「いい腕です。殺すには惜しいぐらいです」
世界の包丁を叩き落とした言葉が言う。
「相手が私だったのが運のツキでしたね」
「なっ!」
身構える世界。
「喜んでください西園寺さん。
貴方が人間界での、邪王炎殺拳の犠牲者第一号です!」
カッ!
言葉の額から青い光が放たれる。
「あ、あ・・・」
その場から動く事が出来ずへたり込む世界。
「はぁぁぁ〜・・・」
言葉が手を掲げると体全体が黒い炎に包まれる。
「ごめんなさい。手加減できないんです」
鋭い眼光のまま冷静に言い放つ言葉。
「見えますか?貴方の嫉妬の炎とは一味違う魔力を秘めた本当の炎の術が。
邪眼の力を甘く見ないで!」
「ひっ・・・助けて・・・」
「よくも誠君を!絶対に許さない。
誠君は天国にいるでしょうから貴方は地獄に送ってあげる。
さよなら。炎殺・・・黒龍波ッ!!!」
「イ、イヤーーーーーーーー!」
「誠君、全て焼き尽くしてしまいました。仇は取りましたよ?
私も今から誠君のいる天国へ向かいますね」