ヤンデレの小説を書こう!Part11

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623このお姉さんはヤンデレ?:2007/12/02(日) 13:05:32 ID:sMTf3PYX
>>599
 
「もしもし、警察ですか?路上で全身タイツの>>599が股間をもっこりさせてます素早くタイーホしてくれ!」

「把握」

パトカーがきますた。

「やべぇ、逃げなきゃ!っうわ!?」

タイツマン(>>599)はいきなり腕をつかまれ路地裏にひきこまれる。

「なんだ?」

腕をつかんでいたのはショートヘアーのお姉さん巨乳だ。

「あなたのもっこりに一目惚れしたわ、守らせて」

腕にしがみつかれて胸があたって話に集中できず適当に相づちした。

「わ、わかった」

当然もっこりはスーパーモッコリンに変身、お姉さんもそれに気付くとうっとりした顔で

「ハァハァ、ねえ私と良いことしない?」

「喜んで!」

と、いきなり警察に見つかる。

「見つけたぞ!タイーホする!」

すると何かがブチキレル音がした。お姉さんがキレたのだ。

「こんの糞ポリが――!!」

そのポリたちは全員皆殺しさらに増員逃げながら邪魔するやつらは皆殺しにされた。お姉さんは血だらけ>>599はひたすら萌えて(*´д`)ハアハアしていた。
おわり
624名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 13:21:23 ID:0oW1eNWv
>>623
ただDQNでビッチなだけではないか。
625名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 13:52:37 ID:Mjgo5433
>>614
|ω・`)b GJ!
この姉、焦らしプレイとは・・・やるな
どう病んで行くのか楽しみにしてます
626名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 14:59:11 ID:zJbpD5RI
ヤンバカねぇちゃんの続きも見たい
あんなヤンデレなら付き合いたい
627名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 15:19:00 ID:9VkwD3Bz
>>619
藤子Fのモロパクリが出てきて吹いた記憶がある
628名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 21:41:13 ID:WtQldRkP
美川べるの先生の『学園天国パラドキシア』を読んでいたら用語解説で。
ヤンデレ:病んでるデレ。サイコさんすら萌えの対象となる、この業界の懐の深さよ。
と、あったんだがヤンデレって=サイコなのか?
教えて偉い人。
629名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 21:49:05 ID:Bm3lPaQ3
サイコさんも含む、って意味と解釈すればいいんじゃないか。
実際サイコさんなヤンデレ娘だっている訳だしさ。
630名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 23:50:30 ID:XGJ1B+eh
サイ姑クラッシャー!!
631名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 00:27:49 ID:1D32OzRw
>>628
俺もそれが気になった。
ミカベル好きなんだけどね。
632名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 08:42:13 ID:Os24RyBN
ヤンデレお姉さんがショタを拉致監禁する話みたい

書くか?俺
633名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 10:33:26 ID:lZMg7uNp
どうぞどうぞ
634名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 11:31:37 ID:f4xl4rKw
ヤンドジマダー?
635名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 15:08:27 ID:PIAMpt06
>>465
亀レスだけどGJ!
愛ゆえに病む、基本に立ち戻った名作でした
636名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 14:25:03 ID:14wAmf49
今日、ヤンデレに追いかけられる夢を見た。しかも、2回目。どういうことだろう。
637名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 16:18:40 ID:PXP7NpQ5
>>636
ヤンデレの女の子を二股したいとゆう願望さ
638名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 16:39:30 ID:hk7Q8nkP
なんという迂遠な自殺願望。
639名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 16:47:47 ID:hGGlq5i1
しかし刺される瞬間つい(・∀・)ニヤニヤしてしまった>>636であった
640名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 12:43:40 ID:WOJJiBgU
>>638
その前に女VS女の壮絶な血みどろ&修羅場が
641名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 18:39:42 ID:yk6c4yEG
636だけど、2回とも同じ娘だったよ。次見るときは、殺されてしまうのだろうか。
642名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 19:53:21 ID:0JNnIq+C
三度目見るときは刺されて死んで
現実じゃ心臓麻痺とかで死んでしまうんだよ
643名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 20:54:13 ID:xi7MXefz
しかし胸には傷跡が…
644名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 21:08:38 ID:yk6c4yEG
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
645名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 21:58:58 ID:ksmzNDx2
つまりヤンデレ夢魔ということか……これは新しい!
646名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:15:01 ID:QOukftdQ
そこへ 修道院に入ったはずの妹が……!
647名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:09:55 ID:WOJJiBgU
埋めるためにもヤンデレ女を二股する男の話を誰か書いて欲しい
ちなみに俺には無理だ(´・ω・`)
648名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 16:40:03 ID:JX8wSKgJ
無理じゃないだろ、お前がヤンデレ女と二股しているところを脳内シュミレーションしてみろ。
649リッサ ◆v0Z8Q0837k :2007/12/06(木) 21:48:52 ID:EtQZh+DO
>635
 感想有難うございました、時間はずれていましたがとても嬉しかったです。
 というわけで、うれしいがてらに月輪に舞うの弧太郎を描いてみました、急ごしらえの上に下手
な絵ですがよろしかったら見てください。
 ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org8191.jpg.html
650名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 23:27:16 ID:JX8wSKgJ
乙!
651名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 13:01:00 ID:fhqEA2cU
>>648
妄想できてもそれを文章にできなきゃ意味ねえんだよ(´;ω;`)
652名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 15:23:17 ID:0vFUe6EJ
上手く抽出するんだ!
出来ればシュミレーションするのではなく実際にヤンデレと触れ合ってだな(ry
653名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 04:46:09 ID:nPE9JFOx
未だにシミュレーションをシュミレーションと誤読まま
居るのは相当アホなIME使いの証拠
654名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 11:16:35 ID:tG+LNY3E
>>652
身近にヤンデレ居ねえよw
ヤンデレの薬欲しいな…
655ヤンデレの薬:2007/12/08(土) 12:16:08 ID:PIiB+h1R
「つ、ついに出来たぞ…」
俺は薬学部の6年生。卒論も落ち着いたしなんだか面白いことはないかなと思って
ヤンデレの薬なるものを開発した。
理論はあかせないが、是を飲んだ女の子はたちどころにヤンデレになる。
あとは臨床をするだけ。ちなみに中和剤も同時に開発した。
これを友達の彼女に飲ませて、あとは楽しむことにしようか…
ふふふ、あいつがこれから困る姿を想像するとにやけてしまうぜ…
どうなるのかな…リアルで空鍋とか見れるのかな…
そうかそのためには誰かけしかけないと…
俺の頭の中では壮大なドッキリ大作戦を遂行するかのような感じで考えていた。
そう、これは壮大なドッキリなのだ。そう考えると悪いなという意識が薄れていくから恐ろしい。
「修君ー♪」
「うお、加奈かよ…」
俺の彼女加奈。すんごい可愛いがちょっと天然すぎるところがある。
だが勉強で疲れた俺を癒してくれる自慢の彼女さ。
「あれれー修君なにしてたの?」
「うん?ちょっと暇だったからね、将来のためのお勉強」
「へー新しいお薬」
「そー言うこった。ま、学生の作ったものだからな、効果とうは保障しないがな」
「どういう効果が出るの?」
「相手のことがたまらなく好きになるんだ。もう周りが見えなくなるくらい」
「飲むー♪」
そういうと加奈は薬(が溶けた液体)が入ってるビンを音速と見まごう速さで掠め取り、
おれが止める前に…飲み干した。
「加奈ーーーーーー!?」
「あー別に何にも変わらないよ」
すぐには効果は現れないようだ。だが万が一ということもある。中和剤を…
「加奈!早くこれを飲むんだ!」
「えー?」
「いいから!」
俺は急いで中和剤を飲ませた。
これで一安心のはず。いやー参った、参った。やっぱ悪いことは出来ないねと。

…あれ、俺はたしか中和剤は右に置いたんじゃなかったっけ…
加奈は確か右のほうを最初に…!!!!!
そうういえばさっきから加奈のふいんき(←なぜか変換できない)が変わってる気がする!?
「やばい!加奈!しばらくは俺のそばから…」
そのとき運悪く誰かが研究室にやってきた。
「やっほー修君♪」
手遅れ。ゲームオーバー。
俺の研究室仲間の女の子が元気に入ってきた。
そして加奈の目が変わった。
656ヤンデレの薬:2007/12/08(土) 12:17:50 ID:PIiB+h1R
その後、修君と呼ばれる男の簡易的な日記には。
12月3日
ヤンデレの薬を加奈に飲まれてしまった。その後入ってきた研究室仲間一人がショック症状で病院にいくことになった。
すまん、俺のせいで…
12月4日
中和剤の複製を開始。早くしなければ被害が…
12月6日
クリスマスの予定について聞かれた。まるで2人きりじゃないと殺あれるような勢いで。
当然空かす。まだまだ死にたくない。
12月11日
あれからいろいろあったが、何とか中和剤が完成。これでなんとかなる!
3日3晩こもりきった甲斐があった!
12月12日
やばい。研究室にこもってたことを誤解された。
とりあえず部屋に逃げ込む
12月13日
激しく部屋のドアをノックされる。だが出たらいけない。出たらそれこそ命が危ない。
12月16日
ノックされる時間が日に日に長くなっていく。俺も発狂しそうだ。
食料も切れかけてる。篭城はもはや限界か
12月17日
なんだか加奈が目の前にいるような気がする。
実際はドアをノックしているのが加奈なのに…
なんでだ。目の前でなんで、なんでとずっと言ってる感じがする。消えろ、消えてくれ。
12月18日
悪かった俺が悪かった、謝るから、謝るから…ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…
12月18日
あぁぁぁぁぁぁ帰れよぉぉぉぉぉ。
悪かった、俺が悪かったからぁぁぁぁぁぁぁぁ
いいかげんにしてくれよぉぉぉぉぉぉぉ
12月19日
かゆ、うま

ここからは途切れている。
この日以降修君と呼ばれる男の所在は確認できていない。



勢いでやってみた。反省はちょっとだけしている。


こんなことやってないではやく続き書けとね俺orz
657名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 12:50:16 ID:ACxZtOji
>>656
まあなんだ、とりあえず
テラGJ! イイヨイイヨー
658名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 13:49:33 ID:Z2h6+RRC
かゆうま吹いたwwww
GJ!!
659名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 15:12:51 ID:Ub07/L4I
人を陥れようとすると、すべて自分にかえってくるという教訓だね
660名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 13:52:36 ID:IMKXoQxb
正直>>656の方が面白い同じ題材
もっと精進するために旅に出ます。探さないでください。
661名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 23:20:25 ID:I06dmWf7
ただの人間には興味ありません。
この中に、依存系幼馴染み、キモ姉妹、粘着ストーカー同級生、
被害妄想系先輩、腹黒系後輩がいたら、俺のところに来てくれ。
662埋めネタ:2007/12/10(月) 01:01:20 ID:hBhhQk/5
 十二月上旬。僕の勤める会社ではボーナスが支給された。
 支給されたとはいっても、ただボーナスの明細が書かれた紙をもらっただけで、手渡しされたわけじゃない。
 ボーナスは給料と同じ口座に振り込まれているのだ。そんなことは当たり前だけど。
 この時期、純粋に僕はうきうき気分になれる。
 欲しかったアレやコレを買えるから、というのがその理由だ。
 とはいえ、全額、欲しいものに費やせるわけじゃない。

 僕は去年中古車を買っていて、そのローンの支払いがまだ残っている。
 それ以外にも税金や貯金などにいくらか割り振るので、せっかくのボーナスも半分以上使えない。
 それでも、数万円は手元に残る。
 残された金額の使い道は決めていない。
 使い道がないのなら貯金しなさい、と母さんなら言うんだろう。
 でも、生憎僕は母さんほど倹約家なわけでもなく、また貯金通帳の明細を見ながらティータイムを
楽しめるほど稀有な性格をしているわけでもない。
 よって、冬のボーナスは全て使い切ることになる。
 毎回そうやっているのだから、今回もいつも通りにやらせてもらおうと思う。

 仕事を定時退社の時刻までに済ませた僕は、賞与明細を鞄の中に突っ込んで、
同僚に挨拶をしてから職場を後にした。
 夕方と言うには少し遅い、午後七時。
 ボーナスが出たのだから、同僚と一緒に飲みに行くのが会社員としての一般的な行動なのだろう。
 しかし、僕は行かない。なぜなら、飲みに行きたくないから。
 もちろん行きたくない理由はある。
 同僚に嫌われていたり僕が同僚を嫌っていたりするわけではなく、単に、お酒の席で絡まれるのが嫌なのだ。
 絡まれるにしても、仕事でミスをしたことについて軽く説教されるならいい。
 もしくは未だに彼女がいないことについてからかわれたりするのでも構わない。
 お酒の席で、皆が僕のあだ名を呼び出すのが気に入らないのだ。

 僕のあだ名は、名前の漢字の読み方を変えただけのものである。
 皆があまりにあだ名の方で呼びかけてくるので、あだ名が本名だと僕自身が錯覚してしまう。
 僕の親は明らかにウケ狙いで僕の名前をつけたに違いない。
 最近、漫画やアニメに出てきそうな名前を子供に名付ける親が増えているというが、実に嘆かわしい。
 僕は変な名前を名付けられたせいで損することはあっても得することはなかった。
 いい名前だね、という言葉は嫌みにしか聞こえない。慰めだったとしても要らない、欲しくない。
 子供をひねくれさせたくなければ、親は真っ当な名付け方をするべきだ。

 タイムカードを押し、会社の建物を出る。
 寒さをしのぐためにコートの襟を立て、歩き出したその時だった。
「名無し君。今帰りかい?」
 正門近くに停めてあった車を通り過ぎたところで、突然女性に声をかけられた。しかも、あだ名で。
 聞き覚えのありすぎる声だったので、不機嫌を七割ほどむき出しにして返事する。
「ええ、そうですよ。十一子さん」
 そして聞こえてくる、ぎり、ぎりりりり、という歯ぎしりの音。やはり相手を怒らせてしまったようだ。
 だけど、この場合は彼女が悪い。いきなり僕のあだ名を呼んだのだから。
 仕返しに、彼女が嫌っている彼女のあだ名を言ったって構わないはずだ。

 右を見る。彼女は腕を組みながら僕を睨んでいた。
「ひどい人間だな、君は。私の嫌いなあだ名を言うとは」
「ひどいのはどっちですか。僕の名前の読み方を知っているくせに」
「ちょっとした冗句のつもりだったのだがな……。いや、すまない。やはり失言だったよ。七詩君。
 謝る。この通りだ。だから――君も私を本名で呼んでくれないか?」
 頭を下げてくる彼女に、僕は返事する。
「謝らなくてもいいですよ。もう機嫌悪くないですし。……文子さん、なにか用ですか?」
663埋めネタ:2007/12/10(月) 01:03:18 ID:hBhhQk/5
 そう言うと、文子――フルネームは入文子(いりふみこ)――さんは頭を上げた。
 僕と文子さんは、不幸にもおかしな本名を持ち、不愉快なあだ名で呼ばれる同士である。
 僕の名前、七詩。読みは『ななうた』だけど、漢字をぱっと見たら『ななし』と読んでしまう。
 文子さんの本名、入文子。名字を『いれ』、名前『ぶんこ』と読めば、『いれぶんこ』になる。
 次に『いれぶん』を『イレブン』にして、さらに日本語に変換すれば『十一』となる。
 しかして、『入文子』は『十一子』となり、文子さんは『十一子』というあだ名を付けられた。
 名無しと、十一子。どちらも、本名をもじったあだ名だ。
 そして、あだ名を付けられた当人はどちらともそれを快く思っていない。
 会社ではさすがに名字で呼ばれているけど、仕事以外ではあだ名で呼ばれることが多い――いやむしろ、呼ばれる。
 だから、僕は会社の外で同僚と会うことを極力避けるようにしている。

 たかがあだ名ごときでそこまでしなくても、と人は言う。
 けど、僕にとって、あだ名で呼ばれることは最大級の侮辱になるのだ。
 それは小中学校時代の経験が原因だろう。
 思い出すのも嫌になる。僕はあだ名のせいで、避けられたはずの災難に数多く遭った。
 僕も傷ついたし、他人も傷ついた。悪意の有無に関わらず、僕は人を避けた。
 大学生になってようやく毎日話す相手ができたくらいだった。
 文子さんが僕と同じ経験をしたのかは知らない。知るべきではない、踏み込むべきではない領域だと知っているから。
 文子さんは変なあだ名を付けられた者同士という理由で馴れ馴れしくされたくないはずだ。僕だってそう思っている。
 僕が文子さんと仲良くしているのは、彼女が僕との距離の取り方と付き合い方を弁えているからだ。
 どちらからも会いに行かない。たまたま会ったときにその場の空気で話すだけの関係。
 それが僕にとって最も嬉しい、人との関係の持ち方だった。
 そのことを自覚させてくれたのは、文子さんだ。
 ――もっともそれは、僕の人付き合いの技術がいかに低いかを自覚させてくれたということでもあるけれど。

「七詩君、ボーナスをもらったか?」
 返事を分かっている問いかけ方だった。それでもあえて問うたのは確認するためだったのだろう。
「ええ、いつも通りに。ちゃんと増えてましたよ」
「うん、それは良かった……で、だ。今から、使ってみる気はないか?」
「今からですか? まあ、いくらか使う予定のない分がありますけど」
「なら、今から付き合わないか?」
「……?」
 首を傾げてしまった。
 だって、初めてだったのだ。文子さんから誘いを持ちかけてくるなんて。
「付き合うって、お酒にですか?」
「うん、そうだ。もちろん、これから用事があるというのなら今度でも構わないが」
「この後で用事は、ないですけど……どうしたんですか、突然?
 文子さんから飲みに誘ってくるなんて一度も無かったのに」
 それどころか、正門で僕を待っているのも今日が初めてだった。
 今日の文子さんは、どこかがいつもと違う。
「あー……七詩君は忘年会に出ていなかっただろう?」
「ええ。文子さんもそうでしたよね」
「うん、だからだ」
「だから……? どういう意味です?」
 文子さんがちょっとだけ眉根を寄せた。
664埋めネタ:2007/12/10(月) 01:04:50 ID:hBhhQk/5
「察しが悪いな、君は」
「いえ、二人でこれから忘年会をやろうって言いたいのは察してますよ。
 わからないのは、忘年会に出ていなかったって理由で、どうして文子さんと飲まなきゃいけないのかってことです」
「君は察しが悪いんじゃないな。冷たいんだ。部屋の空気を入れ換えるときに触れる窓枠と同じくらいに」
「ああ、最近のは特に冷たいですよね。手袋が欲しいくらいですよ」
「ということは、七詩君に触れるときは手袋をしなければいけないということか」
「論理的に解釈すればそうなりますけど、僕は窓枠じゃないので、触れるときに手袋は不要です」
「おお、それは良かった。もし手袋が必要だったら、色々不都合が出てくるからな」
 どんな不都合が出てくるんだろう。
 もしかして、僕と直に手を繋ぎたいとか? ――まさかね。

「七詩君、同僚と酒を飲むのはそんなに嫌か?」
「ええ。酒が入ると、普段はまじめな人でもおかしくなりますから」
 そうなったら、僕の過去に踏み込んでくるから嫌だ。
「でも、文子さんと飲むんならいいですよ」
「ぇ?」
 文子さんの切れ長の目がちょっとだけ大きくなった。
「文子さんなら、その――ちゃんと分かっていると思いますし。忘年会もやっておきたいし。
 それに、初めてじゃないですか。文子さんと飲むなんて。もちろん、誘われるのも初めてですけど」
「じゃあ、いいのか?」
「いいですよ。飲みに行きましょう」
「なら、なら……場所は、私が指定していいか?」
「はい」
「そうか、そうか……よし!」
 文子さんは両手を握りしめた。おそらくガッツポーズをとろうとして、やっぱり人前でポーズをとるのは恥ずかしいと
思い直したけど、それでも衝動が抑えきれず拳が反応してしまった、みたいな感じだろうと推測する。

 文子さんが顔を近づけて、耳打ちしてきた。
 告げられた飲みの場所は、駅の近くの繁華街でもなく、会社が忘年会でよく利用する料亭でもなかった。
 その、場所は――――――。

*****

 時刻は十一時。ふと、文子さんのことを禁断のあだ名で呼びたくなったけど我慢する。
 文子さんはテーブルの向かい側の席についている。両肘をつき、前傾姿勢のまま話しかけてくる。
「だからぁ、泊まっていけって、言ってるじゃないかあぅっ……っく!」
 返事はしない。面倒だからではなく、何度も同じ返事をしているから。
 ここ――文子さんの家で一晩明かすつもりはない、と言っているが、文子さんはどうしても譲らない。
 帰り道で買ってきたお酒をあらかた飲み終わり、残りの分でちびちびとやり始めてから数時間、ずっとこの調子である。
「なんで泊まっていかないんだ! お酒、入っているんだろう……?」
 ハイとローを行ったり来たりの文子さんに返事をする。
「入ってますけどね、確かに。でも歩けない訳じゃない。つまり僕が帰ることは不可能とは言えないわけですよ」
「否定を連続するな! 聞いてる方は、混乱するんだよ……」
 そう言われても、酔ったときにこんなしゃべり方に変わるのは僕の癖なのだからどうしようもない。
「そろそろお暇しますよ。遅くまでお邪魔してすいませんでした」
 一方的に告げて、床の上から立ち上がった。
「あ……れ」
 そして次の瞬間、僕の視界は九十度回った。
 右腕に走った痛みで、何が起こったのか分かった。僕は、床に倒れたのだ。
665埋めネタ:2007/12/10(月) 01:06:07 ID:hBhhQk/5
「あー、ははははは、っはは! ……ようやく、効いたんだ。遅いよ、まったく」
 文子さんが四つん這いで倒れた僕のもとへやってきた。僕の体を仰向けにして、上に乗ってくる。
「何をしたんですか、一体」
「うん、ちょっと七詩君のお酒に睡眠薬をね、入れたんだ」
 どうりで眠たい……わけだ。
「なん……で、こんなこと、するんですか」
「決まっている! 君に今夜泊まってもらって、眠った君をじっくりと料理するつもりだったんだよ」
「りょう、理……?」
 文子さん、料理できるのか? 一人暮らしの女性って、やっぱり料理するんだ。
 ちなみに僕はやってない。毎日麺類か惣菜だ。――いや、料理するかしないかなんてどうでもいい。
「僕は、理由を聞いているんですけど」
「わからないのか?! わからないんだな。そうか……ハア。まあ、気づくはずもない、か。
 いいよ。教えてあげよう。私は、君が好きだから、こうしたんだよ」

 文子さんの顔が近づいた。かすむ視界の中に文子さんだけが映っている。
 唇に、わずかな感触があらわれた。いや、頬だったかもしれない。
 体表感覚の麻痺した今の状態では、はっきりと自覚できない。
「君が欲しい。君の熱が、体が、全部が欲しい。どうしても、強引な手を使ってでも手に入れたかったんだ。
 ――嗚呼、キスしてしまった。これが、君の味なんだね。うん、チョコレートみたいな甘さだ」
 それは僕の味ではなく、本物のチョコのものです。さっき残ってる分を全部食べましたから。
「この分だと、七詩君の体はもっと甘いのかもしれないね。人と関わるのを極力避けて、自分を守ってきた七詩君。
 誰にも手を付けられていないに違いない……そう、青い果実だ!」
 ごめんなさい。期待を裏切って悪いのですが、キスだけは済ませています。
 大学時代、酔っぱらった女の子にキスされたことが一回だけあった。
 その後に色気のある展開を繰り広げたりはしなかったけど。

「さて! ……さて、これから七詩君は私のものになるわけだが」
 そうなるのが当然、みたいに言わないでください。と言いたいのに言えない。
 眠い。口を開くのが億劫だ。五感の内でちゃんと働いているのは耳しかない。
 聞こえてくるのが文子さんの声だけだから、世界の中に文子さんしかいないみたいな気になる。
「その前に、私のプロポーズを聞いてくれ」
 ――プロポーズ。
 結婚の申し込みのことか。僕の方からは一生することはないと思っていたけど、まさか女性からされるなんて。
 なんだか夢みたいだ。いや、もしかしたら夢なのかもしれない。
 眠いし、ふわふわするし、やけに気分がいいし。
 なにより、文子さんが僕のことを好きでいてくれたなんて――嬉しすぎる。
 だって、僕も文子さんのことを好きだったから。
 いつから好きだったのかはわからない。
 もしかしたら出会ったときからかもしれない。もしかしたらたった今、恋したのかもしれない。
 でも僕にとって、家に遊びに行けるほど仲良くなれた異性なんて、文子さんが初めてだった。
 じゃあ、これが初恋なのか。そして、初恋の相手にプロポーズされる。
 なんだ、僕の人生も、そんなに悪いものじゃないみたいだな。
 
 文子さんの声が聞こえる。頭の中に響き渡る。
「あなたに、私のボーナスを全て管理して欲しい」
 どこの銀行のポスターに書かれたキャッチフレーズだろうか、と考えさせられる台詞――もとい、プロボーズであった。
 でも、それもいいかな。家計簿をつけるのは得意だし。
 プロポーズに対して、僕は頷きを返した。
 本当は文子さんの体を抱きしめたい気分だった。けど、眠いからどうしようもない。
 文子さんが睡眠薬なんて盛ったのが悪いんだ。

 ――明日起きても、文子さんを抱きしめるのは無しにしよう。
666名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 01:10:07 ID:hBhhQk/5
ちょっと強引にまとめてしまった。スマソ。
とりあえず、いつも通りに、



                 埋め!
667名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 04:04:40 ID:npjyKNGK
どこかずれた二人だけど( ;∀;)イイハナシダナー

では埋めええええええええ
668名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 10:20:25 ID:4w4X9/sO
そうだ今日ボーナスだ…
669名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 16:37:19 ID:VgzQ79dP
>>666
GJ!

埋めてあげるわ
あはははははははははははははははははははははは
あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは
670名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 19:11:45 ID:/njrQAOW
>>669
ヤンデレさんうるさいですよ。  by隣の部屋の男
671リッサ ◆v0Z8Q0837k :2007/12/10(月) 19:38:37 ID:zUmWkgcA
 久々に投稿&埋めネタします、今回もまた変化球ですのであしからず。

 「ヤンデレ観測者」

 大人になってからは時間の流れが速くなるとは言うが、よもや自分がそれを経験する日が
来るとは思っていなかった。
 気がつけば私ももう二十代後半を過ぎ、更に季節はもうクリスマスに程近くなっている。
 一人身にとっては心身ともに大変辛い季節だ、だからこそ早く家に帰りたかった、それに
家に帰ればモニターの中で…こんな私でも微笑んで手をとってくれる少女たちがいるからだ。
 いつからだろうか、現実の女性に興味をもてなくなったのは…高校一年の夏、ようやく告白
が実って付き合い始めた女の子に、実はキープ扱いされて手ひどく振られた日からだろうか?
それとも職場恋愛で結婚寸前まで持ちかけられた同僚を出張中に上司に寝取られた日からだろうか?。
 それでも、そんな日でも…少女たちはモニターの中で微笑を絶やさないで私に愛をささやいてくれた
あるものは恋敵を殺し…またあるものは邪魔になれば肉親すらも殺し…あるときは私の分身である少

年を監禁し、そして私を殺して…捕食までしてくれた。
 怖くはないのか?怖いわけがない…こんな私をそこまで思ってくれるのだ、愛のある殺意の
どこにおびえればいいのだ…そんな考えが普通に浮かぶ。 
 まあ自分でいうのもあれだが、私は精神を少々病みながらも…ヤンデレというものの魅力に
完全に取り付かれていたのだ。
 そんな事を考えながら自宅である安アパートに向かう。急ぎ足で入り組んだ路地を抜けて
アパート近くのバス停前にたどり着いたとき…私は変なもの…いや、人を目撃した。
 その女性は深夜、こんなに遅い時間に大荷物を持ってバス停に腰をかけているのだ…
間違いなくバスを待っているということはないだろう、しかもその服装ときたら…
メイド服ときているのだ。
 異常だ、明らかに何かおかしい、でも…ゲームとの天秤が揺らぐくらいに興味を引かれた
のは事実だった。
672リッサ ◆v0Z8Q0837k
「こんばんは…バスを待っているんですか?」
 私は彼女に話しかけてみることにした、こういうことは仕事柄よくなれている。
空ろな目をした彼女はいきなり話しかけられたことに対して動揺したようだったが
それから作り笑いを絵に描いたような表情を浮かべるとこう切り替えした。
 「いえ、少し疲れたので…眠っていたんです」
 「そうですか…ああ、それじゃあこれをどうぞ…体が温まりますよ」
 「あ…はい、ありがとうございます」
 そういって彼女は私が手渡したコーヒー缶を受け取ると、念入りに缶の
尻の部分を観察して…それからプルタブをひねってコーヒーを飲み始めた。
 「…あったかい、ありがとうございます」
 「いえいえ、この程度…しかしあれですねぇ、どうしてまたこんなところで
こんな格好を?」
 私はどうしても気になっていたことを尋ねてみた、よくよく見れば臭いこそし
ないが…そのメイド服と、大荷物である巨大なスポルディングバッグには、どう見ても
血にしか見えないシミがところどころについていたのだ。
 「…私のお話、信じてくださいますか?」
 「ええ、どんな話でも信じますよ…たとえば…そうですね、そういえばこの前は
彼氏の生首を持って海外逃亡をする、なんていってる血まみれの女の子がここに座っ
てましてね…私、不憫になったのでいくばくかお金と食料を上げちゃいまして…まあ
そんな感じなので大丈夫ですよ、それに誰にも絶対言いませんし…何でも言ってください、
どんな話でも信じますから」
 「ふふ…お優しいんですね、大変失礼ですが…馬鹿なくらいに…」
 「まあ、そうですねえ・・・」
 そういって彼女は少し笑う、どうやら私の話を信じていないようだ。
 実際私はその彼氏の生首を見せられたと言うのに、それにそんな経験は一度や二度ではないと
言うのに…。
 そもそもこの街はなんだか治安がよろしくない、そのせいなのか何なのかこのアパート周辺だけでも
かなり変な人が多い分…わたしはこのバス停で幾度となく、そんな少女や女性たちの話を伺う羽目にな
っていたのだ。
 あるときは彼氏だと言うミイラを背負った少女に出会い、明らかに変質的な馴れ初め話しを聞かされ
た、またあるときは彼氏を殺してしまい、泣きながら包丁を持っている少女と対話して、彼氏の事を悔いる少女を諭した事もあった…酷いときには明け方まで監禁した彼氏の写メを見せて自慢話をしてくる
少女もいたくらいだ…そして三度目くらいにわたしはこう仮定した、どうやらここには何かヤンデレを
集めるオーラか何かがあって、わたしはそれらから上手く話を聞きだせる条件を有している、と…どう
せ暇人だし、命もあんまり惜しくはない…それになにより彼女たちは愛する人がいる分…絶対にほれら
れる事もない。
 そんな少々悲しい仮定をして大体月に一度、わたしはこうしてヤンデレてしまった人たちの観測を
行っていた。
 「…私、出身は東北の貧しい魚村の出でして…」
 少々押し黙った後、彼女はそういって語り始めた。
 「家は六人兄弟で…十歳のときに父が事故で死んでからますます生活が苦しくなって…とうとう
奴隷として売りに出されそうになったときに…偶然拾われたんです、ご主人様に…」
 そういう彼女の目は空ろだったが、顔は必死に作り笑いを浮かべていた…そしてその視線の
先は、大きな大きなスポルディングバッグに…いや、違う、コレはどこからどう見ても…死体袋じゃないか
…ストラップついてるから気づかなかったなぁ…に向けられていた。
 「ご主人様はさる貴族の末裔の大金持ちだそうで…たまたま村の再開発部分を視察しに来たときに私をみて
…一目で気に入ってくれたらしくて…そのまま私をメイドとしてお雇いになってくれたんです…勿論、凄く
うれしかったですよ、私…ふふふ」
 「一目ぼれ…だったんですか?」
 「ええ…でもそれはあの人も同じだったみたいですね…暇なときに私を呼びつけてはよくお話してい
ましたよ…私は早逝された妹さんにそっくりだとかで…ふふ、きっと恥ずかしかったんでしょうね
そんな事をいって照れ隠ししていたんですよ…」
 私は頷きつつもそのご主人様とやらに少し嫉妬した。