27 :
中津→瑞希 1:
やっぱり、あの二人絶対もうなんかあったよな…。雰囲気変わったし。
中津は食堂で瑞稀と佐野が仲良く話している様子を見てためいきをついた。
そりゃとっくに振られてはいるけど、やっぱり辛ぇな、はぁ。
「中津、ジュリエットの事はもう諦めろ」
いきなり後ろから耳元で囁かれる
「おわぁっ!な、難波先輩!い、いきなりなんすかっ!」
「ありゃ、もう無理だ。お前もとっとと次探した方がいいぞ」
中津の視線の先を見ながら隣に座り、案外真面目な顔で難波が言う。
「…わかってますって…、別にそんなんじゃないっすよ…」
「お前さ、女の子紹介してやるよ、可愛い選りすぐりの」
「先輩の紹介って…なんか……、先輩こそ彼女作んないんすか?」
「俺?俺かあ、なんかちょっと独りもいいな〜って思っちゃってよ」
「独りがいいんすか…まあ今まであまりに忙しそうでしたよね」
「おう、でもま、コネは健在だし彼女作る手伝いくらい出来るぜ」
「彼女っすかぁ…、う〜ん…」
ふと中津の胸にこまりちゃんの最後の泣きそうな笑顔がよみがえった。
「…やっぱり、俺今は彼女とかはいいっす…まだ…」
きっと瑞稀へのこの気持ちはすぐには断ち切れない。
「そっ、か…。ま、じゃあ女紹介してやるよ」
「は?いや、だから彼女は…」
「女の子じゃなくて、お・ん・な。女だよ、中津」
例のセクシーな声で難波は中津の耳もとで囁いた。
「はぁ、はぁ… あっぁっん…!それ、それ…いぃっ…!」
中津の下で長い髪をせつなそうにかきあげて女が乱れている。
「っくっ…!っ…」中津は自分の快感から気をそらして耐えながら
腰の動きを強めて更に女を責め立てる。女は中津の肩にしがみつき
「あっ、だめっ…、だめ、そんなにしちゃ…!あぁ、も…もぅ…!」
肩にするどい痛みが走り、腕の中の女が一瞬強くのけぞったかと思うと
しどけなく力を抜いて肩で息をしながら横たわる。
そのイッた姿を見届けて、中津は体勢を変えた。
女の足を片方抱えるとより深く挿し込み動きを早めていく。
「んんっ…、ぁあっ…、ま、またぁっ…んっ…」
また女が喘ぎ出すが、今度は自分の快感に集中して動きを早め
「っぁっ…!!」と薄いゴムの中に全てを注ぎ込んだ。
28 :
中津→瑞希 2:2007/10/07(日) 13:21:20 ID:Ea1sBjrk
難波先輩が次から次へと紹介してくれる女は実に様々なタイプが居た。
それでも、その中に瑞稀を思い出させるタイプは一人も居なくて
途中でそれに気付き、気配りが流石だよな〜とやけに感心しながらも
それぞれの女を抱いていたが、始めは夢中だったそれも大分飽きてきた。
その分の余裕からくるのか、どんどん周りの女は体を求める相手として
中津を誘ってくる回数が増えていく。
『よく分かんねえもんだよな…。ま、自分でも上達したとは思うけどよ』
中津はサッカーの練習と気が向いた時の女遊びに打ち込む毎日だった。
サッカー部の連中に、着替え時に背中の爪痕を指摘されたり
女と会っている所を目撃されたりして、彼女が出来たのか!?と
聞かれたりもしたが適当に返事をうってやり過ごしていた。
「中津、年上の女とはどーよ。くーっ羨ましいぜ」
「…別に…。あんまサッカーと変わんねぇよ…」
「は…?どーゆー事どーゆ事?」
「様々な壁を、色々技を魅せながら進んで、ゴーーッル!って感じかな?」
(そして、やってる時は他の事を考えず、した後は良く眠れる所が)
「…中津、なんかすげー、大人だな…」
そんな日々を過ごしている内に 、瑞稀と佐野の姿を見ても
「あの二人がキスして、だ、抱き合って…、そしてっ…、うっ!」
という想像で胸を掻きむしって気が狂う程の嫉妬は治まった。
何よりも瑞稀がすごく嬉しそうなのが、中津の心を落着かせた。
しかも、佐野が瑞稀を大事にしているのがさりげないながらも
良くわかるので、中津も認めざるを得なかった。
なのに、ここ最近瑞稀の表情が暗い。あの輝く笑顔がない。
笑ってはいるがどこか辛そうですごく気になる。
『喧嘩でもしたのか?』とも思ったが、避け合っている感じもなく
中津と3人で食事をしたりしている時はいつも通りの二人である。
佐野も陰ながら他の男から瑞稀を守ったりと、特に変わりはない。
「二人にしか分からない問題…か…。告白しちゃった後の俺に
瑞稀も佐野の相談はしねーだろーしな…」
自分にはどうする事も出来ないと諦めつつ
瑞稀が暗い顔してるのを見ると辛い気持ちが増すのだった。
29 :
中津→瑞希 3:2007/10/07(日) 13:22:43 ID:Ea1sBjrk
その日は、フリーキックの居残り練習をしてすっかり遅くなってしまった。
一人で道具を片付けてシャワーを浴びようと更衣室に向かうと
ドアの前に知った顔の女が立っている。
「お疲れさまぁ、カッコ良かったよぉ。あの時とはまた違う顔だね」
「リナさん?どーしてここに?」
「携帯繋がんないし、ミナミに聞いたら多分サッカーしてるって」
「だからって…、何かあったんすか?」
「うーん、何かってゆうか、単に寂しくってぇ?えへへぇ」
「えへへぇ…じゃないっすよぉ、また彼と喧嘩でもしたんすか」
「違うよぉ、電話で話してたら彼に会いたくなっちゃってぇ」
「…でも会えないからここに来たってやつですね…」
「うーん、せめて秀一くんに慰めて貰おうっかなぁって?」
「でたよ…」中津はリナの訳の分からない理由に苦笑した。
社会人のリナには長い付合いの彼がいるが、遠恋らしい。
難波が最初に紹介してくれたのが彼女で、初めての中津の相手だ。
初めてで焦る中津を上手く導いてくれて、その後も何度か寝ている。
かといって好きという感情はない。会えなくてもがっかりしない。
多分、中津の前で嬉しそうに彼氏の話をするのが気が楽なのだ。
リナは、遊びで寝る他の女たちのように性的欲望が強くもないのに
何故浮気をするのか不思議に思い尋ねたが
「だって彼氏に甘える負担が軽くてすむでしょぉ?」
正直良く分からない答えが返ってくるだけであった。
中津を選んだ理由は「彼の匂いと似ているから」らしい。
「リ、リナさん…、俺には、もういい、よ…っ」
中津はベンチに座っている自分の股間にしゃがみ込み
丁寧に愛撫を続けているリナの肩を撫でながら言った。
でもリナは止めようとせず、ねっとりと舌と唇で吸上げては
また全体を飲み込むのを繰り返す。リナの慣れた舌技の良さに
中津も抗えず、リナの髪を触りながらされるがままになる。
「っく…、っも…、もうマジでヤバいって」
さすがに限界になったので、リナを抱き上げベンチに横たえると
その体に舌を這わせ、感じる場所をなぞっていく。
「ぁん…、もぅ…もう…きて…?」リナが切なそうに喘ぎながらいう。
それを聞いた中津は準備をすると、ゆっくりと入っていく。
その前に散々した前戯でトロトロになっているリナのそこは
直前に限界を迎えそうに刺激をされていた中津には甘過ぎた。
「っ…わりぃ、おれ…ちょっと、もたない…か、も…」
中津は耐えながら動くが、既に中津の舌で1度イッてたリナは
「っや…、ぁっ…ん…、あ、あたしが、ぁ…、んもぅ…っ!!」
とすぐに意識を手放したので、ホッとしながら中津も緊張を解いた。
「秀一くんって彼の代わりに抱いてくれてるの?」
「え?」制服のネクタイを締めながら中津はリナを振り返る。
「なんか…、そんな気がして…。私は嬉しいんだけど…」
確かにリナとする時は、いつも気持ちを優先して抱くことを
考えている気がする。だからかいつも行為が長くなってしまう。
「うーん…、リナさんが彼を考えて抱かれてるからじゃね?」
「…それって嫌じゃないの…?」失礼だよね…リナが呟く。
「おれ?…あー…、嫌?じゃない、かな? うん嫌じゃねぇよ」
「じゃあ、秀一くんも彼女の代わりに抱いていいからね」
「・・・」
「ごめん、変なこと言った…?あたしじゃ役不足か」
「…おれ、好きなやつ抱いたことねぇからなぁ…」
「…そーなんだぁ…、…勿体ないね」
何が勿体ないのか聞けないまま、中津は二人で外に出た。
30 :
中津→瑞希 4:2007/10/07(日) 13:25:14 ID:Ea1sBjrk
別れ際にリナが「お礼だよ」と笑ってキスをしてきたが
練習もして、その後濃厚なのをしたせいもあって
少しぼーっとしながらそれを受けた。
リナはそんな中津に軽く笑うと「じゃね」と帰っていった。
(好きなやつとのキスとかって…やっぱちがうもんなのかな…)
とぼんやり考えているといきなり視界に誰かが入ってきた。
「おわっ!なんだよっ!? み、瑞稀ーっ!!?」
(やべっ!やべっ!なんでここにいんだ!?っつーか見られた!?)
中津は焦るが、瑞稀がいつもの楽しそうな顔をしてるので諦めた。
別に俺の女関係はこいつにはかんけーねえんだろうな…
そう思うと気が楽になり、そのまま下らない話をして
久しぶりに二人っきりなのを楽しんで散歩した。
でもやはり瑞稀は暗い顔でいきなり考え込んでる。
(いい機会だから、ちょっと探っておくかぁ…)
きっかけを探っているが、瑞稀がカラ元気でどんどん話を続ける。
それを見ていると中津はだんだんイラついてきた。
(俺の前で無理してんの、なんか腹たつんだよなぁ。)
「瑞稀何かあったのか?」
話を遮っていきなり突っ込むと、瑞稀が黙ってしまう。
そのままうなだれているので顔は見えない。
でも、でも多分泣いてるんだろうな。何も話さねぇし。
こいつが泣くのはいっつも佐野の事なんだよな…。
(あーっ、せめて泣きたきゃ泣けばいーだろ?)
そう思って瑞稀の顔をあげさすと、案の条目に涙がたまってる。
大きな目が光っていて、子犬みたいで思わず笑っちまう。
「ほらー泣いてるじゃねえか、泣け泣けー、スッキリすんぞ?」�
可愛くってたまらない気持ちで思わず抱きしめたくなったが
キスもしてしまいそうなので、代わりに頭を撫でてやると
子供のように泣き出した。随分溜まってたのか長く泣いている。
(何があったのかは瑞稀が話したくなったら聞くか…)
男ばっかりの中で緊張して生活しているはずなのに
どこにも息抜きできる場がないんじゃ辛ぇよな…。
とにかくせめて、誰かの前で無理をしないでいられるように
俺がしてやんねーとな…。そういう存在が必要なんだろう。
やっと泣き止んだ瑞稀の顔を見ながら思った、その時
「私、前も中津のシャツで拭いてたね。」
「っ!!??」瑞稀が話した言葉が中津を驚かせた。
(今!? 私って言ったよな!?ってか話し方女になってねぇか!?)
驚き戸惑いながらも、中津は嬉しさが込み上げてきた。
瑞稀は全然気付いてない様子で味わうヒマは無かったが
その無意識さが、気を許してる表れだと思うと余計に嬉しい。
素のままの瑞稀でいられる存在になれたら、それだけで満足だ。
そう中津がはしゃいだ気持ちでいると、いきなり瑞稀が
さっきのキスの場面の話をからかって持ち出してきた。
(そうだよな、こいつにとって俺は男じゃねぇんだよな)
楽しかった気持ちから一気に突き落とされ、流石に辛くなり
瑞稀を思わず責めてしまった時に、また瑞稀が
「ごめん、私…、本当にごめんね」と言った。
31 :
中津→瑞希 5:2007/10/07(日) 13:27:12 ID:Ea1sBjrk
やっべぇ、これなんなんだ?今目の前にいるのは女の瑞稀だよな。
明らかに話し方も表情も…。こいつ気付いてないけど…。
「中津…?」心配そうに言う声も、もう完全に女の子だ。
…俺の前で、女に戻れるって事は…、少しは俺にも…
ってか男の時でも好きなのに、そんな無防備に女になられたら…
「ごめん、中津」また女の子の声で名前を呼ばれる。
視線を戻すと、すぐ目の前に女の子の瑞稀の顔があった。
『ぅーっ!もうダメだっ!我慢できねぇっ!』
気持ちを抑えられず、思わず中津は瑞稀の肩を掴む。
頭で考えるよりも先に、自然にキスをしようと引き寄せた時
(みずき…?)
瑞稀の目が怯え、泣きそうな瞳になり、体がこわばったのが分かった。
一瞬にして中津は冷静な気持ちになり、自分の気持ちを押しとどめた。
キスしたい欲求を押さえ、変わりに優しく抱きしめる。
瑞稀はそれは拒まなかった。無防備なくせにあんな怯えた顔するなんて
なんかあったのか…?今佐野と幸せなんじゃねえのかよ。
「おまえ、やっぱりバカだよなあ」俺にすりゃいいのにさ…
思わず強く抱きしめたくなって力を込めるが、自分の下半身が
昂ってしまっている事に気付き、瑞稀に体が触れないように手を緩める。
俺にすりゃーいいのに…、佐野なんかよりも、佐野、なんか…。
でも、あいつが瑞稀の嫌がることをする訳ねえよな。
あいつの性格も知ってるし、今も瑞稀を大事にしているのは
いつも端から見てる俺が一番良く分かってる…。
中津は佐野が柔らかく暖かく瑞稀を見る眼差しを思い出した。
佐野も瑞稀も俺の大事な友達だ…。友達、友達、そう友達…
(…くそっ!なんで瑞稀こんなにいい匂いなんだよっ!)
やっぱり腕の中にいる瑞稀への思いはとても押さえきれず
ますます固くなる股間が苦しくなってくるのが気になっていると
瑞稀の体の力が抜け、中津にフワッと寄りかかってきて体が密着する。
(やべっ!!)自分のそれが瑞稀の腰に当たりそうになり、
慌てて自分から引き離すが、びっくりした顔の瑞稀の顔が近くあり
また衝動にかられそうな自分を止める為に、中津は急いで帰ろうと
寮に向かう。その瞬間また瑞稀の顔が曇ったのに気付いた。
(でも…、佐野なら大丈夫だろう。この二人のことだ)
中津はそう信じて瑞稀の肩を励ましの気持ちを込めてポンと叩いた。
32 :
中津→瑞希 6:2007/10/07(日) 13:28:14 ID:Ea1sBjrk
部屋に戻ると真っ暗だった。中津は萱島に会わずに済んでホッとした。
女遊びをしてきた日は、いつもちょっと嫌そうな目で俺をみるからな。
ベッドに倒れ込むと、全身がどっと疲れているのがわかる。
「疲れた…な…。」でも妙に気持ちが緊張したままで辛い。
ふと、さっきまで腕の中にいた瑞稀を思い出すとまた体が熱くなる。
いつもと違って完全に女の子の顔をしていた瑞稀を考えるだけで
切ない気持ちに胸が締め付けられ、それと同時に体も反応してしまう。
「あんだけリナさんとした後なのに…、おれすげえな…」
思わず自分で苦笑いをして、ふと気付く。
「ちげぇか…。俺、すっげえ瑞稀が好きなんだな…やっぱり…」
女だって分かってからずっと考えないようにしてきた事。
ましてや、佐野との事もあるし、諦めようと思っていた事。でも…
「あーあ…、一度でいいから…瑞稀を抱いてみてぇな…」そっと呟いてみる。
いざ口にしてしまうと止められない程苦しくなってしまい後悔する。
無理なのが分かってるからこそ、余計に求めるのかもしれねぇけど
今までにこれほどどうしようもない位、欲しいと思ったものはない。
努力しても叶わないものってあるんだな…。
「じゃあ、秀一くんも彼女の代わりに抱いていいからね」
シャワーを浴びながらリナの言葉を思い出す。
そうは言っても瑞稀を抱いている所が上手く想像できねぇし…。
代わりに今日のリナとのそれを思い出すとまたちょっと体が反応してきた。
熱いお湯を体に流したまま少し固くなっているそれを自分で軽く握り、
さっきまで自分の腕の中にいた瑞稀を思い出しながら少しだけしごいてみる。
「はぁ…、やっぱりか…」
まったく反応しなくなったそれから手を離し、シャワーを止める。
何故か自慰をする時に瑞稀を思ってすると上手くできない。
自分でも分からないし不思議だが、多分性的な興奮とは違う所にいるのだ。
鼻血出るくらい好きなのにな。体が、というより心が求めてるっつー事か…?
「好きでもない女は何人も抱けるのになー…」
中津は虚しい気分でタオルを被ったまま着替えて、救急箱を開けると
「あ、やっべっ!湿布がねえ!」
サッカーで傷めたふくらはぎ用の湿布がきれている。
「やっべーなぁ。試合近いし治しとかないとなぁ。誰か持ってるかな」
ちょっと考えたが、面倒になり保健室まで行くことにした。
今日はあそこに行くにはちょーどいい気分だ。梅田が居てもいなくても
窓はどうせ空いてる筈だから、湿布もあれも手に入るだろう。
中津は途中でコーラを2本買ってから保健室に行くと一応ドアをまわし
鍵が掛かっているのを確認すると裏の窓から入り込んだ。
電気はつけないまま湿布を探しだし、足に丁寧に貼る。
「次は…と、お、あったあった」棚の下からウィスキーの瓶を取り出す。
それは、以前失恋でヤケになっている中津を慰める為に
難波が教えてくれた、何となく数名だけが知ってる秘密だった。
梅田が知ってるかはわからないが、ハメを外した者が居ないので
知ってても黙って酒を追加していてくれているような気もする。
中津は1本のコーラを半分位まで飲むと、そこにウィスキーを足した。
「今日は飲まなきゃやってらんねえよ…」
と一口飲んでベッドに仰向けになると、気付いたら寝てしまっていた。
「ぃててててててっってぇー!」いきなりの手の痛みで跳ね起きると
「な、中津ぅー!?なんでここにいんのぉー!?」
目の前に瑞稀がいたので中津は何がなんだかわからずに慌てて
「み、みずきぃーっ!?おま、どぉーしたんだよっ!」
といいながら、ここが保健室なのを見て状況を思い出した。
GGGGJJJJ…!!
胸が締め付けられますよ…!
自分は長文気にならないです
むしろすごく丁寧で読みごたえあって大好きです!
それぞれに事情と想いがあって、全員に感情移入してしまいます
でもやっぱ…端稀が誰よりいちばん幸せになりますように!
願いつつ、次回もお待ちしておりますノシ
>>26 (*´Д`)ハアハア
グッジョブグッジョブGJ!!!
思わず中津に感情移入して読んでしまったよ。
丁寧な描写が素敵です!
裸にマフラーで続き待ってます
35 :
26:2007/10/07(日) 17:27:48 ID:Ea1sBjrk
>>33 >>34 あー、ありがとうございます!安心しました。
そうなんです、皆好きだから感情移入して皆の気持ちを考えると
どーしても長くなってしまって…。
お言葉に甘えて続きを投下していきます。
しかもエロ度がまだ低く、しかも途中までです。
スミマセン。長文嫌いな人ごめんね。
36 :
中津×瑞希 1:2007/10/07(日) 17:29:00 ID:Ea1sBjrk
>>32続き
踏まれたため、なかなか痛みが退かない手をさすっていると
「ごめんな、中津」瑞稀が隣に座って心配そうに覗きこんでくる。
「いや、大丈夫だけどよ、お前こんな時間に何してるんだよ?」
「・・・・中津こそ何してんだよ」
「俺ぇ?俺はアレだ、湿布がきれたから来たんだよっ」
と足を見せると、瑞稀はふーんと言い、そのままうつむいている。
「理由は言えないってやつ、か…」声をかけても答えない。
「ま、仕方ねえからゆっくりしてけよ、コーラもあるしよ、ほらっ」
「んだよぉ、もともとここ中津の部屋じゃねぇだろぉ?」
開いてない方のコーラを渡すと、受け取りながら文句を言うので
「お?文句言うんならあげねえぞ?ありがとうございますだろ?」
からかってコーラを離さずにいると、瑞稀もムキになって
「うっせーな、ケチ。たかがコーラで偉そうに言うなよっ」
と引っ張るので笑っていると、ふと瑞稀の手首が目に入った。
(これ、痣…か?さっきはこんなの無かったよな…?)
外灯の明かりだけで見ているのでハッキリとはしないが
瑞稀の手首全体に痣ができている。反対の手首にもだった。
(両手首に痣って…、しかもこの間にってことは…)
佐野しか考えられない。でも佐野が瑞稀を傷めつける事を…?
色々な女と寝ると、本当に見かけと性的嗜好が一致しないのも
実感しているから絶対無いともいいきれない…。けど…
(いやっ!でも今まで特に痣なんて無かったよ、な…?)
(でも、もし…もし性的な事で瑞稀が辛いのだとしたら…?)
何とかしてやりたいけど、どーしたらいいんだ…。
「中津…?」心配そうな瑞稀の声で我に返る。
「どーしたんだよ、いきなり深刻な顔して。今日変だぞ?」
「わ、わりぃ、ちょっと試合の事考えててさ」
瑞稀の痣を見ている事に気付かれないように視線をそらすと
中津は体勢を倒し、コーラを飲んでいる瑞稀を後ろから窺った。
ちょっとずつチェックしてみる。特に他の場所に痣は無い。
(さっき会った時と同じ服…だよ、な…?)
でも、何かさっきから違和感を感じる。何かが違う…何か…
(こ、こいつ中着てねぇっ!?)さっきは、というよりいつもは
必ず首までのTシャツなのに、今はシャツを肌に直に着ている。
襟元から見える鎖骨がやはり男とは違い、男物のシャツだから
余計に華奢に見えて露出はしてないのに妙に色っぽい。
『っぐはぁっ!』
思わず興奮して鼻血が出そうになり、慌てて上を向く。
「な、中津大丈夫?どーしたの?」
心配して近づく瑞稀の襟元の上から見える胸元と
声と話し方が女の子っぽくなっているのとで、中津は更にヤバくなり
「なっ、なんでもねぇっ!なんでもねぇからっ!」
と瑞稀を押しやる時に瑞稀が手にしていたコーラをはたいてしまった。
37 :
中津×瑞希 2:2007/10/07(日) 17:29:54 ID:Ea1sBjrk
「きゃっ!あっ、やぁーっ!」
「うわっ!やべっ、あっ!っっとぉー!」
と二人で慌てて缶を起すが、中身が半分ほど瑞稀の足にかかっている。
「わりい!やっべっ、大丈夫かよぉ。」慌ててタオルで拭く。
「う、ん。つっめたー…」ズボンのほとんどがコーラまみれだ。
「これ染みになっちまうな、ってかすっげーベトベトだわ」
タオルで拭きながら、ベタベタになった手を見て
「瑞稀シャワー浴びに戻った方がいいぞ」と言うが
「・・・・・・」返事がない。
「早く浴びねえと気持ち悪いだろ」タオルで拭くのを諦め
顔を上げて瑞稀を見ると、口をつぐんでじっと下を見ている。
「瑞稀…?」
「・・・・大丈夫、このままで」
「何いってんだよ、洗ったほうがいいだろ」
「じゃあ、後で帰ったら浴びるよ、うん」
「でもすぐ着替えた方がいいぞ、風邪ひくし」
「大丈夫だよ、まだそんなに寒くないし」
「じゃあ…、俺の部屋のシャワー使えばいいじゃん」
「…そんなの変だよ」
「この状況のままの方が変だろ?着替えもしないでベトベとのま…」
「いいのっ!今帰りたくないのっ!」
「・・・・・・・・」
「大丈夫だから…、ほっといてくれていいから…」
(そんなに帰りたくないの…か…)
「・・・・・・」
「んだよ、変な奴ぅ〜。佐野と喧嘩でもしたのかぁ?」
「・・・」
「しょーがねーなぁ、二人とも頑固だからなぁ、全く」
「そんなんじゃ…」
「仕方ねぇ、じゃあ俺の服で着替え持ってきてやるよ」
「…中津…」
「その間にそこら辺のタオルとお湯で体拭いとけよ。な?」
「でも…」
「ま、いいからよ、このお礼はお好み焼き10枚ってことで!」
「それ…ちょっと多くね?」やっと瑞稀が笑う。
「ま、じゃゆっくり行って戻って来たら窓から服投げるわ」
そういって部屋を後にした。
中津が出ていくと、途端に部屋が寂しくなった。
「優しいよな…中津は…」理由を聞かない。でも助けてくれる。
瑞稀はタオルを熱いお湯で濡らし、レントゲン室で服を脱ぐ。
足だけのつもりだったのに、下着にもコーラが染みていたので
それを脱いだ時、とろり…、とさっきの佐野との行為のなごりが
股間から流れるのが分かった。なんだかいたたまれない気持ちになり
何度もタオルを洗い直しながら、結局体中を綺麗に拭いて服も洗う。
シャツは無事だったので腰から布団を巻いてベッドに座った。
「中津…遅いな…」瑞稀は手持ち無沙汰でコーラを飲みながら
何となく心細くなっていると、コンコンと窓が叩かれた。
「…みずきー。ふくなげるぞ…」中津が小声で窓から声を掛ける。
それを受取り、下だけ着替えると中津に声を掛けた。
38 :
中津×瑞希 3:2007/10/07(日) 17:30:38 ID:Ea1sBjrk
「よいっせっと。ほら、温かいもの持ってきたぞ」
中津が熱い缶コーヒーをくれる。瑞稀はホッとした気分でそれを飲む。
「…ありがとうね、中津」色んな意味を含めて言うと
中津は眩しそうな優しい目で笑い、無言で背中をポンポンとたたく。
その後、二人でベッドに座って壁に寄っかかりながら
たわいもない話を延々としながら瑞稀は穏やかな気分になっていた。
(なんか落ち着くなぁ、中津って)
「中津の彼女は幸せだよね、中津優しいしさ」
「…そんなのいねえけどな…」中津がつまらなそうに言う。
「え?…でもさっきキスしてた人は!?」
「・・・」中津が瑞稀を静かな目で見る。
(あ、いけないっ!さっき言われてたのに…)瑞稀が慌ててると
「…あの人は単なる遊びっつーか…まあ、友達っつーか?」
「遊び!?あの人のこともてあそんでるの?そんなの可哀想だよ!」
「え?…いや、あの人には彼氏も居るし」
「彼氏がいる人を中津好きなの?」
「いやっ…、そーゆんじゃなくって、遊び友達の中の一人でっ」
「遊び友達が何人もいるのぉ?その人達ともキスとかするの?」
「・・・・」 中津が返答に詰まる。
「中津って女の子に優しいと思ってたけど、酷い人だったんだ…」
「ちげっ!む、向こうがもともとヤルのが目的な人なわけでっ」
「っや、ヤルのが目的っ…って…」 瑞稀は顔を赤らめる。
「本当に、ほんとーにっ!向こうが誘ってくるからな訳で」
「…その人達の事好きなの…?」
「や、…ぃやぁ…、ぶっちゃけ…、って何言わせんだよっ!」
「好きじゃないのにするの?好きじゃなくても出来るの?」
「それは…」 中津が目をそらす。
「…中津はそーゆー人だと思わなかった…」
「・・・」 少しうつむいて黙っている。
「中津って、軽いけど、でも心ないエッチとかしないと思ってた」
「・・・」
「ちゃんと好きな子大事にして、好きな子とそーゆー…」
「…好きな奴となんて、できねえからだよっ…」
低い声で怒ったように言うと、中津が悔しそうに瑞稀を真っ直ぐ見る。
瑞稀の心臓がドクンっと何かに掴まれたように脈打った。
「好きなやつとできねえから、したくても無理だからだよっ」
「なかつ…」
「・・・しょーがねぇだろ・・・」辛そうに目をそらす。
「…、ごめ、ん…私…」なんて言ったらいいか分からない。
しばらく気まずい沈黙が流れたが、中津がふっと息を吐き
「わりぃ、怒ったみたいに言っちゃってよ」と謝る
「・・・・」
「・・瑞稀…。なーんでお前が泣くんだよ…」
どーしていいのか分からず泣いている瑞稀に中津が苦笑する。
「・・・」 瑞稀の涙は止まらない。
(どーしたらいいの?傷つけたくないのに…大事な人なのに)
「みずき…、ずりぃよ…泣くなよ・・・」
中津が辛そうな声で瑞稀の肩に頭をもたせかける。
「中津…ごめ、ん…ごめん…」
中津がせつなそうな目で瑞稀を見上げる。
その目があまりにもせつなそうなので瑞稀は目が離せない。
ゆっくりと中津の瞳が近づいてくる。あまりに近くになって
見つめていると軽く目眩がして目をつむった瞬間、
唇に唇が触れた。
39 :
中津×瑞希 4:2007/10/07(日) 17:31:27 ID:Ea1sBjrk
ゆっくりとした口づけに瑞稀は苦しくなり、時折息を深くとり
中津の唇から少しだけ逃げる。それを性急に塞ぐことをせず
ゆっくりと再び味わいにくる唇に、瑞稀も徐々に心を解いていった。
中津の舌がそっと瑞稀の舌をなぞる。性行為を連想させる動きではない
単純に舌への愛撫を受け入れ集中していく内に、力が抜けて
壁からベッドに体が倒れていく事にも気付かなかった。
中津は瑞稀の体を楽な体勢に動かし、髪を少し撫でて、またキスを始める。
キスをしながら髪の生え際から耳の後ろに髪を梳く指に
瑞稀は時折深く感じてしまい、キスをしながらため息をつく。
(どーしよう…。どーしたらいいんだろう…。)
中津の行動からは性欲的なものが感じられず、反対に
瑞稀への愛情が痛い程感じられ、拒みにくい。しかも
何故か、自分の中に中津への違和感が全く生まれず戸惑ってもいた。
(なんか、ボーッとしちゃう…、上手く考えられない…)
結局髪を優しく撫でる指に反応して、考えられなくなっていた。
時折小さく体を反応させる瑞稀を感じて、中津は体が熱くなってしまう。
いつものように肌を感じ、舌を這わせて、その中に入りたい気持ちが
強くこみ上げるが、深呼吸をして思いとどまる。
キスを続けながらそっと、体温の高い瑞稀の肩を服の上から撫でる。
そのまま手首まで腕を撫で、また肩へとずっと撫で上がると
ゆっくりと背中に手をまわし背中全体を抱きしめながら手のひらでなぞる。
何回か繰り返した後、すっかり力の抜けた背中を片手で抱きしめたまま
もう片方の手のひらをキスをしている唇のすぐ脇の頬と顎にあてた。
そしてゆっくりと首筋を下がってシャツの襟元から首筋と鎖骨を撫でる。
素肌の吸い付くような感触に酔いながら、胸へとおりたくなる衝動を抑え
首元を撫でながら、反対に背中に回している手をそっとシャツの裾から
さし入れて、背中を撫でる。直接肌を腕全体に感じる心地よさを感じながら
(Tシャツも、下着もない…って事は…、やっぱりさっき…)
中津はふと冷静になり、同時に佐野の顔が浮かんで罪悪感も感じてしまう。
(ってゆーか…、これ、どこまで…いくんだ…?)
正直キスをしてるだけで中津は幸福感で一杯ではあった。
でも、腕の中で力を抜いて中津のキスを受け入れている瑞稀を見ると
もっと、もっと触れてみたいという欲求も押さえられない。
「…はぁ…、ぁ…」
苦しくなった瑞稀が、少し唇を離した時にため息のように息を継ぐ
その吐き出した息の熱さを頬に感じて中津はまた何も考えられなくなった。
40 :
中津×瑞希 5:2007/10/07(日) 17:32:19 ID:Ea1sBjrk
直接性的な場所を触れずに背中や脇腹、首、肩、腕を優しく撫でる
中津の手のひらのが体全体を包むようで、その自分より冷たい体温も
体に馴染み、瑞稀は心地良さにすっかり酔いしれていた。
キスも苦しい程深くなっているのに、相変わらず性的な匂いがしないので
いつしか瑞稀も没頭してそれに応え、無意識に手も中津の背中にまわしていた。
瑞稀の腕を背中に感じて、中津はたまらない気持ちになり
(だめ…だ、やっぱり…、もっと…)
思わずいつもの抱く流れで、唇から首筋にキスを移動すると
「っぁっ…」
と切ない声をあげつつも、瑞稀の体が強ばる。それを腕の中に感じた中津は
再び唇を瑞稀の唇に戻し、キスをしながら体中をゆっくり撫で回して力を抜けさせる。
それを何度も繰り返し、唇からキスが離れてもすっかり力の入らなくなった
瑞稀をなだめるように撫でつつ、あまり刺激を強くしないように柔らかく
唇を首筋につけてキスをしながら、そっと舌を足し鎖骨をゆっくりとなぞる。
中津の唇のゆるゆるとした動きに、瑞稀の体に快感が湧き上がる。
「…っはぁ…、んっ…ん…」
呼吸が荒くなって、吐息になってしまうが、声にはならないよう耐える。
そんな瑞稀の様子を見て、中津は声をあげさせたくなってしまうが
拒否をされる怖さもあって思いとどまる。ただ、もっと長く瑞稀を感じたい…。
中津の手が胸に近づくと、かすかに息を止めて緊張をする瑞稀は
やはりまだ抵抗があるのも見てとれる。
(無理もねえよな…、俺だって…)中津も躊躇がなくせない。
乳房の下だけを軽くかすめまた脇腹に滑らせ脇の下から首に撫で上がる。
ただ、唇が喉から胸元に下がっても軽く息を吐くだけで力が入らないので
そっとボタンを1つ外して胸元に深く口づけをする。
「はぁっ… 、ぁっ…」 そっと瑞稀の顔を見るが、
息を苦しそうにこそしているが、特に反応は変わらない。
何度か喉元と胸元を唇を滑らしながら
そっとゆっくりボタンを一つずつ外していく。最後のボタンを外して
中津が真っすぐヘソまで唇と舌でなぞると、瑞稀の体が少しのけぞった。
シャツから少しだけのぞく瑞稀の上半身があまりにも艶かしくて
中津は両手で首から肩を手で包みながらなでると、そっとシャツをはだけた。
体がかなり熱くなっている瑞稀は、体中を撫でる中津の手にしか
意識がなくなっているのか、気付いてないようだった。
(やっべ…、瑞稀、むちゃくちゃ綺麗だ…)
大切な宝物を見たときのような純粋な感動が中津を襲った。
胸元や、脇を撫でられる度に小さく上下する白い胸の頂きにあるそれを
中津は大事なものを壊さないようにする丁寧さで、そっと口に含む。
すみません、中津×瑞希 の4の頭の一段落抜け落ちてたぁ
自分の中では結構大事な部分だったのに…orz
今更遅いけど、
>>38 と
>>39 の間脳内補完お願いします。
中津は瑞稀の唇にそっと口づけた。今まで他の人としたものとは
違うその感触に、少し泣きそうになる。
(やっべっ…すっげぇ…いぃ…)胸が詰まりそうな感覚。
吸い寄せられるように思わずキスしてしまい、いざすると
もっと強く味わいたくなったが、瑞稀が嫌がるのも不安で
そっと、唇で唇を挟み、少しだけ舌で唇を舐め、また唇をつける。
徐々に、徐々に、口づけを深くしながら壁に背中をつけている瑞稀に
体重をかけていく。瑞稀は積極的に応えはしないが、逃げもしない。
体を支える手がベッド置いている瑞稀の手に軽く触れ
その手を強く握りたい気持ちになって、痣の事を思いだす。
(瑞稀が嫌がる事だけは、ぜってー止めよう…)
自分の欲求に押し流されそうにならないよう、何度も頭で確認する。
いつでも止められるように…。いつでも瑞稀が逃げられるように…。
中津は手を握るのはやめ、瑞稀の体の横の壁に手をつくと
ゆっくりと体重をかけながら、唇の間にそっと舌を深く差し込んだ。
せづねぐで今夜眠れねっす(ダダ泣き)!!
中津優しいな…心がユラユラ揺れちゃいますね
そしてこうなってくると佐野の言い分もすごく知りたい…!
何はともあれ今後の展開を裸にTシャツ裏返しに着てお待ちしています
43 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:02:39 ID:b2IdVVpV
私もずっと全裸に眉毛だけ書いて待ってます。
44 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:32:43 ID:V5ezXV2k
神降臨・・・!!
毎日楽しみに投下をお待ちしてました!!
もう、キュンキュンです。中津の切ない恋に泣いちゃいました。
丁寧な描写、それも登場人物の顔や表情まで思い浮かぶような
繊細な表現に感激しています。
ドラマでも漫画でも幸せになれなかったワラカッコイイ中津君に
何とかここだけでも、幸せをあげて〜
全裸に前髪ピン止め、デコ全開でお待ちしてます♪
うわ〜っ!!すっごくいいです!
佐野スキーな私も中津にFall in loveです。
そんでもって
>>42さんの言うように佐野の気持ちも気になる〜
裸に靴下はいて(冷え性なんで)お待ちしています。
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!
前スレからずっとスゲーッ!と思っていたのが中津のセリフです
ほんとに本人がしゃべってるかのような言い回しといいテンポといい……素直に感動しています
やっぱり酔っ払ってもらってよかった最高です!!
今度は首回す練習しながら待ってます
せ、せつない…。中津が不憫で泣けてくるー。
なんかみんな幸せになってほすぃ…。
一升瓶片手に全裸でお待ちしております!
>前スレ708さん
イイよーイイよー。
読み応えあって楽しかったッス
全裸にサングラスでお待ちしております
中津…
優しくてせつねーじゃねーか!!!
うぉーーーっ!!!
萌るぜーーーっ!!!
自分も裸でエアロバイク漕ぎながら
ずっと待ってます
中津を…どうか満たしてやってください!!
GJすぎです!!
じ、じゃあ俺は…裸でヨガしながら待ってます
51 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 16:11:49 ID:5adY6k1C
このスレ女性多そうだな〜
私男だけど
それはともかく巧いな。キャラの行動ひとつひとつが「ぽい」というかなんというか…ああうまいこと言えねぇ、全裸で掃除機かけながら待ってます
52 :
26:2007/10/09(火) 03:35:50 ID:XEFP4PPB
GJありがとうございます!
自分で見直しても読みづらい文から汲んで貰ってホッとしました。
続きを早く投下したいのですが、皆さんの応援で図にのった中津が
俺にもっと愛をーっ!
とウルサいので書き直したり変更したりで少し長引きそうです…。
ごめんなさい。
皆さん長時間裸で待って風邪をひいては大変なので、何か着て待ってて下さいね。
他の職人さんの投下も是非お待ちしております。
次の週末まで、酔っ払うためのお酒を買いに行く時間もないのに
…俺の言い分はまだなのかよ…
と順番を待っている佐野が、少し怒った声で後ろからボソっと呟いてて
何だか焦る毎日です。は、早く書いてあげなきゃ…
前スレがなくなってる…
保管庫とか作らないかな…
>>52 自分、26さんのために買い出し行ってきます!!シュワシュワっとしたやつでおkですか?
お忙しい中、あんなに素晴らしい作品を投下して下さってほんと愛を感じます…
26さんのペースで気楽に書いて下さい。首回んなかったのでデビルマンメイクで待ってます
>>53 保管庫あったら嬉しい〜♪
しかしながら自分にはどうすればいいのか分からん…役立たずでスマン
保管庫、自分もあったら良いなぁ…と常々感じておりました。
もし裸族のみなさんwの中で、今現在準備を進めてらっしゃる方が
いないようでしたらちょっと着手してみたいなどと考えているのですが…
いかがなものでしょう。
(と言っても当方、保管庫造りは初心者のためご期待に添えなかったら
申し訳ありません…!)
あと、職人様の中には保管を希望されない方もいらっしゃるのかなぁと
思ったり…もちろん裸族のみなさんの中にも色々なご意見があるかと
思いますので、聞かせていただけると幸いです。
秋の夜長、裸で裕次郎の散歩しながらお待ちしております。
>>55 是非お願いしまっす!助かります!
もし保管を希望されない職人さんは削除を願い出てもらえば
いいのではないでしょうか?
59 :
55:2007/10/10(水) 23:41:04 ID:NCI31lLv
こんばんは、
>>55です。
レスくださった方々、ありがとうございました。
もう少しみなさまのご意見をお待ちしてから…と思いつつ、
まずは試しに1スレの全SSを抜き出す作業にとっかかりました。
が、
考えていた以上にぎょーさんあって泡を吹きましたw
職人の方々、本当に改めてありがとう&おつかれさまです…!
これは…、作者さまやジャンル別等の振り分けだけでも相当のお時間を
頂戴すると思います。
とろくて申し訳ありませんがその間、さらに色々なアドバイスなど
いただけますよう願っておりますノシ
あと、自分も希望される職人さまの作品については削除させていただこうと
考えております。
今現在ここをご覧になっていない職人さまもいらっしゃるかもしれませんが…
もしご希望があればここにレスを残してくださいませ。
それでは、ひとまずこれにて失礼いたします。
>>59 乙です!
ゆっくりでいいんで頑張って下さい
61 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 14:28:33 ID:0QmBC/+7
超乙。そしてage
sageてくださいね。
スマンorzいつもの癖で…
吊ってくる
前スレ無くなってんのがショック。名作がorz
65 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 15:13:16 ID:sWjYwRCs
がんばってください!
次の中津はどんなのか楽しみにしてますね
66 :
26:2007/10/14(日) 00:20:30 ID:ZyWDBsRh
>>54さんが買ってきてくれたシュワシュワ系を飲んでたら
また長くなっちゃいました…。しかもまだ途中orz
変更したり削除したりの部分も含めてこの期間で
こんなに沢山文章を書いた事って人生の上で無いかも…。
どーしても短くしようとすると上手くいかないので
この長いまま投下しちゃっていいのか、長くかかっても
縮めて完結してから投下した方がいいのか迷ってしまう。
>>55さんの手間も増やしたくないし、連続投下の限度も分からないので
前回のように中途半端な所できれちゃうのも何だか嫌だし
とりあえず…途中までですが…、すみません投下してみます。
67 :
中津×瑞稀 6:2007/10/14(日) 00:31:27 ID:ZyWDBsRh
>>39-
>>40 続き
中津の滑らかな手の吸い付くような感触に、目を閉じたまま
まるで水に浮いているような心地良さに体を委ねていた瑞稀は
何の前触れもなく与えられた胸への刺激に
「…あっ……」
と思わず甘い喘ぎ声をあげた。
今までの長い緩やかな愛撫ですっかり油断をしていたので
声を我慢する事ができず、感じてしまったのを隠せなかった。
それを聞いた中津は、体中の血が沸き上がるの感じる。
口に含んだそれに舌を絡め、舐めるとそっと口の中で転がした。
「ぁっ、だ、め…、中津…、ぁっ…」
両手で中津の肩を押すが、長時間の愛撫で体がすっかり
力が入らない状態になっているため、自分の腕すら重く感じ
ベッドからあげるのがやっとのその動きはあまりにも弱々しかった。
中津はそれを抵抗とは見なさず、手で全身を撫でながらも
唇を反対に移し、同じようにゆっくりと丁寧に乳首を舐める。
長く触れてすっかり体が馴染んでいた中津の手と舌での愛撫によって
瑞稀の体には、求めていた水を飲み干すように快感が広がっていく。
「ぃやっ…、っやぁ…、中津…、だ、だめ…」
それでも瑞稀はやはり恥ずかしさと、この状況への抵抗がぬぐえず、
その愛撫を素直に受け入れられずにあがいている。
中津はそんな瑞稀を無理に煽ろうとする事はせずに、ただゆっくり
乳首を優しく舐めながら、手でそっと乳房を包むように柔らかく揉み
先端を指で軽く摘み、なぞるなどの行為を繰り返しほどこす。
その強くない柔らかな刺激で、却って瑞稀の快感は増していくが
感じれば感じる程瑞稀はその心にブレーキをかけたくなる。
(ここで止めないと…、このままじゃ…)
流されてしまいそうな自分が怖くて、瑞稀は早く止めなきゃと思うが
長い時間かけて解されていた体に沸き上った快感は
大きくゆるやかな波のように瑞稀の全身にまわっていく。
今まで感じた事もないような心地良いダルさが体をおそっていた。
まるで、生暖かい沼に仰向けで寝ているような感覚の中で
瑞稀はどうしても自分の体を言うことを聞かせることが出来ず、
ただ声を出さないようにするのが精一杯だった。
中津はそんな、感じまいとせつなそうにしている瑞稀を見ながら
どうしたらいいのか分からない気持ちで迷っていた。
(あまりにも瑞稀が綺麗で…思わずしちまったけど…)
性的に事を進めようとしたのではなく、考えずにしてしまった行為だが
明らかに瑞稀は、中津の指や舌に反応して感じてくれている。
いくら隠しても、それは吐息や腰のくねりから中津にでも分かる。
でも、逃げたり抵抗をしないまでも、さっきまでのように安心しきって
自分に体を委ねていた瑞稀は居ない。
さっき弱々しく中津の胸を押していた腕も、まだ中津と自分の体の間に
置かれたままなのが、気持ちの壁としての意味があるようにも感じられ
(止めてほしい、のか…? でも…、感じてる…よな…)
不安になり、少し強く乳首を舌全体で舐めながら、反対の乳首を
少し強めに摘んでみる。
68 :
中津×瑞稀 7:2007/10/14(日) 00:32:07 ID:ZyWDBsRh
「っんん…!っぁ…」 瑞稀の体が反応して、背中が跳ね小さく声をあげた。
その控えめながらも快感に耐えられずに悶えている姿が
中津の下半身を刺激し、冷静だった意識も途端に余裕がなくなる。
(このまま…、一気に感じさせて、わけ分かんなくさせちまう、か…?)
中津は更に瑞稀に快感を与える為に、いつも女たちにしているように
舌を尖らせてその先端を刺激したり、ねっとりと舌で味わい転がしながら
反対側の乳首を指で容赦なく責め続けるといったように
今までとは違う強めの愛撫を瑞稀の両方の乳首に与える。
「…ゃっ…! …ぁ、…ぁっ…、ぁっっ…、んっ…!」
瑞稀はいきなり強くなった快感についていけずに、せつなそうに喘ぐ。
でも自分の声を漏らすまいと、口に指をあて噛み締めている仕草が
恥ずかしさからではなく、感じることを我慢してのものなのだと
眉間に皺をよせて辛そうな表情から分かった。
いつもの中津ならその姿すら興奮材料となり、快感にのみ込ませるよう
余計に攻撃していくのだが、瑞稀のそれは中津の体を刺激はするものの
気持ちがついていかず、却って罪悪感を抱かせ弱気になってしまう。
(感じたく…ねぇ…んだな…。…俺に抱かれんのは…嫌なのか…)
中津は胸への愛撫を止め、体を起こした。
胸への強い愛撫がなくなり、ようやく息をつく事が出来るようになった瑞稀は
大きく息をする。声を噛み殺して喘ぐのを我慢して呼吸していたので
喉が熱くなっており、すぐにはもとの呼吸に上手く戻れないでいる所を
「んっ!…んんっ…」
また中津のキスで塞がれた。体を固くしたまま瑞稀はそれを逃れようとするが
自分で思った程動く事が出来ず、そのままされるがままにキスを受ける。
たった今まで自分を胸を責めていたとは思えない程の優しい、控えめな口づけ。
暖かい水に浮くような感覚に包まれ、瑞稀はまた体の力を抜いていった。
(中津のこのキス…、…なんか…目がまわる…)
中津は、何度口づけても胸が詰まる思いにおそわれながらも
瑞稀の唇に気持ちを込めて自分の唇を合わせる。
今まで、泣きそうな顔で自分の愛撫を拒んでいた瑞稀が
気持ちを伝えるかのような丁寧なキスを受けているうちに
体の力を抜いてくるのを感じて、中津は自分の求めていたものに気付く。
(俺…、瑞稀を幸せにしたい…。瑞稀が笑っていてくれればいいんだ…)
我慢や無理はさせたくないし、泣かせるなんてもってのほかだ。
でも…
でも今自分の腕の中にいる瑞稀を、このまま離す事もできない。
かと言って瑞稀の女の部分を責め落として抱く事もできない。
今ここで止めて、瑞稀を解放して
「わり、ちょっと気持ちが高ぶっちゃったぜ!」
と冗談にしてさっさと帰れば、数日は気まずくても
きっとそのうち元に戻って笑い合えるだろう。
でも、ここで無理に自分の欲求にまかせたら…
色んな気持ちがせめぎ合い、混乱している中津は
(っつーか、…俺…、俺はどーしたいんだ…?)と自分に問いかける。
興奮して熱くなっている体が求めているものは分かる。
でも、それが出来ない自分が何を求めているかも、もうよく分からなかった。
ただ、感じるのは今の時間を終わらせたくない事だけで
(もっと…瑞稀を…、もっと感じたい…。ああっ…!どーすりゃいいんだっ…)
葛藤する気持ちで苦しくなった中津は、キスを止めて瑞稀の顔を見下ろす。
目を瞑ったまま頬を蒸気させた瑞稀は、少し苦しそうに息をしながらも
胸の愛撫を受けていた時のような泣きそうな顔ではなく、
穏やかで安らいだ表情をして中津の腕の中に体を委ねていた。
中津はそれをたまらなく愛おしく思いながら
「みずき…」 そっと名前を呼んだ。
69 :
中津×瑞稀 8:2007/10/14(日) 00:32:48 ID:ZyWDBsRh
「みずき…」
もう一度優しく呼ぶ中津のかすれた声に、瑞稀はようやく目を開けた。
ずっと目を瞑っていたせいで、見えている物の感覚が中々戻らない。
焦点が定まらず、潤んだままの大きな瞳で中津を見る瑞稀の目は
あまりにも色っぽくて、中津は苦しくなった。
そのまま、見つめて言葉を詰まらせている中津を
ぼんやりみつめ返しながら、瑞稀は少し意識がはっきりしてきた。
中津が何も言わず、ただ優しい切ない目で自分を見つめているので
どうしたらいいのか分からず戸惑いながらも瑞稀はふと不安になる。
中津が、このまま…このままするつもりだったら…どうしよう…
(自分が今、今拒まないと…。言わないと…、…今…)
瑞稀の目がまた泣きそうになったのを中津は感じた。
「・・・みずき・・・」
かすれたままの声で中津が口を開く
「…俺、お前が…、…みずきが嫌なことは…しねぇよ…
…ぜってぇ嫌なことはしねぇから…、大丈夫だから…」
さとすように、懇願するように言いながら抱きしめる。
「正直すっげえ、たまんないくらい抱きてぇんだ…
でもそれは俺が気持ちよく、…いゃ…気持ちは良いんだけど…、
体の気持ち良さを求めてのものじゃねえんだ。」
瑞稀の首筋に顔を埋めながら話している中津の熱い息が
首にかかるのを感じて、瑞稀は苦しい気持ちになった。
「でも、瑞稀が…色んな気持ちで、…俺に抱かれたくねえのも分かるし
俺は…、俺は…何もしなくていいんだ…」
中津はゆっくりと体を起こすと、瑞稀を見つめ
「でも、…俺、…もっと瑞稀を…感じてえんだよ…」
大事な事を告げるように言う。
正直中津が言っている内容が何を意味してるのかは
正確には瑞稀には分からなかった。
ただ、中津が自分を思う気持ちと、自分を傷つけないように
思ってくれている気持ちだけは痛い程わかり胸が締め付けられた。
…どうすればいいの?…しないって意味…なの…?…かな…。
じゃぁ…何をしたいんだろ…中津は…。何をしてあげられる…んだろう。
混乱している瑞稀の困惑した表情を、中津は辛そうに見つめる。
「瑞稀…、…俺に触られんの…嫌、か…?」
中津が聞きにくそうに、でも真っすぐな声で聞いてきた。
「え…?…嫌って…。…い、嫌じゃないよ…、…で、でも…」
色んな意味を考えてはっきり答えられない。でも嫌ではないのは本当だ。
その答えを聞いて中津は少し安心した顔で、詰めていた息を吐き出し
「じゃあ……、…これ以上はしねえから…」
と喉元に手のひらを当てて、ゆっくりとまた撫で始める。
「えっ…、こ、これ以上って…?…な、中津っ…、ぁっ…!」
中津は待っていられなくなり、瑞稀の口を塞ぐとまた全身に手を這わした。
70 :
中津×瑞稀 9:2007/10/14(日) 00:33:26 ID:ZyWDBsRh
その肌を触っていると自分との間にある自分の服が邪魔に思えて仕方ない
もっと…瑞稀を近くに感じたい…。
それが中津の頭を占めて離れない。どーしても我慢できなくなって
熱さも手伝って、中津は上半身を起こして一気にTシャツを脱いだ。
「…っ!?」 瑞稀が驚いて怯えた顔になる。
「…違えよ…、直接瑞稀を感じたいだけだって…」
苦笑しながら、中津はなだめるように説明してT シャツをベッドの脇に投げる。
本当はズボンも脱いで少しでも多く瑞稀と直接触れたかったが
流石に瑞稀を怖がらせるか、と思い直し手をかけるのを止めた。
そっと瑞稀の体を抱きしめながらその体を重ねていく。
(…、マジで…、ここで死んでもいいかも…)
今までも肌を重ねる感触の心地よさは知っていたが、
瑞稀とのそれは心までとかすかのような甘美さだった。
少しの隙間も空けては勿体ないかのように抱きしめ
その背中に両腕をまわし、撫でながら中津は深いため息をついた。
背中にまわされた中津の腕に抱きしめられると、瑞稀の体は
ずっと感じているダルい沼から掬い上げられたかのように体がベッドから離れ
開放感を感じた為、思わず瑞稀は中津の背中に手を回しその肩に
中津が耳元で深いため息をつき、その熱い吐息が首筋にかかって
「っぁっ…」 と瑞稀は甘い感覚が体に走った。
中津は瑞稀の体を隅から隅まで余すことないように、丁寧に撫でていく。
その手はあまりにも優しく穏やかで、瑞稀の体全身をおそっていたダルさも
心地よいものに変えると同時に、単なる気持ち良さとは違う甘い感覚を
体に残して行った。
中津は自分の手が瑞稀の体に溶け込んでいくかのような感覚を
堪能しながらも、それだけでは足りなく感じるもどかしさで一杯になっていた。
(もっと…、もっと近くに…)
抱きしめた時に触れている首筋にそのまま唇をつけてその体を味わった。
「っぁっ…」 と瑞稀は甘い感覚が体に走った。
すでに全身をなで回されていた感覚ですっかり心を許していた瑞稀は
今度はその唇による愛撫にも抵抗を感じなかった。
とても自然な流れのように感じて、今度は瑞稀もそれに対して抗うことはせず、
「あっ…、…あぁ…、はぁ…」
とその手と唇が自分の体に呼び起こす感覚を素直に受け止め、心地よさに
吐息を漏らす。
中津がまとわりつき邪魔になっていたシャツを腕から抜くのも感じた
されるがままに脱がされて、却ってもどかしさから解放されて期待にそのまま中津が瑞稀の体を反転させて、背中へもキスをしてきた。
「んっ…、あっ…ん…、ぁ…」
肩のくぼみにキスをされ、そのまま背中全体への愛撫を受けながら
瑞稀はどんどん快感の波にのまれていく。その波に身を任せ
揺れる感覚を今度は心地よさとして感じているのが中津にも伝わった。
背中に唇を這わせながら、体を抱きしめ、後ろから瑞稀の肩から胸を撫で下ろす。
固くたった乳首を手のひらに感じながらも、そのままそこを責める事よりも
瑞稀との距離を縮めるように体で感じることに集中している腕は
その細い腰を抱きしめ、お腹をなでさする。
少しくすぐったそうに身を捩らすので、手をずらし今度は脇から撫で上げ
また脇腹から腰のくびれを手のひらで包みながら撫で
そのままハーフパンツを履いている服の上から腰の下を撫で
唇で腰に口づけなら手で足を撫でさする。
くすぐったくならないように、手のひら全体で優しくふくらはぎまで撫でると
少し位置を変えてまた腰へと撫で上げるのを繰り返す。
どこを触っても自分より体温が高い瑞稀の肌の熱を、中津は自分の手のひらで
吸い取ってなだめているような行為に没頭していた。
膝の裏を撫でられると、なんだかとても安心した気持ちになり
瑞稀は中津の柔らかい手の動きと感触に集中しながら
自分の体が熱くほてっているのに焦れてきた。
(何だか…熱くって、…苦しい…。中津の手…すごく…、気持ち、いい…)
少しだけ冷たく感じる中津の手が触ると、ほてりが治まる気がして
瑞稀は熱の残る部分全てに中津の手が触れることを待ち望んでいた。
その為、中津の手が撫で上げるときに服の裾から太ももに上がってきても
心地よさを感じこそすれ、嫌悪感も緊張もなくホッとする気持ちでいた。
足を撫で尽くすと、中津はまた瑞稀を背中から抱きしめる。
細い腰に手を回してその華奢な背中を自分の胸に感じて、また深くため息をつく。
瑞稀が首にかかったその息に反応して少し喘いだのをみて
中津は後ろからまたその口にキスをする。瑞稀の体を横に倒しながら
また腰のくびれを撫でていると、瑞稀がせつなそうに長く息を吐いた。
そこの辺りが熱を持ったままなので、思わず中津はウエストのゴムから
手のひらを潜り込ませ、瑞稀を仰向けにすると腰のまわりを撫でていく。
そのまま丸みの小さいお尻を撫でると服の中から太ももまで下がる。
瑞稀はその場所も何も気にならないようで、中津の手に体を委ねている。
(なんで…、なんでこんなに気持ちいいんだよ…)
快感とはまた違う心地よさが中津の欲求を支配していた。
腰のくびれからお尻の丸みを両手でなぞりたくてゴムの中に手を滑らせるが
瑞稀を締めて苦しくさせてしまいそうで、上手くいかない。
(くっそっ…!、このズボン…邪魔だな…)
そう思うと、腰から手を下ろす時に一緒に手首に絡めて下着ごと引き下げる。
「あっ…!」
自分の下半身が外気にさらされ、さすがに瑞稀が慌てる。
ズボンが太ももまで降ろされて下半身をあらわにしているのが恥ずかしく
体をよじってうつぶせになるが、中津はそれを利用して難なくズボンを
足から引き抜いてしまい、瑞稀は完全に無防備な姿になってしまった。
熱くほてった体が直接シーツに触れる心地よさも感じつつも
自分の体が見えている事が恥ずかしくて自分の腕で胸を抱き
中津の視線から逃れようと身を縮めている。
中津はそれをどかせる事はせずに、その腕を撫で、口づけをする。
大切なもの扱うように何箇所かに口づけをし、撫でていた手で
瑞稀の手首を取ると、手の甲にもキスをする。そのまま裏に返し
手首の内側に唇をつけ、肘の内側まで舌でそっとなぞる。
「っあ…」 また先ほどの心地よさに瑞稀は引きずり込まれる。
いざ、何も纏ってない姿の瑞稀を目の前にすると
中津は自分の欲望を押さえる自信が一瞬揺らぐ。
(おれ、…我慢できんのか…?…瑞稀…、綺麗すぎだろ…)
思ってたよりも白い肌、華奢な首や腰、そしてやはり男とは違う滑らかなライン。
それをゆっくりなぞりながらそっと瑞稀の顔を見やる。
いつも笑っているか、泣いているかのどっちかのような瑞稀が
今は、頬を蒸気させて完全な女の子の顔でせつなそうに喘いでいる。
そんな安心して身を委ねている瑞稀の顔を見ると
中津は自分の欲望に蓋をすることは簡単な気がして微笑み
ただ、瑞稀を感じることに集中しようと、腰に手を回して抱きしめながら
下半身の感触をゆったりと手のひらで感じていった。
ふと手に触る濡れた感触に驚き、中津は思わず自分の手を見た。
確かに外の明かりに反射して手が光っている。
(…これ…、瑞稀の…だよ、な…)
再び手を足にのばしてみる。ゆっくり内股をなぞりながらあがっていくと
付け根までいかない位置から足の内側が濡れているのが分かった。
(み、瑞稀…!)
中津は瑞稀の体が内股を濡らす程感じてくれている事に心が沸き上がる。
自分を受け入れてくれているかと思われる物を見てしまった事で
性的に直接的な行為はブレーキをかけていた中津の中の何かが外れた。
それでも少し残っている理性で、すぐに瑞稀の中心に手を伸ばしたい
欲求を押しとどめると、また瑞稀の胸元に口づける。
自分の体温に近いその濡れている物に気付く余裕もないよう瑞稀を
今までしていた唇の愛撫ではなく、今度は舌全体で体中を舐めていく。
柔らかだった感触から、生暖かくねっとりした物に変わった為
瑞稀の体の中心には直接的な快感がわき起こり、かすかに腰をくねらせる
「あっ…ぁ、んんっ…、ぁっ……、あぁっ…」
今までの吐息だけの喘ぎではなく、せつなそうに甘い喘ぎ声に変わるが
それを我慢しようとはせずに、その感触に没頭しているようだった。
(もう…いいよな…? 瑞稀が…感じてるんなら…)
さっきは自分の欲求から瑞稀を感じさせたくなっている気がして
罪悪感を感じて止めてしまった中津だが、今の瑞稀の
控えめながら可愛い喘ぎ声と、快感に集中している表情をみて
今度は手を緩める事なく、責め立てていくことにした。
「っあっ…!…はぁっ…、ぁっ、ぁっ…、…んんっ…」
手で脇の下から脇腹、腰を指先でかすめて撫でながら
鎖骨、乳房全体、そして胸の間を舌で舐めまわす。
そして何度かその周りを焦らすように舐めたあと、
すでに固くなっている先端を、そっと舌を尖らせてつついてみた。
「…っつ!…んあぁっ…ん…!」
思ったよりも強い反応で瑞稀の背中が跳ね、瑞稀は手でシーツを強く掴んだ。
そのままそっと口に含み舌の先で少しだけ舐めている中津の愛撫に
「…っ!…んんっ…、ぁっ…、あっ!」
と瑞稀は耐えられないといったように何度か首を振り、腰をくねらせる。
(瑞稀…、すっげー…、…可愛い…)
感じてくれているのが分かり、中津は快感を与える行為に没頭していった。
(ぁあっ…、すごく…感じちゃう…、…でも、…もっと……もっ、と…)
自分でも思った以上に感じてしまう胸の先端が、中津の舌で舐められる度に
もどかしくて瑞稀はせつなくなる。そっと舐められる程に敏感になっている
乳首を、その柔らかい舌で強く舐めて欲しい気持ちが止まらなく
思わず腰を浮かせた瞬間、中津が舌全体で強く乳首を舐めて転がすと
そのまわりに舌をからませ、吸上げてきた。
「あぁっ…んっ…!」
ずっと待ってた刺激を与えられて、その快感に耐えられず声がでてしまう。
思ったよりも自分で大きい声が出てしまって、瑞稀は恥ずかしくなり
指をかんで声を出すまいと我慢するが、中津がその手をそっととり
「…瑞稀…、我慢しないでいいから…、俺…、…俺が…安心するから…」
と手にキスをされ、また愛撫が始まったので瑞稀はそのままその手を
中津の肩において、胸への口づけで軽くのけぞった。
思ったよりも強い瑞稀の反応に、中津はもっとゆっくりじっくりと
責めようと思っていた考えを改めた。明らかに瑞稀の体は
すでに十分昂っており、その波を逃しては可哀想に感じて
いつもの時のように、容赦なく快感を与えて行く。
乳首に舌を這わせ、反対の乳首を指でなぶりながら
腰を撫ぜ、内股を軽く引っ掻くように撫でては、また腰を撫で、と
体中を刺激していく。乳首にかわるがわる違う愛撫をほどこしている内に
瑞稀の喘ぎが、声から長い吐息に変わってきたのに気付く。
「はぁっ…、ぁ……、あぁ……っ、…んん…、っぁあ……」
大きく息を吐き出しながら、喘いでいる瑞稀は、中津が舌で乳首を転がすと
「んんっ…ぁっ…、あぁ…!」
と焦れったそうに悶えて、自分の膝を反対の股にすり合わせた。
(そろそろ…、いいよな…) と中津はその様子を見て手を腰からまわすと
その小さいお尻を柔らかく撫でてから、そっと後ろから手を差し入れ
濡れている足の付け根で中指を軽く濡らすと、瑞稀の中心に触れた。
「っつ…!」
瑞稀は強い感覚にのけぞった。背中がベッドから浮いたが
胸を舐めている中津の体で抑えられる。
相変わらず両方の乳首への丁寧な刺激で快感が続く中
一番敏感な場所を、中津の中指がゆっくりと優しくさすっている。
その指の滑らかな動きで、いかに自分がすでに濡れいるか分かり
恥ずかしさから逃げようと、瑞稀は足を強く閉じ腰をよじる。
しかし、中津の手は後ろからまわされているので、足を閉じても
すでに瑞稀の中心に這わされている指からは逃れることは出来ない。
自分から流れている愛液ですべるように中津の指がゆっくりと
割れ目をなぞっていき、徐々に中へと割って入ってくるのが分かる。
「ぃやっ…、だ、だめっ…ぇ…」
今までとは種類の違う感覚に瑞稀は身構え中津の肩につかまる。
そっと触りながら進む中津の指は、すっかり濡れている瑞稀の粘膜を
軽くゆるゆるとこすると、敏感な部分を探りあて、その突起を軽く指の頭で撫でた。
「ぁあぁっ!!」
強すぎる刺激に瑞稀は思わず中津の肩をつかんでしまう。
今までもそこを触られた経験はあるが、あまりにも直に触れられているため
寧ろ痛みにも近い感覚に、瑞稀は耐えられず腰をひこうとする。
(…まだ、早ぇか…)
その様子を見て中津はそこへの刺激をやめ、その下にある
熱く愛液を蓄えている場所に指を移し、そっと入り口の周りをなぞった。
「…あ……」
さっきとは違う瑞稀の切ない声。瑞稀の細い喉がコクンと唾を飲み込むのが見えた。
後ろから手をまわしている角度が辛くなってきたので
中津は反対の手をそっと前からさしいれ、手を替えた。
手のひら全体で中心が包まれ、じわっと暖かい温もりを感じて
瑞稀は少し不安になっていた気持ちが和らぐのを感じた。
中津の手はそのまま優しく全体を撫でていたが、その内の数本が
また濡れている割れ目の中へとゆるゆると分け入ってくるのを感じ
自分でもヌルヌルに濡れているのがハッキリと分かる部分でとまる。
そのまま濡れている場所をさらに広げるように指がなぞったあと
そっと滑るように中へと入ってきた。
「…っぁ……」
あまりの抵抗のない指の挿入に、いかに自分が濡れているの分かり
恥ずかしい気持ちを感じるが、中津の指がなめらかに中で動き
入り口の先の上の方を指の腹でさすると一気に意識が飛んでしまう。
「ぁあっ…! あ…、んんっ……、はぁっ…」
中津の指がゆるやかに出し入れされる、その滑るような動きに
腰が軽く動いてしまう。濡れているせいで全く摩擦は感じないのだが
時折どこかは分からない中の疼く箇所を刺激されて
どうしようもない程の快感が中からにじみ出てくる感覚におそわれた。
自分の手でせつなそうに喘ぎ、快感に飲まれて悶えている瑞稀の姿を
中津は愛おしく見つめながら、中に入れている指を2本に増やす。
もう十分濡れてほぐれているそこは、難なく中津の指を受け入れる。
「あっ…、んっ……、ぁあ…!」
瑞稀は挿入だけで悶えると、中津の肩においた手に力をこめ
中津にしがみついてくる。その重みを嬉しく思い片手で抱き返しながら
中に入れている指をゆるやかに出し入れする。時折中の上や
奥の入り口を刺激しながらかき回すように早める。
中から溢れてくる瑞稀の愛液で、中津の手はすっかり濡れている。
「ぁあっ…、あっ…、あぁっ…、あんっ…」
瑞稀はすっかり体を預けると、中津の指に翻弄されて喘いでいる。
決して激しくない指の動きに瑞稀はすっかり酔いしれていた。
自分でもどこが感じているのか分からないのだが
その指が中に入ってくる度に、もどかしい快感がたまり
お腹の中に熱い塊が沸き上がりどんどん大きくなっている。
そっと中津が足で瑞稀の足を開くので、瑞稀はそれに素直に従った。
足を開くと、中津が瑞稀を抱いていた手を離し、体勢を変えた。
そしてより深く、強く指の挿入がされたと思った途端
「ぁあっ…ん!」
乳首を強く舐められ、のけぞってしまう。体の中心と胸への愛撫と
たまらない程の快感を味わって瑞稀の腰がくねってしまう。
しばらく中津は胸を舐めると、その動いてしまっている腰に舌を這わせた。
指の愛撫は出し入れから、かき回すかのような動きになっている。
腰に感じる中津の舌がのくすぐったいような感覚が、そのまま中への快感へと
繋がっているかのような感覚に溺れている時に
「はぁっ…! あっ、ぁっ…!」
いきなり乳首が摘まれる。全ての快感が先ほどから感じている熱い塊となる。
あまりに多くの快感におそわれ、瑞稀は喘ぐひまもない位呼吸が苦しくなった。
乳首を指で弄られる感覚が、乳首だけではなく、指で愛撫されている
体の中心に違う疼きをどんどん感じて、瑞稀はどうしようもないもどかしさを感じる。
(か、体が…、変に、なっちゃ、う…。どーなっちゃう…、の…?)
自分の乳首と指が入れられている中の事以外何も考えられなくなっていた。
「ぃやぁっ…!ぁっん! あぁっ…!」
瑞稀は体の中心の敏感な場所に生暖かい感触を感じて飛び跳ねる。
中津がいつの間にか自分の足の間に顔を埋め、そこに舌を這わせていた。
「だ、だめぇっ…!ゃっ…、ぃやぁ…、だめっ…、…ぁあっ、…んんっ」
瑞稀は中津を止めようと手を自分の中心に伸ばすが
その手ごと舐められ余計に感じてしまう。
中津は、瑞稀が隠そうとしている手の指を舐め
その隙間から瑞稀の粘膜を舐めていくので、だんだん自分でそこを
愛撫している手伝いをしているような感覚におちいってしまう。
その感覚が余計に気持ちを昂らせ、抵抗する気持ちはなくなっていた。
瑞稀がまた快感に集中したのを見てとると、中津はその腕をそっとどかし
また丹念に舌での愛撫を続ける。瑞稀はそれを今度は拒まなかった。
中津は両手でそっと瑞稀のそこを広げると下からそっと舐め上げる。
「んんっ…!」
瑞稀は両手でシーツをつかみ、中津の舌の動きに反応をする。
中津はそっと先を尖らせて先程指を入れていた所に舌を挿し入れる。
なるべく奥まで入れるとそのまま中をすくうように動かす。
「あぁっ……っ」
体をのけぞらせて感じる瑞稀にそのまま何度も舌を挿し込みよがらせる。
瑞稀の中がヒクヒクと動いてくるのを感じて、中津は舌を抜くと
唇で敏感な突起を包み、舌でゆっくりと優しく舐め回した。
「ぁあっ…!…ぁ…、んん…、…ぁっ…、ぁっ…、っ…」
瑞稀はもはや強すぎる刺激に喘ぐ事も出来ずに、
体の中に疼いていたもどかしさを全て満たすような快感を
味わう為にその舌の動きに集中して声も出ない。
しばらく、舌の動きに呼応して腰を微かにくねらせていたが
やがて足に力が入り、中津の肩に置かれていた両手の動きが止まる。
それを感じた中津は、舌の先を固くして動きを早め
その箇所への愛撫を強くした。 その途端瑞稀は
「ぁあっ!あっ!んんっ…!ぃやっ!だ、だめぇ…!…ぃ、…ぃっちゃ…、ぅ…」
と中津の肩を掴みのけぞると、一瞬してから力なく崩れ落ちた。
あまりにも簡単にイッてしまった瑞稀を中津はたまらなく愛おしく思い
髪を撫でながらキスをする。そんな中津を、瑞稀はうっすら目を開け
焦点の定まらない例の潤んだ瞳で見つめると
「なかつ…」
とかすれた声で呼ぶ。その様子があまりにも可愛くて
(なんか…もっと乱れさせてえ、な…)
と目を見つめながらまた中心に手を伸ばすと
「ぁあ…、…ん」
とせつなそうに喘ぐ。
そのまま指を入れると、さっきより少し固く狭くなっているそこを
今度は少し強くこすりあげてみると、たちまち喘ぎだしたので
激しく出し入れをしながら、胸の先端を舌で細かく舐め刺激する。
しばらく感じる箇所ばかりを同時に責め、乳首も舌で強くこすり舐めると
下半身に力が入ったので、中津は入れている指の刺激を強く早くした。
瑞稀はイヤイヤをするように首をふり、何かを耐えようと唇を噛んでたが
フッと力を抜き、すこしのけぞったかと思うと
「んっ、ぃやぁ…、…ま、またぁ…、また、…ぃっちゃ、ぅよぉ、…」
とせつなそうに体を震わせてイッてしまった。
あまりにもその姿が無防備で可愛かったので
中津は色々な愛撫を続けて、瑞稀を何度も責め立て
崩れさせていたが、何度目かで
「も、もぉ…、お願、い…、も、ぅ…、もぉ…、…だ…め、ぇ…」
と瑞稀が苦しそうに懇願したので、責めていた手を止めた。
しばらく息を整えていた瑞稀が、また目をあけて中津を見る。
「なかつ…」
視点の定まらない瑞稀の呼びかけに、中津は
「ん?」 と優しく聞き返す。
「・・・・・っ…」 瑞稀は呼吸が整わず、苦しそうに唾を飲み込む。
「…わりぃ、ちょっと、…やりすぎたな…」
中津がちょっと笑ってしまながらも髪を撫でながら言うと
「なかつ…、…しても…、いい、よ…」
遠慮がちに瑞稀が言った。
77 :
26:2007/10/14(日) 00:55:28 ID:ZyWDBsRh
長くてすみません。エロ部分って本当に難しいです。
このストーリのイメージ的に瑞稀は身持ちが固かったので
なかなかすぐには落とせませんでした…。
でも瑞稀もちゃんと気持ち良くなって欲しかったので
長くかかっちゃいました。本当にすみません…。
取り敢えずここまでです。続きまた時間かかるかもしれませんが
もし出来たら投下させて貰います。失礼しました。
GJ!GJ!GJ!GJ!!!
ホントすごすぎるよ!
胸がきゅーっと締め付けられて、ちょっと涙でました。
裸で引越しの準備しながら待ってます。
GJ!!!です!
ほんと、すごい・・・読み応えあります!
中津、テクニシャンだなぁ。よく我慢できたね。
中津の瑞稀への想いがひしひしと伝わってきて胸が痛いです。
時間かかってもいいので続き、裸にマフラー首に巻いて楽しみに待ってます。
>>77 なんだか今日は2ちゃんが止められなくてw最後にここを覗いたら…感動しましたGJ!!!!!!!!!!!!!!
中津の瑞稀への愛情の深さ一体どんだけのもんなんだ?
めちゃめちゃエロいことしてるのに描写が美しすぎて卑猥な感じがしないのはなぜ?
26さん、あなたは本当に大変素晴らしい書き手さんです!と校長先生がおっしゃっていました
続きを書いて頂けるならいつでもシュワシュワ買いに行きますので呼び出して下さいね〜
>>54より
本当にありがとうございました!
長文スマソ
>>77 GJ!!
久々に良い作品読ませてもらいました!!
文章が素敵なので長くても全然苦ではないですね。
続きが楽しみです。
大変でしょうが本当に楽しみにしておりますので頑張ってください!
GJ!!!
なんか切なくなって、涙出ちゃいました。
今から本番なんだろうけど、佐野のことも気になります!
裸族のみなさんにあったかい物用意して、投下楽しみに待っております。
83 :
55:2007/10/14(日) 11:08:47 ID:qqYhqk2l
>>26さん
今回も類稀なるGJ…!!
瑞稀を何度もイかせるその愛情にとろけそうです…。
瑞稀と共に溺れつつ、頭のどこか片隅で佐野のことを考えてしまう自分のこの
心情の複雑さもまた醍醐味のひとつでしょうかw
どのような投下のされ方でも保管には全然問題ありませんので、お気遣い無く!
頑張ってください!
84 :
55:2007/10/14(日) 11:12:59 ID:qqYhqk2l
連投すみません。
愛すべき裸族のみなさまの前スレ作品飢えwをどうにか救済させていただきたく…
取り急ぎではありますが貼らせていただきます。
【保管庫】
ttp://rinokimirazoku.blog122.fc2.com/ なにぶん初めてゆえ拙くて申し訳ありませんが末永くマターリと見守っていただけると幸いです。
これからもたくさんの職人のみなさまによるネ甲作品を心よりお待ちしています。
>>84 55さん乙です〜!
今保管庫見てきましたーっ
カップリング別になってるのがすごくうれしいです
分類するのさぞかし大変だったことでしょう…本当にありがとうございます!
りの君愛、裸族愛をひしひしと感じました
86 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 15:06:22 ID:ZYAv2DMH
すごいですね!中津
ほんとにドキドキしてますよ
こんなに長い文章お疲れ。
次も楽しみにしてますね♪♪
26さん、55さん乙です!
保管庫見やすくてサイコー!大変な作業お疲れさまでした。
中津の続きも楽しみにしてます。せつなくて泣けてくる…。
>>84 乙です。
貴方にも類稀なるGJを贈らせてください!
有り難うございます。
>>66 GJ!!!!
奥深いエロスを感じました。
だんだん乱れていく瑞稀が可愛かったです!
酒飲みなながら、続き楽しみにしてます
>>84 保管庫GJです!
スッキリしてて見やすいです。ありがとう
92 :
26:2007/10/17(水) 01:53:01 ID:FZ8oIhk8
すみません、相変わらずの長文魔です。
さすがに中津部分完結させたくて一気に書いた分です。
全部投下してから、ちょっと言い訳させてもらいます。
連続でいくか心配ですが、最後に
中津編のエピローグがありますが、前回のように第三の女が出てきます。
エロなしですが、中津×瑞稀以外嫌な方はスルーでお願いします。
そこは読まなくても、多分佐野編に影響はないので。
「みっ、瑞稀…!?」 中津は驚いて体を起こす。
「おま、…言ってる意味わかってんのかぁっ?」
あまりにもビックリして甘い雰囲気がどこかにふっとんだ。
「…わかってるよ、…あたりまえじゃん…」
「そ、そうだよな…、ってそーじゃなくって…、…ちゃんと…」
「ちゃんと考えたよ…。されてる時に…、ずっと…、考えてた…」
「でも…」
佐野は…と聞きそうになって止める。今この名前を出して欲しくはないだろう。
瑞稀はベッドの隅の布団を引き寄せ恥ずかしそうに体を隠すと
ダルそうに中津の前に体を起こした。そのままちょっと迷った顔で考え込み
「…本当は…、…よくわからない、の…」
瑞稀が涙声になりながら言う。中津は黙って瑞稀の言葉を待った。
「…本当は…、それが中津に対して…、いい事か…分からないし…」
「・・・・」
「余計に…傷つけちゃうことだったら…、って思うけど…」
(…つまり、今回だけって…意味だよ、な…)
中津がちょっと難しい顔で黙り込むと、瑞稀は不安そうな顔で
「でも、中津の事は好きだし…、…大事な人だから…、中津なら…」
「・・・みずき・・・。…気持ちは嬉しいけどよ、…無理すんなよ…」
「無理じゃない、よ…、…ぃ、嫌じゃなかったもん…」
少し困ったように瑞稀がうつむいて小さい声で言う。
「・・・・(それは嬉しいけどよ…)」
「…、それに…、…中津…、…な、中津は…、辛いんじゃない、の…?」
瑞稀が聞きにくそうに、上目遣いでそっと聞いてきた。
「・・・ ん?… え? 辛いって…?」 中津が聞き返すと
「…だ、だから、その、しないと、…し、してないと…」
瑞稀が顔を真っ赤にしてまたうつむき、言いにくそうに口ごもる。
「っ!あーっ!…あぁ、あー、そーゆー意味かぁっ、…あーはいはい」
「・・・・」
瑞稀は困った顔で視線をそらしたまま自分の膝を抱えて座りなおした。
(うぅーわっ!体育ずわりかよっ…!か、可愛いし、反則だろ、それはっ!)
…なんておちゃらけて誤摩化してる場合じゃないよな…俺。
「…ずっと…、し、しないなんて…、辛いん、でしょ…?」
「・・・・まぁ、辛いってゆーか…」
「あ、…の、私、ばっかりじゃ…、…わ、悪くて…」
瑞稀の声がどんどん小さく言いにくそうになる。
正直瑞稀に触れている間中、中津の下半身は爆発しそうに痛かった。
それが満たされないまま、今も確かにそれは体に残っている。
でも、何度も瑞稀をイカせて気持ち的には満足しているのも事実だった。
体がダルくて、無性にしたい気持ちと、このまま寝てもいいダルい気持ちの
それぞれが中津の考える力を奪っているようで、よく分からず
中津はただ目の前の瑞稀が話すのを聞いていた。
「な、中津…?」 不安そうに瑞稀が覗き込む。
「・・・・」 中津はため息をつくと、考えるのを止めた。
「ごめんね、…私…、変なこと言って…。…怒ってるの…?」
「…いや…、怒ってはいねえよ…、…ただ…」
中津が低い声で答えると、 瑞稀が聞くのが怖そうに聞き返した
「ただ…?」
「・・・瑞稀は、…俺に…、…俺に抱かれたいのか…?」
「・・・えっ…」 思ってもない質問に瑞稀が固まる。
「少しでも瑞稀の中に、その気持ちがあんのかよ?」
中津が静かに聞くと、瑞稀は泣きそうな困った顔で中津を見つめる。
中津が黙ったまま見つめていると、その大きな瞳が潤んで目に涙がたまる。
「私、…私…、……分かんな、い…」 泣くのを堪えて困った顔で言う。
「…考えらんねえってこと、か…」 中津はもう一度ため息をつく。
(ってか考えたくねえんだろうな…。…佐野のこともあるし…)
「じゃあ、今考えろよ。」中津は瑞稀の肩を掴み抱き寄せる。
瑞稀は少し驚いて涙の溜まった目で中津を見上げる。
「ちゃんと考えろよ、…無理はすんな」そう言ってさっきより強いキスをする。
中津はさっきとは違って、強引に瑞稀を引き寄せ抱きしめた。
自分の気持ちを押さえていたものを、わざと解き放ち
華奢な肩や腰を強く抱きしめ、息苦しい深いキスをする。
ためらうその舌を追いかけ、絡ませながら、唇をなぶる。
苦しくなった瑞稀が逃れようとしても、許さずそのまま押し倒す。
「っま…、まって、…中津…」 瑞稀が頼む声にも答えず
そのまま唇を移動して、先程の長い愛撫で把握していた
瑞稀の感じるところをどんどん容赦なく舌と指で責め立てる。
中津はわざと乱暴にするかのように、強く抱きしめ強引に体の位置を変えさせる。
そんな行為にも、ついさっきまで体中に回っていた快感がすぐ蘇って
「っあっ…、ぁっ…」
と瑞稀は切なそうに喘いてしまい、中津はどんどん激しさを増した。
(中津…、さっきと、違う…。知らない人みたい…)
考えろと言った中津は、一瞬たじろいでしまう程冷たい雰囲気だった。
それでも、瑞稀は体にほどこされる愛撫の激しさを感じながら思う。
(でも…、…中津は、きっと中津のままだ…。大丈夫…)
妙な信頼感をもって、瑞稀はその激しい責めに身を委ねていた。
(やっぱり…、私…、…中津に抱かれたい、かな…)
快感の中でぼんやり考える。正直さっきは何も考えられず
ただ体の快感に支配されてしまっていたが、今は違う。
集中していない訳ではないが、頭は冴え渡っている。
愛撫が乱暴になっていても、自分を傷つけないだろうという
安心感が、中津への答えのような気がしていた。
体が求めているのとは違う。
佐野とする時のように好きで仕方がないという気持ちとも違う。
佐野の事を考えると、どうしていいのか分からず泣きそうになる。
でも…
でも今中津に抱かれたいと思っている気持ちも本当だった。
中津が自分を思ってくれていて、それを痛い程感じて
自分も中津が大事だと思っている気持ちを伝えるのに
他に何の方法も思いつかなくって…ただ、今は
抱き合うのがすごく自然な事にしか思えなかった。
それを伝えるため、瑞稀は自分の胸に舌を這わせている
中津の肩と頭をそっと抱きしめた。
逞しい中津にすがるように…
弱々しい中津を守るように…
全ての気持ちを込めて、泣きたい程の何かを伝えたくて
瑞稀の腕に抱きしめられて、中津は体の力が抜けるのを感じた。
正直少しヤケになって、何も考えないようにただ欲望にまかせて
他の女を抱く時のように深く考えずに波にのまれたかのように
流されてしまいたかった。そして…
(受け入れられんのも、…断られんのも、結局…怖いんだよな…)
情けねえな…、俺…。
逃れられないものと対峙する気持ちで、中津は胸から顔をあげ
瑞稀の顔を上から見下ろす。うっすらとゆっくり瑞稀が目をあけた。
潤んではいるが、落着いた目で瑞稀が中津を見つめた。
「・・・」
何て言っていいのか分からない中津の両頬に瑞稀がそっと手を伸ばす。
そして…、ゆっくりと引き寄せ、中津に優しい口づけをする。
「・・・・・・・・みず、き・・・・」
少し照れた顔で中津を上目遣いで見ている瑞稀を中津が驚いて見つめる。
「・・・ちゃんと…、…ちゃんと考えたよ…?」
「…瑞稀…」
中津が泣きそうな苦しそうな顔になり、瑞稀を抱きしめる。
「俺…、俺、瑞稀が嫌って言ってくんねえと…、止めらんねえよ…」
瑞稀は何と言ったらいいのか分からず、そのまま中津をそっと抱き返した。
中津はゆっくりと身を起こすと、泣きそうな顔のまま
「わりぃ、…俺、まじで…、もう無理だわ…」
と呟くように言うと、瑞稀に深いキスをしてゆっくりと強く抱きしめた。
自分をイカせ続けたときの繊細な愛撫とも、今さっきの荒々しいそれとも
全く違った中津の抱き方に瑞稀は愛おしさが込み上げてきた。
せつなそうにため息をつき、自分を抱きしめたかと思うと
その体を味わうかのように、丁寧だけど激しく吸いついてくる唇。
そして全身に気持ちを塗り込むかのような舌での愛撫。
瑞稀は中津の愛撫から、自分の何かが流れていき、そして
何かが流れ込んでくるようなイメージに身を委ねて
さっきよりも大きなゆったりとしためまいのような渦にのまれていた。
(すごく…、すごく気持ちが良すぎて…、自分の体じゃないみたい)
また中津の舌の生暖かい感触を体の中心に感じて
「んんっ…、ぁあ……っ、あ……、っあっ……」
背中をそらし、大きく腰をくねらせてしまう。
舌を柔らかくしたままで中津が、瑞稀のそこ全体を下から舐め上げる。
「ゃあっ…ん、っもぉ…、も、ぉ…、ぁあっ…、ん、ん…」
瑞稀は手で押さえられた足を大きく広げたままはしたなく腰を浮かせてしまう。
そして今日何度目かの絶頂に達すると、力の入らない手を懸命にのばし
中津の腕を掴んで弱々しく抱き寄せた。
中津は瑞稀を抱きながら焦っていた。
さっきまでずっと瑞稀に愛撫をほどこしている時は、服の中で
苦しいくらいに硬くなっていたそれが、弱々しい状態のまま反応しない。
瑞稀を抱けると思ってせつない程の愛おしさを感じて
全身を撫でているだけでも心が昂っているの、それに反してるかのようだった。
(まじかよ…、俺、…緊張してんのか…?)
正直今まで一度もこういった状況が無かったのでどうしたらよいか分からない。
でも腕の中で悶えている瑞稀を見ると、頭の血管が膨張しているかと思う程
興奮してしまうので心は今にも抱きたい気持ちで一杯だった。
そんな状態の中、色っぽく絶頂を迎えた瑞稀を更に責めようとした時に
瑞稀が中津の腕を引っ張った。弱々しいながらも意思のある動きに従い
中津は体をずらし、瑞稀の顔を覗き込んだ。
「なか、つ…?」 大きな瞳をせつなそうに潤まして瑞稀が中津を見た。
「…ん…?」
「もぅ、…私には、いい、よ…」 苦しそうに瑞稀が言う。
「中津にも、…」
中津の肩から胸にかけてを撫でながら瑞稀が口ごもる。
そのまま背中に手をまわし、優しく何度か背中を撫でると
控えめな動きで中津のズボンに手をかける。
「っ!」
思わず心臓が口から飛び出そうな程驚いて中津は瑞稀を見た。
み、瑞稀! そういう事するの…、か!? 佐野とし慣れてる、とか!?
嫉妬とかのレベルではなく、想像しただけで頭が混乱しながら
瑞稀を見ると、顔を真っ赤で困った顔をしている。
もたついた手つきでズボンに手をかけているので慣れていないのが
分かってホッとした気持ちにもなり、同時に愛おしく感じた。
(俺のことを考えてくれてるんだろうな)
そう感じた途端、胸と一緒に下半身が一気に熱くなり苦しくなった。
上手く脱がせられなくて困っている瑞稀の手をそっと取り
「みずき…、サンキュ、な…、…いいよ、無理すんな…」 と手にキスをすると
「ごめん、中津…、…私下手で…」 と瑞稀が恥ずかしそうに謝った。
それを見て中津は余計に血が下半身に集まるのを感じて
後ろのポケットから財布を抜いてから、ズボンと下着を脱ぎ捨て
財布の中から避妊具だけ取り出すと、それも投げ捨てた。
手にした避妊具を開けようと迷い、そのまま手に握り
中津は瑞稀を上からそっと抱きしめた。
胸を合わせ、そっと下半身も重ねる。服を脱いで直に
中津の足と熱く猛々しく硬くなっているそれが瑞稀の足に触れる。
瑞稀の滑るような肌に触れる感触に中津は思わず腰を動かした。
余りの心地よさと興奮から先端から少し出た透明の液体が瑞稀の足を濡らす。
一瞬体を緊張して反応するのを感じ、中津は少し腰をひいた。
(やべぇ…、余裕ねえわ、…俺…)
中津は手早く手に持っていたものを着けると、もう一度瑞稀を抱きしめ
1回長いキスをすると、胸に軽く口づけをしながら瑞稀の足の間に
自分の体を割り込ませると、そっと瑞稀の足を広げて自分自身をあてがった。
愛撫で溶かされ溢れていた瑞稀の愛液に、何度かこすりつけ自分自身を濡らす。
そして先端をあてがうと、中津はゆっくりと腰を進めた。
散々指や口でほぐしたそこは、十分濡れていたが、やはり少し抵抗する。
徐々に押し込み先端が入ると、中津は瑞稀の暖かいそこが自分を包むのを感じた。
思わず頭が真っ白になる。一気に貫きたくなる気持ちを押さえ、体勢を倒し
瑞稀にもう一度キスをする。瑞稀はきつく目をつむってせつなそうに息を止めている。
そのまま片方の手で瑞稀の腰を抱き寄せながら、自分の腰を進めると
「っは、ぁ……」 と瑞稀が熱い息を漏らした。
それを聞いて中津は耐えられなくなり、自らも熱を求めて瑞稀の中に押し入った。
「っくっ!」 きつい感触に、思わず息をつめる。
それでも、息を整えると両手で瑞稀の体を強く抱きしめた。
瑞稀も中津の背中に手をまわし抱き返してくる。
中津の体中は安心感で満たされ、中の物が大きくなるのが自分でも分かった。
瑞稀の中がそれに反応して少し細かくひくつき、中津を刺激する。
「…あ……、…んっ……」 瑞稀が腰を微かによじる。
中津はゆっくりと腰を動かした。
「…っあっ…、あっ…!」
瑞稀がせつなそうな声をだし、中津の背中にまわしている手に力を込めた。
潤っていた愛液が中津の動きを助けるが、瑞稀の中は熱く狭い。
中津のいきり立ったそれを受け入れる時はきつく締め付け
出て行く時は咥え込んで離さずと刺激するので、中津は苦しくなってきた。
「っつっ…、はぁっ…!」
中津には、いつものペースで事を進める余裕がまったくない。
抱かれるのを受け入れてくれた瑞稀への愛情と
実際に自分を受け入れている瑞稀の体とが中津を包み
ようやく瑞稀と一つになった感覚をもっと味わいたいと思う程
気持ちが高ぶって体を苦しめている。
(せめて、もっと…瑞稀を感じたい…)
中津は自分を咥え込んでいる感触から意識をそらす為に、体を起こし
瑞稀の上半身を両手で撫で、胸の頂を摘む。
「ぁあっ…!んんっ…ん、…はぁ…っん…、ん、んっ…ぁ…あっ…」
瑞稀の中が、キュウっとしまり中津の腰の動きに合わせて、腰を浮かしはじめる。
その刺激と瑞稀のしどけなく乱れた様子が余計に中津を追いつめた。
(やっべ、…おれ、マジで、持たねえ…)
中津は冷静になるために動きを落とそうと考えるが、体が言うことを聞かず
腰の動きを止められずに苦しくなってしまう。
「み、瑞稀っ…、…わり、…お、俺…、持たねえわ…」
中津が瑞稀にうったえると、瑞稀は中津に向かってせつなそうに手を伸ばす。
それに応えて腰を抱きながら瑞稀に体を寄せると、苦しそうに喘ぎながらも
瑞稀がキスをしてきた。その行為が中津をせつなくさせ一気に追いつめる。
「みずきっ…」
中津は腰を深く大きく瑞稀を突き立てると 何度かかき回し
瑞稀の足を一本抱えると、より深く挿入する角度に変えると速度を早めた。
「あっ!…ああぁっ…、ぁあ、ぁっ…あ…っ!」
瑞稀は奥深くつかれる度に、大きなうねりのような快感の波に
少しずつ少しずつ高い所に持ち上げられるような感覚におそわれた。
その波が大きく瑞稀を上に放り投げそうになった時
「・・・みず、き…、…みずき…、・・・・・・・好きだ・・・・・・」
せつないかすれた声で中津が瑞稀の体を強く抱きしめ
「っぁあっ…!」
奥深くまで突いたかと思うと動きがとまり、瑞稀の中で小さく何度か震えた。
中津は自分が思ったより早く達してしまったことを悔やみながら
まだ瑞の中から離れる気になれず、中から自分自身を抜かないまま
あまり動かないように体勢を変えて、また瑞稀にキスをして抱きしめた。
「みずき…」
優しくせつない声に、瑞稀はもう目が開けられない。
どうしようもなく心地の良いダルさが全身を飲み込み
ベッドに沈んでいく感覚の中、瑞稀は荒い息をして唾を飲み込む。
「みずき…?」
問いかける中津の声に、瑞稀はただ
「な、かつ……、ありがとぉ…………」
とだけかろうじて呟くと、ダルさと戦うことを放棄した。
意識をなくしてしまった瑞稀のおでこに苦笑しながらキスをすると
中津はそっと瑞稀の中から自分自身を抜き、瑞稀にそっと布団をかける。
手早く処理をしていると、すごく喉が渇いているのに気付く。
そばに置いてあった缶コーヒーの残りを飲む干すが、全然足りないので
コーラにも手を伸ばすが、それは空だった。
「あれっ?入ってねえ…?…あれ? …これ俺んだよな…?」
ベッドの向こう側においてある瑞稀のを持つと半分程残っている。
飲んでみると炭酸が抜けかかってるコーラだった。
「俺…、全然飲んでなかったよな…」
中津は瑞稀の寝顔を見ながら、やけに熱かった瑞稀の体を思い出した。
「どーりで…」 コーラを飲み干すと中津は大きくため息をついた。
時計を見ると、とっくに日付が変わってる。
「っつーか、俺ら何時間してんだよ…。…あっという間にしか…」
中津は色々考えた後、全然起きない瑞稀の体を綺麗にしてやると
きちんと服を着せベッドにきちんと寝かせると、何となく部屋を整えて
ドアに鍵がかかっているのを確認してから
もう一度だけ瑞稀にそっとキスをすると、窓から外に出た。
保健室をあとにすると、中津は寮に向かって歩いた。
でもどんどん足が重くなり、引きずった感じで進むが
何をするのも面倒な気分になり、ベンチに座り込んだ。
足を投げ出して深くため息をつく。それでも胸の重みがとれず
「あーあ…」
と大きく息を吸いながら天を仰ぐと中途半端な形の月が見えた。
(おまえ、これから丸くなるのか?それとも細くなるのか?)
どーでもいい事を考えながらため息をつくと、吐きそうなくらい
胸の固まりが痛み、ちょっと咳き込む。
「あー、やっべーなぁ…、かーなりクルわ…」
頭を抱え込むと、肘にポケットに入ってる携帯があたり
気を紛らすためにそれを取出して開けたり閉めたりといじる。
(誰か…誰かに電話…)と考えると、まず瑞稀の顔が浮かんでしまう。
「俺って…バカだろ…」
呟きながら適当にいじってると着信履歴の画面になった。
4件続けてリナの名前が表示されている。さっきのやつだ。
中津は約束した用件以外の時にあまり自分からは女に連絡しない。
時計は1時近かった。明日は会社休みだから来ちゃったって言ってたな…。
「寝てる…よな…」 そう思いつつ、じっと携帯を見てから
「3コールだけして、出なかったら切ろう」 と考え発信する。
トゥルルルルル、トゥルルルルル、トゥ、ッピッ
中津はすぐに思い直し、コールを止めた。
「俺…何話したいんだろう…」 とその時
チャンッチャ、チャララララチャンチャン 着信音が鳴る。
「も、もしもしっ!?」
「…あ、…もしもし?…秀一くん? どぉしたの?」
「あっ、リナさん…。ごめん…、起こしちまった…?」
「ん?…うぅん? 大丈夫だよぉ、起きてたから。…なにかあったの?」
「いや…、何かあったっつーか…」
「・・・あぁ、私に会いたくなっちゃったのかぁ、しょーがないなぁー」
ふざけた感じで茶化すリナに、中津が何も言わずにいると
「…好きな子と何かあったんだね…。…なにがあったの?」
「・・・俺、…俺、好きなやつとしたよ…」
中津は意味もなく報告した。
「そっかぁ…。…それで幸せだけどぉ…、…せつない訳だね…」
「・・・・」
中津は答えられない。何故かリナ声を聞いていたら泣きそうになった。
「…秀一くん、今日家に泊まりにくる?」
「…え…?」
「美味しいワインあるよぉ?チーズもあるし。あ、私も美味しいかもねぇ」
リナの、あくまでも軽い感じに
「今日はもう腹一杯だよ…、ったくどんだけ俺食べ盛りなんだよっ」
中津も苦笑ってしまう。リナも電話の向こうで軽く笑って
「でも、本当に来てもいいよ?家のお布団気持ちいいからさぁ」
と優しい声でいってくれるが何か救われて少しだけ胸の重みが軽くなる。
「サンキュ…、でも俺の同室の萱島って奴が外泊したら怒るか…」
「呼んだ?中津」
「おわぁぁあーーっっとぉおおーーっっ!!!」
いきなり萱島が隣に立っていて中津は飛び上がる。
「お、おまっ!な、何でここにっ!!?」
「え?中津が呼んでたから、ってゆーか電話大丈夫?」
と冷静に言うと電話を指差す萱島を見上げながら
中津は驚きのあまり跳ね上がっている胸を押さえ
「も、もしもし、ご、ごめん…」
「もしもし?秀一くん大丈夫?どうしたの?」
「い、いや、今ダチがいきなり現れて、んで…」
「そっ、かー、良かったねぇ。…じゃぁもう寂しくないねぇ」
リナが柔らかく言うと、中津は自分が寂しかったのに気付いた。
「ごめん…、遅くにかけちまって…」 萱島を気にしながら謝る。
「うぅん?いつでもいいよぉ?…またなんかあったら電話してねぇ」
「お、おう…、…ありがとう…じゃ、また…」
中津は電話を切ると、いつの間にか座ってた萱島を見た。
「おま、…何でここにいんだよっ…!」 もう一度聞く。
「え?だから、中津が呼んでたからだよ? 誰かー!…って」
「・・・・お前、本当にすげぇなぁ…びっくりするわぁ…」
「…中津綺麗な紫だね…」 萱島は中津の斜め上を見ながら呟く。
「濃いピンクと、濃いブルーが混ざってる…」
「も!、もういいからっ!…それ以上はいいからっ」何故か恥ずかしくなって止める。
「いいよ、手伝ってあげるよ僕が」
「…え? 手伝うって…?」 意味が分からず聞き返す。
「何を言ってるの?芦屋を助けたいんだろ?手伝うよ、僕も」
萱島は中津の頭の中を読むように当たり前のように言った。
「おま、…瑞稀の…知って…」
「うん、最初っからね。ってか中津って随分鈍感だったから大変だったね」
萱島がニコっと無邪気な笑顔で笑うのを、中津は呆然と見つめた。
「何だか…俺、バカみてえだよなぁ…」ため息をついて言う。
「いや、でも中津は芦屋が本当に男でも好きになってたよ」
「・・・」
「んで、もし中津が女だったとしても芦屋を好きになってたんだよ」
「・・・・・」
「二人のオーラはすごく似てるからさ、綺麗で潔い明るいオーラだよ」
「…萱島…」 中津は萱島を見つめる
「多分男とか女じゃなくって、二人はもともと強い絆があるんだよ」
「・・・・・」
「たまたま…今回は中津が男で芦屋が女だから…こうなっちゃったけど」
「・・・・・・」
「でも、芦屋が中津を受け入れたのも嘘のない気持ちからだと思うよ」
萱島の言葉を聞いて中津は堪えられず頭を抱えて少しだけ泣いてしまう。
そんな中津の隣で萱島黙って座って待っていた。
瑞稀を抱いた後、中津は今までの望みが叶った幸福感と
抱いたからこそ分かってしまった絶望感を感じていた。
自分が好きでもない相手と何度も寝ているから何となくわかる。
勿論、瑞稀が中津を受け入れたのは性的欲望からでも
同情でもないのは分かっていた。
でも、瑞稀は中津を人として好きだから受け入れただけで
決して瑞稀が中津を『欲して』ではない…。
抱いている時に佐野の事を考えている感じはなかったが
きっと佐野に対する気持ちとは全然違うのも分かる。
「多分…佐野だけが、瑞稀をあんだけ泣かせる事が出来んだよな…」
佐野の事に精一杯だからこそ、その感情が大きく揺れ動くんだろう。
そして、そんな佐野に一生懸命な瑞稀をきっと中津は好きになったのだ。
そう考えるとやっぱり佐野にはかなわないな。
瑞稀があいつを好きなのも良く分かんだよ…。
ここにあいつが来た理由が理由だしな…。
っつーか最初っから分かってたんだ…。
「大丈夫!女の人なんて星の数程いるし、中津にはもっと素敵な人が現れるよ!」
萱島が棒読みで、でも優しく手を中津の肩にかけて言った。
「・・まんま、俺のパクリじゃねぇかよ…」
「え?星の数程に変えたのは良いアレンジだと思ったんだけど?だめかな?」
「…めちゃくちゃベタだけどな…。…でも、…ま、…あんがとな…」
中津は涙をさりげなくぬぐうと、ベンチの背にもたれかかり大きく空を振りあおぐ。
また月が見える。それをぼんやりとみながら
「なあ、萱島ぁ…、あの月、あいつ、これから丸くなんのか?細くなんのか?」
「え…?…あぁ、これから丸くなるよ。もうすぐ満月だよ、中津」
同じように空を見上げてから、萱島はそういうと中津を見て明るく笑った。
「そっかぁー…、じゃ、俺もパワーアップしねえとなっ」
大きく伸びをして立ち上がった中津を見上げて萱島が安心したようにうんっと笑った。
「うぅーん…、っつったたたぁ、あったまいったぁー…」
瑞稀はガンガンする頭を抱えて目を覚ますと体を起こした。
「あれ…ここ…?」 いつもと違う景色に違和感を覚え、自分のいる場所を思い出す。
(そうだ…!俺、昨日…) 慌てて隣を見る。そこには萱島が丸まって寝ていた。
「っええぇーっ!?か、かやしまぁあーっ!? っつつ、ったあー!いたたぁ…」
思いがけない人物がいるので瑞稀は驚いて大きな声をあげてしまう。
「…う〜…ん、…ぁあ、芦屋ぁ、おはよー…」
眠そうに言う萱島を目をまん丸にしながら見つめて瑞稀が聞く
「どーして?ここに萱島がいんの?っったたぁ…」
「えー?どーしてって…?ふあぁ…、芦屋覚えてないの?」
「…え…?覚えてって…?」
「昨日の夜中津に誘われて3人で飲もうっていうから後から僕が来たら…」
「…き、来たら…?」
「中津がすでに酔っぱらってて、芦屋に思いっきりキスしてたんだよ。」
「・・・・・(え?その後の事を見られた、ってこと…!?)」
「だから僕が慌てて引きはがして止めたら、中津がぷんぷん怒って帰っちゃって」
「…え?」
「芦屋もなんか酔っぱらって荒れてるから、僕も帰るって言ったら泣き出して」
「…ええっ?」
「一人はヤダー!とか、男とか女とかなんで分かれてるんだ!とか訳わかんなくって」
「…えええっ?」
「寂しいから絶対帰るなって言われて、仕方なくここに僕も泊まったんだよ」
「…???…え?それ本当…?」 瑞稀は訳が分からず聞き返す。
(え?昨日の夜の…中津との…、あれは…?…でも萱島がここにいるし…)
「…ってゆうか中津の酔ってのキス魔になるのはたまにあったけど…」
萱島が思い出し笑いをしながら
「芦屋が、酔っぱらいのオヤジさんみたいになるの初めてみたよ、僕」
「え? 俺ぇ?…そんなだった…?」
「アハハハ、皆呼べば良かったな。顔に似合わないから余計…、…あれっ!?」
急に真面目な顔で萱島が瑞稀の斜め上を見る。
「…え…? な、なんだよ…」
「芦屋…、じっとして…。…変な霊が…、うわっ…、すっごいなぁ…」
「え? な、なんだよ、それ。か、萱島早くなんとかしてくれよっ!」
「んー、これは僕にはどーしようもないかな」
「ど、どーゆ事だよぉ、何とかしてくれよぉ、ってゆーか何が憑いてんだよ?」
「んー、芦屋欲求不満なの?」
「えっ!?」
「この霊、いやらしい妄想を食べる為に取り憑く霊なんだよね。ま、害はないけど」
「え、ええーっ!?」
「すっごいリアルないやらし〜い夢とか見ない?夜に」
「・・・・」
「そーゆーのを食べるから、…芦屋欲求不満なら、ちゃんと処理しないと」
「しょ、処理って…」
「溜まってる限り、憑いて夜な夜な夢見るよ多分」
「た、溜まってる限り…?」
「特に害はないけど、うーん、体力奪われるかな。起きてもダルいでしょ」
「・・・う、うん…」
「ま、早くスッキリするといいよっ!あ、僕もう遅れるから行くね」
萱島は内容に合わないいつものような爽やかな笑顔でそういうと先に出て行った。
「スッキリって…、…えぇ〜…」
萱島が歩いていると、角で中津が落ち着きの無い様子で待っていた。
「中津、大丈夫だよ。多分僕の演技100点だったから。」
「・・・そっ、か・・・。ん、ありがとな、萱島…」
「次は中津の番だね。頑張って!」
少しホッとしたはものの暗い顔のままの中津の肩を、萱島は励ますようにポンと叩いた。
「…、お、おう、…そうだよな、…俺が頑張んなきゃだよなっ…!」
中津は弱々しいままの笑顔で、萱島にガッツポーズを無理矢理作ってみせた。
瑞稀は混乱しながらも部屋に戻ると、既に佐野は居なかった。
「ふう〜…、良かった…。急いで教室に行かないと…」瑞稀は制服に着替えながら
(昨日の夜のは…、本当に夢だったの…?でも夢とは思えない程…)と考えた。
自分の体の感覚も、確かに行為をした名残はあるが、それが
中津とのなのか、佐野とのなのか自信も無かった。
「教室…行きたくないなあ…」
佐野にも、中津にも、どんな顔をして行けばいいのか分からない…。
「でもっ!行かなきゃ、今日は、絶対、行かなきゃ!うっしっ!」
と緊張で胸が締め付けられそうな中、気合いを入れて玄関を出ると
「おぉ、瑞稀、おはよーさん」「あ、おはよ−芦屋」
中津と萱島の二人が丁度登校する所だった。
「お、おおっ…!お、おはよー、…中津っ、萱島っ」
顔が引きつるのを誤摩化しながら元気に振る舞う瑞稀を見ながら
中津は気付かれないように、大きく深呼吸してから話しかける。
「なんかよー、昨夜は悪かったな。いや、俺本当に悪いのか分かんねえけど」
「中津っ!芦屋にそーゆー謝り方ないよ。キチンと謝んなよ」
「だってよぉ…俺全然覚えてねんだもん、心込めて謝れっかよぉ」
「中津! 男にキスされて嫌なの自分だって佐野で経験してるのに」
「だって佐野はぁ、佐野はよー、かーなり無理矢理だぜえ?」
「昨日の中津だって充分無理矢理だったよっ! ねえ芦屋?」
二人のやり取りを聞いてた瑞稀は、いきなり話をふられて焦った。
「っえ?…あー、い、いやぁ…、実は、俺もあんまよく覚えてないんだよねぇ」
「だぁろぉ〜? ほ〜らぁ、そんな気にしてねえんだって!」
「えー…、…まあ、芦屋が怒ってないんだったら僕は別にいいんだけどね」
「ま、細けえ事気にすんなって!な、瑞稀? 学校行こうぜ学校ー。」
まったくいつも通りの中津のスキップしている背中を見ながら
(やっぱり…夢だった、…のか、な…?)
と混乱しながらも、安心して、小さくハァ〜っとため息を漏らした。
萱島と小さくGJと親指を立て合図を交わしながらも中津は一安心していた。
とにかく…、とにかく昨晩の事は無かった事にしてやろうと思った。
いくら気持ちを受け入れてくれたとはいえ、酔ってた瑞稀が
昨晩のことをずっと後悔したり、自分に気を使って欲しくはなかった。
自分の思いの丈を伝えて、抱いて、それで実感した答えだった。
『中津と芦屋は男でも女でもお互い強い絆でひかれたんだよ』
昨日の萱島の言葉を信じることにした。
きっと…、男女間の絆とは違う形でも瑞稀とは結ばれる筈なんだ…。
だから、だから…、もう本当に俺は瑞稀の最強のダチ、最強の味方になる。
中津は今度こそ本当に覚悟を決めて、諦める決心をした。
(んじゃま、瑞稀と佐野をなんとかっすっかー。この俺様の力でよ!)
一人拳を突き上げている中津を見て萱島が
「よーやくいつもの中津の黄金オーラだ…」 と微笑んだ。
教室の前にくると、明らかに瑞稀が緊張した顔になっている。
それに気付かないフリをして中津は肩にかけた鞄で瑞稀の背中を押し
そのまま教室に押し込みながら、佐野の姿を確認すると
「なあなあ、今日の夕方から皆で遊びに行かね?なあ、佐野もさ」
と佐野にも話しかける。
「ぉ、お、おはよーっ佐野っ!」 瑞稀は声が裏返らないように強く挨拶をする。
「・・・おう、…」 佐野が気まずそうに答えるのを横目で見ながら
「なあ、俺今日珍しく練習ねえんだよ!だからパーッと皆でよっ!」
と中津が誘うと
「わり…、俺今日から泊まりで合宿なんだ」 佐野がいう。
「そっか…、…じゃ瑞稀3人で行こ…」
「わりっ、俺レポートまだ仕上げてなかったから、今回はパスっ!」
「・・・・」
佐野も瑞稀もそういうと、授業の準備で忙しいフリで
お互いを見ようともせずにいる。計画通りにいかずにションボリしている中津に
「僕大丈夫だから付合うよ、中津…」萱島が慰めるようにポンと肩に手をおいた。
「中津はさあ、どーして瑞稀と佐野を取り持とうとするの?」
授業が終わり、結局二人で街に出ようと校門へ向かう道すがら
他人の目が無くなった途端にトボトボ力無く歩く中津に萱島が聞いた。
「んぁ? …ぁあ、…なーんでだろうーなー、なーんかほっとけねーんだよ」
「芦屋が可哀想に思えて?」
「んぉ? …いんや、瑞稀だけじゃなくってよー、んー、佐野もだなー」
「二人が好きなんだね、中津は。…でもさあ、辛くないの?」
「んー…? わっかんねーけど…、んー…つれえかなー」
「…中津にはきっといい人が現れるよ。だって中津がすっごくいい人だから」
萱島が心底からそう願っていう。
「んぇ?…んー、…そーだといーけどなー」
中津が投げやりに言いながら校門を出ると、そこに人が立っていた。
「あれ…?リナさん?」
「えへへぇ、来ちゃったぁ。校門で待ち伏せってドキドキするねぇ」
「…どーしたんすか?昼間に…って珍しいっすよね」
「ん?サッカーのチケットがあってさぁ、要るかなぁ?って思って」
「っうぅわっ!こ、こ、これっ!キリンカップじゃーんっ!!!ぬぉぉっ!しかもS席っ!!!」
「あ、やっぱり要る?2枚あるから友達と良かったらぁ」
リナが萱島を見ながらおっとりと言う。ずっとリナの斜め上を見つめていた萱島は
「…いえ、僕は今日用事があるので、良かったら中津に付合ってやって下さい」
とニコっとして言う。そしてその場を離れる時に中津の耳元に顔を寄せ
「中津…、今日外泊届け出しておいてあげるね」
と囁いていった。
「え?…え?おいっ、萱島っ…。…んだよ、あいつ…、いっつも嫌そうなのに」
遠ざかる萱島の背中に呟いていると、リナがニコニコ待ってる。
「あ、じゃあ…行きます、か?」 と声を掛けると
「そぉだね、今日はサッカー観戦しながらビールだぁ。あ、君はダメだよ未成年〜」
リナが楽しそうな顔でうなずいた。
興奮して観戦した後、そのまま夕飯を食べながら色々な話で盛り上がった後
店を出た時には、すっかり街は夜が更けていた。
中津は自分が今日楽しく過ごせるとは夢にも思って無かったので
夜の匂いをかいだ時にいきなり胸が詰まった事で初めて瑞稀の事を思い出し
自分が結構笑っていたんだなと、ホッとした。でもやはり胸のつかえはとれない。
「どぉしよっかぁ、これからぁ」
リナに言われて、中津はハッとする。
一日一緒にいて、そういう雰囲気にならなかったので忘れてた。
リナがしたい気分だからデートに誘ってきたんだろうが
中津は流石に今日はそういう事をする自信が無かった。
何と言って断ったらいいのか考えあぐねていると
「ごめんねぇ、秀一くん、今日は疲れちゃったから、…無しでも、いい?」
すまなそうにリナが聞いてきた。中津はホッとした。
「え?、あ、…ああ、ぜんぜん…全然いいっすよっ」
「そ?良かったぁ。じゃぁ家でさっき話してたDVDでも見よっかぁ〜」
「え…?」
「ん?今日泊まるんでしょ?」 リナが当然という顔で振り返った。
結局初めてリナの家に上がり込み、シャワーまで浴びて
ワインを開けリナが用意したおつまみを食べながらDVDを見ていた。
ベッドに寄っかかりながら座っている中津の膝をまくらにして
リナがくつろいでごろごろ寝っ転がりながら見ている。
いつもは、どちらからともなく何となく甘い雰囲気になりやすいのだが
今日のリナは全くそんな様子を見せず、でも必ず中津のどこかに触れて
猫のようにくっついている。中津は、リナの長いフワフワの髪を時々いじり
コメディの内容に合わせて時々笑いながらぼんやりと
(これって…なぐさめてくれてんだよな…)
と感じていた。そんな優しさが身に沁みる。
きっぱり諦める決心はしてもやはり辛い。傷はすぐには癒えない程好きだった。
抱けなくても辛かったが、抱いた後の今の方が余計辛い気持ちが強い。
どーしても欲しかったけど、どーしても手に入らなかったもの。
中津はDVDの笑う場面で笑っているうちに気付いたら泣いていた。
リナがそれに気付いたので、見られるのが恥ずかしく堪えようとするが止まらない。
リナは黙って立つと電気を消しにいき、中津の後ろのベッドに座った。
そのまま脇の下から両手を入れられて引き上げようとする。
その手に引かれる方向に従い協力して立つと、ベッドに腰掛けさせられた。
そのまま何も言わないまま後ろから抱っこしてくる。。
背中にピトっと体をくっつけているリナの体温に安心しながら
中津は泣くのが止められなかった。我慢しようとして頭が痺れるように痛い。
しばらくしてリナが中津の体をゆっくり横に倒す。そのままベッドに足を引きあげ
やはり同じように後ろから抱きしめてくれる。そのまま何も話さずにずっと
子供を寝かすような、優しい手つきで中津の胸をそっと撫でている。
DVDのクレジットタイトルが流れ始め、それをぼんやり見ている内に
中津は眠りについた。
「お?萱島〜ぁ、今日も中津、外泊かよ〜」 ニヤニヤしながら難波がいう。
「あ、はい傷心治療の為」 萱島は届けの書類を渡しながら言う。
「あ、そうだ、難波先輩。リナさんって人、難波先輩の紹介ですよね?」
「おぉ?珍しいなぁ萱島が女の話すんの。女遊びとか嫌いかと思っ…」
「嫌いですっ」 きっぱりと萱島が言うと、難波がちょっとしょげた。
「リナが真面目に気に入ったって事か?でもあいつ紹介とかは無理だぞ?」
「え?でも先輩が紹介したんですよね?」
「まあな。でも元々あいつは遊び友達じゃなくって先輩の彼女だったんだ」
「…彼氏がいるんですか…?」
「いや、遠距離になって先輩側の浮気が発覚して1年くらい前に別れたけどな」
「…!っじゃあっ、今はフリーなんですねっ!?」
「お前、…すっごい嬉しそうだな…。でもあいつ落とすの大変だぞ〜?」
「なんでですか?」
「すっげえ真面目なんだよ、ああ見えて。この俺でさえ、一度も…ブツブツ」
「へー、難波先輩でも落とせない人って居るんですね」
「いや、周りの女もとにかくリナは真面目で遊びでキスもしないっていうからよ」
「ああ、じゃあ難波先輩の力が足りない訳じゃないんですね」
「うっせーな。とにかくたまたまサッカー好きで話が合うから皆で会う位で
俺と二人だとデートもしてくれねえ位だから、結構難しいぞー?」
「…そんな人をよく中津に紹介できましたね…」
「いや、たまたま他の女に声掛けている席に一緒に居てよ、話聞いたら乗り気で」
「…話って?」
「いや、だから芦屋が…、っっっとおっ!おまえ…芦屋のこと知っ…」
「あ、知ってました、最初から」
「あぁ、知ってるんなら…っっておいっ!何で言わないんだ!?寮長の俺に!」
「言わない方がいいかなって思って」
「…、ま、まあいい。とにかくだ、男と思ってても好きになっちゃった奴に失恋した
可哀想な中津を誰か慰めてやってくれって話してたらリナが立候補してさ」
「…そーなんですか…。え?写真とか見て?」
「ん?いや、話だけだ。あいつ一途な奴が好きなんだよな〜」
「じゃあ先輩はダメな訳ですよね」
「おまえなあ、一応俺は先輩だぞ、もうちょっとこうたてるとか…」
「なになになになにぃ〜?な〜にをたてるんですか?せんぱーい」
「うわっ中央!ひっつくな、あっちいけよっ!」
「なに言ってるんですか嬉しいクセにぃ」
「あ、ここにも一途なオーラが…」萱島は嬉しそうに言って
二人を後にして部屋に向かう。
…さっきのリナさんって人、すっごく綺麗なさくら色のオーラだった。
あの人の隣に立ってたら、それまで暗かった中津のオーラも少し明るくなった。
「中津、今日はゆっくり眠れているといいな」
萱島は昨日より少しだけ満月に近づいている月を見上げて呟いた。