「おーーーーい! 美童ってば!」
大きく揺すられて僕は一気に覚醒した。
「おーーー。やっと起きたかっ」
そこにはドレスを脱いでいつもの陽気な悠理が僕を覗き込んでいた。
「腹減っちゃってさー、ルームサービスで朝食頼んだから一緒に食べよう!」
「おはよう悠理」
僕が朝の挨拶がてら頬にキスをすると、一気に悠理が後ろに飛び退った。
「げ。気持ち悪いことするな! …って、まぁ美童だからしゃーないか。そういう人種だし。そんな
ことより冷めるから早く食べようぜー!」
あれ?
これは…嫌な予感。僕は恐る恐る悠理に尋ねた。
「…あのさ、悠理は昨夜のこと覚えてる?」
口いっぱいにパンを頬張り、ベーコンを咥えたまま悠理は答えた。
「むぐ。ええとー。ディナーの途中から記憶がないんだよね。あのドレスが胸がキツくて飯食う気に
ならなくてさー。仕方なく酒ばかり飲んでたからなー」
はい?
ちょっと待て。じゃぁ、あれは落ち込んだとかじゃなくて、食事が思うように取れなくてヤケ酒で悪酔い?
「ってことは、この部屋でワイン飲んだことも?」
「うーん。飲んでワーワーしゃべった気もするけど、全然覚えてないや! 暴言はいてたらゴメン!」
きっぱり、さっぱり、すっきりそう言い切ると、悠理はオムレツを一気食いした。
ああ…。
悠理を僕の理想の女性へと育て上げる「マイフェアレディ」計画が音を立てて崩れていく…。
「美童ーっ! 美童の分のオムレツも食べてもいいー?」
食欲魔人と化した昨夜の女神を前に、僕は深い深いため息をついた…。
Fin
勢いでやった。今は反省している。
バカップルじゃなくて、ただのおバカな美童になってしまった。
しかも連投にひっかかってるしorz