【MH】モンスターハンターでエロパロ 8匹目【モンハン】

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1教官
よく来たな。ココはモンハンのエロパロだ!
ぬ!? 「なぜ教官がいるんですか?」だと? 気にするな、考えたら負けだ!
ではさっそく、我輩がココでの掟を手取り足取りやさしく教えてやるぞ!!

1.人X人・擬人化・竜姦なんでもこい! だが、特殊な内容を伴う場合、事前に断りを入れておけ!
2.基本的にココはsage進行だ。レスを書き込む前にメル欄の"sage"をよく確認するんだぞ?
3.480KB、または950レスまで来たらもう一人前のスレだ。アトはお前達が教官となって後進を導くのだ!

そして最後に、

すばらしい作品に巡り合えた時には最大級の賛辞を!
我輩は貴様達がココで立派に活躍することを楽しみにしているぞ! 以上!!

■初代スレ
MHでエロパロ!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141488219/
■前スレ
【MH】モンスターハンターでエロパロ 7匹目【モンハン】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188219502/
■エロパロSS保管庫(07/06/17より更新途絶…)
モンスターハンターSS保管庫
http://ss.ares-ac.com/mh/

我輩からルーキーたちへの餞別だ!

【初代スレから7代目(途中)までのテキスト】
http://uproda11.2ch-library.com/
mame:1137967.lzh comment:お狩りします {DLKey}:mh_ero
2名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:19:18 ID:CWF4bD8k
人生初の2げと

>>1乙
3名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:32:11 ID:a7r8OKUy
ウルトラ上手に焼けました〜♪

>>1乙ガレオス
4名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:43:31 ID:JGruhcsP
超乙>>1
教官ワロタ
5名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 00:58:30 ID:+1ExexlF
教官自重www
>>1
6名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 01:21:46 ID:cE+cLL/g
乙ランポス
7ハンター達が倒せない:2007/10/18(木) 02:37:46 ID:FTs6yoF6
気が付いたら同じ道ばかり通過
そしていつも同じエリアで死ぬ
諦めずに砦の通過に挑戦するけど
すぐに討伐されるよ
ファンゴ並の脚力があれば
楽に5番のエリアまで着くけど
何回やっても何回やっても
ハンター達が倒せないよ
あのムロフシ
何回やっても避けれない
後ろに下がって咆哮してても
高級耳栓に防がれる
立ち上がって体当たりも試してみたけど
撃龍槍相手じゃ意味が無い!
だから次は絶対勝つ為に
俺は踏み付けだけは最後までとっておく

エアーマンを聴いてたらいつの間にかラオシャンロンに置き換えてた。
反省?そんなのしらんニャ。
8『クイーン』の人:2007/10/18(木) 03:50:39 ID:W2+82tLU
スレ立ての人、乙です!
性急ですが、「クイーン」の続き投下させていただきます。


『クイーンに首ったけ 〜比翼編〜』


 さて、早いもので、俺とラン(蘭)が夫婦となってすでに一月ほどが過ぎた。

 「これ、もう少し落ち着いて食べなされ」

「いやぁ、相変わらずランの飯は美味いからなぁ。これこそ愛情がスパイスっヤツかね」

 「なっ……もぅっ、意地悪じゃぞ、我が君」

 炊事洗濯掃除裁縫……その他諸々の家事技能を習得し、近所の主婦連をして「もう貴女に教えることは何もない」と言わしめた我が妻は、今日も絶好調のようだ。無論、萌え的にも。
9『クイーンに首ったけ 〜比翼編〜』2:2007/10/18(木) 03:52:46 ID:W2+82tLU
 危惧していた"夜の性活"の方も、最近ではようやく落ち着きつつある。まぁ、それでも一晩に4、5回と言うのはザラだが、それくらいなら俺も強走薬のお世話にならずに済むしな。
 あ、別に愛情が冷めたわけじゃないぞ。なんてーか、こう二人の関係がしっくりくるようになったと言うか。

 思えば、あの性急な情交の求めは、こいつが必死に俺達ふたりの隙間を埋めようとしていたからではないか、と思う。
 出会ったその日にセックス、さらに翌日結婚にまで雪崩れ込んだ俺達には、圧倒的に"絆"が足りてなかった。いくら互いに好意を抱くようになったとはいえ、そんなふたりが結びついても当然どこか隙間は出来る。
 だからこそ、ランは繋がることで少しでもふたりの距離を縮めたかったのだろう。
 もっとも、危惧するまでもなく、俺達はたったひと月で、長年つきあった末に結婚に踏み切ったカップルなみの絆を手に入れたのだ……と思う。無論、他人との比較は無意味なのだろうけど。
 結局、俺達ふたりの相性は極めて良好だったと言うことなのだろう。まぁ、これ以上は惚気になるから言わないが……。

 ちなみに、朝っぱらからなぜ俺がこんな呑気にバカバカ飯を喰っていたかと言えば、今日は仕事が完全オフの休養日だからだ。昨日は、近くの砦でのラオシャンロン戦に参加して、見事撃退することができた。
 実を言うと、この村のハンターの質や量はさほど高くない。なにせ、先日ようやく上位認定されたばかりの俺が、上から数えて5指に入るくらいのレベルなのだ。
 それだけに、無事に古龍を撃退したとはいえ、かなりの激戦となった。そこで、狩り仲間たちと相談して、今日は休養日として一日ノンビリすることに決めたのだ。

 ――と言うわけで、我が輩は現在、思う存分グータラして英気を養っておるわけである、ウン。

 「あの……我が君、その…ぐ、具合は如何かえ?」

「はっはっはっ、可愛い妻の膝枕なんだぞ。ゴキゲンでなくてどーする?」

 ……妙なテンションになっているのは自覚してるので、ご容赦いただきたい。

 飯のあと、ゴロリと居間で横になった俺は、「食べてすぐ寝ると、ポポになりますぞえ?」と言うランの忠言をスルーして逆に呼び止め、ポンポンと傍らに正座することを要請したのだ。
 もちろん、「彼女ができたらやって欲しい101の事柄」のトップ10に入るであろう行為のひとつ、"ひざまくら"をしてもらうために!!
 照れて真っ赤になりながら(相変わらず初々しいヤツよ。そこがイイ!)も、彼女自身も、興味があったのか、ランはおずおずとその太腿を俺に貸してくれたのだ。

 人類の英知にして全男性の夢、遥か遠き桃源郷たるHIZAMAKURAを、ついに手に入れたぞ〜! (チャララーン♪)

 ……重ね重ね、自分がハイになっていると言う認識はあるので、ご寛恕願いたい。

 まぁ、そんなわけで、俺とランは、スケッチして絵画に起こしたら、展覧会で金賞が狙えそうなほどリッパな"新婚バカップル"ぷりを発揮していたわけだが。 ←開き直った

   *   *   *
10『クイーンに首ったけ 〜比翼編〜』3:2007/10/18(木) 03:55:06 ID:W2+82tLU
 「のぅ、我が君?」

 それまでとは微妙に異なる調子でランが話しかけてきたため、俺は膝枕の感触を思う存分堪能するのを一時中止して、片目を開いて彼女の顔を見た。

「うん、何だ?」

 「その……狩人のお仕事は、楽しいものかえ?」

 ついに来たか……と言うのが、この時の俺の偽らざる気持ちだった。
 かつて、情報屋のヤツと酒場で交わした会話を思い出す。

 ――しかし、そういう元モンスターの連れ合いを娶ったヤツらって、そのままハンターを続けていけるものなんかね?

 ――んー、人それぞれみたいだけど、引退するヤツも結構いるな。

 元モンスターの身であれば、かつての同族が狩られる―殺されることに胸を痛めても不思議ではない。
 たとえば、それが古龍や強力な飛竜であるなら、そういう仕事だけは選ばず、受けないようにする、という方法もとれる。
 だが、狩り場でごくあり触れた生き物だったとしたら?
 それも、ハンターに自分からケンカを売ってくるような、好戦的なモンスターだったら……?

 やはり、ランの奴も、俺にランゴスタを殺して欲しくはないのだろう。
 もちろん、蜂50匹狩りといったピンポイントな依頼を受ける気はないが、なにせ相手はハンター稼業最悪の敵とも言われる糞羽虫だ。正直、絶対殺さないという自信はない。

「あー、そのな、ラン。俺もできるだけ、オマエの元同族は殺さないように努力するから……」

 ランは、きょとんとした顔で俺を見返した。

 「? いえ、それが我が君の安全に関わるのであれば、遠慮なく殺して頂いても構いませぬぞ? むしろ、情け容赦なく、バサバサ殺ってたもれ」

「はぁ? オマエ、俺にハンター辞めてほしいんじゃないのか?」

 「いいえ、全く。だいたい、狩人を辞めて妾を養っていく甲斐性が、我が君にあるとも思えませぬしのぅ」

 グサーーーッ!

 絶望した! 愛妻のあんまりな言い草に絶望した!!
 ……まったく反論できないのが悔しい。

 「妾は、その……妾でも狩人稼業は出来るものか、と問いたかっただけですぞえ」

「ああ、成る程ね」

 まったくの俺の早とちりだったわけね。反省。
 しかし、ランがハンターかぁ……。ふむ。
11『クイーンに首ったけ 〜比翼編〜』4:2007/10/18(木) 03:56:36 ID:W2+82tLU
 基礎体力、とくにスタミナは俺以上にあることは十分知ってる。腕力や敏捷性についても合格点だろう。物覚えはいいし、勘もいい。
 精神的にも、他の生き物を殺して必要以上に傷つくほど弱くはなさそうだし(俺的には誉め言葉だ。ランが優しい女性であることは十分理解している)、竜の威容に脅えて動けなくなることもなかろう。

「しかも、密林の地理や生態に関してはエキスパート級か」

 「密林だけではありませぬぞえ。こう見えて、我が君が普段仕事場にされている砂漠、沼地、森丘、火山に関しても、それなりに心得ておるつもりじゃ」

 そう言えば、確かにどこにでもいますね、ランゴスタ。
 ランは放浪時代に、いま言ったような場所をひととおり巡ってみたのだと言う。

 「雪山に関しては、流石に入り口のほうだけじゃが……」

 ああ、確かにキャンプの出口のエリアにいたっけ。

 うーーーーーーーむ。
 俺としては、妻には留守宅を守っていてもらえば十分なんだが、ランの少しでも夫の役に立ちたい、愛する人の背中を自分の手で守りたい、と言う想いも理解はできる。

 ふたりで話し合った結果、「とりあえず1週間ほど簡単なクエストに挑戦して、適性を見る」と言うことになった。

   *   *   *
12『クイーンに首ったけ 〜比翼編〜』5:2007/10/18(木) 03:58:22 ID:W2+82tLU
 てなわけで、やって来ました村の鍛冶屋。
 下位ハンター時代が長かった俺は、貧乏性も手伝ってかなりの素材を溜め込んでいる。大概の防具や武器はオーダーできるはずだ。

 家での話し合いで、ランには、剣士の俺を援護するためのガンナーになってもらうことに決まっていた。
 もっぱら片手剣を使い、ごくまれに太刀を手にすることのある俺だが、ガンナー系の遠距離武器も洒落でいくつか作ってみたことがある。
 その中では、ランはカンタロスガンが気に入ったみたいなので、これを使ってもらうつもりだ。まったく改造していないので、一気に5段階まで強化しよう。

 あとは防具なのだが……。

「ら、ラン! オマエ、なんて格好を……」

 「おや、いけなかったのかえ? 我が君が下着をつけろとうるさいので、とっておきを着てみたのじゃが……」

 そう、普段の巫女装束姿のランは「はいてない」状態らしいのだ。実際、真っ昼間に台所で押し倒そうとした時、半脱ぎにして確かめたことあるし。
 何でも、キモノを着るときに、こちら風の下着はつけないものらしい。ひゃっほう、東方文化万歳!

 ただし、俺以外の奴に、ランの裸を見せるのはノーセンキューだ。
 だから、ここに来る前に巫女服の下に下着を付けておくよう念を押しておいたのだが……ランのヤツ、なんと初めて出会った時の黒い女王様セットを着てきやがったのだ!

 鍛冶屋の親方の方は、さすがに人間が練れてるせいか、ランの下着姿にも動揺していないが、見習い小僧の方は前屈みになってやがる。くそぅ、見んな! これは俺んだ!!

 「ほぅ、おもしろい下履きだな。これだけでちょっとしたレザーくらいの防御力はありそうだぞ」

 「ホホホ、当然じゃ。これは、妾自身の殻じゃったからのぅ」

 ああ、成る程。どっかで見たような素材だと思っていたが、ありゃランゴスタの甲殻か。まぁ、防御力が上がるに越したことはない。

 騒ぎが一段落して、いよいよランのための防具を作成することになったのだが、ランの生残性を重視する俺と、見た目も考慮するランでなかなか意見が合わない。
 俺としては、防御力が高く、スキルもなかなか便利なレックス系を推奨したかったのだが、ランに言わせると「あの毒々しい縞模様が気に食わぬ」らしい。
 すったもんだの揚げ句、互いの主張を擦り合わせて、ランの装備は以下のようなものに決まった。
13『クイーンに首ったけ 〜比翼編〜』6:2007/10/18(木) 04:01:05 ID:W2+82tLU
 ・頭:ホワイトピアス
 ・胴:クシャナバダル
 ・手:クシャナマカーン
 ・腰:クロムメタルコイル
 ・足:クロムメタルブーツ 

 これに、装飾品を加えて「回復速度+2」と「地形ダメージ減・小」「精密射撃」のスキルを発動させてある。
 まぁ、これなら星1クラスのクエストで倒れることはそうそうないだろう。
 見かけ的にも、黒の貴婦人といった趣きで、非常に、ランには似合っている。
 ……まるっきり、悪の組織の女幹部風ではあるが。

 「ん? 何か言ったかえ、我が君?」

「いんや、なぁんにも。じゃあ、そろそろ、集会所へ行ってみるか」

 「ううぅ、ドキドキするのぅ」

 初めて入る集会所に、緊張している様が微笑ましい。
 大仕事でなければ、あまり他人と組まない俺だが、コイツになら背中を預けてもいいかもしれない。

「よーし、最初はキノコ狩りだぁ!」

 「わ、我が君。いくら最初とは言え、もうちょっとマシな仕事を……」

 わいわい言いながら、受け付けに向かう俺達。

 ――その後、俺とランのコンビは着実に実績を重ね、半年後くらいから夫婦ハンターとしてエラく有名になって行くのだが……まぁ、それは"別のお話"ってヤツだ。

 <FIN>
14『クイーンに首ったけ』end:2007/10/18(木) 04:03:21 ID:W2+82tLU
以上です。
とりあえず、このシリーズ本編はこれで御仕舞い。
ひょっとしたら、外伝の奥様はランゴスタの2を書くかもしれませぬが。
ご支援いただいた方、ありがとうございました。
15名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 04:13:49 ID:FTs6yoF6
>>14
君にはこれを渡そう
つ「GJ」

ランの装備…想像したら中々カコイイな。
ガルルガ鎧萌えな俺ではあるが。
16名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 06:16:47 ID:NCJV05KB
>そう言えば、確かにどこにでもいますね、ランゴスタ。
この一文が妙にツボった
別のお話といわず夫婦ハンター編も是非読んでみたい

そして女性の萌え装備と言えばキリンが大人気な中、
クロムメタルの黒貴婦人セット激萌えな自分としてはGJ性能+2なのである
17名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 20:32:40 ID:6GCEQknD
>>14
GJ!やっぱり文章の使い方が巧みでつ。
ラン様可愛いラン様可愛い!でも主人公の方が好きな俺。
外伝頑張れ外伝頑張れ!いつかSSが書ける様に
なる為こつこつと人の文を見て学習するんだぜ。
18名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 20:42:20 ID:1Vwl8LhS
いつかなんて思う必要はない……!
今から書き始めたまえ……!

ぶっちゃけそっちの方がうまくなるし
19名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:16:15 ID:qQ8w18aG
GJ!
なんだかんだで呼び方は「我が君」におさまったのね
20名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:34:11 ID:+leV9sKU
GJ×100!

君が書く番外編はエロくなくても絶対GJだ!
ぜひとも書いてくれ!幸運を祈るぜよ!
21名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:28:00 ID:HBw9ovnz
今なんか電波きた

モス娘ってどうだろうか?
22名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:41:27 ID:1Vwl8LhS
のんびりしているけど、からかうと怒り根に持つ。
ムチムチとした娘だな。
23名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:43:33 ID:+1ExexlF
>>21
ちょっとぽっちゃり系でキノコ大好き、怒ると体当たりで突き飛ばすけど普段からマターリするのが大好きな子か。
24名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:20:02 ID:1/VNShUm
火竜のブレスから主人公を守って死ぬ姿しか想像できないから困る
25名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:24:19 ID:h9hAZydH
モスっ娘なにげにけっこう萌えると思うぞ
チャームポイントは尻だと思うんだ

で、ハンターの家に同居しているプーギーと
同じ癒しキャラ(&豚族)どうし張り合いつつも仲良し、
とかいう電波を受信した
26名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 01:26:37 ID:6VM9aMux
俺は攻撃の最中に流れ斬撃かな
27名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 02:40:00 ID:Tf/fOnaP
というかもう、ハンター×プーギーでいいんじゃね?
28名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 02:41:35 ID:wRRA+9w7
SS保管庫って更新しないんですか?ってゆうか4ヶ月も停滞してるけど・・・






29名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 07:31:08 ID:KMqjBGnl
前スレにガブラ酒の人来てたな。相変わらずGJでした。
なんてことだワラタ
30名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 10:35:21 ID:M0xb5CFl
ハンター×プーギー……竜姦者だけでなく豚姦まできたか……
ってよく考えたらすでに牙獣種姦のSSはすでにあったんだよな
甲殻種姦のSSって今までにあったっけ?擬人化したのならありそうな気もするが……
31名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 12:53:17 ID:2Kl4D0Ex
擬人化なしだと一体どうやってヤるのか見当すらつかない俺…>甲殻種
32名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 13:41:39 ID:/bfYCN3j
このスレで原型の甲殻種が出てきたのって2スレ前のザザミウォッシュレットだけしか覚えてない…
33『クイーン』の人:懺悔:2007/10/19(金) 14:07:21 ID:4ZQt8fvm
すみません、P2ベースで計算したのですが、「比翼編」のラン装備では、どう頑張ってもあれだけのスキルは発動しないことが発覚しました。カンタロガンは、スロット0なのに3と勘違いしておりました。
よってその部分は、「回復速度+2、地形ダメージ減・小」か「回復速度+1、地形ダメージ減・小、氷耐性+5」と読み変えていただければ幸いです。雪山などでは後者で、それ意外は前者で出かけていると考えてください。
思い込みで書いてはいけませんね。反省。
34名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:02:21 ID:RBUpOrhC
ギザミっ娘とザザミっ娘のレズとかありじゃね?
もしくはガオレンっ娘も交えた3Pで
35名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 20:26:07 ID:Fe2MJnwS
>>33
いやいや、お気になさらず

>>32
珍味の話で、(文字通り)生で美味しくいただかれてしまった上位ザザミとかもいたな
36名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 00:49:14 ID:gnnAiH+x
自分の殻に閉じこもる寡黙っ子ザザミと触れるもの全てを傷つけるツンツン娘ギザミとな
37名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 01:22:06 ID:aqAT5NDg
ガオレンと聞いて、マイペースで長身美人な姉さんが頭に浮かんだ
擬人化無しは食材ネタしか考え付かん…
38名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 03:09:56 ID:hQPSKCYV
ところでトレジャーのクエストでザザミを狩ると、
「盾蟹のボウニク」なんつうものすごい直球卑猥なネーミングのアイテムが剥ぎ取れるんだぞ
最初見た時はあまりにあんまりなんでかなりびびった

というわけでその棒肉を使ったプレイをだね……ってやっぱり食材ネタか
39名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 04:23:45 ID:gxIWjacs
盾蟹の肉棒と聞いてとんできますた。

俺は甲殻種でもザザミが一番萌えると思うんだ。

恥ずかしがりなのでヤドを被って隠れる→破壊→地中に逃げる→息が出来ないので地上に上がる→泡ブレスで視界を悪くして逃げる→残念、自動マーキング発動中→ジャンプして逃げる→所詮時間稼ぎ。
すぐに落ちる→最後の手段特殊ガードで耐え続けようと頑張る→音爆弾でジ・エンド

まぁ何が言いたいかというと・・・


女ハンターとのセクロス前、恥ずかしくて逃げ出した擬人化ショタザザミが淫乱化した女ハンターに追われ続ける話が見たいって事だ。
40名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 07:42:04 ID:TMyCdD49
確かに特殊ガードの時のポーズと、そのガードを解く時に
まずおそるおそる目だけ出す動作は擬人なしでも萌えるよな

「ダイミョウザザミの生態」のムービーを見るとますます和み萌える
41名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 08:55:27 ID:0huFVe33
1「ほらこんな風に出入りしてるよ?」(まんぐり返し)
ザザミ「……やぁっ!」(顔隠す)
1「こんな濡らして……やらしいなぁ」
ザザミ「…………!」(顔を赤らめてチラ見)
42名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 13:14:20 ID:7sKVAZ3u
……ここに出入りしてると「ハンター」とよばれる連中は
亜人間娘狩りをした挙句に破廉恥な行為に及ぶ集団、という風に思えて困るw
43名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 14:35:23 ID:X5MNB9dI
ネトゲ板の実況2にある、おちんちんザウルスも違和感なく住めそうなスレだよな、ここって
44名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 14:52:00 ID:AZlNzFmO
あれ? みんなおかしなことを言うなぁ。
ザザミっていったら明るくて、活発で、ガードなんかせずに玉砕覚悟で突っ込んでくる娘だろ?
機嫌がいいと歌を歌うしな。しかも最後に、

「高台の上のガンナーだけはチョ〜〜ニ・ガ・テ♪」

…って自分で弱点晒してるしな。

えっ!? オマエの知ってるザザミってどんな奴だよって?
こないだ写真に撮ったのがあったから見てみるか?

http://uproda11.2ch-library.com/ 【1138491.jpg】
45名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 15:54:37 ID:Etqg4QRk
>>44
( ゚д゚)<節子それツマミや!
46名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:49:57 ID:1lEg4MSR
>>44
ザザミと人間の間に生まれたわけか。
なるほどこのスレにぴったりな内容じゃないか
47クルゥ:2007/10/20(土) 17:32:20 ID:sgCfbYnr
ではボクが書きます。 題名「クックとザザミ(クック→ショタザザミ→ロリ)」
密林、昼。 クック「お腹すいきたなー、獲物をさがそっかな。」
一方そのころハンターはと言うとベースキャンプにいました。
ビム「ええっ!、モンスターが人間に。」彼女の名前はビム。
年齢15歳、装備はボーンS。(盗み無効)武器は弓。
ジェイジェイ「うん、モドリ玉をモンスターの目の前で」
二人目はジェイジェイ武器は双剣、年齢15歳、装備はゲネボスU。(麻痺無効)
ゼロ「ところで今回のターゲットは?。」三人目はゼロ。
年齢14歳、武器はへビィボウガン、装備はガレオスS(注意、男の子)
ルナ「クックとザザミを人間にしてって。」最後の人はルナ。
年齢17歳、武器は片手剣、装備はガノスS(女の子。)
ビム「まずはダイミョウザザミってことでエリア4に行こう。」
二人「イエッサー!!!!。」ルナ「軍人になるなー!!。」
そんなこんなでエリア4にザザミとクックがいました。
ザザミ「眠いですねー。」クック「そうだね。(でも殺気を感じるな、一まず。)
逃げようとした瞬間四人が登場。四人「まてーーーー!!って二匹もいた。」
クック「やば・・・・・・。」ザザミ「やばいね・・・・・・。」
で一時間経過。モドリ玉の煙に当たった二匹は可愛い子供になりました。
ルナ「クエストクリアー、さてかえろっか。」ビム「オツカレイア。」
ジェイジェイ&ゼロ「オツカレウス。」ルナ「・・・・・・・・・・。」
で四人+子供になった二人はドンドルマの町に帰った。
つづく。
48名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 17:43:05 ID:yY+v+TE2
続かなくてもいいよ
49名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 18:02:34 ID:ejTiOThI
>>47
続かなくておk
50名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 18:48:11 ID:4IA31Dfg
これはポジティブに捉えるとこれを骨子にして描写を追加、執筆せよというフラグ
51名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:24:31 ID:K8cKwUTk
単発のネタじゃないのか?
52名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:25:17 ID:M5KrDd0i
>>50
キツすぎるだろ。
53名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:26:38 ID:M5KrDd0i
>>51
つづくとか書いてあるし。
マジに止めて欲しい
54おれとキリンとガブラ酒:2007/10/20(土) 19:27:12 ID:gpSUgimH
|ω・)<新スレにも書き込んどいてイイカナ?
前スレ>>395-396>>426-430の続き


いくらか冷えてしまったが、それでも十分うまそうである。
ようやく泣き止んだ少女と朝食を摂ることにした男は
食器をかごから出し並べ始めた。

「これなぁに?」
木のスプーンで小ぶりな鍋をこんこん叩く。
「雑炊だ。衰弱したお前でも食えるよう、おカミさんが作ってくれた」
ほほぅ、とあんまり理解してなさそうな風で答え、
教えてもらったようにスプーンを握り、
具を掬って口に運ぶ。
「んー」と笑う。
「そういうときは”おいしい”って言うんだ」とゼオ。
もう一口入れ「おいしい!」と微笑む少女に、はは、と笑顔をつられた。

「わたし何でヒトになってるんだろ」と
こんがり肉に噛みついているゼオに唐突に聞いた。
がふがふ咀嚼し飲み込む。
「さあ。よくわからねえや。お前にこれ食わせたらそうなっちまった」
と、カバンを引き寄せドキドキノコを取り出した。
「・・・なんで?」そんなの食べさせたの。目が聞く。
特に理由は無い。
キーファはキノコを一口かじり、むせた。
じっと眺めていた男は特に何の変化の兆しの無いことを見届けると
おにぎりを頬張って、少女に言った。
「そういうときは”まずい”って言うんだ」
キーファは「まずい」と呟くとキノコを男に返し鍋の残りをかっこんだ
55おれとキリンとガブラ酒:2007/10/20(土) 19:28:09 ID:gpSUgimH
朝食を食べ終わり、食器をかごにしまい、
階下の台所へと返してきたゼオはそのまま今日の”仕事”の準備を始めた。
毛布に包まってベッドに腰掛けていたキーファは聞く。
「なにしてるの?」
ああ、とカバンの一つを整理していた手を止める。
「ここら辺のモンスターを追い払う依頼受けててな。
 北から順に回って今日は西側を見てくる予定だ」
と答え、キーファの方を向き、「おとなしく寝てろよ」と言う。
「あと、俺がいない時は、この宿のおカミさんの娘の、
 ・・・えーとナキさんがお前の面倒見てくれるそうだ。
 服もお古くれるってよ」少女の隣に座る。
長袖の毛皮の上着を羽織っているだけの少女の頭を撫でる。
「・・・髪も編んでもらえ。ずるずる長いからな」
そーかな、と自分の髪を指に巻いてあそぶ。
・・・こいつは何歳なんだろう
ふと疑問が湧いたけれど、果たしてキリンにとっての一年と
人間にとってのそれとの価値や感覚がどれ程異なるのか、
想像がまったくつかなかったので、思うだけにしといた。
「じゃ、夜までには帰ってくる」
と言い残すと立ち上がり、装備を背負い、大剣を担いで、
外套を巻きつけると部屋から出て行った。
56おれとキリンとガブラ酒:2007/10/20(土) 19:28:50 ID:gpSUgimH
夜。
帰ってきたゼオと夕食を摂った後、少女は今日の出来事を男に話し始めた。
ナキはとってもいいヒトだったとか、
自分の(折れてしまっているが)角を見て心底驚いていたとか、
元気になったら服をくれるだとか、
髪を褒められてバンダナで纏めてもらったとか、
「(髪を纏めてる赤いのはそれか)」
(民族的な刺繍が施された赤地をベースとしたバンダナで
少女の髪がうなじのところで留められていた。)
包帯を巻きなおしてもらった時に一体どうしてこんなキズを負ったのか聞かれた、とか。
後半は適当に聞き流して、
へぇ、ふぅん、ほお、はあ、そう、よかったな、などと相槌を打っていると
「・・・聞いてる?」気づかれた。
聞いてませんでした。

寝る前。お湯の入った桶とタオルを持ってきて、
自分と少女の体を拭いてやる。
ごしごし
「(・・・ずいぶんと直りが早いな)」
包帯を外して一糸纏わぬ少女の肢体を見て思う。
キズの半ば、主に浅いものの殆どがふさがっていた。
ごしごし
ひどい裂傷も縫うまでも無く、二、三日で直ってしまいそうだった。
ごしごし
「(キリンってそんなもんなのか?
 まあ何にせよ直りが早いに越したこたないが)」
ごしごし
キーファがくすぐったそうに身じろぎをした。
57おれとキリンとガブラ酒:2007/10/20(土) 19:29:36 ID:gpSUgimH
「・・・あのね」
とっとと寝ろよ、と少女をベッドに寝かし、自分は床に毛布を敷いて寝転がると、
少女が顔を覗いてきた。
「何だ」と起き上がると、ベッドの上で少女は正座をしてもじもじしていた。
「あのー・・・私、ゼオに助けてもらって、世話もしてもらって・・・」
そのー、と視線をあっちに向けたりそっちに向けたりしていた少女は、
真っ赤な顔できっ、と男を見据えた。
「お礼をっ」と言うなり服の裾に手を掛け、捲り上げ

ようとしてゼオにふとんを被せられた。
「気にすんな。助けたのは気の迷いみたいなもんだ」事も無げに言う。
うー、とふとんに包まり羞恥の唸りを上げるが、
知ってか知らずか男はぽんぽんと少女をはたくと
お前が早く快復するのが何よりだ、というと横になってしまった。
「じゃ、じゃあ、一緒に寝よ?」少女は再び声をかける。
「あ?」と聞き返され、もごもごと答えた。
「何か・・・その、悪いから。このベッド私にはおっきいし、
 ね、私3人は寝れるよ!それに、ゼオがベッドで寝るべきじゃ・・・」
「お前はケガ人でしかもキリンのくせにやたら気を揉むなあ!」
起き上がって言った。
「キ、キリンのくせにって何さっ」言い返す。
「何でもねえよ。・・・それでお前の気がおさまるならいいけどな」
と起き上がり、毛布を抱えてベッドに座る。
「俺が壁際に寝るわ」とキーファをどけて寝転がり、
「ほら、入れ」上掛けを持ち上げて言う。
少女はおじゃましまーす・・・、と呟いてもぐりこむ。
何とか二人で寝れそうだ。
えへへ、と微笑み、少女は甘えるように男に寄り添い、その腕を抱く。
「・・・・・・」
ゼオはちらとキーファを見て、目を閉じた。
人肌を堪能して少女も目を閉じる。
58おれとキリンとガブラ酒:2007/10/20(土) 19:30:22 ID:gpSUgimH
と、「誰にあんなの教わった」ゼオが聞く。
びくっ、と予期していなかった発言に少し驚き、
「あんなの、て?」聞き返す。
「いきなり脱ぎだしたやつだ」男は横目で少女を見ていた。
「えーと・・・」
少女はもぞもぞふとんにもぐる。
「お姉ちゃんが・・・いたんだけど、ヒトに変身できるの・・・、
 それでね、えー、お姉ちゃんが前にハンターに
 助けてもらったことがあったらしくて、そのとき、
 ヒトに変身して、そのー・・・えー・・・」
「それで?」促す。
「それで・・・あの・・・お礼に、『女』?を?あげたら、
 とっても喜ばれたって・・・それで、よく覚えてないけど、
 たしか手順では最初に裸になって、えーと、後は・・・何だっけ。
 そんなかんじで、とりあえず何とかなるかな、て、
 ゼオも喜ぶのかなあ、て」
ははあ、と男は頷く。
こいつの姉さんとやらが変なことを吹き込んだらしい。
いやしかし。
思考が別のベクトルを向く。
キリンの中にはやはり人間に変身できるやつがいるんだな。
こいつはできない、いやできなかった?できない?ようだった?が・・・
「わかった。もうそんなこた、しなくていいから」
59おれとキリンとガブラ酒:2007/10/20(土) 19:31:06 ID:gpSUgimH
「・・・うん」
と答える少女だが、彼女もいろいろ思考していた!
ヒトのカタチ→裸→『女』をあげる→男喜ぶ→
生殖行為では!?→初めての人がずっと一緒の人のハズ→
お姉ちゃんは浮気ものだった?→なんてことだ!
うー、と唸りだした少女に、男は声を掛ける。
「・・・なあ、キーファ、キズ、直ったらどうする?」
え、とふとんから顔を出し、男を見つめる少女。
「・・・どうしよう」
兄はもう死んでしまった。一人で旅を続けるのも正直心もとない。怖い。
答えない少女に続ける。
「それなら・・・村にこいよ。俺が面倒みてやるから。
 村にならお前でも大きくなりゃ仕事も見つからなくもないだろうし。」
助けて、助けっぱなしはありえないだろう。
責任はとんなきゃならない(衣食住の点で)。と男は思っていた。
「・・・いいの?」
ぽかんとした顔を向ける少女の頭をがしがし撫でる。
「どんとこい」
ぱあ、と少女の顔が明るくなり、寝ながら抱きついてきた。

まあ、そんなかんじで、夜は更ける。
60名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:36:24 ID:gpSUgimH
回想というか、馴れ初めというか続けてますが
もうちょっとで時間軸戻る予定でス。
>>44
ちょwwwwwwwバロスwwwwww
やわらかゲリョス・・・言ってみただけですよ、退却ーッ
61名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 19:51:21 ID:5qxp6omV
げりょすの尻尾を握ってみたくなったのは俺だけでいい
62名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:42:57 ID:RcxcRR32
小ネタ投下しようとしたら1レス目で容量越えして俺涙目wwwwwwww

ごめんなさい。わざとじゃないんです。
2レス分、一緒にこっちに落してもいい?大したもんでもないから、向こうに落そうとしたんだけど。
63名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:53:54 ID:X5MNB9dI
消化不良は読み手にもよくない。ぜひ落としてくれたまい!
64名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:55:12 ID:RcxcRR32
と思ったけど、流石に容量無駄遣いな気がした。
投下諦めます。ご迷惑お掛けしました。
65名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:56:05 ID:9OqVIQ/D
さあ落とせ!今落とせ!すぐ落とせ!!
orz オネガイシマス
66名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:57:27 ID:il9ld1ZA
「見つけたぞハンター!好きだ!結婚してくれえぇぇぇぇ!!」
「誰だお前は!」
「私を忘れるなんて悲しいぞハンター!!前に会った時はあんなに太くて長いモノで私を激しく攻め立てたのにぃぃぃ!!」
「周りに誤解されるようなことを叫ぶんじゃねぇ!!つか一体何なんだお前は!?」
「むぅ…本当に私がわからないのか?じゃあ説明してやる!」
「ああ…頼む…。」
「街に向かって進行中にお前は一人で私の前に立ちはだかった!そして私を退けた!そんなお前に惚れたんだぁぁぁぁ!!」
「説明になってねぇ!それに惚れたって言われてもお前と戦った覚えもねぇしピンとこねぇんだがなぁ…。人違いじゃねぇのか?」
「む、じゃあそっちも詳しく説明してやる!今までのハンターといえば数で押してくるか、1人だったとしても腹の下で乱舞か安全地帯から狙撃してくるヤツばかりだった!
だがお前は一人で使いこまれた大剣一本持って私に挑み、退けた!そんな武骨で漢らしいところに私は惚れたんだぁぁぁぁぁ!!」
「ますますわからん。…ところでお前、名前は?」
「特にない!だが人間達からは岩山龍と呼ばれている!!」
「な……!?」
「今日のところは帰る!早く思い出してくれると嬉しいぞ!じゃあまたなぁぁぁ!愛してるぞハンターぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


という素直ヒート岩山龍を妄想したので埋め小ネタに
使おうと思ったのだが少し遅かったようだ
67名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 20:57:55 ID:RcxcRR32
>>63
('A`)ちょ、1分差ですか。
ホントの事言うと、勢いだけで書いてクリップボードにしか置いてなかったわけで。
エラー吐かれてブラウザ消した時に後半吹き飛んだわけで。書き直すのめんどいわけで。
消化不良です。すいません。
68名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 21:05:31 ID:il9ld1ZA
>>67
ごめん、話に割り込んだみたいになった


リロしようぜ俺orz
69名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 21:07:22 ID:La+miUcM
>>67
1レス目読んできた。
あれだけでもかなりGJな感じだったので、できれば後半も頼む!
70名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 22:49:47 ID:DWZgOcdc
保守
71珍味のひと:2007/10/21(日) 00:27:42 ID:+yFhepGS
長いのを投下。
投下自体に17レスほど拝借。
※諸注意
・モンハンぽさはやや薄め
・パロネタ多め、かつ投げっぱなし
・ エ ロ 皆 無
・一応続き物。登場人物説明不足の気あり
・舞台はMHP2。設定間違ってたらすまん
以上許せる方はご覧あれ。
ダメならスルー頼む
誤字脱字もスルーお願い
72喰気よめ 1:2007/10/21(日) 00:30:31 ID:+yFhepGS
 少女はフォークをテーブルに置き、伊達眼鏡を押し上げた。
 咳払いを一つ、深刻ぶった調子で彼女は話し始める。
「当たらない、飛ばない、壊れてしまう。……あなたがブーメランを投げた時、こんな不満を持ったことはありませんか」
 暫しの間。辺りのざわめきもこの場の沈黙もお構いなしに、サラダをむさぼり食う音が隣から響く。
 一転。少女の表情も声も明るげなものに変わった。
「今夜は悩めるアナタに朗報です」
 そこへ耳に心地よいの男の声が加わった。
「これさえあれば、あなたの投擲飛距離がグンと伸びること間違いなし」
「そんな夢のようなこと」
「「あるんです!!」」
 
 
 誰にでも苦手な物事の一つや二つ、あるものだ。例えばそれは、部屋の片付けだったり、早起きだったり、高い所での行動だったり。
 私にとってのそれは、モノを投げるという、至極単純な動作だった。
 
 その夜、身内とそのつれと私の三人は仕事に出ておらず、一緒に夕食をと、飯屋へ繰り出した。
 入った店には同業の顔見知りが先客として居た。思うところあって相席を頼み、それは受け入れられた。
 先客として居たのは二人連れ、黒髪黒目を持つ小柄な少女と、やや大柄な以外どこか地味な雰囲気の青年と。
 もう暫くすれば、少女の親友も来るそうだ。
 既に大人数になりつつあるから名乗ろうか。私の名前は……発音しにくいとよく言われる。まあ仮に緑髪と呼称しておこう。
 私、緑髪は二十代半ばに差し掛かる女だ。職業はハンターをやってもう数年になる。
 
「休日が重なったのか、重ねたのか知らないけれど、三人揃ってるのは久し振りに見たよ」
 いつものように少年じみた口調の少女が、伊達眼鏡を押し上げ笑う。
 彼女はメガネ嬢(仮称)。解けば胸の辺りまで届く黒髪は、ゆるい三つ編みに編まれて背中に流されている。
 十六という実年齢より幼げに見えてしまう外見に似合わず、色々と経験豊かなお嬢さんらしい。
 役に立ちそうな事や生かし所に困る知識を、沢山くれる物知りさんでもある。
 細くて小さな見た目からは想像しにくいかもしれないが、これでも何体もの龍を倒してきた歴としたハンターだ。
 さりげなく伸びてくるメガネ嬢のフォークの前に、野菜を押しやりながら頷いているのは、堅物氏(仮称)。
 美味しく召し上がってるのは、ファンゴ肉と旬野菜のワイン酢煮だそうだ。
 彼の歳は二十そこそこ。男兄弟の三番目という立場や、並よりやや背が高いことや、そして私の地毛と似た髪色に、私は一方的に親近感を持っている。
 彼はメガネ嬢の仕事上の相棒だが、近頃はその背高い体によじ登られるなど、やたらにじゃれつかれている光景を目にする。
 彼女と恋人関係になったそうだ。
 
「揃わないのはそれぞれに自立してってるってことだ。俺としては実に喜ばしい」
 冗談めかしてメガネ嬢に良い声で言ったのは、私の義兄にして保護者。穏やかそうな顔付きの巨漢、酔狂氏(仮称)。
 私ともう一人の、二人も保護対象が有った身としては偽らざる本音だろうな。
 コブ付きだったせいかなんなのか、顔も不味くないし声も素敵で性格も稼ぎも良いはずなのに、三十路に入った今も特定の恋人なんてものを見たことがない。
 おかげでシスコンだのウホッ?だの、あらぬ噂もチラホラと。なんだかたまに責任を感じてしまう。
 
 さて、もう一人だが。黙々とナイフとフォークを扱う手付きもぎこちなく、思いっきり眉間にシワを寄せている長髪男がいる。
 元から人相は悪いのだから、その険しい表情なんてモノが無駄に恐ろしいヤツの名は、眉ピアス(仮称)。
 長い髪を耳ごと幅広の布で押さえ、食事の邪魔にならないよう後ろに流してあるが、おかげで凶悪そうな顔が丸出しなのはどうかと思う。
 眉ピアスは育ちが獣同然だったのを、二年ほど前に酔狂氏に拾われ、養われていた。
 (好意的な表現をするにしても)やたらと野性的な彼は、道具を用いての食事などまだ不馴れだ。
 今ではハンターとして、自分の食い扶持くらいは稼いでいるようだが。
「親離れ子離れは順調に、と。ところで皆様に相談があるのだけれど、聞いて貰えるだろうか」
 三対の目が私を捉え、話の先を促した。
 眉ピアスは皿の上のサボテンステーキと格闘中で、私の話を聞いていないようだった。
73名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:31:18 ID:hQitjk42
カムォーン
74喰気よめ 2:2007/10/21(日) 00:32:30 ID:+yFhepGS
 
「ブーメランがあんまり当たらない上に、すぐに壊れて、竜の尻尾切りが巧くいきません。どうにか尻尾を切りたいのですが、何か良い手はありませんか」
 これはハンマーや狩猟笛を使うようになってから、ずっと抱えていた悩みだった。
 狩猟依頼自体は問題なくこなせるものの、貴重な素材を獲る機会が減っている気がしてどうにもよくない。
 鎚や狩猟笛という武器の使用感は好きなだけに、そこが不満で仕方ない。
 はーいとばかりに、メガネ嬢が小さく手を上げる。
「緑髪、元々は剣を使ってたって聞くし、武器をそっちに戻すって手は駄目なの?」
「……先生、かりかりぴーが、使いたいです……」
 ワガママさんだねーと笑われてしまったが、否定のしようもない。
 今度は、ぴしりと堅物氏が小さく掌を立てた。
「俺はやった事ないが、砥石と小さい竜骨を調合するとブーメランができるそうだが。それをありったけ持ち込むわけには?」
「無論、実行済みだとも。……どうなったかは言わずと知れることでしょう」
 当たりもしないのに、空中分解するブーメランという存在は訳がわからない。
 もしかしなくても、投げ方が悪い可能性は大いに有り得る。
「射撃は下手でもないから、目が悪いわけでもなし。なんで投げる方はあんなに当たらんかね」
 苦笑を浮かべて言うのは酔狂氏だ。
 投擲の練習に散々付き合わされた人からの、生暖かな視線はなんだか染みるものがあります。
 うちの実家は猟師で、ハンターになる前は弓背負って山に入ったりしてたんだから、弓の扱いにはそれなりに自信を持っている。
 まあ、ボウガンは性に合わず、扱い自体諦めているが。
 
 この間、眉ピアスはサボテンステーキを、黙々もぐもぐと食べていた。
 平たく大きな葉を持つサボテンで、肉だと思えば結構いけるんだそうな。私はサボテンは真っ平だが。
 咀嚼途中でなければ、食事中の会話は悪いものでないと彼は知っているはずだが、今は会話に加わるより食い気に走っているようだ。
 ヤツは放っておくとなんでも生で食べようとする悪癖の割に、食物自体にはあまり好き嫌いはないらしい。
 刺激的な味付けが苦手で猫舌気味だが、物を調理して食べる事がなかったせいだろう。
 余談だが、この男は中背中肉の見かけによらず、極めて大食漢だ。
 食費を稼ぐために上級ハンターになったとかいう噂が、半ば本気で信じられているくらいに。
 
「武器を変えるのは嫌。でもブーメランは数打てどほとんど当たらないって事?」
 ネギをフォークでつつき、さりげなく堅物氏の方へ押しやり返しながら、メガネ嬢は思案顔を見せた。
 目だけがチラチラとフォークの先を窺っているのに、真面目ぶったポーズを変えないのは、私を笑わそうという魂胆だろうか。
「ぶっちゃけ、お話になんないって、言いたいところだけど。……一応少しは当たるんだよね、ブーメラン?」
 当たるとも。十回投げて一回くらいは。
 頷く私を見て、酔狂氏がポンと手を打つ。
「なら、ブーメランが壊れ難くなって、尚且つ一撃の威力が向上すればいいかもな」
 容易い事のように言ってくれるじゃないか。
「そんなウマイ話があるんですか」
 まさか、ブーメランの基本的な形状などから『創意工夫せよ』とか言い出さないだろうな。
 そういう向上心もハンターには大事かもしれないが、さあどう出る酔狂氏よ。
 
 酔狂氏は向かいに座っているメガネ嬢に手招きをし、寄せられた小さな頭に何事かを耳打ちした。
 ふむふむと頷いたメガネ嬢は、ぐいっと男前に親指を立て酔狂氏へ見せる。
 メガネ嬢が少し伸び上がって、彼女の隣に座る堅物氏の耳にひそひそと囁くのを、眉ピアスは怪訝な表情で眺めていた。
 私もヤツと似たような顔してるんだろうな。
 私の隣に座る眉ピアスのその向こうから、酔狂氏のよく通る良い声が降る。
「まあ聞け。先に行っとくけど、ツッコミは控え目に頼む」
 何やらかす気ですか、あなた。
 固唾を呑む私と思いっきり無関心な眉ピアスの目の前、冒頭のやりとりが繰り広げられたのだ。
75喰気よめ 3:2007/10/21(日) 00:34:53 ID:+yFhepGS
 
 
「皆さんこんばんは。リック・レイブンです」
 私は思わず蟹殻を剥く手を止め、聴き慣れぬ名を名乗った酔狂氏を横目で見た。
 どうでもいい話だが、私の義兄の本名は同郷の者でなければ聞き取りすら難しい。
 リック・レイブンなんて言いやすい名前では断じてない。
 私の「嘘こけ」という視線もなんのその、リック(仮名)は言葉を続けた。
「さて皆さんに素敵な商品をご案内しますは私リックと……」
「あたし、メリーでっす!」
 いつもとは違う方向のハイテンションでメリー(仮名)が、ばちこーんとばかり、ウィンクをよこした。
 小動物っぽい雰囲気の彼女のそれはかわいいけど、もちろん彼女の本名もメリーではない。
 私の斜め向かいに座る堅物氏が茹で蟹を剥き剥き、小さく呟いた。やや投げ遣りに。
「深く考えたら負けだと思う」
 この人、私より一つ二つ歳下なはずなんだが、変に達観しているというか、人生捨て鉢というか。若さが足りない。
 
 私も蟹の殻剥きを再開した。ふと袖の肘辺りが引っ張られ、ソチラを見ると眉ピアスのワクテカキラッキラした目と視線がかち合った。
「ハサミくれ」
 目付き悪いくせに、可愛いな。こんちくしょうめ。
 
 隣からは、蟹バサミ半ばまでの殻をバリバリと噛みちぎる音が響く。
 眉ピアスの凶悪面に拍車をかけるギザギザな歯は、やたらに丈夫で盾蟹の殻をも噛み砕くほどだ。今かじりついてるのは千年蟹だが。
 まあそんなバリバキ音をBGMに、リック(仮名)とメリー(仮名)のトークは続いていた。
「ブーメランは、まずなんと言っても目標に当てることが大事なんだけど」
「コツは自分で掴むしかないから、練習有るのみ! ……なんて言ったら話が終わっちゃう。だいたい、コツを掴む前にブーメランが壊れてしまったりもあるわね」
「そうだとも。でも『とんだ粗悪品もあったもんだ』なんて思っちゃいけないよ。なんてったって、あのブーメラン、『標的に当たっても』戻って来るんだぜ!」
「考えたことなかったけど、そーいえばファンタスティック!」
 なにこのノリ。でも確かに。
 普通、ブーメランは何かに当たれば戻って来ないはずだよな。常識的に考えて。
「そんなコトはおいといて。今日ご紹介するのは、身につけるだけでアラ不思議! 投擲物の飛距離は伸びるわ、ブーメランが壊れ難くなるわの良いことずくめ! ザザミSシリーズさ」
「Oh! koool!! 上質な盾蟹素材で出来てるから、手強い飛竜の一撃もガッチリ受け止めてくれるってわけね。頼もしいわ、リック(仮名)!」
「メリー(仮名)、驚くには早いよ。まだオマケがあるんだ」
「どういうこと?」
 
 蟹バサミの中身を食べ終えた眉ピアスは、筋を引っ張りハサミをチョキチョキさせて遊んでいる。
 これは少し行儀が悪い。だが、あからさまに嬉しげにやっているものだから、どうにも咎めにくい。
 悩んでいると、眉ピアスの正面に座る堅物氏が小声で言った。
「眉ピアスよ。食い物の殻で遊ぶのは、ほめられたもんじゃねぇぜ」
 さすが農家の三男坊。食材への敬意を忘れない姿勢は見習いたいものだ。
 あ、眉ピアスがちょっぴりしょんぼりした。
 
「いいかい、メリー(仮名)。コイツを身につけると、盾蟹みたいに防御が巧くなるんだ」
 堅物氏がしょげてる眉ピアスにフォローを入れるのにも構わず、リック(仮名)は熱く語る。
「ちゃんと盾になる物がないと意味がないけどね。ちょっとやそっとの一撃は、蚊が刺したくらいにしか感じなくなるさ!」
 誇大広告だったりしないか?
 メリー(仮名)は軽く両手を挙げて「ワーォ」などと感嘆の声をもらしていたが、不意にその表情を引っ込めて、彼女は平坦な鼻声を発した。
「な ん と い う こ と で し ょ う」
「メリー(仮名)、それはなんか違うと思う」
 神速のツッコミは、堅物氏から出た。相棒の合いの手は、流石のタイミングだな。
76喰気よめ 4:2007/10/21(日) 00:37:17 ID:+yFhepGS
 
 蟹身を堅物氏に分けて貰ったらしい眉ピアスは、また黙々と食べていた。
 堅物氏は振り返り、誰かを手招いていたが、店員でも呼んだのだろうか。
 リック(仮名)とメリー(仮名)はまだやらかしている。
「こんな素敵なザザミS装備が一つ9100ゼニー。一式でなんと45500ゼニーであなたの物に!」
 普通セット価格て値引きされてるだろうに、別にお買い得じゃないじゃないか。
 テーブルへと向き直った堅物氏が小声で何事かを付け足している。なになに?
「なお、生産必要素材や強化素材やそれに伴う料金は、お客様ご負担となりますので悪しからずご了承下さい」
 そこ、大きな声で明言しておこうや。
 ようやく蟹の殻を剥き終えた私も蟹身を噛み締め中だったから、つっこもうにも口を開く気がしない。
 しっかし、蟹美味いなぁ。
 
 何やら発泡酒をきゅーっとあおり、メリー(仮名)が大袈裟に眉根を寄せて見せた。
「ねえ、リック(仮名)。あたし思うんだけど、今のまんまじゃ大事なコトがお客様に伝わってないんじゃないかしら?」
 意図的に大事な事を伝え損ねようとしてたのに、何を今更……。
 これまた大袈裟に、リック(仮名)が驚いて見せた。
 こっちも口の中の物飲み込んだから、ちょっと付き合ってやろうじゃないか。
 
「「な、なんだってーーっ!?」」
 
 私とリック(仮名)の声が重なったのを聴いて、メリー(仮名)は再び口に含んでいたお酒をちょっと噴いた。
 そんなメリー(仮名)にハンカチを差し出しつつも、堅物氏は呟く。
「なんていうか。一人くらい足りなくないか、そのネタには」
 そう思うなら君が併せてくれたまい。そこの眉ピアスにそんなことは期待できないんだから。
 
 メリー(仮名)は一つ深い息を吐いて、伊達眼鏡を押し上げた。
「考えてもみて。ここに現物が無いんじゃ、商品のデザインがお客様に判らないじゃない?」
「なるほど……。商品は一つ一つオーダーメイド。その質は一級品なのに、その良さを伝えきれないとは。なんてこった!」
 パッキパッキといい音を立てて何かの漬け物を食らう眉ピアスの横、リック(あくまで仮名)は天を仰ぐ。
 この仕草、普段から結構やってるよな酔狂氏。主に眉ピアスがらみのことで。
 あ、おねえさん、豆ご飯とブリカブトの煮付けお願いします。
 お店のおねえさんは一瞬不思議そうな顔をしつつも、にこやかに注文を請け去っていった。
 そりゃ、こんなところで寸劇やられてたら、不思議そうな表情の一つや二つ、ポロリとやっても責められない。
 
 だがしかし、そんなの関係ないとばかり、メリー(仮名)の声は妙な盛り上がりをみせた。
「でも安心して、リック(仮名)。実はちゃーんと用意してあるのよ、現物を!!」
 盛り上がりも自作自演かよ。
 一転して、リック(仮名)は砂色の目を輝かせた。二人とも、どうでも良いところで演技派だな。
「本当かい? なんて素晴らしいんだメリー(仮名)!」
 
 私はそろそろカニミソ食べるか。隣から物欲しげな視線が突き刺さるが、言葉での要求がない限りは、知らんふり知らんふり。
 つい、と。堅物氏から眉ピアスの前へ、蟹の甲が鎮座まします皿が押しやられた。身こそないけど、カニミソは丸々残っている。
「やる」
 眉ピアスの黒目がちな目が、キラキラ通り越してギラついた。口の端がキリキリ吊り上がり、ギタリと笑う。
 凶悪極まりないが、これでも満面の笑みってやつなんだから、見た目の恐い生き物だ。
「蟹嫌いでな、俺は」
 蟹身の山がこんもりと出来た皿を、メガネ嬢の方へ滑らせて、「でもエビは好き」と彼は言った。
 見た目似たような年頃の眉ピアスと堅物氏は、これで結構仲がいい。
「アリガトーゴザイマス」
 言葉自体は丁寧な眉ピアスのギラつく視線に耐え兼ねたか、堅物氏はそっぽ向いて面倒くさげに手を振った。
 無言でねだれば貰えるとか、学習したら困るんだがな。というか、幼くなってないか、この眉ピアス。
77喰気よめ 5:2007/10/21(日) 00:39:21 ID:+yFhepGS
 
「ちょっぴり話を聞いて貰えてない気がするけど、あたし頑張るからねっ!」
 メリー(仮名)がポーチに手を突っ込みつつ、小さくうめく。そこに関しては知らんがな。
 隣の男は、なにかごそごそやってる向かいの堅物氏と、キングターキーの丸焼き野菜詰めを頼むかどうか、相談中の模様。それは私も賛成したい。
「あった!」
 メリー(仮名)はテーブル上にあった平べったい物を、はっしと手にとり、頭上に掲げた。
「怪力招来! 急々如律!!」
 
 またも暫しの間。布製の箸袋を掲げ持つメリー(仮名)に構わず、お店のおねえさんがテーブルの上にブリカブトの煮付けを置いていった。うん、おいしそう。
「ごめん、今のなし。間違った」
 思いっきり素に戻ったメガネ嬢が、その小さな手をパタパタと横に振る。
「すまん、つっこみどころすら判らんかった……」
 実に申し訳なさげに、堅物氏が言った。彼女の相棒としては、すべらせてしまったのは相当の不覚なのだろうが。
「魔物化したいトカ……」
 小さく隣のが呟いた意味は、よくわからない。
「やっぱりポーチの中かなぁ? こんな小さなのの中で、どうやったら行方不明になるのさ。もーぅ」
 素に戻りっぱなしのメガネ嬢は、整頓が苦手だと普段からぼやいていたっけか。
 と、今度こそ目的の物を見付けたらしい。
 とがらせてた唇や膨らませてた頬が引っ込み、それは輝くような笑顔ってものを浮かべた。うん、可愛い。
 まぶしいくらいに……、って?
 
「「「うぉ、まぶしっ」」」
 
 冗談抜きで眩しい。思わず酔狂氏と眉ピアスと私、並んだ三人の声が重なった。
 その眩しさの元を掲げ、メリー(仮名)は立ち上がる。片足を上げてくるりと回りつつ、彼女は唱える。
 
「ノヴァ・クリスタルパワー・メイクアーップ!」
「えー、サービスシーンは御座いませんー。悪しからずご了承下さいー」
 投げ遣りな声を出しつつも、堅物氏の見事な布さばきが一瞬、私達の視界からメリー(仮名)を隠した。
 なんで飯屋にノヴァクリスタル持ち込んでるんだ。
 
 薄手の毛織物、ストールだろうか。
 それが通り過ぎた後にすっくと立つのは、小柄でありながらも伸びやかなその肢体を、赤白のストライプも鮮やかな盾蟹素材の防具に包んだ、金髪の美少女戦士。
 後頭部高く、左右対称位置に束ねられた髪は緩やかに波うつ金糸の如く。
 バイザーから覗く青い目は、強い光を放つ。
 短めのプリーツスカートのような腰防具から伸びる、健康そうな太股も、また眩しい。
 束ねた髪と羽根飾りを揺らし、両の腕を組み合わせたポーズで、かの美少女はのたもうた。
「カニに代わって切断よ」
 
 呆気にとられる数名の前、彼女恥ずかしげに身を縮め、「これで良いのでしょうか?」とメガネ嬢に声をかけた。
 お人形さんのような美貌を持ちつつ、妙な登場かましてくれた彼女の名前は御嬢様(仮称)。
 メガネ嬢の一歳年上の親友にして姉弟子にあたる、私達の同業者だ。
 私にとっても大事な友人だが、夕飯食べる席で何故に鎧姿なのかは判らない。
 騎士の家生まれの故か、メガネ嬢とは別な意味で、浮世離れした所をお持ちだとたまに思わせる。
「こんなお見苦しい格好で申し訳ありません。皆様ごきげ……もといこんばんは」
 このタイミングで『現物』を纏って現れるとは、空気読み過ぎな感もあるけれど。
 そこはメガネ嬢との親友同士の絆、『愛の以心伝心』というやつだったりするんだろうか。
 頭部防具(後頭部が開いた鎖頭巾と目庇を組み合わせたものらしい)を脱ぐ御嬢様を座らせるべく、メガネ嬢と堅物氏は席を詰め、長椅子の上を中腰で移動する。
 私の真正面に来た堅物氏に、なんとなしに左手を立てて挨拶してみると、同じ仕草が返ってきた。
 隣から変な気配が漂って来たので、ついでに隣にも挨拶してみたら、不機嫌そうに睨まれた。この悋気の塊め。
78喰気よめ 6:2007/10/21(日) 00:42:08 ID:+yFhepGS
 
 ああ、ききたい。けれど背筋をすっと伸ばして座る御嬢様、彼女にきいてしまえば、隣の眉ピアスの歯ぎしりがキリキリうるさく響くことは間違いない。
 生まれ出でて当然のその疑問、誰か彼女にぶつけてはくれまいか。
 そんな私の煩悶が伝わったのか、なんなのか。折りよく酔狂氏の柔らかな声が聞こえた。
「ところで御嬢様、何故にザザミSシリーズ完全武装でこの場へと?」
 私は今こそ信じられる。兄弟の絆、愛の以心伝心というものを。きいて欲しかったことは正にそれだとも。
 酔狂氏の問いに、御嬢様は頬をほんのり赤らめて、しかしはっきりした口調でと答えた。
「実はこの装備、今日おろしたてと言いましょうか。受取りに行ってきたばかりなのです。完全な引き渡しの前に、試着してみたのですね」
 眉ピアスの両脇で、酔狂氏と私が「ふむ」と頷き、正面でメガネ嬢が「それで?」と先を促した。
「装備の出来栄えは実に問題なく、試着を終えようとした時、後ろ腰に付けられたポーチに目が行きました」
 なるほど、そこまで聞けば読めた。彼女は可愛い小物好きかつ、手芸が趣味というお嬢さんだ。
 プリーツスカート似の腰防具の後ろ側に付けられたポーチは、ピンク色のハート型。
 いかにも年頃の女の子が好みそうな、御嬢様も心浮き立つような。
 多分は、試着した防具を脱ぐことも忘れるくらい、縫製やらを武具職人と熱く熱く語り合って来たのだろう。
 酔狂氏とメガネ嬢の耳を傾ける中、御嬢様が語ることは大方私の読んだ通りらしい。
 語り合いが長過ぎ、鎧を脱ぐ時間も惜しんで走って来るはめになった、と。
 やや疑問は残るものの、粗方納得いったところで、そろそろブリカブトの煮付けを食べるか。
 
 皿を引き寄せ横目で見ると、いつの間にか隣の眉ピアスは、お茶碗片手に黙々まくまくと、よそわれた豆ご飯をスプーンでかっ込んでいた。
 眉ピアスはまだ箸を使えないから、食器での標準装備はスプーンだ。
 今まで敢えて言わなかったが、眉ピアスという人物、見た目は妙に美形な成人男性だった。面がむやみに凶悪だけど。
 それが口の端にご飯粒くっつけつつ、スプーンで茶碗から飯をもりもり食っている様子ときたらもう。
 美形でも絵にならん光景ってあるもんだと、変に感心させられる。
 どうせ隣のヤツも食べるだろう。煮付けも取り皿にとっといてやる。
 これが焼き魚やフライなら挑戦させるところだ。
 だがボロボロ崩れやすい煮魚の身に、癇癪通り越して悲しげな顔されたことがある。
 眉ピアスの食器の使い方がさまになるまで、まだ暫く再挑戦は避けさせたい。
 中身と見た目の年齢が一致してたなら、食い汚くてもなんら問題なかったのにな、こいつも。
 
 向かいでキングターキー待ちしてる堅物氏に、煮付けを勧めてみた後、ふと気になった。
「そういえば、リック(仮名)とメリー(仮名)のセールストークは、もういいのかい?」
 目をやれば、酔狂氏は眉ピアスの元から流れてきたらしき、蟹の乗った皿を前にしていた。
「自分で始めといてなんだが、ついカニミソ食うのに没頭してた」
 てっきり御嬢様の話に耳を傾けていたものと思っていたのに。カニミソかい。
 その向かいと斜向かいでは、御嬢様とメガネ嬢が仲良く蟹身を食べている。
 ザザミ防具着けた人が蟹を食べるという光景も、なんだかシュールだ。
 口元を拭い、メガネ嬢はまた伊達眼鏡を押し上げた。
「優れた性能に加えて、このキュートかつ機能的なデザイン。カラーはレッドと渋いグリーンの二種類をご用意致しました」
 あ、メリー(仮名)復活。
「なお、カラー・グリーンはザザミUシリーズのため、生産必要材料や性能が若干異なります。投擲物の飛距離が伸びる、ブーメランの破損率を抑える機能は御座いませんので、悪しからずご了承下さい」
 私の正面から聞こえる小声の長い補足は、『悪しからずご了承下さい』って言っときゃいいってもんじゃない気がするんだが。
 詐欺一歩手前とか言わないか?
79喰気よめ 7:2007/10/21(日) 00:45:10 ID:+yFhepGS
「元が蟹の殻だから、水濡れにも強くて、密林や沼地での活動にぴったりかもね」
 お手入れ簡単、とか言い出しかねないリック(仮名)は、豆ご飯を茶碗によそい、それを御嬢様に差し出した。メリー(仮名)も頷く。
「ホント、素敵ね。付属のポーチも可愛いし、あたしも一セット買っちゃうわ」
 ポーチ欲しいなら、腰防具だけで良いじゃない。メガネ嬢は、本当にポーチ目当てだけに一式作る気満々に思える。
「ガンナー用の方にもポーチ付いてるとは限らない」
 ついもらした呟きに、御嬢様が即答する。
「いえ、ザザミSコートにもポーチは付くとのことです」
 さいですか。
 おそろい? おそろい! と微笑み合うお嬢さん二人の様子を、可愛いなと思いながら眺めていると、正面からなんだかやるせない雰囲気が漂ってきた。
 親友を溺愛する恋人を持つ男心は、複雑なものがあるらしい。
 思い悩むな若人よ。禿げるぞ?
 
「こんな素敵なザザミSシリーズのお求めは、お近くの武具店で!」
「潤え地域!!」
「では皆様、良い夜を」
「ご案内は、リック・レイブンと……」
「メリーでしたっ!」
 畳み掛けるように言い切った二人を横目に私は思う。
「オチがねぇよな……」
 正面から聞こえた呟きに、全く同意せざるをえない。
 それは良いけど、キングターキーまだかな。
 
 気になってしょうがないので、眉ピアスにこちらを向かせて、顔に貼り付く飯粒取ってたところに声をかけられた。
「で、ザザミSシリーズどうさ、緑髪」
 取った飯粒をヤツの茶碗(二杯目の豆ご飯山盛り入り)の縁になすり付けつつ、私は少し片眉を上げる。
 ガードが強化されるって言っても、私は最近盾無し武器使いだしな。
「せっかくのご紹介だけれども、メガネ嬢、酔狂氏。二人とも考えてもごらん」
 顔に疑問符を浮かべた二人だが、考えてもらうべき内容を口にするには、少し気合いが必要だ。
 隣の眉ピアスに、私にも豆ご飯一杯くれと言ってみたら、ヤツが持ってた茶碗をそのまま渡された。
 確かに二杯目のこれには、まだ箸を、もとい匙をつけて無いのは知ってるが。
 ……まあいいか。
「御嬢様やメガネ嬢が着る分には、問題ないだろうね。確かにザザミシリーズは可愛いくて良い性能らしい。でも、私がそれを着るのは実にどうかと思う」
 妙な沈黙が、立ち込めた。
 私、緑髪は明言するのも嫌だが、二十四歳。
 明言するのも嫌だが、割と筋肉質かつ、男性並の高身長ときたもんだ。
 顔だけは歳より若く見えるらしいが、でかい年増が、生脚出して緑に染めた髪でツインテールて。
 無理だろ。うん。三綺竜(グドン)に食われちまえ。
 最近ザックリ短くなった髪では、そういう髪型をしようもないが。
 
 キングターキーの丸焼きがようやく運ばれてきた頃。新しく豆ご飯をよそってもらった茶碗を片手に、隣の眉ピアスが低い声で言う。
「なぁ、緑髪よ。てめぇの物覚えの悪いおつむで思い出してみろ」
 コイツの悪いところは目付きだけでなく、口もだった。そうだった。
 眉ピアスの物言いに、何か口をはさみかけた御嬢様を手で止めて、私はヤツの言葉の続きを待つ。
「ちっと前、一本角ドスケルビ狩りに行った時のてめぇのあの格好。アレやっちまった後に、何を恐れることがあるってんだ。言ってみろ」
 
 あいのまえに たつかぎり
 おそれなし いたみなし
 おそれるものは なにもない
 完全逆上 オレがシメてやる
 
「……言ったね!? 兄さん(酔狂氏)にも言われたことなかったのに!」
 正直、今、哀の前に立つ気分だ。座ってるけど。
 反対側向けば、哀を背にして?
 背後に連なりしは落つる山脈、古の包容、朽ち果てた気高さ、腐乱小路と申したか?
 いや、アホなおつむ二歳児に、物覚えが悪いとか言われる筋合いはない。
 思い出してみよう。雪山へ幻獣キリンの討伐に行った時の私の格好は、フルフルSシリーズ剣士用一式だった。
 なんというか、あの『垂れ耳うさちゃん』だか『ベル付きひつじさん』みたいな格好に、激鎚オンスロート担いで行きましたとも。ええなにか。
80喰気よめ 8:2007/10/21(日) 00:48:09 ID:+yFhepGS
 
 ギラギラとガンの飛ばし合いをやらかす私達を華麗にスルーして、他の皆様方はキングターキーを切り分け取り分け、舌鼓を打ってらした。
 元々眉ピアスと私の喧嘩は日常茶飯事だっただけに、周りの放置っぷりも堂に入ったものだな。
 取っ組み合い等、手を出すことはしないだけ、この眉ピアスにも分別ってものは備わっているらしい。
「冷める前に食った方が良かないか? 冷めても旨そうだが」
 眉ピアスの向こうから、酔狂氏の穏やかな声が届く。はい、ごもっともです。
 睨み合っていた目を外し、茶碗を手に取る。私は豆ご飯を、隣のとは違い箸で食べ始めた。
 少し冷めてはいても問題なくおいしい。絶妙な塩加減に豆の甘味や香ばしさが引き立てられており、隣の大食漢ならずともおかわりしたくなる。
 食べてる時は静かな隣の男は、再び匙を動かしていた。
 
「ねぇ、緑髪」
 私の斜向かいに座るメガネ嬢が、実に真面目な顔をして言う。
「ザザミシリーズがダメでも、力投珠っていう装飾品があってさ。それを五つくらい付けられたら、多分どんな装備でも、投げるのに有利な効果出ると思うよ?」
 まだブーメランについて、真剣に考えてくれてたのか。「実力もないのに欲張んな、ボケ」で済む話なのに。
 フォークを小さくふりふり説明を続けるメガネ嬢は、私の中で「おもろい子」から「ええ子」に変わった。
「あとね、ブーメラン壊れ難くするには、ギルドガードスーツ紅シリーズとかで発揮される、『きまぐれ』なんか良いみたい」
 蒼の方なら揃えておりますが、あれでは役には立ちますまいか。
 
 視界の隅で、酔狂氏と眉ピアスが顔を向かい合わせ、何かやっている。
 あの動きは、「お前、米粒付いてんで」「どこーや、ないで?」「ちゃうて、逆やって。そうそう」といった感じとみた。
 あ、自分で取った飯粒を、そのまま指からねぶり取って食いやがった。
 そして黙々とキングターキーを腹に納め始めているが、なんだか作業的だ。食い飽きてきたとか?
 御嬢様はパキコリと漬物を食んでいる。なんの漬物だかは知らないけれど、豆ご飯との相性は如何に。
 堅物氏といえば、『フラヒヤミナベ【ドキドキョウソウ風味】』とやらを注文していた。
 あからさまにヤバめな名前だが、意外と彼もチャレンジャーだな。
「あとね、ネコの料理でたまに出る気まぐれスキルなるものがあるじゃないのさ。アレにもなんだか有効なものがあるみたい」
 お宅のネコが詳しいかもねと、メガネ嬢。うん、ありがとう。
 
 メガネ嬢が、両隣からネギも食べろとせっつかれる様子を、私は隣からのコリポリ音を耳にしながら眺めていた。
 軟骨って美味いかい、眉ピアス。鳥の骨は鋭く割れるから食べるなと、酔狂氏の釘刺しが入る。
 揚げた軟骨は美味いと思うが、オーブンか何かで焼いたっぽいコレの軟骨はどうなんだろう。
 食感は楽しいかも知れないと考えていると、唇の下、顎の辺りに何かが触れて、皮膚を少し引っ張って離れた。
 どうにも、私も顎に飯粒引っ付けていたらしい。
 隣の眉ピアスが取ってくれたようだが、そんなもん言ってくれたら自分で取るのに。
 とりあえず、礼は言っておくか。ヤツの方へ顔を向け、口を開きかけたところで、指先突っ込まれた。
 何すんだよ。つーかこの指、さっき貴様がねぶってた指だろ。
 出てけと舌で押してみたら、指は早々に口の中から退散した。米粒を残して。
 なんだか、実にやらしいことをやらされた気がする。気のせいかもしれないし、誰も見てなかったと思うんだが。
 隣の眉ピアスの面を窺えば、ニタリと笑いやがった。
 指嘗めさせたのも、間接ちゅーさせたのも、もしかしてわざとなのか。この野郎。
 アホのくせに要らん知恵だけつけて、実に怪しからん。
81喰気よめ 9:2007/10/21(日) 00:51:03 ID:+yFhepGS
 
 私が天を仰ぐ間に、酔狂氏が小さく声をあげた。
 なんぞやとそちらへ目をやれば、無表情に野菜(多分キングターキーの詰め物)を食む眉ピアスの横顔の向こう、義兄も私を見ていた。
 その表情は、なんと表したものか。情けなさそうだ。
 そんな顔で見られる覚えもなく、不思議に思っていると、酔狂氏が口を開いた。
「なあ、緑髪。尻尾を切るのがどうとかいう話だが」
 それでしたか。
「一番簡単な解決方法を忘れてるのは、俺の気のせいか。それとも意図的に外したのか?」
 後者だと言ってくれと、言外の響きが込められているのは、ありありとわかる。
 だが断る、じゃなくて。正直、それが何なのか思い出せない。
「残念ながら気のせいでは無いよ、酔狂氏。その解決法とやらをご教示願えると、非常に有り難いのだけれど」
 この場でスルッと答えが出せるようなら、何もわざわざメガネ嬢や堅物氏にまで、自分の技量の無さを知らしめるような話にもっていくわけもない。
 酔狂氏の視線に少しの呆れの色が混じるが、それ以上にその目は温かい。
 やんちゃしていた幼少時によく向けられたようなこの目は、いい歳の身にはかなり恥ずかしいというか、居たたまれないというか。
 
 私達の向かい。嫌々、半ば涙目でネギ一片を咀嚼中のメガネ嬢が、震える小動物的雰囲気を強めつつも、左右から熱く応援されている様子がチラリと目に入る。
 その左右の二人の表情が、妙に生き生きしているというか、嬉しそうなのは気付いてはいけなかったことだろうか。
 真面目な性格に思える二人だが、あれで案外、可愛いモノはいじめたい人達なのかもしれない。
 そんなように見えてしまう、私の心は汚れているのだろうか。
 そう思うと、心にすきま風が吹くようだ。
 
 視線を泳がせた私へ、苦笑を浮かべた酔狂氏は、少し考えるそぶりを見せた。
 そして、隣の眉ピアスへと、目を移す。
「眉ピアス、考えてみてくれるか」
 急に話題を振られ、一瞬咀嚼の動きを止めた眉ピアスだが、数回瞬いた後に無言で頷き、また口を動かし始めた。
「例えばの話だが、クエストボードに貼り付けられた依頼書を読んでいて、読めない言葉混じりの物があったとしよう。その内容を知りたいならどうする?」
 私も人のことは言えたもんではないが、眉ピアスの読み書きは、まだまだ拙い。
 田舎なら識字率壊滅的という地方もあるからに、そう恥じるような事でもないけれど。
 ハンターをやっていくには、少しばかり困る事態もあろう。
 
 向かいの堅物氏の前に『フラヒヤミナベ【ドキドキョウソウ風味】』が置かれた。
 小さな土鍋の中、黒緑っぽい汁が湯気を立てている様は、どう好意的に見たって食い物ではない。
 別段悪臭がしないという事実が嘘に思えてしまう。
 
 暫しの間があって、眉ピアスはよく噛んだらしい食物を飲み込み、低い声で答えた。
「その言葉のつづりを憶えて、自分で調べろっつわれるが。面倒くせぇから、無視すっか、それか誰かにきくんじゃねぇか」
 その答えに、良くできましたとばかりに酔狂氏は頷いた。
 無視よりは、きいてくれた方がいいけどと、呟いた後、酔狂氏は私へ視線を戻す。
「つまりはな、自分の力が足りないならそれを補おうと努力するのも大事だが。多少は他人に頼るのもありだろう、緑髪」
 目からウロコとはこの事か。
 思い起こせば、ガンナーであるこの義兄に連れられ、剣を得物としていた頃の私は、何度となく飛竜の尻尾を切ってきた。
 それは私を鍛えるためでもあったろうが、まだブーメランの出回る前、ガンナーに出来ない尻尾切りを私に任せていたとも言える。
 
 ネギの口直しにと、メガネ嬢が炎熟マンゴーのグラタン(チーズグラタンでなく、カスタードグラタンだそうで)を注文していた。
 それが持ってこられた暁には、『フラヒヤミナベ』との凄い対比が見られそうだ。
 しかし今更ながら、ここのメニューは無法地帯過ぎやしないか。
82喰気よめ 10:2007/10/21(日) 00:53:28 ID:+yFhepGS
 
 上級の狩猟・討伐依頼を一人で請ける事などまず無いし、複数人数で行けば切断可能武器持ちも一人くらいは居る、かもしれない。
 しかしながら、他力本願というのも多少気が引ける。
 故に私は酔狂氏へと言葉を返す。
「それは、誰かに甘えることになると思うんだけど」
 だいたい自分で切断可能武器が扱えないというならともかく、鎚や狩猟笛に拘るのは、ただの趣味だ。
 解決法を教えて貰っておいてごねる私に、酔狂氏が妙に優しげな笑みを浮かべた。
「甘えていい相手ってモノもいる。例えば俺とか」
 ……この。
 間に眉ピアスが居なければ、照れ隠しに酔狂氏をはたいてしまっていたところだ。
 
 レンゲでもって黒緑の汁をかき混ぜていた堅物氏はそれをすくい、口へと流し込んだ。
 普段やや細めな彼の目が、クワリと見開かれた。
 ……予想を裏切らず、壊滅的に不味いのかもしれん。
 咀嚼と嚥下。それを済ませた堅物氏は、一声あげた。
「思考が疾走する」
 君に何が起こっているんだ、若人よ。
 首をひねりながら、堅物氏はもうひとすくい、口に運ぶ。
 レンゲの上に具がちらほら見えたからに、多分リゾットっぽい物なんだろうな。
 今度は「柔らか地引き網味シーフードサラダ」とか呟いている。
「なんとも言い難いが、すごいぞ、これ。マカライト鉱石の三歩先を行く味って言えばいいか? 恐ろしい程の疲労感を食ってる気分なのに、それでも不快でない。むしろ癖になりそうなまさたう」
 違う意味でマズいこと言ってないかい。
 くれくれと伸ばされたメガネ嬢の小さな手に、堅物氏はレンゲを譲り渡した。
 果たして恐怖は倍増され、増殖するのか。
 
 私が好意に甘えた場合、酔狂氏が尻尾を切るのだろうか。
 ブーメランを投げるのか、はたまた弓の矢でのぶったぎりなんて無茶をやらかすというのか。
 各種の武器は一応使ってみたことがあるそうだけれど、私の我が儘のために剣士をやらせるかもしれない、というのもどうなんだ。
 口にすべき言葉を探して、目を泳がせていると、酔狂氏の笑みが人の悪いものに変じた。
「だから可愛い妹へ、俺から特殊なブーメランをやろう」
 なんと私にブーメランとな。
 呆気にとられたような顔をしているはずの私の耳に、酔狂氏の言葉は淀みなく届く。
「ただのブーメランだと思うなよ。投げても多分壊れない。勝手に標的に当たってくれる。その上、ちゃんとお前んトコに戻る。ちょいとばっかり燃費は悪くて音がうるさいが、意外に便利だ」
 投擲武器の燃費って何。
 ……けど何か、聞き覚えのある性能だな。
「取っておきたいとっておきだ、大事に使え」
 言いながら、酔狂氏は眉ピアスの肩に手を置き、私の方へ押しやった。
 
 黒緑の色合いは、湖の浜で拾った黒真珠を思い出させなくもなかったが、あれよりもっと底知れない。
 そんな汁を口に含んだ瞬間に、メガネ嬢の目が据わった。
「メガネ嬢……?」
 恐る恐る御嬢様がかけた声に隠れ、メガネ嬢の喉がコクリと鳴った。
 レンゲを放した手をゆらと立て、それをくるくると回しながら、メガネ嬢は下唇を舐める。
「前人未踏の空前絶後。天下無双の針小棒大」
 彼女の声は、艶やかで熱っぽいのにどこか清々しかった。何言ってるんだかわからんが。
 毒かい、あの雑炊もどき。
 伊達眼鏡を押し上げ、メガネ嬢は堅物氏の方へ顔を向け言う。
「確かにすんごいね。みなぎり煮たぎり、ぐるぐらするさ。てっきりどこかの隠れ里にレシピが伝わるという、黒い龍の髭入りスープかとか思っちゃう」
「飯屋でそんなもん出ねぇよ。麦だのイカスミだの骨タコだのを突っ込むのは良いにして、店で出す料理にドキドキノコってどうなんだろうな?」
 ある意味毒じゃないか。
 黒はイカスミ、緑はドキドキノコ由来なのだろう。名前的に、強走エキスも入ってそうだ。
 やたらにツヤツヤとした笑顔のまま、メガネ嬢は唱い上げる。
「詩をたたえよ 詩は幸いなり。いざ幸いの地へ」
 キテますキテます。
83喰気よめ 11:2007/10/21(日) 00:56:31 ID:+yFhepGS
 
 この間、酔狂氏と御嬢様は真剣な表情で何事かを小声で語り合っていた。
 唇の端から菜の緑色をはみ出させたまま、眉ピアスが彼の左右に座る私達の顔を交互に見た。
 その様子は、周りを窺うランポスに似ている。
 眉ピアスがちらと茶碗に目をやり、無表情な面のまま首を傾ける。密かに奥歯を擦り合わせる音がした。
 おかわり頼みたいけど、おひつに近い酔狂氏が取り込み中だから、どうしたもんかと考えているようだ。
 顔は無表情なのに、コイツの表情は顔以外のところで豊かだったりする。今見えない部位だってのが残念だ。
 そう観察しているうちに、向こうの二人の会話は決着がついたらしい。
 酔狂氏に指差され、眉ピアスの人相悪い顔はこちらを向いたままになった。
 するりと菜が唇の内に引っ込み、眉ピアスは再び口をもぐつかせた。
 
 私の向かいでは、メガネ嬢が絶好調に言葉を幾つも連ねており、ややくったりした堅物氏がそれを黙って眺めていた。
「……小百合の弓弦は湯壺に揺らぎ、夕陽譲らうかの行く手。ゆなゆな指の由々しさを許(ゆる)……ってか。ところでね、堅物氏」
 言葉に意味があるのか知れないが、堅物氏は頷いてる。
 あれはきっと「どーでもいい」状態だ。
 メガネ嬢は堅物氏の片手をとり、頬擦りしながらうっとりと呟いた。
「僕と、や ら な イ カ」
 公衆の面前で不穏な響きを出すもんだ。けれど、メガネ嬢には珍しくもなく思えてしまう。
 ただ、品のない冗談が苦手な御嬢様が居る場でとなると、彼女のこういった発言はかなり珍しい。
 そんな言葉を告げられた堅物氏は、一瞬顔をしかめて即切り返した。
「何をかは知らんが、色々とそれはイカがなもんかと」
 物がイカスミ入りだからその答えなのか、堅物氏。
 
 眉ピアスは菜っ葉を飲み込み、口を開いた。
「で、俺に何やれっつぅんだよ」
 ヤツは便利なアイテム扱いされている事を、判っているのかいないのか。
 そもそもこいつと私では、投げられるのは私の方だ。
 嫌がらせ半分に、大剣に引っ掛けられて、放られた事が何度となくあった。いや、それは関係なイカ。
「ハンターの仕事を一緒にやればいいだけだ。緑髪を手伝ってやってくれ」
 言い含める酔狂氏の声は、冗談めかして本気をはらむ。
 そういえばこの人、いつからか眉ピアスを色々と焚き付けてたらしいが、その魂胆が今読めた。
「一緒にか」
 わずかに目を細める眉ピアスへ、「そう、ずっと一緒に」と重ねる酔狂氏は、思いっきり人の悪い笑みというものが貼り付いている。
 企む三十路男、その実態は遣り手婆か。
「……保護対象二人を一まとめで自立させて、身軽になろうって腹積もりと見た」
「大当たり。正解者にはこの眉ピアスをプレゼント」
 うん、確かにその男を拾ったのは酔狂氏だけど、物扱いは止してやろうよ。
 
 堅物氏の手に頬を寄せたまま、ふつふつと笑うメガネ嬢の横から、ついと御嬢様が身を伸ばす。
「お話中失礼……」
 いつもならここで、堅物氏の表情にやや硬さが出て、内心の「おのれー」という声が聞こえそうな雰囲気になるものだが。
 今回の彼はむしろ、ほっとしたような顔をしている。御嬢様がランスの使い手なだけに、ナイス横槍といったところだ。
「いや、話ってほどのこともなかった。何か用でも?」
 解放されない手を諦めたか、堅物氏はレンゲを持つでもなく、テーブルの縁を指でトントン叩いている。
「ああ、実は他でもない。その黒緑の鍋、か……? 私にも一口くれまイカ」
 まさかのイカ連携発動に、私は少し噴き出しかけた。
84喰気よめ 12:2007/10/21(日) 00:59:13 ID:+yFhepGS
 
 慌てて渋面を作り直したが、間に合ったのかの自信はない。
 そんな私に向けて、酔狂氏の売り込みは続けられる。
「おまいも不満はなかろう。これで結構切れる男だぞ、眉ピアスは」
「むしろ結構キレてる男じゃないか。眉ピアスが切断武器大好きだって言うのは知ってるけども」
「打撃武器と切断武器なら相性抜群だが。嫌なのか?」
「嫌なのか?」
 酔狂氏の言葉尻を繰り返す眉ピアスは、細めたままの目で私をじとりと見詰めた。
 その向こうでニヤニヤテカテカしている酔狂氏が、ほんの少し恨めしい。
「まさか。嫌でないさ」
「ならいいだろう。俺は別に嫌じゃねぇ」
 便利なブーメラン自身がそう言うなら、断る理由もない。
 本人同士が嫌でないのだから、甘えさせてもらうとするか。微妙に、こっぱずかしいのがなんだが。
 私はため息の後、「なら頼む」と呟いた。
 ブーメランを てにいれた?
 
 実のところ、あんまり仲の宜しくない堅物氏と御嬢様は、実に珍しく、暫く見詰め合っていた。
 そして、やや姿勢を正した堅物氏の「ご武運を」という言葉と共に、かの土鍋は御嬢様の前へと送られた。
「有難う。……骨は拾ってやってくださいまし」
 花のように微笑む御嬢様が言う。
 (一応)食品を前に発される冗談にして物騒極まりない言葉と微笑みは、酔狂氏に向けられたもののようだ。
 私は知っていた。ハンターになるような人間は、ワケ有り、宿無し、ろくでなし、粋狂者のどれかに当てはまると。
 御嬢様の場合、ワケ有りのパターンだと思っていた。しかし考えてみれば、必ずしもただ一つにしか当てはまらない、というワケでもない。
 彼女はワケ有りにして、酔狂者でもあったらしい。
 かくて凝(こご)る腐泥色の汁への挑戦者がここに、また一人。
 レンゲを用いてなお、スウプはひらりと飲めるもの。その事実を私は初めて見知ったと告白しておこう。
 
「漁業ノー・マージンを拿捕(だほ)すため 錨で身を寄越せ」
 よく判らないけれど、ともかく強そうな言葉が、御嬢様の唇から滑り出すのは、実に不思議なものだった。
 御嬢様ですら、『キテますキテます』状態に追い込むフラヒヤミナベ、恐るべし。
「不味いトロロは 夜冷ます……もとい、妙な高揚感を覚えます。金火竜であろうと金獅子であろうとキリンですらも、恐るるに足らぬと吐きそうなほどに」
 長い睫毛に縁取られた目を瞬かせ、軽く眉をひそめた彼女は、今のところの具合は悪くなさそうだ。
 その彼女の言に真っ先に反応したのは、意外な人物であった。
「金(キン) 金(キン) キリン 騎士として はずかしくないのか」
 低い声で平坦にぬかした男は隣の眉ピアス。
 自分で発した言葉の意味をわかっているのか怪しいもので、顔にも声にも険はない。
 またそんな台詞、どこで憶えてくるんだ。
「金だ。キンではないぞ、カネだぞ」
 眉ピアスの向こう側から一応のつっこみが入ったので、私は受け流しに徹しておく。
 何か言わんとしたメガネ嬢は、堅物氏の片手に言葉を封じられ、小さく身をよじっている。
 眉ピアスがそうだっけと言わんばかりに小首を傾げるのを、御嬢様の青い目が真っ直ぐに捉えた。
「私は騎士の出のはずだ」
 
 どこぞの貴族のご子息がハンターの真似事をするのとは違い、御嬢様はハンターが本業である。
 家出したとかそんな事情でなく、彼女の家はもうない。
「生まれはそうでも、私は騎士ではない。成ることもできないだろうな」
 御嬢様の顔には陰も険もなく、ただの事実をはっきり口にする。
 少し口調が硬いのは、単純に彼女が男性を苦手とするからだろう。
「それはそれと。まみえた事もない怪物共を『恐るに足りぬ』と言い切るのは、些か虚勢が過ぎたかもしれない。確かにそれは恥ずかしい」
 自嘲気味に笑う御嬢様の視線を受けて、眉ピアスは傾けっぱなしだった首をもう一段階傾けた。
「そうか?」
「ええ。そう、です」
 口調を柔らかにと努めたらしき御嬢様が、應揚に頷いてみせた。
 その隣、堅物氏の手より解放されたメガネ嬢は、小動物そのものの仕草で、ぶるりと身震いする。
85喰気よめ 13:2007/10/21(日) 01:00:35 ID:+yFhepGS
 
 首の角度を戻した眉ピアスは、再度口を開く。
「ところで、その黒っぽいのは美味いのか?」
 件のブツを口にした三人の視線が土鍋に集まり、次の瞬間には顔を見合わせた。
「美味い不味いとは別次元の味だな」
「筆舌に尽くしがたいね」
「強いて言えば、普通です」
 あれらの反応は、どう見ても普通の味のなせるわざではなかったような。
 こちらに座る三人は、首をひねるばかりだ。
 そんな中、眉ピアスの思考がそこに行き着くのは無理も無かった。
「百聞は一見にしかず、だっけか。俺もソレ食ってみてぇが、いいか?」
 眉ピアスが堅物氏にそう尋ねる。勝手に食べたりしないあたり、いい子に育ったもんだ。
 堅物氏の承諾を得て、いそいそと小さな土鍋を引き寄せる眉ピアスだが、その腕を掴む者がいた。
「嬉しげなのを止めるのはなんかあれだが、しかし待て。そして聴け」
 真剣な声で眉ピアスを制止したのは、酔狂氏だった。
 怪訝な顔をする眉ピアスと私に対し、彼は「近う寄れ」と手招く。
 何故私もかという疑問はすぐに解けた。
 
 巨漢が一人と大女が一人と、中背中肉が一人。雁首揃えて内緒話を開始する光景は、端から見れば結構奇妙かもしれない。
「先に緑髪に言っとくか。近頃噂のドキドキノコの効果について、知ってるな?」
 なるほど、確かにあれは、眉ピアスにはどう出るかわからない。
 頷いてみせると、酔狂氏は私に、眉ピアスの説得を手伝えと言う。是非に協力させてもらおうじゃないか。
 話が見えずに少し苛立ってきたのか、眉ピアスは薄い唇からギザついた歯をのぞかせながらクルクルと、うなっている。
 カエルか何かみたいな音出しやがって。
「お前はアレは食べるな。何の問題もないかもしれんが、安全の保証はできん」
 誰の安全をとは言わないが、結局はやっぱり眉ピアスの命に関わる事態も想定できる。
 それだけに、酔狂氏は常の穏やかさを引っ込めて、やや厳しめに言葉を放った。
「あっちの三人は食ってて、大してヤバげじゃねぇだろが。俺はダメってのはどーいうこった」
 半眼にもなろう。そう、言いたくもなるのも理解はできる。こっちだって、意地悪で止めようとするわけでないがな。
 
 背後より眉ピアスに身を寄せ、その頭の上に顎を乗せてみた。抵抗されないうちに、ヤツの顎下に腕を回し、その腕をもう片方の腕で後ろに軽く引く。
 体のひやっこさは、いつもどおりだな。
 あくまで緩く眉ピアスを拘束し、急角度に吊り上がる眉の端に触れて囁いた。
「普通なら耳たぶに付けるピアスを、こんな位置に付ける必要があった根本原因。忘れたワケじゃないだろう」
 唇ピアスにしようかって話は、ピアス穴からスープ類がこぼれるから却下、だったんだっけな。
 この拘束は、物理的にはちっとも効果がない。しかし眉ピアスに対しての人質を取っているというか、そんな状態だ。
「先に言っておくけれど、暴れてはいけないよ。この状態の私は、君によって容易く危険に晒される。」
 なんの予備知識もなく、この男の背面に密着するのは、冗談抜きで危険だったりする。
 俺の背後に立つなとか、そういう問題でなく。
86喰気よめ 14:2007/10/21(日) 01:02:22 ID:+yFhepGS
 
 きゅぅーる
 大人しくしている眉ピアスと目の高さを合わせ、酔狂氏は少し困ったような笑みを浮かべた。
「お前だけダメなワケはお前の特別っぷりのせいだって、理解して貰えたか? まあ一人仲間外れってのもなんだから、緑髪も食べるの止めておこうか」
 何です酔狂氏ったら、その巻き添え案は。
 ザ・とばっちりですって?
 きーぅ
 酔狂氏の目線が、私の顔とその顎下に拘束される眉ピアスの顔とを、交互に移る。
「無表情が縦に並ぶってのも、変な威圧感があるな。いや、緑髪、睨むの止せ」
 まあいやだお兄様、見てるだけですよ。睨むだなんて、人聞きの悪い。
 ぃゅるる
 他人様に聞こえないよう、内緒話にしてるけど。
「頼むからヘソ曲げんでくれ。……糧の行く末と、お前とソイツの関係ってモノを考慮して、念のため、だ」
 例えるなら、生肉に毒テングダケを混ぜ込むように、私があの黒緑汁を飲んだ状態で。
 きゅぅーる
 一応、恋人みたいなモノであるこの目付きの悪い男と口付けたりして、うっかり黒緑汁の効果が出てしまって大惨事。
 ……なんてことも有り得ると。下手すれば口付けでなく、アンナコトとかソンナコトでも起こりかねない。
 きーぅ
「うん。命や平穏を秤にかけてまで、満たしたい好奇心でもない。承服しよう」
 私はため息を吐き、少しだけ腕に込める力を強めた。
 ぃゅるる……
「ところでさっきから『きゅー』『きゅるる』だの、うるさいぞ眉ピアス」
「あぁ?」
 機嫌良いと、変な音出すことが稀によくあるんだよ、この眉ピアスって生き物は。
 
 ギリギリとやや耳障りな音が、体伝いに響く。
 顎下の男の歯ぎしりだが、機嫌が悪い時以外に考え事の時にも発されるんだから、少しばっかり紛らわしい。
「つまるところ、俺があん汁飲むと、どうなるって思ってる?」
 そう言えば、そこの予想を言ってなかった。
 事実ではないとは思うが、ドキドキノコの噂が本当だとしたら、先程の三人とは違った身体的変化があるだろう。
 酔狂氏は砂色の目を瞬き、予想を述べた。
「多分だが、お前の大事なアレが、もげるか引っ込む」
 ああ、うん。よく聞くパターンでは、きっとそうだね。
 眉ピアスが生唾を飲むのがわかる。
「アレって、もしかしてアレかよ……」
 明らかな動揺の色が、その低い声に含まれていた。
「そう、アレさ。君がよく私に擦り付ける、私を傷つけんばかりに凶悪でお綺麗な、アレだとも。それがもげるか引っ込んで、全然別な肉色のモノが生えるかもしれない」
「お前の、敏感で触られるのを嫌がるアレだ。生えくるモノは、あまり美しくなくて、しわくちゃかもしれない」
「君が密かに自慢に思ってるらしき、まあ私も結構お気に入りの、ご立派なアレだ。アレがアレでなくたって、私が君を嫌いになるわけでもないよ」
 腕の中の体が、一瞬震えた。
「予想される効果の内、それが一番有りそうな線だが、眉ピアスはアレなしの人生じゃ悲観的になりそうだと思うが。どうだ?」
 こくりと眉ピアスが頷くのに合わせ、ほんの少し私の視界も上下する。
 かくて眉ピアスと私は、フラヒヤミナベを賞味することを諦めた。
 説得というか、脅迫タイムだったが、判って貰えたようでなによりだ。
 ゲテモノ料理くらいで大袈裟なと、思われるかもしれない。
 コイツの場合、まさかの事態を引き起こす前例持ちだから、私はあんまり楽観的にはなれない。
 ちなみに、この場合の『アレ』とは卑猥なものだったりはしない。悪しからず。
87喰気よめ 15:2007/10/21(日) 01:03:49 ID:+yFhepGS
 
 家族会議を終え、元どおり横並びに座り直した私達を、向かいの二人……いや、三人は生暖かい視線で迎えた。
 一瞬二人に見間違えたのは、メガネ嬢がその席を、堅物氏の膝上だかに移動していたからだ。
 いつの間にやら来ていた炎熟マンゴーグラタンをつつきながら、家族会議の様子を見守っていた彼女らは、感想らしきものを三者三様聞かせてくれた。
「いじられ担当が居るのは、そっちも同じか」
「人前でイチャイチャとは珍しいね」
「食べて、何か良くないものなのでしょうか。先程のあれは」
 あちらのいじられ担当はメガネ嬢だろうな。涙目になってたのに、ネギ食べさせられたし。
 それはそうと、イチャイチャしてたか? 膝抱っこ中の人に言われることか?
 御嬢様の問いには、酔狂氏が答えた。
「全身これ凶器の塊な眉ピアスが、万一錯乱でも起こそうもんなら、止める自信が有りませんよって」
 酷い言い様だけれど、一部本音混じりなせいか、変に説得力あるな。御嬢様は一応納得したようだ。
 少し前までの眉ピアスは、全身これ狂気の塊に見える者だった。そのうち寝首かいてやらーって雰囲気を発していたものだ。
 現在の彼は狂気が突き抜けたのか、はたまた更に変質したのか、ある意味偏執しているか。
 グラタンつつきに参加しているヤツには、狂気のきの字も見い出せず、どうみてもただの甘いもの好き強面。
 彼が狩猟の仕事にも、おやつ持参で来てるアホだと気付いたのは、わりと最近のことだ。
 
「異常なコーヒー煮 迫力の完成度」
 声と発音が良いという前提条件があれば、そんな謎発言でさえ不思議にありがたい言葉に聞こえるんだから、恐ろしいものだ。
 私や眉ピアスには件の黒緑汁賞味を禁じておいて、酔狂氏は召し上がりましたよ。フラヒヤミナベ。
 たまに思うに。
 メガネ嬢がよくやるような『キテますキテます』発言を、真面目な顔した酔狂氏がええ声でのたまえば、宗教の一つでもぶち上げられるんじゃなかろうか。
「その、飛び出すトンでる発言は何なのか、説明を求めてもよろしいか」
 食べてみれば判ると思って、御嬢様までにはきかなかったけれど、気になってしょうがない。
 かの好奇心に従った巨漢は、暫しの沈黙の後に言った。
「猫飯食べた後に、思わずこう、力を誇示するようなポーズをとってしまうことがあるだろう」
 ……ほう。って、お嬢さん二方が「言い得て妙なり」って顔して手を打ってる。
 あのポーズとってるんですか、あなた方も。
「あれみたいなもんか。いや、ちょっと違うかもしれん。でも反射的というか、味がどうこうでなく、言葉が口から滑り出る感じだ」
 出たのが恥ずかしい言葉でなくて、何よりですね。
 ようやく堅物氏の前に戻された土鍋は、湯気の一つもあげなくなっていたけれど、残りどうするんだろう。
 一口食べる度に変な言葉が飛び出るんじゃ、大変そうだ。
 
 結局のところ件のものは、どうしたか。止せばいいのに堅物氏が完食を果たしたのだ。
 食材を無駄にしない根性もここまでこれば、貧乏性の枠を越えている。
 膝上をメガネ嬢に占拠されたまま、「せつなさみだれうち」などともらす彼は、少しばかり輝いて見えた。
 そう、霞龍の角程度には。
 
 御馳走様ムードが漂う中、茶をすする人あり、米酒を呑む人あり、ツマミの干しイカしがむヤツあり。
 この面子で酒を呑まず呑めないのは眉ピアスのみ。強くないのが堅物氏、強いのは酔狂氏と私とメガネ嬢、多分底無しが御嬢様。
 現在呑んでいるのは、お嬢さん方と巨漢だけだ。
 お嬢さん二人は、酒の芳醇さ旨さを語り合いながら、やんわり拒否する堅物氏へ熱心に酒を勧めていた。
 あからさまに面白がっているからに、あれもある意味絡み酒かもしれない。
 堅物氏は頭痛を堪えるような顔で、「帰っていいか?」とぼやく。
 苦労性の気のある彼の毛を案じ、私は助け船を出すことにした。
「あまり遅くなると物騒だから、そろそろ帰っては如何かな、お嬢さん方」
 お嬢さん二方は首を傾げてまばたき一つ、顔を見合せ、うふふと笑う。
 それは見事なシンメトリー。二人は四年強の付き合いだと言うけれど、仲のいい姉妹のようにも見える。
88喰気よめ 16:2007/10/21(日) 01:05:14 ID:+yFhepGS
 
 
 手を振り去るお嬢さん方の後ろを、(失礼ながら)辛気臭い背中がくらりとついていく。
 同居するお二方を送るは堅物氏、妙に疲れはてたその後ろ姿が哀愁を誘う。
 助け船にはならなかった。力及ばず申し訳ないと、どこか煤けた背中にこっそり謝罪の意を示す。
 彼女らの後ろ姿が闇に紛れ見えなくなるまで見送り、振り替えってみれば、眉ピアスが一匹立っているだけだった。
 見逃しようもなく大きな私のお兄様は何処へ。支払い済ましておくとか言っていたのは記憶にあるが。
 土産持たせて貰ったとかで、微妙に機嫌の良さげな眉ピアスに尋ねてみたところ、ヤツは答えた。
「えとな。『どーせ今夜はうち泊まってギシアンだろ。そんなモン聞かされんのも癪だから、ちょっくら遊びに行ってくる』……だとよ」
 暫し、絶句した。
 ギシアンて。また変な言葉をコイツに吹き込んでくれるな、あの人は。
 有り体に言えば、そういうつもりもなきにしもあらずだが、『どーせ』と思われると、予想を裏切ってみたくなるでないか。
 特殊なブーメラン譲渡にしろ、『お兄様、家を空けて夜の街に遊びに行く』にしろ、お膳立てが整い過ぎだろう。
 こういうのは、なんと表したものか。
 悶々と思案に沈み出した私の袖を、ヤツがついついと引っ張る。
 他人との接触嫌いだったくせに、気安く触ってくるようになりやがって。
「帰らねぇのかよ?」
 夜風も少し冷たくなってきた。道端に突っ立ってたって、なんら良いことは有りはしない。
「帰るとも。なんなら手でも繋ごうか?」
 半ば自棄で、右手を突き出しながら言ってみた。
 ヤツは少し無表情に黙り込んだ後、じわりとした笑みを浮かべる。微妙にやらしげなその笑みはなんだよ。
 尋ねる間もなく、手を取られ、その甲にひやっこいものが押し当てられた。
 するりとヤツの髪が、ヤツの面の横を流れ落ちるのを見ながら、絵になるもんだとぼんやり思った。
 さて、手の甲に口付けるなんざ誰が仕込んだのか。考えるまでもない。
 私が何度かやらかしたのの真似だろう。
 
 見た目いい歳した大人が二人、指を絡ませる繋ぎ方で手を繋ぎ、夜道を歩く。
 体温低めのヤツの手は、店を出る前からずっと指ぬき手袋に覆われたままで、人前でこれが取られることはない。
 何故なら、コイツの指の間には小さいながら水掻きが付いていて、手袋でそれを隠しているから。
 腕の側面、髪に隠れた後頭部、うなじや背筋や後ろ腰、布が押さえた耳の位置、コイツには各所にヒレがある。
 容易く人を昏倒させる毒を持つ鋭い刺を備えていながらに、それは綺麗なヒレなのだ。
 そんな物が生えてるコイツはヒトデナシ。本性はカエル大好き水竜・ガノトトス。
 竜に生まれたこの男が、何を血迷ったか私の一部に執着を持ち、それが元でヒトの身に変じたのが二年ほど前のこと。
 どうやってヒトになったかは、本人にすらわからないようだ。
 そんなワケわからん変異を遂げた男に、モンスターをヒトに化けさせるなんて噂のあるドキドキノコを食わせるのは、冒険が過ぎる。
 もしもそれが、ヤツを竜の身に戻してしまったりしたら。
 街中に突如出現した水竜の巨体は多くの人を圧し潰し、人を害した化け物として問答無用で討伐されてしまうだろう。
 そうでなく、ただコイツを完璧なヒトに変じる効果が出たとしたら、この男のヒレ耳が引っ込み、普通の耳たぶが生えてくるのかもしれない。
 それはそれで、少しナルシスト気味に自分のヒレを愛するこの男は、ひどく落胆するはずだ。
 何の効果も現れない可能性もあるけれど、起こって楽しい効果が想像しがたかったのだ。
 ヒトになったコイツを拾った酔狂氏は勿論、私もコイツを失いたくはないと思っている。
 何せ便利なブーメランだから、じゃなく。
 まあ、個人間の契約ってものがある。
 コレをやるからソレよこせ、といった感じので、眉ピアスの一生貰う代わりに私はヤツのもの、ということになっていた。
 口約束だから、この内面の幼い男がどこまで本気かは知らないが、本気でなかった場合は喰ってやる予定だ。
 年増の深情けを舐めるなよ。
89喰気よめ 17:2007/10/21(日) 01:06:48 ID:+yFhepGS
 
 ふと考えが逸れて、あることに気付いた。
 特殊なブーメランは特殊過ぎるもんだから、私の駐在する村での仕事には持って行けないじゃないか。
 独りで果たさなければならない依頼は、基本的にギルドで請ける上級の物ほどは危険でもないし、報酬として手に入る素材の質もそれなりだが。
 尻尾切断を自分一人でどうにかしなきゃいかんのは、動かしようのない事実としてそこにある。
 切断だけに、スパッと諦めようか。それとも。
「一つ、提案があるのだけれど」
 繋いだ手の持ち主は、「あんだ?」と応える。
 耳慣れた低い声はほんの少しだけ、不機嫌の色を滲ませていた。何故によ。
「君の忍耐を育む事には興味は無いかい?」
「あぁ?」
 不機嫌さが アップ!
 ……なんだか喧嘩を売ってるみたいな事、言った気がする。そういうつもりではないんだ。
 私は前言を訂正すべく、半眼になっている眉ピアスへ、急いで言葉を継ぎ足した。
「私に、ブーメランの投げ方を指導して欲しいと言おうとしたんだがね。思いっきり教え甲斐ないこと折り紙付きだから、かなりの忍耐を期待しなきゃいけなくて」
 眉ピアスはまばたき一つ、目の険を引っ込めた。
「……てっきりコトの最中早過ぎっから、もちっと堪えとけってのの遠回しな要求かと」
 開いた口が塞がらなかった。
 驚きの連射性能なの、気にしてたのか。さすがガノトトスの水ブレスとか思ったことが、ばれてたんだろうか。
 それ以前に、夜道で歩いてるのに何考えてんだよ。ナニか。
 早いのに関しては、私は別段気にしてないんだが。一度でも私が「あの人より……はやーい!」なんて、言った事があるか?
「そちらに関しては、まだ君も若くて不慣れだからってことにしよう。私もいい歳して凝らす技巧があるでもないが」
 何でも飲み込み早いってワケじゃないところに、却って安心しているくらいだ。
 話を戻そうか。
「それはそうと、ブーメランの投げ方指導は、お願いしてみてもいいのかな?」
 諦めたらそこで試合終了だと言うじゃないか。一応、下手なりに足掻いてみよう。
 眉ピアスは片眉の端を少し上げ、応と言った。
 
 今夜は薄ら寒いが、月は温かい。
 眉ピアスが居候している酔狂氏のうちに着く頃には、お膳立てを有り難く戴こうって気にならんでもなかった。
 アチラにも多少その気はある模様だ。
 誰も居ない家の戸を開けて、「タダイマー」と呟いた眉ピアスに「お帰りー」と返してみた。
 家族ごっこをやってみて思うに、私はこの元竜の子を生むことはできるんだろうかな。
 ヒトの形をしていて、ヒトとして交わる事も出来る眉ピアスだが、その種は私に根付くのか。
 いずれ試してみれば判る話だろう。
 私はまだ繋いだままの手を持ち上げ、その掌同士をひっぺがす。
 眉ピアスがたまに私に仕掛けるように、ヤツの掌に口付けた。
 手袋も剥いでやれば良かった。あのくすぐったさを味わわせてやろうと思ったのに。
 前回はうっかり眉ピアスの興が乗りすぎて、髪の毛束を噛み切られたが、コイツに噛み付かれかけるなんて、珍しくもない。
 喰うか喰われるかが、性的な意味であったりなかったり、いろんな覚悟を決めた上でコイツに手を出したからには、その辺の諦めはついている。
 便利な『ブーメラン』とはいえ、投げ出してなどやるものか。
 
 
*この後、ガノトトスはハンターが美味しくいただきました
―完(食)―
90珍味のひと:2007/10/21(日) 01:11:33 ID:+yFhepGS
投下終了。この話はこれで完結。
 
書いてる本人もブーメランは使えないが、巧い人はこくるーも倒せるそうで。
使いこなせたらきっと夢が広がるな、ブーメラン。
叫んで使ってみたいブーメラン。
ティアラも投げればブーメラン。
 
メインヒロインが、萌えとは逆のベクトルへ突っ走ってるのは仕様。
91名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:15:08 ID:TVro5AeZ
GJ。面白かったよ
しかし食前絶後にライダーにと小ネタが効いてるね

ブーメランで尻尾はムロフシャーにとって必須なんだが中々上手くいかなくて困る俺似非ムロフシ
92名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:18:35 ID:2PTtSXAl
リアルタイムキター!
そしてGJ!

クウガネタ吹いたわwwww
93名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:31:35 ID:EhNcaNyf
やはりあなたの文章は俺のツボによくハマる。面白かった。
こういう、アッサリしてるようで読み終わった後にじんわり感動してくるようなストーリーは大好きなんだ。

しかし散りばめられたネタの多さには恐れ入る。
ライダーに関してはは門外漢だからわからなかったが、ニヤリとさせられる文章が多くてよかった。
こういう文章を読むと、いい感じに創作意欲が刺激される。久々になにか書いてみようか……。

ともあれ、「ゴチソウサマデシタ」
94名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:58:16 ID:QZHa9OAU
>>90
相変わらず最高でしたw
フラヒヤミナベオソロシスwwww
95名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 02:37:32 ID:MiO1hn5N
ハート型のポーチ、キリンSとかフルフルSガンナーとかにもついてるよな
確かにあれは気になるディテールだ

いつもながら楽しかった。いいもの読ませてくれてありがとう!
96名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 04:20:08 ID:s30ywegD
『比較的淡泊な味だが食べ出すと止まらない。
しかも淡泊故に飽きが来ずいつまでも食べ続けていられる。』
珍味氏の文章を味に例えるならこんな感じか。
多分何十レス分投下されても一気に読めるだろう。

逆に、もし感情の起伏が激しいキャラ、感情表現豊かなキャラを
語り手にすることがあれば、もう少し短く区切ってほしいかも。
豊富過ぎる小ネタによって胸焼けを起こす気がするから。
97名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 05:13:08 ID:xhy4l8E2
相変わらず独特で読みやすい文体ですな。
なるほど、ガノスが尻尾を切ってきて、また緑髪の所に戻って来るという事か。これはまた新鮮なアイデアを用意してくれましたな。
GJ!!
98名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 06:49:56 ID:03zmdHpz
ノトス可愛いよノトス
おっかしいなぁ……俺ノーマルなのになぁ
99名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 13:41:32 ID:qDR5OSes
これは楽しい通販番組でしたね。GJ!
しかし、お義兄さんはいつになったら身を固めるんだろうか。そっちが非常に気になるwww
100名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 17:47:18 ID:1XbuPPqy
>>90
珍味センセお久しぶり&GJ!
いやもう、なんというかネタ多すぎて膨満感を感じるっすw
それでもおいしくいただけるのはセンセの腕なんだろうなぁ…

「たいへんおいしゅうございました」
101名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 18:10:59 ID:kIGdIYkp
GJ!
さすが珍味氏。淡々と、しかし感情豊かな文章に
wktkしっぱなしでした
何はともあれ、今回も「ご馳走様」でした
102名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 22:09:34 ID:SjeUq6Pc
ノトスの可愛いさは異常!
103名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 22:38:59 ID:ko8/XnLl
珍味先生の作品から

ノトスがドキドキノコに興味をもつ→食べてしまう→うぉっ!→
→ノトス女体化→酔狂氏に食べられるor緑髪さんと共食い

すいません。勝手な妄想をorz
104『クイーン』の人:2007/10/21(日) 22:43:34 ID:GoEqdMG+
ガブラ酒の人、珍味先生、乙でした。

前回の失敗へのお詫びに、超短編を書いてみたので、投下します。

『クイーンに首ったけ 番外編』 奥様はランゴスタ_ver.0.5


 我が君と結ばれた翌日、妾は我が君に連れられ、我が君の自宅のあるこの村へとやって来た。
 無事にマック殿を篭絡できた(まぁ、それと引き換えに妾自身も我が君の虜になったのじゃが)のはよいが、さて、これから如何すべきか……と思い悩む妾の手を引いて、我が君は村で一番大きな建物に入ったのじゃ。
 「こんちわ〜、村長いるっスか?」

 玄関から我が君が叫んだところ、肌に幾つも皺が刻まれてはいるが、まだまだかくしゃくとした壮年の竜人男性が姿を見せた。察するに、この男性がこの村の長なのじゃろう。

 「なんや、マック? そろそろ上位認定試験を受ける気ィになったんか?」

 僅かに西方なまりのまじった伝法な口調の村長殿の言葉に、苦笑する我が君。

 「ああっと、近々そのつもりだが……今日は違う」

 ポリポリと頭をかく我が君の様子を見て、村長殿は大げさに肩を落とした。

 「カーーッ、情けないのぅ。"近々"とか"もうじき"とか言うてるあいだは、いつまで経っても先へ進めんで。
 そんなヘタレやから、いつまでたっても"かたうでマック"は女に縁がない素人童貞のままなんやで」

 「大きなお世話だ! 素人童貞言うな! ……てか、なんでアンタまでそんなこと知ってるんだよ!?」

 ……? はて、"しろうとどうてい"とはどういう意味かのぅ。

 「情報屋から聞いたわぃ。もっとも聞くまでもなく、お主はそうじゃろうとワシはニラんでおったが」

 「shit! この村にゃあ、独身男性に対するプライバシーの尊重という言葉はないのか……」

 いまいましげに罵声を吐き捨てた我が君じゃったが、ふと手を握っている妾に気がついたのか、一転して明るい―見ようによっては邪笑とも呼べるような―表情を浮かべる。

 「ふっふっふっ……だが、その蔑称はもはや過去のものよ。俺はすでに一段大人の階段登って、シンデレラを手に入れたのだ!」

 「――何を恥ずかしいこと口走っとるねん」

 「やかましい!」

 自分でも妙にポエミーな台詞を言ってしまったという自覚はあったのか、ちょっと赤くなる我が君。うむ、らぶり〜じゃ!
 「やい、村長。今日は暇か? 暇だよな? てか、何が何でも暇にしろ」

 「あ、ああ、確かにこれと言った用はないが……一体何の騒ぎや?」

 ハイテンションな我が君の口調に押されてタジタジとなる村長。
 
 「こいつが、俺のヨメさんだ」

 妾は、グイと手を引かれ、村長殿の方に押し出された。
 そのご紹介は心弾みますが、我が君、少々痛いですぞえ。

 「話が見えんのやけど……」

 「ええぃ、それくらい察してくれよ。結婚式を頼むって言ってるんだ!!」

   *   *   *

 ……といった問答のおよそ1時間後。妾はいま村の民家の一室で着替えをしている最中じゃった。


 一応人の暮しを目にしたことはあるとはいえ、なにぶん"人間の女"として振る舞うのは、今日で2日目。正味24時間もたってはおらぬ。
 そんな状況でいきなり「結婚式をしよう」と言われても、正直妾も戸惑うばかりじゃ。
 ――断っておくが、夫婦になれること自体は、飛び上がりたいほどうれしいのじゃぞ?
 「末永く可愛がれ」とは申したものの、正直妾は我が君にとって愛人か、よくて恋人と言う位置づけじゃろうと思いこんでおったからのぅ。
 それが、プロポーズもなしに一足跳びに"結婚式"とは……。やはり我が君はどこか抜けておる。
 (そこがまた愛しいのじゃが)

 「んー、ドレスはこんな感じかな? ラミさん、どう思う?」

 「よろしいんじゃないでしょうか、シャルダさん。よくお似合いですよ、ランさん」

 そう、妾はいままさに目の前の女性ふたりの手で、花嫁衣裳の着付けをされておる最中なのじゃ。
 ここは女性のひとり、シャルダ殿のご自宅で、ドレスも彼女のものをお借りしておる。

 突然の我が君の申し出に、ひっくり返るほど村長殿は驚かれたものの、いざやると決まったら、できる限り迅速にコトを勧められるよう、村人達にもいろいろと協力を要請してくだされた。
 井戸端会議に興じていたこのお二方も、村長殿の頼みをふたつ返事で引き受けて、妾の支度を手伝ってくださることになったのじゃ。
 「それにしても、ウエストがコルセット使わなくても全然余裕で入るのね。流石はランゴスタ!」

 「羨ましいです。わたしなんか、娘を産んで以来、ちょっぴり太り気味で……」

 はて、そう言うものかのぅ?
 妾は着せていただいたドレスを見下ろす。
 密林で目にする女狩人たちの衣裳とはかけ離れた形状の白い服。ワンピースと言うヤツかの。
 最近たまに見かけた、己れのことを"僕"と呼ぶガンナーが、これと似たシルエットの装備を着ておったが、色は黒が主体じゃったしのぅ。

 「ああ、それは"プライベートフリル"―いわゆるメイド服ですね」

 「となると、あの娘のことね。彼氏ができたみたいだし、あの子も落ち着いてくれるといんだけど……」

 おお、あの黒服眼鏡嬢とはお知り合いであったか。世間は狭いものよ。
 物の本によれば、嫁と言うのは、年中無休かつ無給でこき使えるメイドさんのことらしいから、格好が似ているのもむべなるかな、と言う所かのぅ。

 「そ、それは斜めに見過ぎじゃあ……」

 「でも、否定はできないわね。もっとも、そこに愛情があるのが大きな違いだけど」

 ふむふむ。やはり既婚者のお言葉は参考になるのぅ。
 ……それにしても、お二方とも、妾が元は人間でないと知っても、特段驚かれぬのじゃな?

 「あら……」
 「だって……」
 「「ねぇ?」」

 顔を見合わせ、クスクス笑う、シャルダ殿とラミ殿。
 なぜじゃろう。
 おふたりはとても楽しそうなのに。
 おふたりともとてもご親切なのに。
 本能的に妾は背筋が震えるのを抑えきれなんだ。

 「まぁ、その辺の事情はおいおいお話しさせていただきますわ」

 ――後日、お二方が鋼龍と黒龍の化身じゃと聞かされて、さもありなんと納得するのじゃが、それはさておき。

 「さあさ、花嫁さんの準備はこれで大方終了。あとはお化粧だけど……」

 「ん〜、ランさんは目鼻立ちもハッキリしてるし、過剰なお化粧しなくていいんじゃないですか?」

 「じゃあ、軽くお白粉だけはたいて、口に紅を乗せるだけにしとこうか」

 「髪はこのままにする? ケルビテール風に結ったほうがよくない?」

   *   *   *
 結局、このあと小1時間にわたって、妾はお二方の手でいろいろいぢり回されることとなった。
 多分、彼女達なりに善意で世話を焼いて下さったのだと信じたい――ノリは等身大着せ替え人形だったとしても。

 正直、初めての盛装と初めての化粧に軽く気疲れもしたのじゃが、集会所の前で、パリッとした服装に着替えた我が君が目を丸くして、「見違えたよ」と言ってくださっただけで、そんな疲れもふっ飛ぶのじゃから、我ながら現金なものよ。

 「あ〜、さて、長ったらしいお説教なんぞは、誰も望んどらんやろうからカット。式の肝だけリキ入れるで。
 ――新郎マクドゥガルならびに新婦ラン。汝らは今より後、
 幸福な時も、幸福でない時も、富める時も、貧しい時も、病める時も、健やかなる時も、
 死がふたりを分かつまで、互いを愛し、慈しみ、変わらぬ想いを捧げることを誓うか?」

 「「誓います!」」

 この日、妾は、人は嬉しいときにも涙を流すものだと知ったのじゃ。

−FIN− 


以上です。前に言ってたのとは違うエピソード。奥様2はこれとは別に書く予定です。
いまさらですが、シャルダ(クシャルダオラ)とラミ(ミラボレアス)のSSの作者の方、
勝手にキャラをお借りしてすみませぬ。
109名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 23:21:48 ID:ko8/XnLl
>>1
教官殿!!
もう一度初代からのテキストを
うpしていただけないでしょうか!!??
110桃色さんの中の人:2007/10/21(日) 23:36:51 ID:tSD7Hkxb
>クイーンの中の人
GJ!いつも楽しみにしてます。ってかランさんかわいいよランさん(*´д`*)

自分もババコンガ娘ものを書きましたので投下します!
・・・だ、大丈夫。スカトロとかないっすから!!
あと、自分もクック先生を無断でお借りしております。申し訳ありません

あ、でもSS初心者なので表現等アドバイスいただけるとうれしいです。
日本語難しいよorz
111桃色さん:2007/10/21(日) 23:40:23 ID:tSD7Hkxb
クック装備で全身を固め、背中にスティールガンランスを背負った人影が密林をひた走っていた。
その風貌からハンターであることは一目瞭然ではあったが、地図を片手にターゲットを探す姿から
どうやら駆け出しのハンターであるようだ。
人影の主、リョウ・クエンはパッと見の印象からもわかるような初心者・・・
いや、初心者脱出したてのハンターだった。ハンターの師匠とも言うべきイャンクックをどうにか倒し、
必死の思いで揃えた装備でババコンガに挑む・・・はずがさっきから肝心のババコンガに会えぬまま時間だけが過ぎていた。

「・・・こんだけ探しても見つからないってどういうことだよ。」

ババコンガの行動パターンがわからない上に無意識のうちに刷り込まれたイャンクックの行動パターンを追ってしまい、
ニアミスをしているだけなのだが、本人にその自覚は全くなかった。

「・・・まさか、ガセの依頼なのか?(被害妄想」

しかし、そんなときほど見つかるものである。
あきらめムードでエリア3にたどり着いたリョウの目に飛び込んできたのは
普通のババコンガよりもかなり小さいババコンガだった。

「思っていたより小さい・・・これなら大丈夫だ」

小さかろうが大きかろうが依頼のターゲットに変わりはない。
新調した装備の防御力も高いし大丈夫だと高をくくるリョウは数分後激しく後悔することとなる。
112桃色さん:2007/10/21(日) 23:41:38 ID:tSD7Hkxb
リョウの戦い方は基本に忠実だった。相手の攻撃をガードで防ぎ、隙の少ないガード突きで着実にダメージを与えていく。
しかし、所詮は初心者に毛の生えた程度の実力であり、無駄も多かった。
スタミナが切れてガードがはじかれる、無理なタイミングでの竜撃砲、使いこなせていないステップetc・・・
さらに悪臭で度々回復アイテムが使えなくなることがリョウを焦らせた。

「あ、また悪臭かよ・・・ぐわ!」

本日2回目のネコタクのお世話になったリョウにもう後はない。
しかし、長期戦のおかげでリョウには段々とババコンガの動きが見えてきている。
相手の攻撃を確実にガードし、攻撃を重ねるリョウの勝利はまず間違いなかった。

「・・・!弱りだしたな」

ババコンガの動きには既に精彩がなく、今にも倒れそうになっていた。
制限時間も迫っている今はトドメをさせるか微妙だ。

「なら・・・これで!」

リョウはババコンガの連続フックをかわし、背後でシビレ罠をしかけた。
倒れたババコンガが罠にかかったことを確認して麻酔玉を投げる。
一つ目は当たり、二つ目の麻酔玉が当たったとき、周囲は緑色の煙に包まれた。


「麻酔玉とモドリ玉を間違えるなんて・・・」

ベースキャンプで見事な「orz」となるリョウ。周りの空気が若干ゆがんで見えるほど重い空気に包まれていた。

「時間は・・・無理か」

既に制限時間は迫っており、今からババコンガを探しても時間の無駄になるのは明白だった。

「帰ろう・・・帰って飲んで憂さを晴らそう」

何度目かのため息でようやく決心したリョウは帰る前に一休みしようと立ち上が・・・

ムニュ

ろうと砂浜を押したはずのリョウの手は砂浜からのありえない感触を感じ、思わずリョウは手を見た。
そこには桃色がかった髪をレイアレイヤーにした全裸の少女の胸が・・・って

「なんじゃこりゃーーーー」
113桃色さん:2007/10/21(日) 23:43:50 ID:tSD7Hkxb
「よいしょ・・・っと!」

密林で保護した謎の少女(仮:桃色さん)をベッドに寝かしてリョウが一息ついたのは日が暮れかけたころだった

「しっかし・・・ここのギルドはどうなってんだ」

リョウが密林から少女を抱えて帰ってくるとギルドの受付は手馴れた手つきで少女の服を用意し(ちゃっかり500z請求された)

『ギルドでは受け付けられない』

と言われてしまった。行方不明者かもしれないと食い下がっても『無理』の一言だった。
さらによくわからないのは周囲の連中が『どうした〜?モンスター逝かせずに女イカせちまったのか〜』
的なお約束のチンピラ雰囲気ではなく『あ〜またか』と若干の嫉妬が混じった顔でリョウを見てきたことだ。
リョウより少し後輩の片手剣ハンター(最近結婚した)にいたってはリョウの肩を叩いて

『がんばって』

と言ってきた。・・・なにを?取り敢えず話は聞かないといけないが、保護してくれるところがない・・
ともかく、そういう経緯で桃色さんはリョウのベッドで寝ているというわけだ。
ちなみにこの桃色さん、リョウが頑張っていた密林から運び、現在に至るまですやすやと眠っている。

「・・・落書きでもしたろか」

落ち込んでいる自分に肉体労働を強いた上、予定外の出費までしているというのに・・・
心地よい夢の中にいる桃色さんの顔を見ているとそんな愚痴の一つも言いたくなってしまう。
114桃色さん:2007/10/21(日) 23:44:58 ID:tSD7Hkxb
帰ってから3時間ほど経ったころようやくモゾモゾと桃色さんが動き始めた。

「おはよう、桃色さん」

「うぅ〜・・・ふぇ!?ここどこですか?」

うん。どうやら会話はできるらしい。異国から流れてきた・・・なんてことになると泣くところだ。

「俺の家。密林で倒れていた桃色さんを保護してくれるところがなくてな。まったくギルd(ry」

リョウがグッチグチと話している間、キョトンとした顔でリョウを見つめていた桃色さんだったが
いきなり思いついたように口を開いた。

「あの・・・桃色さんって私のことですか?」

「あんた以外に誰がいるんだよ」

「やだな〜あなただって桃いr・・・」

そこまで話して急に表情が凍りつく桃色さん。
ギギギ・・・と擬音が聞こえそうな動きで自分の体を見つめている。

「え!?なんで?毛皮、毛皮ない」

いきなり大声を出したかと思えば服を脱ぎ捨て、自分の体を見て驚いている桃色さん。
あ、アソコの毛も桃色なんだ・・・じゃなくて!

「ど、どうしたんだいきなり!」

さっきまで普通に話していた少女がいきなり目の前でスッポンポンになり、驚くリョウ(でもちゃっかり見てる)
と自分の体を見れば見るほどパニックの度合いを増していく桃色さん・・・
リョウの家にはいまだかつてないほどのカオスが渦巻いていた。

「なんじゃこりゃーーーー・・・」

パニックが極限まで達した桃色さんが叫んだ本日2回目のなんじゃこりゃは夜の村に響き渡った。
115桃色さん:2007/10/21(日) 23:46:27 ID:tSD7Hkxb
「あの・・・落ち着きました?」

騒ぎを聞いてやってきた昼間の片手剣ハンターとその奥さんになだめてもらい、
お互いに事情を話せるようになったのは30分ほど経ったころだった。
ああ・・奥さんがいつの間にか淹れてくれたお茶の味が心にしみてくる・・・

「・・・桃色さんは俺が今日戦ったババコンガで、どうしてかわからないが人間になっていたと」

「あ、サフィです。・・・おおむねそんな感じです。気がついたらここにいて」

「・・・さっきの騒ぎ、というわけですね」

奥さんが締めくくると部屋にはいやな感じの沈黙が残った。
・・・まず信じられない。信じられないが信じるしかない。
実際、奥さんがイャンクックだという話(羽出してもらった)
を聞かなければまず信じなかっただろう。

「まあ、とりあえず事情はわかりました。
『そういう人』はここの村に結構いますし、今日はもう遅いですから休まれてはどうですか?」

確かに疲れた(主に気疲れだが)さっさと寝てしまいたいという気持ちにはなる。

「いつでも相談に乗りますから」

帰り際にそう言うクックさん。うん、いい人だ。
リョウは二人を玄関で見送り、お礼を言うとドアを閉めた・・・と同時に襲ってくる沈黙。
リョウはいまだに状況を整理しきれず、サフィに至っては整理どころか思考がストップしているようにさえ見える。

「と・・・とにかく飯にしよう!腹減ってるだろ?」

無理やり過ぎる提案ではあるがこのままでは何時間でもこの沈黙が続いてしまうだろう。
リョウにしてみれば食事で場が和めばという一抹の期待もあった。
116桃色さん:2007/10/21(日) 23:47:27 ID:tSD7Hkxb
カチャカチャ・・モグモグ・・ズズズ・・・
『いただきます』から約5分、リョウはいまだかつて感じたことがないほど重苦しい夕食をとっていた。
明るい顔で食事をしてほしいとは思うが、今のサフィには難しいだろう・・・
なにせ目が覚めればいきなり自分の体が人間になっていた・・・なんて冷静でいられるはずもない。
傍目に見てもさっきからどこか上の空で食事をとるサフィから、混乱の度合いが尋常ではないことがわかる。

「あ・・あのさ、どこか行くあてとかあるのか?」

長い沈黙に耐えられず、リョウはそんなことをサフィに聞いてしまった。

「・・・ありません。」

当然だ。人間に知り合いなどいるはずもなく、密林に戻れば仲間に殺されるかもしれない。
当たり前といえば当たり前の答えにリョウは『そうか』としか答えられなかった。

「ごめんなさい・・・」

自分がリョウの迷惑になっているのだと感じたサフィは俯きながらそう言った。

「いやいや、いいんだ。俺の方こそごめんなんか・・その・・」

サフィの落ち込みっぷりに狼狽してしまうリョウ。
サフィを気遣ったつもりが傷つけてしまったと知り、考えの浅い自分を恥じた。
しかし、数時間前まで『落書き〜』などと言っていた人間とは思えない。

「ほら、サフィみたいな人もここには何人かいるってクックさん言ってたし、大丈夫だよ。」

何が大丈夫なのか。焦りすぎて言っている事がメチャクチャになっているが、
それでもなんとかサフィの顔をあげさせることには成功したようだ。

「生活の目処が立つまで俺の家にいてくれていいし、俺も力になるから」

涙目のサフィに見つめられ、リョウは思わずそう言ってしまった。
117桃色さん:2007/10/21(日) 23:48:26 ID:tSD7Hkxb
「あの・・・やっぱり私が床で寝ます」

結局食事中はそれっきりで会話が止まってしまったサフィが喋ったのは眠る前だった。
居候の身で寝床を取るのは忍びなかったのだろう。

「いや、女の子を床で寝させるわけにはいかないよ。それにお客さんなんだから気にせず使ってくれ」

「でも・・・いえ、ありがとう・・・」

サフィの顔が赤いような気がしたが、リョウは気にせず眠りについた。
これが変化の兆しだったのだが・・・リョウとサフィがそのことに気がつくのは数日後のことだった。
これから起こること・・・いや、すでにサフィに起こっていることはリョウもサフィも予想外のことだった。

リョウとサフィの出会いから考えると

@リョウ(雄)がサフィ(雌)に勝つ
Aサフィ(雌)がリョウ(雄)の家(巣)に来る
Bサフィ(雌)がリョウ(雄)の出した食事(贈り物)を食べる

といった感じになる。本人たちには自覚はなかったが、これは求愛行動に他ならない。
先ほどからの会話や雰囲気からリョウは忘れているが、元々サフィはババコンガであり、
行動に占める『本能』はきわめて強い。それでもサフィとリョウが異種族か、サフィがリョウを警戒していれば問題なかったが、
サフィを気遣うリョウの言動からいくらかその警戒心も薄まり・・・
完全に発情のスイッチを入れてしまった。
118桃色さん:2007/10/21(日) 23:49:18 ID:tSD7Hkxb
予備のシーツに包まって眠るリョウが気配に気付き、目を開くとそこにはサフィが立っていた。

「どうした?・・・なんかあったか?」

寝ぼけた頭で口を開くリョウ。いい感じに眠れていたらしい。
ここでリョウがちゃんと起きていればサフィの顔が真っ赤になっていることに気付いただろう。

「あの・・・えと・・リョウさん」

「リョウでいいよ。どうした?」

「リョ・・ウ。リョウ、リョウ、リョウ」

名前を連呼し、リョウにしな垂れかかってくるサフィの体温を感じ、リョウの頭に残った眠気と一部の理性が吹っ飛んだ

「えぁ・・どど、どうしたんだサフィさん」

「体・・おかしい、頭も変・・・・熱い。リョウのこと考えると熱い」

夜這いにしか聞こえない一言をサフィから聞き、思わず理性が吹っ飛びかけるリョウ
顔を抓るが、痛いので夢ではないようだ。

『『なんで?』』

リョウもサフィも同じコトを考えていた。サフィにもう少し理性が残っているうちに話し始めれば
結果は少し変わったかもしれない。しかし、いきなり抱きつくなどというサフィの行動力のせいで
リョウの方の発情スイッチまでONになってしまった。もはや収拾はつかない・・・

『どうして・・私・・発情してる』『なんでサフィがこんな夜這いみたいなことを・・』
『リョウはニンゲンなのに』『サフィはババコンガだぞ』
『アソコむずむずする・・・』『やばい・・静まれ俺のムスコ〜』
『でも、リョウあったかい』『サフィの胸柔らかいな〜』
  『うう・・でも絶対迷惑なんだろうな・・・』

・・・混乱している割に概ね考えがリンクしている。

「「あの・・・」」

ふたり同時に口を開いた。特にキスも何もせず抱き合っているだけだったが、
それでも若い二人には刺激が強すぎた。理性がガシガシと削られ、
なんとかしなければ襲い掛かってしまいそうになるほど興奮している。

「「ごめん・・・」」

これも同時だった。そこで二人は顔を見合わせる。
自分は『今してること』が迷惑だと思って謝った。しかし、相手も謝った
相手がしていることは迷惑ではないのに・・・

「サフィ・・・」「リョウ・・・」

試しにお互いの名前を呼ぶ。嫌がる素振りも尋ねる素振りもない。
サフィは何も言わず、目を閉じた。ババコンガの習性にはないが以前ニンゲンの交尾を見たとき
目を瞑って口を合わせていたのを思い出していた。
リョウもここまでされて何もしないほどの朴念仁ではない。ゆっくりとサフィの口にキスをした。
119桃色さん:2007/10/21(日) 23:50:34 ID:tSD7Hkxb
何回かのフレンチキスで顔を見合わせ、ベッドに移動した二人はおずおずと服を脱ぎ始めた

「あ・・その・・・きれいだよサフィ」

何か喋らないと、そんな感じで放った一言だったが、その一言に真っ赤になりながらコクンと頷くサフィ・・・
ここで『カワイイな〜』などと頭を撫でたいところだが、経験のないリョウは次にどうしたらいいかを考えるだけで
頭がいっぱいになっていた。

「じゃ・・するよ」

経験もなく、知識は全部エロ本から・・というリョウは頭をフル回転させて何をしたらいいか考える。
『まずは・・・胸』そう考えて両手で胸を揉み始めた。
一方、サフィは違う意味で頭をフル回転させていた。『なんでリョウは胸をさわっているのか・・』
交尾とはペニスをアソコに入れる行為という認識のババコンガには、人間の『愛撫』という行為が理解できなかった。
自分が発情している以上、もう求愛行動の必要もないはずなのに・・
しかし、理解はできなくとも体は反応する、程なくサフィの乳首が固くなり始め、アソコのムズムズが増えた感じがした。

「ふぅ・・・ん」

サフィから声が出だしたのを確認する。どうやらこれでいいようだ・・・
『次は・・アソコだな』そうして右手をサフィのアソコにあてがった。
発情していた上に先ほどからの行為で洪水になっているサフィのアソコはすんなりとリョウの指を飲み込んだ。


「リョ・・ウ」

さっきとは比べ物にならない快感・・・予想していなかったわけではない。
ただ、快感がサフィの予想以上だった。リョウの指にはテクニックらしいテクニックはなかったが
自分が愛する者の一部が体に入っている感覚と、自分が知らない行為への驚きが快感を増大させていた。

「気持ちよく、なかったか?」

不意に名前を呼ばれ、自分自身の性知識が間違っているかもしれないと思ったリョウは不安そうに尋ねた。

「キモチヨク?・・・あ、ううん。気持ちいいよ」

顔を真っ赤にして首を振るサフィ。それを見たリョウはあることを思いついた。
・・・まあ、ぶっちゃけて言うと愛撫がいい感じになってると思って調子に乗っているだけなのだが

「なに・・・ひゃぁ!!ちょ・・リョウ」

リョウはサフィのアソコに顔を近づけ、舌で愛撫を始めた。
リョウにしてみればエロ本知識を『試してみる』程度のつもりだったが

「ふ・・ふぅ・・」

サフィの反応は予想外に大きかった。ババコンガであったときには考えもしていなかったことをされている驚きと
柔らかい舌からの予想外の快感ですでに余裕はなくなっている

「ふぁ・・んぁあ!!」

リョウがめいっぱい奥まで舌を突き入れたところでサフィは達してしまい、
愛撫を続けるリョウの顔に向けて盛大に潮を吹いた。
120桃色さん:2007/10/21(日) 23:54:29 ID:tSD7Hkxb
「ご・・・ごめん」

達したばかりの荒い息でリョウに謝るサフィ。漏らしてしまったと勘違いしているらしい。

「いや、こっちこそ・・・調子に乗りすぎたな」

苦笑しながら顔を手で拭うリョウ。すると、サフィはいきなりリョウの手をとって顔を近づけた

「これ・・オシッコと違う匂いがする」

リョウの手の匂いをクンクンと嗅ぐサフィ。こういう行動を見るとババコンガなんだなと感じさせられる

「いや、これは愛液だよ。オシッコとは違う」

「そう・・・なの?」

確かに排泄とは違う感じがした。しかし・・

「いやな匂い・・?」

不安そうに聞くサフィ。ニンゲンが消臭玉を割っているところを何度も見ているサフィは、
自分がリョウが嫌いな匂いをつけてしまったのではないかと感じていた。

「これは違うよ・・・イイ匂い・・サフィの匂いだよ」

「サフィの・・・」

それを聞いたサフィはリョウを押し倒した。パッと見は騎乗位だがサフィの腰の位置はリョウの胸にあたりにある。

「どうしたんだ?」

自分の胸の上で腰を前後させるサフィを見てリョウはそう聞いた。意図が全くわからない。

「マーキング・・・するの・・・サフィの、匂い、リョウにつけるの」

そう言うとサフィはリョウの太ももや腕にも腰をこすりつけていく。
性器がこすれて気持ちがいいのか、マーキングをするサフィの表情は切羽詰ったものだった。
マーキングに満足すると、今度は口をリョウの腰に近づけていく。

「次は・・リョウ・・サフィにマーキングして・・・」

そう言って、サフィはリョウのペニスの亀頭をチロチロと舐め始めた。
『自分が気持ちよかったんだからリョウも気持ちいはず』と思ってやっているようだ。
リョウの顔を見る限り、それが当たりだということはサフィにもすぐわかった。
声こそ出さないが、リョウの顔からさっきまでの意地悪な余裕はなくなっている。

「サフィ・・・出すよ」

亀頭全体を舌で撫でるように愛撫するだけの行為だったが、さっきから興奮しっぱなしのリョウにはそれだけで十分だった。
サフィを仰向けに寝かせると、顔から腹に思いっきり精液をかけた。
自分でもよくこれだけ出せたもんだと関心するほど出た精液はサフィを白く染めて、ヘソに小さな池を作っている。
部屋に充満する愛液と精液と汗の匂い・・・そのせいか、リョウは一度出してもすぐに回復しそうな雰囲気だった。
少し休んで・・・

「えへへ・・・リョウの匂い」

射精で回復したはずのリョウの理性はその一言で崩壊した。
121桃色さん:2007/10/21(日) 23:55:38 ID:tSD7Hkxb
リョウはサフィの股を開いて挿入すると、ペースも考えずに動かしまくった。
一瞬、『サフィが痛がるかも』と思ったリョウだったが、待ちわびたようなサフィの表情を見て何も考えなくなった。
部屋に充満する匂いはサフィとリョウの理性を根こそぎ奪い去っていく。
リョウは何回達したのか、サフィは何回達したのか、どれくらいの時間こうしているのか
いま口からどんな言葉を発しているのか、それすらわからず
・・・いや、どうでもよくなっていた。セックスと言うよりは『交尾』と呼んだほうがしっくりくる行為。
サフィが痛がれば終わる。リョウの体力に限界が来たら終わる。
そういう終わり方になるだろうと、頭のどこかで理解していた。

「りょ・・う」

何度目かの絶頂、回数はわからないがこれが終わりだということは感じた。
せめてタイミングを合わせよう・・・頭に残ったほんの少しの理性がリョウにそう告げる。

「リョウ・・・」「サフィ・・・」

お互いの名前を呼んだだけだったが、今の二人にはそれが限界で、それで充分だった。
サフィの奥まで挿れるとそのままリョウは倒れるようにサフィに覆いかぶさって眠った。


太陽が高い・・・どうやら昼が近いようだ。寝ぼけた頭で昨日の行為を思い出そうとするが無駄だった。
結局『マーキング』の後のことはよくわからない・・・
取り合えず無茶苦茶だったことはこの部屋の匂いを嗅げばわかるし、サフィがここにいることは体温でわかるが・・・
本当に『猿のように』ヤッたもんだ・・・と考えたところで、お互い先祖は猿だったことを思い出して自嘲した。

「おはよう」

腕枕状態で眠っているサフィに話しかける。まだ目を開ける気にはならない。
だが、なんとなくサフィが起きているような気がして口を開いた。
腕から頬の動きが伝わってくる・・・何か話したそうな感じの動きが

「・・・ここに居ていい?」

「うん・・・」

ホッとしたようにサフィの顔から力が抜ける。しかし、またすぐにモゴモゴと動き始めた。

「リョウの・・・奥さんになっていい?」

「うん・・・」

まだ何も決まっていない。こんな勢いに任せた口約束なんか守れるかどうかもわからない。
しかし、サフィの身の振り方が決まっただけ良しとしよう。どのみちサフィが言わなければ自分が提案したことだ。

「洗濯・・・しないとな」

腕からサフィの頭が揺れる感触が伝わってくる。

「もうちょっとあとで・・・」

そう言うと。二人は何度目かわからないキスをした。


・・・


「お盛んですね・・・」

「・・・盗み聞きはよくないよ先生」
122桃色さんの中の人:2007/10/21(日) 23:59:27 ID:tSD7Hkxb
以上です。乱文失礼しました。
123名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 00:28:10 ID:0+JH1jHg
まずはGJ

ただ人のキャラクターを使うときは細心の注意を払って
あんまり使いまくらないほうがいいと思うんだ
124名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 11:47:20 ID:UpbDByzN
もっとグラマーなババコンガがよかった
ってかHする展開が強引すぎね?
125名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 12:12:54 ID:aOpn4XWk
くそぅ。みんな世界の共有つーかシェアードワールドつーか……楽しそうだなぁ。
キーワードはモドリ玉と同じ村……か?w
126名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 13:53:37 ID:hO+A2Plj
スレ変わっているの今更気付いて一気に読んだらGJの嵐で感動。
久々に珍味の人の文章読めて嬉しかったです、あなたの文章大好きだ。

>異常なコーヒー煮 迫力の完成度
酔狂氏(仮)の美声はヒラサワボイスでしたか、何か納得。
127『クイーン』の人:2007/10/22(月) 19:05:50 ID:b6nnVgHQ
>123

おっしゃる通り、他者作品からのキャラを動かすのは最小限に止めるべきでしょうね。
私も「奥ラン」0.5で、つい借り物キャラふたりに喋らせてしまいましたが、
借用キャラは、風の噂で伝聞的に登場させるか、登場しても友情出演的に一瞬で、ほぼしゃべらせないくらいの方が、元のイメージを壊さないで済むかも。反省。
「奥ラン」2では、そのへん気をつけます。
それはともかく、桃色の人、乙彼でした。
128名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 20:32:11 ID:OimBwm5u
今週のナルト読んでて思い出したんだけど
オオナズチのズッチーはあれで完結だったのだろうか
129教官:2007/10/22(月) 20:33:50 ID:BYstxMWw
>>109
ぶぁかも〜んッ!! キサマ、それでもココの住人か?
ねだるな! 勝ち取れ! 欲しいモノがあるのなら、オマエの気概(ガッツ)を見せてみろっ!!


とはいえ、ココでそんな気概を示すとなると……、


そうだな、ココは我輩をモチーフにだな、そ、その……ひとつSSをこさえてみろ。
見事、我輩から"GJ!"の言葉を引き出せたら、その時にはもう一度うpってやる!!
期待しているぞ?

なお、我輩は♂とも♀とも言ってはおらん。そこは書き手のキサマの裁量に任せる!
130桃色さんの中の人:2007/10/22(月) 20:48:29 ID:mkGRO2vx
>>123
仰るとおりです。自分は場面転換と状況説明に適当な人物が思いつかず、
クック先生をお借りしてしまいました。反省してます。
次の投下までにはなんとかオリジナルのキャラだけで話が作れるよう精進します。

>>124
言われてみてサフィの体型描写が全く無かったことに愕然としてます。
ここエロパロ板なのに・・・そこ忘れたらだめだろ自分orz

展開に関しては無理に一回の投下でまとめようとしていろいろと端折ってしまっていますね
サフィとリョウが数日生活している場面とかもう少し加えれば・・・
他の作者さんが何回かに分けて投下している理由を心で理解しました。


ともあれ自分の散文に感想&アドバイスいただき、本当にありがとうございます。
131名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 20:58:40 ID:0+JH1jHg
>>130
俺が偉そうにいえたもんじゃないだろうが
絶対に良い職人になれるよ
132名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:10:50 ID:6uyiUWEn
序盤の甲殻種についての話に触発されて、
少し前に書いたまま放置していたザザミ娘の話を加筆修正して完成させてみた。
というわけで投下してみる。

ちなみに
・全体的にギャグ、というよりはふざけ気味
・ご都合主義万☆歳
・エロ皆無
・メタルギアソリッドシリーズを知らない人にはつまらない話かもしれない

という感じなので、抵抗を感じたらすまないがスルーして欲しい。
それでもおkならば、続きをどうぞ。
133すにーきんぐみっしょん その1:2007/10/22(月) 21:13:03 ID:6uyiUWEn

 何かがおかしい。

 気付いたのは、昼下がりに密林でのクエストから帰還し、
 ハンターズギルド運営の集会所で報酬の受け取りを済ませてから帰宅して、更に暫く経ってからだった。

 家に入ってすぐに背負っていたプロミネンスボウUをアイテムボックスに放り込み、
 頭から順に防具を脱ぎ捨てつつ移動。
 鎧とインナーで道標を作りながら脇目も振らずに風呂場に直行し、
 そのまま湯船に飛び込んだ。

 当然ながら、密林をはじめとする狩場には、身体を満足に洗えるほどに安全な場所は殆どない。
 ベースキャンプは大型モンスターが侵入できない場所に設営するのが常識だが、
 だからといって絶対安全とは言えない。
 駆け出しのハンターが特産キノコを納品ボックスに入れたまま密封するのを忘れ、
 せっかく集めたそれをコンガやモスに食い尽くされた――なんて話はたまーに耳にするし、
 極々稀とはいえ、匂いを嗅ぎつけたランポスやヤオザミなどの小型モンスターが侵入してくることもあるのだ。
 メインターゲットを仕留め、意気揚々と水を浴びている最中に背後から襲われ、
 汚れといっしょに命まで落とすなんて間抜けな死に方を望むほど、俺はこの世に絶望していない。
 いつ生命の危機が訪れるか分からぬ狩場で、
 慎重になりすぎて悪いことなどないというのが俺の持論だ。

 ……たまに慎重になりすぎて、時間切れになることもあるけど。
 いや、無茶して死ぬよりはマシだから、後悔なんてしていないですよ?
 か、帰ってこない契約金のことを考えて憂鬱になったことなんてないんだからねっ?
 そんでもって素人の頃、必死に掻き集めた特産をはじめとする大量のキノコをコンガに全部食われた上に、
 ブチ殺そうと駆け寄ったらモロに屁を食らって悶絶して、
 その間に逃げられたなんてことなんてないんだからっ!?

 ……必死だな、俺。

 まぁともかく、何も気にせず安心して身体を洗えるのは家や公共施設の風呂だけ、というわけだ。
 そんなわけで、狩りからの帰還直後の風呂が長丁場になってしまうのは必然とも言えるわけで。
 身体にこびり付いた汚れと疲れを暖かな湯で十二分に洗い流し、
 幸せな気分を抱きつつタオルで身体を拭き、
 清潔なインナーを着てから風呂場を後にするまでに、
 おそらく小一時間ほど経過していると思われる。
 そして現在。
 雇いネコのマサムネが晩飯の買い出しに出て行ったので、
 キッチンの冷蔵庫から(無断で)持ってきた(調理用の)黄金芋酒を(勝手に)口にしつつ、
 俺は椅子に座ってぼーっとしていた。
 そこでふと思ったのだ。何かがおかしい、と。

 何がおかしいのだ?
 と、自問自答してみても答えが返ってこない。
 なんだろう。姿は見えないが、どこかから何かの気配のようなものを感じるような気がしないでもないような。
 五感で感じるわけではなく、聞こえよく言うなら第六感、身も蓋もなく言うのならばただの勘なのだが、
 モンスターハンターという職を続けていくうちに自然と鋭くなっていったそれを、ホイホイ無視することもできない。
 冷えた酒がまだ残っている杯を机に置き、
 なんとなく立ち上がって室内を見回してみる。
134すにーきんぐみっしょん その2:2007/10/22(月) 21:15:06 ID:6uyiUWEn

 扉が閉められた玄関。開け放たれた窓。質素な布団がしかれた安物の寝台。
 読みかけの本や雑誌が乱雑に置かれた本棚。ハンターの必需品たる大型アイテムボックス。

「ブウ」

 それと、散歩に連れて行ってもらえるとでも思ったのか、
 俺の足元によちよちと歩いてきたプーギー。
 全ていつもどおり。何の変哲もなく、何の面白味もない、
 寂しい独身男ハンターの家だった。
 結論。

「……気のせいか」

 プーギーが何かを訴えるような目で俺を見上げてきたので、かがんでその頭を撫でてやる。
 撫ですぎると何故か怒るし、かといってすぐやめてもソッポを向いてしまう気難しい奴だが、
 既にどれくらい可愛がってやればいいのかは把握している。
 何故だか分からないが、肉焼き機でこんがり肉が焼き上がるらいのタイミングで撫でるのをやめてやると、
 とても喜ぶのだ。

「――♪」

 ほら。こんな感じで。
 なんだか非常によろしくない思考が浮かんできたが、気にならなかった、ことにしておこう。
 飛び跳ねて喜びを表現するプーギーの可愛さに思わず口が綻び、そして凍りついた。
 ――豚撫でて喜ばせてニヤニヤ笑う二十台半ばの独身男って、正直痛い気がする。というかあからさまに痛い。
 急に恥ずかしくなって、思わず急いで真面目な表情を形成し、立ち上がって視線を泳がせる。
 当たり前だが、誰も見ていなかった。
 何をやっているんだろうね、俺は。
 とか考えて誤魔化してみたが、やはり虚しさが増しただけだった。
 ええい、何も考えるな。無心になるんだ俺。
 その向こうに何かある気がするから!そう思いたいから!

「プギー!」

 突然の声で、唐突に無駄思考から開放された。
 声の方向を辿ると、プーギーがベッドの方にとてとて走っていた。
 プーギーはベッドの端までたどり着くと、ここからは見えない側面に回りこんでしまった。
 と、思ったら顔だけひょっこりと出してきて、つぶらな瞳でこっちをじっと見つめてくる。

 かっ……可愛い。
 じゃなくて。こっちに来い、ってか?

 大昔になくしたランポスの鱗か、百ゼニー硬貨でも落ちていたのだろうか。
 そう思って近づいて見下ろしてみると――そこには古代文明の賢者が残した遺産の在り処を示す古びた地図が!
 ――なんてファンタジーかつ電波な展開ではなく、ひとつのダンボール箱があった。
 表面には、「ハンター用携帯食料詰め合わせ 〜三秒チャージ・二時間キープ!〜」と書かれていた。
 その文字通り、ハンターなら幾度となく食すことになるエネルギー食品、携帯食料の箱だった。
 はて、おかしい。
 先の仕事で確かにこの箱は見たし、携帯食料も食べた。
 だが、俺はその空き箱を持って帰ってコレクションするような特殊趣味の持ち主ではないし、
 そもそもこういう支給専用備品はギルド側に返還するのが原則なのだが――
 と、ここまで考えたところで、厚紙の下から何か藍色の細長い物体がふたつはみ出していることに気付いた。
135名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:15:50 ID:1r+AWQgt
「クイーン」の人、相変わらずのGJ!
食べ物が美味しそうに描写できる人とか本気で尊敬するし、「ポポになる」とか「ケルビテール」とか
さりげなく名詞がモンハンの世界観に基づいてるところもシビレルアコガレルゥ!

桃色さんの中の人もホントに見事で。初心者とは思えない出来に、次への期待が高まるばかりだ。
最後に言っておく。

GJ!
136すにーきんぐみっしょん その3:2007/10/22(月) 21:18:10 ID:6uyiUWEn

 なんだこれは。
 髪の毛……というには少々太すぎる。
 なんだろう、どこかで見たような気がする……?
 だが、思い出せない。
 すぐそこまで出掛かっているのだが、何かが引っかかっている。
 なんだろう。ここにある筈のないもののような。
 考えていてもしょうがないので、恐る恐る触れてみた。

「ひっ!?」

 頭上に水色の特大エクスクラメーションマークが浮かんだような気がした。

 って、それはどうでもよくて。今、声がした!?
 ……オーケーオーケー、落ち着け俺。
 今時紙箱被って人の家に潜入するなんて、そんなあからさまにカッコ悪いことする奴なんかいるわけがない。
 だからきっと今のは空耳だ。きっとそうだ。箱の中から人の声がするなんてありえない。
 とか考えつつも、俺は再び箱から伸びる謎の物体に手を伸ばしていた。
 だってほら、ねぇ。いわゆる好奇心ってやつだ。
 怖いもの見たさともいう。

「ひうっ!」

 なんてこったい。
 ……オーケーオーケー、認めよう。
 今俺の目の前にある箱の中に、何故か人(?)が入っている。
 いや、言葉を喋ったというだけでは人と断定できないかもしれない。
 武器屋のアイルー辺りの悪戯というのも十分考えられる。
 というか箱の大きさから考えて、その可能性の方が高いだろう。
 確かめてみるか。

「えーと……もしもし?」

 沈黙。
 聞こえなかっただけかもしれないので、音量を上げて再試行。

「もしもーし?」

 へんじがない。ただのシカトのようだ。
 段々面倒くさくなってきた、というよりこのまだとは俺が箱に話しかける超危険人物に見えることに気付いたので、
 俺は最終手段に出ることにした。むしろ最初からこうするべきだったかもわからんね。
 屈んで両手を伸ばし、しっかりと箱の淵を掴む。そして一気に持ち上げる!

「ほっ!」
「わあぁっ!?」
137名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:19:02 ID:tMfvkJCN
>>128
今週号で何があったか知らないが、現在執筆中につき、
もし楽しみにしていただいているのならば、もう少し時間を頂きたく存じまする。
138すにーきんぐみっしょん その4:2007/10/22(月) 21:21:01 ID:6uyiUWEn

 箱の下から現れたのは――赤い長髪の少女だった。
 しかも、なんと。
 人という生物が長い時を経て類人猿から進化を遂げるうち、
 芽生えた知性と品格によって発生したとある感情。
 それを緩和し、かつ耐熱・耐寒性に優れ、多くの状況にその脆弱な体を対応させることに成功した文明の利器。
 今となっては着用者の容姿と印象を決定付ける重要な要素となった、即ち衣服の着用を、
 その少女は無言で、しかしその体を以って十分すぎるほどに完全否定していたッ!


 あー……うん。一文で表すならばこうなる。
 

 素っ裸でした。


 ――その瞬間、確かに時が止まった――


 なんてことがあるはずもなく、そして時は動き続けた。現実は残酷である。
 俺の網膜が眼前の光景を映し出し、それが視神経を伝って脳に伝達され、
 脳細胞がその情報を処理・解析し、その事実をはっきりと理解するに至るまで、正確に五秒半かかった。
 なんという現実……この後俺は間違いなく絶叫する。
 と、俺は脳のどこかで、まるで他人事のようにぼんやりと悟った。
 そして、気付けば眼前の少女も顔を髪と同じくらいに真っ赤にしながら口を悲鳴の形に歪めていて。
 更には、その黒い瞳に映し出された、どこか冴えない顔をした見覚えのある銀髪の男も、
 同じような表情を形成していて。


「「うわああああああああああああああああああああくぁwせdrftgyふじこlp!?」」


 フルフルも真っ青な絶叫の二重奏が、室内に響き渡った。

 俺が真っ先に疑ったのは自身の正気。
 だってそうだろ?箱の中身が美が付くほどの少女で、しかも全裸だ。
 こんな展開、ガルルガの咆哮で耳をやられた上にゲリョスの閃光を食らった奴が
 グラビームに焼かれた後に即興で考えた与太話にしても出来が悪すぎる。
 それほどに現実味がなくて、とても咄嗟には信じられなかった。
 だが、俺の鼓膜を揺らす悲鳴は間違いなく本物だったし、
 今この瞬間にいきなり俺がおかしくなって桃色の世界に入り込んだ、なんて展開はもっと信じられない。
 と、ここまで考えたところで、俺はようやく悲鳴の大合奏が収まっていることに気付いた。
 とりあえず聞きたいことが最大拡張した大型アイテムボックス一ダース分くらいあったが、
 それを爆発炎上し粉砕玉砕大喝采しかけた脳味噌でなんとか分割・整理。
 なんとか最優先発言事項を探し出し、喉から搾り出して、舌にのせて、口から押し出す。

「き、きっ、君は!?どうしてここに!?」
「あわわわわわわわ、見つかっちゃった、見つかっちゃったのですよ!どうしようどうしよう!」

 噛みながらもなんとか紡いだ言葉は、
 しかし素晴らしくかみ合わない会話を発生させただけだった。

「どうしようどうしよう!とりあえず隠れなきゃ駄目っぽいのです!」
「へ?」

 俺が間抜けな言葉を口にしている間に、少女は俺の手から箱をひったくり、
 再びそれを頭からすっぽりとかぶって動かなくなってしまった。
139すにーきんぐみっしょん その5:2007/10/22(月) 21:23:24 ID:6uyiUWEn

 ……。

 先程とは打って変って、沈黙が室内に満ちた。
 おかげである程度の冷静さが戻ってきたので、更に数回深呼吸。よし、落ち着いた。
 いくらかの平常心を取り戻したところで、再び話しかけてみる。
 怖がらせてまた叫ばれてはたまらないので、なるべく優しい声で。

「あー……えーと。別にそのままでいいから答えて欲しい」
「……」
「もう一度聞くけど、君は誰で、なんでここにいるのかな?」
「……」
「何か特別な理由があるとか?借金と犯罪がらみの相談以外なら、内容次第で乗らないでもないけど?」
「……」
「ひょっとして喋れない……わけないよな。さっき思いっきり喋って叫んでたし」
「……」

 さっきの早口はどこへやら。今度は見事なまでに言葉のキャッチボールが成立しない。
 仕方がないので、再び強行手段に出ることにする。

「あのさ。俺はいくら可愛くても、家に何も喋らない全裸の女の子を置いておくつもりはないんだけど?」

 「ど?」のあたりで、やっぱり箱からはみ出していた謎の黒い線をつつく。

「ひいっ!」

 HQ、HQ、敵に対する効果は抜群だ。繰り返す、敵に対する効果は抜群だ。
 脳内賢者達の議会で、作戦の続行が賛成多数というか全会一致で大可決。オーケーオーケー。攻撃を続行する。

「なるべくなら、手荒な真似は、したくないんだけどな?」
「ひっ、あっ、あっ!」

 言葉を区切りながら連続ででつつくと、そのたびに鈴の音のような声が箱の中から響いてくる。
 小動物をいぢめているような感じがするのは何故だろうね。
 更には、いけないと思いつつも楽しさを感じてしまうのは何故だろうね。
 ……人としてヤバいかも、俺。けどやめられない止まらないっ!?

「わ、わかりました!答えますから、答えますから触覚はつつかないでくださいですっ!」

 ……今、なんと仰りました?

「触覚!?これ触覚なの!?」
「ひうぅっ!!だから触らないでくださいなのですよぉ!」
「あ、ごめん」

 素直に謝り、無意識のうちに動いていた腕を引っ込める。
 へー、最近の子供には触覚があるんだー。おにーさん知らなかったなー。
 しかしこのままでは話が進まないので、気にはなるけどツッコまずに保留。

「そんじゃ、いくつか質問するから答えて欲しい」
「……はいなのです」
140すにーきんぐみっしょん その6:2007/10/22(月) 21:25:03 ID:6uyiUWEn

 このままだとやっぱり俺が箱とお喋りする超危険人物に見えてしまうのだが、
 どうせ誰も来ないだろうし、見てもいないだろう。何かが引っかかったが気にしないことにして言葉を続ける。

「三度目になるけど、君は誰?名前は?」
「なまえ……?なんですかそれ」
「なんですかって、名前は名前だよ。親がつけてくれて、他の人が君を呼ぶときに使う言葉」
「他の仲間に呼ばれたことなんてないのですけれど……」
「はぁ?」

 やっと会話が成立したと思ったら、いきなり暗礁に乗り上げた。
 少ししか見れなかったが、俺の記憶に残っているこの子はそんなに小さくなかったような。
 脳内で先程の映像を検索し、発見。即時再生、そして一時停止。
 ……うむ、幼い顔つきをしているものの、全体的な体つきから察するに、恐らく年齢は十代中盤あたりだろう。
 なのに他の奴に呼ばれたことがない?んなアホな。
 普通に話せる程度に言葉を知り、それでいて誰とも関わることなく一般社会で十年以上生きていくなんて、
 常識的に考えて不可能だ。

「……オーケーオーケー、名前はとりあえず置いとくとして、だ。質問を変えよう」

 いくら考えてみても謎が深まるばかりなので、これも保留することにした。

「君はどうしてここに来たんだ?
 君自身がとった行動なんだから、これは説明できるだろ?」
「えぇと……じ、実はですね……」

 箱で遮られて見ることはできないが、それでもなんとなく表情が想像できる声音だった。

「あ、あな、あなたを……」
「あなたを?」

 聞き取りにくいので、復唱して確認する。

「おっおっおっ、追いかけてっ」
「追いかけて?」

 何故か脳内で口が「ω」みたいな形をした白い奴がニコニコ笑っている映像が再生された。

「きたの、です、よ」
「きたのですよ?」
「あわ、あわわわわわ、言っちゃった!言っちゃったのです!恥ずかしいのです!」

 あわあわ言ってガタガタ揺れるダンボール(の中の人)はとりあえず無視して、
 聞き取った言葉を繋ぎ合わせる。

「俺を追いかけて来た……?そりゃまたどうして?」

 女の子が全裸で男の家に来る理由、なんて考えるとどうしてもアレ的にアレでアレなことしか思い浮かばないが、
 今現在、俺に好意を抱いている、もしくは抱く要因があると思われる女性は存在しない、と思う。
 更に言うならば、女を一目惚れさせる程の魅力も名声も、まことに残念ながら俺には備わっていない。
 ……我ながら悲しい自己認識だと思う。けれどこれが現実なんだよな。なけるぜ。
141すにーきんぐみっしょん その7:2007/10/22(月) 21:26:28 ID:6uyiUWEn

「……」

 沈黙。またシカトモード突入ですか、そうですか。
 返答を求める俺の手が、再び(本人が言うには)触角に触れる寸前。
 今まで以上に小さく、そして震えた声が聞こえてきた。

「じじ、実はっ、あああなたの、おおおお嫁さんにっ、なり、たく、て……」

 ……。

 ジツハアナタノオヨメサンニナリタクテ。
 この言葉をスローで六回ほど反芻して、ようやくその意味を掴むことが出来た。

 ……いきなり何を言い出すのですかこの子はっ!?
 ダンボールに隠れてまったく面識のない俺の家まで来て、その挙句にいきなり求婚ですか!?
 わからない。この状況がわからない。ついでに言うと女心なんてものはもっとわからない。
 俺の平凡並にはあると思いたい脳味噌が、そろそろオーバーヒートを通り越してメルトダウンしそうだった。
 一体――

「一体、君は誰なんだ……?」

 思わず口から零れた最大の疑問。
 それに対するダンボール(の中の人)の回答は、これまた奇妙なものだった。


   ◇   ◇   ◇


 さて。
 あの後暫くダンボール(の中の人)の身の上話が続いたのだが、都合により割愛させてもらう。
 何故かというと、本人もまだ自分のことがよく分かっていないのか、
 たまに話の前後が食い違うことがあったり、
 おまけにその度あわあわ言ってダンボールごとガタガタ暴れるものだから、
 それを落ち着かせつつフォローして、話を整理しつつ進めさせるのにえらく手間がかかったからだ。
 そりゃもう疲れたのなんのって。
 気付けば、窓の外がだんだんと暗くなってきていた。
 どれだけの時間が経過したのか、考えたくもない。

「ふむ」

 一息ついて、俺は導き出した話を脳内で整理整頓し、要約。
 確認の意味も兼ねて、目の前のダンボール(の中の人)に向けて復唱してみる。
142すにーきんぐみっしょん その8:2007/10/22(月) 21:28:23 ID:6uyiUWEn

「つまり、だ」
「はいなのです」
「君は俺がついさっきのクエストで捕獲したダイミョウザザミで?」
「あなたたちが私たちのことをそう呼んでいるのならば、そうなのですよ」
「俺が立ち去って、ギルドの連中に捕縛される寸前に、何故かは分からないけど人の姿になって?」
「えぇ、あれは不思議な体験だったのです」
「なんとかベースキャンプの船まで来て、そこに落ちてた携帯食料のダンボールに隠れて?」
「なにか体を隠せるものが無いと落ち着かないのですよ。
 この箱はなかなかいいのです。ひょっとしたら一本角の頭よりいいかも知れないのです」
「そのまま誰にも見つからず、俺の移動にしっかりとくっついてきて、俺の家まで辿り着いた、と」
「苦労したのですよー。この体じゃ地面にも潜れないし、人の視線を掻い潜るのは骨が折れました」
「そういうわけか」
「そういうわけです」
「よし。よーく分かった」
「それはよかったのです!それじゃ私をおy」
「アホかっ!!」

 今の話を補足するとこうだ。
 この子は元々はテロス密林で生まれたヤオザミで、
 他の同類よりも臆病な性格のため、滅多に地上に姿を現すことがなかったそうだ。
 地上に出るのは必要最低限の食物を食べる時だけで、
 それさえも他の生き物の気配を察するとすぐに中断して隠れてしまっていたという。
 気配の消し方や隠れ方などは、こうして磨いたらしい。
 更には小食なおかげで、食料が激減する寒冷期であっても砂漠に移動せず、
 密林で十分暮らしていけたそうな。
 けれど成長していくうちに地上にも興味がわいてきて、けれど怖かったので、
 地中から目だけを出して、ひっそりと地上の様子を眺めていた。
 そうするうちに何人ものハンターを見かけ、
 そしてその言語を聞き、なんと学習してしまったというから驚きだ。
 更に驚くべきは、そこでなんと、俺を見つけたらしいということ。

 彼女曰く、
「他のハンターは皆私の仲間を殺していったのに、貴方はそうしないでいつも見逃してくれた。
 その優しさに惚れてしまったのですよっ!」
 ――だそうな。

 ……ただ単に弓だと相性が悪いし、
 掃除するのも苦……じゃなくて時間の浪費だからいつもスルーしてただけなのだが、
 あまりに純粋無垢な声で喋るものだから言いそびれてしまったよ。ははは。
 人間の女にはあまりモテないのに、よりによって甲殻種に惚れられるとはね。
 素直に喜べないのは何故なのかな?かな?
 というか俺のほかにも数多の弓使いが密林を訪れているはずなのだが、
 やはり皆厄介な小型モンスターは倒しているんだなと悟ったり。
 ……いいさいいさ。俺は厄介ごとを避けて慎重に狩りをするって決めてるんだ。
 って、話を逸らしてどうする。

 で、俺が密林を訪れ、ヤオザミをスルーする度に(何故か)惚れ直したりしてるうちに、
 この子もついにダイミョウザザミへと成長していき、その体が収まるだけの殻、
 即ち一角竜の頭蓋骨を探すべく、ついに砂漠へと向かうこととなった。
 そして目的の頭蓋骨は意外とあっさり手に入れられたものの、
 密林の環境にすっかり馴染んでしまった彼女には砂漠での生活があまり好ましいものではなかったらしく、
 そのまま密林へととんぼ返りすることにしたそうな。
 これがいけなかった。
 慣れない長距離の往復で体力を消耗し、注意力が低下した彼女は人(蟹?)生初の失敗をやらかしたのだ。
 密林に程近い場所で人と、しかもよりによってとある商隊とばったり遭遇してしまったのである。
 商隊は一目散に逃げ出し、彼女もびっくりしてすぐ地中へと逃れた。
 けれど生き延びた商隊の連中はそんな彼女の素性を知るはずもなく、
 物資運搬の際の安全を確保すべくハンターズギルドに狩猟を依頼し、
 そのクエストがそのテロス密林に程近い場所に位置する、ここジャンボ村に回された。
143すにーきんぐみっしょん その9:2007/10/22(月) 21:29:56 ID:6uyiUWEn

 そしてそのクエストを受注したのは――他ならぬ俺である。
 作って強化したばかりの火属性弓であるプロミネンスボウUを、早く使ってみたかったというのもある。
 しかし正直に言おう。ああ言うさ。実際のところは八割方報酬に釣られてクエストを受注したと。
 仕方ないだろうが。
 物資の運搬に関わる件なので、クエストが緊急扱いになっていて報酬も割高だったし、
 その上プロミネンスボウの作成及び強化費用のおかげで、ちょっと財布がピンチだったのだ。
 そんな時に偶然舞い込んできた依頼である。
 いつ他のハンターに持っていかれるか分からない状況で、受注しないわけにはいかなかった。
 同じ状況に置かれたら、誰だってそうする。俺だってそうする。だろ?

 さてさて、彼女は困り果てた。
 目の前に現れたハンターは、見知らぬ誰かではなく前々から(何故か)惚れていた俺。
 攻撃するのも気が引けるし、かといって離れたくもない。

 気がついたら炎の矢を食らい続け、既に体力が残り僅か。
 諦めずに気持ちを伝えてみるけど、どう考えても無駄。
 もしもヒトになれれば、言葉だって話せるのに、
 どう考えても、何をやっても、種族の壁を越せないよ!
 あの弓矢は何回やっても避けれない。
 爪でガードを試してみるけど音爆弾でピヨっちゃう。
 仕方なく潜って逃げてみたけれど、ペイントされてちゃ意味が無い。
 とかなんとか考えてるうちに、罠に嵌まって私どうなっちゃうんだろう。

 ……こんなことを考えてる間に、あっさり捕獲されてしまったらしい。
 やたらと小さくて、おまけに攻撃する素振りも見せず左右にオロオロしては逃げるだけの、
 ちょっとというか随分変わったダイミョウザザミだなと不思議に思っていたのだが、
 まさかこんな理由があろうとは。事実は小説より奇なりとはよく言ったものだと感心する。
 そしてまぁ、ここで神様がどんな悪戯をしたのかは分からない。
 分からないが、彼女は目覚めると本当に人の姿になっていて。
 唖然とするギルドの人間を、なんと驚くべき事に体術で気絶させ、
(彼女曰く、「額にバンダナを巻いたシブいおじさんがコンガにやっていたのを真似た」そうだ。
 その後ギルドの人間がどうなったかは大体想像がつくが、考えなかったことにしよう)
 そして俺のあとを追って来た、ということだ。


 ……確かにアホだ。アホすぎる。突拍子もなさ過ぎる話だ。とても信じられたものではない。
 だが、それでも俺はこのアホ話を信じるしかなかった。
 何故なら眼前のこのダンボール(の中ry)は、
 俺がたった一人で受注し完遂した筈のクエストの一部始終を、見事なまでに完璧に説明してくれやがったからだ。
 おまけに、一応この子の奇妙な点について説明がつく話でもあった。
 そしてなにより、俺は気付いてしまったのだ。
 箱からはみ出しているこの二本の細い線が、
 先日密林で見たダイミョウザザミの触覚に酷似しているということに。

「アホって……うぅ。やっぱり種族の壁は越えられないのですか?
 あれ、だけど私は今人間になっているのですよ?
 けれど受け入れてもらえないということは、わわ、私は人間になりきれていないのですか!?
 じゃあ私は一体なんなのですか?人?蟹?金星蟹?わからないのです、わからないのでありますですよぅ……」
144すにーきんぐみっしょん その10:2007/10/22(月) 21:31:38 ID:6uyiUWEn

 ダンボール越しに聞こえてくる奇妙な口調の、
 けれどその内心の不安が透けて見えるような声が俺の耳にこびりつき、思考の邪魔をする。
 ……えぇい、今の今まで普通のハンター兼普通の男として普通に生活してきたというのに、
 いきなりこんな事に巻き込まれるなんて、想定の範囲外ってレベルじゃないぞ。
 いや違う。これはただの文句だ。無駄な事を考えるな。
 不可思議現象の原因を追究して、俺の精神を納得させ満足させるのは後回しでいい。現実を見据えろ。
 ぐらつく精神と未確定事項を全て保留し、心の倉庫の奥底に一時保存。思考を切り替える。
 邪魔なものを片付けてようやく見えてきたのは、ひとつの根本的な問題。

 俺は、この子をどうすべきなのだ?どうしたいのだ?

 俺がかなりフォローしたとはいえ、彼女自身が俺に必死に話してくれたこと。
 それらをとりあえず信じてみる。
 すると、浮かび上がってくるのは彼女がどうやら俺の事を好いているらしいということ。
 いや、どうやらというのは俺の照れ隠しだ。
 そんな曖昧な感情のままに「あなたのお嫁さんになりたい」なんて言う奴はいないだろう。
 まぁとにかく、俺は好かれてしまっているわけで。

 元々甲殻種であったとはいえ、
 その身が人間に成り代わるほどの奇跡を起こすほどの想い(?)が彼女の中にあったのだ。
 そんな彼女の想いを、例え少し前まで赤の他人であったとしても、
 俺は踏みにじって完膚なきまでに砕くことはできない。
 俺はそこまで非情な人間ではないつもりだ。
 だがしかし、それをそのまま諸手を広げて受け止めることも、また出来ない。
 そんなことが出来るほどに、俺はまだ彼女の事を知らない。
 それに彼女とて、俺の全てを知っているわけではない。
 自分の事を好いてくれるというだけで、自分もその人を好きになれるほど、
 俺は純粋でも無用心でもない。
 どこか矛盾した二つの意思がせめぎあい、己の正しさを主張する。
 あぁ、クソ。優柔不断すぎるぞ俺。
 どちらの意見をとるべきか。どちらの意見が正しいのか。そう考えかけて、唐突に気付いた。
 なんだ、あるじゃないか。両方の意思を満足させられる、簡単な方法が。

「わかった。わかったよ」
「ほぇ?」

 どこか間の抜けた返事をしてきてダンボール箱(ry)に、俺は続く言葉を投げかける。

「折角人の姿になったんだ。こうして俺の家に来たのもなんかの縁ってやつかもしれないし、
 いいよ。ウチで面倒見てやる」

 沈黙。どうやら言葉の意味を飲み込むのに時間がかかっているらしい。

「ほ……本当なのですか!?」

 その言葉を、俺は今一度脳内会議に提出してみたが、
 返答が帰ってくるまでにかかった時間はほんの僅かだった。

「あぁ。男に二言はないって言うしな」
「そ、それはつまり、私をお嫁さんに……?」
145すにーきんぐみっしょん その11:2007/10/22(月) 21:32:40 ID:6uyiUWEn

 どうやら希望的観測をされてしまったらしいので、即座に否定しておく。

「断じて違う」
「えぇ〜!?どうしてなのですか!」
「あのな。俺は世話してやるって言っただけだ。
 このまま突き放して追い出しても、他に行くところなんてないだろ?」

 現実的な俺の指摘に、ダンボール(ry)は言葉を濁らせた。

「うぅ……確かにそうですけれども」
「近くで野垂れ死になんてされたら嫌だしさ、とりあえず落ち着くまでここで暮らしな」
「それはつまり、お嫁さんにはしてもらえないということなのですか……?」
「それは、そ、そうだな。君次第なんじゃないかな、と思ったり思わなかったりするような気がしないでもない」

 俺のあやふやな返答に、ダンボールの上に水色の特大クエスチョンマークが浮かぶ。

「どういうことなのですか?」
「どうもなにも、そのままの意味。
 俺が君をこのまま家に置いておいていいと思うか、家から追い出したくなるか、
 あるいはその、「お嫁さん」にしたくなるか。全部これからの君次第なんだよ。分かるかな」

 一息置いて、俺は結論を口にした。

「つまりさ、お嫁さんとかそういうのじゃなくて、
 同居人のお友達からスタート、ってのはどうだ?」

 そう。この上なく単純で無難な選択こそが、俺の出した結論。
 いくら考えたところで、判断材料が不足しすぎているというかほぼ皆無な現時点において、
 どちらも等分に正しく等分に間違っている意見に優劣などつけられない。
 ならばどうするか。簡単なことだ。両方の意見を等しく取り入れた、譲歩案を採用すればいい。
 最終的な判断は、その後に下しても手遅れになるということはなかろう。たぶん。

 どうも、何事も深く考えすぎてしまうのが俺の悪い癖のようだった。
 例えるなら、石橋を叩いて渡るタイプならぬ、石橋を叩きすぎてブチ壊すタイプ。
 自覚してはいるのだが、そうしたところで簡単に治るものではないから困るんだよな。
 って、こんな思考はどうでもよくて。
 無意識に逸らしていた視線を、再び足元のダンボールに落とす。
 その箱から紡がれる言葉を聞く。

「……わかりました」

 先程より少しだけはっきりとした口調で、返答の言葉が紡がれていく。

「えぇと、その、よろしくお願いしますです」
「いえいえ、こちらこそ」

 無駄に慎重なハンターである俺と、
 無駄に変わった喋り方の元甲殻種現人間。
 変わった組み合わせの奇妙な共同生活は、こうして幕を開けたのだった。
146まだだ!まだ終わっていないっ!:2007/10/22(月) 21:34:04 ID:6uyiUWEn

(蛇足)
「よし、というわけでいい加減ダンボールを被るのをやめてくれないか」
「ええええぇぇ!?そんな、折角落ち着く殻を見つけたのに!」
「殻じゃないし。箱だし。
 それに人として生きていくのはそのまんまじゃどう考えても無理だし、
 なによりあからさまにカッコ悪いし」
「うぅ……そうかもしれませんけど」
「それに、なんだ。裸のままじゃ寒いだろ?
 かなりデカいかも知れないけど、今日のところは俺の服貸すからさ。
 明日辺りテキトーな捏造設定でっち上げて、
 酒場のパティちゃん辺りに丁度いい服貰えばいい。背格好も割と近いような気がするし」
「うぅう……」
「あのな。いくら落ち着くからってダンボールはやめt」
「うぅうぅ……」
「……分かったよ。家にいるときくらいは好きにしていい」
「わーい、私の勝利なのですよ♪」
「はいはい、つーわけでここに置いとくから、さっさと着替えちまってくれ。
 俺はアイテムボックスの整理でもしてるから」
「えー?見てくれてもいいのですよ?」
「……お断りしておきます。人として」
「さっきは無理矢理見たくせに?」
「あれは事故だっ!!即刻忘れて、そんでもって早く着替えなさいっ!」

 ◇

「あれ」
「どうしたのですか?」
「いや、アイテムポーチの中身をボックスに戻してたんだけど」
「それで?」
「おかしいんだ。ニトロダケの在庫は全部強撃ビンの調合に使った筈なのに、一本だけ残ってる」
「使い忘れただけなのではないのですか?」
「いや、五十射分の薬液を調合したのははっきり覚えてるんだ。
 クエストでも確かに五十射分使ったし、それに……」
「それに?」
「……一本だけあったドキドキノコが、無くなってるんだ」
「それって、つまり――」


    続かない。
147名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:40:53 ID:6uyiUWEn
投下終了。

サクッと終わらせた筈が、いざ投下してみたら12レスも消費してしまってサーセン。
俺も珍味氏のようにアッサリしていて、それでいて味のあるサッパリした文章を書けるようになりたいんだぜ。
文中にエアーマンが入ってる辺りで、元の文章を書いた時期がバレバレですね。デモソンナノカンケイネェ!
ちなみにハンターの脳内イメージはMGS2の雷電だったりします。

というわけで、お粗末さまでした。
148名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:49:49 ID:tMfvkJCN
これはいい甲殻種
149名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:55:35 ID:0+JH1jHg
居るGかスネーク?
居るのかスネーク!?
居るのかJネーク!!

スネェェェェェック!!
150名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 21:55:53 ID:c8jTP+S2
リアルタイムで見るのも書き込みも初めてだがとりあえずGJ!
オチが個人的に好きだったり、確かにMGS風味だww
151名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 22:13:48 ID:1r+AWQgt
割り込みマジゴメンorz
でもSSかなり良かった! 俺も今度はちゃんとドキドキノコかモドリ玉使った擬人化
書いてみたいもんだ。……エロがマトモに書ければなぁ!
152名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 22:22:06 ID:QBMqlfV5
GJ! 
携帯食料は大塚製薬の提供だったというわけか
なるほど、いいセンスだ。

>>151
エロなんかなくても問題はない
まずは冒頭だけでもいいから書いてみるんだ
153名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 22:35:49 ID:d/+H+H9N
ドキドキビンwwwww俺も調合してえ。
甲殻娘とは珍しい。GJだぜ!
154109:2007/10/22(月) 23:33:15 ID:rdEkldoL
教官殿!!
思うままに書きなぐったのですが投下しようと思います!!
ご意見、感想はお手柔らかにお願いします。





やぁ。

いきなりですまない。きっと皆は私はだれか?
そう思っているだろう。
ヒントは……
しいて言えば、露出された輝かしい太もも。
一部の人間には「絶対領域」なんていわれているらしい。
他にも見えそうで見えないおへそや、胸の強調されたインナーなんかだな。


ここまで言えば私が誰だかわかるだろう。
えっ?格好を見ればわかる?
そういう文面上でわかりにくいことをいってはダメだぞ。
……(不味いな。はなすことがないではないか)
そ、そうだ。わたしの昔話を聞かせてやろう。
では始めるぞ。



その日私はいつも通り狩りにでていた。
ちなみに全身プライベートシリーズだ。
な、なんだ君は!!!そんな「見てみたいなぁ…」みたいな顔をしても絶対
見せないぞ!!!……まぁ、君がどうしてもっていうのなら着てもいいけどな。
ゲフン、ゲフン。
そしていつも通り軽く肩慣らしにイャンクックをいなしていたわけだ。
場面もいよいよ最終局面になったとき、イャンクックの連続ついばみが
私のポーチにあたってしまったのだ。まだまだ若人だったからな。
ここまでならまぁ良しなのだが、この時破れたポーチからドキドキノコがこぼれ落ちてしまった。
実はこのドキドキノコなのだがな。
においが非常によかったのであとで私が食そうとおもっていたのだ。
不思議なことにイャンクックの興味を引いたらしくドキドキノコは、あっ!!というまに怪鳥の胃の中。
無論すぐにそのことに気付いたわたしだったのだが、このときるある噂がわたしの頭をよぎった。
155109:2007/10/22(月) 23:33:50 ID:rdEkldoL
「ドキドキノコを食べたモンスターと殺さずに倒したモンスターは人間になる」

まさかな。普通ハンターの想像だとか妄想だとおもうじゃないか?
倒した老山龍のとどめをささずにおいたらロリババァになって嫁ぎにきたとか
同じくガノトトスが嫁ぐのが嫌だから殺すとかいうツンデレ娘(?)になったり。

そんな考えを一瞬で終えた私の目の前にはけむり玉何個なげたんだ?ってぐらいのモヤモヤが。
いやな予感しかしない中だんだんモヤが晴れてきた。
するとそこには……男がいた。いや、どっちかというと青少年か。
ピリリッときたよ。
まじめに。これが一目惚れってやつだとわかった。
甘い甘い青春の電気ブレス食らった感じ(?)だな。
クッくん(命名は私)はどうだったかわからないが。
とりあえず着るものもないようなので説得して、とりあえずベースキャンプまで帰ることにした。
はい、そこ。お持ち帰りだとか、凝視してたんじゃないかとか不純なこと言わない。
そこで何故か持ってきていた私の服を着せ、混乱しているだろうから一休み。
余談だが私はそのとき男っぽい服しかもっていなかったので変な想像しないように。

ふ、とした感覚に目覚めるとクッくんが私のわりと豊かな胸を弄っていた。
即効で這うよう離れた私はお説教をし一通り言い終わった
なのでほんの少し気になっていたゴニョゴニョをしていた理由を聞いてみると
「ここがドキドキして」と私の手を自分の胸に導くクッくん。

少し間が空き顔が沸点まで上昇。もう私の頭はエマージェーシー。
私の血潮はマグマかこの野郎、ってぐらい体がカーッと熱くなった。
そして二人は……


……ここからは語るまい。
まぁ、あとのことは想像にまかせるよ。
聞きたいって?またの機会にな。
き、君がどうしてもまた話が聞きたいというならいつでも会いにくるから…
「ぼくも教官が僕に会いたくなったらいつでも飛んでいく」だって!?
あ、ありがとぅ……
156109:2007/10/22(月) 23:37:08 ID:rdEkldoL
ものすごい中途半端で申し訳有りません。
何分はじめてなものですので。
これで過去テキストうpしてもらえるでしょうか!?

ちにみに続かない。
157名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 23:47:17 ID:OimBwm5u
>>137
オオナズチの様なのが出てきたんだ

このスレを見回るきっかけになったSSなので
楽しみにお待ちしております
158名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:31:59 ID:59LtXVx9
カニ娘の人、nice crab すなわちGJ!
110さんも乙彼でした。
159名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:38:18 ID:Kvo3Evjj
HQから>>147、HQから>>147
箱ガニ少女とのコンタクトは成功した。超GJ!

引き続きセカンドミッションに移行されたし。
繰り返す、引き続きセカンドミッションに移行されたし。


…いやホント、このアトの展開にwktkが止まらんのです!
 ココで終わらせるのは生殺しです! 犯罪です!!w
160名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:53:16 ID:EDupiRE9
>>146
なるほど、ドキドキビンか……
派生でなんか使えるかも知れん
161名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 02:16:39 ID:i0hvieSY
カラの実とドキドキノコ
生肉とドキドキノコ
薬草とドキドキノコ
こういった派生もあるな
162名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 03:01:18 ID:GBLtA2Ky
そこはおまえ、エロパロスレだぜ?

モンスターのフン+ドキドキノコ とか
マンドラゴラ+ドキドキノコ とか
特産キノコ+ドキドキノコ とか
163名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 03:31:58 ID:VHPK5ZlC
強走エキス+ドキドキノコ

心不全になりそうな組み合わせだな
164名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 03:57:35 ID:sxMBerp5
超絶一門+ドキドキノコ=ドキドキ一門

効果、一定値以上【擬人化】を蓄積させると、どんなモンスターでも擬人化する。
これを【ドキドキ武器】という。
これはその中でも最高クラスの擬人化蓄積値を誇る。
165名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 04:11:19 ID:Pjzs3cBW
>【ドキドキ武器】
なんとも痛々しい(褒め言葉)感じのネーミングなのが最高
166名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 12:46:22 ID:mSo3xDlx
トウガラシ+ドキドキノコ=ドキドキムチとか


いかんな、ハンターが間違えて食べてしまいそうだ
167カイ・キスク:2007/10/23(火) 16:06:07 ID:3jVScpu4
前回の書き込んだのは兄です、すいません。
まぁ、ボクも一応(続かないかもしれない)ので一応書き込みます。
題名「えっ!?まじで!?岩山龍が人間に!?」
砦、昼。 ???「無駄無駄無駄無駄ハンターに私を倒せるものか。
別名「岩山龍」と呼ばれた私を討伐するとは千年足りぬ!。」
ハンターA「千年ってドンだけだよ、つうか生きてねーよ!。」
ハンターB「まじで!?本とに無理無理無理無理。」
???「止めだ、さらばだハンターt・・・・」
ハンター両方「速攻魔法発動!ドキドキ薬!」
???「ドキドキ薬だと!!。」
ハン(ry)「これはドキドキノコとアオキノコを調合することで完成する!、
このアイテムを飲んだモンスターは人間になる、しかもあらゆるモンスターも
まったく関係なく人間にすることが出来る!。」
岩山龍「な、なんだって!、ハッ!まさか・・・」
ハン(ry)「さあてショータイムの始まりだZE★。」
で数時間経過、クエストクリア、あと一分で町に帰ります。
ハンターA「そう言えばまだ自己紹介してなかったねボクはカオス。
君の名前は。」
ハンターB「ボクの名前はクルル。よろしくカオス。」
カオス「うん、でもまさかあの作戦(ドキドキ薬のこと。)がうまく良くなんてね。」
クルル「だもんね、さっ、町に帰ろう。」
クエストクリア。
168名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 16:16:58 ID:iPsnEGl2
うん、とりあえず乙
さ 続きを書いてこよう
長く投下していないと、忘れられていそうで怖いんだよ
169名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 17:31:22 ID:Kvo3Evjj
>>166
今晩の夕飯の献立が決まったw
久々に土鍋出すとするかなぁ…
170名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:25:29 ID:kq5ZGY9p
ずっと思ってたんだが、擬人化って邪道じゃね?
真のモンスターハンターなら獣そのままでもイケると思うんだ。

というよりむしろそれでしか勃たないn(ry
171カイ・ハンセン:2007/10/23(火) 20:46:44 ID:Aoc5SU0j
>>164
ドキドキ武器ワロスwwwwww

打ち上げドキドキ爆弾G・・・・いやなんでもないです
172名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:47:08 ID:NlpJAmy/
真のモンスターハンターは竜になど劣情は覚えんよ。
竜はただの金になる害畜に過ぎん。
害虫駆除のプロが虫でヌくと思うか?
 
とか言ってみたり。
スレを特殊な属性で固定すんのもどうよって思うよ?
まずはおまい様が書いてみれ。
そしてなれ。
真のドラゴンファッカーに!
173名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:49:30 ID:Aoc5SU0j
>>170
ムロフシ×コンガ
電波が・・・!電波が・・・!
二日程で受信し終わりそうだ・・・!
174名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:16:38 ID:fkW5TSh+
アッー!
175名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:19:28 ID:qum3ZSHi
>>172
ガノトトス原形に全身を舐められたいと考えたことのある俺はどうすれば
176名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:21:34 ID:MxVAF0ud
自分で書くしかない
177名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:31:52 ID:fugZ96IS
キリン×♀ハンターの馬ファックを見たい俺はどうすれば
178名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 21:48:37 ID:9vvUYgsy
アイルー・・。
179名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:13:41 ID:9vvUYgsy
最近話題になっている、ドキドキノコ。
その実体をアイルー先生に聞いてみた。

インタビュアー:イ
アイルー先生:猫

イ「ドキドキノコって何かHな事に関係あるんですか?」

猫「当たり前ミャ!!」

イ「ビックリした・・」

猫「コホン。全ての生物は子孫を残すために生きているミャ」

イ「・・え?」

猫「まだ分からないのかミャ?だから、人間と違って五感が発達しているモンスター達は繁殖期に備えて媚薬効果のある物がある場所に定住するのミャ」

イ「なるほど・・それに偶然、人が気づいただけという事ですね?」

ア「そうミャ」

イ「では、いちばんその効果が得られる調合レシピを教えて下さい!!」

ア「比較的、『薬草』、『マンドラゴラ』、『ドキドキノコ』などが性欲を最も増長させるといわれているミャ。これを混ぜると『性欲薬』になるミャ。さらにそれに『龍殺しの実』を調合すると『性欲薬G』になるミャ!!」

180名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:31:14 ID:9vvUYgsy
イ「それを飲むとどうなるんですか?」

ア「性欲がかなり増長されるのは『性欲薬』と同じミャ。『G』は強力な精子死滅作用が含まれていて妊娠しないミャ」

イ「・・・それだけですか?」

ア「勿論そんなのはオマケにすぎないミャ。すごいのは、種族転換できる事ミャ!!」

イ「種族転換!?」

ア「そうミャ。モンスターの亜種、たまにしか採れない素材・・。あれは全部、種族転換の失敗によるものミャ」

イ「へえぇ〜〜〜」

ア「分かったかミャ」

イ「・・・・グビグビ」

ア「え・・ミャーーー!!飲んじゃ駄目ミャーーー!!」

イ「ぷう。私、一回アイルーとやってみたかったんだミャ〜〜」

ア「ミャアアアアアァァ!!!」




月刊『狩りに生きる』より抜粋
181名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:37:31 ID:9vvUYgsy
IIIorz <− sage忘れ
182名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:40:35 ID:ADy6uUvK
>>181
sageが全角になってないか?w
ドンマイ。
183ドスヘラクレス柳沢:2007/10/24(水) 02:50:59 ID:KaKl8HIS
ちょっくら書こうと思う。

友人に表現力無いとバカにされた。
このイライラを晴らしたい。
 後悔はしていない。
人×人だから、
空気も読んでいない。
184名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 02:58:24 ID:7MxnT3oG
表現力なんて文章たくさん読んでたくさん書けば勝手に身につくさ。
というわけで久々の人間同士のエロスに期待。
185名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 20:05:01 ID:CLr/3a6h
久々…?
186名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 20:25:44 ID:Zkf24LKk
普通の人間同士のエロスというと、
珍味の人の眼鏡さんと三男坊さんか……?
他に真人間いたっけ
187名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:32:25 ID:9kp0RiRz
真人間てwwwwww
確かにこのスレ擬人ファッカー多数だが
188名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:32:25 ID:K6RjjxBU
黒龍シリーズは雌が生まれない種族。
だから雌のラオ・シャンロンに種付けしなければならない。
黒龍から逃げているラオ・シャンロンは全部雌である。

こんな電波を受信した…
189名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 21:45:41 ID:NXBsNQCj
逃げ惑うラオ娘を強姦するボレ男もいいが
黒ドレスなおねぃさんボレ娘も捨てがたい
190名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 22:41:25 ID:OOErSOqu
じゃあいっそのことラオ討伐してたら偶然そのラオをいぢめに来たミラと出くわして慌てて投げた戻り玉の影響で人化した二人を上手にいただきましたとかどうよ
191名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 22:48:09 ID:hQv9OyzN
正直モドリ玉擬人化は飽きたなんて口が裂けても言えない
192名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 22:58:10 ID:cA7OFkUe
あの人とかあの人とかあの人とか
受けが良い人の作品は、
モドリ球で擬人化してどうこうでなく、
擬人化した上で、それを利用した物語を作ってるんだろうな
193名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 04:07:35 ID:RGfN1ypF
>>191ならば、全モンスターには一ヵ所だけ触れると人になるスイッチがあるという設定ならどうだ?

スイッチに触れると擬人化するという噂を聞いたハンターが、攻撃で死にそうになりながらも必死にスイッチを探して触れるとか。

勇気があれば黒龍や紅龍あたりをおすすめするが。
194名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 08:03:32 ID:i9d0GdsD
そう、どうして擬人化したかなんて重要じゃないのです
いかにいちゃいちゃしたかを書くのが重要なんです

と4流の俺が言ってみる
195名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 08:41:22 ID:8ovfEv1R
二人の心が繋がって人になるとか俺から聞いた
196カイ・キスク:2007/10/25(木) 11:11:40 ID:dOOU0V3D
またまたきました、では第二作目。題名「ナンジャコリャー!ショウグンギザミが
人間に!。」 火山クエを受けたハンターが一人いた、名は「カオス」。
「あっちぃ〜、火山は暑いよ〜、そんな時はクーラードリンク!。」
ごくっ。 「元気百倍!先に進もう。」 ショウグンギザミ登場!。
カオスが持ってきた武器は「斬波刀」防具はモノブロスシリーズ。
いよいよ戦いは最終場面に。
「さあて、シビレ罠設置。このまま捕獲に移る。」
罠発動!、ショウグンギザミは痺れて動けない。
捕獲成功と重いきあモドリ玉を使ってしまった。
カオス「ナンテコッタイ、麻酔玉とモドリ玉を間違えるとは・・・」
カオス「サブタゲ両方クリアしたから帰ろう。」
ムニュ カオス「ふえ?。」 カオスは女の子(別名、蒼色)を見つけた。
カオス「なんじゃこりゃああああああああ!!。」
町に帰ったカオス。
その後他のハンター達からは「モテモテだねー。」といわれた。
カオス「すいませんこの子の服ありますか?」で帰った返事は「ありますよ」
と答えた。
とりあえず自宅に戻ったカオス。 「目が覚めました?。」
カオス「蒼色さんで読んでいい?。」 「嫌だなーあなただって蒼いr・・・」
ギギギと体が動く 「無い!ヤド、ヤドが無い!。」と言ってカオスは
カオス「どうしたの?。」で帰った返事は「なんじゃこりゃー!。」
カオス「(二度目だ、なんじゃこりゃー!って言ったのこれで二度目だ。)」
カオス「まあ落ち着いて、死神五世さん呼んでくるから。」
そういって五世を呼びに言ったカオス。数時間経過。
カオス「どうですか?。」五世「う〜む、さっぱりですな、とにかく分かった事は」
カオス「分かった事は?。」五世「モドリ玉に当たったとしか言えません。」
五世「あとこの子にはもともと甲殻種と呼ばれるモンスターだったはずです。」
カオス「じゃあ、もうモンスターには戻れないって事ですか?。」
五世「間違いなく。もう人間になった以上モンスター生活は送れないでしょう。」
カオス「まじですか??!!じゃあこの子面倒は。」
五世「無論カオス、君です、この子の名前を決めてください。」
カオス「う〜む。・・・・・・よし決めたよ。」
カオス「君の名前はルナに決定。」ルナ「よろしくおながいします。」
五世「では今夜は遅いです、カオス君の家に泊まってください。」
ルナ「五世さんさようなら。」五世「またあしたきますんで。」
カオス「う〜、お腹減ってきたよ〜ご飯にしよ。」ルナ「うん。」
アイルー「食事にしますニャ?。」カオス「うん今日のご飯は?。」
アイルー「今日はポポノタンを使ったホクホク鍋ニャ!。」
カオス「それ頼むね。」アイルー「わかりましたニャ!。」
ご飯「ホクホク鍋」がテーブルに置かれた。カオス&ルナ「いただきま〜す。」
カオス「ふう美味しかった。ごちそうさまでした。」
アイルー「ボクの料理が美味しかったニャ?また食べにきてニャ!。」
カオス「もうそろそろ遅いし寝よルナちゃん!。」ルナ「うん、おやすみ。」
カオス「おやすみなさ〜い。」
眠りに漬いた二人はその後はどうなる?。
197名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 11:18:00 ID:IXgPngh6
IDすげー
198名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 12:13:29 ID:U7NE68Gj
>>198
もうちょっと年食ってから来い
年齢制限ありだここは
199名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 12:14:41 ID:U7NE68Gj
もうちょっと年食ってから来ます

誤爆した……
200名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 12:16:51 ID:0l9NX9VP
>>198
ちょwアンカーwww
>>196
うん、まぁ、乙彼。
とりあえず、このスレでもいいんで、"GJ!"をたくさん貰ってるヒトの作品を
読み直してから、どこが良いのかを研究してみるともっといいモノが書けると思うんだ。
201名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 14:17:06 ID:ZK5Pwuzh
台詞の前に名前付けてる辺りで既に全く読む気になれない
202名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 15:42:39 ID:OfWHchiP
>>196
お前この間イャンクックのSS投下したヤツだな?
そのとき自分の書いたSSの評価読まなかったのか?

正直かなりレベル低いぞ。
18になってから来るんだ。
203名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:04:17 ID:KkI5VLwN
>>202
あいつの場合18でも危ないかもしれんから21になって来た方がいい
204名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:22:21 ID:R1DLwjDL
溜め込んでたのを今読み終わったぜ!沢山の職人さんGJ!
一つ疑問に思ったんだけど、ザザミ娘って夜のryどうするんだろうな。

だが何より嬉しいのは
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 ノットス!ノットス!ノットス!ノットス!ノットス!ノットス!ノットス!
 ⊂彡   ノットス!ノットス!ノットス!ノットス!ナッハウェアとノットス!
205名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 16:53:50 ID:XEQRddJS
とりあえず教官には再うpをお願いしたく(ry
206名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:06:04 ID:KTP+jUOP
>>147のザザミ娘を読んでツンデレギザミ娘という電波を受信した俺はどうすれば。
207名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 18:23:11 ID:NBYPT7e5
まずやってみろ
208名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 19:32:51 ID:8Ae/ZqDM
男は度胸!何でもやってみるものさ
209名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 20:07:25 ID:E6KW0n5B
お前、俺のケツの中で水ブレスしろ


…はっ、なぜこんな展開に
210名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 21:14:01 ID:6+AZkE6P
>>206-209
不覚にもこのやりとりに吹いた
自重し…なくていいwwww
211名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 22:35:38 ID:b9DC8yb8
孤高でSだったガルルガ娘がハンターにボコボコにされてMに目覚めるとか思いついた
俺に文才があればッ!!
212名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:10:02 ID:R51jkyz+
>>211
ぜひ書いてみることおすすめするよ
べ、べつに読みたいわけじゃないんだからねっ!!
213名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:17:52 ID:mZGb5/vC
http://sankei.jp.msn.com/topics/entertainments/1982/ent1982-t.htm
こんなんだから3はwiiにいっちゃうのか
214名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:22:16 ID:tTsOVpJC
女ハンター(普通のハンター、ものぐさで家事ダメ)
主人公ハンター(死んだ親の遺産で生活、狩りにはせいぜい素材採集程度でしか行かない。家事全般おk。
よく女ハンターの世話を焼かされている)


電波受信中・・・・・どうしますか?

ニア しっぴつ
ニア 削除
215名無しさん@ピンキー:2007/10/25(木) 23:36:44 ID:kpj3nu/9
一つ聞きたい

フルフルは可愛いか?
216名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:12:26 ID:2ohTdyqJ
>>215

一つ言おうオレはフルフルは好きじゃないが装備は好きだ
217名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:34:45 ID:EiOKdp4e
フルフル系って素材の見た目はあんなんなのに、男装備も女装備も
けっこうデザイン好きだ

男がフルフル白無印剣士装備を着ると、髪型と顔によっては女っぽく見える。
あれ女に着せても似合いそうな気がするんだが女版は別デザインなんだよな
218名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:40:22 ID:Vrhp2GT9
ではフルフルを愛おしくてたまらない俺はどうしたらいいだろう

やはりこの欲求を書くしかないのか…?
と、自己アピールしてみる
219名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:13:50 ID:YipE9gh0
みんな大好きwiki保管庫のお出ましだぁ!!!!
http://wiki.livedoor.jp/mheroparo/d/FrontPage
いやほんと今日はこれで勘弁してくださいマジで
仕事がキツイんだよ。
かなり投げやりだがあとは各自頼んだ
220名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 01:20:20 ID:z+41PA+x
おぉ……
GJすぐる!!超乙一門
221名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 07:11:55 ID:M7TeJRWy
もしやYOUは神様かい?GOOD JOB!! つコンボウ葱
222名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 15:04:16 ID:71OkfTlp
保管庫超GJ



>>221
アッー!
223名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 15:10:23 ID:ly5k/T9L
保管所の人グッドクック!!
224名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 15:38:42 ID:xNgbpQ34
これはもうGJとしか言いようがない!
225名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 16:30:51 ID:daKdKrBF
保管所新しく創ったのか! お疲れ様ッス!

ところで、ここはスレそのものを保管する場所?
それともSS各々を上げる場所?
どちらにせよ膨大な作業量になりそうだが・・・誰が作業するんだろう・・・?
226『クイーン』の人:2007/10/26(金) 16:54:16 ID:+1KTmOpj
保管所立ての人、乙彼様。
番外編の2(実質3?)の前半部が出来ましたので、投下させていただきます。

『クイーンに首ったけ 番外編』奥様はランゴスタ2(上)


 「ホレホレ、こっちだこっち!」

 ゼェハァゼェハァと耳ざわりな呼気を吐きながら首を振る紫色の怪鳥は、巧みに足下に潜り込んでフレイムサイフォスで斬りつける我が君に気を取られているのか、妾の方には殆ど注意を向けていないようじゃな。

 沼地の汚泥に足を取られながらも、妾は手にしたジェイドテンペストをリロードして、手持ちの麻痺弾をありったけ詰め込んだ。
 ほとんど狙いをつけることもせずに、そのまま銃口を怪鳥に向け、銃爪を連続して引き絞る。狩人になった最初のころは、いちいちスコープを覗かねばロクに当たらなんだが、最近では手慣れて、さすがにこの程度の距離では的を外すことものぅなったわ。
 ガウンガウンという補助弾特有の微妙な反動を残しつつ、麻痺弾は3発とも命中し、かの紫毒鳥の動きを止める。
「我が君、いまじゃ!」

 「ナイスだ、ラン!」

 夫婦ならではの阿吽の呼吸で、互いに猛攻を開始する。
 我が君は、実戦ではめったに最後まで出せない連続斬りを最後の回転斬りに至るまでキッチリ連発し、妾はすぐさま通常弾2に換装してリロード、そのまま連射し続ける。

 しばしの後、麻痺弾の効果が抜けて動きだした毒怪鳥は、ボロボロになりながらも怒りに我を忘れておるようじゃ。
 しきりに荒い息を吐き、カチカチと頭上の鶏冠を光らせようと試みる。
 しかし、その物騒な発光器官は、対峙して早々に妾がありったけの散弾で破壊してある。我が君のように盾を持っている場合はまだよいが、生憎妾は軽弩使い。閃光で目眩しされてはたまらぬからのぅ。
 無駄な動作をくり返す阿呆は、絶好の的じゃ。怒りに囚われそのようなことも分からぬとは……哀れな。
 とは言え、妾たちは、その阿呆を狩るのが務め。無論、手心を加えたりはせぬ。
 クエスト開始より10分あまりで、無事に紫毒怪鳥めの討伐を終えることができたのじゃ。

   *   *   *

 ――のっけからの戦闘場面で驚かれた方もおられようが、ご安心なされよ。これは、間違いなく『クイーンに首ったけ』番外編じゃ。

「今日も御身が無事なままお仕事が終わって何よりでございますな、我が君」

 「そいつは俺の台詞だ。お前さんがいてくれるからこそ、あれだけ迅速に仕事を済ませるんだしな。ラン、感謝してるぜ」

「未熟なこの身に過分なお誉めの言葉、有り難うございまする」

 「HAHAHA、水臭いこと言うなよ。俺達は二世を誓った伴侶だろ?」

「ええ、故に我が背の君たる貴方様の背中を守るのは、妾の務め」

 「だったら、奥方であるお前を護るのがオレの使命ってこった」

 ギルドの確認も終わり、村まで帰る途上のアイルーの送迎荷車の上で、互いの健闘を讃えあう我が君と妾。……はて? 荷車を引くアイルー連中が、揃いも揃って砂を吐きそうな―アイルー故判別はしづらいが―表情をしておるのは、何故かのぅ?

 「それにしても、ラン、今日のお前さんは、いつもより激しかったみたいだが」

「おや、お気づきになられましたかえ。左様、あの毒怪鳥と言う輩には、いささか含む所もあります故」

 あのゲリョスとか呼ばれておる鳥竜種は、二通りの理由でランゴスタであったころの妾にとっては厄介で不快な存在じゃった。
 ひとつは、その身に備わった発光機能。狩人からの自衛のためとは言え、あの閃光はランゴスタを始めとする小型モンスターにとっては閃光玉を直視したのと同様、直視しただけで目を回して無様に地に落ちることとなる。
 二つめは、そのクチバシより吐き散らす毒液。虫類共通の弱点である毒を無造作に振りまかれては、ランゴスタやカンタロスにとってはよい迷惑よ。妾も一度吐きかけられて半死半生の目に遭うたことがある。
 ところで、狩人稼業を続けるうちに気づいたのじゃが、元ランゴスタであった妾は、やはり通常の人にはない特質を備えておるらしい。
 あの元の妾の甲殻から作られた下着を着ておるだけで、防御力が多少上乗せされるのは、ガンナーの妾には有り難い利点じゃ。また、本来は、アイルー料理によって発動する"ネコの胆力"が常時付加されているような状態も、元モンスターならではかの。
 ただし、長所ばかりではない。たとえば、素の状態でも妾はいわゆる毒倍加のマイナススキルが発動しておるらしい。
 その意味では、その異名の通り毒攻撃を仕掛けるゲリョスめは相性の悪い相手ではあったが、前述のような理由から、是非とも一度、妾の手で鼻を明かしてやりたかったのじゃ。
 心配性の我が君は、持てるだけの漢方薬と解毒剤、それにとっときの秘薬まで妾に持たせてくださったが、幸いにしてそれを使うこともなく、無事にこうして狩りを終えることができた。これも、我が君と妾の、あ、愛の絆(ポッ)あっての勝利よ。

「では、我が君。妾は先に家に戻って昼餉の支度をしておきますゆえ」

 仕事のあと、村の集会所兼酒場で勝利の杯を傾けられる我が君と別れ、妾はひと足先に自宅に戻ることにした。

 「おぅ、いつもすまんが、頼んだぜ。俺もそう遅くはならないようにするから」

「心得ておりまする。それでは……」

 事情を知らぬ者が見れば、我が君の態度は横柄に思えるかもしれぬが、酒場における"こむにけーしょん”は、情報収集なども含めて狩人としては極めて重要じゃ。仕事後の疲れた身でそれを引き受けて下さる我が君には、むしろ感謝しておる。
 それに……やはり、内儀(おかみ)としては亭主を家で出迎えるのが筋と言うものじゃろうからのぅ。
 「あ、奥さん、お帰りにゃさい」

 家に入ると、アイルーのシズカが出迎えが迎えてくれた。
 彼女は、かつて妾と友誼を結んでいたトモエの孫に当たるアイルーで、1週間ほど前、はるばる東方からこの地までトモエの訃報と遺品(使い込まれた包丁じゃった)を届けてくれたのじゃ。
 シズカの話によれば、妾が人となって我が君の元に嫁いだことは、ネコニュースネットワーク(何でも大陸全土をカバーしておるとか)を通じて、ふた月ほど前にトモエも知ったらしい。
 そのときはまだトモエも存命で、妾の幸せを喜んでいてくれたそうじゃが、寄る年波には勝てず、ついには死の床につき、ひと月ほど前に帰らぬ人、いやネコとなったらしい。
 そのとき、彼女の孫の中でいちばん元気で好奇心旺盛なシズカが、伝言と遺品を言づかったとのこと。
 妾にとって最初の、そしてかけがえのない友が、20年の時を経ても妾のことを忘れずにいてくれたことへの喜びと、同時に彼女が亡くなったことへの悲しみに、妾はひと晩中涙にくれて明かした。
 そんな時も、我が君は余計なことは言わず、ただ黙ってそばにいてくださった。それがとれだけ心強かったことか……。

 「ニャ? どうかしましたか、奥さん?」

「ああ、済まぬ。つい追憶にふけってしまっただけじゃ。留守中変わったことはなかったかえ?」

 シズカは、せっかくこちら(大陸中部)まで来たので、観光とがてらしばらく滞在するつもりらしい。妾たちが狩りに出て家を空ける時に留守番する代わりに、宿と食事を提供することを約束したのじゃ。
 「それが……ヘンにゃ女の人が来ました。だんにゃさんを訪ねて来たみたいでした」

 むむ、我が君に女の影? 浮気?? 新婚家庭崩壊の危機!?

 ……などと言うことは、妾はちぃとも思わぬ。
 己で言うのもなんじゃが、我が背の君は、愛妻たる妾に首ったけ。よそのおなごに目を移すことなど、現状ではあり得ぬわ! ……まぁ、実のところ、同じだけ妾も我が君にメロメロ(死語)ではあるが。
 それに、多少回数が減ったとはいえ、毎晩限界近くまで"旦那様"の子種は絞り取っておるからのぅ。妾の目を盗んで浮気なぞしとるだけの精気も甲斐性もないはずじゃ!

 となると、大方狩人仲間の誰ぞが、我が君の手を借りとぅて訪ねて来た、と言うオチじゃろう。
 最近でこそ妾の訓練に付き合って戴いておるが、そもそも我が君はこの村でも稀少な上位の狩人。難敵相手とあらば、その技量を必要とする輩がいても不思議ではない。

 ――と、着替えながらそこまで考えたとき、玄関口の方から声が聞こえた。
 我が君なら、「ただいま」の一言とともに入って来られるはずなので、これがそのお客なのじゃろうて。

「はい、ただいま参りますゆえ、しばしお待ちくだされ」

 帯の位置を整えながら玄関へ向かう。

 「遅ーーーーい! わたくしをこんなあばら屋の入り口に待たせるとは、まったくどういう了見ですの?」

 そこには、豪奢な純白のロングドレスに身を包んだ、歳若い女子が、従者らしき男女を従えて、プリプリ怒りながら立っておった。

 <(下)につづきます>
231『クイーン』の人end:2007/10/26(金) 16:58:54 ID:+1KTmOpj
以上、とりあえず上巻です。この期に及んで新キャラを出すとは、我ながらいい度胸かも。
下巻は週末のあいだには何とか……
232名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 17:43:32 ID:TKTNmKlO
>>226、続きを・・・続きを・・・お願いします、新キャラ誰だろ・・白い昆虫系・・はっ、不死虫!?

全然関係ないが、モドリ玉やドキドキノコで何故擬人化してしまうのかを考えた
そもそもモドリ玉を使った場合、何処に居ようとも一瞬でキャンプまで戻れる、一瞬なので煙幕等ではない
つまり、モドリ玉は、実は、存在の確率を変換して、別の場所にいたハンターをキャンプに居た事にしてしまうという恐るべきかつ深遠な性能なのである。
調合して使わない場合、その効果が一定でないのは、使用者の思考がキャンプに戻るという一定方向に向いていないからだ。
これをモンスターに使用した場合、ハンターの想い、あるいはモンスターの想いが存在確率を操作、そのモンスターが人間だったかもしれないという因果を導きだし、書き換えてしまうのだ!


・・・無理があるな、うん
233名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 18:12:18 ID:UMQWyl6s
>>231
あなたの作品を一目見たときから、このスレに常駐するようになりました……
今度もGJをありがとうッ!

>>232
フルハシヒデユキのような理屈をありがとう。俺はそういうの大好きだ
234保管庫作った人:2007/10/26(金) 18:44:27 ID:IzXMfF/J
>>225
一応ここのSSの保管に作ったが作業はログ持ってる人に任せた
一応俺も持ってるが女ハンター片手にクライスラービルかエンパイアステートビルに登るコンガSS書くのに忙しいからあまり出来ない
投げやりでスマンが暇な人頼んだ
235名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 19:09:42 ID:42hkdQgT
>>232
要約すれば「歴史書き換え装置」みたいな物だろうか?
ハンターの居場所を某所某番マップからベースキャンプに書き換える、とか。

>>234
どこから突っ込めばいいのかわからないがとりあえず待てww
236名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 19:17:57 ID:b48oqKIF
>>234
キングコンガ自重wwwwwwwwww
237教官:2007/10/26(金) 20:50:19 ID:ogdrJCLb
>>156
すまんすまん。
新米がたくさん来るようになったのでな。
我輩も久しぶりに訓練に熱が入り過ぎてしまった。


むぅ、読んでみたが……まだまだだな。
読み手に何を伝えたいのか、的を絞って書くともっと良くなるぞ!

とはいえ、初めての投稿、しかも急なお題で即興をこなすのは難しい。
"GJ!"とは呼べないが、その意気やよし!!

もっていけ!
http://uproda11.2ch-library.com/
mame:1139952.lzh comment:お狩りします {DLKey}:mh_ero


>>219
なんというGJ!
ご、ご、ご、ご飯でも一緒にいかがですか?(
238元109:2007/10/26(金) 21:38:43 ID:6vdgJ6sz
うっす!!
お褒めのことばありがとうございます!!
確かに自分まだまだでした。精進したいと思います。
そして貴重なログありがとうございました(m_ _m)

スレ住人のみなさん、お目汚し失礼しました。
生暖かい目で見逃してやってください。
失礼するッス。

>>219
GJッス!!
239桃色さんの中の人:2007/10/26(金) 22:33:26 ID:LckWCmr1
>>『クイーン』の人
GJです!後半をwktkしながら待ってます。

>>219
GJです!キングコンガSSも期待してます。

>>238
偉そうなコトを言えるような立場じゃないですが、お互い頑張りましょう!
240名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:34:55 ID:aDoc7om9
コテはUPするとき以外はずしといたほうがいいと思うぜぃ……
241名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 22:46:55 ID:LckWCmr1
>>240
うはっΣ(・д・;)
すいません・・素で気がつかなかったです・・・
今度から気をつけます。
242名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:11:24 ID:qvnVa1KQ
投下するよー
243子どもの戦い方 エロ無し:2007/10/27(土) 00:13:34 ID:qvnVa1KQ
 トラッドとの諍いが遭ってから少したった頃、吾輩はハンターになるための討伐試験を受けることになった。不本意ながら二人。
 吾輩と、トラッドである。
 あれから一度も会話をしていない。何か言いたげに口を開くのだが結局何も言わないのである。吾輩が話しかけようとすると顔を逸らして何処かへ行ってしまうのだ。
 ゴトン、と尻が揺れる。
 今は、ポポ車の中に二人きり、御者も入れれば三人であるか。後ろの席の隅っこと隅っこで、お互いに壁に幌に張り付くようにして頬杖を突いている。
 装備は教官から借りたおそろいのハンターセット。トラッドの得物は骨を加工して作ったライトボウガン。吾輩も、同じく骨を加工して作った狩猟笛である。
 どの武器も同じくらいにしか扱えなかったので、母に通ずるこの笛にしたのだ。
 表面を撫でる。
 昨日念入りに整備してもらって随分と機嫌が良いようだ。
「この浮気者めぇ……」
 吾輩の手よりそんなに良かったであろうか。教わりたいものである。
 がしゃん! と金属がぶつかり合う音が左から聞こえてきた。
 驚いて眼を大きく開いて振り向くと、トラッドがそっぽを向いていた。体勢は先ほどと変わって両膝をくっつけていて、まるでいきなり姿勢を正して崩したようである。
 しばらく見ていると、ゆっくりとこちらを横目で振り向き、吾輩に気付いて逆を向く。
 何をやっているのであろうかこの人間は。
「先輩……」
 声は届くのだろうか。
244子どもの戦い方:2007/10/27(土) 00:15:56 ID:qvnVa1KQ
 気まずい。あんなことした後でどんな顔をしろというのだろうか。
 討伐試験は一回につき一人ではないかと教官に尋ねたら、「そんなことは無い。ある程度の力量をつけた者達を一度に送り出したほうが効率がいい」と回答を貰った。なんだそれは。
 思い込んでミズチを脅して、さらに酷いことをしようとしたオレは何なのだろうか。
 謝りたくて、情けなくて、どうしようもなくて今まで避けていたのに、現在はポポ車に二人きり。別にしてくれと訴えたら一蹴された。
 参ったなぁ……。
 チラリと右を見る。幌を向いたミズチの頬にキャップから零れた髪が掛かって、光を弾いていた。
 きっとコイツは人間じゃなくて、何処かの神様が手を滑らせて落としてしまったんだ。どこの御伽噺だそれ。
「この浮気者めぇ……」
 メルヒェンなことを考えているといきなり爆弾をぶち込まれた。
 心臓が痛いほど脈打つ。正しい姿勢をビシッと取って、いや、こんな姿勢じゃなかったと頬杖を突いて明後日の方向を見る。
 さ、さっきと同じだよな? ていうか浮気者ってなんだよ? オレ誰とも付き合ったことないよ。
 無言がしばらく続いて、空耳だろうかと思った頃、ミズチの方を恐る恐る横目で、ほんのちょっとだけ振り向く。
 見ていた。
 ちょっと待った今の無しで! 首を急に振ったせいで筋が痛い。涙がちょちょ切れそうだ。我慢する。だって男の子だもん。
 ぐっと痛みを堪えていると
「先輩……」
 低めの女の子らしい声がした。
 おいおい、先輩、じゃないだろう? この犯罪者、辺りが適当じゃないか?
 花弁の唇からポツポツ語り始める。
「なんで先輩があんなことしたのか、吾輩には、まだ判らないのである」
 それはないと思うが。
「でも、吾輩は、あ、あんまり気にしてないのであるッ……ひゃッ!?」
 一際大きく車輪が跳ねた。軽いミズチは宙に舞う。
 危ないと思った時には抱きとめていた。
 すっぽりと腕の中に収まる身体。紫と水色の混ざった髪が鼻をくすぐった。甘い匂いがする。抱きしめたところから暖かさが伝わってくる。
 あ、まずい。
 都合の良い展開を一瞬で空想して、そんな自分に吐き気を感じて意識凍結。
 突き飛ばされた。
 驚いた顔でみると、オレより驚いた顔をしている少女がいる。膝が震えているのが判った。
「あれ……?」
 自分の手の平をまじまじ見るミズチ。桜色の爪先が痙攣している。
「わ、わがはいは……? え、なんで……!?」
 いやいやするように頭を抱えて身をくねらす。果たして、オレが声を掛けても大丈夫なんだろうか、なんて考えていると、
「ついだだぁよー」
 御者の声がタイミング良く(悪くか?)聞こえてきて、弾かれたようにミズチは飛び出していった。
 一拍遅れて動き出し、垂れ幕を上げるとミズチの姿は遥か遠くにあった。運動能力ならうちで一番ではないだろうか。
「つーか支給品置いてってるし……」
 ぽつ念と置かれた支給品ボックスが漢の哀愁を漂わせている。
「喧嘩しだだ?」
 丸い樽のような身体の御者が問いかけてくる。顔なんか半分胴体に埋まっている。
「喧嘩っていうか、その」
 なんともバツの悪い話。唇が重い。
 おじさんはこもった声で続ける。
「何があったが知んないけんど、女の子さひとりにしちゃなんねぇべ。追いがげでやんなせぇ」
「でも」
「でももなんも無ぇだ。こっから先はなんの保障も無ぇ冥府魔道、一瞬先さ何があるが判んねぇ世界だべ」
 さ、行きなせぇと手で示す。
 ごつんと自分の頭を殴った。しっかりしろオレ。ミズチを助けられるのは同じ試験を受ける俺だけだ。
 それをハンターでもないおじさんに教えられるとは。
 丸樽ボディが輝いて見えた。
「ありがとうおじさん! 気をつけて!」
 軋む木板を蹴り飛ばして駆け出す。
 待ってろ! ミズチ!
 両肩に引っ掛けたザックが頼もしげに揺れた。
245子どもの戦い方:2007/10/27(土) 00:18:23 ID:qvnVa1KQ
 無我夢中で走る。吾輩のことがよく判らない。なんで吾輩はあんなことを?
 少し息が乱れて来たところで立ち止まった。咳き込みながら辺りを見回す。
「……は、ぁ、……ここは?」
 よくキノコを摘みに来る草原であった。片方が崖になっていて、いつも強めの風が吹いている。
 吾輩に翼があったなら気持ちよく飛べるだろうなと毎回思う場所である。
 くしゃり、と前髪を潰す。
「吾輩は、何をしているのであろう……」
 人間になってから、驚くことばかりである。竜だったころはこんなことなかったのに。
 自分がイヤになる。座り込みたくなるけれど、ここは既に鉄火場だ。気を緩めるには少々危ない。
「早く、片付けてお家帰るのである……」
 怪鳥の狩猟が合格の条件。早く帰って叔父貴どのに相談するのである。身体と感情の齟齬の埋め方を。
 それにしても、さっきからやけに風が強いのであるよ。髪が頬を打って痛いのである。
 足元が揺れて、背中の方から土煙が流れてきた。
 ……は?
「……えーと、あー……そぉい!」
 横に身を投げ出すと吾輩がいたところに火柱が上がった。熱風が防具の表面を撫でる。
「なんとな!」
 果たしていたのは。鱗に覆われた脚。大人一人など余裕で覆い隠せる翼。胴ほどもある尻尾を持ち、
「イャン……クック?」
 何より隻眼。
 深い夜色だ。何より強くて孤独。常に一人、屍の山で寂しさに哭く。
 スパイクの付いた尻尾が空気を押し潰して振り抜かれる。
 その場に身を屈めるようにして躱す。髪の毛が幾本引き千切られて風に踊る。風圧が目に沁みて片目を瞑った。
 ――確かに大まかな特徴は一致しているのである。
 体表の色以外は本で読んだ通り。深い黒だ。刀のように切り返ってきた袈裟切り薙ぎを一足分跳ねて躱した。
 世の中には亜種、と呼ばれるものがいて、大抵通常種よりも強力なのであるそうだ。
「つまりコヤツが大金星!」
 向こうからやってきてくれるとは好都合。骨笛の柄を握りなおす。
「吾輩に打ち倒されるが良いのである!」
 自らの得物を担ぐように構えた。くるりと背を向けて走り出す。崖から離れないと翼を持たない身としては非常に危険である。
 素早く旋回する怪鳥。閉じられた嘴の隙間から炎が舌のように漏れ出す。
 灼熱が撃ち出された。
 吾輩を討ち滅ぼさんと真っ直ぐ飛来する爆炎。転がって避ける。射線上にあった岩が砕け飛んだ。どれだけの威力を秘めているのであろうか。
 背筋がゾクゾクする。物陰に隠れることも許されないらしい。
 立ち上がりを狙って突進してくるイャンクック。カウンター気味に笛を上から叩き付ける。重い手応え。振り抜いた勢いで身体を空に持ち上げて背後に回り込む。
 敵が目の前から消えて右往左往するイャンクックの尻尾を殴りつける。硬い。棘は折れなかった。
 吾輩に気付いて、振り回される尾を笛で受ける。勢いを殺さずに跳んで距離を取った。
 無理だった。
 引き離した距離はゼロになる。
 翼で大気を蹴りつけ初速を得た体当たり。着地する前に弾き飛ばされる。胸の中の空気が押し出された。
 身体を表に裏に何回転。腕が背中が叩き付けられる。四つんばいになって立ち上がろうとするが、力が通わない。穴の空いた桶のようである。
 人の身のなんとか弱いことか。脂汗が滲んで額に髪が貼り付く。顔を上げると離れたところに瞳に狂気を奔らせた笑みがある。
 吾輩の得物はクックの足元。思わず手を伸ばすと、骨笛は踏みつけられて半分地面に食い込んだ。
 ミシミシと音を上げ始め、細かな亀裂が入り始める。
 身体は地面に縫い止められたように未だ剥がれない。この身体は、肝心なときに動けない呪いでも掛かっているのだろうか。
 涙が滲んでくる。否。歯を食い縛って堪えた。 まだ終われない。泣くのは母に再会できてからである。
 さぁ考えろ、吾輩は何を持っている?
 武器は敵の足元。腰には解体用ナイフ。道具はペイントボールに薬草、回復薬、砥石、こんがり肉に投げナイフ。
 さぁ足掻け、いったい何が出来る?
 打ち付けられた身体は鈍く痛む。されど、意思は通うようになってきた。自分の身体の隅々まで問題なく動く。
 立ち上がれ。しっかり踏ん張れ。折れても曲がっても決して砕けるな。
 右手に解体用ナイフ。左手に投げナイフを握り締め、眼前で構える。即席の双剣だ。
 どうせ、なんでも同じくらいしか使いこなせないのだ。
 汗が頬から顎へ伝わり滴り落ちる。ああ、もうあちこち土塗れである。はやくコイツを仕留めて家に帰るのだ。風呂を浴びて叔父貴どのを弄り倒すのである。
 意識を全て目の前の黒色に集める。
246子どもの戦い方:2007/10/27(土) 00:20:46 ID:qvnVa1KQ
 暴君は笑みを消し、鬱陶しいとでも言いたげな表情に変わる。ああそうだろうとも、貴様は吾輩のエゴの戦いに付き合わされているのだから。
 でもな。
「吾輩はしつこいぞ!」
「――意気込むのは良いが、その前に目ぇ閉じて耳塞げ」
 聞きなれた声が耳朶を打つ。慌ててその場に伏せて耳を塞いだ。有無を言わさない声の調子であった。
 一瞬後、頭上から手の覆いをして尚うるさい破裂音と、地面の照り返しでさえも目蓋の裏を白に染める強烈な閃光が三連続。
「ミズチ!」
「言われなくとも!」
 駆け出した。耳と目を狂わされてフラフラ揺れるクックの、その柔らかな翼膜に逆手に持ったナイフを突き立て、
「せぇい!」
 引き裂いた。無理の代償として刀身の付け根から甲高い音を立てて折れる。投げ捨て、地面スレスレに手を伸ばす。
 悲鳴を上げるクックの後ろへ駆け抜け、跳ねるように距離を取った。
「先輩!」
「伏せてろ!」
 クックの顔に何発も打ち込まれる銃弾。狙いは目だ。運がよければその向こうの脳も潰せる。
 堪らずトラッドに背を向けたクックを迎え撃つのが吾輩だ。両手で振り被るのはひび割れた骨笛。先ほど失敬した。息を深く吸い、叫ぶ。
「でぇぃぃぃぃやッ!」
 フルスイングで左頬をぶっ叩く。笛の亀裂が広がる。慣性に従って、首が吾輩から見て左にしなる。
 怪鳥は渾身の力で翼を打ち下ろした。もはや飛ぶことが叶わなくとも、吾輩をその場に縛り付ける程度のことは出来る。
 腹に力を込めて堪える吾輩を横殴りにこん棒のような尾が襲う。が逸れた。距離を詰めたトラッドがクックの顔に散弾を乱射したようだ。
 歯を鳴らすように嘴を固く食い縛るクックは、爆炎を撃ち出さんと首を真っ直ぐトラッドに向ける。先輩は反動でまだ動けないようだ。
 垂れた尾を踏み台にしてクックの背中を駆け上る。背の中ほどで跳び上がり、ひび割れた笛を背負うように振りかぶる。
 ――間に合わない……!
 このままだと炎弾はトラッドに直撃する。胴体が消し飛ぶだろう。
 突如、クックが体勢を崩した。トラッドの骨銃からは硝煙が上がり続ける。足の関節に撃ち込んでいるようだ。
 追加された数秒。気合を込めて笛をクックの頭上から叩きつける。
 叩き付けた。
 砕け散る骨笛と飛び散るその破片。地面にめり込む発射寸前のクックの頭部。
 轟音が響いた。
 爆発に巻き込まれ、先とは真逆の方に飛ばされる。
 空の青さがゆっくりと眼前を流れていく。
 体験時間で数秒後、吾輩の身体は硬い地面にぶつかり、意識を失った。
247子どもの戦い方:2007/10/27(土) 00:22:53 ID:qvnVa1KQ
 目を覚ますと吾輩は横たわっていた。背中には硬い感触がある。地面だ。
 ここは……先ほどの草原であった。
「起きたか?」
 声は右側から聞こえた。気遣わしげな声はトラッドであった。
 顔を向けると少し黒ずんでしゃがんでいる先輩がいた。汗臭さと焦げ臭さが混ざっている。
「先ぱ……クックは?」
 五体満足な姿を見て安心し、起き上がろうとすると体中に痛みが走った。
「無理すんな。ゆっくり後ろを向け」
 言われたとおり振り向く。そこには地面に首を突っ込んだまま息絶えているクックがいた。自ら生み出したブレスに頭蓋の中から破壊されたようであった。
 あぁ、殺したのだなぁ。細く長く息を吐き出す。緊張が抜けて、別の重たいものが胸の中に入り込む。
「先輩、怪我はどうであるか?」
「いや、オレは土が防いでくれたから。お前のほうが重体だ」
 良く考えたらこの人間、ガンナーだから近付かなくても戦えるのである。
「最初に投げたアレはなんであるか」
「企業秘密」
「なんでクックに近付いたのであるか」
「近付いたほうがたくさん当たるし、流れ弾が出ないから」
「どうして最後まで逃げなかったのであるか」
「それも秘密」
「腹が立つ人間であるな貴方は!」
 そ知らぬ顔で口笛を吹くトラッド。この男、訓練所の面倒見のいい先輩というのは上面で、これが地なのではなかろうか。
 吾輩が憤慨しかけていると、急に真顔になり、
「調子が戻るまでは横になっているといい。オレはこれ以上近寄らないから」
 そう笑顔で言って、一歩分後ろへ退いた。都合、人間二人分の距離が空いたことになる。
 でも、眉が八の字になっているのであるよ。
 柔らかな風が吹きぬける。
 じっと顔を見つめているとポツポツと語り始めた。
「オレは、お前のことを、意識していた」
 そうでなくては脅したりなどせぬよな。一文字ごとに顔が下を向いていく。
「ありえない身体能力とか、吸収力とか、毎日を笑顔で過ごしているところとか」
 でもな? それは全て、吾輩は人間では、母の真っ当な子どもではないことを示しているのであるよ?
「綺麗な髪だとか、透けるような肌の色とか、知らない物を見ると目が輝くところだとか」
 そういうところが気に障ったのであろうか。とうとう表情が見えなくなった。
 つ、と顔を上げるトラッド。
「嫉妬、は、あった、と思う」
 でも他にも、と言葉は続いた。それだけではなく、もっと重い感情もあったのであろうか。怒りか、悲しみか?
「許してくれなくてもいい。オレは……」
 遮るように見知った大きな太い声が聞こえた。
「二人とも! 戻るぞ! 村が大変だ!」
 緊急を告げたのは、八枚付いたネコタクに乗った教官殿であった。

 イャンガルルガを討伐して、安心している二人を遠くから見つめる影が合った。
 厳つい中年男性だ。上半身には樽を加工した気ぐるみのようなものを着込んでいる。
「ふぅむ……無茶をしろと教えた覚えは無いんだがなぁ」
 死んだら元も子も無いだろうに。
 気だるげに喋るのは教官だ。ミスミに先日の事件を聞いて二人を監視していたのだ。
「あぁ、私の教育方針は間違っていたんだろぉか……?」
 鬱になる。結果的には倒せたけれど、一歩間違えば二人とも死んでいたというに、この身を暴君の前に曝け出せなかった。
 ハンターになれなかった所以である。
 あと一歩踏み出せたら自分は何になっていたのか。この歳になっても今だ考える命題だ。
「まぁ倒せたから良かっ……いやいや良くないだろう次も上手く行くとは限らんし」
 眉間に皺を寄せて教育プランを考えていると、遠くからアイルーたちの足音――走行音が聞こえてきた。
 先頭のミケのアイルーが甲高い声で叫ぶ。
「教官さん大変ニャ! 村が、村が竜に襲われてるニャ!」
 悩み顔を消し去って、真面目な顔になる教官。ネコタクは教官の前でフルブレーキを掛ける。暴れた車体に飛び乗って無理矢理安定させる。
「あちらへ走ってくれ。形、大きさ、できれば名前を頼む」
「人間より大きくて、すっごく硬いニャ! 羽と尻尾が付いてたニャ!」
 もうちょっと具体的に。なんて思うが、無駄に体力を使わせるのも良くないと判断してこれからを考える。
 教え子二人の姿が大きくなる。
「二人とも! 戻るぞ! 村が大変だ!」
248名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 00:24:26 ID:Bb0mnzI+
>>243
あんた最高だぜ!GJGJGJ!
文章もキャラ設定も構成も全部上手い。
期待してます、頑張ってくだされ。

あれ?これ何てシチュ?
249子どもの戦い方:2007/10/27(土) 00:25:14 ID:qvnVa1KQ
NGしーん1

 人の身のなんとか弱いことか。脂汗が滲んで額に髪が貼り付く。顔を上げると離れたところに瞳に狂気を奔らせた笑みがある。
 吾輩の得物はクックの足元。思わず手を伸ばすと、骨笛は踏みつけられて半分地面に食い込んだ。
 ミシミシと音を上げ始め、細かな亀裂が入り始める。
 もうダメであるか……!
 絶望に絡みつかれたそのときであった。
「Hey! その汚い脚を除けな鳥公!」
 見知らぬ声が場を塗り替えた。
 音源は崖の上から、逆光を浴びて人影が三人分ある。
「P's! 行くぜ!」
 声に従って散開。一人が吾輩とクックの間に降り立つ。黄色と黒の縞が特徴的な防具で固めた彼女は武器を構え、大きく息を吸い込んだ。
 衝撃波が全て吹き飛ばした。
 巨大なトランペットは音のブレスを持ってクックの身体を強引に縛り上げる。
「ゆーめーじゃないーあれも、これもー♪」
 先ほど叫んだ男性の歌に合わせ、クック側部から両手に持った小さな兄弟太鼓をタイミング良く叩きつける二人目の男性。
「……………………………………」
 寡黙な彼は剥き出しの筋肉の躍動が良く見える防具を着込んでいた。
 一撃一撃ごとに強さを増し、クックの体表が無惨に凹んでいく。
 振動を内部に溜め込むことにより、破壊力を増す構造のようだ。
「ふふふふふふふん♪」
 歌詞を誤魔化すリーダーの男はその逆部に背中を向けて降り立ち、弦の張った武器を振り上げた。
「ふふふーふー!」
 逆手に持ったそれを付き立てた。
 痛みに悲鳴を上げるクック。構わず弦をかき鳴らす身体に張り付く赤い服の男性。
 刀身中程まで突き立った武器は最初だけじわじわ、後は一気に滑り込む。高速振動により、切れ味が増しているようだ。
 三人の容赦ない攻撃によって体が壊れていくクック。
「そして――!」
 両太鼓の男性が叫んで翼を圧し折る。
「かーがやーく――!」
 笛の女性が上からブレスで地面に押し付ける。
「かりぴーそぉ!」
 ギターの男性が下から切り上げた。
 三人のHey! の声に合わせる様に黒クックは崩れ落ちた。
 血を払ったギターの男性が、唖然とする吾輩に手を伸ばす。
「キミもカリノグラフピーに入らないかい?」
「名前変わってるのである」
 一もニもなく頷いた吾輩であった。

しーん2

 翼で大気を蹴りつけ初速を得た体当たり。着地する前に弾き飛ばされる。胸の中の空気が押し出された。
 身体を表に裏に何回転。腕が背中が叩き付けられる。四つんばいになって立ち上がろうとするが、力が通わない。穴の空いた桶のようである。
 浮遊感に包まれた。
「あーれー」
 ぴゅーと風を切って崖を落ちる吾輩。ふと、これなら死体も残らないであろうな、なんて考えるのであった。まる。
250子どもの戦い方:2007/10/27(土) 00:27:29 ID:qvnVa1KQ
しーん3

「ミズチ!」
「言われなくとも!」
 駆け出した。
「馬鹿ァァァァァァア! こっちくんなァァァァァア!」
「え!? コッチじゃないのであるか!?」
 背後から来る灼熱弾。炸裂。
「覚えてろー! であるー!」
「また来週ー!」
 二人で空を飛んだ。ネコタク代節約である。地球環境にも優しい仕様。

ここまで。
加工屋とか人の数だけいるんだから、同じ素材、武器でも別物出来て当たり前だよなーとか思ったり。
251名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 01:44:30 ID:okSU7F4F
関東鬼連合自重しろwww
252名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 12:54:09 ID:nrwM2qfd
酔いにまかせてノリで書いたんだが
投下よろしいか?
253名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:04:12 ID:8HFsx6Nr
俺が断るとでも思ったのか?
254名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:29:22 ID:nrwM2qfd
もうあれだ
つまらんかったら殴ってくれ

「うおおおおおおおおおおおお!?!」
「クエアアアアアアア!!」

ここは密林
現在VSクック

「この・・・!クックごときがああウゴペアッ!!」
「ゲボッ(ボガーン)ゲボッ(ズドーン)」

はいどーもこんにちは
俺の名はヤマダ
一応これでも上位ハンターです
え?なんで上位の俺がクックなんかにフルボッコされてるかって?
ハッハッハッハッハ
御冗談を
遊びにきまってるじゃないか遊b・・・

「ちょ・・・突っつきラメエエエエエ!!!」
「グエッ!!グエッ!!グエッ!!グエッ!!」

・・・・嘘ですごめんなさいorz

仮にも上位ハンターである俺がここまでやられまくっている理由
それは5年前にさかのぼる


当時俺はそれなりに名が売れ始めたハンターだった
狩った飛竜は数知れず・・・天狗になっていた俺にある依頼が舞い込んできた
それは伝説とまで呼ばれる黒龍の討伐
向かうところ敵なしと調子に乗りまくった俺は単身クエストへ向かい、小説パターン的には負けるところを見事勝利!
うはwwww俺最強wwwwww
そして受け取った報酬ときたら今まで手にしたことが無いような額!
おまけで黒龍の素材を金持ち相手にオークションにしたらこれがまた大当たり!
莫大な金を手に入れた俺はハンターなんかやってられっかHA−HAHAHAHA!!
とっととハンター休業して贅沢な生活を満喫した!
だぁが、遊び呆けて気づけば金は底をつき、いつの間にやら借金まで
きれいな姉ちゃんの代わりに怖いお兄さんがくるようになりましたよ、ええ


こうして、さすがにやばいと思った俺は、5年ぶりに埃を被った鎧を引っ張りだし、愛用していたボウガン背負ってハンター稼業に戻ることに
とりあえず軽くクックでもシメてやっか!とクエスト受注
しかし5年のブランクは思った以上にでかかった


「うっぎゃあああああああ!!?」
「グエケケケケエエエエエ!!!!」

以上説明終了
つか俺が終了しかかってますよと
255名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 13:35:56 ID:nrwM2qfd
「クソッ・・・やりたかねえが高台ハメで・・・!」
高台ハメ
文字通り高い場所に陣取り突っ込んでくるモンスターを一方的に攻撃すること
ガンナーとしては立派な戦略だが、ハンターとしてはこれをやるとプライドがちょっと傷つく禁じてである
だがしかしここでクックに負けることこそ上位ハンターの俺としてはかな〜り嫌だ!
すると目の前に手頃な段差が!

「よっしゃ!とりあえずあそこでグオファァ!!」
走りだそうとした瞬間尻尾で吹っ飛ばされる
上位素材で作られた鎧のおかげでダメージ自体は軽微
だけど俺の心はズタズタだよママンorz
ふらつきながら何とか高台に辿りつき一息つく
下ではクックがギャアギャアやってる
肩で息をしながらニンマリする俺

「フハハハハ!今狩ってやるからまってなベイベー!貴様は俺を怒らせたぁ!!」
ふたたび調子に乗る癖がでてきたようだ
とりあえず体制を立て直そうとアイテム袋をあさってみる

「回復薬は確か〜・・・・ってあwせdrftgyふじこxsrdtfgy!!?」
背中に何かが体当たりしてきた
しかも体中に電気が走る
パタリと倒れてピクピクする俺
ぼやける視界の中で見えたのはキラキラ光るなぞの発光体

「だ・・・大雷光・・・虫・・・?」
大雷光虫
雷光虫が突然変異により巨大化して集団となり、強烈な光を放つ、いわばスーパー蚊柱
「この・・・虫ケラがぁぁ・・・!」

麻痺から立ち直り素早くアイテム袋に手を突っ込む

「念のために毒煙玉を持ってきといてよかったぜぇ・・・!」

袋の中から丸い形の手ごたえを探りあて、素早く投擲する
・・・本来はカンタロスなどの大型昆虫を殺すためのものだが
まあ殺虫剤のようなものだし効果あるだろうとヤマダは勝手に解釈した
玉は見事命中
ナイスコントロール俺!
だが・・・

「アレ?」
煙の色が違う

「毒煙は紫だったよなぁ・・・?」
もくもくと上がる煙はどう見ても緑色をしていた

「ゲッ!今のモドリ玉か!?」

アチャー・・・という空気をだしつつ大雷光虫を確認しようと近づく
その時

「グエエエエエエエエエエエエ!!!!」
「!?うおおおおお!!忘れてたああああ!!!」

下にいたクックが飛び立ち、俺に向かって突っ込んできた
フライングアタックをもろに受けた俺はそのまま隣エリアへ
煙の中で蠢く影になんか気付く暇もなかった

続くわけがない
256名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 14:48:42 ID:5F+jyOTG
ちょwwwwwwwwwwwww
普通に面白いじゃんGJ!
そこで終わんなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
続き待ってるぜ!
257名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 15:03:39 ID:kzeptcNB
いや普通におもしろすぎるんだがwwwwwwwこういう文体好きだぜGJ!
258名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:24:23 ID:rX/T41po
やべぇwww続かせてwwwwwGJwwwwwww
259名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:45:48 ID:1Wu0FcD9
>>255
GJ!
なんかコレって語尾に"w"を付けんといかん流れか?
では、
つwwwづwwwいwwwてwwwwwwwww
260名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:55:03 ID:0BH3LuW5
もう押しかけ黒龍は更新無いんだろうか

書きかけで終わるのわやめてくれ(´;ω;`)ブワッ
261名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:04:07 ID:sImU5mw2
>>243
>吾輩の手よりそんなに良かったであろうか。教わりたいものである。
エロ描写じゃないのにこの一文なんかエロス

トラッドあのままだと救われないなと思ってたんで今回の展開ちょっと嬉しい。
好きなシリーズなんで今後も楽しみにしてます
あと関東鬼連合うけた

>>254-255
スーパー蚊柱にふいたwwwww
これは大雷光虫擬人化フラグ!(嘘
262名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:26:45 ID:nrwM2qfd
なんか好評ぽいから速効で書いてきたぜ
つまらなかったら蹴飛ばしてくれ

「うるああああああ!!!死ねゴラアアアアアアア!!!」
ボガガガガガガガガガガガガガガ
「グェッ!ギャウッ!?クエエエエエ!!」
「ヒャアッハハハハハァ!!俺のバストンウォ〜ルォックが火を吹くぜぇ!!オラオラオラァ!!!!」
ドパンドパンドパンドパンドパンドパン
「キュグエエエエアアア・・・・!!」

ズズン・・・と鈍い音をたててクックは倒れ伏す

「ハァッ・・・ハァッ・・・・や〜っとくたばったか」
気が抜けて俺はその場にドカッと座り込む

あの後このエリアに吹っ飛ばされた俺は、背後から迫るクックから全力で逃げ、
偶然にも発見した丁度いい高台に陣取った
そしてずっとずぅっと俺のターン!
んでもって現在にいたる

「それにしてもクックごときに苦戦しちまった俺って・・・こんなんで借金返せるんかなぁ・・・」
勝利したものの将来の不安を感じてちょっとブルーになりつつ素材を剥ぎとる
そんな俺の様子をじっと見ている視線があったが・・・
うん気付きませんでしたが何か?


村に戻った俺は報酬を受け取るために集会所へ向かった
「たいした額じゃないだろうが、借金のたしにゃなるかな・・・」
そんなことを言葉をもらしつつ集会所へ足を運ぶ

俺が集会所へ入っていってから5分もたたぬうち、村の入口付近に現れた6つの人影があらわれた

「ここかな?」
「かな?」
「かも」
「たぶん」
「ついたの?」
「つかれた〜」

そんなことを言いながら、6つの小さな影はテコテコと足並み揃えて村へとはいっていった

集会所内
クエストの証書を出して確認をしてもらう

「ではこちら報酬となりま〜すw」
受付嬢がにっこりと笑いながら現金入りの封筒を手渡してくる
イスに腰掛けコソコソと中身を確認する
しめて1200Z
素材売却額2000Z
弾薬他修理費1000Z
借金返済額分−2000z
手取り分200Z也orz

「・・・ママン、僕もう疲れたよ・・・」
遠い目をしながら虚空を見る
雰囲気があまりに哀れに見えたのか、となりに座ってたおっちゃんハンターが酒をおごってくれた
世の中まだ捨てたもんじゃないかもしれないな・・・。
そんなことを考えながらおっちゃんに礼を言い、酒を喉に流し込んだ
263名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:37:39 ID:nrwM2qfd
おっちゃんと別れてほろ酔い気分で家路につく
家につくと住み込みで働いているアイルーに飯の支度をたの・・・めません
とっくに借金のかたがわりに黒グラサンのお兄さんにつれていかれちゃったんだぜorz
「腹減った・・・」
腹はむなしくグーグーと音を響かせる
「そういえばアイテムボックスにこんがり肉とキムチが入っていたな・・・」
こんがり肉と特産キノコのキムチ・・・よし晩飯決定
大きなアイテムボックスの蓋をガパリと開ける
「・・・・」

パタンと蓋を閉じて呼吸を整え、素早い動きで再び開ける
「・・・・・・なんじゃこりゃああああ!!!?」
アイテムボックスの中にしまっておいた薬草、肉、キノコ類・・・とにかく食べられるもの全般が全て無くなっていた
「泥棒!?・・・いや待てよ」
この村の人口は30人弱・・・しかもほとんどが顔見知り・・・
悪さをすればそれこそ村ぐるみで省かれちまう・・・この辺はメラルーもいねえ・・・
仮にハンターだとしても食い物よりも普通は素材を持ってくだろう・・・だとすれば(この間2秒弱)
「・・・・・!!!」
俺はここで初めて家の中の自分以外の存在がいる気配に気付いた
5年も錆びつかせていたハンターの感だ
反応が遅かったのは仕方がないのかもしれない
耳をすます
・・・・・・・カチャ・・・ガタ・・・・
「台所・・?」
俺は息をひそめて台所へむかう
扉が少しあいている
そっと中をのぞいてみるとそこには・・・

「これ食べれるかな?」
「これうまいよ〜」
「何コレ・・・辛っ!」
「あ、キノコ焼けたよ」
「もう食べらんない・・・」
「ああ〜それ私のイチゴ!」

そこには6人の、10歳くらいだろうか
少女たちがおれのアイテムボックスに入っていたであろうものをパクパク食べていた
え〜と・・・なにこの状況?なんで人んちの物勝手に食って・・・つかキノコあぶって食うなそこ!
あ、おれのキノコキムチ・・・・!
待て待て落ち着け深呼吸だ俺スーハースーハー
うん、とりあえず、なんていうかさぁ
「おどれら人んちでなにしとんじゃコラアアアアアア!!!!!!!」
ハイ、まったく落ち着けませんでしたw
気づくと俺はドアを足で蹴飛ばして中の連中に怒鳴りつけていた
少女たちが全員ビクッとしてこちらを見る
一瞬おびえた顔をしたがすぐに目を輝かせて
「「「「「「ハンター!」」」」」」
全員がそう叫んだ
そしてダダッとこちらに寄ってくる
「ぬおあっ!?」
ワーワーキャーキャーと幼女がわらわらたかってくる
ロリコン持ちのやつならよだれものなんだろうが、あいにくと俺にはそんな属性はない!

「ちょっと待った!待ってっておいコラ!」
キャーキャーキャー
あ〜だめだこりゃ完全に遊んで興奮したガキの目してやがる!;
「待て待て待て待て待・・・タスケテー!!!!」

こうしてヤマダのハンター復帰1日目の夜は騒々しくふけていった・・・
264名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:43:46 ID:nrwM2qfd
酔った勢いでやった
後悔はしていなくもない

そしてやっぱり続かないかもしれなくもないかも(ry
PS.エロはない これは断言する
265名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 18:46:12 ID:rSHSPprw
リアルタイムでGJ!
ロリ系キャラで無理にエロに持ってかなくてもオレはかまわないぜ!
スラップスティック、ドタバタ劇が好きなんで今のノリのまま
突っ走ってくれたら文句はない!

というわけでぜひ続けておくれよ兄さん。
266ヤマダの人:2007/10/27(土) 18:57:10 ID:nrwM2qfd
続き書きたいがちょっと名前の募集をしてみたり
だれかこの大雷光虫6姉妹の名前考えてくれ
267名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 19:14:37 ID:sPvBsE1K
なるほど、大雷光虫だけにちっさいのの群体か
俺もエロなしでぜんぜんおkと思うぞ

つか借金返すのに元手のかかるボウガンナーじゃ余計大変だなヤマダwwww
268名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 20:02:12 ID:eN7SL2+2
とりあえずGJ!!!

名前だけど
エクサ
シンシア

アヤネ
エクシア←さっき00見て(気にしないでくれ)
サツキ
サーシャ←さっきティアサガ板いってきたぜ(気にしないでくれ)
サリー
ラーシャ




こんなところでどうだろうか???
269名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 20:45:03 ID:YqYkSTxH
頑張れヤマダwwwww
大雷光虫6姉妹のネーミング、ベタなところで外国の12月をつけてみるなんてどうよ
270名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 20:45:09 ID:rSHSPprw
大雷光虫だから雷とか光に由来した名前はどうだろう?
雷ならライ、ライトニング、イカヅチ、エレキ、サンダーとか
光ならライト、フラッシュ、シャイン、レイ、ビームとか……

……あれ?全部男名前っぽくなってしまうな……
271名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 20:54:49 ID:sq4g5TgN
SI接頭辞なんてどうよ
デシ、センチ、ミリ、マイクロ、ナノ、ピコ、フェムト、アト…
大きい(メガやらギガやらの)方だと強そうな響きなんで
小さい方でいくつか取ってみるとか
272ヤマダの人:2007/10/27(土) 21:00:18 ID:nrwM2qfd
みんなサンクス
参考になったぜ
273名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:41:10 ID:rX/T41po
GJ!

乗り遅れたかもだが名前を考えてみた
エレ(エレキ)
ヒカリ(光)
コウ(光)
パララ(パラライズ)
フラシア(フラッシュ)
イセ(インセクト)

まあネーミング扇子無しだけどな!
274名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 21:54:41 ID:RiSvTt8/
ダイ
イラ
ライ
イコ
コウ
チユ
ユウ

アレレ〜? 一人多くなってるよ〜? 男の名前も混じっているよ〜?
275名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 22:03:13 ID:5F+jyOTG
>>まとめサイトの方
テラGJ!自分なんかハズカしいwwwwwwwwww

流れ切っちゃうよ、ごめん!




林を抜け開けた山腹。
重たい雲が空を覆う中、吹雪は舞い、視界は白く塗りつぶされ、
その幕の切れ間から覗くのは、黄色と青のストライプ。
立ちふさがる巨大な脅威は吼え、大気が爆発した。
燃え滾る憤怒の隻眼はこちらを捕らえ、
残像を残さんとする速さで跳躍したそれの爪は輝き、
彼女の肉親を肉塊へと変えた


まだ世界は暁だったが、少女は目を覚ました。
ここがどこか認識できず、一瞬パニックに陥りかけるが、
自分の隣の存在を知覚し、記憶がぼんやりと蘇る。
誰かに触れたかったとはいえ、この隣の男に甘え過ぎたような気がする。
ぽろ、と目から頬に流れるものに気付いた。、
泣いていたと知り、袖で涙を拭うと、横になりながら膝を抱くように丸まる。と、
足に刺激を感じ、慌てて伸ばして、自分がケガをしていることにも気付いた。

何でこんなことになっているんだろう。自分の今、を思う。
彼女の親も、兄弟も、全員殺されてしまった。挙句、人間に世話を焼かれている。
彼女の心は霜が降りた様に冷え切っていた。

抵抗空しく目の前で引き裂かれ喰いちぎられる両親。
傷を負い動けなくなった姉を残し、攻撃を免れた兄と自分だけでも生き残ろうと、
雪山を夢中で駆け下り、逃げた。
そして、二人だけの旅路が続いた。

自分たちが大きな連鎖の中にいると、
喰うものはいつか喰われると、知っていた。覚悟もあるハズだった。
自分たちは大丈夫だと高をくくっていたのかもしれない。
しかし、”その時”は訪れ、母、父、姉を奪い、
兄も。

彼女は今や一人だった。
276おれとキリンとガブラ酒:2007/10/27(土) 22:05:30 ID:5F+jyOTG
朝日が窓から差しこみ、男は目を覚ました。
同じく目覚めた少女の顔に陰を感じたような気がするが、特に意識もせずに、起き上がる。

朝食後、少女の包帯を換えてやる。
少女は小さな声で礼を言ったが、それ以外は黙っていた。

今日が仕事の最後の作業だ、と支度をしながら男は言った。北西に向かうのだ。
後は、お前が良くなったら、村に帰る、と。
少女は頷き、男を見送った。

暫くして、一人ベッドに潜り込み、少女は泣いた。
何もかも投げ出したい気分に陥っていた。

「(この周辺はもう大丈夫だな)」
夕方も終わるころ宿に戻ってきたゼオは雪を荷からほろいながら思った。
モンスターは殆ど見られなくなり、みな逃げたか、落ち着いたようだった。
宿の女将さんに挨拶し、階段を登って部屋への廊下を歩いていると、
他の部屋へ給仕の途中だろうか、ナキとすれ違った。
彼女は歩みを止め、そっと男に耳打ちした。
「(あの子、今日は元気なかったんですよ)」と。
何かあったんでしょうか?と苦笑を残して去っていった。
はて?

ドアを開けると、少女はベッドに腰掛けぼおっとしていた。
目が、赤かった。
大剣と荷物を壁に掛け、置き、少女に近づくと、びく、と体を引いた。
肩を竦め、鎧を外して、うーんと体を伸ばす。
「・・・どうした」話しかけて見る。
少女は答えない。
ただ不安げに男を見詰めるだけ。
その小さな唇が開いた。
277おれとキリンとガブラ酒:2007/10/27(土) 22:07:13 ID:5F+jyOTG
「何で・・・」
口を閉ざす。

沈黙。

男が口を開いた。
「どうした」
一歩近づく。
「・・・泣いてたのか」
は、と反応すると少女は袖でごしごし目を擦った。
「泣いてないよ」
眉根を寄せ、赤く腫らした目でゼオを見上げる。
「泣いてないよ!」
繰り返すが。

男は少女の隣に腰を下ろし、
何も言わず、少女を抱き寄せた。
少女はバタバタと暴れるが、傷が痛むのか、そう激しいものではない。
かまわず、肩を抱き、両手で包み込むようにし、耳元で聞いた。
「どうした」
少女は答えない。

やがて疲れたのか、抗うのを止め、男の脇に体重をあずけ、もたれかかる。
しばらく、そのままでいた。
278おれとキリンとガブラ酒:2007/10/27(土) 22:08:27 ID:5F+jyOTG
少女が口を開く。
「・・・何でそこまでしてくれるの」
男はふっ、と笑って答える。
「何でかなあ」
少女の髪を指で梳かしてやる。
白銀に輝く少女の髪はさらさらと滑らかに流れた。
「血迷ったのかもな。お前が可愛かったからかも。
 心配すんな、助けたからには最後まで面倒みてやるから」
少女は冗談をものともしない。
「気まぐれなの?」
男は答える。
「そうだともいえる」「(何か恋しくなったのかもな)」と、
男は何かを思い出したのだろうか、顔がほんの一瞬翳った。
「・・・まあ、あれだ。キノコ食わせてそんな姿にしちまったのは俺だし。
 ”それ”、お前にとっちゃ苦痛なんじゃないか?
 人間の姿から戻れなくなって、嫌で仕方がないとか?」
「そうじゃないよ」
少女は答える。
「自分でヒトの姿になるキリンだっているから・・・
 私、キライじゃないし、ヒト。
 襲ってくるハンターは他の獰猛な生き物くらいキライだけど」
男は苦笑する。
「すまんかった」
少女は慌てた。
「ゼ、ゼオのことはキライじゃないよ!
 助けてくれたもの。
 ・・・でも、このカタチはとても脆くて、動き難いし、
 雷も落とせないし」
「やろうとしたのか!」
「小さいのだよ!小さいの。ぱち、ってくらいの。
 でもできなかった・・・」
無意識に、男の服の裾を握った。
279おれとキリンとガブラ酒:2007/10/27(土) 22:11:58 ID:5F+jyOTG
「私・・・その・・・もう今じゃゼオがいないと生きられないの・・・」
現実で聞けばドキドキするような言葉だが、
男は『この姿で前の生活に戻ればキリンのカタチの時より遥かに辛い旅路を送ることになり、
   よってゼオのお世話になるしかない』
という意味だと正しく理解した。
笑いながら少女を見下ろす。
「ああ。存分に頼ってくれていい」
というと少女の頭を撫でる。
「(こいつがカタくなったのは自分の状況に絶望でもしたからか?・・・
 家族がいたころを思いだした、のかもな・・・)」
見た感じ幼いし。人間でいうとせいぜい15〜16だな。多く見積もっても。
「(でもやたら気ぃ使うよな。申し訳なさでも感じてんのか?
 感情の起伏も激しい。やはり、子供なんだ。)」

男は自分のしたことがまさかこんな責任を伴うことになるとは、
と心の中で苦笑するも、険の取れた少女の顔をみて微笑んでしまう自分に気付いた。
「(こいつが望むなら、俺が一緒にいてやろう)」

もう反抗することも無くなったキーファは自分でもゼオをぎゅ、と抱きしめた。
280名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 22:17:11 ID:5F+jyOTG
ここまで------------------------------------
伏線ばらまいてみたり。心理描写ってむつかしいなー
”生きているような感情”をキャラに持たせられるよう努力していくさ!
281名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 22:21:41 ID:rX/T41po
リアルタイムキターっ!
ガブラ酒の人相変わらずGJ!

キーファかわいいよキーファ
282ヤマダの人:2007/10/27(土) 22:34:44 ID:nrwM2qfd
GJ!!
キーファもええがゼオもいい!
俺もいつかこんぐらいのレベルになりたい

なんかハイペースだが続編投下するぜ
あ、名前はまだ選考中
283ヤマダの人:2007/10/27(土) 22:39:26 ID:nrwM2qfd
「というわけです」
「わけです」
「です」
「です」
「です」
「DEATH」

「う〜む・・・・」

俺はひとまず、少々荒っぽいやり方だったが音爆弾で彼女らを鎮圧
改めて話を聞くと、なんとこの少女らは今日俺がモドリ玉をぶつけた大雷光虫だという

ハッ、そんな作り話を俺が引っ掛かるとでも?俺今年で26だよ?いいからチミ達ちゃんとお母さんとこ帰んなさいww
・・・俺は正直この時ほど自分を呪ったことはないだろう
彼女らは証拠をみせるといいだした
ほほぅん、見せれるもんならみせてみんしゃいほれ早くしなwww
すると組体操のいわゆる扇の姿勢をとる
心なしか髪が光を帯びてパチパチいっているような・・・
すると一人が叫んだ
「フラアアアアアアッシュ!!!」

瞬間、世界が真っ白になった

「ギョアアアアアア!!!目ェ!!目がああああ!!!!?!?」

のたうちまわる俺をよそに少女らは傍らでニヤニヤしていた・・・と思う
閃光玉より数倍強い光が俺を直撃しかかったのだ
悪寒を感じて反射的に瞼を閉じてなかったら確実に目がつぶれてただろう
大雷光虫の光は閃光玉ほどではない
だが人間サイズになったことでより強力なものになったようだ

視力が回復してきた頃には俺は彼女たちの言葉を信じざるを得ない状態だった
284ヤマダの人:2007/10/27(土) 22:40:14 ID:nrwM2qfd

「んで・・・何でおまえらは俺んちにいんの?」

「おばちゃんに教えてもらった」
「教えてもらったー」
「もらったー」
「もら(ry

「いやそういうことでなくて・・・」

やりとりが面倒くさいので以下概要
人間になった直後、彼女達は本当に困ったらしい
人間の姿とはいえ、見た目も力も人間の子供レベル
何度か森に迷い込んだ子供とその末路も見ているようだ・・・あまり想像はしたくないが
元に戻るすべがないかぎり、この森では生きてゆけない
そう判断した彼女達は唯一頼れる人間、つまり俺のあとをこっそりついてきたということだ
しかし、帰りのネコタクの後ろ座席にしがみついていたらしいが、まったく気付かなかったぞ・・・?

「と、いうわけで、しばらく住まわせてください」
「ください」
「くだ(ry

「そんなこと言ってもなぁ・・・」

確かに不可抗力ではあるが責任も全くかんじないわけでもない
だが、ちらりと部屋の片隅をみると食い散らかされた食い物の残骸
確かに借金のかたに素材も一部レアモノを残してあらかた売り払ってしまっていたが、
食料だけは万一に備えて大量に保管してあった
それをたった6人でほとんど食いつくしている

食費を考えたらとてもではないがこいつらは養えない!
挙句の果てには過去の栄光の証、自慢のディアブロSシリーズまで手放すことになるやもしれない

その時、背を向けてうんうん言っている俺に一人が近づき耳元で囁いた
「なんならもう一発、アレ、おみまいしてもいいんだよ・・・?」

えらくトーンの低い声だった
「・・・わかった」

自分でいうのもなんだが、語尾がこころなしか震えていた気がする


ヤマダの日記
きょうは、いゃんくっくをたおした
おさけをのんでいえにかえったら、めっちゃひかるおんなのこが
ろくにんうちにすむことになった
しょうじき、きっつい

続くか続かないかは、おまいらしだい!
285名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 22:52:46 ID:8DQslI5O
俺の中でゼオ=ガッツ、キーファ=シールケのイメージで読んでる
286名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 23:02:55 ID:rSHSPprw
皆GJ!楽しませてもらっているぜ!
当然続きを期待しているから皆ちゃんと話書いてくれよな!
287名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 02:17:13 ID:9YjYy6Kx
>>ミズチの人GJ!!
でもレイプって未遂でも心に深いキズ残すんだぜ…/(^o^)\
軽くトラウマな俺からすると是非ともミズチは叔父と一緒になって幸せに暮らして欲しいもんだ
288名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 08:55:22 ID:DrBfxLPK
ライトニング6姉妹wwwwww
( ゚∀゚)o彡゜続き!続き!続き!続き!続き!続き!
289『クイーン』 の人:2007/10/28(日) 20:59:59 ID:RdPFxfLP
ガブラ酒の人、GJ! ヤマダの人も続き期待してます。
例の番外編の続きを投下します。が、いまだ完結せず……。
『クイーンに首ったけ 番外編』奥様はランゴスタ2(中)


コトッ…

「どうぞ、粗茶ですが」

 さりげなく事情を聞いても、我が君に用があると言う以外は教えてくれぬ女性を、とりあえず玄関に面した客間に通すことにする。

 我が君に妻として嫁いだのち、この家にはいくらか手を入れてある。
 本当は隣りのシャルダ殿の家と同様、東方式の家屋にしたかったのじゃが、さすがに一気に全部建て変えるわけにもいかず、食堂兼居間として使っている座敷と、風呂場だけを改装したのじゃ。
 もっとも、それだけで我が家の貯えの半分近くが軽く飛んでいったがの。

 奥の座敷には、イ草を編んだ東方風のラグ――いわゆる"タタミ"を敷き詰めてある。
 我が君も、当初は靴を脱いで床に座るという習慣に戸惑われたようじゃが、いまでは楽な格好でここでゴロ寝をするのが大のお気に入りじゃ。多少無理を言って改装させていただいた甲斐があったと言うものよ。
 稀に、我が君の親しいご友人などを上げることはあるが、原則的に居間は我が君と妾だけが立ち入る、ぷらいべぇとな憩いの場と定めておる。素性のわからぬ者を通すわけにはいかぬわ。

 それに、客間には、そこそこよい品質のテーブルと椅子のセットが置いてある(座敷のほうは小さめの卓袱台じゃ)ので、客人をもてなすにはこちらのほうが都合がよい。

 「――あーら、本当に粗茶ですのね」

 ピクピクッ!

 僅かに頬が引き攣りそうになるが、素知らぬ顔でテーブルの湯呑みを相手に押しやって、妾は丸盆を下げた。
 それは、まぁ、わざわざ王都から従者つきで2頭だての馬車をしたててこんな田舎の村くんだりまで来るようなお嬢さまには、この村で買える、一番高い茶でも"粗茶"であろうしの。
 とは言え、このギョクロは、わざわざ東方から来る行商人から大枚はたいて買った貴重品で、我が君も気に入ってくださっている逸品じゃ。それを頭からけなされては、妾とておもしろうはないわ。

 「……フン! まぁまぁの味ですわね」

 ひと口飲んで不機嫌そうに、女性が呟く。

 ――少々意外じゃな。東方と異なり、紅茶か薬草茶が主体のこちらの人間は、初めて緑茶を飲むと大概はその味に驚くものじゃが。……いや、狙ってやったわけではないぞえ? たまたまウチでいちばんよい茶が、これだったと言うだけじゃ。

 と言うことは、やはり緑茶を何度か飲んだことがある。無論、妾のようにたまたま東方趣味がある、という例も考えられようが、おそらくは教養や嗜みとして知っておったのじゃろう。
 間違いなく貴族か、それに類する家系の出身のようじゃの。

 「それにしても……飾り気のない家ですわね。本当にここが、マクドゥガル・ホレイショ・フィーンの自宅ですの?」

「ええ、その点は間違いありませぬ」

 我が君が元は王都の出身であることは聞き及んでおったが、この貴族らしき女人との関係がよくわからぬのぅ。

 歳の頃は、およそ十八か九。二十歳にはなっておらぬじゃろう。やや小柄ながら均整のとれた体つきと、整った目鼻立ちじゃが癇の強そうな表情の、歳若い女子じゃ。
 白銀に近い見事なプラチナブロンドを、頭の上でキッチリと結い上げ、ティアラのようなものでまとめておる。
 着ておるものは、白を基調としたの装飾の多いワンピース。裾は足首近くまであるかの。スカートの中にはレースの多い下履きを履いておるようじゃが、歩きにくそうじゃのぅ。
 どこからどう見ても"いいところのご令嬢"を絵に描いたような人物じゃが。

 ふーむ……ありがちなパターンとしては、近所に住んでおった幼なじみ、と言う線かの。子供のころは、身分の違いなぞ気にせずに遊んでおったが、成長するにつれ、疎遠になり……といヤツじゃ。
 あるいは、我が君のご実家が、この女性の家と何らかの繋がり(遠縁の縁戚なり、あるいは代々仕える家柄なり)があり、我が君自身もこの女性と乳兄妹か何かであったと言うパターンも考えられるのぅ。

 しかし、それにしても、なぜ今ごろ我が君を訪ねて来やったのか。
 狩人の仕事の依頼であれば、ギルドの方に行くであろうしの。
 ――もしや、子供の頃の「結婚しよう」という口約束の履行を求めて?
 生憎じゃが、そのような約束なぞ時効。我が君はすでに妾の旦那様故、渡さぬぞえ!
 「うぃーース。ただいま〜」

 そんなことを考えつつ、妾が密かに心の中で力こぶを握っておったとき、ようやく我が君がご帰宅なされた。

「お帰りなさいませ、我がき…」「お兄様、お久しぶりです!」

 な……! ちょっ、この小娘、妾と我が君の挨拶に無礼にも割り込むとは!!
 ……と言うか、「お兄様」? やはりパターン2であったか!!

 「はァ!? なんで、お前がこんな所にいるんだ、ヒルダ?」

 「だぁって〜、お兄様、ケインお兄様の結婚式依頼、ちっともお家に顔をお出しにならないんですもの〜、わたくしの方から、会いに来てしまいましたわ」

 驚きながらも、若干嬉しそうな顔つきで、抱きついて来た女性―ヒルダの身体を受け止める我が君。うぅ〜、いくら妹同然の相手とはいえ、ちょっぴり、じぇらしぃを感じるのぅ。

 「ああ、紹介しておかないとな。ラン、こいつは俺の妹のヒルダレイア」

 ……は? "妹"? "乳兄妹"とか、"妹みたいなもん"ではなくて?

 「初めまして、ヒルデガルド・ライオネット・フィーンと申します。以後、お見知りおきを」 

 ご令嬢―ヒルデガルド殿は、先程までの不機嫌さが嘘のような、優雅な動作で軽く一礼してみせた。

「――ご丁寧な挨拶、いたみいります。妾は、ラン。ラン・バレット・フィーンと申しまする。どうぞ、よろしゅうに」

 妾は内心混乱の極みに達していたものの、何とかその様を表には出さずに済んだと思う(ちなみに、バレットは養蜂家であった養父の姓じゃ)。

 「これはこれは……って、"フィーン"?」

 ネコかぶりを続けていた相手の方が、妾の名乗りに何かを感じ取ったのか、微笑を凍りつかせて、グリンと我が君の方へと振り返った。

 「あ〜、その何だ。ランは、俺の嫁さんだ」

 バツが悪そうな顔で、我が君が告げるとともに、ヒルデガルド嬢のかぶっていたネコが剥がれ、そこには1頭の怒れるトラが顕在しておった。

 「ど、どういうことよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」

   *   *   *

 とりあえず、我が君の妹御とあらば疎かにするわけにはいかぬので、客間ではなく居間の方に来ていただいた。

 「それで、どういうことか説明していただけますわね、お兄様」

 満面の笑顔―と言っても"雌火竜(にくしょくりゅう)の笑み"というヤツじゃな、アレは―を浮かべつつ、迫るヒルデガルド嬢の勢いに、タジタジと押される我が君。
 「いや、どうって言われても……聞いたまんま。こいつと半年ほど前に出会って、互いに好きになって、結婚した。成人した男女としては、ごく普通の流れだと思うが」

 元ランゴスタであった女子を嫁にするのは、普通かのぅ? まぁ、これ以上ややこしくなるのは妾も御免蒙りたいので、口には出さぬが。

 「そんな! お兄様は、フィーン家の次男なのですよ? それが、己の一存で結婚相手を決めるなんて……」

 我が君が渋々語ったところによると、フィーン家は王都で1、2を争う――と言うほどではないが、貴族としてはおおよそ中堅どころの伯爵の位を持つ家柄なのじゃとか。

 「生憎だが、そういうお貴族様的な慣習ってヤツが嫌いで、俺は家をおん出たんだ。そもそも、俺はいまほとんど勘当同然の身だろうが。自分の稼ぎで一人前に食っていってる限り、誰を嫁さんにもらおうと俺の勝手だ」

 「……わかりました。フィーン家の意向については保留します。ですが、結婚なさるならなさるで、せめてわたくしどもには、ご一報くださってもよろしかったのではなくて?」

 ふむ。貴族云々を別にしても、身内としては当然の感情じゃな。もっとも、あの時は勢いと言うか、"できちゃった婚"ならぬ"やっちゃった婚"的流れで即日式を挙げたからのぅ。

 「まぁ、こっちにも事情ってヤツがあったんだ。それに、事後報告だけど、兄貴のところには、手紙を出しておいたぜ」

 あとから聞いた話では、我が君は、お父上とはケンカしてご実家を飛び出した関係上疎遠じゃが、お兄上とは比較的仲が良く、稀に文のやりとりなぞしておるらしい。

 「!? ケインお兄様、わたくしに内緒にしてらしたのね〜〜〜!」

 上品な口調は崩していないものの、地の底から響くような恨みの念が声色に込められているヒルデガルド殿は、ちょっと恐い。
 まぁ、これまで見た限りでは、ヒルデガルド殿は、相当な"ぶらこん"であるようじゃしのぅ。大方、そのケイン殿も、彼女がこのような状態になることを見越して、知らせなかったのであろう。
 おかげで、我が君と妾の平和が今まで保たれていたわけじゃから、ケイン義兄上には足を向けて寝られぬな。

 などと、いささか現実逃避気味な思考をめぐらせておる妾に、ヒルデガルド殿はビシッと人差し指を突きつけた。

 「だいたい、こんな何処の馬の骨ともわからない女、お兄様にふさわしくあり……」

 「ヒルダ! それ以上の俺の妻への暴言は許さんぞ!!」

 ヒルデガルド嬢の誹謗を、我が君が強い口調で遮ってくださった。

「我が君、構いませぬ。妹御のおっしゃるとおり、妾が高貴な生まれなどではないことは、ご存知のとおり、事実じゃ」

 ――馬の骨、ではなく蜂の女王じゃがな。

「なれど……のぅ、ヒルデガルド殿。それでも妾は、一点だけこの世界の誰にも負けぬ自信があることがある。それは夫婦となる男女にとって、もっとも大切な事柄よ」

 「……大体予測はつきますけど、言ってごらんなさい」

「妾は、我が背の君を心の底より愛しておる。この気持ちだけは誰にも負けぬし、また何者にも譲れぬよ」

 ヒルデガルド殿の碧い瞳を見つめながらキッパリと断言する。
 少々、いや大いに恥ずかしく、また照れくさくもあったが、ここは女として、妻として譲れぬ場面じゃからのぅ。

   *   *   *
<ヒルデガルド視点>

 (何ですの、この女は?)

 こんな僻地に住み、めったに王都へは戻って来られないお兄様のことが心配で、訪ねて来てみたのですけど、2回ともお兄様は留守にされていましたわ。

 1回目は留守番役らしいアイルーが応対してくれました。
 ハンター稼業についている者は、大抵アイルーを料理番兼小間使いとして雇っているそうですので、それは別に問題ありません。

 ところが、2回目に訪ねた時に出て来たのは、東方風の衣服―キモノとハカマと言うのでしたかしら?―をキッチリと着こなした、背の高い若い女性でした。

 年齢はおおよそ24、5歳といったところでしょうか?
 蜂蜜のような金色と鴉の羽根を思わせる漆黒がストライプになっている不思議な色合いの髪が特徴的です。
 顔つきは、少しキツそうな印象を受けますが間違いなく美人の範疇に入るでしょう。
 そしてプロポーションは……反則ですわね。こんなに胸が大きいのに、ウエストがこれほど細いなんて。
 わたくしなんて、様々な豊胸術・美容法を試し、はては胸が大きくなるからと始めた弓の稽古まで頑張ったあげく、ようやく人並み(よりちょっとちいさめ)くらいになれたと言うのに。いったい何を食べたら、あんな巨乳になるのでしょう?
 手足のバランスや姿勢もいいし、ただ普通に立っているだけで絵になる美女と言うのが実在するとは思いませんでしたわ。

 しかし、そんな女性が、どうしてお兄様の家から出て来るのでしょうか?
 家政婦? いえ、すでにアイルーは雇われているようですし……。
 ハッ! ま、まさか、愛人!? お兄様をその美貌と胸で骨抜きにして、いいようにお金をむしりとっているのでは?
 お兄様、昔から純情でしたから、見るからに年上の悪女ちっくなこの女にいいように弄ばれ、貢がされているのですわね。

 嗚呼、お可哀想なお兄様……。
 いいでしょう、このわたくしが、乳デカ泥棒ネコの化けの皮を剥がして見せますわ!

 ……と、勢い込んでみたものの。

「――あーら、本当に粗茶ですのね」

 この女が出したお茶にまずケチをつけてやろうとしたのですけど、この辺りでは滅多に手に入らないはずの緑茶を出されたことに意表をつかれて、一瞬間が開いてしまいましたわ。
 いやいや、おべっかを使って普段飲まないようなものを出してもムダです。この緑茶と言うのは、入れ方、とくに温度加減が難しいのですから。
 大方熱湯で入れたせいで、苦くて飲めたものじゃ……あら、美味しい。
 これよりいい茶葉を使ったお茶は飲んだことはありますけど、それでもこれほど旨味を引き出していたかどうか……。

「……フン! まぁまぁの味ですわね」

 お家のことをワザと貶してみたのですけれど―本当は、スッキリとした清涼感に溢れる、いかにもお兄様好みの内装でした―サラリとかわされます。
 その直後、お兄様が戻られたのですけど……わたくしは、あまりの爆弾発言に、気が遠くなりかけました。

 「あ〜、その何だ。ランは、俺のよめさんだ」

 "ヨメサン"って? えーと、もしかして、お嫁さん? ワイフ? ブライド? 妻?
 ……ってことは、お兄様、結婚なされたってこと!?

「ど、どういうことよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
 その女性―ランさんの薦めもあって、わたくしはおふたりの新居の、居間らしき場所に通していただきました。ここも東方風の作りになっていることからして、ランさんは東方の出身なのかしら?

 お兄様の口から、おおよその事情は語っていただきましたし、おふたりが本当に愛しあい、信頼しあっている様子は、おぼろげながらに感じ取れます。これが、夫婦特有の阿吽の呼吸、ツーと言えばカーの仲と言うものなのでしょう。

 でも、だからと言っていきなりお兄様に"奥さん"が出来ていることに、納得なんてできません。

「だいたい、こんな何処の馬の骨ともわからない女、お兄様にふさわしくあり……」

 こんな女、認めない、認めない、認めない……そんな感情に支配されたわたくしは、思わずそんな言葉を漏らしてしまいました。

 「ヒルダ! それ以上の俺の妻への暴言は許さんぞ!!」

 ! お兄様、本気で怒っている。
 あんなに恐い目をされたお兄様は、実家を飛び出される前夜、お父様とケンカしたあと自室に帰られるのを偶然目撃したときくらいしか知りません。

 「我が君、構いませぬ。妹御のおっしゃるとおり、妾が高貴な生まれなどではないことは、ご存知のとおり、事実じゃ」

 ……え?
 どうして? どうして貴女がそんなことを言うの?
 わたくしは、貴女を屈辱したのよ?
 まがりなりにも兄嫁である人を馬の骨と罵ったのよ?
 いくら貴族だからって、いえ、貴族だからこそ、わくしは節度ある礼儀正しい言動をとらねばならないのに……。

 「なれど……のぅ、ヒルデガルド殿。それでも妾は、一点だけこの世界の誰にも負けぬ自信があることがある。それは夫婦となる男女にとって、もっとも大切な事柄よ」

 ! 
 そうか。
 貴女には切り札があるのね。

「……大体予測はつきますけど、言ってごらんなさい」

 それがあるだけで、女の子(20歳を過ぎても女の子がどうかはおくとして)は、絶対無敵になれる魔法の言葉。
 恋する乙女の聖剣(エクスカリバー)にして不破の盾(イージス)。

 「妾は、我が背の君を心の底より愛しておる。この気持ちだけは誰にも負けぬし、また何者にも譲れぬよ」

 彼女は、私から目を逸らさずに、恥ずかしげもなく、堂々とそう宣言する。


 その瞬間、わたくしにはわかった。わかってしまった。

 (ああ、この女は……いえ、この女性こそが、お兄様の妻にはふさわしい)

 でも……お兄様への愛情をダシにされたのでは、妹としても引けませんことよ?

<下巻に続く>
295奥様はランゴスタ2(中)END:2007/10/28(日) 21:05:38 ID:RdPFxfLP
以上。ほのかな予想どおり、またも3部構成に。長さの予想ができない我が身が不甲斐ないです。
下巻もなるべく早く書きますし、モンハンらしくなる予定ですので、よろしければお付き合いください。
296名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:36:09 ID:gn5xMpI1
GJ。言われて見ればマックのフルネームは何だか高貴な名前だったな。
297名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 21:43:01 ID:gyQhu4BE
>>295
その執筆速度にもはや嫉妬さえ覚えるほどのGJ!
むしろ長ければ長いほど嬉しいので、是非によろしく頼みます
298奥様はランゴスタ2:懺悔:2007/10/28(日) 21:56:47 ID:RdPFxfLP
しまった、中の2でヒルダの名前が1回、「ヒルダレイア」になってますが、「ヒルデガルド」が正解です。
申し訳ありません。
ヒルダレイアってシャイニングウィンドの敵幹部ではないか……。
299名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:11:48 ID:gyQhu4BE
>>298
そっちがミスだったのか。
てっきり「リオレイアのように強い女たれ」的な名前なのだとばかり
300名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:02:37 ID:+zrIxYZU
ひとつ質問したいんですが、このスレはクソ長い話でも大丈夫?

暇だから最後まで書いてみたら、なんかクソ重くなったんですが……
つーか、ショウグンギザミの擬人化って需要あんのかなぁ?
301名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:10:38 ID:ef7Nf7q4
スレ一本分(500KB)丸ごと使っちゃうようなのでも
適度に分割して貼っちゃえばいいじゃない。
長期連載モノも単発ネタも幅広く受け入れるスレだぜ?
302名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:15:39 ID:p9zsSuub
長い話の場合は、最後まで完成してても何回かにパート分けして
1日か数日おきくらいに投下するのがいいかも
いっぺんに投下する文章量があまりに多すぎると、読みにくくなる場合もあるから

話そのものが長いのはこのスレではぜんぜんおkだと思う

で、ギザミの擬人化?なんら問題はありませんつーかそれは見てみたい
303元109:2007/10/28(日) 23:29:44 ID:7vumwDD2
他の住人に迷惑かけないのであれば
だいじょうぶなのでは?

ギザミ擬人化??
そんなもの……大好物です(〃▽〃)
304名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:42:49 ID:S1oNuVhn
このスレはやはり素晴らしいな。
住民も先生方の作品も。
305名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 02:09:27 ID:E2lsVfv+
需要のないモンスなんていないんだぜ。長い文は読み応えがあるから好きなんだぜ。
306 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:26:13 ID:RFWnjQQ2
>>300 です

皆様のあたたかき言葉に触発され、調子乗って投下します。
多分、五回かそれくらいに分けるかもしれないけれど。

一応、注意書き。

・俺ルール! みたいな設定が多少なりともあります。
・ぶっちゃけ、男と女がヤるだけです。難しい論理的思考とか伏線とかありません。
・エロに至るまでが長い、しかもエロは希薄……でも泣かないで。
・パロディネタがそれなりに。不快に思う人がいたらごめん。

さる規制くらっちゃうかもしれないけれど、とりあえず投下します。
一応、コテつけます。誘いうけっぽくてごめん。

では、投下。
307 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:28:25 ID:RFWnjQQ2
いや、無理です。こんな化け物に勝てるわけがねぇだろ。


強烈な熱波に顔面のみならず全身を焼かれながら、新米ハンター、クレスはそう思った。

眼前にたたずむのは、青い甲殻に身を包む巨大なカニの姿。
その両手には、一撃で岩壁をもバターのように引き裂きそうなきらめきを見せる鎌。
背に負った頭骨は、溶岩の中をも平気で潜伏するといわれる鎧竜のそれだろうか。

そこここをとりまく熱波も、そここから噴き出る間欠泉もなんのその。
流れる溶岩の中を平気で闊歩し、両手の鎌を用いて、周囲の生物を全てなぎ倒す。
斬撃の余波にあてられた小柄な赤い鳥竜は、柔らかい腹部を裂かれ、数メートルも吹き飛び絶命。

――ショウグンギザミ。

火山の中を行き来し、地面をもぐり、両手にありし鋭利な刃で対象の命を断つ。
その素早い動きと強烈な攻撃力は、中堅のハンターらには畏怖の対象となっている。
反面、堅牢でありながら加工しやすいその甲殻には定評があり、好んで彼らの素材を用いる者も多い。

だが。

「ごめんなさいごめんなさい、マジ調子乗ってました。ちょっとこれは駄目です無理です」

クレスは、そんな青い鎌蟹を前にし、必死の形相できびすを返して逃げていた。

すいませェん、ちょっと調子に乗っただけなんです。ゲリョス倒したからってうかれてました。
つーか、あんな化け物に人間がかなうわけないじゃないですか。
ぎゃー、ちょっと、今、同族のガミザミもぶっとばしませんでしたか!? 怖いっすよ!

などと考えている間にも、彼と鎌蟹の距離はどんどんと縮まっていく。
背後できらめく鎌の恐ろしさに戦慄しつつも、クレスはここに至るまでの経緯を思い返していた。
人はそれを、走馬灯と呼ぶのかもしれないが。

「ぎゃあああぁぁぁぁぁっ! ころされるぅぅぅぅぅっ!?」
308 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:30:15 ID:RFWnjQQ2
クレスは、新米とかぺーペーとか、そういった言葉を使うのもおこがましい狩人だった。
田舎の村に生まれて、農作物を荒らされるのが嫌で、荒らす者たちを殺すためにハンターになり。
町に行き、さほど難しくもない依頼ばかりを受注し、あまり竜と戦ったりはしなかった。

実際、飛竜に戦いを挑んで片輪になり、もう一生ハンター生活が出来なくなった者も多々いる。
クレスはそんな彼らを見て、まず少しずつ自分の体を慣れさせることにした。
小型の鳥竜、ランポスと戦ったり、キノコ採取している間にチャチャブーと生死をかけた戦いをしたり。
そんな地味で地味で地味なプロセスを経て、つい最近、毒怪鳥を倒すまでこぎつけたのである。

が、人間というものは得てして絶頂期には調子に乗ってしまうもの。
それはクレスも例外ではなく。
とある日に、集会所でジュースをぐびぐびと飲んでいたクレスは、年上のハンターらに誘われたのだ。

「えー? ショウグンギザミですかー?」
「そうそう、一緒に、いかないか?」
「男は度胸! なんでもためしてみるのさ」
「(倒してしまえば素材を得られて)きっといい気持ちだぜ」

そんなわけで、まだ初心者なのにもかかわらず、彼らに誘われて火山へとやってきたわけだ。
年上のハンターたちは、皆、落ち着いた風格だった。
だからクレスも、彼らに頼ってしまい、ショウグンギザミ討伐などというクエストを受けてしまったのだ。

だが、それがまずかった。

火山に住まう鎌蟹は、彼らの想像以上に、機敏で、強靭で、とかくとかく強かったのである。

「ハアッオ゛!」
「いいこと思いついた、お前、その回復笛で俺の体力……ウボァー!」
「なにイ? 今度はイーオス? お前、ここを沼地と……ピョニャアアアァァァッ!?」

青い鎌蟹が両手を振るい、全身を回転させ、足を踏み出すたびに吹き飛ばされる狩人たち。
重い鎧を着込んだ人間の体が、まるでゴムボールのように中を舞い。
あふれ出る鮮血、意味を成さない悲鳴、ついでに吹き飛ぶイーオスとガミザミ。

とかくとかく混沌の戦場ではあったが、誰の目にもショウグンギザミが優勢なのは明らか。
言うなれば、ずっとショウグンギザミのターン! である。
クレス以外の三人は、モドリ玉を使い、そうそうに引き上げてしまった。

さて、では当のクレスはというと。

「あ、モドリ玉、わすれちゃった……」

失態である。
あまりに難解なクエストを前にしたため、重要アイテムのことを忘れていたのだ。

あとに残るは、火山地帯で両手を振り上げ威嚇するショウグンギザミと。
ゲネポス一式という微妙にへぼい装備でおろおろするしかない新米ハンター、クレス。
もはや周りにいるイーオスもランゴスタもガミザミも、ほうほうのていで逃走準備。
奇しくもその場は決戦場。血で血を洗うタイマンバトル会場そのものだった。


そうして、話は冒頭部に戻る。
309 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:32:15 ID:RFWnjQQ2
「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

腕を振り、足を大きく踏み出して逃げるクレスの背後で、ぶんぶんと鎌を振るう巨大蟹。
両手の鋭利な刃が空気を裂くたびに、地面が、岩盤が、溶岩が、切り裂かれていく。
クレスの鎧にはいくつもの傷が出来ており、今にも破壊されそうな状態。

それでも青い鎌蟹はとどまることを知らない。むしろ今までより気合入れて攻撃続行。
それにしてもこのショウグンギザミ、ノリノリである。

「し、し、死ぬ、死ぬ死ぬぅぅぅぅぅっ!?」

ご存知の通り、ショウグンギザミには閃光玉も音爆弾も落とし穴も効果がない。
というより、新米ハンターなんぞが将軍様の足止めなど出来るはずもない。
しかも、将軍様はスタミナ切れなど起こさないが、人間の肺というのはそれはそれは小さいもので。

「ぐへっぷ!?」

走り続ければ、それなりに速度は落ちる。
クレスの足の運びがゆるまったその瞬間、ショウグンギザミの鋭利な鎌が彼の背中を切り裂いた。
肉を断ちはしなかったものの、クレスのまとった鎧の背面部分は両断される。
もうその鎧は使い物にならないだろう。それ以前に、命が使い物になるかどうか、ではあるが。

もんどりうってクレスは地面にぶっ倒れる。
傍目にもそうでなくても、とかくとかく無様なことこの上ない。

ああ、こんなはずじゃなかったのに。
やっぱり田舎のイモ野郎は、大根つくってのんびり暮らしていた方が良かったんだ。
クソッ、何が流行だ。都会の連中は俺らより格式高いのかよ。鼻にゴボウ詰め込むぞ。
人間は人間でしょうが。ちくしょう、俺だって逃げたかったのに。

などとクレスが考えている間も、一歩一歩、ゆっくりと間を詰めていく巨大蟹。
その動きはまさに、罠にかかった獲物の前で弓をちらつかせる狩人のそれ。
この上なくサディスティック。この上なく悪趣味。クレスは思わず戦慄した。



さて、このような状況におちいった場合、普通の人間ならどのような反応をするであろうか。

大抵は、死を受け入れてしまい「殺すなら殺せ!」と割り切るであろう。
あるいは、無様に這いつくばって「殺さないで! 助けて!」と泣き叫ぶであろう。
あるいは、故郷や家族に思いを馳せ、まったりと今までの人生を振り返るかもしれない。
そのどれを選んでも、次の瞬間には首と胴が泣き別れすることは言うまでもないのだが。

しかし、クレスはそのどれでもなかった。
頭がいい感じに混乱してしまい、もうにっちもさっちもどうにもこうにもブルドッグ。
こうなりゃ、やれるだけのことはやってやるぜ! といった気概。

人、それをやけくそと言う。
310 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:34:51 ID:RFWnjQQ2
「ねえ……あなた、口とか目とかあるから、生き物なんだよな? しゃべれるのかな? ハロォ〜」

「ご機嫌いかが〜? ハッピー、うれピー、よろピくねー! さあ一緒に、はい!」

「いやぁ、よくよく考えてもみればさ。
相手が自分と違う種族だからって、言葉を理解できないとは限らないよね。
どんな生物相手でも、いきなり相手を敵とみなすのは良くないよね、うんうん」

「そりゃあ分かるよ。こっち、武器もってそっちを殺す気まんまんだったからさ。
 だからぶっ殺されても文句は言えませんがな。だからそっちは激昂したんだよね、うん。
 相手を殺すってことは、自分が殺されるかもしれないってことを、常に『覚悟』するべきだよね」

「ということで、いや、マジでごめんなさい。なんつーか、謝っておきます」


なんというか、もうめちゃくちゃだった。
やけになって適当な言葉を連発、その中には多少の本音も含まれていたとはいえ。
このようにふざけた態度、並の思考をもつ者ならば、呆れのあまりに声も出ないであろう。

が、しかし。
何故かクレスのやけっぱちの言葉に、ショウグンギザミは動きを止めていた。
あと少しで、鎌を用いて相手の首をちょんぱすることが可能であるのにもかかわらず。

これにはクレスも訝ったが、だからといって楽観視できるようなものでもない。
息切れしながらも、ただただ言葉を紡ぎ、やることをやるしか出来ない。
その姿はあまりに滑稽であったが、彼の必死な形相が見る者の所感を変化させる。

と、気付けば、次の瞬間、クレスの眼前にたたずむ鎌蟹は。
いきなり右の鎌を振り振り、まるでハエでも追い払うかのような仕草を見せると、きびすを返した。

呆然とするクレスの前で、ショウグンギザミはクレスに背を向け、歩いていった。


「……もしかして、助かった?」
311 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:37:01 ID:RFWnjQQ2
それから結局。

クエスト自体は失敗となった。
クレスを誘ったハンターたちも、ベースキャンプからすでに逃げ帰ってもぬけの殻。
それでも、クレスは彼らを恨む気などにはなれなかった。
今回の不祥事は、半分以上が、自分の軽はずみな気持ちが招いた結果なのだから。

ということで、分相応という三文字を、文字通り身をもって理解したクレス。
ショウグンギザミは討伐することが出来なかったが、それよりも素晴らしいものを心の中に得た。

「そうだ、これからなんだ……!」

火山から帰ってきて、クレスは心機一転。
これからは地道に努力をして頑張っていこう、と天高くにある太陽に誓ったのだった。



……と、ここで終わればちょっといい話、でまとまったのかもしれないが。
得てして物事とはいつの時代も奇妙なものであり。
本人のあずかり知らぬところで、運命の神様とやらはちゃくちゃくと作業を続けているのである。


依頼を失敗して、クレスは自室へと戻った。
集会所から少し離れたところにある、幾多ものハンターがいる寄宿舎のような場所、その一室へと。
いつもならば、そこで、ぼろぼろのベッドと汚いアイテムボックスがお出迎えになるのだが。
その日ばかりは勝手が違っていた。



「お帰りなさい」

「ゑ?」
312 ◆pdEW25vr6o :2007/10/29(月) 02:38:38 ID:RFWnjQQ2

少女である。
薄水色の髪を流し、飾り気のない布の衣服に身を包んだ少女が、クレスの部屋の中にいた。

肌は白く、まるで雪のよう。小柄ではあるが、雰囲気はどこか大人びている。
瞳の色は、夜闇に近しいと称されるほどに暗い、ナイトブルー。
絶世の、とまでは行かずとも、町を歩けば十人中十人ともが振り返るであろう美貌。

そんな姿の少女が、クレスのベッドにちょこんと腰かけていた。

「お疲れでしょう?」
「え? うん、まあ、その……」
「お風呂、沸いていますから。汗を落としてください。火山灰の匂いもしますよ?」

くすりと小さく笑って、美しい容貌の少女はクレスの瞳を見つめる。
その、いたずらめいた光にどことなく気恥ずかしさのようなものを覚えて、クレスはすぐさま離脱。
少女の前から姿を消した。



「……なるほど、思考と行動は必ずしも一致しないのですね」


クレスが去った部屋の中で。
薄水色の髪を流したその美しい少女は、小さく、かすれるような声でつぶやいた。

その、血のように赤い唇が、うっすらと曲線を描く。
そうして、彼女は、小さく、わらった。

「ふふっ」
313 ◆UV72KI3hlM :2007/10/29(月) 02:40:40 ID:RFWnjQQ2
今回はこれで終わりです。
タイトル入れるの忘れてた……orz

とりあえず、ショウグンギザミでやります。
あまりにウザかったら逃げますんで、どうかよしなに。

では、お目汚し、失礼しました。
次回投下があるのならば、明日か明後日か明々後日に……。

それでは。
314名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 03:48:02 ID:WuYZKZaA
一番ランスGJ!!!
これはおもしろいwwwwバカな主人公見てて楽し過ぎるwww


今まで将軍というと
♂狩「いや!やめて!!」
♂将軍「うるせぇ!黙って犯されろ!」
スパッスパッ
♂狩「やめてっ!!てかなにそのグロいの!?」
♂将軍「チンコにきまってんだろ?普段は隠れてっけどな。さぁいれるぜ!」
♂狩「いやーっ!!なんで初SEXがオスギザミに尻穴犯されて散らされなきゃなんねぇ!?」
♂将軍「俺の性癖に付き合ってもらうだけだ。(非合意)てかもう待てねえ、いれるぜ!」
♂狩「ちょ・・・やめ・・・アーッ!!」

てなレイプ物しか思い付かなかったからな。
期待して待ってる。
315名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 04:14:48 ID:PjO7Tp+Q
クイーンさん、将軍の方GJ!!!
クイーンさんは相変わらず二人の惚気っぷりにゴロゴロだし
将軍の方も読んでて笑えるwwwww

お二人とも是非続きのほう頑張ってください!
316名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 04:54:17 ID:GmqLvo79
>>314
他の竜も交えてのハーレム状態になった後
誰かが「ハンターの赤ちゃんができたの」とか言い出して
自慢の鎌でずんばらりん→「中に誰もいませんよ」→Nice Nekotaku.

を想像した俺よりマシ
317名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 11:25:50 ID:Y6FjcfOc
どうも甲殻種(特に将軍様)は元がトゲトゲギザギザしている上に
鎌をかまえた時の音が「シャキーン!」と、いかにも切れ味が鋭そうなせいか
オレがSS書いたら猟奇的なサイコ野郎になりそうだ・・・

「ククク・・・その柔らかな肌を切り刻むのを想像すると・・・よだれが出そうだぜ!」
「い、いや、やめて!誰かーっ!」

みたいな?
318名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 12:43:53 ID:E2lsVfv+
GJ!ギザミかわいいよギザミ
馬鹿主人公のタナボタ展開wwwwこの先の展開楽しみ。ちょっとモンスに語りかけて来る。
319名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 17:37:49 ID:zeBgELCZ
某所でギザミが例の腕(鎌)広げてつっこんでくる攻撃を「だいすきー」と呼称している人達がいたが
そう考えれば…


すんません、自分甲殻類は妄想できないっす・・・
320名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 17:41:02 ID:amVy4/jG
>>319
ほら、横歩きスラッシュも「どこに行くのー?」と首根っこを捕まえる動作に似てそうじゃん

つまり俺の中でギザミは痛い愛情表現をかましてくる(否ヤンデレ)妹キャラ
321名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 19:59:01 ID:JdHrgFA9
>>319
抱き締めたいけど抱き締めると相手を傷つけてしまう、
シザーハンズ的不器用キャラという妄想もアリかな
322名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 20:46:03 ID:I4AkCv1B
ハンター「しまったぁ! 間違ってギザミにモドリ玉をぶつけてしまった! 人間になるかも!?」
ギザミ「……ふ、ふ」
ハンター「おぉ、煙の向こうに明らかに人間大のシルエットが! しかも人っぽい声まで!まさか本当に!?」

ギザミ「……ふ、フォッフォッフォッフォッフォッ!」

ハンター「バル○ン!?」

とか思いついてしまった俺は死ねばいいと思う。
いや、MHPしか持ってないからギザミのビジュアルなんて「青いカニ」ってくらいしか知らないので、つい
323名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 22:45:35 ID:vM5ojJ4k
ギザミかぁ
ガンナーだと苦戦したけど、片手剣なら余裕だったな

昔の強敵(とも)は今のカモ、鎌蟹の足でがっぽり
324『クイーン』の人:2007/10/29(月) 23:01:20 ID:+iwJ8slG
ギザミの続きに超期待。

奥ラン2の下巻、投下します。

『クイーンに首ったけ 番外編』奥様はランゴスタ2(下)


 「そこまでおっしゃるなら、勝負です!」

 再び妾に、ビシッと人差し指をつきつけるヒルデガルド殿。
 ……どうでもよいが、貴族のご令嬢が人を指差すのは、あまり礼儀に叶った行為だとは思えぬが。

 「こ、これは、様式美と言うものです。あ、貴女に勝負を申し込みますわ」

 真っ赤になりながら、ヒルデガルド嬢は言葉をつなぐ。
 「まずは料理! お兄様の妻を自称するなら、せめてアイルーシェフの3つ星クラスの料理は作っていただかないと……」

 いや、自称と言うか、ちゃんとこの村で公式に認められた夫婦なんじゃが……まぁ、よいわ。ちょうど昼飯時でもあることじゃしのぅ。

 妾は、保管庫の中を確認して、今日の昼餉に何を作るか思案する。
 肉類はプリンセスポークがあるか……。魚介類は女王エビとスパイクフグ……フグは今晩鍋にでもするかの。ロイヤルチーズとチリチーズ、西国パセリとレアオニオン。黄金米があるが、これも夕餉用じゃな。
 うむ、折角昨日焼いたマスターベーグルもあることじゃし、昼はベーグルサンドでも作るかのぅ。
 ベーグルを保管庫から出し、軽くパニーズ酒を霧吹きしたのち天日の当たる場所に置く。これで、焼きたて同様……とは言わぬが、相応にふっくらするはずじゃ。
 プリンセスポークは西国パセリのみじん切りと一緒にクレイジーソルトを振ってソテーし、女王エビは薄く切って衣をつけ、フリッター状にカラリと揚げる。
 それぞれを半分に切ったベーグルに載せ、いっしょに清水にさらしたレアオニオンのスライスも載せる。ポークの方にはチリチーズ、エビのほうにはロイヤルチーズを粉末状にして振りかけ、もう半分のベーグルで挟めば完成じゃ。
 箸休め(いや、ベーグルは手掴みで食べるものじゃが)に、炎熱マンゴーの甘漬けを添えておくかの。飲み物は氷樹リンゴの絞りたてジュースでよかろう。

 「お、ウチでサンドイッチってのは珍しいな、ラン」

 確かに、昼は軽く済ませるときでも、おにぎりなどの米飯が多いですからの。我が君がパン食の方がお好きなら、献立を考えまするが……。

 「あ〜、大丈夫。ランは何作っても美味いからな。別にいまのままでいいさ」

 お誉め頂くのは光栄ですが、我が君、妹御がニラんでおられますぞえ。

 「ふ、ふん! こんなベーグルサンド如きが、到底わたくしの口に合うとは……」

 などと言いつつも、やはり食べ盛り育ち盛りのお年頃故か、ヒルデガルド殿の視線はベーグルを盛った皿に固定されておるのがわかる。

「我が君のお口に合えばよろしいのですが。ヒルデガルド殿も、食べてみてたもれ」

 内心クスリと笑いながらも、そんな気配は見せぬよう、努めて自然に昼餉を勧める。

 「まぁ、そこまで勧められて口をつけないのも、礼儀に反しますわね。それで……」「いただきまーーーす」「あぁっ、お兄様、それわたくしが目をつけていた……」

「ホホホ……、たーんとあります故、ケンカなさりますな」

 いつもの我が君と差し向かいでの食事も楽しいが、こういう風に何人かで食卓を囲むのも、悪くないものじゃのぅ。

 幸いお二方ともお口に合ったと見えて、半時間後、大皿に山盛りあった2種類のベーグルサンドは、余すところなく空になっておった。

 「ごちそうさん。ぃやぁ、たまにはサンドイッチも悪くないな」

 「確かに、素材の味を活かしつつ、独自の工夫と気配りが感じられましたわね」

「ご満足いただけたようで幸いじゃ。食後のお茶はいかがかえ? 昼のメニューに合わせて、長寿ジャム入りの紅茶をいれてみたのじゃが」

 「いただきますわ」
 「ああ、俺にもくれ、ラン」

 ほんのりと甘いジャムのフレーバーが混じった紅茶の香りが居間に広がり、まったりとした空気が流れる。
 「(ハッ! 何やってますの、わたくしは!! でも、美味しかったのは事実ですし……)
コホン……ま、まぁ料理の腕前は合格と認めて差し上げてもよろしくてよ。
 でも、妻の勤めは料理だけではありませんわ。お掃除やお洗濯も……」

 ツツーーーーッと棚の上に指を滑らせるヒルデガルド殿。何やら、読み本などで出てくる鬼姑みたいじゃのぅ。
 もっとも、毎日キチンと掃除しておるうえ、忙しいときにはアイルーのシズカが補佐してくれるので、とくに埃など溜まっていようはずもないが。無論、洗濯物も同様よ。
 そうそう、シズカと言えば、彼女は妾たちの内輪の話と見て、別室(台所横にしつらえた臨時の小部屋)に引っ込んでいてくれるようじゃな。

 「じゃ、じゃあお裁縫は……」

 無言で、妾たちが尻の下に強いている薄いクッション―ザブトンと、部屋の出入り口にかかったノレンを指差す。

 「ウソ……もしかして、これ、みんなランさんのお手製ですの? 刺繍も!?」

「うむ。最近は狩人仕事でなかなか暇がなくて、あまり数が作れないのが口惜しいが。最後に縫ったのは何でしたかのぅ」

 「アレだろ、ラン。こないだ作ってくれたユカタとか言う俺のバスローブじゃねぇか?」

「おお、そうでありましたな。久方振りの和裁ゆえ、少々気合いが入ったものをと思ぅて、我が君用に腕を振るったのじゃった」

 うむ。白無地に藍色でトンボの模様を散らし、背中に大きく”狩魂”と言う縫い取りを入れた漢らしい代物じゃ。妾としても、なかなかの力作じゃと満足しておる。

 「……よ、よろしいでしょう。貴女が家事に秀でた方であることは、不本意ですが、認めますわ」

(我が君、我が君……何故、ヒルデガルド殿は、あれほど口元をピクピクされておるのかの?)

 (ん? ああ、ヒルダのヤツは家事関連がどうにも苦手でな。努力家だから、「淑女のたしなみ」と称して一生懸命練習したんで、かろうじて人並みに近いレベルのことはできるんだが、"上手い"とはお世辞にも言えん)

(……すると、少々嫌味な返答でしたかな。あいすみませぬ)

 (なぁに、ちょっとばかし思慮と我慢の足りないコイツには、いい薬だ)

 我が君、実の兄君がそのようなヒドいことを……まぁ、否定もできませぬが。

 「今時の良き妻としては、子供の教育のためにも、教養が必要でしてよ」

 む、それは確かに一理あるかの。妾と我が君のあいだに、もし万が一子供が生まれたならば、その子は、強く優しく健やかに、そして賢く育てたいとは、妾も思う故。
 しかし、その分野は妾には少々分が悪いのぅ。何せ、ほんの半年ほど前までは、一介の羽虫でしかなかったわけじゃて。
 「そう、お兄様の妻を名乗られるなら、この本棚にある『学問ノ進歩』くらいは、読んでいただかないと……」
「あ、それは妾のじゃ」

 「へ!? これ、お兄様のものではなくて?」

 「おいおい、ヒルダ。俺の勉強嫌いは知ってるだろーが」

 「も、もしかして、この『我想我在』や『自然哲学ノ諸説定理』も?」

「うむ。本屋と言うもののないこの村では、手に入れるのになかなか苦労したぞえ」

 養父の家にいたころ、字を覚えて以来、読書は妾の密かな楽しみ、一種の趣味と言えるものじゃからな。養父が晴耕雨読を旨とする、農夫にしては珍しい数寄者だったのを幸いに、その蔵書を何冊も読ませていただいたものよ。
 こうして人の身になって以来、我が君が妾がまだ参加できぬ上級クエストで家を空けられるときなどに暇をつぶすため、かつて愛読していたこれらの本を手に入れておいたのじゃ。

 「ちなみに、その下の段にある『ロジカル・ワード』とか『ウーマン・ユニバーシティ』も、ランのだからな」

「うむ。本当は東方語の原典が欲しかったのじゃが、高くてのぅ」

 古典だけあって、いまの時代には少々合わぬ部分も多いが、なかなか興味深かったぞえ。

 「! もしかして、貴女、東方語の読み書きができますの?」

「まぁ、ほんのたしなみ程度じゃが」 

 「…………」

 おや、ヒルデガルド殿、どうかなされたのかえ? フルフルと肩を震わせて……。

 「――納得できませんわーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」

 !! た、魂消たのぅ。いきなり至近距離で叫び出すのは止めてたもれ。 

 「美人で胸が大きくて、温厚で淑やかで礼儀正しくて、料理を始めとする家事一般が得意で、さらに教養あるバイリンガル!? どんだけ完璧超人ですの? 貴女、本当は、タカラミユキとかノギザカハルカって言うのではありません!?」

 ガクガクガク!

 ひ、ヒルデガルド殿、胸ぐらをつかんで揺さぶるのは、堪忍してたも……。

 「で、おまけにお兄様のお仕事を自らサポートする狩人としても優秀!? テンドーソーシ? それともネプチューンマンですか、貴女は!」

 よ、よくわからぬが、おっしゃりたいことは……なんとなく伝わった、ので……放して…………ガクッ。

   *    *    *
 「明日の朝一番で、ヒルダも連れて砂漠に行くぞ」

 妾が気を失っておる内に、いかなる会話が兄と妹の間でなされたのかは分からぬが、目が覚めたら、すっかりそういう話が出来上がっておった。

 「アイツ、ランのハンターとしての腕前も見たいらしい。その上で、俺を託すに足るかどうか判断するそうだ」

 我が君が、いつになくニヤニヤと人の悪い笑顔を浮かべておられるのが気にかかるのぅ。

「はぁ、それは構いませぬが……もしかして、妾とヒルデガルド殿が勝負すると言う話になったのではありませぬか?」

 「おっ、鋭いな。村長に無理言って、単身用のカニ2匹狩りの依頼を回してもらったぜ。あいつも一応弓は使えるし、ガンナーとしてどちらが先にダイミョウザザミを倒せるか、尋常に勝負だとさ」

 盾蟹、ですかえ? よりにもよって、射ち手の天敵ではありませぬか……。

 「どちらかが倒した時点で勝負は終了。あるいは、どっちかが気絶してキャンプに運ばれた時点でも終了。当然、その場合は倒れた方の負けになる。ちなみに、負けた方が、勝った方の言うことを何でもひとつ聞くらしい」

 まあ、盾蟹が相手の場合、水ブレスで気絶しても死亡に至るようなことは滅多にない。その点では、火傷する恐れのあるイャンクックやババコンガなどを相手にするよりは安全じゃが……。

 「ああ、それと情報屋のヤツにも助っ人頼んだ。俺とヤツが盾武器持って、ヒルダとランの護衛に回るから安心しな」

 ふむ、それは大いに助かりますのぅ。

 「ただし、俺たちは原則的に攻撃はしないでガードするのみだ。それと、公正を期するために、俺がヒルダにつくぞ」

 まぁ、そのくらいのハンデは必要よな。我が君の友人の情報屋殿とは何度か顔を合わせたことがあるし、妾も4人狩りでガンランサーとともに戦ぅた経験が1度ある。何とかなるじゃろう。

 ヒルデガルド殿は、村の宿屋(酒場の2階じゃ)に部屋をとっておられるらしく、既にそちらに戻られたとか。せっかく、フグ鍋を皆でつつこうと思ぅたのに、残念じゃのう。
 せっかくなので、シズカも呼んで、その晩は3人(ふたりと1匹?)でスパイクフグのチリ鍋に舌鼓をうった。

 それにしても、明日は勝負か……このような気持ちで狩りに臨みとうはなかったのぅ。

   *    *    *
 翌朝。いまだ朝もやの立ちこめる村の入り口に、我が君と妾、そしてヒルデガルド殿と我が君の友人である情報屋氏が立っておった。
 初顔合わせになるヒルデガルド殿と情報屋氏が挨拶をしている。
 幸い、ヒルデガルド殿も一晩寝て頭が冷えたのか、貴族の令嬢らしい慇懃さを取り戻しておるようじゃ。

 「おいおい、一応、オレにもカシムって名前があんだが?」

 ――申し訳ありませぬ情報屋氏。以後は、"カシム殿"と呼称させていただきます故。

 「それにしても、またオモシロイこと考えついたな、マック。まぁ、久々に暴れられるから、オレは別にいいけどよ」

 情報屋…もといカシム殿は、どことなく嬉しそうだ。元はバリバリの狩人として、我が君ともときどき組むほどの手練れであったと言うから、血が騒ぐのかもしれぬ。なれど……。

 「何言ってやがる。今日の主役は、ランとヒルダだぞ。俺たち野郎どもは、こいつらを守るために盾でガード一直線だ」

 「……まぢ?」

 「ああ、マジだ。ホレ、強走薬5つ。カニと対峙したら飲んどけよ」

 そのために我が君はグラビド装備でガード性能を上げておるのじゃからな。

 「ぐっ……スタミナ回復目的の攻撃もさせんつもりかよ」

 ガックリ肩を落しながら、我が君から強走薬を受け取るカシム殿。
 我が君は鋼氷槍・改、カシム殿はシザーガンランスという、なかなか強力な武器を装備しておるのに、それを振るえぬとは気の毒じゃが、今回ばかりは致し方ない。
 ん? 我が君は片手剣使いではないかとな?
 確かにその通りじゃが、ホレ、砂漠や火山で採れる"さびた棒状の塊"があるじゃろ?
 アレをそのまま売ってしまうのは惜しいと鍛冶屋で鍛えたところ、一発で見事に当たりを引き当てたのじゃ。そのクセ、"さびた小さな塊"からは何度鍛えても封龍剣を作れぬのじゃから、因果なものじゃて。

 落胆するカシム殿を気の毒そうに眺めていると、遠慮がちにヒルデガルド殿が妾を突ついた。

 「その……何ですの、あの薬は? 今朝方、私もお兄様にひとつ似たものを渡されたのですけれど」

「ん? おお、あれは"強走薬"と言うてな。あれを飲めば一定期間スタミナ切れを気にせず、全力で行動できるのじゃ」

 まだ不要領な顔をしているヒルデガルド殿に対し、盾で巨大なモンスターの攻撃を受け止めると言う行動は、見た目よりはるかにスタミナを消耗するでな……と付け加える。

「ヒルデガルド殿が手にしておるのは強走薬グレートと言うて、より効果時間の長いものよ。弓使いもスタミナは重要故、ここぞと言う場面で使うがよろしかろう。そうそう、こちらは回復薬グレートじゃ、ケガしたらお使いなされ」

 「わ、わかってますわ…………その、(あ、ありがとう)」

 何やら後ろを向いてゴニョゴニョ呟いておられたが、妾は敢えて聞き流したフリをした。
 ご自分では認めないであろうが、我が君の妹御は、なかなかに可愛らしい性格をされているようじゃ。ホホホ……。

   *    *    *
 どう見ても水棲生物には不釣り合いな砂漠の真ん中で、巨大な盾蟹がハサミをふりかざして妾に迫ってくる。

 じゃが、むざむざ接触されるのを待つほど妾はお人好しではないし、それに……。

 「どっせいーーーい!」 ガキン!!

 間に走り込んだカシム殿が、盾を構えてダイミョウザザミの突進を受け止めてくださる。
 1年ほどまえに片目を潰して引退したとはいえ、まだまだ狩人としての腕は鈍ってはいないようじゃな。

 その隙に、妾はピンクフリルパラソルの銃爪を引く。

 ギュンギュンギュン……。

 わずかに閃光の軌跡を残しながら放たれた電撃弾が、3連続して盾蟹のハサミを抉る。

 しかし、我が君ではないが、洒落と酔狂で作った武器も、意外な場面で役に立つのぅ。妾は、手にしたどう見ても桃色の傘にしか見えない軽弩をしげしげと見つめた。
 普段はもっと強力な軽弩を使っておるのじゃが、ヒルデガルド殿が持って来た弓がハンターボウWじゃったので、公平を期すために手持ちの中で攻撃力が釣り合いそうなものは、これしかなかったのじゃ。
 もっとも、珍奇な見かけに反して、思ったより高性能じゃったのは幸いじゃが……。

 「おーい、ランさん、そろそろカニのヤツ逃げそうだぜ」

 ふむ。大分傷つけたことではあるし、9番エリアに眠りに行ったと見るべきかの。

「カシム殿、頼みがあるのじゃが……」

   *    *    *
 妾とカシム殿が駆けつけたとき、案の定と言うべきか、我が君と妹御は1番エリアで苦戦されておった。

 いや、さすがに我が君の方は、まがりなりにも上位狩人の資格者。普段滅多に使わぬランスを手にしているとは言え、ほぼ完璧に盾蟹の攻撃をがっちりガードされておる。ガード性能強化のスキルもあることゆえ、あれではほとんどダメージはなかろう。

 しかし、ヒルデガルド殿は……ああ、自分の撃った矢で傷ついておられるのか、あれは。

「ヒルデガルド殿、盾蟹がハサミを立ててガードしたら、ガンナーの攻撃は一切通じず、ぎゃくに跳ね返されまする! そういう時は、攻撃を控えるか、あるいは……」

 妾は、ポーチから音爆弾を取り出し、盾蟹に向かって投げつける。

「いまじゃ! しばらくダイミョウザザミは失神しておる故!」

 「は、ハイッ!」

 キリキリと引き絞られた弓から放たれた矢が、正確に盾蟹めの眼球に突き刺さる。
うむ。流石、王宮正規の弓術の免許皆伝と言うだけはあるの。
 その痛みのためか、どうにか意識を取り戻したようじゃが、生憎、妾の義妹(いもうと)をこれ以上は傷つけさせぬぞえ。

「ヒルデガルド殿、麻痺ビンはまだ残っておるか?」

 「は、はい、あと4、5個ですが……」

 なに、それなら妾の麻痺弾と合わせればすぐじゃ。

 「ラン、俺たちも手伝おうか?」

「有り難い申し出なれど、要らぬお世話じゃ、我が君! 此の場は妾とヒルデガルド殿の戦場(いくさば)。殿方は黙って見ておられよ!!」

 妾とヒルデガルド殿の麻痺攻撃によって、再び動けなくなる盾蟹。

 ふたりがかりの猛攻によって、ダイミョウザザミが沈んだのは、それから間もなくのことじゃった。

 「それにしても、随分早かったんだな、ラン、カシム」

 ダイミョウザザミから素材を剥ぎ取りつつ、今さらながら我が君が感心した声をあげられた。

 「完敗、ですわね。わたくし……」

 うなだれ、どっぷり落ち込んでいるヒルデガルド殿。
「あ〜、そのことじゃがな、我が君……」

 さすがに妾も言葉を続けるのを躊躇う。

「此度の勝負、妾の反則負けじゃ」

 弾かれたように、妾の方を見るヒルデガルド殿。

 「なぜですの? 確かに最後の戦いで貴女は手を出されましたが、それだってわたくしに有利になりこそすれ、何ら不利をもたらしたわけではありませんわ!」

 ふむ。素直に敗北を認めるお積もりだったようじゃの。いやいや、なかなかに潔い。

「いや、そうではなくてな、妾たちは盾蟹を倒してはおらんのだ」

 「うん。痛めつけたあと、ついいつものノリで捕獲しちゃったんだよなー」

 アハハーと、カシム殿も調子を合せてくださった。

「な、なんですって〜!!」

   *    *    *

 そして翌日の午後。今日はヒルデガルド殿が王都に帰られるので、我が君とふたりで村の入り口まで見送りに来たところじゃ。

 「いろいろとお世話になりました……」

 馬車の前で、しおらしく頭を下げるヒルデガルド殿を、温かい目で見つめる我が君と妾。

「うんうん、ヒルダも元気でな。それと、そろそろ恋人のひとりやふたり見つけろよ」

 「大きなお世話ですわ、お兄様」

「この季節はランポス共が騒ぎ始める時期故、お気をつけて行かれよ」

 「ご忠告痛み入ります……か、勘違いしてないでください! わたくしは、純粋にそのアドバイスに対してお礼を言っただけですわ。貴女のことを100パーセント認めたわけではありませんのよ!!」

 (ツンデレだ) (うむ、この上なくツンデレじゃな)

 ひそひそ囁き合う妾たちを、むぅーーと言う視線でニラみつけるヒルデガルド殿。
   
 「――そう言えば、勝負の勝者の願い事を、まだ伺っておりませんでしたわね」

「いや、あの勝負は妾の反則負けじゃ、百歩譲っても引き分けじゃろう」

 「単純に手を抜いて負けるのは、狩人としての誇りが許さないし、わたくしにも気づかれる。それで、ごく無理のない捕獲という形をとった……そうわたくしは見ているのですけど」

 まぁ、これだけ聡明な女性なら、それくらい見抜かれるかも、と思ぅてはいたがな。

「ふむ。そうまで仰しゃるなら、ひとつだけよろしいか?」

 「ええ、何なりと……」

 覚悟を決めておるヒルデガルド殿には悪いのじゃが……。

「どうしても嫌ならばよいのじゃが……そなたさえよければ、妾のことを"義姉(あね)"と呼んではもらえぬかえ?」 

 「へ? そ、そんなことでよろしいんですの?」

「そんなこと、ではないぞえ。旦那様の妹君にそう呼んでもらえるのは、このうえなく嬉しいことであろ?」

 悪女顔だと言われる妾じゃが、できるだけ他意のない笑顔で彼女に微笑みかける。

 「! ば、バカじゃありませんの! わたくし、これでも伯爵家のひとり娘ですのよ? お望みなら、どんなドレスや贅沢品でも手に入りますのに……」

「そのようなものより、お主に"姉"と認められる方が、千倍もの価値があるわ」

 しばし無言で対峙する。

 「まったく、付き合ってられませんわ!」

 ヒルデガルド殿は身を翻し、馬車に乗り込まれる。
 やれやれ、嫌われてしもうたようじゃの。

 「――そうそう、わたくしのこと、家族や親しい者は、ヒルダと呼びますの。つぎからは、そう呼んで下さいまし、お姉様」

 えっ!?

 妾が聞き返す前に、馬車が走り出し、たちまち砂塵の向こうに消える。
 多少の無作法は承知で、妾は遠くなる馬車に向かって、大声で呼びかけた。

「おーーーーい、また……必ずまた、遊びに来なされ、ヒルダ!!」

<FIN>
334『クイーン』の人end:2007/10/29(月) 23:11:00 ID:+iwJ8slG
以上。実はこれまでで最長になってしまいました。退屈された方、ごめんなさい。
以前、本編の方は終了と書きましたが、今回の番外編を書いているうちに、どうしても書きたいシーンが出て来ました。ラン視点だと語りにくいことなので、マック視点の本編形式で書こうと思います。

以下は、本シリーズを読む際に役に立つ(かもしれない)、キャラクターの詳細というか備考。
ヲタクサい妄想満載ですので、嫌いな方はスルーしてください。

・マック
 キャラクターのモチーフは、「5歳歳食った横島忠夫」。煩悩魔人ではありますが、同時にヘタレ。ただし、愛する人ができたら一途です(ルシオラとの恋人時のイメージ)。
 美形と言うほどではないものの、そこそこ見られる顔だち。ただし、言動があけすけなので、女性にはモテないタイプ。体格は中肉中背といったところ。

・ラン
 モチーフは「可愛い悪女」。ダインだのディーバだのいろいろイメージキャラを挙げてきましたが、いまとなっては、「サモンナイト3」の鬼姫ミスミ様がいちばん近い気がします。角を取って髪の色を変えたらピッタリかも。
しかし、マックが第1作で言ってた男の夢「美人でお淑やかで料理が上手い嫁」って、まさにこの人じゃん。 

・ヒルデガルド
 イメージ的には、「アルトネリコ2」のクローシェが近いかも。胸は貧乳気味だけど。再登場する予定は……どうなんでしょうね。
335名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:42:19 ID:40/xn1Iy
超 G J !
こういう王道は大好きだ。
336名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 23:59:57 ID:DamaM1C7
GJ!
これは素晴らしい早さですね!
337名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 00:55:55 ID:+PSW9/zP
GJ!!
snegな完璧超人もここまでいくと清々しいw

懐の深い余裕のある女って素敵だなぁ…


ところで本棚の本のタイトル、元ネタがあれば教えてほしい
338クイーンの人:2007/10/30(火) 01:08:48 ID:6rjCvi7f
好評価ありがとうございます。
>337さん
『学問ノ進歩』−ベーコンの著書ほぼまんま
『我想我在』−デカルトのコギト・エルゴ・スムより
『自然哲学ノ諸説定理』−ニュートンのプリンキピアの和訳のもじり
『ロジカル・ワード』−直訳してください。論理+単語=論語
『ウーマン・ユニバーシティ』−これも直訳。女大学。
それぞれどういう本はwikiにでもかけてくだされ。
339 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:02:18 ID:S6uH11YB
どうも、ショウグンギザミ書いた奴です。
なんかコテとかめちゃくちゃになって、混乱させたかもしれん、すまんorz

続き、投下します。
340 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:03:28 ID:S6uH11YB

「質問があるんだけれども」
「はい。では、とりあえず、おとなりにどうぞ」

体を洗ったクレスが再び自室へと戻れば、少女は自分の横の位置をぽんぽんと叩く。
雰囲気こそ理知的だが、行動はどこか稚気に満ちあふれている。
それがなんといおうか、未熟でありながらも完成された少女性を放っているとでもいおうか。
ぶっちゃけた話で言えば、クレスに直球ストライクな容姿と仕草であった。

「そ、そう。じゃあ、お邪魔するよ」
「邪魔しているのは私ですから、あなたが萎縮する必要は、寸毫微塵たりともないと思いますが」
「はい……」
「どうしたのですか? いきなりうなだれて」

訂正。結構、口は悪かった。
しかも、自分がナチュラル毒舌なことに気付いていない少女。
前途多難。その四文字を脳裏に打ち込み、クレスは溜息を吐きながらベッドに腰かけた。

そこで改めて少女を見てみると、本当に小柄だということがよく分かる。
身長は、150を切るほどであろうか。道を歩いていれば、子供と間違えかねないほどだ。
小さい体の奥底から、淡い熱の感触と、小さな呼吸の音が空気を通してクレスに伝わる。
ほんのりと香る、どこか甘やかな匂いは、少女の体臭であろうか。

「お話が、あるのでは?」
「あ、そうそう。直接的な質問になるけれどさ。君、誰?」

思い返したかのようにクレスが言葉を放てば、少女はしばし逡巡する。
何かを言いかけたけれども言えない、そんな仕草にどことなく似ていた。
それにクレスが訝った瞬間、少女は血のように赤い唇をゆがませ、答えた。

「今日、火山で、あなたを殺そうとした者です」

吹いた。
比喩表現ではなく、クレスは盛大に吐息とかつばとか色々なものをまぜこぜにして吹いた。
あまりに話が突飛だったからというのもあるが、少女の言葉の内容が物騒だからというのもある。

「確かに、相手が違う種族だからといって、言葉が通じないとは限りませんよね。
 でも、ハッピー、うれピー、などと言っている時点で、いささかあわれに思いましたが」

失態である。
かように無様なあの姿まで知られたとなれば、もう信じるほかはあるまい。

見れば、少女の薄水色の髪は、どことなくあのショウグンギザミに似ていなくもない。
肌の白さも、あの甲殻に走る幾筋もの白い線だと言ってしまえば納得がいかなくもない。
ややこじつけ気味の論ではあろうが、現実なんて大抵がこじつけのかたまりだ。
341 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:06:00 ID:S6uH11YB

「は、はあ、そうなんでぃすか。で? どうして俺の部屋に? 人間の姿で?」
「落ち着いてください。私も、このような事態になるとは想定していなかったので」
「想定していなかった? ゆっくりでいいから、一から話してくれるかな」
「はい」

本来ならば、眼前の少女があの将軍様だと知った際、逃げ出すなりするものだろうが。
クレスはそれをしなかった。少女の姿とあの恐ろしい鎌蟹の姿が、どうしても一致しないのである。
のみならず、なんとなしに話を聞いてしまうような雰囲気が、少女にはあった。

「私があなたを追いかけ回した際、あなたは不可思議な言動をくり返していました」
「恥ずべきザマだ……」

「あなたは信じないかもしれませんが。私、これでも色々と研究するのが大好きでして。
 一族の中でも変わり者扱いだったんです。戦いとかよりも、色々と調べる方が好きでした。
 鎧竜をまねて、岩を食べたり、ハンターが落とした肉やマグロ、コゲ肉も食べました。
 イーオスの毒素で植物が枯れるか調べたり。ランゴスタを解体したりもしました」

過去の栄華に思いを馳せるように、瞳を輝かせて少女は言う。
その瞬間だけ、少女はどこにでもいる子供のような姿だった。理知的な雰囲気など微塵もなかった。

「ハンターも何人か殺しました。ゴム質の皮で出来た鎧を奪って、体に巻きつけて、戦いました。
 絶縁体、と言うんですか? 電気を通さないんですよね。おかげで、なんとか今まで生きてこれたんです。
 鉱石食べていたから、鎌も欠けませんでしたし」

ちょっと待て、なんだその最強設定は。
などとクレスが考えてしまったのも仕方のない話。
そういえば、昔、斬破刀を持っていたのにショウグンギザミにスッパにされた男がいたというが。
恐らく、この少女のせいであろう。追い剥ぎギザミ。いやな響きである。
342 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:08:07 ID:S6uH11YB

「それで、今日まで生きてこれたのですが。
 やはり人間は、いい研究材料でした。こちらの欲求を満たしてくれました。
 そこで、あなたたちハンターが登場したのです」
「そ、そうですか」
「他のハンターはあなたを残し、すぐに逃げてしまいましたね。
 人間の生存本能として、それは正しいです。いざとなれば、人を見捨てて自分は生きようとします。
 保身本能、とでも言うんですか。生物としては当然のものですけれど」

少女はそこで一息つく。

「今まで私に追い詰められたハンターは、意を決するか罵倒するか命ごいするか、でした。
 しかし、あなたは私の前で、あまりにも珍妙な言動や行為をくり返した。
 最初は思いました。馬鹿かこいつ? と。しかし、そこで私は気付いたのです」
「な、何に?」
「私は、馬鹿の研究をしていません。物事には常に、常識を超越する要素があるのです。
 あなたはその超越する要素なのです。つまり、私はあなたに興味を持ちました」

はたから聞けば誤解されるような言葉かもしれないが。
恐らく、少女はそれを理解していないのだろう。
その美しい顔に乗せられた表情には、含羞の色など全くないのだから。

「私はあなたを調べたかった。しかし、そうするとあなたは混乱してしまう。
 混乱したあげく、溶岩にダイブされたりすると嫌ですから。だからあの場は退いたのです」
「そういうオチですか……」

苦し紛れのアホな行動が、自分の命を助けたと知り、クレスはそれなりにショックを受けた。
これは役得と言うべきなのか、それとも何と称するべきなのか。

「私は悩みました。また、あなたが私と再び会う可能性は限りなく低い。
 会いたいけれども、こんな姿ではあなたが怖がってしまうのがオチ。
 それに、他のハンターに狩られる日がいつ来るとも限らない。そして私は」
「どうしたんだ?」
「出来ないことは仕方ないと割り切り、鉱石、食べました」

ずっこけた。
クレスはベッドを転がり落ちてしまい、部屋の床に腰を打ちつける。
ランゴスタに太ももの内側を刺された並みの痛みが走りぬけ、思わず涙目。

「いや、出来ないことを引きずるのなんて愚者の証左ですから。割り切って鉱石調査です」
「く、クールだね……」
「しかし、そこで思わぬ出来事が起きてしまったんです」
「というと?」
343 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:09:47 ID:S6uH11YB

「いつものように、割れ目のある岩壁に鎌を刺して鉱石をほじくっていたのですが。
 そこで、なんかさびきって変なかたまりを見つけまして。
 これ、どこかで別のハンターが言っていた、太古の塊と呼ばれるものなのだと気付きまして」
「おい、まさか」
「はい、食べてみました。やっぱり調査は重要ですよね」
「なに食ってんだテメェェェェェェェッ!?」

クレス、思わず目の前にショウグンギザミ少女がいるというのに絶叫。
太古の塊はレアアイテムだ。そこまでは良い。磨けば強くなる。そこまでは良い。
だが、だが、そんなかたまりを『喰う』ことなど、誰が考え付くのであろうか。

いや、目の前に、いた。

「で、体が熱くなっちゃいまして。気付けばあら、こんな姿に。
 溶岩はあまり熱くないけれども、あの火山地帯にいると危なそうと体が警告してきて。
 あなたの荷台に乗り込んで、この場までこっそり一緒したという次第です」
「なんだその太古パワー!? そういや……その服は? それに、この部屋、なんで分かった?」
「あなたの友人様たちと、幼馴染みさんに色々としてもらいました」
「あいつら、なんて言ってた!?」

「ええと、ですね……。

『こんな可愛い子を全裸にさせるなんて、クレス、なに考えているのよ!』
『幼子を調教して、自分のものに、か……。クレス、お前は極みに達したんだな』
『クレス! クレス! キワミ! キワミ! フタエノキワミ! アッー!』
『そっか、クレス、ロリコンだったんだ……。まあ、趣味は人それぞれだよね……』

ほか、色々と」

「わーい、俺の社会的信用は、もう駄目駄目だあああぁぁぁぁぁははははははは」

もはや床を涙で濡らすこともせず、天をあおいでクレス絶叫、哄笑、大爆笑。
もう終わった。何か終わった。色々なものが色々な面で色々な方法で終わった。
そう、誰が悪いでもない、何が悪いでもない。

悪いのは運命とかそういった要素だ。
誰も悪くない。クレスも、少女も、幼馴染みも、友人も、誰も悪くない。
運が悪かったんだから仕方ない。そう、仕方のないことなのだ。

「それで、私が、クレスさんの部屋に行きたい、あの人のことを知りたい、と言ったら。
 みんな、鬼のような形相であなたのことを探し始めまして」

わーにんわーにん。
警報がクレスの頭の中でひっきりなしに騒ぐ。
344 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:11:15 ID:S6uH11YB

もう何がやばいとか駄目だとか、そういったレベルの話ではない。
これはまずい。色々とまずい。とにかくまずい。

「おい、なんでそのことを早く言ってくれな……っ!?」

クレスが少女に詰め寄る。
少女、ちょっとびっくりしてベッドの上に倒れる。
だが、その際、少女はクレスの服の袖をつかみながら、柔らかく体を倒した。
手近につかむものがあれば、体勢を立て直せたのだろう。それは出来なかったが。

クレス、少女を丁度、押し倒すかたちとなる。
それと同時に。

「おい、クレスゥゥゥッ! もしかしてここにいんのか、テメェェェッ!」
「クレス!? 怒らないから、ね!? ちょっと大激怒して、九割殺しするだけだから!」
「クレス! クレス! シュラバ! ヨウジョ! カンキン! キジョーイ!」
「ごめんクレス、ちょっと僕、ロリコンとは一歩引いた関係でいたいんだけどさ、でも」

クレスの部屋の扉が。
物理的圧力を加えられ、加えられ、加えられ。


そうして、ひらいた。



「うっぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

345 ◆pdEW25vr6o :2007/10/30(火) 19:13:36 ID:S6uH11YB
今回はこれで終わりです。

続きは明日か明後日か……。
他の書き手さんの迷惑にならなければ、それくらいの日時に投下します。

それではまた。
346名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 19:43:00 ID:f+aExcUf
なんというドジクール
347名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:17:27 ID:pWRi/qis
『ハンター・クレス、熱き友情と少女のため、ここに散る』

さらばクレス……君のことは忘れない……ちーん♪
348名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:40:18 ID:cPTlRTsQ
クレス…(ノ∀`)アチャー…
ちょっと溶岩にダイブしてくる


…もしかして太古の武器は金属にドキド〇キノコのエキスでも調合してあるのか?(マテ
349名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:11:42 ID:f+aExcUf
ド、ドキドキが関係してない擬人化だってイイじゃない! イイじゃない!?
350名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:23:11 ID:eCcx+GsA
ギザミ娘から、何故かルリルリの香りがした


ナデシコとか知らないから本当見た目だけのイメージだが
351小ネタ1/3:2007/10/30(火) 21:48:56 ID:/tpiN4A1

「ところで弟子一号!」
「何でしょうか教官!」
「我輩達は密林へリオレイアを討伐に来たはずだな!」
「その通りです教官!」
「ならば何故今、我輩達はバサルモスと戦っているのだ!?」
「僕が道端の岩に腰掛けたらいきなり岩がおっきしたからです教官!」
「そうだな、正解だ!では何故本来密林には生息しないバサルモスがこの場に居るのだ!?」
「モンスターの行動は未知数で何が起こるか予測は不可能です!まあ自然は厳しいって事で(笑)!」
「ふむ、まあ正解としよう!更に問題だ弟子一号!」
「なるべく手短にお願いします教官!さっき毒ガス喰らってから自分ちょっと危険です!」
「その河からひょっこり出ている翠色の細長いのは何だ!?」
「ガノトトス亜種、通称翠水竜の背ビレです教官!」
「大正解だぞ!ここは密林だからな!水竜の住処は主に密林と砂漠だ、よく覚えておくように!」
「はい教官!ところで、先ほどから妙な雑音がするのですが!」
「うむ!我輩も聞こえている!バサバサとかいう音だな!これは恐らく飛竜の羽ばたく音だ!」
「なるほど!さすが教官、お詳しい!」
「ふははははは!そうだな、この音の大きさから察するに火竜、リオレウスもしくはリオレイアといったところか!」
「あれ?でも何だか羽音が二つ聞こえてきますよ?」
「おおっと危ない、聞き逃すところだったか!小さい方の羽音はイャンクックのモノだな!
 時折飛竜が複数存在する場所では、些細な聞き逃しが大きなミスに繋がる。気をつけろ!」
「さっすが教官ー!」

――――――― 三十秒後 ――――――――

「メディック!メディィィィック!ここは地獄かクソったれ!!」
「ダメです教官!アイルー救助部隊応答しません!」
「いざって時に役に立たないから嫌いなんだアイルーは!一流の狩人たるもの信じるものは己のみだ弟子よ!」
「分かりました教官!ところで自分、言い忘れていたことがあります!」
「何だ!?言ってみろ!」

「―――――自分、このクエストが成功したら、結婚するんです」
「メディィィィィィィック!!!」

――――――― 一分後 ――――――――

「もうダメだ!このクエストは諦めるぞ弟子よ!」
「え!?しかしそれでは僕の結婚が」
「オマエの結婚より我輩の命を優先する!」
「言い切りましたね教官!分かりました、それでは早速モドリ玉を使います!」
「あ、待て弟子!そんなところで立ち止まるな!向こうでリオレイアが突進の構えを!」
「ああっ!教官危ない!バサルモスが突っ込んできてます!」
「何ィィィッ!!?ぐっ、しまったぞガノトトスも既にタックルの姿勢を見せている!」
「イャンクックも火弾を撒き散らしながら突進をっ!」
「弟子よ、早くモドリ玉を――――」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――っ!!!」
「うぬあああああぁぁぁぁ―――――っ!!!」

  [クエストに失敗しました]

352小ネタ2/3:2007/10/30(火) 21:50:23 ID:/tpiN4A1

「――――で、何故私達はこんな姿になってんのかしら?」
「ええと、あのハンターさん達が持ってたモドリ玉にぶつかっちゃってぇ」
「いきなり噴き出した煙に巻かれたと思ったら、こんなコトになっちゃってたんですね」
「よりにもよって人間の姿、それも憎っくきハンターどもの姿じゃなぁい?」
「ん、そう言えば似た様な服(防具)着けてるハンターさん見た事あるねー」
「狩人の防具は我々飛竜の甲殻や鱗を使って作られると聞きました。私達の鱗や甲殻がそのままニンゲンに適した形に変化したんでしょうか」
「………まあいいわ。モドリ玉の原料ってドキドキノコだったわね。ホント気味悪いキノコだわ」
「あのキノコって未だに何なのかよく分かってないんですよね。最近になって群生しだしたみたいなんですけど」
「そうね……………ところでトトス、その格好は何なのかしら」
「……? はて、何かおかしなところでもありますか?」
「いや……おかしくはないんだけど……」
「何で……水着……?」
「? だって私、水の中に住んでるじゃないですか」
「……まあ、そうだけど」
「だから水着です」
「……………しかも、ぴっちぴちの競泳水着?」
「これでも魚竜ですから。ぴっちぴちでおかしいですか?」
「………なんだかなー……」
「………なんなのかしらね……」
「?」

「レイアさんは綺麗なお洋服だねー。お姫様みたいな?」
「あらぁ、そう? んふふふ、まあ褒められても別に嬉しくも何ともないですけれどね?」
「(……物凄いニヤけてますね。流石は竜姫ですか。プライド高そうですねホント)」
「そういうバサルちゃんもステキねぇ。可愛らしいわよ?」
「あ、そうですかー!? んふふふ、ありがとうございますー!」
「(……ほとんど裸じゃないですかバサルちゃん。そういえば岩竜って甲殻の一部はただの鉱石でしたっけ)」
「………トトスは……」
「………うん……ステキです……トトスさん……」
「(……? 何でしょう、この反応?)」
「………良い、わね……何て言うの? その……ラフファッション?」
「………レイアさん物知りですねー……うん、私も、良いと思いますよ……その……ミズギ」
「(……衣服というモノは良く分かりませんね)」

「バサルちゃんは人間になっても子供の身体なのね」
「むむ、こう見えてもそろそろグラビモスに成れそうなんですよー?」
「そろそろ、と言う事は今はまだ幼体だってことですね」
「……まあ、そうですけどー」
「ところで『幼体』ってなんかバサルちゃんにピッタリな響きね」
「ピッタリですよね。私も今気がつきました」
「色気も無いし、体も小さいし」
「ロリロリした顔つきですし、胸もへこんでますね」
「…………」
353小ネタ3/3:2007/10/30(火) 21:51:38 ID:/tpiN4A1

「バサルはともかく、トトスも♀だったのねぇ。何か意外だわ」
「そうですか? そりゃちゃんと♂も居ますよ。たまたま私が♀トトスだっただけで」
「♀トトスねぇ。メストトスとオストトスがいるのね」
「ええ、バサルモスにもバサルメスとバサルオスがいるでしょう」
「じゃあ大きくなったらグラビメスとグラビオスかしらね」
「じゃあディアブメスとディアブオスもいるんだねー!」
「それはないわね」
「それはないですね」
「…………」

「ところで、何でワタシは♀だって思ったのかな?レイアさん」
「ん?いや、何だかあのバサルモス、転げ方がかわいいなー、って思ったから」
「転げ方…ってどーゆーことかな?」
「ああ、それ私も分かります。何だかコロコロ転がって行っちゃって、かわいかったですよねー」
「そうそう。"脚が痛いのー。誰か助けてー。"みたいな顔してコロコロコロコロ……」
「かわいかったですよねー」
「かわいかったわねー」
「…………」

「ふうむ、くるしゅうないぞ、みなのしゅー!」
「あ、クックさん」
「クックちゃんおかえりー!」
「やあやあ、ニンゲンさんの体ってのもなかなか楽しいもんだねー!トコトコやってくるモスたちをイジめてきちゃったよ!」
「クック先生!」
「んん?どうしたのかなレイアくん!」
「私ちょっと新しい体技を考えてみたの、少々組み手のお相手して下さる?」
「んん!よろしいよレイアくん!それじゃあちょっと向こうでれんしゅーしようか!」

「クックちゃん……イジめられてるのまだ気付いてないんだねー……」
「『先生』って呼び名が気に入ってるんでしょうね……可哀想……」
「あ、蹴られた」
「見事なサマーソルトキックですね。おや、即座に突進攻撃に繋げる新コンボですか」
「レイアさんもイジめるの慣れてるよね」
「普段からレウスさんを尻に敷いてるみたいですからね。なんてったって陸の女王ですから」
「せっかく人間になったんだから鞭とか持ってみれば似合うのにねー」
「似合いそうですねー」
「あ、レイアさん火ぃ吹いたよ」
「おや。姿は変わってもブレスは吐けるんですね。私も吐けるんでしょうか」
「ん?それじゃワタシも毒ガス噴き出せたりするのかな?」
「……それはどうなんでしょう。イメージ的に見たくないですけど」
「あ、クックちゃん耳畳んだね」
「畳みましたね。あら、レイアさんまだ蹴ってる」
「ちょ、そろそろ止めないと危ないよ!クックちゃん足引き摺ってるし!」
「ですね。レイアさーん!そろそろその辺りでーっ!」


――――――続     きません
354名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:56:30 ID:f+aExcUf
これはいい



教官と弟子一号
355名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:07:30 ID:/tpiN4A1
352 名前: 小ネタ2/3 [sage]
353 名前: 小ネタ3/3
         ___
        /⌒  ⌒\         ━━┓┃┃
       /(  ̄)  (_)\         ┃   ━━━━━━━━
     /::::::⌒(__人__)⌒:::: \         ┃               ┃┃┃
    |    ゝ'゚     ≦ 三 ゚。 ゚                            ┛
    \   。≧       三 ==-
        -ァ,        ≧=- 。
          イレ,、       >三  。゚ ・ ゚
        ≦`Vヾ       ヾ ≧
        。゚ /。・イハ 、、    `ミ 。 ゚ 。 ・

ごめん、こんな下らんネタでageちまった。
どうでもいいけど、クック先生って小学生の地味ないじめに繋がるものがあると思うんだけどどう思う。
356名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:45:26 ID:w5XJtULm
吹いたwww

昔受信した電波はバサルたん擬人化は万年セラ服でガス攻撃はスカートの内側からうわなにをキシャーッ!<#・vv・>
357名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:32:36 ID:Me8+XcMk
しかしクイーンの人は早いな……
投下するよ?
358子どもの覚悟:2007/10/30(火) 23:34:51 ID:Me8+XcMk
 薄暗い部屋の中、一人の男が前屈みになって作業していた。
「あのガキめ……うちの子になんかしてないだろうな……」
 鋭い眼光で作業を続ける男性はミスミ・ノルィマという。厚手のエプロンを着て、片手には大きな針を持っていた。
 ふっと瞳をやわらげ、苦笑する。
 うちの子だってさ。恐れ多くも俺はあの娘の親のつもりらしい。……それなら姉さんは奥さんか。
「いいなぁそれ……」
 至福の表情を浮かべる青年。その間も手は止まることなく、紫色の素材に糸を通し続けていた。
 そしたら、暇なときに弁当持って、村の周りを散歩に行こう。きっと三人で歩いたらなんでもないことでも楽しいに違いない。
 どぷん、と音を立てて加工中の素材を薬液に浸ける。これで柔軟性を保ったまま強度を上げられるのだ。昔の偉い人の知恵らしい。
 しかしながら、この家に現在姉さんはいなく、義理の姪に当たる紫の奇龍の化身もハンターになるための最終試験を果たしに森丘へ行っている。
 父ーさんはー夜なべしてー、なんて心の中で口ずさみながら、心の中のもう一人が、誰が父さんじゃ、と突っ込むのを自覚した。
 叶えていけない恋であり、遂げてはならない愛であることは百も承知。
 それでも、せめて、空想の中ぐらいでは。一番大好きなヒトと添い遂げてもいいのではなかろうか。
 重たいな、と思う。思いたいな、とも思う。
 そんな思考は外から聞こえてきた悲鳴で中断された。
「なんだ!?」
 窓に駆け寄り覗き込む。村人は空を指差し、口々に叫んでいる。
 ――逃げろ。――女、子どもが先だ。――手空きのハンターを手配しろ。――いないだって?
 何より。
 ――竜だ、村に来るぞ、と。
「ふぅむ……」
 村人が、せめて女性と子どもたちが逃げる時間は稼がなくてはならない。それが若い男衆の役割だ。
 エプロンを投げ捨て、玄関近くに引っ掛けていたコートを羽織る。黒色の分厚い革製だ。がじゃりとたくさんの何かがぶつかり合う音が響いた。
 素材の善し悪しを判別し、最適の角度で切り込み、最適の量を取り出だす。未知の素材を十割生かし、既知の素材と組み合わせより高みを目指す。
 人体の構造を把握し、生物の仕組みを理解し、鉱物の癖を見抜き、直感的な閃きを持って新しい物を恐れぬ者。
 それを人は加工屋という。
 ミスミ・ノルィマは加工屋だった。
 翼を広げるようにコートを翻す。裏生地に数十の銀色の短刀と土色の小剣が瞬いた。
「バラバラにして、余すとこ無く使ってやるよ」
 無表情のまま扉を開けた。
359子どもの覚悟:2007/10/30(火) 23:36:58 ID:Me8+XcMk
 ニャの声の八重奏を後ろへ流しながら、ネコタクは疾走する。
 風に嬲られる前髪が吾輩の顔を叩く。そこそこ痛い。
 遠くに見えた村がぐんぐん近付いてきおった。
「もっと! もっと早くである!」
「落ち着けミズチ! これが限界だ!」
 吾輩とトラッドに挟まれた教官が怒鳴る。アイルーたちの息は荒い。これ以上飛ばせば潰れ、返って遅くなるであろう。
 なんでそんなことにも気付かないのだ吾輩は。前髪をぐしっ、と掴む。
「うわ、酷ぇ……」
 トラッドが思わず言葉を漏らしたようだった。大きくなった村の真ん中から立ち上るのは煙だ。時折、家屋の破片が飛ぶのは錯覚だと思いたい。
 そう、竜はまだ生きている。
「教官! 他のハンターはどうしているのであるか!?」
 眉間の皺を深くして、重く口を開いた。
「皆出払っている! 早く帰ったものもいるかもしれないが……!」
 最悪、村は閉鎖だろう。と言葉を続けた。
 あたまに血がのぼった。
「ふざっ……!」
「みんなぶっ飛ばすニャー!」
 先頭のミケのアイルーの気勢により言葉は消され、
「う「にゃぁ「み゙ゃ「だにゃ「ギに「んニャ「ャー」あ」オー!」にー!」」ぁッ!」ーぁ!」
 続く七種の叫びとともに爆発的な加速をする。
 必死に車体にしがみ付き、ひたすら願う。
 ……どうか! ……どうか!! ……どうかッ!!
 何を願っているのかは自分自身でさえもわからなかった。
 近付いた村から、周囲を揺るがす断末魔が聞こえた。
 震える木々を尻目に三人と八匹は加速を続ける。
360子どもの覚悟:2007/10/30(火) 23:39:30 ID:Me8+XcMk
 村の内部は綺麗なものだった。人のざわめきが無いことも普段とは違う印象を与えているのであろう。車輪の転がる音と絶え間ない足音だけが響く。
「ストップだ!」
 教官殿が怒鳴り、ネコタクは急停止。
「うお!?」
「ひぁ!?」
我等三人は宙に投げ出される。
「ふん!」
 教官が両小脇に我等を抱え着地。ネコ八匹達は地面に倒れ付していた。我等を挟んでその逆には人が倒れている。
「おい! 大丈夫か!?」
 近寄ると、この村に最初からいた加工屋さんであった。お腹を押さえて、苦悶の表情を浮かべている。
「あ、ああ……教官か……っぐ、み、ミスミさんが、この先に」
 咳き込みながら喋る加工屋。吾輩は叔父貴どのの名前を聞いて、宙ぶらりんではいられなくなった。
 教官殿の逞しい腕を振りほどいて、一もニも無く駆け出す。
 二人が叫んでいるのが聞こえたが、意味は判らなかった。
 蹴り足に力を込めると瞬く間に二人は見えなくなった。
 村の中心に近付くにつれ、一部分の壊れた家屋は増えていく。
 おかしいのである。
 戦闘の跡にしては損傷が少なすぎる。これは戦闘というよりも、
 ……誘導しているみたいである。
 考えながら走っていると開けた場所に出て立ち止まる。村中心の広場だ。色々な催し事が開かれる場所である。
 その真ん中には剣山があった。
 それは体中に骨と鉄の剣を生やした竜であった。翼も尾も背中も何処から何処までが自前の甲殻なのか判らない有様である。静かに横たわっていた。
 少し離れてこちら側に、膝を附く叔父貴どのがいる。荒く息をして、両手にいつでも売りに出せる剣を持っていた。
 頭の中が真っ白になって駆け出した。
「叔父貴どの!」
 こちらを向く叔父貴どの。頭が割れて、顔が血に染まっていた。
「ミズチ!? 来るな!」
 力尽きていたはずの竜が首をもたげ、不可視の弾丸を吐き出した。
 木屑と塵芥が形を浮かべる。射線は吾輩と叔父貴どのを結ぶ一直線だ。
 竜譲りの視覚により見えても、回避は出来なかった。

 なぜなら。

「がっ……」
 叔父貴どのが吾輩を抱きしめて庇ったからだ。
 背中が裂けて、口から血塊を吐き出した。
 顔にばしゃりと掛かる赤い色。
 力抜ける大きな身体。
 意志消えた瞳。
 あ……。
 い、
「イヤぁぁぁぁぁぁああああああああッッ!!!」
 竜が意地悪く笑い顔を作り、ふつりと息絶えた。
361子どもの覚悟:2007/10/30(火) 23:42:10 ID:Me8+XcMk
NGしーん1

 勇んで家から出たミスミさん。
 空からゆっくり舞い降りる鋼の竜。
「く……勝てるかどうか……!」
 なんて台詞を吐こうとすると。
 バン! バン! バン! バン!
「ふ……よりによってこの村に来るなんて!」
「なんて運のない大馬鹿者よ!」
「我等、擬人がいる限り!」
「アンタに勝ち目ないでー?」
「おいのち……ちょうだいします……」
「はわわわわわわ!」
 次々扉を開け放って飛び出してくる奥様&淑女&少女&幼女の皆様方。一人二人じゃない。両手両足の指では足りない数だ。
 ……ええ、引っ込んでろ、なんて言えませんでした。
 あれよあれよという間にボコボコにされてぴぎゃーなんて悲鳴を上げる鋼竜。
「……俺の見せ場が……! 見せ場がぁ……!」
 その場に崩れ落ち、行き場の無い怒りを大地にぶつけた。

NGしーん2

 勇んで家から出たミスミさん。
 空からゆっくり舞い降りる鋼の竜。
「……てぇい!」
 マントをバサリと降りぬいた。空裂く八つの銀閃は首の周りで収束する。
 ゴトリ、と首が落ちた。
 見ていた男性が叫んだ。
「あ、あれは舞烏眼乱(ぶうめらん)!」
「知っているのか!」
「いかにも。その飛刀、まるでカラスのように舞い、眼で追う事は敵わない。その昔、武の者ウ=メランが使ったとされる廃れた武器だ……!」
「つまり彼はブーメランer……!」
 ざわ……。 ざわわ……。
「「「「ブーメランer! ブーメランer! ブーメランer!」」」」
「フォ――――――――――――ッウ!」
 村人の声援にこたえるミスミさん(22)
 いま、ここに新たな英雄が誕生した!

 ここまで。
 軽めの短編とエロイかもしれない本編とどっちがいいだろうか。
362名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:08:14 ID:3Rmnh8U9
>>358
GJ
そして・・・・
オジキィィィ!!!!!!死なないでくれオジキィィ!!うわぁぁああぁあ!!!!
363名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 01:34:18 ID:MIg7CUtQ
GJ!
そして叔父貴はきっと大丈夫、多分まだ一死だから!三死してないから!!

…と思いたいな(´・ω・`)
364名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:03:06 ID:MEBXycBP
やっぱりブーメランは最高だな!

しかし擬人化村なら普通にNG1みたいな事態が起こるよなぁ・・・
むしろこんな村だから大丈夫なのか
365名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:11:52 ID:fXHD99XC
>>358
え、ちょ?オジキ死なすなよ?え?死なないでねオジキ?
オジキィィィィィ!死ぬなァァァァ!


と、何か突き動かされたんで書いてみました。
ぐうたらと無駄に長い文ですが読んでくだされ。
366見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 02:22:22 ID:fXHD99XC
「爆薬を持って来い!ここにも来るぞ!」
「女子供を避難させろ!城門を閉めて外に出すな!」
「男達は武器を持って外に出ろ!街を守るんだ!」
飛び交う怒声、血に平伏す人間、見下ろす龍。
建物は豪風によって砕け散り、人が、家畜が、全て吹き飛ぶ。
赤子の泣き声がする、それを乳母達が必死になだめる。
紅く染まった街に、血と肉と涙の、死の臭いが漂う。
それは満足した様に吼えると、踵を返し悠々と立ち去った。
ドンドルマ最終防衛地点及び王立騎士団、第二ハンターズギルド壊滅。
「何故抑えられぬ!?古龍と言えど何人で相手をしている!」
「ですが…、いくら腕の良い狩人達に頼んでも…。」
一つの街を収めるギルドの長が枯葉の様な手を叩き付ける。
付き添いの従者達が慌てておろおろと首を横に振る。
「『白銀』よ…未だに我等を苦しめると言うのか…。」
驚愕する豪風を身に纏い、輝く銀の翼をはためかす。
その姿まるで天を飛翔する白銀の如し。
彼ら『白銀』の一族は代々、人間、狩人だけに攻撃を加え、
殺すという稀有な種族であった。







367見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 02:31:25 ID:fXHD99XC
『あの日』から16年と112日の時が流れた、永かった。
その日を境に少年は狩人となった。
「うん、大丈夫です姉さん、心配しないで。」
あどけない笑顔を浮かべながら、少年は剣を取る。
少年は目が見えなかった、幼い頃に負った傷だ。
母は自分を庇って死んだという。
いつぞやに浮ぶ、満足そうに微笑む顔、あれは母なのだろうか。
「本当に平気なの?貴方は…目が見えないのよ?」
目が見えなくなった代償に、少年は誰よりも気配を察す様になった。
聴力、嗅覚、そこだけは誰にも負けなかった。
心配そうな顔をした姉が頭に浮ぶ。
どこか可笑しくて少し苦笑いをした。
本当の姉弟では無かったが誰よりも面倒を見てくれた。
本当に何度礼を言えばいいであろうか。
もう一度「大丈夫」と言う。
それは姉に、もしかしたら自分への暗示かもしれない。
「ありがとう、僕、もう行きます。」
荷物を背負い、もう一度ぺこりと頭を下げる。
返事は無かった、それを心配して気配を察す自分がいる。
(泣いているんだ…。)
泣いてくれる人が居る事に心から感謝した、手を振る。
手を引き千切れそうになるまで振り回し、姉と自分の家が
見えなくなってから少年は少しだけ、涙を流した。
















368見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 02:40:11 ID:fXHD99XC
(目が見えなくなっても、これだけは出るんだなあ…。)
これで生まれてから泣いたのは4回目だった。
あくまで自分で数えた数なので多分もっと泣いている。
指で雫を跳ねながら少年はしげしげと考えていた。
姉は名前が無くて寂しくは無いか、と気を掛けてくれた
が、正直名前についてはあまり気にして無かった。
「お兄さん、こんな所で何をやっているんだい?」
馬の蹄の音だ、多分商人か何かを営む男だろう。
「ここらで最寄のハンターズギルドを探して居るんです。」
特に隠す人でも無いので素直に言う事にした、人の良さそうな人だ。
「そうか…だったらシンシアだな、どうだ?遠いし乗せてってやろうか?」
ここまで親切にしてくれる人は珍しいであろう。
この申し出はとてもありがたかった、随分と歩いて、
足が棒になりそうな所だった。
それに『遠い』と言われたら、尚更疲れてきた気がする。
「助かります、でも…。」
「取って食おう、って訳じゃないんだ、安心していいぜ。
 一人旅も寂しかった所だ、少しおっさんの話し相手になってくれよ。」
襟首を掴まれて半ば強引に馬車に引きずり込まれた。
男は豪快に笑いながら食事を勧めてくれた。
途端に笑いが漏れてしまって、実に楽しい一時だった。
369見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 02:50:11 ID:fXHD99XC
「リーズ・ルイダース君ね、確かに登録しました。」
手渡された登録書を皮の袋にしまっておく、これが無いと
狩りはもちろん食事も、寝床も貰う事が出来ない。
この街は一度古龍に大きく破壊されたのだが、活気溢れた
街の人々により再復興されたのである。
少年の母が死んだのもこの街であった。
それと『リーズ・ルイダース』と言う名前は姉の父親の名前だ。
名前が無いと困るでしょう、と言う事で姉の認証の下、
恐れ多くも使わせてもらったのである。
「早速、依頼を頼みたいんだけど、大丈夫かしら?」
「急ぎですか?あまり腕に自信は無いんですが。」
これは謙遜などでは無かった、元から目が見えないと言う
のはとても大きなリスクであるし、腕力も無い。
武器は片手剣を使っていた、自分より大きな武器を使う
のに目が見えないのでは、あまりに危険すぎるからだ。
気配に反応できなかったら、自らを切り裂く可能性もある。
「急ぎでは無いの、でも是非貴方に受けて欲しいって。」
少年は見えぬ目を細めた、まだ街に来てから一週間もたたない
内から何故、個人に対する依頼があるのだろう?
「依頼主はトトリーさん、この人が依頼するなんて珍しいわ。」
昨日ここまで送ってくれた荷馬車の商人だ。
親切にしてくれたので声まで鮮明に覚えている。
彼は昔ハンターだったそうで、色々な昔話をしてくれた。
370見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 03:02:45 ID:fXHD99XC
「分かりました、受けます。」
少年は即座に返事をしていた。
受付譲はやはり面識があるようね、と言うと
どこかいい匂いのする紙を渡して来た。
署名をしろと言う意味なのだろうが目の見えない少年は字が書けない訳で。
「ああ、貴方は目が見えなかったわね。」
失礼と言った後、受付譲が紙を持って代わりに署名した。
字が書けない事について本人はまったく気にしてなかった。
それよりも問題はこの依頼を自分にこなせるかだ。
自分を信用してくれたかどうかは別として、何よりも
狩人の立場を考えては、依頼主に失望させるような事は
無い様にしたい。
恩返しでもあるし、街に来てからの初めての腕試しだ。
「それでは宜しくね、成功を祈ってるわ。」
受付譲は姿勢を正し、恭しくお辞儀をした。

沼地の張り付くような湿気と、肺を差すような
毒の臭いはすぐ漂ってきた。
依頼内容は、フルフル一頭がこの沼地周辺に棲み付く
恐れがあるので討伐しなくとも、
撃退して欲しいと言う事であった。
少年は今まで一度もフルフルに遭遇した事が無かった。
要するに容姿も能力も分からないので用心しないと。
しかし飛竜の気配は人間の何倍も感じやすい、気配を
感じて斬り付ければ大体は手応えがある。
ぱしゃりと水溜りを踏みつけた時だった。

『こんばんは狩人、新米がこんな所で何を?』

ピアノの様な高い声が耳にそっと入ってきた。
371見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 03:05:10 ID:fXHD99XC
とりあえずごめんなさい。
一レス目と二レス目で容量とってしまいました。
以後気をつけますorz
痴呆が進んだ書き手なのでアドバイスとか頂けると有り難いです。
めちゃくちゃに書き殴ってる所は見逃してやってくだしあ。
372名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 12:53:15 ID:BJo00MuF
主人公の名前がないのは伏線?
wktk
373名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 12:58:48 ID:UELRPbli
盲目ハンターか。wktk
374名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 13:37:24 ID:JANI3fiV
盲目? ということは武器は太刀、必殺技は大剣風の切り上げにござるかな
375名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 14:12:46 ID:+m4ZKgb9
おお…なるほど、それでフルフルなのか。>盲目
続きも期待してるぜ!

>>361
>軽めの短編とエロイかもしれない本編とどっちがいいだろうか。
両方!両方!!
…というのが本音だけど、二者択一なら作者さんの好きな方でぜひ。
376見エナイ君ニ:2007/10/31(水) 18:00:44 ID:fXHD99XC
>>372
初期、名前ばっか書いてて気持ち悪かったので…。
今見直して思ったんですがあまりに雑すぎますな。
少し丁寧に書いてみたんですがどーでしょーか。
377見エナイ君ニ :2007/10/31(水) 18:14:19 ID:fXHD99XC
ハッとして振り返る、狭い空間に殺気が漂い始める。
背中から汗が噴き出る、怖い、怖い怖い怖い。
何で気配を感じないんだ?どこに居るんだ?
武器は抜かないでいた、というか抜けなかった。
自分を圧倒する気配がそうはさせなかったと言うべきか。
どちらにせよ攻撃は当てられなければ意味が無い。
『探しても無駄だよ、君、目見えないよね?』

上か、右か、左か、後ろか、前か、上か、さっぱり感じない。
水滴が地面にゆっくりと、滴り落ちる音しか聞こえない。
これが人間だというのはまず有り得ない。
「人間じゃ無いですよね…まさか飛竜、ですか…?」
『おかしいな、僕が飛竜だとしたらもっと驚くと
 思ったんだけど、ねっ。』
ひんやりとした水の波動が足を突き抜ける。
何かが地面に降りた、声の主だ、恐らく上に居たのだろう。
ここまで気配を消せるのは、自分と同類の、盲目の者だけだ。
音感に優れた盲目者は、何よりも生活する時にまず気配を感じる。
「僕が一番に気にしている事は何故貴方が喋れるのか、です。」
人間が悪巧みをして、とかそんなレベルでは無い、本物の飛竜だ。

『君、美味しそうだね、食べていい?お腹減ってるんだ。』
余りに唐突すぎである、質問も清々しいほどに無視だ。
「僕を食べるのは構いません、が、ここからは立ち去って欲しい。」
実際食べられたい訳が無いが、これは一種の賭けだ。
『冗談だって、人の肉なんて美味しくも食べたくも無いよ。』
笑いを混じらせた声が聞こえる。
聞き取りにくいが、恐らく女性の声だと思う。
聴力に長けた自分が判断に迷うと言う事に驚いた。

『面白そうだ、少し僕とのお喋りに付き合って貰っていい?』
「どうぞ、僕で良ければ。」

378見エナイ君ニ :2007/10/31(水) 18:24:42 ID:fXHD99XC
『君達にとっては、僕がここにいると迷惑な訳だ。』
「単刀直入に言うとそういう事になりますね。」
素直に言ったので、ぶぅと不満そうに相手が唇を鳴らした。
人間の言葉が分かる、しかも喋る事も出来る。
ギルドの学者達がこの飛竜の存在を知ったら、さぞかし
喜んで研究を始めるだろう。
だが狩人は別だ、もし自分以外のハンターがこの状況に
直面したとしても、現在は竜が空を飛びまわる時代だ、半数
以上のハンター達は既に理解をし始めるだろう。

幾分か心も落ち着いて来た、心無しか相手の声も和らいでいる。
『でもここらにはいい場所がたくさんあるんだ。』
「今の内に立ち退いておかないと、殺されてしまいます。」
決して大袈裟に言ってる訳ではなかった。
今回の依頼はリーズ個人に対する依頼であったが、もし
自分にこなせないのであれば、手練の狩人が送られる。
ギルドの信用度を依頼主に落とさせない為でもあるし、
何より飛竜からの危険性を下げる為だ。
いくらこの飛竜が強かったとしても、ギルドから信頼された
狩人達は山の如き巨龍さえも退けるのだ、勝ち目は無い。

『…分かったよ、ここは立ち退く事にしよう。』
意外と簡単にいって良かった、これは依頼をこなした事になるのか?
『でもまだ君に興味がある、そうだな、僕と一緒に来てもらおう。』
「?それってどういう意味でs」
首根っこをぐわし、と掴まれる、足が宙に浮いた。
感覚が無いのに宙を浮くと言うのは変なモノだ。
恐らく、絶対に、これは見えない彼女に掴まれているのだろう。
379見エナイ君ニ :2007/10/31(水) 18:37:39 ID:fXHD99XC
「どこまで行くんですか?まさか火山とかじゃ…。」
足で吊り下げられながら叫んだ、風を切って進んでいる為
このくらい声を張り上げないと聞こえないのだ。
『僕だって嫌だよあんな所、いい所無いし、熱いし。』
見えない相手はそれだけ言うと、黙って翼を動かし出した。

少年もこの飛竜も、火山が嫌いな理由は同じだった。
一歩踏み出しただけで足を溶かすオレンジ色の液体は
盲目者にとって危険性が高すぎるからだ。
翼の音を耳に聞きながら、二人、一人と一頭は話をしていた。
少年は可笑しな物を感じた、見た事も、今まで話した事も、
一度だって会った事の無いこの飛竜と友達の様に話をしてるんだろう。

だんだんと蒸し暑い所から遠ざかって、頬に刺す様な寒さを感じた。
『うん、ここにしよう。』
足が地に着いた、雪にブーツがすっぽりと埋まり、
触れた部分が溶けてなめし皮に染み込んで地味に冷たかった。
しばらく歩いていなかったので足がまったくおぼつかない。
『っとと、しっかりしてよ。』
倒れそうになる所を大きな身体に支えられながらふらふらと歩く。
見えもしない目の中で、どこか陽の光を感じた。
自然と口元が緩んでしまう、もし相手が盲目者で無かったら、
何笑ってんの、と小突かれるだろう。

『そういえば一度も食事してなかったな。
 ちょっと行って来るよ』
逃げようなんて思わないでね、と悪戯気に言ってから
翼を力強く振り上げ、雪を巻き上げながら彼女は飛び去った。

どうも風は苦手だ、少年は背を雪に埋めて瞼を閉じた。
雪山で寝ると死ぬぞ、と言われているが何故か、
その時ばかりはそんな気がしなかった。
380見エナイ君ニ :2007/10/31(水) 18:40:47 ID:fXHD99XC
どうでしょうか…少し改行を入れてみたりしたんですが。
エロシーンは次かまたその後かな、実は既に書いて
あるんですがどうも出来が悪くて、投下する勇気が…w

後書きしないと無駄に心配な俺、どう見てもチキンです本当n(ry
381名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 20:05:24 ID:F0vxPD9V
GJっΣd

勢いに任せて一気に投下すれば無問題
382名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 20:33:19 ID:1Glq9dPC
盲目僕っ娘ktkr
383名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 21:19:20 ID:/0wvSboB
おー。今のところ擬人化版ではないようだけど、このフルフルには
「クリーチャー萌え」というのとはまた別枠の萌えがあるな…上手い。
384『クイーン』の人:2007/10/31(水) 22:14:53 ID:GCZU2VP1
叔父貴、死ナナイデ! 
ギザミの人はいよいよワクテカな展開に超期待。
フルフル話は今後の展開が気になりますね。

以下、性懲りもなく掌編投下します。
385小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その1:2007/10/31(水) 22:16:39 ID:9cU1Y94O
 例の一件以来、ヒルでガルドはたびたびマック&ラン夫妻のところに遊びに来るようになっていた。

 「ところで……ひとつお聞きしたいのですけれど」 モグモグモグ……

 「ん? 何だ、ヒルダ?」 パクパクパク……

 「お兄様の通り名は、どうして"かたうでマック"なのですか?」 モグモグモグ……

 「ふぅむ、それは妾も気になっておったところじゃな」 ホジホジホジ……

 今日はこの村に泊まるとのことなので、マックの友人のカシム夫妻も呼んで、夕飯に5人で千年蟹の鍋を囲んでいるところだったりする。

 ガツガツガツ……「ああ、それはな……」

 「――カシム。ダメ」ペシッ「イテッ!」

 情報屋ことカシム氏の頭をポコンと叩いたのは、彼の妻キダフ。彼女も元ハンターでヘビーボウガンの使い手だった。ただし、夫の引退に合せて自身も現在は主婦業に専念している。

 「――口に物を入れたまましゃべるの、行儀悪い」めっ!

 「あーー、すまん、キダフ」

 痩せぎすとは言え2メートル近い長身の、いい歳した男が、パッと見、ヒルダと同年代にしか見えない幼妻(属性:貧乳・小柄・褐色肌)?にたしなめられる様子と言うのは、ある意味情けないが、考えかたによっては癒される光景かもしれない。

 ごっくん! 「それで、マックの奴のあだ名についてだよな」

 「うむ。別に我が君は、物理的に片腕がないわけでも、片手が不自由なわけでもないしのぅ」

 「あ! もしかして、片手剣を愛用しているからですの?」

 「あぁ、まぁ、そんなところだ……」

 バツが悪そうに口をモゴモゴさせているマックを尻目に、カシムはチッチッチと指を振って見せる。

 「たしかに、それも一因だがな。ところで、おふたりは片手剣ならではの利点って何だと思う?」

 カシムに問われて、話題の人物の妻と妹は考え込む。
386小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その1:2007/10/31(水) 22:18:50 ID:9cU1Y94O
 「抜刀が速い。抜刀状態でも素早く動ける。取り回しが比較的容易。手数がそれなりに多い。はじかれづらい……こんなところかのぅ」

 「それと、確か抜刀状態でも道具が使えるのではありませんでしたか?」

 「正解だ、妹さん。武器を構えたままでも、大概のアイテムが使える。それが攻撃力の低い片手剣の最大の利点なんだが、こいつは昔からアイテムの扱いが下手でね〜」

 「ほっとけ」プイッ!

 23…もうすぐ24歳になろうとしている男がスネても、あまり可愛くはない。

 「片手剣ならではの利点、右手で道具を使える特長を使いこなせない。故に”かたうで”か。上手いこと言うのぅ」

 「ちょっと、お姉様! いくら事実でも、それではお兄様があんまりじゃ……」

 慌ててフォローしようとするヒルダだが、いまいまちフォローになりきっていない。

 「なぁに、我が君のアイテム扱いが多少まずかろうと、一向に構わぬよ」

 静かに箸と取り皿を卓袱台に置いて、マックを真っ直ぐに見つめるラン。

 「この妾が、我が君の背中を守っておるのじゃ。道具類が必要とあらば、妾がいくらでも使いこなしてみせるわ」

 「ラン……」 「我が君……」

 感動のあまり両手を握りしめんばかり……いや、本当にランの両手を取るマック。ほのかに照れながらも、視線を外さないラン。

 見つめ合うふたりの様子を尻目に、ほかの3人は再び蟹鍋漁りに取り掛かる。

 (((ハイハイ、バカップルパカップル……)))

 〜オチも無くfin〜

・以上。ほんとーにしょうもない小ネタです。

<オマケ>

 「でも、回復薬とかは、自分で使うしかないよね」

 ポツリと漏らすキダフの言葉に固まるバカップル夫妻。

 「……我が君、今度はヒーラーシリーズを作るぞえ」

 「お、落ち着け、ラン。あれは防御力が低過ぎる。いや、ナースルックのランと言うのは、俺もちょっと見てみたい気もするが……」

 「ええい、なれば、見かけは気に入らぬがこの際フルフルシリーズでも構わぬ」

 「あ〜、わかった。わかったから、とりあえず落ち着いて飯食おうな、な?」
387小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その2:2007/10/31(水) 22:19:42 ID:9cU1Y94O
小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その2

 このところ、極めて頻繁にヒルデガルドは村へとやって来ている。

 「こんにちは、お姉様! ……ついでにお兄様も」

 「うむ。よぅ来たの、ヒルダ」

 「うわー、俺はランのオマケかよ?」

 「だ、だってぇ〜」

 当初はランに反発していたヒルダだが、いったん気を許すと打ち解けるのも早かった。もともと上に男兄弟がふたりいるだけだったため、無意識に"姉妹"という存在に羨望があったのかもしれない。
 それが突然、大手を振って"姉"と呼ぶべき人物が出来たのだ。しかも、ヒルダの目から見て、ランはこのうえなくハイパースペックな女性だった。
(実際は、ある種世間知らずだし、天然気味で抜けているところもあるのだが、ランとしても、せっかくできた義妹にはそういう部分は極力見せたくないらしい)

 ツンデレの気があるヒルダだが、いまの彼女はまさにランに対してデレ状態と言ってよかった。

 「無事、兄離れしてくれたのはいいが、ちょっぴりお兄ちゃん、寂しいぜ」

 愚痴りつつ、夜のクエストに出かけて行くマック。

 「ふむ。今晩は我が君は留守にされる故、我家に泊まってゆかぬか、ヒルダ?」

 「え!? よ、よろしいのですか、お姉様?」

 「無論。むしろ独りで過ごす無聊が少しでも紛れるからの。こちらからお願いしたいくらいじゃ」

 「そ、それではお言葉に甘えさせていただきますわね」

 ふたりで台所に立ち、ランといっしょに夕食を作るヒルダ。
 あまり家事が得意とは言えないヒルダだが、義姉の教えが良かったのか、思いのほか美味しい夕飯が作れた。

 (あああ……なんだか、こういうの、イイですわね……)

 別にヒルダに百合な趣味があるわけではないが、「やさしいお姉様と一緒に作業する」と言うシチュエーションに、ちょっとだけ憧れていたのも確かだ。
388小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その2:2007/10/31(水) 22:20:39 ID:9cU1Y94O
 で。
 夕飯を食べ、お茶を飲み、一息ついたとなると、当然、妙齢の女性としては身奇麗にしたくなるのが当然の流れと言うヤツで。

 「ほ、本当によろしいのですか?」

 「仲の良い姉妹が一緒に入浴するのは、別に普通のことではないのかえ?」

 ええ、子供のころなら確かにそうでしょうが、二十歳過ぎた大人は、そんなこと滅多にしません。
 そう言って断わるべきだったのかもしれないが、とくに恥じらう様子もなくランがキモノの帯を解きはじめたので、タイミングをヒルダは逸してしまった。

 帯を外し、緋袴を脱ぎ、肩から小袖を滑り落としたランの裸身に、しばし見とれていたヒルダだが、ハッと我に返る。
 ぎこちないながらも自らもドレスを脱ぎ始める

 「何じゃ、ヒルダ。まだ脱いでおらぬのか。……もしかして、その洋装は、人手がないと脱ぎにくい類いの服かえ?」

 手ぬぐいで髪をまとめ、もうひとつの手ぬぐいでわずかに前を隠したランが眉をひそめ、ついでポンと手を打つ。

 「水臭いのぅ。ほれ、この"義姉"に任せぬか。脱ぐのを手伝ってやろうぞ」

 「だ、だ、だ、大丈夫です。子供ではないのですから、服くらい自分で脱げますわ!」

 慌てて拒絶するヒルダ。

 「ふむ。そうかえ? まぁ、主がそう申すなら妾は先入っておるでな」

 少しだけいぶかしげな顔をしたものの、ランは浴室へと入って行った。

 その後ろ姿を見送りながら、半脱ぎ体勢のまま、ガックリ膝をつくヒルダ。

 「わ、わたくし、そういう嗜好はないはずですのに……」

 ドキドキドキと高鳴る鼓動を抑えきれない、イケない趣味に目覚めそうな少女がここにひとり。

〜つづく〜
389小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その3:2007/10/31(水) 22:21:59 ID:9cU1Y94O
小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その3

 「お、お邪魔しまーす」

 胸の高鳴りを何とか鎮め、気の強い彼女らしくない、おっかなびっくりな態度で浴室へと入るヒルデガルド。

 「おお、遅かったのぅ。やはり背中のファスナーか何かで手間取ったのではないかえ?」

 「え、ええ、まあ、そんなところです……」

 「やはりそうか。よし、着る時は妾が手伝うてやろう」

 (いえ、そんなことされたらわたくしの理性が保ちません)

 そう断わるわけにもいかず、曖昧微笑むヒルダ。

 「姉妹仲良く裸の触れ合いというヤツじゃ。ささ、まずはともに湯に浸かろうぞ」

 ランが湯船で伸ばしていた脚を開いてヒルダの入るスペースを空けてくれるが……。

 「ブッ……!」 (お、お姉様、お御足の間が……!)

 幸か不幸か、今日の風呂は北風みかんの皮と汁を入浴剤代りに入れてあるため、ふつうのお湯よりは透明度は低いが、これだけ至近距離だと、湯煙越しでもヒルダの目には、ランのすらりと伸びた足もそのつけ根もほとんど丸見えだ。
 慌てて視線を逸らし、斜め上の方向を見ながら、湯船に入ったヒルダだが、お湯に身を沈めると、ちょうどランの胸のあたりを凝視する体勢になってしまう。

 象牙のような柔らかい白さを持った肌を水滴が艶めかしく走り落ちる。
 造化の神が作ったかのような、完璧な形と大きさを持ったランの乳房は、男ならずとも、その感触を確かめたいと思うだろう。
 胸部だけではない。うなじから彫りの深い貌へとつながる稜線、ありえないほど細く、それでいて不自然さなど一切感じさせないくびれたウエスト、まろやかな円弧を描くヒップ。
 全女性の99パーセントが嫉妬しそうな女性美の化身が、ヒルダが手を伸ばせば届くところで、ゆったりとリラックスして無防備な姿を見せているのだ。

 (ああ……なんて柔らかそうな……ちょ、ちょっとくらいなら触っても、お姉様も怒らないわよね。姉妹、そう、わたくしたちは姉妹なんですもの!)

 さっき浸かったばかりで、湯当たりするには少々早いと思うのだが……自重しろ、ヒルダ。
 悪魔の誘惑に負けたヒルダが手を伸ばそうとした瞬間。

 「さて、そろそろ体を洗うかの」ザバーーーーッ!

 「…………」
 (そ、そんなことだろうと思いましたわ……いえ、助かったと言うべきかしら)

 「ん? なんじゃ、ヒルダ、惚けた顔をして。のぼせたのかえ?」

 「い、いえ、何でもありませんわ。お気遣いは無用です、お姉様」

 湯船の中で器用にorzな姿勢をとっている義妹を、不思議そうに眺めたのち、ランは浴室にかけてあった体洗い用の糠袋を手にとった。

 「ふむ、そう言えば……。ヒルダ、もし嫌でなければ、妾の背中を流してはもらえぬかえ?」

 「!!」

 どうやらヒルダさんのピンチは未だしばらく続く様子。 

〜つづく〜
390小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その4:2007/10/31(水) 22:24:01 ID:GCZU2VP1
小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その4


 (や、やったわ! ついにわたくしはやり遂げたのですわ!!)

 ランから背中を流して欲しいと頼まれ、まるでアプトノスのごとく鈍重な動きで湯船から出たヒルデガルドは、今まで自らも知らなかった"自分じゃない自分"の誘惑の声に耐えぬいて、何とか無事に、その大役を果たしたのだ!

 (欲望の赴くままに暴走せずに洗浄の役目は果たしましたし、その過程で合法的にお姉様の肌のやわらかさも堪能できましたし、結果オーライと言うところでしょうか)

 ふうっと、一息ついているヒルダに、邪気のないランの声がかけられる。

 「さ、お返しじゃ。ここに座ってたもれ、ヒルダ」

 ポンポンと、先程まで自分が腰かけていた木製の風呂場用椅子を叩いてみせるラン。

 (お、お姉様の御尻が載っていた椅子……じゃなくて、マズいですわ!)

 先程からヒルダのそこは興奮を抑えきれずに熱く濡れそぼっている。とりあえずタオルで隠してはいるものの、万が一そこを"洗おう"とタオルを取られたら、ひと目で丸分かりだろう。

 「あ、あの……その……わ、わたくし、くすぐったがりですので、他の方に体に触られるのはちょっと…………」

 苦し紛れにしては、我ながらナイスな言い訳だと思ったヒルダだったが……。

 「ほほぅ、それはよいことを聞いたの」

 ランがニヤリと悪戯っ子のような笑顔を見せながら、両手をわきわきさせる。
 いつもの落ち着いた大人っぽい顔しか見慣れていないヒルダは、不覚にもその表情を見て、「か、可愛い!」と内心萌えてしまったのだが、それが運のツキだった。

 「ほぅれ、覚悟せよ!」

 「ちょっと、いや、ダメ、およしになって、お姉様、あっ、そんな、イ……いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーー!!」
391小ネタ『ランゴスタ奥様劇場』その4:2007/10/31(水) 22:25:23 ID:GCZU2VP1
 そしておよそ5分後。

 「ううぅぅ……」(もう、お嫁にいけないぃ)

 「あー、その……すまぬ。少々調子に乗り過ぎたようじゃ」

 ベソベソ半泣き顔のヒルダと、ペコペコ謝るランと言う、非常に珍しい光景が、浴室で繰り広げられていた。
 ……いったいどのような醜態が繰り広げられたかは、乙女の尊厳にかけて永久規制とのこと。残念。

 「ぐすっ……もういいです」プイッ!

 最初と同じく、ともに湯船に浸かりながら、拗ねたように顔を背けるヒルダに苦笑しながら、ランはやや強引に引き寄せ、ギュッと抱きしめる。

 「!」

 「本当にすまぬ。妾は、我が君と会うまで、長い間独りで生きてきたのでな。人と人、とくに同性のあいだでの距離の取り方と言うのが、未だよくわかっておらぬのじゃ」

 「お姉様……」

 「仕方ないので、かつて読んだ物語の姉妹が風呂場でじゃれるシーンを参考にしてみたのじゃが……お主を傷つけ、嫌われてしまったようじゃの。頭でっかちな本読みの悪い癖じゃ」

 「そ、そんなことありませんわ!」

 寂しそうに呟くランに思わず反論するヒルダ。

 「お姉様は、素敵な方です。わたくし、お姉様がお兄様の奥様になっていただいて、本当によかったと思っておりますもの!」

 「まだ、妾のことを"姉"と呼んでくれるのかえ?」

 「当たり前です! それに、わたくしだって、兄ふたりだけで親戚に歳の近い女性もいませんでしたから、姉妹関係というのが本当はどうあるべきなのかなんて知りませんもの」

 だから、おあいこです、と微笑うヒルダに、ようやくランもいつもの明るさを取り戻す。

 「そう…よな。妾たちはふたりとも"新米の姉妹"じゃからな。これから、ゆっくりとそのありかたを捜して……いや、築いていけばよいのじゃな」

 「はいっ!」

 ――翌朝、帰宅したこの家の主は、前日まで以上に仲良くなっているふたりの女性の様子に、何があったのか驚きいぶかしんだと言う。

 〜やはりオチ無くfin〜

・以上。質の低さは、速さと量でカバー!ってことで。お目汚し失礼。


<オマケ>

 「ところで、お姉様、ご参考になされた物語と言うのは、ひょっとして……」

 「うむ。本棚の一番下の段にある『聖母観察中』と『少女学園的少年恋愛論』じゃ」

 ちょ……それ、間違ってるから!
392名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 22:34:22 ID:lFzKQ7sm
GJ
393 ◆DwW1NNOOYQ :2007/10/31(水) 23:31:42 ID:nqdwo5w9
クイーンの人さんGJです
いつも楽しみにさせてもらってます^^
自分もSS?書いてみたんですがちょっとだけ投下してもよろしいでしょうか?
394名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:32:01 ID:w9jK9mDm
>>391
GJ!!!

相変わらずほのぼのするな〜と思ってたら最後の
『聖母観察中』にフイタwwwマリみてwww
もう一つは…おとぼく?確信は持てないけど
『苺混乱』とかならすぐわかったんだがなwww


可能なら、奥様シリーズ続けてくれると有り難いです
395名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 00:24:56 ID:t2jWzpQ4
クイーンの人さんGJ。
個人的にはキダフさんの詳細も知りたかったり
396名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 00:37:03 ID:rBJavOGD
>>393
いけないわけがあるだろうか!いや無い!
397 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 00:45:36 ID:wOmTBCMx
>>396
ありがとうございます^^
では、@30分以内には投下します
398名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 00:58:02 ID:5O3Zs0Fv
タイトル:【MH】モンスターハンターでエロパロ 8匹目【モンハン】
【糞スレランク:B】
直接的な誹謗中傷:13/397 (3.27%)
間接的な誹謗中傷:7/397 (1.76%)
卑猥な表現:52/397 (13.10%)
差別的表現:17/397 (4.28%)
無駄な改行:6/397 (1.51%)
巨大なAAなど:17/397 (4.28%)
同一文章の反復:1/397 (0.25%)
by 糞スレチェッカー Ver1.12 http://kabu.tm.land.to/kuso/kuso.cgi?ver=112

まだまだ他に比べたらマシでしょうww
399序章 黒麒麟 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 01:13:39 ID:wOmTBCMx
では投下します。

吹雪のやまぬ雪山に、一つの黒い影がたたずんでいた。
その黒い影は、朦朧とした意識の中で悟った・・・
「ああ、私はもう死んでしまうのね・・・」
その黒い影の主は麒麟だった、体にはハンターによってつけられた深い傷があった
ふらふらとおぼつかない足取りで数メートル歩いた後、
ついに力尽きて倒れる。
目の前はすでに真っ暗だった・・・・・・・・
400序章 黒麒麟 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 01:14:17 ID:wOmTBCMx
ふと目がさめると、自分の周りの温度が眠る前と違うことに気づく
身動きをしてみると、どうやらモフモフしたものに包まれているようだった。
次は、起き上がるために動こうとする。
しかし、自分の体が起き上がるだけの力を失っていることに気づくのに
さほど時間はかからなかった。
いきなり起き上がろうとしたためふらついてしまい、
すぐもとの場所に倒れこむ。
そのとき人間の声がした
「うわ!?気がついた?大丈夫?」
人間!?そんなはずはない!
私は仮にも麒麟である、人間が助けるはずはない・・・
ここでやっと、自分の姿が変わっている事に気が付く
私は人間になっていた。
401序章 黒麒麟part2 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 01:15:38 ID:wOmTBCMx
「キャアアアアアア!?」
「ウワアアアアアア!?」
二人の叫び声が少し狭い洞窟内に響き渡る。
男は、少女が落ち着いたことを確認してから話しかける
「怪我、大丈夫?」
少女はいきなりしゃべりかけられて動揺しているようだ。
「へ、平気だ・・・」
「どうしてあんなところに倒れていたの?」
「あ、あんなところとは?」
「だって女の子が雪山のど真ん中で、しかも周りはモンスターだらけだよ?」
「お、女の子とは失礼な!これでも我が種族の中ではいっぱしの戦士だぞ!」
少女はものすごい剣幕で言い放った。
402序章 黒麒麟part2 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 01:16:53 ID:wOmTBCMx
「へ、へぇそうなんだ」
「そうだ!それに私は他の麒麟とは・・・」
男は一瞬言葉を失う
「え?麒麟!?」
「はっ!い、いい、今のは聞かなかったことにしろ!良いな!」
またもや少女にものすごい剣幕で怒鳴られ、後ずさりする男
「わ、分かった!聞かなかったことにするよ。ごめんなさい!」
「分かればいいのだ、分かればな・・ふん!」
男はなぜ自分が謝らなければならないのかと、戸惑いながらも
まだ名前を聞いてないことに気がついた
「あのぉ、君の名前は?」
「私の名前か?」
「うん、そう」
「人に聞く前に先に名乗らんか!」
「はい!ごめんなさい!」
「えっと、僕の名前はジェノだよ」
「ふん!気に入らん名だな、私の名はテルノだ。しっかり覚えておくんだな!」
〜続くかどうかは皆さんの評価にお任せします〜
403黒麒麟な人 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 01:48:11 ID:wOmTBCMx
すいません、他の人と比べるとすごく短いですね。
次を投下する機会があればいいなぁ
404名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:27:54 ID:rtvsbJbM
>>403
これは良い今までに(多分)なかったキャラ
続き楽しみにしてるぜ!

>>391
相変わらずGJwww
ちょwwwランさんなんてものをwwwwww
405名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 02:33:13 ID:84McKUZG
とりあえず乙。
次に投下する機会は、あんたが望めば来るさ。
逆に言えば、書き手自身が望まなきゃ絶対来ない。
読み手の需要なんか俺が作るぜ!
…くらいの気持ちで書いてくればいいと思うよ。
長さなんか関係ないが、一作書き上げてからの投下が望ましいなぁ、なんて言ってみたり
406黒麒麟な人 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 02:53:00 ID:wOmTBCMx
>>404 >>405
ありがとうございまする;;感謝感激雨あられです
なにぶんSS書いたのが初めてだったもので
次はもっと良いものを書いて投下したいと存じます
(はりきって執筆中♪)←執筆とか言えるほどのもんか?w
407名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 03:46:26 ID:5Vk7jZJa
>>402
 黒麒麟なんて言うから、
 一瞬相手はムチ使いのクールダンディかと思ってしまったが
 気にすることはない!!
408クイーンの人:2007/11/01(木) 06:18:53 ID:1kZwG0DA
黒麒麟の人、今後に期待。萌えのためにも、キリン少女の容姿など描写よろしくお願いしまする。

>394さん
『少女学園的少年恋愛論』はご推察通り。
ストパニは存在を忘れてました。私なら、『戸惑う苺娘達』とでもしますかね。
一応、『クイーンに首ったけ』本編の4(完結編)は書く予定。それ以外のネタが浮かんだら、『奥様劇場』形式で投下します。
409 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:39:44 ID:2koTX2Bw
ギザミ書いてる奴です。
続き、投下します。
410 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:41:35 ID:2koTX2Bw


「……と、いうわけでして。私はもと、ショウグンギザミと呼ばれる生物だったわけです」

真っ赤に染まった床が目立つ室内で、薄水色の髪を流す少女は、ベッドに座りそう言った。
少女の眼前には、女性がひとり、男性がふたり、そして何故かチャチャブーが一体。

部屋のすみでは、ボロクズのようになった人間の肉塊が転がっている。
未だに血をびゅーびゅー出しており、感覚的にも視覚的にも汚らしいことこの上ない。
ひどい物言いかもしれないが、汚いものは汚いのだ。仕方のないことである。

部屋の中は血の匂いと汗の匂いと、ほこりの匂いでぷんぷんである。
だが、少女は眉ひとつひそめず、ベッドに腰かけて超然とした態度のままでいるのみ。
自分の体験した不可思議な状況を、眉ひとつひそめずに説明する始末。

「……すげぇな、太古パワー」
「……すごいね、太古パワー」
「……すごいわね、太古パワー」
「スゴイ! スゴイ! パワー! パワ!? パウダー!? ゴウカンパウダー! アッー!」

三者三様、いや、四者四様の感想を漏らすも、大体は内容が一緒。
少女の眼前にて座る彼らは、ほう、と嘆息の息を漏らし、それから部屋のすみにある肉を一瞥した。

なんというか、もう駄目駄目だった。
世紀末覇者に指先ひとつでダウンさせられたような姿は、もう本当に駄目駄目だった。
それと同時、彼らは、この惨状を引き起こした犯人をよく知っていた。というか自分らだった。

「そ、それじゃあクレス。お邪魔したな! 俺らは帰るわ!」
「お大事にね。あ、これ、秘薬。あげるよ」
「人間、いつの時代もすれ違いばかりなのね……。じゃあね、クレス。だが私は謝らない!」
「クレス! クレス! ヌレギヌ!? ロリコン!? シラナイ!? デモ! クレス! アワレ!」

好き勝手なことを言い、クレスの友人らは台風のように去っていった。
あとに残るは、血まみれの床の上に置かれた秘薬と、ベッドの上にたたずむ少女。
それと、部屋のすみでぴくぴくとうごめく肉。


「……治療します、クレスさん」
「……いーもんいーもん、扱い酷くたって泣かないもん」

411 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:43:17 ID:2koTX2Bw

少女がクレスの治療を終え、部屋の掃除をし、食料をむさぼれば時刻はいつの間にか夜。
外には大きな満月が出、ほうほうと響き渡る鳥の声が空を支配する。

クレスの部屋の窓からも、全てを飲み込むような夜闇の一端が垣間見えた。
数々の星と幾多もの街灯のおかげで、いささか明るくはあるのだが、それでもやはり夜。
小さな子供をひとりで歩かせるのには危険であろう、という程度には暗い。

「というわけで、唐突ですが、泊めてください」
「本当に唐突だな……」

薄水色の髪を流した少女は、ベッドに座り、雑誌から目を離さずに話を切り出した。
対応するのはクレスである。少女の超然とした態度に、戸惑いの連続だ。

「無論、報酬は払います。明日にでも薬草などを採取しますので、出世払いということで」
「意味わかって使っているのか?」
「わざとですよ。分からなかったのですか? きみはじつにばかだな」

嘲るような仕草で言葉を放つ少女の背後に、どことなく青いタヌキのオーラが見えた。
が、まあそれは放っておいて、クレスは苦笑して少女の姿を見やる。

「別に報酬なんていらないよ。こっちにもちょっとは責任があるのだし、好きなだけ泊まって」
「あなたに責任はありませんよ? 私の探検心がこうしただけですから」
「でもまあ、ここまで行き着いちゃったら、割り切れるまでは面倒みないと寝覚めが悪いというか」
「……ありがとう、ございます」

深々と頭を下げる少女を見て、クレスは苦笑した。

言ってしまえば、ふたりは相性が良かった。
クレスは言動や行動こそ間抜けだが、基本的に温厚で、波風を立てない人間である。
少女は、雰囲気こそ理知的だが、言葉の端々に棘があり、人を苛立たせる可能性がある。

つまり、少女の性格は、ともすれば『生意気』と取られるようなものでもあったかもしれないが。
クレスの性格が、程よいクッションとなり、見る者にかような所感を抱かせない。
磁石のN極とS極のように、とかく合うのである。

「しかし、食わせてもらうばかりというのも困りものです。そこはかとなく矜持に関わります。
 ……そういえば、前に、火山に来たハンターたちが、奉仕の方法を言っていましたね。
 なんでも、女性が男性にする究極の奉仕で、その名も『ヨトギ』というとか……」

そこまで少女がしゃべった瞬間、クレスは全速力で部屋の外へと。

「あああああああああ疲れたなああぁぁぁぁぁ! 風呂入って寝ちゃおー!」
「あ、クレスさん、待ってください。よとぎ、とは何なのですか?」
「スピードワゴ……否、クレスはクールに去るぜ」
「クレスさん?」


あとに残るは、寂しそうな顔をした、薄水色の髪を流す少女の姿のみだった。

412 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:45:17 ID:2koTX2Bw

「あーやべぇやべぇやべぇやべぇ」

小さな欲室内で、クレスは必死に水をかぶり続けていた。
赤くなった顔を冷やすという意味もあるのだろうが。
それよりも、今日になっていきなり押しかけてきた少女の言動と表情が、まずかった。
とかくまずかった。

正直な話、あのまま夜伽の法を教えたら、保健体育の実技演習に入っていただろう。
普段は理知的な瞳を見せるあの少女が、子供のような微笑を浮かべて質問をする。
誰がどう見ても、かけ値なしに可愛らしい、あの薄水色の髪をもつ少女が、微笑む。

とんでもない話、理性という城壁のもろい人間ならば、すぐに攻められて領土占領されている。
クレスが耐えられたのは、友人らにボコボコにされたからだろう。
体力が戻っていないのだから、性欲うんぬんのことを体は考えない。
まずは体力を回復させるべきなのだ。自分の体は理性的だ。

とは思ったクレスではあるが、やはり風呂に入って全裸になれば、屹立した生殖器が目につくわけで。
ごめんなさい、男の人って馬鹿ですよね。ここまで本能に忠実だとは思いもよりませんでした。
と、自己嫌悪する暇もあらばこそ、水をかぶって煩悩退散の構え。

浴室は狭くはあるが、自室のすぐ奥にあり、それなりに設備も良い。
タイルの張られた小さな空間は、落ち着いてゆっくりと温かい湯を感じるのにあつらえ向きだ。
ほのかに香るハーブか何かの匂いも、精神を落ち着かせる効果がある。

「大丈夫。僕、強い子。ここでゆっくりと英気を養えば、どうにかこうにか……」

と、決意も新たに握りこぶしを作り、さてそろそろ体を洗おうとクレスが視線を背後に向けた、その瞬間。


「質問の途中で逃げ出すのは、いけないと思うのです」


少女、光臨。
一糸まとわぬ姿で、いつの間にやらクレスの背後に陣取っている。
気配も何も感じなかったクレスは、それこそ死ぬほど驚いた。心臓が口から飛び出しかけた。
413 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:47:12 ID:2koTX2Bw

「な、なんで、なんでここにいるのでっしゃろか?」
「お湯代の節約です。ふたり一緒になれば、時間も節約できます。論理的です」
「いや、そうだけれどさ」

クレスは論理がうんぬんとか言っている場合ではなかった。
心臓は痛いほどに鼓動音を常時提供、顔は赤を通り越して紅、全身が何故かぴりぴりとかゆい。
指は震える、全ての感覚がおぼろになる、目もちかちかするし、歯はひっきりなしに合奏中。
まばたきをいくらしても眼球はうるおわず、のどの奥がちりちりと痛くなる。

ありていに言えば、緊張していた。
クレスの眼前にたたずむ、小柄な、一糸まとわぬ少女の姿を前にして。

肉があるのかどうか分からないほどに細い腰、そこから伸びる柔らかな曲線。
うっすらと透けて見える肋骨の上には、小柄な身に似合わないほどの大きさを持つ双丘。
流れる薄水色の髪は、白い白い肌ともあいまって、妖精か何かを想起させるほどに幻想的。

こんな美しい少女の姿から、目をそらすことなど、誰にかできよう。
そんなことが出来るのは、性欲と永遠の別れをした者ぐらいなのではなかろうか。
クレスの脳味噌はここにきてオーバーヒート領域を超越、メルトダウンにまで突入していた。


「ろ、ロリ巨乳?」
「クレスさん、鼻血……。のぼせたのですか?」
「いや、まだ水しか浴びていないから。うん、水、みずー」
「はあ。それでクレスさん、よとぎ、とはなんですか? さっきの質問ですけれど」

「ぐぶふぅぅっ!?」
「クレスさん? どうしてまた鼻血を?」
「いや、これは水なんだ、心の汗なんだ、男の涙なんだ」
「支離滅裂ですよ」


わけが分からない、という風に肩をすくめる少女。
そのかたわら、クレスはもうなんというかいっぱいいっぱいだった。
414 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:49:37 ID:2koTX2Bw

女体、しかも裸体を間近に見た経験が、ないわけではない。
ただ、眼前の少女は違う。何もかもが違う。美しい、という言葉ですらどこか無粋に感じる。
それは、彼女の容貌がクレスの好みど真ん中だからといった色眼鏡もあるのかもしれない。

それでも、少女の姿は確かに美しかった。
浴室内にこもる熱気のせいか、白磁の肌にほんのりと上乗せされた薄紅色。
どこかうるみを帯びながらも、理知的な光を消すことのない、ナイトブルーの瞳。
どこかの壁画にでもありそうな、まさしくそれは『絵画的』な美だった。

そんじょそこらの人間を一蹴せしめんがばかりの、『絵画的』な美。
それを目の当たりにしたクレスの劣情は、高まる一方だった。

「じゃあ、体を洗いませうね、うははははは」
「駄目です、クレスさん。私、研究も調査も好きです。教えてください、よとぎ、を」
「……あのですね」
「……駄目、ですか?」

切れた。

何が切れたのかクレスは分かっていたが、それでも自覚はしたくなかった。
瞳をうるませ、上目づかい気味にクレスを見つめる美しい少女。
三大欲求のひとつの前では、クレスの理性など、最強の刀剣の前にさらされる粘度細工。
たやすく粉砕されるのがオチである。

「あのね、よとぎっていうノはネ、つまるトころ交尾のことナの」
「何故に片言? ……つまり、女性が男性に性的な奉仕をすることを、夜伽と?」
「詳しくは違うけど、おおむねそれで正解かと。それ専門の商売もあるし」
「……なるほど」

それでも暴走しないのは、やはり温厚でありながらもヘタレである証左か。
たどたどしいながらも、ヘタレクレスはとりあえずの説明をした。

「分かりましたクレスさん。質問に答えてくださり、ありがとうございます」
「い、イーヨ、イーヨ」

これは彼女が去ったあとに、ひとりでマスでもかかないと絶対に寝られない。
クレスは冗談抜きに思った。なんというか、もう色々といっぱいいっぱいだったのである。
415 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:51:26 ID:2koTX2Bw

しかし、ここで少女が思いもよらぬ行動。

「……それで、クレスさん。ずっと前から気になっていたのですが」
「は、ハーイ? ……って、ちょ、ええええええええっ!?」
「人間の男性の股間にある、この余分な一部は一体……?」

少女は、やにわにクレスの股間に猛る一物をわしづかみにしたのである。
柔らかな五指がクレスのいきりたった性器を撫で、思わず射精しかけるクレス。
それでも残る紙くずほどの理性を総動員、少女を諭すことに決定。

「そ、ソレはですね。俗に生殖器と呼ばれるものでありまして。男性専用なのです」
「なるほど……つまりこれがペニス。人間の生殖は、確かこれをヴァギナに入れて。
 ピストン運動をくり返し、膣内にて射精させるのでしたね、クレスさん?」
「ぐへっ!?」

クレス、またも鼻血噴出。
なんというか、少女の態度は危うい。非常に危うい。
知識だけで育っているせいか、行動そのものはあまりにも無防備である。

もうとっくにライフはゼロ、追加攻撃を受ければ間違いなく逝ってしまうクレス。
だのに、ああ、だのに。無知というものは時として残酷なものであり。


「クレスさん。それ、私のヴァギナに入れてください。私、人間研究したいです」

「ぎゃああぁぁぁぁぁぁぁ!! なにこの展開ぃぃぃぃぃぃぃっ!?」


無自覚内に放った少女の一撃により、クレスはとどめをさされた。
416 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:53:11 ID:2koTX2Bw

限界を超えたクレスは、少女の肩をひっつかみ、堰を切ったようにしゃべりだす。

「いいか、あのですね、そういうことはお互い、心に決めた人間同士がやるものです。
 そりゃ、今の時代は貞操観念とか全くと言って良いほどなくて、異性を見りゃやりまくりますが。
 俺はいたってノーマルなの! 結婚とかする人相手じゃないと思いきった行動できないの!
 だから軽はずみにそんなこと言っちゃ駄目っすよ!」

「……軽はずみじゃなければ、いいのですか?」

だが、そんなクレスの様子に臆することもなく、少女はあくまで淡々と。

「そりゃあね。軽はずみじゃなくて、ちゃんとした覚悟があればいいけどさ」
「分かりました。じゃあクレスさん、結婚しましょう」
「どーしてそうなるんだよおおおおおおおお!?」
「や、だってクレスさん、乱暴じゃないですし。正直、私、お馬鹿さん好きですし。
 私、支配されるの嫌いですし。反面、クレスさん、ヘタレで優しいですし」

もう雰囲気はぐだぐだであったが、クレスは自分がこの少女に押されていることに気付いた。
もう、元々がショウグンギザミとかそういうことはどうでも良かった。
ただ、負けた、とそれだけしか考えられなかった。


つまりは。


「さあ、クレスさん。しましょう。私、クレスさん相手ならば望むところです。」
「無自覚プロポーズッ!? ……うう、分かったよう。正直、こっちも我慢きかないし」

男の子はいつの時代、どこでも馬鹿だということである。エロは男の原動力だ。
まあいいよね、相手すっごい美人だもん、男って単純だもんね? と考えるクレス。
言っておくが、彼は外道でもなんでもない。単なる『男の子』である。それだけだ。
417 ◆pdEW25vr6o :2007/11/01(木) 07:56:16 ID:2koTX2Bw
今回はここまで。次回、やっとやっとやっとエロシーン。
基本的にアホ話なんで、頭カラにして見てくださると幸いです。

それでは、また。
418名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 08:07:28 ID:+3YgFkkE
ショウグンGJ!
次回にも期待。
419名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 08:38:38 ID:uG1CSaBz
牛乳噴いた

股間から
420名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 10:59:05 ID:ucprd+mW
チャチャブーにワロたwwwww
ギザミはこれから捕獲だぜ!甲殻種万歳!
421クイーンの人:2007/11/01(木) 13:04:48 ID:khHYu2X1
ひゃっほう、毒舌系素直クールなギザミ少女に、オラ、ワクワクしてきたぞ!
ってことでGJ
422名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 13:21:10 ID:7aC8ney0
423黒麒麟な人 ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 14:18:06 ID:wOmTBCMx
こにゃにゃちわ^^
早速、第一章書き上げてまいりました。
今回は、エロシーン少しだけありますが
抜けるほどの物ではないので期待しないでくださいw

>>408
クイーンの人さん感想ありがとうございます
キリン娘の細かい描写は、次回まともな服or装備
をしたときにやりたいと思います

では、投下しまーす。
「テルノさんかぁ、いい名前ですね」
「ふん!お前に褒めてもらってもうれしくない!」
「ところでテルノさんは、なんであんなところで倒れてたの?」
「そ、それはだなぁ・・・」
(ここで自分が麒麟だと言っても信じてもらえないし、
殺されるだけだ・・・・・・そうだ!自分はハンター見習いだということにしよう!)
「私はハンター見習いで、訓練のために雪山に来ていたのだ」
「え?ハンター見習い?さっき自分はいっぱしの戦士だって言っt」
「う、うるさい!男なら細かいことは気にするな!」
またもや怒鳴る、これでもう三回目だ。
「分かったよ、分かったから落ち着いて」
テルノが落ち着いたところでジェノはもう一度質問を投げかけた。
「住んでる村は何処なの?よかったら送っていくけど」
(やばい!私、適当な村の名前なんか知らないしどうしよう・・・・
よし、こいつと同じ村に行く途中だったということにしちゃえ)
「そういう御主はどこの村に住んでいるのだ?」
「え?僕?ポッケ村で加工屋やってるけど」
「き、奇遇だな。私もちょうどその村に行く途中だったのだ」
「ほぇ!そうだったの?じゃあ帰りに一緒について来ればいいわけだね」
「そ、そういうことになるな」
しゃべっているうちにだいぶ体力が戻ってきたテルノが立ち上がったその瞬間!
「パサッ」っと毛布が落ちた・・・・
「わ!あっわわわわわわ!」
毛布が脱げてあらわになったテルノの体、豊満なバスト、引き締まったウェスト
そして、何よりも美しかったのは流れるような銀色のロングヘアーだった。
あわててジェノは目をふさぐ
「ん?どうした?」
「い、いいから服を着てください!」
(服?ああ、ひ弱な人間共が着る我々の毛皮のようなものだな・・・・たぶん。
にしても、こやつはなぜ目を両手でふさいでいるのだろう?)
「なぜ御主は目をふさいでおるのだ?」
なぜなんて問われて答えることといえば
「いいから服を着てくださぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
(ホントはテルノさんがナイスボデーで、これ以上見てたら理性が無くなりそうだからなんです!)
しぶしぶながらも男物のマフモフ系を着るテルノだった。
ジェノが洞窟の外を覗いて見る。
先ほどまで猛威を振るっていた吹雪はやみ、少し日が出ていた
安心して洞窟内に戻ろうとしたとき耳をつんざくほどの爆音がジェノとテルノを襲った
「グウゥゥゥゥゥゥゥオォォォォォォォォ!!」
その間に何かテルノが叫んだようだったが、それもかき消されて聞こえなかった。
「・・・・・・・・」
どうやら何者かによる巨大な咆哮は止んだようだった
「グアシャアッァァァァァブチャグチョビチョォォ・・・・・・・・・」
背中に悪寒が走るほどの効果音が耳に張り付く。
「い、今の何の音だろう?」
「たぶんだが、肉が引き裂かれる音ではないか?」
「に、肉!?今肉の引き裂かれるって言った?」
「言ったがどうした?」
「もしかしたら、僕が同行してきたハンターの連中かもしれない・・・」
「なに!それは本当か?」
「うん、今のは確かにティガレックスの咆哮だったし」
「ということは、御主等はティガレックスを狩りにきたのか?」
そんな話をしながら二人は急いで脱出の身支度に取り掛かる。
「ちくしょう!こうなったらやるしかないのか・・・・」
身支度を終えたジェノはふとそんなことをつぶやいた
「何をだ?」
「テルノさん、早口で説明するから良く聞いてね」
ジェノの目つきが急変する
そこには有無を言わさぬ男の迫力があった。
「わかった・・・・」
「いいかい、僕は仲間が狩ったティガレックスの素材で
ラオシャンロン討伐部隊の防具を作る予定だったんだ」
「・・・・・・・」
「で、この任務は失敗を許されないとても緊急なものだったんだが、
今さっき、様子を見てきたところ部隊は壊滅状態だ。」
「つまり?」
「僕は加勢に行って来る・・・だから君には先にキャンプに行って、
救援を呼んできて欲しいんだ」
「ほぉ、なかなかいっぱしの事を言うではないか。
しかし御主、加工屋ではなかったか?」
「僕が加工屋になった理由は話す暇なんて無いからいからはっきり言うよ」
「まさか元ハンターだなんて言わんだろうな?」
「大正解!その通りだよ」
と、満面の笑みでジェノが言ったその瞬間!
テルノが男顔負けの豪傑笑いをやってのけた
「がっはっはっはっはっはっはぁ・・・・・御主、本気か?」
「うん、男に二言は無いよ」
ジェノの顔に浮かんでいる決意は間違いなく本物だった
「わかった、おぬしの言うとおりにしよう」
「ありがとう、恩に着るよ」
ジェノは地図とコンパス、依頼書そして
「気をつけて」という一言も残して走っていった。
白銀の世界に容赦なく照りつける太陽、風で舞う雪
血で染められた真っ赤な雪はさらにその情景を美しく見せていた。
しかし、そんなものには脇目も振らずただひた走る者があった・・・・
テルノである。
そのしなやかな足裁きは、麒麟(?)であったときの名残なのだろう
そこらに転がってるハンターでは、到底追いつきそうにない素早さと
スタミナを兼ね備えているようだった。
正に疾風とはこのことを言うのだろう。
「ふむ、なかなか人間の足も使えるものだのぉ」
その頃、雪山の一番北に当たるところでは一人と一匹が対峙していた。
雪山を揺るがすほどの咆哮、ジェノは思わず耳をふさぐ
しかし、その動作を獰猛な狩人は見逃さなかった。
地面を蹴った勢いに任せて、体ごと突っ込んでくる
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「ウオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアア!!!」
勝負は一瞬で決まった。
何度かティガレックスと戦ったことの有るジェノは
大体の行動パターンを把握していた。
突っ込んできたすれ違いざまに、ティガレックスののど元に双剣を突き刺す!
だがこの戦い方は、一か八かの賭けだった。
失敗すれば死に、成功しても死に掛ける?
案の定、ティガレックスを仕留めたのは良いが、その反動で吹き飛ばされてしまったのだ。
・・・・・・・・・古龍の住処、真っ黒な卵。そして、息絶えた親麒麟・・・・・・・・・・・・・・・・
意識が朦朧とする中、思い出したくもないものが次々と浮かんでは消えていった。

〜第一章 完〜
430黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 14:28:39 ID:wOmTBCMx
第一章投下完了です
アドバイスもらえたらうれしいな。
431名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:14:00 ID:3NCK7bf4
チャチャブーワロスw

しかしGJ
432黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 17:12:16 ID:wOmTBCMx
やっぱりエロシーンたくさん入れたほうがいいのかなぁ?
433名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 17:24:54 ID:SQN3jKzh
黒麒麟GJ!

しかし最近の馴れ合いっぽい雰囲気が気になる・・・
職人さんにはストイックで居てもらいたいと思うのだが
批判してるわけではないので、気に障ったらスルーしてくれ
434黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 17:38:26 ID:wOmTBCMx
>>433
ストイックかぁw
僕にはかすりもしない言葉だなぁ
ていうかGJって言われたのはじめてだw
435『クイーン』の人:2007/11/01(木) 18:43:46 ID:uNOUAcX7
>422さん
申し訳ない。ロードのタイムラグで名前欄が空欄に見えたのでウッカリしました。

黒キリンの人は、一部の文末に句点(。)が無いのがちょっとだけ気になりました。
?や!などのあととか、「」の最後とかならいいのですが、文末にないとちょっと落ち着かないかも。
まぁ、ネット作法としては必須ではないのかもしれませぬが。

閑話休題。ちょっぴり投下します。
436『ランゴスタ奥様劇場』その5:2007/11/01(木) 18:45:28 ID:uNOUAcX7
 ほとんど週1ペースで、マック&ランの家に遊びに来るヒルデガルド。兄夫婦は歓迎しているが、王都のお父さんは涙目である。

 「くっ、娘が最近冷たい……。パパのこと嫌いになったのか?」

 ……などとフィーン伯がいい歳こいて"ぐっすんおよよ"状態になり、妻(マックたちの母)に冷ややかな目で見られているとも知らず、今日も今日とてお泊りするヒルダ。

 「それにしても、つくづくお姉様ってプロポーションがいいですわね。胸もそうですけど、このウェストの細さと来たら……」

 「そ、そうかえ?」

 先日の一件以来、ランと一緒に風呂に入っても、ヒルダも暴走しなくなったようだ。……多少目つきが怪しいが。

 「わたくしなんて、ちょっと甘いものを食べ過ぎただけで、コルセットがキツいと言うのに。コツでもあるのですか?」

 「うーむ、妾は日ごろより、我が君と一緒に狩りに出かけて熱量消費量が多いからのぅ。ほれ、ぶくぶく太った狩人などおるまい」

 「それはそうでしょうけれど……ほかに、何か秘密があるのでは?」

 何気ないヒルダの一言に、ふと考え込むラン。
 そう言えば、義妹には、自分の前身のことは伝えていなかった。いまの彼女なら、真実を知っても、受け入れてくれるとは思うが……。
 しばし思案の後、自分が元ランゴスタであり、モドリ玉で人間の姿になったことを語る。

 「そ、そんなバカなことが……嫌ですわ、お姉様、わたくしをおからからいになって」

 「(ふむ。やはり信じられぬか。まぁ仕方ないのぅ)ホホホ。流石に引っかからぬか」

 うふふ、あはは……と無邪気な笑い声が浴室にコダマする。

 一方、この家の主たるマックはと言うと……。

 「うーーむ。一緒に入浴(はい)っている時は、ヤる方に注意がいってて気づかなかったが、こうしてじっくり眺めると、ランはつくづくエエ体してるなぁ。ヒルダは……まぁ、その年齢相応だよな、うん……胸部以外は。兄は温かい目で今後の成長を見守ろう」

 ――自分の妻と実妹のバスタイムを覗き見するのは、男としてどうかと思うぞ〜。

 「ほっとけ! ヒルダが来た夜は、さすがにランとイタすわけにはいかんから、せめてこうやって溢れ出るリビドーを発散しとかんとな」

 ――無論、その後、煩悩魔人は覗きが見つかって、義姉妹コンビの鉄拳制裁を受けましたとさ。まる。
437『ランゴスタ奥様劇場』その5:2007/11/01(木) 18:46:22 ID:de1wY9LH
 「それにしても、お姉様ったら、あんな下手なご冗談で誤魔化されるなんて……」

 王都への帰路、馬車を止めて道の脇の茂みに"花を摘みに"足を運んだヒルダは、ふと小物入れから緑色の小さな玉を取り出して、しげしげと眺めた。

 「まさか、ねぇ……」

 密林の端に位置する場所だけあって、ゴソゴソとカンタロスが数匹徘徊しているのを見て、ふと悪戯心を起こすヒルダ。

 (女王種のランゴスタが、お姉様のようなナイスバディの美女になったと言うなら、ああいう大きなオスのカンタロスに当てたら、筋骨たくましい殿方になるのでは?)

 仲睦まじい兄夫婦の面影が、脳裏をよぎる。

 (も、もちろん信じてなんかいませんけど……)

 ポイッ!

 全力で投擲されたモドリ玉が大型のカンタロスに衝突する瞬間!

  ……アッ!

 ちっこい甲虫が、ジャンプしてきた拍子に、まともにブチ当たりやがりました。

 緑色の煙が晴れたとき、そこには……。

 「ケホケホ……ボク、どーなったの? ままぁ、どこぉーー?」

 黒光りするエナメル素材でできたヤケに丈の短いタンクトップとホットパンツ「だけ」を身に着けた、10歳前後の男の子が泣いておりましたとさ。

 〜fin?〜

 ・初心(?)に戻ってみました。

<オマケ>

 「おっ、ラン、兄貴から手紙が届いたぞ。どれどれ……な、なんだってーーーーっ!」

 「おや、どうかなされたのかえ、我が君?」

 「ヒルダが……ヒルダがシングルマザーになった!?」

 「何ですとーー!?」
438名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 18:51:36 ID:p+xYsZLk
確かに読み手に対して「どうしよう」とか「ああした方がいい?」と訊くのはあまりいい気はしなかったりもするな。
選択を任せられても、最終的に決定して文章を書くのは作者自身だしなー。
どうしても決めかねるなら、いっそ両方書いてしまえばいいと思う。
両方を読み比べて、いい方を採用することもできるし、両方投下しちまってもいいんじゃないか?

あと、書いた作品を投下した後、住人の反応が気になるのは分かるが、
だからといって自信なさげなあとがきとか、反応を催促するような文章を書くのもあまり好印象じゃない。
自分の作品に自信がないのなら、自信がつくまで文章を推敲すればいいじゃないか。
このスレに投稿締め切りなんて存在しないんだぜ?
エロパロスレであってもエロなしおk、面白ければなんでもおkという素晴らしく懐の深いスレなんだから、
「俺が考えて書いた作品を投下するぜ!こんな感じだから嫌な奴はスルーしてくれ!」
「おk把握した。バッチコイ!」な感じでいいんじゃないかと。
んで、読んだ作品にGJを贈るもよし、意見や批判とその改善策を考えて書くもよし。スルーするもよし。
そういう反応の数や中身を見て、更に他の作品と比べれば、自分の作品に対する評価は自ずと見えてくると思うんだ。

まぁ、結局は>>433の言うとおりストイックに振舞えばおk、と言いたいだけだったりするが。


と、一読み手兼書き手の意見を書き連ねてみたり。
思考材料になれば幸いだが、あくまで俺個人の意見に過ぎないので気に入らなかったらスルーしてくれ。
439名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 19:49:33 ID:x5zIcze3
GJ!シングルマザー編がすごく気になるwww

俺はこれくらいなら許容範囲だと思うがな。雑談ではコテ外した方がいーんでないかな、ってくらいか。
『誰にも望まれない書き手=荒らし』ってのを理解してる書き手ほど、
ややもすると馴れ合いと思われる態度を取りやすいと思う。
俺も書き手側になると一人称から何から全部変えるし、気持ちは痛いほど分かる。

…というか>>438、投下直後にGJも無しで言うことか?
440名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 19:57:58 ID:30LhLtrP
GJ!本当に投下速いですな、惚れ惚れするほどww
シングルマザー!シングルマザー!
ビンビン来やがるぜ…ッッ!続き期待でつ。
441名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:03:02 ID:+3YgFkkE
俺はストイックでも多少馴れ合い気味でも一向に構わん!
面白いSSが投下される。名無しはそれに何かしら反応するかスルーする。
それで良いじゃないか。
ともあれ、ランゴスタの人GJ!
442黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:19:38 ID:wOmTBCMx
第二章書きあがりました!
結構長くなってしまったので何回かに分けて投下しますね。

>>435
アドバイスありがとうございます恐縮です^^

>>438
自分初めてのSS投下なので不安だったんです
気になったのであればスルーしてください。
443黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:21:32 ID:wOmTBCMx
目が覚めると、そこはいつも通りの自分の部屋&ベッドの上。
「夢?」
しかし、夢でないことにすぐに気づく、
自分の手はしっかり握られていた、見知らぬ女性の真っ白な手。
そしてすぐに思い出す。
「・・・・・・テルノさん?」
「・・・・・・・・・」
どうやらずいぶん前から看病してくれていたらしい
テルノは健やかな寝息を立てていた。
ゆっくりと起き上がろうとする
何とか立ち上がる程度の力は残っているようだ。
「ふぅ・・・・着替えるか・・・」
まずは上着を脱ぐ、ジェノの体には幾多もの傷が刻まれていた。
普段着に着替え終わったところで、もう一度彼女のほうに向き直る
「ありがとう・・・・」
「zz・・・・zzz・・・・」
目の前にある小さな少女の体は、惰眠をむさぼる幸せを体現していた。
腰ほどまで有る長い銀色の髪、良く見ると所々に黒い筋が入っており
アクセントをつけていた。
444黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:22:15 ID:wOmTBCMx
「可愛いなぁ・・・・」
しかし、いつの間にかジェノの視線は胸の方に行ってしまっていた。
体に似合わぬ豊満なバスト、服がパンパンになっている。
「う、何考えてるんだろう僕・・・・・」
湧いてくる感情を押し殺し外に出ようとした、その時
「今、私の何処を見ておったのだ?御主?」
いきなり呼びかけられびっくりする。
「わ!わわわ!」
「何処を見ておったのか?と聞いておる」
「そ、その前に聞いて良いかな?」
「なんだ?」
「・・・・・何時から起きてたの?」
「御主がそこで着替え始めたときからだ」
テルノがくすくすと笑いながら言った。
「・・・・・・・・・」
ジェノは恥ずかしさのあまり、顔を紅潮させる。
445黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:22:58 ID:wOmTBCMx
「御主、もう体は大丈夫なのか?」
「うん、傷は痛むけど元気だよ」
「これも私の看病のおかげだな、感謝するがよい」
「うん、感謝してるよ」
そして、ティガレックスのことを思い出す。
「そうだ!ティガレックスは?」
「ああ、大丈夫だ案ずるな」
「よかったぁ・・・じゃあ、装備は作れたんだね?」
「うむ、村長殿も感心しておったぞ」
「ふぅ・・他のハンターは?」
「ふむ、一人は死んでしもうたようだが、あとの二人は生きておるぞ」
「はぁ・・・・・」
「気にするな、死んでしまったのは御主のせいではない」
テルノがやさしくジェノを励ます。
「でももう少し早く・・・いや、僕がハンターをやめていなければ・・・・」
「男ならごちゃごちゃ言うでない!」
と、一喝される。
446黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:24:42 ID:wOmTBCMx
「うん、分かった。考えないようにするよ」
(できるだけね・・・・)
「うむ!それでよい」
窓から外を見てみる。
ここはポッケ村、この巨大な雪山にある村落の中で
もっとも多くの人が集まる村である。
そしてこの村には、ハンター協会の集会所や道具屋と加工屋、
ハンター訓練所などがあるため多くのハンター達も立ち寄る場所である。
ジェノはその加工屋で働く若い加工師だった
「僕は一度、村長のところに行って来るけど・・・ついてくる?」
「よし、私がついていってやろう。途中で倒れられても困るからのう」
何故かテルノはうれしそうである
「頼むよ」
テルノが身支度を終えるのを待って、玄関に出る。
今日はなかなか天気が良い様で、結構暖かい
村長の家は集会所の向いにあり、
この村の名物である巨大なマカライト鉱石が祭られている。
「村長さーん、いらっしゃいますかー?」
「どなた?」
447黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:25:27 ID:wOmTBCMx
「僕です、ジェノですよ。」
「開いているからお入りなさい。」
この村の村長は先代の孫で、名前はサクノさん
まだ若くて美人だが結構きつい性格で有名だ。
「お邪魔しまーす。」
(ほら、ちゃんと挨拶して!)
(分かっておるわ!)
「失礼致す。」
礼儀正しくないとすぐ怒り出してしまうので、気を付けなければならない。
侍女が出てきて、奥に通される
「傷はもう大丈夫なのか?」
「はい、問題ありません。」
「そうか問題ないか・・・・頼みたいことが有る、やってくれるか?」
「いや、内容を聞いてからじゃないと・・・」
「ん?聞いていないのか?隣にいるその娘から。」
「え?テルノさんから?」
448黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:26:03 ID:wOmTBCMx
「あんな頼み、断じて許さん!」
いきなりテルノさんが怒鳴る。
「まだこやつは、ティガレックスとの死闘から完全には回復しておらんのだぞ!」
「ふふふ、なぜそこまで赤の他人である彼を擁護するの?」
「くっ!もうよい!勝手にすればいい!」
そういってテルノさんは去っていった。
「すいません、また後ほど来させてもらいますね」
急いで後を追う。
村人に聞いたところ、どうやら川縁に向ったらしい
言われた場所に行ってみるとそこに確かにいた、
小柄な体が震えていた
(私が人間をかばうことはないはずなのに・・・・なぜ私はあんなことを・・・・)
「・・・・・・・・」
しばらく無言で様子を見守る
「なぜ私を助けた?」
気配に気づいたのだろう、唐突にしゃべりかけられる。
「・・・・少し長くなるよ?それでも良いかい?」
「・・・・・・」
どうやら良いらしい。
449黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:26:53 ID:wOmTBCMx
三年前、加工屋の息子であったジェノは、ハンター稼業に手を出していた。
いつも素材をわたしにくるハンター、名前はレックスと言う名前だった。
このあたりでかなり有名だった彼に憧れて、ジェノはハンターになったのだ。
性格がひたむきで、何事にも熱心だったジェノはすぐに訓練所を卒業し、
師匠であるレックスと共にさまざまな依頼をこなし、上位に上がるのも同期の誰より早かった。
上位ランクになって一つの依頼が舞い込んだ、
古龍「キリン」討伐。
今まで古龍とは縁のなかったジェノだったが、
かなりの高額報酬に目がくらんで、手を出したのが間違いだった。
ジェノとレックスは他の熟練ハンターたちのアドバイスも聞かず、討伐に出る。
キリンの住処を見つけたジェノたちは、その近くに罠を張って待ち伏せた。
数時間してから、キリンが姿を現す。
どうやら、かなりの大きさらしい。
罠の近くまで歩いていくキリン、しかし罠の前でピタッととまったその瞬間!
背後のジェノたちに気づいたのか、角を突き出していきなり突っ込んでくる!
間一髪!すんでの所で飛びのいたジェノだったが
450黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:27:29 ID:wOmTBCMx
「ぐああああああああ!!・・・・・」
レックスの叫び声が耳に突き刺さる!
「れ、レックスさん!」
振り返るとそこには、角に突き刺さったレックスの姿があった。
しかし、彼の手にはしっかり大剣が握られていた
「おらぁあああああああ!」
両手で持ち上げて一気に振り下ろす!
「ブッシュゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・」
キリンの血とレックスの血が混ざり合う・・・
キリンは息絶えたのだろう、その場にゆっくりと倒れこんだ・・・・・
ジェノには目の前の光景が信じられなかった、
というより信じたくなかった。
「そんな・・・レックスさん!」
あまりに突然のことに涙も流れなかった
「ジェ・・・・ノ・・・・だ・い・・・じょうぶ・・・か?」
「大丈夫です!大丈夫ですから息をして、助けも呼んできますから!」
「俺は・・・も・・う良い・・・それ・・よりこ・・・いつの話を・・・聞・いてやれ・・・・・」
それがレックスの最後の言葉だった
「こいつって・・・・・キリン?・・・・・」
「ふはははは!」
451黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:28:16 ID:wOmTBCMx
何処からか笑い声がした
「だ、誰だ!?」
「我が人間ごときにやられるとは、まことに滑稽よのう」
確かにキリンのほうから声がする、まだ生きているのか?
「お前、しゃべることが出来るのか?」
「ふん、人間よ。言葉は自分たちだけのものだと思っているようだが
なぜ我々にしゃべれないと思うのか、教えてくれんか?」
この時、ジェノは完全にキレていた
「うるさい!黙れ!なぜお前がしゃべるんだ!」
「ふははは、これだから人間はいやになる!」
「なぜお前らモンスターは、僕たち人間を襲うんだ!」
「では聞こう、なぜお前たちは我らキリンを襲うのだ?」
「それは・・お前たちが人間を襲うからだろ!」
「やはりな、我らキリンは自ら人を襲ったことはない。
人間共はモンスターを何でも一緒のように見るから、我らが凶暴に見えるのだ。」
「・・・そんなことあるはず・・・・」
「そう思いたければそう思うが良い。
・・・・・我の願いを一つ聞いてくれるか?」
452黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:29:03 ID:wOmTBCMx
ジェノは迷っていた、キリンの言葉が脳裏に焼きつく。
「・・・わかった一つだけだぞ」
「では、頼もう。我の住処にいる母と娘を手当てしてやってくれ」
「なに!?まだいたのか!」
「別に殺したければ殺してもかまわん。だがその時は、我はお前を呪うだろう」
一頭・・・いや、一人のキリンはそう告げて息絶えた。
キリンに言われた通りに住処を見に行く。
しかし、そこにいた母キリンは
すでに凍えて息絶えていた。
そして、そばに会った黒い卵も他のモンスターに食べられた後だった。
その後、ジェノはハンターをやめ、死んだ父親のあとを継ぎ加工屋になったのだった。

それから三年後、59年ぶりに砦を通過しに来た老山龍を迎え撃つための、
ティガレックスの討伐指令と防具加工の依頼が着たため
村で一番の加工屋であり、優秀な元ハンターのジェノが
討伐部隊の一人として同行することになったのだ。
正直、ジェノは乗り気ではなかった。
何せもうモンスターは狩らないと決めていたのに、
453黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:29:49 ID:wOmTBCMx
その手伝いをすることになるとは思っても見なかったのだ。
しぶしぶながらも同行するジェノ。
だが予想もしなかったことに、一行の目の前をキリンが通りかかる。
しかもそのキリンは、他のものとは違い真っ黒だった。
「おい!あれはキリンじゃないか!?」
「ああ、そのようだな。」
「どうする?放っておいたら村を襲うかもしれないぞ。」
「でもあの色、キリンの色じゃないぜ?」
「いや、俺は聞いたことがあるぞ、黒いキリンは災厄の元だって。」
「ならやっちまうしかないな。」
なんだって?キリンを殺す!?
「まって!あのキリンは放っておこう。」
「何だと?ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ!」
「まぁ、落ち着け。加工屋の言うことなんかに耳を貸すな。」
「いくぞ!」
一人のハンターの掛け声と共に、ほかの二人が一斉に走り出す。
へヴィボウガンを装備したハンターが、麻痺弾を装填し狙いを定める。
「やめろぉぉぉ!」
「ズドォン!」銃声が響き渡る。
454黒麒麟 第二章 ジェノの過去  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/01(木) 20:31:18 ID:wOmTBCMx
麻痺弾が当たった小柄なキリンは、とたんに動きが鈍くなった。
「食らえぇぇ!」
「おらぁぁぁぁ!」
太刀を持った二人組みが切りかかる!
「ギャヒイィィィィィィン!」
キリンが苦痛の叫び声をあげる。
突然の攻撃により深く傷ついたキリンは、走って逃げ出す。
流石に、ハンター二人も追いつけず、あきらめた。
「くそっ!逃げ足の速い奴だぜ!」
「まぁ、あの傷だ。どこかで死んでいるだろう。」
「だといいがな。」
「ペイントボール、一応ぶつけといたから大丈夫だろう。」
「ペイントボール?どう見てもモドリ玉だったぞ。」
「まじで?あっちゃ〜、もったいね。」
ジェノは怒りを抑えて、キリンの血のあとを追う。
「あいつ何しに行ったんだ?」
「自分がしとめたいんじゃないのか?」
「そりゃ面白い、おこぼれだおこぼれ。」
あいつらに嘲笑われても良い!とにかく助けないと!
ようやくふらつくキリンが見えたところで、突然緑の煙が巻き上がる!
急いで駆け寄ってみるとそこにキリンの姿は全く無く、
いたのは黒い毛布にくるまった少女だけだった。

〜第二章 完〜
455名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:36:40 ID:wOmTBCMx
>>435
今更ですが、超GJです^^
456名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 20:51:39 ID:5O3Zs0Fv
降りてこないリオレイアの続編マダー?

竜姦モノってあれだけだからドララーの俺としてはちと飢えてるんだ
457名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:02:29 ID:t2jWzpQ4
>>442
黒麒麟な人GJ。
しっかりモドリ玉擬人化な所に笑ったww
初投稿と言うには立派な文章だけど、もう少し改行したほうが読みやすくなるような気も。
一回エロ無しを投下しただけで、決してえらそうなこと言える立場じゃないんだけど!

>>435
シングルマザーというよりむしろカンタロス逃げてー! と思った俺は腐りきってると思いマスorz
458名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:36:56 ID:+3YgFkkE
黒麒麟の人GJ。
今ふと思ったんだが、最近陵辱分が足りない。
そう考えたら陵辱モノ読みたくなってきちまった…
459名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:20:19 ID:TEeb3OrM
なんか書くに当たって注意とかありますか?
夢で見たやつとか書いてみようと思ったので
460名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:34:54 ID:5Ku/f8+V
461 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:46:03 ID:lZnctoRg
ギザミ書いている奴です。
続き、おとします。
462 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:48:26 ID:lZnctoRg

さて、体勢を整えて、これからエロいことやりますよ、という状態になったふたり。

「……あ、そういえば」
「な、なんでぃすかい?」

ついつい若さと性欲が暴走して、思わずとんでもないことをしようとしたクレスに、少女の一言。
それは一服の清涼剤となり、クレスの猛った劣情とノリをわずかばかり鎮めた。

「私、まだ、名前ありません。クレスさん、つけてください」
「な、名前? 俺、センスないよ? それでもいいの?」
「かまいません。というより、反応がヘタレすぎです、クレスさん。きみはじつにヘタレだな」
「ひ、酷い言われよう……」

がっくりとうなだれながらも、クレスは少女の名前を考える。
ショウグンギザミ、それからいくらか文字を取ったとしても、良い響きのものは出来ないであろう。
だとするのならば。

「……イリス、かな」
「イリス? クレスさんに響きが似ていますけれども。由来は?」
「いんや、なんとなしに考え付いただけで」
「思いつき、ですか。……まあ、いいですけど」

表情を崩さず、確かめるように何回か名前を言い、少女は自分の胸に手を当てる。

一方、クレスの方はといえば、何も考えなしでその名前をつけたわけでもない。
少女の、夜闇のような色をもつナイトブルーの目が、クレスにとっては綺麗だと思えたから。
奇しくも『瞳』の意味を込めて、その名前を考え付いたのである。

が、そんな気恥ずかしいこと正面きって言えるか、というのが本音。
「君の瞳が綺麗だから……」などと言った日には、本日のジンマシンが過去最高記録をこえる。
もしくは、クレスの友人ら相手にそんな台詞を聞けば、病院に連れて行かれるかもしれない。

というわけで、『なんとなく』である。
463 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:50:26 ID:lZnctoRg

と、クレスのそんな思いも気付かずに、少女はあっさりとクレスに向かって口を開く。

「その名前、ありがたくもらいます。ではクレスさん。このイリスめに、生殖行為をば」
「う、うん。それでは」

ムードも何もへったくれもあったものではないが、クレスは少女の体を抱き寄せた。

基本的にヘタレなクレスであるが、青い性は暴走している。
若さの特権とも言えるだろう。単に助平なだけと言えばそれで終わりだが。
抱きしめたその瞬間「んっ」というくぐもった声を出されれば、やはりそれなりに反応はするわけで。

「……うわぁ」
「どうしましたか、クレスさん? もしかして、この体は生殖に適さないと?」
「いや、そうじゃなくて。柔らかいなあ、と」
「人間は、外骨格がありませんからね。カニと比べれば、確かに柔らかいでしょう」

そういう問題ではないのだが、などと考えつつも、クレスは手を動かす。
いきなり胸とか触ると駄目かな、まずいかな、などと考える辺り、やはりヘタレ。
温かく、それでいて柔らかいイリスの背筋や首筋、うなじなどをさわさわと撫でる。

「……んっ、くすぐったいです」
「あ、嫌だった?」
「いいえ。もっと、してほしいです。いっぱいさわってください」
「……わ、分かった」

思わずまたも鼻血を噴出しそうになるも、クレスは我慢、ひたすら我慢。
そう、この子は天然なんだ。特に深い意味はない。だからいくら台詞がエロくても我慢。
そう思いつつも、クレスの手はすでに大胆なうごめきを見せ、色々な場所をまさぐっていく。

柔らかい曲線を描く腹に、細く細くくびれた腰に、大胆なほど突き出た胸に。
さわりかたこそ、おっかなびっくりの引け腰ではあるが、思いのほかにそれはイリスに効いた。

「ぅ、あ、あぅ……。ふぁ、やぁっ……! な、なんか、変な声が、出ます……」
「えーと、それは多分、普通です。俺が下手くそでなければ、の話だけど」
「ぁうっ……! で、では、これは、とう、ぜんの帰結、と言えるわけです、ね?」
「うん。というより、男性は、声とか出されると嬉しいよ。演技だと嫌に思うけれど」

超然とした態度ばかり取る少女が見せた、初めての余裕なき態度。
それに気をよくしたクレスは、ただひたすらに少女の柔らかな体を撫でる、揉む、もてあそぶ。
蹂躙、というよりかは愛撫に近しい。現に、敏感な場所には一度たりとて触れていない。
ただ、ただ体の表面を撫でて愛でる行為。だが、それも少女にとっては充分な刺激のようであった。

「はぁぁっ……! あぅ、くび、やです」
「ここっすか?」
「あ、ぅああっ……! 駄目、だめぇっ!? 舐めては、いけません! いや、あぁっ!」

大きな乳房を震わせ、少女は何かに耐えるように体をこわばらせる。
クレスが少女の首筋を、うなじを、のどを舐めれば、いっそう甲高い悲鳴が浴場を支配する。
464 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:51:49 ID:lZnctoRg

自分の手で、いつも余裕めいた態度を見せる少女が、悲鳴のごとき嬌声を上げている。
その事実は、クレスの内なる欲求である、軽い軽い嗜虐心を表面に出すのには充分だった。
ぶっちゃけた話で言えば、よくある悪ガキがよくやる行動の原点。
好きな子をいじめて楽しむ、といった感情に近しいのかもしれない。

クレスはそろりそろりと少女の胸に手を這わせ、先端部を優しく引っぱる。
と、同時に首筋に噛み付いた。勿論、思い切りではなく、ひたすらに優しく甘く。

「ああぁぁぁぁぁあっ!? く、くれすさん、駄目、それだめええぇぇぇぇっ!?」
「へもふっほいよはほうはひ(でもすっごいよさそうだし)」
「や、やだ、やだああぁぁぁっ!? しゃべ、しゃべらないで、あ、あふぁぁぁっ!?」
「へもふも」
「んああぁぁぁぁぁっ!? クレスさん、クレスさん、クレスさぁぁんっ!」

はたから見れば間抜けだが、首筋を噛まれた少女は涙とよだれを流しながらあえぐ。
乳房の先端部は痛々しいほどに勃起し、クレスの指がそこをつまみ、いじくるたびにまた反応。
全身に電流が走ったかのごとく、びくびくと体を震わせ、少女の目は虚空を見つめてどこかうつろ。

うわごとのようにクレスの名前を連呼し、よだれを流して少女はあえぐ、快楽をむさぼる。
全身に走る感触に戸惑っているようなその悲鳴は、次第に甘さを増していった。
浴場の中に、甘ったるい、女の匂いが立ちこめる。汗も唾液も何もかも、空気の中に混ざっていく。

「クレスさん……! だめぇ、怖い……! わたし、からだ、へんっ……!?」
「多分、普通だと思うけど。……どうする? いったん、休憩する?」
「やめるの、嫌です……。こんな感触、初めてですけど……その……」
「ん?」

体を震わせ、顔をうつむかせ、息を荒らげながらイリスは言う。


「もっと、して、ほしいです……」
「〜ッ!?」


のちに、クレスは。
『この瞬間、マジで全身の血液が鼻から出そうだった。可愛すぎだろ……あれは反則だ』と語る。

それは鼻血にあらず。人、それを萌血(もえぢ)といふ。
465 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:53:29 ID:lZnctoRg

「く、クレスさん。そんなところに指つっこむのですか?」
「うん。でも、こことか触る手段もあるけれど」
「こことは、一体どこでっ……!? え、あ、ふぁぁぁぁぁぁっ!? や、やあぁ! やああぁぁぁっ!」
「大丈夫でぃすかー?」
「ああ、ぅあぁぁっ……! クレスさん、クレスさん、こんなの、こんなのぉぉ……!」


もう理性の糸が切れて、萌血を大量に流しかけたクレスは、やりたい放題だった。
性器に指を入れるわ、色々な場所を舌でなぶるわ、あまつさえ言葉攻めまでやる始末。


「クレスさん、クレスさぁぁぁんっ! 私、わたしぃ、また、またぁっ……!」
「どうぞ。達していいよ」
「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!! ……ふぁぁっ……はぁっ……!」

はたから見れば、無垢で小さな女の子を、黒髪の青年がいじめているようにしか見えない。
というより、いたずらしているようにしか見えない。ロリコンと言われても否定できない。
そんな状況ではあったが、クレスはひたすらにイリスを攻め続けていた。

が、イリスが三回目の絶頂を迎えた瞬間、唐突にクレスは悟った。


自分は、この少女に堕とされた、と。


女体というのは性欲もちの男子にとっては基本的に魔窟のようなものである。
一度はまれば、なかなか抜けられないのが普通だ。むしろ、抜けられる方が少ない。

普段は超然とした態度を取っているのに、情事の際にはあえぎにあえぐイリス。
絵画のような美貌をもち、体は非常に敏感で、羞恥心もそれなりにあったイリス。
研究と称するも、どことなく嬉しそうな顔で、愛撫を受けるイリス。

完敗である。クレスは、すでに彼女自身に、溺れふけっていた、耽溺していた。

「イリス」
「……なん、ですか?」

息を整えているイリスに向かって、彼が言葉をかけたのは。
ある意味では、腹を決めたことの証左でもあったのだろう。
堕とされるのならば、堕ちてもいい。けれど、それならばとことん深奥部にまで進んでやる、と。
「本番、する?」
「……お願いします、クレスさん」


苦笑しながら少女はクレスの言葉に答え、優しい接吻をその頬に落とした。
466 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:55:23 ID:lZnctoRg

「……不安、だったんです」
「何の話?」

イリスの、秘めたる部位に性器を入れようとしたクレスは、やにわに放たれた言で動きを止める。
白い肌を赤く染まらせ、うるんだ目を向け、少女は照れくさそうに小さく笑った。

「正直、不安だったんです。自分があなたにつきまとって迷惑ではないのか、など。
 人間は、生きていく上で色々としがらみがありますから。社会が、ありますから。
 だから、私、クレスさんに『こんな奴知らねぇ! 消えろ!』と言われても仕方ない。
 そう思ったんです。だから、だから、実はちょっと、ううん、すごく、怖かった……!」

「……受け止めるよ」
「え?」

小首をかしげるイリス。
それでも、少女のその姿を見ながら、クレスは続ける。

「なりゆきでこうなったかもしれないけれど。今がどうこう、じゃなくて。
 やったことの責任を取って、これからやることを見つけて、何をすべきかが大事だと思う。
 これからのことはゆっくり考えていけばいいし、それに、俺はまだ貯えとか色々あるし。
 ……イリスを見捨てることなんて、しないというよりかは出来ない。中途半端は嫌いなんだ」

「クレス、さん」
「だから、全部受け止めようと思う。とりあえず、覚悟はしていますからねー。
 それがクレスちゃんですよ。イリス様みたいな美人相手ならば大歓迎ですぜ、うえっへっへ」

おちゃらけたように言うクレス。
正直な話、真面目な言葉を紡ぎ続ければ、ジンマシンが出そうだった、というのもある。

だが、彼の言葉を受けた少女は。
一瞬の硬直ののち、ぽろぽろと涙を流し。

クレスに抱きつき、接吻をし。自分から、その秘所をクレスの一物にあてがい。
そのまま一気に、腰を落とした。

「い、イリスッ!?」
「あ、ぅあああああぁぁぁぁぁっぁっぁああああああああああっ!!」


獣のような悲鳴を上げ、両目からは涙を流し、慟哭に身を震わせ、少女は抱きしめる。
黒い髪の青年の、鍛えられた肉体を、全てを、内なるものを抱きしめる。
苦痛も快楽も困惑も当惑も、そして、心のうちにともった、ほんの少しの慕情も。

全てを一緒にして、少女は、態度と言動で、示す。全てをひけらかす。


「すき、です」
467 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:57:19 ID:lZnctoRg

「イリス?」
「すき、です。……好き、という言葉、私なんかが使うのは、おこがましいかもしれません。
 けれど、けれど……これしか、表現できないんです! 切ないんです! 胸が痛いんです!
 クレスさん、クレスさん! すき、好きです、好きなんです!」

イリスは動く。
ぎこちなく始めるピストン運動。それは、もはや作業にも近しき、機械的な動きだったが。
対するクレスは、その動きにより、この世のどんな快楽をも上回るそれを味わっていた。

好き、という言葉。
それが恋愛というものに直結しているわけではない。
会ったばかりの人間相手に、深い深い慕情を覚えるでもない。

ただ、それでも、『人』が『人』を思う気持ちは、時間や経緯など全て瑣末。
要は『それがどれほどにまっすぐなものであるか』ということ、その一点に尽きた。

かような観点から照らし合わせれば、少女の言う『好き』は色々な意味に取れるだろうけれども。
その気概、心意気、熱、芯。全てにおいて、強く、強く、ただ強いものがそこに在る。
それをクレスは受け止めた。受け止めたからこそ、酩酊にも近しきいとおしさを覚えた。

少女のまっすぐな言葉と気持ちは、全ての心を破壊する剣となりて、クレスの心に突き刺さる。
明確な感情や既存の安っぽい言語にあてはめること事態が愚考であり愚行。
どこかおぼろでありながらも、慕情を示すただ二文字のその言葉こそ、この場においては至上の言。

「い、いり、す……!」
「クレスさん、私のこと、捨てたっていいです、飽きてもいいです。どんなことしてもいいです。
 それでいいです。でも、でも、好きです、好きなんです、好き、なんですっ……!」
「ぐ、ああぁぁっ!?」
「気持ちよく、なってください。クレスさん……!
 こんな、玉虫色の発言しか出来ない私でも、私でも、動きますから、動けますからっ!」

不器用に、不器用に、どこまでもつたない動きをする少女。
クレスもそれに合わせようとするが、極上の快楽がそれを許さない。

互いに滝のような汗を流し、よだれはしとどに垂れて互いの肌を濡らし。
あわされ、こすられ、過敏に反応する肌と肌、胸と胸。
飛び散る液体は浴場内を濡らし、染め上げ、彩り、ふたりの官能を助ける手助けをただひたすらに。

獣のような声を上げ、よだれを流しに流しに流しに流し、少女と青年はひたすらに高め合う。

「クレスさん! クレスさんっ! 私、わ、わたしいぃっ……!」
「うあ、ああぁぁぁっ!? ま、まずっ……!」


互いが果てるのは、そう遅くなかった。
肉体的な快楽ではなく、精神面で互いが互いを触る、ふれあいの行為。
その際に発生する快楽たるや、いかばかりか。

「ああああああぁぁぁぁぁっ! 好きです、すきです、クレスさぁぁぁんっ!」
「ッ……! うぐっ!?」

ふたりは果てる。
そうして、どちらからともなく、折り重なるようにして、浴場内に身を横たわらせた。
468 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 01:59:13 ID:lZnctoRg

「添い寝、というものは互いの体温を高めるのには最も適した寝方であり」
「うんちくはいいから、寝ようよ」

それからしばらくして。

浴場で行為を終えたふたりは、体を洗い、小さなベッドの中で一緒に横になっていた。
イリスは、クレスと同じ柄のパジャマをまとっている。

「衣服の問題、経済面、食料、家事……。本当に人間は、面倒なことが多いですね」
「それが人間だから、仕方ないんじゃないの?」
「好き、という言葉の多様性にも断固講義したい所存」
「あー……。でも、嬉しかったなあ。好き、って言ってくれて」

イリスの発した、相手への慕情を示す言葉である『好き』
それは、単なる恋愛のものだけではない。世の中には色々な愛のかたちがある。
友愛だったり、家族愛だったり。何もかも男女間の恋愛に結びつくことは出来ない。

だが、相手を想う気持ちだけは共通している。
イリスは、まだ、そこの辺りが完全に理解できたわけではないのだろう。
人間は、色々と面倒だから。信じていた者を簡単に裏切ることとて、あるのだから。
愛における事情、その安っぽさと尊さ。いつしかそれを、全て学ぶ時が来るのだろう。

それでも、好きという感情を、ほんの少しだけ理解できた。
そうして、ゆっくりと学んでいけば、いつかイリスもそういう感情の違いが分かるかもしれない。
これから、分かっていくのかもしれない。

「やはり、研究です。これから私は、愛についての研究をしたいと思います」
「はあ、さいですか。じゃあ寝ようよ」
「クレスさん、いけずです。ここで『再戦といくか?』なんて言えばハードボイルドなのに」
「どうしてそういう知識だけあるんだよ……。どうせ俺はヘタレですよ」

布団の中で、やいのやいのぎゃあぎゃあとわめく二人。
だが、しばらくすれば、互いに疲れて動きはにぶり、まぶたも落ちる。
469 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 02:01:11 ID:lZnctoRg

「クレスさん」
「なに?」
「でも、私があんなことするのは、クレスさんだけですから」
「え……」


満足げな笑みを見せ、その途端に熟睡する少女のかたわらで。
青年はひとり、戸惑いながらも頬を染めた。


「……受け止めてあげるよ。これからだ、そう、これから」


夜は、時間は流れていくだろう。
同時に、人と人との関係も、空を過ぎ行く雲のように、流れ変わっていくのだろう。
それでも、青年は思った。

この一途な少女を、少女そのものを、受け止めてやろう、と。
ふたりがこれから歩く先には、何があるかも知れないし、何が起こるとも知れない。
ただ、そういった懸案は、全てこれからに起こること。

全ての始まりは今ではなくこれからなのだろう。
生きていく上で感じるしがらみは、いつもいつでもいつまでも、人の心を穿つもの。
ずっと、ずっと、まとわりついて離れない、堅牢にも過ぎる鉄鎖がそこにある。

ただ、何かのために生きていたい、そんな気持ちがあるからこそ、人は生きていられる。
慕情を寄せる相手でも、自分自身のためでも、理由はなんだっていい。
生きる意味は、人それぞれなのだから。

これから少女は変わっていくだろう。
もしかすると、彼女の慕情を受け止めるべき青年も、これから変わっていくのかもしれない。

その『これから』を経て、確立された幸福がそこにあるという保障はどこにもない。
それでも、進まねばならないのだろう。生きている証左はそこにあるのだから。
これから何があろうとも、ふたりは進まねばならない。


――すべては、そう、これから。



(おわり)
470 ◆pdEW25vr6o :2007/11/02(金) 02:05:27 ID:lZnctoRg
以上、投下終了。それでいて話も終了。

なんでこんな長くなったのか分かりません。
ただヤるだけの内容なのに、なんか最後あたり真面目になっちゃうし……。
けど、楽しんでくれたのなら幸いです、僥倖です、たまりません。

あ、最後までタイトル書くの忘れてたorz
いちおう、『鎌蟹の慕情』って決めてたのですが……。まあ、んなこたあどーでもいいですね。

エロも恋愛も書くのむずかしいっすね。何故、まともに書けるんだ、みんな。マジですごすぎる。

それではみなさま。
このような拙作をここまで読んでくれて、本当にありがとうございました。
まこと、感謝いたします。



(以下、ちょっとしたおまけ)


「人間の生活にもそれなりに慣れてきました」

「よーう、イリスちゃーん! クレスのアホに変なことされてねぇか!?」
「男は基本的に飢えたケルベロスだからね。クレスの馬鹿、変なことしてないでしょうね?」
「クレス! クレス! エロ! エロ! ムッツリ! ラッキースケベ! チカン!」
「やっぱりクレスはロリコンじゃなかったのかな……。うん、やっぱり彼は信用のおける」

「変なこと、ですか? そんなことは、されていませんけれど……」
「じゃあさ、最近、なんか面白いこと学んだ?」
「ええと、フェラチオという行為、それにおけるクレスさんの快感スポットの模索ですね」

「「「「ゑ?」」」」

「クレスさん、私がそれをしてあげるとすごくうれしそうにしますから……。
 研究と調査にも余念がありません。最近は、最新式媚薬の調合をば」

「クレスゥゥゥゥゥッ!! テメェ、なんてうらやま、いや、破廉恥な真似をおおおお!」
「……幼馴染みだと思って信用してた私が馬鹿だったわ。超絶一門! 鬼人化でいくわよ……!」
「クレス! クレス! ロリ! ロリ! キチクノキワミ! フタエノキワミ! アッー!」
「僕の友人? ロリコンなんて、いませんよ……ははっ、あははははははは」

「え? どうしてみなさん、混乱しているのでしょうか?(基本的にわかっていない)」


その日、クレスは、友人らにフルボッコされたという。
がんばれ、クレス! これからだ! そう、これからにござる、これからに……!



(本編の雰囲気ぶっ壊したまま、唐突におしまい)
471名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 02:08:38 ID:tc+zDMyl
俺の下半身がスタンディングオペーションで涙を流していた
涙は微妙に白かった
472黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 02:10:38 ID:5Ku/f8+V
>>470
テラGJです。
エロシーンまともにかけるなんて・・・すごすぎw
473名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:16:11 ID:hz1L0dTQ
GJ!
エローエロいよいいエロだ。俺のガオレンズホビーが真っ赤だぜ。

黒キリンサンGooだー
テンポイイスね。キリンかわええー

以下、気の迷い。誰か陵辱どうの、ていってなかった?
474名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:16:54 ID:hz1L0dTQ
男の前に一人の少女が跪いていた。
銀色に輝く腰まである髪、海のような色をした瞳、乳色の滑らかな肌。
人間でいうなら二次性徴の初期ごろのような体つき。
彼女は人間ではなかった。
少女の額には、銀色のツノが生えていた。

赤黒い男根を前にした少女は震えながら男を見つめた。
「何をしてる。早く舐めろ、ほら」と男は言うと、少女の白金に輝く髪を掴み、モノを押し付けた。
呻くと、それを両手で握り、恐る恐る口を近づけ、舌で舐める。
そうだ、そのまま咥えろ、と男は言うと、少女の唇に押し付け、少女は口を開けた。
喉まで押し込まれて少女はむせるが、落ち着くと舌をからめはじめた。
男はしばらく微笑んで少女の頭を撫でていたが、
「いいぞ、今度は動け」と頭を掴み、前後に動かし始めた。
やがて少女は自分で動かし始め、
頭を前後に動かすたび、ちゃり、ちゃり、と首輪に繋がっている鎖が鳴る。
鎖を握る男は、いいものを買った、とほくそえんだ。

数週間前、いつもどおり、オークション会場へと足を運んだ男は、思わぬ商品に出会い、
そして競り落とした。
その日の目的は金獅子の毛、もしくは轟竜の牙だったが、金は全て、
突如出品された”キリンの少女”に注ぎ込んだ。
買ってしばらくは、ひどく怯えていて、・・・どうやら保管者が虐めていたのか―――、
懐かせるのにしばらくかかった。
そして今日―――――


男は金を持っていた。元が貴族であり、
親の遺産を元手に農場を広く経営していた。
成功し、高級娼婦を何人も遣わせていたが、そのうちに飽きてしまっていた。
そういう時は、よく効く媚薬を飲ませた上で、
打ち扱き痛めつけ、しかしそれを快感に受け取りよがる女を見下ろして、
新たな夜の楽しみとした。
 彼女は、彼にとって新しいオモチャに過ぎなかった。
475名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:19:10 ID:hz1L0dTQ
う、と呻いた男は少女の頭を掴み、喉奥に陰茎を押し込み、射精した。
口が解放されると少女は激しく咳き込み、涙目で男を見上げ、頬をぶたれた。
どた、と床に倒れこみ、わけもわからず頬に手を当てながら振り返ると、
首輪に繋がっている鎖を引き上げられて、立ち上がらせられ、
男の腰掛けていたベッドに押し倒された。
男はロープを取り出し、少女の腕を合わせ縛り上げ、
四つん這いにさせ、尻を上げて上体をベッドに擦り付けるようにさせると、
粘性のある液体を少女の股に塗りたくった。「ひゃ、ひゃうっ」
びく、と体を強張らせ、身をよじるが、またぶたれ、少女は震えながら耐えた。
男は少女の陰唇に指を這わせ、なぞる。
不快感だけが体に伝わる。
少女は涙を浮かべて何かを懇願したが、男は無視し、尻を平手で打った。

やがて、「ふ・・・ふぅん・・・ぁ・・・」と少女は甘い痺れを感じはじめ、
困惑すると同時に強い快感が体を走った。
男が指を少女の膣に差し込んだのだ。
そのまま一指し指でぐりぐりと出し入れし、今度は中指と薬指の二本で激しく弄り回し始めた。
少女は声を上げ、その自分を恥じ、「っくぅ」と唇を噛む。

男は指を抜いた。
少女は既に顔を赤くそめ、汗がにじみ、その秘所からは彼女自身の蜜があふれ始めていた。
と、尻を掴まれ、ぐいと引き寄せられる。
何かを予感した少女は体を強張らせた。
一瞬の後、怒張した男根が少女を貫いた。
「はぁうっ」少女はのけぞった。
その手ごたえに少女は処女で無かったと男は知るが、驚きはしなかった。
一突きで子宮口まで入れられ、一気に引き抜かれる。
「だ、だめっ、あ、うぅ・・・」
ちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶ
繰り返しピストン運動され、少女の膝はがくがくと震え始めた。
シーツに横顔を押し付け、快感に歯を食いしばって耐えようとするが、
確実に理性の壁は崩れ始めていた。
476名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:20:07 ID:hz1L0dTQ
男の動きが激しくなる。
ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる程少女は濡れそぼっていて、
喘ぎ声が漏れていた。
びく、と体を震わせ、両手をついてえびぞりになり、「あ、ぅあああぁぁぁっ・・・」悲鳴を上げる。
少女が達するとほぼ同時に男も、亀頭を子宮口に押し付け、射精した。
どくどくと自分の中に放たれたモノの熱を感じながら、
少女は崩れ落ちた。
顔を真っ赤にし、荒い息を吐いて、その口の端から唾液が伝っていた。
男は一息つき、少女を仰向けにさせた。

少女は膝を合わせて股を閉じようとするが、
半ば弛緩した筋肉ではたやすく男に開かれた。
膣からはどろどろと白濁液が流れていた。

少女の脚をぐい、と少女の上半身の方に倒した。少女の腰が浮くほどに。
いやがる少女ににやと笑って再び少女を突き刺した。
少女の乳首を舐め、吸い上げ、噛む。
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷと、
水音を立てながら突き立てる。
「ん、くぅ・・・っはぁ、も、もう・・・ひゅぁあ、ら、らめ・・・っ、ぅんっ」
少女はぽろぽろ涙を流しながら男に訴えるが、もちろん無視され、
いっそう激しく突き上げられ、声を上げてしまった。
腰をねじるも、逆効果で、はあはあと荒い息遣いで少女は眉をゆがませる。
「・・・はあ、ふっ・・・はぅ、う、や、やあぁっ!・・・っはあああああ・・・・」
一瞬、自分の中の男根がより膨らんだかと思うと、
熱い精液が中に吐き出された。

まだ夜は終わらない
477名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:22:10 ID:hz1L0dTQ
クエスト文とかからこんな奴もいるんかなーと
「男」をつくってみたが・・・
ごめんね世界観薄い・・・
478名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 03:28:44 ID:5Ku/f8+V
>>477
GJですぞ!
エロシーン大好き!
俺のフルフルもかなり怒張しましたよww
479名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 07:29:43 ID:SbSf4f94
>>477
2スレくらい前の擬人黒グラビを思い出した

あれ?なんでいつの間に俺の股間の老山龍砲が装填済みにry
480名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 11:09:18 ID:thm2rmbj
>鎌蟹さん
俺は
>玉虫色の発言
と言う表現が上手いな、と思いました
超絶GJ!
だがチャチャブーwwwwww

>黒麒麟さん
GGGGGGGGJ!
後は書いて書いて慣れるのみ


>ガブラ酒さん
ちょwwwww鬼畜wwwwww
たまには良いよね鬼畜エロも
でも俺純愛属性。愛のあるSMも、見たいです…
481名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 14:08:57 ID:3ely4fFi
>>477
ひたすらGJ!
こういうの大好きだ!
482黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:15:48 ID:5Ku/f8+V
第三章書きあがったので投下したいと思います!
今回も長めですよ。
483黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:16:50 ID:5Ku/f8+V
時刻は夕方、すでに太陽の半分は見えない。
雪山特有の、乾いた風が吹き渡っている。
少女は川辺に立ち、美しいブロンドの髪を風になびかせている。
その姿は何処と無く不安定で、触れれば壊れてしまいそうで・・・・。
それは、ジェノにとって 「今一番守りたいもの」 だった。

「お前は・・・なぜ話したくない自分の過去を、他人であるこの私に話すのだ?・・・・・」
やっと口を開いた彼女の声に、いつもの彼女らしさは無かった。
「それは・・・テルノさんのことを、信じているからだよ。」
「出会って数日しか経っていない相手を・・・・簡単に信じられるはずは無い!」
間髪いれずに断言される。
「自分でも分からないよ・・・でも!
目が覚めて!隣にテルノさんがいてくれた時!僕は・・・・そう確信したんだ。」
「では・・・私が何者であっても、その意思は揺るがないのだな?」
「そんなの・・・・あたりまえじゃないか。」
重い沈黙の後、彼女は言った。

「私は・・・お前たちが殺そうとした・・・・・キリンだ。」

484黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:17:41 ID:5Ku/f8+V
今まで背を向けていた少女が、ゆっくり振り向く・・・・・・。
その顔は涙で濡れていた。
ジェノは無言で、ゆっくりと近づき優しく抱きしめた。

「たとえ君がなんであっても、僕は・・・・・僕は君が好きだ。」

少女は腕の中で小刻みに震えていた、
(たとえどんな姿でも、私であれば愛してくれる。
そう思えるだけで、こんなにも安心できるとは・・・・・。)
「さっきの言葉は・・・・・本当か?」
「本当だよ。」
「絶対だな?」
「絶対だよ。」
「絶対の絶対だな?」
「うん、絶対の絶対だよ。」
少女は、抱擁を解いて言った。
「村長に頼まれていたことを教えてやる。」
「頼まれていたこと?」
「そうだ、どうせ聞かずに飛び出してきたのだろう?」
何故かすでに理解されている。
「う、うん。そうだけど?」
「それを今から教えてやるといっておるのだ。」
「御主が倒れてすぐに、あの生意気な女がやってきてブツブツブツブツ〜〜・・・・・・・」

―少々お待ちくださいー

485黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:18:16 ID:5Ku/f8+V
「テルノが話したことを要約すると、
すぐにティガレックスの上位素材で防具を作って、
作ったものを装備して老山龍討伐部隊に加われと?」
「ふむ、そういうことになるな。」
今の傷の状態からしてジェノにとっては、
かなりの無理難題である。

「別に御主が嫌なら、あんな女の願いなど聞かずとも良いだろう。」
「老山龍の通り道にはいくつもの町があるから、何もしないわけにはいかないんだ。」
「そうなのか?」
「うん、だから失敗しちゃいけないんだ。
父さんがそう教えてくれた。」
しばしの沈黙。

「僕、依頼を受けるよ。」
「そうか、では私も付いていこう。」
最初からそう言うつもりだったのだろう、
一秒も立たないうちに宣言された。
「なんでそうなるの?」
「怪我をした御主だけでは頼りないからな、
この元キリンの美少女、テルノ様が同行してやるのだ。」
「でも、元キリンだからって身体能力もそのままだとはかぎr」
「ズガァン!」
ひどい音を立てて、そばにあった大きめの岩が粉々になる。
「ははは、どうだ?」
「うひゃぁ〜、でもその力に見合った武器が見つからなさそう。」
「それは御主が造ればいいことよ。」
「は〜い。」
486黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:18:56 ID:5Ku/f8+V
すでに日は暮れ、あたりは真っ暗。
家に帰る前に、依頼を受けるという旨を伝えに行く。
確かこの時間だと、集会所で仕事中のはずだ。
二人は、集会所に向かう。
集会所とは主にハンターたちが集い、
各地から届く依頼や任務を受理する場所である。
扉を開けて集会所内に入り、受付嬢に聞く。
「サクノさんが来てると思うんですが、いらっしゃいますか?」
「村長ですか?今、奥にいらっしゃるのですが、どんなご用件で?」
「えっと。じゃあ、例の依頼受けますとだけ伝えておいてください。」
「承りました。」
用事が終わったところでやっと、家路に着く。

「くうぅ〜、何か一日長かったなぁ〜。」
「うむ、私も初めてのことだらけで疲れてしまった。」
力を抜いてみると、体の節々が痛み出す。
そうだ!風呂に入ろう!
「僕はお風呂に入るけど、テルノさんはどうする?」
「一つ思ったのだがいいか?」
「ん?」
「オフロとはなんだ?」
そうか、テルノさんはキリンだったんだっけ。
「う〜ん、水浴びの水が温かい感じかな?」

「そうか・・・・・私と一緒に入って、教えてくれないか?」

487黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:19:54 ID:5Ku/f8+V
「ぶっ!?」
この少女は、自分がしゃべっている言葉の破壊力を理解しているのだろうか?
答えはもちろん否である。
「それは僕には無理だから!」
「なぜだ?」
「お風呂には特別なとき以外、
男女別々に入るものなんだ。わかった?」
「ではどうすればいいのだ?」
「そうだなぁ・・・・・・・。」
ふと、道具屋の娘。幼馴染である双子が脳裏をよぎる。
「お隣さんに知り合いがいるから、
その子達に教えてもらえるように頼んでみるよ。」
「そうか、頼んだぞ。」
「りょーかい。」
家から出ようとすると、呼び止められる。
「待て、御主に言いたいことがある。」
「ん?なに?」
「私の呼び方はどうにかならんのか?
テルノさんでは、どうもむず痒くて溜まらんからな。」
「じゃあ、なんて呼べばいいの?」
「テルノで良い、これからはそう呼べ。」
「これでいいの?テルノ?」
「うむ!それでよい!」
テルノの顔はどこかうれしそうだった。
488黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:20:26 ID:5Ku/f8+V
風呂から上がったジェノは、テルノを待っていた。
この村の風呂は、共用になっている。
理由は簡単で、温泉が湧き出ているから風呂を焚く必要が無いのだ。
もちろん、男女混浴ではない(時間帯をずらして入っているだけ)のであしからず。
「ふぁ〜・・・・眠くなってきちゃった。」
かれこれ二時間は待っているが、一向に出てくる気配が無い。
その時!浴場のほうから女性の叫び声が!
「!?」
緊急事態かと思ったジェノは現場?に向って駆け出す!
「大丈夫!?テルノ!?」
気が動転していて気づかなかったジェノ。
そう、今は女風呂の時間帯である。
「「「「「「「「「「「「キャアアアアアアアア!」」」」」」」」」」」
女性の悲鳴の大合唱。
そして飛んでくる数多の桶。
しかし、駆けつけた男はジェノだけではなかった。
というか、ジェノよりも早く来た男がほとんどだったようだ。
しかしどの顔を見ても、心配している顔ではない。
エロ親父の表情である。
その後の騒ぎに乗じて、逃げたジェノは無事だった。
他の男はもちろんさらし首?である。
489黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:21:16 ID:5Ku/f8+V
家で待っているとテルノが帰ってくる。
「ただいま。」
「おかえり〜」
風呂上りのテルノは上気していて、頬も紅潮し色っぽい。
というより、エロっぽかった。
しかし、良く見ると後ろに何かぶら下がっている。
「後ろについてるのは何?」
「これか?」
ぶら下がっていたものが動く!
「まさか、しっぽ?」
「うむ、そのようだな。」
でも、前は付いていなかったはずだ。
「風呂で湯をかぶったとき、何故か知らんが生えた。」
さっきの叫び声の原因はこれか。
490黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:22:52 ID:5Ku/f8+V
ジェノは好奇心でゆっくりと手を伸ばす。
「ぎゅぅ」フワフワして柔らかい。
「ひゃぅ!?」
意外な反応に手を離す。
「い、いきなり触るでない!」
「痛かったの?」
「そ、そうじゃないが・・・そのぉ・・・なんていうかだなぁ。」
だんだんと頬が赤くなっていく。
反応が新鮮だったので、もう一度握ってみる・・・強めに。
「はぁぁうぅぅ!?」
力が抜けたように座り込む。
「は、はなしぇぇぇぇ!」
すごく可愛いので、まだ離さない。
「どんな感じなの?」
普段はやさしいが、スイッチが入るとジェノはドSになる。
「うぐぅ・・ひ、ひもちいいのぉ!」
可愛いが、流石にかわいそうなので離してやる。
「はふぅ・・・・。」
「大丈夫?」
「ばひゃものぉ!さわりゅなといったのにぃ。」
まだ力が入らないらしい、ろれつが回っていない。
「ごめんごめん、ついね。」
一時間ほど口を聞いてくれなかったが、ちゃんと許してくれた。
491黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:23:23 ID:5Ku/f8+V
時間も遅いので、疲れたし眠ることにする。
「そろそろ寝るけど、テルノはベッドでいいよね?」
「ベッドとは何だ?」
またもや説明。
「フカフカして、気持ち良い寝床の事だよ。」
「しかし、一つしかないようだぞ。」
「良いんだよ、僕は床で寝るから。」
「それでは悪い、これはそんなに小さくも無いから、二人で入れるだろう?」
恥ずかしいが、言うとおりなので従っておく。
「何故かしらんが、歯がゆい気持ちになるな。」
顔を真っ赤にしながら言う。
ここでまた、ジェノのスイッチを踏んでしまう。
後ろから、しっぽを握りしめつつ抱きしめてみる。
「にゃ!?にゃにをしゅりゅ!?」(な!?なにをする!?)
「可愛いよ、テルノ・・・・」
と、言いながら尻尾を撫でる。
「はぅぅ、それ以上したらぁぁ!?らめぇぇぇっぇぇぇぇ!!」
びくびくと痙攣してから大人しくなる。
「・・・・・・・・・・・・。」
これはもしかして・・・・・イっちゃったのか?
どうやらついでに、気絶もしているようなので放っておく。
目を瞑ると、すぐに眠りに付いた。

〜第三章 完〜
492黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/02(金) 15:26:12 ID:5Ku/f8+V
うお!?
すいません題名忘れてました。
黒麒麟 第三章 老山龍討伐部隊 です。

失礼しました〜
493『クイーン』の人:2007/11/02(金) 16:23:38 ID:kMYdMu5s
黒麒麟の続きにワクワクです! ギザミの人も御疲れ様でした。

相変わらずしょーもない小ネタを投下します。
494『ランゴスタ奥様劇場』その6:2007/11/02(金) 16:24:28 ID:kMYdMu5s
『ランゴスタ奥様劇場』その6

 今日はランの"初めてのティガレックス戦"と言うことで、マックは念の為に情報屋のカシムとキダフにも、助力を頼むことにした。
 1年ほど前までは、上級に手が届くくらいの狩人だった夫妻は快く引き受けてくれる。

 「それにしても、お前の妹さん、最近訪ねて来ねぇな?」

 ガシャコンとガンランスのリロードをしながら、カシムがマックに話しかける。

 「……頼む。今はそっとしておいてやってくれ」

 「?」

 いつになく沈鬱な表情のマックの答えに、いぶかしげな顔をしたカシムは、ランに視線を向けたが、こちらも黙って首を振るばかり。
 ますますワケがわからないカシムは、妻のキダフの方を振り返る。

 「――複雑な家庭の事情……」

 何か知っているらしいキダフは、それだけ言うとあとは口を閉ざした。

 「??? ……ま、いっか」

 情報屋としては、ゴシップも含めて、およそ知りうる情報のすべてを把握しておくべきかもしれないが、さすがに友人の家族のプライベートな(しかも、あまり話したくない類いの)事情を無理に詮索するほどヤボではない。

 「ところで、今回の作戦はどうする?」

 カシムは愛用の(と言うわりに、じつはこれを作ってほどなく引退したのだが)シザーガンランス、キダフは手に馴染んだクイックキャストを持って、マックの家まで来ている。  
 以前のフォーメーションに従うならマックは、麻痺させるためのデスパライズか、ダメージ重視の紫電改、あるいは尻尾斬りを狙って太刀の鬼斬破に持ち替えるというのがセオリーだった。

 「のぅ、我が君、今回は妾はグレートバグパイプを使ってみようと思うのじゃが……」

 「狩猟笛か? いや、確かに、攻撃・防御・回復と3拍子揃ってるから、援護用には有り難いが……。ガンナー用以外の防具、持ってたっけ?」

 「ホホホ、そこに抜かりはないぞえ。…………ほれ!」

 いったん部屋に引っ込んだランは、シュルシュルという衣擦れの音をさせていたかと思うと、装いを一変させて姿を現す。

 「そ、それは、ヒーラーシリーズ!」

 「うむ。上鎧玉で強化したうえ、装飾品で広域+2も発動させてある故、回復関係も隙はないぞえ。我が君も後顧の憂いなく、戦いに臨まれよ」

 どうやら、以前キダフに指摘されたとき以来、援護用広域化装備として本当に作っていたらしい。4人で行う狩りなら、援護に専念するこういうスタイルもアリかもしれない。
495『ランゴスタ奥様劇場』その6:2007/11/02(金) 16:25:02 ID:kMYdMu5s
 もっとも、マックの頭の中では、「ランのナース姿、萌え〜〜!」と言う邪な想念が渦巻いていたのだが、部外者2名の前なので、かろうじて自制した模様。でなければ、日中に出発するのは不可能になったことだろう。

 「ほほぅ、いつもの黒装備も悪かねぇが、そういうヒラヒラしたのも、奥さん、なかなか似合うじゃねぇか」

 「そ、そうかえ? 如何であろうか、我が君?」

 ふんわりと膨らんだスカートの中ほどをチョロッと摘まみ上げて、小首を傾げて見せるラン。普段凛々しい系の格好が多いだけに、そのギャップによる効果は絶大だ。

 「あ、ああ、その……とっても可愛いと思うぞ、ラン」

 ヤバい、自重自重……と心の中で鼻血を噴き出しつつ、マックは、できるだけ紳士的な口調を心がける。
 しかし、当のランの方は、"美人"、"綺麗"とは言われ慣れていても、面と向かって「可愛い」と―しかも愛しの旦那様に―誉められた経験は皆無なため、ボンッ! と頭のてっぺんまで真っ赤になって、ワタワタしている。

 結婚して半年以上経つとは思えぬ初々しいふたりの様子を、うんうんと腕を組みながら生暖かい目で見守っていたカシムだが、クイクイッと袖を引かれて振り返る。

 「ん? なんだ、キダフ……って、ワッ!?」

 そこには、小柄な体躯をギルド御用達のメイド服で包んだ彼の妻が立っていた。

 「――どう?」

 どうやら、自分の夫が他人の妻を誉めたことに、対抗意識を燃やしたらしい。

 「いや、そりゃあ、このままお持ち帰りしたいくらい似合ってるが……いったいいつの間に?」

 「ハンター引退したはずなのに、いつ作った?」と「さっきの発言から1分と経ってないはずなのに」と言う二重の意味で聞いたのだが、キダフはネコの口のような形に唇を微かに歪めただけだった。

 (我が妻ながら……底の知れんヤツ……)

 愛妻のラブリーなメイドさんルックを愛でつつ、内心冷や汗をかく情報屋カシムであった。

 〜中途半端だがfin〜

・妻バカふたりが妻のコスプレに萌え転がる。それだけ。
 カシムの外見イメージは「テイルズオブレジェンディア」のモーゼス。性格は、もうちょい繊細ですが。
 キダフの方は、某古本娘の宿敵エセルドレーダの肌をよく日焼けさせた感じ。ただし、性格的には『らきすた』の岩崎みなみ似かも(体型はこなたですが)。人外娘ではありません、念の為。

<オマケ>

 その後、何とか落ち着いた4人は雪山に出かけ、無事ティガレックスを倒すことができた。それはいいのだが……。

 「フリフリを着て恥ずかしがるラン様、ハァハァ……」
 「ロリ人妻なキダフたん萌え〜〜!!」

 どうやら彼女たちの艶姿を目撃した村の若い衆のあいだで、密かにファンクラブが結成されたとか。
 この村、本当に大丈夫なのだろーか?
 この件に関する、キダフさんのコメント。

 「――バカばっか」 
496名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 16:52:02 ID:Wi253G7G
クイーンの人GJ!
なるほどキダフさんは黒エセル……それはそれで!
497名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 17:29:02 ID:UlpY+OBf
ちょwww
「――バカばっか」www
498名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:08:18 ID:3ely4fFi
黒麒麟の人&ランゴスタの人GJ!
しかしアレだな…
本当に凄まじい速度だな…
499ヤマダの人:2007/11/02(金) 19:54:32 ID:Ksl78Pf+
黒麒麟の人GJ!
ランゴスタのの人もGJ!

酔いまくりでまた書いた
とりあえず罵ってくれ

バタン

集会所の扉を開ける


ズリ・・・ズリ・・・


今日は〜なんだっけ?
そうだキノコ狩りに行くんだったww


ズリ・・・ズリ・・・


「お、ヤマダじゃねえか、元気にしてたk」

知り合いのハンターが声をかけようとして硬直する

お前そこで固まるなよwww他の人の迷惑だろがwww


ズリ・・・ズリ・・・


おかしいな〜・・・体は軽いんだけどうまく動かねえぞ?

なんか自然と笑いがこみ上げてくるしwww ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \



ズゥ〜リ・・・ズゥ〜リ・・・


あ、受付のお譲ちゃん
今日もかわええねぇwwww
あれ?なんで顔ひきつってんの?
まあいいや
え〜と・・・ほい手続き終了
さぁ〜いっちょいくか〜wwwww


ズゥ〜リ・・・ズu

お?なんか意識が・・・

パタッ




集会所、クエスト出発用出口から一歩半

ヤマダ クエスト失敗 ドーン
500ヤマダの人:2007/11/02(金) 19:56:19 ID:Ksl78Pf+
「ブッハァ!?」

ゼエゼエいいながらベットから飛び起きる

ん?ベット?

「・・・アレ?」

あたりを見回すと見慣れた風景

つかここ俺ん家?なして?

「え〜と?確かクエスト受注しに行って〜・・・・んん?;」

いちから思い出してみる


確か今日はキノコ狩りクエスト行くつもりで早起きして〜・・・

ああそうだ、キノコ狩りクエストはあの馬鹿食いフラッシュ姉妹どもの食糧をかせぐためであって〜・・・

違う、10日ぐらいキノコ狩りリレーして借金返せない&食費の板挟みになって〜・・・

ここしばらく酒とほうじ茶しか飲んでなくて腹減ってて〜・・・

おまけに怖いお兄さん方に襟首ガックンガックン、アッー!されたりして〜・・・

そんで集会所行ったあたりで記憶が一旦切れて気付けば自宅Myベッド、と


「あ、起きた」
「起きた〜」
「ヤマダ起きた〜」
「ヤマダ〜」
「ヤマ(ry

「どわッ!」

布団の上にドサドサとちっこいのが6つ、のしかかってくる

「お、気ぃついたか」

奥の部屋から例の知り合いハンターが鍋を片手にあらわれた


ここで力尽きますた
続きは脳内webで!
501名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:17:14 ID:plbGfNI8
……すまん正直意味がわからん
502名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:37:26 ID:dGakUfnz
>>499
さあ早く続きを書くんだ
503名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 22:39:00 ID:SbSf4f94
( ゚∀゚)o彡゜ヤッマッダ!ヤッマッダ!
504名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 23:34:00 ID:cLzHgOJH
投下ー。
エロなし、地の分なし、シリアスなし。
505????? キャラクターの描写も無いな:2007/11/02(金) 23:36:40 ID:cLzHgOJH
 吐息の荒さが自分で判った。
 震える手を心で押さえつけて、ナイフを突き出す。
 大丈夫、想像の中では何度も繰り返した動きだ。刃先は微かな弾力を押し切って、その冷たい金属の身体を獲物に潜り込ませた。
 想像よりも容易く突き刺さり、驚いて動きを止める。ダメである。しっかり、根元まで押し込まないと。
 目を開いてしっかり標的を見据える。
 突き出す。
 ほぅ、と知らずのうちに堪っていた緊張が抜けて、ぱたり、と床板を何かが叩いた。
 頬が濡れていた。
 ああ、これで、吾輩は……。
「随分独創的な切り方だな」
 叔父貴どのの声。
 まな板には包丁が突き立ち、不揃いに切られた玉葱が恨めしげな顔でこちらを見ていた。


  ――短編 ご飯の作り方――

506短編 ご飯の作り方:2007/11/02(金) 23:38:45 ID:cLzHgOJH
「えぅー」
 くるりと後ろを振り向くと、ジト目でこちらを見ている叔父貴どのがいた。腕を組んで、吾輩の頭の上から覗きこむようにしている。
「叔父貴どのー。目がぁ……、目がぁ!」
 堪らず擦ると。
「ひぁ――――ッ!」
 染みた。
「や、やぁ! ちょ、痛、叔父貴どの、やめ、い、んぅ――っ!」
 包丁を投げ出して床を転がる。頭の方から弦を弾いたような音と、うぬわっ、という驚いた声が聞こえたがそれよりも。
「はァ! やぁん、ぁあぅ、うぁあ――っ!」
 目が灼ける。朽ち落ちてしまう!
 擦り続けていると、手首を掴まれて引き剥がされた。そのまま組み敷かれる。
「お、叔父貴どのー!」
「まず、俺の言うとおりにするんだ」
 滲んだ視界の中で叔父貴どのの左頬には赤い切れ目が入っておった。何かが流れだしている。
「お願いするのであるぅ……」
 何度も首を縦に振る。
 すると、
「ノルィマさーん! 昨日お夕飯作りすぎたのでお裾分けに来ましたー!」
 玄関を勢い良く開けて入ってきたのは青さと色香を併せ持つ年代の、服屋のお姉さんだった。カチューシャで栗色の髪をまとめ、満面の笑みを浮かべている。
 時間が凍った。
 涙目で叔父貴どのに組み敷かれている吾輩。両腕を頭の上に押さえつけている叔父貴どの。服が乱れているのは暴れたせいである。
 なんてことないいつものノルィマさん家の風景である。
 時間を溶かしたのはお姉さんからであった。
 左手を口元にあて、ぷひっと笑った後、「お楽しみに〜」と言って身を翻す。玄関脇にいた隠れていた友人と話しているようだ。
「ミスミさんやっぱりそういう趣味だったみたい!」
「やっぱりね〜。あちきの想定通りだね〜」
 聞き耳立ててたかいあったわ〜なんて言いながら声は離れて行った。
 冷たい汗を噴出した叔父貴どのは何かの限界に達したのかガックリと顔を項垂れた。
「叔父貴どの……早く、早くシテ欲しいのであるぅ……」
「シ、シテっていうなバカちんがァ――!」
「アイッタ――――――ッ!」
507短編 ご飯の作り方:2007/11/02(金) 23:40:49 ID:cLzHgOJH
 事の発端は、少しだけ遡る。村の井戸端は、貴重な情報交換の場であり、そこでの力関係は様々な場所で影響を及ぼす。
「え? みずちー料理できないの?」
「出来たほうがね〜、便利だよ〜?」
「あたしもちょっとだけならつくれるよーえへー」
 なんて会話があったのだ。ならば吾輩もやってみようと思い立ち。

「今に至るのである」
「誰に喋っているんだお前は」
 そいつぁ言えねぇな。
 台所は、黒い煙が立ち込め血痕が天井に飛び散り人参の欠片が壁に突き刺さりカボチャの皮がテーブルを凹ませ何かの頭蓋骨が鍋の中でコカカカカと声を上げていた。
 一言で言うなら無惨に尽きる。
「叔父貴どの、この包丁おかしいのである!」
「おかしいのはお前の頭だよ!」
 おお……! この男、虎を背負っている……!? おかしいとか、結構傷つくのであるよ。
「だって! ほら! この本を見るのである!」
 腰に差していた本を差し出す。
「なに……? 『昇天、雲の上へ旅立てる料理達』……?」
 ザッと斜め読みして、勢い良くテーブルに叩きつけた。
「娯楽小説じゃねぇか!」
「だって楽しそうだったんだもん!」
 もんとか言うな! ぴき――っ! これでも喰らえ! ……あぅん。なんて言い合っているうちに最初の日は過ぎたのであった。
508短編 ご飯の作り方:2007/11/02(金) 23:42:54 ID:cLzHgOJH
 翌日。
 叔父貴どのの指導の下、練習を開始する。
「……もっとこう。ズババーンと切って、ぴゃー! と剥いて、クルクルしゅピン! て感じなんだよ!」
「そんなの判らないのである!」
 この男、教育者には徹底的に向いてねぇ。
「ええい、貸せぃ!」
「あーっ! 御無体なー!」
 おお、危うく蹂躙されるところだったねお前たち……と愛しげに食材に話しかける叔父貴どの。
「……キモ」
 十数分後。おいしい料理が出来ました。
509短編 ご飯の作り方:2007/11/02(金) 23:46:00 ID:cLzHgOJH
 翌々日。
「ええと、ズババーンと、ぴゃー! と、クルクルしゅピン! と」
「うん、ズババーンとまな板を斬って、ぴゃー! と包丁が飛ばして、クルクルしゅピン! とあたしの服を剥いでどうするのみずちー?」
 今日の先生は服屋のお姉さん。叔父貴どのは縛り上げて、ベッドの中に転がしてあるのである。むーむー声が聞こえるけど、気にしない方向で。
「いや……叔父貴どのに言われた通りやったのであるが……」
「……ミスミさん仕込みの脱装備術!?」
 お姉さん、心なしか目が血走っているのである。
「ねぇねぇ! みずちー教えて!」
「や……それよりも料理を……」
「そんなの後々! ハリーハリーハリーハリー!」
 練習は夜中まで続き、クルクルしゅピン! の脱装備術を会得したお姉さんは意気揚々とお帰りになられた。
「結局教えて貰えなんだ……叔父貴どのー?」
 ベッドの上には青黒い顔の叔父貴どのがいた。
 見れば縄が首に極まっている。
「お、叔父貴どの――!?」
 犬の遠吠えが聞こえた。
510短編 ご飯の作り方:2007/11/02(金) 23:49:00 ID:cLzHgOJH
 翌々々日。
「それでオレのところに来たと」
「世の中上手く行かないものであるよ」
 腕組みして頷く吾輩。今日はトラッド先輩のお宅にお邪魔致した。
「しかし、家も今は親父もお袋も出かけていてなぁ」
「……先輩は出来ないのであるか?」
「簡単なのは出来るけれど……」
 そう言って口篭る先輩。煮え切らない態度である。
「是非。吾輩、このままは嫌なのであるよ」
 と言って見上げると、真摯な気持ちが伝わったのか、快く快諾してくれた。耳が赤く染まっているのは多分風邪でも引いたのであろう。

「まず切るときは猫の手でな……」
 先輩にお手本を見せてもらう。玉葱は綺麗に切り揃えられている。
 次は吾輩だ。
「……えぅー」
 まるで殺人事件であった。
 涙を堪えてお願いする。
「先輩。後ろから手を添えて欲しいのである……」
「な、何ィ!?」
「ダメであるか……?」
 苦悶の表情を浮かべた後、吹っ切れたように頷いてくれた。

「お、おぉぅ、おー」
 感嘆の声は吾輩だ。
 先輩に手伝って貰いながら食材を切り刻む。
「流石であるな先輩!」
 綺麗に切れるのが嬉しくて振り向くと、先輩はそっぽを向いた。さっきから口数も少ないし、どこか身体が悪いのかもしれない。
「あの、どこか具合が……?」
「い、いい嫌? どこも悪くないですよ?」
 そういうならば、お言葉に甘えるのである。立ち止まっている暇は無いのであるよ。
「よっ、ほっ、たっ」
 リズムに乗って刻んでいく。なんとなく判ってきたような気がするのである。
511短編 ご飯の作り方:2007/11/02(金) 23:51:23 ID:cLzHgOJH
「切れたのであるー。次はどうするのであるか?」
 喋ると、
「……ちょっと待ってろ。後ろを絶対向くな」
 と言われた。
「……先輩?」
「いいから!」
 強めに言って何やら唱え始める。(くっ鎮まれオレのコスモ……!ていうか尻を押し付けるな振るな尻をああもういい匂いするし柔らかいし堪んねー!)
「よし、オーケーだ」
「? ならば良いのであるが……」
 程なくして出来たのは鳥竜肉のシチューであった。
「「頂きます」」
 二人で手を合わせて匙をとる。まず先輩が一口食べた。と、力が入りすぎて吾輩は皿をひっくり返した。
「ぎゃ――――ッ!」
 宙を舞うシチュー。キラキラと光を弾いて幻想的ですらある。頭から被った。
「……えぅー」
 幸い、宙を飛んだお陰かいい具合に冷めたが、一皿ダメにしてしまった。
「先ぱァい……」
 下から見るようにすると、鼻血を滝の如く噴出す先輩がいた。
「せ、先輩!」
「待てミズチコッチ見るな」
 後ろを向いて首をトントン叩く先輩。鼻声なのは抑えているからであろうか。
「だ、大丈夫であるか……?」
「なんというか、元気すぎたせいというか……」
「ならば良いのであるが……料理のせいであるか?」
「いや、料理のせいと言えなくもなくもなくもない、のか? 味はまぁ普通だし」
 お、おぉぉ……。ついに吾輩は作れるようになったのだ……!
「皆に味見してもらうのである!」
 嬉しくて、寸胴を抱えて飛び出した。
「あー! ちょっと拭いて――!」
 声は届かなかった。
 ああ、ミズチが行ってしまった。
「ていうか、あのままだと不味いだろ……」
 具体的に言うと偉くエロイことになっている。
「オレも追えないしなぁ」
 男性の象徴が屹立して、動くどころでない。
「どないしょー……」
 悩んだその時だった。体中から力が抜け、テーブルに突っ伏せた。
 ……何!?
 声が出ない。変わりに冷や汗が噴出してきた。
「バ…か……な……!?」
 殺意は遅れてやってくる。
 待て、これはマズい。生命的に。ちからがはいらない。いきができない。いしきがとおくなる。ずつう。ふくつう。かんせつつうに、おかん。ほねがぎしぎしさけんでる。
 開け放った扉の向こうに、ミズチが次の被害者に白い毒物を食わせている姿が見えた。

 トラッドがミズチの作った食べ物を道具に転用できないか考えたけれど、それはミスミの決死、必死、大奮闘の特訓によって防がれたのはこの後のお話。


 ここまで。
 一人称だと、そいつが感じたことしか書けなくて辛いなぁ。
513名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 00:13:48 ID:pOitq++D
GJ!このシリーズ、キャラが好きなので番外編があって嬉しい。
それにしてもこりゃ叔父貴も先輩も大変だわwwww

でもなんか羨ましいのは何故だろう
514sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:42:33 ID:3TGP/xdW
空気も読まずに空気が作品を投下。
物凄い鈍亀ペース。
しかも今回の内容が非常に中ニ病臭いときたもんだ。
それでも構わないという人のみ、読んでくれ。
ちなみにクエストに出発するまでは蛇足だから省いている
515sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:43:10 ID:3TGP/xdW
「ここにクエストで来るのも久しぶりだなぁ…」
最近手入れをしていないせいで伸びてきた髪をなびかせながら、ジュリオは丘の上に立っていた。
ハンター達から「森丘」と呼ばれているこの場所は標高がそれなりにある上に良い風が吹いているため、
空を飛ぶモンスターが暮らすのに適している。
故に、リオレウスやリオレイアなどの危険度の高いモンスターも出現するが、イャンクックやドスランポスといった
駆け出しのハンターが相手をするようなモンスターも多いため、初心者ハンターが訪れることも多い。
「将来の二人の愛の巣はこんなところに作りたいもんやな〜♪」
「その口から小汚い空気を吐いている暇があったらさっさとキャンプを張れ馬鹿が」
「うっさいわ感情表現と胸が貧しいキザ女」
「ふ、二人とも着いて早々喧嘩しないで下さい…」
今回もエメラとルヴィが同行していた。
もちろん半強制的である。
クエストの内容は単純なもので、リオレウス1頭の討伐。
しかし、以前に挑んだハンターがコテンパンにやられてしまい、現在も意識が戻らないという。
そのハンター達はそこそこに腕の立つ者達だった。つまり、いくらジュリオが凄腕のハンターだからとはいえ、油断はならないということだ。
とはいえ、前に挑んだハンター達はつがいの退治を依頼されていたらしく、リオレイアの方は既に退治しているとのこと。
少しは条件が楽になっている。
516sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:43:47 ID:3TGP/xdW
ベースキャンプの設置が終わると、3人は少しの休憩の後、支給品を持って出発した。
森丘は見晴らしが良く、地形もさほど複雑でない場所のため、迷うことはなかった。
…しかし、問題のリオレウスがなかなか見つからない。
無論、すぐに見つかるわけはないのだがリオレウスほどの大型飛竜だ。
本当にこの近辺で目撃されたのなら、獲物を探すために飛んでいるのを一度は見かけてもおかしくないはずだ。
「おかしいなあ…」
「もしかして既にここを去ったのではないか? 野生の飛竜なら新たなつがいを求めて別の場所へ飛び立つことも考えられるはずだが…」
「いえ、まだ探してない場所があります。…巣に乗り込みましょう」
基本的に、ハンターは飛竜の卵を取ってくる、などといったクエストを受注した時などでない限り、好んで飛竜の巣に入ったりはしない。
飛竜の巣は狭い上、住んでいる飛竜が毎日寝ている場所なのだ。構造は相手が完全に把握しきっているだろう。
そのため、戦いになれば逃げるのは難しい。
かといって、どこを探しても飛竜の足跡一つ見つからないこの現状では、飛竜の巣を探すほかない。
この場合、待つという方法をとるハンターが多いがそれはまだ狩りに慣れていない者の話。
狩りに慣れきっている者は獲物が見つからない場合、その巣を探す。探すといっても、もちろん正面から勝負を挑むわけではない。
そんなことをしたら飛竜のディナーにされるだけだ。
飛竜が居るかどうかを確認し、居たならすぐに逃げ、巣から出てくるまで粘り強く待つ。
もし居なければ、巣にある珍しい骨でも貰っておく。
これが上級ハンターの基本だ。
…残念ながら、今回のジュリオ達の場合、そのどれにも当てはまらなかったのだが。
517sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:44:21 ID:3TGP/xdW
中に飛竜が居た時のため、音をたてずにゆっくりと岩場の飛竜の巣に忍び込む。
…奥から微かに物音がする。
「…どうやら何かいるみたいですね…。…くれぐれも、音を立てないでくださいよ…」
「もち!」
「お前に気にかけられるほど未熟ではない…」
二人の言葉をその耳でしっかり確認してから、ジュリオは岩の壁に沿って奥へと進んだ。
ふと、足元が柔らかくなってきていることに気づく。
…どうやらここは岩に囲まれているだけの簡素な巣のようだ。殆どが土になっており、地面にはいくらか草が生えている。
岩の壁がなくなってくる角の近くまで着いたとき、ジュリオは巣の中から聞こえる音に違和感を覚えた。
…明らかに大型生物が立てる音ではない。ハンターとしての年季が長いわけではないが、いくつもの大型モンスターと対峙してきたジュリオには、
ある程度なら聞こえてくる音やその気配だけでどれほどの大きさの生物が立てているものなのかを判断できた。
この音は…何かが、穴を掘っている音?
何か…この音の主の大きさからして、穴を掘ったりするような生物……そしてこの気配………
「……人間?」
それは間違いなく、人間の気配だった。少し普通の人間とは違う感じがしたが…確かに普段からよく感じている、人間の気配だ。
そっと角から中をのぞいてみると、やはりそこには人間の姿があった。
赤茶色の髪をしており、隣には巨大な土の山がある。どうやら何かを埋めているらしい。
「なんか怪しいなぁ…」
「…でも、人間なら大丈夫でしょう。何だか色々と気になりますし、話しを聞いてみましょう」
「……………?」
この時から、エメラは何か奇妙な感じを覚えていた。
自分も角からその人間を見たが、人間にしては不思議な気配を出している。
そう、まるで…
「あの…そこの方?」
「……人間、か?」
「何や、おかしなコト言うなアンタ…。アンタかて人間やないか?」

まるで、モンスターのような……
518sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:44:56 ID:3TGP/xdW
「……!! 二人とも、そいつから離れろ!!」
「え…」
次の瞬間、ジュリオの真横を火球が通り過ぎた。
髪の毛が少し焦がされ、辺りに焦げ臭いにおいが漂う。
「な……!?」
「外したか…」
その火球は、紛れもなくジュリオらが声をかけた男の口から吐き出されていた。
まだ少し、男の口から火の粉が漏れている。
「これは一体……」
「ダーリン、気ィつけーや! …コイツ、ウチらのお仲間や!」
「え? お仲間って…」
「元モンスターということだ」
エメラが走り寄って来て言った。
その手には弓が握られている。…見れば、男も理由こそ不明ながら完全にこちらに敵意を向けている。
「何の恨みがあんのかわからんけど…よーするに、敵ってコトやな?」
「珍しく物分りがいいな。…その通りだ。…武器を抜いておけ」
エメラ達の「同類」であるその男はジュリオを睨むと、その口を開いた。
「……我が最愛の妻だけでは飽き足らず、私の命も奪いに来たか?」
「…どういうことですか?」
「とぼけるな…。…大方、元つがいだったリオレウスを殺せ…とでも依頼されたのだろう?」
「…その通り…ですね。……あなたの口ぶり…もしや……?」
「……ああそうだ、喜べ。私がお前の『獲物』だよ……」
男…いや、リオレウスがさらに強くジュリオを睨む。
それが「ジュリオ」に向けられているものなのかは定かではないが、瞳の奥に確かな憎しみを感じ取ることが出来た。
…同時に、深い悲しみも。
519sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:46:45 ID:3TGP/xdW
「…さあ、お望み通り殺しあおうじゃあないか、汚らわしい狩人と…それに手を貸すモンスターよ…」
「ダーリンは汚らわしくなんかないで! アンタの方が万倍…むぐ!?」
喋りだしたルヴィの口をエメラがその手で遮った。
「…黙っておけ」
「何やいきなり人の…」
「……名も知らぬ空の覇者よ。…そこに埋められているのは……お前が伴侶としたものだな?」
「……………」
リオレウスが黙り込む。
が、すぐに再び口を開いた。
「そうだ…。…愚かな人間が…馬鹿げた理由で殺した……私の最愛のもの……」
「何言っとるんや、理由なら…」
「危険だから、か? …我々がいつ人間を襲った? …一度も襲っていないさ。ただこの自然の中で暮らしていただけ…。…だが、人間にとってはそれが『危険』だというらしいな……。…笑わせる」
「…だから、人間が憎いのですか?」
「憎い…? …もはや憎いでは済まんよ…。……今すぐにでも、貴様の五体を引き裂いてやりたい気分だ……」
「なら何故ここで暴れださない? さっきの攻撃の威力から察するに、まだ人間になったばかりなのだろう?」
人間になってから月日が過ぎているエメラなどはモンスターとしての力が衰えていくが、相手はそうではないらしい。
通常のリオレウスが吐くものに近い火球を吐き出していた。
すなわち、まだモンスターから人間になったばかりということが容易に想像できるのだ。
…そして、先ほどは攻撃をしてきたが今ここで戦いに発展させない理由はジュリオにも何となくわかった。
「…あなたの伴侶の墓に…傷をつけたくないのですね?」
「………………」
「…しかし、腑に落ちんな。そんなにも人間を殺したがっているのにどうして人の形を取る? モンスターの方が力もあるし、人間を殺すのには適しているだろう?」
「…墓を…作るためだ……」
「それだけのために…?」
「それだけ…? 貴様らにとって『それだけ』でもな……私にとっては生涯を通して守り抜かねばならぬ、大切なものだったさ!!」
リオレウスの叫びは洞窟中に轟き、その体から火の粉が舞い散る。
激しく怒るその姿は、もはや何も見据えていなかった。いや、見据えるものが既に無くなっていたのかもしれない。
「…私を狩りにきた愚かな人間よ、よく聞け…。…私は明日、人里に下りる…。…この意味がわかるな?」
「……関係の無い人間まで殺すつもりですか?」
「人間などどれも同じだ。己の欲望を満たすためだけに生きている。…もし貴様らが人間をかばいたいのなら…人里へと降りる道に立ち塞がるがいい。…そしたらその時に、殺してやるさ……」
微かにその瞳を光らせたリオレウスは、笑っているようにも…そして、何故か泣いているようにも見えた。
520sage忘れの人:2007/11/03(土) 01:49:06 ID:3TGP/xdW
今回はここまで。
いやね、大分後悔してる。何でこんなん書こうと思ったのかと。
ジュリオメインの話だからエメラやルヴィのセリフ少ないし。
改めて謝っておく。容量無駄にして申し訳ない。万が一続きを望む人がいれば、土日に投下すると思う。
それでは、引き続きミズチの人への感想をよろしく
521名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:50:37 ID:3RiYrUFl
さて、ジュリオの続きを望もうか
522名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 01:55:18 ID:FalDYtqS
>>521
同意
523名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:02:17 ID:OxLb9NE4
>sage忘れの人

いやいやいや、モンスター擬人化を真っ当に書く者なら、避けては通れぬ命題だと思いますよ。
ウチのランさんは、元々情の薄い人―意外に思えるかもしれませんが、本質的には身内(家族と親しい友人)以外の生き死にには冷淡です―なので、『首ったけ』本編の3話で、元同族を「いくら殺しても構わない」的な発言をしてますが。
逆に、エメラさんのように、強気に見えて情の深い元モンスターだと、どう感じどう行動するのか、興味深いところ(ルヴィさんはランと近い匂いがします)
何はともあれ、乙彼様です。GJは続きを読むまで保留と言うことで。
524名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 02:03:27 ID:OxLb9NE4
しまった。書き忘れてましたが、ナズチの人もGJ。
本編以外のこういう小ネタも大好きです。
525名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 05:18:09 ID:oHAl7hQq
ナズチの人GJっス。
何で親父こんなに可愛いんだよ、惚れんぞ?
てか「キモ…」ってwwww腹筋崩壊wwwww
526黒麒麟な人  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/03(土) 06:22:40 ID:FalDYtqS
第四章書き上がりました!

テルノの容姿について補足しときます。
イメージしたのは、
きしめんで有名なエロゲー、「Nursery Rhyme」クルルが銀髪になった感じですね。
(耳は有りませんが。)
では投下します。
早朝、雪山の朝は寒い。
寒いというか凍える、キリンだった頃はこんなに寒くなかったのだがなぁ。
しかし、今は隣にいる男のせいで熱い。
抱き付かれている、正直はなして欲しい。特にしっぽ。
「zzzzzzz・・・・。」
全く起きる気配が無い、熟睡しているようだ。
それにしても気になる、何故か昨晩のことを思い出すことができない。
それに何か「ヌルヌル」する。すごく気持ち悪い。
「う、くぅ・・・・。」
無理やりしっぽを引き抜く、ベッドとやらから抜け出し、
寝巻きを脱いで、ヌルヌルの原因を見つけ出す。
「・・・・・・・・。」
何故か下着がべとべとだったので、すぐに脱ぐ。
脱いだ下着を洗濯かごに放り込み、水を飲む。
とにかく寒くて体が震え、歯がカチカチと鳴る。
「こ、凍えてしまう。」
暖炉?とやらに火をつけるのは面倒くさいので、そのままベッドに潜り込む。
(ちなみに下着は履いてません。)
目を瞑る。何故か両腕が寂しいので、横にいる男に抱きついてみた。
男の体は暖かく、丁度よい抱き枕になった。
あまり嗅ぎ慣れない甘い匂いが、鼻を突く。
しかも、体に柔らかいものが絡み付いている。
何だろう?
恐る恐る眼を開く。
目の前には、美しいとしか形容の仕様が無い顔がある。
どうやら体に絡みついているのは、その少女の柔らかい肢体のようだ。
掛け布団を剥がしてみる。
「!?」
すぐに元に戻し、自分の目を疑う。
(僕、もしかしてヤッちゃったのか?)
昨日の夜のことを思い出してみる。
(たしか、しっぽを虐めると反応が可愛いから遊んでたんだっけ?)
すべてを思い出す。
(ああ!そうだ!触りすぎてイッちゃったのか?)
そこで理解できた、テルノのしっぽは性感帯らしい。
とりあえず、さっきのは見なかったことにして。
テルノを起こすことにする。
いたずら心もあって、耳の近くでささやく。(甘い声で)
「テルノ・・・」
「zzz・・・・。」
あまり効果が無いみたいだ。
寝顔が可愛いので、やっぱり放っておくことにする。
もう一度寝るために眼を瞑る。抱き着かれるのも悪くは無い。
ふと思う。
いつからだろう?人に敬語を使うようになったのは。
それに、自分の呼び方も以前は 「俺」 だったはずだ。
(母さんが死んでからかなぁ。)
少し寝返りを打つ。
「御主、目が覚めたのか?」
どうやら起こしてしまったらしい。
「うん、おはよう。」
まだベッドから出ないように言う。
「まず服を着てから出てきてね。」
と、言いながら服を投げてあげる。
「うむ、了解した。」
朝食を終えて、着替えた二人は
村長にもう一度会いに行く。
「おはようございます〜。」
家の前で掃除している侍女に挨拶する。
「おはようございます。
ジェノさんですね?中で村長がお待ちです。」
訪ねて来るのを見越していたらしい、侍女が居間に通してくれた。
「依頼を受けてくれるのですね?」
「もちろんです、でも条件があります。」
「言ってみなさい。」
聞いてくれないかと思ったが、一応聞いてはくれるようだ。
「テルノと一緒に行きたいんです。」
「頼む。」
一瞬、怪訝な顔をした後言った。
「いいでしょう。ですが、足手まといになる場合は置いて行きます。」
「分かりました。」
何とか了解を得られた。
その後、任務の内容を詳しく説明された。
基本的に老山龍討伐部隊と合流するのに変わりは無いが、
特殊な部分があるらしい。
「合流するまでのルートに、いくつかの主要な要塞があります。
各要塞には有名な猟団が在り、その中で優秀なハンターたちにも要請が来ているでしょう。
その者達とも合流しつつ、砦へ向うのです。」
聞いてみると、かなりの冒険になりそうだ。
「なお、この任務に当たるのはあなた方だけではありません。」
「じゃあ、他には誰が?」
二人だけだと思っていたが、どうやら違うらしい。
「この私と、レックスの妹です。」
「なんだって!?」
驚きのあまり、声を荒げてしまう。
(レックスさんの妹?なぜ彼女が?)
「何か不満でも?」
ここは抑えなければ。
「いえ、何でもありません。気にしないでください。」
気が動転している僕に代わって、テルノが聞いてくれる。
「ティガレックスの素材はどうなったのだ?」
「集会所の保管庫を借りて保存しています。
加工はされているので、後はあなた方が防具にするだけです。
と言うことなので、素材を取りに行くってください。」
「了解しました。」
依頼書に署名してから、村長宅を後にする。
レックスさんが死んだ後で、妹さんが旅に出たというのは聞いていたが、
よもやこんな形で会うことになろうとは思っても見なかった。
「どうしたのだ?考え込むような顔をして?」
「ん?大丈夫、何でもないよ。」
「ならいいのだが・・・・・。」
ふと思いついたので聞いてみる。
「何でテルノは人間になったんだろう?」
「ふむ、そこが私にも分からんところでな。
何か物をぶつけられたのを覚えておるが、緑のボールのようなものだったな。」
「モドリ玉!?」
そう言われて見れば聞いたことがある、
ドキドキノコの中には、モンスターを人に変える種類のものがあると。
そして、擬人化した人ばかりの村があるという噂も・・・。
「ほぉ、そんな場所があるのか?行ってみたいものだな。」
そんなことを話している間に、集会所についた。
扉を開け、中に入る。
「お?ジェノじゃないか!珍しいなお前が集会所に来るなんて。」
いきなり名前を呼ばれて、少しビビル。
見るとそこには、昔の狩り仲間であるベアルがいた。
「久しぶりだね、ベアル。」
「こやつは何者だ?」
テルノが怪訝そうな顔をする。
「僕の友達さ。」
「そうか。」
「そこらへんを見物してて、少し話してから行くから。」
テルノは頷くとカウンターに向って行った。
すると、ベアルがニヤリと笑ってからいきなり腕を引っ張る。
「お前も隅に置けねぇよなぁ。」
「何のことだよ?」
「は?あんな可愛い子連れてきて、何とぼけてんだ?
なぁ、彼女なんだろ?そうなんだろ?」
「まだそう呼べるような関係ではないけど、そうなりたいとは思ってるよ。」
恥ずかしいが、言い切ってしまうことにした。
現にテルノのことを愛おしいと思うし、自分だけの人にしたい。
「ふぅん、ということはまだ付け入る隙はあるわけだな。」
「今なんて言ったのかなぁ?」
はっきりと聞こえていたが、聞き返してあげる。
「冗談だって、じょ・う・だ・ん♪」
何かキモイ。
「所で何しに来たんだ?とっくの昔にハンターやめただろ?お前。」
これまでの一部始終を話す。
「へぇ、そりゃぁまた面白そうな話じゃねぇか。」
「こっちに取っちゃ迷惑この上ないよ。」
「おい、ベアル!こっちに来な!」
気の強そうな女性の声が聞こえる。
見てみると、綺麗な黒髪を後ろでまとめた、隻眼の大柄な女性が立っていた。
「おう!今行くから待ってくれ!」
「早くしなよ!」
狩にでも行くのだろうか?二人とも武器を背負っていた。
「!?おい!そこのあんた!こっち向きな。」
大声で呼ばれる。俺、何かしたっけ?
「は、はい?」
「どこかで見たことのある顔だね?名前をいいな!」
「ジェノ・マクスウェルですけど?」
何故かフルネームで答えてしまう。
「!? あんた覚えてないのかい?師匠の妹を。」
レックスさんの妹!?
「え!?ハンナさん?」
「覚えてないかと思ったじゃないか、あんたも討伐部隊の一員だろ?
これからよろしくね。」
ガッチリと握手する。
「にしてもずいぶん変わっちゃいましたね、ハンナさん。」
「そうだろう?前にも増して美人だろう?」
「そ、そうですね。ははは・・・・。」
この人のペースには、付いて行けそうも無い。
「おう!だまして悪かったな。
実は俺も、ハンナさんと一緒に同行するんだ。よろしくな!」
今度の握手はそんなに痛くなかった。
「ジェノ〜!」
放置していたテルノに呼ばれる。
「はいは〜い。じゃあ僕は呼ばれてるから、また後で。」
「おう!後でな!」
テルノの声がした方にいってみる。
「素材をもらってきてやったぞ。」
小柄な体で大きな袋を引きずっているテルノは、とても可愛い。
「ああ、ありがとう。」
重そうなので持ち上げようとする。
「うお!?」
担ごうとしたが、そのまま潰れる。
どうやってこんな重いもの引きずってたんだ?
「半分に分けようか・・・・。」
「そうだな、おぬしでは頼りない。」
男として情けなかった。

〜第四章 完〜
537黒麒麟  ◆DwW1NNOOYQ :2007/11/03(土) 06:47:20 ID:FalDYtqS
気張りすぎたせいで疲れちゃいました。

これからはペース落ちるかもしれません。
538名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 12:15:27 ID:JW7IZpBt
別に無理して書くものでもないんだぜ
マイペースで構わないんだぜ
539珍味のひと:2007/11/03(土) 15:48:10 ID:fCGByRoz
ネタが腐りそうなので、書き上げてないくせに投下。
投下自体に8レスほど拝借。
※諸注意
・モンハンぽさはやや薄め
・パロネタ多め
・エロはまだ
・続き物。登場人物説明不足の気あり
・舞台はMHP2。設定間違ってたらすまん
以上許せる方はご覧あれ。
ダメならスルー頼む
誤字脱字もスルーお願い
540むしばむ者ども 1:2007/11/03(土) 15:53:28 ID:fCGByRoz
 あれは何を歌ったものだったか。一節しか思い出せない。
 柔らかに泡立ちうねる波を思わせる、いつか聞いた優しい曲調のあの歌のように。男が水面に漂っていた。
 鈍い瑠璃色の長い髪は水藻みたいに広がり、時々魚につつかれている。
 まったく。顔の良い者の姿ってものは、やらかしているのが奇行でも絵になるんだから得なもんだ。
 
 ここはポッケ村の農場。この村駐在ハンターである私に貸与されている場所で、私のハンター生活を支えてくれる資源を多く生む場だ。
 大きな池だか川だかに桟橋が張り出していて、そこから水面へ釣糸を放てば様々なお魚様方が喰らい付いてくれるという、実に素晴らしい釣りポイントも備わっている。
 そんな釣りポイントだが、今釣糸を垂らしたら、あれが釣れるんだろうか。
 着衣泳なのかなんなのか、水草の塊のようにぼやっと仰向けに浮かんでいるのは、私の顔見知りの同業者だ。
 以前は顔を合わせれば「殺してやる」だのなんだのわめかれたものだが、近頃少しおとなしめになってくれて有難い。
 
 私は桟橋の上にしゃがみ込み、水面に漂う彼に声をかけた。
「あなたって人は、まだ私を殺したいと願っていたのかい?」
 ぼんやりと空を見上げていた黒い目が、ジロリとこちらの姿を捉えるのが見えた。
 彼をよく知らない人ならば、彼の目付きの悪さから睨まれたと思いかねないだろう。
「テメェは殺して死ぬタマじゃねぇだろが。死んでもらっても困るがな」
「びっくりさせ過ぎたら死ぬ場合もあるそうだ。弱ったガノトトスを釣り上げたら死んでしまったという話も、耳にしたことがあるね」
 遠回しに「ビックリさせんな」と言ったのが伝わったかどうか。彼はつまらなさそうに鼻を鳴らす。
 あちらは極々平然としていて、こちらもそう見えるかもしれないが、私はこれでも動揺している。
 考えてもみて欲しい。『さあカクサンデメキン釣って小金稼ぐか』と張り切って釣竿担いでいたところに、ドザエモンもどきを発見したのだ。しかもそれが知人ときたもんだ。
 驚くなって方が無理だろう。
 
 陽射しは暖かく、気温も肌を刺すほどではないにしろ、この村がある山は寒い。ついでに水温だって冷たい。
 村の中央の方には温泉からの湯が流れていて、いかにも温かそうな湯気が出ていたりするが、こちらは鏡面の如く澄みきった水。
 あくまでも冷水だ。
 そんなところに、服を着たまま浮いてるコイツの気が知れないったらない。
 
 申し遅れましてなんだけれど、私の名前はナハエゥア。発音しにくい名前だとよく言われる。
 二十代半ばにさしかかった(自称)中堅ハンターだ。
 口調はこんなのだが、一応女性だと認識しておいてほしい。
 さっきから、プカプカ水に浮いてる描写をしつこく繰り返している相手はノトス。歳は正確には知れないけれど、私と同じくらいに見える。
 彼がハンターという稼業を始めて二年と少し。経験年数だけで表すなら、ヒヨコを卒業して中ビナになりました、くらいの感じと言おうか。
 トサカの生えかけたくらいのラブリーな鶏に例えておいてなんだが、この男が中ビナと共通するのは『黒目がちなのに目付き悪し』という点くらいだ。
 
 とりあえず、疑問をぶつけてみることにした。
「冷たいとか寒いとか、そういうのはないのかい?」
「まあ冷たいっちゃそうだが、水ん中ってのは落ち着くぜ」
 ノトスは言い終わるや否や、しぱっと右手でサシミウオを捕まえた。仰向けに浮いてるくせに、なんと器用な。
 
 プカプカ水面に揺れつつ、鋭い歯でサシミウオをバリバリとまるかじりしている様子を見、私は珍獣を観察している気分になった。
 貝と石でも投げ渡せば、腹の上で打ち合わせて割るくらいできそうだ。
 ヒトの姿をとってはいても、低めの体温、鋭い歯、身体の各所にトゲヒレ付きと、ヤツは結構ヒトデナシ。
 本性はカエル大好きな水竜・ガノトトスだ。竜の姿には戻れないらしいから、元と付くけれど。
 ああ。みんなには ないしょだよ
541むしばむ者ども 2:2007/11/03(土) 15:54:49 ID:fCGByRoz
 
 いい加減、私の畑で暢気に浮かんでいるのを放置するのもなんだから、どうにかしようか。
 管理してくれているアイルーをビックリさせてしまっても、申し訳ないしな。
 水中にいるコイツを引っ張り出すに、良い術は何か。思い付いた私は踵を反した。
 
 私という人間は、たいがい『いらんことしい』といわれる性格だと思う。
 今回も、ただ一言「上がってこい」と声をかければ済んだ話だろう。
 けれども思い付いたからには、やらずにおれなかったのだ。
 何をって、カエルを餌にノトスの一本釣りを。
 
 ガノトトスの一本釣りと言うものを、経験されたことはあるだろうか。
 恐らく中堅以上のハンターなら、一度は経験があると思うが。
 竜の中でも巨体を誇るガノトトスを釣り上げるのは、意外と呆気なく簡単だ。
 勿論ハンターが力ずくで引き上げるわけでない。魚竜は驚くと跳ねる。
 その跳ねる方向を導く感じで釣り上げるだけのことだ。……たぶんな。
 
 「そんな餌で俺が」などと言う間もなく、見事に釣りカエルに食い付いたノトスを、水面から引っこ抜くが如く、釣り上げたまでは良い。
 私が背中から桟橋へと倒れ込み、力の限りに引いた竿の先より伸びる糸は、確かにノトスの口元へと続いていた。
 雫を煌めかせ弧を描いて宙を舞う男の姿は、どこか間が抜けて、それでいて無駄に美しかった。
 桟橋というものが、そう幅の広い物ではない事実を失念していたのは、痛恨であるとしか言い様がない。
 ガノトトスを釣り上げる時はいつも陸地を背にして居たものだが、ノトスを釣り上げようとしていた私の背後にあるものは、水面だ。
 
 プツリと、竿の手応えが軽くなったと感じた次の瞬間。
 頭の向こうで、大きな水音が響いた。
 ああ、フレイルという武器をご存知だろうか。モーニングスターなどという名称のものもあるが、棒の先に分銅が付いていて、それを振り回して攻撃するのだ。
 遠心力ってものを利用するからに、多少非力でも結構な威力が見込めます、などという、大人も子どももおねえさんも使える素敵武器。
 それの分銅のように飛ばしてしまったノトスはといえば、桟橋の反対側の水面に、案外問題無さそうに、またプカリと仰向けに浮いていた。
 餌のカエルはヤツの口にある。
 
 無事っぽいとはいえ、遣りすぎた感はあるので謝罪はせねば。
 私は、カエルをくわえたままジトリとこちらを見詰めるヤツへと、声をかけた。
「すまない」
「あにがしてぇんだ、テメェはよ」
 全くだ。
 出来るだけ、ヤツを怒らせないような言い訳を考えようとしたが、私は弁の立つ方でもない。
 噛み付かれる事を覚悟しつつ、私は正直に告白した。
「あなたの反応が見てみたかっただけだ」
 元水竜は空を睨み、溜め息を吐いた。
 
 すいと泳いで陸に上がった彼は、カエルから離した口元をモゴつかせ、ついでのように何かをプッと吐き出した。
「返しとく。直せとか言うなよ」
 指につままれ差し出されたそれは、切れた釣り針の先だ。
 さっき手応えが軽くなったのは、糸が切れたのでなかったのか。
 ヤツの歯の丈夫さ具合に半ば呆れつつ、釣り針を受け取った。これはどうしようもないから、針だけ買い足そう。
 
 桟橋の上に所在無さげに腰を下ろし、無表情にカエルを食した、水も滴るいいおとこ(見た目だけなら嘘でない)を眺める。
 その時、私の内に今更ながらの疑問が湧いてきた。
「ところで、何故ここに来たんだい?」
 彼がポッケ村の私の家には何度か来たこともあった気がするが、農場に来るのは初めてだ。
 どういう用向き、どういう風の吹き回しかと気になるのも当然だろう。
 ……先に「寒くないか」とかきいてしまったがな。
「アレ届けて来いって、リグがな」
 そう言いながらノトスが顎をしゃくった先に、見慣れない荷物がのたりちんまりと、二つばかり置いてあった。何やら長いのと、背負い袋と。
 彼が呼ぶリグとは、私とノトスの同業者にして保護者的存在の通称『リグレガ』を、更にノトスが縮めたものだ。
「おつかいか」
 私はリグレガの下から離れ、ポッケ村で一人暮らしを始めているが、ノトスは我らが保護者宅で居候の身だった。
 流石にスープの冷めない距離なんてものではないが、たまにお裾分け、などとノトスにアレコレ持たせて送り出してくる。
 有難いけれど、なんと言うか面白がられている気配もしなくはない。
542むしばむ者ども 3:2007/11/03(土) 15:57:00 ID:fCGByRoz
 
 それにしても、荷が有るなら家の方へ向かえば良いのに、何故にわざわざ農場なんかに来たのやら。
 その疑問もノトスに投げてみた。
 ヤツの濡れ髪を割って耳の位置から突き出たヒレが、ヒコヒコと羽ばたくように動く。
 言葉を選ぶ時や考える時、彼のヒレははためく。
 やがてノトスはその低い声で、似合わぬ答えを出した。
「迷った。文句あっか」
 迷える子羊一頭ご案内、とな。
 
 ノトスというハンターの名誉のために言っておくが、彼はややアホだが地図は読める男だ。
 前に言ったとおり、何度か私の家に来たこともある。そして方向感覚が無い質でもない。
 陽の落ちた夜ならともかく、この光柔らかな昼間に迷った、か。
「文句は無いが、迷う理由が判らない」
 全てのものには理由があるというけれど、それをこの男はどんな言葉で表すのやら。
 またヒレをハタと一振り、ノトスは言った。
「この時間帯ならこっちに居るって聞いてたかんな。荷物をさっさと届けるか、テメェのツラ、先に拝むかで迷ってた」
 そういう迷い方とは予想外です。
 
 彼が言うには、農場に来てみたものの、私の姿は見えず、また迷ったそうだ。
 私を待つか、荷を届けに家に向かうか、私を探しに行くか、久々に水に入るか。
 選んだのは、水に入ることだった。元水竜は遊泳がお好きだ。
 ノトスの話を聞きながら、にやつきそうなのを堪えるのが大変だった。
 誰だか知らないが、私の居場所を彼に知らせた人物には感謝しておこう。
 さて、私の畑で迷ったおひとに、カエルの居場所でも教えてみようか。
「理由はともかく、良いところに来てくれたね」
 私はにこやかな表情を作り、浮かべた。
 ヤツは失礼にも、私の顔を見て小さくうめき、後退りかけている。逃がさん、お前だけは……。
 ここのアイルー達は、農場の管理はしてくれるものの、採掘や収穫はあんまり手伝ってくれないからな。猫の手も借りたい時ってものもある。
 純粋に人手が確保できそうなのを、逃す手はないともさ。
 
 岩とピッケルを打ち合わせる鋭い音を縫って、背後から「アリだー!!」という声が届く。
 ポッケ農場の草むらで、虫あみを振るうノトスの姿は虫取り少年の如く。
 セッチャクロアリが捕れたとか、何が捕れたかを嬉々として報告してくれる。
 先程までは畑を掘り返しては「カエルだー」とか騒いでいたが、楽しんで貰えてるみたいで何よりだ。
 服も髪も、濡れたところに土が付いたものだからドロドロで、酷いことになっている。
 あれこれの採取が終わったら、風呂にいれるか。
 
 バリスタに似た投網機をキュラキュラ回頭させて遊び。
 にゃーにゃー呟きながら、虫の木の前でハンマー構えつつ、タイミングをはかり。
 爆弾採掘のために取り出した、大樽爆弾Gを一目見るなり桟橋方向へ後退り。
 トレニャーの小舟が見えなくなるまで見送った後、ノトスはボソッと言った。
「ずりぃっつぅか、優遇され過ぎだろ。こんな採取場所持ちってのは」
 それが駐在ハンターの旨味ってものだよ。
 家だって用意してもらえるんだから、かなりの厚待遇だ。
「私はこれでも仕事熱心だからね。優遇もされようってものさ」
 嘘は言ってないとも。
543むしばむ者ども 4:2007/11/03(土) 16:00:07 ID:fCGByRoz
 
 ばたんと、収穫物収納箱の蓋を閉じ、配達物有りと知らせる札を出しておく。
 これでアイルーが中身をうちまで運んでおいてくれる筈だ。
 ノトスが持ってきた荷物も詰めようと思ったものの、長いのは大きすぎて箱に収まらず、背負い袋の方はノトスに止められた。
 リグレガに「ナハエゥアに渡すまで、猫の手には委ねるな」と言い含められたそうだ。
 仕方がないから、私が持って帰ることにしよう。
 ここまでこの荷を運んできた男は、泥まみれになっているからに、物を持たせようって気にはならない。
 そこまで考え、私はふと思い付いた。
「ときに、ノトス」
「あんだ?」
 私は水面を手で示した。
「もう一度、水に入ろうって気にはならないかな?」
 私のうちに風呂はない。公衆浴場たる温泉の洗い場を泥だらけにするのも、気がひける。
 というか、汚したらキレイにするの、大変だからな。
 
 再び水もしたたるいいおとこ仕様となったノトスを見、私は荷物をかつぐ。
 この形状、この重さ、長い方は大剣か。
 背負い袋の方はモコモコゴロッとしているが、中身は壺あたりと布状の物だろう。
 思いを巡らせかけた私の視界の端に、小さくはためくノトスのヒレが見えた。
 ヤツの名を呼んで、私は自分の耳を指して見せる。
 ノトスも心得たもので、やや面倒くさそうに、ゆるりと髪に布を巻いた。
 この男の正体もヒレ耳も、人には秘密にしている。
 元ガノトトスというヒトの存在を、好意的に受け入れてくれる人ばかりではなかろうから。
 リグレガが冗談めかして、「バレたら捕まえられて、生きたまま解剖されるぞ」とノトスに言うのも、あながち冗談では済まないと思える。
 ヒトの姿をしていても、元は竜だ。ヒトの扱いをされない可能性は少ないとは言い切れない。
 
 大股でうちへ帰る私の後ろを、濡れ鼠のノトスがほぼ同じ歩調でついてくる。
 私たちの背丈はほぼ同じ、脚の長さもあまり変わりない。
 ノトスが中背中肉なのに対して、私が女にしては背高くがっしりとした体格なため、遠目では結構似た感じらしい。
 髪の色や長さや型は、似ても似つかないと思う。
 ノトスの髪は長い。背中の中ほどくらいはあろうか。その色はガノトトスの鱗と同じ鈍い瑠璃色だ。
 だいたいは耳の位置のヒレを隠すため、その長鬱陶しい重い色の髪が下ろされている。
 切りたくて堪らない気持ちを抱かせる鬱陶しさは、もはや仕様だろう。
 一方私の髪はといえば、緑色に染めてある。
 一身上の都合で、緑色が視界に入らないと落ち着かない時期があった名残だ。
 元の髪色が赤に近い茶色なものだから、染める前に脱色する手間などを考えると、もう染めるの止めようかとも思う今日この頃。
 一年くらい前までは、胸に届く長さで保った髪を、三つ編みにして後ろに垂らしていたのだが。
 髪と眉の色が違うと散々からかうアホが居たので、鬱陶しくなって、この村に来た頃に目元を隠す程の前髪をこさえてみた。
 ボブの変形というか、ピースフルハートという名称の髪型だそうだ。
 しかし「怪しい」とか「後ろのチョビ毛は何だ」とか、あまり身内やご近所にも好評でない。
 左目下の涙ボクロが見え隠れするこの前髪の長さ、私自身は悪くないと思うのだが。
 まあ、他人からの理解の得られるものではないからに、これは私の拘りでしかないだろう。
 
 もう少しでうちに着こうという時に、ついてくる足音が止まった。
 何事かと振り向けば、後ろの濡れ鼠がギリ……と歯を擦り合わせた音が耳に入る。
 ヤツの機嫌が悪い時、もしくは考え事の時の癖だ。
 彼の歯の磨耗具合が気になるところではあるが、元水竜だから、結構ポロッと歯が生え変わっているのかもしれない。
 ノトスは小さく鼻を鳴らし、口を開いた。
「ナァハー。キキタイ、コトガ、アルンダケド」
 私も、何故お前が片言なのかをききたいね。私の名前の呼び方も、いつもと発音違うじゃないか。
「何、かな」
 動揺と疑問に、怪訝な表情が浮かぶのを止めようとは思わなかった。
 小さく頷き、ノトスが問う。
「ぅわいとぴあすノ生産必要素材ッテ、ナニ?」
 来る道にあった武具屋さんできけよ。質問の答えは私も知ってるけど。
544むしばむ者ども 5:2007/11/03(土) 16:03:16 ID:fCGByRoz
 
 この男ノトスには、耳たぶというものが無い。
 便宜上ヒレ耳と呼ぶ物は、耳たぶとは違う感覚器官だとかで、敏感な部位らしい。
 基本的に触られるのも嫌なくらいのそこに、穴を穿つなんてことをするはずもなく、ノトスのピアス装着位置は眉の端となっている。
 元から目付きが悪いのだから、眉ピアス装着時の人相の凶悪さたるや。
 知人でなかったら、話し掛けたくない感じだ。
 触るな危険。噛み付きます。そう書いてあるかのように。
 
 ホワイトピアスの生産必要素材といえば、ポッケチケットが入っていたはずだが、他所ではそこはどうなんだろう。
 歩きもってノトスから聞き出した話によれば、先程の片言は、我等が保護者にして私の義兄であるリグレガに、吹き込まれたネタらしい。
 あの人、ノトスに変なこと教えて遊ぶのが趣味だからな。
 それで遠回しに私をからかっているんだから、三十路のくせに、どうにも子どもくさいというか。
 いや、この場に居ない人をどうこう言うのは止そう。
 
 ノトスを家の戸の前に待たせ、私は居間に荷を下ろした。
 濡れ鼠を家に上げる気は、今のところ無い。当初の予定通り、風呂に突っ込んでやるともさ。
 「風呂行ってくる」と一声かけると、黒い毛並みのアイルー、カーリーが糠袋を持って小走りで現れた。
 彼女は、猫なのに大の風呂好きだ。
 度々温泉に浸かりに行っては、湯中りし、溺れかかっているところを村の皆様に助けてもらっているほどに。
 こういうのも下手の横好きと言うのだろうか。
 違うかもしれないが、『お風呂セット』の準備を嬉々としてやってくれるから、そこは重宝している。
「帰ったらご飯食べたいな。大食らいが来たから沢山めでお願いね」
 ついでに飯の事も頼んでおいた。外で待たせている客は、地上の大食漢。並の量では足りないからな。
 
 さて、着替えと手拭いの用意も済んだ。いざ行かん。湯煙の奥底へ。
 
 内心一寸盛り上がりつつ、バーンとォ玄関の戸を開けると、うちの前で濡れ鼠ノトスとアイルーがなにやら話し込んでいた。
 あの猫、『黒くてでっかいトゲトゲ』のことを話しているな……。何だったっけ、アカムンムン? 違う気がする。
 ええと、アーカムトロンベだかなんだか。そんな竜の伝承があるという話だ。
 口に出すという事は、呼ぶ事に繋がるという。
 私の故郷ではそんな風に教えられたものだが、アイルーにそういう風習はないらしい。
 それはそうと。種族が違ってもノトスの人相の悪さはわかりそうなものだが、アイルーというのは恐いもの知らずだな。
 
 ノトスの相手をしてくれていたアイルー(そういえば名前を知らない)に手を振り別れ、私はまたノトスの前を歩く。
 この雪山の村で屋外に放置されていた濡れ鼠は、震えるでなく顔色が変わるでなく、平気そうだ。
「なぁ、ナッヘよ」
 後ろからヤツの低い声がかかる。お忘れかもしれないが、私の名前はナハエゥア。
 ノトスはそれを縮めつつ、私の故郷の発音をちゃんと再現している。
「なにかな、ノトス」
 歩みを続けたまま、私は応えた。ざりざりと足の下の湿った砂利が鳴る。
 とても嬉しい事にうちから少し歩けば、公衆浴場はすぐだ。湯冷めしにくいこの近さ、立地もバッチリじゃないか。
「そーいや、どこ行くんだよ」
「風呂だよ。ここは温泉地だからね、露天風呂ってやつだ」
 後ろから、足音に混じってギリギリと歯ぎしりが聞こえた。
 何か考え込むような事があるかい。
 暫くの無言の後、声にためらうような色を滲ませたノトスが言った。
「……風呂っつぅと、湯に入るのか」
 ああ、ためらうというより嫌そうだ。
 リグレガによれば、ノトスは行水好きらしいが、寒冷期でも水かぬるま湯でしかやらないとかなんとか。
 私の故郷の方では、風呂といえば川で水浴びか蒸し風呂だったが。
「この寒いのに、水風呂に入ろうなんてヒトは、自殺志願者と同義だな」
 小さな声で「やっぱり湯かよ」と濡れ鼠はぼやく。
 むしろ冷たいのや生ぬるい温泉は、がっかりすると思うが。
「やけどしちまうだろ」
 自分が丸茹でされている様子でも思い浮かべたのか、ノトスはうなる。
545むしばむ者ども 6:2007/11/03(土) 16:07:44 ID:fCGByRoz
 
 もうもうと、まさに天然の煙幕と言った感じの湯煙に、独特の湯の匂いが混じり鼻や耳に染むようだ。
 公衆浴場と言っても、脱衣場が備えられてちょっとした囲いの付いた天然温泉に過ぎない。
 余談だが混浴だ。田舎ってそんなものだな。私の故郷もそんな風だった。
 脱衣場の様子を見るに、どなたも入浴中ではないらしい。
 ヒレ付きの男を連れてる身としては、願ったり叶ったりと言うやつだ。
 すのこを素足で踏む音を、ポクポクと確かめているヤツへと手を突き出して、私は囁いた。
「身ぐるみ置いてきな」
「あぁ?」
 ノトスは思いっきり半眼になった。
 濡れた服をそのまま畳んで置いておくのもなんだから、絞っておこうと思っただけだ。他意はない。
 最近思うに、私はこの男に対して、選りすぐりの紛らわしい台詞を吐く癖がある。
 顔を合わせば喧嘩する仲だった期間が、長かったせいかもしれない。
 
 私の手を見詰めてうなっていたノトスの眉の端が、少し跳ねた。
 続いて口の端も吊り上がり、ギザつく歯を覗かせてギタリと笑う。さては、ろくでもないこと思い付いたな。
 髪に巻いた布を取り、私の手へ押し付けながら、服の胸元を寛げ始めたヤツは、変にどすを利かせた声でこう言った。
「見ちゃダメ」
 
 
 言葉のわりに、ノトスは隠すでもなく衣服を手早く脱いで、私へ寄越した。
 風呂とは別な意味で、裸の付き合いのある仲なものだから、実に遠慮もない。
 照れも見せずに全裸で腕組みしつつ、仁王立ちされるのもなんだが。
「で、どうしろってんだ?」
 再び露になったヒレ耳を、ピッピと震わせながら、ノトスが尋ねる。
「どうも何も、掛かり湯してから風呂に入りたまえよ」
 他に何しに来たって言うんだか。
 目付きの悪い(ヒレ付きボディ)裸漢は、応と頷いた。
 手拭い寄越すから、とりあえず前くらい隠そうな。
 
 絞って振って、畳んで叩いてシワ伸ばし。
 この雪山の村に着て来たにしては、軽装過ぎる布の衣服の脱水を終えた。
 あとは囲炉裏の側で吊っておけば、今夜の内には乾くだろう。
 濡れた足を突っ込んだ靴の中身も乾くのか、そこは怪しいものだ。
 さておき、私も風呂に入るとするか。
 丈夫さが取り柄の、男物と変わらぬ質素極まりない服を脱ぎ、色気のイの字もない下着も取っ払う。
 それらを簡単に畳んで置いた。
 髪を適当にまとめつつ、不揃いな長さに切ったのは失敗だったかと、少し思わなくもない。
 
 糠袋と手拭い片手に洗い場に出てみれば、ノトスの姿はなかった。
 妙な水音が聞こえ、湯煙に白ける視界に目を凝らせば、岩風呂の縁にヤツは腰掛けていた。
 爪先だけで湯の水面をペチペチと叩き、何かぼやいている。
「……やっぱり変だろ。水は冷たい方がいいっての」
 細かにヒレを震わせ、ノトスはギーリギーリと歯ぎしりを始めた。今度のは不機嫌の歯ぎしりかもしれない。
 掛かり湯しつつも、私は考えてみた。ノトスという生き物は、何だか体温が低めだ。触るとひんやりする。
 そういう生き物にとって、人肌では「少し熱め」くらいの湯温はキツかったりするかもしれない。
 ヒトの姿をとってはいても元竜なこの男、その身に毒に成り得る物が何かすら、解らないのだ。
「無理に入れとは言わない。体洗っておきなよ」
 ノトスはまた、応と言った。
 
 
 湯煙の中、いい歳の男女が裸で二人きりという現状だが、することといったら一つしかない。
 繰り返すようだが、身を清めることだ。何せここは浴場だから。
 一年ほど前か。村に来たばかりの頃に、噂好きなご近所さんに釘刺されたもんな。曰く。
「温泉でいかがわしい事なんかしちゃ駄目よ。罰当たるから」
 たぶん『公共の場はみんなでキレイに気持ち良く使いましょう』とかの意味合いを含むのだろう。
 いかがわしいコトする相手も居ない頃だったから、話題は受け流したものだった。
 そもそも罰が当たる云々がなかろうと、公共の場でいかがわしいコトする趣味はない。
546むしばむ者ども 7:2007/11/03(土) 16:10:55 ID:fCGByRoz
 
 糠袋を手拭いに絡め、これで身を清めろとノトスに手渡した。
 自身の手と私の目へ交互に視線を移すヤツは、何か言いたげだ。
 受け取った糠袋の匂いをふんふんかいで、「猫くせぇ」とノトスが呟く。
 ……カーリー、さては私の糠袋使ったな? 長持ちするものでもないし、別に良いけど。
「猫くさい以前に糠くさいだろう。細かいこと気にしてたら、デコがじわじわ広くなってしまうよ」
 というか、知らなかったかもしれないが、人が(ついでに猫が)身体擦るのに使った物をにおぐなっての。ナチュラルに変態め。
 私は私で、とっとと軽く体を洗うのを済ませて風呂に浸からねばな。
 湯煙が漂っていようがなんだろうが、雪山の屋外で素っ裸は死ぬる。
 
 
 かっぽん ざばーっ かっぼ ざざー
 
 洗髪も髪長いと大変なんだよなと、湯に浸かりつつ湯を汲んだ手桶を幾度もノトスに渡しながら思う。
 長いが真っ直ぐで硬質なヤツの髪は、もつれ知らずなため比較的楽に洗えるそうだが。
 濡れると虹色を帯びるそれを見るのが、私は好きだ。
 たまに髪を割って立ち上がる後頭部の小さなヒレが、小さく揺らめくのを見るのも好きだ。
 元ガノトトスのこのヒトは、水竜の持つ光り物っぽさの名残がある。
 男の体の一部をこう表現するのもなんだが、ノトスの濡れ髪やヒレは綺麗だ。青貝の裏のピカピカしているのに似ている。
 綺麗な物が嫌いな人がいて?
 ……何が綺麗かは主観によるし、時々は嫌いな人もいらっしゃるだろうな。
 
 場の雰囲気はすっかり『野郎二匹、野良仕事の後に一っ風呂』といった感じだ。
 洗髪を終えて、軽く髪の水気をきったノトスは、ヒレ耳を羽ばたきのように動かしている。
 また歯ぎしりしているところを見ると、考え事か。
 ぱたと、濡れたヒレがはためく音を聞いた。
「なぁ、おい」
 ノトスの指が、私の頭を差す。
「俺のも、テメェのみたいにやってくんねぇか」
 髪まとめてちょーだいってことかい。
547むしばむ者ども 8:2007/11/03(土) 16:14:20 ID:fCGByRoz
 
 自分の髪くらい自分で扱えるようになれと、言いたいところだが。ノトスがヒトになって、二年と少ししか経っていない。
 彼の見掛けは成人男性だが、見掛けに見合う経験が積まれて来た訳ではない事を、私はよく知っていた。
 実質中身は二歳児だから、何でも人並みに出来るかっていうと、それは無理だ。字の読み書きが怪しいとか、食器の扱いがまだ下手だとか。
 形がヒトになったからといって、急に何でも人並みにこなせるように成るなんて、都合のいい話はないようだ。
 元々ヒトに生まれても、身も心も大人に成るまで十数年以上かかるものな。
 細かい御託はともかく、私はノトスからのお願いに応じるべく湯から上がった。
 
 髪を伸ばした経験のある者なら理解できるだろうが、濡れ髪は重い。
 ノトスは元々重い髪質だから、それが落ちてこないようにまとめるというのは、少しばかり難しい。
 密かに四苦八苦した揚げ句、仕上がりは多少不恰好だったが、私の本職は髪結いでないから、まあ良しとする。
 言い訳すると、他人の頭を触るのは勝手が違うとか、この男の背面が危険過ぎて身を寄せにくいんだとか、そんなところだ。
 その背中には羽根が、でなく。小振りだが、有毒なトゲを備えたヒレが生えてる。裸でそこに身を寄せるのは、胆が冷えないと言えば嘘になる。
 それでも何とかヤツの願いは、果たしたのだ。
 安堵の息を吐く私の前で、「きぅーるる」とか変な音を出していたノトスは、また言った。
「ついでに背中流せつったら、殴るか?」
 
 確かに、背中は自分ではキレイに洗いにくい。
 手拭いの両端握って擦るのも、背骨のところにヒレがあるから、何か障りがあるだろう。
 柄付きのボディブラシがあれば良かったが、生憎そんなものは用意していない。
 そこまで考えて、私は溜め息を吐いた。
「殴りはしない」
 ノトスが手拭いと糠袋を私に返す。この様子だと、たまにリグレガにも背中洗わせてるんだろうな。
 むしろ二人仲良く流し合いとかしてる可能性も無くはない。なんと妬ましい。
 いやいや、勝手に妄想して嫉妬している場合でもない。
 脳裏に浮かぶ、腰に手拭い巻いて「風呂はいいぞう」と爽やかに笑うリグレガの姿を押しやる努力をしつつ、私は言葉を続けた。
「しかしながら、そういうのは女性の方から申し出るのを待ってみるのが、殿方のたしなみというものだと憶えておこう」
 そんなたしなみ、聞いたこともないがな。
 私のホラを鵜呑みにしたのか聞き流したのか、ノトスは応と頷いた。
 
 絶好調である。
 何がって、ノトスの背中を洗う私の手指の動きがではない。
 ヤツが立てる「きゅー」だの「きゅりるる」だのの、変な音がだ。
 初めて聞いた時は、腹の虫の鳴き声かと思ったものだが、最近気付いた。これは鼻歌みたいなものらしい。
 他人に洗って貰うのがそんなに好きなのか。
 背中を流すと言えば、同僚の女性に聞いた話では、我が身にシャボンを塗り付けて、ヌラヌラむちむちと『洗ってあげる』お遊びもあるそうだが。
 この男の背中にソンナコトやらかそうものなら刺さるな。トゲが。そして毒で昏倒だ。
 間違いない。
 でも背中でなく腹側なら出来るか、ヌルヌルむちむちと。
 ……迂濶にやらしい事を想像したせいで、少しその気になった。ヤバいヤバい。
 痒いところに手が届くってほどではないけれど、本人で洗い難そうな箇所は洗い終えた。
 距離を取れる口実があるうちに、さっさと離れるに限る。
 私は再び糠袋と手拭いをノトスに押し付け、努めて芝居がかった口調で言った。
「後は自分で出来るだろう。さあ、心行くまで己をたんと磨くがいい!!」
 あ、舌打ちしやがった。
548珍味のひと:2007/11/03(土) 16:16:30 ID:fCGByRoz
以上で投下終了。あと二回投下で終わると思う。
少しだけ言わせて欲しい。
 
ほわいとぷらんのCM更新早いよ。犬かわいいよ。
SaGaネタ好き過ぎですまん。エロくなくてすまん。
食前絶後やヒラサワ御大ネタが通じるとは、油断ならないスレだ。
 
ではまた。
549名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 16:31:17 ID:10YlfXM2
よし、GJの前にとりあえずひとつだけ突っ込もうか。

ミスカトニック大学の所在地でもなければ黒い機体の竜巻兄貴でもねぇよ!
アカムトルムだよこんにゃろぅ!

というわけで俺の気が済んだところでGJ!
550名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 18:50:34 ID:rmPDbPcZ
GJGJGJGJGJGJGJGJGj(ry
ノトスかわいいよノトス
551名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 18:59:42 ID:zdOQ3wc5
ナッヘは
実は
男鳴かせ
552名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 21:47:39 ID:taaD2P0m
珍味の人GJ!

しかし、スレの要領そろそろヤバくないかい?
553名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:01:20 ID:1hvi29iI
グッ…GJなんて言わないんだからっ!!//
554名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:12:58 ID:WwCeLqst
読めば読むほど皆GJですね。
ふと思ったのですが、前スレでぴ〜ちゃん書いていた方は書くのを止めてしまったのですかねぇ・・・
あの話し好きだったんですが(笑)
555名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:15:21 ID:C3zJoOOH
な〜に、二スレか初代から全く筆が進まない未完作品をちまちま書いてるヤツもいる
気長に待とうぜ
556名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:34:38 ID:3TGP/xdW
>>555
俺のことですか
557名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:42:11 ID:+WBnE7Pc
>555
554のことだと思うぜ
558名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 22:43:04 ID:+WBnE7Pc
555のことだしかも誤爆した
559名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 23:50:46 ID:RWVv359f
560名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 00:12:03 ID:ZIAAiWXR
>>552
ウボアほんとだ。現在491KB。

他力本願で済まないが、誰か建てられる環境の人がいたらお願いしたい
561名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 00:53:06 ID:cVzgQbRa
一応たてといた
【MH】モンスターハンターでエロパロ 9匹目【モンハン】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1194105107/
562名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:39:46 ID:UpUy/gbo
思えばラージャンのオラオラパンチのように怒涛の投下だったな、このスレ。
夏とどっちがスレの消費早かったろう。
563名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 03:55:08 ID:+l87ECto
珍味さんGJ!
月光蝶である!!


さて、埋めるか。
564名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 10:25:55 ID:YeJ4nz3M
ここのスレってレベル高い人多いよな…。
なんか他のエロパロスレと違ってエロよりストーリー重視のものが多いし。
ちょっとしたアンソロジーみたいに思えることもある。長編多いが。
これも決まった主人公とかがいないモンハンと職人が合わさってこそ成せる業なんだろうな。
とにかく、このスレの雰囲気はかなり好きだぜ
565名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 22:32:48 ID:8FDQMDX9
某耳スレと似たような空気があるな
566名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 00:25:14 ID://fMOGhJ
>>565
貴様っ! 見ているな!
567名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 09:36:56 ID:GtiSAJrS
梅…って言うにはまだ中途半端に要領余ってるな…
568名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 19:31:24 ID:+xXav9iR
一万年と二千年前から愛してる〜♪
569名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 23:30:47 ID:E1p09qLp
MHエロパロスレ夢パーティは普通だから置いといてMHエロパロスレ悪夢パーティを妄想するのはどうだろうか
570小ネタ 1:2007/11/06(火) 00:24:39 ID:3h9eGC8r
空気も読まず埋めに小ネタをば
 
 
 
岩壁に囲まれ、木々に覆われた静かなこの場所にポチャリと水音が一つ。
木漏れ日たゆたう水面に、突き立つ浮きが揺れていた。
ここ森と丘のベースキャンプにて、釣りに勤む人影二つ。
 
「……見えざる魚影はじけイワシ。雑魚らしく群れてくれたら良いのに」
「投網放つだけで時限爆弾出来そうだな。それは」
 
ビストロエプロンや狐の面を身に付けた女性と、屈強な巨体にマカルパシリーズを纏った男性と。
彼らがここに居るのは、何らかの依頼を請けたからではない。ただ単に、付き合いで素材採集ツアーに来ているだけだ。
そう、ここに来たハンターは三人だった。
 
* * * * *
 
もう一人、イーオスーツを着込んだ男はベースキャンプに着くなり、携帯用折り畳み式釣竿を前に言った。
 
「俺はこの赤の浮きを選ぶぜ!」
 
浮きの色がなんだろうと、釣竿の性能には変わりないのは確定的に明らかだ。
イーオスーツを着込んだ男・エチゼン(仮名)にカジキマグロを釣り上げさせようと、マカルパシリーズを纏うガンナー・グレッグ(仮名)がこの素材採集ツアーを組んだ。
そのはずだったのだ……。
 
* * * * *
 
珍しいことに、森と丘に現れたゲリョスを「せっかくだから」討伐しようとしたのが、エチゼンの暴走の始まりだったのかもしれない。
間合いの取り方を間違っているエチゼンは、あからさまにクリムゾンブロスの、いや、ランスの扱いに不馴れだった。
ビストロエプロンをなびかせつつも、麻痺牙が埋め込まれた片手剣・デスパライズで的確に毒怪鳥へ斬り付けるダニー(仮名)とは対照的ですらある。
グレッグは「一発だけなら誤射」と言いつつも、彼のショットボウガン・碧から放たれる弾は、正確にゲリョスのトサカにダメージを与えている。
毒怪鳥につつきまわされ(エチゼン「くっそぉ」)、光り物を盗まれ(エチゼン「このやろぉ」)、毒液を吐きかけられ(エチゼン「やりやがったな!」)、伸びる尻尾でぶたれたエチゼンは、ついには怒りが有頂天。
 
「クリムゾンで皆殺しだ!」
 
怒る心に火をつけて、ゲリョスよろしく激走ランサーと化した彼だが、怒るくらいでパワーアップとか、秘められた力が開放されるとか、そんなに都合の良いことはない。
案の定、突進はゲリョスには当たらず、ダニーをはね飛ばして足を引っ張る結果しか生まなかった。
そんな惨状を目にし、グレッグは小さく呟いた。
 
「オーノゥ!」
 
* * * * *
 
571小ネタ 2:2007/11/06(火) 00:28:17 ID:3h9eGC8r
 
グレッグとダニーの手堅い攻撃がゲリョスの体力を削り、トサカを失った毒怪鳥は地に倒れ伏し、動かなくなった。
幸いにもネコタク出動の事態は回避された。
だがしかし、ここに倒れたものは毒怪鳥だ。
いそいそと短刀を抜き、剥ぎ取りにかかったエチゼンを、グレッグが止める間もあればこそ。
死に真似で油断を誘った毒怪鳥の翼の一撃は、イーオスーツの男を宙へと跳ね上げた。
あまりにもな惨状を目にし、グレッグは再び呟いた。
 
「オーノゥ!」
 
* * * * *
 
「ところで、カジキマグロを釣りに来たはずのアイツはどこへ?」
 
黄金魚を釣り上げるための餌を切らしたらしく、ダニーはすり鉢を取り出した。練り餌を作るのだ。
 
「ああ、『サシミが俺を呼んでいる』とか叫んで、森の奥に走ってった」
 
当初の目的であるカジキマグロは、森と丘ではベースキャンプにしか棲息していないのに、である。
 
「ところで、グレッグは何してるの?」
 
先程まで自作の肉焼きソングを歌い、肉を焼いては掲げていたグレッグが、今度は小瓶を並べ出したのをダニーは興味深そうに見た。
グレッグは道具袋に手を突っ込んだ。
 
「右手に釣りホタル、左手に特産キノコ。瓶に詰めて、一振りすればなんとまあ……」
 
マカルパフードの奇妙な仮面の下でグレッグは不敵に笑う。
 
「ハチミツの出来上がりぃ、か。ソレは本当にハチのミツかと小一時間(以下略」
「まあ、あれだ。細かい事は気にすんな」
 
うむと、二人は頷いた。
その時、ベースキャンプ入り口の方から足音が響く。
 
「見てみろグレーッグ! こんなでっかい不死虫とれたっ!!」
 
虫を掲げ持ち、イーオスーツの男、エチゼンは興奮もあらわな声で叫んだ。
対してグレッグは、どこか疲労感を漂わせて呟く。
 
「サシミウオはどーしたんだ……?」
 
追及する気も無いダニーは我関せずとばかり、餌を練り練りグレッグ作の歌をひっそりと口ずさんだ。
 
「串に刺して グルグル回して 焼こう 焼くぜ 焼けば 焼ける よく焼けた♪」
 
 
エロも落ちもなく終わる。
 
一応補足すると舞台はMHP。
俺がMH始めたのが去年の今頃なんだ。
まだハチ箱拡張出来なかった頃、よく森と丘のツアーに行ってハチミツ採取&調合した思い出を書いてみた。
いちいち肉焼きに行かなきゃならなかったのも、面倒くさかったな。
誰かと一緒にやって、目的と違うことごちゃごちゃされる事とかもあるよな?
各々慣れない武器かついで行って、ヒャッホイすることもある……のか?
572名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 00:32:09 ID:3h9eGC8r
>>569
詳しく話を聞こうか…例えばどんな?
573名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 09:09:10 ID:1ZBRZGDa
>>572
ぐっじょぶ。その勢いでエロも(ry
一ついうなら、錬金術はてのひらをパンと合わせて(ry
574名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 18:18:38 ID:nN9lr7st
 
575名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 20:26:30 ID:iC6YzN+D
>>573
テラハガレンwww
576名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 20:54:42 ID:3h9eGC8r
>>573
敢えて『試験管の変な液体混ぜ合わせて煙をボフーンさせてる練金術師』のイメージでひとつ。
アクア・ウイタエだって作っちゃう是
577名無しさん@ピンキー:2007/11/06(火) 21:12:26 ID:SB6oiy1n
>>573
俺としては鍛冶も調理も錬金術も同じ釜でやっちゃう方で
目指すは賢者の赤水晶
578小ネタ:2007/11/07(水) 02:13:53 ID:1NrfX0rA
>>567
そんなアナタへ。
 
ヌコ「旦那さん、今夜のご飯は何にするニャ?」
 
女「いつも思うんだけど、その『旦那さん』って呼び方はどうかと思う」
 
ヌコ「どうかって、どう呼ばれたいのニャ。『マダム』とか『姐さん』とかニャ?」
 
女「それもちょっと嫌だな」
 
ヌコ「ならガタガタぬかすなニャ。これやるから黙ってろニャ」
 
つ 【アイルー食券・梅】
 
女「解雇しようかなぁ……この猫」
  (;´・ω・`)
 
しかしどの猫も『旦那さん』と呼んでくる罠。
 
 
エロも落ちもなく終わる。
 
MHPの頃からずっと思ってるんだ。
プレイヤーキャラクターが女性でも旦那さん呼びって、違和感あるなと。
579名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 08:08:25 ID:lmKOEoow
旦那という語は主人の意を含む場合があるので間違いではない。
言われて見れば違和感あるな。
580名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 12:12:08 ID:rfKpMryl
女将ってのもな・・・
某食通ツンデレに呼ばれそうだし
581名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 13:54:43 ID:Kjw73QS4
「このハリマグロの刺身を作ったのは誰だぁ!?」
582名無しさん@ピンキー
>>581
不味い飯作られて、そう言いたいのはハンターの方だろ
猫どもの逃げっぷりもたまに見てみるか…