スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ

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438mark
怒りの誠W〜対峙〜(420からの続き)

(現実及び原作・アニメ等ではありえない設定・状況が多いですがご容赦下さい)

乙女・七海の2人が休憩室の長椅子に並んで座っている。七海もさすがに落ち込んでいる様子。

七海「じゃあ、乙女も任意同行をくらったってわけか…… 私は買い物から
   帰ってきたら、家に車が停まっていて、そのままこの通りだよ」
乙女「まさか夏美達に裏切られるとは、思わなかったわ」
七海「………やっぱり、私らの苛めの件だろうね……」
乙女「うん、多分。……あいつが学校飛び越えて、警察にチクったんだと思う」
七海「あいつって誰なんだ?」

七海も薄々は想像がついていたが、あえて乙女に尋ねる。

乙女「桂だよ。もちろん確信はないけどさ。後夜祭の翌日から『風邪』で
   休んでいるという事になってるけど……嘘だと思う」
七海「私らの締め上げに、とうとう音をあげた……そんなわけないか。
   あいつは妙な所で凄く頑固だったし」

誠の知らない所で、七海は言葉に、誠と別れるよう再三迫ったが、彼女は聞きいれず、
業を煮やした七海はバスケ部の部員や顔のきく他の運動部にも手を回し、
言葉を徹底的に苛めるという手段に出ていたのだ。しかしそれでも言葉は誠と
別れようとはせず、苛めはますますエスカレートし、完全に目的と手段が入れ替わって
しまっていた。

そうした針の筵な状態のまま、文化祭を迎え、言葉は実行委員として色々頑張って
いたのだが………

乙女「無期停学か退学は免れそうにないかな………」
七海「それだけで済めばまだいいけどね。逮捕された澤永がどんな処分下されるのか
   知らないけど、あいつは多分、少年院行きになるだろうし」
乙女「…………………」

乙女は自分も澤永と同じような処分が下るかもしれないと、内心怖れていた。
自分は七海とは別に、澤永の暴行事件の件でも責任を取らされるかもしれない。
現場そのものを見たわけではないから、澤永が言葉をレイプしたかは
本人達にしかわからない。だが、澤永を面白半分に唆し、彼や犯されるであろう
言葉を嘲笑った事が、こんな形で返ってくるなんて………!
439mark:2007/12/19(水) 17:08:23 ID:Un8e5N7U
七海「いずれにしても、私の高校生活もこれでおしまいかな……… はは」

七海の力無き笑いは、投げやりな気持ちなのか、自分の愚かさに今頃気付いた
ゆえのそれなのか、わからない。恐らくはその両方なのだろう。
中学時代から運動で馴らし、スポーツ推薦で榊野学園に入学し、バスケでは上級生も
脅かす実力を備えており、全国レベルの大会で入賞も夢ではないと言われていた。
部活以外でも、世界・刹那・光などの友人に恵まれ、プライベートでは年上の先輩との
交際もあり、公私ともに充実した学生生活を送っていると信じていた。

それが、自分達が起こした苛めの件で全部台無しだ。

約30分後―――

刑事A「さっき話した、加藤さんに会いたいと言ってた人達が来た。
   こちらに来るように。あと、甘露寺さんも来なさい」
七海「え、私もですか?」
刑事B「そうだ。早くするように」

乙女に待ち人が居るというのは、彼女からの話でわかっていたが、私にも
会いたいという人は一体誰なんだろう?やっぱり……家族だろうか。
まさか世界達が会いにきてくれたのかと一瞬思ったが、彼女達は
澤永が逮捕されて落ち込んでいた光を励ます為にカラオケ屋に行くと言っていた。
多分違うだろう。

七海(そういえば、伊藤を代わりに誘ったらどうだと世界に勧めたけど、上手くいったのかな)

こんな時に冷静に昼間のやりとりが思い出せるのは、元の日常には戻れない、諦めの気持ちに
なっているからだろうか。普段の自分ならそんな女々しい事なんか絶対
考えないのに。
そんな事を思いながら、乙女と共に刑事達に付いていく。

2階小会議室

刑事A「この中で、君達に会いたい人が待っている。会議室といっても
    殆ど物置代わりみたいなもので、狭いかもしれないが、話す分には
    問題ないだろう」
刑事B「こちらが指定した時間を過ぎたら、君達への聴取を開始する予定なので、
   そのつもりでいるように」

その他もろもろの注意と、指定された時間を教え、去る刑事達。
完全に面会そのものだなと内心苦笑する乙女と七海。
違うのは会いたいと言う人間がドアの向こうで待ち、訪れられる自分達が
ドアの向こうの人間に会いに行くというねじれだが。

なんともいえない緊張感と後ろめたさに呑まれ、このまま去ろうとも思った2人だが、
自分達を指名してきた以上、そうもいかない。
ドアを一気に開ける七海。
バタンッッ。

七海「………伊藤…… それに桂まで……」
誠 「こんばんは。加藤、甘露寺」
言葉「おひさしぶりですね。加藤さんに甘露寺さん」
乙女「なんで……あんた達2人が……?」

(続く)