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怒りの誠W〜対峙B〜(439からの続き)
(現実及び原作・アニメ等ではありえない設定・状況が多いですがご容赦下さい)
てっきり自分達の家族あるいは友人が会いに来たとばかり思っていたのに、
ドアを開けた先で待っていたのは、会議用の机の側に並んで立っている誠と言葉。
全く予想だにしなかった人物の訪問に、乙女・七海もさすがに驚きを隠せない。
誠 「何目を丸くしているんだよ。甘露寺とは昼間学校で会ったばかりじゃないか。」
七海「そりゃ、そうだけどさ…… なんで伊藤がこんな所にいるんだよ?それに、
第一、世界達とカラオケに行ったんじゃなかったのか……?」
誠 「ああ、それなら断ったよ。」
少し顔を歪めたが、そう応える誠。
七海「断ったって…… そ、それよりも何で桂まで一緒なんだよ!?
なんで私らにわざわざ会いに来たんだよ?」
言葉「私が加藤さんや甘露寺さんに会いに来たのがそんなにおかしいですか?」
口調は穏やかで丁寧だが、はっきりとそう応える言葉。
誠 「それよりも、まずは中に入って話そうぜ。廊下で立ったまましゃべるのは
寒いだろうしさ」
乙女「わ、私は………」
誠 「それとも何も話す事がないなら、さっきの刑事さん呼んで、事情聴取を
行う時間繰り上げてもらうけど」
乙女・七海「…………………」
普段の凡庸で優柔不断な誠を知っている身としては、これだけ真面目な表情で話す姿は見た事がない。
そして、散々苛めてきた言葉だが、今まで見せてきた大人しく弱気な姿は見受けられない。
いや、誠との関係を絶つ事に応じなかった頑固さは知っているものの、それでもまだ、
意地になって我慢している部分は感じられた。ここまで強い意思を感じさせる程じゃなかった。
なのに、今の彼女は………
言葉「中は狭いですけど、お2人ともどうぞ」
乙女・七海「ああ………」
普段の乙女達なら、言葉の話す事に聞く耳など持たなかったろうが、この時ばかりは
なぜか思わず頷いてしまった。あれだけ嫌っていた、いや、今でも嫌っているはず
なのに、どうしてだろう………?
そう思いながら、物置代わりの会議室の中に入る乙女と七海。