>>1乙
すごいなあ…もうこんな所まで来てしまった
エロパロセブン21ktkr
まともに
>>1乙しなさいよ!
「「「「「「「>>1乙〜〜っ♪」」」」」」」
(⌒_
.'´..::::::... ヽ (⌒_ (⌒_
i:::::/ハ)ヽハ .'´..::::::... ヽ .'´.::::::::::..ヽ |
|::::q ゚ー゚.リl (⌒_ i::::/ハ)ヽハ i:::::/ハ)ヽハ l
l:⊂)゙Xiつ'´.::::::... ヽ:q////.リ ノ::q *゚ ヮ゚.リl ノ まったく何なのよこのスレ!
i (⌒_.!l〉 i::::/ハ)ヽハつつ ⊂_⌒_,,つつ l 過去ログ読んでみたけど、なんか
.'´..::::::... ヽ |:::q ゚ ヮノゥ " 彡 | 私とこなたがらぶらぶになってたり
i:::::/ハ)ヽハ⊂)゙Xi (⌒_ _ ノ 0 ___, ……た、たまにはマトモなSSも
|::q =_,_,=.リl く/ '´..::::::... ヽ (⌒_ i  ̄ ̄ ゚ .'´ ノヾヽ 書きなさいよっ
|:⊂)゙Xiつ:! しi:::::/ハ)ヽハ :::::::... ヽ | <h> / ハル〉
!::::く/_!l〉::リ |:::q=ヮ=.リl /ハ)ヽハ l || |(l.''д''ノ|
ヽ::(./、j " l:/,)!゙Xiヾ::| ≡_,≡.リl _ノ ||.⊂)゙Xiつ|
ノとんううぅi つξつ _ノ リノく/_!l〉ljノ
し'ノ
こなた「あるぇ〜?さっきあんなにハンカチ濡らしてたのは気のせいかな?かな?」
かがみ「あんたには関係ないでしょ!というかいつの間に入ってきたのよ!?」
こなた「んもぅ、素直じゃないなぁ。素直に>>1乙できなくて思わずツンデレしちゃうかがみ萌え〜。
……で、かがみが気に入ったSSはどれなの?もしかして今開いてるこな×かg」
かがみ「かっ、勝手にマウス弄って変なの開くなぁぁっ!!(顔真赤絶叫)」
こんばんわ。20スレ目の最後の方に書きこみしましたが、500KBをオーバーしてしまいそうなのでこちらに投稿いたします。
えーと、まずは注意書きです。
・前編、後編の二章仕立て。さらに前編は、かがみ編とこなた編の二つに分かれています。
二視点モノなので、話の内容はあまり変わりません。二つともいっぺんに投下するので長いです。
・前編は鬱展開ありです。ただ、後編でハッピーエンドにする予定です。
・一応エロあり。
・駄文注意
以上です。
あと、
>>1乙です。
よろしいでしょうか?それではかがみ編から始めたいと思います。
「かがみ……私のこと、好きにして」
ベッドの上で、こなたは自らズボンとパンティーを脱ぎ、綺麗なピンク色をした割れ目を、見せ付けるかのように仰向けになって寝る。
そして、トロンとした淫靡な目で、私を見つめてくる。
私とこなた、二人っきりの彼女の部屋。しかも、今この家にいるのも私とこなた、たった二人だけ。
なんてすばらしいシチュエーションなんだろう。
正にこれは『食わぬ膳は男の恥』ってやつね。……でも私は女だからちょっと違うかな?
まあ、そんなことはどうでもいい。
こなたがこの二人っきりの空間で私を求めているのよ!?
もうこれはおいしくいただかないとバチが当たるわ!
私は両手を大きく広げ、勢いよく、激しくこなたに抱き着いた。
柔らかい。もの凄く柔らかい。まるでクッションのように。
……クッション!?
急に疑問に思い、私の腕の中を見ると、そこにはこなたの姿はなく、私がいつも使っている枕が抱かれていた……
「……はっ!!」
ガバッと起きあがって周りを見渡して見ると、そこはこなたの部屋ではなかった。
机で、けたたましく鳴っている目覚ましも、壁に掛かったポスターも時計も全て、私の部屋のものだ。
大体の状況を確認し終わると、私は布団から出て、ふらふらとしたおぼつかない足取りで机に向かい、時計を止める。
「はぁ……」
そして出たため息。
残念というか、やっぱりと言うか、さっきの出来事は私の夢だった。
なんなんだろう。私ってそんなに欲求不満なんだろうか。
洗面台の前で、歯を磨きながら考えていた。
……こんなことは今日が初めてじゃない。
実のところ、こうした夢は数日前から何度も何度も見ているのだ。
夢のパターンはいつも同じ。
こなたの家で二人っきり。ベッドで誘うこなた。そして誘いに乗る私。
しかし、腹立たしいことに、毎回いつもこれからっ!って時にタイミング良く(悪く?)夢から覚める。
どうしてこなたと仲良く二人でイク所まで見せてくれないんだろう。
……そういう問題じゃないか。
歯磨き粉をペッと吐き出すと、赤い血が混じっていた。
歯茎から出た血だろう。それぐらい長い時間、歯を磨きながら考え事をしていたんだろうか。
髪のセット、朝食、着替えをさっさと済ませて家を出て、自転車にまたがり駅を目指す。
自転車を漕ぎ始めると、キンモクセイの良い香りが漂う。
すっかり秋なんだな、と改めて感じた。これで葉も赤みはじめていたら言うことはないのだけど、まだまだ色づく気配は無いのが物足りない。
駅に着き、自転車を駐輪スペースに停めて、改札に向かうと既にあいつがいた。
「おはよ〜、かがみん」
と言って、笑顔で手を振りながら近づいてきたのは、私の『恋人』のこなただった。
私がこなたから告白を受けたのは、もう三ヶ月も前のことだ。
ある日突然、放課後の誰もいない教室に呼び出され、まさか、と思ったら案の定、告白を受けた。
その時、恥かしさで顔を真っ赤になりつつも、なんとか緊張を抑えて、私への愛の言葉をつむぎ出そうとするこなたの表情は、今思い出しても、とてつもなく可愛らしいものだったけど、それについて語ると時間がいくらあっても足りないので、ここでは省かせてもらう。
ともかく、私も近いうちにこなたに告白しようと思っていた最中であったので、断る理由は全く無く、告白を受けて今日に至るというわけ。って言ってもまだ一週間だけど。
取るに足りない会話をしながら改札を通り、二人で電車が来るのを待つ。
……二人?そう二人。つかさとみゆきはいない。それは彼女等の計らいで、行きと帰りは私とこなたの二人っきりで登下校することになっているから。
正直、そこまで気を使ってもらわなくても……と思う。私達のせいで二人に気を使わせてる感じがして、なんとなく悪い気がする。
だから、最初は断ったんだけど、結局二人の勧めの押しに負けて、二人で学校へ行くようになった。
……まあ最近は、学校がある日で私とこなたが会える時間は、この登下校と、お昼の時ぐらいしかないわけだから、行きと帰りの時間ぐらい二人っきりになるのも悪くないな……と思うようになってきたんだけどね。
やって来た電車に乗りこみ、二人並んで座席に腰を下ろす。
自転車を漕いで、少し疲れた足をだらんとさせて、息をつくと、ふと、この三ヶ月の出来事が頭をよぎった。
こなたと付き合い始めて大体三ヶ月。こうやって一緒に行き帰りしたり、電話の回数が多くなったり、休日にはデートに行ったり、手をつないだとか、恋人らしいことは大抵やってきたつもりだ。
ただ、まだHをしたことはなかった。
本当の事を言えば、私は出来ることならなるべく早く、こなたとHをしてしまいたい。
というのも、それは私がこなたから告白を受ける前からの、願望だったから。
悪いとは思いつつも、こなたのことを考えながら、自慰にふけたことはもう数え切れない。
もちろん、自慰だけじゃとてもじゃないけど物足りない。どうにも堪えきれなくて、一度、こなたに迫ったことがある。
いつかは忘れたけど、私が委員会の仕事を終えるまで、こなたが帰るのを待っていてくれたことがあった。
仕事が終わって教室へ迎えに行くと、こなた以外誰も居なかった。
誰も居ないことをいいことに、私達は夕暮れの教室でキスをした。
キスだけ……とは思ったけれど、実際にキスしたら、それだけじゃもうとても我慢出来なくなって、ここでHしたいってこなたに迫ってみたけど、こんなとこでやったら誰かに見つかるかもしれないからやめよう、と言われ、キスだけで終わった。
それ以来、何度か良い雰囲気の時はあったけど、Hしたい、って事がなんとなく言い出しにくくなった。
そんなこともあって、こなたとのHは私の悲願でもあるわけ。悲願って、変な言い方だけどね。
「かがみん」
「ひゃう!」
「そんなに驚かなくても……」
こなたの一言で我に返る。ヨコシマなことを考えていた事に、ちょっとバツが悪く感じる。
「ご、ごめん。ちょっと考え事してて……でもいきなり何?」
「さっきからかがみ、ずーっと難しそうな顔しながらうつむいてたから、どうしたのかなと思って。なんかあったの?」
と言って、私の顔を心配そうに見つめるこなた。
少し首を捻って私の顔を覗き込むその姿には、なんとも形容しがたい、そそられる物がある。ここが電車の中じゃなかったら、思わず抱きしめていたかもしれない。
「どーもないわよ。少しぼーっとしてただけ」
変にこなたに心配をかけるわけにはいかないので、そう否定した。もし、なにかあるとすれば、実に醜態な私の欲望だけだ。
「そっか。ならいーや」
席に座りなおし、またいつもの飄々とした笑顔に戻るこなた。
うーん、こなたも色々と表情があるけど、やっぱりこの笑顔が一番似合うわねぇ。
私はこなたの表情を眺めて楽しんでいたけど、その目線に気づいたのか、こなたは少し顔を赤らめて視線を外した。
ヤバイ、その仕草、すっげえ可愛い。さっきからあんたは無意識に私を萌え殺そうとしているのか。
電車内での何気ない出来事なのに、私の持つこなたへの劣情は、ますます募っていくばかりだった。
……ああ、だからこそ、早くこなたが欲しい。早く私のこの手で、思う存分こなたを愛してみたい。
付き合い始めてから三ヶ月。もう三ヶ月なんだから。なのか、はたまた、まだ三ヶ月、なのか。一体どっちなんだろう。教えて神様。
=============================
学校に着いた私はこなたと別れ、適当に授業を受けているとあっという間に四時間目が終わった。
みんなとお昼にするため、私は隣りのクラスに移動する。
「あ、お姉ちゃん、こっちだよ〜」
「かがみさん、こんにちわ」
「お〜っす」
つかさは同じ家に住んでいるから、朝に顔を合わせるけど、みゆきとは別々に学校へ通ってるため、今日会うのはこの昼休みが始めてというわけ。
私はつかさに言われた席に座ってお弁当を広げる。
「でさ、それが臭くってね〜」
「本当に臭いよね。なんとかならないかなぁ……」
「ファブ○ーズでもかけてみれば?」
「それも試したんだけどね……」
私とこなたがつきあうようになってからも、こうやって四人で昼食を取る風景は変わらない。
つきあうことによって、私達四人の関係もギクシャクしたものになってしまうのでは、と心配したこともあった。
けど、何も変わらずこうやって、今日も仲良くみんなと食事が出来るこの状況が嬉しい。
つかさとみゆきの影からの支えに感謝していると、こなたが人差し指で私の方をちょんちょんと突ついてきた。
「なによ」
「いや〜、そのね……」
私がこなたの方を向くと、困ったような表情で、さっき私の肩を突いた指で頬を掻いていた。
その仕草だけで、こなたが何を言おうとしてるかが簡単にわかる。
「……どうせまた宿題みせて、とかでしょう?」
「なんでわかるの?かがみんエスパー?」
「なわけないでしょ。あんたの考えてることなんて大体察しがつくわよ」
だって私はあんたの『恋人』だから……
と、言うのは流石に恥ずかしいので言わなかったけれど。
「まあ、解ってるんなら説明する必要なくていいや。ってことでかがみんよろしく」
「やだ」
私は即答した。
「え〜、どうしてー!?かがみんのいけずー!」
「少しは自分でやりなさいよ!」
「いいじゃん!減るものじゃないし!」
「そういう問題じゃないでしょ!ってこら!肩叩くな!」
「ぶー!かがみがいいって言ってくれないからだもーん」
宿題がらみになると、ホントにダダっ子になるなコイツ……今に始まったことじゃないけどさ。
「こなちゃん、やめてあげなよ。お姉ちゃん困ってるし……」
と言って、こなたをなだめるつかさ。珍しく、つかさが頼もしく思えた。
「ごめんね〜。私がこんなに頼んでるのに、かがみがなかなか了承してくれないから……」
「悪いのは私かよ」
つかさの仲裁も無駄に終わったようだ。
すると、こなたは手を合わせて、うるうると潤ませた上目使いで私の目をじっ、と見つめてくる。
そしてすかさず一言。
「ねえ、かがみ。意地張ってないでさ、お・願・い!」
ぐはっ!か、可愛すぎる!だ、ダメ……私はこの『お願い』に悲しいぐらい弱いのよ……
「……わかったわよ。でも次は知らないわよ?」
……案の定、今回も自分の意思はあっさりと打ち崩された。でもさ、仕方ないじゃん。だって、凄く可愛いんだもん。あれやられると、嫌って言えないんだもん。
「わーい!ありがとうかがみん!」
了承した途端に機嫌を直したこなたは、私に近づいて、嬉しそうに頬を摺り寄せてくる。
ダメだな、とは思っている。けど、こういう風にこなたに甘えられると、まんざら悪い気がしなくなってくる、というのも事実。
とはいっても、
「はぁ、私って、甘いなぁ……」
つくづく思い知らされる。昼休みの教室に、ため息が溶けた。
学校が終わって夕方、私はこなたの家に居る。
昼休みの話の通り、宿題をこなたに写させるためにだ。
机を挟んで私とこなたが相向かう。
しかし、ペンが動いているのはこなたの方だけだった。
まあ、私は宿題を写させるだけだから、勉強することもないから当然なんだけど。
……とはいっても静かだ。
さっきからカリカリと、ペンを走らせる音だけが部屋に響いている。それ以外の音はしない。
というのも、今この家にいるのは私達二人だけ。
こなたが言うには、そうじろうさんは出版社で打ち合わせらしく、ゆたかちゃんはクラスの友達と遊びに行って帰りが遅くなるらしい。
以上の理由から、現在泉家には年頃の若いカップル一組だけが居ることになる。
そしてその『カップル』の片割れの一人である私は、さっきからずっと、そのことを意識しぱなっしで全く落ち着かない。
二人しかいないという事実に加え、この状況がなんとなく、最近ずっと見つづけてきた、あの夢のシチュエーションに似通った感じがする。
あの夢も、確か二人っきりのこなたの家での出来事だったはずだ。
それを思うと、意識がヨコシマな方ばかりに流れて、気が落ち着かない。
「……二人っきりだね」
黙りこんだこの空気に耐えられなくなって、とって付けたような言葉が出た。
「そだね〜」
こなたはそれを軽く受け流した……そう思っていたら急に顔を上げて、
「もしかして、意識してる?」
と、よく見るニヤケ顔で、私の目を見つめた。
突然の的確な指摘に、体はビクッと飛び上がり、顔も一気に真っ赤になるのがわかる。
「なっ……!そんなわけ……」
「ふふふっ、うそつき〜♪」
否定はしてみたけれど、この真っ赤な顔じゃ、否定した意味は全くなかった。
「かがみってホントに解りやすいね〜」
こなたはそう言って、左手に握っていたペンを置き、自分のベットに腰をかけた。
「家に着いてから、ずっともじもじとしてるかがみを観察するのは楽しかったよ♪」
……ってことは、こなたには最初から全てお見通しだったって訳だ……恥ずかしい。
「まあ、意識しちゃうのも無理はないよ。カップルが他に誰も居ない家で二人きり。エロゲじゃ困っちゃうぐらい、ありきたりなシチュだよね」
あくまで、軽い調子で言うこなた。その態度が私の心を苛立たせる。私はそんな軽い気持ちなんかじゃなく、ずっとずっと前から悩んでて、今も真剣に葛藤してたのに――
そんな私の気持ちを知らないのか、こなたはニヤニヤした表情で、私の目を見つめ直してこう言った。
「ここで一回、やっちゃう?かがみ」
その言葉で、私が今まで抑えてた『何か』がブチ切れてしまったのを感じる。
切れたのは堪忍袋と、理性の糸、どちらだろうか。
こんなにも真剣に悩んでいるのに、その気持ちを蔑ろにするこなたへの怒りが抑えきれなくなったのか。
はたまた、こなたに対する、私の醜い欲望を抑えこむ為の理性が壊れたのか。
……答えはおそろく、どっちも、だろう。
私は立ち上がり、うつむき加減の無表情と、はっきりしない足取りとで、ベッドに近づきこなたの前に立つ。
「か、かがみん、どしたの、何か怖いよ……?」
こなたの表情が、さっきまでのにやけ顔から、急に少し怯えたものに変わっていた。
その少し怯えた表情が、今はたまらなく可愛く思えた。
心臓がドクンと鳴る。
――欲しい。こなたを思うがままに愛したい。
それは、まるで悪魔のささやきのような私の心の声。
その声を聞いた私は、こなたの肩をドンと押して、倒れた彼女にそのまま抱きついた。
「か、かがみ!さっきのはウソだってば!やめて!」
悲痛に叫ぶこなた。しかし、その言葉をかき消すように、
「……そんなこと言わせないわよ!」
と大声で叫んだ。普段の自分からは信じられないほど、冷淡な言い方だった。
ついに我慢しきれなくなり、こなたの肩に手を回して、彼女の唇と自分の唇を重ねた。
「むぐっ……」
重ねただけじゃ満足できず、私の舌は強引にこなたの口の中に割って入った。
初めてのディープキス。
息が切れそうになるまでこなたの口の中を楽しんだら、彼女の口から舌を引き出す。
私の舌と、こなたの舌の間には、銀色の美しい糸が掛かっていた。
長いキスが終わると、こなたの表情は怯えたものから、恐怖そのものに変わっていた。
私を畏怖する目で見るこなた。初めて見る表情だ。
――ああ、なんて可愛いんだろう。もっともっと、その顔が見たい。
私の劣情はもう抑えきれないところにまで登りつめていた。
その劣情は次に、こなたの服を脱がすように命令する。
その命令に素直に従い、こなたの着るシャツに手をかけた時、嫌だ、とでも言いたげに、こなたはふるふると小さく首を振った。
「……もう遅いわ」
こなたに言い聞かせるように低く、ゆっくりと言った。
「ひっ!」
私の手が、こなたの服をがっしりと掴んだ時に出たその声は、とてもマヌケに聞こえた。
怯えるこなたに構うことなく一気にシャツを脱がし、悲しいくらいに小ぶりなカップのブラを取り去ると、彼女の小さな胸が見えた。
ピンク色をしたこなたの乳首は、ツンと上を向いていた。
「……キスで感じちゃった?」
私の問いに、こなたが答えることはなかった。
その答えを勝手に肯定と取った私は、遠慮なしにこなたの乳首を唇の中に収める。
「ううっっっ!」
すると、その感触にこなたの体がビクッと仰け反る。
その反応が嬉しくて、何度も何度も胸を嘗め回す。右も左も両方とも執拗に。
乳首から唇を離すと、勃起したこなたの乳首は、私の唾液でてろてろに光っていた。
その時には、こなたは目の焦点が合っておらず、ハァハァと細かく息をするだけだった。
もう疲れきってしまったのだろうか。
しかし、私はまだまだ満足してなんかない。三ヶ月もの間、知らず知らずに蓄積されていたこなたへの想いはこんなことで満足するわけがなかった。
今度はこなたのズボンとパンティーに手をかけて脱がす。さっきと違い、抵抗がなかったのでシャツを脱がす時より簡単に脱げた。
脱がせきると、そこには夢にまで見た、生まれたままのこなたの姿がある。
小学生かと見間違うくらいに低い身長にと比例するかの様に小さい胸。
その胸のサイズとは対照的に大きいクリトリスが私の目を引く。
まだ一度もそこにモノを入れたことがなく、またこれからも入れられることはないであろう、淡いピンク色をした割れ目は、私が何回も夢に見たモノより、遥かに美しかった。
幸せだった。夢で見ていたあの光景が、今現実の物となっているのだから。
――もっと、もっとこなたを愛したい。抱きしめたい。
今、私が考えられるのはそれだけだった。そして、その考えだけで私は今動いている。
さっきまでの行為のおかげで、既にドロドロの割れ目に人指し指と中指を一気に突き刺す。
「ひ、い、痛い……!」
突き刺した時のこなたの悲鳴も無視して、己の思うがままに、彼女の大切な所の中に進入した指を思いっきり掻きまわす。
「あ、あああっ!」
刺した指を動かすたびに、こなたのアソコはグチュグチュといやらしい音を立てる。
こなたの喘ぎ声は快楽によるものなんだろうか、それとも嫌悪、恐怖によるものなんだろうか。
私にはもうどっちでも良かった。その喘ぎ声自体が、私の興奮を高めるものになっているからだ。
「こなた!こなたぁぁ!」
愛しい人の名を叫びながら、なおもこなたのアソコを激しく責める。
「ああ、ああああーー!!!!」
叫び声と同時にこなたの体が大きく揺れ、ついに絶頂に達した。
やってしまった……
こなたとの情事が終わり、一番最初に思ったことはそれだった。
正気になって初めて、自分のやった愚かな行為に後悔の念が渦巻く。
「ねぇ、こなた」
素直に謝りたくて、こなたに呼びかける。が、返事がない。
「……怒ってる?」
我ながらバカな質問だと思った。
私は嫌がるこなたの気持ちを無視し、ただ自分の欲望を満たす為に彼女を犯したのだ。これでは怒らない方がオカシイだろう。
……やはり返事はなかった。気になって、彼女の方をふと見てみる。
こなたはまだ裸のままで、息も絶え絶えといった様子で細かい呼吸を繰り返していた。それはお腹の動きでわかる。
そして布団は、こなたの愛液によってところどころ濡れていた。
窓から差す夕焼けの光で、濡れた部分が微かにキラキラ反射する。
その光は、とても幽玄で美しいものなんかじゃなくて、ただ野蛮、粗暴で、醜いものに見えた。
「……出てってよ」
今まで、微かな呼吸を繰り返していただけのこなたが、急に口を開いた。
その言葉は、もし聞こえなくてもおかしくないぐらい小さな声の、許しを与える優しいものとはまるで正反対の、拒絶の言葉だった。
「…………………」
何も言えなかった。
「……出てって!今すぐ!!」
今度は大きく、吐き捨てるかのように言った。
「ごめんね、こなた」
私にはもう、こなたの言う通りにすることしか出来なかった。
効果はまったく期待できない謝罪をし、こなたの部屋を出て、逃げるように泉家を後にした。
さっき部屋から出るときに、ちらりとこなたの顔が見えた。
……泣いてるみたいだった。
なんとも言えない後味の悪さが、私の心に渦巻いていた。
その心の辛さを、なんとか紛らわせようと、がむしゃらに自転車のペダルを踏んだ。
足の疲れなんて全く気にならなかった。とにかく、ひたすら全力で漕いだ。
行き道での、全身をすっぽり包み込むような、あのキンモクセイのよい香りは、今はもう全くしなかった。
かがみ編はここまでです。次にこなた編行きます。
「んん……ああっ!」
早朝の部屋に、押し殺した喘ぎ声が響く。
布団の中で、割れ目に自分の指をいれ、クチュクチュといやらしい音を立てながらかきまわす。
「……ああ、か、かがみぃ……」
切なげに呼んだその名は、私の一番大切な人の名前。
「ああ!イクッ!」
溢れ出す快感に我慢できなくなり、一瞬ビクッと体が仰け反り、絶頂を迎えた。
自分の愛液に濡れた服を脱ぎ、制服に着替えて、朝食をとり、その他、朝にやることをのんびりとながら全て済ませる。
準備が整った私は玄関に向かい、靴を履く。
「じゃ、お父さん行ってくるね〜」
「おう、行ってらっしゃい」
お父さんに行ってきますをして、玄関の扉を開ける。
そして、学校に行くため、駅に向かって自転車を漕ぎ出した。
私にはつきあい初めて三ヶ月になる『恋人』がいる。
恋人の名は柊かがみ。もともとはクラスの友達の双子の姉で、最初は普通に友達として接していた。
……姉?うん、まあいわゆる同性愛というやつだ。本当は私はそんなケはなかったつもりなんだけど、人生わからないもんだね。
段々と友達、いや親友として接するだけじゃもう物足りなくなって、三ヶ月前、かがみを放課後の誰もいなくなった教室に呼び出して告白をした。
彼女は、私も前から意識していたよ、なんて嬉しいことを言いながら、告白を受け取ってくれた。
それからかがみと『恋人』としてのつきあいが始まった。
放課後の寄り道につきあってもらったり、休みの日には都市の方に遊びに行ったり、互いの家に遊びに行ったり……と、普通の『恋人』同士がやることの粗方はやって来た。……ただ一つだけは除いて。
それは……まあ、いわゆるHってやつだ。つきあって三ヶ月たったけど、これはまだしたことがない。
……したことはないけれど、一度だけ、しそうになったことはある。
一ヶ月程前だったかな……放課後の、誰も居ない教室でキスした後、それだけじゃ物足りなくなったであろう、かがみに迫られた。
そのときのかがみは、本当に我慢しきれなかったみたいで、今まで見たことないくらいデレデレになって甘えてきた。
確かにデレモード全開なかがみは本当に可愛かったけど、私はそれを断った。
かがみは心底残念そうな様子だったけど、学校という誰かに見られてもおかしくない場所でするのは危険だと思った。
それともう一つ。もし私がHするとしたら、一時期のテンションに任せたようなHはしたくない、ということ。
恋愛を今までロクにしたことがない、私が言うのは変かもしれない。でも、あえて言わせてもらうと、Hって好きだから、といってホイホイやるものじゃないと思うんだよね。
Hするって事は、愛する人の裸とか、性癖とか、そう言った一番、人に見られたくない恥ずかしい部分を互いにさらけ出し合う訳だ。
私は、そんな大切な晒し合いを、カラオケの延長をどうするのか決めるかのように、軽軽しくやることはしたくない。
別にHに興味が無いわけではない。今朝だって私は自慰にふけって訳だし。
けど、だからといって今すぐ、あるいは近いうちにかがみとHをするってのはまだ早い気がする。
もっと気が熟して、もっと深くお互いを知り尽くしてから……それからでも良いと思ってる。少なくとも私は。
そんな考え事をしているうちに駅につく。かがみはまだ来てないようだ。自転車を置いて改札の前で待つ。
それから五分もしないうちに、かがみがやって来た。
「おはよ〜、かがみん」
手を振りながらかがみの元に向かう。
「おす、こなた」
近づく私に気づいたかがみは、笑顔で朝の挨拶を返してきた。
その時、二つの大きなリボンで束ねたツインテールの髪の毛がふわりと揺れた。
いつ見ても、かがみのツインテールは呆れるくらいに似合ってるなぁ。
本人はツンデレキャラを否定してるけど、毎日その髪型じゃ、肯定してるも同じですよ、かがみさん。
「……さっきからツインテールがどうとかツンデレがどうだとか、何が言いたいのかしら?」
「え?あ、いや、何も」
しまった、どうやら考えがつい声に出ていたみたい。気をつけないと。
「あのゲームの続きなんだけど、ボスが強くて倒せなくてさ〜」
「ああ、あいつはね、クイックタイムの術を使いまくったら簡単に倒せるよ〜」
他愛もない会話をしながら改札を通って、ホームに立つと、あまり待たずに電車がやって来た。
電車に乗りこんで、あまり愛想の感じられないロングシートの座席に二人並んで座る。
二人だけで学校に行くのも、もうすっかり馴染んでしまった。
つかさもみゆきさんも、私達が付き合い始めたのを知ると、
「学校の中では、二人っきりになるのは中々難しいでしょうから、せめて行きと帰りだけでも、二人で過ごすようになされて下さい」
とか言って、二人の勧めのまま、私とかがみとは別々に学校に行くようになった。
その心遣いは嬉しいんだけど、ちょっと気を使いすぎだと思う。
私達がつきあい始めても、つかさとみゆきさんとも変わらず、みんなで一緒に登下校したかったんだけどな。
だから実際の所、別にこの時間を二人で居たいとはあまり思ってないんだけど、かがみはどうなんだろ。
私はそうと思ってなくとも、かがみは違うかもしれない。
もともとクラスも別々なワケだし、私と顔を合わせる機会は行き帰りとお昼だけのかがみにとっては、この二人だけの時間は大切な物なのかな。
ちょっとそのことを聞いてみようかな、と思ってかがみの方を向いてみると、うつむいたまま、なんだか難しい顔をしていた。
「かがみん」
「ひゃう!」
呼びかけてみると、かがみはこっちも思わずビックリしてしまう程の声をあげて飛び上がった。
「そんなに驚かなくても……」
「ご、ごめん。ちょっと考え事してて……でもいきなり何?」
「さっきからかがみ、ずーっと難しそうな顔しながらうつむいてたから、どうしたのかなと思って。なんかあったの?」
あんなに難しそうな顔して考えることだ、もしかしたら凄く大変なことかもしれない。
私が体を乗り出してそう聞くとかがみは、
「どーもないわよ。少しぼーっとしてただけ」
と答えた。
「そっか。ならいーや」
かがみがそう言うなら、きっとそうだろう。もし実際なにか大変なことがあったとしたら、私が聞く前に話してくれるよね。
そう信じることにして、乗り出した体を、座りなおして元に戻した。
……しばらくそのまま座ってると、横から何か強烈な視線を感じる。
変な人でも居るのかと思い、横を向いてみると、なぜかかがみが私の顔をガン見していた。
その視線が恥ずかしくて、つい目を逸らしてしまう。
すると、今度は隣りからハァハァと言った変な声と、バタバタとした音がする。
また何かあったのか、と思ってもう一度横を見ると、服と髪を乱したかがみが、ハァハァと危険な感じのする息をしていた。
……なんだろ、今日のかがみはいろいろとわからない……
===========================
学校に着き、私の教室の前で、じゃあ昼休みにまたね、と簡単な挨拶を交わしてかがみと別れた。
教室に入って、しばらくぼ〜っとしてるとつかさとみゆきさんがやって来た。
「おはよ〜、こなちゃん」
「おはようございます、泉さん」
「おお、つかさにみゆきさんおはよ〜」
「ねぇ、こなちゃん、数学の宿題やった?」
数学の宿題……?気になって、テスト前以外ほとんど持ちかえられることのない机の中に手を入れ、数学のノートを取り出す。
ノートの端っこに『教科書P102〜P115まで宿題』と、寝ぼけ半分で書かれたと思われる、汚い字の覚書きがあった。
む〜、すっかり忘れてた。まあ覚えてたとしてもやらないけど。
「……いつも通りやってないや。提出はいつまでなの?」
「え〜と、明日まで……」
「マジ!?絶対間に合わないじゃん!どーしよ……またかがみのお世話になるかなぁ……」
みゆきさんは、私がどーしようかともがいている姿を見て、なにやら微笑んでいる。
「どうかした?みゆきさん?」
「あ、いえ、泉さんは本当にかがみさんのことを頼りにしてなさってるんですね、と思いまして」
「それ、頼りにしてるんじゃないと思うけどな……」
むう、確かにそうなんだけど、なんかつかさにツッコまれると負けた気がする。
まあいいや。昼休みになったら、かがみ頼んでに宿題見せてもらおうっと。
そう考えながら、適当に授業を受けてるうちに、あっという間に四時間目が終わった。
「あ、お姉ちゃん、こっちだよ〜」
「かがみさん、こんにちわ」
「お〜っす」
かがみは私達の教室に入ってきて、みゆきさんに軽く挨拶をして私の隣りの席に座った。
そっか、今日かがみがみゆきさんに会うのはこれが初めてだもんね。
かがみが席に座ると、みんなそれぞれ持ってきたお弁当を広げる。
「でさ、それが臭くってね〜」
「本当に臭いよね。なんとかならないかなぁ……」
「ファブ○ーズでもかけてみれば?」
「それも試したんだけどね……」
普段通りの会話の合間に、こっそりとみんなのお弁当を覗いてみる。
みゆきさんのお弁当は相変わらず、余り物で作ったとは思えないほど豪華だ。これだから金持ちって奴は……
つかさとかがみのはどうだろう。ちょっと覗いてみると、おかずが手の込んだ物ばかりだ。
なるほど、今日はつかさがお弁当当番だったんだな。
え?私?私はもちろんチョココロネだよ。
おっと、他の人のお弁当に感心してる暇はないや。早いとこかがみに宿題写させてもらうのお願いしないと。
かがみの肩を指で突つくと、つかさとみゆきさんとの会話に夢中になってたかがみが、私の方に視線を移す。
「なによ」
「いや〜、そのね……」
あれ、まだ何も言ってないのに妙に反応が冷たい……予想外の反応に私は戸惑ってしまう。
「……どうせまた宿題みせて、とかでしょう?」
「なんでわかるの?かがみんエスパー?」
「なわけないでしょ。あんたの考えてることなんて大体察しがつくわよ」
例えエスパーじゃないとしても、何も言わなくても、私の思惑を簡単に読んでしまうなんて、かがみん恐るべし。
ってか私って、そんなに考えてること解りやすい性格なのかなぁ?
あと、微妙にかがみの顔が赤かったのはどうしてだろう。
「まあ、解ってるんなら説明する必要なくていいや。ってことでかがみんよろしく」
「やだ」
即答ですか。つれないなぁ、かがみも。
しかし、私だってここで、はいそうですか、とあっさり引き下がるわけにもいかない。
よし、ちょっと手を変えてみよう。
「え〜、どうしてー!?かがみんのいけずー!」
「少しは自分でやりなさいよ!」
「いいじゃん!減るものじゃないし!」
「そういう問題じゃないでしょ!ってこら!肩叩くな!」
「ぶー!かがみがいいって言ってくれないからだもーん」
むう、これでもダメか。今日のかがみは中々手厳しいなぁ。
「こなちゃん、やめてあげなよ。お姉ちゃん困ってるし……」
くっ!つかさまでかがみの味方に回ってしまったか!これじゃずいぶん分が悪い。
「ごめんね〜。私がこんなに頼んでるのに、かがみがなかなか了承してくれないから……」
「悪いのは私かよ」
これでもダメか。む〜……仕方ない、最終手段を使うか。
私は手を合わせて、うるうると潤ませた上目使い(もちろんウソ泣き)でかがみの目をただ、じっ、と見つめる。
そしてとどめの一言。
「ねえ、かがみん。意地張ってないでさ、お・願・い!」
「ぐはっ!」
かがみは少しよろめいてなにやらブツブツ言ってる。
ちょっと気味が悪いけどまあいいや。これが勝利の瞬間なんだから。
「……わかったわよ。でも次は知らないわよ?」
「わーい!ありがとうかがみん!」
必殺の『お願い』攻撃、成功。未だこれをやって負けたことはない、私の最終手段だ。ふっ、まだまだ青いな、かがみん。
でも、私の『攻撃』に悶えるかがみも十分可愛い。けど、当のかがみ本人は、自分がとても魅力的なことに、あまり気づいてないみたいなのが残念だ。
じゃあせめて私がその可愛いかがみを堪能しよう。
そう思って、私はかがみの頬に、私の頬をすりよせて、かがみの反応を見て楽しむ。
照れながらも、案外まんざらでもなさそうな、その表情が萌えるね〜。
さて、一通りかがみの反応を堪能したら、私は席に戻る。
その後、ようやく落ち着きを取り戻したかがみは私を見て、
「はぁ……私って、甘いなぁ……」
と、ため息をついてつぶやいた。
けどかがみんや。私の『お願い』攻撃に耐えられるまでは甘いまんまだよ♪
落ち込むかがみと対照的に、私は心のなかでニヤリとした。
で、放課後。
私はかがみを連れて家に上がる。目的はもちろん宿題を写させて貰うためだ。
「ささ、どうぞ〜」
「あ、お邪魔します」
かがみは中に入るとき、礼儀正しい挨拶をした。
が、中からの反応は無かった。
「あれ?こなた、今日そうじろうさんは?」
疑問に思ったかがみが、私に尋ねてきた。
「あ、お父さん?なんかね、打ち合わせに出かけてて今はいないよ」
「ゆたかちゅんは?まだ帰ってきてないの?」
「ゆーちゃんも今日はクラスのみんなで遊びに行くらしいから、遅くなるって言ってた」
「そ、そうなんだ……」
私がそう答えると、かがみは顔をほんの一瞬だけど赤らめた。
その反応を私は決して見落とさない。
ほほぅ……もしかしたら意識してるな。二人っきりということに。
どうやら私は、後でかがみをいじる良いネタを見つけたようだ。けど、ひとまず今は置いておく。これはもうちょっと後で言った方が面白くなりそうだ。
その変化に気づかなかった振りをして、かがみを二階にある自分の部屋へ通した。
部屋に入り、適当に机を用意して座る。
「じゃ、宿題見せて〜」
「はいよ」
「ありがとう〜」
かがみは、私に目を合わせることなく宿題のノートを手渡した。顔もまだほんのり赤い。やっぱり意識してるんだろうか。
かがみのノートを参考にして、宿題を解いていく。要は丸写しなんだけど。
「………………」
「………………」
部屋に沈黙が流れる。
私は何も喋らず、ただ黙々とノートに答えを写す作業をしている。
けれど、決して作業に没頭しているわけじゃない。
こうやって無言の状態をわざと作り、かがみが次にどういう行動を取るのか観察するためだ。
かがみの方は、さっきからキョロキョロしたりモジモジしたり、とにかく落ち着きがなさそうだ。
それを見て私は心の中でニンマリとする。やっぱり思った通りだ。かがみめ、相当じれったく感じてるな。
「……二人っきりだね」
先に沈黙を破ったのはかがみだった。この状況に耐えられなくなったのか、顔を斜めにうつむけたまま、恥ずかしそうに口を開いた。
「そだね〜」
ここは軽く受け流しておく。
すると、かがみの表情が恥ずかしそうなモノから、曇った表情に変わる。
今度もその表情の変化を見逃さない。鈍感、とでも思われてるんだろうか。だとしたら、とんでもない見当違いをしているね。
かなりじらすことが出来たんじゃないかな。よし、そろそろ仕掛け時だろう。
「もしかして、意識してる?」
ここが、かがみに揺さぶりをかける絶好のタイミングだと判断した私は、うつむくかがみの目を真っ直ぐ見て言う。すると、かがみはビクッと飛び上がり、顔はまるで、火がついたように一気に真っ赤になる。
私もビックリするくらい、なんともわかりやすい反応を示した。
「なっ……!そんなわけ……」
「ふふふっ、うそつき〜♪」
こんなに顔を真っ赤にしといて、しらばっくれるのは無理ってのがあるでしょ、かがみんや。
私は立ちあがってベッドに移動し、腰を下ろす。
「かがみってホントに解りやすいね〜。家に着いてから、ずっともじもじとしてるかがみを観察するのは楽しかったよ♪」
ベッドの上からかがみの目を見て言った。
かがみは何も答えず、ただ口をパクパクさせている。どうやら、最初から自分の考えがバレてたことに戸惑ってるってとこかな。
「まあ、意識しちゃうのも無理はないよ。カップルが他に誰も居ない家で二人きり。エロゲじゃ困っちゃうぐらい、ありきたりなシチュだよね」
私は、いつもかがみをからかう時の軽い口調で、煽るように言った。もっとかがみの反応を見てみたいと思ったからだ。
「ここで一回、やっちゃう?かがみ」
その言葉も、さっきの様にかがみの反応が見てみたくって言った、私の冗談の一つ…………のつもりだった。
けれど違った。今度の反応は、明らかにさっきとは違っていた。
私がそう言うと、かがみは、急にうつむいて表情をなくし、そして立ちあがり、ゆっくりと私の座るベットにやって来た。
「か、かがみん、どしたの、何か怖いよ……?」
こんなかがみの表情は、初めて見るものだった。
喜ぶときも、怒るときも、悲しむときも、楽しそうにするときも、いつも感情豊かだったかがみ。でも、今、私の目の前に立つかがみは、そんないつもの感情いっぱいな彼女ではなかった。
冷徹。ただ冷徹。今のかがみにはなんの表情もない。今のかがみの感情を私は読み取ることが出来ない。
怖い。だから怖い。いつものように怒ってくるかがみなんかより、何を思ってるのか、何を感じているか全く読むことの出来ない今のかがみの方が、比較出来ないほど恐ろしかった。
かがみはその無感情な目で、私をじっと上から見つめていた。そのまま時が止まってしまうのではないか、というぐらい冷たく、静かに。
が、すぐに時は流れた。かがみが私の肩を押し、ベッドに倒れさせ、抱き着いてきたのだった。
「か、かがみ!さっきのはウソだってば!やめて!」
そう叫んで、つまらない冗談であることを示し、かがみが正気に戻ることを願った。私がかがみに初めて見せた、拒絶の態度だった。
「……そんなこと言わせないわよ!」
私の声に、耳を傾けることはなかった。もう冗談で済ますことは出来ない、と改めて感じた。それくらいかがみの表情に、今まで見たことのない狂気が映し出されていたのだ。
かがみは冷たくそう言い放ち、私の肩に手を回し、キスをしてきた。
「むぐっ……」
なんとか寝かされた体勢から抜け出そうと、抵抗を試みる。しかし、かなり強い力で抱きしめられている上、かがみが舌を入れてきたため、体を動かすことすらままならなかった。
しばらくして、かがみの唇は私から離れた。キスしている間、呼吸が出来なかったので、まずは息を整える。
……私はかがみを、はっきりとした恐怖を顔に示しながら見ていた。目の前に居る人を、自分の『恋人』なんかじゃなく、私を襲うレイプ魔を見るかの様な、嫌悪と拒絶と恐怖の入り混じった目で。
が、目の前に居るこの人は、私のそんな表情を見て何を思ったのか、口元に小さな微笑みを作った。
私の恐怖は、また一段と増すことになった。
それから後のことはあまり覚えてはいない。
私の拒絶の意思も無視して、かがみはただひたすらに私を犯した。
服を脱がされ、胸を舐められた。
最後には今日の朝、かがみを愛しく思いながらいじくっていたアソコに、無理矢理指を突き立てられ、掻き回され、そしてイった。
絶頂の後、私はしばらく何も考えられず、裸のまま横になっていた。
「ねぇ、こなた」
長く続いた沈黙の後、ようやくかがみが口を開いた。その口調から、落ち着きを取り戻したようであるのがわかる。
「……怒ってる?」
かがみのその問いは、明らかに彼女の後悔の念を感じさせるものだった。
私は答えなかった。
今は怒りよりも、ただ単に、悲しかった。
決して、かがみとHがしたくなかったわけじゃない。……いつかはちゃんとした形で、身を一つにしたいと考えていた。
でも、こんな形でHすることは、決して私が望んでいたものじゃない。
だから、かがみに無理矢理されたことによる怒りよりも、どうしてこのようなお互いに後味の良くないHをしてしまったのか、という悲しみの方が強かった。
それがただ悲しくて、涙が溢れた。
「……出てってよ」
自分でも気づかないうちに言っていた。今は、ただ一人になりたかった。
「…………………」
かがみは何も言わなかったし、動くことも無かった。
「……出てって!今すぐ!!」
今度は怒鳴るかのようにして言った。
「ごめんね、こなた」
その様子に、もう言う通りにするしかないと思ったのであろうかがみは、私の部屋から足早に去って行った。
かがみが居なくなった今になっても、私は先ほどの惨劇の後始末も、服を着替えなおすこともしなかった。
ただ、何故?どうして?といった疑問だけが次々と浮かびあがっては消えた。その疑問に、答えを出すことは出来なかった。
これで以上です。後編「WHAT IS LOVE?」に続きます。
一発目から、こんな変化球モノで申し訳ありません……
>>28 GJ!!!
なんという互いの気持ちのすれ違い…
続きが激しく気になってしまうではないか
続きwktk
>>28 GJ!!!
いやいや、新スレ早々続きが楽しみになるSS見れて嬉しい!
>>28 お疲れ様ですー
最初にどうしてもタイトルに目が行ってしまう…
選ぶ曲、良い趣味してますな。
>>28 GJ!結構気になる…
えっと、投下よろしいですか?
続き期待してます。
で、一つ気になったところが。
>>13 「こなたから告白を受けたのは、もう三ヶ月も前のことだ。」
「告白を受けて今日に至るというわけ。って言ってもまだ一週間だけど。」
この繋がりが良く分からない。三ヶ月じゃないの?
36 :
28:2007/10/21(日) 00:33:55 ID:jbEods6w
>>35 指摘されて始めて気付きました。すみません、私のミスですOTL
最初はつきあって一週間という設定だったんですが、途中で設定を変更して三ヵ月にしました。が、そこをチェックミスして書き直し忘れてました。本当にすみません…
wikiに掲載され次第、訂正します…
37 :
14-319:2007/10/21(日) 01:18:18 ID:sKxAsWP+
投下しますですます。
入れ替え従姉妹の続きです
エロなし、8レス使用するかもしれません
…
さっき…一時限目が終わった後、
お姉ちゃんが全部説明してくれたおかげで少し気が楽になったけど…。
先輩たち、お姉ちゃんじゃなくて私ってわかったらなんだか優しくなったように見える…のは気のせいかな?
でも…先輩たちの事どう呼んだらいいんだろう?
先輩って先輩たちを呼んだら周りの人から変な目で見られそうだし…。
う〜ん…さんづけでいいかな?
「あの、つかささんたち…お姉ちゃんはいつも学校ではどんな感じですか?」
あ、これ…、随分と楽に呼べるね。
今日からこう呼ぼうかな。
「んとね、こなちゃんは家にいるときと変わらないんじゃないかな?」
「へぇ…そうなんですか」
家にいるときと一緒なんだ…
ということは…もしかして…迷惑かけてないかな?
…
二時限目…三時限目の授業も終わった今…四時限目だけど…
……授業の内容が全くわかんない…。
こんな難しいことやるんだなぁ…。
とりあえずお姉ちゃんのためにノートはちゃんととっておこうっと。
でも…よくわかんないけどね…。
「泉、ここの問題やってくれ」
先生はいきなり私にここの問題をやってくれと言ってきた。
ど…どうしよう…。
授業がわからないのにあてるのはやめて欲しかった…。
お姉ちゃんみたいに返してみようかな?
「えーっと…た…ただの問題には興味あ…ありません」
「そっか。じゃあ泉はどんな問題だったらいいんや?」
「あ…すみません…分からないです…」
「分からないんだったら最初っからそう言えや。じゃあ白石よろしくな」
「えーっ!俺ですかぁ?」
…あたるのって結構怖いよね。
それに…三年生の授業がこんな難しいならちゃんと一年生、二年生の勉強をしないとね。
もし…今日がテストだったら…どうなってたんだろう…。
全くわからない状態で放り出されて…何点ぐらい取れたんだろ?
そんな事考えたくもないなぁ…。
「ちょうどいいところだから今からテストするぞー」
その瞬間教室中がざわ…ざわ…となった。
「先生!急に言われても困ります!」
そしてその中からさっき私の代わりにあたった人が先生に文句を言っていた。
えっと誰だっけ…しろ…いし君だっけ?
「まぁ、そりゃそうやろうな。だってやる予定なんかないもんな」
「冗談もほどほどにしてくださいよー」
…ふぅ。焦ったなぁ。
なんもわかんないから…ね。
「じゃあ今日の授業はここで終わりや」
授業が終わってしばらくしたらつかささんと高良さんが私のところに来た。
「ゆたかちゃんさっき、こなちゃんみたいな事言ってたよね」
「なんとなくですね。後、お姉ちゃんの真似してみたかっただけってのもありますね」
「私ね、こなちゃんにもさっきと同じような事を言われた事あるんだ」
「へぇ…そうなんですか。
あの、後…それに今、この姿なのでゆたかちゃんって呼ぶのはやめてもらえると…。」
「あぅ、ごめんね。えっと…こなちゃん」
「それより…お昼一緒に食べませんか?」
「はい、元からそのつもりですよ。それにもう少ししたらかがみさんも来ると思います」
「あ、ありがとうございます!」
「ゆ…こなちゃん、お礼なんて言わなくていいよ。いつもの事だからね」
と、みんなと話してたらかがみさんがこっちのクラスに来たみたい。
「おっす」
「えっと…かがみさん、こんにちは」
「お、ゆ―」
かがみさんが何かを言いかけたその瞬間、時が少しとまったように見えた。
その後…なんかつかささんのリボンが動いた様に見えて―――?
「こなた、弁当食べようか」
「は…はい」
「敬語じゃなくても大丈夫よ」
「慣れないので…すみません」
「じゃああまり気にしない事にするわね」
お姉ちゃんから聞いた話だけど、なんかつかささんとかがみさんの間には変な力があるらしい。
かがみさんが何かを話そうとするとつかささんのリボンがピクッと動いて、
つかささんが何かを話そうとするとかがみさんの結んだ髪が少しだけ揺れるらしいんだけど、
その…今のが不思議な力の事なのかな…?なんだか滅多に見れない物と聞いたけど…。
放課後にお姉ちゃんに聞いてみようかな。
「泉さん、どうかされました?」
「あっ、いえ、なんでもありません」
…
先輩たちと机を囲んでお弁当を食べる日…。
見慣れないいつもの光景…。いつもと違う空気…。
それは先輩たちが一緒にいるからだけど…。
結構気まずいなぁ…。お姉ちゃんみたいに話せる事少ないから…。
自分から話題を出さないと…。
「あの、つかささんたちも入れ替わっていたのですか?」
「うん、そうだよ」
「今思えば…こなたとゆたかちゃんみたいにみんなに言ってた方が楽だったわね…」
「じゃあ昨日はどうしてたんですか?」
「お互いを演じながら切り抜けてたわね」
「たまに元の自分の口調に戻ったりしちゃったよね…」
「こなただけには気付かれたくなかったから良かったけどね」
「でも、ゆきちゃんよく気がついたよね」
「はい、みなさんの口調などは全て把握しているつもりなので、
少しでも違ってたら違和感を感じてしまうのです」
「そうなんですか…高良さんすごいですね」
「いえいえ…」
「まぁ、あの時こなたは熱く語っていたからね。アニメについて」
「お姉ちゃんは熱く語り始めるとあまり人の話が耳に入らないみたいですからね」
「でもその様子見るのが面白いけどね」
「楽しそうな顔で語るこなちゃんの顔可愛いよね」
「そうですね」
なんか話が変な方向へ向かっている様な気がする…。
でも優しい人たちで…楽しい人たちでよかった。
…
……
………
やっと…やっと…授業が全部終わった…。
内容が…何も分からなくて精神的にとても疲れた…。
でもそんなことよりお姉ちゃんの方が心配だった…。
理由はね…ちゃんとノートとってくれたか心配だったから…。
だけど信じないと。お姉ちゃんを。
「あ、こなちゃん。ゆたかちゃんと一緒に帰るの?」
「はい、今日はこんな状態なので…」
「うん、じゃあまたね」
つかささんにさよならの挨拶をして教室を出た。
そして、自分の教室へ向かう。
んーと…お姉ちゃんが今いる教室の事ね。
私は階段を急いで駆け降りる。
お姉ちゃんの体…結構軽いなぁ。
やっぱり運動もしてたし、体も強いからかな。
と、もう私達の教室がある階まで降りていた。
こんなに急いで降りたのに疲れなかったし、息も普段どおり…。
いいなぁ…この体でずっといたいと思った…。
教室のドアの前まで行き中の様子を見てみる。
ごめんなさい。前言撤回します。やっぱり私の体がいいな。
その理由は…みなみちゃんにベッタリくっついているのは私の姿だけど…
自分の目から見たらいくら私の姿とは言え嫉妬しちゃう…。
だって…中はお姉ちゃんなんだもん…。
でも仲良くしてくれてるようだから良かったとも思えた…かな。
「おね…ゆーちゃ〜ん、一緒に帰ろ〜」
「はーい。じゃあ、みなみちゃんまたねー」
「さよなら…」
「これは…フラグ…!?」
「ひよりん…女の子同士ならなんでもアリなんですネ。ヤレヤレ、困ったモンデス…」
お姉ちゃんは廊下に出てきた。
それと同時に私たちは一緒に廊下を歩き始める
「やっと帰れるね。お姉ちゃん」
「ほんとだね…私も疲れたよ」
「それで、お姉ちゃん。」
「ん〜?」
「授業の内容、ノートにちゃんととっといてくれた?」
「うん、バッチリだよ!眠らないように頑張ったから!」
「ありがと。お姉ちゃん。私もちゃんととっといてあげたよ」
「おぉ、でも授業の内容わかんなかったでしょ?」
「うん…わかんなかったよ」
「まぁ、私でもわかんないからねぇ…」
玄関に向かいながら二人で今日会った事を話す。
「お姉ちゃん、今日…なんだっけ」
「どうした?ゆーちゃん」
「えっとね、お姉ちゃんが言ってた双子の力?っていうのほんとにあるんだね」
「ん?どういうこと?」
「今日ね、かがみさんが何かを言おうとしたらつかささんのリボンがピクン…と動いて、
その後かがみさんは何かを言い直したんだよね…」
「え…ほんとにあるんだ…適当にあるゲーム内でのネタを言っただけなんだけど…」
「でも実際に私、この目で見たんだ。つかささんのリボンが動くのを」
「んー…何かおかしい…もしかしたら…」
「お姉ちゃん?」
「あ、いやなんでもないよ」
「えっと、そこ、今の私の下駄箱なんだけど…」
「あ…あぁごめんごめん。ボーっとしてたみたい。ゆーちゃんのはどこだっけ?」
「えっと、あそこだよ」
「うん、ありがと」
校門を出てしばらく歩いたらお姉ちゃんが急に立ち止まった。
「早く帰ろ、お姉ちゃん」
「待って。帰る前にさ、試してみたい事があるんだ」
「何?」
「えっとね、ちょっと手を繋いで」
そう言ってお姉ちゃんは私に手を伸ばす。
いきなりなんだろ?ちょっと考えてみるけど答えが見つからない…。
とりあえず言われた通り手を繋いでみる。
「うん、じゃあ次は目を瞑って自分の事考えてみて」
「うん…」
こう…かな?
………
……
…
「ゆーちゃん、目開いていいよ」
「…あれ?」
目の前にいるのは…お姉ちゃん…?
体は…戻ってる。
「びっくりした?」
「…うん」
「実は私もびっくりした…だってほんとに出来るんだから…」
「すごいね…」
「ゆーちゃんの話聞いて思い出したんだ。まぁ、これもゲーム内の話なんだけどね…。
体が入れ替わってしまった姉妹がこうやって体を戻す話をね…」
「でも、よかった」
「なんで?」
「だって、やっぱ自分の体が一番だなって思えるんだもん」
「それもそうだね。自分が一番やりたい事が出来なくなったりするもんね。
それに、ゆーちゃん…私がみなみちゃんと仲良くしてるの見てヤキモチ焼いたでしょ?」
「う…そんなことないもん」
「ほんとかなぁ?教室の前に来た時少し固まってるように見えたけどねぇ…」
「うぅ…お姉ちゃんのバカーッ!!」
お姉ちゃんが逃げていく…。
それを私は追いかける。
こんな日がたまには来るのも悪くないかな。
でも…やっぱいつもと同じ日常が一番いいよね。
46 :
14-319:2007/10/21(日) 01:34:34 ID:sKxAsWP+
以上です。
ありがとうございました
なんか微妙な…
通して見て来たけど入れ代わりネタなのに矛盾とかなくて読みやすく良かった
GJ!
>>46 GJっす
取り敢えず入れ替わりシリーズはここで終わりって感じですか
49 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 03:01:21 ID:mHr5bNeR
>>46 GJ!
今初投下目指してネタSS書いてるが、パロってムズイね・・・
50 :
18-56:2007/10/21(日) 04:08:08 ID:uf1tisux
>>46 GJ!こなたの元気な体でいたいと思うゆたかにほろっと来ていたら、その次が前言撤回で笑いましたw
時間も開きましたし、そろそろいいでしょうか……?
自分も投下しに来ました。
白石×あきら様です。
もうなんかこの二人が好き過ぎて、せっかく仲直りも告白も書いたんだし、
こうなったらやれるところまでやろうと思って一先ず切りのいい所まで書いてしまいました。
何話かに渡ってしまうと思います。今回はその一話目を。
蒔くは喧嘩の種、咲くは仲直りの花の続きになります。
それでは始めます。
緊張し過ぎて気付かないで服の中側から握り締めてた袖を離して、やっぱり無意識の内に詰めていた息をはあっ、って吐く。
白石も変に入ってた力が抜けたせいで、かくんって頭をちょっと下げるのと同時にげんこつが解けてた。
本当はせーので一緒に言うんじゃなくて、やっぱり私から白石に言いたかったんだけど、こっちの方が対等な感じで良かったのかも。
そうだね、好きって言う時ぐらいはアイドルとそのアシスタントって立ち位置じゃなくてもいいよね。
普通の、どこにでもいる女の子との男の子でいてもいいよね。
でもあれだよ、これからはたまにアイドルとアシスタントじゃない時間だってあるだろうけど、
その時以外でもあんまり調子に乗ったらこれまで通りに痛い目見て貰うから。
……っていつも通りに強気に言えればいいんだけど、なんかね、
さっきの好きって言ったのがすっごくすっごく恥ずかしくて、軽口すら叩けなくなってる。
でも、言った言葉が同じで良かった。好きって一緒に言えて良かった。
それは良かったんだけど、さっきからどっちも動けなくて固まったままっていうのは良くない。
何か言わないと、動かないと。
ええと、漫画の中の人達は告白した後何してたっけ。
部屋に置いてある少女漫画の雑誌や単行本を頭の中で思い浮かべてページを捲る。
大体のお話はハプニングの連続で、普通は告白した後にするようなことを告白する前にやっちゃったり
……とにかくなんかこう、うにゃうにゃだったりするからあんまり参考にならないなあ。
告白した後にすること…………デート? ちゅー?
どうなんだろう、ちゅーなら今できるけど。
そろそろと目線を上げて、手持ち無沙汰な白石と目を合わせる。
そうしたら、私を見て一回瞬きをして、それからまた顔が赤くなった。
わ、わ、なんでまた赤くなるの!
こっちまで顔が熱くなるのが解る。あくびじゃないんだから私にまで感染させるな、こら!
白石のくせにさっきから私の調子引っ掻き回して、ほんといい度胸してる。
懲らしめるために、目の前にあった白石の学ランの胸の辺りに手を置く。
そのまま胸倉を鷲掴み、するんじゃなくて、軽く摘んで顔だけを上に向ける。
むう、当たり前だけどこれだけじゃ白石のとこまで届かない。
盛大におろおろしてる白石は放っといて、ぎりぎりまで背伸びする。
大分近付けたけど、それでもまだちょっと足りないかな。
ていうか白石、おたおたしてないで動け。
「ちょっと、あたしだけに背伸びさせるんじゃなくてあんたも屈みなさいよ。あと目ぇ瞑って」
「えっ、な、あ、あの、あきら様……」
「さっさとする!」
「は、はい……」
もう、どっちが男でどっちが年上なんだか。こういうのは男からって言ってたのあんたでしょ。
別に痛いことする訳じゃないのに、ぎゅうっ、って白石はまるでお母さんに叩かれる直前のちっちゃい子みたいに固く目を瞑った。
何、そのいかにも初めてですみたいな反応は。いや私も初めてだけど。
それからちょこっとだけ、本当にちょこっとだけ頭を下げる。もう、そこはむしろあんたからしなさいよ。
仕方ないから頑張って爪先立ちして背伸びする。
あと少し、もうちょっと。
ぎりぎりのとこまで来て、私も目を閉じる。
視界は真っ暗になったけど、目の前の人の肌が触れそうなくらい近くにあるのを感じる。
もう殆どゼロ距離…………
ぴんぽんぱんぽーん
『文化祭実行委員長、白石。反省会を行います、至急生徒会室に来なさい。繰り返します』
ばちっ、って音がするくらい勢い良く、超至近距離で白石も私も目を見開いた。
校舎内だけじゃなくて校庭にも響く校内放送。私達のいるこの屋上にもばっちり聞こえる。
放送している人は関西弁ではなかったけど、発音は標準のものじゃない。
その人はもう一回さっきと同じことを言って、それから口調をがらっと変えた。
『白石、あんたええ度胸しとるなぁ……』
あ、やっぱりあの関西弁の先生だ。
白石も私も目線が合ったまま、ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
『クラスの片付けにはおらんし、反省会には遅れるし。実行委員長やらして下さいゆーて頭下げてこれかいな。
他の委員は全員集まっとるさかい、はよ来いやー』
ぴんぽんぱんぽーん
関西弁の先生は怒ってるっていうより、どっちかっていうとちょっと笑ってるような声色を私の耳に残して放送を終わらせた。
「ふふ」
ぽかんとしている真ん前の白石の顔がおかしくて、つい足から力が抜けちゃう。
爪先立ちと背伸びができなくなって、足の裏が床に着いた。
「あはははは! だっさーい!!」
学ランを掴んでいた手を解いて、白石のまぬけ面を指差して思いっ切り笑ってやった。
すごいタイミング。まるで狙ったみたい。
実はちょっとがっかりしてるんだけど、でもそれよりも笑っちゃう。
好きって言おうとしてる時じゃなくて良かった。
途中で邪魔が入っちゃってまた後で、ってなったら恥ずかしくてうやむやにしちゃいそうだけど、好きって言うのはもう終わったし。
両想いって解ったんだから、その後にすること……ちゅーとかデートだけど、時間を見つけてできると思うし。
「あきら様、すみません。そういう訳でちょっと行かないと……」
「うん、行ってらっしゃい。あたし、もう遅いから帰る」
もう暗くなりかけてるしね。
紫色の朝顔の花を潰して、それを薄めた水みたいな色をしている空を見上げる。
太陽はちょっと前から山の向こうに隠れていた。
「一人で大丈夫ですか?」
「へーきへーき。もう子どもじゃないし」
「暗いので気をつけて下さいね。後、最近冷えるので暖かくして……」
『しーらーいーしー!!』
「はいぃ! 只今!!」
今度は呼び出し音なしだ。ちょっと先生がいらいらしているのが声に良く出ている。
白石は慌てて後ろの扉を開けて、でもそのまま廊下に続く階段を降りようとしないで、
扉が閉じないように手で押さえて私を振り返った。
「あきら様」
さっきまでかちこちに緊張してたのが嘘みたいに、いつもよりちょっと嬉しそうに白石が笑うから、
私もいつもよりちょっとでも可愛く笑えてるといいなあ、なんて思いながら白石が押さえてくれてる扉から校舎内に入った。
早く行かないと先生に怒られるよ、って言って白石には先に階段を降りて貰った。
「じゃ、またね」
白石が一番下まで降りて、廊下から私のいる階段を振り返ったから私は袖と手を振った。
「はい、さようなら」
素早くお辞儀して、白石は廊下を走って行った。
廊下は走っちゃいけません、なんだけど急がなきゃいけないし、しょうがないよね。
「今日は本当に、ありがとうございました!」
曲がり角の向こう側に消える前に振り返って立ち止まった白石は、やっと廊下に出た私に向けて深いお辞儀をした。
「どーいたしまして。でもあきらの方も、ありがとー!」
ぴょんぴょん跳ねて、ぱたぱた袖を振り回す。
この学校に呼んでくれて、暗くて怖かったところに来てくれて、
ごめんなさいって聞いてくれて、あきらが好きって言ってくれて。
いっぱいいっぱい、本当にありがとう。
「僕達の勝手な行動でお騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした」
「ごめんなさい」
翌日、彼女と並んでこの一件で散々迷惑を掛けてしまった事務所の方々に頭を下げた。
桃色の頭が深く下げられ、数秒置いてから元気良く跳ね上がるのを同じく頭を下げたままで横目で見ていた。
「えと、ご覧の通り仲直りしました! あきらとみのるお兄さんの仲良しコンビ復活でーす!」
頭を上げて彼女を見ると、いえーい、と両手を掲げて手の平を僕の方に向けていたので、それに合わせて軽くハイタッチする。
仲良しアピールなのだろうか。
事務所の方々はそんな僕達に少しだけお説教をした後、やれやれといった様な笑顔を浮かべて許してくれた。
また二人で仕事が出来るように取り計らってくれるらしい。
暫くしてその計らいは上手く行き、それぞれに個別の仕事があった所に二人での仕事が増えたので、
僕もあきら様も前より少し忙しくなった。
彼女はプロなので勿論、僕だって曲がりなりにも芸能界の人間なので、
カメラの前では以前のままアイドルとそのアシスタントとして振る舞った。
と言うより、カメラの前で無くとも以前のままでいる時間が殆どだった。
大体彼女はそうしてストイックでいるのだが、ある日を境に僕に妙なちょっかいを掛けてくるようになった。
ちょっかいと呼べるのか否かすら判断の難しい物だけれど。
「あたし今からちょっと寝ちゃうけど、絶対学ランとか掛けちゃだめよ」
収録と収録の間、何もせずにいるには長く、かと言って何かをするには足りない中途半端に空いた時間を控え室で過ごしていると、
突然彼女が机に突っ伏して顔だけを腕の中から持ち上げた状態で僕にそう告げた。
「あ、はい」
この季節、外はそろそろ肌寒くなりかけているが、冷暖房が完備された室内は十分に暖かい。
冷えることは先ず無さそうだが、空気が乾燥し勝ちなので風邪よりも喉の方を心配しなくてはならないのでは無いのだろうか。
気の利かないことに、今まで一度も寝ている彼女に制服を掛けたことは無いので何故唐突に彼女がそう言ったのか疑問だが。
「あと、寝顔が可愛いからってちゅーなんてしちゃ絶対だめだから。ぜったい、ぜぇったいだめだから!」
「はい。……はい?」
つい先程と同じように返事をしてしまったが、彼女は僕が聞き返しても繰り返さずにそれだけを言い捨てて顔を腕に埋めた。
心なしか白い衣装と桃色の髪の間から覗く耳が赤く染まっている。
「あきら様?」
問い掛けてみるが返事は無い。そこまで早く寝付ける筈が無いのに、代わりに少し大袈裟な息遣いが聞こえた。
狸寝入りだとしたら彼女ならもっと上手く演技をする筈なのに、変に態とらしい。
するなと言う先程の台詞は彼女なりの牽制なのだろうか。
そんな心配をしなくても、幾らそういう仲……と呼べるようなことは未だに何一つしていないが、
とりあえず想いが通ずる仲になったとは言え、相手が寝ている隙にしようとは思わない。
彼女に不意打ちを出来る程の度胸の持ち合わせも僕には無い。
寝ているのかその振りをしているだけなのか、腕に頭を預けたままの彼女を離れた席で暫く眺めていたが、
余り長く見つめるのも失礼なのでその辺に置いてあった適当な雑誌を手に取る。
表紙を良く見なかったせいで、十代の女子向けの内容だと気付いたのは頁を捲ってからだった。
あきら様に合わせた物を置いてあるから当たり前と言えば当たり前だ。
そこに書かれている記事に別段興味を持てなかったので一通り捲るだけ捲って元に戻す。
並べられた雑誌を暫くぼんやりと眺めていると、なかなか寝付けないのか、
彼女の爪先が薄い絨毯の上でいらいらとリズムを刻み始めた。
霜を踏むような音がする。
子守歌でも歌えばいいのだろうか。いや逆効果か、等と考えていると、あきら様が急にがばりと起き上がった。
近くにあったティッシュケースを鷲掴みにして椅子から勢い良く立ち上がる。
そして、
「なんで何もしないのよ、ばかー!!」
「えー!?」
ティッシュケースが中身のティッシュを撒き散らしながら顔面目掛けて飛んで来た。
「でっ!……んな、するなって言ったのあきら様じゃないですか!」
避けられずにまともに顔面で受け止めてしまったティッシュケースが机の上に落ちる。
「熱湯風呂の前で押すなと言われれば押す、補助輪なしの自転車に乗っている園児に荷台から手を放すなと言われれば放す、
学ランを掛けるなと言われれば掛ける、ちゅーするなと言われればする!
お笑い芸人ならそんなの常識でしょーが!」
片手で机を強く叩き、もう片方の手は空気を掻き回す怒った素振りの彼女の顔はどこか赤い。
前の二つはまだ解るが、後の二つは聞いたことが無い。
恐らく彼女が今付け足したのだろう。
しかし、常識だと言われても僕はやっていることはお笑いみたいな物だが、決してお笑い芸人では無いのだ。
それに補助輪の件はお笑い芸人の常識ではなく、その園児の家族の物だろう。
「カット、NG、やり直し! ちょっと時間開けてからもっかい来なさい」
彼女は扉を開いてから、僕の後ろに回って背中を押し廊下へと追いやる。
「え、あの、いやその、ちょっと」
相変わらず誰にも有無を言わせない強い力だ。その小さな体のどこにそんな力を隠しているのだろう。
廊下に押し出された瞬間に扉を閉められてしまい、振り返ったものの鼻先には堅い板があるだけだった。
ノックをするが応答は得られない。
仕方がない、どれくらい時間を置けばいいのだろうと考えて、
とりあえずこの一つ下の階にある自動販売機で飲み物を買って帰る程度でいいかと歩き出す。
階段を降りて踊り場に差し掛かる時、彼女は機嫌が良い日は鼻歌と共に最後の二、三段を一息に跳び降りる。
跳ねる髪と翻るセーラーに、最初の頃は着地に失敗しないだろうかと随分とはらはらさせられた。
エレベーターを使うまでも無いので階段を降りている今、下の段にも隣にも上の段にも彼女の姿は無い。
その彼女曰く、僕は部屋に戻ったら寝ているその人に制服を掛けて、それから……まあ、あれだ、あれ。
あれってどれだ、全く何も知らない子どもじゃないんだから。とにかく口付けなくてはいけない、らしい。
脳内イメージを起こし掛けて、寸での所で頭を左右に振って散らす。
顔が熱い。
今時小学生だってイメージするだけでここまで恥ずかしくて仕方がないなんてことは無いのでは、
と思うのだがそうなってしまうのだからどうしようもない。
気が付くと目当ての自動販売機の前を数歩程通り過ぎてしまっていた。
しっかりしろ。
小銭を入れて、点灯したランプを目で追う。売り切れ無し。
陳列された沢山の飲み物の中でも、特にバナナオレと苺みるくとフルーツミックスが彼女のお気に入りだった。
けれど甘党かと思えばなかなか渋い、僕でも舌に合わないような物を好んだりもする。
何となく苺みるくを飲むあきら様が見たかったので、それとコーヒー牛乳を買って部屋に戻る。
演技であろうと彼女は寝ている訳だから、なるべく音を立てないように扉を開いた。
こちらに向けられた背中は規則的に上下し、足音を殺して近寄るとすやすやと寝息まで立てているのが聞こえる。
どうやら振りのつもりが本当に眠ってしまったらしい。
最近は忙しいので疲れが溜っているのだろう。
起こすのも忍びないので彼女の腕の直ぐ側に苺みるくを置いて、とりあえず言われた通りに制服の上着を揺れる小さな肩に掛ける。
真横に座るのは気恥ずかしいので椅子一つ分のスペースを空けて、そこの椅子に腰掛けた。
おいお前それだけかよこのへたれ、と自分で思わない訳でもない。
一息ついてストローを紙パックに刺して口に含んだ。
寝顔だけは天使、とはやんちゃな子どもを持った親の弁だが、
こうして天使と呼べなくも無いあどけない寝顔……恥ずかしいなおい、
まあとにかくそれを見ると、やはりアイドルである彼女も本質は普通の中学生なんだな、と当たり前のことを改めて思い知らされる。
アイドル。中学生。
その二つが僕に能動な行動を取らせずにいるのではないのか、と自分のへたれは棚に上げてそう思う。
彼女はきっと年齢の違いも、彼女が売れっ子アイドルであって僕が駆け出しの新人であるこもさして気にしていないのだろうから、
もう少し僕も気楽に振る舞ってもいいのだろう、けれど。
眠ったままの彼女を見つめる。人差し指でつついたら弾力で直ぐに押し戻されそうな頬だ。
それでも、この前のハイタッチの時に触れ合わせた彼女の手の平の小ささが僕をこの離れた席に搦めてしまう。
幼い子どもの手だな、と思ってしまうのだ。
こうして手の平の大きさ一つ取ってみても差をまざまざと見せ付けられるのだから、
彼女の二つ目の残った願い事は叶えられそうもない。
少なくとも今は。
手を繋げと言われれば勿論するし、彼女が甘えて来たのならそれなりに応えるつもりでいる。実際に制服はちゃんと掛けた。
が、好きだと伝えるのと口付けるという二つの行為は、繋がっているとは思うけれど僕の中では全く違うのだ。
したくないと言えば嘘になる。
けれど、それを僕の方から彼女にするのには、どうにも踏み切れない。
文化祭の後で彼女の方から目を瞑るように言われて従ったのは、今思えば気圧されたのではなくて、既にそんな考えを持っていたからかもしれない。
あの時と違ってこちらからするように彼女が言ったのは、心変わりしたのか、
それともこういうのは男からとの僕の台詞が引っ掛かったからなのか。
この差を気にしていて動けないのなら、彼女がアイドルでもなく中学生でもない、
平凡な同い年の女の子だったら躊躇無くするのかと自問してみたが、
それは仮定の域を越えないので答えを出そうにも無理な話だし、結局はもしもの話なので役に立たない。
だって僕が好きな彼女はもう暫くの間中学生だし、多分ずっとアイドルだから。
………まあ、あきら様を好きだと気付いた時から否応無しに突き付けられていたけど、こうして考えるとやっぱりロリコンだよなあ。
余り世間体の良くないその略語を甘ったるいコーヒー牛乳に混ぜて飲み込み、空になった紙パックをごみ箱に捨てる。
それから数分も置かずに扉が軽くノックされ、顔を覗かせたスタッフにスタジオに入るように言われた。
準備のためか直ぐさま持ち場に戻るその人に返事をして、熟睡している彼女の肩を軽く揺すって起こす。
「あきら様、起きて下さい」
「んー……?」
「もう時間ですよ」
「ふぇーい……」
夢の世界から引き戻されたばかりの彼女は何事かむにゃむにゃ言っていたけれど、眠たげな目差しが苺みるくを捕らえ、
次に掛けられた制服を捕らえた途端に眠気が吹っ飛んだようにどんぐり眼が瞬いた。
「あ……」
片手で制服の肩辺りを押さえ、上着を数秒見詰めた後に弾かれるように立ち上がる。
彼女はこちらをちらりとも見ないで、開けたままになっていた扉から慌てた様子で廊下に出た。
起き抜けだと喉が渇いて喋り難いのでは、と思って置き去りにされた苺みるくを持ち、何処と無く早足気味な彼女の横に並ぶ。
「あきら様、喉渇いてませんか?」
紙パックを差し出すと、彼女は無言でそれを奪い取る。相変わらずこちらを見てくれない。
中の物を飲んで咥えていたストローを離し、彼女が一呼吸つくとやっと目が合った。
「………ど、どこにした?」
かあ、等と効果音を付けたくなる程見事に首から額へと顔を淡い桃色に染めて、
彼女は苺みるくを持っていない方の袖で頬と額、最後に唇を押さえた。
何もしていないのに、釣られて赤くなりそうになるのを必死に押さえ付ける。
「いえ、どこにもしてません」
「ふ、ふーん。あっそ、おでこにね………え?」
首を左右に振る僕に彼女はきょとんとしたが、それも少しの間だけで見る見る内に不機嫌になって眉間に皺を寄せた。
「あ、ちょっとあきら様!」
苺みるくの紙パックが宙を飛んだ。
中身は殆ど余っていなかったのか、幸いにも数メートル先に落ちても床には何も零れなかった。
「ポイ捨てはいけませ、ぶっ!」
紙パックから隣の彼女に目線を移動させたが、彼女を目に入れる前に投げ付けられた制服に視界を覆われた。
スタジオに入るまでなら貸したままでいいかなと呑気に思っていたのでこれは不意打ちだった。
ていうか顔に当って地味に痛い。
「ばーかばーか、白石のばーか!!」
制服を引き剥がすのに手間取っている僕にそう言い捨て、彼女の足音が遠ざかる。
視界が開けた頃には、ついさっきまで隣にいたあきら様の背中は手の届かない所にあった。
肩を怒らせながら、ずかずかと歩く背中の側面に下ろされた片手には苺みるくの紙パックが握られていて、
投げ捨てておきながら通り過ぎることはせずに、床に転がったそれを屈んで拾ったのは可愛らしいなと思った。
以上で投下終了です。続きます。
読んで下さった方、ありがとうございます。
保管庫のタイトルが違っていたようで、お手数お掛けしてすみませんでした。
発見して下さった方、報告して下さった方、管理人様、ありがとうございました。
頑張ってえろまで持って行ければいいなあと思っています。早くらぶらぶなみのあきが書きたい……
それでは。
GJ!
いいな、初々しくてw
GJ!
やったー!続ききたー!待ってました!
あーもう、白石のばかー!!
>>60 GJ!白石もあきら様も可愛らしくてニヤニヤしました。
このヘタレな白石がどうやってエロまでたどり着くのかが楽しみですw
白石のばかーー!!!
GJなのですよー
前スレが埋まったことをお知らせいたします
66 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 11:45:02 ID:/3V6KuMm
前スレ埋め乙
ジーク・コナタン!!
ageちまった orz
やっと終わったか
少し休んでから新作書くか
前スレ埋めますた
書きこむ前に埋まるんじゃないかってハラハラしながら書いてたw
>>69 ……あ、焦りすぎて名乗るの忘れてたorz
『俺だよ、兄弟!』
取り合えずみゆきさんの誕生日SSを仕上げなきゃ
高良みゆきと鼻血みゆきに1つずつ(待
>>前731
詳細きぼん
埋め小ネタGJ
ああいう気軽な小ネタは読んでて楽しい。
>>71 25日かぁ。なにげに4人のなかで一番遅生まれっていうか若いんだな。
えっと、SS仕上がったので投下しようと思います。
とりあえず15分ほど開けてなにもなかったら始めますね。
>>74 前作品投下直後ってワケでもないし、投下しちゃって良いと思うヨー
76 :
16-187:2007/10/21(日) 13:09:26 ID:9jlrpbjh
あ、埋めGJとかも流されちゃうとあれかな、と思ったので。
じゃ、とりあえず行かせていただきます。注意書きいくつか。
・こな&かがです
・エロなしです
・二人とも歳をとっています。
・自然といろいろなことが起きています。暗いです。
・リアルで生々しい描写があります。
・人が死んでいます
9レス使います。
青い空は嫌いだ。あの子を思い出すから。
臆面もなく青く晴れ上がった空をみあげて、かがみは小さく舌打ち一つ。
――特にこんなに空気の澄んで、底の底までのぞき見えるような秋の空は最悪だ。
そう、あの地平線の淡いから天に向けて濃くなるグラデーションの、丁度真ん中あたり。
水色から群青に変わりゆく、宇宙の始まりの色。
むかし、そんな色の髪をした女の子が隣にいたのだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
す ば ら し い 日 々
――――――――――――――――――――――――――――――――――
神戸駅で電車から降りれば、潮風が髪を揺らす。
駅の東には神戸港が広がっていて、いましも大きな遊覧船がのんびりと就航しているところだった。遠くにかすむポートタワーは、相も変わらずパイプ構造のおかしな姿でちんまりと鎮座し、行き交う船を見下ろしている。
ハーバーランドは今日も賑わっているようだった。海洋博物館に向かう親子連れの歓声が、遠くから聞こえてくる。
海に背を向けてかがみは歩きだす。改札を抜け、北口を出ると、バスターミナルを通って湊川神社に入った。
多少遠回りでも、彼女は毎朝かならず湊川神社の境内を通ることにしている。神社の掃き清められた静謐な空気の中にいると、実家の鷲宮神社を思いだして懐かしく感じるからだ。
境内をでて橘通りに出ると、道の左側に神戸地方裁判所がみえてきた。
赤煉瓦のファサードに、近代的なガラス張りのビルが増築されている、おかしな建物だ。
そこが、かがみの今の職場だ。
出勤してみると、新しく民事保全事件が二件振り分けられていた。抱えている合議事件も佳境に入っていて、少年事件の下調べにも向かわないとならない。今日も一日休まる暇もないな、とかがみは思った。
判事補になってまだ二年。
最近ようやく仕事内容にも慣れ、判例に対する考え方や、自我を通すべきところと通してはいけないところ、裁定を下す際の判断基準をどこにおくかなど、色々なことを自分なりに解釈できるようになってきた。
それらは弁護士時代にはおぼろげに掴んでいた部分だったけれど、いざ自らが裁定を下す立場になると、また違った見え方をしてきたものだ。
判事補としての経験はまだ浅いけれど、弁護士任官制度で裁判官に転職したかがみは、少しでも周りにおいつかないといけないと思っていた。経験不足のまま判事になってしまうことを、彼女はなにより恐れているのだった。
自らの職能に疑問を抱きながら仕事を続けることの辛さを、彼女は身にしみて知っていたからだ。
弁護士を辞めようと決断したときのことを、かがみは忘れたことがない。
そのとき彼女は、婦女暴行犯の弁護をひきうけていた。
斜視がちの、ひねこびた目をした男だった。
自分の知り合いである女性をレイプした男だった。
可能ならば断っていたところだったが、国選弁護人として指定されてしまったため、引き受けざるをえなかった。
被告は強姦が合意だったのだと主張していた。が、被害女性が自ら告発をしている以上、それはありえない。
彼女はその発言を撤回させ、性欲が強い被告にたいして女性が無防備に誘ったのだという論を展開した。
その外見から周囲に排斥され、妄想癖と異様なフェティシズムに傾倒していった被告の半生を描き出し、そんな男性に性的魅力を発揮することで彼がどういう行動に及ぶか、女性にはわかっていたはずだと結論づけた。
結果、減刑を勝ち取ることができた。
公判が終わったあと、かがみは被害女性に呼び止められた。
そのとき彼女にいわれた言葉は、いまでも一言一句にいたるまではっきりと覚えている。
いっそのこと、ヒステリックに罵倒されたほうがましだと思った。
いまでも、弱気になった夜にはふとそのときの場面が蘇る。
そういう夜には自分の肩を抱き、まるで緊張病にかかった患者のように小さく丸まって、朝までやりすごすのだ。
§
結局、家に帰りついたのは、そろそろ日付が回ろうかという頃だった。
それでも仕事が全部片付いているわけではなく、明日以降に繰り越す分を残してきていた。
予想はついていたことだが、仕事ははかどらなかった。
あの青空をみてしまったから。
この十年間忘れようと努力し、半ばそれに成功しつつあった思い出だった。
でも、思い出してしまった。あの空のせいで。
何をしていても、青い髪の幻影がちらついて離れなかった。道行く女の子の着た青いオーバーオール。高い音で沸騰を知らせる青色のケトルの、そのけたたましさ。同僚の少し跳ねた髪の毛。
『かがみー!』
そういって抱きついてくるあの声が、聞こえた気がした。
――今日はもう、何もしないで寝よう。
ため息と共にそう思う。
誰もいない部屋に入れば、センサーが関知して明かりが点る。風呂はいつもの時間に自動で沸いている。
何もしなくても動く部屋。いつものルーチンワーク。この部屋は、私がいなくなってもなにも変わらず動いているのだろう。そうかがみは思う。
湯船に身を横たえると、ちりちりと肌を刺す刺激に思わず深い吐息が漏れる。
浴槽に頭をもたせかけて、何度か湯船に腕をくぐらせた。
その肌にまとわりつく水滴をみて、かがみはもう自分が若くないことを実感するのだった。
――いつ頃からだろう、肌の張りの違いに気づきだしたのは。強くこするときに小さな小じわのよる肌をみながら、そんなことを考える。
毎日お風呂にはいっていながら、それに気づかずにいられたのはなぜだろう。
十代の頃はなにも気にしたことがなかった。こんな日々がずっと続くのだと思っていた。歳をとるなんてことは、死と同じようになにか遠くの世界のできごとだと思っていた。
二十代の頃、そんなことを考える暇もなかった。ただ必死だった。常に自分の能力以上のものを求めてくる社会に、必死ですがりついていった。周りを見渡す余裕もなかった。
やんわりとけぶる湯気に包まれながら、かがみは考える。
――あいつはどうなんだろう。いつも子どもみたいだったあいつ。
あの子も、自分の歳を実感してたりするのだろうか。
ねえ、結婚生活は幸せ? 子育ては大変? 相変わらず、アニメとか漫画とかばっかりみているの?
――もう、私のことは忘れたかしら?
かがみはそう考えてどきっとする。
もしあの子が私のことを忘れてくれていたなら――きっと会いにいっても平気だ。
同じように青い髪をした子どもの手を引いて買い物にでるあの子。胸を弾ませながら何度も何度もかよった、あの大きな家の前で。
私はふと通りがかったふりをする。なんでもないように会釈をして、『いい天気ですね』と声をかける。そうするとあの子も、あの頃の笑顔のままで『ええ、本当に』と返すのだ。
その妄想はあまりにも甘美すぎて、かがみは何かに撃ち抜かれたように痺れて動けなくなった。
――忘れていて欲しい。私のことなんて、全部。
かがみは祈るようにそう思い――そうして、あの日のことを思い出している。
「もう二度とあんたとは会わない」
かがみはそういった。
いわれたその子の表情は、彼女がいままで一度もみたことがないものだった。あのエメラルドグリーンの瞳があんな風に憂いをたたえて濡れることがあるなんて、かがみには思いもよらないことだった。
その子はふらふらとした動きですがりついてきた。その暖かいぬくもりに、肌を重ねたときの感触が蘇り、少しふるえた。
かがみは微動だにしなかった。
貧血のときのように視界が狭くすぼまり、全ての動きがスローモーションになる。
その子がそっと口づけをしてきたときも、かがみは動かなかった。唇を弄ばれるままにしていた。
そっと唇を離したときも、吐息が首筋にかかって眩暈がしたときも、体を離したときの寒さに慄然としたときも。
彼女は立像のように立ちつくしていた。
「…わかった」
その子は力なくそういって、去っていった。
それが、その子の声を聞いた最後になった。
――ふう。
ため息をついて湯船に沈む。息を吐くとぶくぶくと泡が立つ。子どもみたいにそれを繰りかえしている。
いまでも間違ったことをしたとは思っていない。けれど正しいことをしたとも思わない。
あの頃あの子は壊れかけていた。
当時、あの子は日大で知り合ったという彼氏とつきあっていた。繊細で、感受性に溢れ、よく気が利く男の子。
大学を出たら結婚しよう。そういわれたと、かがみに打ち明けた。
彼氏のこと、好きなんでしょう?――だったら。
彼女がそういうと、その子はうつむいたまま動かなくなった。
かがみは卑怯なことをいっていると自覚していた。
その頃二人は何度か肌を重ねていた。高校時代の戯れの延長のような、軽い愛撫。
それがなにをもたらすか、考えもしなかった。なんの覚悟もできていなかった。ただ一緒にいるのが楽しくて、そういうことをしてもいいかな、と思った結果だった。
そのつけが、あの拒絶へと繋がっていったのだ。
絶対的で完全な拒絶――それ以外に、当時のかがみには解決方が思いつかなかった。
女二人でどうやって生きていくことができるだろう。かがみはそのときそう思った。
男が働いている間、女は家事をし、子どもを産む。男女共同参画社会基本法は随分昔に制定されたし、憲法二十四条からは“両性の”という記述が削除されたけれど、社会の基本は全く変わらない。子どもを産めるのが女だけである以上、そうした性役割分担はどうやっても残る。
そして、この社会では結婚し子どもを持って始めて一人前と思われるのだ。
それは生命を次代につなげるという生き物としての使命から考えるに、当然のことだとかがみも思った。
けれど、では、女はどうすればいいのだろう。
主婦という生き方も素晴らしいものだと思うけれど、それは彼女がしたい仕事ではなかったのだ。
女がただ仕事を続けていくというだけで、社会の中で社会人として生きていこうとするだけで、こんなに後ろめたく思うのに――女二人でどうやって生きていくことができたるのろう。
だから彼女はその子を捨てた。
あんな風に揺れ惑うその子をみていられなかったというのもある。
真っ当に男と結婚をして、幸せになって欲しかったという思いももちろんある。
けれどそれはどう取り繕っても自分自身のためだったと、かがみは思う。二十数年も生きていれば、マイノリティが気軽に蹂躙される場面は何度もみてきた。街中でも、テレビやインターネットの中でも、判例の中ですら。
かがみは大学卒業後、わざわざ地方の法科大学院を選んで入院した。逃げるように家をでていった。
それ以降、埼玉に足を踏み入れたことはない。
両親には心から申し訳ないと思う。かがみのことを懸命に擁護してくれるつかさ夫妻にも頭が上がらない。
二度と会わないと誓ったのだ。
もし実家に戻って、なにかの拍子に顔を合わせてしまったら――たぶん私は壊れてしまう。
だから、全てを忘れていて欲しかった。あの子がなにもかも忘れてしまえば、あの子の顔を見ることができる。話すことも、触れることも、もしかしたら最初からやり直すことも。
もしそうできるなら、私はすぐにでも会いに行くのに。
あの懐かしい、ひなたの匂いのする子のもとに。
§
半年が瞬く間にすぎた。
光陰矢のごとしとはいうけれど、30を過ぎてからつとにそれを実感する。
職場にいき、仕事をこなし、ふと一息つくともうその日が終わっている。
時間は急流のように流れいく。
さながら自分は水泡に翻弄される木の葉のようだ。かがみはそう思う。
――すばらしい日々だ 力あふれ 全てを捨ててボクは生きてる
――キミはボクを忘れるから そのころにはすぐにキミに会いに行ける
出先でランチを摂りながら、かがみは口ずさむ。このところよく頭の中で流れる曲だった。
昔のバンドの曲だったが、CMや映画などで使われたり、色々なミュージシャンにカバーされたりしていて、名曲だと認知されていた。
――なつかしい歌も笑い顔も 全てを捨ててボクは生きてる
――それでもキミを思い出せば そんなときは何もせずに眠る眠る
その歌詞がかがみの心に突き刺さる。それはあの日お風呂場で感じた思いだ。
会いにいける。キミがボクを忘れるなら。そう考えたとき、彼女は捨ててきたものの大きさに気づいてしまったのだ。
でも、実際どうやって会いにいけるだろう。こんなに慌ただしい毎日のなか。
かがみはそう思って苦笑する。
石屋川駅で電車を降りて、石屋川公園沿いにあるく。
東灘区と灘区の間を流れるこの小さな川の流域は、閑静な住宅街の佇まいをしている。
芦屋と三宮の間にぽかりと開いたエアポケットのような未開発地域だ。
その、時代から忘れさられたような静謐さが、かがみは気に入っていた。
公園に植えられた満開の桜並木が、怖いくらいに綺麗だった。
雨のように舞い落ちる桜吹雪を浴びながら、かがみは帰宅の途についていた。
今日は珍しく陽があるうちに帰ることができた。たまには手間のかかる料理でもして、秘蔵のワインも開けてしまおう。
――朝も夜も歌いながら 時々はぼんやり考える
――キミはボクを忘れるから そうすればもうすぐにキミに会いに行ける
またあの歌を口ずさんで。自宅のあるマンションはもう目の前。
そのとき、青色の幻影がかがみの視界に飛び込んできた。
ピンク色をした桜のカーテンの向こう。マンションの前に佇んでいるその姿。
目を疑った。なにかの錯覚かもしれない。そう思って瞬きを繰りかえすけれど、その像はいまだ明瞭にそこにある。
かがみの体から力が抜け、持っていた食材の入ったビニール袋が地面に落ちる。
ついに幻覚をみるようになってしまったのだろうか。
かがみが正気を疑い始めたとき、荷物が落ちる音に気づいたか、その子がゆっくりと振り向いた。
そうして、かがみをみて笑った。あの頃のままの笑顔だった。ひまわりのような、初夏の日差しのような、舞い散る桜のような、そんな笑顔だった。
「かがみ」
笑いながら、いった。昔のままの発音で。
“み”が少し鼻にかかってともすれば“みん”になりそうになる。そんな呼び方で。
思いだす。
自分がどれだけこの子にそう呼ばれるのが好きだったのかを。甘えた口調でそう呼ばれただけで、どれだけ幸せになれたのかを。
「……こ……な……た……?」
積み上げてきた世界が、がらがらと崩れ落ちる音がした。
§
「わー、なんか凄いね、かがみお金もちだー」
bruhlのソファーにちんまりと収まって、こなたがいう。
応接間は、海外の高級ブランド家具でかためてあった。それはかがみの趣味ではなかったけれど、来客に自身の社会的地位をしらしめて信用をえるためには必要なことだった。
一体どうやって部屋まで上げたのか、まるで覚えていない。
気がつけばこなたがここにいた。夢のような非現実感。
「そのソファー、百五十万したのよ」
そういうとこなたは「ひえぇ!」といって慌てて飛び上がった。
その跳ねるような体の動きは高校時代と同じように溌剌としていて、年齢をみじんも感じさせなかった。
――なにいってるんだろう私。そんなことわざわざいうようなことかよ。十年ぶりに再会したこなたに。
ああ、私は壊れかけている。かがみはそう思う。
気がつけば、こなたの一挙手一投足を目で追っている。
きょろきょろと動く、あのエメラルドグリーンの瞳。ティーカップを掴む小さな手。相変わらずの長い髪が身体の線に沿って流れ落ちるさま。少し大きくなった、胸のふくらみ。
すこし、目元が優しくなっただろうか。
あの無邪気でいたずらっぽい雰囲気が多少なりをひそめて、その分全てを受け入れるような優しさがでている気がする。
母親になるというのは、こういうことなのだろうか。
かがみはそう思って、女としての義務を果たしていない自分を後ろめたく感じた。
「かがみ、じろじろ見過ぎー」
そういって照れながら上目遣いでつぶやくこなたに、かがみはどきっとして目をそらす。
「ばっ、ち、違うわよ、そんなつもりで見てたんじゃないってば!」
「えー? そんなつもりってどういうつもり?」
こなたはニンマリと笑って口元に手を当てる。
――まるで、あの頃のままだ。
かがみは苦笑する。
本当に忘れていることを期待していたわけじゃない。あんなことが忘れられるはずがない。人間はそんなに都合良くはできていない。
でもこれは――。
こなたがいるだけで、あの頃のままになる。
こなたが笑うだけで、あの頃の気持ちになる。
こなたが喋るだけで、あの頃の私になる。
まるで十年の時の流れなんて、なかったかのように。
このまま、流されてしまえばいい。かがみの中で誰かが呟く。
あんな別れなんてなかったようなふりをして、忘れたふりをしてこのまま、昔みたいに。
その欲望はあまりにも甘く強く、つい受け入れてしまいそうになるけれど、かがみは懸命に自制する。
そうやって流された結果が、あの別れに繋がったのではなかったか。
向き合わないといけない、見据えないといけない。今ここにいるこなたを。
「なんで……あんなところにいたのよ」
絞り出すように言葉を紡ぐ。なんて間抜けな質問だろう。
「やだなー、かがみに会いにきたに決まってるじゃん」
当たり前だ。道に迷ってたまたま私のマンションの前にいたとでもいうのか。
「それは……わかってるわよ。でもなんでいきなり……。電話するとか、メールするとか、あるじゃないの。今日はたまたま定時に上がったからよかったけど……普通に泊ってたらっておもうとぞっとするわ」
「うん……。でも、電話でなに話せばいいかわからなかったし……。出てくれないかもって思ってね。会えばなんとかなるかなー、なんて」
そういって寂しそうにほほえむ。ああ、あの笑顔だ。いつも私を殺していたあの笑顔。
どんなに喧嘩をしたときでも、最後にこの子がこういう顔で微笑めば、いつでもすぐに許してしまうものだった。
「かなたちゃんは……どうしたの? まだ小学校前だよね。ってか旦那さんにいってあるのか?」
かなたは、五年前にできたこなたの子だ。つかさがいつもの電話の最後に、ぽつりと教えてくれた。こなたに子どもができたって。
「ん、かなたはゆい姉さんのところに遊びにいかせてる。あそこのゆう君と仲いいんだよね、歳も近いし……」
そういうとこなたはためらうように目を伏せる。
やがて顔を上げると、かがみの方をじっとみつめてこういった。
――君とは、離婚したよ。
§
一瞬頭の中が真っ白になる。
「……え? 離婚……な、なんで? あんなに優しくていい人そうだったのに……」
――だから、この子を捨てることができたのだ。
一緒にいてこの子が幸せになれないと思ったなら、私はあんなことはしなかっただろう。
「うん、――君のことは今でも好きだよ。十年一緒にいて、悪いところなんて一つも見あたらなかった。もっともっと好きになれたらよかったのに……。離婚したのは、全部わたしのわがまま」
言葉もなく、うつむくこなたをただみつめるだけだった。
離婚に関する民事保全なんて、それこそ数限りなくやってきたのに。仕事でならいくらでも声をかけることができるのに。どうしうてこういうときになにもいえないのだろう。
うつむいたままのこなたが、ぽつりと呟く。
「あのね……お父さん……死んじゃったんだ」
「え……」
寝耳に水の話だった。背筋につららを突き刺されたような衝撃を感じる。
「……うそ……つかさはそんなことなにも……」
「うん、いわないでっていっといた。わたしから伝えたいからって……」
「そっか……あのおじさんが……」
すてきな人だった。
かがみはそうじろうのことを思い出す。
こなたと同じでオタクな所は困りものだったけれど、自分の人生を楽しんでいるのがわかって不快ではなかった。そしてたった一人で泉家を、こなたたちの家を支えていた。
今になってみると、その凄さがわかる。自由業で、日々自らを律しながら平均を遙かに越える収入を稼ぎ、異性の子どもを育て上げる。それも、こなたのように他人に気をつかえる優しい子を。
そんな人が亡くなるなんて。まだ六十前だったはずなのに。
「うん、半年前に。腎臓ガンだった。大きい仕事の追い込みでずっと気を張った生活してて、だるいのになかなか気づけなかったみたい。病院にいったときにはもう手遅れで……」
悄然とするこなた。かがみも今まで沢山の人の死をみてきたけれど、これには堪えた。
楽しかった高校時代。それを支えてくれた人の死は、楽園に差し込む影のようにかがみの心を覆っていった。
こなたもさぞや私に伝えたかったことだろう。そう思うとかがみは慄然とする。
あの青空をみてこなたを思い出したころ――あの時に会いに行っていたなら、そうじろうの死に目にも会えたかもしれない。落ち込むこなたをサポートできたかもしれなかった。
「それで――気づいちゃった。お父さんが死んで」
こなたはぽつりぽつりと言葉を繋ぐ。
「わたし、お父さんにかなたを見せてあげたいだけのために、子ども作ったんだなぁって。お父さんに、もう大丈夫だよ、育ててくれてありがとうっていいたいためだけに、家庭を作ったんだって」
「……こなた?」
泣いていた。その濡れた瞳はあの別れの日ともまた違っていた。深い悲しみのなかになにかの決意を感じられる複雑な色味をしていて。かがみはそこに、こなたの生きてきた人生の重みを感じるのだった。
「ずっとずっと、我慢してた。あの人に抱かれながら、なんか違うって思ってた。でも、あの人は求めてきてくれて、わたしも喜んで欲しかったから、それでもいいやって……」
「でも気づいちゃった。わたしが家庭を作って子どもを育てたかった理由。かがみより、あの人を選んだ理由……わたしが生まれたせいで、お父さんから一番大切な人を奪ってしまったことへの、罪滅ぼしだったってこと。でも、そんなお父さんももういなくって……」
「そう思ったら、もうあの人と一緒に暮らせないって思って……。違う人のことを想いながら、目的もなく普通の家族のふりをして暮らしていくことはもうできないって思ったから……」
――だから――そういってこなたは言葉を詰まらせる。
次々と溢れる涙が頬を伝わって、顎から滴り落ちていく。
嗚咽を抑え、肩をふるわせてむせび泣く。
その小さな肩は歳月の重みと社会の大きさに、今にも押しつぶされそうにみえて。
この肩を抱いてしまえばどうなることだろう。かがみの中の冷静な部分が考える。
けれどもう、そんなことはどうでもよかった。
今この子を抱きしめられるなら、全てを捨ててもかまわないとかがみは思った。
だから抱きしめた。
強く強く、自分の身体に取り込もうとするように。
十年分の思いを篭めて。
こなたはびくっと身体を震わせたあと、激しくすがりついてきた。
かがみの胸に顔を埋め、わんわんと、子どもみたいに泣き出す。
かがみの名を呼ぼうとしては嗚咽が邪魔して、かがっ、かがっ、と繰りかえす。
喉の奥から低いうめき声が、途切れ途切れにむせび出る。
細い首、軽い体重、なめらかな肌。
とても子どもを産んだとは思えない身体だけど、この身体でこなたはこの残酷で複雑な世界を生き抜いてきたのだ。
そんなこなたがいま、見栄も外聞もなくすがりついている。
かがみはそのときやっと気づく。
――ああ、私、この子のことが好きなんだ。
それはわかっていたことだった。十六年前、桜の舞う季節に初めてあった時から。
けれどかがみがその気持ちの本当の意味に気づくためには、今までの長い人生経験が必要だったのだ。
「……かがみ……」
少し落ち着いたのか、それでも涙声でこなたがいう。
「……なぁに?」
頭をなでながら、かがみが優しく答える。
「わたし……かがみのことが好き」
「うん、わたしもこなたのことが好き」
そういうとこなたは、胸に埋めた顔をぐりぐりと動かした。
心臓の音を聞こうとするかのように頬を胸に当てて呟く。
「ずっとずっと好きだった。結婚式のときも、あの人に抱かれてるときも、かなたを産んだときも。この十年間、忘れたことなんて一日もなかったよ」
「そう……ごめんね。私は時々忘れてた。いや、忘れようと努力してた……かな」
「そっか。忙しかったんだね」
「うん」
すすり泣きの声はもう聞こえない。
その場には、感情が爆発したあとの静謐な余韻と、あらゆるものが満たされて充足した満足感が漂っていた。
「この十年間、楽しかった? 毎日輝いてた? どれくらい笑った? どれくらい泣いた? なにみて感動した? 本気で怒ったことは? 好きになった人はいる?」
こなたがかすれた、でも楽しげな声で尋ねる。
「……そんなの、一言でいえるわけないでしょ」
「そうだね。今度全部聞かせてね」
「うん。ねぇこなた……」
「うん」
かがみは迷いなくこなたをみつめていう。
その口調にこなたはなにかを感じ取ったのか、じっと見つめ返してくる。
またたきもせず見開いたエメラルドグリーンの瞳が本当に綺麗だ。
そうしてその言葉を口にする。十年前にはいえなかった言葉。
社会の大きさの前に簡単に押しつぶされそうで、どこかの誰かに石を投げられそうで、知らない大人に鼻で笑われそうで、いえなかった言葉。
でも今ならいえる。それだけでも、この十年は無駄ではなかった。
そう、すばらしい日々だった。辛くて寂しくて、逃げ出したいときもあったけれど。
そしてこれからは、もっともっとすばらしい日々を送るのだ。
「これからさき、ずっと一緒に生きていこうよ」
そういうとこなたは、かがみをまじまじと見つめて――
「うん!」
笑った。
その笑顔は、かがみが一度もみたことがない、まるで人という華が今開いたような、満面な笑顔だった。
§エピローグ
「うん、そう、そうだよ……ありがとう。……今までごめん。今度そっち帰るからね。うん。お父さんたちにもよろしく」
そういってケータイを切った。
ここで起きたことと自分の決意を報告したとき、つかさはあられもなく泣き出した。“よかった……よかったよぉ……”そう呟きながら鼻をすする音が、ケータイの向こうから聞こえてきた。
この十年、ずっと気に病んでいたのだろう。そういう子だった。そう思うと、かがみは今まで自分がどれだけの人に心配をかけてきたのかに気づくのだ。
ベランダから眺めやれば、公園の桜が、夜を桜色に塗り込めようとするように咲き誇っている。
まだ少し冷たい風がかがみの髪を揺らす。
高い空には大きな月が架かっていて、銀色の光を地上に投げかけている。
その全てが、今までと少し違ってみえた。
全ての物の色や形が、急に意味を持って輝きだしたように思えた。
眼下の一つ一つの灯りの下で、それぞれの人がそれぞれの家庭を営んでいる。
その世界の大きさに眩暈がするけれど、今のかがみはそれを正面から受け止めることができる。
あの子と一緒なら。
こなたは、抱き合っているうちに安心したのか寝入ってしまった。
ここにくるまで、どれほどの思いをしてきたのだろう。そう思うと愛しく思えて仕方がなかった。
すやすやと眠るこなたに毛布をかけ、優しく微笑みながらかがみは呟く。
「ずっと一緒だよ」
そういって灯りを消した。
そんな二人を、ただ月だけがみつめているのだった。
(了)
86 :
16-187:2007/10/21(日) 13:17:47 ID:9jlrpbjh
以上です。読んでくださったかた、ありがとうございました。
ちなみに作者は神戸とかいったこともないので、多分沢山嘘ついてます。
地元のかた、いたら笑って許してください。
作中歌は
すばらしい日々
作詞 奥田民生
作曲 奥田民生
歌 ユニコーン
鼻歌 柊かかみ
です。JASRACさんごめんなさい。
>>86 読んでる間中、目を大きく開いて必死になって、何度も鳥肌たてて、ゾワゾワして、最後に本気で泣きそうになりました…
そんなすべての気持ちをこめて、GJ!!
>>86 ……(´;ω;)b
すまん、声にならないほどGJ……
あー、らきすたとか関係無しに、いい話を読んだって希ガス
こういう現実感溢れるストーリーって書けそうで書けないから
すばらしい日々は好きな曲なんで余計にヤバいわ
>>86 GJ
もうとにかくGJ
それ以外の言葉が思いつきませぬ
>>86 ・・・・ごめん、まじ泣きした。そうじろうの死の報告のところからずっと。
ほんと言葉にならないくらいGJ。ほんとに凄い。
>>86 GJ!久しぶりに胸に来たよ…正直何がよかったのかもわからない。
読んでる間、流してた音楽が全然耳に入らなかった…
…いいものを読ませてくれて、本当にありがとう!
胸が詰まるってこういう感覚なのかっていうのを実感できましたよ!
最後にちょっとだけ疑問を。
こなたとかがみが一緒に住み始めたようだから、
こなたの娘さんも一緒なんですよね?
最後が「二人」ってなってたのでちょいと疑問が残りました。
聞くまでもないとは思うのですが…。
>>86 全俺が感動した。
久々に泣かせてもらった。
余計な言葉は使わずにこれだけは言わせてくれ。
感 動 を あ り が と う 。
>>86 GJっす!感動した!
>>91 最後の「二人」ってのは再会したその日の夜って事では?
こなたの娘さんはゆい姉さんの所に居るし。
>>86 これはヤバイ…
序盤、残酷なのになんという違和感の無い未来図
一見華やかに見える法務世界の陰の描写
両者の(ここに至るまでの)深い葛藤、心理描写と設定
ラストの救い
もう全てがGJ!! なんというか心が洗われた気がする
>>93 あぁ、そうか。その日か。
何故か一緒に住むってことになってから時間が経ったものだと勘違いしてたよ。
指摘ありがとう。
どうも感動に飲み込まれて頭が上手く回ってなかったみたいだw
なんだか文章もおかしいし。
>>86 ネ申にGJ。
何か書こうとしたか忘れてしまったくらいGJ。
ちなみに自分、実際に法律を扱う仕事に携わっているのですが(まだ見習いみたいなものですが)、
このSSにあるように自我を持って強く押し通すところ、逆に通してはいけないところは実際の司法にも確かに存在するワケで、そういったところを上手く表現されていて感服しました。
あと、個人的に一言。
俺も男としての責務を果たしていないよ……orz
>>96ですが、言いたい事思い出しました。
新スレなのに、もう100KB超えってどんだけー(笑)
みなみ×ゆたか
ゆかり×みゆき
ひかる×ふゆき
かがみ×つかさ
こなた×かがみ
の非エロ投下します。
「最近、寒くなってきたわねー」
四人並んでの下校中。駅への道を歩きながら、かがみが何気なく呟いた。
秋も半ばを過ぎ、吹く風も涼しいというより冷たいと感じるようになっていた。
「そうですね。そろそろ冬用のコートが必要になってきそうです」
みゆきは襟元を軽く押さえながら応えた。
「コートだけじゃなくて、冬物もそろそろ出しておかないとね」
軽く手の平をこすりながらつかさ。
「冬物かー……」
こなたは何事か思い浮かべている。
「そういえば、みゆきさんとつかさは、編み物とかする?」
「編み物ですか? そうですね。簡単なのですが、暇々にすることがあります」
「私も。モチーフ編みとか結構好きだな」
「なるへそー。二人ともイメージに合うね」
「あの、こなた……私には聞かないわけ?」
「ん? かがみはやらないでしょ?」
「いや、やらないけどさ……」
最初からその前提で話をされると、ちょっぴり傷付くかがみだった。
「そういうこなたはどうなのよ?」
「私もたまにするよ。マフラー編んだりとか」
「手編みのマフラーを? こなたが?」
あまりにイメージと合わなくてか、かがみは目をパチクリさせている。こなたは心外そうに唇を尖らせた。
「私だってそれぐらいするよ。特別難しいものでもないし」
「そ、そうね……」
家庭科全般の苦手なかがみにとっては、特別は付かなくても難しい作業なのだが。
「まあ、かがみにとってはマフラーでも難易度ACEかもしれないけどね」
「う、うっさいな。……それで、そのマフラーはどうしたの? それらしいの使ってたっけ?」
「ううん。人にあげたから」
「へえ……お父さんに?」
日頃から娘を溺愛しているそうじろうなら、手編みのマフラーなど貰った日には目の幅涙を流して「俺は今、モーレツに感動している!!」ぐらいは叫びそうだ。
「違うよ」
しかしこなたはあっけなくかがみの推測を否定した。
「じゃあ、誰に――……!」
まさか、とかがみは一瞬頭に浮かんだ考えを打ち消す。そんな心の動きを知って知らずか、こなたはにんまりと意味深な笑みを浮かべ、
「内緒♪」
と人差し指を立てて言った。
(か、彼氏!? まさかそんな、こなたに限って……いや……社交性低い幼児体型の重度オタクとはいえ、こなたも健全な一女子高生……100%無いとは言い切れないのでは……仮にそうだとしても、一体いつの間に……私を差し置い――って私は関係無いっ!
落ち着け。クールになれ柊かがみ。そうよ、ここで肝心なのはあくまでこなたに彼氏がいるのかどうかが天下分け目の関ヶ原。落ち着いてこの謎の真実を見出すことこそが天上界への結界を開くカギへのどうのこうの――)
勝手に悶々と悩みだしたかがみを尻目に、他の三人は話を続けている。
「編み物って、やり始めるとつい熱中しちゃうよね」
「そうですね。単純な作業の繰り返しですけど、だからこそ夢中になってしまいます」
「つかさもみゆきさんも、好きなことへの集中力凄いもんねぇ」
いつもならここで「漫画やゲームに対するあんたと同じだな」とかがみの憎まれ口が入るところだが、あいにくまだ悶々としていた。
「編み物って、何て言うのかな、同じ物でも編む人の個性が出るよね」
「ああ、分かります。色やデザインのセンスだけではなく、編み目の癖や柔らかさに、編んだ人の気持ちが浮かんでくるような……」
「詩人だねぇみゆきさん。そう思うと、色んな人が編んだのを見てみたい気がするね」
* * *
「おや、編み物の本? 小早川さん、マフラーでも編むの?」
お昼休みの一年D組教室。ゆたかが広げている本を横から覗いて、ひよりが尋ねた。
「うん。ちょっとチャレンジしようかなーって」
ゆたかは少し照れ顔になりながら頷く。
「ひょっとして――誰かにプレゼントとか?」
「うん。上手くできたら、そうしようと思ってるんだ」
「おお、やはり……!」
手編みのマフラー! 「乙女らしいアイテム」という番付けがあれば間違いなく上位に食い込むであろう至高の品。それをゆたかが……ひよりのボルテージは否が応にも盛り上がる。
(冬も押し迫ったある日のこと、放課後の体育館裏、小早川さんと岩崎さんが二人きりで向かい合い……)
早速妄想に入っているひよりはさておき、みなみと、ついでにパティも話に寄ってきた。
「編み物ですカ。乙女チックで良いですネー」
「まだ初心者だから、作り目だけでも一苦労だけどね」
「誰かに教わったりとかは……?」
「うんとね……お姉ちゃんに教わろうかと思ったんだけど」
「けど?」
「お姉ちゃんにプレゼントしたい物を、お姉ちゃんに教わるのはおかしいし」
「へ……?」
ページ換算で五ページ目ぐらいまで妄想(R-15ぐらいの)を進めていたひよりは、たちまち現実に還ってきた。
「マフラーあげるのって、泉先輩になの?」
「うん。そうだよ」
「そ、そうだったんだ。あはは……」
勇み足でみな×ゆたを妄想していたひよりは、照れ隠しの笑みを浮かべる。ゆたかはわけが分からず小首を傾げていた。
「ところで、どうしてコナタにマフラーですカ?」
パティの質問に、ゆたかは微笑みながら答える。
「実はね、前にお姉ちゃんから手編みのマフラーをプレゼントしてもらったことがあるんだ。ちょうど今ぐらいの寒くなってきた時期に。風邪をひかないようにって。凄く嬉しかったんだ」
「それでお返しに……」
「なるほド。美しきイトコ愛ですネ」
純粋に感心するみなみとパティの横で、ひよりは必死に「自重しろ」と自分に言い聞かせていた。こな×ゆたは良い意味(?)で不意打ちだった。
「でも……やっぱりやめといた方がいいかなぁ」
眺めていた編み物の本を閉じながら、ゆたかはにわかに声を曇らせた。
「どうして……?」
「お姉ちゃんの方が私より上手く編めるんだし、私が下手なの作っても仕方ないんじゃないかな、って……」
弱気になっているゆたか。その背中を、パティの手に平が大きな音を立てて叩いた。
「そんな心配、必要Nothingですヨ、ユタカ。堂々とプレゼントしてしまえばいいのでス」
「私も……そう思う」
パティの励ましに、みなみも同意して頷く。
「そ、そうかな……?」
「そうですヨ。ついた餅より心持ち、と日本の諺にもあるでス」
「出来不出来は関係なく、ゆたかが一生懸命マフラーを編んだその気持ちを、先輩はきっと喜んでくれるはず……」
「…………そっか。そうだね」
言葉を重ねて後押ししてくれる二人に、ゆたかは笑顔で大きく頷いた。
「うん! ありがとうみなみちゃん、パティちゃん。私、頑張ってみるよ!」
握り拳で気合いを入れ、ゆたかは編み物の本を広げて熱心に再読しはじめた。
「ところでミナミは編み物しないですカ?」
「あ、そういえば。みなみちゃんって何でも出来そうだけど――」
期待を込めた視線を向けるゆたかだが、みなみは申し訳なさそうに首を横に振った。
「やったことない……」
「そっかー」
「手編みのを貰ったことならあるけど……」
「へえ」
「二メートル以上あるマフラーを」
「二メートル以上!? それって首に巻ききれないんじゃ?」
「うん……だから使ったことがない」
「だよねぇ。失敗作なのかな?」
「やれやれ……分かっていないですネー、ミナミもユタカも」
「「?」」
肩をすくめてため息をつくパティに、みなみとゆたかが首を傾げる。
「そういうVery longなマフラーの使い道は一ツ! 二人並んで仲良く首に巻くのですヨ!」
「あー」
「なるほど……」
納得して手を打つゆたかとみなみ。確かにイメージするとしっくりくるような。
「……今度やってみようか。ゆたか」
「え……わ、私でいいの?」
「うん……ゆたかがよかったら」
微笑みながら、みなみは何でもないことのようにそう言う。ゆたかは嬉しそうに頬を染めて頷いた。
みなみがゆたかを誘ったのは、何の含みもないことだ。が、
(うおおお、乙女百合色地獄〜……!)
和やかなその光景の横で、さっきから空気になっているひよりは頭から湯気を出して身悶えていた。
* * *
「ただいま戻りましたー」
学校から帰宅したみゆきだが、いつもなら帰ってくるゆかりの「おかえり」が無い。
電話かと思ったが、話し声はしない。しかし気配はある。
居間の様子を見て、みゆきは合点がいって苦笑した。
「……あ、みゆき。おかえり〜」
ようやく娘の帰宅に気付いたゆかり。その間も、ソファに座りながら指と編み棒を休まず動かしている。
「ごめんね〜、帰ってきたの気付かなくて」
「いえいえ」
みゆきが自室に鞄を置いて服を着替えてまた居間に戻ってくるまでも、ゆかりは熱心に編み物を続けていた。
「マフラーですか?」
「そうよ〜」
太めの毛糸をガーター編みで、チクチクと編み進めるゆかりは実に楽しそうだ。
「みゆき、蜜柑剥いてくれる〜?」
「はい」
居間のテーブルには蜜柑のお盆がある。一杯に盛ってあるところを見るに、編み物をしながら食べようと思っていたが、ついつい編む方にばかり集中していたのだろう。
綺麗に剥き終えた蜜柑を差し出すと、ゆかりは編み棒を置いて一息ついた。
「ふ〜、ずっと続けてたから肩が凝っちゃった」
「どのくらい続けてたんですか?」
「ん〜……お昼ご飯の後、しばらくしてからずっとかしら」
「それはまた……」
みゆきにすれば午後の授業から帰宅するまでの間、ずっと編み物をしていたわけか。
よく見ればゆかりの編んだマフラーは長々と床にとぐろを巻いている。大蛇の如く、というほどではないが、少なくともマフラーの平均的な長さはとうに超えていた。
「あらやだ」
ゆかりも今ようやくそのことに気付いたらしい。
「やっちゃった〜。編み物って、やり始めるとついついはまっちゃうわよね〜」
「そうですね。これ、ほどいて短くしますか?」
「ん〜……いいわ。このまま完成させちゃいましょ」
「え、でも――」
「ほら、こうすれば」
ゆかりは出来かけの長〜いマフラーを自分の首に一巻きして、そのままみゆきの首にも巻き付けた。
「ね? 二人分でお得でしょ」
無邪気な笑みを浮かべて、ゆかりはそんなことを言う。みゆきもつられて笑ってしまった。
「確かに、お得かもしれませんね」
「でしょう。今度これでお買い物に行きましょう」
「えっと、それはちょっと恥ずかしいのでは……」
ゆかりの提案に困惑しながら、みゆきは以前にもこんな風に長いマフラーを、ゆかりが編んでしまったことを思い出す。あれはみなみにあげたのだが、その後はどうなっているのやら。
* * *
「おーす」
気怠げな声で一応の挨拶をして、保健室の戸を開ける。
「桜庭先生、どうしたんですか? もう放課後ですけど」
「片付けたい仕事があってな。ちょっと場所貸してくれ」
「困りますよ。ここはそういう場所ではないんですから」
唐突に訪れたひかるに、養護教諭のふゆきは一応の注意をする。毎度あまり意味が無いが。
「職員室よりこっちの方が落ち着くからなー。冷暖房は完備だし」
「それは職員室もでしょう」
「静かだし」
「職員室だってそううるさくないでしょう」
「ふゆきがいるし」
「……学校では先生を付けて下さいってば」
ため息をつくふゆきをよそに、ひかるは椅子に座って片付けたい仕事とやらに取り掛かる。小テストの採点らしい。それほど急ぐ仕事ではないだろうに。
今は休んでいる生徒もいないし、少しなら良いか。そう考えながら、ふゆきは自分の甘さにもう一度ため息をついた。
「近頃、冷えてきたなー」
視線は採点作業から動かさずに、ひかるが不意に呟いた。
「そうですね。そろそろ冬のきざしが見える頃でしょうか」
「だな。炬燵が恋しい季節だ」
「そんなこと言って、炬燵に入ったままうたた寝なんかしたらダメですよ」
「ああ。ところで保健室には炬燵置かないのか?」
「置くわけないでしょう」
「そうか。あると助かるんだがな」
多分、冗談なのだろう。ふゆきにはいまいち笑えないが。
「寒くなりそうだな……」
窓の外に目を移しながら、ひかるはさっきと同じ様なことを呟く。何か他に言いたいことでもあるのだろうか。
ふゆきがお茶の用意をしながらしばらく黙っていると、ひかるは重たげに口を開いた。
「なあ、ふゆき」
「はい?」
「今年はマフラーくれないのか?」
「え? ……ああ」
そういえば去年の今頃、ふゆきが手編みのマフラーをひかるにあげたのだった。
受け取った時は特別喜んだ様子もなく淡々としていたが、あれで嬉しかったらしい。わざわざ保健室に来て催促するぐらいには。
「去年あげたのがあるでしょう」
また編むぐらいは何でもないが、ふゆきは少し意地悪がしたくてそう言った。
「手編みのマフラーっていうのはそういうもんじゃないだろう」
「じゃあどういうものなんですか? まさか去年あげたマフラーを、もうダメにしちゃったんじゃないでしょうね」
「いや、そんなことはないが――」
「ならちゃんとそれを使って下さい。何本も持ってたって仕方ないでしょう」
「……分かった。じゃあマフラーはいいから結婚してくれ」
「何が『じゃあ』ですか。全く……」
ふゆきは呆れてため息をつきながら、今度手袋でも編もうかなどと考える。そしてやっぱり自分の甘さにもう一度ため息をついた。
「ため息つくと寿命が縮むぞ、ふゆき。私よりは長生きしてくれないと困るからな、色々と」
「そう思うなら、もうちょっとしっかりして下さい」
程よく温いお茶を二人分、湯飲みに注ぎながら、今度はため息ではなく苦笑を漏らすふゆきだった。
* * *
「つかさ、ちょっといい?」
「あ、お姉ちゃん。どうしたの?」
夜。かがみが部屋を尋ねると、つかさはクリーム色の太い毛糸を右手の指に絡めて、何やら熱心に作業していた。
「それ、何してるの?」
「指編みだよ。今日、こなちゃんやゆきちゃんと編み物の話してたから、久しぶりにちょっとね」
会話しながら、つかさは指を器用に動かす。一見するとあやとりを複雑にしたような作業で、みるみる毛糸が編み上がっていく。
「へー……上手いわね」
「これは指リリヤンだから簡単だよ。こうやって、ぼーっとしながらでも指を動かしてたら、いつのまにか手の後ろに編めてるの」
言うとおり、つかさの右手の甲からは何十pも毛糸の帯が垂れていた。もうちょっと長くして形を整えれば、すぐにでもマフラーとして完成しそうだ。
「ところでお姉ちゃん、何か用事?」
「えっ……あ、うん……まあ」
頷きながら、かがみは言い辛そうに言葉を濁らせる。
「その……実は私の用件もそれで」
「それって?」
「今日、編み物の話してたじゃない? みゆき達と」
「うん」
途中から何か悶々と悩み出したかがみは、半分しか話に参加していなかったが。
「それで、その……そういうのって覚えて損はないだろうし、私も少し……やってみようかなー、なんて」
照れるようなことでもないだろうに、かがみは顔を赤くしながら途切れ途切れに話す。
「それじゃあ、これやってみる? 五本指のリリヤン」
つかさは毛糸を絡めた自分の手を掲げて、屈託無く提案した。
「それってすぐに出来るの?」
「うん。毛糸と指だけで出来るし、慣れればとっても簡単だよ」
つかさはそう言うと、自分が進めていた編み物を一端はずして、脇に置いていた籠を引き寄せた。中には編み棒、毛糸玉、鋏など、編み物に必要な道具一式が小綺麗にまとめられている。
「そんなに色々持ってたんだ」
「お母さんのお古とかもあるけどね。お姉ちゃん、菫色が好きだったよね」
つかさはそう言って、薄紫の毛糸玉を取り上げた。
「そうだけど……そっちの、黒い毛糸の方がいいな」
「そう? じゃあ、そっちでやろっか」
薄紫の毛糸玉を籠に戻し、代わりに黒い毛糸玉を取り上げる。
「そういえば黒色はお姉ちゃんだけじゃなくて、こなちゃんも好きな色なんだよね」
「なっ、何でそこでこなたが出てくるのよ!?」
「別に。思っただけー」
邪気の無い笑みを浮かべるつかさだが、かがみには時々この笑いが天然の皮を被った小悪魔に見えた。
「それじゃあ、教えて上げるね。手出して」
「こう?」
「うん。まずは糸を親指にこうやって巻いて――」
まずは手取り足取り、つかさが直接かがみの指に毛糸を絡めながら基本の編み方を教える。
「――で、こうやって糸をかえして、かけかえるの。これを繰り返すんだよ。やってみて」
「ええと……」
かがみは糸をかける順番を思い出しながら、辿々しく指と毛糸を動かす。つかさよりだいぶ時間をかけて、どうにか一巡できた。
「これでいいの?」
「そうそう。お姉ちゃん上手だよ。それじゃあ、その調子でどんどん編んでいこう」
そう言って、つかさは中断していた自分の編み物を指に戻して再開する。
二人で向かい合ってあぐらをかきながら、静かに毛糸を編んでいく。
かがみは覚えたての指編みに神経を集中しているが、つかさは鼻歌まじりで余裕しゃくしゃくだ。
(かなわないなぁ……)
休まず指を動かしながら、かがみは胸中で嘆息する。
学業やスポーツなら総じてかがみが上だが、こういう家庭的な分野になるとつかさのスキルは圧倒的だ。
(長い目で見て幸せになれそうなのって、やっぱりつかさみたいなタイプなんじゃないかな……)
人には得手不得手があるといえばそれまでだが、無い物ねだりというか、羨ましく感じる時が無いとは言えなかった。
「お姉ちゃん、だいぶ出来てきたね」
「え? あ……ホントだ」
さっきつかさが言っていた通り、ぼーっと指を動かしていたらいつの間にか手の後ろに編めていた。
「ね? 慣れると簡単でしょ」
「うん。そうね」
やっているうちに要領が掴めてきたのか、かがみの方も雑談しながら編んでいくぐらいに余裕が出来てきた。
「ねえつかさ。あんた、こなたが手編みのマフラーあげた相手、誰だか知ってる?」
「え?」
「ほら、今日の帰りに……こなたが話してたでしょ」
「ああ、うん。誰だろうね? 私も知らないや」
「そう……」
一体誰にあげたのだろう。気になる。今考えていてもどうしようもないが。
時折話をしたりしながら、二人は毛糸を編んでいく。
「私はこれで完成、と」
つかさの毛糸は、もう十分な長さまで編み上がっていた。
「あとはこうして…………鋏で先っちょを揃えて完成だよ。ほら」
出来上がったマフラーを、両手で広げてみせるつかさ。少し照れくさそうだが、満面の笑みは誇らしげに輝いている。
「……」
「? ……お姉ちゃん、どうかした?」
毛糸を編む指を一旦止めて、かがみはじっとつかさの顔を見ている。そしておもむろに口を開いた。
「なんて言うか……つかさが私の妹で良かったなーって。改めて感じてさ」
「ふぇ?」
唐突にそんなことを言われて、つかさの目が点になる。
「な、何で?」
「別に。思っただけよ。えっと……私のも、これぐらいまで編んだらもういいのかしら? ちょっと短い?」
「そうだね。でもこなちゃんは小さいから、少しぐらい短い方がちょうどいいかも」
「だから何でそこでこなたが出てくるんだっつーの!! 関係ないから! もっと長くするから!」
夜半の編み物は、もうしばらく続きそうだった。
* * *
「へー、かがみも編み物始めたんだ」
「始めたって言っても、簡単な手編みを習っただけだけどね」
四人揃ってのいつものお昼休み。つかさが昨夜の編み物について話していて、話題は自然とかがみのことに移っていた。
「で、何編んだの?」
「とりあえずマフラーを」
「へえ。どんなのか見せてよ」
からかうよりも、純粋に興味津々といった様子でこなたがそう言うが、
「まだ初心者なんだから、わざわざ見せるほどのもんじゃないわよ」
出来映えに自信が無いこともあって、かがみは消極的にお断りする。
「そんなの気にしなくていいじゃん。今度かがみんちに行った時にでも見せてよ」
しかしこなたは食い下がる。
「いや、だから……」
何と言えばいいのか、かがみは迷っている。すると、横からつかさが助け船を出した。
「お姉ちゃんのマフラー、初めてなのに凄く上手かったよ。見てもらってもいいんじゃない?」
こなたに(←助け船)。
「ちょっ……つかさ……!」
「師匠(マスター)つかさのお許しも出たことだし、見せてもらってもいいよね?」
「……わ、わかったわよ」
渋々ながら了承するかがみだった。
(まあ、別に見られるだけなら何ともないことだし……黒は私も好きな色だし……つかさに変なこと言わないよう釘を刺しておかないと――)
「あ。ひょっとしてそのマフラー、誰かにあげるつもりだったりした?」
「なっ……」
唐突なこなたの台詞に思考を中断されたかがみは、咄嗟に否定の言葉が出てこず、口をパクパクさせている。
「おや、図星?」
「まあ、そうなんですか? かがみさん」
「ち……違うわよ! そんなわけないでしょ! みゆきまで何言ってんのよ!」
ようやく息を整え、慌てて否定する。
「ふーむ……ムキになって否定するところがますます怪しい」
「だから違うって!」
「じゃあ何でそんなに必死なの?」
「え……?」
「マフラーあげる相手なんて、別に彼氏と限らないじゃん。家族とか友達とか」
「あ……」
かがみ自身が昨日、最初に想像してこなたに言ったことだ。「お父さんに?」と。
「それだけ狼狽するあたり、誰かを意識してたのかねぇ」
「してないわよ! 誰も!」
「じゃあそのマフラー私にちょうだい」
「え……」
かがみの目が点になる。
「かがみの手編みのマフラー、欲しいなぁ」
「ば……馬鹿なこと言ってんじゃないわよ。何であんたにあげなきゃいけないのよ」
「私が欲しいから頼んでるんだよ。かがみが嫌なら仕方ないけど」
「……」
「……だめ?」
俯いたかがみの顔を、こなたが上目遣いに覗き込む。
「……まあ、あげないこともないけど」
「ホントっ!?」
途端に目を輝かせるこなた。犬に喩えればちぎれんばかりに尻尾を振っているところだ。
「その代わり、一つ教えなさいよ」
「何を?」
「あんたも……その……手編みのマフラー、誰かにあげたんでしょ。昨日言ってた。誰にあげたのか――」
「ああ。ゆーちゃんにだよ」
「へ……」
「だからゆーちゃんにあげたの。マフラー」
「……ふーん。そう」
(そっか。そうか、そりゃそうよね……そのへんよね……)
努めて平然とうなずきながら、内心ひたすらホッとしているかがみだった。
「何? ひょっとして私に彼氏がいたんじゃないかとか心配してたの?」
「違うわよ。そんな心配、するだけ無駄だし」
「ほほう。ちゃんと私がかがみ一筋だと分かってくれてたんだ」
「んなっ……!?」
「おかえしに私もかがみに何か編んであげないとね。何がいいかなぁ。かがみ、黒色とか好きだったよね。手芸屋さんで黒の毛糸買っておこっかな」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよこなた! そういう冗談は――」
「あ、色だったら、お姉ちゃんが編んだマフラーもこなちゃんの好きな――」
「つかさは余計なこと言うな――っ!!」
何だかんだで、かがみ手編みのマフラーは、無事にこなたがゲットいたしましたとさ。
「ほう、編み物か。スタンダートに女の子らしい話題で盛り上がっとんな」
「あ、先生」
休み時間。こなた達が編み物談義に花を咲かせているところに、ふと黒井先生が顔を覗かせた。
「先生も編み物するんですか?」
「んー……まあな。ちょっとはな」
黒井先生の言葉には、どことなく含んだ響きがあった。
「もしやかなりの腕前ですか」
こなたが目を光らせると、黒井先生は不敵な笑みを浮かべた。
「ふっ……まあ、この程度のもんや」
そういって先生は持っていた鞄から、一着の毛糸のカーディガンを取り出した。
「こ、これは……!」
こなたをはじめ、四人が瞠目する。言うまでもなく手編み。メチャクチャ手が込んでて、しかも上手だ。一朝一夕で編める物では無い。
何でそんなの持ち歩いてるんだとか野暮な突っ込みは抜きにして、見事な出来映えだった。
「凄いですね、黒井先生」
「はっはっは。褒めるな褒めるな」
「人は見かけによらないってホントですね」
「うぉい」
見かけ云々はさておき、黒井先生の編み物の腕前が相当であるのは確かだ。
「凄いなぁ〜……先生、何か上達のコツとかあるんですか?」
素直に感心しきりのつかさが尋ねる。その後ろで、こなたとかがみとみゆきが何やら小声でやり取りしていた。
(ひょっとして恋人のために練習したとかだったりして)
(まさか……黒井先生って彼氏いないんじゃないの?)
(いやぁ、わかんないよ。ひょっとしたらひょっとするかも……)
(お年を考えれば、泉さんの推測もおかしくはないと思いますよ。誰かのために頑張るということなら、上達も早いかもしれません)
「上達のコツ言うたら、やっぱあれやな」
こなた達のヒソヒソ話には気付かず、黒井先生は人差し指を立てて言った。
「自分が使うために編んでれば、妥協したないし、出来るだけ良いもん作りたい思て頑張れるやん?」
「「「「……」」」」
一瞬。ほんの一瞬、こなた達の間にシベリアのブリザードを超える冷風が通り抜けた。
「そしたら自然と上手くなっていくで。それじゃ、あんたらも精進しいや〜」
カラリとした笑みを浮かべながら、黒井先生はその場を去っていった。
「……私、あそこまで上手くなりたくないな」
ポツリと呟いたこなたの言葉は、四人全員が少なからず胸に抱いた気持ちだった。
いつか、誰かのために編めるようになるといいね、先生。
おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
>>109 ほのぼのGJ!
つかさとこなたに見透かされてるかがみがいちいち可愛すぎるwww
>>108 各々の思惑の行き違いと、ミスリードの上手さに拍手。桜庭先生かわいいよ桜庭先生
つーか……ななこ先生に涙が止まりません……
せめてボビーにでもあげてやって……
>>86 住んでる場所がSSに使われるとなんか嬉しいっすね!
GJっす!
>>86 ネ申 涙が止まりません !
>>109 ほのぼの系SSは大好物ですw 超GJです !
>>111 ( ~゚∀゚~)b<ワタシハ ダイカンゲイデース!!
>>109 GJなのです
黒井センセーはボクがお嫁にもらってあげます
>>109 ほのぼのGJで良かったッス
最後のオマケは切なすぎて涙がでたッス・・・
>>86 素晴らしい作品でした。
学生時代のような、何も考えずにただ楽しいときを過ごせた日々は過ぎたけれど、
オトナになるにつれていろ失っていったけれど、
でも、最後は二人、一緒に居たかった人といられる。
そのストーリーの一つ一つが綺麗な描写で綴られ、読むほどに引き込まれる作品でした。
>>109 で、GJの嵐の次にはまたGJな作品
登場キャラの一人一人の編模様がそれらしくって、
とてもキャラへの愛にあふれたいい作品でした
>>86 感動を通り越して打ちのめされました。10年越しの想いに幸あれ。
>>109 そしてこちらは季節柄クリーンヒット。毛糸が結ぶ絆にGJかつGL。
もう130KBをこえてる件
121 :
18-230:2007/10/21(日) 23:21:36 ID:30nSrQ0p
>>86 GJです
月並みな感想ですみませんが、感動しました
>>109 ほのぼのしてて何だか温かくなりました
GJです〜
こんな素晴らしい作品の後に投下するのは少し緊張しますが……
ちょっと思いついた短編ものです
では以下注意事項
・カップリング無し
・エロ無し
・多分4レスです
・受け付けない方はスルーで
あと携帯からなので文体がおかしいかもしれません
では
「暇だわ……」
ため息混じりにその台詞を言う。
私は今、学校の図書館のカウンターに居る。
はたから見れば図書委員のそれに見えるかもしれない。
それもこれもクラスメイトの
「今日急な用事があるから柊さん代わりにお願いしていい?」
なんていう依頼を請け負ってしまったせいだ。
元々本は好きだし、他人の頼みを断るわけにはいかなかったからその依頼を受けたのだけれど……。
「暇ね……」
現在放課後。
集中して勉強をしたいが為にここに来ている人が殆どで、本を借りに来る人は稀。
つまり実質居ても居なくても関係なさそうな仕事だった。
ここに居る間にラノベを2冊も読んじゃったし。
ふと時計を見れば、閉館時間がすぐそこまで迫っていた。
「私もあんまり安請け合いしないほうがいいのかな……」
誰にも聞こえないような声で呟いた。
と、そのとき
「すみません」
と、目の前から声がした。
「はい。何でしょうか……って」
3冊目にとりかかろうとした顔をあげる。
するとそこに居たのは――なんとこなただった。
思わず絶句する。
「?どうかしましたか?」
しかもまたマンガの影響なのか口調が妙に丁寧だし。
「いや、何でも。で、どうしたの?」
「あ、はい。この本を借りたいんですけれど……」
そう言って差し出されたのは――『野菜の育てかた』という題名の本だった。
「それで、あの、貸し出しカードが無いんですけど……」
恥ずかしそうに申し出るこなた。
その動作まで、普通の人が見たら演技に見えないようなものだった。
こいつをこんな状態にする野菜関係のマンガってなんなのよ……
そんな頭に浮かんだ疑念を振り払う。
「先生は……今はいないわね。しょうがない、メモを残しておくか」
ペン立てに入っていたボールペンを手に取り、手元のメモ用紙紙にペンを走らせる。
「はい、もう大丈夫よ」
「あ……。ありがとうございます。後でちゃんと返しますね」
そう言うとにっこりと笑ってこなたは図書館を出て行った。
――――
「おはようかがみー」
「おーす」
「こなちゃんおはようー」
翌日、いつも通りの挨拶をする私たち。
ついでに昨日のことを聞いてみた。
「で、何の野菜を育てる気なの?植物はか弱いんだから大切にしなさいよね」
「家庭菜園?何のこと?」
「は?とぼけないでよ。昨日図書館に来たでしょうが」
「……かがみ、何の話してるの?」
なんでだろう。成立するはずのこなたとの会話が成り立たない。
「……ちょっと待て。あんた昨日は放課後どうしてた?」
「かがみが図書委員代わりにやってるって聞いたからね。つかさとみゆきさんと3人で帰ったよ」
「じゃあ……昨日図書館には来てないってことよね?」
「からかいには行きたかったけどね〜。ネトゲのほうでイベントがあったし、そっち優先したんだよ」
「だったら……」
だったら昨日図書館に来たこなたは誰だったの……?
自分の顔が青ざめていくのが分かった。
「どしたのかがみ?顔色悪いよ」
「お姉ちゃん……大丈夫?」
心配そうに私の顔を覗き込む二人。
「え……。あ、うん。大丈夫よ大丈夫。さ、急がないと遅刻するわよ」
そんな二人と自分の胸にある疑問を残して、私は正門へ走った。
――――
それからさらに数日後。
朝、私が教室に入ると自分の机の上に少し厚めの本が。
それは、あのこなたに似た人に貸し出したものだった。
そしてその本の上に置かれていた、小さな手紙。
そこには短めに、こんな言葉が記してあった。
『先日はご迷惑をおかけしました。
お陰様で無事に野菜を育てる準備が出来ました。
またこういう機会があれば改めてお礼を申し上げたいと思います。
あと……あの子のこと、よろしくお願いします。
仲良くしてあげて下さいね?
それでは、また。
泉 かなた』
投下終了です
なんかこう、文章書くのってなかなか巧くいかないですね……
努力したいと思います
それでは
>>126 GJでした。それにしても、本を借りに来たのがかなたさんだったとは・゚・(つД`)・゚・
>>126 GJっス
あれ、ちょっと待てよ、
かなたさんが学校に現れたということはつまりかなたさんのセーラー服姿が……
>>126 GJ!!
最初はこなたのドッペルゲンガ―かと思った
季節を先取りして夏の一発ネタを。
2〜3レス貰います。
夏のある日の土曜日。昨日は埼玉県の陸上大会で、私達は公欠をとって大会に臨んだ。
私の成績は惜しくも4位で東関東大会へは行けなくなってしまったが、自己ベストを更新!!
最後の大会とのこともあり、これはこれで良いプレゼントになったかな?
そう、7月20日の金曜日は私の誕生日なのだ。しかし────。
7月21日土曜日。私立は土曜日も授業がある。昼までだけどな。
「あやのー、帰ろうぜ!」
「あら?今日は部活は休みなの?」
「うん、昨日大会だったから今日はゆっくり休む日なんだぜ」
「ごめんね、今日は用事があって、ごめんね」
「う〜〜〜、そっかぁ。しょうがねぇなぁ…」
「柊ぃ〜帰ろうぜ」
「あ、ごめん。今日はつかさとちょっと行くとこあるから」
「ちぇ〜、柊もか。ま、用事あんならしょうがねぇな…」
お、チビっ子発見♪珍しく1人で帰るみたいだぜ。
「おーっす、チビっ子、たまには私と帰ろうぜ」
「あれ、峰岸さんは一緒じゃないの?かがみんもつかさと一緒に帰っちゃったし」
「いやぁ、あやのは用事があるらしいから私一人なんよ」
「ごめんね、私もちょっと行くとこあって。
っていうか、今日みさきちはチャリ通じゃなかったっけ?」
「あ。そだった。無理に頼んで悪ぃなー」
「いやいや。次は一緒に帰ろうね」
「おう」
うー、何でこういう時に限ってみんな忙しいんだ。何かハブられてるみたいで寂しいぜ。
そういや今日は誰にも「おめでとう」と言われてない。私の誕生日だぞ。
私は高校卒業後、『背景』で食っていくしかねぇのかなー。
しゃぁねぇ。家帰ってスパイクシューズの手入れでもすっかー。
>>131の続き。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
「ただいま。母ちゃん、兄貴は?」
「買い物に行って貰ってるわ。みさお、汗凄いわよ。シャワー浴びて流してらっしゃい」
「うん、そうするー」
我が家は3Kの古い団地である。
シャワーを浴びるといっても、我が家のシャワーはバランス釜に付いてるオマケのようなもので、
はっきり言ってシャワーの出は悪い。隣の池沢さん家は新しくしてもらったそうだが、
うちは未だにボロいままだ。せめて風呂場だけはもっとマトモにして欲しいんだぜ。
「ふー、スッキリしたー。兄貴は?」
「そろそろ帰って来る頃かしら?」
「腹減ったぜ。早く帰って来いよ〜」
何か、今日は母ちゃんも冷蔵庫から取り出したばかりの麦茶の様に冷たい。
なんなんだよ〜。
私がガックリしていると、「じー」っとブザーが鳴った。
我が家ではこれが呼び鈴である。何か玄関の外が騒々しい。何事だ?
「はーい」母ちゃんが出る。
「こんにちは、みさちゃん、お誕生日おめでとう」あやのだ。
「お、おめでと…」「おめでとう」柊だ。妹もいる。
「こんちゃー!!みさきち、おめでとー!!」このハイテンションはチビっ子。
「ただいま。みさお、誕生日おめでとう!!」
「兄貴〜〜〜!!」
「うほ、これは素晴らしい兄弟愛」
「何アホな事言ってんのよ」
「さ、上がって上がって。狭くてごめんね」
「改めまして、みさお(/みさちゃん/日下部/日下部さん/みさきち)誕生日おめでとう!!」
みんな、みんな、ありがとう。
日下部みさお、今日から18歳になりました。これからもよろしくおねがいします。
「あらあら、みさちゃん泣いちゃったわ」
「全く。嬉し泣きね」
「何だか嬉しそうだね〜」
「ふんふん、みさきちの新たな萌えを見付けられましたな」
「何アホな事言ってるのよ」
以上です。
ありがとうございました。
(つ∀;)イイハナシダラケダナー
今日も神作品が目白押し。『週刊らき☆すたSS』は伊達じゃない!
さて、ちょっと置いて駄作(マジでorz)を一本投げますね。
つ【
ttp://poya.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/img-box/img20071022003710.jpg】
◆cj23Vc.0u.氏の「DREAMS DREAMS」(まとめWiki収録)に、拙作「あふ☆いや」をくっつけたらこんな絵ができました。
名づけて、『DREAMS DREAMS@あふ☆いや』。おまけのSSは無理矢理仕立てたのでイマイチですorz
勝手な絵描いてすんませんorz>◆cj23Vc.0u.氏
-------------------------------------------------
「いらっしゃいませ〜……あ、ゆきちゃん♪」
「お待たせしました、皆さん」
「みゆき、お疲れ〜」
「ばんわ〜、みゆきさん。……っと、これで全員揃ったかな」
「ちょっと待っててね。今お料理持ってくるから」
「ほらほら、店長!ここは私たちに任せて、はいはいっ」
「え? わ、わ、わ!?」
「はいはいはいっ、グラス回しますよ〜」
「さてと。……それでは不肖、私、柊かがみが乾杯の音頭を取らせていただくわね。
日向こなた原作・『Lucky☆Star2』の全国ロードショー封切りを祝って……かんぱーい!」
「「「「かんぱーーーい!!」」」」
「……っぷぁー!この一杯のために書いてるようなもんだよね♪」
「ふーん、読者の皆様のためではない、と(ニヤニヤ)」
「んなことないよ〜、それはデフォだよデフォ」
「ゆきちゃん、今日も2階は賑やかだったみたいだね」
「ええ。今日は、あの子の最後の診察だったんですよ。……元気になってくれたのはいいのですが、少し元気すぎて……」
「まあ、こっちはあの子のおかげで助かったけどね」
「なにかあったの? お姉ちゃん」
「ちょっとややこしい案件があってね。依頼者の夫婦が事務所でケンカ始めそうになっちゃったんだけど」
「相変わらず大変だねぇ、かがみんトコも」
「ちょうどいいタイミングであの子の声が聞こえてきてさー、肩肘張ってた二人とも拍子抜けよ」
「うふふ、何が幸いするかわかりませんね」
「あ、そうそう。こなた?」
「なに?」
「あんた、このビルの節税対策、何もやってないでしょ」
「あ、あはは、ややこしいやりくりはどーも苦手で」
「やれやれ、そんなこったろうと思ったわ。こんど見てあげるから、書類一式もってうち来なさい」
「わーい♪ありがと、かがみ〜」
「なんだか、宿題見せてもらってた高校の時と変わんないね」
「うぐ、何気に古傷えぐってくるね、つかさ」
「えへへ、冗談だよぅ」
「ま、こうして駅前のビルを格安で貸してくれてる大家さんのためよ」
「みんな持ちつ持たれつだよ。私が頑張れたのだって、みんなのおかげだし」
「私たちの、ですか?」
「うん。いつまでもみんなと一緒にいたいな、って思って頑張ってきたら、夢がかなっちゃったよ」
「それじゃ、このビルって……」
「そそ。最初っからテナント候補は決まってたんだよね」
「あんた、私たちが地元で働くとは限らない、とか全然考えてなかったでしょ」
「思い込んだら試練の道を、行くが男のド根性なんだよ、かがみ〜」
「あんた女だろ」
「おー、メインディッシュのご到着!」
「投げっぱなしかよ!……おー、いつもながら見事なもんね」
「えへへ、ありがと〜。ゆきちゃんの患者さんのお父さんが作ってるお野菜を分けてもらったんだ」
「まあ、そうなんですか」
「診察帰りにうちのお店に来てくれてね、その時にコネができたんだぁ」
「おお、ここでも持ちつ持たれつだったのか」
「ん、ビジネスってそういうもんよ。ちょっとした事から関係が広がって、ギブアンドテイクでうまくやってくのが一番」
「そだね〜。……でわ、いただきま〜っす♪」
すばらしい。
>>133 GJ!
みさお=男説を持ってきて茶化しているところがこなたらしいね
バランス釜のくだり、あるあるw
改装する前の実家の風呂場を思い出しました
なんかもう今日(昨日)すごいな……感動しまくりだ
>>135 四階にちゃんと黒井先生がいるのがイイ
>>133 季節先取りっつーか思い切り遅れてると思うのですがw
みさおはこんなふうに泣いちゃいそうな気がする
>>135 で、こなたは誰と結婚するのですか
やはり同じ階の黒井先生が本命か
あと、さりげなく描かれてるかがみのスリットもいいですね
140 :
7-896:2007/10/22(月) 01:33:33 ID:BbQlSGMb
どうも、7-896です。
イイハナシダラケダナーの空気を読まずに、4日ぶりのネタを行かせてもらいます。
『そういう体質』
今日は4人でお出かけ。
取り敢えず朝の8時集合ということになったのだが、どういうことか……
「あ〜もう、どうしてよぉ!!」
6時にセットしたはずの目覚ましが鳴らず、既に時計の針は9時を指していた。
携帯を見ると、着信履歴が4件、メールが4件もきていた。
もちろんメールの中身は
『かがみどうしたの?』『かがみ返事しろぉ〜』『時間過ぎたよぉ〜』と、こなたからの
萌えるメールだった。
だがしかしだけれども、1つだけおかしなメールが……
『かがみさん、今日は双子座と蠍座の相性が最高らしいです。
結婚式にはお呼びしますね。』
危うく携帯を叩きつけるところだった。
そんなことよりも、早く出かけなくちゃ。こなたに電話するのは移動中でもいいだろう。
寝ているつかさの背中に大量の氷を入れてから、急いで朝食を済ませて家を出る。
つかさがのたうち回りながら私についてきているのを確認した後、こなたに電話すると
少しご機嫌斜めな声で『早く来てね』と言って電話を切ってしまった。
あっちゃー、流石に待たせすぎたか……
怒ってるって感じではなかったけど、後で機嫌とらないと。
「あれ? みゆき?」
待ち合わせの公園に到着すると、なぜかみゆきが公園の入口で中を覗きこみながら
夥しい量の鼻血を出していた。
「みゆき、こんなところで何してるのよ?」
「あ、かがみさんつかささん、おはようございます」
律儀に挨拶をして、頭を下げるみゆき。
頭を上げた拍子に飛んできた鼻血を、紙一重で避ける。
「実は、私も時間に遅れてしまったんです」
「あら、珍しいわね」
てっきり、私達がいない間にこなたに何かしら危害を加えてると思ったのに。
141 :
7-896:2007/10/22(月) 01:34:35 ID:BbQlSGMb
「朝の星座の相性占いのコーナーを見た後、なぜか気絶してしまいまして」
「こなちゃん待ちくたびれてるかなぁ」
思わず見惚れてしまうほどの、華麗なスルーを展開するつかさ。
公園の中に足を踏み入れた途端。リボンが吹き飛び、何かを叫びそうになったみたいだが……
「いけませんつかささん!!」
綺麗な足払いでつかさを転ばせ、絶世の美しさを醸し出す4の地固めをかけるみゆき。
なぜそこまでする必要があるのかはわからない。それにしても美しい4の地固めだ。
「どうしたのよみゆき」
「静かに公園を覗き見てください」
つかさは本当に痛そうだ。声がまともに出ていない。
言われたとおりに、ゆっくりと公園の中を覗き見た。
「!!」
こなたがベンチで、すやすやと寝息をたてていた。
あほ毛のてっぺんと、鼻先にはちょうちょが止まり、隣では猫が丸くなっている。
網膜が焼ききれるかと思った。みゆきが鼻血を垂らしていた理由はこれか……
「あれは……」
「女神ではありませんよ? 間違えてはいけません」
「間違えねーよ」
一瞬妖精かと思ったけど。
遠くから様子を見ていると、上空からすずめが何羽も降りてきた。
こなたの肩に止まったり、足の上で毛づくろいをしたりしている。
散歩途中だったのだろうコギーが、こなたのところにやってきて足に擦り寄っている。
飼い主らしい女性もやってきて、こなたのほっぺに自分のほっぺをすりすりさせている。ちょっと待て。
ともかく、なんだろうこの超平和空間。
もしかして世界中にこなたを設置したら、核兵器問題とかそういう争いごとが、全て解決されるんじゃないだろうか。
そしてそこに、1匹の犬がやってきて、こなたの足を掴み腰を降り始めた。やめろ。代われ。
「妖精ではありませんよ?」
「てかよく起きないわね……」
「マリア様ではありませんよ?」
「……」
「天使……」
「みゆきうるさい」
「申し訳ありません」
――あれ? 私達何しに来たんだっけ?
以上です。
人間以外にも感染するようです。
あれ? ということはチェr(ry
もうむっちゃくちゃですな(褒め言葉)
つかさがすっかりいじられキャラになってんのにワロス
お疲れ様です。
「もうだめだー」(もちろんry
しかし、この三日間でかなりのラッシュですねえ。
もう150kbという素晴らしさ。
らきすたって、ある意味二次創作に向いている世界観と内容ですよね。
ある程度の想像の自由さを内包しているというか…
>>135 GJです。
こなたのペンネーム「日向こなた」がてっきり結婚して日向姓に変わり、
その相手が某芦ノ湖の基地の人だと思った漏れは、
エヴァの観過ぎだと思う重症患者。
>>137 有り難う御座います。
こなたとみさきちは今後良いコンビとなりそうですな。
>>139 細かいことは気にしない方針で(ry
>>141 >1匹の犬がやってきて、こなたの足を掴み腰を降り始めた。やめろ。代われ。
かがみwwwwwww
マジGJでした!w
>>141今ではあなたのこなフェチが人生の癒しになってるんだぜ。そしてうたたねこなたと相変わらずのみゆきにまた癒された。
GJ!!!
とりあえず飼い主さんにはこなたを汚した罰として、みゆきウイルスを注入しときますね〜
>>109 GJ!それぞれがとてもそれぞれらしくっていい感じ。
かがみさん、こなたを意識しすぎですw
先生もどんだけー・・・w
>>126 外見がこなたで口調が穏やか、という時点でもしかして?と思った。
確信を持ったのは借りた本が野菜関係だったこと。
やっぱりどこまでも優しい人だね、かなたさん・・・
>>133 用事と称して内緒で準備進めるみんなが素敵。
やっぱりプレゼントする時は喜んで欲しいよね。
驚いてくれたら渡したほうもうれしいと思う。
GJ!
>>135 やっぱり何年経ってもこの4人はきっと変わらずに付き合っていけるんだろーなー。
そういうのって大事だと思うデス。GJ!
>>141 このシリーズ大好きww
新作読むたびに笑いが止まらないのですwwwww
コギーが来たところまでは普通に可愛い感じだったけど
飼い主が来たところからのカオスっぷりが最高ww
さて、仕事が遅かったせいでこんな時間になってしまい、
まとめて感想書いたので長くなってしまいました。長文申し訳ないです
>>86 途中まではGJの嵐が心の中に吹き荒れてたんだけど、
>>83以降で評価逆転。
5歳の娘がいる母親としては、こなたの行動は最低最悪だ。
かなた(娘)の今後を考えると、この結末はちょっと受け入れられなかった。
ヤッてしまったな
>>148・・
レスしなくてもいいゾ
>>149 いってしまえ
スレのマナーを守れなかったのは無知ゆえの結果
レスする必要などない
>>135 15年経ってもまったく老けていない4人に見惚れたぜ
謎の男「我々はコナスタル・ビーイング。あらゆる戦争行為に対し●ンダムによる介入を開始します」
ガ●ダムの中の人「KF粒子最大散布」
(ほわわ〜)
かくして地上には、ある一人の女の子に過剰反応し、戦争などどうでもよくなっちゃった人々が蔓延したという…
かなたさん×みさきち×こなたせんせ×お昼寝こなた=∞。
各氏各様にGJでございました。
そして
>>152とほぼおんなじことを考えてた俺は、きっとセンチメンタルな乙女座(自爆
ふと思ったが、神SSばかり20スレ以上も投下され続けるスレって…
嘗てあったか!?
まだだ、まだ終わらんよ
>>154 SSスレだけでも複数あって、ここは「レベルが高い」と認識されているせいもあるかと。
かといって、他のスレが駄作揃いかというと、決してそんなことはないんだが。
らき☆すたのSSは、総じて外れが少ない上に異様に多い。オソロシス。
>>144 「ひゅうが」じゃなくて「ひなた」らしい。
「ひなたこなた」、って一人漫才コンビみたいだなw
>>154 あとあんまり荒れないしね、ここ
他は結構粘着がいたりして大変らしいよ
それに空気がいいしね、まったりとしてて投稿がしやすいよ個人的に
>>158 煽りさえシチュエーションコメディSSに仕立ててしまう猛者揃いだからな
伝説の「"まらん"の差し入れ」にはクラクラしたぜw
>>159 確かに『まらん』の流れには感動したなwww
あの時このスレは本当の神スレだと思ったよ…
>>159 「まらん」についてまとめwikiで見てきてみた。
確かにこれは凄いw
この頃このスレに辿り着けなかったのが悔やまれるorz
投下しようと思っていたスレがコピペ荒らしに埋められていたので、こっち先に投下しようと思ってるけど
修羅場、ヤンデレ、(ほのぼの)純愛のなかならどれがいいですか?
>>159 あの発想はなかったww
純愛で…!
胃もたれしそうなんでじゃあほのぼので!
他のも是非次に!
らき☆すたらしい(ほのぼの)純愛を希望します。
こなた「む、ならば私が煽ってしんぜよう」
かがみ「またあんたは余計なことを考える・・・」
こなた「わかってないなあ、煽り荒らしもスレの活発進行の1つなのだよ、
流れを変えることによってまた新たなる方向性を生み出すのだよ」
かがみ「別に流れをいじらなくてもここ十分活発だし、
ネガティブな流れはスレの雰囲気を汚すだけ・・・っておい!こなた!」
こなた「(もうパソコンの前にいてキーボードを叩いている)
犯っちゃった、何〜もかも、ふんふんふん♪」
かがみ「あちゃ・・・書き込んじゃってるし・・・
どれどれ、何書いたのか一応見せてみなさいよ」
ならば自分も(ほのぼの)純愛に一票入れさせてもらおうっ!
XXX :名無しさん@ピンキー:200X/XX/XX(月) XX:XX:XX ID:kONatAIz
>>109 一見不得手を晒すことにより陰で一生懸命やっているかがみんに
思わず萌えたじゃないか!責任とれ! (=ω=.#)
>>126 ミスリードの後にお母さんを出すとは卑怯者め・・・
泣かせようったってそうはいかないぞ(〒ω〒.)
>>133 当人に隠して誕生日パーティーなんて今時古いね。
そんなん私なんかリアルで昔からやってるし、今でもやってるつーの。
いじけたり泣き出したりするみさきちに萌えたけど、
そんなん関係ないかんね。(=ω=.)b
>>135 私がこんなに偉くなってるはずなんかないっ!ウソをかくなっ!
こんなこそばゆい作品は論外だ・・・
人間が大きくなっているみんなに囲まれる私に、
一瞬でも憧れるなんてことありません!(=ω=.#)
>>141 ったく、読むたびにこっぱずかしい気分にさせられるよこのシリーズは。
みんなに怯えさせられるあまり、新たな属性に目覚めそうじゃないか。
責任取れるのか?ああん?(=ω=.#)
かがみ「・・・なあ、こなた」
こなた「(ふんっ!)なんだね?」
かがみ「悪いけど、全然煽りになってないよ・・・」
こなた「ぬおっ!なんですとぉ!?」
かがみ「これってさ・・・煽りっていうより、
単なるツンデレってやつじゃない?」
こなた「・・・あ・・・あれぇ?・・・あるぇ〜?(=ω=.;)」
>>167,169
ちょww仕事はえぇwww
こなたがここ見てるとなると、これは一同一層奮起するってもんですなw
171 :
18-490:2007/10/22(月) 13:23:38 ID:WJ3PpV5y
こんにちわ。
昼飯食い終わって昼寝する前に投下します。
前スレの「冬ごもり」の続きです。
初めてエロ書いたので描写が微妙なのは許してやってください。
タイトル「冬の星座」
こな×かが
エロ有
5スレお借りします。
それより何より、かがみって明らかに手馴れたねらーな件
173 :
冬の星座:2007/10/22(月) 13:25:13 ID:WJ3PpV5y
こなたの体温が触れている衣服から私に伝わってくる。
その熱も、絡まった指も、こなたの吐息でさえも全て愛しく感じてしまう。
「はぁ…んんっ…」
舌の裏を奥から手前へと舐められるとゾクゾクと皮膚全体に電気が走っていく。
「…っは」
「ぁっ」
呼吸をする為、こなたが唇を離す。それは仕方ないことなんだけれど、それすらももどかしくて思わず声が出てしまった。
「かがみ、その顔反則」
離した唇を手で隠すように私の顔を見てこなたが言った。
私はどんな顔しているのだろう?と思ったけど、乱れた呼吸と高まる熱のせいで頭が働かない。
すぅと体に酸素を入れようと大きく息を吸うと、熱を持った口内に冷たい空気が入ってくる。
「こなた…」
その熱を取り戻したくて、キスしたいという意味をこめてこなたの名前を呼ぶ。
「ちょ、まっ、待てよ!」
と、何故かこなたが赤面して首を数回振る。
一応それはキムタクなのか?
「違うって!!!」
「じゃあ、何の物真似なのよ?」
と尋ねると、かがみは何も分かってない、とかなんとかブツブツ言っている。
その言葉とキスをしてくれないこなたに少しカチンときた私は、まだブツブツ言っているこなたの背中に腕を回し、え?という表情のこなたの耳元で囁く。
「今は私の事だけ考えてよ」
と。
自分で言ったにも関わらず、かぁと顔に熱が込み上げてくる。
至近距離のこなたを見上げると
「なっ、なっ…か、かがみ?」
と、いつもの余裕な猫口とは反対に真っ赤になって口をパクパクさせている。
背中に回した手からもこなたの体温が高まるのが分かって、コイツも一応興奮とかするのか、などと変に感心していると…
「さらば、理性。」
とこなたは天井に向かって手を振っていた。
なんだ、ソレ?と言おうとした瞬間、こなたの顔が近付いてくる。
キスされる、と思って反射的に目を瞑ったけれど、唇ではなく首筋に熱いものが触れる感触がした。
ゆっくりに目を開けるとこなたがつつっと顎の下から鎖骨まで唇を這わせていた。
「ん、あっ…」
さっき感じた電気がお腹の下から胸の方に押し上げられる。
絡めていた左手が離れたのを感じると同時に左胸に微電気を感じる。
「ふぁっ…」
胸を触られるという予想外の行動に思わず大きな声を出してしまい、慌てて手で口を塞ぐと「かがみ」とこなたに呼ばれた。
174 :
冬の星座:2007/10/22(月) 13:28:38 ID:WJ3PpV5y
手で口を塞いだまま目だけをこなたの方に向けると少し熱を帯びた顔で口を動かし始めた。
「だ・い・す・き・だ・よ」
音にはならなかったけれど、確かに伝わるこなたからの告白。
こなたの口の動きを理解したと同時にこれ以上ないくらい頭に血がのぼる。直接声に出して言われたわけではないのに、何故こんなに恥かしいのだろう。
ドクンドクンと体自体が心臓になったんじゃないかと思うくらい鼓動が激しい。
こなたは恥かしいさで声を出せない私に微笑んで、私の服のボタンを一つ一つ丁寧に外していく。
「かがみ、ちょっと私にしがみついてて」
と言われたので、こなたの背中に回した腕に力を入れ、こなたに抱き付くようにする。
こなたは腕一本で私の上半身を支え、器用にブラジャーのホックを外した。
「ん、もういいよ」
耳元で囁かれた優しいこなたの言葉。
腕一本で私の上半身を支えているこなたには悪いけど、離れたくはなかった。
ぎゅうと背中に回した腕に力を掛け、こなたと私の隙間を縮めていく。
「甘えん坊かがみ萌え」
相変わらずののほほんとした口調でチャカされるけど、本当の事だから否定はしない。
こなたの首筋に顔を埋めると、ふぁっとシャンプーの匂いがする。
こなたに抱き締められたり、キスする時に感じる私だけが知っている匂い。
もっともっと私だけのこなたを感じたくて耳の裏から首筋へとキスをする。
「んっ、…ほーまだまだ余裕ありますな、かがみんや」
そう呟くと、背中で私を支えていた手を腰の方へと移動させ、中指でつーと背筋をなぞられた。
「…ちょ、こなっ、あははっや、やめ…」
不意打ちのくすぐりに思わず体の力が抜け、私とこなたの間に隙間が出来る。
私を支えていた手を瞬間的に私の後頭部に回して、私の頭が床に当たるのを避けるようにして静かに押し倒された。
「もーなにす…んぁっ」
文句を言い終える前にこなたが私の左胸に触る。
先程の衣服越しとは違うこなたの温かい手が余計に私を感じさせる。
「あっ、んんっ…」
主張している胸の頂点を人差し指と中指で挟みながら私を刺激すると声を抑えることなんて出来なくなってしまう。
お腹の下あたりに微電流が走り、それをどう対処していいのか分からず足を摺り合わせてしまう。
こなたが触っていない方の胸へと顔を埋める。
「んぁ、んっ…あっ」
自分でも分かるくらいに立っている胸の中心部をチロチロ舐められ、口内に含まれる。
175 :
冬の星座:2007/10/22(月) 13:30:21 ID:WJ3PpV5y
もどかしくて、でも辞めてほしくはない刺激を与えられ、こなたの髪の毛に指をからめる。
「ぁん、ふぁ……こ、こなっんっ」
胸を舐められながらも、すぅと下半身に伸ばされるこなたの手の感触を感じ、思わずこなたの名前を呼ぶ。
こなたは胸に顔を埋めていた顔を上げ、そっと微笑んで触れるようなキスをくれる。
『大丈夫だよ』
そう言っているようなキス。
こなたは絶対狡い。
私の抱えていた胸のモヤモヤや不安までも、一瞬で吹き飛ばしてしまう。
私の返事を待っていているかのように止まっているこなたの手。
悩む理由も時間もいらない。
こなたがしたように私から啄むようなキスで答える。
『私も大丈夫』
という意味を込めたキス。
時間にしてみればほんの一瞬のキスだったけど、こなたは心底嬉しそうに微笑んだのでその笑みにつられて私まで嬉しくなる。
もしかしなくても、私達ってバカップルなのかな。
なんて考えていると、こなた止まっていた手が再び動き出していた。
「ひぁっ」
体勢的にギリギリのラインまで捲られていたスカートを更に捲り、下着の上を指でなぞられる。
くちゅと下着が擦れる度、自分がどれだけ濡れているのか分かってしまう。
「あぅ、はぁん…んぁ」
下着を足首の方まで脱がされ直接触られる。
下着越しの感覚と比べ物にならないくらい、背筋に電流が走る。
ぎゅうと何かに耐えるかのようにこなたの腕にしがみつくと、その手をそっと外し、指を絡め、こなたが下の方へと移動し始めた。
その行動の意図を図ろうと、こなたを見る。
そんな私に気付いたのか、私の大事な部分を弄っていた指をペロっと舐めた。
「……っ!!!」
驚きと恥かしさで声が出ない。
そんな私の方をチラチラ見ながら濡れた指を綺麗に舐めあげていく。
おもりを胸に押し込まれたみたく並に胸が苦しい。
だからそんなに血液を循環させなくてもいいってば、私の心臓。
この鼓動の速さと胸の苦しさをどうしていいのか分からずに絡めているこなたの手を強く握る。
仕方ないなぁといったような笑みをして、こなたが私の股に顔を埋めた。
「こな…ひゃ、ちょ、あぁ…んんぁ…」
指を舐めるのと同じように舌で私の濡れている部分をチロチロと舐め始めた。
「やぁ、そこ…あぅ、き…た、な…んぅ、あんっ」
ザラザラした舌の感触が私の理性も躊恥心をガタガタと崩していき、自然に浮いてしまう腰のせいで自分から快感を求めるような体勢になってしまう。
176 :
冬の星座:2007/10/22(月) 13:32:03 ID:WJ3PpV5y
だからそんなに血液を循環させなくてもいいってば、私の心臓。
この鼓動の速さと胸の苦しさをどうしていいのか分からずに絡めているこなたの手を強く握る。
仕方ないなぁといったような笑みをして、こなたが私の股に顔を埋めた。
「こな…ひゃ、ちょ、あぁ…んんぁ…」
指を舐めるのと同じように舌で私の濡れている部分をチロチロと舐め始めた。
「やぁ、そこ…あぅ、き…た、な…んぅ、あんっ」
ザラザラした舌の感触が私の理性も躊恥心をガタガタと崩していき、自然に浮いてしまう腰のせいで自分から快感を求めるような体勢になってしまう。
「ひゃぅっ…」
こなたがある一点を刺激するとびくっと体が浮いた。
「ココ、気持ちいい?」
ふぅ、と息をかけながら尋ねてくる。
敏感なソコは空気の振動にさえもビクビクと震えてしまう。
「あっ、こな…んぁ、もっ…はぅ」
ソコを舌で舐めたり、半噛みされると、奥の方から甘い痺れが伝わってくる。
その正体が分からなくて、こなたの名前を呼ぶと「私もそろそろ限界、かな」と、上体を起こして私の髪を撫でながらキスをくれる。
こなたの口内は私の愛液がついているのか、なんとも言えない味がした。
この舌が私のアソコを舐めていたと思とそれだけで体温が上がる。
こうやってキスして、溶け合って、一つになってしまいたい。
あ、でも一つになったらそれはそれで困るかも…
「かがみ」
「こなた」
いつの間にかGパンと下着を脱いだらしいこなたと向き合い、この世で一番愛しい恋人の名前を呼び合う。
くちゅという水音が聞こえたと同時に私とこなたの局部が触れ合うのを感じる。
舌で舐められた時とはまた違う快感が私を襲う。
「あっ、んんっ…あん、あぁ」
「…ぁっ、くぁ…んぁ」
初めて聞いたこなたの喘ぎ声を堪能する暇もなく、こなたの動かす腰のリズムになんとかついていこうとする私。
やばい、半端なく気持ちいい。
「んんぁ、あぁ…こな…」
「んっ、かが…あぅ、み…」
こなたの腰の動きが速まるのを感じ、それと共に先程感じた、奥の方から快感の渦が込み上げていくのを感じる。
「こな…こなたっ、んはぁ、あぁ…わ、私…もぅ…ぁん」「…う、ん…かがみ、っあ…一緒に、イ、こ…」
こなたが私の耳を半噛みした瞬間、こなたと繋がってる部分が熱くなって、このまま溶けてしまうような感覚に襲われた。
177 :
冬の星座:2007/10/22(月) 13:33:42 ID:WJ3PpV5y
「っあぁぁ、あぅ」
「…くぁっ」
ビクンと体が浮きあがり、達成感と疲労感が同時に湧きあがった。
はぁはぁ、と呼吸が荒いお互いを見て笑いあう。
私の上にこなたが覆い被さるような体勢なので、上手く呼吸ができないけど…まぁいいか。
「かがみはさー」
「…ん?」
私を上から包みこむように抱き締めるながらこなたが言葉を紡ぐ。
「私のどこが好き?」
「……はぁ?!」
「うわっ、傷つく反応だなぁ」
と私の胸に顔を埋める。
何故にこのタイミングで聞くのだろう。
いや、その前に早く答えないと…
「んー」
とこなたの好きなとこを模索しながら上にいるこなたの髪をサラサラと撫でる。
特にケアもしてる気配が微塵もない髪なのに、なんでこんなに綺麗なんだろう。
「エッチ後はベッドでイチャイチャがデフォなのに…」
こなたの髪の毛に夢中だった私を見兼ねてこなたが言った。
「いや、ここ床だし」
そういえば微妙に節々に痛みを感じる、カーペット敷かれてるから寒くはないけど…
こなたは、ピカン、と頭の上の電球が光ったように何かに気付き、私から離れる。
「…?」
その行動が分からない私もとりあえず上半身を上げようとすると…
「よいしょっ、と」
と私の腰と背中に腕を回し、軽々と持ち上げられる。
って、お姫様ダッコ???!!!
物理的法則なんてなんのそので私をベッドまで運び、ゆっくりと寝せる。
「これでよしっ!!!」
ビシッとピースをされるが、お姫様ダッコをされたという驚きが拭えない。
私の横に滑りこみ、ギューと抱き締められ、再びの質問。
「かがみは、私のどこが好きなの?」
ワクテカ、いや、ワクワクした瞳で私を見つめる。
ようやく状況を判断出来るようになった私はそんなこなたを見て、いつしかこなたに薦められて見たアニメキャラクターの台詞を思い出した。
「禁則事項よ」
口に人差し指を添えて、とびきりの笑顔と愛情を込めて、最愛の恋人にそっと囁いた。
178 :
18-490:2007/10/22(月) 13:36:16 ID:WJ3PpV5y
以上です。
エロって難いよ、ママンorz
読んで頂いた皆さん、あじゃとでしたー。
>>178 '`ァ'`ァ(*´д`)'`ァ'`ァ
GJ!
>>178 これから大学なのにおっきしました。
どうしてくれるんですかGJ
かがみくるんGJ!!
>>187 あああああ!もうニヤニヤが止まらないっ!今外なのに!
GJJJ!!
>>178 嗚呼、頬が緩む顔が緩むそこかしこが節操なく緩む。
良いこなかがでした。GJ!
>>178 GJっした、
よかった一人で部室にいてw
>>178 くそぅ!ニヤニヤが止まらないじゃないか!
家に一人でホントよかったよ。家族に見られたらなんて言われるかw
GJッス!
今回分が投下されるって見た時に、
今までの分を保管庫で読み直して来たんだけど、桜吹雪のこなた視点のほうがなかったなぁ…
早めに気付いてよかった。前スレ見れなくなる前に保存できたしー。
>>178 甘甘GJ!
大丈夫、とってもエロかった
すごくニヤニヤした
と、折角のニヤニヤ空気だけど投下します
前スレ
>>61の『鈍感少女』の続きです
全然甘くないから、読み終わった後もう一度
>>178氏の作品を読み直すといいかも
6レス使用します
189 :
親友孝行?:2007/10/22(月) 16:58:09 ID:+N7hBgYr
私は難しい事は分からない。
難しいって分かった瞬間から考える事を放棄するから。
だけど、このモヤモヤは放棄しちゃいけないと思った。
難しくても落ち着かなくても、絶対に。
珍しく今日は柊も一緒に昼食をとる事が出来た。
柊が向こうのクラスに行かずにこっちに来て弁当を出したから確実だ。
チビッコとケンカか? なんて思い聞いてみたところ、チビッコは風邪で欠席らしい。
「でも、柊が向こうのクラスに行く理由って妹がいるからじゃなかったっけ?」
前に、なぜ私達と一緒に食べないのかと尋ねた時の返答は……
柊妹は人見知りが激しいから一緒に食べる……だったと記憶している。
入学から三年たった今となっては人見知りも何もないと思うけど。
いつの間にか向こうのクラスに行く理由がチビッコにすりかわっていたと柊は今気付いたらしい。
だけどそれを認めようとはしなかった。
「つ、つかさにはみゆきがいるからよ。私が向こうに行ったら三人になって奇数になるじゃない」
若干顔を赤くしながら言っても説得力ないんだっぜ。
そもそも顔を赤くする必要性が分からない。
こんな風に柊をからかえる事なんて一ヶ月に一回あるかないかなので、ちょっと調子に乗ってみる。
「でも柊、ここも奇数人数だぞ」
私、あやの、柊と名前を言いながら指差し確認をしてやる。
揚げ足を取られた柊が真っ赤になって「う、ううるさい!」と怒鳴った。
広げた弁当を抱えて向こうのクラスに行こうとしたので慌てて止める。
「ひ、柊ぃ!!行かないでくれよぉ〜!」
折角一緒にいるんだから一緒に話そう。
柊がいたらあやのとの会話のキャッチボールに困る事も少なくなるんだってば。
自分のちょっとした悪戯心でそれをダメにしたくなかった。
柊の袖を掴んで引き止めると「しょうがないやつね……」と苦笑混じりの声と共に柊は弁当を机の上に再び広げた。
「……本当に、峰岸はよくこいつの世話できるわね」
今まで私たちのやり取りを眺めていたあやのに柊が呆れ顔のまま酷いことを言う。
それじゃ私が問題児みたいじゃんか。
「みさちゃん、いい子よ」
その言い方もどうだろう。『子』って。明らかに子ども扱い。
せめて『いい人』とか……いや、でもその言葉もあんまりいい意味で使われないか。
恋人としては無理って意味でいい人止まりの人って言うしな。
つまりあやのにとって私はいい人止まり……?
ん? あれ、何かこーすっごいモヤモヤとした違和感が。
「みさちゃん?」
「やっぱり私はおかしいのか?」
「だ、だからどうしてそういう結論に至るの……?」
何の話? という柊の視線にあやのが気づいて、ちょっと考え込んで事情を説明していた。
すなわち『この頃のみさちゃんはおかしい……って、みさちゃん本人が言っている』と。
実際はこんな直球じゃなくてもうちょっとオブラートに包んでくれたけど。
「日下部が変っていうのは昔からの気がするけどね」
「ひっど!!」
「あはは、ごめんごめん。……じゃあ、悩み事とか?」
ある意味それは近い気がする。
でも私のボキャブラリーは貧困そのものなので、今の状況を1〜10まで伝えれないだろうし。
伝えれたところで相手に分かるかという問題だ。
ふむぅ、とミートボールを味わいながら頬杖をついて考えこむ。
「……確かに日下部がおかしい」
「ひ、柊ちゃん。もっとオブラートに包んで」
「日下部。峰岸に相談したら? 日下部のことになると人一倍心配するんだから」
そんなんじゃ私だって心配になるし、とものすごく小さな声で柊は続けた。
う、おおおおおお!!! 今日はかなり貴重な体験してる気がする!!
叫びたい気持ちは場の空気を読んで抑えた。
「うーん……」
それよりもどうやって相談すべきなんだろうか。
私の勘は『言わないほうがいい』と言っているんだけど悩んでても仕方ないし。
少し遠まわしに聞いてみようか。
『あやのは兄貴と一緒にいて幸せか?』とか。
……それこそ聞いてどうする!! 答え丸分かりじゃん。
えっと、じゃあ『あやのは私と一緒にいて楽しい?』
いや、何か違う? それに何でそう言う事を思ったのかと返されたら答えれない。
だって分からないんだし。
「……私はあやのに苦労かけてないか?」
『え?』
一生懸命ひねり出したセリフに二人が止まる。そして笑った。
かなり真剣だったんだけど。
それが一番聞きたかった事ではないとだけは分かっているけど、ある種間違ってはないだけにちょっと悲しい。
「日下部、今更じゃない。それが嫌なら峰岸はとっくにあんたの保護者を放棄してるわよ」
あ、苦労をかけてるって事は否定しないんだ。
まぁそうだけどさ。
「そうよ、みさちゃん。私が好きでやってるんだから。そう言う事で悩まないで」
今のあやののセリフの一部に私の心の中の何かが反応したけど言葉は出なかった。
少し、ほんの少しだけモヤモヤが軽くなった気がした。
「日下部がそういう事を気にしてたんなら恩返しとかすればいいんじゃない?」
「どんな?」
「それは自分で考えるべきでしょ」
あやのに視線を向けると『気にしなくて良いよ』的な笑みが返ってきた。
でもそんなわけにはいかない。
確かにあやのには昔から苦労やら心配やら色々かけてきたし。
何が良いかなと考えつつ、弁当を食べつつ、三人で話しつつ昼休みは終わった。
結局放課後までなーんにも思いつかなかった。
ぬいぐるみを買おうか、とも思ったけどあやののコレクションは豊富だからダブりそうだし。
そもそも買いに行こうとしたら遠慮されるからすぐに出来る恩返し。
くそう、知恵熱出そうだっぜ。
クラスのやつらはもうほとんど帰ったりしてるけど、数人で話していたりするグループもいる。
「みさちゃん、私たちも帰ろう?」
「うー……」
机に突っ伏したまま顔を上げると、またしても苦笑&心配顔のあやのがいた。
こういう私たちを客観的に見るとしたらやっぱり『子供と保護者』なのか。柊もよく言うし。
そう言えば親に感謝する日があったよな。勤労感謝だっけ?
いや、敬老か? それはじいちゃんばあちゃんだっけ。あー、もういいや!
敬老の日と言えばこれだろ!!
「あやの!! 肩たたきしてやる!」
「え!?」
「いいからいいから、ほら、座って」
椅子から立ち上がって、その自分の席に無理やりあやのを座らせる。
遠慮する暇もあたえずにいると諦めたのか、妙に困ったような薄い笑みを浮かべた。
「ストレッチとかやってるから、結構自信あるんだよなー」
一、二年の時は先輩にマッサージを頼まれた事もあるし。
ちょっとした特技かもしれない。
あやのの髪は長いので、分けて前に流してもらう。叩いてる時に髪を引っ張ったりしたら痛いし。
「あやの、ちょっと髪を前に流してくれ」
「こう?」
両手を後ろ髪に伸ばし左右に分けて前に流す。
普段は隠れて見えないうなじの細さと白さに驚いたのか何なのかは分からないが一瞬心臓が派手に動いた。
なんだ、今の?
「みさちゃん?」
「お、ぉお? んじゃ始めっぞ」
ゴホンと無駄に咳払いをして制服の上から肩の硬さを確かめる。
制服の襟の部分があるから正確な硬さが分からない。でも脱がすわけにもいかないのでそのまま続行。
首、肩、肩甲骨の側面などを親指で押していく。
「結構肩こってるぞ? 特に右側。頭痛とかしてないか?」
「時々ツキンと来る時はあるけど……そんなに酷くないよ」
「ダメダメ、油断してると一気に四十肩になるぞ」
寝起きに普通に伸びをしようと手を上げたときに肩がつった人物を知っている。
というより、私の兄貴。
あれは四十肩というよりただミネラル足りてなかったというか運が足りてなかったというか。
「もしかして右肩を下にして寝てない?」
「えっと……うん、そうかも」
「だから血流悪くなってるのか……? たまには左向きで寝てみたほうがいいって」
「でもいつもと違う向きって寝にくくない?」
「そうかー?」
私は結構どんな体勢でも寝れる派だからあんまり気にしてない。
あやのの首の筋肉に沿って親指で押していきながら会話を進める。
「痛かったら言ってくれよ」
「うん。だいじょうっ……ん、大丈夫」
ちょっと痛かったっぽいけど「ごめん」と言葉が出なかった。
全然違う方に思考が飛んでたからだけど、むしろその方向に思考が飛んだことを謝りたい。
って、そもそも何で「何か色っぽい声だな」とか思っちゃったんだろ。
「ありがと、みさちゃん」
「……あい」
十分かそこらで肩叩きを終えて、やっぱり肩がこってたから楽になったのかあやのは笑顔だった。
反面私は素直に喜べない。
肩叩き中に何度も別の方向に思考が飛んでしまってその度に妙に自己嫌悪。
恩返しになってない気もしてきた。
カバンを持って昇降口まで歩きながら、私は風呂上りに軽く自分で肩を揉んだ方がいいとかアドバイスしていた。
靴を取り出し上靴を入れる。その動作をあやのもしていると思ったら、あやのは止まっていた。
私の隣で、こっちを真剣に見ながら。
「苦労かけてるとか、思わなくていいんだよ?」
「へ?」
「私はみさちゃんの事好きだし、苦労かけられてるなんて思ってないから」
また、だ。
あやののセリフに私の中の何かが騒いでる。うるさい位に、今まで以上に。
色んな感情の塊がガヤガヤと騒いでいて、それが大きすぎて一つ一つが理解できない。
理解しようと考える事に集中した所為で入れる途中だった上靴が片方落っこちた。
あやのがそれを拾おうとして屈む。髪が流れてさっきまで触れていた首筋が見えた。
心臓も、感情の塊もうるさい。無性に叫びたくなる。でもいったい何を?
「……その『好き』ってどういう意味?」
暗く、細く、重い、私らしくない声が昇降口に流れる。
あやのは上靴を拾ってくれているから表情は見えない。
感情の塊の一つが……多分『嫉妬』と呼ばれる感情が一番騒いでる。
「友達として? 親友として? それとも」
兄貴の――恋人の妹として?
これは言ったらいけないと、今更理性がフル活動をし始めた。
でも言ってしまった言葉は元に戻らない。
あやのが上靴を拾って立ち上がる。その表情を見て……いや、見る前から分かって怖がっていた。
だから一歩後ろに下がってしまった。
確実に言える。
今あやのは、猛烈に怒っていると。
でもどうしてかは分からない。
私がアホな事を言ったからだろうけど、それは少し違うと勘が言っている。
「……みさちゃんは、どう言ってほしいの?」
細く、暗く、重い、あやのらしくない声が昇降口に流れた。
以上です
うわ、非エロでみさお→あやのだって宣言す忘れた
ごめん
このスレって批判的なレスは一切ダメなんかね……?
>>86のような作風は好きだし、表現も巧いし、でもそれだけにあの展開はいくらなんでも
人間的にダメ過ぎだろうってことでレスしただけだったんだ。
父親を喜ばせるためだけに産んだって、娘は道具かよ……ってことでね。
自分でもココとこなかがスレに何本か投下してるだけに尚更。
これからは気に入った作品にGJレスだけつけることにするよ。
荒らしてゴメンナサイ、このレスもスルーで。
>>195 GJでした。
バカっぽいながらも真剣に悩むみさおがええ。
そして、やっぱりツンデレなかがみもよしです。
自分もみさお書いてるんだけれどもこうはうまく書けないなぁ……
これからの展開に期待大です
>>196 自分はあの書き込みを見て、「ああ、そっか、確かにそうかもなぁ」と納得してしまった。
それで一本小ネタ書けないかと模索中……
ただ、物書きさんなんてメンタル的に弱い人も多いわけで、
人によってはヘタに批判書いてヘソ曲げられるとなぁ……ってのも。
あ、自分に対しては批判O.Kなんですが
>>196 一切ということはないと思われ。貴方の意見自体は筋が通っている。
俺個人の意見なのでチラ裏と思って読んでほしいが、「最低最悪」と断罪したのは
ちょっとまずかったかな、と思える。
クッションとして良かった所をほめてから本題を書くとか、表現を「個人的には
どうかと思う」程度に丸めてみるとか、工夫次第で場を荒らさずに批判できる方法は
あるんじゃないかという希ガス。駄文失礼。
GJ
みさおメインって少ないから、みさお好きな自分にはたまらんです!
201 :
16-187:2007/10/22(月) 18:56:06 ID:IL+8GSMB
職場から失礼。スルーすべきだとは思うんですが、流石にちょっと見過ごせないので。
作者の言い訳は見苦しいものですけど。
>>148 >>196 148を読んだときは主に離婚という選択についてだと思ったんですけど、子どもを作った理由についてだったでしょうか。
あの辺りは、かがみとでは子どもがいる家庭を作れないからそういう選択をしたということで、殊更残酷な意図を描こうとしたつもりじゃなかったので、少し驚きました。
子どもを産むことにそんなに崇高な理由が必要だとは思ってません。もちろん産んだ子どもに愛情を注ぐかどうかは別です。
離婚とその後の行為については確かに批判に値するもので、特にかたなちゃんのことを第一と考えると、最低といわれても仕方ないと思います。その点異論はないです。ある意味そう書いてます。
しかし確かにかなたちゃんにたいする視線がなさすぎて、愛情を注がれていないように読めますね……。これは反省点です。
で、この話は実は、こなた視点でみると『自分が同性愛者と気づかないまま異性と結婚してしまった女の悲劇』です。百合という言葉でごまかさないで、レスビアンとして正面からこなかがを書いてみたかったのが動機です。
あと、憲法二十四条から〜というくだりがあるのですが、これは日本で同性婚が禁じられている根拠になる条文です。憲法改正がたやすくなった結果、同性婚が可能になった未来の話として書きました。
わたし自身、フェミニズムやLGBTの取り組みなど色々読んだりしているのですけど、政治的になりすぎてSSの趣旨がぼけるのを嫌ったのと、『この後』を読者の想像に委ねるために、あえてはっきりと言い切らなかったのがこの二点です。
この後二人は結婚して、法的に認められた真っ当な家族として、三人で世間と戦いながら生きていくはずです。それは今までより一層辛く、そして桁違いにすばらしい日々になるはずです。
書く予定は全くなかったし、オリキャラが中心になるのはあれだと思うのですが、次の作品でそれを証明したいと思います。
あと、自分に関して言えば、真っ当な批判は大歓迎です。一応大志がありますしね。いや、いわれたら凹みますけど…。
取り合えず携帯からでも改行に気をつけることは心がけてくれ
批判するときはちゃんとどこがどう受け入れられないのか書くべきだね
ってあんま引っ張ると投下しにくくなるか
以下マターリどうぞ
>>202 う、これはひどい、気をつけます……
以下マターリどうぞ
205 :
ぶーわ:2007/10/22(月) 19:39:51 ID:PW3+nOzp
ども、空気詠み人知らずぶーわです。
空気読まないで「人として袖が触れている」の続き投下しますね
このスレも21ですね、すげぇや!
ちなみに前回のタイトルの遁走曲はフーガって読みます。今回は哀歌でキリエ。
懐かしい匂いがするって思った人はきっと、鬼ダチ(友達の最上級)になれると思うよ!
↓8レス拝借します。
―これが夢じゃないはずがない。
―これは夢に決まってる。
彼女は一枚目の手紙を破り捨てます。
愚かな彼女。
一度手放したヒントは、簡単にはその手には戻ってこないのに。
だって、『少女』がそれを握りつぶしてしまうから。
それでも神は手紙を送ります。
いつか彼女が信じてくれると、希望を抱いて。
オホン、と蔀戸の前で咳払いをする。
この時代の声のかけ方だと思ってくれればいい。
「かがみかい?」
それに気がつき、中から部屋の主……おじさんの声が聞こえる。
「文使いが文を持ってまいりました」
「うん、そうか」
おじさんが姿を現し、日下部から受け取った文を手渡す。
「おお、恋文じゃないか……こなたに」
おじさんの顔から笑顔がこぼれる。
恋文なのは私にも分かっていた。
綺麗な柳の枝にくくりつけられた文は、恋文の証。
この家にそれを受け取る人物は、一人娘のこなたしか居ない。
だがすぐにこなたの下に行くわけではなく、おじさんが目を通してから、という決まりがある。
多分、日下部が宮廷の文使いから奪ってきたのかしらね。
じゃあ結構身分の高い人からとか?
誰だろ、そんな奇特な人は……。
「ええと、差出人は……と」
文を開き眼を滑らせるおじさん。
「……」
「?」
だが少し、おじさんの様子が変わる。
笑顔が強張り、手が震えだす。
「……なた、を」
「へっ?」
そして、何かをつぶやく。
「こなたを……呼んできなさいっ! はやくっ!」
「え、ええと……」
突然慌て始めるおじさん。
体の私はモチロン、上澄みの私だって意味が分からない。
「お、おおっ、おおお」
「お?」
「おそ、恐れ多くもこの文は……東宮、春宮様からの恋文だっ!」
……。
一瞬で……世界が固まった。
>>201 うん、まあ、なんだ。
気にせず次回も良作お願いします。
俺としては、あなたの作品は歴代SSの中でも上位に来るくらい良い出来だった。
ところで貴方は法律の知識があるようだが、そういった職業の方なのかな? 親近感がw
寝殿には、重い空気が流れていた。
困り顔のおじさんにかなたさん。
つかさや、顔も見えないけど私も多分同じような顔してるに違いない。
こなたはちなみに、他人事のような顔だけどね。
……というか、まだ状況を理解出来てないって所ねあれは。
「いいかい、こなた。これは大変なことなんだよ?」
「へぇ」
その重要さを先程からおじさんが熱弁してるわけだけど、まるで聞いてないわけで。
「恐れ多くもお前は春宮……次代の帝に求婚されたんだぞ!?」
声を荒げるおじさん。
おじさんがこれ程慌てているのには、訳があった。
それを先程からこなたに何度も説明してるわけ。
この平安の世界には、『鎖』がある。
目には見えない……『身分』という鎖。
生まれつきに強制的に決まる、解けない鎖。
それがこの平安の世界の……貴族社会の、掟。
「あぁ、内大臣への出世も決まったという矢先になんという」
胃が痛いのか、いつもの嗚咽も威力が違う。
かなたさんもそれを支えるように寄り添う。
「しっかりして、そう君……きっと大丈夫よ」
「しかしかなた……これは大納言家の浮沈に関わるんだぞ?」
これがもし、他の家なら大喜びものだろう。
なにせ自分の娘が春宮の、次期帝の北の方に選ばれたようなものなのだから。
北の方とは、正室の妻のこと……正妻は女御(にょうご)の中から選ばれる。
女御とはつまり、身分の高い妻ね。ちなみに低いのは更衣(こうい)。
この頃は一夫多妻制だから、他にも奥さんが一杯作れるわけ。
身分の高い女性から、低い女性まで……私もその一人に選ばれそうになったと思うと気が遠くなるな。
こなたはおじさんが大納言なんだから、女御の資格は十分。
しかもまだ春宮にはまだ結婚の話は聞かないし。
つまり入内して、もし日下部が譲位なんかした日にはもう。
こなたが……中宮(ちゅうぐう:天皇の正妻)ってわけ。
ああやばい、日本の行く末まで不安になってきた。
まぁ……それはいい。
それは私とはまた、別の問題だ。
ここで問題なのは……文を受け取ったのはこなた、ということ。
「いーじゃん、断れば」
「そういう問題じゃない!」
と、おじさんの一喝が飛ぶ。
「そう君」
「ん……っとと」
かなたさんに収められ、一度咳払いし落ち着くおじさん。
「いいかいこなた、これは政治的な問題なんだ……断りなどしてみろ。我が大納言家は失脚だ」
それが、所謂貴族社会。
身分が上のものに逆らうことは、そういう事。
謀反人の烙印を押され、官位は剥奪される。
その累は親類縁者に及び、一門の失脚もありえるわけだ。
私の時みたく、直接手渡しなら良かったのにね。
それならいくらでも誤魔化せたのに。
「あぁ、大体何故春宮がうちのこなたを……何か関係でもあるのか?」
「知らないよっ。そんな人会ったことないもん」
……先程から顔面に鞠を無限ループさせていたとは、あえて言うまい。
まぁこの時代は女性はほとんど顔は見せないものだから、噂を聞きつけて求婚するってのも普通にあった。
しかし、これはどういうことだろう。
日下部から、こなたに恋文? 何故? どうして?
まさか、遊んであげてるうちにこなたに情が入ったとか?
そりゃまぁ、節操のない辺りが日下部らしいけど。
「ともかく、これは大問題だ。慎重かつ速やかに……」
「あー、もういいよ。面倒くさい」
と、そこでこなたがおじさんの言葉を遮る。
「だっ、だからこなた。これはそういう……」
「断らなければいいんでしょ? いいよ、受けるよ私」
「へっ?」
その言葉に、その部屋に居た全員が固まる。
「それで話はおしまい、でしょ?」
と、面倒そうに立ち上がると対屋を出て行くこなた。
誰もそれを追いかける事も出来ない。
「つかさ、返歌書くの手伝ってよ」
「えっ、あ……うん」
思わず素で返事をしてから、慌てて立ち上がるつかさ。
二人が対屋を去った後も、まだおじさんは放心してるし。
私の体のほうもちなみに……まだ放心してる。
よほどショックだったみたい。
「……なぁ、かなた」
ため息を漏らすおじさん。
その表情は、暗かった。
「なぁに? そう君」
「俺は……間違ってたのかな?」
落ち込んでいる様子のおじさん。
かなたさんも、かける言葉に迷っている。
「こなたには普通の殿方と結婚して、普通の幸せを掴んで欲しかったのに……まさか春宮に入内(じゅだい)だなんて」
もうすっかり聞きなれたおじさんの嗚咽が始まる。
入内とは結婚、ひいては後宮にあがることを指す。
後宮がどんなところかって? 知ってるでしょ、源氏物語ぐらい。
まぁそうね……簡単に言うと、女の園よ。
妬み、嫉みの愛憎渦巻く……っと、さすがにそれは失礼か。
でもまぁ、正妻と第二、第三の妻の激しい夫争いみたいなのだと考えればいいわ。
皆自分と帝の子供を次期帝にしたいわけだからね……ああ恐ろしい。
男の嫉妬も醜いけど、女の嫉妬は目も当てられないからね。
「ええ、知ってますよ。だからいつも口喧しく言ってたんでしょう?」
「……ああ、こなたには嫌われてしまったがね」
かなたさんに慰められるおじさん。
そのおじさんが流す涙は、こなたへのもの。
……少し私は誤解してたのかもしれない。
おじさんは、邪険にしてるようでちゃんとこなたを溺愛してるじゃないか。
それを上手く表に出せないだけ。
その理由は……分かんないけど。
まぁいいか、それくらいの齟齬は許容範囲内でしょ。
おじさんも『同じ』っと。
……ん? 何か心に引っかかる。
何だろ、この違和感は。
たまにあるのよね、これ。
「かがみ」
「……」
「かがみ?」
「あっ……は、はいっ」
かなたさんに声をかけられ、ようやく反応する私の体。
まだ放心してたのかこいつ。
「こなたをお願いしますね……あの子もきっと、辛いはずですから」
「あ……」
そうだ。
突然の事態に忘れてた。
一番……傷ついてるはずの少女を。
―見つからない。
―見つけられない。
―違うものなんてない。
―失くしたものなんてない。
二枚目の手紙は、彼女を苦しめます。
彼女は嘆きます。
永遠にこの世界に囚われるのだと、涙を流します。
それを見て、『少女』は喜びます。
―これは罰。
―これは償い。
―これは禊。
そう少女が嘲笑います。
その少女の姿を見て、神はまた嘆きます。
それでも諦めるわけにはいきません。
期限は刻一刻と迫っているのです。
「こなた……入るわよ」
「あ、かがみ」
戸を開けると、いつもの笑顔がそこにあった。
憎らしいぐらい、いつもの笑顔。
「ほら見てよっ、いいの書けたんだっ」
「え、ええ……」
渡された文には、こなたの字が並んでいた。
でもそれを受け取っても、目を通すことはない。
「ねぇこなた、いいの? 求愛の返歌を書くってことは……」
「うん、分かってるよ」
部屋にはもう一人居た。
一緒に部屋を出て行ったつかさだ。
そうよね……つかさも同じ事を聞いたに決まってる。
求愛の返歌。
つまり「結婚してもいいですよ」と、返事をするわけで。
「だって断ったら、父さま大変なんでしょ?」
「そう……だけど」
「なら、いいんだ。父さまの力になれるなら」
もう一度笑顔を見せるこなた。
でも伝わってくる。
彼女の……強がりが。
本当、意地っ張りなんだから。
こなたも、おじさんと同じだ。
おじさんの事が好きなのに、それを上手く伝えられない。
だから、こんな不器用な形になってしまう。
そう、こなたも同……ん?
おじさんの時にも感じた違和感が、また顔を出す。
だからなんなのよ、さっきから!
「入内は……いつ頃かな」
窓から少し、遠い目で外を見るこなた。
少し陽も落ち始め、空も陰って来ている。
「正式な婚約状がすぐにでも届いて、それに返事をしたら……すぐだよ」
「……そっか」
つかさが返事をする。
男性が求愛の文を送り、女性がそれに求愛の返歌をする。
あとは早いもので、陰陽道(おんようどう:平安時代の占い)でまずは日にちを決める。
それまでに道具を新調したり、日程を合わせたり。
そして男性は三日間女性の下に通い、まぁ色々するわけよ……情事を。
それで三日目に三日夜の餅を食べあって、露顕(ところあらわし:披露宴のこと)をすれば……晴れて夫婦ってわけね。
だからそうね、早くて一週間から十日程度ってところかしら。
「今までありがとね。二人とも」
「こな……ちゃん」
こなたが頭を下げる。その言葉につかさがとうとう泣き出し、こなたに泣き付く。
「ごめんね、つかさ。いっつも稽古逃げ出してさ」
「うぇ……ひっ、く。ぅぅうう」
泣きじゃくるつかさ。それをあやす様に頭を撫でるこなた。
「かがみも、一杯迷惑かけちゃったね」
「……」
こなたがつかさを撫でながら、私を見る。まぁ……仕方がないわよね。
断ったら、大変なことになるんだから。その辺ぐらい、私の体だって分かって……。
「……や」
「えっ……」
「そんなの……嫌っ!」
声が、こなたの部屋に響いた。
聞き覚えのある声は、他の誰でもない……私のものだ。
その言葉とともに溢れた涙が、私の視界を歪めた。
「か……がみ?」
こなたが目を見開いている。
いつも生真面目に仕事をこなす私。怒りっぽい私、厳格な私。
その中のどれにも……こんな泣き叫んだ私は、居ない。
そうだ……私は好きだったんだ。狂おしいほどに……ただ、こなたが。
「……っ」
「あっ、か、かがみっ!」
こなたの制止も聞かずに、私の体は踵を返す。
まだ涙は止まらない。
その泣き顔を、こなたに見られたくなかったのかもしれない。
そのまま、部屋を飛び出し……ただ、逃げた。ただ走って……涙を零した。
「みぎゃぁ!」
駆け出した私が次に止まったのは、何かにぶつかった時だった。
矢のような勢いで突っ込んだ私の視界に広がったのは、ラベンダー畑。
……だったら良かったんだけど、生憎ただの紫。小憎らしい……紫の束帯。
「か、かがみ?」
「……」
涙で歪んだ視界に映るのは、夕焼けに光る八重歯。
こいつ……まだ居たんだ。
今回の事件の発端……春宮様だよ! 不人気やーい!
「えっ、あ……」
私の泣き顔に気がついたのか、慌てる日下部。
そのまま逃げようとした私の手を掴む。今度は……逃がしてくれないみたい。
「離し……て」
泣き顔を見られたくないのか、顔を日下部から背ける私。
まぁ、もう見られてるわけだけど。
「は、離せってなぁ……」
「いいから離してっ!」
それでも日下部の手は離れない。
ああもうっ、少しくらい人のことを……。
「お、落ち着けってほらっ」
「あ……」
その時だ。
暖かい何かが私を包む。
その懐かしい感触は、つい最近味わったのと同じ。
日下部の……抱擁。
それにとうとう耐えられなくなり、私の体が日下部に預けられる。
「んなっ、お、おいっ!」
もちろん、日下部も真っ赤に。
一応二度目のはずだが……さすがに最初の時のようにはいかないらしい。
まぁともかく、泣き喚いたわけよ。
日下部の腕の中で、みっともなく。
わ、私が。じゃないわよ! 私の体が、だからね!
どれくらい泣き続けただろう、日下部の腕の中で。
気がついたときには私の部屋で……空には月が出ていた。
日下部が連れてきたのか、まぁ外じゃあ人目につくわよね。
「あ……と、ごめん」
窓から指す月光が、私の時間だと教えてくれる。とりあえず日下部から離れ、涙を拭く。
私が流したものでないとはいえ、少し恥ずかしい。
「もう……大丈夫か?」
「ん、まぁね。ありがと」
一応お礼を言っておく。ずっと何も言わず慰めててくれたわけだしね。
「……あっ、とと、も、もう暗くなっちゃったか。そろそろ帰らなきゃ」
空気に耐えられなくなったのか、慌てて立ち上がる日下部。
「ごめん……引き止めちゃって」
「いいっていいって、まぁその……役得ってことで」
頬を染め、照れる日下部。
そういや……文、くれたんだっけ。まぁ、貰わなかったわけだけど。
その女性に泣きつかれたんだから、悪い気は……。
ん? はて、何か忘れてる。
そうだ、何で私が泣いてたかってこと!
「ちょ、ちょっと待って!」
「ん? どーか……みぎゃぁっ!」
出て行こうとしていた日下部の襟首を掴み、もう一度部屋に引きずり込む。
「あんた、あれ……あの文は何よ!」
「文? んああ、ちびっ子の?」
と、呆けた顔で言いやがった!
「あー、まー何つーの? いい加減正室作って身を固めろって五月蝿くてさー」
「それで、なんでこなたなのよ!」
「いや別に、知り合い見回したら結婚してないのちびっ子ぐらいだったから」
うう、この短絡っぷり……まるで進歩なしかよ!
はぁ……でも裏は取れた。
どうやら本気らしい。
残念だったわね、私の体。
これでこなたとは、お別れ。
まぁ永遠にってわけじゃないからいいでしょ?
後宮に押し込められたって、別に外出できないわけじゃない。
時間を見つけて遊びに来るぐらいは多分、出来るはず。
……あくまで多分ね。
「ってゆーかこなたはあんたが春宮って知らないじゃない」
「あーまぁほら、驚くちびっ子の顔でも楽しみにしとこっかなー」
とケラケラ笑う日下部。
そりゃ驚くわよ、まさか散々酷い扱いしてた雑色のもとに嫁ぐなんて!
「ん? ……あー、もしかして泣いてたのって?」
そこまで来て、ようやく日下部が気がつく。遅ぇーよ!
「まぁ……そんなとこ」
「あはは、なんだ。意外と寂しがり屋なんだなー」
と、悪戯に笑い私の頭を撫でる。
悪かったな!
てゆーか私じゃないし!
私の体よ、体!
そりゃ、私も驚いたわよ。
あんななりふり構わず泣き叫ぶなんて。
そんなの全然、私らしくない。
そうよ、私は上澄み。
私の体とは、『違う』!
……。
ん?
『違うものを恐れてはいけません』
あ、あれ?
『それは貴方に鍵を与えてくれるでしょう』
あれ、あれ?
あれれ??
『こなたが好き? 馬鹿ね、相手は女の子じゃない』
『私もそりゃ嫌いじゃない。
好きではあるけど……さすがに愛だの恋だのって感情じゃない』
『狂おしいほどに、ただ……好きなんだ』
『かがみはむしろもっとロマンチックじゃね?』
ちょ、ちょっと待って。
一瞬で大量に頭の中に情報が入ってくる……最後のはなんだ最後のは!
こなたはおじさんの事が好きだった。
おじさんもこなたの事が好きだった。
結局、『同じ』じゃないか。
じゃあ、考えから省こう。そうしろってのが三枚目の手紙よね。
そしたら残るのは、何? もっとも違うものは、何?
……そう、もう何も残ってないはずだった。
ある一つを除いて。
どうして忘れていたんだろう。
どうして気がつかなかったんだろう。
答えは最初から……突きつけられていたのに。
『私はいわば、上澄み』
そう、上澄み。
まるで水と油。
その二つは、決して混ざり合うことはない。
だって。
だって――『違う』のだから。
見つけた。
ようやく見つけた。
……見つけてしまった。
違うものは……『私』だ。
―きっと彼女は気づいてくれる。
神はそう信じます。
―気づくはずがない、あいつには。
少女は嘲笑います。
―きっと彼女は見つけてくれる。
神はそう祈ります。
―見つけられるはずがない、あの曇った眼では。
少女はそう蔑みます。
二つの思いが交錯し、運命という名の渦を作ります。
その運命に巻き込まれたのは、愚かな彼女。哀れな彼女。
しかし彼女は立ち上がります。
運命に抗うと、心に決めたのです。
そんな彼女に三枚目の手紙は『最後の』ヒントを与えます。
そして彼女はとうとう手にしたのです。
全てを開く、『鍵』を。
「はぁ、っはぁ……」
口から荒い息が漏れる。
私の部屋から全速力で走ったんだ、それくらい当然だろう。
しかもこんな遠くまで、ね。
日下部は置いてきちゃったけど、まぁいいわね。どうせ勝手に帰るでしょ。
そして息を整え、一度咳払いをする。
「……誰?」
それに反応して中から声が聞こえる。
私の動悸が一層激しくなるのは、走った所為だけじゃない。
開く扉がまるで、スローモーションに感じられる。
私は今から、対峙する。
それが『誰』で、『何』なのかはまだ私には分らない。
でもそれは、今まで理不尽に感じ続けてきた……『違和感』の正体だ。
私はいままで、二種類の違和感に駆り立てられていた
こっちの世界でつかさや日下部に初めて出会ったとき感じた違和感。
つまり私が直観的に感じた違和感ね、服装だったり性別だったり。
そして、もう一つあったでしょ?
そう、時たま顔を表す……あの不条理な違和感。
今日だって、何回もあったわよね? 原因の分からないのが。
そう……その後者こそ、私が求め続けたもの。
私の体――『違う』私が与えてくれた、『鍵』だったんだ。
それは私の推理……でも、確信だ。
そうだ、と本能がそう教えてくれる。
今から出会う彼女……いや、もうそれが本当に本人かすら今は分らない。
でも彼女こそが、その『鍵』が導いた一つの答え。
思い返してみれば簡単なはずよ。
その不条理で理不尽な違和感が……『どんな時』に首を出すのか、ってね。
「あ、と……」
「?」
慌てる私の前で、目の前に居る人物が首を傾げる。
こんな夜に押し掛けたんだ、驚いて当然だ。
さぁ、言え。
言うんだ。
決めたじゃないか、諦めないって。
その為には何だってしてやるって!
「あ、貴方は」
声が震え、裏返る。
心臓が破裂しそうなくらいに脈打っている。
落ちつけ……クールになれ私!
これはきっと、トリル。
運命への……反撃の顫動音なんだ!
「貴方は……誰?」
「……」
その言葉が辺りを静める。
そしてゆっくりと……。
まるでそう、全てを見通す神のように。
慈愛の笑みを浮かべた。
(続)
215 :
ぶーわ:2007/10/22(月) 19:55:17 ID:PW3+nOzp
続きます。
そろそろ、終わりそうですね。
お付き合いくださるかたがた、どうもです!
>>215 ついに近づいてきましたね、終焉が。
今回のでひとつ疑問が消えたと思ったら、また疑問が。
自分の頭の中には『誰か』が2種類あるのですが・・・・・・
ここまできたら、最後まで付き合いますよ。
ともかく、GJです。
>>196 たしかに正論ではあるが、離婚しないのがいいことだとは一概にはいえないと思う
子供にとっちゃ仮面なのにずっと夫婦でいられるのも結構嫌なもんだし
まあ、先々それで娘が許せんと思って父親のとこいっちまっても自業自得だろうし、別にいいんじゃね?
>>215 GJ!
あー、『違う』ってそれだったか!……全然気づかなかったorz
自分元々ミステリ読みだったのになぁ。
>>『かがみはむしろもっとロマンチックじゃね?』
には笑った。
>>207 ありがとうございます、凄く嬉しい。
法律に関しては、自分は全然門外漢で、必要だと思ったら調べてるだけです。
色々間違いとかあったらお恥ずかしいです。地元の人もいたし……。
>>201 >>148の言いたいこともわかるが、俺は親のために子供産むなんてよくあることだと思うな。
その後どうするかはまた別だが。
結局離婚しちゃうのとか、そういう上手くいかないところがリアリティあると思うから俺は好きです。
>>215 長編GJ
続きwktk
こなた「ここでガートルード・スタインの言葉をひっぱると」
かがみ「何よいきなり、てか誰だよ」
こなた「『新しく生き生きした芸術は必ず人を苛立たせます。
苛立たせるのをやめて、快いものになってしまったら、
その作品は、もうおしまいです』」
かがみ「絶対みゆきからの引用だろそれ、てかさり気に爆弾投下だぞそれ」
こなた「まあこんな言葉くらい極端なものでなくても、
常に物書きってもんは平和でいたいと思う反面、
ああいう物騒な一面も出してみたくなるってものよ」
かがみ「いくらお父さんが小説家だからといって、
またずいぶん極端な例を持ち出すのね・・・。
てか、恐ろしいほどの作家擁護だし・・・」
こなた「一つのジャンルにおいて、しかも一つの方向性で
書くことは、ノッている間はいいけど、
一度行き詰ったり、革命的な考えが頭を支配したりしたら
どうしようもなくなるもんなのよ。特に後者は・・・。
対処法は2つしかない。しばらく書くのをやめてみるか、
思い切って自分の心の赴くままに進むか」
かがみ「それは作家の業として片付けるにしてもさ・・・
そんなん許したら、このスレにそぐわない方面に
暴走していくという懸念は考えないの?」
こなた「そこなんだよね〜、いくら『この作品はみなさんを不快にさせる云々』
を明記するルールを今まで以上に徹底させたとしても、
明記しただろってことで、作家たちがそういう方向性に
染まっていくリスクもある。そうなったら最後、
私とかがみんのめくるめく耽美の世界が崩壊してしまう危険性も・・・・」
かがみ「まじめな声を出すな息を吹きかけるな顔が近いぞ気持ちいい」
こなた「・・・(引き・・・)と、とにかく・・・
作中人物が行ったこと、判断、そして巻き込まれるシチュ、
それら全てどうなろうとも、それはあくまで『作品内出来事』なのだからして」
かがみ「だからその考えは危険だと何度」
こなた「だからさ、双方にいうのだよ。作家側には、今まで以上に作品推敲を繰り返し、
そして発表するからには、前提、注意事項の明記ルールを徹底させる。
そして批評側は、〜読んでしまったからには、そして批評するからには・・・
という前提をつけるけど〜個人的感情とか現実的モラルとかはまず後回しにして、
とにかく作品そのものから語るよう、
双方、厳に戒めるようにするしかないんじゃないかと」
かがみ「その作品が何であれ、一度個人的感情やモラルから批評がスタートすると、
gdgdなことになってしまうのは過去の事例を引っ張り出すまでもなく
明らかだしねぇ」
こなた「でもね、私実はさほど心配してはおらぬのだよかがみんや」
かがみ「ほほう、えらく殊勝な。何故なのか聞いてみようじゃん」
こなた「ここは紳士なひよりんぞろいだからなのさっ!」
かがみ「いや・・・わけわからんし・・・」
こなた「20スレを超えるのに方向性が結構安定してるし、
暴走するにしても、みんなちゃんと守るべきところは守ってるしね。
それにレスする側も、ちゃんとわきまえてるし」
かがみ「そういえば、荒らしや煽り的レスが比較的少ないわよね」
こなた「らき☆すたというジャンルそのものが、基本マターリ成分でできてるからなのか
どうなのかは知らないけど、双方、何かわきまえてるのが、
スレをみててよーくわかるのよ。大人じゃ〜ん、ていうか」
かがみ「あんたほんとにいくつだよ・・・まあでもそれってさ、
結論として、『今まで通りでいい』ってことじゃないの?」
こなた「ん?そだよ。なにか?」
かがみ「・・・じゃ・・・じゃあ、今まで3レスくらい使って話し込んだ内容って・・・」
こなた「んは〜無駄かもしれないね〜(=∀=.)」
かがみ「・・・そんなはっきりと・・・」
こなた「でも、これだけは言うよ。みんな、これからも紳士なひよりんでいて・・・
(キラキラ目&非ネコ口のシリアス顔で)」
かがみ「強引にまとめるなそんな顔するな抱きしめるぞこのやろう」
こなた「アッーーーー!!」
作者さんからのレスがあったので、ちょっとだけ。
>>201 「最低最悪」「受け入れられなかった」というのは、かなた(娘)にとって離婚と今後の生活は
どうなるのか、を想像してしまったからです。
こなた一家がどのような家族だったのか描写はありませんでしたが、夫はいわゆる善人で
こなたも立派に?母親として育児をしていたのならば、かなたにとっては愛情を注いでくれた
父親から(当人にしてみれば)理不尽な理由で引き離されることになります。
離婚済みということで親権者はこなたになっているようですが、父親は離婚理由に納得した
としても、娘をこなたに任せるより自分で育てた方が子供の幸せにいいのではないのかとか
色々と考えてしまうわけですよ。
その辺の描写がなかったため(主題がボケるから敢えて略したと思います)、こなたは娘に
愛情を注いでいないのか、産むこと「だけ」が目的だったのか、などと邪推しました。
こういった重いテーマはかなり好きです。
それだけに最後の展開がこなた寄りすぎて、もっと言えばこな×かが的にはGJだけど旦那
と娘からしてみればどうよ?とモニョったわけで。
娘も含めたその後の3人のお話も執筆されるということなので、楽しみにしています。
ID変わってますが148(196)です。
>>223 >>201 おいらの個人的(希望的?)観測では、かなたちゃんは母親こなたに似て、
態度や口には出さなくても両親の心を汲み取れる、気配りの出来る良い娘だと思うんだ。
母親の死を、父そうじろうと一緒に受け入れて互いに支え合ってきたこなたと同じように。
母の想いも、それを受け入れた優しい父の想いも、しっかり受け止めた上で
3人で話し合って、最終的に満場一致でこなたが引き取る事になったような気がする。
少なくともこなたなら、その辺りの決め事は適当にはしないと思う。
もしかしたら、こなたはかなたちゃんに「大好きなかがみの事」まで既に話していたのかもしれんし、
離婚した後も旦那(かなた父)との交流は完全には途切れてないのかもしれん。
とまぁ、読者側の受け取り方によっては肯定的な見方もできるよ、って事で。
ぶーわ氏GJ!
ナノセイバー懐かしすぐるw
>>169 >当人に隠して誕生日パーティーなんて今時古いね。
すまんのう、実年齢よりも一回りおじさんなもので。
初心者なので初心者らしく、ありがちなネタを使ってみたんですぜ。
コテ使ったのは今回初めてだが、実は2〜3度らき☆すたのSSは投下していたりする。
>>201,223,226
当方は
>>148は作品そのものではなく、作中のこなたに対する厳しい意見だと判断してました。
小説というのは読み手によって様々な解釈が出来ることがあるので、このような意見が出ても良いかと思います。
さて、素人が偉そうにダラダラ言うのもアレなので、思いついたネタを纏めて、
後で投下したいと思います。
1レス平均1kB…何という濃いスレ
こりゃこのスレで、800作品行くんじゃね?
233 :
7-896:2007/10/22(月) 22:04:11 ID:BbQlSGMb
どうも、大学から帰ってきたら鍵が開けっ放しだったことに気がついた7-896です。
かれこれ5〜6時間開けっ放しか、危ない危ない(..´∀`)
みゆきさんの誕生日SSが完成して一息つきました。あとは25日に投下するだけ。
余興としてネタ行かせてもらいます。
『0円生活的な』
「ねぇみんな、もし無人島に4つだけ何か持っていけるとしたら何を持ってく?」
昼休み、みゆきが『つかささんのお弁当美味しそうですね、まるで泉さn』
というところまで言ったところで、遮るようにこなたが言葉を被せた。
焦っているこなたはすごく可愛い。
というかこなたはどうして、自分で自分の首を絞めるのだろう。
「無人島かぁ〜、私ならこなちゃんの下着(12着ほど所有)とこなちゃんの制服と
こなちゃんの匂い瓶(つかさ寝る前の必需品)とこなちゃんをプリントした抱き枕(つかさ、部屋に所有)かなぁ」
「つかささん、それは泉さんを持っていけば全て満たすことができますよ」
「わ、本当だ!! 流石ゆきちゃん頭いいね♪」
歪んでいるだけだと思う。
「じゃあ、こなちゃんとバルサミコ酢とリボンとカメラかな」
「私ならそうですね、泉さんは外せません。それから眼鏡ですね。いろいろ内蔵しているので役に立ちます。あとは泉さん専用の食料ですね。
泉さんには快適に過ごしていただきたいので、もちろん他の人は食べてはいけませんよ。それからダブルベッドですね。用途は……っぽ」
赤くなるな。
というか床を赤く染めるな。
「ナイフだとか浄水装置だとか、生命確保に繋がるようなものは持っていかないのね。みゆきのことだから計画的に決めてると思ったのに」
「計画的ですよ。以前も申し上げましたが、私は泉さんと同じ空気を吸っているというだけで生きていられるので
泉さんが健康に過ごせればいいんです」
「こなたが健康ならいいって……食べ物は持ち物の中に入ってるけど、肝心の水はどうするのよ」
「私達がいるじゃないですか」
私 は 何 も 言 わ な か っ た 。
「じゃあかがみはどうなのさ」
目が死んでいるこなたがこちらに話を振ってきた。
「私? 私はそうねぇ……まずはこなたでしょ? それから、えーと……あーもうこなただけでいいや」
「お姉ちゃんかっこいいー♪」
「男らしいですかがみさん」
まあね。
「つまり私がしっかりしなきゃ皆死ぬってことだよね」
そうみたいね。
がんばれこなた。
異常です(これは誤字ではありません)。
最近壊れネタが切れかけています。
誰か助けてください。
234 :
169:2007/10/22(月) 22:04:51 ID:Y0vW48Zc
>>229 一応こなたの名誉の為に言っておきますが
あれは、「古い」といっておきながら
いまだにその手をリアルで使っている
人のこと言えないツンデレ
ってことなんだからねっ!
こなた「・・・かがみぃ、何独り言いってんの?」
かがみ「う・・・うるさいっ!」
>>233 そしていつもどおり激しくGJ
かがみ「また・・・こんな壊れた作品書いてさぁ・・・」
こなた「かがみ・・・なにスリスリしてんの?」
E231-1116氏は小山にお住まいですか?
>>135 いやぁ、こういう風に未来予想図が見られるというのもいいですね。
過去のお話を書くことが多かったので、いつか未来のお話も書いてみたいと思います。
本当にありがとうございました。
というわけで、久々に1レス投下させていただきます。
「あれっ、みゆきさんがお薬だなんて珍しいね」
お弁当を食べ終わってほうっとしてると、みゆきさんがカバンからミネラルウォーターの
ヘットボトルと錠剤を取り出していた。
「何よみゆき、どこか調子でも悪いの?」
「ゆ、ゆきちゃん、保健室に行こうか?」
「ち、違いますって。これはただの痛み止めですよ」
私たちの言葉に、みゆきさんは苦笑いしながらぱたぱたと手を振った。
「痛み止め?」
「はい。虫歯の治療痕がたまにうずくので、昨日お医者様から処方していただいて」
「治療痕がうずくって、こう、キンキンッと?」
「え、ええ……」
思い出すのもイヤなのか、みゆきさんは私が言った擬音にぴくんと反応してみせた。
うーむ、これはあんまりいじらないほうがいいかもしれない。
「でもさ、最近のお医者さんって結構至れり尽くせりらしいね」
てなわけで、関連した話でちょこっと方向転換。
「えっ、そうなの?」
「うん。こないだゆーちゃんが話してたんだけど、病院によっては診察中のちょっとした
空き時間に備え付けのテレビを見させてもらえたり、看護婦さんのほうから図解入りで
いろいろ説明してもらえたりとかすることもあるんだってさ」
「それってずいぶん高そうよねー。保険外の請求とかもあったりして」
「ところが普通の請求なんだって。最近はフツーに診察しただけじゃお客さんも満足
いかないとかで、プラスアルファのサービスが求められてるらしいよ」
「確かに、最近は内装なども患者さんが落ち着くように作られた病院が多いですね」
薬を飲み終わったみゆきさんも話に参加してきて、軽くうなずく。
「私たちが小さい頃は、ちょっと古い市民病院で殺風景な待合室ってのが多かったけど、近頃はそれじゃあ敬遠する人が多いのかもしれないわね」
「最近は病院に行ったことないけど、今度行ってみるときは色々調べてみようかな」
「あのねつかさ、病院に行くときってそんなに余裕は無いことが多いと思うんだけど?」
「あ、あはははは」
「まあ、あんまり病院にはお世話になりたくないもんだね。健康が一番一番」
「そうそう」
実感を込めた私の言葉に、みんながうなずく。
「ちなみに泉さん、その病院ってどういうところかってわかります?」
「みゆきさん、そこにかかりたいの?」
「いえ、将来のちょっとした参考になればと思いまして」
「あー、なるほど。たしか、北千秋駅にある歯医者さんって言ってたよー……んなっ?!」
って、み、みゆきさーん? どうして教室のドアの影からこっちを見て……とゆーか、
いつの間にそこに隠れたんデスカ?!
「は、歯医者は……歯医者だけはー……」
「や、だ、だから、設備の話だけだったんだから関係は――」
「だめですっ、は、歯医者だけはダメなんですーっ!!」
「み、みゆきさーんっ?!」
「みゆきっ?!」
「ゆきちゃんっ、ゆきちゃんっ?!」
いつものおしとやかさがウソみたいに、みゆきさんは泣き叫びながら廊下を走っていってしまった。
「……あのさ、こなた」
「……今度から歯医者の話題はNGワードにしとくよ」
「そのほうがいいねー……」
突然のことに呆然としながら、私たちは深くうなずき合った。
……けれど。
みゆきさんの別の歯が虫歯になってまた話題になるのに、そう時間はかからなかったわけで。
「みゆきさーん、よかったらいっしょに歯医者さんに行ってあげよっか?」
「い、いいですっ! 一人で行けますからっ!」
私の言葉に、ほっぺたを押さえながら涙目になるみゆきさん。
もしかしたら、悪い男にひっかからない代わりに悪い虫に好かれるってゆー体質なの
かもしれないやねー……
「そんな体質、絶対おことわりですっ!」
最近の個人病院ってなかなか侮れないですね。
何故かプレステ2が完備されてる歯医者さんもあったり、
CGで虫歯の構造を説明してくれる歯医者さんもあったり。
……いやホント、虫歯は正常な思考能力を奪うので気をつけましょう。
今回の元ネタは入学案内書の「華」という4コマからです。
男の子に言い寄られないかわりに……ということで。
>>240 GJっス!
キリッと効いたオチがいいですね
時系列としてはみんな一年生ですか?
こなたとってもとっても大好き部略してKTB
いや、なんでもない……
>>240 おお、ご無沙汰じゅした!
悪い虫(歯)に好かれる幸薄いみゆきさんに合掌しつつ、ぐっじょぶ。
まとめWiki更新キタ!
管理人さん相変わらず乙です
ここが栄えてる理由の一つは、管理人さんの頑張りに違いない!
245 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 23:24:53 ID:j6apCfhj
TMAから、らき☆すたのパロAVが出るよ
>>240 GJ
いやほんと、まだいてくれて凄く嬉しい。
俺もちゃんと磨いてるのにすぐ虫歯になる人なんで、歯医者ネタは人ごとじゃないぜ
>>241 こなたが普通にゆーちゃんの話してるから、3年現在じゃない?
>>245 調べてみたが、4コマファンとしてキレかかったw
えっと妙な電波受信したので1スレねたていうか子ネタ投下します。
それと遅くなりましたが「手の平で踊る」に感想くれた方々どうもですよ。
一人の少女がいた。
少女は夢を見た。自分が漫画家になるという夢を。
己の情熱を、青春を……人生を賭けることをも厭わない……そんな夢。
目指すは……大手で壁? 商業デビュー? 夢の印税生活?
違う。彼女の辿り着きたい場所はそんな所ではない。
多く。一人でも多くの人に伝えたい。
作品を。自分の想いを込めた作品を。自分そのものを。
喜んでほしい。楽しんでほしい。泣いてほしい。笑ってほしい。……共感してほしい。
そして誰かの心に……人生に……一つの小石を投げ込むことができたのなら。
夢を心に抱いた少女。夢を左手に託した少女。頭に妄想が湧き出るのは産まれた時からの仕様。
そんな少女がクラスメイトや先輩と共に様々な経験を通して成長してゆく愛と感動のアクション巨編。
『ギャグ漫画ひよりん』
原作 美水かがみ
原案 バルサ巫女
作画 田村ひより
監修 泉こなた
乞う御期待!!
「……っていうネタを考えてみたんだけど……どうかな?」
と言って柊先輩すこぶるニッコリ。まさに天使の笑顔。
「え……こ、今度機会があったらありがたく……」
痛い。善意も内容もタイトルも痛いっすよ〜。私涙目。
「ってことがあってひよりんが凄い困り顔でさ〜」
「へ〜」
「萌えた」
「そ、そうなんだ……」
そんな泉家の夜。これはただそれだけのお話。
子ネタじゃなくて小ネタでしたね。申し訳ない。
みゆき「ひよりさんって方には悪いですが・・・
そ の ネ タ い た だ き で す」
>>249 30分以上経ってようやく気付いた。
『ギャグマンガ日和ん』ってことかw
……面白いかもw
>>252 ナチュラルに親子に見えた
小ネタ投下します
3スレ使用
設定を使用させてくれている7-896氏に感謝しつつ
「おはよー、つかさ、かがみ」
いつもの待ち合わせ場所である駅で、遠目からでも一発で分かる二人を見つけて声をかけた。
その瞬間につかさは満面の笑み。かがみはダバッと泣いた。
ちょっ、朝からテンション激しいよ。
私のアホ毛も二人に反応しているので、ちょっと警戒しつつ二人に近づいた。
「……どしたの、かがみ。また体重増えた?」
「違うよーこなちゃん。呼ばれた順番が気になったんだよ」
ああ、つまり挨拶の時につかさを先に呼んだってこと?
それはつかさの方が近くに居たからで……って、昨日もこれと同じ説明したよね。
「もー、ほら。かがみいじけてないでさ、遅刻するよ」
私が言えたセリフじゃないけど、余程ショックだったのか左右にぶれてるかがみの手を引っ張った。
その瞬間にかがみの涙が止まる。どんな涙腺してるんだろう。
「こっ、こなたぁ!!」
「あべし!!」
泣き止んだかがみが笑顔になり、青い残像を残しつつ私を抱きしめてきた。
コンボするな!! ってかここ駅前!! そして何気にをサバ折り決めないで!!
背骨が痛いし、今度からかがみの事エドモンドって呼ぶよ!?
「ずるいよお姉ちゃん!!」
今度は横からつかさが抱きついてくる。
駅前でおしくらまんじゅうしないで二人とも。もう私のHPはほぼ0よ。
「とにか、くっ……学校へ……ぁだだっ!! 背骨折れる!!」
学校へ行っても危険は危険なんだけど、駅前でこの状況よりは……良いと思いたい。
私の悲痛な叫びが届いたのかようやくかがみは私を下ろし、二人が私の両手を抱えてバス停へ歩き出した。
さながら私は捕獲された宇宙人みたいだ。私、つま先しか足ついてないよ。
バスの中は人が多い。
学校前だと生徒しか居ないから少ないけど、乗車時は当然人が多い。
幸い二人用の椅子と一人用の椅子が空いているので慌てて一人用の椅子に座る。
立ちっぱなしの場合は左右のかがみとつかさが痴漢まがいの事をしてくるので出来る限り座りたい。
「あれ、こなた。こっちに座りなさいよ」
「そこ二人用じゃん。二人で座ったほうがいいよ」
「私たちの膝の上に座れば何とか乗れるよ」
「そうそう。スペース削減」
それ、一番危険だから。あと、ここが公共の場だと自覚して。
結局座っていた私をかがみが抱えて、二人用の席の窓がわにかがみが座り、その隣につかさ。
で、かがみの左膝とつかさの右膝の上に私が座る事になった。
「本当は後ろからシートベルトとかしたいんだけどね……こなたは一人だから取り合いになるし」
「ねぇ、こなちゃん。分身できないかな? 気合みたいなやつで」
「絶対無理」
本家の私なら出来るかもね。
でも分身したとしても、結局『私』が悲惨な目にあうんだよね。
周りの人の視線を感じるけど無視。低いバスの天井を見上げて、空に居るはずのお母さんに伝える。
がんばってるよ、お母さん……私、がんばってるよ……
感傷に浸ってホロリとくるけど、つかさとかがみの手が膝に乗ってきたので思考中断。
かがみ、徐々にスカート捲ろうとしない。つかさ、私の膝に指でラクガキしない。
「ふ、二人とも……ここ、バスの中だよ……分かって、る?」
「分かってるから静かにしてるじゃない」
「静かにしてるうんぬんの話じゃなくて!!」
「バスが出発するから暴れないようにね、こなちゃん」
私たちの騒ぎが収まるまで待ってくれていたのか、それとも思わず野次馬根性で見てしまっていたのか。
運転手が『は、発車します』と慌てた声で車内放送を入れた。
出来れば私たちの事は気にせずに発車してほしかったけど。
だからかがみ、スカートの中に手を入れてこない。つかさ、ラクガキしてる指がどんどん太股に上がってきてる。
二人の手を軽く叩く。少しは自重してよ。
一週間前の痴漢騒ぎに比べれば全然気にならない触り方だけども、早めに止めておく事に越した事は無い。
こういう事をされてもみんなを嫌いになれず、むしろ好きな方なのは私がエムなのかな……?
「私はこなたがどっちだろうと……好き、だけどね」
「そうだよ。こなちゃんが望むなら私はエスになるよ?」
「モノローグに普通に会話してこないでよ。あとつかさ、問題発言しないで」
エスかエムかとかは関係なく、嫌いになれないのは。
二人が私の事を好いてくれていると身に染みて分かるからなんだろうなぁ、なんて。
膝を触ってくる二人の手を叩きながら考えていた。
以上です
こなたのつかさとかがみに対する許容範囲が広すぎる
7-896氏のはナンセンス系ギャグタッチに壊れてて、
>>254氏のはハイテンション系ラブコメタッチに壊れてる。
同じこな☆フェチ系でも、微妙に路線が違うのが面白いですな。ぐっぢょぶですた。
俺は今、どさくさに紛れてSSを落とそうとしていた!
だが、このSSはあまりにも恥ずかしい…!
無意識に、何の需要もなしに、書き込むわけにはいかないのだ!!!
俺「…いや、見える!」
俺「全裸待機の○崎さんが見える!!」
俺「田村先生!! このスレのスミに、
岩○さんのSSを置きたいとは思いませんかっ!?」
と、とんでもない反物質燃料を受けてがらにもなく意気込……んで、みたのですが……
やはり現実というのは厳しいものらしいということが分かった気がしました(笑)。
今の自分にはこれが精一杯でしたが、それでも投下しますっ!
エロなし、みなみ&ゆたか系、一部ひよりん、何故かそこはかとなく百合なので注意っ。
以下5、6レスほど使います。
私はまた、斜め前の席の、小さな背中を見つめている。
独りぼっちだった私にできた、大切な友達。
体が弱くて、運動も苦手だけど、一生懸命に学校生活を頑張っている……ゆたか。
ハンカチを返して貰ったあの日から、ずっと気になってた。私をかばってクラス委員になって
くれた時は、あんなに心が嬉しいのに、笑顔になれない自分がもどかしかった。
なのに、ゆたかはこんな私を『優しい』って言ってくれた。
ずっと『冷たい人』で通ってきた私に、春の陽射しのような笑顔をくれた。
だから、ゆたかとの時間が大好きになった。
体調を崩したゆたかを保健室に連れて行くのも、教科書とにらめっこするゆたかのために、
休み時間を潰して『先生』になるのも、面倒なんて思わなかった。
でも、その時はまだ知らなかった。
自分の中で育ち始めていた、誤魔化してはいけない気持ちを。
みなみべりー・ぱにっく! 〜闇の腐女子の本の落書き〜
とてとてとてっ。
配られたプリントを揃えていた所に、お馴染みの足音が駆けてくる。
誰か、なんて言うまでもない。
名前を呼ばれるより早く、片付けの手を止めて顔を起こすと、案の定、すぐ目の前で、帰り
支度を整えたゆたかが笑っていた。気のせいか、いつもよりわくわくした表情。
「どうしたの?」
「あのね、これから田村さんの家に遊びに行くことになったんだけど、みなみちゃんも一緒に
どうかなって……」
迷惑じゃないかなって、ちょっと心配そうなゆたか。
そんなこと、絶対にないよ。
今日は早めに帰って、宿題を片付けてしまおうと思っていたけど、独りぼっちの家とゆたか
との時間、どちらが魅力的かなんて悩むわけがない。
「わかった。でも、もう少しだけ……」
「うん」
念のため家に連絡を入れようとした私に先回りして、ほころぶような笑顔を浮かべる。
そうやって自然に私に接してくれるのが、嬉しくもあり、ちょっと気恥ずかしくもあり。
「……ごめん、今から急いで片付けるから」
「大丈夫だよ。田村さんもちゃんと待っててくれてるし」
ちょっと焦り気味の私に、ゆたかがプリントを渡してくれる。
「……みなみちゃん?」
「な、何でもない、ありがとう……」
折角きちんと揃えてくれたプリントを崩さないように、丁寧に受け取ってファイルに入れる。
指が触れ合った刹那、全身を走った何かを、無意識に押し込めながら。
「でね、気になって覗いてみたら、お姉ちゃんとかがみさんのラブロマンスが……」
「うぼぁっ!?」
お茶が沸く間、田村さんの部屋でのんびり雑談。
雑談と言っても殆どがゆたかと田村さんの会話で、私はもっぱら聞き役なのだけど。
田村さん。多分学校一の漫画家さん。
時々、念願のネタを手に入れた寿司職人みたいな視線を向けてきたり、背後に魔闘気を
漂わせていたり、ちょっとよく分からない時もあるけれど、ゆたかの友達で、泉先輩とも
仲良しな、根は親切な人。
そんな、普通なら接点なんてなかった筈の人と、こうして過ごしていられるのも……。
「でも、あのマンガのラスト、すごく綺麗だったよ。なんかみなみちゃんとの『宝塚』みたいで、
胸にじーんと来るような……?」
「…………!!」
『あの時』のことを思い出して、反射的に火照ってしまう。恥ずかしくて、思わず逃げるように
視線を逸らすと、
「えぇーっと小早川先生、この反応パターンは確か……」
「うん、照れてるんだよ」
「っ!」
かつてないコンビネーションで追撃が入る。
「アレはホントに美味しすg……ハマり過ぎだったしね?間違いなく伝説のエルダーの域!
さすが我が校のクーデレ代表……」
「そうそう、今思うとちょっと恥ずかしいけど、本当に舞台に出てたみたいで……」
「っっ!」
「けど、あの時は嬉しかったのと同じくらい羨ましかったな。私は小さいし体弱いから、あんな
かっこいいこと絶対できないもん」
「はぐぁっ!!」
「〜〜〜〜〜〜っ!!!」
だめ押し、さらに天使の笑顔で追加攻撃。
ゆたかは純粋に褒めてくれただけなのに、何故か頭の中が水蒸気爆発したみたい。
でも、今までこんな風にからかわれたりしたことのなかった私には、新鮮な時間。
ゆたか。
私はゆたかみたいに笑ったり、泉先輩達みたいにうまく突っ込みを返したりできないけど、
こんな時間が本当に好きだよ。人付き合いが下手で、なかなか伝わらないけれど。
……と、そっぽを向いて茹だった顔を冷ましながら、そんなことを考えていた時。
トゥルルルルル、トゥルルルルル。
「田村さん、電話?」
「くぅっ、こんな最高のショー……もとい、楽しいひとときに……」
自分の携帯だったら無視していそうな雰囲気だったけれど、家の電話では仕方がない。
しぶしぶ席を立つ田村さん。
「ごめん、すぐ戻ると思うけど、それまでその辺のマンガでも読んでて。
……っあ"ああぁぁ〜〜うるさいっ、少しは空気を……」
襖が閉められた後は、さっきまでの盛り上がりが一変。
ゆたかとは別のベクトルで賑やかな田村さんが出ていき、部屋の中には、私とゆたかと、
静寂が残された。
「……」
「…………」
落ち着かない。
側にはリラックスしたゆたかの顔があるのに、そわそわするというか、何か不思議な感じが
する。素直になれない子供のように、あちこちに視線を移すけど、どうにもしっくり来ない。
慣れない部屋にいるせいだろうか、それとも……。
「……ねぇ、みなみちゃんって、マンガとか好き?」
沈黙を破って、ゆたかが声をかけてきてくれる。
「あまり読んだことがないけど……何か、おすすめのってある?」
「う〜ん、お姉ちゃんとか田村さんみたいに、詳しいわけじゃないけど……あ、これなんか
面白いよ」
大量のマンガやDVDが詰め込まれた本棚をちょこっと眺めてから、ゆたかはよいしょっと
手を伸ばして、1冊の本を引っ張る。
「あ、それ……」
「うん、この間までアニメになってた癒し系4コマ」
前にゆたかの家に行った時、泉先輩が見ていた本だ。学校でも、何人かが回し読みして
いたような気がする。
「お話もいいんだけど、この主人公が凄く共感できちゃって……あれ……?」
本が限界ぎりぎりに詰まっていて、なかなか抜けないみたい。
んしょ、んしょっと引っ張っているけど、目当ての本ではなくむしろ本棚が揺れている。
このままだと、下手したら本棚が……。
「待って」
万が一下敷きになったら大変。神速で駆けつけて、頑張り中のゆたかに割り込む。
覆い被さっているスケブや冊子をどかして、横の本を押さえて。
ぐいっ、と引っ張ると、お目当ての本が2巻揃って飛び出してきた。
「これでいい?」
「ごめんね、本当はみなみちゃんに取ってあげようとしたのに……」
「ううん、薦めてくれたのはゆたかだから」
そう言って本を渡そうとすると、
「いや、みなみちゃんに選んだ本だから、みなみちゃんが読んで。私は2巻」
「……っっ」
どうしてだろう、ゆたかの前では何故かこういう、学校ではあまりないミスが多い。
笑顔のゆたかに向き合っていられなくて、ささっと本に視線を移す。
けれど、顔の火照りは消えない。
表紙いっぱいのほのぼのした雰囲気も、タイトルにある『ひだまり』の文字も、冷たい私を
お日様みたいに照らしてくれるゆたかを意識させてしまって、どうにもこそばゆい。
どっちを向いても恥ずかしい。
でも、ここで本棚を見てしまうのは、折角薦めてくれたゆたかに悪い気がするし……。
ゆたかから本へシフトした視線を、更に彷徨わせていると、本を引っ張り出す時にどかした
黒いスケブに引っかかった。
これなら、少しの間、真っ赤な顔を隠すのにちょうどよさそう。
私はそれが纏っている不穏なナニカを感じる前に、スケブを手に取って……。
「――!?!!?」
「どうしたの、みなみちゃ……」
「ごめんごめん、待たせ……」
腐界の一端を垣間見てしまった私と、絶妙なタイミングで襖を開けてしまった田村さん。
それまで違う世界で生きてきた二人が同時に石化する音が、はっきり聞こえた気がする。
プロのアニメイターや原画マンのような、洗練された美しい線。
マニアは勿論そうでない人も惹きつける綺麗なキャラに、写生したような正確な衣装。
街頭で100人に聞いたら、恐らく誰もが『上手い』『綺麗』と褒めるだろう。
でも、当然ながら問題は絵のクオリティではないわけで。
「わぁっ、これって宝塚喫茶の設定資料集?」
「え゙、まあ、そんなような……」
「…………」
封印されていた闇の書に描かれていたものは。
百合の花が咲き乱れるキラキラ空間の中、自分そっくりの中世的な子が、ゆたかそっくりの
女の子をお姫様抱っこしている、おとぎ話に出てきそうなイラストだった。
「ん……っ」
ベッドの上で、また寝返りを打つ。
普段ならとっくに眠っている時間なのに、今日はどうしても寝付けない。
田村さんの家で見た、あのスケッチ。
二十枚近くはあった『それ』には、色々な二人が描いてあった。
雪のチャペルでダンスを踊る二人、タキシード&ウエディングドレス姿で誓いを交わす二人、
頬を赤らめながら口付けをかわす二人……
中には『世界を革命する力を!』とか叫んでいる、よく分からないカットもあった。
ネタ的なものから、衣装や構図にとことん拘った本格的なものまで、色々なイラストがあった
けれど、内容はどれも、私とゆたかをイメージしたもの。
普通なら、きっとコメントに困るというか、もしかしたら気持ち悪く感じると思う。
それなのに。
「ゆたか……」
どうして私は、あの絵にどきどきしたのだろう。
どうして私は、あの絵の私が羨ましいって思ったのだろう。
頑張って目を閉じるたびに、絵の中の二人が過ぎる。
忘れようとすればするほど、それはますます鮮かさを増して、心を狂わせる。
『この絵、何だか恥ずかしいね』
『このみなみちゃん、凄く優しい感じがする』
真っ赤になった私の前で、ゆたかが口にした幾つもの感想。
緊張と恥ずかしさで、ろくに聞こえていなかった筈なのに、今になって勝手に溢れてきて、
頭の中でこだまする。
イラストの中の私に向けられた言葉。実は本当の私に向けて欲しかった言葉。
もどかしい。空回り。嫉妬。願い。
「ゆたか……」
体が熱い。思わず手で押さえてしまうほど、胸がきゅうっと締め上げられる。
鼓動のたびに苦しくて、駆けめぐる心音も酷く耳障り。
でも、それは決して不快ではなくて、心がふわふわして落ち着かなくて……ただ一人だけの
ことばかり、取り留めもなく考えてしまう。
どこかで読んだ小説の描写が、今の自分と重なる。
今までに何度も、無意識の中で気付いていた……でもずっと、目を逸らし続けていたこと。
嘘。どうして。
同じ女の子なのに、相手はあんなに大切な人なのに。
私は、ゆたかのこと……。
>261-265
いいSSが次々出てるのもあって余計に投下が怖かったのですが、ンなこと言ったら
永久に落とせなさそうなんで特攻っ。
書き込む間めっちゃくっちゃに緊張して本気で今も震えが止まらん私チキン。
というかこういうのって、書いてる時はそうでもねえのに
書き込んでから見直すと存在ごと消えたい位恥ずかしいのはなんでだろう(´・ω・`)
しかしどうでもいいことながら、今日仕事行く途中、
地球温暖化防止にエンジン止めたらそのまま動かなくなり見事遅刻。
さらにその数時間後、電信柱の影から○ルディオンハンマーみたいなナニカをかついだ
田村さんが「お困りですかぁ?」とか言いながら沸いてくる映像が唐突に浮かんで
にへにへしていた所を上司に見られた。
一時期魔が差して『みなみちゃんのひとりでできるもん』なんて書こうとした神罰かね、
何か大切なものを失くした気分……orz
>>233 み、みゆきさん……?
というか何もかもが皆壊れてないように見えるのは気のせいですよね!?
>>240 最近親知らずの始末をしていたら、
昔治療した歯が、金属詰めた下で菌が繁殖してえらいことになっているのが判明。
近いうちに地獄が!!
みゆきさんの気持ちがわかるきがします。 頑張れみゆきさん!
>>249 頑張って書いてくれ、ひよりん。楽しみにしている奴がここにいるぞ!
>>258 こちらでも壊……れている筈なのに、最近ほとんど違和感感じない自分が心配だ(笑)
Kウィルスのワクチンを開発するか、こなたに影分身を覚えさせるか……
とまあ何はともあれ一言で言うとGJ!
進むの早すぎ
>>266 タイトルの「ひだまり」って・・・ひだまりスケッチのことかあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!11
リアルタイムGJJ!!
そんなあなたに
つ まらん
ゆたか「たむらさ〜ん」
ゆたか「『まらん』って、なあに?」
ひより「ハァッ!!!!」
ひより「そ・・・それは・・・どっちの、意味かなァ・・・?」
>>266 つGJ
>癒し系4コマ
うっかりらき☆すたそのもののことかと思いきやそっちかw
こなた「かがみん〜どお?」
かがみ「どお?ってなんか髪に×が二つついてるわね」
こなた「同じアニメ化した4コマの主人公ってことでマネしてみたのだよ。ちょうど特別編もやったし(x=ω=.x)」
かがみ「そりゃ何の話だ・・・」
反省はしているが後悔はしていない
>>233 GJ!!
一番歪んでいるのはかがみん。次はどんな壊れ方をするのかwkwkしてます。
>>234 かがみ「こ、こなたにちょっとボケてみただけなんだから!!
そ、それだけなんだから!!」
>>237 いいえ、国府津から数駅東京寄りですよ。仲間は新前橋にもいますね。
みさおの入試ネタを書いているのだが、気が付いたらこんな時間orz
じっくり熟成させてから投下するので、しばらくは名無しに戻ってようかと思い松。
パティ×ひより投下します。
よく晴れた休日。パティことパトリシア=マーティンは、クラスメイトで親友、そしてオタ仲間の田村ひよりの家に向かっていた。
ひよりは今、原稿真っ最中らしいが、電話で話した様子だと、今回はだいぶ手こずっているらしい。いや、今回も、か。
そんなわけで、パティはひよりの陣中見舞い。差し入れのリポD片手に田村家へやってきた。
早速門柱のインターフォンを押すが、しばらく待っても返事が無い。
「……留守ですカ?」
しかし原稿中のひよりが部屋を空けているとは考えにくい。あらかじめ連絡もしてある。
二、三回インターフォンを鳴らしても返事が無いのを確認してから、パティは玄関のドアに手をかけた。
鍵はかかっていなかった。
「すみませーン」
ドアを開けて声を上げる。やはり返事は無い。
「ご家族の人はいないみたいですネ。でもヒヨリは……」
部屋にいるはずだ。ヘッドホンでも付けていて音が聞こえないのか、それとも――
「ひょっとして部屋で倒れてるとカ……」
原稿に根を詰めすぎて、睡眠不足&過労のコンボで失神。十分にあり得る。
リアルに不吉な情景が想像できたものだから、背筋が冷たくなった。パティは「お邪魔しまース!」と声をかけてから、靴を脱いで上がらせてもらった。
やはりひより以外の家族は留守らしく、家の中は静まりかえっている。
階段を上ると、ひよりの部屋から人の気配がした。ホッとして、パティは部屋の戸をノックした。
しかし、ここでも返事は無い。
「ヒヨリ、入りますヨ?」
声をかけてから戸を開け、部屋に入った。
ひよりは、居た。どてらを羽織った背中を丸めて、机に向かっている。
「ヒヨリ!」
「はうっ!?」
パティが大きな声で呼びかけると、ひよりはようやく気付いて振り返った。
「あ……パティ」
背後に立っていたパティの姿を認めて、ひよりはばつが悪そうに苦笑いした。
「ごめん。気付かなくて」
どうやら作業に神経を集中していたせいで、パティの来訪に気付かなかったらしい。
「あんまり根詰めると体壊しますヨ」
そう言ってパティはリポDを差し出す。
「かたじけない」
ひよりは恭しく受け取ったリポDの蓋を開け、一気にあおる。
「〜〜ぷはぁっ…………はぁ」
飲み干したリポDの瓶をゴミ箱に捨て、ひよりは脱力してため息をついた。
「調子はどうですカ?」
「最悪」
簡潔なひよりの答えに、パティは首をすくめる。机を見ると、原稿用紙は真っ白のままだった。
「ネームから練り直してるんだけど、どうにもこうにも……」
「良いネタが浮かばなイ?」
「うん……」
ひよりはもう一度大きなため息をついて、頭をかいた。
「無理せずに少し休憩した方がいいですヨ」
「んー……じゃあ、ちょっと休もうかな」
ひよりは椅子から立ち上がると、そのままフラフラとした足取りでベッドに向かい、掛け布団の上に倒れ込んだ。
「はぁ〜……疲れた」
疲れてはいるが、今寝たらおそらく数時間は爆睡してしまう。そこまで時間を浪費するわけにはいかない。パティがリポDを飲ませてくれたのはありがたかった。じきにカフェインが効いてくるだろう。
「ヒヨリ、シャワーでも浴びてきたらどうですカ? さっぱりすれば良いアイデアが湧いてくるかもでス」
「シャワーか……そういえば昨日お風呂入ってなかったっけ」
「ちゃんと毎日入らないとダメですヨ」
「うん……じゃあ軽くお風呂入ってくるよ。パティはゆっくりしてて」
「分かりましタ」
そういうわけで、ひよりは疲れた体をお風呂場まで引っ張っていった。
服を脱いでから、まずは浴槽にお湯を張る。シャワーだけで済ましてもよかったが、少しでも疲労を癒すため湯船に浸かりたかった。
ひよりは浴槽の縁に体をもたれさせ、流れるお湯に手を浸した。
「は〜……」
程よく温いお湯に触れていると、自然と頬が緩んでくる。
「……………………おっといかん」
危うく寝てしまいそうになった。全裸で居眠りなどして風邪をひくわけにはいかない。
「頭洗おっと……」
長い髪をシャワーでたっぷり濡らして、シャンプーでワッシャワッシャと洗う。洗いながら、頭では漫画のネタを考えている。
しかし、ネタを出そうと意識していると、かえってネタは出にくい。何気ない瞬間に、ふと浮かび上がってきたりする方が多いのだ。
「うーん……」
「お風呂に入る時ぐらい肩の力を抜いた方がいいですヨ」
「それは分かってるんだけどね。〆切まであんま余裕がな――って……何でパティがいるの!?」
いつの間にかお風呂場にいたパティ。服もしっかり脱いで入浴準備万端だ。
(うわ、すごっ……)
初めて見たパティの裸体に、ひよりは一瞬目を見張った。豊満で形の良いバストに、引き締まったウエスト。ボディラインの控えめなひよりと比べれば、その差は歴然だ。羨ましくないと言えば嘘になる。
「せっかくだからヒヨリの背中を流そうと思いましテ」
「べ、別にいいよ、そんなのしなくても」
「遠慮しなくていいですヨ」
「遠慮とかじゃなくて、うちのお風呂そんなに広くないし、二人だと窮屈っていうか、その、色々ぶつかるっていうか――」
「だがそれがいい」
「何で!?」
「細かいことは気にしな〜イ」
「気にするってば!」
ひよりの言葉に聞く耳持たず、パティはタオルと石鹸を手にして、やる気満々だ。
「それじゃあ、お背中流しますネ〜♪」
楽しそうに石鹸を泡立てるパティ。
「お手柔らかに……」
観念したひよりは、濯いだ髪をまとめて留めた。
たっぷり泡立てたタオルで、パティはひよりの背中を丁寧にこする。
「痛くないですカ?」
「うん。ちょうど良いよ」
人に背中を流してもらうなど滅多にないので比較は出来ないが、パティのやり方は下手ではなかった。
(これがギャルゲやラブコメ漫画だったら、私は男で、この後、何かハプニングが起こるのがセオリーだよね……風呂、外国人、巨乳……うーむ、もう一捻り何か……)
パティに背中を洗ってもらいながら、ひよりはまた漫画のネタを考え出している。
(巨乳といえば……)
タオルで擦られている背中に、とても柔らかく、それでいて弾力のある物体が当たっている。
「あの……パティ、さっきから胸が当たってるんだけど」
「あててんのよ」
(また微妙なとこから持ってきたな……って、そうじゃなくて)
「あ、当てないでよ」
「ヒヨリは大きいの嫌いですカ?」
「いや、見る分には大いに結構だし羨ましいとも思うけどさ、その、そういうことされるとさすがに恥ずかしいっていうか……」
過激な漫画を描いてはいても、ひより自身はただの一人の女子高生でしかない。興味や好奇心もあるが、やはり羞恥が先に立つ。
「別に照れること無いですヨ〜♪」
「うおわっ!?」
当てるを通り越して押しつけてきた。豊かなボリュームと弾力がダイレクトに伝わってくる。
「何を……!?」
「こうやって胸で背中を洗うと、気持ちいいんですよネ?」
「そ……そういうのは男の人がやられて嬉しいんであって……わ、私は」
「嫌ですカ?」
パティの乳房がひよりの背中に、押しつぶすように擦りつけられる。
「うわっ……」
ひよりの口から熱い息が零れる。体温が自分でも分かるほど上がり、動悸が激しくなってくる。
「私は好きですヨ。ヒヨリのCuteなオッパイ」
「ちょっ、やめっ……っぁ」
パティの両手が前に回り込み、ひよりの小振りな乳房を掴んだ。
十分に発達したパティと比べて、ひよりの体型は年相応の少女らしい未成熟さを多分に残している。乳暈は小さく、その中心の突起も小花の蕾のようだ。
石鹸の泡をまぶして洗うように、パティの手がひよりの胸を優しくもみしだく。
「ンフフ……ドキドキしてますネ」
「そ、そりゃするよ……こんな……ひぁっ!?」
パティの指先がひよりの乳首を摘んで、軽く力を込めた。
「ヒヨリ、乳首たってますヨ」
「そんな、こと……言わないで、よ……」
パティの吐息がひよりの肩をくすぐる。続いて唇が触れた。
「ぁ……」
熱い舌が首筋を這い、ひよりの体が震えた。
「良い匂いですネ」
「パ、パティ……」
「ヒヨリは私のこと嫌いですカ?」
パティが腕に込めていた力を抜いた。ひよりはほんの少しだけ距離を空け、パティと向き合う。
「そんなことないけど――」
「そうですカ。それを聞いて安心しましタ」
「いや、だからといってこの状況を受け入れ――」
何か言おうとしたひよりの唇を、パティのそれが塞いでいた。
柔らかく暖かい感触。不思議と不快ではなかった。
唇を離し、顔を間近に寄せたままパティが囁く。
「こうして実体験をしておくのモ、漫画を描くのに役立つはずでス」
「じ、実体験て……んぐ」
もう一度、パティが唇を重ねる。今度は舌を入れてきた。
「っ……ん……」
パティの熱い舌が侵入して、ひよりの縮こまった舌に触れる。
酔わされたように、ひよりの体から力が抜ける。緊張と不安に震えていた胸が、いつしか熱くなった吐息に合わせて上下していた。
たっぷり時間をかけて、パティの柔らかい舌先がひよりの口中を舐め回す。つられたように、ひよりの舌も辿々しく動いた。
ぎこちないひよりの舌を、パティの舌が慣れた様子でリードする。
お湯を出しっぱなしだった浴槽が満タンになった。湯船から零れたお湯が二人の下半身を濡らす。唇を貪られながら、ひよりは震える手を伸ばして蛇口を閉めた。
存分に舌同士を絡ませてから、パティは唇を離した。二人の唾液が銀色の糸を引く。
近すぎるパティの目が、蠱惑的な光を宿して微笑んだ。ひよりの目は熱にうかされたように潤んでいる。初めて経験する刺激に、頭が追いついていない。
「ほら、私もこんなにドキドキしてまス」
パティがひよりの手を取り、自分の胸にまで導く。心臓の鼓動は分からなかったが、火照った肌の熱さは十分に伝わってきた。
パティの手がひよりの下腹部へ伸びた。
ひよりは慌てて膝を閉じようとするが、パティは抵抗しようとする体ごと抱きすくめた。
パティの手がひよりの陰りに触れる。閉じているそこへ、指先が這う。
「やっ、ちょっ、そこは……!」
「大丈夫ですヨ。ちゃんと爪のお手入れはしてますかラ」
「そういう問題じゃ――ひぁっ」
パティの指先が巧みに蠢き、ひよりの敏感な部分を刺激する。
「だっ、だめ……っ」
「ンー? ひょっとして自分で触ったことないですカ?」
「そ……それは……っあ……ん」
パティが指を動かすたび、ひよりの喘ぎが大きくなる。
「そんなことないですよネ。ヒヨリ、気持ちよさそうでス」
「く……んぅ」
ひよりは何か言おうとするが、口から漏れるのは押し殺した喘ぎだけだ。
パティの指が不意に今までと違う動きをして、ひよりの割れ目の中へ入り込んだ。
「あっ……!」
「塗れてますネ……もっと力を抜かないと、気持ちよくなれないですヨ?」
ひよりの耳元に唇を付けるようにして囁き、パティの指が動く。
「っ、んぅ……ぁ、あ、やっ」
ひよりは歯を食いしばって声を押し殺す。自分の体だというのに、どこをどういう風に触られているのか分からない。ただ激しすぎる快感に思考を支配されていた。
「我慢しないで、声を出していいんですヨ。おうちの人は誰もいないんですかラ……」
パティの指の動きに合わせて、湿った音が風呂場に響いている。蜜に浸った指先がクリトリスを捉え、小さな円を描くように弄んだ。
「くっ……!」
たちまち、今まで以上の衝撃がひよりの体を貫く。耐えようとした。が、無駄な抵抗だった。
「あっ、あっ、あああっ……!」
全身を震わせながら、ひよりはあられもない声を上げていた。
「フフ……クリトリスを触られただけでイっちゃいましたカ」
「はぁ……はぁ……」
上気したひよりの唇に、パティが三度目のキスをする。柔らかい舌の感触が、倦怠感に満ちた体に心地よい。
「せっかくお風呂を入れたんですかラ、続きはお湯の中でしましょうカ。ヒヨリ……?」
まだまだ遊び足りない子供のような表情で、パティがそんなことを言う。その笑顔をぼんやり眺めながら、ひよりの意識が白くなっていった。
「……」
視界に写るのは見知らぬ天井、ではなく、見知りまくっている天井。それもそのはず、自室の天井だ。
ひよりは重たげに自分の上半身をベッドから起こした。
「あ、目が覚めましたカ」
「パティ? ……っ!?」
座布団に座って漫画を読んでいたパティを見た途端、ひよりの顔は火がついたように赤くなった。
「あ、あ、あの、その……!」
「ヒヨリ? どうかしましたカ?」
「いやその、お、お風呂、で……」
「お風呂?」
パティはわけがわからないといった様子で首を傾げる。
「ヒヨリ、どうしたんですカ? お風呂の夢でも見てたですカ?」
「ゆ、夢……?」
ひよりの目が点になる。
「ヒヨリ、ちょっと休憩すると言ってベッドに入っテ、そのまま爆睡してたでス。起こしても全然起きなかったですヨ」
「……」
ひよりは自分の服装を見下ろす。机に向かっていた時と同じ、部屋着+どてらという定番スタイル。
時計を見ると、パティが来た頃から三時間ほど経っていた。
「……はぁあぁぁぁぁ〜〜」
さっき自分がパティとチョメチョメしていたのは全て夢、と。その事実を確認し、安堵したひよりは今までの人生で最大級のため息をついた。
「それじゃあ私はそろそろ帰りますネ」
「あ、うん。ごめんね。全然お構いもできず」
「そうでもないですヨ。ヒヨリの可愛いとこを見せてもらいましタ♪」
「へ……!?」
「寝顔ですヨ」
「あ……ああ、うん。そっちね……」
ひよりはベッドから起き上がる。やはり疲れが溜まっているのか、妙に体が怠かった。
玄関までパティを見送ってから、ひよりは二度目の大きなため息をついた。
「何て夢だよ、全く……」
漫画の方で根を詰めすぎたせいだろうか。同人作家に幻聴・幻覚は付き物とはいえ、さすがにこういうのは勘弁してもらいたかった。
あまりに内容が強烈だったせいか、まだ夢の映像が頭から離れない。お茶でも飲んで気を落ち着けよう。そう思って、ひよりは台所に向かう。
「……あれ?」
廊下を歩きながらふと気付く。髪の毛が少しだけ湿っていた。寝汗、だろうか。
「…………夢、だったんだよね」
確認するように呟いた。それから髪の毛を一つまみ、鼻先に持ってくる。
微かにシャンプーの匂いがした。……ような気がした。
(………………深く考えないでおこう)
おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
>>266なんという甘百合・・・・・・
とてもほのぼのした。GJ!!
そして今後のみなみんとひよりんの関係が不安・・・
>>280パティ策士wwwwだが詰めが甘い。そんなんじゃ孔萌にはなれないぞ。
GJ!!受けひよりんがとても可愛かった。
てかスレ進み杉だろ・・・・・・
この過密ぶりなら宮川姉妹の新連載が加わったら、ひなかげが増えるのにも期待でき過ぎるな。
>>215 鍵はかがみだったわけですね。なんとなくそうなんじゃ、程度は感じてましたが…GJです!
そしてもう一つ違うのは…やはり彼女?
続編、期待してます!
3日でスレ容量半分突破とかどんだけー。
みなゆたに壊れ姉妹にパティひよ、各氏ともぐっじょぶ!
ホントにどんだけー。いや、凄く良い意味で。
みなさんまとめてGJっす。
>>280 GJ!!
これを読んでから寝たらパティとHする夢を見た・・・
でも、そんな需要は無いし、それを文章化する気も無い
なんて夢見たんだ 俺氏ねorz
>>286 生きろ、そしてその夢の内容を文章化するのだ
生きるという事は……戦いなんやで
>>288 こなた
「い、言ってることは間違ってないですけどっ! 今戦闘中っ!
デバフっ! デバフぷりーず!! 死ぬ〜〜〜!!」
だが断る
生きるという事は……辛い運命に、立ち向かうことなんやで
)
(=ω=.)(=ω=.)(=ω=.)(=ω=.)(=ω=.)
クワックワッ
こながもの親子
こながもと聞いて小ネタ持参で俺、惨状。
==================================
次のニュースです。
糟日部に春の訪れを告げるこながもの親子が今年も元気な姿を見せ、道行く
人たちを萌え転がせています。
こながもは陵桜学園のプールに巣を作って子育てをし、プール開きの行われる
7月ごろに近くの公園に引っ越しており、通学路を歩くこながもの親子は色々な
意味で市内の名物となっております。
学園では今年も恒例の「こながも委員」を生徒から募り、天敵のツンデレカガミや
ハナヂミユキがこながもを性的な意味で襲わないよう見守りたいとしています。
それでは、今年のこながも委員に選ばれました小早川ゆたかさんのコメントを
お聞きください。
「お姉ちゃ……じゃない、こながもちゃんには指一本触れさせません。
もしこながもちゃんになにかしようものなら、獣も人も皆殺しです♪」
以上、小早川ゆたかさんからのコメントでした。
陵桜学園では「一般公開日以外だとこながも委員が何をしでかすか分からないので、
学内にはみだりに立ち入らないように」と呼びかけております。
季節の変わり目にふさわしい、背筋の寒くなる話題でしたね。
それでは次のニュースです。
==================================
はい、お目汚しでした。では、現実に戻ります(自爆
>>292 とりあえず突っ込ませてもらう。
鳴き声はクワックワッではないと思う。あのこなただぞ?
ここは「ヨコソ」「アハ☆」「マナカナモー」「アジュジュシタ」を
提唱させてもらう、で、鳥類の癖に遠吠え
「ム〜〜〜〜ω〜〜ウ〜〜〜ω〜〜ウゥ〜〜〜ω〜〜」
も加えると完璧だろうw
こなかも⇒鳥類⇒卵生⇒産卵プレー
ごめん、こんな連想しかできあない俺を誰か俺を殺してくれ
久々にここ覗きに来たらキャラだけはらき☆すたの登場人物つかってるようだけど
あとはなんかもう異世界ってレベルじゃねーぞ!的別世界になってる件について
いやきっとみんなが楽しめてればそれでいいんだ、間違いない
なら問題ないですね
うむ。
NA☆RA☆BA俺のターン!!
おいおい、そんな事言ったら俺の書くキャラ全部オリキャラになっちゃうぜ?
壊れネタの事言ってるんじゃね?
タイトルに『パロ』とついているのでなんの問題もないb
>>298 そういう世界「も」ある、ということだ。
ここには無数の並行世界があるのでね。
>>298 気持ちは良く分かる。
そういう時は、読み飛ばせばいいんだ。
ただ、そういう作品が9割以上を占めるようであれば、一言いいたくなるかも。
本放送やってないから、パロ読んでるうちにいつのまにか元キャラの解釈が
パロよりに変わってて、それに自分で気づかなくなってそうで恐いってのはあるよね。
そう思って定期的に見直してるんだけど、つい見入ってしまってSSが進まない。
パラレル、壊れネタ以外はそこまで酷い飛躍はないと思う
前者は飛躍してるっていっても敢えてやってることだからおk
ただ、原作設定に固執し過ぎると、公式エピソード以外の創作は全て成り立たなくなってしまうので
そもそもパロでは無くなってしまう。
らき☆すたに限った事ではないけど、パロ(=ここ)は頭を柔らかくしないと楽しめないと思うんだ
310 :
7-896:2007/10/23(火) 19:33:03 ID:/nNFUyor
>>298 >>306 どうやら俺に指摘してくれてるっぽいですね。
なんかいろいろすみません(´・ω・`)
確かに最近壊れてるのばかり投下しすぎかもしれません……
ネタじゃないのまで壊れてますしね……保管庫見てみると、11作品連続壊れネタ投下とか、俺何……
普通のSSは他の人が書いてるから、って人任せだったかもです。
少し壊れネタは中断して、普通路線でがんばってみたいと思います。
……あれ?
みゆきってどんなキャr(待
いや、あなたはむしろ自重しないでくr(ry
まぁ、作品の捕らえ方なんてホント人それぞれだからなぁ
それでも、俺は壊れネタとかトゥキダカラー!!(古
313 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 19:45:06 ID:NTTGzfOo
>>310 普通路線は他の職人に任せて、
♪壊れ専門でもいいじゃなぁ〜い♪(唄・白石みのる)
いや、普通のお話も楽しみにまってますよ〜
>>310 別にあんたへの指摘ってことじゃないと思うよ
人それぞれ理想とするらき☆すた(妄想とも言う)があって、それが今の流れと彼等のそれが
食い違ってるだけじゃないか?
しかしその流れを多くのスレ住人が楽しんでいる状況で、文句も言えず、かといって肯定もで
きないもどかしさを感じてしまい、つい愚痴ったんだと思う。
誰だって一度ぐらいは「皆が楽しんでるのに、自分だけが楽しめない&楽しさが理解できない」
という感覚を経験した事はあると思う。あれは正直キツイからな。
で、結局俺が何を言いたいかというと「壊れたみwikiは素晴しい!」ということだ。OK?
こなた「それに最近、鷲巣も裸足で逃げる出血量を誇り、
T1000にすらなりつつあるみゆきさんにも、
萌えを感じるようになったしねえ」
みゆき「(床が変形して形作られる)こんな私でも?」
かがみ「とっととうせろべいびー」
こなた「うおっ!みゆきさん神出鬼没は勘弁!
ってかがみ!なにグラサンしてんのさっ!」
壊れキャラ使いながらも真面目な話書く強者が出てくるよきっと!
あくまで自分の考えなんだが、二次創作ってのはオリジナルの設定から、各個人の解釈や妄想を付け加えて、新たに作品を生み出す物だと思ってる。
その解釈や妄想は、もちろん作り手一人一人によって違うわけなんだから、比較的原作からぶれないもの、壊れたり、ぶれまくったりするもの、も当然出来る。
そうした「他人がどういう風に原作を捕らえるか、またどういう風に解釈してキャラを動かすか」を見るのも二次創作の楽しみの一つなんじゃないかな。
で、気に入らないものがあればスルー、と。
という点から、作り手の人はなんの躊躇なしに、自分の妄想をぶつけていいと思う。個人的にはもっと壊れた作品も見てみたい。
勝手な一人語りスマン。
あ、鬱モノや陵辱モノとかは、ちゃんと断りをした上でね…というのを入れ忘れてた。
壊れ物も、ちゃんと断りは入れようね。一応。
まあ、俺は大好きだから気にしないけどさwww
まあ難しいことは抜きにして、こういうのは各個人が楽しめればそれでいいのよね!
とかがみんも言っておられます
壊れネタは読んでて楽しい
感動ネタは心が洗われる
純愛ネタはにやけが止まらない
エロネタは発情s(ry
色んなネタがあっていいと思う
作者によって得意不得意や、書きやすい書きにくいがあると思うから、
無理に色んなネタのSSを書こうとしなくても、自分が一番書きやすいネタを書けばいいと思う
ちっちゃなネタでも、長編でも、結構な量のSSが投下されてて
よくも悪くもカオスなスレだよね。でもそれが
ここの特徴であり他のスレにはないことなんだと思う。
こんなに色々な味を1スレで楽しめちゃうんだから。
ロマンチックだよね。
ねこ大好き
>>310 それはつまり、こなフェチ病患者へのワクチン注入を
一時停止するということっすか?
禁断症状が出ちゃうじゃないか。
俺は全部読むから気にせず書いてくれやがってください
トンデモ・スポ根友情・みゆき痴漢エロと、様々なジャンルに手を出しては全て書きかけで終わっている俺からの最後のお願いです
>>310 あなたが普通のSSを書く?
いや、あなたが書くSSはいつも原作通r(ry
俺個人としてはあなたはあなたの好きなように書けばいいと思いますよ。
こなた「♪〜〜〜
太陽と南風プレゼンツ 夜になれば輝くクレセンッ
あの日君が落とした涙は きっとマーメイドの忘れ物
さあ行こう もう行こう 逃避行じゃない再始動しよう
飾りじゃないのよ涙は 蜆じゃないのよ鮑は (Ha, Ha-!)
〜〜〜」
かがみ「おっすこなた。珍しいわね、ラップなんて」
(微妙に噛んでるとこが可愛い〜><)
こなた「〜フラフラと行くから 朝まで
Summer day サラで!!」
かがみ「お疲れ。で、この曲って何?」
こなた「ほえ?『岬めぐり』だよ? 懐かしいでしょ〜?」
かがみ「生まれてねーよ、てか、明らかに曲変わってないか?」
こなた「やだなーかがみん。最近のフォークソングは間奏にラップが入ったりするのだよ」
かがみ「マイナー過ぎて分からん」
こなた「昔、柏のアニメイトに行ったときに新星堂にも行ってね、
その時にあの2人組が店の前でミニライブやってたんだよ」
かがみ「更に分からん。てか、大宮の方が近いのにわざわざ柏まで行くなんて」
こなた「私だってたまには千葉県にも遠征するのだよ。
みさきちもボロジーンズ買いに良く行ってるそうだし」
みさお「ボロ言うな!!」
こなた「で、何の話だったっけ?」
かがみ「もうええわ」
こなた・かがみ「「ありがじゅしたー」」
らき☆すたのなかの世界は面白いからその範囲だったらどんとこいなんだぜ
書き途中のが3つあるのに熱上がってきた俺マジ涙目
みんなも風邪には気をつけてくれ…
あと15作品で保管庫は800を超えるぞwすげえw
330 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:03:14 ID:FnU9cPNf
>>298 どうしても嫌ならNGネームとかにもできるしね
アニメやってた時の盛り上がりも落ち着いてきたんだし
投下は受け入れようぜ、お前は正しいよ
まぁ、別世界のらき☆すたということで。
異世界(イセカイ)には例え自分と全く同じ姿の人がいたとしても、
その世界(セカイ)では全く違う人生(ジンセイ)を歩んでるコトもあるって酒好きの魔女が言ってた。
わいそんなことゆーてへんで〜
チョココロネしか食べずに育ったチョココロネこなたは
オリジナルこなたとは別物だ((c)びばっぷ)
334 :
6-690:2007/10/24(水) 05:09:49 ID:OVP+NnJJ
みなさん、おはよう
>>286は実は俺なんだ
アニメの放送も終わって、何も書けない状態だったが、
286が妙に反応があったので、リハビリがてら書いてみたら徹夜明けorz
昨日見た夢を元に構成してみた
パティ×オリキャラ男(っていうか俺)
5レス投下
335 :
6-690:2007/10/24(水) 05:10:44 ID:OVP+NnJJ
「ただいま〜」
「○○おかえりー」
「また人のパソコンでゲームやってたのか、そういうのは自分のでやれって言ってるだろ」
「最近、ココにいる時間の方が長いから、こっちでやった方が早く進むんデス」
「しょうがないなあ〜まったく」
「トコロで晩ご飯は?」
「食べてくるってメールしただろ。これから風呂入るわ」
俺は風呂場へいき、湯船にお湯をためる
お湯をためている間にかばんの荷物を整理する。
パティはゲームに熱中してて、こっちのことは気にしていない。
お湯は10分ぐらいでたまった
「じゃ、風呂入るから」
「ホーイ」
パティの生返事が聞こえる
構わず、俺は風呂場へ
336 :
6-690:2007/10/24(水) 05:11:53 ID:OVP+NnJJ
「あーあ、今日も一日疲れたな。相変わらず人使いが荒いんだから」
風呂に肩まで浸かる
パティと半同棲してる今では1人でものを考える貴重な時間でもあった
「背中流しますヨー」
急にパティの声がしたかと思ったら、いきなりドアが開く
「んあぁ!?」
あまりにも急なことで俺は間抜けな声を出す
「どうしたんですカ?そんな声出しテ」
「急に風呂場に人が入ってきたら驚くわ!!って、なんでお前裸なんだ?」
「この方がナニかと楽かと思いまして」
「どういう意味だよ」
「気にシナイ、気にシナイ」
そう言って、パティは鼻歌を歌いながら、ボディソープをスポンジで泡立てる
こういう仲だから、パティの裸は何度も見てるけど、この状況じゃ、湯船の中にいたらドキドキしすぎて、ゆでダコになりそうだ
「早くあがってクダサーイ」
パティに促されて、湯船から出る
そして、イスに座る
「それじゃ、背中から洗いますネ」
そう言って、背中にスポンジを当て洗う
「力加減はどうですか?」
「ああ、いい感じだわ」
さっきから背中にはスポンジとは違う感触が
「なあ、パティ。さっきから、胸が当たってるんだが、わざとだろ」
「なんで『あててんのよ』と言わせてくれないんですカ?」
「普通に聞いたら、絶対そう言うと思ったからな」
「そんなズルい○○はこうデス」
パティは胸を当てるのをやめ、スポンジで背中をゴシゴシこすってくる
「痛い痛い痛い、俺が悪かったって」
「絶対に許さないデス。顔も見たくないデス」
「それは去年の金村だろ。痛いからやめてくれ」
「○○が元気そうでよかったデス」
「えっ?」
「最近の○○ あまり元気そうじゃなかったデスヨ」
「そっか・・・ありがとな」
「どういたしまして」
「アッチの方もすごく元気デスね」
俺自身を見る。すっかりいきり立っている。
この状況なら、無理も無い
「それはお前が裸で入ってくるから・・・」
「フフフ お風呂から上がったら、楽しみまショウね」
すっかりもてあそばれてるわ・・・
337 :
6-690:2007/10/24(水) 05:12:27 ID:OVP+NnJJ
先に風呂から上がり、髪を乾かし、ベッドでパティを持つ
なんか、のぼせたような気分だ
このまま、眠ってしまいそう
「お待たせシマした」
パティがパジャマ姿でベッドに来る
こうして見るとやっぱりかわいい
「待ちくたびれて、寝ちゃいそうだったよ」
「夜はコレカラなのに寝たらダメですよ」
そう言って、パティからキスをする
そして、舌をからめあう
ん・・・んんっ・・・
キスをしながら、パジャマのボタンを外し、上着を脱がせる
さっき、風呂場でも見た裸だが、そういう場になると艶かしく見える
俺は豊満な胸にむしゃぶりつく
「んー・・・○○はほんとにおっぱいが好きですね」
「おっぱいが嫌いな男なんていないよ。パティのは最高だよ」
「そんなコト言って・・・○○はやっぱりズルいです」
「ずるくてもいいよ」
乳首を軽く噛む
「あぁ、そこはダメです」
338 :
6-690:2007/10/24(水) 05:13:14 ID:OVP+NnJJ
「そろそろ入れてもいいかな」
パティの下腹部に触れる
「もう濡れてるじゃん。我慢できなかったの?」
「お風呂の時からずっとウズウズしてました」
「それなら、もう入れちゃうね」
パティのパジャマのズボンと下着を脱がせる
俺も着ている服を脱ぐ
「上になるか?」
「ハイ」
パティが上になり、俺のモノを飲み込んでいく
「んー、あっ、あぅ、あぁ」
パティの顔が紅潮していく
「パティ、気持ちいいか?」
「おぅ、すごく・・・いいデス・・・あぅ・・・」
パティの腰使いに俺もイカされそうだ
「パティ、ちょっと待って」
つながったまま起き上がる。座位の体勢だ
「こうすると長持ちするんだぜ、今日はちょっと危ないけど」
もう一度キスをする
つながったままでのキス。すごく気持ちいい
ずっとこのままでいたいけど、限界が近づく
「正常位になってもいいか?」
うんとうなづく
あまりの気持ちよさに声にならなくなっていた
つながったまま、パティの頭をぶつけないように正常位になる
「もうそろそろ限界だ」
「このママ、一緒に・・・あぁ」
ピストン運動を激しくする。
パティはぐったりしてたが、俺はもう一息というところだった
「ところで、どこに出す?」
「今日は・・・大丈夫デス・・・」
「ほんとだな、このまま出しちゃうぞ」
「○○大好きデス」
「俺もパティが大好きだ。あぁぁ、うっ・・・」
339 :
6-690:2007/10/24(水) 05:13:53 ID:OVP+NnJJ
「久々に情熱的なHデシタね、またシタイです」
「毎度こんなことしてたら、お互いに体壊すぞ。結構しんどいんだから」
「ワタシも疲れました。でも・・・」
「でも?」
「○○と一緒ならスゴクうれしいです」
「そっか」
「明日も早いから寝るか」
「デスね」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
340 :
6-690:2007/10/24(水) 05:16:55 ID:OVP+NnJJ
以上です
書いてみて、改めて思った 俺氏ね
変な夢見るもんじゃないな・・・
先生、ゆたか×みなみのエロが書きたいです・・・
>>340(6-690)
ならば氏ね。思う存分。
生き返ったらまたお願いする。
まあ、何が言いたいのかというと、GJだということだ。
>>340 なんて夢見てやがるw
ちくしょう、なんで俺の夢にはひよりんが出てこないんだ……
俺もこんな夢が見たかった
誰か好きなキャラが夢に出てくる方法を教えてください
345 :
18-490:2007/10/24(水) 10:52:08 ID:T/zIsSPL
>>340 nice dream GJです。
オレも夢の中でかがみヤりt(ry
さて、かがみのキャラソンを聞きながら浮かんだSS投下します。
一応『桜吹雪』シリーズの番外編です。
時期的には『桜吹雪』と『秋の七夕』の間でしょうか。
とりあえず前編のかがみ視点だけ投下します。
タイトル『一般的意見・前編』
こな×かが
非エロ
4スレお借りします。
「なんなのよっ!!!」
勢いのままイスから立ち上がると、だんっと大きな音を立ててイスが後ろの机にあたった。
その音の根源、つまり私に教室内から驚きと好奇心の目が向られるけど、知ったこっちゃない。
私は怒っていた。
その理由は、夏特有の太陽光からくる熱さでも、夏真っ盛りで激しく鳴いている蝉の声でもない。
私の視線の下にいる友人の泉こなただ。
その本人は悪びれた様子もなく、「つーん」と言ったようにそっぽを向いている。
「お、お姉ちゃん…お、落ち着いて…」
「い、泉さん…」
立ち上がった私をつさかが、一向に私を見ないこなたをみゆきが、それぞれ現状を落ち着かせようとフォローに回る。
「…もう勝手にしなさいよ」
せっかくのつかさとみゆきの好意を踏みにじってしまう事になるけど、こなたの態度に私のイライラはピークに達していた。
踵を返して、少し前まで楽しかった昼休みを過ごしていた教室を去る。
「お姉ちゃ…」
つかさの困った声が聞こえたけど、後ろを振り向かず扉を閉めた。
ドスドスと自分でも分かるくらい足音を立てて自分の教室へと向かう。
昼休みということもあってグランドや廊下からは生徒達の談笑や掛け声が聞こえる。
だよ、柊ぃ。溜め息つくと幸せが逃げるんだっぜ」
二回目の溜め息を吐き終わる前に聞き慣れた声が聞こえた。
声の主が分かっているので顔を向けず、そのまま教室の扉を開く。
「なんだよっ?!無視かよっ!!」
悪いが今はこの超楽天的性格の友人に構ってやれる気分じゃない。
黙って自分の席に着くと、私と日下部のやりとりを見ていたのであろう峰岸が心配そうな顔をして近付いてきた。
「あやのー、柊がアタシの事シカトするんだぜー」
「何かあったの?柊ちゃん」
うるうると雨の中の捨て犬の様な瞳で訴える日下部を手でなだめながら峰岸が問い掛ける。
「…なんでもないわよ」
ほっといてくれ、と顔背ける。
明らかに様子がおかしい行動をしておいて、ほっといてくれはないだろう、と自分でも思うけど、今は誰かに愚痴を言う気も起きなかった。
「なんでもないのに、みさちゃんを無視したの?」
いつものおっとりした声より少し低い声を出している峰岸に驚き、峰岸を見ると、普段の優しい笑顔をしていた。
横で日下部が「うっわ」と口を手で抑えている。
「えっ、み、峰岸…?」
笑顔の裏に隠されている怒りのオーラが見えない程空気の読めない人間じゃない。
「何かあったの?柊ちゃん」
先程と同じ台詞を先程より低い声で言われる。
『峰岸は怒るとすんげー怖いんだっぜ』
いつだか日下部が言っていた言葉を思い出す。
確かに物凄く怖い。
チラッと日下部の方を見ると、さっきまでいた場所から日下部の姿が消えていた。
消えた日下部を探す為、教室を見回すと、ベランダで黒板消しをパンパンしていた。
あんた今日、日直じゃないでしょ。
地雷を踏んでしまった責任をとるため、仕方なくまた峰岸に視線を向けると、笑顔のまま固定されていた。
『こっっわっ!!!』
「…い、いや〜実はね…」
黒板消しの粉を制服に纏いながら返ってきた日下部に助けを求めるように、ここに至る現状を話す。
そもそも事の発端はこうだ。
昼休みいつもの通り、こなた達の教室で弁当を食べている時のことである。
「いやー、もうすっかり夏だねー」
「そうですね、夏休みまではまだ当分ありますが…」
毎日の如くチョココロネを頬張りながらこなたが「早く夏休み来てほしー」と机に倒れこむ。
「こなちゃんは、夏休みなんか予定あるの?」
「うんにゃ、まぁ積みゲーを処理したり溜め撮りしたアニメなんかを見るかなー」
「うっわ、完璧ひきこもりじゃない」
出会って数ヶ月しかたっていないが、こなたが相当なアニメやゲームオタクであることは少なくても私達4人には必然事項になっていた。
「ち、ち、ち、オタクとひきこもりは紙一重なのさ、かがみん」
「…はいはい」
ごきゅと腰に手を当てて牛乳を飲み干すこなた。
「夏休みといえば、海、山、花火って色々イベントがあるけど、宿題もあるんだよねぇ」
この子はホントに夏休み最後の日になるまで全く宿題しないからなー、我が妹ながら悲しくなるわ。
「でも今年はソッチの心配はしなくてよさそーだよね」
ぷはっと牛乳瓶を机に置き、腕で口を拭りながらこなたが言った。
「アンタにしては意外な言葉が出たわね、勉強の計画でも立ててるの?」
せめてハンカチとかで口を拭え、という意味を込めてハンカチを渡す。
「いいや、今年は心強い助っ人がいるからねー」
渡したハンカチで口を拭り、私を見据える。
えっと、心強い助っ人…こなたの視線を感じて後ろを向くが、予想通り誰もいない。
「もしかしなくても、ソレは私なのか…」
「もちのろんろん」
「夏休みの宿題くらい自分でやりなさいよ」
推測していたとは言え、私任せなこなたに呆れて溜め息が出る。
「夏休みの宿題は前期の復習も兼ねてるのよ?」
「うん」
「後期は前期を踏まえての勉強になるのよ?」
「うん」
「高校1年が受験勉強の基礎になるのよ?」
「うん」
私の必死の説得もむなしく、このオタクは本気で宿題を私任せにする気らしい。
「はぁ…」
頭に僅かな痛みを感じ、額に手をあてる。
宿題自体を見せること自体には別に抵抗はないのだけど、それじゃこなたのためにならない。
「だってほら、私とかがみじゃ生きてる次元が違うじゃん?」
のほほ〜んと言われた言葉。
こなたはアニメやゲームを勉学よりも優先してて、私は勉学を優先してるという意味で言ったのだろうけど、本気でこなたの事を考えてた私は頭に血がのぼるのを感じた。
「………」
「で、でもやっぱり宿題は…じ、自分でやらなきゃだよね?」
「そ、そうですね…えっと、皆さんで定期的に勉強会を開くなどはいかがでしょう?」
私の変化に気付いたつかさとみゆきが、これ以上の状況悪化を抑えるために口を開いた。
「えー、でもせっかくかがみという宿題処理機がいるのにー」
「…宿題処理機」
あー遂に機械扱いですか。
プルプルと怒りを抑えるため拳を握りしめる。
「こ、こなちゃん…その言い方は…」
「ん?じゃあ、宿題マッスィーンとか?」
「見せないわよ…絶対見せないからね」
怒りの頂点ギリギリを飛行してる私は下を向いた状態ではっきりとした拒絶を見せることしか出来ない。
「かがみんのけちんぼー」
頬を膨らませてそっぽを見ながらこなたが言う。
その言葉と態度を見て一気に頭にきた。
「なんなのよっ!!!」
それから後が今の状況である。
一部始終を話し終えた後、チラっと峰岸と日下部を見る。
予想通り苦笑してる二人がいた。
「そりゃ、チビッコが言い過ぎだけど…」
「柊ちゃんなら我慢出来る範囲内だったんじゃない?」
言われてみると、確かにそうだ。
いつもこなたが宿題を写す口実と大きな変わりはなかった。
ではなんであんなに頭に血がのぼってしまったのだろう。
「宿題を柊任せにされたことか?」
私が疑問に思っていることが分かったのか、日下部が聞いてくる。
「んー、少し違うような…」
「機械扱いされたこと?」
「…確かにムカついたけど」
それが怒りのきっかけではなかった気がする。
じゃあ、何がきっかけだったのだろうか。
『私とかがみじゃ生きてる次元が違うじゃん』
急に先程のこなたの台詞が頭の中を反芻した。
生きてる次元が違う…確かにこの言葉を言われた時、頭にきたのと同時に感じた胸の痛み。
「はぁ…」
頭がぐちゃぐちゃで心境の変化までいちいち構ってやれない。
今日何度目なのか数える気も失せる溜め息をつく。
溜め息の原因である友人の顔が頭から離れないままで。
350 :
18-490:2007/10/24(水) 10:59:39 ID:T/zIsSPL
以上です。
後編はこなた視点…になるはずです(曖昧)
こなたを悪者っぽくしてしまってすいません。
そして峰岸も微妙にキャラ違ますねorz
スレ汚し失礼しました。
351 :
18-490:2007/10/24(水) 11:08:26 ID:T/zIsSPL
うわ、今読み替えしたら
>>346切れてる部分ありました!!!
マジすいません、
>>346の修正版だけ下に投下します。
>>346の修正版
「なんなのよっ!!!」
勢いのままイスから立ち上がると、だんっと大きな音を立ててイスが後ろの机にあたった。
その音の根源、つまり私に教室内から驚きと好奇心の目が向られるけど、知ったこっちゃない。
私は怒っていた。
その理由は、夏特有の太陽光からくる熱さでも、夏真っ盛りで激しく鳴いている蝉の声でもない。
私の視線の下にいる友人の泉こなただ。
その本人は悪びれた様子もなく、「つーん」と言ったようにそっぽを向いている。
「お、お姉ちゃん…お、落ち着いて…」
「い、泉さん…」
立ち上がった私をつさかが、一向に私を見ないこなたをみゆきが、それぞれ現状を落ち着かせようとフォローに回る。
「…もう勝手にしなさいよ」
せっかくのつかさとみゆきの好意を踏みにじってしまう事になるけど、こなたの態度に私のイライラはピークに達していた。
踵を返して、少し前まで楽しかった昼休みを過ごしていた教室を去る。
「お姉ちゃ…」
つかさの困った声が聞こえたけど、後ろを振り向かず扉を閉めた。
ドスドスと自分でも分かるくらい足音を立てて自分の教室へと向かう。
昼休みということもあってグランドや廊下からは生徒達の談笑や掛け声が聞
こえる。
それすらも今の私には苛つきに拍車をかける要因になってしまう。
チッと自分自身に舌打ちをする。
今まで友達と喧嘩らしい喧嘩なんかしたことなかった。
友人関係に気をつかいすぎる性格ではなかったけど、性格上、人受けのよさには自信があった。
友達からカチンと思う言葉を言われてもスルっとかわせる程の心の広さもあると自負していたのに…
「はぁ…」
自分の教室の前につくと、先程までの怒りが少し和らいできた変わりに、今更になって後悔の荒らしが襲ってきた。
なんでこなたにあんな事言っちゃったんだろう。
「………はぁ」
「なんだよ、、柊ぃ。溜め息つくと幸せが逃げるんだっぜ」
二回目の溜め息を吐き終わる前に聞き慣れた声が聞こえた。
声の主が分かっているので顔を向けず、そのまま教室の扉を開く。
「なんだよっ?!無視かよっ!!」
悪いが今はこの超楽天的性格の友人に構ってやれる気分じゃない。
黙って自分の席に着くと、私と日下部のやりとりを見ていたのであろう峰岸が心配そうな顔をして近付いてきた。
です、マジ読みにくくてすいません。
まとめwikiで直しときます。
>>353 GJでした。
後半は仲直り編?
続き、楽しみにしてます。
GJ!
後編wktk
後編を全裸待機
>>353 GJっす。
>>352で「つかさ」が「つさか」になってる部分が一つ有りますね。
立ち上がった〜の所です。
長編書いていると、短編に浮気したくなる今日この頃。
い、いえ、あっちも書いてますよ。
もう少し、もう少しだけ待ってください!!
☆2〜3レスお借りします
☆こなかか……かな。ベタな割には手を出してなかった
☆ひよりんかわいいよひよりん
最近、こなたに新しい友達ができた。
私たち、つかさとみゆき、そして私かがみ以外に友達がいるのかってぐらい人付き合いが少ないこなただったけれど、
最近はその子と仲良く話しているところを多く見かけるようになった。
積極的に友達を作りたがる奴じゃなかったから、私達がいない時は一人でぼーっとしてることが多いみたいだったし、
まあ、それだからついついこなたにかまっちゃうんだけれど。
でも、ゆたかちゃんのクラスメイトとして知り合った新しい友達ができて、二人で話しているところをよく見かけるようになった。
新しい友達ができてちょっとは人付き合いがマシになったのかななんて思う。
ただ、目下の悩みは……
「やっぱり一番はオリゼーっすよ。あの肩に乗ってるの、一個欲しいぐらいっすね」
「おっとひよりん。それはちょいとベタすぎやしないかい。
やっぱ私はヨルグルティでゴザる。あの口調にはちょっとやられちゃったね」
こいつら、一体何話してるんだかさっぱり分からないって!!
私の肩にもたれかかって寝ているつかさはともかくとして、
さっきからこの二人はずっと仲よさそうに二人で私の入り込めない話をしている。
オリゼーやらアセチやらクリソゲヌムやら……一体何の名前?
もう少し理解できるような話をしなさいって!!
私の中のオタクってイメージはこなたとか秋葉原にいるリュック背負った人とか、
そういったほかの人とはあまりコミュニケーションを取りたがらない人だったけれど、
こなたの隣に座る黒い、長い髪の眼鏡をかけた子――田村ひよりさんはこれがオタクに見えないほど人当たりがいい。
こなたのいとこのゆたかちゃんとも仲いいみたいだし、
私と話すときもこなたみたいに偏った話題を振らない、とてもわきまえている。
クラスの友達とも仲良くやっているみたいで、なんだかこの娘のお陰で私のオタク観が一変してしまった。
でも、こなたとこういった話を延々とできるなんて、田村さんはやっぱりしっかりとしたオタクなんだろう。
話に聞けば、コミケにも出店してたって話だし。
田村さんの横に座って話しているこなたの表情はとっても生き生きしてて、
その表情が私に向けられていないことを考えてしまうと、ちょっと胸が苦しい。
『まもなく、糖武動物公園前、糖武動物公園前。日光線方面はお乗換えです』
「おっと、じゃあ私はここまでだね。じゃあね〜、ひよりん、かがみ、つかさ〜」
「お疲れ様っす、泉先輩」
こなたがパタパタと手を振る。
ああ、この二人、本当に仲いいんだな。
ドアの向こうでパタパタと手を振るこなたが遠ざかっていく。
あ、今日はあんまりこなたと話できなかったな。
こなたと田村さんの会話はちょっと濃すぎてついていけなかったけれど、
でも田村さんと話しているこなたの瞳はいつになくキラキラ輝いてて、
私は話しかけられずに二人をただぼーっと見ているだけだった。
「? かがみ先輩。どうかしました?」
気がつくと田村さんが私の顔を覗き込んでいた。
ヤバ、私ちょっとボーっとしちゃったかな。
「な、なんでもないわよ。別に」
慌てて取り繕っても、その違和感に田村さんは気づいてしまったみたいだ。
こなたよりも人付き合いが多い分、察しがいいのか。
「あ、すみません。私ばかりが泉先輩と喋ってて、かがみ先輩を置いてけぼりにしちゃって」
「別に気にしてないわよ。そんな事」
手もちぶさで、両脇におろした髪の毛の先を、指先でくるくる弄ぶ。
べつにこなたが誰と話していようが私には関係ないでしょ。
「大丈夫っすよ。泉先輩のヨメはかがみ先輩ですから」
「な!!」
田村さんの口から出たヨメってことばに、私は凍りついた。
ち、ちょっと待って。田村さん、ヨメってどういうこと。
「泉先輩と二人で話しているときでも、二言目には『かがみは』『かがみは』なんですよね〜。
羨ましいというかなんというか、ご馳走様っす」
やだ、急にそんな事言われて私の顔は多分今真っ赤だ。
田村さんに向かって楽しそうに私のことを話すこなたが頭に浮かんできて、
何だか嬉しいような気恥ずかしいような、不思議な気持ちになる。
「羨ましいですなぁ〜、だんな様に愛されて」
「だ、だから私は別にこなたの事なんてなんとも思ってないんだから」
「いやいや〜、さすがはツンデレ。素直になれないところが可愛いですなぁ」
あーっ、もう。どいつもこいつも私をツンデレ扱いして。
私はべつにこなたの事を何とも思ってないんだから。
これだからオタクは嫌いだ!!
362 :
19-541:2007/10/24(水) 18:08:41 ID:nR4vI+8d
こんばんは。19-541です。
今夜、SS投下してよろしいでしょうか?
よろしければ、日付が変わった後、投下します。
では、一旦失礼します。
以上です。二レスで足りた
オリゼーかわいいよオリゼー
364 :
19-541:2007/10/24(水) 18:15:28 ID:nR4vI+8d
>>363 GJです。ああ、やっぱり、かがみは可愛いなあw見えないところでかがみにデレてるこなたも可愛い。w
そして、割り込み失礼orz
>>363 グッジョブです ! ヨメですか・・・ついに傍から見てもわかる嫁状態にw
>>362 ういうい〜期待してます〜
366 :
18-490:2007/10/24(水) 19:05:25 ID:wbcbKlhR
>>357 ご指摘サンクスです!
まとめwikiでなおしました。
>>363 ツンデレかがみ萌えwww
GJです!
>>362 それ以前に投下する人のタイミングが難しくなるので、あんまり先の時間を
指定するのもどうかと思うんだ…
>>363 GJです!かがみが無茶苦茶可愛いなぁ。
369 :
将来ニートになるかも:2007/10/24(水) 19:23:14 ID:ozkUoWnz
>>363
ただただGJの一言に尽きます!やっぱりこなかがはいいですねww
19−541さん、期待してますwww
>>362 日付が変わってからということは、誕生日SSっぽいですね。
wktkしながら待ってます。
……みゆきさん(..´∀`)
10月の誕生日って多くないですか?気のせい?
みゆきさんとゆい姉さんだけじゃない?
10月は二人で、多くても2月・9月の三人ですね >誕生日
まだ情報の無い人(みさお兄他)を除けば
wikiの参考資料その他のページは役立ちますわ
>>372 「私もそうですが、中学時代の友人などにも、10月生まれの方が多かったような
印象がありますね(※)」
「そうなんだー。でも、なんでなんだろうね」
「つかさ、それはだね。10月の10ヶ月ちょっと前に何があるかを考えるとわかるよ」
「お正月?」
「……まあ、そっちでもいいか。じゃあ、そのさらに1週間前には何がある?」
「お正月の1週間前……、クリスマス?」
「そのとおり。で、その時季といえばだね、世の恋人や夫婦はせっせと―――」
「はーいっ!そういう発言禁止ーっ!」
「んー?かがみぃ、何で顔赤くしてるのかなー?」
「う、うるさいっ!あんたのせいでしょうが!」
※…独自設定だが、リアルでは結構10月生まれって多い気がするよな。
と、ゆい姉さんと同じ誕生日の俺が言ってみる。
というか、明日はもう25日か…。早いなぁ
SS投下します。こなかがのほのぼのモノです。
おぉ、wikiの存在を忘れておりましたよ…
>>375と一緒の誕生日だということも気付いた
378 :
KOUYOU:2007/10/24(水) 22:51:50 ID:hah6WnyB
「あ〜……疲れた」
六時間目が終わりチャイムが鳴って、学校の終業を告げる。学校も終わったことだし、さて帰るか。
日下部と峰岸に適当に挨拶をして教室を出た。
「あ、そういえば、今日こなたが寄り道して帰ろうって言ってたわね……」
昼休みにそんなことを言ってたのを思い出した。
また漫画の新刊でも買いに行くのかな。帰っても暇だから、付き合ってやるとするか。
つかさとみゆきは……まあついてこないか。大抵、こなたの寄り道に付き添うのは私だけだしね。じゃあ、二人はもう帰ったのかな?
などと考えてるうちに、こなたの教室までやって来た。
教室の扉をガラガラと開いて、時間的に帰る準備が終わってるであろう、こなたの姿を探す。
「あ、いた」
すぐに部屋の窓側の席にいるこなたを見つける。……が、様子がなにかおかしい。
どうやら、自分の机の中をゴソゴソと調べているみたいだ。
「おす、こなた。なにか困ってるみたいだけど……どうかしたの?」
こなたは入ってきた私に気づいて振りかえった。
「あ、かがみ……それがね、困ったことになっちゃって……」
「どうかしたの?なんか机の中調べてたようだけど」
「ん〜……どうやら、定期なくしちゃったみたいでさ……」
「え?マジ?それはヤバいわね……」
こなたの顔は少し青ざめていた。まあ、定期みたいな大事なものがないとわかると、誰でもそうなるわよね。
「つかさとみゆきは?一緒に探したりしなかったの?」
「つかさとみゆきさんが帰った後で気がついたから、一人で探してたんだよ。……あー、どーしよ、どこいったのかなぁ……もし見つからなくて、今からまた定期買いなおすってことになったら痛すぎる……」
頭を抱えて嘆くこなた。なるほどね。状況は理解した。よし、ここは手伝ってあげるか。
379 :
KOUYOU:2007/10/24(水) 22:52:43 ID:hah6WnyB
「わかったわ。私も手伝ってあげる」
「え、ホント!?ありがと〜かがみん!いや〜助かるな〜!」
そう言って目を輝かせ、さらに私の手をガシッと握りしめて、こなたは喜びを表した。
いや、喜んでくれるのは嬉しいんだけど、そこまで純粋に喜ばれると、ここでこなたを助けてあげれば、彼女の中での自分の株が上がるんじゃないかな〜、なんていう自分のヨコシマな考えが恥ずかしくなってくる……
まあともかく、私とこなたによる定期券探しが始まった。
「じゃ、まあ始めましょ。もともと、定期は何処にいれてあったのよ?」
「出しやすいようにスカートのポケットの中。動いてる最中にポロッと落としたかなぁ……一応そう思って、教室はくまなく探してみたんだけど……」
「道端に落としたとか」
「それはないなぁ。学校に着いた時には確かにあったから」
「じゃあ移動教室とか?そこで落としたかもしれないわよ?」
「もしかしたらそうかもねぇ……移動教室か……今日あったのは音楽と体育だったかな……」
「まずはそこから調べましょ」
教室を出て、渡り廊下を通って階段を上がり、音楽室にたどり着く。
「失礼しまーす……」
いつもこの時間帯は吹奏楽部が音楽室を使っているので、恐る恐る挨拶して入る。が、
「……誰も居ないねぇ」
中に入っても、人っ子一人見当たらない。今日は休みなんだろうか。それにしても無用心ね、鍵くらいかけておきなさいよ。
まあ今回は、その方が鍵を貰いに職員室に行く手間も、部員に気を使いながら探す必要もないからよかったんだけど。
「私の机は……あったあった」
こなたはその席に近づいて、机の中や周辺を探し始める。
「どう?見つかった?」
「んー……ないね」
一応、周りの席や、戸棚、もしかしたら誰かが音楽の先生に渡したかもしれないと思って(勝手に)隣りの準備室の方も入って調べてみたけど、どこにも見つからなかった。
「こんだけ探してもないってことは、音楽室にはないってことかなぁ」
「どうやらそのようね……他を当たりましょう」
階段を降りて、中庭を通る。廊下の窓から外を見ると、日は段々と落ち初めていた。
五分もしないうちに、体育館一階の女子更衣室に着く。
更衣室の中に入ると、今度は部活の為に着替えたりする人が何人かいた。そうした人達を掻き分けて、こなたが授業の時に使ったロッカーの前に立つ。
「ここがそうなの?」
「うん。ちょっと調べてみるね」
こなたはロッカーの扉を開けて、中を覗き見る。
「あった?」
「う〜ん……ないなぁ……」
「場所を間違えた、とか」
「……そうかもね」
念のため、周辺のロッカーも調べてみる。が、やっぱり出てこない。
更衣室に居た人達や、二階にある教官室にいた先生に聞いても、そのような落し物はないと言われた。
「う〜ん、ここにもないかぁ……本当にどこにいったんだろ」
「もう心当たりがある所はないの?」
「移動教室は音楽と体育だけで、あと今日行ったとこと言えば、トイレぐらいだしなぁ……」
校舎に戻り、こなたの教室に一番近いトイレに入って中を調べる。が、もちろん見つかるわけもなく徒労に終わった。
その後、職員室や事務室に行って、定期券の落し物がないか聞いて回ったけど、良い返事を得ることはなかった。
380 :
KOUYOU:2007/10/24(水) 22:53:38 ID:hah6WnyB
「はぁ……」とため息をつくこなた。
結局、私達は途方にくれたまま教室に帰ってきた。
私達以外に誰も居ない教室に、夕焼けの光が差しこむ。
「見つからなかったわね……」
何の手かがりも見つけられなかったことで、私もつられてため息が出た。
「そうだね。 ……あんまりこういうこと考えたくはないけど、盗まれた、とか」
「ありえなくはないわね」
物騒な世の中だ。落とした定期を拾ったままガメてしまったりする奴もいるかもしれない。
「まあ、仮に盗まれてたとしたらこの場で定期を見つけることは出来ないし、盗まれてなくとも、今実際、どこをさがしても見つからないし……ってことで、しょうがない。今日は諦めて切符買って帰るよ。新しい定期はまたお父さんと相談するしてから決める」
「でも定期って高いじゃない?もう少し探してみてもいいんじゃ?」
無くした本人よりも探すのに必死な私だった。と言っても、こなたの懐具合を心配するよりも、私が定期を見つけて、彼女にいいところを見せたい……という気持ちの方が強いんだけど。
「とは言え、もう教室は調べ尽くしたしなぁ……」
「かばんは?ちゃんと調べたの?」
「え〜、かばん?それはないと思うけどなぁ……一番最初に、中の物を全部取り出して探したけどなかったし」
こなたはそう言いながら、もう一度ちゃんと確認する為に、外ポケットも含めて中身を全て取り出した。
「やっぱりないや。ほら」
自分で確認した後、私にもそのかばんの中を見せる。確かに空っぽだった。……が。
「あれ……ここは?」
「え?何?」
私はかばんの中のある所を指差す。それは、かばんの内ポケットだった。
「あ……!」
私が指差したのを見て、こなたは急に何かを思い出したかのように声をあげ、そしてそのポケットに手を入れた。
「あー……かがみん、あったよ……」
かばんから出たこなたの手には、確かに茶色い合皮で出来た、定期入れが握られていた。
「え?どういうこと?」
「いや〜ね、体育の時にこのかばん持っていって、着替えるとき、スカートの中に定期を入れっぱなしだと戻ってからまた着替え直す時に、落としてしまいそうだな〜って思ってこっちの内ポケットに入れたんだったや。すっかり忘れてたよ……」
と、こなたは、少しバツが悪そうに笑いながら説明した。
「何?結局、単なるあんたのド忘れによる確認ミスってこと?」
「どうやらそうみたいだね」
「なんじゃそりゃー!」
「ご、ごめんね、かがみん……」
381 :
KOUYOU:2007/10/24(水) 22:54:33 ID:hah6WnyB
==============================
「いや〜、今日は本当にごめんね、かがみん」
「まあいいってことよ」
なにはともあれ、無事に定期を発見した私達は電車に乗って糟日部駅に帰ってきた。
寄り道は、探し物をしてる間にかなり時間を食ってしまったので、今日は中止になった。
駅を出て、夕暮れの帰り道を自転車で駆けて行く。もう三十分もすれば、完全に日は落ちるだろう。
「でも、私のうっかりでかがみの手まで煩わせることになっちゃったワケだし……」
「気にしなくていいわよ。誰だってそういうこともあるでしょ」
「そっか……ありがと、かがみん」
確かに馬鹿馬鹿しい落し物騒ぎだったけど、こなたに感謝されたってことで、私の当初の目的は達成できたわけだし、目的うんぬん関係無くしても素直に嬉しい。
その後も順調に帰り道を進んで行き、とある交差点に近づいてきた。
この、人通りもほとんど無い小さな交差点を私は右に、こなたは左に進む。
つまり、今日はあそこでこなたとはお別れってことだ。
そう思うと、ちょっと寂しくなってくる。寄り道、したかったな。そうしたらもっとこなたと一緒に居ることが出来たかもしれない。
でも、ま、探し物してる間は二人っきりで居れたわけだし、その探し物の件では少しはいい印象与えられたと思うから、今日はそれで満足しておこう。
「かがみ、待って」
そろそろさよなら言わなくっちゃな、と思っていたら、突然こなたはブレーキをかけて自転車を止めた。
私もそれに反応して、少し遅れてからブレーキをかけた。
止まった所はこなたより少し飛び出た所だったから、地面を足で蹴って後ろに戻る。
「急にどうしたの?」
当然の質問をする。
「うん、今日手伝ってくれたかがみに、お礼しなくちゃなって思って」
「お礼……?別にそんなのいいわよ」
お礼が欲しくて手伝ったわけじゃない。それに、お礼ならさっきのこなたの感謝の言葉だけでもう十分なのに。
「いんや、ちゃんとお礼しないと私の気が済まないからさ……だから、受け取ってくれない?」
「……まあ、そこまでいうなら」
「ありがと。じゃ、目をつぶって」
いまいち何がしたいのか良くわからないまま、こなたの言われる通りに私は目をつぶる。
「……つむったわよ」
「じゃ、そのままでいてね」
一体何をするつもりなんだろう。少しドキドキする。
すると、突然、私の口にふわりとした感触が伝わった。
「………………!」
その感触に驚いて目を開けると、私のくちびるに、こなたのくちびるが優しく重なっていた。
「え、え?ど、どういうこと?」
急なことに、私の頭はパニックになる。
「何って……キスしたんだよ。解らなかった?」
「そ、それは解ったけど……何もこんな道端でキスすることはないでしょ……!」
「ふーん、女同士なのにキスされること自体は別にいいんだ」
「い、いや……そ、それは……」
どうやら墓穴を掘ってしまったことに気づき、いっそうあたふたとしてしまう。
「いや……だからさ、今は誰も見てなかったからよかったけど、もし人が居たら勘違いしちゃう人とかいるかもしれないじゃない?」
「え?どう勘違いされるの?説明してよ〜、かがみん」
「う、うう〜……!」
こなたの容赦無い質問攻めが、私の心に揺さぶりをかける。
どうやって上手いこと誤魔化そうか、と考えていたその時。
突風が吹いて、周りに立っている街路樹の葉がバサバサと揺れた。
そして、さっきの風によって飛ばされた、一枚の葉が、私の目の前にひらひらと落ちてくる。
こなたはその葉を軽くひょいとつまみ上げ、表の方に目をやった。秋の夕日に美しく照らされる、立派に紅葉したケヤキの葉だった。
それを見て、こなたはニヤニヤと笑って言った。
「あ……今のかがみの顔、このケヤキの葉より、もっと真っ赤だよ」
おしまい
リアルタイムktkr
ほのぼのバカップル萌え、ぐじょぶ!(=_,_,=.)b
383 :
376:2007/10/24(水) 23:00:07 ID:hah6WnyB
以上です。タイトルは秋の「紅葉」と、かがみの気持ちの「高揚」をかけたものモノです。
……っていうのはウソです。ごめんなさい。
この前、ゲーセンで某ゲームをやっている際、「そういえばもうそんな季節だったよなぁ」
と思い出してプレイした所、思わず目頭が熱くなり、その時ふと思いついた作品です。
皆様に気に入ってもらえると幸いです。
それではまた。
……「PINK DREAM」と「PEACE DREAM」の続きはもう少し待って……OTL
>>383乙!!
某ゲームって・・・・・コアリミかFinal?
あの曲はコアリミやる時に必ずラスト1曲に指定してたなー・・・・・・
Bメロからサビにかけてのピアノの旋律が物悲しげで個人的に好きだった。
ってかこのスレ見てたら俺も刺激されて何か書きたくなった。
一応プロット練りまくってる最中だけど乗り物ヲタ入ってるのでかなり鉄分高くなるかも?(ぉ
>>383 誰がうまいこt(ry…と思ったら違うのか
ともあれ乙
明日は母ちゃんの命日なんだよな…
出勤前に墓参りに行くようになってもう5年か、早いねえ…
今年は好物の焼き芋とチョココロネを持って線香あげに行くわ
>>383 >……っていうのはウソです
言わなきゃ信じたのにwGJ!
にしても、なくした(と思ってた)物って、探す必要が減って(0ではないが)
からひょっこり見つかったりするから困るよな。俺の折り畳み傘とかorz
>>384 ここの他に鉄道板にも行ってる俺が来ましたよ。
思い立ったが吉日とはよく言ったものなんだぜ。お待ちしてます。
俺も初投下した作品は鉄分が見え隠れしてたなぁ…。黒歴史だが
>>383 youheiの名曲来ましたね。
あれはコアリミが初出ですな。
この分だと、次の題名はsyncpoint辺りが来るかn(ry
ともかく、乙です。
388 :
6-690:2007/10/24(水) 23:51:07 ID:EoHqsJn+
すっかり忘れてたんだけどさ
ここってタイトルつけなかったらWiki収録時、どうなるんだっけ?
あまりにorzとなったから、タイトル思いつかんかったんだが
>>344 好きなSSを読んで悶々としながら寝るんだ
>>388 ましまろ(管理人) 氏が名付け親役を引き受けているようですよ
眠いんだけど、お祭り騒ぎが好きだから寝ちゃいられねえ……
テンションが最高にハイってやつだ
390 :
383:2007/10/25(木) 00:05:46 ID:pKcj4fyX
>>387 それをやってみたいのはやまやまなんだけど、そろそろこのタイトルbemaniネタも自粛した方がいいような気がしてきた…所詮は自己満足だしなぁ…
391 :
19ー541:2007/10/25(木) 00:18:21 ID:LFWDYpS0
では、そろそろ行きますね。
・非エロ
・つかさ×みゆき
・自作「女神と天使」同様二人はすでにくっついています。
・携帯からですので、文面が少しおかしいかもしれません。
上記の内容に嫌悪感がある方は、スルーして下さい。
7レス使用します。タイトルは「サプライズ☆オレンジ」です。
高良みゆきの就寝は早い。今でこそ、就寝は十一時だが、中学の頃は十時には床についていた。
そんな彼女が十一時を過ぎた今でも起きているのにはある事情があった。それは、今から一時間ほど前のことだった。
「ふう……。今日はこのくらいにしましょう」
ノートに走らせていたペンを置き、みゆきは息をついた。
時計を見ると、既に十時を回っていた。
ちょうどいい時間だと思い、みゆきは携帯を手に取る。つかさと恋人になってからというもの、就寝前のこの時間は大抵つかさと電話で話す時間になっていた。
今日はどんな話をしようかと心を弾ませ、みゆきは携帯を開いた。
(ーーーあら?)
待ち受け画面にメールの着信を知らせるアイコンが浮かんでいた。先程、入浴している際中に来たのだろうか。メール画面を開き、発信者を確認する。瞬間、みゆきはかすかに驚いた。
(つかささん……?)
画面の発信者名は『つかささん』という文字を映していた。急いで、内容を確認する。しかし、その内容にさらにみゆきは驚いてしまった。
『ゆきちゃんへ
どうしても直接話したいことがあるの で、今から行きます。待っていて下さ い』
393 :
19-256:2007/10/25(木) 00:19:14 ID:kZpBS83S
寝る前にちょちょいと投下します。
5レスくらい。かがみ&みさお。非エロ。
そういうわけで、みゆきは今だ起きていたのである。
(つかささん……)
携帯の画面を見る。整った顔に幸せそうな笑みを浮かべるつかさの写真がそこにある。恋人同士になってしばらくの後に撮影したものだ。今では、こうして待ち受けにしている。
(話したいこと……)
突然すぎるとは思う。その上、つかさは『直接話したい』らしい。電話でもメールでも言えないこと。
そう言われても、みゆきには内容の想像が出来なかった。一つだけ言えることは、かなり重要な話なのだろう。
(待つしかありませんね……)
携帯を閉じ、みゆきはキッチンへ向かう。今夜は特に冷える。つかさに温かいお茶を用意しておこう。そうして、つかさの来訪を待つのであった。
程なくして、チャイムが鳴る。ゆかりに自分の客であることを告げ、玄関を開く。待ち人がそこにいた。
「こんばんは、つかささん」
「こんばんは、ゆきちゃん」
しばしの間の後、つかさを中へ通す。おじゃまします、と小さな声を発し、つかさは中へ入った。
先に自分の部屋へ向かうように言ってみゆきはキッチンへ足を運ぶ。程よく温まった紅茶を香りと共に運んで、自室の扉を開けた。つかさは、ジッと座り込んでいた。
カップに紅茶を注ぎ、つかさに渡す。
「どうぞ。寒かったでしょう」
「あ、ありがとう。いただきまーす」
クピクピと紅茶を口に運ぶ。つかさは、体中が温まるのを感じた。
「おいしい。いい香りだね」
「そう言って頂けると嬉しいです」
みゆきも紅茶を口に運ぶ。それをテーブルに戻した。
そして、恐る恐る口を開く。
「それで……つかささん」
「ん?何?」
「いったい、どうしたのですか?直接話したいこととは……」
つかさはそれにニコリとする。どこかそわそわしているようにも見える。
「え……と、ね」
すると、つかさは今までそばにおいていた袋を手にとって、みゆきにそれを見せる。
「こ、これ!」
「え?」
つかさを見ると、顔は朱に染まり、緊張しているのか手は震えていた。不思議に思いながらも、みゆきはそれを手に取った。中を覗く。中にある物を出した。
「これは……マフラー……?」
出てきた物はマフラーだった。白を基調にオレンジのラインが入っている。
つかさが口を開いた。
「た、誕生日、プレゼント……」
「え……?誕生日……?」
「明日、ゆきちゃんの誕生日だから、これからどんどん寒くなるし、ちょうどいいかなって……」
しどろもどろでも、つかさははっきりと話す。みゆきは手にあるマフラーをまじまじと見つめた。
「誕生日プレゼントだし、ホントは明日渡すべきなんだけど、明日は、みんなでパーティーするでしょ?だから、そのぉ……」
もじもじと体を揺らしながら、つかさは言った。
「ふ、二人っきりの時に渡したかったから……」
「〜〜〜っ!」
みゆきは、とっさにつかさから顔を背ける。顔が熱い。つかさの顔が直視出来ない。もし、見てしまったら、気絶してしまいそうだ。
つかさもまた、視線を落とし先程よりもさらに顔を赤くしていた。
「あ、あの……」
なんとか、つかさに声をかける。直視は出来ないままだが。つかさも視線を落としたままだ。
「ありがとう……ございます。本当に、嬉しいです……」
「う、うん……。ありがとう……」
しばしの間が流れる。お互いに気恥ずかしさから、声もかけられない。
沈黙を破ったのはみゆきだった。
「つかささん、これ……今巻いてみてもいいですか?」
「あ、ああ、うん!」
「それでは……」
みゆきはつかさに背中を向け立ち上がりマフラーを首に巻いていく。その様子を、つかさはじっと見ていた。程なくして作業が終わる。
みゆきはつかさの方へ向き直った。
「どう……でしょうか……」
つかさはじっとみゆきを見つめ、満足気に微笑んだ。
「えへへ。自分で言うのもなんだけど、すっごく似合うよ」
「そうですか?ありがとうございます」
自然とみゆきにも笑みがこぼれる。見つめ合うと、つかさもみゆきもクスクスと笑い最後には遠慮せず、大きな声で笑った。
と、そこでみゆきはあることに気がついた。
「あの、つかささん」
「えっ、なあに?」
「お帰りはどうされるのですか?もう、電車はなくなっているはずですが……」
つかさの動きが停止した。不思議に思い、もう一度声をかける。
「つかささん……?」
少し間を置いて、弱々しい声でつかさは答えた。
「……考えてなかった」
「ごめんね、ゆきちゃん。泊めてもらって……」
「いいんですよ。別に、迷惑ではありません」
むしろ、と言ったところで口を閉じる。
「?どうしたの?」
「むしろ、つかささんと一緒に寝られるのが嬉しいです……から」
「はううぅっ!?」
つかさが文字通り『飛び上がり』、ベッドに倒れ込む。
「つかささんっ!?だいじょーーー」
つかさに駆け寄ろうとしたとき、足を滑らせてしまった。
「う、うん、だいじょうーーー」
大丈夫と言おうとしたつかさに力が掛かる。不思議に思い、閉じた目を開ける。みゆきが目の前にいた。
『あ……』
声が重なる。それ以上言葉を発する事が出来ない。
『……』
ふと。
つかさが目を閉じた。
みゆきは一瞬驚いたが、すぐにつかさに顔を近づける。
心臓の鼓動を煩わしく思いつつ、その顔はだんだんつかさに近づいていく。
もう、唇が触れーーー
トントン
「みゆきー。早く寝なさいよー」
ガバッと、二人の体が離れた。みゆきはゆかりの声に、努めて冷静に答える。
ゆかりはそれで気が済んだのか足音は遠ざかっていった。二人は息を吐く。
「……寝ようか」
「……そうですね」
そうして、みゆきは自分のベッドに、つかさは用意された布団で寝るのだった。
時計の針が重なり、日付が変わったことを示した。
灯りの消えた部屋の中で、みゆきはつかさに話しかける。
「つかささん、今日はありがとうございました」
「どういたしまして。喜んでもらえて嬉しいよ」
「マフラー、明日から早速使わせて頂きますね」
「うん!」
「そういえば、つかささん。」
「なあに?ゆきちゃん」
「あのマフラー。オレンジのラインが入ってましたが……」
「うん。ゆきちゃんの好きな色だよ」
「知ってくれていたんですね」
「もちろんだよ。だって……」
「?」
「ゆ、ゆきちゃんのことだから……」
「〜〜〜っ!」
「えへへ。おやすみなさい!」
「つかささん!」
「ねえ、ゆきちゃん」
「はい?」
「お誕生日おめでとう!」
「ーーーっ」
「やっぱり、これは言わないとダメだよね」
「……そんなことを言われると……何も言えなくなってしまいます」
「えへへ……」
「……つかささん」
「なあに?」
「大好きですよ」
「ふえっ!?」
「うふふ。お返しです」
「うぅ、ゆきちゃんひどいよ〜……」
「あら、本当のことですよ?」
「う〜〜〜」
「つかささん」
「な、何?」
「これからも、ずっと一緒にいて下さいね」
「……もちろんだよ」
翌朝。深夜に寝ぼけてベッドに入り込んだつかさが、みゆきに抱きついている光景を二人を起こしに来たゆかりに目撃され、からかわれるのは、また別のお話。
(Fin)
以上です。ホントは、もっと長くなるはずが、時間が足らず、微妙な出来に…orz記念SSは余裕を持って書かないとダメですね。
では、読んでくださった方ありがとうございました。みゆきさん誕生日おめでとう!
>>400 GJだぜ!
本スレでみゆきバースデイを祝ってきたばかりだから何というタイムリー。
そして見事に割り込んでサーセン。
眠いんでコチラの投下は明日にしますネー。
402 :
19ー541:2007/10/25(木) 00:32:58 ID:LFWDYpS0
すいません、忘れてました。
>>383氏GJです!
GJ!&みゆきさんおめでとう!
>>400 どうしてくれるんだ!読んでる間ずっとニヤけちゃったじゃないか!
マジGJでした。つかゆきに幸あれ&ゆきちゃん誕生日オメ
405 :
19ー541:2007/10/25(木) 00:35:07 ID:LFWDYpS0
>>401 いえいえ、気にしてませんよ?
ところで、なんでID変わるんだろう…。携帯だから?
>>400 すでにエッチまでしているのに初々しい二人にニヤニヤせざるをえない
変な言葉になってしまったけどGJ
>>401さんは投下しないみたいなんで
もうちょっとたったら自分も投下します
これからSSというかネタを投下します。
非エロ。5レス。
少なくとも表面上は本編と矛盾しないように作ったネタで、
ネタ元になる4コマを明示してありますので原作本を手にとってお楽しみください。
いや、そこまでするほどのものでもないんですが。
『ピンクなみゆきさん 〜みゆきさんは本当はこんなことを考えている〜』
1巻16ページ『天然』
「そ、その……私、怖いんです。コンタクトレンズが
といいますか、目に物を入れることが……」
でも泉さんでしたら目に入れても痛くないといいますか
むしろ泉さんいろんなところにに入れてもらいたいといいますか……ハァハァ(;´Д`)
1巻62ページ『出来ません』
「みゆきさんとかはどうなのかナ? お金持ちっぽいし意外と家事とか苦手かも」
「え、お料理ですか? 実は……時々お手伝いをするくらいなので
あまり家事は得意ではないんですよ」
でも女の子を調理するのは得意ですよ
泉さんのこと、美味しくいただいてしまいたいですハァハァ(;´Д`)
1巻91ページ『眼鏡っ娘』
「みゆきさん海でも眼鏡なんだねー」
「そうですね――」
眼鏡をはずすとこなたさんの水着姿がボヤけてしまいますから。
「じーっ」
「!?」
ああ、眼鏡をはずされてしまいました。
これはあれですよね。ドラマとかでキスシーンの前によくある、
『眼鏡はキスのとき邪魔だから』と言う展開ですよね。
泉さん、私はいつでも歓迎ですさあ熱い口付けをハァハァ(;´Д`)
1巻104ページ『現実』
ああ、なんということでしょう。いつも使っている眼鏡を割ってしまいました。
これでは私の活力源である泉さんの笑顔を拝見することができません。
この高良みゆき、一生の不覚です。
間違えて男子トイレに入りそうになったとき、泉さんは私に
それを教えてくださいました。のみならず、女子トイレのほうを指さしています。
これはつまり、私をトイレに誘ってその中でいろいろなことを致してしまうということですね。
さあ泉さん、狭い密室で二人きりになりましょうハァハァ(;´Д`)
1巻132ページ『ちょっと怖い』
「目薬? 手伝おっか?」
やっぱり泉さんはお優しい人です。私は机に横になって――
い、泉さんのお顔がこんな近くに!
しかもこの体勢は泉さんが攻め! 攻めですね!
ああ、緊張して目薬がうまく入りません……
それに、つい目を閉じてしまいます。だって、キスのときは目を閉じるものですから……
「あの……すいません。ワザとではないのですが……」
頭を押さえてるのは『逃がさないよみゆきさん』ということですね。
私は受け入れます。さあ泉さん奪ってくださいハァハァ(;´Д`)
2巻2ページ
泉さんが私の身体に興味を示してくださっています。
泉さんは誰よりも私の身体のことを知っていらっしゃるんですねハァハァ(;´Д`)
泉さんさえよければ私はいつでもお見せ致します!
2巻20ページ『信頼度』
「あけましておめでとうございます。高良ですけど」
新年早々泉さんから電話を受け取ってしまいました。今年はいい年になりそうです。
泉さんの声を聞くと胸が高鳴って体が疼いてきます……
今年のひめはじめはこの声で……ハァハァ(;´Д`)
2巻70ページ『夢膨らむ』
「歓迎ですがくれぐれも期待しないでくださいね……」
泉さんが家に来てくださるなんて!
家を綺麗に掃除してご馳走を用意してお出迎えしなければなりません。
いえ、それだけでなく丁度良い効果を持つ薬とかも用意しなければならないでしょう。
そうして泉さんを私のベッドにお連れして……夢が膨らみます……ハァハァ(;´Д`)
2巻108ページ『ある意味純粋』『わかってない』
「昨日こなたの家で小学校の時の文集とか見てきたのよー」
小学校のときの泉さん……さぞや可愛かったんでしょうねハァハァ(;´Д`)
でも今も可愛いですよ。それは間違いありません。
「なりたい職業にお嫁さんって書く人もいるけどなー」
そうですね。私の夢もこなたさんのお嫁さんです。
こなたさんのウェディングドレス姿、綺麗なんでしょうね……
その夜は、ドレスを着たまま楽しむというのもいいですねハァハァ(;´Д`)
2巻134ページ『差異』
「眩く輝く素敵な星を見て幸せな気持ちになるのを受けて
その言い伝えがあるのかも知れませんね」
私の願いごと……こなたさんとキスしたいこなたさんと抱き合いたい
こなたさんの身体を穴が開くほど見つめたいこなたさんの全身を舐めまわしたい
こなたさんを徹底的に焦らしたうえで可愛い声で『お願いだからイかせて』と言わせてみたい
こなたさんの(検閲により以下削除)
……とても三回は言えそうにありませんね。
2巻139ページ『お祭りへいこう』
「お祭りがあるんだけどみゆきさんもどうかなと思って」
「暮れのお祭りですか」
お祭りといえば、やはり浴衣姿でデートの後、そこから少し離れた暗がりで
『みゆきさん、浴衣が着崩れちゃうよ……』
『大丈夫です。私が着付けできますから』
なんて言いながらいつ人が来るかもしれないスリルを味わいながら
つい行為に夢中になってしまうのですねハァハァ(;´Д`)
「要するにコミックマーケットの買出し要員の勧誘よ」
「嘘ついてないもん。祭りは祭りだもん」
東京国際展示場で浴衣プレイなんて……こなたさん大胆ですハァハァ(;´Д`)
3巻49ページ『足もと』
「素敵でしたね〜」
こなたさん素敵ですお綺麗です輝いてます私のものにしたいですハァハァ(;´Д`)
3巻75ページ『何この違い』
「なんかさー、くしゃみ一つとってもこの個体差――
ずるいよねーかわいいのって何かずるいよねー」
かわいいって言ってくださるなんて感激です!
かわいいと思ってるということは、こなたさんは私がこなたさんにしたいと思っていることを
やってみたいと望んでいらっしゃるということですね!
ああ、こなたさんに私の全てを捧げるときがきたのですねハァハァ(;´Д`)
3巻95ページ『戦闘モード』
「みゆきさんがやったらどのくらいの成績なのか少しやってみてよっ」
「わ、私ですか?」
これがこなたさんの触ったDS……ああ、これで私の×××××を×××××したいです……
こなたさんさえ見ていなければ躊躇わずやってしまうところでしたが。
まともにプレイするというのも一興です。私の名前をハイスコアに残せば
こなたさんがこのゲームをやるたびに私の名前を見ることになり、
いつも私のことを考えずにはいられなくなります。そしてこなたさんは私に……
完璧な計画です。
「では……」
……気づいたら黒井先生にでこぴんされてました。
3巻131ページ『脂肪』
「みゆきさんはさしずめピーマン型かな」
「え……っ」
そんな、ここで体型を見せろと仰るのですね!?
こなたさんになら見られても構わないというかむしろ積極的にお見せしたいのですが
さすがに人前では……
しかし、改めてこなたさんが私の胸に興味津々ということがわかりましたので
私の願望が実現する日も遠くないかとハァハァ(;´Д`)
4巻10ページ『信頼度』
「――じゃ、みゆきさんの方で。いやー、何となくイメージというかそういうのが」
こなたさんは私を信頼してくださるのですね。
でしたら私が『不治の病にかかって、泉さんと×××××するしか治療法がないんです』
と言えばそれをやってくださるのでしょうか。
いえ、せっかくしていただくなら×××××とかいっそのこと×××××とか
するのはどうでしょうかハァハァ(;´Д`)
4巻48ページ『入手先』
「あ、はい、私あるものは何でも読む方なんですよー」
特に恋愛ものが好きですねー。
名前の部分を『こなた』と『みゆき』に書き換えて読んだりするんです。
ライトなものから濃厚なものまでハァハァ(;´Д`)
4巻58ページ『この先の過ごし方』
「私は医学部で進学希望を――」
そしてこなたさんと夢のお医者さんごっこをハァハァ(;´Д`)
それに、他の誰かが泉さんを診察するなんて許せませんしね。
4巻81ページ『ファーストイメージ』
「いや、みゆきさんの服がいくらって話だけどー三万円くらい――
写真つきで――って発想が出てきた私は我ながら汚れてるな、と」
いえいえ、こなたさんは汚れてません。こなたさんだったら何着でも差し上げますから
欲しくなったらいくらでも仰ってください!
むしろ私がこなたさんのそれをお買い上げしたいです!
そして毎晩お互いの服のにおいをかぎながらハァハァ(;´Д`)
4巻97ページ『雲の上』
計画通り、こなたさんは私の名前を忘れることができずにいます。
このまま順調に行けばハァハァ(;´Д`)
4巻131ページ『努力』
「私はよく眠るのでこんなふうになったのかもしれません」
こんなことを教えてしまうとこなたさんは胸を大きくしてしまうかもしれませんが……
でも大きくなってもこなたさんはこなたさん。私の愛は変わりませんよハァハァ(;´Д`)
5巻34ページ『体感速度』
「朝晩きちんと歯磨きもしてるんですが……
(中略)毎回15分ほど磨いているのですが……」
こなたさんのことを考えていると15分どころか何時間でも過ぎてしまうのです。
……もしかして、こなたさんのことばかり考えてるせいでちゃんと磨けていないのでしょうか?
こなたさんとの来るべき時のため、お口は清潔にしておかなければなりません!
5巻54ページ『ありがたみ』
「今日一番ついてないのはま行のあなたです」
「あら」
ですが、こなたさんが不運でないならそれでよしと致しましょう。
私はこなたさんに会えればいつでも幸せなので些細な不運など気に致しません。
いえ、むしろ不運な目に逢う私にこなたさんが萌えてくださるので歓迎ですハァハァ(;´Д`)
5巻62ページ『錘』
「先輩、実は頭痛持ちだったりしません?」
「? いえ?」
こなたさんのことを考えると頭がボーっとしたり胸が苦しくなったり
身体が疼いてきたり衝動的にこなたさんを襲いたくなったりはしますが。
5巻100ページ『幅広く』
「思いのほか読みやすいですよ? 泉さんもどうですか?」
この本に媚薬を仕込んでおきましたので、ページをめくるたびにそれを吸引します。
そして火照った身体を持て余したこなたさんはハァハァ(;´Д`)
「どうせ映画化されるならそっちのが簡単だし良くない?」
(´・ω・`)
−ひとまずこれで終わり。6巻出たら続くかも?−
413 :
3-283:2007/10/25(木) 01:05:33 ID:6DCNycK1
元々は全4コマをエロまたは百合的に解釈を捻じ曲げるというネタをやろうとしたのを、
さすがに挫折してみゆきさん用に書いてみました。
こんなもん買いておきながらなんですが、誕生日おめでとうございます。
nice hentai(誉め言葉)
いや、別スレで読んだSSで最低だった気分が吹っ飛んだwww
感謝感謝
415 :
6-690:2007/10/25(木) 01:32:47 ID:dxpLDdD9
>>389 遅くなったがd
仕事増やすことになるか・・・
次からは無いようにするわ
>>400 >>413 2人ともGJ!!
そして、みゆきさん誕生日おめ
みゆきさんSSのラッシュですね。
俺も誕生日SS書いたのですが、もう寝なければいけないので
睡眠をとって、起きてから投下しますね。
>>400 >>413 GJです!!
みゆきさんおめでとうは自分のが投下し終わってからにします。
>>400 読み終わってからニヤニヤしてて股間が濡れてるな、と思ったら
ある液体がこぼれちまったじゃねーかw 責任をとれ!
>>413 みゆきさんハァハァしすぎwと思って笑いをこらえてたら最後の
(´・ω・`)
で盛大に噴いたwww 分からないが何かに負けた気がする。
何が言いたいかというとGJだということだ。
そしてみゆきさん、誕生日おめでとう。
418 :
7-896:2007/10/25(木) 02:24:48 ID:fRKaAVQN
>>416みたいなこと言いましたが、やっぱり投下したいと思います。
どうも、あんこいり☆パスタライス7-896です。(意味不
みゆきさんに送るハッピーバースデーSSです。
みゆき視点
こな&ゆき
非エロ
8レス
※少し独自設定があります。
では投下します。
誕生日。
子供の頃それは、欲しい物がもらえる日、美味しいものが食べられる日という認識からか
その日が来ることがとても楽しみで、前日などは興奮して眠れなかった、という思い出がある。
高校生となった今でも、根本的なところは変わらず、流石に眠れないということはないが
その日が近づくと、自然と胸が高鳴ってしまう。
『高校生にもなって』と言われるかもしれないけれど、楽しみなものは仕方がない。
なぜ誕生日が楽しみなのか分かり始めたのは、実は、最近になってやっとのこと。
子供心で、プレゼントがもらえるからとか、ご馳走が食べられるからなどと思っていたのは……私自身にとっては間違いだった。
それを確かに感じたのは、5年前の誕生日。
学校から帰って来た私が母から手渡されたのは、父からのプレゼントだった。
仕事のため、私が小学生の頃外国にいってしまった父。
あの頃はまだ幼かったせいか、それとも、海外に行く前も、家に帰ってくることが少なかったためだろうか……
寂しいという思いはあまりなかった。
もう10年近く父には会っていない。
部屋に飾ってある家族写真に写る、私達家族4人。
笑顔の私たちは、本当に生き生きとしていて、進まない時間の中で
その一瞬の時間が、本当に幸せだった。
5年前のプレゼント……確かネックレスだった。
もう私の手元にはない。みなみさんにあげてしまったんだ。
もらうわけにはいかないと、最初は拒否していた彼女だが
『持っているのが辛い』という私の言葉に、しぶしぶ首を縦に振ってくれた。
一昨年にもらった父からのプレゼント。
まだ包装にすら手をかけずに、クローゼットの奥で他の荷物に埋もれている。
今年も父からプレゼントが届く。
――なぜ誕生日が楽しみなのか
大切な人に、自分が生まれた日を祝ってもらえるから
それが、私の本当の理由。
父が私のことを愛してくれているのは知っている。
だけど、プレゼントだけではその気持ちを、真正面から受け止めることはできなかった。
私はそこまでできた人間ではないのだから。
社会人となり、家を出た兄は、最初の頃は頻繁に帰ってきてくれていたけれど
ここ最近になって、仕事が忙しいという理由で
敷居を跨ぐのはプレゼントだけ。
ここ数年、私の誕生日を一緒に祝ってくれる家族は、母だけだ。
年相応に豪華になったディナーも、数万円の価値のあるプレゼントも
その時の私にとっては、コンビニ弁当やイベントの参加記念品にすら劣って見えていた。
だけど……
そんな重苦しい感情も、今となっては心の裏側にすら生まれなくなった。
まるで本当の家族のように、私の誕生日を心から喜んでくれる
――大好きな人がいるから。
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『Happy Birthday 〜もう1つのプレゼント〜』
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太陽も徐々に姿を隠し、空が真っ赤に染まり始めた頃。
お母さんは忙しなく家の中を動き回っていた。
普段、岩崎家の人達が来る場合を除き、大抵2人しかいないこの家に、人がたくさん集まることが楽しみなのだろう。
作業しているあいだもずっと笑顔だった。
それは勿論私も同じ。そして何より、私のために集まってくれるということが嬉しかった。
「おばさん……このくらいでいいですか?」
「うん。それくらいでお願いみなみちゃん」
今日は、みなみさんも手伝いに来てくれている。
次々運ばれてくる料理は、いくら人数が集まるといっても多すぎではないだろうか?
とすら思えるほどの量だった。
私も手伝いたいのだけれど
『はいはい、主役はそこで待っててね♪』
と言われてしまたので、仕方なくソファーに座って昨日買ってきた本を読んでいた。
でもその内容は、読んでも読んでも目から入って後頭部から抜けていってしまった。
本を読み出すと、時間の感覚がなくなるほどに集中してしまう私には、とても珍しいことです。
それほどに、今日の誕生会は何か起こるような、そんな感覚にみまわれていた。
『はっぴばーすでーとぅーゆー♪ はっぴばーすでーとぅーゆー♪
はっぴばーすでーでぃあみーゆきー(みゆきさーん・ゆきちゃーん)、はっぴばーすでーとぅーゆー♪』
お決まりの歌が歌い終わったことを確認して私は、強めに吐き出した息で蝋燭の炎を消していく。
18本もあると結構疲れます。 ……あれ? こんなの私だけでしょうか?
消し終わると同時に、皆さんから拍手が沸き起こる。泉さんの拍手は少し大きすぎるような気がします。
「ありがとうございますみなさん」
「さぁ〜ではでは、プレゼントタ――――イム!!」
異様にハイテンションな泉さんが、そう言いながら1m四方の箱を取り出した。
「ちょ、あんたそれでかくないか? ……まぁ取り敢えず私からはこれね、開けてみてよみゆき」
かがみさんから差し出されたプレゼント。
封を開けると、1冊の本が入っていた。
今ベストセラーで、若い女性の間では知らない人がいないと言われるほどの人気の、社会現象にもなった本だ。
私が今一番読みたかった本。値段も結構高い。
「みゆきならすぐ買えるような本だけど、私にはこのくらいしかプレゼント思いつかなかったのよね」
「いえ、とてもうれしいです。ありがとうございます」
「ゆきちゃん、これは私からだよ」
つかささんから受け取った包みを開けた中には、掌に納まるほどの大きさの、うぐいす色の小箱。
開けてみると、小さなイヤリングがひょこんと顔を覗かせた。
「私たちの誕生日の時にイヤリングをもらったから、お返しもイヤリングって、なんか単純かもしれないけど」
「いえ、このイヤリングすごくかわいいです。大事にしますね」
私はその場でイヤリングを取り出し、つけてみた。
小さいピンク色のガラス玉と金具による程よい重みで、耳たぶが引っ張られる。
周りからかわいいとかきれいとか次々に言葉が発せられた。
なんだか気恥ずかしいです。
「えっと、今度は私とみなみちゃんの2人で選んだプレゼントです」
高そうな手提げ袋。中にはマフラーと手袋が入っていた。
「私一人じゃ高良先輩に似合うものが分からなくて、それでみなみちゃんと一緒に選んだんです。季節的にもこれがいいかなって」
「すごく暖かそうですね。柄も私好みです。ありがとうございます、みなみさん、小早川さん」
満面の笑みでみなみさんを見る小早川さん。みなみさんはにっこりとやさしい微笑で返す。
「さぁー、とりは私……泉こなたがいただいたぁ!!」
などと大げさに箱を渡してくる泉さん。
開けてみると……
「……あの……泉さん、これは?」
「いやぁ、みゆきさんがあまりにもサ○ンナイト3のア○ィに似てるからさ。あ、ちなみにこの剣の名前は碧の賢帝シャ○トスね」
そう言いながら、細長いプラスチック製の緑色の剣をつんつんと指で突く泉さん。
これは……コスプレということでよろしいんでしょうか?
……ちょっと恥ずかしいですね。あ、でもこの帽子かわいいです。この白いマントみたいなのもいい素材が使われているみたいです。
これは……ベルトでしょうか? いくつもに重なっていてオシャレです。ロングブーツも可愛いですね。
……でも、この服は、少し際どいです。下着が見えてしまいそう。
え? いえ……その……泉さんのバイト先に行った時あたりから
す、少しだけ、コスプレというものに興味がありまして……その、あの……
「?」
ふと、周りのを見渡すと、呆れたような生暖かいような視線が泉さんに向けられていた。
「何? かがみ」
「別に……こういうときにKYって使うのかなぁって思ってさ」
そういって小ばかにしたようなにやにや顔をするかがみさん。
頬を膨らませて、空気読んでるもんと講義する泉さん。相変わらず仲がよろしいんですね。
……。
「と、取り敢えず、お料理食べましょう皆さん!」
仕切りなおすように言う小早川さんは、率先して小皿に皆さんの分の料理を小分けしてゆく。
大勢で談笑しながらの食事は、いつもよりも格別に美味しかった。
「ふぅ……」
食事を終えて一段落。
またもや私は主役ということで蚊帳の外。他の皆さんは後片付けやらなんやらで忙しそう。
空を見上げた。
夜も深くなり始め、少しだけ欠けたお月様が、今は見えない太陽から受ける光を反射している。
食器同士の当たるカンカンという音を聞きながら、私はなぜか感傷に浸っていた。
「みゆきさん」
背中に声をかけられる。首を捻ると、両手を後ろにまわした泉さんが立っていた。
「隣、いい?」
「え? あ、はいどうぞ」
いつもの泉さんとは違う優しい声に、少しドキッとしながらも、そう言葉を発した。
んしょ、と小さくかわいい声を出しながら隣に腰掛ける泉さん。
肩が触れそうで触れない微妙な距離が、もどかしい。
「月、綺麗だねぇ……」
「本当に……」
泉さんの方に向けていた視線を、もう一度月に戻す。
でも、泉さんのことが気になってしまい、顔を月の方に向けたまま視線をゆっくりと、右隣にいる泉さんの方にずらした。
目が合った。泉さんも、同じように視線だけをこちらに向けていたようだ。
ドクンと1回だけ、心臓が大きく跳ねた。
目を逸らせずに、見詰めあったまま、私は口を開けなかった。
何を話せばいいんだろう、何も話さないほうがいいのだろうか……
「……みゆきさんさ」
沈黙を破るように、でも静かで優しい声を出す泉さん。
先ほどの沈黙の時よりも、周りの音がよく聞こえるようになった気がする。
「さっきの私のプレゼント……」
「あ、はい。すごくかわいらしくてうれしかったです」
泉さんのプレゼントというだけで、私はすごくうれしかったんです。
「いやそうじゃなくてさ」
ぽりぽりと頬を掻く泉さん。
ここでやっと、泉さんは右下に視線を逸らした。
私は泉さんの方に体ごと向き直る。
「流石の私でもあんな空気読まないプレゼント、素でするわけないよ。あれはなんていうか……カモフラージュっていうか」
……え?
最初言ってる意味が分からなかった。
泉さんがなにやらごそごそとポケットを弄っている。
月に照らされて、深いブルーに輝く箱を、こちらに差し出してきた。
「これが、本当のプレゼントだよ。なんか私のキャラじゃないからさ、あのときは渡せなかったけれど」
「泉さん?」
泉さんは、私の目の前でその小箱を開けて見せた。
「……指輪?」
銀色に輝く指輪。
余計な装飾などはなく、シンプルな輪っかの形をしている。
中央には、雪の結晶のレリーフが彫られていた。
「このレリーフね、私が自分で彫ったんだ。イメージはね、粉雪だよ」
そういえば、最近の泉さんは1人で帰ることが多かった気がします。
バイトですか? と聞いても、笑顔ではぐらかすだけだったけれど、ようやく疑問が解けた。
でもこれを見る限りでは、すごく高価なものだった。
「い、いけません!! こんなに高そうなものもらえません!!」
「みゆきさんのためにがんばって彫ったんだよ? そんなこと言わずにもらってほしいな」
「泉さん……」
「それに……ほら!!」
そう言って差し出した泉さんの左手の人差し指には、この指輪と同じタイプのものがキラキラと輝いていた。
同じく雪の結晶を模ったレリ−フが彫られている。
「ペ、ペアルック!!」
「え?」
「みゆきさんと……ペアルック、したいなぁ……なんて」
真っ赤になりながらそう言葉を紡いでいく泉さん。
あまりに可愛らしくて、抱きしめたくなりましたが、すんでの所で留まることができました。
「ありがとうございます、泉さん」
「……え? あっ」
箱から取り出した指輪を指につけて、泉さんに見せた。
「一生、大事にしますね」
「みゆきさん……えへへ……ってふぇ!?」
突然素っ頓狂な声をあげると同時に、茹蛸のように顔を真っ赤にする泉さん。
どうしたのだろうか。
「みゆきさん、その……指……」
「指?」
ゆっくりと目線を自分の手に戻す。
雪の結晶を携えた銀色の指輪が、薬指でキラキラと光を複雑に反射させていた。
……薬指!?
「すす、す!! すすす、すみません泉さん!! 薬指などにつけてしまって!!」
「あ、あはは……」
私も恥ずかしいけれど、泉さんはもっと恥ずかしそうだ。
それはそうだろう。これじゃあ泉さんがプロポーズしたみたいなものなのだから。
「よーしお返し!!」
そう言って、人差し指に入れていた指輪を薬指に入れかえる泉さん。
「これでおあいこだね、みゆきさん♪」
「……ふふ、そうですね♪」
2人で手を絡ませながら、薬指にはめた指輪をコツコツとくっつけあった。
恥ずかしいけれど、なんだか幸せな気分。
「?」
不意に、視線を感じた。
部屋の中に視線を移す。
先ほどの誕生日パーティーの参加者全員が、ソファーの後ろやドアの隙間などから、ニヤニヤ顔で覗いていた。
お母さんまで……
「あ、あの……泉さん」
「何、みゆきさん?」
嬉しそうな顔をしている泉さんは、その笑顔を保ちつつ、まだコツコツやっている。
可愛いです。
私は無言で部屋の中を指差した。
室内に目線を移した泉さんは、笑顔のままで固まった。
「こなちゃんかわいいね」
「まったく、こなたは素直じゃないんだから。私のことツンデレツンデレ言える立場じゃないじゃない」
ばれたことを知ってか(というか、わざとばれるようにしていたような気がする)、ぞくぞくと、隠れていた面々が姿を現した。
「あの、えっと……ドコカラミテタノカナ?」
「『隣、いい?』ってところかしらね」
それはつまり、最初からというわけでは?
「い、いや、これはその……」
「みゆきさんと……ペアルック、したいなぁ……なんて(ニヤニヤ)」
「!! あぅあぅあぅあぅ……」
声にならない言葉を発しながら、餌を求める鯉のように、口をパクパクさせる泉さん。
治まっていた赤面が、徐々に復活していく。
「これでおあいこだね、みゆきさん♪(ニヤニヤ)」
「ぬぁ〜〜〜!! や〜め〜て〜!!」
両手を振り上げて部屋の中に駆けていく泉さん。
逃げろー♪ というつかささんの言葉で、皆散り散りに散っていってしまった。
泉さんが離れていった後も、左手に残っている温もり。
私はそれを、両手でギュッと握り締めていた。
「むぅ、散々だったよ……」
「これで弄られる側の気持ちが分かったでしょ」
玄関まで皆さんの見送り。
いまだ泉さんは恥ずかしさが抜けないようだ。
そして尚もかがみさんは、ここぞとばかりに泉さんをからかっている
「あぁ〜もう、やめたまえ!! みゆきさんからも何か言ってよ!!」
「……私は……うれしかったです」
「……ほぇ?」
は!! 私ったら何を!?
思わずあのときの感情を口に出してしまいました。
「い、いえ、そうではなくて……かがみさん、そろそろ泉さんをからかうのは許してあげてくれませんか?」
「みゆきが言うなら仕方ないわね」
「なんでみゆきさんの言うことなら聞くのさ……」
玄関前にたどり着いた私達。
夜も更け始めて、車の走る音や踏切の音など、遠くの音がここまで鮮明に聞こえてくる。
「それじゃあねみゆき」
「ばいばいゆきちゃん」
「おじゃましました」
「……(コク)」
別々の挨拶をして、それぞれ帰路へとついた。
私はそれを、手を振って見送る。
「みゆきさん」
泉さんは、私の前に立っていた。
こちらを見上げて、また両手を後ろで組み、優しい声で私の名前を呼ぶ。
この声を聞くだけで、私の心臓は大きな鼓動を刻んでいる。
「ちょっと屈んでくれない?」
「こうですか?」
膝に手を置いて、顔の位置を泉さんと同じくらいにする。
「うん、ありがと……んっ」
「!?」
左頬にやわらかい感触が伝わる。
それがキスだと気づくのに、大して時間はかからなかった。
「ふぅ……そろそろいかなきゃ。あとで一緒にコスプレしようね? それじゃ!!」
ビッと綺麗な敬礼をして颯爽と駆けてゆく泉さん。
こころなしか、頬が染まっていたように見えたのは、気のせいだったのでしょうか。
お風呂からあがって、机に座る私。
お風呂の熱とは違った熱が、まだ私の頬に残っていた。
不意打ちだったので、私の心臓は未だに、はちきれんばかりに脈をうっている。
それとは裏腹に、心は穏やかだった。
お風呂に入る前に外した指輪を、目線まで上げ、眼鏡を付けずに至近距離で眺める。
たぶん今私の顔は、蕩けそうなほどににやけているだろう。
誰かに見られたら死んでしまうかもしれません。
「泉さん……あれ?」
ふと、指輪の内側に何かが彫られているのに気がついた。
目を凝らしてよく見る。
『I Love you』
少し不器用に彫られた3つの単語。
しかし、心臓はいつもの自然な鼓動を刻んでいた。まるで以前から知っていたかのように。
「私も、愛しています……こなたさん」
指輪に優しく口付けた。
まるでそれが、愛する彼女そのものであるように……
ゆっくりと指輪を机の上に置くと、重力に従いコトンと乾いた音をたてる。
喜びを胸に抱きしめたまま、私はベッドへと横たわり、布団に包まった。
与えてくれた幸せを、少しづつ彼女に返していこうと、心で誓いながら……
――机の上に置かれた銀の指輪が、月の光を浴びる。
――粉雪を模ったレリーフが、優しくキラリと輝いていた。
【 fin 】
427 :
7-896:2007/10/25(木) 02:34:46 ID:fRKaAVQN
以上です。
自分のSS保管庫を見てみて、『カップリングあり』の場合こなゆきが一番多いことに少しびっくりしました。
それにしても毎度の事ながら、壊れてないみゆきさんは難しいですね(たぶん俺だけ
何はともあれみゆきさん、お誕生日本当におめでとうございます。
こなああああああゆきいいいいいい!
>>427 おぉぉ…粉雪GJ!!
こなた素晴らしくGJ。なんという愛のプレゼント。
これがいつものあなたの書く壊れみゆきさんだったら鼻血じゃ済まな(ry
>>427さて・・・叫ばしてもらいますぜ。
こなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁゆきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
ねぇ
最高のSSだ。
悶えまくってニヤけまくってほのぼのして温かくなって感動してと結局かなり癒された。
GJ!!!!
後みゆき誕生日おめでとう
>>427 まずはみゆきさん、誕生日おめでとう。
きっと本命を渡しに行った時のこなたは周りが見えてなかったんだねー。
だから最初っから見られてしまうわけでw
ニヤニヤが止まらなかった。GJ!
壊れネタばかり見てたからギャップで余計悶えてしまった。どうしてくれるんだ!w
こなああああああああああああああああああああああああぁあ
ゆきいいいいいいいいいぃいい!!!
ひたすらGJ!
こなあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
GJ!!!!!
投下速度早すぎる…今やっと追いついた
こ……。
こなああああああああああああああああああああああああああああああああ
ゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!
こなたもみゆきさんも可愛いよ。なんつーか、萌えすぎて液体になりそうだよ。
ぐっじょぶ!
>>427 こなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁゆきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
いやはやGJ!
こにゃぁああああああああああああああああああああゆきぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
GJ!!!!!
438 :
sage:2007/10/25(木) 09:43:43 ID:ilgpHkFS
みwikiさんおめでとうっ
関係無いけど一発ネタ投下します。
ひかげ「お…お姉ちゃん………だ、ダメだよ……恥ずかしいよ」
ひなた「大丈夫よ。お姉ちゃんが気持ちよくしてあげるからね」
ひかげ「あ……うっ…あっ……はふぅ……はぁ………はぁ……」
ひかげ「あ……だめっ……感じる………私……私………もう……」
ひかげ「……………………ふぅ……はぁ」
ひなた「ふふふふふ、気持ちよかった?耳掃除」
ひかげ「スッキリしたけど、やっぱりお姉ちゃんにやってもらうのは恥ずかしい/////」
>>438 鶴光師匠乙w
あと、sageは目欄に入れるんだぜ?
ゲッター1→かがみ
ゲッター2→こなた
ゲッター3→つかさ→死亡→みゆき
最近こんな妄想をしてる。
竜馬はかがみと同じでツンデレだと思うんだ。
441 :
ぶーわ:2007/10/25(木) 10:29:32 ID:rbZutksH
どーも、みゆきさんをないがしろにすることで定評のあるぶーわです
みゆきさん誕生日おめ! そしてごめん! また出番ないや!
人として袖が触れている
>>206-214 の続き投下します
↓11レス拝借
ひいっ、ひゃあっ!げぇっ。げっ!きゃあ
なこなたなんて見たくありません><
『彼女』に違和感を覚えたのは、出会った最初の時からだ。
どうしてかは分からない。
何故か彼女はそこに居た。
私の知るはずのない……彼女が。
こなたはおじさんの事が大好きだった。
おじさんもこなたが大好きだった。
でも、互いのベクトルは何処かずれていて……上手く交じり合わない。
それは当然だ。
その間には居た。
そう……彼女が。
「よく、辿り着いてくれました」
彼女が笑う。
その屈託のない笑顔が眩しくて、思わず戸惑う。
「あ……貴方は、何なの?」
その動揺を隠すように一度深呼吸してから、もう一度強く出る。
まだ私には分からない。
彼女が敵か、味方か、すらも。
「安心してください、私は貴方に危害を加えるつもりはありません」
もう一度、笑顔が光る。
その笑顔に、またドキリ。
あ、安心しろって言われても……まだ全然信用出来ないんですけど。
「ここでは人目につきますね……どうぞ、中に」
彼女の対屋に招かれる。
……どうしよう。
この正体もまだ分からない彼女に、身を任せていいものか。
でも、動かなければ始まらない。
ああもぅ……蛇の道は蛇よ!
「ふふ、そう身構えなくても結構ですよ」
「い、いい加減答えてよ……貴方は、何なの?」
中で彼女と向かい合って座る。
まだ彼女の表情は、笑顔のままだ。
「だって……貴方の所為なんでしょ? こなたとおじさんが、不仲なのは」
「……」
少し、彼女の表情が陰った気がした。
「あの二人には少し、辛い事をしました」
そう、本当ならあの二人の仲は平穏なはずだ。
おじさんは超がつくほど溺愛してるし、こなただっておじさんの事を大事にしてる。
その二人の間に……『彼女』が入ってしまった。
その彼女に関する話に触れた時にこそ……私の体が違和感を教えてくれたんだ。
「確かに私は、この体の女性ではありません。仮の体を借りた仮初の器……そう貴方と、似てますね」
月夜に照らされ、彼女の顔が妖しく微笑む。
ルナティックとはまさにそれ……男性だったら押し倒してたわね。
もう隠す必要はないか。
「じゃあやっぱり違うのね……かなたさんじゃ」
彼女は、かなたさん。
おじさんの妻で、こなたの……お母さん。
……のはず。
私の知ってるのは、ね。
「そうですね……少し最初から話をしましょうか」
視線を空の月に向け、少し遠い目をするかなたさん。
「『この世界』が何か、貴方にはもう分かってるんでしょう?」
「まぁ……それは、ね」
「ふふ、やっぱり貴方は賢い子」
SFものでは常識よ。
ちょっと前にこなたが見せてくれた漫画にさえ載ってたわ!
「『枝状分岐宇端末点』。ここはその、一つです」
少し説明を加えよう。
貴方も生きるうえで、考えることがあるでしょう?
『もしあの時、こうなっていたら』って。
そう、よく言う『もしも』の世界。
平行世界……パラレルワールド、ってやつね。
枝状分岐宇端末点はそれの概念みたいなもの。
地球を含む宇宙そのものが、枝状にどんどん分岐して、無数の時空が平行に存在するって考えなわけ。
その枝の先一つ一つが……私たちの世界。この平安の世界。
分岐してすぐの時空ほど、似たような世界ってわけ。
ちなみに「宇」は空間。「宙」は時間を指すことになる。
「本来人間はその『単一世界』の中でしか生きられません」
そりゃそうよ。
選んだ道がどうであれ、引き返すことは出来ない。
その一方通行のベクトルこそが、人生。
人が、人間が生きる道。
「しかし私は、その様々な枝の先を行き来し……『存在する属性』を自由に持つことが出来ます」
……。
ええと。
ちょっと待て。
何処かで聞いた事がある。
自由に、ということは最小から最大まで。
存在する属性を最大限に持てる存在。
私たちは、確実に『存在』している。
それを属性とするならば、それを最大限に持っているものも存在するはず。
『それすなわち……の存在証明である』
「ま、まさかっ! かっ……かかか」
「……稀に、私の存在に気がつく人が居ます。そう……貴方のように」
ニコリとまた笑い、心臓が揺れる。
「貴方をずっと、見守っていましたよ……かがみ。よく、頑張りましたね」
ああ、そうか。
何でさっきからこの笑顔に惹かれるのかようやく分かった。
全てを愛し、全てに愛される存在……それが、彼女。
……気が遠くなるから、深く考えるのはやめよう。
「ここはあなたの世界とは遠く枝の離れた世界。それは貴方には分かるでしょう?」
まぁ、そりゃあね。
何処からどう分岐すれば時代まで違うわけよ。
こりゃ大分枝分かれが上って事ね。
天地創造生命誕生ぐらいよ、きっと。
「そして『存在する』属性を最大限に持った時、私はその『単一世界』に関わることを許されます」
それにたまに気がつく人間が居るわけね。
そして気づいた人間が、『それ』を神聖化していったのかもしれない。
……まぁ、私の推論だけどね。
「でもそれはあくまで仮の姿……だから、必ず拗れが生じます」
そして、私も気がついた。
かなたさんの姿を借りた、『存在』に。
その存在が、こなたとおじさんの間に拗れが生まれた。
きっとこの世界のかなたさんも私の知るように……亡くなっているのだろう。
そしてこなたとおじさん、お互いが居ないはずのかなたさんに甘えてしまった。
……本当に甘えるべきは、お互いであるはずだったのに。
こなたはかなたさんに甘えっぱなしだし、おじさんはそれを見て面白くないからこなたを邪険にするし。
もしかしたら私の世界でも、かなたさんが生きてたらそうなってたとか?
まぁ……それもまた、一つの平行世界の例なのかもしれないけど。
……頭が痛くなってきた? 私もよ。
「これは死者を冒涜する行い……いつか体を借りたお返しをするつもりです」
お返し、ねぇ。
多分また何処かの世界で、お礼をするつもりなのだろう。
まぁそれは単一世界にしか生きれない私には知りようがないわけだけど……『貴方』はもしかしたら、知ってるかもね。
だって、私たちより高次元を生きる『貴方』には見えるでしょ?
様々な枝の先……億千の平行世界を、ね。
「あー、まぁ分かったわ。とりあえずは納得しましょ」
「ありがとう、貴方なら納得してくれると思ってました」
と、また笑う。
納得するしかないでしょ、こんな目にまであってんだから。
時をかけるってレベルじゃねーぞ!
「……そこは納得したわ。でも、何で私がここに居るわけ?」
全部ひっくるめて信じようじゃない。
ここが私の世界とは違うのも、この目の前に居るのがかなたさんであってかなたさんじゃないのも。
だから問題はそこじゃない。
この違う世界に、何で私が居るのかってことよ!
単一世界に生きられないのが、人間だって言ったじゃない!
「そうですね……そこを次は話しましょうか」
かなたさんが一度咳払いをし、私を治める。
心臓の鼓動が速くなる。
……ようやく分かるんだ。
私がここに来た理由。
中心で大きく回る、謎の歯車の正体が。
「私は今まで、色んな世界を見てきました……色んな世界を、色んな貴方たちを」
へぇ、色々あったんでしょーね。
まぁでもそこまで違うって事は……。
「それはもう様々で……貴方が男性だったり、こなたが50人居たり」
どんなだよそれ!
ま、まあ色々あるでしょうね。一杯世界があるんだから。
それより許可はとらなくていいのか!? どどんまい! 土下座!
「それに……」
「それに?」
そこで一度、区切る。
ん? なんか顔が赤くないか?
「……ぶっ」
鼻血吹いた!
「み、みさこな……ハァハァ」
喘いでやがる! 自重しろ! つかマイナァーーー!
「……はっ、とと」
慌てて持ち直すかなたさん。
だ……駄目かも、この人。
「ええと、何処まで話しましたっけ」
何処も話してもねーよ!!
「ああええとそうそう、色んな世界を見てきました……」
今更笑顔見せてもルナティックの欠片もなし!
ああ、神聖なイメージが崩れていく。
人の夢と書いて、まさに儚い。
こんなのを敬ってたのかと思うと泣けてくる。
「まぁほら、事実は小説より奇なりといいますし」
だからお前が言うなやぁ!
「うぅ、ぶったぁ……そう君にも殴られた事ないのにぃ」
「ああもぅ……いいから進めて」
「あーえっとぉ、色んな貴方たちを見てきたわけでー」
すねんな!
「い、痛い痛いっ。ま、まじめにやりますからっ」
かなたさんの耳を鋭角に千切ったら大人しくなった。
……万能だなぁ、これ。
「オホン、ええと……私は今まで色々な世界を見てきました」
で、結局最初まで戻るのかよ。
いいや、これ以上口を挟まないでおこう。
「そしてこの世界……平安の世界に辿り着きました。そして、一人の少女に出会ったんです」
「少女?」
「ええ、少女……ただの人間の、少女のはずでした」
何よそれ。
人間の皮をかぶった悪魔でした、とかってオチ?
「少女には願いがありました」
淡々と話を進めていくかなたさん。
早く結論に行って欲しいけど少しは我慢しなきゃ。
まぁ聞いておくか。
「願い?」
「ええ、『花』が欲しかったんです」
花?
フラワー?
何よそれ、わざと分かりにくくしてない?
「でもその花の梢は高くて……手が届かなかったんです」
ああ、あったわねそんなことわざも。
なんか前にもどっかで見たわよ、そんな台詞を。
「貴方なら、そんな時どうしますか?」
「私なら?」
またそんな唐突な。
ええと、花に手が届かないわけよね。
「そうね……簡単よ、木に登ればいいじゃない」
「ええ、貴方ならそうでしょうね」
少しかなたさんの表情が、憂う。
「でもその少女には、『鎖』があったんです」
……。
はて、何処かで聞いた単語だ。
「その鎖が体を縛る限り、少女には木を登ることも出来ません」
その鎖が何なのか……私には大体分かる。
この平安の世界、特有の鎖。
「少女は苦しみ、悲しみ……とうとう諦めました。私にはそれが、見ていられませんでした」
それで何、彼女の前に現れたって?
まさに降臨ってやつね。
喜んだんじゃない? それで夢を叶えてあげたんでしょ?
「そして私は彼女に、見せてしまったんです」
「見せた? 何を……」
何を、なんてのは愚問だ。
かなたさんの視線が、それをまっすぐと見てるじゃないか。
……私を。
ちょ、ちょっと待って。
その流れは強引すぎないか!?
「そう……貴方、です」
「な、何で私なのよ!」
ああもう、まだ話が見えない。
少女が悲しんでいて、私を見せたって?
まったく意味が分からない!
「……貴方の世界は、『特別』なんです」
「はぁ?」
思わず声が漏れる。
何だって?
私の世界が、特別?
そりゃまぁ、そんなの私には分かりようがないけど。
だって、私は私の世界しか知らないんだから。
「この世界は平安の時代である事以外は……ほとんど一緒です。私がいつも体験する、様々な平行世界と」
……ああ、また何か難しくなってきた。
えっと……何だって?
「この世界と貴方の世界……違うものが、ありますよね? それが貴方の世界を、『特別』だという理由です」
わざと私を見てもう一度尋ねる。
そうだ、私は見つけたじゃないか。
私の世界と、『違う』もの。
……。
じゃ、じゃあ何!?
そういう事!?
そ、そんなの私は認めないっ!
だってそれじゃあ、それじゃあ……!
「そう、貴方は『異端』……私が見てきたほとんどの世界で、貴方はこなたに恋をしてる」
「なっ……」
思わず言葉を詰まらせる。
ほとんどの世界で、私がこなたを好き? 笑えない冗談よ! 戯言にも程がある! 実はこなかが作品が多すぎる皮肉だったんだよナナンダッテー!
「そ、そうだとしても! それが何の関係があるわけ!?」
い、いいわよ。そこも認めてやろうじゃない!
どうせ私には関係ないこと。だって、私は私。他の世界なんて関係ない!
「私は少女に諦めて欲しくなかった。貴方という存在を見せて……もう一度希望を持って欲しかった」
私が希望?
じゃあ何。
その花に手が届かない……って誤魔化してるけど、つまりは好きな人に想いが伝えられないってわけでしょ?
鎖は身分。その梢の高さこそ、身分の差。
つまりこの時代にはありがちな……身分違いの恋ってヤツ!
それで私を見せて……諦めることないって伝えた、と。
こうやって身分のない世界でも、自分が好きなはずの人をないがしろにしてる人も居る。
だからこんな風になっちゃいけないと伝えた……って失礼な! 勝手に人を反面教師にすんな!
……ん?
「でも彼女には私の意志は伝わりませんでした……彼女はあろうことか貴方すら憎み、貴方をこの世界に連れ出したんです」
……おい。
ちょっと待て。
「そう、全てはその少女が……」
「悪い、とか言い出さないわよね?」
「うっ……」
かなたさんの顔が強張る。
やっぱり……。
さてはこの野郎、有耶無耶にしようとしやがったな!
「じゃあ何、結局私が巻き込まれたのは……あんたの所為じゃない!」
「……やべ、ばれた」
ばればれだよ!
「やっちゃった。メンゴ☆」
可愛く言っても許すか!
さっきか妙に言い回しが長いかと思えば……誤魔化してただけかい!
「み、耳っ! 耳がとれますっ!」
一回とれろそんな耳!
「だ、だから手助けしてたじゃないですか」
「どこが手助けよ! 直接言いにくればいいじゃない!」
「そ、それは出来なかったんです……『少女』が、それを許してくれなかった。だから私に出来たのは、見守ってヒントを送る事だけで……」
「ヒント!? あの意味の分かんない文のこと!?」
胸倉を掴む。
もう相手が誰かなんて関係あるか!
「ひ、ひぅっ。が、頑張って考えたんですよ?」
「意味が分かんなすぎよ! 何よ最後のラテン語は!」
「いや……そっちのがかっこいいかなぁーって」
こ・の・ク・ソ・野・郎!
「フタエノアッー!」
あぁ……頭が痛くなってきた。
じゃあ何。
結局の原因は、こいつで……さらにその少女の逆恨みだって?
……ん?
ちょっと待って、おかしくないか?
怒りでちょっと頭が麻痺してた。
冷静になろう、クールダウンクールダウン。
「く、KOOLになれ……かっがー」
てめーは黙ってろ! 粉砕! 玉砕! 大喝采!
「……きゅぅ」
変態外人をも白目にしたネックハンギングツリーで黙らせてる間に、思考を巡らせる。
何だ、何がおかしい? 少女にこいつが私を見せた。うん、そこまではいい。
それで、私がここに……この世界に、連れて来られた。
そうここよ、ここ!
「ねぇ、何でその子は……そんな事が出来たわけ?」
「へっ?」
「最初に言ったわよね、普通の人間だって」
「……」
かなたさんが一度俯く。
「彼女の悲しみは……それはそれは深いものでした」
悲しみの度合いは、人それぞれだ。
それは、他の誰にも分からない。
その悲しみがどれだけ深いのかは……その本人にしか分からない。
他の誰にも、共感できやしない。
「その悲しみは……超えてしまったんです。人を、人の力を」
……。
ええと。
何だって?
「私も知りませんでした……人の、人間の誰かを想う力がこんなに強いだなんて」
はぁ……もうここまで来たら、納得するしかないのか。
ともかくその少女は超えたんだ……人を。
……こいつの所為で。
「それで、その力で私を?」
「ええ……彼女は貴方を憎んでいます」
「な、何よそれ!」
私は巻き込まれただけじゃないわけ!?
恨まれることなんて何もしてないわよ私!
だいたい彼女彼女言いすぎよ!
そんなやつに二人称使うな!
「ああもぅ、誤魔化さなくていいわ。一体誰なの? その少女……この馬鹿げた祭りの、主催者は」
「……」
かなたさんがようやく俯いた顔を上げ、私を見る。
小さく息を吸い込むのが私の耳に聞こえた。
そのまま淡々と唇を開き……『少女』の名前を告げた。
―月は、嫌いだ。
少女が荘厳に輝く月の下で、悔しさに唇を噛みしめます。
―あの花と一緒。
―そこにあるのに、絶対に触れられない。
―絶対に届かない。
満ちかけた月が視界に入り、少女を苛立たせます。
『彼女』は『鍵』を手に入れました。
そしてとうとう神に辿り着いたのです。
その事実が、少女の心の炎をさらに燃やします。
―でもいい。
―もう終わる。
―もうすぐ終わる。
―あの憎らしい月が満ちる頃には、全て。
「……」
言葉を失ったのは、私だ。
かなたさんの放った一言が耳から入り、逆からまた抜け出ていく。
まだ脳が痺れてる気がする。
あははっ、そんな馬鹿な。と笑い飛ばせればどんなにいいだろう。
溢れ出る感情が、じわじわと足から上がってくる。
汗が背中を伝うだけで、その部分が痛いくらい敏感に反応してくる。
「これが、私の伝えられる全てです」
かなたさんが頭を垂れる。
彼女は教えてくれた。
かなたさんの正体。
世界の秘密。
そして、黒幕……中心で回る、歯車を。
……。
ま、まぁいいわ。
確かに『そいつ』が全ての元凶だってのは驚いたわよ。
でも、もう関係ないでしょ?
だって、私はこの人に辿り着いた。
そうよ……これで、終わりでしょ?
「明日、です」
「えっ?」
だけど、私の衝撃はまだ収まらなかった。
かなたさんが顔をあげ、私を見る。
まっすぐに、ただ私を。
「明日が、『期限』……最後の、満月です」
「なっ……」
最後?
期限?
な、何よその不吉な単語!
だってもう終わった!
もう、何も残っちゃ……。
『期限は……まで』
「!」
言葉がゆっくりと蘇る。
そうだ。
最初の手紙。
あれが一番分かりやすかったじゃないか!
そのまま、書いてあった。
それを今の今になってようやく思い出した。
今の今。そう……最後の、最後に。
『期限は』
「期限は……次の満月、まで」
ようやく全ての文が脳から蘇り、口から紡がれていく。
汗が溢れ、不快に顔を伝う。
「明日がその日です。どうか……悔いのない一日を」
「ど、どういうことよ! これで終わりでしょう? 私は貴方に辿り着いた。貴方の力で全部解決するんじゃないの!?」
思わず声が荒くなり、立ち上がる。
「……ごめんなさい。私の力は、私だけにしか使えない」
じゃ、じゃあ何。
必死になって探してたのも、全部徒労!?
体中から力が抜け、膝をつく。
い、いや……まだよ、まだ負けるな私。
今までそんな事、何度だってあったじゃないか。
……あぁ、でもやっぱりショック。
「あなたが元の世界に帰るためには……貴方自身が、見つるしかないんです」
つまりは……ふりだし。
一枚目の手紙は言う。神は言う。
そうよ、もう完全に思い出した。
『貴方が失ってしまった『何か』が必要です』
ここまで引っ張って何よそのオチ!
くそっ、思い出し損よこれじゃあ!
「失くしたもの、だっけ?」
「ええ」
「教えてくれたりは?」
「……それは、出来ません。私が教えてしまえばきっと……貴方はもう手にすることは出来ないでしょう」
期限はあと、一日。
本当にこれが……最後の戦いってやつね。
はぁ……色々情報が頭に入りすぎて今日はもう疲れた。
今日はもう、休もう。
休息も大切よ。
そう……最後の戦いに向けて、ね。
「かがみ」
部屋を立ち去ろうとしたとき、かなたさんが私を呼び止める。
「どうか、心挫けぬように。心折れぬように……それだけを、切に願っています」
最後に見た笑顔が、荘厳な月の光に照らされる。
それに……ありがとう、と返そう。
形はどうあれ、貴方も私を助けてくれたんだしね。
また一つ、教えられちゃったわ。
今度はとうとう……『神様』に、ね。
「お姉ちゃん、朝だよ」
「ん……」
目に差し込む朝日が、私意識を乱暴に叩き起こす。
まぁ、体が勝手に起きるわけだけどね。
ああええと、どうしたんだっけ。
あのままかなたさんの部屋から戻ってきて、そのまま寝たんだっけ。
昨日私の体がしこたま泣いた所為かな、まだ頭が少し痛いのは。
しかしつかさに起こされるなんてね、いつもは私が起こす側なのに。
まぁさすがに昨日のこなたのことが尾を引いて……ん?
どうしたの? つかさ。そんな馬鹿みたいな顔して。
私の隣に何か……。
「ん……ああ、朝かー」
「!」
私の隣りで、紫の塊が体を起こしあくびをする。
……ってんなあああ!?
「んああ、おはよーかがみ。妹さん」
そこに居たのはそう……ってかもういいだろお前!
「あ、おお、おおおっおお邪魔しました!」
「ちょ、ちょっとつかさ!」
顔を真っ赤にして部屋を抜け出すつかさ。
それを呆然と見送る日下部。
ってだからなんで居るんだこの馬鹿春宮!
ええと確か昨日部屋まで連れて来てくれて、かなたさんの部屋に行くから置いてけぼりにして……。
さ、さては昨日あのまま帰らなかったな! この節操なし!
「あら? あー、えと。何か誤解させちゃったかな」
「……」
一度、日下部を睨む私。
でもすぐに視線を逸らす。
おや珍しい、いつもの鉄拳制裁が飛ぶかと思ったのに。
ああそうか、昨日は日下部に泣きついた所で記憶が飛んだのか。
「いいわ……後で、言っておくから」
顔が熱いのは多分気の所為じゃないな。
まぁ想いを寄せてない男性とはいえ、一晩共にすればそりゃ気にするわよね。
いやいやいやいや、ひ、一晩共にって結局何もなかったわよ!
私が日下部に気がつかないで隣りで寝てただけ!
しょうがないじゃない! 明かりなんて月光しかないんだから!
「あ、あー。いや、つい眠くなってそのまま、だなー」
日下部も私の様子に気がついたのか、慌てて弁護しだす。
「で、でも何もしてないからな! 何も!」
「あ、あんまり大声でそういう事言わないで……自分でもそれくらい分かるわ」
「あ……ぅ、そ、そうだよなっ」
あはははっ、と笑う日下部。
顔が真っ赤だぞ、顔が。
ああもう、こっちまで恥ずかしくなるからやめてよ!
「……じゃあ、私は仕事があるから」
「ん、了解。こっちも帰るわ」
と、一緒に部屋を出る。
一応世話になったのを気にしてるのか、ちゃんと見送る私。
やっぱ生真面目よね、こっちの私って。
ああ、こっちのがスタンダードなんだっけ?
私が異端、って言われても実感沸かないけどね。
生真面目で、しっかりもので……たまにだらしなくて。
それで、こなたが……好きで。
はっ、もはや誰だよ! って気分ね。
まぁ……私にとってはだけど。
「んじゃ、またなー」
「ええ、また」
馬に乗り、邸を出る日下部を見送る。
結局、色々助けてもらっちゃったな。
命も救ってもらったし、色々教わったし。
最後のヒントも結局……日下部に教えてもらったようなものだし。
次に会うのは、私の世界の日下部かはたまた……。
どうせなら私の知ってる『彼女』に、もう一度会いたいな。
そして、その時言うわね。
ありがとう、って。
ふふ、またいつものとぼけた顔で言うのかしら。
『何言ってんだぁ? 柊ぃ』
……ってね。
日下部だけじゃない。
峰岸だって、つかさだって。
ゆたかちゃんに、みなみちゃん。
ひよりやパトリシアさんだって。
それに……こなたにだって。
皆に、言いたい。
ありがとう。
ただ、その五文字を。
皆にただ……伝えたい。
「あ、お姉ちゃん」
邸に戻ると、つかさに出くわす。
すると、顔を合わすなり顔を真っ赤にする。
「こ、こなちゃんの事で大変だけど……あ、あんまりハメを外すのはよくないよ?」
「なっ、何の話よ!」
辺りをよく見ると、他の女房の視線も痛い。
ガッデム! この時代の女房の情報網を舐めてた!
娯楽が喋る事ぐらいしかないから、噂はすぐ伝染するんだった!
「でもみさおさんかー……確かにかっこいいもんねー」
「だから何の話よ!」
「呼び方はみさお兄ちゃん、とかいいかもねー」
「つかさぁああああああああ!」
つかさを追いかける私。
私に追いかけられるつかさ。
それを眺める女房達、雑色達。
それぞれの歯車は回っていて、誰かの歯車を回している。
日下部は私という歯車を回してくれた。
ひよりや、みなみちゃん。
もちろんつかさだって……こなただって。
他の、みんなだって。
そう……私たちは、繋がってる。
その繋がりこそが……『世界』
私は勝手に、自分を孤独だと決め付けていた。
この平安な世界に、たった一人で……孤独に戦っていくのだと。
でも、違った。
一人じゃどうにもならない時。
私の歯車が狂って止まりそうな時。
……誰かが私の歯車を直してくれる。回してくる。
それは数え切れないぐらい沢山居て……誰もが私を支えてくれた。
この世界とは、『違う』はずの私を。
上澄みであるだけの、異端の私を。
『貴方』にも居るでしょ?
貴方という歯車を回してくれる存在。
貴方という歯車を正してくれる存在。
それは家族だって、友達だっていい。
誰もいない? あはは、そんなはずないわよ。
だってこれを見ている『貴方たち』だって、同じものを見て、同じものに触れて。
……ほら、繋がってるじゃない。
ふふ、当然よね。
『貴方』も……貴方の世界の一つなんだから。
私は学んだ。
この世界で、学んできた。
生きるという事を。
――それは戦い、それは抗い。
愛するという事を。
――誰かを好きになるのに、壁なんてない。
そして、繋がってるという事。
――人は、一人で生きているわけじゃない。
うん、きっと大丈夫。
私は立ち向かえる。戦える。
だって私は……一人じゃない。
みんなが、居る。
その中には、神様だって居る。あははっ、すっごく頼りないけどね。
彼女は言った。
人を想う力は、人の力を超える。
そして『少女』は……それを超えた。
私の敵は、人の力を超えた少女。
それが誰だか、貴方にはもう分かるでしょう?
それだけのヒントを、あのとぼけた神様から貰ったはずよ。
何だかんだで、口を滑らせてたからね。
あはは、あんまり馬鹿にするとバチが当たるかしら。
あんなのでも敬い奉らなきゃね、一応神様なんだし。
まぁ、それだけの事をやらかしたんだから少しは我慢してくれるでしょ。
私が今からするのは、それの尻拭い。
それの後始末。それの後片付け。
……ふふ、待たせたわね。
ようやく最後の刻がやってくる。
満月に照らされるのは私か、『少女』か。
とうとう始まるラストダンス。
さぁ貴方も……お手をどうぞ。
(続)
454 :
ぶーわ:2007/10/25(木) 11:11:20 ID:rbZutksH
続きます。
みゆきさん誕生日なのに、空気読めなくてごめんね土下座!
あと、勝手に話題に使ってごめん!
おとといぐらいそんな話(平行世界云々)になって、ビクついたどーも僕です。
リアルタイムにてGJ。というか、ゴッドかなたさんいい味出すぎです。
さて、最終回を楽しみに待ちたいと思います。全裸で。
>>454 ついにやってきてしまうのか最終回がGJ
終止どきどきしっぱなしでした。
特に自分の作品のことが出てきたときに体がビクッと震えました(←実話)
>>427 こなゆきは大好物なので、これからも宜しくお願いします (´Д`;)
>>454 次回で終わりですかー。
そう思うといろいろ感慨深いものが浮かんできたり。
『少女』についてはなんとなくあの子かな?くらいは浮かんでるけど
正直自信ないなぁ…読解力ないから。
まぁ、逆に考えればそれのおかげで毎回毎回いい意味で驚かされてるんですが。
ラスト、期待してますょ!
みゆきさんおめでとう!ってことで誕生日小ネタ。
※鼻血みゆきさん注意
「あ、そういえばみゆきさん」
「なんですか?泉さん」
いつものように四人で昼食を食べていると、こなたが突然
鞄をごそごそし始めた。
みゆきは……もうすでに赤い液体を鼻から出している。
早過ぎだろ。みゆき。まだなんもやってないぞ。
「今日みゆきさん誕生日だよね?
たいした物じゃないけど…はい!HAPPY BIRTHDAY!!」
こなたの手に乗っていたのは、綺麗にラッピングされた小包。
正直うらやましい事この上ない。
……ハッ!みゆきは無事かしら!?
この前みたいに、血の出過ぎでカラカラになって風化したみゆきを
集める作業は、できれば二度としたくない。
「…………」
あれ?案外普通……でもないか。
眼鏡には蜘蛛の巣状にヒビが入ってるし、鼻血の量もさっきの五倍ぐらいになっている。
それでも干からびないのは、いつの間にか腕に
輸血用の針が刺さっているからだろう。
いつの間に?なんて事はもはや考えない。
みゆきだし。全てこの一言で万事解決。
「みゆきさん?」
どうしたの?とでも言うように小首を傾げてこなたが問う。
………うお!危なかった!!浄化される所だった。
そういえばつかさがおとなしい。空気と化しているつかさを見ると
獲物を狙う鷹の目で小包を見つめていた。
さすがにそれは止めておけ。つかさ。
ゆっくりと宝物を受け取るかのようにそれを手の中に納めて、
みゆきが口を開く。
「べっ…べつに、うれしいだなんて思ってませんから!
お…お返しなんて期待しないでくださいね!」
「へ…?」
嬉しさの余りキャラを間違えてしまったみたいだ。
って言うか、ツンデレは私の専売特許なんだから返せ。
しかし、これは新しいなあ…なんて考えながらお昼の時間は静かに過ぎて行った。
>>454 どうも、『少女』についてまだ考えがまとまらない、俺、参上。
読解力ほとんど無い、いや、皆無だから毎回驚かされたり、
かなたさんのキャラが若干壊れてるなーと思ったり、
言いたい事がいろいろありますが、ここまできたら最終回を待ちますよ。
半裸で。だってこの時期寒くなってきたし。
若干ってレベルじゃねーぞw
触れ袖がいきなりギャグタッチになってて吹いたw GJ!
>>454 続きが来た!!!
GJ!!!
とうとう次が最終回か…
俺も「少女」についてはさっぱりですZE
あとかなたさん壊れまくりww
あれ、目から変な汁でてきた
俺たちも、らき☆すたで繋がってるんだなぁ
らき☆すたバンザイ!
ふと、袖触れを読み返して気づいた。
>「これは死者を冒涜する行い……いつか体を借りたお返しをするつもりです」
>お返し、ねぇ。
>多分また何処かの世界で、お礼をするつもりなのだろう。
さらにてけてけを思い出した。
>『"神様からのごほうび"って言ったら……信じる?』
……もしかしてそういうことですか、ゴッドかなたさん。
466 :
18-230:2007/10/25(木) 15:27:40 ID:THC6PUtm
>>427 こなゆきGJ!
ラブラブ過ぎますよ〜
>>454 GJです!
かなたさん壊れてるww
さて、睡眠時間を1時間半削って書いた短編の誕生日ネタ投下します
では以下注意事項
・みゆき&ゆかり
・エロ無し
・多分3レスです
あと携帯からなので文体がおかしいかもしれません
では
「ただいま帰りました」
「お帰り〜」
玄関の戸を開けると、中から母の元気な声がしました。
その後すぐに『あ、すみません……』という声が。
どうやら電話で話をしていたようです。
私は自分の部屋に戻った後、すぐに出掛ける準備をしました。
今日は泉さんたちが誕生日パーティーを開いて下さるそうで……何だかとても楽しみです。
「それじゃあお母さん、行ってきま――」
「ああ、ちょっと待って〜」
靴を履こうとしたとき、受話器を置く音とともに母に呼び止められました。
一体何でしょうか?
「どうしました――」
リビングに足を踏み入れた瞬間、
「おめでとう〜!」
パンッ!と母の手に握られていたクラッカーが弾けました。
「きゃっ!」
突然の出来事でしたので思わず悲鳴をあげてしまいます。
「あら、大丈夫?怪我しなかった?」
「は、はい。平気です」
瞑っていた目を開けました。
すると母は、今度は手にオレンジ色の手袋を持っていました。
「はい、これ」
「これは……?」
「みゆきへの誕生日プレゼント。お母さんの手作りよ」
母はそのまま言葉を続けます。
「みゆき、今から泉ちゃんのお宅で皆で誕生日パーティーやるでしょ?でも帰ってきてからじゃみゆきにも迷惑かかっちゃうから、今のうちにと思って」
そしてその手の上に置かれた手袋を差し出してきました。
「だから……はい。お誕生日おめでとうみゆき。これからもずっと、頼れる娘でいてね」
「お母さん……」
手袋を手に取ります。
と同時に、母の温かい言葉を思い出して急に涙がにじんできました。
「お母さん……私……ひっく」
「ほら、みゆき。泣いちゃ駄目よ〜」
母は私の頭を撫でながらそっと呟きます。
「その涙は、泉ちゃんたち皆のお祝いにとって置かなちゃ……ね?」
「ぐすっ……はい、お母さん」
流しかけていた涙を堪えます。
と、そのときに外から秋の寒さを伝える少し強い風の音がしました。
「あの……」
「なあに、みゆき?」「この手袋、早速使わせてもらっていいでしょうか……?」
「もちろんよ〜。むしろそのほうがお母さんが編んだ甲斐があるわ」
「それでは……」
母から受け取った手袋を手にはめました。
……何だか母のぬくもりが伝わってくるようで、とても温かい気がします。
「ほら。早くしないと泉ちゃんたち待ちくたびれちゃうわよ?」
ふと時計を見ると、約束の時間が迫ってきていました。
「あ。……は、はい」
急いで玄関に向かいます。
「すみません。帰りは遅くなりますので……」
「大丈夫よ〜。ゆっくり、いっぱい楽しんできてね」
いつもとあまり変わらない言葉。
それすらも、今の私にはありがたく聞こえます。
「それでは、行ってきます」
「行ってらっしゃい〜」
母の言葉を心に。
母の手袋を手に。
私は、玄関の扉を開きました。
投下終了です
みゆきさんの視点で書くの難しい……
あと展開がベタ過ぎましたorz
あ、ラジオ4話は今週中には何とかしたいです、はい
それでは最後に
みゆきさん誕生日おめでとう!
何この神ラッシュ
ほらあれ 誕生日だから
今来たのにみんなかきすぎおいつかねぇw
纏めてGJ、あとでじっくり読みます!!
しかし主要キャラだと強いな…
誕生日SSが10月7日(ゆい姉さん)・18日(白石)の比じゃねぇな…
475 :
19-256:2007/10/25(木) 17:40:30 ID:kZpBS83S
昨日の晩投下しようと思ってたのをコソーリ投下します。
かがみ&みさお。非エロ。5レスくらいです。
「んじゃね〜、かがみん。」
「おう。」
教室の前で、私はこなた達と別れる。
クラスの違いにも、もう慣れてしまった。
別に、違うクラスにだって友達はいる。
私は、少なくともどっかのアホ毛さんよりは、社交的な性格をしている自信がある。
「おはよう、柊ちゃん。」
「おはよ、峰岸。」
ガラリと教室のドアを開けると、座っていた峰岸が挨拶をしてくれる。
私も席に着き、本日の教科の確認。今日は金曜だから、政経があったわね、などと考える。
―――いつも通りの教室の風景。
・・・のような気がした、が。
何かおかしい。何というか、そう、何かが足りない。
些細なものだけど、でも無ければものすごく寂しいような、そんな何か。
例えるならば、フォークの横にナイフが置かれていない。ご飯の横に味噌汁が置かれていない。そんな感覚。
「みさちゃん、今日お休みだって。」
それだ、そういえばなぜか今日は日下部がいない。味噌汁は日下部か。
「なんだ、そうなの。で、何で休みなの?まさか、アイツに限って病気とか?」
「・・・うん。なんか、風邪引いちゃったらしいの。」
「な!?」
正直かなり驚いた。あの日下部が、風邪。
5年間付き合ってきて、アイツが風邪になったことなど果たしてあっただろうか。
・・・あっただろうな。
「そうなの・・・日下部も大変ね。」
「それでね、柊ちゃん・・・。」
峰岸は本気で心配そうだ。
「ん?何?」
「明日、一緒に看病に行ってくれないかな・・・?」
「ええっ!?あたし?なんでまた!?あたしが行ったって別にどうなるわけでも・・・」
「え、えっと、その、実は・・・」
峰岸が困ったように笑う。
「実は、お兄さんも、一緒に風邪引いちゃったみたいなの・・・。」
―――翌日、土曜。
なんだかんだで結局来てしまった。今朝の峰岸からのメールによると、全く回復はしてないらしい。
『ひーらぎって世話好きでホントいい奴だよなぁ!』などと本日の病人にもよく言われるが、
やっぱりこれは損な性格だな、と痛感する。
「どうしたの、柊ちゃん?」
「・・・ん、んーん、なんでもない。」
余計なことを考えているうちに、すでに日下部宅まで来てしまっていた。
「ねぇ峰岸。やっぱりあたしがいても別に意味無いんじゃ・・・。」
「そんなことないわよ。今日はお父さんもお母さんもいなくて、家に二人だけらしいの。
私一人じゃとっても二人共の看病なんてできないもの・・・。」
ぼやきながら呼び鈴を鳴らす峰岸。
しばらくするとドアが開き、日下部のお兄さんらしき人が出てきた。マスクをつけて。
「あぁ、あやのと、みさおの友達か、いらっしゃい・・・。じゃ、とりあえず中に・・・。」
「・・・どうも、お邪魔します。」
「どうしてこんな季節に風邪なんて・・・もう。大丈夫なの?」
親しげに会話をする、峰岸と日下部兄。そういえば、もうすぐ結婚、だっけ・・・。私にはまだまだ先のことだけどさ。
「私はお兄さんを看てるから、みさちゃんの方、お願いしてもいいかな?」
「ん、おっけー。わかった。」
こっちとしても二人の邪魔なんて野暮な真似はしたくない。
日下部も心配だけど、まぁアイツのことだし、きっとぐーすか寝てる。
楽観的に思って襖を開けた、が。
「入るわよ・・・て、ちょっと!日下部!大丈夫!?」
「・・・ひーらぎぃ・・・。」
ベッドに横になる日下部を見て、思わず叫ばずにはいられなかった。
病人とそこまで縁の無い私でも、明らかに大変な状態だった。
目は虚ろ、はぁはぁとかなり息も荒いし、顔もだいぶ赤く、完全に衰弱しきっている。
「あんた、ご飯は!?薬は!?ちゃんと水分摂ってる!?」
「ごはんは・・・食欲なくて、昨日からたべてない・・・。くすりと、お水は、昨日のよるに・・・のんだ。」
つまりコイツは、昨日から何も口にせず、水分も昨日の晩から摂ってないってことになる。
病人にとってそれは非常に深刻な事態。迷わず私は部屋を飛び出した。
「峰岸!!大変、大変だって!日下部が!日下部がっ!」
「どうしたの、柊ちゃん。みさちゃんに何かあったの?」
「とりあえず、お水!水分!あと、何か食べるもの、お粥とか!」
「う、うん。ちょっと待っててね。」
冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出し、私に受け渡す。
「お粥できたらすぐ持っていくから。」
言い終わる前に、私は日下部の所へ走って行った。
「ほら、とりあえずこれ飲んで!」
「んぅ・・・。」
寝ている日下部の背中に手を回して、ゆっくりと起こし上げる。直に触ってみると、やっぱり体が熱い。
「ほら、ゆっくり、ちょっとずつでいいから・・・ね。」
両手でボトルを支え、くぴくぴと飲んでいく。いつもの覇気のなさが目に見えてわかった。
「も少ししたらご飯来るから、それまでちょっと待っててね。」
「・・・」
喋るのも辛そうだった。こんなに弱々しい日下部を見るのは初めてかもしれない。
「・・・ひーらぎぃ。」
衰弱した小動物は、きゅーんって、いつもより高い声を出すもので。
今の日下部はまさにそんな感じだった。
「喋んなくていいから、寝てなさいって。」
「ごめんね・・・。」
「どうして謝るの。別に、あんたは悪いことしてないでしょ。」
「いっつもめーわくかけて、今日も、わざわざきてもらって、ごめんね・・・」
何かが胸にこみ上げてきた。
「謝らなくていいの!ただ私はあんたに早く治って欲しいだけなんだから!」
「うん・・・ありがと、ひーらぎ・・・。」
「ん・・・そ、それじゃご飯持ってくるから・・・」
こういう空気は、やっぱりどうも苦手だ。
そそくさと退出しようとすると、きゅっと、なぜか服の袖を掴まれた。当然ベッドに寝ている日下部に。
「いかないで・・・。」
そういえば、昔つかさの看病をしているときも、一緒に居てくれるようにせがまれたような気がする。
病気の時ってやけに心細くなるって聞くけど、やっぱり万人共通なのね。
微妙に涙目で懇願してくる日下部を見ながら、そんなことを考えていた。
「わかったわよ、もう・・・。」
すとんと腰を落とす。
「私がずっと、そばにいてあげるから・・・。」
「ありがと・・・ひーらぎ・・・。」
話しかけてきたら、ちゃんと相手したげるから。
ひっついてきても、すぐ振り払ったりしないから。
髪を引っ張っても、怒鳴らないから。―――だから、
「早く元気になってよ、みさお・・・。」
そのまま両手で、ぎゅっと日下部の手を握ると、弱々しく握り返された。
「・・・柊ちゃん?」
「のうわあああっ!峰岸、いいいいいつからそこに!?」
「け、結構前から・・・。」
お盆を持った峰岸が、襖の前に立っていた。うぅ・・・恥ずかしいところを見られてしまった。
「お兄さんの方はどう?もう大丈夫?」
「うん、だいぶ良くなったみたい。ご飯も一人で食べられるって。」
「そ、じゃあ私はもう帰るわね。うつされたりしたら大変だし。」
「うん、わかった。今日はごめんね。」
「いやいや、いいっていいって。日下部のこと、よろしくお願いね。」
邪魔になるのもアレだし、早めに部屋を出ようとすると、
「ひーらぎ。」
か細い声が私を呼び止めた。
「今日はほんとに・・・ありがと・・・。」
「おう、また学校でね。」
―――翌々日、月曜。
高らかな鐘の音と共に、四時限目が終わる。やっと、午前が終わり昼休み。今日は朝から異様に疲れている。
「ひぃぃぃぃぃらぎぃぃぃぃ!!!」
咆哮と同時にひっついてきた、コイツのせいで。
「あー、なーによ、もう。」
「お昼!お昼一緒に食べよ!な!今日は柊のために、おっきいハンバーグ作ってきたんだぜ!」
くいくいと私の髪を引っ張ってせがむ。
横でニコニコ峰岸が笑っている。笑っているのはいつものことだが今日はやけに嬉しそうに笑っている。
「わーかったわよ。じゃ、こなた達にこっちで食べるって伝えてくるから、待ってなさい。」
「おう!早くな!急いでな!」
別に私は逃げないっての。
そう思って扉を教室の扉を開けるとそこには・・・ある種の妖怪のような者が存在していた。
「ねぇ、かがみ・・・?」
「うおっ、こなた!?何やって・・・あ、それより今日あたしお昼こっちで・・・」
「そうじゃなくてさ・・・」
「な、何よ?なんかあったの?」
「みさきちがさ、あんなにぺったぺたしてきてもさ、全然怒らないよね・・・?
私がひっついたら『やめろっ』って、すぐ怒るのにさ・・・。」
「あ、いや、あれは別に・・・ね。」
「ふーんだ。かがみんはみさきちだけとぺったぺたしてればいいんでしょ。」
「ちょ、もうこなた、何怒って・・・ぐおっ!」
制服の後ろを突然引っ張られた。
「さぁ、ご飯だぞ!柊!早く、いっしょに食べよ!ほら!」
なすがままに引っ張られていく自分と、今後の方針を考えつつ、
風邪でも引いてしばらく休みたいなぁと思わずには、どうしてもいられなかった。
以上です。
改めて文才の無さを痛感しました。
ていうか展開が無茶すぎて自分でも少し悲しくなってくる。
>>481 GJ!!
きゅーんと高い声で鳴く小動物みさおがすごいイメージに浮かんだ。
元気になってなつき度MAXなみさおいいなぁ
>>481 脳内で水原ボイスが止まらないんだってヴァ!
弱気みさおからやきもちこなたに至るまで、まんべんなくGJ。
>>481 GJ
みさおは犬っぽいと思うけど、まさに尻尾ブンブン振っていそうw
ここから、こなたとみさおのかがみ争奪のドロドロ展開になるわけですね? (違
>>484 ……のはずが。
こなたとみさおは、ライバル関係からいつしか禁断の愛へ……
でも二人とも割り切りがいい&楽天家なもんだから、かがみを引きずり込んで3ぴ(ターン
そうか今日はみゆきさんの誕生日なのか
すごいラッシュだねみゆきさん
不人気なんかじゃないよみゆきさん!
申し訳ないですがまとめてGJ!
それから誕生日SS書けなくてごめんねみゆきさん
男版かがみの続きを細々と書くだけで手一杯です
容量やべぇwwwwwまだレス半分も行ってないのにwwww
マジでこのスレは神がかってるなwww
つまりゴッドかなたさん自重ってことか
15KB、投下現在OKでしょうか?
よし、やっちまえ
OK
思う存分投下してくれ
ゴッドかなた「ばっちこーい☆」
493 :
320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/10/25(木) 21:10:12 ID:2V3QdSoE
書けない、ちっとも書きかけがすすまない。
ああ、壊れキャラいいなぁ……あんなふうに書けたらなぁ
なんて思ってたら、壊れました。主に作者が。
☆7レスお借りします。
☆ひよりメインです。壊れてます。主に作者が。
☆グロ、触手注意……うん、別の意味で
「ぬぅぉぉぉぉ、原稿が終わらねぇぇ〜」
机に向かって全力でペン入れに集中しているのは、
どこにでもいる普通の同人少女、田村ひより。
パジャマ姿に上には半纏と、年頃の女子高生には見えない格好。
そんな服装に気遣う余裕など、ひよりにはまったくない。
原稿に手をつけたのは大分前、今回は余裕で入稿と思っていたのだが、
原稿というものは切羽詰らないと書けないのはどの描き手でも同じこと。
入稿期限を明後日に控え、ひよりは山のような原稿と格闘をしていた。
「ははは、修羅場モード突入!! 締め切り前のイベントフラグ逃しまくり〜。
ただ、原稿は落とすわけにはいかない!! 落としたらそこでゲームオーバー。頼む、この左手〜」
連日の疲れとリポ○タンDのカフェインの効果もあってひよりはやけにハイテンションモード。
ついでに、ここ二日ぐらい寝ていない――授業中を除いて。
こんな状態では外で何が起こっていようと、ひよりには気づくすべもない。
外から聞こえる何かが崩れる音。小さいがベタ用のインクの水面をほのかに揺らす地響き。
外の感覚を完全にシャットアウトしているひよりはそれに気づく余裕はまったくない。
たとえ外でゆたかとみなみが絡み合っていようが、怪獣が暴れていようが……
パーンと弾けるようなガラスの割れる音。
さすがのひよりも自分の部屋のガラスがこなごなになったとなると、気づかずにはいられない。
「な、ななななな、なんすかー!! この修羅場ってる時に!!」
ガラスが割れた事よりも原稿を中断させられた事の方が気になるのはやはり筋金入りの同人屋だ。
粉々になった窓ガラス。床に散らばったガラスを踏まないように注意深く振り返るひより。
砕け散ったガラスの真ん中には白いつぶれた饅頭のようなものが転がっていた。
大きさは20cmぐらい。ひょろんと細長い紐みたいなのがたれ下がっている。
「あ、動いた」
いままでピクリともしなかったそれから、ぴょいんと三角形の耳のようなものが立ち上がる。
うつ伏せになっていたのか。ひょこんと起き上がったそれには顔がついていた。
猫みたいなひげとまん丸な目がついたその顔はひよりをじっと見つめて……
「あ、居た〜っ!! お、お願い、魔法少女になってください!!」
突然訳分からない事を叫びだした。
「わ、しゃ、喋った、な、何これ……」
「何これって、かわいいマスコットキャラじゃないですか。アイキャッチにも出てる」
いくらひよりがこういったキャラを目にしているといっても、漫画やアニメの中だけ。
現実にこんなキャラが飛び出してきたら、間違いなくビビる。俺もビビる。
てか、自分で言うな、かわいいって。
「とにかく、時間がないんです。早く魔法少女に返信してください」
「や、そ、そんな急に言われても……原稿も描きかけだし。
大体魔法少女っていったらなんつーか、もっと小早川さんみたいな子が似合ってるんじゃ……」
突然のことに訳も分からず、とりあえずひよりは口走ってみる。
あ〜、小早川さん、魔女っ娘似合いそうだな〜。泉先輩とあわせて双子姫〜とか。
「そんな状況じゃないんです。窓の外見てください。窓の外!!」
ひょんひょん跳ねる謎生物に促され、ひよりはガラスを踏まないように恐る恐る窓の外に近づく。
「うわ……ま、マジっすか……」
窓の外は真っ赤に燃える街。
街のあちらこちらからは煙が立ち上り、その真ん中にはもじゃもじゃとした塊。
にょろにょろしたそれがあたりの建物を蹴散らしながら、もっさもっさと移動してくる。
てか、何でここまで大騒ぎなのに気づかなかったのか。原稿の力は恐ろしい。
「早くしないと街がめちゃくちゃになっちゃう。お願い、魔法少女に……って、オイ。何でベッドに入ろうとしてるんですか!!」
「うるさい!! 修羅場ってるのに寝てしまうなんて、田村ひより一生の不覚。
あ〜、こんなくだらない夢を見てる暇なんてないんだって。早く起きろ〜、起きろ〜、私」
ベッドに入っているのに起きろ〜と念じ続けているひよりはかなりシュールだ。
そんなことをしている間にも、振動はだんだん近づいてくる。
白い自称マスコットキャラはベッドに寝そべったひよりのお腹の上で跳ね回り始めた。
「あーっ、もう夢でも何でもいいからっ。あの怪獣を倒せば夢から覚めるってことにしときます」
「えー、ホント?」
「何ですか、その胡散臭そうな目は。大体せっかくの夢なんですから、
ここは怪獣と戦ってスパーっとストレス発散してください。いいネタ元にもなりますし」
ふむ……謎のマスコットキャラの言う事にも一理あるなと、ひよりは一度外した眼鏡をまたかける。
もぞもぞと起き上がって、白いマスコットキャラと対面する。
「で、何すればいいの?」
「うわっ、やる気ねぇ〜、目が死んでる〜」
「……つまらないこと言ってるとまた寝るけれど」
「わーわー、分かりました。これ、これを」
謎マスコットがどこからともなくもぞもぞと体から取り出したのは、漫画を描くときに使うようなGペン。
安物じゃない。しっかりとした重厚感のある黒い柄、キラリと光るペン先。
しかし、それを見るひよりの目は不満そうだ。
「私、Gペンじゃなくてミリペン使うんですけれど」
「だって、ミリペンじゃ絵にならないじゃないですか。見た目重視ですよ」
謎マスコットは尻尾を器用に使ってひよりにGペンを握らせる。
「それで、魔法の呪文を……」
「えー、高校生にもなってそれは恥ずかしくないっすか?」
「だーっ、そんなこといったらセーラー服で戦ってるあの人たちはどうなるんですか。
男の方なんてタキシード着てぶーらぶらーとかやってるんですよ」
ひよりは不満げながらも、言われたとおりにGペンを振りかざす。
「それじゃ、私の言葉を復唱してください。らっきらっきー……」
「はいはい、らっきらっき〜」
白い生物がやけにノリノリで発するセリフをやる気なさげに繰り返すひより。
外から見るとえらいシュールな光景だ。
「一二の三いぇいいぇーい♪魔法少女しちゃいましょ♪」
「一二の三いぇいいぇーい……魔法少女しちゃいましょ……」
やる気のない呪文が唱え終わると同時、ひよりの体が輝きだした。
これにはさすがにやる気のなかったひよりも驚く。
「ちょっと、な、何これ。どーゆーこと!!」
「いいから、大丈夫。あとは……まあ魔法少女っぽくやってりゃ何とかなるから」
「魔法少女っぽくって……うわぁ、体が勝手に……」
ひよりの意思を無視して体が勝手に動く。
Gペンを掲げると通常サイズのGペンが巨大化し、ステッキサイズになる。
キラキラと今まで着ていた服が光となって飛び散ったと思うと、
ひよりがポーズをとるごとに、体、足、腕、光がまとわりついて服が出来上がる。
往年の魔女っ娘を彷彿とさせる。フリフリのレースがついた服。
ひよりのおしゃれっ気のないただ伸ばしただけの黒い髪も、魔法少女らしく深緑の色に変わっている。
そしてポーズ……ってか、顔が真っ赤だ。
「やった、変身成功……って、どうしました?」
「だーっ、なんて恥ずかしいことさせるんだこの謎生物!! 私にはコスプレ趣味はないっての!!」
巨大化したGペンでベシベシと謎生物の頭を叩くひより。
それにあわせてぶにょぶにょ潰れる謎生物。結構柔らかい。
ドシン……と地面が揺れて、さすがにひよりの手も止まる。
「……って、こんなふざけている場合じゃないですよ。早くあの怪物倒してください」
「って、倒すってどうやって……」
「いいから早く、早く」
謎生物に背中を押されるままに窓へ歩くひより。
「ほーら、どーんといってらっしゃい」
白い謎生物のたいあたり。
そのまま割れた窓から落っこちるひより。
「うぎゃーっ、落ち〜……ない?」
窓から飛び出たところでひよりの落下は止まっていた。
ふわりふわりと中に浮く、変な感覚。
「その魔法のGペンを握っている限りは自由に飛べますよ」
「へ〜……って、落ちないのはいいけれど、どうやって移動するの、これ」
「ん〜、まあ、頑張ってください。夢の中で空を飛ぶような感覚で……」
この生物、存在する意味があるのかなぁ……と不満に思いつつもひよりは自分が空を飛ぶ姿を思い描く。
予想外にも簡単についついっと、自在に動ける。
「はぁ〜、こんなに簡単に空飛ばれちゃ、スバルの苦労も報われないっすね〜」
「そんな事より、敵、敵!!」
自称マスコットキャラが尻尾で指差す先、気づけば怪物はすぐ目の前に迫っていた。
遠くからはもじゃもじゃにしか見えなかった生き物も、ここまで近づけば詳細が分かってきた。
もじゃもじゃしていると思っていたのは、一本一本が大人の腕ほどもある触手。
ぬたりぬたりと動くそれが複雑に絡み合い、その生物を形成させていた。
触手から滴る粘液の生臭い臭いが、ひよりの側まで漂ってくる。
「ひぃ〜っ、私、触手プレイの趣味なんてないってば」
「危ないっ」
触手が振り下ろされる。
慌ててひよりは空中移動。外れた触手はひよりの家の軒先を叩き潰す。
「あーっ、うち、まだローンが残ってるんだから。壊さないでー。」
「だったら、早く戦って〜」
言われなくても、と思うが、ひよりにはまだ戦い方が分からない。
それどころか迫り来る触手を避けるだけで精一杯だ。
このローンが残った自宅から離れなくてはいけないし……
すこしでも家から距離を置こうとひよりは空を飛ぶ。
「魔女っ娘の触手プレイなんて同人誌の中だけで充分だってば。あの謎生物からも離れちゃうし……」
あの謎生物に聞かなければ、このでっかいGペンの使い方だって分からない。
なんとかこの生物の隙を……
「あっ……こっちに来ないで!!」
薄暗い住宅街の道にぼんやり浮かぶ二組の人影。
住民の大部分は避難していたので今まで人に出会わず避け続けてこれたが、
この戦いを知らずかその人影はこっちに近づいてくる。
触手生物がその二人に気づいた。二人に向かって伸びる触手。それを止めるすべはひよりにはない。
「うぎゃ〜」
「ちょ、おま、やめれー〜」
二人の上げた悲鳴、どこか聞き覚えのある声。
触手に吊り上げられた二人が、街頭の光に露わになる。
「げ……お兄ちゃんたち……」
街灯の下に吊り上げられたデブとガリの二人組み。
いかにもオタクスタイルといった飾り気のない服装、ボサボサの髪。
デブの方はバンダナを巻いて、ガリのほうはファッションのつもりか指出し手袋。
学校帰りにはアキバによることを欠かさない二人組み。
東京の某アニメーション学院に通う、ひよりの兄だ。
「お、お兄ちゃんたちを離せ。この化け物」
でも、そんな兄貴でもひよりにとっては大切な肉親だ。
杖を構えて触手生物を威嚇する。
うねうねと動く触手は二人の兄を捕らえて、高く吊り上げる。
「ひ、ひより。そのコスプレはかわいいんだが、早く逃げろ!!」
「そ、そうだ。早く逃げて……でも後で写真取らせて」
できればこの服装には触れて欲しくなかったのだが、
このオタク二人組みが魔法少女を見て反応しないはずがない。
ああ、余計な事を言わなければかっこよかったのに……
二人を捕らえていた触手が活発に動き出す。
「や、やめて。お兄ちゃんたちを殺さないで!!」
ひよりの瞳が不安に揺らぐ。
触手の中心にある赤い目がにやりと笑ったようにひよりは思えた。
そして触手はひよりの二人の兄に迫り……
「うわっ、や、やめろ……あ、ああ……なんか気持ちいいんだけれど」
「うごっ、しょ、触手攻めは好きだけれど、受けは……ああ、でも何か目覚めちゃいそう」
服の中にもぐりこみ、何かを触りはじめた!!
触手に責められ、赤くなって身もだえするオタク二人。
はっきり言おう。キモい。キモすぎる。
ここまで読んでひよりの触手攻めを期待した読者の皆様、申し訳ない。
だが、現実は腹の肉をぶるんぶるん振るわせて恍惚の表情を浮かべるデブオタと、
カクカクとした奇妙な動きを繰り返し、尻穴だけは必死に守ろうとするガリオタだった。
さすがのひよりもこれには引いた。
オタク道10年以上、エロ同人も平気で読み書きしてきたひよりだったが、
これはさすがに許容できるレベルを超えていた。
「あ、あっと見つけた……って、うわ、キモっ!!」
ぽよんぽよんと必死で駆けてきた白い謎マスコット。
この謎生物もあまりの光景のおぞましさに凍りつく。
「あっ、やっと見つけたこの謎生物。とっととこのグロ画像を排除するから、倒し方を一刻も早く!!」
ひよりの目が、原稿に向かうとき以上に真剣だ。
そりゃそうだ。これ以上グロシーンを続けたら別の意味で18禁になってしまう。
「イメージして。強い、相手を叩きのめせるほどに強いその姿を。
そのGペンは君の妄想を具現化する。君の妄想が強ければ強いほど、その威力は上がるんだ」
強いもの……ひよりは瞳を閉じて妄想する。
最近見た戦う感じの作品って何かあったっけ?
そういえば、ニコ動に投下されたあのムービーよかったよなぁ。
種死ガンダムと白い悪魔が戦うんだっけ。ガンダムも一発で吹き飛ばすあの魔法少女。
あれは反則だよね〜
「ち、ちょっと……これは……」
杖に起こり始めた変化にマスコットキャラは驚く。
Gペンが光に包まれ、その形を変化させる。
ひよりの脳内のイメージを忠実に。金色に輝く槍状のパーツ、赤い宝石。
翼のように広がる桃色の光。
周りから桃色のエネルギーが槍先に収束する。
槍の姿はあの有名なアニメの姿のそのままに。
ひよりが目を開く。手にあるのは、イメージどおりの現実。
「スターライト・ブレイカー!」
槍先の桃色の光が一気に触手生物に向かって解きはなたれる。
真正面からその光に打ちのめされ、触手生物は一直線の道路を吹き飛ばされる。
建物に叩きつけられてもその光は収まらない。完膚なきまでに触手生物を消滅させていく。
「「なんで俺たちまでー」」
ついでにひよりの兄たちまで吹き飛ばされる。
桃色の光が収まった後、残っているのは地面に残る50mほど続いた砲撃の後。
砕け散ったコンクリートの塀と、そこでバタンキューしているひよりの兄二人。
触手生物は塵一つ残さず消え去ってしまった。
「す、すごい……通常はビームが出る程度なのに、杖の形まで変化させるなんて……この少女はいったい……」
謎生物はひよりを見上げる。
肩で息をつくひよりは杖にもたれかかるようにして立っている。
「お、終わった」
「う、うん。予想以上。あの生物も倒したし、これで完璧……」
「そっか……これで……やっと……眠れ……る」
ひよりの体を包んでいた服が、光となってはじける。
原稿に向かっていたときと同じパジャマに半纏。どうして変身シーンは凝るのに戻るときは短いんだろう。
ふらりとひよりは崩れ落ちるように地面に倒れこむ。
「だ、大丈夫!!」
倒れこんだひよりにマスコット生物は駆け寄る。
「んがー……」
花提灯を膨らませながらいびきをかくひより。
体に影響があったんじゃないかと心配していたマスコットはほっと息をつく。
疲れがピークに達してそのまま寝てしまったようだ。
でも、花提灯膨らまして道端で寝るなど、これが本当に年頃の女子高生なのか。
「でも、あいつらはまたきっと……」
謎生物は夜空を見上げる。
ここで触手生物が倒されたとなると、次からは刺客を送り込んでくるだろう。
戦いが終わったわけではない。この休息は次の戦いへのインターバルに過ぎないのだ。
「って、何かっこつけてるんだろ」
ピピピピピ……耳障りな電子音が聞こえる。
あ〜、もう朝か。それにしても変な夢を見た。
この年になって、まさか魔法少女とは……しかも自分がね。
手を伸ばして騒音を奏でる目覚まし時計を止める。
騒音が消え去り、あったかい布団の中には何も不満はなくなったが、悲しいかな自分は学生なのだ。
ニート一歩手前の兄貴たちとは違って、毎日学校に通わなくてはいけない女子高生なのだ。
眼鏡を取ろうと手を伸ばす。
ぷにょんぷにょんとした柔らかいものが手に触れる。
「?」
枕に突っ伏していた顔をぼんやりと上げる。
ピントの合わない視界には、白いぼんやりとした塊にしか見えない。
眼鏡を手に取る。ぼんやりとした視界がはっきりと見え……
「げ、あの謎生物!!」
「あ、おはようございます〜」
目覚まし時計の隣にぬいぐるみのように並んでいる例の謎生物。
ふにゃりふにゃりと揺れる白い尻尾。
あの謎の生物がいるってことは、昨日の夢は……
「「ひより!!」」
がたっとドアが開けられる。
ひよりの兄貴二人。さっきの声を聞きつけてここに来たのか、
「あ、あの、お兄ちゃん。こ、これは……」
謎生物を見られてひよりは戸惑う。この生物をどうごまかしようがあるというのだ。
だが、二人は謎生物など目にも止めず、ひよりの手をがしっと掴む。
目をうるうると潤ませて……
「「妹か魔法少女になるなんて、なんて俺たちは幸せなんだー!!」」
あかん、この兄貴二人。人として完全に終わっている。
それ以前に、あんな凶悪魔法で吹き飛ばされて、何故傷一つないのか。
萌えの力か?これ。
「ひより、俺はあれから一晩中寝ないでテーマソング考えてきたんだ。どうだ、これ、聞いてみないか?」
「いやいや、こっちのラミカ。次のコミケは『まじかる☆ひよりん』が市場を席巻だな」
「しかし弟よ。それでは名前が被るのではないか? 某みずい……」
「あー、それ以上言うな。作者もググって気づいたみたいだし」
完全にそっちの世界に入ってしまった兄貴二人。
オタクとしては尊敬できるときがままあるが、人としては尊敬できない兄貴であるこの二人。
「いや〜、大変ですね。ひよりさんも……あれ、僕を握り締めて……どうしました?」
ひよりの手が謎生物の体に食い込む。
オーバースロー。大きく振りかぶって投げられた謎生物は二人の兄貴を吹き飛ばす。
「もう、いい加減にして〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
以上です。
なお、ひよりのアニキについては公式には二人存在するというという情報しかありません。。
勝手な脳内イメージで、上の兄貴→デブオタ 下の兄貴→ガリオタとしてます
本編でひより兄が出たら……忘れてください
>>427 こなたとみゆきのSSはかなり好きなんだが少ないのが残念だぜ。
それにしてもこれはGJ。このSSによって増加することを願うとしよう。
>あんこいり☆パスタライス
空耳自重w
このスレはゴッドかなたさんによって見守られています
>>501 個人的にはひよりより自称原作者マスコットに萌えた件
ともあれ、機動六課も真っ青なその活躍にGJ!
>>501 こ、これは……!GJ!
やべぇ、俺も早いとこ『アレ』の続きを書かにゃならんな
>「しかし弟よ。それでは名前が被るのではないか?
調べてみて吹いたwまんまかよw
>>501 なんて物書きますか、貴方って人は。
警告文まで使ってのフェイクに色々と噴いた。Good Hiyorin。
で。
>「はぁ〜、こんなに簡単に空飛ばれちゃ、スバルの苦労も報われないっすね〜」
「一撃必っ倒ぉぉぅ! ディバイィィィン・バスタぁーーーーーっ!!」と叫ぶ
ゆい姉さん(ドラマCD)版を幻視してしまった俺ガイル(自爆
えーと、そろそろ投下して良いでしょうか。
みゆきさんの誕生日なのに空気読まずに申し訳ない。
・かがみ中心
・パロディ(某ボーカロイドネタ)
・若干キャラ壊れ気味
・多分3レス
それでは失礼。
しまった、うっかりこなたの家で遊びすぎてしまった。
いつもは一方的に叩きのめされるだけだけど、今日は調子が良かったのか、なんとか勝
率五分に持ち込むことが出来たのだ。
……とはいえ冷静になって考えると、こなたが手を抜いてくれたのかもしれない。
そうでなければあんなに良い勝負ができるはずがないのに。
それに気付かずに調子に乗って連戦してしまったのはちょっと恥ずかしいかもしれない。
もう大分陽が短くなったことを実感しながら、足を早める。
流石に陽が落ちると肌寒さを感じる季節になったんだな、と思う。
ようやく家が見えてきて――そこまできて、少しだけ歩を緩めた。
夕食はなんだろう。
「ただいまー」
玄関の扉を開ける。返事はない。
いのり姉さんとまつり姉さんも今日は遅いって言ってたし、つかさはお料理教室に体験
入学とか言ってたっけ。ますます家事周りでは遠いところに行ってしまう妹に、ちょっと
劣等感を感じる私だったりする。
――と、居間の方から聞こえてくるメロディ。
アレ、なんかこの曲聴いたことがあるような。
確かつい最近、こなたの家で聴かされた……なんだっけ、なんとかロイド。そうそう、
バーチャロイド。名前は……思い出せない。ネギを持っている画像だけは覚えてるんだけ
ど。初音ネギ、だったっけ?
確かそんな名前のバーチャルアイドルが歌ってた曲だ。みっくみくにしてあげるー、と
かなんとか。
技術の進歩に驚いたもんだわよ。
しかし、こんな曲をまさか自分の家で聴くことになるとは思わなかったけど。って、一
体誰が。
一抹の不安を感じながら足を早め……そして、居間を覗いた私は絶句した。
そして、中の人とばっちり目が合う。
ああ、この時ほど「中に誰もいませんよ」と言いたかったことはないわ。後にも先にも
未来永劫。
――しかし、いてしまったものは仕方がない。
……そう、そこにいたのは。
「あ、あら。おかえり、かがみ」
私のお母さん。
ただし、初音某のコスプレをした。
もうなんていうか色々ツッコミ所がわからなくてただ呆然としていると、こともあろう
にお母さんはこう言ってのけやがった。
「永遠の十七歳、柊ミキです☆ みっきみきにしてあげる♪」
ああ、そういえば初音ミクって名前だったっけ、と思い出すと同時に。
――プチン、と、私の中の何かが切れた。
「ひ・か・り・に・なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
ぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」
私の渾身の一撃が、お母さんの姿をした妖魔を空の彼方へと吹き飛ばしたのだった。
「ただいまー。あ、お姉ちゃん先に帰ってたんだ……って、どうしたの? ものすごく息
が上がってるけど」
「おかえりつかさ。別に大したことじゃないわ。強いて言うなら柊家の……いやむしろ世界の平和を守ったってところかしらね」
「?? よくわかんないけど無理しないでね。そういえばお母さんは?」
「知らない」
「じゃあお姉ちゃんが帰ってきた時はいなかったんだ」
「知らない」
「え? でも……」
ユラリ、と近付き。
「知らない」
ガシッ、っとつかさの肩を掴む。
「いいつかさ。この世には知らなくていいことというのがあるものなの。わかった?」
コクコクコク。
私の表情に何か感じるものがあったのか、小動物のように首を縦に振るつかさ。
その日、初音ミクコスのままボロボロになって帰ってきたお母さん――によく似た何か
――に、誰も深く突っ込む者はいなかった。
無論、その日から私の前で初音ミクがNGワードになったのは言うまでもない。
後に泉こなた(仮名)はこう語る。
「あの日かがみ様の前で初音ミクの話題を出した途端……もう、視線だけで殺されるかと
思いました。というかアレはもう何人か殺った人の目でしたね。あの日以来、表面上はい
つも通りにしてるけど、かがみ様だけには逆らわないようにしてます、はい。宿題も毎日
ちゃんとやってます」
お目汚し失礼いたしました。
なにぶんらき☆すたでは初めてなもので、加減がわからず。
唐突に降ってきたネタとはいえ、誰でも考えつくネタなんじゃないかなぁ……と葛藤しつつも、
勢いで書いてしまいました。
それでは失礼いたします。
誰でも思いつきませんw
更に変なことをおもいついてしまった
みーみー戦隊ならミクネタはできるはず…ないな
みっきみきにされましたw
>>511 そんな発想はなかったw
>>513 みーみー戦隊の続きを執筆途中な俺が来たわけだが…
そんなこと言われたら、飛び入りで何らかの形で話に反映させたくなるじゃないかw
>>511 よこそ。これはワロタwGJ!!
>>481 GJ!!!!!
自分がみさおスキーなもんで、いつもと違うみさきちがとても良かったです。
で、お友達のお陰で風邪治ってよかったねぇ。
>>511 CV:井上喜久子、自重w ぐっじょぶ。
そしてバーチャロイドと聞いて、ミクコスで背中にサターンを背負うみきお母さんが脳内に。
なんかもうミッキミキにされてたりみゆき誕生日SSがいろいろ投下されてたり
最終回間近のSSが投下されたりと凄いことになっていますね。
しかもスレ容量が凄いことに……とにかくびっくりだ!
それでは、そろそろ今日も終わりが近づいてきたということで、
自分もSSを投稿させていただきます。
●みゆき誕生日記念SS、4レス投下させていただきます。
●仲良し4人組の非エロ話。傾向としてはほのぼの。
●独自設定は特にありません。
ふよふよとした感触が、私の胸のあたりから伝わってくる。
「みゆきさんの胸、やっぱりやわらかいやねー」
「あ、あの、泉さん?」
目の前では、泉さんのぴょこんと飛び出た髪の毛がぴょこぴょこ動いていて……
「ふかふかー、ふかふかー」
まるで陶酔してるかのように、泉さんの後頭部が私の胸に押しつけられています。
「あ、あはははは……」
「ちょっとこなた、いい加減にしないとみゆきも困ってるでしょ?」
私はただ笑うしかなくて、テーブルの向かい側ではかがみさんが呆れたようにため息をついていました。
「えっと、その……あの」
「だってさ、こんなに気持ちいいのってないよ? テンピュール枕なんて目じゃないよ!」
拳をぶんぶん振って力説する泉さん。その衝撃が、私の胸にもぷるんぷるん伝わってくる。
泉さんにお願いされて後ろから抱きしめてみたのですが、どうやら気に入られてしまった
みたいですね。でも、恥ずかしいのも確かなことで……
「ほらほら、いつまでそんなことやってんのよ。せっかくつかさがケーキを用意してくれてるのに、
それじゃあみゆきが食べられないでしょうが」
「いいもーん、私がこのままみゆきさんに食べさせてあげるもん」
「あんたは子供かっ!」
「ふぎゃっ?! い、いたいってば、かがみーっ!!」
まるで子供のように甘える泉さんの頬を、テーブルに乗り出してぎゅーぎゅー引っ張るかがみさん。
「だ、大丈夫ですから! 少しぐらいだったら、別に構わないですよ」
「ん? そ、それならいいけど……せっかくのみゆきの誕生日なんだから、あんまり変なことしちゃダメよ」
「変なことなんてしないってば。ふーんだ」
かがみさんの手から逃れた泉さんが、また私の胸に後頭部をぽふんっと埋めてくる。
「ふかふかっていいやねー」
「あらあら」
うっとりとしたその声に、私は思わずそう笑ってしまいました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
やわらかなかんけい
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
きっかけは、昨日のかがみさんからのお誘い。
『みゆき、明日誕生日でしょ? つかさがケーキを焼くって言ってるから、よかったら家に来ない?』
最初はお手数をかけるわけにもと思ったのですが、つかささんの熱意と泉さんの後押し、
それにかがみさんからのせっかくのお誘いということで、その申し出を受けることにしました。
『私たちはいつもお世話になってるんだから、そのお礼ってとこ』
少し照れたかがみさんの笑顔にダメを押された……というのもあるんですけどね。
結局、そのままの体勢に落ち着いた泉さん。私も、かがみさんのベッドに寄りかかり
ながら落ち着くことにします。
体の小さい泉さんですが、その分体重も軽いようであまり苦にはなりません。むしろ、
泉さんのぬくもりが伝わってきて暖かいぐらいです。
「こなたってば、ホントに甘えたがりなんだから。まるでお子様ね」
さっきまでの不機嫌な顔とは打って変わって、かがみさんが苦笑しながら泉さんに話しかける。
「だって、まだまだ成人前じゃん。私は立派な子供だよ」
「威張って言うな!」
「それにさ、私ってお母さんがいないでしょ?」
「……あ」
「えっと……」
「こういうのって、結構憧れてたんだよね。誰かに甘えてみるってシチュエーション」
泉さんはあっけらかんと言っていいますけど、それは重い話題で――
「あー、でもお母さんは私そっくりの体型だったらしいし、胸ふにふにはちょっと無理か」
「なんであんたは自分で落とすかなっ!」
って、今の泉さんにとってはそうでもなかったみたいですね……あははは。
「やー、ほら、なんかちょっと二人ともなんか固まってたし、それをほぐそーとね」
「だからってわざわざおちゃらけないの」
「ごめんごめん」
あくまでもおどけたように言う泉さん。こういう体勢だから顔はよく見えませんけど
……本当にそうなのかと、逆に気になってしまって、
「うん?」
私は思わず、泉さんの頭をそっと撫でていました。
「おー……気持ちいいねー」
うっとりとした声で、私に寄りかかってくる泉さん。その言葉が、私まで気持ちよくさせてくれます。
多分、こういうのが憧れというのは本当のこと。
ずっと離れないというのは、それだけこの体勢がお気に入りということなんでしょう。
「ケーキ持ってきたよー」
そのまま泉さんのことを撫でていると、かちゃっとドアの音がして、トレイを手にした
つかささんが部屋に入ってきました。
「おおっ、今日のメインイベント登場!」
「つかさってば、学校に行くまでずっと下ごしらえしてたんだから」
「そうなんですか? ありがとうございます、つかささん」
「あ、あははっ、そう言われると恥ずかしいよぉ……」
かがみさんの言葉を受けてお礼を言うと、つかささんは照れたように笑いながらかがみさんの
隣に座りました。
「そういえば、こなちゃんってば何してるの?」
「こなたがね、こうしてるとか落ち着くとか言ってみゆきに懐いちゃってるのよ」
「へえ。まるでお母さんと娘さんって感じだねー」
「え、えっ?」
「あー」
つかささんの言葉に戸惑ってる私に対して、両手をぽんと叩くかがみさん。
「確かにそうね。こうやって見ると、みゆきってお母さんって感じがするわ」
「それは、私の母に似てるということですか?」
「そうじゃなくて、立場としてのお母さんよ。雰囲気がやわらかいし、こなちを撫でてる仕草もそんな感じだし」
「お母さん、ですか」
初めてそう言われてびっくりしてしまいましたが……私も、母と同じようにやわらかい
雰囲気をまとえているのでしょうか。
「うんうん。みゆきさんって雰囲気もやわらかいし、こーやって胸もやわらかいし」
「い、泉さんっ?!」
「恥ずかしいセクハラ発言禁止!」
「ごめんごめん、ついつい本音が」
本音って、泉さんはそんなに私の胸がお気に入りなのですか……
「だけど、みゆきさんの子供になった子は幸せだろうね」
そう言いながら、体勢を変えて私の顔をのぞき込む泉さん。
「こんなにあったかいお母さんに育ててもらえるんだもん。きっといい子になるよ」
「ゆきちゃんがお母さんかー。いいお母さんになれそうだね」
「きっとなれるわよ。今からこんな雰囲気なんだもの」
いいお母さん……もしもいい人に巡り会えたら、きっとなってみたいですね。
「ふふふっ、ありがとうごさいます」
「わわっ?!」
みなさんにそう言って頂けたのが嬉しくて、私は笑いながら、思わず泉さんをぎゅっと
抱きしめてしまいました。
そして、そのまま再び頭をそっと撫でてみます。
「あらあら。まるで、こなた自身が今日の誕生日プレゼントって感じじゃない」
「えっ、私が?」
「それもいいですね」
「な、なんでそんなことになるかなぁ?」
ちょっと戸惑っている泉さんですが、そう言いながらも私の腕の中にすっぽり収まってくれています。
「ま、いっか。今日は夜までみゆきさんの娘気分でいよっと」
私がそう言うと、ちょっとこわばっていた泉さんの体からふっと力が抜けていきました。
それはきっと、私を信頼してくれてることの証拠。
「それじゃあ、そろそろケーキを用意しましょ」
「うんっ」
かがみさんに促されたつかささんがケーキの載った大皿をテーブルを置くと、ふわっと
甘い香りがあたりに漂い始めました。
「この間、お姉ちゃんからマシュマロの作り方を教わったから、それを使ってケーキを作ってみたんだ」
「マシュマロケーキですか」
つかささんが言うとおり、ほどよく焼き色がついたスポンジの中から白いマシュマロの
姿がちょこんと見えます。
「ケーキの上でこんがり焼けてるのもマシュマロなんだよ」
「よく焼きマシュマロというのは聞きますけど、こういう料理法もあるんですね」
「ほら、ゆきちゃんってとってもやわらかい雰囲気でしょ? それをイメージして、この
ケーキを焼いてみたんだ」
「私をイメージして、ですか?」
「うんっ。いつもゆきちゃんにはお世話になってるから、そのお礼にって思って」
私の問いに、嬉しそうに頷くつかささん。
普段はのんびりとしているつかささんですが、こういった料理の時の腕前の良さには
惚れ惚れとしてしまいます。それを、私のために振るってくれたのですから……私も、
とっても嬉しいです。
「でも、ロウソクを立てるにはちょっと厳しそうじゃない?」
「えっ? あっ! ご、ごめんっ! すっかり忘れてたよ……」
「つかさってば、ホントに相変わらずね」
「ううっ……ごめんね? ゆきちゃん」
「いえいえ、別に構いませんよ」
申し訳なさそうに言うつかささんですが、私のためにがんばってくれたのですから、
むしろ嬉しいぐらいです。
「んじゃ、歌のみってことにしよっか」
「えっ? う、歌ですか?」
「そうね。歌だけでもちゃんと歌ってあげましょ」
「うんっ!」
みなさんは嬉しそうに言ってくれていますけど、私はなんだかこそばゆくて……
「べ、別にいいですよ。歌は歌っていただかなくても」
「だーめっ。みゆきさんが生まれた記念日なんだから、ちゃんとお祝いさせてよ」
「そうそう、せっかくの誕生日でしょ?」
「いつもお世話になってるお返しだよっ」
……ちょっと恥ずかしいと思っていたのですが、こういう風に言ってくださるみなさんを見て、
「えっと……それでは、よろしくお願いします」
「うんっ!」
私は、やっぱりお願いすることにしました。
せっかくの皆さんの好意を、無駄にはしたくありませんでしたから。
「せーのっ」
だから、お言葉に甘えてみることにしましょう。
「ハッピバースデー、トゥーユー」
ちょっと奔放な泉さん。
でも、人の感情の動きに敏感で、よく気を遣ってくれる楽しいお友達。
「ハッピバースデー、トゥーユー」
きっと、私以上にしっかりしているかがみさん。
どこかふらふらしてしまいがちな私たちを、しっかり引っ張ってくれる大切なお友達。
「ハッピーバースデー、ディア」
いつものんびり屋さんなつかささん。
その言葉と料理で私たちを癒してくれる、優しいお友達。
「みゆきさーん」
「みーゆきー」
「ゆーきちゃーん」
そんな友達と出会えることが出来て……
「「「ハッピバースデー、トゥーユー」」」
「おめでとう、みゆきさんっ!」
「みゆき、おめでとう」
「お誕生日おめでとう、ゆきちゃんっ!」
「みなさん……ありがとうございますっ!」
私は、本当に幸せ者ですね。
「とゆーわけで、みゆきさん」
「えっ?」
ちょっと潤んだ目元をぬぐっているうちに、腕の中にいた泉さんがマシュマロケーキの
載った皿を手にしていました。
「あーん」
「い、泉さんっ?」
「言ったでしょ? 今日は私が娘気分だって」
泉さんはそう言いながら、空いている手を口元にあててくふふっと笑う。
「そ、それはそうですけど」
慌ててかがみさんとつかささんのほうを見ると、二人も優しく笑いながら私のことを見ていました。
「いいのよ、みゆき。せっかくなんだから、たまには甘えちゃいなさい」
「そうだよ、ゆきちゃんっ」
まったく……みなさんには叶いませんね。
「では、お願いできますか?」
「うんっ。あーん」
「あーん」
泉さんがフォークで切り分けたマシュマロケーキを、そっと口に含む。
すると、甘い味覚といっしょにやわらかい香りが広がって、
「おいしいです、とっても!」
「本当? よかったぁ!」
自然と、感想が口から飛び出していきました。
「じゃあ、私たちも頂きましょうか」
「いっただっきまーす」
それをきっかけに、いっしょにマシュマロケーキを食べ始めるつかささんにかがみさんに、泉さん。
その表情はとってもやわらかくて……私も、いつの間にか同じように笑っていました。
みんながいっしょに祝ってくれる、やわらかなひととき。
私にとって、それは大切な十八歳の誕生日プレゼントでした。
というわけで「やわらかなかんけい」をお送りしました。
ヒントは3巻の表紙。
こなたのうっとりとした顔を見ていたら、ついついと。
お互いがお互いを補い合っている4人、というイメージで書いてみました。
お楽しみ頂ければ、幸いです。
>>523氏
あぁあぁ、またあなたはこんな良作を……。
GJです!俺もみゆきさんの胸をふにふにしt(ry
>>523 ちきしょおおおおっ
貴方といい他のSS職人諸氏といい、なんちゅームチャクチャなクオリティしてるんだっ
お陰で私はSS落としにくくて大変なんだよどうしてくれるぅぅぅっ(笑)
でも本気で良い癒しみゆきさん&甘えんぼこなたをありがとうございますっ!!!!
風邪で体調木っ端微塵な時に、心が回復しましたっ!!
>>523 ちょうど3巻が机の一番上に載ってたとこだったので、ビジュアルとあいまって
ことのほか萌えました。Good Miyuki。
>>523 ふにふにGJです
あまりの甘い和み空間(ANフィールド)に、全身が溶けました。
どうしてくれるんですか(知らんわ
>>523 GJ! 凄い良い!
上手い人の特定カップリングじゃないSSって、読んでて凄い安心できるなぁ。
ところで、
>>521の
>「な、なんでそんなことになるかなぁ?」
> ちょっと戸惑っている泉さんですが、そう言いながらも私の腕の中にすっぽり収まってくれています。
>「ま、いっか。今日は夜までみゆきさんの娘気分でいよっと」
> 私がそう言うと、ちょっとこわばっていた泉さんの体からふっと力が抜けていきました。
が読み解けない。指示代名詞とか主人格の書き間違いだけにも思えないので。
>>528 あ゛。
> 私がそう言うと、ちょっとこわばっていた泉さんの体からふっと力が抜けていきました。
↓
> 泉さんがそう言うと、ちょっとこわばっていた体の力がふっと力が抜けていきました。
はい、いつも通りのぽんこつですorz
wiki収録の際に修正しておきますです……
>>523 おぉ、やはりあなたでしたか。こなたの喋り方になんとなく特徴を感じたのでもしやと思ったら……
カップリングの時とは違うニヤニヤが浮かんでしまいましたよ。今日もGJです!
それにしても…今日のこのスレ、いくらみゆきさんの誕生日でもクォリティ高すぎるぜ!
おかげで萌死しちまいそうだ…
ゴッドかなたさん自重ww
>>523 テラGJ!!!!!
みwikiさんに懐くこなた可愛いよこなた
みwikiさんおめでとんっ
みゆきさんの誕生日SSに力を注ぎすぎたために力尽きて
4日のあやのの誕生日まで手がまわりそうにない俺が通りますね
誕生日SS書けなかった誰か俺に天罰を…
という事で投下よろしいですか?
残念ながら誕生日SSじゃないけど…
間違えた…
>誕生日SS書けなかった誰か俺に天罰を…
誰か誕生日SS書けなかった俺に天罰を…
に脳内変換よろしくお願いします
>>534 誕生日SS書こうと思ってたけど間に合わなかった俺が天罰じゃー!
大丈夫、神様は許してくれるよ
朝日が昇るまで日は変わらない ってウチのばっちゃが言ってた
アメリカはまだ25日なんだぜ。今日本から書いてるけど。
ゴッドかなた「かっなかなにしてやんよ☆」
ゴッドかなた「ワシのスレはPart108まであるけぇの」
544 :
14-319:2007/10/26(金) 00:53:49 ID:XNXfrf/R
それじゃあ投下します
15レス前後使用?
それに非エロです
カップリングはかがみ&つかさと
こなた&つかさになっております
後は特無いと思います
545 :
間:2007/10/26(金) 00:55:48 ID:XNXfrf/R
受験目前にせまった季節に髪の長い少女と髪の短い少女が二人で外を歩いていた。
「こなちゃんの家に行くのも久しぶりだね」
「最近は忙しかったからね」
「ゆきちゃんもこれればよかったのに…」
「仕方ないわよ…みゆきは医学部目指してるから勉強しないと」
かがみとつかさ、似ているようで似ていない双子の二人は
現在泉こなたの家へ向かっているようだった。
「こなたもなんで急に遊ぶとか言い出すのかしら。こんな忙しいときに」
「まぁまぁ、息抜きにはとてもピッタリじゃん」
「別にいいんだけどさ…つかさものんびりしてられないわよ」
「私は大丈夫だよ」
余裕がある顔でつかさは答えた
「つかさが大丈夫ならいいけど…」
「こなちゃん、どんな所行くのかな?」
「あの様子じゃあいつはしばらくこのままよ」
「ん〜、でもこなちゃんはやればできるタイプだから大丈夫だよ」
「そうだろうけどさ、やらなかったらどうなるのよ?」
「どうだろ?…多分心配要らないと思うよ。ちゃんとアルバイトやってるからね」
「こなたはさ、生活のためじゃなくてアニメや漫画のために始めたんだから…」
「そのためにちゃんと仕事するんじゃない?」
「あ…そうね」
つかさにそう言われて納得するかがみだった。
「…なんで急にこんな話になったんだっけ?」
「進路がどうとか…で、こんな話になったんじゃない?」
「そっか…そうだね」
「でも、さっきつかさは大丈夫って言ってたけどいちばん心配なのはつかさの方ね」
「えっ、なんで?」
「ふふっ…なんでもないわよ。大丈夫よね」
「…?」
はてな顔の妹を尻目に姉は友人の家へと足を進めていく。
546 :
間:2007/10/26(金) 00:57:12 ID:XNXfrf/R
「さてと、もうそろそろ着くわよ」
かがみはそう言いながら突然走りだす。
「あっ、待って〜」
かがみに続きワンテンポ遅れてつかさも走りだす。
「待てないわよ」
「え〜ん…待ってよ〜…」
今にも泣きそうな顔でつかさはかがみに訴えかけるも届かない。
「少しぐらい私に追いついてみなさい」
「私じゃ無理だよぉ〜…」
つかさはかがみに追いつこうと頑張っているが、みるみるうちに二人の間が離れて行くのが分かる。
かがみがこなたの家の前に着いて数十秒後につかさも遅れて歩いてきていた。
「やっと来たわね」
「酷いよぉ…お姉ちゃん…」
「今みたいに歩いてきてもよかったのよ?」
「お姉ちゃんがいないと…怖いから…」
「いつまでも一緒にいれる訳じゃないのよ。少しぐらい自分ひとりで…」
「だからって置いていかないでよぉ…」
「ごめんごめん、少しいじわるしてみたくなっちゃっただけよ」
「うぅ…」
走ってきたからか、二人の肩は上下していた。
が、かがみは方はすぐに息を整えていたが、
つかさの方はまだ少し息が荒かった。
「じゃ、呼ぶわよ」
そう言ってかがみは息を整えていないつかさの答えを待たずして
泉家のチャイムベルを鳴らした。
鳴らした瞬間、泉家の玄関の戸が開いた。
「やぁ、ようこそ泉ハウスへ」
「びっくりするからすぐ開くのはやめなさいよ!」
「いやぁ、ちょうどこのくらいに来ると思って十秒ぐらい前から待ってたって訳なんだよ。
で、それですぐ来たからビンゴ!と思ってね」
「ついさっきじゃない」
547 :
間:2007/10/26(金) 00:58:29 ID:XNXfrf/R
「それで、つかさはなんで息が荒いの?」
「えっとね…」
「あ、もしかして二人で…」
「あんたが考えているような事はないわよ?」
「少し走ってきたから…それでね」
「へぇ…まぁいいや。あがってあがって」
「お邪魔しま〜す」
二人の声が重なった。
「おじさんとゆたかちゃんはいないの?」
「今は出かけてるから好き放題出来るよ」
「好き放題って…そんな事やるわけないでしょ」
「遠慮しないでいいから…」
「だからやらないわよ」
「…?」
「え〜、残念だなぁ…誰もいない家で…二人で…激しく…」
「だ・か・ら!」
「はい…わかったよ」
二人の会話の意味がわかってなく、終始首をかしげていたつかさがいた。
こなた率いる三人組は二階へあがりある部屋の前まで移動した。
そして、こなたによりドアが開かれた。
「やぁ、ようこそこなたルームへ」
「同じネタはもういいっつの」
「というか今ちらかってるから見ないで…」
「もう遅いわよ。見ちゃったわよ」
「なんでちらかってるの?」
「漫画とかいろいろ整理して入れ替えてる所だったから…」
「片付けるの手伝おうか?こなちゃん」
「よろしくお願いします…」
「なんで人の家にまで来て片付けしないといけないのよ」
「そんな事言わずに……かがみ様…」
「お姉ちゃん、一緒にやろうよ。三人でやった方が早く終わるでしょ?」
「…」
二人に言われて引くに引けなくなったかがみ。
「…分かったわよ。やればいいんでしょ、やれば」
「この御恩はいつか必ず…」
「つかさ、」
「何?お姉ちゃん」
「ごめん、紛らわしかったわね」
「…?」
「なんだっけ…えっと…」
「どうかされましたか?かがみ様」
「というかさ、その喋り方やめなさいよ。と言おうとしただけ。」
「なんだぁ…呼ばれてるのかと思っちゃった」
「うんうん、予想通りの反応だ」
「どういう事?」
「前からね、こんなやりとり見たかったんだよね」
「あっそ…」
548 :
間:2007/10/26(金) 00:59:51 ID:XNXfrf/R
「ねぇ…えっと…」
「何?」
二人の声が重なって一瞬ビクッとしたつかさだがその後すぐに声を出した。
「片付けしないの?」
「あ、うん、今からやるとこだよ」
「頼んだ本人が本来の目的忘れるんじゃないわよ」
「大丈夫だよ。ほんの数分で終わるはずだから」
…
「こなちゃん、この漫画どこに入れればいい?」
「同じシリーズの奴がどっかに入ってるはずだから探して」
「うん、わかった」
「こなた、これらは?」
「えっと、そのシリーズの漫画はね、いちばん右の上から二番目の所に全部入れといて」
「分かったわ」
「こなちゃん、これは?」
「えっと…そこ」
「うん、ありがと」
「多いね…」
「一人でやるよりは全然楽だよ」
「一人でこんな事はやりたくないわね…」
「こなちゃん、こんなの見つけたんだけど…」
「おぉ!それは!やっと見つかったか!」
「え?」
「うん、前からずっと探してたんだけど見つからなかったんだよ〜…。
それで今日ここを探そうと思って」
「こなちゃん、よかったね」
「最初っからちゃんと整理しときなさいよ…」
「ふぅ…終わったね」
「終わったぁ…」
「やっと片付いたわね」
「二人ともありがと。前から探しててね…やっと出来るよ…」
その瞬間かがみはある事を思った。
ただこなたに利用されたのではないか。と…。
つかさは利用された事に気付いていないようだった。
549 :
間:2007/10/26(金) 01:01:04 ID:XNXfrf/R
「こなた、私達を利用したでしょ?」
「そだよ〜」
「即答すなっ!」
「だけどこれが見つかったからよかったよ〜。ありがとね、二人共。」
「…知ってたら最初からやってなかったわ…。ただゲームソフトを見つけるだけって…。」
「でも、こなちゃんの役にたてて嬉しかったな」
「こなた、最初っからやる気なかったでしょ?
いちばん頑張ってたのがつかさって…。普通あんたが頑張る所でしょ?」
「うん…ここ探してもどうせ見つからないと思ってたから…。
えーっとじゃあ二人とも、終わったから好きな漫画読んでてもいいよ。
私は飲み物を持って来るよ。休んでてもいいからね。」
「私メロンソーダ!」
「うちにないメニューには興味ありません」
「ふぇ?」
「つかさ、ここはファミレスでもメイド喫茶でもないからないわよ?」
「え?あ、そっか…」
「えーと、じゃあとりあえず私は下から持ってくるね」
「…お菓子も持ってきなさい」
「…太るよ?」
「いいから持ってきなさいよ!」
こなたは妙なニヤニヤ顔をしながら下へお菓子と飲み物を取りに向かっていった。
「多かったね…。」
「そうね…。頑張ってたから疲れたでしょ?」
つかさとかがみは向かい合って座って話していた。
「まぁ…一応かな?」
「つかさもあんなにやる気になるなら勉強もやる気出しなさいよ」
「え〜…っと…なんか…力が入らないんだよね」
かがみは今思っているだろう。
小学校の頃から自分でやらせておけば…こんな子にならなかったはず…。と。
なぜ、変な所で真面目なんだろうとも…。
550 :
間:2007/10/26(金) 01:02:26 ID:XNXfrf/R
「お姉ちゃん、なに考えてるの?」
「つかさはなんで変な所で真面目なんだろうかな〜って」
「自分が出来なかったとこの最後の解決策はお姉ちゃんに頼るだから…かな?」
「へぇ…。じゃあいつも頼ってくると言う事はその最後の解決策へすぐ行くのね」
「え…えへへ…」
「別に…いつでも頼ってきていいんだけどね…」
「お…お姉ちゃん、なんで照れてるの…?」
かがみが言った言葉はつかさには聞こえていないようだった。
「べっ…別に…」
「…?」
「まぁ…いいけど。とりあえず私は漫画読むわね」
「あ、私も」
二人がその場から立ち上がった…が、立ち上がる時にかがみは何かに足を引っ掛けた。
「あっ…お姉ちゃ…っ!」
つかさのビックリした声と共にかがみは一緒に立ち上がったつかさの方へ倒れてしまう。
力のないつかさはかがみを支えられる訳も無く、床へ一緒に倒れてしまった。
しかし、倒れたせいなのか、二人の口に柔らかいものがあたっていた。
「んむっ……ぅ…」
「ん…っ……!」
「うぃ〜っす。お菓子と飲み…」
そんな状況の中、ドアが開く音と共にこなたの声が一緒に聞こえた。
しかし、二人はまだこなたが来ている事に気付いていないようだった。
しばらくして二人の口はやっと離れた。
「ふ…ふぅ…お姉ちゃん…」
「…えっと…つっ…つかさ、大丈夫?ごめんね…。怪我はない?」
「少し痛いけど…大丈夫。けど、お姉ちゃんの方も大丈夫…?急に倒れるから…」
「…何かに足引っ掛けたみたいだから大丈夫よ」
「そっか…」
状況を説明したらこうだ。
片方の手にお菓子と飲み物、コップを置いてあるおぼんを持っていて、もう片方の手でドアをあけてニヤニヤ顔したこなた。
そのこなたの視線の先にいる仰向けに倒れている状態で顔が赤くなっているつかさ。
そして、つかさに覆いかぶさっている状態になっで顔が赤くなっているかがみ。
551 :
間:2007/10/26(金) 01:03:40 ID:XNXfrf/R
「へぇ…やっぱかがみとつかさって人の家でまでやるほど…。
久しぶりにいいもの見せてもらったよ」
「ちょっ、こなた…」
「こなちゃん…いつのまに…」
「誤解よ!誤解!」
「ひよりん連れてくるから待ってて!」
「連れてこなくていいわよ!人の話聞きなさいよ!」
「と…とりあえず、お姉ちゃん少し落ち着いて…」
「そうね…。こなた、とりあえずこっちきなさい。」
つかさの言葉で落ち着きを取り戻したかがみはそう言った後
こなたはかがみとつかさの傍に近寄った。
「にしても…いい光景だったなぁ…。まるでエロゲの主人公になった気分だったよ」
「一応聞くけどどこから見てたのよ?」
「柊さんちの双子が人の部屋であっつ〜いキスを交わしてる所から」
「勘違いよ!か・ん・ち・が・い!」
「じゃあ説明して」
「分かってるわよ。
私とつかさが漫画を読もうと一緒に立ち上がったとき、私の足に何かが引っかかって、
つかさの方に倒れてね、そしてああなって、そこにあんたがやってきたってわけよ」
「つまんないね…かがみがほんとにつかさを押し倒していたらなぁ…」
「はい、もうその話は終わり。」
「ああそうだ、忘れてたけどこれ、お菓子と飲み物ね」
「あ、これ…」
「つかさ、どうしたの?」
「このお菓子…私の好きな奴だ。食べていい?」
「メロンソーダはなかったけど遠慮せずにどぞー。そのために持ってきたからね」
「うん、ありがと」
つかさは一言こなたに礼を言ってから小動物の様にお菓子を食べ始めた。
その様子のつかさにかがみは優しい目を向けている。
そしてそのかがみの顔を見てこなたはニヤニヤしている。
552 :
間:2007/10/26(金) 01:05:09 ID:XNXfrf/R
「ふっふっふ…かがみの狙いはこれでしょ?」
「ど…どういう意味よ?」
「かがみは私の家につかさが好きなお菓子があるのを知っていた。
そして、頑張ったつかさへのご褒美として私にこれを持ってこさせた。って事でしょ?あたり?」
「…んなわけ…」
「あたりだね」
「…」
「かがみはそう言う反応見せるとすぐわかっちゃうんだよなぁ…」
「…言っておくけどこの家にそのお菓子あるって知らなかったわよ?」
「まぁ、かがみがそのつもりじゃなくても持ってくるつもりだったんだけどね」
「…というか、なんであんたがつかさの好きなお菓子知ってるのよ?」
「ん〜…ちょっとね」
「はいはい、聞いたってわけね」
「お見通しだねぇ」
「大体の反応はもう分かってるわ」
「今思ったけど、お互い分かりやすい反応するね」
「…あんたと同じにされたくないわ…」
「こなちゃん、お姉ちゃん、食べないの?」
「うん、もちろん食べるよ〜」
「私は…今ちょっとね」
「ダイエット中…」
「うるさい!」
ボソッと言うこなたに対し、
怒号が混じった声で言うかがみ。
「じゃあかがみの分まで食べてあげるよ」
「なんであんたが食べるのよ!せめてつかさに…」
「つかさ、優しいお姉ちゃんだね」
「あー、もう茶化すなー!」
「うん…お姉ちゃんが私のお姉ちゃんで良かったなぁって思ってるよ」
「つかさもつかさでこなたの話聞かないでいいわよ…」
「まぁ、かがみんさ、そんな熱くならないでゆっくりしようよ。はい、ジュース」
「さんきゅ。
ゆっくり出来るものならしたいわよ…」
「あ、そうだ。新作のゲームあるんだけどさ、みんなでやる?」
「ゲームかぁ…見てるだけで私はいいや。」
「つかさ、大丈夫だよ。これ新しいのだし、私達も始めてだよ」
「そうよ、つかさ。一緒にやりましょうよ」
「あ、かがみごめん。このゲーム4人用なんだ」
「なら問題ないじゃない」
「いや〜…ちょっとあるアニメのセリフを引用してみただけ。一応かがみもつかさも知ってる有名なアニメだけど…」
「どうでもいいわよ」
こなたのボケや説明の一言もかがみの言葉により一蹴されてしまった。
しかし、相変わらずつかさはやろうかと迷っていた。
553 :
間:2007/10/26(金) 01:06:21 ID:XNXfrf/R
「う〜ん…」
「ほら、つかさ」
「じゃあちょっとだけ…」
「うんうん、きっと楽しいよ」
二人に言われて了解するつかさ。
それにしても押しに弱いつかさだった。
こなたは素早くゲームソフトをセットし…
「じゃ…スイッチオン!」
と、電源を入れた。
こなたたち三人はわくわくしながらテレビの画面に注目をし続けている。
「こなた、説明書は見ないの?」
「かがみって説明書見るタイプ?」
「そうだけど…」
「私はめんどいから読まないなぁ。見たり聞くよりやった方が早いって。
百聞は一見にしかずとか言うよね?百回説明書見るより実際にやった方がいいって。」
「なんか少し変だけど…まぁいいわ。いちいち気にしてたらキリがないし」
「こなちゃん…これって操作方法複雑?」
「つかさ、このゲームは比較的簡単に操作出来るから大丈夫だよ」
「じゃあ私でも大丈夫…?」
「うん」
「なんで簡単って分かるのよ」
「それはね、発売前の情報とかで大体分かるよ」
「ほんとあんたはいろいろ調べてるわね」
「こうでもしないとわくわくが抑えられないのだよ。
それに最近のゲームは最初の方はとかほら、ちゃんと説明する事とか多いし。それについてかがみとつかさはどう思う?」
「…別にいいんじゃないかな?」
「逆に私はうっとおしく感じるけどね。もう説明書見たからいらないって思うわね」
「ここでも意見が真っ二つの双子であった。」
「ほら、始めるわよ。…でもこれ、最近のにしては説明がないわね」
「操作が簡単だからね。説明する必要がないとスタッフさんたちは判断したんじゃない?」
「こういう所心配するのがお姉ちゃんらしいね」
「まぁ…前まではあった物が急になくなると寂しくなるのと…同じ…」
なぜだかかがみは言葉を途中で止めて悲しそうな顔をした。
「お姉ちゃんどうした…の?」
「おやおや…どうしたのかな」
かがみを心配する二人。
しかし、片方は心配すると言うより茶化す目的と言った方が正しいか。
「なんでもないわよ。それより早く…」
「じゃ、ちょっと私がかがみの気持ちを代弁すると…、
きっと、かがみは来年からつkむぐっ…」
何かを言おうとした所でかがみはこなたの口を慌てて塞いだ。
554 :
間:2007/10/26(金) 01:07:44 ID:XNXfrf/R
「もう、あんたはいつも余計なのよ」
かがみはこなたの口から手を離した。
「じゃあ、考えてることは当たってるんだね」
「くやしいけどね…」
「…?」
またもや、こなたとかがみの会話の意味を理解出来ないつかさは一人残されていた。
「そ、それよりさ、早くゲームを…」
「ったく…いつになったら始められるのよ…。それにさっきと同じ様な展開だし…。」
「多分大体はかがみの責任…」
「まともに始めなさいよ!!」
…
「やっぱりこなちゃん上手いね〜」
「凄いだろ…?初めてなんだぜ…これで…」
「また何かのアニメネタか?」
「つかさもかがみも知ってるなんだけどなぁ…。やっぱ年代が違いすぎるか」
「あんたは今歳いくつだ」
「お二人さんと同じ、18歳のピチピチ女子高生ザマスよ」
「あっそ…」
「でも、つかさも普段ゲームしないわりには上手いじゃん」
「え?そうかな?」
「そうだと思うよ〜」
「でもお姉ちゃんにも敵わないけどね…えへへ…」
「つかさ、楽しい?」
「うん、みんなで出来るからとっても楽しいよ!」
「ああ…私、こう…つかさみたいに純粋にゲームを楽しめる人が羨ましいわね」
「なんで?」
「ううん、やっぱなんでもないわ。気にしないで」
「つかさが楽しいんならそれでいいよね。それじゃ、続きをやろ〜」
こなたはなぜかいつもみたいにかがみをからかわないですぐゲームの方に気を集中させていた。
その理由は一秒でも長くゲームが楽しめなくなるだからだろうか…それとも…
555 :
間:2007/10/26(金) 01:09:39 ID:XNXfrf/R
…
「こなちゃん!そこっ!」
「うおっ…やられた…」
「私もギリギリだったけどけどね」
「手を抜いたつもりはないんだけどなぁ…」
「確実に上達してきてるわね」
「要は、ゲームを楽しんでやるのが大切なんだってよく分かるよ」
「でも…操作が簡単だから…難しいのだったら私は無理かな…」
「だからつかさにこのゲームを薦めてみたんだ。
そして、楽しそうにやってて嬉しい限りかなぁ」
「うん、ありがと。それと少し疲れてきちゃった…」
「私もちょっとだけ休憩しようかしら…」
「じゃあ休憩しようか」
「あ、そうだ。こなちゃん、漫画読んでいい?」
「何でも読んでいいよ〜」
「えっと、後布団の上で読んでいい?」
「ごゆっくりどうぞ〜」
「じゃあ…ありがと」
「にしても大丈夫かしら…」
「え?何が?」
「きっと寝ちゃうわよ。あの子」
「大丈夫。私は気にしないよ」
「あんたは気にしなくてもいいけど…寝たら帰れないじゃない」
「寝ても起こせばいいと思うけど…」
「そんなことしたら寝顔が…」
「ん?」
「なんでもないわ…気にしないで」
「ふ〜ん…」
「何よ?」
「別に」
「漫画読むわ…」
その後しばらくこなたの怪しいニヤニヤ顔はずっとかがみの方を見ていたが、
反応しないかがみに飽きたのかパソコンを触り始めたり、ジュースの補給も持ってきたりした。
つかさは、体勢を変えながらもこなたの布団の上でゆっくりと漫画を読み続けていた。
こなたはふと、思い出したように席を立ってかがみの方へ近づいて、話かけた。
かがみもそれに気付いて漫画を読むのを中断する。
「でさぁ、かがみどうすんの?」
「どうすんのってなにがよ?」
「さっきの話」
「それだけじゃわからん」
「えっとね、来年からつかさと一緒に登校とか出来なくなる件について」
556 :
間:2007/10/26(金) 01:11:38 ID:XNXfrf/R
「それは…言わないで…考えたくもない…」
「でもいずれは来る事だよ?」
「今はそっとして置いて…」
「うん、わかった。それで、つかさの顔見てどう思う?」
「あら…いつのまにか寝てたのね」
「さっきからずっと寝てたよ」
「さっきってどのくらいよ?」
「5分前ぐらい」
「…」
「で、どう思う?」
いつまでも守りたくなってしまう幸せそうな寝顔…それがつかさの寝顔にあり、かがみはそう思っていた。
「こなたには話したくないわ」
「ん〜…まあいいや」
「こなた、引きが早いわね」
「えっと…突然だけどさ、私がいいよって合図するまで少し目を瞑ってて」
「なによ急に…で、なにするのよ?」
「ちょっといい事。大丈夫、かがみには関係ないから」
かがみは怪しく思いながらも目を軽く閉じた。
こなたはかがみが目を閉じた事を確認してからその場を立ち、寝ているつかさの方へ素早く移動した。
そしてこなたは顔を無抵抗のつかさの顔へ近づけて唇を……あわせた。
こなたは五秒程度で離れ、すぐにかがみの傍に近寄った。
「いいよ〜」
こなたの声を聞いてかがみはゆっくりと目を開いた。
こなたはあくまでも平常を装ってる様に見えるが、いまはとても心が震えているだろう。
「なにしたのよ?」
「だからちょっといい事を」
「…深呼吸してみて」
「なんで?」
「いいから」
かがみにそう言われてこなたは何の疑いも無く素直に深呼吸をする。
こなたが息を吐いた瞬間、かがみの鼻がなにかを感じ取ったようだ。
「やっぱりね…。」
「えっと…何?」
「言っておくけど私には分かるわよ?」
「なんのことかなぁ…私にはさっぱり…」
「つかさの匂いならいつも一緒にいる私にはすぐ分かるわよ」
「それはどういう意味で?」
「そのままの意味よ」
「あ、なるほどね…。と言う事は…。」
「うん、そうよ」
「珍しく否定しないんだね」
「もういい加減あんたの相手疲れたからなし」
「なんだ…つまんないの…」
557 :
間:2007/10/26(金) 01:13:12 ID:XNXfrf/R
「そんなことよりつかさはいつまで寝てる気かしら?そろそろ帰らなきゃいけない時間なのに…」
「なんならずっとうちにいてもいいよ〜」
「遠慮するわ…。」
「起きなかったら私がつかさをお姫様抱っこで送ってあげるよ」
「…こなただけにはさせない」
「え〜…かがみじゃ無理だと思うよ〜。私は体鍛えてたから大丈夫だし。
それにとても昔にあるゲームをやって、そしてそのゲームをプレイした後の感想で
誰かをお姫様抱っこしてみたいなぁって思って…今ならチャンス…ってわけ」
「あんたの話はどうでもいい」
「なので私が…」
「却下」
「ねんがんの…」
「ィァ ころしてでも やめさせる」
「もう…起こしちゃおうかしら…」
「だから私が…」
かがみは困惑、こなたは必死、つかさは昼寝。
「じゃあさ、起きるまでずっと寝顔眺めていようよ」
「…そうね」
二人は意気投合したようだ。
かがみは既に帰りの時間なんてのは気にしていなかった。
…
二人がつかさの寝顔を黙って眺め始めてからしばらく時間が経った…
「そろそろ起きるわね」
「なんで分かるの?」
「昼寝の時間なら大体分かるわ」
「へぇ…今度教…」
「無理」
即答されて少し凹むこなた。
「つかさ、授業中に中々寝ないから寝顔が見れないんだよねぇ…。
私からしたらとてもレアだなぁ…」
「はい、そこ。ゲームと一緒にするな」
558 :
間:2007/10/26(金) 01:14:36 ID:XNXfrf/R
それまでずっと時がとまったかの様に眠っていたつかさだが、少しモゾモゾとし始めた。
そして、ゆっくりとつかさの目が開かれた。
「お姉ちゃん?こなちゃん?」
「おはよ〜」
「やっと起きたわね」
「えっと…私はずっと寝てたんだ…」
「つかさ、こんな時間よ」
「えっ…あっ…ごめん…お姉ちゃん…」
「別に気にしてないけど…」
「じゃあ…お姉ちゃん、すぐ支度するから下で待ってて」
「分かったわ」
つかさにそう言われてかがみはこなたの部屋から出て行く。
帰る準備をするつかさにこなたは話かける。
「…ねえつかさ…」
「何?こなちゃん」
「かがみと私…どっちが好き?」
つかさは準備が終わったようで、動かしていた手は止まっていた。
「ん〜…とね、どうだろ?」
「正直に言って」
「…こなちゃんはこなちゃんだし、お姉ちゃんはお姉ちゃんだから…どっちがいいかなんて決められないよ」
「そっか…。そうだよね。ううん、ありがと」
「…お姉ちゃんが待ってるから急がないと…」
「つかさ」
「…?」
「今日は楽しかった?」
「…うん、私も久しぶりに遊べて良かったなって思うよ」
「じゃあ下に行こうか」
二人はかがみが待つ玄関へと足を運ぶ。
「お姉ちゃんごめんね」
「いや、別に大丈夫よ」
「んじゃ、二人ともばいに〜」
「こなちゃん、またね」
「じゃあね」
二人と一人はお互いに帰りの挨拶をして泉家の玄関で別れる。
一人の方の表情はなんだか満足が行かないとでも言いたそうな顔をしていた。
「ほんと、つかさってよく寝るわね」
「なんていうか…えへへ…」
「何よ?」
「ううん、なんでもない」
「それより、今日楽しかった?」
「こなちゃんにも同じ事聞かれたよ」
「へぇ…。で、どうだった?」
「うん、楽しかったよ。こなちゃんもお姉ちゃんもいたし…。
けど…ゆきちゃんとも一緒に遊びたかったかな」
「そう。良かった。みゆきも来れればよかったのにね」
「でも、ゆきちゃん頑張ってるから仕方がないかなって思ってる」
559 :
間:2007/10/26(金) 01:15:53 ID:XNXfrf/R
街全体を明るく照らす夕日はいつしか沈み、代わりに月が顔を出していた。
「たまにはこう…こんな時間を過ごすのもいいわね」
「そうだね…」
「それにしても少し冷えるわね…」
「遅くなっちゃったからね」
「もう少し上着てくれば良かったわ」
「だよね…」
「ねぇつかさ。突然だけどさ…手、繋がない?」
今まではつかさがかがみに手を繋ごうとお願いをしても、
恥ずかしがって拒否をしていたが、今日は何故かかがみから言い出してきた。
「お姉ちゃんから言い出すなんて珍しいね」
「なんとなくよっ!ただ…なんとなく…」
「私はあまり気にしないよ〜。
それじゃお姉ちゃん、繋ごうよ。きっと暖かくなるよ」
「いや、やっぱやめとくわ」
「なんで?」
「だって…急に恥ずかしくなってきたから…」
「ん〜…まぁいいや。繋ぎたかったけど…」
つかさは声を小さくして願望を言ってみたがかがみには聞こえていないようだった。
「つかさ、悪いけど…急いで帰るわよ」
と言いまた急に走り出すかがみ。つかさにとっては昼間での悪夢の再来か。
「あっ、お姉ちゃん待ってよ〜」
建物と建物の間から顔を出した月は走っていく二人の少女の後ろ姿を優しく見守っていた。
560 :
14-319:2007/10/26(金) 01:16:38 ID:XNXfrf/R
ありがとうございます。
以上でした。
後半の展開が微妙…
ミス発見…。
>>554の
>「つかさもかがみも知ってるなんだけどなぁ…。やっぱ年代が違いすぎるか」
の所、
「〜〜知ってるはずなんだけど〜〜」
にしておいてください
>>560 うおう!ひさびさにリアルタイムで読ませていただきましたよ〜!
かがみの独占欲がハンパねぇ!!何というシスコン!!何という姉バカ!!実にGJ!
ただこれだとちょっとこなたがかわいそうやね・・・
双子の中に混ざりたい、どちらかというとつかさともっと仲良くしたいんだけど姉ガードが厳しくて
ハブられてるこなた(´・ω・`)ショボーン
みゆき萌え〜とかかがみ萌え〜とか言っててつかさにはそういう事一切言わないのってもしかしたら
こなたはつかさに対してマジで好きという感情があってその裏返しで口にしてないのかも…なんて
ふと思ってしまった
何はともあれじーんとなりつつ何か物寂しいお話ありがとじゅした〜!
男性向けで、ここで見るようなほのぼの系の同人漫画ってなかなか見ないな
>>563 あえて云おう。このスレがあって良かったジャナイカと。
>>560 ひとえにGJ!!
それにしてもつかさをこなたとかがみで取り合うSSって珍しいな
でも・・・
>「けど…ゆきちゃんとも一緒に遊びたかった」
つかさの本命はみwikiだと俺は信じてるんだぜ(ぶちこわし)
>>560 これは素晴らしい!GJ!
流れぶった切るようで悪いけど、聞きたいことがあるんだ。
ここに投下したSSを自分のサイトに載せるのはありなのかな?最近来たばかりだからよく分かんないんだ。
>>566 そういうことは特にテンプレに記載されてないから常識で考えればいんじゃね?
他者(作者以外)が作っているまとめサイトへの保管を認めているぐらいなんだから、
いわんや自分の作品を自分のサイトへ保管する事は認められてしかるべきかと思うが?
ただしパクリ疑惑・転載疑惑を受けないために、「このSSは何月何日に○○スレに
投下した」みたいな記録はしっかり付けた方が良いかと思うんだぜ
>>428 >>430 >>432-433 >>435-437 があまりに叫びまくるので、妙なネタを受信しました。
粉雪の替え歌
みゆき→こなた→???
で、切ない。
粉☆雪(原曲:レミオロメン『粉雪』)
作詞:7-896 歌:高良 みゆき
粉雪舞う季節は いつもすれ違い
4人で一緒にいても 見つめるのはあなた
頭の中では 無理だと分かってるのに
私はあなたの全てなど 知ってはいないでしょう
だからこそ私はいつも あなただけ見ている
理由はないけど 本気で好きなんです
あなたの視線追うだけで
結ばれないこと いつも思い知らされる
一緒になれないから この頬を伝うのは 悲しみだけ
粉雪 ねえ あなたを私で染められたなら
二人で 未来を生きてゆくことが 出来たかな
私はあなたの横顔 ただ見つめるだけ
その心の向く場所は 私じゃなくあの人
幸せ願うから 余計に締め付けられる
もう忘れようだなんて もう
いままでにも何度 思ったでしょうか
だけどまた触れるたび
思い出すことはそう 『あなたが好き』
粉雪 ねぇ 受け入れることはあまりに辛く
小さな手を 握り締めたいと 唇を噛んだ
粉雪 ねぇ あなたの気持ちはあの人に揺れる
それでも 私はあなたのこと 守り続けたい
粉雪 ねぇ 心まで白く染められたなら
私の 孤独を包んで 空にかえすから
以上。お目汚し失礼。
>>560 ほのぼの最高!!つかさが純粋で可愛すぎる・・・!!GJ!
570 :
566:2007/10/26(金) 10:49:13 ID:6OO91iWR
>>567 なるほど。ありがとう、そうするわ。
「某エロパロスレに投下した」という風に書けば、いいかね?
そろそろまた埋めの季節がやってまいりました
このスレが出来たのが先週の土曜日
一週間持たなかったね!
埋めついでに質問。
まとめwikiに収録されてる作品の誤字脱字って、気がついたら修正しちゃっていいものなの?
自分の作品ならいいと思うよ
他人の作品だったらコメントフォームとかで知らせるのがベストかと
>>571 一週間どころか、今日の19:14でまだ丸六日だな。
ちなみに、過去の記録を見てきたところ、今日の20時くらいまでに新スレが立てば、このスレの
消費所要時間が、らきすたエロパロスレ史上(21スレ中)4位ということになるようだ。
速かったなぁ…
僕らを見守ってくれてるんだね!
テンプレに「このスレはゴッドかなたさんによって見守られています」追加しようぜ
今書いてるSSがあるんだけど、次スレの方がいいかな?
次がいいかも
>>578 ぜひ次スレ一発目を飾ってくれ
今スレもそろそろおしまいか〜
今スレもみなさんGJでした
581 :
578:2007/10/26(金) 14:24:20 ID:q9HMWKtw
了解
次スレが立つまでに完成させるわ
じゃあ以下埋めで
誰かスレ立てよろ
埋めネタ
ゴッドかなたさんの人気に嫉妬して勢いで書いてみた
あくまで勢い
どーも皆さんこんにちわorこんばんわ、神様でっす☆
今日も気軽にきままに平行世界を練り歩こうと思います。えへへっ!
楽しみですね、そーですね(神合いの手
じゃあ今日は適当にここらへんにしましょう。
あらあら、歩いてるのはこなたとかがみちゃん。
場所は学校。
しかも手なんか繋いじゃって!
いいですねー、ほのぼのいいですねー。
このままきっと二人のめくるめくラブロマンスが展開されて……。
あら?
どうして学校なのに誰も居ないんでしょう。
ああ、夏休みとかですねきっと。
あら?
何で夏休みに学校に居るんでしょう。
というか鍵が開いてるものなんですね。
まぁ設定というのは往々にして理不尽に突きつけられるものですから。
あら?
どうして保健室なんかに……タッカラプト・ポッポルンガ・プピリット・パロ!!!
なななな、何でななこ先生があんな卑猥な姿にっ!?
しかもその股間にあるのはまさか……ブッ(鼻血
い、いけませんこなたっ。そんなそそり立つ愛液溢れる肉棒を掴んではっ!
あっ、でも小さい子供に責められる大人の女性もなかなかの背徳感が……神目覚めたっ!
はぅ……堪能しました。
まさかその後偶然来たふゆき先生まで縛り上げて4Pにまで発展するなんて……神ビックリだ☆
突撃☆隣の平行世界っ!
そんなわけで今日もきままにお散歩神様です。
おやおや、今回はゆーちゃんが主役ですね。
あっ、みなみちゃんがラブレター貰いました。
ああ、淡い予感がします。この二人も高確率で両想いなんですよこれが。
淡い初恋のピンク色……純情っ子ハァハァ。
っとと、いけませんいけません。頑張れ神、荘厳だぞ神。
今度はこなたに誘われてゲームをしてるみたいですね。
ああ、二人でじゃれ合いだした!
いいぞ! そこだ! 押し倒せ! えーりん! えーりん!
あら? ゆーちゃん倒れちゃった。
チッ、ネンネが……あっ、いえ。何でもないですよ? 心配ですねー(棒読み
そうそう今回はこなたじゃなくてみなみちゃんとでしたね、忘れてました。
まぁでもこの二人は純情派だから、ほのぼのと終わりそうですね。
前回が激しかったので期待しちゃいました、神はやとちりっ☆
あ、ほら告白シーンですよー。初々しいですねー。
学校の保健室で二人っきりだなんてムーディーブルースですね。
あらまぁ、そんなキスなんてしちゃってキャー! ごっすん! ごっすん!
……。
ごふっ(鼻血
そ、そんなゆーちゃん……貴方は真っ白なままだと信じてたのにっ!
まさかのロリ鬼畜攻め! んだもしらん学校の保健室でなんばしょっとね!!
おっと素が出ました。見なかったことにしましょ☆(神ウィンク
はぁ、はぁ……。
まさかのフェイントに貧血気味☆ どーも神様です。
次ぐらいはほのぼのがいいですね。血が足りなくなっちゃうんで。
あ、今度は大丈夫そう。
かがみちゃんはこなたが好きみたいだし、定石定石。
あら? でも少し喧嘩してるみたい。
あっなるほど、仲直りしてほのぼのハッピーエンドというわけですね。
あらあら日記なんか書いちゃって可愛らしいですね。
どれどれ、あら? 日記かと思ったけど少し違いますね。
むしろ創作小説的な……官能小説!?
ま、まぁたまにはそういう世界もありますか。
とにかく早く仲直りしないかなっ、ラブラブイチャイチャしてるのを見てみた……ん?
あ、あれ?
ななな何でそんな物騒なナイフを!?
し、しかもこなたを呼び出した!?
ちょ、おまぁっ! D・I・D! D・I・D(解離性同一性障害)!
……。
はぁ、こういう結末は何度か見てきたけどやっぱり神ショック。
みゆきさんマジ空気だし。
でもこれも、愛の一つの形なんでしょうか? 神自問自答!
気を取り直して次にいきましょう次。
次は気分一新、平安時代とかもいいですねー。そんなのもあるんですよ奥さんこれが。
身分違いの雅な淡い恋が見れるはずですよきっと。神超期待!
それでは今週はこのへんで……次に行くのはあなたの並行世界かもしれません。んがくくっ。
こなふぇちやおす☆かがとかでやろうと思ったけど
さすがに他人のSSを許可なしじゃいじれないので自分ので
あくまで勢いです
次スレたってる? なければいってくる。
>>587 つまり「物語は往々にしてバーミリオンが解けるまで触れている」で4連携ということでよろしいか。
本家本元ゴッドかなたさんにGJ!
>>589 スレ立て乙ー。しかし今回、ほんと早かったな。
>>587 GJ
笑わせていただきましたw
おすかがならいじっていただいても良かったですよ
というかいじってください
>>589 スレ立て乙です
さぁ埋めるザマスよ
ゴッドかなた「埋めでがんす〜☆なんちって〜てへ☆」
593 :
17-234:2007/10/26(金) 19:47:39 ID:vi4u75JI
23KBうめられるかな…
ここ最近調子悪い17-234です。
今回はあきら様×白石・非エロ
自分が風邪をひいたのでこのネタを書いてましたw
「微熱」
やっと学校が終わって、今から収録に向かうところ。
でも今日は調子がよくない。
髪を乾かさずにゲームしてたからかな…
熱あるし体がだるくて仕方ない。帰りたくても帰れない。
一応スタジオについたんだけど、ほとんど楽屋から動けなかった。
机に顔をぺったりつけると、冷たくて気持ちよかった。
ちょっと寝られそうだ……
ちょっと寒いけど、我慢すれば…大丈夫…
コンコン
「失礼しまーす、おはようございま…す……?!」
奴はあたしの異変に気付いたようだった。
すぐ駆け寄ってわたわたし始めた。
具合悪いんですか熱はどうですか風邪の症状はどうですか
なにか持ってきましょうか買ってきましょうか
寒くないですか暑くないですか
うるさいっちゅーに。
奴はまたわたわたしながら楽屋をでていった。
なんなのよ、何しに来たのよ…
…………
あたしはあれからちょっと寝ていたみたいだった。
目を開くと、白石の顔があった。相変わらず心配そうだ。
そんな心配しなくても大丈夫なのに…
「大丈夫…ですか?」
「ん…」
「あ、もし、よかったら、これ…」
ことり、と目の前に置かれたコップからは、
もくもくと湯気が立っていた。
なんだかいいにおいがする。
「コーンスープ、お好きでしたよね…?」
あたしが寝ている間に買ってきてくれたらしい。
なんで知ってるんだっけ、言ったっけ…
あたたしはむっくり起き上がると、
なんだか背中があったかいことに気づいた。
「しらいし…の?」
「寒かったら、風邪が悪化しちゃいますからね…」
あいつはにっこり笑って、
あたしの頭をゆっくり撫でながらそんなことを言った。
ありがと、学ランかけてくれて。
でもなんだか恥ずかしい。
あたしはマグカップに口つけて、
これしか言うことができなかった。
「ありがと…」
ばか、あんたのせいで
また熱があがりそうじゃないの。
596 :
17-234:2007/10/26(金) 19:52:38 ID:vi4u75JI
終了ー
まだ484KBだったorz
いい加減あの続きかかなきゃならないのに
また違う電波受信しています。
あぁもうやだw
3つ並行とか書けないwww
埋めネタ投下します。非エロ。
※クロ高21話のパロディです。
薄手の長袖長ズボンに身を包み、頭には鍔の広い麦わら帽。首にタオルを掛け、軍手を嵌めた手にはねじり鎌。加えて虫除けスプレーを使用という、パーフェクトな装備に身を固めたこなた。だが挑むのは魔王の城でも何十階に渡る地下迷宮でもなく、自宅の庭である。
夏休みも半ばの今日。庭の草むしりをしているのだ。
「暑ぃ〜……」
額に滲む汗を拭う。日の低い朝から作業を始めていたが、やや曇り空にも関わらず気温と不快指数は鰻登りだった。
炎天下の草むしりというのはひたすら根性の勝負である。
三人暮らしをするには広すぎる泉家のこと。庭の広さもかなりのもの。従ってそこに生えている有象無象の雑草どもの数も相当だ。
こなたは一人黙々とねじり鎌の先で雑草の根をほじり、抜いては一カ所に固めておく。昨日の夕立のおかげで、土は軟らかくなっている。
朝から一緒に作業していたゆたかは、一時間ほど前に暑さで参ってリタイヤしていた。この暑さでは無理もないだろう。
「おーい、こなたー。お茶持ってきたぞー」
縁側からそうじろうが呼んでいる。こなたはタオルで顔を拭いながら、キンキンに冷えた麦茶のコップを受け取った。
「ゆーちゃんは?」
「部屋で休んでるよ。楽になったらまた手伝うって言ってたが」
「やめといた方がいいだろうね。お昼になったらさらに暑くなりそうだし……私一人だときついなぁ」
「すまんな、こなた……父さんがぎっくり腰なんてしていなければ」
「しょうがないよ。お父さんもう年なんだから」
「い、いや、腰が悪いのは職業病であってだな、決して年のせいでは――」
「病弱なゆーちゃんと腰の曲がってきたお父さん……我が家には戦力が足りてないね」
「腰の曲がってきたって言うな! 父さんはまだ現役なんだぞ! 色々と!」
「やはりここは援軍を要請するか」
柊家。
「かがみー。こなたちゃんからお電話よー」
「はーい」
自室で夏休みの宿題を片付けていたかがみが、黒電話の受話器を取る。
「もしもし」
『あー、もしもしかがみ? 今暇?』
「宿題やってたとこ。別に急ぎじゃないけど」
『一つ依頼したい仕事があるのだが』
「仕事?」
『実は今朝からうちの庭の草むしりしてるんだけど――』
ガチャン、と音を立ててかがみは受話器を置く。三秒と経たずに再度電話が鳴った。
『まだなんも言ってないじゃん』
「言ってなくても予想つくわよ。私とつかさに手伝えってんでしょ」
『だってゆーちゃんは暑さで参っちゃうし、お父さんはぎっくり腰だし、人手が足りないんだよ』
「だからって何で私達が」
『頼むよかがみん。お昼ごちそうするし、バイト代として今度おごるから』
「そう言われても、この炎天下に外で草むしりってのは……」
『確かに結構きついね』
「でしょう」
『うん。エネルギー使うよ。もう朝から汗かきっぱなしでさ。さっきシャツ取り替える時にちょっと体重計乗ってみたら、たった二時間で一キロ減ってたよ』
数十分後、泉家。
「期待を裏切らない女だねぇ、かがみは」
「な、何言ってんのよ! 私はあんたがどうしても手伝って欲しいっていうから来てあげたんじゃない! 別にダイエット目的とかそんなんじゃないからね!」
「語るに落ちてるよ」
兎にも角にも応援に駆け付けてくれたかがみとつかさに、こなたは武器(草むしりの道具)を手渡し、作業について説明する。
「基本的に生えてる草は全部雑草だから、根っこからじゃんじゃん抜いてってね。作業の前には虫除けスプレーを手足に掛けておくことを推奨。それから、うっかりアリの巣を掘り当てても『アリだー!』とか叫ばないように。アバロンのあのイベントはトラウマだから」
「最後の意味が分からん」
「気にしない気にしない。では、第一次草むしり作戦、状況を開始せよ」
……とココまで書いて放ったらかしたままにしてあったのでこのネタはここで終わりです
続きを考えるのは非常にめんどくさいのでここからは別な余りネタを書きます
夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。柊家に遊びに来ていたこなたは、かがみの部屋で茹だるような暑さの中、腕組みしたままブリッジという姿勢で考え事をしていた。
「はっちゃけはっちゃけはっちゃけ〜……」
しかし元ネタを知らない人にはわけの分からないポーズでわけの分からない呪文を唱えている、つまりは変な人にしか見えない。
「あのさこなた……あんまり人の部屋で奇矯な行動しないでくれないかな? つかさはともかく、姉さんや母さんに見られた時、説明に困るから――」
「はっちゃけた!!」
大きく一声出すや、こなたはブリッジの姿勢から反動だけで器用に立ち上がった。
「肝試しやろう」
「は?」
「何か良い退屈しのぎが無いかと考えてたんだけどさ、夏の定番の一つ、肝試しをしていないことに気が付いたのだよ」
「……あの変な格好はつまり、何して遊ぼうか考えてたわけか」
「とりあえず何人かに声かけてみよっと」
「いつやるの?」
「今夜」
「今夜? そんないきなり言って集まるわけが無いでしょ。予定ある人だっているだろうし」
で、その夜。
こなた、かがみ、つかさ、みゆき、ゆたか、みなみ、ひより、パティ、計八名集合完了。
「考え得る限り最大の人数が集まったねぇ」
「何でこんなに集まりいいのよ……」
「はっはっは。夏休みで退屈してる高校生のフットワークの軽さを舐めたらいかんぜよ」
「みゆきと岩崎さんは、こんな夜に集まって大丈夫なの? 家遠いのに」
「ああ、ダイジョブだよ。みゆきさんとみなみちゃん、今夜はうちにお泊まりしてってもらうから」
「あ、そうなの……ふーん」
「……何? かがみもお泊まりしたいの?」
「だっ、誰もそんなこと言ってないでしょ!」
「私は別に構わないけどねぇ」
「先輩先輩、いつまでも二人でじゃれ合ってないで早く肝試しの説明してくださいよ」
放っておけばいつまで経っても夫婦漫才が終わりそうにないので、頃合いを見てひよりが突っ込んだ。
「はいはーい。それじゃ説明するからみんな集まってー」
場所はとある小さな山。みんなが集まっているのは、そのふもとにある公園である。
木々に囲まれた山道は、昼間は木漏れ日の美しい長閑な光景なのだが、夜になると途端に鬱蒼とした背筋の冷える空間に様変わりする。
とはいえそれは雰囲気だけの話で、ガチでやばい怪談や過去の事件・事故などは(多分)存在しない。肝試しするにはもってこいなロケーションだった。
こなたは簡単な地図をそれぞれに渡してコースを説明する。その地図を一目見て、かがみはため息をついた。
「本当に簡単な地図だな……ていうかこの変な生き物のイラストは何?」
「が、がお……」
地図が簡単ならコースも簡単だ。山道をぐるっと回ってこの公園に帰ってくるだけである。途中にお堂があって、そこに置いてあるお札を取ってこなければならない。
「二人一組で、八人いるからちょうど四組だね。それじゃあくじ引きするよー。同じ数字が書かれてたらペアね」
くじ引きの結果、組み合わせとスタートの順番が決まった。
@ひより・パティ
Aみゆき・ゆたか
Bこなた・つかさ
Cかがみ・みなみ
「ふむ……それなりにバランス良いペアになったかな」
「何のバランスよ……」
「それじゃあ始めようか。もし幽霊が出たら携帯でいいから写真撮ってね」
「出ないだろ。ていうか出たら逃げるだろ」
「それと幽霊じゃなくてリアルに変質者とかが出たら、大声上げるか携帯使うかしてね。すぐに駆け付けるから。か弱い乙女を狙う変態どもは、ルール無用の残虐ファイトで懲らしめてやるよ」
「いや警察呼べよ」
――この話もココで終わりです
中途ハンパなのでもう一つ余ったのを書きます
「何ぃ――っ!!? 柊がお見合い――っ!!?」
ドでかい声が昼休みの校舎に響き渡った。声の主は三年C組の日下部みさおである。
「どどど、どういうことだよ!? だって柊はまだ高校せ――」
「誰が私がすると言ったか!? 一番上の姉さんに、そういう話が来てるってだけよ!」
かがみは大慌てで訂正する。
「あ、なーんだ……」
早合点して大声を上げたみさおは、照れくさそうに頭をかいた。
「いやーてっきり柊がお嫁に行っちゃうのかと思って焦ったぜ」
「何でそれであんたが焦るんだ……誤解招くようなこと大声で叫ばないでよね」
と、廊下の方からバタバタと騒がしい足音が聞こえてきた。C組の教室の引き戸を慌ただしく開け、飛び込んできたのは、
「かがみーっ! お見合いってどういうことーっ!?」
こなただった。
「ほら聞きつけて来たよ100%誤解してるのが……」
沸き起こる頭痛に額を押さえるかがみ。こなたは一直線に走ってくるや、かがみを問い詰め始める。
「今まで私が立て続けてきたフラグはどうなったのさ!? それともこのイベントも何かのフラグが立ったせいなの!?」
「知るか! っていうか現実の人間にイベントスイッチはねーよ!」
「かがみは私の嫁、もしくは私がかがみの嫁だと思っていたのに……まさかこんな鬱展開が待っていたなんて……NTR属性は無いってのに……」
「言ってることの意味が分からん。そもそも私がお見合いなんて――」
「ちょいと待ちなちびっ子。そいつは聞き捨てならねえな」
打ち拉がれるこなたに、威圧的な口調で言葉を投げたのはみさおだ。
「柊は私の嫁だ! お前なんかに渡しはしねえ!」
「何をっ! いまだに苗字で呼び合うような分際で!」
「関係ねえだろ! どうせ苗字なんて一緒になんだから!」
「ならないって」
一人冷静なかがみの突っ込みにも聞く耳持たず、二人は視線を交錯させ火花を散らす。今にも取っ組み合いを始めそうな雰囲気だった。
ネタそうじ終了。
読んで下さった方、ありがとうございました。
リアルタイムGJ。没ネタにするのがもったいないのでどれか一本だけでも、と
むやみに熱い視線を送ってみまs「アリだー!」
ほ、ほぎー
大そうじってネタの在庫整理のことですか
アバロンのイベントは確かにトラウマw
埋めGJです。
今ガチエロ書いているのですが。
大変ですねこれ。
何って、描写とかもですが、特に息子が……
さっきからずっと元気なままですよ。
>>606 つかさ「え?子供がはしゃぎまわって執筆に集中できないの?」
>>607 そうなんです
かまってくれ自己主張が激しくて
ガチエロかくときって
百合カプとノマカプってどっちが息子さんはお元気なんですか?
今まではどちらも大して元気度は変わらないんですが
今回はなぜか息子がすごいんですよ。
たぶん百合カプとノマカプの両方を兼ね備えたガチエロだからでしょうね
なんせ『ふたn(ry
その手があったか…!
その前にノマカプが少ないからあれなんですけどねorz
百合が書けない俺はもうノマカプで通しますよ…
つまりあなたはみのあきの人ですか
いつもご馳走様です(何
ってなんだか雑談スレっぽくなってるけどいいのでしょうか……
>>610 >なんせ『ふたn(ry
……是非! 是非に!!
次スレ立ってるし、あと5KBだからそこは大目に見てもいいんじゃね?w
先生! ふたなり受けがいいと思います!
何 故 バ レ た
パソから投下してこっちでID変わったからわからんと思ったのに
え?分かりやすい?そうですか(´・ω・`)
>>615 すんません、ふたなり攻めです(´・ω・`)
あ、でも一物は2人の間を行き来するので、攻め受けのキャラは交換します。
……でも、フェ○のときはふたなりが受けっぽいかも?
ちなみにCPは、○○さと○○たです。
>>616 ノマカプといえばみのあき
みのあきといえば……ってな感じです。
あと『百合がかけない』という発言で分かりました
その式を立てられるとは…恐縮れす
しかしマジで百合が書けません…書ける多数の方がうらやましい…
あと、このカプだと、白石もしくはあきら様目線で書けるんです。それが好きで…
ってなに語ってんだ自分…orz
百合がひとつのカップルしか書けない俺もいるぜ
最近何も降りてこないがなorz
620 :
20-612:2007/10/27(土) 00:02:10 ID:X9O8pYZz
俺はノマ百合以前にエロが書けねえ……orz
とりあえず、続き書く作業に戻ります。
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埋めにもならないネタ
「かがみんって辞書とか投げないの?」
「はぁ?急になによ」
「いや、なんとなく思っただけ」
「ねぇ〜田村さ〜ん、ゆりってお花の事だよね?」
「うっ…うん、そういう事じゃないかなぁ…あはは…」
「お姉ちゃんが良く言ってるけどなんか変だなぁ…って思っただけ。ありがと、田村さん」
「いや…どうしたしまして…」