DRAG ON DRAGOON　エロパロスレ

公式・設定ホモ(レオナール、ヤハ、ドラゴン単一性等)は投下可

作品保管庫
ttp://www.geocities.jp/hokandod/

古い作品でもう需要は無いかもしれませんが
個人的に好きなので立てました

何でこのタイミングで…いや好きだけどさ
しかしエロパロってなると本スレで宣伝する訳にもいかんしなぁ
兎に角乙

良く立てたな。乙。まだ本スレあったのか。

まだ作品が投下されるかそもそもスレが続くかも解りませんが
基本ルール追加します。（こういうのは最初が肝心ですし）

１・気に入らないＣＰ、ネタでも作者をたたかない
２・荒らしスルー

基本ですが、守らないと作者が離れる切欠になります。
スレが書かせてやってるのではなく、作者がネタを提供しているのです。
自分が言いたいのはこれだけです。
皆さんも今後のスレの環境をよくしていきましょう。
偉そうかもしれませんが大事なことです、長々と失礼しました。

取り敢えず保守

>>3
続編を夢見て細々と生き長らえておりまする…

DODエロパロスレ復活したか。
とりあえず職人降臨を待つ。

即死はいかんよ

即死はないぜ。wktkして待つぜ

ノウェとエリス、セエレとマナで誰かお願い

ハンチさんのエロなら何でもいいです

やっぱ厳しいか
保守

また立ったか
とりあえず>>1乙

保守。なんか旧来の即死システムが復活してるらしいな。
30レスは回避に必要らしい。

mjd？
神さま来ないかな

なんか懐かしいスレがたっている
ハンチさん好きだったな

なぜ誰もアンヘルを挙げないのだ

>>16
トカゲいらね

とりあえず30まで・・・

20とかいう話も…とにかくほっとくと死ぬ。保守

>>17
何言ってるんだこいつ

保管庫見る限りアンヘル多いよな。

声がピーターなのが妄想の障害になります
いや、アニメ声のアンヘルなんてのも嫌だが

アンヘルにこれ以上ないってくらいあってると思うが＞声

人それぞれですね

あってないとかじゃなくて妄想する時にピーターの顔がチラつくつっているだけじゃ>>22

懐かしいなぁ、昔ちょくちょく書いてたなぁ

>>25
あーそういうことか。悪かった>>22

>>26
今回も是非！

>>25
その発想はなかったｗ

カイムがいればなんでもいい
そして即死回避？

「ねえカイム、クリスマスって知ってる？」

世界に未だかつて有り得なかった災厄をもたらした少女マナ。その少女が引き起こした惨状を見て回る旅の途中、唐突にマナはカイムに問いかけた。
数日前に立ち寄った村で、近くにいた親子のそれについての会話がたまたま耳に入ったのだ
怪訝そうな顔をしながら少女の前方を歩いていた男が振り返る。
しかしその男、カイムは口を開かない。もっとも、開いたところでそこから声は発せられないのだが。

――――クリスマスだと？

代わりに“声”を飛ばすことで応える。
マナとカイムがこの世界を見て回る旅に出てからもう２年以上が経過している。
最初の頃は毎日のように、自分を殺せ、次には愛してと狂ったように繰り返すマナを、カイムがその都度殴り、蹴り飛ばして旅路を進めていた。
しかし、時の流れはゆっくりと２人の間にある確執を削り取っていった。
カイムの憎悪と、愛する者達を失った哀しみを受けて、マナは自分の罪を受け止めるようになったし、そんなマナを見て、カイムの方も目の前の少女が神に付け入られ、操られた存在として認め、無駄な敵意は向けぬようになったのだ。
最愛の半身、アンヘルを失った痛みは決して癒えることはないし、少女の罪は永遠に消えぬというのは、カイムの中で以前変わらぬ見解ではあるが。

「そう、クリスマス。
　夜寝ている間に赤い服を着たサンタって人がよい子のところに来て、プレゼントをくれるんだって！」
もちろんカイムはクリスマスについてある程度の知識を持っている。自分が幼かった頃は、当日に枕もとを見るのが楽しみで仕方無かった。
だから、ほんの少し童心に戻って、つい最近クリスマスを知った様子のマナにちょっとした意地悪を言ってやろうと思ったのだった。

――――『よい子のところ』だろ？

「う、うん」
――――お前が『よい子』だと言えるのか？
「え……」
――――まあ、こんな世の中だ、どちらにしろサンタも休業だろう。それに、お前の許に今まで来たことがあったのか？少なくとも去年も一昨年も来ていなかった
「じゃあ…………やっぱり私は悪い子なんだね」
マナは沈痛な面持ちで呟いた。
自分はやはり生まれながらに悪い存在だった。サンタなどこんな自分の所に来るハズがないのだ。
それに、天使の協会を立ち上げて、世界を戦乱で覆った自分が果たして『よい子』であろうはずもない。

唇を噛みしめて紅い瞳にうっすらと涙を浮かべるマナを見てカイムは焦った。まさかこんなに本気で落ち込ませる結果になろうとは思わなかったのだ。
ほんのちょっとイヤミを言っただけ、贖罪をさせる旅ではあるが、さっきの言葉は傷つけるために言ったのではない。
慌てて“声”を飛ばす。
――――まあアレだ。
　　　　最近はお前も心を入れ替えたみたいだし、もしかしたら今年初めて来るのかもしれないだろう？

「うん…」

か細い声で応えてきたが、その声からはそんな可能性などまったく信じていない様子がありありと見てとれた。

自分の所なんかに来るワケない。自分は沢山の人を殺したのだ。カイムも私のことを憎んでる。
そこまで考えた時、マナは急に胸が締め付けられたように感じた。憎むのはわかる。わかるけどやめて！憎まないで！！…………愛して。
冬の寒さが周囲を包む中、さらに温度が下がった気がして、マナは自分の体を両腕で抱きしめた。
だが寒さは一向になくならない。誰かに抱きしめてほしい。誰に？目の前の男を見る。カイムに…？

――――……もう行くぞ。今晩はこの峠を越えて、村の宿に泊まる。

本来なら野宿する予定だったのだが、今日はせめて暖かい場所で眠ることにしようとカイムは決めた。
後ろめたい部分があるのももちろん理由の一端を担っている。
さすがにここまで落ち込ませてしまったマナと野宿するのは遠慮したかった。
そして、そう考えるとあまり時間に余裕はないのであった。

「あ……うん、わかった」

マナはさっさと歩きだしてしまったカイムの後を慌てて追いかけた。


日が暮れる頃にはどうにか村に到着し、宿をとることができた。
しかし、夕飯を食べて２人部屋に戻ってきてもマナは落ち込んだままである。
そんなに傷つけてしまったか…？
マナが入浴している間、淡々と準備をしながらカイムはため息をついた。
自分には子供の心も乙女心とやらもさっぱりだ。今更あの戦いの元凶の女が何を、と思わないこともないのだが、どうにも自分の言葉が原因だと思うと気分がよくない。
旅の最初のころを考えればそれこそ落ち込ませるぐらいなんだという話だが、カイムはそんな些細なことを大分気にしていた。

そんなことを考えながら、ベッドを整え、荷物を片づける。
暖炉にブレイジング・ウイングを叩きこんで火を点ける。
部屋の中が幾分暖まってきた頃、先に風呂に入っていたマナが戻ってきた。

「あ…カイム。部屋の整理してくれたの？」

――――ああ
「ありがとう」
――――別にかまわない。単純に暇だったから先にやったんだ
「ねえカイム」
――――なんだ？
「いろいろやってもらってばっかりで悪いんだけど、私……今日はもう寝たいの。…いい？」
――――……好きにしろ
「ありがとう、カイム」

うっすらと微笑みを浮かべると、マナはすぐにベッドの中にもぐり込んだ。
残されたカイムは地図を広げ、ランプの明かりの中で次の目的地をどこにしようか思案し始めた。外で吹き荒れる風が窓を揺らす音だけが部屋に響く。
２人の間に満ちる静寂は、寝たと思っていたマナの声で破られた。

「カイム」

呼ばれたカイムはまだマナが起きていることに少し驚いたが、顔だけを地図から上げて声のした方向を見やった。
マナの顔はカイムと反対を向いており、表情は見えない。

「サンタさんは来なくていい。ていうか、私はいい子じゃないから、来てくれるワケないし…」
カイムは黙ってマナの話に耳を傾けている。
「でもね……、あの……」
歯切れ悪く言葉を発した後、しばしの沈黙があり、そして再び口を開いた。
「愛して下さい」
カイムが何かを返すより早く、マナはさっきまでどもっていたのが嘘のように、矢継ぎ早に言葉を繰り出した。
「少しでいいの！ほんとに心の底からなんて言わないから！！ただ…少しだけ…ほんのちょっとだけでも、私のことを……愛して…」

強い口調だったのはほんの最初だけで、後半は嗚咽に近いものに変わっていた。

夕食の時も、入浴中も、ずっと考えていたのだ。
決して許さないと言った相手に愛を求めるなど、通常ならばありえない。
だが、少女には到底許されない罪があった。そんな彼女をそばにおいて、真っ向から見てくれるのは、その自分を許さないと誓った男、カイムだけなのだ。
１人になるのは絶対イヤだ。でも、憎まれる「だけ」なのも、もう……

カイムは何も返さない、黙って何か思案している。
時間が経って冷静さを取り戻したマナは、今は静かなカイムから何を言われるか怖くなった。
ここしばらく言われたことはないが、はっきりと拒絶の言葉を聞くことになると思ったのだ。

「じょ…
冗談だよカイム！今日はちょっと疲れてて…、それで……………。もうホントに寝るね！」

言うなり掛け布団を頭まで被って目を閉じた。
早く寝よう。そしたら何を言われてもわからない。
また拒絶されたくない。

そんなマナの努力を無視して、カイムから“声”が飛んでくる。布団で耳を覆ったところで、契約者の“声”はそんなもの何の障害にもしない。

――――考えておく

………………………………………………………………え？

ばっと布団から顔を出してカイムを見つめる。

カイムは目線を地図に向けている。再び“声”が飛んでくる。

――――考えておくといった。…なんだその顔は

マナは目をぱちくりさせ、口を大きく開けて、カイムを凝視している。
ちょっぴりアホっぽい。

――――ほんのちょっとでいいんだろう？
人差し指と親指で何かをつかむようにして、ごく小さな空間を形作る。
――――善処してやる。疲れているんだろ？そんなアホ面してないで早く寝ろ

言われてからもしばらく同じ顔でいたが、なんとか表情を元に戻した。
同時に、雪のように白い肌の、顔の部分だけが桜色で彩られる。
再びマナはカイムと反対側を向くと、布団を頭まで被った。

――――頭くらい出しておけ
「い…今だけだから！」
――――じゃあせめて寝る時は出せよ

布団の中で、マナから嗚咽が漏れだす。
否定されると思っていたのだ。あんな分不相応なことを望んで、殴られても仕方がなかったのに。
礼を言いたかったが、声を出したらきっと泣いているとバレてしまうだろう。
顔も赤くなっているし、涙でぐしゃぐしゃになっている顔を見られたくなかった。
だから、カイムには届かないように小さく呟いた。

「…………ありがとう」

自分には相応しくない幸せかもしれない。
でも、今日くらいは………………
２人しかいない暖かな空間で、マナの意識はゆっくりと眠りに沈んでいった。

改めて読み直すとなんかおかしいorz
しかもクリスマスから２日も経過してるし…

なんだもうこの1日遅れのクリスマスプレゼント！！！！！
GJ！！！！

ＧＪしかいえない自分が憎い！！！

保守

支援

保守

久々に板来たら復活してて驚いた
>>1＆職人さん乙です

つ 旦~

保守アゲ

スレタイが検索にひっかかりにくいかもな…

アリオーシュ×カイムまだー？(･∀･　)っ/凵⌒☆ﾁﾝﾁﾝ

保管庫分読んでみたが、予想以上に擬人化って傍流なのな。

竜だからいいんだよ
少なくとも俺は

同じく。

本スレからきますた
早速素敵なSSが投下されてて驚いた。
自分もやっぱり竜だからこそいいってのには同意

>>47
誰か本スレに宣伝入れたんかwww

というか向こうの発言見ると昔は
テンプレで普通にエロパロスレが貼ってあったらしい

本スレ恐るべし…

本スレから来たよ！アンヘルたんキボンヌ！(´Д｀*)ﾊｱﾊｱ

新宿から来ました

アンヘルたんのエロ絵って需要あるかな……
SS書きじゃないからせめて絵で支援したいorz

問題なし。というかプリーズ

>>53に期待

>>53
竜エロも擬人化エロもカモーン！

えろ竜カモーン！

かもーん！！


絵描ける人はガンガン晒そうよ。
正直飢えてるから上手い下手にはこだわらない。
とか言ってハードル下げてみる。

俺のアンヘルは人間になるとぼんきゅっぼんなお姉さんだよ

俺のアンヘルは人間になるとロリータだ
皆さんどっちがお好み？

姉系でも妹系でもなく、あえてカイムと同年代くらいの幼なじみ系で

設定資料集の仮面を付けた金髪スレンダーでイメージが固定された

人間状態なんてイメージしたこと無いわ

お姉さんより格好いいおばちゃん希望。
竜が一番だけどな。

>>62
俺も
まぁ竜が一番だけど

>>60
俺漏れも
まあ竜が一番なんですけどね

空気読まずに

一時間レスがなかったらハンチさんは俺の嫁

残念

ハンチさんはえろい。

>>64
開発インタビューでもそんなようなこと言っていたしな
個人的にアレでロリは考え辛いとこもあるし

「この姿勢には一体何の意味があるのだ？　人間の嗜好はわからぬ･･･」
ttp://pict.or.tp/img/38180.jpg

頑張って女豹のポーズをお願いしてみたんだが
そもそもアンヘルたんを描くこと自体難易度が高くて
エロくならなかったんだぜ！

とりあえずカイム様に斬られてくる

おおGJってかうまっ！
まぁエロ絵かって言われれば疑問だがw
とにかく頭上の？に無茶苦茶萌えた

>>71
GJ！こいつはエロいなｗｗ

なんか寝起きみたいで萌えた

エロいというよりは可愛いｗ

クオリティ高ぇ
GJ

苦し紛れに汁っぽくした。
ttp://pict.or.tp/img/38203.jpg

鉄塊で薙ぎ倒されてくるﾉｼ

>>77
俺が代わりに鉄塊で肉塊にされてくるから！　だからもっと描いて！

>>77
本当に苦し紛れでﾜﾛﾀw

確か開発部の悪ふざけでDODの学園物が公式化してたような

エンジェレグナのことか？

なんか神絵が投下されてる…眼福じゃ眼福じゃ

DODファンの貴兄達にこそ分かるエロというやつか

一枚目はほのぼのでかわいいけど二枚目はえろいな
焦らされておねだりしているようにしか見えない

尻尾の上がりかたがテラエロス。

我々生粋のDODファンなら、これをおかずに三発はいける

カイフリたのむ

フリアエはいいよね
キモウト好きにはたまらん

職人頼むからきてくれ

むしろカイム＋イウヴァルト×ギョロアエを

こねえかな

30分レス無かったらハンチさんは俺の嫁

ん、阻止
後そういうのはageないと無意味

肉塊に進化した53です。ぶっかけアンヘルたんお粗末様でした
時間かかっても良ければカイフリ描くよ

>>94
愛しています

>>94
暖めてくれぬか

>>94
ｵｶﾞｰｻﾞｰｰﾝ

>>94
君は良い匂いだ…

じゃあageるか
職人きてくれ

>>94
乙
まってるよ

良く分からん歓迎のされ方しててﾜﾛﾀ

まあDODスレだしな

エロパロ板　過去ログ倉庫
http://ninjax.dreamhosters.com/eroparo/

>>103
DODスレを夢中で見てしまった
良作がこんなにいっぱい…リアルタイムで乙したかった

楽しみだ

まだかな

すごく・・・
見たいです・・・


と、いうかエンジェレグナ希望。

まぁそう急くな

アンヘルたんって手使って自慰出来ないんだな

カイフリまだかな

おお、パロスレが復活している！
昔に自分が投下したやつ再投下。
当時、既に保管庫が機能してなかったので保管庫にはないやつ。
エロは無しだけど、ハンチさんとエリスの話

年に一度、封印騎士団の本部――大神殿。
その中庭で行われる天覧試合を控え、ジスモア団長の命で各地に散らばっている直轄区連隊長達が本部に召集された。
事前に聞かされた滞在期間はほんの一週間程度。
集団生活に慣れないハンチにはとても悠長に感じられたが、命令なので仕方がなく応じた。

「ひゃー、やれやれ。参りましたよぅ」
天覧試合も無事に終了し、騎士団中の緊張が一気に溶けたため、異常に騒がしい食堂は
朝食を求める騎士団員でごった返している。その片隅に腰を落ち着けた途端、彼女は溜息を吐いた。
トレーの上にナイフとフォークがない――どうやら取り忘れてしまったようだ。
暫しうな垂れていたが、そうもしていられない。とにかく取りに戻ろう。このままではスープが冷めてしまう。
彼女――神水の直轄区連隊長ハンチはやれやれと立ち上がり、受付の方を見たがどうにも混雑しており、
最後尾から並び直すしかなさそうである。しかしハンチはここに大勢いる一般団員とは違い、連隊長である。
事情を話し、ナイフとフォークだけを取り、席に戻ることも出来ないわけないのだが、
ハンチはそんなこと思いもしなかった。周囲の人間から忌み嫌われていたからだ。
それを証明するかのように、食堂は多くの騎士団員で溢れ返っているのに、彼女の席の周囲だけは不自然に空いていた。
当の本人はというと、既に慣れているので気に止めているような様子はなかったが。
そんな彼女でもこれ以上、嫌われることのないように。と自分なりに気を使っているのだ。
……それが返って裏目に出ていることばかりなのだが。
ハンチはそんなことは知らないし、気づかないし、ましてや教えてくれるような者もいない。

「はいはいはい。すみませんねぇ。ちょっと通して下さいよぅ〜」
既に食事を始めている騎士団員の様子を伺いながら、団員の背後を掻き分け、遠慮がちに引き返していく。
彼女の通ったあと、団員達はそれぞれの顔を見合わせ、顔をしかめては、見てくれよ。と言うように
自分達の塗れた肩や背中、腕などを見せ合った。

彼女の契約相手はケルピー。水辺に住む精霊で、頭は馬、体は魚類のようで、ドラゴンよりも大きいという。
ハンチは幼少の頃、即ち契約前は"太陽の微笑み"といわれるほど可愛かったと言われているが、今では見る影もない。
造形自体は美人なのだが、契約してからのハンチは全身が常に水で塗れており、花をあしらった華やかな赤い色の髪とは裏腹に、
お世辞にも血色がいいとは言えない肌、そして蒼い眼の下には酷い隈が広がっており……実に幸薄そうだ。
その怪奇な症状は契約後に現れた、という。先に述べたとおり、幼少時代のハンチは誰からも愛される可愛らしい少女だったのだから。
彼女は"魅力"を失ったのだ。行く先々で疎まれ、両親からも見放され、おのずと性格も歪んでいき、卑屈な性格になってしまった。
――そんなハンチだが、前団長オローが戦死し、彼を敵視していたジスモアが団長になってから封印騎士団は実力主義となったため、
運が良いのか悪いのか"契約者"だったハンチはジスモアに、封印を守る五つの鍵の一つ、"神水"の連隊長守護者として抜擢されたのだ。
ハンチは歓喜した。偉くなればこんな惨めな思いをしなくて済む――そう思ったのだ。しかし状況は変わらなかった。
自分で動かせる部下は沢山いるものの、どうも居心地が悪く、傍における部下はいなかった。
だからいつも一人だった。

人の波の間を小柄な身体でなんとか縫うようにして進むが、目的地に中々辿り着けず困っていると、
「どうかされましたか」と、どこからともなく声を掛けられ、少々驚いてしまった。
すぐに声を頼りに辺りを探した。澄んだ声質からして女性団員だ……となると、かなり搾られる。
そしてすぐに同じ団長直属の準級騎士だと分かった。
「おやぁ、エリス殿でしたかぁ〜」
自分を気に掛けてくれたことが嬉しくて、思わず顔に出てしまった。
それに気づくと慌てていつのも調子に戻そうと努力した。
「……いえいえ、なんでもないんですよぅ。ナイフとフォークを取り忘れてしまっただけですからぁ」
更に、私の事なんかほおっておいてくれて全然、構わないんですよぅ。とまで付け足す。
これでエリスは自分なんかと関わらなくて済む。他の団員達の手前、エリスも後味悪くないだろう。
彼女なりに精一杯考えての台詞のつもりだった。やはりどこかズレているが。

しかし、エリスは団員達の行列に割って入り、平然とナイフとフォークを取りに行ってくれたのだ。
食堂にいた全団員の視線がハンチとエリスに向けられた。そのいくつもの眼は驚きに満ちている。
一同、言葉も出ないようであったし、勿論ハンチ自身、唖然としていた。
「どうぞ」
「別に、何も……出ませんよぅ？」
恐る恐る、上目でエリスの表情を確認した。何ともないと言うかのような平然としたエリスの態度に
頭が混乱してしまったため、すぐにはナイフとフォークを受け取れなかった。
――その後のことはあまり覚えていない。とにかく早々に朝食を済まし、ふと気付けば用意された自室に戻っていた。

「おかしいですねぇ……」
ベッドに腰を下ろし、ハンチは一人、カーテンを閉め切った薄暗い部屋でぶつぶつと何か呟いている。
他人に気を使われたことなど実に久しく、彼女の中での感覚が狂ってしまっているのだ。
ハンチは先程のエリスの行動の本心が気になって堪らない。
それを証明するかのように荷物をまとめる手がなかなか進んでいなかった。
「同情ですよねぇ。私が卑しくて不細工だから憐れに思ったんですよねぇ」

……そうでしょう？　ケルピー。彼女は思念で今はどこにいるのか検討もつかない自分勝手な契約相手に同意を求める。
面倒臭そうに、思念で相槌を打たれ、ハンチは安心したかのように彼女特有の奇妙な笑い方で、笑った。

「ねぇ。そうに決まってますよねぇ」

連隊長の命と直轄区の封印の鍵は連動している。先日、一人の反逆者が気炎の連隊長ザンポが守護する"聖火"を破壊した。
それから天覧試合で見た青年が彼の育ての親の竜と共に脱走したという報告が来た。
その反逆者と青年と竜が"神水"を守護するハンチの元に現れたのだ。健闘も虚しく、彼女は反逆者一行に敗北した。
死への恐怖と全身を引き裂かれるような絶痛に悲痛の悲鳴をあげ、死にたくないと誰ともなく懇願し、
結果、地に這いつくばることしか叶わなかった彼女がこの世から消えた時、真っ先に駆けつけたのは他の誰でもないエリスだったのだ。
彼女は知らない。知る由もない。

●ご都合主義な番外編（天覧試合の後、しばらく平穏な毎日を送っていたということにorz）

きらきらと朝日が差し込む大神殿。その渡り廊下にハンチはいた。
小春日和で実に気持ちのいい朝である。外に出てみようか。
天覧試合で召集されるまでは、命令でもない限りは戻ってくることなどなかったのに、
近頃は度々、大神殿を出入りするようになっていた。

「おはようございます。ハンチ殿」
その凛とした声にハンチは振り向いた。多少ぎこちなくはあるが、顔がほころぶ。
声の主――エリスの元に駆け寄るなり、彼女は言葉を覚えたばかりの子供のように喋りだす。

「ひゃーっエリス殿〜今日はいい天気ですよぅ。お散歩しませんかぁ？あっ嫌でしたらいいんですけど、
　今日は非番だと聞きましたのでぇ〜私、今日暇なんで…良かったら付き合ってくれませんかぁ？」

興奮のあまり、挨拶すらも忘れている。が、後半の用件の部分は妙にもじもじしていた。
一体、誰から聞いたのか。否、聞き出したのか。
暇――と言っても、基本的に連隊長の仕事といえば直轄区、そしてその付近の見回りや警護くらいである。
この奇妙な組み合わせは最近の団員達の注目の的だ。一体、あの二人に何があったというのだろう。と。

「はい。ハンチ殿がよろしいのでしたら…私、ご一緒させて頂きますわ」
エリスは微笑み、二人並んで正門の方へと歩き出す。
道行く団員達すべてが振り返り、立ち止まるのもハンチは気にならなかった。
女性にしては長身で、白を貴重とした服を纏ったエリスと、全身ずぶ濡れの黒い衣服に身を包む小柄なハンチ。
団員達の中にはこの両名を、面白がって見物に行こうなんて言っている者までいる。
こそこそと、しかしそれにしては目立つこの団員達。

「おっ。おまえも行くか？」

その隣を通り抜けて行こうとする青年をあざとく見つけた一人の団員が嫌味ったらしく言った。
青年は足を止め、顔色一つ変えず「いや、いい」とだけ言い、去っていった。
「ちぇっあの野郎…かわいくねえな」
その一連の最中だけ、団員達の興味は竜に育てられた青年――ノウェに移っていたが、
すぐさまエリスとハンチの話題に戻っていた。まるで主婦の井戸端会議のようだ。


――そんな彼等のことは露知らず、二人は木陰にゆっくりと腰を落ち着けた。
既に陽は昇り始めていて、小鳥も何羽か水場に集まり、囀っている。
青い空をゆっくりと行き交う白い雲を二人で暫く見つめていたが、先に口を開いたのはハンチだった。

「そういえば、竜に育てられたっていう子、天覧試合で見ましたよぅ」
「ノウェといいます。彼はまだ実戦経験が少ないので……宜しければハンチ殿、今度稽古をつけてくれないでしょうか」

エリス自身もノウェに毎日稽古をつけてはいるのだが、連隊長直々が稽古をつけるとなると、
ノウェにもいい刺激になるだろう。と思ってのことである。

「あはっ勘弁してくださいよぅ。こーんな丸腰の女と竜の子を手合わせさせるなんて。エリス殿、いじわるですねぇ」
「いえっ！私、そんなつもりでは…！」
「冗談ですよぅ」

慌てるエリスを尻目にハンチはうへへへ、といつもの調子で笑い、
「エリス殿は真面目すぎますよぅ。もっと肩の力抜くといいですよぅ」
と、年長ものらしく助言などしてみたものの、余計なお世話だったかもしれないと思い、直後のエリスの表情の確認も忘れない。
悲しいことにもう癖になっているのだ。意見を言ったあとは相手の顔色確認を怠らない。

エリスは特に不快を示したような様子はなく、ハンチは安堵した。
しかし、エリスは深刻そうな面持ちでうつむいてしまったので、今度はハンチが慌てる羽目になった

「やはり私が悪いのでしょうか……」
「ややっ、いきなりなんですかぁ？」


その頃、団員達は彼女達の背後に位置する物置の影に息を潜めて見守るかのようにまじまじと見つめていた。

「聞こえたか？」
「いや、あんまり。天覧試合がどうとか……」
「くそっあの二人、一体どんな話してるんだ」

「何をしているんです？」
団員達それぞれが押し合い圧し合いをしてたため、彼等は背後への注意を怠った。
油断していたのだ。これが実戦なら、間違いなく彼等は敵の攻撃を受けていただろう。

その少年ゆえの、あどけない声の持ち主に邪魔するなと言わんばかりの形相で全員が振り返った。が、
全員が全員、ぎょっとし、声をそろえて、なんでもありません！と言うものだから
気になったのだろう、声の持ち主――神官長セエレまでもが慌てふためいている団員達の間から、
小さな身体を乗り出して彼等が見ていたと思われる方向を覗き込んだ。
――先程の二人の会話の続きが聞こえてくる。

「私が真面目すぎるのがやはり問題なのでしょうか？だからノウェは……」
「何がなんだか私にはちょっと分かりませんけど…そうやって張りつめていると疲れませんかぁ？」

「私、子供のときに契約してからというもの、友達がどんどん離れていきましてね、友情とか恋愛ってわからないんですよぅ。
　だから、今エリス殿とこうやって話せて、相談して…もらってるんですよねぇ？そういうのすごく嬉しいんですよぅ。
　そうやって悩めるのも……正直、羨ましいんですよぅ。わたしから見れば」

「ハンチ殿……」

「さっ！私、魅力は失ってもどこかの誰かみたいに食欲は失ってないのでお腹空いちゃいましたよぅ。
　エリス殿、甘いものでも食べに行きませんかぁ？」
「お供します！」

二人がすっくと立ち上がり、彼等の前から立ち去っていったところで
セエレは振り返り、ぱんぱんと両手を叩いて団員達の解散を促し、にっこりと笑った。
「はいっ。散ってください。あとで僕のところに一連の事態レポートを出すのも忘れずに」
その場にいたどの団員も素直に応じ、早速そのレポートを仕上げるために宿舎に帰っていった。


その日の午後、町でついハメを外してハンチと共に食べ過ぎたエリスであった。


「あれ、エリス…ちょっと太ったんじゃないか？」
「ノッ、ノウェ！余計なお世話ですっ！」




糸冬。

>>111-115
おー、懐かしいな

GJ乙！

>>109
お腹までとどく長い首と硬い口があるじゃまいか

>>111
スレのログが無かったから助かった。乙

>>111-115
GJ！！
俺だけのハンチたんかわええええええええええええええええええええええええ

職人カモン！

そろそろ保守？

カイムとアリオーシュの絡みを書きたいものの、アリオーシュが上手く動かない…

>>122
アリオーシュ「うふふ・・・ごちそう」
カイム「・・・・・（助けてアンヘルたん！）」

みたいなのしか想像できない

これは？携帯だけだけど
ttp://courseagain.com

お前ら踏むなよ。

何？

他のスレでも紹介してるし怪しいことこの上ない

ええい、そんなことよりカイフリはまだか！！

ほしゅ

最近DODにはまって２より１のが好きで
DODの交流板でみんなの力でやっとたどり着けたよｵｶﾞｰｻﾞﾝ。

駄文駄絵描きだけど、乱入しても良いいのかな？
ちなみに今フリ→カイのフリアエ独白エロ無しBエンド話
は書いり…いえ、なんでもありま（ry

>>130
本スレからずっと待ってた

>>130
さぁ、早く・・・

愚かな女だと、
何処までも愚かな人間だと、
兄さんは嘲笑うんでしょうね。


何よりも誰よりも生に執着する貴方の姿は、
私には誰よりも何よりも眩しすぎた。

私はそんな貴方を見て、
世界を呪っていたから。
毎日体に響く痛みに、
私を選んだ
この世界を、
ただずっと
呪いながた生きていたから。

そうして愛せない貴方の姿を見て、
世界を呪い貴方を憎みながら、
背徳の焔に身を焼かれながら
この世界の為と称して生きていました。



だから、
あの時。
私から顔を背けた
私の心から顔を背けた貴方に私を見て欲しくなかった。


違うの。

本当は、
ずっと私を見て欲しかった。
兄さんはが「妹」として守って剣を振るうのでは無く
私を一人の「女」として剣を振るって欲しかった。

言いたかったずっと
伝えたかったずっと。

私のこの焼ける痛みを
赤に染められて朽ちる心も
体も何もかも、全て。
ずっと大きな声で
兄さんを呼びたかった。
痛い、と
泣き叫びたかった。

そして、私は、
光を見ました。
私を包んだ銀色の水は私の痛みを全て流し
私を焦がした焔を消して
私を白く、白く、
包み込みました。

やっと私を苦しめる心の背徳の焔からも
私を見透かす、赤い瞳からも
解放された。

憎らしいほど私を苦しめた赤はただ、白く。

あぁ、目の前に私を迎えるイウヴァルト。
微笑みを浮かべて、
私をまた
その手の中に入れるの？
やっと解放されたのに
貴方はまた私に強引なキスをするのでしょう？

気がついたら、
私はイウヴァルトを―――
でも、イウヴァルトじゃないの。
貴方を見たい訳じゃないの。
兄さんは？
兄さん、
兄さんどこ…？

私を見て？私、もう兄さんを苦しめないのよ？
どこも痛くない。どこも苦しくないの。
私は、まっ白になれたのよ？

何処？
どこどこどこ？

あ………。
そうだ、あの龍と居るのね？
私のの大嫌いな
焔の化身。赤の化身。「神」の使い。
あの空に行かなくちゃ。

兄さん
兄さん
カイム兄さん、
私を、

見て？

「アァアアァァアアアアァァァ！！！！！！！」

に　い　さ　ん　！！

私、ずっと大きな声を出したかった。
初めて、初めて声を
こんなに大きな声を上げれました。
私はいつもなにも言えずに
何も出来ずに、
一人ただ背徳の焔に焼かれて居たから。
声を、
本当の声を失っていたから。

生まれ変わった私。飛びたかった大空。
貴方の居る空へ、今、私は飛び立つ―――。

兄さん？
どうしたの、兄さん、
愛しい兄さん!!!!
止めて……？
どうして私をそんな目で見るの？
そんな目で見て欲しい訳じゃないの。
その龍が居るから、
その龍の紅蓮の焔が兄さんを苦しめてる？
なら、今度は私が。
私が兄さんを守ってあげる。


私を女神などと崇めた世界なんて、
要らないのよ。
私を苦しめて
私を殺した
世界なんて。
私の長年の憎悪、憎しみ、痛み。

全てが、
白から溢れ出す。


兄さん兄さん…兄さ………！！！！！！！

あつい。
熱い…。
熱い！！
兄さん、熱い…私…。

あぁ、
私…――――。

私は、
もう声も出せずに、
そのまま皿(地)へと体が落ちるしか無かった。
背徳の焔は本当の焔になり、
「神」の化身によって私の存在自体が
焔に焼かれて、
何もかも全て
呑み込まれて。


そう、
堕落した私は
世界を憎んだ女神は
一生
この皿の上で身を焦がす
運命だったのです。

魂までもが尽きるまで。

END

以上、すいません。初DOD小説？でした。
独白なので改行ばっかりで読みにくいし投稿に慣れて無くて
これから精進していきたいです。

お粗末様でした。
次回は絵か、またお粗末な文を引き下げてまた投下させてもらいたいと思います。

本スレから来てくれた方ありがとう!!本当にこんなんですんません精進します。

今更ながら誤字です。

１の
＞兄さんはが「妹」として守って剣を振るうのでは無く

正しくは
＞兄さんが「妹」として守って剣を振るうのでは無く

です。

上げ失礼逃げ＞＜

GJ！！！！！
実際フリアエの心情てこんな感じだったと思うね。

ここは文スレだよな？
つまり漫画とかはＮＧ？

この130、ノリノリである

>>143
止めて欲しいくらいノリノリな自分はもうダメだと思う。

板ルール的にはちと問題かとも思うが
個人的には超OK

じゃあ、できたら直接じゃい方法で上げます。
マナとセエレの話。

小説は近々…今練ってます。

まあ過疎ってるし歓迎

小説スレって落ちてるの？

そもそもそんなものがあったのか

ほしゅ

女とヤってお金が貰える♪
まさに男の夢の仕事！
出張ホストっておいしくない？
ttp://mooningshoot.com/2ch/01_info.html

保守

帝国兵を殺ってお金が貰える♪
まさに俺の夢の仕事！
連合国兵士っておいしくない?

ふいたｗｗｗｗ
金がもらえるかわからんがカイム乙

女神を殺って世界が壊れる♪
まさに神の愛の仕事！
天使の教会教祖っておいしくない？

ほしゅ

かそく

ほ し ゅ

３作る予定はないのかな


ハンチさん主人公で

ほのぼの期待保守

カイムああああああああああああああああああああああ

ヤハ萌え文が欲しい

ちびっこノウェにイタズラするヤハたんキボンヌ

ちびっこ勇者様にいたずらされるオナたんキボンヌ

ヤハは子供に手なんか出さんだろ
奴は立派なチンゲ仮面萌えだ

>>164のネタは面白そうだな。兄さんにとっては随喜の涙を流すほど幸せな状況だろう…

カイアン頼む！誰か！

ほしゅ

ほ

し

う

め

う

ほしゅ

誰もいない…投下するなら今のうち…
…とか言ってみたいけどエロ無しエンジェレグナパロって今更需要あるのかな…

廃墟だから好きに使うといいよ

>>174
なんでもいい
是非書いてくれ

>>174
読みたい

…とりあえず投下します。エンジェレグナでカイアン。
エロ無しな上拙い文章ですが…。


青々とした芝生の中にぽつりと黒い点が見える。
が、それはよくよく目を凝らしてみると人間の姿であることが認識できた。

封印学園。その敷地内の中の一角であるこの芝生広場は休み時間にもなれば学生の憩いの場だが、その主役の学生は今授業の真っ只中の時間である。
校舎からは学生たちが真剣に授業を受けているのか、はたまた舟を漕いでいる最中なのかは知らないが、サッカーの試合をしている運動場のように騒がしい声はしない。
家庭科室からは調理実習でもしているのか、腹の虫を騒がせるには十分な良い匂いが換気扇を通して漂ってくる。
そういえば、この次の時間は昼休みか。…今日は弁当を忘れてきたな。買いに行くもの億劫だし、夜まで我慢するか。
そんなことを考えながら、彼―カイムは一度目を開いて太陽に目が眩み、また目を閉じた。
眼光は異様に鋭く、気の弱い者なら目を合わせただけですくみ上がってしまう風貌だろうが、正真正銘この学園の数学教師である。
学園内にはごく一部を除いて出入りする一般人は殆どおらず、彼一人しかいない今はとても静かである。加えて今日は雲ひとつない晴天に恵まれ、
陽光が照らす大地はぽかぽかと暖かく、丁度良い昼寝場所ともなっていた。暖かさを通り越して汗がうっすらとにじみ出る暑さを感じるが、
それを相殺してくれる涼しい風がさやさやと側の樹木の青葉を揺らし、紋白蝶がのどかに舞っている。
そんな気候に包まれているうちに、やがて彼の意識は夢うつつの中へと流れ込んでいく。
その時、乱暴に芝生を踏みしめる音がカイムの耳に届いた。がさがさと乾いた音がいやに耳に残る。
足音はこちらに近づいて来るようだ。気配を隠そうともしない。
やがて、彼の頭の側で止まった。細身の影が顔に覆いかぶさる。
―誰だ。
そう思って瞼をこじ開けたその目の前に、ぺちぺちと細長い何かが伸びて彼の額を叩いた。
「何をこんな所で暢気に昼寝をしておる。そこの職務怠慢教師」
側にしゃがんだその影の主は、彼がよく見知ったものであった。思わずカイムの顔がほころぶ。
豊かな胸、きらきら輝く金色の髪に―真紅の竜の仮面を被った女。
―何だ、アンヘルか。
「何だとは何だ、このうつけ」
ふん、と鼻を鳴らしながらアンヘルは彼を見下ろしている。
カイムは額を叩いていたもの―アンヘルの持っていた割り箸を掴むと、ゆっくりと上体を起こした。

―また電子レンジを使いたいのか？
「いや、今日はカップラーメンを作った」
見ると、彼女の手にはコンビニ袋が握られていて、中からは醤油風味であろうインスタントのカップ麺が蓋越しに湯気を漂わせている。
思わずカイムの胃が自己主張を始めてしまう。その音を掻き消すかのように校舎から予鈴が鳴った。昼休みの合図だ。
―電気ポッドの使い方を覚えたのか。
「あんな得体の知れない機械をどうやって使えと言うのだ。運動部の部室棟にあった薬缶を拝借して火を熾した」
―……｢仕事｣はいいのか。
「仕事は一旦休憩だ。それに、たまにはこんな場所での食事もいいだろう」
彼女―アンヘルは何の理由あってか、普段は学園の隣にあるビルで双眼鏡片手に校内を監視している姿がたびたび目撃されている、校内では不思議な人と囁かれている人間の一人だ。
つまりは学園からしてみれば部外者なのだが、時折昼食のコンビニ弁当を持って、顔見知りであるカイムに暖めさせるために学園内を訪ねて来る。
そんな理由で彼と一緒にいる姿を校内でよく目撃されているためか、学生（特に女子）の間でそれなりの男女の関係があるのではと噂をされていた。
というか、現に本人たちに頻繁に問い質されている。
（…何が｢先生の元婚約者って本当ですか｣だ。｢何処までした仲まで行ったんですか｣だの、何だって子供は人のそんな事を知りたがるんだ）
どうやらアンヘルがその手の質問をされた時に、｢あ奴のことか？我とは｢ケイヤクシャ｣の絆で結ばれておる。人間が色恋などとほざく浅はかなものではない｣
と答えたことで妙な解釈を受けてしまったのが原因のようだ。
「発情期の人間の若造なんぞ、常に考えていることはたかが知れておる。なに、人の噂も七十五日だ」
それを別段と気にした風でもなく、アンヘルはカイムの隣に腰を下ろす。暢気なものだ。
―その元凶がいる限り｢噂｣は消えないと俺は思うんだがな。
パキリ、と小気味の良い音と立てて隣で割り箸を割る音がする。
昼飯を取れない人間の目の前で鼻歌交じりに昼食を取ろうとする姿を見ていると、無性に腹が立ってくるのは気のせいだろうか。
それが顔に表れてしまったのだろうか、アンヘルがこちらを見ているのに気がつく。
―…何だ。
「お主、そういえば昼餉は取ったのか？」
―まだだ。…うっかり買い忘れていた。
どうせ彼女の事だろうから一笑されて終わりだろう。そう思っていると、
「…はん。愚かだな」
予想通りのことを言いながら彼女は、割り箸の片方をこちらに差し出した。
―…？何のつもりだ。
「分けてやろう」
何を、とは聞くまでもない。目の前にあるカップラーメンの中身のことだ。
―別にいい。後で購買でパンでも買ってくる。いつもの事だから混んでいるだろうが。
「あの激戦区を潜る気か？今から行ってもとっくに売り切れておるだろうな」
―…教鞭を執る者の権限で殺してでも奪い取る。
「物騒なことを言うな、そこの教師」
―……お前の食べる分が減るだろう。俺はそんなに腹は減っていない。
「…まったく。強情な奴め」
ぬっ、とカイムの前にラーメンが差し出される。
「夜まで腹が持つまい？先程から腹を鳴らしているのは何処のどいつだ」
―…………。
腹の音は聞こえてしまっていたらしい。
こうも強く押し出されては断る気にもなれない。渋々ながらも、一本の箸で麺を掬い取って食べる。
玉子風味の麺に絡みつく鶏がらの汁の味がとても後を引く。空きっ腹に入る食事はこうも美味いと感じるものか。
「まあ、確かにこうしていれば、それなりの仲とも解釈されるのも仕方がないな」
―黙れ。
何故か勝ち誇ったような顔でこちらを見るアンヘルを横目に、なんだか幸せな気分を感じたのは食欲を満たしたせいだけではないような気がした。

同時刻。
芝生広場から離れた、しかしその光景がはっきりと見ることが出来る教室の窓際。
「…青春っていいなあ…」
「何を言っているの！いい大人が校内でいちゃつくなんて…不埒にも程があるわ！」
「全くです。あんな男、万死に値します。と言うか今すぐにでも処刑すべきです」
「………」
「?…どうしたのノウェ。何か言いたいことがあるならはっきり言って下さいな」
「…な…なあ…マナ…俺今日弁当忘れちゃってさ…よかったら君のを分けてくれｎ」

すぱぱーん!!
「ちょっ、エリス!何でお前がひっぱたくんだよ!!」
「黙れ!!」

終わり。

以上です。
まともに文を書いたのは久しぶり（人前に見せるのは実質初めて）なので
緊張してデスクトップの前でガタガタ震えっぱなしでした。
本当に本当に失礼しました。

これはGJと言わざるを得ない

うほっ

殺してでも奪い取るﾜﾛﾀwww

GJ！うまいなぁ
読みながらニヤニヤしていた自分ｷﾒｪw

185のレスで初めて自分がニヤニヤしてるのに気付いたw
ＧＪ！

最近保管庫のカイアン見ると夢に出てきて眠れない

ほ

し

保守。そしてハンチさんは俺の嫁。



もし異論があればどうぞ。

多いにある。

(∩ﾟдﾟ) < 特に異論も無い様ですので、先程の案件は可決ということですね。　わかります。

ケルピーに食われる>>190が見える

アンヘルﾀﾝ保守

くっ･･･再び立ってるとは思わずネ申の絵を見逃した･･･orz
カイム様どうかお斬りくだｓﾄﾞﾌﾞｼｬｱ!!!

保守

地味にこのスレを守りたい
というわけで保守

例え誰も居なかろうと保守

いるよ
いるけど書き手じゃないもんでね

保守

カイム様保守でｓﾄﾞﾌﾞｼｬｯ

過疎区

3さえ、3さえ出れば…！ここも…！！

なんか保管庫にありそうな小ネタでエロ無いんだけど投下おk？

おｋ

廃墟に職人光臨

「はぁ……」
　マナはため息をついた。
今日はどんよりとした曇り空。
灰色の、何とも味気のない雲のせいで気落ちする。
　さらに、湿気が酷く、朝起きてカイムに言われた『言葉』。

―寝癖。凄いぞ。

この一言で私の気分は最悪なものとなった。

―もっと早く歩け。

カイムからお得意の『命令』が飛んでくる。
　私は其れに素直に従った。
　足を何時もより大股に、かつ迅速に動かす。更に腰に捻りを追加し、 両拳を握りしめ、ちぢこめて、 いわゆる『競歩』の歩き方でカイムを悠々と抜かした。
　その時に流し目で
『どうよちゃんと言うとおりに歩いているわよなんか文句ある？』
と思念を送ることも忘れない。
　と言っても、私からの思念は届けることは出来ないが。
　そうやってカイムを挑発して殺して貰おうかと思っているのだが、 この男はなかなか強敵で今までに二度しか彼を怒らせることが出来なかった。
　確か一怒目は、宿の中で彼のパンツに手を入れて、 男の一番痛い部分をぎゅっと握りしめたら、 暫く部屋の中を股間を押さえて飛び回りながら、
音のない叫びをあげていたんだっけ。あの時は本当に笑った。
　だけど、ようやく痛みが収まってきたら、凄い形相で私に近付いてきて、 左腕で私を抱えて私のスパッツを脱がして、 お尻を無理矢理引きずり出されて
……真っ赤に熟したリンゴみたいになるまでスパンキングされたんだっけ。
　叩かれている途中。彼の顔を見てみたら、

殺戮王子の顔になってました。

　私は痛みより、そっちの方が怖くて、泣いちゃった。
　その後は、よく覚えてないや。

　二怒目は、道中偶然であった盲目のホモ野郎とカイムが『声』で話しているときに、私が暇だからカイムのズボンの中に毛虫を二〜三匹入れたときだった。
　一瞬硬直したかと思うと、自分のズボンの中に手を突っ込んで、まさぐりまくる。
途中盲目ホモ野郎が
「私も手伝いましょうか？！」
とかほざいてた気がする。
ズボンの中から手を抜くと、毛虫達は既に潰れていたらしく指からズボンの端にかけて、緑の糸が引いた。
　カイムは即座に愛用の剣を汚れていない手で引き抜き、私に切っ先を向けて、手を降ろした。
　私が
「ちぇっ」
て呟いて見たら、蹴られた。
　もう、やだ。
今の一番の願いは、こいつの所から逃げ出して自由気ままに暮らすこと。

……ただ、朝夕と二食の食事は何故か欠かすことがなかった。
　カイムはなんか知らないけど呆れるほどに料理が上手い。
　良い食材を手に入れた日にゃ、カイム総料理長の名の元に何故か以上に旨い料理が出てくる。
　今日も、ほら。昨日新鮮な肉を入手したから、香ばしい匂いが焚き火の辺りから漂ってくる。
やがて、カイムの思念が飛んできて、私は焚き火の方にふらふらと向かった。
　ローストされた肉を頬張りながら、私はカイムに色々と質問する。
「何で、カイムはこんなに料理が上手いの？」
―ブレイジングウィング、と素材ののお陰だ。
彼はそれだけ私に言うと肉をまたむしゃむしゃと食べ始めた。
「じゃあ聴くけど……この肉って、何の肉？」
彼は堂々とこの肉塊の元の名称を答えた。
ーオークだ。
一瞬の静寂の後。

　マナは泡を吹いていた。

物凄く短いですが支援

オチにﾜﾛﾀ
GJ

SS投下カイアン
位置的にはアンソロジーノベルからのエピローグ(Dエンド)
分からない人のために冒頭に手を加えて少し抜粋しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

何百という灰色の赤ん坊が世を多いつくす中
一人の子供が犠牲となりて大いなる時の崩壊を食い止める。
巨大な黒い塔に赤ん坊を吸い寄せその中に取り込んでいく。
その中で一人と一匹の竜騎士は最後の別れを惜しんでいた。
赤き竜は両足をもぎ取られ、既に満身創痍である。

『のう、カイム。鈍き魂よ。最後に聞いておきたいことがある。
　……その者とともにいたい。その者を守りたい。その者の体温を感じたい。
　その者のためなら命の、魂の底まで燃やし尽くしてもかまわぬ。
　骨の髄まで一つになることを切望する。このような感情をおぬしら人の言葉ならなんという』

-----それは愛だ。

カイムは心のうちに答えた。

『……我はおぬしにそれよ。カイム。
　どうも口惜しいが感謝しよう。初めて味わう感情ではあった。
　さあこれが本当に最後の断末魔だ』

悠々と翼を広げて、頸を伸ばして、ドラゴンは咆哮した。
その瞬間灰色の赤ん坊たちはドラゴンとカイムに一斉に襲い掛かる。
その空中に浮かぶ灰色の球体は不気味に蠢きながら
幼児の作った黒い時間の塔に向かって塊は流れていった。

『む、ここは何処だ？』

赤き竜は目覚め周りを見渡す。
周りを染めるは黒・・・
光も無いはずなのに視界ははっきりしている。
ふと、背中に乗っているはずの契約者の姿が見えず、
思いがけず立ち上がり驚く

(我は両足を無くしたのではなかったのか？)

驚きも醒めやらぬまま視界の端にカイムを捕らえた。
我は慌てて契約者に近づき声をかけた。

『カイム、無事か!?・・・!!!これは……』

この空間に訪れてから我の傷は癒えている。
それはこのカイムも同じ事だろうと思っていた。
しかし、カイムの両足は千切れ、体中からは血を流し
足や腕が所々不自然な方向へ折れ曲がっている。

『(何故、契約者の傷が我に伝わらぬ？)カイム！しっかりしろ！』

我は必死になってカイムの傷を舐め回した。
血の味は勿論、苦痛に汗を掻いているのか塩味もする。
我は次々と流れ出ていくカイムの命を食い止めようと
必死に舐め続けるが、出血量が半端では無く
黒き足場に血溜りを広げていく・・・。

-----り、竜よ・・・生きていたか

『気がついたかカイム!?動くで無い、酷い怪我だ』

-----俺はもう良い、血が流れ出ていく、もう駄目だ。

『お主からそんな弱音を聞きたくなど無いわ！』

-----俺は大嫌いな神に祈ったんだ。
俺はどうなってもいいから赤き竜を助けてくれと・・・

『そんな事はどうでも良い！頼むから我のために生きてくれ！』

-----俺はお前が無事ならそれで良い。
何故かとても寒いんだ。暖めてくれないか…

我は言われるがままにカイムの上へと蹲りカイムを暖める。
血で白き腹が赤く染まるが気にせずカイムに摺り寄せる。

(カイムに血が足りぬ・・・、我は…我は一体どうしたらよいのだ)

すると、自らの尾が目に留まる。
それ見てある考えが浮かびその尾をくわえると鋭い牙で噛み千切った。
鈍い痛みが走るがカイムのためにと無視し血の流れ出る尻尾を
カイムの上に垂らしカイムの傷口に血を当てる。
しかし、そんな事では血がカイムに入る筈も無くカイムを血に染めていく。

『(やはり駄目だ)カイム！我の血を飲め！
　お主は死んではならぬ！我のために生きるのだ！』

もはや意識の無いカイムの口に強引に尾を押し付ける。
飲み込む力も無いカイムの口の端から血が溢れ出す。
カイムの悲惨な姿に半ば諦めかけたその時、
カイムの体が一度大きく痙攣したかと思うと苦しみに悶え始めた。

『カイム!?大丈夫か？』

-----身体が・・・熱い・・・割れる・・・ガァアァ！

我は慌ててカイムの上から退くもオロオロするばかりで
何もする事ができなかった。するとカイムが我の目の前で変貌していった。
人間の小さな頭蓋から鋭い口角が伸び、頭からは双角が伸び始める。
胴回りは段々と巨大化していき身に着けた鎧が弾け飛んだ。
腕は大きく伸び、更には翼膜が伸び、立派な翼が完成する。
背骨は伸び続け皮膚を突き破り長い尻尾が出来、
気がつけば蒼竜が目の前にたたずんでいた
我がその姿に見惚れていると蒼竜になったカイムが起き上がろうとする。
しかし人間と比べ骨格が違うため起き上がるのに苦戦する。

『カ…イムなのか？』

-----それ以外の誰だって言うんだ？
赤き竜にこんな力があったなんてな・・・

『我とてこのようなこと初めてだ。
　それにカイム、我は赤き竜と言う名前ではない
　アンヘル・・・それが我の名だ』

-----アンヘル・・・

口の中で反芻しながら身体の使い方を覚える。
段々慣れて来たのか翼を羽ばたかせたりする。
我はそのようなカイムの姿を見て言葉に出来ない感情を抱いていた。
凛々しく整った顔立ちに逞しい身体
その姿を見つめ、我の雌の部分が頸を擡げようとしていた。

(我は、之奴が欲しい・・・)

次の瞬間、我はカイムの上に圧し掛かり翼で押さえつけていた。
突然の事に驚き我の下でカイムが暴れる。

-----何をする！

『先程、お主には我の感情を伝えたではないか
　我はお主のすべてが欲しい・・・
　故に我もお主に全てを渡そう、…受け取ってくれるな？』

そう言い自らの火所をカイムに晒す。
カイムも既に興奮しているようで、
その股間のスリットからは既にそそり立った雄を覗かせていた。
最早カイムも抵抗をせずそれが自然だと言う風に大きく突き上げた。

『がぁ・・・カ、カイムぅ・・・』

あの時失うと思ったものがこんなにも近くに・・・
カイムの脈動が、肌が、その全てがこんなにも愛おしい。

-----・・・苦しくないか？アンヘル・・・

『苦しくは・・・あぅ・・・無い、寧ろ心地良い・・・
　カイム、もっと・・・もっと我の名を呼んでくれぬか？』

-----アンヘル、俺はお前が好きだ。

カイムは翼になった腕を伸ばしアンヘルの首元へ回す。
そして、アンヘルはそれを圧搾で還し答える。

黒に染まり誰もいなくなった空間で、
二匹、互いに名を呼び愛を確認しながら
快楽の坩堝へと落ちていった・・・。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
改行が多すぎ言われて少しover・・・orz
最後の終わらせ方が無理矢理なのは疲れたんで(爆)

えろい

次のカップリング何が良いかな・・・
とりあえず書けるだけ書きたい

流れぶった切りｽﾏｿ。需要が無いのは百も承知でノウェマナ投下します。

※2のＣエンド後(？)ノウェマナ。DOD的な欝要素は無いです。むしろ平和。
――――――――――――――――――――――――――――――――


空中を大きく旋回し、雲の海から地上界へ飛び出したノウェの視界に、茶色い土が盛られた荒野の大地が広がった。
ここへ来るのは、本当に久方ぶりだったが、その一角に、以前には無かった白い大きな空間が生じたのには、すぐに気が付いた。
甘く瑞々しい生命の芳香が、枯れ果てて乾いた匂いの中に、少しずつ混じり始めている。

不毛の大地と呼ばれた"約束の地"に、白い花が咲いた―――世界は着実に、生まれ変わろうとしていた。


戦いの業火が沈静化されて一年、神官長セエレの指導の下、大規模な世界改革が推し進められていた。
封印にまつわる事物はすべて廃止され、魔物と人間も元の通り一線を画すようになった。
長を失った騎士団は、エリスが統率するようになり、平等と平和を愛する治安部隊へと指針を改めた。

物事は順序良く回り始め、人々の生活は以前と比べ物にならないくらい豊かになった。
何もかもがうまく行き過ぎて、それはある意味、恐怖すら感じられるほどだった。

ちょうど、花の群れがなす場所の真ん中に、小さな石碑があった。
世界が終わって、そして始まった日、ここで一匹の竜が戦いに敗れ、消えて行った記憶だった。

地上へと垂直に降下し、花を踏み潰さないように気を付けながら、ノウェはその石碑の前に静かに降り立つ。

「久しぶりだな……レグナ」

石碑の表面を懐かしむように撫でながら、ノウェはぽつりと呟く。
ざらついた石の感触は、レグナのごつごつとした鱗の背中に良く似ていた。
小さな自分は、あの大きな背中に必死にしがみつき、絶えず何かと戦っていた。
味方がいなくても、レグナさえ側にいてくれれば、怖いものなど無かった。

だがしかし、それも全て、過去の話だ。

「……今でも、大声で呼んだら、お前が飛んで来そうな気がするよ」

分かり合えたら、どんなに良かっただろうか。
傷付け合う以外に、解決する方法を見つけられたら、どんなに良かっただろうか。
互いの意志を譲歩しあい、最善の道を選んでいれば、今でも共に歩んで行けたはずなのに。

「あの頃は……あの谷に住んでいた、あの頃は……こんな日が来るなんて、考えた事も無かったのにな」

でもきっと、これが契約の代償だったのだろう―――新人類と、世界の未来の。

砂の村は、今ではその名前が嘘のように、新緑の息吹きに恵まれた美しい村へと変貌を遂げていた。
村から少し離れた所に降り、新人類から人類の姿へ戻ると、ノウェは苔の生える石造りの門を潜り抜けた。
村の中では、戦時中は聞く事のできなかった子ども達のはしゃぎ声が、そこらここらから聞こえてくる。
平和の象徴のようなその様子を、ノウェは端目に眺めながら、村の外れの丘の上を目指した。

そこには、小さな教会があった。神官長セエレが、戦没者を慰霊するために建てたものだ。
出来たばかりの頃は、たくさんの参拝者が列をなしていたものの、一年経った今では、人々は新しい生活に忙しく、日に何人かが顔を出すくらいだった。

綺麗な彫刻の施された格式高い扉の前に立ち、ノウェは左右にゆっくりと押し開く。

礼拝堂の最前列には、一人の女性が腰掛けていた。
あれからずっと、来る日も来る日も祈りを捧げ続けているこの女性を、ノウェは良く知っていた。
後ろ手に静かに戸を閉め、赤いカーペットの道を進みながら、ノウェは逸る気持ちを抑え、その女性へと歩み寄る。

「……マナ」

名前を呼ぶと、女性ははっと驚いたように振り向いた。
その真っ赤な目は、煮え滾る血を連想させつつも、思慮深い冷静な輝きを放っていた。

「ノウェ……来てくれたのですね」

マナは相変わらずの落ち着いた調子で、けれども嬉しそうに表情を和らげた。

「ああ、近くでちょっと、用事があったから……」

「……そうですか。私もさっき、君の事を考えていました。……何だか奇遇ですね」

普段はエリスの手伝いで、騎士団と共に世界中を駆け巡っているノウェだが、月に何度か空いた日は、こうしてマナの元へ立ち寄っていた。
出来ればマナを、目の届く範囲に留めて置きたかったのだが、彼女が離れたのは、他でもなく彼女自身の意思であった。

『一人で考えたい事が、たくさんあるのです。……でも、勘違いしないで。決して、君の事が嫌いなわけではないの―――』

それからマナは、この教会の二階の小さな部屋に住まう事となった。
そして、尋ねて来る人々と共に、来る日も来る日も、戦争で亡くなった人達に祈りを捧げている。

ノウェはマナの隣に腰掛けると、膝の上に乗せられていた彼女の手を取った。
他人との身体的接触をあまり好まないマナではあったが、ノウェだけは例外だった。

「今日は、顔色が冴えないんですね……ここに来るまでに、何かあったのですか？」

心の内を見透かすような一言に、何でも無い、と言い掛けて、ノウェは口を噤んだ。
代わりに、マナの細い指先を手の中で弄びながら、何かを考える時のように、軽く下唇を噛む。

「……」

「……」

沈黙の中で指が絡み合い、ノウェはマナの指を圧し折りそうなほど強く握り締めた。
いつからかは定かではないが、二人にとって、それがいわゆる合図だった。

関節の痛みに、マナはさり気なく指を解くと、すっくと立ち上がった。

「……二階へ上がりましょう。誰かが来ると、いけないから―――」

教会の二階にあるマナの部屋は、相変わらず質素で、無駄なものが無かった。
部屋の隅にある粗末なベッドは、二人分の体重が加わると、今にも壊れそうにぎしぎしと悲鳴を上げた。
そんな事など気にせず、ノウェはマナの華奢な身体を組み伏せると、薄い唇にきつく吸い付く。
服を捲し上げ、マナの白く滑らかな肌を優しく撫ぜながら、下腹部にそっと手を忍ばせた。

「……ノウェ」

「……」

接吻の合間から、不安そうに漏れるマナのか細い声を封じ込めると、ノウェは這わせた指先で、マナの欲望の小さな芽を探り当てた。
同時に、ノウェの服を握り締めるマナの手に力がこもり、言い知れぬ恐怖に身体が強張る。

「……ん、ん」

喉の奥でくぐもる呻き声が、静かな部屋の中で木霊し、艶かしく響いた。
膨らみ始めた芽を、上下に優しく擦ると、マナの中でくすぶっていた熱が、一気に燃え上がる。

「……っ」

唾液で濡れた口元を舐めた後、ノウェはマナの膣内に指を押し込め、少しずつ動かし始めた。
緊張できつく締まる中を解しながら、粘膜に張り巡らされた神経に刺激を与えて行く。

透明な雫が手の甲に伝い始めた所で、ノウェは一端手を引っ込めると、自分のベルトとズボンをずり下ろした。
それから、マナの片足を肩に乗せて、身体を前屈させながら、剥き出しとなった自分自身を、マナの入り口にあてがった。

「入れるから……力を抜いて」

「……」

従うように、マナはノウェの服を掴んでいた手を離すと、数度深呼吸をして、息を整える。
それから、目を伏せて、小さく頷いた。

「……！」

身体が重なり合うその瞬間だけ、マナは悲痛に耐えるように顔を歪めた。
ざらついた膣壁の感触が、いきり立ったノウェの欲望を包み込み、優しく愛撫する。

そのまま最奥を突き上げられると、頭が痺れるような感覚に、マナは真っ白な肢体をぴんと伸ばして仰け反った。

「あ、ぁ……」

今日は、いつもの労わる様な優しい律動とは違い、最初から早い抽送だった。
頭の中に流れ込んでくる神経の信号が処理できず、マナはノウェの腰を押し退けるように、二人の身体の間に腕を割って入れた。

「待って……もう少し、ゆっくり……」

「……」

聞こえていないと言うよりは、寧ろ無視するような感じで、ノウェは制止をかけるマナの手を払い退けた。

急いている―――普段からあまり感情の抑揚がないノウェにしては、珍しかった。
持ち前の理性で粗方抑えているとは言え、今にも破裂しそうな欲望を抱えている事は、間違いない。

「あ―――」

後ろに逃げようとする腰を押さえつけられ、また深く挿入されると、マナは堪らず悲鳴を上げた。
けれども、ノウェは無言の圧力を掛けたまま、マナを捕まえるように抱き寄せた。

不意に、繋がったまま身体を翻されて、ベッドの上にうつ伏せに押さえつけられる。
そのまま後ろから突き上げられ、マナは抵抗も出来ないままに、シーツを固く握り締める。

結合部に伸ばされたノウェの指先が、再びマナの芽を捉え、丁寧に転がした。

「ッ！」

人差し指の付け根を噛み、寸での所で発せられそうになった声を押さえ込む。
しかしながら、体内へ逆流した快感は限界点を超え、びくりとマナの身体を跳ね上がらせた。
痙攣は全身に及び、体内で蠢いていたノウェをきつく締め上げる。

「あ、は……マナ……ッ」

悲痛そうな声と共に、ノウェの顎先からぽたりと零れ落ちた水滴が、マナの背筋をすぅっとなぞった。

―――泣いている……

汗とは違う、透き通った水の感触に、マナはとっさにそう悟った。
身体の最奥で、ノウェの熱い欲望が解き放たれたのは、その直後の事だった。

外は天気が芳しく無いのか、どんよりと薄暗い影に包まれていた。
情事の後も、ノウェは相変わらず黙ったまま、虚ろな眼つきをしていた。

静かで、平和な時間だ。
何も無い事が、不思議と心地良い。

胸元に顔を埋めるノウェの髪の毛を梳きながら、マナは長らくの沈黙を破るように、小さく口を開いた。

「今日で、一年が経つのですね……」

「……」

「私も、先日レグナに会いに行きましたよ……あの場所にも、花が咲くようになったのですね」

今日の出来事を、何一つとして教えていないのに、マナには最初から、全てお見通しだった。
この人は、そう言う人だ。

「きっと来年は、もっとたくさんの花が咲いて……そして、数年後には綺麗な野原になるのでしょうね」

「……そうやって、何もかもが、変わって行くんだな……」

「世界の変化が怖いのは、ノウェ……君だけじゃありません。私も……多分、皆、同じです」

マナはそこで、一端言葉を区切った。
そして、両手でノウェの頬を包むと、ゆっくりと上を向かせた。
見上げたマナの顔は、いつもと同じ、柔らかい笑顔だった。

「でも、それは無駄な事でしかない。……だって、私達の未来は、きっと―――」

マナはそれ以上続けなかった。
代わりに、ノウェの額に唇を押し付けると、愛おしむように頭を撫でた。
まるで、あやされている赤子のような気分だ。でもそれが、酷く心地良いのを、ノウェは実感していた。

「……マナ、愛してる」

「ありがとう……」

外では雨が降り始めたのか、窓を打ち付ける小さな半濁音が、制止した空間に心地よいリズムを刻み始めた。
雨が止むまで、もう少しこのままでいよう。

マナの温かい胸に抱かれながら、ノウェは静かに目を閉じた。


終わり。

とりあえずＧＪ

急に投下が続いて俺幸せ

盆休み明けて来てみりゃ何というラッシュ…
みんなまとめてGJ

奇跡ｷﾀ-みんなGJ

次回投下予定・・・9月第一週目(曜日未定)

次の作品投下まで頑張って保守しますよ

保守ＧＪ
そして俺も保守ｗ

じゃあ頑張って保守しますか

職人さんが来る事を信じて保守age

とりあえずロードオブヴァーミリオンのアリ姐さんがエロかったぜ保守

カイム×アンヘル（擬人）の新宿編を考えているのだが…

どうかな？

>>235
さぁ、投下するんだ

個人的に擬人化はないわ

個人的なもんなら見なきゃいい。
それすらできないような子供はそもそもエロパロにゃ来られないはずだが。

>>235
個人的にエンジェレグナ的な容姿だったら嬉しい

でもまぁ擬人化だろうが何だろうがとにかくカモンだ

>>238
だから「個人的」ってつけたんだけど
誰が投下するななんて言ったのか

前書きあればいいんじゃない？NGできるし
俺も擬人化は読まないなｗ

未曾有の戦いの後日談的なものを
途中アンヘルが人間となりますのでご注意を

身体が焼ける感覚と、爆発とも言える衝撃が同時に二人を襲った
互いに致命傷となった事は明白、叫びとなった“声”が聞こえたのだから

ーーーカ…イム…
紅き竜は振り絞るように“声”を出したが、いつものぶっきら棒な返事は無い

ーーーカイム…？
焼け爛れた表皮が剥がれ落ちる事など、気にしている場合ではなかった
空中で体勢を整え、力無く落下する我が半身である黒髪の青年を助けるべく急降下
天に向けられた、赤い槍らしきものに激突するかと思ったが間一髪、鋭い牙は半身の身体を保持した

ーーーカイム…返事をせぬか…！
半身を気遣いながら、手近な四角い建物の上へと着陸する
その間ずっと“声”を掛け続けたが、返事は一向に返ってこない

ーーー何かの冗談か？カイム…
そっと地に横たわらせて、改めて青年の傷が如何に深手かが分かった
契約者であったとしても、不死身な訳ではない
半身から伝わる感覚に痛みは無く、薄れゆく灯火の様だった

ーーー独りで…勝手に逝ってしまうつもりなのか…？
表情を苦痛に歪める半身は、その“声”に漸く返答した

ーーーアン…ヘル…逃げ…ろ…

ーーー何を…言っている？
紅き竜は、半身の“声”に我を疑った
契約をした以上、一蓮托生である
そんな分かりきった事さえ忘れ、青年はただ半身である竜を想い、気遣いすらしている

ーーーお前だけ……で…も…
その言葉を最後に、青年は“声”を発さなくなった

ーーー莫迦者が…何を言っている…
冷たくなっていく半身に、出来ることは一つ
覆い被さる様に翼を広げ、いつぞや青年がしてくれた様に身体を温める
甲冑の上から身体を擦り付け、長い舌で焼けた皮膚を舐め始める

ーーーカイム…
紅き竜の想いは届かず、更に温かさを失う青年を前に、己に生まれ始めていた一つの感情に気付き、率直に言葉へと紡いだ

ーーー我には…お前だけなのだ…

ーーーお前の為ならば何だってしようぞ…

ーーーだから…カイムよ…
最後の言葉を言い終わる前に、異変は起きた
紅き竜の身体が光に変わり、青年の身体を包み込む

ーーーお前を…我は…
光が拡散した後、その場には僅かな血溜りが残るのみだった

“声”が聞こえた

光を捉える事すら難しくなってしまった視界に、不意に紅い影が映りこむ

ーーー我の血も、肉も、魂も…お前に分け与えよう…
力強く、自分の生存を望むその声はやがて止み、感覚を失った身体に温かい何かが覆いかぶさった
その“声”の通り、抜け落ちた血が満ち、焼け朽ちた肉体に感覚が戻る

ーーーカイム…
優しく暖かいその“声”はそれきり黙り込み、やがて青年の身体はなんとか動くまでに回復した

ーーーアン…ヘル…
右手で己の上にある重みに手を這わせると、奇妙な事に気付いた

ーーーアンヘル…なのか…？
互いの体躯を考えれば当然の事だが、青年の上に紅き竜が乗る事など到底不可能なこと
しかし実際には、青年の胸の上には半身である紅き竜の気配がある
這わした右手が感じとったのは、青年より一回りほど小柄な女の背中だった

青年はそのままの体勢で上半身を起こし、その女を見入った
紅いドレスのような服、腰まであるだろう長い紅い髪
青年の服を掴む指は細く、どこか儚げでもあった
眠る様に吐息を立てているその女に、思わず“声”を掛けようともしたが、忍び寄る敵意に中断されてしまった
恐らく上空を飛び回る、金属の鳥の仲間が確認に来ようとしているのだろう

ーーー…相手をする余裕は無いか
腰に携えられた愛用の剣の柄に手を当てたが、多勢に無勢と判断し、女を両腕で抱き上げ立ち上がる

ーーー神の国…か、上手く言ったものだな、アンヘル
半身の言葉を思い起し、腕の中の女をしっかりと抱いたまま立ち並んだ四角い建物へと飛び移る
見知らぬ世界に不安は多いが、半身さえ一緒ならば然したる問題は無いだろう
そう言わんばかりに、青年は不敵な笑みを浮かべていた

とりあえずこんな感じで
感想宜しく

てか非擬人も需要あるんだな…

GJ
神の国で生きていくってパターンは珍しいな

>>245
ＧＪだ
感想と言うより質問なんだが、これで終わりなのか？
カイムとアンヘルの絡みがあれば嬉しいのだが

続きﾏﾀﾞｰ？

<<246
正直生きていて欲しいんだ、二人には（苦笑

<<247
<<248
個人的な妄想になりつつあるが…

ーーーなんとか撒けたか
河川敷に架かる陸橋の下
薄暗い空間に座り込んだ青年は、追手の気配が遠ざかることを感覚で確認し、漸く身体から力を抜いた

ーーー…そろそろ起きても良いんじゃないか？

ーーー気付いておったか

ーーー当たり前だろ
青年の膝の上に乗り、もたれ掛かったままの体勢で、紅い髪の女は眼を開いた
吸い込まれそうな金色の目を覗き込んだ青年は、改めてこの女が、自分と契約をした紅き竜であることを認識した

ーーーしかしよりによって何でその姿に？俺達人間など、取るに足らない格下の存在なんじゃなかったのか？

ーーーお前は特別なのだ…そもそも我は、変化の術を使うことは出来ぬ…我とて確信は無いが…ただ…

ーーーただ？

ーーーお前を…その…温めようとした時にだな…

ーーー俺を…何だって？

ーーー貴様…皆まで言わぬとも解っておろう！
見つめ合ったまま二人は“声”を通わせ、喜びを伝え合った

ーーーさて…これからどうする？
不意に半身の身体に手を回し、より互いの身体を密着させる

ーーー元の世界には戻れんだろうな
何と言う訳でもなく、その手に己の手を重ねる
絶望的な状況だが、青年と同じく、女の言葉に迷いや悲観は無く、声は明朗そのもの

ーーーまぁ、お前が一緒に居れば、元の世界に固執などはせんがな

ーーー良くもまぁ、そんな甘ったるい台詞を言えるな
青年は僅かに照れた様だったが、女は顔色一つ変えずに

ーーー何を言うか…我はお前が居たから伝説に挑み、更なる存在に成り得たのだ
振り向き、青年の顔を見上げながら、女はまたもやあっさりと

ーーー我はお前のみのために存在しているのだ

ーーー…そう…か

ーーー初めてだな、お前の照れた顔を見るのは

ーーーだろう…俺自身驚いてるよ
左手で女の顎を掴み、唇同士が触れるギリギリまで顔を近付けた青年だったが、そのまま動きを止めた

ーーー色恋沙汰は苦手の様だな
心底嬉しそうに笑い、臆する青年の唇に自分のそれを押し当てる
青年は一瞬驚き眼を見開いたが、やがて瞼をとじた



ーーー中々どうして心地良いものだな、お前との…接吻は
頬を赤く染め、それきり前を向き直した女を、青年は無言のままより強く抱き締めた

王子とｱﾝﾍﾙたんは都会暮らしより
自給自足田舎暮らしが似合うと思う。

で、続きまだですか？

>>252
成る程、それも有りだな

では早速…

ーーー如何せん不慣れでな…
紅い髪は青年の股座に顔を埋め、淫靡な音を生み出していた
限界まで開かれた口は、青年のものを完全に咥え込んでいる

ーーーどこで…覚えた？
青年は女の髪を撫でながら、脈打つ快感にひたすら耐えていた
喉の奥にぶつかるたび、腰から力が抜けそうになる

ーーーなに…昔人間の目交いを見てな
口に含んでいた青年のものを、今までに無いほど強く吸い、名残惜しそうに咥える事を止めた
青年は思わず唸り声を上げたが、寸での所で踏み止まる
唾液塗れになった青年のものを眺め、女は両手でそっと包み込む

ーーーどうした…？
伝わる感覚から愚問であることは明白だが、それでも言葉として確認がしたいのだろう
手をゆっくりと上下させながら、チロチロと舌先で先端を刺激する
青年は堪らず、己が欲求を行動として表現した

ーーーぅ…ぐっ…
女の顔を両手で掴み、半ば強引に唇を割る
少々前歯にぶつかったが、柔かい内部を数回も往復すればそんな痛みは忘れていた
僅かに顔を歪める女を見つめれば、直ぐにでも精を放ちたくなる
それを悟った女は、一段と強く吸いつく

ーーーくっ…ぁ…！
限界を超える直前、自身のものを女の口から引き抜いた青年は、迷う事無く女の顔目掛け欲望の象徴をぶちまけた
女は一瞬驚いたが、直ぐに瞼を閉じ、青年の放つ精を受け止めた
留めなく放たれるそれは、女の顔を淫らで官能的なものへと変貌させる
青年の息は荒くなり、顔は一層と赤く染まるが、同じく息を荒げている女は対称的で、顔に放たれた精子を指でなぞり、そっと笑みを浮かべた

ーーーふふ…苦いとは聞いていたが…不快ではないな
指に付いた精子を舐め取り、青年を見つめる女は、満足そうに笑みを浮かべた

ハァハァ続きまってる

ふぅ・・・

続きはまだですか？

>>255
>>256
やはり書き終えてから上げたほうが良かったな…
あと少しで終わりかな

ーーーまだ…足りぬ…ぞ
顔に付いた精液を粗方口に含み直した女は、快感の余韻に浸る青年のものに手を添え、再び上下に扱き始める
先端に残った精液をも舐め取れば、項垂れたものは数秒足らずで先程と同程度に滾る
それを扱く女の顔も赤く染まり、物欲しそうに舌を近付けた

ーーーアンヘル…
女の名を呼び、青年は近づく女の顔に手を掛けた
女の返事を待たず自身の顔を近づけ、有無を言わせず唇を重ねる
先程とは違い、舌を絡める妖艶な接吻
女は身体から力を抜き、青年に身を任せた

ーーー背丈の割りに…小さいんだな
舌同士が唾液の糸で結ばれたまま、青年は女の胸元に手を滑り込ませた
掌が感じ取ったのは、確かに未発達乳房ものだった

ーーー大きいほうが…良かったか…？
摘まれ、撫でられる度に声を上げる女はそう呟き、青年を見入った

ーーーいや…拘るほどではないが、
これではまるで少女を抱いている様な気分だった
事実女は、乳房を弄ばれる感覚に戸惑っている様に見えた
それが青年に悟られたと感づいた女は、乳房に舌を這わせていた青年に向け、ポツリと呟いた

ーーー仕方なかろう…我はまだ、雄を知らぬ身だ…

ーーー…何だって？

ーーー人間の雌で言う所の処女…なのだ
女は一段と頬を赤く染め、青年を見つめた

ーーーそう…か
短い返事の後、動きを止めた青年の右手を女は自らの秘所へと誘う
僅かに濡れたそれを青年に確認させ、女は意を決したように声を伝える

ーーー頼む…ぞ…？
そう懇願する女を、青年は返事をする事無く押し倒す
ゆっくりと、青年に組み伏せられたような体勢に移り変わるなかが、女は青年の身体から手を離すことは無かった

ふぅ・・・・

これはもう長期連載するしかないだろう・・・

正直最初投下された時はここまでエロ展開になるとは思わんかったぜ！

続きを全裸で戒めの塔装備で待つぜ

>>259
生憎だが一段落だ（苦笑
まぁ、引っ張る気になればいくらでも延ばせるがな

>>260
俺もエロ展開にするつもりはなかったんだが、な（笑

>>261
待たせたな、終わり方がちとあれだが投下する
感想頼むよ

ーーー…うぁ…ぅん…
女を押し倒した青年は、着込んでいた薄手の鎧を器用に外しながら、女の小さな乳房に手と舌を這わせる
女の声が、快感の感を帯び始めた事を感じ取った青年は、舌を脇腹、へそ、そして湿り気が増した秘所へと移動させる

ーーーひゃっ…ん…
へそを舌が通った瞬間、女は思わず高く声を上げた
その声に以前の重々しい雰囲気はなく、外見と違わない

ーーーいくぞ…アンヘル…
そんな女の姿に、己の歯止めが効かなくなっていることに気付いた青年は、了承を待たず、己のものを女の秘所に近付ける
それを“声”として感じ取った女は、無言のまま両手を青年に向け伸ばし、身体を引き寄せる
“声”にせずとも思いは伝わり、互いに唇を重ね舌を絡め合う
青年を強く感じたまま、女は自身が一度しか捧げられぬものを青年に捧げた

ーーー…カイム…入ったか…？

ーーーあぁ…入った…ぞ…
青年のものは女の処女たる証を貫き、接合部からは血が流れ出ている
女は顔を僅かに歪め、その様子を見つめた
その様子に満足気な女は、次いで青年の表情を窺った
青年は女を気遣い、腰を密着させたまま動かないが、女が少し身をよじるたび、快感に耐えていた
見かねた女は“声”を伝える

ーーー我を気遣う心は嬉しいが、お主とて雄であろう…動いた方が…良いのだろう…？
痛みに耐えているはずの女は気丈にもそう言い、自ら腰を動かしてみせる
青年は生み出される快感に言葉を失ったが、女の表情が一段と苦痛に歪んでいることに気付き、女が動かぬよう身体を押さえ付けた

ーーー無理をするな…俺が動く…
そのまま暫く、二人は互いに繋がったまま、舌を絡め合う
やがて青年は腰を動かし、青年のものに慣れ始めた女の膣内の感触を味わっていた
女の膣内は処女特有の締め付けもあり、少しでも気を抜けば精を放ってしまいそうな程である

ーーー構…わぬ、このまま…
女はそう笑い掛け、もう一度唇を重ねる
青年の動きが大きくなる頃、女は自身の中で苦痛が快感に変わり、青年に抱かれ愛されることが果てしない幸福であることに気付いた
自然と声が高くなり、艶を帯びた声に青年は更に腰の往復を強く激しくしていく

ーーー…カ…イム、何か、が…来る…様だ…

ーーー俺も…もう限界…だ…！
互いに限界が間近であることを感じた二人は、やがて互いの名前だけ呼び合い、至福の快感を貪る
女に膣内が収縮し始め、青年の背中から腰を甘美な快感が巡る直前、青年は突然女を抱き上げ、己のものがより女の中へと届くように体勢を変えた
なだらかな前後運動が、激しい上下運動となり、数秒後には青年が限界を迎えた

ーーーアン…ヘル…！

ーーーカイ…ム…ぅん！…ぁあっ！…
青年の精液が女の仲に放たれ、その感覚に次いで女を絶頂を迎えた
二人は暫くの間、そのままの体勢で抱き合い、深く、待ち望んでいた余韻に浸る

その間も二人は互いに名を呼び合い、舌を絡ませ合い、幸福な一時を満喫した


新世界に放り込まれた現実も、青年と共に過ごせるならば悪いものでない…
そう改めて思った女は、息も荒れたままの青年にそっと“声”を伝える

ーーー陳腐な言葉ではあるが…愛しておるぞ、カイム…

ーーーあぁ…俺もさ、アンヘル…

見つめ合い、再び唇を重ねる二人には、新世界で生きていく事に対する不安などは存在しなかった

ふぅ・・・

ここは長編で持って行く方向でどうでしょうか
DODの長編SSは見たことがないので読みたいものです




ふぅ・・・

>>265
ネタがあればいくらでも書くが…
少なくともDODではなくなるな（苦笑

全レスやめたほうがいいよ

>>265
ふぅ・・・
ってなんなのさ

ここは神の国ですか？

ＤＯＤ好きなので嬉しい・・・
そして職人さんＧＪ。

>>268

あれ・・・ここはエロパロ板だよな・・・
俺はどうやら違うところに来ているようだ

おっきした(*´Д`*)

ＧＪだ、続きてかハンチを(ry

>>271
ハンチか…
考えておくよ

ヤハとハンチさんの組み合わせがたまらなく好き。

ユーリックには抱かれたい。ハンチさんは抱きたい

そんな両刀使いのヤハを妄想

DODのSSサイトって知ってるやついるか？
ここの以外で

自分で探せよ。専用サーチあるんだから。

余計な事かも知れないが、俺の駄文を良いと思ってくれたなら
KOKIA の　so much love for you
を聴いて欲しい…

アンヘル→カイムのノリで聴いてくれ…

どうでもいい。

>>277
まぁ良いじゃないか

気が向いたらで良いさ

次はハンチ×一般兵
感想宜しく

「皆さぁん…無理はしないでくださいねぇ」
連隊長の掛け声と共に、険しい山道へと歩み始めた兵士達
他の連隊との試合の感を帯びている恒例行事、重装備での山岳行軍
連隊長を含む二十人で行われ、前後三十分ずらして各隊が出発し、終了地点に辿り着いた人数と前後の隊との時間差で順位が決められる
と言っても契約者であるハンチや他の連隊長には大した苦ではなく、実際には何人の兵士が残るかで競われていた
ひたすら歩き続けるだけの行事なので、純然な参加者は少ないが、勝てば特別手当がでるのでそれを目当てに参加するものが殆どだった

「ほらぁ！頑張ってくださいよぉ！」
例年に無い暑さのせいで既に十七名が脱落し、今残り二名の内屈強な傭兵上がりの兵士が歩みを止め、やがて倒れるように腰を下ろした

「もぅ限界ですかぁ？」
連隊長であるハンチは近寄り、しゃがみ込んで顔色を伺おうとしたが、兵士は視線を遮る様に手で顔を隠し

「限界です…お先へどうぞ…」
そう呟き顔を伏せた

「隊長、行きましょう」
残り一人となった若い兵士は、そう言いながら既に目の前の人一人分程の高さの小さめの崖を上りきっていた
完全装備の甲冑と、背負った重り代わりの予備の装備は合わせて１００�sを優に超え、常人には決して軽い物ではない
しかしその若い兵士は特に息を荒げるわけも無く、空を見上げ太陽の位置から時刻と向かうべき方向を確認していた

「時間もあまり無いようですしね」

「それもそうですねぇ…行きましょうか」
ゆっくりと立ち上がり、兵を追うように崖に手を掛けると、その手の上に何かが重なるようにあった

「どうぞ、隊長」
それは兵が差し出した手だった
ハンチにとってこの程度の崖など、そこらの階段を登る事と大差はない
それを知ってか知らずか、兵士は手を掴むように促す
契約の代償として『魅力』を失ったハンチに、進んで手を差し伸ばすなどありえない事だった
事実、その手が何の為差し伸ばされたかハンチが理解するまでには時間が掛かり、結果兵士の目には疑問の念が生まれる
ハンチの身体は、契約相手であるケルピーの影響で常に水を浴びたように水滴を滴らせている
二つが相成り、ハンチに積極的に近付こうとする者はここ数年居なかった
だがハンチの目の前に居る兵士は何一つ迷う事無く手を差し出し、その手を掴ませようとしている

「何かの…冗談ですかぁ？」
手を指し伸ばそうとしたが、自分の手がやはり濡れていることに気付き、思わず口から卑屈な言葉が出てしまった

「冗談？…何のことですか？」
兵士はそんなハンチを御構い無しに躊躇し僅かに揺れる手を掴み

「引き上げますよ」
そう言いハンチを身体ごと崖の上へと引き上げる
外見と違わず軽いハンチの身体は、兵士のすぐ脇に容易に引き上がった

「ありがとう…ございますぅ」
小さな声でそう呟き、兵士に精一杯の笑顔を見せた
引きつり、違和感を纏ったものだったが、兵士は当たり前のように笑顔を返す

「それじゃ行きましょう、隊長」
向き直り、幾分険しくなった山道を歩き出した兵士の背中に、当に忘れていた女としての感情を抱いたハンチ
無言で兵士を追いかけるその顔は、不慣れながらも自然な微笑を湛えていた

これは期待大
続きが楽しみだ

これは期待
ハンチさん好きだけど全然見ないんだよな…

↑に同意
ハンチネタにｗｋｔｋ

期待されると、やはりモチベーションが上がるな…

「そぉいえば…まだ貴方の名前を聞いてませんでしたねぇ」
山道を歩く中、ハンチは珍しく積極的に兵士へと話し掛けていた

「オルバ・ハーツ二等兵です」
ハンチを知る者が端から見れば、この光景に驚愕することだろう

「オルバさんですかぁ、良い名前ですね」

「ありがとうございます」
『魅力』を失った筈のハンチが、不慣れながらも異性と普通の女性と同じように会話しているのだ
兵士も自ら話題を振り、世間話すらしている

「出身はどちらです？」

「東部の山奥の方です」

「じゃぁ私と同じですねぇ」
ハンチ自身、自分がこうも人と話している事が不思議だった
しかし自然と言葉が口から溢れ、身振り手振りを交えてのものとなった
順調に山道を進み、会話も弾む
やがてハンチは何気なく、気になっていた事を兵士尋ねた

「なんでオルバさんは私の隊になんか入ろうと思ったんですかぁ？」
ハンチの隊に属する者の大半は給料目当て、仕方なく、という者も居るかもしれない
純粋に、隊員である事に誇り感じている者はおそらく一人も居ないだろう

「理由、ですか？そうですね…」
言葉を詰らせたオルバを見て、ハンチは自分が今の状況を壊す質問をしている事に気付き、あわてて兵士の言葉を遮った

「い、言いにくいなら言わなくても結構ですよ、どうせ予想はつきますしー…」
大きく手を振りながらそう言い、ハンチは黙り込んでしまった
『魅力』の無い自分が率いる隊に好き好んで入隊する人間など居ないのだ
そう自分に言い聞かせ、歩みを速める
さっきの気遣いも自分が連隊長だからだと思い直し、ハンチは浮かれていた自分が滑稽に見え、自虐的ないつも通りの笑みを浮かべた

「隊長だから、ですよ」
不意に背中にそう言われ、速まった歩みは急停止
思考も停滞し、ゆっくりと兵士へと身体を向ける

「い…今なんて？」

「ハンチ隊長が居るから、俺は入隊したんですよ」
きっぱりとそう言い切り、正面からハンチを見つめる兵士の目に、嘘偽りは無い
ハンチもそれを感じ取り、見る間に顔が赤く染まる
自分目当てで入隊したと言われ、一瞬意味を理解し兼ねたが、すぐにも理解し言葉を発する事すら適わない

「隊長？」
兵士の声も今のハンチには届かず、ひたすらになにかを呟き続ける

「いやまさかそんなでも私なんて…」
矢継ぎ早に言葉を繋ぎ、一歩、また一歩と後ずさる

「隊長？後ろ、気をつけてください」
道から外れそうになるハンチに注意を促すが、上の空で呟き続ける

「またまたまた冗談を…」
言い終わる前にハンチの視界から兵士の姿が消えた

「あ…れ…？」

「隊長？！」
それは自分が足を踏み外し、崖から転げ落ちようとしている事だと気付くまで然程時間は掛からなかった
空中で体勢を反射的に整えようとしたが、助けようと兵士の手がハンチの手を掴んだ瞬間、ハンチの身体から力が抜ける
状況が状況の筈だが、ハンチはその感触を楽しむように、兵士の身体にしがみ付く
落下する最中、ハンチは鎧越しに異性の暖かさを感じていた

ＧＪ
期待しているから続き頑張ってくれ

「大丈夫…ですかぁ？」

「…なんとか生きてます」
兵士と共に谷底へ転がり落ちたハンチは、青年の返事に安堵の息を吐いた
上を見上げれば、どれほどの高さから落ちたかが分かり、自分達が如何に運が良かったのかも分かる

「ただ…足を少々挫いたようですね」
脇に倒れた兵士はそう言いながら右足の脛当てを外し、青黒く変色した足首を露わにした

「あぁあぁ…こんなに…」

「この程度なら装備の治療道具でどうにでもなり…」
狼狽するハンチを尻目に、兵士は背負っていた装備から治療道具を取り出そうと手を伸ばした
しかしその手を空を掴み、肩に掛かっていた重みが無いことに気付いた

「隊長…治療道具を貸していただけません？」
肩に残った肩紐を投げ捨てながら、ハンチにそう頼んだ

「後、救援要請もお願いします」
兵士の言葉に、慌てていたハンチは冷静さを取り戻した

「はい…これですよね？どうぞ…」
自分では使ったことも無い治療道具を兵士に差し出したハンチは、次いで“声”を、後続の連隊長、ヤハへと飛ばす

ーーーヤハ殿、聞こえますかぁ？

ーーー……何かありましたか？
やや遅れ気味に返ってきた“声”は、予想外の人物からの“声”に驚いているようだった

ーーー実は私…崖から落ちてしまいまして

ーーーあなたが、ですか？
疑問は尤も、契約者ならば、崖から転がり落ちようが飛び降りようが途中の岩肌に取り付くことも可能なはずであり、自力で登ることも同じく可能なはずである

ーーーえぇ、私ともう一人、一緒に落ちてしまった方が居まして…

ーーー…ほぉ…
珍しい物を見つけた様な口振りのヤハは、数秒の間を空け

ーーー分かりました、救援部隊を送りましょう。但し場所が場所ですので直ぐにという訳にはいきませんので

ーーーお願いしますねぇ

ーーー最悪明日の日の入りの頃になるかもしれませんので
それきり“声”は途絶え、ハンチは暮れ始めた空を見上げながら溜息をついた

「減給…ですかねぇ」
自分の処分をちらりと考えたが、背後から聞こえる兵士の声でそれを考え直した

「無理しないでくださいよぉ？」
痛みに耐えながら治療をしていた兵士に近付き、昔習ったぎこちない応急手当を施し始めた

wktkが止まらない

早く続きを…

照り付ける太陽光は前日の比ではなく、おそらく近年稀にみる暑さとなっているだろう
怪我自体は深刻なものではないが、この暑さでは脱水症状に陥ってしまう

「隊長、水、あります？」
滑落で装備の大半を失った兵士は、横に座るハンチへと声を掛けた

「私…お水は持ってきてないんですよぉ…」
契約で水を操る力を得たハンチは外見のみならず、体内すら常に水で潤っているため、契約してから渇きを感じたことは無い
それもあり、ハンチは装備から無用な水を除外していた

「そう…ですか、失礼しました」
兵士はそれきり黙り込み、二人の間に沈黙が横たわる
それを最も恐れていたハンチは、場をもたせるつもりで誰も予想出来そうに無いことを口走る

「私の…お水飲みますぅ？」

「無いはずじゃ…？！」

虚ろ気味な目でハンチに視線を向けた兵士は、あまりの出来事に乾いた喉で空気を飲み込んだ
横に座ったまま、ハンチは自分で自分の指に舌を這わせていた
指から垂れ落ちるはずだった水滴は、ハンチの舌に絡め取られその姿を消した

「はは…なんて…」
自分を笑い飛ばそうとしたハンチの唇を兵士の唇が覆い、その身体を押し倒すまで然程時間は掛からなかった

盛り上がってまいりました！

ぅん…ん…」
ハンチの身体を労りながら、兵士は一心不乱にハンチの唇を貪っていた
口内の水分を舐め取りつつ、迷うハンチの舌にやはり舌を絡める
すぐさま唾液が分泌され、兵士はそれすらも舐め取るように舌を絡ませ続ける

「…ん…んん…！」
困惑していたハンチだったが、暖かい舌の温もりを感じる内に困惑は無くなり、時折発する声は官能的な色を帯び始めていた

「ん…はぁ…」
兵士がもう十分と唇を離すと、ハンチは思わずねだる様な声を上げる

「まだ、足りないぞ…？」
兵士はそう言いながら、濡れた服越しにハンチの身体を弄り、再び唇を重ねた
しかし舌を絡める事は無く、唇、頬、胸元と舌を順に這わせ、水滴を口に含み、飲み込む
兵士がハンチの身体から舐め取った水を飲み込む度、ハンチは支配される事による幸福感を感じていた

「さぁ…ハンチ、次はどうして欲しい？」

「…次…なんて…」
物言いの変わった兵士に僅かに疑問を感じたハンチだったが、それ以上に兵士の声に懐かしさを感じていた
その疑問の答えは後程分かることとなった
言葉を詰らせながらも、ハンチは服を脱ぎ、薄い下着一枚となった
右手で豊満な乳房を隠し、左手は薄い陰毛に隠れた秘部を覆う

「昔は一緒に水浴びしたりしたじゃないか…」
兵士はそう言い、薄い下着越し隠された乳房を撫でる

「綺麗になったな…」
その言葉で、兵士が何者であるかが分かった

「オル…バ…？」
まだハンチが『太陽の微笑み』と呼ばれていた頃、毎日のように遊んでいた幼馴染の男の子
ハンチが『魅力』を失っても尚、毎朝家の前でハンチの名を呼んでいたその男の子
その名前もオルバ・ハーツといった

「オルバ…ハーツ？」

「漸く思い出したか？」
兵士はそう笑いかけながら、もう一度唇を重ねた

引っ張るな…

で、続きは？

「オル…バ…！」
箍が外れたように声を上げ、ハンチは兵士の口内へ自ら舌を推し進めた
兵士はそれを拒む事すらなく受け入れ、下着越しに触っていた乳房の先端を摘む

「ひぅ…ぁ…」
声を一段と高く上げ、ハンチはその行動が快感を生み出していることを伝える

「随分と敏感だな…初めてか？」

「…………」
沈黙と赤く染まった肌と、小刻みに震える身体が質問に答える

「そうか…」
兵士はそう言った後、ハンチの身体を覆う薄い下着に手を掛け、そっと持ち上げハンチの裸体を太陽の下に晒した
多くの水滴を湛え、普段は青白い肌も、今は普通の女同様に昂揚した心に準じほのかに赤い
兵士は目の前で揺れ動く二つの乳房を見つめ、引き寄せられる様に乳房の硬くなった先端を口に含み、舌で転がし、時に赤子の様に吸う
その度にハンチは艶のある声を上げ、身をよじる
やがて兵士の舌は下腹部へと移動し、茂みに隠されたハンチの秘部へと辿り着いた
水滴以外の液体に濡れた秘部に、兵士はやはり舌を這わせる

「一度逝った方が…楽になる」
兵士は返事すら出来ないハンチにそう告げ、未だ男を受け入れたことが無い秘部を舌で刺激し始めた
溢れ出る愛液を残らず舐め取れば、ハンチは堪らず抑えられた声を上げながら小刻みに震え、新たに愛液を分泌させる
やがて兵士の舌は、ハンチの秘部に浅いながらに進入し処女膜に触れ、その瞬間ハンチは僅かに腰を浮かせ、あっさりと絶頂に到った

続きはまだかな？

少し間が空いたが投下
てか人居る？

「どうやら逝けたみたいだな」
身体が一瞬硬直し、挿し込んだ舌に掛かる力の変化と、一層溢れた愛液からハンチが絶頂を迎えた事を察した兵士は、息の荒いハンチの眼前で自身のものを取り出し、見せつける様に数回扱く

「は…ふぅ…」
絶頂の余韻から抜け出せぬまま、ハンチは兵士を見つめ息を吐いた
言うべき言葉はいくらでもあるが、今はそれを言えるほどの余裕はハンチには無い

「最初は痛いかもしれないが、すぐに良くなる」
腰を近付け、子宮口にいきり立った自身のものを密着させる
互いの潤滑油が触れ、独特の音と共に兵士のものはハンチの茂みの奥、熱を帯びた子宮へと吸い込まれてゆく

「んぁ…くぅ…ん」
すぐさま辿り着いた処女膜は十分に慣らした事もあり、意外にもあっさり兵士の侵入を受け入れた
出血も少なく、痛がる様子もあまり無い
ゆっくりとものを深く入れると、ハンチは今まで以上に女の声を上げる
二度、三度と膣内を前後すると、ハンチは強請る様な声で

「良い…ですよ、もっと動いても…」
その声を合図に、徐々に兵士は動きを早める
ハンチはそれに応える様に声を一層高くし、兵士もハンチの膣内を味わうように腰の動きを早める
先程まで処女だったとは思えぬほど喘ぎ、愛液で岩場をも濡らすハンチ
どちらが言うわけでもなく体位は次々と変わり、正常位が騎常位、やがて後背位となる
兵士は既に数回射精していたが、喘ぐハンチの姿に萎える事も無く、身体中を精液塗れにしていた
膣内にも当然射精され、今また絶頂を迎えようとしていた

「ま…た…逝くっ…！」

「俺も…だ…！」
後背位の体勢からハンチの胸を弄り、腰を密着
硬くなった乳首を摘むと同時に射精、次いで放たれた精液の熱で限界をハンチが迎える

「あっ、あ、熱…あァァーーーーっ！！」
叫び声の様な声を上げたハンチはそのまま力無く倒れこみ、兵士の荒れた息遣いを聞きながら気を失った

ＧＪ！

いるよー
読んでるよー

romってるだけでいるぞー

続きをかもん！

そろそろ終わりの予感…

栄えある封印騎士団団長、ジスモアは執務室の自身の机に肘を付き、頭を抱えていた
悩みの種は二つの封筒
辞表と大きく書かれたそれは既に封が切られている
裏に『オルバ・ハーツ』という名が書かれた片方に関しては然したる問題は無く、普段通り承諾の判を捺し、人事を任せている人間に渡せば済む
問題はもう片方、一度水に濡れた様な皺が出来てしまっている封筒の方だ
内容は至って簡単なもの

[この度、真に勝手ながら封印騎士団連隊長の任を解かれたく思い、退団という形を取らせて頂きました]

各地で反乱の火種が燻っている現状で、直轄区の護衛に就いている連隊長がその役から退くなど、とても承諾できぬ事だ

「……しかしこれでは止め様がありませんね」
封筒の中身、丁寧に三つ折になっている辞表文を読み終えた、宝光の直轄区を守護する連隊長ヤハは、ジスモアに辞表文を軽く投げ返すと、やはりジスモアと同じように手を口元にやり考え込む

「彼女ほどの能力を持つ契約者が居れば良いのですが…」

「居るならばこれほど悩みはせぬわ…」

「やはり…そうでしょうね」
ヤハはそのまま向き直り、廊下へと続くドアへと歩き出す

「一応、私も心当たりを当たってみますが期待はしないで下さいね」
ドアを目の前に、未だ頭を抱えるジスモアが見ていない事を知りつつも一礼し退室
規則正しい足音はすぐに聞こえなくなり、執務室にはジスモアの唸り声が静かに響く
投げ置かれた辞表文に目を向け、ジスモアは再び大きく溜息を吐いた






[この度、真に勝手ながら封印騎士団連隊長の任を解かれたく思い、退団という形を取らせて頂きました]
[無理なお願いとは分かっていますが、承諾の程宜しくお願いします]
[兵の方々には、適当な理由で構いませんので退団の旨を伝えて下さい]
[長い間お世話になりました]







[ハンチ・ハーツ]



「 完 」

以上で終了
ラストはあえて二人を出さずに終らせたがどうだろう？

本編ではあれだからハッピーエンドでよかった

まったくだな

・・・ふぅ

GJ、ハンチさん(´；ω；`)

ケルピーってハンチさんが男とくっついたら嫉妬するんだろうか

>>309
水くらいかけられるんじゃね

ハンチと他の男がイチャイチャしているの見て嫉妬の炎を燃やしているケルピー萌え

規制に巻き込まれるとはorz
携帯から失礼

カイマナでも書こうかと思っていたのだが、過去にかなり書かれててもうやる事無い…
てな訳でウケそうなケルピーを交えたものを書こうと思う

気長に待ってくれると助かる

>>312
うおおwktk！
気長に待つぞ！

ケルピーとハンチの絡み好きなんで超wktk

ってか散々既出だろうがカイマナも読みたいんだぜ…

新規でハンチ×ケルピー

↑の続きでハンチ×一般兵×ケルピー

どっちが良さげ？

個人的には新規に一票
前作は綺麗に終ってたのでこのままのほうがいいかなあ、と

自分も新規の方で
その方が色々出来そうな気がするしw

今更かもしれないが、前のハンチ×一般兵の題名は[水底の貴婦人]って事で

さて…では早速投下するかね
ハンチ×ケルピー（たまに少年化）

彼女と契約して何年経っただろうか
寝床としていた水辺で、彼女を何気なく見たその時から、後に知る事となった『太陽の微笑み』と呼ばれたその姿に心奪われていた
だからこそ、彼女が溺れ、息絶える寸前にその命を救う事が出来た
一時凌ぎのつもりだったが、その対価として彼女から『魅力』を奪ってしまった
彼女の体力が回復するまでの僅かな間、それを知った人間達は掌を返す様に彼女から遠ざかっていった
人間とは何となんと浅はかな生物なのだろうか
見掛け倒しの『魅力』を失ったところで、彼女は十分に魅力的だというのに
それを改めて確認させるためにも、彼女の回復と共に契約は解除するつもりだったが、彼女を想ううちその考えは何処かへ置き去ってしまった
このまま彼女と契約を継続させ、完了させてしまえば、『魅力』を失った彼女に近付く人間は無きに等しい
即ち、彼女を独占できてしまうのだ
自分を戒める理性がその本能的な欲望を抑え付けていたが、理性が打ち負けるのは時間の問題だった
水底で、今まで持ち合わせていなかった感情に身を捩りながら、水の精霊ケルピーは意を決したように“声”を飛ばした

ーーー今から…そっちに行く…
返事が来ないのは当たり前、今頃彼女は突然の事に驚いているだろう
その姿を想いながら、彼は岸に向かい泳ぎ始めた

「あなた…誰？」
日が沈み、穏やかだった気候が崩れ始めてから数時間
普段水の精霊と呼ばれる獣の様な造形とはうって変わり、今の容姿は契約相手である少女と変わらぬ歳の少年の様だ
雲の隙間から零れ落ちる月明かりが、薄く照らす寝室で、契約して以来初めての顔合わせとなった少年と少女
ベッドから上半身のみを起こしている少女の身体は、それを覆う衣服すらも水を纏い、血色も良いとは言えない
その原因が自分であることを再認識した少年は、自分を蔑む口調で切り出した

「…今君がそんな状態なのは…僕の所為なんだ…ごめんね」
でも仕方なかった…そう付け加えたかったが言葉が出ず、黙り込む

「あなたが助けてくれたんだ…」
契約の影響が出始めた少女は、少年が何者なのか、一体何を謝っているのかをおぼろげながら理解し、素直に感謝の意を表した
『魅力』を失って尚存在する潜在的な『魅力』を感じ取り、少年は思わず彼女に歩み寄った

「ありがとう…」
少年を警戒することも無く、少女は笑顔と共に頭を下げた
ゆっくりと頭を上げた少女に、少年はそっと顔を寄せた
少女がそれを疑問に思う前に、少年は自らの唇を少女のそれと重ねた
その瞬間、二人の唇に眩い光が生まれ、互いに入れ替わる
契約の完了を示すその光は、僅かだか少女の顔色を明るいものに変えた

GJ！続き期待してる

「竜の子と言っても、大した事ありませんでしたねぇ」
騎士団を裏切り、ハンチの守護する直轄区をも襲撃した反逆者ノウェ
しかし、ケルピーの水を自在に操る力の前に、健闘虚しく敢え無く敗走となった

ーーーこの場に攻め入った気概や良し…と言ったところだな
勝利の余韻を味わいつつ、ケルピーに跨ったハンチは空を見上げ反逆者の撤退を確認していた
単純な力比べならば、ケルピーがドラゴンに勝てる道理は無いが、今回に関しては別であった
水を大量に貯えた貯水池にて、そこを寝床とした水の精霊たるケルピーに挑戦するなど自殺に等しい
しかしそれでも、蒼き竜の吐き撃つ炎弾による表皮の損傷は甚大なものだった
焼け焦げた己の肉の臭いが鼻につき、それが僅かな唸り声を生んだ

「…大丈夫ですかぁ？」
その唸り声と、なにより無意識に伝わる感覚から余裕が無い事を察したハンチは、手を伸ばし損傷を免れた首を撫でた

ーーー…大丈夫、だ。それに何時奴等が再び来るか分からんだろう？
一頻り撫でられたケルピーは、気丈にそう言ってのける

「嘘はつかないで下さいよぉ…」
伝わる痛みは一層増し、滲み出る血液から、自然治癒が易々と出来る様な傷ではないことは明らか

「ちゃんと傷を癒して下さいよ？」
そう心配そうに見つめる眼差しに他意は無く、ケルピーは素直に従う事にした

「お互い自分だけの身体じゃ無いんですから…」
そう言いながら、ハンチは十メートルはあろうケルピーの背中から飛び降り、難なく着地

ーーー…完治まで三日は掛かる
水面近くに移動したケルピーは、不意にそうハンチに告げた

「じゃあ三日間は…？」
心配そうな表情が一変し、待ち望んでいた様に声色を変えたハンチ

ーーーあぁ、世話になるよ
そう言ったきり、ケルピーはそそくさと貯水池の奥底へと姿を消した
揺れる水面を見つめながら、ハンチは嬉しさのあまり小走りで神殿へと走り出した

寸止め？

ちょいと所用で書けずにいたんだ…
やはり書きながらの投下はやめた方が良いかもしれんな

連隊長としての雑務を終えたハンチは、寝室で椅子に座りながら暖炉の火に薪をくべていた
ケルピーから“声”が途絶えて数時間
いつもならもう“声”が聞こえても良い頃だが…
そんなことを考えていると、不意に廊下へ繋がるドアの向こうから“声”が聞こえた

ーーー…開けてくれ

「はいはい…今開けますねぇ」

椅子から飛び上がるような勢いで立ち上がり、駆け足でドアに近付く
簡易な鍵を外し、勢い良く開けたドアの向こうには淡い水色の髪の少年が立っていた

「……入るよ」
声変わり前の、まだ高い声でそう短く言った少年は、後ろ手にドアを閉める
暫く見つめ合ったまま、二人はドアの前で硬直
堪えかねたハンチは、ゆっくりと少年の顔に手を添えた
少年は嫌がる素振りなど見せず、添えられた手に己の手を重ねる
ハンチはゆっくりと顔を近付け、少年の顔を正面から見つめるため身を屈めた
一段と近付いた二人の唇だったが、自ら近付いたハンチは躊躇し、動きを止める
整った顔立ちの少年を前に、劣等感が一瞬生まれたのか視線は泳ぎ、動悸が乱れる

「何を考えてるの？」
その状態のハンチを元に戻したのは、他ならぬ少年だった

「君が誰よりも美しい事は良く分かってるよ」
少年の手がハンチの顔へと動く

「僕だけが…ね」
その言葉と同時に、少年の顔はハンチとの距離を縮め、その唇同士を合わせた

続きキター

「ん…ぅ…」
暖炉の火だけで照らされた寝室
その片隅のドアの近くで、漏れる様な声が薄明るい部屋に小さく響いた
自分の胸程の背丈も無いまだ幼さの残る少年に、一方的に舌を弄ばれる事は屈辱的でもあるが、同時に背徳感を伴う快感でもあった
その証拠に、唇を重ね舌を絡めているだけで乳房の先端は硬く尖り、衣服越しにもはっきりとその様子が見てとれる

「相変わらず…感じやすいね」
絡めていた舌を離し、息を荒げるハンチに教え込むように少年は語り掛ける

「しかた…ないじゃないですかぁ」
俯き加減でそう答えるハンチ
少年の手が伸び、豊満なその乳房に触れる
衣服越しではあったが、硬くなっている乳房の先端を摘まれ、ハンチは堪らず声を上げた
しかし少年はお構い無しに乳房に手を這わせ、時折その先端を優しく摘む
その度ハンチは声を上げるが、少年は寧ろその声を聞く度に手に込める力を増させているようだ
当然ハンチはそれに気付いていたが、もはや完全に少年が与えてくれる快感に支配されていたためか、更に声を上げる
唇の端からは僅かに唾液がこぼれ、両腕は少年の肩に力無く乗せたまま
少年はその様子を満足気に見つめ、一層硬くなった乳首を両手で引き寄せ、やはり衣服越しに口に含んだ
衣服に染み込んだ、契約の証拠たる水分をも吸い取りながら、少年はハンチの乳房を揉みしだき、乳首を転がす

「あ…のぅ…ん！」
何かを懇願するように、少年に声を賭けた瞬間、ハンチは一線を越えあっさりと絶頂を迎えた

早く続きを…

そういえばテンプレの作品庫は昨日してないのか？

>>328
誤爆…
昨日→機能

俺もそれは気になってたな

さてちょい間が開いたが投下

下半身に力が入らず、ハンチは崩れる様に少年にもたれ掛かった
息は荒く、身体からは普段とは比べられないほどの水滴が滴り落ちる

「私だけ、なんて…駄目ですよぉ…？」
息が整い始めたとき、ハンチはそう呟きながら少年のズボンの中へと手を差し入れた
壁に押さえ付けられながらのその行為に、少年は僅かに反応を示した

「貴方だって…ここは感じやすいんでしょう？」
硬くなり、熱をも帯びていた少年のものを片手で弄り、ハンチは得意気にそう耳元で囁いた
ハンチの手が動く度、少年のものは一層硬く膨張し、ズボン越しにも窮屈である事は明らか

「貴方も…一度逝っちゃいますかぁ？」
返事を待たず、脈打つものを取り出したハンチ
少年のものは外見よりは成熟しているものの、お世辞にも大きいとは言えない、寧ろ可愛いと称したほうが妥当なものだった
そのピンク色の先端を、指先でやさしく擦りながら、そっと両手を添え

「こうするのが…良いんですよね？」
両手で包み込む様に握り、上下に扱き始める
皮ごと擦られ、少年は思わず身体を固くしたが、ハンチの次なる行動に緊張を解かざるを得なかった
唾液を少年のものの先端に垂らし潤滑油代わりとし、時折先端を舌で刺激し始めたのだ
暖炉で薪が燃える臭いと、垂らされた唾液の臭いとが混じり合い、少年のものが扱かれる音も相成りハンチは昂揚する自分を感じていた
伝わる感覚から、先程から声を出さぬようにしている少年も同様である事が分かる

「遠慮しないで…出しちゃって良いですよぅ？」
その言葉と共に、ハンチは口内奥深くへと少年のものを咥え込む
射精を促すように吸い付き、大きく顔を前後させる
程無くして少年は限界を迎え、ハンチの口内へと大量の精を放った

「まだまだ…元気ですねぇ…」
放たれた精液を飲み込み、口からはみ出た物すらも指でなぞり口へ運ぶ
舌先に精液を湛え、久々の好物を味わう子供のように口内へと運び味わう
少年のものは、ハンチの言葉通り未だ硬く熱を帯びたまま
ハンチは少年を見つめたまま立ち上がり、少年を身体ごとベッドの方向へと誘う様に手を差し伸べる
少年は嫌がる素振りも迷うことも無く従い、ハンチと共にベッドへと歩みを進める

「今夜は眠れせないって感じですかぁ？」
嬉しそうにそう言うハンチの肩に手を掛けた少年は、整えられたシーツのいハンチを押し倒し、衣服を脱がせ始めた

「もう…今日は積極的ですねぇ…」
その言葉にも返事をせず、ハンチから衣服を全て剥ぎ取り、少年はその裸体をまじまじと見つめ始めた

「どう…したんですかぁ？」
濡れた自身の身体を指でなぞりながら、ハンチはこちらを見下ろす少年を、上目遣いで見つめ返し誘うように乳房を弄り始めた

「あなたにしてもらってから…ずっと一人でしてたんですよ…」

「……知ってるよ」
自慰行為に没頭しようとしていたハンチに覆い被さり、その行為を手伝うように唇を重ね、舌を深い位置まで没入させる
少年のものはハンチのへそ付近に当たり、先端から生み出された潤滑油が擦り付けられる形となった

「勿体無い、ですね…」
唇を離し、端から漏れていた二人分の唾液を舌ですくいながら、ハンチは少年のものを再び口に含もうと、寝転ばした少年の下腹部に顔が来るように体勢を直した

「これなら…どっちも良くなれますね」
ハンチは少年のものを下から咥え込み、少年は上からハンチの愛液に塗れた割れ目に舌を這わせた
二つの音が合わさり、室内は淫靡な空間へと尚加速していった

どうにも筆が進まんな…
これから更に投下まで間が開くかもしれない

>>333
いつもＧＪ！
急かしはしないが続き楽しみにしてるよ。

気長に待ちます
投下乙であります

互いに性器を刺激し合い、何度目かの快楽の峠を越えた頃

「それじゃあ…そろそろ…」
ハンチは切なく、少年に懇願したが、当の少年は「何を？」と言わんばかりの表情でハンチの濡れた秘所に指を突き立てた
唾液塗れの少年のものを眼前に、ハンチは言葉を失ったまま少年の細い指を文字通り感じ取り、生み出される快感に身を任せた
水音を立てながら、少年は愛液溢れるハンチの秘所内を指で掻き混ぜた
ある一点を指が弄るたび、ハンチの喘ぎ声が高くなり、締め付けが強くなった

「そこ…はぁ、弱いぃ…ん！」
言葉が終わる前に、少年は指をその一点に集中的に擦り付け、ハンチが続ける筈だった言葉を掻き消した
指の動きは複雑に、腕自体の動きが早くなり、愛液は一層溢れ出る
ハンチは意味のある言葉を発する暇は無く、ただただ少年のされるがまま
やがて身体を僅かに震わせ、もはや数えることを忘れていた絶頂を迎い入れた

「もう…限界ですぅ…」
ハンチは息を整わせながら、少年にそう訴え掛けた
前座だけで幾度も絶頂を迎えたハンチは、既に腰から下に力が入らず、声も弱々しい

「じゃ…もう止める？」
自身のものを強く扱きながら、少年は残念そうにそう呟く
先端から玉となり、線となって垂れ落ちる潤滑液を指ですくい、全体に塗り付ける様は寂しそうで、ハンチは思わず

「あなたがしたいなら…して、良いですよ…？」
漸く力が入り始めた足を左右に開き、擦られた愛液が泡となり纏わり付いている秘所を指で押し開いて見せる
濃いピンク色のハンチの秘所は、呼吸に合わせひくつき、いつでも少年のものを受け入れいれられそうだった

「そのかわり、あなたが動いてくださいよぉ…」
顔を覆い、僅かに腰を浮かせたハンチは、恥かしさを堪えながらそう呟いた

さて…あと少しで終了と
実際これで抜けるのかねぇ…

抜くってか萌え？
ハンチさん萌え

支援支援

「ぁ…っんぁ…ぃ！」
仰向けに寝転んだハンチに覆い被さり、少年は一定のリズムで身体を動かしていた
まだ幼さすら残る少年に犯されているという背徳感が、いままで以上にハンチの思考を支配し、快感に浸り切らせていた
動きを止める事無く、少年は天井を向き揺れている硬くなったハンチの乳首を摘み、その動きを無理に止める
結果、ハンチの乳首は動かすべく働く運動を、全てその一点で受け止めた

「同時に…な、なんて…」
更に声を高くし、ハンチは手を少年に向ける

「この方が…気持ち良いんでしょ？」
その手にされるがまま抱き付かれた少年は、ハンチの乳房を弄りながら一層腰の動きを早め、リズムを小刻みなものへと変化させていった
少年に問い掛けに返答せず、ハンチは更に高まる声でその意図を伝えた

「もっとぉ…もっとぉ！」
数分後、ハンチは欲望にままに言葉を発し

「分かって…るよ！」
少年はその言葉に従い、更に腰の動きを強めた
二人の接合部からは、より粘度の高い水音が生まれ、白く泡立った互いの体液に塗れていた

「君は…僕だけのものだ…誰にも渡さない…！」
少年はうわ言の様に呟き、腰を密着させたまま喘ぐハンチの唇を塞ぐ

「何を…っ？」
その呟きへの問いかけを掻き消し、二人は暫しの間無言となる
その間も少年は動き続け、互いに強く密着したまま絶頂へと近づいていった

「もう…！」

「僕も…だっ！」
互いにそう声を掛け、再び無言のままひたすら快感を貪り合う
やがて少年の動きが止まり、ハンチの奥深くへと精を放った
その熱を感じたハンチは、追う様に絶頂を迎え、少年を全身で受け入れた
かくも静かに終焉を迎えた二人は、荒れた息遣いのまま眠りへと落ちていった

「君は…僕だけの…」
少年のうわ言は寝言に変わり、ハンチは薄れる意識のなか答える様にそっと呟いた

「大丈夫ですよ…私は貴方だけのものですから…」
薄れた意識はまどろみに沈み、続いた言葉掠れるほど弱々しい

「一生…離さないで下さいよぉ…」







ゆっくりな寝息を立てる二人は、強く互いの手を繋いでいた


そしてその寝顔はとても幸せそうなものだった



「 完 」

終了…と
正直引っ張り過ぎた（苦笑

感想宜しく

>>343
お疲れさん。ＧＪ！
おまえさんのSSはハンチさんが幸せそうですげー萌える。
また気が向いたらハンチさん物書いてくれ。

乙！
ハンチさん可愛いよハンチさん
ショタケルピー…

ＧＪ！
ショタ好きにはたまらない内容だったよ

次作も期待してるぜ

ふむ…そう言って貰えると書いた甲斐があったよ
>>345
ショタは苦手だったかな？

>>347
いやいや想像の斜め上を良い意味でいったからｗ苦手ではないよ
俺も次回期待してるぜ

そうか（笑
現在カイマナの非エロものを書いてる

期待せずに待っていてくれ

カイマナ物
直接的なエロは無い　　　はず

投下開始

山々が紅く色付き始めた頃、太陽が傾き始めた山中にて

「変態ぃ！ロリコォン！クソペド野郎ぉ！」

ーーーどこでそんな汚い言葉を覚えたんだ…？さっさと行くぞ

「日が昇る前から歩いてるのよ？いくらなんでも疲れるって！」

ーーーやかましい、まだ昼にもなっていないだろうが

「休ませろぉ〜！疲れたぁ〜」
ヒステリックな甲高い声が、人気の無い山中に山彦となり、その声とは比較出来ないほどの小さな鈍い音が、彼等が歩みを進める山道に遅れて響いた
それきり甲高い声は止まったが、そのかわりに唸り声が聞こえる

「く…痛ぁ……」
青年の頭頂部を手で擦り、涙を滲ませた甲高い声の主、美しい金髪の少女は、痛がりながらも先を歩く青年の後を追う

ーーー…山頂までは休み無しだ

「えぇ〜？！」
青年の背中を見つめるその視線は、親を見るものでも、兄を見るものでもない
極めて複雑な、少女自身も分からないのかも知れないその感情は如何なるものか
それはまだ分からない

「…ご馳走様でした」
山中の頂上付近で見つけた浅めの洞窟で、青年と少女は暖を取りつつ早めの夕食を食べ終えていた
塩辛い干し肉と少量の野菜類の煮物、味付けも質素な必要最低限の食事だが、少女は文句の一つも言わず全て平らげた
昼間とは別人と思えるほど、少女の態度は変わっている
二重人格と言っても差し支えないだろう

ーーーもしかしたら、こいつの根本はセエレと一緒なんじゃないだろうか…
何度も考えた事を再び思い、簡易食器をテキパキと片付ける少女の所作を見守る青年は溜息をついた

ーーーだとすると…この旅の終わりも近いかもしれんな
少女が元凶となり、引き起こされた帝国軍と連合軍の争い
結果、現在の世の混乱を生み出してしまった
少女自身に明確な意思があったとは思えないが、世界全て憎む程の感情を持った元凶であったことに変わりは無い
自分が何をしたのか、それをその眼で確かめさせ、一生を賭けて無理矢理にでも償わせるつもりだった
しかし少女は最近、青年に対しての態度はまるで変わらないが、僅かながらに心境が変化し始めているようだ
数日前に立ち寄った村では、焼け野原となった民家の跡地をただ呆然と見つめていた
なんの言葉を話さず、ただひたすらずっと見つめていた
宿場に泊まれば、夜中にそっと抜け出して村外れの墓地へと向かい、真新しい墓に何事か呟きながら祈っていた
翌朝何かを言うわけでもなく身支度を整えていた

ーーー受け入れ…始めたか
そんな結論に辿り着いた時、焚き火の向こうに座っている少女が立ち上がった

「カイム、練習に付き合ってよ」

ーーー…あぁ
青年は少女に促され、洞窟から少し離れた広さのある場所へと移動した
少女の手には、短めの杖“知識の杖”が握られている
以前、青年が数回使ったものだが、自分には合わないと判断した青年が少女に与えたもの
護身用兼魔力制御用に与えたそれは、普通子供が扱えるものでは無い
しかし少女は、僅かな期間で杖に籠められた魔力の解放に成功した
今ではその制御と、武具としての取り回し方を青年から教えられていた

ーーー手首を基点に回転させるんだ

「こう…？」
青年の手首の動きを真似、少女は杖を回して見せる

ーーー出来る限り回転は早くしろ。そうすれば非力なお前でも、相対した相手を振り払える筈だ
それから暫く、少女は慣れない動きに悪戦苦闘しながらも、杖の回転をより早くより安定させるべく練習に没頭
青年も時折助言を伝えるだけで、決して手取り足取り教えようとはしなかった
それは単に少女を煩わしく思っているからではなく、青年自身が少女に今までとは違う感情を抱きつつある事に気付いているからだった
洞窟から出て数刻後、青年は少女の肩に手を置き、回転していた杖を止めた

ーーーそろそろ終わりにしろ、腕に力が入らなくなってきただろう？
掴んだ杖を少女に渡し、背中を洞窟の方向へ軽く押す

「結構…そうかも…」
筋肉の張った右腕を触り、右手を何度か握り直しながら少女は青年と共に洞窟の中へと入っていった
焚き火が弱まり、壁に作られる影が薄くなり始める頃、洞窟内から二つの寝息が聞こえていた

>>351
誤字…
青年の は不要

カイマナｷﾀｰ！
続きがwktkだな

GJ！
続き楽しみにしてます！

このスレの救世主よ…GJ
マジありがてぇ

「やっと…着いたぁ〜…」

ーーー宿場は…あっちだな
小さな村へと辿り着いた青年と少女は、毎度変わらず各々の行動に移った
青年は真っ直ぐ宿屋へと向かい、一番安い二人部屋を予約
食料を買い込み、その他必要最低限の買い物を済ませ宿に閉じ篭る
装備類に異常が無いか調べ、必要とあらば修繕を行う

対し少女は、青年が買い物を済ませる僅かな間に辺りを散策する
必然的に目立つ金髪が、行き交う人々の視線を少女に集める事となるが、少女は一向に気にする様子は無い
と言うより、視線に気付かぬほどに辺りを見回している
未だ帝国軍の侵攻の爪痕が残る建物
無造作に伐り倒された木々が顔を覗かせる林道
その道に歩みを進めようとした時、青年から宿に戻るようにとの“声”が届いた
薄暗くなり始めた空を見上げ少女は回れ右、小走りで宿に向かった

やはり感想＝やる気だな
意欲が沸いて来る

気づかぬうちに新作きてた！
有難う

筆談でのやり取りはやはり手間取り、普通ならば数十秒で終わる会話が数分続いた

ーーーやはりマナを間に入れるべきだったな…
そう愚痴を思いながら荷物を持ち直し、宿の主人に背を向け階段を上がる
僅かに重くなった足を持ち上げながら部屋へと向かう青年の背中に、思い出したように宿の主人が声を掛けた

「子供も一緒だと言っていたが、間違っても夜は一人にしないようにな」

ーーー…なに？
階段の中頃で立ち止まり、宿の主人に疑問の眼差しを送ると、溜息と共にその理由を話した

「野党…のような者達が居てな。昼はそうでもないが、夜になると物騒なもんだ」
主人はそのまま言葉を切り、無言でカウンター奥の部屋へと消えた

ーーーような…か
再び階段を登りながら荷物を背負い直し、青年は部屋へと向かった

「美味しいね、この料理…」

ーーー…そうだな
二人の間には、炊いた白米を軸に、決して豪華では無いが不足では無い量と質の料理が並べられていた
久々の客だからとの、主人の計らいの様だ
全体的に濃い目の味付けが相成り、一段と食が進む
青年は全体の分量を考えながら、偏らない様見極めながら箸を動かし
少女はこれと決めた料理を集中的に食べ続ける

ーーー良く噛んで食え
その様子を見かねた青年が、注意を促したが

「ふぇ？ほぉんあこおいったって…ングッ！？」
注意のタイミングがやや遅かったのか、少女は頬張り過ぎた料理を喉に詰らせてしまった

ーーーだから言っただろう…
青年はそう呟きながら立ち上がり、苦しそうに喉元を叩く少女の背中擦り始めた

「グゥ…ン！……ふぅ…」
青年に擦られた事が良かったのか、すぐに少女は料理を飲み込んだ

ーーー大丈夫か？
青年の言葉は極めて穏やか
端から見れば、十中八九親子と思われるだろう

「うん…なんとか…」
息を整わぬうち、短くそう返事をした少女の背中を、青年は暫くの間擦っていた




食事を始めて一時間余り、青年と少女は椅子に深く腰掛け食休みとなった

「カイムとこうして過ごすのも…もう一年になるかな…」
指を折りながら、少女はそう青年に語りかけた

ーーー…後二日程でな
青年は短く答えたきり、顔を天井に向け黙り込む
少女は何か言いたげだったが、思い直した様にやはり黙り込んだ
その沈黙が暫く続き、少女は居辛さから席を立ち部屋から出ようと歩き、ドアを開けた
青年はその後姿を見届け、小さく溜息をついた

GJ！
毎回楽しみに拝読してますぜ！

まとめ追加したいけど、管理人じゃないとできないんだろうなぁ
誰か作れるスキル持ってるやついないのかな・・・

ーーー俺は何をやっているんだ…
青白い満月の下、青年は愛用の長剣すら携えずに立ち尽くす
壁を背に、曲がり角の先の墓地を歩く少女を見守っていた
その少女は、先程から墓に刻まれた文字を読み取り、特定の墓の前で何事か呟きながら祈っていた
こちらに背を向け、距離もあるため何と呟いているかは分からないが、その背中からは悲しみの様なものが伝わってくる
一つの墓に十分以上時間を掛け祈り、また別の墓へと移動をする

ーーーこれを毎回していたわけか…
青年は改めて、少女の心情の変化を感じ取った
まだ冬では無いとは言え、決して夜歩き回ることが容易なほど暖かくは無い
防寒着を着ているならともかく、少女はいつもと変わらぬ薄手の服を着ている
しかも身震いをすることも無く、只管祈り続ける
その姿に以前の様な禍々しさは無く、健気なまでに、戦火にて命を失った者達を想い、祈る
青年がその様子を見守り始めて既に数時間、おそらく一番新しい墓の前で少女は一段と長く祈っていた
青年から一番近い位置にあるその墓は、彫られた文字から少女と然程変わらぬ少年のものだと分かる
そして近いが故に、少女の呟きも鮮明に聞こえる

「ごめんなさい…本当にごめんなさい…」

その声は儚げで

「許されるとは思っていません…私がそっちに逝った時、どんな責めでも受けるつもりです…」

溢れ出た涙は

「だから…お願いですから…このままカイムと旅をすることを許してください…」

頬を伝って零れ落ち

「カイムは私を見てくれます…怒ってもくれるし、褒めてくれもします…」

組まれた細く白い指は

「温かい食事もくれます…寒いときは毛布をくれます…」

小刻みに震え

「でもカイムは私を恨んでいます…当然です…」

独白とも言えるそれは

「だけど私には初めての“家族”なんです…」

とても切なく

「犯した罪の償いは必ずします…だから…だからどうか、カイムと一緒に過ごす事を許してください…」

とても些細なものだった

>>363
一応自分のサイトには保存してあるけど、いずれ無くなるのはちと寂しい…
誰か居ないものかね…

続き楽しみにしてます
このスレ人少ないみたいですね……
DODも結構昔のゲームだし、仕方ないかもしれないけど
最近はまった自分にとってはこのスレはありがたいです

>>366
まて・・・・サイト・・・・だと・・・
うｐ

wikiで作ってみるのも手かな・・・
といっても他の人がやってくれるのを待つわけだが

昔携帯で作ったサイトだから安い作りだし
ここで書いたやつ以外は携帯向けなんよ

俺には管理の知識は無い
故に他力本願

ーーー家族…か
少女の独白を聴き、青年はその言葉を反復した
いつからか、青年も少女に対する感情が変わっていた
戦火の元凶から、手の掛かる子供…
青年自身も理解出来なかったその変化を、今、理解した様な気がした

ーーー寂しさ…か
とうの昔に失った“家族”

ーーー俺とマナが…か

天を仰ぎ、言葉を紡ぐ
次々と浮かぶ言葉に、青年は思考を集中させた
結果的にそれが、少女から目を離す原因となった

「まったく…今日は散々な日だな」

「だがまぁ、上物の女が手に入ったんだ。良しとしようぜ」

「今晩は眠れないと思うんだな…」
擦り切れた布を上着代わりにした、明らかに真っ当な人間ではない男が三人、墓地内へと大声で喋りながら現れた
腰には、物騒にも剥き出しのままの短剣がぶら下がっている
その男達の背後には、鎖で固定された手枷と猿轡で拘束された女性が、引きずられる様に歩かされていた

「おぉ？なんでこんな時間、墓場に子供がいるんだ？」
男達の進行方向左側にいた少女は、男達に気付く事無く未だ祈りを捧げていた

「さぁな…それよりさっさと戻ろうぜ？凍えちまうよ」

「だな…早いとこ暖まりたいもんだ」
一人の男は少女を気に掛ける事も無く歩き出し、続いて女性を引っ張りながらもう一人の男も歩き出す
しかし残りの一人、少女の存在に気付いた男は少女へと近付く

「またか…あいつの趣味は分からんな」

「ほっとけ…」
呆れた様にそう呟き、二人の男は墓地の奥にある小屋へ向かい

「こりゃ…楽しめそうだ…」
残った男は少女へと歩みを進めた

ーーーん…？
気が付くと、僅かに聞こえていたはずの少女の祈りが聴こえなくなっていた
祈りはもう終わったのか
そう考えながら少女がいる筈の墓地を覗き込むが、その姿はどこにも見えない

ーーー宿に…戻ったのか？
最初はそう思ったが、少し考えれば地理的に青年の前を通らねば宿には戻れないことが分かる
辺りを見回りながら墓地へと進むが、墓地内に少女の姿は無かった

ーーー………これは…
最後に少女が祈りを捧げていた墓
その前には少女のものと思われる足跡と、大人のものと思われる足跡が残っていた
しかもその足跡は、争った様に入り乱れていた

ーーーまさか…！？
宿の主人の言葉を思い出し、青年はその入り乱れた足跡を確認ｓつつ少女へと“声”を送った
しかしその“声”に少女が明確に答えることは無く、叫びとも言える“声”だけが、山彦のように何度も聞こえてきた

ーーーくそっ…！
青年は自分を戒めるように舌打ちをし、足跡から推測される、少女が連れ去られた方向へと走り出した

またしても乙
楽しみだ

カイマナは和む

ーーーどこだ…どこだどこだ…どこだ？！
足跡を頼りに、青年は墓地内を駆け回っていた

ーーーどこだ？！マナ！
しかし石畳を境に痕跡は消え、大まかな方向すらも分からなくなってしまった
青年は足を止め“声”を放ち、少女の居場所を探ろうとするが返事は返ってこない

ーーーくそっ…
青年は苛立ちを隠さず、足元に転がった石ころを乱暴に蹴り上げた
風の音のみがしていた墓地に、乾いた音が紛れ込む

ーーー…考えろ…マナをさらったのならそう遠くには行けない筈だ…
瞳を閉じ、深呼吸をしつつ思案を張り巡らせる

ーーー町への方向には行かないはず…なら…
ゆっくりと開かれた瞳は、月明かりに照らされた深く木々が生い茂る森へと向けられた
その瞬間、風に揺れる枝の隙間から、ほんの少しだけ光が漏れた
そして少女の叫びが、その隙間を縫う様に青年の耳に届く

ーーーそっちか…！
瞬間、青年の身体は翼を得た様に飛び、数個の墓を踏み台に、墓地を囲む塀を飛び越えた

ーーーそこか…！
走り続けた数分間、青年の拳は硬く握り締められていた
森を抜け視界が開けば、一軒の小屋が目に付く
ドアに寄り掛かる詰まらなそうな表情の男は、青年に気付く事も無く愚痴を呟いていた

「またあいつの後か…女が壊れなきゃいいが…」
格好から、男が野党ではと推測していたが、確証は無い
しかしその呟きは、推測を確固たる確証へと変えるには十分だった
瞬間的に、その男が少女をさらった野党だと青年は判断し、怒りの感情を剥き出しに正面から接近する

「なんだぁ？なんかよ…」
さすがに青年に気付いた様だったが、言葉を言い終わる前に青年の拳により顔面を強打
後頭部を扉に叩き付けられ意識を失い、声すらも発せず倒れ込む

ーーーマナ…無事でいろ…
少女の身を案じ、青年はドアノブへと手を掛けた

乙！
今回はまたニクい所で終わるな〜。続きが楽しみだ。
マナは無事なのか気になるぜ

線が「ー」なのに違和感が…

どういうこと？

文章を「戦いはやめてー」みたいに伸ばす役割の線だからかな？
―――でもいいしーーーでもいいと思う

支援支援

ーーーを使う理由は、“声”が実際の声と全く同じものではないからで、
―――だと普通に頭で考えた事じゃないかって考えてる

まぁ個性だと思ってくれるとありがたい

今更だけどGJ
カイマナ好きなんで続き楽しみにしているよ

「なんだぁ…今の音は…」
猿轡と、腕の自由を奪う拘束具を付けられた女を前に、男はズボンを脱ごうと手を掛けたが、部屋…というよりは小屋の外から聞こえた音が気になっていた

「おい！どうした？なんかあったか？」
そのままの体勢で大声でそう訊ねるが、返事は一向に聞こえない
様子を見ようと部屋の扉に手を掛けた時、扉の向こうの廊下に人の気配を感じた

「ったく…ふざけるのも大概にしろよ」
外で見張りをさせていた仲間が待ち切れなくなっただと考え、扉を開けながらそう呟く
しかし扉越しの人物が、予想した仲間では無いという事をすぐに、身を持って理解した
扉を突き破り現れた拳が、男の顔面を捉え、頭部を掴み上げる

「な…んだ？！」
男の驚きは正しいもの
扉を拳で突き破るなど、とても人間の力で出来るものでは無いし、ましてや片手で成人した男を掴み上げる事などあり得ない筈である
しかし事実として、男の身体は僅かだが床から離れている

「ぁぐ…げ…」
足を力の限り振るい、頭部を掴み上げる腕に必死に拳を振るうが、その健闘は虚しい結果に終わった
頭蓋骨に指がめり込むと言う感覚と、凄まじいまでの激痛が男を襲い、そのまま死出の旅立ちと相成った

ーーー…ここでは無い…か
拳を引き抜き、何かがつかえて開かない扉を開け放った青年は、さも残念そうに呟き、拘束具を付けられた女を見下ろした
女は安堵し、強張っていた表情を僅かに緩めた
その視線に何かを感じた青年は、頭蓋骨が不恰好に歪み、白目を剥いた死体の脇に立て掛けられた短剣を掴み、迷い無く女にむけ刃を振るった
女は堪らず瞳を閉じたが、次の瞬間には手枷と轡のみが破壊されていた

「あ…ありがとう」
青年に礼を言い、自分が何も着ていないことの気付いた女は恥かしそうに身を手で隠す
しかし青年はお構い無しに女に近付き、手を女の顔に沿わせる様に伸ばす
女はその行動に驚きはしたが、青年に邪な雰囲気が無いことから目に見える抵抗はしなかった

ーーー小さい…金髪の少女を見なかったか？
女の額に自分の額を付け、少々強引に“声”を女に飛ばす
女は、突如頭に響いた青年の“声”に困惑したものの、青年の言葉に思い当たる節があった

「奥の部屋に連れて行か…」
女の言葉を最後まで聞かず、青年は飛び上がるように部屋を出る
女はその行動に驚きはしたが、すぐにその意図を理解した
新たな扉に向う、青年の短剣を握る手には一層力が込められていた
先程よりも頑強な造りの扉を前に、青年は無言のまま足を振り上げた



同時刻、もう一つの部屋にて



「いやぁ…いやぁ！」

「騒いだって誰も来やしねぇよ！」
雑な造りのベットに追いやられた少女は、目の前の男の物言いから自分がどうなってしまうかを悟り、可能な限りの抵抗をしていた
しかし相手は大柄の男
少女の力だけで押し退ける事は出来ない

「騒いでくれた方が俺は楽しめるからな…」
少女の身体を舐める様に視線を這わせ、その服に手を掛ける

「カイム…助けてよぉ…」
抵抗虚しく、少女は上着を奪われ下着すらも剥ぎ取られようとしていた

「そりゃお前の父ちゃんか何かか？いくら呼んでも無駄だってまだ分からないか？」
男は少女の手首を掴み上げ、まだ成長し始めたばかりの小さな乳房をあらわとした
まだ自身ですら弄ったことも無い乳房は、あまりの恐怖に硬直してしまっている

「はは…こりゃまた…」
その様子に、男は更に興奮した様な声を上げ舌をだらしなく口からはみ出させながら顔を近づける

「い…やぁ…」
精一杯身体に力を込め最後の抵抗としたが、それもあえなく男の力に押さえ込まれた

「カイ…ム…」
男の舌が少女の乳房へと伸ばされる直前、閂により厳重に施錠された扉が、何者かにより破壊された

ふぅ・・・・
ロリコンにはたまらんですたい

次も楽しみにしてますよ！

いつも乙
同じくマナ好きにはたまらんですたい

ーーー…見つけた
扉を蹴り破り現われた青年は、衣服を剥ぎ取られているものの、男の毒牙に掛かる事無くいる少女の姿に安堵の表情を見せた
そしてその男へ向け、怒りの全てを突き刺す様に睨む眼力に籠める

「お前は…！？」
突如現われた青年に驚き、男は思わず少女を押え付けていた手から力を抜いてしまった

「カイム…！」
少女はその隙に男の手から抜け出し、青年に向け駆け出す

「逃がすわけ無いだ…!？」
少女を逃がすまいと手を伸ばしたが、その手は何も掴まえる事は無かった
それどころか少女を掴まえるため、握り締めたはずの拳の感覚は無く、変わりに熱い様な感覚が手首から腕、全身へと伝わる

「…あ？」

ーーー……下衆が
いつの間にか青年は左足を踏み込み、右手に持った短刀を下から上へと振り抜いていた
風を切る音が男の耳に届き、それが短剣を振るった音だと気付いた頃には、向かいの壁に赤一色で抽象的な絵画が描かれていた

「なん…で…？！」
次いで激痛が男の身体を駆巡り、部屋は勿論辺り一帯に響き渡る程の悲鳴を轟かせた

「俺の…手がぁぁぁぁぁぁ！？」
指し伸ばされた筈の右手は青年のより斬り落され、鮮血が骨すらも滑らかに斬られた手首から噴き出す
足元には先程まで男のものであった手が無造作に転がっていた
男は当然、斬られた手首を止血するためにも左手で握り締める
しかし完全に切断されてしまった手首からの出血は止まらず、只叫びながら血を振り撒いているだけである

「カイム…？」
飛び付く様に抱き付いた少女を、青年は膝をつき二三度撫で

ーーー遅れた…すまなかった、マナ
そう“声”を伝え、少女の頬を伝った涙を空いた左手の指で拭いつつ、自身の胸へと少女を導き、優しく、それでいて力強くしっかりと抱き締めた
少女の瞳からは先程とはまた違う涙が溢れ、青年の胸を濡らした

ＧＪ！

ＧＪです
いつも楽しみに拝見させていただいています

続きを待ってます

てか一人の職人だけで成り立ってるスレって珍しいよな

DODがそれだけ名作ってことか？

正直1人でも本当ありがたい
エロパロはここの他にあと2つ通っているとこあるんだが
職人は疎か人が少な過ぎで閑古鳥状態とか泣ける

毎週投下があるのは幸せなんだぜ
しかしそれだけに保管庫が機能しないのが悔やまれる

全体的に書き手は少ない…？
俺は感想が貰えるから書いていられる

単純にDODが好きってのもあるがね

でもってそろそろ終わらせる予定
次は何を書くか…

青年は泣きじゃくる少女を撫で続けていた
ただずっと、少女の頭を撫で続けた

「怖…かったぁ…カイム…」

ーーーもう大丈夫だ…さぁ、帰るぞ
恐怖からの解放に泣き止まぬ少女にそう伝え、青年は少女を抱き抱えるようにその身体を自身へと引き寄せる
左手一本で少女を支え、青年が立ち上がろうとすると、視界に叫び続けている男の姿が入った

「俺の腕がぁっ…」

ーーー………
叫び続ける男へ目掛け、青年は無言のまま短剣を投げ付けた
またもや風が切る音
そして短剣が突き刺さる音と共に男の叫び声が止まり、倒れる音の後、青年の耳には少女の泣き声と風の音だけが聞こえていた
立ち上がった青年は、貫かれた男の喉から溢れる血を見つめ、その死を確認し漸く小屋を出ようと踵を返す
部屋を出た時に、最初の踏み込んだ部屋にいた女がシーツで身体を隠しながら現われたが、青年は顎で付いて来る様にとだけ伝え、小屋を出ていった
女は迷いながらも青年の後を追う
青年の胸の中で、少女はずっと青年の名を呼び続けていた
感謝の意を、安堵の意を籠め、ずっと泣き声の中呼び続けていた



翌日、町外れの小屋から二つの死体が見つかったが、札付きの悪人として知れ渡っていた者達だった事もあり、特に犯人探しは行われなかった

GJ！マナかわいすぎて萌ゆる
次回作も楽しみだぜ

青年と少女の組み合わせって萌える
２もこのペアの話ならよかったのに

いつも乙！
マナ可愛いよマナ

ちょっと待ってくれ…まだ続きはあるんだが…

じゃあとにかく書いてくれよｗ
焦らすのが好きなお方だぜ

どんなペースでも書いてくれるのは嬉しいので

泣き続ける少女を抱き抱え、シーツのみで身体を隠す女を引き連れて帰ってきた事に、宿の主人は目を見開いて驚いていた
しかし女が事情を話し、なんとか理解したようだった
青年が部屋に戻ろうと階段を上がると、主人はその青年の背中に声を掛けた

「身体が冷えてるだろう？少々温いかもしれないが風呂に入ってくれ」
いつもならば無言を以って断るところだったが、胸の中で無く少女の冷たさに主人の厚意を受けることにした

主人の案内で開いた扉の先には、予想以上の光景が広がっていた
成人男性が四人は優々と足を伸ばせるだけの浴槽に、金属鏡まで据え付けられている
湯は並々に張られ、立ち昇る湯気が浴室を暖めていた

ーーーこれは…
青年は少女を抱き抱えたまま、浴室の入り口で立ち止まってしまった
とてもではないが、厚意で勧められるほど安い浴槽ではない
設備の維持を含め、かなりの金銭が無くなるだろう
その浴場を厚意だけで使わせるなど、主人への負担が大きすぎる
そんな青年の考えを察したのか、主人は青年の肩に手を置き、そっと呟いた

「誰が好き好んで小さな子供を泣かせる？寒さに身を震わせているのを見過ごす？」
その言葉は真っ直ぐで、当然の事だと言ってのける

「落ち着こうにも、こう寒くちゃぁな。しっかり暖まりなよ」
青年の胸で咽び泣く少女にそう声を掛け、主人は脱衣所から出て行った

片手で少女を抱いたまま、青年は迷うながらも衣服を全て脱いでいた
次いで少女の衣服に手を掛けたが、少女は泣いたまま

ーーーマナ…主人の厚意を無駄にはするな
そう囁き、少女に服を脱ぐ様促す

「………分かってる…」
少女は小さな声で返事をし、青年に自分を下ろす様に伝えた
多少ふらついたが、少女は青年の胸から下り、青年に背を向けたまま服を脱いだ
重力に引かれ、肩に掛かっていただけの服はさらりと落ち、細い背中が露となる
その背中は弱々しく、不安にすらなる程だった

ーーー食べ盛りの時期だからな…無理をさせていた様だな
自分を戒めるようにそう考えた青年は、ある考えを思い浮かべ、必ず実行すると心に決めた

「…カイム？」
目を赤く充血させた少女の眼が、考え込んでいた青年を見上げていた

ーーー…あぁ、すまない
青年はそんな少女の頭を撫で、共に浴室へと足を踏み入れた

ーーー先ずは身体を洗うぞ
少女を椅子に腰掛けさせ、青年は桶に湯を汲み石鹸を両手で泡立てた
湯を少女の頭から掛け、濡れた髪を泡を纏った両手で頭頂部からゆっくりと洗う
少女は青年に身を委ねたまま
一通り髪を洗い終わり、そのまま身体にも青年の手は進む
背中から胸へと手が移動する時、少女は僅かに肩を震わせた

ーーー……自分で洗うか？
青年は動きを止め、少女に問いかける

「ちょっと…驚いただけ…カイムなら…平気だから…」

ーーー…そうか
青年は少女の言葉に安堵し、再び少女の身体を洗い始めた
数分後、三度湯を掛けられ湯船に向った少女は、青年に促されるまま湯に身体を浸した

「温かいねぇ…」

ーーーまったくだな…
青年も身体を洗い終え、少女と共に湯に浸かっていた
おそらく温泉の類なのだろう
身体の温まり具合と湯の香りから、青年がそんな事を考えていると、隣で湯に浸かっていた少女が擦り寄り、その腕に触れた

「ありがとう…本当に…」
何か言いたそうに少女に対し

ーーー…気にするな
青年はそう良いながら、湯をすくい顔を洗う
そのまま手を顔から離さず、呟くように少女に語りかけた

ーーー罪を受け入れた者を、敢えて再び責める事無かれ
自分自身にも言い聞かせるように、青年は呟く

ーーー贖罪を経た者は、己で己を罰せられるが故…
青年は変わらず顔を隠したまま

ーーー贖罪者には免罪を…そして友愛の抱擁を…
それきり青年は言葉を切り、黙り込む

「…………？」
少女がその意味を理解するまで時間が掛かったが、それが自分を指す言葉だと気付くと、また涙が二つの瞼から溢れた

ーーー親父に叩き込まれた教えの一つだ…
手を顔から離し、青年は涙ぐむ少女の頭を数回撫でた後、浴槽から立ち上がった

ーーーそろそろ上がろう…

「………うんっ！」
依然とは比べ物にならないほどの笑顔を浮かべ、少女は浴槽から立ち上がり、脱衣所に向う青年を追いかける様に歩みを進めた

乙
カイム話せなくても思考飛ばせるのは便利だよな

GJ！

主人格好いいwww

さぁ…次の次でラストだ
勢いで書いた面もあるから細かいミスは許してくれな

「ねぇ…カイム…」

ーーーどうした？
部屋に戻り、暖炉に薪をくべようとしていた青年に、一足早くベッドの上で毛布に包まっていた少女が声を掛けた
毛布の中で、またも主人の厚意で貸して貰った、寝返りをするたび乱れる少々大きさの合わない寝間着を直しながら、遠慮がちな声だった

「お願いが…あるんだけど…」

ーーーなんだ？
青年の、少女に対する受け答えの変化は如実に変わっていた
少女の真意を、そして何より自分の本心を知った青年にとっては当たり前のことだが、少女にとってはいまだ慣れられない事だ
だからこそ、青年を試すような事お願いを、少女は青年にしたかった

「あのさ…その…」
戸惑い、言葉が詰る
青年は少女の方に向き直り、少女の言葉を、そのお願いが何なのか待っている
青年の表情は穏やかで、少女が見た中で一番優しい表情だ

「今夜…さ…」
言葉を選びながら

「い…一緒に…」
毛布で顔を半分以上隠し

「寝ちゃ…駄目…かな？」
絞り出された声は、恥かしそうなものでもあった

「カイムに…抱っこされると…安心するんだ…」
もう毛布は頭の上までに達し、声はやや聞き取りにくくなっていた

ーーー………
青年は返事すらせず、その言葉に驚いているようだった

「嫌なら…いいけど…」
毛布から顔を少し出し、少女は青年をちらりと見た
青年は僅かに笑みを浮かべ、暖炉にくべようとしていた薪を暖炉の脇へと置いた

ーーーそっちのベッドは少し狭い、俺の方のベッドにしろ
僅かに手に付いた煤を叩き落としながら、青年は少女に向けそう伝え、ベッドに近付いた

ーーー明日は早く起きる必要は無い…ゆっくり寝ても構わん
自身のベッドの寝転び、丁度少女が眠れるだけ身体を壁側にずらす

ーーー…早くしろ
ぶっきら棒にそう伝える青年に、一瞬思考が止まった少女だったが、おずおずと毛布から抜け出し、青年へと近付いた
青年は少女が入りやすいように毛布を片手で上げ、少女はその毛布の中へ潜り込んだ
青年の真横に寝そべった少女は、青年に抱き付く様に擦り寄り、青年も少女の背中に手をやり互いの距離を短くする


「ねぇ…カイム……ぉ……って呼んでも…良い？」
青年の胸元で呟かれた言葉は、小さ過ぎて青年の耳には届かなかった

ーーー…どうした？
聞き返す青年だったが

「…なんでもないや」
少女は青年の胸に顔を埋め、そう言い直した

ーーーそうか
青年は微笑を浮かべ、瞳を閉じた
少女も追う様に瞳を閉じ、眠りについた
数刻後、部屋には二つの寝息が聞こえていた

少女の寝顔は、まるで父の胸で眠る子供の様に、安らかで、安心し切った寝顔だった

改行し過ぎで分割するはめに…orz

おとうさん！

これはフヒる
GJ

GJ！
なんかホロリときたよ

フヒる吹いた
そして自分もフヒった
超GJ!

「皆さん、後少しで追っ手を振り切れる筈です。頑張ってください」
襤褸切れで身を覆った百余人の人々に、声を掛ける一人の金髪の女性
凛とした物腰で、威厳すら感じさせる彼女は、現在世界で最大権力を誇る封印騎士団にとっての反逆者
そしてその封印騎士団に“贄”と呼ばれる人々にとっての“聖女”であった
囚われの身であった人々を助け、次々と封印騎士団にとって重要な“直轄区”を襲撃、正義の名目で固められたそれを滅している

ーーー追っ手が数十人…片付けてくる
切り立った崖の谷間の、彼女より尚前を進んでいた一人の男が、彼女にそう“声”を飛ばす

ーーー挟み撃ちの可能性もある…これ以上は進むな
そう助言をも彼女に伝え、男は後方の人々をかき分けながら今来た道を戻り始めた

ーーー分かりました、無理はしないで下さいね

ーーー分かってるさ…
彼女の忠告に片手を上げ答えた男は、歩く人々が疎らになると歩みを速め、使い込まれた長剣を構えると同時に走り出す
表情は決意に満ち力強く、その背中には人を安心させる何かがあった

「皆さん！一度足を止めてください。休憩としましょう」
男が走り去った事で、大まかな状況を理解していた人々は特に何を言うわけではなく歩みを止める
暫しの小休止…各々腰を下ろし、自然と会話が始まった
傷を負った者の手当てをする者、己の子供に何事か教えている者
そして周囲を警戒していた“聖女”に話しかける者もいた

「“聖女”様とあのお方は…何故私達にここまでして下さるのでしょう？」
掠れる様な声のその老人は、恭しく手を合わせながら、遠慮がちにそう問いかけた
突然の質問だったが、彼女は迷うことも無くこう答えた

「…父も私も、これが正しい事と考えています」
たった一人で追っ手を切り伏せる男を想う

「それに、皆さんがこんな仕打ちに遭っているのは私の所為でもあるのですから…」
僅かに視線を下げ、思い詰める様に止める
そして何度考えたか分からないほど考えたぬいた、自分の生きる理由を言葉にした

「私が壊した世界は、私が直さねばなりません」

「そして私を救ってくれた父に恩返しをしたい」

「なにより…母を、助けなくてはいけませんから」

終了…と
ところでフヒるってなにさ？

次作はネタすらない状態…なに書こ…

>>418
フヒヒヒってなったからその気持ちを表すために作った言葉です

とにかく乙でした
次回もゆっくりでいいので、期待してます

いい話だった
こんな２が見たかった
お疲れ様です　またネタができたらお願いします！

ほんとによ・・・
こんな２がやりたかったぜ・・・

もうノウェそこら辺のボスでいいよ
カイムさまぁあ！

>>418
個人的にカイム×フリアエが読みたいな
ぶっちゃけエロは有りでも無しでもどっちでも良いワ

そこまで言われるとは…

とりあえず方向は決まったんで待っててくれ
公式設定資料集を手に入れたんでモチベーションはたかいんだ（笑

待ってるよ〜

>公式設定資料集を手に入れたんで
なん…だと…

まぁそれはそうと楽しみにしている

フリアエ物
但し短くなる予定

「上空の雑魚共は我に任せよ」
赤き竜は翼を広げ、上空を滑空しているグリフォンへと飛び立った

「さぁ、急ぎましょう！」
盲目の隠者、レオナールは急かす様に叫び

「また…？大人は美味しくない…」
物静かにも見えるエルフ、アリオーシュは気だるそうに呟き

「ささ、女神よお早く！」
神官長ヴェルドレは、いつもの様に女神と呼ばれた若い女の手を引いて、一番頑丈に作られたテントへと向かった
帝国軍による度重なる侵攻により、女神を護衛する連合兵達はその多くが負傷している
そこに斥侯により強襲され、戦える兵は数えるほど

ーーー俺達が逃せばこの野営地は陥ちる！一人たりとも討ち洩らすな！
契約者たちにそう“声”を放ち、自身も愛用の長剣を握り締めた青年は、女神の兄にしてこの野営地の主戦力

「兄さん…！」
その兄の身を案じ、女神は声を掛けたが、駆け回る味方の足音で掻き消されてしまった

>公式設定資料
原画たら初期設定やらが満載で最高の資料だよ

値は張ったが（苦笑

乙乙。
本スレでも時々手に入らneeeeeeとか高eeeeeeeとか話題に上るのは1資料集だっけ

今のスレタイも【高い】【資料集】だしな
裏山鹿

おお新作が
世間ではヒロインはアンヘル派が多いようだが俺のヒロインはフリアエ
続きも楽しみにしてます

アンヘルはヒロインというより深く信頼できる仲間って感じだったな
周りが皆ああだったから余計に…
だから俺もヒロインはフリアエって感じかも

新作おつです。応援してます。

尼で壱萬で買えたよ
今見たら倍になってた（笑

今回のは期待しないでくれよ？
クリスマス物と平行でやってるから

まぁ一応公式でヒロインって明言されてんのはフリアエなんだけどな
個人的にアンヘルは裏ヒロインとかそんな位置付けのような感じがする

>>429
2の方も馬鹿高い…

ってか1万って、買ったんか…勇者だ…

DRAG　ON DRAGOON・DRAG　ON DRAGOON２　各６８００円
攻略本　１４００円
公式設定資料集　１２４００円
LOV　カイム・アンヘル　各３０００円

得た感動及び出来上がったSS

PRICELESS！

ハンチ「いやぁ〜雪ですよ雪！寒いわけですねぇ〜」

アリオーシュ「子供が居ない…寒いから？」

フリアエ「皆さん…クリスマスですがなにか予定は？…私は特にありませんが…」

アンヘル「我が人間の作り出したくだらない行事に合わせる必要などあるまい…」

マナ「ここにいるんだもの！あるわけ無いじゃない！」

ハンチ「マナさんの言うとおりですよぉ…」

フリアエ「…ですよね」

アリオーシュ「子供…私の子供はどこ…？」

フリアエ「……（マナちゃんは子供と思ってないのでしょうか？）」

ハンチ「……（さすがに手を出したらまずいと分かっているんじゃないですかぁ？）」

フリアエ「……（でしょうか…）」

アンヘル「……（狂っても契約者だ、そのあたりの分別くらいつくのだろう）」

ハンチ「ところで、クリスマス＝カップルが※※※※する日だそうですねぇ」

フリアエ「らしい…ですね…」

マナ「だから何？私達にはなんにも関係ないじゃない」

ハンチ「ですよねぇ…（マナさんはどうしたって関係無いような…）」

アンヘル「何かにつけて発情するのだな…人間は」

ハンチ「お相手が居るだけ羨ましいですよぉぅ、アンヘルさんは」

アンヘル「…どこの口が吐き出した言葉だ…我は高貴なるドラゴンなるぞ」

ハンチ「でもでもぉ〜カイムさんが居るじゃないですかぁ？」

アンヘル「何を…言っておるか…」

ハンチ「だって…ねぇ？」

フリアエ「前も…特別寒かった夜に一緒に寝てました…よね？」

アンヘル「あ、あれはあ奴が勝手に来ただけの話で…」

ハンチ「でもでもぉ、毛布まで持ち込んでたらしいじゃないですかぁ」

アンヘル「う…ぐ…」

マナ「なになに？あやしいとは思ってたけど、やっぱりふたりはできてたの？」

アンヘル「我とあ奴は…その…」

ハンチ「……（予想以上にうろたえますね）」

フリアエ「……（心なしか声も…その…女らしいというか…）」

アンヘル「契約関係におるのだ…多少の気遣いは当然…だ…」

ハンチ「多少の気遣いで、あの寒さの中一緒に寝たりしますか？」

アンヘル「……えぇい！もう良いわ！詰る所お主達は何を言いたいのだ！」

フリアエ「それは…」

ハンチ「せっかくのクリスマスなんですからぁ…」

マナ「思い切って…」

フリアエ・ハンチ・マナ「「「※※※※したいって言ってみれば？」」」

アンヘル「ば…馬鹿な事を言うなぁぁぁぁ！」

フリアエ「…行っちゃいましたね」

ハンチ「でもあっちは…確かカイムさんが居たような…」

マナ「やっぱり…」

アリオーシュ「……子供が居ないなら…帰る」

フリアエ「アリオーシュさんも…行っちゃいましたね」

マナ「あたしも帰ろうかな、寒いし」

セエレ「マナ〜？どこ〜？」

マナ「うわっ…五月蝿い奴が来た…！」

ハンチ「双子とはいえ…羨ましいですねぇ」

フリアエ「兄妹…なのに…」

ハンチ「……（あちゃ〜…まずい事言っちゃいましたねぇ…）」

フリアエ「……兄さ…」

イウヴァルド「フリアエ！そろそろ宿に戻らぬと身体に障るぞ！?」

フリアエ「イウヴァルド……？…では、私も失礼します…」

ハンチ「なんだかんだで、皆さんお相手が居るじゃないですか…」

ハンチ「一人は寂しいものですよぅ…」

ハンチ「ふぅ…寒くなってきましたね…」

ハンチ「私も宿に戻りますかねぇ…」

ハンチ「それでは、私も帰りますねぇ…さようなら〜…」





ハンチ「ぁあぁそうでした…忘れてましたよぅ」

ハンチ「皆さん、メリ〜クリスマ〜ス…ですぅ」

ハンチ「はぁ…寂しい…」

一方その頃、天井の破壊された宿の一室にて

　　||＼∧___＿＿＿＿
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　 ＼ |＿＿＿＿＿＿＿＿＿｜

ずれたorz

ハンチさんにはケルぴーがいるじゃないか

ハンチ「ぁあぁそうでした…忘れてましたよぅ」

ハンチ「皆さん、メリ〜クリスマ〜ス…ですぅ」

ハンチ「はぁ…寂しい…って、あら？」

ケルピー「……ねぇ、早く一緒に帰ろ？」

ハンチ「………そんなこと言って…今日は寝かせませんよ？なんて…」

ケルピー「大丈夫…僕は元々そのつもりだから…」

ハンチ「………」

差し替え（苦笑

女性キャラメインか…

野郎キャラメインのも読みたいものだ

ここは絵の投下もＯＫなの?

ＯＫどころか大歓迎だ

前に超萌なアンヘルﾀﾝ投下してくれた絵師がいたな
アレは良かった

>>450
俺、それ見そこなったんよ…
みてぇ…

投下止まっちゃったな…

元々職人さん一人しかいなかったし
年末は色々忙しいだろう

絵の投下はいつでも待ってる

さて、部屋の改装で投下が滞ってしまったが、なんとか投下可能になったよ
では…ごゆるりと

「今回も…何とかなると良いが…」
女神をテント内に押しやり、ヴェルドレは遠く獅子奮迅する三人の契約者達を眺めていた
アリオーシュ、カイムが敵陣に突貫し、レオナールは二人が討ち洩らした生き残りを逃さず仕留める
契約者ならではの、圧倒的な力を利用した戦い方だ
帝国兵達は紙切れの様に舞い、花火の様な眩い閃光に包まれ、薙ぎ払われる
それでも侵攻を止めない帝国軍も異常だが、たった三人でその軍勢を抑え、あまつさえ全滅さえうる彼等もある意味では異常だろう
そんなことを考えている神官長に、女神の身辺の護衛を任されている青年が近付いた

「神官長！女神は…フリアエは？！」
女神の幼馴染で、許婚でもあったイウヴァルドだ

「案ずるな…帝国の第一陣は退けられた、カイム達によってな」

「…そう…ですか…」
顔面蒼白の青年は、その答えに胸を撫で下ろした

「フリアエ…！無事なんだな？」
二重に布で遮られたテントの中に、そう声を掛けると

「……私は大丈夫です」
やや遅れ気味に返ってきたその声は、いつもより若干早口に聞こえた

「そうか…良いと言うまで、ここから出るなよ？」

「…分かっています…申し訳ありませんが、少し眠ります…」
弱々しいその声に、イウヴァルドは返事をしたが、女神は黙りったままだった

続き町保守

また一時中断でネタを投下
前回以上に反応がなくなりそうだ…

レオナール「なにやら…世間は新年を迎えると騒いでいますね」

フェアリー「騒ぐのはホント得意だよな！人間ってのは」

ヴェルドレ「何かしらの区切りに、人間は喜びを感じるものだ…」

カイム「…………（くだらんな）」

セエレ「そぉ？お祭りみたいで楽しいけど…」

セエレ「えっと…ポン！」

カイム「……（随分鳴くな…）」

レオナール「申し訳けありません…ツモです」

フェアリー「うわっ？！なんでお前はそんなつまんねぇ手役で和了るんだよ！」

レオナール「平和ドラ１とは言え役は役…ここは和了るべきです」

カイム「……（感付いていたか）」

フェアリー「あぁ…？ゲェ！こいつ三暗刻！？しかもドラが３つも乗ってやがるじゃねぇか？！そんな素振り少しも見えなかったぞ？！」

ヴェルドレ「なんと恐ろしい…」

カイム「……（役満狙いがどの口で…）」

ヴェルドレ「いやはや…気付いておったか」

カイム「…（さっきセエレの“發”に反応していたからな）」

セエレ「え？そうだった？」

カイム「……（僅かだったが、頭の血管がな）」

フェアリー「コ、コイツは緑一色？！」

ヴェルドレ「…さぁ、続けようぞ」

セエレ「これは…いらない…」

ヴェルドレ「これは…なんと運の無い…」

レオナール「全員…配牌が悪いようですね…」

フェアリー「油断してっと痛い目見るぞ？！」

カイム「……」

ヴェルドレ「これは…流れたな…」

カイム「……（ツモだ…河底・平和・一盃口）」

ヴェルドレ「ぬぅ…」

レオナール「なにやら…嫌な予感がしますね…」

フェアリー「あの禿げ爺、ぜってぇなんか企んでやがるぞ！」

ヴェルドレ「そんなことはない…（ふふ…ふふふ…やはり１３面待ちはたまらんなぁ）」

セエレ「えい！立直！」

カイム「……（セエレは問題ないが、禿が厄介だな…仕方ない…）」

セエレ「あ！カイムのそれロン！」

ヴェルドレ「な…！？」

セエレ「やった！立直一発！」

カイム「……（次はもっと良い手役で和了れるようにな）」

セエレ「うん！」

ヴェルドレ「……（おのれカイム…）」

カイム「……（ふっ…）」

ヴェルドレ「おのれ…カイムめ…」

レオナール「声に出ていますよ、神官長」

セエレ「えっと…カン！」

レオナール「あくまで遊技なのですから…そこまでお気になさらず…」

ヴェルドレ「しかし…な」

セエレ「それもカン！」

カイム「……（慣れないうちはあまり鳴くな。）」

レオナール「セエレも楽しんでいるようですし、それで良いじゃないですか」

ヴェルドレ「確かに…そうかもしれんな…」

カイム「……（勝てぬと分かれば逃げに回るか…）」

ヴェルドレ「………！！！！」

レオナール「何かが切れる音が聞こえましたね…」

　　　　　　〜数分後〜

ヴェルドレ「立直だ…」

カイム「……（仕掛けが早いな…）」

レオナール「まったく読めません…私は降りるとしましょう」

セエレ「カン！」

ヴェルドレ「セエレよ…なにも鳴けば言い訳ではないぞ？槓ドラが我々にも乗る可能性が…」

セエレ「あ！ヴェルドレのそれ、ロン！」

ヴェルドレ「な！！？？」

カイム「……（純全帯ヤオ・三槓子・ドラ８…ドラ８？）」

レオナール「やりましたね！セエレ！」

フェアリー「結局こんなオチかよ！」

ヴェルドレ「神よ…それでも…払えとおっしゃるのか」

終了…と
しかし万人には伝わらんネタだ（苦笑

「……ふぅ…」
帝国兵に度重なる襲撃
その度私は隔離され、一人の時間を過ごしている
慣れた筈だった事なのに、今では一番辛い時間だった
自分自身が何もしていないという責任感もあるかもしれないが、それ以上に自分を支配する一つの事に押し潰されそうになる

「また…こんなに…」
一人になって数分もすると、生殖機能を失ったはずの子宮が疼き、不必要なはずの愛液が溢れ出る
そして決まって心の中にある男性が思い浮かぶ
それは決して許されぬ、そして叶えようの無い男性

「兄…さ…ん」

おお、投下されとる！続きが楽しみだ…wktk

ファミ通からでてたDODのノベライズを思い出すなあ
あれのフリアエもエロかった
投下乙です

おぉ！超wktk

一度行為に及んでしまっては、女神はそれを止める事は出来ない
スカートを捲り上げ、下着に浮かび上がった膣口に沿って出来た染みを指で撫でる
時間と共に指の動きは早まり、下着の染み付きは広がり、一部濃くなる
膣口の形が明らかに成る程、女神の下着は愛液に濡れていた

「こんな…に……」
噛み殺した言葉を何度も呟き、女神は自身を慰める様に行為に没頭していった
下着の中へと滑り込んだ細く白い指は、躊躇いながらも膣内へと埋没してゆく

「も…う…」
今まで抑圧され続けていたからか、女神の絶頂への道は短いものである
摘んだ蕾みは悦びを表す様に充血し、少し力を込めるだけで快感は駆け上るように絶頂へと向う

「駄…目…兄さっ…！」
一瞬声が高くなり、軽く痙攣する身体は満ち足りた快感の余韻に浸り込む
息が整うまでの間、女神は自身の膣内を弄った三本の指を見つめ、その指の間で糸を引く愛液が垂れ落ちる様をただ眺めていた

「はぁ…はぁ…」
声を抑えながらの行為で、女神はそのか細い身体に貯えられた少ない体力を使い果たし、乱れ肌蹴た服装を整える事無く、眠りに落ちてしまった

>>470
ＧＪ！フリアエのｵﾅｰﾆエロいな。

なんというエロさ…GJ

ある所に二人の男女が居た
幼き頃より共に過ごし、様々な困難も共に潜り抜けてきた
二人は決して結ばれることは無いが、やはり決して離れる事の無い間柄であった
しかし女は、男とのそれ以上の間柄になることを望んでいた
だが女自身がそれに気付けず、共に過ごす時を曖昧な感情のままでいた

その曖昧な感情が、ひとつの形になり始めた頃
突如近しき人間がこの世を去ることとなった
二人きりとなった男女だったが、やがて男は女の元を離れた
そして初めて、女は自分の感情がなんなのかを理解する

ある時、女の身体に異変が生じた
女の象徴でもある“血”を流れ出なくなり、身体は極めて虚弱となった
必然的に外界との関わりが少なくなり、ましてや異性との関わりは無きに等しかった
唯一関わりがあったのは、女の元を離れた男だけだった

残された二人の男女には、もはや関係を深めることに対しての障害は無くなっていた
女は男に思いを伝え、男はその思いを受け入れた
周囲の人々も、二人が夫婦の仲になることを祝福してくれた

木漏れ日に包まれた広間
ある時の昼下がり
妻は夫の帰りを待っていた
妻は夫を心から愛し
夫もまた妻を愛していた

切ない・・・

乙です

「夢…？」
眠りから覚めた女神は、夢見心地に呟いた
思い出せる限りでは、決して悪い夢では無いのだろう
しかし虚無感とも言える憂鬱が、女神の思考に取り付いて離れない
許されぬ、そして叶うことのない想いが生み出したその夢は、何度と無く女神に重く圧し掛かってる
ベッドの上で体勢を整え、肌蹴たままになっていた衣服を直しつつテントの周辺の様子を探る
慌しさはあるものの、先程までとは比ではない
恐らく、もう戦いは終わったのだろう
毎度のことながら、思わず安堵の息がこぼれる

「おぉ…カイム、もう良いのか？」
テントのすぐ外側で、イウヴァルドの不安そうな声が聞こえた
その口ぶりから、兄が来ている事は明白

「契約者たるこやつが、あの程度の雑兵に後れを取るわけ無かろう」
辺りに良く響く声は、兄と契約関係にある赤き竜のもの
その影に重なる兄は、イウヴァルドに何事が伝えた後、女神がいるテントへと近付いた
急ぎベットから降りる女神は、身嗜みを整えながらあることに気付いた
テントの中には、女神の女としての“匂い”が充満している
時間と共に薄れてはいるが。しかしほんの僅か、確実に“匂い”は残っている
あの兄ならば、きっとこの“匂い”に気付き、それが何を意味するか理解するだろう

「駄目…そんなの…！」
慌てて立ち上がり、近付く兄を止めるべく声を発する瞬間、女神の心に一つの考えが浮かんだ

>女神の心に一つの考えが浮かんだ
wktk

もう四日か
待ちきれないぜ

ふぅ・・・
続きはまだ？

『いっそ…見せちゃおうか…』

「そんな…こと…」

『それが私の望みなのでしょう…？』

「だって…私達は兄妹…」

『だけど私は女神…決して子を身ごもる事はないのでしょう？』

「………」

『兄さんに愛されたい…兄さんに抱き締められたい…兄さんを身体で感じたいでしょう？』

「それ…は…」

『だったらこのまま、腰を下ろして…見せてあげれば良い…私の“女”の部分を…』

心の中から響く“声”に抗うことは難しく、女神は一度立ち上がったベッドに再び腰を下ろした
震える手はスカートを捲くり上げ、愛液の染み付いた下着には指が掛かり
そのまま指は躊躇無く滑り込み、女神の“女”を刺激し始める

「こんな…に…」
テントのすぐ傍には兄が居る
そのことが、女神の普段は声を抑えての行為を越えたものとした

「濡れ…て…るっ！」
指が膣口から沈み込み、内部の小さな襞に擦り付く
そのたび痺れる様な快感が、女神に声を荒げろと言わんばかりに襲い掛かる

「いつ…も…んぁ…こおやっ…て…ぁ！…気持ち…良…くぅ！…なって…！」
近付く兄に聞かせるように、声を高くしてゆく女神
兄もその声を聞き取ったのか、扉代わりに視界を遮るテントの生地に手を掛けたまま動かない

「私…を…ぅぁ！……見…て…？」
何度噛み殺したか分からない、理性に隠されていた本心が溢れ出し

「ねぇ…兄さん…？」
噴出した感情は治まらず、いつも以上に行為に及ぶ手は激しく貪る様に動く

「もう…イ…クゥ！」
眼前の布が揺れ動いた瞬間、女神は今までに無い程の絶頂に達し、愛液が飛び散った

もう少し続きまふ…

エロは苦手だ…

>>482
GJ！大胆なフリアエがｲｲ！
カイムがどう反応するか楽しみだぜ。

乙乙乙！

快感に霞む女神の瞳には、確かに兄の顔が映った
となれば、兄の瞳には女神が映っただろう
普段からは想像もつかないだろう、淫靡な姿がはっきりと

「………っはぁ…はぁ…？」
しかしそれは僅かな時間
再び眼前の布は重量に引かれ垂れ下がり、風に揺れていた

「………？」
先程の出来事は、抑圧された感情が生み出した幻影の類なのだろうか…
そうであれば安心だが、残念でもある…
女神がそんな事を考えながら立ち上がると、飛竜の翼が風を掴む音が聞こえた

「よもや伏兵とは…随分な念の入れようだ…」
血に塗れた長剣を携えた青年を背中に乗せ、空高く飛び立った赤き竜は、眼下に群れる帝国軍の軍勢を見下ろしていた
その数ざっと３００

「お主…気付いているのだろう？あの娘の本心を…」
上空をゆっくりと旋回しつつ、同じく眼下を見下ろす青年に問いただす

ーーー……黙れ
怒り…というよりは罪悪感にも似た感情を隠す事無く、青年は短く答えた

「…ふん…報われぬ感情は負担にしか成り得んぞ？」
皮肉にも聞こえるその言葉に

ーーー………
青年は答えない

「難儀だな…人間は…」
哀れむ言葉と共に、赤き竜は眼下に向け急降下を開始した
迫り来る大地と、そこを行軍する帝国軍の軍勢を見つめ、青年はいつもと変わらない笑みを浮かべていた

終了…
題名の通りのオチは…期待していたのなら残念なものだな
すまない（苦笑

急ぎ足で書いたからイマイチ不足気味だ…
次はなににするか…

カイフリ頼んだもんだけど、超乙＆GJです
こういう切ない系の話も好きなんだぜ

乙！
いつもＧＪです


てか人減った？

乙！
カイフリはゲームでもどうやったって、報われないもんな
あ、誰も報われないか…

>>488
そりゃ良かったよ

やはりカイムは踏み止まるだろうと判断したんよ

ネタが尽きてきたんで、武器系の小話を…

風が青草を靡かせ、清々しさに包まれた広大な草原
雲一つ無い青空の下、その清々しさとは真逆に息を荒げる男が一人

「ここらが…限界か…」
左手に押さえられた右肩からは、赤黒い血が溢れている
上等な装飾を施された鎧は原型を留めておらず、右肩以外にも多くの傷を負っていた
大きな岩を背に座り込み、たった今絶命させた死体を見回した後空を見上げた

「クソッ…こんな所で…」
小国の上位貴族である男は、騎士団団長の地位にあった
しかし隣国の度重なる襲撃に、その地位は消えつつある
隣国軍の殲滅のために派遣された、精鋭を集めた騎士団が壊滅状態にあるからだ
国王は病死し、内政の荒れた自国に一刻も早く戻るべきだが、血液が留めなく溢れ出る状態では、帰還どころか立ち上がることすら難しい

「誰か…一人でも良い、生きてはいないのか…？」
痛みに耐えながら発した言葉に、返事をする者は居ない
見渡す限り、視界に入るのは言葉無き骸だけだった

「閣下…申し訳…ありません…」
かつて忠誠を誓った君主に詫びながら、空を見上げ呟く
その言葉を言い終わると、男は糸の切れた操り人形のように首を垂らした

その姿を、遠くから見つめる二つの瞳があった

おお！これは目新しいな
続き楽しみにしてるお。

草原の竜騎槍のウェポンストーリー好きなんだよなぁ
wktk

武器ストよく出来てるんだよな

「…目覚めよ、人間」
澄みきった、良く通る声が男の意識を覚醒させた
破壊された鎧は丁寧にまとめられ、横たわっている男の身体の傍に置かれていた
そこは岩場の奥深く、僅かに差し込む日光だけではあまりにも暗い空間

「…………？」
まだ焦点の合わない目で、その声の主を捜すものの、視界にはそれらしき影は無い

「こちらだ」
その声の方向に首を回し、暗闇に慣れ始めた目でもう一度声の主を探すが、反響する声では判断出来ない

「…どこ…だ？」

「まだ意識が定まらぬか…まぁ、あれだけ血を流せば当然だがな」
大剣を振るうような、鈍い風を切る音が辺りに響き渡る
それが眼前の岩石の上に鎮座した者が、自身の尾を振るった音であることはすぐに分かった

「ドラ…ゴン？」
男を助けたその声と音の主は、神に愛されし高貴なる種族、ドラゴンだった

続きｷﾀｰ！
GJです！

鋼鉄にも等しき硬度を誇る、美しくも頑強な竜鱗
万物を貫き、引き裂く鉤爪を備えた四本の脚
大きく開かれた顎に植え付けられた強大な犬歯
見間違うはずも無い、ドラゴンの姿であった

「地竜“アースドラゴン”…か？」
金に近い光沢のある表皮から、大まかな分類は容易に推測が出来た

「……厳密には違うのだがな」
含みのある言葉の後、地竜は折りたたんだ脚を伸ばし立ち上がった
その姿は威厳あるドラゴンそのものだが、何故か違和感があった

「怪我の手当てと、ここまで運んだ礼ぐらい…してほしいものだが」

「…あ、あぁ……礼を言おう、助かった、ありがとう」
痛みに耐えながら、僅かに首を下げる
その様子を見た地竜は、喉を唸らせなれながら男の眼前へと移動した

「やはりまだ完治はしていないか…暫く此処で療養するが良い」
有無を言わさぬ程の力のこもった言葉で男にそう言い聞かせ、地竜踵を返した

「どこに行くんだ？」

「この辺りに、人間が食せる物はそう無い…考えて狩をせねばな」
意気揚々と、地竜は岩石の隙間へと近付いていった
慣れた動きで岩石に這い上がり、数分掛からず野外へと出る事となる
その姿は、男にはどこか楽しげに見えた

文章上手いな〜
続きが楽しみだ

「…これは食えるな…うん、美味い」

「まったく…人間の味覚は随分と贅沢になったものだな」
小さな焚き火を挟む様に座った男と地竜は、各々肉塊に手を伸ばし胃袋を膨らませていた

「贅沢を言える立場じゃないが、見た事も無い蟲を食えるほど俺に勇気は無い」
細身のナイフを串代わりに、地竜の肉を炙りながら男は地竜に視線を向けそう反論する
言い終わる頃に、肉は丁度良い程度に脂を滴らせていた

「…それも一理あるな」
肉を頬張る男の反論に納得しつつ、地竜も肉塊を前脚で押さえ、鋭い牙で削ぐ様に肉に食らいついた
それから暫く、男と地竜は無言で肉を頬張り続けた

差し込む光は月明かりとなり、焚き火の光だけが辺りを薄暗く照らす

「ふぅ…もう食えん、満腹だ」
男は口の周りに付いた脂を指で拭い、ゆっくりと地面に寝転んだ

「食欲も十分…完治は近いな」
同じく食事を終え、壁にもたれ掛かった地竜は、男の様子を観察し僅かに声を低めながらそう呟いた

「あぁ…ようやくだ」

「…………」
男の言葉に地竜は沈黙

「そろそろ教えてくれ…何故俺を助けた？」

「………………」
地竜は沈黙を貫く

「地学・・薬学・兵法…その他諸々の知識を、何故俺に叩き込んだ？」
地竜にその命を救われてからというもの、今まで毎晩の様に様々な知識を叩き込まれた
それは王族に必要とされる人を統べる為のものもあり、また築城に必要な建築知識もあった

「人と交わる事の無い筈のドラゴンが…何故そこまでした？」

「…それがお前に必要だからだ」
地竜はそれきり男に背を向け、地面に座り込んだまま寝付いてしまった

「………明日の朝、ここを出る…世話になった」
男も同じく寝そべり、地竜に背を向け瞳を閉じる
男が眠りに落ちるのに、今夜は随分と時間が掛かった
その眠りの中、男は自身がまだ幼い時の、忘れ掛けていた出来事の夢を見た

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

「ここ…どこだろ…」
夕暮れ時の荒野に、少年は一人でいた
父親の狩りに付いて行き、こともあろうにはぐれてしまったのだ

「も…暗くなって…」
少年は涙を必死に抑え、辺りを見回すが、人影はまるでない
刻一刻と迫る闇に怯え、ついには足を止めてしまった

「……ぅえ…ぇ…」
耐え切れず泣き出した少年の声は、虚しく響き渡った
次第にその声は大きくなっていくが、それを咎める者も宥める者もいない
その泣き声に釣られ、周辺の獣達が集まり始めている
しかし少年にそんなことを気に掛けるような余裕は無く、泣き声は一層大きくなっていく
それでも何故か、獣達は少年に襲いかかろうとはしない
獣達と同じく、少年を見つめる二つの瞳があまりにも強大な存在だからだ
やがてその二つの瞳の主は少年に向け歩み始めた
獣達は歩み始めたその強大な存在に恐れをなし、早々に自分達の巣へと帰って行った

「泣くな小僧…獣が集まるぞ…」

「ふぇ…？」
そう少年に声を掛けた存在は、少年にとって馴染みのある存在だった

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

ふぅ…一日掛けて書ききったよ
生意気だが、小出しにした方が良いか、一気に上げたほうが良いのか決を採りたい

一気にどうぞ！

一気のほうが感想はつけやすい・・・かも
ですが作者さんのやりやすいようにやるのが一番かも

自分も同じく
やりやすい方でどうぞー

>>504
してIDがエロとは素晴らしい

>>507
なんとww

さて…一気に行きますかね
誤字類は勘弁…

「…もう朝か」
男の顔を照らす様に朝日が差し込み、目覚めた男はゆっくりと起き上がる
風が草を揺らす音がなんとも心地良く、二三度深呼吸
その後、辺りを見渡した
傍らには壊れ掛けの鎧
僅かに熱を放つ焚き火の向こうには、何者も居ない

「……ふぅ…」
壊れていない足掛と、左腕部の鎧だけを着々と身に付け、ものの数分で騎士の姿となった
胸部は軽装だが、国に帰るまでのそう遠くない道のりならば問題ないだろう
久しぶりの鎧の感触を確かめつつ、男は再び辺りを見回すが、やはり地竜の姿は無い

「仕方ないか…」
地竜の不在に溜息を洩らし、何度か地竜が登っていた岩石に近付く
手足を掛ける場所を探すとすぐに見つかり、男は手で岩石を探りながら登り始める
手を伸ばせば手掛かりがあり、難無く外へと出ることが出来た
久し振りに全身で日光を浴び、目を細めた
三度振り返りみる地竜の巣は、やはり地竜の姿は無かった
二回目の溜息の後、草原へ歩みを進めた男の脳裏に、幼い頃父に聞かせれた童話が不意に過ぎった

“昔々…青草が一面に広がる草原に、とても仲の良い番いの竜がいました”

“その天を駆ける番いの竜はとても頭が良く、時に人々に知恵を与えていたりもしました”

“そのおかげで、知恵を与えられた人々は、大きな国を作るまでになりました”


“そしてある日、怪我をした番いのため、竜は遠くまで狩りに出かけていました”

“しかし獲物を獲り、巣に帰るとそこに番いの姿はありませんでした”

“怪我をしているはずの番いが居なくなっている事に驚いた竜は、辺りを捜し回りました”

“そして、草原の只中で無残にも殺されている番いを見つけました”

“番いを殺したのは、なんと竜が知恵を与えた人間達でした”

“怒り狂った竜は、その人間達に襲い掛かりました”

“しかし人間達は竜から得た知恵を巧みに使い、その竜をも殺そうとしました”

“戦いの末竜は翼を失いましたが、番いの仇を討ちました”

“それでも怒りの治まらない竜は、丸一日辺り一帯に響き渡るように吼え続け、やがて自分の巣へと閉じ篭りました”


“そして二度と、人間と接しないことを誓いました”

恩を仇で返すことを戒めるその童話
しかしそれが戒めだけの作り話では無いということに、男は今気付いた
あの竜は『厳密には地竜ではない』と言った
退化した翼ではなく、奪われた翼なのだ
それならば何故、自分を助けたのか
浮かんだ疑問に答えるように、遠くから声が聞こえた


「持って往け…お前ならば使いこなせるだろう」
平らな岩石に突き刺さった槍を示す様に響く声は、どこから聞こえてくるのか
男が辺りを見回すと、暗闇に包まれた一角から声が聞こえてきた事が解った

「……さらばだ人間…唯一の友よ」
その声が男の耳に届いたとき、男は全てを思い出した

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・
泣く少年を宥めた存在は、少年が枕元で聞かされた童話の主人公
翼を、そして番いを失った竜だ

「…我を怖がらぬのか？」
竜の姿を食い入る様に見つめる少年は、いつの間にか泣き止んでいた
それどころか竜に近付き、ペタペタと竜の身体を触り始めた

「…怪我は良くなったの？」
質問に答える前に、少年は竜の背中、翼があるであろう場所を見つめ呟いた
その目は真っ直ぐ竜に向けられ、他意は一切感じられなかった

「………当の昔に癒えておる」
竜はそう呟き、腹を地面に付け背を低くした

「乗るがいい、安全な場所まで連れて行ってやろう」

「…うんっ！」
先程までの泣き顔はどこにいったのか、少年は元気良く竜の背中に乗る
立ち上がった竜の背中から見る世界はまるで別世界
ゆっくりと歩く竜の背中の上で、少年はあちこちを見回し、あれこれと竜に訊ねた
次第に竜も饒舌になり、少年の言葉に一々返事をし始めた
やがて少年が落ち着いた頃、その少年は竜の背中のある一部分を撫で始めていた

「…だから当の昔に癒えたと言っておろう？」

「…ごめんなさい」
撫で続け、少年が呟いた言葉は謝罪だった
予想外の言葉に、竜は一瞬言葉を失った

「……お前が謝る道理がどこにある？お前には関係ない話だ」

「……でも…」
少年は竜の声に言葉を詰らせ、黙り込んだ
それから少年と竜は、言葉を交わすことは無かった


「あれ…？」
やがて視線の先に、松明を携え何事か叫んでいる数人の兵士に姿が見えた

「お前を捜しているのだろう…行くがいい、小僧」
やはりゆっくりと背を地に近づけた竜は、小さく呟いた

「我のことは、あ奴等には言うな…面倒な事になる」

「うん…わかった」
少年もそれを察し、小さな声で答えた

「じゃ…ここまでありがとう」
少年は、丁寧に小さな頭を竜に向け下げた

「構わん…早く行け」
素っ気無い竜に再び頭を下げ、少年は兵士達に向かい走り出した
何度も何事か言いたげに、こちらに振り返りながら

「……人間か…久方ぶりに他者の暖かさを感じたようだ…」
そう呟いた後、走り去る少年の背中に向かい、竜は最後にこう声を掛けた

「これからは気を付けるが良いぞ、小さき友よ」
その言葉に、少年は嬉しそうに手を振った
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

「そうか…俺達はあの時…」
男は思い出した過去を懐かしみ、示された槍を掴んだ
音を立てて岩に亀裂が入れば、男に手には一振りの槍が握られていた

「この恩と…あの時の恩は、生涯忘れない…」
振り返り、竜の耳に届くよう力強く発せられた声
竜の気配を帯びた槍、高々と頭上に掲げたその姿は勇ましい

「ありがとう、気高き友よ…また逢える時を楽しみにしている」
深く頭を下げた後、男は草原に向け歩き出した

男の背中に向け、辺り一帯に響き渡るほどの、竜の咆哮が放たれた

十数年後、とある小国の玉座には、類稀なる知識と他者を圧倒する強さを併せ持つ騎士が座っていた
一代で荒れた国政を建て直し、国民の圧倒的な支持を以って国王と成り得た騎士は、慢心する事無く国家の安定に務めた
竜を模した甲冑と、竜より与えられたと云われる竜騎槍を手に先陣を切り戦場を駆けるその姿から、人々は尊敬と賞賛から彼をこう呼んだ

　　　“竜騎士”　と

「ハッハァー！もう逃げられはせんぞ！」
大きく抉れた地に、傷ついた竜を追い詰めた軍勢の長は、自身の地位を思わせない口調で叫んだ
荒れ果てた国民を統率するために、力の象徴たる竜を狩ろうとしている
一時凌ぎにしかなりえない方法に手を出すほど、その国の将軍は追詰められていた

「…我を殺しどうするつもりだ」
傷つきながらも軍勢の半分を屠った竜は、馬上から声を放つだけの将軍に向け侮蔑の口調で訊ねた

「知れた事…貴様の鱗と牙、鉤爪で武具を作るのよ！」

「そして“竜騎士”に成るつもりか…？なんとも愚かな…」

「何とでも言うが良い…！」
馬上から声を張り上げ、同時に手を振り上げた将軍に従い、兵士達は石弓を引き絞った

「ここ…までか…」
足に致命的な傷を負わされていた竜は、抵抗することすら叶わず、最期は気高く逝こうと瞳を閉じた
しかし弓矢の風を切る音はせず、代わり氷柱が爆ぜる音が聞こえた

「し…将軍！囲まれました！」
衛兵の叫び声に辺りを見回した将軍の目には、驚愕の現状が映しだされた
軍勢を取り囲む様に、圧倒的な数の兵がこちらを睨み付けている
掲げられた軍旗には、猛々しく吼える竜の刺繍
構えた盾には、竜の浮き彫りが太陽光を受け輝いていた

「全ての石弓が破壊されました！」
氷柱に貫かれ、稼動部を破壊された石弓はなんの意味も成さない

「くっ…！後方の兵達は何をやっている！？」

「全滅させられたようです！」
最悪の状況報告を受け、衛兵以上に困惑している将軍に向け、取り囲む竜を掲げた軍勢の長が、宣言した

「貴様等は完全に包囲された…降伏するならば命だけは助けよう」
頑強な鎧を纏った兵を退かせ、馬上から降り立った長は、紛れも無い“竜騎士”
“竜騎士”の良く通る声に、傷ついた竜は反応し、首を向けた

「古き友よ、長く待たせたな！」
兜を外した“竜騎士”の顔を見て、竜は傷を物ともせず立ち上がった

「すまぬな…古き友よ」
地響きに似た声と共に、牙を剥きだしにした竜は忘れ掛けていた咆哮を、轟かせた

終了…と
エロ&萌え無しは許してくれな

燃えだな…

ありがとう草原の竜騎槍しばりしてくるよ・・・

GJ！
エロ萌え無しでも全然OKだ
やっぱ竜騎槍の話は良い…

なんというクオリティ
GJ！乙！

なんだろう…エロ萌え無しのがすいすい書ける…

勢いで二作目
詳しい説明は投下後に…

死臭と腐肉が焼ける匂い
家族の死体に埋もれ、遠目に見た暴君の姿は目に焼きついている
規格外の大剣を背負いしその姿を、いずれ復讐すべしと心に決めた
死霊と契約し、それを可能にする力を得た者は、自身を“怨念”と蔑んだ

「はぁ…はぁ…ここまで来れば…」
人々に暴君と恐れられた将軍は、一人夜の路地を走っていた
豪勢な鎧、煌びやかな装飾の施された長剣、将軍の地位に相応しい武具も、将軍の表情のせいで酷く不釣り合いに見える事だろう

「どこまで逃げるつもり…？」
月明かりの路地には、澄んだ声と何か重いものを引きずるような音が響く

「ヒ…ヒィィィ！」
その声の主を振り返り見た将軍は、甲高く情け無い声を上げ、必死で路地裏を逃回った
声の主は、身の丈２メートルを越える“鉄塊”を振り上げ、ゆっくりと将軍に詰め寄る
幾重にも交差する路地裏で、将軍は次第に袋小路へと追詰められる

「憶えてる…？一年前のあの時…」
ゆっくりと将軍に歩み寄り、復讐者は小さな声でそう尋ねた

「や…止めてくれぇぇぇぇ！」
しかし将軍は質問に答えるほどの余裕は無かった
それも当然、将軍自身が持ち運べぬ程に重く大きくなった“鉄塊”を持ち上げているのが、屈強な男ですらなく、１２〜３歳のまだ幼さの残る少女なのだから
振り上げられた“鉄塊”を支える細腕は微動だにせず、瞳は真っ直ぐ将軍を見通す

「憶えてないよね…あなたが殺した一人一人の顔なんて…」
命乞いしかしない将軍に、少女は“鉄塊”を容赦無く振り下ろした

「ヒ…ヒギャァァァ！」
振り下ろされた“鉄塊”は、自身を守る様に伸ばされた将軍の右手を二つに分けた
肘まで裂かれた右腕からは鮮血が噴き上げ、あまりの痛みに将軍は意識を失い掛けた

「簡単には…殺さない…」
少女の呟きと共に、少女の背後から黒い何かが生まれでた

『お前が…俺達をぉぉぉぉぉぉぉ…』
幾重にも重なった声を発するそれは、無尽蔵とも言えるほど溢れ、将軍に襲い掛かる
その度将軍は失い掛けた意識を取り戻し、再び激痛に苦しむ事となる

「私が身体を…皆は心を…」
少女の言葉に呼応する様に、黒い何かは将軍に襲い掛かり続ける
“鉄塊”が風を切る度、将軍の叫び声が辺りに響く
左腕、右足、左足と?ぎ取られ、将軍は息も絶え々、激痛に呻き声を上げながらに少女を見上げた

「私も…もう…」
少女の身体は死体の様に腐り落ち始め、澄んだ声はしゃがれたものへ変貌していた

「あなたを生かし、殺し続ける存在に…」
血肉に塗れた“鉄塊”が振り上げられ、躊躇する事無く手足を失った将軍に振り下ろされた
“鉄塊”が血肉で赤く染まり、先端が脳漿で膿色になった時、少女の身体は吹いた風に壌へと消えた

『…永遠に怨み……殺し続ける…』
“鉄塊”が地に横たわる瞬間、“鉄塊”に纏わり付いた黒い何かが弾け将軍の身体へと吸い込まれた

翌日、将軍の惨殺死体が見つかる
傍らには、血肉の付いた“鉄塊”が残されていた

「いったい誰がこの剣を振るったんだ…」
将軍の部下はそう呟き、将軍の死体へと歩み寄る

「因果応報…か」
上官の死体に直面しても、死を悼むことなどは無かった

少女は家族を失った段階で既に死んでおり、自分の死を代償にバッカス将軍に憑きまとう怨霊群と契約した
バッカス将軍を切り付ける度怨霊達は消え、バッカス将軍の完全なる死と共に存在意義を失った怨霊と共に消滅した
最後の言葉は怨霊と少女の唯一の意思

終了…と
説明が長い（苦笑

う〜ん…エロがいいなぁ。ここはエロパロなんだし。

>>527
やはり（苦笑

乙
小説は書いてくれるだけでもありがたいんだけど、エロパロスレだからなあ

基本エロ萌えメインで時たま↑みたいな話しがあっても良いと思うけど
そっちの方がメインになったら本末転倒だしね

まぁエロは難しいからなぁ…エロ無しの方が書き易いってのは分かるw

だよなぁ…

↑みたいのは、ウェポンストーリーがあるからすぐ書けるんだが
ストーリー無視のでも書くか…

>>531
と言ったものの、結局ハンチさんを書く事にしたよ
エロ成分多めでね

「ん…ここは…」
垂れ落ちた滴が顔に当たり、混濁する思考が徐々に落ち着き始めた
目に写るのは石造りの天井、揺らめく影は焚かれた炎の所為だろう
何か台の様な物に寝かされているようだ
神水の直轄区へ踏み入り、守護者たる契約者に挑んだノウェだったが、力及ばず倒され…
そこまでしか記憶は無く、放たれた水飛沫が身体を貫いた感覚はまだ残っている
傷口を調べようと手を伸ばしたが、湿ったような金属音と共に手の動きは止まってしまった
見れば手足は枷を付けられ、鎧の類はいつの間にやら外され、上半身に至っては服すら着ていない

「お目覚めですかぁ？意外と早かったですねぇ」
不意に室内に声が響き、ノウェは反射的にそちらに首を回した
声の主の正体は、先程まで命の獲り合いをしていた契約者にして封印騎士団唯一の女性連隊騎士長
水の精霊、ケルピーと契約したハンチであった

「俺を…どうするつもりだ？」
鎖を鳴らし、気丈にそう問い掛けるノウェに、ハンチは不気味な微笑を浮かべながら近付いた

「どうも…しませんよぉ？」
僅かに高い声でそう答え、細い指をノウェの顔から顎、首へ移動させる
冷たい指の感触にノウェは思わず身震いをしたが、ハンチはそんなことお構い無しに指を広げ、掌でノウェの身体を触り始めた

「ただ…ちょっと手伝って欲しいんですよ…」
疑問の表情を浮かべるノウェの対し呟いたその言葉が、何を意味するか見当が付かない
それを問おうと口を開いた瞬間、ノウェは言葉を失った

わくてか

>>533
ｗｋｔｋ
このスレ見てたら俺も書きたくなってきた
趣味レベルだが一応物書きやってるし
今頭の中にあるシーンはDOD1〜2の間(18年だったか？)の感じ
カイアン＋マナかと思う
エロやら萌えやらはないかもしれん。。。ｗ

ここはエロパロスレです

>>536
すまん、スレタイ失念してた

なんとかねじ込んで。。。みる
エロものは初書きだから見苦しくなるかもしれんがなorz
。。。少し、長くなりそうな気配

ようやく…一人だけの状況から脱せる…

さて、続きだ

軽快な動きで跳躍したハンチは、丁度ノウェの腰骨に座る様に跨った

「わたしって見た目がこんなんだから…いつも寂しいんですよ…」
自身の腰をノウェの腰と重ね、ゆっくりと前後させるその姿は淫靡そのもの
如何に“魅力”を失ったとはいえ、健康な男であれば当然反応してしまうだろう
それはノウェも例外ではなく、意識とは相反するように下半身が熱を帯び始める

「あは…私なんかで感じてるんですかぁ？」
心底嬉しそうに呟き、ハンチは腰の動きを早めた
ノウェにはハンチの腰周りの感触が、直接擦り付けられているが如く伝わっていた
ハンチの身体が常に水で濡れているからだろうか
そんな事を考えていると、ふとハンチの身体へと視線がいった
身体に密着した服越しに、ハンチの体格がはっきりと見てとれる
“魅力”を失ったとはいえ、その身体付きは成熟した女性のものだ

「ふふ…どうしましたか…？」
その視線に気付いたハンチは、腰の動きを止めノウェの顔を覗きこんだ
ノウェはそれに答えることが出来ず、思わず顔を背けてしまった

「ノウェ殿は…珍しい方ですねぇ」
腰の動きを再開させ、ハンチは長いスカートを捲り上げた

>>539
おお、wktk
ハンチさんエロいぜ！

ハンチ戦でのエロボイスにﾊｧﾊｧしていた自分には美味しい展開なんだぜ

「今までの殿方は、顔を背けるだけでこんなにはならないんですがねぇ」
硬く熱を帯びたノウェのものをズボン越しに撫でたハンチは、先程捲り上げたスカートの中、己の女の部分に手をやった

「もしかしたら…ノウェ殿なら…」
言葉を言い終わらせず、ハンチは自ら指を動かし、溜まった欲求を解放し始めた
ノウェの腰に乗ったまま、下着を脱がず滑り込ませた指をゆっくりと動かした

「う…ぅん…あっ…」
僅かな水音と共に、ハンチは喘ぎ声を上げた
その声はノウェのものを一層奮い立たせ、邪な考えを生み出させた

「いぃ…んぁ！…ぅぅん…」
そんなノウェの他所に、ハンチは長らく我慢していた独り遊びに没頭していった

「…ぃ…くぅ！」
暫くその体勢のままで快楽を貪ったハンチは、十分と掛からずに絶頂を迎えた
最後の言葉と共に膣から愛液が噴出し、当然のようにノウェのズボンを汚した

わっふるわっふる

ハンチさん(*´Д`*)ﾊｧﾊｧ

執筆中
ちょい長くなりそうな感じだな
仕事の合間に携帯＆PCで書いてるから時間はかかるかも知れん。。。
今３０００文字くらいｗ

>>545
気長に待ってるから気にしないでくれ
無理すんなよー

うーむ
なにやら長編がくる感じだな
これはあれかい？もうwikiにもう一個保管庫作っちゃうしかないのかい？

ちょっと、僕wiki作りに挑戦してみるか…
面倒臭そうだったらすぐにあきらめるけどな！

おぉ…他人任せで言えた義理じゃないが、頑張ってくれ

うーむ。。。
5000文字くらいまでいったが。。。
まだ中盤くらいの気配
しかしなにやら、作品に忠実にはならなそうだｗ
ひとつのパラレルワールドと考えてもらえばよろしいか！ｗ
数日中にはうpできるようにする
>>546みたいな励ましがあると意欲が沸きだすんだぜｗ

作ることはすごい簡単みたいなんだ

けど保管庫の仕様をどうするかが一番難しいんだ
元保管庫みたいにレス番で着けていくしかないか？

保管庫の管理人さんが着てくれるのが一番だけどなー

さて、エロ部分以外は書き上げた。
正直、エロは難しいんだぜｗ
今日明日中にでも完成させられそうなんだが。。。
どうする ↑のハンチさん終わった後に投下するか？
その方が見やすいと思うし
それまで推敲して読みやすくするぜ。。。ｗ

>>551
いい加減実況はいらない

>>550
それでいいと思う

さすがにもういないだろうか…

>>551
終わったら投下で
何度にも分けてレスはちょっと微妙

ん…
急かされてるな…急がんと

「ハァ…ハァ…ん…」
絶頂を迎えたハンチは跨ったノウェに倒れ込み、荒れた息で呼吸していた
時折息を呑み、徐々に呼吸は落ち着いていった

「あぁあぁ…汚してしまいましたね…」
呟きながら汚れた部分を触り、申し訳なさそうなハンチだったが、次の瞬間には嬉々とした表情へと変わった

「ノウェ殿…これはなんなんでしょう？」
ズボンに出来た染みは二つあり、片方はハンチが作ったもの
しかしその染みに隠れる様に出来たもう一つの染み
それは外側から出来たものではなく、明らかに内側出来たものだった

「こ…れは…」
女性と、強制とはいえここまでの行為に至ったのは、初めてと言っても過言ではないノウェ
突然自慰行為を見せつけられては、触らずとも先走る液が溢れ出る
膨れ上がった腰部を一度見たきり、ノウェは顔を逸らし言葉を詰らせた

「これは…なんですかぁ？」
わざとらしく問い詰めるハンチの表情はとても嬉しそうで

「ちゃんと言ってくれないと、解りませんよぉ？」
時折、過去に“太陽の微笑み”と呼ばれたであろう笑顔が垣間見える

「……くっ…」

「強情ですね…」
口を噤んだままのノウェに対し、ハンチは右手より生み出した奇妙な水をノウェの口元へと垂らした

>>552-553
すまん、調子に乗って連投しすぎたorz
書き込み初心者だからそういう忠告はありがたい

>>533
急かしてはないから無理はしないでくれ。。。
俺も書き直しする

>>555
続きwktkして待ってるぜ

なんとSなハンチさん…ﾊｧﾊｧ

「ん…ぐっ！何を…」

「私お手製の飲み物…前にノウェ殿もお飲みになりましたよ？」
そう言うハンチの顔が、突然ぼやけた様に見えた
その感覚に身に覚えがあったノウェは、思わず声を荒げた

「あの時の…毒か…！」

「安心して下さいよぉ…これは毒なんかじゃありませんから…」
そう笑い掛けるハンチは服を脱ぎ始め、やがて一糸纏わぬ姿となった

「意識混濁と…催淫効果を強めてある只の水ですよぉ」
事も無げに呟くハンチに、ノウェは何も言えずその姿を眺めていた
即効性の強いハンチ手製の薬水の前に、もはや言葉の意味すらも理解できずにいるノウェ
そのまどろんだ瞳を眺めるハンチは笑みを浮かべ、自身の胸を隠すように手を添える

「ノウェ殿も…窮屈でしょう？」
手足の枷を外し、唯一着ていたズボンにハンチの手が掛かる
しかしノウェは、それを止めようともせず、ましてや嫌がる素振りもしなかった

ハンチさんエロイ
魅力を失ったとか絶対嘘だろう

「ノウェ殿の…おっきいですねぇ…」
既に滾ったノウェのものに手を添え、ハンチは独り声のように呟いた
薬水の効果と、自慰を見せ付けられたという事もあり、ノウェのものは限界近くまで膨れ上がっていた

「竜の子…だからですかねぇ？」
猛々しく反り返ったノウェのものを眺め、どうしようか考えるハンチの頬は僅かだか高揚したように赤みがかっている
やがてハンチの手はノウェのものを包むように握り込まれ、ゆっくりと上下へと動かされ始めた
ノウェのものの先端から俄かに染み出る液体と、ハンチの手に付く水滴が合わさった結果、手の動きに合わせて粘度の高い水を擦り付ける音を生み出した

「あっ…く…」
ノウェは堪らずハンチの手の動きに合わせ声を上げ、その度ものの先端からは液体が滲み出る

「勿体無いですよぉ」
ハンチは垂れ落ちるその液体に見入り、恭しく舌で舐め取った
その感覚に更なる快感を得たノウェは思わず声を上げた
それに気を良くしたハンチは、根元から裏の筋、先端のい尿道口に至るまでを舌を舐め這わせた
ハンチの唾液はノウェのものに纏わり付き、唾液と先走り液の臭いが合わさる

「我慢はしなくて結構ですよ…」
動かす手に力を込め、唾液塗れのノウェのもの口に含んだハンチ
ノウェに返事を返す余裕も思考力も無く、呻気声だけが返ってくる

「ん…ふぅ…」
ハンチはノウェのものを咥え、喉にぶつかるまで激しく顔を前後させる
数回喉に自身のものがぶつかった時、ノウェは声を殺し、大量の精を放った

これはすごい
ハンチさんいやらしすぐる

ハンチさんのゲームでの喘ぎ声はこれを予兆してたんですね

ハンチさんのゲームでの喘ぎ声はこれを予兆してたんですね

凄まじいエロがやって来た

「んふぅ！…ごほっごほっ……」
放たれた精を口にて受け入れたハンチは、その余りの勢いに咳き込んでしまった
ある程度覚悟はしていたが、まさか鼻にまで入り込んでくるとは思わなかった

「余程…溜まっていたようですねぇ…とっても濃いですぅ」
口の中で粘着き、喉の奥に付いた精液を飲み込み、口からはみ出たものは舌を出して舐め取った
受け止めきれず、ノウェの腰の辺りに垂れてしまった精液も、やはり残らず舐め取った

「美味しいですよぅ？ノウェ殿の白いの…」
二三度口の中で舌を転がし、残った精液をも飲み込みながら、ハンチはノウェの顔を覗きこんだ
ノウェの視線は未だ定まりきれず、右へ左へ焦点が動く

「んぅ…効き過ぎちゃったみたいですねぇ。普通なら、一度出せば意識を失うはずなんですが…」
保障があるわけではないが、自分が生み出したものなので間違うことは無い
しかしノウェの意識は未だ健在で、一度の射精では果てる筈のものは先程と同様熱く滾っている

「ふふ…まぁそんな事はどうでも良いですよねぇ…」
それを物欲しげに見た後、ハンチは溜まった唾液を飲み干しながら再びノウェの身体の上へと跨った
ただ先程とは違い、腰より上部、腹の上へと腰を下ろした

「続きを……さっきより良いことしましょうよぉ…？」
後ろ手にノウェのものを擦りながら、ハンチは小さく呟いた

すげえノウェの奴うらやましすぐる
ハンチさんエロすぎだぜ！

うおお。。。
ハンチさんエロすぐる！
このクオリティには勝てる気がしないorz
続きｗｋｔｋしながら待ってるぜ。。。ｗ

「んっ…あっ…もぅ暴れないで下さいよぉ」
腰を上げ、ノウェのものを後ろ手に掴んだハンチは、それを自身の膣内へと導こう奮闘していた
ノウェのものを膣口に当て腰を下ろそうとすると、当てた瞬間ノウェのものが反応し動く
結果ノウェのものがハンチの膣内に入ることは無く、動く度ハンチの陰核を刺激する
その度ハンチは甘い声を上げ、身体を震わせた

「仕方…無い…だろ…」
消え去りそうな細い声で答えたのは、意識混濁から意識を持ち直したノウェだった
辛そうに首を持ち上げ、まどろんだ瞳は焦点が合い始めていた

「ノウェ殿…？」
予想外の出来事に、ハンチは一瞬何が起きたのか解らなかった
しかしやがて理解し、いつもの歪んだ笑みを浮かべた

「良く私のお水から立ち直れましたねぇ…」
後ろ手に掴んだノウェのものを扱きながら、事も無げにいうハンチ

「二度目、だから…かもな…」
言葉を途中で止めたノウェは、緩慢な動きで自身のものに手を伸ばした
ハンチの手を覆うように軽く握り、感覚で角度を調整する

「抵抗…しないんですか…？」
やっと動ける様になったノウェの行動に、ハンチの脳裏には疑問が生まれた
結果は見えているにしろ、薬水の効果が切れてしまっては、やがて催淫効果の無くなってしまう
そうなれば情事を営むことも当然出来ない筈
しかしノウェのものは一向に治まらず、熱く滾ったままだった

「……ここまでやって…止められるわけ…」
そう呟くノウェの頬は、僅かだが赤みがかっていた

ノウェに同意せざるを得ない

「んふぅ…ぁ…良ぃ…ん…！」
ノウェが意識を取り戻してから数十分、ハンチは声を高く喘いでいた
跨られたノウェを抑え気味にだが声を上げていた

「初めてですよ…こうやってするのは…」
腰の動きを一旦止め、ハンチは乱れた髪を耳に掛け直しながらそうノウェに語りかけた

「今まで…ずっと独りでしてましたから…」
荒れた息で呟き、どこか遠くを見てるような目と悲しそうな息遣いハンチの表情は、儚げだった
ただただ儚げな表情は、どこか美しくも見える

「私としてくれる殿方が…居たなんて…」
その言葉に、ノウェは言葉ではなく行動で答えた

「はぁ…いっ！そん…な…」
ハンチの言葉を掻き消す様に腰を突上げ、ノウェは上体を起こした
無言のまま、契約の印の紋章の刻まれた乳房に舌を這わせ、乳首を吸い舐める
ハンチはその度声を上げ、室内をより淫靡な空気へと変える

「そこ…そんなにしたら…！」

「……したら？」
ハンチの懇願に、ノウェはわざとらしい疑問を返した
左手で向って左の乳房を弄び、舌を右の乳房へ
右手は粘着く二人の接合部分の少し上、充血する陰核を摘む

「また…逝っちゃう…！」
切なげな声で訴えるハンチに対し、ノウェはその身体を抱き寄せ耳元でそっと呟いて答えた

「じ…じゃあ一緒に…？」
息のぶつかる距離で見つめ合った二人は、ノウェが小さく頷くと再び互いを感じるべく動き出した
ノウェはハンチの身体を持ち上げ、限界近く上下に動かす
それに合わせ前後に腰を振るハンチ
互いに限界を向えるまで、そう時間は掛からなかった

GJ！

「はぁ…んぁっ！もう…ダ…メ…！」
互いの身体を抱き締めたまま、二人は限界へと急速に近付いていた
ハンチの身体を支える両足は小刻みに震え、時折力が抜け掛けている

「俺も…もう…！」
それはノウェも同じ事
耐える様に歯を噛み締め、動きをやや緩慢にしていた
示し合わせる事も無く、ノウェは意を決したように腰の動きを一段と早く激しいものになった
ハンチもそれに合わせ、腰をノウェの密着させる
そして、近付いた互いの顔の間を埋めるように差し出された舌はやがて絡み合い、ハンチの唇にノウェのそれが覆い被さった

「んぅ…ん！…ん…んぅ！」
言葉を発する事無く、荒れる息遣いと絡めた舌が感情を伝える術
脈打つノウェのものが、ハンチにノウェの限界を教え
愛液が溢れ、より締め付けるハンチの膣内は、ノウェにハンチの限界を教える

「んんっ…！んぅぅぅぅぅぅ！！！」
一際大きく動いた後、ノウェはハンチに腰を強く押し込み
ハンチも身体をノウェに擦り付けるように密着させ、自身の奥深くに注がれる精を待ち構えた
二人の呻きに近い声が重なった瞬間、二人は身体の動きを止め、互いを強く感じながら絶頂へと達した

「はぁ…はぁ…」
抱き合ったまま、ハンチとノウェは互いの吐息を息遣いと共に感じていた
接合部からはノウェが放った精液が溢れ、室内には情事に及んだ男女の匂いが充満していた

「ふふ、膣内に…出しちゃいましたねぇ」

「仕方ない…だろ…？」
気恥ずかしそうに答えるノウェだったが、その目は再びまどろみ始めた

「あ…れ…？」
ノウェのそう呟きを残し意識を失い、ハンチもそれを意外そうに見つめていた
穏やかな寝息を上げ、眠っていると言っても間違いはなさそうだった

「…もぉ…今頃お水の効果が出ちゃいましたか？」
返事を求めていない独り言を言いながら、ノウェの顔を撫でるハンチ
やがてノウェから身体を離れ、立ち上がり脱いだ衣服を身にまとう
眠るノウェには、部屋の片隅にあった毛布を取り、丁寧な手付きで掛けた

「ゆっくりお休みを…ノウェ殿」
笑みを浮かべたハンチは、満足そうにノウェの寝顔を眺め、やがて部屋から出て行った

「ノウェを…倒したと言うのだな？！」
珍しく語尾に力の入った封印騎士団団長、ジスモアは己の執務室で部下の報告を受けていた

「ハッ！神水の直轄区より、連隊長ハンチ殿よりそう仕り馳せ参じた次第であります！」
伝令の任に就いている兵士は、幾度と無く繰り返してきた敬礼を行い、任務に忠実な報告を始めた

「件の“竜の子”は、確かに神水の直轄区にて屠られ、遺体は残念ながら水底へ沈んだとの事です！」

「そうかそうか…良し、さがって良いぞ。御苦労だった」

「ハッ！失礼します！」
型通りの敬礼を行い、伝令の兵は執務室より立ち去った

「フハハハ！これで我等が封印騎士団も磐石だな！フフ…ハハハハ！」
大声で笑うジスモアだったが、何故水底に沈んだ死体を、ハンチが回収出来なかったかが少々疑問に残った
しかし目先の障害を取り除けたという事に、小さなことだとやがて気にしなくなった





その後、ハンチの卑屈加減が幾分和らいだと、神水の直轄区に配置された兵達に、嘘か真か囁かれるようになった
曰く、夜な夜な若い男と情事に及んでいるからだとか
曰く、その男の子供をその身に宿しているからだとか…
と言っても憶測ばかりで決定的な理由は解らず、そうなるとハンチの性格が変化したという事すら疑わしい
詰る所、事の真相は誰にも解らない


……当の本人は別かもしれないが

終了…と
最後のは少々蛇足だったかなと反省

いつも通り、感想宜しく

GJ　すげー興奮した
>>575はあった方がDODぽくていいと思う

乙

エロ苦手って嘘だろｗ
面白かった

ハンチさんはいい嫁になるよ

GJ
野上はこれから一生ハンチさんの性奴隷として生きるのですね

羨まし過ぎる

ＧＪ！
素晴らしくエロだった

今夜あたり投下始めようと思うんだが。。。
分割で載せるか一気に載せるか正直迷ってる
エロ部分が後半ってのもあるんだが どっちが良いか聞きたい

上にも同じ様な質問あったような…
個人的には一気にどうぞ

そんでは投下開始
一人にしか意見聞いてないとかは勘弁ｗ

『さらば…だ……馬鹿者……』
赤き竜はそう言い、光となった。
己が初めて守りたいと思った男のために。

―それから十三年―

男は半身を失う原因となった少女を連れ、世界を回っていた。
自らが引き起こした厄災の爪跡を見せるために。
また、自分が赤き竜と歩んだ路を振り返るように。
当初、少女は事ある毎に命を捨てようとし、男に阻まれ、怒りの向くまま殺されようともしていた。

だが、最近になるとそれもなりを潜め、罪を受け入れ始めた。
道中立ち寄った街の噂話では、神官長が封印を再び破壊されぬよう騎士団を立ち上げたとの事だったが、男は複雑な気持ちでそれを聞いた。
半身が受け持つ世界の安寧を喜ばしく思う反面、再び逢うことが出来ない寂しさ。
結局、そのどちらも捨てられずに放っておくしかないのはわかっている。
だが、そう簡単に折り合いをつけられるものでもなかった。

そんなある日、二人は久々に宿での休息をとっていた。
狭い二人用の部屋で、片方のベッドでは少女が寝息をたてている。
それもそのはず。
わざと体力を奪うような道程を歩き、疲れさせ、自分が休息をとっている間に事を起こされないようにしてきて、それが今や習慣になっている。
だが、男はふと少女の身を案じている自分に気付く。
連日体力の限界まで歩かされ、宿場すら通り過ぎ、野宿を繰り返す。
それでは流石に体が保たないだろうと考えたのかもしれない。
だが頭の片隅では、いくら罪を受け入れ始めたとしてもいつ暴走するかわからない。
それを防ぐための措置だ、と答えが出ている。
男はゆっくりと眠る少女に近づき、その髪に触れた。
光を弾くような鮮やかな金色に見とれ、自分を見失いそうになる。

だが、馬鹿馬鹿しいと放るようにその手を払うと、暖炉の前に座り込む。
憎悪の元凶となった者を労るなどあり得ない。
だが今日、疲れ果てた少女を見かねて何故か宿をとった。
そして今の行動と感情の揺れ。
何かが食い違っているような気がしてならなかった。
��情が移ったか、人間��
「……!?」
男は思わず立ち上がり、狭い部屋を見渡す。
��どこを見ようと無駄だ、馬鹿者��
��我はどこにもおらぬ。だが、我らは契約を交わした身。声はどこにいても、届く��
男は立ち上がったまま、暖炉の火へと視線を戻す。
��それにしても、ひよったものだな。あれ程憎んでいた者に見とれるなど��
久々に聞いた半身の声。
以前に声を飛ばしたのは、少女を連れて世界を回る事を決めた時だった。
その時は返事などなく、自分の声は届いていないものだと決め付けていた。
相変わらずの皮肉が何故か心地良く、男を満たしていくが、ひとつだけ否定しておかなければならない事がある。
男はこれまで飛ばすことのなかった恥じた声を紡ぐ。
─��俺が見とれるのは、あの赤き炎。この暖炉の火などとは比べ物にならない、紅蓮の炎だけだ��
─��わかるか？共に幾多の死線をくぐってきた、お前の炎だ。あのまま共にいられれば、俺は何を恐れることもなかった��
視線を動かすことなく、返事をする。
��だからひよったというのだ。我がいなくなったからといって、おぬしは何を恐れる必要がある��
��己の命か？それとも、その女が死ぬ事か？��
「…………」
男は黙し、すぐには答えられなかった。
確かに、今の自分には恐れるものなどないはずだ、と言い聞かせながらも漠然とした不安は常に付きまとっている。
だが、それが一体何なのかは判っていないが。
─��俺は──��
男が声を発そうとした瞬間、部屋の窓が音を立てて壊れ、視界の端に夜闇へと消える金色が見えた。

「……!!」
男はすぐ窓に駆け寄り、外を見る。
窓の外に十数歩の足跡があり、その先は崖に切り取られ消えていた。
��どうした？……何があった!?��
半身の声で男は我に返り、窓から飛び出した。
数歩走り、崖の直前で足を止め、下を見やる。
だが、月明かりは雲に阻まれている上、光の届かない崖下は闇に沈み何も見えなかった。
─��マナが……崖から飛び降りた��
呆然とした声を発したのだろう。半身からの声は怒りをはらんでいた。
��呆けている場合ではなかろう馬鹿者！すぐに追え!!��
男は弾かれるように崖沿いを走り出す。
いくら契約者といえど、底の見えない崖から飛び降りる事は出来ない。
しばらく走ると、崩落した跡がある斜面に行き当たった。
急ではあるが降りられなくはなさそうだと判断し、所々に残っていた岩盤を足場に、下へ下へと降りていく。
谷底へ辿り着くと、そこは闇に沈み、数歩先も見えないような有様だった。
判るのはすぐ近くに水が流れている事だけ。
―��大分降りたな。ここまで深いとは……��
��そうか、それなら女は助からんだろうな……��
―��…まだ、わからない。だから追いかけ、連れ戻す。どんな手を使ってでも��
半身の苦笑を聞きながら、男は闇に包まれた谷底を駆ける。
全力で走っているせいか、地面の岩に足をとられても受け身すらとれず、何度も派手に転ぶ。
全身の痛みに顔をしかめつつ、必死に周囲を見渡す。
時間的には宿の下に着いている頃だろう。
―��流されたか……？��
そうだとすれば、発見は難しい。
更に、もし自殺ではなく逃走だとすれば、それは磐石だ。
その上、こんな闇の中で探し回るのは現実的ではない。
��川が流れているのならばその可能性もあるだろう。おぬしの炎で照らせぬのか？��
男は、その声で余裕を無くしていた事に気付く。
すぐさま掌を天に向け、愛剣の魔法を解放した。
赤く谷底を照らす火球。
その明かりがある間に周囲を見渡す。
すると、丁度男の立っている砂利場付近や対岸の崖が不自然に飛沫を受けたように濡れていた。
太い川は更に奥へと流れ、この場には誰も見あたらない。
それを確認すると、男はまた走り出す。
うねる川沿いを駆けながら、火球を天に放つ。
飛沫の跡を見た場所からしばらく走ると、川が一際大きく曲がっていた。
男は再び火球を放ち、周囲を照らす。
その一瞬、光を弾く金色が見えた。
男から見て対岸、岩壁に引っかかるようにして少女は気を失っていた。
その姿を確認するや否や、男は剣を捨て、川へ飛び込む。
流れは思いの外速く、もどかしい程の時間をかけながらも少女の元へと泳ぎ着く。
水に浸かったままの華奢な体を抱きしめ、再び対岸へと引き返す。
少女を岸に降ろし、川から上がると、流石の男も息が切れていた。
だがここで安心もしていられない。
剣を手に少女へ駆け寄り、口元に耳を近付ける。
呼吸しているのを確認し、火球を放ち体を見やる。
「……!!」
少女の姿を見た瞬間、男の目が見開かれた。
着水の衝撃のせいか、どこかに打ち付けたか、その右腕は不自然に曲がり、完全に折れていた。
更にそこからは血が流れ、体温を急速に奪っている。
このままでは、低体温による肺炎や感染症の恐れもあるだろう。

��女は見つかったのか？��
男の驚いた気配が伝わったのだろう。
再び半身の声が聞こえた。
―��ああ。だが、酷い怪我をしている。すぐに手当てをしなければ、まずい��
��そうか、ならば急いで戻れ。手遅れになる前にな��
男は会話をたたむと、自分の服を破り取り、落ちていた細身の木材を少女の右腕に当て、添え木とする。
更に腕が動かないように止血も兼ね強く縛り、体を抱き上げて走り出した。
戻る途中でようやく雲が晴れ、月明かりが谷底に満ちてきた。
これ幸いと岩場を走り、降りてきた岩壁を跳び上がる。
一刻も早く少女を休ませなくてはならない。
宿に戻ると、壊れた部屋の状態を見た主が慌てた様子で出迎えた。
何か事情を聞こうとしたのだろう。
だが、主は全身ずぶ濡れになり、殺気立った男の眼光に怯え、何も言えなくなっていた。
男はそれを無視し、部屋へと上る。
少女を元々寝ていたベッドに寝かせ、自分にあてがわれた方のベッドから布団やシーツを剥ぎ取り、暖炉の側にそれを敷き直す。
次に、火が消えていた暖炉に薪を投げ込み、火球を叩き込んで火を付け、暖をとる。
最後に、部屋にある紙とペンを取りタオルと医者を呼ぶように書き、階下の主へメモを渡す。
すると、主は少女の様子を見て状況を察し、既に医者を手配していた。
すぐに来ると言われ、渡されたタオルを手に部屋へ戻る。
幾分暖かくなった部屋で少女の服を脱がせ、体を拭き、暖炉の側に寝かせる。
長らく濡れたまま風に当たっていたせいか体は冷たく、男が不安を感じる程だった。
��女は無事か？��
―��ああ。今医者を呼んだ。思った程、大事にはならないだろう��
少女に毛布をかけながら返事をする。
呼吸も幾分規則正しくなり、このまま暖まっていれば悪化することはないだろう。
時折止血を緩め、右腕に血を循環させていれば壊死する事もない。
��ふん、悪運の強い女だ��
―��そう言うな。俺の責任だ��
一瞬でも気を緩め、少女の暴走を許した。
それがこの結果で、幸か不幸か、といった所だろう。
��……誰もおぬしのせいだとは言っておらぬ。責任は馬鹿な事をしでかしたその女にこそある��
どこか拗ねたように聞こえるのは願望か。
男は誰も気付かない程僅かに苦笑しながら、濡れたままの少女の服を絞り、暖炉の上に広げておく。
―��悪い。拗ねさせたか？��
��だっ、誰が拗ねてなど……！ええい、もう黙れ!!��
半身の戸惑う声を聞きながら、今度こそはっきりと男の頬は緩んでいた。
このままの日々が続くのであれば、それも悪くない、と。
それから程なくして医者が着き、手当てを施し、何かあればすぐに呼んでほしいと言い残し帰って行った。
そのまま二人だけが部屋に残され、夜半を越えた。
周りから夜の音以外聞こえなくなった頃、男はおもむろに少女に歩み寄り、その髪を撫でる。
そのまま守るように少女をその胸に抱く。
今まで自覚していなかった。
いや、自覚しようとしていなかった。
自分がこの少女に愛情に近い何かを感じていた事。
少女が崖から飛び降りた時、半身を失った時にも似た焦燥を感じた事。
もう二度と、あの絶望を味わいたくないと思った。
自分の傍に置いて、誰にも渡したくないと。
自分だけのものにしたいと。
それはずっと感じていた劣情かもしれない。

男は狂暴な感情に抗いながら少女の体に触れた。
折れた右腕を気遣いながらも、自分の中で暴れる感情を抑えきれない。
少女にかけられている毛布を剥ぎ取り、その体の全てを瞳に映す。
目の前には、女の部分を露わにされた少女がいた。
男は無骨で剣ダコだらけの左手で程よい大きさの胸を触る。
罪悪と背徳を感じながらも、指は急いて頂へと向かう。
ザラつく指で何度かその桜色の頂を弾き、摘みあげると、それは硬くしこった。
男の欲望はそれを境に歯止めが利かなくなり、下半身へと右手が伸びる。
淡い茂みを撫で、自分の熱を与えるように手を止める。
左手は頂を捕らえたまま、確かな拍動を感じていた。
その事に安堵し、右手を進ませる。
柔らかい蕾をなぞり、時折芽を指腹で擦る。
その度に少女の体は軽く跳ね、反応を示す。
数回指の往復を繰り返すと、男の指には淫液が絡みついてきた。
それを確かめると指を曲げ、蕾への浅い抽送を始める。
荒れた指で内側に傷などつける事のないよう、ゆっくりと。
やがて男の耳にも届く程の水音が聞こえるようになり、指の動きも激しくなる。
淫液を絡みつかせた指は、先程よりも速く往復し、少女を責めたてる。
次第に、蠢く内側は強く脈打ち、熱くなっていく。
深く指を挿し込むと、今まで以上の激しい脈動が指を何度も締め付けた。
「あ……ふぅっ……っ」
その時初めて、少女の口から一瞬喘ぐような息が漏れた。
それだけだったが、男のタガを外すには充分すぎる淫声だった。
指先には確かな膜の感触。
今まで誰も侵入した事のない証があった。
それが更に男を昂らせ、意識を真っ白に染めていく。
膜に触れた指を曲げ、内側の柔らかい壁を掻き回す。
指が曲げられる度、少女の蕾は収縮し、狭くなっていく。
「はぁっ……ぅ……」
時折漏れる少女の声は徐々に乱れ、荒くなっている。
少女の反応を見ながら内壁を掻き回していた指はある一点を見つけ、そこばかりを責め立て始めた。
「ぁっ……ぅあっ……」
執拗に責められ、どんどん過敏に反応を始める蕾は、もはや痛い程男の指を締め付けていた。
「ぅぅっ……ぅっ……!!」
一際大きく息を詰まらせた瞬間、その蕾から軽く淫液が噴き出した。
それは内壁を掻き回す度噴き出し、収まる気配を見せない。

いつの間にか男は全裸になり、少女を正面から見下ろしていた。
下半身に血が集まり、欲望の象徴はこれ以上ない程いきり立っている。
男は上半身を折るようにしながら、両手を少女の両脇に突き、深く口付ける。
柔らかな唇を押し割り、歯をなぞり、舌を絡め、それを軽く吸う。
下半身では、男の先端が少女の芽を擦り上げる。
「はぁっ……！」
無理矢理絶頂を迎えさせられた後の体は大きく跳ね、腰が浮いた。
その感触を楽しむかのように何度も口付け、擦り上げる。
止め処なく溢れる淫液は男の物をも濡らしていく。
往復を繰り返すうち、少女の体が痙攣し、今度は勢いよく蕾から淫液が噴き出した。
それは互いの下半身すらも淫らに濡らしていく。
男はそれでも往復をやめず、何度も芽を擦り上げる。
「ふぅっ…かっ……は…ぁっ……!!」
その度少女の蕾からは淫液が噴き出し、やがてシーツに大きな染みを描き出す。
「ぁぁ……はぁ……っく、ぅ……」
男は痙攣が止まらなくなった少女の蕾を満足したように眺め、口端を釣り上げると、ようやく先端を入口にあてがった。
強く、だがゆっくりとそれを中に沈めていくと、すぐに先程指で触れた膜に行き着く。
一息に突き挿れたい気持ちを抑え、殊更ゆっくりと押し広げる。
膜が破れていくのを感じながら、最後は欲望に負け一気に奥まで突き上げる。
「あぐぅっっ!!」
痛みからか、少女が苦痛にも似た声を上げる。
意識が無いにもかかわらず、その瞳からは一筋の涙が伝っていた。
男はそれに構う事なく少女の腰を左手で掴み、何度も奥を突き上げる。
「あぁっ！ぅぅっ！あがっっ!!」
まるでその度漏れる息を楽しむかのように。
男の唇は少女の頂を吸い上げ、舌で転がしながら荒い息を吐いていた。
時折甘噛みし、体の反応を楽しむ。
空いた右手は接合部の上にある芽を擦り上げ、なおも責め立てる。
「あぐぅぅぅぅぅぉっ!!…ぉおぉぅっぁぁぁぁぁぁっ!!」
もはや腰や蕾だけではなく、全身を跳ね上がらせながら奇声を上げ、壊れた玩具のように少女は痙攣を続ける。
間断なく与えられる刺激にその体は過敏に反応していた。
「ぁぁっ！ぇぅっっ！かふっ!!おぅぅ……っ！」
次第に強く、速くなる抽送に合わせるように少女の漏らす息も短く、絶え絶えになっていく。
込み上げる絶頂感の中、男は自嘲した。
まさか、妹を殺した女に愛情を感じるとは、と。
あまつさえ、こうして抱いてしまっているなんて。
だが、この想いは止められない。
長らくこんな想いを感じる事などなかった。
男の思考は煩雑なまま絶頂感に押し流され、射精と同時に消え去った。
「あ゛っ……!!っう゛……ぅ……」
少女の中で暴力的なまでに強く爆ぜた欲望は、まだ小さな蕾には収まり切らず、音を立てながら僅かな隙間から零れ落ちた。
それは少女の血と混ざり、淫液が染みついたシーツを更に赤く汚した。

そのまま男は気だるい体を少女へと預ける。
未だ罪悪や背徳を感じてはいたが、男はどこか満足したような笑みを浮かべていた。
歪んだ形ではあるが、これでようやくひとつになれた。
やっと、自分やこの少女を許せるようになれた、と。
少女の体温を直に感じながら、微睡みに沈みそうになった瞬間。
��ぅあぁぁぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁあっっっっっっ!!��
突然、半身からの絶叫が響いた。
「……!!」
何事かと男は飛び起き、声を飛ばす。
─��どうした!?何があった、アンヘル!!��
��うぅぉ……おのれヴェルドレ……我を裏切るつもりか……��
かつて旅の道連れだった男が半身に何をしたというのか。
��封印の改変だと？……我は……そのような事を許した覚えはぁがあぁぁぁあぁぁぁああああぁぁっ!!��
男の声に反応もせず、ただ半身は声を上げ続ける。
だが、それだけで充分だった。
神官長ヴェルドレが男の半身である赤き竜を裏切り、何かをしようとしている事。
その何かなど、男には知った事ではない。
唯一無二の仲間。家族とも呼べる存在である半身に危機が迫っている。
男はすぐに発つ準備を始めた。
自分の脱ぎ散らかした服や剣を身につけ、痙攣を続ける全裸の少女に服を着せる。
淫液が染み付いたシーツを引き抜き、薪と一緒に暖炉へ放り込む。
最後に、未だ目覚めない少女を見やり、自分の腕輪を外した。
そのままベッドの横にある紙にペンを走らせる。

『自分の命を粗末にするな。
　今のお前の命は生きる人々を救い、守るためにある。
　白い手の者だけが何もかもを救える訳じゃない。
　お前の手が必要な者も必ずいる。
　怪我が癒えたら何処へなりと行け。
　そして、その手で迷える者を導いてやれ。

　この腕輪はいつか返してもらう。
　それまで、預かっておいてくれ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―カイム』

男はメモの上に腕輪を置き、部屋を後にする。
宿を出た男の顔は、かつて復讐のみを目的に生きていた鬼の形相に戻っていた。
人として生きるのは、半身と、置いてきた少女の傍だけだと言うように。
─��待っていろ、アンヘル。すぐに助けてやる��
声が返ることはなかったが、何処とも知れぬ場所にいる男を殺すため、カイムは走り出した。

この二年後、封印襲撃事件と呼ばれる、封印騎士団にとっては未曾有の危機が起こった。
雑兵など言うに及ばず、当時の騎士団長、双刀の金獅子と呼ばれる男と剣を交えたカイムは左目を奪われるものの、その団長すらも殺害する。
奥の祭壇にいた男─ヴェルドレや、その弟子達もろとも斬り伏せ、封印の改変を阻止しようとした。
だが、奇しくもそこは命を吸い花を咲かせる聖花を鍵とする、後に明命の直轄区と呼ばれる地であった。
聖花は、カイムが殺害した数多の命を吸い上げ、花を咲かせ、封印の改変は完成してしまった。
この二年で次第に弱っていた半身の声が完全に途切れ、カイムは絶望に包まれる。
だが、何としても半身を解放する方法を見つけるため、再び各地を転々とするようになった。

一方、宿に置き去りにされたマナが数日後に目覚めると、部屋には誰もおらず、自分だけが何故か二人部屋に一人で寝かされていた。
少女は固定された右腕と、布団に直に寝かされている自分を不思議そうに見つめながら、視界に入ったベッド横のメモを手にとる。
文字を追うその赤い目には、かつての狂気はなかった。
「……この、手紙は……？」
ただ、今までの記憶を失っているだけで。


―　Insane whereabouts　it is close.　―


終了、と
駄文で申し訳ないorz
感想とか貰えると、嬉しくて2作目に手を出すかもｗ

これは新しい発想
そのままカイムストーリー作ってもいいんじゃね？

面白かった！次に期待します

乙、面白かった
2のマナとカイムってあんま見た事ないから見てみたいな

おつでーす
面白かった

マナってカイムと13年も旅してたっけ

乙！
いやぁ…感想を言う日が来るとは…ありがたい

>>592
公式設定資料によれば６年目でマナはカイムから離れたとか
まぁそこは気にするとこではｎ（ｒｙ

>>592-593
ｍｊｓｋ
それは知らなんだ。。。
でもほら、12才とか襲ったら犯ｚ。。。いやDODにそんな概念はないか
>>590のカイム偏も考えたが。。。エロがなさそうだからなぁｗ

しかし実際、こんなに感想貰えると思ってなかったから素直に嬉しい
次はアリ姉のSS書いてみるよ
ちょっと短くなりそうだけど。。。

エロパロで深い考証のツッコミは無しさ（笑

……アリ姉さんだって？




被ったww

姐さんもかなりエロいからなぁ
どっちも楽しみにしているよ

うおお。。。
SS保存してたPCメールボックスにアクセスできねぇ。。。orz
ちょっと正常アクセス出来るようになるまで時間かかりそうだな

で、ちょっと質問
アリ姉書くのは確定として、ここの住人達はどのキャラメインのSSとか読んでみたいのか知りたい
カイマナ　アリ姉　ときて、早くも積む気配がｗ
どんなの読んでみたいのか判れば書きようがあると思うからさ
すまんが欲望をかしてくれ。。。

>>597
ヤハとユーリックのはここに投下されたことあんのかね？

…すみません、ちょっと言ってみただけです。

>>597
じゃこっちが先に落とすかな

>>598
それはww
書いてみたい気もするがww


で、今回はカイアリ物で、エロ成分はちょい少なめ
書きながら投下なのは勘弁してな

夜通し続いた戦闘は、先程司令官と思われる者を青年が斬り殺した時点で勝敗が決まっていたようだ
それ以前に五割以上の戦力が消耗させられては、当然の事だろう
しかしさすがは帝国軍、文字通り最後の一兵が死ぬまで戦い続けていた

「ねぇ…子供はいないの？」
人喰いエルフと揶揄される所以を遺憾無く発揮しているのは、長身美麗なエルフにして強大な力を持つ契約者
数多の敵を長年使い込んだ長剣で切り捨て、一段落した戦場に腰を下ろした青年は、その言葉に返事をしなかった
エルフの女は返事をされない事に慣れているのか、特に何も言わずにふらふらと辺りを歩く

『カイム…聞こえますか？』
そんな女の様子を眺めていると、不意に契約者特有の“声”が青年の耳に届いた
先行し、一番敵の軍勢に入り込んでいるその契約者は、戦況が収まりつつある事を青年にを伝え、先に帰還することを提案した

『ただ…セエレから目を離さないでやってください…宜しくお願いします』

ーーー……あぁ、分かった
他人の心配など…と一蹴してやろうかと思ったが、辺りを歩く女が目に付き、それが指し示す意味をすぐに理解した
面倒だとは思ったが、味方を食われてはこちらの士気に多大な影響を及ぼすと判断した青年は、そんなことは御免だと渋々その頼みを聞き入れた

『ホーント、ガキンチョには優しいんだな、お前は！』
“声”に小煩いフェアリーのものも混じったので、青年は一方的に話を切り上げ、下ろしたばかりの腰を上げた

ーーー…アリオーシュ、野営地に戻るぞ

「子供……残念…」
青年の言葉に大人しく従う女だったが、その口が吐き出す言葉には特有の狂気が混じっていた

ーーーお主…中々面倒な事を引き受けたな
上空からそう“声”を放つのは、青年の契約関係にある赤き竜
晴れ始めた空を見上げ、その“声”に青年は無言を以って返答とした

ーーー我はこのまま周囲の残党を蹴散らして来ようぞ…精々あの女から目を離さぬことだな
そう告げる赤き竜の言葉には、忠告に近い思いが込められていた
青年は億劫そうに返事をし、先に野営地に向おうとしている女に追いつくよう、足を早めた

「おぉカイム…帝国軍は追い払えたか？」
野営地に帰還すると、真っ先に声を掛けて来たのは神官長であった

ーーー当座の間、ここは安全だろうな
質問に簡単に答えた青年は、自分が戦地より離れたキャンプには不釣り合いなほど血生臭い事に気付いた
それもその筈、つい先程まで帝国軍兵士を何百人と切り裂いていたのだから
血に塗れる事など意識せずに戦っていれば、自ずと全身で血を浴びることとなる
只でさえ疲弊した野営地で血の臭いを纏っていては、自分も周りの兵をも不快にしてしまう
手近な川にでも行って軽く行水でも…と考えたが、眼前で心ここのに無く呆けているエルフの女が気に掛かった

ーーーヴェルドレだけに任せるのは不安だな…
神官長といえど、仮に不意を突かれ襲われたらひとたまりも無い
先程まで命の取り合いをしていたのならば尚の事不安だ
いつ爆発するか解らない爆弾を置いていく事は出来ない
ならばと言わんばかりに、青年はエルフの女に“声”を飛ばした

ーーーアリオーシュ…付いて来い
返事は無いが、ふらふらと女は青年に近付いて来た
その姿は青年と同じく血塗れで、血臭は青年の何倍も強い
普段は気付かずにいたが、改めて見ると衣服はどす黒く変色している

ーーーそういえば、身なりを整えている所を見たことが無いな
丁度良い機会だ、そう思ったを後に後悔する事になるとは、その時まだ青年は想像もしていなかった

wktk

うひょひょ
こりゃまた先が気になる展開で

「…………………」

ーーー…何だ

「…不味そう」
水辺にて上半身の衣服を脱ぎ、流れる水で簡単に洗濯をする青年を無言で見つめる女は、それに気付いた青年の“声”にそう返した
膝を抱えるように川原に座り込み、青年を見つめるその姿からは想像出来ない意味を持った言葉だった
その返答に困る言葉を聞き、呆れ顔の青年の足元から水の色は黒く変色している
鎧の下にあるとはいえ、自分の服に如何に血が染み込んでいるかを改めて知った

「…………………………」

ーーー…だから何だ
暫く衣服を洗い続ける青年は、こちらをじっと見る眼がどうしても気になり、意味が無いことを解っていながらまた同じ事を訊ねた

「…もう、大人でも良いかな…」
薄ら笑いを浮かべ、さらりと言われたその言葉に青年は思わず身構えた
帯剣しているといえ、もし女と一騎討ちなど事になれば、この距離では分が悪すぎる
最悪、女の契約相手の“ウンディーネ”の魔法で溺死、なんてことも十分にあり得るからだ

「ふふ…ふふふ…」
しかし女は薄ら笑いを浮かべるだけで、何をするわけでもない
そんな女の様子を警戒しながら、青年は上着の洗浄を終えた
ズボンに関しては、上着を洗っている間についでにだが膝の辺りまで洗えたので、今回は特に洗う必要は無くなったようだ

ーーーお前も洗ったらどうだ？
濡れた上着を大きな岩に掛けた後、女にそう提案したものの、女は青年を見上げたまま何も言わなかった
青年の引き締まった上半身と濡れた衣服、そして先程まで青年が膝まで浸かっていた河を見比べ、突然立ち上がった

「……………」

ーーー…どうした？
青年は半歩後退り僅かに身構えたが、女はそんな青年を気にする事も無く、水辺へ歩き始めた

「私も…洗う」
呟かれた言葉に、青年は安心したようのか長剣の柄から手を離した
女は腰部の金具を片手で外し、愛用の武具の“哀しみの棘”を乱雑に投げ置いた
そして膝の防具を取り外せばもう軽装で、そのまま川に立ち入る
水を両手ですくい、衣服ごと身体に掛ける
数回水を浴びていたが、すぐに飽きた様に手の動きを止め、青年が疑問の“声”を伝えるより早く、女は川の中にしゃがみ込んだ

「あはは…冷た〜い…」

ーーー当たり前だ…？！
水の中で何か動いていた女は、青年が“声”を言い終わるより早く、その行動を終わらせていた
不意に振りかぶった女の手には何か布のような物が握られ、投げ捨てるように青年に向け渡される
無意識にそれを受けとった青年は、投げられた物が川底にあった襤褸切れか何かだと思い顔をしかめたが、それにしては手触りが良過ぎる事にすぐ気付いた
良く見れば、染み出した汚れで黒ずんではいるが紛れも無く女が着ていた服である

ーーーおい…？
呆気に取られた青年は、投げられた服を手に、女の次なる行動に更に驚かされる事になった
服に続き、腕当て、ブーツ、そしてそれらの下に着ていた下布までもが次々と投げられる
さすがの青年も受け止めきれず、最後に投げられた下布が、視界を塞ぐ様に顔を覆った
水を吸い当然重くなった下布を払い除けようと奮闘する青年を尻目に、女は囁きに近い笑い声を上げている
青年が、完全に下布を払い除け、視線を女に向ける頃にはその笑い声は大きく、晴れやかなものになっていた

「あははは…ふふ…」
女は水を掬っては頭上に撒き、髪の毛、そして一糸纏わぬ身体を徐々に濡らしていった
傷だらけの裸体をなぞる様に滴り落ちる雫は、音も立てず水面に吸い込まれ、消えていく
川原に差し込む柔かい日光に照らされた女の姿は、端的に言えば美しかった
普段の凶行を知っていて尚、美しいと感じる程である

ーーー…………
青年はその様子を息を呑み、食い入るように見つめていた
異性にそんな感情を抱いたのは、久方ぶりな事だ
傭兵という特殊な環境の中で、青年は一度も娼婦を買った事は無かった
性病を恐れて、という事もあったが、女を抱くより帝国兵を斬り殺すほうが何倍も快感だったからだ
そんな青年を以ってして尚美しく、本能的にさえ“欲しい”と思うほどの美しさ

「………？」
そんな青年の心情を知ってか知らずか、女は青年に向き直いた
整った乳房が左右に揺れ動き、乳房の先端を飾る乳首は硬く尖っている
薄く茂った恥毛に水滴が玉の様に留まり、さながら真珠のように輝いていた
暫く二人は無言のまま互いを見つめていたが、青年の背後に何者かの気配が現れた瞬間、青年は戦場と変わらぬ動きで気配の方向へと振り向いた
女も同様に気配を感じ、音を立てぬ様注意しながら青年のいる川原へと歩み始めた
生い茂った草木の向こうからは、何事か囁き合う声が聞こえてくる

ーーーこんなところで誰が…
青年の呟きに、“哀しみの棘”を掴んだ女は様子を見ろと顎で示した
ゆっくりと近付いていった青年は、その気配が何者で、何が目的なのかををすぐに知る事となった

ｗｋｔｋｗｋｔｋ
なんでこんな続きが気になる書き方をｗ

アリオーシュが食べられちゃうよ！！

>>608
お前誤爆してただろｗ

>>609
見つかった＼(^o^)／

ﾜﾛﾀ

「ねぇ〜ホントにこんな所でするの？誰かに見られちゃうよ…」

「気にするなよ、追加料金は払うし…」
乱れた服装の女を組み伏せる男の声には、どこか聞き覚えがあった
青年から見える男の頭は白髪混じりで、初老がかっている事が解る
男は慣れた手付きで女の身体に手を這わせ、やがて味わうように舌で弄び始める

「もう…見られ、て…感じるような女じゃ…！…ないのよ…」
対し女はそう答えているが、その声には独特の艶があった
男は女の言葉など意に介さず行為を続け、やがて乳房の先端を集中的に責め始めた

「また胸ばっかり……え？」
男の頭を抱き締めるように抱え込み、与えられる快感を享受しようとした女だったが、ふと男の背後から視線を感じた
そちらの方向を見遣ると、草木の間から一組の男女がこちらを伺っている
その青年は眉間に小さな皺を寄せ、エルフと思われる女は瞳を大きくこちらを見ていた
今相手をしている男が、青年に対し畏まって話して掛けているのを何回か見た事があり、そしてもう一人の女は血塗れで歩いている所を何回か見た事がある

ーーー場所を弁えろ…
男の手が女の懐に滑り込んだ瞬間、聞こえる事の無い“声”を出し、青年は男の後頭部に向け小石を投げた

「……ぅぁ？」
小石に揺れた頭が振り返った瞬間、その顔はあまりの驚愕に大きく歪んだ

「カ…カイム様？！」
そう叫ぶ男は、やはり青年に見覚えのある顔だった
戦場で多くその声を聞いた、古強者でもある兵士長其の人だ

「なななな何故カイム様がこんなところに？！」
兵士長にしてみれば、かつて忠誠を誓った君主の長兄
幼き頃、剣術の指南をしていたことが懐かしい
その長兄、青年となった彼を兵士長はいまだに君主として慕っている

ーーー居ちゃ悪いのか
その青年の“声”は兵士長に届く事は無いが、青年が何を言いたいのかは表情だけで十二分に伝わってくる
今まさに脱ぎ捨てようと手を掛けていたズボンを履き直し、衣服の乱れた女にも顎で服を着直す様に指示

「…え？…え？」
男の態度の変わり様に、何が起きているかが分からない女は男をただ見つめるばかり
それを見かねた男は、女に強引に服を着せるべく手を伸ばし、ものの数秒で乱れつつも服を着せることに成功した

「では！私はこれで失礼します！」
眼つきが一層悪くなっていた青年に一礼し、未だに状況を掴めないでいる女を抱き上げる
そのまま回れ右、そそくさと草木を掻き分け何処かへ走り去った

兵士長＝序盤の「カイム様ぁ？お返事をぉ！」の人

ってことで（笑

おｋおｋわっふるわっふる

こっそり絵投下。
ロリマナエロ注意。
ttp://www.uploader.jp/dl/sample/sample_uljp00367.jpg.html

上の方の作品でマナが拉致られた時のBADEND…みたいな。
作者さん勝手にスマン。
アナログで汚いが保守がてらつーことで許して。

連投すまん。
パスはdodだよー、パソコンからどぞー。

>>617
保存させて頂いたぁ！
絵を描いてもらう分にはなんの問題も無しさ

おかげでやる気が湧き出てきたよ（笑

ーーーまったく…
兵士長が掻き分けて行った方向を見つめ、青年は溜息を吐いた
兵士達を束ねる立場に在るといっても、女を買うなと言うほど青年も鬼ではない
しかし場所ぐらいは弁えなければ困る

ーーー動物と変わらんだろう…

「外でするのが、いいんじゃない？」
横に佇むエルフの女はそう呟き、青年の身体に寄り添う様にもたれ掛かった
屈んでいた青年の背中に女の乳房の感触が圧し掛かる

ーーー…おいッ？！
女の突然の行動に、青年は身体に染み付いた回避行動を取った
草木の無い左方に脚で地を蹴り飛び込み、肩から前転の要領で受身を取る
回転が終わると同時に体勢を整え、僅かに揺れる視線を女へと向ける
しかし居るはずの女の姿は見えず、青年は戸惑う
見渡す視界には人影は無い

ーーー………後ろか…！？

そう感じた瞬間、背後から回された白い美麗な指が、青年の口を塞いだ
それと同時に、背中にまた女の乳房が押し付けられ、女の声が耳元で聞こえた

「美味しく…頂くわ」

ーーー…何をッ？！
難なく背後を取られてしまった青年は、迷う事無く腰に括り付けた長剣に手を伸ばした
その手に馴染んだ武具さえあれば、例え契約者であれ一糸纏わぬのならば勝機は十分
青年の手が柄を捉え、引き抜けば勝機が生まれるという瞬間、女の右手が青年の手ごと柄を抑え込んだ

「駄目よそんなの…無粋過ぎるわ」
残った左手で、抑え付けた長剣の刀身を器用に摘み、青年の耳元で息を吐きながら青年から長剣を奪い取る
長剣を束ねる大型の鞘をも掴み、遠くへ投げ捨てる
予想以上に力のある女に、青年は満足に抵抗することが出来ず、唯一の武具を取り上げられた

ーーー……どうするつもりだ
腰を僅かに落とし、身構える青年は背後の女に向け“声”を放つ

「女にそんな事を言わせるつもり…？」
再び両手を青年の身体に這わせ、消え去りそうな程小さな声で語りかけた

「私達も…楽しみましょう…？」
青年を抑え付けていた女の手から力が抜け、只力を込めていた指が弄るような柔かい指使いに変えてゆく女
好機とばかりに女の束縛から抜け出そうとする青年だったが、女の身体を背中に感じ、女の手が腰を弄った瞬間、自身の考えが理性と反している事が分かった

>>618
thx！
今ハンチさん描いてる。
次はアリオーシュ描こうかなぁ。

アリオーシュ…
いいな！

食人ママンってイメージしかなかったから斬新だよ！

ｱﾘ姉さんってｶｲﾑと同い年なのにびびった
もっと年上かと思ってたから…

LoVのｱﾘ姉さんはｴﾛいです。

ハンチさんうｐ。（エロ注意）
ttp://www.uploader.jp/dl/sample/sample_uljp00371.jpg.html

コピー紙＋コピックは汚すぎたのでデジタルでやってみた。
でもこれもDODには合わないな。
顔色いいのは興奮してるからじゃないかな。
パスはもちろんdod。

>>624
仕事が早いな…
超GJ！！！！

元気なハンチさんも良いな

「ふふ…貴方だって楽しみたいでしょう…？」
青年を背後から抱き締め、女はその手で青年の身体をなぞる様に触れている
顔、首、胸板、へそに至るまで指を這わせ、ついには青年のものへと移動していった

ーーー…………
先程までの抵抗が嘘のように、青年は無言のまま女に身を任せていた
女はズボン越しに青年のものを弄り始め、そのものはやがて熱を帯び、硬く増長してゆく
苦しそうに震えるそれを手で包み込み、女は小さな児をあやす様な口調で青年に問い掛けた

「あらあら、こんなにおっきくして…」
ズボン越しに一撫ですれば、青年は小さな呻き声を上げる

「どうして欲しいのか…言ってごらんなさい…」
青年の呻き声に気を良くしたのか、女は人差し指と中指を揃え青年のものの先端を刺激し始めた
時折指で弾き、その度青年が放つ呻き声を聞き入っている様だ

ーーー………クッ…
遠ざかっていた男女の営みだったが、こうも刺激されては青年も男
弥が上にも気は昂ぶり、事に及んでしまうよう本能が叫ぶ
仮にこのまま終わらせてしまえば、今夜は間違いなく眠れぬ夜となってしまうだろう

「さぁ…」
母のように優しく語り掛ける女に対し、青年は躊躇いながらも答えを返した
その瞬間女は笑みを浮かべ、ゆっくりと青年のズボンへと手を掛けた