1 :
名無しさん@ピンキー:
魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
リンクは
>>2
>1
乙です。
少し、
>>1乙ろうか……
新スレでも俺はふたなりフェイトの続きを待ち続けるぜ
>>1 ,,,,,,_
,,,,,iiiilllllllllllllliii,,,,
,,,,,_ .,,,,,,,,,,iiiiiiillllllllllllllllllllllllllllllllllll丶
゙llllllllliiillllllllllllllllllllllll!!!!llllllllllllllllllllllll!!゙
゙!llllllllllllllllllll!!!゙゙゙° ,,illllllllllllllllllll!゙゜
゙!lllllll!!l゙゙’ .,,illlllllllllllllll!!゙゜
^ .,,illllllllllllllll!!゙゜
,,illlllllllllllll!゙°
,,illlllllllllll!l゙゜
,,illllllllllll!l゙゜
,,illllllllll!!゙゜.
,,illllllllll!゙゜ liiii,,
,,illllllll!゙゜ 'llllllli,,
,,illllllll!゙ lllllllllli,,
,illlllllll゙ ,lllllllllllllii,
llllllllllli,_ ,,,,illlllllllllllllllli,
!llllllllllllllliiiiiiiiiiiii,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiiiiiiiiiillllllllllllllllllllllllllllll
゙゙!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
゙゙゙゙!!!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!!!l゙゙゙゜
 ̄”””””” ̄ ̄
11 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:15:44 ID:qy9X6Rqc
乙っす
12 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 02:46:09 ID:RGUlV/35
乙
O2
つまりこう言いたいんだな?
セラエノ図書館に行くと、サイボーグな美人のお姉さんに
優しく手取り足取り利用法を教えてもらえると
こちらオメガ1! 誤爆した、脱出する!
無限書庫に潜伏中のドゥーエに手取り足取り教えてもらうユーノだと!?
>>14の誤爆から電波受信
無限書庫に行くと、サイボーグな美人のお姉さん=ナンバーズの更生が終了して手持ち無沙汰になったギン姉
or実は生存してたドゥーエ姐に優しく手取り足取り利用法を教えてもらえると
仮面ライダーアギト
ちょっと言ってみただけとです…
エリオがショタコンな部隊長、分隊長達に迫られる!
何かの手違いでナンバーズに迫られるルーお嬢様
ユーノ×クアットロを待ち続けている俺が通りますよ
続きです 今回で最後の投稿になります
無限書庫資料館の古代ベルカ第四王朝・データ展示室に、妻子を連れたクロノの私服姿が見つけられた。
イベント自体は盛況らしく、連日老若男女が数多く来館し、時空管理局が保有する膨大な古代文明等の文献
やデータに感嘆を表していた。
クロノはどこか落ち着きが無い様子で、頻りに周囲に視線を巡らせている。視界に映るのは他の客の姿と、
部屋の隅で室内を監視している警備員の姿だけだった。
戦技大会が終わって数日、エイミィと子供二人はまだミッドチルダに滞在していた。三人が購入した管理
局発行の次元間渡航チケットの有効日が明日であり、それまで自宅まで帰るに帰られないのが実際の問題だった。
「管理局っていつからこんなに守銭奴になったんだろうね」
エイミィが有料渡航チケットの話を夫に切り出すが、当の相手は入館から今まで大人しくなったためしが
無かった。二つの小さい頭も光学画面に表示されている貴重な資料に目を輝かせており、そうと言えばそう
だが、逆にその対比でクロノが一層大人気なく見えた。
「あ、ユーノくんだ」
とエイミィが呟いた瞬間、彼女の傍からクロノの姿が消失していた。呆れ尽きた表情で、エイミィが部屋
の中の柱の陰に隠れているクロノに振り向く。
「嘘だってば、嘘」
「ほ……本当、だな?」
クロノが恐る恐る柱から顔を出し、部屋の隅々まで確認する。概ね来館者の殆どが静粛にしているが故の
物々しい空気の中、クロノは過剰に慎重な様子で家族の近くまで戻っていった。
大会が終わり、クロノはユーノと一度も顔を合わせていなかった。授賞式と閉会式では共に会場に居合わ
せていたが、どちらも大きく距離を取り、率先して相手へ口を開こうとはしなかった。
その理由は、あの戦いの一部始終を知る者なら明白だった。互いの心に何となく遺恨を残してしまった決
勝戦を経て、二人の不和を見かねたエイミィが思い切ってユーノが総責任を務めるこの施設までクロノを引
きずり出し、今に至っていた。
嫌がる父が母に襟を捕まれてホテルから強制連行される姿に、カレラとビエラが「お父さんカッコ悪い」
と揃って言い、大会優勝で持ち上げたクロノの父としての株は呆気無く大暴落した。
エイミィはクロノとユーノを和解させようと彼の線の細い身体を捜しているが、今日は外に出ているのか
行き違いが続いているのか、先程まで周回してきた展示室でも見当たらないでいた。警備員や受付の事務員
にも勿論伺っているが、彼の濃密な予定を正しく把握している者は皆無だった。「本局に帰って無限書庫で
資料探しをしているのでは?」と平気な顔で言う者さえいた。
「はぁ……後で後悔するなら、どうしてあんな馬鹿げた事ユーノくんに言っちゃったのよ。ずっとお仕事頑
張ってきたユーノくんに追い討ちかける事言って、あの子が可哀想でしょ? わからなかったの?」
「い、いや、それはその……僕なりにあいつの事を心配して……」
クロノはモゴモゴと反論するが、妻の湿った横目に気圧されてバツが悪そうに俯いた。義妹の方は大会終
了後のすぐ夜、既にエイミィから懇々と叱られた後だった。フェイトもそれで暫く落ち込んでいた様子だっ
たが、どうやらエリオとキャロから何かしらの励ましか慰めがあったらしい。エイミィからの説教を受け、
今日になってもユーノに対して胸が痛くなる程の罪悪感が残っており、日を置いてユーノにちゃんと謝ると
約束したし、エイミィ自身はフェイトに関してそれで解決させた。今はアルフ、エリオ、キャロと一緒に他
の施設を楽しんでいる筈だった。
クロノもフェイトも、一時の興奮があったとは言え、ユーノに対して切実な気持ちを抱いていたのは事実
だ。エイミィはその大きな部分を何から何まで二人に怒ったわけではない。友人に対して自分の気持ちを吐
き出す事が悪いと言うつもりも無い。
エイミィが二人の兄妹に並んで正座をさせ、三時間半も鬼の如く怒鳴り散らした原因は、彼と彼女がユー
ノに対して選んだ余りにも独善的な言葉にある。
「あんな身も蓋も無い言い方されたら誰だって傷付くよ。相当ショックみたいだったから……ユーノくん、
管理局辞めちゃうかもね」
「そ、それは困る!」
再びエイミィの底冷えのする一瞥が放たれ、クロノは肩を縮こまらせて押し黙った。クロノの叫び声に周
囲が何事かと彼を見遣ったが、夫婦の痴話喧嘩と誤解してすぐに注意を逸らしていった。
「困るってあんた、どの口がそんな事言えるわけ? 散々お前は子供だとか自分は年上だからだとかわけの
わからない事でユーノくん責めておいて、いざ辞めるってなったらやっぱり行くなって、どれだけ自分勝手
か気付いていないの? この子達と九年間、一緒に義務教育通う?」
クロノは従順に萎縮していた。ここでまた何か言えば本気で殴られそうだった。
「……ごめんなさい」
「私に謝ってもしょうがないでしょ。その言葉、誰に言わなきゃいけないの?」
「……ユーノに」
「ちゃんとわかってるじゃないのよ。だったらほら、早くユーノくんを捜す! 向こうは忙しいんだから、
会っても話出来る時間があるかもわからないんだからね。どうせ私達が帰った後じゃ、自分からあの子に会
う勇気なんて無いんでしょ。このままでいいわけないでしょ? これからも仕事上の付き合いだってあるんだし」
本音を的確に突かれ、クロノは深い息苦しさに悄然と落ち込んだ。鉛の様な溜め息を肺から押し出し、
両手に子供の手を取って先を歩き始めたエイミィに続く。彼女は歩きながら携帯電話を使うが、朝からユー
ノとは音信普通が続いていた。「全く……」と呟き、エイミィは一々手を焼かせる大きな息子に、しかし嫌
気を見せずに付き添っていた。
展示室の合間を繋ぐ通路に出たハラオウン一家は、館内に秋晴れの陽射しを溜め込む大きな窓が並ぶその
区画で、前方に明るい栗色の長髪と三つ編みの赤い髪を見つけた。
「なのはちゃん、ヴィータ」
後ろから声を掛けられ、両名は立ち止まってエイミィ達に振り返った。なのはは平素の通りな風貌だが、
ヴィータは連れ合いとは打って変わって少々沈んだ顔色をしていた。それが合流してきたクロノと全く同じ
心情の色をしており、なのはは目の前のクロノや、昨日偶然会ったフェイトにもヴィータと同じ経緯があっ
たと察して苦笑いを浮かべた。
「にゃはは……エイミィさん、もしかして」
「ん? ヴィータ、決勝戦の事、誰かに何か言われたの?」
ヴィータは幅の狭い両肩を一度跳ねさせ、弱気な顔でエイミィを見上げた。
「はやてに……メチャクチャ怒られた」
消え入りそうな声で答えたヴィータは、その時のショックを思い出したのかうっすらと双眸を潤ませる。
ヴィータもフェイトやなのはに対し、クロノがユーノに抱いたものと似た感情で、好意のつもりで突き付け
た想いだったのだが……大会が終わって宿泊先のホテルに帰った早々、彼女を待っていたのは怒り心頭のは
やての喝破だった。
「一々あんな事ヴィータに言われんでも、私達はとっくの昔にわかっとるわドアホ! グレアムおじさんが
どんな気持ちで私達の面倒見てくれてたと思ってんの! ヴィヴィオ達の事偉そうに言って、あんたこそあ
の子らに何もしてへんやないか! 私は結果も出さへん口だけのドアホが一番嫌いや! 今すぐなのはちゃ
んとフェイトちゃんに謝ってきぃやヴィータ! それまで部屋に入れさせへんからな!」──と目を血走ら
せて叫んだはやてにホテルの廊下に突き飛ばされ、少しの間涙を流す事も忘れて立ち尽くしたのは、ヴィー
タは今でも鮮明に思い出せる。
ヴィータがあんなにもはやての怒気を爆発させてしまったのは、二年前、彼女が楽しみに保存しておいた
事を知らずに冷凍庫のアイスを食べてしまって以来だった。あの時もはやてはカミナリ親父の如く怒り狂い、
ヴィータの小柄な身体を夜間だったにも関わらず外へ放り出した。「ごめんなさい! はやてごめん!
開けてよ! 中に入れてよっ!」と施錠された玄関を叩きながら泣き叫ぶヴィータ局員の姿は、今でもそ
れを偶然目撃した他の局員にとっては暗黒の逸話となっている。まさに、父親の機嫌を損ね、身を以って己
の過失を悔い改める子供がそこに存在していた。
今日酷く消沈したヴィータと遭遇したなのはは、はやてが持つ一家の大黒柱としての威厳を遺憾なく思い
知っていた。大会が終わった晩、いきなり自分のホテルの部屋に訪れたヴィータに謝られた時、なのはは実
は何の事かサッパリわからなかった。ヴィータが涙を堪えながら謝罪してくるので、取り敢えず口裏を合わ
せておいたが、その真相に辿り着いたのは昨日になって漸くだった。
「わたしは気にしてないんですけどね。むしろ、ヴィータちゃんにそういう風に心配してくれてるってわか
ったから、凄く嬉しかったんだけど……う〜ん、クロノ君は少しキツ過ぎたのかな。フェイトちゃんは大丈
夫。かなりその場の空気に流されてしまうんだ、フェイトちゃんって。何て言うのかな、こう……ガツン!
って何か言われると、『あぁそっか、確かにそうかもしれない』っていう風に考えちゃうの。怒られ慣れ
てないから、自分に怒ってくる人を絶対的に正しいって勘違いしちゃうんだよね。試合が終わって、閉会式
になるとフェイトちゃん見違えて暗かったでしょ? あれがそう。『私、勢いに任せて何言ったんだろう?』
みたいな気分になってる時の顔。早く直さなきゃいけないって、本人は普段から言ってるんだけどね。あの
時のフェイトちゃんも、戦闘中だったし気が立ってて度が過ぎてそうなっちゃったと思うの」
流石はフェイトの最も身近で親交を深めてきた故か、なのはが涼しげにそう言い繕っていた。はやての
「とっくの昔にわかっている」という言葉通り、なのはは手探り状態だがヴィータが危惧する程ヴィヴィオ
との関係に悩んではいなかった。逆に、シャッハ辺りにこの件を問うと「いえ、少々過保護な気も……授業
中の覗きだけは流石に……」といった渋い返答が来るだろう。
あの晩なのははヴィータからの謝罪の本筋を理解出来ていなかったが、ヴィータの言わんとする事は漠然
と知れたので、よく考えて少しだけヴィータに返事していた。
「子供に憎まれても恨まれてもいいと思うよ。それがお互いに関係している事の証になるんだから。親だっ
て、ちょっとずつ好きになってくれる様に頑張れるチャンスがあるって意味でしょ? 子供にとって一番辛
いのはね、誰かが自分の傍に居るのに、それなのに全然相手にされない事だと思うよ」
嘗ての自分がそうであった様に……。語るなのはの横顔は、ヴィータには確かなヴィヴィオへの母性愛が
感じられた。
「そう考えると、さ。ユーノが落ち込んじゃったのも、元はと言えばあたしの所為かなって思って、その……。
それに、ザフィーラから聞いたんだ。ヴィヴィオがあいつ達によく会ってるのって、ヴィヴィオから会いた
いって言うからだって……それ、全然知らなくて、あたし……バカみたいに思い込んで……てっきりなのは
が押し付けてるもんだと早合点して……」
わたしの方がアルフさんやザフィーラさんに嫉妬してるくらいだよ〜、となのはが朗らかに横から口を挟んだ。
その嫉妬心は、今でも彼女の心に優しい灯火を揺らめかせている。ヴィータと同じく今日は非番を貰えたザ
フィーラのもとへと、ヴィヴィオは朝から一目散に会いに行っていた。ヴィヴィオ本人にとってなのはは母
親としての認識が確立しており、そこに出過ぎた憂いを向ける必要は無いらしかった。
「ヴィヴィオ、早くも反抗期っぽくなってきてわたし凄く寂しい……」
「それ、あんたが構い過ぎるからでしょうに。何か、皆が皆、真面目に悩みすぎて空回りしちゃったって感
じかな? 当人にしてみれば何て事の無いものでも、周りから見ると「あれ?」って思っちゃうってわけね」
エイミィはクシャクシャとヴィータの頭を撫でる。いつもは子供扱いされるのを毛嫌いするヴィータだが、
今は反抗もせずにエイミィの好きな様にさせていた。
「そうですね。気にしなくていいよヴィータちゃん、わたしは怒ってなんかいないからね」
「うん……。ユーノに、謝らないと。あたし、ユーノと一緒に旅行行きたい……」
「──へぇ。わたしの知らないうちにそんな約束してたんだ?」
和気藹々とした空気が一変、なのはの身体から黒い気配が噴射する。この場で唯一なのはに対等になれる
エイミィが、呆れながら彼女を諌めた。ヴィータは一命を取り留めた事に胸を撫で下ろす。
通路の窓側にある休憩用の長椅子に座り、彼女達は少し足を休める。エイミィが携帯電話でユーノの番号
を発信するが、今度も留守番電話機能に切り替わるだけで、本人が通話に出て来る事は無い。彼女は溜め息
で開閉式の携帯電話を閉じた。
「ねぇ、クロノ君」
なのはが居た堪れなさそうに佇んでいるクロノを呼び、皆と離れた所で手招きをしていた。クロノはそれ
に応じ、トボトボとなのはの前まで歩み寄っていく。
「あの時ね、結局ユーノ君に何を伝えたかったの? それ、ちょっと聞いてみたいなって思ったの」
「何をって……。カレラとビエラの事を想うと、何となくユーノの境遇が……可哀想、ではないんだけど……
納得がいかないと言うか、あの儘でいいとは思えなくて、それで、つい」
「そっか。フェイトちゃんが怒られ慣れてないなら、お兄ちゃんのクロノ君は怒り慣れてないって事でいい
んだね。うん、よくわかった」
この場でなのはにそう解釈され、クロノは水を浴びた様に伏せかけていた顔を持ち上げた。ずっと胸につ
かえていた蟠りが、先程のなのはの言葉で、無くなったとは言えなくても少しふやけた感覚があった。
「ううん、わたしも誰かを叱るっていうのは得意じゃないから、あんまりクロノ君に何が言えた立場でも無
いんだけどね。教導隊だと身体でわからせるっていう方法も、邪道といえば邪道なんだけど、通用するの。
本当はいいお手本を見せて、ちゃんと態度で示さなきゃいけないんだけど……わたしも何度言っても聞いて
くれない子には、ついカッとなってバン! ってやっちゃうからね。わたし自身が教官として駄目だなぁっ
て思ってるそういう部分でもね、実は何故か受けが良かったり、後で感謝されちゃったりするんだ」
「……」
なのはが自嘲も含めた明るい笑顔で肩を揺らす。卑下しているのではない、しっかり自分を見据えた上で
の自己評価だからこそ、なのはは自分を落とす様な意見を言ってもこんなに朗らかでいられるのだろう。
主観とはどういうものか、他者との関わりの中でそうした『目線のフィルター』がどういう作用を働かせ
るのか、今はクロノ以上になのはが把握していた。
「そういう時、わたしは内心で『違うから! あれは教える立場として悪い例だから!』って言ってる自分
がいたりするんだけど、そこでそれを直接言うわけにはいかないでしょ? それを言っちゃったら、相手が
本当に悩んで悩んで悩み抜いて出してくれたわたしへの答えを、今度は全否定しちゃうってわけだから。そ
うなると、逃げ道無くなって鬱にもなるのも無理無いよ」
「僕は……ユーノにその一番やってはいけない事をしてしまったんだろうか」
「うん、やっちゃった。残念だけど、豪快にそれをしちゃった。でも! でもだよ! よく聞いてね!」
なのはが一際声を張り、そしてクロノの萎えた肩に、叩く様に掌を置いた。なのはの力が肩から爪先まで
響き、クロノは彼女の顔を自然と見返していた。なのはのクロノを見つめる顔は、仕事として何かを教える
立場に就いている者としての強さがあった。
「『教える側も教わる側も、そこで思考が終わっちゃ駄目だよ!』って事。人生は試験じゃないんだから、
公式も解答もある筈無いの。でもそういう事を考えるっていうのは、それだけ主観だけで物事を見てしまっ
ている証拠。そうなるとね、やっぱり『相手が何をどう考えているのかな?』って所まで頭が回らなくなっ
ちゃうんだよね。どんな立場の差があっても、お互いに何かを考えて、こうして面と向かって喋ってるって
点では偉いも何も無いんだよ? はっきり言って、わたしって毎日落ち込んでるもん。もっとうまくやらな
いとなぁっていつも思ってる。だって……そうじゃないと、わたしって魔法の才能あるだけの唯の女の子で
しょ? そんなんじゃお給料貰う資格も無いよ? ふふっ、『わたしを舐めんなよ』っていっつも言ってる
の。そうすると向こうも『うるさいバカ、ふざけるな』って言ってくるの。それが何か楽しいっていうか、
本当にぶつかり合いなんだなぁって身に沁みて思うの」
クロノは素直に、なのはがどうして教導官として今まで実績を残してこれたのか、その一端をここで体感
していた。乱暴で不器用な言葉だが、なのはのこの述懐には言い知れない力が篭っていた。
社会だとか大人だとかが勝手に線引きした『正しい事』では得られない、一人の人間同士としての心の触
れ合いを、なのはは教導隊に就任して以来、血道を上げて同僚と共に切磋琢磨してきた。それは単に、なの
は自身が社会的にも魔導師としても未熟である事を誰よりも深く自覚し、その上でそう選択せざるを得ない結果でもあった。
「ユーノを利用して、自分を肯定させようとしていただけなのかな……」
「そうかもしれないね。自分の気持ちを伝えるのに、正論を持ち出すなんて絶対に駄目! 正論なんて一五
歳くらいまで生きれば誰でもわかるし、言える、本当にくだらない理屈なの。本当にこの世界が、社会が、
正論だけで通じるなら、皆が勝手に教科書読んでいればいいだけでしょ? じゃあ、私が教導隊にいる意味
なんて無くなるわけだし、クロノ君があんな事言う必要も無いの。だけどクロノ君は伝えたかった気持ちが
あったんだよね? 今回はちょっと失敗しちゃったけど。ユーノ君は次元犯罪者じゃないんだから、クロノ
君、そういう人達を責める様な感じになったって、そんなのユーノ君に伝わるわけ無いよ」
「伝えたい気持ち……あったの、かな」
なのはがそっとクロノの肩から両手を放す。少し低いなのはの目線が、クロノは自分よりも高い位置にあ
る風に感じた。
「伝えたい気持ちが無かったら、じゃあどうしてあんな事言ったの? バカみたいな八つ当たり?」
「それは……」
そこで、なのはのクロノを見つめる瞳が、不意に獲物を狙う獣の様に鋭さを増した。漸く核心をつける機
会まで話を進められた事で、なのはの瞳の輝きが容赦なくクロノを捕捉する。
「クロノ君、自分に苛々してる。ユーノ君に対してお兄ちゃんぶりたいけど、気が付けばユーノ君の方が自
分よりもずっとしっかりしてる様に思って、それで苛々してるだけだよ」
なのはが穏やかな口調で言い、そんなクロノとユーノを可愛く思っている様に目許に笑みを湛えた。
「うん……まぁ、この場でわたしから言える事はこのくらいかな」
それこそ無責任とも言えるところで会話を打ち切り、なのははクロノの前から去る。しかし、クロノはな
のはが何か続けようとして、それを意識的に断ち切った事を見て取った。それこそ教えてくれないとわから
ないじゃないか、とクロノはなのはの中途半端な態度に少し不満を抱いた。
エイミィ達の傍まで戻っていくなのはは、そこにギンガの姿が加わっている事を知って久方振りの後輩の
元気な顔に笑顔を向けた。
「非番だったんですけど、こちらの警備で数名欠員が出来たので、本部の方に臨時の補充をお願いしたんです」
「相変わらず働き者だねギンガ」
なのはがポンポンと労う様に後輩の肩を叩くと、当人は紫の長髪の中で白い頬に薄い照れた熱を上げた。
「いえそんな、休んでる方が落ち着かないんですよ」
クロノは頗る疎外感を感じて不貞腐れていると、エイミィに睨まれて渋々皆のところへ踵を返す。
「ねぇギンガ、ユーノ君って今日こっちに居るのかな?」
「ユーノ先生ですか? ついさっきこちらにお帰りになられましたよ。今、第三会議室で休憩してると思い
ますけど……お呼びしましょうか?」
ギンガがスタッフ用の通信機器を作動しようとしたが、なのははそれを断った。逆に第三会議室の場所を
教えてもらい、なのはの視線がクロノに定められる。
「じゃあ行こうか、ヴィータちゃん、クロノ君」
「私達はここで待ってるから。いい、ちゃんとユーノくんと仲直りしてきなさいよ」
クロノは気持ちの整理がつかない儘、なのはにずんずんと第三会議室まで引っ張られていった。ギンガは
その三人をエイミィ達の傍で見送り、失礼だと知りつつも堪え切れずに吹き出した。
「ごめんねぇ、あんな旦那で。本当にどうしようもないでしょ? 家に居るといつもあんな感じなのよ」
「いえ、そうじゃないんです。ハラオウン提督とユーノ先生、本当に羨ましいなぁって思ったんです。私は
スバルとああいう風にはなれないなって思いますから。スバルに対して、私は本来母さんが教えるべき事を
優先してきましたから……あんまり姉妹で喧嘩した記憶も無いんですよ。だから、あのお二人がとっても羨ましい……」
どこか寂しげに言い、ギンガは微苦笑を浮かべた。
なのはは第三会議室という札を飾った扉の前に立ち止まり、手の甲で数度その閉じられた扉を叩いた。
ヴィータは覚悟を決めて、土下座でもしてユーノから許しを得ようとしているが、クロノはこの期に及んで
も不鮮明な違和感に表情を澱ませていた。
「ユーノ君、いる? ユーノ君?」
応答が無い──と思いきや、内から扉が開かれる。なのは達の前に顔を見せたのは、獣の耳を持った朱色の少女だった。
「どうしたんだいなのは、それにクロノとヴィータまで」
「アルフ、フェイトと一緒じゃなかったのか」
「今日はユーノのお手伝いだよ」
なのはが中に入ろうとするのを、アルフが咄嗟に引き止めた。もう少し扉を開け、アルフがその理由を三人に提示する。
色々と簡易食品や書類などを設備させ、即席で司書長の休憩用・応接用にした第三会議室のソファの上で、
ユーノは両目を閉じて静かな寝息を立てていた。
「大会であれだけ身体使った上に、次の日からもう仕事があったからね。あたしからお願い、用があるみた
いだけど、今はゆっくりさせてあげてほしいんだよ。その面子じゃ、どんな用件か察しはつくけどね」
「アルフ……ユーノ、何か言っていたか?」
クロノが意を決して訊ねると、アルフは妙に平然として首を横に振った。
「別に何も? 優勝出来なくて悔しいみたいな事は漏らしてたけどね。ヴィータと約束したのにって。あた
しに対してはちょっと怒ってた。『一々二人に合わせて下手な芝居打たなくていい』ってさ」
「芝居って……何だよそれ」
ヴィータはつくづく自分が視野狭窄だと突きつけられている様で、胸奥が詰まった。アルフが司書長宛て
の連絡が入った部屋の通信機器に急いで引き返し、ユーノを起こさないよう静かに応対を取る。
「ごめん、代わりにあたしが行って来るよ。あたしでも何とかなる用事だったからね」
「うん、じゃあわたしはユーノ君の寝顔見てる」
アルフは言っても聞かない事を熟知した顔で、なのは達の横をすり抜けていった。なのはがユーノの傍ま
で部屋に入り込み、クロノとヴィータも足音を立てずに彼女へ続いた。
「う〜ん……」
唐突になのはがユーノの正面で腰を屈め、自分の額と彼の額に掌を当てた。
「何やってるんだよなのは」
「うん、熱を出したりはしてないみたい。ユーノ君って結構、体調管理もいい加減だから。大きい事故した
わたしがこんな事言うのは筋違いかもしれないけど……ユーノ君にはなるべく、倒れてからじゃ遅いんだよ
って事はしつこく言うようにしてるんだ」
なのはは掛けた儘でいる彼の眼鏡を指先で器用に外し、音を立てずに前の机に置いた。少しほつれた柔ら
かい卵色の前髪を、なのはは優しく指で梳く。それから、スーツの中にあるワイシャツの襟を直した。
クロノは部屋の奥で表示して放置されている光学画面に注意を向けた。近くで見ると、大きな文字で『ク
ラウディア方要請資料』と打たれており、それをここでも作業していた事は言うまでも無かった。
正直に、クロノはわけがわからなかった。
「クロノ君、もうちょっと理想を下げようよ」
「え?」
簡易調理台で温かい飲み物を用意しながら、なのはは何の前触れも無く話を始めた。クロノの視線を背中
に受けながら、彼女は慣れた手付きで湯を沸かして調味粉末を四つのコップに投入する。
「アルフさんから無限書庫の事よく聞いてるの。ユーノ君って自分からそういう事あんまり話さないから。
今年に入って五件も、クラウディアが無限書庫に資料の依頼をしたって本当?」
クロノはなのはが今どんな顔をしているのかわからないが、少なくとも感情的に怒っている声色ではなか
った。むしろ温和だった。
「そんなに、したかな」
「数の問題じゃないから、そこはどうでもいいの。でね、アルフさんはいつも言うの。クラウディアから依
頼の通信があって、クロノ君と話してる時のユーノ君って本当に嬉しそうだって。頭がおかしくなりそうな
忙しい時でも、クラウディアから依頼が来ると、もっと忙しくなるのに、逆にリラックス出来ているように
しか見えないって」
「嘘だよ、そんなの……」
なのはが飲料水を注いで湯気を立たせる四つのコップを盆に載せ、振り返った。
「クロノ君はね、もうしっかりユーノ君のお兄ちゃんになれてるんだよ。だから、クロノ君はもっと自分の
理想を下げていいと思うんだ」
なのははユーノの向かいのソファに座った。それからヴィータを誘い、隣に座らせる。ヴィータは渡され
たコップを手に取り、円形の水面に自分の幼い顔を映すだけで口をつけようとはしなかった。空いている席
は、ユーノの隣しか無くなった。
「ユーノ君は悔しかったと思うけど、クロノ君の事怒ってないよ。もうクロノ君がどんな人かって誰よりも
わかってるから。だから、決勝戦のあれは純粋にショックだったんじゃないかなぁ。大好きなお兄ちゃんの
あんな弱々しい姿、見たくなかったと思うし。わたしだってお兄ちゃんにあんな事言われたら、『えーっ』
って思っちゃうよ」
「ぅ、ん……?」
ユーノの瞼が目覚めの動きで揺れた。なのはは喋りすぎてうるさくした自分に申し訳無さそうに愛想笑い
を浮かべ、ソファの傍に立つクロノはいよいよどうしていいかわからなくなって周章狼狽する。
「ごめん、ユーノ君。起こしちゃった?」
いい寝起きで意識を冴えさせたユーノは、慣習のように机の眼鏡を手に取り、それを着用する。
「なのはとヴィータ。あぁ、ちょっとびっくりした。気にしなくていいよ、仮眠時間は決めてたから」
なのはからコップを差し出され、ユーノは小さく礼を言ってそれを受け取る。目の前の二人以外に気配を
感じ、ユーノが突っ立ったままのクロノへ横目を向けた。
ユーノの目の温度が変質し、不快そうに眉間が縦皺を刻む。
「なのは、ヴィータ、人型悪夢が現実に存在してるけどいいの? 部屋の中が何だかクロノ臭いっ」
「もう、ユーノ君ってば」
クロノは毒気を抜かれ、その場で硬直していた。ユーノの様子は、決勝戦での口論を全く思わせないいつ
も通りの感じだったからだった。
「ユーノ、あのさ、本当にごめんな」
「無断で無限書庫の資料を持ち出した事? そんな事があったとは全く思えないけど」
ユーノが軽妙に言い返し、コップの中身を一口含んだ。ヴィータがムッと顰め面をした。
「茶化すなよ、バカ」
ヴィータが痛切な眼差しでユーノを見つめる。対するユーノは恥ずかしそうに頬を指先で掻き、帳面の電
子機器の内容を互いの中間に表示させた。
「何、これ」
「旅行の予定表。少しずつ組んであるんだ。やっぱり二人で一緒に行くんだから、ヴィータの方で行きたい
場所があるなら聞いておきたいし……って、優勝出来なかったから、無効かな。そうなると景品の温泉旅館
の宿泊券も、換金するくらいしか使い道無くなるんだけど」
残念そうに渇いた笑い声を漏らし、ユーノは帳面機器の光画面を閉じようとする。慌ててヴィータがそれを制止した。
「バカっ。行く! 絶対行く!」
「わたしもー」
なのはが空気を読まずに挙手した。ユーノが急激に目の湿度を高めた。
「ちょっと待って、何でなのはが出てくるの? これは僕とヴィータのワクワク旅行プラン! なのはがし
ゃしゃり出て来る余地は無いってば!」
「え〜、ロリコンは犯罪だよユーノ君」
「誰がロリコンだ、おいっ!」「お願いなのは、暫く意識不明の重態にでもなっててくれないかな!」
クロノの目の前で、三人がキャンキャンと言い争いを始めた。
チラリと自分に横目を向けてきたなのはの視線に、クロノは余す所無く彼女の本心を知らされる。
──今はこれでいいの、ユーノ君にとってのわたしはね──
なのはの瞳がそんな胸中を、クロノに対して吐き気がするほど生々しく晒していた。
自分の事を溜め込んでしまうユーノのストレスを発散させる為になのはが考え抜いたのは、こうして敢え
てワガママを言ってユーノを困らせる事だった。
事実、なのはが傍若無人に振る舞えば振る舞う程、それに付き合うユーノは肩の力を抜いていられている風に見えた。
どうしても旅行に連れて行ってくれないユーノに、なのはは瞳を潤ませて上目遣いに彼を見た。
「ユーノ君、どうしてわたしに冷たくするの? あの夜の事忘れちゃったの?」
「あ、あの夜って何だよユーノ! お前等、やっぱりデキてたんじゃねぇか!」
ヴィータが勢い余ってソファから起き上がる。両手で机を叩き、上体を乗り出してユーノに詰め寄った。
「落ち着いてヴィータ、なのはのいつもの病気だから」
「酷いよ! わたしが焼き芋と間違えてユーノ君に齧り付いた夜、一生忘れないでいようねって約束したのに!」
「いやもう本当にさ……なのは、とっとと海鳴に帰って? 今でも寒くなると痛むんだよその傷がぁぁぁっ!」
ユーノがうぎゃーと叫び、一〇年前の運命の出逢いという人生最大の過ちに半ば発狂した。
「ねぇクロノ君、酷いよね? ユーノ君アルハザード酷いよね?」
なのはが今まで呆然としていたクロノへ話を振った。クロノは間誤付いて視線をアタフタさせる。
「何その忘れられた都的単位。日本人って本当に想像力が豊かだねー」
最早なのはの相手をする事に何の意味も見出せなくなったユーノが、放心状態で泡を吹き出した。
「えっと、だな……なのは、ユーノとヴィータが二人で決めた事なんだから、今のはいけないんじゃ、ないか?」
それを言うだけでも、クロノは寿命が縮まった気がした。
「クロノが真人間の僕達と同じ感性を持っている事が証明されたわけだけど、どう論文に纏めればいいのか
サッパリだね」
「人が謝りに来てやったっていうのに、お前って奴は……」
またいつものように悪態を吐いてくるユーノへ、クロノは思わず本音を吐き出していた。
「クロノに反省なんて人間機能が備わっていたなんて。もしかして頭部内蔵型の新型デバイス? 別名・脳」
「単に突然変異じゃね?」
「むしろ偽者? ちょっと右に傾いてるし。エイミィさん仕様って事かな?」
「うぐっ……! もういい! 悪いと思った僕が馬鹿だった!」
クロノが立腹して部屋を出て行こうとする。流石にヴィータは当惑したが、隣のなのはは逆だった。
ユーノもなのはと同じで、一度起動させて眠ってしまった作業台の画面に顔を向け、すぐに廊下に出よう
としていたクロノに向き直る。
「そうそうクロノ。今回の依頼の資料、明日中には出来上がるから。ちゃんと目を通しておいてよ」
扉のノブに手を掛けた姿勢で、クロノは反射的にユーノに振り返る。そのクロノの顔は、どこまでも馬鹿
な自分に痛憤を感じて泣きそうだった。
「あ、あぁ、す、済まない。それと、その、あれだ……ごっ……ごめん、な……ユーノ」
「いいよもう」
ユーノが平然と笑い、眼鏡を指で押し上げた。クロノはもう彼に振り返らず、唇を淡く緩めた表情で廊下に躍り出た。
第三会議室を後にするクロノの耳に、部屋の中の話し声が曲がり角に達するまで聞こえていた。
「旅行楽しみだねっ。ヴィヴィオにも伝えておくね!」
「漸くわかったよ。なのはって実は僕の人生のラスボスでしょ?」
「ユ、ユーノ、ちゃんと断れよ! このままじゃなのは、本気でついて来るぞ!」
「どうして駄目なの! わたしはユーノ君の幼馴染みなのっ!」
「変に逆ギレしてんじゃねぇよ! っていうか、付き合いの長さだけならあたしだって大差無いだろ!」
「人間って不毛だね。いつまで経っても理解し合えない愚かな種族なんだ!」
「フェレット状態でアホ臭く悟ってんじゃねぇぇぇぇぇ!」
完
このSSを作業し終えた今、また作業中、率直に投稿内容に対して「気色悪い」という感触で一杯です。
前回(騎士よ眠れ:スレッド31〜33)にしろ、今回にしろ、自分はなのはシリーズの何もわかってないな、と思い知らされました。
決勝戦で突然キャラが勝手な主張を始めたのも、単純に自分の力量不足の逃避策でしかありません。
現実的に考えても、決勝という大舞台であんなに悠長に喋っている暇なんて無い筈ですし。
この最後の投稿も、書き始めの予定とは違う、決勝戦で大きく捩れた展開の収拾作業に成り下がってしまう始末です。
更に言うなら、当初はシャマルが出る予定もありませんでした。
クロノ&フェイトVSなのは&ユーノで話を進めたかったのですが、これも住人の皆様を納得させられる自信を持てる面白い戦闘が思い浮かばず、投稿の結果の通りになりました。
そうした一部一部の小さな綻びが、決勝戦で一気に爆発してしまい、折角のバトルメインの雰囲気を破壊し、辛気臭い展開になってしまった事は非常に悔しく、残念でなりません。
SS書きとしてもなのはファンとしても、自分はつくづく自惚れだけの大馬鹿野郎でしかないと失望しているのが、今の心境です。
ですが、そうした落ち度をこうして作品の発表と皆様のレスを通じて客観的に知る事が出来たのは大きな収穫でもあります。
前回にしろ今回にしろ、このスレッドを発表の場として利用させてもらった事は、結果的に大切なプラスになったと信じて疑いません。
決勝戦は本当にどうしていいか煩悶としながら、「ヴィータがこんな事言わねぇよバカ野郎」「フェイトもあっさり絆されるなんて有り得ない」と未熟な自分を罵倒しながらの作業でした。
それでも最後まで投げ出さず、こんな気色悪い内容でも、何とか形に出来た事に達成感があるのもまた事実です。
またいつか、こちらで下らないSSを発表させていただくかもしれませんが、その前に一つ課題を発見しました。
リリカルなのはシリーズのDVDを全巻30回視聴する事です。これは自己的に最低限の課題です。
当然もっと課題はありますが、最低限それをしなければ、前回と今回の発表も踏まえ、自分はなのはSSを作っていいレベルまでこのアニメ作品を理解出来ないな、という地点に行き着きました。
パロディの難しさや、パロディだからこそ思いつきで安易に作品を発表してはいけない、という慎重さを抱けたからこそ、上記の課題に辿り着けたとも言えます。
不特定多数の方々が観覧する場であるからこそ個人のエゴを自制しなければならない。
そうしたネット・現実問わず、人と人とのコミュニティにおいて絶対に必要な気配りを深く反省し、この見苦しい言い訳を終わらせてもらいます。
GJレスをくださった皆様、様々なご意見をくださった皆様、本当にありがとうございました。
言い訳は余計に見苦しいのでやめた方がいい。
とりあえず双子の名前が違う
なんか最終回で全てがだめになった。なんだけっきょくそれかよって感じ
熱を持ち期待した挙句、ぜーんぶがっかりさせられた。
>>35 まぁ色々とツッコミどころはあるがとりあえずGJを送ろう
あなたの作品は個人的にはいいと思うと所も沢山あるし
是非これからも頑張って欲しいです。
あとできれば次回作はユノヴィのほのぼの温泉旅行を・・・・。
何だ、最後の言い訳が無ければGJだったぞ。
最後の最後で流されちゃったね・・・・・・。
でも、面白いssを書く実力はあるみたいだからこれからに期待させてもらっていいかな。
あと、最後の最後でのユーノとなのはの絡みに吹いた。
ユーノ、お前どんだけなのはにトラウマ持ってるんだよ・・・・・・
まずは長編完結お疲れ様でした。完結するのは最低限だけど一番えらいことでもあると思います。
あとがきの長文は、2、3行にすべきかなとは感じました。
個人的に三期高町なのは教導官の雰囲気はよくつかめていると思う。どこがと言うと荒れそうだ。
執筆スピードが素晴らしいので、どんどん良作を量産してほしいな。
一部のオリジナル魔法はもう少し抑え目なほうが嬉しかったり。
>>35 言い訳するような書き手にはなってほしくない……
ただ、それでもこれだけの文量かつ設定のSSをきっちり挫折せず書き上げたんだから、
胸張っていいと思うよ。お疲れさん!!
>>35 べ、別にアンタのためにGJしてるんじゃないんだからね!
面白かったから。
>>35 お疲れGJ
確かに他の皆が言うように言い訳はちょっと蛇足だったかね。
っつかなのは全話を30回って、1話24分換算として13+13+26で42話。
42*24≒1000分。それを30回で30000分=500時間。
24時間ぶっ通しで見ても20日以上かかる計算だぞ。
さすがに出来もしないことを言うのはどうかと思う
そういえば忘れてました。GJ
ついでに最終回なのに作品とキャラのフォローに走って
終わるってのにがっかりしました
賛否両論出るのはしっかり読み込まれてるからですよ?
私は批判の意見が出る事は「乙」「GJ」単発よりも余程素晴らしい事だと思います。
私もここに投稿させてもらってるんですが、
このペースで書けてあれだけの反響があった貴方に正直嫉妬してます。
>>35 GJ!
登場人物が作者の意図を超えて暴走するってことか
でも純粋に面白かった。
あと、課題とかなんとかって考えないほうがいいと思う
プロじゃあるまいし、アニメ観るのもSS書くのも楽しきゃいいんだから。
51 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:51:40 ID:s3VgjCDk
>>35 GJ!面白かった。たしかに最後ダレた感はあったけど
それまでは引き込まれて次をwktkで待ってたもんさ
次回作も待ってるよ!
>>35 あんまり自作品を卑下するのは読んでくれた人、褒めてくれた人に悪いですよ
完結しないで消えてしまう人が少なくないんですから
充分胸張っていいかと、乙でした
>35
GJ毎日毎日専ブラに齧り付いて楽しみに読んでいました.
私は非常にすばらしい作品だと感じましたが,もしあなたがまだまだ足りないと反省されているのなら
是非是非満足行くまで書き続けて欲しい.
なのは視聴マラソンがんばってください.きっと良い物が書けますよ,きっと.
>>35 まず完結乙。
一読者として言えるのはテーマ(要は何を書きたいのか)を明確にすべきかと。
残念ながら作者さんの今の作品は枝葉は良くても肝心の柱がスカスカな印象なので…
>>35 都築は俺の嫁
まで読んだ。どこを縦読みすれば?w まあ、でも真面目なんだろうなー。
自分としては>50と同意見で、書き手も・読み手も楽しめればそれでいいじゃない、と思っちゃう
DVDだけじゃなく、小説版や漫画版、サウンドステージもチェックしてなのはworldに浸るんだ!
なーんもきにせず馬鹿話でも書いてみたら?
気が紛れるぞ、たまに何かに目覚めるが
>>35 完結乙です。
なんだかんだで最後まで書ききったことは素晴らしいです。
これほどの速度でこれだけの内容を書けるのだから、自信もってもよいと思います。
ただ、今回の投稿にあったフェイトが怒られ慣れていないというのはどうかと。
無印の頃に散々プレシアにやられていたじゃないですか。
それが原因で怒り方がわからないというのはあると思いますけどね。
それでも彼女はエリオとキャロのお母さんであることは間違いないと思います。
>>35 あっちこっちブレた感は確かにあった。
でも、一つ一つの場面はかなり眩しかった。
個人感想総じてGJ!
また会える時を待ってる☆ZE
>>35 あとがき、本編書き上げた熱でそのまま突っ走ったんだろうけどさ、もうちょっと落ち着こうよ。
言いたいことはなんとなくわかるんだけど、多分あなたが考えてるレベルでなのはのことをわかってるっていえるのは都築のパパンとアニメの主要スタッフぐらいじゃね?
あと、30回見直すより、一話一話に全神経を注ぎ込むつもりでじっくり見たほうがいいような気がするぞ
で、気がついたところを逐一ノートなんかに手書き(これが重要)でメモなんかしてはいかが?
とりあえず、自分を卑下しなさんな。
投下した作品には、自信を持って、背筋を伸ばして
えへん
と胸を張ったらいいよ。
反省点は、次回に生かしていけばいいんだから。
最後に
長編お疲れ様でした。
結構面白かったし、久しぶりにのめりこんで読めました。
これからも楽しみにしてます。
私としては最終回は、結構納得がいきました。
反省の所は言い訳として嫌う人もいるようですが、私は作者様の思考のプロセスを
追えて、大変よかったです。特に嫌な気分にはなりませんでした。
それどころか、真面目になのはの事を考えて下さることが分かり、とてもうれしく思っています。
ただ視聴三十回などと苦行的な事を課して、あまり自分をお責めにならぬようお願いします。
>>35 ボリューム大の長編で綻びを全く出さないなんて至難の業なんですから、そこまで気にすることも無いかと。
というわけで、長編お疲れ様でした。
自分個人としては純粋に楽しめましたのでGood Jobを送らせていただきます。
62 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:18:45 ID:UaJOhGBd
卑下したから持ち上げが多いな
とりあえずGJとだけいっとくZE
ちなみに自分はキャラ暴走しまくり脳内喋り捲りで書いてるけど
無印から3期まで3週は見てるが未だに人名や地名をぱこぱこと間違……とヤバイヤバイ特定されるww
>>35 いいか、俺は面倒(ウジウジする)が嫌いなんだ!!
もっと自信を持っていい。
65 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:37:47 ID:UaJOhGBd
>>35 手軽にGJがもらえる方法が分かって良かったですね
人によって受け止め方は千差万別
よってこれだけしかいわない
GJ
>>35 長編を書きあげられる根性にGJ
内容的にはバトルよりも最後みたいなおバカなやりとりの方が個人的には好み
ちなみに長かったので謝罪文は読んでねーです。あとがきとか気が向かないと読まない人さ俺は
>62
それが狙いだもの。
「僕ダメなんだよー」→「あらあらそんなことないわよ」って反応を期待してるんでしょ。
実際にそういう流れになってるし。
>>68 初めてのHで上手く行かなかったなのはとユーノが
ユーノ「僕がダメだったね・・・」
なのは「そんなことないよ〜」
こうですか><
少し・・・・頭h(ry
いかな理由があっても、SSスレ内で他人の感想にレスはいけない。荒れるよ
お前らそんなことより
>>70でも見て和もうぜ。
きっと
>>70が何か書いてくれるはず。
まあ確かに、正直
>>70の奇才っぷりには少し驚きを隠せない
>>70 なのは「じゃあ、これで、どう? マジカル・チェーンジ!!」
ユーノ「いやっほーーーー!!!ロリ最高!!!」
なのは「げんきになったね☆」
俺にはネタ作りの才能がないようだ
さらば
てか前スレで議論になってそれで書き手にプレッシャーかけすぎ
批判も悪いとはいわんがマターリいこうぜ
とりあえずギン姉かわええよギン姉
>>80 賛成
とりあえずsgnmかわいいよsgnm
完結させたのはマジ乙だし、内容もGJに十分値すると思う
ただ、最後の言い訳に関しては「気色悪い」という感触で一杯です
物書きなら前向きに反省していけばいいのに
たしかにギンガは犯したいな
自分で頑張って書き上げた作品なら自信を持て
自信の持てない作品なら投下するな、補足ならまだしも過度の言い訳は不快になるだけ
どうしても無理なら持てる様になるまで修正すれば良い、締め切りなんて無い
自分が苦労して書いた作品を自分で落とすのは作品や自身に対して失礼
って何処かで言ってた
個人的な考えだけど、職人様方には妄想垂れ流しくらいの気楽さで、自分が納得できる範囲で頑張って欲しい
本来の意図と外れてきたならそのまま突っ走ってしまえば見てる方には分からないし楽しいから全く問題無い
馬鹿野郎!! スバルだって可愛いだろうが!! ユーノと組み合わせればなお良しだぜ!!
>>85 スマン、後半は頷けないな!
スバルはノーヴェだ!
>>86 み ん な 仲 良 く す れ ば い い よ !
CPなんざくだらねぇ。今時代は全キャラプレ(ry
ここで
「死闘を超えてお互いを認め合ったスバルとチンク姉をくっつけて
ノーヴェに焼餅をやかせてみるのはいかがなものか?」
などと提案してみる。
>>88 いやいや手のかかる妹を持ったギンガ×チンクだろう
先生であるギンガに対して反抗することもできずに苦悩するノーヴェに救いの手を差し伸べたのはスバルだった
(´∀`ルつ4P
スバルはどんなキャラとくっつけても相性がよさそうなキャラだぜ。
俺はスバル×ユーノも好きだが、↑でスバル×チンク姉もよさそうだと思ったぜ・・・・・・。
いろんな人がいて色んな妄想を垂れ流してくれてるからここは面白い・・・・・・。
垂れ流すだけじゃダメだ!
君もその妄想を元にSS書こうぜ!
>>35 嗚呼、日々の楽しみにしていたものが終わってしまった…
ぶっちゃけフェイトの口調が妙に女の子臭かったり
はやてがデフォでハヤテの如くのサクヤ状態だったりするモノが横行する場所でナニを言ってるのか、と
しかしその最高の物を読み手に提供しようとする姿勢はYESだね?
最後まで美味しゅう頂かせてもらいました
次回作、期待してる!
さて、夜もふけた所で、ちょっと気軽に投下させてくださいな
前回落ち着くように諭されてしまったので、ギアを端っこに入れてみました
ゲリラ兵さんと>35さん お疲れ様でした ノノ)次回作も期待してます
非エロのヴィータとチンクのお風呂場での一幕です
前スレの雑談ネタを勝手に使わせていただきました、ごめんなさい
無意味にフェイトさんが出てくるのと、
露骨に贔屓されているのは、仕様です
そういえば、フェイトさんのエロを頑張って書いてみたのですが、
なんか病みなのはさんVSお馬鹿フェイトさんみたいになって、
微妙すぎてあんまりなので保留にしています、需要あるのかな?
レジアス? 誰それ
グワラゴワラガキィーン
花は菜の花、女はフェイト。
問答無用で初球から、フェイト大火山が噴火した。
スッポ抜けを葬らんされたディエチが、マウンド上で膝をついている。
ダイヤモンドをズンタタタ、管理局チームメンバーとハイタッチ。
当然のようにベースを踏み忘れて、ワンアウト。
「ナンバーズ……侮れない相手だ」
「いや、あたしはお前が侮れねぇよ」
次のバッターは、ヴィータだ。
「秘打! 白鳥のラケーテンハンマアァァァ!!」
ナンバーズ更生プログラムNO.89
嗚呼青春ストライクが絶賛実施中であったという。
『或る執務官の手ぬぐい』
その日、教導を終わらせた鉄槌の騎士が、
汗を流そうと管理局付きの共同浴場に入った折の事である。
えーと、ナンバーズの…チンクだっけか?
浴場には、先客が居た。
外見上はヴィータと、それほどの年齢差を感じさせない小さな身体。
背中に流れる銀髪は、真っ直ぐに腰まで伸びている。
かつて機動六課を苦しめたスカリエッティ一味のナンバーズ、
その中でも姉と慕われる隻眼の戦闘機人、チンクだった。
それが、ただならぬ決意で壁際のシャワーに向かい、
鏡を見つめながら気組を迸らせる。
手にはシャンプー、そして捧げ持つのはシャンプーハット。
「つまり、髪が洗えないのかよ!」
思わずツッコミを入れた。
「む…もと六課の」
なんとなく不機嫌そうな雰囲気で、振り向いて声を返す。
「……ペタだったか?」
「ヴィータだ! どこ見て言いやがったてめぇ!!」
ふ、と薄く笑う。
それは勝者の笑み。
「浴場で騒ぐな、見苦しい」
年長者の貫禄を漂わせた発言に、ヴィータの動きが止まる。
たかだか数年の稼働時間の、お…お子様のくせに!
……かといって、ここで騒げば自ら墓穴を掘るようなもの。
額に青筋が浮かんでいる自分を自覚しながら、
我慢我慢と心で叫んで、ヴィータはチンクの隣に腰掛けた。
だって湯船には身体を洗ってから、八神家の家訓である。
怒りに震える手で、無意味に黄色い洗面器にお湯を張りながら、
ふと、
隣でシャンプーを睨みつけた姿勢で固まっている戦闘機人の、
下のほうに視線をズラす。
「……はんっ」
とりあえず、鼻先で笑ってみた、それは痛撃。
チンクのこめかみに、ビキリと音をたてて青筋が浮かんだ。
静寂の中、湯煙が硝煙の如く棚引き、
滴る水音が葬送曲を奏ではじめる。
「お子ちゃまで良かったよな、病気の人に大人気だ」
「気に病むなよ、見せる相手が居ないのだから、無くても構うまい」
一触即発、弾薬庫の如き空気が浴場を支配する。
「"喋らねー" でくれますか? あたしの前でよぉ… "息" が臭ェーからな」
「…よほど "悪運[ハードラック]" と "踊[ダンス]"っちまいたいらしいな、貴様」
今まさに、お互いの拳が相手を捕らえようとしたその時に、
唐突に戦場の扉が開く、新たな入浴者が姿をあらわした。
「あれ、ヴィータとチンク…? も居たんだ」
そう、それは例えるならば、絶望の具現。
淫靡としか表現できないほどに強大な、しかし微塵も形を崩さぬ柔らかな双丘、
しなやかで張りのある肉体、括れた腰、水滴を弾く透けるような白い肌、
流した髪は光を纏い気品すら漂わせ、整った目鼻立ちには穏やかな慈愛を含み、
深く澄んだ蒼瞳には一抹の儚さの、鋭い眼差しに人は強く魅了される。
そしてなによりも、下腹に可愛らしく生え揃った、黄金色の草原。
可憐さと淫靡さの同衾する、ひとつの理想の完成形が、そこに在る。
フェイト・T・ハラオウン執務官であった。
「あ…ありえねぇ!」
「こいつ…本当に人間か!?」
ヴィータが頭を抱えて叫び、チンクに妹の生霊が乗り移る。
今までは、おっぱい魔人の影に隠れていたから気がつかなかった、
ヴィータは自分の迂闊さを深く呪った。
脱いだだけでこの威力、ディエチよ、これがお前の受けた絶望か、
チンクは揺り篭が墜ちたという事実を、ようやく受け止める事が出来た。
「あ、髪を洗えないんだ、手伝ってあげようか?」
「ヴィータとやら、ここは私が食い止める、先に湯船に行け!」
「馬鹿野郎、てめぇだけにいい格好させられるかよ!」
二人は光よりも早く団結した。
あんな柔らかそうなものに引っ付かれた日には、
なけなしのプライドがブラスター3で木っ端微塵だ。
「いいのだ、私は髪を洗わねばならぬ…せめて、おまえだけでも!!」
「チンク!チンクウゥゥゥゥ!!」
嗚呼、それはまさに連理の枝、比翼の鳥、傷つけあいながらも深く育まれた、
二人に生まれた尊い絆を、閃光の死神が今まさに刈り取らんと近づいてきて、
「あ、ヴィータもチンクちゃんもおるやないの」
さらに乱入者が現れた。
ヴィータが素早く下に眼を走らせる。
主と仰いでより今に至るまで、幾度と無く目にする事のあったその肢体は、
なんか今日は、ぽてーんとかいう感じの擬音が良く似合う。
具体的に言えば、作画クオリティが露骨に差別されていた。
チンクも素早く視線を移す、上に。
そう、それは例えるならば穏やかな凪の海、果てしなき絶望の荒野。
嗚呼それなのに、烈火の将、白い悪魔、そして金色という山脈に囲まれて、
その酷き宿命の只中にあってさえなお、この女性は笑顔を失わないのだ。
「はやてえぇぇぇ、フェイトが、フェイトがああぁぁぁぁ」
「八神捜査官、私は今まで貴女の事を…誤解していた!」
「な、なんやようわからんけど………物凄う腹立つのはなんでやー!!」
かくして浴場の惨劇は、夜天の主の手腕によって回避される。
「なんでやああぁぁぁぁ!!」
ナンバーズの姉妹以外には頑なであったチンクの心を溶かし、
自らの家族のように接する彼女の姿に、誰もが賞賛を惜しまなかった。
後に、某金髪執務官に常時拉致され続けている青きフカフカ狼に変わり、
チンクが八神はやてのもとで活躍する事になるのだが、それはもう別の話。
(余談:ちなみに3番は、微笑みシャマルの振り子打法なの)
「こらフェイトちゃん、湯船に手ぬぐいつけたらあかん!」
「あ、大丈夫大丈夫、ヴィジュアル用手ぬぐいだからコレ」
異次元日本手ぬぐいをベースにした、ヴィジュアル用手ぬぐい。
異次元太閤から、湯船漬け御免状を頂いているという老舗の一品。
湿して叩けば骨をも砕くという、お茶目な破壊力だ。
主な用途として、入浴時の女性が頬を拭いたりするのに使用される、
のだが現在は、空気を包み泡を出して遊ぶための玩具と成り果てていた。
ヴィータとチンクが、手ぬぐいをつついて喜んでいる。
「…ま、たまにはええか」
結局、チンクの髪はヴィータが洗ったという。
(終)
俺の頭の中じゃヴェロッサは絶倫キャラ
>99
俺のグレープジュースを返せ(w
毎度の事ながらどれだけネタが仕込まれてるんだ。
>>99 GJw
いいね。チンクねえとヴィータのほのぼの。T執務官の胸は核兵器ですからね、仕方ないんです。変身シーンでもたゆんたゆんですから
>>99 フェイトさんマジプライドブレイカー……
なぁに、ヴィータもチンクも俺が大きくしt(ry
特攻(ぶっこ)んだ小ネタとかマジでご馳走様でした!
104 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 03:34:30 ID:1ixKp80Z
>>99 GJ。でもフェイトの瞳の色って赤ですよね?
>>104 あ、そうでした うっかり ノノ)ミナイデー
青>赤に色調補正かけておいてください
……ちょっとフェイトさんに葬られてきます orz
>>99 ちょw色々とGJwwww
そして、何気に仲間扱いされたはやて乙w
二人とも気にするな。私はまったく気にしない!小さいことはいいこt
はやてよりスバルやティアナの方が胸大きいよね?
なんか胸の話題で盛り上がってるな。
いっそ、ヴィータ、チンク、キャロ、ルーテシア、ヴィヴィオの五人で、
貧乳戦隊、胸無しレンジャーでも結成して…あれ、外が騒がしいn
>>108 だがヴィヴィオは聖王Verになるとなのはとフェイトよりも大きい。
ヴィヴィオは聖王モードだとフェイトよりでかいよ
>>99 シグナムが乱入していたら、どうなたか物凄く気になる濡れはきっと怒S。
リインUとアギトを忘れてやるな……あいつらなら……あいつらならきっと……
>>35 ん……世界観埋めたいなら、アニメ繰り返しもですが、ヴィジュアルファンブック、
スターターブック、リリちゃとらハ等の周辺資料を漁った方がいいですよ。
アニメは設定の結果なんで……WIKI見てもいいけど全部は載ってないし。
3期直前の漫画版黒歴史なんかも知ってるとまた見方が違うんですがね……
当初の路線だったらエリキャロはいなかったのかなとか思いつつも、単発ネタ投下(ちょ
[はやて×クライド(誰?][多分続きませんw][1レスネタ]
夜天の王こと、八神はやてがいつも通り寝室のベッドで朝の光に促され寝巻きのまま身を起こすと、
隣に見知らぬ若い男性が眠っていた。
「……」
(あかん、うちはまた変な夢みてもうてる……例え男日照りで家族がビッチで後輩に取られまくったとしても
こんな夢みたらあかん!これはただの夢や!)
ん……とその男性が小さく呻きを漏らす。
さらりとした黒い髪に端正な横顔――とよく見れば、よく知った2児の父、クロノ・ハラオウンにそっくりであった。
「……」
ぷにぷにと頬をつついてみる。確かな手ごたえがある。
自分の頬を引っ張ってみる。確かに痛い。
「……」
どたどたっ、とベッドから逃げると、その未だ眠っている人を凝視する。
(うちのセキリュティは万全や。シャマルが探知張ってるし、シグナムもザフィーラも妙な気配には飛び起きるし……
あとは……あとは……私が……連れこ……いやないないない、昨日は地上本部から真っ直ぐ帰ってきたはずや……)
そーっと寝具を剥ぐと、白いTシャツにありきたりなカーキ色のズボンとどこにでも居そうな普通の好青年である。
しかし何にしてもクロノに似すぎであった。ただ彼にしては魔力の存在感が薄すぎた。
そこで、ん……とこちらも朝の光に意識を呼ばれたのかその人が目を開く。
再度ばっと飛びのくと、彼はゆっくりと上体を起こした。
「あ、あ、あ、あんた、誰や!」
「な……」
かなり痛そうに頭を抑えて、小さく呻く。
「う……ここは……」
はやては肌身離さず持っているデバイスをしっかと握り締める。いつでも動けるように身構えながら。
「私は……」
ようやくはっきりし始めてきたらしい意識と瞳で、壁際のはやてに告げた。
「私は、クライド・ハラオウンだ……ここはいったい?」
「……え?」
簡単な自己紹介とここがクラナガンの一角であることを伝えて、とりあえず食事用のテーブルに座って貰い、着替えてから粗茶を出す。
「そうか……君が」
「はい……私が今の闇の書……はもう消えてしまいましたけど、最後の夜天の主、です」
「最後の?」
「ええとまあ、なんていいますか……転生機能は破壊してもうたので……もう次は」
「そうか」
そこで自身を落ち着けるように軽くお茶に口をつける。ただし傍目からはさすがかの人の父親なのか、動揺の欠片すら見えなかった。
「私は……確かあの時、闇の書に飲み込まれて……それからアルカンシェルで消滅した……はずではなかったかな」
「その、はずですが……」
(飲み込まれて……消滅時に一緒に転生されて、私の中のリィンと一緒に眠ってたいうんか……?
にしたって今更具現化なんてそんな無茶苦茶な……)
一瞬でカタカタと可能性を試算するが、自身の魔法知識と合わせてもそれなりの回答すら見つからない。
ただし自称生きて歩くロストロギアと言うだけあって、自分の中に何が眠っているか把握しきれていないことも確かであった。
そしてそのタイミングでおもむろに長男もしくはお父さんこと烈火の将が現れる。
「おはようございます、主はや――」
と、キッチンに入ってきたその瞬間にその人をみて完全にびたっ、と固まった。
「あなたは……」
「君は……」
「あれ、知ってるんか……?」
「クライド……殿?」
「ああ……シグナム、といったか」
じっと見上げるクロノに譲った真っ直ぐな瞳に、ふっと表情を緩める桜色のポニーテール。
「何故……我が家に?」
「いや、わからぬ……今朝、突然彼女の隣に寝ていたようだ」
シグナムが主の方へ視線を移すと、肯定の頷きが返る。
「とりあえず、シャマルを起こしてきます。何か解るかも知れません」
「うん……頼んだで」
うん、無理……w
と >99 GJ!古いネタからわかっちゃうのは…年ですかね
相変わらず面白いですね、特にはやてwwさすがオチ担当ww
>>116 ちょww
ここで終わりなのか!?
ええい気になるじゃないか!続きを書いてくれ!
>>116 貴様ー!最後までエロ付きで書き切れー!
>>116 おばさんになっちゃったって気弱に恥らうリンディさんとのセクロスまだー?
リンディさん年とってる部類なのか? あれ若杉だよ、まあそれでも30くらいか、
20代前半と30前後くらいの見た目の夫婦か
>>116 このクライドさんはヴォルケンみたいなプログラムと妄想
>>99 胸の大きさは はやて>なのは
とどっかで見た気がするが気のせいかな?
師匠……不憫すぎる……
夜天の主が槍騎士少年を筆おろし!
何故かそんな光景が思い浮かんだ
>>122 15歳時でフェイトと同じくらいとかだったか。
そこから成長してなかったにしても、割とあってもおかしくないな。
身長は低いんだし、単純な数値で低くても比率を考えるとカップサイズは大きかったり?
まあ妄想は個人の自由だから、好きに設定してSS書いていいと思うけど。
127 :
122:2007/11/08(木) 14:50:50 ID:9D7STLvN
>>123>>126 なるほど15歳時だったか
別にSSに文句をつけてるわけじゃないので悪しからず
スレ汚しすまんかった
>>108 ヴィヴィオには約束された未来が
キャロとルーにはまだ見ぬ明日がある
しかしヴィータとチンクには……
まあまて、ヴィータには変身魔法がある
…ほんとに夢を壊す魔法だぜ!
キャロは最終的にアルトくらいのサイズに落ち着く予感
どうも、皆さん。
確認したいんだが、クロノの子供って[カレラ][ビエラ]で良かったっけ?
自分でSS01聞くと、[カレル][ヴィエラ]って聞こえるんだ。
情報を信じないわけじゃないけど、自分の耳も無視出来なくて。
おねがいします。
>>131 俺にはディエラと聞こえるんだが文字のソースがないからなんとも。
どうせ元ネタの車の名前があるだろうし、ググってみたら?
いかんこのままではハウオラン夫妻(親)の年食ってからの子作りで
クロノに親子ほど歳の離れた兄弟フラグと
クロノの子供達が歳下の叔父もしくは叔母恋愛フラグが立ってしまうw
似たようなものとしてはなのはとユーノの息子が血の繋がらない姉に懸想して
オナニーしてたらヴィヴィオに見られてやさしく筆下ろしフラグなんてのもあるw
(無論ヴィヴィオは処女なw)
>>134 お前、姉萌えがわかってんな・・・・・・ゴクリ。
ヴィヴィオとハラウオン家の双子って、どっちが年上なんだろな。
たしか、双子は三歳ぐらい?sts開始時点で。
んでヴィヴィオは保護時点で四、五歳。
おお、十分幼なじみになれるな!
>>136 ヴィヴィオの方が一応年上。
双子は確実に4歳未満だし。
ハラオウン、な
StS終了時でヴィヴィオは小学一年生(多分)。
だから逆算して初登場時5歳ぐらいかと。
本当に5歳かどうかは別としてな。
>>139 訂正乙
とすれば、ヴィヴィオが「おねーちゃん」とか呼ばれ展開もありか。
なぁに、>134の>ハウオランに比べれば大した間違いじゃない。
カタカナだと間違って覚えちゃうこともあるよな
ということで漢字に直してみたw
黒乃・腹悪運
笛糸・手酢太郎作・腹悪運
>>144 なんだか知らんがそっちに黄金戦士が飛んでったぞ
>>143 おかしい……微妙に合ってるwww
>>141 「おねーちゃん」と呼ばれたいがために
催淫魔法を(無意識で)乱発する聖王の器。
機動六課にベビーブームが到来ッッ!!
オオカミ形態のザッフィに後ろからのしかかられ、その激しい攻めにおぼれるはやて。
とか、書かれたことはいままでなかったのか。
ホンダアコードの派生にビエラってあるけど、これかな?
149 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 20:59:25 ID:gG6cIR4s
未だに無印・A's時代を懐かしむ俺もいるがな…
言った途端に何か読みたくなってしまった。
保管庫でユーノ×リニスが残ってるか探してみるか
今は亡きVIPERシリーズを知ってるおっさんだとカレラで確定
そして悶絶
30スレの分の保管、途中までやってたんですけど、諸事情で数日の間、ネットに繋げそうにないので、
引き継いでもらえたら幸いです
すみません、お願いしますm(__)m
>>151 お疲れ様を超えた、超お疲れ様ッッッ!!!
自分はまったりと待ってますから気にしないでください。
ホントに乙だぜ。
ここ数日でかなり更新されてたもんな。
>>154 最後のオチに「浮気はお互い様」とかあったやつ?
俺はクロノの娘がユーノに惚れて、「ユーノおじさま」と呼んで慕っていると妄想した。
で、ユーノを父としてではなく一人の男性として愛するようになったヴィヴィオとの三角関係も妄想してた。
ところがどこかの誰かがそれに親馬鹿クロノと旦那を盗られまいとする魔王参戦という電波を送ってきた所為でもう
色々ぐちゃぐちゃだ。
絶望した!!あまりにも早すぎるスレ進行に絶望した!!
>>156 そこに妻を取られまいとする金色夜叉や、ただのにぎやかしな
夜天の王とその愉快な手下達が乱入するなんて電波を送信してみるテスト。
>>156 クロノが基地外化しそうな話だなそれは
しかしルーテシアはスレンダーな貧乳おねいさんでも巨乳でもどっちでもいけそうだな。
るーてしあがきょぬーになたら某ライ○ーさんと区別が(ry
>>158 >妻を取られまいとする金色夜叉
「さあユーノ、そのまま飲み込んで。私のバルディッシュ……」
こうですか、わかりません!!
人気の無い6課の倉庫の片隅
薄暗い室内の隅で蠢く影があった
小さな少女が巨大な獣に組しかれている
涙を流すヴィヴィオにのしかかる巨大な蒼い獣…
涙を舐めとり、舌から口を舐め回すその舌が徐々に頬を伝い首筋へと下がっていく
ビクリと少女の体が跳ねた
脇か乱暴に薄いTシャツの下へ鼻面を突っ込むと
幼い乳首がざらついた獣舌に舐め上げられた
「やゃぁああ…!」
盛り上がった布地の下でごそごそと犬の頭が蠢く、その頭を抑える小さな手
「はぁうっ…あぅ…いやぁっ…やぁ…止めてぇ…ぁっ…ぁ…や…」
切なげに息をつく少女
ガフ…
やがて唾液でべたべたに濡れた毛深い顔を少女のお腹から頭を上げると
ザフィーラはベロリと舌を舐め上げヴィヴィオの小さな布地の中に鼻先を突っ込んだ
「ひゃぁああ!だめぇ!そこはダメなの!ひっ…!!」
少女の懇願に構わず固い舌先が強引に幼い割れ目を蹂躙する
ぴちゃぴちゃと犬がミルクを舐めるような音が室内にこだました
………
人間フォームに戻ろうか
いや幼女獣姦も捨てがたい…ザフィーラはしばし思案した
なのはシリーズ最初の死者か…
>>161 ふたなりフェイトさんがユーノきゅんを犯すのか
この流れを完璧スルーして投下しますね。
……正直今までの中で1番叩かれそうで怖いんですが、電波が来たので仕方が無いw
17th session〜再戦、そして〜
「……なのは隊長、今日は休んでいてください。
……スバルさんとティアナさんの模擬戦の相手は、僕がやりますから」
「……だな。今日は休んでろ、なのは」
なのはが訓練場に来るなりそう言い放ったフィレスとヴィータに、なのははぽかん、とする。
しかし、そんななのはに、フェイトとシグナムも続けた。
「……そう、だね。今日は休んだ方がいいと思うよ、なのは」
「……まともに歩けない状態で勝てる程ナカジマもランスターも弱くはないぞ? 高町」
……シグナムの言う通り、なのはの足元は完全にふらついていた。
慌てるなのはに、フィレスが口を開く。
「……別に僕が言う事かどうかは分からない、と言うか、スクライア司書長に言うべき事だと思いますけど……、
次の日に影響が出るまではしないでくださいよ、なのは隊長」
「に、にゃあああ!?」
一瞬で真っ赤になってなのはは飛び上がる。
そんななのはに1つ溜息を吐くと、フィレスはさらに言った。
「……とにかく、今日の模擬戦は僕がやりますから。いいですね? なのは隊長」
「……それで、フィレスが?」
「……そう言う事。……僕も久し振りに2人と戦いたかったしね。ちょうど良かった……かな?」
そう言って笑うフィレスに、スバルもつられたように笑った。
「あははっ! ……今度は、負けないからね!」
「僕だって、負けるつもりは全く無いよ」
そう言い合って互いに不敵に笑うフィレスとスバル。
と、スバルの脳裏に、ティアナからの念話が響いた。
「(相手がフィレスなら、なのはさん用に考えた作戦が使えるわ。……打ち合わせ通りに行くわよ!)」
「(オッケー、ティア!)」
「……そろそろ、始めようか?」
そうのんびりとフィレスが言い、模擬戦が始まった。
170 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:05:58 ID:jLfRM2FZ
>156
…………昔読んだ小説であったなぁ。
ある女の子が、その子の母親に惚れてたけど失恋して、今はとある事情でその子の
面倒を見てる青年(つってもすでに若くても30前後のはず)のことが好きっちゅーの
が……
男の方は、昔惚れた女と自分のかつての恋敵で今は親友の男の娘だから、大事に
してるんだけど、もう妹とか自分の娘みたいな扱いしてて。
で、その男には若さ故の過ちで生やしてしまったもふもふのしっぽがある……だった
かなぁ。もう取ってたかなぁ……。
「行くよ、マッハキャリバー!」
『ウイングロード!』
「……こっちも、行こうか、アマテラス!」
『フェザーショット!』
連続して撃ち出される魔力弾を巧みにかわしながら、スバルはウイングロードを縦横無尽に張り巡らせる。
「……足場を作りつつ……、飛行妨害も狙ってるのか……?」
そのウイングロードで形作られた網の中を飛行しつつ、フィレスは1人呟く。
ウインドフェアリーにスバルを自動追尾で追いかけさせつつ、フィレスはティアナを探す。
と、
「っ! 壊された!?」
『ウインドフェアリー全弾破壊されたわ!』
ウインドフェアリーが砕かれたのを感じ取り、フィレスは表情を歪めた。
「仕方ない……迎え撃つよ!」
『ラジャー! ……来る!』
そうアマテラスが叫んだと同時に、スバルが一気にフィレスの懐に飛び込んで来る。
カートリッジをロードする音がすると同時に、スバルは大きく拳を振りかぶり、
『リボルバーナックル!』
「行っけえええ!」
「アルテミス!」
『カートリッジロード……プロテクションパワード』
……叩き込まれた拳を、フィレスはシールドを張って受け止めた。
「っ!」
「くっ……! ……でも、まだ甘……っ!?」
アルテミスにシールドを維持させながら、ウインドフェアリーでスバルを落とそうとしたフィレス。
しかし、その瞬間、別の気配に気付き、微笑みを浮かべた。
「成る程。スバルさんの攻撃はあくまで囮。止めてる隙を突いて本命をティアナさんが……、悪くない手だと思います。
……でも……、少し、気配を出すのが早すぎたようですね、ティアナさん!」
『ウインドフェアリー!』
撃ち出された2筋の魔力弾は、一直線にティアナに向かい……、
……呆気なくティアナを貫き、消し飛ばした。
「オ……、オプティックハイド!? じゃあ本体は一体……!」
『マスターフィレス、上!』
そのアルテミスの声に、フィレスが慌てて上を向くと、ちょうど上からティアナが突貫して来る所で。
……その瞬間、フィレスの顔に険しさが過ぎり、アマテラスを落とすと右手を上に突き上げ……、
……そして、2つの影は衝突した。
一方。
模擬戦が始まった頃、フィールド全体が見える位置まで移動した6人の間では、
「……高町。お前は教導隊の隊員であるという自覚が無いのか?
……もう少し自分の体調管理に気を配ってだな……」
「シグナムの言う通りだよ、なのは。教える立場にある人が、まともな体調で教えられないなんて、あっちゃいけないよ」
「別に、恋人同士なんだからするなとは言わねー。……でもな、せめて翌日に影響出ない程度には自重しろよな!」
「……あううう……」
正座するなのはを取り囲んでの説教大会が繰り広げられていた。
それをエリオとキャロは呆気に取られて見やり……、
……やがて、エリオが口を開いた。
「あ……あの、フェイトさん」
「ん? エリオ、どうかした?」
「は、はい。……どうして、なのはさんの代打がフィレスさんなのかな? って思って」
そうエリオが言うと、フェイトは少しだけ微笑む。
「ああ、それはね、フィレスが一番なのはにタイプが近いからなんだ」
「本当はあたしが筋なんだろーけど、あたしとなのはじゃタイプ違いすぎるしな」
何かティアナが対なのは用の作戦考えてたみてーだしな。とヴィータも言う。
それに、エリオは納得したように頷いた。
「そう言う事だったんですか……」
「ああ、そう言う事。……しっかし……スバルの奴、随分張りきってんな……」
ちらりと戦いの方に視線をやって、呆れたようにヴィータが言う。
まるで網の目のように張り巡らせたウイングロードの隙間から、ぶつかり合ったフィレスとスバルが見えて。
「っ!」
「な……っ!」
「う……!」
「きゃあああっ!」
「何……で……?」
……そして、まだなのはを叱っているシグナム以外の5人は、それを見た。
落下速度と自身の体重を完璧に乗せた刺突を繰り出すティアナ。
それに対してフィレスは、バリアも張らずに手の平を突き上げただけ。
当然、刺突はフィレスの掌に吸い込まれ……、……フィレスの手を、貫いた。
「……え?」
「……フィレ……ス……?」
咄嗟に何の反応も出来ず、呆気に取られるティアナとスバル。
しかし、流れ落ちる血がどんどんフィレスのバリアジャケットに吸い込まれて行くのを見て、ようやく我に返った。
「―――っ!」
慌ててダガーを引き抜こうとするティアナだが、フィレスはその刃を掴んで抜かせない。
そのままフィレスは、厳しい表情をして、口を開いた。
「……ティアナさん……、駄目だよ……、こんな方法で、強くなっても……」
途切れ途切れの声でフィレスはそう言い、その場に膝を突く。
と、ようやくフィレスの手を振り解いたティアナが近くのウイングロード上に飛びあがり、叫んだ。
「それでも……、それでも私は強くならなきゃならないのよ!
フィレスだって、分かるでしょう!? フィレスも、お姉さん亡くしてるんだから!」
そう叫んだティアナに、フィレスは何故か落ち着いた口調で言った。
「……そうだね。……でも、ティーダさんは、こんな方法で強くなる事なんか望んでない。それだけは僕でもはっきり分かるんだ。
……だから、僕は止めるよ。ティーダさんの代わりに、その方法が間違いだって事を証明して!」
そう叫んで、フィレスは足元に転がっていたアルテミスを拾い上げる。
左手1本でそれを構えるフィレスに、ティアナは僅かに後退りながらクロスミラージュを向け、叫んだ。
「あ……あああああ! ファントムブレイ!」
『カノンシフト……ウイング・カノン』
「シュート!」
それよりも一瞬だけ早くフィレスはティアナにウイング・カノンを叩き込み、ティアナは気を失って落下する。
「ティア!」
慌てて寄って行ったスバルが何とかティアナを受け止めたのを見届けると、フィレスもその場に倒れ込む。
「フィレス!?」
ティアナを抱えたままスバルがそう叫ぶのを聞いて、フィレスは意識を失った……。
これで終わりです。
……今更3話で張った伏線使うなよな俺orz
なのはが何故模擬戦不可能だったかの理由は、とりあえず17話は16話の翌日だとだけ言っておきますw
これで残すは後1話。出来れば最後までお楽しみいただけたら幸いです。
保管の人、乙ー
アラシの予感!?
>>162 なんという寸止め!続きをwktkして待ってるZEw
とりあえず、ザフィーラ・・・獣形態で一回、その後人間フォームで致せばいいじゃないか
突然ですが、ティアナがターゲットのエロパロを
投稿したいと思います。
ちなみに、この小説にはオリキャラが二人ほど出てきます。
(青年と猫娘です。)
内容は、ティアナがエッチな目に遭わされちゃうというものですが、
そんなにひどい凌辱ではありません。薄めだと思います。
遂に、念願の執務官合格を果たしたティアナを待ち受けるエッチな戦い!
という感じです。宜しいでしょうか?
止める理由はどこにもない。
存分にやりたまえ
おはようございます、朝刊ですー(ぇ
続きやってみる……?エロやるってもかなり遠いよ多分w
まティアナものの景気づけってな感じで
シグナムの去ったキッチンでクライドの隣に座るはやて。
幼い頃から変わらずフードつきの上着に結構短めのジーンズ生地のタイトスカートは、少し年の割にはアンバランスで、
若干眩しげに微笑ましく見守ってくれる彼に、ちょっとだけ照れながら再び話を切り出す。
「クロノ君のお父さん、ですよね」
「ああ……元気かい?クロノは」
「はい、今はXV級新造艦、ちゃったもう新造ではないですけど……艦長をやってはります」
「艦長か……もうそんなに偉くなったんだな」
「もう、クライドさんが亡くなられて、20年近く経ってますから」
「20年……20年か」
そこで一度会話を切って窓の外を見上げた。
まだ若干薄暗く早朝と呼ぶべきに相応しい良く晴れた暁であった。
その綺麗な横顔に、次にはやてが問いかけるのは勿論、みんなのお母さんこと未亡人であるはずの彼女のことである。
「奥さんのこと、リンディさんのこと……覚えてはりますか?」
「それは、そうだが……自身で正体がわからぬような私が会いに行くわけにもいくまい。
ぬか喜びはさせたくないからな」
「はい……」
さすがクロノ君のお父さんやな、と心底感服しながらも、やはり瞳がかなり寂しそうでどうにかならへんのかな、とも思う。
会話が続かず、押し黙ってしまう2人。
(あかん、あかんやろ!この程度でネタ切れなんて許されへん!しっかりしいやはやて!)
若干自分自身を叱咤しながら、話の続きそうなタネを心中で模索するが、彼の方が早かった。
「しかし、あの闇の書をどうやって破壊したんだ?アルカンシェルでも完全消滅は不可能だと思っていたのだが……」
「あ、ああああ、えとですね」
ごくごく簡単に、闇の書事件の顛末を説明する。
「蒐集が完了して、マスタープログラム……あの子が、リィンが起動した直後にうちが転生機能と自動防御機能を分離したんです」
「分離?そんなことが可能なのか」
「はい……で、分離部分はみんなで破壊して本体も、マスタープログラムもその時に……消去しました」
「そうか、管理人格が助けてくれたのだな」
「はい……そのかわり、本体が消滅するときにリィンも、うちの中に溶けて眠ってしまいましたけど」
悲しげに俯いて、そっとデバイスを握り締める様子に、彼もはやてが管理人格をリィンと呼んでいたことを聡く察する。
「いい子、だったんだな。闇の書の管理……リィン殿は」
「はい」
言い直して貰った事に少しだけ喜んで、哀しそうに微笑む。
「ん……そういえば、リィン殿は……もしかして銀髪で背が高い女性の姿をしていなかったかな?」
「え?あ、はい。そうですけど……?」
「ん……ここで目覚める前に、彼女の映像のようなものを見たような、主をよろしくとかなんとか……」
「え、ええ!?」
(まさかリィンが心配してくれたんか……?いやそこまでうちは飢えてへんぞリィン!気ぃつかいすぎや!)
死人にまで鞭打ち、ではなく突っ込みを入れるのは彼女の性格であろうか。
とりあえず表向きはしおらしく答えてみる。
「リィンが心配してくれたんでしょうか」
「ふむ……まあ呼び出されるにしても、何がしかの理由があるような気がするのだがな」
と彼が結論づけたところで、まだかなり眠そうなシャマルを引っ張ってきたシグナムが戻ってきた。
「おはようございます、はやてちゃ――」
と、目をこすりながら彼女の隣にいる人物を認識できた瞬間に、目に怜悧さが宿った。
「クライド・ハラオウン――!」
即座に身構えると、瞬時に表情を強張らせた。
「や、やあ……シャマル殿」
と、割と軽めに彼は声をかけたのだが、相対する白いのスカートの人は今にでも彼の胸に手を突っ込みそうなほど殺気立っていた。
「シャマル?」
主が過剰な反応に一声かけたが、それでも雰囲気が緩まない。
冷酷さの宿る冷たい瞳でじっと見据えたまま、睨んでいる。
「シャマル、大丈夫だ。もう全て終わったことだろう?」
シグナムにそこまでフォローされて、ようやく構えた腕は下げたが、斜に構えた表情は酷く冷たい。
「……そう、ね」
そのまま、エプロンを取って冷蔵庫の向こう側のシンクに向かって朝食の段取りを無言で始める背中に、あえて届くようにはやてが問いかける。
「シグナム、何かあったんか……?」
「いえ……はい、私はともかく、ヴィータとシャマルは、そのなんといいますか」
クライドもすまなさそうにしている所をみると、余程のことがあったとしか思えなかった。
「まあ、あのやりようは……今でもあまり……」
「うん、正直、すまなかった……グレアム提督と部下達がやったこととはいえ、監督不行き届きと責められても致し方ない」
「いえ……もう済んだことです」
そう言って正面に座るシグナムに、シャマルがホットミルクを持ってきたが相変わらず雰囲気が凍るように冷たかった。
「シャマル、クライド殿の体を少し見て欲しいのだが」
将に依頼されて、ミルクを置きながら、わかりました――、と小さく答える。
クライドの後ろ側まで静かに回り込むと、失礼します、と一声かけてから背中に手を当ててクラールヴィントのセンサーを稼動させ始めた。
皆が微妙な沈黙に包まれている中、結果がわかったのか、そっと手を離して重く口を開いた。
「私達と、構成が全く同じですね――擬似生命体みたいです」
「あ、そうなんか……」
さほど驚いた風もなく、刺激しないようにごくごく自然に振り返りながら、クライド自身も問いかける。
「どのぐらい、存在できる?」
「……私達がですが、存在自体が不安定に希薄になりつつありますから、限られていると思います。
貴方は特に薄いです。2週間後、二つの月がこの星に数十年振りに最接近しますから、それまでは濃くなるかも知れませんが、
単純に今日貴方が起動したことを考えて逆算すると、一ヵ月後に月が離れてしまうと――」
「消えてまうかもしれない?」
「そういうことですね」
と、そこで話を区切ると再びシンクに歩いて戻ってしまう。
代わりにはやてが謝るのも無理はない。
「すいません、普段はあんな子ちゃいますねんけど」
「いや、私が原因のことだ、致し方ない。しかし一ヶ月か。少々長いな……」
「どうされます……?うちにいても、構いませんが」
「今更、ハラオウンの家に戻るわけにもいかないしな……」
しかし世話になるのもな、と苦笑いを浮かべながら悩む。
はやては、本音としてはクロノ似のお父さん兼お兄ちゃんが一月でも居てくれるのはかなり嬉しいのだが、
シャマルの反応も勿論、今から現れるであろう紅の鉄騎が少々問題であった。
と、考えている側から珍しくアウトフレームフルサイズのリィンUを引っ張ってきながら、ヴィータが現れる。
「おはよう、はや――」
その反応の過激さはシャマル以上であった。
寝ぼけたままのリィンUが床に投げ捨てられてぎゃわ!?とか声をあげたのも全く無視して、
即座にアイゼンをハンマーフォルムにして、寝巻きのまま身構える。
「クライド!なんでてめえがここに――!」
「あー、ヴィータ、お、落ち着いてな?」
「うう、ヴィータちゃん痛いです……はやてちゃんおはようございま……あれなんでクロノ提督がうちにいるです?」
「あー、えーとな」
がるるると吼えているヴィータと勘違いモード全開の末っ子に少々頭を痛めながら、はやては立ち上がるしかなかった。
ほいでは……どこまでいけるやらわかりませんが、またノシ
>>184 GJ!!!!まさか続きが読めるとは
何かクライドパパン(性格にはおじいちゃん)1ヶ月限定で
天国より帰還という感じですかね?
なんかね、天使の輪っかを浮かべてうろうろしている孫空を思い出した。
そういや悟天っていつ妊娠したんだっけ
>>184 朝から続きの気になっていたものをGJ。続きも楽しみにしておきますw
これでやっとはやてにも春が・・・え?無理?
>>186 そういう書き方だと何か違う状況を想像してしまうじゃないかw
確かブウ編始まった話に「セル戦の前に〜」とか
ナレーションで解説あったような記憶がある
やばい。すごい続きが気になる。GJ!
はやてとくっついたら、修羅場の口が開きそうですねw
リイン気を使いすぎだww
>>184 まさかホントに書いてくれるとは…GJ!
しかしはやて×クライドが成立すると、糖分のお友達がなにをするか分からないな。
そしてはやてには、年下の息子夫婦とお祖母ちゃんフラg…あれ?外がやけに暗いな。
はやてさん、大事なこといい忘れてないか、フェイトのことと初孫こと
最近エリオ分が不足してます・・・
エリオはギン姉さんと更正ナンバーズにヤられちまってんだよきっと
せーきょーいくか
エリオ分か・・・よし、分かった
はやエリを一つ
最近の流れははやてさんか
確かに一番行き遅れそうなk(グシャ
はやてを嫁にもらいたい奴なんかいないだろ、腹ぐ――――
なにおー 料理がうまくて、やさしくて、気配りが出来て、関西弁だなんて最高じゃないかっ
あの手の女は好きな相手には一生本性を隠せるから問題なし
残念ながら気配りだけはいらんおせっかいと言ったほうがいいレベルではある
でも性格的にははやてが一番安定してないか?
恋をするならフェイト、結婚するならはやてだろ。なのはは友達または同僚がいいな。
ギンガやシャッハやカリムやルーテシアの陵辱がみてえな
そうだ。嫁さんにするならやっはギン姉だ。
ユーノとアルフ中心のカレラ、ビエラ、ヴィヴィオの絡みものを書こうと思うのだが……
カレラとビエラのキャラがよくわからん。
情報求む
カレラとビエラwww
これは痛いwwwwwwwwww
何回サウンドステージ聞いても「カレル」と「ディエラ」に聞こえるんだが
そもそもキャラとかいう程出てきてないし
SS04で来るか否かだがねー
まあ、クロノ二世みたいな女の子とエイミィ二世みたいな男の子でどうよ
……あれ、男女のきょーだいだよね?
漫画ではなのはたちが15歳のときエイミィが妊娠してたから、だいたい4歳ぐらいだろ
それくらいの子供は、やたらヤダとかダメとか反抗的なこと言いたがるんじゃなかったっけ
四歳って
エロに絡めようとしても流石にまだ勃たんよなあ…
十年経つとはやてはクリスマス過ぎてもうすぐ蕎麦か…
212 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 17:28:08 ID:xcRWnc8M
チョイ待て!!自分は、はやてを嫁に貰いたいです!!!性格・料理の上手さは『なのは』で一番だと思います。寂しがりやで焼き餅焼きで可愛いと思います。まあ彼女と付き合うのに最大の壁はヴォルケンリッターでしょうが・・・。
それとクロノとエイミィの子供って『カレルとディエラ』の男女の双子です。今SS01を聞いて確認しました。SS04でクロノ2世は出ないでしょう。と言うより絡めないでしょう。
はやてとユーノのカプで『狸と鼬の化かしあい』とかそんなネタを考えてしまった。
表面上はラブラブなのに互いに腹黒を押し隠し互いに腹の内を探ってるとか。
うん、だめっぽい。
何か議論が続いていると思ったら・・・
>>184氏の人気に嫉妬。
この流れでオナディードを要請する!
>>215 オナディードは801好きなので板違いですw
4ヶ月ぶりのご無沙汰です。4の422です。
前回投下から13スレぶりか、どんだけ過去の人なんだ俺 orz
途中でなのユーステーションへ参加してからももう2ヶ月経つのか……
ま、とりあえずやっと書きあがったCherryLight・NEXTの2本目、
〜 Scenery of the certain daylight(ある昼の風景) 〜
です。以下諸注意
・クロノ×なのは(甘ストーリーにした、つもりです)
・〜CherryLight〜の外伝ストーリーです。本編の後日談その1(2)とでも思ってください。
・本編StSとは全く異なるIFワールドだと思ってください(CL本編ではなのはは高校生です)。
・18禁シーンが含まれています。ご注意下さい。
ざあぁ……と。
他と比べればやや広いが、そもそもの定義であまり大きくないその部屋 −浴室− に、
シャワーが降り注ぐ音が響く。
浴槽に湯が張ってあるにもかかわらず、湯船に人の姿はなく。1組の男女がシャワー
の水で身体を打たれている。
「んぁっ……ふっ、ぅんっ……はぁっ……」
舌を互いの舌に、性器を互いの性器に。立ったまま抱き合い、繋がり、睦み合う男女。
まだ昼にもなっていないというのに、その様相は夜に行われるであろう本格的な情事
と比べて些かも遜色ない。
「はぁんっ! クロノっ!くんっ! わたっ、わたしぃぃぃっ! もっ、あぁっ!」
女は男の口で推し留められていた声を抑えることが出来なくなったのか、男から顔を
離し、頭を振り乱して叫ぶ。長く美しい亜麻色の髪がシャワーの水を浴び、頭を振る度
に少しづつ、うなじから背中に張り付いていく。それでも男の背中に回した手は解こう
とせず、むしろより強くと、その手に力を込める。
2人の性器同士が繋がっている箇所からは、激しい出入りの合間に時折白く泡立った
液体がにじみ出、そしてすぐにシャワーの水に洗い流される。
女の愛液と、そして、男の精液。2人がこの浴室で行っている行為が既に1回目では
ないことの証拠であった。
クロノと呼ばれた男は、女の声に抱えていた女の片足をさらにぐいと引き上げ、より
深く繋がり合おうとする。
「ああああああああっ! やっ、おっ、おくっ! 奥にいいいいいいいぃぃぃっ!」
「気持ちいいよ、なのは。こんなに大きく拡げてるのにものすごくキツい。すごいよ、
なのはの中……熱くて、キツくて……もう、出そうだ……」
なのはと呼ばれた女は男の言葉に羞恥の涙を浮かべ、イヤイヤと激しくかぶりを振る。
無論、否定しているのはその涙だけ。女の性器は男を放すまいと、よりその締め付け
を増し。口は喘ぎ声を絶え間なく発し。乳房の先端の突起はそうすることで触れてもら
えない自分を誇示し、興味をこちらに引こうと高く硬くいきり立ち。身体全体は男をよ
り深く飲み込もうと、男の動きに合わせて揺れる。
男は、身体のあらゆる箇所で示される女の歓喜に、女の背に回していた手を解き、そ
の尻のふくらみに手を沿え、なおも一層激しくピストン運動を続ける。
「ひぁあぁんっ! やっ!やだぁ! だめぇ! お尻見えちゃうぅぅぅっ!」
男が尻の肉を掴んだことで尻のの肉が大きく左右に割り咲かれ、2人の結合部のすぐ
後ろ、きゅっと窄まった後ろの穴に、直接シャワーの水流が浴びせかけられ、女はまる
でその箇所を誰かに見られているかのような錯覚を受け、叫ぶ。
ここに居るのは自分と愛すべき男の2人だけであること、さらに立って抱き合ってい
る状態では、男からすらそんな所が見えるはずのないことも忘れて。
「ん? お尻? もしかしてここのこと?」
そんな女にちょっとした悪戯心で。
男は尻の掴んでいた右手を動かし、その人差し指の腹で女の菊門をくりくりと弄る。
「ひぃっっ! だめぇええええええええぇえええええええええぇぇぇぇっ!」
「うっ、がぁっ!」
優しく触れてこそいるものの、思ってもみなかった刺激に、女の絶叫がほとばしり、
その身が激しく震え、昇りつめる。思いがけぬ膣の圧迫に、男も耐え切れず女の内に、
−朝から数えてはや片手で数え切れない回数に達した− 欲望のたけを解き放った。
魔法少女リリカルなのは 〜 CherryLight・NEXT 〜
〜 Scenery of the certain daylight(ある昼の風景) 〜
〜 〜 〜 〜
ざあぁ、と、先ほどと同じく、シャワーの音が浴室に響く。
数分前と違うのは、クロノとなのはの艶声ではなく、苦笑交じりのクロノの謝罪の声
が響く浴室内にこだましていること。
「だから悪かったって言ってるだろ、なのは」
「知らない知らない知らない知らない!」
自分に背を向け、手に持ったシャワーのノズルからの湯で身体を洗っているなのはに、
いくぶん笑いを堪えつつ、クロノはその背中に向けて謝りを入れる。
もう10回以上は謝罪の言葉を投げかけているも、未だになのはの怒りは収まらない
様子。ちょっと調子に乗りすぎたか、はたしてどうするか、とクロノはなのはの背中を
眺めながら、それとは別の思考を働かせる。
(……しかし……僕が言うのもなんだが、見事な体つきだよな……)
肩から滑らかな曲線が腰まで伸び、そこできゅっと見事に窄まる。そして腰からヒッ
プにかけてのふわりと丸いライン。クロノの母性や趣向といったものを引き出す、気持
ち大きめのお尻のふくらみ。シャワーに流され、背に張り付いた髪も、浴室の窓からの
光をきらきらと反射させ、その美しさを引き立てている。
シャワーの水流を全身に浴びようと時折小さく左右に身体をくねらせるその度、わず
かに一瞬クロノの視界に入る胸の膨らみのラインと、つんと上を向いたつつましやかな
大きさの桜色の乳首。
体型美とはまさにこのような身体を言うのであろう。
この身体をさんざ自分の好きなようにできるしているかと思うと、またも愚息が自己
主張を始めてしまうクロノであった。
(もう1回くらいなら、大丈夫か? うまくいけば機嫌も直ってくれるだろうし……)
下半身の感覚に、クロノはずいぶんと身勝手な思考で、そっと手を伸ばし、後ろから
なのはを抱きしめる。
「きゃっ! な、何っ!? クロノくんっ!」
怒りが収まっていたわけではないが、別に心の底から怒っていたわけではなし、流石
にもう1回2回誤ってきたら許してあげようかな、ついでにキスの1回くらい…などと
考えていた矢先、その身を抱きすくめられ、なのはの口から小さな悲鳴が上がる。
「なのはが悪いんだぞ、怒ってるフリしてそんな魅力的なお尻を見せ付けるから」
言いながら、シャワーの飛沫が頭に降りかかるのに構わず、クロノはまだかすかに固
さの残る乳首を親指と人差し指でこねあげる。無論、両方を。
「ふっ! ふりじゃなくて本当に怒ってっ! やっ!あっ!だめっ! んんっっ!」
びりびりとした電流が胸の先から駆け抜け、なのはの腰が砕け、クロノに押し付けら
れる。その柔らかな感触がさらにクロノとその愚息を調子付かせる。
「気持ちいいかい? なのはは乳首攻められるのが好きだものな」
からん、と、なのはの手からシャワーのノズルが落ち、浴室の床で音を立てる。
「だめぇっ! やぁっ! さ、さっき、んっ! した、ばっかっ、あぐぅっっ!」
「ほら、もう身体が震えてきた。また乳首だけでイクのかい?」
脚に受けるシャワーの刺激に、ちょっとばかり水道代がもったいないかな…、などと
所帯じみたことを考えつつも、クロノの手は止まらない。
「やぁあぁぁっっっ! あああっ! 胸ぇぇっ! おっ、お願い、もう止めてぇぇ!」
なのはの背中がびくびくと震えだし、体重を支える力を失いつつある足ががくがくと
揺れる。
なのはが震える度、クロノとなのはに挟まれたクロノのペニスが圧迫され、その先端
からじわ、と透明な液がにじみ出る。そしてなのはの股間からもまた、それ以上の量の
愛液がにじみ出、内股を伝い始める。
なのはは頭を大きく仰け反らせ、閉じれないほど絶え間なく喘ぎ声を漏らす口に左手
を当てる。指を噛んで喘ぎを止めようするも、乳首と、そして触れられていないと激し
く主張する股間からの両方の疼きにそれも叶わない。
右手は、自分を責めるクロノの右手の上腕を掴むも −振りほどこうと思えば振りほ
どけるはずであるにもかかわらず− 掴んで震えるだけに留まる。
あれだけしてもらったにもかかわらず、まだもっと、とクロノをせがもうとしている
自分の身体に心が屈服し、更なる涙を流してなのはは声を上げ続ける。
「おねがっ! あぐっ! やっ! やあっ! ち、ちゃんとっ! ちゃんとクロノくん
のでイキたいっ! ああああっ! もうっ、胸っ! やめてぇぇっ!」
発狂したかのようななのはの叫びに、クロノはニッと笑みを浮かべると、満を持して
「その言葉」を口にする。
「じゃぁ、さっきのこと許してくれるか? もう怒ってない?」
「怒ってないっ! 怒ってないからあっっ! お願い、ちゃんと入れてえっっ!」
なのはの返事に満足げな顔で、クロノはなのはの胸から手を離す。
「ひぁっ!」
急に刺激が途絶えた驚きで、なのはは足から崩れ落ちる。
が、予期していたクロノはさほども驚かず、崩れるなのはのお腹に手を回し、その身
を受け止める。
「あっ、はっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
自力で立つこと叶わず、自分の腕にぶら下がる格好で荒い息を吐くなのはを休ませま
いとするかのごとく、クロノはえいとばかりに引き上げる。
「立てる? なのは」
息も絶え絶えといったなのはを、クロノはお腹に回した手はそのままに、浴室の壁の
前に立たせる。
二度三度と、深呼吸するかのように喘いだなのはは、それでも必死に頷く。
「じゃ、壁に手付いて」
言葉のまま、なのはは壁に手をつき、クロノに背を向ける。
「足、開いて」
またも、疑う事すらせず、肩幅より少し広く、なのはは足を開き、言われるまでもな
くお尻をクロノに向けて突き出す。
こういう状況でならこうすると、もはや言葉すら要らぬほど繰り返した情事に、本能
に従い、なのはは身体を動かす。お尻をゆらゆらと左右に振り、「早く」とクロノを無
言で急かすその動きによって。
すぐにでもそこに突き入れたい衝動を押さえ、クロノは静かになのはの後ろにしゃが
み込み、ヒップのふくらみに手を添える。
目の前で揺れるなのはのヒップ。そしてその間で愛液を垂れ流しながら、ひくひくと
自分を誘う秘唇。きゅっと窄まりながらも、かすかに前の穴と同期するようにひくつく
菊門。クロノの下半身に、今でも十分なほどなのに、さらに大量の血液が流れ込む。
目を閉じていたなのははまさかクロノがしゃがみ込んで自分の大事な部分を覗き込ん
でいるとは夢にも思わない。お尻に手を添えられた時も、これから入れてもらえると、
歓喜に身体を震わせたほどである。
が、そんななのはの秘部から伝わってきたのは、熱く大きく固い感触ではなく、それ
よりも遥かに柔らかい感触。
「ひぅっ!?」
まさか、と思い慌てて目を開け、なのはが下を覗き込むと。視界に入ったのはやはり
音を立てて自分の秘唇をすする恋人の姿。
「うあぁぁっっ! いっ、いやぁっ! 舐めないでぇっ! あぐっ! やめっ、あぁっ、
そんなっ! 止めてぇ! ちゃんと入れっ、入れてよぉぉっ!」
無論、なのはが快感を感じていないわけではない、が、弱点の一つたる胸を攻められ、
焦らされた今のなのはに、舌による刺激は想定していた荒々しい刺激にはなり得ない。
喉が渇いて水を欲しているのに、与えられたのは熱いスープであったかのように、要
らないのか、と言われれば無論否定するが、求めているものの本質が異なる。
頭を振り乱し、クロノの舌をなのはは否定するが、腰はクロノの舌に合わせ、艶かし
く動き、後から後から湧き出る愛液がクロノの口の周りにまとわり付く。
真綿で首を絞められるような快感に、なのはに出来る事は狂ったように「入れて」と
連呼し、クロノに哀願することだけだった。
流石に少々意地悪が過ぎたか、とクロノは、ちゅぱ、と舌をなのはの膣から引き抜き、
立ち上がって自分のモノを握り、なのはの秘唇にあてがう。
「ふぅぅんっっ!」
あてがっただけで甘い息を漏らすなのはに加虐心をそそられたクロノは、すぐにそれ
を突き入れることをせず、自らの怒張を握り、その先端でなのはのスリットをゆっくり
となぞり始める。
「やぁあっっ! 入れっ、てぇ! んあぁっ! いっ、いやあぁっ!」
涙を流し、懇願するなのはの声に更に黒い心を増したクロノは、包皮から半分顔を覗
かせたなのはのクリトリスに自分の亀頭を擦り付ける。
「ああああんっ! やっ! やぁっ! やめっ! ひぃんっ! おねっ! がいっっ!
意地悪しないでぇぇぇっ! 入れてえええっ!」
「何を入れて欲しい? ちゃんとわかるように言ってごらん?」
クロノの言葉にはっと目を見開き、快楽とは別の、羞恥による頬の熱さを感じながら、
なのははクロノを振り返る。
いつもと変わらぬクロノの顔。自分にのみ向けられる彼のその笑顔。そしてその口か
ら発せられる悪魔の声。
「何を、入れて欲しいんだ? なのはは」
「っ!? やっ、そっ、そんなのっ! あぐっ! はっ恥ずかあああぁぁぁっ!」
「ちゃんと言わないとずっとこのままだぞ?」
続く陰核への攻めに、なのはの下半身ががくがくと震えだす。
「やだぁっ! 欲しいのぉっ!クロノくんのぉっ! おっ……クロノくんの……ぉ……
やぁぁっ! 言えないっ! そんなの言えないよぉっ!」
消え行く理性が最後の抵抗を示し、なのはの口から言葉を消し去る。
快楽以外の感覚を受け取ることを拒否した下半身をそれでも必死に動かし、なのはは
自らクロノの猛りを取り込もうと尻を上下左右に揺り動かす。
そうはさせるかとクロノは肉芽から怒張を離すと、なのはの腰を両手でがっしりと掴
み、わずかな動きさえをも制する。
「ほら、言って、なのは。僕の何を、なのはの大事なところに入れて欲しい? 指かい?
それとも舌かい?」
高ぶるだけ高ぶらされ、ふつ、と刺激を止められた秘唇は、飢えた獣が垂らす涎のよ
うにだらだらと愛液を垂れ流し、主人たるなのはの脳へ逆命令を送る。
言ってしまえ、
楽になれ、
内なる襞の全てを熱く堅い剛直で一斉に削り上げてもらえ、と。
「違うっ! 違うっ! クロノくんのっ! ああぁぁぁっ! クロノくんのぉぉっ!」
気が狂うかと思うほどの股間からの熱い熱い疼きが、なのはの全身に鳥肌を浮き立た
せ、ついに理性を決壊させる。
「ちょぉだいっっっっっ! おちんちん頂戴っ! クロノくんのおっきいおちんちんっ!
なのはにいっぱい欲しいのぉぉっっ!」
絶叫が終わるのを待たず、いや、待てず、なのはに言わしめた歓喜の言葉に後押され、
クロノは先走りを滲ませる自身のデバイスを一気になのはの中に突き入れた。
「はぐっ、んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっ!」
下唇を血が滲むほど噛み締め、仰け反り、きつく目を閉じて涙を流し、なのはは瞬時
に達する。
焦らされるだけ焦らされた愛の器官は、溜め込んでいた快楽の奔流を、それこそ止ま
ることなくなのはの脳へと送り込む。
そしてそれはクロノも同じ。
なのはを言葉で攻めながら、そのなのはの声に、姿に、クロノも既に限界寸前であっ
た。
突き込んだだけで達したなのはの膣のひだの一つ一つが、握るようにクロノの怒張を
絞り上げる。その強烈な攻めに、クロノは突き込んだだけで果ててしまいかける。
唇を噛み締めてその締め付けに耐え、意地でもってなのはの中を突き上げるも、わず
か数度のピストンであっさりと果て、なのはの中に熱い精液を爆発させる。
びくびくと、放出を続けるクロノの肉棒の痙攣より早いペースで、なのはの膣のひだ
は蠢き。まるでベルトコンベアのように、最奥で快楽によりぽこりと口を空けた子宮口
にめがけて、内に溜まった精液を送り込む。
クロノとなのはが繋がっていた、いわゆる後背位、細かく言えば後櫓(うしろやぐら)
や立ちバックと言われる体位。
立った状態での女性の後ろからの性交は、厳密な後背位よりは劣るが、それでもその
他の体位よりは遥かに妊娠しやすい体位と言われている。
人間の身体の構造上、膣の最奥から斜め前方、腹の方に向けて子宮口が位置している
ため、後ろからの行為で女性が前かがみになれば、重力により精液が子宮に入り込み易
いのは至極当然の事実。
高ぶるだけ高ぶっていた2人。なのはの膣の動きもかつてないほど。またクロノも、
回数を重ねたにもかかわらず、普段以上の量をなのはの内に送り込んでいた。
つまりなのはの子宮の中には、かつてないほどの量の精液が注ぎ込まれている状態。
「あ……あぁ……ぁ……」
焦点の合わぬ目つきで、だらしなく口を開き、白痴のような表情で、なのははその内
なる熱さに酔いしれる。
「ひゅごっ、いっ……おく、にっ、きてるぅ……あついの、がぁ……」
震えながら快楽を受け止めるなのはに、クロノは荒い息をつきながら、なのはの中か
ら己を引き抜く。
じゅぽ、と小さい音を立てて引き抜かれたそれは、未だにびんとそそり立ち、抜かれ
たはずみでぶるんと震える。
「んうんっ……」
陰茎が引き抜かれる衝撃に、なのはの膣がきゅうと収縮し、子宮に収まり切らなかっ
た精液がとろりと押し出され、ぽとりと浴室の床に音を立てて落ちた。
〜 〜 〜 〜
結局その後、とろーんと目を潤ませ、夢見心地のなのはの背中を抱きながら湯船に浸
かり、
クロノくーん、身体洗って〜、
クロノくーん、頭も〜、
クロノくーん、身体拭いて〜、
クロノくーん、足がふらふらで歩けないー、お部屋まで抱っこ〜(無論2人共全裸)、
といったやり取りの後……
「ねぇ、クロノくーん、朝ご飯どうしようかー?」
リビングで電子新聞を広げようとしていたクロノに、キッチンのなのはから声。
んー、と生返事をするクロノに、再度あーさーごーはーんーと叫ぶ声。クロノはやれ
やれと電子新聞のモニターを閉じるとキッチンへと足を運ぶ。
そこには冷蔵庫を開け、中を覗き込んで考え込むなのはの姿。
「もう11時なんだよねー、お昼もうすぐだし、どうしよ。少しだけお腹に入れる?」
クロノが壁の時計に目をやると確かに時刻は11時になろうとしている。
「お腹が空いてるのは事実だが……とはいえ、作って食べて後片付け、でもう昼か……
そこからまた食べるとなるとな……」
「そうなんだよね……どうする、その気になれば朝兼昼と夜の分の材料はあるみたいなん
だけど……お店行くの止める?」
困ったなー、となのはは顔だけでクロノを振り返った。
地球と違い、食材が痛む、ということを気にしなくていい分、ミッドの食材管理は楽
である。冷蔵庫 −実際は魔法で食材を新鮮なまま保っている装置であるため、冷蔵で
はなく保管庫、と呼ぶのが相応しいが、便宜上こう呼ぶ− に入っている物を、気が付
いた時、食べたい時に調理すればよいのだから。
「んー……いや、なのはの手間もあるしな、お昼はやっぱり食べに行こう。今はとりあ
えずコーヒーとカロリークッキーくらいでいいだろ。たしかまだ残ってたよな?」
「え、うん、あるけど、いいのそんなので? 別にそんな手間じゃないし、私作るよ?」
ぱたんと冷蔵庫を閉め、なのははクロノに向き直る。
「クロノくん、丸1日オフって久しぶりなんだし、家でゆっくりしててもいいんだよ?」
クロノの休暇は約2週間ぶり、とはいえなのはも10日ぶりの休暇である。
「ん? 今日は例の店でお昼食べるんじゃなかったのか?」
明日は絶対にあのパスタの店に行くんだー。この前行けなかったし。いい、絶対だよー、
約束だからねー、クロノくん。と、昨晩ベッドの上で幾度か繰り返された言葉をクロノ
は思い出す。
「あ、う、うん……わ、私は……その、クロノくんと一緒に居れれば……別に……出か
けたりとかしなくても、全然……う、嬉しい、っていうか、楽しいっていうか……その……
そ、外で食べるのも、勿論楽しいんだけど、そ、そんなことしなくても……い、一緒に
居られれば……それで……」
もじもじと手を合わせ、上目遣いでなのは視線はクロノに向けられる。
赤らんだその顔は、表情は、文字通り幸せのど真ん中。
そんななのはの言葉にクロノも思わず顔をほころばせ、すっとなのはに歩み寄ると、
そっとその身体を優しく抱きしめる。
「幸せだな、僕は。こんなよくできたお嫁さんをもらえたなんて」
「お、お嫁さんは、その……まだ早いよぉ……こ、婚約中なんだし、私達……」
言葉では否定を匂わすも、先ほど以上に赤みを増したなのはの顔は全力全開の笑顔。
そっと、なのはもクロノの背に手を回し、その温かさをもっと感じようと、きゅっと
少し力を込め、しがみ付くようにクロノに抱きつく。
「よし!」
それもつかの間、気合の言葉と共にクロノはがば、となのはから身を離し、背中に回
されたなのはの手はあっという間に振りほどかれる。
「あっ……」
もう少し、と言いたげななのはの表情に、クロノは小さく笑いながらも満更ではない。
判りやすい、と簡単に言ってしまえばそれまでなのだが、それが自分との逢瀬に基づ
く感情や仕草や対応であることが、クロノの胸を熱くさせる。
「そんな顔するな、また夜続きをしてあげるから」
「はぅ!……う、うん……」
なぜわかった! の表情でなのははそれでも期待を込めて頷く。
「ま、やっぱり出かけることにしよう。いや、ものすごく出かけたい気分になった」
「え? そうなの?」
自分が気に入ってる店であって、クロノははたしてそこまでお気に入りであったかと、
なのはは首をかしげる。
「うん、というかだな、言うなればなのはを皆に自慢したい気分だ。街のみんなに思いっ
きりなのはを見せびらかしに行くとしよう」
「ふぇっ! ま、待ってよ、わ、わたし見世物じゃないよぉ」
いきなり何を言い出すか、となのはは一歩後ずさる。
クロノは想定した反応のなのはを見てにやりと笑うと言葉を続ける。
「そうか、残念だな、今日は特別に外でもおもいっきり甘えていい、と言おうとしたん
だが……そうか、なのはが嫌なら仕方ないな」
「っ!?」
性格柄、クロノは外であまりべたべたとしたがらない。せいぜい手を繋ぐ、とか腕を
組む、といった程度。なのはとしては外でももっと……なのだが、まぁ、クロノが恥ず
かしがる気持ちもわからないでもなく、それに2人だけの時や家の中では存分に甘えさ
せてくれるし、例外的にアースラの中では周囲に人がいてもそれなりのことはしてくれ
るし……とはいえ、やっぱり自分も恥ずかしさはあるが、それでもなおやはり、
「この人が私の未来の旦那様でーす!」
と、吹聴して歩くことだって夢と言えばなのはの夢なのだ。
まぁ、そこまでは流石に今のクロノがその気とはいえさせてはくれないだろうが、腕
を組む、以上のどこまでが今日のクロノの範疇なのかはぜひとも確認したいところ。
「え、えと、そ、それは、ぐ、具体的に言いますと、ど、どの辺りまでが……」
「景色の綺麗な公園なんかでの抱擁はまた格別だろうなぁ、気分が乗れば見せ付ける意
味でキスの1つも、などと思っていたんだが、そうか、まぁ、僕も無理強いしたくはな
いからな。なのはが嫌なら止めておくか」
クロノの若干の誤算は、戦技教導官、管理局のエースオブエースと称されるなのはと
て、こと自分の前では1人の恋する乙女。先にも述べた道行く赤の他人に自慢の彼氏を
見せ付けるという、ある種背徳感すら漂う行為に憧れを抱かぬわけがないことを失念し
ていたこと。
……つまるところ。
「行く! 行くよ行くよ行くよ! 外で食べる! もう決まりっ! やだって行っても
もうだめっ! なのは、クロノくんにお外で抱っこしてもらうのっ! ちゅーもするっ!
絶対絶対するんだからぁっ!」
幼児化し、ずいずいーっとなのはがクロノに迫りくるのは当然の結果であった。
うおお、と自ら招いた自体に若干引きつつ、クロノはわかったわかった、となのはを
手で制する。
「お、落ち着けなのは、わかったから。と、とりあえず何でもいいからお腹に入れよう、
流石に空きっ腹で街を歩くのはなんだからな」
あ、となのはもわれに返り、
「あ、そ、そうだね、えーっと、じゃぁコーヒー入れるね。クロノくんはリビングで待っ
てて」
と、慌てて食器棚に向かうなのは。
クロノも何かしようと声をかけるが、
「じゃぁクッキーは僕が……」
「あ、いいの、私がするから、クロノくん休んでて」
くるりと振り返り、目の前に差し出されたなのはの両手に、その動きを止められる。
「いや、僕も手伝うよ」
「いーの。今はなんでもいいからクロノくんのために何かしたいのっ」
そのまま手でクロノの肩を掴み、くるっと回れ右させ、なのははクロノをキッチンか
ら追い出す。
「すぐ出来るから、ちょっとだけ待っててねー」
押されるままずいずいとキッチンから退去させられるクロノ。首だけ振り返り、何か
言おうとするが、なのはの笑顔に何も言えなくなる。
「う……わ、わかった、じゃぁ……待ってるよ」
「うんっ!」
語尾にハートマークが付きそうなそんな顔を見せられたらクロノとて従うしかない。
大人しく待っていようとクロノはキッチンから出る。
リビングのソファーに向かい1歩踏み出したところで、
「ま、言い出したら聞かないのは今に始まったことじゃない、か、ははは」
ふと無意識に小声でそんなことを呟いてしまう。
「んー? 何か言ったー? クロノくん」
「いっ! いや、何もっ! 何も言ってないっ!」
聞こえたかっ! と、クロノはキッチンから顔だけ覗かせたなのはに、びくりと身を
ちぢこませる。
「そ? ん、すぐ行くからまっててねー……えーとぉ……あなたっ!」
きゃっ、と自分で言った言葉に顔を赤くしてそのままなのははキッチンへと引っ込む。
やれやれ、と苦笑してクロノはソファーに腰を降ろし、先ほど見損ねた新聞を中空の
スクリーンに展開させた。
ほどなくして、キッチンからコーヒーの良い香りが漂い始め、クロノの鼻をくすぐる。
それを嗅いだクロノの腹がぐぅと鳴った。
〜 〜 〜 〜
「なのはー、もういいかー?」
「んー、も、もうちょっと待ってぇー」
「早くしないと昼も過ぎるぞー」
「わ、わかってるよぉー、ね、ねぇ、クロノくん、これとこれのどっちがいいー?」
寝室のドアの前で、着替えるからちょっと出てて、と追い出されたクロノが時計を気
にしながら待っていると、下着姿のなのはが助けを求め顔を覗かせる。
「結局下着姿を披露してくれることになるんだから、最初から部屋に居た方がいいじゃ
ないか。いつも言ってるが……」
「も、もう! 意地悪言わないでよぉ。それよりこれとこれどっちがいいか選んでよぉ」
同棲したカップルや夫婦が必ず1度は繰り返す会話を交わしつつ、クロノは寝室へと
足を踏み入れる。
なのははベッドの上の服を指差し、再度、どっち? とクロノを急かす。
ベッドの上には左側に薄緑のワンピース、右側に黄色いミニスカートとブルーのタン
クトップ、そしてピンク色のハーフジャケットが組み上げられて置いてあった。
クロノは左右の服を一瞥した後、なのはの下着姿に目を移し……
「左」
即決。
「早いよっ! もう! もっとちゃんと選んでよぉ!」
怒るなのはに、なぜかクロノはあさっての方向を向いて鼻っ面をかいていたりする。
「え、選んださ、普段なら逆に即答で右だが……その……その下着なら迷わず右だ」
え? となのはは自分の身体に目をやる。
「……なんで?」
クロノに向けて、理由を、となのはは問う。
「それは僕と君の思い出の下着だ……こ、こんな短いスカートで万が一でも他人に見ら
れたくない」
なのはが身に着けているのはピンクと水色のストライプのお揃いのブラとショーツ。
2人が初めて結ばれた際、なのはが自分とクロノの色と称して身に着けていたもので
あった。
「……覚えてて……くれたんだ?……」
「……わ、忘れるわけ……ないだっ!?」
抱き付き、寄せられるなのはの唇にクロノの言葉は止まる。
クロノは恥ずかしさと驚きで、そしてなのはは嬉しさで赤くした頬のまま、2人の口
付けは続く。
「……」
「……嬉しい……ありがと、クロノくん」
「……いや、その……と、当然、というか……その……な、名残惜しいけど、そ、そろ
そろ出かけよう。時間もないし、な」
「……うん……」
唇を離し、至近距離でのそんなやりとり。
次の行動を促すクロノに、それを受け入れるなのは。
それでも……なかなか離れることのできない2人。
結局2人が玄関を出たのは、それから3回のキスを繰り返した22分後のことであった。
〜 〜 〜 〜
目当ての店はそこそこに繁盛していた。中には時空管理局の制服姿もいくつか見受け
られる。
なのはと付き合うようになり、以前はまったく必要のなかった「女の子の好む店」と
いう知識が必要になったクロノは、早々にさじを投げ、餅は餅屋とばかりに恥を忍んで
親友たるヴェロッサ・アコースに相談した。
「ああ、わかった。クロノ君の頼みだ、めぼしい所をいくつかピックアップしておくよ」
の返答を受け、助かる、と返事を返したが、後日3桁近い店の名前をリストアップし
てきたヴェロッサにクロノも半ば呆れたものである。
まぁ、それでも多くて困るわけではなし、とりあえず頭から行ってみようかと適当に
選んだ店がここだったが、なのはがいたくこの店のパスタを気に入り、間隔の空くこと
の多い2人のデートではマンネリという言葉も意味を成さず、ほぼ毎回と言えるほど、
2人はここに足を運んでいる。
席に着こうとした2人が局員の側を通ると、
「ハ、ハラオウン提督に高町教導官っ!?」
などと飛び上がって敬礼されたりしたが、プライベートだから、とクロノはそれをた
しなめる。
「お、お二人は本当にお付き合いされていたんですね……」
と、さらなる追い討ちもあったが、なのははそれに対し、
「いえお付き合いじゃありません」「え?」「もう婚約してますからっ♪」
右手の指輪を見せ、嬉々として返すそんなやり取りも。
「婚約中はまだ付き合ってる、と言っていいんじゃないか?」
「気持ちの問題だよっ」
と言いながら去り行く2人。後には敬礼したまま呆然と立ち尽くす局員達が残された。
〜 〜 〜 〜
「えーと、私……なすとモッツアレラチーズのトマトソースとランチサラダにするっ。
クロノくんは?」
奥まった席に腰を据えた2人。なのはは早速メニューとにらめっこし、今日の対戦相
手を決めた様子。
「じゃぁ、いつもので」
「もう、またそれなんだからぁ、たまには自分で選んだら?」
こういう場所で「いつもの」というのは、常連客が固定メニューを頼む場合を指す。
が、この2人の場合は少々趣が異なる。
「別になのはが選んだやつで今まで外れはなかったしな、僕の好みをよく理解してく
れる。流石は僕の奥さんだ」
「も、もう、クロノくんたらぁ、いっつもそうやっておだてるんだからぁ。まだ奥さん
じゃないって言ってるのにぃ、もう……」
やんやんと身悶えながら、既になのはの中では「クロノのメニュー」が決定済。
そう、なのはがクロノのメニューを見繕う。それが2人の中での「いつもの」。
(……あーもー、まったく毎度毎度、たまにしか来ないとはいえこのバカップルは……)
ちなみにこの2人の御用聞きをするウェイトレスはその場に居たウェイトレスの中で
じゃんけんで負けた者が行くことになっているのをなのはもクロノも知らない。
「えと、そしたら、チキンとほうれん草のチリトマトソースって辛いやつだと思います
けど、普通よりもう少しだけ辛くできますか?」
「はい、大丈夫です」
「じゃぁそれをランチセットで」
「承知しました。メニュー繰り返します。なすとモッツアレラチーズのトマトソースと
ランチサラダがお一つづつ。チキンとほうれん草のチリトマトソースのランチセット、
パスタ辛めがお一つですね、以上でよろしいですか?」
「はい」
「では、しばらくお待ちください」
一礼し、テーブルを離れるウェイトレス。
ウェイトレスが厨房に声をかけるのを確認して、クロノはなのはに向き直る。
「辛め、か、甘い物ほどじゃないが、あんまり辛いのもあれなんだがな……」
珍しく「なのは選定」が外れたか、とクロノは首をかしげる。
なのははにこりと笑うと、ぴっと人差し指を突きたて、説くように解説をはじめる。
「って言いながらクロノくん意外と辛いの好きなんだもん。普通の辛さだと一気に食
べちゃうから、ちょっとだけ辛くすれば食事のスピードが落ちて逆に胃に優しかった
りするんだよ」
おお、と、クロノは感心。深々と頭を垂れる。
「流石。お見逸れしました」
「えへへっ、夫の健康管理は妻の大切な役目ですからっ」
「頼りにしてます」
「にゃはは、頼りにされてますっ♪」
あはは、と笑い合う2人。隣の席で、料理を食べ終え食後のコーヒーを堪能していた
客が額を押さえ、「勘弁してくれ……」と去っていくのにもまったく気づかなかった。
〜 〜 〜 〜
「この店、何回目くらいだったかな?」
料理を待つ間の会話の切れ目。
ふと思い出したかのようにクロノがそんなことを言う。
「ん?んー……どうだろ、10回、くらいだと思うけど……どうかしたの?」
あごに人差し指を当て、ちょっと考えるポーズのなのは。
「ん、あ、いや、その……毎回に近いくらいデートの時の昼はここだから、ここに来た
回数でデートの回数もそこそこ計れるか、と思ったんだが……よくよく考えたら全部が
全部昼も含めて外出してた、ってわけじゃなんだな、いや、すまない、何でもないんだ、
気にしないで……あ、いや……そうじゃなくて……だな……」
普段はっきり物を言うクロノにしては珍しく言葉に詰まっている様子。
「珍しいね、クロノくんがそんなうやむやなこと言うなんて、何か言いたいことあるな
ら聞くよ? ちゃんと言って欲しいな……隠し事されるほうが嫌だよ……」
「……そう……だな……すまない」
なのはの言葉に、それでも少しの間を置いて、何もないテーブルを見つめるクロノ。
言葉を待つなのはは優しくクロノを見つめ、自分からは言葉を発しない。
わずかの後、クロノは顔を上げる。
視線が待ち構えていたなのはの視線と絡まる。
「……なのは……」
「……うん、クロノくん……」
「勿論……君の気持ちが最優先、な話なんだが……」
「……うん……」
「……」
「……」
とうとう来たのかな……となのはは胸の内で。
告白し、そしてすぐに婚約し、同棲生活も始めた。後に続くのは1つしかない。
「結婚」その2文字がなのはの頭の中でじわじわと実体化しつつある。
クロノが望むなら求婚を断るつもりは毛頭ない。だがしかし、心のどこかであと2年
と少し、つまりなのはが高校を卒業するまでクロノは待ってくれる、と、確認したわけ
でもないのに、そう勝手に解釈していた自分がいたことも事実。
よくよく考えれば、クロノが高町家でなのはとの結婚の許しを得ようとして、結果、
恭也の口ぞえで、その場では婚約とあいなった時。
じゃぁ高校を卒業したら結婚。とは確かに誰も、なのはもクロノさえも言っていない。
つまるところ自分の故郷の概念を自分の都合のいいように考えていただけ、となのは
は今更ながらに気が付いた。
ミッドチルダの就業年齢は地球よりも低い。成人認識年齢もしかり、である。
なのはは16歳、地球では保護者の許しを得てようやく結婚が認められる年齢。だが
クロノは現時点で21歳。地球であったとしてももはや1人で婚姻を決められる年齢で
ある。ミッドでなら尚更だろう。
自分の思わぬ所で、もしかするとクロノを悩ませていたのでは、と、なのはは胸を痛
める。
だから、
クロノが望むなら、
今、それを望んでいるのなら。
ここで結婚の言葉が出るのなら、私はそれを受け入れよう。ごめんなさい、と謝って、
あなたの気持ちを考えていなかったと謝って、そして彼の愛を受け入れよう。
多分学校は辞めることになるだろう。いくら聖称が比較的穏やかな校風といえども、
まさか学生結婚した生徒を置いてくれるとは思えない。
フェイトやアリサやすずかやはやてと会う機会も減るだろう。勿論自分の家族にも。
それでも自分はクロノの求婚を喜んで受けるだろう。クロノを無くしてこれからの日々
を過ごせるとはとても思えないのだから。
重度のクロノ依存症になってしまった自分を、それでも誇らしく思い。
そしてまた、彼もほんの少しでいいからそんな気分であって欲しいとなのはは願い、
口を開きかけては閉じ、また開きかけて閉じ、を繰り返すクロノを潤み始めた瞳で見つ
め続る。
「……なのはっ!」
そして、決したか、クロノは、先ほどよりやや強い口調でなのはを呼ぶ。
「はいっ……」
はっきりと、期待を込め、なのはは答える。
そして……、
「お待たせしましたー。なすとモッツアレラチーズのトマトソースにチキンとほうれん
草のチリトマトソースになりまーす」
ごとんごとんと、ウェイトレスの手により料理が2人の目の前に並べられる。
「あ……」
「あ、え、えと……どうも……」
「ご注文は以上でよろしかったでしょうかー?」
「えと、は、はい、大丈夫です」
「……」
「ではごゆっくりどうぞー」
だーっとやって来てだーっと去っていくウェイトレス。
出鼻を挫かれた2人。なのははちょっと苦笑い。クロノは唖然としたまま。
「……うん。とりあえず食べてからお話しない? クロノくん」
「あ……ああ、そ、そうだな……」
「うんっ、とりあえず食べてからにしようよ、私もうお腹ぺこぺこ」
はい、となのははクロノに小さなバスケットに入ったフォークを手渡し、自分の分も
手に取る。
「んー、美味しそ。じゃぁ、いただきまーす」
「……いただきます……」
反射的に手に取ったフォークをそのままに、いただきますと両手を合わせるなのはに
合わせ、クロノもまた合掌。
早速、となのははパスタ皿の中央付近にフォークを突き立て、くるくるとパスタを絡
め取っていく。
「……」
小さな玉にしたそれを自分の口元に運ぼうとするなのはを見ながら、クロノはフォー
クを握った姿勢のまま声を出す。
「なのは」
「ん? んぁ……」
言葉を返すと同時に最初の一口を今まさに口に入れんとするなのはに、クロノは更に
言葉を続ける。
「……執務官に、ならないか?」
「ふぉむっ?(へぇっ?)」
クロノの問いかけの内容と、自分が出した随分と間の抜けた声になのはは二度驚く。
思いがけないその言葉が頭の中でこだまし、せっかく口の中に入れた間際のパスタが、
舌を通して脳に美味しさを拡げようとしていたのを阻害する。
もったいないと思いつつも、早口に二度三度咀嚼し、なのはは無理矢理パスタを飲み
込み、胃の中に収める。
ちょっと正確に話を聞いたほうがいいかな、となのははフォークをテーブルに置き、
備え付けのナプキンで口元を拭って、改めてクロノに正対し、口を開いた。
「……えと、あの、執務官?」
「ああ」
おうむ返しの質問に、クロノはあっさりと首を縦に振る。
「……」
2秒ほどその「執務官」という言葉の意味を頭の中で確認し直し、一応念のため、と
なのはは質問を返す。
「……ええっと……誰が?」
「もちろん、君が」
ぴ、とクロノが手にしたフォークが自分に向けられる。思わずなのはは誰か居るのか、
と後ろを振り返るが、あいにくとそこにはレンガ風の壁が広がっている。
「僕はなのはに言ってるんだよ」
……やはり後ろには誰もいないらしい……が、
「……えと……あの、私が、執務……官……に?」
目を瞬かせながら同じ言葉を繰り返すなのはに、
クロノも同じように、今一度、頷いた。
魔法少女リリカルなのは 〜 CherryLight・NEXT 〜
〜 Scenery of the certain daylight(ある昼の風景) 〜
Sweet END.
1話完結で読めるものにしたかったんですけど、結局続く形になってしまいました。残念っ。
えー、とりあえず、自宅だとアニメとか見れないから、という理由で友人(10スレの155氏)宅
より投下です。
やっと視聴完了っすよ! StrikerSっ!
24話から間隔の空くこと1ヶ月近く。ごめんよなのはさん、1ヶ月も壁にめり込ませたままでw
で、ついでに155氏のPC借りて書き上げた次第であります。
これでやっと皆と話を合わせることができるぜひゃっほー。
嫁と6ヶ月に突入した那ノ葉(予定)に心の中で詫びつつ、
次回の 〜 Scenery of the certain night(ある夜の風景) 〜
もしくは「もう一人の…」……と言えないところが情けないな orz
>>230 リアルタイムで読めた!GJ!
いやー、甘甘ですねぇ。なんか溶けてきた気がする。
しかし、クロなのだとどうしても原作ボイスで再生される不思議。
今度は原作の方で甘甘が見たいです!いや、どうしても妖精リンディに未練が。
・・・なんか、原作が見たくなってきた。
>>230 GJです! うわ、すげー良かったですよ。
トラハ版知らないからユーノ×なのはがデフォなんだけど、
クロノ×なのはも凄くいいなー。すごく自然に見える。マジGJです。
なんなんだこの脳内に砂糖が溢れ出すような感覚はw
ヴェロッサとかStSキャラが混じると馴染むまで時間がかかっちゃうけど、
それはそれで味かなーなんて。
>>196 俺も見たい
そういや以前あったけど確か未完だったよな・・・続きみたす
>230
おひさし&GJです!
「もう一人の…」も期待してますよ!
>>230 お久しぶりです!
前半読んでいるうちに、その……勃起、してしまいましてね……
甘いクロ×なのってサイコーですな!ご馳走様でした!
うわー、すごい久しぶり!
もうGJですよ!
で、新婚生活はどうですか?
まさかこのSSのようなバカップルぶりを発揮してるのでは?!w
勢いで
>>162 の続きを書きましたので投下しまーす一応書いた本人です
諸注意
※ザフィーラ・ヴィヴィオの獣姦ものです、ヤルだけです、人によっては精神的にきついかもです
※救いも何もありません
※それでもいいよと言う人だけ見てください
タイトル―
女児レイプ!…泣き叫ぶヴィヴィオの未発達な性器に容赦無く獣が白濁を中出し
ママ、ママ〜獣の体位に泣き叫ぶ小さな体が貫かれ、しかし次第に少女の声に官能の甘い喘ぎ声が…
うつ伏せにされた
這いつくばって出国に這って逃げようとするヴィヴィオの背中に獣の両足が圧し掛かり
うさぎのマークのパンツは鋭い牙に簡単に引き千切られた、小さな白いお尻があらわにされる
ハッハァッ…ハッ…ハッ
サカリの付いたザフィーラが赤い目に息も荒く湿った鼻先を割れ目にグイグイと押し付けた
強引に先でこね舌をねじ込ませると線のような割れ目がのぞき、薄いピンクの中身が見えた粒のような
クリトリスも舌先で転がす
「ひっ!…やっやぁああ!…やだぁ…もういやなの…まま…なのはママァ…」
少女の哀願に一切耳を貸さずザフィーラの熱い舌先は幼い内部をより深く味わう為
ぐいぐいと奥へ奥へと差し込まれていく
ひぅ…やぁ!いっ…!?いっ…いぃいいいい!!…
細いかすれるような小さな悲鳴が食いしばったヴィヴィオの口から漏れる
チュブ…チュ…ゾロリ…ブハっ…ハァハァ…
やがて湿った顔を上げたザフィーラは爪のある両足でヴィヴィオの柔らかなお尻を押さえつけた
爪が食い込んで小さく血の珠が滲む
「いっいだっ………はっ!?…あ?…あっ…ぎぃいいいいぃいいああぁやあああああああああ!!!!」
ヴィヴィオの目が一杯に見開かれた、視界の端に薄汚れたマットの布地が見えた
つっ…と白いお尻を押し付けられ、その割れ目にあてがわれた赤黒く先の細い犬のペニス、それがそのまま
ズブズブとヴィヴィオの股の間に埋まっていく、どんどん埋まっていく、熱く焼けた鉄の棒を押し込まれている
ヴィヴィオは白熱する意識、恐怖の中でそう感じた、細い背中には熱く冷たい汗が滲んでいた
ザフィーラの目は今や悪魔的に真紅に染まり、口からはダラダラとメスを犯す興奮に涎が垂れていた
今や一枚だけ、薄い白の下着を上半身に付けたヴィヴィオの薄い背中にボトボトと落ちて熱い染みを作った
その感触も今のヴィヴィオには感じない、感じるどころでは無い
圧倒的な痛みに体が二つに裂ける、灼熱した視界の中でかろうじてヴィヴィオの意識がそう感じた
「ひっ…ぎゃっ…やが…ぎっ…ぃっ…ぃ…ぎゅ……ぃ…いだ…いだいいぃい…い
…ぬ…いぃ…てぇ…え”…え”・えぇ”」
ヴァー…ハァ…ハッ…
少女の苦悶の声により深く獣性を刺激されザフィーラは興奮の熱く生臭い吐息を吐き
ベロリと舌なめずりをした
眼下には白い臀部、真っ白な少女の肉の双丘、薄く開いたピンクの割れ目、そこを深ぶかと貫く己のペニス
赤く濁った目がニンマリと笑う形になった
硬く熱いものに深々と体の芯を貫かれヴィヴィオは白目を剥きそうになっていた、喘ぐ口がパクパクと酸素を求める
その小さなメスの息も絶え絶えな様子がまたオスの加虐心を揺さぶり、中に埋まったものを硬くさせた
ザフィーラは背筋を昇る快楽に大きく雄たけびを上げ猛然と腰を前後させ始めた
「ひっ…ぃいいいいいいいいいいい!!!」
メリメリと音を立て、獣のペニスは奇跡のように全部ヴィヴィオの中に納まっていた、人間より幾分細めのペニス
しかしヴィヴィオには充分に大きいのはその前後する下腹の盛り上がる様子から明らかだった
その様はまるでヴィヴィオのお腹の下を太い蛇がのたくっているようだった
あっきゃっ…はっ…はひっ…ひっ…ひっ…いっ…ぃひっ…
フッ…フッ…フッ…フッ…ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…
獣は一時も休まず欲望のままに激しく腰を前後に振った、その動きがどんどん加速する、ガクガクと揺らされ
それに合わせ少女の悲鳴が上がった、頭が乱暴に床に押し付けられ、強烈なピストン運動に前後に揺れゴンゴンと何度かぶつかった
ビキ
「…ひっ!?」
お腹の奥から脊髄を伝ったものが脳髄を直撃してヴィヴィオは声を詰まらせ喘いだ
ビュッ…ビュビュビューーッ…ドクッ…ドクッドクドクドクドク…
グゥ…ウウ…獣の口から苦しいような快楽に耐えかねるような唸り声が漏れた
あっ…あぅ…あ?…ひっ…ぃい…
数分間だったがヴィヴィオには永遠に感じられた行為がいったん収まった、ザフィーラの口は快感に牙を剥き
その涎がヴィヴィオの後髪にポタポタと垂れた
ヴィヴィオの太ももは既にガクガクと揺れ、その体を支える筋力を失っていた、しかし繋がった結合部は
離れず、ヴィヴィオの体はペニスによって吊られたままの状態だった
射精の後で興奮したザフィーラはそのまま、放心してされるがままの涙と涎でぐちょぐちょになった少女の頬を舐めた、
「ひぃ…あっ…やっ………な、なんか…熱い…よ…ヴィヴィオのお腹……ぁ…」
熱いほとばしりをお腹に感じてヴィヴィオは切れ切れにつぶやいた
ブチュ…チュ…結合部が湿った音をたて、ヴィヴィオはのろのろと下からその部分を見た
ザフィーラの硬いものがヴィヴィオのお腹の奥に大量の黄色交じりの白濁を出していた、そのヴィヴィオの一番奥に
それはまだ出続けていた
「あっぁっ…あっ…まだ…まだ…や…ぁ…あああ…まだ…出てる…よぉ…
…止まらない…止まらないの…止まらない…よぅ…ひッ!?ぎっ…」
ふいにヴィヴィオはお腹の中をかきまわされて前のめりに倒され悲鳴を上げた
収まりきらない汚れた精液がビュビュっと飛沫となって散りヴィヴィオのつるつるの白い太ももに伝い熱く垂れた
ぐるりと繋がったままザフィーラは体位を変えていた、二人…独りと一匹はお尻を付き合わせるような格好になった
フーフー…ザフィーラは未だ初射精に興奮している
あっぁ…震えながらヴィヴィオは今度は背中越しにそこを見た
ヴィヴィオのかわいらしい小さな白いお尻から赤黒い獣のペニスがグロテスクにのぞいている
少女の膣中で膨らんだそれは、そのまま少女の膣内で固定されていたのだ
もう射精が終わるまで抜ける事は無い、犬の射精はこのまま20分以上続くのだ、もちろん少女はそんな事は知るはずもなかった
ただ本能的にこれから始まる自らへの行為に本能的に震えた
「いやっ…いやぁああ!…もう嫌…いやなの!…痛いの嫌なの…助けて…たすけてぇ!…フェイト…まま…なのは…ママァ!ぎっ」
再び快感を貪るためにザフィーラが腰を揺すりねじり始めた
お腹の中で硬く細長い獣のペニスがうねり
ヴィヴィオの中を擦り上げてヴィヴィオは見開いた目から涙を流し切れ切れに叫んだ
手を伸ばした、しかしその手は虚しく空をつかみ、やがて激しく前後に揺らされるその上半身が力なくうつ伏せになると
されるがままに放心した少女の体は揺すられた、着ている一枚のシャツはたくし上げられ、幼い胸の先が揺らされるたびに床にこすれ
ヴィヴィオはそのたびに力ない喘ぎをもらした
ぎちゅ…
強く突き上げられ白いお尻が押し付けられ上げられた、ヴィヴィオは抵抗しなかった
ビュッブっ…ピッピュッ…
更に注ぎ込まれる白濁がもはや小さな膣に収まりきらず、壊れた噴水のように結合部から飛び散り
ボタボタと垂れたものが少女のお尻と獣の尾の下に小さな溜まりを作りつつあった
「…ぁ…ぁぅ…ん……はっ…あっ…で、出てる…まだ出てるの…ヴィヴィオの中…いっぱい…ぁ…いっぱいだよぉ……」
涙に濡れた表情はいつしか微笑していた
グオオオオオオオォオオオゥウウウウンンン!………
一際大きくザフィーラは吠えると腰に力を込めて突き降ろした
べしゃりとヴィヴィオの体がうつ伏せになり角度を変えたペニスがより深く少女の奥に挿入され
強く何度もその奥に熱い精液を叩きつけた
その熱さに雄の逞しさを感じて少女は声を漏らした、涙は乾き始めていた
「あ…は…ぁ…」
その貌はすでに一匹の雌犬のものだった
オチも無くEND
おしまい
どうしてこうなったのか、この後どうなるのか書いた人さっぱり解りません…
やるだけ漫画ならぬやるだけ小説…たまにはいいかな、気が向いたら後半書くかもしれませんが…
さて、そんじゃ
エリオの続き今週書こうと思ってましたんですが…どうしようかなぁ
なんかすごい膨大になりそうで腰が引けてます…ティアナのとこから手付けようかなorz
ではまた!
陵辱書いたから、今度はいい話書きたいな
ヨッシャー、始めてリアルタイムでよめたZE。
取り合えず…まぁ取り合えずGJとして置きましょうか?
ただこのままだと間違いなく、青きフモフモもとい蒼き駄犬に明日は無いなwww
それとSSがいくら膨大になろうとも、いや膨大だからこそ読みたいのだよ我々は!!!
頑張って投下して下さい。
ぬぁにがあった―守護獣ーーーーーー!!!
気になるので話の前後を wktkwktk
みんなGJだよ〜。
ヴァイティア続きまだー?
>>210 あれ?そういう記述あったっけ?結婚するって話出たのが15歳の時なのはコミックで見たが…
ってことはアレか。結婚決めたのは妊娠したからか。成程、あのクロノが結婚決意した理由がわかった。そりゃユーノにもくぐもった言い方するわ
子供も産まれれば(ry とかアルフが言ってたけど厳密には確定してない。
ファンの一部がその台詞を出来ちゃった婚じゃないかって邪推してるだけだな。
>>241 ちょwwwwwwwwww
本当にオチもなんにもないが
とにかく純粋にエロエロくてGJ!!!!!!!!!!!!!!!
ちなみにリクエストしたのは、私だ!
(ゴッツォ家のユーゼス氏風に)
>>210 >>245 あれは、アルフが
「クロノとエイミィも結婚するし、その内子供もできるだろうから
フェイトの側にいるより家事の手伝いをしてた方がよさそうじゃね?」
という意味で言っていると思うんだが。エイミィが「まだ秘密」と言ってるのは結婚の方で。
まー、受け取り様によっては「子供が出来たから結婚する」とも取れなくはないんだが。
>>230 GJだ。さぁこの勢いで続きを書くんだ。
某サイトの影響でユーノ×ギンガにどっぷりハマった俺が通りますよ
俺も通りますよ
俺も……通りすがりに朝刊置いていきますね(ぇ
[はやて×クライド][エロは…遥か先な悪寒w][3期終了後][>183の続き]
クライドって誰?とかでっかいリィンUってどんなの?って言われないように、がんばりまs
なんとかヴィータを宥めて、シグナムの隣に座らせるがまだあたいは認めてねーからな、と言わんばかりの瞳でぎっ、と睨む。
しかし、クロノよろしくふんわりとなんともいえない笑顔でかわすだけで波風が立たないのはさすがであろうか。
お誕生日席にヴィータとあまり背丈の変わらない状態のリィンUを誘導してから、その後ろに立ったままやっと説明を始めるはやて。
「あのな、リィン」
「はいです!」
薄い水色の寝巻きのままであったが、さすがに先程の落下で目は完全に覚めたらしくきりっとした返事が返ってきた。
「この方はな、クライド・ハラオウンといってな。クロノ君のお父さんなんや」
「ふええええ」
「ど、どうも」
仕方なさそうに頭に手をやると、本当にクロノそっくりである。
「事情があって、ちょっと一月ほどうちにいることになったんや」
「そ、そうなんですか……」
「そうなのか」
本人にまで聞き返されるが、まぁまぁと笑顔でごまかすと、受け入れてくれたのか反論はなかった。
「で、この子はー、リィンフォースU……あの子の、リィンの生まれ変わりと思っていただければ」
「に、二代目祝福の風、リィンフォースUであります!よろしくお願いしますです!え、えーっとクライド提督!」
「あ、ああ……よろしく」
勢いよく額に指先まで当てられて反応に困る。そもそも提督もへったくれも半ばあの世の住人であるからなんともいえないのであるが。
「いやまあ、しかし、呼び捨てで構わないのだが……」
「え、えーとでは、クライドさん、でよろしいですです?」
謎な言葉遣いに、笑いを堪えつつ、ああそれでいいよ、との答えに、では、クライドさんで、と決定されて主もそれを了承した。
「えとでは、クライドさん……ご家族への連絡は、どうしましょうか」
「ん……」
顔を背けつつ、影が宿ってしまうが致し方ないことであろう。
「少し、考えさえてもらっていいか?」
「あ、はい……大丈夫です」
「勿論手伝えることがあれば手伝うし、聞きたいことがあったら教える。何でも言ってくれ」
はい、とはやてが答えて、そこからほんの一人だけ家族が増えた、八神家の一ヶ月が始まった。
果たして朝食後、皆がでかける段になるといつも一番暇をしているシャマルに休んでもらうことになり、
若干の不安を残しながらもはやて共々、騎士たちは局に出て行ってしまった。
ちなみにザフィーラは獣形態のまま一番ゆっくり起きてきて、はやてが説明する前に、珍しい方がおられるな、と呟きそして、
我等と同じか、しかしかなり薄いな、とだけ言い残しテーブルの下で丸まってしまった為、特に問題はなかった。
さて、玄関の中で送り出した後に残された金髪の人と、所在なさそうにしている割と背の高い大人しい黒髪の人であったが、
相変わらずシャマルの瞳は冷たく、そして会話にも嫌悪感が明らかに含まれていた。
「……主の命ですから、仕方ありませんが……まだ貴方のことを許したわけではありませんから」
「あ、ああ……」
どこのメイド長もしくはお姑さんと言わんばかりの勢いでいびりモードにしか聞こえない指令も続く。
「とりあえず掃除でも手伝って頂きましょうか」
「わかった……」
そして陽は暮れ、大丈夫やったかなー、とさすがにちょっと不安だったはやてと共に、
なんとか仕事を早めに切り上げて八神家一同が帰ってきてみれば
――出迎えたシャマルは今朝の様子が嘘のようににこにこと微笑んでいた。
「おかえりなさい、はやてちゃん、シグナム、ヴィータちゃん、ザフィーラ、リィンちゃん」
「あ、うん……た、ただいま……?」
「ただいまです〜v」
「ご飯、できてますよ」
「え、ええっ!?」
一同が顔を見合わせるのも無理はない。
なんせシャマルの料理と言えば、なのは、フェイトを絶句させた過去を持つほどの腕前なのだ、悪い意味で。
おそるおそるヴィータを先頭にキッチンに入ると、テーブルの上には――
「うわ!?」
赤い髪の少女がだっと駆け寄ってテーブルの端から端までゆっくりと見渡すほどの綺麗な料理がずらりと並べられていた。
「まじうまそうだなこれ!」
「シャマルが作ったんか?」
「ああ、いえ、その実は――」
「あ、おかえりなさい」
とエプロン姿のままデザートのババロアを型から抜いていたその人が、シンクの側で振り返る。
話を戻そう。全力で険悪な雰囲気を漂わせつつ、家事をやらせてみたシャマルであったのだが――
やることなすこと丁寧で完璧で受け答えも心優しく、お昼を作ってもらったら有り合わせとは思えないような素敵なお味の品がでてきて、
さらに午後のティータイムに作ってもらったクッキーが、それはもう信じられないほどの絶品で、
それはもう、彼の衣服を買いに出るついでに夕食の材料を喜んで頼まれて買ってきたほどであった。
一同が部屋着に着替えて、一斉に箸を取る。
「いただきます!」
「いただきますです〜」
見るからに美味しそうな料理に、最近局の食堂食事ばかりだったリィンもフルサイズのまま本気モードで皿をつつき始める。
はぐはぐと咀嚼し始めると、速攻でヴィータから評価が返ってきた。
「うわ、まじギガウマだな!やるなおっちゃん!」
「ど、どういたしまして……」
今朝の険悪さはどこへやら、手の平を返したかのような勢いでがっつくヴィータにおっちゃん呼ばわりされて、仕方なさげに微笑むが料理の腕は確かであった。
ひとくちふたくち、いくつかの皿を食べてみてまたはやても素直に賞賛した。
「うん、ちょっと甘めやけど、いい腕やなー……」
「あ、そうか……以前作っていたときよりはかなり薄めにしてみたのだが」
「ああ……」
もぐもぐと勢いよく食べるヴィータ以外が顔を見合わせて納得する。
あの味覚大丈夫なのか、と言わんばかりの甘党の奥さんの食事を作っていたとなれば無理のない話であった。
「もう、おやつにクッキーを頂いたんですが、びっくりするぐらい美味しくてーほっぺたが落ちると思いました」
頬に手を当てながらうっとりとするシャマル。
「シャマルが作ったら、消し炭ができるしなー」
「は、はやてちゃん!そ、そんなことないですから!」
「えー」
「えー」
はやてとヴィータの視線の突っ込みに、うう、と俯く。前科があるからこれ以上の反論は無理である。
「にしても、なんでリンディさんが結婚したか、ようわかったわ……」
その呟きに彼も、あはは、と若干苦笑いをしている。
そう、はやての想像通り料理の腕は勿論、デザートが絶品となれば、猫にマタタビ、犬に骨、フェイトになのはもいいところで、
陥落どころか彼女の方から飛びついたのはまさに過去の出来事そのものといっても過言ではない。
そして食事後切り分けられて出てきた緑色の良く冷えたババロアを口に含んで、一同は心底幸せに浸ったのであった。
ほいではまた明日(?)ノシw
>>255 乙!!仕事に行く前に読めて良かった・・・
リンディさんが甘党になったのも、ようわかった気がします。
これからがwktk
>>255 朝刊ご苦労様で〜す。
いや、楽しく読ませていただきました。
しかしクライドさんが、ここまでスーパー主夫だったとはww
それにしても、敵だったとはいえ、ここまで毛嫌いされてたクライドさんは、ヴォルケンズに何をしたのかが気になるな。
さて、朝刊も見たし、二度寝するか。
っと、その前にGJと言っておこう。
>>257 キラーマッスィーン×4 VS スーパークライドタイム
だったのだろうな。
リンディさんが甘党になったのか、甘党のリンディさんに合う人がグライドさんしかいなかったのか
>>241 おとなの赤ずきん噴いた!
たま〜にエロいのが欲しい時があるのでまた気紛れにでも書いておくれ
まぁ俺は別の意味でザフィ×ヴィヴィ好きでもあるんだけどね
このふたりのコンビアタッカーをアニメで見たひ…
261 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 12:16:07 ID:C8UfY0Ml
>>250>>251 ユーノに乙女回路動かしてもらったスバルと言う
クロススレにageるべきかと思うユノスバ妄想してる俺も通ります
通るがいい、ユノスバ同士よ。
>>260 「ザフィーラの背に跨って荒野をゆくヴィヴィオ」
を想像した瞬間
「(きんきんきんきん)子供のこーろのゆめはー」
と頭の中に流れ出した俺はサウンドステージを聞きなおすべきかもしれない。
ヴィヴィザフィいいよね、と打ち込もうとしたらユノザフィいいよねと打ち込んでた
俺とかかなりダメかもしれん。なんというシャマル脳の恐怖。
三期で戦闘ものを書こうとすると意外に「敵」がいない気がする。
12話まではガジェットのみ(ナンバーズ初期・中期組は活動しているはずだが、設定上六課とは接触なし)
17話までに六課に対して顔を見せたのは3、4、6、10のみ(漫画版の描写から、本部襲撃までは六課メンバーに顔は見せない方針)
最終決戦前までは、お互いに戦力温存状態
最終決戦は2時間くらいの怒涛の展開
アフターストーリーなら悪役はスカと1、3、4、7のみ
スマン、六課メンバーとナンバーズ総力戦とかに挑戦してみたかったんだけど、どうしてもその時期を見つけられなかった頭悪い俺の戯言
>>265 気にすることない。
全面対決なんかしたら最終決戦前にナンバーズが捕まってしまう。
スカもそう考えたから最終決戦まで出し惜しみして入念に調整してたんだし。
>>265 んー たとえばー
……突如更正施設から失踪するチンク! 同時刻、ナカジマ家から姿を消すギンガ!
ナカジマ三佐を人質に立てこもる7抜き4番以下ナンバーズと、武力突入を決行する
機動六課フルメンバー! 高密度AMF状況下でなお海上更正施設を灰燼に帰す血戦
の果てに、暴かれた真実! そして――
新更正プログラムの下見と称して、二人きりで温泉旅行に出かけていた二人の姉の運命やいかに!
すまん。俺も無理だ。
4番以下→6番以下 に訂正
>>265 再構成SSならどうよ?
……マルドゥック・ヴェロシティとかスプライト、オイレンシュピーゲルなんか参考にして。
>マルドゥック
誰がボイルドの役どころに収まるか、それが問題だ。
クロすけがボイルド、ウフコックがユーノ、バロットがなのは
そんなパロ
そしてナンバーズ=カトル・カール/個性の過度な強化
>>241 おお。落ち梨ってのも昔は結構あったしいいんじゃまいか
ごっつあんですた
>>272 ティアナは寝たきりだな。アリサはなんか飛んでるし
>>269-271 おぬしらも沖方センセが好きか・・・俺もだ
スプライト&オレインでやるなら、2部隊用意しなきゃいけないから、
それを機動六課と更生済ナンバーズでやることになるかな
ウブカタせんせーがStrikerSのシナリオ書いてたら、別の意味でwktkしつつ、
非難囂々だったんじゃないかなぁ、と妄想する俺が居るんですが、どうしましょう。
てか、スバルとかの設定が微妙に救いのないものになりかねないなw
スバルは初恋の人と殺し合いしそうだな>ウブシナリオ
そしてその初恋の相手とティアがこっそり出来てたりするんだ>ウブシナリオ
仕込みスコップのデバイスとか出されそうで困る
ウブカタにやらせたら聖王の鎧がベルクロス並に無敵になって手に負えなくなってそう。
SUDA51になのはのシナリオを書かせる暴挙を妄想してみる
...どう考えてもなのは達が組織の力学によって互いに闘いあわねばならない
状況に追い込まれたり。
ナンバーズ達それもドゥーエをしっかりと描写しまくって生き残るかなと思わせた所で
一見するとなんでもなさそうな雑魚に虐殺されたり。
ギン姉の正体はナンバーズの最新型で大規模な情報操作とクアットロのISにより
スバル達も姉がいると思い込まされていてギン姉自身もそう思い込んでいるという
カオスな自体になりかねんな。
八房絵でゴンゴンゴンゴンという擬音とともに浮上してくるゆりかごwithドクター。
……ナンバーズ全員グロ死にそうなので脳内却下。
ウブカタにシナリオ書かせたら・・・小説版でなのはがSLB撃ちながら絶頂を迎えるなw
>>284 なんか色んなアブナイモノをキメてそうだw
>>284 おお、砲撃(スターライトブレイカー)――!!
>>283 それなんてガチムチスカリエッティ?
かつてティアナがバイクに乗り、スバルが戦闘機人と分かった時に
スバル「鋼ぅ鉄・ジィィィグ! ビルドアァァァップッ!!」
ティアナ「ビルド・アァァァップ! 鋼鉄ジーーーッグ!!」
スカ「ジーグが! 二体!?」
こんなネタを考えた奴は俺くらいだろう
鋼鉄スバルのOPで
『むーねが飛び出すばばんばん!あーしがとびだすばばんばん!
機人の威力だ、鋼鉄、すばーる!』
と、そのオパーイと美脚を惜しげもなくさらしてくれるスバルまで想像した。
撃墜でスバルが首だけにw
誰ですか?
ヴォル×ハクなんてもの送ってきた人は!
>286
スカ「力とはこれ見よがしに振るうものではない」
そして場の全員に「お前が言うな」と突っ込まれるスカ博士。
なのはとフェイトとはやてとエリオを捕獲して強制ピストンマシンを使ってエリオの種を三人に
強制的に種付けしてぇ…
皆が助け出す時は三人ともボテ腹になってるんだよ
それでスバルとギン姉はいつ手足にタービン付けた巨大ロボットに乗り込むの?
それよりもまず勇気で動くロボットに乗る方が先です
297 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 02:51:07 ID:bWIRoHrK
それらはクロススレにAGEるべきなのではと思いつつ、
ユノスバが成立した状態では、スバルの体内に世界滅亡の鍵があると発覚し、
白い悪魔筆頭二人の仲をよく思わぬ六課隊長陣が職権乱用紛いの手段でスバルを封印処理しようとし、
職務立場上察知したユーノはスバルを連れ絶望的逃避行を繰り返す
ようなのが発生するのを妄想してた俺はトンデモないマイナー型だな
299 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 03:22:55 ID:YFIdD/pO
この流れで
ヴァイティア
ユノなのは
ヴェロはやて
エリキャロ
ウノスカ
ゼスシグ
アルフザフィーラ
以上の王道(個人的見解)カップルの
極エロSSを渇望ッッ!!
こうやって上げられると、某執務官への涙が溢れてくるな……
個人的にはクロなのの突っ込んだエロ希望かなあ…
デフォとして。
>>302 クロフェイじゃね?
クロエリだろ・・・常考・・・
>>304 クロノ
ロッサ
エリオ
リイン
とな?
人間形態リインの三穴攻めとな
ティッシュ取ってくる!
ごめ
クロノ
ロッサ
エリオ
リンディ
で妄想した俺はダメですか、そうですか
>>291 ヴォルテール×ハクテンオウです・・・・・・
ヴォル×ハクわらたwww
おはようございます〜朝刊どす〜
ウブシナリオは読んだことないですが、シャマルさんがちょっぴり酷い目にあってます(ぇ
ロボット物わかんないんだよなあ……
ドクターにスバルが「オンドゥルルラギッタンディスカー!」とかなら言いそうだけど。これもクロススレ行きかw
でも結局の原因はイラスト描いてた平凡な少女ティアナ、みたいな。ん?なんだこの目の前の2丁のラガーモードのクロスミラーjy
[八神さん家とクライド君][エロ?まだまだw]
相変わらず設定捏造しまくってますが、いつものことってことで大目に見てくださいませ・゚・(ノ∀`)・゚・。
まだ大皿に残っているババロアに未練全開のヴィータがリィンUに引きずられながらお風呂に消えると、
食後のお茶を飲みながら、改めて主は問いかけた。
「で……シャマル、何があったんか聞いていいか…?いや、いいたくないならかまわへんけど……」
「……」
困った小さな吐息をついて、綺麗な金髪の美しい顔は、渋々と漏らした。
「前の主の時、私は管理局員に捕まって、そしてなぶ――」
と言いかけて首を振ると、話の中心である隣に座っていた元提督に真っ直ぐに瞳を向けた。
「いえ、貴方の指示でないと、信じています、というより、信じさせてください」
「ありがとう……そう言って貰えると、正直……助かる」
「はい、味も勿論ですけどこんなとても心の篭った料理を作られる方が、あんなことをできるはずはないですもの」
「うん……本当にすまなかった」
「いえ、あ、じゃあお皿片付けちゃいますね」
そういって笑顔でテーブルの上を片付け始めるシャマルに、さすがのはやても突っ込みを入れられなかった。
片づけを一緒に手伝うクライドと静かにお茶を飲んでいるシグナムの雰囲気に、座っていられなくなり誤魔化して逃げ出す。
「あ、じゃ、じゃあちょっとヴィータとリィンの様子でも見てくるな」
「……はい」
片目を閉じつつ、意味ありげな微笑でシグナムが答えると、主は部屋の外に消えた。
そして彼女がお茶を終えて、部屋の外で日課の気ままな型をレヴァンティンと共にこなしていると、片づけが終わったクライドがエプロン姿のまま窓際に立った。
「相変わらず……綺麗な太刀筋だ」
「……褒めても、何もでないと思いますが」
「正直な感想なのだがな」
そこで、ふっ、と表情を緩めると剣を降ろして向かい合う。
「まあ、あれも、ヴィータも、貴方の所為でないことはよく分かっていると思います」
「そうかも、しれないが。それでもな」
「いえ、まさか局員達に三日三晩犯され続けた挙句殺された――などと今更言えるわけもないでしょう」
「そうだな……」
「主に伝えたら、今からでも当時の担当局員を全員探し出して土下座させかねませんし。とはいっても半数以上はあの時ヴィータが――しまいましたが」
「ああ……あの光景は、今でも目に焼きついているよ」
ぼろぼろになった金髪の人を見下ろして、その周りに屍の山を作り、血に染まりきった鉄の伯爵を持ったまま小刻みに震えている全身が返り血で真っ赤に染まった少女――
「局員達も、ずっと貴方達のことを盛んにプログラム扱いしてずっと気になってはいたのだが――本当に申し訳ないことを」
「いえ、もう過ぎたことですから、責める気もありません。それよりもシャマルに、短い間でもいいですからよくしてやってください」
「ああ、わかった……そうしよう」
「はい」
そこで離れてしまった彼を見送って振り返ると、都会の薄い星を見上げて小さく一言だけ呟いた。
「過去――か」
〜
小気味よい軽快な音楽が流れるバーの片隅で緑色の長髪の女性と、こちらも後ろでまとめてはいるがかなり長い薄い紫色の髪に
下縁にだけフレームのある眼鏡かけた、管理局女性提督が纏う青い上着の礼服の二人が三角のグラスのカクテルを嗜んでいた。
「やっぱり、リンディは昔から甘いのが好きね」
「そうね、やっぱりお酒はフルーツベースじゃないと」
そういって透き通った青い色のアルコールを微かに照明に揺らしつつ、相変わらず豊かな緑色の髪を崩さぬまま一口だけ飲む。
リンディ・ハラオウンとレティ・ロウラン――名伯楽と敏腕で鳴らした二人がこうやって飲むのも特に珍しいことでもない。
今でこそ回数は減ったものの、若い頃などしょっちゅうであった。特に結婚する前は。
相変わらず40前とは思えない若さの2人は元から幼い顔立ちだった上に、自身のケアも小まめにかかさぬ性格から、
そうでない方には残酷なことではあるが、20は若くは見えた。
「でも、もうお互い孫がいる年なんだから、そろそろこういうのも似合わないかしら?」
「失礼ね、私はまだおばあちゃんじゃないっていうのに」
「あら、時間の問題じゃない?ルキノ、もうべったりだって聞いたけど」
「うっ……」
息子のグリフィス・ロウランは、六課出向を経て、交代部隊運用の功績も認められ順調に出世街道を直進していたが、
知ってか知らずかオペレータ陣の一人であったルキノ・リリエとの同配属を希望しそれが通ってみれば、
即座にお似合いの二人だよね、とあっという間に噂が立つ程の仲の良さで、明らかに本人達もその気のようで、
結婚も時間の問題とリンディが言い出すのも世間の評判からしてもごく普通の判断であった。
「まあ、それはおめでたいことだし?嫌ではないけど……それよりも、そっちの娘3人はまだ浮いた話はないの?」
「あーうーん、あの子達は……ねえ。うちのフェイトもだけどなんていうか」
レティが娘3人、という場合、彼女が第97管理外世界・現地名称地球で見つけてきた、魔導師キャリア組の超エリート3人娘のことである。
「なのはちゃんやうちの子は、なんだかんだ言って見つけてきそうだけど……、はやてちゃんは……」
「あー、あの子はねえ。優秀過ぎてどこか冷たい所があって、昔のリンディみたい」
「え?そうだったかしら」
「そうよ……貴方も美人で優秀だけど、男に興味なさそう、とか言われてたじゃない」
「あーうん、でもそれ、随分前の話ね」
「そんなこと言われてた癖に、あの人――クライドが現れた途端、もう夢中で追いかけてみんなびっくりしたものよ。懐かしいわね」
「あー、懐かしいわねー。ケーキ作って下さい!って押しかけたりしたわね……」
と遠い昔の思い出にアルコールの所為もあってか、微かに恥ずかしそうにする彼女は、この年になってもまだ十分可愛らしかった。
「未だに彼を好きになったのか、彼の作ったケーキが好きだったのか、時々議論になるんだけど?」
「だから、もう何回も言ったじゃない。口実が欲しかったのよ」
「……ほんとに?」
「ふふっ」
そうやっていつものように微笑んで誤魔化す彼女のことが、やはりどこか憎めなくて一緒に居て気楽な所がレティが親友を続けている理由でもある。
「まあ、なんだかんだいっていい男だったしね。皆の憧れの的だったし……もし、会えるなら、会いたい?」
「そうね、一目でも、とは思わなくは無いけど……叶わぬことだし、クロノもエイミィもフェイトも孫も2人いるし。そこまでして望みはしないわ」
「そっか」
とそこで言葉を区切って、彼女もまた髪の色に良く似た薄い紫色のカクテルをチン、と親友のグラスと小さく鳴らし合わせてからふわりと口につけた。
〜
はいたつかんりょー。ではノシ
>312
えらい時間ですが GJです
明らかになるヴォルケンズの前世(?)での悲劇とその頃のリンディさん
さて、予期せぬ帰還を果てに待つのはクロノの腹違いの兄弟か一時の逢瀬のみか
続きを楽しみにしてます
GJ!!朝の楽しみが増えました。
>>271 >ウフコックがユーノ、バロットがなのは
こうするとまるでウフコックが魔法少女おつきの不思議小動物のようだ
もしかするとマルドゥクシリーズも「魔法少女のフォーマット」で書かれたのかw
>>312 GJ
熟女提督コンビに売れ残り警報発令される部隊長ワロスw
316 :
サイヒ:2007/11/11(日) 11:01:03 ID:GdwtioD4
いつもどおりクロフェで一本投下させてもらいます。
言うまでも無くエロです。エロしか書けない国の人です。
いつもいつも持ってけ糖尿病状態な俺のSSですが、今回はさらに糖分過多。
読み終わったら歯磨きをお忘れなく。
タンタンタン、と早いリズムの音で眼が覚めた。
雨粒がガラス戸を叩いているのだというのに気づくまでに、少し時間がかかった。
クロノはベッドから起き上がり、ガラス戸越しにベランダをのぞく。
予想以上に激しい風雨だった。軒を越えて降り注ぐ雨でベランダには小さな水溜りが出来ており、街路
樹は風で左右に揺すぶられている。
特に意味なくその光景を眺めているうちに、寒気がしてクロノは身震いした。
エアコンの設定温度はいつもどおりであるが、わずかに湿気を含んだ空気のせいで部屋はいつもより寒
い。
なにより、今のクロノは一糸纏わぬ裸であった。季節は冬真っ盛り。いかに暖房付きの室内とはいえ、
寒さを感じて当然の格好である。
ここでさっさと服を着るのが普通人というものだろうが、クロノは怠惰な道を選んだ。
すなわち、自分がさっきまで寝ていたベッドに逆戻りするという道である。
だが暖かさを求めて潜り込んだ布団は、すでに体温の温もりを失いつつあった。布団を引き寄せ丸まっ
てみるが、なかなか温まりはしない。むしろ意識が明確になってきた分、さっきより寒さを感じる。
寒さで鳴りそうになる奥歯を噛み締めながら二の腕を擦るクロノ。観念して服を着ようかと考えている
と、その身体が引き寄せられた。
柔らかく温かいものがクロノの身体を包む。目の前には、流れるような金色の髪と真紅の瞳。
「身体冷えてるね」
クロノを抱きしめている少女、フェイトはクロノと同じく全裸である。だがその肌は布団でしっかりと
防寒されており、人肌の温度を保っている。
「暖めてあげる」
きゅっ、と腕に力が入った。肌がさらに密着する。
フェイトの体温が肌から骨まで染み渡っていき、あっという間に寒気が退散した。
それでも、クロノはフェイトの腕に抱かれたままだった。この肌の温かさと柔らかさは、そう簡単に手
放したくない。なにより、顔面に感じているものがたまらない。
フェイトは、クロノの頭を胸にかき抱いている。つまりクロノの顔はフェイトの豊かな双丘に埋もれた
状態になっていた。
顔をぴったりと覆ってくる柔らかさと、鼻腔に直接入ってくるフェイトの匂いに窒息しそうになり、ク
ロノは少しだけ顔を動かして隙間を作った。
「雨降ってるの?」
「ああ、かなり強い。台風並みと言っていいくらいだ」
「じゃあ今日は出かけれないね」
「どこかに行きたかったのか?」
「べつに。思っただけ」
その気になれば二人とも車持ちなので出かけることは可能だが、さしたる用がないというのならこの雨
の中を外出する気にはなれない。
言葉はそこで途切れた。
そうなれば、会話に使っていた神経が耳と皮膚に回る。耳は雨音に混じるフェイトの呼吸を、皮膚はそ
の温度を感じ取る。
息を吐くテンポが、僅かながら速くなっている。身体も、体温がじりじりと上昇している。
胸の谷間から見上げれば、瞳の色は微かに潤んで深みを増していた。
女心が分かってないと周囲に言われることが多いクロノだが、今の彼女がなにを期待しているか分から
ないほど鈍感ではない。
それでも、まだ朝だぞと言おうとはしたが、自分の下腹部も徐々に膨張しつつあることに気づいてやめ
た。
裸の恋人と抱き合っていればこうなるのは仕方の無いことだと割り切って、クロノは再度フェイトの胸
に顔を埋めた。
だが今度は微妙に位置をずらして、口のところに胸の頂が来るようにした。
少しだけ硬くなっているフェイトの乳首を咥える。唇で固定し、頂点のほんの僅かにへこんでいる部分
を舌で溶かすように舐める。
もっと、とフェイトはクロノの頭に回した腕に力を入れてくる。
舌と歯で交互に可愛がりながら、手をそろそろと背骨に沿って下りていく。
たどり着いたのは、胸でも性器でもない三つ目の谷間。すべすべとした二つの丸みを愛でながら、その
合間に指をちょっとずつめり込ませていく。
「あんっ……」
少しだけ驚いた声を出したフェイトだったが、特に抵抗せずクロノの成すがままにしている。
昨夜はしなかったが、まれにここも使ってフェイトと愛し合う。最初は痛がっていたフェイトも、今で
は膣と同じぐらい感じるようになっている。
第一関節まで入ったところでクロノはそれ以上は進まず、くにくにと揉みほぐすように指を動かす。
そうしながら、残る手を前に回した。
腿を一撫でしてみれば、内腿の肌がざらついている。昨夜大量に出して流したお互いの体液が乾いて付
着したのだろう。
出した回数をつい数えてしまい自嘲するクロノだが、手は止まらない。
草むらをかきわけその奥にある谷間を擦れば、すぐにしっとりと湿り気を帯びてきた。
「ああぁぁ……!」
周辺をなぞるように指を動かせば、むず痒そうにフェイトの腰が動く。
そろそろいいかと思いながら、クロノは時計に目をやった。
眠ったのは明け方付近だったため、いつもの起床時刻を大幅に過ぎた今は朝の十時。これからどれほど
の時間乱れ合うかは自分でも分からないが、後始末を含めれば午前は全て潰れるに違いない。
しかし、今日と明日は珍しいことに二人とも連休だ。ならば初日の午前中を、怠惰かつ甘いことに使っ
てもかまいやしないだろう。
爛れた結論を出したクロノは胸から顔に口を移動させ、軽くキスをして問う。
「前と後ろ、どっちがいい?」
「クロノが、好きな方で。……でもね」
蕩けるような女の顔をして、フェイトは誘ってきた。
「出来たら、両方がいいかな」
しばらくの間、部屋には雨音をかき消す甘い声が流れた。
甘やかしてくれる人
結局、起き抜けの情交は一時間に渡った。
それから昨夜と今朝の跡を流すために朝風呂に入り、朝食とも昼食ともつかない食事を取ると、やるこ
とがなくなった。
出かける先も気もない。
仕事は、フェイトに家には持ち込まないでと言われているのでやるわけがない。家庭をぶち壊すほど仕
事命な男ではないのだ。
掃除をしようかとも思ったが、二人の留守中にアルフがやっておいてくれたらしく目立った汚れは皆無。
さてどうしよう、と二人で食後のお茶をすすりながら話し合った結果。
「……こんなかんじでいいのか?」
「うん、気持ちいい」
クロノはフェイトの耳掃除をしていた。
ソファに座ったクロノの膝にフェイトが頭を乗せて寝転がっている。クロノは綿棒片手にフェイトの耳
の穴を覗き込んで、かすかに見える黄色い粘液を拭っていく。
こまめに綿棒を取り替えながら、クロノは訊ねた。
「痛くないか?」
「それ言うの七回目だよ」
フェイトに呆れられるぐらいしつこく訊いているのは自覚してるが、曲がりくねっている耳孔はどうやっ
ても奥の方が見えない。その辺は手探りでやるしかなく、万が一傷つけたらと思えばつい何度も訊ねてし
まうのだ。
「まだ痒い所はあるか?」
「もうないよ」
「だったら、次は反対側」
フェイトはくるりと寝転がって左の耳を上に向けた。そのため、フェイトが顔面をクロノの股間に埋め
ているような体勢になる。
それだけで血が熱くなりそうな光景だが、幸いなことにその手の熱さは朝に発散させていたため、邪念
無くクロノは耳掃除に没頭できた。
「痛くないか?」
「だから……」
同じ会話をまた繰り返しながら、五分ほどかけてこちらも綺麗になった。
「じゃあ次はクロノの番」
起き上がったフェイトが、机の上に置いてあった竹製の耳掻きを手にする。
クロノと反対側のソファの端に座ったフェイトが、どうぞと膝をぽんぽんと叩く。素直に従い、クロノ
は横になった。
「うーん、けっこう溜まってるね。あんまり耳掃除しないの?」
フェイトと違ってクロノの耳垢は乾燥系であり、痒みはさほどではない。どこに耳垢があるのか自分で
は分かりにくく、適当に耳の中を掻いて終わらせていた。
カサコソと耳掻きが優しく動き、耳の内側にこびりついている薄皮のようなものがこそげ落とされてい
くのが、見えなくても伝わってくる。
(……気持ちいいな)
他人に耳垢を取ってもらうなど、幼少時にリンディにしてもらって以来である。
あの頃は耳の中に異物が入ってくる恐怖にひたすら緊張していた記憶しかないが、大人になってから体
験してみると、耳の汚れを取ってもらうのは意外に快感だった。
そしてその気持ち良さの源は耳だけでなく、顔に感じるフェイトの腿の感触もある。
鍛えられて無駄な贅肉などは一切無いが、女性特有の柔らかさは失っていない。それに皮膚の張りが相
まって、素晴らしい弾力となっている。これが耳掻きの最中でなければ、思わず頬擦りしているところだ。
まったりとした心地良さに、だんだんクロノの瞼が下がってくる。
普段の激務。昨夜と今朝の激しい交わりによる体力消費と、それを回復するには足りない睡眠時間。お
まけに食事で腹がふくれている。
これだけ条件が揃えば、眠気が襲ってきて当然だった。
「こっち終わったよ。…………クロノ?」
フェイトの声がする。まだぎりぎり睡眠欲に勝てる段階だったが、あえてクロノは眼を開けようとはし
なかった。
このままフェイトの膝枕で眠れば、きっとすっきり熟睡できるに違いない。
「……寝ちゃったの?」
問いかけに答えずゆるゆると意識を失おうとしていると、髪がゆっくりと手櫛で梳かれた。
「……クロノの寝顔って、可愛いね」
フェイトの言葉を聞いたのを最後に、クロノは完全に眠りの谷へ落ちていった。
ふわりとした甘い匂いで、クロノは目覚めた。
膝枕をしてくれていたはずのフェイトはいない。
頭の下には本物の枕が入っており、身体には毛布がかけられていた。
固まった首をコキコキ回しながらどこに行ったのだろうと見渡せば、台所から微かな気配が伝わってく
る。匂いの発生源もそこらしい。
「台所にいるのか、フェイト?」
声をかけると、エプロン姿にミトンを装着したフェイトがひょこりと顔を出した。
「あ、起きたんだ。ちょうどよかった。クッキーが焼けたところだよ」
クッキーが一から完成するまでとは、ずいぶんな時間寝ていたものらしい。
エプロンを脱いだフェイトが、こげ茶色のクッキーを盛った皿をリビングに運んできた。
「今度エリオとキャロに作ってあげようと思うんだ。久しぶりだから上手に出来るかなと思って練習して
みたんだけど、どうかな?」
「つまり僕は実験台か」
「もう、またそういうこと言うんだから……」
軽口を叩きながら、クロノはクッキーをかじった。
適度な熱さと、さくりとした食感。じわりと口に広がるココアの味。市販品と比べても遜色ない出来で
ある。
しかし子供達のための練習だと言っているが、このクッキーはどう見てもクロノのために作られたもの
だった。
甘いものが苦手なクロノのために、砂糖とバターは控え目。ココアのほろ苦さを引き立てるように作ら
れている。
「エリオやキャロの年頃なら、この数倍甘いぐらいの方が喜ぶかな」
恋人の気遣いを嬉しく思いながらも、ちゃんと思ったことは言うクロノ。
二枚目を口にする。小腹が空いていたこともあって、手が止まらない。だいたい出来立ての焼き菓子と
いうのは、砂糖と塩を間違えでもしない限り問答無用で美味しいものである。
フェイトも食べ始め、あっという間に数が減っていく。
最後に皿に残った一枚。それに手を伸ばしたのは、二人同時だった。指先が一瞬触れ合い、驚いて離れ
る。
「……クロノがどうぞ」
「いや、作ったのは君だから、君が食べればいい」
「私は味見した分もあるからいいよ」
譲り合いはなかなか終わらない。二人ともこうなってしまえば、じゃあ自分がと言い出しにくい性格な
のだ。
「……だったら」
押し問答の末、フェイトが最後の一枚を手に取る。引いてくれたのかと思ったが、違った。
「二人で食べよ?」
茶色のクッキーを唇で咥えて、フェイトが小さく顔を突き出した。
言葉と行動から、意図は簡単に読み取れる。
さすがにそれをするのは気恥ずかしさを覚えるクロノだったが、誰も見ていないのだしいいだろうと思
い直してフェイトに顔を近づける。
クッキーの端をゆっくりかじっていく。十秒も経たずして、唇が重なった。
舌を入れたくなるが、クッキーが邪魔してフェイトの口に入れない。噛み砕こうにも、あちらの口に入っ
ている部分はどうしようもない。
それでも唇の柔らかさは感じ取れるので、自分の唇に神経を集中させていると、そのクッキーがこちら
に押し込まれてきた。
続いてフェイトの舌も入って来て、クロノの舌にクッキーを押しつけるように動く。
唾液でふやけたクッキーは、すぐにぐずぐずに崩れてクロノの口腔に散らばる。それをフェイトは舌を
使って集めていき、何度も自分の口に運び直す。そうしながらも、入ってくる時にちゃんとクロノの舌に
絡めていくのも忘れない。
あまりに巧みな舌遣いに翻弄され、一方的に受身となってしまい何も出来ないクロノ。
隅々まで舐め取り、さらにクロノの舌を一分近く味わってからようやくフェイトは離れた。
「……これだけは、すごく甘かったね」
余韻の残る呆けた眼のままフェイトは呟く。
「クロノが隠し味だからかな」
最後に赤い舌が、唇に残ったクッキーの滓をぺろりと舐め取った。
それからは、今度は自分がクロノの膝枕で寝たいと言い出したフェイトに膝を貸してやり、時々フェイ
トの寝顔を鑑賞しながら読書。
夕刻になったのでフェイトを起こし、愛妻料理を食べ終われば完全に夜だった。雨は勢いを落としたも
のの、まだ降っている。
リビングで食後の休憩にクロノはテレビを見ていた。バラエティー番組で面白そうなものはやってなかっ
たので、画面には見慣れた国営放送のニュースキャスターの顔が映っている。
そこに、洗い物を終えたフェイトが台所から出てくる。ソファの前まで来たが、腰を下ろそうとせずク
ロノの前に立った。
「……いい?」
何が、とはフェイトは言わない。クロノも訊ねず、無言で頷いてやる。
「えへへ」
童女のように笑い、フェイトはくるりと後ろを向いた。
そのままクロノの膝の上に腰を落としてきた。そのまま全身の力を抜いて、クロノにもたれかかってく
る。
二人の身長はほぼ同じ。フェイトを膝の上に乗せれば、テレビは見難くなる。
だがそんなことはどうでもいい。ニュースは耳から入ってくる音声だけで判断し、目は絹糸のように細
く艶やかな金髪と、その隙間から垣間見えるほっそりとしたうなじを愛でる。
きっとフェイトも、テレビよりはクロノの膝の座り心地に神経を集中させているだろう。
恋人関係になってから自宅でテレビを見る際は、二度に一度はこういう体勢になる。
二人きりで過ごすときのフェイトは別人のようだ。
外では節度ある女性としての姿を崩さず、クロノとのデートの時も手を繋ぐのすら恥かしがるほど初心
である。
それが人目が無くなると、人懐っこい猫みたく甘えてくる。なにかといえばクロノに引っつきたがり、
昼間のクッキーのようなことも度々してきて、直接的な言葉で交わりを求めてくることもある。
最初は戸惑い赤面するばかりだったクロノだが、今は素直に甘えさせている。
フェイトの幼少時を考えれば、一番甘えたかった時期にそれをしてくれるはずであった実母のプレシア
は、ただ彼女を疎ましく思い利用しようとするだけの存在だった。
二番目の母であるリンディはもちろんそんな親ではなかったが、すでになにかと遠慮がちな性格が形成
されていたフェイトは、露骨に甘えるようなことはほとんどしていない。
そんなフェイトがクロノにだけは率直に甘えわがままを言ってくれるのは、自分が特別な人間だと認識
されているようで、また彼女の古傷を癒してやれているようでもあり、恋人として嬉しい。
「……クロノ」
恋人の声で、クロノは思索から引き戻された。
いつのまにか、フェイトの顔が画面ではなくこちらを向いている。膝に乗っている分だけフェイトの目
線が上になり、珍しく見下ろされる形。
「お尻に……当たってる」
指摘され初めて、自分の一部が熱くなっていることにクロノは気づいた。
身体全体で感じていたフェイトの柔らかさに、無意識下で反応していた自分の分身に苦笑いする。
といってもまだ半勃ち状態であり、彼女を膝から下ろせばすぐに元通りになるだろう。
しかしクロノはそうせずに、フェイトに口づけした。彼女の瞳に期待する色を見つけたこともあったが、
なにより自分もそうしたい気分だったのだ。
舌を絡めあいながら、リモコンに手を伸ばしてテレビを切る。ここからは雑音はいらない。フェイトの
声だけ、耳に入れたい。
「……今度は、ちゃんとするんだ」
キスが終わると、すっかり淫卑に染まった眼でフェイトは妖艶な笑みを浮かべた。
「クッキーの時もね、あのまま押し倒されるかと思ってたんだよ」
「さすがに朝したばっかりだったから、あの時は無理だ」
「どうかなぁ……」
フェイトの身体が徐々に動いていく。
「いつもは、私がもう駄目って言ってもいつまでもして」
身体同士を重ねるようにしていたのが、片腿に尻が移動する。
「お腹の中が一杯になるくらい出してるのに?」
チチチと音を立ててジッパーが引き下ろされる。クロノの瞳を覗き込んだまま、フェイトは手探りで下
着の奥から肉棒を露出させた。
「……僕にだって限界はある」
「だとしても、今はたくさん出来るよね。……こんなに硬くしてるんだから」
白い指が輪を作り、陰茎を上下しだす。それにつれて、クロノの下半身にじわりと快感が広がってくる。
すぐに、先端から透明な液体が零れだした。一度手を止めてそれを手の平に塗りたくり、またフェイト
は手淫を続ける。
しかしそこから、ただ擦るだけだった愛撫が変化した。幹主体の動きだったのが、空いていた手で亀頭
を攻めだす。
「……んんっ!」
割れ目に軽く爪を立てられ、思わずクロノはうめく。
「ふふふ、クロノの声、可愛い」
愉しそうに、フェイトは亀頭を弄る指を止めない。
フェイトの愛撫はたしかに気持ちいいが、されっ放しというのも癪に障る。
手を回して、ぐいと強めにその豊かな胸を掴んだ。
「はぁんっ……!」
今度はフェイトが声を上げる番だった。
服の上からな分だけ、いつもより力加減を強くしてクロノは胸を揉みたてる。
先端付近を指で探れば、確かに感じられる固い感触。服とシャツとブラジャー。三重の布越しでも分か
るほど、胸の頂は固く尖っていた。
「僕のに触ってるだけでこんなになってるんだな」
「クロノだって、私が上に座っただけで興奮したくせに」
言葉で軽く攻め合いながら、もっと相手を感じさせて主導権を握ろうと手の動きはエスカレートしてい
く。
しかし胸と性器では、クロノが不利なのは当然である。だんだん根元に熱い塊が集まってくる。横目で
フェイトの顔色を窺えば、まだまだ余裕がありそうだった。
事態を打開すべく、クロノは口を使うことにした。首を伸ばして、耳たぶに噛みつく。
「ひゃん!?」
あえて歯型がつくくらい強く噛んだので、フェイトの動きが一瞬完全に止まる。
その隙に手を動かして胸の下で抱きしめることで、両腕を拘束してしまった。フェイトの腕の可動域は
著しく狭まり、指の先ぐらいでしかクロノの陰茎に触れない。逆にクロノはフェイトの双丘を好きなだけ
捏ね回せる。
「はぅん! クロノ、ずるいぃ……」
フェイトが抗議してくるが、クロノは聞く耳持たず胸への愛撫を再開させる。
しこった乳首を布地で擦りつけて刺激し、柔らかい果実を五指で揉みしだき文字通り手中にする。
フェイトもなんとか反撃しようと人差し指と中指で挟んでしごき上げたりしてくるが温いもので、もは
や完全にクロノのペースだった。
口の方もうなじを舐めたり甘噛みしたりとしているうちに、フェイトの全身からくたりと力が抜けた。
腕をほどいても、動こうとしない。もう完全にクロノに身を委ねるという意思表示だった。
胸を揉む力を少しだけ緩め、クロノはスカートを捲り上げてフェイトの秘部に指を這わせる。
「ほら、こんなに音を立てるぐらい濡れてる」
わざと音が出るようにかき回し、フェイトの羞恥心を煽る。
一番敏感な部分が触られて意識が虚ろになり出したのか、フェイトの眼はとろりとして焦点が結ばって
いない。
このまま一気にイカせてもよかったが、クロノは恋人の意思を聞くことにした。
「……このまま、ここで一回しようか? それともベッドがいいか?」
「ベッドに、つれていって……」
掠れ声に頷いたクロノは、寝室に運んでいくべくフェイトを抱え上げた。
お姫様抱っこの形になったフェイトが、クロノの服の裾をきゅっと掴んだ。
ベッドの上で一度達するまで、その手は服を握り締めたままだった。
リビングでの戯れから数十分後、寝室の二人は全裸で絡み合っていた。
クロノは正常位でフェイトを組み敷き、男根を出し入れしながらその乳首も弄ぶ。
「やんっ! 先っぽ、摘まないでぇっ!」
「いつもこうされるのがいいって言ってなかったか?」
「そう、だけど……はぁんっ!」
片一方は硬く尖った乳首を揉み潰すように、反対側は思い切り引っ張り上げる。
そうしながらも、腰は動いてフェイトを穿ち続ける。
恥骨がぶつかり合って音を立てかねないほどの激しさ。
「ああっ……!」
フェイトの身体が跳ね上がるように震える。
それを手足で強引に押さえ込んで、さらに強くクロノは腰を叩きつけた。
「くぅっあっ! クロノっ! や、やめて、んあぁっ!」
「嫌だ」
笑って恋人の言葉を拒絶し、押さえる手に力を加える。
まるで強姦のような光景。だがクロノはフェイトの限界を見切って腰を動かしている。これぐらいなら、
苦しさよりも快感の方が強いはずだ。
事実フェイトの声は泣き叫んでいるが、身体はクロノを受け入れ、突かれるタイミングに合わせて腰を
微妙にうねらせている。
時折手足に力が入るのは痙攣のためであり、流れる涙は嫌悪や痛みのためではなく快楽によるものであ
ることを、眼が語っている。
「あ、ああ……ひゃああぁぁんっ!!」
子宮口を突き上げそのまま押し広げるように捻りを加えれば、一際甲高くフェイトが啼いた。
同時に最奥から潮が吹き出た。繋がったままなのに、その僅かな隙間からも飛び散ってクロノの陰毛を
濡らすほどの勢い。
「つあっ!!」
その飛沫をまともに亀頭に受けて、クロノは思わず射精してしまった。
自分の意思によるものではない絶頂。強引にされたお返しだと言わんばかりに、そのままぐいぐい締め
つけてくるフェイトの膣に、根こそぎ精液を搾り取られる。
尿道にも残らないほど放出し尽くしたクロノは、陰茎を引き抜きフェイトの隣に倒れこみ、しばらく射
精直後の満足感に浸った。
だが熱が冷めてくると、今度は空虚さが胸の内に到来する。
「…………堕落してるな」
天井を見上げて、クロノは呟いた。
朝は性交で始まり、食事を取ればすぐ昼寝。夜は夜でこうして性懲りも無くフェイトを抱いている。
フェイトの体内や口に放った回数は、昨夜からの分を合わせれば片手の指の数を余裕で超える。
どう見ても、色に溺れた駄目人間の生活だった。厳格なイメージで通っている自分がこんな休日の過ご
し方をしてると知られたら、友人や部下はどんな顔をするだろう。
「……堕落してるって、こういうことしてること?」
自嘲の呟きだったが、フェイトにも聞こえたらしく首をこちらに傾けてきた。
「だったら、私はクロノを堕落させる悪女だね」
「まさか。僕が勝手に溺れてるだけだ」
「別にいいと思うよ。クロノが私のことばっかり考えてて仕事に身が入らないっていうのならともかく、
ちゃんとしてるんでしょ?」
「当たり前だ」
「だったら問題ないんじゃないかな」
フェイトが身を起こし、顔に張りついた前髪をかき上げる。汗を吸った金髪が、電灯の光を反射してき
らめく。
「仕事は仕事。休日は休日。ちゃんと使い分けてれば、これぐらいは許容範囲だって」
「……そうか?」
「そうだよ。……なかなか会えないんだから、こういう時はいっぱい私に甘えて」
「甘えてる? 僕が君に?」
「うん」
なにを当たり前のことを言ってるんだろう、という不思議そうな顔をするフェイト。
その眼に見つめられているうちに、クロノは笑いがこみ上げてきた。
「……くくっ」
そう言われてみればそうだった。
耳掻きも食事も、その気になれば自分で出来る。なのにそれをフェイトにしてもらうのが当然のように、
クロノの中ではなっていた。身体を求めるのに至っては、ほとんどが自分のわがままだ。
なんのことはない。クロノはフェイトを甘やかしてるつもりだったが、その実自分もフェイトに甘えて
いただけのことだったのだ。
考えてみれば、クロノも幼くして父を亡くし、残された母を困らせまいと背伸びした少年時代を送って
きた。リンディに甘えた記憶などほとんど無い。
(あまりに似たもの同士なんじゃないか、僕等は)
つまりクロノもフェイトも、この年になってようやく遠慮なく甘えられる相手を見つけ出せたのだ。
「……変なクロノ」
いきなり笑い出したクロノに、フェイトはずいぶんと不審そうである。
「そんなにおかしなこと言った?」
「そうじゃない。……フェイト」
クロノも身体を起こして、フェイトと同じ目線の高さになる。
「もう一度、甘えてもいいか?」
「うん。だったら、私からしてあげるね」
嬉しそうに笑って、フェイトはクロノに跨った。
性器同士がくっつく。愛液と精液でどろどろのフェイトの入り口は、するりと男根を根元まで飲み込ん
だ。
そのまま動き出そうとするフェイトの腰を、クロノは押さえた。
「できればゆっくりしてほしい」
「珍しいね。いつもはもっと激しくって言うのに」
「たまには、な」
クロノの言葉どおり、フェイトはしばらくじっとしていた。
だがクロノを完全に納めきったその内部は蠢いている。フェイトが呼吸をする度に、無数の襞がまとわ
りついては離れていく。
「クロノの、何もしなくても動くんだ……」
それは自分も同じなのか、うっとりとした顔でフェイトは呟く。
これはこれで互いに気持ちいいが、絶頂を迎えるにはあまりにも物足りない。
先に我慢できなくなったのはフェイトだった。少しずつ腰が動き出すが、快感に直結する上下の動きで
はなく、緩やかな前後の動き。
前かがみの姿勢になったため、クロノの目の前で二つの魅力的な乳房がぶら下がっている。フェイトが
動くたび、前後左右に揺れる。
触るなというのが無理な話で、クロノは手を伸ばして動き回る白い塊を停止させる。
だがそのまま何をするでもなく、ふにふにと指でつついて弾力を楽しむ。いつものように滅茶苦茶に蹂
躙するのもいいが、たまにはこういう戯れ方もいい。
何度も口づけを交わし、上でも下でも混ざり合う。そうしているうちに、クロノの腰の辺りがびくつき
出した。
まだ騎乗位の本領である上下運動に移っていない。射精してもあまり気持ち良くないだろう。
しかし今日は朝から何度も激しく抱き合っている。最後はこれぐらいでいいのかもしれない。
「……出してもいいか?」
「うん。私も、ちょっとだけイキそうだから」
さらに数度腰を揺らして、最後に一度だけフェイトは腰を上げて、落とした。
それに合わせて、クロノは腰の滾りを解き放った。とくり、と放出するのではなく流し込むよ
うに精液が漏れる。
フェイトという土壌に種を植えつけるのではなく、水をまき潤すかのような射精。
「はああぁ……」
こちらも軽く絶頂を迎えたフェイトが、桃色の吐息を吐いてクロノの上に倒れこんでくる。
その背に流れる髪の毛を撫でてやると、すぐに寝息が聞こえ始めた。
「……明日はどこか遠くに出かけようか」
眠りの世界に旅立った恋人に囁いて、クロノも眼を閉じた。
雨はいつのまにか止んでいた。
終わり
おまけ
「……う〜ん」
「どうしたのユーノ君?」
「いや、連休の間ずっとベッドの上だったっていうのはどうかなと思って。食事もインスタントばっかり
だったし」
「たまにはこういうのもいいと思うよ」
(……あんまりたまにじゃないからまずいと思ってるんだけど)
「それに……ここをこんなにしておきながら言うことじゃないよ?」
「ちょっ、なのは! いきなり握らないで!」
「ユーノ君が嫌って言うならやめるけど、どうする?」
「………………お願いします」
「ヴィータ副隊長、次はあれ乗りましょう!!」
「おうっ、あれが噂の絶叫マシン『グラビティーゼロ』か! 行くぜ行くぜ!!」
「リィンも行くです!」
「待てお前達、あれはたしか身長制限が……。待てと言ってるだろう!」
「みんな行ってしまいましたね。シャマルさん、どうせだから私達も一緒に行きましょうか」
「そうですね。……そろそろ二人だけにしてあげないと。はやてちゃんご機嫌斜めですし」
「……う〜〜」
「なんだ八神。不機嫌そうな顔して」
「ゲンヤさんとの貴重な連休やのに、なんでみんなして遊園地来てるんかなて」
「連休なんて、家族サービスで一日潰すのが普通だ」
「それは分かってるんですけど……。やっぱりゲンヤさんと二人っきりで過ごしたかったなぁ」
「……分かったよ。明日は正真正銘二人っきりになってやるから、そうふくれるな」
「えへへ。ありがとうございますゲンヤさん。……あ、そうや。私達はあれに乗りません?」
「俺にこの年でメリーゴーランドに乗れってのか。おいこらっ! 引っ張るな!」
今度こそ終わり
329 :
サイヒ:2007/11/11(日) 11:20:37 ID:GdwtioD4
以上です。
以前休日にデートする話は書いたんで、今回は家でちちくり合う編。
出だしが似てるのはわざと。
フェイトさんは年下の恋人には世話焼きまくるけど、年上には甘えまくるのではなかろーか。
少し謝罪。
前回のあとがきで「クロフェの結婚出産話まで書いた」と言いましたが、
あれは俺の中では以前に書いたユーなの母乳プレイの中で、クロフェが結婚して子供産んでることを
ちろっとだけほめのかしてて、それについて言ったつもりだったんで。
本格的なSSを期待されてた人にはごめんなさい。
……結婚初夜とかスタンダードすぎて逆に書きにくい。
保管庫の編集されてる方。いつもご苦労様です。
サブタイトル付け忘れてたのを、ちゃんと付けといてくれてありがとうございました。
この場を借りてお礼をば。
>>329 ぐおお、あめぇ。甘すぎるぜ、こん畜生!
GJ!GJ!Gooooood、Joooooooob!
いや、なんかおまけで他の2組と対比されてるのがなんとも。
やっぱ、フェイトのお相手はクロノだよな!
>>329 甘エェェェェ!!甘ぇよGJ!!
治療した虫歯が疼きそうだよ!!
>>329 GJ!
おまけのなのは×ユーノの話も希望してみたりする
333 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 12:15:37 ID:YzX2eI03
>>329 あっま!ハチミツ漬けのチョコレートなGJ!!
>>333 いやそこはチョコよりガムシロ割りの黒蜜まぶしでしょw
GGGJJJJ!!
まさか甘えんぼスレ以上に歯の治療が必要なものが
投下されるとは……しかし俺は歯を磨かない!!!
>>329 まさに極上の食材(原作)にハチミツをぶちまけるが如きSS
出来上がったのは超ッッ極甘エロッッッッッ!!!!!
自分はゲリラ兵氏のシャマルがナニされてたのかを書いて欲しかったりします。
シグナムがクライドにそこまで悪い感情を持ってないのはどこかで直接対決したからなんだろうな
さすが剣で物を考える人だ
虫歯になりましたwww
毎度レベルの高いクロフェをありがとう。
あなたのおかげでクロフェにはなれたよ。
340 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 16:58:18 ID:lNwCD4fg
ジャンルは同じなのに
>>329とは反応の差が明らか
涙目の
>>230の様子が目に浮かぶぜ、ざまぁ
古参とか新婚とか気取ってるからだ
>4の422氏
ちょいレスに間があいちゃいましたが続き期待してます。
原作でヤってる割にエロ方面のクロなのは稀少なので…
いけるかな?
最近になってこのスレの存在を知って、保管庫とかを色々見させていただいております。
皆さんの秀逸な作品を読ませていただいているうちに、自分でも書きたくなったのですが、かなり
オリキャラが多く(半分以上?)登場することになってしまったのですが、ここに上げても良いでし
ょうか。
プロットとしては、現時点では次の所まで考えております。
・時間設定は、StSで機動六課解散後約半年後(JS事件の約1年後)
・フェイト執務官&ティアナ執務官補佐(&シャリオ執務官補佐)のチームが、主役の半分
・もう半分の主役は、オリキャラ3人のチーム
1)執務官:
40代女性。空戦AA-。執務官歴は長いが(なぜか)平クラス。オリキャラチームのリーダー的
存在。
2)執務官補佐: (メインの主人公?)
19歳男性。ただし小柄(身長160cmちょっと)で女顔のため女性と頻繁に間違われる。
空戦AA+(陸戦AAA+)。1)の執務官に付いて約2年を過ぎたところ。祖先は(なのは,はやて,
ゲンヤと同じ)第97管理外世界の地球の中国出身で、代々家に伝わる中国拳法系の体術
(武器を使った格闘も含む)を得意とする。
3)特別査察官:
40代女性。総合AA。1)の執務官と訓練校時代からの腐れ縁の旧友。
通常、査察官は管理局内の査察が中心で、管理局外の事件を担当することはまずないの
だが、彼女はある事情から今回の事件に関わることになる。
・スカリエッティ&1,3,4,7の収監組が、突如収監されていた部屋ごと切り取られたように失踪・・・
消えてしまう(それ以外の被害は各軌道拘置所には一切なし)
・スカ達5名の失踪事件を、フェイト達とオリキャラ達の2チームで合同捜査することに
・スカ達を誘拐・・・助け出したのは、謎の科学者(男性、外見は20〜30代程度)、そして助手の
女性(外見は20代)と4人の女性(実働部隊。外見は20代)・・・この6名のオリキャラ+既出の1名
の集団
・オリキャラ達(執務官&査察官)は、以前から複数の「違法研究者の謎の失踪事件」を追っていた。
・途中から、開発コード「アンリミテッド・デザイア」を始めとする管理局最高評議会の謎のプロジェ
クトの影が見え隠れしだす
・スカ達の最後(特にスカ,1,2,4)は、BADENDの予定。(スカやナンバーズファンから罵倒されるかも)
・途中および最後にミッドチルダ海上の隔離更正施設(更正組ナンバーズが受講中)が舞台として
出てくる
オリキャラが多すぎる等でこのスレに合わないということでしたら、別の場を探すことにいたします。
――――――前兆は穏やかに。
「……次元世界全体に、不穏な動きがある?」
『多分、把握してるのは多世界で現場に出てる執務官だけだと思う。それぐらい些細なものなんだけど……』
「その様子やと、知らんみたいやな……不穏な知らせや。あたしもこれだけやったら、別に大したことないと思うとってんけど……」
『……何?』
「ついさっき、収監中のジェイル・スカリエッティが死亡した。死因は不明。外傷がないのだけははっきりしとる。
何か、関連があるかも知れん。二ヵ月後にはカリムの予言が出るから、それが鍵やな……」
「フェイトちゃん。予言、出たで」
『……解釈は?』
「六年前と同じか、尚悪い……しかも、今度は『敵』に目立った動きが無い……最悪や」
『大丈夫だよ、はやて。ゆりかごの時よりいい要素もある』
「せやな……あの事件のおかげで、局の中での予言の重要性が増しとる。機動六課の再結成……やれるで」
『ティアナはもう一人前の執務官だし、スバルも、エリオも、キャロも、みんな強くなってるからね』
「それに、更生したナンバーズもおる。教会に行ったセッテ以外はいける。今のあたしがやれば、リミッターもいらん……なのはちゃんがB以上出せへんのは、痛いけどな」
――――――そして再び、力は集う。
「あたしとスバルがあんた達三人の上司、と……異論は?」
「テメエに頭下げるのなんざ死んでも御免だこのバカ女。二人で二乗なら近付きたくもねえ。
……わ、ちょ、何しやがるディード! 無理矢理頭押さえつけるんじゃねえっ!」
「……」
「黙って首振るだけかディエチ、助けろっ! ……勝ち誇るなそこのハチマキっ! ついでに言うが姉と呼ぶ気もねえからな!」
「あれ? 昨日ギン姉の前で真っ赤になってもの凄いつっかえながら、『あ、姉貴……』って呼んでなかったっけ?」
「〜〜〜ッ! あれは気の、気の迷いだ! あんなのあたしじゃねえっ!」
「じゃあ、僕とキャロが隊長副隊長ですね?」
「あたしがセンターで、チンク姉とエリオ君がツートップ。オットーとキャロが上空から火砲支援ッスか?
二人もそれでいいッスね?」
「ウェンディ、曲がりなりにも上司に対して君付けと呼び捨てはどうかと思う、と口では言っておこう……姉として」
「そうだね。ボクも気をつけなきゃ……一応」
「……ねえエリオ君、躾って大事だと思わない?」
「はン、多少は強化されてるみてえだが、ガジェット程度じゃ相手にもならねえよ。何考えてんだ『敵』は?」
「そうだよねえ。AMFはもう解析されてるし、戦術も確立されてる。有効打にならないのは、相手も分かってる筈なのに……」
「何の意味も無い行動……時間稼ぎ? だとすれば、敵の出現を捉えるしかない。けど」
「転送されて来るし帰って行かないから、できない……」
「……ひょっとして、結構ヤバいッスか?」
「何、あの新型……」
「姉が行こう。一撃当てて、反応を見る」
「あれ、ちょっと、ノイズが―――」
――――――ゆっくりと、落下していく物語。
『シャマルさんとザフィーラが、いきなり、消えて……ッ!』
『対機人用の、行動抑止兵器……んなモンを、どこのどいつが作りやがったんだ……!?』
『通信に介入されている……ロングアーチ、聞こえるかッ!』
「……どこから守護騎士プログラムの自壊コードが漏れたんや! 誰が戦闘機人の情報を漏らしたんや! 通信の暗号化技術までっ!」
――――――予期せぬ敗北と、死。
『八神はやて……本当に愚かだね、君は。君達『機動六課』は』
「おまえは……」
『まさか、私のクローンが十二体だけだと思っていたのかね?』
「あなたは……」
『何体でも作れるし、隠し場所には事欠かない……なら、予備は用意しておくものだろう?』
「貴様は……」
『では始めよう。今度こそ、エンドロールは君達の敗北に飾られる』
「「「ジェイル・スカリエッティ!」」」
――――――再び現れる、最悪の敵。
「あらら、初撃でぶっ壊れちまいましたか?」
「テメエ、ら、戦闘、機人……!」
「そうだよ九番。あたし達六人はおまえと同じ、戦闘機人さ……まあ、強さから何から別物だがな。一緒にするなよ?」
「ドクター。不良品の旧式どもは、ジャンクにして構わんな?」
『ああ、存分にやりたまえ』
「初めまして、お姉様方、お兄様。種違いの妹達と弟が、ご挨拶に馳せ参じましたわよ?」
「ユニゾン、デバイス……? 四体の使い魔……まさかっ!?」
「そして……さよなら!」
「白いバルディッシュと、魔力変換資質……君は、一体……」
「おやおや、思い当たらないのかい? 君自身もまた、僕と同じ出自を持つのに」
「……!」
「クローンを作るのに、何も年齢、性別を揃える必要はないでしょ?
僕もまた、アリシア・テスタロッサのクローンなんだよ。それも、男性として創ることで機能を戦闘に特化させた、ね」
「まさか、あの戦闘機人達も……!」
「そうさ。六年前の聖王もどきのお陰で、遺伝子サンプルを手に入れる機会は山ほどあったからね……でも、正直期待外れでしたよ。
胎違いとはいえ僕の姉が、こんな間抜けだったなんて、ね!」
「何の、悪い冗談や……! 拳と槍で前衛が二人に幻術使いと召喚士のフォーマンセル、その上にツーマンセルが二組と、ユニゾンデバイスを使う広域攻撃担当が一人……
あの時の……スカリエッティを倒した機動六課そのものやないか!」
――――――悪夢の鏡じみた敵達が、彼女らを責め苛む。
『こちら、本局……次元航行部隊、だ。応答を頼む……』
「……クロノ、君? 一体、何が……!」
『なの、は……? 後遺症で前線から引いた君が、何故……
いや、それはいい。簡潔に伝えるからよく聞いてくれ。
―――本局は、壊滅した……!』
「そんな……どうして!? だって本局には……」
『内部に食い込んだ裏切り者がいたんだ! 艦の機関に細工された。クラウディアももう持たない。
だから、覚えておいてくれ。管理局を裏切り、スカリエッティと手を組んだのは―――』
「……最初っから、おかしかったんや。何か行き詰る度に、都合よく情報が現れる。
機動六課は真実を追っているようでいて、ただ誘導されているだけやった……!」
「自分を賢いと思ってる人を騙すのは、簡単なんだ。真実を見破っていると思えるように、嘘を蒔くだけでいい……基本だね。
全く、見破れなかった自分が情けないよ。幾らレアスキルと言っても限度はあるのに……」
「見つけ出したの真実は、用意されたものでしかなかった……そういうことなの?」
>343
トリつけてくれ。NGワードに登録するから。
『カリムさん! ヴェロッサさん! そんな……どうして!?』
――――――そして、裏切り。
「あかん、完璧に裏を掻かれた……もう、本局からの援護は期待できん!
地上にある戦力で対応するしかない……どうすればええんや!」
「―――充分だろ。
あたし達はゆりかごの時も、そっちの半分もねえ戦力であんだけ撹乱してたんだ。
ドクターが無血開城とか寝言言い出さなきゃ普通に勝ってたぜ、あれは」
「聖王の騎士団っつっても精々二百人ちょいッス。横槍さえ無けりゃ何とかなる数ッスね」
「到着まで二日……時間は充分……」
「何を言って……まさか、その間に私達だけでスカリエッティを潰す気……!?」
「当然だ。それ以外に解釈出来るなら姉に言ってみろ」
「無理だよ。ヴィータもシグナムもザフィーラもシャマルも居ないんだよ?
幾ら何でも、戦力が無さ過ぎる。せめてあと四人、AAランク級の魔導師がいれば……」
「あるッスよ? 戦力のアテ」
「―――え?」
「おいおい記憶力悪過ぎだぜフェイト執務官。人の姉ひっ捕まえといて、どこに叩き込んだかも覚えてねぇのか?」
「「「「……あ」」」」
「我々に、協力する理由があるとでも思っているのか? むしろあちらに協力するぞ」
「スカリエッティの戦闘機人は、もう二世代先のが出来とるよ。
あんたらがノコノコ顔出しても、屑鉄にされてキロ200円でお払い箱や」
「ふん、そんな妄言を信じるとでも……」
「マジだぜトーレ姉。チンク姉が死んだ……粉微塵になって、だ」
「……何?」
――――――かくして、反撃は始まった。
昨日の流れを見て、むしゃくしゃして書いた。今は反省している。
何この……何? これでようやく前半。書き切れる気がしねえorz
後半がスーパー○○タイム連発になるなあ……
まぁそのなんだ、最後まで頑張れ
349 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 23:30:48 ID:lNwCD4fg
最近読み手側にツンデレが多くなったなあ
何を言いたいかというと
つまりはアリサとゲボ子は俺のもの
クールビューティsgmnは俺の嫁
>>350 sgmnなんてくれてやるさ。
実はツンデレのsgnmは俺の許嫁
>>343 さっさと書いてうpすればいいのに。
そんなに自信がないなら自分でサイトつくって載せりゃいいだろ。
おれもNGワードに入れたくなったわ。
>>347 うん、その、何だ。
正直、他は割とどうでもいいがノーヴェに萌えたw
てか、そのトリはまさかクロスSSスレの……あっちを先に完結させて下さいorz
>>350 sgmnをさげまんと読んで、暫く『誰だよ?』と悩んだ俺の時間返せ!
>>347 ここでオリ主をやるとはチャレンジャーですねぇ。是非完結させてくださいね!
ここはオリキャラメインに厳しい傾向ですが、頑張ってください!
>>353 確かに、予告編をやるよりかどんどん書いて上げ続けるほうが支持しやすいよなぁ
>>350 そんな人いたっけか?
間違えたってんなら一閃されますよ?
>>347 GJと言わせてもらおう……
で、ここだけの話、エロはちゃんと用意してあるんだろ?
メアリー・スーが最近の流行なのかな?
>>282 極限まで極めすぎて目指すものが無くなって銃で自殺するなのはさんが出てくるのでやめてw(須田の原点のファイプロSPECIALより
さげまん……いいね。次にシグシグをからかう時に使わせてもらおう……
>>344 セッテはセインの間違い?
ユーノの出番……
いつも通りこっそりと……朝刊どす〜w
さて……うまくできるかわかりませんが。
※注意:冒頭1段落、嬲りものシャマルさん。
なかなか先に進まないけど……いいよね……?
[八神さん家とクライド君][陵辱シャマル?]
豊かな肉体を黒い薄い衣服に包んだ端正な顔立ちをした金髪の女性が、管理局の武装局員に両腕をそれぞれ2人に捕まれて、
虚ろな瞳のまま力を抜いてぐったりと俯いていた。
「おら、顔あげろよ」
他の一人が髪を掴んで顔を上げさせると、汎用デバイスの先をその綺麗な頬に突きつける。
「あ……」
恐怖に怯え、わずかでも救いを求めるような声を漏らすが、それに返ってきたのは男達の淫靡な頭の悪い笑いだけだった。
目の前の男がむき出しの下半身を押し付けると、嫌そうに顔を背けたがチャキ、と乾いた音がして首筋に青い宝玉のついた武器を添えつけられた。
「殺すぞ?口開けろよ」
嫌がりながらも口を開くと、膨れ上がった男性のモノが遠慮なくぶち込まれる。
「んーっ!」
「ひょー、たまんねえぜ、歯を当てるなよ?」
しっかりと脅しながら、無理矢理頭を手で前後させる。
「おい、そろそろ服破いちまえよ」
囃されて、さらに何人もの男が後ろから取り付き、びりびりと薄い衣服を引き裂いて剥いでいく。
涙目の彼女の白い肌が、ある程度露出すると、ある2本の手が胸に、ある2本の手が股の間をずりずりとまさぐりはじめた。
「うわ、まじやわらけえな。本当にプログラムか?こいつ」
「あーもう、ぶちこんでいいか?」
「おい、だれか水でいいからもってこいよ」
どこからか差し出された水を、臀部からその間にどくどくと零して無理矢理手の平で濡らす。
両の腕もつかまれ、腰も持ち上げられわずかな抵抗も許されず、後ろから突き入れようとされたが、最後の抵抗とばかりに入り口を固く閉ざしていた。
「おい、こら、開けろよ」
じゃきり、と今度は何本も突きつけられるデバイスの先端。諦めて彼女が本当に力を抜くと、即座に太い男根でいきなり貫かれた。
「んーっ、んー!」
いきなりの交わりでさらに心を閉ざしたままの彼女に快感などあるはずもなく、ただただいくつもの手に蹂躙されていく。
何度も何度も前と後ろから突き込まれ、頬にも確かに涙が伝っていたが、憐れみすら得られないどころか、さらに欲望を加速させられる。
「あーもう、たまんね、だしていいか?」
「ああ、後がつかえてんだ、がんがんだしちまえ」
そんな言葉が聞こえて嫌そうに首を振ろうとしたが、それすらも手で押し付けられ、大きなモノをずりずりと動かされるだけ。
後ろの男が、ぱんぱんぱん、と数回腰を叩きつけるうちに限度に達したらしく、びくり、と震えてから何の躊躇いも無く膣の中へと白濁の液を吐き出した。
「っ……」
ほぼ同時に前からの男からも射精され、口の中を苦い液体が満たすが、頭を押さえつけられさらに過酷な命令が聞こえた。
「こぼすなよ?全部飲め」
何とか飲みきった後、引きぬかれてけほっ、と咳き込んだが、さらに違う男根を押し込まれ、呼吸すら満足に許されない。
後ろから聞こえてきたのはさらに過激な嬲りの作為。
「後ろの穴にも突っ込んでいいんじゃね?」
「ああ、じゃこれでいいんじゃ?」
とデバイスの持ち手を申し訳のように水で濡らすと、性器ではない方の穴にいともたやすく差し込まれる。
「んー!」
本当に痛そうに悲鳴を漏らすが、全く聞こえなかったかのように棒を動かされ、さらに後ろからもまた違う男根で激しく突き上げられ始めて――
がば、とそこで荒い呼吸と共にシャマルが飛び起きながら目を覚ますと、まだ薄暗い八神家の彼女の自室のベッドの上だった。
「夢……」
蒼白な顔に自身の片手を当てると、少しずつ呼吸を落ち着ける。
「今更……なんでこんな夢を……」
その後、嫌な汗と記憶を流しに、軽く浴室で湯を身に走らせてから少し冷たいキッチンに入ると、先客がことこととすでにコンロを使っていた。
その隣にとん、と身を運んで覗き込むと、黒髪のエプロン姿のクライドが優しく微笑んでくれる。
「おはよう、シャマル殿」
「おはようございます」
と、彼女もまたにっこりと微笑む。
この瞬間が、毎日彼女はたまらなく好きで、ずっと続けばいいのにと思っていることは、まだ誰にも秘密だった。
「ん……少し赤いようだが、大丈夫か?」
そっと頬に手を添えられて、その暖かさと夢見の悪さから、その指に何もかも忘れてしゃぶりつきたくなるが、
場所と、主への遠慮からなんとか踏みとどまって、言い訳を返す。
「あ、はい。少し、シャワーを浴びてきただけですから」
「そうか……だるいようだったら、私がやっておくから、眠っていていいのだが……?」
「いえ、大丈夫です」
そこでクライドも手を離すと、そうか、といつものように分担を割り振りつつ朝食の準備に取り掛かる。
しばらくして、まだぼーっとした顔で部屋着に着替えたてのはやてもキッチンに顔を出す。
「おはよう……シャマル、クライドはん……」
「おはようございます、はやてちゃん」
「おはよう」
「ん……」
と、彼女もキッチンの椅子になんとか座る。
シャマルが持ってきてくれたホットミルクをゆったりと飲みながら、再び朝食の準備を始める2人を後ろから見ていると、
まるでどこの新婚さん?と言わんばかりの距離感だった。
「……」
一昨日、昨日は実はもうクライドに鍵を預けて本格的に留守番を頼んでいた。
勿論、クロノの人となりからしても、かの人の父親であれば――とこれ以上信頼できる人物はそういないと言い切れるからこその処遇であるのだが。
彼も当然の如く、器用に何もかもこなしてくれて(洗濯以外であるが)、昨日に一家が帰ってきたときなど、
家中が信じられない位に磨きあげられ、外観も中も新築と見まごうばかりの手の入れようであった。
その間も一家に自然に溶け込み、ヴィータ、シグナム、特にシャマルとは役割が近いこともあり、
連れ立ってシンクで洗い物をしているときなどは後ろから見ていれば、現在のようにどこの新婚さん?と突っ込みたくなるほど仲睦まじい。
そして、仲良く朝食の準備をしている2人の後姿をみて、ふとはやては焦燥を感じた。
(あかん、このままじゃシャマルにとられてまう!?いや、そんなむきになることやあらへんけど……
このままじゃリィンに申し訳がたたへん!多分!)
自分でも良くわからない動機付けを得て、今日が休みであることをいいことに挽回を期す。
さっそくとばかりに皆で揃った朝食の今日の予定を立てるタイミングで、隣に座って目の前で食べている小さいリィンUに取り分けてくれていた、
綺麗な黒髪の人に提案を持ちかける。
「あ、あのクライドさん、実はちょっとお願いがありまして」
「ん?」
何事!?と全員の視線が集まるのはいうまでもない。特にシャマル。
「実はここ、クラナガンに引っ越してきてから、ずーっと仕事詰めで、実はあんまりようこの町のこと知らんし、その、
できたらちょっと案内して欲しいかなー、なんて……」
今日は全員揃ってお休みであることも知っているし、またはやてのそれなりの想いもなんとなく大人の余裕で受け止めて、快諾する。
「ああ、いいですよ。ちょっと買出ししたいものもありますから」
「ほ、ほんまに!?」
「うん、俺も久しぶりにこの街を歩いてみたいからね」
「おおきに!」
手を取って喜ぶはやてに、シャマル他一同もまあいいかなと納得しながらも、主をかばいつつまた誰も傷つけない一言一言の手腕に、
内心さすがだな、とはやてを除くほぼ全員が舌を巻いていたのも嘘ではなかった。
一家全員に見送られて、どうみてもデートだろうと言わんばかりの格好で家を出る二人。
クラナガンの空は良く晴れていて風もあり、おでかけには絶好の日和だった。
はやてはちょっと派手かな?とも思いつつも薄い黄色のハーフジャケットに中は可愛らしい白と、それにあわせた白いミニスカートと、いつものクロスした髪留め。
胸が結構強調されて、スカートの裾の短さも相まって、ちょっとどころではなく実は結構過激であった。
クライドの方はといえば、黒ジャケに黒インナー黒ジーンズと真っ黒であったが、彼らしく細身が強調されてかなり若く見える。
はやてが腕に手を絡めると、全く嫌がる風も無く微笑んで受け入れてくれたので、彼女もまたえへへ、と少し頬を染めてゆっくりと歩き出した。
――そして、楽しい一日になる、はず、だったのだが――彼女は大切なことを忘れていた。
〜次回予告〜 [街は危険がいっぱいなの!?」
`,、'`,、('∀`)'`,、'`,、この長さで切り違えるとかもうね……
ほいではまたノシw
>>293 それ凄くエロそうだ…エリオが泣きながら謝り、なのは達は「エリオは悪くない」って慰める
そして三人の初めては同じく初めてのエリオの股間のストラーダによって貫かれ、徐々に快楽に溺れていき、気が付いたら三人ともエリオの子を孕み、臨月と…
>>367 今日も朝刊の配達乙&GJ!
なんか楽しそうな次回予告で待ち遠しいぜw
>>368 ==- 、
|ー^ヘ 7
|ハヽiY ユルサナイ…
| -゚ノlル
⊂ |
| .|
|∪
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>367 GJ!!いつも朝刊配達ご苦労様です。
クライドとはやての50歳(?)と19歳の年の差デート
次回も楽しみです。
>>343 個人的には読みたい。だが、結論から言うと、そこまで練っているんなら、
なのは系、あるいは一般の投稿サイトに投稿したほうが良いと思う。
オリキャラ多数で、エロより事件中心となると、ここでは支持されないかも
最近はなのはSSを投稿できるサイトも多いから、投稿先に困ることはないし。
>>343 オリキャラがいる時点でここでは嫌われる
投稿場所変えた方がいいと思うよ?
何言われても気にしないならいいけど
>>371 グレアムさんが会ったら、泣き出しそうな気がするな
一人くらいかつ目立ち過ぎなきゃカドも立たないだろうけど、多人数かつ目立ちまくりじゃな
……クロノ父はメアリー・スー扱いされないんだなw
ギリギリだな…
まあグリフィスとかルキノとかラグナとか使う場合も似たようなもんだけど。
というかこれ言い始めたら3期新出の脇役全体にまで話が及ぶしな…
まぁ、悪いが読まない人も多いだろうね
どーでもいいが、ヴォルケンビッチはみんな相手がいるんじゃなかったのか?
それとも家族がビッチは序盤ではやてが寝ぼけてただけ?
>>379 なんで、違うSSの設定を引っ張っるんだ?
SSごとに設定とか違うのはあたり前では?
>>376-377 わかった!
つまりこういうことか
主人公:ヴァイス
ヒロイン:ティアナ
<粗筋>
失敗・敗北・挫折・絶望を味わいつくし、栄光ある武装隊から輸送ヘリパイロットになった男。
周りを取り囲むのは才能溢れた年下。屈辱・焦燥にかられる執務官志望の魔法少女。
新設された部隊で二人は出会う……。
(エロシーン有り有りで)
>>381 以前投稿されなかったっけ?ヴァイス×ティア物で
>>380 それもそうだろうが、はやての独り言から推測して
前回の設定を引っ張っているという帰結にたどり着くのは
ある意味しょうがないんじゃない?
>>368 すごく・・・見たいです・・・
いずれその三人の子供が世界を救うという電波がきた
385 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 17:00:07 ID:7MvhhCrh
某サイトにて素晴らしきヴァイス×シグナムSSを読んでから妄想が止まらん。
供給は無いのか…
>>385 まずはsageよう。さすれば職人が降臨する。……かもしれない
と、ときにその某サイトとはど、どこのことだね?
>>384 敵に孕ませられるんじゃなくて、弟のような少年の子を孕まされるという外道な行為に
俺はとても興奮してしまうよ
>>387 それで、孕ませられる側に彼氏がいたりすると尚更最高だと想う俺は外道か。
>>388 確かにな…
上で書かれてるように救出された時は臨月とかだったら後は産むしかないという背徳的な…
興奮度が倍増するぜ
誰だ!? 俺の脳味噌に
「キャロえもん のヴィータと戦闘機人兵団」なんて珍妙な電波を送った奴は?
>>343 書け書けかいちまえ
何だかんだ言ってここでオリキャラ出る話はけっこう多い
のヴィータにお茶噴いたwwww
キャロえもんww
>>390 のヴィータwwwwww
リプトン返せwwwwww
>>390 キャスト
ドラえもん…キャロ
のび太…ヴィータ
ジャイアン…エリオ
スネオ…シャマル
しずかちゃん…ヴィヴィオ
リルル…ディエチ
ミクロス…ザフィーラ
ロボット隊長…クアットロ
ザンダクロス…なのはさん
>>395 というか、なのはさんがザンタクロスなのに吹いた。
ザンタクロスwww
腹からビーム出すだけで使えないwww
工事ロボなら削岩機くらい腕に搭載して欲しかった…
>>395 のび太とジャイアンのキャストを逆転してもらいっス
>>397 なのはさんの脳みそを針でいじくり回すキャロの姿が頭をよぎった
ここの小説、保管庫のどこにあるのですか?
>>399 それじゃ「のヴィータ」にならないw
むしろ白一点のエリオをしずかちゃんポジにして、これでどうだ?
ドラえもん:キャロ
のび太:ヴィータ
しずか:エリオ
ジャイアン:ヴィヴィオ
スネオ:リィン
ミクロス:アギト
ロボット司令官:クアットロ
リルル:ルーテシア
ザンダクロス:ハクテンオウ
ドラえもん…キャロ
のび太…エリオ
ジャイアン…ヴィータ
スネオ…ティアナ
しずかちゃん…ヴィヴィオ
リルル…ディエチ
ミクロス…ザフィーラ
ロボット隊長…クアットロ
スネ吉…はやて
ザンダクロス…レイジングハート
スネオ役がどうもしっくり来ない
ウェンディが似合うと思うんだが戦闘機人兵団だしなあ……
405 :
343:2007/11/12(月) 21:34:31 ID:n/EVSqP+
皆さん、色々とレスありがとうございました。
やはりオリキャラがメインで多いのと、あと書き忘れましたが今のところエロな展開の予定がない
ということもありますので、このスレへではなく別の所に投稿か掲載することにします。
私の発言のせいで波を立ててしまいまして、申し訳ありませんでした。
406 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 21:38:59 ID:8e9fMl/X
お前らよく考えろよ、ジャイアンであるエリオがのヴィータをいじめるんだろ、勿論性的な意味でwwww
>>405 まあここはエロパロ板だからねえ。エロい作品ができたら投稿してみてちょ。
ところで、ここの住人的にスパンキング(おしりペンペン)ってOK?
・なのはが、聖王の鎧で暴走したヴィヴィオを
・プレシアが、ジュエルシード探しに失敗したフェイトを
・大昔の冷酷シャマルが、言うことを聞かないヴィータを
・ティアナが、セクハラしたスバルを
・シスターシャッハが、脱走したヴィヴィオを
・シスターシャッハが、いたずらをしたセインを
・シスターシャッハが、ヴィヴィオの教室を覗いたユーノを
っていうシチュが浮かんだが、どうもバカな自分ではストーリーが作れない orz
あっ、シスターは平手ではなくてヴィンデルシャフトで叩k
保管庫のヴィヴィオが酒飲んだ話でしてたからいいんじゃない?
>>395 なのはさんの役が魔界大冒険のラスボスしか思い浮かばないんだが・・・
>>410 おしりペンペンと聞いたら、おいたをしすぎたレジアス中将をミュゼット婆ちゃんが、って思い付いたぜ
見たいような見たくないような…
それとシャッハがユーノに…だと、途中でいつの間にか、なのはがユーノをおしりペンペンしてそうだ
ユーノがなのはをバックから攻めて尻叩いて羞恥心を煽ると申したか
いや、ナニを生やしたなのはが、ユーノをバックから攻めて、尻叩いて羞恥心を煽ると申した。
>416
それはカンベン願いたいな。
ある朝起きたらナニがなくなっていたユーノが
同じく起きたらついてたなのはさんにこれ幸いとばかりにry
ってのは混線か
ユーノは犯れてこそ価値があるんだよ!
逆に
攻めに定評のあるクロノは正に
犯るということに価値がある
>>419 やっべ〜〜〜
なんてエロすぐる表情をしているんだ、なのはさん!
GJw
>>419 ご主人様に陵辱されてこその人型使い魔だからな。
>>419 どうみてもふたなり美少女同士がからんでるようにしか見えない。
鬼畜な同級生に攻められるもの静かな文学少女(ひんぬー)だな。
>>423 履かせたに決まってるじゃないかあ…
どっかで女装ユーノきゅんを犯しちゃうなのはさん本があったな
なのフェでも攻めが多い印象があるな
>>419の人気に嫉妬
まぁ、さすがにスレ違い気味だ
だがこのイラストが挿し絵だと言い張れるようなSSを書けば大丈夫
というわけで疾く書かれよ
っつーか、書いてくださいお願いしますorz
お前ら、そんな女装美少年が好きか。
俺?大好きだけど何か。
女装してるのに絶倫な美少年って最高だな。
普通は女装している美少年を「そんな格好して恥ずかしくないの?」と攻めるのに、ユーノの場合は「こんな格好している
僕に犯されて感じて恥ずかしくないの?」とかってバックでガンガン攻めながら聞くような印象がある。
ユーノお姉さまとお世話係のキャロというのが浮かんだ
>>432 そうそう、そのみy(ryとかわt(ryだ。
しかし、アイドルあ○こにまで手をだした俺は帰ったほうがいいかもしれん・・・・・・。
しかし、クロノも女装したら似合いそうだよなぁ・・・・・・。
某大○字九○みたく。
ユーノとお互いがお互いに女装だと気づかずにドキドキしてしまう展開を望む俺。
そろそろ801にでも移動すれ。
はっ、しまった!これは某医務官の罠かっ
計画通り
{ヴァイス}{ティアナ}{微エロ有}{モブにオリキャラ}{StS後日譚}
連続ものの三話目を投下します。
Long-distance ―銃口と標的の間―03
第三話 「仮家族試運転中」
第一話 「相性と性癖(クセ)」と
第二話 「射程距離外の長距離恋愛」は前スレ(36)にあります。
ロンデス(タイトルがわかりにくい、と反省してます)その3 今回、少しドラマ重視です。
わかりにくいネタがあったら、無理に笑い所を探したりせずスルーしてください。ごめんなさい。
あと、ちょっとラグナを作りすぎたかもしれない(反省)
Long-distance―銃口と標的の間―03
{ヴァイス×ティアナ}{微エロ有}{モブにオリキャラ}{StS後日譚}
内装らしいものが何一つないコンクリートむき出しの廃墟に、光り輝くような美女が
立っている。
フェイト・テスタロッサ・ハラウオン。本局次元航行部隊きってのエリート魔導師。彼
女は篭城事件の「交渉人」役を引き継ぐために現場にやってきていた。
時空管理局派遣の交渉人が犯人側に寝返るという前代未聞の大失態。
混迷する事件を解決するため本局は最高の、そして最後の「切り札」をきったのだ。
「小隊長、状況の説明をお願いできますか?」
入り口付近に突っ立ってあくびをしていた小隊長は、フェイトにそう言われて、不承
不承、
「……俺の仕事じゃねんだけどな。そーゆーのは」
とボヤキながら、端末を立ち上げた。
到着後、対策本部を飛ばしていきなりヴァイスのところにきたフェイトには、現地の
最新情報を検索する方法がない。
ここに居る人間でソレができるのはヴァイスの上官で小隊長の彼だけである。
「かんべんしてくれ。なんでこんなことになるんだよお」
さらにボヤキながら図面と事件の進展を時系列にならべた表を呼び出す。
―ーしかし。
「……小隊長。これはどういうことですか?」
フェイトは眉をひそめた。
テロリストが立て篭もる城館の建物部分が墨でも塗ったように『真っ黒』だったので
ある。
『猫背』は頭をかきながら、めんどくさそうに答える。
「ご覧のとおり。中の状況は全くわからんのですよ」
建物の配置と大きさがわかる平面図はあった。航空写真と照らし合わせれば建物
の区別はできる。山の稜線にある一本道を伝って、冗談のようなサイズの城門に入
り、居館(パラス)に至る。三層の塔の屋上にはヘリポートがある。――しかし、建物の
中は全く描かれていない。『城』に関する情報は外観の観察によって得られるものだ
けで、間取りや通路といった肝心の内部の情報が全く無いのである。
「屋内の見取り図がないのは何故ですか?」
という問いに返ってきた返事は
「建て増しに次ぐ建て増しで、最新の間取りがどうなっているか現地の大工にもわから
ねえんですな。これが」
あまりにアナログな返答――ありえない。ここは辺境とはいえ魔法文明の中心世界
ミッドチルダなのだ。それが「大工に聞き込みをしたがだめだった」とはどうにも解せな
い。フェイトは重ねて問いかける。
「待ってください。エリア・サーチは? やっていないのですか?」
「やろうにも出来ないんですよ。……建物の中では魔法は使えません」
今度はフェイトはもう何も言わなかった。ヴァイスも黙ったままだった。問いただすべ
き事柄ではあったが、彼らが一番聞きたくない事柄でもあった。話が進まないと思った
のだろう。『猫背』が心底忌々しげに言った。
「AMF――アンチ・マギリンク・フィールドを張っていやがる。魔法はキャンセルされ、く
わえて犯人側には魔法の使用を感知する手段があるらしく、探査・攻撃にかかわら
ず、魔法の発動を確認しだい人質を殺すと宣言している」
――解放された人間を順番に聴取して、ようやくわかったことであるが。
ここの城の主は何年か前から何かに憑かれたようにセキュリティに懲りだした。こと
に魔導師の襲撃を恐れていたらしく、どこからか魔法が一切使えなくなるという触れ込
みの『結界兵器』があると聞きつけた。
何しろ金だけは腐るぐらいもっているやつだ。そして金に糸目をつけなければなん
でも手に入るご時勢である。城主はどこからか、稼動する『AMF兵器』を購入して、そ
れを自分の『城』に備え付けたということ、らしい。
「具体的にどのようなAMF兵器か? また入手経路についてはいかがです?」
フェイトが尋ねる。『猫背』の小隊長は首を振った。
「そいつは当の城主に聞いてみないとわからんらしいです。
だいたい、そっち(入手経路)の方は現場のわれわれより、テスタロッサ執務官の方
がご専門でしょ?」
興味なさそうに『猫背』がいった。そして、それこそ日向の猫のようにだらしなく半分目
を閉じて続ける。
「あの『城』には水・食料はおろか複数の発電機まであって、補給線を断つ事もできま
せんのでね。例の交渉人が中に入って単独交渉して人質解放させるまで、犯人の人
体・人数・装備はおろか、人質の正確な人数さえもわからない……と、まあ、はっきり
言えばお手上げだったワケでして」
転がっていたパイプ椅子を引き寄せて「ちり」を払い、「よっこらしょ」などと爺むさい
掛け声をかけて腰掛けながら『猫背』が、ほんの少し沈んだ声で言った。
「包囲して5日。俺たちはそろいもそろって弁当食いに来たようなもんさ。
一人前の『仕事』したのは、あのちっこい執務官補佐のお嬢だけだよ」
フェイトは小さく息を吐いて、窓際の狙撃手を見た。
「ヴァイス。このことは?」
「いいや。全く」
お前がブリーフィングに出てくりゃ話したよ、と猫背の小隊長がむくれた表情で言っ
た。しかしヴァイスはそれを無視し、「ですが」と言葉をつづけた。
「見当はついていました。リストに『ゆりかご』戦で見かけた名前が多かったし、肝心な
ポイントにはバリアブル・ショットが出来る射撃屋が配置されていた」
交渉人の執務官補佐からしてシューターあがりのAMF状況下戦闘経験者。
「俺がここへ呼ばれたのは、そのためだろうし……」
ヴァイスは『城』を見たまま、
「それがアイツが城の中へ入る事を選んだ『理由』だろうな、とは」
Long-distance ―銃口と標的の間― (ヴァイス×ティアナSS)
第 三 話 「 仮家族試運転中 」
一夜あけた翌朝――二人の休暇(いっしゅうかん)初日。
ぱたぱたと軽い足音が彼のマンションを駆け回っている。それが年の離れた妹のも
のだとはわかっていたが、さりとて起きようという気にならなかった。当直明けにも関わ
らず、一晩中重労働したせいか、四肢に力が入らない。なにしろ彼は二日間あわせて
2時間ほどの仮眠しかとっていない。まあ、二晩目はつい勢いあまって朝までヤッてし
まった結果なので、自業自得といわれれば、返す言葉もないが。
「もー、お兄ちゃんっ! いつまで寝てるのよ」
ラグナ――ドア越しに、最近、彼の部屋によく顔を出すようになった妹の声が聞こえ
る。今日は朝から来ていたらしい。そういえば昨日食事をした時に朝から一緒に出か
ける約束をしたような気がするし、コトの途中に
『……こ、これ以上は、だめ……堪忍して。だめだってば! 明日は朝からラグナが来
るって……だから、ら、らぐ、うっ。ね、ねえっ、おき、られないから、もう寝かせて――
だって、はずかし、いや、そんなの、ちょっと、あ、まって、いや、そこっ、ああ……また、
うそ、さっき、イったばっかりなのに、あ……ああっ……ああああっ』
なんて言葉も聴いたようなきがするが。――それはともかく。
「ラグナ。かまわないからシーツ、ひっぱがしちゃって。いつまでたっても洗濯物が片付
きゃしない」
洗濯機の回る音と一緒に、女どもの、やけに明るい声がした。
「そうだ! この機会にヤツの寝室を強制捜査(ガサ入れ)してやろうか! 令状なし
でもあたしが許す! ヤツのことだ。叩けばホコリがでるに違いない!」
「わかりました! ボス!」
口調は明るかったが、会話の内容は物騒だった。睡眠不足と重労働はあっちも同
じはずなのに、何でアイツはあんなに元気なんだろうか? ヴァイスは差し込む日の
光に顔を顰めながら、胸の中で愚痴った。とはいえ、このまま女どもに踏み込まれる
のも「兄」としての立場上、面白くない。
「だーっ。わかった。わかったから――起きりゃいいんだろ」
くそ。俺はこの二晩ろくに寝てないんだぞーなどとぼそぼそと呟きながら、ヴァイスは
もさもさと上半身を起こした。寝起きの頭は睡眠不足もあって霞がかかっている。ベッ
ドに入る前に、諸般の事情で服を全部脱いだから、今の彼は全裸である。
「らぐなー」
仕方ないので部屋の外にいるらしい妹の名を呼んだ。
「なにー? お兄ちゃんおきたの?」
ノブが回る。ゆっくりとドアが開く。
ヴァイスはあくびをかみ殺しながら、先日10歳の誕生日を迎えた妹に頼んだ。
「上から二番目の引き出しをあけて、俺のパンツをだしてくれ――ってのおおおおっ」
突如飛来した籐編みの洗濯籠に顔面を強打されたヴァイスは、台詞半ばでベットの
向こうに倒れこんだ。
全裸のままで。
「と、とと……と」
扉の前。ラグナの視線を遮るような位置に。
「と、年頃の妹になんて格好でなんて事を頼んでんのよアンタはああああああっ」
ヒヨコのアップリケ付きエプロンをして洗濯物を抱えたティアナ・ランスターが、まっか
な顔で仁王立ちしていた。
◆◇◆
「信じられない……」
「わるかったよ」
「――デリカシーって言葉、知ってる?……」
なんだかんだあって。
一切合財の洗濯物を放り込んだ洗濯機は、幾分いつもより重めの駆動音ながら順
調に回っており、ダイニングのテーブルにはトースト・ハムエッグ・大盛りのサラダに、
ホワイトグラタン。丸ごとのトマトやリンゴを持った籠などが並んでいる。
家人一同、それぞれ身の回りの準備やら掃除やらに一応の片をつけ、ようやく三
人そろって朝食を囲む段取りとあいなったが、テーブル周りの雰囲気は微妙にささく
れ立っている。
「だから、わるかったって。寝ぼけてたんだ。普段はこんなことはない」
「どーだか……」
焼きあがった後バターを塗ってもう一度オーブンに通す「二度焼き」で見事にきつね
色に焼きあがったトーストを「がしゃがしゃ。もしゃもしゃ」と、豪快な咀嚼音で噛み砕く
ヴァイス。
大盛りにしたサラダを几帳面に「レタス・キャベツ・オニオンスライス・プチトマト・パセ
リ」という具合に人数分の小鉢にミニサラダをつくるという、丁寧なんだか時間の無駄
なんだかわからないことをしているティアナ。
「――しつこいな。悪意あってやったことじゃないと何度も」
「犯罪者はみんなそういうの」
「誰が犯罪者だ」
二人は横に並んで視線をそらしたまま、それぞれの朝ごはんに没頭しつつ言い合い
を続ける。そこへ、首をすくめるような遠慮がちな姿勢で
「あの、裁判長……」
しゅた、とヴァイスとティアナの向かい側の席に座っていた少女が手を挙げた。
「えっと、おおむねお兄ちゃんの言動は事実に裏打ちされておりますので、余罪の追
及はなしでもよいのではー」
証言します。てな感じで二人を等分にみやりながらラグナが言った。
「普段はこんな破廉恥なマネはしていない、と?」
「はい……すくなくともわたくしの知る限りでは、ですが」
こんなに緩んでるお兄ちゃんは久しぶりですーと、証人兼検察官兼親族代表兼妹の
彼女。
「きっとお仕事の関係だと思いますが、よっぽど疲れてたんじゃないかと」
「……」
「……」
ティアナは途中で何かを言いかけたが「よっぽど疲れて」の部分でなんとなく黙る。ヴ
ァイスはそんなティアナをじっとりと湿気のこもった眼でみた。こう言っては何だが、昨
晩は相方だってけっこう積極的だった。アレを一方的に自分だけの責任に帰されるの
は納得が行かない。その自覚はティアナの方にもあるらしく表面上は平静をたもった
ものの、よく見ると眼の回りがホンノリ上気して、つつーっと、額から頬にかけて汗が
流れ落ちる――冷や汗だ。
「ま、まあ、検察官がそういわれるのであれば」などと微妙にあさっての方向をみなが
ら(取り分けたサラダを隣のヴァイスの前において)言葉を続ける。
「では被告人、いいたいことはありますか」
ヴァイスが(ティアナに取り分けてもらったミニサラダを受け取りつつ)反論する。
「だれが被告だ」
「あんた」
「即答すんな!」
「よおしっ! そうまで言うなら弁護士をよべ!弁護士!」
「いいわよ。――弁護人。付け加える事はありますか?」
「《nothing》」
「のおおおおおおっ すとーむれいだあああああああっ あんどゆーぶるーたすう!」
「……あんたがAI言語しゃべってどうすんのよ」
以降二人の漫才は、たいていの場合、食事が終わるまで続く。
「え、えっとお」
たった一人、ノリにおいていかれたラグナは、困って首を傾げてみた。
「こんなグランセニック家(仮)にあって、わたしことラグナは、ちょっと浮いているかもし
れません」
◆◇◆
「勝手に人のデバイスを手懐けてんじゃねえよ……たく」
両手を綿パンのポケットにつっこんで歩きながら、ヴァイスがぼやいた。
「あら、手懐けるなんて人聞きのわるい」
ティアナがヴァイスの襟元からこぼれた銀色のタグを摘み上げて笑いかける。
「ストームとはあたしはお友達だもんねー」
時々データの整理とか、ソフトの更新とかしてあげてるもんねーなどとのたまう。
「《Yes.――Thank you.Tear.》」
いつのまにか愛称で呼び合う仲であるらしい。
「………………けっ」
ヴァイスは舌打ちをした。出遭った頃の優位はどこにいったのか、最近はいいように
あしらわれている。心中そのままに不機嫌な顔をするヴァイスの背をティアナがぽん
ぽんと叩いた。
「ほらほら、こんなにいい天気なのにむくれないの」
朝食の後、ヴァイスは散歩に行くというティアナとラグナに付き合って近くの公園まで
来ていた。
彼は「昼寝しないと本気で体がもたん」とぼやいたが「公園の芝生で寝ればいいで
しょ」と引きずりだされたのだ。
どちらにせよ、シーツもタオルケットもバスタオルも、さらにソファーのカバーとカーテ
ンとかまで一切合財洗濯中なため、部屋では寝られないのだが。
「もーいいっ 俺は寝るっ」
ヴァイスはそう宣言すると、芝生を大またで突っ切り木陰で横になった。ラグナとティ
アナは二人で笑いあってその後を付いていく。
「あ、そうだ! わたし飲み物買ってきます」
ラグナが言った。ティアナは周囲を見渡したが時間が早いせいか、屋台やワゴンは
でていない。
「大丈夫です。少し歩くとおいしいアイス屋さんがあります」
「でも、それなら」
「お兄ちゃん、もう動きそうに無いし。ティアナさん、ちょっと見張っててください」
自分が行こうとするティアナの制止を振り切ってラグナが駆け出す。
その姿を見えなくなるまで見送ってから、ティアナはヴァイスの傍に腰を下ろした。
「……ラグナ、行ったか?」
「大丈夫よ。あたしもそこのスタンドは知ってるし、途中は概ね平坦で足元も明るい」
「そっか」
「往復、15分くらいかな。それ以上になったら迎えに行くから」
「ああ」
ティアナが、眼の不自由なラグナのために配慮してくれている事はわかっていた。彼
女は、ラグナに話しかける時、必ず正面に立った。近づくときは死角に入らないように
し、声をかけて注意を喚起し見える方の眼側から歩み寄って、コミュニケーションをと
った。
「でもね。あの子はもう大丈夫だって一生懸命アピールしているんだから、過保護にな
らないようにしなきゃ、ね」
だから、一緒に料理も掃除も洗濯も分担させる。一人で無理をしないように気を配り
ながら、ティアナは出来る限りラグナに仕事を任せた。頼りにされているとわかったか
らか、ラグナもとても楽しそうに手伝っていた。
本当に楽しそうに。まるで、実の姉妹のように。
すまない、といいかけてヴァイスは言葉を一度飲み込み、言い直した。
「……ありがとう、な」
「……どういたしまして」
吹き渡る風の音と一緒に、ティアナの返事が聞こえた。
「……」
ラグナのことでティアナと酷い喧嘩をしたことが思い出された。
あの戦いの後、ヴァイスは再びライフルを手にしたが、それはあくまで仕事の上でト
ラウマを克服しただけであって、彼自身が「妹を誤射した」という事実は変わらない。
心身ともに傷を負った妹と向き合うという「戦い」はあの時ようやく始まったのだ。
そして、そんなヴァイスのたった一つの「禁忌」に、ティアナは問答無用で踏み込んで
きた。ラグナのことを知るや、ヴァイスを無視してシグナムやアルトから連絡先や住所
も聞き出し勝手に連絡を取り、ヴァイスと「お付き合いします」なんて報告も彼を無視し
て会いに行って済ませてしまった。
ヴァイスが「お互い自立した個人同士。踏み込むべきでない場所がある」と諭した事
もある。うとましくおもい、感情そのままに「やかましい。口出しすんな」と怒鳴った事も
ある。しかしコトこれに関してはティアナも真っ向から怒鳴り返してきた。魔術師として
はミッドチルダ方式の射撃型とはいえ、彼女は機動六課の実働武装小隊のリーダー
で、近接戦闘はヴォルケンリッターきっての突進型古代ベルカ騎士仕込み。「殴り合
いをする」と決めた時の「気合」の入り方はへたなベテラン先任軍曹顔負けである。上
から見下ろすヴァイスに一歩もひかず、逆に背伸びして噛み付きかねないほどの勢い
で食って掛かったものだった。
「……」
怒鳴りあううち、ティアナのそんな行動を、ヴァイスも奇異に思った。
六課時代のティアナは人間関係に淡白で、自分から積極的に他人に関わる方では
なかった。
無論、進んで人の輪を崩すようなことはしなかったが、プライドが高く、人当たりが
強かった。そしてフォワードチームのリーダーとしての立場からか、無意識に人から距
離をとって冷静な自分自身を守ろうとするところがあった。
年齢差や立場の関係で、ヴァイス自身も六課では似たようなモチベーションを意識
的にたもっていたので、ティアナの心境はわかりやすかった。
だから、ことさらに意外だった。こいつにもこんな面があったのか、と不思議で……落
ち着いてティアナの心境を忖度できるようになって、思い当たったことがあった。
「ひとつ……聞いて、いいか?」
「なによ、寝るっていっておいて」
くすり、と軽く微笑むような気配があった。
ヴァイスは軽く息を吸って、この二年ずっとこれだけは聞くまいと決めていた事を言
葉にする。
「お前の、兄貴って……どんな人だったんだ?」
心臓の鼓動が一打ちするだけの、わずかな間があって、返事があった。
「別に、普通だけど……そうねえ」
自分の顔の横、頬の辺りにぬくもりが近づいてきているのが感じられて、彼女が腰を
ずらしてすく傍に寄ってきたと、眼を閉じたままでもわかった。
「ティーダ兄さんは、かっこよくて、頭がよくて、背が高くて、仕事が出来て、空が飛べ
て、射撃の天才……だったかな?」
「……それのどこが普通だ」
「普通よ。十歳くらいの女の子にとって、たった一人のお兄ちゃんはそういうものよ」
「……」
眼を閉じているからヴァイスにはティアナの顔が見えない。でも、なんとなくどんな顔
をしているかわかった。
たぶん、今、彼女は、空を見上げている。
「だってさ。お父さんより若くて、自分に出来ない事を何でも出来て、いろんなことを教
えてくれて……どんな時も守ってくれる」
少し間をおいて紡がれた一番最後の一言が耳に届いた瞬間、ヴァイスの胸腔(きょ
うくう)で心臓が跳ねた。冷たい風が吹いたように締め付けがくる。
「そんな人が身近にいて、しかも身内びいきが入ってたら、どんなに普通でもヒーロー
にみえるんじゃないかな」
「そうか」
そんな事はないだろう。とヴァイスは思った。ヴァイスはティアナから彼女の自身の
夢について聞いている。十歳の時に兄を亡くした事と、そしてその兄が執務官を目指
していた事。二十代で首都航空隊の少尉というキャリアを聞けば、それが人並みのレ
ベルでないことくらい武装局員のヴァイスにはわかる。なにより目の前の彼女――ティ
アナ・ランスターが全知全能を傾けて追いかけている「背中」が、平凡なものであるわ
けがない。
たぶん「自分」とは比べ物にならないくらいのエリートで、完全無欠の人格者。いや、
比べるなんておこがましい。なにしろ、自分は
「なら、俺は普通以下の最低だな。俺は妹を『守れ』ずに、挙句逃げた」
そんな情けない台詞を自分が口にするだなんて思いもしなかった。口にしてから思っ
た。
ああ、そうか、俺はこいつに甘えているんだ、と。
「……」
少し間があった。年上のくせして返事に困るようなことを「女」に言ってしまった、とい
う自覚が苦かった。
会話が途切れて、芝の上を吹き渡る風や木立の葉の音だけが聞こえる。
ややあって……
よいしょ、と耳元で声がして頭が持ち上がる。それから、頭の下に、何かやわらかく
て、温かな感触があてがわれた。
「でもさ。今度は逃げなかったじゃない」
その声はひどく遠くから聞こえた。
「ヴァイスは、ちゃんと向き合って、妹の顔、真正面から見たじゃない」
頭の下から、じんわりと人の肌のぬくもりが伝わってくる。
「逃げてたかもしれないけど、守れなかったかもしれないけど。ちゃんと帰ってきて、妹
にさ、笑ってあげられたじゃない」
ヴァイスはほんの少し眼を開いた。薄目の視界。まっすぐこちらを見下ろしているティ
アナの顔が、ぼやけて見えた。
ヴァイスの頭が乗っているのはティアナのひざだから、そこに彼女の顔があるのは
当然だった。
「それで十分だよ。ヴァイスは余計なマネしたあたしに『ありがとう』っていってくれた。
それって結構凄いと思う……あんたは、ちゃんと普通で、それから、十分かっこいいお
兄ちゃん、やってるわよ。あたしが……あたしでよければ――保証する」
それは……
「お前が……背中を押してくれたから。だから俺は」
確かに、もがいてばかりの一年だった。最初は妹と目を合わせることすら出来なか
った。会話だってまともになかった。休みのたびに訪ねてきて慣れない掃除をして帰る
妹に、なんと声をかけてよいかわからなかった。
そんな自分の背中をコイツが必死に一年間背中を押して、支えてくれた。場合によ
っては退路を断つかのような行動までして、貴重な休暇をぎすぎすした空気で過ごす
かもしれないのに、情け容赦なく口喧嘩をしてまで、押し続けてくれていた。
だからこそ。
「お前が、いつも俺やラグナのことを、見ててくれたから……」
「違う。あたしは何にもしていない。ヴァイスとラグナが頑張ったんだよ」
ティアナは首を振った。
「あたしは、十年しか『妹』やってないから……そんなんじゃ、説得力無いかもしれない
けど、さ」
優しい手がそっとヴァイスの頬を撫でる。
「ヴァイスはちゃんとお兄ちゃんできるわよ。ラグナのために胸を張って、一生懸命な
あの子に微笑んであげて」
「……わかった」
ありがとう。と、もういちどヴァイスは告げた。
目を開けて、手を伸ばす。こちらを覗き込んでいる白い頬に、茜色の髪に、青い瞳
――目じりから今にもこぼれそうになっている涙を、人差し指の背で拭い取る。
「……」
ティアナは黙って、でも今度は小さくうなずいた。その顔を見ながらヴァイスは思っ
た。
今でも、自分がラグナの兄貴をやれている自信なんて、無い。
取り返しのつかない事をして、妹の人生をめちゃめちゃにして。挙句に目の前の女
の子に、つらくあたって。でも、
それでもなお――コイツがそういうなら、そうでなければならないと、思った。
「あたしね、今、感謝してる」
ヴァイスの手に頬をこすりつけるようにしながら、ティアナが言った。
「10歳の時に兄さんを亡くして、それからずっと死んだ兄さんの無念を晴らすんだ、自
分が執務官になって夢を果たすんだって……それだけを支えにして、生きてきた」
でもね。とティアナは今度は自分の指で、涙をぬぐって笑った。
「今は、たとえ十年だけでもティーダ兄さんの妹が出来てよかったと思ってる。もしも、
その思い出すらなかったら、あたしはきっと二人のこと黙って見てることしかできなかっ
た……」
だから、急いだ。自分の十歳の頃の最高の思い出を、この兄妹も取り戻すべきだ
と、確信を持てたから。だからこそ、余計なことと知りながら、口出しをせずにはいられ
なかった。
「その思い出がなかったら、あたしはきっと、ヴァイスから『ありがとう』って言ってもらえ
なかった」
だからうれしい。と、ティアナは笑った。以前も彼女は、ヴァイスがようやく、「ありがと
う」といえた時、周囲の目も憚らず、泣き出してしまった。
「ティーダ兄さんの妹に生まれて、暖かい思い出をもらって……今、ヴァイスとラグナ
が仲良くしてくれて、二人から『ありがとう』って言ってもらえたのが、あたしはすっごくう
れしい……」
はっとするぐらい無邪気な微笑み。ヴァイスの胸の奥でまたも心臓が跳ねた。さっき
の冷たくなるような悪寒ではなく、今度はどくんと血の流れが増すような、鼓動だった。
ティアナは、瞬きもせずにこちらを見て、そっと目を閉じた。
ゆっくり、降りてくる顔から、熱を感じて、ヴァイスも顔を上げて――
「おまたせーっ。ストロベリー&チョコバナナ・アイスフロート、三人前おまちーっ……」
わあああああああああああああああああああああああああっ。
予想外の方向から、すっかり忘れていた『妹』の声が聞こえて、声にならない絶叫を
上げたながら、二人は跳ね起きつつ縺れ合って――そして。
――それから
「あれ?」
妹の声がして、ヴァイスははっとわれに返った。
しかし、声は聞こえるがヴァイスにはその姿が見えなかった。なぜか視界が閉ざさ
れている。いや、視界が閉ざされたばかりか、腕が背中に捻られ、かつ肩ががっちり
何かに固定されて身動きができない。
芝生の上に腰を起こした姿勢のまま、身動きがとれない。さらに首に巻きついた何
者かの手によって、頚動脈もろとも喉が圧迫されていて声もだせない!
「えっと……ティアナさん、どうしたの?」
非常に小さな妹の声は、何だか棒読みだった。
「こ、これは、その」
遠くから――距離的に遠いのかそれとも頭に血が回らなくなって気が遠くなりつつあ
るためか、わからないが――とにかく、遠くからティアナの声が聞こえる。
「ち……」
「ち?」
そして声が遠いわりには、ごっくん。などとつばを飲み込む音がやけに大きく聞こえ
る。
「チキンウィング・フェイスロック・アルティメットプラスといって、古代ベルカに伝わる52
の殺人技のひとつなのよ!」
――それは、かつて同じ技をライトニング分隊の副隊長にかけられた時にうけた説
明とは色んなところが少しずつちがっていたが、今のヴァイスにつっこむ余裕はなかっ
た。
「はあ……そうなんですか」
「ええそうよ! 昔、六課にいた頃の教官から教わったんだから、そうに違いない
わ! 」
「……あ、はあ」
「決まってしまえば力がいらなくて、どんな大きな人でも簡単に締め落とせるの。無理
に暴れると肩を脱臼するし。護身術にいいから、今度ラグナにも教えてあげる」
――関節技の使い手たちが奥の手として隠し持つ高難度、かつ非常に危険な技で
素人は使用不可。少なくとも婦女子が護身術として覚える類の技でないと、ヴァイス
は記憶していたが……すでにそんなことはどうでもよくなりつつあった。なにしろ「ばっく
んばっくん」とコメカミのあたりに新しく心臓が出来たかのような音がして、それどころで
はない。が、脱出しようにも決められた方の肩がピクリともしない。というか、これは背
中に力いっぱい押し当てられるふよよんとした感触や、こすりつけられる頬の柔らかさ
や、ほのかにシャンプーの匂いがする髪の香が、ぎりぎり締め上げる腕と肩と、指が
食い込む顔面と、首に回った腕と、次第にかすみかがってくる意識とあいまって、なん
とも珍妙不可思議奇妙奇天烈な感覚が――
「えっと、大丈夫、なんでしょうか?」
「大丈夫よ! 絶対脱出できないから! ほら! 久しぶりにやったのに完璧!」
「いえ、そうじゃなくて。 お兄ちゃんの顔が紫色から、今まさに緑色に変わろうとー」
「え! ――あっ、ほんとだっ」
「え…………」
「あれ? あれ? ……これ、どうして外すんだっけ?」
「えええっーっ」
兄妹仲は復旧したが、俺の狙撃手生命はここで断たれるかもしれん。
わりと真剣にヴァイスは思い、その直後意識を手放した。
◆◇◆
「信じられん……」
「ごめん」
「ふざけんな」
「だから、ごめんなさいっていってるじゃない」
「ごめんですんだら、時空管理局はいらんわ」
なんかもー首か肩かがずれたような気がする。本気で病院とかいった方がいいかも
しれない。
「いかん。しゃれにならん」
ミリ単位で標的を射抜くエース級狙撃手なればこそ、体の管理には気を使う。ヴァイ
スはまめに体調管理をするほうだが、決まっている当直を今更休んで救急病院にいく
わけにもいかない。ましてや『恋人に関節技かけられてスジを違えた』などと報告する
など言語道断。その上に
「なんか、寝たような寝てないような。微妙に疲れの残る睡眠だったし」
8時間寝たのに、まったく疲れが取れていない。というか、あれはどちらかというと、
気絶とか昏倒であって睡眠ではないかもしれない。
「仮眠の時間を早めてもらうかなあ……」
玄関でブーツの紐を締めなおしながら、ヴァイスがぼやく。今回、幸か不幸か、彼は
ヘリパイロットのローテーションから外れての一般勤務である。余程のことがない限
り、電話番と通信番と敷地の見回りが仕事。不謹慎極まりないが、どっちかといえば
退屈な勤務だ。当直の間、何も起きなければ、であるが。
「遅番になるなら、お弁当とかもって行こうか? 仮眠明けの交代頃に」
ラグナと一緒に玄関まで見送りに出てきていたティアナが、控えめにいう。彼女は部
屋に帰って再びエプロンをつけている。歴戦の鉄砲屋とはとても見えないひよこアップ
リケ付きのピンクのエプロン姿。ヴァイスはおもわず笑った。さすがは持つべきものは
武装局員の恋人。民間の娘さんには無い種類の心配り。だが残念。魅力的な提案だ
ったが、今晩はラグナがヴァイスのマンションに泊まることになっている。
「気にすんなって。非番で帰ってきた時くらい、のんびりすりゃいいだろ。お前だって寝
不足なんだから、今夜こそ寝ろ。ラグナもあんまりはしゃいでないで早めに風呂にはい
って、寝るんだぞ」
「はい。お兄ちゃん、いってらっしゃい」
「おう、じゃ行ってくる」
こうしてこの日の夕方、ヴァイスは当直勤務のために地上本部に赴いた。
交代は翌朝8時半。彼は有事に備えて出動態勢のまま、一晩本部のオフィスに詰
めることになる。
そして、その8時間後、時空管理局地上本部に『第一報』が届く。
武装テロ組織による民間魔法研究施設襲撃事件発生。
犯人一味は逃走。首都クラナガンに商業地区に潜伏の模様。
地上本部管轄管内、すなわち首都全域に非常警戒体制発令。
――ヴァイスが所属する中隊にも出動命令が下った。 つづく
今晩投下分は以上です。
StS後日談ということで、一応本編からつながっているような雰囲気が
出せればいいなーと思いながらやっております。
今回は「兄妹」をテーマでやってみました。これが最高の解決とはおもいま
せんが、このカップリングならこういうこともありかと。
ティアナの位置にアルトやシグナムが入るとまた、別のアプローチがあると
おもいます。
お邪魔いたしました。読んでいただけたら幸いです。
>>449 よおしきた!!
Gjw
で、微エロじゃなくて大エロもちゃんと創るんだろ?
俺とお前の仲じゃないか。
載せるんだろ?
それこそ孕ませるくらいの勢いのヤツをさ!!
「微エロ」の反対語は「濃エロ」かもしれないと、提案してみるテスト。
待ってましたのGJ!
これは続きが楽しみだ
>>435 まあクロノはエロゲ主人公の恭ちゃんがモデル元だけあって中性顔だからなあ…
朝刊まだかな…
と、失礼しました。ちょっと書き溜めしてまして、おまたせです。
>449 GJっす!バックスクリーン3連発以来のファンです(何のファンだ
ちょっと浮いてるかも――のくだりは懐かしくて吹いた。無印1話www
それはさておき……ヴォルケンビッチの話は全く関係ないです。あくまで例えなんで……元ネタの方にひれ伏して陳謝__rz
私にあんな素敵な発想できませんから……
では、何時も通りに朝刊投げて行きますねw
[はやてとクライド君][デートちゅ][3期終了後準拠]
適当に衣料品や映画のポスターなんかを眺めながら、人ごみに合わせて歩く。
一応色々とクライドは説明してくれるのだが、ぶっちゃけ話の中身なんてどうでもいいはやては、適当に関心するふりだけしてすっかり楽しんでいた。
そのまま素直な流れで外が見える綺麗なガラス張りの喫茶店に入ると、彼の頼んだ紅茶を真似してはやても同じものを頼む。
クロノ似の柔らかい黒い瞳をじっと瞳を見つめながら、届いた紅茶に口をつけると、とても甘くていい香りがした。
「あまーい」
「うん、どうかな?」
「ほんまに美味しいですね」
「そうか。昔はリンディとよくきててね」
「そうなんですかあ」
一応奥さんのはずの人の名前を出されても、全く意に介する様子も無く、にこにことしている。
ローズヒッポと呼ばれたその紅茶は、匂いも香りもかなり甘く、ほんのりと苦く、綺麗に陽に煌いていた。
「次はどこいきましょうか?」
「んー」
とはやてが、移動の話を振ってみたその時――
見覚えのあるちっちゃい桜色の髪のローブの女の子と、ほぼ同じ背丈の赤い髪の雑な格好の少年が角を曲がってこちらに歩いてくるのがはやての視界に入った。
手にどこかの買い物袋らしきものを持っているところを見ると、所属世界から買出しにきたのであろうか。
(わわわっ)
慌ててはやてがテーブルの下に顔を隠すと、クライドにも促す。
「ちょ、ちょ、ちょクライドはん、頭下げて!」
「???」
言われるまま彼が頭を下げて、しばらくしてその小さな2人の後姿をこそっと窓際から確認すると、ちゃんと席に戻った。
かなり店中から奇異の視線が集まっていたが、この際背に腹は変えられない。
「ん?誰か……知り合いか?」
「あ、はいちょっと……」
苦笑いではやてはごまかしたが、内心はどきどきものもいいところであった、悪い意味で。
(あっかんなー、すっかり忘れとった……下手に鉢合わせだけはせんように気をつけんと……)
喫茶店を出て、紅茶の話をするうちに再びすっかりご機嫌を取り戻して、話のついでに紅茶をちょっと買っていこうと
クライドが言い出したので素直に、これもまた彼のいきつけだった紅茶葉専門店についていく。
そして、小さい鈴を鳴らしてはやてがその店のドアを開いた瞬間――見覚えのある緑色の長髪の白スーツと聖王教会のシスター服の後姿が見えた。
(ぐあ!?)
即座にクライドの手を引いて引き返すと物陰に隠れる。
「ど、どうした?」
「しいっ」
しばらくすると、2人が店の中からそれらしい包みを持ってでてくる。
「すいません、ロッサ。たまには、珍しい茶葉の紅茶もお出しできないかと思ったもので」
「いえいえ、この程度でよければ、不肖このヴェロッサ・アコース、いつでもお役に立ちますよ?」
「ふふ、そうですね。たまにはいいかもしれませんね」
「たまには、ではなく、いつも、といって欲しいところなんですが」
「そうですね……では考えておきましょう」
「ふぅ、相変わらず手厳しいなあ」
そして、運よく2人は反対側に歩いていってくれた。
「今のは……?」
「ああ、ちょっとした……知り合いでして」
「そ、そうか」
(なんかうち悪いことしたんかなー……覚えないけどなー)
その後も下りかけたエスカレーターの先に今度は青色と茶色い髪の元フォワード2人が何かを漁っていて、逆走したり、
本棚の向こう側で絵本を妹と一緒に見ていたヘリパイロット兼武装隊員のお兄ちゃんとヘリパイロットその2に危うく発見されかけたり、
旅行のパンフに夢中になっていた自分の元副官と同じ髪の色の恋人同士の2人の後ろをダッシュで通り抜けたりと、危険なニアミスを繰り返し
いい加減その原因にはやては思い当たった。
(そうか……今日は管理局創立記念日やから、かたっぱしからお休みなんか……くー、ミゼットばーちゃん、ほんまうらんじゃいます!)
いくら立ち上げの功労者だからといっても、お休みとミゼット提督ははっきりいって無関係。
八つ当たりもいいところである。
(ああ、もうこんな、街は危険がいっぱいなの!?なんて魔法少女もののタイトルみたいな展開はいややー!)
すっかり凹んでしまった隣の少女に、さすがのクライドも心配顔になった。
「だ、大丈夫か?」
「あ、は、はい。ま、なんとかなるんちゃいますか、うん、うん」
「そ、それならいいんだが……」
「ちょっとシャマルに連絡入れても平気です?」
「ああ、大丈夫だが」
ダッシュで離れて携帯電話を取り出すと、シャマルにこそこそと何かを頼んでまたダッシュで戻ってきた。
「ん、もういいのか?」
「はい、これでいざというときも多分平気かと」
「???」
「と……すっかり忘れてました。クライドはんのお買い物!」
「ああ、そういえば……」
俺も忘れていたよ、と軽く頭に手を当てた笑顔にさっきまでの憂鬱はどこへやら、再び腕にまとわりついて歩き出す。
クライドお目当ての店はインポートものを取り扱っている酒屋だったらしく、警戒心バリバリのはやてと共に入るが
幸い元六課面子も知り合いもおらず、ほっと胸を撫で下ろす。
そして彼に連れられて辿り付いた店の一角は、掲げられているPOPに第97管理外世界産と書かれている場所であった。
「え?これって……」
「ああ、はやて達の出身世界だったな、97番は」
「うん。昔から飲んでたん?」
「んー、この世界のお酒は口当たりが良いものが多くてね。一時期局の中で流行ったんだよ」
「へー……」
「その中でも……どれ、あるかな」
とワインの並ぶ棚を指先ですっと辿りながら、上から2段目の辺りでふっとその指が止まった。
「お、あったあった」
彼がそうして手に取ったワインは、はやて達とは何かと音の響きが近く馴染みのあるドイツ産の表記であった。
「んー?これなんて読むんかな?しゅ、しゅつ?」
「シュタインベルガー、と言ってね。割と有名な白ワインなんだが口当たりが良くて、物凄く甘いんだよ」
「へー……あれ?でも意外と安いんやね」
「ああ」
ついた値札の値段を例えば日本円に換算するとせいぜい3、4千円といったところであった。
「飲みやすくてあっという間になくなってしまうからね。オークションにかけられるようなものは本当に高いが……
俺はこの程度の値段の方が気軽に飲めて好きなんだ」
「なるほどぉ」
ちょっと所帯じみている所がまた逆に可愛くて、素直に納得しながら、じゃあシグナム達にもーと2本、レジに持って行って包んでもらう。
おやっさんと顔なじみだったのか、顔を見ると勘定をしながら声をかけられる。
「おや!ハラオウンとこの旦那さん!ほんとに、お久しぶりですなあ!」
「え、ああ、はい……」
覚えられていたことに驚いたのか、手に頭をやりながら適度に受け流す。
「しかし、また可愛らしい子を連れてますな。いつまでもお若くてほんとうらやましい」
「い、いえまあ、この子は……職場の後輩でして」
「ああ……おや、そういえばお嬢ちゃんは何かのニュースで見たような……?」
「あ、はい。ちょっと前まで部隊長をやってまして」
「おー!すごいねえ、才色兼備たぁこのことやな!と、いけないいけないお引止めしてしまって」
「ああ、いえ」
そして、すっと勘定を済ませて店を出たのだが、実はこのとき油断していたのか、はやてははやてらしい重大なミスを犯してしまっていたのが、この時は気づこうはずもない。
目的のものも得て、適当にサンドイッチなんかをつついて楽しくお昼を済ませると、晩御飯の材料も買っていこうか、という話になり、
デパートの地下へと向かう。
と、地下への階段を下りきった瞬間、ここまで絶妙かつ奇跡的かつ神がかり的とまでいえるほどのタイミングで
辛うじてかわし続けてきた運がついに尽きたのか、知り合いとばったりと鉢合わせした。
しかも――その相手は
「はやてちゃん?」
空のエースオブエースと
「お兄ちゃん?」
金の閃光と
「なのはママー、どうしたのー?」
「ん?」
どうみても引っ張り出された感が否めない司書長に手を引かれたご丁寧に娘までついた、一番見られてはいけない2人であった。
「み、みんな元気そうやね!ほ、ほなさいならー!」
慌てて全力で数段階段を上って戻ろうとしたが――、キンッ、と音がして上の段にフェイトに回り込まれる。
「ふぇ、ふぇ、フェイトちゃん、オフで魔法使うなんて大人気あらへんなあ……」
「魔法じゃないよ、ブリッツアクションだよ?」
「おんなじようなもんやないかー!」
「で、そちらの方は?」
「う……」
背中合わせに追いつめられて、下の段からはサイドポニーの人に詰め寄られる。
ほいではまたwノシ
>>459 おおっと、さっそくキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
しかし、なんてところで終わらせるww
これじゃ、気になって仕方がないじゃないか!
GJ!
そして、急かしてすみません
>>460 グッモーニン&GJ!!
大ピンチのはやてどうなっていく!?
462 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 09:03:32 ID:n6epP3Ic
>>449 YAHOOOOOOOOOO!!!ヴァイ×ティアじゃーい!!
キャラに『らしさ』が出てて、毎回とても素晴らしいですよ!
>>459 朝刊ご苦労様です!
なんという修羅場(?)……
うああああ、一番見つかったらヤバイ人に見つかったーwwww>フェイト
続きがめちゃ楽しみ。
>>449 >「チキンウィング・フェイスロック・アルティメットプラスといって、古代ベルカに伝わる52
の殺人技のひとつなのよ!」
古代ベルカに伝わる52の殺人技wwwwwwwなんつーもん習ってるんだwww
あと、リリカルなのはでは、「魔術師」ではなく「魔導師」。ミスってるのは1箇所だけだけど。
ありがちなミスだけど、「魔術師」だと某月作品の設定が連想されてしまうので、どうもなぁ
465 :
26-111:2007/11/13(火) 12:48:50 ID:r4I29TzO
誰かいますか・・・?いませんね
こんな時間ですが、投下予告です
・メインはナンバーズ。ノーヴェとチンク。あと3型ガジェット
・エロ無し
・使用レス数24レス
・タイトル:機械の心・機人の心
では、投下します
その日、俺が起動した時、俺の目・・・正しく言うとカメラアイなんだけど、目に映ったのは赤い髪の活発そうな少女だった
どうやら、まだ待機状態にあった時からいたらしく、籠手のような武装で覆った拳を俺の装甲にごんごん叩き付けている
痛くは無いが、丸みが自慢のボディが歪んでしまいそうで嫌だ・・・いい加減にやめて欲しい
「こら、ノーヴェ。ドクターの創った私達の仲間を無下に扱うな」
横合いからの制止の声に、ようやくごんごんが止まる・・・全く、人を殴って・・・いや俺は人じゃないけど・・・殴って何が楽しいのやら
溜息代わりに、ダクトから廃熱をこっそり噴き出す。そして、俺は視線を巡らせて・・・あ、彼女は知っている。銀髪の小柄な少女・・・時に兄弟を磨いてくれる5番:チンクさんだ
「ん、チンク姉。でもさぁ、折角ガンナックルの調整が済んだんだから、何かで試してみたくって」
どうやら、この物騒な赤毛の少女は、兵器の試運転の為だけに俺を殴っていたらしい。最終的には壊すつもりで
「ノーヴェ、流石に叱らねばならんぞ。ガジェットドローンはドクターの創った我々の尖兵・・・つまり、私達の大切な仲間だ。それを無駄に破壊するような真似はするな」
「・・・分かったよ。チンク姉がそう言うんなら・・・我慢する」
チンクさんの言うことには素直に従うらしい。意外に聞き分けは良いみたいだけど、今度は掌で俺の額をぴたぴた叩きながらぼやきはじめた
「でもさぁ、こいつら、結局の所やられメカだろ?アタシ達の実力の10分の1も無いって話じゃないか」
「つまり、10体居れば負ける相手という事でもあるな。どうだ?」
「むっ、10体だろうが100体だろうが負けねーよっ!命令を受けなきゃ動けないようなポンコツなんかにはっ!」
負けん気の強い赤毛の少女の言葉に、俺は溜息を吐いた・・・やられメカって・・・やられメカって・・・
はっ、いかんいかん、落ち込んでいては・・・だけど、はっきりとそう言われるのは、ちょっとキツイ・・・
「まぁ、ここに居るV型ガジェットは直接戦闘よりももっと別の分野で期待されているのだがな」
「別の分野?」
「あぁ、彼らは最近製造されたタイプで、マスター型と識別されていてな。自律判断ができるように創られて居るんだ。彼一機で100を越えるガジェットを指揮することができる。
拠点制圧戦ではなくてはならない存在と言える。量産向きのガジェットとは違い、彼らはガジェットの指揮官だ。頼れる仲間なんだぞ」
「へぇ・・・例の、AMFとか言う奴だっけ。魔導師には凄ぇキツいって奴。あれも使えるんだよな?」
「あぁ、マスター型のAMF展開能力は、量産タイプのV型の5倍近い。魔導師戦の時に彼らの支援があれば、私達はかなり有利に立ち回れるだろう」
ありがとうチンクさん。でも、俺はそんな風に褒めて貰えるほどの活躍ができる自身は欠片も無いんですが・・・
「へぇ〜・・・んじゃ、次の作戦の時も出てくるんだ」
「あぁ、地上本部への攻撃に参加する・・・地上と地下の違いがあるが、私達と同じだな。今回はクアットロの指示を受ける事になるだろう」
「え?こいつら、自律判断できるんじゃなかったのか?」
「ノーヴェ・・・私達とて、ドクターの指示を仰ぐことがあるだろう。それと同じだ。彼らには自分で判断する機能があるが、決して自分勝手なわけではない」
「それじゃ、さ。アタシでもこいつらに命令できるんだよな?」
「あぁ、私達の命令を受けて無視するガジェットはいない。マスター型の場合、盲従するようなことは無いだろうが・・・ノーヴェ?」
にやり、と唇を歪めて、邪悪な笑みを浮かべた赤毛の少女は、どこからともなく黒のマジックを取り出して・・・うわっ、!な、人の額に落書きをするとは何事ですか!!
ううっ、人の額に・・・黒い文字でデカデカと「\」のサインが描かれている・・・俺はV型なのに、何だかわかりにくくなった・・・
「よし、なかなか似合うぜ。今日からお前はアタシの、ノーヴェ隊長の子分だ!」
い、い、いきなり子分扱いですかぁぁぁっ!!?
俺は目をピカピカ光らせて猛烈に抗議をしたけど、二人はそれを見て笑っている!何で!?!
「っはは、喜んでるのか?」
「・・・そうかもしれないな」
チンクさん!あなたはさては分かって言っているでしょう!!俺が怒っていることを承知でそう言っているでしょうっ!!
「折角の子分だ。V型と呼ぶのは味気無いだろう・・・何か名前でも付けてやったらどうだ?ノーヴェ」
「名前・・・?名前って、アタシ達みたいな番号の事じゃないのか?」
「・・・まぁ、個体識別の為の呼称は本来何でも良いが・・・」
名前ですか・・・自分達の名前が番号であるナンバーズの皆さんに、真っ当なネーミングセンスがあるのかどうかは果てしなく疑問です・・・
できれば、格好いい名前が良いな。例えば・・・そう、アウグストゥスとかティベリウスとか、威厳と風格に満ちた名前なら、俺も少しは強そうに思って貰えるかも・・・
「えっと、ガジェット・・・丸い・・・V型・・・さんがた・・・サンガタガジェット・・・」
「サンタ、なんてどうだ?」
「ん、じゃぁそれで決まりだ。お前の名前はサンタだ!」
何でそんな、クリスマスの夜にプレゼント配って回る不審人物と同じ名前なんですかぁぁっ!!!?
ぴかぴかぴかーっと目を光らせた猛抗議も二人には通じない!うぅっ、ガジェットだからって変な名前付けてっ!イジメカッコワルイ!!!
「ありがたく思えよー。アタシの子分になれるってのは、物凄く光栄なことなんだからな。あ、アタシの事はノーヴェ隊長って呼べよな」
・・・シクシクシク・・・了解であります。ノーヴェ隊長
・・・それから、俺は生活はがらりと変わってしまった。普段は格納庫の中で出動命令を待つばかりだった身だけど、事ある事にノーヴェ隊長が乱入してきては引きずり出されるのだ
引きずり出されてやることと言えば主に訓練・・・量産型ガジェットを相手に実戦形式での訓練を積みたい。と言い出したけど、実際は量産型の兄弟相手に暴れているだけ、
俺は兄弟がぼろぼろ壊される様に堪忍袋の緒が切れて、ノーヴェ隊長の顔面に平手を見舞ってしまい、その時は大変だった
不意打ちとはいえガジェットに一撃貰ったことがよほど悔しかったらしい。だけどガジェットをナメないで欲しい。しかし、ノーヴェ隊長はブレイクライナーで大暴れ
俺は腕を振り回して猛抵抗。地面を叩いた反動で跳躍し、エアライナーで宙を走るノーヴェ隊長に体当たりを掛けた時は少しだけ胸がすくようだった。俺に胸は無いけど
とはいえ、戦闘機人に適うはずもなく、流石に中破した俺は修理を受けながら、創造主:ドクタースカリエッティにノーヴェ隊長を何とかして欲しいと陳情した。が・・・
「ふむ、ノーヴェがそんなことを言い出していたのか・・・興味深いな。是非データを取らせてくれ」
・・・娘の手綱くらいしっかり握っててくださいドクター・・・修理が終わって数日経ち、またノーヴェ隊長が格納庫に姿を見せた。今日はチンクさんもいる
「ほら、ノーヴェ。ちゃんと謝れ」
先日のことでこっぴどく責められる・・・そんな想像をしていた俺は・・・耳を疑った。耳と言っても集音マイクだけど
ノーヴェ隊長は実に嫌そうな顔をしながらも、俺の方をチラッと見て、
「・・・この前は悪かったよ。修理、ちゃんとして貰ったのか?」
・・・信じられない。ノーヴェ隊長が本当に謝ってきた
「済まないな、サンタ。訓練とはいえガジェットが無駄に撃墜されることに、お前は我慢ができなかったのだろう。許してくれ」
「・・・それと、お前以外にデキる奴だったんだな。まさか、ガジェット相手に殴られるなんて想像もしてなかった。アタシもまだまだだったよ」
いえ、あれは、その、まぐれだったというべきで、その、こちらこそ申し訳なかったと思っていると言いますか・・・
「さて、それでは私はそろそろ行くぞ」
「クラナガンの、管理局地上本部に潜入・・・だったっけ。チンク姉なら余裕だろうけど、一応、気を付けて」
「あぁ、ありがとうノーヴェ。お前もサンタも出撃する時は気を付けてな。怪我などするなよ」
そう言って、チンクさんは去っていった
「さて・・・そんじゃ、面倒だけど・・・いっちょやってやるかな」
な、何をする気ですか!?思わず後ずさろうとしたけど、生憎収まっているスペースは横にも後ろにも逃げられない。正面に立っているノーヴェ隊長を轢き潰せば・・無理だ
「アタシの子分の初出撃が、薄汚れた格好じゃ情けないからな。おらじっとしてろ」
くっ!や、やめっ、変な風に触、あっ!!雑な手付きで磨かないでくださいっ!!どうせ磨くならチンクさんを見習って、くっ!!
「なぁ、サンタ。お前は、ガジェットを指揮できるって話だったよな。それ、自分が指揮してるガジェットが撃墜されたら・・・やっぱり、嫌なのか?」
嫌なんてもんじゃ無いに決まってるだろうが悔しくて仕方ないですよっっ!!くっ、む、むおっ!ダ、ダクトの周りは、お、おおぅっ!!
き、兄弟が壊される瞬間なんぞできることなら見たくもないといつも、はふんっ!く、く、く・・・意外にテクニシャン・・・ッ!ら、らめぇっ!
「はーっ」
ほ、頬に息を掛けないでください生暖かくてくすぐったいっ!そ、そこをしかも磨くんですかっ!?
「立場が変わってたら・・・アタシだって勿論、悔しくて仕方が無かったと思う・・・ま、アタシの姉妹達はそう簡単にやられる程ヤワじゃねーけどな」
当たり前です、戦闘機人とガジェット一緒にしないでください。ガジェットだって繊細で壊れやすくて傷付きやすいお年頃なのです・・・くはっ!み、耳は、耳はぁぁっ!
くぅっ、いかんいかんいかん!こ、これは、俺のサーキットを熱暴走させようという魂胆で、要するに新手のイジメではないですか?!く、悔しいっ!!でも気持ち良いッ!!
「だからよ・・・お前は、アタシの子分で・・・仲間なんだ。壊れたりするんじゃねーぞ。絶対にだ」
そんな約束が交わされた数日後、俺は50機のガジェットを率いて、地上本部を目指しラボを発った
ノーヴェ隊長達戦闘機人グループは、既にクラナガン市内に潜伏している・・・俺達ガジェットは、チンクさん達が地上本部施設を攻撃すると同時に、奇襲する
警戒の目が“内部”へ向いたところを、俺達が“外部”から襲うのだ。AMFを全機で展開すれば、魔導師達に為す術は無い・・・その筈だ
初出撃に興奮と不安を胸を抱いて、俺は夕焼けの空を一文字に横切ってゆく・・・
結果として、作戦そのものは一応成功と言えた
聖王の器、タイプゼロの確保は達成できたのだが・・・兄弟達にも優しかった5番:チンクさんが重傷を負ったのだ。ノーヴェ隊長も腕をやられていた
彼女に懐いていたノーヴェ隊長は荒れに荒れて、手に負えなかったものだった・・・俺と同じく、ノーヴェ隊長も産まれて間も無い・・・“喪失”というのは初めてのことだ
チンクさん自身は重傷だが、勿論壊れた訳ではない。ただ、傷の具合としては、かなり良くないらしい
稀にひょっこり現れては俺達を磨いてくれていた小さな姿が、今後はしばらく見られないという事に、胸を痛める今日この頃である・・・俺に胸は無いが。チンクさんにも
そんな風に、少しギスギスした日々を格納ケージの中で過ごしていると、久しぶりに二足歩行する足音を聞いた
・・・驚いたことに、重傷を負った筈のチンクさんだ。機人の目には必要性を感じない眼鏡を掛けた4番:クアットロさんに抱き上げられている
「チンクちゃん軽いけど、私ってば他の姉妹達とは違って頭脳派だから非力なのよ?なのに、こんな所まで歩かせるなんてひどーい」
「すまない、クアットロ・・・だが、サンタにはどうしても伝えておかなければならないことがあるんだ」
「・・・ガジェットに?伝言?ていうかサンタ?無機物相手に・・・チンクちゃん、大丈夫?お脳の辺りが特に心配」
「・・・すぐに済ませる。少し黙っていてくれ」
そう言うと、彼女はクアットロさんの腕から抜け出して、ふらつく足取りで俺の前までやって来た
自慢の丸いボディをぺたぺた触って、額に大書きされた「\」のサインを見て、珍しく、ほやっと笑ってみせた・・・可愛い、と思ってしまう
「・・・お前は、無事だったんだな。良かった・・・聖王の器を匿っていた管理局の施設に向かったガジェット達は殆ど全滅したと聞いていたから・・・少し、心配だった」
俺も、それを知った時は耳を疑った。最早、抵抗要素を残していないだろうと踏んで、管理局施設の制圧に掛かった兄弟達は、大半が一撃で葬られたのだという
後に映像記録を見てみれば、“化け物”としか呼べない存在がそこにあった・・・データベースによると、アレは「竜」という生き物らしい。恐るべき事にあれでも有機体なのだとか
機械である俺達ガジェットよりも、よほど兵器としての趣を感じる威容だった・・・震え上がるほどに
「私は、これからしばらく修復の為に眠りに就かなくてはならない・・・だから、サンタ。お前に頼みたいんだ」
隻眼に真剣な光を宿して、彼女は俺に言った
「ノーヴェを、護ってやってくれ。いや、ノーヴェだけではない。姉妹達全員、誰一人欠けることがないように、お前が護ってやってくれないか」
・・・
「ノーヴェは・・・アレは荒っぽい部分はあるが、根は優しい妹だ。私の事を負い目に思って、無理をしかねない・・・だから、サンタ。あの子の子分であるお前にも頼みたいんだ」
俺は・・・ノーヴェ隊長と約束しました。子分で、仲間だから、絶対壊れたりしないって。だから、隊長にも絶対壊れて欲しくないです
ちゃんと役目は果たします。俺は目をぴかぴかさせてそう説明した・・・チンクさんには理解できない表現だろうに、彼女はにっこり笑って俺の頬を撫でた
「良い子だ。頼んだぞ、サンタ」
そんな約束を交わして一週間後
俺達は再び出撃した。いよいよドクターの野望、その最後の締めくくりであるらしい。空を覆うような巨大な戦艦:聖王のゆりかごを見上げながら、俺は兄弟を率いて飛んでいる
今回の目的地は地上本部。ノーヴェ隊長達はどうやら、例の特殊部隊と交戦しているらしい
チンクさんとの約束を思い出し、俺は援護に向かうべきか一瞬考えたが、その黙考は不意の射撃に中断せざるを得なかった
馬鹿な、AMFを貫いてくる射撃魔法の使い手が、これ程に揃っている?地上本部を襲った時とは立場が完全に逆だった
AMFを展開して、力任せに押し込む・・・そんな作戦しか伝えられていなかった俺は、自分の見識の甘さに臍を噛むような思いだった・・・俺に臍は無いが
とにかく、状況は不利、最悪と言える。一旦ガジェット達を集合させて、AMFを展開しながら、襲い来る多重弾核射撃を払い落とす
ノーヴェ隊長達が合流してくれれば、流れはこちらのものになる。それまで耐えれば・・・そう、考えていたが、その考えはすぐに打ち砕かれた
突然、兄弟達が機能を停止して地面に落ちたのだ
すぐには何が起こったのかが分からなかった・・・4番:クアットロさんの指揮下にあった兄弟達が、指揮者を失ったことで機能を停止してしまったのだ
ゆりかごの最深部で、戦場全体を見渡しながらガジェットを操っていたはずの彼女が、やられたらしい。同じ頃、遙か後方でモニターしていたノーヴェ隊長達の信号が幾つか途切れた
11番:ウェンディさんと12番:ディードさんの反応が消えていた。壊されたのか、機能が止まっただけなのかは俺にはわからない
俺は、後退した。逃げざるを得なかった。しばらくしてノーヴェ隊長の信号も途絶えた・・・彼女の事だ。最後まで抵抗したに違いない
“子分”として、彼女に続き玉砕するのも悪くない・・・そう思っていたが、チンクさんの言葉を思い出して、俺は丸いボディを潜伏させることにした
戦闘機人の存在は、管理局にとってもおいしい研究素材である筈だ。ノーヴェ隊長達が捕縛された可能性もある。ならば、助け出さなくてはならない
そうして、俺は地下に潜った。文字通りの意味で
薄暗い闇の中には、案外大勢の人間が居た・・・怪しげな風貌のマッドサイエンティストやら、暴力を生業にする犯罪者が大半で、彼らは皆、管理局に恨みを抱いていた
彼らの中の一人、怪しげな科学者から俺は接触を持ち掛けられ、話を色々と聞いた。それによると、先の事件は既に終結
首謀者であった、ドクタースカリエッティ以下、戦闘機人達は全員管理局に捕縛されたというのだ
助け出さなくてはならない。だが、俺一人の力は、管理局という大きな存在の前ではあまりにも小さい
だから、俺は協力することにした。幸いなことに、ここには俺の力・・・AMFやガジェットの指揮能力を欲する者達が大勢居た
これは、JS事件の終結から1年程経過した頃の話である
○機械の心、機人の心
「よし、今回の標的は、港湾地区にある管理局保有の押収品倉庫だ」
「ここには管理局が押収した違法技術の産物や、あまり危険ではないロストロギアが保管されているらしい。奪えば一財産だし、戦力になるかもしれないぜ」
薄暗い照明の下での交わされる暴力の相談に、俺は無い眉を顰めた
管理局の施設を襲うには、現状の戦力では不可能だと思うが・・・どうやら、彼らのやる気の源は、俺にあるらしい
AMF。そして、俺が直轄制御しているガジェット・・・運良く合流できた“はぐれガジェット”だ。T型が6機にU型が3機
「管理局施設だからってビビるこたぁ無ぇや。俺達には、こいつ等がいるんだからよ」
「頼りにしてるぜ!ナインボール!!」
ナインボール、俺はそう呼ばれている・・・全く、人のことをビリヤードの玉扱いですか。だけどナインボールが落ちればゲームは終了する。そう言う意味では的を射たネーミングだ
少なくとも、「サンタ」よりはましな名前な筈なのだけど・・・隊長とチンクさんが付けてくれた名前だ。ナインボールと呼ばれてもう1年以上になるが、未だに違和感がある
今の名前の由来となった、額に大書きされた「\」のマーキングは、少し薄くなってしまったが、未だに俺の額に残っている・・・
場面を、クラナガンの地下から遠く離れた、絶海の孤島に映そう
「でぇぇぇぇりゃぁぁぁっ!!!!!」
雄叫びと共に放った前蹴りは身体を捻って避けられた。即座に蹴り脚を踏み込みに変えて顔面を狙ったジャブを放つ
これも腕でブロックされるがそこまでは自分的には筋書き通り。本命はこの次。一瞬で視界から消えるほどに身を低く沈み込ませて足下を刈る水面蹴り
転倒させた所を狙えば、どんな攻撃でも入る!ノーヴェは、そう考えていた
ぱしん!という小気味良い音と共にジャブが受け止められ、即座にノーヴェは拳打の動きを捨て、身を屈ませる
ジェットエッジを発動。踵が推進炎を吹き上げて、彼女の爪先が鋭い弧を描く。狙い通りに足下を素早く刈り取り、相手は大きくバランスを崩した
やっと得た好機にノーヴェは唇を歪めて、トドメの一撃を叩き込まんと、素早く身を起こそうとするが・・・
「甘いっ!!」
ギンガはそう叫んで、バランスを崩して回る視界の中、膝を伸ばして立ち上がろうとするノーヴェの頭を押さえ込むように組み付いた
腕と胸でがっちりノーヴェの頭を固定すると、そのまま動きを封じられた彼女の身体を強引に押し倒した
ノーヴェは尻餅を付くような格好で後ろに倒れ込みながらも、腹に膝、そう決めて膝を突き上げようとした瞬間、塞がれた視界の中で喉を押さえ込まれ、息が詰まった
一瞬で力を奪われた身体の上で、ギンガはきっと得意げに笑っていたと思う。彼女が快哉の様に終了を宣言した
ノーヴェは汗だくの身体を冷ますように、頭を蛇口の下に突っ込んで水を被っていた。血が上った頭が物理的に冷える感触は、なかなか気に入っている
「惜しかったな。ノーヴェ」
「あ、チンク姉・・・見てたのかよ。はぁ、今回は行けると思ったんだけどなぁ」
手渡されたタオルで頭をガシガシ擦りながら、ノーヴェは小さな姉にそうぼやいた
先程の訓練は、ギンガとノーヴェの1対1での組み手・・・徒手空拳での格闘戦ならば、自分の実力は実戦隊長だったトーレに並ぶトップクラス
そう思っていたノーヴェだが、、シューティングアーツという洗練された技術を持つギンガは、手強かった。センスは光るものがあるノーヴェだが、それだけでは勝てそうにない
最近は、少しずつ動きを盗んで研鑽に励み、今日こそは!という気合いで臨んだのだが・・・
生憎、ギンガの方がまだまだ上手なようだ
「ったく、組技なんて有りかよ」
「私達は姉妹の仲でも小柄な体格だからな。押さえ込まれると弱いか・・・だが、クロスレンジよりも踏み込んだ間合いに入ってくる相手というのはそう居ないだろう」
「いーや。ギンガと、あのハチマキ・・・スバルの奴にだけは絶対に負けたくねーんだっ!」
「・・・二人とも、格闘戦を得意としているな・・・手強いぞ?」
「上等!絶対打ち負かしてやる!」
拳を握り締めて、そう宣言するノーヴェを頼もしげに見やり、チンクは口元を綻ばせた
視線を巡らせれば、セインとウェンディが並んで寝そべっている。顔の上には今日中に提出しなければならないテキスト。どうやら宿題の提出は諦めたらしい
余談ながら、二人以外の面子は既に宿題を終えている。その事だけははっきりと明記しておきたい
オットーとディードは並んで海を眺めていた。ただぼさっと眺めているだけでなく、今日は何か会話を挟んでいるようだ。少しだけ笑顔が見える
ディエチは一人、訓練用に借り受けた射撃用デバイスを手に、じっと集中した様子だ。どうやら、ヘヴィバレルのバリエーションを考案中らしい
一年前にゆりかご内部で、高町なのは教導官に砲撃戦で撃ち負けて以来、彼女は密かに対抗心を燃やしているらしく、暇な時はこうして自己鍛錬に励んでいた
ここは、孤島に建てられた隔離施設。本来は監獄でさえ無い・・・かつて、ナンバーズと呼ばれた戦闘機人の少女達が、今は住処にしていた
今日も今日とて、相変わらず平穏で退屈な獄中生活だ
ギンガ・ナカジマ陸曹が彼女達の更正プログラムを担当するようになって早1年余り・・・後発組にとっては、産まれてからの人生の大半を獄中で過ごした事になってしまった
「しかし、ISの限定起動許可が出たと言うことは・・・いよいよ、管理局への従事が始まる、という事なのだろうか・・・」
誰にも聞こえないように、チンクがぼそっと呟いた
今は、ノーヴェの足下はジェットエッジで鎧われている。拳のガンナックルは今は手元にはないが、彼女の本領は足技だ。現状でもブレイクライナーの体裁は整っている
ウェンディのライディングボードも壁に立て掛けてあるし、ディードのツインブレイズも彼女の腰に収まっていた。セインの指のペリスコープアイも目隠しの絆創膏を剥がして貰えた
流石に、ディエチのイノーメスカノンは得物の性質上彼女の手元には無いようだ。今はライフル型訓練用デバイスを借りている
チンクとオットーだけは、ここに収容された時のまま変化がない・・・ランブルデトネイターとレイストームは、それほどに危険な能力だ
尤も、本人には今更ISを悪用・・・少なくとも、理由無く他人を傷付ける意図で使うつもりは毛頭無いのだが
「どうかしたのか?チンク姉・・・何か、難しい顔してるけど」
「あぁ、いや。何でも無い・・・少し、ドクター達がどうしているかと考えていたんだ・・・きっと、暇を持て余しているだろうと思ってな」
「クア姉あたりはそうかもな。でも、ドクターは案外のんびりしてるかもよ?悠々自適って感じで」
思わず、独房の中だというのにハンモックを張って優雅に昼寝を決め込んでいるスカリエッティを想像してしまうチンクであった
自分の突飛すぎる想像力に思わず噴き出してしまう。幾ら何でもそれは無い。サングラスなど不要の極み。ハーフパンツにアロハシャツが想像の中ではヤバいくらいハマッていた
「ドクター達は心配しなくても大丈夫だろうが、セッテの事は少し心配だな・・・あの妹は生まれたばかりだというのに・・・」
「あぁ、そうだな・・・いつか、ドクター達もアタシ達みたいに更正プログラムを受けれたら良いのにな・・・」
「そうだな。姉もそう思うぞ」
そんなことを語らっていると、不意に壁に取り付けられている赤いパトランプが点灯し、甲高いサイレンが鳴り始めた
一同の視線が、顔の上に乗せていたテキストをはね除けて起き上がったセインに集中する
「セイン、またお前か?」
「あ、あたしじゃないよ!?さっきまで寝てたじゃん!!」
ちなみに、過去にこの監獄を脱出しようとして、セインがドアのセキュリティをあれこれ弄り回したところ、今の様に派手に警報が鳴り響いたのだった
「むにゃ、うるさいッスよ。ったく・・・」
「・・・何だろう?」
「何か施設のトラブルでしょうか?」
「そのうち、ギンガさん辺りが来るんじゃないかな?」
ディエチが、ライフルを抱えたまま、いつものどこかぼんやりとした口調でそう呟いたとき、息を切らせたギンガが厳重なロックを解除してやってきた
「ビンゴ」
「お見逸れしました・・・ディエチ姉様」
「??はぁ、はぁ・・・と、とにかく全員集合!」
彼女が息を切らして駆け込んできた時点でただ事では無い。全員がギンガの前に並ぶと、ノーヴェが挙手してギンガに尋ねた
「なぁ、ギンガ。この警報は何なんだ?」
「はぁ、ふぅ・・・ん、これは出動要請の警報なの。脱走防止用の警報と同じだけど・・・とにかく、鳴ったら何か事件って思ってて」
「了解した。そして、今現在私達に出動要請が掛かる事件が発生したのだな?」
「そう、詳しい状況を説明するわ」
空中に複数のモニタを開いて、ギンガはその一つを指差した
「今現在、ミッドチルダ中央区画:港湾地区にある管理局保有の押収品倉庫が正体不明の武装集団に占拠されました。
現在、陸士部隊による包囲が完成していますが、彼らは倉庫に立てこもって抵抗を続けています」
ギンガのその言葉に、一同は首を傾げた。オットーが挙手
「・・・包囲が完成しているのなら、叩くだけ。僕達に仕事が回ることもない・・・そうじゃない?」
「普通ならその通りなんだけど・・・この倉庫には、押収した違法デバイスや、危険性の低いロストロギアが保管されているのよ。
詳しい内容はまだ私も知らないんだけど、迂闊に踏み込むと何が起こるか分からない。それに、敵の中にはガジェットが数機確認されているわ」
「・・・ガジェットが?」
モニタの中、航空写真だろうか?その中には確かに、T型の機影が複数あった
「はぐれガジェットを捕まえて、何らかの手段で使役している集団もいたわ。今回もそうした手合いかも知れない」
「ふむ、ドクター作のガジェットを、か・・・市井の学者もやるものだ」
「えぇ。厄介なことにね。AMFのお陰で魔導師は踏み込めない。しかも倉庫に保管されているものは無傷で確保しなきゃならない。迅速にね」
「そこで、アタシ達の出番。そういう訳ッスね?」
「そういうこと。但し、まだ全員で出撃するわけにはいきません。今回は、チンク。セインとノーヴェ。それにディードの4人で出ます」
ギンガの言葉に、ウェンディは渋面を作ったが、残るオットー、ディエチは黙って頷いた
状況が状況である。派手な広域攻撃、大出力砲撃は使えないからだ
「ディード。気を付けて・・・」
「はい、待っていてくださいね。オットー」
「う〜、このアタシが留守番ッスかぁ?そりゃ無いッスー・・・」
「まぁまぁ、お土産・・・は無いけど、今回は、お姉ちゃん達に任せときなって」
「ここを出る時は全員揃って出たかったが・・・」
「仕方が無いよ。チンク姉、ノーヴェも、やりすぎないようにね」
「んだよ?そりゃ」
「言葉通りの意味だな。難しい状況ではある」
「現場には私も出るから。細かい相談は後にしましょう。転送の準備は整っているから、すぐに準備して」
ギンガの一声に一同は頷くと、足早に駆け出した。彼女が使った転送ポートを使えば、クラナガンまでは一瞬だ
解錠されたロッカーの扉を開けて、実に一年ぶりに囚人服から戦闘服に着替えた“ナンバーズ”は、それぞれ武装の点検を手早く済ませる
かつては、父親の為だけに戦っていた娘達が、他人の為、管理局の為に力を貸している
彼女達が全員、更正プログラムによって心を入れ替えたのかと言われれば、そうではない。断じてそんな事はない
そこには、現在収監されているスカリエッティ達への恩赦と引き替え、という条件があった・・・勿論、管理局としては最初は難色を示したのである
何せ、ミッドチルダを滅ぼそうとしたのだ。しかし、その戦闘機人の首に交換条件の首輪を付けて使うことができるのなら、強力な戦力を保有できることになる
「よし、3人とも準備は良いな」
「OK!」「おぅ!」「はい、問題ありません」
三者三様の返事を聞きながら、チンクはコートの裾を翻して転送ポートに向かう
らしくも無く、久しぶりの“出撃”に胸が高鳴っていたのはここだけの秘密だ
場面を、再びクラナガンに戻そう。港湾区画にある倉庫の中で・・・
「おぃ、どうすんだよこの状況!」
「・・・ちっ、管理局の犬共が」
愚痴り合う男達を眺めながら、俺はぼんやりと周囲の状況を再確認した
立て籠もっている倉庫の建物は、完全に包囲されている・・・管理局の魔導師達が踏み込んでこないのは、俺と兄弟達の広域AMFのお陰だ
射撃魔法はこちらには届かない。踏み込んで来たとしても、俺達にとっては魔法を失った魔導師など恐るるに足りない
とは言え、このまま睨み合っているわけにはいかない。何とか状況を打破しなくてはならないのだが・・・
「おぉぃ。珍しいモノがあったぞ」
「んだよじーさん!!今の状況わかってんのか!!?」
「お前さんよりはわかっとるわい。ホレ、こいつじゃ」
そういって、仲間の老爺は大きな宝石のような物を見せた
「んだ、こりゃ?宝石、じゃあないか・・・?」
浅学な男達は首を捻るばかりだが、俺には分かった・・・これは、マナクリスタルの通称で呼ばれる魔力集積物質だ
ジュエルシードやレリックと性質は良く似ているが、遙かに扱いやすく、魔力カートリッジの弾頭部分はこのクリスタルを使って作られているのだ
元々は天然鉱物であるマナクリスタルを加工して作っていたカートリッジだが、最近ではクリスタルを人工物で代用できるようにもなっている
これ程に大きな天然結晶は珍しい・・・珍しいのだが、それだけだ。天然物のクリスタルに蓄積されている魔力は不安定な為、最近は使われなくなって久しい筈だ
老爺は、頭の悪い男達にその様に説明した・・・が、
「んで、こいつが何の役に立つんだよ」
「良く考えんか。こいつに溜まっている魔力は相当なモンじゃ・・・言うなれば、コイツは天然物の爆弾というわけよ」
「ば、爆弾!!?」
「おう、手荒に扱うな?マナクリスタルは衝撃に弱い・・・推定じゃが、港湾区画を丸々巻き込むくらいの魔力爆発は起こせるじゃろ」
「・・・じゃぁ、そいつを盾にしてトンズラか?」
「それが良かろう。そして、最終的には・・・地上本部にでもぶちこむかのぅ?」
老爺の言葉に、男達は大声で笑い始めた
俺としては、こいつらの目的なんぞはどうでも良いが・・・集積されている魔力を計測してみれば・・・確かに膨大と言えた
握り拳二つ分くらいのクリスタルにはかなりの魔力が蓄積されている・・・こいつのエネルギーは、ジュエルシードと違って次元干渉作用が無い。次元震を誘発させる怖れはないが、
こいつは、下手をするとクラナガン全域が消し飛ぶほどの魔力量かも知れない・・・これを押収した局員は、どうやら危険性を認識していなかったようだ
俺達にとっては、ありがたい話だが
「それじゃ、この爆弾の存在を教えてやって・・・逃走用の足でも用意してもらうか・・・ははっ!」
同時刻、倉庫の外では・・・
「・・・成る程、厄介な状況の様だ」
「まさか、爆弾なんて物があるとはね・・・」
至極冷静且つ平坦な口調で感想を漏らしたチンクと、額を掌で押さえて嘆くギンガであった
到着早々、現場には動きがあったのだ。立て籠もっている武装集団が言うには、こちらには押収品のマナクリスタルがある。爆発させたくなかったら現金と車を持って来いと来た
最初はハッタリなんじゃないかという意見も出たが、倉庫の管理を担当していた局員。彼の顔色の激変を見て、一同は頭を抱えたのである
「さて・・・どうする?ギンガ殿」
「どうするも何も・・・スピード勝負しか無いわ。逃げ足を与えて泳がせたりしたら、余計厄介な事になりそうだし・・・」
「んしょ、ただいまーっと」
ぼやくギンガの足下から、にゅいっと顔を出したセインの言葉である
突然、地面の中から少女が現れたのだ。セインの正体を知らない一般の局員は誰もが腰を抜かした様子だ
彼女は、IS:ディープダイバーと指先に付いたもう一つの目:ペリスコープアイを用いて偵察に赴いていたのである
「中には、武装してる男が12人。例の、マナクリスタル?っぽいのも確かにあった。凄い魔力反応が出てたよ」
「あぁ、ハッタリだったら良かったのに・・・港湾区画全域に避難指示。急いで」「ハッ!」
「セイン姉様の能力を使って、密かに奪取するという事は不可能なのですか?」
建設的な意見を挙げたディードだが、セイン本人が首を横に振った
「ちょっと厳しいね。お爺ちゃんががっちり抱えてたし。下手に刺激するのもマズイよ。あ、それとV型が1機。T型が6機にU型が3機。人間よりこっちの方がよっぽど厄介だね」
その報告を受けて、ノーヴェは少し不安そうな顔でチンクに尋ねた
「・・・なぁ、チンク姉。ガジェットは、アタシ達でも攻撃してくるのかな・・・?」
「わからん。使役されているのであれば、私達の命令を聞きはしないだろうな」
「・・・んじゃ、壊すしか無いのか・・・くそっ」
ノーヴェは腹立たしげに足下の小石を蹴り飛ばす。一年前に子分に張り飛ばされて以来、彼女がガジェットを粗末に扱ったことは無い
彼女やチンクにとっては、ガジェットは大事な戦力であり、一機一機が仲間なのである
「ノーヴェ・・・気持ちは判るが、乱れた心で渡り合えるほどガジェットは甘い相手ではない。
あの子達の役目はもう終わったんだ・・・終わらせてやるのが、私達にできる唯一の手向けだ・・・そう思え」
「・・・わかった」
しっかりと、彼女は頷いた
決意を固めた一同の様子に、ギンガは己の頬を平手で叩き、気合を入れ直した
「・・・よし、それじゃ・・・チンクは裏手から侵入して。動揺を誘えるようになるべく派手に。
セインとディードはチンクの陽動とタイミングを合わせて侵入して。二人はマナクリスタルの確保を最優先。ノーヴェは、私と一緒に突っ込むわよ」
「「「「了解!」」」」
倉庫内・・・マナクリスタルの存在を盾に取り、すっかりだらけた様子の男達を尻目に、俺は気を引き締め直した
AMFのお陰か、今のところ外を包囲している魔導師達が一斉に踏み込んでくる様子は無い。様子は無いのだが、取引に応じようという姿勢も見受けられない
・・・1年前、地上本部を襲撃して、返り討ちにあったときのことを思い出す・・・あの時は、予想以上に多重弾核射撃の使い手が多かった・・・
今回も何かあるのではないか・・・例えば長距離からの多重弾核魔力弾を使った狙撃とか・・・彼らが余裕を見せるほどに、俺は全身の毛が逆立つような緊張感を身に帯びてゆく
俺に毛は生えていないけれど
外の様子を確認しようと、待機させているT型のカメラに接続しようとして、
滅茶苦茶にロクでもないことが起こった
突如、接続していたT型のカメラが死んだ。カメラだけではない・・・全てのステータスがエラーを返したのだ・・・撃墜!?
いきなりぐるりと動いた俺の姿を、ぎょっとした顔で眺める男達だが、俺は彼らの存在など意識の片隅に追いやって状況を再計算する
やはり、多重弾核射撃か?とにかく、敵が攻撃してきたのは確かだ。迎撃の準備を整えなければ!
「な、なんだぁ?うわぁっ!!!」
情けない悲鳴が倉庫に響く。突如、分厚い金属製のドアが爆発し、ドアの近くに陣取っていた男の一人が巻き込まれて吹っ飛んだ
爆発でドアが吹き飛んだ訳ではない、“ドアそのものが爆弾になった”かの様な爆発だった
爆音に耳を潰され、立ち籠める粉塵に視界も奪われ、一瞬で制圧されたような有様の男達を捨て置いて、俺は兄弟に指示を飛ばしながら侵入者に相対した
粉塵の向こう、小さな人影が見えると同時に、背後に気配・・・地面から?そして、窓をぶち抜いて群青と黄金の“道”が壁に突き刺さった
見張りをしていたT型に、デトネイターを込めた投げナイフ:スティンガーを投げ付け、即座に爆破・・・そして、倉庫のドアに同じくデトネイターを使う
“ドアを吹っ飛ばす”のではなく、“ドアそのものを爆発させて”、チンクは倉庫に侵入した。粉塵の奥には複数の人影と、丸いガジェットのシルエット
地面から飛び出してきた、2本の赤い光の筋はディードのツインブレイズだろうか。そして、窓ガラスを派手にぶち抜いてウィングロードとエアライナーが伸びてきた
「このやろぉぉぉっ!!!!」
怒号と共に、男が振りかぶった鈍器をチンクの脳天目掛けて振り下ろしてきた
何やら怪しげな改造が施されたデバイスを持っていた筈だが、爆発に驚いて取り落としでもしたのだろうか。得物は長くて太い鉄パイプである
普通に考えると、脳天に直撃を許せば間違いなく死ぬだろう。まして、目の前の男は暴力だけが取り柄です、と言わんばかりの野蛮そうな男である
風を巻いて落ち掛かる凶器を見上げ、チンクはさっと身を翻した。失中した鉄パイプが地面を穿つ
ノーヴェのガンナックルとディードのツインブレイズは、非殺傷設定になっているが、生憎彼女のIS:ランブルデトネイターはそんな制限を課すことができない
非効率的であまり好きではないが、チンクは小さな掌に力を込めて、平たい拳を作った
「・・・ふッ!」
「ぐ、ぎっ!?」
鋭い呼気と共に放った掌抵は男の肘関節を軋ませ、激痛に顔を顰めた男が体勢を立て直すよりも早くチンクはそいつの懐に潜り込み、掌抵で顎をカチ上げている
小さな身体は格闘戦では不利・・・自分でノーヴェにそう言ったが、それならそれでやり方はある。コンパクトな身体を活かしたインファイト。トドメの肘鉄が肋骨をへし折った
泡を吹いて崩れ落ちた男のこめかみを蹴り付けながら、視線を奥に走らせる
その先では、ディードが既に3名の男を斬り伏せていた。急襲・奇襲が彼女の本分である。きっと斬り伏せられた男達は彼女の姿さえ捉えられなかっただろう
「じーさんは、大人しくしてなさいってのっ!!!」
セインがそんな台詞を言い放ちながら、マナクリスタルを抱き抱えて蹲っている老爺に一抱えほどもある木箱を叩き付けた・・・が、その木箱が老爺を傷付けることはなかった
IS:ディープダイバー。物体透過能力は、彼女自身にしか効果を及ぼさないわけではない。例えば、今のように木箱に透過能力を付加してやれば・・・
「む!?む、がーっ!!!」
木箱は老爺の頭から身体を通り抜けて、すっぽりと覆い隠した・・・木箱に梱包された格好である
「せぃ、やぁっ!!」
「だぁらぁぁっ!!」
裂帛の気合が迸る。その声の元はギンガとノーヴェだ
閉鎖環境に強い二人のこと、鮮やかな体術で男達の意識を刈り取り、ガジェット達を沈黙させていた
ノーヴェはどちらかというと力任せな技に傾倒しているが、ギンガの体術は凄まじい。二回りは大きな体格の男が相手だろうが、ただの一撃で昏倒させている
黄色い瞳を輝かせながら、二人の少女は次々と男達を打ち倒してゆく
「くっ・・・すまねぇ・・・っ!!」
目尻に悔し涙を浮かべながら、ノーヴェはT型にガンナックルを押し当てトリガーを引いた
『終わらせてやることが、私達にできる唯一の手向けだ』
チンクのその言葉は、正しいのだろう・・・こいつらは仲間の筈なのに・・・いや、仲間であるからこそ、止めてやらなくてはならんのだ
零距離から撃ち込まれた魔力弾に装甲を貫かれ、機能を停止するガジェットの“遺体”を痛ましげに見やりながら、彼女は次の敵影を求める
その視線が大きな丸いシルエットに定め・・・
「ま、魔力反応?!これって、まさか・・・!!」
只ならぬ様子で、悲鳴の様な言葉を漏らすギンガに視線を移した
AMF下だと言うのに、好き勝手に暴れ回る局員達を見上げながら、俺は仲間である男達が呆気なく制圧されてゆく様を見守っていた
助けることもできたとは思う・・・だけど、この、暴風の様に暴れ回る5人から全員を救い出せるかと問われれば、絶対に無理だ。外も包囲されているのに
そして、俺自身が逃げ出すことも・・・きっと適わないだろう
ここまでか
せめて、抵抗を示そう。そう思って、俺はボディに格納されている腕を伸ばし・・・そして、その動きを止めた・・・止めざるを得なかった
魔力反応?どうやら、侵入者達も感じ取ったらしい。全員動きを止めている
だが、コレは・・・膨大な量の魔力が流れ出しつつあるようだ・・・考えられる可能性は一つしかない
魔力反応の元、老爺が押し込まれた木箱の蓋がこじ開けられる。そこから溢れ出してきたのは、強烈な魔力の輝きと、狂った老人の哄笑だった
「ふ、ふは、ははは!全て壊れてしまえ!!こんな世界など!!最早、価値など有
言葉が途中で途切れたのは、赤い双剣が老爺の意識を刈り取ったからだ
「マナクリスタルにヒビが・・・!」
「ちょ、どうすんのさ、コレ!」
「このままでは爆発するのか・・・!?」
「何てこと・・・」
予想の通りに、老爺がマナクリスタルを傷付けて、籠められた魔力を暴走させ・・・爆発させるつもりらしい
「防御魔法でカバーとか、何とか防ぐ手だては!?」
「・・・無理だわ。これだけの魔力が暴走するとなると・・・どんな結界でも封じきれない」
「・・・では、距離を取るしかない。そういうことでしょうか?」
「どうやって!?」
「・・・アタシが行く!エアライナーでなるべく陸から離れて、海に捨てれば・・・!!」
「馬鹿を言うなノーヴェ!!そんな危険な真似を許すものか!!」
「でも、チンク姉!他に何か打つ手があるのかよ!!?」
・・・今、何と・・・?ノー、ヴェ・・・隊長?それに、チンクさん・・・?
ヒビの入ったマナクリスタルからは、少しずつ蓄積されていた魔力が漏れ出してきている
ひび割れたダムから水が漏れ出すように。そして、その先には決壊という末路が待ち受けている・・・
「・・・外の局員に、転送魔法の使い手は!」
チンクの言葉に、ギンガは黙って首を横に振った・・・ここに居るのは平凡な陸士隊員達であり、転送魔法や結界魔法に長けた術者は居ない
「チンク姉様・・・」
「・・・案ずるな、ディード。姉が絶対に何とかする」
頬を伝い落ちる冷や汗を拭いながら、チンクはそう言った・・・だが、幾ら考えても解決策は浮かんでこない
目の前にある、起爆寸前の爆弾を止める力は、この場にいる誰も持ち合わせていない
「チンク姉!考えてる暇なんか無ぇよ!!ここはアタシがカッ飛ばして海に捨ててくるしか!!」
「それではお前が巻き込まれる!!他に手段はある筈だ!!」
「だけど!!」
クリスタルを奪い取ろうとするノーヴェを振り払いながら、チンクはひたすらに考える・・・不意に、一同の背後に大きな影が差した
丸いシルエット・・・V型が彼女らの背後に浮かんでいたからだ
「くっ!こんな時に!!」
「・・・待ちなさい。何だか、様子がおかしい・・・」
ギンガは身構える一同を制して、ゆっくりと降りてくるV型の動きを見守った
俺は、そっとチンクさんの腕の中からマナクリスタルを取り上げた。魔力の漏出は激しさを増しており、物理的な衝撃を感じるほどに強くなっている
爆発が近いのだ・・・クリスタルを奪い取ろうとするチンクさんを見下ろしながら、俺はAMFを展開した
最高出力・最狭領域。生きるために必要なエネルギーさえAMFに回す。人間風に述べるなら、呼吸も鼓動も脳波も止めたようなものだ
そうしてでも、この魔力爆発を完全に押さえ込める自身はない
「何をする気だ?お前・・・」
呆然と俺を見上げているノーヴェ隊長は・・・良かった、元気そうだ。一年ぶりに見るその顔は、記憶の中にあった顔と全く変わりない
優しいチンクさんも、悪戯好きのセインさんも、生真面目なディードさんも、何も変わっていない
俺は、笑い出したい様な気分になりながらも、目をピカピカさせて説明した
ここは俺が食い止めます。皆さんは早く逃げてください
「・・・お前、まさか、AMFで魔力爆発を食い止めるつもりなのか?」
はい
「む、無理だろ!!?」
「・・・いえ、高出力のAMFなら、魔力爆発の発生そのものを食い止める事ができるかも知れない。爆発を止められなかったとしても、規模はかなり抑えられる筈だわ」
その通りです。早く、退避を
俺のピカピカを理解してくれたのかどうかはわからない
だけど、5人は一斉に倉庫の外に駆け出してゆく・・・だけど、ノーヴェ隊長だけ、後ろ髪を引かれているように、入り口で立ち止まって俺の方を見ていた
魔力の奔流に、自慢の丸いボディを形作っていた装甲板が剥がれ落ちてゆく。歪な形になりながらも、俺はAMFを更に強める
設計限界を超えたAMF展開に、回路が弾け飛びそうになる。それでも、爆発の瞬間にAMFを全開出力で展開しなければ意味がない・・・
ノーヴェ、隊長・・・まだ、いるんですか?早く、逃げて・・・
懸命に、そう訴える
目の前のガジェットが、ボロボロになりながらクリスタルを押さえ込んでいる
暴風のような魔力の奔流に突き倒されるようになりながらも、ノーヴェは脳裏で激しく訴える何かの言葉に足を止めていた
不意に、視線の先にいるV型がこちらを振り返り、目をピカピカさせた
足下に、あいつから剥がれ落ちた装甲板が転がってくる
そこには、薄く掠れてはいるが、確かに「\」と描かれていた
?
1時間経ってるが、これで投下終わり?
それとも何かトラブルで投下できないのかな?
サンタがどうなったか激しく気になる!
何かトラブルかな?クライマックスを激しくwktkしているZE
どうやら連投規制に引っかかったモノと思われる
あーあるある。俺もよく引っかかる
でもちょっと経てば書き込めるよね?
なるほど。
しかし、これは新しいなあ。
感動巨編の予感がする。
これは他のSSスレでみかけた支援という奴が必要なのか?
ネタが出てから書きあがるまで速いなw
これは期待せざるを得ない
いや、支援ってのは1レス他の人間がやればもう充分だよ。
多分規制食らった瞬間、支援来ないかなと待ちもせずに速攻で諦めて出かけたとかそんな感じだろう。
・・・棘っぽい文だな
すまん、本当にスマンかった
連投規制じゃなくて、さっきまで停電してたんだ
見苦しい言い訳は後にして、とりあえず続き行きます
それを見た瞬間、ノーヴェの中で全てが繋がった
魔力の閃光が迸り、目の前が真っ白に染まる。だけど、彼女は一面の「白」に向かって手を伸ばし、彼に向かって駆け寄ろうとした
最後の言葉のつもりで、彼はノーヴェの方を振り返り、目をピカピカさせた
『ごめんなさい、ノーヴェ隊長、チンクさん。俺、約束を守れませんでした』
閃光と爆風を斬り裂くように、彼女は叫んだ
「やめろ!!サンタぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」
閃光が炸裂し、世界が真っ白に染まった
目を醒ますと、そこは監獄の一室だった
ギンガに聞いたところによると、あの事件での死者は0。爆発の規模は奇跡的に小さく抑えられ、倉庫を粉々に吹き飛ばした程度で済んだのだという
勿論、押収品は残らず吹き飛ばされてしまったが、死傷者が居ないというのはまさに奇跡といえた
そんな説明をぼんやり聞きながらも、ノーヴェはチンクに尋ねた
「チンク姉・・・あのガジェット・・・サンタは?」
サンタ、という名前に、チンクは大きく目を見開いて驚きを露わにしたが、すぐに顔を伏せてしまった
それだけで、わかった
あいつは、死んだんだって
後日談である
ギンガとノーヴェの組み手を眺めながら、ナンバーズ一同は語り合っていた
「・・・やっぱ、ノーヴェ元気無いッスね」
「・・・あぁ・・・」
「チンク姉もだよ。ねぇ、そのサンタって言うガジェットは一体何者だったの?」
「ノーヴェの子分だった、マスター型のV型ガジェットだ。普通のガジェットは、機能を弄られて操られるようだが・・・
あいつは違ったよ。きっと、自分の意志であの集団に協力していたんだろうな」
「・・・何の為に・・・?」
「私達の為さ。きっと、管理局から助け出す機会を待っていたんだろう」
「ガジェットが。ですか・・・?」
「あぁ、姉はそう信じている」
断言して、はっきり頷くチンクに、一同は困ったように顔を見合わせた
正直に言って、俄には信じ難いのだけど・・・
視線をギンガとノーヴェの方に戻せば、ノーヴェがギンガの拳を捌ききれず、一本を許していた
「・・・ノーヴェ、悩んでるみたいだね。動きにキレが無い」
「あれで良いんだ。人は悩んで大きくなる」
「それじゃ、チンク姉は全然悩まなかったッスか?」
妹の無邪気な問い掛けに、チンクは壁に立て掛けてあるライディングボードにスティンガーを投げ付け、有無を言わさず指を鳴らした
言って良いことと悪いことがあるのだ
「・・・なぁ、ギンガ」
「ん、何?ノーヴェ」
「その・・・今更だけど・・・ごめん。ごめんなさい」
いきなり頭を下げるノーヴェに、ギンガは面食らった・・・謝られるような覚えは全く無いのだ
「ちょ、ちょっと、どうしたの?いきなり」
「・・・色々酷いことしたんだって思って、謝らなきゃ、って思ったんだよ。アイツ・・・ハチマキ、じゃない、スバルの奴にも」
一年前、ノーヴェ達は地上本部を襲撃した際に、ギンガを拉致した事がある・・・ただ攫っただけではない。抵抗できないように3人掛かりで叩きのめしたのだ
それを目の当たりにしたスバルが暴走し、彼女のIS:振動破砕能力を用いて、チンクに重傷を負わせた・・・彼女は、つい最近までその事を根に持っていたのである
スバルは、大切な姉に傷を負わせた“敵”だ。と
だけど、それは当たり前だったのだ
大切な存在が目の前で奪われようとしている。それを目の当たりにして、平然としていられる人間など居るものか
スバルが、半死半生のギンガを見て暴走したのも、立場を入れ替えれば自分だってああなったと思う・・・そして、今回初めて知ったのだ
“失う”という事の辛さ、やるせなさを
「・・・サンタが、死んじまって・・・何か、変なんだよ。胸に穴が空いたみたいって人間は良く言うらしいけど、そんなもんじゃねーんだ」
胸に手を当てて、ノーヴェは俯いたまま、目に涙を滲ませながら言った
「こんな、こんなにも辛い物なんだって、思い知ったから・・・アイツにも、こんな思いをさせたんだってわかったから、だから、ごめんなさい・・・」
しゃくり上げながら謝るノーヴェに、ギンガは苦笑を浮かべた
やはり、彼女は妹に・・・スバルにそっくりだ。不器用だけど、優しくて・・・案外泣き虫だったりする
ギンガは、ナックルで覆われた掌を赤毛の上に乗せて、彼女の頭をくしゃくしゃっと撫で回した
昔、妹に良くそうしたように
「ノーヴェ。今、心にある辛さ、悲しさを忘れちゃダメよ。
私達は、そんな悲しさを誰にも持たずに済むように、その為に、管理局にいるんだから」
「・・・うん、わかった」
「ほら、涙拭いて、みんなに笑われるわよ」
「わ、わかってるよ・・・ん、しょ・・・」
差し出されたタオルで顔をごしごしと拭って、ノーヴェは少し気恥ずかしいのか、頬を紅潮させてタオルを投げ返した
「ありがと・・・ギン姉」
「どういたしまして・・・え?ノーヴェ、今「おわぁっ!?な、何でウェンディのボードが煙噴いてんだ!?それに、何かチンク姉の笑顔が怖いんだけど!!?」
「はっはっは、気にするな」
「いや、気になるって!!」
賑やかに騒ぎ出す姉妹達を眺めながら、ギンガもつられるように微笑んでしまった
きっと、彼女達は大丈夫だ
外の世界に出て生きていくようになっても、あの姉妹ならば、きっと助け合って、逞しく生きて行くだろう
賑やかな笑い声が響く監獄の中で、ギンガはそう確信した
500 :
26-111:2007/11/13(火) 15:12:02 ID:r4I29TzO
以上です、スレ汚し失礼しました
そして、2時間近い空白を作ってしまった・・・本当にすみませんでした。切腹ものの失態ですなぁ・・・
近所の工場の高圧電線の点検中に何かトラブったらしく、局地的に停電してて、復旧したのがついさっきなんだ
お待たせして申し訳ないです。そして、支援を考えてくださった方、本当にありがとう。お心遣いはありがたくいただきます
それでは、失礼します
>>500 いやいや、ちょっとホロリとくるいい話ですた。ああ何かやるせない気分…
停電か…突発的なトラブルってあるよなぁ
俺も酔っ払ったオカンが乱入してきたせいで、投下を数分中断したことがあるw
切腹すんのは業者じゃぁぁぁぁ!w
GJ!
パイナップルアーミーで、爆弾咥えて走って、
ゴージ助けたシェパート思い出したw
>>500 これにGJせずに何をGJすればよいのか
GJ
投下乙&GJ。
広範囲の停電に巻き込まれたんじゃ仕方ない。
サンタの物言わぬ男気が実に良し。
マッドな爺さんはてっきり死んだかと思ったけどw
>>502 俺もその話、思い出した。
種族の違いを超えてやっと想いが通じたのが、別れの瞬間だなんて切ないなー
あれ目から汗が………
>>500 いや〜最初エロ無しなんてあるからガンスルーしようと思ったけど数の子達なんで読んでみたら・・・
483に入った途端嫌なさぶ毛が立ったら予想を裏切らないサンタ展開に目の前が霞んだよ・・・orz
マジで涙のしょっぱさを味わったのは久し振りだ
大抵目頭が熱くなるって感じだけでも大袈裟なレスをするがそんなチャチなもんじゃあ断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
それとこのチンクねぇ大好きだー結婚してくれ!!!
良いもんを書いてくれてありがとだっぜGJ!!
>>500 GJ
思うんだがギンガとスバルは
チンクに普通に接することが出来るんだろうか?
一応母親のかたきだろうし。
>>509 過ぎたことは……忘れようぜ
リンディもヴォルケンにボコられたり、プレシアにボコられた人もそうして生きてる。
>>500 ええ話やないかー、GJ!
・・・誰かサンタ(本編中のV型)を擬人化しようとは思わんのかね?
なんか今プレシア×ユーノ(大人版)という電波を
受信したんだが誰か送信した覚えないか?
>>500 超GJ!
サンタがカッコ良すぎて泣いた
>>512 文章になる前の電波ならユーノスレでやれ。
文章になったら是非ここで投下してくれ。
>>511 いやいや、これはガジェットだからいいんだよw
>>512 ユーノスレの誤爆かね。
とりあえず、文章にしてみようか
>>509 直接殺傷したのはガジェットW型みたいだから
操作してたであろうクアットロが悪いということでひとつw
チンク姉ならギン姉とスバルに『私は破壊されても構わない。その代わり妹達は…』ぐらい言いそう。
SS04か漫画でやるかもね。
>>500 ちくしょう、泣けるぜ
GJ以外言葉が思いつかない
>>516 せめてネタがかぶってないかチェックする時間くれ
520 :
名無しさん@八周年:2007/11/13(火) 19:34:47 ID:PVSlR7In
>>509 ゼストの残した資料がどこまで書いてあるか不明だから、その場にいたメガーヌや初期ロット機人達が
喋らないと管理局の脳みそ三人の陰謀に巻き込まれた犠牲者としかギンガやスバルには分からないのでは?
そもそも、描写があるのはチンクによるゼスト殺害だけで残りの面子がどのようにやられたかは不明では?
>>521 うーん。
「過去のいきさつを知った上で乗り越える事」をテーマとするなら、その分の描写
か複線が必要となる。ってことか?それとも「そんな事実はつきつめようがないか
らSSは無理」って話なのか?
どっち?
陳腐でありがちな言葉で纏めるなら、
復讐からは何も生まれない
って事で納得したんじゃね?
ギンガとスバルはともかく、ゲンヤさんはかなり真相に近づいてそうな感じがする。
事情を知った上であの更正プログラムを引き受けて、担当チームにギンガを入れそうな気がする。
>>500 遅レスだけどもGJでした。nine boll.
良い数の子とギン姉を堪能できました。
>>500 サンター!サンタああああああ!
GJ!
サンタGJ
20を超えた俺にサンタはもう来ないんだよな・・・
>>528 お前がサンタになれ
でかいサンタになれ
>>529 島本乙w
あとガジェット・サンタに思考戦車の面影を見てしまった……
職人、乙!
>>500 GJぇぇぇ!!!
「ターゲット確認…排除開始」
NineBallでこっちを思い出したのは俺だけ?
>>500 本当にGJ!!久しぶりに目が熱くなった。本当に秀作だったよ。
ちょっと違うけど、ケット・シーを思い出した
最終話が書き上がったので投下します。
オリキャラ×スバルエロなので、オリキャラが苦手な方はスルー推奨。
last session〜結ばれし想い、未来へ〜
「っう……。……痛っ!」
フィレスがゆっくりと目を開き、身体を起こそうとすると、右手に鋭い痛みが走り、フィレスは思わず悲鳴を上げる。
と、それに気付いたのか、シャマルがフィレスに駆け寄った。
「目、覚めた?」
「え、ええ。……えっと……、確か、ティアナさんの刺突止めようとして……」
「掌ごと、貫かれちゃったのよ」
そう言ったシャマルに、フィレスは苦笑した。
「……そうでしたね」
「骨に完全に穴が空いてたから……、骨も傷口も塞いではおいたけれど、しばらくは痛むと思うわ」
「……どのぐらいで引きますかね?」
そうフィレスが聞くと、シャマルは軽く腕を組んで考え込み……、……口を開いた。
「……そうねえ……、大体、1週間、って所かしら。訓練自体は軽いのならもう始めても大丈夫なんだけど……」
「幻痛、ですか?」
「ええ、そうね。それに頭が慣れて完全に痛みが消えるまで、後1週間はかかると思うわ」
魔法で傷を治すのにも、限界がある。
元々人が持っている自然治癒力を使って治す魔法が大半のため、大怪我をすると完全に治るまでそれなりに時間がかかる。
しかも、早く治ったとしても、頭が治ったと言う事を理解出来ずに、治った箇所が痛み出してしまう。
「しばらくは騙し騙しで……、戦闘はしない方がよさそうみたいですね……」
「ええ、そうね。医師として、痛みが完全に引くまで戦闘は絶対に許可出来ません」
そうフィレスに真剣な表情で言ったシャマルだったが、すぐに表情をいつもの笑みに戻し、言った。
「……スバルちゃん、心配してたわよ? すぐに行ってあげたら?」
「……へ?」
きょとん、とするフィレスに、シャマルはくすくす微笑んだ。
「ずっとフィレス君を泣きながら揺すってて、宥めるのが大変だったのよ?
……早く行ってあげて、安心させてあげたら?」
「は、はい!」
そう言って慌てて医務室から飛び出して行ったフィレスに、シャマルは微笑んだ。
「……フィレス……」
ぐすぐすと涙を流し続けるスバルに、ティアナは額に青筋を立てる。
「いつまでも子供みたいにめそめそめそめそ……!
私が言う事じゃないと思うけど、悲しむだけでフィレスが治るって訳でもないでしょうが!」
「そうだけど……」
まだ悲しそうな顔をするスバルに、ティアナは溜息を吐く。
「……ちょっと外出て来るわ。
……医務室にも寄って、フィレスの様子聞いて来るから」
「……うん」
そう言って部屋から出たティアナを見送って、スバルはベッドの上で丸くなる。
「……フィレスぅ……」
ぐすぐす、ぐすぐすとべそをかいて、スバルはタオルケットに顔を埋める。
フィレスが意識を失って1週間。何とか訓練の時は訓練に集中する事が出来ている。
しかし、それ以外の時は、スバルはずっとべそをかき続けていた。
「……私って……、こんなに弱かったっけ……?」
自分が何故ここまで不安定になっているのかは理解出来ている。
フィレスがいない、フィレスに会えない、フィレスと喋れない。
ただそれだけで、これだけ寂しくなってしまう。
「……会いたい……、フィレス……会いたいよぉ……」
そう呟いて、スバルはもう一度タオルケットに顔を埋め……、
「……僕は、ここにいるよ」
「……ふえ!?」
……突然聞こえて来た声に飛び上がった。
慌ててスバルが顔を上げると、そこにいた少年がにっこりと笑う。
……その少年は、フィレス、ホーマルハウトと言った。
「フィ……レ……、フィレスーっ!」
そう叫んで、スバルは泣きながらフィレスに飛び付いた。
「フィレス、フィレス、フィレスぅ♪」
まるで子犬か何かのようにフィレスにじゃれつくスバル。
ぱたぱたとちぎれんばかりに振る尻尾の幻覚が見えそうな程喜ぶスバルに、フィレスは溜息を吐く。
「スバルさん……、そろそろ離れて……」
「や〜だ♪」
ぎゅうっと抱き締められ、フィレスはまた大きな溜息を吐く。
……しかし、その表情の仮面の下では、今にも崩れそうな理性と必死に戦っていた。
「(……もう襲っちゃっていいかな……?)」
「えへへ〜♪」
半分くらい泣きそうなフィレスの心中を知ってか知らずか、スバルはさらにフィレスを強く抱き締める。
「フィレス分補給〜♪」
「……僕はスバルさんにとって栄養分か何かなの?」
「だって、フィレスがいないと私寂しくてしょうがなかったんだもん!」
そう叫んで、フィレスに擦り付くスバル。
スバルの身体の柔らかい感触と、漂って来る匂いに、フィレスは何かが切れるのを感じ……、
そのまま、フィレスはスバルを押し倒した。
「……ほえ?」
目をぱちくりとさせるスバルに、フィレスは完全に座った目で呟く。
「……そんなに僕を補給したいんなら、思う存分補給してあげるよ。
……もう止めてって言っても止めないけどね」
「……え? フィレス、何んむうっ!?」
何か言おうとしたスバルの唇を塞ぎ、そのまま舌を差し入れ、暴れさせる。
「んん! んはっ! ……はぁ……、はっ、んんんっ!」
自分が苦しくなるとすぐに唇を離し、間髪入れずにもう一撃。
そのまま5、6回攻撃を繰り返して唇を離すと、スバルは行きも絶え絶えになってベッドに沈む。
そんなスバルに微笑むと、フィレスはスバルの服を剥ぎ取りにかかった。
「あ、やっ、やあ!」
慌ててスバルは抵抗しようとするが、フィレスの口付けで完全に力が抜けていて。
まだ大して力が入らない右手1本で簡単に抵抗を封じられ、スバルはあっという間に一糸纏わぬ姿になった。
「……うわ……、可愛いよ、スバルさん」
「や、やだやだ! フィレス、見ないでぇっ!」
スバルは必死に身体を隠そうとするが、左手1本で簡単に両腕を捕まえられ、頭の上に纏められる。
じたばたとスバルは暴れ……、偶然、フィレスの右手にスバルの膝が直撃した。
「〜っっ……」
「はえ?」
その途端、しゃがみ込んでぷるぷる震えるフィレスに、スバルは首を傾げる。
と、フィレスが顔を上げ……、……完全に座った目で呟いた。
「……はじめてだろうし、優しくしてあげようと思ったけど……、止めた、いじめる」
「え、フィレス、ちょっ、待って……きゃうんっ!?」
慌てて何か言おうとするスバルだったが、その瞬間、フィレスに旨の先端を吸い上げられて、悲鳴を上げた。
もう片方の胸の先端も弄られて、スバルの声がどんどん甘いものへと変わって行く。
「ふあううっ! あんっ! きゃああんっ!」
悲鳴を上げ続けるスバルに、フィレスはにこにこと笑って……、……一度、唇を離した。
「は……ふ……?」
とろーん、と快感に蕩けた目で見詰めてくるスバルに、フィレスはにっこりと笑って、言った。
「……スバルさんって、犬みたいだね」
「……いぬ……?」
「そう、犬。……可愛い可愛い、僕だけの子犬」
「な……何言って……、きゃああんっ!?」
その瞬間、会話の最中にフィレスが下ろした手が秘所を擦り上げ、スバルはまた悲鳴を上げる。
こりこりと突起を弄られ、秘所を擦られて、スバルはあっと言う間に限界を超えた。
「きゃうっ、くうんっ! ん、んんんんんんんーっ!!!」
「はっ……はあっ……! い、あああっ!?」
がくがくと震えるスバルだったが、フィレスは責めの手を休めない。
中に指を差し込んで掻き回すと、スバルは次々に弾ける快感に翻弄された。
「フィレッ……! だめ! だめええっ!」
「スバルさん……可愛い♪」
「ふあっ、あ、きゃあああああんっ!!!」
初めて経験するには強烈過ぎる快感に、スバルは何度も何度も絶頂に達する。
ぷしゃぷしゃと液体を飛び散らせ、スバルはフィレスを抱き締めて声を上げ続けるだけ。
と、フィレスが手を止め、スバルはぐったりとベッドに沈み込んだ。
「んはあっ! ……はあっ、はあっ、はあっ……」
「……大丈夫?」
息も絶え絶えなスバルを、フィレスは心配そうに見やる。
と、頬を膨らませたスバルが、フィレスの胸板を叩いた。
「ばかばかばかあっ!」
「わ、わわ……」
ぽかぽかとスバルはフィレスを叩くが、完全に力が抜けているので、フィレスは全く堪えない。
と、にっこりと笑ったフィレスが、スバルの胸の先端を弾いた。
「きゃうっ!」
途端に身体を跳ねさせるスバルに、フィレスはにっこりと笑って囁いた。
「スバルさん、このくらいで音を上げられたら困るよ? ……これからが本番なんだから」
そう言ってスバルの秘所に自分自身を宛ったフィレスに、スバルは身体を逃がそうとするが、フィレスに抱き留められ、硬直する。
そんなスバルの唇を自身の唇で塞いで、フィレスは一気に最奥まで自分自身を突き込んだ。
「ん、んんんんんんんんんんん!!!」
「……はい?」
その瞬間、フィレスにしがみ付いて声にならない声を上げたスバルに、フィレスは唖然とした。
「……ぁ……ぁ……」
ぞくぞくと身体を震わせるスバルに、フィレスは意地悪な笑みを浮かべて、囁く。
「……ひょっとして、入れただけでイっちゃった?」
「!!! ち、違うもん!」
途端に顔を真っ赤にして抗弁するスバルに、フィレスは意地悪な笑みのまま言い返す。
「……だったら、そんなに痛くなかったみたいだし、もう動くけどいいよね? ……答えは聞いてないけど」
「だ、だめっ! ちょっと待って……、―――っ!!」
そう言ってフィレスが腰を動かし始めると、スバルは強すぎる快感に必死で耐えようとする。
しかし、そんな事くらいフィレスはお見通しで。
「スバルさん、我慢は身体に悪いよ?」
「あ、ひっ! らめっ、それらめえっ!」
フィレスが左手でこりこりと胸の先端を弄ると、スバルは快感を振り払おうとするかのようにぶんぶん首を振る。
「きゃんっ、くぅんっ! きゃああああんっ!!!」
子犬のような鳴き声を上げ続けながら達しまくるスバルに、フィレスは少し辛そうな表情で言う。
「……スバルさん……、そろそろ……僕……!」
「きゃう! くううん! んきゅうううっ!!」
そうフィレスが言うが、スバルは快感に飲み込まれて何も言えないまま。
フィレスは眉を顰めると、スバルの最奥に自身を叩き付け、
「ス、スバルさん!」
「ふああああああぁぁあぁぁああっ!!!」
欲望をスバルの中に注ぎ込み、スバルは身体を限界まで反らせ……、……気を失った。
隣で眠るスバルの髪を撫でながら、フィレスはスバルに愛しげな視線を送り、呟いた。
「……僕には情熱的な言葉は言えないけど……、これだけは言える。愛してるよ……、……スバル」
そう言って、フィレスはスバルに口付けた。
これで終わりです。
……全18話、約145KBも行くとは……。
尻切れトンボの感が拭えないですが、こんなものでお楽しみいただけていたら幸いです。
次回作はユノなので、「もしもユーノがなのはと初めて会った時に人だったら」で長編を書いています。
……何だか黒なのはさんが降臨しそうな予感がしますがw
……後、540レス行っててまだ350K超えたぐらいなんだー、今回は随分少ないなー。と感じる俺は明らかに今までのスピードに慣れすぎですorz
>>543 GJでした
実際スバルはオリキャラとでも絡ませないことにはしょうがないからな。
今後も期待してる
>>544 長い間の連載ご苦労様でした。
終わり方としては、中途半端ですが、ストーリーは楽しかったですよ。
エロシーンは少し物足りなさを感じましたが、いいイチャラブでしたし。
まぁ、フィレス君らしい人とスバルが、リアルに夢の中でイチャラブしてくれたんで、少々残念ですが、
次回、投下がありましたら、また読ませていただきます。
GJ
>>543 GJだ。GJしてやるぞ!
さて、残るはフェイトとエリックの番だな。
……くっそおお考えれば考えるほど“男手”が足らんッッ!!
特にナンバーズ!
クアットロは、オリキャラのカップリングは許されるのか?
まいど、朝刊どす〜
[はやてとクライド君][デートちゅ][3期終了後準拠]
じーっと見つめながらクライドを観察するなのはだったが、クロノとは違うことにはさすがに気づいたらしい。
「クロノ……君?ううん、なんか違う……お名前、いいですかぁ?」
「え、えと、クライド・ハーヴェイ……」
どこかで聞いたような謎の苗字をつけて、とりあえず誤魔化してみる。
「クライド?ハーヴェイ?」
ん?と何か記憶の端で引っかかったような表情で首をかしげるなのは。
「ね、はやて、この人は?」
「えー、えーと……」
「はやてちゃーん?」
上と下からのエースの同時攻撃に耐えかねて、仕方なく切り札を切る。
(……シャマル、ごめん、お願い)
(……はい)
念話で仕方なさそうな微笑を含んだ声が返ってくると、ほぼ同時にはやてと背中の人の足元に展開される緑色の魔法陣。
「え」
「強制転移……って!」
「ほ、ほな、またなー」
と、フェイトの手が捕まえる前に魔法陣が閉じると同時に2人の姿が掻き消えた。
シャマルが転送してくれた先はとあるビルの屋上で、なるほど、確かに避難場所としては最適であった。
はうー、と言わんばかりのため息を吐きつつワインの袋を持ったままぐったりと両の腕を垂らすはやて。
「あーもー、ばっちりみられてもうたー」
「先程のは……?どちらもかなりの魔力持ちのようだったが……」
「ああ、はい。茶色い髪のサイドポニーの子が、高町なのは一等空尉、そして金髪の長髪の子が――フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官、です」
「ハラオウン……?うちの娘か?再婚、したのか」
「あああ、いいいいいえいえいえ、ちゃいますちゃいます」
割と深刻に翳ってしまった表情に慌てて否定をいれる。
「フェイトちゃんはリンディさんが引き取った養子なんです。だから――リンディさんはずっと独りで」
「ああ、そうなのか」
表情の建て直しに成功し、つられてはやても微笑む。
「ってあれ……お孫さんがいるお話はしましたっけ……?」
「……そうなのか?クロノの?」
こちらはそれほど驚かなかったのか、普段どおりであった。
「はい。双子の男の子と女の子で、奥さんはエイミィ・リミエッタっていう」
当然、今はエイミィ・ハラオウンなのであるが、ここはクライドが少しでも分かりやすいように旧姓で説明してみる。
「ああ、エイミィちゃんか!なるほどな……」
「ご存知なんですか?」
「いや、まあ……知っているとはいってもまだこんな小さい頃だが」
と彼が指し示した手の平の線は、はやての肩ほどまでも無かった。
「あはは。びっくりしますよー、もうしっかりお母さんしてはるし」
「そうか……」
会話の内容が一区切りしたところで、常々考えていたことをようやく問いかけるはやて。
「あの……本当に、会わなくていいんですか」
「ん……」
「クロノ君はともかく……リンディさんは……」
「そうだな、正直、悩んでるよ」
「うちは、構いませんよ。消える直前までご家族の所へ戻られても」
「……」
その問いかけに、彼は晴れ渡った空を見上げて髪を風に揺らす。
強く通り過ぎた風に、はやての服も揺らされた。
「俺は……死んだ人間だからな……」
この距離感も、たった今許した内容も、どちらも本当ははやては嫌であったが、夫婦の話であるが故、口を挟むことではない。
「やはり……できればこのままがいいが」
そう言った割には瞳がひどく哀しそうで、言葉を失くす。
と、さらに強い風が吹いて、さすがのはやても衣服を抑えた。
「きゃっ」
「ん」
上着を取りながら、駆け寄ってその上着で包み込む。
「中に入ろうか」
「……はい」
肩に手を添えられて、少しだけ照れながら微笑んだ彼女に、つい言葉が漏れる。
「何故だかわからんが……はやてのところにいなければならないような気がしてな……」
「クライドはん……」
嬉しさと悲しさがないまぜになった雰囲気に、どう反応していいかわからず、はやては曖昧な表情しか返すことができなかった。
結局その後は、場所を変えて中心街からは少し離れた地区に移動し、主に食材を買い込んでから家路に着く。
なんだかんだいってかなり長い時間クライドを独占できたはやては、かなりご機嫌であった。
八神家へもう少しというところまで歩いてきて、買い物袋を持った彼に寄り添いながら、それっぽくお願いをする。
「また、連れてってくださいね」
「ああ、こんなのでよければいくらでも」
「えへへ」
かなり好意的な返事に、素直に喜ぶ。
そして玄関に辿り付いて、開いたのだが必ず出迎えてくれるはずの家人が誰一人でてこない。
「ん?ただいまー?」
と、足元を見るとかなりの数の靴。
「……」
何やら随分と賑やかなリビングからシャマルが慌てて出てきた。
「は、はやてちゃん、おかえりなさい。あの、実は……」
「えーと……いや、言わんでええ……」
ほぼ間違いなくやってくるこの後の展開は簡単に予想できたが、ここまで来て如何ともしようがあるまい。
大人しく、3人揃ってリビングの扉を開けると――
「「「「「おかえりなさーい!」」」」」
「……」
ジャケットの片側をずり落としてはやてが唖然とするのも無理はなかった。
幼馴染3人+娘までは一応予想できていたのだが、そんな生易しいものではなく――
ソファーは部屋の端っこに押し込まれ、広いカーペットにはご丁寧にずらりとニアミスした方々が完璧に全員揃っていた。
コテ間違い失礼……っても時間と内容からしていらん気もしてきたw
ほいではまたノシ
>>550 朝刊お疲れ〜&GJ!
教導官殿と執務官殿のリンカーコアが抜かれなくて良かったw
また次が楽しみな引けだぜw
>>550 最近の朝刊はおもしろいなぁ〜GJ
あいかわらず、期待を持たせる締め方が憎い!
しかしニアミスした全員と言う事は、ヴァイスを挟んだ、ティアナとアルトの攻防戦も期待してしまうwww
現状では、ラグナも含めて出掛けていた、アルトがリードか?
>>550 GJ!!いつも朝刊ご苦労様です。
強制転移&シャマル先生の性格からして
なのフェをどっかに飛ばすもんだと思ってしまいました。
エロ有りのスレでやってる
エロ無しSSの方が面白いこの現実。
>>550今日も朝刊乙です
見事なまでに全員集合かいww
こりゃあ、明日の朝刊がまた楽しみでしょうがないなw
一本投下ー
ユーノ×フェイト。多分
エロ無し。独自解釈在りなので嫌いな方はスルーお願いします。
それでは
558 :
男の本懐:2007/11/14(水) 18:59:59 ID:Zvvtz/uI
アルフが私の元を離れてからそれなりの時間が経つ。
甥達の世話が一段落ついてから、彼女は無限書庫でユーノを手伝っているのだが……
「いや、アタシもさ。ユーノがあそこまで出来る奴だとは思わなかったよ」
義母が送ってくれたお茶菓子をつまみながら、アルフは実に楽しそうに無限書庫の、というよりユーノの話をする。
私も執務官となってからユーノとは少しばかり疎遠になっていたので、友人の近況を聞けるのは楽しい。
「いやいや、ああ言うのを『男の背中』って言うんだろうねぇ……」
「男の背中?」
「そそ、男は仕事をしている時が一番輝いてるっていうけど、ユーノもやっぱりその類だったんだよ。頼り甲斐があるっていうかさ」
アルフのしみじみとした弁に「へぇ」と応えながら、私は内心首を傾げていた。
彼女の言うことを信じない訳ではないが、どうにも私の中のユーノ像とアルフの語るユーノが一致しない。
義兄さんのような悪口ではないが、ユーノと言えばあの愛くるしく撫でると気持ちの良い毛並みのフェレットか、優しい顔立ちでニコニコと笑う姿しか思い浮かばない。
確かに、執務官試験の時は色々世話になったけれども、その時だって「凛々しい」とか「男らしい」と言った感じではなかった。
まぁ、確かに厳しい先生ではあったのだが。
思えば、全くのド素人だったなのはを私と互角に戦えるまでに鍛え上げたのはユーノで、あの短期間でそこまで仕込めたのはあの厳しさがあったからだろう。
確かにそういう一面があるのは私も知っている。知ってはいるが……
(そういえば、ユーノと逢うのは何時も医務室か休憩中の時ばっかりだな)
最近は、クロノの頼みで資料を受け取りに行くときぐらいしか顔を合わせない。
その時のユーノはフラフラで点滴を打ってもらってたり、栄養剤を煽っていたり。
兎に角、元々細い体が更に細く見えるような場面ばかりだ。
どうにも、『男の背中』……例えば義兄やシグナム(と言ったら彼女は複雑な顔をするだろうけど)のような凛々しいイメージは無い。
「あっと……そろそろ、時間だから家に帰るよ」
「うん、義母さんにお菓子有難うって、伝えておいて」
「わかった。それじゃフェイト、明日からの休暇しっかり休むんだよ」
「うん。お休みなさい」
「ああ、お休み」
アルフと別れを告げて、私は茶碗やお皿を片付ける。
お風呂を沸かして、湯船に身を沈めて疲れを全部はき出す。
担当していた事件が解決し、久々の休暇が貰えるとだけあって私は心身ともにリラックスしていた。
「……格好良いユーノ、か」
どんな感じなのだろう?
責任感が強いのは知っている、行動力があるのも知っている、優しいのも知っている。
先も言ったように厳しい一面もある。
けれども、やっぱり「格好良いユーノ」は識らない。
「明日、行ってみようかな」
勿論、仕事の邪魔にならなければだけど。
そうだ、只行くのも何だしお弁当を持って行こう。アルフの話だと固形栄養食ばっかり食べてるらしいし。
私の食生活も外食ばっかりで褒められたモノじゃないけれど。
とりあえず、冷蔵庫の中がほとんど空っぽだから、まずは材料を買ってこないといけない。
今日はもうお店はしまっているだろうから、明日の午前中に買いそろえないと駄目だろう。
空白だった休暇の使い道が決まって、俄然明日が楽しみになる。
友達を出汁にしてるみたいで少し気がひけるけど……きっと、ユーノなら笑ってくれるんじゃないだろうか。
急に忙しくなった予定になんだかワクワクしながら私はお風呂から上がって、パジャマに着替え。
ドライヤーで髪を乾かし、お気に入りのシーツで覆われたベッドに潜り込む。
まるで子供みたいに心が騒いでいる自分をなんとか押さえ込みながら私は眠りの水面へ飛び込んで行った……
559 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:01:19 ID:Zvvtz/uI
そして、翌日を迎え私は無限書庫の前にまで来ているのだけれど。
「うぅーん」
手に持ったハンドバックの中にはお弁当箱。
そしてハンドバックを持つ私の手に張られた幾つもの絆創膏。
私はこんなにも不器用だっだろうか? 昔は切ったり熱を通したりぐらいは何の問題も無く出来たのに。今では予想外に苦戦してしまった。
正直な話、家事が苦手になっている自分にここまでショックを受けるとは思わなかった。
「家事掃除に老若男女の区別無し」というのは義母の言葉で、クロノもそれで悪戦苦闘していたっけ。
執務官に成る事ばかりに気を取られて、そっちの方が疎かになっているのはやはり頂けないだろう。
合間を見て、そういう修行もやっぱりするべきなのかもしれない。丁度エイミィや義母のような先生とお手本がいるのだし。家事が出来れば将来困ることも無いだろうし。
「もっと早くにそうすればよかったなぁ……」
ハンドバックを抱えながら、私は改めて後悔する。
悪戦苦闘して作ったお弁当だけど、これを人に出して良いものかどうか。
見た目……はそんなに悪くは無いと思う。味も決して不味くはないはず。
けれど、なのはやはやての料理を知っているとどうしても見劣りするのは否めない。
正直、こんなのを渡されるよりも本局の食堂の方がよっぽど良いんじゃないだろうか。
そんな事ばかりが頭の中をグルグルと駆け回って、私はその扉を開けることができずにいた。
どのくらいそうしていただろうか? どうしても踏ん切りが着かなくて自分が情けなく思えてくる。
……やっぱり、迷惑だろうから帰ろうか。
「フェイト?」
「ひゃう!?」
唐突に声を掛けられ、私はビックリして危うくバックを落とす所だった。
振り返れば、其処には管理局の制服を着て、ジェラルミンケースをもったユーノの姿。
「どうしたの? こんな所で」
「え、う、うん。あの……」
全くの不意打ちに、私はパニックに陥る。
何か言わないと、不自然な事極まりない。
「ゆ、ユーノ珍しいね。管理局の制服着てるなんて」
「うん、今日は会議だったからね。流石に将官の前に私服で行くほどの度量は無いよ」
ユーノはいつもの鮮やかなグリーンのスーツではなく管理局指定の紺色のスーツを着ていた。
仕事柄クロノが制服を着ているのはよく見るけど(それでも、バリアジャケットの方が見慣れてはいるが)ユーノの制服姿は初めて見る。
意外に、きっかり着こなしているのを少しだけ意外に思ってしまう。
「で、フェイトはどうしたのさ。今日は休暇のはずだろ?」
「何で知ってるの?」
「昨日、アルフが話してくれたから」
「そっか。今日アルフは?」
「アルフも休みだよ。久しぶりにカレラとビエラと一緒に遊べるって」
甥達と仲良く遊んでいるアルフの姿を思い描いて、思わず笑みが零れた。
「ふふっ……なんだかアルフ、本当に子供みたい」
「まぁ、精神は肉体の形に依存するって言うし……で、フェイトは何をしに来たの?」
「う……その……やっぱり、気になる?」
「そりゃ勿論、フェイトは気づいてないかもしれないけど執務官が……しかも休暇中の執務官が直接ここに来るのなんてよっぽの理由だよ」
確かにそうかもしれない。
自分で言うのもなんだが、執務官はエリートの中のエリートだ。その分、任務は非常に難しいものを任される。
そんな執務官が、休暇中に無限書庫に訪れるなどという事はまず考えられないのだろう。多くは次の任務に備えて体を休めているはずなのだから。
「えっと、ユーノ。お昼は?」
「ん? まだ食べてないよ。今会議が終わって戻ってきたところだし」
「そ、そうなんだ」
どうしよう。
いや、何を迷ってるのだろう。これはそもそも、ユーノに渡す為に作ってきたのだから。
ああ、でもやっぱり不味いと言われたらやっぱりショックだし。
560 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:02:44 ID:Zvvtz/uI
「とりあえず、こんな所で立ち話も難だし中に入らない?」
「いいの?」
「丁度お昼休憩にしようと思っていたし。本以外何も無いけどお茶ぐらいは出せるよ」
なら御馳走になろうかな、と思っておもっいきり頭を振りかぶる。
駄目だ、お弁当を持ってきたのに逆に御馳走になってどうするの、私!
「あの! ユーノ!」
「うん?」
「お、おおお、お弁当作ってきたんだけど。その、一緒に食べない?」
「え……」
戸惑うような、ユーノの声。
やっぱり迷惑だっただろうか?
「あの、迷惑かな?」
「ううん、そんな事無いよ」
「本当に?」
「勿論」
ユーノは無限書庫の扉に手を掛けると、そのドアをゆっくりと開ける。
その向こうには、目眩がするほどに積み上げられた本棚とそこに敷き詰められた本の壁。
光が本を傷めてしまう為、敢えて光源を絞ったその空間は慣れない者に耐え難い窒息感を与える。
オマケに上下の空間が外観から考えられないほどに広がっているので、そちらの方を視ると距離感が狂い頭がクラクラしてくるのだから堪らない。
ユーノが来るまで、ここが物置になっいたというのもよくわかる。物量のみ成らず、この環境に耐えられる人間は希有だろう。
「皆、ただいま」
「ああ、お帰りなさい司書長」
「会議、どうでした?」
「ん、とりあえず書類を片付けてお昼を食べてから報告するよ」
「了解……っと、お?」
「司書長、今日は彼女同伴ですか?」
司書達のからかうような声で、私はいやがおうにも顔が熱くなるを感じてしまった。
しかし、ユーノと言えば何でもない様子でカラカラと笑う。
「ちがうよ、フェイトはお昼を持ってきてくれただけさ」
「なんだ、愛妻弁当ですか」
「ゆ、ユーノ。時間も無いし早く食べちゃおう!」
実際に時間が無いかどうかを決めるのはユーノであって、私じゃないんだけれど。
だけど、彼等の好奇の視線を向けられてどうにも居たたまれなくなってしまった。
「はいはい。皆、お昼は食べ終わった?」
「今、最後の連中が食べに行ってる頃です」
「そう。それじゃ、彼等が戻ってきたら連絡して」
「もっとゆっくりしてて良いんですよ?」
「いや、重大発表があるしね。早く伝えておきたくて」
「お、それじゃあ!」
「ちゃんと後で発表するから」
部外者の私には全く通じない会話。
けれども、ユーノの思わせぶりな態度に色めき立つ司書達。
何だろう? 何か、良いことでもあったのだろうか?
「フェイト、こっちだよ」
ユーノに呼ばれて、彼の後を追いかける。
なんだろう、書庫の中がざわついている。
会議で、何かあったのだろうか……?
561 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:05:14 ID:Zvvtz/uI
無限書庫司書長。
そこは特別に司書長の為に作られた場所では無く、無限書庫の中に初めから幾つか存在していた小部屋の一つを改装したのだという。
確かに、ここは責任者の部屋というより、無限書庫をそのままスケールダウンしたような空間だった。
ひょっとしたら、ここの蔵書だけでも小さな図書館並にあるんじゃないだろうか。
「ごめんね、散らかってて」
机の上に山ほど乗っかっている本を魔法で次々と本棚へと納めてゆくユーノ。
端から見れば、本が自分の意志で自分の住処に帰って行くようにも見えるその光景に思わず舌を巻く。
一瞬も止まることのない本達。それだけでどれほど緻密で正確な術式なのかが解るというもの。
私もなのはもはやても、きっとこの10分の一の正確さも再現できないに違いない。
あっという間に片付いた机の上に4・5冊残った本。
「ユーノ、それは?」
「ん? あぁ、今度修繕しようと思ってる本なんだ。もうボロボロでね、魔法で扱うと破けちゃうかもしれないから。こうして……」
そう言って、魔法を掛けると本は淡い緑色の光に包まれる。
「シールド?」
「そ、ラウンドシールドの簡単な応用。こうしておけば何かあっても本が損傷する危険も少ないし」
シールドに包まれた本を、慎重に持ち上げると金庫へとしまう。
「そんなに貴重な本なの?」
「中の記述そのものはそれほど重要じゃないんだけどね、装丁が特別なんだ」
「へぇ……どんな風に?」
「人皮を使ってるんだよ」
「……へ?」
今、なんと言っただろうか?
人皮? 人の、皮で装丁した本?
「ミッドだとこういうの無いんだけどね、なのは達の世界とかだと結構珍しくないそうだよ」
「そ、そうなんだ」
恐るべし、第97管理外世界。10年間住んでいたけれど今度から少し認識を変えなければいけないかもしれない。
背中に嫌な汗を掻きながら、ユーノに進められるまま椅子に腰掛ける。
「その、気に入って貰えるとうれしいんだけど」
小さく、ボソボソと。ユーノに聞こえるか聞こえないか解らないぐらいの小声で呟きながらバックからお弁当箱を取り出し、机に並べた。
鮭のお握りと、ハンバーグと菠薐草を茹でたもの、そして卵焼きとプチトマト。
手間を掛けたのはハンバーグぐらいで、後は素人でも簡単にできるメニューに私はまたも後悔してしまう。
「わぁ、美味しそうだなぁ……いただきます」
けれども、ユーノはそんな事なんて関係ない風に御弁当に手を伸ばす。
「あの、どうかな?」
鮭のお握りは、少しご飯が柔らかすぎはしないだろうか?
ハンバーグはタマネギが入りすぎて肉の旨味が消えかけているかもしれない。
菠薐草に至っては茹ですぎて歯ごたえも何もないし、卵は味付けすらしていない。
「ん、美味しいよ」
「そ、そうかな……作ってきておいてなんだけど、やっぱり少し失敗したような気が……その、なのは達のに比べると見劣りするし」
「そうなの?」
「うん、なのはとはやては本当に料理得意なんだ」
「へぇ、でもはのはは実家が翠屋さんだし、はやても家事してた時間が長かったみたいだから、そうかもしれないね」
お握りを食べながら、今思い出したといわんばかりのユーノ。
ふと、その手を止めて。
「フェイトは、食べないの?」
「うん、一人分しか作れなかったし。ここに来るまでに食べてきたから」
本当は、どうせだから二人分作ってしまおうと思っていたのだけれど失敗を繰り返す内にとうとう一人分しか作れなかったのだ。
「嘘だね」
「別に、嘘なんか」
「ここに来るまでに食べてきたってのは、嘘だろ?」
「え」
確かに、それは嘘だ。
朝食のパンを2枚ほど食べてきただけで、お昼はまだ食べていない。
562 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:06:16 ID:Zvvtz/uI
「どうして判るの?」
「なんとなく」
そう言って、残ったお握りを私に差し出す。
「ほら、作ってきてくれた人に僕が勧めるのも変だけど」
「……う」
「一人で食べるのも、味気ないしさ」
「それじゃ、いただきます」
ユーノから手渡されたお握り。三角形というより丸に近いそれを口に入れる。
……あの二人のお握りには遠く及ばない。
ご飯の炊き方もそうだけど、なんというか握り方もやっぱり違う気がする。
少しばかり気落ちしていた私を見て、ユーノはクスリと笑う。
「久しぶりだな、そういうフェイト見るの」
どこか懐かしげに呟く。
「執務官試験の勉強をしている時も、そんな顔してたっけ」
「へ?」
「2度落っこちたから、もう後が無いって顔しててさ。机に齧り付いていた頃を思い出すよ」
「ゆ、ユーノ!」
一回目の時とは違い、2回目の時はホントに本気の勝負だったから落ちたときはそれはもう落ち込んだ。
執務官試験で2・3回落第する事ぐらい珍しくないそうだが、あの時の私はそんな慰めなんか全く意味のないくらいに必死だった。
「まぁ、この分なら次はもっと楽しみかな?」
「?」
「そういう顔をしている時のフェイトは、もの凄く頑張るからきっと料理も上手くなるんだろうと思ってさ」
「尤も、フェイトの手料理をまた食べられる機会があればだけどね」と付け加え、プチトマトを口の中に放り込む。
さっきといい、今と言い、どうして考えてることとか言ってない事が簡単に見破られてしまうのだろう?
「私って、そんなに顔に出やすい?」
一応、執務官としてポーカーフェイスぐらいは出来ないと犯罪者に見くびられる事もある。
クロノとかは、その辺りいつも憮然とした表情で挑むので何の問題もないのだけれど。
しかし、ユーノは私の疑問に「さぁ?」と笑いながらはぐらかすと近くの棚においてあったカップを手に取りポットからお茶を注ぐ。
「安物の葉だけど、薫りは悪くないよ」
熱いお茶を受け取り、それを飲みながらユーノをチラリと見る。
いつもいつも、私はユーノに先手を取られる。ユーノはいつもニコニコと笑っていて本性とか本音がまるで見えない。
もし、アルフの言う「格好良いユーノ」を知れば、私はユーノの笑顔の向こうを理解できるようになるだろうか。
いや、理解できるようになるのだ。
「ユーノ」
「ん?」
「このまま無限書庫の見学させてもらっていい?」
「は?」
「ほら、執務官としていつも無限書庫にお世話にはなってるし。どういう風に仕事をしているのか知れば、もっと上手く連携出来るんじゃないかって思って」
「いや、別に執務官が無限書庫の仕事を詳しく知らなくても大丈夫だと思うんだけど」
やはり部外者がいると迷惑なのだろうか。
しかし、ユーノは顎に手をやり、ほんの少しだけ逡巡するとあっさりと承諾してくれた。
「うん、まぁいいよ」
「ホントに?」
「見ててあんまり楽しいモノじゃないけどね」
苦笑しながらお茶を啜る。
無限書庫の仕事は、噂やアルフから聞いた程度しか知らないが相当に過酷だと言う。
肉体の酷使のみ成らず、膨大な量な資料を細かく調べ曖昧な請求に正確に提示す事は大きく精神をすり減らす。
要求するほうが大雑把な提示しかしなくても、答える方は大雑把な答えは出せない。
そこが一番の苦労を伴うのだと言う。むしろ、クロノのように膨大な量であってもしっかりと「何のどれ」を捜してほしいと依頼されるのが理想なのだとか。
「とりあえず、今昼食に行ってる人たちが戻ってきてからかな」
「うん」
それから、司書の人たちがそろうまでの短い間だけれど私たちは久しぶりに何でもないおしゃべりをして過ごした。
563 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:08:52 ID:Zvvtz/uI
そうして、お昼休みに行っていた人たちが戻ってきて、私たちの前には無限書庫で働いている司書達が揃っている。
「さて、みんな揃ったみたいだね」
何かを期待しているような表情の司書達一人一人の顔を見渡しながら、ユーノは普段からは予想もつかない低い声で話し始めた。
「先の会議で、無限書庫の今後の方針について話し合った」
「……」
「皆も知っての通り、この無限書庫は未だに未整理区画が多く完全稼働とはいえない状況だ。現状での資料作成発掘には自ずと限界がある」
ユーノと、司書達がこの数年で開拓してきた無限書庫。
それでもここの全容を知るものは未だに居ない。本局が長年放置し続けてきたこの場所は、それだけの時間ではどうにもならないと言うことなのだろう。
「評議会は、このままでは不測の事態に対応出来ないと判断。……現在の業務に加え、資料の検証・解析そしてそれらの結果の記録を行う事を決定した」
私は、目を見開く。
それは、あまりにも無茶な決定では無いだろうか?
今現在の業務だけでも司書達にオーバーワークを強いているというのに。そこに更に追加するなんて!
彼等も、その事に凍りついたのか書庫の中を沈黙が支配し……
歓声が、全てを蹴散らした。
「おおおおおおおおおおおおお!!!!! やった、やったぞーーー!」
「おめでとうございます! 司書長!」
「ようやく、ようやくここまで」
「ばっか、まだ始まったばっかじゃねぇか」
口々に歓喜の叫びを挙げる司書達。
ユーノはそんな彼等を笑いながら見つめている。
「正式な辞令は、後日本局から発表される。早ければ再来期から業務が追加されるだろう」
渦巻く熱気、興奮。
巨大な無限書庫が、揺れているように見える。
それは勿論、司書達の態度のせいもあるのだろうけど。私にはそれが、無限書庫そのものが歓喜に打ち震えているように思えたのだ。
「さぁ、みんな忙しくなるよ。まずは目の前の仕事から片付けよう。各自、報告を」
「はい。グリンブルスティから請求された資料ですが第26管理世界における広域破壊型ロストロギア約4種を特定。更にこれと類似したモノが第57管理世界に6種ある事が判明しました。
両管理世界に直接的な接点はありませんが過去の文明レベルと形式の共通点から17・21・51管理世界にも同様のロストロギアがある可能性が出てきました」
「グリンブルスティにその通達は?」
「しました。至急、それらに関しての資料も集めてほしいと」
「判った。リストをこっちに廻して。次、ディルムウッドからの依頼進捗状況は?」
「既に、第38管理世界の過去100年に渡る次元震に関する資料の発掘は完了しています。現在それらをまとめているところで……」
「何%?」
「約、70%と言ったところです」
「期限は今週末だけど、間に合う?」
「間に合わせます」
「……解った。けど後で手の空いた司書を送るから、手伝って貰って」
「はい」
「司書長、オンドゥルディースから新規の依頼が来ています。内容は第14管理世界におけるスカジ文明に関する資料を大至急と」
「詳しい内容とかは?」
「それが、スカジ文明中期の軍事状況をとしか」
「ま、そんな所だろうね。期限は?」
次々と司書達から上げられる報告に対し、ユーノは淀みなく指示を出し司書はその指示の下にに仕事に取りかかる。
クラウディアのクルーにも負けない、そのチームワークに思わず息をのんでしまう。
書庫の中を目まぐるしく飛び回る司書と本。
まるで戦闘に遭遇したかのように、密に連絡を取り合って彼等は動く。
そしてその連絡は、自然とユーノの基に集まりまた司書達へと帰ってゆく。
正直に言って、私の予想は余りにも甘かった。
忙しいとは聞いていたが、まさかここまでだったなんて。これならば、クラウディアの方がまだゆったりとしているように思える。
勿論、クラウディアだって作戦行動を実行する時は情報が絶え間なく飛び交う。
けれども、それはあくまで作戦実行や戦闘に遭遇している時ぐらいなもので普段の航行時はそれほど忙しくないのだから。
ユーノは、常にこんな状況下で自分の勤めを果たしているのだ。
確かに、コレでは医務室の世話になるのも仕方がない。人間一人が捌ききれる仕事の量を明らかに超えている。
けれども、私はそれを「格好良い」などとは思えない。
こんな事を続けていたら、しかもこの上に更に多くの仕事が重なってはユーノはいつか壊れてしまう。
それが解らない筈無いのに。
いつしか、私は無限書庫の中心に鎮座する幼なじみに厳しい視線を向けるようになっていた。
564 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:12:40 ID:Zvvtz/uI
どれほど、時間が過ぎていっただろうか?
どれほど時間が経とうと、一向に作業の手が緩むことのない彼等の姿を見ていた私に、ユーノが声を掛ける。
「フェイト、そろそろ遅くなるから。帰った方が良いよ」
「もう、そんな時間?」
「うん。本局もあと2時間で閉まっちゃうし」
腕に巻き付けた時計をみると、既に時刻は6時を指していた。
きっと外は、もう暗くなっているに違いない。
「わかった、帰るよ」
「うん、今日は御弁当ありがとう」
笑いながら、私を見送ろうとするユーノ。
その姿が結構頭に来たので、冷たい声でユーノが予想していない事を言う。
「ユーノ、送ってほしいんだけど」
「え?」
まだ仕事があるのに、責任者が現場を離れるわけにはいかない。
責任感の強いユーノならば尚更だろう。だけれども、それでも私はここからユーノを連れ出したかった。
「フェイト、悪いけどそれは……」
「いいじゃないですか、司書長」
「そうですよ。司書長はこれから夜勤組にも付き合うんでしょう? 今少しぐらい外に出たってバチはあたりませんよ」
「うーん、でもなぁ」
司書達に言われ、考え込むユーノ。
すると、ユーノの周りで浮かんでいた本が一斉に本棚に戻って行く。
「分かった。それじゃ、ちょっと出てくるよ」
「はーい、行ってらっしゃい司書長」
「楽しんできてくださいねー」
からかうような彼等に、ユーノは「何をさ」と笑いながら返す。
「それじゃ、行こうかフェイト」
「うん」
そうして、私とユーノは無限書庫を出て帰路につくことになる。
予想通りに、外はもう暗く街灯やビルの明かりが街を照らしていた。
仕事の帰りや遊びにでている人たちの間を私たち二人は歩く。
「今日は、どうだった? 見てるだけで退屈だったんじゃない?」
「ううん、そんな事無い。色々と参考になったよ」
疲労の色が濃いユーノ。
彼は、この後も仕事なのだ。
「ねぇユーノ」
「ん?」
「今度、無限書庫の仕事が増えるんだね」
「うん。今までは各次元航行船や部署で個別でやってきた事を、無限書庫で一括担当するんだ。そうすればより多くの情報解析ができるし、それらの共用も容易だからね」
「今の仕事だけでも大変なのに?」
「そうだね、今から色々準備しないと、地獄を見ることになるだろうなぁ」
言葉とは裏腹に、何でもない風に笑うユーノ。
それが、私の最後の一線を踏み越えた。
「笑い事じゃないよ!」
思わず荒げた声に、周囲の人々は何事かと視線を向けるがそんな事を気にする余裕は無い。
「無茶だよ、ユーノ。あんまりにも無茶すぎるよ! そんなんじゃ、ユーノ壊れちゃうよ!」
「うん、まぁ、無茶だね。無茶だけど、今が踏ん張りどころだから」
「ユーノ!」
人の心配を、軽く受け流す態度に益々私の心は荒れる。
アルフはユーノ事を格好良いと言ったけど、ちっとも格好良くなんか無い。
職務に真剣なのと、自分を追い込むことはまるで意味が違う。
今、ユーノを止めなきゃいけない。
そう思って彼をじっと見据える。
透き通った、綺麗な翠色の目に私の姿が映っていた。
「フェイト、僕はね。初めて無限書庫を知った日の驚きと歓びと憤りを今でも忘れていない」
「え?」
驚きと、歓びと……憤り?
565 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:13:49 ID:Zvvtz/uI
「解るかい? 僕らのような人間にとって、無限書庫はまさに宝の山だ。膨大な過去の記録、数え切れないほどの英知、一生かかっても読み切れない書籍」
「……」
「それが、あの日あの時まで忘れ去られ封印されていたんだ。それがどれほど世界にとっての損失であったか」
「何が、言いたいの?」
「僕には、僕の野望−ユメ−があるって事だよ」
「ユーノの、ユメ?」
ユーノは、今まで見たことの無いような不敵な笑みを浮かべている。
私の怒りはいつの間にか彼の持つ雰囲気に呑まれ、行き場を失っていた。
「そう、僕の野望−ユメ−。それは、無限書庫の名をあらゆる世界に轟かせること。そして、決してその名を忘れられないようにする事」
「無限書庫を?」
「僕も学者の端くれだからね、何かを知り何かを発見し何かを研究する事はとても楽しい。けれども、それは学者だけの悦びじゃ無い。自分の知らない事を知り学ぶのは本当はとても楽しい事なんだ」
それは、私にも解る。
なのはと出会って、学校に通うようになってから私の知らない世界が数多く私の中に入ってきて、その度に戸惑いとそれを超える驚きやもっと知りたいという願いが生まれていた。
執務官試験の時は、もう合格することしか頭に無いせいか必死になってて、勉強が楽しいなんて感じる余裕は無かったけれど。
「無限書庫は、人の知りたい学びたいという欲求を、それこそ無限に叶え続けてくれる。そんな場所を管理局だけに独占させて良いはずがない」
「……」
「何処かにいる誰かに、何時か現れる誰かに。僕たちの次の人々、更に次の人々、そのまた次の人々に無限書庫の英知を伝えたい」
「だけど、無限書庫は管理局の施設なんだから、そんな事出来るはずが……」
「出来るさ。管理局が、それに対して何も言えなくなるぐらい規模を大きくしちゃえば良いんだから」
何を、言っているの?
私は自分の体が震えるのを止められない。
ユーノの今の言葉は、無限書庫を管理局から独立させてしまおうと言うことだ。
それが一体どういう事なのか、解らない筈無い。管理局が、そんな事許すはずがないのに!
「だから、手始めに無限書庫を管理局中枢に食い込ませる。管理局という組織が、無限書庫無しでは立ちゆか無くなるほどの中枢まで」
「ユーノ、それは……」
「無謀だと思うかい?」
「当たり前じゃない! 自分の言っている事の意味が解っているの? それは、評議会の地位にまで昇ろうって言ってるんだよ!?」
「それじゃぁ足りないなぁ。せめて最高評議会でないと」
何でもないように言ってのけたその態度に、絶句してしまう。
最高評議会は、管理局創設から常に3人の人物が君臨している。
延命処置で、肉体を失って脳髄だけとなっても未だに管理局を支配する怪物達。
伝説の三提督ですら、誰一人として加わることを許されていないその地位にユーノが?
「出来るわけ無い」
「どうして」
「出来るわけ無いよ! 150年間、誰一人として最高評議会の席を与えられた事は無いのに!」
「何言ってるのさ、まだ150年じゃないか」
「な……」
「あの三人だって、何時までも生存出来る訳じゃないし何もかもを自分たちの思い通りに動かしている訳じゃない。ほんの小さな読み違いや過ち、つけいる隙はいくらでもある。でも今はまだ早い、今はしっかりと足場を固めて無限書庫の影響を色んな所に広げておかないと」
「だから、無茶をするの?」
「うん、今頑張らないと永遠に頑張る機会は無いからね」
本気だ。
本当に、ユーノは最高評議会を目指すつもりでいる。
ううん、それどころじゃない。
ユーノにとって、最高評議会は自分の野望を叶えるための手段にしか過ぎない。
管理局そのものを、踏み台にしようとしている。
数多くの次元世界を護るこの巨大組織を。
以前、はやてが私となのはに話してくれた、今の管理局の体制を否定しその弱点を補える部隊の創設という夢。
それだって、私にはとても大きなものだったのに。
ユーノは、私たちが目指す場所なんか眼中にすらない。
途方もなく、高い所を見ている。
今までずっと一緒にいた幼馴染み。
線が細くて、いつもにこにこしていて、優しくて頭がよくてフェレットもどきと呼ばれるのがキライな男の子は、私たちが知らない間にいなくなっていた。
今ここに居るのは、自分の野望に燃える一人の男性。
それが、たまらなく寂しかった。
566 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:14:38 ID:Zvvtz/uI
「ユーノは、遠くに行っちゃうんだね」
「ん?」
「私たちなんか、手の届かない野望−ユメ−で私たちよりもずっと遠くに」
「……そんな事無いよ」
「ううん、そうだよ。だって、ユーノが見ている野望−ユメ−の一欠片だって、私たちには背負えないもの」
すると、ユーノは苦笑して首を横に振る。
困ったように、それでいてどこか照れているように。
「フェイト達は、もう僕の野望−ユメ−の手伝いをしてくれてるよ」
「え?」
「フェイトやクロノが、僕たちの集めた資料で事件を解決してくれる度に僕らの実績も積み重なっていく」
「けど、それは」
「確かに、資料だけだから直接的な評価はされないよ。けど、無限書庫を、僕たちを利用してくれたという事実は残る。ほんの小さなちっぽけな評価でも、それが今の僕たちの戦う手段だから」
穏やかな表情で、気遣いだとか気負いもなく、ただ事実だけを語るユーノ。
自分たちを酷使するそれが、むしろ望むところなのだと。
「だからさ、フェイトももっと僕たちを使い潰すぐらいのつもりでいてよ。僕らはそれに応えるし、絶対に挫けたりしない。だって……」
「だって、それが僕たちの戦いなんだから」
……私はもう、何も言えなかった。
目の前の彼は、私の知る幼馴染みではない。
幼馴染みよりも、ずっと大きな姿。
ずっと力強い背中。
(嗚呼、そっかこれがアルフの言っていた……)
「男の背中」なのだろう。
私たちは歩き出す。
彼に対しての憤りはとっくに消えていて、寂しさも少ししか残っていない。
ふと、私は自分の手を見る。
絆創膏だらけのみっともない手を。
だから、解るのだ。私に出来ることを。
ささやかでちっぽけで、彼が望む手伝いとは全然違うけれど。
きっと、今まで気がつけなかった所から彼を支えられる。
「ユーノ!」
彼が振り返る。
「今度また、御弁当作ってくるね!」
彼が笑う。
本当に嬉しそうに。
だから私も笑う。
本当に嬉しいから。
そうして、彼の隣に並ぶ。
これからは、ずっとここに居よう。
離れていてもここに居る事を私は何よりも望む。
それが、私の夢なのだから。
567 :
男の本懐:2007/11/14(水) 19:16:06 ID:Zvvtz/uI
以上。
長文すんませんでした。
ネタ提供のユノスレ11の600と607に感謝。
それでは。
>>567 リアルタイムで読ませてもらいました。GJです
ゼーr……脳味噌の位置まで行きたいとは。まるで将来敵役に回る主人公の幼なじみのようだ……あれ?
フェイト、頑張れ。常に起動修正してあげないと色々ヤバいフラグ立ててるからその人
GJ、話の読ませ方うまいなぁ。
また投下よろしく!
>>567 GJですー
普通のユノフェ投下久々な気がする
ところで、最高評議会が脳髄だってこと一般職員に知られてるのかな
ユーノは職業柄わからんではないが、一介の執務官のフェイトも……?
そーいや、コレ読んでいつぞやの脳味噌三人娘思い出したww
あのシュールさ。ユーノの目指すものとは相当違うがwww
>>567 読ませていただきました
GJです。目指せ全次元最高のデータベース!!
>>568 大丈夫いざとなったら。某ま・もとい不屈の心の親友に少し頭(ry
をしてもらえば万事解決。ついでにフェイトと一緒に色々フラグもゲットだ
>>567 ヤベェ、ユーノが格好良すぎる。これはGJと言わざるを得ない。
あと「オンドゥルディース」で吹いたw
( OMO) ゲゲゲ
ダディーバナザン!
>>567 ユーノが野心家すぎ吹いた
GJ!!!1
>>567 こんなのユーノじゃねえ!!でもGJ!!
何かものすごく課長島耕作やイーグルが読みたくなってきた。
>>567 夢(野望)を持った男ってのはカッコイイぜ!
GJっす!!
>人皮
アル・アジ・フ!
アル・アジ・フ!!
(某DVDなノリで)
相変わらず陵辱ネタすくねえな・・・
そう思うなら自分で書けよ、がんばれよ
>>576 ユーノがへたれ司書長から正義のヒーローに進化します…
セラエノ図書館に次元を超えて旅立ちますよwww
読んでくれた人に感謝感謝感謝!
数あるSSの中で、遙か高みを目指す司書長がいても良いと思うんだ!
戦うだけが、力を振るうことだけが戦いや格好良さじゃない。こういう格好良さもあるんだと。
ワザとしこんだ小ネタにもねらい通りに反応してもらえてうれしいことこの上ないw
オンドゥルディースは古代ノルド語で「スキーの女神」って意味だったり
あと、人皮を使った本はマジで珍しくないらしい。ただの詩集にも使われたり、一流どころの図書館には大抵保管されてるとか。
>>580 「男の本懐」面白かったです。
自分のイメージするユーノは石の屋根の下では眠れないが、ラクダの上でなら眠れるってな
アウトローな冒険家のイメージでしたが、こんな野望に燃える司書長もいいですな。
>>567 お前というやつは・・・・・・GJ!
フェイトさん可愛いよフェイトさん。
ここまで野心家なユーノは初めてみたかもしれんなw
もう一度言おう、GJ!
受信した電波でいくつかネタが出てきたが、クロユーエリのどれでで書こうか思案中
さて、今のトレンドはどこだろう・・・
>>583 それはリクエストしていいということか?
自分はユーノ主役で。
>>583 つ[レジアス]
ミッド地上のために日夜闘い続けるナイスミドル!
……冗談です
自分が想像して一番燃えるやつで書けばいいんさ!
>>583 トレンドも何も、その三人なら大体受け入れてもらえると。
…ヴァイス、ヴァイスゥゥゥゥゥ!!!
ならいっそのこと、クロ→ユー←エリで行ってみよう。
いやむしろ、クロ→ユー→エリ→クロ(ry の方が・・・・
一応ジャンルとして分類するならこうなるかな?
・ユーノ→絶望的な〇獣覚醒
・クロノ→エロあり昔話(スタートA's後)
・エリオ→クロノと同様昔話(スタートStSから数年後)
他にも部隊長のセクハラやユノ覚醒SSから派生するIFストーリーも頭の隅に
エロなしだとティアヴァイアルトの三角関係な話や小ネタが色々あるんだがいかんせん時間配分がなぁ・・・
ところで、みんな一話あたり書くのにどれくらいかかってるよ?
俺の場合だと、休日かつ上手く波に乗れれば10〜15kB/日 程度
先生、ヴァイスとラグナの近親相姦がもっと読みたいです。
あとシャマルさんにもですね、その、もっと光を・・・
湖の騎士ども自重しろ
自重するかキャラスレ帰れ
あれ、ここって男×男はいけないのか?
百合ネタがOKなら薔薇もOKだと思ってたわ。
亀だけど……>500 まじでじんときました。ぃい、いいよGJ!
つーわけで……ごめんな、はやて(ぇ?
ゲンヤさんがちょっと変ですが、ネタなんでご容赦を
では、朝刊どす〜
[はやてとクライド君と、3期の皆さんがなんかいっぱい][3期終了後準拠]
足を崩して座って子供服のヴィヴィオを抱きしめたまま、白いブラウスと膝ちょっと上までのデニムのタイトと白いニーソックスでなのはは微笑む。
「はやてちゃん、お帰りー」
「ママー、あのおじちゃん誰?」
「ほら、やっぱりはやて固まってるよ」
「お、お邪魔してます」
黒いブラウスに、同じく足元まで落ちるスリットの入った黒いスカートに黒い綺麗な足を覗かせた長い金髪を映えさせたフェイトと、
仕方なさそうに頭に手を当てた黄色い長袖に白いズボンのユーノの後ろ側には、
「お、お邪魔してよかったのかな?エリオ君」
「うーん、フェイトさんがいいっていうからいいんじゃないかな……どうなんでしょうか?」
相変わらずのローブと赤Tシャツ茶色ズボンの子供達2人に問いかけるように見られた、髪を下ろした白黒縞の長袖と黒パンツのティアナと
「……いいんじゃない?よくはわかんないけど」
「あはは、やっぱり大勢っていいよねえ」
青いフードつきの上着に足元まで白でぴしっと決めたスバルの元フォワード隊がトランプを持って4人で円を作っていて、
「……うす」
「こんにちわ〜」
また別のカードゲームを持った迷彩のインナーにカーキ色の上下を纏った兄と、中の黒以外は上から下まで緑で揃えたふんわりスカートの妹の隣には、
割と頑張った感じのクリーム色のブラウスに結構短めの茶色いスカートに茶色い髪のヘリパイロットその2がいて、
「わー!ほんとクロノ提督そっくり!」
「ほんとそっくりー!」
残った4人は、アルトと相変わらず一緒にはしゃいでいるカジュアルだけど薄い青いネクタイのついた白にスーツ生地の紺の長めのタイトを合わせた
薄い紫色の髪のショートカットのルキノと、この展開でも生真面目な黒のインナーに青いデニムの上下のその恋人でほとんど髪色が同じな、グリフィスと
「お、お邪魔しております、八神二佐」
「やあ、はやて。お邪魔してるよ」
「……だから、やめましょうってあれだけ言ったのに」
器用に正座している緑色長髪白スーツと桜色おかっぱのシスターであった。
はやてが逆ギレするのも無理はない。
「お前ら宴会でも始める気かー!」
「あー、いいねー」
怒号も虚しく、あっさりとなのはに賛同される。
「なんか、みんなとばったり会っちゃって。気づいたらこんな人数になってたんだ」
「が、が……」
フェイトの一応申し訳なさそうな笑顔に突っ込む気力すらもはやない。
シグナムはといえば、窓際に押しやられてしまったソファーに座って、もう悟りの境地と言わんばかりでお茶を飲んでいた。
足元のザフィーラも然り、といった感じで暢気にあくびなんかをしている。
「はやて、お帰り」
「おかえりなさいです、はやてちゃん」
「ああ……うん、ただいま……」
駆け寄ってきてくれたヴィータと小さな末っ子に、生返事を返しつつ、さらにとってったと寄ってきて、
クライドの観察を始めるフェイトの対応をしなくてはならなかった。
右から左から下から覗き込まれるようにぴょこぴょこと周りを回られて、当人は頬をかくしかない。
「誰かな?誰かな?うちの親戚?」
「あーえーとなー……」
興味津々の彼女の対応に苦慮していると、今度は玄関の呼び鈴がなった。
キンコーン
「あ、ギン姉かも」
「え」
どたどたと玄関に回って開けてみれば――
「よう、八神、注文の品持ってきてやったぜ?」
「こ、こんにちわ」
「……失礼します」
「よお!」
でかい寿司桶を持った私服姿のゲンヤと白いブラウスに薄紫の上下を合わせたギンガとその肩に乗った白いワンピースのアギトと、
真っ黒い生地の端に白地に斜めででかでかとXと書かれたTシャツと紺のジーンズを着た眼帯の銀髪の少女、チンクであった。
「え、えと……これは?」
視線を寿司桶に向けて尋ねられ、がはは、と笑う。
「ああ、俺が握った」
「握ったって……ナカジマ三佐、寿司作れはりましたっけ……?」
「あたりきしゃりき車引き!こちとら男手ひとつで娘2人育ててんでい!寿司ぐらい握れなくてどうするってんでい、べらんめぇ」
べらんめぇ!と悪乗りして楽しそうにアギトも飛び跳ねる。
「は、はあ……」
妙なキャラクターモードのゲンヤに呆れて対処に困り果てるしかない。
「で、この注文は……スバルが?」
「おう?いっぱい集まるからお願いって言われたんだが、まずかったか?」
「いえ、それは構いませんが……まあ……おあがりください」
「おう、ギンガ、チンク」
「はい」
「……はい」
ぱちん、とチンクが指を鳴らすとさらに全員寿司桶やら買い物袋を持った黒Tシャツ軍団がずらりと現れる。
「な、な……」
「ほいじゃ、邪魔するぜ」
「失礼致します」
ゲンヤに続いて丁寧にお辞儀をしてすっと玄関にあがるギンガに続いて――
「失礼します」
「失礼するっすー!」
「失礼、します」
チンクに続いて、これまた腹部の横に\と書かれたウェンディ、意外と丁寧にギンガに倣って軽く頭を下げた肩口から]Tのついたノーヴェと、
「「失礼します」」
相変わらず無表情の片腕に[と]Uの文字がついた2人が完璧にユニゾンしてからはやての横を通り過ぎ、
わざわざ玄関の扉をすり抜けて入ってきた胸にY番の文字は
「セインさんもお邪魔しまっす〜」
「こら、セイン!ちゃんと入って来い!」
目ざとくチンクに咎められて、えへへすんません、と頭をかきながら靴を脱ぐ。
そして最後にお邪魔致します、と背中に]と書かれたディエチは深々と頭を下げ、呆然とするはやての隣を過ぎ去っていった。
ほいではまた〜
GJw
ちょ、ナンバーズまでw続き楽しみにしてます
ただ一つ気になったのは―――ノーヴェとウェンディ、着てるシャツ逆じゃ……
毎朝ご苦労様です。
昨日のピンチをさらに引き伸ばしますか!
どこまで焦らすんだあんたは!
続きが気にするぜ…GJ
じらしすぎだーーっww
修羅場よ早く!
>601 ごごごごごごごめんなさいo................rz
イマノウチ着替えさせときます、ほいでは仕事にノシ
うっかり間違えたでもいんじゃないでしょーか
恥ずかしながら帰ってまいりましたorz(横井庄一さん風に)
・ユーノ×フェイトにチャレンジしてみた。
・ちょっぴり外道ユーノスマソ
・エロ
レリック事件の終了と共に解散になった機動六課の面々であったが、
その日久々に再開して皆で食事をしながらワイワイと騒いでいた。
そんな時にこの中で最強なのは誰か? と言う話題が起こり、
彼が強いだの誰が強いだのこれまたワイワイと盛り上がっていたのであったが…
「私はユーノ君が最強だと思う。」
「え…。」
ふとなのはの呟いた一言が周囲の空気を凍り付かせた。
「あの…なのは…いくら何でもそれは無いんじゃない?
だってユーノは攻撃系の魔法は一切使えないじゃない。」
「そうやそうや。」
フェイトとはやては口を揃えてなのはに対してそう言う。確かにユーノの防御魔法及び
非攻撃系魔法に関してはかなりの高水準なのは誰も否定するつもりは無い。
しかし、攻撃系魔法が使えない時点で絶対最強にはなり得ないと言うのが
フェイトとはやての考えであったのだが…
「いいや、皆がどう思っていようとも私にとってはユーノ君が最強。
実際私は何時もユーノ君に負かされてるし…。」
「ええ!? うそぉ!」
「なのはさんが何時も負かされる!?」
それには思わずスバルとティアナも驚愕する。
「ちょっとなのは! それ一体何時の話!? 第一どうやってユーノが
なのはを負かすって言うの!?」
フェイトは慌ててなのはを問い詰めるが…なのはは顔を赤くしながら言った。
「それは夜のベッドで…。」
「そっちの最強かい!」
皆は戦闘力的に最強なのは誰かと言う話をしていたのに、なのはの言う最強とは
戦闘力にあらず性的な意味での最強だったのでこれはこれで皆は驚愕していた。
「でも本当にユーノ君最強なんだって! 私なんかもう毎晩何度もイかされて…。」
「も〜二人ともほんま仲良しやな〜。」
半分は呆れも入っているが、はやては笑いながらそう言っていた。
なのはとユーノの関係については既に多くの者が知っている周知の事実であるから、
別に夜のベッドの上でギシギシアンアンしてようとも驚く事は無い。むしろ自然で普通の光景だ。
ただ…フェイト=T=ハラオウン一人を除いては…
食事も終えて、解散した後でフェイトはバルディッシュ片手にユーノの所まで来ていた。
フェイトはユーノが許せなかった。何故ならばフェイトはなのはを愛していたからである。
勿論性的な意味で。だからこそフェイトはユーノが許せなかった。
「ユーノ…なのはとエッチしたんだって?」
「うん。それがどうかしたのかい?」
ユーノは適当のごまかすのかと思いきや、ワリとあっさり肯定した。
まるでなのはとエッチする事が至極当然の様な言い回しにフェイトはますます腹が立った。
そして次の瞬間にはフェイトはユーノに対しバルディッシュを向けていた。
「ユーノ…あんただけは許さない!」
「ええ!? いきなりどうしたんだい!?」
戸惑うユーノだが、フェイトは憎悪の目でユーノを睨み付けていた。
「よくもなのはを傷物にしたね!? どうせあんたの事だからなのはを無理矢理
手篭めにしたんでしょう!? そういう根性が気に入らない!」
「はぁ!? 何を言ってるんだい!? 僕は別にそんな事はしてないよ!
むしろなのはの方から…ってうわぁ!」
「口答えするな!」
フェイトはバルディッシュをユーノに対して振り下ろし、ユーノは慌てて飛び退いていた。
フェイトはユーノがなのはを強引に…と考えていた様子であるが、実際はそうじゃない。
ちゃんと双方合意の下で行われた正統な行為である。しかし、なのはは自分の物だと
頑なに信じるフェイトにその様な事は少しも信じられなかった。
「ユーノ…私はあんたを殺す…。あんたになのはは渡さない…。」
「え!? そんな…。」
フェイトは本気だった。本当にユーノを殺すつもりだった。これを悟ったユーノもまた
己の魔法陣を展開させて臨戦態勢を取った。だが…
「何? もしかしてユーノ…私と戦うつもり? 何それ? 馬鹿みたい!
あんたみたいな戦闘の素人が私に敵うとでも思ってるの?」
フェイトはユーノをあざ笑うかの様にそう言うが、ユーノは真剣だった。
「悪いけどそのつもりさ。僕だって死にたくはないからね。」
「無理無理! 第一あんたに人を傷付ける度胸なんて無いじゃない!」
フェイトはまたもユーノを馬鹿にする様に笑った。こうやってユーノの平常心を奪って
一気に息の根を止める作戦だった。しかし…
「くっ! 人を傷付ける度胸は無いけど…エッチする度胸はあるんだぁ!」
「ええ!?」
フェイトの予想だにしない事態が起こった。フェイトから己を守りながら逃げると
思われたユーノが逆にフェイトに飛びかかり、そのままベッドに押し倒していたのである。
「あ! こら! やめろ! ユーノ!」
「いいややめない! 人を傷付ける度胸は無くてもエッチする度胸はあるって事を教えてやる!」
「そんな事…んぶっ!」
次の瞬間…フェイトはユーノに唇を奪われていた。
「ん! んんんんん! んん!」
フェイトは必死に抵抗を試みるが、ユーノはまるで岩の様に動かない。
そして不思議な事に、まるでユーノに生気を吸い取られているかの様に
フェイトの力が抜けていくのである。
「んあぁ…。」
やっとユーノの唇が離れた時、二人の唇の間には唾液が糸を引いて二人を繋いでいた。
「フェイト…君が僕を本気で殺す気ならそれでも構わない。けど…僕もタダじゃ死なないよ。
君が僕を殺すよりも先に…君のお腹の中に僕の遺伝子を残す…。そうさ…君が僕を殺しても…
結局は君が僕の子供を産む事になるんだ。君に自分の子供を殺す度胸はあるかな?」
「!!」
ユーノもまた本気だった。本気でフェイトを孕ませるつもりで来ている。
今度はフェイトが恐怖を感じる番だったのである。
「嫌! あんたの子供なんて産みたく…ああああ!!」
フェイトは抵抗しようとするが身体に力が入ら無い。そしてユーノはフェイトの身に付けていた
バリアジャケットを一枚一枚脱がして行ったのである。
「嫌…やめて…おねがい…。」
「ダメだよ。もう君は僕を完全に怒らせたんだ。」
慣れた手付きでフェイトを全裸にひん剥いた後、ユーノはフェイトの太股をガッシリと掴み、
そのまま大きく前に押し出しながら横に広げ、M字開脚させた。その際フェイトも
必死に開かせまいと抵抗しようとしていたのだが、やはり身体に力が入らなかった。
「あ! 嫌!」
全てを見られたフェイトの顔は忽ち真っ赤になった。
「フフフ…フェイトの裸も結構綺麗じゃないか。ま…なのはに比べれば遥かに劣るけどね…。」
「!」
その言葉がユーノの全てを物語っていた。ユーノにとってはなのはが一番であり、
例え仮になのは以上に美人の女性がいたとしても…ユーノにとってはなのはより劣る。
当然フェイトもまたユーノにとってはなのはに劣る存在に過ぎなかった。
まあ口ではそう言っていても、しっかりと勃起していたのだが。
「嫌…やめて…ユーノやめて…もう殺そうとしたりしないから…おねがい…
二人の邪魔をしたりしないから…やめて…私…ユーノの子供産みたくない…。」
ユーノに両乳を揉み解されながらもフェイトは必死に哀願した。しかし…
「ダメだよ今更。どうせここで僕が止めたとしても…君は掌を返して僕を殺しにかかるはずだよ。
なら…完全に逃げられない様に僕は君を孕ませる。」
「そんな…。」
フェイトの目に大粒の涙が浮かんだ。そしてユーノは無情にも己の勃起した巨大なモノを
フェイトの股間のソレへ押し付けたのである。
「これがなのはとのエッチならもっと優しくゆっくりと挿入してる所だけど…
君が相手ならば話は別! 一気に押し込んでやる!」
「痛ぁ!!」
元々フェイトは自分を殺そうとした相手。そんな女に気遣いは無用とばかりに
ユーノは強引に勢い良く自らのモノをフェイトのソレの中に奥まで押し込んでおり、
直後、フェイトは耐え難い激痛に襲われた。
「いだぁぁぁぁぁぁ!!」
フェイトは幼少時には母プレシアからの虐待を受けていたし、その後も様々な戦闘を
こなして来た。その為に痛みに対する我慢強さに関してはかなり自身があったのだが…
破瓜された際の痛みはそんな物など一切無意味になる程の激痛だった。
「いだ! いだ! いだぁぁぁぁぁ!!」
「フフフフ…良い気味だ。」
激痛に耐えかねて泣き叫ぶフェイトをユーノはあざ笑う様に見つめていた。
「それじゃあ動くよ! それぇ!」
「あああああ!!」
ユーノはフェイトのソレの中に深々と奥までねじ込んでいたモノを一気に引き抜くと共に…
「えい!」
「んああああああ!!」
今度は一気に奥まで押し込んだ。その抜いては突くと言う一連の動作を連続で始めたのである。
「痛い痛い! やめてぇ! おねがい! ユーノォォォ!!」
「ダメダメ。君には少々痛い目を見て貰わないと。」
ちなみになのはとエッチをした時はもっと優しくゆっくり行っていた。
だが今の相手は自分を殺そうとしたフェイトだからこそお仕置きも兼ねて
この様に気遣いの無い激しい突きを行っていたのである。
そうしてユーノは何度もフェイトを突いて行き、フェイトもまた激しく
身体全体を揺さぶられ、もはや全身が汗だくになっていた。
「ハハハ! デカ乳揺らして凄い淫乱だな〜君も。」
「ちが! ちが! ちがああああああ!」
フェイトは必死に否定したかった。しかし…状況がそうはさせてくれずついに…
「いっ! イク! イクゥゥゥゥゥ!!」
フェイトはついに耐えかねてイッてしまった。ユーノのモノがねじ込まれた
ソレの接合面から大量の愛液が迸るが…
「何だ。もうイッちゃったのかい? 僕はまだ少しもイッてないのに…。」
「ええ…?」
呆れ顔で言うユーノの言葉にフェイトは真っ青になり、なのはが言っていた
ユーノに何度もイかされたと言う言葉を思い出した。
「それじゃあ続けるよ!」
「あ! ダメェ! イッた直後はダメェ! ってああ!」
フェイトの叫びも空しくユーノはフェイトの身体を激しく突き上げた。
その後…ユーノはノンストップでフェイトを突きまくり、フェイトはもう何度も何度もイかされた。
「ようし…それじゃあそろそろ僕も出しちゃうよ。僕が死んでも…僕の子供は
ちゃんと育てるんだよ。その辺お願いするよ。」
「…………………。」
もうフェイトには抵抗はおろか口答えする気力さえ残っていなかった。
「ああああああああああああああ!!」
ついにユーノの叫び声が響き渡り、ユーノのモノからフェイトのソレの中に
大量の命の源が詰められた白液がぶちまけられた。
「(やっぱりなのはの言っていた事は本当だった…。ベッドの上ではユーノが最強…。私の…完敗だ…。)」
「ああ…僕は何て事をしてしまったんだ…。」
全てを出し終え、フェイトのソレからモノを引き抜いた後、冷静さを取り戻したユーノは
自らの犯した過ちに罪悪感を感じていた。なのはとエッチする時は予め避妊魔法を行っていたが、
今回は無我夢中であった為、避妊魔法など行ってはいなかった。
これでもし本当にフェイトが自分の子供を孕んでいたら…なのはは何と思うだろう…
そう考えれば考える程…ユーノはこの後起こるだろう事が恐ろしかった。
「嫌だぁぁぁぁ!! ”nice boat”ENDだけは嫌だぁぁぁぁぁ!!」
ユーノは頭を抱えながらそう叫んでいたのだが…その後でフェイトがゆっくりと起き上がっていた。
「そこは大丈夫だよ…。」
「え?」
フェイトはきつそうな身体を無理矢理に動かしながら脱ぎ捨てられたバリアジャケットを
再び装着し、そしてバルディッシュを収めて言った。
「今更何を言っても信じて貰えないだろうけど…もう貴方達二人には手は出さないから…。
これだけは信じて…。ユーノ…なのはと…幸せにね?」
「え?」
ユーノが唖然とする中、フェイトはゆっくりと立ち去って行った。
「はぁ…ユーノがここまで良い男なら私ももっと早めに気付いとくんだったな〜…。
でもいいさ…。私は母さんはいたけど父さんはいなかった…。シングルマザーでも何とかなるさ…。」
「え? それってどういう…?」
フェイトが小声で呟いた言葉に対しユーノが訪ねようとした時、フェイトは既に天高く飛びたっていた。
翌日、フェイトは転属願いを出してミッドチルダとは別の遠い世界に存在する管理局の支部に行っていた。
突然のフェイトの行動に皆は心配していたが、それがフェイトの選んだ道ならば…と直ぐに
騒ぎは沈静化し、ユーノもまた最初の内は自分のせいだと考えていても…やがてはなのはとの
結婚などに関心が移り…フェイトの存在は忘れ去られて行った…。
それからしばらくの時が流れ、無事結婚したなのはとユーノの間に一人の子供が誕生していた。
「きっとパパに似て賢い子になるね。」
「そんな事無いよ。きっとママに似た立派な魔導師になるんだよ。」
「え〜? 私はパパみたいな賢い子になって欲しい。」
「ま、どっちでも良いじゃないか。どういう道に進むかはこの子自身が決める事さ…。」
「そうだね。」
なのははやっと生まれた自分の子供を抱き、ユーノとそう言ったやり取りを行っていた。
一方…ミッドチルダから遠く離れたとある世界に…小さな赤ん坊を抱いた一人の女性の姿があった。
「貴方にはお父さんはいないけど…私にもお父さんはいなかったんだよ。
お母さん一人しかいなくても我慢出来るよね?」
フェイトはユーノの子供を産んでいた。こうしてミッドチルダから遠く離れた別の世界に
自ら行った事も、なのはとユーノに迷惑を掛けない為の配慮だったのである。
そして…ユーノの子供を産んだ事は一時の気の迷いでユーノを殺そうとした自分に対する罰だった。
…と、最初の頃はそう考えていたが、実際に産んだ時にはその様な事はどうでも良くなった。
今自分が抱いている子は自分の子供。だから自分が母親として立派に育てる。フェイトはそう決意していた。
例えユーノがどう考えていたとしても…そんな事はフェイトには関係無い。
確かにもっと早くユーノの魅力に気付いて…もっと早くアプローチをかけておけば
ユーノと正式に結婚したIFもあったのかもしれないと考える事はある。
しかしもう過ぎた事を悔やんでも仕方ない。ユーノはなのはの夫になったけど、
今のフェイトにとっては自らの「心の夫」なのだから…
「でも…プレシア母さんみたいな虐待ママにはならない様に気を付けないとね…。」
十年後、同じ父親を持つ異母兄弟が出会う事になるが…それは別のお話…。
おわり
ほんま外道ユーノスマソ
>>613 外道じゃねぇEEEEEEEEEEEEEEEEE!
いい男じゃんw
本来、ユーノが活躍するSSは好きじゃないはずなんだけど、これは何故か面白く読めた。
超GJですた
>>613 外道……殺人未遂に対してレイプ返ししてはらませた……んん?? 外道? 外道なのか? いや、あれ? よく分からなくなってきた
とかくGJを出しておくぜ!
てか狂フェイトさんを久々に見た気が……
618 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 11:37:43 ID:Po5OcrTt
外道がえしw
>600
む、無駄にオールスター……
>>613 なんかノリが似てるな〜って思ってコテみたらその通りで吹いたGJ
>>613 外道…と言えるかどうかは分かんないけど、とりあえず男女に分かれた二人の子供が、互いの出生を知らずに恋に落ちるフラグはわかった
そしてこれからもユーノは、
ユーノ!よくもフェイトを傷物に!!byアルフ
テスタロッサを異世界に追いやったのは貴様か!!byシグナム
フェイトさんになにをしたんですか!?byキャロ、エリオ?
ユーノ君、シグナムに何したんや…byはやて
と、次々と女性を母親にしていくユーノが見えた
622 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 16:51:21 ID:Zbs1kpSL
byキャロ、エリオ?
byキャロ、エ リ オ ?
byキャロ、エ リ オ ?
by エ リ オ
ミッドの魔法技術は世界イチィィィ!男だって孕めるのだッ!
エリオきゅんを孕ませるのはユーノではなく俺だけどな!
>>613 これは善いシングルマザー!!
涙が出てくるらッ!
>「嫌だぁぁぁぁ!! ”nice boat”ENDだけは嫌だぁぁぁぁぁ!!」
ミロ吹いたwwwww
>>613 GJ、外道ユーノ最高!
異母兄弟の次世代SS待ってます。
出来れば『兄妹』か『姉弟』で『きょうだい』と呼ぶ状況で
626 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 18:58:04 ID:MXxEI5Bh
>>625 兄、弟が入っていれば
読みは
必然的に
き ょ う だ い
単に両方女なのはイヤだって話ですよ
>>625,626,628
大辞林(つーかgoo)より。
きょうだい 【兄弟】
(1)あにとおとうと。また、その間柄。けいてい。
⇔姉妹(しまい)
(2)両親または片親を同じくする間柄。また、その間柄にある人々。あに・おとうと、あね・いもうとなどの関係。
(3)結婚や養子縁組などで、新たに生じた、義兄・義弟、義姉・義妹などの間柄。また、その間柄にある人々。義兄弟。
(4)「兄弟分(ぶん)」に同じ。
(5)男同士が、相手を親しんで呼ぶ言葉。
〔(2)(3) は「姉妹」「兄妹」「姉弟」と書いて、「きょうだい」と読ませることもある〕
してい…
師弟といえばクロ助とリーゼ達だが…
無いんだよなこれが
なのはとスバル(とか)が一番多いんじゃないか
あとユーノとなのはも一応。コメディだとアルフとザフィ。…恭ちゃん絡めるととらハになっちゃうな。
>>630 ああいうのは小説よりもエロ同人の大ネタ小ネタ、つまりただヤるだけのネタ向きだからな。
それにまあクロノ系はフェイトなのははやてがメインだから物語を展開させると
どうしてもクロノのキャラを補強する小話のひとつに止まってしまう傾向がある。
リーゼ姉妹は。
>>632 まさに今そんな話を書いてた俺が通りますよっと。
しかしなんと言われようとお姉さんに弄ばれるショタは正義。
つまり言いたいことはフェイエリまだー?
>>633 キミの投稿待ってるぜ!!
そういえば六課の下着ドロ話の後編と、グリフィス×はやて宣言した人まだ?
エリオは、本編再構成して、せっかくのプロジェクトFとかの設定を活かして
もうちょっとシナリオに深く食い込んでいけるようにしたらイイと思うんだ。
メインを張る回が2〜3話くらいに。
てか、五話でフェイトとエリオに興味示したくせになんで最終的にフェイトだけで
満足してんだよスカ博士……。
あんたがそんなだからエリオの立場が……
ヴァイス×リインとか・・・
ねーな、ねーよな、無くていい
でも、リインのSSって少ないよね。
淫獣ユーノとシャマルの同人くらいじゃない?
やっぱり大きさかな
>>635 どうもエリオにはそこまで執着してなかったようだし
それに個人的に執着してたのはフェイトさんだけみたいだから。
むしろスカリエッティは最初にエリオを陥としてからフェイトを引き込めばよかったと思う。
で、二人を助ける為に奮闘するキャロ。で、そのキャロの前に立ちはだかるルーテシア。
魔法少女リリカルルシエ、はじまります。
ルールーが大活躍ならなんでもいいかな。
むしろキャロとルーテシアがフージョンしてキャロテシアに
リインにお兄さんと言われトラウマイグニションするヴァイスを妄想してしまった俺が通りますよ
地雷王じゃなく、触角の長いG雷王だったら単独でミッド制圧できたと思う
短いの投下いいすかねー?
イイヨー
646 :
シナイダ:2007/11/16(金) 00:09:01 ID:KVePKgg9
うぃ。ボジョレーヌーヴォーが入った勢いで行きます
・エロあり(ちょっとだけ)
・ユーノとヴィータがひたすら語り合ってます
・作中のユーノはほんのちょっとだけ変な人です
レッツゴー
「ヴィータ」
「ん? ……むぐ、おー冷てぇ……んだよ?」
「―――愛って、いいね」
「止まることなく沸いてんのか? その頭は」
―――――――――――――――――――
ユーノに奢らせたギガテラックスアイス(not誤字)を口の中で頬張りつつ、ヴィータは半目で目の前の男を睨む。
目の前のメガネ野郎が高町なのはと付き合い始めたのは知っている。
子供であるヴィヴィオを通じて初めて己らの気持ちに気付くのだから―――呆れを通り越して感動さえ覚えそうだ。
「……ったく、なぁにが愛だ何が。今のお前らは愛と幸せ正しく絶頂期だろうが」
「馬鹿言うもんじゃないよヴィータ。その表現だとこれからは今以下の幸いしか舞い込まないみたいじゃないか」
「じゃあ、なんだよ。なんて表現すりゃいいんだ」
気怠るそうに問うヴィータに、何を当り前なという顔で、
「僕たちの幸せには、まだ愛が灯ったばかりなんだよ」
「……」
爽やかに言い切るアホを見つつ、あれこいつこんなに馬鹿だったかなと首を傾げ―――ああ、磨きが掛っただけかと納得した。
巨大なアイスをスプーンで切り崩しつつコンスタントに口内へと運ぶ。この痺れる冷たさがたまらない。
「で、愛がいいとかそんな話だったか」
「ああそうそう。聞いてよ」
「聞いてる。聞きたくもねーけど、フェイトやはやてに飛び火するのが忍びないから聞いてる」
「皆、気を使うことはないのに。僕となのはは―――ノンストップだよ」
人目憚らず飛ばしてる緑スーツを半目で睨み、首を振る。
「ブレーキをつけ忘れた新幹線に並走しなきゃならない人間をどう思うよ?」
「お気の毒に」
「そう思うならブレーキ拾ってこい!」
付き合っている自分が馬鹿のようだ。むしろ新幹線に紐で括られ、引き摺られてる気もするくらいに。
……いや、と己を落ち着かせる。
奴は自分のペースで話を展開しているから調子に乗るのだ。
まずは機先を制す必要がある。
紅の鉄騎はヴォルケンの特攻役。先の先が仕事。
だからまず先制攻撃で―――図星を突くことで出鼻を挫く!
「愛についても何も、お前ら年中発情期カップルなんだから問題ねーだろ」
「酷いなその言われよう。あ、ヴィヴィオのホームビデオ見る?」
「脈絡がねぇ!」
先とか後とか前とか後ろの問題じゃなかった。
いきなり上から落ちてきた話題には頭の切り替えを要する。
そんな彼女の葛藤を余所に、ユーノは常に持ち歩いている―――映像記録用の媒体を持ち出すと勝手に弄り始める。
「……なんだよそれ。地球式か?」
「そ。少し前に日本に行った際、子供談義で意気投合した白衣の人がいてね」
「ああ、類は友を呼ぶってやつだろ? 知ってるぜ」
「君が何を言ってるのか理解不能だけど……とかく、その人が自分の子供をより美しく鮮明に保存するため、会社の研究費で作ったらしいものを横流しして貰ったんだ」
良い人だったよ。と、にこやかに笑ってる。
「さらっと言ってるけどそれ犯罪だぞ」
「子供の愛らしさは罪ってやつだよね? 知ってるよ」
「お前が何言ってんのか私にはさっぱり理解出来ねぇ……」
そのハンディカメラ風のものには、電池ホルダーらしき場所に『UCAT』と記されている。会社名か何かだろうか。
同じ言葉を使っているはずなのに半分も意思疎通が出来てない2人は、中空に現れた小さな画面に視線を寄せる。
ユーノが手元のカメラのスイッチを操作すると、その画面に撮り溜められた内容が再生され始める。
「ふふ……ほら見て御覧よヴィヴィオがまだこっちに気付いてない気付いてない―――今気付いた!」
「おい画面にノイズが走ったっていうか今ヴィヴィオの奴なんか投げただろ! なにしてんだお前!」
「あ、これ撮ったのなのはだよ。僕はちょっと忙しくて」
「あいつも忙しいだろ! あのバカ!」
仕事をしろ仕事を! と叫ぶヴィータもなんのその。
ヴィヴィオのみを映した映像は回り続ける。
「あ、ちなみにこれは三人で初めてお風呂に入った時ので、」
「意味が分からねえ! なんで一緒に風呂なんか入っててその時の映像を収めてんだよお前ら! ビオレママにでもなる気か!」
「やだなぁ僕は男だからママじゃないよヴィータ」
「どっちでも変わんねぇよお前は」
女顔だし、相方が男らしいしと言って流しておく。
ちなみに映像内では裸のヴィヴィオとなのはが映し出されたり、ユーノとヴィヴィオが仲良さそうにじゃれ合う姿などが映ったりする。
――――――――――――――――――――――――――――――
タオルに泡を含ませてユーノの背中に押しつけているヴィヴィオに、画面内のユーノが笑いかけている。
『あはは、もうくすぐったいってヴィヴィオ』
『んー! でもユーノパパのお背中流すの!』
ムキになったように首筋から下を擦る。
ユーノは痛い痛いといいながらも、甘んじてその行為を受けていた。
『……あ、そうだ』
と、画面内のなのはがカメラを―――ちょうど三人が映るような位置に置いて、ユーノの方へと移動する。
もちろんなのはは身体にタオルを巻いており、カメラに映る範囲では大事な部分はすべて見えない。
ただまあ、恐らく近くにいるユーノやヴィヴィオには……タオルが濡れ、透けて見えたりしてるのだろうが。
『え? どかしたのなのは』
『ねー。ヴィヴィオ? 一緒にパパのこと洗ってあげよう? 私は前を洗うから、ヴィヴィオは後ろ洗ってあげてね?』
『うん! 分かった!』
『ええっ!?』
――――――――――――――――――――――――――――――
「おいなんか雲行きが怪しくないか」
「……はて。確かこれは……」
―――――――――――――――――――――――――――――――
母の許しをもらい、嬉々として娘が背中を洗い始める中。
なのははユーノの前のタイルにひざまづき、
『―――はむ』
顔を股間へと沈めて、大事な部分を咥えこんだ。
いきなりの事態に驚いたユーノは、慌てたように後ろのヴィヴィオから前が見えない様に必死に両手でガードする。
『うわ!? ちょ、ちょっとなのは! ヴぃ、ヴィヴィオが後ろにいるのに……あう!』
『ふふ……ゾクゾクするでしょ? ん、じゅる……』
『パパー? 気持ちいいー?』
『あ、う、うん。き、気持ちいいよー。と、とっても』
ヴィヴィオはそんな母の痴態に気付かず、夢中でその背中を洗っている。
激しいストロークと共にぐちゅぐちゅという水音が響き、なのはの頭が上下する。
歯を食いしばったユーノは必死にそれに耐えているようだったが―――流石に限界が近いようで。
それを見取ったなのはは一旦彼の陰茎から口を放し、涎を滴らせながらも―――淫猥に笑った。
『ぷは……んふ。ねぇヴィヴィオ? 自分の身体を泡だらけにして、パパの身体に擦りつけて洗ってあげて? パパ、とっても喜ぶから……』
『ほんと? やる!』
母の言葉は素直に聞くいい子なのである。
が、焦るのは当然やられる方で。
『え、ええ!? なのは、それは流石にっ―――』
『じゃあ、ママも前から一緒にするからね……?』
『うん! ママと一緒! えいっ』
『観念してね、ユーノ君。……ん、あっ……!』
後ろから娘の身体が、前からは熟れた幼馴染で恋人の裸が抱きついて来て―――
――――――――――――――――――――――――――――――――
「ざっけんな!! 何見せんだコラ!」
「あ、あれ? おかしいな……確かなのははカットしたって言ってたのに……」
そういう問題じゃねえー! と、周りの人の視線も無視してヴィータが叫ぶ。
「おかしいのはお前らの頭だボケ! ガキの前ですんな!」
「何を?」
「そ、そりゃ、そ、そそそういう……って言わすなセクハラメガネ!!」
「あはは。ヴィータは可愛いねー」
「おめえに言われると激しくムカつく!」
ぜーはーと息を吐きつつもマイペースな目の前の男を睨みつける。
そして呼吸を整えつつ―――
「つーかヴィヴィオはともかくなのはの裸をこんな公共の場で出すなよ……」
仮にもここはカフェテラス。
時間が時間なので満員というわけではなく人も疎らだが―――全く誰もいないわけじゃない。
すると目の前の無限書庫司書長は口の端で笑った。
「大丈夫大丈夫。―――見た奴は社会的にお陀仏してもらうから」
「職権濫用ってんだよそういうのは!」
とりあえず周囲の誰も見ていないことに安堵する。
……今の奴は嫁(仮)と娘(仮)の為なら鬼となるだろう。理不尽な、と前につくが。
「ヴィヴィオもカメラが回ってなければ僕にベタベタなんだけどね……」
「この映像盗撮か! ってか止めろ!」
どおりでさっきからヴィヴィオが無防備だと。
画面を見ると、ヴィヴィオとなのはの肢体にサンドイッチされるユーノがいつまでも映っていた。殴る。が、生憎ホログラフなので通用しない。
するとユーノは慌てたように両手を広げて弁解する。
「盗撮だなんて違う! 見ての通り母親の了解は取れてる!」
「本人の意思は無視か!」
「だって見てよほら……普段通りの甘えたがりなヴィヴィオが画面に……」
ユーノの背中に抱きついて楽しそうに身体を上下させる姿は、まあ、幸せそうで。
確かに可愛いと言われれば可愛かったが―――
「でもな、盗撮は止めとけな」
「いや、だから盗撮とは人聞きの……まあ、善処します」
「善処じゃなくて止めとけな」
グラーフアイゼンの構えを取ったヴィータの迫力に押されたらしく、ユーノがうっと息をのむ。
「うう、でもヴィヴィオが……」
と、今度は涙目で落ち込み始めた。
きっとなのはも今じゃこんな感じなのだろう、とゲッソリするヴィータ。
頭をボリボリと掻くと、顔を上げて諭すように言う。
「カメラ向けても人目憚らず抱きつかれるくらいに好かれりゃいいんじゃねえか?」
「……成程。確かにそれは……流石に含蓄がある……」
「てめぇ今、人を年寄り扱いしただろ」
今気付きましたと言わんばかりに尤もらしく頷く。
そのメガネを見やってから、溜息。
「全く親バカってレベルじゃねーなお前ら……」
「じゃ、何さ」
「決まってる」
肩をすくめわざとらしく口元を歪める。
そして突っ込みを入れている間にデロっと溶けたアイスを虚しそうに見つめ、ようやくお風呂場のシーンからヴィヴィオの授業風景に映った映像に目をやり。
「超お似合いの―――バカ親だよ」
それだけ言って笑うと、身を乗り出してユーノの前髪を指で弾く。
うーん、と不満そうに唸っている輩を置いておいて、ヴィータはふと外を見る。
歪んだ次元の揺らめきは見えず、人工的に作られた昼が覘く世界。
馬鹿が増えても世界は変わらず。
さりとて、少しずつ動いていた。
「結局てめえらが付き合い始めても、現状特に変わらねえんだな」
「ん? そりゃそうでしょ。僕となのはのことなんて、世界からすれば些細なことだよ」
「おーおー。流石に無限書庫の司書長様は言うことが違うね」
「そういうことじゃあないけどさ。ま、何にせよだヴィータ。世界は変わらなくても個人の世界観にはそれなりの変化もあるんだよ」
と、言って。
今まで彼女が見たことないような柔らかい微笑みを浮かべたユーノは。
ヴィータへと笑いかけ、告げた。
「だから、愛っていいよ?」
「―――!」
突如としてヴィータが顔を真っ赤にする。
どうしたの? と聞くがうるせえ! としか返ってこない。
変なヴィータだなぁ、と思っていると―――ヴィータが唸って、悔しそうに吠える。
「う、うう……変な顔で笑うんじゃねぇ!! 認めねえからな!」
「え、何を!?」
「何もかもだ!!」
「き、君も大概理不尽だよっ」
これだから毎日が面白い。
形はどうあれ、愛ってなんて、素晴らしい。
653 :
シナイダ:2007/11/16(金) 00:17:00 ID:KVePKgg9
読んでくれ方、ありがとうございましたここまでです
短い……まあいいか
では
>653
バカ親GJ! そして2nd-G軍神と意気投合してんじゃねえ司書長(w
GJ!
そしてなのはさん自重、超自重
ヴィータのツッコミを悉く避けまくる司書長が素敵すぎます。頭冷やしてきてください
GJ!でしたっ
656 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 00:29:33 ID:Sb3+L420
>>567 真の野望−ユメ−を持ち、それに燃えるヤツはどっか美学すら感じさせるのさ、ゴム人間でさえな…。
人皮…まぁあそこならありそう…って
>>576、ついこの間再熱して飛翔を購入したのに、
血液言語版に執り付かれる司書長を妄想しちまったよ!課題やる中で良い電波源アリガトよド畜生!!
だが実際、無限書庫に各世界間との交流記録がないとは思えんし、そーいうの見つかってスカとか武装局員とかいなきゃ、スグ平和になりそ。
おっと、ユノフェ話エロなくてもGJでした
>>613 外道を以って外道を断ったかユーノ…。邪神に誑かされたりロリぺ度にならんよう気をつけろ?
ユノヴィタも大好物だから言えたもんじゃないが…
俺も兄妹の方を推したいぞ!!
>>656 >邪神に誑かされたりロリぺ度にならんよう
最終的にユーノがロリコン宣言して世界を救ったりループ宇宙を脱却したり旧い神様になるとな?
パンチカード写本を指で読むぐらいでひとつ。
>>653 GJ!
でもなのはさん、娘の前では自重
あと司書長も人に見せんなww
あれ?アナル話じゃないな…と思ったのは内緒
>>657 それなんてクトゥルー神話+スーパーロボット?
GJ!なんという親バカ…いや、バカ親
この二人に育てられると、ヴィヴィオがしっかりした子に成長しそうだ。
それと注意書きと本文の間に割り込んでごめんなさい
ちょっとあの映像記録覗いてくるわ。
662 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 00:45:01 ID:Sb3+L420
>>653 ユーノとヴィータによるユノなの風呂場ふぇら+ヴィヴィオ…GJでした。
つか、一瞬ユーノの髪型がオールバックに見えたのほ何故だ概念空間もないというのに…
佐○菌感染の恐れのあるゆーの…Tes.いやGJだったよシナイダさん…
次回があるなら、やりたまえ。存分に…
>>653 GJ!
しかし何だか最近このスレのヴィータが妙に可愛くなってきた気がするのは気のせいか?
そろそろスレ違いネタは撤退するべきだと思うんだ
でないとシグナムさんがますます管理局の「我らの秘密兵器だ。秘密にしておきたかった兵器が……!」扱いに
>>653 そこで管理局の秘密にしておきたかった秘密兵器シグナムが
自作ラップ演歌を歌いながらナンバーズに立ち塞がるんですね?
ヤバいネタが被ったorz
おまえはよくやった、さぁ一緒にカワカミンスレに帰ろうぜ……
文読んでて、『アレっぽいなあ』と思っていたら、ガチ軍神パパ出しやがったwww
なんにせよGJ
GJです。
今新連載の第2話執筆中何ですが……。(第1話の下書きは書き上がってます)
何故ツンデレの妄想が止まらないんだorz
しかもユノなの前提なのにプレシアさんがユーノにツン行くんだぜ?
……連載の無印編とA's編の間にアルハザード編でも混ぜて見るかね?
……まあその前に前の連載html化する方が先だがorz
待望の朝刊がやってくる前に、こんにちは。
お供えです。
これで、このシリーズは一応、完結です。
先に謝っておきますが……
VSはやて編でありながら、はやてとのHはございません。
エリオ×リィン
エロありグロ無し
エロ分薄め。
以上を踏まえてからお読み下さい。
(なのは視点)
「……ん…………」
「……目が覚めたかい?なのは……?」
目の前にはユーノ君の顔……
それも最近の、素っ気ないユーノ君じゃなくて……
私が大好きな……優しい柔らかな笑顔の……
「ユーノ君……?」
一瞬、先程迄の事が、悪い夢だったんじゃないかと思ってしまう。
でも、乱れたままの私の服と、私が居る場所が、夢では無い事を証明していた。
気付かない内に、凝視してしまっていたのか、ユーノ君は困った様な顔をして、
「悪かったね……僕がやったことが、犯罪だっていう自覚はあるよ。
なのはが、僕の事許せないと思うのなら、訴えるなり、殴るなりしていいよ。
でも、それは僕だけにしてほしい。
ヴィータとエリオ君は僕が巻き込んだだけだからね」
嗚呼……そうだ……
彼は……ユーノ君はこういう人だった。
ただただ優しくて、責任感の強い人。
きっと今回の事も銃爪になったのは、ユーノ君自身の事じゃない。
ヴィータに……そして、エリオに私達が手を出した事。
それが……それを、止められなかった自身が許せなかったから……
「他の……皆は……?」
ユーノ君にだけ気をとられていたけど、周りを見渡すと、もう誰もいなかった。
ユーノ君は気まずそうに視線をそらして、吐き出すように
「はやてのとこ……」
短くそう告げた。
そうか……
私と……フェイトちゃんに手を出すのなら、はやてちゃんだけが見逃される筈も無い。
「助けに行くっていうのなら……僕は、どんな手を使ってでもなのはを止めるよ?」
辛そうに視線を逸らしたまま、でも確固たる決意を感じさせる声で……
だから私は……
「どんな手でも……か……さっきエリオが、
私にしてたことを、ユーノ君がしてくれるんだったら頑張ってみちゃうんだけどね」
「なのは……」
笑顔で……出来るだけ明るい声で、話す私をユーノ君が悲しい顔で見つめる。
解ってる……
どんな状況になっても、ユーノ君は私にそんな事をしない。
それは、あの娘に対しての裏切りに他ならないから。
出来る事なら、はやてちゃんは助けてあげたい。
でも、私に残されてる魔力じゃ、多分ユーノ君は抜けないし、
仮に抜けたとしても、ヴィータちゃんと、フェイトちゃん相手だと、手も足もでない。
それに……やっぱり私達は、道を間違えてたんだと思う。
だとしたら、罰は受けなくちゃならない。辛い事だけど……
でも、それで傷つけた人達に許されるなら……
大きな月が照らす道を、ユーノ君と2人で歩いてた。
ずっと昔。ユーノ君と出会った頃……毎晩の様にそうしたように。
あの頃とは、お互いに色々と変わってしまっているけど。
「ねぇ、ユーノ君。1つだけ教えてくれないかな?
……どうしてヴィータちゃんだったの?」
大切な言葉は抜けていたけど、意味は通じたみたい。
照れた様に少し顔を赤くして……
「色々……本当に色々あったけど……
僕が本当に辛い時、側にいてくれたのが、ヴィータだった。
ヴィータと一緒なら、どんなことでも乗り越えて行けると思ったからね」
ゆっくりと、でもハッキリと告げられる言葉。
そこに付け入る隙なんて無いと知りつつ、口にしてしまう。
「もし……もしも……だよ。
その時そこに居たのが私だったら、今、ユーノ君の隣に居たのも、私だったのかな?」
無意味な仮定。無意味な言葉。
でも、ユーノ君は時間をかけて真剣に考えてくれた。そして、
「そうだったのかもしれない。
……でも、それでも、今の僕は、僕が選んだのはヴィータだったと……そう思うよ」
優しい……優し過ぎる否定の言葉。
「そっか……そうだよね……」
空を見上げると、変わらない満月。
綺麗な円が、少しだけ歪んで見えた。
二人で……ゆっくりと歩く。
あの頃とは、二人共色々と変わってしまったけど……
二人の関係は変わっていない。変えられない。
満月の少し悲しい光りが照らす道を、二人でずっと歩いていた。
きっと……こんな時はもうこないから。
(ヴィータ視点)
「……なんのつもり?ヴィータ、フェイトちゃん?」
薄い緑色の寝間着姿のまま、両手足を金色のバインドで拘束された、はやては、
何時もと同じ冷静な瞳のまま、私達を睨んでいた。
はやての瞳が、言葉が痛かった。
このまま何もせず去ってしまおうか?
そんな想いすら、心を過ぎる。
……でも、とても辛そうに、悲しそうに私を抱いていた、
アイツの姿が……温もりが私を繋ぎ止める。
はやてに、歯向かう。
そんな事、考えた事すら無かった。
でも……きっと、それが必要な事だから……
「復讐さ。……はやてにも、私達があったのと、同じ思いをして貰おうと思ってな」
感情を殺す。今、はやてに必要なのは、許す優しさじゃない。
間違いを正せる厳しさなんだから。
でも、はやては、余裕ある表情で
「復讐……か。まぁ……いつかは、こないな日も来る気はしてたけど……
実際来てみると、やっぱりショックなもんやね。
……でも、ちょっと甘いんやないかな?
確かに、私でもフェイトちゃんと、ヴィータの二人はちょっとキツイけど、
今から、このバインドを解いて、二人相手にしても、時間稼ぎ位は出来る。
その間に、シグナム達がくれば、形勢逆転ちがう?」
はやての冷静な分析。確かに間違って無い。でも、それは、ある大前提を無視すればの話だ。
「無理ですよ。そんな事をすれば、事態が大事になる。
必然、その裏側にある事も調査される事になります。
……今までやってきた事を全て無駄にするような事しないでしょ?
優秀な指揮官であればあるほど……」
反論をしたのは部屋の隅にいたエリオだ。
はやては、小さく溜息をつき、私達を見渡す。
「そこまで、計算済みか。
やっぱり最大のミスはユーノ君を、自由にしておいた事かな?
それで……私は何をされればいいんかな?
……でも、何をされた所で私の考えは変わらへんよ。
私は6課を守る為なら何でもする」
はやては、全てを受け入れた様に、妙にサバサバとした態度だった。
……はやては、6課設立と、存続に全てをかけていた。
それは、はやてが目指した夢の形だったから。
……でも……
何時からか、それは歪んでしまっていた。
犠牲者を減らす為に、即応できる、少数精鋭の部隊。
その為に生贄を捧げる。
その矛盾。
はやてだって、もう気付いてる筈だ。ただ、気付きたくないだけで……
だから……無理矢理にでも目を覚ましてもらう。
「……安心して。……はやてには、何にもしないから。
はやては、そこで見ててくれればいいから。」
フェイトがそう言い、ドアへと視線を向ける。
自然と全員の視線が集まる。
ドアが音をたて、ゆっくりと開き、一人の少女が入ってくる。
銀の髪に、雪の様に白い肌。
何も着ないままやって来たのは……
「リィン!! 」
はやてが初めて慌てる。
「ちょっと待って!!どういうこと??私に怒ってるんやろ??なんでリィンが??」
言葉を荒げるはやてに、エリオが不気味な笑顔を浮かべる。
「別にたいした事じゃないですよ……
リィン曹長に、この事を話したら、自ら、八神部隊長の身代わりをしたいと……
ただそれを叶えてあげてるだけですよ」
震えて、羞恥に顔を赤らめ、それでも、真っ直ぐな目で私を睨みつけるリィン。
「……本当に……私が身代わりになれば、はやてちゃんには、何もしないんですよね?」
リィンの姿に心が痛む。それを悟らせない様に俯き表情を隠す。
「あぁ……私は嘘はつかねぇ……それは、お前もしってるだろ?」
「約束……ですよ。エリオもフェイトさんも、いいですね?」
リィンの言葉に、二人が小さく頷いた。
ただ……
「やめて!!リィンフォース!!そんな事せんでええ!!!私が悪いんやから!!!」
はやての言葉にリィンフォースが微笑む。
「全部、エリオから聞いたです。……でも、私は、はやてちゃんを守る為の存在ですから……
だから、はやてちゃんの為ならこれくらい、何とも無いんです!!」
リィンの真っ直ぐさが痛かった。ただただ、はやての為に……
昔の私みたいだ。
でも……私がしてることもきっと……
リィンの言葉に、はやては頭を振り、私達の方を向く。その瞳には涙が浮かんでいた。
「ヴィータもエリオもやめて!!!
私になら何をしてもいいから……リィンに酷い事せんといて!!!」
はやての狼狽の仕方は凄いものがあった。
先程までの、冷静さは完全に失われ、今は必死に叫び、
何とかバインドから抜け出そうとしている。
はやてにとって、リィンフォースは特別な存在だ。
あの娘の代わりに必ず幸せにする……
そう誓った存在だから。
それを汚す。
好きでも無い相手に、純粋を奪われる。
その辛さは、多分、はやては痛いほどに知っている。
はやてが今の立場に来るまでに犠牲にしてきたのは……自身も例外じゃないから。
はやての叫びを無視して、リィンフォースに歩み寄るエリオが、一度だけ私に視線を向けた。
その表情は、
『本当にいいんですか?』
そう聞いていた。
私は小さく頷くだけだ。
関係無いリィンフォースを巻き込む事に、胸が痛む。
だけど……私もリィンとは別の形で、はやての為になら、なんだってする。
(エリオ視点)
ヴィータ副隊長が頷いたのを見て、僕はゆっくりと、
リィン曹長に歩み寄り、その肩に手を乗せる。
リィン曹長がビクッと小さく震えたのが解った。
僕は、顔をリィン曹長の耳元に寄せて、他の誰にも聞こえない様に小さく囁く。
「今なら、まだ逃げられますよ?」
それは……リィン曹長の為ではなく、僕自身の為の言葉。
どうしても関係無い人にまで手を出したく無かった。
でも……リィン曹長は、小さく頭を振り、念話で返す。
『私は……はやてちゃんの為ならなんだってしますから……
それに……ヴィータちゃんが、選んだんなら、
これはきっと、はやてちゃんの為に必要な事なんだと思います
ただ……その……私、こーいう事初めてですから……出来るだけ優しくして下さいね?』
嗚呼、この人は……どこまでも……
いや……リィン曹長だけじゃない。
ヴィータ副隊長もユーノさんも、こんな事をしていても、心は、
なのはさんを、はやて部隊長を想っている。
なのに……僕は…………
唇を、まだ幼い、リィン曹長の秘部へと近づける。
そこは、まだ一筋の線があるだけで、
とても異性を受け止める準備が出来ているとは思えなかった。
汚れを知らない少女……
今の僕とは対極にある、その神々しくさえある存在……
それに、沸々と黒い感情が沸いてくる。
汚したい。
この娘を汚して……僕と同じ所まで堕したい……!!
遠くで、はやて部隊長が叫ぶのが聞こえた。
でも、もう関係なかった。
復讐や、粛正なんてどうでもいい。
今、僕を突き動かしているのは、この娘をどう汚すのか……それだけなのだから。
仰向けにさせたリィン曹長の秘部を軽く舐めると、ピクリとその身体が震えたのが解った。
でも……感じている訳じゃ無い。ただくすぐったいだけなのだろう。
多分、リィン曹長を感じさせるのは難しい……
身体がまだ、その準備をしていないのだから。
だから、僕は何度も何度も、舌を這わせ、リィン曹長のそこに、唾液をなすりつける。
そう……僕の唾液が、潤滑油の代わりだ。
リィン曹長の頭の横に片手をつき、僕自身を、そこにあてがう。
黒い感情からなのか、リィン曹長の魅力なのか、それはもう充分に熱く固くなっていた。
「いれます……」
小さく頷くリィン曹長と、叫ぶはやて部隊長の声。
あまりのギャップに目の前の相手がはやて部隊長じゃ無いかと疑うほどだった。
リィン曹長の入口は狭く、何度か、浸入を拒まれ、手間取ったけど、
何度か試し、ようやく僕の先端が、その中へと僅かに入った。
「ん!!!?」
眉を潜め、シーツを力いっぱい握るリィン曹長。
先端だけで、もう一杯のような、その中へ更にゆっくりと進む。
ギチギチ……そんな擬音が聞こえそうな状態が暫く続き、
やがて明らかな障害物へとたどり着く。
腰を一度軽く引き、一気に叩き浸ける。
僅かな抵抗と、プチっと何かを貫いた感触が確かにあった。
でも、それよりも、狭い……本当に狭いリィン曹長の中は、僕を拒み、
或いは動かすまいとするかのように、ギチギチと僕を締め上げる。
「い……た…………」
苦悶の表情を浮かべ、全身に薄く汗をかき、身体全体で息をするリィン曹長。
その総てが、僕を刺激してしまう。ゆっくりと動き、リィン曹長の中を堪能する。
慣れてきたのか、それとも身体を守ろうとする本能なのか、
僅かにリィン曹長が濡れ始めていた。
あまりの快楽に、射精感が一気にやってくる。
痛がるリィン曹長を労る余裕すら無くした僕は、スピードをあげ何度も、リィン曹長を突く。
声をあげることすら出来ず、ただ痛みに耐え続けるリィン曹長。
その姿に限界に達した。リィン曹長を貫かんばかりの勢いで腰をたたき付け、
1番奥へ欲望と汚れの全てをぶちまける。
征服感が僕を満たしているのが解った。
「あ……あ……」
僕の眼下には、小さく可愛いらしい声をあげ震えるリィン曹長。
頭が急激に冷め、自分のしたことに嫌悪感と、吐き気すら覚えた。
「リィン!!リィンフォース!!!」
拘束を解かれたのだろう。はやて部隊長がリィン曹長に駆け寄り力強く抱きしめる。
「ごめん……ごめんな!!私の……私のせいで……」
「はやてちゃん……私は大丈夫ですから……」
涙声のはやて部隊長と、その頭を優しく撫でるリィン曹長。
とりあえず作戦は無事全て成功したようだった。
僕は一瞬だけヴィータ副隊長に視線を合わせ、直ぐに逸らすと部屋を後にした。
「エリオ……大丈夫?」
部屋からついてきていたのだろう。
フェイトさんが背後から僕に声をかけた。
「何がですか?僕は加害者ですよ。
その言葉は、はやて部隊長か、リィン曹長に言うべきですよ」
平然と振り返り笑顔をみせても、フェイトさんの表情は陰るばかりだった。
「……でも……エリオ……じゃあ、なんで泣いてるの?」
「え?」
言われて初めて気付く。
自分の両目からポロポロと零れる大粒の涙。
「あれ……なんで……」
僕は加害者で……望んだ事をしたのに……なんで……涙なんか……
「エリオ……」
フェイトさんの手が僕の頬に触れる。
慰めようとしてくれてる。
それが解ってしまって咄嗟に跳ね退けてしまう。
「あ……」
フェイトさんの顔に、悲しみと後悔が浮かび上がる。
違う!!!
こんな事をしたいんじゃないんだ。
「ごめんなさい。フェイトさん。すこし一人にさせてください」
「うん……ごめんね……エリオ」
戸惑いながら、でも少しづつ僕から離れていく足音。
振り返ると少し小さくなったフェイトさんの背中が見えた。
「フェイトさん!!」
僕の声にビクッと震え振り返るフェイトさん。
「僕!!僕!!もう気にしてませんから。
だから……フェイトさんももう気にしないでください」
フェイトさんは……何も言わず……ゆっくりと離れていった。
こんな事くらいで全てがもと通りになるなんて思ってない。
だけど……何も言わずにはいられなかったんだ。
(後日談・せめて未来には希望を)
ユーノ達が6課に……
正確に言うならば、はやて、なのは、フェイトに復讐した日から、半年の月日が流れていた。
聖王教会にある一室に、純白のドレスに身を包んだヴィータの姿がある。
コンコン……
控え目にドアがノックされ、ヴィータが小さく返事をすると、
ゆっくりとはやてが姿を見せた。
あの日……エリオが去った後、ヴィータは涙ながらに、はやてに想いをぶつけた。
大切な人達に、そんな想いをさせてまで、6課を続けたいのか?と。
はやてが、6課を作りたかったのは、そんな想いをする人を
1人でも減らす為ではなかったのか?と。
はやては、何も語らず、ただリィンフォースを抱きしめヴィータを見続けるだけだった。
それから数週間、はやてとヴィータは、6課では、ほぼ会話すらせず、
また、ヴィータはユーノと同棲を始めた。
そして、6課の解散が正式に決まり、職場も別々になった2人は、
それから全く会っていなかった。
シグナムやシャマル、ザフィーラは、事情を知らないが、
漠然と空気を察して、その事に関して、沈黙を貫いていた。
そして、それは、事情を知るリィンフォースも同じである。
そして月日は流れ……
ユーノとヴィータの結婚が正式に決まり……今日は、その日……
気まずい沈黙を破ったのは、ヴィータだった。
「はやて……来てくれて……ありがとう」
思いがけない言葉だったのだろう。
はやては、目を見開いた後、俯いてしまった。そして、搾り出すような声で
「違う……私の方こそ……呼んでくれてありがとう」
ヴィータは小さく笑みを浮かべ
「当たり前だよ。今の私たちがあるのは、はやてのお陰で……
私は……はやての事、大好きなんだから」
ヴィータの言葉に、はやては涙を浮かべ……
「ごめん……ごめん……なさい」
そう呟く。ヴィータは小さく首を振る。
「私の方こそ、ごめん。きっと……もっと他にやり方……あったんだと思う。
でも、あれしか思いつかなくて……」
はやても、首を振り、再び沈黙が訪れる。
が……やがて、はやてが口を開く。
「ヴィータ……凄く綺麗やよ。幸せになってな」
その言葉にヴィータから、次々と涙が零れる。
「あかんよ……ヴィータ……せっかく綺麗にお化粧してるのに……ないたら……」
「はやて……はやてだって……」
二人の少女は抱きしめ合い、ただ涙を流し続けた。
傷つけ傷つけられた事を互いに後悔し続けていたのだから。
そして……そんな二人の様子をドアの外から見守っていた少女もまた、
ゆっくりとその場を後にした。
「やあ……来てくれたんだね」
教会の裏側。
人気も少ないその場所で、今日のもう一人の主人公。
ユーノに声をかけられた、2人の少女は、ビクッとした後、
ユーノの姿を確認し、警戒したような……それでいて不安を隠せない様子で、ユーノを迎えた。
彼女達は本来、管理外世界の住人で、ミッドチルダに来るはずの無い人種である。
……が、ユーノがどうしても式に招待したいと、
司書長としての権限・コネを全部を使い招いたのである。
やがて、1人の少女が口を開く。
「……本当に私達も来てよかったの?」
ユーノは肩を竦め苦笑する。
「来て欲しくない人に招待状は送らないよ……」
もう一人の少女がたまりかね、声をあらげる。
「だって!私達は!!」
「終わった事だよ……全部……ね。
それに、形はどうであれ、あれは、なのは達の為だった。
だから……僕たちは君達を恨んじゃいない。
それよりも、見届けて欲しいんだ。僕たちの新しいスタートを。」
ユーノの言葉に二人は顔を見合わせ、困ったように笑みを浮かべた。
なのはから、渡された招待状。
それを受け取り、ここに来たのは罰を受けるためだった。
どんな罵りであろうと、痛みであろうとも、その全てを受けるつもりであった。
罪の始まりは、ただ親友達の為だった。代わりにつけた条件も、ただの冗談だったのだ。
だが……親友がそれに応えてしまった為に全てが狂い始めた。
罪の意識はあった。
そして、いつかは報いなければならない日が来るという覚悟も。
でも、目の前の少年は、その全てを許すという。
オレンジ色の髪の少女は小さく溜息をつく。
「いい人も度を過ぎると馬鹿って言われるわよ」
ユーノは頭を掻きながら苦笑する。
「それは困るな〜。ただでさえ、最近、不名誉なあだ名が増えたんだから」
それは、なのはに聞いて二人とも知っていたので、二人とも笑ってしまう。
「ロ○コン司書長でしたっけ?」
「僕は断じて否定するけどね!僕が愛してるのはヴィータだけだ!!」
「あの娘を好きになってる時点で重症でしょ」
蟠りが消えゆく。
そして……祝福の風が吹き始めていた。
蛇足になるが、上記にあるユーノのあだ名は、管理局ではかなり有名なものになっており、
ユーノが、たまに街にでると、子供をユーノの視線から
隠すように背にする母親によく遭遇するようになっていた。
ちなみに、エイミィが、ユーノに合わせたく無いという理由で、
式に子供を連れて来なかったと聞いた時は、流石のユーノもショックを受けていた。
式が始まって暫くたった頃……
教会から少し離れた森の中に1人の少年の姿があった。
彼も、招待客の内の1人であるのだが、式が始まる直前になって、
一緒に来ていたメンバーに、御手洗に行くと言って抜け出してきたのだ。
どうしても、自分が式場に居ていい人間だとは思えなかったのである。
あの日から、数カ月を経て、その中において、
6課が解散したのは、少年にとって僥倖と言えた。
あの翌日から、少年は、普通に仕事に復帰し、なるべく普通に仲間とも接した。
だが、勘のいいパートナーや、先輩フォワードは、そんな彼に違和感を覚え心配した。
そんな、周りの優しさが、彼には苦痛であったのである。
6課解散後、他のメンバーと被らない様に、普通科への道を選んだ彼には、
6課の頃の様な、明るさや優しさの面影は無かった。
ただただ任務を忠実にこなし、己を追い詰めるかの様に、日々、戦闘訓練をこなす。
同僚達に、『戦闘マシーン』と、称される生活。
だが、それくらいで、ちょうどよかったのである。
自分を追い詰め、何も考えない様に生きる。
でなければ、犯してしまった罪の意識と、何時、再び噴き出すか知れない、
己の内の黒い感情への恐怖に押し潰されてしまいそうであった。
6課時代の仲間とは会わない様にしていた。会えば、心配をさせてしまう。
会えば……
だが、元上官の結婚式ともなれば、出ない訳にもいかなかった。
立場的にも、感情的にも。
が……式場に入り、6課時代の仲間達の前で、苦心しながら、昔の自分を演じていると、
なのはと、フェイトとに会ってしまった。
二人とも、自然を装いながら、自分に気を使っているのが解った。
その様子に少年はたまらず逃げ出してしまった。
そして、いざ逃げ出してしまうと、教会は少年にとって、戻れない場所になってしまっていた。
誰もが祝福し、幸せに満ちたあの場所には、自分はあまりに場違いに思えたからだ。
「戻らないんですか?」
不意にかけられた声に振り返ると、薄い水色のドレスを着た、銀髪の少女がいた。
自嘲の笑みを浮かべ黙っていると、彼女は続ける。
「皆、心配してるですよ?エリオの事。
それとも、エリオは、ヴィータちゃんとユーノさんの結婚、祝福出来ないですか?」
少年はゆっくりと首を振る。
「まさか……心の底から祝福してますよ。
ただ……あそこに、僕は相応しくない。そう思って逃げ出して来ただけです」
少女は首を傾げる。
「相応しくない……ですか?」
「えぇ……僕は罪人ですから。
あの時……ユーノさんも、ヴィータ副隊長も、ちゃんと目的がありました。
フェイトさん達を止めるっていう。
……でも……僕は……僕だけは、自分の感情だけで動いてたんです。
裏切られた事に対する、憎しみや悲しみ。
それに……フェイトさんや、なのはさんを汚したいという欲望
結果……全然、関係無かったリィン曹長にまで手を出しました。
最低ですよね……」
それは、少年の負った傷。背負ってしまった重荷。
少女は、眉を潜め口を開く。
「確かに最低ですね……」
少年は、歯を食いしばり、胸の痛みに耐える。この痛みは自らが望んだものだから。
「エリオ=モンディアル3等陸士!!命令です!!胸を張りなさい!!!
……確かに……確かに貴方は罪を犯したのかも知れません!!
でも、結果として、はやてちゃん達の過ちを止めたのでしょう!!!
人は誰でも過ちをおこします。
でも、大切なのは、何時までもそれを悔いる事では無く、
過ちを認め、その上で前に進む事でしょう!!」
少年は息を飲む。
過ちを悔いるのでは無く、前へ。
それは、或は少年が1番望んだ言葉。
少女は、少年に背を向けると小さく続ける。
「……それに……私の初めての相手なんですから……もう少し、しっかりして下さい……」
愛おしく、身体が勝手に動いた。気がつけば、少年は少女を背後から抱きしめていた。
「エリオ!!?」
顔を赤らめ、慌てる少女に、少年は呟くように告げる。
「約束します。いつか……いつか必ず、リィン曹長が、
初めての相手は、僕だって胸を張って言えるような人になってみせます。
だから……だから、その時は……」
強い風が吹いた。少年の言葉は掻き消され、少女にしか届かない。
そして……少女は小さく頷いた。
少年達が教会に戻った時、式はフィナーレを迎えようとしていた。
花嫁がブーケを両手に持ち、それを宙に投げる。
そして……少女達の壮絶な争奪戦が始まった。
幾人もの少女が必死にブーケに手を伸ばす。
事前に『魔法の使用は絶対禁止!!』という、
当たり前だが、前代未聞の注意事項がなければ、死者が出そうな勢いである。
ブーケは、少女達の手で何度も弾かれ、やがて再び、大きく宙を舞い、
少し離れた所にいた、銀髪の少女の腕の中に、すっぽりとおさまる。
「「「ああああぁぁぁぁぁ!!!」」」
「え?え?え?あの?私……なにか?悪いことを?」
事情を知らぬ少女は慌てて……
事情を知る少年は苦笑いを浮かべる。
どこまでも、広く高い青空に少女達の声だけが響いていた。
以上です。
ようやく終わった〜。
ノリと勢いだけで始めた、この作品がここまで長引くとは。
正直びっくりです。
ユーノやヴィータの時の話は……いずれ書くかもですが、今の所は未定です。
アドバイスや意見を下さった皆様。
参考にさせて頂きました。反映できたかどうかは微妙ですが;;
この拙い作品に最後までお付き合い下さった皆様、
GJを下さった皆様、本当にありがとうございました。
皆様のお陰で何とか書き終える事が出来ました。
最後にいくつか、言い訳&補充をさせて下さい。
ユーノとアリサ達が話すシーンで、美由希は??と思われたかも知れませんが、
これは、ユーノが招待していません。
式に友人は呼ぶけど、友人の姉妹は呼ばないよな〜……ましてや、振った相手のだし。
と言う理由です。
後、フェイトとエリオの関係についてですが、敢えて曖昧なままにしています。
これは、エリオ×リィンの、もう少し未来で、解決させる予定です。
もっとも……書けば……ですが。
ラスト!!!
これは、自分への戒め。
『長編は実力がついてから』
以上。
このシリーズの最初が、保管庫行きを果たし、微妙にテンションが上がってるお供えでした。
つまんね
>>681 GJ!
モノが復讐なのに、読後感がそれほど悪くない良い出来でした
って、最初冗談だったのか!!悪質なww
あと、司書長のあだ名と世間の目キビシス
>681
GJ。
最初から読み返してたらお使いに行く前のエリオがあまりに純朴で泣ける。
このまま終わると哀れすぎるので、仕事中は戦闘マッスィーン、夜は極悪エロオと化してしまった
彼が更生していく様をじっくりたっぷりねっとりと書くべきだと思うのですよ。
ぐっじょーーーぶ!!
だが、だが、だがしかし、さらなるユーノとヴィータの話やエリオの更正物語を期待している俺がいる!
>681 おや?でっかいリィンENDなんだwwしかも何げに幸せそう
そしてちょっとマッスィーン化してるエリオ(・∀・)カコイイ!GJ!!!
>606 so re da!じゃあこのままいきます!マジ感謝っす!(誰
さてお待たせしました修羅場(?)です。……修羅場?なのか?……まあ修羅場ってことでw
規視感のあるネタもあるかもわかりませんが、それはそれでニヤニヤしてやって頂けると助かります
あと、フェイトさんがちょっと壊れてるかもしれません。
忙しくて疲れてるんだと思います、察してあげてくだs
ほいでは朝刊どす〜
[はやてと(ry][宴会モード?][3レス]
とぼとぼとはやてが部屋に戻ってみれば、当然であるが部屋のテリトリーが真っ二つに2分されていた。
(なんで……こないなことに)
部屋の隅に追いやられたガラス張りの低いテーブルに寿司桶が積み重ねられ、その周りに集合している黒いTシャツの子達自体は
さほどそうでもないのだが、その様子を見守る元六課面子が警戒心全開なものだから、如何ともしようがない。
「ま、まあみんな、そんな睨まないで仲良くしてやってくれや」
とゲンヤがフォローをするのだが、言われた側もどうしたらいいか計りあぐねている様子である。
だが切り込み隊長らしく、赤く短い髪に金色の瞳の]Tの白い文字を胸の片側に大きくつけた少女が、
ティアナ以下元フォワード隊の前にすっと膝をついて座った。
「よ、よう……」
目を背けつつ、気恥ずかしそうに声をかけてくれたノーヴェにティアナも僅かに表情を崩す。
「……うん、ノーヴェ、元気?」
「う、うん……」
名前を覚えていてくれたことに、ちょっと驚きながら、さらに続ける。
「は、はちまきも、元気か?」
「うんっ!」
こそーっと後ろから観察してるキャロに背中を貸しつつスバルが答えると、対してノーヴェの後ろにも赤い瞳によく似た色の赤い長めの髪を
後ろでひとくくりにあげた\の数字を脇の下につけたウェンディがこそこそと顔を出している。
「そっちの……ウェンディ、も、元気だった?」
ティアナの確かな記憶力に素直に喜びながら、明るく答える。
「元気っすよー!もう全開ばりばりっす!」
「そう」
にへへ、とスバルに笑われてノーヴェが反応に困ると、ようやく部屋の雰囲気も少しだけ緩み、会話が戻り始める。
さらにウェンディの後ろでその様子を観察していた青髪で青い目の胸のYの字にも話を振ってみるティアナ。
「そっちの……もぐらちゃんも元気?」
「なんで俺っちだけもぐらなんだよ!セインさんだよセインさん!」
「ご、ごめんごめん」
そんなやりとりの間に、ノーヴェに近づいたスバルは勉強頑張ってる?と会話を切り出して、たどたどしく話す彼女と少しずつ距離感を埋めていく。
その空気に助けられて隣に座るウェンディとセインであったが、セインは実はちょっと遠くの白いスーツの向こう側に座っている
某シスターの突き刺さるような視線が、正直ちょっとだけ怖かった。
スバルとノーヴェのたどたどしい会話を静かに聞いて見守っていたティアナだったが、ふと彼女が着ているTシャツの間違いに気づく。
「あれ……ノーヴェって9番じゃなかったっけ?」
「ん?なんだ茶色頭。確かに9番だけどさ、なんだよ?」
「ほら、その胸の数字11ってなってる」
じーっと見られて、金色の瞳も自分の胸を見る。
「……ん?」
スバルもそこまで言われてさすがに気づいたらしい。
「あ、ほんとだ。ノーヴェそれ11」
「え、11は私っすよ!?」
赤い髪を後ろでひとくくりに上げている隣に座っていた少女も、脇の数字を見て考え込む。
「ん……これは9っすか?」
「確かに上から見ると合ってるけど……正面から見ると逆、かな?」
\と]T。
確かに鏡に映せば同一である。
「うわああああ、ま、まじだ!ウェンディ、脱げ!」
「了解っす!交換するっす!」
と、なんの躊躇いも無く脱ぎ始める2人。
「わ、ちょ」
袋から紙皿を取り出していたギンガが止める間もなく、あっさりと白いブラ姿になる2人。
その瞬間、元六課関係者の動きは早かった。
なのはは、ユーノの顔の前にヴィヴィオを露骨に持ち上げてほっぺたを引っ張らせていた。
「にゃ、にゃのはふぇべつにみにゃいから」
そんなことは意に介さず、当のオッズアイの小さな少女はうにーうにーとほっぺたを引っ張って喜んでいる。
「そんなことないよねー、ねー、ヴィヴィオー?」
「うんー!うにうにー!」
「い、い、いだ」
ヴァイスはといえば、思いっきり顔をふさがれる様に妹に抱きつかれて完全に視界を奪われていた。
「……ラグナ、別にそこまで飢えてるような兄貴じゃねえだろ?」
「見ちゃだめ〜v」
視界を塞ぐのがメインなのか、抱きつくのがメインなのかわかったものではない。
男性陣では一番近かったエリオは、真っ先に全力で後ろ向きに座り直していた。
「どうしたの、エリオ君?」
怪訝そうにする桜色の髪のとっぽさがない少女は相変わらず展開を理解していない。
「別に、見てもいいと思うんだけど?」
ティアナは別段慌てる様子も無かったが、
「だ、だから、僕ももう、11なんですから、いつまでも子供扱いはよくないですから!」
本人は断固として拒否を貫くようであった。
そして割と離れているにも関わらず、ヴェロッサの目は座ったままのシスターのデバイスで塞がれていた。
「シャッハ……さすがにヴィンデルシャフトは如何なものかと思うんだけど」
「めっ!」
さすがに老獪というか、それとなく視線を逸らしている相変わらずフェイトに観察されているクライドと、
露骨に皿の数なんかを数え始めたゲンヤには特に追撃もなかったが、獣形態のザフィーラの目にはおざなりにシグナムの足が乗せられていた。
「将よ……さすがにこれはどうかと思うのだが」
「ん?なんだ?将の行いに不満か?」
割とにやにやとしているシグナムは少しだけ楽しそうである。
「……まあ、特に異論は無いが」
「うむ」
そして、無事に交換が終わって脇腹に\の文字をつけた真紅の髪と肩口から]Tの文字をつけた赤い髪は、軽く拳を合わせる。
「これでOKっすね!」
「おう!……あれ、ギンガさん?」
「あはは。ギン姉、そんなに落ち込まなくても」
駆け寄ったときには既に手遅れだったこともあり、ぐったりとその場でうなだれているギンガ。
確かに研修や戦技訓練はすこぶる順調で、文句のない出来であったからこそ終日の外出が今日だけ認められていたのであるが、
ただ、彼女はとても大事なことを教え忘れていたことに今頃になって気づかされていた。
少女の心得――明日からはそれもちゃんと教えなきゃ、と心に誓いながら、とぼとぼと再び買い物袋へと戻るお姉さんであった。
しかし、シャツの交換も完了しギンガまで戻ったにも関わらず、未だに抱きついている人が一人。
頭をぎゅーっと抱え込んで離れないルキノに周囲の視線を感じて、さすがに腕の中のグリフィスも諭す。
「る、ルキノ、別に見ようなんて思ってないから……」
「や、やだ!他の女の人の裸なんて――」
そこで少しだけ頭を離すと、彼女の顔をデートの為にコンタクトにしている薄い紫色の瞳で、真っ直ぐに見つめる。
「大丈夫だよ。僕はルキノ以外いらないから」
と、その台詞はしん、と静まり返った部屋にやけに響いて、言った本人も焦ったがその時にはすでに手遅れであった。
きゃーっ!とラグナ、アルト、キャロあたりから上がる歓声。
「ら、ラグナちゃん、今の聞いた?!」
「うん、すごい!ルキノさんうらやましい!」
「え、え」
「いやー、グリフィスも隅におけへんなー」
「や、八神二佐!あ、あのこれは」
さっきまでの鬱モードはどこへやら、ぽん、と肩に手を置きながら囃すはやて。
「いやいや、ほんまかなわんわー。ほいで、式はいつ?」
「は、はやてさん!」
真っ赤になる2人に、はやての顔にも笑顔が戻る。
そんな中、少しずつ打ち解けていく雰囲気どころか、同じ境遇のはずの仲間達からも外れて、部屋の隅でじっと黙ったまま立っていたディエチだったが、
その様子を見兼ねたのか、左右の瞳の色の違う小さな少女はなのはの腕から降りて母親が驚くほど安易に、その側にたったったと寄って見上げた。
じーっと見上げられて、だがなんとも答えることができず片腕を自身で抱え込んでいた困り果てた感の強い彼女だったが、出てくる言葉はひとつしかない。
「……ごめんね」
ううん、と首を振ったヴィヴィオに、しゃがみこんで彼女の目線よりさらに下からもう一度、ずっと言わなきゃと思っていた言葉を伝える。
「ごめんなさい」
うん、と頷いてからいいこ、いいこと後ろに細くまとめた茶色い髪に手を乗せられても、まだ表情はほぐれなかった。
遅れてついてきたサイドポニーの母親が、ヴィヴィオの背中にそっと取り付いて、名前を呼んでくれる。
「よかったね、ディエチ」
「……はい」
さすがに記憶に残った恐怖から目線は外しこそしたものの、ちゃんと答えた。
いつも通りに、ばってんちび!うるさいですよ花火魔!と喧嘩をおっぱじめた融合機2人は放置して、未だにじーっとクライドを観察しているフェイトの隣にようやく戻るはやて。
「そんなに見つめても、何にもでえへんよ、フェイトちゃん」
「ねー、だれー?」
「んーと、とりあえず座ろか」
彼が持っていた買い物袋をシャマルに渡して冷蔵庫に格納を頼むと、カーペットの一角に3人で大人しく足を崩して座り込む。
「えとなフェイトちゃん」
「うんうん!」
ようやく明らかになる正体に部屋全体が静まりかえり耳目の集まる中、挙句わくわく全開でじーっと見つめられてやり辛かったが、しかしここは負けられなかった。
「実はな……うちがな、局の中を歩いてるときにな」
「うんうん!」
「ゴミ箱に捨てられてたんや。いやー、うちもほんまびっくりしたわー」
京都風関西弁の意地にかけて。
「へー!そうなんだ!」
笑顔で素直に納得してみせるフェイト。
「なー、びっくりやろ?」
「……」
「……」
「んなわけあるかー!」
ぱこーんと、どこから取り出したのか謎なハリセンで派手な音と共に頭に突っ込まれる。
「った……フェイトちゃん、そのハリセンは一体全体どこから……」
「今、魔力で作った」
「そんなあふぉな!つか、そんなもん作らんでええがな!」
「えー、ちょっと癖はあるけど、高性能なんだよ?あんまり痛くないのに音はおっきいんだよ?」
「いらんがなそんな無駄な高性能!てか、どこでそんなこと覚えてきたんや!」
「移動中とか暇だから、いつか使えるかなーと思って練習してみたんだ」
「そんな練習せんで、仕事したらええやんか!いっぱいあるやろ!」
「あーなるほどーそうだねー、って移動中まで仕事なんてアフォかー!」
ぱこーん!
「ノリ突っこみうまいなフェイトちゃん……」
「桃子さんにばっちり鍛えてもらったからね」
「桃子はん……!余計なことを!」
突然始められた漫才に意味合いとノリがわからず、じっと観察していたノーヴェ達は念話でオットーとディードを従えて、
寿司桶の番人をやっているチンクにこっそりと尋ねる。
(チンク姉、あれはいったいなんなんすか?楽しそうっすけど意味がよくわからないっす!)
(あれは、タッチングというかボディーラングエッジというか……まあつまり肉体言語と言う奴だ)
セインは格闘を想像したらしく、完全に思考は間違った方向へと走る。
(なるほど!拳と拳で語り合うんだ!?)
(さすがチンク姉、物知りっす!)
(さすがチンク姉だ)
と、派手に間違いを含んだ解釈を姉の威厳のせいでしっかり信じ込んでしまう妹達。
世間知らずの姉妹達をよそに、はやてのボケは続く。
「で、このお兄ちゃんそっくりな人は誰?」
「んとなー、実は中身はシャマルなんや」
ぱこーん
「ああ、ちゃうちゃう、ガジェットやった」
ぱこーん
「もしかしたら、座敷わらしかも」
ぱこーん
「実はな……フェイトちゃんのお父さんなんや」
ぱこーん
「……ってて、ちょいまち、いまのはボケやないって」
「え?」
勢いで突っ込んでおきながら、事実までスルーしかけたフェイトはその言葉に、もう一度その人を見つめ直す。
「クライド・ハラオウン。覚えてないかもしれへんけど、リンディさんの旦那さん、クロノ君のお父さんや」
「えええええええ!?つ、つまり、私の、と、とうさん?」
「そいうことやな」
突然父さんと呼ばれて、当の本人も反応に困る。
「は、はい?」
ざわ……とどよめきの走る部屋の中、突然の父親の出現に混乱を余儀なくされるフェイト。
はふ……貯金が完全に切れたので土日は休刊いたします……お許しを
ほいではまた⊂´⌒つ。Д。)つ
朝刊ktkrついにクライドさんが名乗りましたねさてさてこれからどうなるのか
了解なのです土日はゆっくり休んでくださいな
>>691 GJ!
朝刊ご苦労様です。土日はあんまし無理しないでください。
チンク姉とノーヴェのやり取りには笑ったw
でもとうとうクライドさん名乗りましたね。
この先話がどう転んでいくのやら・・・
>>691 GJ!
何気にシャッハに萌えるんですがw
>691
乙。
咄嗟に出て来るヴィンデルシャフトにも。
「……シャッハ、君も魔法少女なんだから、アイテム出す時には相応の変身シーンを「あ、手が滑りました」(ゴスッ)」
>>681 GJ!&乙かれさま
なんというラストだ・・・
確かにお供え物になる前のエリオと比べてみたらあまりのダークっぷりがすごい
これはまさしく鬼畜王エリオエンディング・・・
>>691 朝刊GJ。なんだかほんわかしながらも、各自の反応が皆それっぽくて笑えるw
エリオはいい男になりそうだ。そして、フェイトさん・・・あなたはツッコミ役というよりはボケやk(略
>>691 あれれ?
ラグナちゃんが先にお兄さんの眼をふさいだもんだから
テーブルの下で展開したクロスミラージュをどうしたものか考えてるティアナを想像しちゃったよ?
俺の考えは間違ってるのか?
>>691 とんでもねぇペースだな。毎朝乙。
ただいま478kb
そろそろ次スレの季節がやってきたようだ
朝刊だとアルトとラグナで出掛けてたからな。
アルトがティアナを牽制してたんじゃない?
そ・れ・は・わ・た・し・の・や・く・めと目で。
朝刊、月曜を楽しみに待ってます。
>>691 シャツの件がネタにwGJw
その一瞬、部屋の中の男女関係が明らかになったという……
残り20くらいか。短めの話が投下されると心なしか嬉しい残量だね……
埋めってことで投下してみるべ
非エロだゴルァ
どこの組織でも、噂というものは流れる。
例えば、『無限書庫の司書長はゲイ』だとか、『総務課で出されるお茶は激甘』だとか、『105部隊の隊舎には
殉職した隊員の幽霊が出る』とか、真偽のほどが分からないものも含めて、流れる噂話の類は本当に色々だ。
さて、俺が今日聞いた噂はこんなものだ。
『教導隊はドS集団の集まり』
俺は民間の魔法学校から推薦で管理局に入り、数ヶ月の研修を経て、
時空管理局の武装隊に入ったので、こうした情報には疎い。
そもそも「教導隊」ってのがどんなところなのかもよく分かっていない。
とにかく凄い魔導師揃いで、武装隊のトップ100が集まっているようなもんらしい。
そして、明日からその戦技教導隊からなんとかという教導官が来て、俺たちに訓練をつけるらしい。
名前何だったっけ?
ええっと、タ…タ…タカ……タカマツ?それともタカマチ?だったかな。
聞きなれない感じの名前だったのは覚えている。たぶんミッド以外の世界の出身なんだろう。
周りの皆はその名前を聞き、大分騒いでいた。
何人かはよほど興奮したのか、悲鳴をあげたりして、有名人なんだろうか?
周りに聞けば、きっとすぐに答えてくれたんだろうが、それは出来なかった。
自分でもわかっている。変にプライドが高いんだ、俺は。
そんなことも知らないのかって周りに思われたくなかったんだ。つくづく損な性格だと思う。
そんなこんなで寮に帰って自室の情報端末を操作して、情報を集めることにした。
頼ったのは最近ミッドで密かに流行っている某巨大掲示板。
匿名で発言するもんだから、ガセネタも多いが、表に出てこない裏事情の宝庫でもある。
「時空管理局板」をクリックすると、スレッド一覧が表示される。
1:故ゲイズ中将について語るスレその25(799) 2:【薄給】事務官舐めんな【激務】(825) 3:■■■次元航行部隊Part175■■■(160) 4:本局のうま
い店教えろPart8(373) 5:【ミッド】陸戦魔導師総合スレ916【ベルカ】(538) 6:空戦魔導師って本当に強いの?(641) 7:★嘱託魔導師になり
たい!70回目★(809) 8:【見敵】近代ベルカ式ちょっとこっち来い #15【必殺】(275) 9:地上本部の幹部が役立たずな件(658) 10:【俺の屍を
】執務官試験反省会【越えていけ】(96) 11:管理局を辞めた人に質問 (81) 12:【市販品】最強のデバイス Part50【限定】 (226) 13:アインヘリア
ルが結局無駄だった件その5 (627) ............
「教導隊、きょーどーたい、っと」
スレッド一覧の中から、とりあえず「教導隊」を含むスレッドを探す。
「お、あった」
70:【訓練】教導隊はドS集団の集まり Z【酷すぎ】 (300)
「……って何じゃこのスレタイ!教導隊はマジでヤバイ集団なのか?」
スレタイから受ける嫌な予感を振り払いつつ、スレッドを見てみた。
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296 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 20:17:10 ID:SCraid8
つーか実戦の時より訓練のほうが命の危険を感じるのってどうなん?
297 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 20:30:02 ID:iCEmaN6
なんか教導隊ってスパルタっていうかさ、普通の教官と厳しさのベクトルが違うよな
教官隊・・・・・・怒鳴る+鉄拳制裁
教導隊・・・・・・無言 +魔法でちゅどーん
298 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 20:51:34 ID:RHj5mqP
昔、訓練の時、単調なシューター撃ちばっかで「基礎ばっかでだりー」って呟いたら
それが教導官に聞こえてて、「こっち来い」って言われたんだよ。
で、叱られるかなーと思ったら、いきなり教官と模擬戦させられた…
シューター100発ぐらい浴びせられて ま じ で 死 ぬ か と オ モ タ …
299 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:00:21 ID:AawK72d
あるあるw
教導隊は体で分からせるって感じだもんな。
あの肉体言語主義はどうにかならんのか?
300 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:03:44 ID:Qe93NxS
>>298 基礎をないがしろにしたお前が悪い
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「げぇ…シュター100発とかどんだけ…」
スレッドを読んでいるうちに何となく「教導隊」の傾向が分かってきた。
とにかく、怒らせると怖いんだな。
訓練って具体的にどんな感じかんだろう?
やっぱり厳しいんだろうか?不安になってきた。
俺も書き込んで、このスレに参加してみることにした。
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301 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:07:20 ID:mj2KKwE
>>298 マジかよ……怖ぇ…((((;゚Д゚)))
明日から2週間、教導隊員の人の短期集中訓練なんだけど、やっぱハードだよな
302 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:07:59 ID:SCraid8
>>301 イ`
303 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:08:46 ID:708MaoH
>>301 誰が来るの?ハードさも、人によりけりだよ
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ふーむ。人によりけり、か。
「何て言ったっけなぁ…名前うろ覚えなんだよな」
とりあえずうろ覚えの名前を書き込んでみる。
周りの反応からしてこの人は有名みたいだから、きっとこのスレの住民も知っているに違いない。
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304 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:23 ID:mj2KKwE
>>303 タカマツだか、タカマチだかそんな感じの名前の人。
結構有名人ぽ。
優しいひとだと良いなぁ
305 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:25 ID:R2vcOTZ
ちょwwwwwwwwwwwwwww
306 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:31 ID:RHj5mqP
ちょwwwおまwww
白い悪魔wwwwwwwwwww
307 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:31 ID:876cLB1
魔王キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
308 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:35 ID:Qe93NxS
釣りじゃねえの?
武装隊のくせにタカマチ知らんとかありえんだろ
309 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:40 ID:StS123H
>>304 外見が優しそうだからって、甘く見ると痛い目にあうぞ。
怒鳴ったりとかは滅多にないけど、要求されるレベルがめちゃめちゃ高い。
310 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:40 ID:AawK72d
ちょwwwwwwタカマツとかwwwコーヒー吹いたwwwwwwwwwwwwwwww
304の人生オワタ\(^o^)/
311 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:41 ID:CC8eF21
>>304 優しいよ。
訓練の時以外はな。
312 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:46 ID:KaibA27
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
トラウマがああああああああああああああああああああ
ピンク怖い怖いシロイアクマこわいこわこwかおkをあqwせdrftgyふじこlp
313 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:50 ID:Su3Baru
なのはさん優しいもん
悪魔とか魔王とか言ってるやつちょっと表出ろ!(#゚Д゚) ゴルァ!!
314 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:00 ID:R2vcOTZ
魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王
魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王魔王
315 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:02 ID:9AgoLoli
>>304 優しかったよ。
昔はな。
316 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:04 ID:Zak007f
>>304の人気に嫉妬w
まあ死ぬこたぁ、ねーからガンガレ。あの砲撃は慣れれば癖になるw
>>307 新人なんじゃね?
317 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:09 ID:SCraid8
>>304 高町さんは超有名人です。優しいかどうかは……賛否両論がわかれるところw
>>312 モチツケw
318 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:15 ID:B9OkmaC
>>304 知り合いに聞いた話だと相当ハードらしい。今からデバイスの手入れしとけ。
生きてたら訓練のレポよろ〜
319 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:19 ID:MoE4keN
なのはさん(;´Д`)ハァハァ
318 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:20 ID:Okww06S
オマイラ反応しすぎwwwwww人の不幸は蜜の味ってかw
///////////////////////////////////////////////////////////////////////
驚いた。
書き込みをして1分も経たないうちに、沢山のレスがついてきたのだ。
正直、こんなに反応があるとは思わなかった。
読むうちに、書き込む前よりもどんどん不安になってきた。
「白い悪魔」…?二つ名ってやつだろうか?
「魔王」って何だよ?危険なイメージしか湧いてこない。
訓練は…残念ながら厳しめなのは確定らしい。
というかこの人の評判……あーあ、見なきゃよかったかも。
これじゃあ、かえって不安になるじゃん。
これ以上見ていられなくて、俺は端末を閉じた。
うわぁあ…明日が鬱だ……。
俺はまだ見ぬタカマチ教導官の影に脅えながら眠りについた。
(続く?)
メモ帳で作ったからか、表示が妙な事になった……orz
まあ埋め用なんで見逃してくれ
結構斬新だなw
コーヒー噴いたwww
>>708 続きお願いします!
てか『故レジアス・スレ』に泣いたorz
スレ数があるからやっぱ賛否両論なんだろーなー
>708
文中のIDに笑った。
脳のスミッコだけで。
>>708 マジで吹いたww
続きキボン
315 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:02 ID:9AgoLoli
>>304 優しかったよ。
昔はな。
誰だお前wwww
ユーノじゃね?
IDがロリだし
こっそりとある
13:アインヘリア ルが結局無駄だった件その5 (627)
これに突っ込みたかったのは濡れだけじゃなかったんだなwwww
間違いなくユーノだな
て、よくみたらレイジングハートまで居るしw
続きが楽しみだぜw
>>716 え?レイジングハート?すみません、どこか教えてください・・・・・・・
スバルはわかったんだけどな・・・・
306 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:31 ID:RHj5mqP
ちょwwwおまwww
白い悪魔wwwwwwwwwww
こいつだろ
R・・・レイジング
H・・・ハート
最初はそうだと思ったんだが・・・・・RHのあとのIDが理解できなかったから、違うかと・・・・
まぁ、いいか。とりあえず、何気に本人も見てるっぽいので、
>>304の安否を気遣うばかりである。
312 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:46 ID:KaibA27
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
トラウマがああああああああああああああああああああ
ピンク怖い怖いシロイアクマこわいこわこwかおkをあqwせdrftgyふじこlp
IDが海馬じゃねーかwwww
スバルはまだ幻想をいだいているんだな・・・・・
303 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:08:46 ID:708MaoH
>>301 誰が来るの?ハードさも、人によりけりだよ
IDが魔王…まさか……
>>708 GJwwwマジで吹いたw
>305 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:25 ID:R2vcOTZ
> ちょwwwwwwwwwwwwwww
こいつがリインUにしか見えた俺
うわぁぁぁああ!!!!総員退避!!!!!
>>722 それだけではなく、番号が
7 0 8
な(な)の は(ち)
バリバリ本人です
>>725 うわぁああああ
素で気づいてなかったw
>>720 社長wwww
ホワイトデビルマジシャンガールw
>>725 (´゚ω゚):;*.':;ブッ
新人オワタ\(^o^)/
>>728 ああ、そういや社長、あのMADでとっても凄いことになってらしたものね……
>>725 それどころか、そのあとで好き勝手言ってた連中全員オワタwwww
>ID:9AgoLoli 9年前ロリ?・・・・・・誰だ?
ヴィータにちがいない。
ID:SCraid8 はエリオじゃ・・・
スクライド8?
俺キャスト知らないんだよな…
エリオが某世界を縮めた男に似てるから
そういわれてるだけで決して中の人関連じゃないから
って言うか、IDから投稿者探すなよwwww
九年前はロリ…今はロリじゃないってことだから、フェイトか部隊長だろ。
こういうトコをフェイトは覗かないから、部隊長かな。
最悪の場合、書き込んだ奴(ほとんど)全員が
「少し、頭冷やそうか……」
の刑になりそうだ。
終わりも近いのにスレ賑わっちゃってるよ……
いいじゃないか、過疎るよりも。
で、ヴィヴィオ×ヴィータの、カプ略称ヴィヴィヴィネタはマダですか
無いなら自分で生み出すんだ
316 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:10:04 ID:Zak007f
>>304の人気に嫉妬w
まあ死ぬこたぁ、ねーからガンガレ。あの砲撃は慣れれば癖になるw
>>307 新人なんじゃね?
IDはザクかな?
ということはザク→凡用機→凡庸機→凡人→ティアナか?
飛躍しすぎかな。でも砲撃被害者の一人だし……
>>741 ID:Zak007f→007→07→レナ→ティアナとか?
>>729 一番酷い目にあったのはおまけのノアだな、間違いなくww
>>708 GJ
かつての某なりきりスレを思い出した
>307 名前:名無し局員くん@正義の味方 投稿日:76/5/11 21:09:31 ID:876cLB1
> 魔王キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
こいつ、シャマルじゃねーかw
ク(c)ラール(L)ビ(B)ントかw
クラールはしらんがヴィントはWだろ・・・
答え:Klarwind
498kbにつきAAで埋めまーす
/ l-ソ l /、/,.イ./ イ i. l | | ヽ j / /
_./ l.f il:.l l:/,ォ._X:/ / l l.l:ll l | | ヽ ヾム.≦ _
. / イ | l,._!_l l\ l / | /..ォ=〒= .、| ノ| ヽ マj- _ \ 総員次スレに
│/ | | | |、 l,.ニ=z、ヽ |:/ ゙ l,、。`´c} /| | /|/ |ヽ / / l\ ヽ \ 移動なの!
. ll | l | l./ l_.゙ーi / ヾ - ク,ヽヽ/|ノ|/ ,| ∨///lヽ \. \ \
l l l、 丶 lヽ r゙ c 」L | |⌒ヽ/ ヽ ヽ \ ヽ
t l ヽlヽヽ ゝ'′、 /// 7「 | |ヘ ノ. \ l ' .',
ヽl レ | | | / \ | . l l
| 八 r ̄フ | ‖| \j ノ )
\  ̄ ´ | ||/ ノ ノ
< ̄ ̄\ 〈 ̄ ̄~ ̄|/ ̄ ̄| / /
\ ヽ、 _ .....:::| ´ | ノフ /
>>727 ___フ | ̄| ̄ ̄| / |フ_______ / / 見破られたか(チッ)
| | [二] | / / ヽ
【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第38話☆
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