魔法少女、続いてます。
ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。
『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
・オリキャラ
・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)
『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。
【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
読み手側には読む自由・読まない自由があります。
読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。
リンクは
>>2
1乙!
スレ立て乙
一乙ッス
一乙。
8 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 23:49:47 ID:rad6knJo
乙一。
9 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:03:11 ID:CLiEYr7j
いちおつ
一乙である。
11 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 00:12:25 ID:ZTPW8M6z
乙
1乙で1000まで埋まりそうだw
いちもつー
>>1おつ。
とりあえずクロフェイ母乳モノの完成をマターリ待つか。
22 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 02:21:16 ID:Npii6079
otu
ええい!フェイエリはどうしたッ!
俺は原点に戻ってとらハのクロなのが見たい
てか質問、ここでとらハの作品のエロパロとか出たらどうする?
26 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 13:05:00 ID:7pdA4TGO
>>前話スレ609
アイドル局員
てっきりユーノかエリオかキャロとかだと思ってた
三袋ヴィータも言ってたけど、管理局の信頼度てどの程度なのか…ガン○ムみたく最後に敵として潰されるようにしか思えん
なのは世界とクロスしているとか、付帯条件があればいいとは思うが
お話の導入部にキャラ紹介くらいは必要だろうな
>>25 俺も前聞いてみたんだけど、反応微妙だったな。
あっち準拠のいちゃつきとかエロとか俺も読んでみたいんだけどな。
ところでとらハ世界の使用と言う意味で某所のリリちゃStrikerSみたいな構成の場合はここでもOKなのか?
本編に出てるキャラならいいんじゃないの? 出てないキャラだと流石にわからないけど
ただ、アニメ版リリカルなのはが既に原作と別物っちゃあ別物だから、クロス板のほうが正しいのかなぁ?
ただまああっちを使うってもリリカルから入った人が多いだろうし
恭也×(アニメ版含め誰か) クロノ×なのは (誰か)×久遠
くらいしか出てきそうには無いけどな。
さすがに耕介主役とかだとちょい飛びすぎだし。
とは言えエリオやスバルとリスティ辺りを絡めたら面白い話が出来そうではあるんだが。
エロがないならクロススレでやるべきかな?
もしエロ入りでとらハキャラ組み込み、本編登場キャラとなると
愛(院長)×ユノとか、恭也×忍じゃなく恭也×美由希(ノエルも?)とか
時間をさかのぼってユノorクロ×桃子とか、展開が狭くなるだろうなぁ
フェイエリはまだでつかその2
>>25 話のベースがとらハならクロススレ行きだろうなぁ。
最近ちょっとした事ですぐスレが荒れ気味になるから混乱招きそうなら自粛が吉かと。
このスレにも忘れた頃にとらハとのクロスが投下されるが、リリカル世界にとらハのキャラ、って作品だしな。
ってか保管庫見たらこのスレ的にはとらハクロスって1本しかないのな。探し方が悪かったか?もっとあるかと思ってたんだが。
エロはこっち?
>1
乙。
>34
エロでなくてもこっち。
原作→(ちょい時間経過な感じで)→無印みたいな作品てOKなんかな?
>>36 アイボリーのHPで速攻でDL購入して楽しむ事をオヌヌメする!
特に「2」だッッ!!
残念ivoryのHPはもう0だ
なぜかアクセスできないぜ
>>36 なのちゃん&クロくんのバカップルっぷりを甘くみるな
あれで小学生なんだぜ…
>>36 設定の食い違いをすり合わせるのが大変そうだ
ま、どっちよりに振るかは空気読んでさじ加減
>設定の食い違いをすり合わせるのが大変そうだ
なのは×クロノ
フェイト×ユーノ
解決した
百合もやおいもダメダが書かずに入られない
なのは×フェイト
ユーノ×クロノ
ねぇ誰か801スレを建ててくれないかしら?
旦那×レジアスなどみたくない。
士郎パパが生きてるか死んじゃってるかでなのはの性格が結構変わっちまうんだぜ?
まあそもそも、ある程度真面目に筋を追ってギャグ作品にしないなら
なのクロをくっつけずに原作を終わらせるのは不可能だなあ…
ハーヴェイはなのちゃん専用機として調整されてる上に、なのはさんにとってのフェイトさんポジだし。
続きです なのは&シャマルVSシグナム・アギト&ザフィーラの後編です 今回エロはありません
キャラのカップリングは全体を通じてクロノ×エイミィです
他の色々とフラグが立っているように見えるキャラは、基本的にギャグとして受け取ってもらえると幸いです
前スレで「内容の前置きをより明確に」といったレスがあったので、今回からそうさせてもらいます
今までそこまで気が回らず、すいませんでした
雄叫びを上げ、ザフィーラは多重結界の外壁へと鋼の拳を打ち据える。強靭な腕力が鮮緑の魔力壁を打撃し、
耳障りな反発が拳と結界の接触面で熱を散らす。
なのはの頭脳の酷使状態から、最奥にあるブラスタービットの四角錐の檻は、強度が薄皮同然である事は
ザフィーラの目にも明らかだった。牙を噛み合わせる守護獣の腕が、最も堅い障壁を突き破ろうと腕に更なる力を注ぎ込む。
一枚一枚の縦長のシールドを連ねた多面柱型結界の一面が、中のクリスタルケージの一面と同時に解除される。
シャマルが片腕を水平に起こし、バインド魔法の古代ベルカ式魔方陣を組成する。開かれた結界から無数の
魔力縄が射出され、結界外で軌道を反転させるとザフィーラへと殺到した。
ザフィーラは結界突破中の肉体を後退させ、地上から銀の鞭を発生させる。シャマルのバインドとザフィ
ーラの鋼の楔が、空中で夥しく錯綜する。鮮緑の蛇が銀の鞭に切り裂かれ、形状維持を解かれて無害な魔力
と化す。
強かにしなる鋼の楔が、続けてシャマルの全方位結界へと標的を変える。ザフィーラの思念操作を受け、
複数の鋭利な銀光が湖の騎士を防護する光の壁へと唸りを上げた。
強固な結界に拘束の鞭が激突して鉄壁の表面が明滅し、互いの魔力の拮抗で周囲の空気に熱が帯びる。
周囲に停滞している一基のブラスタービットは、制御主であるなのはが烈火の将の攻勢に追われ、満足な操
作が出来ずにいた。
(試合場へ急降下、シグナムが追いつくまでに四割程度の出力で砲撃を鋼の楔へ。辛いけど三秒で詠唱を終
わらせてください)
シグナムと鍔迫り合いをしていたなのはがシャマルからの思念を脳で受け取り、攻防の一瞬の間隙で騎士
の腹部に足裏を繰り出す。シグナムと前方へと引き剥がし、白い魔導師はその中空地点にアクセルフィンの
余剰魔力の羽毛を残し、下方へと姿を消した。
「舐めた真似を──正々堂々、私と戦え!」
『Sturmfalken.』
レヴァンティンが可変機構を作動させ、簡略型ボーゲンフォルムへと変形する。従来のモード変更を介さ
ない特別改造の可変機構に、シグナムは次善の手応えを感触に持った。初歩魔法を詠唱する程度の労力で炎
の魔剣が形を変える。
「いい具合だ。制御機能に難がある分実戦では扱えんが……このモード一括仕様とやらも、技術の面では賛
美に値する。技術部の沽券に応える為にも、使いこなしてみせる!」
攻撃魔法にとって最も重要な出力を抑えた分だけ数を用意し、シグナムは試合場へと降下するなのはに光の矢を連射した。
小さな閃光がなのはの背後に追尾する。地上へ着地したなのはが、レイジングハートを大きく払い、シュツ
ルムファルケンの子供達を敢然と迎撃した。
「レイジングハート!」
『Yes, sir.』
頭上のシグナムには目もくれず、なのはは砲撃魔法の魔方陣を展開する。シャマルの要請通り三秒間の詠
唱で放たれた砲撃は、出力面で彼女の思惑と外れてしまっていた。しかし桜色の光条はなのはの正面で空へ
伸びる鋼の楔を断ち切り、なのはは更に楔の破壊で弱化した砲撃の軌道を上空へと偏向させた。
ザフィーラは我が身に向かってくる弱々しい砲撃を、片腕で軽々と受け止めて霧散させる。彼の視界の隅で、
小さな赤い影が過ぎ去った。ようやく誘導弾を全て塵と化したアギトが、肉眼で追いきれないなのはとシグ
ナムへの介入を諦め、ザフィーラのもとへと駆けつけていた。
「こんなもん! あたしの炎で焼き尽くしてやる!」
両掌の炎で大気を焼きつつ、アギトがシャマルの正面へ突撃する。騎士の結界はシャマルの思念で強化さ
れ、魔力の反作用を勝ち取りアギトの小さい肉体を後ろへ退ける。姿勢を直したアギトが、痺れる腕を振っ
て感情的にシャマルを見上げた。
「あいつ、この前の事件中は冴えない援護要員だった筈なのに! 何なんだよ、堅すぎるっ!」
「シャマルを甘く見るな。奴は本来、前線に立つタイプの騎士ではない。戦場の趨勢を的確に分析し、仲間
を盤上の駒の如く操る策士だ。事実、嘗ては我々がそうされてきた。勝利の為に、奴がシグナムやヴィータ
すら囮として切り捨てるなど幾度もあった程だ。決して油断はするな……お前の想像も付かない奇策を弄してくるぞ」
「囮って、同じ魔導書に眠る仲間もかよ。あいつ、昔はそんな奴だったなんて。あの優しい顔からは想像も
出来ないって」
融合騎は耳打ちしてくるザフィーラを横目で睨み、その強い視線を改めてシャマルへと定めた。他人への
思い遣りに満ちた柔和な微笑みが、光り輝く結界壁の中でアギトとザフィーラを悠然と見据えている。ザフ
ィーラの補足と当人の穏やかな美貌が、アギトにとってはあまりにも懸け離れていた。
シャマルの背中を守る結界部が解除され、再び大量のバインドが分枝を繰り返して空中を横切る。ザフィ
ーラとアギトは互いの位置を離そうと飛行魔法の思念を熱するが、既にシャマルの邪悪な巣は二人の全方位
を網羅していた。そして一つ一つが次々に同化し接合し、二人の肉体至近で窮屈に狭まった。
対象を捕縛するのではないバインドの無言の脅迫に、ザフィーラは再び鋼の楔を呼び起こそうと魔力を練成する。
しかし、その微かな身動きだけでもバインドに肌が触れ、思うように魔方陣を形にする事さえも難しかった。
「何だこれ、引き千切るぞ!」
バインドの柵の性質を看破したアギトが、魔法を用いずバインドに掴みかかる。数ミリ単位の間隙しかな
い分子レベルのバインドの閉鎖空間は、アギトの拳も体当たりも無力な戯れに変えていた。相手を捕縛し、
更に固く締め上げる──バインド魔法の基本的な操作への詠唱を削除し、シャマルの思念制御はバインド自
体の物理的強度にだけ費やされていた。
「シャマルを甘く見るなと言った筈だ! 私の話を聞いていなかったのか! こんな子供騙しに無駄な体力
を消費させるな!」
ザフィーラは頭脳で対策を念じつつ、アギトの無鉄砲な行為を咎める。このバインドの檻の中にも、幾重
ものシャマルの策略の魔手が潜伏している。それをザフィーラは長年の相手への理解と、先程に垣間見た決
定的な物証で周知していた。あの悪寒を連れてくる空間の局所的異変は、確実に誤認ではなかった。
モード一括仕様となったクラールヴィントによって、シャマルが亜空間形成を臨機応変に行える状態にあ
る事で、ザフィーラは勇ましい面を苦々しく歪める。
今のザフィーラとアギトからは見えないシャマルの背後には、既に小出力の亜空間への扉が形成されていた。
試合中の有事の際に、迅速な対処の手段として利用されるのだろう。
「バインドの除去に疲れたところを、か。アギト、ユニゾンもシグナムの指示が出るまでは厳戒しろ。融合
する一瞬の隙を見て、奴は無防備となったシグナムのリンカーコアを狙ってくる筈だ」
「切り札の旅の鏡って奴だな……! 了解したぜ。話を聞く分にはヤバ過ぎる代物だ、その魔法は」
現時点では、ザフィーラやシグナムの騎士甲冑は、シャマルの悪魔の手から身を守れるだけの強度を保っている。
しかしザフィーラが闇雲にこのバインドから逃れようと消耗した時、シャマルが彼に対し隠匿している旅の
鏡でリンカーコア略取の一撃必殺に出るのは自明の理だった。
ザフィーラとアギトは敢えてバインドの囚人を選び、打開の突破口が開かれるまで静かに状況の変遷を見
届けようと、なのはとシグナムの激闘へと眼を向けた。
/
急激直下の勢いを相乗したレヴァンティンの斬撃は、なのはの残影諸共試合場の強化コンクリートを抉り刻んだ。
シグナムの眼前に斜線の亀裂が走り、砕かれた細かな石塊が衝撃波に乗って四散する。
アクセルフィンの低空飛行で床を滑るなのはへ、疾風のシグナムが激甚な風圧を及ぼしながら接近する。
レヴァンティンの刀身がレイジングハートの先端機構部と噛み合い、シグナムは更に前進を加速させる。
「上空は膠着状態に陥ったようだな。余計な邪魔が入らん分、こちらとしては好都合だ!」
なのはが前方からの威圧感に焦燥の呼気を漏らす。レイジングハートから迸る圧倒的な膂力の差により、
彼女の身体は成す術も無くシグナムの体重で外壁結界へと迫られる。
(押される演技をしてレイジングハートを片手に、シグナムの後ろ髪を──)
頭に直接響いてくる通りのいい声色の指令を受け、なのはが従順な反応を見せる。前にシグナム、後ろに
結界と身体を圧迫され、なのはの口は苦しげな呻きを吐く。前後から加わり体内でぶつかり合う圧力に、
心臓は危機的な鼓動で彼女の胸を叩いていた。
霞む目でシグナムの凛々しい顔を睨めつけ、なのはがデバイスを手放した右手をシグナムの肩の奥へと差し向ける。
黄色いリボンで一つに纏められた後ろ髪を引っ張られ、シグナムは首を仰け反らせる。数多くの毛根から、
我慢や鍛錬では克服出来ない生理的な痛みが激発する。
「ち、ぃ!」
レヴァンティンとレイジングハートが鎬を削る下で、シグナムの拳がなのはの腹を強力な衝撃で鳴らす。
口の端から唾液の吐き出し、なのはは肋骨の悲鳴に痛覚を騒がせて一瞬気を遠くした。背中へ突き抜ける筈
の拳圧が結界で反射して腹腔に反響し、なのはの顔面が俄かに蒼く悪化する。なのはは懸命に意識を繋ぎ止め、
シグナムの髪を掴む握力を更に高めた。なのはの眼前で露になったシグナムの白い喉から、女らしい呻き声が漏れる。
未だ決着のつかない片手同士の鍔迫り合いの渦中、腹を打ったシグナムの拳が、今度は掌を開いてなのは
の顔半分へと当てられる。見開くなのはの双眸の上で、痙攣する顔を正面に正したシグナムの凄絶な眼光が閃いた。
「はっ──窒息、しろ!」
なのはの呼吸器官を塞いだシグナムの掌が、魔力変換資質を応用した純魔力の放出を見せる。炎属性のシ
グナムの魔力がなのはの気管や肺胞を蹂躙し、中の空気を瞬間燃焼させた。
「が、ほ、げぁ──っ!」
高熱量に焼かれたなのはの気管が魔力的に酸化した気体に満たされ、彼女の美麗な口や鼻から吹き出ていく。
肉体的な被害は無いが、なのははシグナムの髪を解放した手を狂ったように喉に当てる。嘗て無い程の酸欠と、
有り得ない部位にこもる熱気に激しく惑乱する。
「これで終わりだな、なのはっ!」
一歩退いたシグナムが、炎熱を灯したレヴァンティンの鋒を悶絶するなのはへと突き出す。
決着を確信したシグナムの視界に、突如として空間の変貌が発生した。なのはの目前に開かれた亜空間の
口腔は、全力で放たれたレヴァンティンの刺突を音も無く飲み込む。
「旅の鏡……!」
シグナムが上空のシャマルへと視線の弾丸を飛ばす。ブラスタービットと自力の結界に守られているシャマルが、
両手を伸ばした地点で旅の鏡を開き、目の前のレヴァンティンの刀身に新たなバインドを絡めている最中だった。
ザフィーラとアギトが、バインドの魔力柵の中でシグナムの失態を見下ろし、加勢に出られない立場を口の中で罵った。
「は、放せシャマル!」
シグナムがレヴァンティンを亜空間の内部から引き抜こうと躍起になるが、相手のバインドが辛うじてそれに拮抗する。
(自由なブラスタービットをシグナムに、その隙に試合場へ一時離脱、シグナムとの距離六〇で停止、
私のバインドを引き千切る為にシュランゲで刀身を分裂させる確率八割──必ず来ます。それを前進回避、
アクセルシューターで牽制しつつ再びシグナムの懐へ)
試合開始から今まで、一分と休む事無く、シャマルはなのはへと念話で行動指示を送っていた。
(りょっ……了解、です!)
未だ咳込むなのはが、霞む頭脳でブラスタービットに思念を送る。シャマルの近辺で待機していたそれが降下を初め、
シグナムの後方へと彼我の距離を無くす。無機質な気配を察し、シグナムが半身を振り返らせる。なのはの
影が、そのシグナムの横を去って行った。
ブラスタービットを背中越しのパンツァーシルトで阻止し、シグナムは振り上げた踵で間近の飛び道具を蹴り飛ばした。
「多重結界、二人の足止め、旅の鏡、更にバインド……器用だと褒めてやるが、やはり後発詠唱分は詰めが甘いっ!」
シグナムは脆いバインドも道連れに、亜空間からレヴァンティンを救出する。シャマルの魔力光の縄が張
り巡らされている刀身も意に介さず、シグナムは結界付近の低空で鷹揚になのはへと振り返った。
「バインドを砕け、シュランゲバイセン!」
レヴァンティンの機構部が閃き、簡易可変を作動させる。魔剣の刀身が連結刃へと変貌し、強力な摩擦でバインドを切断する。
「間合いを離しても無駄だ! 二人のバインドとなのはを刻め、レヴァンティン!」
機械の声が反応し、シグナムの思念操作に乗って連結刃が雄々しく舞う。大気を断裂しつつ、鋭利な鞭は
ザフィーラとアギトを封じているバインドを滑らかに斬り裂いた。
剣の長蛇はしなやかに空を滑空し、試合場のなのはへと狙いを定める。自由を取り戻したザフィーラとア
ギトが一時離散し、連結刃の巻き添えを食らわぬよう周囲を注視する。胴体に触れそうだった一部から咄嗟
に身を引き、アギトは遠くのシグナムへ憤怒の顔で怒鳴り散らした。
地を蹴り、なのはは連結刃の急降下を掻い潜る。即座に誘導弾を生成し、アクセルフィンの光度を増して
疾走を加速させた。
シグナムがなのはの誘導弾を、再び詠唱したパンツァーシルトで全弾掻き消す。連結刃を収束させるシグ
ナムは、間合いを詰めるなのはの意表を衝いて俊敏に上昇した。
烈火の将と蒼き狼の閃光が交錯する。
念話を用いずとも、両者には状況を見ただけで相互に己の役割を判断出来る絆があった。
(シグナムとアギトちゃんは私で抑えます。なのはちゃんは何としてもザフィーラを退場に追い込んでください)
(わかりました!)
剛健な獣の拳を何とかレイジングハートで打ち払い、なのはは現状態での最上級精度のレストリクトロックを複数組成する。
両腕・腰部で旋回しつつ収束する桃色の拘束環を、しかしザフィーラは何事も無く一喝で破砕する。
「そんな!」
敵の接近の対応も遅れ、なのはは愕然と叫んでいた。
「私を誰だと思っているのだ? 如何なる魔法もこの身一つで打ち砕けずして、何が楯の騎士か! その自
惚れ、正してくれるぞなのは!」
出力リミッターとザフィーラの強靭な肉体能力の相性を見抜けなかったなのはは、まともにザフィーラの
一撃を喰らって吹き飛ぶ。結界に激突したなのはを、ザフィーラが更に凶悪な脚で上空へと蹴り上げる。
「マ、ママっ!」
微かに聞こえたヴィヴィオの声さえも、なのはは追撃してきたザフィーラの肘で聴覚を阻まれる。空中で
試合場を横断させられ、なのはは決死の形相で急停止する。
直後、純白のバリアジャケットを鋼の楔が貫通した。地上から噴出した銀の牙に刺し貫かれ、なのはは体
内に潜る異質な魔力に不快感を催す。身動きを封じられたなのはへ、正面から蒼い殺気が吹き当てられる。
女性らしく成熟した胸の合間を拳で強打され、なのはは再びボロのようになって試合場を囲む結界に全身を
打ち付ける。
高速移動を果たしたザフィーラの気配を頭上に感じ、なのはは揺れる視界で、空の逆光を浴びる彼の影を
認識した。
「一つ忠告しておいてやる。単なる魔力やデバイスに依存しているようでは、魔導師としては半人前だ!」
両手を組み合わせ、ザフィーラはなのはを眼下の場外へ叩き落そうと筋骨の鉄槌を振り落とす。なのはは
飛行魔法を吹かせて回避を試みるが、激しく揺れた脳が正確な詠唱処理を行えずにいた。連続した重い一撃
に肉体が鈍り、滲む激痛が神経伝達を遅滞させている。
「とどめだっ!」
苦悶の呼吸を上げるなのはの眼前に、ザフィーラの裁きの篭手が迫る。一瞬敗北を思い浮かべたなのはの背中が、
不意にバリアジャケットを何者かに掴まれる感覚を伝えてくる。なのはは束の間だけ現実から切り離された
風景を見たかと思うと、また直後に肌に触れる空気や肉体の痛みを思い出した。
ザフィーラは消失したなのはの姿を遠距離の戦闘の最中に見出し、必殺を邪魔された苛立ちに牙を剥いた。
「シャマルめ。しかし、あれだけ旅の鏡を乱用していればそろそろ魔力も尽きるな。なのははまだ魔力量に
余裕があるようだが……シャマルよ、貴様の読みは少し浅かったようだ」
ザフィーラの分析を裏付けるように、試合場全域に漂う通信妨害の特殊な魔力も密度を低下させていた。
なのはがわけがわからず顔を巡らせると、レヴァンティンを片手で組成したシールドで防いでいるシャマルが微笑んだ。
「危機一髪でしたね」
「あ、旅の鏡……すみません。助かりました」
朗らかに言葉を交わす二人の手前で、シグナムがそんな雰囲気とは正反対の激烈な面持ちでシールドの突
破に気合を込める。更にシャマルは、全身を打撲の痛みに染めたなのはへ治癒魔法の優しい光を捧げた。
「暢気に会話か、舐められたものだ!」
強大なレヴァンティンと古代ベルカ式のシールドの接触で、過激な魔力の粒子が電子の暴走にも似た現象
を起こしていた。近くで様子見をしていたアギトが、近まってくるザフィーラの姿を見た。
「ザフィーラがこっちに来てる。シグナム、ザフィーラが二人を引き受けてくれる今のうちだ!」
「承知!」
シグナムは無駄に終わった攻撃を、苛立ち紛れにシールドの表面を薙いで終わらせる。アギトと共に後退し、
シグナムが双方の呼吸を合わせて精神を深く集中させた。
「シャマルさん、ユニゾンする瞬間の隙にシグナムさんのリンカーコアを!」
「いえ……諦めるしかないですね。ユニゾンに必要な数秒間でザフィーラを排除しましょう」
「言ってくれるなシャマル!」
健常な肉体を取り戻したなのはが高度を上げ、高出力のディバインバスターを詠唱する。足許にミッドチ
ルダ式の魔方陣が、そしてレイジングハートの先端機構部に環状魔方陣が浮かび上がる。
「ディバインバスタァァァァァっ!」
なのはが研ぎ澄ました詠唱処理による脳の負担を乗り越え、レイジングハートがそれに応える。激しい魔
力光の奔流が観客の目を染め、シャマルへと迫るザフィーラの動きを止めた。
「ふん、リミッター状態でこれだけのものを出すとはな。しかし見掛け倒しだ。威力が弱い!」
ザフィーラが光の突撃に向かって障壁を展開する。
「もう少しっ、耐えてクラールヴィント!」
シャマルが移動し、クラールヴィントから伸びる領域支配の糸を操る。白銀の壁越しに、ザフィーラは亜
空間の扉を見た。瞬間になのはとシャマルの連携を見破り、直撃の無い攻撃に対して防御の詠唱を解除する。
ザフィーラの勘は的中し、旅の鏡がディバインバスターを飲み込む。シャマルはザフィーラの死角に滑り込み、
共に移動させていた輪の向きをザフィーラの方へ設定する。
ディバインバスターの奔流が亜空間を渡り、クラールヴィントの輪の中から迸る。なのはは放射を維持し、
ザフィーラを倒すべくその場で魔力を注ぎ込んでいた。
「そこか!」
死角の魔力圧に振り返り、今度こそザフィーラが楯の騎士に相応しい強固なシールドを展開する。
しかし、完全防御を疑わないザフィーラの顔が驚愕を見せる。
再びザフィーラの目前で旅の鏡が発生し、二度もディバインバスターを亜空間の経路へと誘った。
「くっ……小賢しい!」
ザフィーラはシャマルの姿が消えている事に気付く。またもや死角に発生した魔力圧が浅黒い肌を焦がし、
ザフィーラは狼狽を隠しきれず滞空状態で忙しなく視線を動かした。
ザフィーラの注意を引き付けるディバインバスターは、その都度旅の鏡によって寸前のところで放射が途切れる。
それは二つ、三つ、四つ、それ以上もの旅の鏡の乱発で、距離の概念を超脱した変則結界を形成していた。
ザフィーラの視界には、旅の鏡へと吸い込まれ、そして術士側の出口から飛び出すディバインバスターの格子が次々と増殖していた。
「クラールヴィントの糸にも限界がある。二人がユニゾンをすれば勝利はこちらのものだ!」
ザフィーラがディバインバスターの檻の打破に動く。全方位の視界を焼く光量の中に、見失ったシャマルの気配を探す。
守護獣の目が鮮やかな緑の甲冑姿を捉える。ザフィーラが全速力でディバインバスターの狭間を掻い潜り、
この試合を手中に収めている女傑へ肉迫した。互いの移動速度の差は比べ物にならない。シャマルは自分が
捕捉され、作戦の失敗を思わせる焦燥感を白い肌に浮かべた。旅の鏡を組成しているクラールヴィントの糸も、
魔力制御の限界で脆弱に痙攣していた。
シグナムとアギトのユニゾンが完了する。
同時に、ザフィーラが至近のシャマルへと全力の拳を振り被る。
──シャマルの弱気な顔が一変、底無しの策略沼に獲物を沈めた不穏な笑みに転じた。
「残念ねザフィーラ。さようならよ」
「何!?」
「はぁぁぁぁぁっ!」
ザフィーラの脇へ、なのはが突貫していた。短縮詠唱で先端部の魔力武装効果だけに留めた、不完全のエ
クセリオンバスターを携えて白い魔導師が空を切る。
「どういう、事だ」
未だに形成されているディバインバスターの幾何学空間、その中を突っ切るなのはの姿。防御も忘れエク
セリオンバスターらしきものの槍の直撃を受けたザフィーラが、濁った叫びを漏らして爆発の下から場外へと墜落した。
「ザフィーラ!」
シグナムの声の上から、審判員の声がザフィーラの退場を紡ぐ。それに呼応するかのように、ディバインバスターとそれを空間に縫い止めていた旅の鏡が、魔力の粒子となって砕け散った。
ザフィーラが無念の呻きに喉を震わせ、芝生の上で身体を仰向けに寝転がす。相手への恨みも無い己の過失を認め、逞しい格闘家の姿の守護獣は、戦意の浄化を思わせる潔い笑みで頬を緩めた。
「ディバインバスターは、威力ではなく超長距離射程を稼いでいたか……なのはがエクセリオンバスターを
発動させた後、せめて一秒だけでも早く反応出来ていれば、な」
呟くザフィーラの視界上空で、激烈な炎の波濤が試合の佳境を彩った。
『あいつ、詠唱を止めてからも放射が続くぐらい、発射点に魔力を溜め込んで……化け物だ……』
シグナムの中で、アギトが己の闘志さえも凍えそうな程の動揺に慄然とする。炎熱波動でなのはとシャマ
ルを左右に分散させたシグナムは、背中に炎の翼を湛えたその神秘的な姿で一度レヴァンティンを構え直す。
機動性に富む軽装へと甲冑が変化し、その藍色の胴着が烈火の将の豊満な胴を百戦錬磨の闘志で加護していた。
「あぁ、私も少々感嘆してしまった。しかし、ザフィーラの撃破で両者とも魔力がかなり消費した筈だ。
シャマルはあれだけ多量の旅の鏡を発生させ、最早バインド魔法さえ詠唱出来まい。残るなのはも、私達で
魔力を枯らしてやればいい。この試合、勝てるぞ!」
『あぁ、わかってる! あたしはあのバッテンチビと当たるまで負けられねぇんだ!』
視線を邪魔する目障りなブラスタービットを腕で排除し、シグナムが高速移動で熱風の余波を暴れさせる。
ユニゾンで能力を倍加させたシブナムは、なのはとの距離を詰め激熱の魔剣で大気を蒸発させた。レイジン
グハートが炎の一撃を食い止める。至近距離でレヴァンティンを制止するだけで、なのはの頬が熱気を浴びる。
「よくぞここまで……と言いたいが、魔力を枯渇させたシャマルなど恐れるに足らん!」
「くっ……あ、あ」
レヴァンティンは苛烈にレイジングハートを追い込んでいく。二人の視界の隅で、シャマルが試合場へと
降り立つ姿があった。
なのはを峰で叩き飛ばしたシグナムは、自分を見上げてくるシャマルの顔色に眉根を顰めた。彼女も勝利
が確定したと楽観視していないが、この状況に対するシャマルの容貌は、厳しい逆境の一筋の活路を見る冷
静な光を湛えていた。
『何かまだ秘策があるのか?』
「あぁ……シャマルの魔法は私が全て熟知している。鍵は、なのはか」
二人が懸念を突き刺す魔導師は、飛行魔法の羽根を飛散させて接近戦を持ち込む。シグナムは余計な思考を断ち、
レイジングハートの打撃をレヴァンティンの刃で打ち払う。この度重なる格闘も魔力消費を抑える為の策だという事は、
シグナムとアギトに共通する敵の真意だった。
「やはりスターライトブレーカーしか無いな。確かに奴のバインドを砕くには苦戦するが……未然に防ぐだ
けの機動力がある!」
少隕石孔や連結刃の爪痕で破壊の皮膚を見せる試合場へとなのはが着陸し、シグナムが流星となって追う。
(私はまだバインド魔法を一回だけ使えます。勝てます!)
シャマルは緻密な計算に加え、なのはへの信頼感も含めて念じる。シャマルを背にするなのはも決意に頷き、
急速落下してくるシグナムへと姿勢を向けた。
「どのような秘策も、レヴァンティンで斬り伏せてみせる!」
高熱魔剣の咆哮が、なのはの脳天へと轟く。ラウンドシールドを展開するなのはの足首が、シグナムから
の加重で激しく床に陥没した。
シグナムがなのはに執着する一方、アギトがなのはの奥から垣間見える魔方陣に気付く。
『シグナム! シャマルがバインドを!』
「まだ魔法が使えたか──!」
烈火の少が鮮緑に光る捕縛の閃光を断とうと動くが、瞬間で楯を解除したなのはが彼女の喉を掴む。
なのははそのまま引き寄せた剣士の美貌に頭突きを見舞い、シグナムが鼻頭に痛烈な痺れを与えられて宙で無防備になる。
抜群のタイミングで、鼻腔から赤い筋を垂らすシグナムの両腕がシャマルのバインドで拘束される。
飛び退いたなのはからも輪状バインドを追加され、シグナムの身体は魔法の詠唱も許されない処刑台に立たされる。微動だに出来ないシグナムの窮地の瞳が、レイジングハートを構えるなのはの魔方陣の意味するところを嫌でも読み取った。
『ヤ、ヤバイ、スターライトブレーカーだ!』
必死にもがくシグナムの前方、絶好の距離でなのはが壮烈な集束魔力の光珠を膨張させていく。
「スターライト──」
『シ、シグナムっ!』
「わ、わかっている! この、二人のバインドさえ……くっ、あぁぁぁぁぁ!」
「ブレーカ──────っ!」
桜色の巨大な集束魔力波が、レイジングハートの機構部から発射される。試合場の強化コンクリートを抉
りながら、スターライトブレーカーの高密度の魔力奔流はシグナムの威風に満ちた姿をその中に埋没させる。
なのはの一撃必殺の集束砲撃魔法は、進路上の結界へと激突して上下左右に支流を描き拡散する。
やがて詠唱が終わり、試合場の爆発と噴煙が一抹の静寂を呼んだ。
第一に観客達が見つけたのは、勝利が間違い無い筈のなのはが、最後に仕上げとばかりに急いでシャマルと合流する様だった。
「シャマルさん!」
シャマルもなのはの意向は察している。今の二人には、まだ炎の魔剣の輝きが損なわれていない事への確信が渦巻いている。
「はい、お疲れ様ですなのはちゃん。後は私に任せてください」
『Divide Energy.』
レイジングハートがなのはの詠唱に応え、彼女の残された魔力をシャマルへと供給する。淡い光の流れが
なのはとシャマルと包み、湖の騎士の甚大に消耗した魔力を補填させた。
爆発の煙を獰猛に霧散させ、シグナムがなのは達へ突撃する。肉体の外傷は無いが、それに準ずる感覚的
な痛みや甲冑の弱体化は深刻な状態だった。
『よく耐えたなシグナム! もう向こうは無力だ、でもあたし達はまだ動ける! やっちまえっ!』
「あぁ、アギト! まだ終わっていないぞ、なのはぁぁぁぁぁぁぁぁ──あ……!?」
ズン、と胸元に加わる不快な衝撃に、シグナムは前進に急制動をかけられた。
魔力の補填を完了したシャマルが、最強度の旅の鏡を形成し、シグナムの背後から腕を貫かせていた。
スターライトブレーカーの直撃で防御性能に支障をきたしている騎士甲冑では、彼女の侵略を食い止める事
が出来なかった。
『シ……シ……シグナムっ』
「あぐっ……魔力、の……供給……そう、か……なの、は、め……」
シグナムの胸部を貫通しているシャマルの掌の上で、鋭い光を放射させているリンカーコアが浮かんでいる。
シグナムは目を落とし、自身の魔力の根源をぶれる視界に収めた。
徐々にその視界も、現実の色彩と形を崩壊させていく。プログラムの擬似生体であるシグナムは、リンカ
ーコア略奪によって肉体維持を脅かされ、成す術も無く足首から消滅していく。
「シャ……マル──────────ッ!」
観客一同の肝を縮ませるシグナムの断末魔の叫びは、シャマルが優しく光の粒を握り潰して途絶えた。
その凛々しく美しい、剣士の姿の抹消を伴って。
強制的にユニゾンを解除させられたアギトが、茫然自失の顔で宙に浮かんでいた。初めて見る奇妙な現象
の衝撃に心が麻痺し、相棒が消滅した悲痛の涙も出なかった。
「シグ、ナム? お、おい、シグナムどうなっちゃったんだよ! お前、大会の試合だぞ! お祭りなんだぞ!
何でここまですんだよ! 仲間じゃないのかよっ! ひでぇだろ! 返せよ! シグナムを返せよバカぁっ!」
「大丈夫ですよアギトちゃん。シグナムは、はやてちゃんの夜天の書でちゃんと復元してもらいますから」
最大の手段であり最後の切り札でもある亜空間制御を休め、シャマルは一息吐いて肩を撫で下ろした。
隣でなのはが彼女を労う微笑を浮かべる。アギトはまだ半信半疑だったが、シャマルの返事を信じるしかなかった。
「間に合ってよかったですね。で、でも、本当に消滅させる事は無かったんじゃ……」
決着の一番の功労者であるレイジングハートを片手に、なのはが笑みに苦味を加える。シャマルは涼しげ
に「そうですか?」と破顔していた。その和やかな表情からは、シグナムに悲惨な末路を与えた事への何の
呵責も感じられなかった。
(シャマルさんだけは本気で怒らせちゃ駄目だと思う……)
自身も一度体験がある身として、なのはは旅の鏡の凶悪性を今ここで再確認した。
審判員各位は想定外のシグナムの末路に短い協議を行ったが、先程のシャマルのアギトへの説明を聞いて
いた一人の意見を採用し、なのはとシャマルの勝利宣言を会場に通告する。アギトはデバイス扱いなので、
使い手であるシグナムの退場が決定した以上、この場に居る事に何の意味も無かった。
大歓声が会場に響き渡る。なのはとシャマルは晴れやかな笑顔で互いに手を繋ぎ、いつまでも賞賛の合唱に応えていた。
続きます
>>59 GJ!
第一回ならともかく「続きです」のレスの時点で名前欄にタイトル書いてるから充分。
わからんとか言ってるのは文盲だから気にすんな。
なぜ書いてる本人が改めると言ってるのに煽るの?
途中参加の人はやっぱり説明無いと、わからんと思う
62 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:04:54 ID:nlp1k7pv
>>59 乙
けどなんかリミッターの定義が解らん試合だった。
>>59 新スレ早々
いきなり み な ぎ る SSキタコレ
>今回エロ
期待していいんだな?
期待していいんだなッッ!!??
>>61 それは今回みたいにスレまたいでたらな。
現行に全部あるなら要らないよ
まあ、あとは前スレで言い逃げ連中に我慢ならなかったんだろ
シャマルさんまじ自重
唯一つアニメ中でもう消滅したら後が無いみたいな事言ってたから
そこら辺が少し気になった
まぁなにはともあれGJ!!
>>59 GJ
最後のシャマルさんのぶちまけろが書きたかったとしか思えないがww
あと、配慮恐れ入ります
>>61 スレも変わってるのになぁ
想像力が足りない
まぁ、あった方が親切なのは変わらん
職人さんのマナーっつか、良心次第?
>>59 GJ。そうだった。クロノ×エイミィだったのをぶっちゃけ忘れてたw
騎士の修復システムは壊れてるから再生は出来ない。が、身体は成長はしないって都築パパンが言ってたような
まあ熱いから多少のことは気にしないけどw熱いのはいいねぇ
あと最初に注意書きがあるとやはり助かる。しばらく時間が経つと趣旨がどんなんだったか忘れる俺みたいなのもいるし
まじGJ
シャマルさんに思わずガクブルだぜ
もしかして、レリック関連の事件てシャマルさんが本気出してればすぐに解決してたんじゃね?
観客のガクブルも書いて欲しかった
>>68 一説ではぶっちゃけそうだといわれている。
何故なら3期での相手のメインは殆ど機人。つまりバリアジャケットなんぞ装備してない。なんでぶちまけ放題。
機人にリンカーコアあるかはしらんが、体内の重要な器官引っ張り出したら勝てるしね。
シャマルに限らず、3期は2期まで使われていた補助魔法(この話でユーノが使ってた強制転移然り)をフルに使ってればかなり楽に終わってた。
3期でシャマルさんが動かなかったりアルフやユーノが過剰なまでに出なかった一因はここにあると踏んでる(こいつら便利過ぎる)
71 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:46:43 ID:XDSDU9Lc
GJ!おもしれー!
続きが待ち遠しいぜwktk
GJ。
ある時は同人誌作成にハマっていると思いきや、
今度は何と(良い意味で)容赦ないシャマルゥ・・・
>>70 今回は転送や回復等々の支援の描写が薄かったけれど、
ベテランも新人も戦闘描写ばかりだったからなあ。
逆に前回からのベテランばかりでチーム組まれたら、
相手が即座に37564の憂き目に・・・w
>>59 うーん。流石にシャマルやりすぎな気が。
あと摘出したリンカーコアを食う闇の書はもうないんだが消えるもんなのかな?
>>70 2行目の仮定が無茶苦茶だ。
過剰な期待しすぎ。
オンラインゲームでメインキャラ本気装備だとヌルいから
あえて聖職者なしの、低レベルキャラメイン、高レベルキャラは低レベル装備
スキル使用制限つけてダンジョンにもぐったようなもんか。
たとえ微妙ですまん
流石は目的のためには他のヴォルケンズを囮にさえするシャマルさんだ。
「シグナムははやてちゃんが復活させるから大丈夫。」なかなかここまでは言えんぞ。
>>75 むしろアップデートで俺TUEEEEできないようにしました、協力して頑張ってください
って感じ
俺は逆にシャマルさんのリンカーコア一本釣りがあるから
敵がロボット系ばかりなんだと思っていた
>76
本当に復活できるのか少々疑問がないではないがなw
で、ですね。なんかできちゃったんですけど――完全にリリちゃクロスなんですよ(何
上手く混ぜたとは思うんですが、一応知らなくても大丈夫に書いたはずではあるんですが…
なんかちょうどバトルモノの回がかぶっちゃってるけど、あとシグナムもかぶってるけどいいかな?w
ちなみに会場は超質素です、狭いです、地味です。魂だけはベルカ式ですが 謎
よければ、投下します
>>80 出来なければ出来ないでシャマルさんがヴォルケンリッターの将に就任すれば・・・
いや、家族を愛する八神家にそれはない。多分。
>>81 やってみて。
何かカプがあるならそれも書いてくれるとありがたい。
はいなー勿論書きますが、まあいつも通りのエリキャロですよー
ちなみに、美沙斗さんの口調はリリちゃ準拠でウィスプ系にしてます……
あれだけ腕が立てば姿勢もいいし、あんな喋り出来ないと思うけど……w
上でも言いましたが、完全にクロスです。3とかおもちゃ箱やってると二度美味しい?
ほいではー
〜あらすじ〜
交わった果てに、心を壊してしまったキャロを全力で治す決意を固めたエリオ。
大好きな人たちに見守られ、改めて夏休みを始めた2人ですが、ついに穏やかな時も終わりを迎えます。
そして、その先に決めたエリオの目標とは――
もう少しだけ、お話は続きます。
[エリキャロ][エロなし都築節(ちょ][リリちゃクロス]
森の中に響く剣戟の音。
片や完全に戦闘服で真剣の小太刀を2本構えた美沙斗と片や完全に全開モードでストラーダを構えたエリオ。
「はあああああっ!」
容赦なく切り込んでくる2本の太刀筋を、ストラーダの背で小気味よく弾き返す。
本来、魔導師と剣士など勝負にはならない。力の質も力点のかけ方も全く異なるからである。
勝負どころか訓練になりようはずもないのだが――彼女――御神美沙斗に置いては例外であった。
息もつかせぬ斬撃の連続と、必殺の間合い、剛糸、飛針、さらに魔導師の利点である物理破壊すらも、
神がかった力点操作と立ち回りで純粋な鉄の塊で受け流し、あろうことか互角以上――というか推してさえすらいた。
一瞬間合いが離れたかに見えたが、即座に鋭い細い鋼の糸がわずかな陽光に煌いたのを察知し、ストラーダの羽を振り回し焼き切る。
「サンダー」
デバイスに電流を纏わせると、地に叩きつけた。
「レイジッ!!」
突き進む雷撃であったが、ここからが明らかに化け物じみている彼女の真骨頂である。
逃げるどころか、術者当人でさえ予知できない電気の筋道を、実戦の感で見切り、前に踏み込みつつかわしつつ、挙句――
――神速
常識的な範疇からすれば、どう考えもかいくぐりようのない電気の渦の間を御神流独特の見切りで
密度の最も少ない所をあっさりと抜けて、エリオに二刀で切りかかる。
「おおおおっ!」
「ぐっ」
小太刀の弾き方が不十分であったのか、続く蹴りは直撃を食らった。
木に背から叩きつけられる。
即座に捻られる上体。逆手の右手は前に、順手の左手は体に半ば隠しつつ、一瞬の溜めが発生した。
――まずい
即座に木の横にずれ、最悪の状況を何とか回避しようと背後を確保するエリオ。
御神流・裏、奥義の参――
――射抜
高速の二筋の純粋な突き。
六課時代に鍛え抜かれた一瞬の判断力と美沙斗の速度に慣れていた眼のおかげで、
一刀はストラーダ、一刀は片手で作ったフィールドバリアでなんとか受け止めきる。
だがそんなぎりぎりの防御であったにも関わらず、間髪入れずに斬撃が繰り出される。
勿論エリオも承知で、カンカンッ!と火花を散らしつつストラーダで弾き返した。
間合いを切って再突撃するエリオであったが、体捌きと速度で魔力の力点を発揮することは能わず、防御に回る羽目になる。
しばらく撃ち交わしていると、訓練用ジャージ姿でストップウォッチを持った美由紀の声がかかった。
「――はい!そこまで!」
はぁはぁ……とエリオは全身汗びっしょりで片膝を付きながら、それでも尚視線は相手から外さない。
「……ありがとうございました……」
「うん。なかなかいい動きだったよ」
「はい……」
美由紀の隣でほえーと呆けているキャロ。
「うーん、魔法って強いんだね」
エイミィから聞いてはいたものの、実物を間近で見るのは初めてだった美由紀がそんな感想を漏らす。
「強いのは……美沙斗さん……ですよ……」
まだ息の整わないエリオを他所に、いい汗をかいた、と言わんばかりに刀を鞘に納めると先程までの気迫が嘘のように普段の柔和な表情に戻った。
「うん……能力者と戦うというのも……なかなか勉強になったよ」
「もちろん、母さんも強いけどね」
「……強い……っていうか」
一発でもまともに受ければ、軽い体は吹っ飛び刀は折れ、一瞬で片がつく勝負のはずである。
それを見切りと間合いと二本の刀だけで――言ってしまえば常に余裕の無い背水の陣で完璧に全弾をかわしきる人間なんて、誰が信じえようか。
勿論、なのはやフェイトのように飛行や肉体的に回避しようのない魔法を使ってくる相手であれば別であるが、
少なくとも人間の動きでなんとかなる範疇であればなんとかしてしまう彼女には脱帽するしかない。
ようやく息を落ち着かせて立ち上がったエリオに駆け寄るキャロ。
「大丈夫?あ、傷あるからちょっと治すね」
「あ、おねがい……」
海鳴に戻ってきてから一週間、キャロの病気はまだ包帯こそ外れていないものの、エリオの覚悟と美沙斗へのべったりの甘えのおかげで
とりあえず幼児退行は収まり、恐る恐る翠屋の手伝いをさせてみたが特に問題もなく、
まだ強依存性は抜け切れていないものの、かなり病状は回復に向かっていた。
そして、今日、美沙斗が言い出した真剣での訓練での話に乗り――秘密保持の観点からいえばこれ以上信頼できる人はいないと言えるほどの
彼女の人格と生業に任せて、全力全開での勝負を挑んだのであったが――結果は以上の有様であった。
「御神流って……本当に凄いですね」
塗り薬と包帯を持ってきてくれた美由紀と、相変わらず静かな佇まいの美沙斗に素直に感嘆を漏らす。
「母さんは特別だよ?私じゃ無理だよ」
「そう……なんですか?美由希さんも普通に美沙斗さんと渡り合ってて凄いと思いますけど……」
お世辞でもなんでもない。
眼が慣れていたとはいえ、もし射抜も初見であったなら、おそらくエリオの体は貫かれていただろう。
美由紀と美沙斗の刀での訓練を見ていたからこそ、受けた話でもあった。
「そ、そうかなあ……」
「ふふ」
穏やかに微笑む美沙斗を見つつ、どうやったらこの人と互角に渡り合えるのか、エリオとキャロは正直教えて欲しいと思わざるを得なかった。
激しい森の中での打ち合いを終えて帰ってきたが、それでも飽きずにまた木製の武器で打ち合いを始める。
先程の切り合いからすれば、ひどく緩慢にも感じられるが、型を確かめるという意味ではこれはこれで重要であった。
カンカン、と普段着の美沙斗に連続の2打を軽く小太刀でそれぞれ弾かれて、
訓練用のTシャツジャージ姿のエリオがふぅ、と一息を吐くとそこで気迫が途切れる。
「ん……さすがに疲れたかな」
相変わらずの洞察というか、美沙斗は呼吸の緩急には目ざとい。
「はい……少し」
「うん……でもだんだん様になってきたね」
「そうでしょうか……?ほとんど独学みたいなものなんですけど」
心得があるといっても御神流は小太刀二刀。
参考に出来るのは体捌きと足運びぐらいのものであって、本質的に槍とは異なる。
美由紀が調べてきてくれた資料と、若干美沙斗が持ち合わせていた見識とで、なんとか基本を作っているような感じであった。
それにも関わらず、理にかなった動きになってきているのはやはり、師のおかげであろう。
「何度もいうけれど……教えてあげられるのは型だけだからね……」
「あ、はい……それはもう。それだけで十分です」
「うん。一瞬の判断力とか、力の使い方は……すでによく鍛えられているよ」
「あーそれは、なのはさん達にびっしり教えて頂きましたし」
「ああ……」
納得したように僅かに頬を緩ませる。
「なのはちゃんも……兄さんの娘だからね」
「なるほど……」
なのはのお父さん、士郎も美沙斗と違わないほどの使い手である。
話だけ聞いていたエリオにとってもそれは違和感がない説明であった。
それはさておくにしても、海鳴でエリオがやっているのは、あくまで基本の組み直しでしかない。
最終的には今身についてきている型を、ストラーダと融合させ、魔力運用に活かすことが目的である。
そして、それはあと居られて一週間、という此の頃になってようやくなんとか、という段階にまでは漕ぎ着けていた。
エリオも焦ってはいないものの、もう一度確認をしてしまうのも無理は無い。
「あと一週間……ぐらいですよね。美沙斗さんが居られるのも……」
「うん……そうだね。それまでには……なんとかなりそうかい?」
「はい、それで、ですね……無茶なお願いとは思うのですが……」
「……ん?」
エリオの目に焼きついているのは、先刻の上体を捻って放たれた鮮やかな二刀の突き。
「射抜(いぬき)――型だけでも教えてもらうわけにはいかないでしょうか」
「ん……」
半ば無理だろうなと思いつつも、問わずにはいられないほどの鋭さと美しさを秘めているのは間違いは無いのだが――
「それは……エリオに教えても、あまり役には……」
承諾云々よりも現実的な答えが返ってくる。
「そうですよね……」
「そもそもの技の意味合いが違うからね……徹(とおし)や貫(ぬき)も、よしんばできたとしても……能力者には意味は無い」
どちらも御神直系の美由希ですら長年の鍛錬と士郎、恭也の教えがあってこそなんとか習得できる代物である。
血の限界も鍛錬の時間もどちらも修めるには彼にとって不可能であることは間違いが無かった。
その上、魔法戦闘において純粋な物理破壊スキルなどそれこそ代償に見合わない。
「はい……」
「今の動きを整えれば、私達よりもっと……鋭い動きができるようになるよ……間違いなく」
「はい……でも、それでもやってみたくて」
「ん……型を真似ても構わないんだが……それは君の技なんだから、君だけの名前をつけた方が……」
似て非なるもの。それはエリオも重々承知である。
「わかってます。それでもいいから、お願いします!」
ぺこっと下げられる頭に、仕方なさそうに悩む美沙斗。
「……そうだね」
いかに型だけとはいえ、御神流・裏、奥義の一型である。安易に人の目に触れるのは良いことではない。
「いまさらかもしれないが……」
しゃがみこみながら、わずかに下から真っ直ぐな少年の瞳に問いかける。
「ちゃんと……キャロちゃんの病気を治すと約束してくれるかい……?」
「はい!絶対に治します!」
「うん……それなら……いいかな」
「ほ、ほんとですか!?」
「まあ……全くの別物になるだろうけどね……」
「あはは……」
今の基本の型ですら、魔力運用を考えて溶かすとかなり独特のものになってしまいつつあるのに、高度な技となれば言わずもがなであった。
苦笑いも禁じえない。
「軽く……基本形だけ教えるから……いつも通り後は自分で」
「はい!わかってます!」
「うん……では――」
夕食は翠屋で相変わらず頑張っている桃子を除いた4人で一緒に過ごす。
すこし危なっかしげではあったが、美沙斗に付き添ってもらってそこそこ刃物を使いつつ、キャロも料理を手伝って、
一応3週間を過ごしたこともあり突拍子も無いものが出来上がることも無く、それなりの料理をつついて会話も弾んでいく。
「そっかー……魔法で射抜をね。どんなのになるんだろう……」
関係者しかいないこともあり、割と修練の話題でも深めの話になる。
美由希の問いに、エリオは正直に答えるしかない。
「はい……とはいっても、完全に別物だとは思いますけど……」
「まあねー……」
「徹、とかいうのも魔法でできなくはなさそうですけど……物凄く違う感じになりそうです……」
すっかり修練の話題に染まったキャロも、最近は無理矢理魔力で御神流を再現しようと熱心であった。
「神速は無理かな?」
「視神経に魔力を集めて、それもできなくはなさそうですけど……多分目がかなり危険そう……」
「そうだね……私達でも結構辛いからね……」
「はい……」
「でも、一週間で間に合いそう?えと、なんだっけ。模擬戦会?だっけ」
「あー、はい。なんとかなるかなと」
年に一度、ミッドチルダ地上の割と大きめな訓練施設で行われる恒例の模擬戦祭。
ここ2、3年は元機動六課メンバーのせいで――主にどっかのなのはさんとかが施設を半壊させたりとかしたせいで――
中止も囁かれていたのだが、中止にならずに続いているのはそれなりの伝統のおかげと言うしかない。
勿論エリオも参加することになっていて、六課の同窓会的行事も兼ねていたが、問題は相手であった。
元六課所属の同ライトニング副隊長――シグナム二尉である。
ミッド地上で行うとはいえ主宰は管理局本局であり、さすがにこれ以上の騒ぎは起こせないと判断した上層部が作成した組み合わせは、
よりにもよってエリオとシグナムが一番最後という随分地味な構成になっていた。
勿論結果も割と見えていて、無難だから、という理由であったのだが――エリオにとっては組み替えた技を試す絶好の機会には違いなく、
ちょうど2人が海鳴を離れるタイミングとほぼ同じであることもあり、それが当面の目標になっているのである。
「頑張ってね、エリオ君!」
「ん」
過激な台詞も目に見えて減り、症状が改善し始めてきたキャロを心から愛おしく思いつつ頭に手を置くと、えへへと頬を染めて喜んだ。
それから一週間、仕上げを兼ねつつ鍛錬に身を入れつつ、また結構過激なキャロの甘えにもしっかり応えつつ、海鳴での夏休みは過ぎて去っていく。
その間の出来事といえば、途中でかなり無理を言って、シャーリーに通信で頼み込みストラーダの改造を依頼したことと
――模擬戦会までに、といわれて、半ば悲鳴をあげつつメカフェチらしくかえって燃えてはいたが――、
またこれもかなり無理を言って、エイミィにこっそり過去の模擬戦の映像を借りて美沙斗に見せ、対策を練ったことぐらいである。
キャロはといえば、もう包帯も取れ、ごく普通に翠屋の手伝いもこなしてはいたがやはり少し気になって、
いよいよ明日帰ろうか、という前日になってようやく納得してくれて、高町家行きつけの病院に美沙斗に付き添ってもらって行く事になった。
割と長い時間待ってようやく診察室に通されると、出迎えてくれたのはこれまた高町家かかりつけのお医者さんであるフィリス医師である。
肩下まである綺麗な銀髪と大人しめな顔立ちは、女性医師ということもありちょっと威厳が欠けそうなほど幼さが強かったが、
それでもやり取りや気遣いがとても丁寧で、すぐに安心感を覚える。
以前の診察結果を受け取り、いくつか不思議な質問をキャロにして、素直にそれに答えると――フィリス先生は首をかしげた。
「……あの、本当にこの子ボーダーって診断されたんですか?」
「は、はい…?えと……そのはずです」
「確かにこの2週間前の診察結果ですと間違いないかと思うのですが……もうかなり治ってますよ」
「はい?」
3人とも鳩に豆鉄砲である。
「エリオ君、でしたっけ。割と過剰な要求とかされませんでした?」
「え、えーっと」
この2週間に要求されたことと実際やったことをかいつまんで話す。
日通しゲーセンで踊り狂ってみたり、数時間お姫さま抱っこしてみたり、挙句高い崖から一緒に海に飛び込んでみたりーと
隣で聞いていた美沙斗が青ざめるほどの内容であった。
ちなみに高所落下に関しては、この子達にとっては割と怖くは無いのであるが。
「ええっとですね……確かに、治療としては………間違ってないんですけど……」
フィリスが頭を抱え込むのも無理は無い。
情緒も雰囲気も無い話であるが、キャロの過剰な甘えに対して、普通であれば限度を見てある程度常識的に応えて少しずつ線引き――
つまり境界を教えていくべき所を、単純に若さ溢れる体力と半端でない覚悟を伴った精神力と深い愛情で応えきり、物量押しでそれを凌駕したのである。
「あ、あの、まずかったんでしょうか?」
挙句当人はこれぐらい普通だと思っていたのであるから始末に負えない。
ひょっとしたらエリオも割とぶっ飛んでいるのかもしれなかった。
「いや、うーん、まあ結果論で……いいんじゃ、ないんでしょうか。カウンセラーとしては軽くショックですが……」
「あはは……」
「結局この病気は薬や入院よりも家族ですから。それだけ愛されれば、当然かな。ルシエさんは幸せ者だね」
「はい!世界で一番幸せ者です!」
キャロのちょっと過激な表現にエリオと美沙斗は反応に困るが、フィリスだけはその意味合いがわかったのか、穏やかに微笑む。
ちなみにこの時のことを、半年程後にエリオから聞いて本人も青ざめるのであるが、この時はまだ自覚は無い。
「ちょっと、美沙斗さんとお話があるのですが……」
「あ、はい……」
子供2人の抜けた診察室で、静かに再び語り出す白衣の人。
「本当に、いい子達ですね」
「……はい。ありがとうございます」
「貴女も、確か現役の特殊部隊の方でしたよね。何度か本気で怒ったりとかはしましたか?」
フィリスの問いかけに、わずかに微笑んで無言の肯定を返す。
何だかんだと言っても、戦場で死線を何度も掻い潜っている現役の戦闘員とでは、やはり常人とは同じ所に住んでいても生き方の温度差が違う。
ぎりぎりの生死の世界を伴っている人の強い心と触れ合うことは、当然生きる勇気にも繋がり、効果的であった。
勿論、怒った回数など2、3回ではあったが冷酷さが段違いなのである。刀を持てば親も兄弟もないと言い切る美沙斗である。
まだまだ幼い、キャロの舌先三寸の生死とはわけが違う。
いくら病気でも伝わるものは伝わるし、大好きな美沙斗さんが怒るだけのことはある――と彼女も現状をちゃんと感じ取ってくれた結果であった。
勿論、そこに愛情が伴っていてこそ、ではあるのだが。
「なるほど。厳しく暖かい母親と、優しい恋人ですか……これなら普通に治っちゃうでしょうね……」
「……ありがとうございます」
「いえいえ。ほんとこんな家族ばかりなら医者要らずで。あ、そうそうさっきの世界で一番――とか言ってましたよね。
自己陶酔、ナルシストは、治りかけている証拠ですよ」
「そうなんですか……」
「ええ、もうほとんど薬もいらないでしょうね……元から薬も入院もなしで治しちゃってるのがまたなんとも言えないんですが……」
医者の立場形無しです、と苦笑いをするフィリスに、さすがの美沙斗もつられずにはいられなかった。
そして翌日――ついに別れの日がやって来る。
朝食を終えて、いつものローブ姿と簡易な服装の2人を、桃子、美沙斗、美由希に玄関先で並んで見送ってくれる。
「では……そろそろ行きます」
割と転送ポートの開く時間までは余裕が無い。勿論名残を惜しんでのことである。
「本当に、お世話になりました」
目の端を輝かせて、3人――特に美沙斗を真っ直ぐ見上げるキャロ。
「うん……本当に、頑張るんだよ……」
「は……い……ひ………うっ……」
堪え切れずにぽろぽろと泣き出す小さな桜色の髪を思わずぎゅっと抱きしめる。
「うう……うっ……」
美沙斗の体にしっかと顔を押し付ける。
そして皆に見守られながら、頭を撫でて貰って、ぎゅっと抱きつき返した。
それから、彼女の顔を見上げた瞳に狂気の色は皆無で、流す涙ももうほとんど普通の少女の涙と変わりがない。
何よりもこの別れをきちんと受け入れられていること自体が、症状が改善している証拠でもある。
「絶対、ぜったい、また会いに来ます!」
「うん……お休みのときは連絡するから……」
「はい!絶対ですよ!」
「うん……」
もう一度ぎゅっと抱きつくと、腕の中で小さく小さく呟きを零した。
「ありがとう……お母さん……」
「ん……」
「キャロ……そろそろ」
「うん」
エリオに促されて離れると、握手をしてもう一度改めて別れを告げる。
「それでは……また」
「うん……」
「またきてね〜」
明るく声をかけてくれる桃子であったが、感情に素直な人で少しだけ貰い涙をしてくれていた。
勿論、美由紀もであった。
「2人とも頑張ってね」
「はい!」
「またきます!」
「うん」
そして、3人に手を振りながら、ようやく歩き出す幼い2人。
後姿を見送りながら、少しだけ不安げに娘が母に問う。
「大丈夫、だよね…?ちゃんと治るよね?」
「……大丈夫さ。あの2人ならね」
「うん!」
そして、模擬戦会当日。
控え室に向かう、真っ白い壁の通路で久方ぶりに会えたなのはとフェイトが並んでゆっくりと歩きながら、言葉を交し合っていた。
「なのはは……スバルとティアナとだね」
「うん、成長してるかな?楽しみ」
勿論ずっと訓練を担当していた2人であるから、なのはが無茶をしないことを上層部も良く知っていて、
よほどの事が無い限り大規模な破壊にならないことを見越しての無難な組み合わせでしかなかったのだが、それでもなのはは割と喜んでいた。
「んふふーきっとびっくりするよー、ティアナも少しは……っとここからは秘密でした」
「あーなんか隠してるーフェイトちゃんの意地悪ー」
「いいじゃない、本番の楽しみってことでー」
元より深く聞くつもりも無い。本番での意外な成長を一番楽しみにしているのは他でもないなのは自身であった。
「そういえば、キャロちゃんは……良くなったの?」
いかに親友と一緒といえど、この話になれば表情に影が宿る。
「あー、うん。もうかなり良くなってるみたいで……安心したよ」
「そっかー!よかったね……ほんとに」
「うん……あー、そうそう、でね、あの子達ずっとなのはのお家にお世話になっちゃって――ご迷惑を」
「ああーいいってー私何もしてないんだしー」
「そうだけど……エリオもなんか色々教わったみたいだし、申し訳なくて」
「え?教わったって誰に?美由希お姉ちゃん?」
「美沙斗さん、だったかな?」
その名前を聞いた瞬間、俄かに表情が強張る。
「美沙斗……御神、美沙斗さん……」
「知ってる……よね?」
「うん……お父さんの妹で……お姉ちゃんのお母さん……」
「……?」
「何度か、お姉ちゃんと練習してたのみたことあるけど……御神の剣は……」
「なのは……?どうかしたの?」
明らかに表情を曇らせる親友に、違和感を覚える。
「あ、ううん、まあ薙旋とか射抜とか――技の名前ぐらいは知ってるけど、私はそっちはさっぱりだからー」
「そ、そうなんだ…」
「うん……あ、じゃあそろそろ私準備に行くね」
「うん。また観覧席で」
たっと駆け出してしまったサイドポニーの後姿に、フェイトは何故か嫌な予感がした。
模擬戦会も終盤に差し掛かり、フェイトとヴィータの一戦は割と盛り上がったものの決着には至らず時間切れに終わり、
続くなのはと熟練若年コンビの一戦は、土壇場で見せた一瞬のティアナの飛行魔法で逆転するかと思われたのだが――
一応、と予防線を張っていたなのはの魔力スフィアに引っかかり、惜しい所で勝ちを逃してしまっていた。
会場の片隅で異様に悔しがるスバルと、微妙に甘かったかなーと反省しているティアナを、割と褒めているなのは。
ちなみに会場はよくある体育館程度の大きさで、すり鉢状の周囲の低めの2階席が観覧席になっており、
一応全天候型で天気が良ければ開放するのであるが今日は微妙な天候のため閉じていた。
言うほど広くはなく、しかも肝心の舞台は板張りの上におざなりな作りの高さも無い綺麗に平たくだけはしてある広く白い石で、
ろくなスクリーンもない、悪く言えば粗末、よく言っても質素な会場であった。
客席と戦場が近く、流れ弾の危険がある為筒状の結界が天井まで張られているのであるが、それ故に間近で見られる臨場感から
毎年盛況で一部一般に販売されているチケットが、プラチナになっていることも割と有名な話である。
勿論、優先的に入れる局員達も殺到し、恒例の模擬戦会故さほど予算がかけられない事情からやや狭い会場であるが為に、
立ち見でびっしりと埋まっていた。
ルールはといえば、その場その場で当事者が決める程度の適当なものであったが、大まかに2種類に分けられる。
それこそ六課の頃の模擬戦のように、先にお互いが規定とした攻撃を入れるか、
規定した攻撃をポイントとして無制限に加算しつつ、降参か意識を失うまで時間一杯戦うか――
なのはとスバルティアコンビは前者のルールで、フェイトとヴィータは後者であった。
スバルとティアナはなのはに1発ずつ入れられ2−0、フェイトとヴィータは熱戦でこそあったものの0−0で完全に引き分けと、
例年からすれば地味な展開に運営部も胸を撫で下ろしていた。
勿論最後は、完全に陸戦で地味な2人であるから、いつかのように結界ごと天井ぶち抜き――ということはありえないから安心である。
さて、最高潮までとは言わないまでも閉じられた屋根の下は、それなりの熱気に包まれていて雰囲気も心地良いほどの高揚感があり、
観客の静かな期待の込もった暖かい視線を感じながら、そして元フォワード隊3人に見送られながら、バリアジャケット姿でエリオも舞台に上る。
果たして向こうから上ってきたのは――いつも通りの桜色の長髪を後ろできりっと細いリボンで纏めて
愛剣レヴァンティンを携えた、烈火の将――シグナムであった。
さすがに2人だけが立った人影からすると広くも見える、平たく白い会場の中央に歩みあってようやく落ち合う。
「私達がトリというのも、不自然な感じではなくは無いが、手心は加えん。そのつもりでな」
「はい!」
「さていつも通り、エリオが一発入れれば勝ちということでいいか?」
「いえ、無制限でお願いします」
「ほう……生意気な」
エリオの強健な申し出に不適に笑いつつ、半ば喜びつつ快諾するシグナム。
ちなみに隣に立っているジャッジは戦闘服姿のクロノ・ハラオウン提督である。
一提督がなんでこんな模擬戦の審判など、と思われるかもしれないが、
なんせ生半可な魔導師ではジャッジどころか下手をすると大怪我、命を落としかねない戦場である。
元六課面子が出てくる模擬戦の審判ができ、仲裁が可能――というと人選の余地があろうはずもなかった。
勿論エリオとシグナムの力量の差は知っているから、確認を取る。
「本当に、いいのか」
「はい!」
「まあ……それなら構わんが」
淡々と受け答えを終えて振り返ると、係員に無制限の指示を出す。
古びた電光掲示板に浮き上がる0−0と無制限を示す表示に、会場がざわめき立った。
元六課席に戻って座っていた3人娘の端のフェイトも、驚いたのも無理は無い。
「え?無制限……?大丈夫かな」
「大丈夫やって。もうエリオも立派に局員なんやし」
「そうだけど……」
先日何とかようやく和解して軽口も叩ける様になった反対側の端のはやてのフォローを肯定しつつも、相手が相手であった。
そして、真ん中のなのはもどこか思いつめたような表情で会場をじっと見つめている。
「……なのは?」
「ん?なに?」
「あ、ううん、なんでも」
「ん……」
どこか上の空の親友と一緒に仕方なく舞台に目を移す。
思い思いの間合いと構えを取った2人を確認すると、クロノが片手をあげる。
「それでは――ポイント無制限、一本勝負――はじめっ!」
とん、とクロノが舞台の端までふわりと下がると、脇に八相に構えたシグナムと、それを見据えたストラーダの穂先を下げたエリオ。
どちらが先にしかけるか、と視線が集まるが意外にも少年の方であった。
わずかに槍の先を中心から外すと、その反動のまま一挙動で踏み込みつつ、相手の体に鋭く突いた。
「てえいっ!」
「ぬお?」
踏み込みと同時に繰り出された鋭い突きを、きん、愛剣で止めるが、見慣れない動きである。
以前のエリオと言えば、突いてくるにしても大半がストラーダで加速し、突っ込んでくるスタイルだったのが、全く別物に変わっていた。
逡巡を他所に、すかさず横からの薙ぎに代わり、これも弾くがさらに反動を利用したまま正中線上から振り下ろされる。
きん、と刀身で受け止められた所で、飛んで下がりすかさず間合いを切るエリオ。
低く構え直されたストラーダには割と隙が無かった。
(元は剣道か古武術かわからんが……東洋の足運びと技だな……探りを入れてみるか……)
ぎっ、ともう一度八相に構えなおすと、語りかける。
「いい師に、巡り合ったようだな」
「はい!」
「海鳴で何か覚えてきたか」
エリオのふわっと微笑んだ無言の肯定に、やはりな、と確信を得る。
そうと解れば、臆する彼女ではない。力任せに圧さない、武術系の太刀筋に思考を組み替える。
「ゆくぞ――」
言うが早いか、全力で正眼から真っ直ぐ脳天に向かって斬りかかるが、ストラーダの背で受けたかと思えば受け流し、
くるっと手首を返すと、そのまま脳天への一撃。
きんっ、とレヴァンティンで弾くとその衝撃を利用したまま、槍の柄を横っ面に叩きつけられかけて、篭手で防ぐと、
再び2、3度の斬撃の後、エリオはすばやく間合いを切ってくる。
「レヴァンティン!」
「ja」
「ストラーダ!」
「ja」
炎熱を纏う剣と光の羽を宿す槍。
「うおおおおおおおおお!」
「せいやああああああっ!」
一気に速度と威力をあげ、デバイスを叩きつけあう。
がんがんっ、と凄まじい音をたて飛び散る火花。
何度もぶつかり合うのだが、全て衝撃の間隔は短く、デバイスが弾き飛ばされる為になかなかシグナムも力押しに持ち込めない。
とにかく槍の最も戦いやすい間合いを、こまめに移動して保ってくるエリオを捕まえようが無かった。
(間合いに入ってこない……厄介だな……)
すっとレヴァンティンの切っ先を下げ、とんっ、と軽く踏みこんで袈裟をかけるが、槍の背で流されつつ喉元に突きつけられ、
体ごと交わすと、そのまま横薙ぎに移動し、これもまた剣で弾き飛ばすが、そこでふっと間合いを切ってくるのである。
そして、素早く繰り出される槍の斬撃を一刀でものともせず弾き飛ばし、繰り出される鋭い突きを交わしながら切り込むが、横っ飛びで間合いを切ると再度突き。
半身で交わして刀身をストラーダの背に走らせるが、エリオも体を横に飛ばしながら首を狙うとすっとしゃがんで回避する。
そのまま勢いをつけた槍と迎え撃ったレヴァンティンが火花を散らした衝撃を利用してそのまま間合いを切る。
「ふー……」
額に汗を浮かべて少し深く息を取るシグナムと、まだあまり変わった様子も無く静かに息遣いをしているエリオ。
観覧席のフェイトから見ても、エリオの進歩は一目瞭然であった。
「エリオ、すごい……シグナムがちょっと苦戦してる……」
「せやな……全体の出力は下がってるけど、衝撃の瞬間にその場所だけ上手く魔力を高めて、ぶつけてる。
しかも力押しには付き合わへん。でなかったらシグナムと真っ当に打ち合えるはずが無いしな……」
「うん、魔力運用も体の運びも、すごく無駄が無いね」
「うんうん」
音声は通す、術式考案者ユーノ・スクライア氏謹製の特注結界に3人の後ろのヴィータが立ち上がって叫んだ。
「こらー!シグナム!エリオ如きにちんたらやってんじゃねーよ!」
応援か怒号かわかったものではない。
ギンギン、と二筋の斬撃をレヴァンティンで弾き飛ばしたシグナムは、応援のせいもあってか、また自身の若干のいらつきもあってか、
いつもの癖で、避けにくい斜めからの一刀に力を篭めて深く切り込んでしまう。
エリオはそれをストラーダの背で軽く受けると、そのままくるっと穂先を回し、態勢の流れかけた桜色の髪の頭上から振り下ろした。
――しまった
が、勿論この程度は予想し得ることであり、戻れないレヴァンティンの代わりにすかさず鞘を出現させると受け止めたのだが――
その後に続く全力の蹴りは完全に想定外であった。
完璧に胸の下辺りに入り、蹴り飛ばされて下がる。
おおおお、と観客がざわめき、そして――クロノの手があがって掲示板が0−1の表示に変わるとさらにざわめきは大きくなった。
「うわ、エリオ凄い!私ですらポイントなんて取った事ないのに!」
観客席のフェイトも例外ではない。勿論八神家一同も目を丸くしている。
「すっげーなエリオ。シグナムほとんど全力だぜ?リミッターも無いのに……」
「せやなー、私もみたことないでー」
「あのふわふわっ、とした感じはなんなんでしょう?あれに苦戦してるみたいですけど」
シャマルがふわふわっ、と表現したのは、エリオが海鳴で培った美沙斗直伝の型と、
六課で鍛え上げられた力を融合させた槍術であり、格段の魔力運用の向上をも果たしており、強烈な戦闘術へと昇華したそれであった。
わずかな痛みを堪えつつ、エリオを見据えたままゆっくりと愛剣と柄を構えなおすシグナム。
「――おのれっ!」
抜け切れないダメージにも容赦なく鋭い踏み込みと同時に繰り出されるストラーダを、ガキン、と弾き飛ばすと、再び剣戟の音が響き始める。
どうみても明らかなランクの違いがあるとは思えない、模擬戦会の最後に相応しい互角の伯仲した白兵戦に、観客も引きこまれていく。
鋭い攻撃を弾き返しながら、ここにきてシグナムはエリオが本当に実力で無制限を選んできたことを思い知っていた。
だが、勿論相手が強ければ強いほど、しかも相手は愛弟子となれば、否が応でもテンションは上がる。
(こんなに楽しいのは久方ぶりだな――まだ闇の書の一部であったときテスタロッサと刃を交えて以来か)
柄で最後の一撃を弾き飛ばすと間合いが生まれ、雷を纏うストラーダにあわせ、レヴァンティンもカートリッジを飲み込む。
「紫電」
「飛流」
「「一閃!」」
伸びたレヴァンティンと放たれた雷撃がぶつかりあい、煙幕が生まれる。
その向こう側を凝視しながら構えなおすエリオであったのだが、薄れていく煙の向こうに見えたのは――
「翔けよ――」
「え?」
ボーゲンフォルム――鞘と連結し弓に姿を変えたレヴァンティンにつがえられた矢。
「隼!」
薄っすらと煙っていた視界から飛び出してきた光の矢を咄嗟にフィールド防御したエリオだったが、即座に後悔することになる。
――しまった
他の思考を挟む暇も無く、防御にひびを入れられ破綻する。
派手な爆発から、身を転がしてなんとか逃げたが、横の額と、肩の一部に小さく傷ができて少し流血していた。
ちなみにエリオが立っていた辺りは、半分以上足元の石が削られていた。
掲示板の表示が1−1に変わる。
どよめきを受けながら近寄ってきたクロノが、大丈夫か、と声をかけるが、平気です、ときりっと答えて戦闘を続行する。
弓から戻した一刀だけを持って斜に構えつつ、相変わらずの不適な笑みを浮かべたままのシグナム。
元六課一同はほとんど同時に同じ発想に至る。
(シグナム完全に本気(マジ)入ってるー!?)
「あいつ、生きて帰ってこれんのか?」
ヴィータの心配も至極当然である。
目の前に座っている白い魔王さんも派手さでは有名だが、だがしかし熱くなった時の見境の無さは余り知られてはいないがシグナムの方が上である。
それこそ、決闘趣味――という表現は伊達ではない。
フェイトも滅多にお目にかかれない技に記憶を辿るが、模擬戦、実戦含めて記憶はあの1回きりであった。
「シュツルムファルケンって……前見たのいつだっけ?」
「防衛プログラムを破壊した時きりやないか?」
「うっわー10年前?懐かしいね……」
「よっぽどポイント取られたのが悔しかったんでしょうねー」
シャマルが冷静に分析するが、二人が散らす火花はさらに激しさと速度を増してきていた。
何度も鋭く繰り出される斬撃と突きに、シグナムはいつしか、常時鞘を持たされるようになっていた。
なんせ手数が多く、一刀では受けきれないのである。むしろ鞘と2本で受けた方がしっくりとくる。
(師は二刀なのか……しかしこれでは……)
横薙ぎを再び鞘で弾き飛ばして、間合いをお互いに切る。
(なんとかファルケンで取り返したとはいっても、力押しに過ぎん……次は通用せんだろうしな……)
シグナムに長距離高威力魔法があるとは想像だにしていなかったからこそ何とか入ったが、今のエリオなら次は対処してくるのは間違いない。
(このままお互いに打ち合っても……決着はつかんか)
幾度かの鋭い突きと斬撃を弾き返しながら、しかし電光掲示板に表示された時間を横目で確認しつつ思考は冷静に動く。
(もう時間も残り半分を切ったか――するとこのまま引き分け――)
突きをすっとレヴァンティンで受け流しつつ、首元を狙うがしゃがんで交わされ、ついでに足元に斬撃まで繰り出され、飛んで下がってかわす。
(引き分け――?引き分けだと?この私がエリオ相手に圧されて挙句引き分けに持ち込むだと?)
勿論空中に逃げて有利に運んでもルール違反ではない。
だがそんなお茶を濁すような真似を彼女の矜持が許そう筈もなかった。
当然実戦においても、空中が空いているとは限らない。その場合、接地で決着をつけなければならない状況も発生し得る。
ここは何としてでも、エリオと同じ土俵で勝たなければならなかった。
(少し、煽ってみるか)
静かに構えつつ、エリオの額にも汗が浮かび始めてきているが、お互いに心地良い覇気に包まれていることは疑いようもない。
「強くなったな、エリオ」
ストラーダを横にしながら、にこっと気持ちよく微笑む。
「だが、お前の教わった剣はその程度か?」
ぴくり、と槍が動いたが、感情はさほど動くことはなく、だが静かにゆっくりと燃え上がる。
この一ヶ月、肉体的にも技術的にも勿論成長したが、それよりもなによりもキャロの病気と正面から向き合って、
しかも治癒まで果たした経験が何者にも代え難い精神修練となって、一回りも二回りも彼の心を大きくしていた。
そして、彼女を守る為に――小さな心を大切にして一緒に過ごすために――負けるわけにはいかなかった。
勿論、御神の剣も管理局の魔法も、守る為の力である。
だがしかし修練を果たさずして、得られる力はない。
とはいっても例え殺されても、という修練の機会など、普通はあるはずはなく矛盾になってしまうのだが、
唯一の例外が目の前の人――シグナム、その人であった。
だから、全力で強くなるために、大切な人を守る為に――
わずかに届かなかった悔しさや、守りきれなかった悲しみを繰り返さないために――
「僕は――貴方を越えます!」
ぎっ、と来る正面からの強い視線を、勿論全力で撃ち返す。
「面白い――。では越えて見せろ!」
鞘を出現させると、それも持って広く構える。
そして、構えを解いたエリオの雰囲気が明らかに一段変わった。
強い視線と雰囲気に、ぞくっとしたものを感じてシグナムは驚く。
(これは……殺気?!)
「ストラーダ、スピーアフォルムツヴァイ」
「ja, SpeerFormZwei」
槍の両端に、やや細めの先端を構築すると、ほぼ中央に光の線が走り、2つに分かれた。
片方を右手に逆手に持ち、左手に順手に持つ。
見慣れない構えに、対峙した彼女はぞくぞくせずにはいられなかった。
(愉しい――)
こんな愉しい戦いが過去にあったであろうか。いやない。
今からエリオが繰り出さんとする技は、明らかに模擬戦の限度を越えた技である。
非殺傷設定とはいえ、これだけ体術に寄った技だけにまともに食らえば、半端な怪我どころか命すら危うい。
それを分かっていてすらなお、快感を止められない自身を本人もとんだ莫迦だな――と自嘲しつつも、矜持にかけても挑みたかった。
ましてや、これだけ鍛え上げられたエリオの切り札である。見切れれば勝ちは堅い。
体に走る震えは正真正銘の武者震いであり、まさに血湧き肉踊っていた。
元六課席も勿論、豹変した雰囲気が会場全体にも伝わる。
「シグナム凄く楽しそう――だけど、エリオのあれは一体?」
フェイトが少し不安げになってしまうのも無理はない。なんせ初めて見る形態である。
「2本にして、威力でるんかなー?」
「御神……小太刀二刀流……」
「え?」
ここまでずっと黙っていたなのはが小さく呟いて、全員の視線を集めたが戦闘は止まらない。
無造作に取られた尚且つ遠目の間合いである、どこかに必ず移動してくる、とシグナムは踏んでいた。
――否。教わったのは型だけとはいえ、御神流でも最長の射程を誇る奥義である。
勿論、エリオが完成させたそれも、射程、威力においてはオリジナルにも劣らず――凌駕さえすらしていた。
(それにこれだけ距離があれば、どうあっても反応できる。ソニックムーブなら初動も分かる)
――否。激戦を繰り広げてはいたが、実は完全な全力のトップスピードはエリオはまだ一度も見せてはいなかった。
しかもソニックムーブではなく、魔力で恐ろしく単純に強化されたブリッツアクションの一挙動である。魔法発動の瞬間などない。
(しかも広く構えているし、どう動かれても――)
――否。ここまで突き上げて、構えを崩すのが当初からの狙いであった。
(エリオのことだし小細工はあるまい――)
――そして、これが彼女の最大のミスであり弱点。格下を相手にしているという慢心――それが美沙斗の出した結論であった。
シグナムが相手にしているのはエリオではなく、その瞳の向こう側に居るのは、御神流でも有数の使い手で戦場を渡り歩く鬼人とすら呼ばれている人。
ストラーダの先に黄色く魔力の刃を伸ばすアイディアはエリオのものであったが、
それを相手に見えないように構えなさい――と教えたのは美沙斗であった。
勿論間合いの大切さを身に染みて教え込まれたエリオも受け入れた。
そのわずかな差が命取りになることもよく分かっていたからである。
無造作とも思える若干遠い間合いのまま、エリオは左のストラーダの先端を体に隠すように上体を捻った。
会場の中でキャロ以外では唯一、その構えの意味に気づいたなのはが、席から立ち上がって叫ぶ。
「それは駄目ーーーーーーーーーーーー!!」
だが完全に入り込んでいる二人に届くわけも無く、2本のストラーダはカートリッジを飲み込む。
エリオは、シグナムの呼吸の谷間を狙って補助加速の火を吐き出させ隠した刃を伸ばし、そして、彼女が息を吐き出しきったその時――
御神流・裏、奥義の参、彼はその技の名前に畏怖と心からの感謝を込めて、こう付け加えた。
「ベルカ式――」
射 抜
「え?」
キンッ、という小さな音がしたその瞬間に彼女ができたことは――
小さな声と、左胸への一閃を脊髄反射がレヴァンティンの刀身で防御したことだけで、
本命の一刀は伸ばした刃の分がぴったり、みぞおちに深く突き刺さっていた。
ふっ、と引き抜いて残心を取ると、音もなく長髪をなびかせながらシグナムはうつ伏せに倒れる。
対戦者の危険を知らせる警告ランプが激しく灯った。
「救護班ーー!!」
結界の解除と同時にクロノが叫ぶと、慌しく担架が運び込まれる。
ざわつく会場に、運ばれていく担架と1−2に変わる掲示板と同時に、躊躇いがちのアナウンスが続いた。
「勝者、エリオ・モンディアル」
おおおお、と戸惑いのがちのどよめきが響く。
医務室の方向へと消えたシグナムを確認してから、踵を返して戻ろうとした2、3歩歩いたエリオだったが、
その目の前に茶色いサイドポニーの教導官制服姿のなのはが降り立つ。
迷いのないままの強い瞳で見上げると、ぱんっ、と頬をはたいた音が会場に響いて、一瞬で全てを沈黙させた。
「御神の剣を……技を、なんで模擬戦で使うの!?」
エースオブエースの怒声が場を支配する。
はたかれたまま動かない横顔。
「御神流は、人殺しの技なんだよ!?なんでそれを――」
「ああ、やっぱり――」
「なにが、やっぱ」
その刹那、音も気配もなく一瞬で突き出された2本のストラーダがなのはの両首を挟んで突きつけられた。
両方共の先に伸びた鋭い黄色い刃が静かに蠢動している。
(殺傷設定になってる――)
「なのはさんは、あの家でも一番、隙が大きいんですよ。だから僕の気配にも挙動にも反応できない」
「な、な……」
まるで動くと殺す――と言わんばかりの瞳で静かな炎を伴って視縛される。
全く震えも無く動かないストラーダの刃が、余りにも冷静で返って不気味な程であった。
完全に生殺与奪の権利を奪われてなのはの背中を冷たい汗が走る。
「あの人――美沙斗さんならこんな真似許さないし、隙もない。それこそ寝ているときでもね――」
「か、管理局は別に軍隊じゃ――」
「……そんな考えで、貴方は一度、堕ちてますよね」
「だからって人を殺していいってわけじゃ!」
「――そんな半端な覚悟で、事件に向かって、キャロの心に負担をかけて――。
別に恨んではいません。自分で選んだ道ですから、ですけど」
すう、と深く息を吸って続ける。
「怖い夢を見て泣いて、病気で苦しんで、ばらばらにしてと言って、それでも微笑み続けるあの子を見てそれでも貴方は――」
――殺すな、と言えますか。
「……」
「間違っているとはいいません、ですけど――もう少し、もう少しだけでいいから――」
彼と共に、小刻みに震えるストラーダの刃が哭いていた。
小さく首を振ると、力を抜いて突き尽きていた刃を下げ、頬の涙を拭う。
「もう二度と貴方に教導を受けるつもりはありません。――ああ、殺し合いならいつでも受けて立ちますよ」
それだけ言い残しストラーダを本来の姿に戻すと、固まったままのなのはを置き去りに数歩歩いたが、そこで止まった。
「それから――たまにはお母さんに会いに行ってあげて下さい。寂しがってました」
「……」
その一言に、なのははレストリクトロックを発動させようとしていた片手を、毒気を抜かれて下げた。
もし彼女がそれを発動させていたら――、勿論その気配に気づいていたエリオが振り返ってストラーダで貫く方が速かったのか否かはわからないが――
語らなくていい、語らない方がよい話はここでは思案しまい。
兎にも角にも彼は、舞台から降りて、制服姿の愛しい少女の飛びつく出迎えを受け止める。
「エリオ君!すごい!」
「そ、そっかな…」
ほとんど同時に近寄ってきたスバルも正直に賞賛した。
「ほっんとすっごいねー、でも、大丈夫かな、シグナムさん……」
「非殺傷設定であの手ごたえなら、大丈夫だと思います。少し体は後ろに引かれましたし」
「そ、そっか」
沈んでいるなのはの隣に降りてきたフェイトが、今のエリオはそっとしておいてあげて――と一声かけるが、うん、と小さく返しただけで動かない。
元フォワード陣では唯一、舞台に駆け上がったティアナが、その近くで指先と踵をきっと揃えた。
「フェイト執務官、スバル達と一緒に行ってもよろしいでしょうか」
「あ、ああ、うん。大丈夫」
「はい――」
それだけ答えて再び心配そうになのはによりそった、その二つの背中に、ティアナは一言だけ残した。
「あの子達も恨んではいないと思います。ですけど――先輩方にはもう少し、力のない人間のことも考えて欲しかったかな…と思います。
それでは、失礼します」
ぴっ、ともう一度敬礼してから、踵を返して走り出す。
「こらー!スバルー!待ちなさいよー!」
その声を背に受けても、なのはは未だ答えが出せずに動けなかった。
「私じゃ……駄目だったのかな……」
「なのは……」
歩き出していた3人にティアナは追いつくなり、一応エリオを諫めた。
「さすがにちょっとやりすぎたんじゃない?後で怒られると思うけど……」
「そうかもしれません……でも……スバルさんとティアナさん、キャロのこと考えたら、黙っていられなくて」
「んー、気持ちは嬉しいけどさ……」
「たまには、ちょっと頭を冷やしてもらうのもいいかな、と」
「このっ」
ぐりぐりっ、とティアナの拳を押し付けられ、にひひ、と白い歯を見せて笑う。
「あははは。じゃー、このあとどーしよっか?2人とも空いてるんだよね?」
スバルの問いかけに、エリオとキャロは頷く。
「はい」
「ちょっと会場に居られる雰囲気じゃないし……逃げちゃいましょうか」
「うん!賛成ー!」
「じゃあ、チョコポッドでも買いに行きましょうか。私達も逃げるの付き合ってあげるからさ」
「あー!いいねー!いこー!」
スバルの賛同を得て会場を飛び出ると、ご機嫌で小さくキャロが歌い始めた。
「どーにもならない今日だけど〜平坦な道じゃきっとつまらなーい」
「何の歌??」
青い髪の優しいお姉さんの問いかけに、嬉しそうに答える。
「なのはさんのお家に転がっていた、CDっていう媒体の曲なんです」
「キャロのお気に入りの歌なんですよ」
「へー」
「きーみといきーてく明日だから〜」
――這い上がるぐらいで、ちょうどいい――
と、エリオも続きを頭の中で追いかけながら、手を繋いだ隣の少女に微笑みかけると、彼女またしっかりと微笑んだ。
以上であります。戦闘ものの最中に支援ってことで(という名のプレッシャー?w)
言い忘れてましたが、ちなみにキャロの病気はちゃんと恋愛が成就すれば治るんですが…
じゃあ今までのは―?というのは次回に
次でグランドエンディングでっす ほいではまたw
>>98 エリオ…やりやがったな、こいつめぇ!w
いや、圧倒されました。すごいもんだ…読んでてゾクゾクしました、GJ!
それにしてもエリオ、覚悟の決め具合が…正しいかどうかは解らないけど、半端じゃないなあ。
次回のグランドフィナーレでどうなるか楽しみにしてます。投下乙でした!
クロススレの方がよかったんじゃないかね。
>>59 マジGJ!!この試合を見たフェイトが卒倒してそうで心配w
うん。書き手さんは面倒かもしれませんけど、前置きはあった方が嬉しいっす
戦闘シーンはドキドキしながら読んでました。血戦に激しくGJ!
いやまあGJなんだが、一つだけ言わせてくれ
リリちゃ箱と絡めるなら、美由"紀"の誤字だけはやめて欲しい
なのはしか知らない人ならしょうがないけど、とらハ絡める以上は
ちゃんと美由希と書いて欲しいんだ
スレ立て乙です
GJ!!
このエリオは漆黒の意思による殺人ができる男だッ!!
ようこそ・・・男の世界へ・・・。
>「もう二度と貴方に教導を受けるつもりはありません。――ああ、殺し合いならいつでも受けて立ちますよ」
>>98 GJ。ああ、エリオきゅんが・・・俺のエリオきゅんが・・・化け物になっている・・・
つか二作続けてかませ犬になっているシグナムさん超かわいそす(´;ω;`)
>>98 乙ですー
三倍速かったり当たらなければ(ryなエリオでしたね
>>105 シグナムさんは強者の象徴だからなあ
バトルで盛り上げるためには必要不可欠と考えれば
>>98 なんというエリオ最強伝説w
フィナーレもすぐだってのにオラワクワクしてきたぞw
何か今回から禿しく最低SS臭が
もう片方だとガリューにアッー!されてるから釣り合いは取れてる(スレ的には)。
>>98 や、やりやがった……
このエリオ、もう昔のエリオじゃねえ……
GJです
最後のエリオがなのは達に向けた台詞は
アニメでフェイトがエリオに向けて言うべき台詞であるべきだった
>>98 乙です
キャロの為にエリオは強くなったのね
もう一方のエリオはどうなるかね
試合前にはやてに「ぐいっと飲んどき!」ってドロドロしたやけに粘っこい物飲まされたりして
>>108 ま、俺様キャラ最強!はよくあること。
次回からNG指定で無問題。
>>98 ついにエリオが魅せる漢に・・・・・!でも、色々あった果てに反逆起こしそうで危ないな・・・
それでも頑張れ男の子。
完全にやられて当分の間かなり落ち込む烈火の将を思い浮かべます。
何にもやってないニート侍では分が悪かったか・・・・・・!
>>114 番外編で「シグナムさん、弟子入りする!なの」が始まるに違いないさ!!
フェイエリやはやエリはいいなぁ…
なのエリって鬼畜王ぐらいかな。
>>98 GJ!!
読んでいて、よくは分からないが溜飲下げたかのような壮快感を味わった
>>98 GJ!トラハやったことないけどおもしろかったよ!
あと最後にキャロが歌ってるのはグルグルの初期ED、奥井亜紀さんの『WIND CLIMBING〜風に遊ばれて〜』かw
奥井亜紀さんの歌も好きなんだけど歌詞も大好きなんだからすぐにわかったぜww
スレチでスマソ
グルグルって無印基準だとなのは達が生まれた頃くらいだっけか
当時シングルを買ってもらったのは美由希あたりか
>>120 なんというか、時の流れを感じた・・・・・・>無印基準でなのは達が生まれた頃くらい
ユーノ自己投影ハイパー化がどーのと一時期荒れてたけど、エリオSSもハンパねー気がするんだ。
男キャラが活躍するSSはU-1表記しろってか?
つまる所はくだらん事をグチグチ言うよりは楽しむかスルーかの二択だってこったろ
確かにほのかではないU1の香り漂ってるが、作者も分かってるだろうし
Never Give upの後で対比されて際立ってる部分もあるだろう。
124が言ってるけど、黙ってスルーか楽しむかの二択で。
>>98 戦闘描写や模擬戦に至るまでの物語の流れは圧巻の一言です。
自分もこれだけのもん書いてみてえ!
ただ、最後のなのはとの一幕がようわからん。
エリオに色々と聞いてみたい。
まず、なんでエリオはあんなに怒ってるんだ?
キャロが死の恐怖にさらされたのは自業自得でしかないと思うんだが。
だって志願したんだろ?六課に。フェイトの役に立ちたいからって。
事前にどういう部隊かは説明受けてるだろうし、フェイトだって制止してた。
それを振り切って六課に入ったのはキャロ自身だし。
そうまでフェイトに依存することになったのは
ル・ルシエ族と盥回しにした連中のせいだろうし。
なのはが非難される謂れがないと思うんだが。
次に、模擬戦で何故人を殺すためだけの業を使う・・・。
実践じゃないトコで人を殺してしまいましたじゃすまないと思うんだが。
他の人の覚悟でも問いたいのか?戦場に立つ以上いつでも気を張っていろと?
軍隊でもそういう不意打ちはないはずだぞ。
そういうだまし討ち的な考えと覚悟を持つべきなのは暗殺者だ。
エリオは暗殺者になりたいのか?
あと言っとくが御神の剣は暗殺から誰かを護るための業で、
不意打ちされる覚悟はあってもすることは絶対ないはずだが。
もう一つ、戦場の覚悟云々言ってるがまだ1回も殺したことないだろ。
一度も生死を見たことの無い人間が語る殺す殺さないの覚悟ほどおこがましいものはない。
考えるのもいい、話し合うのもいい、でもえらそうに諭すな。
1回死に掛けてそれでも生き方を変えなかったなのはの方が説得力ある。
何か議論が展開されている様ですが、流れを読まずに投下してみます
ゲンヤ×ノーヴェ(エロ予定)
事件の約半年後
ややオリジナル設定有り(ナンバーズの釈放時期等
基本はノーヴェ視点、「―――」で挟んだ間の文はノーヴェが居ない為第三者の視点で進行します
128 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:04:28 ID:cgBwqIhB
私達の目の前に表示されている小さな画面に穏やかな町の風景が映し出される
そこに暮らす人々に険しい表情は無く、時に笑い、時に泣き、時に真剣に日常を過ごして居た
平和な世界で暮らす人々にとっては当たり前過ぎるその光景を見させられて居るとなれば、
飽きて睡魔に襲われる者も少なくはない、私にも似た経験は有る
しかし、今この場に居る―――人と機械を融合させ、戦いの為に作り出された私達には
争いの無いその光景は何よりも新鮮に見えて、皆画面に張り付く様に注目し続けている。
人の暮らしのシステム、技術、法律、その他一般の生活に必要とされている事柄が丁寧に説明されていく
「―――それでは、今日はここまで。後は各自自由行動を許可します。勿論、島からは出ないようにね」
画面を閉じ、ファイルを畳んだ更正プログラムの指導教官、ギンガ・ナカジマの号令により本日のプログラムの終了が告げられる
これから就寝時間まで皆思い思いに時間を潰さなくてはならない、する事も無いからか、暇が苦痛にも感じる
「それじゃ、おっ先ー!!」
「あ!ちょっと待てセイン!私も連れてけー!」
終わるや否や一目散に逃走するセインとウェンディ、セインの身体に掴まり二人して床を突き抜けて行ってしまった
この二人には下手に教え込まれるより、それ以上に自らで走り、好き勝手に遊び回り、自然に学ぶ方が丁度良いのかと思う時が有る
「……またIS使って、海に落ちなければ良いけど」
「……そうだね」
過去にセインが目測を誤ってディープダイバーで海まで潜ってしまった時の事を思い出したのか、笑い合うオットーとディード
この二人は遊び回るより何も起こらない日々を楽しんでいる様に見える、元々静かな性格だからか、
しっかりと型に嵌っているとも言えるかもしれない。
そして私の目の前には、床に座り込む私の足の上で、どう見ても子供向けにしか見えない本を読み耽るチンク姉
一応この七人の中では最も年上であるのだが、体系が小さい為か、その姿が妙に似合ってしまう
やがて、読み終えたのか本を閉じると小さく息を吐き、窓から遠く見えるミッドチルダの町並みを見渡し始めた
「楽しそうだな、皆」
「なんで?戦いも何もする事が無いのに」
「少なくとも、私には以前より笑顔がよく見えている」
「そうかなー……ディエチなんか全然笑わないけど」
此処に来てからも相変わらずのディエチに話題を向けると、当の本人のディエチは薄く微笑んだ後
部屋を出て行ってしまった、ここの所声を聞けた試しが無い
冷たい反応に溜息が出るけど、チンク姉は何でか嬉しそうにしている
「何か嬉しそうだな、チンク姉」
「ああ、姉として嬉しい限りだ」
「?」
「そういうものだ、ノーヴェも何れ分かる」
怪訝そうな顔をしている私に少し誇らしげな態度のチンク姉、だけど妙に可愛らしく見えるのが微笑ましかった
私には離れた妹が居ないから、その気持ちを理解する事は出来ないのが少し残念だ
「そうかな……ディエチの考えてる事は今一よく分からない」
「それには僕も同感です」
思考を巡らせても結論に辿り着く事は無いから途中で止め、芝生に倒れこんだ私に相槌を打つのは少し離れて座っていたオットーだった、
彼女も一緒に戦場に立つ事が無くなってからディエチと関わり合う回数が少なくて、お互い口数が少ないから
姉妹の割にお互いの事をよく知らないらしい。
そのオットーの言葉にディードが薄く微笑む、何か意味有り気な様子だと思ったが、会話に混ざろうとはしなかった
129 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:05:32 ID:cgBwqIhB
「ところで、御前達は今後の事について考えた事は有るのか?」
唐突に、チンク姉がその場に居た私も含む三人へと問いかける
「私達も此処に来てもう長い、近い内、外の世界……人の暮らしの中で生きていく可能性も有るだろう。
もしそうなったら何をしたいのか、教えて欲しい」
この前ギンガから説明された、更正期間の終わりまで後少しだという事、
チンク姉の表情から笑顔が消えると、それを真面目な質問と受け取った二人が真剣に考え始め、私もそれに倣う
所詮此処は更正の為の施設、何時までも滞在できる訳ではない
「私は、オットーと一緒に暮らして行きたいです」
「僕も、ディードと一緒なら何処でも」
「……はは、まあそう言うとは思っていたけど」
「仲良しだな、二人とも」
やっぱり、と言いたい程に予想していた答えが二人から返って来る
二人の仲の良さと言うのも足りない関係は以前から周知の事実で、今も変わる事は無い
今尚二人して手を取り合って誓いそうな雰囲気に圧されつつも、私は話を進めていく
「それじゃあ、チンク姉はどうするんだ?」
「私か……そうだな、学校という所に行ってみたいと思う」
「学校って、あの人間が年齢別に分かれて勉強するっていうあの?」
頷くチンク姉
私の中で朧気な知識による想像が広がる、何十人もの人間が狭い一つの部屋に詰め込まれて、ただ一人の大人の前に皆が沈黙し
喋る事も許されず無表情にただ目の前に生成される文字の羅列を紙に写し取る作業に従事させられる子供達を、
時に指名された者は大人の問い掛けに答えなくてはならず、または教科書と呼ばれる本を
皆の注目する中声に出して朗読させられるという屈辱、それに耐えても恩賞は形として受け取れない無益な場を。
「まあ……チンク姉が良いなら私は別に反対しないけど……」
「ノーヴェがどの様な想像を作り出しているのかは分からないが、恐らく違うだろう」
私の考えている事が読み取られたのか、チンク姉が釘を刺してくる
「私は外の世界が知りたいのだ、戦い以外にも為せる事が私達に有るのか、
そしてそれは私達が幸せに成れる事なのか、それには、もっと知らなくてはならない事が有る」
遠くを見ながら話すチンク姉の横顔に思わず見蕩れてしまう
自分の生を受け止めて、生まれた理由を無くして、それでも前を見続けるチンク姉の姿が凄く美しいと感じた
「可笑しいか?」
「い、いや、そんな事は無いけど…」
急に振られて禄に返す言葉が見付からず、柄にも無く慌てて返してしまった
正式な年が分からない私達からすれば、チンク姉は小学生相当に見えたなんて言い出せる筈が無い。
そんな私を見て微笑むと、窓の外ではしゃぎ回るセイン達を見つめて
「セインとウェンディは、放って置いても大丈夫そうだな」
「確かに、あの二人は楽しければ何処でも大丈夫そう」
私とチンク姉が見ている事に気付いたのか、こちらを向いて笑顔で手を振ってくる二人
あの二人ならきっと何処でも生きて行けるだろう、何故かそう思えた
130 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:06:14 ID:cgBwqIhB
「ディエチも大丈夫だろう、あの子は読書が好きみたいだ」
「でも、それだけじゃ金も貰えないし住む場所も無いんじゃないか?そんなんじゃ機能を維持出来ない」
「それは違うぞ、私達の事で言えは生存する事自体はそう難しい事では無い。
だが、人も私達も理由無く生きる事は出来ない、そんな物はただの生きる人形だ」
「チンク姉!」
生きる人形という表現に苛立ちを覚えるが、戦う理由を失くした戦闘機人という立場に次の言葉が思い付かなかった
私は戦いの中に生き、戦うために生まれて来た、そう信じて生きていたから、
振り上げそうになった腕を下ろして、そのまま気が抜けてしまう。チンク姉は自嘲気味に笑顔を浮かべて
「皆思い思いに自分の留まる理由を見付けている、……ノーヴェは、どうだ?」
「私か……特に決まってない、やりたい事も無いし、戦いも当分無さそうだ」
私は少し俯き、一緒に暗い表情を落とす。
―――
「あ、ギン姉おかえりー!」
「ただいま、スバル、父さん」
「おお、ギンガか、お帰り」
日も落ちた夜、ナカジマ邸では実に一月半ぶりに揃う家族の姿が有った
荷物を部屋に置いて出て来ると夕食の支度が出来ていると告げられる、今日はスバルが挑戦してみた様だ
独特だが美味いと言える料理に舌鼓を打ちながら、家族としての一時を過ごす三人
「スバル、六課の方はどう?」
「任務は順調だし、皆強くなってきてる、いつも通りだよ」
「そうか。今度、厳しく優しいと評判の高町の嬢ちゃんの訓練を見学してみたいもんだ」
「い、いやっ、それはちょっと……」
「なんだ、何か問題でも有るのか?」
「その……何と言うか……」『ギン姉、あれ見せたら絶対怒るよね、父さん』
『ううん、むしろもっと厳しくしてやってくれって言いそう……』
「まあ、生傷が絶えねぇくらい派手な訓練やってんだ、親に見せたくねぇってのも分かるがな」
「え?あっ!これはっ!」
部屋着に着替えたスバルの足に薄らと傷の痕が確認出来る、
絶対に心配させまいとシャマル先生に治して貰っていたのだが、完全には隠し切れていなかった
「ごめん、父さん……」
「気にすんなって、そういう気遣いしてくれる事は嬉しいし、お前等の身体も大事だ。
だが、もう親が心配しちまうような弱っちい子供じゃないだろ、もっと胸張んな」
「父さん……、ちょっとは心配して欲しいのだけど」
「そうか、そいつは済まなかったな、少しは疑えば良かったか?」
「そういう事じゃなくてー!」
立ち上がって抗議するスバルにギンガとゲンヤが笑いを隠さずに居た。
傍目に見ても暖かい『家庭』は、数ヶ月の間に積もった話を笑顔と一緒に共有していく
131 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:06:49 ID:cgBwqIhB
「そういえばギンガ、例の戦闘機人達はどうだ?」
「経過は順調、元々無差別に攻撃していた訳ではないので、戦う目的の無い今は
反乱も起こさず真面目に更正メニューに取り組んで居る模様。
素行に問題も無いので、近い内に釈放されるでしょう……というのが資料の説明」
「それで、ギンガ自身はどう思う」
「改めて話してみると皆とても良い人達よ、普通の人と何も変わらない、
最近はよく話してくれる様になって、本やテレビとかにも興味を持ってくれるしね。
ただ……社会が受け入れてくれるかどうか」
彼女達の境遇を思い、スバルとギンガが顔を伏せる、ゲンヤも浮かない顔をしていた。
先の事件の事も有り、戦闘機人という言葉への風当たりは非常に強く成っている
スバルとギンガは公にはその正体を知られていない為咎められる事も無いが、
事件の中心とも言える彼女達ではそうはいかないだろう
「普通の人と一緒に暮らすのってのは難しいだろうな、ただでさえ地上本部やら管理局の混乱でピリピリしてるってのに
その上危険な戦闘機人を社会に入れるなんてのは無茶な話だ」
「違うよ!あの子達は全然危なくなんか無い!」
スバルが叫ぶ様に訴えかける中、ゲンヤが「俺に言う事じゃ無い」と諌めて
「俺達が知っている、のはな。何も知らなけりゃ警戒するのも無理は無え」
事件の経緯や背景等の大半は管理局により闇に葬られており、結果と実行者のみが
淡々と公開されていたニュースに対し、スバルが激怒しそうに成っていた事が記憶に新しい
それも、確固たる悪役としてナンバーズまで祭り上げられてしまっていたのだから尚更である。
「もし、あいつ等が平穏無事に暮らしたいってんなら、俺は管理外世界を勧めるつもりだ、そこなら顔を知ってる奴は居ないだろう」
「もしかして……地球?」
「俺からはな。もっとも、探してみれば他にも良い所はいくらでも有りそうだがよ、
それに、俺に決定権は無え、ギンガ、出来ればあいつ等に色々と聞いてみてやってくれないか?」
「はい、父さん」
対話の口実を考え出すギンガに、ゲンヤが思い出した様に一言付け加える
「それと……ちょいと気になる奴が居るんだがな」
―――
132 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:07:54 ID:cgBwqIhB
「「「管理外世界?」」」
突然ギンガから出された提案に、私達は目を丸くしてしまっていた
「そう、そこなら皆を敵視する人も居ないから何も気にしないで生きていけると思う」
「でも、管理外世界にまともに住めるとこなんて有るんっスかねー?」
ウェンディが疑問に頭を傾ける、管理世界については習ってはいたが、管理外世界にはまだ未知の所が多いらしいし、
その実情は管理局も掴みきれてはいないと言う。ギンガはその質問に頷き、説明を付け加えた
「魔法文化は無いけど、ミッドチルダと殆ど変わり無い平和な場所だから。ISも、人に見付からなければ大丈夫よ」
第97管理外世界、現地惑星名称『地球』、そこが、私達に勧められた新しい『家』だった。
―――
ここ数日の間、ギンガは更正施設の関係者と共にナンバーズの今後について議論を展開させていた、
普通に暮らそうと思うとミッドチルダでは難しく、比較的大規模な管理世界もほぼ同様の意見、風評を持っている
管理局に大打撃を与えた先の事件の影響が伝わってしまったのだろうか。
その後、やむなしと管理外世界で一時的に保護するという結論に落ち着いた、
そして、影響の薄い管理外世界でミッドチルダ規模、もしくは同等の文化を持つ確認済みの管理外世界となると
挙げられるのは地球だけ、という結論に至っていた。
―――
「魔法が無いって……そんな所で暮らせるんっスか?」
「移動や通信の方法を別に所有しているのか?」
セインやウェンディ、そしてチンク姉まで参加した派手な質問攻めに会っているが、ギンガはそれを何とか治めて
「その事については、私より詳しい方に来て貰っていますので。―――なのはさん、お願いします」
「はーい!」
やや大人びた元気な声と共に、なのはさんと呼ばれた女性が入室する
軍の司令官の様な制服に身を包んだ女性、高町なのはの姿を見た私達は、名と噂の知れ渡っている者を目の前にして言葉が出なかった
(この人が、ディエチやクアットロを……)
(噂に聞いたより、普通の人っぽいっス……)
(物凄い魔力……只者では無いな……)
皆が思い思いの感想を念話に留めて置いている、今更敵対心を持つ者は居ないし、それどころか初めて顔と名を一致させたのも居た
勿論、私もその一人だ
「高町なのはです、皆、よろしくね。―――ディエチちゃんも、こっち向いて、ね」
「…………」
振り返って見てみれば、ディエチが部屋の端に体育座りをしながら覚えた表情でゆっくりと高町なのはの顔を見ている
高町なのはの圧倒的な強さをその身に叩き込まれているディエチのその姿は、知る者が見れば仕方が無いと言える、
ディエチがああなってしまう程の砲撃手が今目の前で友好を示している現実に、奇妙な感覚を感じていた。
「ディエチ、どうしたの?」
「…………嫌」
ディードの呼び掛けにも応じない、こうなってしまっては諦めるしか無い。
133 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:08:28 ID:cgBwqIhB
結局、ディエチは部屋の隅から動く事無く、高町なのはによる説明と解説は終了した
「ほう……中々面白そうな所ではないか」
退室する高町なのはの背中が見えなく成った後、ディエチの近くに寄って会議の様な話を始める
「そっスかー?何かつまんなさそうだし、あたしはパス」
「あたしも、平和ってだけより争いとか色々有った方が楽しいからね」
「私は行ってみたいです、オットーと一緒に」
「僕もです、ディードと一緒に」
ウェンディとセインが否定的、オットーとディードが肯定的な意思を見せる、
争いを好む二人は刺激の少ない世界を嫌い、戦闘機人として好き勝手に生きる事を望み、
共存を望む二人は平和な世界を求み、人として平穏に生きる道を選んだ。
また、ディエチもディード達と共に生きる事を仄めかしている、先程の状態が続いているのか、非常に小声で聞こえ難かったが。
チンク姉も地球に行くと宣言した所に、ギンガが資料を抱えて戻って来た
「はい、今日はここまで、残りの時間は各自自由行動とします。あと、ノーヴェ、解散したらちょっと付いて来てくれる?」
「?お、おう」
個人名を指され、少々抜けた返事をしてしまう、セインとウェンディが何事かと興味を示すが
ギンガに耳元で何かを囁かれると、それきり何処かに出掛けてしまった。
どうにも腑に落ちないまま、私は皆の居た部屋を出る。
―――
「どうしたんだろう、ノーヴェ」
ギンガに連れられて退室するノーヴェを心配するディエチ
それとは対称的に、チンクは嬉しそうな表情を零す
「もしかしたら、ギンガはノーヴェに道を示してくれるかもしれないな」
「…………?」
暗号の様なチンクの言葉に、ディエチはただ首を傾げるばかりだった。
―――
134 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:09:02 ID:cgBwqIhB
ギンガに連れられて着いた部屋には、既に先客が居た
「よう、突然済まねぇな、ギンガ、ノーヴェ」
「大丈夫だよ、父さん」
「お、お前は……」
部屋のソファーで寛いでいた男が立ち上がり、開口一番威勢の良い声を発してきた
その姿には見覚えが有る、時々ギンガと共に来ては、遠くで見守るだけだったあの人、今日は何か用事でも有るのか、
そして気になるのは、ギンガが彼を呼んだ時の『父さん』、まさかと思いつつも既に殆ど確信に近い
ギンガ・ナカジマの父親だ、いや、『仮の父親』か
「ゲンヤ・ナカジマだ、宜しくな、ノーヴェ」
「は、はい」
「そう固くなんなって、前は相当やんちゃだって聞いてたぞ、いつも通りで構わねぇよ」
「なっ……!」
「と、父さん……」
「おおっと、済まねぇな。とりあえず座ったらどうだ」
「……はい」
軽く微笑みながら言われると、変な感覚が何故か逆らえなかった
そのまま言われるままにソファーに座、話を待つ
少ししてギンガが何処からか二人分のお茶を持って来た、あまり好きではなかったので手は付けないけど。
「いきなりで済まないが、いくつか聞いても良いか?」
「……構いません」
目上の人に使う言葉、と教わっていたけどどうにも慣れない、言っている自分に可笑しくなる
「もっと楽にして良いぜ。これは仕事でも何でもないんだ、私情に上も下も無ぇしな」
「あ……ああ、分かった」
「よし、それでいい
早速だが、お前さんや他の奴はもうすぐ更正の為の期間が終わるのは知ってるよな?」
「ああ、ギンガに説明された」
「それなら話は早い。ノーヴェ、お前さんはどうするつもりなんだ?」
まだ決めていない、とは言い切れなかった
ちょっと前までは皆と、大好きなチンク姉と一緒に暮らす、そんな夢みたいな結果に憧れていた
けど、何時までもチンク姉に頼っては居られないし、それで迷惑を掛けてしまうのは何よりも嫌だ
……それに、私は戦闘機人だから、あの世界はきっと似合わない
「私は……此処でセインやウェンディと一緒に残る」
「いいのか?そのセインの嬢ちゃんに、ノーヴェとチンクは本当の姉妹以上に仲良しだって聞いてたんだがな」
「あいつ等……」
長机に両の拳を叩きつけても怒りが治まらない、今度目が会ったらどうしてやろうか
「……まあ良い、ともかく、私は残るつもりだ」
「分かった、管理局の方にも俺や八神から御前等の事については甘く見る様言っておく
……っつっても、一般市民じゃなければ気にしないとは思うけどな」
「現に、私がこうして仕事に就けてますしね」
「そうだな」
「……それだけか?なら私は帰る」
目の前で関係無い話で盛り上がられたら話を聞く気も失せる、さっさと皆の所に帰ろうと立ち上がり、部屋の外へと急ぐ
135 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:09:52 ID:cgBwqIhB
「ちょっと待て、最後に一つだけ聞いてくれ」
「……何だ?」
振り返ると、そこにはさっきまでの雰囲気が綺麗に消えていて、トーレ姉みたいな真面目な顔をした二人が居て、
思わず私も息を飲んで、そしてゲンヤの口から
「ノーヴェ、もし当てが無いんだったら、俺の家の養子にならないか?」
突拍子も無い言葉が放たれて。
「……は?」
用紙?
私が言葉を失っていると、ゲンヤが続けて話し出してきた
「いや、強制する気は無えんだ。ただ、ノーヴェの選択肢の一つにでも入れておいてくれればそれで構わない」
最初はその言葉の意味があまり理解出来てなかった、ラボでも此処でも聞いた事なんて無い
だけど、ギンガの説明でやっと事の大きさに気が付く、私を養子に……正直、どうかしてるとしか思えない
少なくとも、大事件の犯人の協力者で実行犯である『戦闘機人』に言う様な台詞ではない
「……ゲンヤは、私が怖いと思わないのか?こんな犯罪者と一緒に居て」
何と言うか、何も考えずにこんな台詞が出る自分が分からない、此処での生活が長かったからなのだろうか。
それより分からないのが、得物を持たなくても力を持つ犯罪者を目の前にして、一歩引くどころか汗一つ流さずに自分のペースを維持できる
ゲンヤ・ナカジマという男の事
「一応これでも指揮官だった事が有るし、戦闘機人は俺の得意分野だ、怖いなんて思っちゃいねぇ。それによ」
普通でない事を普通であるかの様にゲンヤが話す、何故そんな風に思えるのだろうか
「ノーヴェは、自分が怖いだなんて思われたく無えだろ?」
「………」
思いもしていない、人が私や姉妹を見る目は恐怖か興味か、大概はその二つだけだった、この施設の人もそうだ
その目付きは私達にとって気分が良い物ではないけど、気にする程の事でも無いし、それが当たり前だと思っていた
「全くよ、俺からしちゃ、お前さんは十分可愛い女の子なんだがな」
「――――ッ!」
「と、父さん!」
「おっと、済まんな、また脱線しちまった」
正直な話、ギンガが入って来てくれて助かった、あのままゲンヤの注意が私に向いていたら、きっと見せたくない姿を見てしまっていた筈だ
平常心を取り戻そうとドクターやいつかの地上本部の男を思い出す、一秒と掛からず落ち着く事が出来た
「それじゃ、話はそれだけだ。時間を取らせちまって済まなかったな」
あっさりと言い、私が挨拶をするまでも無く帰ってしまった
136 :
機械の心:2007/10/25(木) 04:11:11 ID:cgBwqIhB
会議室という役割にしては小さな部屋に、今は私とギンガの二人だけが残っている
「ノーヴェ、どうしたの?ドアの方に向いたまま固まって」
「あっ、な、何でも無い!」
言われるまで気付かなかった身体の捻りを直し、急いで立ち上がる
急ぎ足で部屋を出ようとする、さっきの言葉が思考を埋め尽くし始めている現実に、顔が火が付いた様に熱くなった
「もしかして、父さんの事が気になるとか?」
「うわっ!」
いきなり背後から言葉という不意打ちを受けて、バランスを崩して転んでしまった。しかも寄りにも寄ってその事を
「ご、ごめんなさい。でも、さっきからノーヴェの事を見ていたら、それとなくじゃなくても父さんから目を逸らさなかったし
父さんに可愛いって褒められた時なんか……」
「う、五月蝿い!私はもう帰る!」
不敵な笑顔で言葉の弾幕を張り巡らしてくるギンガから逃げるように部屋を飛び出した、恐らくあの部屋に居たら
ギンガの巧妙な尋問に全てを曝け出してしまっていたかもしれない、ああ見えて中々手強い相手だ。
その直後に恥ずかしさと怒りとその他色々が私の思考に二度目の襲撃をかける、あれでは認めてしまったのと同義だ
熱くなっている自分の顔に触れ、改めて形に出来ない感情に震える
だけど、この感情が何なのか、何処から来るものなのか分からない、今まで感じた事も無い
チンク姉と似ている様だけど違う、不思議な感覚、私の思考では満足のいく結論には達しなかった。
ただ、決して悪い物ではない、この感情に思考を浸せば、不思議と体中が温まる様な心地良い錯覚を覚える
しかしあまり利用し過ぎては日常生活にまで支障が出るかもしれない、そんな中毒みたいな感情は
私には必要無いから、早く捨てなければ。
だからこそ、私はこの申し出を受ける事が出来ない
ゲンヤの近くに居ては私が可笑しくなってしまうから、そんな事になれば笑い者も良い所だ
私はノーヴェ、戦の為に存在していた、ナンバーズの9番を冠する戦闘機人だから。
数ヵ月して、監視下において釈放された私達は皆が決めた道に歩き出して行く
そんな中、道を掴み切れない私はセイン姉やウェンディと共に、時折ギンガと、という奇妙な生活を送る事に成ってしまった。
とりあえず前編はここまでです
恐らく次で後編&エロ展開で終わると思います
…オヤジの本番シーンに期待する人はあまり居ないとは思いますが
微妙に補足
ノーヴェの一人称は「あたし」だと思いますが、ここでは「私」に統一しています
>>137 お、ktkr
ゲン×9エロ期待してますよ
>>137 GJ!エロに期待
やはり数の子はヴォルケン達と同じく管理局で働くんじゃろうなぁ…
GJ!
ゲンヤの本番シーン楽しみにしてますよ!
ギンガやスバルが9にやきもち焼いたりすると俺によし。
>>137 俺はゲンヤ×数の子SSをマジに楽しみにして読んでるぜGJ!!
どれ位かと言うと本編じゃ把握できなかった数の子の顔と名前を覚える事が出来る位にな!
もし家族になったらかつての好敵手のスバルとのコンビネーションバトルが見てみたいところではあるな
にしてもこのノーヴェってヴィータみたいだ
フェイト&ゲンヤ「二人養子にするのも三人養子にするのも同じこと」
クロノ「……大人だなぁ」
>>98 血がたぎるできだった
マジで興奮した
エリオは影がもっとあった方がいいと思ってたがここまでやってくれるとは・・・
GJ!!グランドエンディングが待ちきれん!
>>98 GJ!!
深さも重みも格別に素晴らしいです。
>>126 そういうことは、きちんと読み直してから書き込むべき。
最後の場面にいたるまでの話を無視しているようにしか見えない。
まあ、御神流をエリオが完璧に殺人技術として取っちゃったのは間違いない罠
これは美沙斗のミスでもあるけど
でもエリオSSだと俺TUEEEとかほとんど言われないな
前スレでのユーノSS叩きが嘘のようだ……
やっぱここだと旧キャラより新キャラの方が人気あるな。
いや殺人技術なのは間違いないけどな。
はさみだって凶器、包丁だって凶器になる、刀だって凶器になる。
じゃあ凶器にしかならないとかいうと全然そんなこたぁーないってことなんだろうけど。
日本語でおk
149 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 15:34:12 ID:79WrQ6mo
246氏のNamelessの最後のほうを見たいのだが保管庫にないよ・・なんで?・
ごめんsage忘れてた
>145
そうかなぁ。私は>126よりの感想を抱いたけれども。
なのはさんクラスの強さだと非殺傷で相手を一撃で昏倒させることもできるだろうけど、
新人達だとできないことはないけど万が一それで相手が一撃で気絶しなくて、自爆や捨て身攻撃で被害が出たら意味ない。
管理局は軍隊ではないけど、次元世界の平和を守る組織に所属しているのだから、守るために殺さなければならないことを
エリオはなのはさんに理解までいかなくても許容して欲しかったんじゃないかなって感じたんですよね。
>>145 まあどっちもどっち。
この作品のキャロは誰かに必要とされることに対して飢えており、それゆえ誰かの役に立たないと
捨てられるという強迫観念染みた思いから志願したわけで。そんな子供が言葉で止まるはずが無い。
それこそフェイトをはじめとした三人娘は、如何なる手段を使ってでも彼女を止めるべきであった。
エリオの態度も正直どうよと思うところは大いにあるが、まあそこは所詮子供ということで。
やはりアニメの演出が悪すぎた。不殺に対するリスクの描写がおざなりすぎる。
>>152 管理局に入って10年、一度死にかけてもいるしなのはも可能性としては認識してるだろうし、本当に最悪の場合は実行すると思うよ<人を殺すこと
それでもエリオにはそうなって欲しくないんだろう。
ていうか、なのはも殺るときは殺るんじゃないか?本編でも壁抜きバスターでクアットロ吹き飛ばしたし。死んでないけどあれは物理モードだろうし
156 :
126:2007/10/25(木) 16:43:50 ID:+6aGjG8o
>>145 一応書き込む前に全部読み返したが。
それでもなお、エリオの行動が八つ当たりとちょっと強くなったからって粋がってる様にしか見えなかった。
まず第一に、殺すなら殺される覚悟をちゃんと持ってんだろうなと聞きたい。
自分じゃないぞ。キャロをだ。
美沙斗さんがなぜ美由希を士郎に頼んで縁切ったのかわかってないのか?
>>上
つまる所はくだらん事をグチグチ言うよりは楽しむかスルーかの二択
いずれエリオ達は、守りたいもののために他の何かを切り捨てる事を
選択しなければならないわけで。
有り余るスペックで選択を先延ばしにする事が可能ななのはさんの流儀を
継ぐことはできない、ということジャマイカ。
・ヴィヴィオがなのはから魔法を教わりたいと言うけど…
・また非エロスマソ
・本編の設定と矛盾する所あるかもしれんけどスマソ
(古代ベルカ聖王クローンのヴィヴィオにミッド式魔法の素質あんの? とか)
・くどいようではあるけどヴィヴィオはユーノをパパと呼ぶ
・ヴィヴィオ×ユーノ(と言ってもエロい意味じゃない)
「ねぇママ〜。ヴィヴィオにも魔法を教えて〜? ヴィヴィオもママみたいにド派手な
魔法でバ〜ンってやりたいよ〜。」
ある日、ヴィヴィオはなのはにそう言っていた。ヴィヴィオはなのはと暮らして
なのはの色んな事を知ったし、その際になのはの得意とする大火力系魔法に
憧れを抱くのはある意味当然かもしれなかった。しかし…
「ダ〜メ。」
と、なのはは笑顔で答えた。当然それにはヴィヴィオも不機嫌になる。
「え〜? 教えてよ〜。ママの意地悪〜!」
地団駄を踏むヴィヴィオ。なのはは戦技教導官…即ち魔法を教える立場にある事は
ヴィヴィオも知っている。故に教えてくれると思っていたのにこの仕打ちは無いと
考えていたのだが、なのはは笑顔で言った。
「ダメダメ。ヴィヴィオはまだ子供なんだし、そういうのはまだ早いし危ないよ。
それに魔法なら私よりむしろユーノ君に教わった方が良いよ。」
「ユーノパパに?」
ヴィヴィオは首を傾げるが、なのははなおも笑顔で言う。
「そう。それに私だってユーノ君に魔法を教わったんだよ。だからヴィヴィオも
私よりむしろユーノ君から魔法を教わった方が良いよ。」
なのははそう言って去って行ったが、ヴィヴィオはまだ不機嫌だった。
「ママの意地悪! だってパパは地味な魔法しか使えないのヴィヴィオ知ってるもん!
ヴィヴィオはママみたいなド派手な魔法をバーンって使いたいんだもん!」
ヴィヴィオは頬を膨らませながらそう言っていた。
「良いもん良いもん。この本を読んで自分で魔法を勉強するもん。」
ヴィヴィオは「攻撃魔法入門」と言う本を片手に広場までやって来ていた。
なのはが魔法を教えてくれない以上、自己流で何とかするしか無いと考えていたのだ。
と言っても、本を読んだ程度で魔法をマスター出来るなら苦労は無い…と言うのが普通なのだが、
ヴィヴィオは古代ベルカの聖王のクローンであり、かつ人造魔導師として作られた身である。
故に高い魔力資質を持っているから以外にも本を軽く読んだ程度で魔法を使えてしまうのである。
ヴィヴィオが指から発射した魔法弾が10メートル先に置いた空き缶に命中していた。
「わぁ! やったぁ! ヴィヴィオにも出来たー!」
初めて出来た攻撃魔法にヴィヴィオも無邪気に喜ぶ。
「今はまだまだこんな空き缶に当たる位の事しか出来ないけど、これを少しずつ続けていけば
ママみたいな凄いの出せたりするのかも! よーし頑張るぞー!」
ヴィヴィオは無邪気にはしゃぎながら続けて行った。
その時のヴィヴィオの行動はママの様にすごい魔法が使えるようになりたいと言う
ささやかな憧れによる物だった。しかし…
「わ! わぁぁぁぁぁぁぁ! 大変だよー!」
確かにヴィヴィオは魔力資質は高い。故にコツと魔法のやりかたさえ分かれば
どんどん色んな魔法を覚えて行けたのだが、やはりまだ子供。
「力の制御」と言う点はまだまだ不十分であり、それが出来なかったが故に
魔力を暴走させた。暴走と言っても近くの木に攻撃魔法を当ててしまい、それで木が
燃えてしまった程度の事なのだが、それでも子供が火事を起こしたのである。
当然ヴィヴィオは慌てた。幸いその火事もボヤで済んでいたのであったが…
「ヴィヴィオの馬鹿ぁ!」
なのはの平手打ちが強くヴィヴィオの頬を引っ叩いていた。
「どうしてママの言う事を聞けないの!? ヴィヴィオにはまだ早いって言ったじゃない!」
事情を知ったなのはは烈火のごとく怒り、ヴィヴィオを叱り散らした。
ヴィヴィオだってなのははただ優しいだけのママじゃなく、時には厳しい一面もあると
言う事は知っている。しかし…ここまで怖いママはヴィヴィオにとって初めてだった。
なのはから小一時間説教を受けたヴィヴィオは自分の部屋の隅でふて腐れていた。
「う…う…ママなんか大嫌い…。」
そりゃなのはの言う事を聞かなかったヴィヴィオにも非はある。
しかし幾らなんでもそこまで怒る事は無いとヴィヴィオは考え、泣いていたのであった。
だが…そんな時に突然ドアが開き、ユーノが部屋に入って来た。
「ヴィヴィオ…ちょっと良いかな?」
「何しに来たの? もしかして今度はパパがヴィヴィオに説教するの!?
そんなの嫌! 出てって! パパも大っ嫌い!!」
ヴィヴィオは部屋にある物を手当たり次第に投げ付け、ユーノに八つ当たりをした。
しかしユーノはそれに怒る様子さえ見せず、笑顔を絶やさずにヴィヴィオの前に座り込んだ。
「別に説教なんてしないさ。ちょっと昔話をしようと思ってね?」
「昔話…?」
「そう…昔々…と言ってもそこまで昔じゃない昔の話さ…。」
一体ユーノはどんな昔話をするのかヴィヴィオは気になり、知らず知らずの内に耳を傾けていた。
「昔々…と言ってもそこまで昔じゃない昔…ある世界に一人の女の子がいたんだ。
その世界は魔法の無い世界でね、そこに生きる人もリンカーコアを持たない種族だった。
けど…その女の子一人だけは不思議な事にリンカーコアを持って生まれて来たんだよ。
勿論その女の子の両親や祖父母、そのまた先祖を遡って見ても誰一人リンカーコアを持ってはいないし、
その女の子に一人ずついた兄と姉にもリンカーコアは無かった。であるにも関わらず…
神のいたずらか突然変異か…その女の子一人だけはリンカーコアを持って生まれて来たんだ。
それも魔法のある世界の基準で見ても天才的としか言い様の無い高い魔力のね…。」
「………。」
ユーノの放す昔話にヴィヴィオは知らず知らずの内に黙って聞いていた。
「と言っても、さっき言った通りその世界には魔法が存在しない。だからその女の子も
自分が持っている才能に気付く事無くその世界でごく普通の人生を送るはずだったんだけど…
ある時に一人の男の子と出会った事がきっかけで魔法の存在を知って…それで魔導師への
道を歩む事を決めたんだ。その女の子は元々高い魔力資質を持っていたから
どんどん腕を上げて行ってね、まだ小さい子供だったのに大人顔負けの活躍をして行った…。
けど…その女の子もあくまでも生身の人間…神様じゃないんだ。それ故に本人が気付かない内に
どんどん疲労が蓄積していって…ある時にミスを犯して大怪我を負ってしまったんだ…。」
「大怪我? 痛いの?」
ユーノの言う「大怪我」と言う言葉に反応してヴィヴィオはそう訪ねていた。
「そりゃそうさ。いや、もう痛いとかそういう問題じゃない。
もう飛ぶ事はおろか…歩く事さえ不可能かもしれないって位の大怪我だったんだ。」
「そんな…その女の子…可哀想…。じゃあもしかしてその女の子はその後ずっと寝たきりだったの?」
ヴィヴィオはユーノの放す昔話に出てくる女の子にすっかり感情移入し、
まるで自分の事のように悲しみ心配していたのだが…ユーノの話はまだ続いた。
「もしかしたらヴィヴィオの言う通りの事になっていたかもしれないね。でも…その女の子は挫けなかった…。
また歩く事が出来る様に…飛べるようになる様にと…リハビリをやったんだ。当然そのリハビリも
口で言う程簡単な事じゃなかった。何度も諦めそうになる程にまで…。けど…その女の子は
諦めずに根気良くゆっくりと続けて…何とかして元の様に歩いたり走ったり飛んだり出来る様になったんだ。」
「良かった〜…。」
ヴィヴィオもほっと胸を撫で下ろしていた。
「その女の子は後に魔法を教える立場の人間になったんだけど…その時の自らの体験を
教訓にした教え方をしていったらしいよ。自分の様に無理して大怪我をしてしまわない様にと…。」
「じゃあその女の子は今も何処かで誰かに魔法を教えてるの?」
「もしかしたら…ヴィヴィオのすぐ近くにいるのかもしれないね。」
「!」
その時ヴィヴィオは悟った。ユーノの話した昔話に登場する女の子とはヴィヴィオのママ…
なのはの事なのだと…。そしてヴィヴィオに攻撃魔法を教えようとしなかったのは
別にヴィヴィオに意地悪をしたのでは無く、自分がかつて無理をした為に大怪我をしてしまったと
言う事をヴィヴィオにもさせたく無かったから…。そう悟ったヴィヴィオは自分が恥かしくなった。
あれだけ激しくなのはが怒ったのも…それだけヴィヴィオの事を想っての行為だったのだと…。
「う…うう…ママ…ごめんなさい…。大嫌いなんて言って…ごめんなさい…。」
自分の愚かさに気付いたヴィヴィオの目には涙が浮かんでいた。
だが、その時にユーノは笑顔を絶やさずにさらに言うのであった。
「ヴィヴィオはなのはみたいに派手な魔法を覚えたかったんだって?」
「………。」
ヴィヴィオは目に涙を浮かべながら無言で頷く。
「でも…派手な攻撃魔法だけが魔法じゃないんだよ。傷を癒したり…遠くへ瞬時に移動したりなど…
他にも色々な魔法があるんだよ。そういうのを勉強しようとは思わないのかい?」
「………。」
ヴィヴィオは無言で俯きながら考えていた。確かにヴィヴィオはなのはに憧れるあまり…
派手な攻撃魔法にしか目を向けていなかった。しかしよくよく考えてみれば…
かつてヴィヴィオが地味な魔法と考えていたユーノの使う魔法…いわゆる転送魔法や検索魔法など…
全然地味でも何でもない。むしろとても役に立つ魔法ばかりじゃないかと…
「パパ…ごめんなさい…大嫌いなんて言って…ごめんなさい…。
地味な魔法しか使えないなんて言って…ごめんなさい!」
ヴィヴィオは泣きながらユーノに抱き付き、ユーノも笑顔でヴィヴィオを抱擁した。
その後、ヴィヴィオはなのはに素直に謝った。その場にはユーノも付き添い、
ヴィヴィオはもう反省したと弁護した事もあって…
「きょ…今日はこの位にしておいてあげるけど…次あんな事したらあの程度じゃ済まないからね!」
と、少々ツンデレ気味(?)になのはもヴィヴィオを許していた。
これでめでたしめでたし…とは行かなかったりする。何故なら…
「ユーノ君…もしかして…話したの? あの話…。」
「ほ…ほら! グチグチと説教垂れるよりさ! 昔話っぽいオブラートに包んだ
話をしてやった方がヴィヴィオも納得するんじゃないかな〜なんて思ったんだよ!」
「酷いよユーノ君…。そのお話は私の口からヴィヴィオに話して…それを仲直りフラグに
持って行こうと考えていたのに…酷いよ…。」
なのははバリアジャケットに身を包み、レイジングハート片手にユーノに迫っていた。
要するにユーノがヴィヴィオに対して話した昔話が問題なのである。
確かになのはもヴィヴィオの頬を叩いたり激しく怒って説教したりしていたが、
それでも何だかんだで罪悪感を感じていた。だからこそその後でかつての自らの
体験を語ってヴィヴィオに納得してもらい、それで仲直りしようと考えいたのだが…
結局ユーノに先を越されてしまった事がなのはは気に食わなかったのである。
「少し…頭冷やそうか…。」
「おひょおおおおおおお!!」
なのはの指先から放たれた桃色の攻撃魔法がユーノを飲み込んで行った…が…
「痛ーい! もう一発!」
「ええ!?」
と、まるで青汁を飲んだ後みたいなセリフを吐くユーノの姿があったと言う。
何はともあれヴィヴィオはユーノから魔法を学ぶようになり、
そしてその姿を笑顔で見守るなのはの姿もまたあった。
「ヴィヴィオがもっと大人になって…魔法の基礎がしっかり出来る様になれば…
バスター系かシューター系の一つや二つくらいは教えてあげようかな…。」
そう呟くなのはであった。
おしまい
これはヴィヴィオもいずれは通る道だと考えてやりました。
今も反省してはいません。
>>156 殺される覚悟というか、殺されたくないから殺す殺す覚悟をしてるんじゃないかな。
自分とキャロの脅威になる物はなのはであっても殺す気があるって事かと。
>>158と大体同意見で
エリオは自分とキャロさえ良ければ、
後はどうなろうといいという考えにまで至ったんじゃないか?
妄想垂れ流し俺乙
>>154 なるほど・・・でも最悪の場合に守るために自分は殺すけどエリオに殺すなって
いうのは、なのはさんのエゴじゃないだろうか。
それに、守るために殺さなければならないことを自覚しなけばエリオが10年前のなのはさんのように
重傷の怪我をするかもしれないと思うのです。
>>156 恨まれるとしても、美沙斗さんのように復讐で殺しまくるわけではないですし、
エリオも本当に最後の手段として、相手を殺さなければいけない状況以外は
殺すわけではないでしょう。
まぁそれでも職業的に逆恨みされて、自分やキャロが狙われる覚悟はしなければいけないと思いますが。
その時はキャロを守るために相手を殺すでしょうが。
なのはも極限の状況で殺すな、とは言ってないし、言えないんじゃあるまいか。あくまで模擬戦で殺人技を使ったことを怒っただけで。違うかな。
そういえばはっきり描写されてないけど、ティアナも物理破壊設定で人を撃ってる気がする。ルーの頭を撃ったやつとか。ナンバーズ倒したときも。たぶん火力不足で魔力攻撃じゃ倒せないんだろうな。
>>98 何かデジャヴだなぁと思ったら某ガンダムの“悟り”と同じ匂いがする。
>>137 続編のエロwktk
>>164 ちょw ユーノ頭冷やすのが癖になってるwww
169 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:09:05 ID:QlmvhvVG
とりあえず、殺傷設定の武器を首元にやるっていうのは、普通に考えてどうかとw
警察もとい管理局沙汰にはなるよね?
>>164 GJ!
確かに何時かはありそうな話ですね。
最後のツンデレなのはも中々いいもんですね。
そしてもう一発と言ったユーノに爆笑。
171 :
154:2007/10/25(木) 18:46:03 ID:rFxInD2t
>>166 補足させてもらうと
「自分は出来れば誰も殺したくないし、エリオにもそんなことはしてもらいたくない」って意味ね。
仮にエリオが他に選択肢がない状況で最終手段として誰かを殺してしまっても、それを責めたりはしないと思う。
それに仮に御神流の技を修得するまでは許容したとしても、それを模擬戦で使っちゃたからな。
非殺傷設定でもかなり危険な技みたいだし、万が一シグナムの身に何かあったらどうすんだって感じだろ。
シグナム自身がエリオを恨んだりはしないだろうが、エリオは本当にそこまで考えていたかは疑問。
>>164 GJ
なんか変な趣味に走りかけてるユーノ君萌えw
>>98 >>137 >>164 投稿乙です。
次もがんばってください。
>>157 同意
自分に合わない、好きでない作品とかならNGにするなり、スルーすればいいのに……
ここは小説スレなわけで、見たいのは職人さんたちの投稿であって、延々と終わらない
感想のぶつけ合いや議論、討論ではないと思う。
当事者たちには悪いけど、冷静になって終わらせるか、どっか他でやってほしい。
174 :
126:2007/10/25(木) 19:38:06 ID:FlbidWDb
>>173 ふむ、済まない。
思えば自分が発端のような、少なくともその一人ではあるようなので自粛します。
ただ、決してゲリラ兵氏を非難したかったわけではないことだけ明記させて頂きます。
ゲリラ兵氏、気分を害されたなら画面越しからではありますが、謝罪致します。
すみませんでした。
それではケータイから失礼。
なにやら議論な雰囲気
>>164 GJ!
まずタイトルに吹いて、ヴィヴィオのあんまりなユーノへの評価に吹いたw
ユーノは新たな道に目覚め始めてるし、なのははさんツンデレは―――何もかもが懐かしい
ヴィヴィオは将来万能タイプの魔法使いになれそうな素質が……
感想はそれぞれなんだから、>126がどういう感想を持とうが、
またそれをここで開陳しようが問題ではない。
他人の感想に最初に噛み付いたヤツが問題なのであって。
>>164 GJ!
ユーノがマゾにwww
ってか、なのはさんフラグとかゆーなww
あれ?ヴィヴィオってレアスキル持ちだけど資質自体は普通なんじゃなかったっけ?
作品の投下があったのに議論の振りした主張の押し付け合いしてる奴は自重しろ
GJ。やべぇユーノが変な方向へ目覚めていく・・・・
>>164 GJです。ユーノいいパパしてるな〜と思ったら最後にw
なんというドM!やはり白い魔王に太刀打ち出来るのは君しかw
>>98 す……凄げぇ……いやもうそうとしか言えないや。
生ぬる過ぎる本編からの逸脱っぷりにGJ、サンキューバトルサイッコー
こう言うの読むと癒されるわホンマ。俺もSS頑張ろっと(ココじゃなくて自サイトね)
グリフィス×はやて宣言した人へ
まってます
183 :
180:2007/10/25(木) 22:39:22 ID:pZSFEBuP
>>181 とりあえず、本編のスタンダードなファンにケンカ売りまくってる内容とだけ言っておこう
別に本編がNANOHA状態なんだからいいんじゃねぇの?
こういうのあっても、俺は嫌いじゃないし。
地獄……いや、何でもない
また火種を……
自サイトの話なんざチラシの裏にでも書いてろよ。
それとも「自演乙」や「宣伝乙」の方がいいか?
みんな、落ち着け。穏やかに行こう。
ちゃんとした議論ならまだ良いが、自分ではただの感想と思っても、キツイ言葉は荒れる元だ。
ここにいる皆は、リリカルなのはとSSを大切に思っているんだと思う。
そのためには、職人さん達が投下しやすいような環境になるように、スレ全体の調和を保ちながら
話を進めていった方がいいと思うんだ。
189 :
180:2007/10/25(木) 23:32:45 ID:pZSFEBuP
悪乗りが過ぎましたね。サーセン
そうですね、これじゃまるでロアナプラの幹部会だ。
>190
クール・アズ・キュークだよ。レヴィ。
>>188はみんなの嫁
>>190 つまり7巻オマケマンガ的に考えてグリフィス君は将来ガチムチ
もしくはゼストの旦那は宝塚系ということですね
>>126 別に御神流だって守るための剣術じゃないけどな。
時代の流れとして暗殺の仕事が減っただけであって……
以前は暗殺とかも普通にやってたわけだし。
不意打ちとかするのが常套手段だから、飛針や小刀、鋼糸なんつー暗器を
体中に隠してるんだし。
御神流の、特に士郎、恭也、美沙斗の御神不破流は、特に暗殺なんかをやってた
家系だってのはわかってる?
士郎達個人がどう考えて御神流を使ってるかはともかく、御神流自体は暗殺剣だ。
そうですね、「僕はあなた達とは違うんだ」的な台詞があればもっとよかったかも
195 :
194:2007/10/25(木) 23:49:26 ID:NXp0pJoq
>>137 実は数の子結構、好きです。続き頑張ってくださいね
>>164 一応ヴィヴィオは搬送中にトラックひっくり返してるから…ボヤで済んだから…よかったと考えるよw
さて…議論の途中ですが……まあ忘れ物といいますか、はしょった分を置いていきます
やっぱりこの話単体で読んじゃいますよね……ここまで40レスぐらいあるんですが…
んと、一応分かっているとは思われますが、この話元を辿れば、一番最初はPrayという短めのエロエリキャロです。
最近のは前々スレのNiceBoat.ルーテシア編、前スレの329のキャロ編の続きです。
今回がエリオ編だったんで戦闘になってますが……強化一辺倒の流れでないのは…前から見ないとわからないかな
ただちょっと、戦闘と話のテンポの為に省いた描写がかなりあるんで、それだけ置いていきますね
勿論、興味のない方はスルーをお願いします。先の補足資料と考えてください。会話がやたらと多いですし。
あと、エリオも、キャロも11歳です。等身大で書いてるつもりです。勿論、お話として脚色はしてますが……
そこはわかってあげてもらえると、嬉しいです。
蛇足かもしれませんが
>>102 ゴメンナサイゴメンナサイマジデゴメンナサイ何回も見直したのに、やっぱり風邪気味だったからな…
会話は大丈夫なのに地の文は全滅とかもう、もう本当ファンの方に申し訳ない手元の治したってもうorz
チョットサンドバックになって美由希さんの真剣薙旋全弾食らってきます∧||∧プラーン
ほいではいきます
[シグエリフェイ][ほとんど会話][>98の翌日]
模擬戦会の後、遊んだままの勢いでティアナ家にごろごろと寝ていた元フォワード隊だったが、
あるかな、と思っていた隊からの呼び出しもフェイトからの連絡もなく、結局夜が明けてしまっていた。
普段の出勤時間になってもすやすやとティアナに寄り添って眠るキャロを、起き出して体を動かしていたスバルに託すと、
エリオは管理局地上本部へと向かった。
ありきたりな私服で、医療施設の辺りまで歩いていくと、ばったりと制服姿のヴィータと出会う。
ぴっ、と敬礼しつつ、普段とはまた違う緊張感を持った挨拶。
「――おはようございます」
とりあえず一発来るかな――と思っていたエリオであったのだが。
「おう、おはようさん。シグナムの見舞いか?」
「え、あ、はい……あの、大丈夫でしたでしょうか」
「まーな。大丈夫じゃなかったら今頃お前立って歩けなくなってるさ」
こんこん、と拳で軽く胸を叩かれ、緊張感を持ったまま本当に苦しい笑いをするしかない。
「こっちだ。きな」
「あ、はい――」
病室に案内されると、おもむろに扉を叩いて、シグナム入るぞー、応、とのやり取りの後、中に導かれる。
窓際のベッドで体を起こして、一応病人らしい被医療用の衣服に身を包んだまま、いつも通りに綺麗にポニーテールに纏めてお茶を持っているシグナム。
朝の光がしっかりと当たっていて、とても暖かそうであった。
失礼します、とヴィータに続いて中にはいったエリオであったが、部屋の真ん中辺りでどうしていいかわからず、立ち止まってしまう。
床の上の人は片目を閉じながら、ベッド脇の小さな椅子を視線で促す。
「立っていないで座ったらどうだ」
「あ、はい……失礼します」
彼が小さな椅子に腰掛けて、目を伏せていると、ヴィータはじゃああたいは仕事があるからー、と出て行ってしまった。
扉を閉めた音の後、暖かい視線を感じつつも、エリオの一言目は勿論――
「すいませんでした!」
と頭を下げた。
「何故謝る。煽ったのは私の方だ。お前が謝ることはない」
「し、しかし――」
顔を上げるとそれこそ充足に満ちた表情で、お茶を持ったままふわりと微笑んでいた。
「なあに、心配はいらん。あの程度でどうにかなるほど柔な鍛え方はしていないしな」
「――ですが」
「むしろ、礼を言いたいのは、私の方だ」
「え……?」
すっとお茶に口をつけ、一息つく。
「いや、本当に愉しかったよ――、昨日起きた瞬間にこれを言ったら主もヴィータも呆けていたがな」
「は、はあ…」
昨日医療施設に運び込まれたシグナムの傍らで、さすがのはやても割と蒼白な顔で、ヴィータなど絶対ぶちのめしてやる!
と今にも飛び出さんばかりであったのに、目覚めた当人に開口一番、「嗚呼、愉しかった――」
などと言われては、毒気も何も抜かれても致し方なかろう。
「まさかあの距離から一挙動とはな。さすがに予想外だったよ」
「あ、いえ……」
「初めて迎えに行った時は、大丈夫かこんなガキで――と思ったものだが」
片手でとん、と赤い髪の上に手を置く。
「本当に強くなったな」
「あ、ありがとうございます……」
反応に困って目線を彷徨わせるしかない。
「あれは、古武術か?」
「えと、はい。そうです。なのはさんのご実家が受け継いでいる、御神小太刀二刀流、という剣術です」
「成程――剣術か。あの技の名は?」
「射抜(いぬき)と、いいます。奥義の一つで、オリジナルとは完全に違って魔力で強化してますけど、原型は一緒です」
「ほう、奥義か。道理で感じの悪い鋭さだと思ったよ」
「いえ、僕なんてまだまだ」
「いやいや、なかなかのものだったぞ」
ぐりぐりと髪をかき混ぜられて、さらに言葉に窮す。
「ただ、まあ――相手が私であったからこそよかったものの、少なくともお前が人に向ける技ではないな」
「あ、はい――すいません。なのはさんにも怒られました」
「ああ……聞いてるよ。派手にやりあったそうじゃないか」
「はい……」
「あれも頑固だからな、致し方ないさ」
「はい、ですが、もう二度と――」
「ふむ、心がけは結構だが、それでは私が困るな」
「え……?」
意味を図りあぐねて、ようやく手を離してくれたその人へ瞳をあげると、にやり、と微笑んでいた。
「まさか勝ち逃げというわけではあるまいな?」
「え、ええ?そんな」
「勿論、汚名返上の機会があるものと思っているのだが――あれだけ大きな大会で衆目の前で叩きのめされた以上、当然だろう?」
「は、はあ……」
どう考えても、床の上の人の台詞とは到底思えない。
「お前だからいうが、これはうちの人間にも言えんが――私は、生に飽きているのかもしれん」
「生に、ですか……?」
「ああ、長い時を生きてきた。闇の書のプログラムの一部としてな」
「は、はい……?」
「私達は擬似生命体だよ。元は、闇の書、というロストロギアの一部のプログラムに過ぎん。今は、切り離されてしまっているがな」
「え……?」
突然の話に、何もかもがぴんと来ない。
「まあ、詮無きことだ。忘れたかったら忘れてもらってもいい」
「は、はい……」
「希薄な長い時を生きてきたが――、昨日のような愉しい戦いはかなり久しい。いや一度もなかったような気もするな。
だからお前には本当に感謝している。あのような瞬間を過ごせたことを嬉しく思う」
「……」
「私はあの瞬間の為に生まれてきたのかもしれないな、と思った程なんだぞ。もっと胸を張れ」
「は、はあ……」
笑顔でそんなことを言われても、どうにも反応のしようがあったものではない。
「ああいう熱い煮えたぎるような戦いの中で討ち果てるのであれば、どれだけ不条理で意味がない死であろうと本望さ。
ああ、勿論、主の為命は惜しまんが、粗末にする気はないがな」
「はい」
「それで――再戦はいつなんだ?」
ずっと体を寄せられつつ、肩を抱きこまれて、胸までしっかと当てられて戸惑い尽くす。
「えええ、え?ええ?そ、そんな。できればあの技は訓練ではもう二度と……」
「なんだ、つまらん。あれを使ってくれるなら抱かれてもいいぞ」
真顔でそんなことまで言い放たれ、さすがのエリオも呆れるしかなかった。
「ま、間に合ってますから。大丈夫です」
「むう……そういえば、キャロは良くなったのか?」
「あ、はい……もうかなり」
「そうか。テスタロッサがかなり落ち込んでいたからな。それならいいのだが」
「ですが、ちょっとだけ気になることをその時に言われまして……」
「ん?」
腕の中に捕まえたまま、少し暗くなってしまった少年の表情に視線を落とす。
「病気自体には関係ないんですが……あの病気は、甘えたがる病気だから、少しずつ治っていけば、
僕から少しずつ離れていくんだそうです。だから、もし病気が完全に治ってしまったら――」
「――必要とされなくなるかもしれない?」
「はい……その覚悟は一応しておくように、と言われました」
「そうか……」
「勿論、病気はちゃんと治しますし、キャロがそれで僕から離れていっても、仕方が無いと思います」
「ふむ……」
そこで黙り込んでしまったエリオの肩を指先で小さくリズムよく叩いていると、ある問いが浮かぶ。
「で――お前はそれでいいのか?」
「死んでも……嫌です」
少しだけ唇を噛みながら、悲しそうに瞳を背ける。
「絶対に、絶対手放したくないです……」
「それでも……駄目だったときは?」
「潔く、諦めます――キャロの事が好きだから」
「そうか……」
うな垂れてしまった小さい赤い頭に、いつも通りふわっと表情を緩めながら、皮肉で励ます。
「しかし、そんなに思いつめるな。全く、そんなところまでテスタロッサに似なくてもよいものを」
「そ、そんな」
元気は無かったが、上がった顔はそれなりに無理矢理の笑顔だった。
「フェイトさんはそんなに暗いでしょうか」
「嗚呼、それはもうな――」
と、過去の割と本人が語って欲しくない部分を暴露しようとしたその時、噂をすれば影、当人が部屋に入ってきた。
「シグナムー傷の具合はーどうー?……ってあれ」
「……おはようございます」
「おはよう、テスタロッサ」
「エリオも来てたんだ」
「はい…」
エリオが気まずそうに下を向いているとその頭に、ぽん、と綺麗な手が乗った。
「……ごめんなさい」
「んー、まー……やっぱり悪いけど。シグナムも無事だったんだし。なのはは……落ち込んじゃってるけどね」
「はい……」
長い髪を白いベッドに丁寧に下ろしながら、腰掛けるフェイト。
エリオの弱い瞳を見て続ける。
「本当は、問題にしようか、って話があったんだけど、なのはがいいっていうし、シグナムも目を覚ましたし……
今回は一応、お咎めなし。だけど、もうこういう怖い真似は二度とごめんだからね」
「はい……」
「まあこうやって、ちゃんと謝りに来たし、いいかな。本当はすぐがよかったけど、ヴィータがかなり危なかったしね」
「はい……」
「しかしなんだな、まさかなのはに刃を突きつけたなどという話を聞こうとは思わなかったぞ」
「あ……それは」
「なんだったかな。二度と教導は受けない、殺し合いならいつでも――だったか?エリオの台詞とは思えんな」
「そ、それはつい勢いで……」
シグナムにお茶を持ったまま、半ばからわわれるが、あまり笑い事ではない。
「まあ私との勝負で殺気立っていたのだろうが……さすがに言葉は選べ」
「はい……」
「そんなに……なのはのことが嫌いか?」
「なんていうか、そんなことはないと思うんですけど、凄く自分勝手に思えて、デバイスと訓練だけはしてやるから
自分で戦え――みたいな。その癖、ぎりぎりで戦っている僕達に殺すなー、とか言われても……
いえ逆恨みなのはわかってますけど、なんていうかあの人の全部が許せなくて。
スバルさんやティアナさんやキャロは本当に一生懸命なのに……」
「ふむ」
「自分で選んだ道ですから、そのことはキャロもどんなに病気でも違えないと思います。
ですけど、僕達は自分で選んだんですから、あの人にあれこれ言われたくはないんです。おかしいですか……?僕」
「うーん、難しいね……反抗期?」
「反抗期か。そういえば、エリオもそんな年頃だな」
「え、ええ?そ、そうなんでしょうか……」
「まあ……守る為の生殺与奪というテーマは、何百年頭の固い連中が考え続けても、未だ答えのでない話だ。
私でも、臨機応変に――などとお茶を濁した回答しかできん。お前がここで悩んでいても始まらんだろう?」
「はい……」
「まあ、私ならいくら殺すつもりで全力でかかってきても構わないがな」
「シグナム――、貴方はまたそうやって戦闘に傾倒して……」
「いやなに、昨日のあれがな、実に愉しくてな。是非もう一度ー、と頼んでいた所なんだ」
「シグナム!もう、いい加減にしないと怒りますよ、もう」
「な、頼むよエリオ。私にこの儚い生を全うさせてくれ」
再び背中からおどけて抱きつかれてエリオは苦笑するしかなかった。
「だから……だめですって」
「むー?私の体では不満かー?何回でも構わんぞ」
「で、ですから……」
「シグナム!」
ぴゅーっと、フェイト・瞬間湯沸かし器・ハラオウンが起動した。
「ああああああなたは何を言って」
「なんだテスタロッサ。息子を奪われるのが嫌か?」
「いいいいいかげんにしなさい!」
「フェイトさん、落ち着いて……」
「殺し合いを経て固い友情で結ばれた我等を引き離そうというのかー、無粋だぞテスタロッサー」
シグナムの棒読みの台詞にエリオもさすがに声を殺して笑った。
「貴方のは友情じゃなくて決闘欲だけじゃないですか!」
「数百年生きてきた老体を労わる気はないのか?」
「なにをいってるんですか。もう私も貴方と変わらない歳相応になってきてるんですから……」
「擬似生命……」
エリオの小さい呟きに、フェイトがかちん、と固まる。
「まままままさか、シグナム、あなた!」
「うむ。喋った」
「が、ぎ、貴方達の出生は、最重要機密事項で、そ、そんな勝手に、きょ、許可とかいるんですよ!?」
「まあ、そう堅い事をいうな。な、エリオ」
「そ、そういわれましても……」
「な、だからな、本気で構わんから、もう一度、な?後生だから」
「シグナムーーーーーーーーーーー!!!」
とうとう、本気で怒って大事な大事な赤い髪の息子を引き寄せて奪い返す。
「も、もう、ほんっとに、貴方という人は――」
「まあ、そう怒るな」
「ふーっ」
「フェイトさん……」
「ふーっ」
ちりちりと電流で若干髪を逆立たせながらエリオを抱えたまま、シグナムを睨む。
「エリオも、立派に一人前になってきた、ということかな」
「むう……」
腕に包まれたままフェイトに見下ろされて、え?と反応に困る
「どんどん――大人になっていっちゃうのかな」
「え、えと……ごめんなさい?」
「んー、謝る必要は、ないんだけどね……」
「はい……」
「あと……やっぱりなのはには、謝りに行ってほしいかな……」
「わかりました……」
拗ねた表情でそっぽを向いて、ごくごく小さく――そのうちにですけど、と付け加えた声が2人にも聞こえて、苦笑いの顔を見合わせる。
ちょっと飲み物を買いに、と喧騒から逃げたエリオが部屋から消えると、保護者2人だけが残される。
「なのはは、何と言っていた?」
「特に何も、ただ」
「ただ?」
「やっぱり、キャロのことは、かなり気にしてたみたい」
「ふむ……だろうな」
「……なかなか全てが上手くは、いかないもんだね」
「うむ……そうだな」
2人が見上げた窓の外の太陽は、初夏というにもまだ幼く、本当の輝きを放つにはもうしばらくの時が必要であった。
自分で書いてて駄目だこの人、と思ったのは初めてかもしんないw
もう一回ぐらい短いのは入るかも知れませんが、本当に次で終わりです。
ほいではまたノシ
>>201 シグナムさんとフェイトさんがかわゆすぎてしようがありません><; 特にこのあたりが
>>200
昔どっかでこういう小説読んだことあるな・・・
エヴァ畑で
>>蛇足かもしれませんが
いや、蛇足どころか冒頭でいわなければいけないことのように思うが・・・
>>314 だがバラバラババンバンババンババンバンバンバンババンバンで拾うとしてもちゃんと元通りになるんだろうなそれ
恥ずかしすぎるんで忘れてくれ
>>201 見事なまでにシグさんが決闘狂(デュエルマニア)にw
このシグさんは「働きたくないでござる」のセリフがぴったり合う希ガスw
SS書きが作品の中で語らずに、
前書きor後書きで弁明するようになったら終わりだな。
>>201 なるほど「反抗期」!
その単語をすっかり忘れていた!!
GJですwww
そうか、一歩一歩エリオとキャロはSSのように成長していってるんだな〜。
(セックルしてるんで何十歩か飛び越えてる気がするがw)
憎まれ役、もとい父親役がなのはというのは、なのはにとってはちょっと災難でしたがw
反抗も健全な成長には欠かせない因子ですからね!
そのことを魔法少女では言葉少なめなのが残念。むしろ年齢的にエリキャロはこれからでしょう。
ああ、でも『反逆者』になられると困るwww
エリオ「テメーがケンカを売った!オレが買う!だからテメーを(ry」
最後に作中でキャロの「その後」を心配しているエリオなんですが……
キャロが病を克服したその時、エリオは夫となり、そして「父」となりそうだ。
かなりの高確率でw
>>201 反抗期ねぇ…
というよりは、うまくいかないことを何でも他人のせいにして八つ当たりしてるようにしか受け取れない。
(まるで種運命のシンみたい。)
人のこと言う前に己に何が出来るかを紳士に考え、言い訳せずひたすら精進する。そうして初めて『守りし者』になれると思います。
エリオはあの年にしてその辺のことができる男だと思います。
それに恩を仇で返すなんてことはしないよ、彼は。
なんか前回あたりで病気の説明を長々とのたまったあたりで痛い子認定なんだが
>>201 GJ!
殺傷モードで頭冷やそうかとか話を聞いてとかやられる恐れがあるからすぐに行きたくない気持ちは分かる
だがいずれはやらなきゃいけないんだよなあ
>>201 何にせよ、なのはには誠意ある謝罪を望む。
できないようなら、これ以上の成長は望めない。
そこまでの男ということで終りだな。
214 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:42:06 ID:yif0h+Tr
男・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
215 :
126:2007/10/26(金) 01:49:27 ID:qwuRNnVX
>>201 蛇足なんかじゃありませんぞ!GJ!
すみません、エリオが11歳の子供ってこと完全に忘れてました。
今回を読んでから一つ前のを見直すと
エリオが必死で背伸びして大好きな女の子を
どんなことをしても守ろうとしている だけ の
男の子に見えてきました!
よかったー、エリオが美沙斗さんが辿ったような悲しい道を辿る事はなさそうで。
あと、それと。
自分はちゃんと全部通してみてます。
だから、エリオが御神流を習おうとしたのは納得してました。
ただ、なんでなのはさんに突っかかるかなー、と。
そこだけ納得できなかったんです!
>>193 えーと。自分に向けてのレスだから一応返しときます。
まず、御神流を継ぐ御神家は要人の護衛や不穏組織の殲滅を担う家です。
要人の暗殺、残党狩りなどは御神流・裏を継ぐ不破家が担っていました。
で、ある事件で両家は壊滅するのですが、
生き残った不破士郎は御神流を恭也、美由希(実際の師は恭也)に伝えます。
「不破」士郎がです。これは明らかにおかしく、
士郎から教えを請うたのなら継ぐのは裏の方のはずなんです。
それには2つの解釈があってそれは
「士郎が裏だと教えなかった」と「実は業は同じ」です。
ここまでは一応ネットで探せば判ります。
そしてここから自分の推測になります。
自分は2つの解釈のうち、後者の解釈が正しいのではと考えているのです。
そうすれば色々わかんないトコを解決できたし。
実際「殺し方」知ってたほうが「護る」ことも簡単だし。
では、二つに分かれた理由は?と考えて
「剣の振い方」によるものであったんじゃと考えたわけです。
「護る」と「殺す」の二つの刀の振い方。
で、今高町家の人の方向性は「護る」ですよね?
なら、振われるのは「護る」ための御神流。
こう考えてました。
で、エリオも「護る」方向性ですよね。
ならなのはさんとの一連の流れはおかしい、となったわけです。
長文失礼しました。
エリオがどうこうよりもティアナがとどめを刺したことが気になる。
身柄の確保を原則だし別になのはじゃなくても非殺生を求めたとおもうしな。
そこら辺わかってるはずなんだけどな…
み 妙ぞ! こはいかなること?
すまん錯乱した。まぁ色々流れあるけど、なんだねおまいら、なのは大好きだな。
もちろん俺も好きだけどさ。フェイトさんとか限りなく俺の嫁だし。
フェイトさん19歳とかとかもう限りなく俺の嫁だし。
肯定的にせよ批判的にせよ感想もらえて、内容に関する闘論までされて羨ましいぜ、と僻んでみる
>>218 そうだよな〜
(オレなんて2,3レスがついただけだぜ? orz)
>>218 感想は兎も角、闘論が起こる作品ってのは内容や展開のなかに
読者に何がしかのショックを与えるような毒を含む場合も多い希ガス。
逆に原作に沿った自然な流れのSSなら、闘論はまず起きない。
闘論まで羨むことはなかろうw GJ感想もらえるようガンガレ
俺もガンガル!
こんにちは。
お供え者……の続きです。
エロ有り。グロ無し
相変わらずエロは微妙です。
エリオ×フェイト(少量)
ユーノ×ヴィータ(少量)
フェイト×ヴィータ×なのは
エリオ×なのは
ユーノ&エリオ君が黒いです……
設定……(特に時期、時間等)におかしな所があるかも……というか、あります。
以上を踏まえた上でお読み下さい。
(視点・フェイト)
「協力……て……何をすればいいの?」
エリオに……抱きしめられた状態で目覚めた私は、そう訪ねた。
私にエリオに逆らう権利は、既に無かったし、その気力も無かった。
それに……エリオが、それで私を許してくれるなら…………
「手伝って貰いたいんですよ……」
普段の声とは真逆の、暗く冷たい声でエリオが呟く。
「なにを……あぁぁ……!!」
エリオの指が私の秘部を優しく撫でる。
それだけで、私の身体に鋭い快楽が駆け巡る。
「なのはさんと、はやてさんを止めるのを……です。」
「ん……そんな……あ……なのはと……ん!?はやてを……裏切……あぁ……」
エリオの指は私を焦らす様に、ゆっくり、ゆっくり撫で回す。
「……フェイトさんが手伝ってくれるたら……僕もフェイトさんを許せますし…………」
私の心が動く。
なのは達を裏切ってしまうのは……でも…………エリオに……
「あ…………」
私にジワリジワリと与えられていた快楽が突然止まる。
気がつくと、エリオが指の動きを止めていた。
「え………」
思わずエリオを見た私に……
「今はこれで終わりです……でも…………全部終わったら……
沢山気持ち良くさせてあげてもいいですよ?」
エリオの声は、私の頭を甘く痺れさせた。
(はやて視点)
「ユーノ君が??」
「そうなんよ…………どう思う?なのはちゃん??」
なのはちゃんは、顎に人差し指を当て暫く考えたものの、結論は出なかったらしく……
「解らないな〜……ゆりかご事件系の報告なら、通信でいいだろうし……
他に、大きな事件があったとも聞いてないし…………」
なのはちゃんなら、解るかも……と思った私の予想は空振りに終わってしまった。
ユーノ君が、わざわざ6課まで来ないといけない……
つまり、それだけ大事な用事……てなるはずなんやけど…………
『ゆりかご事件』以来、6課には……と言うより、陸・空・海……
どれをとっても、大きな事件があったと言う話は聞いて無い。
でも……無限書庫は、年中繁盛の所。
しかも、情報探索、解読、更には整理まで、そのほとんどを、ユーノ君に頼っている。
つまり、ユーノ君の欠席は、直接、無限書庫の麻痺に繋がると言って過言じゃない。
そのユーノ君が、来るほどの用件……
全く心あたりが無い。
「それやったら、結局の所……ユーノ君が来るのを待つしかないか…………」
「…………そうだね……」
……嘘だ…………
私もなのはちゃんも、本当は1つだけ心あたりがある。
だけど、それは口にはしない。
「……とりあえず、ユーノ君は、お昼頃こっちに着く予定やから、
なのはちゃんは、私と一緒におれるように、しといて。
もしかしたら、なのはちゃんも一緒におった方が都合のいい話かもしれんし……
最近ユーノ君と会って無いんやろ?」
私の言葉に、なのはちゃんの表情が陰る。
「うん……ユーノ君が仕事が忙しいのもあるけど……お休みの日とかも会えなくて……
やっぱり……避けられてるのかな??」
「………………………」
多分………正解は、そうなんだと思う。私も……ユーノ君程、あからさまでは無いけど、
やっぱり、ヴィータとの間に距離が出来てしまってる……
……でも…………それが、私たちが選んだ道の結果…………
「……今日……話してみたらええよ……」
そう言った私に、なのはちゃんは、寂しそうに……小さく頷いた。
「そう……だね……」
私も、なのはちゃんも解ってる。
許されない事をしてる…………
でも……何をしてでも…………誰を傷付けても……
6課は私が守る。
ここは、私の夢のスタート……
皆の夢を叶えるための場所……
だから…………
(視点変更・ユーノ)
6課に到着した僕を迎えてくれたのは、はやてだった。
「いらっしゃい!!ユーノ君」
「あぁ……わざわざ出迎えてくれて、ありがとう……」
はやては、笑顔だけど……その裏に警戒心が滲み出ていた……
この作戦……成功させる為の最大のポイントは、彼女達に気付かれないこと……
その意味で、はやては最大の敵と言える。でも……はやて…………
君も……かなりの策士だけど……まだまだ甘いよ。
僕が君なら……この時点で僕を自由になんてさせない。
……それが出来ないのが君の甘さで……弱さだ……
「とりあえず、いい時間やし、食事にしよか?
ユーノ君の話は、そん時に聞くって事でいいかな?
なのはちゃん達にも一緒に聞いて貰いたいし……」
「……そうだね……その方が良いかもしれない。僕も皆に聞いてほしいしね……」
はやてに案内されたのは6課の食堂。
なのはは、既に座っていて、手を上げて僕らを迎えた。
少し離れた所に、ヴィータとフェイト、エリオ君の姿もある。
エリオ君の表情から、彼の方はうまくいったのが解った。
……だったら……僕が、失敗するわけにはいかない……
「ユーノ君……その……久しぶり……」
どこかぎこちなく、なのはが口を開いた。
「久しぶり。……と言う程、時間も開いてないと思うけどね。
早速だけど……本題に入らせて貰っていいかな?」
瞬間、二人に緊張が走ったのが解った。
当然か……
まずは、この警戒心を解かなきゃならない。その為の策は……
「ヴィータ!!来てくれないかな?」
僕は少し離れた位置に居たヴィータを手招きして、呼び寄せる。
「……なんだよ?」
ヴィータは普段、僕に接する時のソレでは無く、
付き合う前の時の様な、話方をしている。
あくまで、隠し通すつもりみたいだ。
はやてと、なのはは、僕がヴィータを呼んだ事で更に警戒心を強めたみたいだった。
「……なんの話なん?場合によってはユーノ君でもゆるさんよ??」
そうだろうね……
事件のあらましを、こんな所で話されれば、6課は確実に終わる……
……でも、はやて……
それは、僕等が望む終わり方じゃ無いんだよ……
僕は一度、溜息をつき肩を竦める。
「あんまり緊張させないでほしいなぁ……ただでさえ、こうゆうのは緊張するんだから……」
なのは、はやての二人は訝しがり、ヴィータは、頭の上に?を並べている。
エリオ君だけが僕の手が読めたのか、小さく笑みを浮かべていた。
「ユーノ君……一体なんの話を……」
なのはがそこまで言った時、僕は、はやてに向かって勢いよく頭を下げ、叫ぶ。
「はやてさん!!!!ヴィータさんを僕に下さい!!!!!」
………………………………………………………
一瞬、食堂内全ての時間が止まったような錯覚をうけた。
止まった世界を動かしたのはヴィータだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!??」
完全に静まりかえった食堂にヴィータの叫び声が響き渡る。
「な…な……何!!何……言ってるんだよ!!?ユーノ!!?」
あ……真っ赤になってる……
「いや……やっぱり隠したまんまなのは心苦しいし、
そろそろ……ちゃんとしないといけないと思ってね……」
落ち着かせようとゆっくり喋ってみたけど、あんまり効果はないみたいだ。
「だ……だからって!!大体!!わ!わ!私はまだ!!プロポーズも……」
「僕とじゃ嫌かな?」
「そうじゃないけど……」
僕等のやり取りに、止まっていた、はやてがようやく動き出した。
「いやいや!!ちょう待って!!え??ユーノ君とヴィータ……が??」
だけど、まだ状況を把握出来てないみたいだ。
そんな中で1番冷静だったのは、なのはだ。
「そっか……ユーノ君……ヴィータちゃん……おめでとう……
はやてちゃんも反対じゃないんだよね?」
寂し気に笑うなのは……はやては少し考えて答える。
「まぁ……びっくりはしたけど……相手がユーノ君なら、私が反対する理由はなんも無いよ」
そこから、話は二人の馴れ初めとかに変わっていった。
気がつけば、話しを聞いていたのだろう
色んな人達が僕等を取り囲み、口々に祝いの言葉や、質問をしてくる。
ヴィータは真っ赤になって黙り込んでしまっていたけど……
事は全て僕の思い通りに動いてる。
なのはと、はやては、既に僕がやって来た理由は、この為だと信じきってる。
それに……なのはには別の効果もあったはずだ。
後は夜になるのを待つだけだった。
(視点変更・なのは)
夜中に目が覚めてしまった私は、ヴィヴィオを起こさないようにして、部屋を出た。
風に当たりたくなって、外へと出た私を綺麗な満月が照らしていた。
不意に涙が零れた。
今日……ユーノ君とヴィータちゃんの話を聞いて気付いてしまった……
私は……ユーノ君が好きだったんだ……
ユーノ君を、アリサちゃん達に贈った時も私の胸は痛んだけど……
ユーノ君が本当に、他の人のものになってしまう…………
それは……たまらなく辛い……
歩き続けて訓練場に着いた私は、1人の人影を見つける。
ヴィータちゃんだ……
よりにもよって、今1番会いたく無い人に出くわしてしまった……
気付かれない内に立ち去ろうとした私に、後ろから声がかけられる。
「なのは……ちょっと……話しないか?」
話なんかしたくない……その気持ちが顔に出ないようにしながら振り返る。
大丈夫……笑えてるはずだ……
「なぁに?ヴィータちゃん。ユーノ君とのお惚気話でも聞かせてくれるのかな?」
そんな話……死んでも聞きたくない。
そう思いながらも、軽口が叩ける自分が、嬉しくて悲しかった。
「しねぇよ……んなこと…………そもそも私は、ユーノとは遊びだしな……」
めんどくさそうに吐き出したヴィータちゃんの言葉に息が詰まる。
「ヴィータちゃん……何を言って……」
「別に……単に『あの事』に対するお前への、反撃のつもりだったんだけどな……
ユーノのやつが本気になっちまってな……これだから……勉強しかできない男は……
はやてには、明日でも説明して……別れてやるから安心しろよ……」
頭が真っ白で何も考えられなくなる。
「安心……て?」
「お前……ユーノの事好きなんだろ??私はいらないから、なのはにやるよ」
身体中の血液が逆流してるのが解った。無意識の内にBJが展開される。
「…………ないで……」
「……ん?」
許せなかった……
私から1番大切な人を奪っておいて……
それをいらないと言う……目の前の存在が……
「ふざけるな!!!!」
怒りに任せて撃ち出した光りは、難無くシールドで防がれてしまう。
赤いシールドの向こう側で……ヴィータは不敵に笑っていた。
「何を怒ってんだよ。
私がしたことなんて、お前やはやてが、私達にした事に比べたら、可愛いもんだろ?」
そうかもしれない……
でも!!だけど!!!
ヴィータを睨みつけ、再び放とうとした魔法は……放てなかった。
撃ち出そうとした私を緑の光りを放つバインドが捕えていたから……
「ユーノ君……!!?」
いつの間にか私の背後に立っていた彼は、無言のまま私に近づく。
「ユーノく…………なんで……??」
「誰だって、大切な花嫁に手を出されそうになったら……こうするだろ?」
違う……違うよ……
ユーノ君……だって……この子は…………
「聞いてユーノ君!!ヴィータちゃん……ヴィータは……ユーノ君の事……
大切になんて思ってないの!!
ヴィータは!!ユーノ君の事利用して……私に復讐しようとしてるだけなの!!!」
顔を伏せ……私の話を黙って聞いてた、ユーノ君が顔を上げた時……
私は思わず息を呑んだ。
もう……10年近く一緒に居た……大切な人が、初めて見せた……敵意の視線に……
「僕を利用?……それは……なのは達じゃないか……」
「あ……それは…………でも……」
辛い言葉に、胸が痛む。
「第一ヴィータが……僕を裏切る訳無いじゃないか…………ねぇ?ヴィータ……」
ユーノ君の……誰もが優しい気持ちになれる笑顔……
少し前まで……私に向けられる事が多かった笑顔…………
ソレが今ヴィータに向けられて……
「当たり前だろ?私は……その……お前の……フィ……アンセ……なんだからな……」
顔を真っ赤にさせて……語尾を小さくして……
何も知らなければ……可愛いと思ってしまう……
ヴィータの演技が私のカンに障る……
「ヴィーーーーターーーーーー!!!!」
ユーノ君のバインドが、私を抑えようと激しく締め付ける。
……でも、身体に走る痛みも、心に走る痛みも、今の私には関係無かった。
この娘は……この娘だけは……
許さない!!!!
魔力を全開にして、バインドを断ち切る。
砕け散った、緑の残光を見ながら、RHを構える。
白煙を吐き出しながら、ロードされるカードリッジ。
確かな手応えを感じながら、目標を見据える。
「あぁぁぁぁぁ!!!!」
叫びながら魔力を集束させる。後は撃ち出すだけ……
「ごめんね……なのは……」
突然背後から聞こえた声と、鈍い痛みに私の記憶は暗闇に堕ちた。
「う……うん……」
「目が覚めたみてぇだな……」
再び私が気を取り戻した時、最初に私の目に飛び込んで来たのは、
真っ赤なBJに身を包んだ少女……ヴィータだった。
「ヴィータ!!?」
咄嗟に身構えようとして、身体が緑色のバインドで拘束されていることに気付く。
しかも、そのバインドは、普通にかけられているんじゃなくて、
幾重にも……そして、私の胸を強調するように……
下の方は私の秘部を刺激するようにかけられている。
「な……なんの真似……これは……」
ヴィータを睨みながら、なんとか拘束を解こうとしたけど、
身体に魔力がほとんど残っていない……
「さぁな?それをかけたのが私じゃないことくらい、お前にも解ってんだろ?
本人に聞いてみたらどーだ?」
言いながら視線を逸らすヴィータ…
その視線の先には……
「ユーノ君…………」
私を見つめる彼は……いつも通りの笑顔……
「ようやく起きてくれたかい?なのは……そのバインドどう?
僕が考えたんだけどね……ヴィータはお気に入りなんだよ……」
え……ヴィータって……そっちの……
「違ーーーう!!!!私は嫌だってのに、ユーノが頼み込むからしょうがなく……
…………て……そうじゃなくて……
ユーノ……まだ、なのはの奴、状況解ってないみたいだから説明してやったらどうだ?」
ヴィータの言葉にユーノ君は、一度眼鏡を上げ直し、私の方へ向き直り肩を竦める。
「簡単な事だよ……なのは…………
君は罠に嵌まったんだよ……僕とヴィータ……それに……彼等の仕掛けた罠にね……」
罠……それに……彼等……??
首を傾げる私の後からかけられる声……
それはよく知ったもので……
「こうなっちゃうと……あれだけ怖かった、なのは隊長も形無しですね……」
「……ごめんね……なのは……」
明るい声と、どこか申し訳なさそうな声……
「エリオ……フェイトちゃんまで……」
訳が解らずパニックになりかけていた私の耳元でヴィータが囁く。
「ようするに……お前に、私らと同じ体験をして貰うために、全員で一芝居打ったのさ……」
………………………
ようやく理解する……
今日起きた出来事……
ユーノ君が突然来たのも……
ヴィータと婚約発表したのも……
ヴィータのあの態度も全てこの為……
「それで……私はこれからどうされちゃうのかな?事件の真実を話すまで拷問とか?」
「いや……そんなことはしないよ……それは、僕たちの望む事じゃないし……
第一、事件を表沙汰にするだけなら、フェイトの協力だけあればいい……」
じゃあ……一体何を……
思う私の胸をBJ越しにヴィータが揉みしだく。
「何を!!?」
「さっき……ヴィータ副隊長が言いませんでしたか?
僕たちと同じ経験をしてもらいます……」
思わず紅潮してしまった私の顔を見ながら、無邪気にエリオが笑っている。
そんな私に、暗い表情のフェイトちゃんが近付く……
「フェイトちゃん……お願い……皆を止めて!!
こんなの……おかしい……んぐ!!」
必死に絞り出した願いは、フェイトちゃんの唇で妨げられる。
フェイトちゃんの舌が、私の口内に侵入して、乱暴に貪られる。
その間にも背後から、ヴィータの責めは続く。
ついに、その小さな手は、BJの間から侵入して、直接私の胸を責める。
その手が乳首に触れた瞬間……私の頭が軽く痺れる。
呼吸が苦しくなってきたころ……
ようやく、フェイトちゃんが私を開放する。
「なのは……私達は……1年前……ユーノにあんな事をするって決めた時……
あの時から……もう……おかしくなってたんだよ……」
「フェイトちゃ……」
「それにね……私は……もう…………エリオには逆らえないから……
だから……なのは……もう……一緒に楽しもう??」
フェイトの手が私の下腹部へと伸びる……
「ダメ!!フェイトちゃん!!!」
股をしっかりと閉じて侵入を阻止しようとして……
「今更ジタバタしてんじゃねーよ」
「痛!!あ………ダメ!!」
ヴィータに乳首を強く摘まれ、その間にあっさりとフェイトちゃんの手が私の秘部に入り込む。
そして、優しく……まるで壊れ物を扱うように優しく私を責める。
「ふぁ……フェイト……ちゃ……」
「いいんだよね?なのは……だって……なのはのココ……こんなに……」
「だめーーーー!!!!」
「そろそろ……かな?」
「えぇ……でも……本当にいいんですか?」
ここまで、少女達の淫れる様子を、舞台でも見るかの様に
見守っていた2人は小さく会話を交わす。
小さな少年の言葉に、青年は寂しそうに微笑み頷く。
「いいんだよ……きっと……そこまでしなきゃ、僕等の関係は終わらせれない……」
小さな少年はただ……頷く事しか出来なかった。
「ああぁ……だめだめだめ!!また!!!」
フェイトちゃんと、ヴィータに責められて……私が何度目かに達した時……
異変は起こった。
「ユーノ!!急になにを……ちょ……駄目……だって……今日は……ん……」
急に声を上げ始めた、ヴィータを見ると、後からユーノ君が、ヴィータの服をめくり、
その小さな身体に指を這わせていた。
「ユー……きょ……は、なのは……ん!!だから……あ!!」
ユーノ君に抵抗しながら……それでも、耐えられないのか、
ヴィータは顔を紅くしながら、嬌声をあげる。
やがて……フェイトちゃんに責め続けられる私の前で……その時はやってくる……
「ふぁ!!ん……ユーノ……いい加減に…………あぁぁ!!!」
私の目の前で、ユーノ君とヴィータが繋がっていた。
「…………ユーノく……」
ショックだった……
アリサちゃん達だってユーノ君に抱かれた事はある。
……でも……それは……私達が仕向けた事で……ユーノ君が望んだ事じゃない……
だけど……今は……
ユーノ君は……もう…………
「もう……やめて…………」
私の両目から熱いものが零れるのが解った……
どんな裏切りより……苦痛より……
目の前の状況が私には辛かった……
でも……
「まだですよ……なのはさん……」
振り向くと、エリオが私の目の前に立っていた。
その股間は、大きくそそり立っていて……
「嫌……嫌だよ……こんな……ユーノ君の前で……
ユーノ君を見ながら……ユーノ君に見られるなんて絶対に……」
私の言葉に構わずエリオは私に近付いてくる。
なんとか逃れようとしても私を捕らえたバインドがそれを許さない。
やがて……エリオのモノが私に添えられて…………
「いっやぁぁぁぁ!!!」
熱い感触が私に入って来た…………
視界の隅で求め合い愛し合う二人を見ながら……
私の心は打ち砕かれていた。
「後は、はやてか……」
「ええでも……これで……本当に……」
少年の言葉に青年は首を振る。
「わからないよ……でも……考えるのは全部終わってからにしよう……」
「そう……ですね……」
231 :
お供え:2007/10/26(金) 04:08:15 ID:x29vh94F
以上です。
次回は……ようやくラストのはやて編です
執筆速度かなり落ちてますが、必ず最後まで書きますので、もう少しだけお付き合い下さい。
最後に、GJを下さった皆様、読んで下さった皆様に心からの感謝を。
ありがとうこざいました。
乙です
ついにはやてに鉄槌が…
土壇場でヴィータが裏切りそうでもある
乙乙。GJ!
なのはさんどんな精神状態なんだろう今w
234 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 04:54:47 ID:1JLAzLTb
246って最近来てないよな?
やっと平和になったな
あいつのSSは最悪だったよ
>>232 GJです
うは、ユーノ容赦ねぇw
ちゃんと後悔するように持っていった上でなのはを壊したww
主犯のはやてにはどんな鉄槌を下すのか期待してます
なんか微妙に古参の人こねぇ…
やっぱアニメ終了したからか?
>>231 GJ!
結婚発表で警戒心解かせ、ヴィータの嘘で冷静さぶっ飛ばして…何という策士。やっぱユーノはダークにすると映えるなあ。てか容赦なさ過ぎだ
あと地味ーに今回もエリオが堕ちていってるのが…
てか亀甲縛りですか?そうなんですね?ヴィータさん頼まれたからってやったんですね!?
>>231 GJ!
翻弄され、傷つけられるなのはさんが辛抱たまりませんでしたっ
きっとそんな俺は下種野郎。
>>236 古参の職人さん達が愛したかつてのスレの姿がもうここには無いからだよ
単にネタがなくて書けてないからじゃない。そんなもんだよ
>>231 GJ
ユーノとヴィータはまったく……エリオはどうなるやら
241 :
145:2007/10/26(金) 10:57:06 ID:FR2dTVXT
>>215 あなたもゲリラ兵氏の作品に賛辞を送った一人だというのに、
ロクに考えもせずに書き込んでいると早合点してすみませんでした。
改めて第5話を観ていたためか少し感情的になっていたようです。
>>201 余計な気を使わせる論争の発端を作ってしまい、申し訳ないです。
そして、GJです。
>>231 GJ
ユーノ黒いなあ
しかしはやての決意も、都築Q&Aの
>「はやては今でも少数精鋭で即座に動ける隊を常時管理局の中に存在できるようにと思っているんですか?」
>2話で語った夢は世界を知らない15歳の時なりの夢だったとはやて自身は認識している。
>今後どうなっていくかははっきりとは分かってないが六課の稼動暦は有用なデータとして残る。
発言で茶番に見えてくるw
都築の発言するたびに出てくる矛盾に作者様達涙目だろうなあ
それはそれ、これはこれ
>>98 ダークエリオかっこよす
キャロ奴隷endへのフラグたったような
とにかくGJ!
<<242
それは矛盾か? はやては即応性の悪さの改善のために裏では予言関係があったにしろ
”少数精鋭で即座に動ける隊”として6課を作った、で部隊運用の経験で自身の描いて
いたものが実現可能のものかただの夢物語かが分かったのでは?
実際に経験してみないと分からないことって世の中には多いですし
うげ! 安価ミス OTL
<<242 →
>>242 です
どんなSSでもシンジとかU-1とかYOKOSHIMAは混ぜるな危険なんだぜ?
もちろん御神流もな
248 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 13:04:56 ID:cIOUNuMb
>>231 続きが遂にキター!
容赦ない黒ユーノ&エリオGJ!
「普段冷静な奴ほどヤル時の反動はデカイ」の法則法ってますねー
残るははやてだがなのはどうなんだろ、壊れてそだしヴィータのオマケでもで『オモチャ』にでもなるとか?
少数精鋭では対処しきれない「数の暴力」も思い知っただろうしなぁ
そういった諸々含めて『少数精鋭でどんな事件も安全確実に迅速解決』
できる部隊は、理想の高すぎる夢物語だと認識したんではなかろうか
どれだけ上手く早く拾える手でも、二本しかないし伸びないんだよ〜って話でしょ
ぶっちゃけ戦力一所に集めすぎで持て余してたきらいもあったし
リミッターなんて最たるものだな。せっかくのエースの持ち味殺してどうする。
いやだから議論はここですると変な風に拗れるって
両方あることにこしたことはないけどね
>>112 いやいや「今回から」だからさ
始めっからその調子だったら最初からNGしてるし、いちいちレスしないでスルーだよ
ただ前回まではそんな匂いしないしむしろGJつけてたからね
本人が気づいてないなら注意を促したかった
意図的にやってるなら何も言うことはない
別に困難な事態を解決するための少数精鋭の特殊部隊の存在は悪いことではない。
ただそれは通常部隊という確固たる基盤と、同時にその彼等との連携あってこそのもの。
飛車角も歩がなければその効力は半減するからな。
レスキューポリス三部作直撃世代としては、あんなのをやって欲しかったなあ。
クロノも言っていたが、はやてに部隊長としてのキャリアを積ませるという意味もあるわけだからね。
彼女の理想は、即時に動ける部隊というだけでなく「悲しい思いを誰もしない世界」
つまるところ、出世して権限もって采配を振るいたいというところに落ち着くわけだから。
>>231 GJ!!
理想のために身内を差し出すという矛盾が、ついに自業自得となって帰ってまいりました。
ユーノもだがヴィータ自重w
>>231 これはエロイwww
GJです!
このあとどのようにしてハッピーエンドになるのかが楽しみだ。
……ハッピーエンドですよね?
>>254 >レスキューポリス三部作
「よう相棒!まだ生きてるか?」
ここは兄弟の多いスレだなw
エンディングから見るに、結局地上の体制がどうなったかも謎だ!
解決すべき用件の一つで本局と地上の関係改善とかどうなったことやら
今更「機械の心」を読んで思ったんだけど、
地球への移住を勧められるけどまだ戦いたいって気持ちがあるウェンディとセインが
否定的な意見を・・・って所で
「なら紛争地にでも行って傭兵やれ。日本は軍隊を持たない国だけど
個人で傭兵やってる日本人は結構いるらしいなんて話もあるし。」
なんて不謹慎な感想を持ってしまったスマソorz
>>257 いんや、それが普通じゃないですかね? 俺も思ったし。
東トルキスタンにチベット、カシミールにクルディスタンにパレスチナ、他にもいくらでもある。
>>98 GJ!
黒エリオに惚れた俺
更にラストのグルグルの歌が改めてエリオの覚悟を語っているようでたまらなくイイ!
なんか攻殻機動隊を思いださせる流れだな
続きです 今回はエロと戦闘もありません エロは最後にあと一回予定しています
色々と設定的に矛盾や無理があるかと思いますが、ご覧の際は寛大な目でご了承願います
控え室広間の休憩場で、第一〇試合を終始観戦していたはやて達は一様に硬直していた。
はやての肩の上で滞空するリインフォースUが、試合途中で観客席へ戻った彼女達からこちらと合流したエリオの、
乾いた唾を飲む音を耳にする。代わりに、フェイトとユーノがそれぞれの所用で休憩場を後にしていた。
「そんな、シグナム副隊長が、あ、あんなに呆気無く」
初めて見るシャマルの奇行に驚愕し、エリオは瞬きも忘れて観戦画面を見入っている。
試合場が再び修繕作業に移行しても尚、彼女達はシグナムの末路によって観戦画面に目を釘付けにされていた。
「あ、あの……シグナム、消えちゃいましたけど……」
リインフォースUの言葉に反応する者は皆無だった。
既に勝者と敗者は試合場から退散し、大会会場内控え室の棟へと移動している事だろう。抉られ、爆砕し、
スターレイトブレーカーの余波で一直線の溝を刻んでいる試合場には、数人の作業員が魔方陣を展開しながら右
往左往している。
「あかんシャマル、何ぼ何でもそれだけはしたらあかんやんか。何考えてんのあの子は」
家族四名は夜天の書の制御から完全に切り離され、守護騎士プログラムとしての無限転生機能は停止している。
幾ら主であるはやてからの魔力供給があれど、それを受給する肉体が失われれば完全な死は同義にあった。
魔力の根源であるリンカーコアが摘出されたとなると、その絶対的な死滅は更に免れないものとなる。
空にした皿を食堂の方へ返してきたヴィータは、はやて達の動揺も何処吹く風という顔で平然としていた。
「久し振りだなぁシャマルの折檻。大丈夫はやて、シグナムは全然無事だから」
ヴィータが元の席に座りながらいい、はやて達の困惑を一身に浴びた。
「そ、そうなん?」
「うん。あれ、あたし達が昔やったリンカーコアの蒐集行為と同じに見えるけど、内容は全然違うものなんだ。
一応シャマルの得意技の一つってやつかな。シグナムの身体が消滅したのは、何て言うか説明が難しいけど……
リンカーコアを抜き取られたショックで幽体離脱しているようなもの」
「よくわかりません……兎に角、シグナム副隊長は大丈夫なんですよね?」
エリオの率直な返事にも、ヴィータは怒らず胸元で腕を組む仕草をした。
「まぁ、あたしも未だにあの仕組みだけはサッパリわからねぇ。シャマルはああやって、旅の鏡の性質を応用し
たリンカーコア摘出の時に、色々具合を変えて対象者に肉体的・精神的な異常を引き起こす事も出来るんだ。
かなりコツが要るみたいで、突撃中のシグナムをああするのは至難の業だったと思うけど。主が戦時中の軍人だ
った事もあるんだけど、そういう時に作戦の遂行が不完全だった場合とか、ああやってリンカーコアをズボって
引き抜いて性根を叩き直すのはシャマルの仕事だったし。あれやられた奴、もう二度とシャマルに逆らうような
真似だけはしなくなるんだよな」
はやて以前の主の事を話すのは些か躊躇があるが、ヴィータは曇らせた顔で語った。主への忠誠が絶対とは言え、
ヴィータとて今まで自分達が行ってきた行為が必ずしも善良なものとは思っていない。
「シグナムが元に戻れるんやったらええけど、ちょっとシャマルには厳しぃ言うとかんとあかんかなぁ……」
「絶対に大丈夫」「心配しなくても無事」──そんな上辺の気休めで、家長であるはやての気持ちは癒されなかった。
そうこうしているうちに、シャマルとなのはが休憩場へと姿を見せる。近くで彼女達の移動に同伴しているア
ギトは、動物形態へと変身したザフィーラの体躯に隠れて恨めしげにシャマルを睨み上げていた。アギトも道中で
ザフィーラから折檻について簡単な説明を受けたが、それを差し引いてもシャマルの所業を免罪する気は持てない。
互いに魔導師姿から局員の制服に着衣を変えている勝者ペアは、身内の面々に和やかに笑いかける。
はやてが自分への近寄ってくるシャマルを毅然と見据えた。
「シャマル、幾ら勝つ為とは言え、そういう危ない事は今後厳禁や。……約束してくれるやんな?」
シャマルははやての説教を推知していたのか、主からの強い語勢に気後れせず了承した。
「はい、はやてちゃんがそう言うなら、もう二度と仲間には行いません。それでなんですけど、早速シグナムの
復元を行いたいと思います。はやてちゃん、夜天の書を現出してもらえませんか?」
握られたままのシャマルの掌が開放され、淡い光の結晶がシャマルの握力から逃れて浮かび上がる。アギトの
泣き腫らした顔も、その光度に照らされた。
「シ、シグナム?」
「うむ。シグナムはすぐに元通りになる。だからもう泣き止め」
ザフィーラとアギト、なのは達が見守る中、はやてとシャマルの前で夜天の書が開かれる。
「もう守護騎士の転生機能と夜天の魔導書は関係無いんとちゃうん?」
椅子から立っていたはやてがシャマルに問いかけた。
「えぇ、まぁ。守護騎士召喚の機能を持っているもの、または嘗て持っていたものなら、特に夜天の書でなくて
はならないという条件もありません。こちらは単なる作業の土台にしか過ぎませんし、死んだわけではないので
転生機能も無関係ですよ」
「説明されればされるほど、頭がこんがらがってきた」
はやてが少々童顔な表情を渋くする一方で、なのはも小首を傾げて自分なりの憶測を立てていた。
「死んだわけでもない、だけど肉体は完全に消えてリンカーコアも……現実では考えられない状態で、何とか維
持されているとしか」
作業自体は最早目を瞑っていても可能なのか、シャマルは考え込むなのはに優しい横目を向けた。
「魔導を扱うものとして不適切な言葉かもしれませんが、超常現象、と解釈してもらうしかありませんね。
それに、これは私のオリジナル。同様の転送魔法を扱える騎士でも、こういう副作用を与える事が出来る者は二
人と存在しないと思いますよ」
はやては自分の役割が終わったと合点してシャマルの傍から立ち退こうとしたが、それはシャマルから咎められる。
自分の存在もシグナムの復元に関与しているのかと頭を捻り、完全無欠に不可解な現象を呆然と突っ立って見届ける。
「ヴィータ副隊長はあの折檻で、どんな副作用を貰った事があるんですか?」
口振りから何度かの経験は間違い無いヴィータへと、エリオが沈黙に耐え切れず切り出した。瞬間ヴィータの
顔が引き攣ったが、怒りとはまた違った感情で顔色が暗くなる。
「……語尾に『にょ』がつくようにされたり……何も無い所ですっ転ぶようなドジっ子属性を一週間とか……
主の事をお兄ちゃんって呼ばされたり……」
「シャマル、今すぐヴィータにそれやって。迅速早急にお願いな」
華麗に前言撤回したはやては、いたって真面目な顔だった。勇ましくすらある。ヴィータが両手で机を叩き、
顔を真っ赤にして腰を浮かせた。
「い、嫌だよ! 絶対に嫌だ! あんな恥ずかしい真似、もう死んでも出来ねぇ!」
「はやてちゃんったら、もう身内には絶対に行わないと約束したばかりじゃないですか」
空中に留まらせたシグナムのリンカーコアと、或る頁を開いて停止している夜天の書が薄い光で繋がれる。
やがて各面々の前で、甲冑姿のシグナムが直立姿勢で再生されていく。
「けど、それはただの夢や」
「はやて、意味わからねぇよ! その言葉マジで安っぽ過ぎるだろ!」
「シャ、シャマルっ! 久々に効いたぞお前の折檻……!」
アギトが安堵するのも束の間、意識を回復させたシグナムが荒々しくシャマルに突っ掛かっていた。胸倉を掴
み上げそうな迫力でシグナムがシャマルの前に詰め寄り、両者の熱い美貌と涼しい美貌がぶつかり合う。烈火の
将のリンカーコアは、具現化した肉体の中へと自然と吸収されていった。
「ま、まぁそこは落ち着いてシグナム。こうしてちゃんと復元したんだし……」
それだけでは済まされないが、シグナムは後の祭りを掘り返そうとはせず、大人しく激怒の刃を鞘に収めた。
騎士甲冑を解除し、管理局の制服にその長身が包まれる。自分の肉体そのものが悪夢の舞台となったかの如きあ
の絶望的な不快感は、まさに嘗てのシャマルの恐ろしさを思い出すには充分な刺激だった。意識、五感、自我と
いった自己を構成する諸々の要素を、シグナムはリンカーコアの中で確然と持続させられていたのだった。
「シグナム、お前心配したんだぞっ!」
アギトが相棒の頬を小さな掌で叩く。シャマルから退いたシグナムは、頬の可愛い痛みの先にあるアギトへ目
を向け、彼女の心痛を和らげようと目許を緩ませた。
「済まなかったなアギト。完全に私の失策だ。あそこでなのはを追撃せず、一歩後退していれば……」
「悔やんでも始まらん。素直に負けを認め、更なる精進に努めるのも騎士として間違ってはいまい」
ザフィーラが獣の口腔から人語を発し、シグナムも溜め息のような一笑でそれに同調した。
「ふふん、リインとしてはちょっと残念な結果ですねぇ。まさかシグナム達が初戦敗退とは」
「うるせぇ、このバッテンチビ! シャマルさえ何とか出来ていれば、負けてなんかなかったんだ!」
「何ですかその態度は! 敗者は敗者らしく素直に負けを認めるです!」
「知るか! お前こそ負けろ! っていうかお前足手纏いだろ!」
「言ってくれますね! ここでやりますか!」
「おおよ、やってやらぁ!」
「まぁまぁ二人とも、他の人にも迷惑だし落ち着いて?」
なのはが誘導弾を発射段階で停止させ、理不尽な暴力の恐怖を垣間見せる晴れやかな笑顔で二人に介入した。
リインフォースUとアギトの背筋が一瞬で凍りつき、なのはを隔てて遠ざかっていく。
「いや、あの、えっと、ごめんなさい。凄くとてもごめんなさい。もう止めて、スターライトブレーカーは嫌ぁっ!」
「な、なのはさん、無闇やたらに魔法を使うような人は魔導師として失格です!」
「え? 何か言った? 頭冷やす?」
「ごめんなさいです。リインは何も言ってないです。きっと空耳です」
「二人とも弱っ」
なのはが魔力弾丸を消失させると、不意に立ち眩みに襲われた。視界の隅で認めたシャマルが咄嗟に彼女の身
体を両手で支える。
「大丈夫ですか? あれだけの魔力量の砲撃魔法を連発したわけですし……少し医務室で休みましょう」
「ったく。魔導師本人のリミッターも能力限定式じゃねぇんだから、本気で勝ちに行くのはいいけど、自重して
くれよな。ランク自体が下がってるわけじゃないんだからな。そこら辺自制が効かない奴は、通常の状態と今の
リミッター状態の感覚が合わなくて自滅するぜ」
釘を刺すヴィータへ気まずそうな苦笑いを残し、なのははシャマルに支えられながら休憩場の奥にある医務室
区画へと歩いていった。
ザフィーラとシグナムも、試合を終了した選手の義務でもある診断を受けるべく、二人の後を追っていった。
「なのはちゃんは頑張り屋さんやから、今のリミッターは歯痒いやろうね。いっそ六課の時みたいにランクとし
て抑制されているならまだしも、『気張れば何とか限界の壁をぶち抜ける』っていう仕組みやから。まぁでも、
身体の事もあるし、次からは今のリミッター状態に見合った魔力の消費を心掛けてくれるんとちゃうかな。
ヴィータかて、試合中でコツ掴んで偉かったよ。そういうところはやっぱり経験の差かなぁ」
はやても全身の魔力が重くなったかのようなリミッター感覚を今でも覚えつつ、夜天の書を休止させて椅子に
座り直した。
リミッターの制動に翻弄されないよう適度に力を抜き、その上で最大全力に匹敵する動きを見せる。個人の能
力だけでなく、戦況、その他あらゆる外的要素も加え、どれだけローリスクハイリターンで立ち回れるか、
それが勝利への確かな最短経路だった。
前屈みになったはやてはクスクスと笑いながら、ヴィータの隣に座っているエリオを指で突付いた。
「そないに不安そうな顔せんでもええよ。エリオの背中は、私とリインがちゃんと守るから」
「そうです。エリオは怖がらずに突っ走ってください」
「はい」
心穏やかに話す三人を眺めていたヴィータは、姿を消した相方の居場所を求めて廊下へと歩き出した。
ヴィータは曲がり角に差し掛かるまで、緊張するエリオと頗る平常心を保っているはやてやリインの話し声を
背中で聞いていた。
「そや、エリオ。優勝したら、ご褒美に私の胸触らせたろかー」
「い、いえ、その」
「は、はやてちゃん! そんな事、絶対にいけません!」
「えー何でよー。やっぱりフェイトちゃんくらい無いと、エリオは満足せんのかなぁ」
「そういう問題じゃ……くっ、物陰からガリューの熱烈な視線がっ! 鬱陶しい、途方もなく鬱陶しいっ!」
/
はやて・エリオ・リインフォースU、クロノ・フェイト・アルフの二組は見事一回戦を勝ち抜いた。
午後の休憩が始まる前に二回戦まで終わらせられると踏んだ委員会は、時間を繰り上げて試合を続けると発表。
スバルとティアナ組みとよく似た新人組みを、ヴィータと共に二回戦一試合で打ち負かしたユーノは、続く試
合の様子も関心を払わずに会場脇の屋外に立っていた。
木製のベンチや植木といった日光浴に最適な設備や景観が整ったそこには、またもユーノに財布を開いてもら
ったヴィータが、ベンチに座って水分補給用のジュースをちびちびと飲んでいた。
縦長の空間は、後ろに出場者控えの施設の壁、前は高い塀が景色を遮っている。ユーノは直立した体勢で瞑目し、
自身の体内に流れる魔力に意識を集中させていた。
「ユーノ君、ヴィータちゃん」
二人の姿を捜していたなのはが、ようやくこの場に辿り着く。背の低い雑草の絨毯を小走りに駆け、彼女はヴ
ィータの近くで足を止めた。
「ユーノ君、何をしてるの?」
「付け焼刃の訓練。リミッターの臨界を越えて本来の力を引き出すんじゃなくて、あくまで今の状態で最大限の
力を発揮できるように、魔力の運用を練習してるんだとさ」
なのはがヴィータの目を追う。バリアジャケット姿のユーノは、五感の一切を断って己の精神の淵に没入していた。
「ふぅん……わたしもそれ、お祭りが始まるまでに時間を見つけてやったかな。結構難しいよね、やっぱり戦闘
行為ってなるとどうしても踏ん張っちゃうから」
「不毛な手加減と適度な魔力の節約、この違いさえ身体で覚えればあとは簡単だって。手加減するんじゃないっ
て、ちゃんと身体がわかってくれたらな」
なのはが腰の後ろで手を組み、所在無げに片足の爪先を立ててユーノを見守る。一つに括った栗色の長髪が、
空から舞い降りてきた秋の風に淡く靡いた。
「そう言えば、反対側の小さな公園でもクロノ君がユーノ君みたいな事してたけど、あれもそうなのかな」
「そうなのか? 多分……でも、あの提督はそんな必要無いと思うんだけどな。デュランダルだってあるんだし、
元々魔法の詠唱でデバイスに頼らない人なんだろ? さっきの試合だって、フェイトとアルフが邪魔だってくら
い一人で健闘してたじゃんか」
一度は疑念を呈したヴィータだが、すぐにその意中を訂正する。成る程な、となのはの横で一人納得していた。
「わたしもジュース買って来るね」
なのはが長髪を揺らしながら、忙しく走り去っていった。ユーノは彼女の姿に気付いた素振りも無かった。
数分間の精神統一を終えて、ユーノが身体全体で息を吐く。
「何か前進出来たのか?」
「あぁ、うん。魔力で神経伝達や代謝機能の活性化をしようと思ったんだけど……全然駄目みたいだね。精々、
小さな器官にちょっと作用させる程度しか出来ない。視神経の組織構造に干渉して視力を強化するだけじゃあ、
何の策の足しにもならないか」
ユーノが取り組んでいた内容を聞いて、ヴィータが缶を口許で傾けていた幼い顔を顰めた。
「そんな非効率ド真ん中な魔力の使い方すんなよな。変身魔法を応用して細胞単位の変質や身体機能の向上を促
すのは無くも無いけど、戦闘でそっちに魔力を回すのは愚の骨頂だ。身体の負傷一つだって、まさか純魔力を体
内に送り込んで一次ニューロンの受容体を麻痺させる、なんて回りくどい鎮痛作用を起こすとか言い出さないよな?
器用に大脳皮質で知覚伝達を遮断すんのか? それじゃあ治癒魔法が何の為に存在してんだよ。あたし達が使っ
てる魔法や魔力を曲解すんな、バカ。なのは達の世界の生体化学レベルまで有用水準を落としてどうすんだ。
そもそもユーノ、お前は魔力変換資質持ってないだろ」
「あはは……そう、だね。ヴィータの言う事は尤もだ」
ユーノが一休みも兼ねてバリアジャケットを解除する。スーツの中に仕舞ってあった眼鏡を掛けると、輪郭が
鮮明になった彼の視界に走り寄ってくる女性の姿があった。
「ユーノ君、練習お疲れ様」
なのははにこやかに言い、両腕に持った二本の缶ジュースのうち片方をユーノへと差し出した。何と無く流れ
のままに受け取り、そのユーノの掌に冷たい感触が広がった。
「持った瞬間に僕を道連れに破裂?」
「しないってば。そんな面倒な方法」
「本人前にしてひでぇな。ってか面倒な方法って、オイっ!」
ヴィータの叫びは虚しく響き、麗らかな秋空の中に消えた。思わず立ち上がったヴィータだが、一々瑣末な事
で感情を荒げるのも物憂く思って静かにベンチに腰を落とす。
なのはとユーノが揃ってジュースの缶を開封する音が、喧騒から離れたこの場所に小さく鳴った。なのはが両
手で缶を持ち、ヴィータの隣にそっと腰掛ける。
「ユーノ君もこういう鍛錬するんだね」
二人の正面で立ったままでいるユーノが、缶の中身を喉に流して当然といった風に頷いた。
「勿論さ。無限書庫に勤め始めてからも、検索魔法や読書魔法の練習はずっと続けてきたからね。戦闘訓練は経
験無いから、基本的になのは達武装局員の相手にすらならないけど……その分を魔法で何とか補っている感じかな」
「『補っている感じかな』って……まともな戦闘訓練無しに、十年前あたし達と渡り合ってた時点でお前も化け
物だっての。発掘調査とかで、危険察知みたいな精神的な技能は成長してるって思えなくもないけどな」
幾多の戦場を潜り抜けてきたベルカの騎士として、ヴィータは毒づかずにはいられなかった。
「デバイスも使わないユーノ君は、わたし達の世界で言う本当の魔法使いかもしれないね」
何故ユーノがデバイスやその他の補助機器に頼らないのかは、長い付き合いの彼女達でも不明だった。逆にそ
うして生身の魔法だけでデバイスを武装した魔導師と対等に戦う彼の能力は、何か得体の知れないものと対峙す
るような存在感さえも催させる。
「決勝で当たっても、わたしは全力で行くよ」
なのははベンチの上で、木漏れ日を背にするユーノを真っ直ぐに見つめた。
「うん。僕も、負けない」
ヴィータは温和な雰囲気に包まれた二人を見比べ、その視線を面白く無さそうに缶の表面へと下げた。
「何だよ。本人と顔合わせたら、結局仲良さそうにするじゃんか……」
拗ねた風に唇を尖らせ、ヴィータは湿った目で談話の一時を楽しむなのはとユーノを横目にしていた。
/
便宜的に戦技大会の会場内に区分されている公園の小さな砂場では、フェイトとアルフが三人の子供に混じっ
て砂の白を作っている。
「フェイトママ、もっと水ー」
ヴィヴィオがハラオウン兄妹と仲良く外壁を固めながら、近くの金髪の母親に空の如雨露を手渡す。
「うん。待っててね、すぐに汲んでくるから」
「早くしてね、フェイト叔母ちゃん」
双子の片割れが言った瞬間、公園全域に鋭い静電気が迸った。アルフやエイミィは、それがフェイトの身体か
ら放射された魔力の波だと言われずとも察知する。園内に設置されている魔導時計台が、フェイトの電離状態の
魔力を浴びて針の位置を狂わせた。
「……早くしてね、フェイトお姉ちゃん」
「うん」
フェイトが母性に満ちた笑みを繕い、空の如雨露を片手に園内の水道へと小走りに向かって行った。
「ふぇ? フェイトママどうしたんだろう」
「気にする事は無いよヴィヴィオ。年の離れた兄や姉を持つ女の宿命さ……」
子供姿になり、アルフは三人の無邪気な戯れに参加していた。砂の城は全高で一メートル近くにも及んでいる。
並木の遊歩道に囲まれたその公園で、エイミィが台型の遊具の頂上に座って夫の様子を観察していた。
クロノは漆黒の紳士的なバリアジャケットを精悍に羽織り、一点の曇りも無い表情で瞼を伏せている。黙然と
不動の体を維持し、端正な顔立ちは静謐でありながらもどこか凄味があった。
水道で手を洗って如雨露に水を汲んだフェイトが、エイミィの足許で一度立ち止まる。
「お兄ちゃん、さっきから何をしているんですか?」
問われたエイミィが片膝を立て、それを抱えるように腕を回した。
「さぁ? もう頭の中は決勝しか無いっていうのはわかるけどね」
「まだはやてやなのはっていう強敵が残ってるのに……」
まさしく、次の二回戦ははやてとエリオの組と対決する。フェイトとしては、先の事よりも目先の対戦でどう
立ち向かうかが重大だった。
クロノの双眸が深い思念の底から浮かび、現実の風景を認識する。
「お兄ちゃん」
フェイトがゆっくりクロノへと歩み寄った。義兄には特に疲れた様子は見られないが、然して余裕がある精神状態とも思えなかった。
「フェイト。さっきの試合で、そっちは詠唱時間や色々な魔法の制御、どれだけリミッターの影響を受けている
か自覚出来たか?」
「どうだろう。変な感じっていうのが正直なところかな……車を運転している時もそうなんだけど、高速道路と
かだと、普通じゃ考えられない速度でも、やっぱりその速さに順応しちゃうんだ。私もね、『このまま限界を突
っ切って出せるスピードまで出したらどうなるだろう』っていう、未必の故意が生まれる事はあるの。バイクだ
と風を肌で感じているし、その分だけ速さへの危機意識が働くけど、車はそうじゃないから余計に」
「あぁ……で?」
「この大会のリミッターもその未必の故意と同じ。能力限定みたいに、解除しないと一定量の実力が出せないわ
けじゃなくて、ある程度詠唱や魔法の基本工程が重圧に掛けられているって感じだから。試合中、不意に『この
リミッターを魔力の出力を沢山加算して無理矢理突破したらいいのに』って思っちゃう」
「可能といえば可能だ。運営側も、そういう展開を望んでいる側面もあるだろう。試合場外壁の結界はそう易々
と壊せるものじゃないし、観客への被害は考える必要が無い。そもそも、実力差のありすぎる魔導師をリミッタ
ーで均等にする事が目的だ。試合が始まってから、特殊な魔法でリミッターを無効化しても、恐らく反則には取
られないだろう。それもまた戦術の一つだ。だが……自爆行為である事に違いは無い。車で言うとエンストか、
精密機械のオーバーロードに近い現象だな」
「そうだね。わかってる。ちゃんとリミッターの調子を掴んで、はやてやエリオとの戦いに臨むから。お兄ちゃんは何をしていたの?」
本題に入った義妹へ、クロノは何故かはぐらかしてきた。逸らした視線の先、フェイトの肩の奥で、エイミィ
が遊具の上で含みのある笑みを飾っている。
「仲間に隠し事してたら、勝てる試合も勝てないわよ」
フェイトが横目にエイミィへ振り返り、それに同意する顔でクロノに向き直った。
「お兄ちゃん、ちゃんと私とアルフと話をしよう? 一回戦だって、私達バラバラに動いてるだけだったから……
やっぱり、三人一組の強みを前面に押し出していく方がいいと思うんだ」
「そう言われても……」
フェイトとアルフを持て余している感覚は、実際に試合を経た今、クロノの中で確固たる懸念材料となっている。
どれだけ的確な指示をフェイトに送ろうと、基本性能が高い彼女ならば、クロノの傀儡になるよりも個別に動いた方が戦力としては有意義だった。
しかし、敵が巧妙な連携で攻めてくるならば、相応の対策を採らなければ苦戦は必至だった。
「いや。フェイトは次からもアルフと好き勝手にしてくれた方がいい。決勝は特にな」
「決勝?」
早計なクロノの言葉に、フェイトはあの幼馴染みの面影を見通す。
「ついでだが、フェイト。決勝戦はデュランダルをそっちに託す」
「え……」
フェイトは絶句してクロノをまじまじと見つめた。彼は至極平静として、フェイトの軽い放心を一瞥する。
「……向こうがデバイスを使わずに来るんだ。僕も同じ立場で応えないと、僕自身が納得出来ない」
述べるクロノの横顔には、研ぎ澄まされた敵愾心が漲っていた。エイミィが遊具から飛び降り、二人へ近づく。
「ちょ、ちょっと待ってお兄ちゃん。どうしてそこまでしてユーノの事……本気でユーノの事嫌いなの?」
「バカね。そんなわけないでしょ?」
エイミィがフェイトの頭に掌をのせ、頭上の爽快な空に似合う笑顔を広げる。
クロノはエイミィに対して少々憮然としたが、否定はしなかった。
「この人がウチに呼ぶ同性の仕事仲間って言えば、ユーノくんかアコース査察官くらい。どうして嫌いになるのよ」
クロノの傍から二人して離れ、砂場へと移動する。フェイトは両手で如雨露を持ち、微かに口から見える透明
な水面を見つめていた。
「でも、あんなにムキになって訓練して……」
「ムキになるに決まってるじゃない。男って、大体そういう生き物なのよ。大好きな友達には絶対に負けたくな
いって、幾つになってもそんな子供みたいなプライドを持ってるもの。デバイスを持った有利な条件で勝ったっ
て、それは試合に勝って勝負に負けるだけ。クロノくん自身が一番認めたくない結果。ユーノくんだって同じじ
ゃないかな?」
フェイトが全く理解出来ない顔で、隣のエイミィに思い詰めた顔を向ける。エイミィはフェイトの苦悩を解消
させようと、更に彼女の頭をクシャクシャに撫で回した。
「だから、出来たら二人の邪魔をしないであげてね。貴方とアルフは思う存分ヴィータとやり合えばいいわけだし」
エイミィの言葉からすると、フェイトは義兄が大会の優勝も、試合の勝敗さえも考慮していないように思えた。
そんな実際的な結果を切り捨ててでも熱望する何かが、ユーノとの決着の個人的な是非に秘められているのだろう。
しかし、フェイトはそのクロノの心理の帰着するところが少しも考え付かない。
錯雑とする思考に沈むフェイトを近くで眺め、エイミィは最後の助言として呟いた。
「男同士の友情ってね、時には殴り合って、お互い満足いくまで喧嘩して、そうして深め合っていくものなんだよ。
ふふっ、フェイトにはまだわからないかな〜」
「うん……よく、わからない。でも、もしかしたら、私となのはもそんな感じだったのかな……」
フェイトがチラリと見たクロノの唇は、互いに勝ち上ると信じて疑わない決勝戦への想いで、微かに笑んで引
き締められていた。
/
太陽が南中光度へと進む中、大会は興奮の熱気を弥増しに充満させながら盛り上がりを加速させていた。
魔導大会主催・魔導師戦技大会 第二回戦第八試合
八神はやて二等陸佐&エリオ・モンディアル二等陸士VSクロノ・ハラオウン提督&フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官
続きます
【最萌告知】
準々決勝になのはさん登場!皆の希望を背負って、皆の分まで戦って戦い抜く。
どこまでいけるかはわかりませんが応援してあげてください。
※見たくないという方は申し訳ありませんが、「最萌告知」でNGお願い致します。
■□現在投票中!!□□□□□□□■
■□<<高町なのは@魔法少女リリカルなのはStrikerS>>□□■
投票場所 (案内→投票所→アニメ最萌トーナメント2007 投票スレRound○○)
※投票はコード必須、詳細は公式ページにて。
偽票や偽集計がはびこる今、勝っているか負けているかすらわからない混戦です。
ぜひ票を投じていただければ幸いであります。
23:00までとなっております。コード取得はPCは待ち時間あり、携帯は即時発行になります。
スレ汚しすいませんでした。
>>269 おおっとリアルタイムGJ
シャマルの折檻こえー。まさか声優ネタを素でやらされることになるたぁ……
ユーノ、ヴィータ、なのはの三角関係もさてありなん……ガリュー自重しろ。ていうか中の人!
ふーむ。ユーノがデバイスを使わないのは……なんでですかね。昔の癖?
使い魔ですがアルフやザフィもデバイス使わないですし
なんにせよ続きを楽しみに待ちます
結界魔導師だからねえ。
あと動物ベースの存在はデバイス使えないんじゃないか、リーゼしかり犬コンビしかり
単純に面白いからとかでも良さそうな。
計算機を使わずに計算するような感じ?
一切合財自分で賄うのも面白そうではあるし。
SFCクラスの計算機で動いてる宇宙船の中に居ながら
計算尺片手に軌道計算の検算やるようなノリだな。
>>269 やばいな。ガリューの中の人、すっげぇ気になる。
ユーノが使わないのは結界魔道士は元からあんまり使わないのもあるだろうが、演算得意だから必要ないってのもあるかもな。
個人的にはそういうデバイス抜きでの術式構築速度とか精密性に関してはユーノは他のメイン陣と大凡互角と思ってるんだがどうなんだろ。
>>269 毎度毎度楽しませてもらってます。しかし、
スターライトブレ『イ』カー だったよな? 確か
>>269 GJぅ。にしてもあれだな、はやてさん名言自重してください。
あとフェイトさんの細かい可愛さをどうにかしてください。なにこの俺の嫁。
ザフィやユーノは使わないっつーか使ってもデメリット多そう。さしたる攻撃出来ないんだし<デバイス
片手塞がるし、カートリッジシステム以外結界魔道士がデバイス使うメリットって何かあるかね?
電卓より暗算の方が早い人間も稀に居るしな
そこまででなくても慣れたらまぁ無くても困らないんだろ
>>269 クロノのプライドが子供っぽいながらもかっこ良いと感じられました
GJです
>>269 ガリューの中の人の人気に嫉妬w
しかし、クロノも相変わらず大人気ないなぁ
五つも年上なんだからもっと余裕持てってばw
>>277 咄嗟で反応できなかった時に、オートで設定しておいた防御魔法発動してくれるとか
記憶媒体としても有用じゃね?
ユーノだと敵の攻撃を空のカートリッジに封印する程度はやりかねんな
282 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:34:34 ID:oRBXZ/1D
246氏、最近見ないけど仕事急がしいのかな。
前回投下したssの続きが早く見たいZE!
Namelessは最高だったし、戻ってきて欲しい。最近荒れてるが。
sage忘れ失礼。
>>269 はやてがおっぱいタッチを許すだと!?
負けても慰める為に許可してくれそうだ!!
>>269 流石なのはさん、脅しが板についてるぜw
フェイトも(双子に対して)頭冷やそうとするのを期待したのは俺だけでいい。
>>281 いやむしろ育ての親の鬼面道士に貰った魔法の筒にモンスターを封印して仲間に
「お供え者と3つの袋」、「Never Give Up!」の更新GJGJです!
この二つの更新が連続したせいか、「お供え者と3つの袋」のユノヴィの本気度とか、
Never Give Upのおまけ程度のユノヴィなのはが気になってしかたないです。
ヴィータかわいいよヴィータ。
長いことデバイスを使わないで魔法を使ってるユーノは知らないうちに、
独自の新しい演算方法みたいなの産みだしてそう。で、知らないで使ってそう。
で、じーさんくらいになってなんとなく本を出しても、すっかり知名度が下がってて売れなくて、
死後しばらくしてワゴンセールの古本をパラ読みした技術職員がビックリしたりしそう。
>>286 そしてスバルやティアナと一緒に、ピンク色の魔力光の大魔王様を倒し行くのだな
>>288 なのは「そう――わたしがなのは。大魔王なのはなの」
GJです。毎回楽しませてもらってます。あとなんでユーノはデバイス
使わないんでしょうね。ユーノなら鞭とか似合いそう。
考古学者=インディージョーンズ的に
この流れをザンバーしつつ投下しますよ。
……今回はオリキャラ×スバルだけなので、ちょっと癖が強いかも知れません。
15th session〜想いの結晶、月の女神よ〜
『フェザーショット・スナイパー』
「……シュート!」
撃ち出された魔力弾は一直線に的に向かって行き……、的の横の木にぶつかった。
「っく……」
『やっぱり今の私じゃセカンドは無理ね……』
少し落ち込んだように呟くアマテラスに、フィレスは微笑んで答える。
「大丈夫だよ。カノン撃てたら何とかなるから。それに、この部隊の戦い方からして、狙撃しなきゃいけないって訳じゃないしね」
『……ええ……。……あれ?』
「どうしたの?」
突然声を上げたアマテラスに、フィレスは首を傾げる。
と、
「フィレス!」
「わ!?」
突然後ろから誰かに飛び付かれて、フィレスは大きくバランスを崩す。
飛び付いたのは、スバル。
「ス、スバルさん!?」
「えへへー……」
さすがに赤くなるフィレスと、ぎゅっとフィレスを抱き締めてご満悦のスバル。
「ど、どうかしたの? 何か用?」
「うん! ……フィレス、ちょっと付いて来てくれない?」
「え、いや、僕もう少し訓練したいんだけどって引っ張らないでよ……」
フィレスの抗弁を全て無視してぐいぐい引っ張るスバルに、フィレスは困惑する。
「……一体どこ連れて行く気なんだよ……」
「着けば分かるよ♪」
そう言ってぐいぐいと手を引くスバルに、フィレスは諦めたように付いて行く。
それは、傍から見ると、仲睦まじく歩いているカップルにしか見えなかった。
「シャーリーさん、連れて来ましたよ!」
「あ、ありがとね、スバル」
あれよあれよと言う間にデバイスルームまで連れて来られたフィレスは、少し憮然とする。
と、それを見たシャーリーが苦笑して、口を開いた。
「ごめんね? いきなり連れて来ちゃって」
「……いえ、別に。……でも……、理由くらいは聞かせてもらえますよね?」
そうフィレスが言うと、シャーリーは右手をフィレスに突き出す。
そこには、見覚えのあるカードが握られていて。
「……それって……!」
「うん、完成したんだ。サポートデバイス……『アルテミス』が」
そう言ったシャーリーに、フィレスは表情を綻ばせ……、
……首を傾げた。
「完成したのはいいんですけど……、何でスバルさんが知ってるんですか?」
「起動させて見れば、分かるんじゃないかな♪」
そう何故か楽しそうにシャーリーに言われ、フィレスは首を傾げながらアルテミスを受け取る。
「……アルテミスだけでもセットアップは可能ですか?」
「……うーん……、あくまでサポート用にセッティングしてあるから、単体じゃ対して役に立たないよ?」
「そうですか。……それじゃあ……同時セットアップ、かな」
そう言うと、フィレスはスバルに引き摺られて行く最中に待機状態に戻していたアマテラスも、アルテミスと一緒に構える。
「アマテラス……アルテミス! ツイン・セットアップ!」
『『スタンバイ・レディ』』
「―――っ!?」
その瞬間、初めて聞こえたアルテミスの音声に、フィレスは目を剥く。
しかし、セットアップと言った以上、バリアジャケットの装着は自動的に進んで行って。
「……」
バリアジャケットの装着が終わり、フィレスは呆然と立ち尽くす。
バリアジャケットは左腕にガントレットが、両肩に白いラインが追加されていたが、それを気にする余裕も無く。
……聞こえて来たアルテミスの音声。それは……、スバル・ナカジマの声だった。
「……驚いた?」
「……ええ、とても」
そう言ったフィレスに、スバルは真っ赤になってもじもじし、今にも逃げ出しそうになる。
と、そんなスバルをフィレスは抱き締めて、言った。
「……こら、逃げないの」
「うう……」
「スバルさんの声が入ってるなんて思ってなかったから、凄くびっくりしたよ。……でも……どうして?」
そう言ったフィレスに、スバルは真っ赤な顔のままで言った。
「あ、あのね!? わ、私達……その……、……付き合ってるでしょ?」
「うん、1週間前からね」
「だ、だけど、私達ってあんまり一緒に戦えないでしょ?」
「……そりゃあ、陸士と空士だからね。エリオ君とキャロちゃんみたいに互いに守りあいながら戦うのは無理があるよ」
そうフィレスが頷くと、スバルはそれに勇気付けられたように口を開く。
「だ、だから、声入れたの!声だけでも、その、一緒に戦いたかったから……」
そう言うと、スバルは耳まで真っ赤になって俯く。
そんなスバルを、フィレスはぎゅうっと思い切り抱き締めた。
「ふひゃあ!?」
「……あーもー……、どれだけ可愛いんだよスバルさんは……」
そのまますりすりとスバルに頬擦りするフィレスに、スバルは真っ赤になったままで硬直する。
と、
「……ごほん」
「……げ」
「きゃあああっ!」
突然シャーリーが咳払いして、フィレスは硬直し、スバルは悲鳴を上げて飛び上がった。
「ラブラブな所悪いんだけど……、アルテミスの具合はどう? フィレス君」
「え、あ……、……一応は、大丈夫みたいです。細かい所は実際に戦闘機動させてみないと何とも言えないですけど……」
「……ラブラブなの、否定しないんだ♪」
「……目の前で見てて、否定するも何もないでしょうに……」
……以上、悲鳴を上げたままフリーズしたスバルを前にした会話である。
「……フィレスのばか……」
「あはは……ごめんごめん」
真っ赤っかになって膨れるスバルに、フィレスは苦笑しながら謝る。
あの後シャーリーに散々からかわれ、スバルはずっと真っ赤になりっぱなしだった。
「……うー……」
ぎゅっとフィレスの服の裾を握って涙目になっているスバルに、フィレスはにこにことした笑みを向け続ける。
しかし、その笑みの下では、今にも崩れそうな理性と必死になって戦っていた。
「(あーもー、何でこんなに可愛いんだよスバルさんは!)」
フィレスの背はスバルより5cm程高い。だから自然とスバルはフィレスを上目遣いで見る事になって。
涙目で、真っ赤で、上目遣いで大好きな人に見られ、フィレスの理性はぐらつき……、
「……ねえ、スバルさん」
「え? ……んっ!?」
……スバルに声をかけ、スバルが顔を上げた瞬間、その唇を奪った。
思いがけない事に目を白黒させるスバルを尻目に、フィレスは触れていた唇を離す。
すると、スバルは一瞬呆けたようにしていたが、すぐに混乱した。
「な、な、な!?」
「……ごめんね? スバルさんが可愛かったから……」
混乱しているスバルにフィレスがそう言うと、一瞬でスバルの顔が真っ赤に染まった。
「ばか! ばか、ばかばか!」
「痛っ、いたたた、痛いですよ、スバルさん」
ぽかぽかと殴ってくるスバルに、フィレスは笑いながら痛がる。
火を噴きそうになっているスバルに、フィレスはにっこりと笑い……、
もう一度唇を奪い、今度は深く口付けた。
「んっ!? んん、んむむ!」
その途端、びくん、と雷に打たれたように仰け反ろうとするスバルだったが、フィレスは逃がさない。
思う存分スバルの口内を荒らすと、フィレスは満足して唇を離す。
と、完全に脱力したスバルが、くたくたとフィレスにもたれかかった。
「……ば……かぁ……」
息も絶え絶えになってそう言ったスバルを、フィレスは満面の笑みを浮かべて抱き締めた。
これで終わりです。
アルテミスにスバルの声入れるのは結構前から考えてました。
S2Uという前例もありますし、声を入れるのは絶対に可能ですしね。
次回はようやくユノなのエロになります。
>>269 エリオがシャマルさんのそれ食らったら「英雄なんて(ry」って言うんだろうなあw
後ガリュー自重w
>272
わかってて書いてるかもしれんが、一応w
ユーノは動物ベースじゃないぜw
人間だ。
一期と二期では、魔法で動物に変身してるだけだw
あと、攻撃魔法が使えないからデバイス持っても意味がないみたいなことは
言ってたような。
でも、キャロみたいなブーストデバイスなら持ってもよさそうだよなぁ。
あるいは、書庫つながりで魔導書型ストレージとか。
いや、そこは魔導書型アームドで。
足の小指とかこめかみとか(ry
ユーノは死霊秘法系のヤバ気な魔導書持たせたら確変起こしそうで怖い
パンチカードだけで構成された頁を平気で読み進めるんだな。
格好からするとレザード風に腕輪とか手袋とか・・・
マント型デバイスってのも新しいかも
302 :
26-111:2007/10/27(土) 01:18:51 ID:l3lkQcJQ
>>231氏
GJ!!っていうか色々怖いっ!!
次回でラストになりますか・・・決着の形を楽しみに待っていますぜ
さて、紳士にあるまじき事に、前スレでは1本も投下できなかった駄目な私です・・・
そして前スレ550氏の電波に悪乗りで便乗して、酒の勢いを借りてエロい小ネタを一つでっち上げてみました
投下予告です
・メインはエリオとシャマル
・エロ有りです
・使用レス数7レス
・タイトル:世にも奇妙な・・・
では、投下します
「んっ・・・ちゅっ・・・ぷはっ」
ようやく唇が解放されて、彼女・・・シャマルは大きく息を吐いた
上気した頬、快楽に潤んだ瞳。艶やかな唇から漏れ出る熱い吐息は甘く、少年の精神を狂わせてゆく
椅子に座っていたところを強引に抱きすくめられて、そのまま唇を奪われ・・・突然の事態に硬直した身体を蹂躙するように口腔を弄び・・・
やっと離れた唇には、たっぷりと絡み合った証拠が二人を繋いでいた
「エ、エリオ君・・・?駄目、やめなさい・・・」
「・・・嫌です・・・それに、誘ってきたのはシャマル先生じゃないですか・・・」
いつになく暗い口調でそう呟いて、エリオは抱擁をさらのきつくして再びシャマルの唇に貪りついた
少年らしい照れや、エリオらしい優しさなど微塵も感じられない、獣の様な粗々しい接吻に、シャマルは背筋を粟立たせていた
恐怖と羞恥と、ほんの僅かな快感に・・・
○世にも奇妙な・・・
最初は、ほんの冗談のつもりだった
訓練中にできた傷なのだろう。腕や顔に擦り傷を創ったエリオが医務室にやってきて、シャマルはいつものように手当をしていたのである
治療魔法に頼りすぎると身体の自然治癒能力が落ちる為に、よほどの重傷でもない限り治療魔法での治癒は行わない・・・今回もそうだった
腕にできた擦り傷に消毒薬を塗ってガーゼを当て、包帯を巻く。そして、頬の擦り傷にガーゼを当てようとして、
「あら?ガーゼ、切らしちゃってたわ・・・ごめんなさい。うっかりしてたわね」
うっかり、ガーゼを切らしていたのである。ついでと思って色々漁ってみれば、薬や包帯、絆創膏等の応急治療品は少々品薄になっていた
「うーん、困ったわね」
「あ、大丈夫です。シャマル先生。こんな傷、舐めておけば直りますから」
明るい笑顔でそう言うエリオだが、頬の傷というのは少々見ていて痛々しい・・・シャマルは治療魔法を使おうかとも思ったが、少し、悪戯心を抱いてしまった
内心はにやりと笑いそうになりながらも、表面上は困った顔を取り繕って、シャマルは訊ねる
「でも、頬の傷をどうやって舐めるの?」
「え?あ、えーっと・・・」
目一杯舌を伸ばすエリオだが、流石に頬骨付近の傷までは舌が届くはずもない
百面相じみた表情の変化に苦笑しながらも、シャマルは座っている椅子を寄せて、エリオの両肩に手を置き・・・
「んーっ」
「しゃ、しゃ、しゃ、しゃまるせんせいっ!!?」
「ん、もう、駄目よ。じっとしてて」
彼の頬に唇を寄せて、頬の傷にそっと舌を這わせていった
エリオは慌てて押しのけようとするが、シャマルは構わずエリオの頬を舐め続ける。血の味に混じって、少し汗の塩辛さを感じる
大人びた少年だが、やはり体つきは子供らしく、丸い頬の舌触りは意外な程柔らかだった
「シャ、シャマル先生・・・やめてください。恥ずかしいですよ」
「治療を恥ずかしがってちゃ駄目よ、エリオ君。それに、誰かに見られてるわけでも無いじゃない」
「で、でも・・・」
「・・・それとも、先生にキスされるのは嫌?」
「いっ!!?い、嫌とかそんなんじゃなくて・・・と、とにかく離してください」
「駄目、もう少し・・・ん、ほら、大人しくしてて」
小柄な身体をぎゅっと抱き締めて、シャマルは構わずエリオの頬の傷を舐めてゆく
エリオは、至近距離にあるシャマルの肌の白さと髪の香り、頬を往復する舌の熱さと、胸に押し当てられる豊かに弾む感触に心を奪われ、
少年の中の“雄”が目覚めたのはその時だった
目前にあったシャマルのおとがいを舐め上げたのだ
驚いて仰け反るシャマルの抱擁を振り解いて、逆にシャマルの身体を椅子に押しつけるように抱き締めて、その唇を奪った・・・そして、冒頭に至る
喉の奥まで入り込んでくるような感触にシャマルは涙を浮かべているが、エリオは構わず口内を蹂躙していた
唇から舌を挿し入れながら、シャマルの舌を甘い唾液と共に吸い出すようにしゃぶり、頬の内側から歯並びに沿う様に舌を進め、彼女の味を天上の美味であるかのように貪り尽くす
拘束から逃れようと、抵抗していた身体から徐々に力が抜け・・・やがて、くったりと、糸が切れた人形のようにシャマルの身体は弛緩した
エリオは唇を解放すると、シャマルの身体を抱き締めたまま、彼女の顎から喉、胸元にかけて唇を押し当ててゆく
「んっ・・・あっ、駄目っ!跡が残るからっ・・・!!」
そんな言葉に耳を貸さず、エリオはきつく吸い立てて、シャマルの白い肌に黒い刻印を点々と残してゆく
名画を汚すような罪悪感に少しだけ胸が痛んだが、それも快楽に歪んだ彼女の顔を見て罪の意識はあっさりと投げ捨てた
「・・・こんな風にされるの、好きなんですね。シャマル先生」
「ち、違うもんっ!こんなのっ、ほ、本当に嫌でっ、!ひゃぁんっ!!」
制服の上から乳房をまさぐっていたエリオの指先が、硬く膨らんでいた乳首を捉え・・・ぎゅっと抓り上げるように指先で挟み込んだ
瞬間、乳房の頂点から走った甘い電流にシャマルは身体をびくりと震わせて、嬌声を上げてしまった
その反応に、エリオはうっそりと、邪悪に嗤う
「嘘ですね・・・本当は、こんな風に何人も誘惑してたんじゃないんですか?」
「そ、そんなことっ!」
かっと頬に朱が差す。羞恥ではなく怒りの為に
頭突きの一発でも叩き込もうとエリオの顔を睨み付けて、シャマルは動きを止めた・・・止めさせられた
エリオの双眸から、涙が零れ落ちていたからだ
「・・・幻滅、しましたよ・・・シャマル先生が、こんな人だったなんて・・・」
「エ、エリオ君?」
口元に浮かべた、邪悪に歪んだ笑みはそのままなのに、エリオはぽろぽろと涙を零していた
「・・・ずっと、ずっと憧れてたのに・・・ずっと、いつか釣り合えるようになりたいって思ってたのに・・・」
「・・・エリオ・・・君・・・」
「こんな・・・こんな形で・・・傷付けたくなんてなかったのに・・・」
心に噴き上がってきたどす黒い“雄”としての衝動に突き動かされながらも、エリオはシャマルに伝えたかったのだ。ずっと、憧れていたと言うことを
「ごめんなさい、ごめんなさい・・・シャマル先生・・・でも、止められないし、止めたくないんです・・・!!」
涙を零しながらも、エリオは強引にシャマルの制服を掴み、ボタンも外さず強引に前をはだけさせた
あまり飾り気のないブラジャーと、白い胸元とお腹が目に飛び込んでくる。エリオは躊躇無く彼女の素肌に抱き付くと、快楽の為か、しっとりと汗が浮かんだ肌に吸い付いた
愛撫と言うにはあまりに荒々しい行為だが、シャマルは構わず、腰にしがみついている少年の赤毛をそっと撫でて、
「んっ!・・・い、良いわよ・・・エリオ君」
「・・・え?」
「ごめんね・・・でも、そんな風に、思っててくれて、本当に嬉しいから・・・だから、良いよ・・・エリオ君の好きにして」
「シャマル先生・・・」
「シャマル、って呼んで・・・」
「だったら、僕も、エリオって呼んでください・・・シャマル、さん」
「さん付けじゃなくても良いのに・・・んっ、あんっ!!」
豊かな乳房を押さえ付けるようにしていたブラジャーを捲り上げて、エリオはぎゅっと彼女の膨らみを握り締めた
どこまでも柔らかい乳房だが、芯の方ではぷるんと弾むような感触が掌に返ってくる・・・その感触の楽しさに、エリオは夢中になって乳房を揉んだ
「んっ・・・は、あんっ・・・良いよ・・・でも、触るだけ・・・?」
「・・・じゃあ、いきますよ」
眉根を寄せた、蠱惑的な表情のシャマルに懇願されて、エリオは硬くしこった乳首に唇を寄せた
上唇と舌で転がすように弄り回しながら、きゅっと甘噛みする。空いたもう片方の乳房は、ゆさゆさと揺するように触りながら、乳首を膨らみに埋めるように指先で押し潰す
襲い来る快感に、シャマルは椅子ごとひっくり返りそうになりながらも、何とか背もたれにしがみつくように捕まって、エリオの愛撫に耐えていた
性経験など皆無だろうに、天賦の才なのだろうか。少年の愛撫は想像を絶する程の快楽を与えてくる
立ち上がってベッドにでも行きたいのだが、胸から走る快感の電流は、完全にシャマルの足腰から力を奪い去り、
彼女はエリオにされるままに、おとがいを反らして嬌声を上げ、身をくねらせて快感に打ち震えていた
エリオは、スカートの中に手を突っ込み、ストッキングを膝までずり下ろした
むっちりとした白い太腿が眩しい。しっとりと汗を帯びたその美脚の奥からは、既に匂い立つほどの“雌”の色香が漂ってきていた
エリオはスカートもたくし上げると、ショーツ越しに、汗以外の水気を帯びた染みの上から、ぐっとシャマルの秘部を撫で上げた
「ん、はああぁぁぁっ!」
股間から走った、かつて無いほどの快楽の奔流に抗いきれず、シャマルはエリオの身体にしなだれかかるように抱き付くと、腰を震わせながら快感が収まるのを待った
「・・・シャマル、さん。凄く濡れてますよ・・・それに、凄く熱い」
「や、やだぁっ、そんなの、言わない、で、っ・・・ん、ん、んんーーっ!!」
ぐちゅり、という湿った音と共に、クロッチの脇から侵入してきたエリオの中指が、熱く潤った秘部に突き込まれた
挿入された指先にきゅっと絡みつく感触を確かめながら、エリオは指先をくいくいと曲げて、膣中を指先で掻くように刺激する
その度に、シャマルの身体は跳ね上がり、エリオの掌を伝い落ちて椅子に流れ落ち、床に小さく溜まる程の愛液を垂れ流していた
「シャマルさん、こんなに垂れ流して・・・まるでおもらししたみたいですよ」
「っ!おもらしなんて、そんな、エ、エリオがそんなにもするから・・・っ!!」
「そんなに・・・何なんですか?」
嗜虐的な笑みを覗かせて、エリオはシャマルを見上げて訊ねた。指先は先程から、もぐもぐと絡みついて離さないシャマルの膣に呑み込まれたままだ
顔を真っ赤にして言い淀むシャマルの姿に、エリオは少しだけサディスティックな気分で、ショーツ越しでも見て取れるほど膨らんだクリトリスを親指の腹で押し潰した
「だ、駄目ぇっ!それ、駄目ぇぇっ!!」
「良いですよ、思いっきりイッてください。恥ずかしそうな顔も可愛いですよ?」
「ダメッ!ふぁっ、あ、あぁっ!!いく、いっちゃうっ・・!!!っ!!!」
絶頂に、一際強くシャマルの膣が絞り上げるように収縮する。挿し入れている指の隙間から愛液が噴き出し、飛沫となってエリオの顔に散った
エリオは、汗の味にも似たその液体を舐め取って、絶頂の余韻に弛緩しているシャマルの身体を抱えると、床に膝を突かせ、身体を椅子に預けさせた
お尻を突き出すような格好にすると、スカートを腰まで捲り上げて、ショーツをストッキング同様にずり下ろす
赤ちゃんのようなすべすべした白いお尻と、愛液を垂らしながら薄紅色にヒクつく秘部というコントラストに、エリオは目が眩むような興奮を覚えた
医務室に、ジッパーを下ろす音が妙に大きく響く
「・・・ちょ、ちょっと、これはやり過ぎかな・・・?」
真っ赤に染めた頬を両手で挟んで、シャマルは改めて原稿を見直す・・・そこには、後背位で犯されている自分の姿。犯しているエリオの姿
脳裏と原稿に描かれているような事が起こる確率は限りなく0に近いだろうに、こうして絵にしてみると・・・
「わ、私、ちょっと欲求不満なのかな・・・?」
高鳴る胸を押さえて、誰に言うでもなく彼女は呟いた
サディスティックな笑みを浮かべたエリオに辱められながら、次第に快楽に負けて淫らに蕩けた表情になってゆく自分
犬の様な格好で犯されながらも、腰を揺すって快感を貪り、最後はエリオの膣中を白く汚される・・・自分で描いたのだが、本当に自分が書いたのかと疑いたくなるような原稿である
普段は、少々健全ではない女性向け、時に男性向けをメインにしている筈なのだが、これはどういう電波だろうか
エリオをネタにしたことは何度かあるが、何故選りに選って相手役を自分にして描いたのだろうか。こういうシチュならば、相手役はフェイトかシグナムが最適だろうに
そういう展開は何度も描いてきた。時には愛のある交わりで、時には力尽くで組み伏せられて犯される同僚の姿
快楽と興奮と、慈愛と献身、時に恐怖と絶望・・・普段の凜とした居住まいからは思い付くことさえできないであろう姿を描いていたけれど・・・
「もしかして・・・本当は、私自身が一番、こんな風にされたいのかな・・・?」
熱い溜息を吐きながら、高鳴る胸をぎゅっと抱き締める・・・不意に、ぴりぴりとした甘い電流が胸に走った
原稿の中に描かれている自分ほどではないが、ぷくりと乳首が膨らんでいるのが服の上からでも触ると分かる・・・その事実にシャマルはリンゴのような顔を真っ赤にして、
慌てた動きで着替えを持つと医務室を出て行き、彼女の背中はシャワールームに消えた
時間は既に深夜。緊急出動でも無い限りは医務室に担ぎ込まれるような者はいないだろう。夜直当番なのだが、シャマルはそう結論付けた
シャワールームから聞こえてくるのは、雨音にも似た、水が落ちて床に跳ねる音である
ほんの微かに、押し殺した喘ぎ声が混ざったかも知れないが、それを耳にした者は誰もいなかった・・・
翌朝の事である
シャマルは地平から姿を現した太陽を眺めながら、大きく伸びをした
朝食前には交替できるので、もう一頑張りである
何気なく外を見ていると、早朝訓練が終わったところなのだろう。訓練服の4人組・・・そろそろ新人呼ばわりされることは無くなったフォワード4人の姿があった
勿論、そこにはエリオの姿もある
その少年の姿に昨夜掻き上げた原稿を思い出してしまい、シャマルはブンブン頭を振って煩悩を振り払った
そう、あれはあくまでフィクション。妄想の産物である。現実に自分がエリオにあんな風にされることを望んでいるわけではない
そうに決まっている
・・・その筈だ
不意にドアがノックされ、シャマルは慌てて振り返り、入室を促した
ドアの向こうには、赤毛の少年の姿
しかも、腕と頬に擦り傷がある
「すみません、シャマル先生。少し怪我しちゃって・・・」
ばつが悪そうな顔でそう言うエリオに、シャマルはごくりと唾を飲み下した
ガーゼのストックも、少なかった筈なのだ
○ふりだしに戻る・・・?
310 :
26-111:2007/10/27(土) 01:25:31 ID:e4G0eZAl
以上です。最後、タイトル間違えた・・・orz
シャマル先生とフェイトそんはどこで書き分ければ良いんでしょうか・・・
まだまだ精進が足らんようです。それでは、スレ汚し失礼しました
311 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:26:10 ID:3d+bd0oW
「○○の作品は最悪だ。」など、どういう点が悪いのか理由も書かずに最悪だと言うのは批評でも何でもない事くらい分かりますよね?
今現在、この板が荒れているのはどうしてかをお考えください。
現に、この板の書き手は減少の一途を辿っています。
軽率な発言が書き手を追いやっているのです。
酷評であれ、適切な指摘と分別のある発言を心掛けてくださいますよう、お願いします。
>310
捨丸先生自重……しなくていいのでもっと描いてください。
ところで309の名前欄はいったい彼等にナニがあったんでしょうか?
そういうレスをスルーできない書き手は淘汰されていくもんだとは思うがな
かわいそうだが
>>310 やっと俺の妻のSSが投下されて感激
>>310 リアルタイムでキター!
エリシャマとは珍し良いものをみせてもらいました
>>310 これは珍しい組み合わせだなGJ!
シャマルさんの妄想は止まるところを知らないぜww
>>313 ageてるし、自治に見せかけた煽りだろ
もしくは自演
ほっとけ
>>310 リイン1stがシャマル先生を無間天国に閉じ込めたのですか><;
>>310 うおおー!エロ女医さんktkry
GJ
318 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 02:58:34 ID:YeP3diYW
>>310 GJ
しかし…[エリオの膣中を白く汚される…]
…ん?
エリオ女体化?
アッー!!
>>318 シャマルさんとエックスチェンジしたわけですねw
あー、スカがナンバーズは全員孕んでますよー的な発言したから
全員妊婦だったらいーのになー
スカの遺伝子抽出したらかわりになのはさんやフェイトさんの遺伝子撃ち込んで
ヴィヴィオに十二人の妹とか考えてたんだけどなー
ヤッパダメダッタカネー・・・
夜も更けてきたところで、
最近いまいちフェイトさんが目立たないのが寂しいので、
ちょっと投下させてくださいな
なのフェです、微妙な陵辱エロ部分が有ります
お馬鹿フェイトさんは、Sの皮を被ったMだと思うのですよ
しかし今回、フェイトさんのお馬鹿成分少なめなのです
仕方が無いので、そんな事はどこにも書いてありませんが、
行間に「ウサ耳をつけているフェイトさん」と書いてある事にしてください
ユーノが出てきます、お気をつけください
前々スレで ノノ)運命の人にエリオ分を挿入されてしまったので
意味も無くフェイトさんに反逆するエリオがちょっとだけ出てきます
実はフェイエリで頑張ってみたけど、長すぎたので没にしたのは秘密です
とか適当に長口上
パカラッパカラッと蹄の音を響かせながら、
異次元越後屋と異次元悪代官の前に姿を現したのは、
嗚呼そうだ、颯爽と青き狼に跨ったその雄姿、
我らがフェイト・T・ハラオウン執務官だ!
そして後ろに魔力欠乏でグロッキー状態のまま遠い眼をしているのは、
最近、効果音担当が板についてきたティアナ・ランスター補佐官だ!
遠い世界で頭を抱えて絶叫しているのは、
今更ザフィーラが居ない事に気がついた八神はやてだ!
今日も次元世界に蔓延る悪を討つために、
執務官のザンバーが閑話休題。
『或る執務官の浮気』
フェイトちゃんが浮気をしているような気がする。
以前は1日30時間という矛盾を抱えるほどに一緒に居たのに、
先日の休暇は、ユーノ君と無限書庫でザンバーを振り回して遊んでいたし、
その後ははやてちゃんの家で、シグナムさんと楽しく遊んでいた。
−王手だ
−ああすいません、シグナム
そこにはバインドトラップが仕掛けられているので、その角行は3T動けません
−ふむ、巧くのせられてしまったか
−ではここで、槍を獲って王手飛車取りです
−残念だなテスタロッサ、その香車はエリオだから、そう容易くは墜とされん
−うかつでしたね、仕方ないので歩を伏せ表示にしてターンエンドです
ちょっと待ってなの、はじめの「王手だ」という言葉を分解して、
キーワードとなる「浮気」という単語を入れてみるの。
そして、ノイズであると思われる言葉を消去すれば、そう
「浮気だ」
な、なんだってー!?
もう私にはどうする事もできないの!?
またしても私の前に立ちふさがるのヴォルケンリッターなの!?
…それはともかく、他にもエリオにティアナにギンガにクロノ君、
疑わしい相手は枚挙に暇が無い。
そういえば最近は夜の方も、ユーノ君を激しく虐めて虐めて虐めて虐めぬくのに、
私を全然虐めてくれない、優しいけど、虐めてくれない。
考えたくないけど、もしかして、飽きられたのだろうか?
そんな不安まみれな今日、長期任務あけで魂が抜けていたフェイトちゃんを気遣って、
そっと制服とか下着とかを使用して洗濯してあげた時に、気がついてしまったのだ。
「…これって」
ヴィヴィオを寝かしつけた後、抱え込んだ不安を解消するべく、
炬燵でまったりしているフェイトちゃんを、ちょっとお散歩に誘ってみる。
「ねえ、フェイトちゃん ちょっと私とお散歩に行こうか…」
「えーと…なのは、何か怖いよ?」
焦っている様子が見て取れて、とても怪しい。
もう我慢できない、この場で問い詰めるの。
「コレ…フェイトちゃんの髪の毛じゃないよね」
洗濯の時に気がついた、制服や下着についていた、青くて短い誰かの髪の毛。
「うん、ザフィーラの」
「え…」
あっさりと認められた。
「ええと、それってつまり」
〜想像開始
麗らかな昼下がり、ヴィヴィオと一緒にフカフカを満喫している
私、フェイト・T・ハラオウンは、ふと、思いつくままに、
ちょっとした悪戯を行なってみた。
今までザフィーラのお腹のあたりに回していた右腕を、
そっと下のほうにずらしていく。
「…ハラオウン執務官、いったい何を!?」
「へー、人間と違って、ほんとに骨があるんだ」
フカフカの毛に覆われた中、素の状態でも硬いソレを、
不規則に動かす5本の指の先で、絡みつくように嬲りはじめる。
「さきっぽがプニプニで、柔らかいねー」
「…何をしているのか、わかっているのか?」
「あんまり動くと、ヴィヴィオが起きちゃうよ」
尿道口と思われる部分を、人差し指でくりくりと穿ってみる。
制止の言葉をかけられるたびに、きゅっきゅっと強めに押し込んでみた。
顔を背中に埋めてみる、フカフカで柔らかくて、なんか幸せ。
胸も押し付けてみたのだけど、コレってザフィーラに効くのかなぁ?
そんな静かな陵辱がしばらく続いたころ、身を震わすザフィーラに、
当然の結果として、ヴィヴィオが眼を醒ましてしまった。
「ん…おーかみさんどしたの」
「び、ヴィヴィオ…」
「そろそろお友達との約束の時間でしょ、起こしてくれたんだよ」
「わぁ、ありがとー、おーかみさん」
無邪気に笑顔を向けるヴィヴィオに微笑みながらも、
私は指の動きを止めない。
「ひとりでお着替えできる?」
「できるよー!」
楽しそうな声を残して、
ヴィヴィオは箪笥のある部屋へと駆けていった。
「…もう充分愉しんだだろう、そろそろやめてくれないか」
「なんか、根元の方に瘤ができているね」
ぷっくらと、竿の根元部分が膨らんでいるのを指摘する。
それに気づきながら、私は指を動かすのを止めない。
「あ…ああ、それはそういうものであって、なにも…」
「ヴィヴィオに見られながら、射精しちゃったんだ」
誤魔化しを遮った発言に、ザフィーラの動きが止まる。
「知らないとでも思っていた? ウチにはアルフも居るんだよ」
イヌ科の動物の射精は、人間とは違い長時間にわたる。
射精時には精液が溜まり瘤となって、時間をかけて排出されていくのだ。
「わかりやすく言ってあげようか?」
耳元に口を寄せて、優しく言ってあげる。
「ザフィーラは今、射精しているんだよ」
屈辱か、諦観か、呆然と動かなくなった獣の下腹に、
やがて、漏らしたかの如く大量の精液が染み出してきた。
勢いは無いけど…こんなに量が出るんだ
これだけの量を子宮に注がれたら、
それ以前にこの歪な膨らみで膣壁を抉じ開けられたら、
私は、どうなってしまうのだろう。
「ねえ、ザフィーラ…」
〜想像中断
「駄目だよフェイトちゃん! いくら瘤があっても犬は駄目なのおぉ!!」
「え、え? 何 !? 私いったい何に駄目出しされてるの !?」
「そんなにシチュー作ってフェイトちゃんの大好きな物だよとか言わせたいの!」
「んと、普段は時間とれなくて鶏肉だから、牛肉でコトコト煮込んで欲しいな」
「うんわかった、今度のお休みにあわせて作っておくの、じゃなくてザフィーラ!」
「ありがとう、なのは え、ええと、ザフィーラがどうかしたの?」
「浮気だよ!エロエロだよ!せめてユーノ君あたりで我慢して!」
「う、浮気って、上に乗った事 !? それともしがみついた事 !?」
「フェ…」
「ふぇ?」
「フェイトちゃんの馬鹿ああぁぁぁ!!」
もういいの、是非も無いから肉体言語で語るのみなの!
撃って縛って嬲って、でもそれって私の愛なので振り向かせるの!
その後のことはもう、綺麗な景色をお楽しみくださいなの!
頭の中で、何かが切れる音をはっきりと聞いた。
《SSの途中ですが、炬燵でまったりしているフェイトさんをお楽しみください》
無理を通して道理を抑えこみ、なんとか日付の変わる前に仕事を終わらせ、
恋人と仇敵に会いに帰る事の出来た通い夫こと、無限書庫司書長は、
玄関を開け居間に至るまで、何も無いが在る状態に立ちくらみを起こし、
気を取り直して惨状の復旧に努力した後、せめて風邪を引かないようにと、
煙とか出して倒れている二人にムシロをかけてから、無限書庫に戻ったと言う。
ティアナ・ランスターは、以前から気になっていた事を尋ねてみた。
「なんでザフィーラさんは、よくフェイトさんと一緒に居るんですか?」
感情のこもらない、それ故に悲しい声色で短く答えてくれた。
「ハラオウン執務官は…昔から変わらず、我を狼と呼んでくれるからな」
記憶の上書きが苦手な人だからなぁ、などと不謹慎な事に思い当たる。
「ザフィーラさんは、立派な青き狼ですよ」
言いながら撫でる、もふもふ、もふもふもふもふ。
「感謝する、ティアナ・ランスター」
撫でても良いぐらいに好感度が上がったみたいだ。
「今度、乗せてくれます?」
余談であるが、ヴィヴィオは朝まで起きなかった。
(終)
>329 だからなんでムシロwwwあとフカフカwwwフカフカ好きwww
GJっですできればまた壊れフェイトさんをあれなんか窓の外が金色になtt
>>201 GJ!
一作目から読んできた私にとっては氏の作品はとてもよくできていると思います
最初でキャロを守り抜く誓いを立てキャロが壊れていくと共にエリオも覚悟を決めていく・・・
その覚悟がたとえ多少危なくとも、それがよりいっそうエリオの思いの強さをあらわしているようでそのかっこよさに引き込まれました
>>310 このエリオはあらゆる意味ですげえwww
GJ!
>>329 GJw
>撃って縛って嬲って、でもそれって私の愛なので振り向かせるの!
爆殺魔王なのはちゃんワロスw
>《SSの途中ですが、炬燵でまったりしているフェイトさんをお楽しみください》
nice kotatuワロスw
333 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 08:34:49 ID:P0BvLOgX
>>329 GJ!ワロタwww教導官の暴走っぷりがww
>>323が伏線とは思わなかったw あと軍人将棋ならぬ管理局将棋w
GJw
何そのカオス時代劇w
でも一番カオスなのは作者の頭だよっ!?
グッジョブでしたー
うわ、このなのはさんはもう駄目だwww
GJでした。
もっと暴走してくれw
つまんねえつまんねえ
エロくない小説ばっかなんだここ
ガキは帰れよ
スルー検定3級レベル
つまんねーマジつまんねー
>>329 GJです。
アホな子なのはさんも萌えるw
ところでシチューって何かの都市伝説だっけ?
追い炊き中に心臓麻痺って発見された時には…というのなら聞いたことある
>>340 俺もそんな話大猟奇って本でみたことがある
342 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:04:16 ID:5PnSxmR0
エリオ反逆ってそっちかよw ミッド将棋欲しくなった
>>329 GJw
素晴らしいまでにフェイトさんは痴女だし、なのはさんはネジが・・・
おk、全速力で逃げるわ
>>329 >ちょっと待ってなの、はじめの「王手だ」という言葉を分解して、
> キーワードとなる「浮気」という単語を入れてみるの。
> そして、ノイズであると思われる言葉を消去すれば、そう
>「浮気だ」
> な、なんだってー!?
キバヤシ自重wwwwww
それにしてもすばらしい壊れなのはさん…
りりり リリカルマジカル〜 りりり リリカル マジカル〜♪
何でも消滅(け)しちゃう杖(ロッド) レイジングハート♪
>>339 世の中にはユーノをシチューにして喰ったなのはさんのssやら
このスレでもクロノをシチューにしたエイミィさんやらがいてだな。
>>329 GJ!なんかこう、Sなフェイトさんにエロスを感じた。
ネットだとウミガメのスープとかかな。<シチュー
348 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:23:08 ID:vXArfw8T
>>346 下の方は見たが、上の方はわからん。
kwsk
>>346 こんどはエリオをシチューにするキャロが来るんですね?
シチューのネタを手中に収めようと申されますか
>>350 【審議中】
∧,,∧ ∧,,∧
∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U ( ´・) (・` ) と ノ
u-u (l ) ( ノu-u
`u-u'. `u-u'
駄洒落は犯罪だ。罰として市中引き回しの刑に処す。
カニバリズムってシチュエーション、究極の愛情表現だと思いません?
我が人生の師、レクター博士は
「気に入らない人間を喰う」らしいです。
たとえば楽団演奏で一番悪かったフルートを吹いていた人を調理して
楽団の皆さんに振舞ったり……
自分も映画の●を調理するシーンが一番食欲を掻き立てられてしまい(省略
>>353の意見には同意ですねw
インスタントラーメンに異常な愛情を注ぐ司書長と申したか
バカヤロそこはレトルトカレーだよ
毎晩賞味期限が後数時間で切れる刺身パックを食べる日々
ときたま温もりが欲しくてレトルトや肉まん、袋入りおでんを食べたりするのさ
……うおおおおぉぉぉおおおんん!!
>>355 俺としては作業しながら片手間に食べられるサンドイッチとかカロリーメイトとか。
付き合いでいいものを結構食べるけどそういうの以外だと最早栄養補助食品系列がお友達
あ、もしかして数日に一回はなのはと食事していると聞いたが、なのはさん食事に誘うのはもしかしてこれが理由
一方その頃フェイトさんはなのはさんの手作り御飯で心身共に温まっていた。
フェイト「完 全 勝 利 !」
扱うモノが本なわけだから、こぼしたりくっついたりで手や周囲を汚さずに
短時間で食べられるものであれば即座に仕事に復帰できてベストなんジャマイカ。
……ええ、実質的な食事時間は10分切ってますよ。ほとんど咀嚼して飲み込むだけ。
なのはさんを食後のデザートに頂くわけだな
>>360 なるほど、なのはさんにクリームたっぷりかけてペロペロするんだな淫獣め
ユーノでオフィスラヴさせようにも無限書庫に他の司書がでてこないので想像ができない。
>362
ロリ化したアルフが居るじゃないか。
オフィスラブなんかしたら、相手の娘が帰り道で桃色の魔力光の奔流に飲み込まれてしまいますよ?w
>>361 鬼畜ユーノが調教済みなのはにクリームやら蜂蜜やらを自分で身体に塗らせてHとな
なのはとユーノは管理局という巨大な職場でオフィス(?)ラヴ中です (><)!!
むしろなのはとフェイトの方が書きやすくないかw
普通にオフィスラブしてるのはグリフィスくんとルキノだけどな
>>353 つまり焼き芋と間違えられて食べられたフェレットに嫉妬した某執務官さんは・・・
「なのはっっ!! 私も美味しく食べて!!! 」
今夜のごはんはフェイトシチュー
>>370 フェイトさんで出汁をとったシチューとな
シチューで出汁とは言わないか・・・
何故かなのはさんが入った後の風呂の残り湯をおいしそうにすする執務官殿しか・・・・・・
スカ博士が飲むのか。
>>372 スバルがなのはさんの入浴後のお湯を採集しようとしたら
先に来て体毛を採集していたフェイトそんとバッタリ出くわすというネタがあったなw
ティアナがスバルのを採取しようと待ち構えていたというヲチでw
つまり、なのはさんが出た後のお風呂で鉢合わせる
執務殿と司書長殿とスバルで3すくみというわけですね。
なぁ、カオス過ぎやしないか
普通に投下待とうよ
そして横から獲物をかっさらうヴィータ
書き込み多い。投下来てる!?ってワクワクしながらスクロールした俺の気持ちを知れ
ご愁傷様
まぁ、確かに雑談でカオスるのも何だけど、雑談からネタが生まれることがあるのも
また事実だったりするからおおらかに待とうぜ
とりあえず、執務官どので取った出汁から色々と怨念めいたものが・・・
>>378 更に横からかっさらうアリサ・バニングスさん
>>383 そして零れてヴィヴィオにかかってしまってみんな揃って頭冷やされる
そこにはなぜかヴィヴィオをお持ち帰りしようとしていた騎士カリムの姿もあったという
カリムは驚いた! お湯を浴びたヴィヴィオは男の子になっていたのだ。
声が山口さんちの勝平になるんだなw
そして騎士カリムは長らく忘れていたショタに再び目覚めたのであった
>>310 シャマエリ(エリシャマ?)キター!!
すっかり堪能させていただきました!
シャマルさん実にエロイよ。サドエリオも実にいいよ。GJ!
こんにちは。
お供えです……
続き書かなきゃ……と思いながらも妙な電波を受信……
書いちゃいました……
エロはございません……
グロもありません
カップリングも特には……
暇潰し程度にお読み下さい。
391 :
お料理後進曲:2007/10/28(日) 04:13:07 ID:ZrOFMIgK
ある、麗らかな休日……
はやての部屋に、キャロ、ティアナ、フェイト、シグナム、ヴィータ……
なのはを除くフォワードの女性陣が集っていた。
普段の任務を離れ、平和な休日…………
なのだが、皆の放つ気配は、戦闘時のように、鋭く鬼気迫るものがある。
「皆……どしたん?そんなに深刻な顔をして…………」
状況は解らないが、ただ事でないこと位は解る。
何事か起きたのだろうか?
はやてが心配しながら問うと、一同は顔を見合わせたあと、代表してフェイトが切り出した。
「はやて……お願い!!私達に料理を教えて!!!」
「お願いします!!!!」
「……………は??」
フェイトに続いて、全員が地面に頭が触れるような勢いで頭を下げる。
はやては、ただただ呆気にとられるだけだ。
「いや……ちょう待って…………
何がどうなってるんか、私に解るように説明して……」
気が抜け、頭を押さえながら、はやてが聞く。
再度、顔を見合わせた一同……
今度はティアナが代表して口を開く。
「実は……ですね……」
事の始まりは、今朝。
朝食後、なのはが作ったデザートを、6課一同に振る舞った事だった。
流石は、喫茶店の娘。
その味は、そんじょそこらの店で食べる物より美味しく、皆が感動しながら舌鼓をうった。
そんな中……エリオとヴァイスの間で行われた会話……
それが引き金を引いた。
「……でも、少し意外でした。なのは隊長にこんな特技があったなんて……」
「バーカ……お前、なのはさんは特別だよ……
普通、こんな世界に足を突っ込んでると、そっちばっかしに、目がいっちまって、
料理なんてからっきしな女がほとんどなんだ。
まあ……お前も彼女作るときには、なのはさんみたいな、例外を見つけるこったな……」
「はぁ……そういうものなんですか……」
この会話……勿論、ほぼ全員に聞こえていたのだが、
ほとんどの者が、敢えて聞こえない振りをした。
触らぬ神に……と言うやつである。
だが……
392 :
お料理後進曲:2007/10/28(日) 04:14:05 ID:ZrOFMIgK
「あー……聞き捨てならないな〜……皆、それなりにお料理くらい出来るよ〜」
なのはが、呆気なく地雷を踏んだ。しかも……
「ね?フェイトちゃん??」
フェイトに話しを振ったのである。
「……も……勿論だよ……ね?ティアナ?」
エリオとキャロがいる手前、退けないフェイトはそう答え、ティアナに振る……
「え??わ!私ですか??も!勿論ですよ!!ね?スバル?」
尊敬するフェイトの手前そう答えるしかなかった、ティアナ……
……で、スバルに渡された、悪循環のバトンは、
キャロ→ヴィータ→シグナムの順で渡されていく。
その場に居ながら、この悪循環から逃れたのは、
既に料理の腕前が皆に知られているシャマルだけだった。
だが……ここまでだけならよかったのだ。
まだ、皆が可愛い嘘をついているだけだったのだから……
だが……
「ほんとかねぇ……?」
ヴァイスのこの一言が事態を決定的にややこしくした。
これを聞いたなのはがこんなことを言い出したからである。
「あー……信じてないなぁ……
それなら……今度のお休みの時、皆が1番自信のあるお料理を作って来て、
振る舞うってのはどうかな?
これなら、文句のつけようも無いでしょ」
なのはの提案に、ただで女性の手料理を食べられるヴァイスが文句を言うはずもなく……
退くに退け無い、女性陣も文句を言えず……
なのはの提案はあっさりと通ってしまったのだ……
それから数日……各女性陣は各々のやり方で努力を重ねた。
勿論、互いにアドバイスを求める事は出来ないので、
本で調べたり、主が料理をするのをジー……っと見つめたり……と、かなり不毛な物だったが。
そして、開催日が明日に迫り、
いよいよ追い詰められ、プレッシャーに負けたキャロが、ティアナとスバルに相談。
……で3人で、フェイトに相談……
後は、一気に崩れる様に真実が発覚したのである。
一同は、自分だけでは無いことに妙な安心感を覚えたが……
事態は改善されたわけでは無かった……
……で現在に至る訳である。
393 :
お料理後進曲:2007/10/28(日) 04:14:45 ID:ZrOFMIgK
「……なるほどなぁ……シグナムやヴィータが最近、やたら私が料理するのを、
じっと見とったんはそういう訳やったんか……
……まぁ……今から覚えられる簡単な料理も無い訳や無いけど……」
事情を聞いたはやては、そこまで言って、悪戯小僧の様に笑う。
「今から全員に教えるのも大変やし……一人、5揉みづつでどう?」
はやての提案に、全員顔を見合わせ乾いた笑みを浮かべたが……
結局、全員が、セクハラを受け、女性としての尊厳を守るという、矛盾した道を選んだ。
しかし……はやては、数時間後激しく後悔する
「……あかん……一人5揉みじゃ割に合わん……」
……と……
「シグナム!!野菜を一刀両断にしない!!
ヴィータ!!それ、油じゃなくて洗剤!!
フェイトちゃん妙なモンを混ぜない!!!
キャロ!!魚をフリードに焼かせない!!
ティアナ!!スバル!!逃げない!!」
……で……肝心の夕食がどうなったかと言うと出てきた品は2品。
なのはが作って来たビーフシチュー……見た目も、凄く美味しそうで、
香りも食欲をそそる。
……と、その他の女性陣の努力と……はやての魂のこもった、ホワイトシチュー……
香りは……いい……
見た目は……何だろう??ゲ○?
ともかく……その2品が……エリオとヴァイスの前に並んでいる。
「えー……そのなんだ……言いたいことは沢山あるんだが……とりあえずお疲れ様です……」
今……二人の目の前には、苦笑いを浮かべるなのはと……
どこで戦闘をしてきたんだ?と聞きたくなるような……
ボロボロで洋服が所々焦げたりしてる、女性陣がいた。
ちなみに……なのはは、はやてが料理終了後ヘルプに呼んだ為、全ての事情を知ったのだとか……
はやては、乳を揉む事も出来ぬまま力尽きたそうな……
394 :
お料理後進曲:2007/10/28(日) 04:15:37 ID:ZrOFMIgK
「とりあえず……いただきましょうか……」
エリオが空気に耐えれず、そう切り出し、料理に手を付ける。
続いてヴァイスも……
「うまい!!」
「おいしい!!!」
なのはの作ったビーフシチューは、文句無しに美味しかった。
そのまま、どこかのレストランに出してもいいほどだ。
……が二人の表情は冴えない……
(ここまではいいんだ……解ってた事だ……問題は…………)
(やっぱり食べないで逃げちゃったら……ダメなんだよね……)
各々が各々の思考を行いながら、震えるスプーンで……
ホワイトシチューと言うのもおこがましい、何かを掬い、口に入れる……
目をつぶる二人。
それをじっと見守る女性陣……
…………やがて、目を明けた二人は、目を見開いて、相手の顔を見る……
「うまい……?」
「…………ですよね?」
二人の言葉に静まり返る食堂……
やがて……
「「「「やったーー!!!!!」」」」
互いに抱き合ったり、ガッツポーズをしたり…………それぞれのやり方で喜びを表す。
「本当においしかったの?」
喜び合う女性陣から逃れて、食堂の隅に退避していた、
ヴァイスとエリオの元になのはがやってきた。
なのはの問いに、ヴァイスが頭を掻きながら答える。
「勿論……なのはさんの、ビーフシチュー程じゃないんですけどね……
……ただ……なんか懐かしいような……」
いいよどんだ、ヴァイスの言葉をエリオが続ける。
「……とっても暖かい味がしました……」
その言葉になのは、とびっきりの笑顔を見せ……
「そっか……じゃあ、お料理に1番大切なものが、沢山入ってたんだね……」
「「1番大切な物?」」
ハモる二人になのはは振り返り。
「想い……だよ。1番大切なのは……魔法でも……お料理でもね……」
なるほど……と頷く二人……
そしてニヤリと笑ったヴァイスが返す。
「……でも2番目に大切な物はまだまだ足りないみたいですぜ?」
「2番目?」
今度はなのはが聞き返す事になる。
「努力と経験。魔法の方はともかく……こっちの方は、まだまだ足りないようで……」
「それは……いえてるかも?」
3人は笑って女性陣の方を振り返る。
喜びを分かち合った、皆は、自分達の作った料理に手をつけ始めたところだった。
以上です。
最後まで読んで下さった方ありがとうございます。
>>395 ほのぼので和んだGJ
が、はやてさん揉み魔自重
GJです。
ただ、文句付ける訳じゃないんですが、三点リードを使いすぎてる気がしました。
なんというか、福本漫画読んでるような気分に……ざわ………
・・・あれ、フェイトさんってたしかAsレポートで一緒に料理してたような・・・
まあいい!こういうフェイトさんもいるんだ!グラッツェ!
おかしい・・・ フェイトさんはリンディ母さんのお手伝いなどで料理はできるはずなのだが・・・
GJ
シグナムさんのお料理地獄!
401 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 06:43:43 ID:1AbGda/Q
みんな、こう考えるんだ!
フェイトは一人暮らしするようになって、料理しなくなって腕が落ちたんだと!
>>395 GJ!!久々になごみました。
何かビーフシチューが食べたくなってくるSSですね。
ダレモイナイトウカスルナラ(ry
>>204 本当にごめんなさい……何事にも蔑ろな自分の性格をちょと根性入れなおしてきます……
(´・ω・`)こんなだから荒れちゃうんですよね……猛省します
ん……痛い子なのは自覚あるんで今更ですが。気に入らなければNG登録お願いします
(注意書き)
……でとりあえず、>98 補足資料その2。
話のテンポを最重視しているせいで、落ちてる情報の補完ってことで。
まあ、普通のフェイエリです。流れに乗って和み系で。
U−1?ああ厨強化キャロでもこの話にネタで入れておきますねwww
[フェイエリ][ちょっぴりエロ][>201の続き]
淹れたてのコーヒーをくゆらせながら、自分の執務官室のソファに座っている赤い髪の少年と隣に腰を下ろす執務官殿。
シグナムと語り合いなのか痴話喧嘩かわからない一時を過ごした後、ようやく逃げ出して落ち着いていた。
「シグナム、元気そうでよかったね」
「はい……まさかあんなに絡まれるとは思いませんでしたけど」
あはは、と本当に苦しい笑いをするしかない。
「好きだからね、本当に」
「本当に……申し訳ないです……見境がなかったのは僕なのに……」
「うん、まあ……本人がいいっていうんだからいいんじゃないかな?」
「はい……」
陽の光に満たされた、暖かい執務官室の主は、そこで白いカップに雰囲気を帯びてしっとりと口をつけた。
ふぅ、と吐く小さい吐息と微笑みが相変わらず美しい。
「でも、やっぱりなのはには謝りに行かないとね?」
「はい……」
この話になると顔を伏せてしまう少年を、カップを置いて説得の対象にする。
「年齢的にも無理かもしれないけど、行かなきゃ」
「……わかってます、わかってますけど……」
「感情的なものなら先延ばしにしてもあんまり意味はないからね?」
「はい、そうなんですけど……」
「ん?」
彼がここまで意固地になるのは珍しく、保護者もそれに気づく。
「一応、何かあるのかな?」
「えとですね……上手く言えないかもなんですけど」
「うん」
「いつか、なのはさんがティアナさんに怒った時があったじゃないですか」
「あー、あの模擬戦の時かな?」
「はい……あのときに、ティアナさんが力のないものはどうしたらいいんですか、っていう問いに
あの人は結局何も答えてくれなくて」
「ん?」
「それがずっと引っかかってて、自分でも変なんですけど」
「うん」
「あ、勿論答は自分達で見つけましたし、訓練をして頂いた事には感謝しています。
昨日の自分の主張も正しいなんて思っていませんし……」
「うん」
「実は、ストラーダを向けた後の事も夢中で、よく覚えていなんです……」
「え……あんまり良く聞こえなかったけど、なんか物凄いことを言われたとか言ってたけど……」
「はい……申し訳ないです」
「うん、まあそれは過ぎたことなんだけど、続きは?」
「あ、はい…ティアナさん本人も、いいよって笑ってくれますけど、やっぱり納得がいかなくて」
「うん」
「結局力があるものが弱いものを蹂躙していいのなら、スカリエッティや、ナンバーズの4番の人がやろうといていたことと、
あんまり変わりがないんじゃないかって」
フェイト自身の過去の経験から鑑みても――エリオの主張は考えても仕方のない部分ではあるように思えた。
「だから、弱い人間のことを考えることができなくて、ちゃんと怒ることもできなくて、
答を出せなかったあの人に、あの人にだけは、人の生き死にについて言われるのだけは許せなくて。
ティアナさんやキャロのこと考えたら……彼女達は必死に生きてるのに」
「んー……」
キャロの病気と向き合ううちに、そんなことまで考えたのかな、と漠然と原因に思い当たるが、後の祭りであった。
「だから守らなきゃって思って……あ、ごめんなさい、僕、八つ当たりみたいなこと言ってますね。みっともないです」
「あーうーん、なんとなくわからなくはないんだけど……」
「勿論なのはさんだって、命がけで戦ってくれてますし、間違ったことはしない人なんですけど……」
「んー、でも」
ここまで非を認めているんだから、もう一歩進んで欲しくてもう一度なだめてみる。
「刃を向けたことはやっぱり悪いよね?」
「はい……」
「じゃあ、謝りにいこっか?一緒にいってあげるから」
「ごめんなさい……、今は、今は無理です……フェイトさんからお伝えしておいて貰えませんか。僕が全部悪いって……」
「それなら、余計に直接行かないと」
「うー……」
「ね、エリオ、いい子だから」
「……嫌です」
ぷいっと顔を背ける。
素直で実直な普段の彼からすれば、絶対に見せないような、拗ねた横顔にときめくのも無理はない。
(可愛い……)
理論的に非も認めており、この拒絶は完全に年頃の症状でしかないのはフェイトにもわかっているから、もう少しごねてみる。
「ね、えーりお?」
「ごめんなさい、あと3、4年したら、きっといけると思うから……ごめんなさい」
座ったまま、彼の膝の上に上体を落として、顔の反対側から覗き込む。
「ね?いい子だから、ね?」
「うー、お願いですから……」
再び体を起こすと、体を抱き寄せつつ顔を寄せる。
「そんな我侭言うと、キスしちゃうぞ?」
「え、えええ?!ふぇ、フェイトさん!?」
驚いて顔を合わせると、じっと見つめられてしまう。
(わー…どんどん大人っぽくなるなあ…)
どきどきしながら、顔を近づけるが、そっと肩を止められる。
「だ、だめです。僕にはキャロが」
「ボーダーは治っちゃったら、ふられるかもしれないよ?」
「う……」
こんな時に無駄に豊富な知識を生かす。これでは魔性の女である。
目の前でふわっと優しく微笑む顔がとても綺麗で、彼も強くは拒めない。
「ね?だから、ね?」
「だ、だめですって」
顔を背けるが、ほっぺたを両の手で挟んで、こん、と額をぶつけた。
「いつか……私が落ち込んでたときに、キスしてくれたよね?」
「あ、ああ、あれは、め、目の前に口があったからつい」
目線だけはなんとか抵抗しようと逸らすが、相手はなかなかの強敵であった。
「あれ、凄く気持ちよかったよ」
「え、ええ……」
「だから、ね?」
間近で少し頬を染めて可愛く微笑まれて、すべすべとした柔らかい手の平に頬を挟まれて、いい匂いまでして理性が飛びかける。
なかなかOKを出してくれない愛しい子にもう一度おねだり。
「ね?していい?」
「だ、だ、だめです…」
「ね?きもちいいよ?」
「だ、だから僕には……」
(もー限界!)
そこで保護者の方がぽきっと折れて、おもむろに唇を塞ぐ。
「ん……」
強い抵抗がないのをいいことに、しっかりと深く口付けるフェイト。
しばらくしていると物足りなくて、しっとりと舌まで忍び込ませる。
「んーv」
「ぅ……」
ぐちゃぐちゃと唾液の絡む音に頭の芯までお互いにしびれながら、ひとしきり貪りつくして、ようやく離れた。
「ね?謝りにいこ?」
「うー……」
やっと離された手に、エリオは再び顔を背け、どうにもまだ転ばないようである。
じゃあ次はーと上着を脱いだ後、背中を預けて、彼の両の手をとった。
「ふぇ、フェイトさん?」
「じゃー胸もー」
「ええええ」
そのままそっと取った手を自身の胸に触れされる。
「ね?柔らかいでしょ」
「それはそうですけど」
そしてそのまま重ねた手を使って、一緒に胸を揉ませた。
頭を彼の首もとに預けて、甘いため息をつくフェイト。
「ね?柔らかいでしょ?」
「そ、それ、は」
触ってもあるかないかわからないようなキャロの胸とは違って、服の上からでもはっきりとわかる弾力と凶悪な柔らかさ。
ゆっくりと揉んで触れさせながら、上気した頬と共に仰け反らせた白い首と、耳元に届く熱い吐息が、彼の思考を奪いかける。
「はふ…っ……ね?いこ?」
「だ、だから……」
「うん?あっ…あっ…」
説得なのか交わりなのかわからない触れ合いに、混乱が増してくる。
「ね……?エリオ……?」
「うううう」
そのまま今度は顎下から何度も優しく口付ける。
「うっ……あ……くすぐ……」
「……ん……ちゅぅ……」
女性の豊穣な香りに包まれて、頭の中まで染まっていく。
そっと舐めるとびくっ、と時々震える体が愛おしくて、耳元にまで息を吹きかける。
「ふぇ、フェイトさん!」
「うん……?」
嬉しそうに微笑みながら、離れて体を裏返すと、もう一度こつん、と額を当てる。
「ね……?いい子だから、いこ?」
「うう……」
そしてもはや説得なのか口説きなのか分からない状態で、肩を抱きしめながらぐちゃぐちゃと口付ける。
「んーvんーv」
「んんっ……」
意思の確認などそっちのけでキスにどっぷりとはまっていく。
舌でかき混ぜ、唇をはさみ、そしてまたしっかりと含ませて唾液を絡み合わせる。
それから彼の下半身にズボンの上から触れると、しっかりと固くなっていて、触れられた側もびくっと震えた。
「大きくなってるよ?」
「だ、だめですって……」
手で除けられて、不満そうに唇を尖らせ、馬鹿っぽい台詞を返した。
「え〜、つまんな〜い〜」
どっかの世界の女子高生よろしく、ひどく頭の悪い台詞であったが、彼女が言うとそれですら可愛らしく品があるのは、人柄というべきであろうか。
もう一度抱きつきながら、艶っぽい瞳でおねだりを再開する。
「ね……エリオ。きっとすっきりするよ?」
「ううう、お願いですから……」
「うん?抱いていいよ?行くって言うなら」
「ふぇ、フェイトさんまで」
「ね?」
そういって短いキスを繰り返す、目の前にある潤んだ瞳と濡れた唇に何もかも忘れ去って襲い掛かりそうになるが、
(エリオ君――)
大切な人の声が頭に響いてかろうじて踏みとどまる。
「うう、お願いですから」
「えー」
今度は少年の胸や腹部をゆっくりとまさぐりはじめた。
「ふぇ、ふぇふぇ」
「うん?」
ひどく楽しそうに、手の動きと頬へのキスを繰り返す。
「だ、だめですって」
再び下半身に触れると、さすがの彼も背筋に快感が走った。
「うあ……っ」
「気持ちいい?」
「う………」
(エリ――)
脳内のキャロの問いかけで、もう一度なんとか抵抗して腕を外すが、肝心の人は盛りがついていた。
しっかと抱きついて、見上げながら、懇願まで始める。
「ね?エリオ、行こうよ?」
「で、ですから……」
「お・ね・が・い・v」
「ううううううううう」
食べていいよと言わんばかりの瞳と、甘い囁きと、濡れた瞳の凶悪さは半端ではない。
「だ、だから」
「うん?私じゃいや?」
「そ、そんなことは全然」
「だったら、いいよね?」
「ううううう」
「ああ、もういいよ。謝りに行かなくていいから、しよ」
「え、ええ?」
「だめ?」
「だ、だめじゃないですけど」
「ね……しよ」
優しく色っぽく微笑まれて、そして瞼を閉じて唇を近づけられて、ついに抵抗が全てぶっ飛ばされそうになるが――
(―――)
聞こえなくなってしまった少女の声に、冷水をかけられたかのように、頭をがっくりと下げてしまった。
「おねがいです……安易に抱くのは……もう嫌なんです……」
赤い髪の下から聞こえてくる涙声に、さすがのフェイトも、むぅ、と冷静になると、抱きしめる。
残念ながら完全に母親の抱擁であった。
「うん、わかった……でも、ちゃんとそのうち、仲直りしてね?」
「はい……」
「あと……ふられてからでも、私の所にきていいからね?」
「……はい」
仕方なさそうに微笑む彼に、小さくキスをして、ようやく体を離して隣に座りなおす。
「んー、でも悔しいな。やっぱりキャロには勝てないのかな」
「え、ええ?」
「ちょっと羨ましいかも。こんなにエリオに想われて」
「え、えーと」
恥ずかしげに指を合わせるエリオが、ここでやっと歳相応に見える。
「魔法だったら、まだまだ負けないんだけどなぁ……」
「うーん……僕はともかくキャロはもっともっと強くなれそうな気がしますけど」
「そうだね。不器用だけど魔力値そのものは余裕ありそうだし、射撃も使えるし――」
「はい、近接のデバイスを持っても、いいかなーと思うんですけど」
「そ、そっかな?なんか危なっかしいような……」
「フェイトさんができるんだから、大丈夫なんじゃないかと」
「なーんーだーとー」
生意気を言う口ごと両の頬を指先で引っ張るが、あんまり反論できたものではないので、そこそこで追求は止まる。
「いだだ……」
「んーでも想像がつかないかな……」
「え?そうですか?薙刀みたいなのがいいかなーとか思うんですけど……」
「ん?どんなの?」
「例えば……」
〜
海上を高速でフリードを抱えたままバリアジャケットで飛行していたキャロは、
先端の尖った金色のデバイスを持った空のエースに行く手を塞がれ静止した。
「――どこへ行くのかな?キャロちゃん」
「邪魔です。通して下さい」
キャロに躊躇いのない瞳で強く睨みつけられると、エクシードモードのレイジングハートを斜に構えなおした。
「いい加減分かって欲しいんだけど。あの結晶体は使えないんだって」
「それで――そんなよく分からない理由の為にあの子たちが犠牲になってもいいっていうんですか!?」
「数百年、数千年単位のお話なんだよ。安易に使っていいものじゃない」
「……わかりました、では力づくでも通ります」
フリードを離して片手に先端が斜めの半円状になった白い杖を魔力光と共に生成すると、
その先に目の前の相手とよく似た桜色の魔力刃を、長く大きく伸ばす。
薙刀型の近接用デバイスとして付加されたケリュケイオンの追加兵装であった。
なのはは、それをみて小さく冷たいため息をついた。
「キャロちゃんなら、分かってくれると思ったんだけどな」
「力づくで押し切った主張が正義になる――貴方が散々やってきたことじゃないですか」
「レイジングハート、ブラスターリミット1、リリース」
「...ALL Right, Blaster Set」
足元の巨大な魔法陣と共に大量に生成されていく魔力スフィア。
ほぼ同時に桜色の小さい刃を周囲に形成していくキャロ。
「ちょっと頭冷やそうか」
「……」
「クロスファイヤ……シュート」
「シューティング・レイ!」
恐ろしく高威力なエースのスフィアを相殺しながら、その煙幕に何のためらいも無く突っ込むキャロ。
相殺し切れなかった弾丸が後ろの方で反転し、さらに振り上げた薙刀型のデバイスを受け止めるべく万全の防御態勢に入るなのは。
「Round Shild」
だが、振り下ろした斬撃は全くそんなものを意に介していなかった。
「ベルカ式――徹っ!!」
思い切りがつん、と魔力の盾にデバイスを叩きつける。
「がっ!?」
まるで何もなかったかのような衝撃と共に吹っ飛ばされると、盾と魔力弾をぶつけさせて悠々と上空に回避する小さな桜色の髪の人。
態勢を立て直す暇を与えず再突撃しながら斬り込むと、レイジングハートでなんとか受け止めるが、即座の蹴りに対応できずさらに吹っ飛ばされる。
「っ……」
なのはは病んだ瞳のまま、居高げに見下ろしている双眸を睨み返した。
「力だけが……全てですか?他の答えは無いんですか?」
「……」
「ちょっと通りますよ?」
「ブラスターリミット2!」
はあ、と肩の力を抜きながら呆れたため息を漏らすキャロ。
相手の様子などどうでもいいのか、無造作にレイジングハートの先端に光を宿す。
「エクセリオン――」
「馬鹿の一つ覚えの砲撃……」
そして、発射の直前、周囲にレストリクトロックの発動を感知して、やっぱりね――と小さく笑うと
「……短距離転送」
見計らっていたかのように、密かに詠唱を完了していた転送魔法を発動させる。
「バスター!」
拘束魔法とほぼ同時に恐ろしい勢いの砲撃が繰り出されたが、見事に宙を切り、代わりになのはの足元の背後に薙刀を持って現れる。
「!?」
「感情に任せてるから、隙だらけ」
がん、と下からの一撃を派手に食らうと、上空に吹っ飛ばされる。
「ぐ……アクセル――!」
飛ばされながらも苦し紛れに下方に向けて、愛杖にカートリッジを飲み込ませる。
キャロの両手の丸い宝玉が無機質に補助魔法を起動した。
「Enchant Up Field Invade」
「Boost Up Strike Power」
ぶん、と小さな音がして薙刀の先端の魔力光が桜色から殆ど白光へと変わる。
「シュート!」
幾筋もの凶悪な威力の魔力弾が放たれるが――
「ベルカ式――」
視神経に魔力を集めて、擬似的に御神の技を再現する。
「――神速!」
彼女が視界をモノクロへと変え全速で突っ込みながら、ありえない機動でアクセルシューター全弾をかわして
なのはの前に、ふわっ、と薙刀を振り上げて現れる。
「う、うそ……」
「あなた、遅いんですよ」
そして、そのフルドライブの一撃によって、なのはの体は海面に叩き落された。
即座に浮かび上がってこないことを確認すると、相棒の竜に手を差し伸べる。
「いこっか、フリード」
「キュクー」
それからしばらくして、海から浜辺に這い上がったなのはは、海水と共に慙愧の念を浜辺に吐き捨てた。
「……ごめん、フェイトちゃん……私じゃ止められなかった……」
青いフードつきの私服のスバルといつものローブを被ったキャロに地上本部の外で合流する。
「お待たせしました」
「うん……いっぱい怒られた?」
スバルの問いかけは当然であろう。
「んー……怒られたといいますか、酷い目にあったといいますか……」
「ん?」
「いえ、特に問題はないそうです」
「そっか」
「ティアナさんは?」
「車だしてくれたからー駐車場ー」
「あ、なるほど…じゃあ行きます?」
「うん、いこー」
一緒に歩き出して、ちょうど2人の間に自然に収まったキャロに、エリオは今の彼なりの精一杯の結論を告げる。
「キャロ」
「ん?」
「やりたいこととかあったら、好きにしていいからね」
「……うん」
しっかりとした頷きに、寂しそうに微笑んで応える。
――転んで出来た傷の痛みに、見合う何かを、求めたなら幻――
どこまでも流れていく優しい風に身を任せながら見上げた空は、綺麗に透き通っていた。
「……」
「……こんな感じで……」
「エリオ、やっぱりなのはのこと、嫌い?」
「え、ええとそんなことはないんですけど……イメージがあんまり……よくないかも」
「まあ……ねえ」
親友の悪評にはいつものことながら、苦笑いでぽりぽりと頬をかくしかない。
話の区切りがついたところで、ちょうどコーヒーを注ごうかと立ち上がった時に、机上のコールサインが光った。
「ん……スバルとキャロ、来たみたいだよ」
「あ、はい……行っても大丈夫ですか?」
「うん。でもそのうち、ちゃんと謝りに行ってね?」
「はい……」
憮然とした表情のまま立ち上がるが、出口の前できり、と姿勢を正してぴっと指先を額に当てる。
「それでは、失礼致します!」
「うん」
青いフードつきの私服のスバルといつものローブを被ったキャロに地上本部の外で合流する。
「お待たせしました」
「うん……いっぱい怒られた?」
スバルの問いかけは当然であろう。
「んー……怒られたといいますか、酷い目にあったといいますか……」
「ん?」
「いえ、特に問題はないそうです」
「そっか」
「ティアナさんは?」
「車だしてくれたからー駐車場ー」
「あ、なるほど…じゃあ行きます?」
「うん、いこー」
一緒に歩き出して、ちょうど2人の間に自然に収まったキャロに、エリオは今の彼なりの精一杯の結論を告げる。
「キャロ」
「ん?」
「やりたいこととかあったら、好きにしていいからね」
「……うん」
しっかりとした頷きに、寂しそうに微笑んで応える。
――転んで出来た傷の痛みに、見合う何かを、求めたなら幻――
どこまでも流れていく優しい風に身を任せながら見上げた空は、綺麗に透き通っていた。
以上です……うわーヤバイミスを……ほんとすいません
ラストはほとぼりが冷めた頃にでもこっそり投下します。もう戦闘は妄想ででもないです
ほいではまたノシ
グッジョブ。
ずっと見てました。毎度力作ですね。
傍から見てた感想なんですが、
キャロが病んでエリオの決意も病的なまでに固くなるのも分かるし
それで力の使いどころを誤るのも子供らしくて納得なんですが、
ちょっとなのはに損な役回り押し付けすぎなんじゃないかな、と。
最初の頃にもはやての采配ミスがネタになってましたけど
本編の矛盾とか穴とかの責任をキャラに押しつけるのも可哀想な気がします。
(矛盾はキャラが起こすんじゃなくて脚本が起こす、
ってのが私の持論なだけですけれど)
辛い境遇でも健気なエリオがメインなのに
そこになぜかやたらなのはに絡むエリオが混ざってるから
気になる人もいるんじゃないかな、と。
それはともかくエロいよフェイトさんエロいエロい
GJ
>>399 リンディさんのお茶とはやての 「妙な物を混ぜない」というセリフ。ここから導き出される答えはひとつ・・・
ああ、そうか。
弱いものはどうすべきかっていうか
強いものに立ち向かう方法が示されたのは、
漫画版のほうだっけ。
>>414 おばあちゃんが言っていた
お菓子以外の料理でも少量の砂糖は味が引き立つから必要だってな
だが角砂糖
てめーは駄目だ
>>411 日曜朝からエロイの乙〜w
しかし多少フォローされてるとはいえ、ここまでくると所謂、なのはヘイトじゃね?
ヘイト要素を含む旨を注意書きしておいたほうが、一部の読者層(俺含)の精神的にも
このスレ的にも荒れを引き起こさずに済んだかも……まあ、次回ラストなので今更だが
(´∀`ル「
>>411見てからフェイトさんが痴女にしか見えない件について」
>>411 病んだキャロのために強くなろうとするのはいいが、
強くなれなかったのがなのはのせいだというのはお門違いに思えるし、かなり無理がある。
こうすれば強くなれるなんて答えは自分で出すのは当たり前。
自分で気づいた事のほうが絶対自分の力になるなんてのはどこの世界も共通。
簡単に答えを言わず、自分で答えが出せるよう手助けすることのほうがどれほど大変か……
それに答えをすでに出せてるんなら、そんななのはの思いにも同時に気づくでしょ?
彼女の教導があったからわかったんでしょ?
強くなれたんでしょ?
誠実な人間が、教えを自分から求めておいて、師に対してそんなことを言うか?
それとも、そんなになのはが嫌い?
>>416 きっと氷砂糖の塊や黒砂糖の塊をいれようとしたんだろう
もしくはあらゆるものにミルク。ホワイトシチューなのはそれが原因です
なあ、レイジングハートって不屈の心って言われるよな?
なんでなんやったっけ?
辞書引いたらrisingは上昇って意味だし。
上昇し続ける心=如何なる時でも上昇の気持ちを持ち続ける=不屈の心
って感じの意訳なんかな?
今朝見た某SSサイトの「ヴァイス×スバル」は衝撃的だった……
新ジャンルか?
>>421 きっとホワイトシチュー作るときも
『白だから、コンデスミルクと生クリームと白砂糖で味付けしていいよね?』
なフェイトさんだったんだな!
>>419 フェイトさんはモトから痴女じゃないか。あれ、窓の外が黄金色に(ry
>>422 りりちゃの方は知らないが、不屈の心はレイジングハートの起動パスワードの言葉にあったね
辞書見るとレイジングには(希望などを)起こさせる, 心にいだかせる という意味もあるから不屈っていうのも間違えでは無いだろうし
公式見解は確かなかったはずだから、定説というレベル以上の理由はないと思うけど
んっと……問題なければ三時ジャストから投下させて頂きます。
いや
そのりくつはおかしい
>408
もうタイトル「エリオ中二病」とかにしたほうがいいかも
まぁ…アレだ
「19歳じゃ夢がない」
おや、宅配便かな
432 :
一階の名無し:2007/10/28(日) 14:58:28 ID:NXSACXLH
はい、二週間以上開きました。
もし続きを望んでいた方がおられましたら遅れてすみません。
ちょいとパソコン扱えない状態が続きましたので。
諸注意をば。
・ジャンルはエリフェイ
・エロ?あり
・オリ設定あり
ではでは第5話 通算第6話!
乾いた音が響く。
エリオ・モンディアルは、最初それが何の音か解らなかった。
いきなり僅かにブレた視界や徐々に熱を持ち始める頬、
そして彼が積んできた格闘訓練の経験が『頬を叩かれた』という予測を立てるがそれを認められない。
何故なら、彼の目の前にいる女性はそんな事を無縁だからだ。
何も出来ずにただ呆然とその女性、フェイト・T・ハラオウンを眺め続けた。
自動的に脳が先程までの状況を確認し直す。
(……シグナムさん達があの三人を撃墜して、四人まとめて陸士部隊に受け渡して、
全部終わったから帰ろうとして、そしたらフェイトさんが歩いてきて)
あの衝撃があった。
フェイトは手を振りぬいたまま、動こうとしない。
エリオは何があったか未だに解らず動けない。
「―――――――――――――――エリオ」
「……ぇ………………?」
声が聞こえる。エリオには聞きなれた筈の声なのに一瞬それが誰の声かは解らなかった。
「私と…………約束したよね?」
「え……あ…の………」
混乱して言葉が出てこないエリオに、フェイトは悲しそうに眉を歪めた。
「それとも、忘れちゃった?あんな約束……」
「――――――――――そ、そんな事ないです!友達や仲間を大切にする事と、
戦うことや魔法の力の怖さと危険を忘れない事と、
どんな場所からでも絶対元気で帰ってくる事ですっ!」
慌ててエリオはフェイトとの約束を並べた。フェイトはひとつひとつの約束を噛み締めるように頷く。
「そう。……………………でもね?エリオはさっき約束を守れてた?
戦うことの怖さも、魔法の力の危なさもわかってたのにあんな事したの?」
「ぁ…………………」
返す言葉が無かった。エリオはつい先程ある人間を殺そうとしたのだ。
フェイトの危険とその男の命を天秤にかけるまでもなく殺す覚悟をした。
空気が凍る。
エリオもフェイトも、それを見守る周囲の人間も動けないその空間で、
街の光に照らされてフェイトの頬で光るものがある。
小さな輝きはそれだけが時間が流れている証明であるように彼女の顎を伝って落ちていき、地面で弾けた。
「もう…………絶対にあんな事しないで…………」
唇を震わせ静かに涙を流すフェイトを、エリオはただただ見つめ続けた。
鳥の囀る声が窓の向こうから聞こえてきて、普段の週間通り体力作りを始めようとして
(…………………………………………………)
全身に力が入らないので止めた。ベッドから抜け出す気力も無い。
当然といえば当然である。
夢遊病者のようにフラフラとした足取りで自室に辿り着いたものの、それから一睡も出来ていないのだ。
もう数時間も延々と天井を見続けては目を閉じ、しばらくして目を開けて天井を眺める事を繰り返している。
『着たままの制服はしわになっただろうからクリーニングに出さないと』とか
そんなとめどない事ばかりが頭に浮かんでは消えていく。身を包む倦怠感で指一本を動かす事さえ困難だ。
違う。
この程度の疲労感だったら六課入隊時は日常茶飯事だった。
それでもその時は動く事が出来た。背中に一本折れない何かがあった。
だからどんな疲労や筋肉痛の状態でも耐えられたのだ。
しかし、今はそれが無い。背を支えるものが無いから全身が動かない。
その日、初めてエリオは自分から有給休暇申請を出した。
「エリオから休暇申請出てるて?」
「ハイ、そうなのですよ」
「あぁ……昨日色々あったからなぁ。疲れ溜まってるんやろ」
荷物を箱にまとめる八神はやてとリインフォースU。
流石に数週間過した執務室ともなると僅かばかりの感慨がある。
と、そこで部屋のドアが開かれた。入ってくるのはヴェロッサ・アコースである。
「ロッサ、お疲れ」
「確かに疲れたよ……あんな風に精神構造がどこかズレてる人たちの思考を読むのは
肩がこるし、気分が悪い」
そこで何かに気付いたように彼は軽く頬を歪めた。
応接机の横にあるソファーに深く座り込みながら、右手に淡い緑光が宿らせた。それを睨む。
「……いや、気分が悪いのは誰でも同じ、か。この力は便利ではあるんだけどね」
「ごめんなぁ。でも一番ロッサに頼るのが確実やから、ね。リイン?」
「はい、はやてちゃん!」
リインが指を軽くふると同時にヴェロッサの前に苺のミルフィーユが出現する。
「近頃出来た店でナカナカ評判ええらしいんよ。紅茶は今私が淹れたげるから」
「いいよ。用意してあるから」
そういうとヴェロッサはまずポケットから白いシルクのハンカチを用意した。
両手で持って広げ、それを翻すとそこには
かなりの勢いで湯気を立てるヤカンとティーセット、茶葉が出現した。
「前々から思っとったんやけど、それっていつも用意しとるん?」
「いや、可愛い女の子と会う時だけだよ」
「って事は女の人と会う時はいつもって事やね」
軽口の応酬をしながらヴェロッサはヤカンのお湯をポットとカップにそそぐ。
「リイン?ロッサがここまでしてくれとる事やし、ちょっと休憩にしよか」
「はいです!」
嬉しそうに返事をするとリインはテーブルの上に更にモンブランケーキを出現させた。
そしてはやてやヴェロッサのおこぼれに預かろうとテーブルの上にちょこんと正座する。
「荷物をまとめてるって事はようやく復旧完了か」
「色々上にゴネられたけど、隊舎も復旧したしこれでようやく機動六課がまた動かせる。
…………っていっても今みたいなよろず屋みたいな仕事が続くと思うけどな?」
テーブルの上においていたハンカチをつまみあげ、ポットとカップの上に被せる。
そしてそれを横に引っ張るとポットやカップの中のお湯だけが消えていた。
はやてもリインも目を丸くする。涼しい顔で行っているがかなりの高等技術だ。
その二人の表情に満足するとヴェロッサは茶葉をポットに淹れ、お湯を注いだ。
「新技やね。何でこんなトコに労力注いどるんやか……」
「たまにはただ純粋に人に喜んで貰いたいからね。だけど、ホントにまわりくどい事したねぇ」
スカリエッティの裁判に関してフェイトが何らかの襲撃を受ける可能性はあると考えてはいた。
故にシャマルにフェイトの移動中や楽屋にいる時間など彼女が襲われる可能性のある時間帯は
シャマルに観測させていたし、宿舎の方は狼形態のザフィーラを徘徊させて監視させていた。
シャマルの集中力が続く時間にも限界があるので彼女の休憩を作る為にシグナムやヴェロッサなど
信用の置ける人物にフェイトと会いに行ってもらったりもした。
「それで、本題なんだけど」
「どうやったん?」
「あの四人は本局所属の魔導師だったよ。依頼者はイスト・アクセラ執務官らしいけど……」
「本局か……ってコトはもっと上からの命令やろうなぁ……。で、目的は?」
「洗脳魔法でフェイトの精神を操作して起訴権を自分に譲渡させる、だね」
精神操作魔法は法律で使用が禁止されている。
幻覚や特定感情の増幅ならば後遺症は軽く一時的な精神症状のみだが
一般的に特定行動の刷り込みなどは複雑で強力な操作が必要であり、脳神経の負担が大きい。
最悪、特定行動を行った後は廃人にもなりうる危険性もあるのだ。
はやては椅子にもたれかかり、天井を見上げた。考えてもしょうがない事が脳内に次々と湧いて出てくる。
フェイトを襲撃する側としては最大の問題点はやはり彼女自身の戦闘能力である。
エースオブエースと互角とも称される彼女を誰にも悟られずに捕獲するなど不可能に近い。
戦闘になれば明らかに異常な魔力値が観測されるだろうからだ。
そんな時に彼女がデバイスを持ち歩かない状況が整えられていた。
偶然かもしれない。だが……ひとつの推測が彼女の脳内に浮かぶ。
今回の不可解なデバイス総点検も『彼女からデバイスを離し抵抗する力を奪う事』が目的だったのではないか。
つまり今回の真の黒幕は時空管理局全体の行動に直接介入出来る程の地位を持ち…………………
そこまで考えてはやては思わず愚痴をこぼした。
「あー……もう何かなぁ……」
「……はやてちゃん……」
リインは主を心配して眉を顰めるがヴェロッサは笑顔を崩さない。
「まぁ、こうして未然に防げたんだ。それより今からどうするつもりなんだい?」
「アクセラ執務官もとかげのしっぽやろうしね……阻止しただけでそいつらへの牽制には充分やろ?
もうフェイトちゃんへの襲撃はないやろうし、ここまでにしとくわ」
妥協のしどころなど、嫌な事ばかり覚えてしまった事にはやては自嘲した。
溜息を吐くはやてをにこやかに微笑みながら眺め続けるヴェロッサ。
「おや、時間か」
紅茶の蒸し時間が経ったのでヴェロッサはカップに紅茶を注いだ。
ふわりと部屋中に透き通った香りが充満しだす。
はやてはひとくち飲んでシャマルが淹れたものとは格段に違う味に唸った。
「相変わらず流石やなぁ。いいお嫁さんになれるよ?」
「お褒めにあずかって光栄の至り。あと僕は男だよ」
「はい、リインの分やで」
彼のささやかな抗議は完全に無視してリイン用のお皿にモンブランをひときれ載せる。
そして自分の口にも一口いれた。栗の風味が存分にいかされた滑らかなクリームについつい頬がゆるんだ。
そんな彼女を見ながらヴェロッサは肩をすくめ、
自分のケーキもひとかけリインのお皿に乗せてから自分の分を口に運ぶ。
「ありがとうございますぅ〜〜」
目をキッラキラさせながらリインはそれにかぶりついた。パイ生地の一部が頭の上に見事に載る。
それをとりながらはやては紅茶を啜った。喉から広がる温かさに、肩にたまっていた嫌なものが溶かされていく。
力が湧いた。
「悩んでもしょうがない、か。………………せやな。今回は防げたんやし」
「今回は、か。………………」
「ん?どうしたん?」
「はやて、こんな事はあんまり言うべきじゃないんだろうけど…………………でも言わせて欲しい」
一息。
「背負い過ぎると潰れちゃうよ?」
声と言葉がとても優しかったこと、
そして久しぶりのヴェロッサの真面目な顔にはやては言葉を返せなかった。
「あの時だって君だけの責任じゃない。言葉は悪いけど、君は所詮一部隊の隊長でしかないんだ。
出来る事にはいつだって限界がある。……もし、全てが救えると思ってるのならそれは傲慢だよ」
あの時とは六課の多くの隊員が傷ついた地上本部襲撃事件の事だ。
カリムの予言があった。ガジェットや一部の戦闘機人のデータも保有していた。
攻め方によっては地上本部に対して充分に脅威となるのは解っていた。
だが、『レジアスとスカリエッティが繋がっている』という自身の推測から
『スカリエッティ達が大事な研究のスポンサーであるレジアスを襲撃するわけが無い』
という考えに拘ってしまった。
故に襲撃はないだろうという予測を立て、上の指示に沿うだけの配置をしてしまい、あの様だ。
「ん〜〜…………でもなやっぱもっと上手く出来んかったんかなぁとは思うんよ。
それにな?色々学べた事もある。今回だってあれがあったから防げたんやし」
『スカリエッティの起訴権が欲しいとはいえ、いくらなんでも局員を襲うわけが無い』
そんな常識的な考えや自身の感情・希望をまず捨てた。
最悪の仮定を元に対処策を模索しそれに全力を注いだ。
失敗に落ち込んではいられないが、そこから何も学ばないのでは失敗した意味が無い。
「な?」
はやては、力強い笑みを浮かべた。口の端と眉を吊り上げて。
失敗も悪意も何もかもを喰らって成長する獣の、凶悪で凶暴で、だからこそ美しい笑みを。
「…………ふ、それならいいか」
その笑みを見てヴェロッサは少し湯気が納まった紅茶を一息で飲み干し、息を大きく吐く。
ついでミルフィーユをフォークも使わずに手で掴んで一気にかぶりついた。
リインのような食べ方をする彼にはやては今度は柔らかく笑った。
「お行儀悪いのはあかんよ?あ、せや。ロッサは今晩ヒマなん?」
「何やってるんだろ、僕……」
休暇申請を出した後に延々と天井を見て過した。
キャロからの朝食のお誘いやお見舞いも拒否してただひたすらに思考に沈む。
胸のモヤモヤとした気分はいつまでたっても取れない。
(フェイトさんの涙を止めたいのに……僕が泣かせてどうするんだ)
スカリエッティ事件の時は自分の弱さの為に泣かせてしまった。
だから強くなろうと思ってこの数週間我武者羅に訓練に明け暮れたのだ。
(少しは……強くなったと思ったのになぁ…………)
しかし身につけた僅かな力は意味が無かった。
自分がいなくてもはやて達が何とかしただろうし、
むしろ自分を庇ったからこそフェイトが敵のバインドにあっさり捕らえられたとも言える。
まだ幼い自分に腹が立つ。まだ弱い自分に腹が立つ。
(………………フェイトさんを……泣かせてばっかりだ……)
フェイトという女性を支える事が出来ない自分が何より許せなかった。
窓から目に突き刺さる光のせいか、頬を伝わるものがある。
と、その時ドアを叩く音が二回響く。そしてドアの向こうからでも解る聞きなれた声。
「エリオ?」
「…………フェイトさん?っ!」
慌ててエリオは飛び起きた。
余計な心配を掛けない為にクシャクシャの制服を脱ぎ捨ててクローゼットに丸めて放りこみ、寝巻きを着込む。
「あの…………ね?キャロから今日休んでるって聞いて……」
「は、はい!ちょっと待ってください!」
掛け違えたボタンを直してエリオはドアの前に立った。この際寝癖は我慢する。
鍵を開けてドアを開けると、そこには少し沈んだ顔のフェイトがいた。
「おはようございます、フェイトさん」
「もうお昼だから、こんにちはだけどね。あの……その、入ってもいい?」
「は、はい。どうぞ」
エリオに促され、フェイトはベッドに腰掛けた。エリオもその隣に座る。
「今日はどうして休んだの?」
当然のフェイトの質問にエリオの言葉が詰まる。流石に『何となく』とは言えない。
「あ、その……朝ちょっと熱っぽかったもので……」
「嘘」
真面目一辺倒なエリオがこんな時に器用にやり過せるワケもなく、
目を泳がせながらのでまかせはあっさり看破された。
言葉を失い、黙るエリオ。空調はしっかり効いているのに背中に汗が浮かぶ。
しばらくの逡巡の後、観念したエリオはがっくりとうなだれながらか細い声で謝った。
「あの、その…………ズル休みしてすみませんでした……」
「はい。よく正直に言えました」
フェイトは真面目な顔でエリオの懺悔を聞き届けたあと、ふいに表情を変えた。
眉尻は下がり、肩が縮こまる。
先程までの年上の女性の雰囲気はどこへやら、今の彼女は叱られる事に怯える子供の様であった。
「あの…………その、ね?」
言いよどんだ彼女はそこで黙り込んでしまった。そのまま数十秒の沈黙が続く。
「………………………フェイトさん?どうかしたんですか?」
エリオの気遣う声にビクっと反応した後、二回呼吸をしてからフェイトはエリオの顔を
正面から捉えた。エリオの心臓が一際強く動く。
「――――――ごめんなさいっ!」
フェイトがぎゅっと目を瞑って叫んだ言葉はエリオの耳に痛い程届いた。
「……………………は?いえ、あの……何の事ですか?」
だが当然エリオにはフェイトに謝られるような覚えはない。
しかしエリオの言葉はフェイトにとって意外だったようで彼女もキョトンとした表情になった。
「何って、あのホラ、昨日の」
エリオは必死に思考を巡らせる。
(昨日って、確かに色々あったけどフェイトさんが謝るような事なんて……)
頭を捻るエリオの様子を見て、フェイトは意を決して言葉を続けた。
「だからね?昨日、エリオの事巻き込んじゃったし、それに…………叩いちゃったでしょ?
ゴメンね?痛かったよね?」
ようやく合点がいったエリオは、拍子抜けしたので嘆息まじりに呟く。
「あぁ、何だ。そのコトですか…………あれ?何でフェイトさんが謝るんですか?」
「え?だ、だって私と一緒にいなかったらあんな危険な目にあわなかったんだし……」
「それはフェイトさんのせいじゃないですよ。
叩かれた事だって僕が約束を破ったのが悪いんですから当然ですよ」
「そ、そんな事無いよ!エリオは頑張ってくれたのに、私はそれを否定したんだよっ!?」
「いや、だから結局僕がいなくても何とかなりましたし!それに――――――」
フェイトとエリオの『自分が悪い』論議が始まった。
フェイトの影響を強く受けているエリオもフェイトと同じく自己否定に陥りがちであり、
二人の議論は白熱していく。
「だから、そもそも僕が男なのが悪いんで――――――――あの、……そろそろ止めませんか?コレ」
「私が一人で髪を洗えなかったから!だからキャロにもそれがうつっちゃってだから…………
そ、そうだね。もう何が言いたいのかよくわからなくなってるし……
ホントに、その、許してくれる?」
「いえっ!だからそもそも僕がわる……ってこれじゃさっきと同じですね」
どちらともなく、くすりと微笑んだ。
その瞬間、いきなりエリオの胸が大きく脈うつ。
そしてエリオの体の中心に昨日から失われていた何かが帰ってくる。
(あ、そうか…………そうなんだ)
そこでようやくエリオは自分の気持ちに気付いた。
(―――――――――僕は……『僕が』フェイトさんを幸せにしたいんだ)
子供染みた、ささいな、しかし決して譲れない独占欲。
(昨日だって、フェイトさんが『僕が』作ったキャラメルミルクを飲んで
『おいしい』って言ってくれたんだ。
今も『僕が』、フェイトさんの表情を明るく変えられたんだ)
それが、たまらなく嬉しい。
「じゃ、仲直りしよっか?」
そういってフェイトはベッドに倒れこみながらエリオを自身の胸に抱きこんだ。
普段なら羞恥心から拒絶したがるエリオだが、
今は自身の気持ちに気付けた事によってその胸中はひたすらに穏やかだった。
フェイトの匂いや暖かさ、頬に感じる柔らかさをそのまま受け入れる。
自分からも腕を回して、フェイトの腰を抱きしめた。
「…………フェイトさん……」
「エリオ…………」
穏やかな時間が流れていく。
壁掛け時計の秒針が立てるかすかな音すら二人の耳にはゆるやかに聞こえた。
「あのね、エリオ……」
「……?何ですか……?」
「昨日みたいな無茶はしないで……まだ、子供なんだから、もっと甘えてもいいんだよ……?」
『まだ子供』その一言も今のエリオは素直に受け入れられた。
認めて、しかし諦めない。いつか、きっと。
「……はい。でも、それならフェイトさんにもワガママ言ってもらいたいですよ」
「そう?……それなら、お互いに、いっこずつワガママ言おうか」
「いいですよ?」
エリオのワガママなら既に決まっている。
「じゃ、エリオから言ってみて?私に出来る事なら何でもいいから……」
「…………いつか、『僕に』フェイトさんを幸せにさせて下さい」
「え?」
「今はまだ無理ですけど、でもフェイトさんを幸せに出来るようになりますから、
だから、その時は…………」
「え?あの、エリオ?あれ?あの……それじゃ、まるで、その、
こ……告白みたい………」
エリオは起き上がった。するりと体を動かしてフェイトの顔の横に両手をつき、
彼女の顔を正面から直視する。
「その、つもりです」
エリオの言葉で会話が止まった。部屋中を秒針が刻む音だけが支配する。
視線によって思考を麻痺させられたフェイトは顔を背ける事すら思いつかずに
エリオの顔を正面から見つめたままうろたえた。
「い、いけないよ……そんなの……」
「何でですか?」
「だ、だって、あの、エリオは私の被保護者だし」
「それって関係ありますか?」
「えっと、その、9歳も年の差があるんだよ?
エリオが21歳の時、私はもう30歳のおばさんで」
「フェイトさんなら30歳になってもきっと綺麗ですよ」
「えっと、だから、あの……」
「フェイトさん」
フェイトは息を飲んだ。
聴覚は全て自身の鼓動の音に支配され、視覚は全てエリオの視線に支配され、
心は全てエリオに支配された。
真っ白になった脳は根源の感情にあっさりと従い、言葉は自然に口から滑り出る。
「あの、それじゃ、あのね?私からもワガママ言いたいんだけど……」
「はい、なんでしょう?」
にこりと微笑むエリオに胸が締め上げられるが決して嫌な感覚ではない。
「今から、幸せにして?」
「…………え?……えぇっ!?」
今度はエリオがうろたえる番だった。急に焦りだす彼にフェイトは軽く笑みをこぼす。
視線は宙を泳ぎ、先程までの束縛力は霧散した。
「嫌?」
「いえっ!嫌じゃないですっ!でもっ!今の僕じゃ」
「自信無い?」
「……だってまだ子供で、力も何も持ってない僕じゃ」
「そうじゃなくて、『私を幸せにしたい』って思ってくれてる気持ちに……自信無い?」
エリオの視線が力を取り戻す。ゆるぎない瞳と心はフェイトに正面から向き合った。
「…………いいえ。そこは絶対に揺るぎません」
「なら、それでいいから……ね?」
フェイトは両の腕をそっとエリオの後頭部へと回す。
「今からじゃ、駄目?」
答えは言葉ではなく唇へと重なる弾力と熱で返された。
バルディッシュはインテリジェントデバイスである。
高度な自己判断能力を有し、
それ故に使い手との意思疎通に齟齬がある時は足を引っ張る事にも繋がるが
彼にとっても彼の主にとっても幸いな事に相性は抜群であった。
人格すら形成された彼にとっては空気を読むという事すら朝飯前だ。
当然、
「んっ!もっと、優しくしないと駄目だよ?」
「は、はい。こ……こうですか?」
「ふぁ……あっ……そ、そ――――――――あっ!」
この様な状況でフェイトへの通信を繋ぐなんて野暮な真似はしない。
座標特定システムも切ってここにフェイトがいる事を気付かれないようにもした。
彼は優秀であり、彼の判断は常に正確である。そんな彼を置き去りに二人は盛り上がっていた。
「んっ、さっきから胸ばっかり。そんなに楽しい?」
「楽しいっていうか……何というか、その、凄く柔らかくて、あったかくて……」
シャーリーから貸して貰った小説の影響で色々と間違った知識を得たフェイトがエリオをリードし、
二人は服を脱ぎベッドの上で絡みあっている。
惜しげもなく晒された見事なフェイトの裸体はエリオの視線を釘付けにした。
とりわけ、ベッドの上に仰向けになってもある程度の形を保っているフェイトの胸に、だ。
エリオの手ではつかみきれない大きさを誇ったそれは、柔らかさと滑らかさ、そして弾力まで備えていた。
その手の中で自在に形を変えつつエリオの手を押し返すふたつの山にエリオは一瞬で魅了された。
「ぁっ…だからそ、そんなに強くしたらうぅんっ」
「あ!すみませんフェイトさん!痛かったですか?」
「痛かったって言うか、あの、ね?もっと女の子の気持ちを考えてあげないと」
「はい」
今度はフェイトの顔を見ながら体をまさぐっていく。
つ〜っと中指だけをフェイトの体のあちこちに這わせた。
「そう、そんな風にゆっくり、じっくり、優しくね?んっ……そこ、気持ちいいかな」
「ここですか?」
脇から這わせた手を左胸の上でそっと握りこむ。そして指の腹でその頂点を押しつぶした。
ぴくりとフェイトの眉が動いた事をエリオは見逃さない。
今度は胸全体から見ると小さな乳輪を指でなぞる。
「ぁ……」
「どうかしました?フェイトさん」
「あ、えっと、エリオの指がくすぐったから」
少しはにかむフェイトにエリオのサディスティックな部分が刺激された。
執拗にその責めを繰り返す。
「……っ、んぅ……エリオ、くすぐったいってば」
「くすぐったいだけですか?」
「そ、そうだよ」
爪ですこしかたくなった乳首をかるくひっかく。
「んっ」
声を上げたフェイトに気をよくして、今度は手のひらで押しつぶして乳房に埋没させた。
そのままぐにぐにと乳房を揉みしだく。
開いた左手で首筋から顎にかけてを撫で回した。
「ぁ……んぅ……ひっ」
眉を顰めるフェイトの表情がエリオの胸を突き上げた。
衝動にまかせて自身の唇をフェイトのそれに押し付ける。
フェイトはエリオの頭を抱きこんだ。しばしの間、唇の感触だけが二人の脳を支配する。
と、不意にフェイトの脳裏にある光景が浮かびあがった。
映画や小説内の恋人達がお互いの舌を絡めあっているシーンだ。
(…………エリオ?そのまま口、開いて?)
(?)
フェイトからの念話をいぶかしみながらエリオは大人しく従う。
その瞬間、エリオの口内にフェイトの舌が侵入してきた。
驚いて反射的に逃げようとするエリオの頭を離さない。
(お願い、逃げないで?)
そしてふたりの舌が触れあう。ちぢこまっているエリオの舌をフェイトの舌がつつく。
意を決したエリオは舌を伸ばしてフェイトの口内に侵入させた。
お互いの舌がお互いの口内をまさぐる。
おおいかぶさっているエリオの口から唾液がフェイトの口へと流れ込んだ。
少しむせそうになるが、フェイトは喉を鳴らしてそれを飲み込む。
「ん……ぷはっ」
少し苦しくなったエリオは酸素を求めて口を離した。
「ん、……エリオの唾液、おいしかったよ」
「……フェイトさん、なんかすごくやらしいですよソレ」
「そ、そうかな?」
唇が触れ合うだけのキスをし、エリオがフェイトの体の下の方へと降りていく。
また胸へと伸びていくエリオの手はフェイトの手によって止められた。
そのまま、更に下の方へと誘導される。
「今度はここ、触って?」
促された場所はフェイトの秘所である。先程教わったように優しくエリオはそこに触れた。
ぴったりと閉じた筋を指で撫で上げる。既に熱と湿り気を帯びていた事にエリオは軽く驚いた。
「んんぅ」
「あっ!痛かったですか?」
「え?あ、そうじゃなくて何かぴりってして頭の後ろ側が何か変な感覚なんだ」
「えっと……やめましょうか?」
「うぅん、そのまま続けて?」
お互いが初めての経験であり、何が正しいのかよく解っていない。
恐る恐るエリオは撫で上げ続けた。
「ん、んっ、……ん」
フェイトは時折漏れそうになる声を自分の手で塞ぐ事で耐えている。
今度はひっかいてみようかとエリオは指をまげたが、その指が偶然フェイトの中へと侵入した。
「んぁっ!?」
不意打ちに指をいれられてフェイトが思わず声を上げた。エリオも慌てて指を引き抜く。
「ふあっ!?」
それが新たな刺激となってフェイトはまた声を上げてしまった。
フェイトの表情から驚きはしても嫌がってない事を読み取ったエリオは
今度はゆっくりと一番長い中指を侵入させていく。
「んんんぅ……なんか、コレ……ぁっ!?きゃんっ」
内部で指を曲げ、フェイトの膣壁をこすり挙げるエリオ。
腹の内側をかかれるという初めての感覚にフェイトは戸惑った。じわりと熱が体全体へと伝播していく。
「くっ…え、エリオ?それもう止めない?」
「痛いんですか?」
「そうじゃないけ―――ひぅっ!」
「ならこのまま続けます」
調子に乗ったエリオはあまった左手でフェイトの右胸に触れた。
最初は横からそっと中央に寄せる感じでなで上げ、次にその手をスライドさせて
乳首の上を滑らせていく。
指と乳首が擦れ合う感覚を連続で味合わされ、フェイトが思わず目を瞑る。
(うわ、可愛いなぁフェイトさん)
思いつく限りの自分に出来る事をエリオは試してみた。
指を出し入れしたり、中で上下させて奥をかいたり、乳首をつまんでみたり、なめてみたり。
特に胸を吸われる事がフェイトのお気に入りのようで
「ひぁああんっ!?」
と一際大きい声を上げて腰を跳ねさせ、その際に丁度指がいいところにあたったのか更にもう一度跳ねる。
フェイトの反応がただ面白くて、
おもちゃを見つけた子供のようにエリオはひたすらにフェイトをいじくり続けた。
「ん……あ、あのね?ふみゅ、んぁっエ、エリ――――ひぃあっ!?」
「ぁ、ぁ、あ、ひんっ、あぁっ!?んぅっ!?ちょっとエリオ、一度休け―――――」
「ひぃっ!?ま、まだ続けるのっ!?ぁ……そこ、きゃうっ!?ぁあぁ……」
コレが初体験であるエリオにフェイトをイかせる事など出来はしない。
だがそれが逆にフェイトを追い詰めていた。
じわりじわりと熱に浮かされるがエリオの緩慢な責めは決定的なものをもたらさず、
結果的に彼女を焦らす事になったのである。
フェイトに喜んでもらえていると思っているエリオが止まる事は無い。
性欲ではなく好奇心やフェイトへの愛情、そして僅かばかりの嗜虐心がエリオを突き動かす。
このままだと延々とコレが繰り返されると悟ったフェイトはエリオの腕を掴んでとめた。
「え、エリオ!もういいからっ!ねっ!」
「え?もういいんですか?」
「そう。だから……ね?この先をお願い……」
先程からの焦らしにフェイトの我慢はもう限界だった。
はしたないとは思いつつも潤んだ瞳でエリオを見上げ、その瞬間をねだる。
「この先って……どうするんでしょうか?」
そもそもこの行為自体フェイトに促されたものであってエリオにはよく意味が解っていない。
フェイトの管理下で清く正しく育ったエリオはこれが
『恋人達がする何かやらしいこと』とは判断出来ても具体的な性知識があるわけではない。
「あ、そうか」
その事に思い至ったフェイトはくすりと微笑んだ。
そして僅かばかりの罪悪感と、こんないけない事を教え込んでいるという不思議な快感を感じる。
右手でそっと、もうしっかり固くなったエリオのそれを握りこむ。
そして左手は自身の大事な場所を左右に押し広げて中の粘膜をエリオの視線に晒した。
「これをね?私のここにいれるんだよ……」
「は?僕の……をですか?あの、汚くないですか?」
「大丈夫。それに、きっと気持ちいい事だから……それとも、エリオは嫌?」
「いえっ!そんな事無いですっ!あの……………………それじゃ、いきますね?」
覚悟を決めた。エリオは自身のそれを指でつまむとフェイトが拡げているそこにあてがう。
口内に広がる粘り気のある唾を飲み込んだ。自身の鼓動がやけに大きく響く。
「いいよ…………来て?」
フェイトも来るであろう初めての瞬間に息を止めた。一生に一度の瞬間であるし、多分痛みもある。
だがここで不安を見せればエリオはきっとやめてしまうだろうから
必死で怯えを押し隠して安らかな表情を維持し続けた。
エリオのそれがフェイトの場所に触れる。
そしてゆっくりと押し進み……ずるりと滑った。
「ふひゃぁっ!?」
「うぁっ!?」
摩擦の刺激に、お互いが声を上げる。エリオのそれは上手くはいらずにフェイトのそこを擦り上げた。
「す、すみませんっ!もう一度っ!」
慌ててエリオはもう一度試すが失敗した事を焦ってやって上手くいくわけがない。
結果、フェイトの股間を何度も何度も擦る事になる。
「ふぁっ!?…ひぅっ!?…きゃぅっ!え、エリオ、ひぁあっ!!?」
「す、すみませんフェイトさんっ!?」
混乱は更に深まる。
そしてエリオはもう一度あてがうと思い切り腰を打ち付けた。
しかしまたずれる。
そして、エリオのそれの鈴口とフェイトのクリトリスが思い切り擦れ合った。
「―――――――ふひゃあああっっ!!??」
「―――――――うあっ!!ぐ、くあああっっ!!???」
フェイトの腰が跳ね上がり、エリオのそれからは白濁液が噴射される。
吹き上がった白濁液は放物線を描き、フェイトのお腹の上へと着地した。
数度の痙攣後、脱力したエリオは崩れ落ち、フェイトの胸へと顔を埋めた。
「…………すみません、失敗しちゃって……」
エリオの顔を見なくても声だけで落ち込んでいると解ったフェイトはくすりと微笑み、
胸に抱きこんだエリオの頭を優しく撫でた。
「……気にしなくていいよ?これはこれで気持ちよかったし……
それに、これからは恋人同士なんだから、ゆっくりふたりで勉強していこ?」
「……はい。あ、あの!僕っ!絶対上手になりますからっ!」
「ふふっ……期待してるね?」
心地よい倦怠感に包まれ、そのまま二人は意識を手放した。
「あー、で、フェイトちゃんはどうなったん?連絡とれへんかったんやろ?」
「あ、それならきっとエリオ君の部屋にいると思います
エリオ君の事をキャロから聞いて、部屋から飛び出していきましたから」
フォワード陣とシャマルを引き連れ廊下を歩くはやての疑問に答えたのはシャーリーだ。
「でも、連絡取れへんのは何でやろ……」
「えっと……ふたりとも寝てるんだと思います。
前もエリオ君の部屋でふたりともお昼寝してましたから、今日もそれなんじゃないですか?」
キャロがある意味正解な見当違いを口にした。
「それなら、誰か迎えにいかさんとなぁ……」
と、ヴェロッサが意地悪な笑みを浮かべてそこに口を出す。
「いやいや、そこは全員で迎えに行くべきじゃないか?
この後は六課の新隊舎で復興記念のパーティーだろ?
どうせシャマルの転送魔法で一度に移動するんだし、フェイトやエリオの寝顔にも興味あるしね」
「それもそうやね。たいした距離やないんやし……皆もそれでいいかな?」
面々がそれぞれ了承の返事をする。
さて、エリオの部屋の扉がはやてによって開かれるまであと4分23秒。
445 :
一階の名無し:2007/10/28(日) 15:23:53 ID:NXSACXLH
ここまでお付き合い頂き有り難う御座いました!
……オイ。何を勘違いしてやがる!
まだ俺のターンは終了していないぜ!
即効魔法「駄目SS書きの悦び」を発動!
前々スレ
>>381、
>>383、
>>390のリクエストを生け贄に
忘れ去られし『ある槍騎士の逃走失敗後の話』を特殊召喚!
・エロのみ
・フェイキャロはやヴィーシグストエリ。
・男優は全てエリオです
御三方の期待して頂いた領域には到達してないと思うので存分に『この虫野郎』と罵倒して下さい。
ではでは。
機動六課会議室。
そこで奇妙な光景が繰り広げられていた。
裸の少年が浮遊魔法で浮かされた上で手首を頭の上で金色のバインドに拘束されている。
「……うぁっ!だか――――ぁ、皆さん止めてくだっ……あっ!」
そして灯りに群がる蛾のように彼に群がるケダモノが五匹。
「ふぁ……エリオ、エリオぉ…………」
エリオの右の脇に顔をうずめ、匂いを堪能しながら自身を慰めるフェイト。
同性からでも見惚れてしまいそうな裸身を惜しげもなく晒し、
股間からかすかな水音を立てる彼女の瞳は既にとろけていて理性は感じられない。
エリオはまずフェイトの説得を諦めた。
「んちゅ、……えへ。エリオ君はココ、弱いんだよね?」
先程から積極的且つ重点的にエリオの左乳首を嬲っているのはキャロである。
「くぁ……キャロ!何でこんなコトっ!」
「何でって……気持ちいいでしょ?」
「気持ちよくなん―――――――――ひぅぅっ!」
反論は乳首を吸われる事でカットされた。
「ほら、嘘はよくないよ。その証拠に、エリオ君のここ、ビンビンだもん」
しっかりと勃起した乳首を優しく撫でられエリオの背筋にぞくぞくとした感覚が走る。
エリオの表情を確認して満足したキャロは、彼の子供ながらに鍛えられた胸板にしゃぶりつき、吸い尽くした。
声を上げないようにエリオは必死に口を閉ざす。
と、両の頬を柔らかくつかまれた。そして直後に結構な力で首を横にさせられて頚骨から嫌な音が鳴る。
そこにあったのは目を軽く閉じたヴィータの顔だった。
それを認識すると同時に唇の上に弾力のある柔らかさを感じた。
一瞬思考が麻痺した隙にエリオの口内に侵入してくる湿り気と熱を帯びた何か。
「……んちゅ………んっ……んぅ………ぷはっ!」
強引に首を捻る事でそれから逃れたと思ったのも束の間
「あ―――――――んむぅっ!?」
抗議の声は新たな唇によって阻まれた。
「あぁっ!はやてっ!何であたしの邪魔するんだよっ!?」
「んんぅ……ん、……んんっ………………」
ヴィータの声はしかし彼女の主には届かず、はやてはエリオの唾液の味を満喫し続けた。
酸素を求めて開かれるエリオの口を容赦なく自身の口で塞ぎ、エリオの口内の唾液を全て舐めとろうとする。
目を閉じたはやての表情は安らかという他無い。
更にエリオを奇妙な感覚が襲う。左足の親指を何かぬめったものでつつまれる感覚だ。
「んちゅ、んむぅ……エリオ、ほ、ほらいつも通りに足を舐めて綺麗にしたぞ?
そろそろ…………ふごぉっ!?」
反射的にエリオは足をばたつかせた。かかとが何かに直撃したが状況が状況なのでそこまで思考が回らない。
と、エリオはそこで奇妙な感覚に襲われた。
自分自身の根元に蓄積された熱が自分自身をかけのぼる感覚である。
「ぷはっ!うっあああぁぁっっ!!!」
体全体の痙攣とともに白濁した液体がすごい勢いで噴射される。
エリオの不意の一撃を受け仰向けに倒れていたシグナムの体に、エリオの精液が降り注ぐ。
「あ、熱いぃ……」
シグナムはその胸に降りかかった液体に陶然とし、それを指で掬って舐めとった。
「っ!?シグナムさん何やってるんですかっ!?汚いですよ!おしっこなんて舐めたらっ!!!」
「何を言っている……んちゅ、これはお前がくれた御褒美じゃないか。
とても、おいしいぞ?」
「シグナムばっかりずるいっ!」
「すまんなテスタロッサ。しかしご主人様の寵愛と一番絞りは私のものだ。濃くて、粘ついてて……流石だ」
猛然と抗議するフェイトを涼しい顔でやりすごすシグナム。
キャロとはやても同様の表情でシグナムを睨んでいる。ひとりヴィータだけがポカンとした表情だ。
そしてフェイトは視線の鋭さはそのままに、視点をエリオのストラーダに移した。
少し皮をかぶっているそれをおもむろにつかみ、
「駄目だよエリオ、ちゃんと、しっかり剥いておかない…………とっ!」
力任せに引き摺り下ろした。
「――――――――――――――――――っ!!!!」
敏感な部分を乱暴に扱われ、声にならない悲鳴をあげるエリオ。
「エリオ君が痛がってますっ!今、回復魔法かけてあげるからね?フィジカルヒールっ!」
エリオの様子に気付いたキャロはフェイトから強引にそれを奪い(ここでエリオはまたダメージを食らった)
対象の部分に回復魔法をかけた。
回復魔法というのは傷を負った箇所の細胞分裂を活性化させ、自然治癒の速度を飛躍的に向上させるものである。
そしてストラーダの根元にはエリオのカートリッジシステムもある。
全くの偶然ではあるが、そこにも回復魔法の効果が及んだ。
今、エリオの睾丸では通常の何十倍の勢いで精液が増産され始めたのである。
カウパー腺もじわりじわりとストラーダの先からこぼれていた。
しかしそれは彼女達には気付かれず、今度はキャロからはやてがエリオのそれを奪い返す。
(……あかん、このままやったらエリオ君とられてまうっ!)
意を決した彼女はフェイト達を越えるべく、言葉しか知らない『パイズリ』を敢行した。
浮いているエリオの両足の間に移動すると、胸をつかってエリオを挟み込み上下に動かす。
「んっ、んっんっ、……どうや、エリオ君?気持ちいい?」
「あ、あの八神部隊長!それ痛いですっ!」
しかしエリオに喜んでもらえず、むしろ嫌がってる素振りまで見せられた。
(嘘っ!?何でなん?)
焦ったはやてはさらに激しく上下に動かすがエリオの表情はますます苦悶に染まった。
「駄目だよ、はやて。そんなやり方じゃエリオは痛いだけだよ?」
勝ち誇った顔でフェイトがはやてを見下ろす。シグナムも同様の表情だ。
軽く肩を押されて、それだけであっさりはやては引き下がった。
シグナムがエリオの左側に、フェイトが右側にたってまずは二人で唾液をたらす。
先程からこぼれつづけているカウパーとそれを混ぜてエリオのストラーダに満遍なく塗りつけた。
ただでさえ剥きたての敏感な部分に直の肌は刺激が強すぎるのである。
塗りつける最中に手についた液を今度は自分の胸にぬりつけ、そして両側からエリオを挟み込む。
4つの肉によってエリオのそれはすっぽりと埋もれてしまった。
「うああああっ!?」
先程とは全然違うぬめった感触にエリオは驚愕の声を上げた。
「どう?エリオ、気持ちいい?」
「お前のそんな顔が見れるとはな……練習した甲斐があったというものだっ!」
二人はぐにぐにと自分の胸を操作してエリオに刺激を与え続ける。
左右からはさみこんだり、上下に動かしたり、それぞれが思うままに動かす。
「うぁっ!?くっ……あぁっ!ぐっ、くぉ」
歯を噛み締める事で何とか声をあげまいとするが股間から昇ってくる衝動に勝てない。
ぴくりぴくりと何度も腰が浮いた。
そのエリオの様子を見てキャロやヴィータは自分の胸をつまんだり寄せてみたりしているが
いかんせん無いものはどうしようもない。
そして一番追い込まれているのははやてだ。
シグナムとフェイトはうっとりとしてエリオを嬲り続けている。
「私だってっ!出来るんやからっ!」
二人の肩を押して自分のスペースを確保すると自分の胸を無理矢理割り込ませた。
6つの柔らかい肉がエリオのそれに密着する。
「――――――――!!!???」
感触が大きく変わった事にエリオの腰が一度大きく跳ねた。
胸の質感というものは万人共通ではない。
脂肪の下にある大胸筋などの影響を受ける為個人差が生まれるのである。
俗に、二の腕の筋肉と同じ固さとも称される。
シグナムの胸は弾力があってしっかりとした圧力を与えてくる。
対照的にはやては全てを包み込む柔らかさでエリオのそれをつつみこんでいた。
フェイトはまさにふたりの中間であり、弾力と柔らかさが混在している。
三者三様の肉につつまれ、エリオが耐え切れるワケが無かった。
「ひあああああああっ!!!???」
女の子の様な悲鳴を上げ、痙攣するエリオ。
その体の動きと連動して胸の間からすごい勢いで白濁液が噴射された。
角度の問題で正面にいたはやての顔面へと直撃する。
「うひゃあっ!?」
驚きの声をあげて反射的に顔を背けようとしたが、これがエリオの精液なのだと思って全て顔で受け止めた。
頬や鼻にこびりついた精液からむせ返るような匂いがはやての中に侵入してくる。
その微妙にあまったるい匂いにはやての脳髄がくらりとゆらされた。
先程のシグナムがそうであったようにはやても精液を掬い取り、口へと運ぶ。
「にが…………でも、これがエリオ君の味なんやね。そう思ったら、我慢出来るかな?」
「はやてばっかりずるいよ!」
「主……失礼します!」
エリオの精液を自分も味わおうと、フェイトとシグナムははやての顔に舌を這わせた。
「うぅんっコラ、シグナム!そこくすぐった―――ふみゃぁっ!?
フェイトちゃんも、これは私がエリオ君に貰っ――――ひみゅっ!?」
多勢に無勢であってはやての顔は見る見るうちに綺麗になっていった。
指で掬い取って口に運ぼうとした精液すら指ごとシグナムにくわえ込まれ、すすられる。
さらには口内に残った精液も味わおうとしたフェイトに唇を塞がれた。
「んぅっ!?ん、ん、ふぅんっ!!?ぷはっ!何するんやフェイトちゃんっ!?
私の……私の唇はエリオ君だけのものなんよっ!?」
「エリオは、私のだよ……私の体も心もエリオのものだからお互い様だけど」
大人三人がエリオから離れたその隙に、キャロがエリオのそれをくわえ込んだ。
「うっあっ!?くぁあっ!?」
キャロの動きは止まらない。
頭を激しく上下に動かすと共に、口をすぼめて頬の内側でエリオを擦りあげた。
口の内側のざらざらした場所を射精したばかりで敏感な箇所に容赦なく押し付けられ
声があがるのを止められない。
陸に打ち上げられた魚のように何度も何度も腰をはねさせる。
(どう?気持ちいい?)
キャロからの念話に答えようにも上手く言葉に出来ない。
「ひぐっ!?あっ!キャロ!そ、それ今すぐやめ――――んむぅっ!?」
そしてようやく紡ぎだした言葉も視界ごと塞がれた。
浮遊魔法で浮かび上がったヴィータが自身の股間をエリオの顔面に押し付けたのである。
「ほ、ホラ。いつも『美味しい』っていってなめてるじゃねーか。
い、今なら好きなだけ舐めていいんだぞっ?」
そんな事した覚えも言った記憶も無いエリオには戸惑いしか浮かばない。
口も鼻も塞がれているので必死に酸素を求めて顔を動かす。
「あっ……そ、そーだよ。そんな――ひぃあっ!?エリオ、そ、そこは違う――――ひゃぁああっ!?」
そこは違うとか言われてもエリオには判断出来ないが
エリオの割と高めの鼻がヴィータの前に、エリオの舌がヴィータの肛門に触れていたのである。
「ひぐっ!ば、馬鹿ぁっ!?そんな汚いトコ舌でほじるにゃぁああぁぁっ!!?」
ヴィータの腰が動き、何度も何度もエリオの顔に押し付けられた。
「やめろよぉっ!?そんなトコ舐めてたら腹こわすみあっああああっ!!?」
一際大きく跳ねたヴィータの股間からしょろしょろと水が流れてエリオの額にかかった。
そしてエリオも先程からの再三の刺激にとうとう我慢の限界を迎えていた。
(キャロっ!?すぐ口離してっ!?何かっ!変なの出ちゃうからっ!?)
念話をとばすと何故かキャロの動きは一層激しくなった。
その刺激はもともと崖っぷちだったエリオの背中を突き飛ばすには充分過ぎた。
「うぁああああああっ!!???」
熱を、キャロの口内にぶちまけた。
だがキャロはそれを全て受け入れる。
喉を鳴らし、全てを飲み込み、そして年齢からは想像もつかない妖艶な笑みで微笑んだ。
「あはぁ……エリオ君の、全部ひとりじめしちゃった……」
知らない。エリオはこんな笑みを浮かべるキャロを知らない。
あまりに異常過ぎる事態にずっと忘れていた感情、恐怖がエリオの心を支配する。
(誰か…………誰か助けてっ!!)
その時、部屋の上に放置されたままだったロストロギアが光を放った。
(…………える?…………聞こえる?もうひとりの僕っ!)
450 :
一階の名無し:2007/10/28(日) 15:31:05 ID:NXSACXLH
ターンエンドだっ!
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!
リクエスト頂いたものと続き物のどちらを書こうか迷っていたら
「両方書いて同時に投下すればいいじゃない」ってお告げがあったのでそうしてみました。
連投してしまい、すみません。
お互いが初めてだったら滅茶苦茶苦労するよなとか
流石にトリプルパイズリは無理だろとかまぁえっとあれですよあれ。
両方もうちょい続きます。
ではまたその時に。
>>450 この虫野郎! がんばったなお前!GJ!
>>450 この虫野郎!GJだぜ!!
おっと、何勘違いしてるんだ・・・まだお前のターンは終了して無いぜ!
それから4分23秒後のお話はあるんですよね、ね?
なにこのHAGAスレwwww
>450
なんと言うこの虫野郎!いいぞもっとやれ!
ただ実際エリオは恐いだろうな、まだ子供なのに親しかった人たちに半ば逆輪姦されてるし。
>>411 >>450 『反抗期エリオ』と『正統エロオ』という
此処最近エリオ尽くしで困るwwwwwwwwww
反抗期エリオがなのはに謝りに行く展開を期待して待ってます。
ほんとエロパロスレは地獄だぜ フーハッハッハッ〜〜
>>450 GJすぎるぜ
>>460 女性恐怖症に→アーッに走る
というオチだけは執務官と召喚師と将と部隊長と鉄騎が許しても俺が許さねえw
ユーノ尽くしからエリオ尽くしか。
ならば次はぼk・・・・・・クロノ提督の時代がくるんだな!
アレエイミィチョヤメシヌシヌシアッー!
またユーノ尽くしに戻るんだろ
いやいやいっそなのちゃん×クロくんの時代にならね?
なにこの神展開の嵐
>>450 この虫野郎!ぐっじょーぶ!
エリオよ、逆襲をかけて立場を逆転させるんだw
>>466 それでラヴラヴハッピーになるのはあくまでもハーヴェイ氏であって
恐妻提督ではないぞw
470 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 17:59:40 ID:PzZTdV+P
>>450 その内エリオのフェイトへの呼び方が変化したりしそうだな
そして初合体の時は乱れそうだ…
>>471 「フェイトって呼んで」と言われても、ついつい「フェイトさん」と呼んでしまうエリオに頬を膨らませて
拗ねるフェイトそん
あるいは二人きりの時には「フェイト」と呼んでいたせいで、ついつい六課の面々の前でもそう呼んで
しまい、その場が大騒ぎになる様子を幻視した
レジアス「ここでわしの時代だな。」
レジアス中将が筋肉を滾らせて待機中のもようです
ゼストの葬式で「雨が降ってきた」と言い張るレジアスと申したか
「オーリス。男には生涯で3度泣く事が許されている。」
「それはこの世に生れ落ちたときの歓喜の涙。」
「親を亡くしたときに流す手向けの涙」
「そして、友を喪った時に流す涙、だ。」
そして、その教えをちゃんと息子に教えるオーリスさんか。
虎のマスクを被った漢が現れそうな雰囲気ですね
兄、自重しろ
いやむしろ死んだはずの中将がサイボーグになって(ry
『ヴァイス×スバル』は『能天気な翼』でやってる。
某魂のユーノリンクから行けたと思うが……
この流れに乗って俺も駄作投下しますね。
この前ちらりと言ったユノなのソーププレイものです。
16th session〜十年の想い、繋がって〜
「……それじゃあ僕は先に上がるから。……何かあったら連絡、よろしくね?」
「はい! お疲れさまでした司書長!」
……廊下を歩きながら、ユーノは一人考える。
「(……ようやく、整理も一段落してきたのかな……。
こう言う風に毎日帰れるなんて事、最近までほとんど無かった訳だし……)」
……未だに地球なら労働基準法違反レベルで働いているのだが、ユーノにそれを知る由も無い。
「……えっと……明日は久し振りに休めるな……、論文でも書き上げて……」
そう呟くユーノ。実は3ヶ月振りの休みなのだが、ユーノにはそれを喜ぶ色どころか、完全にまともな休日を送る気すら無くて。
「……みんな働いてるしな……僕だけ休んでていいのかな……?」
……まず間違い無く管理局局員の中で1番働いている人間が言う台詞ではない。
以前はクロノも同じ程度働いていたが、エイミィが産休に入ってからは、一応それなりに有給を取るようになっている。
「……2、3日くらいなら徹夜しても十分持つんだけどなあ……」
人事部の人間が聞いたら涙目で「いいから有給を消化してください!」と言われそうな事を呟くユーノ。
そのままユーノは自分の部屋の扉を開けて……、
「ユーノ君、お帰りなさい♪」
「な、なのは!?」
……そこになのはがいる事に驚いて、飛び上がった。
「ど、どうして……?」
「えへへ……、ユーノ君っていつも外食とかばっかりでしょ? だから、ご飯作ってあげようと思って♪」
そう言ってにこにこ笑うなのはは、確かにエプロンを着けていて。
「……そ、そうなんだ……、でも、鍵は?」
「え、えっとね……」
そうユーノが聞くと、何故かなのはは言葉に詰まる。
と、そんななのはの胸に下がっているレイジングハートが、得意そうにきらりと光った。
『マスターユーノはあの程度のセキュリティで私を止められると思ったのですか?』
「レ、レイジングハート!? それ犯罪だから!」
……しばらくして。
「……ごちそうさま」
「えへへっ、お粗末さまでした♪」
なのはが作ってくれた夕食を食べ終わり、ユーノは何気なく時計を見上げ、あ、と声を上げた。
「え!? もう9時!?」
「うん、そうだね……」
「そ、そろそろ戻らないとフェイト達心配するんじゃないかな? なのは」
急に恥ずかしくなったのか、赤くなってあわわっ、と慌てるユーノ。
と、そんなユーノに負けず劣らず赤くなって、なのはが口を開いた。
「……あ……あのね、ユーノ君。……今日……その……、パーティーの続き……してもいい……よ……」
「……ふえ!?」
パーティーの時の続き、それが何を指しているのかはあまりにもはっきりしすぎていて。
其の事に思い当たった途端、ユーノは一気に真っ赤になった。
「え、あ、それ、……え!?」
「……」
完全に混乱しているユーノと、ぎゅっと胸の前で拳を握って固まるなのは。
と、混乱から覚めたユーノが、明らかに上ずった声で言った。
「ぼ、ぼぼぼ僕シャワー浴びてくるから! な、なななのはは帰った方がいいんじゃないのかな!?」
……訂正、未だに絶賛混乱中であった。
そのままなのはを置いてシャワー室に駆け込んだユーノを見て、なのはは真っ赤なままで呟く。
「……ユーノ君のいくじなし」
『そうですね……。……しかし、これはチャンスではないですか?』
「……チャンス?」
首を傾げるなのはに、レイジングハートは続ける。
……もしレイジングハートが人間だったら、その顔にははやて並のにやにやとした笑みを浮かべていただろう。
「落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け……!」
シャワーを頭からかぶって、ユーノは呪文のように言葉を繰り返す。
「続きしていいって言われても……! あんな風に無理矢理しちゃったら……!」
ユーノだって男。本心ではそのままいただきますしたい所であったが、理性がそれを止めて。
ようやく恋人同士になれたのだから、出来るだけ大事にしようと思っていた矢先にこれ。
ユーノは頭を抱え……、……ドアが開く音が聞こえ、そのまま固まった。
「な、な、なななな、なのはぁ!?」
「え、えっと、背中流してあげるね!」
ユーノは大慌てで振り向こうとするが、なのはのその言葉にさらに固まる。
と、目の前にあったボディーソープに手を伸ばして、なのはは何やらユーノの背中の方でごそごそやって。
「ん……しょ……っ!」
「!!!!?」
……背中にふにゃっ、とした柔らかい感触が2つ伝わった。
「……な……なの……」
「んっ……、んくっ……」
その感触が何かに気付いたユーノの思考は完全に停止する。
と、なのははそのまま胸でユーノの背中を擦りはじめた。
「……ふぁ……、……はぁっ……」
そのまま擦り続けていると、なのはは少しずつ甘い吐息を漏らし始める。
ユーノの背中にもこりこりとした感触が伝わって。
……ユーノは肩に添えられていたなのはの手を掴むとそのまま引き寄せ、体勢を入れ替えてなのはを押し倒した。
「にゃあ!?」
一糸纏わぬ姿で、思わず真っ赤になって縮こまるなのはに、ユーノはにっこりと笑って言った。
「ありがとね、洗ってくれて。……今度は、僕がなのはを洗ってあげるから♪」
「にゃうううっ!?」
途端になのはは沸騰し、ユーノはそんななのはの身体に手を滑らせた。
「はううっ! ふあっ、ひゃあんっ!」
「……なのは……可愛い♪」
胸を揉み上げるように擦り上げると、それだけでなのはは甘い声を漏らす。
ふるふると快感に震えるなのはに、ユーノは、ふと意地悪な言葉を投げたくなった。
「……でも……、身体洗う度にこんなになってるの? なのは」
「そ、そんな事ないもん! ユーノ君みたいにえっちな洗い方、しないもん!」
真っ赤になってそう答えるなのはに、ユーノはにっこりと笑い……、
胸の先端を摘み上げた。
「ふあああっっ!!」
「ここって汚れやすいから、ちゃんと洗わないとね」
「んああああっ!! だめだめ、それだめなのぉっ!」
指先にブラシ状になるように細かなシールドを大量に張り、それで胸の先端を擦ると、なのははみるみるうちに絶頂に上り詰めて行く。
「だめ! もう……だめぇっ! おかしくなっちゃうよぉっ!」
「……分かった、じゃあ、止めるね」
そう言って手を止めたユーノを、なのはは完全に快楽に支配された顔で見上げる。
そんななのはにユーノは苦笑すると、口を開いた。
「もう胸は充分洗ったしね……、今度はこっちだよ、なのは」
「っ―――!!!」
そう言って、ユーノが秘所近くの突起を軽く摘むと、なのはは声も出せないまま絶頂に達した。
びくんびくんと身体を跳ねさせるなのはを愛しそうに見詰め、ユーノは口を開いた。
「こーら、暴れないの。洗えないでしょ?」
「やああっ! 壊れちゃう! 壊れちゃううっ!」
そのままなのはの秘所を擦ると、なのはは強烈すぎる快感に翻弄される。
繰り返し絶頂に達し続けるなのはを、ユーノは何故か感動したように見詰め……、
手を止め、口を開いた。
「凄いね……、こんなになっちゃうんだ。……ここまでびしょびしょなら、そろそろ大丈夫かな?」
「……ふ……にゃあ……?」
息も絶え絶えななのはに秘所に、ユーノは自分自身を宛がう。
その瞬間、なのはの表情が一瞬で怯えたものに変わった。
「ひっ……! だ……め……、そんなの……入らないよう……」
怯えて後退りしようとするなのはを捕まえて、ユーノは言う。
「……大丈夫だよ。力、抜いて。ね……?」
そう言ってユーノがなのはに口付けると、少しずつなのはの身体から力が抜けて行く。
そんななのはに、ユーノはほっとしたように微笑みを浮かべると、ゆっくりとなのはの中に自身を埋めて行った。
「んっ……あ、あ、ああっ! ……痛い……よぉっ……」
「くっ……、ううっ……。な、なのは……、少し……力……」
「む、無理いっ……」
余りの痛みに涙を零すなのは。
中でぎゅうぎゅうと締め付けて来るなのはに、ユーノは物凄い快感に襲われた。
「く……っ! なのは……! 動くよ……!」
「ひぎぃっ! や、あ! あぐっ!」
ユーノがゆっくりと動き始めると、なのはは必死でユーノにしがみ付く。
涙をぽろぽろ零すなのはに、ユーノは一瞬悩み……、……なのはの身体に手を滑らせた。
「あふあああっ!?」
「……なのは……なのはも、気持ち良く……」
感じる所を擦られて、なのはは痛みと快感がごちゃ混ぜになった感覚におかしくなりそうになる。
と、だんだんとなのはの声から、痛みの色が消えて行った。
「くあああっ! きゃはああん! ゆ、の、くん、らめぇっ!」
「……なのは、もう、大丈夫」
「ふうううんっ! あ、あー!」
もうまともに話をする事すら出来ていないなのは。
そんななのはの耳元に、ユーノは唇を寄せ、囁いた。
「なのは……、僕……、そろそろ……!」
「あ、あああっ! ……き、今日、大丈夫だか、らぁっ! ゆーの君、中で感じさせてっ!」
「……う……ん……!」
そう言うと、ユーノはなのはの1番奥まで自身を突き込み……、
「なのは……っ!」
「あ、ひ、あ、ああああぁぁあぁあぁっ!!!」
自身の欲望を最奥に注ぎ込み、なのはも一緒に絶頂に達した。
はあはあと荒い息を吐きながら、なのははにぱー、と微笑む。
「い、一緒に……イけたね……、ぁっ!? ま、またおっきくなって……、ふあああっ!!」
そのまま二回戦に突入したユーノとなのは。
漏れ聞こえてくる嬌声を聞きながら、シャワー室に突入する事を提案したレイジングハートは満足そうに呟いた。
『……これでいいのです。マスターとマスターユーノは好き合っているのですから……』
これで終わりです。
……とりあえずレイハさんは自重しようかw
次回は、本編では冥王なのはさん降臨シーンなんですが……、なのはさんをオリキャラと差し換えるつもりでいます。
……だって俺の脳内設定では五回戦まで突入予定なんだぜ?
>>490 リアルタイムキタ!
GJです!!
レイハさんww
>>490 gj。
しかしRHの「これでいい」という言い回しが気になる
はっ、もしかしてRHも(ry
>>395 お料理行進曲
遅レスすみません。面白かったです。
序盤なのはさん地雷原ばく進しすぎですw
ヴァイスがラスト手厳しくいいとこ持って行きましたね。
>>490 GJです! 久々のユーなの堪能しました。
スイッチ入る前後別人過ぎる淫獣自重www
魔王に対抗するには二面性が必要だとでもいうのかーにぱー
>>490 なのはがどんな格好で風呂場に突入したのかすら書かれていない。
あまりにも唐突に、しかも何の説明や葛藤もなく攻守を交代するユーノ君、等々
もったいないなぁ、おいしいシチュなのに情景・心理描写が少なすぎ。
調理し損ねた最高級食材みたいな感じだ。
>>495 だねぇ。
しかし、裏を返せば書きなれていけば一流シェフになる可能性もあるわけだし
期待はできるってところかな?
>>496 早い話がチューボーの「未来の巨匠」という事だな?
>>495-497 自分のHPに人が来ないからって、このスレに投下し続けてる奴に何を期待してるんだかw
本人の言葉を信じるなら大学で文化系サークルでオリジナル物まで書いてる、って話だが・・・
とても信じれん、作品のレベル的にな。
重ねて書いとくけれども気にすんなよ。>作者
本当にしつこい粘着さんが付きまとってるようだな。
なにやら書いてたら前後編になってしまったんですが
見るに堪えるものかは保証できませんが、この空気の中投下してもいいですか自分……とりあえず前編だけ
是非お願いします
502 :
シナイダ:2007/10/29(月) 03:30:58 ID:BvuBLMML
ありです
えー、前後編の前編です
ほんとはエロありなんですが、ちょっとだけ長くなったのでエロなしとありに分けました。ちなみに今回はエロなし。前振り的な話
・ユーノ×フェイト(そろそろ固まってきたので)
・尻です。アナルです。苦手な人は回避して下さい
・こっちはエロなしですが、後編はエロありになってしまいます
・書いてる途中でふと思ったのがユーノがなんか突っ込みキャラになってる気がします。キャラ改編……なのか
・続きものです。全体から見ると三話(前編)って感じです
では行きます……
※この話は『タイミングは見計らうのもいいが待つのも良い』の続きです
本局からのテレポート施設。
様々な次元へと移動する際には次元航行艦を利用するか、幾つかある中継ポートを経由する必要がある。
そして、この中継ポートもその一つ。
このポートからは次元世界50〜100までの世界への行き来が可能となっており、許可が降りていれば管理外世界への転送も出来る。
そんなポートにて、転送開始時間を待つ人間たちの間に、一人のショートカットの少女がいた。
「あかんて。あかんあかん。ええかお姉さん、こないな適当なブラじゃええ乳は育たんで? 20過ぎて己の乳が育たんと踏んで形を崩したら意味がない。分かるやろ?」
「は、はあ」
受付嬢相手にセクハラ紛いの管を巻いている小学生の、少女が。
その独特の口調の少女は、日頃身に纏っている管理局の制服ではなく、お気に入りの半袖ジーンズジャケットに長袖のシャツを重ね着して膝丈上くらいのミニスカートを履いていた。
今年2(ピー)歳になる受付嬢はこんな年下の少女になんでこんなこと言われているのか理解出来ず、目を白黒させつつも耳だけは傾けている。
良い人なのだ。残念ながら。
「私はな成長過程を見て、それが大きく育ってくれたらそら嬉しいことやと思っとる。けどな、一度完成したモノが崩れていくのを見るのは耐えられへんねん」
「はあ」
「せやからお姉さんには是非とも形の合ったブラをしてもらえたらええと思う。形だけやないな、大きさもや」
「!?」
何故そんなことが分かるのか。
確かに彼女は、胸が大きい。それも一般人から見れば羨まれる程度にだ。
しかし幼い頃から発育のよかった彼女は周りの男子からからかわれ、女子から羨望と嫉妬の視線を向けられる己の胸をそれ程好いてはいなかった。
故にそんな昔からの性癖がたたってか、今でも少しだけ苦しい、小さいサイズのブラジャーをついつい買ってしまう。
多少潰れようとも、それで胸の大きさが隠れるならいいと、心のどこかで思っていたからだろう。
目の前の少女はそんなことはお見通しと言わんばかりに指を振って、更に首を振り、肩に手を置いてきた。
そして真っ直ぐにこちらと目を合わせると、なんだか一番星のようにキラキラした視線を向けてくる。
「そこで、や。お姉さんのブラ―――ぐおぅふ!?」
「お、お客様!?」
少女がこの世の生物とは思えないような凄い声を出しながら引っ張られていってしまった。
どうやら彼女を掴んだのは金髪の少年―――いや少女? のようで、肩を怒らせながらもズルズルと苦しむ少女を引きずっていく。
何やらよく分らなかったが、受付嬢は先程の少女の瞑らな瞳を思い出す。
ああ、鮮明に思いだすことが可能だ。あそこまで欲望に濁った瞳はそうそう見れるものではない。
けれど、ブラジャーやらおっぱいに対する情熱は確かなようだったし……。
「……買い替えてみようかな」
それが、まさか今後の彼女の人生の転機になろうとは誰も思っておらず。
話に大筋には何の関係もないのであった。
504 :
シナイダ:2007/10/29(月) 03:35:09 ID:BvuBLMML
金髪の彼は妙な口調の彼女を引っ張って適当に受付から距離を取ると、大きく深呼吸してから叫んだ。
「何やってんのさ、はやて!」
「いやーちょっとおっぱいマイスターとして見過ごせん逸材を見つけたんでつい……」
「何を訳の分からないことを……」
やれやれ、とユーノは肩をすくめる。
彼も地球に行くためにこのポートで待っていたのだが―――まさかはやてがいるとは思わなかった。
あはは、と笑って誤魔化すはやて相手に全く、と呆れたように呟くと、キョロキョロとあたりを見回す。
「ヴォルケンリッターは?」
「ん? ああ、シグナムはザフィーラと別任務。ヴィータは武装隊のほうやね」
「シャマルさんは?」
「あそこ」
指差されたほうに首を動かしてみる。
すると、待合場所で手荷物に寄りかかる様にして船を漕ぐ、20代前半の女性の姿がそこにあった。
ヴォルケンリッター、湖の騎士ともあろう人だ。
が、疲れれば居眠りの一つもするらしい。
「そっか。それで暇してたわけだ」
「うん。ユーノ君は地球に用事なん? 今からやと向こうに着く頃には夕方やけど」
「まぁ、ね。一応すずかの家に泊まることになってるから」
「……すずかちゃんの?」
「すずかちゃんの」
ほほぅ、と顎に手を当ててニヤついたはやては、顔を近づけてうりうりと肘で胸を押してくる。
「なんやなんや。私が出掛けとる間にそないなおもろい展開になっとったん?」
「はやてが考えてるようなことじゃなくて、正確には忍さんに呼び出されているんだ」
「忍さん? なんで?」
「いやなんか最近気に入られてるというか重宝されてるというか……」
正直とっても掴みにくい人なので真意は不明なのだった。
なーんだ、と詰まらなさそうにぼやくと。
「ま、ユーノ君はあれやろ。フェイトちゃんとラブラブなんやろ?」
……と、なんだか凄い発言をして下さった。
というか意味が分からない。
「ちょっと待った。何それ!?」
「あ、もう出発時刻や。シャマル起こしてテレポーターのほういこかー」
「ワザとらしいスルーしないでよ! 僕とフェイトが何さー!」
「気持はわかるで。ついつい苛めたくなる程可愛いもんなぁ、フェイトちゃん」
「いや、だからね?」
「あーでもあれや。アリサちゃんのこともちっと考えたってな。なのはちゃんは自分でなんとかするやろうけど」
もう意味が分からない。
そんなユーノの疑問も、その後に鳴り響いたアナウンスにかき消されてうやむやになってしまうのであった。
―――――――
翌日。
海鳴にある聖小の5年生の教室では、1人の少女が帰ってくる代わりに1人の少女が出入りでいなくなっていた。
「やっぱり皆忙しいんだね。はやてちゃんの次はなのはちゃんだもん」
「まー、比較的憂慮してはもらっとるんやけどね。私なんかはレアスキル持ちの前科持ちやから、便利屋扱いはどうしてもしゃーないからなぁ」
給食に出た紙パックの牛乳をズズズ、と音を立てて啜りつつはやてが肩をすくめる。
すずかがそうなんだ、と頷いてから口元にトマトケチャップをつけたフェイトへと話題を振る。
「フェイトちゃんは最近どう?」
「私? うーん。基本的にアースラの預かりだから、母さん達に全権があるんだよね。それでも緊急出動とかはあるけど」
「そっか。2人とも、無理だけはしちゃだめだよ」
「あはは、わーっとるって。それにうちの場合はヴォルケンズがおるし」
「私にはアルフもいるから」
ちなみにそのアルフは現在本局でエイミィの事務手伝い中なのだが。
そんな会話をしていた中、フェイトが空っぽになっている座席にふと視線を向ける。
「アリサ、大丈夫かな?」
「保健室で寝とるんやろ。後でちょっと様子でも見に行こか?」
「そうだね……でも、あんまり刺激しないであげた方がいいかも」
「? どうして?」
不思議そうな顔をするフェイトに、すずかとはやては顔を見合せて苦笑する。
よく分らないフェイトは更に首を傾げて―――
「……あれ?」
「どうしたのフェイトちゃん」
「ん……」
「はやてちゃん?」
更に怪訝そうに眉をひそめて、はやてが呻く。
そして唐突に手を軽く動かして、その手の中に小さなベルカの魔法陣を生み出す。
「―――フェイトちゃん、気付いたか」
「はやても? じゃあ、気のせいじゃないね」
「?」
「今、確かに魔力反応が―――」
瞬間。
「「!!」」
まるで大地震でも直撃したかのような魔力による揺れを2人が感じ、学校全体が結界のようなもので包みこまれ―――すぐに収束して消えた。
ガタン、と立ち上がった2人はすぐさまに検索をして発信源を特定する。
「ど、どうしたの? 何があったの2人とも?」
「あかん……」
「え?」
「大変だ……」
顔面蒼白になった2人相手に、すずかはオロオロと戸惑う。
そんな彼女にも分かるように、はやてがゆっくりと言う。
「今、なんらかの魔力反応があって、結界が張られたんや。すぐに解けたけどな……でも、その発信源がな」
「う、うん」
「保健室辺りなんや」
今、アリサ・バニングスが寝ている、その場所である。
―――――――――――
「!」
「どうしたのユーノ?」
「今……魔力反応、かな? この方向は確か―――えっと……そうだ。学校のほうだ」
「ええ? 何々。何かあったの?」
スパナを持っていた手で空中に軽く印を組む。
情報処理の演算代用として呪を唱えたり何かを書き示すのは昔からある一般的な手法だ。
近代ではデバイスという便利な演算装置があるので、強力な魔法を使う時以外で詠唱を行う人はあまりいないが。
足元に緑色の魔法陣が展開し―――町全体に向けてサーチが放出される。
月村家の庭で行われていた謎の発明品の横で、超科学である魔法が乱舞する様は何やらシュールでもある。
「やっぱり……一瞬だけど学校で強い魔力反応がありました。今は収まってますけど……うーん……心配だから、ちょっと見てきます」
「うん、いいよ。すずかたちのことよろしく」
「はい。―――それじゃあ、行ってきます」
ん、と言いながらひらひらと手を振る忍の背を見つつ、なんだかなぁ、と呟きながらも飛翔魔法でその場から飛び去った。
―――――――――――
《はやてちゃん! 聞こえますか!》
お? と思い頭の中に響いた思念通話のチャンネルを合わせる。
聞こえてきた声は―――今家で留守番をしている筈の、己の騎士のものだ。
《おおシャマル。今どこにおるん?》
《えっと、い、家のリビングです。なんか今、そちらで魔力反応があった気がしたんですけどっ》
《ブラボーや、騎士・シャマル。しかも私やフェイトちゃんやのうて第三者のもの。今むかっとる》
《私も行きましょうか?》
《うん。不自然でないよーにな。私の保護者ってことになっとるわけやし》
《りょーかいです。ばれない様に変装していきます》
変装は止めた方が―――と言おうとしたら切れてしまった。
まあ面白そうだからいいかと思っていると、横を走っていたフェイトが横目でこちらを見る。
「誰?」
「シャマルや。少ししたらこっち来るって」
「そっか。にしても、近づくにつれて魔力を感じるね……これは、広範囲ではなくて高密度に作用してるのかな……?」
「ふむ。狭い範囲―――この場合は保健室―――に限って何かしとる奴がおるってことかな」
その考察に少し考えてから、頷き返す。
「そうだね。……ただ唐突過ぎる上に限定的だから、ロストロギアの可能性も……ないか」
「ははは、そらそーやろ。ユーノ君が落としたジュエルシードに私が持ってた夜天の書。それもロストロギアやったら三つめやで? 幾らなんでもそんなん聞いたことないわ」
「だ、だよね。てことは人間が相手か―――バルディッシュ。気を引き締めるよ」
《Yes,sir》
短い返事だが、慣れ親しんだ返答を聞いて頷く。
はやてはポケットから十字架タイプの待機モードストレージデバイスを取り出し、鎖の金属音を響かせる。
「うちはシュベルトクロイツのβ版と夜天の書しかあらへんけど……なんとかしてみせるわ」
「ユニゾンがいるような状況にはならないと思うけどね。そういえばリインフォースの……後継機はもうすぐ?」
彼女らに想いを託して消えたあの子の名を継ぐもの。
各部に盥回しにされつつも、ようやく中身の調整が終わりつつあり、外装を作成してるところだったはずだ。
ヴィータの希望だったらしい小さな女の子だったようだが―――
それを聞くとはやてはにへへ、と照れ臭そうに笑う。
「うん、もうちょい。あ、あと聖王教会ってとこの人たちとも仲良うなってな。今度紹介するわ」
「うん、楽しみにしとく……あ、保健室だ」
「いよっし、いくで!」
周りに人がいないことを確認してはやてが杖を展開する。
本当ならバリアジャケットも装着したいのだろうが、流石にあの格好では誰かに見られた時に言い訳がきかない。
フェイトもアサルトフォームのバルディッシュを手にすると、保健室の扉を挟むようにしてはやてと同時に待機する。
「いくで。スリーカウント」
「OK。3」
「2」
「1―――GO!!」
まずはフェイトが構えたまま中へと突撃して辺りを警戒、その後からすぐさま援護射撃が出来るようにはやてが杖を構える。
―――入口付近から見える範囲には誰もいない。どこかに隠れているのだろうか。
そうして一歩前に進むと―――フェイトたちの身体を、微弱な魔力流が通り抜けていく。
何事、とばかりにフェイトがバルディッシュに視線を送る。
と、相方の戦斧は問題ないとばかりに点滅した。
「はやて?」
「いや、今のは検索魔法の余波やな。シャマルがやるとは思えんし―――ってああ、そうやった」
「何? どうかしたの」
「うん。実は地球に来る前のテレポーターでユーノ君に会ってん。そか、きっとユーノ君が使ったんやな今の。人騒がせな」
「え……ユーノ……来てるの?」
「そやけど……あれ、聞いてへん?」
前に向きなおり、保健室内に気を配りつつ、フェイトが非常に不機嫌なオーラを全身から放ち始める。
やっべえと思いつつもはやてはなんとかフォローしようと思い―――
「い、いやなんか忍さんに用があるらしいからその、なにゃ、」
「……私、聞いてない」
「や、な? ユーノ君やってその、きっと忙し、」
「……忙しいなら地球まで来ないもん」
「そうやね。うん、全くその通りやね―――ユーノ・スクライアあああああ! この空気なんとかせえええええええええ!」
ちなみに後半は魂の叫びであり、口には出していないことを明記しておく。
しかしそんな状態でも敵のことは忘れない2人はジリジリと奥へと間合いを詰めて行き、少しずつ敵がいるかもしれない場所を潰していく。
そして残るは―――カーテンで遮られた、最奥の一つベッドのみ。
「……先生はどこ行ったんやろ」
「職員室じゃないかな。保健室の正面だし、普段はそっちにいた気がするよ」
「そか。んじゃあ……いくで。アリサちゃん以外がいたら―――」
「殲滅」
「や、確保な。確保。イライラしてるからってなのはちゃん寄りの思考にならんでな」
本人がいたらそれだけで怒られそうなことを言いつつ、フェイトはカーテンに手を伸ばし、はやてが杖の先をそちらに向ける。
そして目くばせでタイミングを計って―――払う!
「確保オオオオオオオオオオオオ!!」
「フェイトちゃん殺気が!? 顔の造形が島本な感じに!」
が、しかし中には特に不審な人物はいなかった。
念のためにはやてはベッドの下も覗き―――誰もいないことを確認してから、ベッドの上ですやすやと眠るアリサを見る。
実に何事もなかったかのような態度に、少しばかり拍子抜けしてしまう。
「なんや? 気のせい、ってことか?」
「いや、私たちだけならともかくユーノやシャマルさんも反応してる。“何か”はあったんだ」
「……せやね。少し調べてみようか」
「ん。私がやるよ。ミッド式のほうが向いてるでしょ」
「ああ、うん。悪いね」
金色の魔法陣を展開し、部屋の中から学校全体に向けてを調べ始める。
それを置いて、はやてはアリサの近くに寄って、その様子を見てみる。
「……ふむ。なんともないように見えるけ―――ど? ん……なんや」
夜天の魔道書を中空に取り出してみる。
するとその本全体が少しばかり発光し、……アリサに反応しているようにも見える。
「何……これ……アリサちゃんに反応して―――夜天の魔道書? ……これは」
「どうしたのはやて」
「私たちでは反応できない―――何かや。なんや? ……夜天の魔道書……能力? ロストロギア……ん、待てよ……」
「……何か分かった?」
「いや、確証はないけど……多分―――」
「あ、はやてちゃんにフェイトちゃん! お待たせしましたっ! 超速で飛んできましたよっ」
すると保健室のドアが勢いよく開いて、慣れ親しんだ声が中へと響く。
「あれ、シャマル? 場所伝えてへんかったのによーわかったな―――……なんやそれ」
「やだなぁクラールヴィントなら2人の居場所くらい一発ですよ」
「いやそっちやのうて。その、恰好の話」
「あ、似合ってます?」
そう言う問題じゃな―――いやそりゃあ普段着てるんだし似合っていたけれど。
その身に纏っているのは、白衣。
科学者研究者、または医療関係者が羽織っているようなそれである。
当然のように白衣を身に纏って着こなしたシャマルはふふん、と胸を張る。
「どうです。以前病院では『コート』に『サングラス』と違和感ある恰好でしたけど―――これなら間違いなく、問題なく学校に潜入出来るでしょう」
「ここまで入ってしまってるから文句は言えんけど、その格好は無いわ。一般的に考えて」
「ええええ!? お、おかしいなぁ……局のそのまま流用したんですけど」
「そら管理局内ならええけど……家から学校まで白衣で来る保険医がどこにおんねん。いるかもしれんけど、海鳴にはおらんやろ」
「うふふ。やだなぁ、そんな人いるわけないじゃないですか」
「はは、鏡見てから言えな?」
ええー、と首を捻っているシャマルは放置し、夜天の書を取り出す。
「やっぱり、夜天の魔道書は基本的にロストロギアやしな。となると―――」
「あれ? 夜天の書どうかしたんですか?」
今頃気づいたらしく、シャマルはててて、と近づいてきて―――目を見開いた。
「これは……夢?」
「ゆめ?」
「はい。夜天の書は生物を蒐集することで、対象を夢の世界に閉じ込める能力もありますから……いえ、半分以上能力が失われている以上、ありましたが、が正しいですが」
「つまり、どういうことです?」
フェイトの問いに、真剣な目で答える看護士一名。
「どこかで深層意識―――“夢”にアクセスする魔法、及び能力が使われていて……擬似的なリンクを得て反応しているのかと」
「夢―――……この場、状況下で、夢? ……まさか」
「たぶん、その“まさか”やフェイトちゃん……この場で夢を見とるのは、1人しかおらん」
2人が振り向く先。
そこには―――安らか過ぎる表情で眠る、親友の姿が。
慌ててフェイトが近寄り、アリサの両肩を掴んで身体を揺さぶる。
「アリサ! 目を覚まして! アリサ!」
「……」
反応がない。
これだけ強く揺さぶって起きないほどに、強い眠りに入っているとも思い難い。
なれば。
これは、やはり外因があると―――考えるのが常道だろうか。
「なるほど……何があるのかは知らんが、アリサちゃんを夢の世界にご招待して閉じ込めとるわけやね」
「なら、助け出さないと!」
「勿論や。シャマル、打開策は……これでええのかな?」
「恐らく、出来ると思いますけど、幾つか問題が」
夜天の書。
深層意識にアクセスすることが可能なロストロギアを前に、シャマルは少し考え込む。
問題があるとすれば……それは一体。
「まずその一。夜天の書で術式を展開する場合、以前のような管制プログラムを担っていたリインフォースがいなくなったので、私がバックアップにつく必要があります」
「? それがなんの問題なん?」
「術者は、対象者の意識に潜伏できません。よって、この場合ははやてちゃんと私が外に残ってフェイトちゃん1人に任せることになります」
「……成程」
「そっか……でも、大丈夫だよ」
「その二。内部に潜伏した人も、失敗すれば中に取り込まれて永久に帰ってこれません。“夢”や“意識”の操作魔法は大概そういう仕掛けになってます」
「……む」
過去幾千の戦いを潜り抜けたシャマルが言うのだ。間違いないだろう。
確かにそれは懸念材料とも言えるが―――その程度で引くわけにもいかない。
フェイトは強く頷くと、自分は平気だという意志を示した。
「平気。私一人でも、なんとかするよ」
「……そう。じゃあフェイトちゃんもこう言っていますし、はやてちゃん。やりましょう」
「そうやね。けど、一つ注文増やすで」
「?」
首を傾げる2人を見て、少し小気味よく思う。
まったく、シャマルはともかくフェイトはさっき言ったばかりなんだから失念しないで欲しかった。
さっきからその反応は―――如実に近づいているというのに。
「もう1人、アリサちゃんの夢に潜入する役、追加や」
「え? 誰を―――」
「あ!!」
思い出したようにフェイトが大声を出す。
「戦いになるかは知らんけど、やっぱ前線には補助がいた方がええやろ? なぁ?」
「あ、あううううっ!?」
何やら焦ったような声を出すフェイトを尻目に―――
近づいていた反応は、彼女たちの姿を見届けたからか、窓から堂々と中へと入ってきた。
靡く金の髪。
よく知った半そで半ズボンのバリアジャケット。
緑がかった瞳で皆を見回し―――
「皆、何があったの?」
ユーノ・スクライアは、そう言って保健室へと降り立った。
――――――――――――――――――
事情を説明されたユーノはそうなんだ、と頷く。
そしてはやての提案にも特に異論はなかったので賛成した。
「分かった。じゃあ僕とフェイトの2人で行こう。いいよね、フェイト」
「……う、うん。い、いいいぃ、―――いよっ!」
「え、何その持ち上げ方……どしたの? なんか壊れたゲーム機みたいになってるよ?」
「最近思うんやけど、ユーノ君こっちの文化に馴染んでるやろ?」
はやての呆れたような突っ込みは無視しつつ、フェイトの顔を覗き込む。
赤くなって俯いているフェイトを見て―――なんとなく思い至ったユーノは、フェイトにだけ聞こえるように囁いた。
「もしかして、その……あの時のこと……」
「ち、違うよ! そ、それはまた別の機会にゆっくりと! むしろじっくりと! ねっちりと! ぐっちりと!」
「おっと新語だ。流行るといいね―――じゃなくて。あ、はい―――いやはいでもなくて。あ、あのね?」
「べ、べべ別に緊張なんかしてないよ? 本当だよ?」
いや聞いてないよ、と答えておくが何やら様子がおかしいなんてレベルじゃない。
一体どうしたというのか。
「―――ははぁん。フェイトちゃん、あれや、さっきユーノ君に怒っとったやーん? 怒らへんのー?」
「え、何を?」
「そ、そそそれは、その、せっかくこっちに来て、なんていうか、私の……私に……」
「……フェイトに?」
首を傾げるユーノに。
テンパった状態で。
「わた―――わたりてつや!!」
「は?」
「う、ううう、もう、馬鹿! ユーノのおバカ! 知らない! あ、違うやっぱ知る!」
「え、えええ? ご、ごめんなさい。あれ?」
ポカポカと胸板をぶたれて目を白黒させることしか出来やしない。
微妙な乙女心など理解出来ず、なんだかよく分らず怒られている気がしたが、流されるのが得意なユーノは謝ってしまった。
それでオチがついたと見たのか、放っておくと終わらないと思ったのか、はやてが笑いながら両手を叩く。
「はいはい。ほんならそろそろ準備してな?」
「あぅ……ほら、行くよユーノ!!」
「あ、はいすいません……」
「なんかユーノ君って強気の相手に腰低いわよね……」
「いや、きっと特に指向性が読めない相手に対しての対応の仕方がわかってへんのよアレ」
「そこ。勝手な推測しない」
八神組に文句を言いつつも、アリサの傍へと立つ。
アリサは恩人であり友人であるなのはの親友で―――自分にとっても大切な友達だ。
何が彼女に起きているのかは知らないが、絶対に助けだす必要がある。
「―――よし。僕は何時でも準備―――あ痛ッ」
「ユーノ。あんまりじろじろ見ないで」
「あ、ああ。ごめん……」
凄い機嫌悪そうなフェイトに頭をぶたれた。
確かに女の子の寝顔をじろじろ見るものじゃなかったな、と思いなおして目を瞑って精神を集中する。
その様子を腹が抱えながら見守りつつ、はやては夜天の書のページをめくり始めた。
「ほんなら、いくで。―――同調開始」
「クラールヴィント。ユーノ君とフェイトちゃん、及びアリサちゃんの意識リンクを夜天の書を媒介にして行って」
《ja―――Verbindung》
白と緑、二つの魔法陣が回る。
その中で自然体で立っていたユーノは温かい感触と共に、突如隣の少女に手を握られた。
思わず目を開けようとして―――
「こ、こっちのほうが、その、たぶん、いいかと思うから」
「あ、あぁうん、そ、そうだね。うん」
「言っとくけど意識切り離すから手ェ握るのあんまり意味ないで。まあいいけど……ほんなら」
「行きますよ!」
シャマルの掛け声と共に2人は身体に浮遊感を覚える。
フェイトは過去一度経験したような感覚。ユーノは、初めて覚える浮遊感―――まるで、眠る直前のような、スッと意識が浮くイメージ。
そしてフェイトとユーノの精神は。
アリサの意識内……否。
アリサの意識の中に巣食う、とある場所へと、這入っていった。
513 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 03:47:51 ID:zKY99NFJ
このHAGA野郎めwwwww
リバースカード!!!
【GJ】
514 :
シナイダ:2007/10/29(月) 03:50:15 ID:BvuBLMML
前編はここで終わりです。つづきます
後編はなんか17レスくらいありますし、連投控えるってことで一旦止めます
読んでくださった方、ありがとうございました
>>514GJです!
後半が楽しみすぎて今すぐ読みたいです!
むしろ一階の名無し氏のように……
おっしゃあ!!一階の名無し氏とどっかのゲリラ兵氏両方キテル!!!
>>ゲリラ兵氏
やっぱりこのエリオはかっこよすぎる!
キャロをひたすら愛し、その過程で非情さと強さを身につけた彼はかっこよすぎるぜ
>>一階氏
おかえりなさい。ずっと氏のターンを待ってたぜ!
ある槍騎士と〜も逃亡編もGJすぎる!
改めて両作品のギャップがすげえwどっちも素敵だが個人的には逃亡編が最高すぎました
両氏とも続きを楽しみにしています
控えずこのまま投下しても何の問題もない気が
>>514 GJ!
こんなにも続きがwktkなのは久々だぜぇ・・・・・・。
しかし、このフェイトさんは乙女なのか変態なのかよくわかんねぇ!
519 :
シナイダ:2007/10/29(月) 06:01:11 ID:BvuBLMML
おはようございます
ええと、レポートが終わってませんでした。終わりました。私情です
ええと、じゃあ誰もいないようなので後編を落とします
注意書きはさっきとほぼ同じです。エロありってこと以外
「なんなのよもぅ……わけ分かんないわよ……」
アリサは、一人だった。
別に幸せな夢を見れていたわけでもない。誰かと仲良くしたり、誰かがそこにいたりしたわけでもない。
ただ、一人。
そこに、じっとして―――蹲っていた。
「なんで誰もいないのよ……これ、なんかの魔法なんでしょ……? もう、早く助けなさいよあいつら……」
体育座りをして身体を縮こまらせつつ、壁に背中をつける。
声は既に涙が交じっており、不安で押しつぶされそうなのが手にとる様に感じられる。
「だいたい、変なのよ。なんで学校に誰もいないし、学校から出れないの?」
アリサの言葉通り。
この世界。
正確にはアリサの知らない、アリサの内部に巣食った、とあるものの中の世界。
そこにはこの小学校しか存在せず。
校門から外に出ることも叶わず、携帯電話も通じず、更には人っ子一人いない。
ここは、学校があって、見たことあるような生活臭があって、そしてアリサ・バニングスがいる。
ただ、それだけの世界だった。
「……う、うう……う、ひう……ぐすっ……怖いってのよ……何か出てくるなりなんなりしなさいよ……助けに、来てよ……フェイト……はやて……」
―――、と。
自分でも気付かぬ程度に、誰かの名前も一緒に呟いていたが、それは意識されぬまま空気に溶けていった。
これは一体なんの世界なのか。なんの冗談なのか。
「もう! いいから、どんなんでもいいから、さっさと出てきなさいよバカバカバカー!」
冗談が続くならどんな冗談が良かったのか、この時のアリサは考えもしなかった。
だから。
『あれ―――あれ? な、は、ユ? ふえええ、あ、ああああう!?』
という声が、自分が廊下側から寄りかかっていた保健室のドアの中から聞こえたのと。
自分の頭の中に激しい情報が入ってきて、そのまま意識をふっと失ったのは、同時だった。
「あれ―――あれ? な、は、ユ? ふえええ、あ、ああああう!?」
フェイト・T・ハラオウン嘱託魔導師。彼女は現在途轍もなく混乱のキワミにあった。
何故か自分が保健室にいること。
何故か自分がベッドの上にいること。
何故か―――……何故か、ユーノ・スクライアが自分の下にいること。
そして。
「は、わ、私、どうして裸……? ゆ、ゆゆユーノも……あ、あれ?」
何故か、二人とも素っ裸であるということ。
温かい彼の体温が、自分と彼の触れあうかなり広範囲な面積に伝わってくる。まあ、上に乗っているのだから相応に触れあっていると思ってもらいたい。
と。
混乱する頭に、いきなり情報が舞い込んでくる。それは―――知識だった。
「え、が―――うぐ!?」
フェイトの知らない知識だ。
―――でも、誰かが知っている知識、のはず。
感覚としては誰かに教えて貰っているような、ただ、頭の中に直接、望まずに。
舞い込んでくる知識に歯を喰いしばって耐えつつ―――それが無くなった瞬間―――フェイトの眼は、大きく見開かれていた。
「え、……あ? 嘘……え……?」
茫然と。
その視線は宙を泳ぎ、彷徨う。
ゆっくりとユーノを見る。
彼はまだ寝ているようにも見える。その頬に、そっと手を伸ばして触れる。
「せっくす……? え、ええ……? 気持よくなる……女の子……お尻……前……男の子……、おちんちん?」
……かなり限定的な知識を吸収したらしかった。
それはともかく、フェイトが今まで知らなかったようなことが、現実であるという実感をもって感じられている。
何故か。
今、自分に何が起きたのかは分からないが―――それよりも。それよりも、気にすることが彼女にはあった。
一般的には卑猥である単語も特に気にせず発しているのは、彼女がそれを理解していないからだろうが。
「男の子も……気持よくなるの? ユーノ……」
彼は寝てるのだから答えはしない。だが、それでも、今まで彼にしてもらっていたことを思い出して―――身体を震わせた。
少しずつ手を動かして、彼の下半身へと移動させていく。
羨ましいくらいのスベスベな肌を辿っていくと……そこに、一際柔らかい、女の子にはない突起物を確認した。
「“おちんちん”だ」
フェイトはそれの大きさが標準的にどれくらいなのかは全く知らない。
それでも、“ソレ”は―――何やら、とても大きいものであるように感じられる。
なんだろう、と思う。
今までユーノにお尻を弄って貰ったり、自分でシタ時とは別の―――もっと、胸の奥がぽかぽかするような期待感が膨れ上がる。
ドキドキする。
自分でするのではない。人にしてあげるのだ。
今までは、自分を気持ち良くしてほしいと思っていた。
けど、今回は違う。―――今までのお返しに、ユーノを気持ち良くしてあげたいと思ってる。
「あ……これが、ユーノの気持ちいいところなんだね……?」
答えはない。
生きている人形を相手にしているかのように、フェイトはそっとそのイチモツを撫でると、体勢を入れ替える。
己の股間部分をユーノの顔の真上に。
自分の顔をユーノのそれの真上に。
フェイトは知らなかったが、それは俗に69と言われるポーズである。
「ふふ……丸見えになっちゃってる……」
ユーノが自分の大事な所を見ているけど、見てない。
また動悸が激しくなり、秘所がじんわりと濡れ始める。
「ん……」
ぶるっと身体が震えるが、我慢する。
本当は今すぐにでもお尻の穴を弄って絶頂へと身体を導きたかったが、今日はユーノに奉仕すると決めたのだ。
今までは自分の無知のせいで、ユーノにだけ苦しい思いをさせたままにしてしまった筈なのだ。
ならば、今度は自分は彼を―――
だから、そう思ったフェイトは。
口を近づけて―――ふにゃふにゃのソレを、ぱくりと口に含んでみた。
「はひゅ……んんー……」
“知識”によれば。
これは男の人が気持ちいいと感じている時、固く、大きくなるらしい。
これはまだ気持ちいいと感じていない状態のもので―――これを大きくしてあげて、先から白い液体を出させれば良いとのことだ。
そして、それの方法は幾つか人によって好みの差があるらしくて。
フェイトは、なんとなくこの方法を選んでいた。
「はむ……れろ……ちゅば……んふ……」
頬張る。
唇で引っ張る。
下で竿の部分を転がす。
苦しくなって、少しだけ鼻で息を吐き出し、また深く咥え直して―――唾を激しく、音を立てながら吸った。
「ん……んん?」
「……ふーひょ……んん!?」
フェイトの腰が跳ねる。
ユーノの吐いた息が、彼女の秘部を撫でつけたのだ。
少しだけ体液が出てしまい、それがユーノの顔へと垂れてしまう。
それを自分の股の間から見て、恥ずかしさに顔を真っ赤にしつつ、フェイトは今までにない興奮を得ていた。
「ひゅごい……んぷっ。はあ。なんだか分からないけど、凄い……」
男と女として接しているからか。
お互いにお互いを気持ち良くしてあげられるというのが、いや……相手に対して奉仕している状況が、既にフェイトにとっては興奮を高めている。
一心不乱にユーノのそれを舐め続け、しゃぶり尽くし―――不意に、口の中に違和感を感じた。
「んにゅ? む、う―――けほっこほっ! な、何?」
見ると、ユーノのそれがピクピクと動いて―――大きくなり掛けていた。
いわゆる男性器の勃起という現象を始めて見たフェイトは、目を丸くしてそれを注視してしまう。
が、見ているとフェイトが唇を離したことで少しずつしぼんでいる。
慌ててフェイトはそれを咥え直して、また大きくするために刺激を与え始めた。
「む、んむう! はむ……むご……じゅる……んふ」
凄かった。
口の中でどんどんとそれは大きさを増し、硬さを増していく。
既に全部頬張るなど不可能で、フェイトは必死にそれを咥えようとし、厭らしい音を響かせて頭を上下させている。
「んあ……んんっ……ぢゅー……」
じゅるるるるるる、と凄い音を立てて唾を飲み込む。そんな音を立てると、自分の身体までもが反応して、少しだけ絶頂に達せてしまう。
唾を飲むと同時に何か少し苦い液体も飲んだ気がするが―――恐らく、それが男の人が出すものだと思い至り、嬉しくなって更に下を使って筋を舐める。
ユーノのそれから発せられる匂いを吸い込みつつ、彼女の意識は既に随分と飛んでいた。
「んむぅ……あう……んぷ……むぅ……はぁ」
それをしゃぶり続けることに集中していたせいか。
―――本人がどういう状況にあるのか、全く確認するのを忘れていた。
―――――――――――――
とりあえず起きてまず感じたことは「身体がゾクゾクするぞ」という感覚だけだった。
意識がぼんやりとしていて、更に何やら頭の中に何か新しい知識やら感情やらが入り混じっているような感覚に陥って―――いる暇もなく。
下半身に、凄い粘着質な感覚を得た。
「はぁ!? ―――いやっ、はぁ!?」
「イヤッハー? ……あ、お、え、お、おおおひゃひょうひゅーひょ」
「ふわわっ……何!? 何が―――何を咥えてるのフェ―――うわあああ!?」
フェイトは「あ、お、え、お、おおおはようユーノ」と言ったのだが、どもったのが更に刺激になったらしい。
ユーノは痙攣するようにしてなんとか腕を動かし、フェイトの口内に“それ”だけは放っちゃダメだという理性を働かせる。
が、しかし。
抵抗した両手が掴んだそれは―――柔らかくも引き締まった、二つに分かれた肉だった。
「……お尻?」
「あ、あぅ」
恥ずかしそうにキュッと口の中を窄めるフェイト。
それがユーノにとっては凄まじい快感となって、電流のように身体を駆け抜ける。
だめだと思った。でも体勢的にも―――理性の問題においても、この快楽を拒絶することなど出来はしなかった。
駆け上がるエクスタシーが限界を告げている。
このままでは、自分のものでフェイトを穢してしまう。
慌てて逃げようとして―――彼女の両手に、腰をガッチリと固定されてしまった。
「ちょ、フェ、フェイトっ! 駄目だって! で、出そうなんだ! 君に―――」
「かけて?」
「え……」
まるでそれが当然と言うように。
フェイトは、当り前のようにそれから口を放して、告げた。
「いいの。私、ユーノの精子欲しいよ。今まで私だけ気持ち良くしてもらったんだもん。今度は私がユーノを気持ちよくするんだもん」
「いや、それは嬉しいけどそれとこれとは別問題というか」
「私、嫌じゃないよ?」
「ぐ」
「それに、前に言ったよね。ユーノの言うこと、なんでも聞くって。まだ、聞いてないよ私」
「いや、それは別に」
「だから―――まずは、ユーノを気持ち良くしてあげるの」
そこまで言うと、天を衝かんと言わんばかりにそそり立ったそれに舌を這わせてから―――亀頭部に辿り着いた時点で、全体を咥えこむ。
それだけで会話で少し落ち着いたこみ上がる何かが復活し、もう我慢できないほどに膨れ上がる。
ユーノは女の子のような表情で喘ぎ、叫ぶ。
「だ、ダメだ―――出る、出るよ、フェイトッ!」
「―――んふ。は―――ひぃて! ううううううううううッ! 」
一気に、突き抜けた。
脳天からつま先まで、気持ちいと感じる間もなく意識が真っ白になり、初めてのそれでユーノは一挙に射精する。
噴出した精子は目を白黒させるフェイトの口の中に充満し、喉の奥に引っ掛かったのか、むせながら口を離した。
すると、ペニスの先から飛び出て来たものが顔に、ベッドのシーツにかかる。
あまりの気持ちよさに呆然となってしばし動けないユーノ。
精液が喉の奥に入ったためにむせてしまったフェイト。
奇妙な2人が、お互いにお互いの状態のまま、咳込んだりしていた。
「ご、ごめ―――けふっ! 零れちゃった……ユーノの……」
「あ―――う―――い、いや。別に、そんなの最初から吐いて捨ててくれて構わないから……」
「ダメだよ……ちゃんと、ご奉仕するんだもん……」
それだけ言うと。
自分の顔にかかっていたものを手で掬って、ぺろりと舌で舐めとり、飴のように口の中で転がす。
まるで分かっているように発情した視線をユーノへと送ってから、口の中で咀嚼して飲み込んだ。
「フェイト……ま、マズイでしょそんなの」
「ううん? 苦いけどね。ユーノのなんだよ? 私、全然平気」
「そ、そうですか……」
「あのねユーノ。こんな時になんなんだけどね、お願いがあるの」
「え、何?」
正直こんな状況でお願いされるお願いなんて―――特にフェイトの場合、一つくらいしか思いつかない。
恐らく、こないだのように……弄ってほしいと懇願されるのだろうか。
別に嫌ではないし、こんなことをしてくれた後では断わりようもない。
けど。
前の時も少し引っかかっていたのだが―――
「あのね―――ユーノの―――」
自分は、流されるままフェイトと交わっていて、いいのかという疑問。
どうして嫌じゃないのか。どうして嫌がられないのか。
そこが、どうしても理解出来なくて―――つい、嫌じゃないしという理由で、流されてしまう自分がもどかしくて。
「おちんちんを、お尻に入れて下さい」
「うん……」
……。今、結構真面目に考え事をしていたのだが。
もしかして……もしかしなくても、予想していた上の更に斜め上な発言が成された気がするのは気のせいだろうか。
――――――――――――――――――
気がついたら、目の前の状況だった。
「あ、あいつら……何してるの……」
いや、頭の中では理解している。
知識があるのだ。
自分が元々持っていた知識でもある。だが、それだけじゃなくて―――他人の知識でもある。そんな感覚。
自分が知らなかった筈のことも、思えば分かる。分かることもあることが分かる。
アリサには理解出来なかったが、そんな感覚。
それゆえに、目の前で行われていることが何なのかは分かっているつもりだ。
女子というのは、基本的に男子よりもそちら方面に対して早熟だ。
だからすずか、なのは、はやてたちも一応『なんとなく』『それなりに』そういうことがあるというのは知っていた。
だが、生まれか育ちか、あるいは両方か。
フェイト・T・ハラオウンという純粋すぎて無垢な少女は、そんなもの一切知らなかったようなのに―――
「なんなのよ……確かに誰か出て欲しいとは思ったけど……あんなの、嫌……」
口で必死に否定しつつも、二人の動向から目が放せていない。
ドアの隙間からその光景を見ているだけなのに、既にアリサの頬は桜色に染まり、無意識の内に、手がずっと自分の下半身を制服の上から触っていた。
「はぁ……ん……嫌よ……なんで……あの2人、なのよ……なんで」
そして。
2人が何かのろのろと体勢を入れ替えて―――互いの秘部をゆっくりと合わせ始めたのを見て、更に目を見開いた。
――――――――――――――――――
アリサの角度から見ればそれは互いの秘部を合わせあう行為に見えたかもしれない。
が、実際はそんな健全なものでもなんでもなく、フェイト女史の趣味通り―――ユーノのモノは、フェイトの尻に照準が合っていた。
上に乗りながら、頑張って菊座にユーノのそそり立ったモノを合わせようとするフェイトを、何やら諦めの入った表情で見つめる。
「……フェイト、無理しなくても……その、手でよければ」
「ダメ。絶対にこっちでするの。できるって、“知ってる”から」
「……そうですか」
なんなんだろうとユーノは思う。
最近、フェイトが凄くこういうことに興味を示していたし、いつエスカレートするか分からないから事前に情報を整えておこうと考えた。
色々と18歳未満NGな資料を読み漁って、いざという時の対処法まで学んだはいいが―――まさか、本当にその通りの事態になるとは考えもしなかった。
あれ。
そういえば。
―――なんで自分は、フェイトと保健室のベッドなんかで交わろうとしているんだっけ。
なんで、どうして、何が、どこまで。
どうやってここにきた。どうして自分が地球にいる。どうしてフェイトに下半身を。どうして? 何故? 何が?
いや。
もしかして―――自分たちは、何か大切なことを忘れているんじゃ、無いのか。
「ねえ、フェイ―――」
「え―――んん!!」
「くあ!?」
声をかけようとしたのと、フェイトが先端を自分の濡れすぼった菊門に埋めたのが同時だった。
体勢はユーノ下で仰向け、フェイトがユーノと向き合うようにして腰の辺りに座りこむようにしている。
だから、フェイトの顔は良く見ることが出来て。
何か―――何と言うか……凄かった。
「は……ぐ……あ……」
「フェ、フェイト……う、くうっ」
まだ全体の三分の一程度しか入っていない。
それでもフェイトの中を押しのけ、こじ開けている感覚が如実に伝わってきて、もうそれだけイってしまいそうになる。
そんな状況下、フェイトもまたお尻でも楽しみを覚えていた。
入れる時に、どんなに苦しくても―――彼女は、引き抜く瞬間に自分の顔がだらしなくなること知っている。
それに、今回は自分の指ではなくて、ユーノの大切なところが、自分を貫いてる。
その感情があるせいか、フェイトはとうの昔に蕩けたような表情になっており、口からは溜め切れなくなった涎がユーノの胸板に垂れていた。
「あは―――ひゃ、は――――すご――――んふ……」
「フェイト、もっと、奥……」
「奥?」
「うん。もっと僕のを飲み込める、かな?」
初めてかもしれない。
ユーノが、己のことをフェイトに頼んだ。
「う、うん! うんうん! 全然平気だよっ―――あぅん!!」
「む、無理しなくても」
平気。
だって、ユーノに頼まれたから。ユーノの言うことなら何でも聞ける。
だからと思い、更に己の体重をそこにかけてお尻の中に大きなペニスを沈めていく。
口が開きっぱなしになり、酸素が足りない人のように息を吐いて喘ぐ。
お腹の中から脳天まで、一本の鉄の棒でも通したかのような圧迫感が身体を支配し、目は見開かれて涙が流れる。
「や―――だ、ダメだフェイト! いったんストップ! 僕が悪かったから、もう止め―――」
「へいき……ふご――――う、だ、だってぇ……苦しいのに……息をするのも、くるすぃのにぃ……」
えへへ、とフェイトは。
まるで初めて快楽を覚えた子供のように、目を細めて笑った。
「気持ちいいんだもん……」
―――――――――――――――――――
(嫌……いや……イヤ……)
アリサは心の中で念じていた。
目の前の光景が嘘であるように。こんなの認めたくない。
何故?
ふと、アリサの中にそんな疑問が芽生えた。
なんで、あの2人を認めたくないのか。
別に、いいじゃないか。あの2人は愛し合っていてあんなことをしていて、自分はただのデバガメにすぎないのだから。
過ぎない、ハズなのだから。
(う、うう……)
嫌だと思いながら、彼らのそんな変態じみた行為を見て、身体が我慢出来なくてこうして弄っている癖に。
―――中では2人が互いを求め合っていて。
―――外では自分が一人でオナニーをしている。
ネットから得た知識で既にオナニーについて相応の知識を持っていた彼女は、週何度かしてしまっている。
だから自分の高め方も知っていたし、一番気持ちいい場所も分かる。
クリトリスの周辺を丁寧に撫で、己を高めるという馴れた方法で震える自分の身体を恨みながら、それでも行為は止まれない。
顔を蕩けさせ、本格的な快楽を得るために、既にグショグショになった秘所に指を入れて水音共に中を擦り始める。
(やだ……ほんとにヤダ……もう、あいつらも、私も、馬鹿だ……!)
―――――――――――――――――――
「う、くううう……」
「限界だよ、フェイト」
「ごめんね……ごめんねユーノ……全部、入らなくて」
「いいよそんなの。こんなに……ありがとう」
フェイトは身体を張ってくれた。
そうして自分の我儘に答えてくれた。それだけで、満足だし、少しだけ自分の心の方向性が見えてきた気もした。
見上げると―――フェイトは何やら“これから”のことに期待し、うち震えているようで……。
荒い息を吐きながら、まるで犬のように震えて、嬉しそうに口元を開けっぱなしで舌をだらんと垂らしていた。
まるで犬。その表現はあながち間違ってない様に見える。
「……」
期待に満ちた目。
そう。フェイトはユーノに、好きにしていいと言ってもらえるのを待っているのだ。
自分の欲望を必死に抑えて、彼からの命令を待ってるのだ。
もう、なんだか少し感動した。
そこまでして。
そこまでして―――自分に何かしたいと思ってくれている女の子がいるなんて、感動せずに何をしろというのだ。
しかも、それがこんなに可愛くて、純粋で。
いや、純粋故になんか変な方向に成長してる感はあるけど……。
「……」
期待の眼差しに、淫猥に蕩けた色が混ざっている。
自分のペニスを尻穴に入れた少女が、待っている。
その時、ユーノの中で少しだけ鎌首をもたげたそれが―――こんなことを言っていた。
「ねえ、どうしたい?」
「……え?」
フェイトはキョトンとした表情になる。
それからその意味を少し考え、首を傾げ、あ、と呟いて。
顔を真っ赤に上に上塗りするように赤くして、―――喉を鳴らし、唾を飲み込んだ。どんな想像をしたんだ。
「―――言ってみて。僕に、お願いしてみて。そしたら、それの通りにしていいよ」
「そ、それの通りに?」
「うん。どんなに変態みたいなことでも、好きにしていいよ」
「あ、あああ……」
迷ってる、のだろうか。
いや。あれは迷ってない。きっとフェイトは言うことに躊躇いを持ってない。
ただ、期待しすぎて、興奮しすぎて―――どもってるだけだ。単に。
「あ、あのねっ! わ、私ね!」
「う、うん」
言っておいてなんだか、少しユーノが引くくらいの勢いで唾を飛ばす。
「も、もっと動かしたいの! ずぼずぼね、したいの! もっと気持ち良くなれるの! 出す時がね、なんていうか、うんちするみたいで、気持ちいいの!」
「……」
その理論で行くと君はうんちするとき何時も気持ちいいってことになるけど、などという無粋な突っ込みは無用のようだった。
なんていうかもう、言葉に出来ない。
こんな卑猥な台詞をフェイトに言わせたこと自体が既にファンタジーだ。
だから、ご褒美とばかりに微笑んで。
フェイトの頭をそっと撫でて。
「―――いいよ。フェイトの好きにして」
ユーノは、許可を出した。
―――――――――――――――――――
納得できない理由はまだ分からない。
けど、自分は既に絶頂に達していて。
床には自分が出したいやらしい液体で水溜りのようになっていて、でも本人は気にせず荒い息を吐きながらも中の2人を凝視していた。
すると、フェイトが突然。
「も、もっと動かしたいの! ずぼずぼね、したいの! もっとね気持ち良くなれるの! 出す時がね、なんていうか、うんちするみたいで、気持ちいいの!」
叫んだ。
驚きのあまり、思考が完全に停止した。
そして停止した思考が再起動する頃には―――何か突き上がってくるように、頭に血が上っていた。
そんな卑猥で、痴女のようなセリフを大声で叫ぶ彼女にもだし。
笑顔でそれを許そうとしてる、あっちの男にもムカついた。
だって、して欲しくなかったから。
そんな顔を。
彼に。
自分、以外に。
「やだもん……」
だから否定する。
口に出して。己の欲求を―――否、願いを。
“その願いを口に出して”言った。
「嫌だ、嘘だ―――こんなの嘘だもん。嘘の世界の嘘だもん! 誰よこんなことさせてる奴!! 隠れてないで、出てきなさいよーーーーーー!!」
―――――――――――――――――――
「え」
願われたから、願いは成就する。
成就したことで、崩壊する。
簡単な話。それは難しいことが何もない話だった。
黒い“もや”を見ながら、ユーノは自分たちが何をしに来たのか―――ようやく、この段になって。
いや、正確には、こんな場面で思い出してしまったのだった。
―――――――――――――――――――
“それ”はロストロギアだった。
簡単は話、夜天の書が行った夢の世界と同種のもの。
対象を夢に引き摺りこんで、幸せな、なんでも願いの叶う理想の世界を構築する。
けど、それは夢。
現実には何も起きていないし、むしろ廃人――――いや本体は植物状態になって死亡する可能性だって高い。
“それ”はこの世界―――地球に降り立った瞬間、一人の少女と融合した。
別に、理由はなかった。降りた場所に彼女がいた。それだけ。
そして―――その周囲の“環境”を切り取り、箱庭として夢世界の構築に使った。
それが、この小学校。
だからここには小学校しかなく、それより多くは存在しない。
本来ならば夢の世界で夢のような時間を作り上げるはずだったロストロギアも、願いを言われなければ何もすることは出来ない。
取り込んだ1人の少女は中々願いを口に出すこともなく、1人で頑張り続けた。
だがそれもその内限界となったか、蹲って弱音を吐いていた。
早く願いを言って欲しい。
早くそれを叶えたい。
―――人格などないロストロギアにも、そんな人間染みた『欲求』だけが存在していた。
そして少女が願いを唱える直前、夢の世界へと二人の男女が侵入してきた。
完全に、イレギュラー。
エラーを排除しようと2人に改竄プログラムを押しつけたが―――無駄。壊れた陶器は、そこの部分から更に不都合を起こす。
そんな時、この世界の主となった少女からの願いが届いた。
―――1人は、嫌だ。と。
だから、せっかくなのだ。この二人を送ろうと、箱庭に2人を招き入れた。
が、しかし2人以上の人間を箱庭に招き入れるなどという仕様は存在せず、更に内部にバグを引き起こす。
―――内部の人間の意識を受け取るためのシステムが、互いの意識や知識の共有を引き起こし。
―――願いを聞き入れるためのシステムが、主以外にも僅かながらも適用されてしまい。
―――何よりも。
致命的となりかねない“命令”を、聞いてはならない“願い”。
本体を出せという、弱点をさらけ出す行為をブロックするための自己防衛機能が、失われ。
本体たる“それ”は―――黒い靄のような形で、箱庭の中に現出してしまったのだった。
――――――――――――――――――――
宙に浮くもやをぼんやりと見上げつつ、ユーノはそっと手を伸ばした。
手の中には緑色の魔法陣が展開して。
魔法の詠唱も何もなく、彼が得意とする魔法を発動させた。
《―――――――――――――――――――――!!》
もやが蠢く。
チェーンバインドによって捉えられたそれは、なんとかして逃げようとその場で暴れ回る。
だが、無駄だ。
この物体は力はそれほどでもなく―――ユーノ程度の魔力や魔法でも、抑えつけてしまえる程度だった。
「ねえ、フェイト」
「……や」
子供のように我儘を言って、ユーノの胸板にしがみ付く。
彼女も、自分が何をしに来たか理解出来たらしい。
子供だけど、一番何をしなきゃいけないのか分からない子ではない。
でも、我儘を言いたいのだろう。
その気持ちは何となく汲んだユーノは、もう片方の手でそっと彼女の頭を撫でていた。
「……僕たちは、現実戻ろう。アリサを助けよう。はやてたちにただいまって言おう」
「嫌だよ……だって……戻ったら……」
戻ったら……ユーノとこうして……。
頭の中がぐちゃぐちゃだった。
でも、きっと。
フェイトの中に位置付いたこの気持ちは、紛れもない真実で。
それを失うのが、怖かった。
「―――じゃあお願いを一つ聞いてもらおうかな」
「え……」
それはフェイトの出した条件で。確かに、なんでも聞くとは言ったけど。
でも、それはユーノとの繋がりを持っていたかったから言ったのであって、こんな、断ち切るようなことに使って欲しくなんか、ない。
「ゆ、ユー……や……」
「お願いだよ。フェイト、君は」
とん、と彼女の裸の胸の中心に手を置いて、優しく微笑んだ。
「―――覚えていて。その気持ちを」
「……え?」
「抱いてくれた気持ちを、心の奥底でもいいから、覚えておいて。これは、夢だけど。全部の夢を忘れてしまうわけじゃ、ないだろうからさ」
「……」
再びユーノの胸に顔を埋める。
今度は、悲しいからじゃなくて。
嬉しくて。
涙を流してる顔を、見せたくないから。
「……バルディッシュ!!」
《――――Yes,sir!》
少し遅れて、相方の声が手元に響いた。
最初から裸だったが―――やはりどこかに彼もいたのだろうか。
そして素早く指示を出して、バルディッシュのフォームをシーリングモードへと切り替える。
照準は、ユーノが捉えてくれた黒いもや。
あれを抑えて―――夢から覚めよう。
「―――封印だ」
《Sealing》
金色の光がもやを取り込み―――その動きを抑えきる。
そうして少しばかり抵抗したそれも……すぐさま消えて、手の平サイズの結晶体へと、姿を変えた。
《Captured》
「うん。御苦労さま」
そう言ってほほ笑んだ瞬間。
世界が崩壊する音を、聞いた。
どうやら核となっていたものが封印されたせいで、世界そのものが働きを失ったらしい。
ユーノはフェイトを抱きかかえたまま起きあがって―――……何やら聞き覚えのある声を、聞いた。
『聞こえるかー! フェイトちゃんにユーノ君ー!!』
『はやて!?』
『おおう。なんかな、アリサちゃんの身体から変なのが飛び出してきてん。それで、夢と現実を繋いでた道が壊れ始めたんよ……そっち大丈夫か!?』
『いや、夢世界の崩壊が始まってるから、すぐにそっちに行く!』
『急いでな! ギリギリまでなんとか耐えとくから!』
通信が切れる。
世界は崩壊し、既に小学校はこの保健室だけのようだ。
その保健室も、壊れかかってきている。すぐに逃げた方がよさそうだった。
が。
問題が二つ。
1つ。アリサがどこにいるか分からない。
まあ、これは多分どうにかなる。世界が崩れてきていて、狭くなっているのだから―――この保健室が崩れて足場の境界がなくなる頃には、すぐ近くにいるだろう。
問題は―――今の体勢。
「……ロストロギア封印中も、ずっと繋がってたもんねー……あはは」
「うん。その、なんかすっごく温かかった」
「そですか」
女の子って図太いなぁ、と思いつつ。
もう焦らしてもアレだから、フェイントで一気にお尻の穴から引き抜いてやった。
「う、ああああああああああああああああああああああああっ!!!」
ガクガクと顔を揺らす。
引き抜いた瞬間、フェイトはおしっこを漏らして、更に粘着質のある―――要するに潮まで噴いて。
腸液もぽたぽたと流し、鼻水も出て、涎も撒き散らして汗も凄くて、さっきの涙も再発して。
端的に言えば、体液という体液のようなものを放出して、派手にイってしまっていた。
うーん、とユーノは唸ってから、自分の腕の中で幸せそうに虚空を見つめて「あは、かは」と言ってる少女を見て一言。
「……エロい」
実に、今更な感想を漏らしたのだった。
――――――――――――――――――――――
そしてその直後の話。
保健室も砕け、世界が白いままになった瞬間。
アリサが泣きはらしたような目で―――裸で抱き合い互いの体液でぐちょぐちょになった2人を睨んでいた。
「…………………………」
「…………………………」
凄い沈黙である。
位置的に、全部見られていたんだろうなぁ、ということを察したユーノは―――
「やあ。助けに来たよ」
「死ね」
爽やかな決まり文句は一蹴された。
予想範囲内だったとはいえ少しショックだった。
ふと、ユーノがアリサの足もとを見ると―――彼女のスカートの中から、何かが滴っている。
ただそれに必要以上に突っ込むと現時点で夢の世界で永眠する気がしたので何も言うのをやめることにした。
ユーノとアリサ。
見つめ合うというよりは睨み合う2人は、―――ユーノの腕の中で気絶してる少女が少し呻いたことで決着を見た。
「……ねえ」
アリサがそれだけ言って、近寄ってくる。
そして、裸の彼らの前に立って、聞いた。
「ここって、夢?」
「う、うん。夢の、世界」
「そっか。じゃあ、ギリギリまで―――潔く諦めないから」
「……は?」
矛盾した言葉遊びに首を傾げる間もなく……アリサはユーノの後ろに回って、その首筋に抱きついてきた。
訳が分からないユーノは突然の事態に振り向こうとしたが、フェイトを抱えているのでそれも出来ない。
「な、何!? なんなの!?」
「何って、この世界から出るんでしょ? あっちの光に向かって飛ぶなら、アンタに掴まらなきゃダメじゃない」
「え、あ……なんでそんなこと知ってるの?」
「―――知らないわよ。知らないことを知ってるの夢の世界なんでしょ? ほら、さっさと飛ぶ! ハイヨーシルバー!!」
「はいっ!」
膝で背中を蹴り飛ばされて、飛翔魔法で飛ぶ。
出口である、はやての作ってくれた穴に飛び込む寸前に。
アリサは舌を出して、あっかんべーをしながら。
「アンタが決心するまで隙を狙ってやるから、覚悟しなさいよフェイト!」
と、叫んで。
何を? と、ユーノが問う前に三人は夢の世界を脱していて。
何もかも有耶無耶なまま、現実へと意識は戻って行ったのだった。
―――――――――――――――――――――
世界は崩壊する。
夢の箱庭は壊れ。
でも。
現実に、少しだけ変化の波を残す形で。
―――――――――――――――――――――
「……終わった、んよね?」
「の、ハズですけど」
夕暮れの保健室。
赤く染まったその部屋で、はやてとシャマルは疲れたように溜息をついて床に座る。
この部屋にはシャマルが人払い用の結界を張って外部の人間を遮断していたので、誰も入ってきた者はいない。
2人はやれやれと肩を叩くなどして重労働を労い合った。
「いやー。どんなもんかは知らんけど、まぁたロストロギアの類とは勘弁して欲しいわぁ」
「でも、夜天の書やジュエルシードに比べるとランクは大分低いみたいですよ。最大補足人数も数人でしょうし」
「まぁな。―――にしても、あれやねぇ」
何にやら達観したような目でベッドの上を見るはやて。
それにならってシャマルもそちらに視線を移し、微笑ましそうに笑った。
「うふふ。どんな夢だったんでしょうね?」
「知らんけど、フェイトちゃんの『ユーノ〜』っていう無駄に色気のある寝言もあったし、なんかエロい夢と違うん?」
「流石にそれはないんじゃ……ていうかはやてちゃん! エッチなことを堂々と言わない! おっさんくさいですよ!」
「お、おっさん!?」
「ただでさえおっぱい好きという時点でおっさんくさいのに……」
「ガーン……なんか凄いショックや」
落ち込むはやてと、彼女の将来を心配する守護騎士。
その横のベッドで、柔らかな夕風に晒されながら。
三人の少年少女が、少年を挟む形で仲睦まじく手を繋いで眠っていたのだった。
537 :
シナイダ:2007/10/29(月) 06:28:38 ID:BvuBLMML
以上です。なんか中途半端に切れた印象ですいません
あとフェイトは変態路線で行ってます
では
538 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 06:30:26 ID:U3cBowbH
リアルタイムで見たの始めてかもしれん
フェイト可愛いよフェイト
GJ!
リアルタイムGJ!
変態フェイトもかわいいけどツンデレアリサがたまらんわ
GJ、フェイトのちょっとずれ加減とアリサがすげぇ可愛い。
しかし極みがカタカナ表示なのはなんていうか・・・あれだなw吹いたwアッー!!!
>>537 GJ!
やはりフェイトは若干変態程度が一番よいwww
>>537 すげぇエロいのは分かるんだが、やっぱりヘンタイだ。ちょっと理解できねぇwGJ!
この小学生、末恐ろしいぜwwいや、可愛いんだがww
アリサも交えて、もうどこまでも逝ってしまいそうだ
まぁ、嫉妬めいた感情はお互い、自覚無自覚の差があれど持ってるみたいだからそれはないか
はやてさんは完全におっさん系見守りポジションだし
この頃はまだ悪魔だったあの人も動くかな
次回も楽しみにしてますww
>>450 GJ!!
エリオが羨ましくて仕方がない
特に逃亡の方は羨ましいやら可哀想やら
続きがはよみてえええ
次のターンをwktkして待機
>>537 好色? 尻好き? だから何?
変な方向へジョグレス進化したフェイトが可愛い。
というか、なんでこんな変態話がラブコメとして成立してるんだ……
アリサの「死ね」がツボでした。次回も楽しみに待ってます。
>>537 GJです! 「死ね」最高wwwアリサ頑張れ。超頑張れ。
フェイトとアナル好きという性癖の組み合わせは神過ぎます。ナイス着眼点。
ユーノも引いてばっかりじゃなくて、そろそろ理解を示して欲しいかなーとか思ったりもしますが、
気にせずまたーりとまた魅せてくださいませ。ホントGJでした!
>>537 GJw やっぱりフェイトは大変な変態だなwだが、そこがいい
アリサもあんなものかぶりつきで見せられたら「死ね」と言いたくなる罠w
>>537 蝶GJwwwwwwwww
アリサの「死ね」に惚れたwwwww
そしてフェイトさんは真直ぐに育ってくれているようで何よりです。
変態という方向にむけて一直線に・・・・・・。
シナイダさん改めアナルの人キターGJ
アナルは理解できないけどよっかったです。
アリサ(´;ω;`)かわいそうです。
アリサにもいい思いさせてください。
549 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 16:06:04 ID:mDkZs+0A
246が来ないのは自分の書いたものがつまらないことに気付いたから
昨日の流れで『ヴァイス×スバル』に目覚めた俺参上。
能天気のシャル氏は先駆けとして超頑張れ。
>>550 オレ昨日ヴァイスバ探してたら、偶然にも「シグ×スバ」という
またもや新しいジャンルを見つけてしまったよwww
>>550 うう『ヴァイス×ティアナ』が投下しにくい流れなんでつね(笑
俺も見に行ってきたけど。
>>552 ぜひ投下してくれよ!
…ヴァイ×ティアフラグキター!なんて本編見ながら歓喜してた頃が懐かしいな…orz
続きです はやて・リイン・エリオVSクロノ・フェイト・アルフです
エロはありませんが、エリオがおいしい思いをしています ガリューは相変わらず中の人です
試合会場へと続く屋内廊下を、はやてはエリオとリインフォースUと連れ立って進んでいた。巡回の守衛
や非武装の局員、大会構成員などの裏方人員と擦れ違う時、はやての顔見知りには彼女からの朗らかな労い
の言葉が投げかけられる。
白の上着に金の紋様が走った黒の胴着という魔導騎士の風采は、先に佇む人影を見て硬い靴音を休めた。
行き交うスタッフの中、上下純白のスーツと色鮮やかな緑の長髪は遠目からでも多分に目立つ。
「ロッサ、どないしたん?」
整った目鼻立ちの男性は、はやてから名を呼ばれ、いかにも彼女達を待っていたという素振りを見せた。
遠戚の兄といった具合の仲の相手に、はやては東洋人風の童顔を和ませる。
ヴェロッサは涼しい空色の瞳を、はやて、リインフォースU、エリオと鷹揚に巡らせた。
「特別意味は無いんだけどね、何となく君達をここで見送ろうと思ったんだ」
「気になって見に来てくれたんや。ありがとうな」
間近で見ると、余計に二人の身長差が際立つ。エリオの目には二人の間から、兄妹というよりも歳の近い
叔父姪のような雰囲気が感じられた。少年にとってそれは、ヴェロッサが年齢にしては洒脱で世間慣れをし
ている印象があるからでもあった。
「ロッサは私とクロノ君、どっちを応援するん」
はやてから中々意地悪な質問をされ、ヴェロッサは困った様子も無く考え込む。
「どちらにも勝って欲しいし、どちらにも負けて欲しくないんだけど……僕は解説としてお互いを平等に応
援させてもらうとするよ」
「うまい事逃げられた」
はやてが目を閉じて笑う。彼女の騎士帽の上に掌を沿えたヴェロッサも、気心が知れた表情で小さく肩を
笑わせた。
「彼は久々に魔導師として腕を揮っているからかな、妙に張り切っている節があるね。油断は禁物だ」
「うん。大丈夫……な、エリオ、リイン」
隣の騎士見習いの少年に話題を転がし、エリオはそんなはやてに姿勢を正して応える。片手に携えていた
ストラーダを両手に持ち替え、勝利への意気を示した。
「中途半端が一番いけないと思いますから」
「やるからには優勝です! クロノ提督やフェイトさんにだって負けません!」
「そやね。エリオは私のおっぱいも懸かってるわけやし」
「君の胸?」
エリオが顔を赤くしながら、眉を持ち上げるヴェロッサとはやてに慌てる。しかし彼の反応は不毛に終わり、
ヴェロッサは飄々とした面持ちを崩さない物腰で話題を続け、それが更にエリオを惑わせた。
「何だか面白そうだね」
「ち、違うんです! これははやてさんが勝手に」
「もう、恥ずかしがらんでええのに。優勝したら私のおっぱい触ってええよーって約束してるねん」
ヴェロッサが吹き出した。エリオに対する軽蔑も、はやてに対する不見転を咎める気持ちも、彼には一切無かった。
「ハハハ。君も男の子なんだから、お姉さんとのちょっとした想い出として、ありがたく受け取っておくべきだね」
余りにもヴェロッサが上手なので、エリオは下手に抵抗するのも意識している風に捉えられていると思い、
やがては黙りこくってしまった。
「でもなエリオ、その先はちゃ〜んと大人になってから、恋人かお嫁さんとやるんやで」
「えっと、はい、まぁ……うん、スタッフに紛れてここまでついて来るなガリュー」
エリオが痛烈な声を突き刺すと、ガリューは悄然と項垂れて観客席へと引き返していった。エリオが煩っ
ていた慢性的な尻の辺りの違和感は、ガリューが遠ざかった事でかなりが緩和された。
スタッフがはやてとエリオへ、試合場へと続く通路の奥から入場を促した。リインフォースUが胸の前で
腕を立て、自己最良の力で試合に臨む気概を発する。エリオは年長に挟まれたこの場から逃れる為にも、
リインフォースUと共に一足先に試合場へと抜け出していった。
「じゃあ僕も実況席に戻るよ」
「うん。しっかり観ててな」
はやては、去り際に手を振って逆方向へと歩いていくヴェロッサを暫く眺めていたが、その瞳を引き締め
るとエリオ達の方向へと向き直る。そして軽快に足を躍らせ、透明な陽射しに歓声が加味された決闘場へと
美麗な甲冑姿を登場させた。
既にクロノ、フェイト、アルフは試合場の上で試合開始の声を待っていた。数メートル離れた位置に、
エリオとリインフォースUが三名の敵対者と向かい合い、そこにはやてが加わる。
観客席では、ハラオウン母子とヴィヴィオの傍にキャロとルーテシアが並んで座っていた。砂遊びの身体
の汚れもすっかり洗い落とした三つの幼い顔は、二人の年長の友達が買ってきてくれた菓子で昼食までの小
腹を満たしていた。
「エリオ君……」
胸元で片手を握り締めたキャロは、対決する面子も合わせて心配を隠しきれない顔をしていた。エリオに
とっては親子対決と言っても過言では無い試合になる。彼女の隣で、ルーテシアが沈着した顔を静かに試合
場へと固定させている。
「一回戦の様相からしても、勝ち目は薄い」
過不足の無い予測で言ったルーテシアへ、キャロは複雑な胸中で横目を投げる。しかし、彼女の中では最
後にエリオを信じる想いが勝利を手にした。
「エリオ君、頑張って。たとえフェイトさんが相手でも」
キャロ達が息を呑んで見守る視線の先で、エリオは槍型デバイスを構えて戦闘体勢に移っていた。
(フェイト……気持ちが揺れてるよ。どうかしたのかい?)
アルフから念話でフェイトへ語りかける。バルディッシュを片腕の先にぶら提げたままのフェイトは、
細い溜め息を漏らし、義兄を一瞥した。
(アルフ、試合開始と同時に後方空中へ退避。それから……)
クロノは二人の仲間の密かな作戦会議を気に留めた風も無い。戦闘に対する経験が万能に培われた彼ならば、
フェイトの特攻やアルフの支援を最大限に活用して戦況を有利に進める事が可能だった。
だが、フェイトにとって一回戦の時のように、クロノとの意識が離散した戦法は続けていけるものではなかった。
彼自身が自分達二人との連携に利点を見出していない、若しくは事実そうである事をフェイト自身も理解し
ているが、問題を改善しようとしない義兄の態度を許容するのは抵抗がある。
クロノには最早、決勝でのユーノとの直接対決しか念頭に無い。
フェイトの心は、そんな義兄を当意即妙に援護する所存で決されていた。
「お兄ちゃん、私は私のやり方でお兄ちゃんを支えるからね。どうしても不干渉を選ぶなら、文句も禁止だよ」
「……」
囁くフェイトへクロノの横目が返され、彼の視線は承諾も拒否も示さずに前へと直された。
ハラオウン兄妹の確執が、この試合開始前の緊迫した空気の中で方正な色に彩られていくのを、アルフは
敏感な感性で察知する。そこには和解も協調も無かったが、憂いを抱かせるだけの材料も無かった。
何よりも、当面の問題を暫定的な解決で満足しなければならない状況が目の前にはあった。
(実力差はどう見積もってもこっちが上。だけど、はやてを放置しておくとそれだけ敗色が増すよ。あの子
の広域魔法は、逃げ場も無いこの空間じゃ脅威だからね)
アルフの思念にフェイトは決然と頷き、片手で引き摺るように持っていたバルディッシュを、もう一方の
空手を加えて持ち上げた。
「それでは、第二回戦第八試合──」
試合開始、と威勢良く宣言が下される。エリオは即座にはやての正面へ身を移し、彼の背後ではやてとリ
インフォースUがユニゾンする発光現象が起こる。
クロノが床を蹴って後手に回り、闇色の外套を靡かせながらデュランダルの先端を少年へ差し向けた。そ
のエリオの目線が前方奥の上空へと誘われていく。
エリオの怪訝な顔を遠い眼下に収め、フェイトは結界壁寸前の空中でアルフと共に滞空した。
「アルフ、準備はいい?」
「あぁ。タイミング、外すんじゃないよフェイト」
ユニゾンを無事完了させたはやてとエリオは、アルフは兎も角フェイトさえも完全な後衛に下がった事に
言い知れない警戒を強いられた。彼女も素早くクロノから距離を置くと、フェイトとアルフとは少々高度を
低くして停止し、眉根を顰める。
「何でや、フェイトちゃんが……?」
前衛魔導師として真の実力が発揮される高機動力を持つフェイトが、自らその特性を擲つ真似に、はやて
は声を濁らせる。リインフォースUと融合し、甲冑の色彩の変化に伴って魔力を倍化させた彼女だが、言い
知れない敵の作戦の暗雲を感じ取る。
『マイスターはやて、得手勝手な憶測は厳禁です。目の前の状況に集中してください』
フェイトの第一行動が予想外だったはやては、彼女とアルフを撃ち落とそうとフリジットダガーを無数に組成する。
躊躇い無く高速で射撃される凍結の短剣を、しかしクロノのスティンガーレイが残さず撃墜していった。
はやてが頬を緊張させて呻く。詠唱時間、短期発動における精度、どの魔法性能もクロノの方が優秀だった。
「は──ぁっ!」
バルディッシュを目前で縦に構え、フェイトが体内の魔力を流動性のある特定の波長に変異させて放出する。
彼女と一切違わぬ行為を、隣のアルフも実行していた。
フェイトとアルフから高濃度の魔力流が溢れ出し、結界内の空間が魔力流の物理的性質を浸透させていく。
無害だがたとえようの無い違和感が、エリオとはやての中にも毒素として送り込まれる。
「何だ、これ、魔力の塊?」
エリオが空間に過剰調和された魔力で表情を澱ませ、抗う余地の無い人体への影響に姿勢を動揺させる。
しかし、それに似た反応は前方のクロノも同様だった。互いに反発しないよう絶妙な配分で放出されるフェ
イトとアルフの魔力流が、中に内含した魔導師に精神的な異物感を与えていく。
『これ程の魔力流を……マイスターはやて!』
「わかってる!」
はやてが直射弾を組成しようと思念を頭脳で練るが、思念制御した空間に魔方陣が発生した瞬間、その白
銀の紋様は爆砕した。魔方陣の異様な症状を直感で悟り、はやては咄嗟に飛び退き魔方陣爆砕の被害から逃れる。
エリオも斬撃魔法でストラーダを武装しようと試みたが、魔力が空間に発露した時点で謎の爆発現象へと
変換されてしまう。ストラーダが爆風で傾き、エリオは即座によろめいた姿勢を踏ん張った。
「魔法が唱えられない!」
「何て無鉄砲な援護方法や……」
フェイトとアルフは攻撃も防御もかなぐり捨て、無二無三に魔力流の放出を持続させている。クロノ、エ
リオ、はやては限度を超えた魔力の飽和に揃って不快感を露にする。フェイトとアルフの混濁した魔力が体
内に染み渡り、血流が逆巻いたような肉体のむかつきが意識をも汚染していく。
クロノがバリアジャケットをはためかせ、フェイトとアルフの魔力流で澱んだ試合場を進撃した。エリオ
との間合いに踏み込み、近距離で敢えて魔法を詠唱する。
フェイトとアルフの高濃度魔力流空間に触発し、クロノの魔力が熱量的な爆発を引き起こす。エリオの視
界が魔力の残骸とも言うべき煙幕に閉ざされ、クロノの姿を見失ってしまった。
「何処っ──」
濁った気流を引き裂き、デュランダルが少年騎士へと迫る。エリオは直撃寸前でクロノの奇襲に気付き、
前傾姿勢になって攻撃を回避した。エリオが身軽に床を跳ね、追撃してきた魔杖デバイスにストラーダを宛
がう。杖と槍が鋭い激突音を立て、クロノの膂力がエリオの小柄な身体を後退させた。後者は力の作用を利
用して負傷を免れ、バリアジャケットの白い上着にデュランダルを掠らせながら敵から距離を取った。すか
さず接近してくるクロノへ、エリオも駆け出して先制を勝ち取るべくストラーダを閃かせる。
突き出された槍の一撃を身体を逸らせてかわし、クロノがストラーダの柄を捕縛した。
「ストラーダ!」
『Speerangriff.』
ストラーダ機構部の後部左右から推進魔力が放射され、魔力流空間との不調和によって爆発を起こす。
しかしストラーダの魔力放射は絶えず、魔力同士の反発は連鎖的に継続した。クロノが解放したストラーダは、
完全に推進魔力が掻き消されないのか、前進もせずその場で暴発を連発している。魔力煙の吸入を危惧して
クロノが腕で顔半分を覆い、床を跳んだ。
ストラーダを中心に拡大する噴煙から逃れたクロノへ、彼の背後へ回り込んでいた影が急襲を仕掛けた。
エリオは胴を捻らせながら飛び、細い脚をクロノの側頭部に跳ね上げる。デュランダルの柄でエリオの脛を
受け止めたクロノだが、その横顔は僅かな焦りに引き攣っていた。
デュランダルに阻まれた脚を器用に引き戻し、更に宙で身体を旋回させると、エリオは反対の脚で空を切
った。空中での見事な身のこなしに、クロノは視界の隅から迫り来る少年の蹴りの刃への防御に遅れてしま
った。反射的に腕を持ち上げ、そこに踵の痛打を受けて小さな呻き声を漏らす。
「チョコマカと!」
着地の隙を衝いて赤い髪を掴もうと腕を伸ばしたクロノだが、低く沈ませた頭部に掌が届くまでの瞬間的
な時差を、エリオの突進で縫われた。腹部に少年全体の自重を与えられて数歩後退したクロノの顎を、軽く
床を跳んだエリオの爪先が狙う。乱れる空気を耳朶に受け、クロノは辛うじて首を捩った。一拍置き、クロ
ノの頬に縦の熱く細い切り傷が浮かび上がる。
スピーアアングリフの詠唱が中断され、ストラーダが地面に落下する。エリオがクロノの傍を潜り抜けよ
うと駆け出すが、クロノが彼の目前にデュランダルを向けて魔方陣の爆砕を巻き起こした。鼓膜を聾する爆
風から両腕で顔を防護したエリオだが、その衝撃波で試合場の上を吹き飛ばされる。
『マイスターはやて!』
飛行魔法も誘爆の餌食にされ、はやては足許から煙を立ち上らせながら試合場に着陸する。彼女に視界で
繰り広げられるクロノとエリオの接近戦は、勝敗が歴然としていた。
「さっきのストラーダの詠唱を見ると、魔力流の誘爆さえ耐えたら魔法は使える。なら……!」
『こんな序盤から魔力を使い果たす気ですか!? それこそフェイトさんとアルフの思う壺です!』
はやてが頭上に白の古代ベルカ式を魔方陣を組成する。それは直後に高濃度魔力流との反発で爆発に見舞
われ、形状を崩しかける。しかしはやての強靭な思念で魔方陣は保たれる。絶え間無い爆発の轟きが、夜天
の魔導書の主の聴覚を陵辱していく。
「リインも手伝って! 二人の力を合わせたら絶対いける!」
『それしか、方法が無いのなら……!』
リインフォースUははやての内部で試合場の様相を透視する中、蒼天の書を開いてはやての支援に回る。
爆発の渦中に埋もれるはやての魔方陣から、前方の空中へと魔力光の光線が放たれた。誘爆の渦で空間を
震動させるそれは、フェイトとアルフに戦況の傾斜を疑わせた。
「フェイト、デアボリック・エミッション来るよ!」
「中核スフィアを素粒子並に縮小させて……いい、このまま発動させよう。この魔力流を打ち破るだけの魔
力量なら、かなりの消耗になる筈だから」
闇に歪むデアボリック・エミッションのスフィアは、はやての遠隔発生によって試合場の中央地点で産声
を上げる。フェイトの推測通りスフィアは魔力流の海の狭間、超極微領域の具象として何物の干渉にも左右
されずに詠唱工程に呼応していく。
クロノは粘り強く抵抗してくるエリオに手間取り、誰もはやての長時間詠唱を阻害する者はいなかった。
「遠き地にて闇に沈め! デアボリック・エミッション!」
はやてが淡い光沢を帯びるシュベルトクロイツを掲げ、彼女の詠唱は猛烈な誘爆現象をも覆していく。
魔方陣からの魔力投射は誘爆を貫き、極微スフィアを一挙に膨張させた。
フェイトは魔力流の維持の為に思念を加熱させる。この空間魔法のバリア解除特性が魔力流にも微かな作
用を見せ、デアボリック・エミッションの拡大していく外輪は小爆発を起こしながら空間を浄化していく。
「エリオ、中に飛び込むんや!」
はやての指示に従い、エリオは捨て身の疾走に出た。クロノの命中を疑わないデュランダルの打撃は彼の
敏捷な動きに空振りする。地面に転がっていたストラーダを持ち上げ、エリオは外輪の爆発を突破して闇の
空間へと身を投げ出した。
デアボリック・エミッションの空間掌握が、魔力流を落魄させるように試合場を満たす。フェイトとアル
フは潔くはやてとリインフォースUの健闘に降参し、次の戦局に身構えた。
「ストラーダ、もう一度だっ!」
デアボリック・エミッションの余波を残す試合場地上で、魔力流の誘爆から解き放たれたストラーダが、
再びスピーアアングリフの推進力を吹き起こす。数秒間の充填期間の後、エリオはフェイト目掛けてストラ
ーダを直進させた。
クロノが飛翔するエリオを射撃しようとスティンガーレイを迅速に詠唱するが、撃ち出された水色の光線
を、
遠距離からのフリジットダガーが形成を逆転させて掃討する。
「彼はフェイトに任せるか」
クロノがはやてを標的に定め、地上から身を浮かす。ブレイクインパルスの詠唱準備を整えながら繰り出
されたデュランダルの攻撃を、はやてはシュベルトクロイツの先端で組成したパンツァーシルトで相殺した。
「魔法の鍛錬は怠っていないようだな……!」
「私、も……古代ベルカ式魔法の伝承者、やからね!」
リインフォースUの独自に詠唱した冷気の刃がクロノの背後から襲来するが、彼はバインド魔法で飛来す
る氷の短剣を絡め取り、粉々に引き千切る。
クロノの行動が留まったその隙に、はやてがエリオの直下から柔らかき支柱を林立させる。
フェイトに突撃を回避されたエリオは、結界の壁を蹴って反復し、魔力刃を付与させた斬撃をフェイトに
放った。頭上から襲撃してくるエリオに、フェイトは軽やかに宙を泳いでかわすだけだった。
「速い。でも当てないと……!」
突出した柔らかき支柱の上に立ち、エリオは母代わりの女性を強い視線で見上げる。そのエリオの視線に
太陽の逆光に眩むアルフの降下が紛れ込んだ。
「今度はこっちの番だよ!」
アルフが加速の勢いも込めて拳を突き出す。ストラーダで防御したエリオだが、伝達してくる力が腕に痙
攣を及ぼす。直後、クロノから放たれたスティンガースナイプが変則的に飛来して柔らかき支柱を貫通し、
凍える山脈を倒壊させた。
はやてが防御に専念してクロノの攻撃を何とか凌いでいる事を察したアルフが、そちらへの加勢に動く。
一瞬だけフェイトへ向けたアルフの目は、フェイトの消極的に戦闘に対して痛切な色を垣間見せていた。
「フェイトさん!」
崩壊する柔らかき支柱の上を駆け上がり、エリオが彼女の至近距離まで跳躍する。ストラーダとバルディ
ッシュが攻防の激突を起こし、飛び散る魔力の粒子が二人の表情を決闘の熱で彩る。エリオ越しのフェイト
の視界で、凍結の息吹をアルフの直射弾で阻止されたはやてが、旋回して急速に肉迫するスティンガースナ
イプの直撃を受けて苦痛の吐息を吐き出していた。
「降参したら、痛い目に遭わなくて済むんだよエリオ」
いつもの優しいフェイトの声だった。エリオに向ける面持ちも、敵意の欠片さえ無かった。
エリオは真っ当な対戦者として認識されていないと捉え、交々に混雑した感情で歯を食い縛った。
「出来ませんよ! 僕にだって意地があります!」
「そう……そっか」
エリオが呆気に取られるほど、フェイトはストラーダの一撃で地上へと叩き落される。破砕され霧散する
柔らかき支柱の合間を飛び降り、エリオがフェイトへと追尾する。
エリオが片方の空手でフェイトの肩を押し、彼女はその重量によって地面に背中を倒される。あまりに無
抵抗なフェイトに怪訝を抱くエリオだが、敗北に通じる余計な情けは気を引き締めて切り捨てる。
「フェイト! ──あう!?」
「退くんだアルフ!」
数十本に及ぶ断罪の刃を周囲に展開させるクロノの前で、アルフが不意に悶絶する。はやての決死のパン
ツァーシルトをバリアブレイクで無力化しようとしていたアルフだが、フェイトから流れ込んできた精神同
調の波に耐えようと額に掌を当てる。
母性、慈愛、庇護欲──全くこの戦いの場に適合しないフェイトの感情が、縦横無尽にアルフヘも漏洩し
ていく。抑えられないフェイトの心の波紋は、使い魔へも如実に感染した。
はやてが罅割れたパンツァーシルトを復元させようと魔力を込めるが、既に維持の臨界点を超えていた楯
は微塵に飛散する。クロノが絶好の勝機を見出し、スティンガーブレイド・エクスキューションシフトの三
割数をはやてへと射撃した。
「わかってるよフェイト! フェイトの気持ちはわかるっ……けどさ、これは試合なんだよ。お遊びだって
割り切ってやるもんなんだ。エリオだってそれをわかって本気で挑んできているんだ! だからフェイト!」
フラフラと高度を下げたアルフの視線の先で、フェイトを上から組み敷いたエリオが、紫電一閃の放電の
波動を拳に発生させている。腹部にエリオの重圧を感じながら、フェイトはどこか空疎な気持ちでエリオの
勇ましい顔を見つめていた。
「ごめんなさいフェイトさん。──紫電、一閃っ!」
エリオが上下の奥歯に力を込め、渾身の雷撃でフェイトの胸を打ち据えた。フェイトの全身に感電性の魔
力ダメージが迸り、彼女の口から乾燥した肺の空気が排出される。
「か、は、ぁ、あが……エ、エリ……エリ、オ。負け、られないっ、け、ど……わた、し」
激烈な電流に四肢を震わせながらも、フェイトは痺れ狂う腕を持ち上げ、エリオのバリアジャケットの襟
を掴んだ。フェイトの混迷する胸中がその行為に表され、エリオは当惑して彼女の上から退避する事を失念した。
「リイン、エリオ……ごめんな」
『はやてちゃん!』
スティンガーブレイド・エクスキューションシフトを防ぎきれなかったはやてが、無数の刃の直撃に晒さ
れて力尽きる。漆黒の羽の闇色を弱めながら、半ば意識を喪失した彼女が足元の場外へと墜落した。
一方では、あまりに鬼気迫るフェイトの形相に、エリオは戦闘中も忘れて彼女の成すがままにされる。
フェイトは途切れかかった五感をエリオの体温で繋ぎ止めようと、試合場に仰臥したまま、エリオの頭を
自分の胸に埋めた。豊かな胸の温もりを顔面に受け、エリオが突発的に顔の温度を沸騰させる。
「フェイト……」
スティンガーブレイド・エクスキューションシフトを七割残存させているクロノが、見下ろしたフェイト
の表情で彼女の内心を全て汲み取った。
試合に勝つ。だけど、やはりエリオと本気で戦うのはどうしても避けたい──
そんなフェイトの幼稚な親心の行き着く先は、行動不全に陥っているアルフにとっても明白だった。
空中に滞空しているクロノが、処刑の刀剣の発射方位をフェイトとエリオへ移動させ、寸分の誤差も無く固定する。
一斉射撃された清潔な魔力光の剣が、揃って二人の母子へと襲い掛かる。
エリオが背中からクロノの敵意を感知する。しかし、もがくエリオの頭をフェイトは手放さなかった。む
しろフェイトの顔は、上空から迫る断罪の剣からエリオを守ろうとする聖母の微笑にも似て安らかだった。
パートナーを道連れにして次々と地面に突き刺さるスティンガーブレイド・エクスキューションシフトの
凄まじい光景に、一部の観客が目を背け、悲鳴を上げた。
「がっ……」「は、ぁ……」
背中の隅々にスティンガーブレイド・エクスキューションシフトを喰らい、エリオは激痛に見開いた目を
次第に閉ざして昏倒した。フェイトも肩や膝に義兄の射撃を抉らせ、虚脱したエリオを更に深く抱擁して意
識を痛みの泥にまどろませた。
「クロノ・ハラオウン提督、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官ペアの勝利です」
静まり返る試合場で、審判員の声がやけに広く響いた。
「何だか後味の悪い試合結果になっちまったね……フェイト……」
アルフが視線を回す。折り重なって気絶しているフェイトとエリオ──場外では一足先に担架に載せられ、
医務室へと運ばれていくはやての姿があった。
クロノの驚異的な実力と無難で冷徹な判断力を突きつけられた事が、試合場に凝然とした沈黙を充満させていた。
勝者の男はアルフの傍に降り立ち、彼女と同様の心境でデュランダルを手の間に持て余した。
「もっと何かあったろうに……。相変わらず悩みや迷いに対して不器用な妹だ」
/
水面に浮上するような意識の回復に、エリオは我知れず呻いていた。微かに開けた視界が、白い天井と出逢う。
「ん? エリオも起きたみたいやね」
未だ完全に感覚が戻っていないが、エリオは隣の寝台からはやての声を確かに聴覚した。はやての声の反
対側から不自然な温もりを感じるが、ひとまず彼ははやての方向に顔を転がす。
管理局員の制服に戻ったはやてが、残念そうな顔で同様の身形になっているエリオを眺めていた。傍には
リインフォースU、アルフ、クロノと、先程の戦場での面子が頭を並べていた。
「他の皆も様子を見に来たけど、うるさくするのも悪いからって出て行ったんや。……アレだけ部屋の外に
排斥するのも可哀想やったし……な」
「そうですね……エリオはお尻が危機でした」
エリオはアレの意味する召喚虫の正体を問わず、深い溜め息で胸を上下させた。
「そうですか。負けちゃったんですね」
「ごめんよエリオ。痛かっただろ?」
クロノが言おうと口を開きかけた余所で、アルフが彼に割り込む。ムッと顔を渋らせるクロノも構わず、
アルフはエリオに少女の容貌を近寄らせた。
「いえ、大丈夫ですよ。真剣勝負なんだし、悔いはありません」
「そうですね。リインも悔しいですけど、不思議とすっきりした気持ちです」
エリオがゆっくりと上体を起こす。掛け布団が捲くられ、エリオが使用している寝台が半分露になった。
「そう言えばフェイトさんは?」
「そこにおるやん」
はやてから軽い調子で指摘され、エリオは彼女の指が示す部分へと視線を移す。
はやての反対側に位置するエリオの寝台の上に、規則的な寝息を立てているフェイトの無防備な顔があった。
エリオが無表情で再びはやてに振り返った。
「そう言えばフェイトさんは?」
「いやだから、そこにおるやん」
「どうして僕と一緒に!?」
エリオが絶叫し、アルフが苦笑した。慌てて寝台から降りようとするものの、エリオの服の裾を指先で摘
むフェイトの力は、尋常ではない程に厳然とした強さが込められていた。
「担架で運ぶ時も、起きてるんじゃないかって思うくらいエリオを放さなかったんだよ。仕方ないから、二
人をそのままにして寝かせたわけさ」
アルフの説明も耳に入っているのかいないのか、エリオはフェイトの手を引き剥がそうと躍起になる。
そんな少年の羞恥は、フェイトの不動の指が空転させた。
「フェイトさん、起きてくださいよ! 駄目ですってば! 自分のベッドで寝てください!」
両手を駆使して奮闘するエリオの寝台へ移ったはやては、周りが見えていない彼の片腕を横から捕縛した。
「でもエリオはよう頑張った。ほら、残念賞やー」
死角から片腕の動きを封じられたエリオは、不意に掌を包み込む柔らかな感触に背筋を凍らせた。恐る恐
る首を巡らせたエリオの視線の先で、はやてが自分から少年の掌を胸に押し付けている。
「はっ……は、はやてさんもどさくさに紛れて何やってるんですか!」
「え? 何やエリオ、服の上からやと不満なん? しょうがないなぁ、今日だけ特別やで」
的外れな事を口走りながら、はやては両手で掴んだエリオの手を上着の中に忍ばせる。エリオの掌に、乳
房の程好い肉感の他に、制服とは違う甘美な布地の感触が加わった。
「私が言いだしっぺなんやし、ほら、胸だけなら好きに触ってええよ。遠慮なんかせんと、な?」
はやてがエリオの掌から自分の掌を重ね、ふにふにと魅惑の果実を揉ませる。ブラジャー越しの胸の弾力に、
エリオの顔が急激に蒸発する。
「はやてちゃん! 未婚の乙女がはしたないです!」
とは言えこの筋のセクハラは私が常習犯やしー、とはやてはリインフォースUの制止に取り合わなかった。
「だ、だから僕はこんな事望んでませんって! はやてさん、止めてくださいよ!」
「何や何や、エリオは贅沢やなぁ。ほな、これでどうやー。本日限りの出血大サービス!」
暢気にエリオの抵抗を無視し、はやてはエリオのもう一方の掌へ魔手を伸ばす。フェイトの指先と格闘し
ていたその掌が、眠ったままで無防備なフェイトの片胸に沈む。
「んぁ……」
「ひっ」
エリオの掌に攻撃された瞬間、フェイトが仄かに頬を紅潮させて官能的な溜め息を漏らした。
「フェイトちゃん、もしかして気持ちええんか? エリオ、どっちの胸が触り心地いいん?」
「はやてちゃん! いい加減にしないとリインも本気で怒りますよ!」
リインフォースUの小さな邪魔を軽妙にかわし、はやてはケラケラと笑いながらエリオの両手を母性の花園に誘う。
「そ、そんなの……って言うか、本気でセクハラで当局に訴えますよ!?」
「まだそんな情けない事言ってるのかいエリオ。世の中には据え膳喰わぬは男の恥って言葉があるのさ」
「むぷっ!?」
いつの間にか大人形態に変身していたアルフが、はやての悪ノリに参加する。それぞれの片手にはやてと
フェイトの胸を揉まされ、エリオは更に顔をアルフの豊満な胸の谷間に挟まれた。エリオは嬉しいのか恥ず
かしいのかわからないこの女の地獄から脱却しようとするが、目覚めたばかりの身体はまだ思うように動かない。
「あんまりイジめてあげるな、二人とも。エリオがトラウマになるぞ」
クロノは用意されたお茶を啜りながら、目の前の光景に落ち着き払った言葉を投げる。扉側にある診察の
空間では、寝台の騒動に苦笑いを浮かべる医療スタッフ達の姿があった。しかし、エリオの救済に動こうと
いう気配は無い。
「ハ、ハラオウン提督……助けて、ください」
「……すまない、僕はちょっと所用を思い出した。郵便局が民営化して、家の口座をそっちに変えるかどう
かエイミィと相談しないといけない。休日でも手数料がかからないし僕はこっちがいいと言っているんだが
……今時、銀行の金利は期待出来ないからな」
(うわぁ所帯じみてて何かアレや……)とはやて、リインフォースUは内心で同じ想いを共有する。クロノ
はエリオの救援を見捨て、医務室を退室した。
「まぁ気を取り直して、エリオも度胸見せなあかん。かのユーノ君なんか、なのはちゃん達と一緒に温泉に
入ったっていう武勇伝があるんやで。しかもエリオと同じくらいの年齢やった時にや」
「なのはやアリサは、フェレット状態なら今でも平気って言ってたけどね」
エリオの頭をグリグリと自分の胸に押し付けながら、アルフは言った。
「ほんまに? いやー、いやらしーわー二人とも。今でも一緒にお風呂入ってるんやろか?」
「どうだろうねぇ。相手が相手だからねぇ」
「そやねぇ。ユーノ君ももっと男気を見せんと。高学歴で色んなところにコネを持って、無限書庫の司書長
の地位もあるから将来も安定してるし、よく考えればエリート街道まっしぐらやんか。この前経理部寄った
時ユーノ君の給料明細盗み見したら、ウチ等五人なら余裕で養っていけるほど貰っとったし……残業手当メ
チャクチャ多かったけど。これはもしかするともしかするかも……」
「何言ってるんだいはやて? ウチ等を養う?」
「へ? い、嫌やわアルフ! さっきのは独り言! 気にせんでええよ、うん。何も企んでなんかないから!」
「はやてちゃん! アルフもいい加減にーっ!」
「あ、ん、ふぁぁっ、らめぇ、そこはっ……」
「うぅぅ……ハラオウン提督、いっそ非殺傷性を解除して殺してくれたらよかったんだ……」
混沌を極める医務室の光景は、医療スタッフの呆れと苦笑を傍観者にしてもう少し続いた。
続きます
なんというエロオ・モンデヤル……いや、モマサレテイルw
フェイトそんはどこまでも母だったんだね!GGGJJJ!
>>563 乙彼&GJです!何時もながらバトル分とギャグ分の比率が素晴らしい。
作中でフェイト達が展開したのってAMFの発展型なのか?あれも元々はフィールド魔法だし、
あとエロオ自重w 羨ましい状況なのに悲惨なのは女性メンバーに恥じらいがないからかw(あとガリューの存在)
>>まぁ気を取り直して、エリオも度胸見せなあかん。かのユーノ君なんか、なのはちゃん達と一緒に温泉に
入ったっていう武勇伝があるんやで。しかもエリオと同じくらいの年齢やった時にや
ふと思う。StSSS01でエリオもスーパー温泉で六課メンバー+海鳴勢の裸みたんじゃ……数も違うし。
まあ、同い年の子の裸を見たという点は淫獣が上だけど。あと男関係の陰謀渦巻いて拭いたw
グッジョブです
エリオはいい目には合えたけど
いいかっこはできなかったな
毎度所帯染みてる提督ワロシ
GJ!
あ、でも所々違和感のある言い回しが多かったのが少し残念です。
>戦闘に対する経験が万能に培われた彼ならば、
>(実力差はどう見積もってもこっちが上。
上は「ありとあらゆる戦闘を経験してきた彼ならば」とか。
下のは多分>(実力はどう見積もってもこっちが上。 の筈。
展開やキャラ描写は流石でした!続き待ってます!
>>563 GJ
エロオめ……羨ましいにも程があるぞ畜生め……鼻血を噴くくらいやってみせろ!
クロノが所帯地味てるのは妙にキャラに合わないなぁw
>なのはやアリサは
まあこの2人ならともかく……すずか辺りだとなにか企んでそうな気配しかしない
>>563 GJ!エリオが女性恐怖症になって自分の意思でガリューとアッー!なことになりそうで心配だ
>>565 服脱ぐ前に男湯に逃げたから見てないんじゃね?
キャロのは見ただろうけど
>>569 いや、それだけじゃねんだよ。それだけじゃ
ねええんだよおおおおおおおおおおおおおおっ。
そういえば、ハラウオン家の教育方針どうなってんの?学校とか
無印以外ロクに見てないからよくわからん
>>563 これでエリオもおっぱいの魔力の虜だな・・・・・・。
あれ、ガリューさんじゃないっすか。え?エリオを自分の魅力でたちなおらせるって。
ちょwwっをまwwwwww
>>563 GJ
>>ウチ等五人
ちょっと引っかかったんで数えてみた
はやて、ヴィータ、シグナム、シャマル、リィンUで五人
それでザッフィーは匹だから
なんだあってんじゃん
ウチ等五人って、なのは、フェイト、はやて、アリサ、すずかじゃないの?
>>574 その考えはなかった
って言うか、違うだろwww
こりゃエリオは二人のおっぱい揉んじゃったから責任とってお嫁さんにしないとな
最近また投下スピードがとんでもないな
書いてる人もまとめてる人も乙です
ティアナ「戦う為の兵器だってさ、笑うことも優しく生きる事も出来るわよ!
戦闘機人に生まれたけど誰よりも人間らしく、馬鹿みたいに優しく、
一生懸命生きてる子を私は知ってる!」
ノーヴェ「…」
(バキッ)
ティアナ「でも私の弾丸を豆鉄砲って言った事は許さない!」
ノーヴェ「ああっ!?トドメはさすのかよ!?」
579 :
nitro:2007/10/29(月) 21:14:10 ID:OaJg32Ul
そういえば, 保管高はいつ頃更新なりますか
保管庫更新したいが29スレのログが無いorz
>>580 よう相棒、生きてるか?
よけいなお世話かと思うが、
俺のギコナビに29スレが500kきっかりあるんだが
ノートなりワードなりに変換してうpロダにでもうpしようか?
それにしても、もう456kかよ。あいかわらず投下量が恐ろしいぜ!!
アギトは?
>>584 アンノウンに叩きのめされたG3を見捨てて、いずこかへ立ち去った。
>>585 ちょっ、そっちじゃないでしょう・・・!
でも最初に名前聞いたとき思い浮かべたのはそっちだったんだがな・・・・・
平成物の中ならクウガが一番面白かった
スバル「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」
>>585 ユニゾンすると赤くごっつくなり、光をあびると白くなってレヴァンティン二刀流になるシグナムさん
なんて変な電波を受信しちまったじゃないか。どうしてくれる
>>586 名前だけ聞いた時は今のガリューみたいな奴と予想して、11話ラストの姿で見事に吹いたなw
なにげにハーレムじみたエリオと世帯じみたクロノにGJです。
>>585 タイヤがスライドして空を飛ぶバイクに乗っている姿を思い描いてしまったじゃないかw
てか、懐かしいな
>>588 ナカジマさんは今公開中の映画「THE NEXT」で是非。改造人間だし。
スバル「…よく言われます」
ギンガ「ゴフッ!ガハッ…大変よね、中々死ねないっていうのも」
ノーヴェ「古いんだよ、お前は」
>>574 普通にそっちだと思ってた……そうかヴォルケンか……
いかん……常識とか既にずれ始めてるわいな
>>411 グッジョブ!!
フェイトさんエロス。さすがエリオ!泥沼フラグへし折った。nice boatとは違うのだよ彼は!
とうとう次回ラストですか・・・寂しくなります
モンスターペアレンツと不良生徒に凌辱去れ尽くされた魔法学院をヘルプを受けたユーノとアルフが金八先生ばりに更正していくという電波を送ったのは誰だ?
気になって夜も眠れんのだがwww
599 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 13:01:51 ID:YqcaP4qj
>>537 Hなフェイトに吹いたー!!
アリサのライバル宣言もヨカタYO!
ツンデレ御嬢様GJ!!
次回はユーノを中心に3Pか!?(ォ
過去類を見ないカプシチュになる…今回身を潜めてた白い悪魔と月の吸血姫も気になるが
>>594 俺は某所でユーノがゲンヤさんをおやっさんって呼んでる時に昭和シリーズ思い出してた
ふざけんなよ陵辱ねーじゃん
さあ、メモ帳を開いて己のリビドーをぶちまけるんだ!!
その……なんだ。ハーレムルートと個別ルートについてどう思うかな?
>>602 両方を、是非。
ヴァイスとティアナだけは、個別というかある意味義理堅いというイメージが固まってしまって……
どちらも「相手のために尽くしたいオーラ」で空間が歪んでそうだ。
深夜の公園に格闘家が二人いれば戦いが確実なようにッッ!!
だけど他のキャラはハーレムOKなんだぜ?
「ナンバーズ更正組み×ゲンヤパパ」これは基本でしょう!!
いつかヴァイスティアナ物で、ティアナの妊娠END書いてくれる創造主が出るのを楽しみにしています。
>>603 俺は、ヴァイス×ティアナはカプはガチだが、別れるイメージがあるんだけどな。
俺だけかもしれんが。
今書いてるのがそっちへ行きそうで行かなそうで、こまってる。
>>450 GJ!逃走失敗後の話待ち続けたかいがあった!!
まさしくこの話こそ複数妊娠endがふさわしいのではw
そんなエリオに乾杯
>>603 両方か……二種類用意するってのもいいのかな……疲れそうだけど。感謝
ヴァイティアじゃないのでご安心をw
でもなんかヴァイティアも書きたくなってきたー
>>605 投下の度に自演乙です。
いい加減飽きねーか?
608 :
サイヒ:2007/10/30(火) 17:13:50 ID:iDw0YT6E
どうも、おひさしぶりなサイヒです。
クロフェで一本いかせてもらいます。
某所のSSチャットに出したやつです(こちらに転載する許可は貰ってます)。
前後編で前編はエロなし。
時期は三期開始のちょっと前。
ではどうぞ。
609 :
サイヒ:2007/10/30(火) 17:14:51 ID:iDw0YT6E
「はあ…………」
戦艦クラウディアの一室。執務官の自分の為に与えられた仕事部屋で、フェイトはため息をついた。
目の前のディスプレイには、しなければならない膨大な仕事の一覧。九割方は終了を示すチェック
マークがついているが、それでも残っている分を終わらせるには全力でも一時間はかかる。
たかが一時間と言いたいところだが、朝からずっと書類と首っ引きだった頭脳は鈍りに鈍っており、
もう今日は働きたくないと愚痴をこぼすだけの器官に成り下がっている。こんな頭で仕事をすれば、
一時間のところが数倍はかかる。
のろのろと首を動かして時計を見れば、時刻は夜の十一時前。
仕事終了予定時刻と明日の起床時刻から睡眠時間を計算したところで、体力も気力も力尽きた。
「…………やめた」
ディスプレイを消しもせず、ばったりとデスクに倒れ伏す。
今日の仕事は今日中に、がモットーのフェイトだが、今日ばかりは精根尽き果てた。あとは全部明
日回しだ。明日は明日で別の仕事があるが、そんなことはもうどうでもいい。
過負荷でのぼせた額に、木材のひんやりした感触が気持ちいい。普段の凛とした執務官姿勢を完全
に放棄し、すりすりと机に頬ずりをする。
だがすぐに飽きて、動きが止まる。
「このまま寝ちゃってもいいよね……」
誰もいないと分かっているのに、疑問系で訊くフェイト。
本当に今日の自分は、らしくない。仕事を放棄したのも、こんな風に仕事場でだらけるのも。
いや、今日だけではない。ここ数日、明らかに気力が落ちている。そして、その原因も分かってい
る。
「はぁ……」
もう一度ため息をつきながら、フェイトは眼を閉じ意識を手放した。
夢を見ている。
そこでは大好きな人が、自分に優しく口づけしてくれている。
こころなしか、自分の唇より固い気がする彼の唇。それを割って、フェイトの口に侵入する舌。
歯茎から歯の裏側まで丁寧になぞってから、頬の内側を這い進んでくる。
フェイトも応えて舌を絡めると、何故か驚いたように舌は引っ込んでしまった。
もっと、とねだり舌を舌で追いかけるが、その時には彼はどこにもいなかった。
残念だったが、心と身体が少し温まった。
610 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:16:34 ID:iDw0YT6E
目が覚めた。
時計を見たら、一時間と少ししか経っていなかった。朝まで熟睡するつもりで眠ったのだが。
枕代わりにしていた腕が痺れており、横向きだった首は痛んでいる。それが眠りの浅かった原因か
もしれない。
ひどく幸せな夢を見ていたのは覚えている。その分だけ、現実に戻った時の辛さが身に染みる。
辛さを少しでも和らげるべく、フェイトはのろのろと起き上がり三番目の引き出しを開けた。
仕事道具ではなく、プライベートな小物の入っている引き出し。その奥には、三枚の写真が入って
いる。
一枚は、今は亡き母と姉の写真。
自分には向けてくれなかった柔らかい笑みを浮かべる母と、無邪気に笑っている姉の肖像。
次の一枚は、今の家族の写真。
一年前に撮影したそれは、義母を中心に義兄と自分が左右に並び、中央に子供サイズの使い魔がい
る。全員が幸せそうな笑顔の写真。
そして、最後の一枚。
そこに写っている人物は二人。撮ったのはついこの間。
鮮やかな金髪を黒いリボンでまとめた少女と、同じぐらいの背丈で黒髪黒眼の男性。
二人とも顔を赤くして、照れくさそうにうつむき加減の微笑を浮かべている。
男性の顔を、フェイトの指がなぞる。彼の名を口にする。
「クロノ……」
義兄妹の関係から恋人同士になったフェイト・T・ハラオウンとクロノ・ハラオウンのツーショッ
ト写真だった。
別離の前に
いつからクロノのことが兄としてではなく男として好きになったのか、明確には覚えていない。
本当に、いつのまにか愛していたとしか言えない無自覚の愛。
それに気づいてからは懊悩の日々だった。兄妹で愛し合えるわけがないと諦めようとし、できなく
て苦しみ、ついにはクロノの顔をまともに見れなくなるまでになった。
もうどうにも抑えられなくなり、この想いが砕け散れば全て解決するだろうと捨て鉢な気持ちで彼
に告白した。
その時場に流れたのは、永遠のように感じられる沈黙。耐えられなくなり走り去ろうとした時、義
兄はフェイトを強く抱きしめて囁いてくれた。
『僕も、ずっと君が好きだった』
そう言って優しく彼は口づけてくれた。
そのまま愛し合い、破瓜を迎えて身体の奥底に精を放たれた時には、これでもう死んでもいいと思っ
た。
611 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:18:17 ID:iDw0YT6E
そうして結ばれた最愛の人。
だがその彼と、ここ一ヶ月触れ合えてない。
フェイトもクロノも職務には厳格であり、仕事場で人目を憚らずいちゃつくなどということをする
わけがなかった。
そして現在クラウディアは長期航海中で、寝起きする全ての空間が仕事場である。
当然、二人は一切恋人らしいことはしていない。せいぜいが廊下や食堂で会話する程度である。
手の届く位置にいながら自重しなければならないというのは、かなり精神的にこたえる。
それでも航海が終われば二人の時間が待っているなら、ここまでフェイトの気力がまいってしまう
ことはなかった。
親友の八神はやてが立ち上げる機動六課。航海の終了と同時に、フェイトは六課への出向準備に追
いまくられることが決まっている。
今度は職場までばらばらだ。一ヶ月どころか数ヶ月顔を見れないこともありえる。その前に少しで
も長く触れ合いたいというのに、満足に言葉を交わすことすらできてない。
「寂しいな」
口に出すと、余計に寂寥感が増した。空調設備は万全のはずなのに、身体の中心を寒々としたもの
が吹き抜けていった。思わず身震いする。
冷える体と裏腹に、心は焦燥に焼かれ熱くなる。
今すぐ、クロノの顔が見たい。一分でもいいから話をしたい。
朝食の時に食堂で会ったクロノは、今日は仕事で徹夜かもしれないと言っていた。
点灯しっぱなしだったディスプレイを見やる。終了報告をクロノにしなければならないものが数点
あった。
「……うん」
じっとディスプレイを見つめること五分。頷いて、フェイトは立ち上がった。
報告に必要な書類をまとめ、部屋を出る。目指すは提督室。
これらの報告は、別に明日でもかまわないものだ。いや、クロノが言葉どおり仕事に追われている
なら、今日報告するのは彼と自分の睡眠時間を削るだけの無益なものだと分かっている。
「これくらいのわがまま……許してくれるよね」
無味乾燥な仕事のことでもいいから、彼の声が聞きたい。そこまで、フェイトはクロノとの触れ合
いに、飢えていた。
612 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:19:56 ID:iDw0YT6E
提督室の入り口のパネルには、中に人がいることを示す青色のランプが点いていた。
クロノが、まだいる。
心臓が一つ、どくりと跳ねた。
「ごほん…………あーあー」
声の調子を整えてから、パネルに口を近づける。
「クロノ、私だけどちょっと報告したいことがあるの」
待つこと十数秒。
返事がない。
「クロノ?」
もう一度呼んでみる。やはりうんともすんとも返ってこない。
いないのかなと思うが、ランプは確かに青。これで中が無人だというなら、最後に部屋を出た人が
ロックを忘れたことになる。
几帳面なクロノが、たとえ用足しであろうと鍵を開けっ放しで出るわけがない。
どういうことだろうといぶかしむが、推理材料が少なすぎて想像すら出来ない。
「クロノ、開けるよ?」
考えていても埒が明かないと、最後にもう一声だけかけてフェイトは開閉ボタンを押した。
開かれるドア。謎の答えは、あっけないほど簡単に部屋の中にあった。
「あっ……」
中心に置かれた提督のデスクと椅子。そこに腰掛ける部屋の主は、熟睡していた。
眼はしっかりと閉じられ、頭は後ろに倒れて天井を見上げている。口はだらしなく半開き。
「なぁんだ」
思わず苦笑してしまうフェイト。だがすぐに表情が暗くなり、肩を落としてしまう。
クロノが寝ているということは、疲れきっている彼を叩き起こさない限り会話が出来ないというこ
とであり、無論フェイトにそんなことが出来るはずがなかった。
これも、職権を乱用しようとした自分への神様の罰か。ならばそれに従い、回れ右して自室に帰っ
て眠りにつくべきだろう。
そう頭では思いながらも、フェイトの身体は部屋に入り込み、ドアを閉めていた。
ここまで来ておきながらすごすごと引き返すほど、今晩のフェイトの思考は物分りが良くなかった。
(……寝顔をちょっと見せてもらうだけだから)
足音と気配を殺して、一歩一歩クロノに歩み寄る。手にした書類をデスクに置いて、そっと彼の様
子を窺った。
あまり、幸せそうな寝顔ではない。
眼の下には隈が色濃く出来ており、眉間には三本の皺が寄っている。寝言こそ言っていないが、も
し口にするとしたらやっかいな仕事絡みな気がする。
苦しそうな恋人に、フェイトの心は痛む。
だが同じ心の中に、クロノの辛さの中に自分とろくに触れ合えないからということが入っていたら
嬉しいと考えてしまうフェイトがいる。
自分が想っている以上に、彼には自分に恋焦がれていてほしい。
(私って、欲深かったんだ)
自分では控えめな性格だと思っていたが、クロノのことに関しては例外であるらしい。
そんなことを考えながら、フェイトはクロノの寝顔を鑑賞していた。
613 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:21:09 ID:iDw0YT6E
気がつけばほんの数分のつもりが、二十分以上も経っていた。ここらが、我慢のしどころだろう。
「おやすみ、クロノ」
眠りの挨拶をし、きびすを返して部屋を出ようとしたその時だった。
クロノの頭が、わずかに横を向いた。その拍子に口の中に溜まっていた唾液が、つつっと唇からこ
ぼれた。
その光景を目にした瞬間、反射的にフェイトは涎を指ですくってしまっていた。
顔や服が汚れるからという理由は、手を伸ばしてから思いついた。何を考えてそんなことをしたの
か、自分でも分からない。
ただ結果として、フェイトの指にはきらめくクロノの唾液がまぶされてしまった。
「…………」
それを凝視するフェイト。
指の腹に乗った液体はふるふると震え、今にもこぼれ落ちそうである。
唾が湧き上がり、飲み込んだ喉が上下した。
いったいこれで何をしたいのか。そんなことは考えるまでもない。きっとそれはフェイトの自制心
という壁を壊す、徹底的な一撃になる。
それが分かっていながら、フェイトは欲望に従った。
「…………ん」
口に、含んだ。
舌に、強烈な味が広がる。
いつも口づけの時に、流し込まれたりすすったりしている味。クロノの味。一ヶ月ぶりに口にする
唾液は、痺れるほど甘美だった。
一瞬で、理性が吹き飛んだ。代わりに、この一ヶ月抑圧され続けてきたクロノへの恋しさが暴走を
始める。
濡れていたのは指先だけなのに、根元まで口に突っ込んでしまう。
完全にクロノの唾液を舐め終わっても、フェイトの舌は止まらない。
「んむぅ……ちゅ……」
唾液を舐め取る動きから、指全体をしゃぶる動きに変わる。
口をすぼめながら、指先を舌で巻き取るようにする。歯は立てないよう慎重にしながら、同時に唇
の肉だけで噛む。
眼を閉じて指を咥えるフェイトがイメージしているもの。それはクロノの男性器だった。
まだ口淫は二回しかやったことはないが、記憶に焼きついているので思い出すのは容易い。あの時
にしたことされたことを思い出し、その通りに指と舌を動かす。
喉の奥まで異物が入る感覚にえづきそうになるが、それすらも口淫を思い出す材料になる。
唇を激しく出入りする指。調子に乗りすぎて、うっかり指頭が咽頭を突いてしまった。
「けふっ!」
さすがに苦しくて、ようやく口から指を出す。その時には、フェイトは疾走直後のように息を荒げ
ていた。零れ放題に零れた唾で、襟元が濡れている。
614 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:22:55 ID:iDw0YT6E
クロノの唾液は全て身体の中に収めた。でも、まだ足りない。一度制御を失った情欲は、完全に満
たされるまで好きなように肉体を操り続ける。
獲物を見つけた猛禽類のような眼で、フェイトは眠り続けるクロノを見つめる。思考も、禽獣のそ
れに近いものになっている。
なにも想像と自分の指だけに頼らなくても、目の前に本物がいるではないか。
躊躇なく、フェイトはクロノの唇に吸いついた。
「ちゅ……ぷぁ……んっ……」
クロノの頭が動かないようにしっかりと手で押さえ、舌で彼の口腔を犯す。
力なく横たわる舌を自分の舌で強引に絡みつかせる。
持ち上げられた舌の奥から湧き出るクロノの唾。指についた分だけでも、フェイトを狂わせるには
充分だった。それが今は、思う存分飲み干せる。
全力で吸引し、渇いている喉に送り込む。彼の唾液が一滴通るたびに、思考がざくざく切り落とさ
れて目眩がする。
肺がクロノの呼吸で満杯になり、仕方なく離れた。
「はあっ、はあっ……」
大きく息をつく合間に、受けそこなって零れた彼の唾液を指で拭って口に運ぶ。
唇もいいが、他の部位も味わいたい。今度は、頬から顎にかけても舐める。
毎朝几帳面に剃られている髭も、深夜となればわずかに伸びている。舌にちくちくする初めての感
触を、堪能するまで舐め回す。
クロノの頬をべたべたに汚したフェイトの次の標的は、男性にしては細めの白い首。
唇で吸いつきながら、歯を立てて噛み破り血をすすりたいとフェイトは本気で思う。血でも唾液で
も汗でもなんでもいいから、彼で自分の中を満たしたい。
鬱血痕を縦に並べながら下がっていくが、普段着代わりの着ているバリアジャケットに邪魔されて
進めなくなる。ボタンを外して胸板に進もうかとも思った時、別のアイデアが閃いた。
どうせ脱がすなら、もっといい場所がある。
淫卑に口の端を吊り上げ、フェイトは床に膝をつく。目の前には、クロノの腰。
その衣服の下には、彼の分身と言うべき器官がある。交わりのたびにフェイトを啼かせ狂わせ、絶
頂の園に連れて行ってくれるものが。
淫欲のままにジッパーに手をかけ股間を開放しようとした瞬間、ぐいっと肩が掴まれた。
はっ、と驚き顔を上げた先には、クロノの黒い瞳があった。
615 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:24:26 ID:iDw0YT6E
「あ、ああっ……」
全身の血の気が、音を立てて引いた。
愚かなことに、今の今までフェイトはクロノが目覚めることを考えていなかった。キスをされ舌を
入れられ頬と首筋を舐められれば、どんな熟睡中でも起きるに決まっている。
「ち、違うの、これは……これは……」
頭の中で必死に言い訳を考えるが、男性の足元に跪いてジッパーを開きかけていた合理的な理由な
ど思いつくわけがない。
意味を成さないうわ言を口にするフェイトを、クロノはじっと見下ろしている。
その視線が、フェイトを責めているように思う。当たり前だ。恋人とはいえ寝込みを襲って淫行に
走ろうとしているような女は、軽蔑されるに決まっている。
彼に、嫌われた。
一時の欲に任せて暴走した代償がそれ。
クロノが椅子から立ち上がる。向う先は部屋の出口。
「待って……」
力なく手を伸ばすが、クロノの歩く速度の方が早かった。服に触れることさえ出来ず、手は虚空に
取り残される。その態度が、彼の拒絶の返事としかフェイトには思えなかった。
涙でにじむ視線の先で、クロノがドアに到達する。ドアが開いて彼が出て行けば、そこで全てが終
わる。
「まって……おねがいだからまって……」
フェイトの願いもむなしく、クロノの指がドアのパネルを叩く。
だが、ドアは開かなかった。代わりに、パネルのランプがドアをロックしたことを示す赤になる。
クロノが戻ってくる。伸ばしたまま固まっていた手が引っ張られた。
「んっ!?」
抱き寄せるというより衝突の勢いで、身体が密着し合う。
間髪いれず、耳たぶが優しく噛まれる。耳朶に当たるクロノの吐息がくすぐったくて、思わず腕を
振りほどこうとするが、続いて耳の穴に舌が差し込まれ力が抜ける。
クロノの舌は耳、頬、顎と辿っていき、最後にフェイトの目尻に溜まった涙を舐め取った。
少し腕が弛んで、クロノの顔が見える。その表情は、フェイトを慈しむ時だけに見せてくれる優し
いものだった。
予想外のことに呆然とするフェイト。ようやく言葉を出せたのは一分近く経ってからだった。
「どうして……怒らないの?」
「何について怒るんだ?」
「私、寝ているクロノにあんなことして……もっといやらしいことまでしようとしてたのに、どうし
て……」
「……僕も、君と一緒のことをしてたからだよ」
「えっ?」
「さっき君の部屋に行って、君の寝顔を見てたらつい唇を奪ってた」
クロノの告白に、フェイトは寝ている時に見た夢を思い出す。
あれは、現実のことだったらしい。
616 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:25:51 ID:iDw0YT6E
「フェイトが起きかけたから途中で止めたけど、寝たままだったら……絶対にもっと先までしていた。
……こんな風に」
「ひゃん!?」
いきなり、胸を揉まれた。
フェイトの悲鳴でクロノは指こそ離したが、手の平は胸に置かれたままである。
「胸を触って脱がせて舐め回して、きっと強姦みたいなことをしてた。だから、君を怒るなんて出来
るはずがない」
「私のこと……嫌ってない?」
「嫌えるものか」
「あんなにはしたないことしちゃう娘だよ?」
「そんなのどうだっていい。むしろ」
背中に回された手に力が込められる。
「あんなことするぐらい僕を想ってくれていたんだから、嬉しい」
「……ありがとう」
彼がこんな自分を愛してくれて、本当に良かった。
感謝の気持ちを込めて、フェイトもクロノを抱き締める。
「フェイト……続きをしてもいいかい」
クロノの言う続き。それはフェイトも望むこと。
だが、戻ってきた理性が待ったをかける。
「ここ、提督室だよ。そんなところでエッチするなんて……」
「一回ぐらいは、提督権限で許してもらおう」
「だけど、クロノか私の部屋に行けば済むことだし」
「だったら、君はそこまで我慢出来るか?」
「…………無理かな」
二人の部屋までのわずか数十メートルの距離。だがその短い距離を、絶対に待ちきれないという確
信がフェイトにはあった。
「僕も無理だ。だから……今晩はここで、君を抱く」
クロノの宣言にフェイトは小さく、だがしっかりと頷いた。
ようやく、二人の本当の夜が始まる。
続く
617 :
別離の前に:2007/10/30(火) 17:26:58 ID:iDw0YT6E
今回はここまで。
寸止めごめんなさい!! でも容量的に今スレに収まるかどうかぎりぎりなんで。
代わりに後編はこれと同じぐらいのエロシーンあるから許してください。
続きは次スレが建ち次第投下予定。
>>616 一番デュランダルGJ!!
フェイトエロいよフェイト
次スレ立てるよ
>>616 いやっほおおおいGJ!!!
クロフェイお待ちしておりました!
エロいよ馬鹿だよ二人とも!何だこの色ボケバカップル!
33スレのアレは二度とゴメンだ。なのでまったりと。
>>620 乙
36スレの37さんへ
なのはのキャラじゃないAAで、かつ次スレへのリンクなしで埋め立ててくれた・・・(ry
だからそれ防止のために保守をしようかと・・・。
!!!!!!!!!!!!!!注!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!ここから濃厚な801スレになります!!!!!!!!
シャマルさん、それは自重しようね?
先生はいい男が見つかればこの悪い癖も直ると思うんだ…
…それはどうだろう
変わらない気もする
いい男が見つかっても創作意欲が駆り立てられるだけだろ
誰だ、いい男を見つけてオチしていたのはいいが本気で惚れちゃって書けなくなっちゃったシャマルさんという電波を飛ばしたやつは
うん、まあシャマルさんで真面目な恋愛物ってのもマジ読みたいとは思うぞ。
ヴィータとかシグナムとかはそこはかとなく想像できるんだがシャマルさんは何故かそっちにしか扱われないからなぁ
シャマル『うほっいい男』
シャマルさんでねぇ……
ザフィーラか? やっぱり
意外に、グリフィスとは接点が多いかも知れないんだぜ?
はやての副官、ってことで参謀ポジションだったシャマルとは話が合うかも知れない
ただ、グリフィスには、シャーリーとルキノが・・・
)(´ヮ`)(はやてちゃんがお婿さんをもらうまではわたしも落ち着いて恋愛なんてできません
男が圧倒的に少ないから、一人につき二、三人は嫁候補がいて
接点がほとんどないシャマルさんが割り入るの難しいんだよなぁ。
シグナムとアギトの相性がいいのは魔力光の色が似ているからでもあるらしい
と言うことは司書長とシャマルさんの相性も……
本局の医務室に出向するシャマルさん。そこに過労で倒れた司書長が運ばれてきて……
淫獣 魔王
エロノ エイミィ・フェイト・魔王・はやて・カリム
犬 アルフ
エロオ キャロ・ルー・フェイト・スバル・ティア
スカry ナンバーズ
グリフィス シャーリー・ルキノ・はやて
ヴァイス アルト・ティア・ラグナ
ゲンヤ クイント・スバル・ギンガ
旦那 アギト・ルー・シグナム
マッガーレ シャッハ・カリム etc.etc...
絶望した!先生の入る隙間の無いことに絶望した!!
医務室に運ばれてくる男なら誰でも手が出せるじゃん
>>640 既にその方法論が純愛じゃない空気しか感じないぜ。エロチックだ
ユーノの相手がなのは一択なことに異議を申し立てたい
643 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:29:47 ID:dRjvk6TW
>>643 強いて言うなら弟子的なもんでエリオかなのはの看病仲間から繋がりでユーノってとこじゃないかな。
後ヴァイスにはシグナムの姐さん、ゲンヤさんにはやて、ユーノにフェイトとアルフ辺りを入れてくれ。…個人的にはユーノにはなのは達より海鳴組(すずか・アリサ・美由希)ではあるんだが
645 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:48:37 ID:z4bixwh1
>>644 えっと、お前の愛読書がある作品であるということは分かったが
公式にはユーノとフェイト・海鳴連合関係無くね
しかしスカリryは恵まれてるなあ
輪をかけてハーレム状態じゃないか
淫獣 魔王・フェイト・アルフ (炉)・ゲボ子
エロノ エイミィ・フェイト・魔王・はやて・カリム
犬 アルフ
エロオ キャロ・ルー・フェイト・スバル・ティア・ゲボ子
スカry ナンバーズ
グリフィス シャーリー・ルキノ・はやて
ヴァイス アルト・ティア・ラグナ・( ゚∀゚)o彡
ゲンヤ クイント・スバル・ギンガ
旦那 アギト・ルー・シグナム
マッガーレ シャッハ・カリム
埋めを兼ねて追加
アク禁とれたかtest
487kbにつき、今から埋めます。
ヽ ll , '´ ', /
\ ヽ ll , ' , / /
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`丶、 \・ ヽ ll , , ‐- 、 / / ゚
痛いの… 丶、 \ ヽ ll ,' , ' i / */ /^ヽ +
我慢できるよね? 丶 \ ヽ. ll, ' =コ/^ヽ. | ∩ |
ヽl ,、 l/ `丶、 \ ヽ ll , ' .=コ\_ >| ∩/⌒ヾ、| i _ ─
〃")' ~´ヘヘ)"ヽ `丶、 \ ' ll,' , '´>(●==冫| | | ∩. ∪ノ ─
!( ソノ八)ヽ) ソ ゴゴゴ… 丶、 ' ,' , '、=コ/ ̄ | ∪ .j∧i. ;. ──
ヾl.゚ д゚ノ!. )) 卩__ 。' ,' ,'f/ ,ィヾ , + ヽ、|./i ト.; +
o=====U===∩====[]コ[i(●==冫,' ,' ,' l{ ,、ヾノ , + |ヽ!. レ; ヽ
./ソ、j、iヾ. )) |ノ ̄ ̄ ,' ,' ,'ヾツ{ソ_,。" =コ/´ | .i∨l ∩ ; *
.~(ノ!_j~´ , - ' ,' ' ,'  ̄ ̄=コ\_ >| ∩、.U .j i ;
─━━─- ' , ' ,' ,' , 〃,' ヾ>(●==冫| | |ヽ._,ノ∪ j +
, - ' 。 , , , /' ,' i ,'=コ/ ̄ | ∪.| 丶+´
, - ' , / , ; / i ヽ + ・ ヽ.ノ * 丶
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<V〉†ヘ==べ゙ミ、 | |》》》》》》》|
(咒){ {从从! }ヾ i 「 ̄ ̄ ̄ ̄| !
∋(Z)(y'ゝ(V `(フノ|ノ l i | [二二二二] | i
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【次スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第36話☆
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私が事務処理を行うと…
)
..,'`》'´⌒`彡
ノ,ィ∝ノノ)))))
.( ゝ(l! ゚ -ノ|l ピピ ピ
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
ボオォォォォン!!
..,'`》'´⌒(;; (´・:;⌒)
ノ,ィ∝ノ(;. (´⌒` ,;) )
.( ゝ((´:,(’ ,; ;'),`(´
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ 从从 /
 ̄ ̄ ̄
爆発仕様もないものが爆発する…
ティアナに代わって端末を触った時も…
)
,'`》'´⌒`彡 /´(´д`)`\ ありがとうございます
ノ,ィ∝ノノ)))))
( ( ゝ(l!_゚ -ノ|l うむ
ノ) /ゝ〔三d
)
,'`》'´⌒`彡,,(' ⌒`;;)’
ノ,ィ∝ノノ)(;; (´・:;⌒)
( ( ゝ(l!(;. (´⌒` ,;) ) ’ドゴォォォォン!!
ノ) /ゝ〔((´:,(’ ,; ;'),`
やはり爆発した…(しかも、他の局員が使っていた端末まで…)
そんな私の隣に乗ってくれるのは…高町隊長だけだ…
,... -――――――,−--、 __ 彡
. ,,..-''"(ー´)\(∀・)*\,// 、\皿#,,\
,,.. - ''"゙゙;>ー―---――;=''''"゛゛⌒ヽ, ̄ ̄ ̄7〉 ''´ ̄`i 彡
,,. '" ,,. '" / / ヽ /▲ /,r'⌒!'
∠二フ/___,___/∠二フ/ r'⌒ヽヽ_/´ // ∩ i
〔`゙`ー―――――――――'''''"゙´ ノ/ ∩ |  ̄__!/ノ ∪ノ 彡
〉同〉―― [二二] ―――j同>=:;つ_ノ ∪ノ/ ̄ `ー―''´
 ̄ ̄ー― ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー―''´
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>>648 ゲンヤにははやてとノーヴェも追加できるんじゃね?
/ `丶、 、 ヽ _ `-────- 、
l / | \ 、 \ ` 、
/ , │ ト 、 ヾヽ _.\-ミ ー 、 _,. -─ \
/ , l │ ! l、 l ` - _弋 ヽ',`ー .ニニニ -‐ 、、´ヽ、
. / イ | l,.._!_l l\ヽ 、/,ァ'.ォ=〒= .、 ヽ lんヽ ヽヽ / - _
│/ | | | |、 l,.ニ=z、ヽ '゙ l,、。`´} / i |〉 l |::| / ` - _
. ll | l | l./ l_.゙ーi ヾ - ク, リ / , |::| l `
l l l、 丶 lヽ r゙._.l ´ ̄/// j'´l l/ |::| | 好きです!
', l ヽlヽヽ ゝ'′ l /:::l l |::| ',
ヽ |\ ` l`/// 、.,-‐- 、 .::::::l l |::| 丶
ヽl \ 、丶、 ヾ ノ /:::::/ l |::| 丶
` ヽ ヽ ー`_ 、 `ー'゙ /""-ニ_l,'ヽ、 ヽヽ \
` 丶 ,l `¨´ |;;{::l - _` ー- ._ヽヽ \
/ヽ、 |;;;ヽヽ `ー-- ..._l ,......-、 ヽ
ヾ\丶、 \;;\丶、 ,...::,." '"ヽ::丶
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_ゝヽ 、 \ l、 l.l 。 /l //´::.`:...、.j'´: l-'::.ヽ ` `、 、. , '/ _.'"
\ \、 ヽヽ ヽ.、` l:.:l. , '.::.::.::_.::.:::.::.:::`ヾ´::.::.::.::.F、、__  ̄ i'b ,.,ク う Lヲ
______________ ヽ:V::.::.::.::.::.::.::``:.'‐.._ヽ::.::.::.::.l ,`'..-, ./l 々::i- '" `,
/ 丶 i´、'´::.::.、:__:`,.ニ=弌-:.`::.::.,. ', ' /'ュ3'"ヒニ'^冗辷
l フェイトちゃんは私の嫁なの!! |丶、l::.::\::.:ヾiーlハ ヽ,. ', ' / /-- `ヽ l l
ヽ / ヽヽ.l::.l::.、`::.::.ヽ.ソ _. l`'疋、 ,,-'. / ``ヽ 'lリ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ "`l:.:ト、ヽ.:ヽーi- `/r'}†y-‐‐--' '、l ヽ _
-┬ ─ ─ ─- 'ァ _.._ _.-=y`:.:`-..._へ ヽ:l ヽヽ` ー`"`' '゙ _ 凡._ _ ヽ /
`. -..、\ /''´ / ,ィ /:.:.:,.:,:.:.:.:.:.:.:,ィ`,.i:...- .._ ヾ、 `` ,.'.´__ ~- - " }r, ,..イ / テ
ゝ __ヽゝ、 ̄ __ /'′,..l:.:./:/:.,:.,~≧、/;;l:l:.:.:./:.:.l:l:.,、'' ‐ァl 丶、 _/ l;゙' l ス
Y'' `ヽ_ヽ._- 、 ` く l:.レ':.://、 i!ヾリ:.://l:.:.l:l:.:N-'´'"l_, - 、 _ 丶、 l_, 彡'ュ. | タ
..,-、":ヽ、 `'` ヾ:.、\ l´l:./イ:'l_ミ` = ' l:イ/;;;l},. ァ,:フ'' }.- ^ 、.‐ 、 , ''"´ ` | ロ
.l:=.、ヽ: :ヽ 、 `:l ,.l ̄ r::ァイ r_- ´, ' ,. //-.、' ` 、._` ー--`‐_ノ,-、:'':....‐-... _ | ッ
`.l::l: : :l、丶 l::l l 弋 r-'ヽ ,`‐ ",. ‐"レ´:ィコ´-ヽ_5'゙マ ` - ̄フ-´!l´ ,り:::::::::::: ヽ サ
l:l: : :ト、l ト_ l:l ,.l "> l:: ,. ‐" , ‐.<_, 'l゙/' 片う:::::::::::::゙:.、, / /4、/":::::::::::::::, | は
__..ノ:::l: : ト、`__`_.>' `., ‐" ,、‐'>人 lニ´._ レ_ __ )::::::::, '´ , 'v.ァ.l 丶::__: - "メ- | 渡
==ュー ''゙く `ー'." ‐,. ‐" ,. .イ:ミ}:{彡::l |ヾ=''=''- i::::´l , >''゙∀ ,. }:::::, l さ
ニニニl. r'_' ,. ‐" ,. ‐" リ:::::l l:::::::\ l./ / ,':::::/'"´ 、 レ ,...:',. ' l. ん
-ァ::,.-.、=.,. ‐" , - " __人、::ヽ/::::::::::::\' / /-'´ー'┃ ,..._,__' ,_ _ | !!
.rl:::::::X´ヽ- " , ‐ ´ ヾ.、:ll::::::, ._=ヽ;;`,,く ,. ‐ ─ 、 `''´rく ,.イ r-3 丶 _
ヽ::× ヽ/ ,. - " i:r, ´'´ l、;;;;;;;;;ヽ , '´ Y ´ :} j.コ' -‐ ''
`.'゙.> '´- _, '"l三三≡=-‐ ' /´/〉 ノ ` _、;;ゝ´ _ ,. '- ' ,.、___, --'´_ //
´ 。 | 〈:::/,' ュ-ァ '′ __/.r ,. ‐";; ̄;;;;;;;;;; =三テ='ゥ_ニフ三-'´ //
j'ニ、 ,ャ_⌒:々 l::l:l/〃,イ_,.、 /,..l::i , ‐"  ̄ ̄ ̄ " '' =-' )'-'´-‐. " - ─
D `" l ,-': : r' l::ll.' ' /:::/ // ,l::l ' ,. ‐ " ,},'' -´' ´
'i_,.l、: :,.iノ , '´.戈レ ´ ー',.//'´.-' ,. ‐ ´ /
n_>'l_-' ./ " ∠ ' ミ,`ー:ニィァ '´, ‐ " /
}_::":::: ̄::::):j l::「¨ ノ,レ' " /
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/ / ヽ、
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_|_ ヽ |_/ ヽ _ ┌┴ / / / ヽ l ヽ
|_ /V ̄ヽ  ̄/ / | ヽ .| 廿 / / / | | l
く| ) ヽ/\ ) /`l_ ヽ/ ノ ノ 巾 / / / | | |
/ / // / / | | |
/ /| l斗 / /- l | __|___ | | |
_|_ ,―┐ ヽ | \ ヽ ┌、. | / ! | /Y- | jl | ´ │ l `ヽ:| | |
|/ _|  ̄/  ̄| ̄| \ /_ l/ .l /l. | |レ≦テ外ハ ハ :|\-| | | | /
/| (__」ヽ /`l_ ノ 」 _) O |' | | |{ハう:::::j} ∨ \|ァ气≧k j | 〈
∨| | 込zソ {i‐ヘ:::入. ,' ,' \
∠ | | ゞ込ソ_イ/ / ヽ
|_ム. 小 ′ / / ヽ ∨
/´ ∧ │ \ ヽニフ / / / / ∧|
,' ハ | / 丶、_ , イ/ / /∨`<
_ _{_ \ V│ />rー< / / / `ヽ
/ ̄〈 |_/ ∧ \Y. /\ ヽ. / / / / l
/ } │ ̄|ヽ _ ∨ ヽ! ∧ -―/ //∨ / l|
/ ノ │ }`Y `l| | ∧j /Y /'´ / ∧
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