うと思うけど」
確かに。でもやることは一緒だよ。
「一緒? 」
「そうだよ…… 例えば」
私は、ゆーちゃんの背中に腕を回しながら、彼女の唇を再び塞ぐ。
お目覚めの軽いキスではなくって、喉の中まで蹂躙する深い口付け。
「ん、んぐぅ」
ゆーちゃんは呻き声を上げながら、私にしがみついてくる。熱い体温が
パジャマ越しに伝わってきて、えっちな気分が高まってくる。
「ん…… あぅ」
私は、キスをしながら、ゆーちゃんのパジャマの下に手をもぐりこませた。
流石に、濡れているということは無かったけれど、ゆっくりと下着の上から
愛撫を始める。
「お、おねえちゃん!?」
唇を離して、ゆーちゃんは悲鳴まじりの声をあげた。
まさか、いきなりアソコを触られるなんて思っていなかったのだろう。
私の魔手から逃れようと懸命に身体を捩る。
「今日はちょっと趣向を変えようと思ってね」
「お姉ちゃん。いきなり過ぎだよっ」
ゆーちゃんは抗議の声をあげた。
「だが断る」
「ええっ!? 」
ゆーちゃんは困惑しているけど。再び口付けをしながら、ゆーちゃんの
アソコに手を伸ばす。
今度は下着の中まで手をもぐりこませる。
ゆーちゃんは、高校一年生なんだけど、まだ産毛程度しか生えていない。
アソコまで萌え要素を極めなくてもいいのに、なんてことを考えながら、
恋人の割れ目をなぞっていく。
「あぅ…… んんっ、ふああっ」
可愛い唇の端から、唾液を零しながら喘ぎ声がもれる。
私は、えっちをする時に出すゆーちゃんの喘ぎ声が大好きだ。
下手な美少女ゲームより、よほど興奮してしまう。
二度目の深いキスを終えた後、首筋に舌を這わせる。
「はうっ、おねえちゃんっ」
ゆーちゃんは、身体を震わせながら悲鳴をあげる。
「あんまり大きい声をあげると、お父さんの部屋まで聞こえちゃうよ」
「で、でも、くすぐったいよっ」
顔を真っ赤にしながら、ゆーちゃんは形の良い眉をしかめる。
「ゆーちゃんは、くすぐったいのはキライ? 」
「嫌いじゃないけど、気持ちいい方が…… 」
だいぶ、私に開発されたかなあ。最初の頃はこんな台詞は
いわなかったけれど。
お姉さんは嬉しいやら寂しいやらだよ。
「じゃあ、気持ち良くしてあげるね」
私は、舌を使って、陶磁器のようにすべすべで白い肌に、唾液の跡を
つけていく。
純白のキャンパスを淫らに染めてしまう行為は、強い興奮を
覚えてしまう。
「お姉ちゃん。だめ、そこ、だめだよう」
「『そこ』がいいんだね」
ゆーちゃんの言葉どおり、脇の下あたりを重点的に舐めていく。
「ひゃあ、だめ、やめてっ、そこほんとに弱いのっ」
弱点をばらしちゃ駄目だよ。
素直すぎる彼女の今後が、ちょっと心配になってしまう。
「おねえちゃん、駄目、あんっ」
ゆーちゃんは、身体を捩らせながらあえぐ。
私は、下半身がじゅんと湿り気を帯びていることを自覚しながら、
脇下から乳房へ向けて、舌端による愛撫を続けていく。
じゃまー
「ゆーちゃん。胸って揉んでもらうと大きくなるって、
偉い人がいっていたよ」
ゆーちゃんも、この『都市伝説』を否定していないようで、
顔を真っ赤にしながら囁く。
「お姉ちゃん。もっと、さわって…… 」
「まかせたまへ」
右の乳房に舌を這わせながら、同時に左の緩やかな丘を、リクエスト
通りに左手で揉んであげる。
「ひゃっ、おねえちゃん…… んんっ」
ゆーちゃんの喘ぎ声をBGMにしながら、私は丁寧に乳首の周りを
愛撫していく。色素は薄くて、霞むような桜色だ。
彼女の突起は、私の丹念な愛撫を受けて、普段より大きく膨らみ
硬くなっている。
「ゆーちゃん。凄く興奮してきたね」
さんざんじらした後、ゆーちゃんの乳首を舌でつついてあげる。
「ひゃああっ」
とても切なそうな声が、私の耳朶に届く。
「おねえちゃん。もう我慢できないっ」
短めの髪を振り乱しながら、ゆーちゃんは、なんと自分自身の
アソコを、私の掌をおしつけてくる。
「お姉ちゃん! 私をぐちゃぐちゃにしてっ」
大きな瞳でまっすぐに私を見ながら、懸命に訴えかける。
やばい。これなんてエロゲ?
ゆーちゃん。私の理性を完全に吹き飛ばすつもりかな?
もう…… どうなっても知らないよ。
「ゆーちゃん。我慢させちゃってごめんね」
私は、期待を込めて見上げる恋人に、言葉では謝りながらも、
いきなり膣の中に指を突っ込ませた。
「痛っ…… 」
ゆーちゃんは眉をしかめた。
まだ誰も受け入れていないゆーちゃんのアソコは狭くて、私の
指ですら強烈に締め付けてくる。
「ゆーちゃん。もっと身体を楽にして」
「う、うん。お姉ちゃん」
ゆーちゃんは、緊張でカチコチに固くなった身体をほぐそうと
何度も深呼吸する。
「そう、その調子だよ」
私は、ゆーちゃんの乳首を舐めながら、右手を使って膣の入り口の
粘膜を擦ってゆく。
「ん、んあっ…… ああっ…… 」
ゆーちゃんは、私の指の動きに合わせて、リズミカルに腰を振って
快楽に酔いしれている。
「だめっ…… 変になっちゃうよ。」
細い四肢をガクガクと震わせながら、ゆーちゃんは快楽の泉の中で
もがいている。
快楽で歪んでいる幼い顔だちと、脳に直接響くような切ない喘ぎ声を
聞いてしまうと、もうたまらない。
今更、止めることなんてできやしない。
私は本能の赴くまま、ゆーちゃんの身体の愛撫を続ける。
「もうだめ、いっちゃう、イッちゃうよ」
そろそろ限界かな。
私は、指先のピストン運動を速めていく。
「おねえちゃ…… ん。わ、わたし、だめ、あの、本当に、駄目っ」
私は、ゆーちゃんの『駄目』意味をキチンと理解していなかったから、
更に手の動きを加速してしまう。その結果――
「おねえちゃん! だめええっ、漏れちゃうっ」
「えっ!? 」
私は慌てて手を止めたが、既に遅かった。
ゆーちゃんは身体をがくがくと震わせながら、絶頂とともに
尿道口から潮を噴き出した。
「ゆ、ゆーちゃん!? 」
「とまらない、とめられないっ」
ゆーちゃんの身体は、悲鳴をあげる彼女を完全にあざ笑っており、
間欠泉のように、びゅっ、びゅっ、と勢い良く噴き出し続けている。
「やだ、どうして? 嫌。いやあああっ」
ゆーちゃんは顔を真っ赤にして絶叫した。
「あ、あの。本当にごめんなさい」
行為が終わって気持ちが落ち着いた後、ゆーちゃんは小さい
体を更に縮こませて謝った。
被害概要――
まず、毛布と掛け布団とシーツがびしょびしょ。
シーツの下も毛布までぐっしょり。そして私もゆーちゃんも
濡れまくりという惨状だ。
「いやいや。悪いのは私だから気にしないでよ」
私は、ぱたぱたと手を振った。
シーツは洗濯するとして、毛布と布団はとりあえず干すしか
ないだろう。
もっとも毛布は、後でクリーニングに出さないといけないけれど。
「まずは、身体を綺麗にしようか」
「う、うん」
流石に、潮まみれでは二人とも風邪をひいてしまう。
「ゆーちゃん。一緒にシャワー浴びよう。そだ。お風呂も入ろうよ。
暖めなおせばいいしね」
「ありがとう。お姉ちゃん」
妖艶なゆーちゃんもたまらないけど、やっぱり笑顔が最高に似合う。
濡れた衣服とシーツをまとめて洗濯機に放り込むと、
私とゆーちゃんは仲良くバスルームに入った。
風呂場に向かう途中、廊下のところどころに鼻血と思われる
痕跡が残っていたけれど。
世界の平和の為に、見なかったことにしてあげよう。
(了)
リアルタイムにてGJ。
口から砂糖吐きそうな甘ぁいらぶらぶえっち、どうもご馳走様でした。
あとそうじろう自重。熱く激しく自重w
リアルタイムエロGJ!
こなた「世界の平和のために、見なかったことにしてあげよう
ったく、自重してよね・・・」
みゆき「ありがとうございます、そしてごべんださいだばだば」
こなた「ちょwwwwwのぞき魔あんたかよwwwwww」
389 :
23-251:2007/12/15(土) 21:51:03 ID:gnCuMJXS
読んでくれた方、ありがとうございます。
今回は普通のえっちとあいなりました。
こなゆたは目下のところ、個人的にはお気に入りです。
あと、短編は、長編とは別の難しさがありますね。
>387
自重は無理w
390 :
書く人:2007/12/15(土) 21:53:28 ID:oaRxB9F1
ちぐはぐランチとかいう神作品や
7-896先生やぶーわ先生の挿絵や
皆様のGJのおかげでテンションが上がりまくってやってしまった公開していない。
らき☆すた SEXCHANGE 〜柊司・自覚編〜
投下します。
あとSaturday Morning GJ!
それとぶーわ氏。
じじゅー?なにそれ?おいしーもの?
自重など不要です。ガンガンお願いします。
つかさには頼れる兄がいた。
勉強も、スポーツもできるしっかり者の双子の兄、かがみだ。
彼にとってかがみは文字通り頼れる存在であり、同時に敵わない相手でもあった。
勉強でも、スポーツでも敵わない。
コンプレックス、という程ではない。好きか嫌いかと言われれば好きだし、尊敬している。
また自分にだって、料理や家事などの得意な分野もある。
そしてなにより、敵わない現状に満足している自分が、つかさの中にいた。
お兄ちゃんだからしょうがないか。
お兄ちゃんだから負けてもいいよ。
そんな争いを避ける感情が常に心の中にあった。
けれど……ついに見つけてしまった。
たとえ争ったとしても兄に――かがみにであっても負けたくないものを。
風がなく、地面に対して垂直に下りて傘にぶつかる雨音が心地いい。
つかさは買い物バックを手にして歩いていた。夜の雨の中だが機嫌は上々だ。
「たこわさ安かったな〜」
理由はそれ。
買いに行ったのはケーキの材料だったが、偶然に見たナマモノコーナーで安売りしていた。
鼻歌でも歌いそうな風に歩いていると、バス停に見慣れた影を見つけた。
自分が通う学校のセーラー服をきたその姿を見間違えるはずがなかった。
「こなちゃん?」
「ん?あ、つかさだ」
ひさしが付いたバス停の待合に座っていたのはこなただった。
今日はバイトがあるからとみゆきと一緒の電車で帰ったはずだが…
「バイト帰り?」
「うん、それで雨宿り。けど…本降りになってきちゃってさ」
バスがなかなか来ないなぁ、とぼやくこなた。
いつもの余裕があるというかやる気のないとうか、そんな自然体のように見えるが…
「…なにか、あったの?」
つかさは買い物袋を置いて、隣に座る。
「何のこと?」
「隠しても分かるよ」
雨垂れを見つめたままのこなたの横顔に、つかさは笑いかける。
入学したての頃からずっと、こなたのことを見てきた。みゆきや、そしてかがみよりも。だからこそ、確信を持って言える。
「……ちょっとさ」
観念したかのように、こなたは口を開く。
「少し気になること言われてね」
「……傷つくようなこと、じゃないよね?」
「うん、そんなんじゃなくて……よくわからないこと」
表情に嘘は見えない。きっと本当に分からないのだろう。言われたことの内容―――というよりその言葉が自分に対してどんな意味を持つのかが。
「ま、多分冗談だと思うんだけどね!」
言いながら、こなたは伸びをする。どうやら彼女の中で一つの結論が付いたらしい。
「ありがと、つかさ。相談乗ってくれて」
「僕は何もしてないよ」
謙遜抜きでつかさはいう。実際、ただ気になることを聞いただけなのだから。
「けどさ、実際誰かに聞いてもらえなかったらずっと同じ所をグルグル回ってただけだと思うから。だから…ありがとう」
「そっか…」
よくわからなかったが、こなたが救われたのならそれでいいのかもしれないと、つかさは思い、自然と顔がほころぶ。
「さって、じゃあ、そろそろ私、帰るよ」
「え、けど…」
つかさは空を見る。雨粒が直接見えるわけでもないが、トタン屋根を打つ雨音は変わらない。
「ずっとここで待ってるわけにもいかないし、走って帰るよ」
諦めた感じでこなたは言う。
確かにこのまま待っていても、雨が上がる気配はないのだが…
「ま、まってよ!」
「ん?」
今にも飛び出して行きそうなこなたをつかさが止める。
「よかったら一緒に入ってかない?」
「そりゃありがたいけど、方向逆じゃん。買い物帰りでしょ?」
こなたの指摘は正しかった。泉家と柊家ではここから見て真逆の方向だ。しかも結構距離がある。
だからつかさは折衷案を出した。
「家は遠いけど…この近くにうちの神社があるから、そこによって傘を借りればいいよ」
今の時間なら、まだ父か祖父がいるはずだ。
「あ、そっか。その手があったか、ナイスつかさ!」
「えへへ…」
ウィンクして親指を立てるこなた。
つかさは照れ臭そうに笑いながら、自分が来ていたジャンパーを脱いで
「はい」
「何?」
「着てよ」
と、こなたに渡す。不思議そうにしているこなたに
「2人だと濡れちゃうから、こなちゃんが着なよ」
「え、悪いよそんなの…」
遠慮するこなたに、つかさは珍しく強引に押し付ける。
「いいからいいから。僕だって男なんだから女の子を雨で濡らしちゃうわけにもいかないでしょ?
それに……」
「それに?」
つかさは、少し言いにくそうにしてから……
「…下着、ちょっと透けてるよ?」
結局、こなたはつかさの言葉に従い、セーラー服の上からジャンパーを着込んだ。
「うへぇ…べしゃべしゃだぁ…」
「ううう…ついてないよぉ」
10分ほど後、濡れネズミになった2人が神社の裏にある事務所にいた。
つかさは胸から下、こなたに至っては頭からずぶぬれだ。
「二人とも運が悪かったね。水をはねられるなんて」
柊の父が苦笑いをしながらタオルを貸してくれた。
「ありがとう」
「ありがとうございます」
2人は乾いたタオルに顔をうずめて一息つく。
2人が濡れネズミな理由はトラックだ。
一撃必殺、見事なまでの水はねだった。
「奥にシャワーがあるから使いなさい。それじゃあ、私は仕事がまだあるから」
そう言って父親は事務所の方に戻って行った。
二人は奥に入り、出してもらったお茶を飲みながらこなたは言う。
「ううう…ジャンパーがなければ即死だった。下着的な意味で」
「あはは、貸しといて良かった」
苦笑するつかさ。ちなみに彼の方は下着までアウトだった。
「それじゃ、こなちゃんから先にシャワーもらってきなよ?」
「ん?いいの?じゃ、遠慮なく〜」
そう言うと、こなたは奥の方に歩いて行った。
そするうと、妙につかさの所在がなくなる。
雨の音は相変わらず外から聞こえてくるのに、感じるのは静けさだった。
「ふぅ…」
お茶をもう一口飲んでから、ソファの背もたれに体を預けて天井を見上げる。
胃から広がる温かさが心地いい……
「おぉうい、つかさ〜」
突然に、つかさは意識を呼び戻される。
「なに、こなちゃ……!ぅわたぁっ!」
顔をこなたの方を向け―――目に飛び込んできた光景に、つかさはバランスを崩す。
扉の陰から、こなたが首だけを出してこちらを見ていた。
けれど当然体が全部隠れているわけではなくて、そのほっそりとした肩口のあたりまで見えていて…
……その肩は布で覆われていなかった。
つまり扉の向こうのこなたは何も身に付けていないということで…
「だだだ!ダメだよこなちゃん!」
「何が?」
「み、見えちゃう!服着てよ!」
「いいじゃん、このくらい。大事な所は見えてないっしょ?それより、バスタオル貸してくれない?」
「ええ、えっと…た、多分脱衣所にあると思うよ!」
「ん?そう……?」
こなたの頭が扉の向こうに引っ込む。しばらく音がして…
『おお!あったあった!サンキュー』
声が返ってきて、しばらくしてから雨音とは違うまとまった水音、シャワー音が聞こえてくる。
それを確認してから、つかさは大きく息を吐いた。
「こなちゃんったら……」
脱力。その後、頬杖をついて物思いにふける。
「…からかわれたのかな?」
自称キツネのこなたはイタズラ好きだ。そしてその対象は大抵、兄のかがみだが、今回は自分にお鉢が回ってきたのかもしれない。
だがあるいは…
「それとも……男として見られてないのかな?」
だとしたら、少しショックかもしれない。
かがみとつかさの上には二人の姉がいる。その影響のせいか、つかさは頼りない――どちらかと言えば女の子に近い性格だ。
「そう言えば初めてこなちゃんと会った時も……」
やけに体格のいい外国人さんに話しかけられて困っているときに、こなたが助けに入ってくれた―――武力介入で。
「やっぱり、そうなのかもな」
男として見られていないのかもしれない。だとしたら
「結構傷つくかもな…」
自分が男らしくないというのは自覚しているし、別に治そうとは思わない。自分の趣味や性格は、それなりに気に入っている。
けれど、流石にこなたに男として見られていないって言うのは…、とそこで疑問が生じる。
「―――どうして、こなちゃんだけにそう思ってもらいたくないんだろう?」
自分の思考に対する疑問。なぜ、こなたに自分を異性として認識されて欲しいのか?
答えなど、すぐに出る。
「こなちゃんのこと……」
「つ〜かさ!あがったよぉ」
「!そ、そう」
出かけた結論を、慌てて飲み込む。
いけない。何を考えていたんだ。
振り払うようにつかさは身を起して―――こんどはこなたの姿に固まった。
「じゃーん!ハ〜ダ〜カ〜ティ〜シャ〜ツ〜」
ドラえもん風な口調で言ったそれは、言葉のままの姿だった。
小柄な彼女の体を包んでいるのは、男物のTシャツだけ。
ほっそりとした足が、Tシャツの下から生えている。
襟口からは鎖骨が浮き出た肩が見える。
「いやあ、本当はYシャツがあったらよかったんだけどさ〜」
「だ、駄目だよ…服、着て…」
本当は見るべきじゃない。目をそむけるべき。
理性ではそう言っているのに、つかさはこなたから目を背けることができなかった。
その様子を見て、こなたはいつもとは違う、どこか媚びるような誘うような笑顔を作ってみせる。
駄目だ…来ちゃ…
「どう?この男のロマン?似合う?襲っちゃう?」
言いながら近づいてくる。そして…すぐ近く、手の届くところにまで近づいて…
「なーんちゃって☆びっくりした?」
「――え?」
表情が普段の寝ぼけた猫の様なものに変わる。
「裸じゃなくて着てるよ、下に下着。ま、それでも恥ずかしいけど…ワンピースと思えばそうでもないかな?」
飄々とした態度で笑うこなたは、茫然とした風なつかさを見て…
「ん?意識してるの?―――つかさのくせに」
瞬間、つかさの頭を占める色が変わった。
気恥しさのピンクから……怒りの赤に。
つかさのくせに?僕のくせにってどういうこと?
僕がこんなことされてどうにも思わないと思ってるの?
僕がこんなことをされて何もしないと思ってるの?
一方、不意に動揺を感じなくなったつかさをみて、こなたは安堵を覚えた。
そう、冗談。冗談なのだ。冗談の一つでも、人はこんな風にドキドキする。だからきっとみゆき君の言った言葉だって…
「こなちゃん」
何、と聞く前に、視界が意図しない動きを見せた。
手を掴まれて引っ張られた。
体が覚えさせられた格闘技の経験は、即座に体を痛めないような転倒をする。
けれど、立ち上がることはできなかった。覆いかぶさられたからだ。上から?
誰に?
「つか…さ?」
こなたが、カの鳴くような声で名前を呼ぶ。
名前を呼ばれたつかさは、けれど聞いていない。
茫然とした、何が起こったか分かっていないこなたを汲み伏せたまま、まっすぐとその目を見つめて…
「僕だって、男なんだよ?こなちゃん」
遠雷。
雨はいつの間にか激しさを増し、静けさはより深まっていく。
数秒とも数分ともつかない、時間感覚を忘れさせる沈黙。
先に動いたのは、つかさだった。
彼は何事もなかったかのように立ち上がると、脱衣場に向かう。
「僕もシャワー貰うから。早く服着ないと風邪、ひくよ?」
振りかえらずにつかさは言って、脱衣場に入った。
残ったのは、床の上にへたり込んだ、下着の上にワイシャツを着込んだだけの姿のこなただけだった。
「僕は…っ!」
シャワーの音が満ちる浴室で、つかさは壁にもたれかかり、そのまま崩れ落ちた。
こなたを押し倒した。
ひどい裏切りをしてしまったと思う。
彼女がからかってくるのは、こちらが赦してくれるという確信があるから――つまり、信じてくれているからだ。
けれど自分は、それに対して最悪の形で裏切りを行ってしまった。
座りこむつかさ。その時、彼は股間のふくらみを改めて自覚する。。
「……最低だよ、僕」
健全なオスなら当たり前の、卑賎な欲求の証。
ウジウジしている自分に対して、この一部だけは雄々しくて、それがあまりに惨めで滑稽だ。
けれど……
「これが…事実なんだよね」
全てが事実だ。
情けない自分も、自分を異性として見てくれてなかったこなたも、そして……
「僕は、こなちゃんが好きだ」
もしも、こなた以外の女性にああやってからかわれても、たぶん怒るか気分を害するだけだったはずだ。
けれど自分はこなたを押し倒した。
それは、こなたに自分が男であると思われてなかったのが耐えきれなかったからであり…それはつまり…
「こなちゃんが好きなんだ」
呟く。
おそらく声を上げれば、扉の向こうにいるこなたに届くだろう。けど、それができないのも、また自分だ。
力尽きたように座り込むつかさ。その耳が、脱衣場の扉が開かれた音を聞く。
『つかさ』
脱衣所から、薄いアクリルの扉越しにこなたの声が聞こえる。
『私…帰るから。からかったりして……ごめん』
返事も待たず、足音が聞こえた。遠のいていく、逃げるような足音。
追いかけようかとも思ったが、思いとどまる。
今のぐちゃぐちゃな自分じゃ、何を言っても後悔しそうだから。
けれども…たった一つ、揺るがないものが胸の中にできていた。
女性を人として扱ってないようで、こんな言い方は嫌いだが、あえて言う。
「自分のものにしたい…」
顔をあげる。目の前には鏡。そこには自分の姿が映る。けれどそこにつかさが見たのは自分の姿だけじゃない。
それは時に物知りなクラスメートだったり、自分の血の分けた双子の兄だったり…
「譲りたくない…」
そう、譲りたくない。みゆきにもかがみにも、こなたを、こなちゃんを渡したくない。
「こなちゃんが、好きだよ」
静かに、もう一度言う。
すると、不思議なほどに心が静かになった。
ああそうだ。
つかさは思う。
ずっとふらついていたパズルのピースが一つになった感覚。
一年生の春、彼女と会った時からずっとふらつき続けたピースが…
泉こなたと言うピースが、柊つかさの中で、正しい位置に収まった。
親友ではない。けれど恋人でもない。それは…まだ片想いの、初恋の相手という位置。
顔を上げる。鏡がある。けれどそこにはみゆきの姿もかがみの姿もない。あるのは、何かを決意した、自分でも驚くほどに、男らしい顔だった。
「ちょっと…似合わないかな?」
思わず笑うと、鏡の中の自分もわらう。
そう、これでいい。自分らしく、けれど少しだけ積極的に彼女に迫ってみよう。
自分らしくといえば―――
「お詫びって理由で、明日はクッキーでも焼いていってあげようかな」
【柊司自覚編・了】
396 :
書く人:2007/12/15(土) 22:01:45 ID:oaRxB9F1
ごめん、回避タグ入れ忘れたorz
やっぱりテンションあがってるときに投下すると碌なことにならないorz
TSありです。すみません。
えーと、どう見てもリアルタイムですごめんなさい(自爆
なんだろう、つかさきゅんの初々しい心の動きに、どうにも応援したくなっている自分がいます。
これはアレですか。TS祭の開幕ということでしょうか。ぐっじょぶ。
つかさあああああああああ
やばい、みゆき君を応援しようと思った矢先にこれですか!
ちゃくちゃくとフラグが立っていくのが見ててニヤニヤします!
個人的本命馬のかがみに期待!
柊鏡@杉田智和に超期待がかってしまった
それにしても、こな☆フェチといい、TSといい
ここんところもてすぎだぞこなた。
こなた「にゅふふふ、これこそ、男のロマンってやつ?」
かがみ「あんた女だろ」
さすがにこれはつかさも怒るよなぁ・・・w
こなたモテモテー。
さて、残るはかがみですね。どうなるのか期待しまくり。
これは続きに期待せざるを得ない、ぐっじょぶ
さて、素晴らしいTSが出たのに
Go my wayな俺が投下しますよ
「届いたとしても」の続編
誰もいないようでしたらいってしまいます
402 :
6-748:2007/12/15(土) 22:27:45 ID:uji7zKOU
・題名「二人の証」
・かがみ→こなた
・4スレ拝借
いきます
こなたに想いを伝えたい。
その想いだけが私を動かしていた。
例えどんなに残酷な未来が待ち受けていようとも。
二人の証
『悪いけど先生に具合悪くなって保健室行って早退した、って伝えといて』
携帯のディスプレイに表示された自分が打った文章と宛先を今一度確認して、右手の親指を伸ばして送信ボタンを押す。画面は移り変わりすぐに送信完了を示した。
峰岸なら確実にやってくれるだろう。私は心の中でもお願いをして携帯をポケットにしまう。
今私は電車に乗ってこなたの家へと向かっている途中だ。この時間帯だと普通学生は学校にいるからだろう、制服姿の若者の姿は見掛けないし大人からの視線が少し冷たい。学校をサボっているのだから仕方ない事だけど、どうも居心地が悪い。
だがこの程度の状況、耐えられないようではやっていけないだろう。
私が今からしようとしている事は、どちらに転んだにせよ過酷な茨の道が待ち構えているであろうから。
障害多き恋の行方は誰も知らない。実るかどうかさえもさっぱり見当がつかない。
それでも、この気持ちを伝えずにこなたと疎遠になってしまったら確実に後悔する。こなたを愛する感情とそれだけが私の中で確かなものだった。
結果がどうなるか分からないのなら、後悔しないと思える道を行くしかない。
この胸に秘めた想いをこなたに伝え、こなたの気持ちを受け止める。どんな答えが帰ってこようとも、現実として受け入れ生きていく。
これが私の選んだ道。
この選択によってどれだけの人が傷付くかは分からない。どれだけの人が悲しむかは分からない。どれだけの人がそれは間違っていると言うかは分からない。
だが、微かな希望に繋がる光る道筋はこれだけしかないように思えた。
峰岸から送られてきた了解の意を表すメールを見たと同時に、アナウンスが流れ私が降りるべき場所に電車が到達した。
静かに闘志を燃やし、覚悟を決めて電車からホームへと足を踏み出す。
「はっ、はっ……」
駅からこなたの家までの道程にはあまり人がいなかった。それを良い事に私は軽快なリズムで走る。全力で走らなかったのはこなたに会う時息切れしていたら元も子もないと思ったからだが……
「あつっ」
昨日の疾走が身体に堪えているらしく、今までは大丈夫だったが急に足が激痛に声を上げ始めた。普段あまり運動していないのに二日も連続で走り続けたらこうなってしまうのは多少予想出来た。
それでも至って単純な想いに突き動かされる私は止まらなかった。
こんなものではない。
こなたが私を受け入れてくれた時、その後に迎える困難はこんなものではないはずだ。
本当の困難はまだ始まってもいないのだ。
身体が、まるで走る事を拒絶するかのように痛みを訴えている。
だが私の中には痛みに勝る想いがある。
そう自分に言い聞かせながら、私は泉家に到着した。
何度も遊びに来ている、木々に囲まれた四角い建物。
玄関の前に立ち深呼吸をして心と呼吸を落ち着ける。それでも呼吸はあまり整わなかったがぐずぐずしている暇はない。
私が呼び鈴を鳴らそうとしたその時―――
ガチャリ。ゴンッ。
「ぶっ!」
一つ目の音はドアが開いた音、二つ目の音は回避出来ずに私の頭が開かれたドアに直撃した音、三つ目の奇声は言わずもがな私が発したもの。
「んー……?かがみっ!?」
間延びした声に驚きが混じるのを、遠のく意識の中かろうじで認識した。
「うーん……」
気が付けば見慣れた光景が私の視界に飛び込んできた。それと同時に額から痛みを感じた。思いの外強打したらしい。
今の状況を解釈すると、気を失った私をこなたが部屋まで運んでベッドで寝かせてくれた、といったところが妥当だろうか。壁に私の鞄が立て掛けられてる。荷物の方も忘れないでいてくれたようだ。
このベッドでいつもこなたは寝ているのか―――
そう考えると毛布がくれる暖かさがこなたのものへと思えるような気がした。
ガチャリと扉が開く音がする。
「あ、起きた?」
こなたが二人分のジュースとお菓子をお盆に乗せて部屋に入ってきた。それを机の上に置いてから椅子に座る。
離れた距離が嫌に遠く感じられ、私にとっての最悪の未来が想像された。故意なのかそうでないのかは分からない。
他に腰を下ろす場所がないから仕方のない事だろうけど。床は冷たいだろうし。
私は脳内のイメージと思考を忘却の彼方に追いやる為、頭を何度か横に振った。
「いや、起きてるじゃん」
こなたが呆れたような顔で突っ込んだ。私は一瞬の空白を置いて、さっきの行為がこなたの質問に対する否定と思われたのだと理解する。
「ごめんねー、思いっきりドアぶつけちゃって」
頭を掻きながら謝罪の言葉を口にするこなた。
「もう気にしてないわよ。まだちょっと痛むけど」
私は前髪を掻き上げながら言った。気絶してしまったのも衝撃はきっかけを作っただけで根本的な原因は疲労にあるだろう。
それにこうした形になったけどあっけなくこなたの家に入る事が出来たのだ。このハプニングがなければ居留守を使われていたかもしれない。
内心では疲れていたのかなと考えながらふとこなたに目をやると、こなたは適当な室内着ではなくいつもよりお洒落な格好をしていた。
ああ、出掛けようとしてたんだから当たり前か……ってちょっと待て。誰もいない心の中でストップを掛ける。
「あんた、風邪は?」
「ズル休みの口実」
堂々と宣言するこなたに自然と溜息が出る。心配した私が馬鹿だったと少し思うがこなたに何もなかっただけ良しとする。
刹那、私の頭に疑問と一緒に、こなたの格好が外出用の服装だからだろう、昨日の夢の光景が浮かんできた。
「じゃあ何で、学校休んだの?」
半ば返答が予測される質問を真剣な表情で投げ掛けた。こなたが言葉を詰まらせる。
緊張の瞬間が張り詰めた空気に混ざり込む。
「こなた……」
「そ、そう言えばかがみは何で平日の昼間に学校行ってないの?」
沈黙に耐えられなくなってこなたの名前を呼ぶと、こなたは私の質問を無視して強引に話題を変えてきた。
「まさかズル休みじゃないよねぇ?」
無理矢理笑顔が作られていた。
「……こなたに会いに来たのよ」
こなたの顔が再び驚愕の色に染まった。真っ直ぐこなたを見つめる。
今度は自分の想いを押し付けるのではなく、伝えるんだ。
そして現実を受け止める。
かつてないほどの高鳴りを見せる心臓。色々な感情が混ざり合った心境のまま―――
「私は、こなたの事が好きだから」
今一度、勇気を振り絞って告白した。
途端に羞恥心が心の奥から湧き上がってきてまともにこなたの顔が見れなくなってしまった。それでも現実から目を背けるなと自分に何度も言い聞かせてこなたを見据えた。
だが、こなたは目線を逸らす。
「こなたっ……」
「か、かがみ……」
お互いに相手の名前を呼び合い、こなたの顔が俯いてしまう。
「かがみの気持ちは嬉しいけど……ダメ」
「ダメって、何が?」
がっつきそうになる気持ちを抑えてこなたを問い質す。端から見れば告白を断られたのにしつこく迫っているだけの光景に映るかもしれない。
「だって、女同士だし……」
「そんなの……」
関係ないじゃない、と言おうとして口篭る。
本当に関係ない事なのだろうか。私にとってはそうでもこなたにとっては違うかもしれない。同性愛なんて……と考えているのかもしれない。
だが、こなたははっきりと断ってはいないのだ。想いが傾き掛けているのかもしれない。まだ希望へ続く道は消えてしまっていないのかもしれない。
私は自分が思っている以上にこなたの事が好きらしく、淡い期待を抱いてしまう。
「関係ないじゃないっ……」
自分にも言い聞かせるように呟いた。理由なき恋が相手を求め彷徨っている。
「で、でも……」
「こなたっ……私の方を向いて喋ってよっ」
私はベッドから身体を起こしてこなたに近付いていった。それに驚きの表情を隠せずこなたも椅子から立ち上がる。
曖昧な感情のまま済ませてもお互いの心に中途半端なまま傷跡が残るだけだ。私は率直な気持ちを伝えたのだからこなたの素直な気持ちを聞きたい。
両手で肩を掴むと、こなたが目を見張って私の方を見た。
「せめて私の気持ちぐらい受け止めてよっ!」
明らかな意思表示をしないこなたが私の想いを受け入れてくれていない気がして。
自分の想いを再度伝える為、こなたの胸の奥底に秘められた想いを確かめる為―――
半ば強引に唇を重ねた。
「んむぅ……」
言葉になっているのかなっていないのか区別がつかないような声をこなたが上げる。
本気で嫌がるのなら止めるつもりでいたが、その様子もないようなので私はひたすらこなたを求めていった。
これが夢にまで見た最愛の人の唇。
私は始めて触れ合わせた唇の柔らかい感触に驚きながら、隙間から漏れる熱い吐息を感じていた。
「ん……」
まだ躊躇っているのだろう、こなたは私の身体との間に手を差し入れて、私の胸に手を当てて逃れようとしている。
これって密かに触られてるよね。冷静な別の自分があざ笑っているのが見えた。
がっちりと肩を掴んでいた右手をこなたの頬に添え、左手を腰に回して更に引き寄せる。
こなたの手の力が徐々にだが確実に弱まってきた。
受け入れてくれたのだろうか。私は名残惜しさを感じながらも唇を離して息継ぎをする。
「かがみ……わ、私達は……」
こなたも新鮮とは言い難い部屋の空気を吸う。まだ完全には受け入れて貰えていないのだろう。
けれどこなたの口調には怒号や抵抗といった感じのものは含まれていなかった。
「知ってるわよ。女同士、なんでしょう?」
こなたの言いたい事を読んで先に問い掛けた。
「だ、だか―――」
最後まで言わせず、空いてしまった私達の距離を再び零にする。
こなたはなおも身じろぎをするが、私の腰に回された手が逃がさない。少しして、こなたが何か呟いたと思うと私達の更なる身体の密着を隔てていた手が外された。
私も左手を責務から解放させ役目を失ったこなたの手に絡ませる。
ゆっくりとこなたが私の手を握り返してきた。目頭が熱くなってしまう。
想いが通じ合ったこの一瞬を私は生涯絶対に忘れないだろう。
どのぐらいの時間が経っただろうか。
私に応えてくれたこなたはいつの間にか手を私の背中辺りに回していて、少し苦しそうに私の背中を叩いてきた。
どうやら酸素が不足しているらしい。それを機に私は唇を離した。
「かがみ」
呼吸をしたこなたが私の名前を呼ぶ。私は脳髄が溶けてしまいそうな感覚に陥っていた。
こなたの潤んだ瞳が私に向けられる。
とても優しい笑顔だった。
「かがみのおかげで吹っ切れたよ」
こなたを縛っていた鎖が壊れていく。その瞬間、私の願望は現実へと変わった。
こなたも私と同じ気持ちでいてくれたのだ。世間や周りの目を気にして、その小さな身体に切ない想いを封じ込めていただけ。
私の胸に額を当ててくるこなた。たまらずに抱きしめる。
「これからも、ずっと一緒だよ……大好きなかがみ」
こなたの口からずっと聞きたくて聞けなかった本当の想いが溢れ出した。
「うん……一緒に」
右手を長い髪の中に差し入れて優しくこなたを包み込む。
お互いの気持ちを伝えるのは、言葉ではなく暖かい体温だった。
いつの日からか芽生え始めていた感情。
悟られないようにひたむきに隠してきた日々。
勇気を出して想いを伝えた記念すべき今日というこの日。
それらがあるから今の私達があるのだ。
柔らかで暖かい唇の感触は理由なき恋の証となり、私達の心にしっかりと刻まれた。
407 :
6-748:2007/12/15(土) 22:32:50 ID:uji7zKOU
まだだ!まだ終わらんよ!
とこの話で完結させる予定が狂ってしまった事を
言い訳してみるw 本当に入りきらなかった…
稚拙な表現が多くいまいち伝わらないかもしれませんが
お暇なお方はお付き合いください
GJ!続き、楽しみにしています。
しかし何ですな、自分でも参加しといて何ですが、今日は祭りですか?
杏、投下多すぎだろ…ww
投下した人にGJw
変換ミス…
杏→今日でw
>407
GJ!
強引なかがみの攻勢に、ついにこなたが押し切られるところが
いい味を出していますなあ。
続きをわくてかして待ってますよ。
それにしても…… 今日は何かあったのか?
集中豪雨のように投下が続くのだけど。
ちょっとこない間にまたたくさん投下されてるよ…
あとで読むよGJ☆
何祭と聞かれても…
投下祭?
え、しかも自分また投下しようとしてるんだがwww
なんだかほんとに今日は凄い勢いで投下されてるよね。
そして
>>407氏、GJなのですよー。
こう強引なかがみもなんだか新鮮。やっぱり二人とも同じだったんだね
よかったよー。次で終わりなのかな。それも期待するしか。
このスレ、らき☆すたに関係していれば何が起こってもありなんですね。
いや、いい意味で。
おいおい、このスレ住人のキャパシティを舐めちゃあいけねぇ!
空気読めません17-234です。
白石×あきら
「隣りの人」
エロなし・6レス
TSの波に乗れなかった人ですがなにか。
むしろTSは空気的に書かないほうが良いと判断したのでこちらを投下。
時期的な話ですー行きますー
間違いなく祭りだな。
桜藤祭会場はここですかっ!
さぶっ
ラジオの収録が終わって、外に出た。
12月の寒さには本当に参っちゃう。
どんよりした空。
外に出たら白い息。
葉っぱの落ちた木。
無駄に飾り付けられたクリスマスツリー。
今のあたしには、みんながみんな、虚しく見える。
それは、隣りにいる奴は、どうみているんだろう?
―――――
ラジオ収録が終わって、外に出たら、
一気に体が冷えてびっくりした。
12月の空は不思議だ。
上機嫌に晴れ渡るときと、
不機嫌にどんより曇るときと。
今はきっと空も不機嫌なんだろう。
まるでこの人みたいだな、
隣りにいるこの人のことを、ふと思った。
「ねぇ白石。サンタさんって信じてた?」
「うぇ?僕ですか…そうですね…」
白石はあきらを見ずに、そのまま、真正面を向いたまま答えた。
「小学校3年くらいまで信じてましたかね…」
「はっ…あんたらしいわね、そういうトコロ。」
吐き捨てるように、あきらはつぶやいた。
笑った顔は、どこか泣きそうで。
それでも白石は気付かない。
「サンタさんなんているわけないじゃない、ばっかばかしい…」
「まったく、あきら様は夢がないですねぇ…」
「うるさい。」
もうすぐ一緒にラジオを始めて1年になる。
いろいろあった。
ガムを異様に口に入れたり、
カレーをこしらえたり、
貢いだりなんだり。
けんかも、した。
「ねぇ、あきらね、ずっと白石と一緒じゃない?」
「そう…ですね、もう1年ですね…」
二人は並んでは歩かない。
あきらの後ろから、白石はついてくる。
それがこの2人には、普通のことで。
「ねぇ、白石…」
「は、はい?」
突然立ち止まったあきら。
ぶつかりそうになる白石。
「あたしね、クリスマスって、きらいなんだ。」
「え?」
白石には、予想外のことだった。
収録じゃあんなに騒いでたのに?
「なんで、ですか…?」
「なんとなく。」
理由になってないじゃないか。
「あきら様なら、色々な人からクリスマスプレゼント、貰えるじゃないですか。」
「そんなの、」
彼女は言葉を切った。
先が続かない。
クリスマスには良い思い出がない。
いつも仕事で、外にいて。
たまに家にいてプレゼントを貰っても、
サンタさんなんて来やしなかった。
だって、パパとママがそれだって、分かっていたし。
クリスマスには良い思い出がない。
パパとママは、よく喧嘩をしていた記憶がある。
しかもクリスマスに限って。
たまにしか帰ってこないパパを、ママが責める。
それにキレるパパ。
怒るママ。
泣くあたし。
いつも寂しいのに、あたしはその中にいなかった。
誰も、あたしを気にしなかった。
「クリスマスには良い思い出が、ないの。」
頭のなかで繰り返していた言葉を口に出す。
なんにもならないことは知ってる。
14年間で変わらなかったこと。
あたしには、なにも無かったということ。
優しくしてくれる何かも
守ってくれる何かも
何もなかった。
いつもひとりだった。
あたしはそれに慣れてる。
だから、それで良いの。
だから、だから、
あたしは。
「じゃ、これからじゃないですか?」
「ん?」
目の前に白石がいる。
あたしの前で、目線を合わせるように、膝をついている。
「これから、良い思い出を作れば良いじゃないですか、ねっ!」
いやに明るく言いやがった。
しかも軽く言いやがった。
なんつーこった。
にこにこしてますね、白石さん。
「どーやって作るのよ。」
「えーっと…それはわかりませんよ…」
なんだそりゃ
「でもほら、」
白石はにっこり笑っていた。
「僕も、思い出作り、お手伝いしましょっか?」
「………結構です」
馬鹿じゃないの、そんなくさい台詞吐いて恥ずかしくないの?!
ばかばかっ!
こっちが恥ずかしくなる。
な、なんであんたなんかと!
しかもなにまだ笑ってんのよバカじゃないの!
でも、悪くない。
たまには、そんなクリスマスの思い出作りも、良いんじゃないかな…?
あたしは笑っちゃった。
なに笑ってるんですか、って言われた。
仕方ない、あんたと思い出、作ってあげようじゃないの。
「あの2人はなんなのかしら。」
「どうしたの?お姉ちゃん?」
「どうしてあぁいうバカップルぶりをみせるのかしらしかも人の前で」
「お…お姉ちゃん?」
目の前の夫婦漫才を見せられた柊姉妹の一言。
「むかつく。」
「どんだけ…」
おわり。
以上です。
ラジオの話を聞いて気になりました。
白石はあきら様になんのプレゼントあげるんでしょうか。
さて、潜ります。
425 :
ちび:2007/12/15(土) 23:10:29 ID:e3kLqojX
二次創作修行中のちびです。エロも訓練してみました。
やっぱりダメですが、つかさが好きなので頑張って書きました。
今は投下してもいいんでしょうか?
投下します。一応
>>140の「つかさとこなた」の続きになっていますが、大したことでもないです。
まさにR-15くらいです。
426 :
ちび:2007/12/15(土) 23:11:59 ID:e3kLqojX
あ、間違えて、投下用の文章まで載せちゃった。
投下してもいいんでしょうか・・・
遠慮不要
許可不要
さあどんどんやってくれたまえ!今夜は祭りじゃ!
428 :
ちび:2007/12/15(土) 23:23:36 ID:e3kLqojX
ありがとうございます。
でわでわ・・・
429 :
ちび:2007/12/15(土) 23:25:15 ID:e3kLqojX
う、人大杉につかまるので、方法しってからにします・・・。
「人大杉…?こなちゃん、これなに?」
「あーこれかぁ、こんな時は専ブラだね」
「せんぶら…?」
「専ブラってなによ?」
「専ブラというのはね、専用ブラウザの略称で2chを使うのがとっても便利になるんだ」
「へぇ…」
「それにね、今起こってる人大杉にもかからないようにレスすることが出来るんだヨー」
「ふーん…それってどこで手に入れることが出来るの?」
「グーグル先生に聞いてみよう!」
| | |
| | |_____
| | | ̄ ̄ ̄ /|
| | | / /|
| /\ | /|/|/| ドッドッドッドッドッド!!
| / / |// / /|
| / / |_|/|/|/|/| (´⌒(´⌒`)⌒`)
| / / |文|/ // / (´⌒(´祭だ!!祭だ!!`)⌒`)
|/ /. _.| ̄|/|/|/ (´⌒(´∧ ∧⌒`)`)`)⌒`)
/|\/ / / |/ / (´⌒(´(,゚Д゚ )つ `)`)
/| / / /ヽ (´⌒(´⌒ (´⌒( つ |〕 /⌒`)⌒`)
| | ̄| | |ヽ/| 遅れるな!! ( | (⌒)`)⌒`)
| | |/| |__|/. ∧_∧ ⌒`).ドし'⌒^ミ `)⌒`)ォ
| |/| |/ (´⌒(´( ´∀` )つ ド ∧_∧⌒`)
| | |/ (´⌒(´( つ/] / ォと( ・∀・ ) 突撃――!!
| |/ ( | (⌒)`) ォ ヽ[|⊂[] )`)
| / (´ ´し'⌒^ミ `)`)ォ (⌒) |
|/ .  ̄ (_)`)`)
/
>>429 0時前後は人大杉の危険度が特に高いからね。
超深夜帯とか、なんなら翌朝まで待つとかというのもありですぜ。
433 :
ぶーわ:2007/12/15(土) 23:32:29 ID:rgEnDrZR
かがみとつかさがキョンと国木田で噴いたwwwwwwwww
そしてみゆきさんは普通にいい男だけど髪の色で噴いてしまうwwwwwwwww
435 :
ちび:2007/12/15(土) 23:38:01 ID:e3kLqojX
ううぅ、皆さんありがとうございます。やっぱやさしい。
パソコンもよわいんでちょっと色々頑張ります
>>433 鏡「もうハルヒでいいんじゃないか?」
三行「ふふっ、こまったものです」
鏡「いきなり真似とか、順応性高いなお前・・・」
司「うにょ〜ん」
鏡「お前はいつもどおりかよ・・・」
司「だって、僕の対応キャラって台詞すくないんだもん・・・」
ここか、祭りの会場は…
俺も混ぜろよ…
って某蛇の人みたいに言いたいのに、ネタも電波もありゃしないorz
だからせめて、祭りに参加してるみなさんに心からのGJを送ります!www
ふと思ったんだが、やっぱり性別反転に向いてるキャラと向いてないキャラってあるよな
ひよりんとか男にしたら色々と危険だと思うんだ
そうでもないだろ?要は調理と味付け次第じゃないか?
まあ、調理のしやすさ云々はあるかもしれんが
こなたも男にしたらただのヲタだしなあw
ぞくっ・・・なんか後ろから小さいオーラが・・・(((゚Д゚;))))
男のひよりんっていい意味で自重できないここの職人さんたちじゃないか
>>364-371 gj!あやのがなんかマリみての登場人物っぽくて、面白い!
あやのと前作のみさゆたがどう絡んでいくのか、そしてこなたや、かがみはどうなるのかワクワクして続きをお待ちしております。
男ひよりん「ゆたかさんとみなみさんが・・・ はっ!自重しろ・・・自重しろぉお!」
これは健全な男の子ですね^^
男ひよりん「ゆたか君とみなみ君が……アッー」
吊ってきます
パティは普通の外国人のオタだなww
男みゆきさんが神谷浩史の声で脳内再生された
絶望した!
男ひよりん「ぐふぇっ・・・!!」
たいへんだーひよりくんが起き上がれません!
保健室!保健室!
みなみ君「や・・・やりすぎてしまった・・・」
>>444 一緒に吊ろうか
こなた以外全員男だったらOPのダンスとかどうなるんだよw
いくら美男子揃いでも男のチアは勘弁だわwww
カオスなOPになりそうだな…
ジャニーズ系のダンスとか想像できそうだが、
運動苦手そうなつかさとかゆたかとかやばそうだw
そして伝説になる
電波を受信したので1レスだけ。
「ねえ。みんな 男の子に生まれたかったことあるかな」
昼食時にこなたは、チョココロネを食べながら、つかさ、かがみ、みゆきの3人に尋ねた。
「そうですねえ。小さい頃は、セミを追いかけたり、どろんこになってザリガニをとったり
する男の子に憧れていましたね」
「へえー 意外だわね」
かがみが、みゆきの顔を眺めながら言葉を続けた。
「つかさはそういうの、ないの?」
「わ、私?」
玉子焼きを端につまもうとして、落としてしまう。
「私は駄目だよ〜 こなちゃんやゆきちゃんみたいに運動神経よくないし、男の子に
憧れたことはないよ」
「まあ、確かにつかさは女の子、女の子してるしね」
こなたは、チョココロネからはみ出すチョコを、ぺろっと舐めながら頷いた。
「かがみさんはどうなんですか? 」
「私は、小さい頃はよく男子とケンカしたけど。男子は怒られないのに、私ばっかり
女の子はそんなことしちゃいけませんって、先生に怒られたの時は、心底、男子に
なりたいって思ったわ」
かがみは、ちらっとつかさを見た。
「お姉ちゃんはね。私が男の子にいじめられている時に、いつも飛んできて
助けてくれたんだ。私にとってのスーパーマンだったかなあ」
感慨深げにつかさは話している。
「ところで、こなた、あんたはどうなの。男子になりたいって思ったことある? 」
「うーん」
こなたは腕組みして暫く考えた。
「男子だったら、美少女ゲームとか買っても文句言われないし、アキバでも目立たないし
なってもいいかなって思うこともあるけどね」
「美少女ゲームがでるあたり、男の子というより、思考はおじさんに近いがな」
「それを言っちゃあ、おしまいだよ。かがみん」
こなたの言葉にやれやれと肩をすくめて……
「ま、あんたが女の子っぽい言動をしたら気味が悪いから、そのままでいいけどね」
「流石ツンデレかがみん。でも、それに近い言葉を、公式ガイドブックの
4コマの隣で見たような? 」
「こなた、アンタ、何をいっているのか、さっぱりわかんないわよ」
(おしまい)
壊れ+逆ハーレムなんて電波がおりて来た
文才?ねーよ
こうなったらもう全員性別反転+ヤンデライズしてお送りします
休み時間中、机に突っ伏して寝たフリをして女子の会話を盗み聞く男ひより
と、そこで『こなたとみゆきがチューしたら虫歯に〜』のネタを耳にする
頭の中で色々とヤバイ妄想が駆け巡り、自然と息子がおっき
そういうときに限って休み時間終了の鐘が鳴り、すぐに五時限目の先生が来てしまう
無常にも響く「起立」の声
既に起立してしまっている愚息をひよりはどうするか――!?
……たぶんつづかない
457 :
ちび:2007/12/16(日) 00:13:42 ID:i2hfY0cR
おかげさまでなんとかなりました。
ふぅ。これだからゆとりな俺は・・・
もしや今流れ悪い感じでしょうか・・・?荒らしちゃまずいでしょうか
いや、このカオスな空気を収めるためにも投下が(ry
459 :
ちび:2007/12/16(日) 00:18:16 ID:i2hfY0cR
で、でわ・・・お言葉に甘えて・・・
今日は誰も帰って来ない。
気持ちが通じあったこなたとつかさは暗がりのこなた部屋で抱き合っている。
酩酊のような欲情のなかで、相手の体にさりげなく胸、腰、秘部を密着させ、微笑み合って、二人は混じり合う息を味わっている。
「ねえもっかいやって、こなちゃん。」
「え〜、好きだねぇ…。うぅん…」
「にらめっこしましょ♪笑ったら負けよ…」
こなたは、うんざりしたそぶりを見せながらも応じ、変がおをした。
「あっぷっぷ!!」
じっと見つめるつかさ。しかし肩が笑って、こなたの胸に顔を埋めて足をぱたぱたさせながら、無邪気な笑いを隠す。
〜こなたとつかさ〜
『…だからね、今日はこなちゃんとこで、泊まって宿題片付けちゃうから。うん、頑張る。』
妹曰く、分担しなきゃ出来ないほどの数学の宿題と定期査定の次に重いくらいの歴史小テストが明日あるのを、こなたと二人してすっかり忘れていたらしい。
『朝に一度帰るよ。え?大丈夫。じゃあね。おやすみ』
(これってちょっと変よね。)
その電話は嫌に気になった。違和感がぬぐえなかった。
受話器の向こうとに薄い壁があるような。
妙に落ち着かない。
今日あの二人に何か隠し事が出来た気がする。
私には入り込めないような、それでいてあの二人の思い出にずっと残るような出来事が。
朝帰りって、まさか!
みゆきにメールして明日の宿題の事を確かめたほうがいいんじゃないか。
つかさになんかあったりなんかしたら。
…おいおい
かがみは自分につっこみを入れ、よく頭を整理した。
そして自分の想像が現実的にみて飛躍している事に気づいて吹き出した。
ナイナイ。
GLだっけ、あいつのせいでちょっと毒されちゃったかな。
正しいイメージ、宿題に手こずっている二人を想像し、それでようやくかがみの心は軽くなった。
一つのベッドのなか、足をぱたつかせてこなたの胸に顔をうずめるつかさ。
つかさの息がこなたの胸を刺激している。
つかさはひっそり上目遣いにこなたを覗き見る。
さっきから彼女はエッチな雰囲気をさりげなく避けていた。
こなちゃんはエッチなことしたいのかな…。そういうゲームとかマンガとかいっぱい持ってるから、私のこと気持ちよくしてくれるのかもしれないけど
でもちょっとこわい。
だから今日はごめんね。
つかさはさっきのキスを思い出した。ただ唇を重ねるだけのキスだった。
舌を入れるキスがあるくらいわかっているけど、自分のことだからイメージでやったらとんだ大ボケをしてしまうかもしれないと、してあげられなかった。
こなたの唇を見る。
その小さな膨らみに鼓動が高鳴った。
舌、入れてみたいな。
視線に気付いた訳ではなく、つかさを見たくなったこなたが顎をひいた。目が合う。
「うわ…」
つかさには見透かされたようで赤らめた顔を伏せた。
甘えるように足をまわして、何と無しに性器をこなたの膝の辺りにあてがると、こなたから借りているパンティと秘部の間でぬるりと擦れた。
私、濡れてる…。
その自分の身に起こった不思議な現象が、淫らなものだとつかさは漠然と理解した。それから、同じく借りものである薄手のパジャマにもひょっとして染みてるかもと心配した。
つかさ考案の気持ちの通じた記念のベッドの中での愛の語らいというものが、かれこれ二時間以上経過するなかで彼女の望みとは裏腹に、理性はぼやけ、二人の体はお互いを求めようと引き合っていた。
こなたは足を絡めてきた愛おしいつかさの髪を撫でた。
髪のフワフワと、その奥にあるつかさの存在を愛でる優しい手つきだった。そして先ほどから静かになっているつかさにこなたは語りかけた。
「もう笑い疲れた?」
「うん…ちょっと」
つかさは自分大切にしてくれる心遣いに感動しながらも、否定して静かだった理由を言うことも出来なかった。
「眠い?」
「うううん。でも、もうちょっとこうしてたいかも」
「撫でられてるのが嬉しいとか?」
「えへへっ、実は少し」
顔を胸にすりつけてつかさは甘えた。
「つかさ可愛いぃよう!お持ち帰りぃ!」
対してこなたはぎゅーっと、お気に入りの人形のように抱き返す。甘えの競い合い。。
「えへへ…」
スマイルは0円だよね。
こなたは抱擁を緩ませ、再びつかさの頭を静かに撫でる。
部屋は十分に暗いが、つかさは瞳を閉じ視覚を無くし、こなたの撫でている左手の動きを懸命に感じとっていた。
つかさには、こなたの胸の中にいてこなたに頭を撫でられていると言うことがこの上なく心地よく、幸せだった。
(こんなに私はこなちゃんが好きだったんだ…)
と強く実感する。それが熱い吐息になってこなたの胸にかかる。
それに反応して愛おしさから右の掌でつかさの背中を確かめるように触れるように撫でた。
「ん…」
静かな快感に、自然に声が漏れた。
それはたまらない幸福感。つかさは強くこなたを抱きしめ、自分の体をぴったりこなたに密着させた。
この瞬間、こなたは酩酊し、湧き上がる要求に従って右手を徐々に腰のあたりに降ろしていった。
つかさも空気がエッチな方向に流れている事を理解した。
隅々まで探りを入れるように触るそれにつかさの子宮はきゅうぅとしまって、主人を欲情させる。
「こなちゃん…」
と、こなたはこれに反応して上になり、つかさの頭の両側に手をついて、鼻がくっつくくらいの距離で見つめた。
「つかさ…。」
扇情的で動物的な匂いが二人を包み込む。
うわあ、こなちゃん近いよ…。産毛まで見えてるよ。
つかさはこなたのうるうるとしたエメラルドグリーンの瞳に吸い込まれそうになる。
これって、キスするのかも。
つかさは無意識に唇を軽く開いた。彼女も瞳を潤わせ、気付かずにもキスを求めていた。
言葉を交わすこともなく、こなたはつかさに唇を重ねた。
それをつかさは目を閉じて、顎をあげ、ついばむように、受け入れた。
つかさはこなたの舌の侵入を簡単に許し、すぐに自分も舌を入れた。
こなちゃんの味なんだ。
くちゅくちゅ…
すでに十分潤っていた唇同士が唾液でぬるりとすれあい、お互いに舌のあらゆる部位を探る、
呼吸を乱しながらの激しいキスの水音は、互いの脳髄まで響き渡り奥底に眠る深い情欲を掻き立てた。
つかさは溜まったこなたの唾液をこくんと飲み込んだ。
おいしい、こなちゃん。
つかさは薄目で快感に浸りながらこなたの首に腕をまわした。
好き、もっとして…。
こなたは口を離した。唾液が銀色に糸をひいた。呼吸を落ち着かせながらこなたは言った。
「つかさ、良かったら、もうちょっとだけ色々やってもいいかな。凄く、もっとしてあげたくなっちゃって。嫌だったら言ってくれればすぐやめるからさ。」
気持ちを全部汲んでもらえたようで嬉しかった。
「私も、して欲しいな。」
つかさの上気した満面の笑みに、こなたは幸せそうにだらしなくにやけた。
「えへへ。なら沢山してあげるよ。あひぃとかひぎぃとか言わせちゃう」
「ふぇえ!?」
こなたは喉元にキスをする。
「あっ…」
唇の弾力を使った愛撫。
つかさのパジャマの前のボタンを二つはずし、
チョココロネを舐めるような舌使いで咽頭から鎖骨の辺りまでを濡らしながらキスする。
ちゅ、ぷちゅ、
「んぅ、くすぐったいよぉ」
こなたが見えない寂しさにこなたの頭をなぜながら言った。
つかさがくすぐったさに慣れ、息を上げ始めると、こなたは左手でパジャマごしにブラのないつかさの胸に触れた。
Bカップに満たないだろうつかさの胸は、随分熱くなっていて、先端を軽く突起させ、全体が張っているようだった。
パジャマごしでも乳首に触れらた事でつかさは、びくっと軽く反応した。
こなたはうなじに舌を這わせながら、優しく胸を揉みほぐす。パジャマが胸と擦れている。
唾液で濡れた首すじと鎖骨が冷たい。
つかさは片手でこなたの髪をさわって求め、片手でこなたのパジャマを必死に掴んで耐え、落ち着きなく動いた。
(こなちゃんにさわられると、胸もどこも、凄く気持ちいぃ…)
ふいに舌が耳の中を襲った。
「ふぇ!?あっ、いやぁ…」
ぐちゅぐちゅぐちゅ…
「うぅ……ーーっん!!」
耳の中をこなたの唾液と舌に、逃れられないいやらしい大音量で犯される。
そうしてつかさが悶えていると、更にこなたの左手はつかさのお腹を通って、パジャマに潜り込み、
パンティごしの秘部に達し、
その柔らかさを堪能するように、股の間から掌全体で二、三度さすった。
「…ぁあん!!」
つかさは似合わない艶のある声でよがった。 体に稲妻のような刺激が駆け抜けた。
こなたは一度つかさの上に戻り、 ぽぅっと見つめる彼女の前で 左手についた愛液を舐めた。
「つかさのパンティ、ベタベタだったよ。」
「えっ、」
と自分でおそるおそるそこに触れてみる。
ぬちゃり…
パンティごしに糸を引くほどに濡れていた。
「う、うわぁなんじゃこりゃあぁ!?」
湯気が出そうなほど真っ赤になる。
「…こなちゃんごめんなさい。」
「こんなに濡れてくれたのは嬉しいよ。うぶな反応ありがと」
髪がみだれてベッドの上でソバージュのようになっている。こんなに濡れちゃうのって私だけ…??
「脱ごっか。あたしも脱ぐからさ」
「うん。」
二人は起き上がり、なんとなく背を向けて、他人行儀に脱いだ。
「あのこなちゃん。し、下は?」
「お好きに〜」
じゃ、じゃあ脱いじゃお。
脱ぐと秘部との間で糸を引いて、つかさは再び顔を真っ赤にした。
そばにティッシュがあったので、恥ずかしいけれどそこを拭いた。
それから二人は月明かりのもと、王子様に再開したシンデレラや白雪姫のような表情で、ん?
月明かりって・・・
カーテンは?
「うわぁカーテン忘れてたよぉ!!」
こなたはダッシュジャンプで飛びついてカーテンをしめる。
つかさは三たびぼんっと顔を赤くする。
それから二人は薄明かりのなか、スヌーピー原作のピーナッツエッセンスのオチにありがちな気まずい時のチャーリー・ブラウンのような表情で見つめあった。
(いったんおしまい)
465 :
ちび:2007/12/16(日) 00:23:08 ID:i2hfY0cR
終わりです。
どうも、汚してすみません・・・。
もうさすがにこのレベルで書いては自分の好きなところだけに失礼なので、来年まで富士の樹海にこもって修行してまた、書きたいと思います。できれば続きも。
おじゃましました。
21禁から18禁になったとはいえ、
ゆとりは2010年にならないとここに居てはいけないはずなんだが……
>465
リアルタイムGJ!
いやいや。レベルとかいうけど、読ませる内容だと思うし。
もっと自分に自信を持っていいと思うぞ。
続きをwktkしてまっています。
468 :
ちび:2007/12/16(日) 00:32:23 ID:i2hfY0cR
>>467 あぁ、優しい。。。ありがとうございます。きっといつかいい物をここに!!
>>466 すみません。ホントは僕ゆとりじゃないんです。でもゆとりなみです・・・
ホントは今年から21禁もおっけナンスが、だめっす
というか匿名掲示板でゆとりを厳密な意味で使ってる人とかおらんがな
470 :
7-896:2007/12/16(日) 00:40:03 ID:+RTL42xp
471 :
みなみん:2007/12/16(日) 00:40:48 ID:cRR22YjA
なんかちびさんが・・・ひよりんにみえてきて・・・
ドッジボール・・・ぶつけたくなってきた
みさおが男なら友達思いだと思うんだ
「ひいらぎー、またあっちいくのかよー」
「うるさい、俺がどこ行こうと勝手だろ!」
「…………うっ」
「みさお、気にするな、俺がいるだろ…?」
「うぅ、あやのぉ…」
あれ?おかしいな…
473 :
みなみん:2007/12/16(日) 00:44:52 ID:cRR22YjA
>>470 キタ━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━!!!
三行、司ときて、こりゃもう鏡も期待せざるをえない
どんだけやねんもう(゚∀゚)
何で3時間やそこらで100レスついてるんだw
まとめてGJ!
>>470 うあ・・・これはいいものだ・・・!
さて、7-896氏フォルダ作ってきますね
今後も全力で期待せざるを得ない
いつの間にか絵の投下まで激しい空前のTSブームに乗りてえなあ、
とか思いつつも、正直乗っていいものか迷う状況だよなぁ
こなたハーレムルートの妄想がもうどうにも止まらないんだ……
こなた「私の処女、誰にうばわれちゃうのかなぁ(キラ目)」
鏡「いい加減妄言ストップせい」
こなた「・・・かがみ、なんで抱きついてんの?」
鏡「ふ・・・深い意味なんてないんだからなっ、断じて!」
479 :
書く人:2007/12/16(日) 01:40:40 ID:rVbSCuAX
さて、そろそろ自重するか、睡眠時間的に。
日付が変わって投下です。祭りはまだ続いているか?
TS有り・やや鬱シーン有り
480 :
書く人:2007/12/16(日) 01:43:17 ID:rVbSCuAX
柊鏡には好きな相手がいる。
泉こなたという少女だ。
弟のつかさの友達という繋がりで紹介されたチビでオタクな女の子。
なんだこいつは?
最初の感想はそれだった。
やる気もなく、だらしない。素材として良いかもしれないが、おしゃれや美容に興味はないらしく、メイクも最低限。
上に二人の姉を見てきた身としては、信じられない存在だった。
性格も悪い。何かにつけて人をからかってきて、その反応を楽しむ。
いつも余裕たっぷりで、宿題を見せてくれと悪びれもせずに言ってくる。
全くなんて奴だ。そんな奴に……惚れてしまった。
理由は分からない。
けれどそんなものなのかもしれない。
恋は病気だ。原因が存在しない、本態性の疾患。
自覚したのはいつだったか分からない。
けれども彼が恋に落ちたのは本当で、けれど焦りはしなかった。
まだ時間はあるさ。あんな奴を好きになるような馬鹿は自分しかいない。
そんな確信があった。だから焦らなかった。
親友の一人と言う位置で、ゆっくりとチャンスを待つつもりだった。
けれど…そんな計画の根底である確信が、慢心に過ぎないことに気づかされた。
彼女のいいところを知る者が二人いたのだ。
そして…それに気付いた時は遅かった。
妙なことになった。
かがみは顔をしかめていた。
理由は自分の弟と、頼りになる眼鏡の親友の間に流れる空気だ。
「つかさ君…それは?」
「うん、こなちゃんにクッキー焼いたんだ。…ちょっとお詫びにね」
「お詫び?何かこなたさんとあったんですか?」
「ちょっとね」
駅前のバス停で、珍しく二日連続で会えたみゆきが、つかさが持っていた紙袋を指摘したのが始まりだった。
何気ない会話、だったとかがみは思う。
けれどその会話が引き金になったようで、二人の間に妙な空気が流れ始めている。
気まずい、といより、何かこう……威嚇しあっているような雰囲気だ。
もちろんそろって歯をむいて胸ぐらをつかみあっているわけでも、声を荒げてメンチ切ってるわけでもない。
双方とも笑顔さえ浮かんでいる、穏やかな雰囲気だ。
けれど……なんだろう?この雰囲気は?なにか互いに牽制し合っているような空気は?
かがみはどうしたのかと聞きたかったが、何がと返されても言葉に詰まる。
ああ、どうしよう。
そう悩んでいる所に、
「やふー、みんなおはよー」
こなたの間延びした感じの声が、この時ばかりは天の救いに聞こえた。
かがみはこなたに声をかけようとしたが…
「こなちゃん」
「こなたさん」
先を争うように、つかさとみゆきが言う。
もちろん、ただ被ったという可能性もあるが、かがみにはなぜか互いに先を争っているように聞こえた。
さらに先を行ったのはつかさだった。
「こなちゃん、これ」
クッキーの詰まった紙袋を差し出す。
「えっと……」
「昨日のお詫び。ごめんね、怖い思いさせて…」
昨日、という単語にこなたがわずかに反応した。
なんのことだろう?そう言えば昨日、こなたが神社に傘を借りにきたと父さんが言っていたが、その時のことか?
かがみが首をかしげていると、こなたが答えた。いつも通りの余裕たっぷりの表情で。
「ううん、こっちこそごめんね。変な風にからかって…。『今まで通り』これからもよろしくね、つかさ」
なぜか、こなたが『今まで通り』の所を強調したようにかがみには聞こえた。
「うん。けど…今まで通りは無理、かな?」
つかさの言葉で、かがみはさらに不審を覚える。
今まで通りでいられない何かが、昨日あった?
こなたが何か言いたそうにしている。かがみは気になって問いただそうとしたが、そのタイミングをみゆきが奪った。
「こなたさん、おはようございます」
「あ、おはよう、みゆき君」
「ふふふ……みゆき『クン』ですか。そう言えば、僕だけ君付ですね」
「え、だ、駄目かな?」
「いえ、特別扱いされてるみたいで嬉しいですよ」
何か珍しく追い詰められたような雰囲気のこなたと、そしてさらに珍しいみゆきの軽口。
何か変だと、かがみの疑問はいよいよ深まっていく。
「……昨日のは、冗談とかじゃありませんから」
それだけ言って、いつもの冬ソナスマイルを浮かべるみゆき。
それを聞いてなぜかこなたは顔をそむけるような感じで道を見て
「あ、ば、バスきたよ!」
昨日俺がしたように話題の転換を試みる。
けれど、こなたにそんな態度をとらせた2人は、こなたではなく互いを見ていた。
笑顔ではなくなっていた。
つかさは優しい―――歯に衣着せて言うとなよなよしい雰囲気がなりを潜め、まるで挑むような表情でみゆきを見ていた。
そしてみゆきは、礼儀正しい彼には珍しい、あからさまな挑発の笑顔を作っていた。
本当に、何があったのか?
だが少なからず分かったことがある。
彼ら三人の変調の中心はこなたであることと、そして自分が蚊帳の外にいること。
それがなぜか妙にざらつく感じがして、かがみには酷く面白くなかった。
「いや、なぜかなんて今さらだな」
放課後、俺は一人で校舎を歩いていた。
目的地はこなたの教室。手にはメール。
《放課後、ちょっとうちの教室に来て、一人で。内緒で》
内緒で、とはおそらくみゆきとつかさに対してのことだろうとかがみは予想した。
だがらつかさには、適当に用事をぼかして言って先に帰ってもらった。こなた自身は今日は用事で早く帰る早々に学校を飛び出したが、
おそらく近くのコンビニででも時間を潰してから戻ってきていることだろう。
かがみは今日のことを思い出す。かがみとつかさ。今日の二人は何か変だった。
四六時中と言うわけではない。いつもどおりにみゆきは知恵袋だったし、つかさは景気よく呆けていた。
けれど時々、まるで発作でも起こるかのように、時々空気が妙になる。
そして、その時は必ずこなたが中心にいる。
「はぐらかすようなら、あのアホ毛引っこ抜いてやる」
このまま不発弾の上でタップダンスをするような、いつ爆発するか分からない雰囲気を過ごしたくはない。
それに…
「俺だけ知らないってのは、納得いかないよな」
自分はこなたを好きな男だ。一番近くにいたいと思い続け、そして現にそれなりにいい位置にいるはずだ。
その自分が知らないのは気に入らない。
そうこう考えているうちに教室に着いた。
「じゃあ、死んで――とか言わないよな」
最近ハマったラノベのシーンを思い出して、苦笑する。どうやらこなたがうつったようだ。
気分を軽くしてから扉を開く。
「こなた、いるか?」
声を掛けて教室に入って…言葉を失った。
こなたは、かがみの入ってきた方に背を向けて座っていた。
見ている先は夕日だった。
外からの夕日で影になったこなたの小さな背中。
かがみには、それが不安で儚そうに見えた。それこそ、そのままどこかに消えてしまいそうなほどに。
「あ、かがみ。いらっしゃ〜い」
幻想は砕かれる。
砕いたのはこなたのいつもの間延びした口調だ。
けれど、かがみが感じた幻想の欠片はかがみの意識に残り、今日一日で溜まっていた疑問を刺激する。
「どうしたんだよ?」
「何が?」
「呼び出しといてそりゃないだろ?
―――つかさとみゆきのことだな。お前も、何か変だったし」
答えは無言の肯定だった。
かがみはこなたの隣に座り、無言で待つ。
急かしはしない。
もし彼女がすぐに言わないなら言うまで待つ。
もし彼女が何も言わないというなら―――それでもいい。
それでこなたの気持ちが少しでも軽くなるなら、それでもいい。
かがみは待つ。
ビルの合間から覗く夕陽の欠片がゆっくりと消えていく。
教室が暗くなる。
こなたが言葉を漏らしたのは、かがみが教室に電気をつけようとしたその時だった。
「私さ―――かがみとつかさに告白されちゃったみたいなんだ」
「――はぁっ!?」
どういうことだ!?
叫び出したい気持ちをギリギリで抑える。
けれどその気持が伝わったのか、こなたは続ける。
「あ、いやさ。好きだとか愛してるとか、直接言われた訳じゃないんだけど…」
せきを切ったように語られ始めたのは、昨日こなたが体験した、日常の終わりだった。
「―――それでさ、今朝バス停であんな感じで……」
「そう、か…」
全てを聞き終えた時、かがみの頭の中は真っ白だった。
こなたに――自分の好きな相手が告白されたことによる焦り。
告白したのが、自分が最も近いと思っていた二人だったことによる驚き。
こなたがどう思っているかという不安。
混乱した頭は、逆に一番聞きたいことを口に出させた。
「どう……するつもり?」
口に出して、恐怖する。
もしもどちらかと付き合うと言ったらどうしようか?
もしもどちらも降ると言ったらどうしようか?
どちらにしてもその答えは、恋と友情の一方、あるいは両方が崩壊する。
けれども、こなたが口にしたのは別の答え。
「―――わからないよ」
「わかんないってどういうことだよ!」
声を荒げてしまう。
ああ、カッコ悪い。
そうは思ったが、かがみは止まらなかった。
突き動かすのはそのいい加減な答えに対する、告白した二人への共感による怒りと、
そしてこなたを自分以外の誰か、それも親友二人が好いていたことに対する苛立ちへの八当り。
けれど、その怒りはすぐ鎮火された。
怒りの火を消したのは―――こなたの涙だった。
「だって…本当に分からないんだよ…っ!」
泣いていた。いつもは猫のようにしている口元を噛みしめながら、大きく深い瞳からポタポタと涙をこぼして…。
「こなた…」
何と言葉を掛けていいか分からず、かがみはそれを見つめることしかできない。
こなたは子供がするように、袖口で涙を拭いながら言う。
「中学の頃さ―――仲がいい…友達が、いたんだよ。男の子でさ。
将来の夢に…魔法使いって書く面白い奴でさ……!
そいつも親友だと思ってたのに…告白されて…!けど、友達としか見れないから断って…!
そしたらなんか気まずくなって…、話さなくなって…!
高校になってから連絡取ったけど…ひっく…やっぱり気まずくて…!
ぁ!やだよ…!つかさも!ひっ、みゆ、き君も……!
やだぁ!もういなくなるの…!やだぁぁっ…!」
しゃくりあげながら、やだやだと繰り返すこなた。
そこにいたのは、いつものやたらと余裕があって、こちらをからかってくるチビオタ女じゃなかった。
友達を傷つけたくなくて、失いたくなくて、助けを求めているちっちゃな女の子だった。
かがみは思った。こなたを助けたいと。
助けたい。慰めてやりたい。抱きしめて―――やりたい。
衝動のままに、かがみはこなたの肩に手をやって…
「大丈夫だ」
抱きよせはしなかった。肩に手をやったまま、こなたの泣き顔を覗き込む。
「かがみ……」
鼻をすすりながら、こなたがかがみを見る。
抱きしめたい。その衝動が再びかがみの中に膨れ上がる。けれどかがみはそれを抑えつける。
自重しろ!我慢しろ!なぜならこなたが―――
「なんとかなるから。俺も相談に乗るし協力もするだって俺―――」
俺に求めているのは―――!
「―――親友、だろ?」
そうだ。
かがみは妙に冷めた気持で理解する。
こなたが自分達に―――自分に求めていたのは、異性じゃない。信頼できる親友だ。
初めから、勝ち目のない戦いだった――いや、ひょっとしたら勝ち目はあったのかもしれない。
つかさとみゆき。二人が想いを伝えたのが同時でなければ、こなたは告げてきた方と付き合っていたろう。
―――親友の輪を、今の関係を保つために。
それを利用すればこなたに最初に―――つかさやみゆきよりずっと早く惹かれていた自分は、彼女を得ることができた。
卑怯な、けれどあったかもしれない未来。
だがチャンスの神様には前髪しかない。
情報統合思念体のインターフェイスをしている知り合いも、TPDDを持ってる先輩もいない自分に出来ることはない。
できることがあるとすれば――
「俺は、お前の親友でいるから、だから泣くなよ」
あるとすれば、それはこの想いを封じて、親友として彼女の隣に立って、その笑顔を守ることだけだ。
「――ありがとう、かがみ」
こなたが笑う。涙の跡は残っているが、それでも笑顔だ。
自分の言葉でこなたが笑った。
その事実がたまらなく嬉しくて、けれどその対価として封じ込めた心が、
痛かった。
【柊鏡・『親友』編】
484 :
書く人:2007/12/16(日) 01:48:55 ID:rVbSCuAX
以上です。最初の名前欄にタイトル入れ忘れました。すみません。
さらに懺悔させていただきますと、この先どうなるか考えてません。
なるべくヤンデレ展開、鬱EDは避ける方向で行きます。
言葉様はらめぇ!
以上です、祭りに参加できて楽しかったです。おやすみなさい。
>>479 リアルタムGJ!!!!!
こなた可愛いよこなた
押し倒さなかったかがみは偉い! 続きに超絶期待しておきます!
男同士でヤンデレ展開になったら、
暴力的な意味でZ指定になりかねんしなあw
ともあれGJ!
かがみのなんとももどかしい、しかしある意味必然の展開に
この先を、読者としてはただ待つばかりでござる。
しっかし、このスレのこなたって本当、受け&か弱い系だよなあ。
こなた「ああ、私ってなんて、悲劇なのっ!」
かがみ「だからお嬢声はやめれって!」
>>484 リアルタイムキター
GJ! まずはこの一言
主人公が女でのnice boat.=男同士の文字通り血みどろの争い……
すごく……シャレになりません……
祭りに参加っていうか、貴方が祭りを起こした一人だったと思うのですがw
お疲れ様でした。ゆっくりとおやすみください。良い夢を
>>484 GJ!
これはまたたまらんですな
ひとつ気になったのが
>「私さ―――かがみとつかさに告白されちゃったみたいなんだ」
みゆきとつかさの間違いでは?
>>484 GJ!かがみ…つらいだろうな…
でもあの状況下ではああするしかなかったんだろうとも思う。
続きが気になって仕方ない展開になってまいりました。
おい、漏れを睡眠不足にしてまた風邪を引かせる気か!!
ひかげ「あ、アンタ達なんかにGJなんか言わないんだからっ!!
べ、別に『凄いなぁ』とか『素晴らしい作品でした』なんて思ってないんだからっ!!」
ひかげ「それにアンタ!!」
漏れ「へ?」
ひかげ「いい加減SS完成させなさいよ!!」
漏れ「すんません。まず寝かせて下さい」
黒井先生(♂)とゆい兄さん(♂)の出番はまだですか?
一般に男は30、女は25をすぎると年齢を気にするといわれている
だから黒井先生(♂)には独身の悲壮感が今一つ足りないと思うんだぜ
27にもなって童貞とかリアルで鬱だけど
>>484 かがみ切ないよかがみ。ああもう、俺は誰を応援すればよいのでしょうか。
切なくもどかしい四角関係ぐっじょぶ!
カレシなんて認めないそうじろうはこの現状をどう思っているのだろうか?
おいおい何言ってるんだ
そうじ子ちゃんって言いなよ
彼方さんとそうじ子さんというわけだな。ヤハリソウイウコトカ!( 0M0)
3日放置しただけで、どんだけレス進んでるんだ・・・
>>484TSSSGJ!しばらく来ない間に、期待の名作がきてましたな。
TS祭りに参加し損ねた俺涙目wwww
ところでみwikiさん、TSって何の略なんですか?
ツンデレ・スペシャル
時をかける少女
続きは SSで
「TS……transsexual(性転換)の略ですね。
現実・創作の双方でこの表記が使われますが、創作についてはFictionのFを追加してTSFと表記することもあります」
「あれ、今日はみwikiさんなんか雰囲気が違うね」
「ふふっ、そうですか?」
「髪の毛が短いし背も高いし……ってゆーか声低いし!」
「大丈夫ですよ泉さん……これで私たちは本当にふんもっふ出来ますよ(ドクドクドク」
「まっがーれ↑!!!」
一つ聞いていいですか?
みゆき君は巨根ですか?
みゆき君のふわふわ髪に萌えてしまったのは秘密だ
みゆきさんが巨乳なわけですから……やっぱり
巨根は萌え要素にはならんよなw
ノンケの俺にみゆき君の萌え要素を教えてくれ
なにこの乙女ゲー的流れ
俺いつの間にスレ間違えたんですか!?
これはこな☆フェチとTSが手を組んだらとんでもないことになりそうだなw
みゆき君はきっとS
みゆき君「僕たちが何とかしなければ、確実に泉さんも男性化するでしょう。
ふふっ……困ったものです」
はっなーぢ☆スペクタクル
私たち(スレ住人)がなんとかしなければ確実に世界は崩壊するのです(壊れネタ的な意味で)
んっふ 困ったものです。
時にこな☆フェチでの私は過激でしょうか
崩壊はとめたいのです(壊れネタ的な意味で)
泉さんを見てると
【セリフ】
(みゆき)
考えてもみてください
私のようなメガネっ子や、柊かがみ、柊つかさのような存在(萌え要素)が都合よく一同に会するかのように登場するでしょうか
(かがみ)
私の仕事は泉こなたを入手すること
(つかさ)
信じてもらえないかもしれないけど私は人間ではありません。
古泉スレでも、替え歌でとっうーふ↓スペクタクルとか、とっとーり↓スペクタクルとかが作られてたけど、
今度ははっなーぢですか・・・。
こなたとみゆき君のお医者さんごっこの図が頭から離れません><
こなた「みゆき君って案外エロいんだね」
みゆき「ふふ、僕をこんな風にしたのは泉さんですよ?」
>>484 ちょっと辛めに評価を。
男女に恋愛感情が芽生えるのが自然なこととして、
それが今まで普通の友達としてやってこれたことが不自然に思えます。
大半の読者は原作の4人の関係を知っていて、そのうち三人を男に変換して読んでるから
自然に読めるのでしょうが、普通なら最初からこんな関係が築かれないわけで
いきなり異世界に放り込まれたような違和感があります。
いや、もちろんそれが作者の狙いなんでしょうが、読者がそれで納得しても
こんな目に逢わされるキャラが納得できるのかと。
恋愛感情なしで男女付き合いってありえるぞ。
と、中学の頃女子二人の三人で毎日昼飯食ってた俺が言ってみる。
>516
TSは理解を超える(自分の発想力が及ばない)から
それ自体についての論評はしない。
ただ、キャラが納得できるのか?と問われたらエロパロ自体が
存在できなくなる。
それに、キャラが納得することは、物理的にありえないと思うのだが。
>>518 こういうのはKYの代表だから放置すればいいかと
520 :
18-490:2007/12/16(日) 12:20:26 ID:gi0RGIcP
流れをぶった切ってしまって申し訳ないスが投下します。
ストパニ見てたら電波受信しました。
アニメ版とラノベ版(漫画)がごっちゃになってますorz
一応ストパニ知らない方用に説明はいれたつもりですが…
文才がない俺を許してください。
タイトル 「苺と混乱〜序章〜」
かが×こな
非エロ
6レスお借りします。
*注意*
アンチストパニさんはスルーで
「みっくみっくにしてやんよ〜♪」
どこかで聞いたことのあるような、でも一概には断言しきれなくもないような…
そんなどこかで読んだラノベの文節を借りるような状況下。
パソコンの前にいる親友、いや、少し違うか…つい先日、親友から恋人へと変わった泉こなたから発せ
られた歌を聞きながら、私はすぐ側にあったうちわを手にとる。
「ネギはついてないけど、出来れば欲しいなぁ〜♪」
どんな歌詞なのよ。
機嫌がいいのか、マウスに乗せて指でリズムをとりながら歌うこなたを見て、ふぅと溜め息とはまた違
う吐息を漏らす。
夏休みもあと数日で終わってしまう、8月の中旬。
季節はまだ夏で、クーラーを入れてないと自然に汗が出てくるような熱気の中、私はこなたの部屋にい
る。
その理由は至極簡潔、夏休みの膨大な量の宿題の片付け兼勉強会である。
まぁ一方的にこなたが私の宿題を写すだけなんだけど。
ちらっと机の上にあるアナログ式の時計を見ると、短針は3時を指していた。
私が泉家についたのが2時だったから、正味1時間しかたっていない。
少し前まで私の宿題を写していたこなただったが、日頃から文字を書くことを怠っているせいか、ノー
トの半分も写し終わらないうちに「ちょっと休憩〜」とパソコンへと向かってしまったのだ。
まぁ、コイツの勉強に対する集中力にしては1時間静かに勉強してただけでも一応受験生としての自覚が
出てきたのだろうか。
いや、夏休みの宿題を写す自体、集中力も受験生の自覚も皆無に近いのだけど…
「少女じゃ、ふふ〜ん♪」
いつの間にか意味不明な歌からふんふんと鼻歌に変わっているこなたを見てみる。
この角度からはパソコンは見れないが、鼻歌の時間的にどうやらアニメを見始めたみたいだ。
アニメ1話見るとして30分か…
そんな事を無意識に考える自分に溜め息が出る。こなたと付き合ってから数ヶ月、大きな変化と言えば
私がこなたに対して甘くなった、ことだ。
というか、こなたの楽しそうにしてる顔を見るとコッチまで楽しくなってしまい、ついつい甘やかして
しまう。
まぁ、時間はまだまだあるし。こなたと共有するこの空間が好きな私は、こなたが完全休憩モードに入
った姿を見て、その間の時間潰しをするために机の横にあったラノベを手にとった。
「ストロベリーパニック?」
いかにも元気と笑顔が取り柄です!みたいな高い位置で結んだポニーテールの女の子が、髪の長い落ち着
いた雰囲気を纏う綺麗な女の人に後ろから抱き締められている表紙。
どこかで聞いた事のあるような題名だけど、こなたの部屋にあるってことはアニメ化にでもなったのか
しら。
まぁ、暇つぶしにはいいかもね。と挿絵しか見られていないだろう新品の香りのするページをめくった
。
「……み、…がみ………」
どこか遠く、でもどんどん近付いてくる誰かの声に私の意識は現実へと引き戻される。
「かがみっ」
「ふぇっ?!」
自分名前を呼ばれ、バッと目を開けると、友人・高良みゆきの顔が目の前にあった。
あれ、私いつの間に寝ちゃってたんだろ。
というか、みゆきいつ来たの?
全然眠っていたという認識がないまま、眩しい光に目を細めながら寝ていた上半身をあげると、ふぁと
草木の独特の匂いがした。
「ん?」
上半身をあげようとして地面についた左手に感じる違和感。
その違和感を確かめたくて、周りを見渡すとそこは一面、草と花で覆われている草原だった。
「え、あれ?」
確か私、こなたの部屋にいた…わよね?
まだ夢を見ているのだろうかと頬をつねってみるけど、やっぱり痛い。
「ほら、かがみ。もうすぐ授業が始まりますよ」
そう言って身を翻して歩いていってしまうみゆきを見ると、白いワンピースに黒色の短いブレザーとい
うどこかで見たことのあるような服装をしていた。
というか、かがみって…
確かみゆきって私のこと「さん」付けで読んでなかったっけ?
しかもいつもの丁寧でおっとりとした雰囲気がまったく感じられないような、キリッとした物の言い方
だった気が…
すたすたと歩いていくみゆきに若干の違和感を感じたけど、未だ状況を理解出来ない私は、ともかくみ
ゆきに付いて行こうとみゆきの跡を追った。
「え…?」
「いや、だから、ここってどこよ」
みゆきと一緒に歩いて数分。
これが夢かドッキリであって欲しいと願いつつ、とにかく場所だけは知りたくて、みゆきに尋ねる。
「かがみ、私をからかっているんですか?」
いや、からかうもなにも…
ともかくそのかがみってのはやめてくれ。なんかこそばゆい。
「じゃあエト…」
「高良様っ!」
みゆきも言葉を遮るように、聞こえた声の方を振り返るとそこには見知った女の子がこちらに向かって
走ってきた。
って、あれつかさじゃない?!
「つかさっ?!!」
みゆきと同じどこかのお嬢様学校のような制服を着ている双子の片割れは、私の言葉に驚いたのか少し
目を見開いて、ぺこっと頭を下げた。
「失礼しました。なにぶん急いでいたもので…高良様。エトワール様。」
エ、トワール?
どっかで聞いたことがあるような……
あぁ、そうだ。さっきまでこなたの部屋で読んでいたラノベに出てきた言葉だ。
確か主人公が通うアストラエアにある3校の学校の中から選ばれるベストカップルみたいなもんだった
はず。
でもなんでそんな言葉をつかさから出たのか。つかさに何の冗談か聞こうと口を開けた瞬間。
「どうしたの、つかさ」
隣にいるみゆきが先に言葉を発していた。
先ほど私を呼んだみたく「さん」付けじゃないみゆきを見て、また違和感を感じるけど、私もみゆきと
同じことを聞こうとしていたのでつかさの答えを待つ。
「それが、今日編入してくるはずの子がまだこのミアトルに来ていないみたいなんです」
ミアトル…ミアトルって、これもさっきのラノベに出てきた言葉だ。
アストラエアにある学校、それがミアトルだ。
その他のスピカ、ル・リムの2校より以前に建てられた由緒ある学校…でいいんだっけ。
というか、エトワールとかミアトルとかなんなのよ?
みゆきもつかさも外見は私の知ってる二人なはずなのに、言動とか行動とかに違和感を感じる。
「エトワール様?」
「へ?」
不思議そうに私の顔を覗き込むつかさ。
え、エトワールって私のことなの?
「…つかさ?」
「はい?」
「私は……かがみよ」
自分でもおかしなことをいっているのは分かっているんだけど、とりあえず、何か言わないと頭が混乱
してて整理できない。
「えぇ、知ってますよ」
つかさは一瞬びっくりした顔をして、心底面白そうに口元を手で押さえながら笑った。
「柊かがみ様。私たちミアトルが誇る現エトワール様ですわ」
その後、「私は編入生を探してくるから」とかなんとか言ってつかさと共にどこかに行ってしまった。
つかさの言葉に放心状態だった私は、特にどこに行くわけでもなく、大きな池…湖なのか?いや、そん
なことはでおうでもいいんだけど。
木で覆われた林の中で遠くに見えるお城みたいな建物を眺めていた。
なんで私はここにいるんだろう?
ラノベ読みながら寝たからって、こんなリアルな夢見るのか。
ラノベ。確かストロベリー・パニックという題名だったっけ。
その中で出てくるミアトル生徒会長に酷似したみゆき。
そういえば、原作の名前も美雪だったわね。
同じく、ヒロインと同室の涼水玉青に酷似したつかさ。
そしてエトワールと言われた私。
「はぁ」
これが夢だと信じたい私は、ため息をつく。
そういえば、肝心の主人公が出てきていない。
私が花園静馬であるエトワールなら、当然ヒロインは……
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
私の後ろから聞こえたのは、聞き覚えのあるような女の子の叫び声とドタドタという駆け音。
どかっ!!
あ、木にぶつかった。
大丈夫?と声をかけようとその子に近づこうとして、不意に私の足が止まった。
「こなたっ!!!」
「ふぇ?!」
泉こなたがぶつかった顔をさすりながら、そこにいた。
つかさやみゆきが着ていた可愛いワンピース状の制服じゃなくて、どこにでもあるようなセーラー服。
高い位置で結ばれたポニーテル。
やはり、この物語の主人公である蒼井渚砂はコイツか…
つくづく都合のいい夢ね。
「えっと……」
普段のこなたからは想像のつかないほど、もじもじとして女の子らしい姿。
やばい、超可愛い。
「私、今日からこのミアトルに編入することになった…泉こなた、です」
どうやらこのこなたも現実世界の記憶は持ち合わせてないらしい。
こなたなら、この状況を説明してくれるかもしれないと期待していた私だったけど…
目の前にいるこなたが可愛くて、思わず手を伸ばして抱きしめていた。
そういえば、夏休み中はつかさやみゆきと遊びまくっててこうやってこなたと2人きりになることは少
なかった気がする。
恋人になってからキスもしたし、エッチもしたけど…
こうやって抱き合うのが一番好きだ。
「ふぇっ、あの…その…」
あっと、このこなたはこの世界のこなただったわね。
抱きしめられたことに驚いたのか、私の腕の中でうろたえているこなた。
「こなた」
「え、あ、はいっ!」
「私の名前は、柊かがみ。」
「かがみ、先輩…」
確かめるようにつぶやくこなたが可愛くて、どんどん暴走する自分が止められない。
「いいえ、こなた。私のことはかがみお姉様と呼ぶのよ」
「かがみお姉、さま」
うわぁ、なんかSMみたい。
どうせこれが夢なら……このまま物語に流されてもいいのかな。
「こなた」
「一緒にエトワール選に出るわよ」
526 :
18-490:2007/12/16(日) 12:32:26 ID:gi0RGIcP
すんげぇ中途半端ですが、序章なので以上です。
ストパニなだけにスランプな俺涙目ですorz
あ、レス数間違えました。6レス→5レス
読んでくださった皆さん、胸いっぱいのありがとうと御機嫌ようノ
> 18-490さん
アストラエア〜〜〜〜!!!!1憧れより憧れ以上の夢を抱いているのですか!?!?!?
失礼しました…
らき☆すたも好きだけどストパニも大好きな私にとっては極楽と桃源郷とエルドラドとアルカディアが融合したような夢のコラボレーションです!はい!
今のところこなたが渚砂ポジションでかがみが静馬、みゆきさんは…そんなかがみを呼び捨てにしているから六条深雪(こっちもみゆきだw)会長?
そしてつかさがちよまるちゃんでしょうか。
全力を挙げてひっそりと応援させていただきます!!
>>526 GJ!
かがみ暴走してるww
何かすごい過疎ってね?
……しまった、ちゃんとキャラの対応書いてあるじゃないか…しかも一つ外れてるし……
興奮のあまり大事なところが目に入っていなかったようです、ここにお詫び申し上げます。
いや、昨夜が暴走状態だっただけだろ?まだ五日なのにもう400KB越えとかしてるし
>>526 ストパニには疎いけど、ノリノリのかがみに噴きました。今後の展開も楽しみにしてます。
>>528 しかしなお、6日目にしてスレ残量が100KB切っているという罠。
>>526 激しくGJ
つかさが玉青ってことは…かがみんのライバルじゃないですか!!!
続編wktk
あと変換ミスハケーン。
美雪→深雪です。
>>528 クリスマスが近いからではw?
このスレの職人は化け物か!?
>>526 GJ!続きも全力で期待
>>528 それはひょっとしてギャグでいってるんですよね、わかります
535 :
ちり紙:2007/12/16(日) 13:38:58 ID:NEIVi4Ax
かがみお姉様w
いつもいつも大量の傑作SSに絵に萌えが止まりませんよ、GJ、神々。
ご無沙汰です。
以前、こなたの未来を書いた者です。
続きを見たいと言ってくれた人達の為に続きを書いて見ました。
PS2版らき☆すたのこなたエンド後の話です。(PS2版まだ出てないけど)
こなたの子供とか出ます。オリキャラ注意。
名前が○○のキャラはPS2版らき☆すたのプレイヤーキャラです。(ほとんど出番ないようにしたけど)
レス数はちょっと判りかねますが最後まで出来てますので一気に投下します。
耐えられない人はスルーでよろしくお願いします。
「泉君家の家庭の事情」の続きで「こなたの毎日」です。
シリーズ名は「いずみけ」でw
既にもうらき☆すたじゃない気がするけど気にしないw
536 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:40:08 ID:NEIVi4Ax
「んーっ……さてと、そろそろ夕飯の支度しないとね」
原稿の執筆を切りの良い所で切り上げて、PCにデータを保存して電源を切る。
1階にある寝室兼仕事部屋を出て2階に上がると、リビングでソファにお父さんが座っているのが目に入った。
そのまま台所に向かって歩いていくと、お父さんの膝の上には娘のそなたが乗っているのも確認出来た。
良く見ると、お父さんはそなたを膝の上に乗せながら、マンガを読んでいる。
「……じいちゃん、そなに変なマンガ読ませるの、やめて欲しいんだけど」
隣のソファに腰掛けてポテチを齧りながら、夕方の再放送ドラマを見ていた息子のこうたろうが不意に不機嫌そうな声で文句を言い
出す。
「コウ。人聞きが悪い事言うなよ。別にこれはいかがわしいマンガじゃないぞ」
「……じいちゃん。一騎当千なんて小学一年生に見せる物じゃないと思う。それに十分いかがわしい。頼むからそなを母さんみたいに
しないでくれ」
「ふぇ?」
突然始まった祖父と兄のやりとりに、そなたは付いていけず大きな瞳をぱちくりさせてる。
「……コウはこなたの事が嫌いなのか?」
「好きとか嫌いとかそう言う事じゃないんだよ。そなには健やかに育って欲しいんだ」
「もし、そなが母さんみたいになったりしたら目も当てられない。それにじいちゃんだって、死んだばあちゃんに似て今のまま純粋に
育った孫娘の方が萌えるだろ」
「……じいちゃんが悪かった」
お父さんはそう言って、一騎当千のコミックを閉じる。
「二人とも、それどういう意味!!」
『うおっ!?』
私のツッコミに父と息子はほぼ同時に飛び上がるのだった。
※
「でさ、昨日こんな事があったんだよ」
「……ぷっ」
「あははははははははははははははははははははははははっ」
「……かがみ、笑いすぎ」
「あはははは、ごめん、ごめん」
次の日の昼。私は遊びに来た友人のかがみとリビングで女同士のおしゃべりを楽しんでいた。
537 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:41:08 ID:NEIVi4Ax
「それにしても、あのこーちゃんも言うようになったわね」
そう言って、頬にかかった髪を後ろに手で流す。
かがみは昔はリボンで髪をツインテールにしていたが、今は大き目のバレッタで髪をまとめている。
「思春期だからしょうがないんだろうけどさ。最近つれないんだよねーあの子」
「男の子なんて皆そんなもんよ」
「ふんだ。今はかがみもそうやって笑ってられるけどさ、すぐに今の私と同じ気持ちを味わうことになるんだからね。ねーけんちゃん」
私はそう言って、4月に生まれたばかりの二ヶ月になるかがみの子供のほっぺたをチョンと優しくつつく。
「けんちゃんはそんなことないもんねー」
そう言って、抱いてる我が子に笑顔で頬擦りするかがみ。
けんちゃんはまだ良く見えない目で、きょとんとした様子で母親の顔をじっと見ていた。
「うわ。親馬鹿だ」
「あんただってそうだろ」
高校生の頃からずっと変わらないかがみとのやりとり。
「そういえばさ、こなた三人目が出来たんだっけ。予定日いつ?」
「んー、12月」
「だったら、けんちゃんと同学年になるわけね」
「そだね。もし女の子だったら、けんちゃんはギャルゲーの主人公になれるね」
「何よそれ」
「女の子の幼馴染がいて、しかも周りにそなたやたまちゃんみたいな姉キャラがいたら立派なギャルゲーの主人公だよ」
「……母さん、それ39歳にもなって言うセリフじゃないと思うんだけど」
背後から声をかけられて振り向くと、こーちゃんが小さな紙袋を手に立っていた。
「ん? おかえりこーちゃん」
「ただいま」
「おかえり、こーちゃん」
「こんにちは、かがみおばさん」
「中学校はもう慣れた?」
「まあぼちぼち」
「そっか」
「ところで、何か大事そうに持ってるけど何か買ってきたの?」
かがみと世間話をするこーちゃんが、大事そうに手にしている紙袋の中身が気になったので、何となく尋ねてみる。
「ああ、今日発売のラノベの新刊」
そう言って、紙袋の中から同じ本を3冊取り出して見せる。
「何? 同じ物3冊も買ってきたの?」
かがみが驚いた表情でこーちゃんに尋ねる。
「当然だよ、おばさん。好きな作家の本は読書用、布教用、保存用を買うのは当たり前じゃない」
「……やっぱ、あんたの子だわ」
かがみは横目で私を見ながら、こーちゃんに聞こえないようにぼそっと呟く。
「別にお小遣い使って買わなくても、言ってくれれば一冊編集部からもらってあげるのに」
かがみがそう言うと、こーちゃんはきっぱりと言い放った。
「……おじいちゃんが言っていた」
「素晴らしい作品を生み出してくれたクリエイターに、その対価を支払うのはファンが出来る感謝であり義務である!!」
「だから、おばさんの気持ちだけもらっておくよ」
「あ、あははは……。ありがとね、こーちゃん」
538 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:42:12 ID:NEIVi4Ax
私の息子の言葉に苦笑いを浮かべている親友の職業。
それは今、息子の手に握られているラノベの執筆だ。
そう、かがみは今や売れっ子の人気小説家なのだ。
あれはそう、大学時代の頃の話だ……。
※
『やふー、かがみん。遊びに来たよー』
『あら? 珍しいわね。彼氏はどうしたの?』
『大学のサークルの先輩達に、夏合宿に無理矢理引っ張ってかれたよ』
『それでひとりになって、私んとこに来たと』
『まあそんなとこ』
『私は彼氏の代わりかよ』
『やだなあ、純粋にかがみんに会いに来ただけだよ。高校出てから、最近会ってないし』
『電話はしょっちゅうしてるけどな』
………。
……。
…。
『かがみ、ちょっとパソコン貸して』
『何よ? 何かあるの?』
『実は今入札してるオークションがあってさ、もうすぐ終了時刻なんだ』
『別にいいけど。勝手にアイコンとか弄らないでよ』
………。
……。
…。
『ん? 電話だ。誰だろ』
『やったー!! 落札完了!!』
『ん? 何だろ。このフォルダ』
『うん、うん、大丈夫。もう……心配性なんだからお父さんたら』
『……』
『うん、お盆にはそっちに帰るから。それじゃ切るね』
『……』
『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 何勝手にファイル開いて見てんのよ!!』
『かがみ!!』
『な、なによ……』
『これ、最後まで書き終わってるんだよね?』
『い、一応はね』
『これ、かがみが書いたんだよね?』
『……そうよ、悪い? 大学の往復と勉強ばっかりじゃ息が詰まっちゃうもの。息抜きも兼ねて何となく書いてみただけよ』
『気が向いたらネットのSS掲示板にでも貼ろうかと思ってただけだし。結局、長くなりすぎたし、投稿するのもやっぱり恥ずかしく
なったからやめたけどさ』
『どうせ、似合わないとか、うわ、こんなの書いてるなんて馬鹿じゃんとか思ってんでしょ。もういいでしょ。さっさとその画面閉じ
てよ』
『……かがみ、お願い!! 最後まで読ませて!!』
『はあ?』
『これ、すごく面白いよ!! ハルヒやフルメタに負けないくらい面白い!!』
『ちょっ、やめてよ、こなた』
『ねーいいでしょ。見せて見せてぇー』
『わかった、わかったから引っ付くなって!! その代わり最後まで読んでがっかりしても知らないからね!!』
539 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:43:22 ID:NEIVi4Ax
………。
……。
…。
『……かがみ』
『何よ』
『これ、角川スニーカー文庫の新人賞に送ろう』
『いきなり何言い出すのよ!!』
『だって、これすごく面白いよ!! このまま誰にも見せないなんて惜しいよ!!』
『無茶言わないでよ。出したってどうせ落選するに決まってるじゃない』
『そんな事ないよ!! かがみは才能があると思う。だって小説とか読むの苦手な私がプロローグだけでぐいぐい引き込まれたんだよ』
『絶対、イケると思うから!! ねぇかがみぃー!!』
……結局、しつこく食い下がる私にかがみが根負けする形で折れて、その後現役の小説家であるお父さんにアドバイスしてもらいな
がら一部手直しをして投稿したんだよね。
そしたら、見事に大賞を取っちゃったんだっけ。
それからかがみは編集部に説得されて、何本か短編も書いたんだけど、それら全部読者アンケートで上位を取っちゃって。
気が付いた時にはかがみは現役大学生でありながら、連載を持つプロの小説家になっちゃった。
本人は元々、弁護士志望だったんだけど、読者からのファンレターが沢山届いたのに感激して、本気でプロとしてやってく道を選ん
だんだ。
流石にかがみの両親は、せっかく大学まで進学したのにって、反対してたけど。
かがみは頑張って、雑誌の連載と大学の勉強を両立させた。
結局、かがみは弁護士の資格試験には落ちちゃったけど、それでも優秀な成績で大学を卒業して、一度も落とす事無く連載を最後ま
で続けた。
数年後にはかがみの書いた作品はアニメ化もされた。
私はそんながんばりやのかがみの事を尊敬している。
勿論、絶対に口には出さないけどね。
ちなみにかがみの書いた本や、アニメ化された作品のDVDは全部持ってる。
何を隠そうこの私こそがかがみのファン第一号だからだ。
2年前、こーちゃんが小学5年生の時、夏休みの宿題の読書感想分用の本を探してた時に、何気なくかがみの作品を読ませた。
それがきっかけで、こーちゃんはかがみの書くラノベを愛読するようになった。
そして、今に至る。
※
「話は変わるけどさ」
「何? こーちゃん」
「いいかげん、母さんもおばさんもこーちゃんと呼ぶのやめてくれないか」
「どうして? 赤ちゃんの頃から、ずっとそう呼んでるんだから今更だよ」
「……俺も中学生になったし、いいかげん恥ずかしいんだよ」
「別にそんなに気にしなくてもいいんじゃない? こなたなりの愛情表現なんだし」
かがみがそう言ってフォローする。
540 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:45:31 ID:NEIVi4Ax
「……ハァ」
「……何で大抵の母親ってのは、息子の事を君付けやちゃん付けで呼ぶんだろうな」
ため息をひとつついて、ぼやくこーちゃん。
「そう言われてみれば、そうね」
「今日もさ、同じクラスの日下部と帰り道歩いてたらさ、買い物帰りの日下部の母さんが、日下部を見かけて呼び止めたんだけど……」
「日下部の母さんも、自分の息子の事を君付けで呼んでたな」
「ああ、あやのんなら君付けで呼んでそうだ」
私がそう言うと、かがみが同意して頷く。
「それと若い頃に悪さばかりしてたような、頭の悪い喋り方する母親だと、呼び捨てで子供を呼んでたりつまらない事で怒鳴ったりす
るよな」
「ああ、あるある。小さい子相手に本気で怒鳴りつけてたり、ほったらかしにしてたりするの見ると腹立つよね」
「ああいう光景みると悲しくなるわよね。子供がかわいそうで」
「こーちゃんは私の子で良かったねぇ」
「……まあ、虐待とか育児放棄されなかっただけマシかもな」
「失礼な子だね。小さい頃はあんなにかわいがってあげたのに」
「記憶に無いな」
あまりにそっけない態度なので、少しカチンときた。
「いつもおっぱいおっぱいって、毎晩泣いてせがんだのは誰だっけ?」
「……」
「私が隣で寝てるとさ、いつの間にか人のパジャマの隙間から手を突っ込んで、おっぱい触ってたよね」
「……」
「こーちゃんが生まれた時もさ、初めておっぱい飲ませた時、自分で私のおっぱいをちっちゃな手で掴みながら吸ったんだよ」
「えっちな赤ちゃんねぇって看護士さんに笑われたんだよ、こーちゃん」
「……ああ、そういえばこなたの出産祝いに行った時にも、同じような事を言ったような気がするわ」
「そうそう。かがみにも同じ事言われたんだっけ」
「そういえば、ベビースイミングにお父さんに無理矢理行かされた日に、たまたま泳ぎに来てたかがみと行き会った日があってさ」
「シャワー浴びて着替えさせる時に、かがみに抱っこしてもらったてら、いきなりかがみのおっぱい吸ってた事もあったっけ」
「ああ。そういやそんな事もあったわね」
「あの時のかがみの困った顔は今でも覚えてるよ。あん時はごめんね。かがみん」
「まあ、赤ちゃんのした事だしね。別にいいわよ」
「そうそう、かがみだけじゃなくて、皆で新しく出来た健康ランドに行った時にも、ゆーちゃんにつかさ、みゆきさんのまで……」
「……頼むからもうやめてくれ」
そっぽを向いて羞恥に震える息子。
……勝った。
「ただいまー」
私が生意気盛りの失礼な息子をへこませてやって悦に入っていると、1階からとたとたと音を立てて小さな女の子が2人、リビング
にやってきた。
「おかえり、そなた。たまちゃん」
一人は私の娘のそなた。
541 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:46:34 ID:NEIVi4Ax
私に似て、とても愛らしい泉家の長女だ。
反論は み と め な い 。
「おかえり、たまき」
「ママ、ただいま」
もう一人の女の子はかがみの娘のたまきちゃん。
顔立ちや髪質なんかはかがみにそっくりなんだけど、くりくりとした愛らしい大きな瞳はかがみの旦那似だ。
そのせいか、かがみの子なのに、なんとなくつかさを連想させる。
肩までかかる程度の長さの髪をまっすぐ伸ばして、リボンを頭の左側にだけ着けているのが特徴だ。
ちなみにそなたはたまちゃんより髪が長く、日によって髪型を変える事がある。
……そう言えば、つかさは今頃仙台で元気にしてるかな。
早く旦那の仙台出向が終わって帰ってくるといいんだけど。
「あれ? お兄ちゃんどうしたの?」
そなたがうな垂れてるこーちゃんを見て首を傾げる。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
たまちゃんが心配そうな顔でこーちゃんに尋ねる。
「……大丈夫だから、心配しなくていい」
こーちゃんはそう言って、たまちゃんの頭を優しく撫でてあげる。
「えへへ……」
くすぐったそうに目を細めて笑うたまちゃん。
「……さて、いいかげん俺は自分の部屋に戻るかな」
そう言って、今いるリビングの隣にある、自室に戻ろうとするこーちゃん。
「ん?」
リビングを出て行こうとするこーちゃんの服の裾を、たまちゃんがしっかりと握っていた。
「どうした? たまき」
私には頑なに見せようとしないけど、そなた達には見せる穏やかな表情で優しく尋ねるこーちゃん。
「あ、あのね……」
「お兄ちゃん、一緒に……あ、遊んで……」
もじもじと上目遣いでお願いするたまちゃん。
「……ああ。いいよ」
こーちゃんの返事を聞いて、ぱあっと嬉しそうに笑うたまちゃん。
「ちょっと荷物置いて着替えてくるからそなと一緒に待っててくれ」
そう言ってリビングを出て行く。
「たまちゃん、嬉しそうだね」
たまちゃんに目線を合わせて微笑みかける。
「えへへ……」
「たまきはこーちゃんの事が大好きなのよね」
かがみがそう言うと、たまちゃんは顔を赤くして俯く。
「くぅーっ。いつ見てもかわいいなぁこの子は。とてもかがみの子とは思えない。素直で純粋で恥ずかしがりやさんで」
「素直じゃなくて、不器用で、ツンデレなかがみとは大違いだ」
「うるさいよ」
「何。かがみん? いきなり不機嫌になって?」
「声に出てたわよ」
「うへぇ」
かがみがジト目でこっちを睨んでる。慌てて私は話題を逸らす。
542 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:47:36 ID:NEIVi4Ax
「たまちゃんはこーちゃんの事、好き?」
「えっ? ……う、うん。好き……」
恥ずかしそうにもじもじと両手の指を絡めながら、呟くように答えるたまちゃん。
かわいいなぁ。
「あのね、お兄ちゃんはね、たまちゃんの王子様なんだって」
そなたがそう言うと、たまちゃんはたちまち真っ赤になって怒り出した。
「そなちゃんひどい。誰にも言っちゃ駄目って言ったのに」
ありゃりゃ、たまちゃんの大きな瞳に涙が溜まって泣き出す寸前だ。
「あっ……。ふぇ……ごめんね、たまちゃん」
泣きそうな顔のたまちゃんを見て、そなたまで泣きそうになる。
「ああ、ほら、二人とも泣かないで。お兄ちゃんが戻ってきたらびっくりするよ」
「だって……」
たまちゃんが泣きそうな顔で私の顔を見上げる。
「大丈夫。おばさん、お兄ちゃんにも誰にも言わないから。ねっ」
「ぐす……ほんと」
「ホントホント」
「ママも?」
自分の母親の方を振り向いて涙目で尋ねるたまちゃん。
「ママも言わないから」
「ぐす……うん」
「ふぇ……ごめんね、たまちゃん」
「……そなちゃん、もういいよ」
「はい、それじゃ二人とも仲直りの握手」
私はそう言ってそなたとたまちゃんに握手をさせる。
「ほら、二人とも」
テーブルの上からティッシュを取って目の端に溜まった涙を拭ってやる。
「えへへ」
「うふふ」
ああ、いいコンビだ事。
たまたま、かがみの旦那の実家、つまりかがみの家が我が家のすぐ近くにあるので、このふたりは幼馴染なのだ。
誕生日も一ヶ月しか違わないし(そなたのほうが一ヶ月お姉さんになる)、背丈も同じくらいだからお互いに格好の遊び相手だ。
それに書くジャンルは違えども私とかがみは同じ作家だ。
主婦業をしながら、原稿を執筆するので二人共あまり友人と会う機会がない。
けれど同じ年の娘がいて、偶然とはいえ、近所に住んでるのでかがみとだけは良く会う。
先日、かがみが二人目の子供であるけんちゃんを出産する時も、たまちゃんを家で預かったりした。
そんな訳で、私達は親娘で親友同士という関係だったりする。
「たまき、そなた。おまたせ。何して遊ぼうか」
『お兄ちゃん』
着替えたこーちゃんが二人に声をかけると二人は声をハモらせて、こーちゃんのほうに駆け寄っていく。
「そうやって三人でいると、まるで三人とも兄妹みたいね」
「おばさん、俺にとってはそなもたまきもかわいい妹だよ」
「そなは実妹だけど、たまきはさしずめ、魂の妹ってとこかな」
「あはは、魂の妹か」
543 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:48:39 ID:NEIVi4Ax
そなたとたまちゃんにとっては、6歳年の離れたこーちゃんは頼れるお兄さんなんだよね。
純粋で素直で人懐っこいそなたと、純粋で素直ではずかしがりやのたまちゃん。
ふたり共、理想の妹達って感じかね。
「こーちゃん、君は勝ち組だね」
「ハア?」
私の言葉に怪訝な顔で反応するこーちゃん。
「今の内にしっかりフラグを立てておくんだよ、こーちゃん」
「……母さん。また締め切りを忘れてて、徹夜で原稿でも書いたのか?」
訳が分からないといった表情のこーちゃん。
その、夏休みの宿題を最終日に泣きながらやる子供を見るような目が、少しムカツク。
……まあ、いいさ。
フラグは既に立っている。
それになんて言ったって、この子はお父さんの孫で、○○君の息子なのだ。
絶対にロリコンに決まっている。
将来、たまちゃんをこーちゃんが嫁にすれば、たまちゃんも私の娘だ。
実の娘のそなたと、義理の娘のたまちゃんと一緒に暮らす生活。
うん。萌えるね。
私がそんな事を考えていると、いつの間にかこーちゃんはそなた達を連れて、さっさと外に出て行ってしまった。
※
「こーちゃん、そなた、たまちゃん。ママ達ちょっと夕飯の買い物に行くから、一緒においでー」
家の外で縄跳びをして遊んでる子供達に、ベビーカーにけんちゃんを乗せて、出かける準備をしているかがみに代わり声をかける。
「はーい」
こーちゃんとたまちゃんが回してる縄を跳んで、そなたがこちらに駆け寄ってくる。
「俺も行かなきゃ駄目なのか?」
不満そうな顔で聞いてくるこーちゃん。
「当然だよ。荷物持ちなんだから」
「……へいへい」
私の答えにひとつため息をついて、かったるそうに返事をする。
昔は置いていこうとすると泣きながら追いかけてきたのになぁ。
「こなた、準備出来たわよ」
ベビーカーを押しながら、かがみが声をかけてくる。
「りょーかい。そんじゃ、ちょっくらスーパーまで行きますかね」
私達はぞろぞろとスーパーまでの道程を歩き始めた。
※
「こなた、今日はたまごのMサイズが安いわよ」
「んじゃ、今晩はオムライスにでもしようかねぇ」
かがみとそんな会話をしながら、スーパーの食品売り場の中を、買う物をかごに放り込みながら歩いていく。
かがみはベビーカーを押している為、かがみの家の買い物かごはこーちゃんが持っている。
「そなた、たまちゃん。欲しいお菓子あった?」
しばらく歩いていくと、お菓子売り場に到着した。
544 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:49:49 ID:NEIVi4Ax
先に行ってお菓子を見ていた二人に声をかけると、二人は食頑のコーナーを見ていた。
「ん? それがいいの?」
二人が手に持ってたのは、おもちゃのアクセサリーとラムネ菓子が入ってる食玩だった。
「でもそれだと、食べるお菓子ほとんど入ってないんじゃないの?」
かがみがそう言うと、たまちゃんは悲しそうな顔で手に持ってた箱を棚に戻す。
それを見て、そなたも一人だけ買ってもらう訳に行かないと思ったのか、たまちゃんと同じように棚に戻す。
「ああ、戻さなくていいよ。二人ともいつもいい子にしてるから、私が買ってあげる」
私はそう言って、二人の側に歩いていくと、二人が戻したのと同じ物を買い物かごに放り込む。
「……なんか、私が悪者みたいじゃない」
かがみがぼそっと呟くのが聞こえた。
子供の気持ちももうちょこっと考えようね、かがみん。
「良かったわね、たまき。ちゃんとおばさんにお礼言わないとね」
「ありがとう、そなちゃんのママ」
「いいって」
「そなは?」
私とたまちゃんのやり取りを黙って見ていたこーちゃんが、そなたにそう声をかける。
「ママ、ありがと」
そなたがそう言うと、こーちゃんは黙ってそなたの頭を撫でてあげるのだった。
「ところでこーちゃんは何か欲しい物ないの?」
「別にないな」
「そう。あのガンダムのカードが入ってるチョコとか、欲しいかと思ったんだけど」
「ああいうカードを集める趣味はないな。金がいくらあっても足りやしない」
こーちゃんはお父さんと○○君の教育のせいか、生粋のガノタだ。
部屋には1/60PGガンダムVer.Kaとかが飾ってあったりする。
おまけに全MSのスペックや全ガンダムシリーズのサブタイトルを空で言えたりする。
本人は俺はオタクではない。ガンダムは男の嗜みだろ、とか言ってたりする。
「それより母さん、そろそろ例のブツの入荷陳列時間だ」
腕時計を見て、こーちゃんが私に報告する。
「よし。行こうか」
私は頷くと、こーちゃんと一緒に目的地へと向かい歩き出す。
「ちょっと、二人共どこ行くのよ」
かがみが子供達を連れて慌てて追いかけてくる。
「母さん、時間ぴったりだ」
「よし、それではミッションを開始する」
「了解。こうたろう、目標を確保する」
この時だけは非常にノリが良い息子だった。
※
「……で、その買い物かごの中にある大量の物は何」
545 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:51:32 ID:NEIVi4Ax
かがみがジト目でこーちゃんが持ってる我が家の買い物かごを見る。
「見りゃわかるじゃん。チョココロネだよ」
「そんなに沢山買ってどうするのかって聞いてるんだけど」
「そりゃあ食べるんだよ」
「あんた一人で?」
「ううん。私とこーちゃんで」
「それ、一日で食べきれるの?」
「まさか。とりあえず、次の入荷があるまで少しずつ味わって食べるよ」
「意外とチョココロネって生産数少ないんだよねー。ある時に買っとかないとね」
「母さん、次の入荷は2日後だから」
「オッケー。2日後にまた買いに来よう」
「ああ」
「おまえらチョココロネの入荷日を把握してんのかよ!!」
かがみの突っ込みも、ミッションを遂行した今は気にならない。
昔と違って、今は余り需要がないのか、チョココロネを中々見かけない現在、チョココロネを手に入れるのは至難の技だった……。
大量のチョココロネを手に入れ、清清しい気分で私達はヤマナカを後にしたのだった。
※
帰り道の途中で、かがみの家に寄って、こーちゃんが持ってた買い物袋を置いてこさせ、かがみ達と別れる。
我が家に帰ると、私はすぐに夕食の支度を始める。
こーちゃんに風呂掃除をして風呂を沸かすように指示を出し、夕食をてきぱきと作っていく。
丁度夕食が完成する頃、一階の奥の部屋から原稿執筆を切り上げてお父さんがやってきた。
私が学生の頃は2階のリビングの横の部屋がお父さんの部屋だったが、こーちゃんが生まれてたっちが出来るようになって、色々と
動き回るようになった頃、リビングの横にあるお父さんの部屋に入っては色んな物を弄繰り回すいたずらをしてくれた。
まだ喋れない赤ちゃんだったから、何度言ってもいたずらするのが直らない。
結局、お父さんは使ってなかった1階の奥の部屋に移り、そのまま2階の部屋は子供部屋になってしまったのだった。
その後、リフォームをしたのであの頃の家と今の家では中が大分変わっていたりする。
546 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:53:10 ID:NEIVi4Ax
夕食の支度をしているとやがて、会社から○○君が帰ってきた。
夕食が出来ると、家族全員で食卓に着き、全員で夕食を取る。
今日あった出来事や夏休みにどこかへ行こうか等、途切れる事無く話題は続く。
毎日毎日、とても賑やかな家族だ。
やがて食事が終わると、お父さんはそなたを連れてお風呂場へ。
こーちゃんは自分の部屋に戻り、○○君は疲れたと言ってリビングのソファーでへたり込んでる。
私は一人台所で食器を洗いながら、ふと、この家にお父さんと私の二人しか住んでなかったあの頃の事を思い出した。
あの頃も決して、寂しくはなかったけれど、今ほどにぎやかではなかったな……。
結婚をして、家族が増えて……。
友達もみんな、家庭を持って……。
少しずつ、少しずつ、毎日が変わっていく。
生きているんだから、当たり前なんだけど……。
このまま、ずっと変わらない毎日が続くといいなと思う反面、いつかみんな離れ離れになるのかなという不安を感じる事がある。
もしも、私がお母さんみたいにいなくなったら、子供達はどうなるだろう。
もしも、お父さんや○○君、こーちゃんとそなたの誰か一人でもいなくなったら……。
それが怖い。
このまま、ずっと家族みんなで暮らしていきたいな……。
「こなた、どうかしたのか?」
「え?」
「何か心配事でもあるのか? なんだか神妙な顔して」
いつの間にか、リビングからやってきた○○君が私の側に立っていた。
「ああ。ちょっと、昔の事とか思い出してて、ね」
「昔の事?」
「うん。お父さんと二人だけで暮らしてた時の事と、今の暮らしを比べちゃってね」
「……」
「別に昔の生活にも今の生活にも、不満なんてないんだけどね。もし、私や家族の誰かがひとりでもいなくなっちゃったら、なんて考
えちゃってね」
私は明るい口調で濡れた手を拭きながら、心配そうな顔の○○君に言う。
「……大丈夫だよ」
「誰もいなくなったりしない。こなたをひとりにしたりしないから」
そう言って、○○君は私をぎゅっと抱きしめる。
「ちょ……」
「大丈夫だから」
「……うん」
私は彼の腕の中で小さく頷くと、自分の両手を彼の背中に回そうと……。
「あー。パパがママを抱っこしてる」
「え?」
唐突に聞こえた娘の声に、旦那の背後を横から覗き見ると、そなたとこーちゃん、お父さんが立っていた。
「……子供の起きてる時間にいちゃつくのは止めて欲しいぜ」
「……既に孫がいるとはいえ、手塩にかけて育てた娘が、他の男に抱かれてるのを見るのは嫌な物だな……」
「あ、あぅ……」
嬉しそうなそなたと、呆れ顔のこーちゃん、涙目のお父さんに私達夫婦はお互い何も言えず狼狽するだけだった……。
※
ジリリリリリリリリリ……。
547 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:54:16 ID:NEIVi4Ax
「……ん」
耳元の目覚ましの音を止め、隣で寝ている旦那を起こさないように起き出す。
顔を洗って着替え、エプロンを付けて朝食の準備を始める。
「おはよう、こなた」
「お父さん、おはよう」
朝食の準備をしていると、まずお父さんが起き出して来る。
「おじいちゃん、ママ、おはようー」
しばらくしてそなたが起きてくる。
「おはよう」
「おはよう、そなた」
「そなた、そろそろパパとお兄ちゃん起こしてきて」
朝食の支度をしながらそう言うと、こーちゃんが制服のボタンを留めながらやってきた。
「もう起きてるよ」
「おはよ、こーちゃん」
「おはよ」
「それじゃ、パパ起こしてくるね」
「お願いね」
そなたが旦那を起こしにとてとてと音を立てながら走っていく。
「こら、廊下を走ったら駄目だろ」
「はーい」
こーちゃんがそなたに注意する。いいお兄ちゃんだ。
「可愛い娘と孫に囲まれて、俺って勝ち組だよなー」
新聞を読みながら、お父さんが不意にそんな事を言う。
「お父さんがそういう事ばっか言うから、○○君も自分の事、勝ち組とか言うんだよ」
「若くて可愛い嫁さんと可愛い子供に恵まれて、俺って勝ち組だよなって」
「なんだか○○君がどんどんお父さんに似てくるんで困るよ」
なんだかんだで○○君とお父さんは似た者どうしだからか、同居も上手く行ってるんだけど、どんどんお父さんに似てくるのはいか
がなものか。
この前、その、あっちのほうで変な事をしてきたからロリコンって言ってやったら、合法ロリだから無問題とか言って開き直ったし。
変なところでマニアックで、昔からこっちが本気で泣くまで変な事したがるから余計に……。
って朝から言う話題じゃないや。今のは忘れて欲しい。
「パパ起こしてきたよー」
「ふぁ……おはよう」
まだ眠そうな旦那と元気一杯のそなた。
旦那とそなたが椅子に座ると、こーちゃんが席を立つ。
548 :
こなたの毎日:2007/12/16(日) 13:55:34 ID:NEIVi4Ax
「……こーちゃんもいずれ、お父さんや○○君みたいになるのか。不憫な子」
「俺はじいちゃんや父さんみたいにロリコンじゃない。至って健全で普通の男子だ!!」
「普通の男子はそんな事しないと思うぞ、孫よ」
「激しく同意だ。息子よ」
お父さんと旦那がこーちゃんをジト目で見る。
「文句なら母さんに言ってくれ」
席に着いたそなたの髪を櫛で梳かして、手際よくポニーテールにするこーちゃん。
「だってこーちゃんのほうが、そなたの髪いじるの上手いじゃん」
「んな訳ねーだろ」
「いやいや、謙遜しなくていーよ。こーちゃん」
以前、私もお父さんも締め切り寸前で修羅場ってる時に、そなたの髪をこーちゃんが私の代わりに見よう見まねでいじったのが始ま
り。
以来、そなたの髪はこーちやんが毎朝梳かしてその日の気分で三つ編みにしたり、ツインテールにしたり、お団子にしたりしてる。
……それにしても母親より女の子の髪をいじるのが上手い息子って一体。
こりゃ将来はカリスマ美容師かね。
「はい。出来たよ」
『いただきまーす』
朝食が出来上がると、全員で食事を取る。
「○○君、そろそろ行かないとやばいんじやない?」
食事が終わって一服している旦那にそう声をかける。
「ん? そうだな」
そう答えて席を立つ旦那に、すかさず中身の詰まった透明の袋をパス。
「今日、燃えないゴミの日だから捨てて行ってね」
「……ああ」
「そな、俺達もそろそろ学校に行くぞ」
「うん、お兄ちゃん」
こーちゃんとそなたが兄妹仲良く学校へと出かけていく。
「車に気をつけるんだよ」
「わーってるよ」
「はーい」
「さてと、原稿の続きを書くとするかな」
お父さんも席を立って自分の部屋へと戻っていく。
「ふう。みんないなくなったし、そろそろ洗濯しなきゃね」
私は既に回しておいた洗濯機から、家族全員の洗濯物を出してかごに放り込むと、庭へ向かう。
「うーん。いい天気だー」
洗濯物を干す前に、伸びをしながら深呼吸。
青く澄んだ青空の下、洗濯物を干し始める。
「さてと、子供達が帰ってくる前に、掃除と連載分の原稿もやっちゃわないとね」
私は誰に言うでもなくそう独り言を呟くと、家族の分の洗濯物を干していく。
これは5月下旬のある日常。
特にすごいイベントがあるわけでもない、普通の日々。
……だけど。
明日も明後日も明々後日も。
ずっとずっと、こんな毎日が続くといいな。
おわり
549 :
ちり紙:2007/12/16(日) 13:59:49 ID:NEIVi4Ax
以上です。
かがみの職業は弁護士というネタが多かったので、本人の趣味を反映して違う物にしてみました。
結婚後のかがみの苗字は考えてません。
かがみ親子はかがみとたまきとけんじで三種の神器家族です。
あと、息子の名前も考えました。
元ネタは小泉元首相の息子w
ではでは。
GJほのぼの!
……リアルタイム遭遇ktkr
こういう話好きっす。GJ!
まともなようで同じ穴の狸なこーちゃんに吹いたw
親の特権・「過去いじり」とか妙にリアルでこれがまた。
かがみの意表っぷりといい、堪能させていただきました。
……ああ、出張じゃなかったら挿絵描かせてほしかったorz
いや〜良いですね、こういう何げない日常、幸せだなぁ
しかしこーちゃん、あなたは間違いなくあの親と祖父の遺伝子を受け継いでいます、それもかなり濃くw
>>549 GJ!ほのぼのっていいよね!
見た目が超若い母親に実の妹、更には自分を好いてくれてる隣の女の子…
こーちゃんのポジションが羨ましすぎるwww俺と変われwww
>ちり神氏
↑誤字ではありません。神です(゚Д゚)
いずみけシリーズは大好きだったので、まさに
「まってました!」ってという感じだ。
ものすごくにぎやかな泉家で、終始頬が緩みっぱなし。
かがみん作家というのは、俺も意表をつかれたけど
読み進めていくと、確かにそのほうがしっくりいくし、
息子のミイラ取りがミイラ的ツンデレヲタっぷりも、
幸せすぎて怖いというこなたの描写も、
全てがたまらぬ(゚∀゚)
いずみけ、このシリーズつづくかなあ、つづいたらいいなあ・・・
こなた「一つだけ心配なことがあるんだよ・・・」
○○「なんだいこなた」
こなた「お母さんそっくりのそなたとお風呂にはいってるお父さん・・・」
○○「!!・・・皆まで言うなこなた」
こうたろう「ああ・・・相応の歳になったら
家族全員で止めるから、殴ってでも」
こなた「いや・・・あのお父さんだよ?・・・
今の歳でも十分危険性が・・・」
一同「うっ・・・」
そうじろう「お前らなぁ、それはいぐらなんでもしづれいだぁぁぁ・・・」
そなた「おじいちゃん、よしよし」
そなたちゃんは俺の嫁。
みんなのおっぱい吸ってたこーちゃんに嫉妬!
何が言いたいかというとGJ!
今後出て来るであろうキャラクターの対応を予想していたが夜々ポジションが思い浮かばない…天音、光莉、蕾、千華留、はアタリが付いたんだけど……
>>556 確かに。
王子様とひかりはあの二人しかいないでしょwww
自分的には温暖化の配役もwktk。
でも温暖化出すと長くなりそうだから出さないのかな?
再び考えてみると、
やっぱ昨日の勢いは
すごかったなぁww
あまりエロではないが思いついたのが
お泊り会でネタにするためにえちい下着を通販で買っておいたこなた。
それを見たゆたか。
「こなたお姉ちゃん、やっぱりおとな〜〜(汗)」
560 :
7-896:2007/12/16(日) 18:15:30 ID:+RTL42xp
>>560 キタ━━(゚Д(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━!!!
これで三つ巴完成!
いよいよ逆エロゲ発信!
さあってと、誰を攻略しよっかな・・・(=ω=.)
かがみ「全く、少しは作中のあんたのしおらしさはないの?」
>>560 素晴らしいッ!
いつも思うけど、丁寧ですね!
劣化なんて関係ねぇ!
塗って塗って塗りまk(ry
>>560 た か ぶ っ て き た!!!
GJすぎるうううううううう
564 :
ぶーわ:2007/12/16(日) 18:37:37 ID:H538l9YM
ども、TSのほうも許可が出たのでハイテンションなぶーわです
同時進行は死のかほり、『0から始めよう!』の続き投下させてもらいますね
・パラレル、鬱あり 苦手な人はスルーしてください
・11レス使用します
「お、おはようございます!」
「?」
緊張して声をかけたゆたかちゃんの声が、辺りに響く。
それに、その女性……みなみちゃんが振り向く。
「……おはよう」
「あ、えっとえと」
透明な表情と視線が交わり、さらにゆたかちゃんが緊張する。
人のポイント使ったんだからミスなんかしたら許さないわよ……天使を。
「うぅ……かがみがぶったぁ」
「次やったら、あんたの体から飛び出てるところ全部……削ぎ落とす」
「丸っ!? 丸にする気ですかっ!?」
まぁ今回はゆたかちゃんに免じて許してあげるわ(散々殴ったけど)。
今は若い二人の仲でも見守りましょうかね。
「わ、私っ。幽霊なんです!」
おお、それはまた思い切ったわねゆたかちゃん。
ちなみに私の第一声は「僕ふじ吉」……駄目だよな、そりゃ。
「……」
だけど、向こうのほうの反応はイマイチ。
いきなり現れた小学生(本当は同い年だけど)が言う妄言なんか、聞き流すわよね普通は。
「そっ、それで、あ、貴方にとり憑いちゃったんですっ」
「?」
そこで首を傾げる。
まぁ、その辺はもう勢いよね。
「つまりえっと……よろしくお願いしますっ!」
「……よろ、しく」
その勢いに負け、ゆたかちゃんが差し出した手にわけも分からず手を伸ばす。
握手のつもりらしいが……もちろん、無理なわけで。
「あ……」
伸ばした手が目標を失い、空気を掴む。
それと彼女の言葉を反芻しているのか、黙り込む。
……思ったより驚いてないな。
というかあんまり感情の起伏が多くない。
まさに透明少女、こりゃ美人になるわ。
「本当に幽霊……なんだ」
確認するようにもう一度ゆたかちゃんの体に手を伸ばす。
その手ももちろん、空を切る。
「あんまり、驚いてないですね」
「……ううん。凄く、驚いた」
眉一つ動かさないでよく言うわ。
まぁ驚いて騒がれるよりはマシよね。
「とり憑いた……って?」
「は、はいっ。すいません、勝手に……」
初対面で緊張してるのか、なかなか見事に腰が低い。
一応同い年なんじゃなかったっけ?
「でも私、貴方に憑いてないと……消えちゃうらしくて」
「消える?」
「なんかえっと……ジョーブツ、する? みたいです」
意味がよく分かってないのか曖昧に単語を並べるゆたかちゃん。
いやいやいや、結構重要だよそれ。仏に成ってるから。
「……そう」
でも向こうの表情に少し、緊張感が混じる。
向こうには伝わったらしいから、まぁいいか。
「じゃあ貴方の所為じゃない」
「えっ?」
「だから、謝らなくてもいい」
必死に謝るゆたかちゃんを、なだめるように諭す。
な、なんと男前な……。
私の時なんか「いい迷惑!」と罵倒されたのに……月ツポ! 尿サファ!
「まぁ、ファーストコンタクトは上手くいったんじゃない?」
「ですね、なによりです」
天使も安心して笑顔をこぼす。
まぁ私のを見た後だとどれも良く見えるか。
今はなんか必死にその他もろもろを説明してる。それも健気で可愛らしいし……なんかずるいな!
「あんたはどうするの? 私にばっかり付き添ってるわけにもいかないじゃない」
ゆたかちゃんがポイント使いたい時はどうするのよ。
まぁ……何もしないでも溜まる気がするが。
「ゆたかちゃんの傍に居てあげたら? 敬ってくれるわよ」
「いいえ」
皮肉気味に言ってやる……が、断られる。
あら、喜ぶかと思ったのに。
「私は……貴方の傍にいますよ」
私にも、笑顔を向ける。
なっ、何よそれ。同情でもしてるわけ?
ふんっ、勝手にすれば!
「待ってて、すぐ戻るから」
「えっ……あっ、はい」
そうドタバタしてる間にも、話が続く。
どうやらゆたかちゃんを置いて、一人家に戻ったらしい。
「何、どうしたって?」
「もうすぐ学校だから、準備してくるそうです」
そっか、もうそんな時間か……。
そろそろこなたも起こしておげなきゃ、最近は朝も起きてくれるようになったし。
「えっ、天使様行っちゃうんですか!?」
「はい、この人についててあげないといけないんです……私がついてないと駄目な人なんで」
誰がよ!
……っとと、ゆたかちゃんの前だった。
危うく削ぎ落とすところだったわ。
「いつでも見守っていますから、大丈夫ですよ」
「は、はい……」
まだ少し不安そうにしているゆたかちゃん。
そうよね、まだ右も左も分かんないようなもの。
さっきの女の子だってまだ上手く打ち解けてないみたいだし。
「やっぱり付いててあげたら? 私は一人でも平気よ」
「でも、かがみ……」
心配そうに私を見る。
また、私が一人で落ち込むんじゃないかと思ってるわけ?
まぁそりゃ……あんたが騒いでる時ぐらいは、自分の状況を忘れられた。
それがあんたなりのやり方かは知らないけど……感謝はしてるつもり。
怒って、怒鳴って……自分のこの境遇を悲しむ暇なんてなかったもの。
でも今は大丈夫よ……こなただって居るし。
それにゆたかちゃんだって一緒よ。
心細いのは、私がよく分かってる。
「そうですか、分かりました」
渋々納得したのか、ようやく折れる。
「じゃあ私は家に戻るわ、あいつ起こしてやらないと」
最近はバイオリズムもようやく戻ってきたのよね、つってもここ三日ぐらいだけど。
ああ、でも昨日は遅くまでゲームしてたから起きないかもなぁ。
まぁ少しくらいなら寝かせてやっても……。
「あ、か、かがみっ」
「? 何よ」
踵を返したところで呼び止められる。
「……どうか、気をつけて」
「? ええ、うん」
心配そうに見る天使に、軽く返事をしてやる。
この天使の不審の理由は、すぐに分かることになる。
今頃になって、今朝の電話の音が妙に耳に響いてきた気がする。
違和感は、最初からあった。
家に戻ると、まず急になんというか……胃が重くなった。
まぁそれは例えだけど、確かに気分が悪くなったのは確かだ。
襲ってくるのは頭痛と吐気。
この感覚には覚えがある。
彼女……こなたから伝わってきてる、それだ。
「こなた?」
家に入り、こなたの部屋に戻ってくる。
中には予想通りにこなたが居た。
そりゃ、ひきこもりなんだから家から出るはずもない。
だけど……また違和感。
まだ時計の針は10時を過ぎようというところ。
なのに昨日遅くまでゲームをしてたこいつが、目を覚ましている。
そしてベッドの上でうずくまり、ただ……放心していた。
「……おかえり」
「う、うん。ただいま」
私に気がついたのか、こなたが視線を上げる。
だけどまた、俯くように膝に顔を埋める。
「どうか……したの?」
「……」
不機嫌、とかそういうのとは違う。
これはきっと、悲壮感。
涙は流してなくても伝わる……彼女の、悲しみが。
「朝、ね」
膝に顔を埋めたまま、言葉を続ける。
「電話が……あったんだ」
その電話の音には聞き覚えがある。
人の眠りを、天使と一緒にセッションで妨害したあれだ。
「それにお父さんが出てそれで……」
「……それで?」
言葉の続かないこなたに、優しく言葉をかける。
……私としては、優しくしたつもり。
「いとこの子がね……事故に、あったって」
「えっ……」
思わず、言葉を失った。事故。その二文字の恐怖は、私もよく知っているから。
「まだ意識……戻らないって」
彼女の胸の奥から、不安の声が反響して伝わってくる。
その小さい体を劈く慟哭は、彼女の心を壊していく。
「お父さんは心配だからって……すぐに病院に行った」
「あ、あんたは……行かないの?」
「嫌」
その言葉はすぐに返ってきた。
だけどその言葉とは裏腹に、不安が心に積もっていく。
そのいとこの子に対する愛情も一緒に。
「外は……嫌」
まただ。
彼女の、外に対する嫌悪感。
何かが彼女を縛り、億劫にする。
その『何か』……それに触れるのには、勇気がいる。
だってそれに触れればきっと、彼女を傷つけてしまうから。
……ううん、違うか。
天使にも言われたっけ……私が、傷つきたくないから。
……もうやめよう、そんなのは。
「どう……して?」
一歩を踏み込んだ。
ここからは、彼女の領域。
彼女の中で彼女だけが感じている聖域。
「……」
そして膝から顔を上げ、私を見る。
その奥の悲しみが、私の胸にも溢れて流れ込む。
「誰かと会うのが、嫌。もう……誰にも会いたくない」
「誰、にも?」
その言葉に一瞬、戸惑う。
だってそんな事、不可能に決まってる。
人は一人じゃ生きていけない。
これまでだって今だって、おじさんに縋り付いて生きているようなものなのに。
「だってどうせ、死んじゃう……お母さんみたいに」
今の彼女を支配する言葉。
それは、『母』という単語。
……これだ。
これが、彼女の根底に根付く……全ての原因。
「お父さんだって、どうせ私より先に死んじゃうんだ。なら……」
溢れた言葉が私の耳に届く。
胸に響くのは悲哀。失う、悲しみ。
「なら……もう、誰も好きになりたくない」
最後にもらした言葉が、私を貫く。
……それが、彼女の本心。
深い根っこの、正体。
だから父親にも心を開かない。開けない。
だから学校にも行かない。行けない。
だから外にも出ない。出れない。
誰かと交流を持てば……また、求めてしまうから。
また……失った悲しみに、耐えられなくなるから。
父を遠ざけ、友人を遠ざけ、他人を遠ざけ……自分を、隔離した。
「ごめん……ちょっと、一人にさせて」
「……うん」
彼女の言葉を受け入れ、部屋から出る。
天使が居なければ私には何も出来ない。
優しい言葉をかけてあげる? 慰める? 同情する?
そんなの、どれも効果はない。
ただ彼女を惨めにするだけ。
これが……。
これが、残された者の悲しみ。
一生、心に背負い続ける十字架。
それを今、思い知らされた。
その時不意に、私も思い出した。
いや、思い出してしまった。
私が残してきたものを……忘れていたものを。
どう、してるかな……皆。
お父さんやお母さん。姉さんたちに……つかさ。
それを今まで考えなかったわけじゃない。
でも、私の体が自分の病室に向かうことは一度もなかった。
それは悲惨な自分を見たくなかっただけじゃない……哀しい顔をしてる家族も、見たくなかったんだ。
だって、悲しませているのは自分。
それを押し付けられるようで……後ろめたかったのかもしれない。
会いに、行ってみようかな。
……そう、考えてしまった。
不意に……自然に。
その時確かに私には聞こえていた。
胸の奥の、強固な扉から……ノックの音が。
私が向かったのは、学校だった。
病室でも家でも良かったはずなのにここを選んだのは……まだ、踏ん切りがつかないからだろうか。
うん、多分そう。
今だって、つかさの教室じゃなくて私の教室に来てるし。
土日をはさんだんだから、つかさだってもう学校に来てるはず。
だけどまぁ……まだあんまり、体が動かないわけで。
こなたのさっきのあれを、引きずってるのかもしれない。
「?」
私の教室に入ると、妙な感覚が肌を突いた。
何ていうか、その空気の悪さに反応したんだと思う。
「……」
「みさちゃん、まだ怒ってるの?」
異変の原因は、日下部。
いつもの笑顔と八重歯を見せることもなく、黙って眉をしかめている。
こいつとは長年付き合ってきたが、こんな表情は始めて見るかもしれない。
どうやら彼女は、不機嫌らしい。
それもいつもの頬を膨らます、ってレベルとは段違いな程に。
「だって、あやのも聞いただろ?」
「うん、そう……だけど」
峰岸からも日下部に近いそれを感じる。
私はその二人の異変の原因も分からず、聞き耳を立てるしかない。
「ただの噂、だよ。柊ちゃんを知ってる人はそんな事……信じないよ」
私?
私の話なの?
噂……その単語が妙に喉にひっかかった。
そしてもう一度不機嫌そうに、言葉を漏らす。
「柊はいつも、話してくれてたもんな……優しい、『妹』だって」
「えっ……」
その単語に、心臓が跳ねる。
胸の奥の閉じていた扉から、ノックの音が響く。
それが心臓の脈打つ音と重なり、耳を劈く。
「だから信じられっかよ、その妹が……」
日下部の言葉が最後まで紡がれるのを、私は聞いていられなかった。
何時の間にか体が勝手に動き出していたからだ。
「つかさっ!?」
聞こえるはずのない声を張り上げ、つかさの教室に向かう。
そこには……居た。
見覚えのある場所に、座る私の妹。
少し痩せたような印象を受けるその表情に……生気は感じられなかった。
まるで空虚なその表情のまま、何もない一点を見続ける。
「つかさ……」
ゆっくりと、その儚い姿の傍に近づく。
だけど、彼女の傍まで来て……私の心臓の脈打つ音が跳ねる。
きつく放たれたピチカートが心臓から肌まで打ちつけ、私から思考を奪う。
なに、これ?
ナニコレ?
ナニ……コレ。
「おはようございます、つかささん」
放心する私の耳に、扉の開く音がする。
そこから現れたみゆきがつかさの姿に気がつき、声をかけようと近寄ってくる。
「……っ」
だけどそれも、私と同じだ。
机の上の『異物』に気がつき、言葉を失う。
だけど、私とは違う。
彼女には触れる手がある。
喋れる口がある。
そのまま珍しく眉をしかめると、『それ』を手にとり、声を張り上げた。
「誰ですか!? こんな事をしたのは!」
教室に響くその言葉は、震えていた。
珍しいな……みゆきが、怒るなんて。
そんな単純な動作も、ゆっくりとしか租借できない。
私がそうなのだ。
きっとつかさはもっと……辛かったのかもしれない。
「……」
教室から返ってこない返事にみゆきが呆れ、そのまま『それ』をグシャグシャに丸める。
それ。
だって、それは、それ。
その『紙』を他にどんな形容すればいいって言うの?
そんな、余ったプリントなんかを。
「お姉、ちゃん……」
つかさの口から言葉が漏れた。
その聞き覚えのある音に……私の心のドアが、開いた。
「オネエチャン、オネエ、チャン……」
「つかささん……」
その言葉を繰り返し、空虚な目をするつかさ。
そんな痛々しい彼女を、みゆきが優しく抱きしめてくれた。
その目にも……涙。
彼女の暖かさが今はただ、救いだった。
その手から落ちた紙が、私の前に落ちる。
乱暴に丸められたプリントが反動で外に広がり、もう一度その裏面を広げていく。
そこには……あった。
赤く太い、文字。
……。
読み上げるのが、恐ろしい。
言葉の暴力なんてのは、優しいものかもしれない。
だって、暴力よ? 殴られるだけじゃない。
その言葉は、私に……つかさに、突き刺さったんだから。
『姉殺し』
そう書かれた紙が、私の世界を歪ませる。
耳に届くのは、不思議な音の羅列。
ききーっ
ぐしゃどさっ
がしゃん
ばきっ
どくどくどく
ざわざわ
うぅーうぅー
オネエチャン
オネエチャン
むちゃくちゃに並んだ、幼稚な音符たち。
最初のが確か、耳を切り裂くようなブレーキの音。
あとは何だっけ?
そうそう、なんか重い荷物が壁に叩きつけられたような音。
周りを取り囲む雑踏の話し声が、妙に耳に付いた気もする。
あとドップラー効果のない、乱暴なサイレンの音も。
それとそう……つかさの、叫び声。
それが今のつかさの言葉と、重なる。
でも、待って。
待って、止めて……巻き戻して。
何処か今のビデオには欠陥がある。
そうだ、最初がおかしい。
どうして最初に聞こえる音が、ブレーキの音なの?
もっとあるはずでしょう? それまでの会話とか、足音とか、服の歯切れ音だっていい。
なのに私の記憶はいつも、そこから始まる。
そこまでしかビデオに撮っていないから?
いいえ、そんなはずないわ。
だって私は見ていたはず。
その光景を、その一瞬を……その一秒を。
……。
そうだ。
今なら、思い出せる。
心の奥の扉から漏れるのは、記憶。
最初は『ききーっ』、なんてブレーキの音じゃない。
そう、『どんっ』。
まるで重い荷物を突き飛ばすような、そんな前奏曲。
そこから紡がれたのが、私が覚えていた音の羅列。
世界を赤く染めた……原因。
私は、事故にあった。
だから今、こうやってこの体でいる。
そう、事故に。
事故?
ううん、それは違う。
私は……突き飛ばされた。
誰か、に。
……つかさに?
それが、峰岸たちの言っていた『噂』。
その容疑は今、妹……つかさに向けられている。
そんな……そんなはずない!
確かに『あの日』、事故に遭った日……一緒だった。
だって聞こえてるじゃない、『オネエチャン』って慟哭が。
そんな泣き叫ぶ子が、私を突き飛ばしたって?
そんなわけない!
だって、私たちは双子。
そう、いつだって……一緒だった。
二人だけの秘密だってある、お互いに知らない事だってある。
かけがえのない血を分けた姉妹。
神様が分けた、命の芽。
だからつかさが……つかさがそんなことするはずがない!
じゃあ、誰?
誰が私という存在を、摘み取ったの?
どうして?
何のために!?
「それを知って、どうするんですか?」
「!」
その時だ。
歪んでいた世界が、徐々に戻っていく
私の視界の中に……天使が、現れたからだ。
(続)
576 :
ぶーわ:2007/12/16(日) 19:01:24 ID:H538l9YM
続きます
今回は点数変動なしなんで、計算はなしで
……鬱でごめん! TSに戻ろう!
>>576 リアルタイムにて読了……ていうかやられた! ここでもう一ひねり、ヘビーな展開を入れてくるとは。
そしてそう考えると、ゆーちゃんの事故も怪しく見えてしまうわけで……。
どうなるんだろう、どうなるんでしょう。急転直下にぐっじょぶ。
いろいろと展開が気になりまくりでGJ
580 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 20:58:39 ID:c8QKauKB
>>576 GJ!まさかつかさがそんな馬鹿な・・
続きが気になる!名前も知らない木ですかry
>>579
みゆきさん?ぶーわ氏に対照チェンジ?良かった〜じゃぶーわ氏頑張ってくださいね〜二重の意味で
携帯からなので文章読みにくかったらごめんなさい
sage忘れスマソ。
みゆきさんに襲われてくる。
「アッーー!」
みゆき「私が襲うのは泉さんと柊ジェミニだけです」
3人「ぶっちゃけた!」
ぶーわさんGJっす!
2重にも3重にも折り重なる鬱構図、
しかし最後は、どうか救いのENDであってほしい
そう祈らざるを得ないストーリー構成
そう解説しつつも、続きを待っております。
TSとともに(゚∀゚)9m
にしてもまだ600も行ってないのにもう450kbか…
Part 9以来、900まで行った試しがない。
これはつまり、大量の素晴らしいSSが投下されまくっているということだ。
だからか。毎日このスレを読み終わるのに1時間以上掛かるのは。
>>576 読んでぞくぞくしています。
この先の展開が凄く気になります。
問題なければ投下いたします。
586 :
23-251:2007/12/16(日) 22:24:23 ID:E2jJ1tzS
・こなた×ゆたか
・エロなし
・シリアス
(続き物になるかは未定)
多くの人が行き交う東京駅だけど、午後11時にもなると流石に
人が少なくなってくる。
寒さに震えながらホームの座席に座っていると、小柄な少女が
駆け寄ってきた。
「こなた、おねえちゃん」
ゆーちゃんは心底嬉しそうな顔をした。
土壇場で、私に逃げられるかもしれないと心配していたのだろうか。
小柄なトランクを引きずりながら荒い息をついている。
「お姉ちゃん。電車、どこかな? 」
「あそこだよ」
私は、ゆーちゃんの物より一回り大きなトランクを持ち上げながら、
10番線に佇んでいる車両を指し示した。
「何とか、間に合ったね」
「そだね」
私は、ほっとするゆーちゃんの顔を見た。
電車に乗り込んだ後、指定席券を覗き込んで、自分たちの席を探す。
「あっ、あったよ」
ゆーちゃんが嬉しそうな声をあげ、入り口から少し離れた座席を
指差した。
荷台に置けない、大きなトランクを座席の横に置いてシートに座る。
「ゆーちゃん。身体、大丈夫? 」
私の言葉にゆーちゃんは、笑顔でこたえた。
「お姉ちゃん。心配しないで。調子良いんだから」
「そっか」
リクライニングシートを少し後ろにずらして、私は天井を見上げる。
左手を伸ばすと、ゆーちゃんが掌を握り返してくる。
「間もなく、10番線から列車が発車いたします」
アナウンスの音とともに、ベルが鳴る。
扉が閉まり、がたんっという音とともに夜行列車は
東京駅を滑り出した。
少しずつ速度をあげていく列車ではアナウンスが始まっている。
『本日は、ムーンライトながらにご乗車いたしましてありがとう
ございます。…… 終点の大垣には6:55に到着いたします…… 』
車掌のアナウンスをBGMにしながら、私は隣の少女に囁いた。
「ゆーちゃん。後悔してる? 」
もし、『している』と彼女が答えたら、次の品川駅で有無を言わさず
降ろすつもりだ。
「ううん。こなたお姉ちゃんと一緒だから、絶対しないよ」
「そう…… 」
私は、ゆーちゃんの決意が固いことを改めて確認してため息をつく。
「たぶん。つらいことばかりだと思うよ」
私たちは未成年だから。
「うん。わかってる…… つもり」
『つもり』というのがゆーちゃんらしい、といえばいえる。
高校三年生の冬、普通なら大学受験シーズンまっさかりの
はずだけど。
私は、同学年の生徒達と同じ進路を選ぶことに躊躇いがあって
進路は白紙状態のままだった。大学に行って何を学べばいいのか
良く分からなかったから。
それでも、私とゆーちゃんの性的な関係が知られることがなければ、
私は何もないまま卒業して、ゆーちゃんは相変わらず泉家から
陵桜に通っていただろう。
どこで露見したのか、誰が暴いたのかは今時点では分からない。
結局、私たちの関係が学校にも家にもばれて、ゆーちゃんは実家に
戻されることになってしまった。
私とは面会禁止という『おまけ』までついて。
だけど、ゆーちゃんは、ただの大人しい女の子という訳ではなかった。
「おねえちゃん。駆け落ちしようっ」
携帯の電話口で話を聞いた時は、正直仰天した。
「お、落ちついて。ゆーちゃん」
私は、必死で説得を試みた。しかし――
「お姉ちゃんと離れるなら死んだほうがマシだから」
泣きそうな声で放った一言で、私は決心せざるを得なかった。
冷然と突き放したほうが、ゆーちゃんは幸せになれると
思っていたけれど。
あんなに必死なゆーちゃんを見捨た場合、最悪の選択肢、
つまり…… 自殺してしまう可能性すらあったから、結局、
私は断りきれなかった。
むしろ700行ったものさえ数えるほど…特に15以降はNo.19が885、No.20が737行ったのみで後は全部700未満、そしてこのスレも99%700未満で終わるだろう。
終業式が終わった日の夜。
私とゆーちゃんは携帯で連絡を取り合い、深夜に東京駅で
待ち合わせ、東京駅発の夜行列車に乗り込むことになった。
行き先の候補は二つあったが、そのうち一つを選択した。
未成年者の私のスキルが最大限に生かせる場所だ。
私は、そのうちの一つを選択した。最大の聖地アキバを
離れることは無念の極みだったが、首都圏にいては追っ手を
撒くことはできないだろう。
幸いなことに、バイトで貯めたお金もある。更に家をでる時に、
お父さんからそっとカードを渡されている。
玄関を出るときのお父さんの、とても寂しそうな顔が脳裏に
浮かんでくる。
ゆーちゃんに続いて、実の娘まで去られたお父さんの気持ちを考えると
胸がズキズキと痛む。
だからこそ、当座はカードのお金でしのぐとしても、私は働く
つもりだった。
悲壮な決意が伝わったのか、ゆーちゃんが私の顔を見上げて言った。
「私、がんばって働いて、お姉ちゃんに負担をかけないようにするから」
「ゆーちゃんは、そんなことしなくていいんだよ」
「でも…… 」
ゆーちゃんは不安と不満が入り混じった顔をしている。
「心配しないで。お金はしばらくはなんとかなるし、住む場所も
『当て』はあるから」
ネトゲ仲間のマンションを一時的に借りるところまでは
話をつけている。
なんでも、クリスマスの前日からまるまる3週間、ヨーロッパに
旅行するという豪勢な話で、泥棒よけに明日から部屋を貸して
くれるそうだ。
その間に新しい住居を探さなくてはいけないが、いきなり
ネカフェ難民になることはない。
夜行列車は私が今後のことを考えている間にも進んでいく。
小田原を過ぎたあたりから街の明かりは消え、真の闇を突き抜ける。
「それにしても、とんだクリスマスになりそうだね」
「お姉ちゃんと一緒にいられるだけで嬉しい…… かな 」
ゆーちゃんの声が鼓膜にとどく。
彼女のご両親は激怒してしまい、私達を引き離した結果、
逃亡劇となった訳だけど。
今回の件で、ゆーちゃんの行動力は正直言って驚きだった。
どうやら、ゆい姉さんにも相談しなかったようで、てきぱきと
準備を整えて、あっという間に駆け落ちを敢行してしまった。
「あの、本当にごめんなさい」
ゆーちゃんは、私の不安そうな顔を見て、申し訳なさそうに
謝ってくる。
「お姉ちゃんには、迷惑ばっかりかけてしまって…… 」
「ううん。いいんだ」
私は、ゆーちゃんの頭を優しくなでた。世界で一番大好きな
ゆーちゃんの頼みだからいい。
「ゆーちゃん。もう寝よう」
「うん」
既に、列車は熱海駅を過ぎており、腕時計は午前1時を指している。
「おやすみなさい。お姉ちゃん」
「おやすみ。ゆーちゃん」
ゆーちゃんの唇に軽く触れると瞼を閉じる。まもなく席の隣から
静かな寝息が聞こえ、私もゆっくりとまどろんでいった。
593 :
23-251:2007/12/16(日) 22:36:51 ID:E2jJ1tzS
以前から書きたいと思っていたシチュを
導入部だけ書いてみました。
では。
594 :
590:2007/12/16(日) 22:41:17 ID:ASmqMniJ
感想より先にまずごめんなさい、単純なリロードミスの結果あんな所で駄文を割り込ませてしまいました。
モニターに向かって土下座して謝罪します…orz
595 :
23-251:2007/12/16(日) 22:47:38 ID:E2jJ1tzS
>594
良くあることですから、お気になさらず。
>続き物になるかは未定
>導入部だけ書いてみました
それで満足ならここでやめちまえ
だが、お前は必ず書くはずだ
この話の結末をな
要するに続きマダー?(AA略)ってことだ
> Elope
_ ∩
( ゚∀゚)彡 えろっぺ!えろっぺ!
⊂彡
>>597 このスレ的にはこうであろうw
) ∩
( =ω=.)彡 えろっぺ!えろっぺ!
⊂彡
>>596 なんというツンデレ
>Elope
8時ちょうどのあずさ二号GJ!
それにしても最近こなゆたがかなり多いですな。
黒ゆた→セクースときて次は駆け落ちかっ!
涙目のみなみが目に浮かびます・゚・(ノД`)・゚・。
「『あずさ2号』といえば狩人の歌が有名ですが、この歌が発表された当時、列車の愛称は上り・下りそれぞれに1号から順に付けられていたんだそうです。
この歌で歌われているのは、下りの「あずさ2号」なのですが、1978年のダイヤ改正の時、『下り列車は奇数号、上り列車は偶数号』と決められたため、この歌詞の列車は『あずさ3号』になってしまったそうです。
5年前、下りの『あずさ2号』が特別列車として運転されたことがあるそうですが、その時は列車名そのものを『あずさ2号』と名づけることで、この問題を回避したんだそうですよ」
「力技だねぇ……ところで、それとこの話と何の関係があるのさ」
「いえ、つまりGJ、ということでして……」
「お姉ちゃん、早く行かないと乗り遅れちゃうよ?」
「ちょ、ゆーちゃん、マジっすか!?」
「♪ネオンライトでは燃やせない〜 ふるさと行きの乗車券〜♪」
「そこで『ホームにて』を持ってくるか……さすがみゆきさんだ」
>>593 「ながら」キター!! 今年の春改正の直前(それまで下りは小田原から自由席があった)、東京行った帰りに
小田原から(指定とるのが面倒だった)乗って、名古屋までカオスなデッキで寒さに震えたのが懐かしい…
熱海の発メロ聞いたとき、なんか切ない気分になったもんだ…
…じゃなくて。
ついにこの二人の駆け落ちシチュが……これは続きに期待
ながらはおらもめっちゃ思い出がある。
18切符で名古屋までの道のりにこいつをつかったものだ。
そのときの情景がよみがえったよ、今回の作品で。
>>593 東海道本線沿線に住んでる漏れが大反応。
いや、「ながら」はどうでもいい。
こなた×ゆーちゃんの新しいシチュの今後に期待。
>>601 今はカオス状態からは解放されたけど、強行厨がデッキで騒ぐから困る。
それでも前より静かになったけど。
603 :
7-896:2007/12/17(月) 02:21:40 ID:YpZOOy2m
>>593おっ・・・重すぎる・・・
これは凄いインパクトのあるSSだな。二人がどうなるかを考えるだけで息が詰まりそうだよ。
えろっぺ超GJ!!
>>続き物になるかは未定
こんなとこで終わらせたら鼻血で日本を水没させちゃうんだからね!!
冗談はともかく続いて欲しいです
>>603 GJ!
すげぇ…普通にうまいなぁ…
寝ようと思ってたのに目がさえちゃったよ
このかがみんのイケメンっぷりはまるでサッk(ry
>>603 GJ! TSの熱はまだやみそうもないですね(俺の
>>603 これじゃもうかがみんというより
カガミィ!だ!
このイケメンっぷりヽ(`Д´)ノ
>>576 うおう…まさかこんなヘヴィな展開になろうとは…。
犯人は…誰なんだろう。状況だけで見るとつかさが怪しいんだろうけど…。
さて、余計なことは考えず続きを待つことにします。GJ!
>>593 是非とも続きを・・・続きをー!!
>>603 上手い…素直に上手い。
というかかがみかっこよすぎる
609 :
書く人:2007/12/17(月) 03:18:51 ID:7AdKFwmw
取り合えず、書けたところまで。
>>488さんの言うとおり書き損じです。すみません。
7-896さん、素敵な挿絵、ありがとうございます。
ぶーわさん。頑張ってください。
それとTS作品についてですが、確かに言い出しっぺは私ですけど、
他の方が書くにあたって、許可を求める必要はないと思います。
TS自体固有のネタと言うよりジャンルですし、こな☆ふぇちとかもそんな感じでしたし…。
ともあれ、投下します
明日も太陽が昇るというのは仮説である。
これは誰の言葉だったろうか。
たとえほぼ明らかである未来の事実であっても、それが真実であるかは定かではない。
それでも、人はいくつかの信じれる前提を元に、今日から明日へと過ごしていく。
明日も太陽が東の空に昇る。
明日も大地が足元にある。
明日も大切な人がそこにいる。
そう信じて人は過ごす。
けれども―――その前提が一度に崩れ去ってしまったらどうなるだろう。
明日、太陽が昇らなければ―――
明日、大地が砕け落ちてしまえば―――
明日、大切な友人がいなくなってしまえば―――
人は、何を前提にして、次の明日へと過ごしていけばいいのだろう?
《私…こなたくんのことが好きなの!》
《あたしだって好きなんだもん!》
PCの画面に、丸っこいフォトンが流れる。
一昨日まで感情移入して没頭していたストーリーととゲームのキャラクターたち。
「……やめよ」
シャットダウン。
セーブしてないことに気付いたが、どうでもよくなる。
そのどうでもよさが波及したのか、ネトゲにログインする気もなくなりそのままPCの電源を落とす。
急に手持ち無沙汰。時計を見るとまだ帰宅してから1時間も経ってないことに気づく。寝る時間には程遠い。
どれだけ自分がパソコンに時間を割いていたか思い知る。
「ふぅ…」
だらしなくベッドに寝転がる。
仰向けに寝ると、積み上げられた漫画本やゲームの最上部におかれた、先ほどまでやっていたゲームの箱が目に入る。
三角関係や友情と恋を主題にした、いわゆる泣きゲー。
発売時はスルーしていたが、近々コンシューマー移植されると聞いて、やってみようと思った一品。
やり始めた頃は、今までなぜこんな名作を放置していたのだろうと思っていたが…
「やる気、なくなっちゃったな…」
一昨日まで感じていた楽しさを、今は感じない。
主人公やキャラクターに感情移入できなくなった、と言うのではない。むしろ逆。
―――感情移入、しすぎてしまうのだ。
「いいもんじゃないよね」
境界があいまいになる友情と恋愛。どちらかを必ず傷つけてしまう想いのベクトルのぶつかり合い。
今まで、複数のヒロインに言い寄られる主人公に対して『くあぁ!うらやましい!』と笑いながら言っていた自分が、とても浅はかだったと自覚する。
「辛いよ…」
コンティニューなし、セーブポイントなし、リプレーなし。
しかも相手は、アンインストール一発で消える電子情報じゃなくて、リアルな、大切な、かけがえのない親友―――そう思っていた相手。
「ううん…今でもそう思ってる」
自分の中における二人への気持ちは変わっていない。
みゆきは頼りになる、けれどちょっと天然が入った友人。
つかさは頼りない、けれど隣にいて安心できる友人。
けれど……その関係は崩れてしまった。
「どうしてだろう?」
どうして自分はみゆきに、あんな意識させるようなことを言ってしまったのか?
どうして自分はつかさに、あんな意識させるようなことをしてしまったのか?
「みゆき君には冗談のつもりだったのに…」
いつもの軽いジョーク。ゲームのフラグイベントみたいだと思って、つい言ってしまった。
けれどもそれは『みたい』ではなく、本当にフラグイベントだった。
「つかさには…否定してほしかった…」
自分が異性として見られていない。みゆきの去り際に言ったことは冗談だった。その確証を得たくてつかさに迫った。
けれども否定されたのは、みゆきの台詞の真実性ではなく、自分の希望的観測だった。
二本のフラグ。それは三角関係ルートへのフラグだった。
「前から…そんな風に思ってたのかな?」
ずっと前から、二人は自分のことを異性として見ていたのだろうか?
嫌悪感は―――ない。と言うかそれ以前に実感がなかった。
自分には胸もなく、身長もなく、色気もない。
そんな自分に二人が恋心を抱くなんて、想像すらしていなかった。
「なんで二人同時に…」
一人だけなら、告白を受けてしまえば済んだ。
そうすれば今までの自分たちの関係図を形作る線の一本に注釈を付けるだけで済んだ。
けれど、この状況は違う。もしもどちらかの想いに応えてしまえば、もう片方の線に大きな、修繕不可能なほどのほころびを作ってしまう。
あの時と…『魔法使い』の彼と同じように…
「かがみ……どうするんだろ?」
放課後の教室で、かがみは言った。
『任せとけ。今日、つかさと話してみるから』
泣きじゃくる自分を慰めながら、そう約束してくれた。
ありがたいと思った。肩に置かれた手のぬくもりがとても救われた。
この三角関係にどんな結末が待っていようと―――三人の内、みゆきとつかさの両方が失われても、かがみだけはそのままでいてくれる。
一番にして太陽と大地を失ったような不安に曝されていたこなたにとって、肩に感じる手の温もりは、何にも代えられない大きな安息だった。
「流石私の嫁…なんてね」
言って小さく笑う。以前にかがみに対してそれを言った時のことを思い出してだ。
慌てた様子で、赤くなって、どもりながら、必死に突っ込んでくるかがみ。
「お兄ちゃんは男だからお婿さんじゃないかな?」とピントがずれたことを言うつかさ。
そして嫁という言葉から『女房役』という表現について語り始めるみゆき。
「また…元に戻れるかな」
みんなに囲まれている暖かなの回想の世界から、こなたは冷たいシーツの上に戻ってきて、呟いた。
一昨日まで続いていた、暖かな友情の輪。それがまた戻ってきてくれるだろうか?
答えは、おそらく否だろう。
「起っちゃったことは…消えないもんね」
たとえ2人の自分への思慕が消えたとしても、そう言った感情が『あった』という事実が残る。
その事実は、どういった形であれ輪の中に痕を残すはずだ。まして―――根本の原因が残っているのだから。
その根本の原因とは……
「やっぱり……男と女の間に友情って、ないのかな?」
性別。いかんともしがたい、壁。この問題の根本。
「……いっそ、私が男だったり、みんなが女だったりすればよかったのに…」
こなたは想像する。
かがみとつかさの家は神社。正月などはバイトで袴を着ていた。ということは、女の子になったらやっぱり双子巫女だろう。
髪型は…かがみは当然ツインテールだろう、ツンデレだし。つかさは…神岸あかりヘアかな?リボン付きで。
みゆき君は天然だし…巨乳キャラかな。
「もしそうだったら…こんな風に悩んだりしなかったのかな」
けれどもその想像は、願望――妄想にすぎない。現実の問題として、自分は女で彼らは男。その間にはたして友情は存在するのだろうか?
そんなことを考えていると、扉の向こうから女の子の声がした。
「お姉ちゃん、お風呂空いたよ」
「ん、分かったよ、ゆーちゃん」
声の主は小早川ゆたか。従妹で、春から泉家に居候している女の子だ。
小柄なこなたよりさらに小柄。体が弱くおとなしく、こなたと異なりオタク趣味はない。
一見して体格以外は正反対だが、もう一つ、二人には共通項があった。
それは、いつも一緒に行動しているグループのメンツが…
「――!ゆーちゃん!」
「え?」
こなたは、扉の前から去ろうとしていた足音がとまり、驚いたような声が出たのを聞いた。
驚かしてしまったかもしれないが、こなたには気遣うだけの余裕がなかった。
なぜならこなたにとって、ゆたかは自分の抱えた問題の解決の、糸口になるかもしれない存在だったからだ。なぜなら…
「ちょっとさ―――相談に乗ってもらいたいんだけど…友達のことでね」
なぜなら小早川ゆたかも、こなたと同じように三人の男子と行動を共にしている少女だから。
【続】
投下しようと思ったけどタイミング悪かったぁー!
素直に夕方に出直してきます
>>612 スレたて乙です!
それとGJ!
楽しませてもらってます
>>612 ぐじょ〜
ところで、さっきまで『恋空』読んでたんだけど
あまりに稚拙な文章だったから
>>612氏の作品読んで何処かホッとした
埋めネタとして、他にも文章力の高いと思った作品を挙げないか。
615 :
ぶーわ:2007/12/17(月) 03:41:55 ID:0Xy7fLlm
>>612 待ってました! GJです!
次は1年ズがTSですか ひよりんが楽しみだ!
TSものの件ですが自分の場合書く人氏のまんま設定使っちゃってるんで一応パラレル的な形にしてました
でもそう言っていただけるならお言葉に甘えて独立させちゃいますね
タイトルもじゃあ考えなきゃ!
あ、ちなみに続きのほうは出来てるんでそのうちあげますね
>>612 ううむ、GJでございます。
この関係がどうなっていくのか…見ものですな。
>>614 995作品以上の中から挙げろと申すか!
初期のものから考えていくと、結構文章構成力が良いのがあるから
どれを挙げればいいのか迷うよなあ…
保管されていない作品を含めると、実は1000作品を越している件。
いやはや、本当に年内1000越えを達成してしまいましたね。
>>612 GJですぜ。
ゆーちゃんも環境的にはこなたと同じ状況下なのか…
ならゆーちゃん以上の相談相手はいないね。
それがどう転ぶか。そしてかがみはつかさになんて言うのか。
期待する要素が多すぎる(ノ∀`)
祝1000作品突破
先に保管されたりされなかったりの関係で
1000作品目は うやむやですね
逆に畏まらなくて澄むから良かったのかも
>>612 い……一年生ズもですか……
いや、別に誰に頼まれてるわけでもないし、このへんで絵は終わってもいいとは思いますが
なんかもうここまできたら、最後まで突っ走らないといけない使命感のようなものが……
……やるだけやってみますか。
と、取り敢えずGJです!!
それから、スレ立て乙です。
>>612、GJそして新スレ乙。
保管庫基準での1000作品突破も、もはや時間の問題だな
そんな中、いつの間にか保管庫のアクセス数が50万を超え、51万に達しようとしている件。
さらに今スレの消費時間(スレ立ち〜新スレ立ち)が、アニメ終了後の最速を更新した(5日13時間8分)件。
さらに次スレでは、ゆたか祭(12月20日)開催なるか?
勢いが止まらないっ!……はず!
>>621 時間の問題というかもう到達してますよ
995の状態で書く人氏が5作品保管しましたんで
知ってるとはおもいますが
今総保管数 1000です
保管するとき、特にトップの総作品数は更新フォーム欄に
(例)+1して1010作品にしました…という書き込み方にした方が
よいと思いますが如何でしょうか。
625 :
7-896:2007/12/17(月) 13:48:28 ID:YpZOOy2m
どうも、最近まで魚介類を魚貝類だと思っていた7-896です。
空気読んでませんが、埋めついでに
ちょこっと思いついたネタを行かせてもらいますね。
ゆい☆フェチ
ある日の昼下がり。
私は最近の仕事での変化について考えていた。
なくなった……とまではいかないが、最近めっきり減った仕事。
毎日がほとんどドライブをしてるだけのようなものだ。
たまに駐車違反とかで仕事をする場合になっても、相手がジャンピング土下座をして
違反金の5倍くらいのお金を渡し
「も――――しわけありませんでしたぁああああ!!」と叫びながら走り去ってしまうというしまつ。
張り合いがないってわけじゃないけれど、仕事してる気分にはなれないよ。
社内でもそう。
仕事なんてしてないようなものなのに、月給が10倍くらいになったし
なんだか同僚のスキンシップも激しくなってきている。
仲のいい女の子がいるんだけど、その子がなぜか頻繁に鼻血を出すようになったし。
私とすれ違うだけで、悶絶しながら浪漫飛行し始める人もいるし。
本当、なんなんだろう……
あ、そうそう。
この前こなたが強盗を捕まえたのね? それで
「偉いけど、こういうことはプロの人に任せないとダメだよ?万が一こなたに何かあったら嫌だからね」
っていいながら頭を撫でてあげたんだけど
そしたら、涙流しながら「ゆい姉さんが私のことをおおおおおおおおおおおおおお!!」
って言いながら走り去って行ったよ。なんだったんだろうねあれは。
それで、それ以来かな……こなたの友達が挙って犯人確保をし始めたのは……
特にピンクで眼鏡の子が、赤と青のタイツを身に纏い、手首から赤い糸(?)を出しながら
ビルの間をス○イダーマンみたいに飛び回っているのを見たときは
お姉さん本当にびっくりだったよ。
以上です。
あや☆フェチよりもこっちが先に浮かびましたよ(・ω・)
「いやぁこのスレでは私が大活躍だったようですね」
「そうか? 大分キモかったぞ?」
「んふっ、何を言ってるんですか。メガネ! 眉目秀麗! 巨根! まさに山梨!」
「しかしここまで受け入れられると逆に不気味だな」
「(スルーされた)……ええ、これは痛いしっぺ返しが待ってそうですね。あくまで仮定ですが、今は物珍しさと絵師さんたちの力でようやくバランスを保っているだけかもしれません」
「まぁ確かに、TSものは反発激しいからな。流れに不満だけど言い出せないやつだっているだろそりゃ」
「しかしこのスレには興味のないものは徹底スルーというルールが浸透していますから当分は平気でしょうが、いずれは誰か言い出すでしょうね」
「ああ、あれか。『もはやオリキャラ』『男にした意味がない』とかか?」
「その内濡れ場に突入すれば、あるいは」
「そしたら、どうなる?(ゴクリ)」
「キョ、かがみ君……人間原理という言葉を知ってますか?」
「消えんの!?」
「まぁ、注意書きがキチンとしてれば大丈夫ですけどね」
「うんっ、このスレの懐の深さは伊達じゃない!」
「あれつかさ、お前居たんだ」
「(お兄ちゃんのくせにーっ)」
「ちなみにもう一つ危惧するところというと」
「なっ、なんだよ顔が近いぞっ気色悪い!」
「おす☆かがと、だだかぶってます。とくに君」
「やべえええええっ!」
まさか小野大輔が出てきたのって……
こ の た め の 複 線 か !?
新スレに投下するべきかこっちにするべきか迷う…
>>628 1〜2レスに収まるならこっち、そうでないなら新スレ、ってところじゃね? 残り容量も13Kbないし。
それじゃあ次スレにしますね
>>626 俺も全く荒れないのは不思議だった。
職人は注意書き、嫌なら黙ってスルー
というマナーがちゃんと守られてるってことだな。
その辺は流石、みゆきさん常駐スレ。
このスレにはゴッドかなたさんによって見守られています
雄かがみ:杉田智和
雄みゆき:小野大輔
としたら、雄つかさは誰だべ
vipのssスレいつの間にか消えてるな
前から過疎がひどかったけど
イメージ的に考えて国木田しか浮かばないよね…
637 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 20:20:46 ID:9YTo+bji
雄みさお:関智一
という電波が舞い降りた。
>>637 ということは、雄あやのは三木眞一郎だろうか…
雄あやの「狙い撃つ…狙い撃つぜ(泉こなたを)」
雄みさお「あやのって怒るとこえーなー(スネ夫声で)」
場の空気を読まずに失礼します。
私は初めての書き込みで、いつも鼻血をだしたりして大いに楽しんでいます。
そこで質問なのですがみwikiさんが鼻血をだすキャラとなったのはキャラソンの
「萌え要素ってなんですか?」の歌詞と言うことでいいですよね。
間違ってたら答えをよろしくお願いします。
まとめwikで「こな☆フェチ」とi検索するといいと思う
なんか紛れ込んでしまった i はスルーで
こなた「愛はスルーなのだヨ〜」
雄かがみ「じゃその愛は俺がもらっておこー!」
雄みゆき「なかなか良い考えですが貴方には渡せません。もっどーれ↓」
かくにんしました。ありがとうございました。
>>637 雄みさお「伝説のちびっこAシフトだああぁぁっ!!」
ということか。
ここってレイプ系はあり?
こなたの思わせぶりな言動に我慢できなくなったかがみが終に…
ってのを書き殴ったんだが、何か2人が可哀想になってきたぜ
>>1にあるとおり、作品投下前に断りをいれればおkおk
待ってます
>>648 注意書きさえしっかりすれば問題ないかと
もしアレなら目立つように【WARNING!】とか…やりすぎか
やり過ぎと言うほどではないと思うが・・・なるべく目立つように言明して欲しいな。
なにはともあれ次スレでの降臨を待ってます。
雄ゆたか「お姉ちゃんを押し倒しちゃってもいいよね?答えは聞いてないっ」
>648
次スレで待ってるよ。
雄みゆき「鼻血はこいつで拭いとき(どばー)」
) ← コナロッド
ω=.)。o(わ、私に釣られてみる?)
雄つかさ「とーってもデネビックぅ♪」
雄こなた「ただのヲタなんていうなよ?
こう見えても今流行のイケメンヲタだからなっ!」
(CV:山寺宏一)
雄みゆき「それはそれで・・・楽しみというものが・・・まっがーれ↓」(CV:小野大輔)
雄かがみ「流石に♂アッー!は禁止だ、
>>1くらい読め」(CV:杉田智和)
雄つかさ「これって、ただのむさくるしい男同士の集まりだよね?」(CV:松元恵)
3人「いうんじゃないっ!」
小ネタ
ある日、田村家の一室でひより(♂)がみなみ(♂)に土下座していた。
「マジですんませんでした!!!」
床に頭をこすりつけるようにしているひよりは、内心ガクブル。
友人のみなみを家に招いた。彼を部屋に招いたあと、飲み物を用意して部屋に戻ると、
みなみはひよりが隠していた、書きかけの原稿(あとはトーンを少し貼るだけ)を見ていた。
普通なら、ひより『が』怒っても問題ない状況だった。だが内容が、まずかった。
ジャンル:オリジナル恋愛。モデル:岩崎みなみと小早川ゆたか
「……」
「すんません!本当に申し訳ない!ぼこられるのも覚悟の上です!しかしどうか利き腕だけは!」
「田村、君」
びくっ、とひよりの体が震える。
恐る恐る顔を上げると、しゃがんだみなみが顔を覗き込んできた。
「あのさ…モデルにしてくれるのは…その、うれしいけどさ。
名前はちゃんと変えて小早崎と岩川とかじゃなくて」
「と、当然でございます…!」
「それから―――」
「それから!?」
何を言われるのか、恐る恐る表情をうかがうひより。
そして驚く。なんとみなみは、ひよりにすら明確にわかるほど真っ赤になっていた。
驚くひよりに、彼は恥ずかしそうに、そっと耳元で囁いた。
「……僕にも…一冊くれないかな?」
山なし落ちなし。
659 :
久留里:2007/12/18(火) 02:02:28 ID:LxU0G4vv
容量が危ないので今回は予告編だけ。
(保管庫には載せないで下さい)
「つかさ〜、今年のクリスマスはどうするの?」
「どうするって?」
「ほら、今年は行くの? 野田さんの…」
「あ!みずきちゃん? うん、行くつもりだよ。お姉ちゃんは?」
「行こうかな?せっかくの日に勉強なんてのもねぇ」
「お父さんには内緒だよ?場所が場所だから」
「大丈夫よ。つかさもうっかり漏らさないようにね」
「うん。あ、お母さんには『町内会の』クリスマス会に行くって話してあるから」
「分かったわ」
「お二人さーん、私そっちのけで何盛り上がっているのさ?」
「ふふふ」「内緒♪」
「ずるーい、私にも聞かせてよ〜」
ぷぅっと頬を膨らませるこなたと、子どもの様に微笑む柊姉妹。
「──そういうことか。しかし、不思議なもんだねぇ」
確かに不思議なことかも知れない。
つかさ達が中学2年の時、つかさのクラスに転入した野田みずきは柊しまいとある共通点を持っていた。
ところで皆さん。あなたは『クリスマス』をどのように過ごしていますか?
つづきは24日を待て!
ご注意
・相変わらずオリジナル設定が多々出ます。
・オリジナルキャラ「野田みずき」が登場します。元ネタは実在する地名
・原作以上にユルユルの日常系。
冒険路線、エロ路線をご利用のお客様はこの駅でお乗り換え下さい。
あーあ、なんてことしちまったんだ。漏れ。
さぁて、次回のらき☆すたエロパロスレは?
「んふっ、皆の人気者三行でっす。
次回はさらに私の活躍が期待できそうですね、とくに泉さんと(どばどば
他にもレイプもの、クリスマスものなどが予定されてます。
今回のらき☆すたスレ27では多くの連載が終了したようですね、ちなみにどれも私の出番は皆無でした。
しかし連載にはいつか終わりが来るものです、皆さん盛大な拍手を送りましょう。
そしてまた新しく始まった連載やまだ続いてるもの、単発ものにも期待がかかります。
特に私の大活躍する……」
「ああ、いい加減尺がないんだ。悪いな変態メガネ」
「お、お餅うにょーん」
「……つかさ、なんだそれは」
「じ……自己主張?」
「・・・それに、こn・・・のしょj・・・は俺の・・・」
「え?え?今何ていったかがみん?ねえ、ねえ」
「う・・・うるさい・・・だまってr・・・それとかがみんはやめい・・・」
「ばかっぷるうにょ〜ん(涙)」
「クス、困ったものです(陰付含笑)」
662 :
久留里:2007/12/18(火) 02:40:13 ID:LxU0G4vv
>>659に自分で補足。
忘れておりました。TS路線ご利用の方もお乗り換えです。
TSネタは素晴らしい職人さんがおりますので、
私は「女の子」のらき☆すたを書かさせてもらいます。では。
>>641 すまん。
どうやっても、
肝 付 兼 太
の声になっちまう……orz
ここはおにゃのこでエロパロするはずじゃないのか!
まぁ嫌いじゃないけどさ、熱がはいりすぎだとおもって。何事もほどほどが一番。
埋まった?
>>659 ユルユル日常こそがらきすたの真骨頂。
どんどんやってください
雄あきら様とおにゃのこ白石が見たい
気弱なお姉さんを苛めるショタっ子でつか!?
らき☆すたの女の子でエロパロ28
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197829450/ ,、
| `ヽ、
,r‐--}`ヽレ‐-、.`ヽ、
. \ / ,| }`ヽ、.`ヽ、`ヽ、
. \ / / //| | /| `ヽ、`ヽ `ヽ、
\ // / // .l l/| |、 ヽ ヽ `i
\ / / / //| /| | l| ヽ ヽ ヽ |
\ l | / /,.. -、 l | ,..-、 ヽ ヽ ', |
\-、 ! / l //r`::r ヽ、.l lr:::ヽヽヽ i ヽ .l |
r'{ヽ ',__ ヽ{ ト| l l.:::ノ i__,/ ゝ l:::::::r' 〉 ト、 ', ∨ |
{ニi//`ヽ、 l 、i. ___,ノ '、 `ー ,' / |) ) } | ヽ′
y / ` < |` 、_ ー `ー‐'_,/ |'´ | ,/ | || 次スレのご案内です
>' ,/ /ヽ,.-、_>-‐ <) l レ' | ||
\ ,/ / ,//::/ /::/ / | }{
\ / ,.-‐' ,∠ f=======┐ |( ヽ
{ { i、___ / /| || | i l ゙゙゙゙
__... -‐ヽヽ|′/l/⌒,ネ || | | l
,.-‐ ´ / ///:::://ー┬-r、i´|`レ)_|, | ',
/,..-‐ァ'´ _,. '´/ // ,/::::/77:::::::| lヽ、_ノl )ヽ | ヽ
. 〃´ // / / / ,|::::/:/::l:::::::ノ| \__,/ノ / | ヽ
「埋めようとして埋めきれてないみゆきさん萌え」
「ちゃかしてる暇があったら、あんたも手伝いなさいよ」
「つかさです。わたし、きれいな埋めネタなんて考えられんとです。つかさです」
「そ、それでは。次スレでもよろしくお願いしますね」
○○○
○ ・ω・ ○ がおー
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c(_uuノ
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ミ ハックシュ ○ o ○
`ミ`д´∵゚。o ○
c(_uuノ ○○ ○
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( ・ω・) ○○○
c(_uuノ ○○ ○○○
____, -‐  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `丶、
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/: : /: :/: :{/ | : : : : : : /: : /: : : :│: : : : : : '.
/: :〃: : :,': :.∧ |:l: : : : :./ | :ハ. : : : |: /: : : : : | 次スレも頼むからね!
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. ―‐- /'´/⌒V:│;〃アf心ヾ: :Vー孑ゥ≠ミ: : / : : : : : l: |
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_, -'´ { V: : } Vヒソ |トーイソ/: : : : ∧.:.:|: |
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レ ヘ、 ヽ:ゝ ._ f )′: : : : : /_ノ: V|\|
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