マリオキャラでエロパロ

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 朝、起きた時に。すでに兄さんはバタバタと出かける準備をしていた。
 「…何やってんの?」
 「おう、起こしちまったか。何か、マメーリアまで手紙を届けて欲しいんだと。俺とヨッシーで」
 泊りがけになるよなぁ。と呟きながら、箪笥を引っ掻き回して何かを探している様子の兄さんに。ボクは、今日箪笥に入れようと思って畳んでおいた下着とシャツの替えを出す。
 「はい。着替えでしょ?」
 「そうそう!で、悪いんだけどヨッシーの分の朝食も用意してくれないか?」
 聞けば、そろそろ到着するとのことで、ボクは慌てて準備にかかる。
 いつもの三倍は量のある食事を何とか作り終えると同時、来客を知らせるチャイムが鳴って。
 鳴らすだけなのが少し問題だけれども、ヨッシーが入ってくる。
 「マリオさん!ルイージさん!おはよーです、今日はすっきりとした朝です!」
 「おはよう、ヨッシー。兄さんは、今、パスポートを探している最中だから、先に食べてようね」
 「はいです!ルイージさんの作る食事はおいしいから、ヨッシーはすごく楽しみです!」
 「うん、ありがとうね」
 ヨッシー用の椅子を用意して。二人でパンをかじり始めたとき、ようやく兄さんが顔を出す。
 「…パスポート、俺、どこやったっけ?」
 予想通りのショボンとした表情に、僕は遠慮なく声を上げて笑う。
 「だろうと思ったよ。取り敢えず、ご飯食べよ?この前、ズボンのポケットから発見したからボクのと一緒にしまったんだ。後で出してきてあげる」
 「マジか!悪いな」
 頭をかきながら、兄さんもテーブルに着き。用意しておいたコーヒーをブラックで一気に飲み干す。
 ボクは、こんな空気が大好きで。いつまでも続けばいいと心底から思っている。
308256:2008/11/13(木) 22:13:39 ID:kpVvwmst
 「…で、ルイージ」
 「うん?」
 「俺達は、多分泊りがけで行くことになると思う。…大丈夫か?」
 「留守番は、ボクの得意分野だからね。安心していいよ?」
 「そういう意味じゃねェよ」
 兄さんが、伏せ目がちに呟く。
 「…分からないよ。ただ、この前、オヤ・マー博士からは、薬はもう、殆ど効かないと思ってくれとは言われた」
 「じゃあ!」
 ガタン、と音を立てて、兄さんは立ち上がる。顔色の悪くなった兄さんを見て。ヨッシーも、泣きそうな顔でボクをみる。
 …空気読んでよね、兄さん。
 「ヨッシーは…ルイージさんがいないの、ヤです…」
 「マメーリアには、半分、そのことについて聞きたくて行くようなもんだ。王子もかなり心配してたぞ」
 「…そっかぁ」
 「ルイージさん、ヨッシー達が帰ってくるまで…大丈夫ですよね?」
 「…」
 「あのねぇ。君たちはボクを早く殺したいの?クスリが効かなくなったら即死なんてワケじゃないんだよ?」
 呆れたような声で言えば、二人でボクの顔を見つめる。
 ホント、こんな時間が永遠に続けば良いのに。
309256:2008/11/13(木) 22:14:57 ID:kpVvwmst
 ボクが変調を来たしたのは、もう2年も前の話になる。
 いつも通り、ピーチ姫がさらわれ、ボクと兄さんとヨッシーで助けに行く。
 ストーカ亀…いや、クッパに、いつも通り説教をして。ついでに今度パーティーはいつにしようかと言う相談もして、
帰って来た直後だった。

 ボクが、大量の血を吐いて倒れたのは。

 あまりそのときの事は記憶にないのだけれども。ヨッシーがぐったりしたボクを病院に運んだとき、シャツの色だけで、
危うく兄さんに何かあったと判断されるところだったらしいと後で聞いたので、結構、壮絶だったみたいで。

 何ヶ月にも渡る検査の結果。出された診断は余命三年の宣告だった。

 ボク達の操るファイヤーだのサンダーだのは、超能力に分類されるらしい。
 そして、その容量には三種類の種類があるそうで。
 体力と一緒で、一日に使える量が決まってはいるが。休めば回復するタイプ。
 一生の内に使える量が決まっているタイプ。
 そして。使える量は無制限だが。使えば使うほど命を削るタイプ。
 ボクは、この、三つ目のパターンに分類されていたらしい。それを知らずにファイアーを使っていた結果。余命宣告を
されるほど、身体はボロボロだとの事。
310256:2008/11/13(木) 22:15:30 ID:kpVvwmst
 「先に言っておきますね、ルイージさん。…あくまでも、これは、一般の人と同じ生活をしたと考えての目安です。
無茶をすればするほど、あなたの寿命は短くなります」
 医者の、静かでハッキリとした口調を。ボクは今でも嫌というほど正確に思い出せる。
 「止める方法は、無い。と」
 困ったなぁ。と頭を掻きながら。
 無駄な質問をすると、医者は、真剣な表情を崩さずにボクを見つめる。
 「いえ、あるにはあります。…二つほど」
 「え?」
 余命三年だなんて、脅された後。そんなに簡単に方法があるなんて言葉があるとは思わなかった。しかも二つも!
 ああ、どうやらボクにも運が回ってきたのかもしれない!
 「一つは。大魔王クッパの傘下に入ること。…どうやら、赤子の頃に長期間、闇の世界にいたと言う事実のお陰で。
あなたは、闇の世界でも生きられる身体になっているようです。検査の結果、闇のチカラに対する生命力の消費は、
まだ殆ど無いようですので。…ただ、その結果、あなたが、あなたのままでいられると言う保障はどこにもありません」
 「…却下、だね。兄さんの敵になるなんて、考えられないよ」
 「でしょうね。…もう一つは」
 医者は、先ほどよりも言いにくそうな表情で、俯く。