☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第31話☆

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601名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:50:44 ID:cl73ThTf
そして気がつけば460kb、アニメは終わってもまだまだ元気があるこのスレに乾杯
602名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:57:16 ID:VP+EiPPF
>>601
俺達はいつでもクライマックスさ・・・
そうだろ? 兄弟。
603名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:02:39 ID:Ew+IHvVb
>>602
地獄兄弟とモモが混ざっとるw
だがそのとおりだぁぁーー!!!
604名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:10:26 ID:DVIMs2eW
うはwwwみなぎってきたwwwww
605名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:43:41 ID:1YavzPma
>>570
>ユ「それじゃあそろそろ…出すよ?」
>な「良いよ…どんと来て? 私も全力全開で受け止めてみせるから!」

なのはさんは漢らしいなあ。

GJ。催眠魔法と避妊魔法は淑女の嗜みッスね。
606名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:45:23 ID:NubwotOM
ユーノ×フェイトで超短編投下ー
エロ無ストライカーズ後。
では行きます
607ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:49:00 ID:NubwotOM
 時空管理局は常に人手不足とは言え、数多の次元世界の秩序を預かるとだけあってそれなりの人数が働いている。
 そうした組織だからこそ、公理福祉設備の充実は必須であり、その一環として巨大な本局内には幾つものカフェテラスが存在していた。
 そんなカフェの一つで、のんびりとコーヒーを啜りながら読書を楽しむ男がいる。
 そんなに気を使っている訳でもないのに、艶やかな光沢をもつハニーブロンドのその青年の名はユーノ・スクライア。
 無限書庫の司書長であり、本局髄一のワーカーホリック。
 本人としてみればワーカーホリックであるという自覚は無く、無限書庫の長としてやるべき事をやっているだけなのだが。
 まぁ、何をどう言おうが彼の仕事が非常に過酷である事に違いは無いので本人の意識や周りの風評の差異など余り意味の無い事ではある。

 激務の合間のほんの僅かな時間。仕事でも研究でもなく、全くの娯楽目的で本を読のは、彼の楽しみの一つ。
 そこに、コーヒーがあるのなら、もうこれ以上の幸せなど無いと感じられる一時であった。
 だからだろう、本を読むのに夢中になり直ぐ傍まで誰か来ても気づけなかったのは。
「ユーノ」
 随分と聞きなれた声に、ユーノはふと顔を上げる。
 そこに居たのは、彼の11年来の幼馴染。
「やぁ、フェイト」
「相席、いい?」
「もちろん」
 友人の申し出を断る理由など何一つ無く、ユーノは快く了承する。
 フェイトはユーノの向かい側の席に座り、ブザーを鳴らす。
 程なくしてウェイトレスがやってきて、フェイトはカフェラテを注文した。
「……なんか、逢うの久し振りだね」
「そうだね、前に逢ったの。アグスタでの事件の時だったし」
 永い付き合いで、部署は違えど同じ職場で働いているのに「久し振り」という言葉が出てきてしまう事実に二人は苦笑してしまう。
 逆を言えば、永い付き合いだからこそ、その程度で済むのだが。
「何を読んでるの?」
「これ? 辞典だよ」
「辞典?」
「そう、辞典」
 てっきり、何かの論文だとか小説とかを読んでいるのだとばかり思っていたフェイトは、予想もしなかった代物に目を白黒させてしまった。
「面白いよ? これだと小さいけど、百科事典とかだと何時間読んでても飽きないし」
「そうなの?」
 冗談とかで言っている様子も無いのだから、本当の事なのだろう。
 実際、辞典を読んでいるユーノはとても楽しそうだ。
 そうこうしている内、フェイトの注文したカフェラテが運ばれて来る。
 程よい甘さのカフェラテに口をつけ、ほっと一息つく。
「仕事、大変そうだね」
「うん……一年間、機動六課の仕事をしていたから」
 久々に「海」の仕事に戻って、勘が鈍るという事は無かったがやはり一年間という期間を別の部署で働いていたのか気を使う事が多かった。
「でも、それだけじゃないだろ?」
「え?」
 何時の間にか本を閉じて、こちらを見ていたユーノの視線。
 フェイトは、自分を見透かしているようなそれに少しばかりうろたえてしまう。
「どうして、わかるの?」
「そりゃ判るさ。11年も付き合いがあるんだよ?」
 あっけらかんと言ってのけるユーノ。
「そっか、わかっちゃうんだ」
「うん」
「……この前ね、エリオとキャロに逢ったの」
「フェイトが保護したっていう二人だよね?」
「うん」
 名前だけは聞いていたが、結局会話をする事も無かった少年と少女(尤も、六課の新人達とは誰とも話すらしなかったが)
 その二人に逢ったのに、何故フェイトは暗い顔をしているのだろうか?
 流石に、11年の付き合いでも其処まで読む事が出来ずに内心、ユーノは首をかしげる。
「元気だった?」
「うん、二人ともすごいがんばってた」
「なら、よかったじゃない」
「そう、なんだよね。良かった筈なんだよね」
608ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:53:53 ID:NubwotOM
 そこまで言って、口籠るフェイト。
 息苦しい、暗いモノが彼女を縛っているのが判る。
 だがユーノは何も言わない。じっとフェイトが言葉を続けるのを待っている。
 自分の中の、自分の言葉を邪魔するものを押し退けるようにカフェラテを飲み、ようやく口を開く。
「二人とも、凄く頑張ってた。私を護れるようになりたいって。二人で力を合わせて二人で立ち上がって……それが、凄く嬉しい筈なのに、何故か凄く寂しいの」
「……」
「どうしてかな。私はあの子達の保護者で、あの子達を助けたいって思って。機動六課で一緒に過ごして色んな事教えて……あの子達が自立しようとしているのを見守ってあげるべきなのに」
 二人が、手元から離れていくのが無性に寂しい。
 その事を自覚する度、フェイトの中でスカリエッティの呪詛が蘇る。
 自分は、あの子達を自分の思い通りにしようとしていたのでは無いだろうか?
 あの子達が自分の元から去って行くのを、本当は恐れているのでは無いだろうか?
 エリオは何度も自分に言っていた。
 私を、護れるようになりたいと。
 それを……何故、素直に受け入れる事ができないのだろうか?
「私は、やっぱり母さんと同じなのかもしれない……ううん、そうじゃない。私は、親にはなれないのかも」
 母が、プレシアが姉アリシアと過ごしたアリシアの記憶。
 その中の母はとても優しかった。
 最期は、間違えてしまった母だったがアリシアの成長をちゃんと受け入れていた。
 それなのに、何故自分は出来ないのだろう。
 エリオとキャロは自分達の道を歩けるのに、それを祝福できない自分。
 自分から、離れていく子供たち。
 もしかしたら、それを認めたくないのかもしれない。
 認めてしまったら、母と同じように壊れてしまうかもしれない。

 それが、とても怖い。

 なのはにすら話した事の無い、自分の恐怖。
 まるでヒビの入ったダムが決壊するように、ユーノにその全てを漏らしてゆく。
 そして、それをじっと聞いていたユーノは、ゆっくりと口を開く。
「そっか」
 俯いて、震えているフェイト。
 ユーノは少しの間目を閉じ、優しく微笑む。
「大丈夫だよフェイト。フェイトはお母さんのようにはならない」
「……どうして、そんな事が言えるの?」
 未来の事など、誰も判らない。
 フェイトが、プレシアのようになる可能性だって十分にある。
 けれども、ユーノはそれをきっぱりと否定する。
「だって、フェイトは11年前、なのはの手を取ったじゃないか」
 小さく、声にならないほどの声を上げてフェイトはユーノと向き合う。
 翠色の瞳でユーノはしっかりとフェイトを見据えている。
「あんなに、お母さんの為だけに頑張って無茶していたフェイトが、なのはの手をとったんだよ?」
 思い出される11年前。
 記憶の中に居る母にもう一度逢いたくて、その一念でなんでもした。
 海の中に沈んだジュエルシードを、全部一斉に起動させるなんて事まで。
 あの時、母はフェイトの全てだった。
「君は、あの時本当にボロボロで。辛くって何もかも諦めても誰も咎めなかったのに。それでも起ち上がって、お母さんと向き合って。それでもお母さんを失って、でも今まで頑張って来た」
 ユーノは、自分がフェイトの古傷を抉っている事を自覚している。
 けれども、自分の伝えたい事をちゃんと伝える為に決してそこを避けようとはしない。
「その勇気と力をくれたのは誰?」
「……なのは」
609ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:56:00 ID:NubwotOM
 そう、あの時なのはが勇気をくれた。
 自分の事を知りたいと願って。酷いことだってしたのに、それでも諦めずに。
 そして、名前を呼んで、新しい自分の始まりをくれた。
「フェイト。フェイトの大切な人は、エリオとキャロだけじゃないだろう? なのはだって、君にとって大切な筈だ」
 それは、勿論そうだ。
 二人で一緒に空を飛んできた。
 隣になのはがいたから、何だって出来た。
 闇の書の夢からも醒める事が出来た。
「だから、大丈夫。フェイトがなのはを大切に想っているように、なのはもフェイトを大切に思っていてくれる。フェイトが間違えそうになったら、なのはが止めてくれる。いや……君自身が、なのはを悲しませない為に間違いに立ち向かえる」
「……」
「自分を信じられないのなら、君が信じる誰かを信じて。その人も君を信じてくれる」
 絆は、信じることから始まる。
 フェイトはなのはを信じた。
 その信頼は、二人を親友にし二人は力を合わせてはやてを救い、ヴォルケンリッターズを救った。
 一つの絆が新しい信頼を生み出し、そしてそれがまた絆を生む。
 今のフェイトは、独りでは無い。
 多くの人々と繋がっている。
 フェイトと繋がっている人達全てが、フェイトを支えている。
「今は、まだ怖くて不安でも。いつかちゃんと向きあえるよ。それまでは皆がフェイトを支える」
 フェイトの手を、ユーノはしっかりと握りしめる。
 たったそれだけで、震えは止まっていた。
「……ユーノ……」
 自然と、涙がこぼれてくる。
 そんな事を、今まで忘れていたのか。
 いつもある、当たり前の繋がりを自分は見失っていたのか。
 強くなったつもりで、なんてみっともない。
「そう……だよね、エリオとキャロも私を信じてくれているんだ」
 だからこそ、私を護ると言ってくれている。
 その為に、自分の足で歩く事を決めた。
 そんなあの子達との絆が無くなるなんて、どうして思ってしまったのだろう。
「ユーノも、私をささえてくれる?」
「勿論、フェイトが嫌だって言っても、助けにいくから」
 きっと皆も同じことを言うだろう。
 それが、フェイトと皆の絆なのだから。
610ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:57:42 ID:NubwotOM

 フェイトは涙を拭き、笑顔をつくる。
 そこには、もう憂いなどなかった。
「ありがとう、ユーノ」
「どういたしまして」
 冷めかけたコーヒーをユーノは一気に煽る。
「さて、それじゃ僕はそろそろ行くよ」
「うん、仕事頑張って」
「君もね」
 ユーノは立ち上がると、二つのレシートを取っていった。
 その内の片方はもちろん、フェイトが払うべきモノでフェイトは呼び止めようとするが、ユーノはカラカラと笑いながら「ここは僕がもつよ」と背中越しに言って、そのまま立ち去ってしまう。
 残されたフェイトは、そんなユーノの身勝手さに「もう」と不満を抱くがすぐにそれは消えてしまった。
「……敵わないなぁ」
 今更ながらに痛感する。
 自分達が何故飛べてこれたのかを。
 なのはも、自分もずっと飛び続けることなんて出来ない。
 挫けて、負けそうになった事もある。
 その時、本当に助けてくれたのは誰だったか。
 墜ちきってしまう前に、この翼を癒し護ってくれきた大樹。

 きっと彼は、これからもその枝葉を枯らす事無く。
 どんな業火にも耐えてそこに在るのだろう。
 魔法でも、力でもなんでもない、本当の強さがそこにはあるのだから。
611名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:03:48 ID:NubwotOM
以上。
微妙になのフェイなのは気のせいです。
多分。
612名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:09:59 ID:A/jOcKkS
>>611

どことなくSS03での彼の立場を一歩進めた感じだね
613名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:16:12 ID:2TTLCaF9
>>611

くそっ孔明、ユーノ×フェイトと見せかけてなのフェイを書くなんて、何と恐ろしい奴だ
614名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:16:15 ID:P9Ncaywk
>>586
乙。侍かっこいいよ。あとキャラのチョイスが素晴らしすぎる
>>611
乙。なんだな、SS聞いたあとだと妙にきゅんきゅん来るなぁ。
615名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:25:03 ID:vMfoxuIz
愚問
リッターの複数形ってリッターズなのか

リッターってドイツ語だろ?
616名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:30:59 ID:hNPvQcHQ
しまった、そこまで深く考えてなかった。
ただなんとなく自然と書いちまった。バカか俺、バッカじゃねぇか。
617名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:33:00 ID:vY8fdRu6
英語だとどうなるんだろうな。クラウディナイツ?

自分英語で落第しかけた経験があるのでそこヨロシク。
618名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:36:59 ID:muXvQ0ZK
>>611
乙。
こうしてユーノは意図せずしてフラグを立て続けるのであった……

ところで、
> 「自分を信じられないのなら、君が信じる誰かを信じて。その人も君を信じてくれる」
何となくグレンラガンっぽいと思ったのは俺だけ?
619615:2007/10/04(木) 00:39:19 ID:vMfoxuIz
ちょっと調べてきたけど
Riterと書くから元々複数形なんじゃないかな?
ドイツ語の複数形の定型に-erっていうのがあったよ
620名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:41:39 ID:/ZNM6+3U
ズィルバー正体
621名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:42:29 ID:hNPvQcHQ
>>618
実を言うと俺も書いててそう思っちゃったんだが……
アニキの言ってることと内容真逆だしいいかなーと思った。
やっぱダメか……

>>619
ゲフッ……本当にもうどうしようもねぇ失態だ。
ちょっと守護騎士全員にフルボッコにされてくる。
622名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:43:14 ID:2TTLCaF9
>>617
なぜに英語に?
The Knight of Clouds

独語のRitterは単数とも複数ともとれる
623名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:44:30 ID:ZfdF7x7C
Ritterは単数複数同形(変化なし、ただし3格目的語のときはRittem)
だそうだ
624名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:52:07 ID:ZfdF7x7C
おっと忘れてた
>>611
GJ!!
俺もSS聴いた後だが、胸にくるものがあるよ
ユーノはやっぱり大物だな


ついでに、さっきの追記
※ドイツ語の複数形
 英語やフランス語のように、単純に単語の語尾に-sとつけるだけでよい複数形は少数派。Ritter、Technikerは単数複数同形(変化なし、ただし3格目的語のときはRittem、Technikem)、
Ingenieurの複数形はIngenieure(3格目的語のときはIngenieuren)、
Ritterin、Technikerin、Ingenieurinなどの女性形の複数形はRitterinnen、Technikerinnen、Ingenieurinnenなど。
さらに、冠母音変化などバリエーションに富んでおり、英語の外来語に使われる-sを含めると8パターンにも及ぶ。

だそうだ
625名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:58:03 ID:ZdI4OfFS
そろそろ、と思ったが次スレ立てられんかった。
誰か頼む・・・
626名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 02:08:31 ID:fbnZc1iV
>>611
なのはとユーノとフェイトの3人が皆仲よさそうですごくほっとする内容でした。
テラGJ!

やっぱりこの3人はこういう仲が一番しっくりきそうだ。
627名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 02:15:07 ID:YIHZa55B
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第32話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191431631/
628名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 03:15:41 ID:ejYMkWzG
さぁ埋めやしょう



スバル×ノーヴェと打ってみるテスト
629224 エリキャロ ◆Nw9Ad1NFAI :2007/10/04(木) 04:34:10 ID:KpHCu7iJ
埋めとして、今後エロエロでラヴラヴなのを書く予定のカップルを記す。

 ・ティーダ×ラグナ
  ズッコンバッコンをやっていたティアナとヴァイスを見てしまったラグナちゃんは、ティーダお兄ちゃんにお嫁さん宣言をする!

 ・ゼスト×シグナム
  ベルカ流の騎士として、互いに鍛えあう。雪山を舞台にした特訓をしている最中、雪流れに巻き込まれる。
  ゼストが気づいた時、寝袋に裸になって入っていた。
  ポカポカと温かいと思ったら背中越しに烈火の将が、顔を真っ赤にし髪から湯気をたてて「べ、べつに好きで肌を合わせているわけではないんだからな!」

 ・ウーノ×ジェイル
  12人勢ぞろいしたしたナンバーズがその優秀性を実証するために戦闘演習を行う。
  しかし、相手にしたのは、たった6人の狂人。半分の人数でナンバーズほぼ壊滅という状態で辛くも勝利することが出来た!!
  一歩間違えれば全滅していたこの原因はなんだ?
  課長「今回の辛勝に至った原因は何か!?それは根本的な経験値!そう、人生経験が足りないッッ!!だからどうでもいい騙しに引っ掛かるのだ!」
  課長「特にドクターの経験の無さは絶望的だ……しかし、私はそれを改善するプランがある!一晩中寝て朝起きて三分で閃いたプランとはそう、人生において重要なイベント、結婚式をジェイル君とウーノ君に経験させるのだッッッ!!!」
  課長「こんなこともあろうかと!既に婚姻届と式場準備を済ませておいて良かったわい!さあ、残るは……今日中に嬢ちゃんたちをおめかしをさせるだけだな」
  課長「とりあえず2人はこれからスグに翠屋に言ってプロポーズだ。ハイ、指輪。しっかりしろよ無限の欲望持ちよ。愛も“愛欲”という意味では欲望のひとつなんだからな♪」

 ・エリオ×キャロ+アルフ×ザフィーラ

 ・ティアナ×ヴァイス お手洗いでの第2ラウンド & 2人のはじめての過去回想編
630名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:47:35 ID:bodf+f+c
>>629
ティーダ×ラグナ

「無理しやがって」なカップリングだな。
おそらく世界初じゃね?
631名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:55:03 ID:ZfdF7x7C
年の差いくつなんだろうな
632名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:59:37 ID:2oER+X4H
>>629
ちょっwwwティーダって時空歪める気か?
633名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 06:59:02 ID:ejYMkWzG
>>632
魔王や闇の書が居れば大丈夫
634名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 07:00:01 ID:wMau5zh5
ティーダ×ラグナ
誰?
63538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/10/04(木) 07:00:31 ID:WxZGWb87
>>629
ティーダ×ラグナも十分無茶だが、課長のノリにも吹いたw

何故か対抗心が刺激されたので、こちらも埋めとしてこれからの予定を記す。

第10話 SS01温泉でエリキャロエロ
第11〜13話 ホテル・アグスタ。ロッサ×はやてエロ、ユノなの告白
第14話 スバティア訓練&スバル正体告白&オリキャラ×スバル告白
第15話 オリキャラ用サポートデバイス支給
第16話 ユノなのエロ
第17話 オリキャラVSスバティア再戦、オリキャラが冥王やるという無茶w
第18話 オリキャラ×スバルエロ

の、全18話になると思われます。
636名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 07:42:21 ID:Q8l5tpSN
>>635
楽しみに待ってます
637名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 08:38:46 ID:B5LL9Al0
プレシア×リニス(進行形)
リニス×プレシア
スバル×ギンガ×ノーヴェ・ヴァイス×スバル×ノーヴェ(長編)
ネタは有るけど時間が足りない…
638名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 09:08:20 ID:Yapnh+4l
>>586
神だ・・・神が降臨してる・・・
639名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 10:15:53 ID:E3LRMsZy
>>485
GJ!!
フェイトそんがかわいすぐる
エロオとのラブラブ展開希望して待機
640名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 10:51:46 ID:fbnZc1iV
フェイトさん、このスレではお馬化からぬけだせたようだな。
641名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 10:53:07 ID:RG78fW2q
自演うぜぇ
642騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:22:32 ID:r9mC1ptd
続きです
643騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:24:04 ID:r9mC1ptd
書き忘れましたが、デバイスに関して幾つか独自の二次設定があります
ご了解ください
644騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:25:04 ID:r9mC1ptd
 今日の午前中は休暇を貰い、なのははヴィヴィオの授業参観に赴く為に家を出た。
 機動六課の解散から早くも半年程が過ぎ、ミッドチルダにも蒸した暑気に包まれ
る季節が訪れていた。
 ヴィヴィオが通う魔法学院には、なのはの他にも多くの父兄が我が子の様子を知
る為に各々の教室へと人並みを形成していた。
 正門を潜ったなのはは校舎へと進み、愛娘の下駄箱で履物を換えると、見知った
廊下を悠々と歩いていった。
 ヴィヴィオのクラスには、既に半数以上の親御が教室の奥で列を成していた。着
いたなのはは教室には入らず、出入り扉の陰でヴィヴィオの姿を捜す。
 授業の内容も上の空で、ヴィヴィオは自分の席でそわそわと後ろを振り返ったり
忙しなくしていた。なのはの姿に気付くと、彼女の不安げな表情は俄然と嬉しさで赤らんだ。
 授業参観で実施される内容は作文だった。各生徒、自由な題目で書き上げた作文
を起立して朗読している。
 なのはは他の生徒の声を聞きながら、不意に物思いに耽った。
 充実した毎日。何の憂いも無い生活。世界のあらゆる幸福よりも満たされた人生が、
今のなのはにはあった。
 しかし、何故かしらそんな彼女の心には、冗談の様にぽっかりと穴が空いた気持
ちが刻まされていた。
 余りにも順調過ぎる日々に、精神的な麻痺が起こっているのだろうか。教導官と
しての業績は申し分なく、再三繰り返される本局からの昇進の勧誘も、まだ個人的
な踏ん切りがつかずに保留を続けている。
 平穏としていて、何もかもが満足で、彼女は恵まれた楽園にも似た現在に、だか
らこそ自由を奪われていた。
 ヴィヴィオを一人の母親として育てる決心を固めた日から、何か自分の中の歯車
が噛み合わなくなった感覚が次第に強まっている。
 それは母としての務めという人生で初めての義務でもあった。
 今まで彼女が背負ってきた管理局の局員としての責任は、彼女自身が意識せずと
も何とか遂行していける類のものだった。
 しかし、今回は決定的に具合が違う。意識も無意識も無い、もっと別の次元の強
固な制約が、新たになのはを縛り付けていた。
 その事に不平不満を抱いているわけではないが、我武者羅に自分の全てをヴィヴ
ィオに捧げられる程、彼女の人生経験は今の生活に余裕を持てるだけの広さを持っていなかった。
 なのは自身、最も多感な時期に少し両親との距離が開いてしまった事もあり、見
本という見本も無い状態で手探りの試行錯誤に追われる時が多い。
 確かにヴィヴィオが日々育っていくのを見守るのは楽しくもあり充実感を得られ
るのだが、育児がそんな個人的な感情だけで完了出来る筈も無かった。
 仕事、家事、育児、それだけを一日に費やせるならばまだ気楽なものだった。社
会人である以上、彼女を取り巻く環境は否応にも避けられない行事や予定を強いてくる。
 疲労を認めたくないと思えば思うほど彼女はそんな自分を突きつけられ、ふと漏
らす物憂げな溜め息さえ最近では急激に増えてしまった気がする。
645騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:25:59 ID:r9mC1ptd
 周囲の知友各位はなのはの実際的な労苦を慮っては何かと気を遣ってきてくれるが、
蓄積された日々の鬱積はそんな温かい善意さえも億劫にさせてしまう。
 一日、いや一時間だけでも、自分以外の何者も存在しない世界で慰労したいという、
厭世主義とも思える逃避的な思考がなのはの中で鎌首をもたげる。
 心の陰影を浮かべる瞼に視線を感じたなのはは、ヴィヴィオがじっと自分を見つ
めている事に気付いて反射的に微笑みを取り繕う。
 だがしかし、ヴィヴィオは何時もの様に無垢な笑顔を返してはくれなかった。顔
の向きを直す間際、明確に彼女の横顔は微かな寂しげな頬を垣間見せていた。
 これでは駄目だと心中で自分を叱咤し、なのははヴィヴィオが作文を
朗読する番まで顔を上げて静かに待った。
「では次、高町ヴィヴィオさん」
 教師の指示に従い、ヴィヴィオは緊張を隠し切れない動きで席を立つ。机の上に
広げていたノートを両手に持ち、ゆっくりと自分で書き連ねた文章を口に出していった。
「わたしのママは、時空管理局の教導官というお仕事をしています。毎日色んな人
に魔法を教えたりするお仕事です。他にも、テレビに出たり、偉い人と会ったり、
色んなお仕事をしています。わたしもママがお仕事をしているところを見に行く事
があります。お仕事をしている時のママは、とても格好よくて、わたしも何時かマ
マのような人になりたいと思っています。家に居る時のママは、優しくて、わたし
はどっちもママも大好きです。そんなママに、わたしはこの作文でありがとうと伝えたいです。
 ありがとうと、もう一つだけ伝えたい事があります。なのはママ、会いたい人が
いる時は、すぐにその人の所に行ってあげてください」
 ヴィヴィオにとっては何気無い段落だったのだろう。しかしなのはは、そのヴィ
ヴィオの言葉に暗く沈んだ胸を衝撃で穿たれた様に一瞬だけ姿勢を揺らした。
「最近のママは元気がありません。どうして元気が無いのか、わたしはわからない
けれど、わたしはママが会いたい人に会えないから元気が無いのかなと思います。
この前、電話をしている時のママは凄く辛そうでした。そんなママを見るわたしも、
何だか鼻が痛くなって、そんなママを見たくなくて、どうしていいかわかりませんでした。
 なのはママはずっと格好いいわたしのママでいて欲しいです。わたしはお空を羽
ばたいている時のママが一番好きです。だから、なのはママは何時までもわたしの
大好きななのはママでいてください。なのはママが居ない家は少し寂しいけれど、
わたしは全然平気です。空を見上げれば、なのはママが何時もそこからわたしを見
守っていてくれる気がするからです。なのはママ、会いたい人がいるなら会いに行
っていいんだよ。帰ってきたら、また楽しいお話を沢山聞かせてね」
「ヴィヴィオ……」
 作文中で取り上げられた電話──恐らくは以前に断った筈の、新発見の次元世界
の調査隊出向の件で来た電話だろう。
 あの時は就業中に教習生の不手際で少し事後処理に歩き回ったのもあり、つい語
勢を強めて厳しく応対してしまった苦い記憶がある。
 子供特有の他人の顔色に敏感な感性で、鋭く現在の精神状態を見抜かれていたのだろうか。
 なのははヴィヴィオの朗読を最後まで聞き、嘘の様に胸のしこりが抜けていくのを実感した。
 ヴィヴィオは今年が学院生の一年目だ。そしてなのはも今年で母親一年目なのだ。
646騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:26:51 ID:r9mC1ptd
 何事も完璧じゃなくて当然で、この先時には親として手痛い失敗をしてしまう事
もあるだろう。
 しかし今はそんな不安もなのはは素直に肯定出来た。それらの体験を積み重ねて、
親子で一緒に学んでいけばいいだけの事だったのだ。
 なのははそっと眼を閉じ、自分が今最も何がしたいのか、何処に行きたいのかを沈思した。
 調査隊への出向要請。彼女は漠然と感じた違和感で一度はそれを拒んだ。
 先程の作文に込められたヴィヴィオの想いが、複雑な事情を覗かせるその違和感
へと一歩踏み出す勇気を与えてくれたような気がした。
 先日、一緒に視聴した教育番組でユーノがゲスト出演した時、ヴィヴィオが唐突
に漏らした「この人誰?」という反応も気懸りだ。
 なのははそんなヴィヴィオに驚いて、普段から自分と遊んでくれるユーノだと諭
したが、当のヴィヴィオはまるで画面に映るユーノが偽者のように顔を背けて「違
うもん」と膨れ面を見せた。
 当時は気の所為だと決めて深く考えないようにしたが、後々振り返ってみると確
かにあの時のユーノには所々に不思議な点があった。
 付き合いの長さから来るものだろうか、何処と無く画面で司会者と話す彼に対して、
ユーノ本人ではない感じがあった。
 消息を絶ったザフィーラ、ヴィータの異変、あの時のユーノの違和感、意図的に
情報規制で存在が沈黙している次元世界の詳細……一見全てが無関係に見える中で、
目に見えない細い因果の糸がそれらの事柄を連関させている気がしてならない。
「何か、あったんだ。ユーノ君、ザフィーラさん……フェイトちゃん……」
 揺るぎ無い想いを含んだなのはの声は、誰に聴かれる事も無く少しざわついてい
る教室の物音に掻き消された。
 授業参観が終わり、学院を去るなのはの顔には、新たな戦場に旅立つ歴戦の魔導
師の風格が備わっていた。

「聖都は既に跡形も無く消滅しているみたいですね」
 ユーノは動き易い軽装の姿で、広々とした荒野に視界を一巡させた。
 リーゼアリアの努力で、古代ベルカ世界の主要都市近辺の地理はある程度確認が
取れている。
 管理局の刺客から身を潜める一方だったザフィーラも、大人しく彼と合流して行
動を共にするようになっていた。
 ザフィーラは嘗て自分達が暮らしていた湖畔の家があった場所も寄ってみたが、
当時の面影等何一つ無い水溜りと藪があるだけだった。
「夜天の書の仕様プログラムだ。あれさえ発見出来ればヴィータを救える。現に主
の夜天の書の制御から離れている彼女に手を施すには、それしか効果的な方法は無
い。幾らその場凌ぎの処置を行ったとて、同じ事の繰り返しに過ぎん」
「えぇ……調査隊の本隊が到着する迄には、何としても仕様プログラムを見つけ出
して持ち帰らないと。もう先遣部隊は本局から出動したとロッテから連絡があったし……」
「今さっき着いたよ」
 死角から届けられた怜悧な声に、ユーノとザフィーラは咄嗟に身を翻す。
647騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:27:45 ID:r9mC1ptd
 二人の視線の先に、金の長髪を持つ女性と、鮮やかな橙色の髪を背中に流している女性が立っていた。
 上空から降下してきたのか、衣服や頭髪が悠然と靡いている。
「思った以上に早かったねフェイト……久し振り」
 ユーノの朗々とした仕草を見て、フェイトの容貌が複雑な心中で渋くなる。
 フェイトから見たユーのは、自分の置かれた立場を全く考慮していない、場違い
とさえ思える能天気な態度だった。
「ユーノ、ザフィーラ、早くこんな真似は止めて一緒に帰ろう。今ならまだ間に合うから……」
 説諭の口火を切ったフェイトの傍で、先遣部隊の現地要員として同行してきたテ
ィアナも同意の意を示す。しかしユーノは沈着とした動作で首を横に振った。
「ごめんフェイト、それは出来ないんだ。たとえ管理局にとって不都合な史実が残
る世界だとしても、調査隊の好きにさせるわけにはいかない」
 フェイトは切羽詰った顔をして、反射的にユーノ達へと一歩歩み出していた。
「お願いユーノ、私と一緒に来て。そこまで言うなら調査隊の本当の目的も知って
いるんでしょ? この世界を焦土に変えるんだよ。このままこの世界に留まってい
たら、二人だって不慮の事故で片付けられてしまう……私はそんな事、絶対に見過ごせない」
「ユーノ先生、ザフィーラさん、何をそんなに執着しているのかわかりませんけど、
どの道この世界にいると危険なんです。フェイトさんの気持ちも汲んであげて……」
「断る」
 確固たる覚悟の重厚な声色が、ザフィーラの勇猛な口腔から放たれた。ティアナ
は眼の前の守護獣から感じられる迫力に気圧され、続けるべき言葉を飲み込んでしまった。
 機動六課時代では見る事の出来なかったザフィーラの明白な意思表示に、ティア
ナはその貫禄のある雰囲気で一瞬にして硬直させられた。
 今まではザフィーラ自身の印象も薄かった為に、だからこそ衝撃も一際強かった。
しかし彼女は更に思い出す。正式にランクを所有していないが、ザフィーラの魔導
師ランクは自分よりも格上の推定AAランク相当という事実を。
「時間が無いから今はまだ何も話せないけれど……大丈夫だよフェイト、僕達は何
も時空管理局に逆らおうとしているんじゃない。ただ真実を知りたいだけなんだ。
僕が所属している学会にも時空管理局の緘口令が通達されてね、仕方無く僕だけザ
フィーラの協力をしに来ているんだ」
 ユーノが毅然とした口調で述べる。しかしその説得だけでは、フェイトの職務へ
の厳格な責任感を溶かす事は叶わなかった。
「お願いユーノ、お願いだから……。こんな事していたらなのはだって悲しむよ。
これ以上問答を続けるなら、私も相応の手段を選ばなくちゃならないんだよ。そん
なの嫌だよ……だからユーノ、本当にお願い……」
 フェイトは弱々しく顔を下に伏せ、血色のいい唇に白い歯を立てる。ティアナも
同様に、上官の葛藤を肌で感じて苦しげに押し黙る。
 このまま互いに水掛け論が継続されれば、先行した二名はユーノとザフィーラに
対し強硬手段を用いなければならない。
 調査隊本隊の到着まで愚劣な問答に終始し、挙句に二人を無駄死にさせる位ならば、
実力行使も厭わずに二人を引っ張ってでも連れて帰るべきだ。
 だが、フェイトにそんな冷酷な行為が可能かどうかといえば話は違った。
 ユーノにバルディッシュを向ける自分を想像しただけで、足腰に激しい痙攣が発
生してしまう。
648騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:28:37 ID:r9mC1ptd
 二人の視線の先に、金の長髪を持つ女性と、鮮やかな橙色の髪を背中に流している女性が立っていた。
 上空から降下してきたのか、衣服や頭髪が悠然と靡いている。
「思った以上に早かったねフェイト……久し振り」
 ユーノの朗々とした仕草を見て、フェイトの容貌が複雑な心中で渋くなる。
 フェイトから見たユーのは、自分の置かれた立場を全く考慮していない、場違い
とさえ思える能天気な態度だった。
「ユーノ、ザフィーラ、早くこんな真似は止めて一緒に帰ろう。今ならまだ間に合うから……」
 説諭の口火を切ったフェイトの傍で、先遣部隊の現地要員として同行してきたテ
ィアナも同意の意を示す。しかしユーノは沈着とした動作で首を横に振った。
「ごめんフェイト、それは出来ないんだ。たとえ管理局にとって不都合な史実が残
る世界だとしても、調査隊の好きにさせるわけにはいかない」
 フェイトは切羽詰った顔をして、反射的にユーノ達へと一歩歩み出していた。
「お願いユーノ、私と一緒に来て。そこまで言うなら調査隊の本当の目的も知って
いるんでしょ? この世界を焦土に変えるんだよ。このままこの世界に留まってい
たら、二人だって不慮の事故で片付けられてしまう……私はそんな事、絶対に見過ごせない」
「ユーノ先生、ザフィーラさん、何をそんなに執着しているのかわかりませんけど、
どの道この世界にいると危険なんです。フェイトさんの気持ちも汲んであげて……」
「断る」
 確固たる覚悟の重厚な声色が、ザフィーラの勇猛な口腔から放たれた。ティアナ
は眼の前の守護獣から感じられる迫力に気圧され、続けるべき言葉を飲み込んでしまった。
 機動六課時代では見る事の出来なかったザフィーラの明白な意思表示に、ティア
ナはその貫禄のある雰囲気で一瞬にして硬直させられた。
 今まではザフィーラ自身の印象も薄かった為に、だからこそ衝撃も一際強かった。
しかし彼女は更に思い出す。正式にランクを所有していないが、ザフィーラの魔導
師ランクは自分よりも格上の推定AAランク相当という事実を。
「時間が無いから今はまだ何も話せないけれど……大丈夫だよフェイト、僕達は何
も時空管理局に逆らおうとしているんじゃない。ただ真実を知りたいだけなんだ。
僕が所属している学会にも時空管理局の緘口令が通達されてね、仕方無く僕だけザ
フィーラの協力をしに来ているんだ」
 ユーノが毅然とした口調で述べる。しかしその説得だけでは、フェイトの職務へ
の厳格な責任感を溶かす事は叶わなかった。
「お願いユーノ、お願いだから……。こんな事していたらなのはだって悲しむよ。
これ以上問答を続けるなら、私も相応の手段を選ばなくちゃならないんだよ。そん
なの嫌だよ……だからユーノ、本当にお願い……」
 フェイトは弱々しく顔を下に伏せ、血色のいい唇に白い歯を立てる。ティアナも
同様に、上官の葛藤を肌で感じて苦しげに押し黙る。
 このまま互いに水掛け論が継続されれば、先行した二名はユーノとザフィーラに
対し強硬手段を用いなければならない。
 調査隊本隊の到着まで愚劣な問答に終始し、挙句に二人を無駄死にさせる位ならば、
実力行使も厭わずに二人を引っ張ってでも連れて帰るべきだ。
 だが、フェイトにそんな冷酷な行為が可能かどうかといえば話は違った。
 ユーノにバルディッシュを向ける自分を想像しただけで、足腰に激しい痙攣が発
生してしまう。
649騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:29:41 ID:r9mC1ptd

 軌道衛星上に待機している艦内に一時帰還したフェイトは、一目散にデバイスの
メンテナンスルームへと急行した。
 ティアナはフェイトの決然とした雰囲気に口を挟む余地すら無く、戦々兢々とし
て後を追った。
 折り良く、メンテナンスルームにはフェイトの長年の補佐官であり、デバイス関
連の専門家であるシャリオが整備作業で部屋を使用していた。
 彼女はフェイトの中ではかなり険しい顔で入室してくるのを、半ば呆然として眺めていた。
「シャリオ、突然で悪いけどバルディッシュとクロスミラージュの調整をお願い」
「え、えぇ……」
 操作盤の席から立ち、シャリオは目線でティアナに事態の経緯を求める。しかし
返ってきたのは肩を竦めるティアナの素振りだけだった。
「私のバルディッシュには非殺傷設定用の基部を取り外して、その空いた部位に機
動性向上の部品を入れて欲しいの。後、出力面はデバイスの耐久限界ギリギリまで
引き上げて。それとゲマトリアサポートシステムを組み込んでくれると完璧だよ」
「ゲマトリアサポートシステムって……それ、本局指定の運用許可システムから削
除された奴じゃないですか。それに他の仕様変更も、そんなガッチガチの戦闘用の
調整で一体どんな戦場に行く気なんですか」
 シャリオはフェイトの異常な要請に眉を顰め、有無も言わずに承諾する事を躊躇った。
「何ですか、ゲマトリアサポートシステムって」
 ティアナが互いの想いで見詰め合う二人の横から介入し、初耳のデバイス機能の
内容を質問した。シャリオが取り敢えず疑念を置いて、ティアナへの解説に移る。
「簡単に言って、カートリッジ方式の特性を恒常的に維持するシステム。八神部隊
長がお持ちだった夜天の書の魔力蒐集機能から着想を得たもので、同じ様に大量の
魔力を記述して保存する端末を数個デバイスに組み込んで、その魔力を消費して術
士の戦力を補強するの。カートリッジは一発一発使い捨てだけど、こちらは一つの
記述用端末に保蔵出来る魔力量が段違いで、次期主力デバイスの基本機能に採用さ
れる予定……だったんだけど」
「扱いも難しいし、想定外の強化率に本局が試験データ採取直後に運用禁止の決定
を出した禁忌のシステム。それに現時点の規格だと、Sランク以下相当のデバイス
は出力に耐え切れずに破砕してしまうから……」
「そんなシステムを導入して、フェイトさん何をするつもりなんですか。まさかフ
ェイトさん……」
 フェイトの一連の行動の真意を突くティアナに、フェイトは静謐な顔付きの儘で
ティアナへ沈黙の返答を渡した。
「……クロスミラージュにはリンカーコアコネクトシステムをお願い」
 ゲマトリアサポートシステム以上の曲者の名を持ち出され、更にそれを部下のデ
バイスに追加するよう頼んでくるフェイトに、シャリオは眼鏡の奥の眼を瞠る。
「……本気ですか?」
650騎士よ眠れ
「お願い。あの三人に勝って本局に連れ戻すには、そうするしか方法は無いの。本
隊が到着した時点で全てが終わるんだ」
 自分を見つめるフェイトの瞳に、不動の決意が光沢となって潤んでいるのをシャ
リオは認めた。
 先程同様にティアナが説明を求める顔をしてきたので、シャリオは重い口を開いた。
「いい、ティアナ。リンカーコアコネクトシステムは、名前の通り魔導師のリンカ
ーコアを魔力に変換する為のデバイス機能よ。もう想像出来ると思うけど、純粋な
魔力の源泉であるリンカーコアを消費する事に大きな危険が伴うのは確か。だけど
このシステムを巧く活用すれば、魔導師は飛躍的に戦力を増強させる事が可能なの。
ティアナが作動させた場合、きっと魔導師ランクは軽くS+ランク辺りまで引き伸
ばせる筈よ。勿論、単純な魔導師としての実力じゃなくて、厳密な魔導師ランクの
定義に基づいた上でね。このシステムで、貴方は一時的にしろストライカーに匹敵
する実力を得られるの」
 ティアナは自身の実力とは程遠い魔導師ランクを耳にして、そのシステムに対す
る驚愕を隠し切れなかった。
(恐らく、シグナムはレヴァンティンにゲマトリアサポートシステムとリンカーコ
アコネクトシステムを双方組み込んだ状態で挑んでくる。それでも私は負けられない。
ううん、絶対に負けたくない……!)
 フェイトは我知らず、限界近くの握力で掌を握り締めていた。思い沈むフェイト
の横で、シャリオとティアナが打ち合わせを続けている。
「でもこっちは個人差が激しいの。確証があるのは、ミッドチルダ生まれの人間の
リンカーコアとは相性が余り良くない事。それとは逆に、ベルカ人とは本当に相性
抜群。年代を遡っていく程に適性は高くなっていく事も判明しているの。古代ベル
カ人ともなれば、数倍、数十倍のキャパシティを弾き出せる位にね。あと余談だけ
ど、最も相性がいいリンカーコアは、魔法文化の無い管理外世界の人間のものって
いうのがあるわ。たとえば、地球出身のなのはさんや八神部隊長がそれに該当する
わね」
「はぁ……」
 現実感の欠如した説明だったが、ティアナは最早自分が立つこの場所は嘗て無い
程に慄然とした状況に突入している事は察せられた。
 そして、フェイトは敵の数が三人と明瞭に言った。ユーノとザフィーラの他に、
残る一人があの荒野に潜伏していたのだろう。
 フェイトの様子が豹変したのも、その敵の存在が原因というのがティアナ個人の
推測では濃厚だった。
「シャリオさん、あたしのクロスミラージュにもフェイトさんが言った通りの調整
をお願いします」
「……わかったわ。今になって言うのもあれだけど、二人とも無茶だけはしないで
くださいね。艦長は二人の報告があるか、本隊が合流するまではここで待機を続け
るって仰っているんですし」
 シャリオは前に立つ二人の固い意志にそれ以上他言を挟まず、彼女達を信じて作業を開始した。
 フェイトはメンテナンスルームを出ると、多少和やかに崩れた顔で傍に続くティアナを見た。
「戦うのが辛いなら、ここで待っていてもいいんだよ」
 今更なフェイトの気遣いに、ティアナは怯えも無く頭を振った。
「言葉で伝わらない思いは、デバイスで伝える……それがあたし達、機動六課の流儀ですから」
 ティアナの意志を改めて確認し、フェイトも相棒を信じる思いで微笑み、ゆっくりと頷いた。