☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第31話☆

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1
魔法少女、続いてます。

 ここは、 魔法少女リリカルなのはシリーズ のエロパロスレです。


『ローカル ルール』
1.リリカルあぷろだ等、他所でのネタを持ち込まないようにしましょう。
2.エロは無くても大丈夫です。
3.特殊な嗜好の作品(18禁を含む)は投稿前に必ず確認又は注意書きをお願いします。
  あと可能な限り、カップリングについても投稿前に注意書きをお願いします。
【補記】
1.また、以下の事柄を含む作品の場合も、注意書きまたは事前の相談をしたほうが無難です。
  ・オリキャラ
  ・原作の設定の改変
2.以下の事柄を含む作品の場合は、特に注意書きを絶対忘れないようにお願いします。
  ・凌辱あるいは鬱エンド(過去に殺人予告があったそうです)

『マナー』
【書き手】
1.割込み等を予防するためにも投稿前のリロードをオススメします。
  投稿前に注意書きも兼ねて、これから投下する旨を予告すると安全です。
2.スレッドに書き込みを行いながらSSを執筆するのはやめましょう。
  SSはワードやメモ帳などできちんと書きあげてから投下してください。
3.名前欄にタイトルまたはハンドルネームを入れましょう。
4.投下終了時に「続く」「ここまでです」などの一言を入れたり、あとがきを入れるか、
   「1/10」「2/10」…「10/10」といった風に全体の投下レス数がわかるような配慮をお願いします。

【読み手 & 全員】
1.書き手側には創作する自由・書きこむ自由があるのと同様に、
  読み手側には読む自由・読まない自由があります。
  読みたくないと感じた場合は、迷わず「読まない自由」を選ぶことが出来ます。
  書き手側・読み手側は双方の意思を尊重するよう心がけてください。
2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
3.カプ・シチュ等の希望を出すのは構いませんが、度をわきまえましょう。
  頻度や書き方によっては「乞食」として嫌われます。
4.書き手が作品投下途中に、読み手が割り込んでコメントすることが多発しています。
  読み手もコメントする前に必ずリロードして確認しましょう。


リンクは>>2
2名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 18:44:31 ID:AKj8Dvbi
『リンク』

【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第30話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190359239/

【クロスものはこちらに】
リリカルなのはクロスSSその17
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1190209861/

【書き手さん向け:マナー】
 読みやすいSSを書くために
 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5301/1126975768/

【参考資料】
・Nanoha Wiki
 http://nanoha.julynet.jp/
・アリサだもんっ!
 ttp://homepage3.nifty.com/damenahito2000/
(キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
 ttp://red.ribbon.to/~lyrical/nanoha/index.html  (旧)
 ttp://wiki.livedoor.jp/raisingheartexcelion/d/  (wiki)
3名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 18:51:08 ID:pnKenoMi
読まないように。












細村香奈という中学2年生の女の子が夜道を歩いていると男3人にレイプされました。
彼女は必死で抵抗しましたが男3人の力に勝てるわけでもなく、まだ14歳という年齢で知らない男達に犯され、口封じとして殺されました。
男達は別に罪の意識など少しも、欠けらもありません。
彼女は成仏出来ないまま、自分を犯した男達を探し続けています。

この話を読んでしまった人は必ず、他のスレ5個に同じ内容のレスを貼り付けて下さい。さっきも言いましたが、ここまで読んでしまったなら張り付けるほか方法はないです。殺されてもいい人は関係ない話ですが…。
・有村菜津実
・清中みずき
・鈴鹿陽一
・村上梓
・畠山龍夜
・野口太一

上の人たちはこのチェーンレスを貼り付けなかった為に殺されました。
細村香奈に…。
4名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 19:31:12 ID:0SvD1QUo
1さん乙です!
5名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:11:37 ID:19FBcfEl
>>1乙ですZE
さて、フェイトのアホな子の呪いが継続中な事を願って・・・
あれ?何か雷鳴g
6名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:23:12 ID:edii584a
フェイトそんではなくて申し訳ないが、投下しますよ、と
7名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:24:14 ID:oNNjVv2o
よしこい
8『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:25:53 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

 仰向けに倒れ、スカートをたくし上げたシャマルの上にザフィーラが覆い被さっている。
呼吸に合わせて脈打つ剛直は秘裂に当てられており、シャマルのその部分も充分に潤いを
湛えている。互いに準備は済んでいる、ザフィーラに至っては入れずともワイヤーを解く
だけで発射してしまうような状態だ。後はどちらかが僅かに腰を動かしさえすれば簡単に
繋がる、そんな状況で、しかし互いに動かない。
 数秒。
「ザフィーラ?」
 待ちきれなくなったシャマルが腰を動かそうとしたが、その動きが遮られた。目を虚ろ
にし、息も絶え絶えの、そのような姿でありながらもザフィーラは腕をシャマルの腹部へ
押し当てて、動きを制していたからだ。体格差や筋力の差はあるが、弱っている現状では
殆んど現状では意味を為していない。押さえる、というのは動作の表現のみで、力は弱い
ものだったからだ。戦闘に向かず、補助に特化したシャマルの細く頼りない体でも簡単に
押し退けることが出来るような強さでしかなかった。乗せただけ、とさえ言える。
 だが、それでも、シャマルは動けない。
 意思だ。
 行動をする為には、まずは意思の力が必要になり、その意思というものは個人の内から
流れ出てくるものだ。それはどのような存在でも変わらない事だし、何かをしたいという
ものでも、したくないというものでも、一片の違いはない。それは例えば、プログラムに
よって生まれた存在であるヴォルケンリッターであっても、だ。
 その意思の発露が今の動きであると理解しているからこそ、シャマルは動けなかった。
「ザフィーラ、そんなに嫌なの?」
 首の動きは無い、縦にも横にも振られないままだ。こちらに固定されている目の瞬きと
途切れ途切れに溢れる吐息だけが時間の経過を知らせてくる。
「俺には」
 ふと、ザフィーラが声を漏らした。
「俺には、アルフが居る」
 それは行為を始める前にも聞かされた言葉、焦りと迷いの表情と共に発せられた言葉だ。
9『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:28:15 ID:edii584a
 それが意味することをシャマルは知っているし、理解もしている。はやて以前の男の主、
希に女の主もそうだったが主に男がしていたこと、性の捌け口として扱っていたこととは
対照的な概念だ。ミットチルダや他の世界でも共通の概念、一生涯のパートナーを見付け、
また自分の全てを掛けて全てから守り、また護ってもらうこと。かけがえのないもの故に
大切で、大切な故にかけがえのないものだ。
 言葉にすると照れるものがあるし、また簡単に言うべきものではない、しかしシャマル
は敢えてザフィーラの目を見つめ、それを発した。
「愛、ね」
 と。
 それにザフィーラは言葉では答えず、無言で首を縦に振った。
 彼らしい表現の仕方だ、と思う。
 照れもなく言い切って、他人からの疑問にも素直過ぎる程に、頑固過ぎる程に肯定する。
他の者がすれば滑稽かキザにすら思えるような言葉や行動だが、主や使命を己の身よりも
遥かに尊いと思い、また守り続けてきたザフィーラには似合うと思う。ザフィーラだから
こそ、とすら思える程だ。シャマルはそれを、馬鹿なこととは思わなかった。そうである
べきだ、そうでなければならない、と思う。ザフィーラは
主と同様仲間を大事に思っていて、それ故に自分もザフィーラに惹かれてしまったのだし、
それを否定することは自分の気持ちだけでなくザフィーラ自身をも否定することになるの
だから。だから肯定の感情は生まれても、否定の感情は生まれなかった。
 だが、だからと言って諦めが出た訳ではなかった。ザフィーラの言いたいことは、理解
している。大切な存在を失うようなことは、出来ないということだ。『闇の書事件』でも
そうだった。これはザフィーラに限ったことではなくなるが、はやてを大切に思っていた
からこそ自分達は倫理や約束を裏切り、はやての命を失わせまいと戦った。しかもそれを
乗り越えて手に入れたものだ、失いたくないという気持ちはひとしおだ。自分もそうだ、
今の自分が生きている時間を失ってしまうのは絶対に嫌だと思う。それは無欲と誇りの塊
のようなザフィーラとて同じだろう。そこまで理解をしているのに、それでもザフィーラ
を諦めることなど出来はしなかった。
「ねぇ、ザフィーラ」
「落ち着け、今のお前は熱に浮かされているだけだ」
 苦しめている立場の自分が言うことではないが、苦しい筈なのに、ザフィーラは言う。
10『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:29:56 ID:edii584a
「違うわよ」
 対し、シャマルは首を振った。
 今までに無かった変化、突然の感情だから時間を置けば冷静になる。そう人は言うかも
しれないが、それは絶対に違うとシャマルは考える。今まで惹かれていて、それがやっと
表に出たのだと。好きになったのではなく、好きになっていたのを『自覚した』のだと、
そう気付いたからだ。近過ぎて自分の気持ちに気付かなかった、なんてはやてから漫画を
借りて読んだときは有り得る筈がないと思っていたが、正にその漫画通りだ。その立場に
立たされてしまった、ザフィーラが自分とは違う立場になっていたという事実を突き付け
られ、そして自分の気持ちに気付いたのだ、と。
 失いたくない。
 我儘かもしれないが、そのような気持ちが確かに存在している。
「ねぇ、ザフィーラ。お願いだから」
 目の端に大粒の雫が浮かび、
「お願いだから、私を見てよ」
 吐かれた言葉や感情のように、流れたそれはフローリングを打った。
11『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:31:40 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

 一方その頃、
「ザフィーラとシャマルの子供が生まれたら犬になるんやろか? 人間になるんやろか?」
「ザフィーラのザー汁は濃そうだから犬になるんじゃね?」
「ははは、そうだ。バルディッシュもレイジングハートも皆同じだ、堕ちてしまえ!!」
 暗黒面に堕ちたシグナムとヴィータを見て、はやては満足そうな笑みを浮かべていた。
だがまだ安心は出来ない、何せ自分の何十倍、何百倍と生きてきた海千山千の猛将達だ。
その精神力は並の存在とは一線を画する筈で、もし夢である『全世界乳揉み計画』の途中
で正気に戻られでもしたら堅い二人は止めにくるかもしれない。格闘戦に弱い自分だから
こそ反則的な強さの二人を使おうと思っているのだ、立場が逆になったら一瞬で倒されて
しまうに違いない。そうならない為にも、もっと堕とさなければならない。
 はやては頷き、
「ところで最近、射精の詳しい仕組みを習うたんよ。こっちの言葉で言うと二人は分かり
辛いかもしれんから古代ベルカ式の説明で言うとな、シグナム(おっぱい)とかエロいもの
を見ながらデヴァイス(ちんこ)をカートリッジロード(ピストン運動)する。そうすると、
カートリッジ(子種袋)の中の魔力(精液)をデヴァイスから放出するんやて。魔力(精液)を
連続ロード(重ね掛け)すると魔法の威力(妊娠確率)が高くなるとも習うたわ」
 はやての説明を聞いた瞬間、虚ろになっていた二人の目から完全に光が消えた。ちんこ
とデヴァイスを同じ扱いにされただけでは飽き足らず、過去数多の敵を打破してきた誇り
高いベルカの戦闘術やシステムを射精と同様に言われたのだ。自分が信じ生きてきたもの、
特にシグナムは己の全てだと思ってきたものを性的に否定され、言葉すら失った。
「あとヴィータ(幼女)を見てギガントフォルム(全力全開)になる人も居るらしいんやて。
育たなくても需要はある。良かったな、ヴィータ?」
 何が良いのか分からないが、はやてが尋ねるとヴィータは壊れた表情のまま頷いた。
「よし、計画通り」
12『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:33:46 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

 感情に押された涙は止まらない。
 数分程前までの艶やかさを伴った姿など嘘であったかのように、まるで赤ん坊のように
シャマルは涙を流した。胸をはだけスカートを捲り上げ、その中の下着は降ろされていて、
しかもクラールヴィントはザフィーラのものの根元を縛っているという妙な状況だ。他人
が見たらどのような印象を抱くだろうか、そしてザフィーラはどのように思ってこの状況
を見ているのだろうか。そんな疑問が、シャマルの涙を更に増やす。
「落ち着け」
「触らないで!!」
 子供でもあやすように伸ばされた手を跳ね退け、しかしシャマルはすぐに慌てて、
「あ……ごめんなさい」
 言い、顔を青くしてザフィーラの手を掴んだ。
「落ち着け、と言っている」
 ザフィーラは吐息を一つ、それを擽ったいと思った直後、シャマルの体は太い腕に抱え
込まれた。やはりまだ苦しい筈で、その力も挿入の抵抗のときと同じく力の弱いものだ。
しかし込められたもの、伝わるものは力だけではない。大柄な体格が持った、目尻よりも
遥かに高い熱と、
「ザフィーラ」
「俺には、これだけしか出来ん」
 これだけ、と言っておきながらも充分に込められた想いだ。
 どれだけ続けていたのか、身を包む熱を感じていると、涙が引いてくるのが分かった。
それだけではなく、寧ろ心が落ち着いてくるのが分かる。以前に何度も、肌を重ねる度に
感じていたものだが、今はそれだけではない。護ってくれている、そう感じた。
 『盾の守護獣』、その言葉を表すように。
「ザフィ……」
「それより、すまん。そろそろクラールヴィントを解いてくれると嬉しいのだが」
 言われて気付き、シャマルは慌てて解いた。口の中で呟いた、空気読みなさい、という
言葉は果たして聞こえたのだろうか。ザフィーラはようやく自由になった自分の股間に目
を向けると、大きく息を吐いた。
「ザフィーラでも、そんな顔をするのね」
 これまでの付き合いで、初めて見せる表情だ。これを普段からアルフに見せているのか、
引き出したのがアルフだというのか、そう考えると何とも悔しいものがあった。
 しかしザフィーラは表情をいつもの感情が見えないものに変えると首を傾げ、
「どんな顔をしているんだ?」
13『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:35:31 ID:edii584a
 言われた言葉に嬉しくなり、シャマルは笑みを浮かべた。アルフの性格ならば、先程の
ような顔をした途端に指摘するだろう。そのことを自覚していないということは、先程の
ような表情を浮かべた相手は自分が初ということだ。自分にだけ見せた一面があるという
ことだけで、本当に嬉しくなった。
「笑ったか、余裕が出てきたな」
 良いことだ、と言って頭を掻くが、シャマルはそれによって抱いていた腕が離れるのを
惜しいと思う。だが余裕が出てきたのは事実だ、落ち着いてきたという自覚もある。
「ごめんなさいね? その、縛っちゃって」
「気にするな、俺は頑丈だ」
 そんな問題なのだろうか、と首を傾げたが、ザフィーラが言うからにはそうなのだろう。
そう結論してシャマルは頷いた、ザフィーラは無茶はするが無理をするタイプではない。
それに本当に不味い場合でも、『湖の騎士』得意の回復魔法がある。
「話を戻そう。三度目だが、俺にはアルフが居る。だから、お前には応えられない」
 沈黙。
「だったら、抱いて」
「いや、だからな。俺は」
「思い出を頂戴?」
 シャマルは言う。
「ザフィーラ、貴方は私を癒す人が居ないと言ったけれど」
 涙の跡を、更に消すように拭い、言う。
「ザフィーラが駄目なら、思い出を頂戴。最初のリインちゃんが、はやてちゃんに名前を
貰って自由になったみたいに。『湖の騎士』を自由にする、過去を埋め尽す程の思い出を。
癒してくれる人が出来るまで、そうして私は生きていくから」
 本当は辛いが、それだけあれば充分だ、そう気持ちを強く持ちながら。違う、もう一つ
ある。自分にだけ見せた表情、それもある。これから、数は少ないだろうが緩んだ表情は他の者にも見せるかもしれない。
だが最初に見たのは自分だけ、そんな思い出もある。ザフィーラの張りつめた部分を解き
ほぐしたのはアルフかもしれないが、実際に最初に見たのは自分なのだから。
14『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:36:50 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

「うぁ、見れんかった!! ザフィーラのレアショット!!」
 シャマルに誉められたのは既に過去のこと、リインスォースの名前を考えたはやては、
足を踏んで悔しがっていた。眉を寄せながらシグナムの乳を揉みながら悔しがる今の姿を
見たらシャマルは酷い気持ちになるだろうが、そんなものは知ったことではないとばかり
に乳を揉みしだく。シグナムも普段の状態ならば幾らか抵抗を示しただろうが、立ち直る
ことが出来ていない今の状態では何も反応を示さなかった。
「しかしシグナムは良い乳をしとるなぁ」
 反応が無いが楽しんでいる限り、純粋に乳揉みが楽しいらしい。次第に表情が晴れやか
になっていくのが人として問題はあるが、ヴォルケンリッターの二人は何の反応もしない
ので突っ込む者は存在しない。
「それにしても」
 シャマルも我儘を言うのか、と乳を揉みながらだが、はやては驚いていた。シグナムと
同じくらいの精神年齢なので我儘を言わないタイプかと思っていなかったし、その兆候も
無かったからだ。ひたすら自分を殺している、という見方はザフィーラと同じものだが、
出来ればもっと自由にしてやりたい、と思う。
「シャマルは乳揉み計画から除外やね」
 他のどんな乳を相手にしても、シャマルだけは揉まないでおこう。
 それが自分に出来ることだ、そう結論し、次はどうすればヴィータの存在が限りなく無
に近い、寧ろ『無』そのものである乳を揉むことが出来るかを考え始めた。
15『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:38:39 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

 無言の時間は続くが今のものはこれまでのものと違い、ザフィーラが答える側だ。
「お前は、それで良いのか?」
 足りるのか、ではなく、壊れないのか、という質問だ。
「だって、もう駄目なんでしょ?」
 問いに問いで返すことを卑怯だとは思わない。自分と肌を重ねることに抵抗を覚えても
尚、気遣ってくれているという嬉しさの方が多い。アルフとは意味が違うが、それでも、
自分を大切に思ってくれていると分かる言葉だったからだ。
 だから躊躇いもなく、シャマルは頷いた。
「……分かった、それがお前を守ると言うのならしよう」
 だが二度はしない、というザフィーラの言葉に、私もそんなに安くないわよ、と答え、
シャマルは太い首に腕を掛けた。引き寄せるのではなく自ら上体を少し起こして目を閉じ、
ゆっくりと自分とザフィーラの唇を重ね合わせる。自分が求めてザフィーラとが応えてくれている以上、抱き寄せるのは
失礼だと思ったからだ。これからは行為を重ねることが出来ないならば、自ら線引きする
ことと、何より敬意を忘れてはいけない。
 そう思いながら唇を重ねていて、不意にシャマルは思い出した。まだ好きだと自覚して
いなかった自分が、どうしてザフィーラと交わるようになったのか。
「守って、くれていたのよね」
 思えば求めるのは必ず自分の方からだった。それは主に犯されて砕けそうになっている
心を少しでも癒す為だ。欠片が思い浮かべば他の記憶も連鎖的に蘇ってくる。最初は主に
処女を奪われた後、自棄になっていた自分をザフィーラは抱き締め、そして優しく抱いて
くれたのだ。その行為や肌の温度が心地好くて、辛いことがある度に抱かれていた。
 これまでの全てを思い返し、その感謝も含め、
「ありがとう」
「それが俺の役割だからな」
 素直じゃない、と思いながらも言わないでおくことにする。表情からは内情を読み取る
ことが出来ないが、この愚直な守護獣も、きっと心の中では照れているだろうからだ。
「それより、疲れるだろう」
 言葉と共に腕が腰に回され、背中にクッションの感触が来た。ヴォルケンリッターの他
の三人に比べると体力は少ないが、それでも腕で固定しているので負担になる程ではない。
16『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:40:14 ID:edii584a
 だがザフィーラなりの負い目を消させる気遣いなのだろうと思いシャマルは力を抜いた。
家事好きのはやてがこまめに手入れをしている、肌触りの良いカバーの感触が擽ったい。
 それに感じていると、唇を割って舌が入り込んできた。
「あ」
「どうした?」
「ミルクっぽい」
 サンドイッチの皿を片付ける際に飲んだものの味だろう。僅かに甘味が口の中に広がり、
その主がザフィーラだということに笑いが込み上げてくる。
 ザフィーラは首を傾げながら唇を離し、その顔を下へと滑らせた。そのまま首筋、鎖骨
に口付けてシャマルの体を下降し、豊かな胸へ顔を埋める。焦らすように先端の周囲から
舌でなぞり、待ちきれない、と思ったところで漸く固くなった先端の突起を口に含んだ。
 は、と声を出しながらザフィーラの頭を抱え込み、
「子犬みたい」
 先程の牛乳のイメージも残っていたのか、自然と出た言葉にザフィーラは眉を寄せた。
「……俺は狼だ」
「ごめんなさい」
 小さく笑って、思い出す。こちらの世界では、女に優しくするふりをして美味しく頂く
存在を狼と言うらしい。だがザフィーラはまるで正反対で、それでまた笑いが溢れてくる。
こちらの世界を馬鹿にするつもりはないが、実に見る目が無い。ベルカの狼はこんなにも
優しくて、それ以外にも良いところが沢山あるのに、と。
 背中から腕が抜かれ、その腕は股間へ伸ばされた。唇を重ね始めたときから濡れ始めて
いたそこは、指を軽くなぞらせただけで水の音がする。始めは胸のときと同様に淵を撫で、
そして少しの力を加えただけで谷の中へと沈んでいった。只でさえ太い指だが、幾千もの
戦いを勝ち残る為に鍛え込まれた、ごつごつと節くれだった状態になっている。その指が
強い存在感を放ちながら入ってくるのを感じ、シャマルは細く息を吐いた。男のものを受け入れているときと比べ遥かに
圧迫感も弱い、苦しさなど存在しない。ただ頭が痺れ、反応した指は自然にザフィーラの
背中に爪を立てていた。こんなに強い快楽は初めてだ。相手への気持ちだけで、ここまで
感じるものは違うのかとシャマルは思う。しかもザフィーラは、まだ指を動かしていない。
17『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:42:11 ID:edii584a
 この指を動かしたらどうなるのか、という考えを読み取ったかのように、掌が動いた。
その動きは戦闘の際に見せる荒々しいものとは真逆の、丁寧なもの。丁寧過ぎる程優しく
動くそれは確実にシャマルの敏感な部分を擦り、短い間隔のストロークで連続して責める。
背筋に冷たい水と熱湯を同時に脊髄に流し込まれたような感覚に、理性や思考が、意識が
削り取られていくような感覚に襲われ、
「ざ、ふぃ」
 そこから声は出ない、吐息だけをしてシャマルは達した。
 部屋には言葉ではなく、音が満ちている。交わる二人がする吐息の音だ。ザフィーラは
生来の寡黙さ故に、シャマルは言葉を発するのが困難である程に意識を飛ばしていた故に
言葉などは存在しない。ただ音と、それから意思があるのみだ。
 達した反応で跳ねる身が落ち着くのを待って、ザフィーラは声をかけた。
「少し休むか?」
「だい、じょうぶ」
 だがザフィーラは首を振り、
「急ぐことはない、時間はあるし俺は逃げたりなどしない」
「良いのよ、私がしてほしいから」
 それに時間はあると言っても、逃げてしまいそうだからだ。ザフィーラの体温が逃げて
しまうのは惜しい。再度肌を重ねれば再び得られるものだが、それは今のものとは別物の
ような気がして、だからシャマルは笑みを浮かべ、
「来て?」
 短く問えば、頷くザフィーラの顔がある。
 シャマルの言葉の意味を理解したのか、殆んど間を置かずにザフィーラは細い腰を抱き、
手前に引き寄せる。粘度を持った微かな水音が聞こえ、割れ目に固く熱いものが当たるの
をシャマルは感じた。十数分前の、正しい形に変えての再現だ。
「入れるぞ」
「ええ、ザフィーラを頂戴?」
 ふ、という吐息を聞きながら、入ってくるのを感じる。指と比べると例え誰が相手でも
大きいが、平均と比べても尚大きいザイズのそれは、指のときよりも遥かに圧迫感が強い。
何度も受け入れているものだがザイズの関係で抵抗は強く、過去に重ねた経験が夢か幻で
あるかのようにシャマルの膣内を張りつめさせる。
 根元を少し余らせて奥まで到達したザフィーラは、シャマルの顔を見た後で一瞬黙り、
「動いて、大丈夫か?」
 来て、と言ったのは自分だ。それに今更な話、動かすのを躊躇うようなものでもない。
そう目で語ると、ザフィーラは腰を動かし始めた。
18『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:44:26 ID:edii584a
 抜けそうになる寸前まで腰を引き、殆んど間を置かずに最奥まで埋めてゆく。それだけ
でも再び達してしまいそうになったが、ザフィーラの動きはそれで終わらない。重ねると
言うよりも貪るように唇を重ね、左手はシャマルに負担をかけないよう自重を支える為に
使っているものの、右の掌はシャマルの胸を愛撫する。
 どの動きも指でしたときと同様に、乱暴ながらも優しいものだ。その動きにシャマルは
過去の数ある経験の中で、最高の気分を味わっていた。最初は、乱暴に求めてくることを
求めていた筈だ。自分だけを無我夢中で見るように、と。だから少し残酷かもしれないと
思いながらも剛直の根元を縛ったりもしたが、今のザフィーラが与えてくるものは予想を
遥かに越えたものだった。壊れ物を扱うように繊細で丁寧で、だからこそ自分が大切な者
だと思われているという実感がある。あんなことをしなくても、充分に自分のことを思い
行動していると、そう実感することが出来る。
 きっと、最後を惨めなものにしないように。
 思い出が欲しいと言った自分の言葉を真っ直ぐに受け止め、それを実現させる為に。
 どれもこれも、自分の為に。
 限界が近くなってきたのか、ザフィーラの動きが加速した。腕の中の細い体を突き壊す
かのように激しく腰を振り、受けるシャマルもザフィーラの腰に脚を絡めてタイミングを
合わせて動かしてゆく。突き入れるのに合わせて腰を上げ、引き抜くのに合わせて自らも
腰を引いてゆく。唇を重ねる為にザフィーラが身を深く沈め、舌が絡み、金の髪と銀の髪、
白の肌と赤銅の肌が一つのコントラストを作り出していた。激しい水音が聞こえる結合部
は互いに痙攣し、そこから漏れた愛液はクッションの上に小さな水溜りを作っている。
「ザフィーラ、中に」
 分かった、と言うように頷き、もう何度目になるか分からないキス。流し込まれた唾液
を飲み下し、もっと、と言うように舌を伸ばす。口から溶け合う感触を受けたとき膣内の
ものが強く脈を打ち、熱いものが流れ込んでくる。
19『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:45:25 ID:edii584a
 どろりとしたものが染み渡る感触に目を細め、もし子供が出来たらどうなるのかなどと
無意味なことを考えた。シャマル自身もザフィーラもプログラムによって出来た、魔法の
ような存在だ。妊娠しないと言うよりも、妊娠という概念自体が存在しないのだ。人間の
概念で言えば毎日が安全日だ。だからシャマルは中に出してもらった、ザフィーラの存在
をより多く感じたかったからだ。今も中に残る精液の熱が、それを物語っている。
「でも」
 少しだけ、羨ましいとも思った。アルフが居る以上は例え妊娠可能でも子供は作れない。
それでも、そうして子供が出来たなら、どれだけ楽しいだろうか。割り切ったのは自分だ、
それでも今くらい、せめて体内に残る熱が消えない内くらいは夢見ても良いだろうか。
 目が覚めて、色々な意味での休日になるまでは。
20『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:46:39 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

 はやてはヴィータのパジャマを脱がしていた。普通の存在が相手ならば着せたままでも
良いがのだ、相手はヴィータだ。揉む為に正確に乳の場所を把握する必要があるが、着衣
した状態では限りなく不可能に近い。
 だが脱がした現在でも、
「難しい」
 手を沿えても元々の体の細さや平坦さが手伝って、どうしても脇の下辺りを揉むような
状態になってしまう。そこはあくまでも脇と乳の中間であって、乳ではないのだ。揉み道
の上では邪道と分かっていながらも背中や脇の脂肪を集める基本テクニックを使おうかと
思ったのだが、それも存在しなかった。
 悲しい話だ、とはやては思う。
「それにしてもヴィータは可愛いなぁ!!」
 興奮のあまり鼻血を流し、満面の笑みを浮かべながらではあるが。
 しかし、どうしようかと真剣に考える。
 今までに学んだものでは瞬時に乳を大きくする方法は無いし、『夜天の書』の知識にも
そのようなものは無い。着衣状態ならばゲートボールの玉でも入れれば見た目は巨乳へと
変わるが、それはあくまでも玉でしかない。揉んで楽しめない。
「何か、そう……何か」
 思い付いた、変身魔法がある。これもまた邪道だが、これしか方法はない。自分はその
やり方を知らないが、管理局の誰かならば知っているだろう。今すぐ電話をかけなければ
と思ったところで、携帯を寝室に置いていたことに気が付いた。
 取りにいこうと一歩踏み出し、
「あ、そうや!! 二人を置いたままだとバレ……うひゃ」
 振り向いてバランスを崩し、体制を立て直そうと二人の腕を掴む。
 だが意思が殆んど消えた二人だ、勢いに抵抗出来ず、結果三人で盛大にスッ転んだ。
21『休日前夜』(後編):2007/09/26(水) 23:48:53 ID:edii584a

 ◇ ◇ ◇

 鈍音。
 突然転がりながら出てきたはやて達を見て、空気が固まった。見られていたのかという
気不味い雰囲気だけではない。何故かヴィータとシグナムが暗黒の目をしていて、しかも
ヴィータは上半身が裸なのだ。数えきれない程の年月を過ごしてきた自分達だが、これは
初めての経験だ。どこから突っ込んでいけば良いのか、突っ込んで良いのか。ベルカでは
体験したことは無いが、もしかして、こちらの世界では珍しいことではないのだろうか、
などと非常識な意見までもがシャマルの頭に浮かんでくる。
 最初に動いたのはザフィーラだった。
 シャマルから離れ、ティッシュ箱をシャマルに渡しながら、
「主はやて、いつから?」
「えっとな、シャマルがサンドイッチのラップを取る辺りから……誘導尋問や!!」
 違う。
「そ、そう言えば時間的に、お休みは明日じゃなくて今日やろ!!」
 威勢の良い突っ込みポーズをするが、ダラダラと鼻血を出しながらでは迫力も説得力も
皆無だ。スベったぁ、と悶絶しているが反応する者も存在しなかった。
 それに対しザフィーラは重々しく頷きをはやてに返すと、足元に魔法陣を展開。
「シャマル、結界を張っておけ」
 『闇の書』の防衛プログラムの触手を薙いだ閃光が走り、八神家は吹き飛んだ。
 夜は当分終わらない、騒がしく今日は続いてゆく。
22ロボ ◆JypZpjo0ig :2007/09/26(水) 23:50:11 ID:edii584a
これで終わり

場面転換の為とはいえ、レス内の長さが不規則ですみません
23名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:55:00 ID:PQtT4O6s
>>22
多くの言葉は要らない。ただGJ! とだけ言わせてもらおう。
24名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:20:44 ID:eSokbx1T
>>22
新スレで早速GJだZEw

『全世界乳揉み計画』・・・はやて、じっくりと話をしようじゃないか!!
25名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:46:00 ID:xa8warMs
>>前話スレ784
ズッコンバッコンフイタGJ!!
いたいけな少女(多分)にナニを教えとるんだ性王教会!!
次はこのスレだろうが聖王の器は今度は何に向かうのか…。
26名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:08:56 ID:Y18HHpEL
>>22
良くやった。GJと言わざるを得ない。
はやてさんはセクハラ魔王じゃないとあかへん。
27名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:23:08 ID:ufVn1YY3
>>21
エロイ!GJJJ!
28お供え者と3つの袋(VSすずか編H):2007/09/27(木) 01:28:15 ID:JRctD1yE
こんばんわ。前スレ736です。
前回の、補完って感じです。
すずか×エリオで、エリオが襲われてます
エロあり……むしろ……のみ。グロは無し
頑張って書いてみましたが……
エロのみ、なのに、エロくない最悪な展開に……;;
以上の事を踏まえてお読み下さい。
29お供え者と3つの袋(VSすずか編H):2007/09/27(木) 01:29:15 ID:JRctD1yE
僕を押し倒した、すずかさんは、僕の唇に吸い付く……
何度も唇を味わうように、吸い、舐めた後に、
すずかさんの舌が僕の口の中に侵入してこようとした。
口を固く閉じ、何とかそれを止めようとしたけど……
すずかさんに、鼻を摘まれて……苦しくなって空気を求めて、口を開いた時に侵入された。

すずかさんの舌が……
僕の舌に絡まってきて…
その熱さと、柔らかさ……そして、微かに感じた甘さに、頭がクラクラした……
大人の人達が、そういうキスをすることは、テレビや映画で知っていたけど……
その時は解らなかった理由が、今は解る気がした……

そして、すずかさんは、僕のシャツをめくり上げ、僕の胸へと指を這わす。
「エリオ君……小さいのに、よく身体を鍛えてるんだね……素敵だよ……」
それだけで、僕の背中には電流が走った。
「す…ずかさん……やめて下さい……」
このまま快楽に溺れてしまいたい……そう思う、
もう一人の自分を振り払って、せめてもの抵抗をみせる。

「やめないよ。私は、ずっとエリオ君にこうしたかったんだもん……
それに……エリオ君のここ………もうこんなに固くなってるよ?
エリオ君も、気持ちいいんだよね?」

すずかさんに、僕の心を見抜かれた気がして、顔が真っ赤になってしまった。
そして、ズボンの上から触れられる、感覚が気持ち良くて……
でも……その柔らかな感覚がもどかしくて……
もっとして欲しいと、もう一人の僕が叫んでいた。

「すずかさん……もう触らないで下さい。
僕…おかしくなっちゃいそうで……」
僕の言葉に、すずかさんが反応して、ずっと僕に快楽で攻め続けていた、
その手が、動きを止めた。
快楽が止まり、少し残念なような気がしたけど、凄くホッとした。

「そうだね……エリオ君に、もっと色々してあげたいけど……
私も……これ以上、我慢してるとおかしくなっちゃいそうだから………」
30お供え者と3つの袋(VSすずか編H):2007/09/27(木) 01:30:20 ID:JRctD1yE
すずかさんの手が、僕の下半身の方へと伸びて、
カチャカチャと金属音が聞こえた後、
ズボンと下着が脱がされる感覚と、大きく固くなって、
ズボンの中で窮屈さを感じていた、僕のストラーダが、開放感を感じたのは、ほぼ同時だった。

すずかさんの視線が、そこに向いてるのに気付いて恥ずかしくて仕方なかった。
「エリオ君の……凄く大きいんだね……」
そう言いながら、すずかさんが、僕に跨がるようにして、膝立ちをしていた。

「本当は、後ろからされるのが一番好きなんだけど……
今日は、エリオ君が動けないから……私が動くね……」
すずかさんの身体が、少しづつ下りて来て、
僕のストラーダが、少しづつ、すずかさんの中へと吸い込まれていった。

やがて……僕のストラーダは、完全に飲み込まれていた。
すずかさんの中は、熱くて、ヌルヌルしていて、
僕のストラーダを離すまいとするように、うごめいていた。
すずかさんは、繋がったまま、僕に軽く口づけをして、顔を近づけたまま
「どう?エリオ君……私の中……気持ちいい?」
て、聞いてきた。
『凄く気持ちいいです』
嘘はつけなかった……
すずかさんの中は、本当に気持ち良かった。
多分、すずかさんが動かなくても、僕はほんの数分で達してしまったと思う。
でも、それよりも、何よりも……
この時の僕は、既に欲望に負けていたんだ。
もっと気持ち良くなりたい……
それだけしか、考えれなかったから……

「じゃあ……もっと気持ち良くさせてあげるね……」
まるで、僕の気持ちを読み取ったように、すずかさんが動き始めた。
その瞬間に、快楽は数倍になり、簡単に、僕の限界を越えた。
「すずかさん!!僕…もう!!!」
「出して!!エリオ君の一杯!!!私の中に出して!!!」

一瞬身体が硬直して、次の瞬間に脱力感がくる。
凄まじい快楽から開放された僕は、冷静になって、
自分がとんでもない事をしたのに気がついた。
31お供え者と3つの袋(VSすずか編H):2007/09/27(木) 01:31:18 ID:JRctD1yE
「すずかさん……あの……」
僕の言おうとした事が、すずかさんには解ったみたいだった。
「大丈夫だよ。今日は安全な日だから…
…それに、私、Hするのも好きだけど…中に出されるのが、もっと好きなの……
だから……エリオ君……もっと……一杯出してね。」

すずかさんの言葉に、僕は安心と、不安を同時に感じた。
安心したのは、すずかさんが、今日は大丈夫と言った事。
不安なのは……すずかさんが、『もっと』一杯だして……と言った事。
つまりそれは、今ので終わりでは無く……
まだ、行為が続く事を意味する訳で………

「!!?」
不意に、下半身に快楽を感じ、そちらを見る……
「エリオ君もこういうの好きかな?」
そこで、すずかさんは、僕のストラーダを胸で挟みこんで、上下に動かしていた……
それは……触感だけではなく、視覚的にも快楽を強いた。

すずかさんの白い肌が、赤みをおびて、ピンク色に見える。
ピンク……という色は、痛い思い出が多いのだけど……
すずかさんを、染めるそれは……綺麗で淫靡だった。
そんな、すずかさんが、柔らかな胸の形を変えて、僕のストラーダを挟んでいる姿……

その威力は絶大だった……
先程、力を失った筈のストラーダに、ムクムクと力がみなぎってきた。
「さすがに、若いから、回復するのが早いね……」
ちがいます……すずかさんのせいです……

すずかさんは、ストラーダが復活したのをみると、すぐにまた、ストラーダを飲み込んだ。
そして、つながったまま僕の耳元へ顔を近づけて、
「1回くらい、私を逝かせれるようにがんばってね…」
と囁いた。


結局、すずかさんが逝くまで持つようになったのは、5回目を越えて、
快楽が苦痛になった頃だった。
全部で何回したのかは……解らない……
途中から…意識が曖昧になっていたから……



最期に耳元で、
「またしようね……」
と言われたとき……
たまらなく怖かった……
あれほど辛かったのに、誘われれば、きっと、僕は拒む事が出来ないから……
32お供え者と3つの袋(VSすずか編H):2007/09/27(木) 01:32:17 ID:JRctD1yE
以上です。
次回は、VSアリサの予定です。
次はエロくなる……といいなぁ……

感想、GJを下さった皆様、この駄文を最期まで読んで下さった皆様、
ありがとうございました。
33名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:43:56 ID:8HJOnBiZ
>>32
ええい、月村の令嬢はバケモノか!
GJでした!

ただ、「最期」だとエリオきゅん死んでしまうよ……
34名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:50:41 ID:t1JrgzSH
>>32 GJ!
やっぱりお姉さん×ショタはいいなぁ・・・・・・。
きれいなお姉さんに襲われる美少年っていいよね。

ふと思ったがユーノが呼ばれてたときってショタ×美少女のそれはそれで
天国のような光景だったのではなかろうかと。
美少女に襲われる美少年もそれはそれでそそるものg(ry
35名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:08:08 ID:+XwhYN4a
エリオ君がおっぱいの海に溺れるようなSSを希望します
36名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:13:39 ID:t1JrgzSH
そして、最終的に女性恐怖症になったエリオ君は、同じ傷をもつ青年
ユーノさんにその傷を癒してもらうべくめくるめく官能の世界にアッー!
37名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:19:47 ID:Y18HHpEL
いや、やはりフリードに癒しを求めるのが正しいエリオきゅんだと思う。
38名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:22:34 ID:tUOFu48z
Fの因子のおかげで精力が成長するんだよ
最初は搾り取られるだけだが、最終的には全員気絶させてもまだ全員に注ぎ込めるくらいになるんだ
39名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:27:34 ID:t1JrgzSH
Fの因子で何故かアホの子になるエリオを想像した。
男の場合ラッキースケベを起こしまくる天然な子に・・・・・・
あ、元からか。
40名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:33:18 ID:Y18HHpEL
>>39
あ、瀕死の状態に追い込まれ記憶を失い逃走したドゥーエさんが住み着いています。
41名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:43:24 ID:t1JrgzSH
今何気なくファミ劇つけたらストライカーズやってて吹いた。
まだ大根、もとい雷光やってんのな。

とりあえず、この回を見てフェイエリもいいがフェイキャロもありか?と思った。
エリオだけでなく、キャロも込みで逆光源氏計画。なんというフェイトさん。
42名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:55:10 ID:eSokbx1T
>>41
フェイトさんの足が大根と申したか!!
ワタシハナニモイッテマセンヨ?
43名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 02:56:57 ID:LbiMIIEZ
>>41
そんなに年下が好きかーーーーっ!!>フェイト執務官
44名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 03:39:19 ID:f/Qew79E
>>43
フ「凄いよ、このストラーダ!さすがエリオの息子さん!!」
45名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 06:16:19 ID:p2JOwcTc
>>22
GJ
八神家が絡まなければ凄い良い話だと思った
いや、八神家も笑えたから良かったが

つーか最後爆発オチWWWW
46名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 06:45:12 ID:iJqEQmee
ttp://onbu.net/sokan/
相関図ジェネレータ

なのは−[し放題]−[させ放題]−ふぇいと
ktkr

その他
ありさ−[師匠]−[弟子]−すずか
はやて−[無関心]−すずか
はやて−[両想い]−ありさ
ふぇいと−[師匠]−[弟子]−すずか
なのは−[元恋人]−ありさ
なのは−[客]−[店員]−はやて
なのは−[し放題]−[させ放題]−ふぇいと
なのは−[セフレ]−すずか
ふぇいと−[コスプレ仲間]−ありさ
47一階の名無し:2007/09/27(木) 06:48:14 ID:tYmyrfDQ
う〜め〜と〜う〜か〜
ようやく1スレに二作投下出来る……
スレ加速は一読み手として嬉しい限りですが
一書き手としては胃が痛いZE!


……って思ってたんだ。でも、出来なかったんだ……。

ではでは。
48ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:49:15 ID:tYmyrfDQ
ある一室。
精神集中の為に明かりを落としてある薄暗い部屋の中で煌々と光を放つのはクラールヴィント、
そしてその光に照らされて浮かび上がるのは湖の騎士、シャマルである。
補助系魔法のエキスパートである彼女の額にも玉のような汗が浮かんでいた。
それは作業の長さを意味する。合計すると数時間にも及ぶ魔法の行使に、流石の彼女も疲弊していた。
と、その時扉が開き、廊下の光が差し込む。
「シャマル、もう今日はええよ」
パネルを操作して部屋の明かりとつけると逆光で見えなかったはやての顔がはっきりと見て取れた。
その表情はシャマル同様疲労の色が濃い。彼女の手にはお茶セットとお菓子、そして雑誌が載せられたお盆がある。
「リインももう事務仕事は嫌なのですぅ……」
そして彼女の右肩にはリインフォースUが疲労の為にへばりついていた。
リインUの演算能力を持ってしても音をあげる事で、はやての抱える仕事の量がうかがえた。
シャマルも苦笑いを返すしかない。
「はやてちゃんもお疲れ様です。このドタバタも納まるといいんですけどねぇ……」
テーブルの上におかれたお茶セットを使ってお茶を入れる。
料理はまだまだ修行中(主曰く『壊滅的』)だがお茶ならば
大分まともなものを淹れられるとシャマルは自負している。そしてそれは家族にも好評だった。
リインは大きなクッキーを両手で掴んでハグハグするのに忙しい。
お茶を一口飲んでから、はやては盛大な溜息を吐いた。
「本局や地上本部のあの要請はどうにかならへんのかなぁ?まぁ、あっちの言い分もわかるけど……」
「また来てましたか……まぁ、それもフェイトちゃんが起訴するまででしょうけど」
クッキーのかすを盛大に頬につけたまま、リインが顔をあげる。
「ふぇ?何の事ですか?」
すかさずシャマルがリインの顔をハンカチで拭いてあげた。くすぐったそうに目を細めるリイン。
「あれ?…………せや。まだリインには話してなかったなぁ。
 聞いてもおもろないけど、聞きたいか?」
苦笑いしながら語るはやてに、リインは眉を跳ね上げた。
「家族の悩みは分かち合うべきなのです!はやてちゃんが悩んでるのなら是非聞かせて下さい!」
シャマルとはやてが顔を見合わせ、そしてどちらからともなく微笑み合う。
八神家の末の娘はやはり祝福の風なのだという事を改めて感じた。
「……せやな。リインの言う通りや。
 実はな?地上本部や本局からスカリエッティの裁判権を渡せって要請が来てるんよ」
「?フェイトさんが起訴するんじゃいけないんですか?」
「ま、古代遺物管理部としての手柄としたいとか、地上本部こそが裁く権利があるとか
 色々言ってきてはおるんやけどな……まぁ、実際のところはちゃうやろうなぁ」
「多分、司法取引によるスカリエッティの裁判の回避……ですよね」
何を言っているか解らなかったリインは数回、シャマルの言葉を反芻した。
そして当然の反応として叫びを上げる。
「――――――っ!?何でですかっ!?」
当然といえば当然の疑問に、はやてもシャマルも苦笑いを浮かべるしかない。
「まぁ、ちゃんとそれには理由があるんよ。
 まず第一に、スカリエッティやナンバーズ自身の能力。
 あのスカリエッティは研究者としては確かに天才で、数百年の幽閉で飼い殺しにするには惜しい才能や。
 それにガジェットのAMFとナンバーズの組み合わせの脅威はうちらが一番解っとるやろ?
 もし投入出来たら、魔法を行使する凶悪犯罪者への切り札に成り得る」
「……まぁ、それはそうですけど……」
49ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:50:25 ID:tYmyrfDQ
「第二に、スカリエッティのスポンサーが地上本部上層部だった事。
 裁判になったらこれらの事実も公になってまう。まず時空管理局の信用は地に落ちるやろぉなぁ。
 ぶっちゃけてまうと、スカリエッティを裁判にかけてもデメリットしかあらへんのよ」
「…………………でもっ!正義は守られますっ!罪は償わないといけないのですっ!
 それに被害者の方達だってきっと納得しない筈ですっ!」
しかし、リインは気付く。今の言葉がはやてにもあてはまる事に。
続く言葉を持たない彼女は、眉をくしゃくしゃに歪めて押し黙った。
「せや。確かに正義は守られる。でもな?スカリエッティの才能を正しく使えたら
 それで多くの人が救われるかもしれへんのやで?
 リインはそれでも裁かないのは間違ってるっていえるん?」
自虐的な笑みとともに降りかかるはやての言葉。しばらく、部屋を重い沈黙が支配した。
カップの中の紅茶がもう湯気を発していない事に気付き、シャマルが淹れなおそうとし

「――――違いますっ!」

叫びがあまり広くない室内に響く。
「マイスターは、裁かれたじゃないですかっ!
 それでもまだ罪を償おうと、贖おうとしてるじゃないですかっ!
 マイスターは頑張ってます!だから……だからっマイスターと彼はっ!だか―――――」
そこから先は言葉にならなかった。大粒の涙を流し、顔をぐしゃぐしゃにして、
それでも、彼女の胸に吹き上がる激情を何とか言葉にしようとリインは喘ぐ。
はやてとシャマルは、やはりこの子も祝福の風だと改めて思った。
「ごめんごめん。ちょっと意地悪が過ぎたなぁ。ホラ、おいしいクッキーやで?」
目の前にクッキーをぶら下げると泣きながら、でもしっかりとリインは掴んだ。
しゃくりあげながらハグハグかじる。その様子を、笑みを更に柔らかくしながら二人は眺めた。
実際のところ、難しい問題でもある。
はやてはヴォルケンリッターが夜天の書のプログラムである事を隠蔽して家族を守った。
不正を働く事で守れるものもあるのだ。
そこらへんの折り合いをどうつけるか……それはフェイトに一任している。
彼女ならば、きっと正しい決断をしてくれるだろうと信じて。
この話はこれでおしまいとばかりに、はやては雑誌を手にとって適当にパラパラめくる。
「お、これもやっとるなぁ『フェイトちゃん特集』」
目に付いた記事は『独占インタビュー!等身大のハラオウン執務官に迫る!』というものだ。
インタビュアーとフェイトの一問一答形式の記事である。
最初は執務官として云々など真面目な質問が続いたが、徐々にくだけたものへと変わっていく。

―――――――今、一番興味があるものは何ですか?
『そうですね……休憩時間や仕事の合間に読む恋愛小説や漫画でしょうか。
 実は、こういうのあまり読んだ事無くて……(照笑)』

「へぇ、そうなんや。もったいないなぁ……今度、オススメの小説でも差し入れしたげよ」
元・読書少女としては黙って入られない。一人だった時には本だけが友達だった。
今は沢山友達が出来て随分と読書の時間は減ったが、それでも本を読む楽しさを忘れたわけではない。

―――――――おぉ!ではオススメの作品なんかありますか?
『えっと……実名とか出したらいけないですよね?(苦笑)
 身長差とか色々なコンプレックスのせいでなかなか上手くいかない二人とか、
 あ、あと最近は禁断の関係なんていうのにも結構はまってます』
―――――――執務官としてあるまじき発言がっ!?
『あ、勿論フィクションはフィクションですから(笑)そこの線引きはしっかりしてるつもりです』
50ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:51:27 ID:tYmyrfDQ
「そっか、そんなんが好みなんやな?じゃ、アレとかすすめてみよかなぁ?」
「何だかんだで結構フェイトちゃんもぶっちゃけてますねぇ」
「むぅ〜〜!リインも見たいのですぅっ!」
ひとり話題に置いてけぼりにされた彼女は記事が読める位置まで舞い上がった。

―――――――ちなみに、ハラオウンさんの好みのタイプなんてのは……?
『…………どうなんでしょうか?あまりそういう事を考えた事ないので解らないんですけど(困)』
―――――――では、それを暴く為にも第一問!ずばり、自分より強くないと駄目ですか?
『どこのアマゾネスですか(笑)そんな事にはこだわりません(笑)』
―――――――いえ、今のは重要な質問です。これで多くの男性読者が胸を撫で下ろした筈ですから(笑)
       では第二問!甘えたいタイプですか?それとも甘えられたいタイプですか?
『……よくわかりませんけど……でも多分甘えられたい方だと思います』

「あ〜〜、解るわ。フェイトちゃん、駄目な男にひっかかりそうやもんなぁ」
「そうですよねぇ。で、周囲が注意しても止まらないんですよね?
 むしろ駄目男であればあるほど『私がついてないとっ!』って感じで意固地になりそうですし」
「そうやんなぁっ!…………あかん。想像したら笑えへん」
冗談のつもりだったが、あまりにリアル過ぎる想像に深刻に悩むはやてとシャマル。
リインはよく解らずにクッキーハグハグ作業に戻る。
「駄目な男にひっかかるのを防ぐ為に、相手を探してあげないといけないかも知れませんね……」
「甘え上手な男の子って、誰かいたかなぁ?……う〜ん……」
「ヴァイス君やグリフィス君もちょっと駄目な感じはありますけど、甘え上手ではないですからね……
 あ!アコース査察官なんてどうでしょうか?」
「――――――あぁ!成程なぁ!ロッサならちょうどいい感じに駄目やし、甘え上手や! 
 ……おぉ。結構お似合いかもしれへん。何や、丁度よかったかもしれへんなぁ?」
リインという少女ひとりを置き去りに、女二人でも充分かしましく時は過ぎていく。



ちなみにその頃、件の人物フェイト・T・ハラオウンは―――――――



「へーちょ」
落ち着いた雰囲気の酒場で小さくくしゃみをしていた。
「おや、随分可愛らしいくしゃみをするんだねぇ?」
「……失礼しました……」
薄暗い照明に照らされて緑の長髪が怪しく光るのはヴェロッサ・アコースである。
テレビ局での取材の帰りに、こちらも取材を受けていたというヴェロッサと偶然出会い、
そのまま彼の行き着けの店で一緒に夕食でも、という流れになった。
「でも、ホントにいいんですか?ここ結構高いんじゃ……」
おずおずと尋ねるシャーリーにヴェロッサは爽やかさ全開スマイルで返す。
「いやいや、気にしなくていいよ。いつもクロノやはやてにはお世話になってるからね?
 まわりくどい恩返しに付き合ってもらいたいんだよ。
 お、料理が来た。この小海老のやつが僕のオススメでね……」
51ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:52:51 ID:tYmyrfDQ
確かに出てきた料理は全てが全て美味しかった。
どの皿にもシェフの小技がひかり、舌を充分に楽しませてくれる。
料理が美味しいとお酒も進む。
疲労が溜まると代謝能が落ちてアルコールが回るのが早くなる。
また、フェイトは不幸な事にストレスが溜まると酒が進むタイプの人間だった。
他にもいくつかの不幸な要因が重なり……
彼女の名誉の為に弁解しておくとこのような事例は非常に稀であるのだが、


「私だって……なのはやヴィヴィオやエリオやキャロやなのはやなのはやヴィヴィオやなのはに
 会いたいんですよ!
 エリオやキャロやヴィヴィオやキャロやキャロやヴィヴィオともっと一緒にいたいんですっ!」
フェイトは見事にぐでんぐでんのへべれけになっていた。

「あとエリオとも!」
「はいはいわかりましたから!」
シャーリーにしなだれかかるフェイトにいつもの凛々しい様子は無い。
頬を赤らめ、目を充血させて涙目になっている彼女は回っていないろれつと相まって
強烈な幼さを発揮していた。
「エリオに会ーいーたーいーっ!なのにシグナムは自慢ばっかりして来るし!
 エリオの事なら私が一番解ってるんです!なのに……エリオはシグナムとばっかり訓練してるし……」
「それは、忙しいフェイトさんに遠慮したんじゃ……」
「忙しくなんてありませんー!ただちょっと時間が作れないだけですー!」
シャーリーの中の『憧れのフェイトさん像』がガラガラと音を立てて崩れていく。
これはこれで魅力的ではあるので好きの度合いは全く変化しなかったが。
「……これは……駄目だね」
「えぇ。駄目ですね」
他人が酔っている様を見せつけられると、何故か酔いは醒めるものである。
酔っ払いへの応対という共通の苦悩を分かち合うと、シャーリーとヴェロッサは深く頷き合った。
「まぁ、ここは任せてくれ。君はタクシーを捕まえてくれるかい?」
「あ、はい。わかりました」
そう言って駆け出すシャーリーを見送ると、ヴェロッサは立ち上がらせた。
そのまま肩を貸して歩き出す。
ぐったりしているフェイトの表情を見て、彼は少し悩む。
(これは、一度吐かせた方がいいかな?しかし……)
彼は他人の思考を覗くというレアスキルを持っている。
これは、査察の時に凶悪なまでの効果を発揮するが、それ以外にも便利な使い道が山程ある。
例えば、酔っ払いに使用して、対象の人物の主観を感じ取る事で体調を推測したり、などなど。
「ちょっと失礼するよ?」
プライバシーの侵害に当たるが、吐く事による周囲への迷惑や彼女の尊厳の崩壊などには
変えられない筈だ。右手に緑の光を宿らせ、そっと触れる。
「………………へぇ?」
体調の方は大丈夫そうだ。酔いや疲れによる眠気が主で、吐き気などはあまり感じられない。
それよりも興味深かったのは彼女の思考を占有するある一人の人物について、である。
「成程ね。君は恋するお姫様、というワケか」
ならばこの役目は僕じゃなくて彼がするべきだな、と
しなだれかかる事で押し付けられたフェイトの胸の感触を少し楽しみながら思った。
代金をカードで支払い、シャーリーが捕まえたタクシーにフェイトを乗せる。
そして頭を下げるシャーリーと座席に沈むフェイトを見送り、


そっと、二匹の猟犬を走らせた。
52ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:54:09 ID:tYmyrfDQ
いつもとは違って完全に昇りきった太陽に照らされて、フェイトの意識は一気に覚醒した。
跳ね上がる、と同時に頭にかなりの激痛が走ったので手をこめかみにあてる。
「っ〜〜……バルディッシュ」
『Good afternoon,sir』
午後。その言葉に血が一気に冷えていった。今日もやるべき事が沢山あるというのに。
ベッドから抜け出そうとし、そこにバルディッシュからの一言が入る。
『Sir, it's message from Shirley』
『フェイトさん?最近疲れ気味でしたし、今日はゆっくりしておいて下さい。
 幸い、今日は取材は入ってませんでしたし、執務官の仕事なら私が代わっておきますから
 大丈夫ですよ?』
音声はそれだけだった。フェイトは重い重い溜息を吐く。
シャーリーの能力を疑っているワケではない。
戦闘や捜査以外においては彼女の能力はフェイトと同等かそれ以上であるし、
戦闘や捜査では比べる事自体がナンセンスだ。
ただ、だからと言って彼女に頼りきりではいけない。最近はただでさえ彼女の負担を増やしているのだ。
後悔はここまで。これからは反省と計画の時間だ。
「今度は、シャーリーに休んでもらわないとね……」
その際の補佐役には誰をつけようか?ティアナにはいい経験になるかもしれない。
特に、最近のメインである法務関係は一般の職員ではなかなか扱う事が無い。
具体的な日程の調整などはまたふたりの予定を聞いてからにしよう。
とはいえ、もう他に今出来る事は無い。彼女は折角の休日を満喫する事にした。
まずはくたびれた制服を脱ぎ捨て、アルコールの匂いを落とす為にシャワーを浴びる。
まずは髪だ。時間をかけて丁寧に優しく洗い、そして泡を洗い流す。
体を滑っていく水の感触が心地よい。
次は体だ。ボディーソープを泡立て、丁寧に体を磨いていく。
体からアルコール臭を漂わせるワケにはいかないからいつもより念入りに。
肌の上で水滴になっている水をタオルで拭いて、髪をこれまた丁寧にぬぐい、乾かす。
今は濡れて少し色が落ち着いた長い金の髪は彼女の数少ない自慢のひとつだ。
ちなみに、他人から言わせれば数多ある彼女の魅力のひとつでもある。
体に纏わりつく感触が苦手なので布面積の小さい、手触りの良い下着を愛用している彼女は
いつも通りにそれをセレクトして着用。実は結構な高級品だったりする。
ちょっとマイナーなブランドのシャツにこれまたちょっとマイナーなシャツを羽織り、
細身のジーンズをはいたら外出準備完了だ。
『Sir』
と、バルディッシュが声を発する。
そういえばシャーリーが用意してくれたものをつけるのを忘れていた。
「これ、ホントに必要だと思う?」
『Yes,sir』
フェイトの手に握られているのは帽子と伊達眼鏡だ。どうやら変装の為らしい。
自分ごときが別に素顔を晒しても誰も気付かないと思うのだが、彼女の補佐官や相棒はそれを否定する。
挙句の果てにこんなものをつけろとまで言ってきたのだ。
しょうがないので自慢の金髪の大部分を帽子の中に隠し、伊達眼鏡をかける。
ここまでの所要時間は一時間半だ。
時間は有限である。彼女は突然の休日を満喫するべく行動し始めた。
53ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:55:40 ID:tYmyrfDQ
まずはエリオとキャロに会うべく、陸士隊舎へと向かった。
ちょっとしたサプライズを演出しようと、今から行く事はキャロとエリオには秘密にしてある。
ほぼ二週間ぶりの機会に、彼女は胸を躍らせた。
会ったら何を話そうか?この二週間色々あっただろうからとにかく二人の口からそれを聞きたい。
その後は三人で食事に行けたら最高だ。
今日は車を運転してるし二人の前だからお酒は飲めないが、でも充分に楽しい食事になるだろう。
鼻歌がはずむ。車は順調に進んでいく。今、フェイトは確かに幸せだった。


所定の駐車場へと車を止め、隊舎へと入るとそこに見慣れた桃色の髪があった。
その肩には小さな白の守護竜もいた。思わず声をかける。
「キャロっ!」
振り向いたキャロは、数瞬誰に呼ばれたか解らなかったようだが、フェイトの姿を認めると驚きの声を上げた。
「フェイトさんっ!?」
駆け寄り、抱きつく。キャロは気恥ずかしさから顔を赤らめた。
ちょっと罪悪感を感じたが、しかし今は久しぶりのスキンシップを堪能する事を優先。
「二週間ぶりだね……ホントに、会えなくてごめんね?」
「いえっ!でも、どうしたんですか?こんな平日に……」
「ちょっと臨時でお休み貰ってね?それで、キャロはいつ仕事が終わるの?
 三人で食――――」
と、そこでいきなり声をかけられた。
「ハ、ハラオウン執務官ですかっ!?」
目を上げるとそこには一人の男性局員が顔を真っ赤にして立っていた。
突然過ぎる質問に、フェイトは思わず正直に答えてしまう。
「あ、は、はい。そうですけど」
空気が、変なふうに張り詰めた。そしてそこらへんにいた局員が一斉に近寄ってくる。
「あっ握手して下さいっ!」
「えええええっ!?本物っ!?わ、私も握手して下さい!」
「あ!俺!サイン欲しいですっ!このシャツにお願いできませんかっ!?」
「私も!」
詰め寄せる人波に、フェイトは軽いパニックに陥った。まともに応対出来ずに、オロオロする。
元々が引っ込み思案の彼女だ。このように多数の人間に注目される事など得意ではない。
彼女が人波に押しつぶされそうになった時、救世主は彼女の頭上からあらわれた。
フリードである。
彼は、威嚇するように吼えると(可愛いだけだったが)人波を押し開くように飛んだ。
キャロからの念話が届く。
(フェイトさん!とりあえずエリオ君の部屋にでも行って下さい!)
(えっと……うん、解ったよ!)
『Sonic Move!』
金の閃光と化した彼女は、一目散で逃げ出した。



以前聞いていた部屋番号を確認して、そっとドアを開ける。
幸い、鍵はかかってなかった。
陸士の個室は二人部屋が基本であるが、臨時の借用の為エリオの部屋は一人部屋だった。
ようやく一息つき、ベッドの上に寝転がる。
と、そこで不思議な感覚に包まれた。
とくり、とくりと静かな部屋にフェイトの穏やかな心音だけが響く。
少し胸がしめつけられるが、それは不安などの嫌な感情ではなく穏やかなものだった。
ベッドに顔を埋めると、その感覚はより一層強くなる。
十時間以上眠っていたというのに、また眠気が襲ってきた。
気だるげな、しかし幸せな時間が過ぎていく。
このまま、意識を手放してしまおうか?その誘惑に駆られた時、ドアが開かれた。
「フェイトさん?キャロからここにいるって聞いて……」
制服姿のエリオがそこに立っていた。走ってきたのか、その息は軽く乱れている。
54ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:56:40 ID:tYmyrfDQ
フェイトはむくりと体を起こした。軽く伸びをして眠気を払う。
「……ふぁ……エリオ、久しぶり」
「お久しぶりです。でも、来るなら言ってくれればちゃんと準備してたんですけど……
 ちょっと部屋片付けますね!」
そう言って部屋を片付け出すエリオだが、元々そんなに汚れていたわけではない。
「急に決まったお休みだからね……てぃっ!」
エリオが近づいた瞬間に腕を伸ばし、抱きしめた。胸にエリオの頭を抱きこむ。
「ふぇ、フェイトさんっ!?」
慌てて離れようとするエリオだが、フェイトは離さない。
その時、彼女の心臓が、とくりと大きく脈打った。
そして先程と同じ種類の、しかし強い感覚が彼女を包む。
「は、離して下さい!あのっ!そのっ!」
胸が締め付けられる。耐え切れなくなった彼女は腕に一層力を込めた。
「あ!その!汗臭いですよ僕!だから離してください!」
(あ、そっか……これ、エリオの汗の匂いなんだ……)
原因に気付いて納得し、しかし新たな疑問が生まれる。
何故エリオの汗の匂いでこんな感覚に襲われるのだろうか?
理由は解らないが嫌な感覚ではない。エリオには悪いがもう少しだけ。
そんな悪魔の囁きにフェイトはあっさりと屈してエリオの匂いを堪能した。
数分が過ぎ、エリオが力任せにフェイトから離れるまでその抱擁は続いた。
「フェイトさん、どうしたんですか?」
改めて聞かれると返答に困る。とりあえず当たり障りの無い答えを瞬時に用意。
「久しぶりだったから、つい……部屋、ちゃんと綺麗にしてるんだね?」
くるりと周囲を見渡すと、物が少ないせいか少し閑散としている。
これはこれでこの年代の子供の部屋とは思えない。
特に本棚が酷い。法規その他諸々のマニュアルがそこに並んでいる。
普通ならば、漫画やゲームなどが並んでいる年頃なのに……と思うと、
自分の育て方は間違っているのではないかという不安が彼女の心に影を落とした。
と、本棚の上に置かれている救急箱が目に入った。
「そうだ。エリオ、ちゃんと耳掃除してる?」


嫌がるエリオを説き伏せ、ベッドの上に横にならせて太ももの上にエリオの頭を乗せる。
俗に言う膝枕というヤツだ。救急箱の中から綿棒を一本取り出した。
「それじゃ、行くね?」
「はい」
エリオの耳の穴に綿棒を侵入させ、軽く壁を撫でるように耳垢を取っていく。
「痛かったら言ってね?」
「大丈夫です。気持ちいいですよ?」
穏やかな時間が過ぎていく。今、エリオの部屋に響くのは二人の息遣いだけだ。
フェイトの長髪が肩から流れ落ち、エリオの鼻先を掠める。
ふわりと広がるシャンプーやコンディショナーの香りに、エリオの心拍数は一層穏やかになった。
(……いい……香りだな……)
じわじわと眠気が襲ってくる。荒いジーンズの感触が逆に頬に心地よい。
久々のフェイトとの時間だ。しっかりと味わいたいのに意識はぼやけていく一方である。
「ねぇ…………?」
フェイトからの問いかけも、かすんだ思考ではどこか遠くからに聞こえた。
「…………はぃ?」
すこし、こそばゆい感覚だけがエリオの思考を埋めていく。
「休憩時間も訓練とか、駄目だよ?汗かいたのもそれでしょ?」
「…………すみません……」
一応謝ったものの反省は全然していない。というか眠すぎてそれが出来ない。
「無理……させてないかな?」
(……何を言ってるんだろう?)
55ある槍騎士とある姫のその後の話2:2007/09/27(木) 06:58:05 ID:tYmyrfDQ
ぼやけた頭では理解出来ないがとりあえず否定しておこう。
「そんなこ…ふあぁ……な……です……」
答える途中にあくびを一回。
「ホントに?」
「はぃ」
「…………でも、もっと、他に、楽しい事とかたくさんあるんだよ?
 別の事をしてみようとは思わないの?」
かろうじて全文聞き取れて、理解も出来た。返答なんて考えるまでもない。
「いぃんです……僕は、今、充実し……ますし、と……楽しいんです……
 それに……」
「それに?」
答えなきゃ。伝えなきゃ。
「…………すぅ……………」
穏やかな寝息が響く。フェイトはちょっと癖のある赤髪を撫でた。
「寝ちゃった……かな?」
エリオの寝顔を眺めていると、フェイトにも睡魔が襲ってきた。
頭が痺れ、思考能力が奪われていく。
フェイトの耳にそれを囁いたのは、天使だったか、悪魔だったか。
それは解らないが彼女はあっさりとそれに従った。
そっと、エリオの頬に唇で触れる。


早く、差を埋めたいんです。


ようやく先輩達をなだめ、あの場を後にしたキャロはエリオの部屋にやって来たが、
扉を開けたにもかかわらず部屋の中には入らず、そして静かに、静かに扉を閉めた。
中にいる二人を起こさない様に。




さて、ヴェロッサとフェイトの写真がスクープとして朝のニュースで取り上げられるまで
あと38時間7分24秒。
56一階の名無し:2007/09/27(木) 07:01:21 ID:tYmyrfDQ
ここまでお付き合い頂きありがとうございました!

ジーンズでの膝枕と女性の髪から広がるシャンプーの匂いは正義。
頑張って書くペースあげようと思います。

あと、フェイトさんは年中無自覚勝負下着。
あっはっは!つまり無自覚痴女ですよ!
おや、さっきまで晴れてたのに急に暗雲が(ry
57名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 07:23:47 ID:leNvm+ys
朝も早くからなんというGJ
58名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 07:38:17 ID:O+e8uUA8
>56
これはGJせざるを得ない!
59名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 08:06:48 ID:+XwhYN4a
>>56
GJ!
無自覚勝負下着をエリオに披露するのは何時になることやら…
期待して続きを待っております!!
60名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 10:33:39 ID:JRctD1yE
>>56 GJです!!
ダメンズなフェイトさん……
いいかも………
61名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 11:37:43 ID:t1JrgzSH
>>56
GJ。
フェイトさんはダメ男に本当に引っかかりそうで怖い・・・・・・
DVにあってもきっと相手の男を信じちゃってずるずる不幸になるタイプなんだぜ。

というわけで、俺が幸せにするのでフェイトさんはもらっていきますね
62名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 11:44:43 ID:jObvOZbu
まあ、既に砲撃馬鹿のダメ女に引っかかってるしな。
63名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 11:47:55 ID:UpcftKq3
>>56
GJ!!
天然フェイトさんかあいいよう。無自覚勝負下着乙
エリオしっかりとフェイトさん守ってやれよ!!

>>32
GJ!
エリオが搾り取られていく・・・
しかしなんてうらやま・・・恐ろしいお中元だ・・・
64名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 14:07:14 ID:vWsaTc8T
年末にはお歳暮があるわけだが
誰が送られるんだろう
65名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 14:11:23 ID:t1JrgzSH
>>64
初代と二代目の詰め合わせで年末年始を楽しめるように二人まとめて送られます。
梱包は女ものの服です。
66名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 14:15:50 ID:N7Z2vlnc
生贄…もといお歳暮二人への同情心半分、スケベ心半分で入れ替わったはいいが
ショタ。、もしくは19歳なのにショタっぽい青年にしか興味のない海鳴駄ウィメンの皆様に
ボコられた上で返品されるヴァイス&ロッサ
67名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 14:26:52 ID:t1JrgzSH
そして、何故か襲ってる女性陣でなく、襲われてる女装ユーノのほうに目が釘付けになって
挙句の果てに股間のストラーダが何故かクライマックスになってしまう自分に困惑するエリオとな。
68名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 15:08:45 ID:t1JrgzSH
いっそクロノとグリフィス君も放り込んでしまえと思った俺はだめぽ

どっちも童顔だよなあれ。というかクロノはstsになって一気に童顔になったキガス。
69名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 15:24:49 ID:N7Z2vlnc
>>68
その二人がそろうと、クロノとグリフィス君とレティさんとリンディさんの母子乱交が
脳内で展開
リンディさんがグリフィス、レティさんがクロノと、それぞれ親友の息子を筆卸し
70名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 15:26:23 ID:t1JrgzSH
久々にクロノ君ネタを思いついたので投下してみる

くろのていとくのにっきちょう

○月○日
今日は聖王教会に出向いた。相変わらずカリムは美人だ。
思わず手を出してしまったとしてもそれは仕方のないことだと思う。
金髪美人(年上)は正義だと、元執務官の僕が断言しよう。

○月×日
今日はロウラン提督からの呼び出しをくらった。
うちの母さんやなのはの母親もそうだがこの人たちは本当になんでこんなに若いのだ。
しかも、色気は熟女クライマックス。やはり、激務の疲れを癒してくれるのは熟女だ。
思わず襲い掛かったとしてもそれは仕方のないことだろう。眼鏡はいい・・・・・・。

○月■日
今日は双子猫にあった。本編ではしらんがここではまだグレアム提督は生き残ってる。
昔は気恥ずかしかったこの二人との遊びも今では楽しめるようになっている。
そして、この二人に鍛えてもらったお陰で人生薔薇色だ。感謝もこめてお相手した。

△月◎日
久しぶりに家に変えるとエイミィが優しく出迎えてくれた。
いい妻を持った自分は幸せだ。自分に頬ずりするように抱きしめ、顔を摺り寄せ
『・・・・・・・どうして?どうしてクロノ君から他の女達の匂いがするの?』
それは、底冷えするような声だった。
『おかしいな・・・・・・どうしちゃったのかな。体のどの部分にもさ、
普段は私の匂いをつけてるくせに、 久々に帰ってきたら
体のどの部分からも私以外の女の匂いがするんじゃマーキングしてる意味、ないじゃない。」
エイミィさん混ざってます、何か混ざってます。混ぜるな危険。
『めがっさ、頭冷やそうか・・・・・・』

ははは、我が妻よ。君の鉄拳は毎度のことながらとても気持ちがいいな。
こんな拳を入れられたら一発で昇天してしまいそうだよ。

この日記はここで終わっている。というか最後のほうはどうやって書いたのかが疑問である。
71名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 16:01:59 ID:1nZBlH4R
>>70
金髪美人(年下)にも手出してそうだなw
72名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 16:03:43 ID:NO7VxbGu
>>70
なんというクロノ氏ね
73名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 17:12:08 ID:jPWwiQCq
>>56
 フェイトさん可愛いよフェイトさん。GJ!

>>70
>というか最後のほうはどうやって書いたのかが疑問である。
 何というホラー小説のお約束w
 窓に!窓に!
74名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 17:28:24 ID:gBIdlfu3
>>32

エリオ一人称SS、GJ!
何というすずか・・・美味しく頂く以外にも、子供の頃の女物の服とか着せて遊んでそうだ・・・

>>56

フェイトさんかわええ、GJでしたっ
しかし、ロッサとのスクープ写真・・・出版社は大丈夫なんだろうか(生命の安全的な意味で)
75名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:06:08 ID:t1JrgzSH
クロノを浮気者のギャグキャラのまんまにしておくのは流石に悪いと思った。
だからクロノ×エイミィのラブいH書くよ、俺。そしてこれ、俺の始めてのH描写なんだ。
カップリングはクロノ×エイミィのH描写ありです。

自分はかなり家を空けがちだというのは理解している。
艦長職というだけあって、長期の航海にでればなかなか家にもどる機会などない。
そんな自分に代わり家を支えてくれているのは妻のエイミィだ。
二人の子を育てながら家を支えてくれている彼女には言葉で言い表せないほど感謝している。
そして、何よりも、誰よりも愛おしく感じている。
そんな中で、久しぶりに家に帰ってきた自分を優しく出迎えてくれた妻。
今度の航海はかなり先になるから、しばらくは一緒にいられるよと言うととても喜んでくれた。
翌日からは、普段一緒にいてあげられない分子供達と一緒にいろいろ出かけたりもした。
遊びつかれたのか、子供達は既に眠りについてある。実はそれを期待したりもしていたのだが。
「二人とも、よく眠ってるみたいだね。」
ベッドの上に腰掛けたエイミィが囁く。分かっている。さっき確認してきたのだから。
彼女を抱きしめ、押し倒し、耳元でその名前を囁く。いいよ、という返事が返ってくる。
久しぶりの為に若干手間取りながらもその服を脱がせ、彼女を生まれたままの姿へと戻す。
「そろそろ、3人目がほしいな。いいかな・・・・・・クロノ君。」
「僕は・・・・・・長く家を空けるかもしれない、いつ帰ってこれなくなるかもしれないけど・・・・・・いいのか?」
それは、必ず彼女に尋ねること。自分の父のように、何時自分も命を散らせるか分からない。
そのために確認しておくべきこと。彼女と子供を困らせないために。

「大丈夫だよ・・・・・・私は、クロノ君を信じてる・・・・・・。」
「信じてくれるのは嬉しい・・・・・・でも、絶対とは言い切れないから。」
「そのときはさ、ちゃんと育てるから。リンディお義母さんが、クロノ君をちゃんと育てたみたいにさ。」
「確かに、凄く大変かもしれないけど、子供がいてくれればそれだけで心の支えになってくれるからさ。
子供達には寂しい思いや悲しい思いをさせちゃうけど、きっと兄妹で支えあってくれるよ。」
少し湿っぽくなった空気を払拭するように、エイミィがクロノをぎゅうと抱きしめ返す。
柔らかな暖かさが伝わってくる。

初めて彼女と一緒になったときの彼女は確かに出る所は出ていが、全体的にスレンダーでアスリートのような肉付きをしていた。
しかし、今の彼女は子供を産んだために全体的にふっくらとした柔らかさを纏うようになった。
太ったというわけではない。そのあたりは気をつけているようだ。
くびれるところはくびれ、出るべきところは出る。それがはっきりとしたというべきか。
焼きたてのパンのような柔らかさと弾力、そして暖かさといい香りを備えた彼女の体は疲れた心を優しく癒してくれる。
その柔らかな乳房に顔をうずめ、両の手でもみしだきながらその頂にある果実を吸い上げる。
「んう・・・・・・クロノ君、赤ん坊みたいだよ・・・・・・。やっとあの子たちが乳離れしたと思ってたのに今度はクロノ君なの?」
「うるさい・・・・・・エイミィがおいしそうなのが悪いんだ。」
少なくとも子供はこんなえっちなすい方はしないけどね。とエイミィが笑いながら言う。
「そろそろ・・・・・・いいか?」
「ん・・・・・・その前に、キスしてほしいかな。」
「分かったよ。」
互いに互いを求め合うように口付けを交わす。既に頭の奥に鈍痛がするほどに気が急き、興奮している。
いつの間にか、蹂躙するような、むさぼるようなソレに変わった自分と、それを受け入れ顔を真っ赤にしているエイミィ。
呼吸を忘れたかのように求め合い、どのくらいの時間唇を重ねていたのか分からなくなった頃、銀の糸を引いて唇が離れた。
「クロノ君・・・・・・もしかして、凄く溜まってる?」
「ああ、だから最初から謝っておくよ。多分、君を気遣う余裕はあんまりないかもしれない。」
「ふふ、いいよ。年下の子の暴走を受け入れてあげるのもお姉さんの義務だもん。」
いたずらっぽく笑うエイミィ。その顔に、完全にノックアウトされてしまう。
その両足の間に自分の腰を割り込ませ、股間の、既に痛いほどにそそり立ち、先走りで先端をぬらぬらと輝かせているソレを
エイミィの、蜜の滴る花弁に押し当て、一気に腰を押し込み

(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
76名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:10:56 ID:t1JrgzSH
うん、すまない。限界だったんだ。
こんなチキンな俺を許してほしい(´・ω・`)
都築はWebで
77名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:14:53 ID:JRctD1yE
>>76
GJ!!
……エロ苦手な、個人的には…
その手があったか!!
今度、使ってみよ♪
78名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:18:44 ID:qr5y2A3j
>>76
わっふるわっふる

しかしながらGJ
79名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:27:14 ID:FEST2K4m
>>76
ちょwおまw吹いたw
GJ出しとくわw
80名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 18:32:49 ID:HaXuAVDp
>>76

おかしいな・・・・・・どうしちゃったのかな、(全てを読むにはここを押してください)
って書き込んでるくせに、 何回押しても、全文が出て来ないんじゃ、そう書き込ん
でる意味、無いじゃない。

少し、下の頭冷やそうか・・
81すげー:2007/09/27(木) 18:44:35 ID:IqE+zNnq
http://www.gendama.jp/invitation.php?frid=1420384

日本1貯まるサイト!

是非登録してみてね
82名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 19:06:30 ID:t1JrgzSH
(´・ω・`)うん、このままだとNice 暴動.になりそうだから続きを投下しておくよ
一応注意書き
いきなり本番から、クロノ君がかなりやばい人になってます
カプはクロノ×エイミィ

とりあえず、このエロssはサービスだから呼んで落ち着いてほしい
83名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 19:07:22 ID:t1JrgzSH
クロエイ本番だお

エイミィの腰をしっかりと抱え、一気にその一物を突き入れる。
既に熱くぬかるんだエイミィのそれは、子供を産んだからと言ってゆるくなるわけでもなく
寧ろ柔軟性を増し、柔らかく、それでいて強くクロノのものを受け入れた。
絡みつく無数のヒダが、神経がむき出しになったかのような敏感な一物をなで上げる。
ざらりとした部分が亀頭を、雁首をこすり上げると背筋がぞくりとする。
その快楽をむさぼり、少しでも早く射精してしまいたいとばかりに激しく只管に腰を振る。
只管に子宮口を穿ち、子宮を突き上げはらわたを突き上げ、掻き混ぜる。
突くたびにゆさゆさと揺れる乳房が、その涙を浮かべ、悲鳴じみた喘ぎを上げるその表情が
さらに己を獣性を肥大化させているのが分かる。
腰を抱え上げ、体重をかけて強く、最奥まで一気に貫く。
大きく体をのけぞらせ、声にならない声をあげ一度目の絶頂を迎えるエイミィ。
激しく絡みつき、締め上げるそれに、溜め込んだ精液をエイミィの腹の中にぶちまける。
脳髄が焼き切れそうなほどの快楽の奔流。敏感さを増した、未だ硬さを失わない自身の分身。
気をやり、全身が弛緩した状態でなおも緩々と絡みつき続けるエイミィのそれのぬくもりを愉しみつつ
その体のいたるところに口付けの雨を降らせる。
玉のような汗の浮いた、赤みをまし鳥肌を立てているエイミィの体。
そのいたるところにその体が自身のものであることを誇示するかのように刻印を刻んでいく。
敏感になったエイミィの体はその度によじれ、エイミィのものは自身のものをきゅうと締め付ける。
硬くとがった乳首を口に含み、舌の上で転がす。
兎に角その全てを征服したい欲求にかられ只管にその体の全てを求める。
未だ放心状態のエイミィの体を、自身のものがまだ入った状態で四つんばいの状態にさせる。
その状態で、片手でエイミィの骨盤をつかむかのように抱え込み、もう片方の手でエイミィの肩を押さえ込みベッドに押し付ける。
そうして彼女の体を固定し激しく腰を叩きつける。
その状態で、硬さの萎えぬままの一物で何度も何度もエイミィの柔肉を突き上げ喘がせ絶頂を迎えさせ
モノをエイミィの中に収めたままに、何度も何度もその中に自身の欲望の塊を吐き出し続ける。
彼女が気を失おうが関係などあるものかと腰を振り続け、自身も何時の間にか意識を失っていた。

そして翌日

「クロノ君の鬼畜、獣、淫獣、エロノ、恐怖の孕ませマシーン。腰が痛くて立てないじゃない。」
エイミィほどではないが腰痛状態になってしまった自分ではエイミィにシャワーを浴びさせることはできず
結局アルフにヘルプを頼むことになってしまった。
「な、誰が淫獣だ!エロノだ!僕をあのイタチもどきと一緒にするんじゃアッー!?」
「幾らクロノでも、ユーノのことを馬鹿にすると許さないよ?」
と、何時の間にか子犬モードになっていたアルフに思い切り頭をかじられる。
というか、アルフ。何時の間にあいつとそんなに仲良くなってたんだ。
「そうだよクロノ君。クロノ君がとんでもなくスケベでエッチで獣なのは事実なんだから、人のことどうこう言えないじゃない。」
「うう、し、しかし、昨日はちゃんとあらかじめ言っておいたじゃないか!」
「物事には限度ってものがあります!というかそれくらい分かれこのケダモノクロノ!」

そんなかんじで朝っぱらから夫婦喧嘩を始めた二人を見てアルフがこうつぶやいたとか

「夫婦喧嘩は犬も食わない、か。」

お粗末。
84名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 19:56:13 ID:YCTzYpsX
>>76
流石にそろそろそういうのは止めないか?

っかさ、あんた書いてて恥ずかしくないの?
ネタが浮かばないから途中まで、ってのならともかく、続き書く気もないものをブツ切りで落とし逃げ、って。
それでよくSS書きを名乗れるな。少しは恥を知れよ、人間として。
85名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:04:10 ID:2UJqAKDb
ID検索をしませう。
>>76 = >>83 
続きはきちんと書いてありますな

>>1を読みませう。
>2.粗暴あるいは慇懃無礼な文体のレス、感情的・挑発的なレスは慎みましょう。
86名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:12:20 ID:A5dAYbcO
最近、自治房自重しろ、と言わざるえない気がする
87名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:14:37 ID:t1JrgzSH
何か、自分の投稿したネタのせいで荒れてるのかねぇ、これ。


で、俺はこの事態に対して『ああ、俺って罪なオ・ト・コ』と悦に入っていいのかな
88名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:15:54 ID:PyJ5EPWb
油を注いでます
89名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:20:32 ID:B5hK/oJX
まあ雑談や自治よりは作品を投下する奴のほうが100倍偉いな
90名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:20:46 ID:t1JrgzSH
       .//:.:.:.:.:.: /.:.:.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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     l/|:.:|:.:.:.:.:/.:.|:.:.|:.:.:/‐l/-|:.:ハ:.:.:ハ:.:. |:.:.:.|: |:.:.|:.:.:.|:.:.:.:/ |   | l:.:.:.:.:.:.:,
       V',:.: /:.:.:.|:.:.l:.:.:.|<圷示 ∨|ー-|:./」_:|:.:.|:.:./:.:.:/  :|   | |:.:.:.:.:.:.:',
       !:∨:.:.:.:.:|:.:.|、.:|l ゞ='   ヘ| 'イ圷示/|: /:/'^レ   ∨  |:.:.:.:.:.:.:.:',
        |:.:.:.:.:.:.:. |ヽ| ヽ|    ,    ゞ=' ′|/:/|r;/      \. |:.:.:.:.:.:.:.:.:',
        |:.:.: / ̄ ̄\ヘ.    ′       /イ:.:.|/、   ___ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',  
        |:/      /|:.:\  ` `     / |:.:/  「|Y´     \:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
      /       //|:.:.| \__ .. イ |,|/  l|:| |      ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:',
     ./       /〈. Vリ   | \_>'′  l      |:| |         ∧:.:.:.:.:.:.:.:.',
   ./       / \\  l| !ニニ}   /    ,./ |           \:.:.:.:.:.:.:',
  /.        ;' //  | |::|    /'     \ |           \:.:.:.:.|
 「 \         /  \\   .|/⌒ニニニ/      〉〉 |        /  〉:.:.:|

なのは様が何か言いたげにこちらを見ています
91名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:23:04 ID:ewbDBpLk
アルフ×ユーノを書いたら俺は許す
魔王少女リリカルな方は許さないかもだが俺は許します
92名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:26:37 ID:Zf2roAPA
こういうネタは俺は好きだがなぁ、バーボンハウスとか吹いたぜ
まぁ、受け付けない人もいるだろうけど…
93名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 20:59:14 ID:i/6nwfCH
>>90
・何で最近私が道化役のが多いのかな。少し頭冷やそうか…
・どうしてユーノ君との純愛長編が無いのかな。少し頭ry
・どうして私とフェイトちゃんのry

・にぱー、なのですよ
・えいえんはあるよ
94お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:15:54 ID:JRctD1yE
こんばんわ。前スレ736です。
調子にのっていっちゃいます
エロあり。グロ無し
アリサ×エリオ→エリオ×アリサです。
個人的には前回よりはエロくなったかと思いますが……あまり期待しないで下さい。

以上の事を踏まえてお読み下さい。
95名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 21:16:46 ID:OkIdtfR1
クロノ×エイミィのSSGJ。他人がなんと言おうとこのSSはおもしろかった。
今度なのユーのエロSS投下そます。いつになるかわからないけど。
96お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:17:19 ID:JRctD1yE
すずかさんの家を出た僕は、アリサさんの家へと向かっていた。
途中、何度か6課への通信を試したけど……結果は全て不通だった。
それなら……と、本局への通信を試してみたものの、結果は同じだった。

状況は最悪だった。
孤立無援。
しかも、1度交戦した敵はあまりに強大で……
最期まで戦い抜く自信が、僕には、もうなかった……

『どうしようも無いピンチになった時は、その袋を開くんだ……』
不意に、その言葉を思い出した。
僕は、藁にもすがるおもいで、2つ目の袋を開いた……
その中には………



同時刻 6課部隊長室
「うん……解った…。それじゃぁ……」
「電話……誰から?」
「すずかちゃん……美味しいお中元ありがとう……やて」
「………エリオの奴……大丈夫かな?」
「んー……とりあえず、さすがにエリオも、もう気付いてるだろうし……
覚悟してから行けるから……大丈夫じゃないかな?」
「………だといいけどな……」
「大丈夫だよ。ウ゛ィータちゃんも、ユーノ君も、ちゃんと乗り越えてきたんだし」
「私も、ユーノも、その後、3日間位、まともに動けなかったけどな……」
「それでも……やってもらうしかないんよ……ウ゛ィータも解ってるやろ?」
「…………」
97お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:18:42 ID:JRctD1yE
今日、私は朝から落ち着かなかった。
半年も前から楽しみに待っていた日だからだ。
1年前、ユーノは、何度も何度も私の中で果てた。
その度に私は、なのはの顔が頭をよぎって、達してしまった。
半年前、ウ゛ィータちゃんは、顔を真っ赤にして、
頭を振りながら私の指に、翻弄されていた。
その度に私には、はやての顔が頭を過ぎり、支配欲を満たされていた。


私には、昔から、他人の物を欲しがる癖があるらしい。
考えてみれば、なのはや、すずかと仲良くなったのも、それがキッカケだった……
今年は、エリオ……
フェイトがとても大切にしていた子だ……
あの子は、どんな風に乱れてくれるのだろう……
それを想像するだけで、私は淫らにも濡れてしまっていた。


『ピンポーン』
誰もいない屋敷にチャイムの音が鳴り響く。
使用人は昨日から、休暇をとらせてある。
パパとママは、仕事とで海外に行ってるから帰ってこない。
ウチにセールスに来るような、馬鹿な会社も無い。
つまり、このチャイムは、私に待ち人が来た事を告げるものだ。
私は、はやる気持ちを抑えながら……それでも、早足で玄関へと向かった。


玄関を開けると、そこに、顔を伏せた、エリオがいた。
「あの……はやて部隊長から……お中元をお預かりしてきました……」
「わざわざ、ありがとう。お茶くらい出すわ。あがって」
エリオは、私の言葉に一瞬、ビックと震えて……
それでも、何も言わずに私についてきた。

リビングに向かいながら、後ろからついてくるエリオに声をかける。
「その様子だと……自分の状況……理解してるみたいね……」
「はい……」
頭のいい子……
フェイトがこの子をよく褒めていたけど……それは間違いじゃないみたいね……

私は、冷蔵庫から、ジュースを出して、グラスに注ぎ、エリオに差し出す
「それ……飲んだら、始めるけどいい?」
エリオは頷くものの、なかなかジュースには手をつけない。
「飲まないの?」
焦れてしまった私が、聞くと、エリオは、申し訳なさそうに、私を見上げて
「あの……何も入って無いですよね?」
と、言った。

なるほど……すずかに、何かやられたのか。あの娘のしそうな事だ。
「大丈夫。変な物は何も入って無いわ」
安心させる為にエリオに出したジュースを、半分ほど飲んでから、エリオに手渡す。
安心したのか、エリオは残ったジュースを、飲み干した。
98お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:19:59 ID:JRctD1yE
エリオを連れて、ベットルームに入る。
ここからは見えないけど、ベットの下には、今日の為に用意した玩具が沢山用意してある。
その1つ1つが、今日の事を考えながら選び抜いてきた品物。
それらに、もてあそばれ、悶えるエリオを考えるだけでも、身体が熱くなり、
濡れていくのを感じた。

「あの……シャワー…だけでも……」
普通の男性とする時なら、私も必ずする手順。
エリオも、どこかで、その知識を得ていたのだろう。
あるいは、すずかのところで、そうしたのかも知れない。

でも……この状態においては、それは、愚かな事だ。
「駄目よ。エリオの匂いが消えちゃうでしょ。」
そう……私は、身体の全てで感じたかった。
悶えるエリオを見て、その匂いを嗅ぎ、味わい、聴いて、触り……


エリオをベットに座らせ、その唇を味わう。
舌を侵入させて、口内を味わおうとすると、エリオが舌を絡めてきた。
諦めて、自分に与えられたことを、果たそうとしているのか……
その積極性に驚きながらも、私は、エリオとのキスに酔いしれた。
絡められる舌は、熱く。
混ざり合う唾液は蜜のように甘く。
それだけで、私の頭は痺れてしまっていた。

気がつくと、私はベットの上に仰向けになっていて、上からエリオが私を見ていた。
そして、私のブラウスのボタンが1つ1つ外されていく。
おかしい……
これでは、私の予定の全く逆だ。
そう感じながらも、私はエリオにされるがままにされて、逆らう事ができなかった……

ブラウスのボタンが全て外され、エリオの小さな手が、ブラにかかる。
ブラは外されず、ずり上げられただけ……
その時、エリオの手が少しだけ、もう固くなってしまっていた、私の乳首にふれた。
それだけで、電気が流れたように、私の身体は跳ね、小さく達してしまう。

身体が凄く敏感になっていた。
私のズボンを脱がせるエリオ…
その衣ずれすら、私に快楽を与える。
身体中が性感帯になってしまっているようだった。

エリオの手が私の胸へと伸びる。
そして、優しく…私の胸を揉んだ。
「ん!!」
それまで、噛み殺していた声が思わず洩れてしまう。

続けて何度も、胸が形を変える。
一度洩れてしまった声は、もう止められず……
私は喘ぎ続けていた……
「アリサさん……気持ちいいんですか?」

99お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:21:03 ID:JRctD1yE
その声に我に帰る。
私の視線の先には、エリオがいた……
今日…私が、悶えさせる……
私が弄ぶはずだった相手……
でも、現実は全く逆で……エリオにいいようにされているのが悔しくて、
私は思わず言ってしまった。
「全然駄目ね!気持ち良くもなんともないわ!!」
あからさまな強がり。
それを聞いてエリオはニッコリと笑った。
「そうですか……じゃあ、アリサさんが気持ち良くなれるように、頑張りますね!」

エリオの口が私の胸を含んで、舌で乳首を責める。
舌が乳首に触れる度に私の身体は跳ね、声が洩れた。
そうしながら、エリオの手が、私の下着の中へと、入って来た……

待って……胸だけでも、こんなに感じるのに……今…そんな所に……触れられたら……

その間も、胸への責めは続いていて、私は想いを口にする事さえ許されなかった。

やがて……エリオの指が、私の肉芽に触れる…
声は出なかった……
呼吸すら出来ず、私は身体を逸らし硬直した。

真っ白な世界から、意識が戻って来た時、私の下着は脱がせられていて……
、エリオの手には、男性を模写した玩具が握られていた。
私が、エリオの為に用意しておいた物の1つだ……

そして……それを、エリオは私に近付ける。

「いや……エリオ……ちょっと待って………私……今……逝ったばっかりで…
…だから……凄く敏感になってて……」
でも……エリオは止まらない。
そして、ソレを私の中へと突き入れる。
「ダメェェェぇぇぇ!!!!」
再び、白い世界へと強制的に送られる。
そして、私が現実へと戻っても、エリオにすぐに、逝かせられて……
そんな事を何度か繰り返して……
私は気を失った……
100お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:22:14 ID:JRctD1yE
私が、気がついた時、エリオの姿は既に無かった……
私はベットにちゃんと入っていて、夢でも見たのかと思ってしまったけど……
ベットのシミと、リビングに置かれたままのグラスが、現実だと教えてくれた。

完敗だった……
あんな小さな子にいいようにされて……
それが可笑しくて、思わず笑ってしまった。笑った後で呟く。
「次は、お姉さんの怖さ知って貰うからね……エリオ……」



気を失った、アリサさんに毛布をかけて、部屋を後にする。
リビングを通る時、空になったグラスを見て、2つ目の袋の中身を思い出す。

入っていたのは、小さな袋に入った白い粉と、手紙。
手紙には、『媚薬・相手に飲ませる』
と書いてあった。
ユーノさんを信じて、アリサさんに出されたジュースに、
一瞬の隙を付いて薬を混ぜて、何とかソレを飲ませる事にも成功した。
自分に効果が無いと踏んだのは賭だったけど……

ううん……もしかしたら、効果があったのかもしれない。
アリサさんに、あんな事して……僕は楽しんでいたんだから……
101お供え者と3つの袋(VSアリサ編):2007/09/27(木) 21:23:22 ID:JRctD1yE
以上です。
次回は、VS美由希+αの予定です。

感想、GJを下さった皆様、この駄文を最期まで読んで下さった皆様、
ありがとうございました。

ちなみに+αは複数いて、次回は+1人です。
102名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 21:26:10 ID:gBIdlfu3
GJ!
おのれユーノ、何という孔明
これで、最後の袋の中が「君のことは忘れない」って書いてある紙切れだったりしたら・・・

それはそれで面白いことになっているかもしれない(エリオが)

GJでしたっ
103名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 21:28:58 ID:O+e8uUA8
>100
孔明ーーー!!!
ところでエリオが鬼畜王エロオ・モンデヤルの資質に覚醒しそうな件。
104名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 21:45:28 ID:M4cqvfNb
なんというスレの早さだ
本編は終わっちゃったけど…
というわけで投下
エピローグのユーなの(+アルフ)は、カップルなのか友達宣言なのか知らんけど

 親バカ親
105バカ:2007/09/27(木) 21:47:43 ID:M4cqvfNb
ここは、時空管理局データベース、無限書庫。
そこにある3人がいた。
もっとも、その内2人は何かに夢中になっており、もう1人がすぐ後ろにいることに、全く
気付いていないのだが。
「なのは、ユーノ、あのさ…」
揃って楽しそうに何かを見ていた2人は、後ろからかけられたフェイトの声に振り返った。
また、見てるんだ…
2人が見ていた何かを認識し、やっぱり…、と心の中で溜息を吐いた。
「フェイトちゃん、どうしたの?…あ、フェイトちゃんも見たい!?」
満面の笑みで尋ねてくるなのはに、足が下がりそうになるが、なんとか耐え、フ
ェイトは、返事をする。
「そ、そうじゃなくてね…」

「あいつ、本当に大丈夫か?」
「うーん…不安やけど、ここはフェイトちゃんに任せてみるしかあらへん」
はやてとヴィータ、それにシグナムは後ろで棚に隠れながら様子を伺っていた。
ここでなんとか断らなければ、幾度となく味わったなのはとユーノの長時間一方的お話タイ
ムに突入してしまう。
「なのは、それはフェイトも何回も見てるよ」
息を吸い、喋ろうとしたフェイトを、ユーノの言葉が止めた。
自分の考えとユーノの言葉は、違うのだが、とりあえず危機から逃れたことに安堵して息を
吐く。
だが、ユーノもそんなに甘くなかった。
「最近のは、こっちだから…」
立ち上がったユーノは、棚に並べられた本の背表紙を眺め、1冊を手に取った。
「これは、フェイトもまだ見てないはずだよ」
「うん!ほら、見て見て!」
開いた本をなのはは、フェイトに突き出す。
それと同時にはやて、ヴィータ、シグナムは、溜息を吐いて、散っていった。
開かれた本、正確にはアルバムの中身は、ヴィヴィオ、ヴィヴィオ、ヴィヴィオ。
2人の前に重ねられたアルバムに詰められた写真と同じように、どこをどう見ても、全てヴ
ィヴィオの写真である。
「これは、運動会の時のアルバム、その1でね」
白目を剥きかけているフェイトに気付かず、なのは喋り続ける。
というか「その1」ってどういうことだ。
「これは、運動会の朝、まだ寝てるヴィヴィオでね。顔を洗うヴィヴィオで、朝食を食べる
ヴィヴィオ!」
106バカ:2007/09/27(木) 21:49:26 ID:M4cqvfNb
それは、運動会の朝といつもの朝とで、一体何が違うのか、フェイトには、分かる気が全く
しなかった。

はーるーかーそらひびいてるーいのーりはーきーせきにーーー
「これは、行進の時の写真で…フェイトちゃん、聞いてる?」
「え?あ、うん、聞いてるよ…」
現実から逃げようと、頭の中で持ち歌を響かせていたフェイトは、全てヴィヴィオの行進の
写真で埋まった2ページを楽しそうに説明していたなのはの訝しげな声に、現実から戻って
しまった。

どうすればいいの…この親バカ…いや、バカ親は…

六課が解散し、ヴィヴィオが正式に高町の姓を得た。
俗に言うシングルマザーとなったなのはに力を貸したのは、ユーノだった。
周りは、10年間、親友を越える絆を持ちながら親友から抜け出せていなかった2人が、1
歩進むのを期待し、見守っていた。
ヴィヴィオもすぐにユーノに懐き、パパと呼び始め、誰も不安など抱かなかった。
2人が恋人を飛び越えて、夫婦・親の顔となったことに苦笑したが、こそこそと「2人はい
つ結婚する」かなど、噂をしていた。
そして、皆、ヴィヴィオがどんな風に成長していくか楽しみに思っていた。
だが、余計なほどその経過を知ることになる。
2人に見せられる写真や映像によって…
更に2人の行動は、皆の予想の斜め上を突き抜け始める。
授業中のヴィヴィオを撮影するなんて可愛く思えるほどに…

元犯罪者達が徒党を組み、管理局に復讐を企てたことがあった。
勿論、エース・オブ・エース、高町なのはも駆り出され、ヴィータと共に空を制していた。
だが、ヴィータはなのはの動きに違和感を感じていた。
そわそわしながら大威力の砲撃を味方すれすれで放つなど、普段のなのはとは思えない。
勿論、味方に当たらないように計算されているのだが。
そして、管理局に形勢が傾いた頃、ヴィータは、なのはの姿が消えたことに気付いた。
あのなのはが撃墜されるはずがない、と周りを見渡すとなのはを発見した。
既に小さくなった後姿のなのはを。
「何処行くんだよ!」
何か気付いたことがあるのか、それとも不確定要素が具現化したのか。
107バカ:2007/09/27(木) 21:51:10 ID:M4cqvfNb
だが…
「ごめんね!もうヴィヴィオの授業参観の時間なの!」
その言葉に呆然とするヴィータを置いて、なのはの背中は空に消えた。
エースを欠いて、崩れた陣形を立て直す為、ヴィータは、駆け付けたシグナムと共に、獅子
奮迅の活躍を見せ、表彰されることなった。

ジェイル・スカリエッティの裁判が行われた際、ある理由で裁判が滞った。
スカリエッティが利用したロストロギア、ジュエルシードとレリック、更に聖王のゆりかご
の資料が、無限書庫から届かなかったからである。
急いで無限書庫に連絡取った局員に返ってきた答えは、「司書長が娘の正装を買いに行く約
束があると言って帰宅してしまいまして」というもの。
この件を被告人であるスカリエッティに好き放題言われ、管理局は恥をかくことなってしま
った。

他にもなのはが、3提督との会合を「今日は、ヴィヴィオと初めて会った日だったの!」と
ドタキャンをかましたり、ユーノが上層部に提出を求められていた資料を、ヴィヴィオの成
長日誌を置くスペースを確保する為、捨ててしまったりと、目も当てられない愚行に及んで
いた。
管理局では、2人を解雇するという意見も出たが、なのはとユーノの力は、大きく、特にユ
ーノがいなくなれば無限書庫は、動かなくなり、元の放置状態に戻ってしまう為、それは、
出来なかった。
だからと言って、本人に伝えても「ヴィヴィオが可愛いから仕方ないの!」という、理解不
能な返答しか返ってこなかった。

故に上層部は、なのはとユーノと親しいフェイトやはやてに、どうにかするように命令を出
したのである。
毎日のように送られてくるヴィヴィオの写真や会う度に、見せられる成長日誌に困っていた。
フェイトやはやてもどうにかしようとしたのだが、どうにもこうにもならないのである。

今回もフェイトが、直接言おうと2人の元へ向かったのだが、
「ほら、こっちの写真、ヴィヴィオ、頬っぺたにご飯粒付けて可愛いいだろ?」
なのはとユーノのマシンガントークにフェイトはぐったりとしてしまっている。
108バカ:2007/09/27(木) 21:52:53 ID:M4cqvfNb
先程までは、今、ユーノが指差している運動会アルバムその2が終われば、開放されると思
って、耐えていたのだが、ふと目をやった棚にその3の存在に気付き、全てを諦めてしまっ
た。
だが、天の助けがフェイトに舞い降りた。
「フェイトー、なんか管理局の人が来て、フェイトを呼んでるんだけど」
自分の使い魔アルフの声に、フェイトは光を見出だした。
「あ、うん。今、行くね。…じゃあ、ごめんね。なのは、ユーノ」
「うん、またね、フェイトちゃん。また、今度、写真沢山見せてあげるね」
一応、謝罪を述べるフェイトは、なのはの言葉に頭が少し痛んだが、なんとか取り繕って、
2人の元を後にし、アルフと並んだ。
「ありがとう、アルフ。嘘、なんだよね?」
「うん」
フェイトの言葉にアルフは、ふふ、と笑って答えた。
「アルフも大変?」
フェイトの質問にアルフは、大袈裟に盛大に溜息を吐いた。
「大変も大変!」
聞こえるかと思うくらいの鼻息を噴射して、アルフは話す。
「もう大切な資料かと思ったら、ヴィヴィオの写真だったり、論述会の誘いなんて、受けて
おいて、その日になると、ヴィヴィオがどうたらこうたら言ってドタキャン。問い合わせの
電話がこっちにかかってくるし…管理局は管理局で、私達に文句言うし、どうすればいいん
だい、本当に!」
言いたい放題吐き出すアルフをフェイトは、苦笑しながら見ていた。

「はやてもヴィータもシグナムも酷いよ」
現在、作戦会議中。
フェイトは、昨日、自分をほったらかしで帰った3人を恨めしい目で見ている。
「い、いやぁ、仕事があったんよ」
はやては、頭を掻きながら苦しい言い訳をしていた。
「そ、それよりこの問題をどうやって解決するか考えなあかん…」
逃げるように話題を本題へ戻す。
「なーんか、私らが減俸って話もちらちら聞こえてんだけど」
パリパリと噛んだ煎餅をオレンジジュースで流し込み、ヴィータが告げた。
八神家は5人いるので、大したマイナスにはならないし、フェイトだって母と兄がいる。
それに19になってプレゼントを上げる彼氏もいないので、貯えは十二分にある。
それでも、親バカ2人のせいで、自分達が減俸を受けるのも気に食わない。
109バカ:2007/09/27(木) 21:54:33 ID:M4cqvfNb
既になのはとユーノは、減俸を受けているが、2人共貯金も充分にある。
ただ、ヴィヴィオの洋服やらおもちゃやらを馬鹿みたいに買い漁っているが。

「なのはちゃん達は、3人で幸せな一時ってのを過ごしとるんかなー」
何が悲しくて、自分達はこんな会議をしなければ、いけないのか。
はやては、呟くとオレンジジュースを一気に飲み干した。

結局、具体的な解決策は何も見付からないまま、解散となり、フェイトは1人、マイカーで自
宅への帰路を走っていた。
本当にどうしたものかと思う。
あの2人には。
「?」
とぼとぼと力の抜けた足取りで自室の前に着くと、そこに2つの影を確認した。
「えっと…」
その影の正体は、体操座りをしたなのはとユーノ。
その顔に生気は無い。
「どうしたの?」
見たことのない落ち込んだ顔の2人に尋ねたが、何も返答が無い。
「と、とりあえず中に入ったら?」
カギを開けながら喋りかけるが、2人に反応は全く無い。
あまりの生気の無さに、生き霊と呼ばれるものではないかと、目を擦ってみるが、なのはも
ユーノも確かにそこに実体として存在していた。
「ヴィヴィオは?」
これならば反応するだろうと思い、声に出した名前。
その思惑通り2人は、ビクっと反応した。
「ヴィヴィオ、ヴィヴィオ、ナンデ…」
ぶつぶつと呟くのは、愛しい娘の名前。
異様な様子にフェイトは一歩後退する。
「ヴィヴィオがどうかしたの?」
「ヴィヴィオ、ヴィヴィオ、ヴィヴィオ、ヴィヴィオ」
フェイトに問いは無視され、2人はぶつぶつ呟くのみ。
…ブチ
「ヴィヴィオ、ヴィヴィオ、ヴィヴィヴィヴィヴィヴィーーー!!」
放れたのは、電撃。
痺れを切らしたフェイトは、2人を痺れさせた。
電撃が体を走り、動けなくなった2人をフェイトは引きずりながら部屋に入った。
「で、どうしたの?」
2人を正座させたフェイトは、理由を尋ねた。
「…」
バチバチバチバチ
「んぎゃ!…今日、ヴィヴィオの学校、遠足だったんだけど…」
膝に電撃を食らったユーノは、仕方なく喋り始めた。
カシャカシャ
「今日は、晴天に恵まれ……遠足日和となりまして……」
カシャカシャ
「えぇ、…保護者の方、気持ちは分かりますが、写真撮影は下がって行われるようお願いし
ます」
カシャカシャ
「えーと、そこの方…」
カシャカシャ
110バカ:2007/09/27(木) 21:56:19 ID:M4cqvfNb
「あなた達ですよ!ユーノ・スクライア司書長と高町なのは教導官!!」
「「え?」」
挨拶をする校長より前に出て、ヴィヴィオの写真を撮っていたなのはとユーノは、名前を呼
ばれて、ようやく振り返った。
保護者と生徒達からくすくすと漏れる笑い声にヴィヴィオは、頬を染め、顔を下げた。
すみません、と頭を下げて、退いていった2人。

「ヴィヴィオのお父さんとお母さん、面白いね」
歩きながら友達に言われた言葉に、ヴィヴィオは、溜息を吐く。
「でも、無限書庫司書長とエース・オブ・エースなんでしょ?凄いなぁ」
そんな羨望もヴィヴィオには関係無かった。
ヴィヴィオは、最近、気付いた。
自分の親(と言っても正式にはなのはだけだが)が明らかに異質であることを。
魔力や地位のことではない。
異常なほどの愛情のことである。
再び、溜息を吐いて、ヴィヴィオは横で自分の写真を撮っている2人を見た。
にんまりと笑って手を振る2人に三度、溜息を吐くのであった。

カシャカシャ
「えー、皆さん分かっていると思いますが…家に帰るまでが…」
カシャカシャ
「遠足です…あの…保護者の方…」
カシャカシャ
出発の時と同じ展開に、校長が再び、名前を叫ぼうとした瞬間、違う声が響く。
「ママ!パパ!」
その声の正体は、光。
次の瞬間、光が解け、中から10歳ほどの少女が姿を現す。
何が起きたか分からない教師、生徒、保護者は完全に呆けている。
「ヴィヴィオ!」
その中で唯一、何が起こったか理解したなのはが声を上げる。
「あれが…」
その声にユーノが反応する。
話だけは、なのはから聞いていた。
10歳ほどの姿になったヴィヴィオと戦ったことを。
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ
ユーノは、迷わずシャッターボタンを連打した。
娘の成長した姿を一足先に記録出来ることにユーノは、感激していた。
なのはと同じようにサイドポニーなんだ。いやぁ、可愛いなぁ。でも、あのBJ(みたいな
もの)は、可愛くないなぁ。ヴィヴィオには、なのはのBJみたいな白い清純派のBJが似
合うはずだ。そうだ、今日は帰ったらなのはと一緒にヴィヴィオのBJをデザインしよう。
それにしても可愛いなぁ。
111バカ:2007/09/27(木) 21:58:02 ID:M4cqvfNb
そんなことを考えながら、シャッターを連打しつ続けた。
もっと近くで撮りたい、と近付くユーノをヴィヴィオは、鋭い視線で見ていた。
なのはもユーノの横に着き、近付いていく。
突如、成長し、有り得ない魔力を発する女の子とその写真を撮り続ける無限書庫司書長とエース・オブ・エースという
不気味な状況に他の者は一歩動けなかった。
「いやぁ、可愛いなぁ、いでっ」
カメラとヴィヴィオとの距離が突然、0になり、カメラは、木っ端微塵となった。
カメラがあった場所にあるのは、ヴィヴィオの拳。
なのはとユーノは、漸くヴィヴィオが怒っているのに気付いた。
「いくらすごくても、周りに迷惑かけたら意味ないよ。ヴィヴィオの言ってること間違って
る?」
「ぬぶぇ!」
こんな状況でも、怒っててもヴィヴィオは、可愛いなと考えていたユーノの機微に気付き、
その瞬間、ユーノは、ヴィヴィオの拳を受け、校舎の壁にめり込んだ。
「!ユーノく…!?バインド!?」
バインドに絡められ、動けないなのは。
何処かで見たことのある状況になのはは、冷や汗をかく。
「ママ、見ててね」
そう囁いたヴィヴィオが上げた右腕に、星が集まっていく。
壁にめり込んだユーノは、予備のカメラを手に取った。
「それでも、僕は、写真を取りたいんだ!」
収束砲を放つヴィヴィオを写真に収めないわけには、いかない。
「少し、頭冷やしてね…スターライト…」
「うおぉぉぉぉぉ!」
カシャカシャカシャカシャ
「ブレイカー!」

星はユーノを飲み込んで校舎を薙ぎ倒していった。
末恐ろしい娘に汗を滝の如く流すなのはだったが、自分が知っているシチュエーションでは
、自分はターゲットには、ならない為、安心していた。
「次は、なのはママの番だね…」
「れ、れれ、レイジングハート!」
焦ったなのはは、レイジングハートを起動させようとするが
「なんで!?」
レイジングハートは、反応を示さない。
レイジングハートも怒っていた。
なのはがなかなか仕事を頑張らない為、最近、自分がやったことは、カメラのメモリーの予備とバッテリーの予備の仕
事だけである。
112バカ:2007/09/27(木) 21:59:02 ID:M4cqvfNb
「スターライトブレイカー」
もはや、なのにに思考させる暇を与えず、ヴィヴィオは、なのはに星を放った。

「そ、それで、ヴィヴィオは今何処にいるの?」
混沌とした状況なんだろうな、と考えながらフェイトは聞いた。
一体何処に10歳の娘に説教される親がいるというのだ。
「ヴィヴィオは、家にいるの…でも、入れてくれないの…」
扉に近付こうとすれば、向こう側からとんでもないチャージ音が聞こえてきるらしい。
娘に閉め出される親もそうそういない。
「ヴィヴィオ…ヴィヴィオー!」
「ヴィヴィオーヴィヴィオー!うわーーーん!!」
「うわーーーーん!」
「…私はもう寝るから」
突如、泣き出した2人にフェイトは頭を抱えて、ベッドルームに向かった。
「もう放っておこう…」


「「うわーーーん、ヴィヴィオーーー!!!」」
「うるさい!」
バチバチバチバチ
「「ギャーーー!」」

END
113名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:02:47 ID:ctyuBQ+P
何という親バカw
一目見ただけでヴィヴィオの怒りを想像したww
この二人は間違いなくオバカw
114名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:04:35 ID:ROhK70aU
>>112
GJだ!
やばいやばい。読んでてこっちが恥ずかしいw
親にこんなことされたら子供は辛いわなぁ。まさにバカ親!
115名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:23:34 ID:IPKNxuCf
>>100
GJですー
うわ、ユーノマジ孔明
つか、すずかにも使わせてやれよw

>>112
これもGJ、バカ親www
シャッハのお仕置きマダーw
ヴィヴィオも可哀想に…でも早いよ反抗期ww
116名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:31:09 ID:JRctD1yE
>>112
GJです。
てか……そこまでやられたら気付こうよ……二人とも;;
117名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:40:20 ID:OkIdtfR1
GJです。なんだこのバカ親っぷりは!
118名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:45:51 ID:gBIdlfu3
>>112

GJ!
続くのでしたら和解編も楽しみにしてます
119名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:11:22 ID:t1JrgzSH
>>100
GJ!
ユーノマジ策士wしかし最後の関門をエリオは無事突破できるのか。

って、ユーノは1年前かよ!
ヴィータまで!けしからん!
ちょっとおじさんにどんなことがあったのか教えてくれないかな、文章の形で。

>>112
GJ!
なんという馬鹿親。もうだめだこの両親、早くなんとかしないと!
120名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:11:41 ID:xo56W1tx
246氏来ないかなー。
スクールデイズ最終話見たらヤンデレ見たくて堪らなくなったんですが。
121名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:30:33 ID:t1JrgzSH
何か、影でユーノとヴィータが傷をなめあってそうだな、性的な意味で。

ところで、ユーノ×ヴィータだと需要はあるんかなぁ。
122名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:33:16 ID:jObvOZbu
ここのユーノスレみたいなモノだしあるんじゃねーの。
123名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:49:16 ID:b0Ql2MyC
>>121
無論、「性的な意味で」なら大歓迎です。
124名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:50:56 ID:c3G7SVcC
つか、既にユーノってヴィータとやってね?
しかも……リィンUと3Pだったり、シャワー室でワッフルワッフルだったり。
125名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:52:43 ID:W2m2AG/q
>>124
それなんてターンA氏のユーノ?
最近見かけないが忙しいんだろうか。
126わさび:2007/09/28(金) 00:05:53 ID:sDHsdQ+g
エリオ×(キャロvsルーvsヴィータ)

召喚&魔法抜きガチンコバトル!!勝者がエリオの「1番」!!

オッズ キャロ  : 1.87
     ルー   : 2.03
     ヴィータ : 8.96

実況 : グリフィス 解説 : ヴァイス 
ゲスト : マクラーレン夫妻 
賞品 : エリオ






どこで受信したんだろう……つかれてるのかな。
某豚の最後の場面みたいな感じだろうか?
127名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:06:16 ID:a5p6BYmu
>77
この板の某スレでは



               ギシギシアンアン




という手でみなさん「●凹ズコー」してたな・・・w
128名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:06:53 ID:sDHsdQ+g
すみません、投下もしないのにコテハンつけてましたorz
129名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:09:27 ID:xeU9SuPp
>>127
FEスレ?
130名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:18:38 ID:AkRLhr4t
>>126
エリヴィーがいいなぁ・・・
131名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:27:27 ID:g7PIttZy
>>100
GJ!!!
頑張れエリオ!
弱点が網羅されたメモかと思ったら媚薬だった
弱点を探る余裕もなかった一年前のユーノ哀れw
しかしあの三人の関係者を手篭めるとは、恐ろしい娘たちだ

>>112
GJ!!!面白かったwあるあるwww
最後までシャッターを切り続けたユーノ、カッコ良すぎ
きっと魔力を全部注いでカメラを守ろうとしたに違いないぜ!!
でも守れなくて夕焼け空にヴィヴィオを浮かべながら慟哭しちゃうに違いないぜ!


やー面白いの多すぎです! いつまでも続くスレでいてー!!
132名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:59:30 ID:HT4XFiSY
最後に投下してから2週間・・・もう6スレも進んでる・・・
133名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 01:10:15 ID:FWY6iTTF
早い…スレ進行早過ぎるよ…
最近、スレ立て乙しか書き込んでない…

つーわけで前スレから今まで投下していた書き手の皆さんGJです!
そして、>>1スレ立て乙です。
134名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 01:12:34 ID:Ep0ZpRrl
某所より転写
ttp://moepic2.dip.jp/gazo/detailurac/files/detailurac14930.jpg

妄想の足しにでもしてくれ
135名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 01:23:00 ID:i1x7kulC
ルーお嬢様!!?なんてすばらゲフンゲフン破廉恥な!!
136名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 01:50:11 ID:cGMNBo7O
>>134
これは改造品?元が気になるが何という素晴らしさ。
137名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 02:04:53 ID:jJzg2joZ
>>100
1年前ホントに何があったんだユーノ孔明…ってヴィータもかよ!!
アリサとシテ次は美由紀か。エリオきょうい(漢字忘)はマトモな状態で帰れるのか…
でも帰ったら帰ったでピンクの召喚士が第二の悪魔と化してる可能性は…

>>112
ユーなの馬鹿親話GJ!!
今回も聖王のSLBと合わせて吹かせてもらったYO!
関係ねーけどヴィヴィオへの性教育てどーするんだろ
最終的に司書長に色々頼んでるなのはさんが見える…

>>121
エロではないがそのカプなら旧保管庫にあった
「アタシの絵本」だったかな?ハッキリ覚えてねーでスマソ
でもユー×スバと並んで読みたいシチュではある。某所のネタ板でユー×ギンはあるんだし
138名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 02:05:21 ID:yrQ0ODZ7
>>134
さすがにこーゆーのは半角二次元板とかに貼りなよ
…と、思ったが挿絵だということにすればセーフなのか?
この板的にはどうなんだろう
139名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 02:36:48 ID:3zRwnui+
前スレのヴィヴィオネタGJ過ぎた
140名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 04:22:36 ID:f/m0LwZZ
>>112
壮絶に麦茶吹いたwwww
マジでバカ親な二人だな。自重しろと言っても絶対に聞かないだろうなw
141名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 05:25:34 ID:KlHrMaXs
このあとさらに「ママもパパも大っ嫌い!」攻撃が待ち構えてる悪寒
142名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 05:37:03 ID:WjyIjvQS
>>112
GJ!それにしてもユーノに顔面パンチするとは・・・恐ろしい子だ。

さすが悪魔の子供だ。
あれ?こんな時間に誰だろ。
143名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 09:20:43 ID:8+cDktBf
>>136
ゆずソフトのE×Eの紅葉というキャラのCGが元だよ
144名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 12:41:54 ID:npQ5FZgA
>>101
これは間違いなくエリオきゅんがダークサイドへ落ちますね
お姉さまに犯される美少年・・・興奮しました。GJ!
145名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 13:30:25 ID:7cimImft
>>101
GJでしたー
欲をいえばアリサとの本番がほしかったぜ
14638 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/09/28(金) 15:41:43 ID:gt4ONWmU
>>101
他人の物を欲しがって……ユーノを責めてる時になのはの顔が……。
……ユノなのって判断してよろしいか?

>>112
バカだこの二人w

こっちも書き上がったんで投下します。
大体のプロットは焼き上がりました。恐らくこの連載小説は全15〜20話といった程度になりそうです。
……一話一話が短いからそこまで分量無いですがw(ノートパッド6k越える程度ですし)
では、『舞い踊る、恋歌』9th session、お楽しみください。
14738 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/09/28(金) 15:42:48 ID:gt4ONWmU
9th session〜初陣、天を照らす〜

「レリックは列車内にあって、そこに陸戦型のガジェットが取り付いてるから、多分列車内の戦いになると思うんだ。
 だから、フィレスは私やフェイト隊長と一緒に、ガジェットU型を叩くよ。いい?」
「了解です」

そう会話をすると、なのはとフィレスは後部ハッチに向かう。

「私が先行するから、フィレスは援護中心にお願いね」
「了解です。……ミドルからロングの間で支援砲撃……って事でいいですか?」
「うん、そうだね。……じゃ、先に行くね。スターズ01、高町なのは……行きます!」

フィレスとの会話を終え、ハッチを蹴って飛び降りるなのは。
それに続いて飛び降りようとフィレスはハッチに近付いて。

「フィ、フィレス!」

……突然スバルに名前を呼ばれ、振り返った。

「……どうしたの?」
「あ、えっと、その……。……頑張ってね!」

そう真っ赤になって叫んだスバルに、フィレスは驚いたように目を見開き……、……にっこりと笑った。

「スバルさんも、頑張ってね!」

そう返して、フィレスは外を向き直り、

「ライトニング05、フィレス・ホーマルハウト……出撃します!」

そう叫んで、外に飛び出した。

「アマテラス、行ける?」
『いつでもOK、決まってるでしょ! と、言うか駄目だったらどうする気だったのよ!』

自由落下しながら、右手首に付けたリストバンドにフィレスが喋りかけると、きつい一言が返ってくる。
それにフィレスは苦笑して……、表情を真剣な物に変えると、叫んだ。

「アマテラス、セットアップ!」
『スタンバイ・レディ』
14838 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/09/28(金) 15:43:50 ID:gt4ONWmU
「飛んで!」
『フライヤーウイング』

なのはを追いかけて飛行しつつ、フィレスは自身のバリアジャケットを確かめる。
今までの武装局員と同じバリアジャケットとは一転して、黒を主体とした軽装で。
右腕のガントレットを除けば完全に動きやすさを重視したジャケットに、フィレスは軽く頷き、

『……見えた!』

アマテラスの声に我に返り、前に向き直る。

「始めるよ……アマテラス!」
『ラジャー!』

ガジェット群をドッグファイトを繰り広げるなのはとフェイトを迂回するような動きを取るガジェット。
それに杖を向け、フィレスは一言、呟いた。

「フェザーショット……シュート」

その瞬間、撃ち出された魔力弾は、狙い違わずガジェットを撃ち抜いた。

「威力……上がってる……?」

そう思わずフィレスが呟くと、アマテラスは得意げに言った。

『当然! 私はマスターフィレスの力となる、そのために作られたデバイスよ!?
 前のストレージよりも、威力は183%向上してるわ!』
「183%って……、3倍近くも……?」
『元々マスターフィレスは攻撃力無かったから、これでやっと人並の威力なんだけどね』

そう言われて、フィレスは思わず苦笑する。

「そうだったね」
『射撃精度だって、目標性能には達してないけど、この距離なら問題無いレベルのはずよ』
「……目標性能の8割でこの距離で問題無いって……一体どんなコンセプトで作ったんだ? シャーリーさん……」

フィレスが今いる位置とガジェット群との距離は立派にロングレンジ。
そこに射撃精度を落とした状態で撃ってるのに当たるって一体、とフィレスは一瞬呆気に取られ、
ぱん、と気合を入れるように頬を張った。

「……さて、お喋りはおしまい! 行くよ! アマテラス!」
『ラジャー! ……暴れるわよー!』
「ライトニング05、エンゲージ!」
14938 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/09/28(金) 15:45:35 ID:gt4ONWmU
『アクセルシューター』
「シュート!」
『サイススラッシュ』
「はああっ!」

桜色の光弾が撃ち抜き、金色の鎌が切り裂く。
次から次へと爆発が起こるが、爆煙が晴れた後には新たなガジェットが現れる。

「……キリがないね……」
「……どうする、なのは」
「レリックの回収が完了するまで、何とか持ちこたえるしかないかな」

そう背中合わせに会話した後、なのはとフェイトはもう一度ガジェット集団を薙ぎ払おうと

『ウインドフェアリー!』
「シュート!」

……する寸前、白っぽい緑の光弾が、ガジェット数機を叩き落とした。

「フィレス! 遅刻だね……」
「す、すいません!」

そう少し変な笑みを浮かべながら言うなのはに、フィレスは身の危険を感じて平謝りする。
と、そんなフィレスに、フェイトが同情するような表情を浮かべながら、助け舟を出した。

「なのは、今はそんな事言ってる場合じゃないよ」
「あ、うん!」

フェイトの突っ込みに、慌てたように新たなアクセルシューターを形成するなのは。
それを見た後、フェイトは今度はフィレスに向き直る。

「フィレスも、頑張ろう? レリックの回収が終わるまで、ガジェットを一機も通さないように、ねっ!」
『アーク・セイバー』

フィレスに話をしながら、こっそりと列車に向かおうとしていたガジェットの一隊を叩き落したフェイト。
そんなフェイトにフィレスは目を見開き……、くすり、と微笑んだ。

「……僕達も、頑張らなきゃね……。そうだろ? アマテラス!」
『その通り! ウインドフェアリー、いつでもOKよ!』
「それじゃ……シュート!」
15038 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/09/28(金) 15:46:06 ID:gt4ONWmU
「やったね、キャロちゃん!」
「はい!」

レリックの回収が成功し、他の4人と合流したフィレスは、まずキャロの元に向かった。
もちろん、初めて龍魂召還に成功した事を祝福するために。
しかし、

「むー……」

ぷくり、と頬を膨らませるスバル。そんなスバルに、ティアナが呆れたように言った。

「……アンタね、キャロはエリオと付き合ってるでしょうが。……何嫉妬してんのよ」
「え、あうえあ!?」

そのティアナの突っ込みに、スバルは奇声を上げて飛び上がる。
そんなスバルに一つ溜息を吐くと、ティアナは以前から聞きたかった事を、聞いた。

「そう言えばさ、スバル。何でフィレスに告白しないのよ。
 ……好きなんでしょ?」
「こ、告白って……!」
「あ、好きだって事は否定しないのね?」

そうティアナが言うと、スバルは真っ赤になって硬直する。
そのままぷるぷると震え始めたスバルに、ティアナは少しやりすぎたかな? と後悔し、
……急に、スバルの震えが止まった。

「……駄目だよ」
「……はあ?」
「駄目……だよ、告白しちゃ」

そう言ったスバルに、ティアナは訳が判らない、といった表情になる。
そんなティアナに、スバルは悲しそうな笑みを浮かべて、言った。

「……確かに、私はフィレスの事が好き。
 ……でも、告白しちゃ駄目なんだ。……恋人になっちゃ、駄目なんだ。
 私じゃ恋人になれない。それだけの理由が……、ちゃんと、あるから」
「……理由? 何よそれ!」

思わずスバルに詰め寄るティアナだが、スバルは首を横に振る。

「ごめんね、ティア。いくらティアでも、今は言えない。
 ……必ず、いつか必ず、ちゃんと話すから……」

そう悲しそうな声色と表情で言われ、ティアナも口をつぐむしかなかった。
15138 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/09/28(金) 15:51:10 ID:gt4ONWmU
これで終わりです。
……ここ(特に最後)は、全体の中で二番目に書きたかった所です。
こう言う風に恋をしちゃいけないって思うスバルがいてもいいと思うんだ。
後、かっこいいフェイトさんも書きたかったんですw(最近迂闊フェイトさんばっかりなのでw)

それと、全体を短縮したお陰で、ここから先エロが濃くなります。
……でもヴァイティアは入れようがありませんでした、すいませんOT
152名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 16:09:34 ID:VOTrT99m
>>151
>告白
わざわざ後書きにまで書いてるんだ、当然「機人だから」なんて誰でも思い付く理由じゃないよな?楽しみだ
153名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 16:16:44 ID:0KKdhtTB
>>152
落ち着け。いくらそう思ったからって挑発的な書き方をするのは紳士じゃないぜ。
もし何か言いたいのなら本編を読んでから紳士らしく評価すればいいんだ。


皮肉もまた紳士の嗜みとだけはこっそり言っておく
154名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:10:09 ID:9DD5hj9D
まぁフィレス(笑)だしな
155名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:13:09 ID:3czJj/Ks
オリキャラは扱い難しいしなぁw

マクラーレンさんの方はどうなった、
あっちの方はぜひ続きを見たいんだがw
156名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:15:57 ID:osmXufOj
オリキャラ言うならターンA氏のフェイト(小)やアリシアもそうだがな。
157名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:17:06 ID:7LI3t/3X
マクラーレンさんはなのはさんの全力全壊喰らってたしな…

消し炭に成り掛けてフェイトそんにう看病されてることだろう
158名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:29:00 ID:gC18mLeT
>>151
まあ、色々あるだろうがあんま気にするな。
俺はいつも楽しく読ませてもらっているよ。
159名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:30:44 ID:0KKdhtTB
流石に人様のオリキャラで妄想するのは気が引けるが・・・・・・・

入院中利き腕が使えず自家発電すら出来ない状況で、彼女に看病してもらって
思わず愚息を大きくしてしまいそんな状況に焦りながらも処理してもらうシチュって良くね?
160名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:33:50 ID:TsI3ebWf
>>126
その妄想を書いてください!すげえみたいです
161名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 18:26:31 ID:Z5nbls+Q
>>159
その妄想の発進先を教えてくれ。というかよし!
だけど、入院といえばなのはか18話のスバル、ヴァイスぐらいしか……
ユーノかフェイト当りに看病されてる内に、着替えやお粥とかの食べさせられてる内に、なのはの体にかかる相手の息や体温で発情して、気付いた相手が性欲処理なんて流れ?
162名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 18:40:01 ID:477LVHD6
>161
むしろフェイトそんが入院中なのはをかいがいしく世話してる最中に感じちゃうのとかよくね?
こっそりなのはの弱点を責めてくすぐったがりながらも漏らす喘ぎ声に体の奥がふつふつと熱くなり、
今なら襲い掛かっても拒めないと分かっているけど大事な親友を失いたくないからその場は笑顔で立ち去るけど。
部屋まで我慢できなくなって病院のトイレで自己嫌悪に押しつぶされながらオナ……あれ、晴れてるのに近くから雷音が
163名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 18:58:34 ID:6Qez/Q+9
>>161
腕が動かせない時スバルは隣のベッドにいたエリオに慰めてもらってたんでしょ
164名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 19:01:34 ID:OBw9CwgS
>>156
目立つほどのニコポやU-1じゃありませんから
165名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 19:18:10 ID:MwClmgwO
u-1って検索したけどーイマイチ解んない、メアリースー?
テンプレに載ってといてくれないかなぁ…
166名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 19:24:11 ID:477LVHD6
>165
Kanon U-1でググってみ?
別に知る必要もない単語だがな……

てか嫌なら読まなければ良いだけだしこの話題はこれで終わりにしておこうぜ。


167名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:11:47 ID:WShbYdYO
>>165
otaku/995/1186137777 995/1189864904
反面教師用の参考ならこっちも最大手。

U-1ってのはUltimate oneと祐一をかけた?、いわゆる最強物の通称。
ここの作品は、大概読めるレベルに仕上がってると思うよ。
168名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:15:46 ID:KlHrMaXs
検索で出てくるファンサイトなんかのほうが地雷率が圧倒的に高い
「これは日本語なのか」というレベルの奴がゴロゴロしてる
だから最近は2ちゃんばっかり見てる
169名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:21:52 ID:WShbYdYO
ここで名前だしていいのか微妙だけど、かぼちゃっぽい所がなぜかSS紹介大量になってて重宝してる。
中の人は確実にここ見てるんだろうけどw

TS逆行物も基本的に95%地雷のはずだけど、なぜか見れるものが多め。
ただクロスものの当たりが少ないのはやはり普遍の定理。
170165:2007/09/28(金) 20:23:42 ID:MwClmgwO
>>166-168
ありがとう、自分もオリキャラ書くので気になったので
171名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:27:42 ID:9DD5hj9D
かぼちゃっぽい所ってなんだろう
172名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:29:50 ID:PEG46ZN6
前に二次小説の人気投票やってたとこだな。
173名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:31:38 ID:6qTxUDIH
私はココに来るのにかぼちゃ現在進行形を経由して来てます。
かぼちゃ現在進行形っぽい所にある、なのはSSも楽しいですよ。
174名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:36:51 ID:xeU9SuPp
百合CPは、そう言うのが無いから、検索かSS書きの横の繋がりを使うしかないわけで。
175名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:47:31 ID:0KKdhtTB
でも百合CPの場合、リンクとかサーチにいったらけっこうあるキガス。
176名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 20:51:22 ID:nrANrqo9
なのはは全体的に百合の方が多い。
177お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:54:11 ID:tttKyxpl
こんばんわ。前スレ736です。
流れ切っちゃうけど、寝ちゃいそうなんで投下します
ごめんなさい!!
エロあり。グロ無し
エリオ×美由希(恭也×美由希)です。
エロが……むっちゃ淡泊です……
駄文です……
以上を踏まえた上でお読み下さい。
178お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:55:03 ID:tttKyxpl
僕を、次々と追い越して行くヘッドライト……
それを見送りながら、歩み続けて、高町家……なのはさんの実家へと向かっていた。


次に……つまり、最後に、お中元を届ける相手の事を思い出す。
高町 美由希さん……
なのはさんの、お姉さん。
少し前に会ったけど……凛としていて、そして優しい人だった。

あの人も……アリサさんや、すずかさんのように、乱れるのだろうか……
あの服の下はどんな風になっていて……
どんな声で……

気がつくと、そんな事を考えていた自分が嫌になった。
今まで、僕はそんな事を考えた事は無かった。
少なくとも、今日の朝までは……
大きく頭を振って、浮かんでしまった、黒い考えを追い出す……

でも……黒い感情は……
まるで、止まることのない涌き水のように、後から後から湧き出てくる……
僕は、壊れてしまったのかもしれない……
そんな感情に支配されながら、僕は、こちらも最後になってしまった、袋に手をかけた。


同時刻 6課部隊長室
「アリサちゃんから、電話かかってこないね……」
「もしかして……逃げちまったとか……」
「それは無いな。それやったら、アリサちゃんから、なんらかの連絡があるはずやし、
それに……エリオには、ここ以外に帰るとこは無い。
やから、罠って解ってても、行くしか無いはずや」
「はやて……」
「でも……何かあったのかも知れないし……」
「私が……様子見に行ってくる……」
「ウ゛ィータ!!」
「もし……エリオが……ちゃんと、アリサや、なのはの姉ちゃんのとこに行ってたら……
何もしない……それで……いいんだろ?」
179お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:56:13 ID:tttKyxpl
『ピンポーン……』
「はーい!!」
だれだろう?こんな時間に……
私は、インターフォンを取る。
「どちらさまですか?」
『あの……機動6課のエリオ=モンディアルと言います。お中元を、お届けにきました……』
あ……そう言えば、今日だっけ……
去年の今頃は、凄く楽しみにしてたけど……
……半年前からは、あんまり……
流石に……あんなに、小さな子達には、そんな気に、なれないし……
アリサちゃんと、すずかちゃんの熱意に負けて譲っちゃったけど……

玄関を開けると、暗い表情のエリオ君がいた。
取りあえず、差し出された、品物を受け取る。
「わざわざ、ありがと」
私が、そう声をかけると、エリオ君はビクッと震えた。
随分と警戒されてるなー……
「あ……あの…………」
「何?」
「あ……いえ……」
エリオ君は、何かを言いかけて、やめてしまった。

その様子は、私の中の何かを刺激して、この子をいじめたい……と思わせる。
それを、何とか飲み込み、
「……その様子だと、すずかちゃん達には、随分といじめられちゃったのかな?」
エリオ君の頭に軽く撫でながら、優しく声をかけた……
エリオ君は、少し顔を赤くしながら、それを受け入れる。

か……可愛い!!
私は、今まで、そっちの気は無いと思ってたんだけど……
今なら、すずかちゃん達の気持ちが少し解る気がした。
だからといって、そういうことを、しようという気には慣れなかったけど……
「あの…それで……僕は何をしたら……」
エリオ君は、必ず何かをされると思ってるみたいで、そんな事を言い出す。
何もしなくていいよ……
そう言おうとして、1つ思いついた事があった。
「それじゃあねー……」


「あの……こんな感じでいいんですか?」
「あ……いいよ……エリオ君……凄く上手」
私達は、閉店後の『碧屋』に来ていた。
今は片付けの真っ最中だ。
普段からも、人気の『緑屋』だけど、この時期は本当に多忙になる。
今日は、夕方の1番忙しい時期を越えた後に、帰ってた私だけど、
片付けを私がして、両親に、つかの間の、夫婦水入らずの時間を作ってあげる、親孝行だ。
エリオ君には、それを手伝ってもらってる。
180お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:56:59 ID:tttKyxpl
とーさんと、かーさんは、最初、随分と遠慮してたけど、エリオ君の、
『1度他の仕事も経験してみたかったですし……』
という言葉と、私の
「実家に唯一残ってる娘としては、たまには両親に気を使わないとねー」
の発言に、ようやく帰っていった。


掃除や片付けが終わり、エリオ君に、とっておいた、
シュークリームを出して、紅茶をいれる。
「それ食べたら、今日は終わりだよ。この後はどうするの?
エィミィの所に泊まって行くの?」
エリオ君は少し考えてから
「いえ……そうしていいとは言われてますけど……
エィミィさんも、お子さんが2人いて、泊まりに行けば、迷惑になるでしょうから、
連絡をいれて、本局の方に戻ろうと思います。」
「そっか……じゃあ、すずかちゃん家だね。送って行くからちょっと待っててね」
エリオ君に、そう言い残して、ロッカールームに入る。
エプロンを外して、Tシャツを脱いだ私は後ろから誰かに抱きしめられた。

咄嗟に肘打ちを背後の相手の腹部にに入れて、相手の力が弱まったところで、
振り返り、同時に相手の顎へ、拳を撃ち抜く。
見事に入り、相手は『ガシャン!!』と反いう音と同時に反対側のロッカーに叩きつけられる。
倒した相手の姿を確認する。
……と同時に、私は声をあげてしまう。
「恭ちゃん!!?」
慌てて駆け寄って、恭ちゃんの頭を引いて、体を起こす。
「いたたた………」
「恭ちゃん……なんで!!?忍さんと一緒に、ドイツにいる筈じゃ……」
びっくりするやら、申し訳ないやらで、すっかりパニックになってる私を、
恭ちゃんは抱き寄せ、耳元で囁く。
「帰って来たんだ……美由希に会いたくて……」

ドキッと私の心臓が高鳴った。
でも……それとは反対に、私の頭は冷静さを取り戻していく。
恭ちゃんは、そんな事言わない。
なにより、恭ちゃんなら、さっきの私の攻撃くらい、簡単にかわしてたハズ……
「エリオ君……でしょ?」
冷静に……相手に動揺が伝わらないように、そう告げた。
目の前にいる相手が恭ちゃんでは無いのは確か。
そして、そんな事を出来る相手は、今はエリオ君しか思いつかなかった。

「ばれましたか……
魔力を持たない人に、こんなに簡単に、見破られるとは思わなかったんですけど……」
「解るよ。兄妹だもん。……それよりエリオ君。
大人をからかうような真似するのはあんまり関心しないなー……
魔法は、人を幸せにするものじゃないのかな?」
181お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:57:58 ID:tttKyxpl
そう……兄妹だから……解る。
恭ちゃんは私に、絶対にあんな事を言ってくれない……
「そうですよ?だから……これは、美由希さんを幸せにする為の魔法です」
「何を……言って……」
エリオ君が……何をいってるのか解らない
恭ちゃんの姿になる魔法が、何故私を幸せにする、魔法になるのか……
「美由希さん……恭也さんの事……好きですよね?」
「そんな……こと……あ……るわけ……」
恭ちゃ……エリオ君が私の肩に手を回して、私を抱きしめる。
「ずっと……こうして、抱きしめられたかった」
「違う!!そんな事無い!!」
私は、子供のように首を振ってそれを否定する。
「だったら……今、僕を跳ね飛ばせばいい……さっきみたいに……簡単でしょ?」
「それは……」

私は、両手で……エリオ君を拒もうとして……出来なかった。
出来る筈が無かった。
私は恭ちゃんが……
ずっと好きだった。
子供の頃から……私をずっと守ってくれてた。
泣き虫だった私を何度も助けてくれた。
父さんが、仕事でいない時は、ずっと側にいてくれた……

恭ちゃんが、忍さんと出会って、付き合い始めて……
忍さんも凄くいい人で……
諦めようとした……
何度も何度も何度も……
でも……諦めきれなかった……

恭ちゃんの顔が私に近づいてきて、唇が重なる。
ダメだ……拒なきゃ……
私の口の中に恭ちゃんの舌が入ってくる。
こんな事しちゃ……ダメなのに……
私は……それに応えてしまっていた……

涙が零れる。次から次へと……
古い傷を、えぐられたような……
鈍い痛みが私の心を蝕んていた……

長い口付けを終え、唇と唇が離れる。
名残を惜しむように糸を引いて……それも切れる……
「こんなの……こんなの酷いよ……」
私が呟いた時、私の携帯が鳴る。
母さんからだ……
多分、私があんまり遅いから心配してかけてきたんだ……
「そう思うなら……その電話に出て、『助けて』……と言えばいいんですよ。
それで、僕はここを出て行かなきゃ行けなくなりますし……」
182お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:58:50 ID:tttKyxpl
恭ちゃんは、私を抱きしめてた手を放し、私を自由にする。
私は、少し躊躇してから、携帯を手に取り通話ボタンを押す。

「もしもし?母さん……うん……少し手間取っちゃって……大丈夫……
もう、終わったから……それとね……母さん……私、今日ちょっと遅くなるかも。
……友達の家に寄ってく事になったから……うん……じゃあ……」
通話終了ボタンを押した私に、恭ちゃんが声をかける……
「いいんですか?」
その言葉に、私は頷く。
私は選んでしまった……
例え偽りでも……恭ちゃんに抱かれたいと……


恭ちゃんに、もう一度、抱きしめられ、貪り合うようなキスをする。
唇が離れて……私を抱きしめていた、恭ちゃんの手が、私のブラを外す。
「ずっと……恭ちゃんとこうなりたいって……思ってた。
いつか、こうなれたらいいなって……
恭ちゃんは、気付いてた?」
恭ちゃんは、少し考えて……
「当たり前だろ?ずっと一緒にいたんだ……お前の考えてる事くらい、すぐ解る。」
その言葉に、また泣きそうになった。
エリオ君は優しくて……でも……その優しさが、私には残酷だった……

恭ちゃんの指が私の胸を触る。
恭ちゃんの指が私の中に入る。
それだけで、私には全てが、今までの、どの体験より、快楽を感じた。
「恭ちゃん……ダメ……私……感じすぎて……おかしくなっちゃうよ……
お願い……もう……恭ちゃんを……私にちょうだい……」
恭ちゃんは頷いて、黒いズボンを脱ぎ捨てる。
私の足を開き、私と恭ちゃんの身体が重なっていく。
恭ちゃんが、私を押し開いて、私の中へ入ってくる。

「恭ちゃん……私達……今……1つになってるんだよね?」
「あぁ……」
「嬉しい……嬉しいよ……恭ちゃん……」
溢れ出した涙は私の思い……
ずっと我慢して……心の奥に凍らせていた思い……
「動くぞ……」
恭ちゃんは、私を気遣った後で、大きく動き出す。
荒々しい……
自分の欲望を満たす為だけのような動き。
それでも、私に12分に快楽を与えてくれる。
「恭ちゃん……私……もう!!!」
与えられた快楽が爆発する……
私を真っ白に染めていく………
「イクーーー!!!!!!!」
私が達した瞬間、私の中に、熱いものが注がれた……
恭ちゃんも一緒に達していたんだ……
それを知って、嬉しくなった……
183お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 20:59:48 ID:tttKyxpl
「それじゃあ……ここで……」
汚してしまった、店内をもう一度掃除して、お店の外に出ると、エリオ君はそう言い出した。
「送って行くよ?」
夜も遅くなっていたから、そう言ったのだけど……
「いえ……少し……1人になりたいですし……美由希さんも……そうじゃないですか?」
エリオ君は……本当に優しい子だった。
暖かくなった心を感じながら……
「うん……じゃあ……気をつけてね?」
歩き始めた。

エリオ君に背を向けて、5歩もしないうちに、景色が歪んだ。
今日……私は、長い間願い続けた夢を叶えた。決して、叶うはずの無かった夢を……
魔法の力で叶えて貰った……
そして、長かった初恋を……今日終わらせた……終わらせる事が出来た……



あてもなく、さまよって、たどり着いたのは、海沿いにある公園だった。
そこにあった、小さなベンチに僕は横になる。どこまでも続く、真っ暗な空が目に入る。
3つ目の袋の中身は、恭也さんになる為の簡易変身魔法のデータと、
美由希さんの恭也さんへの、想いが書かれたメモだった。
そして……僕は、それを使った。
自分の身を守る為でも無く、ただ……美由希さんを、抱く為だけに……
きっと……最後は使わなくてもよかった……そのまま、帰れたはずだった……
目の前に広がる、永遠の暗闇は……
僕の心と未来を示しているようだった……

「いくら夏でも、そんなとこで寝てたら風邪ひくぞ……」
急に、視界に女の子の顔が入り込む。
「ウ゛ィータ……副隊長……」
ウ゛ィータ副隊長は、僕を抱きしめて、囁く
「よく頑張ったな……」
涙が溢れた……
僕は……声をあげて泣いた……
ウ゛ィータ副隊長は、そんな僕をあやすように、背中をさすり続けてくれた。


「ああ……今日は、本局の外来宿舎にでも泊まって、明日そっちに帰る。
……あぁ…はやてに、そう伝えてくれ……」
あの後、泣き止んだ僕は、ウ゛ィータ副隊長に連れられて本局まで戻ってきてた。
今は、ウ゛ィータ副隊長が6課に連絡をとってるけど……
今日はこのまま、ここに泊まる事になりそうだ……
「あれ……外来宿舎は……向こうじゃ……」
「いいんだよ……こっちで……」
ウ゛ィータ副隊長が歩く先にあるのは、幹部職員寮。
その内の1部屋の前に着くと、鍵を取り出し、ドアを開け中に入る。
「あの……ここは……」
「いいから入れよ……」
長めの廊下を抜けて、その先に居たのは……

「ユーノさん!!!」
184お供え者と3つの袋(VS美由希編):2007/09/28(金) 21:00:44 ID:tttKyxpl
以上です。
次回は……エロ無いかも;;

感想、GJを下さった皆様、この駄文を最期まで読んで下さった皆様、
ありがとうございました。
微妙なまま、続いてるこの話しですが、後、3〜4回で終了すると思います。
もう少しお付き合い下さい。


最後に謝る事が……
+α入りきれなかった;;
次回以降で入れようと思います……。
結論……下手に予告なんてするもんじゃない。以後気をつけます;;
185名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 21:49:04 ID:yrQ0ODZ7
>>184
GJってかエリオくんマジで壊れ気味?
犠牲者三人集まって何する気だアーッ
186名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:02:05 ID:6ST0plNC
>>184GJ


司書長、三つ目の袋に何入れてんですか!
しかし、よく美由きさんの想いに気付けたな…
+αは誰だったのか気になるが、次回はユーノ&エリオ×ヴィータかな?
187名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:11:19 ID:0KKdhtTB
ということは外見あれなヴィータを前後から貫く男達・・・・・・

なんてぇ鬼畜だ・・・・・・
188名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:14:35 ID:+C3qYc2N
>>184
GJ。
+α楽しみにしてます。

>>187
まて、別にユーノも参加するとは書いてない。
フォロー少し入れて帰るかもしれんし。
189名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:25:16 ID:0KKdhtTB
>>188
ああ、流石に気を急きすぎたようだ。3Pとかスキだからつい期待してしまったぜ

そして肝心の>>184へのGJを忘れていた。ナンテコッタイ
190名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:57:37 ID:JD0GYRem
>>184
GJです、というかユーノ何処で手に入れたww



今手元に咄嗟に思いついた鬱ネタの走り書きが有るんだが、改めて見ると俺おかしすぎて笑った
いつか文章にしてみるかな
191名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:19:25 ID:YR5iNvwN
             /ニYニヽ
             /( ゚ )( ゚ )ヽ 
           /;;;;⌒・・⌒;;;;\
          | ,-)トェェェェイ(-、| それは報告しなくてもいいですっていうwwwwwwwww
          | l  |    |  l | 
         /'   |    |  ノ   
         /     |-┬-| (_
        |    f\丶ェェェl ノ     ̄`丶.
        |    |  ヽ__ノー─-- 、_  )
.        |  |            /  /
         | |          ,'  /
        /  ノ           |   ,'
      /   /             |  /
     _ノ /              ,ノ 〈
    (  〈              ヽ.__ \
     ヽ._>              \__)
192名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:21:11 ID:YR5iNvwN
悪い。誤爆した。
193名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:31:52 ID:6OB8KuG2
ちょっと笑っちゃったじゃないかw
194名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:32:47 ID:0U8wIzzm
すまん、俺もワラタwww
195名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:34:13 ID:0KKdhtTB
何だその物体はwwww
196名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:37:56 ID:46rUEDTP
びっくりして笑ったわいw
197名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:43:57 ID:F6uZx0d7
>>191
なんという合成魔獣w
198名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:45:31 ID:9DD5hj9D
>>190にレスしてるようにみえるから余計滑稽にww
199名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:57:26 ID:KlHrMaXs
ガジェットが>>191みたいな形だったら怖い
200名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:12:50 ID:+BNpA01A
どっかのサイコロのように変形するとかか
201名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:39:07 ID:z42M+OGH
このクリーチャーがAMF展開しヴィヴィオを全速力で追い回す夢を見た
202名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:47:30 ID:Iff7SM8B
>>191が、誰かさんの心の欲望が具現化したものだと思ってしまった俺は・・・
ああやめて、雷はもうやめて
203名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 04:09:59 ID:HPS20Z1y
なのは←フェイト←エリオで嫉妬に狂うエリオという電波受信した

同じネタでいろんなシチュ来るんだが発信主誰だ
204名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 04:40:02 ID:wYLewQtd
スクデイの最終回見たから大抵の修羅場には動じないべ。
なのはの男性陣のなかではヴァイスが誠役で
ED1→ヤンデレ化したポニーテルに燃やされて切られる。
ED2→ヤンデレ化したツインテールに撃ち殺される。
ED3→二人とも恋人にしてクリスマスに二人から同じモノをもらう。
 さあどれがいい?
205名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 04:48:07 ID:85RVF9PE
>>204


ED4 後輩にヘリで潰される
ED5 妹に…
の選択肢も…
206名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 05:04:16 ID:N+ZhlF7W
>ヤンデレ化したポニーテル

シグナム?
207わさび:2007/09/29(土) 06:37:03 ID:Nq+/2+dT
なんかうちのが話題に上がっているようなので近況を。

今はロッサ×はやてのエロを頑張ってかいてます。なのでマクラーレンさんは当分出番がありません。
>>157さんが言うようミイラになって、フェイトさんとイチャイチャしてるとでも思ってください。
>>126の妄想は今書いてるのが終われば書きたいです。

ゲンヤ×はやて派には負けねーぞ、コンチクショウ。



んでふと思ったんですが……
SATとかスーパーレスキューって常設されてるわけじゃなく
必要に応じて資格持ちの人間が収集されるもんでしたっけ?
それなら辺境自然保護隊に行ったエリオにも捏造がかn(ry
208名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 07:30:21 ID:OQNXNxwa
>>184
GJ!
これは鬼畜エリオ誕生の予感・・・
次回も楽しみにしております
209名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 08:00:53 ID:gCMsebK3
sts放送終了したからって人減りすぎ
こうしてキモいやつらだけ残りましたとさ
210名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 08:09:10 ID:DHT0b0oV
ロリコンは去れ
211名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 08:29:01 ID:4H9VvfXP
増えてウザいと言われ減ってキモいといわれwww
まあエリオかっこよかったよ…お姫様されてた方も可愛かったが
しかしエリキャロは2人っきりでラブラブじゃねーのな
Comicと一緒なら見せ付けられて悶々としてそーな気がするZe
212名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 08:49:55 ID:fDen0dKE
>>207
警察のSATや海保の特救隊は基本的にフルタイムの部隊。
事件が起こってから召集されるのはアメリカの小さいSWAT。
一応普段はパトカーで町を警邏していて事件が発生したら現場でSWATにはや代わり。

つーかパトカーに自動小銃とか散弾銃とか積んでる警官って下手な陸士部隊より装備が良かったりして・・・
213名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 08:57:23 ID:6uEF9FqJ
やはりフェイエリはいい…
姐ショタは俺の心を癒してくれる……
214 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:28:27 ID:q+Rborfi
数日ぶりになります。
これから以下の様な三部作をやりたいと思います。

第一部 なのはと士郎が喧嘩した編 ←今ここ
第二部 今までを振り返りながら…編
第三部 フェイトは新たな恋に生きるのだ編

とりあえず今回は三部作の内の第一部を書きます。

・ユーノを巡ってなのはと士郎の仲が悪くなる
・しかもその原因を作ったのはヴィヴィオ
・多少エロあり? (って言うかエロセリフくらい?)
・なのはとユーノは20歳になってる設定
215なのはと士郎が喧嘩した編 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:29:55 ID:q+Rborfi
なのはとユーノの二人がヴィヴィオを連れて97管理外世界の日本国海鳴市にある
なのはの実家である高町家へ訪れていた。その理由は二人もいい加減に…と言うか
ついに籍を置く事を決めて、その報告に来ていた。
「ただいま〜。」
「おかえりなのはって…。」
予め事前に帰省すると言う連絡を入れていた為、家では父・士郎と母・桃子が
快く出迎えてくれたが、それぞれが出会って早々に士郎と桃子は凍り付いていた。
無理も無い。ユーノだけじゃなく、ヴィヴィオもいたのだから。
元々士郎はユーノをフェレットに身をやつしてなのはに近付いた悪い虫と
認識している感があるし、それでいてなのはとユーノの間にヴィヴィオがいると言う構図が
明らかに仲良し夫婦と可愛い子供に見えてしまう為、士郎は完全に勘違いしたのである。
ヴィヴィオをなのはとユーノの子供であると。そして次の瞬間…
「居合い切りボンバー!!」
「んべ!!」
まるで某侍超人を髣髴とさせる士郎の居合い切りのごとく鋭いラリアートが
ユーノの首を薙いで向こう側の壁まで吹っ飛ばしていた。
「あー! ユーノ君!!」
「このフェレット男め! ウチのなのはを良くも傷物にしてくれたな!! ここで俺が引導を渡してやる!
そっちの子供が大体5〜7歳と仮定して…貴様もうそんな以前に既になのはにこんな事をぉぉぉ!!」
そのままユーノに追い討ちをかけようとした士郎であるが、なのはは士郎を止めていた。
「やめてお父さんやめて!!」
「放せなのは! 俺はお前を傷物にしたこのフェレット男を地獄へ送らねばならぬぅぅぅ!!」
「だから話を聞いてよ!!」
どうあってもユーノにドドメを刺そうとする士郎に対し、見るに見かねたなのはは
お話を聞いてもらう為に士郎にバインドを仕掛けた。
「おわー! 動けん! お前何かしたな!?」
「お父さんごめんなさい…まずちゃんと私のお話を聞いて…。」
士郎はバインドを仕掛けられながらもまだもがいていたのだが、桃子の方は
まだ士郎に比べれば冷静な方だった。
「その子…もしかしてちょっとワケあり?」
「うん…一応…。」
「やっぱり…。なのはの顔を見れば分かるわ。ちょっと聞かせてくれないかしら?」
「うん…。」

なのはは話した。自分とヴィヴィオとの出会いや、ヴィヴィオを養子にした事などを…。
「な〜んだ…そういう事なのね?」
「全く驚かせるな。俺はてっきり本当になのはとフェレット男の子供かと
勘違いしちまったじゃないか!」
桃子と士郎の二人は笑いながらそう言っていたが、ヴィヴィオはご機嫌斜めだった。
「違うもん! ヴィヴィオは本当にママとパパの子供だもん。ママ〜、この二人は誰なの?」
なのはに抱き付きながら頬を膨らませていたヴィヴィオは初めて会う士郎と桃子に
首を傾げていたが、その点もちゃんとなのはは説明する事にした。
「こっちの二人は私のお父さんとお母さんなんだよヴィヴィオ。」
「え…? ママのパパとママ? じゃあヴィヴィオのおじいちゃんとおばあちゃん? わーい!」
と、ヴィヴィオも納得して士郎と桃子の方に近寄っていたが、桃子はヴィヴィオを抱きながら
なのはに問い掛けた。
「そちらの方でも色々あったと思うけど…本当にこの子を養子に?」
「お前はそれで良いのか?」
桃子に合わせて士郎も問い掛けるが、なのはは冷静に頷いた。
「うん。血は繋がってないけど、ヴィヴィオは立派に私の子供だから。」
「そうか…ならもう何も言うまい! コイツは立派に高町家の一員だ!」
と、士郎と桃子は納得してヴィヴィオに対して見る目を変えていた。つまり士郎が言った通りに
ヴィヴィオを高町家の一員として認めた事なのだが、この二人と来たら年齢不相応に若々しいもんだから
あんまりおじいちゃん&おばあちゃんって感じがしないのがちょっと問題だろうかな?
216なのはと士郎が喧嘩した編 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:31:11 ID:q+Rborfi
「わーい! おじいちゃん! おばあちゃん!」
士郎と桃子にすっかり懐いてしまったヴィヴィオはその日、事あるごとにそんな事を
言ってはしゃいでいた。元々試験管の中で生を受けた身であるし、なのはに保護される以前も
研究所で色々されていたのだろう。だからこそ人の何倍も親の愛を欲していたヴィヴィオが
おじいちゃんとおばあちゃんと言う存在に喜びを感じないはずは無かった。
だが、これはさりげなく士郎にも都合が良かったりする…。何故なら…

その日の晩、夕食を終えた後でなのはとユーノが立ち上がって二人揃って玄関へ向かった。
「何処に行くんだ?」
「ちょっと夜の散歩に行って来る。」
士郎が訪ねた結果、なのははそう答えていた。
「ヴィヴィオも行くー!」
ヴィヴィオも付いて行こうとするが、なのはに両肩を掴まれて止められた。
「ヴィヴィオには悪いけど…夜は危ないからまだダメ。」
「その代わりにヴィヴィオの好きそうなお菓子やジュースを買って来てあげるから我慢出来るよね?」
「うん! それならヴィヴィオ留守番してるー!」
お菓子やジュースによって釣られたとは言え、ワリとあっさりそう答えたヴィヴィオに
なのはとユーノは安心して散歩に出かけて行った。なのはとユーノを二人きりにさせる…。
それは未だユーノを良く思っていない士郎にとって面白い事では無かったが、
今こそ先に言った都合の良い状況とも言えた。何故なら…ヴィヴィオの口から
色々聞き出す事が出来るからだ。子供は正直だし、ヴィヴィオもまた子供故に
素直に色々と士郎と桃子の知らないなのはと、特にユーノに関しての話もズケズケ
話してくれたりするかもしれない。これによってユーノの弱みを握って優位に立とうと
言う思惑だったのだが…その時彼は知らなかった。これこそが地獄の釜の開くきっかけになろうとは…

「ヴィヴィオ、こっちでおじいちゃんと遊ぼうか?」
「うんうん! あそぶー!」
士郎が笑顔でヴィヴィオを誘い、ヴィヴィオも何の疑いも無く付いて行った。
そうしてミッド暮らしのヴィヴィオの知らない97管理外世界の子供の遊びなんかを
教えたりしたりと、微笑ましい光景が繰り広げられるのだが、そんな最中に士郎は
ヴィヴィオに笑顔で訪ねた。
「ヴィヴィオはママとパパは大好きなのかな?」
「うん大好きー! おじいちゃんとおばあちゃんも好きー!」
「ハハハ〜! 嬉しいな〜!」
士郎はなおも笑顔でそう答え、さらにもう一度ヴィヴィオに訪ねていた。
「ママとパパは仲が良いのかな?」
「うん。とっても仲が良いよ。だってね、毎晩夜になったら二人同じベッドで
ズッコンバッコン♥ ってやってるの! ヴィヴィオはとっても眠い真夜中なのに
ママとパパは昼間と変わらないくらいに元気で、ズッコンバッコン♥ って何度も
色々と体勢を変えながらやってるの! 二人とも裸で、汗だくになりながら
ズッコンバッコン♥ って何度も何度も!」
「!!」
地獄の釜が…開いた…
217なのはと士郎が喧嘩した編 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:32:52 ID:q+Rborfi
その頃、なのはとユーノは地獄の釜が開いた事など知る由も無く、夜の海鳴市を散歩してた。
「昼間は本当の事を言えなかったね?」
「うん…。」
二人の本来の目的は士郎と桃子に結婚すると言う報告をする事であるが故、この散歩は
今度こそそれに関して告白する為の相談を兼ねていた。だからこそヴィヴィオを
高町家に残していたのである。
「でもおかしいな…今まで本当に色んな事があって…少々の事では動じなくなったつもりなのに…
いざお父さんとお母さんに結婚するって言うとなると…手が震えてきちゃうよ。」
「それは仕方ないと思うよ。誰にでも克服出来ない物はあるんだし…。」
確かになのはは今まで様々な戦いを乗り越えてきた。ジュエルシード事件…夜天の魔導書事件…
ジェイル=スカリエッティ事件…それ以外にも既に数年前の謎の機動兵器の奇襲による
再起不能ギリギリの重症事件によって死の恐怖も既に克服している。
しかし、それでもなお士郎と桃子になのはがユーノと結婚すると言った後、二人が
どう反応するのか? と言うのが実に怖くて怖くて仕方が無かった。
とりあえず桃子は普通にOKしてくれるかもしれない。だが士郎が問題である。
既にユーノをフェレットに成りすましてなのはに近付いた悪い虫と認識しているし、
前述した重症事件の際も「お前が魔法を教えるからなのははこんな目に」とか
ユーノに当り散らした事もあった。今日だって会って早々に某侍超人の様な居合い切りのごとき
鋭いラリアートを食らってしまっている。ならば本当に二人が結婚すると言った時、
今度はどんな反応を見せるか想像に絶する物であり、なのはの手は震えていた。
しかし、そんな彼女の手をユーノは優しく掴むのである。
「怖がらなくても大丈夫だよなのは…。僕はもう覚悟は出来てる。なのはと結婚する為なら
ラリアートの一発やニ発…喜んで受けるよ。」
「でも…無理しないでね?」
ユーノに手を掴まれていると、なのはの震えも自然に止まっていた。むしろ安らぎさえ感じられる。
前述した通り、士郎はユーノの事をなのはに付いた悪い虫だと勘違いしているが、ユーノが
そんな邪な人間では無い事はなのはが一番良く知っている。たしかになのはに対してムラムラ
させる事はあるけど、それは男だから仕方ない事であるし、同時に愛が感じられるので
なのはにとってはあまり淫らな感覚は無かった。
「(やっぱりユーノ君と一緒にいると落ち着くな…。)」
誰にでも世界の何処かに本当に運命の人と言うのがいるらしいが、やはりなのはにとっての
運命の人はユーノなんだなとますます実感していた。そしてなのはは知らず知らずの内に
ユーノにより近付いて寄り添ってい、二人は高町家へ帰って行った。

「ただいまー!」
なのはとユーノは笑顔で帰って来ていたのだが…
「死ねぇ! このフェレット男ぉ!!」
「おわ―――――――――――――――!!」
いきなり士郎が日本刀を振り回しながら襲って来たでは無いか。
「何故!? 何故いきなり襲ってくるんですか!?」
「貴様! どうやら本当になのはを傷物にしてくれたらしいじゃないか!」
「え!?」
ユーノは逃げ回りながら士郎に問いかけ、士郎もまた日本刀を振り回して追い駆けながら答えていた。
「ヴィヴィオが全部教えてくれたぞ! お前が毎晩ウチのなのはとズッコンバッコン♥ って…
ゆるせねぇぇぇ!! お前はこの俺の手で叩っ斬ってやるぅぅぅぅ!!」
「ヴィヴィオ――――――!!?」
218なのはと士郎が喧嘩した編 4 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:35:02 ID:q+Rborfi
予想だにしない状況で二人の最も恐れる事態が発生してしまった。
確かに毎晩とは言わないが、なのはとユーノがちょくちょく交わっている事は本当だ。
それがたまたま真夜中にトイレの為に起きたヴィヴィオに目撃された事もまた事実で、
なのはとユーノは外でその様な事は言わないようにと念には念を押して、
実際にヴィヴィオはフェイトにさえ話していなかったと言うのに、よっぽど士郎に対しては
警戒を解いていたのか、あっさりその事を話してしまった様子である。
「うおおおおお!! 死ね死ねぇぇ! この糞フェレットがぁぁぁ!!
なのはを傷物にした罪は万死に値するぅぅぅぅ!!」
士郎は狂った様に日本刀を振り回しながらユーノを追い駆け回す。
しかも彼はユーノが一方的になのはを犯したのだと勘違いしているのだから性質が悪かった。
だが次の瞬間…士郎の動きが止まった。なのはからバインドを仕掛けられていたのである。
「な! またこれか!?」
「もうやめてよお父さん…。」
「なのは!?」
士郎の背後から現れたなのはから冷ややかに話しかけられた士郎は一瞬青ざめた。
口調が冷ややかなだけじゃない。その目や奥底に存在する気迫も冷ややかな物になっていたのである。
「ラリアートの一発やニ発くらいなら覚悟はしていたし…その位なら許してあげてたけど…
日本刀で斬り殺そうとするなんて…許せないよ…。」
「何故だ!? 何故お前はこの糞フェレットを庇うんだ!? お前をレイプした男なんだぞ!?」
やっぱり士郎は勘違いしている。しかもそれがなのはを余計に怒らせるのである。
「何勘違いしてるの? 私は私の意志でユーノ君とズッコンバッコン&hearts ってしてたんだよ…。」
何故かヴィヴィオ流の言い方=「ズッコンバッコン&hearts」がなのはに移ってしまっていた様子だが、
なのはの口からこの様な言葉が出るとは士郎は信じられない事だった。
「それはひょっとしてギャグで言っているのか?」
口をあんぐりと空けながら言う士郎だが、首を横に振るなのはにますまず唖然とする。
「今日久し振りに帰って来た理由だってユーノ君と二人で結婚するって報告をする為だったのに…。」
「それはひょっとしてギャグで言っているのか?」
やはり唖然としながら言う士郎だが、これもなのはは首を横に振って士郎を愕然とさせる。
「ゆ…許さんぞ!! お父さんはこんな軟弱な男の所に嫁に行く等許さんぞ!!」
「どうして?」
滅茶苦茶に焦りながら言う士郎になのはは冷ややかに問う。
「な…何でって…。」
いざ何故かと言われて士郎も思わず気まずくなった。目の前のなのはが今まで士郎には
見せた事が無いくらい冷ややかな目で見つめてくると言う非常に恐ろしい状況も相まって
その理由と言うのが上手く浮かんでこない。
「ねぇ…どうして?」
「そ…それは…フェレットだからだ! フェレットに成りすまして高町家を欺いたじゃないか!」
「それがどうかしたの? ユーノ君がフェレットだった事もちゃんとした理由があったんだよ?
どうしてそれがいけないの?」
苦し紛れに言った言葉もあっという間に切り返されてしまった。しかもなのはの冷ややかな目の
上に抑揚の無い冷ややかな口調がプラスされて有無を言わせぬ迫力がある。
「あ…あとほら…ウチって道場とかあったり…恭也と美由希も剣道やってるしさ…なんていうか…
武門の家柄じゃない? そこに彼みたいな軟弱な男は似つかわしく無いな〜なんて…。」
なのはの有無を言わせぬ迫力に士郎も知らず知らずのウチに弱腰な口調になっていたが、
なのはの冷ややかな迫力は変わらなかった。
「でも私も剣道やってないよ。なら別に良いじゃない? それでもダメって言うなら…
私は高町の姓を捨てて高町家を出て行く…。なのは=スクライアになる…。
それなら問題は無いでしょう?」
「何――――――!? ダメだ! それは許さないぞお父さんは!! ってぐふっ!」
バインドで身動き取れない状態にされながらも再び向かって行こうとしていた士郎だったが、
次の瞬間、なのはの指先から放たれた魔砲が士郎を吹飛ばして壁に叩き付けていた。
219なのはと士郎が喧嘩した編 5 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:37:14 ID:q+Rborfi
「痛い? ねぇお父さん…痛い? でもね…不当にユーノ君を傷付けられた私の心はもっと痛いんだよ…。」
「なのはもういい加減にしなさい!」
流石にこの状況は見ておれぬとばかりに桃子が現れてなのはの頬の平手打ちを放とうとしていたが、
それより先になのはのバインドが桃子の手を固定していた。
「お母さんは少し黙っててくれないかな?」
「!!」
なのはに冷ややかな目で見つめられた桃子は凍り付いて動けなくなった。
そして桃子もまたこの様な目のなのはを見るのは初めてであり、瞬時に理解したのである。
なのはがここまで怒る程にまでユーノの事を大切に思っている事を…。
「大丈夫…非殺傷設定+思い切り手加減して撃ったから死ぬ事は無いよ。」
「て…手加減してこれかよ…ぐふ…。」
士郎は現役を離れて久しいが、それでも軽いトレーニイング位は続けていた。
だからこそ、若い頃の様な激しい戦いは出来なくとも、その辺のチンピラに殴られた位では
ビクともしないくらいの耐久力はあったのだが、そんな自分にここまでダメージを与える
力を持ったなのはに驚愕し、同時になのはがユーノをどれだけ強く想っているのか理解していた。
「まだ分からないなら…もう私は行くから…。さようなら…多分もう二度とここには来ないと思う…。」
「おじいちゃんにおばあちゃん…バイバイ…。」
なのはは冷ややかな目のままユーノとヴィヴィオの手を引っ張って高町家から出て行った。

もはや夜遅くに高町家から出た事もあって、なのは達がミッドに付いた時には深夜になっており、
ヴィヴィオはすっかり寝てしまっていた。故にユーノがヴィヴィオをおぶっていたのだが
なのはずっと黙ったままだった。
「(やっぱり…なのはも何だかんだで悲しかったんだろうな…実の両親と喧嘩するなんて…。)」
帰るまでの間、なのはは他の者に当り散らす様な事はせずにただただ黙ったままだった。
だが、それが逆にユーノにとっては痛々しかったのである。
そして家に辿り着いた時にそれまで溜まっていた物が爆発した様に泣き叫んでいた。
「うわぁぁぁぁぁん!! ユーノくぅぅぅぅん!!」
「なのは…。」
ヴィヴィオが起きてしまうかもしてないと言う事も構わずに泣き叫びながらユーノに抱き付くなのはに
ユーノは黙って抱擁するしか無かった。

その後、なのはは泣き疲れて眠ってしまっていたが、翌日もなのはは泣きっぱなしだった…が…
「なんや! 別にええやんお互い20歳になったんやし! 20歳になれば、親の同意無しでも
結婚出来るんはミッドも97管理外世界も同じや! やから結婚してまえばええんや!」
「あ! そっか―――――――――――――――――!」
「なのは切り替えが早すぎ――――――――――――!!」
はやてに言われてあっさり泣き止んでいたなのはにユーノは呆れてしまっていた。
確かに単純に結婚するだけなら男は18歳から、女は16歳から可能であるが、その場合
親の同意が必要になる。しかし20歳以降は親の同意は態々必要が無いわけで、
何故かミッドチルダでもたまたまそんな法律が適応されていた故にあっさり事は解決してしまっていた。

なのはは戦技教導隊。ユーノは無限書庫司書長と言うワリと高給取りな立場にあるし、
その高給に反比例するかの様に金を使う機会が少ないので(生家は管理局の宿舎だし、
光熱費も管理局が払うし、食事も個人的に外食する時以外は管理局関係の食堂を主に使用するし、
何より二人とも忙しくて遊びにいける機会のが稀)こんな金どうやったら使ったらええねんって
叫んでしまう位に無駄に溜まりまくっていた為、結婚指輪もウェディングドレスも結婚式費用も
楽に捻出する事が出来た。それ以外にもなのはとユーノのそれぞれに人脈がある為、
沢山の人が式に参列してくれる事になった。これはもうかなり賑やかな式になるかもしれないと
思われたが…
220なのはと士郎が喧嘩した編 6 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:38:47 ID:q+Rborfi
なのはに決別されてしまった高町家は重苦しい空気に包まれていた。
「俺は…もしかして取り返しの付かない事をしてしまったのでは無いか…。」
部屋の中でうな垂れながら士郎はそう呟いていた。
「貴方は本当にそれで良いの?」
士郎に対してそう問い掛けたのは桃子だった。
「私は別に結婚を認めてあげても良いと思うわ。だってあの優しいなのはがあそこまで
本気で怒るんですもの…それだけなのはがあの子をどれだけ大切に思ってるか分かるはずじゃない。」
「しかしあいつはフェレットに成りすましてなのはに近付いて…。」
「だからそういう先入観だけで見るからなのはがあんなに怒ったんでしょ?」
「……。」
桃子に速攻突っ込まれて士郎も声が出なかった。
「あの子がフェレットになってたのはちゃんと理由のある仕方ない事だったんだし、
それになのはがあそこまでするんだから…悪い子ははずが無いわ。
だからもういい加減認めてあげましょうよ?」
「だがアイツはなのはを傷物に…。」
「それもなのはが自分の意思でやったって言ってたじゃない。あの子も何時までも
子供じゃないんだし…好きな男の子が出来たらそういう事やりたくなって当然じゃない。
なのはが生まれて来たのだって、私と貴方がそう言う事やったからこそなんだし…。」
「……………。」
桃子に言われて士郎は声も出なかった。確かになのはが生まれたのは士郎が桃子と
ヴィヴィオ流の言い方で表現してズッコンバッコン♥ ってやったからであり、
そのなのはもまたユーノとズッコンバッコン♥ とやる様な歳になった事に
士郎は時の流れとは何と早い物だろうと考えていた。
「どうする? 今すぐ謝りに行く?」
「もう少し…考えさせてくれ…。」
「そう…。」
後は士郎次第と言う事で桃子は一度その場を後にした。

婚姻届は提出し、結婚式の場所や日時も決まり、また招待状も出し終えるなど準備は全て整った故、
後は当日を待つのみになっていたなのはとユーノは新婚旅行は何処に行くのか? などの話題で
盛り上がっていたのであるが、そんな時に呼び鈴が鳴った。
「はーいどなたですか?」
なのはが玄関に出てドアを開けるのだが、そこには気まずそうな顔をした士郎と桃子、
そして苦笑いしながら両手を合わせているエイミィの姿があった。
「ごめんねなのはちゃん…この二人がどうしても会いたいって言うから連れて来ちゃった…。」
エイミィはそう言ってなのはに謝っていたが、士郎と桃子の二人を見たなのはの顔が
笑顔から急速に冷ややかな物へ変わっていた。
「何しに…来たの?」
「なのは…ちゃん?」
先程までの明るい声とは打って変わった冷ややかな口調にエイミィもまた驚愕した。
なのはと士郎が喧嘩したと言う話は聞いていたが、ここまでとは彼女は想像も出来なかったのである。
「ねぇ…何しに来たの? またユーノ君との結婚を邪魔しに来たの?」
なのはは士郎を冷ややかな目で見つめながらそう言う。
それは一見静かに見えるが…その奥底には恐ろしい殺気が迸っている事をエイミィは悟っていた。
「それともまた高町家は武門の家だからインテリ系なユーノ君は似合わないとでも言うの?
言っておくけどそんなのもう関係無いよ。私はもう高町家の人間じゃないんだよ…。
これからユーノ君と結婚して…なのは=スクライアになるの…。」
エイミィは動けなかった。確かに直接エイミィがなのはに睨まれているワケでは無いが、
いつとばっちりが来てもおかしくない状況であったのである。そしてこの状況で士郎は
何をしたのかと言うと…何と土下座を始めたでは無いか。
221なのはと士郎が喧嘩した編 7 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:39:52 ID:q+Rborfi
「士郎さん!?」
突然土下座を始めた士郎にエイミィは慌てるが、士郎は床に自身の額を押し付けながら叫んだ。
「すまんなのは! この通りだ! 俺が浅はかだった!!」
「…………。」
士郎が土下座しながら叫ぶ中、やはりなのはは冷ややかな目で見下ろしていた。
「俺は父親でありながらお前の事を全然理解していなかった!!
こう言う状況でも何を言って良いのか分からないが…今のお前を見ていれば何となく分かる!!
お前がそうやって真剣に怒ってるのも全てはそれだけアイツを大切に考えてる証拠なんだな!?
そこを理解せずにただただ否定するなんて…本当にすまんかった!!
それでも許せないって言うのならお前の魔法とやらの一発やニ発喜んで受けてやる!!
だから高町家から出て行くなんて事は言わないでくれ!!」
土下座している士郎が自身の頭を押し付けている床に水溜りが出来ているのが見えた。
そう、士郎もまた真剣に号泣していたのである。しかし、それでもなおなのはは
冷ややかな目で見下ろすのみであり、それにはエイミィも桃子も凍り付いたままだった。
「その言葉…本当? 本当に一発やニ発受けてくれるの!?」
「本当だ! 男に二言は無い!!」
「そう…。」
士郎が頭を上げた時、なのはは左腕を大きく振り下ろしていた。そしてなのはの魔法が
士郎に襲い掛かる…と思われた時…そこには魔法では無く一枚の紙がなのはの左手に握られていた。
「ハイ、結婚式の招待状。当日は遅れないで来てね?」
「え…。」
先の冷ややかな目から一転して笑顔へ変わったなのはに士郎・桃子・エイミィの目は点になった。
「私の方こそごめんなさい。そりゃあの時のフェレットの正体が実は私と同年齢の男の子だったなんて
お父さんが怒らない方がむしろ不自然だよね…。だからあんなに怒ってごめんなさい…。」
笑顔でそう言って頭を下げながら言うなのはに士郎も思わず結婚式の招待状を手にとって
より激しい号泣をかまし出したのであった。
「うおおおおおおおおおおおお!!」
「何はともあれ良かった良かった。」
「本当めでたしめでたしね。」
親子喧嘩の収束に桃子とエイミィの二人も手を叩いて祝福していたのだが…
「でも…とりあえず約束通り魔法の一発やニ発受けてもらうからね?」
「ええ!?」
「大丈夫だよ…。非殺傷設定で、思い切り手加減するから痛いだけで死にはしないから…。」
冷ややかな目のなのはもそれはそれは怖かったが…今の笑顔のまま凄い事を言うなのはは
それ以上に恐ろしく、思わず士郎は真っ青になっていた。
「おわ――――――――――――――!!」
桃色の輝きと共に士郎の絶叫が響き渡った。

結婚式当日は多くの人が集まってくれるなど予定通りに行われ、賑やかな物になったと言う。
ただ問題があるとするならば…
『こうらフェレット男!! なのはを幸せに出来なかったらその時こそ本当に叩っ斬るからな!!』
「あーうるさいうるさい!!」
祝辞の言葉で士郎がマイクの音量最大にして号泣しながらそう叫んでた事であろうか…。
勿論その後でなのはから直々に頭冷やされたけど…。

                   第二部に続く
222 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 11:42:30 ID:q+Rborfi
二人がかなり金を溜め込んでると言う設定に関してですが、
現実の自衛官なんかは基本給こそ特別高いワケではありませんけど
宿泊費・光熱費・食事などが自衛隊もちで、自分で払う必要が無い上に
金を使う機会も少ないので意外に結構金が溜まるなんて話を聞いた事がありまして、
その辺を参考にさせていただきました。
223名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 11:47:05 ID:a244z9gD
>>222
GJ!!
リアルタイムで読ませていただきました。士郎さん壊れすぎだろww
続きも期待してます!
224名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 12:19:41 ID:B9a/C+YO
>>222
ズッコンバッコン♥のえらい人ktkr
変な呼び方つけてサーセンwwww

しかし、この士郎さんノリノリである、そしてなのはさんマジ悪魔w
とりあえず今度のフェイトさんはどうなるのかが楽しみですw
225名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 12:22:44 ID:/2leV2MS
>>222
GJ!
てゆーかヴィヴィオが横にいるなら少しは自重しなさい二人ともwww
あとさりげなくなのはの攻撃が魔砲だしw
この士朗さんからはピ○フィーラのニオイを感じるぜ……
226名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 12:46:35 ID:PH0WYsii
>>222
GJです!!
……なのはさん!!怖い!!怖いから!!?
227名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 13:24:56 ID:k48QfNew
>>222
GJ!!
なのはさん。一般人に対する魔法攻撃は重罪では? by A's 02話より
そして、士郎さん御神の教えは何処に!?
あと、ヴィヴィオ自重www
続きも頑張ってください
228名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 14:06:34 ID:g1OCzPz8
>>191
まさか・・・ヤゴ研・・・・・いや、多分違うな。うん。
229名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 14:12:53 ID:IvHC320K
>228
   ,(・)‐(・),
 _,.-'-‐‐‐‐-'、_
 'ー( ( ノVV) )-'    
  ノ ハiΛΛノゝ
  `^''ー'ー'ー'´
個々と同じところか?
230 ◆6BmcNJgox2 :2007/09/29(土) 15:55:49 ID:q+Rborfi
>>227
>一般人に対する魔法攻撃は重罪では?

ああああ…スンマセン

まあその辺は悪魔だから仕方が無いと言う弁護側の主張が
検察側に受け入れられて無罪になって、
ユーノが号泣(良い意味で)しながら無罪とか勝訴とか書かれた紙を持って
裁判所の出入り口から出てくるって事で…ナントカナリマセンカナorz

あと、皆様の感想ありがとうございます
231名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:08:27 ID:p3j/Gz/a
>>230
だが安心しな。
「被害届」も「証拠」も消さ……出てないから事件になっていない。

さすが教導隊隊長と無限書庫司書長様!
俺たちにできない揉み消しを平気でやる!!
そこに痺れる憧れるゥーーーッッ!!
232名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:12:28 ID:Iff7SM8B
>>222
GJ。腹抱えて笑ったわw
第二部・第三部も楽しみに待ってますZE
というか、なのはさん切り替え早!もしかして、全て計算通り・・・あれ?窓の外が桃色n
233名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:31:13 ID:B9a/C+YO
>>230
ヒント:被害者は娘に超溺愛の馬鹿親
もし誰かが何か言ったところで『これは階段で転んだんだ!』と言い張ります。
234名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:47:09 ID:9CH5OS7m
ちょっとお聞きしたいんだけど、
結局、エリオとキャロって、六課宿舎じゃ同室だったっけ?
235名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:49:19 ID:vdWKD0uk
本編ではそこは明言されてません。
まあ、普通は男子寮女子寮と分けると思いますので別室かなぁ、と。
236名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 16:55:33 ID:SAG6ZKKN
>>234
朝の訓練のとき、宿舎入り口で挨拶してたから別なんじゃないかという意見を聞いたことがある
237234:2007/09/29(土) 17:15:55 ID:9CH5OS7m
>>235-236
ありがと。
今夜あたり、エリキャロが1本投下できたらいいな。
238名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 17:18:27 ID:rOBNTpGv
>>234
>>235
シャワー室やフロが別なんだから男女同室はないと思うわ。
239名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 17:27:00 ID:ds1jQX7q
男が少ないから男子寮は食堂などの施設の一角を利用してるのかも
は「男子用の部屋足りないんや、エリオは小さいからキャロと同室でええな」
240名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 17:40:45 ID:DPfqpQfD
>>239
「八神隊長は本編での影が薄いので隊長の部屋を僕に貸すのが道理ではないでしょうか?
隊長の自室シーンってありました?wwwwwうぇうぇ」
って言うエリオを想像した。
241名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 17:53:09 ID:B9a/C+YO
>>240
それはそれで、はやての
・じゃあ、エリオ。私と一緒に寝よか?
・じゃあ、私ゲンヤさんとこに住ませてもらおかなぁ。
・しゃーないけんグリフィス君でも誘惑しにいこかな。
・ふむ、ユーノ君やったら泣き落としたら一発やろね

等といろいろフラグを立てられるぜぇ・・・・・・
242名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:02:06 ID:BGY1KPaM
しゃーないけんは広島弁だったようなw
243名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:08:59 ID:j4Fe20qc
>>239
男が少ないってのはあくまでフォワード陣つか戦闘要員であって、六課設立挨拶時には同じくらい男いなかったっけ?
244名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:30:19 ID:DPfqpQfD
>>242
広島弁のはやてもいいなw
「あの部屋はえっとえっと前からワシが住んでるんじゃけん、
 エリオはキャロのねーちゃんと一緒の部屋でええな〜」
245名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:47:31 ID:B9a/C+YO
やべぇ、混ざったw>広島弁

ふと、仁義なき機動六課とかそんなネタを思いついた。
なのは『命(タマぁ)とったらぁぁぁぁぁぁ!』
246名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:51:02 ID:4H9VvfXP
>234 私も気になって調べたんだけどただの一度も描写がなかった…
しかしなのフェ、スバティアが相部屋なところ見ると軍組織みたいな管理局だと
六課内はおそらくほぼ全員相部屋じゃないかと妄想…
エリオはグリフィスかヴァイス、キャロはシャマルかルキノアルトシャーリーの余りか…?難しいね
247名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:52:51 ID:IvHC320K
>245
「明日ァメディアが騒ぎよるぞ、管理局の化けの皮がはがれたとな」
といってゼストの情報を元にナンバーズの大幅減刑などの裏取引を管理局の
上層部に迫るはやての姿が思い浮かんだ。
248名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 18:53:32 ID:B9a/C+YO
>>246
エリオとヴァイスが同室の場合
「ふふふ、エリオ君とヴァイス君が同室・・・・・・一緒にお風呂、場合によっては
『ヴァイスさん、一緒に寝ていいですか?』『ったく、またか。しゃーねぇな。』
とかそんなロマンスがあれフリードどうして口の中が真っ赤に燃えt(ry」

シャマルさんはキャロさんと同室だった模様です
249名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 19:30:10 ID:B9a/C+YO
誰だよ、サラシに着物の文字通りシグナム姐さんとかいう電波送ったの。

シグナム『親ぶ・・・・・・主の為ならこの命、惜しくなどない!』とか言いながら
長ドス振り回すシグナムさんの電波送った人挙手しなさい、先生怒らないから。
250名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 19:46:18 ID:ATfWENhq
>>249
ノシ
諸肌脱ぎでも、襷掛けでも良く似合うと思うとです。
251名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 19:47:46 ID:Qkerthv/
何というるろうニート
252名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 19:59:51 ID:P/OI3o8s
>>299
(闇の書の主の)二代目はクリスチャンって電波が
253名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:05:28 ID:B9a/C+YO
吹いたw>二代目は〜
25426-111:2007/09/29(土) 20:14:42 ID:OELUL4dX
十字を切って悔い改めやがれ、と申したか?

遅まきながら、184氏、222氏、拝見させていただきました。GJ!でした
私も負けないように・・・と言いたいところなのですが、ごめんなさい、どう考えても負けてます

さてさて、前スレでは拙作に多くのGJ!とのお声、ありがとうございました
でもな、おまいら・・・あの展開の後でフェイエリキャロの3Pとか妄想するのやめようぜ、変態ども・・・

でも、俺・・・おまいらみたいな変態は・・・嫌いじゃないぜ!!

という訳で、書いてしまいました。投下予告です

・以前投下した「絆がくれた光」の展開の中での一コマです。本編終了直後、フェイトさんは全盲です
・こんな事があってあの終わり方に続くのかとか考えちゃ駄目です
・メインはフェイト、エリキャロも出ます(性的な意味で)エロ有り、というかエロのみ
・使用レス数16レス
・タイトルは、エリオとキャロは大変な物を見てしまいました

さて、投下して・・・悔い改めてきます・・・

私の目が光を失って、3ヶ月くらいの頃だったかな
機動6課に戻ってきて、主にオフィスでの相談役として毎日過ごし、時には訓練に参加して魔法の手解きをしていたりしたっけ

私、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは“ゆりかご事件”・・・後に首謀者の名を取って“JS事件”と呼称されるようになる事件の中で、
高濃度AMF下での大出力魔法の行使により、リンカーコアに内包されていた魔力が暴走して・・・私の両目は光を失った

だけど、8年前に同じ境遇にあった私の親友、高町なのは教導官に比べれば、体に負った外傷は無く、リハビリも不要だった・・・その点だけは幸運といえた
それでも、目が見えないというのは本当に大変なことばかりで、日常生活をこなすことも、今の私にとってはとても、本当に大変な事になってしまっていた

「フェイトさん。お風呂の支度できましたよ」
「あ。ありがとう。キャロ」
「キャロ、洗濯物は分けて置いといてくれるかな。二人がお風呂に入ってる間にランドリーに持って行ってくるから」

でも、ずっと私を支えてくれてる二人の子供・・・お風呂の準備ができたことを告げてくれた女の子:キャロと、
洗濯物を引き受けてくれた男の子:エリオのお陰で、私は何とか日常生活を送れています・・・



○エリオとキャロは大変なものを見てしまいました



「それじゃ、お背中流しますね」
「うん・・・よろしく。キャロ」

えへへ、それじゃいきますよー、という言葉を皮切りに、キャロの手に握られた泡でいっぱいのスポンジが私の背中に当てられた
本当は、こういう浴室付きの個室というのは、賓客を招いたときに宿泊して貰うための部屋で、つまりは隊舎の中で一番に良い部屋なんだけど・・・

『良ぇやん、どうせ普段から使ってへんし。埃が積もるだけの部屋にアイナさんは溜息吐いてるばっかりやし、フェイトちゃんの便利が良いように使ってな』

という、はやての言葉で許可が下り、現在は私とエリオとキャロの三人がここで過ごしている
「フェイトさん、かゆいとことか無いですか?」
「ん、無いよ。大丈夫」

私は自分の腕をスポンジで擦りながら、キャロにそう言い返した
視界が暗いまま、他人に体を触られるというのは、何とも、その変な気分で、最初はくすぐったかったけど、最近は慣れてきた
病人相手ということでキャロも最初はおっかなびっくり私に触ってたから、それがすごくくすぐったかったっけ

「髪の毛、今日はどうします?」
「今日はドライシャンプーで良いよ。洗ってもらうのも大変だし、いっそ短く切っちゃおうかと思ってるんだけどね」
「そんな、勿体ないですっ!」
「あはは、みんなにもそう言われたよ。でも、はやてくらいの髪の長さが手入れも楽だし・・・」

本当に、ばっさり切り落とそうかと思ってるんだけど、なのはやヴィヴィオに反対されて、シグナムにまで

『テ、テスタロッサ。髪を切ってしまうという噂は本当なのか?』
『えぇ、そうですけど・・・』
『そうか・・・惜しいな』

なんて言われてしまうと、私としても切りにくい・・・髪を洗うとなると、それだけで入浴時間が倍になるくらいに大仕事になってしまうんだけど、
キャロはいつでも笑って引き受けてくれる。いつまでも、甘えてちゃ駄目なんだけど・・・

「当面は、保留にしているよ」
「はいっ!折角綺麗な髪なんだから、勿体ないですよ」

そう言ってくれるのは素直に嬉しいから、今も私の髪は長いまま

「はい、背中はおしまいです。フェイトさん、少し立ってもらえますか?」

キャロの言葉に、私は浴室用の椅子から立ち上がった。私は胸からお腹をスポンジで擦りながら、キャロはお尻から両脚に掛けてを洗ってくれている

「ねぇ、キャロ・・・その、私の体、どうなってるかな・・・?」
実は、前々からこっそり不安だったことを、意を決して私はキャロに尋ねた
体重そのものは少し減ったくらいなんだけど、もう3ヶ月もロクに運動をしていないし、実はお腹を洗う度に、その、脇腹のあたりが少しぷにぷにしてるというか
その・・・はっきり言ってしまうと、弛んできてるんじゃないかって、少し心配で・・・

「どう、って言われても・・・お肌もキレイですし・・・どこもおかしくはないですよ?」
「そ、そうなんだ・・・」
「あ、でもそう言えば・・・」
「そ、そう言えば、何っ!!?」
「ふぇ!?あ、あの、八神部隊長が、そのフェイトさんが退院してきたばかりの頃は少し痩せてましたよね。
その時に、フェイトちゃんのおっぱいが少し縮んでもうたー。って言ってました・・・その、何で八神部隊長はそう言うのが判るんですか?」
「あー、はやては・・・その、マニアだからね」
「まにあ?」
「うん、キャロ。体、流しても良いかな?」
「あ、もう少しです・・・んしょ、んしょ」

そう言うと、キャロは少し慌てた様子で私の身体にスポンジを擦り付けた

直立している格好で、視界は真っ暗。両脚を擦るスポンジの感触だけが、妙にリアルに意識に残る

「はい、お待たせしましたっ」
「あ、うん。それじゃ、シャワー浴びるね」

頭に浮かんだ変な考えを流すように、私は肩からシャワーを浴びた
肌の上を、泡が滑り落ちていく感触がわかる。こういう瞬間は、一日の疲れがお湯に流されてゆくように思えて、結構好き

「それじゃ、フェイトさん。湯船へどーぞ。私は身体洗ってますね」
「うん、ごめんね。洗って貰うばっかりで・・・」
「私達がお世話をするって言い出したんですし、このくらいは当然です。フェイトさんはしっかり温まってくださいね」
「うん・・・今日のお湯も、良い温度だね」

ゆったりと、湯船に身を横たえて、全身を温めてくれるお湯の温もりを、私は堪能していた
お風呂から上がると、キャロはいそいそと私の身体を拭いてくれる
最初は断っていたんだけど、足下を拭くときに、備え付けの戸棚に頭をぶつけちゃった事があって・・・それ以来、キャロは私が屈んだ格好をしなくても良いようにしてくれてる
その優しい気配りは嬉しいんだけど・・・やっぱり、少し、恥ずかしい
肌にまとわりつく水滴をタオルで拭き取られる。ごしごし拭いてくれれば良いんだけど、キャロは何かと優しい所為で、あんまり柔らかい肌触りで身体を拭かれるのは・・・
その・・・何だかくすぐったい

「はい、終わりました」
「うん、今日もありがとう。キャロ」

私は下着を着けて寝間着を着る・・・今は、なのはが着てた様な大きめのパジャマの上着を羽織るだけにしてる。着るのが楽だから

浴室から出ると、後はもうくつろぐだけ
寝る前の時間をどう使うか、最近はシャーリーが勧めてくれた音楽を良く聞いているけど・・・今日はどうするかな・・・?
湿気を含んだ髪をタオルで拭きながら、私は少し考えた・・・そうしていると、デバイスからの通信でエリオの声が聞こえてきた

『こちらエリオです。キャロ、もうお風呂からは上がった?』
「エリオ君?うん、今上がったところだけど・・・」
『ごめん、お風呂上がりなのに悪いんだけど・・・すぐオフィスまで来てくれないかな』
「何か事件?わかった、すぐに行くから」

パジャマを脱いで、平服に着替えているのであろう衣擦れの音を聞きながら、私はキャロに尋ねた

「出撃になるかもしれないね。湯冷めしないように、上着を一枚着て行くんだよ」
「はい・・・その、少し遅くなるかもしれませんけど・・・」
「大丈夫。バルディッシュも居てくれるし、何かあったら通信で人を呼ぶから、私なんかの心配よりも、今は任務に集中して」
「はい!では、いってきます!」
「気を付けてね」

キャロが走り去ってゆくバタバタという足音が徐々に小さく鳴ってゆくのを聞きながら、私は髪を拭いていた手を休めて、そのまま仰向けに倒れ込んだ

実は・・・私は、少しだけ困っていたんだ
エリオとキャロは、いつも傍にいてくれて、私の身の回りのお世話をしてくれる・・・それは本当に助かっているし、本当に嬉しい
だけど、一月くらい前に退院して6課隊舎に戻ってきてから一ヶ月。同室で暮らしているために、基本的にずっと一緒

ずっと一緒だから・・・その、夜に身体が熱くなったとき・・・自分を慰めることができないから、どうしようもなくて、ずっと我慢してたんだ・・・

顔が熱い、体中が火照っているのは、きっとお風呂上がりだからだけじゃない
私は仰向けに寝そべった身体を抱いて、しばらく考えた
エリオとキャロが出撃。ヴィヴィオはもう寝ている時間だろうし、夜中に一人で出歩くことはできないから電撃訪問も無い
ロングアーチスタッフであるはやてやシャーリーも出撃が掛かったのなら今頃司令部だろう

つまり、今、この部屋に訪れるであろう暇人は隊舎には居ない

「・・・しちゃおう」

独白を機に、私はパジャマの上からそっと胸を触った



「あぁ、エリオ、キャロ。警邏中のスバルとティアナから緊急連絡で、なんやガジェットを捕獲しようとしてる武装集団が市街地で交戦中らしんやよ。
二人も念のため応援に出てくれへんかな。シグナムは現場に先行してるから大事にはなってへんと思うけど・・・とにかく、頼むな。自警団の人達が怪我せん間に片付けたげて!」
「「了解!!」」



目が見えなくなってから、私は随分変わったと思う
視覚が機能しなくなった分、聴覚に頼るようになった・・・そして、視覚以外の四感は随分鋭敏になったように思う
パジャマの布地越しに胸を弄りながら、私はそんな事を考えていた

「んっ・・・はぁっ・・・」

久しぶりに味わう快感は、溜息がこぼれる程に気持ち良く、熱く身体を昂ぶらせてくれる
私は、その・・・自慰はどちらかというとソフトな方・・・ソフトな方だと思ってるけど・・・・今日は、3ヶ月ぶりの快楽に、少し手付きが激しくなった
パジャマの上から、胸を撫でさする様にしていた掌を、少しだけ力を込めてぎゅっと握り締める

「んっ・・・ぁんっ!」

乳房の奥、芯の方に熱くて甘い痛みがじわりと広がった。私は、夢中になるように胸を揉み、その感触に酔うようだった
パジャマの布地が、徐々に硬さを帯びてきた乳首を擦り立てる。少しひりひりするように痛いけど、それさえも気持ち良い

「う、ん・・・はぁ・・・んあぅっ!」

掌がパジャマの中に潜り込んできた。汗ばんだ掌はしっとりと胸に張り付き、その熱さはまるで自分の手とは思えないほどに熱かった



もしも、これが他人の手だったら



それを確かめる術は私にはない。両目から光を失った私には、この、淫らにくねる肢体を弄っている手が誰の物なのかわからない
もしも、この手が誰か知らない他人の手で、誰かが傍にいることに気付かずはしたないくらいの嬌声を上げて身を捩らせているのだとしたら
それは、とても怖い。だけど、そう思った瞬間私の胸の奥がかぁっと熱くなり、ショーツの奥もじわっと熱くなって、胸を弄る手はより一層激しさを増した

「んっ、ふぁぁっ!!」

指先が乳首を摘む。固く勃った乳首を指先で揉むように、ぷにぷにと挟み込みながらぎゅーっと引っ張った

「あっ、あっ、ん、あぁっ!!や、やだっ!!」

誰もいないはずの空間に拒絶の言葉を呟きながら、私は快感に翻弄されるままに身をくねらせ、私の両手は更に激しく私の身体を昂ぶらせてゆく
左手が胸を揉みしだく中、右手は器用にパジャマのボタンを全部外し、汗ばんだ私の身体を明かりの下に晒し出した
そのまま右手はお腹を撫でて降りてゆき、下腹部を温めるように撫で回し、ショーツ越しに股間を撫で上げた。ぞわり、と走った快感に、私は腰を突き上げるようにして仰け反った
「スバルさん、ティアナさん!応援に来ました!」
「エリオ、キャロ!気を付けて、こいつらどういうわけかガジェットを使役してるみたいで・・・なかなか厄介だよ!シグナム副隊長が裏手から切り崩すから、一気に決めよう!」
「「はいっ!!」」



息が荒い。まるで、電気でも流されたような感覚だった。いつもの自慰では入り口の方を撫でながらクリトリスを少し触るくらいの行為で満足してた私だけど、
先程のは違う。いつもの快感とは比較にならないくらいの、桁違いの気持ち良さだった
今更の様に、髪を拭いていたバスタオルを腰の下に敷いて、私は膝を抱える様な格好でショーツを足首までずらす
ゆっくりと触れた、私の大事な部分は、信じられないくらい熱く、信じられないくらいに潤っていた

「ショーツ、濡れちゃったかな・・・でも、替えを出して貰うのにキャロに何て言おうか・・・」

自分で証拠の隠滅を図れない私だけど、快楽の波にあっさりとそれを忘れて自慰に耽ることにした
触覚だけが研ぎ澄まされたように鋭い私の身体の上を、蹂躙する様に掌は撫でてゆく
ぱっくりと割れた縦筋を指先が何度も往復し、その度に愛液が溢れ出して指先にまぶれ付く。びちゃびちゃに濡れた中指をそっと膣口にあてがい・・・

「ん、あぁっ!!」

挿入を待ち侘びていたかの様に、私の膣中は僅かに埋め込まれた指先を引きずり込む様にうねうねと蠢いていた

「あっ、あっ、あっ、あっ・・・くぅっ・・・あぁん!」

浅く埋め込まれた指先を呑み込んでゆく様に、私の膣中はもぐもぐと咥え込み、奥へ奥へと導いて・・・私はその度に、無意識に腰を振り立てて快楽を貪っていた
部屋に響く、粘液を掻き混ぜる様な音に耳まで犯され、腰を振りながら愛液をぼたぼたと撒き散らして、私はクリトリスを親指で引っ掻く様に押し潰した

瞬間、体中を駆け巡った快楽の電流に、私を腰を振るどころか全身を仰け反らせ、ドアの向こうまで響きそうなくらいの喘ぎ声を上げ、愛液を噴出させながら絶頂に達したんだ・・・


ここで止めておけば良かったんだと思う。だけど、3ヶ月ぶりの快楽の奔流に呑み込まれて熱く滾った私の身体は、
あれほど激しい自慰の直後だというのに、余韻に震える身体を撫で回していた。敏感になった胸や膣をそっと触り始め、私はその刺激に喘ぐばかりだった
「よし・・・片付いたな」
「ったく、手こずらせてくれたわね・・・シグナム副隊長、お疲れ様でした。エリオ、キャロもありがとね。助かったわ」
「それじゃ、私達は事後処理を済ませてから警邏に戻るね」
「いや、ここの事後処理は私が引き受けよう。スバルとティアナは警邏に戻れ。エリオとキャロは隊舎に戻ってゆっくり休め。
エリオは明日一番のシフトだろう。早く寝ないと明日が辛いぞ」
「了解しました。事後処理はシグナム副隊長にお任せします。スバル、警邏に戻るわよ」「わかった。シグナム副隊長。よろしくお願いします!」
「それじゃ、僕達も引き上げますね」「皆さん、お気を付けて!・・・ふぁ・・・」



私は、うつ伏せの寝姿から膝を立ててお尻を突き上げる様な四つん這いの格好になっていた
体重に潰れる乳房をシーツに押し当てながら、乳首を抓る様な手付きできつく揉み潰す。勿論気持ち良いだけじゃない。刺激が強すぎて、乳首が痛くてヒリヒリする
だけど、そんな痛痒さえも、快感に変換されて私の身体を熱く熱く押し上げてゆく

気持ち良い、気持ち良い、だけど足りない、もっと欲しい、もっともっと気持ち良くなりたい

間違いなく、それは私の本音だった
腿の間に割り込ませていた右手が、膣に指先を埋め込んだ。まずは一本。だけどまだ足りない
唇からは溢れる涎が枕に染みこんでいるのにも気付かず、私は膣に二本目を挿入した。指に絡みつく熱い襞の感触を楽しみながら、私はゆっくりと指を前後に動かし始めた

「う、あ、あ、あぁぁっ!!んっ、はぁん!く、んぁぁっ!!」

じゅぷじゅぷと溢れる愛液の音を聞きながら、絶頂が近づいてくるのを確かに感じる
唇から舌をだらしなくはみ出させて、私は膣中に指を入れたまま上体を起こした。正座する様な格好に身を起こすと、挿入していた指に体重を掛ける様に、ぐっと腰を沈めた

「んああぁぁぁっ!!!!!」

指ではなく、腰を揺すって快楽を貪る私は、きっと物凄く淫らで、物凄くはしたない姿だったと思う
絶頂が近い。ぺったり座った膝に力を入れて、ベッドのスプリングを弾ませる様に腰を揺すりながら、私は2度目の絶頂に押し上げられた

「んあぅっ!やぁっ、ん、あ、あぁぁぁあぁぁぁっ!!!!」
2度目の絶頂に、私は糸が切れた人形のようにくったりと前のめりに倒れて、枕に顔を埋めて荒い息を吐いていた
今にして思うと、もしかしたらずっとあの二人は見てたんじゃないかって思ったりもするけど・・・どうだったんだろう



「・・・フェイト、さん・・・?」



震える声で名前を呼ばれた瞬間、私の心臓は止まりそうになった
聞き間違えるはずがない、キャロの声だ
私は慌てて、シーツを被ろうかパジャマの上着を羽織ろうかショーツを上げようか判断に迷い、全部を一度に行おうとして失敗した。当たり前だよね
結果として、全裸を隠すこともできないまま、私は仰向けにひっくり返ったような格好で硬直してしまい、キャロの駆け寄ってくる足音を聞いた
何と言い繕おうか、保護責任者にあるまじき姿を見られた事に混乱の極みにあった私だけど、キャロは意外にも、いや、あの子らしい心遣いで心配そうに声を掛けてきた

「フェイトさん、大丈夫ですか!?こんなに汗をかいて・・・あの、すぐにシャマル先生を呼んできますから!!」
「あ、キャロ!待って!わ、私は大丈夫だから・・・ちょっと、寝汗が気持ち悪くて、脱いじゃったんだ」
「寝汗って・・・そんな、熱でもあるんじゃないですか!?」

ぺたり、とキャロの少し暖かい手が私の額に触れた。キャロの手は暖かいけど、きっと私の額はそれ以上に熱い

「フェイトさん、すごい熱ですよ!」
「そ、そう?でも、大丈夫だよ・・・ちょっと夢見が悪くて・・・こんな汗かいちゃったんだよ」

心配を続けるキャロを何とか説き伏せ、私はほっと息を吐いたが、

「フェイトさん、戻りました。あれ、まだお休みに、って、ふぇ、ふぇいとさんっ!!!?」

今度はエリオが戻ってきた

「エリオ君、新しいタオル持ってきて。フェイトさん、寝汗がすごくって・・・」
「寝汗、って・・・そんなに?フェイトさん、どこか身体の調子がおかしいんじゃ「大丈夫、そんなんじゃないよ。ちょっと、怖い夢を見ちゃってね」

私の嘘を信じたのかどうか、顔が見えない私には判断できない
だけど、一瞬息を呑んだ気配が伝わってきた・・・信じてくれたんだと思う
その後、エリオのばたばたした足音が少し聞こえて、それが脱衣所のフローリングを踏む音に変わった・・・それも束の間、慌てた足音のエリオが寝室に駆け込んできた

「はい、キャロ。タオル」
「うん・・・フェイトさん、本当に何とも無いんですか?」
「うん、ごめんね。心配掛けて・・・やっぱり、駄目だね。私」

私は、卑怯だと思う
あんな言い方をすれば、エリオとキャロがどんな反応をするか。わからない筈が無かったのに
自分を嗤った私に縋り付いて、キャロは少し涙声にまでなって、私に言ってくれた

「フェイトさんに、駄目なことなんて一つも無いです!!」
「そうですよ!困ったことがあれば助けにいくって、あの時約束したじゃないですか!」
「・・・心配を掛けさせるのを、そんなに恥ずかしがらないでください・・・私達、ずっと一緒にいますから」
「・・・・・うん・・・ありがとう。二人とも・・・」

私は縋り付くキャロの頭を抱き締め、エリオの方に手を伸ばした。掌が温もりに包まれたのは、きっとエリオが手を握ってくれたんだよね
二人のあったかい心に触れて・・・・・私はようやく自分が全裸であることを思い出した
シーツを手探りで探そうとして、わたわたと慌てる私に、キャロがクスッと笑ったのが確かに聞こえた・・・ちょっと悔しい

「あ、あの、僕は、その、お茶でも淹れてきますね」

エリオがそう言って、慌てて部屋から出て行った。裸は結構何度も見てると思うんだけど・・・あの子は相変わらず、少し照れ屋さんだ

「それじゃ、フェイトさん。汗を拭きますから・・・」
「え?あ、良いよ。自分でできるから」

私はそう言ってキャロからタオルを取り上げようとしたけれど、キャロは意外に頑固で、私の言葉を無視してタオルを肌に押し当ててきた
「・・・んっ・・・」

思わず、声が出た
熱く火照った体に、ぬめるような光沢を与えている汗が、新しいタオルに拭き取られてゆく
キャロの手付きは相変わらず妙に優しくて・・・もう白状してしまおう。くすぐったいだけじゃない、目が見えない私にはキャロの愛撫のような手付きが気持ち良かったんだ
裸の胸に、タオルが触れた。胸の谷間や下の間まで、しっかりと拭き取られてゆく

「フェイトさん?あの、やっぱりお顔が真っ赤です・・・大丈夫ですか?」
「うん・・・平気だから、心配しないで・・・」

そう、少なくとも私の心配は要らない。心配なのは、キャロの方だ
優しい手付きで私の身体を拭いてくれている。傍に身を寄せてきている為に、この子の匂いが嗅ぎ取れる。子供とはいえ、女性特有の少し甘い、良い香りがする
私は、タオルを持っているキャロの手を取ると、そっとその手の甲や腕を指で撫でた

「フェイトさん、どうしたんですか?くすぐったいですよ」

そんな笑声が聞こえる。お風呂場で私をキレイって言ってくれたけど、肌質で言えばキャロには適わないと思う
肌荒れなんてまだ無縁なんだろう、産毛の残るしっとりとした肌。少し高い体温と、やはり子供らしい柔らかい身体



この温もりを抱き締めたい



胸の内に燻っていた情欲に、再び火が点いた
そう思った瞬間には、私は捕食獣の様な素早さでキャロの身体を薄いパジャマごと抱き締めると、ベッドに投げ出すように押し倒していた

「ふぇ、ふぇいとさんっ!?んっ、んーっ!!」

抵抗する暇は与えなかった。私はキャロを抱き締めたまま、その声が聞こえた方に顔を寄せ、その唇を奪った
「んっ・・・んっ、はぁ」

柔らかくて暖かい唇に吸い付いた私は、欲望の望むままに舌を伸ばしてキャロの口内を蹂躙し、甘い唾液を貪った
突然のことに驚いているのか、硬直しているキャロの舌を絡め取って、吸い込むようにして私の口の中に引き込み、その舌を唇で甘噛みする
身体を押し離そうとする抵抗の動きが段々弱くなり、ついにくったりと力が抜けた。私は散々味わった唇を解放すると、浅ましい願いを口にした

「・・・ねぇ、キャロ・・・私は、時々身体が苦しくなることがあるんだ・・・」
「え?・・・そんな・・・病気、なんですか?」
「病気・・・そう言えばそうかもしれない・・・だから、キャロ。さすってくれないかな、そうしてもらうと、楽になるから・・・」

嘘だ
でも、そんな嘘を言いながら私は胸を突き出すようにして、キャロの手を取って押し当てさせた

「さすれば・・・良いんですよね?」

タオルで身体を拭いてくれた時の様に、優しく柔らかな感触が乳房を撫でてゆく。キャロのことだから、きっと心配そうな顔をしているんだろうけど・・・
温かく、小さな掌には余るくらいの私の胸はゆっくりと撫でられ、むにむにと形を歪めている

「うん・・・気持ち良いよ、キャロ・・・はぁっ・・・」

目が見えない私には、キャロがどんな風に触ってくるのかわからない・・・だから、一つ一つの刺激が不意打ちのように思えて、とても気持ち良かった
もどかしいような愛撫ではあるけれど、私はキャロの掌に胸を弄られて、股間が熱くなってゆくのを感じていた
そうしていると・・・

「フェイトさん、キャロ。温かいお茶を淹れたから少しテーブルの方にってえぇぇっ!!?
フェ、フェイトさん!それにキャロも何がどうなって、あ、いや、その、何をしてるんですかっ!?」

大慌てに慌てたエリオの悲鳴が寝室に響いた。きっと慌てて後ろを向いたんだろうけど、トレイを取り落とさなかったのは偉い
私は、どう言い繕おうかと考えていると、キャロから意外な助け船が出た

「エリオ君。フェイトさん、身体が苦しいらしくて・・・さすってあげると楽になるんだって。だから、エリオ君も手伝って」
「身体が苦しいって・・・さすったくらいで良くなるんですか?あの、本当にシャマル先生に来て貰った方が良いんじゃ・・・」
「大丈夫、きっと、二人にしてもらったら・・・良くなるよ」

私の言葉をどう受け取ったのかはわからないけど、エリオはカップを載せたトレイをテーブルに置いて、私達の方に歩み寄ってきた
キャロと同じで、私の身体を心配してくれてるんだろうけど・・・ごめんね、エリオ
寝そべった私の胸に、キャロのよりは少し大きく、少しだけ硬い掌がそっと置かれた。そして、躊躇いがちに掌が私の乳房を撫でてゆく
私は、自分の掌を握り締めて、歯を食いしばらなければならないほどだった
真っ暗な視界の中、自分の意志ではどうしようもない、他者からの愛撫というのは、想像を絶するほどに興奮させられるものだったから
もしも、この手がエリオとキャロの物ではなかったら?もしも、ここに私が気付いていないだけで大勢の人が私の痴態を見ているのだとしたら?
想像の連鎖が、私を更に昂ぶらせてゆく

「んっ・・・あっ・・・あっ・・・んぅあぁぁっ!!」
「フェイトさん!?」「あ、あの、苦しいんですか?えと、えと・・・」

悲鳴のような嬌声に、エリオとキャロの心配そうな声が聞こえるが、私にはもうそれも耳に入らない
二人は一層強く胸をさすってくれるが、私はぐにぐにと形を変える乳房の感触とその刺激に身をくねらせて快感を貪るばかりだ

「ふぁぅっ!ん、はぁっ、はっあっ・・・エリオ、キャロ・・・私、もう・・・ん、う、ぅっ!!」

乳房を触るキャロの掌に自分の手を重ねて、ぎゅっときつく揉み込んだ。エリオの手も掴むと、私は股間に向けて引っ張るようにして導き、その指先を膣に押し込む
自分の掌では無い感触、自分の指先ではない感触、盲目の私はそこから与えられる快楽に酔い、自分がどんな顔で快楽に震えているのか、二人がどんな顔で私を見ているのか
それさえ忘れて、キャロの掌ごと乳房を揉みしだき、乳首を扱き立てる。エリオの指を使って熱く潤った膣に深く、掘り返すように指を突き立てた

「ん、あ、あ、う、駄目、駄目・・・駄目ぇっ!!あ、ぁぁぁぁっ!!!!!」

自分で望んで貪っていた筈の快楽に、形だけの拒絶を見せて、私はかぶりを振りながら絶頂の高みへと押し上げられてゆく
キャロの掌で力一杯握り締めた乳房は歪に形を変え、胸の芯にぴりぴりとした甘い電流が走り抜けてゆく
エリオの指の根本まで呑み込んだ私の秘部は、ぎゅっと絞り上げるように挿入された指を締め上げ、愛液を小さく噴出させた
私は、全身を反り返らせて何度か小さく痙攣し・・・そして、今日3度目の絶頂に、意識は闇の中に落ちていった

キャロが、泣きそうな声で私の名前を呼んでいるのを安心させてあげたくて、頬を撫でてあげたかったけど・・・私には、何処に手を伸ばせば良いのかわからなかった・・・
「フェイトさん!?フェイトさん!あ、あの、しっかりしてください!!」
「・・・キャロ、きっと大丈夫だよ。寝息は落ち着いてるし、とりあえず汗を拭いて、服を着せてあげよう。このままじゃ風邪を引いちゃう」
「え・・・あ、う、うん」

私は、エリオ君にそう言われて、床に落ちたタオルじゃなくて新しいきれいなタオルを手に取ると、フェイトさんの汗ばんだ身体を拭ってあげることにした
フェイトさんの身体に何があったのか、私には良く分からないけど・・・今の、落ち着いた寝顔を見て・・・少しだけ安心できた

「エリオ君。ちょっと手伝って。フェイトさんの背中を起こしてあげて。上着を着せるから・・・」
「うん」

上着と下着を着せて、エリオ君と二人掛かりで眠るフェイトさんの身体を一度ソファまで運んで、二人で湿ったシーツを交換して、そしてフェイトさんをまたベッドへと運んだ

「・・・やっぱり、あの時の事故から・・・何か身体がおかしいのかな。フェイトさん」
「かもしれないね・・・」
「ずっと、我慢してたのかな・・・私達が、気付いてあげられなかったから・・・ずっと、苦しいの、我慢してたのかな・・・」
「・・・もっと、しっかりしないといけないね。僕達は」
「うん・・・そうだね・・・約束したもんね」

私とエリオ君は、視線を合わせて頷き合う・・・エリオ君の目が、私の目を真っ直ぐに見つめてくる。その事を意識した瞬間、不意に私の胸が、ドキッと高鳴った
私は、胸を両手で押さえて、胸の高鳴りを何とか抑えようとしたけれど・・・

「キャロ・・・?どうかしたの?」
「ん・・・な、何だろ・・・何だか、胸が苦しくて・・・すごく、ドキドキしてる・・・」

そう思い始めると、どんどん胸が苦しくなって、ほっぺたにかぁっと血が上るのを感じて・・・

「エリオ君・・・私も、何だか変・・・胸が苦しい・・・これ、フェイトさんみたいにさすってもらうと、直るのかな・・・?」
「え、えぇっ!?」

私はパジャマのボタンを外して、エリオ君の手を取って・・・ドキドキして苦しい胸に当ててみた
少し汗ばんだ、あったかい掌が胸に触れると・・・フェイトさんが言ってたみたいに、胸のつかえが取れるように、すぅっと苦しさは薄らいでいった
「・・・はぁ・・・何だか、安心するね。エリオ君の手に触って貰うと・・・」
「そ、そう、かな・・・?」
「うん、フェイトさんが言ってたみたいに、さすってもらうと良いんだね・・・ドキドキは変わらないけど、今は苦しくないよ・・・何だか暖かくて、幸せな感じがする・・・
フェイトさんにキスされた時も、気持ち良くて・・・何だか身体が浮いちゃうみたいな感じだったなぁ・・・」
「き、きすっ!?」
「うん」

驚いた顔のエリオ君に、私は顔を近付けて・・・エリオ君の口に、ぎゅっと私の唇を押し当てた

「ん!?ん、んーっ!!」

至近距離のエリオ君が、何だかばたばたしてるけど・・・私は胸に手を当ててもらったまま、フェイトさんがしてくれたみたいにぎゅっとエリオ君の身体を抱き締めて離さない
そのまま、えーっと、確か舌を出してたんだっけ

「ふぁっ?ん、んんっ!?」

フェイトさんみたいにはできないけど・・・エリオ君の舌を吸い込むように引っ張り出して、私は自分の口の中に呑み込んだ
それで、エリオ君の口の中を舐めるようにすると・・・段々、私がそうだったみたいに、ばたばたしてたエリオ君の身体から、力が無くなっていった
エリオ君の目も、何だか寝惚けたみたいになってる

「・・・ぷはっ・・・ね、気持ち良かったでしょ?」
「う、うん・・・その、すごく、気持ち良かった・・・キャロ、もう一回・・・良いかな?」

顔を真っ赤に染めたエリオ君のお願いに、私は笑顔で頷いた。当たり前だよね

「うん、良いよ・・・んっ、はむっ・・・ん、んーっ・・・」

だって、こんなにも気持ち良くて・・・“幸せ”っていう暖かい気持ちになれることを、簡単にやめられる筈がないもん・・・・
エリオ君のあったかい手が、私の胸をそっとさすってくれる・・・その度に、胸のドキドキは強くなるけど、息苦しさにも似た苦しい感じは・・・だんだん無くなっていって、
さっきは私がエリオ君を離さないようにしてたけど・・・今度はエリオ君の方が私の身体をぎゅっと抱き締めてくれた
触れ合った部分から伝わるエリオ君のあったかさが、すごく気持ち良かった・・・フェイトさん、ごめんなさい。こんな風にしてあげれば良かったんですね・・・
―――― それから、私達の生活は少しだけ様変わりを見せた ――――

エリオとキャロは、先日の夜の一件を何故か私に深く謝った・・・謝るのは私の方だったのに
どうしてそんな風に謝るのか、その時は理解できなかったけど・・・

「んっ、うっ・・・ぷはっ」

ベッドに横たわる私の頭を抱え込むように抱き締めて、唇を重ねていたキャロが大きく息を吐いた
一週間に一度くらいのペースで、エリオとキャロの二人は、私の「胸の苦しさ」を取り除いてくれている
その誤解を正すべきか、私は少し悩んだけど・・・二人に憚らずに自慰行為に耽ることができる、二人も私を気持ち良くしてくれるという事実に、未だに何も言っていない・・・

「んっ・・・ちゅっ・・・はぁっ・・・フェイトさん、気持ち良いですか・・・?」
「うん、上手だよ、エリオ・・・キャロも、すごく気持ち良い・・・」

子犬がミルクを舐めるように、ぴちゃぴちゃと音を立てて私の股間に顔を埋めていたエリオの髪を撫でながら、私はそう言って微笑みかけた
二人とも、「胸の苦しさ」を取るのが大分上手になった・・・誤解にかこつけて教え込んだのは私なんだけど・・・

背中に回り込んだキャロが、そっと私の乳房を掴んだ。小さな掌で胸を揺するように触りながら、硬くなった乳首をくりくりと弄る
その手付きは激しいようでも優しくて、私は愛撫という言葉は、キャロのような触り方のことを言うんだな。って思い知らされた
エリオの舌技はかなりすごい。熱く潤ってぱっくりと開いた私の秘部に、舌を埋め込むようにそっと挿し入れ、絡みつく膣中の襞を舐めてくる
同時にお尻や腿の付け根を揉むようにして触るのは、それだけでぞわぞわとした、悪寒にも似た快楽が背筋を駆け上るようだった

「ん、はぁんっ!!あっ、やぁっ!!」

今日も、私は二人に「胸の苦しさ」を取って貰っている

でも、やっぱり、少し寂しいな。エリオとキャロの、えっちな顔を見ることができないのが・・・

「あ、あっ!だめ、もうっ!ん、あ、あぁぁっ!!!」

・・・私ばっかりが、気持ち良くされてるっていうのも・・・今度は、二人に教えてあげよう・・・「胸の苦しさ」を取って貰う気持ち良さと悦びを・・・
27126-111:2007/09/29(土) 20:25:46 ID:OELUL4dX
以上です

今回の話、キービジュアルは、

オナ禁3ヶ月の末目隠しプレイ、家族に見られて恥ずかしい話を恵んでくれ死にてぇぇぇぇっ!!!!

でした・・・どんな電波だよ
では、これにて。スレ汚し失礼しました
272名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:26:59 ID:IBGvOASI
>>271リアルタイムGJ!!
273名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:34:27 ID:TEml5mJ6
ぐっじょぶっしたっ
274名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:37:56 ID:2iyp/u0n
>>271
GJ!
「このフェイト、生来目が見えん」
なんて事言っている電波を受信しますた。
275名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:54:44 ID:k48QfNew
>>271
GJ! です
ところで我等がフェイトさんなら例え盲目になっても
大気中の微電流を感知して見えていた時と変わらない
もしくはそれ以上の能力を身に着けると思うのだがどうだろう?
276名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:58:54 ID:n6Bo7GNc
>>275
どこの電気使いのハイエナだ?
277名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 21:00:06 ID:n6Bo7GNc
しまた
>>271
GJです!
278名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 21:10:36 ID:Up0WxfuU
>270
あなたがネ申か!?
279ドビリエ:2007/09/29(土) 21:59:24 ID:zq3qOp9n
お久しぶりです、この間投稿させて頂いた小説もどきの続きを22:05頃に投下させていただきます。
今回は繋ぎの話なので、エロはおろか、ゲン×ギンも無いに等しいですw
・一応はゲンヤ×ギンガw
280ドビリエ:2007/09/29(土) 22:06:44 ID:zq3qOp9n
『STRIKERS外伝―まだ見えぬ未来(よる)の先に―(仮)』
第二話「陸士第108部隊」


0071年2月、ノースミッド基地所属第108部隊の部隊長として赴任してきたゲンヤを空港で出迎えたのは分隊長の二人であった。
「遠路はるばるご苦労様です、ナカジマ三佐!当部隊で警備隊隊長を務めさせて頂きます、ゼザ・ワーゲン三等陸尉であります!」
一人は声が大きい好青年の士官だった。
「同じく、救助隊隊長アレクシス・パルサー三等陸尉です。よろしくお願いします。」
対照的に静かな自己紹介をしたもう一人の方は長身で表情がやや乏しいようにも見えるが、こちらも端正な顔立ちの青年だった。
「ああ、本日付でこっちに勤務することになったゲンヤ・ナカジマ三等陸佐だ。
こちらこそよろしくな!」
その後、パルサーが運転する車で第108部隊隊舎に向かった。
ノースミッドは臨海空港を備え、首都クラナガンの北の玄関口である他に自然が多く、温泉も湧いている事から観光地や避暑地としても有名であった。
車は街路樹の間を軽快に跳ばしていく。
「自分も半年ほど前に転属してきたばかりですが、いい町でしょう?」
「ああ、クラナガンと違って自然も多いし、空気も美味いしな…。ところでこの街路樹は何て名前の木だ?見たことが無えんだが…。」
「桜の木です。元々この世界には無かった管理外97番世界の植物で、春には満開の桃色の花をさかせるそうです。この通りはクレアムストリートと呼ばれてノースミッドの人達に親しまれているんですよ。」
桜か、そういえば父から聞いたことがあるなとゲンヤは思った。
ゲンヤの父はその世界に生を受けたが、ある時、偶然に事故で墜落した時空管理局の船を発見、勇敢に船の中から負傷した局員達を助けだした。
その後、救助した局員達と共にミッドチルダに赴き、やがてこっちの世界で結婚し、自分が生まれたが、終に一度も生まれた世界に帰郷しようとはせず、天寿を全うした。
故に自分にとっても馴染みの無い世界ではあったが…。
「どうかされましたか、部隊長?」
「ん?いや、何でもない…。ところでさっきクレアム・ストリートって言ってたがあのクレアム元提督と関係あるのかい?」
281ドビリエ:2007/09/29(土) 22:08:21 ID:zq3qOp9n
「ええ、クレアム元提督がもう20年以上前に、自分の世界に咲く花の苗木をこの通りに植樹したため、そう名付けられたそうです。
闇の書事件のせいで世間一般では犯罪者扱いですが、この町の人達は今でも町のシンボルとも言える美しい桜並木を作ってくれたクレアム元提督に感謝と尊敬の意を持っています。
それ故、中央から来た旅行客がクレアム元提督を悪く言ったことが原因でトラブルが発生することもよくあるのですが…」
「そうか、気を付けるよ。もっとも俺はクレアム元提督が世間で言われてる程、悪人ではないと思っているがね…。」
気さくな性格のワーゲンはその後もノースミッドについての説明を色々としてくれていたが、その間もパルサーは相変わらず淡々とした表情で運転を続けていた。
282ドビリエ:2007/09/29(土) 22:10:36 ID:zq3qOp9n

隊舎に到着し、隊員の前で軽く就任の挨拶をした後、さっそく部隊の実力を見るために訓練を行ったのだが、あまりの酷さにゲンヤは目を覆いたくなった。
しかし、隊員達の名簿を詳細に見てみると、それも納得出来た。
隊長二人を含む数名を除けば、ほとんどが訓練校を出て二年未満の新人であり、しかも新しくこの隊に配属されてきた者がほとんどだったのである。
そのため部隊としての統率が全く取れておらず、赴任して最初の数ヶ月はゲンヤ達は訓練に忙殺されることになった。
その際、暴飲で鈍った自分の体も一緒に鍛え直した。
「部隊長、無理をして訓練に参加されずとも大丈夫です。新米達の指導は我々だけでも出来ますから…」
「ハハハッ、ワーゲン三尉、無理などしていないぞ、最近は以前より体が軽いからな!」
ギンガが自分に気力を取り戻させてくれたあの日以来、本当に体が軽かった。
それに部隊長が自ら訓練に参加することで全体に緊張感が生まれた。
やがて、桜の蕾が膨らみ始める頃になると、あどけなさが残っていた新人隊員達も目つきが変わってきて、全体の統率も並の部隊以上にはなってきた。
それにつけても、このあまりに酷い部隊編成をはじめとして疑問に思うことは多々あり、部隊長としての仕事をこなす傍ら、色々な方面からそれらを調べてみていた。
その結果、自分がこの部隊の部隊長に任命されたのと時を同じくして、時空管理局地上本部所属部隊の大規模な再編が行われたということが判明した。
経験を積んだ隊員を首都の部隊に編入し、代わりに訓練校を出たばかりの新人が多く地方に配属されていた。
そしてさらに詳しく調べていくとこの大再編に深く関わっている人物が浮上してきた。
レジアス・ゲイズ中将、地上本部の事実上のトップで、近年治安が悪化しつつある地上の防衛力の強化を訴えている人物だった。
しかし、地方の優秀な人材を全て中央に集めるなどとは暴挙もいいところだった。
レジアスは地上の優秀な人材を吸い上げる時空監理局本局の行為を度々非難してきたが、これではレジアス自身も本局と変わらない。
しかし、本当にこれは単に中央の防衛力の強化だけを目的としたものなのだろうか。
ゲンヤは一抹の不安を拭いきれなかった。
気を取り直して、メールをチェックしてみると、ギンガから一件のメールが届いていた。
訓練校が休みに入ったので、4月29日からスバルを連れて遊びに来るとの内容が書かれていた。
メールを読んでいて、ふとあの夜のことを思い出した。
ギンガと繋がった時の感覚をまだ鮮明に覚えている。
心のどこかに、もう一度あの感覚を味わいたい、そう思う自分がいた。
しかし、すぐに首を横に振ってその様な考えを打ち消す。
全く、何を考えているのだ、俺は。
自分の行為がギンガの心にどんな影を落としたかも知れないのに…。
自分に出来ることはギンガとスバルが無事に独り立ちできるようになる日まで父親として見守っていくこと、それしかないのだ。
気持ちを切り替えて、娘達が来たときに連れて行ってやる観光スポットを色々と考えてみる。
そうだ、あのクレアム・ストリートの桜並木に連れて行ってやろう…。
見た事もない桃色の花が美しく満開に咲いている風景にさぞ驚くに違いない…。
しかし、それまで雨が降らなければよいが…。
そんなことを考えているうちに、夜は更けていくのであった。
283ドビリエ:2007/09/29(土) 22:12:49 ID:zq3qOp9n

4月29日、遠方に休日を利用した旅行者達で賑わう臨海空港を望める高層ビルの屋上に二つの人影があった。
「…以上が今回の作戦内容、作戦開始時刻は16:30、いいわね…」
通信画面が空中に浮かび上がっており、そこに映っている軽いウェイブのかかった薄紫色の髪の女性が二人の人物に向かって話している。
「了解ですぅ、ウーノ姉様。」
そう答えたのはメガネをかけた薄茶色の髪の若い娘だった。
「それじゃ、良い報告を待っているわ…」
そういうと通信画面は途切れた。
「それじゃ、行きましょうか、トーレ姉様?」
「ああ」
トーレと呼ばれたもう一人の人物は精悍な顔つきをした紫色のショートヘアのやはり若い娘だった。
「ウフフフ、それじゃIS発動『シルバーカーテン』♪〜。トーレ姉様、結構スピードのいる任務になると思いますけどぉ、大丈夫ですか〜?」
「心配無用だ、クアットロ。伊達に場数は踏んでない。お前はサポートに専念しろ。IS発動、『ライドインパルス』!!」
時に4月29日16:30直前、傾きかけた太陽の光が嵐の前の静けさを物語っているようだった。
284名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:14:08 ID:2bqPcIc+
途中で悪いが言わせてくれ
グレアムだ
285ドビリエ:2007/09/29(土) 22:15:24 ID:zq3qOp9n
今回は以上です。あんまり面白くなかったかもしれませんが…w
前回の話は前スレの112〜116にあります。
286ドビリエ:2007/09/29(土) 22:16:46 ID:zq3qOp9n
>>284
すいません、ご指摘、ありがとうございますm(_ _)m
287名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:39:16 ID:r/PRy2Vy
なんだか知らない間にとら派の自分にとってイイ感じの作品が増えてますネ。
作者さんGJ!
288名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:39:38 ID:ACZhKd4N
>>271
次はエリオがフェイトさんに精通させられるのを希望
289名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 23:17:27 ID:B9a/C+YO
>>288
おいおい、お前ってやつぁ・・・・・・
なんていい発想するんだ。俺も見たいから、人に頼る前に自分で書いてみないか?
290名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:04:20 ID:NwmrLoK9
>>271
フェイトさんGJw キャロとエリオが介護している姿も微笑ましい感じでさらにGJw
>>288
「あれ?エリオ。まだ精通してないんだ?じゃあ、私が手伝ってあげる」と言いい
エリオの前立腺を電流で刺激するフェイトさんを想像しちゃったじゃないかww
291名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:07:19 ID:3dNTdQaV
>>290
いやいや、フェイトさんが自分の穴で優しく初体験を終わらせてあg(ry
292名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:12:03 ID:zVzyI24a
このスレのフェイトさんはどこへ行くんだろうw
293名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:15:27 ID:NwmrLoK9
>>292
すでに、行き着くところに逝っちゃってr・・・
294名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:17:46 ID:zVzyI24a
ガチレズやドM、三期以降はショタもまあどこでも標準装備みたいなもんだけど
ヤンとお馬鹿はこのスレ特有だなw
295名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:21:10 ID:3dNTdQaV
フェ『エリオの部屋からお姉さんモノや義母モノのえっちな本とかゲームが出てきた件について』
296名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:35:45 ID:NwmrLoK9
>>295
執務官殿、ご自分で仕込まれたものでしょう

てか、病んでたりおバカだったりするし、見事なまでの墓穴掘るのも得意だよなw
297名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:47:40 ID:3dNTdQaV
いやいや、フェイトさんはお馬鹿要素とかのスレ電波を覗けば素晴らしい姉キャラ

むしろ姉萌えのダメなエリオが降臨する可能性だって!
298名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:48:03 ID:hD0exop8
>>274
スレ的に泣き虫の方を連想しちまったぜwww

>>295
フェイトさん、また病院から逃げ出して
299名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:54:43 ID:F5rXio8B
ヴァイスに貰ったR-18映像ディスクの影響で自慰中毒になったエリオきゅん。
ティッシュの使用量が異常に増えて。シャマル先生から「ゴミ箱を妊娠させるつもり?」と、言われて落ち込むエリオきゅん
ヤバい…俺のショタ妄想が臨界点を突破しそうだ
300名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 02:19:52 ID:B4gp7ZtS
>シャマル先生から「ゴミ箱を妊娠させるつもり?」
名言来たわこれwwww
301名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 02:22:27 ID:dD5ZTXz6
シャマル先生ドSwww
302名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 02:27:09 ID:NXMWIW0l
その内『〜〜をブチ撒けろ!』とか言いそうだなw
「〜〜」は各自の妄想にお任せします
303名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 02:33:43 ID:P+3MyUcc
亀レスながら……
>>271
GJです。
あの感動話の裏側にこんな事が……
304お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 02:59:25 ID:P+3MyUcc
こんばんわ。前スレ736です。
>>184からの続きです
今回はエロ無し。グロ無し
ストーリーを進める為だけの話です。
なのは、はやて、フェイトが、かなり悪者になってます……
駄文です……
設定……(特に時期、時間等)におかしな所があるかも……というか、あります。
以上を踏まえた上でお読み下さい。
305お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 03:00:20 ID:P+3MyUcc
「ユーノさん!!?」
広いリビングに僕の声が響き渡る。
「やあ……いらっしゃい……」
小さく答えるユーノさん。
この時の僕はまだ気付いていなかったけど……
この瞬間が僕たちの逆襲の始まりの時。

そして……僕は引き返せ無い道を歩み始めた……



僕の目の前には、ユーノさんが入れてくれたコーヒーが湯気をあげていて……
いい香りを放ってる。
更に、その向こう側……
テーブルを挟んで、ユーノさんとウ゛ィータ副隊長が並んで、椅子に座っていた。
沈黙の時間が過ぎ、時計の秒針を刻む音だけが響いていた。

「あの……」
「あのさ……」
「その……」
三者が同時に口を開き、押し黙る。
そして、再び、気まずい沈黙が続く。
最初に沈黙を破ったのは、ウ゛ィータ副隊長だった。
「エリオ……その……悪かった……な……私……知ってたんだ……お前を行かせたら……
どう……なるかって……でも……止められなかった……」

僕は、どう答えればいいか解らなかった。
今回の事が仕組まれていたのは、もう解ってた。……でも、まだ解らない事だらけで……
「エリオ君……ウ゛ィータを許してやって欲しいんだ……
彼女は、望んでそうした訳じゃないし、知ってて、止められなかったって事で言うなら、
僕も同罪だ……」
申し訳なさそうに頭を下げる二人を見て、僕は、この二人を怨む事なんて出来ないことを知った。

多分、あの時、ユーノさんに会っていなかったら、
今日……僕はもっと、酷い事になってたと思う。
今日、ウ゛ィータ副隊長が迎えに来てくれなかったら……
僕は、あの後、どうしていただろう?

「あの……もういいです……
それより……教えてくれませんか?何故……こんな事が行われているのか……
この事に関しての事を……」
僕の言葉に、二人は一瞬眼を合わせて……
ウ゛ィータ副隊長が頷くと、ユーノさんが、喋り始めた。
306お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 03:01:08 ID:P+3MyUcc
「……まず、最初に知っておいて欲しいことがある。
僕とウ゛ィータは、今回の事、知っては、いたけど、計画なんかはしていない。
今日、行われる事を知ったのは、ウ゛ィータは昨夜。僕は今朝、君に会ってからだ」

それは、つまり……
ウ゛ィータ副隊長や、ユーノさんは主犯……いや……犯人では無いという事だ。
「お前が、ユーノに偶然会ったのは、不幸中の幸いだった。
防ぐ事は出来なかったけど……対抗策くらいは、うてたからな。
私は……昨晩から、見張られてて、身動きが取れなかったんだ。
お前を、逃がすんじゃ無いかって、疑われててな……」

ウ゛ィータ副隊長が見張られてた……
それは、……僕が6課を出る前からだろう……
つまり……それは……僕が気付きつつ、認めたく無かった事を肯定する事になる。

「僕とウ゛ィータは、今回の君と同じような経験をしたことがある……
だから……君に命令が出た時、君と会った時に気付いたんだ……」

「ウ゛ィータ……副隊長も……?」
ユーノさんは……そうなんだろうと思っていたけど……
「ユーノは1年前……私は半年前の贈り者さ……」
ウ゛ィータ副隊長は、どこか投げやりな口調で呟く。
そして、ユーノさんから、決定的な事が告げられた。
「結論を言ってしまえば、こんな事を計画、実行してるのは……
はやて、なのは、フェイトの3人だ」

ショックだった……
八神部隊長となのはさんは……
正直に言えば予想していた……
そうであるなら……もしかして……とは、考えてはいた……
でも……それでも……僕は……フェイトさんの事を信じていたんだ……

「でも……なんの為にこんな事を……」
立ち直れ無い程のショックを受けながら……それでも、僕は疑問を口にした。
フェイトさんが……僕を裏切った……その理由だけは……知っておきたかった。

「僕やウ゛ィータも……それをずっと知りたかったんだ。
なのはや、はやてに聞いても謝るばかりで答えてはくれなかったから……」
「じゃあ……ユーノさん達にも解らないんですか?」
……ユーノさんは眼鏡を指で上げ直して、少し躊躇いながら口を開く
「いや……教えてくれないなら……調べるだけさ……僕の仕事がなんだか知ってるよね?」
無限書庫……それは過去から現在に至るまでの全ての情報が集まる場所……
そこの司書長たる……ユーノさんに調べ無い事なんて無い。
「そしたら……少し面白い事が解ったんだ……」
僕は一度唾を飲み込む……ゴクリと言う音がやけに響いた……
307お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 03:01:58 ID:P+3MyUcc
「1回目……つまり僕の頃……機動6課は、まだ設立されていない。
はやてが、まだ、その為に、走り回ってた頃だ。
はやては、聖王教会や三賢者といった強い後ろ盾があったとは言え、
それなりに、反対意見もあったんだ。
……ところが、それからしばらくして、その反対意見はピタリと止む。
2回目……ウ゛ィータの頃……これは、6課設立寸前だ……
6課、設立自体は決まっていたものの、1つの、大きな問題があった。
戦力の保有量……リミッターを付けたりして、その体裁は整えたものの、
やはり、これにも、反対意見が多く出たんだ。
でも……これも、しばらくして、何事も無かったように解決する。
そして、最近……6課に、先のゆりかご事件の責任を押し付けてしまおうとする流れがある」

僕には、その事と、僕等の事が、どう繋がるのか全く解らなかった。
でも……
「更に調べると……反対意見を並べていた人達に、かなりのお金が振り込まれてたよ。
かなり巧妙に隠されてたけどね……

そして……やはり、その頃、ミッドや、周辺世界で、出所不明の金やダイヤ等が、
大量に売買されている。

この金やダイヤ……どこから来たと思う?」

点と点が繋がって……線になっていく……
「地球……ですか……」
「その通り……」
「美由希さんは、多分、何かがきっかけでそれに気付いた。
それで、引き込まれたんだと思う。」


つまり……は……
6課設立の裏には……黒いお金が動いていて……
その、お金はアリサさんや、すずかさんが用意してる……
僕等はその見返り……

「……でも……それって……違法なんじゃ……」
僕の呟きに、ウ゛ィータ副隊長が答える
「……裏金に、人身売買、管理外世界からの資金調達……30年はいくな……」
「そんな……」
フェイトさんに裏切られたのは辛い……
でも……だからって……

「僕や、ウ゛ィータも、多分君と、同じ気持ちだった……
だからこそ、何も言わず……気付かなかったフリ、平気なフリをしてた……
だけど……僕等のその甘さが……君という3人目の被害者を作ってしまった……」
ユーノさんの瞳は真剣で……迷いを断ち切ったものだった……
308お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 03:03:02 ID:P+3MyUcc
「3人を訴えるんですか?」
僕はそうするのだろうと……
そうするしかないんだろうと、思ってた。でも……
「無理だな……」
ウ゛ィータ副隊長はそれを否定する。
「ゆりかごの件で、管理局の信頼はどん底だ……
その上、このタイミングで、英雄とも言える3人に、こんなスキャンダル出れば、
管理局は、完全に信頼を失う。管理局は絶対に揉み消しにくるさ……
それに……そんな形はやっぱり私達の、望むところじゃねーだろ?」

ウ゛ィータ副隊長の言葉に、僕とユーノさんが頷く。
どんな事をしていたのであれ、やっぱり、僕はフェイトさんと一緒にいたい。

「でも……じゃあ……どうすれば……」
僕の疑問にユーノさんが答える。
「僕たちだけで……なのは達に、2度とあんな事をさせないようにする」
「でも……そんな事できるんですか?」

少なくとも……そう簡単に解って貰えるとは思えない。
「言葉だけじゃダメだろーな……だから、実力で解らせる!!」
「そんな!!ウ゛ィータ副隊長やユーノさんはともかく、僕じゃ……」
僕の言葉にユーノさんが、静かに答えた。
「僕もそんなに強くないよ。……でも、3本の矢はなかなか折れない……
それに実力で解らせるといっても、戦う訳じゃない……
なのは達に自分のやっている事を解らせるんだ……」
それを聞いてウ゛ィータ副隊長が続ける。
「それに、はやてや、なのはは、確かに一騎当千だけど……
こっちには一万人に匹敵する軍師がついてるしな……」
言われた、ユーノさんは、苦笑いを浮かべてたけど……
ユーノさんに話しかける、ウ゛ィータ副隊長は本当に楽しそうだった。
309お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 03:04:06 ID:P+3MyUcc
……それからしばらくは、実際には、これからどんなふうに動くのかを話し合った。
そして、話がまとまって……
「じゃあ……僕は、そろそろ、外来宿舎に行きますね」
僕がそう切り出した。
「え?泊まっていきなよ。少し狭いかもしれないけど、寝れない事は無いだろうし……」
ユーノさんは、そう言ってくれたけど……
「やめときます。恋人同士の時間を、なんの理由も無く邪魔したくないですから…」

途端にウ゛ィータ副隊長が顔を真っ赤にして、叫びだす。
「なな……なななななんで、お前が知ってんだーーー!!!!!
はやてにも、言って無いのに!!!」
「あ……やっぱり、そうなんですか?」
顔に手を当て、下を向くユーノさんと、
更に顔を真っ赤にして、絶句するウ゛ィータ副隊長と、クスクスと笑う僕……
「どこで、解ったの?」
口をパクパクさせる、ウ゛ィータ副隊長の変わりに、ユーノさんが聞いてくる。
あ……ユーノさんも顔が赤いや……
「この部屋に入って来た時から、薄々……
ウ゛ィータ副隊長、自分で鍵開けてましたから……
ここ……ユーノさんの部屋みたいですから、あれは合鍵ですよね?」
「なるほど……ウ゛ィータの自爆か……」
呆れる様に呟くユーノさん。
それに釣られるように、ウ゛ィータ副隊長が復活した。
「しょ!しょ!しょーがねーだろ!!!いいいつも!!そそそーしてんだから!!
だだいたい!!ユーノが……ユーノが……いっつも、帰るのが遅くて!!
だだから、先に入って、待つのが、癖になっちゃったんじゃないか!!」
「わ…悪いとは思ってるけど……」
真っ赤になって叫ぶウ゛ィータ副隊長と、困り顔のユーノさん……
「……癖になっちゃうくらい、よく会いに来てるんですね……」
思わず呟きながら、部屋を出ていこうとした、僕の首筋に、何か冷たい物が触れる。
「他の誰かに話したら殺すかんな……」

両手を上げながら振り返ると、顔を真っ赤にしたまま、両目に涙をため、
グラーフアイゼンを、僕に向けるウ゛ィータ副隊長。

だめだ……普段は厳しい……ウ゛ィータ副隊長のこの姿は……虐めたくなる……
「そうですね……僕の、質問に答えてくれるなら黙っててもいいですよ」
「なんだよ……」
にこやかに答える僕に、燻しがり、眉をひそめるウ゛ィータ副隊長。
「二人の馴れ初めとか……」
「ふざけんな!!!!」
僕の一言に、赤かった顔が更に赤くなってる。

「元々、闇の書事件の頃に知り合ったんだけどね……付き合うようになったのは、
この事件が起きてからで……最初はー……」
「ちょちょちょっと待て!!ユユーノ!!」
僕の質問に、ユーノさんが答え始め、慌てるウ゛ィータ副隊長……
ユーノさんも、慌てるウ゛ィータ副隊長を楽しんでるみたいだ。

「いいじゃないか。ウ゛ィータが恥ずかしいからって、
秘密にするから、僕は可愛い彼女の自慢が出来ないんだし、たまには……」
「可愛い……て……その……急に……言われても……だな……」
「どんなとこが可愛いって思うんですか?」
「勿論見た目もだけど……」
「いい加減にしろーーー!!」


結局、二人の話と、ウ゛ィータの叫び声は翌朝まで続いたらしい………
310お供え者と3つの袋(前後半繋ぎ編):2007/09/30(日) 03:05:00 ID:P+3MyUcc
以上です。
次回からは……ユーノ、エリオ、ウ゛ィータの逆襲が始まります。エリオに関しては……堕ちていきます。

感想、GJを下さった皆様、この駄文を最期まで読んで下さった皆様、
ありがとうございました。


最後に、謝ります。
エロ無しでごめんなさい!!
はやて、フェイト、なのはを悪役にしてごめんなさい!!!
ホントにごめんなさい!!!
次回からは、ちゃんと……では無いかも知れませんが、エロはあります。
こんなダメなSS書きですが、ラストまでもう少しだけお付き合い下さい。
311名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:10:13 ID:XJm2imNk
>>303
GJ!!
逆襲ktkrww
エリオがどんな風に堕ちていくのか楽しみにしてますw
312名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:17:52 ID:oLmdfgXg
GJ!
エリオの堕ちよりもユーノとヴィータのほうが気になるな
313名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:19:24 ID:KnBfaeRL
>310
GJ!!
ところでヴがウ゛なのは仕様なの?
314名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:23:03 ID:3dNTdQaV
ユーノとヴィータは幸せになれそうだ。

そしてエリオはどこまで堕ちていくんだろう。
315名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:24:49 ID:BhhXESDy
>>310
GJ!
でも、わっふるわっふるむしろヴィータとユーノの馴れ初めわっふる
316名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:28:23 ID:B2tMpIIB
>>310
GJ!
ユーノとヴィータの馴れ初めの話も気になるという
どう反撃していくのか。肉体言語で事は通るのか?楽しみにしてます
317名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:33:21 ID:2tZSeQqJ
>>310
GJしたー!!
ユーノ×ヴィータはいいよな! 大好きだぜ!!
そして堕ちていくのかエリオ……!! 楽しみだぜ!!
318名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:35:10 ID:P3Co5UpN
なんというか、エリオやヴィータの場合は「フェイトさん(はやて)を無茶苦茶に犯してやる」て方向を向きそうなんだけど、
ユーノの場合いつもの笑顔を浮かべたまま、なのはを禁欲状態の収監者の群れに放りこむ(全裸で)位やりそうなんだよなぁ。
319名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 03:37:58 ID:ds8ibw8g
>>271、285、310
皆様GJであります

>>299の>シャマル先生から「ゴミ箱を妊娠させるつもり?」と、言われ
がツボにはまって腹筋がマッハなんだが


シャマルセンセにオナ禁を命じられるエリオ。しかし達成できるはずもなく、
シャマルセンセに「これ以上続くようなら保護者に相談しないといけないわね」と言われて慌てるエリオ
まで妄想した
320名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 04:06:28 ID:3dNTdQaV
>>318
何故かそのシチュで、縛り上げた挙句太物に1回10円とか書かれてるような
そんなシチュを妄想した俺はもうだめだろうか・・・・・・
321名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 04:10:08 ID:B2tMpIIB
投下してみてもいいでしょうか?
初なので、なんとも不安ですが……
322名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 04:11:48 ID:n1VraQSh
どーぞどーぞ
うぃ、ありです。では
・フェイトとユーノがメイン
・本番はないですがちとエロ(?)かと
・尻とか出てくるので苦手な方は回避したほうがよいかと
・初投下、エロ初めてと至らぬ点多いかと思います

題名は適当なんであんま気にしないで下さい
 チャイムを鳴らして中へと自分の来訪を伝える。
 地球のとあるマンション。ここはクロノやフェイトたちが闇の書事件の拠点として使っていた場所だ。
 事件解決後、フェイトはここを住居としてなのはたちと同じ学校に通っているのだ。

「―――フェイトー? アルフー? 来たよー?」

 今日、彼―――ユーノ・スクライアがここを訪れたのは他でもない。友人であるアルフに緊急に呼び出しを受けたからなのだ。

 彼はたまたまこの世界に遊びに来ており、なのはたちが学校に行ってる間は比較的に暇だった。
 いつも通り高町家でウトウトと休暇中の惰眠を貪っていると、頭に響いたのはアルフからの念話。
 身体を丸めて入っていた籠からは転がり落ち、地面に見事激突して悶えること数秒。

 けたたましい声で正確な用件も告げず、すぐに地球のハラオウン家に来るように言われたのが、実に10分ほど前の話だ。

「おっかしいなぁ……アルフー? いないのー?」

 フェイトは学校、リンディさんは局としてもアルフもいないのは変だろう。
 何かあったのだろうか。そういえば、随分と慌てていた様子だった。
 ユーノは少し焦りを感じ、扉を思い切り叩いて中へと己の来訪を伝える。

「アルフ! いるなら返事して! アル―――」
「ユーノッ!!」
「―――フぶるあっ!?」

 突然開け放たれたドアに顔面が直撃。
 物凄い力をもって開かれたそれは、ユーノの身体を容赦なくふっ飛ばし、華麗に宙を舞った彼は―――そのまま手摺を綺麗に乗り越えて地面へと落ちていく。

 数秒後、飛行魔法で助かったユーノが鼻頭を押さえながらなんとか浮かび上がってきた。

「痛い……痛いよアルフ……」
「それどころじゃないんだよ! 急ぎなんだ、説明するから早く入っておくれ!」

 実は軽く死ぬところだったのをそれどころじゃないとはどういう了見だ。

 が、彼女がここまで焦るということは―――十中八九フェイト関連であろう。
 ユーノは今起きた出来事は水に流すことにして、顔に回復魔法をかけながら家の中へと上がる。

 相変わらず綺麗に整頓されたリビングを抜け、クロノ用の今は使われていない私室の前を抜け、何度か来たことのあるフェイトの部屋の前で立ち止まる。
 アルフはそこでユーノに静かにするようにとのジェスチャーを送ると、軽くドアをノックした。

「―――フェイト。ユーノが来てくれた、入るよ」
 中に入ると漂ってきたのは―――酸っぱいような、汗のにおい。
 女の子の部屋らしく、黄色を基調に可愛らしく整頓されている中。
 けど、その部屋は普段と少し様子が違っていて……まず、ベッドに金髪の少女が横たわっていた。

「フェイト?」

 更に、その横の勉強机には水の張った洗面器。
 他にも床には体温計や脱ぎ散らした下着類などが散乱している始末。
 出来るだけそれらからは視線を外しつつ、フェイトが寝ているベッドへと近づいて顔を覗き込んで見た。

「フェイト、大丈夫? 僕だよ、分かる?」
「……あ……ゆ、ユーノ……ごめん、……来てくれて……ありが……と」

 目が完全に開いていない。
 何とか頑張って作った風な疲れた笑みに、不自然に上気した顔。
 額にはタオルが置かれており―――頭の下には枕の代わりに氷嚢が敷かれていた。

 流石のユーノでもここまで来ればフェイトの身に何が起きているのか理解できる。
 つまり、彼女は。

「風邪でダウン、か」
「そうなんだよ。しかも結構熱も高くて……! 私も今からすぐに本局に飛ばなきゃいけないし、見てやれる人がいないんだよ」
「……つまり、僕がフェイトの看病をすればいいんだね?」
「悪い、頼めるかい? 今フェイトのこと頼めるの、ユーノしか思いつかなかったんだ……」

 人型のまま耳を垂らして俯くアルフ。
 そんな姿を見て見捨てて置けるほどユーノは人間腐っていない。
 笑顔を浮かべると、安心させるようにアルフの肩に手を置いた。

「大丈夫、任せて。フェイトのことは僕が責任を持って面倒を見ておくから」
「ユーノ……! ありがとう、助かるよ」
「ごめんね……迷惑、かけて……」
「フェイト、いいからフェイトはユーノに全部任せるんだよ。……アタシフェイトの使い魔なのに、肝心な時にフェイトを守れなくて……ゴメンよ」
「いいんだ……よ。アルフは私が行けない代理で、局に……行ってくれるん、だから……ありがとう、アルフ」

 なるほど……この事態にアルフがついていれないのは変だと思ったが―――そういう理由か。
 ユーノは一人で納得すると、アルフに向かって時計を指さす。

「時間が無いなら急いだ方がいいよ。上の人は時間に厳しい人が多いから」
「っとそうだった。じゃあ、私は行ってくる! ユーノは後をよろしく頼むよ!」
「―――さて、と。フェイト、今熱何度くらいなのかな?」

 彼女の頭からすっかり温まってしまっているタオルを取って、水に浸してからよく絞る。
 布が擦れるくらいまでキツく絞ってから、それを広げてまた彼女の額に乗せてあげた。
 冷たいタオルの感触を心地よさそうに受けながらも、擦れた声でフェイトは答える。

「39.8度、とか……だったよ。今は、もう少し上がってる、かも……」
「……そりゃ相当だね。出来るだけ動かない方がいいよ。欲しいものとか、して欲しい事、何でも言って」
「なん、でも……?」
「うん。僕が出来ることなら、何でもしてあげるから」

 フェイトはきっと目がちゃんと見えていないのだろう。
 さっきから焦点の合わない瞳は、ユーノを捉えたり捉えなかったりと、左右に動いている。
 だからフェイトの真意なんてちっとも読み取れなかったのだけど。
 少しだけ―――少しだけ、彼女の意識が強く現実に戻った気がしたのだ。

「何か、あるの? して欲しいこと」
「……うん。ちょっと、あるかな」
「水持ってこようか? 水分補給ならした方がいいから―――」
「違う、んだ。あの……でも……ユーノ、は……ケホッ。嫌がる、かも……」

 ユーノが目を見開く。
 そして次の瞬間、少し不満げな声で言っていた。

「フェイト。何を頼みたいのか知らないけど、僕が嫌がると思う?」
「あ、う……」
「―――あ。ご、ごめん……病人の枕もとで……。あ、氷嚢貸して。中身、入れ替えてくる」

 気まずくなってしまったので、少しだけ話題逸らしのためにフェイトの頭の下からゴム製の氷嚢を抜き取る。
 それの中身も最初は氷と水だったのだろうが……今ではすっかり溶けて、ほぼ水のみなってしまっていた。

 きっと、自分が部屋に帰ってくる頃にはフェイトも自分に言いたかったことを言ってくれる。
 そう思ったユーノは急ぐようにして台所へと向かい、氷嚢の中身を入れ替え、タオルや飲み物なども一緒に持って、部屋へと帰還した。

「ただいま。―――はい頭上げて」
「うん……あは。冷たい」
「氷が沢山入ってるから。あと飲み物、ね。飲む?」
「ううん。ユーノが……来る前、少し飲んだから……」

 そこでフェイトは言葉を切って。
 次の言葉を勇気を出して述べるかのように、目を瞑って、囁いた。
 ……え。
 言われた意味がよく理解出来なかった。
 だからユーノは首をかしげ、少し動揺しつつも聞き直す。

「……フェイト。もう一回言ってくれるかな」
「え、うん。あのね……」

 ―――私、ゆーのニ、身体ヲ拭イテ欲シインダ……。

 分かっている。風邪っていうのは引けばお風呂には入れない上、汗だけはかく。
 そうしてかいてしまった汗をそのままにすればいずれは汗が乾くなりなんなりして、熱を大きく奪われたり汗疹になったりする。
 熱を奪われるというのは、身体を一気に冷やすのと同義であり―――風邪が悪化する!

 だから、フェイトは彼に頼んだのだ。身体を拭くように、と。

「……がああああ! わ、分かったよ。ちょっと待って……」
「い、いいんだ。自分でやろうと思えば……やれる。汗臭いから、触りたくなんか、ないよね……」
「ち、違う! それは違うよ!」

 ユーノは別にフェイトが汗臭くても泥臭くても、そんなのは気にしない。
 そんなこと言ってたら彼の出身部族なんぞは汗臭くて泥臭くて、稀に血生臭い女性だっているのだ。へっちゃらだ。
 だから問題なのは―――当然だが、女の子の身体を拭くということで。

 同い年の女の子の身体を拭くなんて、流石に躊躇うに決まってる。
 だが。

「気にしないでユーノ……変なこと言ってごめんね。やっぱり、私、じぶ―――」
「起きちゃダメだよ。横になってて。今、お湯を汲んでくるから」

 だが―――
 一番の問題は、彼女がユーノに裸を見られたり触られることをどうとも思ってないということだ。

 ユーノ限定なのか、全ての男に対してなのかは知らない。
 けどあんまり無防備になられても……対応に困ってしまうのは当然じゃないか。
 そういえば、今思い出してみれば出会った頃のなのはも、ユーノと風呂に入ることに抵抗が無かった。男だって分かってるはずなのに。
 まあ、途中から自分も慣れてたといえば慣れてたけど……。

 蛇口からお湯をひねり、さっきのとは違う洗面器に満たしていく。
 緊張してきた。
 フェイトの身体を拭くのかと想像するだけで、身体が妙にそわそわする。

「くう……駄目だ余計なこと考えるな……! あれは義母さんの身体あれは義母さんの身体あれは義母さんの―――」

 途中、あんな小学生体型の義母じゃなかったことを思い出したが、全力で思考から省いた。
 よし大丈夫。自分はまだ戦えると確信する。
 アルフから頼まれたんだ。ここは全力をもってフェイトの病気を治すことに―――

「お待たせフェイト。お湯汲んできたから、パジャマの上、」
「あ、ユーノありがとう……」
「ぐあ……」

 ……既に彼女は上着を脱いで、風邪で潤んだ瞳をこちらに向けて微笑んでいたわけだが。
「き、気が早いねフェイト……」
「え、あ、うん……手間をかけたらいけないと思って……」

 それは嬉しけども。
 フェイトの身体は現在上半身裸で、少しだけ恥ずかしそうに胸元を両手で隠している。
 頬は熱のせいで上気しており、半開きになった口からは苦しそうな吐息が漏れて、その縋るような眼でこちらをじっと見つめていた。

 ……そうだ、とユーノは気付く。
 このままでどんどんフェイトの身体が冷えてしまう。早く身体を拭いて、パジャマを着せて寝かせてやらねば。

「フェイト、じゃあ背中を向けてくれる?」
「う、うん……お願いします」

 その応答はなんか気恥ずかしいと思いつつ、先程の念を頭の中に復活させる。
 そうだ。気にしなければどうということはない。これは治療行為の一貫。
 同い年の女の子の背中を、フェイトの背中を流していると考えなければ。

 温かいタオルを絞り、そっとフェイトの背中に触れさせる。
 彼女の身体が震え、僅かに艶やかな吐息が洩れる。

 ……我慢をすると誓ったので断じて何も考えないように努める。
 自分も彼女も既に11歳。子供であるが、身体は大人になりかける時期でもある。

 フェイトはきっとそっち方面の知識はあまりのないのだろう。ユーノに全幅の信頼を寄せるようにして、身体を任せている。
 だから万が一の事態なんて絶対に起こしてはならない!アルフの信頼を裏切っちゃダメいけない!
「ユーノ……?」
「あ、ごめんごめん」

 自分の手が止まっていたのを自覚して、また上下に動かし始める。
 汗を拭きとり、背骨にそってタオルを動かし、肩峰を撫でるようにして肩から腕にかけての汗を拭い。
 首筋も軽く拭いたところで―――腰にそっとタオルを当てると。

「あひゃうぅっ!」

 物凄く色っぽい声で、フェイトが啼いた。
 慌てて手をどかしてから驚いて聞く。

「うわ!? ど、どしたの!」
「あ、あぅぅ……ご、ごめ……なさい……。私、腰弱くて……」
「そ、そうなの……」

 顔を真っ赤にしているので、弱いというのは本当らしい。だが、弱いからと言って汗の溜まり易い腰の部分を拭かないわけにもいかないだろう。

 ゴシゴシ。

「はぅ……くぅん……っ!」

 キュッキュッ。

「あぅ、ユー……ユーノ……はぁぁっ!」

 ―――ここで、二人はすっかり思考が単純化していた。

 フェイトは熱で頭がぼーっとしていたし、ユーノはフェイトの身体に意識しないようにとするあまりに―――
 腰くらい、フェイトが自分で拭けばいいということを忘れていた。

 そしてそんな二人の単純な思い込みは、更に暴走することになる。
「終わったよフェイト」
「あ、はぁ……じゃ、じゃあ前も……お願いします……」
「うん? ……う、うん」

 ゆっくりと、重たい身体を動かす様にしてフェイトがこちらを向く。
 ユーノもベッドに座っているので二人、向かい合うような体勢となって見つめ合う。
 少し膨らんだ胸は両手によって隠されていたが、―――その方がどちらかと言えばいやらしく感じた。

「あ、あんまり見られると恥ずかしいよ……」
「う、うわごめん! すぐに終わらせるから!」

 考えるな、とユーノは何度も頭の中で繰り返す。
 実のところ、考えた方がマシな結果が出ることにはさっぱり気付いていない。
 再びお湯で洗い、絞ったタオルをフェイトの真っ白な、粉雪のような肌に触れさせる。

「んん……っ。あはっ」
「くすぐったい?」
「ちょ、ちょっと……でも平気だよ。続けて」
「うん」

 出来るだけ手早く済ませようと、腹回りなどをさっさと拭いていく。
 けれど、それもすぐに終わってしまった。
 だから、残っているのは……フェイトの腕によって隠されている部分だけで……。

「あ……。ユーノ……お願い」
「……!」

 気付いたフェイトは少しだけ恥ずかしそうに俯いていたが―――すぐにその両腕は開帳された。
 彼女の両胸が、一切の妨害を受けず、己の前に提示されている。
 ほんの少しだけのふくらみ、その頂点で固くなっている桜色の突起。
 フェイトは熱が1度くらい上がったように赤くなり、目を瞑って顔を逸らしている。
 ユーノは呼吸を荒くしつつ、口の中が乾くのを感じながらもタオルでそっと、それに下から触れていった。

「―――」

 柔らかい、と思った。
 彼女の体は比較的筋肉質で、触ったら少し硬かったが―――けど、この部分だけは別格に柔らかかった。

「〜〜〜〜〜〜!」
「……っ」

 2人、言葉はない。
 フェイトはユーノに自分の全身が支配されているような気分になって、その恍惚さに興奮しており。
 ユーノもまた、フェイトの身体を自分の思う通りに扱っていることに興奮を覚えていた。

 そんな時間が続いていたのも10秒程度。
 そっと彼女の肌からタオルを放したユーノは、大きくため息をついて後ろを向き、終わりを告げた。

「―――フェイト、服を着ていいよ」
「あ、……うん」

 どうやら予め換えを用意していたらしいフェイトは新しいパジャマに袖を通す。
 こうして二人の少年少女の、ちょっとだけ濃密な時間は終わりを告げた。
 ……かに思われたのだった。
―――――――――――――――――――――――




「熱―――下がらないね」

 お昼を回った。
 あまり食欲がないというので定番のおかゆをほんの少量だけ食べてもらい、ポカリスエットという飲料水を飲ませた。
 汗も拭いて氷嚢も変えて大分落ち着いてはいる。

 けど、熱が下がらない。
 フェイトは未だに苦しそうに呼吸をして、時折むせるように咳をしている。
 ……やっぱりここは薬に頼るべきなんだろうか。

「フェイト……薬ってどこにあるか分かるかな?」
「薬……うん。母さんが……冷蔵庫に入ってるって……」
「分かった、取ってくるから待ってて」

 辛そうなフェイトを一人残すのも気が引けるが、ここは仕方ない。
 早歩きで廊下を進み、リビングを抜けてキッチンに入る。
 冷蔵庫を開け、中を見回すと何やら色取り取りの見るからに甘いお菓子類が目に飛び込んでくる。

 さっきポカリスエットを取った時も見たが、こんなに毎日補給しないと倒れるのだろうか、とユーノは思う。
 見回すとどう考えてもクロノ用の牛乳とか(何やら魔法で腐りにくくしてある)、エイミィさん用のスモークチーズとか(『にょろーん』と書いてある)。
 普通の食材も入ってるが、皆己の欲望に従って冷蔵庫を使いすぎである。

「―――ん? あ、これかな……錠剤?」

 何やら人差指の第二間接くらい、つまり3,4センチくらいの大きさをした小型ロケットのような薬が何錠も連なっているものを発見した。
 ユーノはそこで、己の思考回路に没頭してみた。

 ……飲み薬にしては飲みにくいよね。
 ……ていうかこれ、凄く“アレ”な気がするんだよ。
 ……うん。まあ確かにフェイトくらいの年齢ならこれのがいいだろうけどね。
 ……ぶっちゃけこれさ。

「……坐薬って……自分でなんとか出来るものだったかな……」

 頭が痛くなってくるのを感じつつも、それを持って一応部屋に戻ることにする。
「と、言うわけなんだけど……自分で入れらるかな? これは」
「や、やってみるよ……」

 流石にお尻に薬を入れる、という事実は知られただけでも結構恥ずかしいらしい。
 ゆでダコを凌駕するかのように赤くなり、今にも煙を出しそうな勢いだ。

「じゃ、じゃあまぁ、僕は外にいるから……終わったら呼んでね」
「う、うん……すぐ終わらせるから」

 別に急ぐ必要はないけど、とユーノは思ったが言うのは止めておいた。
 フェイトは気を使うと逆に気を使ってくるタイプだ。今までもフェイトと何かを譲り合って20分経過とかざらにあったくらいに。
 ここで変な風に言い合いになって彼女の風邪を悪化させるわけにもいくまい。
 ユーノは廊下に出ると深くため息を吐く。

「もしかして……女の子の看病って、女の子がやったほうがいいんじゃないかな……?」

 洋服とか下着の替えもそうだし、さっきの汗を拭くのもそうだ。
 トイレとかだってあるだろうし、汗臭くなってしまったのをフェイトも最初は気にしていた。

 が、まあ今更と言えば今更。
 後少しすればなのはたちの学校が終わる。そうすれば彼女たちに看病を代わって貰えるだろう。
 もしかしたらその前にアルフが帰ってくるかもしれないし―――

「ゆ、ユーノ……い、いいかな……」
「え? ああうん。終わった?」

 そういえば……その、お尻の穴に手を突っ込んだ? のだし、手とか洗いただろう。
 まだ一人では歩くのも辛そうだし手を貸す必要があると判断する。
 ドアを開け、中に入ると、布団の上に座って恥ずかしそうに視線を逸らすフェイトの姿がある。
「手、洗う? 肩を貸すよ」
「……あ、ああ、うん。洗う……ありが……っと!」
「危ない!!」

 やはりまだフラフラしているのか。
 慌てて手を出して彼女を受け止めると―――そのままフェイトはぐったりと身体を預けてきた。

 坐薬とはいえ効果はそんなにすぐは出ないのだろう。最低でも30分……1時間は欲しいところだ。
 手を洗ったらすぐに寝かせた方がいい。
 そう判断したユーノは、お姫様抱っこをするような形でフェイトを持ち上げると、そのまま洗面所へと歩き始める。

 気づいたフェイトが力無く、

「ユーノ……私、歩ける……よ」
「ダメ。今の君、相当ふらついてるんだからさ。全く、無理するところなんかなのはそっくりだよね」
「う、な、なのは程は無茶したりしないもん……」
「どうかなぁ。似たもの同士だと思うけど」
「私は……ケホッ。ユーノの方がなのはと似てると思うけど……」
「……どこが?」
「頑固」
「えー……ふーん。なのはに言ってやろーっと」
「え、わ、だ、ダメだよっ!」
「あはは。冗談冗談」

 慌てるフェイトをあやしつつ、辿り着いた洗面所で下ろす。
 少し上体をふらつかせながらも手を洗ったフェイトは、今度はユーノに抱っこすることを許さず、肩を貸すだけで部屋に戻って行く。

 ベッドに彼女を寝かせ、冷たいタオルを乗せてやると―――ユーノはそっと、自然にフェイトの頭を撫でていた。

「―――お休みフェイト。寝るのが一番だから、さ。寝て起きる頃には、熱も下がってるよ」
「う、うん……お休みなさい、ユーノ」

 ゆっくりとフェイトは目を閉じる。
 それを見守って、ユーノは辺りを見回した。

「片付けでもしておくか……」

 それだけ呟いて、とりあえず簡単に片づけを開始した。
334名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 04:29:47 ID:82xdVYWR
支援?


――――――――――――――――――――



 フェイトの家に来てから大分時間も経過した。
 彼女を寝付かせてから3、40分経っているので、もう寝てるだろうし熱も少しずつ下がってきているはず。
 リビングで学会用のレポートを作成しながら、ユーノはちらりと時計を確認した。

「……ふぅ。なのはたちはまだ、か」

 連絡は入れておいたので、恐らく帰宅する際に寄ってくれるはずだ。
 アルフもそろそろ、あと一時間もすれば帰ってくるだろうし、上手くいけばリンディが先に帰宅するやもしれない。
 自分がフェイトに頼られる時間が終わると思うと少し寂しくもあったが―――なんとかやってあげられたかな、とも思う。

「さて、と。夜の分の予定、せっかくだから今の時間で進めておこうか―――」
『ユー―――ノ』
「……え?」

 念話。そう悟った瞬間、ユーノはソファから立ち上がって、フェイトの部屋にかけだしていた。
 非常に苦しそうだと分かる声色で、彼に助けを求めていた。
 何があったのかは分からないが―――急がなければならない。

 フェイトの部屋の前にたどり着き、ドアを開ける。

「フェイト、どうしたのっ!」
「ユーノ……あの……ケホッ、ごめ……ぅ」
「……フェイト? どうしたの? 薬、効いてないの?」

 慌てて駆け寄り、すぐさま横にあった体温計を渡して熱を測るように指示する。
 風邪のようなものには気休め程度だがフィジカルヒールをかけつつ、洗面器の水でタオルを冷やして額に置き直す。
 そんな彼の様子を見ていたフェイトは、申し訳なさそうに言った。

「ごめん……ユーノ……実は……お薬、使ってないんだ……」
「え?」
 フェイトの言葉に呆然とする。
 クスリを、使わなかった?
 熱が高くて苦しそうだったから、使ったのに?
 何故?

「……ど、どうして?」
「そ、それが……その……お、お尻に……」
「お尻に……?」
「う、うう、ううううううまく入らなかったの……っ」

 物凄い沈黙が訪れた。絶対零度の沈黙といってもいい。
 どちらも発言しない。否、ユーノからすればどう反応していいか分からず停止している。
 フェイトも自分の発言に真っ赤になってしまっており、布団を眼元まで持ち上げて顔を隠していた。

「……あの、フェイ、」
「あ」

 すると、フェイトの胸元に入れられて、脇に挟まっていた体温計が電子音を鳴らす。
 フェイトがゆっくりと取りだすと、その体温計は―――40.1度を示していた。
 ユーノはそれを見て顔をしかめる。

「朝より上がってるじゃないか……。やっぱり、薬……でも、どうしよう……」
「……」

 考えこんでいるユーノをフェイトはじっと見ている。 
 何かを、決意するような表情で。
 ユーノを穴が開くように見つめ―――そして、ゆっくりと口を開いた。
「ユーノ。最後のお願い、していい?」
「? 何……?」

 最後、という言葉に引っかかりを覚える。
 別に最後などと言わずとも、フェイトの頼みならなんでも聞くのに。

 だが、ユーノが考えているのと、この最後の意味合いは違った。
 最後というのは―――フェイトなりの決意の表れ。
 彼女の中で固まった結論を口に出すための、後押しの言葉。

 そうして決めた意思を、吐息とともに彼に吐き出した。

「―――私に、お薬を入れて下さい」
「―――は?」
「……さっきの薬を、……お願い」
「え、でもさっきのって……お尻の薬だよ……?」
「うん……でも、いいよ私……ユーノになら、見られても、触られても……平気だから」

 心臓が高鳴る。
 全身から汗が噴き出しているように感じる。

 フェイトの、お尻に、薬を?
 誰が?
 僕が?
 だって、あの薬を入れるには指も入れなきゃ駄目なんだよ?
 でも僕なら別にいい?
 え、えええええええええええええええええ―――

「お願い―――苦しいんだ……」
「……! わ、分かった……待ってて、冷蔵庫から、取ってくるから……!」

 ―――結局、フェイトの苦しそうな顔が決断に止めを刺すことになった。
 薬は今、自分の手の中にある。
 使用法によると少し温めてから使うらしい。
 掌の中にそれを握りしめつつ、目の前で起きようとしている光景に想像を走らせてしまう。

 だが、見ることはしない。
 大丈夫。そこは完璧に死守した。
 なぜなら―――

「ゆ、ユーノ大丈夫……? 目隠ししてて、分かる……?」
「全然オッケーです。もうなんていうか心眼とか開けそうだよ今の僕。手はフェイトが導いてくれればそれで」
「あ、うん……じゃあ、脱ぐね」

 別に言わなくてもいいことを言って、フェイトはユーノの頭に攻撃を仕掛けてくる。
 いや、本人に自覚はないのだろうが、それが余計にたちが悪い。

 スルスルという布擦れの音がする。パジャマの下、そして下着が足から外される音。
 そうして、ギシ、とベッドが揺れたのち―――フェイトの声が、ユーノの耳へと届いた。

「来て、ユーノ」
「あ、ああうん」

 曖昧な返事をしつつ、手を前に出す。
 そうして差し出された薬を握った手が、フェイトの手にそっと掴まれて、導かれる。
 彼女の手で、彼女の肛門へ。

「―――分かる? ユーノ……」
「わ、分かるよっ」

 触れば、理解した。
 このすぼみのような場所が……フェイトの、お尻の穴で……大事なところなんである、と。
「あ……ッ!」

 少しだけ指先でなぞると、フェイトが短く嬌声を上げる。
 いけない、と思ったユーノは手の中の薬を持ち直し、すぐさまその穴へと宛がった。
 キュッ、とその部分の周りが緊張するのを感じつつも、フェイトへと問いかける。

「じゃあ、入れるよ? 少しだけ力を抜いてくれるかな」
「あ、あぅ……い、入れて……ユーノ……」
「こ、ここかな……?」

 薬の先端で入口付近をなぞる様にして軽く円を描く。
 描かれたそれの中の中―――中央部に、集まるような場所を発見した。

 そこに宛てがい。
 ユーノは指先に少しずつ力を込めていく。

「あ、あうぅ……く……」
「フェイト、押し戻されちゃうから、力を抜いて……」
「だ、だって、だって……どうしても力が入っちゃうの……」
「―――お願いだよ。これじゃまた……」
「ああっ」

 自分の指先が、フェイトのお尻の中へと突入したのを感じた。
 非常に温かく、まるで脈動しているかのような感覚に少し動揺したが、そんなことも言っていられない。
 ぐぐぐ、と更に奥まで己の人差し指を押し込むと、更に強い力でその指が締め付けられる。

「ふぇ、フェイト……」
「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
「泣かないで……」
「だ、だって、私のお尻なんて汚い場所にユーノは指を入れてるのに……私、それなのに……!」
 ポロポロと涙するフェイト。
 それを目隠しの中でも聞いたユーノは、フェイトのお尻の穴に指を入れたまま身体を動かして。

 フェイトの身体に覆いかぶさるように全身を移動させ、彼女の耳元に、そっと囁いた。

「―――汚くなんか、ないよ」
「え……?」
「フェイトの身体は、汚くなんかないよ。―――どんな場所でも、とっても綺麗だ」
「あ、え……」

 瞬間。
 フェイトのお尻の筋肉に入っていた力がスッと抜けて、ユーノは自分の指が奥にぐっと入っていくのを感じた。

 自分の指がほぼ根元まで埋まったことを確認して、ユーノはほっと息をついた。
 これだけ奥まで入れば大丈夫。
 あとは、この体勢のまま5秒ほど維持していればいいだけ。

 ほら、もうすぐだ。すぐに―――

「フェイトただいま! 少し早く終わったよ!」
「お邪魔しますっ。フェイトちゃんユーノくん! お見舞いとお手伝いに―――」
「フェイトさん、大丈夫だった? ユーノ君もありが―――」

 ―――これはなんだろうか、とユーノは聞こえてきた声に遠く思う。
 まるで計ったかのように彼女たちが帰ってくるなんて―――そんなの、酷いにも程がないだろうか。

 自分は今、四つん這いになったフェイトのお尻に指を突っ込んでいて、身体は覆いかぶさるようになっていて。
 フェイトは見えないがきっと、苦しそうにその指を受けいれて顔を赤らめており。
 で、しかも考えてみたら自分は目隠しまでしているわけで、どんなプレイだよと。

 でも。
 言い訳しないとただの犯罪者なので、とりあえず声のした方向に顔を向けた。

「あ、違うんだ。これは―――」
「―――スティンガー」
「―――ザンダー」
「―――必殺必中必倒必滅」

 解説しておくと上からリンディ、アルフ、なのはなのである。
 ああ、なんかこう、色んな意味で大変な休暇だったなぁ、とユーノが最後の思考を出来た瞬間。

 身体はそれらの攻撃によって的確に吹き飛び、部屋の壁へとめり込んで、……その意識すらをも手放すことになったそうである。
これで終了です。こんな馬鹿げた話を読んでくれた方、ありがとうございました
途中何回かミスって投下が止まりました……ごめんなさい……

あ、ちなみに何でお尻かっていうとただの趣味です
坐薬を使うときはほんとは先に排便を済ませて下さいな

以上です。では
342シナイダ:2007/09/30(日) 04:36:45 ID:B2tMpIIB
あ、名前とかあったほうがいいのか
じゃあ一応「シナイダ」で一つ
343名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 04:39:39 ID:3L+wEgNP
うおー!!!!リアルタイムGJ!!!!ユノフェは俺の中の筆頭なんだけど数少ないんすよね。

早起きすると良いことあるな!!クレクレっぽいっすけどStSの時系列の話も読んでみたいっす。
344名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 05:02:45 ID:n1VraQSh
GJ!これは良いユーフェイ!
アナルエーロース!エーロース!
345名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 05:10:58 ID:rqUTlwUS
フェイトかわいいユーノもかわいい
略してフェユのカワユス
346名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 05:48:29 ID:BHHia811
今日もいい朝だ…
絶好のフェイエリ日和だな……
347名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 05:53:14 ID:NaPbmCOA
アナル好きな自分としては嬉しい限りのSSですた
ご馳走さまでした、シリイダさんw
348名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 06:11:59 ID:vUQ0tGWy
>>310
グッジョォブ!!!ああ、ツンデレヴィータいいなぁ
顔がニヤけてしまう、それにしてもロリっ子と普通につきあってたユーノww
少しは照れろww
ラストまで期待しています

>>341
シナイダさん初投下乙です、いやぁ次回作は本番まで期待してもいいかな?
>>347
尻痛?ちがw
349名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 06:51:30 ID:ygu4SnhH
投下するなら今の内…

・エリフェイ
・エロ有り
・純愛(希望
・メモ帳の時点で24kB
350愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:52:18 ID:ygu4SnhH
「エリオ・モンディアル」
「は、はい!」

普段から呼ばれ慣れている相手でも、改めて名前を呼ばれると常に無く緊張してしまう
まして、魔導師ランクの昇格試験の直後となれば尚更である。

「……成績、効率共に文句無し。おめでとう、AAAランク合格っ」
「あ……ありがとうございます!」

今この場ではエリオの試験官である高町なのはの言葉に歓喜の表情を露にする
彼の隣では、パートナーであるキャロが笑顔で惜しみない拍手を送っていた。


レリック事件が終結して三年が経過した春
本来の目的を終えた機動六課は研修期間の終了と共に解散となるはずだったのだが
その対応力と戦闘能力、扱い易さから本局の提督他上層部に目を付けられ
『ジェイル・スカリエッティの情報を宿した戦闘機人の一機が逃走した』という名目の下に存続が決定し
八神はやてもこれを聞いて渡りに船と快諾し、現在に至る
幸いにも主要隊員の入れ替えは行われず、家族のような六課の雰囲気は未だに保たれていた。


「すごーい!エリオ君もうAAAランクになったんだ〜」
「うん、ありがとう、キャロ」

僅か13歳にしてAAAランクを保有している魔導師は非常に珍しい、その上エリオは先天性の才能が有った訳でもない、
そんなエリオが事件以降、AランクとAAランクを両方一度でパスした事には、流石の教導官も驚いている、
まだ幼い彼がどれ程の修練を重ねたのかは、誰にも容易に想像出来るものではない。

「それじゃあ、エリオ君は今日伝え―――」
「エリオ、おっめでとー!」
「凄いわね、あたし達抜かされちゃったわよ、スバル」
「ありがとうございます。でも、スバルさん達もAAAランク最有力候補じゃないですか」
「いやいやーどうも試験本番になると運が逃げちゃうみたいでねー」

同じく機動六課所属のティアナとスバルは、一年前にAAランク試験に一発で合格、
その後も順調に経験と訓練を重ね、いつ昇格してもおかしくない程の能力を保有しているのだが
いざ本番となるとミスが連続し、つい先日二人一組枠の試験に揃って不合格となってしまっていた。

だが、それを差し引いても六課の面々の成長速度は異常を軽く凌駕している気さえする
濃い訓練や実践経験を重ね、仲が良く実力の近い者同士の競争という状況の為か鍛錬への意識が弱まる事は無く
むしろそれを楽しんでいる様にさえ見られる
『好きこそ物の上手なれ』という言葉が管理外の世界に有ったが、それが綺麗に当てはまっていた。

「それにしてもエリオ、いつの間にそんなに訓練したの?」
「そうだよね、基本的な訓練の時はいつもあたし達と一緒だったし……」
「あ、あはは……まあ、そこは色々と言うことでお願いします」
「ふ〜ん、それじゃあ、今からその色々について話し合おうか!」
「え、ええっ!?」
「そうね、今後の為に是非聞いておきたいわ」

言葉を濁すと余計に追求されるのは定石である
その日、エリオは半ば強制的に拉致され、日が暮れるまで修練について語り明かす羽目になった。
351愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:52:50 ID:ygu4SnhH
開放されたのは、月も高い深夜になってからだった
キャロは先に部屋に戻って既に休んでいる、スバルとティアナも満足のいく結論が出たのか
自室に戻って対昇格試験の会議の続きをすると意気込んでいた。
そんな中、一人とある部屋の扉の前に立ち尽くしているエリオ
まだ吉報を伝えていない人が居る、どうしても自分から伝えたくて、なのはにも言わないよう頼んでおいた、
だが無事合格した今にして、自分の口から伝えるのが恥ずかしくなってくるが
それでも伝えたかったから、と意を決して部屋に入る

「フェイトさん!」
「あ、エリオ、どうしたの?……その傷、大丈夫?」

入り込んだ隊長達の部屋には、執務官の仕事を終えたフェイトが部屋着でソファーに座っていた
開口一番、エリオの事を心配するのがフェイトらしいと言えばフェイトらしい
大丈夫だと手当てを断ると、エリオは少しだけ胸を張って

「ありがとうございます!お蔭様でAAAランクに合格する事が出来ました!」
「本当!?おめでとう、エリオ!」

自分の事のように満面の笑みで喜ぶフェイト、同じ様に笑顔が零れるエリオの顔は
直後に抱き締めてきたフェイトの姿によって戸惑う様に慌てていた

「……凄く頑張ったんだね、偉いよ、エリオ……!」
「フ、フェイトさん、苦しい……」
「あっ、ご、ごめんエリオ!」

少し力を入れ過ぎたのか、苦しむエリオから慌てて離れる
恥ずかしそうに照れ笑いをするフェイトに、エリオも同じく恥ずかしそうに頭を掻く

「そ、そういえばなのはさんは今日はいらっしゃらないんですか?」
「うん、今夜はユーノとお出かけするって、明日はオフだし、私は一人でお留守番」

もう一人の部屋の住人であるなのはは、以前から休暇を調整しては、ユーノと遊びに行く事がよく有った
本当にたまにしか会えない為か、そういった日は必ず深夜遅くまで帰って来ない
二ヶ月前に至っては、朝方に泥酔状態のなのはがユーノに引き摺られて帰ってきたのを覚えている
それ以来、何処からか二人が付き合っているという噂が流れるようになった
当の本人に問い質しても丸分かりなはぐらかし方をされてしまうので、六課の皆で見守ろうという結論に至っている。

「でも、もうエリオが機動六課に来てからもう三年になるんだね……お仕事、大変じゃなかった?」
「いいえ、その間ずっと六課の皆さんに良くしてもらってましたから」
「だけど、私はあまり構ってあげられなかったから……」
「そんな事ありませんよ、僕もキャロもフェイトさんが忙しいのは十分分かってますから」
「そう……」
「僕もキャロも大丈夫です、だから、あまり心配しないでください」

何十回と気にかけて、何百回と返された言葉
頑張っている人に「大丈夫?」と問いかければ「大丈夫です」と返ってくるのと同じくらいに当たり前な返答である
352愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:53:22 ID:ygu4SnhH
「それにしても、AAAランクか……そろそろ、私やなのはに追いついちゃうかもね」
「いえっそんな、僕なんかまだまだで……」
「ふふっ、私もAAAから今のSSになるまで何年もかかったんだから、そう簡単にはいかないよ」
「はい、精進します」
「でも、なのはの教導ならそう遠くはないかも……ね」
「そうですね、なのはさんの訓練は凄く厳しいですけど、とても良い経験になります」

実の所、学業や執務官試験と様々な事が有って自己鍛錬だけに集中出来なかったからなのだろうが
その事には一切触れずに悪戯っぽく笑うフェイト
だけど、いつもと同じ違和感がフェイトの頭を過ぎる
エリオは元々弱音を吐くような子ではなかったものの、最近は殊更に一歩も二歩も距離を置いている様な、そんな感じがしていた。

「でも、言ってくれれば私も手伝ってあげられたのに」
「いえ、そこまで面倒を見てもらうわけにはいきませんので、心配しないでください」
「私はライトニング隊の隊長で君やキャロは隊員、だから気にしないの」

フェイトが少し得意げに話すが、エリオは申し訳なさそうに

「大丈夫ですから、僕達もちゃんと自主訓練やってますし」
「そうなんだ……頑張ってるんだね」
「はい、僕もキャロももっと強くなりたいんです!」
「うん、良い心がけだね」

照れるエリオの頭を軽く撫でるフェイトだが、何と無く疎外感を感じてしまう
あの事件以来、エリオとキャロは一層仕事に訓練にと真剣に取り組み始め
親子でこの様に向かい合って関わる時間は数週間、時には隔月に一度と非常に少なくなっていた
勿論、フェイトも寂しさを感じていない訳ではない
しかし、事件の事後処理や管理局の混乱による一騒動に巻き込まれ、長い時間を執務官として過ごして居た為
禄に暇も貰う事が出来ずに膨大な仕事をこなしていたのであった。
自分が執務官という立場でなければどれほど一緒に居る事が出来たのだろうと考えるが
執務官でなければと逆の思考をぶつけて考えない様に打ち消す

「そういえば、キャロはどうしてるの?」
「先に部屋で休んでます。キャロ、僕の力に合わせようと一生懸命に無茶してくれていますから……
今日だって、練習中に何度か倒れそうになってましたし」
「そ、そうなんだ……」

知らなかった。今日の昼休みに食堂で見たキャロはいつもと全く同じで
いつでも笑顔を忘れないような印象は今でも変わらない
もしフェイトが倒れそうになるキャロを目にしていたら必ず叱り、無茶を止めさせるはず
だからこそ、気付かせなかったのだろうか

「でも、キャロも頑張って、今度AAランクの試験を受ける事になったんです!」
「えっ!?キャロももうAAランクに?」
「はい、それに実力はなのはさんのお墨付きで、余程の下手を踏まない限り大丈夫だと―――」

最後の方の言葉は、フェイトにはほとんど聞き取れていなかった
フェイトの知るキャロは、まだBランクに成りたての頃で止まっている
エリオも同じだったが、今の今まで二人は自分達の事を殆ど話してくれていなかったからだ。
保護責任者として、エリオとキャロの親の代わりとして、誰よりも何よりも二人の事を見守ってきた、
時には叱ったり、一緒になって泣いた事も有った、それ以上に喜び合った。
あの二人の事ならなんでも知っているつもりだと思っている、
だけど、フェイトの中の二人は三年前で止まっていたかのように、目の前のエリオが別人の様に見えた、
そう思っていたのは自分だけの、自惚れだったのだろうか
353愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:54:21 ID:ygu4SnhH
「――ィトさん、フェイトさん?」
「っ、エリオ……」
「どうかしたんですか?もの凄い汗ですけど……」
「ううん、なんでもない……ちょっと眩暈がしただけだから」
「今日はもう休んだ方が……」
「ううん、もうちょっとお話しよ、せっかく二人きりなんだから」

確かに執務官の仕事は忙しい事が多く、あまり二人との時間を取れていなかったのは事実である
訓練も、常に全員を見てきたわけではないが、出来る限り教えてきたつもりだった

だが、交じり合わない時間は三人の関係をここまで変えてしまうものか

「…………フェイトさん」
「なに?エリオ……」

先程までとは違う、低く、強い口調でエリオが話しかける

「僕とキャロはこの三年間、必死に頑張ってきて、ここまで駆け上がってきました
今の僕達は、フェイトさんに助けて貰った時のような弱弱しい子供じゃありません、
僕達は……僕達は、大丈夫ですから。一人一人でも、生きていけます。だから……」

その先は聞きたくない、聞けば今という幸せな時が過ぎ去ってしまうから
それでも耳を塞ぐわけにはいかない、ずっと見守ってきた子の、意思だから。

そして、深い決意を込めて、その言葉は告げられた


「フェイトさん、僕達の保護責任者を、辞めてもらえませんか」


いつか来ると分かっていた瞬間が、今はっきりと言葉として投げかけられる
354愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:54:53 ID:ygu4SnhH
「エリ、オ……………」

胸が痛いほどに詰まる
これを子供の反抗などとは思わない、あの優しくて強いエリオとキャロに、思いたくない

「どうして……もしかして、モンディアルの家に戻るの?」
「違います……、僕とキャロで一生懸命考えた結果です」
「それなら、今のままでも……!」
「駄目なんです!」
「でも!」

哀願する様にエリオに縋るフェイト、随分と前から自分でも分かっていたのに、改めて気付かされる、
エリオとキャロ、二人がフェイトの子供として居てくれた時間は、何よりも大切で、
幼馴染であるなのはやはやてとは違う、『家族』を感じていた
二人がフェイトを必要としているのと同じく、フェイトもまた二人を必要としている
ずっとそばに居て欲しいと願ってしまっている。

「いつまでもフェイトさんの所で、子供として扱われているだけでは、一人前になんてなれないんです……」
「エリオ……」

少年と少女の決意は固い
今にも涙が伝い落ちそうなフェイトだが、見えない様に拭い

「うん、分かった。二人が決めた事だから、応援するよ」

はっきりとした言葉で、それを受け入れた。

「嬉しい……のかな、何て言うのか分からないけど、ちょっと寂しいし……
でも、子を見守る母親って、こんな気分なのかな」

気持ちは落ち着かないものの、不思議と笑顔を見せるフェイト

「立派になったね、エリオ。もう子供扱いしちゃいけないね」

涙で潤ませた瞳で改めてエリオを見る
この三年間で大分背も伸び、フェイトを超さんばかりに成長したエリオには、子供という印象は全く見られない
顔立ちも少し男らしくなり、その目には力強さと強い意思を感じられていた。

お互いに握手し合い、ソファに腰掛ける
用意してきたジュースを軽く引っ掛けると、大分落ち着きを取り戻せた気がした。
355愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:55:24 ID:ygu4SnhH
「フェイトさん」

一杯目を飲み干してから、真っ直ぐにフェイトを見つめ、再度エリオが話し出す

「僕はもう子供ではありません、フェイトさんの子供でも、家族でも有りません」
「うん……」

少し悲しげに俯くフェイト
改めてその現実を突き付けられると、嬉しさより寂しさが勝ってしまう

「だから、僕は六課の同僚として、言います」

フェイトの顔を見て口が止まる、ここまで来ておいて、と自らに喝を入れるエリオ

(フェイトさんの悲しい顔は見たくない、僕はその為にここまで頑張ってきたんだ、
フェイトさんに笑顔で居て貰いたいから……フェイトさんの笑顔が、好きだから!)

意を決して、閉じようとする口を無理矢理開き

「僕は、フェイトさんの事が好きです。
家族としてじゃなく、一人の女性として、大好きなんです!」

ずっと心に秘めてきた想いを伝える
母と子ではない、姉と弟でもない、男女としての関係を望んだエリオ

突然の展開と告白に、沈み気味だったフェイトが驚かないはずも無い

「エ、エリオ!?それって、その、あの、えっと……」

白い肌が一気に真っ赤に染まり、両手をオーバーに振り回すフェイト
実に危なっかしいのでそれを宥めるエリオ、数秒かかって落ち着きを取り戻させる

「ごめんなさい、急に……」

ジュースをもう一杯注ぐと、フェイトは一気に流し込み、深く息を吐く

「も、もう……」
「ごめんなさい……でも、本気なんです、あの時から、助けてくれた時から、ずっと」

自分が自分のして来た事に気付いた日、フェイトはそれまでの行為を咎める事無く喜んでくれた
その笑顔に惹かれていたのかもしれない、或いは、惜しみ無い優しさに
既にどちらでも構わないが、今のエリオの想いは確かに本物である
だから、その笑顔に近付く為に今自分はここに居る、例えささやかなその願いが叶わなくとも。

「……だから僕は強くなって、男としてフェイトさんを守ってあげたかったんです」
「エリオ……」

シグナムの言葉を思い出す、命を賭してでも守りたいものが有るから、歩んで来た道に迷いは無い。
356愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:56:17 ID:ygu4SnhH
そして、フェイトは表面上は落ち着いているものの、内心は非常に揺れていた、
仕事に熱心な執務官であるフェイトも、仕事から離れれば一人の女性であり、こういった言葉に心が動かされないはずも無い
なのはとユーノの関係を見て羨ましく思ったりする事も有った。
だが、今目の前に居て好意を寄せてくれている相手はエリオである
長い間同じ時を過ごし、家族としての関係を築いてきたフェイトにとってエリオは見守るべき相手であり
そのエリオから守られるなどとは考えた事も無かった。
だが、三年前の事件で崩落する洞窟から救い出された時から、彼の中に男を感じていた時も有る、
それ以来度々エリオを意識する事も有ったが、保護者であると自らを律し、押さえ込んできた
あの時の不思議な感情は忘れた事はないが、立場上流されたいとも言えない、そんな奇妙な葛藤を引き摺っていた。

そして今、二人を隔てる『家族』という壁が取り除かれたなら
積もり積もった想いを伝える事も出来るだろう。


「……うん、私も好きだよ、エリオ」

言葉と一緒に強く抱きしめるフェイト、
ただ目の前に居るエリオを何よりも大切に思えるという気持ち、経験が無くても仄かに感じる、人を好きになるという感情で思考が一杯になる
そして、どちらからともなく唇を重ねる
以前にふざけてなのはやキャロとしてしまったキスとは違う、真剣にお互いを想う者同士の触れ合いには
限りない愛情が込められ、形ではないものまで受け取ろうと深く交わる。

やがて二人が離れると、突然フェイトが微笑んで

「エリオが私の騎士さん……か、ふふっ」
「な、何かおかしいんですかっ?」

妙に気になる言葉に食いつくエリオだが、それをフェイトが手で押さえると

「違うの、ただちょっと嬉しかっただけ」

そう言って満面の笑顔を見せるフェイトに連られて、エリオも軽く微笑む
そんな最中、ふと何かを思いついた様に軽く手を叩くフェイト、その様子にエリオが不思議がっていると

「エリオ、私達はもう家族じゃ無くて………恋人……なんだよね?」
「え、あ……う……は、はい……」

緊張の糸が切れてしまったのか、現在の状況に急に顔を真っ赤にするエリオ、

「それじゃあ、ライトニング分隊隊長命令!」
「え?」

急にフェイトの調子が上がり呆気に取られてしまうが、続いて命令が読まれる

「今夜はこの部屋で私を守る事、絶対だよ」
「は、はい!」

おかしな命令に顔を見合わせると、一緒に笑い出す二人
確かに二人は家族ではないが、隊長と隊員という関係をエリオは忘れてしまっていた。
357愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:57:36 ID:ygu4SnhH
そのまま二人は少しの間他愛の無い話を続けるが、エリオの顔色が何と無く嬉しそうではないと感じたフェイトが
グラスを飲み干し、エリオの様子を問い質してみる

「どうしたの?何か心配事でも有るの?」
「いえ、その……なんというか」
「?」
「フェイトさん、まだ心の切り替えが出来て無いんじゃないかなって……いきなり親子やめてくださいとか好きだとか言っちゃいましたし……」

まだ新たな関係に至ってからあまり時間も経っていない為か、フェイトの言葉の節々に恋人らしからぬ言葉が見え隠れしている様に思う
長い年月の癖は中々抜けないものである。

「やっぱり、フェイトさんはまだ僕の事を子供としか見てくれてないのでは……」

見た目で言うのなら明らかに子供なのだが、今更の事ではある
だが、フェイトはその言葉にムッとしたのか、急に立ち上がると

「……じゃあ、こうしたら信じてくれるのかな……?」

気を取られた瞬間、先程より深いキスを受けるエリオ

「フ、フェイトさ……むぐっ」

フェイトの方から力強く抑え付けられる形に抵抗すら忘れてしまう
少しして、離れた唇の辺りから、お互いの顔全体が赤みを帯びていく

「私が真剣だって事……」

フェイトの類稀な美貌による艶やかな誘いに乗らない男はまず居ないだろう、まだ経験の浅いエリオでもそれが分かる程に気分が高揚し、
何も考えられないまま誘われるままにふらふらとベッドの上に座り込む
358愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:58:16 ID:ygu4SnhH
フェイトもエリオと向かい合う様に座ると、ゆっくりと衣服を脱ぎ出す
惚けた表情のままのエリオに見せ付けるかのように、惜しげもなく下着姿を晒した

「フェイトさん……綺麗です」

何とか離れかけていた理性を取り戻して、それだけを言う、
その言葉にフェイトが微笑むと、まるで着替えるかのようにあっさりと乳房を露わにする
そして、白い柔肌を晒しながらエリオの手を取り、自らの胸に押し当てるフェイト

「好きにして、いいよ」

何もかも溶かし尽くしてしまいそうな言葉に、エリオの中で抵抗する最後の感情が難無く陥落した。
柔らかくもしっかりとした未知の感覚に戸惑いながらも、ゆっくりと乳房を撫で回す
たまに指先で押し込んだり乳首に触れてみると、深く息を吐くフェイト
その様子を見ながら優しく舌を乳房に這わせると、小さく身体を震わせながら声を漏らす

「んっ……はぁっ、エリオ……何処でこんな事を……?」

その手つきは明らかに未経験者のそれではないと、感じ始めている身体がフェイトに告げる
その間にもエリオの空いた左手はフェイトの身体に触れ、敏感な部分を探し始めている

「その……八神部隊長がくれた雑誌で、勉強しました」

一体どんな雑誌を読ませたのだろうかとフェイトは呆れそうになるが、
エリオの手によって身体に火が灯されていく感覚は悪くないと、心の片隅で感謝もしておいた。

「ひゃ、んっ。何……?」

やがてある一点にエリオが触れると、大きい反応を示すフェイト、脇腹の上辺りが弱いらしい
そこを優しく擽りながら乳房への愛撫を再開すると、先程より大きな反応を返す

(すご……い、気持ち良い……)

女としての快楽の経験の少ないフェイトの身体は、エリオの細かい技に少しずつ感覚を刻み込まれていく
頭がぼうっとしながらも、身体は確実に感じているのがはっきりと分かった
フェイトの息遣いが荒くなってくると、エリオは乳房を撫でていた右手をフェイトの太股に置いてみる

「あっ……、んぅ……」

先程までは何も意識せずに晒していたものの、いざ触れられるとなると恥ずかしさが込み上げてくる
フェイトの足に力が入っているのが分かると、エリオが耳元で優しく囁く

「大丈夫です……力、抜いてください」

小さな一言を頼りに恐る恐る身体を預けるフェイト、その見事なラインを持つ足をエリオの指がなぞる
そのままショーツに触れると、そこは僅かに湿り気を帯びており、女としての主張をしていた。
359愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:58:51 ID:ygu4SnhH
「フェイトさん、気持ち良いんですね……」
「う、うん……」
「良かった……何だか、僕も嬉しいです」

やはり知識が有っても不安が残るのか、ショーツの湿り気に安心するエリオ
ゆっくりとその場所を撫でながら、胸と脇腹への愛撫を再開する

「あうっ、あっ、エリ……オ……んんっ!」

先程までとは違う、強い快楽に流されたフェイトは姿勢を保てずにベッドに横たわる
背中をベッドに預ける事で楽になったのか、身体の力を抜き、ただエリオのなすがままにされるフェイト
そうする事でストレートに快楽を受け入れる事が出来、深く快感を得る事が出来た
先程までより喘ぎ声が大きくなり、ショーツの濡れ方も夥しくなってくる

「凄い濡れてます……フェイトさん」
「うん、エリオがしてくれてるからかも……」

大好きな人だからこそ、全てを委ねる事が出来て、より素直に感じられる
フェイトが身を任せてくれる事を嬉しく思うと共に、もっと気持ち良くさせてあげたいという願望がエリオに芽生えてきていた
下半身を撫でていた手で少しだけショーツを下ろしてみると、大分愛液に濡れた秘部が晒される

「エ、エリオ……!?」
「ここも、凄く綺麗です……」
「や、やめ……ひゃんっ!」

自身の最も敏感な部分を直接弄られる感覚に身体を震わせるフェイト
そこがどういった場所なのか分かっているエリオは、出来るだけ優しく愛撫を始める
明らかにフェイトの声と息遣いが荒くなり、秘部から垂れる愛液もその量を増していた
その液を指に絡めて撫で回すと、フェイトが大きく息を吐いて、快楽に支配されていくのが分かる
そして、膣のやや上に有る突起に僅かに触れると

「ひゃっ!んんっ!」

一際大きな声が上がり、華奢な身体が小さく跳ね上がる

「だ、大丈夫ですか!?」

エリオはフェイトの様子がおかしい事に気付くと、慌てて心配しだす

「ううん、平気……凄く気持ち良かっただけだから」

エリオを安心させると、ゆっくりと身体を起こす
そして惚けた目をしたままエリオのズボンに手をかけると、下着と一緒に難なく脱がせてしまった
既に硬く勃起したエリオのそれがフェイトの前に現れる

「エリオの……大きくなったね、ん……」
「フ、フェイトさん!?」

女性には無いそれを見ても臆する事無く、むしろ喜ぶようにキスをするフェイト
ピクリと反応したのを見て微笑み、ゆっくりと口に加えた
360愛する者の為に:2007/09/30(日) 06:59:24 ID:ygu4SnhH
「ん……ちゅ、んむ……」
「うあっ、そ……」

エリオの前に四つん這いになって奉仕をし始めるフェイトの姿は扇情的という表現を軽く通り越している
鍛えてきた忍耐力が無ければ、あっという間に放ってしまっていただろう
そんなエリオの様子を上目遣いに見ながら嬉しそうに頬張るフェイトは、悪戯をする子供の様に竿に手を絡ませてきた

「うっ、ああっ、フェイトさ、ん……」

このままフェイトの口の中に突き立て、精を放ちたいという欲望に駆られるが、意地を振り絞ってそれを堪える
しかし、フェイトのペースは落ちないどころか速度を増している気さえしてきた
余りの気持ち良さに思わず果ててしまいそうになるが、辛うじて押さえ込んでいたが

「んっ、いいよ……出して」

そんな短い言葉で、決壊した

「フェイトさん……っ!」

勢い良くフェイトの口内に精液を吐き出す、
その感触に咽込みそうになりながらも、少しずつ嚥下していくフェイト
僅かに入りきらなかった分が口の端から垂れ、それが一層卑猥な姿に彩を加える

「ん……飲んじゃった、エリオの精液」

余りにも綺麗過ぎる艶姿に、萎えかけたエリオのが再び硬さを取り戻していく

「フェイトさん、僕、もう……」
「うん、来て……私も、入れて欲しい」

待ちきれないと言わんばかりに仰向けにベッドに横たわり、目を閉じるフェイト
その身体に上から覆い被さり、再び深く唇を重ねる、離れる頃にはお互いの唾液が糸を引いていた
361愛する者の為に:2007/09/30(日) 07:04:20 ID:ygu4SnhH
「それじゃあ、いきます……」

位置を確かめ、決して小さくないエリオのがフェイトの秘部に入っていく

「ぅ……ふぁ……」

まだ経験の浅いその場所はきつく閉まり、入ろうとする異物を押し返そうと蠢いている
それを無理矢理押し破って進めていく内に、フェイトの膣の奥を叩いていた。

「お、奥まで……入っちゃいました」
「う、うん……」

自分でも情けないと思う言葉が口から出る
とりあえずそれを素直な感想だと思っておいて、身体を密着させ合うように倒れ込むと、
成り行きにフェイトの胸が思い切りエリオに押し当てられる形になる
つい先程まで満遍無く触れていたので、仄かに暖かく心地良い鼓動と柔らかさを感じた

「本当は、もっとこんな風に甘えて欲しかったんだ」

軽くエリオの頭を撫でるフェイト、子供みたいに身体を寄せるエリオに今は懐かしい日を思い出す

「でも、今の僕はもう大人ですから……」
「……そうだね」

そこで言葉を切り、エリオの方から少しずつ腰を動かし始める
無理はさせまいと出来るだけ優しくしたつもりだったが、その行動に不満を感じたのはフェイトの方であり
急かす様に身体を捩れさせるとその動きが膣に伝わり、エリオをにより刺激を与えた

「な、中……凄……」

十分過ぎる程濡れていたので痛みは感じない、それどころか柔らかい物で強く包み込まれるような感触に
エリオの中で押さえ込んでいた衝動が強くなっていくが、まだ耐え切れないほどではない。
そう気を使っているのが分かったのか、フェイトは優しく微笑みかけると

「うん……私は大丈夫だから、エリオの好きにして……」
362愛する者の為に:2007/09/30(日) 07:04:59 ID:ygu4SnhH
途轍もない破壊力の篭もったフェイトの言葉に、遠慮という最後の壁を破壊されたエリオは
攻撃的な勢いで膣内を蹂躙する様に動き出す

「フェイト、さん……!」
「んんっ、あっ、あぅっ!早……ひんっ!」

急に強く突き動かされるが、フェイトは痛がる様子も無く受け止めて悶える
じゅぷじゅぷと溢れ出る液の音だけが二人の耳に入り、目の前で繋がっている二人が二人だけを
感じ、思うままに愛し合う
そうなれば、昇りつめるまで時間はかからない

「くっ、あぁっ、もう、出ちゃいそうですっ!」

言う間にも強烈な快感が射精を後押しし続ける
せめてもう少しとエリオが思うが既に限界は超えている、

「やっ、大きく……んっ!ダメ……もう……!ふぁっ!」
「フェイト……さん……!!」

先に達したのはエリオの方だった
自分の気持ちごと勢い良く放出される様な感覚に腰が抜けそうになるが、それも直後に来る
身を刺す様な快感に流されて何も考えられなくなっていた

「エリ……オ、いいっ!イ……あぁっ!!」

中に広がるエリオの感触に身体を震わせ、フェイトも絶頂を迎える

363愛する者の為に:2007/09/30(日) 07:05:48 ID:ygu4SnhH

今だ荒い息を整えると、繋がったままのものを惜しみつつ引き抜く
にゅぽ、という音と一緒に白濁した液が零れ落ちるが、特に気にはならなかった

「分かってくれた……かな?ちょっと自信無かったんだけど……」

少し落ち着いたのか、フェイトが恥ずかしそうに言う
何の自信が無かったのかはエリオには分からなかったが、そんな些細な事が気にも留まらなくなるほど
フェイトが自分を愛してくれている事が感じられた

「いえ……もう十分過ぎる程です」
「ふふっ、ありがとう、エリオ」

エリオの答えに満足したのか、満面の笑みでエリオの腕にしがみつく
腕全部で感じるフェイトの体温が今更ながら恥ずかしくなり、慌てて振り解こうとするが

「……ごめんね、ちょっとだけこうさせて……」

その甘えるような言葉と、幸せに満ちた笑顔を見て思い留まる

「フェイトさん……」

普段見せた事の無い女としての一面を見せるフェイトの姿に、深い安心を覚えるエリオ
執務官としてではなく、友人でも家族としてでもなく、ただ一人の女として愛しい人に全てを委ねる幸せに浸るフェイト
ふと目が合う二人から再度笑顔が零れる、今だけはこうしていたいと、この幸せを共有して居たいとエリオは心に呟く
そしてエリオは誓う、この笑顔を守りたくて自分はこの道を選んだ、だから、どんな苦難が有ろうとも決して負けはしないと

ここに、フェイトというただ一人の為の『騎士』が誕生した。






隊員用の宿舎の一室、暗い部屋の中でベッドに横たわる影が一つ

「エリオ君……」

愛する人の為に全ての事を受け入れた瞳から流れ出でる涙は、誰にも知られる事は無かった
364名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 07:06:22 ID:ygu4SnhH
以上です

エリフェイからショタと家族姉妹関係を破壊しようとした結果古代ベルカ式展開
当初はフェイト←→エリオ←キャロの予定が、某アニメと内容が被ったので出来るだけ割愛
本当はラストにもう一文有ったけど雰囲気ぶち壊しの為削除
エリキャロ好きの方々本当にすみませんでした…

それでは




これならギリギリショタではありませんよね?
365名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 07:35:01 ID:OLA2qfJF
>>364
GJ!
366名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 08:17:19 ID:f24ra9Qj
>364 イイヨイイヨーw

しかし某アニメって某AT-Xのアレか。まあアレはチョットな…
まあそのうち誰かがネタにするだろうがw
367名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 08:40:02 ID:BHHia811
>>364
13歳と22歳…
余裕でオッケーだ!
368名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 09:07:57 ID:NwmrLoK9
>>364
GJ!なんという素晴らしいエリフェイw
てか、エリオが物凄く男らしくて男でも惚れちまいそうだZEw
ラストのキャロがまたちょっと切ないけど、こういう関係もいいな
369名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 09:31:50 ID:QQQuPYFA
>>271
すまねえ・・・前回感想で3P発言した変態俺なんだ・・・
だが、これはまたなんと変態な妄想ゲージを刺激してしまう内容なんだ!
エリフェイ好きな俺としっての内容か(褒め言葉)GJ!!!
やはり3Pを期待せ、いや続きを期待せざるおえない!

>>364
GJ!!!
これはまた素晴らしいエリフェイ!もう一回GJ!!!!
このカプは最高だ!!当然成立すべきなのだ
エリオかっこいいぜ!でもキャロ・・・・
370名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 10:41:29 ID:3695MDxW
jane使いなんだけど、NGNameの手間の掛からない適用方無い?
いちいちログを再読込するの面倒なんだ。
371名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 11:03:23 ID:tPvogcT4
13歳と22歳だからこそご馳走です ← 結論
372名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 11:40:44 ID:16ETZz5b
やっぱりフェイエリは最高だな!
373名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 11:53:20 ID:3c+mf5R7
>>364 GJ!
だが、既存男キャラ×フェイトものは何かイラっときてしまうのは何故だろう
オリキャラだと大丈夫なのだが既存キャラだとカリカリしてしまう もしかして本気でフェイトが好きなのだろうか

俺の戯言は置いといて、ホントにGJでした
374名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 12:05:34 ID:+B3c3h7f
>>364
GJです。てか八神部隊長自重してくださいwww

このあとキャロが抑えられない気持ちを抑えるために独り慰めに走ると。
あれ、なんか空から火の(ry
375名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 12:21:38 ID:3dNTdQaV
>>341
これはいいユノフェ。実にいい看病ネタ。テラGJ!
これはじつにきれいなフェイト。そしてユーノ南無w
ユーノと仲のいいフェイトは久しぶりに見た気がするw

>>364
GJ!これはじつに綺麗なフェイトさん
しかし、キャロが受け入れてくれてよかったな・・・・・・。
危うくNice boat.なキャロ様を想像するところだった。
しかしお姉さんと少年はいいのう、いいのう。
これは実にいいご馳走でした。

2連続できれいなふぇいと(さん)・・・・・・そろそろどんでん返しがきそうだ・・・・・・
あれ?窓の外が金色に・・・・・・
376名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 12:24:37 ID:24jJ2Q0B
414 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/30(日) 07:38:16 ID:qrZp9Bor
キャロ「エリオくんなら・・・エリオくんならそこにいますよ?聞いてみたらどうですか?」
377名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 13:22:40 ID:DTFGLH+o
エリオくんの子供なんていないじゃないですか(笑)
378名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 13:34:08 ID:3dNTdQaV
フリード『中の人などいない』
379名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 14:14:24 ID:NaPbmCOA
Nice boat.
380名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 14:31:38 ID:3dNTdQaV
何故だろう、>>341を見てからアナルプレイに目覚めてしまったフェイトが頭から離れない。

こう、体が火照るたびに白いどろり濃厚な液体状の薬を注射してほしいとせがむフェイトさんがな・・・・・・。
381サイヒ:2007/09/30(日) 18:32:08 ID:LrdPQrx0
三連続きれいなフェイトさんを投下すべく、俺参上。
クロフェのエロ一本投下させてもらいます。
いつもどおりクロノとフェイトがラブラブルートで、本編終了直後。
382The child of the couple:2007/09/30(日) 18:34:00 ID:LrdPQrx0
「それでは、機動六課がつつがなく運用期間を終了しましたことと、事件の完全解決を祝いまして乾杯!」
『乾杯!!』
 はやての音頭に続いて、会場全体の唱和。グラスが打ち鳴らされる音があちこちでする。
 機動六課の食堂。普段は大衆食堂程度の料理が並ぶことの多い机の上には、これでもかというほど豪勢
な様々な料理が乗っている。ミッドで有名な料理屋の仕出しから、はやての故郷である地球の料理。中央
の大テーブルにいたっては、子牛の丸焼きがでんと鎮座している。
 壁には、誰が作ったのか『機動六課の愛と勇気と友情の軌跡を称えて 〜乳揉みもあるよ!〜』という
けったいなフレーズの馬鹿でかい垂れ幕がかかっている。
 この場で行われているのは機動六課の解散会である。隊長から末端のスタッフに至るまでが勢ぞろいし、
会場にいる人数は三桁に近い。
 もっともリンディ、レティ、エイミィ、ユーノにアルフといった完全な部外者がぞろぞろいるので、六
課の解散会というより同窓会の様な雰囲気を出している。
 その会場の片隅で、クロノはグラスのウイスキーをちびちび舐めていた。その傍らにはフェイトが寄り
添い、料理や酒が切れるとテーブルに行ってはお代わりを取ってきてくれる。
「エリオやキャロの面倒は見てやらなくていいのか?」
「二人とも、もうそこまで子供じゃないんだから大丈夫だよ。それに、ほら」
 フェイトの指差す先では、エリオが子牛の丸焼きと格闘していた。大きなナイフを駆使してなんとか肉
を切り取ると、キャロの皿に取ってやる。キャロはエリオが自分の分を取るのを待ってから口に入れ、美
味しさに顔をほころばせてエリオと笑いあう。
 そんな二人はもう恋人同士としか見えず、独特の空間を形成していてちょっと近寄りがたい。
 自分達もはたから見たらあんなふうに見えるんだろうな、と自覚しつつクロノは動かなかった。少し恥
ずかしくはあるが、フェイトに甲斐甲斐しく世話を焼かれるこの空気は心地よいのだ。
「それにしても、ずいぶん地球の料理があるな。こっちではそんなに広まってなかったはずだが」
「うん、だから地球料理は私となのはとはやてで作ったんだ」
「これだけの量をか? すごいな」
 感嘆して、皿の春巻きを口にする。たしかに知っている味だった。
 これを作ったのは君だろうと言ってやると、フェイトは嬉しそうに頷いた。
383The child of the couple:2007/09/30(日) 18:36:08 ID:LrdPQrx0
 次の料理に備えてクロノはウイスキーで口の中の油を落とし、ついでに話題も変える。
「それにしても、君は本当に昇進しなくて良かったのか?」
 事件の首謀者であるスカリエッティの本拠地に乗り込み本人を逮捕したフェイトは、事件解決の最大の
功労者の一人である。
 その気になれば一部隊率いる身分になれるほどの功績を立てながら、勲章だけを貰いその他のことごと
くをフェイトは辞退した。
「うん、やっぱりこれぐらいの位置が私には向いてるから。はやてとかを見てると、私は部隊指揮とかに
はあんまり向いてないみたいだし」
「君といいなのはといい、無欲が過ぎるぞ。本当に何もいらないのか? なんなら、僕が個人的に叶えら
れる事でもいいぞ」
「……だったら、二つお願いしていいかな。一つはティアナのことなんだけど、執務官を目指してるのは
知ってるよね」
「ああ」
「それで六課が解散したら執務官補佐になりたいらしいから、私の補佐官にしてもらえないかな。ここで
はあんまり面倒見てあげられなかったから。ティアナも知ってる人の補佐の方がやりやすいだろうし」
「お安い御用だ」
 むしろ安すぎる。ティアナもこの事件では戦闘機人を三人逮捕するという手柄を立てているので、執務
官補佐に昇進することについては何の問題も無い。後はクロノが人事課に一言伝えればそれで済むだけの
ことだ。
 それにフェイトのお願いというより、ティアナの願いと言っていい。他人のことを思いやる性質のフェ
イトらしいな、とクロノは苦笑した。
「それともう一つは……こっちはクロノにしか出来なくて、ちょっと大変っていうか……」
 フェイトはごにょごにょと語尾を濁してしまった。顔が赤いあたりからしてデートの誘いだろうか、し
かしもう何度かやって慣れてきているから違うかもしれないな、などと想像するクロノ。
 やがて意を決したのか、照れの消えた真面目な顔でフェイトは口を開いた。
「あのね、私は……」
「フェイトちゃ〜ん!!」
 言葉の続きは、ステージからカラオケマイクで怒鳴ったはやての声でかき消された。
「そんなところで旦那といちゃラブばっかしとらんと、こっち来て一曲歌いいな〜」
「い、いちゃラブって……」
「早よ来んかったら、隊長命令でクロノ君と『三年目の浮気』をデュエットさせるで〜」
「ああもうっ」
 慌しく席を立ちかけたフェイトだが、ステージへ向う前にクロノの耳に口を寄せて囁いた。
 その短い言葉は、祝いの喧騒の中でもはっきりとクロノの頭に響いた。

「私、クロノの赤ちゃんが欲しい」
384The child of the couple:2007/09/30(日) 18:38:11 ID:LrdPQrx0


     The child of the couple


 二次会に向ったフェイトと別れ、クロノは一足先に自宅のマンションへと帰った。
 風呂の入って一日の汗を流し、自室のベッドに寝転がる。
 天井を見上げれば、頭をよぎるのはフェイトのあの言葉。
(赤ちゃんが欲しい、か……)
 生物である女として愛しい人の伴侶として当然の望み。それを、今までフェイトは律してきた。
 子供はしばらく作らないでおこう。それが一年前に恋人同士になった二人が最初に決めたことだった。
 一年間の試験運用期間しかない機動六課。その最中に隊長の一人が産休で長期離脱などできるはずがな
く、結婚も子作りも落ち着いてからにしよういうことで二人の公の関係は婚約者止まりであった。
 以後、両手両足の指でも数え切れないほど交わったが、クロノがフェイトの中で放つのは安全日だけで
あり、あとは絶対に避妊具をつけていた。
 そして今日、六課はその役目を終え解散した。フェイトが追っていたジェイル・スカリエッティの事件
も同時に解決し、担当している事件に特に大きなものはない。
 もう、子供を作るのに障害となるものはない。むしろ仕事の空白期である今を逃せば、次に機会が訪れ
るのはいつになるか分からない。
「いよいよ僕も父親か」
 口にしてみると、少し実感が湧いてきた。同時に、やらなければならないことが次々と浮かんでくる。
「僕もフェイトも忙しいからアルフに面倒見てもらわないとな。……教育面が心配だ。ここは母さんにも
頼んでおこう。小学校……はまだ早いか。でも幼稚園ぐらいは決めておいていいな。哺乳瓶と粉ミルクと
おむつとおしゃぶりとおもちゃと歩行器とカメラも揃えておかなきゃ。いや、フェイトは母乳で育てる気
かもしれないな。訊いておかないと。…………そもそも名前決めないと駄目じゃないか」

 順調にテンパっていくクロノだった。

                   ※

(どうしようどうしようどうしようどうしよう)
 自宅のドアの前で、クロノに負けず劣らずフェイトはテンパっていた。
(言っちゃった……赤ちゃん欲しいって言っちゃった……)
 発言した当初はそこまで深い考えは無く一年前の約束の確認ぐらいのつもりだったのだが、時間が経つ
につれてとんでもないことを自分は言ってしまったのではないかという気になってきた。
 二次会でもそのことばかりが頭の中をぐるぐる回り料理も酒も手つかずで、結局早めに抜けてきてしまっ
た。
 奇しくも、今日は危険日である。このままドアを開けてクロノの部屋に行き、そしてそこで抱かれれば、
十月十日後には自分は母親になる。赤ちゃんを抱いている自分の姿を脳裏に描いてみた。
「ううっ……」
 想像だけでくらくらしてへたりこみそうになる。夫婦なら当然のことなのに、何故こんなに恥ずかしい
のか。
385The child of the couple:2007/09/30(日) 18:40:41 ID:LrdPQrx0
 正直、あのお願いは撤回したい。けれどそんなことをしたら女がすたりそうだし、クロノも子供を見る
のが遅れるとがっかりするかもしれない。どうせ今日やめたとしても、いつかは決心しなければならない
日が来るのだ。
「……よし」
 はやての決めた六課の隊則『女は度胸。男も度胸』を三回心の中で繰り返し、腹を括ってドアを開けた。
「……ただいま」
 決心に反して、帰宅の言葉はえらく小声になった。そのまま足音を忍ばせて廊下を進む。なんでこんな
泥棒みたいなことしてるんだろうと思いつつも、とりあえずクロノが睡眠中かどうかを確かめようと、そ
っと彼の部屋のドアを開けた。
「クロノ起きてる?」
 もうすぐ父親になるかもしれない男は、ベッドの上であぐらをかいて頭をかかえてぶつぶつ呟いていた。
「やっぱり知り合いの所に嫁にやりたいな。そうすれば気軽に会いに行ける。ユーノとなのはの息子あた
りか? ……娘はユーノをお義父さんと呼ぶのか。癪にさわるな。というか、その場合僕とユーノの関係
はどうなるんだ? まさか義兄弟になったりするんじゃないだろうな!」
「わぁっ!?」
「うわっ!?」
 いきなり怒鳴ったクロノにフェイトは驚き、その声でようやくフェイトの存在に気づいたのかこっちも
驚いていた。
「ふぇ、フェイトか。なんだ帰ってたのか。早かったな」
「ち、ちっとも早くないよだってもう十時過ぎてるし早めにあがったのは事実だけどクロノの言いつけ守っ
てお酒はあんまり飲まなかったし代わりにスバルがはやてに飲まされてたけどあの娘酔っ払うと脱ぎだす
んだね言い忘れてたけどただいま」
「……とりあえず落ち着こう。僕も君も」
 二人で何度も深く息を吸って鼓動を静める。
「よし、落ち着いた。……それでだ、君は母乳派か?」
「え?」
「…………すまない。全然落ち着いてなかった。忘れてくれ」
386The child of the couple:2007/09/30(日) 18:43:48 ID:LrdPQrx0
「ふふっ」
 普段からは想像出来ないクロノの混乱振りに、フェイトは小さく笑う。少しだけ、高ぶっていた気が収
まった。
 ベッドに端に腰掛ける。中心にいたクロノも、寄ってきて隣に座る。
「さっき言ってたの、子供の嫁入り先?」
「……ああ」
「いくらなんでも気が早すぎるよ」
「そうなんだが……子供のこと考えてたらなんだかどんどん先走ってしまってつい」
「どうして、こんなに動転しちゃうのかな」
「それはやっぱり、子供がまだいないからじゃないかな」
 これから生まれてくる子供は顔も分からず、性格も自分達が育んでいくしかない。
 完全に未知の者である自分達の家族を作る。そのことがたぶん二人とも怖いのだ。
「私、ちゃんとお母さんが出来るかな」
「僕も不安だよ。父親の役目を果たせるか。……けど、みんな最初はこういう風に怖かったんじゃないか
な。父さんも母さんも」
 自分の母であるプレシアは憎悪しか向けてくれなかった。けれど、この身体に残るアリシアの記憶の母
は、優しくて一生懸命に育ててくれていた。あの人もこういう風に怖がったり悩んだりしながら、アリシ
アを育てていたのか。
「子供が育っていくのに合わせて、少しずつ父親と母親になればいい。困ったことがあったら相談して、
間違ってると思えばちゃんと口にして。そうやって進んでいこう」
「……そうだね」
 思い返せば、兄妹になった時も恋人になった時もそうだった。どうやって接していいか分からず、ちょっ
とずつ手探りで進んでいき、きちんとした形になれた。
 だから、今度もきっと大丈夫だ。
「クロノは凄いね。自分が不安でもちゃんと答えを出して、私を導いてくれるんだから」
「今回はそうだった、というだけだよ。次は分からない。だから、もし僕が迷って答えが出なくて立ち止
まっていたら、君が手を引っ張ってくれ」
「うん」
 それが、今日から始まる二人の新しい約束。
 言葉が途切れ、二人の顔の距離が縮まっていき、ゼロになった。
 唇を押し当てるだけのキス。クロノはもっと先に進みたそうだったが、フェイトは彼の胸をそっと押し
戻した。
「シャワー浴びてお酒の匂い落としてくるから、戻ってきたら」
 今度はあやふやな思いではなく、はっきりとした意思をフェイトは口にした。
「クロノの赤ちゃんを、ください」
387The child of the couple:2007/09/30(日) 18:46:20 ID:LrdPQrx0

                   ※

 クロノが待つこと十五分。再びドアが開いて、青い寝巻きに着替えたフェイトが入ってきた。いつもは
下着で寝ているらしいフェイトだが、何か身に着ける必要がある時はクロノとお揃いのこの寝巻きを着る。
 そのままクロノの隣に座り、先程の再現のように唇が重なる。
 クロノはさっきできなかったこと、舌を差し入れ絡め合おうとするが、歯がしっかりと閉じられており
進めない。舌で歯をなぞりノックして、ようやくわずかな隙間が出来た。
「……ごめんなさい。なんだかまた緊張してきちゃって」
「いいさ、ゆっくりやればいい」
 強張っているフェイトの身体を暖めるように、クロノはフェイトを抱きしめ口づけを交わす。
 背中を子供をあやすように撫でさすってやる。口も舌を入れるのはやめ、唾液だけを注ぐ。
 ただそれだけのことを、クロノは何度も続けた。
 時間の感覚が麻痺していく。十分か三十分かそれとも一時間以上経ったのか。何十度目か分からない同
じ行為を繰り返そうとした時、変化が現れた。
 重ねた唇に当たる、唇とは異なる柔らかな感触。フェイトの舌がおずおずと差し出され、クロノの唇を
なぞっていた。
 しばらく自分からは何もせず、フェイトのするがままにさせておく。クロノが動いたのは、フェイトの
舌が唇を割り自分の口内に入ってこようとした時だった。
 ダンスのエスコートをするように、優しく丁寧に自分の舌をフェイトのものに絡めて口内に引き入れる。
「ぅん……」
 フェイトの舌に動きを合わせることにだけ集中する。顔が離れた時には、銀色の糸が二人の唇を繋いで
いた。
「落ち着いたかい?」
「うん、だいぶ」
 フェイトの返事に安心し、次の段階に進む。フェイトの身体に手を伸ばし、ボタンを外して前を開ける。
フェイトは寝巻き以外はなにもつけておらず、白い素肌が電球の光の下に晒される。
 完全に脱がしはしない。全部のボタンを外したところで、みっしりと中身が詰まったフェイトの胸に触
れる。巨乳は感じにくいということを聞くが、フェイトの胸は性感帯の塊と言っていいほど感度が良く、
軽くいじくるだけで過敏な反応を返してくれる。
 いつもなら欲望の赴くままに蹂躙するところだが、キスと同じように、こちらも優しく扱う。自分が楽
しむためではなく、フェイトの内にある女の部分をかき立てる行為。
 落ち着いたとは言うが、いつもに比べればまだ反応が固い。緊張を解きほぐすように、下から持ち上げ
て胸を揉む。
 指に力を入れれば簡単に沈み込むほど柔らかく、一定以上押し込めば強い弾力を感じさせてくれる極上
の胸。
 女陰が腰から下を悦ばせるためのものなら、この胸は腰から上を楽しませるためにあるとしか思えない。
 辛抱できず、胸の先端に吸いついた。
388The child of the couple:2007/09/30(日) 18:48:15 ID:LrdPQrx0
「あ、ああっ」
 予告なしの行動に、フェイトが声を上げる。
 先走りすぎたかと焦ったが、フェイトはそれ以上は何も言わずクロノに身を任せきっている。
 安堵したクロノは、左右の胸に交互に吸いつく。どれぐらい吸えばどう感じるのか知り尽くしているの
で、一番感じる強さで吸引してやる。
 フェイトの勘所を押さえた愛撫に、一度唇が触れるたびに突起が色づいて飛び出してくる。
(子供が出来たら、その子もここを吸うんだな)
 その光景を想像し、一瞬まだ見ぬ我が子に嫉妬した。
 あまりの馬鹿さ加減に、クロノは小さく鼻を鳴らす。本当に、自分は恋人にベタ惚れらしい。
 乳首が完全に勃起したのを見計らい、舌で押しつぶして胸の中にめり込ませる。
 固く充血した突起は半分は柔肉の中に埋まりながらも、舌ぐらいの力には負けず強く押し返してくる。
「ああ……はぁ……さっきから、先っぽばっかり……」
「だったらいつもみたいにめちゃくちゃに揉んであげようか? それとも、上から強く押しつぶす方がい
いかい?」
「どれでも、あん、ん……クロノの好きにして」
 口では乱暴なことをするように言ったクロノだが、手と口は柔らかく動かす。
 舌は乳首を開放して乳輪をなぞり、逆側の頂点は親指と人差し指で少しだけ強弱をつけて引っ張る。フェ
イトがその刺激に慣れた頃合を見計らって、乳首のそのまた頂点を爪でかりっ、と引っ掻いた。
「ひゃぅ!」
 急の強い刺激で、フェイトの喉が甲高く鳴る。その声の高さと大きさで、クロノはフェイトの身体に完
全に火が点いているのを確信した。
 それを契機に、一気に愛撫を強める。胸を付け根で握り、乳肉全体を頂点にむけて絞り上げる。
「あふぁっ!! 強すぎっるっ……」
「好きにしていいって言ったのは君だろう」
 最初が緩やかだった分、箍が外れたようにクロノは胸を弄ぶ。
 充血しきっている乳首は、さらに血が集まって弾けそうになっている。胸の大きさも相まって、母乳で
も噴き出しそうである。
 その乳首を、クロノは指で軽くはじく。
「あっんっ! はぁっ、んっ、んっ……!」
 それに合わせてリズミカルに啼くフェイトの声が、耳を楽しませてくれる。
 二桁に近い回数ずつ左右の乳首をいじめてから、クロノはようやくフェイトを完全に解放した。
389The child of the couple:2007/09/30(日) 18:50:16 ID:LrdPQrx0
 胸への愛撫で脱力しきったのか、肩を軽く押しただけでフェイトはくたりと崩れ落ちた。
 まだ水気の残っている金髪が、いつものようにさらりと広がるのではなく、細かい束になってシーツの
上に落ちる。
 クロノは手早く自分の寝巻きを脱ぎ捨てると、フェイトのズボンに手をかけ、下着と一緒に一気に脱が
せた。もはや身に着けているものは寝巻きの上一枚となるフェイト。
 下着をずり下ろす時、秘部との間に粘着系の糸を引いたのが見えた。
 もう準備は十分だろう。だが、クロノはもう少しフェイトをいじめたかった。
 腰を持ち上げ、秘部を顔の前に持ってくる。足を開かせれば、羞恥に赤く染まったフェイトの顔が見え
た。
「こんな格好、恥ずかしすぎるよ……」
「そうかい? 普通にある体位らしいけど」
 開脚前転の途中で止められたかのような窮屈な格好。クロノの目の前には、湯気が立ってるのではと錯
覚するほど熱く潤った秘所がある。髪と同じくさらりとしているはずの金毛は、べたべたに濡れて乱れて
いる。
 だから、口と舌で整えてやることにした。上に飛び出ている二、三本を唇でくわえた。
「な、なにしてるのクロノ!?」
「下の毛の手入れ」
「そんなのしなくていいからっ! ……や、だめ、引っ張らないでぇ」
「こっちも癖がなくていい毛質だな」
 真面目に阿呆な感想を言いつつ、クロノは毛づくろいを続ける。
 まずは大きく飛び出しているのを口でくわえて戻し、後は秘裂自体を慎重に避けて舌で整えていく。
 付着した愛液は、舐め取る先から新しく零れてきたもので濡れてしまう。だが全体的な形だけはきれい
に揃えることが出来た。
 満足のいく出来に一つうなずき、クロノはフェイトに問いかけた。
「フェイトのここ、直に舐めたわけじゃないのに、さっきに比べてずいぶん濡れてるんだが?」
「だって……クロノがそんな近くで見てるから……」
「じゃあ、こうしたら君はどうなるのかな?」
 意地悪く笑い、クロノは痙攣する女陰に指を差し入れた。
 挿入したのは人差し指一本だけ。それも第一関節まで。なのに、フェイトの膣内は強く硬く締めつけて
くる。
 陰茎に比べれば半分ぐらいの太さしかない指を、代用品でもけっこうだと言わんばかりに秘部全体で咥
えこむ。クロノは指を動かしていないのに、少しずつ指が内部に飲み込まれていく。鬱血しそうな強さで
ある。
 クロノは指をもう一本増やそうとするが、入り口がきつすぎてなかなか入らない。
 しかたなく人差し指だけを中で蠢かせ、残りの指で秘裂の上にある膨らんだ宝珠を押しつぶす。
「ひぁっ! あっ、くっぅんっ!」
 上と下の突起を同時にしごきあげれば、フェイトの胴体が浮き上がりブリッジのように反り返
る。
390The child of the couple:2007/09/30(日) 18:52:14 ID:LrdPQrx0
「はぁっ! はぁんっ! ……クロノぉ、もう限界だから、早く、早く挿入れてよう……。このままだと、
私壊れちゃうぅ……」
 もう羞恥もなにもかもかなぐり捨て、はしたなくフェイトがねだる。
 クロノとしてはこのまま一回絶頂に至らせて乱れっぷりを見たいところだったが、今回の目的は快楽で
はないことをやっと思い出した。
 子作りのための性交としては、準備の域を越えている。
「そうだな、ちょっとやりすぎた。すぐに挿入れてあげるよ、フェイト」
 願いが叶えてもらい、フェイトの顔が淫らに笑み崩れる。
 フェイトの腰を下ろして、いざ挿入しようと男根を握り秘裂に押し当てようとした時、クロノは気づい
た。
 両手の肘から先が、かたかたと震えている。
 自分も無意識かでひどく緊張していたのだ。それのピークがフェイトは最初に来て、クロノは土壇場で
来ただけのことだった。
 情けないと思いつつも、腕は上手く動いてくれない。それどころか、震えが二の腕を伝って肩まで至ろ
うとしている。
(落ち着け。落ち着け)
 自分に言い聞かせるが、震えは止まらない。歯の根までもがまともに合いそうになくなってくる。
 いよいよ全身が痙攣しようとした時、左手にそっと触れる柔らかいものがあった。
 はっとして顔を上げると、フェイトが身体を起こしてクロノの左手首を握っていた。
「約束したよね。クロノが迷っているなら、私が手を引くって」
 快楽が消えしっかりとした瞳で、フェイトは見つめてくる。
「大丈夫だから。クロノはちゃんとお父さんになれるから。私が、フェイト・T・ハラオウンが保障する
から。だから、クロノの赤ちゃんをちょうだい」
 本日三度目の子供を望む願い。それが、クロノの震えを止めた。
「……落ち着いた?」
「ああ、だいぶ落ち着いた」
 始めと逆の立場で同じ言葉を交わす二人。
「だけど、もうちょっとだけ手を握っていてくれ」
 差し出した右手は、優しく受け止められた。
 手は使えないから、腰だけで位置を定める。
 一つ息を吸って、突き入れた。
391The child of the couple:2007/09/30(日) 18:54:29 ID:LrdPQrx0
 最初だけ、ゆっくりと奥まで押し込む。
「あ……入って……入ってきてる……クロノが」
 そこで一度止まり、それから膣内の天井部分を擦りながらずるずると引き抜く。
 二度目に突き入れる時は、一度目の倍の速度で。三度目は二度目のさらに倍。四度目には、もう最速だっ
た。
 一気に頭の芯に響いてくる快楽。いつもと同じはずなのに、なぜかいつもと違うような気がする。蜜水
と砂糖水のような違い。同じく甘美なのに粘りつくようなものではなく、一瞬の快楽を脳に残してするり
と通り過ぎていく。それが腰を突き入れるたびに連続で来る。
 これが愛や快楽のためのセックスと、生殖行為としてのセックスの違いなのか。
 気持ちよさで飛びそうな頭で、クロノはそんなことを考える。その間も、身体を動かす速度は落ちない。
「いいっ、ああっ、クロノックロノッ……はぁああああああ!」
「フェイト……フェイト、んっ、うぁ!」
 お互いの名前を呼び合い、その度に快感の度合いが高まっていく。
 同時に、限界も加速度的に迫ってくる。
 いつものクロノならそれこそ視界が点滅するまで我慢して快楽に浸るところだが、この日は射精感に逆
らおうとは思わなかった。
 このまま胎内に子種を放つことにもう躊躇は無い。それでもその前にクロノは動きを弛め、涙の流れ落
ちるフェイトの瞳を見つめて言った。
「フェイト、僕の子供を、産んでくれ」
 返事は、腰にしっかりと絡められた足だった。
 そのままクロノは動ける範囲で出来る限り腰を動かし、フェイトの奥の奥まで突きこんだ。
「射精すぞフェイト……!」
「クロノックロノッ!! ……あああああっ!!」
 最後にもう一度だけ名前を呼び合い、クロノは欲望を爆発させた。
 どくり、という音が聞こえそうなほど激しく、いつもより長い射精。
 腰をびくつかせながら、クロノは生物の直感で悟っていた。
 かつてフェイトを少女から女へ羽化させたように、たった今自分はフェイトを孕ませて母親にしたのだ、と。
 最後まで、二人の手は握られたままだった。
392The child of the couple:2007/09/30(日) 18:56:25 ID:LrdPQrx0


 その後も何度も抱き合い、混ざり合い、精根尽きて倒れこみ眠りに落ちた翌朝。
 日が昇っても、二人はベッドの中で抱き合ったままだった。
「君がクラウディアに戻ってきて一段落したら、結婚式の準備を始めようか」
 ぐずぐずしていてフェイトのお腹が大きくなってしまい、その状態で式を挙げるのようなことになれば、
出来ちゃった婚のようで嫌だ。
「指輪に式場に招待客の名簿に……。思いついてないだけで他にもありそうだな」
「子供が生まれる前に、やらなきゃいけないことがいっぱいだね。……そうだ」
 フェイトが起き上がり、ベッドの上に正座する。
「結婚する前に、言っておきたいことがあったんだ」
 なんだろうと思いつつ、クロノもフェイトの前で正座する。
「日本の習慣で、本当は言うタイミングが違うんだけど」
 ベッドに三つ指ついて、フェイトは深々と頭を下げた。
「ふつつかものですが、末永くよろしくお願いします」


     終わり
393The child of the couple:2007/09/30(日) 18:58:29 ID:LrdPQrx0
以上です。
友人に「俺はお馬鹿フェイトは書かないよ」と言ったら、
「ああ、お前の書くフェイトはすでに色ボケだもんな」と返されたサイヒの提供でお送りしました。
ぎゃふん。

Three lovers nightの方ですが、申し訳ありませんがしばらく凍結させてもらいます。
あと一話だし、十一月までにはなんとかしますんで。

代わりというのもなんか違いますが、孕みネタ書いたんで世の道理に従って次回は乳搾りですよ。
394名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 19:08:04 ID:nfdUF56u
>>393
GJ!!
これは良いクロフェですね。Three lovers nightと孕みネタも
お待ちしてますZE!!
395名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 19:24:09 ID:3dNTdQaV
>>393
GJ!
けっこうなお手前でした。
孕みネタは大好物なので是非是非お願いします。

とりあえず、今日はきれいなふぇいとさん祭りだな。
396名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 19:33:07 ID:G0HJWXcV
現在制作中の同人ゲーム
http://radicalerio.web.fc2.com/index.html
完成するのか・・・
397名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 20:02:59 ID:TPtAkuCM
>393
なんと言うエロス!搾乳!搾乳!
しかしエイミィさんがヤンデレ化してNiceboat. の危機が……
398名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 20:20:09 ID:GNsreF61
>>397
いやいや、エイミィさんがユーノ取って、なのはがNiceboat.
399名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 21:36:29 ID:DG1XGc08
お前ら……そんなにヤンデレが好きなのか
いまさらだが>>393GJ
400名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 22:06:33 ID:5Z0kQHCz
>>「よし、落ち着いた。……それでだ、君は母乳派か?」
蝶サイコー
401名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:24:53 ID:3c+mf5R7
>>393
GJ!しかし今日は何というフェイトDAYだ
フェイトスキーな俺にはたまんない
綺麗でエロいフェイト最高
402名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:41:24 ID:3dNTdQaV
フェイト「思うんです。いつか目覚ましが鳴って
今日のこの作品ラッシュ全部が夢だったってことがわかるんじゃないかって」

はやて「人生は、夢や。」

ごめ、物凄くマイナーネタやっちまった。
403名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:43:03 ID:NwmrLoK9
>>393
なんという甘いカップルwww
それにしても、こうもフェイトさんの幸せなSSが続くと心配でならないZE
フェイトさんは、狡猾で迂闊で見事なまでに墓穴を掘る姿も素敵だしw

それにしても、皆ヤンデレ好きだなww
404名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:56:03 ID:3dNTdQaV
フェイトさん、今『もしかして私そろそろ死んじゃう!?』とか
疑心暗鬼にかられてそうだw

そうしておろおろしてるフェイトさんを影でニヤニヤしながら眺めたい俺マジ外道
405名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:11:50 ID:XntqIH7c
わずか11歳で父親となって、フェイトに搾乳をお願いされるエリオというのが思い浮かんだ
かなりエロいと思うんだ
406名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:15:43 ID:Wjh6yqTd
そりゃまた随分と・・・イイ!!
407名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:15:51 ID:TbkbN0MQ
――最近、愛しい彼に他と違う忌々しい視線を贈る者達思い出しながら高町なのはは考える。
出番と共にフラグも消えたと思っていた幼少時の学友、接点も無かった筈の鉄拳姉妹、いつの間にか接近してた万年幼児体系騎士、親友だと思っていた狸と人造魔導士、多数の女性局員etc…
数えれば限がない…唯判っている事がある。
ユーノ・スクライアは狙われている…重要なのはそれだけだ。
「今ならこれが役に立つのかもしれないの」
なのはは部屋の隅にあるものを拾い上げる。
刃の部分に『School ○ays』とレーザー焼込加工された、レザーソー。コ○ノハサマブレーry――
ヤンデレ好きは取敢えずこの前後でも妄想して今は我慢スレ

>>310
まさかそんな裏金が回されていたとは…なんて事より
ユーノ×ヴィータになってたにGJ!! 三人が後半如何なる行動に出るのかめがっさ気になる!
頑張って下さいデス〜!!

>>341
シナイダさんGJ!! 久々になんていいユノフェ…俺も本番期待したいYO!
408名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:46:59 ID:Yk7rNty0
>>393
GJ
409名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:48:12 ID:WXhzkJvw
フェイトさんとかはやてには家族あてがって幸せな生活をプレゼントしたのに司書長には家族も何も無いあの年齢での
無限書庫の管理、開拓作業をプレゼントだもんな、正直ここの扱いとかフォローのなさがほんとに釈然としない。

家族愛とかその他もろもろ謳ってる作品じゃないんすかー!?と、憤る。
野郎だからですか、そうですか。と、いっちまえばそれまでだけど物語としてみたらフォローして然るべきだよなぁ。
410名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:48:23 ID:6cnbUzUP
>>393
甘〜い!

しかしそういうパラレルなのは理解してるが、ちょっとエイミィの事を考えてしまう俺は設定厨なんだろうな。
411名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:48:35 ID:BUMpc7xl
>>404
で、L5に発症したりしてなのはに
「このフェイトはもういらない」
とか言われたり、注射されそうになったりするんだな
412名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:49:24 ID:WXhzkJvw
ごめんユーノスレと誤爆した、おとなしく巣に帰ります
413246:2007/10/01(月) 00:55:52 ID:1mQe6/lm
えっと、また来てしまいました。
遅れましたが、Nameless 最終話、感想レスありがとうございました。246 です。
そして、またやらかします。
長編、エロくないエロあり。フェイト×なのはです。
今回は鬱エンドじゃないです。鬱展開かもですが。
注意
鬱展開かもです。
ではでは。
414君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 00:57:21 ID:1mQe6/lm
 ゆっくりと、疲労を感じる腕を持ち上げた。

「はっ、ぁ……」

 吐き出した吐息は甘く、そして普段よりも艶やかなもの。
 視線を動かせば、二人が静かに寝息をたてて熟睡している。その様子に彼女がクスリ、と笑い再び先ほどま
でしていた行為に没頭し始めた。

「ふぅっ、んんっ……んくっ!」

 唇を噛み、息を殺し、いつばれてしまうかも分からない自慰行為に耽っていく。
 むき出しの乳房を片手で揉みしだき、左手はそのまま下へ。欲望に濡れ、熱くなっている秘所へと埋没させ
ていく。
 くちゅ、という微かな音。それが聞こえるほどにそこは蜜で溢れ、涎を垂らしながら求め続けていく。
 その欲望に抗う事無く。
 もっと気持ちよくなりたくて。
 彼女は髪を乱したまま、その耳で溢れた蜜の湿った音を聞き続ける。

「ひっ、くぅぅ……だ、駄目……聞こえちゃう……んんっ……」

 だが、そう思いながら指が止まらない。限界まで勃起した乳首を抓り、走った快感に涎を垂らして悶えなが
ら彼女は高みへ上っていく。
 その欲望も際限なく。
 いつしか、見られたらではなく見られてみたいと思うほどに。
 この胸を揉む手を眠っている彼女に置き換えて。
 この溢れた蜜をかき混ぜている指を彼女の舌に置き換えて。

「はぁっ、あっ、あっ……も、もっと……」

 だらしなく開いた口から涎が溢れていく。突き出した舌を震わせて、吐き出した息を震わせて。その、涙で
溢れた瞳を欲望だけで満たして目の前に裸で立つ彼女を幻想した。
 彼女は、どんな淫らな声をあげるのだろう。
 彼女は、どんな瞳で自分を見るのだろう。
 想像しながら陰唇を割り開き、零れた蜜に背中に虫が走るような寒気を感じた。

「す、凄いっ……きもち、いい……」

 既に音は微かなものではなく、部屋を支配している音に変っている。充満するのは女の匂い。漏れている息
は、獣のように貪欲なもの。
 抓られている乳首が悲鳴を上げている。痛みと共に、もっとして欲しいと訴えている。
 それに従って、抓る指に力を込めた。秘所をまさぐる指を更に激しく動かし、陰核に爪を立て腰を振るわせ
た。
 この、痛いほどに抓っているのは彼女の爪。そう思えば思うほど快感が増し、興奮が高まっていく。

「――――ママどうしたの……?」

 その興奮が、不意に消えていた。
 振り返れば、重たい瞼を擦ってヴィヴィオがこちらを見つめている。この暗い部屋では分からないだろう
が、それでも咄嗟に身を小さくして身構えていた。

「な、なんでもないから……ほら、早く寝ないと駄目だよ」
「うん……おやすみ……」

 そのまま何事も無く眠りに着いたヴィヴィオに、聞こえないように安堵の息を吐き体にある余韻に睫毛を振
るわせた。
 続きもしても大丈夫だろうか。
 それよりも、一緒に寝てあげたほうがいいのか。
415君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 00:58:11 ID:1mQe6/lm

「んんっ……」

 考え、一瞬だけヴィヴィオの方に視線を動かして小さく息を零した。
 寝たくても、この熱を冷まさないと眠れない。
 そう、再び指を動かしながら、ヴィヴィオに見られたことを肴にして楽しみ続けた。

 ――――二度目の雪の日、夢に消えいく少女は願った。
 迷惑をかけた妹と、妹を助けてくれた優しくて強い彼女に。

「あの子達が、ずっとずっと一緒にいられますように……」

 その願いは、あまりにも儚くて。
 それでも、何年経っても変らない――――。


魔法少女リリカルなのはStrikerS
―君に届けたいただ一つの想い―
(1)


「あ、ティアナその資料取って」
「は、はい……えーと、これですか?」

 そう上目遣いに問いかけるティアナに笑顔を返し、フェイトが受け取ったディスクをディスプレイに映し出
し、ティアナに見えるように動かした。
 そこに映ったのは、まだ記憶に鮮明に残るジェイル・スカリエッティ事件の記録。事件の顛末を詳細に記録
したもの。
 ティアナがそれを食い入るように見つめる中、フェイトが先ほどからにやにやと自分達を見ている彼女にた
め息を吐き、目を細めた。

「はやて、今仕事中。後、大事な勉強中。邪魔だから向こうに行って」
「冷たいなぁ、いやなすっかりフェイトちゃんのの先生役が板についたなぁって思ってたところなんやよ?」

 ジェイル・スカリエッティ事件が終わり、大破した機動六課の隊舎を修復し、ようやくそれからの事を考え
られるようになって、スバルとティアナは何年も続いたコンビを一旦離れ、それぞれの道へ進み始めていた。
 スバルは更に多くの人を助ける為にと、訓練に励み続けている。そして、今ティアナが行っている業務はそ
第一歩。執務官であるフェイトの下へつき、夢であった執務官試験への勉強に励むこと。
 それを決めたのはスバルの一言。そして、ティアナの強い意志。フェイトの下へつくことが、執務官への道
の最短距離だと思ったから。

「ほら、ティアナ。はやての事は気にしない。まだ覚えないといけないこと沢山あるんだから」
「は、はい」

 はやてから視線を外し、ティアナが業務を再開始める。
 事件捜査のノウハウに法務関係。覚えなければいけないことは山ほどあった。ティアナがまだそれを少しも
覚えていないと焦り、それを見てはやてがクスリ、と笑ってフェイトを見た。
 悪魔の笑み。そう思うのは、はやてが言う言葉を想像したからか。
 フェイトがぎこちなく笑いながら、はやての視線から守るようにティアナを遮遮って言った。

「だ、大丈夫だよティアナ。私も二回落ちたんだから」

 堕ちるなら自分から。その方が受身も取りやすいから。
 自分から言ってしまったフェイトに落胆しながらはやてはどこかへ消え、ティアナはフェイトの言葉に目を
見開いて固まった。

「クロノもね、一回落ちたんだ」

 ついでに道連れを引き連れるのも忘れない。
 だが、多分それがいけなかった。
416君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 00:58:56 ID:1mQe6/lm

「あ、あのティアナ……?」
「く、クロノ提督が一回落ちた……?」

 どうしたの、とフェイトが肩を揺するがティアナは反応しない。反応せず、フェイトの言葉を反芻しながら
頭が冷えていくのを感じた。
 頭の片隅で誰かが指を突きつけて自分の持ち技を使っているが気にしない。というか、気にしたら何かが終
わってしまいそう。

「わ、私は……執務官試験受かるんでしょうか?」

 先ほどからティアナの頭を冷やしているのがそれ。フェイトとクロノが落ちている。それは、自分の今の力
を考えれば当然のこと。
 そう不安そうな顔で見上げるティアナに、フェイトがあぁ、と納得した。
 納得して、ティアナの肩に手をかけ大丈夫だよ、と笑顔で言った。

「ごめんね驚かせたかな。ティアナは大丈夫だよ。私が受けた時より、技術だって安定してるんだから」

 そして、精神力も。
 なのはに教わったのは伊達じゃない。そう、フェイトに言い切られティアナがしぶしぶ頷いた。
 ちなみに、頷かないとなのはが怒るだろうと思ったのは、彼女だけの秘密である。

「じゃあ、勉強に戻ろうか。えーと、……捜査をするには事件記録とかそういった資料を纏めるのも大切だか
らね。だから、これ。私が勉強してたときに纏めてたやつなんだ」

 そういってディスプレイに映ったのは、幼いころのフェイトの姿。改めてみるあの時の自分が作成した資料
の粗悪さにフェイトが若干頬を染め、過去の記録を追っていった。
 プレシア・テスタロッサ事件。そう明記された資料と、闇の書事件と明記された二つの事件。資料の中でも
大きな割合を占めているのがその二つ。それは、この資料の中でも群を抜いて大きかった事件だったから。

「なのはが一番最初に解決した事件だよ」

 そして、自分が始めてなのはに出会った事件。
 今はそう思えるくらいに、懐かしい記憶の結晶だった。

「これ、前に見たことがあります。なのはさんとフェイトさんが戦闘してて……あれは?」
「いや……まぁ、最初で最後の本気の勝負、かな? なのはが駄々っ子を殴りつけたんだよ」

 よく分からないフェイトの答えに、ティアナがディスプレイに映る資料をスクロールさせていく。
 そこにあったのはフェイトの母、プレシア・テスタロッサの顛末と事件の中核のロストロギア、ジュエルシ
ードの資料。そして、それを巡るフェイトとなのはの戦い。

「どうかな?」
「いや、どうと言われても……」

 自分の肩越しから覗き込むフェイトに、ティアナは苦笑いを張り付かせるしか出来なかった。
 改めてみて凄すぎる。いつかのスバルの言葉を受け流した自分を、本気で殴りつけたいほどに。
 ――――ずるいと思ってしまった。もう才能なんてものに劣等感は抱かないけれど、生まれて初めて魔法を
知って、それから数ヶ月しかたっていない筈の幼いなのはの力に。
 数字の上だけ見れば、普段自分に訓練をしている、手も足も出せないなのはよりも高い魔力。そして、リミ
ッターを解除した時の今のなのはの魔力は、自分がどんなに努力しても手に入らないものだから。
 そんなティアナの感情に気づいたのだろう。笑顔のまま当時のなのはの映像を見て、フェイトがティアナと
同じような感情で苦笑した。

「スターライトブレイカーはずるいよね。あれは反則だよ」
「ふぇ、フェイトさん……あれ、受けたんですよね……」
「うん、死ぬかもって思っちゃった」
417君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 00:59:45 ID:1mQe6/lm

 どうやら上手く話題はそらせたよう。本日二人目に心の中で謝りつつ、フェイトがその時の映像を映し出し
た。
 フェイトとなのはの本気の勝負。その決め手となったディバインバスターとスターライトブレイカーの映
像。それにティアナが改めて絶句し、フェイとは顎に手を当てて考える。
 今の自分なら防げるか。
 結論はすぐに出た。
 きっとディバインバスターは防げる。けれど、スターライトブレイカーは防げない。あれは卑怯だし凶悪
だ。それに、そもそもなのはに撃たせたいものでもない。
 そして、自分はもうなのはとは戦いたくはないから。

「フェイトさん?」
「あっごめんね。ちょっと考えごとしちゃった……ん? ジュエルシードだね」

 ティアナが指差した先に映る青い石。
 それはスカリエッティ事件でも見たものだった。結局一つしか見つからず、それ以外の行き先も分からない
ままのロストロギア。

「見てみる? 一つだけなら保管してるよ」
「いいんですか?」

 ティアナの戸惑いの声に頷いて、フェイトがはやてに通信をいれた。
 見て損はない。ロストロギアの恐ろしさは資料だけでは分からないことも多い。レリックや海鳴市での事
件だけではなく、ティアナはもっと見なければいけないものだから。
 そうはやてを説得してティアナに笑顔を向け、フェイトがディスプレイを閉じた。

「じゃあ行こうか。見るだけだからね? 触ったら絶対駄目だから」

 恐る恐るティアナが頷くのを確認し、フェイトが行こうと扉を開けた。


* * *


「なのはママー、なのはママってばぁ」

 娘の呼びかけに答えず、なのはは拳を握ったまま前を睨み続けた。
 いるのは父と母。そしてその先には兄と姉。そして、義姉と姪。しきりに母親の腕を掴んでいる娘と
姪を置き去りに、ここ高町家は重いほどの空気に包まれていた。

「反対なんかさせないから」

 一言、なのはがはき捨てる。口調は冷たく、その視線は敵意をむき出しのまま。対する桃子は穏やかにそれ
を受け流し、隣の士郎は肩を落とし俯いていた。

「反対なんかしないわよ。だからそんな怖い顔しないの。美人さんが台無しよ?」
「でも、美人でもママなんだよなぁ……」
「……っ!? お父さんは黙っててよっ!」

 娘が知らない子供を連れて実家に帰ってきた。聞けば、事件で保護して娘にしたとそれだけだ。
 反対はしない。血の繋がらない子供を家にいれる不安も無い。そもそも、三人の子供のうち二人はそうだか
ら。

「なぁ美由紀……俺はいつ娘の花嫁衣裳が見れるんだ?」
「い、言わないでよ……私だって……辛いんだからぁぁぁぁ――――!!」

 妹が知らない子供を連れて実家に帰ってきた。聞けば、自分は妹に先を越されたどころの騒ぎではないらし
い。
 泣きながら消え去る美由紀にため息を吐き、この重たい空気を紛らわすように、美由紀がヴィヴィオにキャ
ラメルミルクを差し出した。
418君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 01:00:36 ID:1mQe6/lm

「ママとおんなじ味だ……」
「うん。あのね、ママはおばあちゃんに教わったんだよ」
「……」

 また一つ、空気が重たいものへと変っていた。
 事実そうである。ヴィヴィオは無関係に自分は祖母の立場にいる。
 だがそれでも、改めて突きつけられた事実は、桃子の鋼の笑顔を粉々に壊すものだった。

「おばあちゃんのも美味しいねー」
「そっかぁ、よかったねヴィヴィオー。おばあちゃんも喜んでるよ」
「そう……もう、お母さんって呼んでくれないのね……」

 俯き、美由紀同様消えていく桃子に、何故こんな事に帰ってきたのだろうと恭也が忍達を連れてリビングを
後にした。
 残ったのは俯いている士郎。そして、空気を読まない娘と孫の三人だけ。

「なぁなのは、ヴィヴィオちゃんの事はいいんだ。娘にするなら全力で力を貸してやる」

 問題は別のこと。
 切実に。
 喉から手首が生えてきそうなほどに切実なこと。

「パパ、はいないのか?」
「へ……パパ?」
「うんパパだ。俺になのはの花嫁衣裳を見せるだけの男の事だ」

 士郎の戯言の9割を無視して、なのはがパパの二文字に顔を伏せた。どうしたの、と見上げるヴィヴィオに
笑いかけながら、それでも士郎の言葉が離れてはくれない。

「私、そんな人いないよ」
「ユーノ君はどうなんだ? なのはだってそれなら構わないだろう?」
「ユーノ君は……違うもん」
「じゃあ誰でもいいぞ。なのはなら引っ張りだこだろう?」

 それでも、となのはが首を振って俯いた。士郎が頭を掻きながらなのはの花嫁姿を妄想する中、じっとヴィ
ヴィオを見つめ、不安を払うように問いかける。

「ヴィヴィオはパパ欲しいかな?」
「いらないよ? ヴィヴィオ、パパなんかいらない」
「そっか、良かった……」

 安堵の息を吐き、なのはがヴィヴィオの手を握って立ち上がらせた。

「じゃあお父さんもういくから。次、ヴィヴィオの学校の手配してあげなきゃ」
「こっちには戻ってこないのか?」
「うん、お仕事あるし。それに、魔法の学校だから」

 そうか、と一言だけ呟き士郎がなのは達を見送る為に立ち上がった。
 もうなのはも成人だ。今更引き止めることも無い。ただ、花嫁衣裳が見れないのが切実に辛いだけ。

「ヴィヴィオちゃん、またおいで。次は美味しいケーキも用意するから」
「はい! ありがとうございました」

 左右の髪を揺らしながらお辞儀をしたヴィヴィオの頭を撫で、士郎が翠屋へ戻っていく。それを見送ったな
のはがいこうか、とヴィヴィオに笑いかけ歩き出した。

「帰ったらぁ、今度はヴィヴィオの学校見にいこうねー」
「えー学校はいやー」
「だーめ。ちゃんと学校いくのー」
419君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 01:01:27 ID:1mQe6/lm

 頬を膨らませる嫌がるヴィヴィオに、なのはが頬を抓りながらゆっくりと諭していく。
 その姿は先ほどまでの馬鹿親とは違い真剣なもの。ヴィヴィオが黙って頷くほどに、煩悩に塗れた熱心なも
のだった。

「ヴィヴィオ、学校行く」
「うん、ヴィヴィオはいい子だねー。ヴィヴィオの制服楽しみだなぁ……」

 その姿を想像し、なのはがうっとりと頬を染めながら空を仰いだ。
 その姿は先ほどまでの真摯なものとは違い、馬鹿親そのもの。この人はこんなんだっただろうか、とヴィヴ
ィオが引くほどに、危ない姿だった。

「やっぱりカメラは必要だよね。早めに買っておかないと」

 いつからこうなってしまったのだろう。自分に、全力全開をぶっ放した母はどこに消えてしまったのだろ
う。
 そうなのはと手を繋いだままヴィヴィオが呆れ、ため息を吐いてなのはを見上げた。

「んー入学式に運動会に……――――っ!?」

 そのなのはの雰囲気が、一瞬にして変わっていた。
 先ほどのなのはなど比較にならない程の鋭さ。管理局のエースオブエースと称される所以のもの。
 どうしたの、とヴィヴィオが恐る恐る尋ねる中、なのははそれに応えず、無言で意識を集中し続けた。

「何かあった訳じゃない……けど……」

 不意に呟いた言葉は重い。
 言葉のとおり、なのはが察知できる範囲には何も無い。
 ただ、嫌な予感がしただけ。
 抗いがたく、暴力的なまでの不安が全身を苛んでいた。手のひらに浮いた汗を不快に感じながら、ヴィヴィ
オの小さなうめき声に我に返った。

「あっ、ヴィヴィオごめんねっ、強く握りすぎちゃった」
「大丈夫だよ……それよりママ、どうしたの?」
「分からないけど……ヴィヴィオ、早く帰ろうか」

 ヴィヴィオが頷くのも確認せず、なのはがその場で転送魔法を発動させた。
 辺りの光景が光に飲み込まれていく中、やはり拭えない不安に胸を押さえて唇を噛んでいた――――。

 ――――唇を噛み、その光景を見つめ続けていた。それしか出来なかったから。

「はぁ……はぁ……」

 ティアナが見つめる中、フェイトが疲れきった表情で荒い息を吐き、その手に握り締めていたジュエルシー
ドを床に転がした。
 ジュエルシードが転がる場所。そこに、傷だらけの手の平から流れた血が滴っている。その痛みを気力で堪
え、ティアナが駆け寄ることも出来ないほどに呆然としているのを確認した。
 気だるさを無視してティアナの肩に手を置こうとして、紅い手のひらに慌てて腕を引く。そのまま、視線だ
けでティアナを叱咤し、ややあってから重い口を開いた。

「ティアナ、八神部隊長に報告。急いで」
「で、でも……」
「私は大丈夫。いいから早く行って」
420君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 01:03:00 ID:1mQe6/lm

 咄嗟の事に、同じ過ちをしてしまった自分に情けなさを感じながら、フェイトが頭の中で状況を整理する。
 ティアナが駆けていくのを確認し、ずるずると床に腰を下ろしながらジュエルシートが輝きだした時の事を
思い出していた。
 先行してジュエルシードに距離を置いて近づいた。
 たったそれだけ。いくら考えてもそれ以外の状況は無く、それ故にそれがいけなかった事を如実にしてい
た。
 まるで、何年もの間待ち続けていたような輝き。
 そう思うのは、やはりジュエルシードが自分にとって特別な存在だからなのか。

「ぁ……」

 やはり、バリアジャケットもなしに掴むのは頂けなかった。スカリエッティの言葉が今聞いたように蘇って
しまう。
 いざという時冷静さに欠けてしまうのは、いつまで経っても治ってくれない。
 だが、それすらも。
 意識を失い瞼を閉じた彼女にはど、うでもいいことだった。

 ――――そして、夢を見る。
421君に届けたいただ一つの想い:2007/10/01(月) 01:03:50 ID:1mQe6/lm

「はぁっ、んんっ……す、凄い……気持ちいい……!」

 形のいい、柔らかい乳房を左右での手で乱暴に揉みしだき、ただただ彼女は涎を垂らして嬌声をあげてい
た。

「ふぅ、ふぁっ、あっ、もっと……強くしていいからぁ……!」

 そして、その下で栗色の髪を振り乱し、必死に腰をくねらせている彼女も同じ。虚ろな瞳で自分を貫く彼女
を見つめながら、聞いたことの無い淫らな声で乱れている。
 二人の結合部。そこは既に体液でドロドロに蕩けきっている。シーツに染みた紅いものは、彼女の純潔が奪
われた証。
 彼女が、自分のものになった証だった。

「もっとっ!? もっと気持ちよくして欲しいのっ!?」
「うんうんっ、フェイトちゃんのおちんぽいっぱい欲しいのっ!」

 名前を呼ばれ、その耳に彼女の口から飛び出した隠語の余韻を残したまま、フェイトが腰を振り続けている。

 ある筈の無いものがある事など気にならない。
 ただ深く。彼女の全てを味わいたい。今はそれだけ。
 陰唇から、愛液が溢れている。それに混じって、白濁とした体液が零れていく。手の中で暴れている彼女の
乳房を更に強く揉み、フェイトが恍惚の表情で体を仰け反らせて嬌声を上げた。
 心を焦がすほどに熱くて、何も見えなくなるほどに、下敷きにしている彼女裸体が眩しかった。
 これは夢。ありえない幻想。
 それは分かっている。だからこそ、何も考えず腰を振り、何も分からなくなるほどに彼女の乱れた姿に見ほ
れていた。

「なのはっ、もう……!」

 その声に、なのはが足をフェイトの腰に絡ませ引き寄せる。
 子宮を燃やすような熱さに体を震わせ、目を見開いて悶絶した。

「なのは……好きだよ……」
「うん……フェイトちゃん……」

 互いに笑いあい、唇を重ね舌を絡ませた。
 ――――それは。
 いつから持ち始めたか分からない叶わない夢。
 ずっと彼女にしたかった事。

「フェイトちゃん、もっと欲しいの」
「うん……もっと気持ちよくしてあげるから……」

 ずっと、願い続けていた想いだった――――。
422246:2007/10/01(月) 01:04:41 ID:1mQe6/lm
以上です。ありがとうございました。
ユーノ君はそのうち出てくるかもです。
目指すは幸せなフェイトさんとなのはさん。
ではでは。
423名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:19:36 ID:N1FUl1gB
>>422
何はともあれGJ
しかし、ここから幸せになるビジョンがまったく見えない
424名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:23:45 ID:ve4ss6x5
>>422
GJ!
やっぱりなのフェは良いものです。
もう一回全力全開の勝負でもするのかなぁ、と妄想。

三回読んでようやく、消えゆく少女がアリシアだと分かった。
読解力さなすぎorz

あと、ティアナを無意識に凹ませるフェイトさんがステキです。
425名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:35:18 ID:2aObruxj
>>405
つまりフェイトやはやてがエリオを押し倒して騎乗位で子作りロックだな
426名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:38:11 ID:8fYXAu1O
>>422
GJです!!
ハッピーエンドとのことなのでどんな欝展開が待っていようとも安心して読めます。
むしろ、盛り上がるので全然大歓迎です!!
今度こそ二人を幸せにしてあげてくださいね。
427名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:58:10 ID:j5+lMyEw
う〜んおかしいなあ
そろそろ最終回の3〜4年後くらいの設定で
2人で満天の星空を眺めてる時に大自然に囲まれた開放感から
いつもよりほんの少しだけ積極的に迫ってみたキャロに実は我慢の限界だったエリオが
野獣と化して荒々しく襲い掛かってしまって無理矢理に純潔を散らされたキャロが泣いている
のを見た事で正気に戻ったエリオが死ぬほど後悔して謝った後で今度は優しく心と心が
繋がるような合体をやり直したんだけど今までお互い肉親の情が希薄だった分
その体験が心地良すぎて覚えたてのSEXにサルのようにハマってしまい
ちょっと目を離すと森の奥から嬌声とパンパン肉のぶつかる音と粘着質な水音がかすかに聞こえてくると
いう流れのSSが2本は投下されてると思ったんだけどなあ
428名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 02:01:31 ID:N1FUl1gB
>>427
なんかメール欄か名前欄に特徴つけてくれると、喜ぶ人結構いると思うよ!
429フェ:2007/10/01(月) 02:08:12 ID:j5+lMyEw
>>428
ありがとう!
こうかな
430名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 02:50:02 ID:fCFjw31V
>>271
GJ!!
内容がエロ過ぎます
いつか発展して3Pへ、3人で愛し合う仲になり、フェイキャロともエリオの子供を身籠る
これで全て解決ですw皆幸せ
ところで移植後エリオとの間に子供ができると目の色はどうなるんだろう?赤?ビビオみたいに片目赤、青?
431名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 04:09:03 ID:MCmreLW/
移植関係なくもともとの目の色に準拠するでしょ常考
432名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 04:36:29 ID:fCFjw31V
ごめん、吊ってくるorz
433名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 05:54:44 ID:N1FUl1gB
>>429
もうちょいこの独特の文字列がはいってかつなのは関係のキャラ名地名とかぶらないヤツがうれしいな!
434名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 07:31:41 ID:s0NeCBQA
それはさすがにスレ違いだろうw
435名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 07:47:04 ID:mPuagKos
フェ で登録したら、フェイト関連まで消えてしまうじゃまいか

ってことだとオモ
436名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:50:54 ID:SBxSTiMf
>>310
復讐キター!!鬼畜王フラグキター!!
エリオの堕ちていく姿楽しみにしとる
GJ!

>>364
GJ!!
フェイトの騎士endも十分ありだ!
エリオかっこよす。キャロカワイソス・・
もういっそのこと二人の騎士に
437名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 11:10:30 ID:sbD9cqO5
>>428,433
この手の輩がそんなオブラートに包んだ言い方して理解してくれるわけないじゃんw
438名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 11:26:24 ID:TrOTvr0D
つまり「コテであぼーんするから、なのはとは無関係な名前を付けてくれ」ってことか
439名無しさん:2007/10/01(月) 20:35:55 ID:ZMOVDmiL
アニメは、終わったけどこのスレは、まだまだ続くぜ
440名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:16:01 ID:Hl7D0ejq
>>310
GJ!!
やばい、ユノヴィのシーンでニヤニヤが止まらない俺が居る。こういうツンデレ風味のか…アリ過ぎる!
てか何か予想外にツボに嵌った。書こうかな俺も…
で、堕ちるのはエリオですか。そういえばすずかの頃から兆候はありましたが…なんか堕ちるのが微妙に似合うなあ、エリオって
ユーノだとターンA氏のアレみたいなギャグ的堕ち方なら兎も角、シリアスだと最後まで堕ちないか元から堕ちるとこまで堕ちてるイメージがある。
441名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:25:32 ID:kDKRrmRd
ユーノは中身が強い受け男
エリオは中身が空っぽに近い受け男
442名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:50:51 ID:6vywG2K5
つまりユーノの誘い受けと
443名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:59:52 ID:mPuagKos
男連中の中身の強さなんて誤差の範囲っしょw

ってのは比べる対象が間違ってるか
444名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:05:52 ID:adRqSBwU
てか、なのはの男子は皆受けでしょ?
445名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:26:19 ID:kDKRrmRd
レジアスとゼストのおっさん以外は受けだろうな
446名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:30:27 ID:Hl7D0ejq
>>444
ロッサとかヴァイス辺りは攻めっぽいけど
間違いなく基本受けはユーノとエリオとクロノ(逆転はあるかもしれないが)
447名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:44:40 ID:ZH+KjpUV
>>446
その、何だ。そうかかれるとロッサやヴァイスに攻められる
ユーノやエリオやクロノを想像してしまうのだが・・・・・・。
448名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:46:19 ID:9IvvGW8y
>>446
>ロッサとかヴァイス辺りは攻めっぽいけど 
しかしなのはシリーズにその二人に黙って攻められるような柔な女性キャラは見当たらん
出演作を間違えたなw
449名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 22:54:56 ID:ZH+KjpUV
それでもティアナなら、ティアナなら黙って攻められてくれる!

そう思っていた時期が、俺にもありました(byへりパイロット
450名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:02:33 ID:opr8Uzxj
「飲み込んで、僕のストラーダ」……これね!
451名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:05:27 ID:Hrlg7Ohh
>>449
仕事サボってそんな所にいたんですか陸曹。
さあ、さっさとベアリングの油抜く仕事終わらせちゃいますよ。
452224  ◆Nw9Ad1NFAI :2007/10/01(月) 23:12:46 ID:0MO0+nuR
>>449
>ティアナなら黙って攻められてくれる!

妹さんが撮影したツーショット写真を職場に持ち込もうとしたら、恥ずかしすぎて猛反されたんだっけ?
いまじゃイヤイヤ言いながら攻められてくれてイイじゃんw!




ところで天元突破なアニメ観ている最中、
自分の頭の中に『 ティーダ×ラグナ 』という電波が流れ込んだんですが、
送り主はどこのアンチラセンでしょうか?
453名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:33:13 ID:ep1xK75J
ねえ…グリフィス君は?グリフィス君はどこいっちゃったの……?
454名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:36:10 ID:RqDlVHaQ
かのムッツリくんは…普通に幸せ掴みそうだしなぁ
画面外で
455名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:41:47 ID:ZH+KjpUV
グリフィス君って隠れ鬼畜な顔してるから、きっと裏でルキノあたりと
すごくリリカルでマジカルなプレイを楽しんでるよ。
456名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:44:47 ID:aTpO+Iza
流れぶった切るけど、Wikiにハラオウン兄妹の憤死が入ってなくね?
457名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 23:52:25 ID:58QM4tcK
wikiって言うとまずNanoha wikiのほうを思い浮かべるんだよなぁ
ハラオウン兄妹の憤死って何スレ目のSS?最近のやつならまだ、保管庫には入ってないんじゃね
458名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 00:12:20 ID:dfdVvjWa
>>364
GJ。

さあ、暗黒面に堕ちたキャロ社長の続編を書く作業に戻るんだ!

>>342
力むフェイトと座薬を押し込もうとするインモラルビーストさんとの押しつ押されつなもどかしさがよいね。
GJ
459名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 00:55:34 ID:3boTM8Fd
801話で盛り上がっているので書いてみた

エリオ「や…やめてくださいユーノ先生」 
ユーノ「ダメだよエリオ君。僕のバインドプレイを受けてもらうよ」
ヴァイス「なんだ、あの奇天烈なバインドの縛り方は!」
クロノ「むう、あれは『裏ミッドチルダ式バインド』」
ヴァイス「知っているのかクロノ! ?」

――裏ミッドチルダ式――
古代ミッドチルダで生み出された魔法と性技を融合させた画期的な技術である。
因みに古代ミッドチルダでは裏ミッドチルダ式魔法を使いこなす者を『淫獣』と呼び称える風習があった。

                        ――民明書房刊 『初心者の裏ミッドチルダ式魔法』より ――


エリオ「そんな解説はいいから助けてくだ…アッー」


ついカッとなってやった。反省している。

460名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:02:28 ID:R4glN6Ae
永遠に消えぬもの、その名はの続きマダー
461名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:05:14 ID:aueU9cbg
>>459
緑のおば・・・・・・お姉さん、こんなところで何油売ってるんですか。

早く続きを書く作業にもどるんです、さあ!
462名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:06:21 ID:0oAqRJ9R
今日の投下は無いのか…過疎ってきたかな?



これが普通なんだろうが、このスレだとそう思えてならない。
463名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:12:07 ID:9/yFycBU
純愛系ユーなのの続きはまだか〜?
464名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:12:28 ID:aueU9cbg
流石に月曜日だと投下するネタも気力もカラになるだろうて。

幸い今週はまた3連休あるし、週末に期待しようぜ
465名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:15:01 ID:td0HFOZa
>>460
か、勘弁、ご勘弁を
今週中には必ず…
466名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:17:19 ID:aueU9cbg
おいおい、あんまり作者さんをせっつくもんじゃねぇぜ?

マターリいこうぜ。
467名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:20:28 ID:LU48No33
(*^ヮ^)x)とりあえずサゲですう
468名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:21:25 ID:ZngyPFoY
早く早くとせっつくのはいかんが
続きを見たいとアピールするのはモチベーション上げるんじゃね?
というわけで前々スレの『stepwize』 の続きに期待
469名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:25:57 ID:R4glN6Ae
すいません。
まったり待ちます。
470名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:32:26 ID:aueU9cbg
>>468
なる、そういう考えもあるのか。d
471名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 02:38:26 ID:qu2EPaYE
じゃあ俺は、ユーノマニアさんが結構前に書き始めてるって言ってたLOVELY BURSTの続きをいまだに待ってるぜ!
ネガティブフェイトも楽しみにしてるんだがな!!
472名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 02:53:24 ID:wtAwwsBk
リニスのSSマダー?
473名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 03:00:53 ID:aueU9cbg
>>427のIDに不覚にもワロタwwwwww
474名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 03:02:22 ID:aueU9cbg
うわ、ミスッタ、>>472だorz
475名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 03:44:02 ID:mjjjZCVi
>>471
よお、オレ。
476一階の名無し:2007/10/02(火) 04:51:39 ID:OtI3dyF8
誰もいませんかいませんねこっそり投下。
一度書き始めたからには!例え筆がどれだけ止まろうが書き抜く事が正義と信じて!
えっと、通算第4話。注意です。
10歳の子供がアレだけ頑張れる理由が
これしか思いつかなかったので原作否定になってるかも知れません。

字が形稽古か型稽古かは微妙なトコですが形稽古の方を採用。
さ、最近流行りのエリフェイに便乗して申し訳ありませんっス!

ではでは。
477ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 04:52:55 ID:OtI3dyF8
暁。
空が徐々に白くなっていくその時間に響く音といえば
小鳥の鳴き声、風の吹き抜ける音、そして一定のリズムで響くある音だった。
決して大きな音ではない。
たんっ。
しかし、耳に心地よいそれは確かな力を秘めてもいた。
明かりをつけていない体育館は暗く、本来ならば燃える様な赤色の髪も今は紫に見える。
たんっ。
明け方とは一日の内で最も冷え込む時間帯だ。
だが彼の体は熱を帯び、うっすらとした蒸気も漂わせている。
たんっ。
踏み込んだ右足を引き、ストラーダを腰だめに構える。
訓練服の首元や背中は既に汗でぐっしょり濡れていた。
たんっ。
だが彼は休まない。汗が髪から、顎から滴り落ちる。
もう一度。
最初の動きは左足で体全体を前に押し出す事。右足をすり足で送り、体重を乗せると同時に震脚。
下半身で発生した力を両手で余すことなく槍に乗せ、突く。
たんっ。
僅かに、体育館内の空気がゆらぐ。しばらくエリオはその姿勢のまま硬直していた。
足を戻し、ゆっくりと槍を掲げる。そのままの姿勢で深呼吸をして息を整えた。
再度、動き出す。足を戻す時よりもゆっくり、そして滑らかに。
今までの直線的な動きとは違い、今度はストラーダが弧を描く。
払い、受け、回し、突き、払い、突く。師の言葉が脳内でリフレイン。
『素振りでも形でも、一人で出来る稽古では常に相手を想像しろ。
 相手のどこを突くか、相手がどう来たからこんな動きをするのか、それを意識しなければ意味が無い』
これは相手の振り降ろしをいなす動き。これは相手への牽制の攻め。これで足を払い、これでとどめ。
鳩尾を石突で突き上げ、返す振り下ろしで肩口を叩き落とす。締めはやはり突きだ。
たんっ。
近代ベルカ式の槍の形を一通り終え、そこでようやく我慢していた息を吐き出す。
形とは戦いの流れの再現だ。戦いの最中に深い呼吸など、相手に間を盗ませるのと同じ。
深呼吸を繰り返し、再度息を整える。目を閉じ、呼吸を抑え、脈拍を抑えるのに数十秒を要した。
目を開く。
風が、動く。
ストラーダが大気を割って音を鳴らし、床と足との摩擦が独特の高音を生む。
先程の動きを今の自分の限界速でトレース。床がスタッカートで打ち鳴らされる。
高速で旋回するストラーダとエリオは、小さな竜巻となって周囲の空気をかき乱した。

―――――――――だんっ!

突いた姿勢で硬直するエリオの体から一気に汗が噴き出して来た。
柔軟から走りこみ、素振り、そして仕上げの形稽古といういつものメニューを消費したエリオは
そのまま隊舎へと向かう。自室の部屋までのウォーキングがクールダウン代わりだ。
朝日が建物の間から横殴りに降り注いでくる中、少しの疲労感と少量の達成感を抱えてエリオは歩く。
まだまだ冷たい空気がエリオの体をちょうどいい速度で冷ましていった。
部屋につくころにはすっかり汗はひいており、体を軽くタオルで拭いただけで管理局の制服で身に包む。
お腹が盛大に鳴ったし時間もちょうどいい頃だと、エリオは食堂へと向かった。
478ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 04:55:04 ID:OtI3dyF8
「あ、エリオ君!おはよう!」
いきなりかけられた声に振り返ると、そこには制服に身を包んだキャロがいた。
彼女の守護竜も勿論一緒である。
「キャロ、フリード、おはよう!」
エリオが元気に挨拶し返すとキャロとフリードが小走りで距離を詰めた。
二人が横に並んで歩き出す姿はとても微笑ましいものであり、制服とのミスマッチに滑稽さすら感じる。
「……あ、今日も朝のトレーニングやってたんだ?」
「うん、そうだけどどうしてわかったの?…あ!もしかして汗臭いっ!?」
「ううん、そうじゃなくてね?エリオ君の事だから毎日かかしてないんだろうなって思って」
キャロは笑って否定したが、気になったエリオは少し自分の体をかいでみる。
特に変な臭いも感じられないことに胸を撫で下ろす。
「エリオ君も頑張るね。この前の出動から自主トレも始めたし。
 でも……辛くない?無理したら駄目だよ?」
「大丈夫、ちゃんと量はなのはさんやシグナムさんに相談したから」
会話をしながら食事のトレーを手にとって料理を受け取る。
ちなみにエリオはもう大食漢だという事は知られているので料理は特盛だ。
高々と詰まれた料理だが危なげなく器用に運ぶ。
キャロは普通の量だが横のエリオの量が異常なので周囲の局員には小食と思われている。

   ツラクナイ?

(辛くないよ。むしろ、楽しいんだ)

   ナンデ?

(僕のやりたい事をやれてるから、かな。六年前のあの日に知った僕が僕としてある理由。
 ……ううん、違う。
 僕が決めた、僕の生きる理由。
 僕の全てを費やして、あの人のあの優しい笑顔を守る事。
 それ以外には何にもいらない。おもちゃも、お菓子も、友達も、何にも……いらない)

   ホントニ?

(うん。あの人が幸せならそれでいい。
 あの人が笑えるんだったら僕はそれだけで幸せだから)

   ソウナノ?

(うん)

   ソレナラ、コレモ君ノ幸セ?

『何と!あの話題の執務官に恋人疑惑が!真相はCMの後で!』
モニターから発せられた音声に、食器の落ちる音が続いた。
479ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 04:57:39 ID:OtI3dyF8



朝も早くからフェイトとシャーリーはデスクに向かっていた。
フェイトはモニターの横に置かれたサンドイッチをひとつつまみながらモニターを操作する。
「何でこの時期にデバイス総点検なんて実施するんでしょうね?」
紅茶を飲みながら、しかし右手の指は恐ろしいスピードで画面上を行き来させている
シャーリーは愚痴をこぼす。フェイトは苦笑いしながら部下を慰める他無い。
「今回の事件で地上の戦力不足が露呈したからね……今までは人員や資金の不足で却下してたけど。
 このデバイス総点検も多分それの一環かな?
 データ集めてデバイスの強化案とか探るのが目的らしいけど……」
「でも今の時期にやらなくてもいいじゃないですかっ!
 ただでさえ裁判の準備で忙しいのにデバイス総点検なんてやってられませんよ……
 あーもー!どう見積もっても三日はかかりますよ〜〜!」
シャーリーは執務官補佐であると共に、デバイスマイスターでもある。
六課のデバイスは全て彼女が担当しているので総点検も勿論彼女の仕事だ。
六課の設備が使えれば時間もあまりかからないが本局の設備を借用しての点検である為に
他に多くの部隊との兼用という事が更に彼女を悩ませる。
「やっぱり、デバイスの方は他の人に任せる?」
「それは嫌です!」
責任感がありすぎる部下の苦悩に、フェイトはくすりと純粋な笑みをこぼした。
「それじゃ、総点検の間はティアナに執務官補佐の代役を頼んでいいかな?
 正式に決定するまでの様子見も兼ねて」
「それしか、ないですよね……あ、でも三日目は無理ですよ?
 ライトニング分隊の総点検の日ですからスターズ分隊は待機シフトですし」
「あ、そうか……」
次のサンドイッチに手を伸ばす。
「じゃ、一日目と二日目に執務官関係の仕事集中させて……芸能関係なら私ひとりでも何とかなるし」
「いっそのこと、三日目はエリキャロにマネージャーしてもらうとか」
「むぐっ…………えっ!?いいのっ!?」
上司の態度の急変具合に、今度はシャーリーが笑みをこぼす番だ。
目をキラキラさせながらシャーリーの方向を向いたフェイトは鼻の頭にサンドイッチのツナをくっつけている。
「勿論。あ、あと鼻にマヨネーズついてますよ?」
指摘すると彼女の上司は鏡で自分の姿を確認し、少し頬を染めながらそれを取った。
と、その時バルディッシュにメッセージが届く。
『Sir.』
「あれ?何だろ。こんな時間に。……エリオから?」
通信ではなくメール形式のメッセージとはこちらの忙しさを察してくれたんだろうか?
そんな事を考えながらメッセージを開いた。
そういえば、こんな形のメッセージも随分ご無沙汰だ。……悪い親だな、と自嘲する。
「あれ?何だろ、コレ」
「どんなメッセージだったんですか?」
「『僕は気にしてないですから。頑張って下さい』……これだけなんだけど……」
480ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 04:58:44 ID:OtI3dyF8


時空管理局本局内の廊下をヴェロッサ・アコースは颯爽と歩く。
長い緑の髪をなびかせるその姿は普段から何かと視線を集めるが、今日はいつもの比ではない。
あまりそういうのを気にしない彼も、流石に辟易していた。
しかも、だ。親友であるクロノ・ハラオウンに呼び出されて今彼の部屋に向かっている。
「……十中八九あれだね……」
クロノの部屋の前まで辿り着き、そして溜息を一度してから扉を開けた。
「――――――話を聞かせてもらおうか?」
問う声は普段はブリッジでしか見せない威厳を帯びたもので、もう一度溜息。
「ごめんなぁ、ロッサ。私も説明したんやけど……」
言葉はともかく、紅茶を片手に微笑むはやてに全然悪びれている様子は無い。
どうやら事態を面白がっているようだ。
「はぁ……クロノ、はやてから聞いてるんだろ?ならそれが全てだよ」
「あぁ、聞いたよ。だが別にはやてはフェイトを酔い潰せとは言ってないし
 介抱するふりをして密着しろとも言っていない筈だ!さぁ弁解をしてもらおうか!」
待機状態のデュランダルを片手にすごむクロノを気に介さず、ロッサは優雅に椅子に座る。
「おいおい、それはフェイトが潰れたのは不可抗力だしあれは紛れも無く介抱だ。
 兄馬鹿も程々にしないと嫌われるぞ?」
その言葉に詰まるクロノに代わってはやてが追求を続ける。
「お兄ちゃんは心配症って事やなぁ。で、実際どうなん?」
「どうって……何が?」
「フェイトちゃんとの関係に決まってるやん」
金属音が響いたが別にその方向に視界を移さなくても解る。クロノがデュランダルを起動させたのだろう。
「彼女には悪いけれど、僕には心に決めた女性が既にいるからね。
 だからクロノ、魔力ダメージとは言え砲撃魔法を展開するのはやめてくれ」
とりあえず、と言った雰囲気でデバイスを待機状態に戻すクロノ、そして笑みを深めるはやて。
はやての方は楽しくて仕方が無いと言った様子だ。
「へ〜〜?何か意外やなぁ……で、相手はだれなん?あ、シャッハか?
 私でよければ力になるよ?」
はやての野次馬根性丸出しの申し出を
「はやてに力になって貰えれば確実なんだけどね……ま、そうも行かないさ。
 これは僕の問題だからね」
ヴェロッサは――――――――――綺麗に笑って、断った。




「ちょっと休憩いれましょうか?朝からずっとでしたし」
10時を回って、シャーリーがそう申し出た。
集中力が高過ぎてつい周りが見えなくなりがちなフェイトにブレーキをかけるのも
シャーリーの役目のひとつである。
481ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 05:01:12 ID:OtI3dyF8
「あ、もうこんな時間か。そうだね、一息いれよっか?」
モニターを操作し、テレビ番組を表示させる。
普段は政治や経済くらいしか見ない彼女だが、時間帯が時間帯なので
チャンネルを回してもどこの局も芸能関連のニュースばかりだ。
あの芸能人が離婚したとか、あの歌手が新曲を出すとか、あの執務官に恋人発覚とか、
彼女の興味をひくような記事ではなくフェイトはデスクの中から読みかけの恋愛小説を取り出した。
(…………あれ?)
ふと、何かが思考にひっかかった。慌ててチャンネルを操作してテレビ番組を見返す。
『この写真の人物ですが、週間クラナガンの調べによりますと
 ハラオウン執務官の兄の親しい友人だそうです』
モニターに映し出されるのは自分の顔と、そして自分が誰かに寄りかかっている画像だ。
特徴的な緑の長髪から、粗い画像でもそれがヴェロッサだということは充分に解った。
モニターがスタジオ内の画像に切り替わり、事情通らしき男が勝手な妄想を並べ立てている。
そこまで見て、どうやらヴェロッサと自分が恋人だと思われている事をフェイトはようやく理解した。
「あれ?フェイトさんどうかしたんですか?」
紅茶とコーヒーとお茶菓子を盆にのせて戻って来たシャーリーが尋ねる。
「?  私がどうかした?」
「いえ、今すごく嫌そうな顔してたんで」
シャーリーに言われて初めて、自分の眉が随分寄っていた事にフェイトは気付く。
デスクの上に湯気が立ち昇るコーヒーとミルクと砂糖が置かれた。
と、シャーリーがモニターを見て気付く。
「うわ!これ、あの日のヤツじゃないですか!フェイトさんが潰れた日の!
 パパラッチってホントにいるんですねぇ……」
「うん……しかも、何か凄い誤解されてるし……」
自称事情通の男性(勿論フェイトとは面識が無い)が誰から聞いたのか、それとも捏造したのか
勝手な事ばかり語っている。
フェイトとヴェロッサとの馴れ初めなどフェイトには全く身に覚えの無いものだ。
「うわぁ、色々勘繰られるんじゃないですか?エリキャロにも心配かけるかも……」
シャーリーの何気ない呟きにフェイトの鼓動が跳ね上がる。
エリオからのメッセージ、そしてこの報道。彼女の中でバラバラだったふたつの事象が繋がった。

(え?…………エリオが、コレ、見たの?
 勘違い……された?
 で、でもメールには気にしてないって、頑張ってって……)
 
「あ、でもフェイトさん的にはどうなんですか?
 アコース査察官って結構かっこいいですし。フェイトさんがその気なら私、応援しますよ!」

(……………………………………もしかして
 頑張ってって、そういう意味?
 気にしないって……私が誰と付き合ってもいいって事?)

胸がしめつけられるその理由に、彼女はまだ気付かない。
482ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 05:03:32 ID:OtI3dyF8
 

意識は冷たさによって引き戻された。
目に入ってくる光景は、いつもの体育館の天井である。
周囲に散らばる水溜りとぐしょぐしょに濡れた髪や訓練服、
それらを確認してエリオはようやく自分が今まで気絶していたと気付く。
「おぉ、目覚めたか坊主」
ニヤニヤと見下ろされたが、悔しさは全く出てこなかった。
負かされる事は慣れっこだ。最初の頃なんてサンドバックでしかなかったのだから。
「………………あの、何戦目でした?全然覚えてないもので……」
「一戦目だよ。開始2分で綺麗にテンプルにもらってそのままバタンだ」
「うっわぁ……」
あまりの体たらくに、つい嘆きが口をついてでた。
「ま、今日は何か動きが悪かったからな。後で医務室ちゃんと行けよ?」
慰めの言葉がかけられるが、あまり耳に入ってこない。胸に去来するのは虚無感である。
(何やってるんだろ、僕……)
そもそも、この格闘訓練だってやる意味などほとんど無い。
素手での格闘などそれこそ魔法を使えない一般犯罪者の鎮圧にしか使えないし、
それだって一部の人権団体からの訴えを無視すればバインドひとつで片がつく。
朝の自主訓練だって、あんな事を繰り返したところで強くなれるとは限らない。
筋力をつけたり、正確な動き方を体にすりこんでも大して威力は上がらない。
そんなものよりも絶対的な魔力量の方が魔法戦では重要になってくる。
どれだけ早く動いても障壁が貫けなければ意味が無いし、
どれだけ力をつけても膨大な魔力の前ではそんなもの無に等しい。
(それに、朝のメールだって……)
まるで気にしていると訴えているようなものだ。しかも訴えたところでどうだというのか。
(フェイトさんが誰と付き合ったって、いいじゃないか。
 フェイトさんが笑えるなら、それが僕の)
―――――――――幸せ、と思えない。
「おいおい、そんなに悔しかったのか?」
「え?」
「え?じゃねえよ。何泣きそうになってんだ」
タオルがエリオの顔にかけられた。ちょっと臭うそれに少年はむせ返る。
このタオルは彼なりの優しさなんだろうか、とエリオはぼんやり考えた。
口に出したらまた水でもかけられるんだろうとも思うので口には出さないが。
「まぁ、こんな日もあるさ。人間、てめぇに出来る事しか出来ねぇんだよ。
 失敗も負けもそれの結果だ。……悔しいなら、明日も来て次は結果を変えて見せろ」
タオルで視界が塞がれて見えないが、あのかなり年上のあの人は
今頃『柄にもねぇ事言ったな』みたいな事思いながら渋い顔をしてるんだろう。
息を思い切りすった。
すっぱい臭いが鼻や口の中に充満し、盛大にむせ返る。
が、同時に力も湧いてくる。
(僕に出来る事しか出来ないなら……とりあえず)
出来る事をしよう。そう思って立ち上がり、痛むこめかみを抑えて医務室へと向かった。
483ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 05:06:22 ID:OtI3dyF8


数日が過ぎ、機動六課のデバイス総点検の日程が来た。
本局の駐屯所前でフェイトを待つのはティアナ・ランスターである。
彼女にとっては待ちに待った日でもあり、また来てほしくなかった日でもある。
もしかしたら、これで彼女の夢に一歩近づけるかもしれないのだ。失敗は許されない。
元々彼女はその目的で機動六課に入隊したのである。
機動六課で過した半年弱の全てがこの二日にかかっていると言っても彼女には過言では無かった。
シャーリーからの引継ぎは熱心に受け、そして何度もシミュレーションした。
スバルに迷惑かけながらも頑張って、関連ある法務のマニュアルは既に暗唱出来る。
そして彼女は無駄に気負うタイプでもある。二日前からストレスで便秘気味だ。
とはいえ、それを周囲に宣伝したところでどうにかなるワケでもない。
元気一杯に、二日間彼女の直属の上司となるフェイトに挨拶する。
「おはようございます!」
「ティアナ、おはよう」
儚げに笑みを浮かべるフェイトに、ティアナは一瞬目を奪われる。
(うわ……何か、今日のフェイトさん、すごく綺麗……)
女性のティアナから見ても、影を帯びて儚げな印象が増したフェイトには保護欲がかきたてられた。
メディアが騒ぐレベルの美人だという事を再認識する。
「今日から二日間、よろしくね?」
「……………………」
「…………ティアナ?」
「えっ!?は、はい!よろしくお願いしまぷぺっ!」
フェイトに見とれていた事とあまりの緊張に、ティアナは盛大に舌をかんだ。
くすりと、今度は年上のお姉さん的な笑みを浮かべ、それを見たティアナはまた心拍数が跳ね上がる。
「それじゃ、行こうか?」
駐車場へ歩き出すフェイトの後を慌ててついて行く。
最近メディアに騒がれている事もあってフェイトには多くの視線が集中している。
その後を歩くティアナも必然的に多くの視線に晒される事になり、更に舞い上がった。
視界の端に映ったザフィーラにも挨拶するのを忘れてしまう程だ。
ついと、視線を動かしてフェイトの表情を伺う。
威風堂々と歩くその姿と表情は凛の一字であらわせる。
「……うん?どうかした?」
彼女の視線に気付いたフェイトが声をかける。当然の如くティアナは軽いパニックに陥った。
「い、いえ!あ、そ、その!」
どもりながらも必死に話題を探す。そういえば最近読んだ雑誌で彼女の特集をやっていた事を思い出す。
「ふぇ、フェイトさんのオススメの恋愛小説ってありますかっ!?」
必要以上に大きい声で聞いてしまった事をかなりティアナは後悔した。
しかもフェイトの表情が曇ったので後悔の度合いが跳ね上がる。
「えっと……ここ最近は全然読んでないんだ……」
申し訳なさそうに苦笑いするフェイト。
その悲しげな雰囲気に、ティアナは反射的に尋ねずにはいられなかった。
「どうして、ですか?」
問いを発してから、やっぱり聞くべきじゃなかったと自己嫌悪に陥る。
こんなのは彼女のキャラではない。これはむしろ
(……スバルの悪い癖が何でうつってんのよっ!?)
いつも気弱な癖にたまにずかずかと踏み込んでくる彼女の相方の言葉だ。
心の中で(あの馬鹿っ!)と連呼し必死に責任転嫁をする。
しかし彼女の馬鹿連呼はフェイトの言葉によって遮られた。
「えっと……何かね?最近、読んでるとこう、胸がぎゅうって絞られてるみたいで、
 楽しいって思うよりつらいって思うようになって……って、ティアナに言っても仕方無いよね」
溜息をつくフェイトの横顔は、ともすればティアナよりも年下に見える。
484ある槍騎士とある姫のその後の話3:2007/10/02(火) 05:08:43 ID:OtI3dyF8
「あの……それって……恋愛小説を正しく楽しんでるんじゃないですか?」
「え?」
「普通恋愛小説読むと胸が切なくなりますよ?……って何でそんなに驚いてるんですか?」
まるで鳩が豆鉄砲を食らったようにフェイトは驚いている。
そんな彼女の様子を見て、ティアナの胃をしめつけていた緊張が一気に解けていった。
先程までのどもりが嘘のように言葉が口から自由に滑り出る。
「その、胸がきゅうってなる恋愛の感覚を味わう為のものだと思いますよ?」
ティアナの言葉は、フェイトの思考を加速させるには充分すぎた。
物凄い勢いで彼女の思考回路が空転していく。

(え?これが恋の感覚?でも私はこんなのエリオが恋胸がきゅうってエリオに
 お姫様だっこでも汗のエリオが私は保護者でかっこいい匂いがエリオだって恋愛小説の
 ――――――何でさっきからエリオが浮かんでくるのっ!?)

原因は解っている。恋愛小説を読んで味わう辛い感覚と、最近のエリオと一緒にいる感覚が近いのだ。
むしろ、程度の差だけだとも言っていい。
(つまり……えっと……その、私、エリオが……あれ?)
「フェイトさん?」
ティアナの言葉で現実に引き戻される。いつのまにか彼女の愛車の前に到達していた。
「あ、そ、そうだね。出発しぷぺ」
盛大に舌を噛んだフェイトに、ティアナは笑いを堪える事が出来なかった。



二日が過ぎる。緊張が解れたティアナは自身の実力を充分に発揮した。
その仕事ぶりにフェイトはおおいに助けられ、是非自分の執務官補佐になって欲しいと再認識する。
身内としてのコネではなく純粋に彼女の能力が欲しいと、そう思えた。
が……それとは別に、彼女は今ある問題に直面している。
明日はライトニングのデバイス総点検の日であり、エリオとキャロがマネージャーとしてつく。
つまりエリオと顔を合わせるのだ。
エリオへの恋心を認識してしまった彼女にはどんな表情で彼と向き合えばいいのか解らない。
(……どうしよう……で、でもキャロもいるしだ、大丈夫だよね?変なことにならないよね?)

「え?明日はキャロは無理なの?」
「うん。何かね?ケリュケイオンってブーストデバイスだから検査項目にフリードへの魔力供給とか
 あるらしくて、フリードも一緒にいなくちゃならないんだって。
 この子、私がいないと不安がるから……」
「くきゅ」
申し訳無さそうにフリードが鳴く。しかしキャロはフリードを卵から孵した時からの関係であり、
いわばフリードの母親代わりでもある。フリードの感情も充分に理解出来た。
「そっか……残念だね……」
「うん……だから、私の分までフェイトさんのお世話、頑張ってね!」
そう笑顔で励まされ、エリオも微笑んだ。
キャロはいつもこんな何気ない言葉で力をくれている事を再認識し、
自分も自分に出来る事を頑張ろうとメモを握り締める。 




さて、エリオとフェイトがふたりきりになるまであと11時間7分46秒。

485一階の名無し:2007/10/02(火) 05:11:30 ID:OtI3dyF8
ここまでお付き合い頂き有り難う御座いました!
あと、第一話については保管庫にもうアップされてますね。
いつもありがとうございます。

プロットなんて書くもんじゃないなぁとか思いつつ、ようやく大半消化。
あー!よし!頑張ろう!エロに到達出来るその日まで!
あ、あとトライガン大好きです。
486名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 05:13:41 ID:HFW8F5ra
リアルタイムで乙
フェイトの思考に色々混じっててワラタ
487名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 05:42:52 ID:aueU9cbg
せっかくだし深夜のハイテンションで一本ssを書き上げる。
時系列はAs本編終了して暫く。細かくは決めていない。

・・・・・・あれ?おかしいな。最初はリンディさんがユーノ君を攻めるssたったはずなのに
最後のほうユーノ君が鬼畜野郎になっちゃってますよ?なエロっぽいss。
何か、ユーノ君がかなりアレな人になっちゃってる・・・・・・。
そんなssです。それが許容できる人ドゾー。
何か、お姉さんが教えてあげるなssを書きたかったはずなのになんでこんなになったんだろう・・・・・・。
深夜のミステリーだな。
とりあえず、見ようによっては鬼畜モノっぽいです。
488名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 05:44:07 ID:aueU9cbg
その日はいつもと大して変わらない一日になるはずだった。
いつものように無限書庫にヒキコモリいつものように青春というか思春期をすり減らす。
そんな一日になるはずであった。

「うっ・・・・・・あぁ・・・・・・」
無限書庫内部に存在する司書長室。そこに響くのは淫靡な水音。
じゅぷじゅぷと、何かをしゃぶるような音が響く。
「り、リンディさん、や、やめ・・・・・・」

備え付けの簡易ベッドに押し倒されバインドで拘束されているユーノ。
その上に丁度69の形になるように覆いかぶさり、ユーノのモノをその口で愛撫しているのは
彼の友人であるクロノ・ハラオウンとフェイト・T・ハラオウンの母親にして
巡行艦アースラの艦長にして時空管理局の提督でもあるリンディ・ハラオウンである。
若くしてクロノを産んだ彼女の体は未だ瑞々しさを失わず、その童顔も相まって
彼女の年齢はどう見ても20代に見えてしまうという恐ろしさである。
しかし、その管理局の制服に押し込まれた肢体の持つ色香は恐ろしいほどの破壊力を秘めており
事実、生まれたままの彼女に押し倒され、女の部分を眼前に突きつけられる形になっている
ユーノの一物などは、先ほどから痛いほどに勃起し、その存在を主張している。

「ひうぅ・・・・・・」
ユーノが少女のような声であえぐ。
リンディのノドの奥で愛撫されている亀頭が、今にも暴発しそうなほどに膨れ上がっているのが分かる。
「出ちゃ・・・・・・います、おねがいです・・・・・・・ぬいてく・・・・・・うあぁぁぁぁぁ!?」
一度射精感を感じてしまえばもう遅い。経験の浅いユーノにこみ上げる奔流を抑えることなどできるはずもなく
その一物は大量の白濁液をリンディの口腔内に吐き出した。
「ふふ、ユーノ君てばこんなに溜め込んでたの?」
唇の淵に着いた精液をなめ取るようにリンディの舌がぺろりと自信の唇をなめ上げる。
それだけの動作が酷く艶かしい。その一挙手一投足がユーノのモノが一時たりとも硬度を落すことを許さない。
その体の持つ暴力的なまでの色香がユーノのモノを痛々しいほどに勃起させ続ける。

「り、リンディさん。僕、もう・・・・・・」

ユーノが切なげな、子犬のような瞳で訴える。
それに答えるように、リンディはユーノのバインドをとき自由にさせる。
「ほら、ここよ。ユーノ君。」
片方の手で秘部を押し広げ、もう片方の手の指を膣口に咥えさせユーノの目の前でぐちゅぐちゅとかき回してみせる。
その酷くいやらしい光景に、無我夢中で飛びつきその股間の、その少女のような外見からは想像も出来ないような一物
彼の腕ほどもありそうなものをねじ込む。
その剛直の進入に、思わずリンディも嬌声を上げる。
今まで亡き夫の為に守り続けた貞操を今、目の前の少年に捧げている。
その事実と、目の前の少年の不器用ながらも荒々しい行為にその体はどんどん昂ぶりを覚えていく。
「凄い、凄い・・・・・わ、ユーノく・・・・・・・あぁぁぁぁ!」
「リンディさん!また出ます!出します!リンディさんのナカに出します!」
ユーノのモノがリンディの内部で大きく膨らんだ。
少年のものは未だ、目の前の女の内部で長く耐えられるほどには鍛えられていない。
その欲望の塊をただ女の中に吐き出すしかできない。
「え?あ・・・・・・そんな、もう!?」
「ごめんなさい・・・・・・でも止まらないんです!」
ドクドクと白濁を吐き出しながら、それでもグラインドの止まらないユーノの一物。
まるで子宮だけでなく膣にも己の精を刷り込み、マーキングするかのように。

その長い射精が終わっても、まだ硬さを失わぬそれをさらに内部で動かし続けるユーノ。
2度の射精を終えたことで、ユーノの動きは少しづつ変わりつつあった。
ただ力任せにその剛直を叩き込むのではなく、動かし方に変化を加え始めたのだ。
その大きく張った雁首を膣壁のひだに絡めるようにゆっくりとこすり上げ、引きずりだすかのように動かしたり
また、子宮口を突き上げたときのように、その一物で刺激してやるとリンディの腰が面白いようにはねる
そんなポイントを見つけ出し、思い切り突き上げてやることにより引き起こされるその反応を楽しむようになっていた。
489名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 05:45:34 ID:aueU9cbg
年端も行かぬ少年の手により、リンディはただ只管あえぎ声をあげさせ続けらる。
大きく腰をそらし、その大きく柔らかな双房をふるふると震わせ、背筋に電流を流されているかのような刺激に
延々と晒され続け、その口端からはよだれをたらし快楽に打ち震える。
恐ろしいほどの勢いで行為を覚えていく少年にただ只管翻弄され続ける。

リンディは思う。
最初は、ユーノへのご褒美のはずであった。
まだ年若い少年に大役を押し付けてしまったという引け目と、多大なストレスに潰されないようにという考えがあった。
もちろんそれだけでなく、恥ずかしい話、目の前の自分の息子よりもさらに年若い少年に引かれていた。
そんなものもあったのだが・・・・・・しかし、流石にコレは予想外すぎた。
流石に耐久力はそこまででもないのか先ほどから既に何度も自身の中に精を放っている。
しかし、それを補い有り余る若さがそれの硬さを失わせず、自身の内部をかき回し、感じる部分を刺激し、貫ぬいていく。
煮えたぎるマグマのようなそれに、無理やりその体は火をともされ、その体はその熱により完全に燃え上がってしまった。
眠っていた女が目覚めてしまった。子宮が焼けるように熱い。精を受け入れ歓喜しているのが分かる。

何時しかユーノのソレは、本人すらも気づかぬ間に雌を服従させるような行為へとなっていた。
「リンディさん、体裏返します。」
言うが速いか、一物を咥えこまされたまま、その体を反転させられるリンディ。
なまじモノをがっちりと咥えこんでいたがために膣や子宮がねじれる感覚がより一層強く感じられる。
結合部がじゅるりと音を立てる。
ひだが激しく絡みつき、ざらざらとした部分が雁首をざらりと舐め上げる感覚。
それが、もう何度目になるかもわからない絶頂をユーノに与えた。
そして、膣内に熱いたぎりをぶちまけ塗りこまれる感覚は、リンディにもまた激しいエクスタシーを与える。

もはやそのようなことなど関係ないとばかりに、背後からリンディを攻め立てるユーノ。
その腰を持ち上げ背後からその柔らかな臀部をわしづかみ、背後から汗の浮いた乳房を指を深々と食い込ませもみしだき、
その女の体の触り心地などを存分に堪能しつつ最奥を突く。
先ほどまでの、正面から蹂躙する感触とはまた違った、背後から蹂躙する感触を存分に楽しむユーノ。
そうしてさらにリンディの肢体を蹂躙していたユーノがリンディの体に覆いかぶさり、その耳元に口を寄せる。

「リンディさん・・・・・・・」
そっと囁きかけるユーノ。
「ふぇ・・・・・・?」
意識の大半を飛ばされながらもなんとかそれに答えるリンディ。
「ちゃんと・・・・・・孕んでくれますよね?」
「!!」
その言葉に一気に意識が引きずり戻される。
妊娠の可能性。それは十分にあった。先ほどから度々最奥に特濃の精を注がれているのだ。
妊娠してもなんらおかしくはない。
「答えは、聞くまでもないですよね、だってさっきからリンディさん、ずっと僕のに腰押し付けてきてるんだもの。」
「あ・・・・・・ああ。」
何時の間にか、無意識のうちにその腰をユーノに押し付け、その精を求めていた自身の体に、もう戻れないところまで
きてしまったことを再確認させられたリンディ。
そんなリンディのことなどお構いなしに首筋や腋などに鼻を押し当てその匂いを嗅ぐユーノ。
「そっか、これが発情しちゃった女の人の匂いなんですね。」
今度から、この匂いさせてるときは遠慮なくさせてもらいますね。
その囁き対して、リンディにはもはやうなづく以外の選択肢は残されていなかった。
その返答に満足したのか、ユーノは深くその一物をリンディの中に突き入れる。
「愛してます・・・・・・リンディさん。」
それは紛れもないユーノの本心。常に自分のことを気にかけていてくれた女性へと感じていた愛情は
その女性に押し倒され、犯されたことで暴走してしまったがそれでもその思いは紛れもなく本物だった。
だから、彼はその精をリンディの中にただ只管流し込み続けた。
自身が気絶するまで、何度も、何度も、何度も、何度も。
490名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 05:48:20 ID:aueU9cbg
とりあえず今回はここまでです。
どっからどう見てもユーノ君が大淫獣に進化しちゃってますが(リンディさん以外には)無害です。
でも最初にユーノ君襲ったのはリンディさんだし何だかんだで愛しあってるから無問題ってことで一つ。
あれ、これってもしかしてヤンデレユーノになるのか。
491名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 06:15:30 ID:+izJ1T0R
>>484
GJ!
二人っきりになっちゃったらどうなることやら…
続き待っております!
492名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 07:12:08 ID:eaH7X7zi
まじGJ
こうなるとクロノの反応が気になるな
493名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 07:12:55 ID:PHuX4Fn4
ユーノがお義父さんになるからねぇ
494名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 09:59:20 ID:eN8cNWwi
>>485
あいもかわらずGJ!
もうwktkが止まらんよ
495名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 11:18:31 ID:ABJN5eDW
>>485
やべぇ、フェイトさんが可愛過ぎてニヤニヤが止まらんw
496名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 12:30:54 ID:xesXRF9N
>>485
清純なフェイトさんがかわいすぎる
エロオも頑張ってるし、続きがめっさ気になる。GJ!!
497名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 12:45:25 ID:HBJE7Prg
エリオの子供を欲しがるフェイトとか妄想したぜ
498名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 14:01:17 ID:ZLbntr6H
>>485
もうとにかくGJ!!
お互いにヤキモキしてるフェイトとエリオがいじらしいwww
次回の二人っきりにwktkが止まらないZE!
499名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 15:47:03 ID:bsfBSves
487GJ
とてもエロいっす。続き期待
500名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 16:15:37 ID:0D7i2P1U
>>485
これは最後まで続けて貰わないと困る
GJ!!
ふたりとも、ういういしくていいようwエリフェイが大好きだー
501名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 16:49:08 ID:6S6IW4eq
>>485
GJ!!
いいな〜……ピュアな感じが!!!
続き、超期待しとります!!
502名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 17:18:52 ID:ZngyPFoY
>>485
>>490
GJ
503騎士よ眠れ:2007/10/02(火) 17:27:51 ID:d7Hkp9XZ
3期後 八神家メイン エロ未定 補足設定多少あり
です
504騎士よ眠れ:2007/10/02(火) 17:31:20 ID:d7Hkp9XZ
 前々から時間を指定していた客人が訪れたようだ。
 無限書庫司書長のユーノは整理中だった書庫内の一画から浮遊し、
出入り口へと戻って行く。
 蒼い体躯と白い毛並みが、ユーノの案内を静かに待っていた。
「忙しいのに、済まんな」
 ザフィーラは風格のある声色で、無感情とさえ思える程の口調でそう呟いた。
 ユーノは彼の遠慮に対し、静かに首を振る。
「そもそものキッカケは僕だからね。気にしなくていいよ」
「しかし……本局に知られると厄介だ。お前はそれを承知しているのか?」
 恐らくユーノ自身は相手程に事を大きく見ていなかっただろう。
 単に書庫の整理ついでに発見した文献や映像媒体を、縁を持つ知人に伝えただけ。
 ザフィーラの内心を察したのか、既に復元と検証済みの映像媒体を簡易の詠唱で
彼の前に起動させる。
 第一に画面に現れたのは、破滅色に焼き尽くされた大空だった。
 それを見たザフィーラの瞳が、ユーノには推し量れない感慨で微かに滲む。
 動画の破損も著しく、途切れ途切れに映像が歪む。世界の終焉を代弁する空を、
巨大な影が覆い尽くした。

 我 は時  理局の横暴に  しません。全ての者は     救済、  魂
を主のもとへ 導  るの  。
 さぁ、 しい我が子 、  僕達よ。今  武器   持ち立ち  る です。
 この聖王ヴ  ィオ一八世の  に集い、時空   の侵略 阻止    。
   は死   。  の   勝利   。
 苦境に立ち   我々を、約束の地アル ザ  は必ず 勝利の笑みで    く
れるでしょう。
 母なるベ カの  、どうか戦地に赴 我々を守り給   。

 紛れも無い、不完全な映像に見え隠れする偉容。
 それは数ヶ月前にザフィーラも居合わせた大事件の最終決戦地となった『聖王の
ゆりかご』だった。
「僕はこの事実を外部に漏らすつもりなんて無いよ。今の管理局としては嬉しくな
い内容だし、危ない機関が消しに来るかもしれないね。でも、そちらが望むのなら
可能な限りこの情報を保存して、もっと調査を進める。未だここにも手を付けてい
ない区画がある……確証が出来た以上、学会が動くなら僕も行かなくちゃならない」
「今度こそ、憎きベルカを滅ぼしにか?」
「……」ユーノは意味深長な沈黙で応えた。
 静かに床に尻をつけ、ザフィーラは遥か記憶の彼方に思いを馳せる遠い目で、繰
り返し映写される短い記録映像に見入っていた。
「……時空管理局が発足したのは、一五〇年前だな」
「『時空管理局の記録』に基づいたものではね。往々にして、歴史なんて有力者の
都合にいいように改変されるものだよ。それ以前に前身の組織が存在していた事は、
容易に想像が出来る。これだけの情報を蒐集していたんだから、場合によっては大
人しい方法で運営理念を履行してきたわけでもないだろうし……」
 ユーノは彼らしくなく、随分と皮肉を利かせた風に言った。
505騎士よ眠れ:2007/10/02(火) 17:33:14 ID:d7Hkp9XZ
 核心を避ける両者の会話に何か心打たれるものがあったのか、ザフィーラは不意
に耳を垂れて項垂れた。
「ふっ……ヴィータは昨晩、少し背が伸びたと嬉しそうにはしゃいでいたよ」
 我が子の成長を見守る父の如く、ザフィーラの声は重く落ち着いていた。
「いよいよ魔力プログラムも完全な停止が始まっている証拠だね。それに伴って肉
体からプログラムのシステムが消えて、通常の生物としての状態に身体が更新され
ている……と」
「あぁ。これは何かの巡り合わせかもしれん……我々が騎士でなくなる、その事の」
 ザフィーラはユーノに顔色で頼み、もう一方の状態が良好な記録映像の起動を待った。
 彼の眼前に新たに映し出されたのは、先程の酸鼻を極める終末戦争の風景とは一
変して平和なものだった。
 そよぐ微風、豊かな緑、煌めく湖畔の水面の光。
 奥には一軒の広い邸宅がある。建築様式から鑑みて、古代ベルカ式の住居と断定
して間違いなかった。
 空は突き抜ける様に蒼く、健康的な白い雲を点在させている。
 こちらも音声はある程度劣化しているのか、耳障りな雑音が常時流れている。
 映像の中で二人の視界を横切る一人の少女の姿があった。
 長い赤髪を揺らし、身軽な服装で背の低い草が敷き詰められた庭を走り回っている。
 距離があって正しくは視認出来ないが、邸宅の近くでは長身の女性らしき人物が
佇んでいる。
 その彼女が眼にも鮮やかな桃色の髪をしている、という点は疑う余地は無かった。
 映像の視点が激しく左右上下する。一時の混乱の中で、赤髪の少女の無邪気な笑
顔が揺れる画面の中で乱舞する。

 こら、ヴ ータ。   使  壊れて  うわ。
   じゃん! あたし 貸   、ママ って   からさ!

 どうやら映像機器が少女の手に渡ったらしく、今まで使用していた人物が画面の
中心に現れる。
 清楚な装いをした若々しい女性だった。儚げな銀髪に神秘的な瞳を持つ、どこか
浮世離れした美しさがあった。
 ユーノは渋い顔でその映像を見、否でも十年前の雪の日の出来事を想起させられる。
「リインフォース……」

 ねぇママ、   戦争が こるの? ミッ チルダの人が攻  くるの?

 少女の言葉に、女性の顔がうっすらと翳る。それも一瞬で、映像機器の中心に立
つ女性は慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。
506騎士よ眠れ:2007/10/02(火) 17:36:34 ID:d7Hkp9XZ
 そんなわけ  で ょう? 戦争  て起  いわ。大丈夫よヴィ  、
聖 様が   何事も穏便に  ませになる ら……だか 大 夫  。

 少女を励ます女性の声には、幼い心でも見抜ける憂鬱の響きが含まれていた。
 映像から少女の複雑な無言が伝わって来る。
 眼の前の少女の気持ちを取り繕う様に、女性は小さく何か意味があるらしい仕草
を行った。

  ぁ、 祈り  間。ヴ  タ、花摘みに ってる ャマ を呼んで  頂戴。
 うん!

 映像機器が女性の方へと返され、程無くしてその一抹の寂寥感を漂わせる風景は消えた。
 二つの映像を停止し、ユーノとザフィーラは暫く押し黙っていた。
「……滅んだと思われていた古代ベルカ文明発祥の地。時空管理局によって封印さ
れていただけだったとはな」
 ザフィーラは最早諦念じみた苦笑すら帯びていた。
「世間じゃ恰も世紀の大発見みたいに報道されているけどね。今年中にでも、調査
結果によって学術的価値は無いものと判断し、環境保護世界に指定しましょう、か。
馬鹿でも思い付く脚本だよ」
「環境保護世界に指定? 戦争事実の証拠隠滅の間違いだろう? 何故、ミッドチ
ルダの各学会や研究機関に時空管理局の圧力が働いているのか、懇切丁寧な説明を
願いたいものだな」
 ザフィーラの意地悪い揶揄に、ユーノは奥歯を噛み合わせて反論を殺される。
 己の所属を差し引いても、此度の理不尽な管理局の保身行為には眼に余るものを
感じていた。
「他の皆には知らせているのかい?」
 辛い質問だった。今の騎士達には八神はやてという掛け替えの無い家族がいる。
 しかしザフィーラは思い出してしまった。嘗ての記憶、嘗て過ごした世界への帰巣の念を。
 騎士である自分達に『生前』とも呼ぶべき時代があった真実を。
 この感情が他の三人にも起こらないと断言は出来ない。
 現にプログラム状態が日に日に弱まっている中、弊害と呼ぶべき事態は小さい規
模で散見されている。
 これは単純なバグとして手早く対処出来る分、危険性は皆無に等しい。
 しかし、ザフィーラが危惧する対処出来ない程の弊害が起こってしまえば……。
 即ち『記憶の初期化』が現実のものとなれば……。
 あの主はどんな顔をするだろうか。シグナムは、ヴィータは、シャマルは、今ま
で五人で積み重ねてきた日々が呆気無く消滅してしまう事に、彼女達は耐えられる
のだろうか。
 この懸念される記憶に関するバグに気付いているのは、現時点でザフィーラだけだった。
 守護獣特有の帰巣本能の様なものが次第に活発化し、こうして記憶の初期化を予
感させる不具合を訴え始めて数ヶ月。
 その予兆が始まったのは、折しも機動六課の試験運用が終了して直後の事だった。
 ザフィーラは少しの空白を挟み、沈思の為に垂れた頭を持ち上げた。
「シグナムもヴィータもシャマルも、管理局で働く現在の生活に満足している。余
計な記憶は邪魔なだけだ。彼女達は現在を、そして未来だけを見つめていればそれ
でいい……」
 ザフィーラは起き上がり、整然とした足取りで出入り口へと移動し始めた。
507騎士よ眠れ:2007/10/02(火) 17:37:39 ID:d7Hkp9XZ
「行くのかい?」
 ユーノは彼に振り返らずに一言発した。ザフィーラが立ち止まる気配が、背中に触れる。
「管理局全てを敵に回す気なのかい? 過去の管理局も、そして現在の管理局も」
 守護獣の決意を知りながら、ユーノはそれでも言葉を紡いでいた。耐え切れずユ
ーノはザフィーラの背中に振り向いた。
 しかしザフィーラは彼に背中を向けたままで立ち止まっていた。
「未来は貴方にもある筈だ」
 諦め悪く、ユーノはこの時間を延長しようと足掻くように舌を回す。投げかけた
言葉がどれだけ無意味なものか理解していても、ユーノは無意識のうちに口を開いていた。
「……世話になった。次に顔を合わせた時は、お前とも敵同士かもしれんな。お前
だけではなく、嘗ての仲間達とも……」
 ユーノは立ち去っていくザフィーラへ咄嗟に腕を差し伸べかけたが、それは彼の
強固な意志を推察して宙に浮いたままになる。
 ユーノは一人きりになった無限書庫の中で、心地よい浮遊感に身を任せて静かに
瞑目した。

「はやて、ザフィーラは?」
 本局の通路で、ヴィータは数日前から家にも不在の名を発した。
「当分の間、家を空けるって言ってたで。溜まってる分の有給全部使って……でも、
何処に行くか聞いても一切教えてくれへんかってん」
 はやても不可解に感じているようだが、肝心の当人から行き先も目的も知らされ
ていない以上、首を捻る以外になかった。
 傍で歩いているシグナムとシャマルも、あのザフィーラが一人の所用で単独行動
を取るという珍しい事に何か不自然な感触があった。
 詳しく表現出来ない、漠然とした心の波だった。
 念話も完全に遮断されており、ザフィーラの人格を除外すればまるで用意周到な
蒸発にも思えた。
「どうしたんでしょうかねぇ……唐突に長期休暇なんて」
 はやての肩の辺りで滞空移動をしているリインフォースUも、あの謹厳寡黙な守
護獣が私情を優先させた事実に、何か八神家が与り知らないところで不穏な動きが
起こっている様な要領を得ない不安があった。
「もしかして、恋人と旅行かなぁ?」
 はやては心配する気持ちを、そんな朗らかな気分で糊塗した。
 ヴィータが有り得ないとでも言いたげに顔を顰める。
 前を歩く三名の耳に届かない声量で、シャマルがシグナムへ耳打ちする。
「ザフィーラ、あのニュースを間に受けて……」
 シャマルの暗い顔色を、シグナムが一笑に付した。
「まさか。我々にとってあの地は最早何の意義も無い。我々はプログラムとして生
まれ、守護騎士として代々の主に仕えてきた。それだけだ……今も、これからもな」
「でもねシグナム。私、最近、夢っていうものを見るようになったの」
 シャマルの告白は、シグナムの怪訝な横目を誘った。
「夢か……。確かに守護騎士としてのプログラムが生身の人間へ転換すると、そう
いった普通の人間が持つ機能も目覚めるだろう。気分が悪くなったりしていないか?」
「大丈夫。だけど……」
 言いかけてシャマルは不意に口を噤んだ。
 シグナムが目線で続きを促しても、シャマルは軽く頭を振るだけだった。
 そよぐ微風、豊かな緑、煌めく湖畔の水面の光。
 空は突き抜ける様に蒼く、健康的な白い雲を点在させている。
(ザフィーラ……貴方まさか……)
 夜な夜なシャマルの夢に登場する、不思議と懐かしいその情景。それが一体何な
のか、彼女は皆目見当もつかなかった。
 五人の乱雑な足音が、人気の無い通路の辺りに響き渡っていた。そこに四本足の
音は無かった。
508騎士よ眠れ:2007/10/02(火) 17:38:50 ID:d7Hkp9XZ
続きます
509名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:24:57 ID:qpxtEH6b
よし続けw

ザフィーラが主役!主役!
しかもなんか渋いぞ、かっこいいぞ
510名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:30:06 ID:Zx2ILe2o
>>508
うお、なんか力作の予感!
511名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:24:42 ID:h5W0CvRc
>>508

GJ!
ザフィーラ渋かっこいいよザフィーラ
512名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:31:24 ID:iqiUGaTo
こういう渋い道を歩めるのはザフィだけだなw
513名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:33:00 ID:Q0LF44kJ
なんてこった、ザフィーラ主役ないしライバルポジションなんて斬新すぐる
514名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:33:33 ID:qu2EPaYE
>>508
世にも珍しいザッフィーのシリアス長編!?
これはwktkせざるを得ませんね
期待してます
515名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 19:46:00 ID:NT2q1CmW
>>485
これはいい乙

キャロは寧ろ気を利かせたんだろうなぁと思ってしまう自分は最近の流れにハマり過ぎてるな。
516名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 21:50:58 ID:VDaFVmjA
 ※特殊性癖 ちょいエロ ネタ大目


「はぁ、ああ……」
 エリオは再び熱くぬかるんだその中に自身のストラーダを突き込んだ。
 燦々と降り注ぐ蒼い太陽と鼻に付く緑とそして雌の匂い。
 周囲の大自然が開放的にさせたのか、それとも鬱屈した性欲が歪んだ形が形となったのか。
 どちらなのかもはや分からない、分かる必要もない。
 分かるのはほとんど無理やりな形で行為に持ち込んだと言う喩えようもないほどの背徳感と、そして下半身から伝わる圧倒的な快感だけだった。
「ああ、出る、出るよ……」
 びゅくびゅくともはや何度目になるか分からない精を放つ。
 まるで幼い子宮を満たそうとするかのように、何度も何度も獣のように腰を叩きつけ粘膜を擦り最奥を叩く。
 そのたびに目の前は雌は獣のような嬌声をあげて乱れてくれる。
 その声を聞くたびに体の芯からゾクリとするほどの震えが駆け上がり、同時に死にたくなるほどの罪の意識が胸を打つ。
 もう過去の関係には戻れない、爛れた一歩を踏み出してしまったことに堪らないほどの後悔がある。
「ごめん、ごめんよ」
 謝りながらもエリオはそのこの腰の動きを止めない、締め上げ搾り取る膣壁の動きがそれを許さない。
 そして……
「うっ、あぁぁぁぁあ!」
 エリオは押し寄せる一際大きな波に飲まれるように。
「ごめん、出るよフリード!」
「すこんぶぅ!」
 体の中に残った精液の最後の一滴に残るまで、小さなその体のなかに吐き出した。




「……………………」
「ハァハァ、エリオ……くぅん」

 ――余談ではあるが、近くの草むらには一人と一匹の情事を見詰める熱い視線が二人分あったとかなかったとか。

 
517名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 21:56:30 ID:VDaFVmjA
 おまけ

 やさしい竜の育て方
※竜は非常にデリケートな生き物です、常に肌と肌のコミュニケーションで寂しさを感じさせないようにしましょう。
※竜は発情期になると親が子供に性交の仕方を教えると言う習性があります、稀に家族同然に育った人に積極的に性交渉を求めるケースがあるので御注意ください。
※万一性交渉を求められた場合、なんらかの形で処理してあげれば収まります。竜は名器な為男性の場合直接相手をしてあげるのもいいでしょう。
※最後になりましたが、必要なのは飼い主の愛です。一杯愛してあげてくださいね。
518名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 22:03:08 ID:qWp/HAIO
ちょww獣姦ww
「すこんぶぅ」ってwww
519名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:10:05 ID:qnHHRi61
ぬこや鶏でのオナヌを思い出したわwwwwwww
そして後二人が気になる…
520名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:18:42 ID:aueU9cbg
何故か某ピンク髪のアリサの出る作品のきゅいきゅいを思い出した。

でも、きっと竜の形のままでスることに異議があると思うんだ。思うんだ。
521名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:19:22 ID:e94aLoLG
お供え物と三つの袋の後半のエリ墜の行く先と、ユーノ×ヴィータの愛シーンを待ちわびてる一方で、
未だに前々話スレのユーノ×番号ズ・トレジャーハンターユーノ×シグナムネタを期待してしまっている俺は異端か…
522517:2007/10/02(火) 23:19:26 ID:VDaFVmjA
本当はエリ×キャロ×ルーのはずだったが長くなりそうなのでフリードでお茶を濁しました。
しかしあら不思議、某氏のある槍騎士の話で出てくる美少女フリードの会を読んで妄想力を働かせれば一気に萌ry(待て

そんでは失礼しました。
※追伸、どうしてもフリードの鳴き声が「酢昆布ぅ」に聞こえて仕方ありません。
523名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:21:04 ID:aueU9cbg
主要男性キャラで考えてみた。
クロノ→ぬこ姉妹
ユーノ→イヌ
エリオ→竜
こいつらだめだ・・・・・・
524名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:28:48 ID:jgZ9Kv89
>>ヴァイス→ストームレイダー
525名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:31:46 ID:RkVNgAlK
獣姦を超えた機姦
526名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:53:56 ID:Wm7bhnYL
スカ博士がガジェットドローン相手に性欲処理とな
527名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 23:59:40 ID:qWp/HAIO
スカ 「ククク・・素晴しい、実に素晴しい・・」
ガジェ「あ・・や・・アアッ!」

こうでつか?
わかりません><
528名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:03:05 ID:DClQiAfc
>526

ガジェットにスカ印のオナホを搭載するために数の子達のマン型を取ると申したか。
529名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:11:16 ID:DVIMs2eW
お前らどこまで想像力逞しいんだよw
ここで原点回帰。
某卑猥な形の獣をディルドー代わりに使用するなのはさんだ。
530名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:16:34 ID:WoMvoLqe
窒息死するぞw
531名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:19:23 ID:WVkvSUtf
いやいや、ディルドーを獣に挿入しつつ、獣が執務官に突っ込むと。
532名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:21:51 ID:WoMvoLqe
唐突に連想した

つ「獣の槍」
533名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:34:05 ID:066tq+cX
自らのアナルに獣のごとくストラーダを抜き差しするエリオきゅんと申したか
534名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:34:04 ID:NDbC4rq3
>>531-532

つまりヱクセリヲンの先端に挟んだ卑猥な獣を執務官のアナルに突っ込む教導官、と。
535名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 00:41:20 ID:0Bq31dqK
ユ「僕はストライクフレームで壁に張り付けられてたり炎や雷撃出したりできないよ…前、アリサに同じような事言われたけど」
536名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:07:13 ID:0N7yYNnO
エクセリオンと書いてあるにもかかわらず一万年と
二千年前からの合体アニメを思い出した。



アルハザード行ってくる。
537名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:12:24 ID:N0N4nzPn
SS03で守護騎士+リインを闇の書としてじゃなく兵士として手駒にしてたマスターが
性欲処理のために陵辱するネタで誰か書いてくれ
538名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:15:20 ID:WoMvoLqe
自分の妄想は自分で形にするんだ!さあ!
539名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:21:44 ID:N0N4nzPn
俺には・・・無理だ
540名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:35:09 ID:mvPNdc0s
拙い出来ではありますが、SSを投下させていただきます。
この作品では、オリジナルキャラに攻められるエリオ君を描いております。
オリジナルキャラが許容できない方、並びに男性の陵辱描写が苦手な方は見るの御遠慮ください。

また、自分で言うのもなんですが、SSの出来はお世辞にも良いとは言えないと思うので、その辺はご容赦ください。
541名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:37:02 ID:mvPNdc0s
 J・S事件以来大規模な次元犯罪も無く、それなりに平和だったミッドチルダ。だが、そんな日々はあっけなく打ち砕かれた。
 1週間前、少数民族『ル・ルシエ』の暮らす集落が、何者かの襲撃を受け壊滅した事を皮切りに―

・6日前、赤竜を始めとする高出力のリンカーコアを持った希少動物十数匹が、何者かに魔力を根こそぎ奪われた上、惨殺される。
・同日、約12時間の間に時空管理局に所属していない魔道士16人(Bランク9名、Aランク5名、AAランク2名)が何者かに襲撃され、魔力を根こそぎ奪われた上で殺害される。
・4日前、約8時間の間に魔力資質に優れた9歳から12歳までの男女35人が、何者かに拉致される。

 と、立て続けに4件もの重大事件が発生したのだ。
 だが、それもこれから起きる悲劇のホンの序章でしかないのだった…。
542名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:38:13 ID:mvPNdc0s


 The Last Numbers 第1話【敗北】


「君が…僕をここへ転送したの?」
 エリオは目の前にいる自分と同年代の少女にそう尋ねながら、今の状況を整理していた。
 つい数分前まで、キャロと共に希少動物惨殺事件の捜査を行なっていたが、突然転送魔法によって1人だけここへ送り込まれたのだ。
 自分の周囲は見渡す限りの草原。エリオの記憶が正しければ、ここはミッドチルダ首都からも、自分達が捜査を行っていた場所からも相当離れている。
 すなわち、ここへ自分を送り込んだのが目の前にいる少女で、しかも少女が敵であった場合、救援は期待できず、自分だけで何とかしなければいけないと言うことだ。ストラーダを握る手にも思わず力が入る。
「うん、そうだよ。私が貴方をここへ呼んだの…エリオ・モンディアル君」  
 そんなエリオの心を読み取ったかのような、そして嘲笑するかのような声でエリオの問いに答える少女。
「ッ! 一体…一体何の為に僕を!」
「簡単よ…貴方を私の物にする為…私だけの玩具にする為!」
 そう言って纏っていたローブを脱ぎ去った少女の姿に、エリオは驚愕を隠せなかった。
 ローブの下に纏っていた見覚えのあるコスチューム。それは機動六課在籍時に何度も激闘を繰り広げた―
「戦闘機人……まさか、君も―」
「そうだよ。私の名はトレディ、13番目のナンバーズ。そして最強にして絶対の存在!!」
 言うが早いかエリオに突進するトレディ。その両手には、いつの間にか赤い刃を持った剣が握られている。
「くっ!」
 その素早い攻撃をストラーダで受けるエリオ。矢継ぎ早に繰り出される攻撃の合間を縫って一単距離を取るが―
「逃がさないよ!」
 トレディは素早く巨大なブーメランを取り出し、エリオへ投げつける。それも何とか弾き飛ばしたエリオだったが―
「まだまだ!」
 更にトレディは十数本のナイフを投げつけてきた。ストラーダを振るった事で体勢を崩したエリオは―
“Sonic Move”
 高速移動魔法『ソニックムーブ』を起動し、なんとかそれを回避した。先ほどまでエリオがいた場所に次々と突き刺さったナイフは、次の瞬間一斉に爆発し、地面に巨大な穴を空ける
「ま、まさか…まさか、君は……」
 この短時間に3種類の攻撃を繰り出したトレディに対して、最悪の推理が浮かんでしまうエリオ。そしてその推理は―
「言ったでしょう? 私は最強にして絶対の存在。私は私より前に作られたナンバーズの能力全てを使用する事が出来る。と言うより、姉達は皆、私を完成させる為の試作品に過ぎない」 
 トレディの言葉によって肯定された。
「そして、私は姉達が蓄積していた戦闘データとドクターの記憶全て…正確には逮捕される直前までだけど…それを受け継いでいる」
「わかる? 史上最高の頭脳と高度に蓄積された戦闘データ。更に改良に改良を重ね、至高の域にまで達したこの体に、全ナンバーズの特殊能力…私は文字通り完全無欠、絶対最強の存在なの!」
「だから私は、欲しい物全て…この世界全てを手に入れる! それを邪魔する者は…皆叩き潰す!!」 
 そこからの戦いは、文字通り一方的なものだった。
 トレディは自身の持つ数々のISをフルに活用し、エリオを攻め立てる。エリオも必死に応戦するが、それは無駄な足掻きでしかなかった。数分後―
543名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:39:49 ID:mvPNdc0s
「うぅ、くぁ…うぁっ……」 
 ボロボロになったエリオの体に光のロープが何重にも巻きつき、ギリギリと締め上げる。
「良い声で鳴くのね…このまま体中の骨を粉々にしちゃおうかしら」
 エリオの悲鳴を聞きながら、嬉しそうに笑うトレディ。更に強くなる締め付けに大きくなるエリオの悲鳴。
「エリオ君、貴方は私に負けたの…敗北を認めて、命乞いしなさい。そうすれば優しく可愛がってあげるわ」 
 優しくもどこか高圧的にエリオに問うトレディ。だが、エリオの返答は―
「ぼ、僕はまだ…まだ、負けてない」
 トレディの期待を大きく裏切るものだった。トレディの顔から笑顔が消える。
「そう、もっと甚振ってあげないと解ってくれないみたいね」
 そう言うと右掌をエリオへ向けるトレディ。その時、エリオが叫んだ。
「バ、バリアジャケット…パージッ!!」
“Sonic Form”
 自らを縛る光のロープを一気に吹き飛ばし、エリオのバリアジャケットが姿を変える。羽織っていた白いコートが消え、下に着ていたシャツがタンクトップに変化する。
 機動六課解散直前にフェイトから教えられた高速機動形態『ソニックフォーム』だ。
「うぉぉぉぉぉっ!!」
 装甲を犠牲にする事によって、限界まで高めたスピードをフルに活かし、トレディに迫るエリオ。そして―
“Speer angriff”
 ストラーダから魔力を噴射させる事で、更に加速した必殺の一撃が、トレディに叩き込まれた!
 悲鳴をあげる間もなく、派手に吹き飛ばされるトレディ。エリオの一発逆転だ。
「ハァッ…ハァッ…ハァッ……」
 ストラーダを杖代わりに使いながら、呼吸を整えるエリオ。切り札であるソニックフォームを使い、なおかつ渾身の一撃を叩き込んだのだ。一撃必殺は無理だとしても、それ相応のダメージは与えている筈。
(ナンバーズ全ての能力を持っているといっても、どこかに付け入る隙はある筈…) 
 倒れたままのトレディを睨みながら、現在までに得た情報を統合し、戦術を組み立てるエリオ。だが―
「んぁっ…」
 その思考は、突然下半身を襲った刺激で中断された。驚いたエリオが視線を下ろすと―
「こ、これは…」
 そこにはグローブに包まれた手が、エリオの股間を包み込んで刺激を与えていると言う、俄かには信じられない光景があった。
 慌てて腰を引くエリオだが、その手はしっかりと股間を包んで離そうとしない。
544名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:43:06 ID:mvPNdc0s
「フフ、フフフ…」
 そこへ響くトレディの声。エリオが視線を向けるとそこには、何事もなかったように立ち上がったトレディの姿があった。
「さっきの攻撃、すごく良かったよ。私じゃなくて、姉達なら一発逆転の大勝利だったんだろうけど…私を仕留めるには、威力不足だね」
「でも、頑張ったエリオ君に御褒美だよ…私オリジナルのISで可愛がってあげる」  
「オリジナルの…IS? ん、ふぁっ…」 
 股間へ送られる刺激に耐えながら、トレディへ問うエリオ。その顔はどこか赤みを増している。
「『空間の支配者(ディメンジョン・グラスパー)』…一定範囲内の空間操作、それが私のオリジナルIS」 
「本当は別の使用目的があるんだけど…今はこの能力で、私の手とエリオ君の股間の間にある数十mの距離を限りなく0にして、エリオ君の股間を攻めている…理解できた?」 
 説明じみた台詞を言い終えると同時に、光のロープでエリオの動きを封じ、股間への責めを強めるトレディ。
「う、うぁ…やめ、やめて……」
 必死に体をよじり、攻めから逃れようとするエリオだったが、自分自身でもパンツの中が膨らんでいるのがわかった。
「フフッ、大分勃って来たね。ここからが本番だよ!」
 エリオのペニスが勃起した事を確認したトレディは、これまでの撫で回すような攻め方から一転、ペニスを上下にしごき始めた。
「あぁ…くぅぅ…」
 トレディの容赦ない攻めに、唇を噛みしめ、必死に耐えるエリオだが、時々吐息が漏れてしまう。
「フフッ、そんな声をあげて、敵にこんな事されて、感じてるの?」
「そ、そんな事、そんな事あるものか…」
 トレディの馬鹿にした様な声に、必死になって反論するエリオだが―。

 クチュ…ピチャ…グチュ…

 エリオの股間からはいやらしい水音が少しずつ漏れ聞こえてくる。
「あらあら、エリオ君ったらお漏らししちゃったの?」
 その言葉にエリオが再び股間に目をやると、勃起して持ち上げられた部分を中心として、股間に染みが広がっているのが見えた。
「お、お漏らしなんて…お漏らしなんて……していない…」
「そうね、これはおしっこ以外の液体で濡れているんですものね」 
 そう言いながら手の動きを早めるトレディ。
「あ、あぁ…あぅぅ、ぅぁ……」
 股間から沸きあがる快感で、頭の中が真っ白になっていくエリオ。
(だ、駄目だ…もう、何も…考え、られない…)
 絶頂に近づくにつれて、エリオの全身から力が抜けていき、腰だけがトレディの攻めに共鳴して振られていく。そして―
「さぁ、ドピュドピュ出しちゃいなさい!!」
 トレディの声と同時にエリオも限界を迎えた。ビクビクッ!と体が痙攣し、ペニスから白濁液がコンコンと湧き出していく。
 エリオは温かい物がパンツの中に広がっていくのを感じていたが、どうする事も出来ずにいた。
545名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:46:15 ID:mvPNdc0s
「ハァ、ハァ、ハァ…」 
 トレディの攻めから開放され、グッタリと己を縛る光のロープに身を任せるエリオ。その口はだらしなく開き、先程までの凛々しい顔つきからはかけ離れている。
 トレディは、そんなエリオの股間に手を伸ばし、バリアジャケットのズボンを引き千切る。
 強靭なバリアジャケットも、これまでのダメージで耐久力が落ちていたのか、いとも簡単に股間の部分へ穴が開いてしまう。
 トレディはそこからエリオのペニスを引っ張り出すと―
「エリオ君のはどんな味がするのかな? フフッ、タップリと搾り取ってあげる」
 口の中に頬張り、勢いよく舐め回し始めた。
「あぁっ、な、何をするんだ…あぁ……」
 手による攻めとは段違いの快感を感じてしまうエリオ。射精でしぼんだ筈のペニスが瞬く間に立ち上がっていく。そして―
「んぅん…くぅん、あぁ…はぁぁぁ…」
 2度目の絶頂を迎えたエリオは、トレディの口中に射精した。
「ん、うぅん…」 
 口の中に溢れる白濁液を、喉を鳴らしながら美味しそうに飲み干したトレディは、グッタリとなったエリオを連れ、転送魔法でその姿を消した。
 
 そして、これがエリオが味わう地獄の始まりとなるのだった。



 続く
546名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 01:52:27 ID:mvPNdc0s
第1話はこれで終わりとなります。
時間はかかるかもしれませんが、続きは書いていくつもりです。

感想、叱責など皆様の忌憚のない御意見をお待ち致しております
547名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 02:05:00 ID:MobII2me
誰もが思う疑問
13番ってギン姉じゃないの?
548名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 02:11:28 ID:DX/gjFia
GJかなりハァハァしました。
549名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 02:54:20 ID:f7ulSfGP
アワワワワ(;´Д`)
エリオがー汚されるー
550名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:09:51 ID:ev/pVy/S
>>547
ギン姉は0番ってことで
いいんじゃないでしょうか?
551名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:13:15 ID:cU3pcQ4l
>>550
いや、洗脳済みギン姉は13番扱いなはず
552名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:17:39 ID:AcyNRvX2

スバルとギン姉はナンバーズの元になった【タイプゼロ】。
製作にはスカリエッティの技術が使用されているけど、スカリエッティ自身が生み出した訳ではないらしい。
だから、【スカリエッティが生み出した13体目の戦闘機人】と言う意味で、トレディは13番目のナンバーズと名乗ったんじゃないの?



553名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:19:04 ID:jRTZ5Oek
話を仏陀切って悪いが
最終回でノーヴェ×ゲンヤフラグ立ったと思ったのは俺だけ?
554名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:31:06 ID:DUNgbp7p
>>553
俺はむしろ親子フラグ……ノーヴェをゲンヤが引き取るのかと思ったよ
なんかあの二人を親子にして、スバルと姉妹とかにしたら面白そうじゃん?

ノー×ゲンフラグだと……オっさん趣味は……そこんとこどうなんだノーヴェw
555名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 04:25:40 ID:BEVO2ysa
>>553
再婚フラグです
556名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 04:35:24 ID:d7WRBULS
>>554
上二行でネタ考えてるが何故か鬱展開になってしまう件
557名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 06:24:08 ID:WRrCRfPQ
>>556
wktk
558名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:42:56 ID:B6ujAXRN
>>556
引き取るのがノーヴェだけってのが駄目なんだよ
保護されたナンバーズ全員ゲンヤが引き取れば全て解決だ
559名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:54:40 ID:1LHdQIjE
>558 ちょwwwどんだけハーレムwwww
560名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 09:09:48 ID:/m/EB571
乳揉み魔人のたぬきちゃんが引き取ればNo問題
561名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 10:26:07 ID:j8ubCtxo
>>560
なるほど、ヴォルケンズ人間化した後の後継の
固有戦力としてナンバーズを引き取るんですねw
562名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 12:37:42 ID:xF/0mlX5
>>522
いろんな意味でフイタwwww
GJ!!
フリードの鳴き声は「ブックオフ」が一番印象にw

エリ×キャロ×ルーがすごく見てえ!どうかお願いします!
563 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:45:08 ID:gGD74tD7
恥ずかしながら久し振りに帰ってまいりましたorz

やっと三部作の第二部が書きあがったので投下したいと思います。

第一部 なのはと士郎が喧嘩した編 >>215-221
第二部 今までを振り返りながら…編 ←今ここ
第三部 フェイトは新たな恋に生きるのだ編

・なのはとユーノが初夜を過ごしながら二人が出会ってから現在に至るまでを振り返るしんみり系エロス
・二人が出会い〜今までを振り返るのがメインだからエロはあんま期待したら負け
・なのはがいつの間にかに「ある魔法」を会得している設定
564今までを振り返りながら…編 1 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:46:51 ID:gGD74tD7
なのはとユーノの結婚式も無事終了し、生家に帰った二人はヴィヴィオが
以前みたいに途中で起きない様にと寝る前にしっかりトイレにも行かせて、
さらに睡眠魔法もかけるなど、念入りに寝かし付けた後で別の部屋に移って
一枚の布団の中に二人で潜り込んでいた。無論何者にも邪魔されずに初夜を過ごす為である。
「ヴィヴィオは途中で起きてまた見られたりしないよね?」
「大丈夫だよ。きちんと睡眠魔法もかけたし…。これで二人きりでゆっくり過ごせるよ。」

結婚後の初夜は結婚式を終えたカップルにとって重要な意味を持つ。
だからこそ例え相手がヴィヴィオであろうとも邪魔されずに過ごしたいと言う
気持ちがあったのである。そしてそれぞれ逸し纏わぬ姿で一枚の布団の中に
潜り込んだ後でなのはがユーノに話しかけていた。
「でも本当世の中って何が起こるか分からないよね。」
「どうしてだい?」
なのはの顔を見つめながら答えるユーノになのははさらに答え返した。
「だって私はユーノ君と会うまで魔法なんか知らなかったし…自分にこんな力がある事も
知らなかった。だからユーノ君との出会いが私にとって重要な意味を持ってるの。
多分ユーノ君と会わなかったら…私は普通に学校に通って…翠屋を継いでたかもしれないし。
それを考えたら本当世の中何が起こるか分からないよね。あの時に怪我をして倒れてた
フェレットさんがまさか後に私の旦那さんになるなんて夢にも思わなかったよ。」
「う…うん…。」
そう考えれば確かに二人の出会いは運命的だったのかもしれない。
俗にジュエルシード事件と呼ばれる事件の際になのはとユーノは出会った。
当時はユーノの魔力が97管理外世界に適合出来ず、フェレットの状態であった為に
なのはも最初は人間と知らず、小さなペットとして高町家にお世話になっていた事が
先にあったなのはの父、士郎が人間としてのユーノを憎んでいた原因になっているのだが、
しかし、今冷静になって考えればなのはがユーノと出会わなければレイジングハートが
なのはの手に渡る事も無かったし、当然散らばったジュエルシードも回収出来ずに
海鳴市は大きな被害を被っていたであろうし、フェイトと出会い親友となる事も無かった。
下手をすれば次元震が起こって97管理外世界そのものが消滅していたかもしれない。
逆に時空管理局が何とかしてジュエルシード事件を収束させたとしても、
それはかなり困難な物になっていたであろうし、フェイトは最後までプレシア=テスタロッサの
尖兵として捕まり今もまた牢獄の中にいたのかもしれない。
「風が吹くと桶屋がもうかる…なんて言葉があるけど…やっぱり私とユーノ君との
出会いがもう運命的ってレベルじゃないくらい重要な意味があるんだね…。」
「そうかもしれないね…。」
なのはの言葉にユーノもまた昔…フェレットとして高町家にお世話になっていた時の事を思い出していた。
あの時は前述の通りなのはも口を聞く不思議なフェレットとしてしか考えていなかったし、
なのは以外の人の前では普通のフェレットとして振舞っていたから、高町家の皆も
普通のフェレットとして可愛がってくれていたが、逆にフェレットであったが故に
構わずに女湯に入れられた事もあったし、何より実は人間と知られた後の皆の反応が
今でもなお身震いする程恐ろしい…。なのははとりあえず普通に驚いた程度であったが、
他の皆はそれまで可愛がっていたフェレットが実はなのはと同年齢の人間の男の子だったのだから、
その裏切られたと言う怒りの感情を剥きだしにするのはある意味当然。
高町家以外にも、月村家やバニングス家のメンツからもどれだけ恐ろしい事をされたか…
ユーノは思い出しただけでも身震いしてしまい…思わずなのはの両乳房の間に顔を埋めてしまっていた。
565今までを振り返りながら…編 2 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:48:26 ID:gGD74tD7
「きゃ!」
ユーノに顔を埋められて乳房は柔らかくへこみ、なのはは思わず軽く喘いでいた。
「もうユーノ君のH!」
「あ…ご…ごめん…ちょっと嫌な事を思い出しちゃって…それで穴があったら入りたいって
気にあって…気付いたらこんな事を…でも…なのはのおっぱいが柔らかくて温かいから…落ち着いたよ。」
ユーノは正直に話すと、なのはも顔を赤くさせながらも随分落ち着き、逆にユーノを
強く抱き寄せて乳房に押し付けて来たでは無いか。
「どう? これで落ち着いた?」
「わ! わっ! なのはぁぁ!」
確かになのはと一緒にいるとユーノもかなり落ち着いてしまう。それが知らず知らずの内に
なのはの乳房に顔を埋めていた理由の一つなのだが、あんまり露骨にやられると落ち着く所か慌ててしまう。
先程までのしんみりした空気に悪いがユーノはもはや完全に勃起してしまっていた。
そしてユーノは力一杯に自身の顔に押し付けられているなのはの乳房から脱出すると、
顔を真っ赤にさせながら叫んだ。
「なのはやめて! 窒息するじゃないか!」
「あ…ごめんユーノ君…。」
相当息苦しそうにするユーノになのはもちょっとやり過ぎたと感じて素直に謝るのだが、
それによって互いに気を取り直す事が出来た。
「べ…別に謝る事は無いよ…。」
「そんな事言ってまた埋めてるのは何処の何方?」
さり気なくまたユーノはなのはの乳房の谷間に顔を埋めてしまっており、なのはも呆れるが
どうせ二人きりの初夜だし無礼講と言う事でなのはは特にこれ以上何も言う事は無かった。
「じゃ…そろそろ…やる?」
「うん…。」
なのはとユーノの出会いを今から振り返った所でついに本番に入る事になった。
結婚以前から既にというか、ヴィヴィオにさえ「ズッコンバッコン♥」とか
言いふらされる程やっていた二人であるが、その二人にとっても結婚初夜の
SEXは普段とはまた違う何かをやる前から感じてついつい緊張してしまっていた。
「そう言えば…ジュエルシード事件の後もユーノ君は魔法を教えてくれたよね?」
「え? あ…ああ…そういう事もあったね…。毎日朝早くに起きたりしてね…。」
余程初夜のSEXと言うのが緊張しているのか、その緊張を緩めようと
なのははまたも昔の話を始めてしまっていた。
「あの時で印象深いのはやっぱりなのはがスターライトブレイカーのバリエーションで
結界を丸ごと破壊しちゃった事かな? ほら、あれで一日休みになった奴…。」
「あ〜あったあった! あの時は本当にごめんね? ユーノ君…。」
ジュエルシード事件が収束して、後述する夜天の魔導書事件が勃発するまでのしばらくの間、
なのはとユーノは平和な時を過ごしつつも魔法の練習を続けていた時期があった。
時空管理局側から送られてくる練習メニューに沿った練習を行ったり、
通信を通してクロノやエイミィと会話する事もあったのだが、ある意味この時期が
一番なのはとユーノが二人きりになる事が多かったのでは無いだろうか?
その頃にはフェレット状態のままでとはいえ、なのはと一緒に風呂に入っても
結構平気なくらいにユーノにも耐性は付いていたし…。(その分逆にユーノが人間と
知った後の高町家の激怒ぶりは凄まじかったのであるが…。)
でもまあ一番問題があるとするならば、こんな平和な時期を振り返っている最中にありながら
どさくさに紛れてユーノがなのはの乳房を揉み解していた点であろうか…
566今までを振り返りながら…編 3 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:50:16 ID:gGD74tD7
「もう! ユーノ君のH!」
「あ、ごめん! つい…。」
顔を赤くさせながら両胸を抑えるなのはと申し訳なさそうに謝るユーノ。
しかし、実はなのはは形式的に恥かしがって見せただけで本当は内心嬉しかったりした。
「じゃ…今度こそ…行こっか?」
「うん…。」
いくら初夜SEXに緊張してるとは言ってもいつまでもグダグダやっていたら
朝になってしまう。故にもういい加減に…と言う事になっていたのであったが…
「そう言えば夜天の魔導書事件の時も大変だったよね。」
「うんうん大変だった。」
やっぱり緊張して上手く出来なかったのか、話を夜天の魔導書事件の振り返りに切り替えていた。
「ヴィータちゃんに襲撃された時は本当に大変だったんだよ。フェイトちゃんも
そうだったけど、ユーノ君が助けに来てくれなかったら本当に危なかったよ。」
「ありがとうなのは…。」
夜天の魔導書事件に関して考えてみると…ジュエルシード事件の際にユーノが97管理外世界に
ジュエルシードを落としてしまう原因を作ったプレシア=テスタロッサの陰謀が無ければ
なのはが魔法と出会う事も無かったであろうし、フェイトが管理局入りする事も無かった。
もしその状態…つまりなのはがユーノと出会わず、魔法も知らず、フェイトもまた獄中にいる状態で
夜天の魔導書事件が勃発していたら…管理局は果たして何とかする事は出来たのだろうか…
もし仮に何とか出来ていたとしても、その際に夜天の主であり、現在における
なのは達の強い味方である八神はやては殺されていたであろうし、ヴォルケンリッターもまた
管理局入りするような事は無かった。と言うか、97管理外世界自体が滅ぼされて
なのはもこの世にはいなかったかもしれない。そこまで考えに入れると…
やっぱりなのはとユーノの出会いはある意味運命的と言うレベルじゃねーぞって位に
運命的であったのかもしれない。一人の少女と少年とが出会うか否かでその後の世界の
運命が大きく変わってしまうのだから…。
「不謹慎かもしれないけど…ユーノ君があの時ジュエルシードを97管理外世界に
落として良かったのかもしれないね。じゃないと私も自分自身の力に気付かなかっただろうし、
フェイトちゃんと仲良くなる事も無かったし…。それにジュエルシード事件で実戦に慣れてなかったら
夜天の魔導書事件の時にはやてちゃんを助ける事も出来なかったし…。」
「うん…不謹慎かもしれないけど…その通りだね…。」
もう本当くどい様だけど、運命と言う物を二人はより強く実感していたが、
いい加減過去の振り返りはここまでにして、本番に入って欲しい所。
「それじゃあ…そろそろ…やる?」
「う…うん…。」
やっと重い腰を上げたなのはとユーノは初夜にSEXに入るべく抱き合おうとしたが…
「そう言えば…何年か前にあったよね? 私がミスしちゃって大怪我した事…。」
「え? ああ…あの時の事だね?」
なのはが11歳の時、任務中にアンノウンによる奇襲を受けてなのはが飛ぶ事はおろか
立ち上がって歩く事さえ不可能と言われる程の大怪我を負った。それがここまで
回復出来たのはなのは自身の壮絶なリハリビの成果なのだが、それも奇跡的な物だった。
「あの時は僕はなのはに何も出来なくてごめんね?」
「別にユーノ君が謝る様な事じゃないよ。私がミスしたのがいけないんだし…
と言うかむしろ何か出来た方が異常だから…。」
なのはは笑ってそう言っていたが、当時を思い出すとユーノは笑えなかった。
「なのはが大怪我を負ったのはそもそもお前がなのはに魔法を教えたからだ!」
とか、ユーノが士郎に責められた事もあったし、なのはに何も出来ない自分自身も恨んだ。
そんな中でなのはがここまで回復する為に行ったリハビリを思うと…ユーノは自然に頭が下がった。
567今までを振り返りながら…編 4 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:51:37 ID:gGD74tD7
「今思えば…あの時私がリハビリを諦めていたら…今みたいにユーノ君と抱き合う事も
出来なかったかもしれないね…。」
「そう言えばそうだね。なのはは良く頑張ったと思うよ。それに比べて僕は…。」
ユーノはなのはを褒めつつも自身の無力さを感じて落ち込みかけていたのだが…
「そんな事は無いよ! ユーノ君だって無限書庫から色んな情報を仕入れて来てくれたじゃない!」
「!」
今度はなのはがユーノを励ました。しかもさらに続く。
「JS事件の時だってユーノ君が無限書庫の中から聖王のゆりかごに関して記述された書物を
探して来てくれたりと随分役に立ったんでしょ!? もしユーノ君がそれを見付けて来なかったら
もしかしたらJS事件を収束させる事は出来なかったかもしれないし…
そう言う意味では私なんかよりずっと凄いよ!」
「なのは…。」
自分自身の能力に関しては、例え客観的には凄いと思える物でもその本人にとっては
そんな事は無い、自分は大した事は無いと考える者もいるだろう。
なのはとユーノもまたそれぞれに優れた能力を持ちながら、ついつい自分で自分の事を
過小評価してしまっていた。だからこそ互いに励ましあったりなんかしていたのである。
まあ過大評価して天狗になるよりかはマシかもしれないが。
「もう暗い話はここまでにして…ユーノ君ちょっと見てよ。」
「え?」
なのはが急に布団から這い出て立ち上がった。ちなみになのはとユーノの二人は
最初あたりで説明した通り、初夜SEXをする事前提である為、全裸で布団の中に入っていたのだが、
全裸の状態で、しかも胸と股間も隠さずに堂々と立ち上がるなのはにユーノは慌てていた。
「な! なのは! 今裸なんだよ!」
「それがどうしたのユーノ君? そんなに慌てるユーノ君の方がむしろ異常だと思うよ。
お互い裸なんて見慣れてるし、ここは二人きりなんだから良いじゃない。
って言うか、さっきまでだって裸で布団の中にいたじゃない。」
「そ…それはそうだけどさ…。ほら…なのはって凄い美人だから…僕もついつい…。」
ユーノは顔を赤くしながら布団に顔を潜り込ませていたが身体は正直だ。
布団の上からでもユーノが勃起している所が丸見えだったのである。
「ユーノ君ったらお世辞が上手いね? そんな事より私の方を見てよ。
ユーノ君に面白い物を見せてあげる。」
「え?」
ユーノが微妙に気になって布団から顔を出していたが、そこでなのはの周囲に
桃色の魔法陣が発生。何かの魔法を発動させる様子であったが…
「え? なのは…ええ?」
ユーノは思わず驚いた。何故ならなのはの身体が縮み、一匹のフェレットに変身していたのだから。
「実はこっそり練習してたの。ユーノ君みたいにフェレットに変身したらどんな感じかな〜? って…。」
フェレットに変身したなのはは軽快にユーノの前に跳び、その顔を見つめた。
「どう? 私上手くフェレットに変身出来てるかな?」
「うん…とっても良く出来てると思うよ。」
かつてはユーノがフェレットに変身する側だったからフェレットを可愛らしいと思った事は無かった。
例え自分が美形であろうとも余程のナルシストで無い限り美形と自覚しない様に…。
しかし、今のなのはがフェレットとなった状態では…とてつも無いくらいにフェレットが
愛らしく見える様になっていた。
568今までを振り返りながら…編 5 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:52:50 ID:gGD74tD7
「ユーノ君も久し振りにフェレットに変身してみてよ。」
「え?」
フェレットなのはの口から出た言葉にユーノも驚いた。
「だって私がフェレットに変身する魔法を練習したのはこの為なんだよ。
フェレットのユーノ君と色々な事をしたいの。」
「で…でも…ここ数年フェレットに変身した事無かったから上手くいくかな…?」
ユーノは不安に思っていたが、なのはの想いを裏切るワケにはいかず、
とにかく自分の頭の中からフェレットに変身する魔法を思い出しながら変身して見せた。
「えい!」
以前は無意識でも出来たのだが、ブランクが長かったが故に意識して行う必要があったが
それでもユーノはフェレットに変身する事が出来た。
「どうかな? 上手くフェレットに変身出来たかな?」
「わーい! 昔みたいな可愛い可愛いフェレットさんなユーノ君だー!」
「わぁ!」
ユーノがフェレットに変身した直後になのはがまるで子供の様にユーノに抱き付いていた。
フェレットに変身した事によって開放的になった事もあるだろうし、何よりフェレットモードの
なのはは人間形態より遥かに素早かった。
「わーい! フェレットモードのユーノ君久し振りー!」
「な! なのは!?」
まるで童心に返ったかのようにフェレットなのははフェレットユーノにじゃれ付いていた。
「フェレットのユーノ君と遊ぶのも10年ぶりだよね!」
「そんな事よりなのは! 今日は初夜なんだよ! SEXするんじゃなかったの!?」
「ならフェレットの状態で交尾しちゃえばいいじゃない!」
「ええ!?」
あっさり言いのけるなのはにユーノは慌てていたが、それまで初夜SEXに緊張して
ついつい過去を振り返る話になっていた事を考えれば今のフェレット状態で
交尾するのもまたアリなのかもしれない。少なくとも何もせずに朝を迎えるよりかは遥かに良い。

「ママとパパったら案外爪が甘いのね? ヴィヴィオはあの程度じゃ寝たりしないよ。」
なのはとユーノから睡眠魔法をかけられながらヴィヴィオは自力でそれを解いて起きていた。
そしてなのはとユーノの初夜を見届けるべく二人のいる部屋へ向かうのだが…
「さーてママとパパはどんなズッコンバッコン♥っぷりを見せてくれるのかな〜って…。」
部屋の戸をこっそり開いた時…そこにはなのはとユーノの姿は無かった。
「あれ? ママとパパがいないよ…。」
ヴィヴィオは首をかしげた。部屋を見渡してもなのはとユーノらしき姿は無い。
「あるのは精々が交尾中のフェレットのつがい位…。ママとパパはどこに行っちゃったんだろう…。」
その交尾中のフェレットこそなのはとユーノである事を知らないヴィヴィオはまた首を傾げるが、
そこで本当に眠たくなってあくびをしてしまうのであった。
「ふあ〜…本当に眠たくなっちゃった…。おやすみなさい…。」
ヴィヴィオはそう言って眠そうな顔で自分の部屋に帰って行った。

ヴィヴィオが部屋に帰った後、ユーノがなのはに話しかけていた。
「なのは…やっぱり初夜の時くらい人間形態でやろうよ…。」
「え? どうして?」
「ほら…何て言うかさ…やっぱり初夜って特別なんだし…緊張しても良いから人間の状態でやろうよ。」
「そっか…ユーノ君が言うなら…。」
なのははフェレット状態での交尾でも構わなかったのだが、まあユーノがそう言うならと
言う事でお互い人間形態に戻っていた。確かにフェレット同士の交尾と言うのは
それはそれで可愛いかもしれないが、人間同士のSEXと違って興奮はしないだろう。
おまけに今は初夜と言う大切で特別な時。だからこそ人間形態に戻ってやり直しになったのである。
どうせ二人は結婚したんだからフェレットモードでの交尾は後でも出来るし。
569今までを振り返りながら…編 6 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:54:44 ID:gGD74tD7
「それじゃあ…今度の今度こそ…行くよ…。」
「うん…。」
お互い顔を赤くさせながら…なのはとユーノは口付けをした。
そして口付けをしながらユーノはなのはの乳房に手をかけ、既に高々と勃起していた
股間のモノをなのはのソレに押し付けた。
「アッ!」
ユーノのモノが閉じられていたなのはのソレを開いて中に沈みこむ瞬間、なのはがビクッと震えた。
既に何度も経験している事であるが…この瞬間は緊張してしまう。
故にユーノはなのはを気遣う意味でゆっくりと慎重に沈み込ませていった。
「全部入ったよ…。」
「うん…。」
「今回は…避妊魔法は無しで良いんだね?」
「当然でしょ? もう私達結婚したんだよ…。今度こそ赤ちゃん作る事前提でしようよ。」
何度も前述した通り、既に何度もやっていた二人であるが、子供は結婚するまでお預けと言う事で
避妊魔法が先立って使用されていた。しかし正式に夫婦となり、かつ子供を作る事が
前提でやっている今は違うとばかりに避妊魔法を使用する事は無かった。
「じゃ…動かすよ。」
「うん…。」
ユーノはゆっくりとなのはの中に押し込んでいたモノを引き抜き…再度押し込んだ。
「アッ!」
なのはは喘ぐが、嫌がる様な素振りでは無くユーノを強く抱きしめて来る。
それに合わせてユーノもなのはを抱き、そして最初はゆっくりとモノを動かしながらも
少しずつ少しずつペースを上げて行った。
「はっはっはっ♥」
「あっあっあっ♥」
気が付くと二人ともに激しく身体全身を突き動かし、忽ち汗だくになっていた。
しかしそれでも二人は止めないのである。
「なのは…愛してる…。」
「私もユーノ君…愛してるよ…。」
その後も二人は交わって交わって交わり合った。

二人が出会ってから約10年間…様々な事が走馬灯の様に流れていた…。
二人が出会った事…ジュエルシード事件…夜天の魔導書事件…
二人で経験した様々な事を二人は思い出していた。
一人の少女と少年の小さな出会いから始まったこの物語を…

「それじゃあそろそろ…出すよ?」
「良いよ…どんと来て? 私も全力全開で受け止めてみせるから!」
「わかった! それじゃ…。」
「ああああああああああああああああ♥」
二人は同時に果てた。力を失ってぐったりと倒れ込んでいた二人であるが、
その顔は晴れやかであり、全身の汗もまた心地よい物だった。

「もう放したりなんかしないよ…。」
「うん…。」
「仕事の関係上離れ離れになる事もあると思うけど…心は通じ合ってるから。」

物語はここで終わったのでは無い。これから新しい物語が始まるのである。
結婚後の生活と言う名の新しい物語を…二人が今までの様に乗り切る事が出来るか否かは
二人の頑張り次第と言えるだろう。

                  第三部へ続く
570 ◆6BmcNJgox2 :2007/10/03(水) 13:56:52 ID:gGD74tD7
書きあがって見て、しんみりした内容と言えるのか微妙になってきましたorz

でもフェレットネタはまた書いてみたいなと思いました。
フェレットに変身した二人が大冒険とか

第三部は…多分投下は次スレになると思います。
571名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 13:59:10 ID:jrqZNucv
ha-toはやめたほうがいいかとおもわれますた
572名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 14:07:14 ID:j8ubCtxo
>爪が甘いのね
詰めでない?w
573名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 14:49:38 ID:ic3/cl0+
>大冒険
先生、白いフェレットって完全に悪役側っぽいです!
574名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 15:27:10 ID:DVIMs2eW
フェレットプレイとは・・・・・・新しい!

そういえばフェレットって確か交尾の刺激で排r・・・・・・ゲフン。
ナンデモアリマセンヨ。しかしヴィヴィオの成長っぷりがダメすぐるw
これはフェイトママに影響されたのだろうか。
575名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 17:22:48 ID:LejtIi+/
>>570
欲を言えばHはもう一押し欲しかったけど、ラブ×2ユーなのヨカタYO
睡眠魔法解呪するヴィヴィオはやはり悪魔の名を継ぐ聖王か(笑
大冒険、不思議のダンジョン系なら面白いかもだがココではちと…
>>574
確か現保管庫にフェレットプレイネタが一つ在ったかと。
題名忘れてしまいましたが、興味が御有りなら探してみては?
自分もあるから第三部と合わせて待ってます
576名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 17:28:21 ID:xZGixQvI
>>574
前にも1本あったぞ確か>フェレットなのユー
577名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 17:37:41 ID:3RZx0gD7
>>570
GJ!!!!
次回はもっとぐっちょりねっちょりズッコンバッコンを読みたいですw

>>576
俺のバイブルじゃないかw!
あれはエロイ!!!
オススメだ
578騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:07:38 ID:aSyfmop5
続きです
579騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:09:00 ID:aSyfmop5
 荒涼とした風がザフィーラの逞しい体躯に吹き付けていた。
 古代ベルカ文明発祥の世界。今も断片的な記憶しか蘇っていないが、確かに眼の前に広がる風
景は彼が守護獣として生を受けた大地そのものだった。
 堅固な封印魔法に囚われている間も物理法則は働いていたのか、陸地は夥しい植林によって
覆われている。
 楯の騎士は小高い丘の上に立ち、鷹揚に地平まで続く文明の黄昏を眺めていた。
 彼の瞳が俄かに曇る。自分から頼んだわけではないが、定期的にユーノが長距離
念話で連絡を入れてくれている。その内容の為だった。
 昨日ユーノの口から聞かされたのは、八神はやての補佐官であるヴィータ特別捜
査官が原因不明の体調不良に陥ったとの事だった。
 ヴィータは至急本局の医務局に搬送され、現在は二十四時間体勢での看護が続け
られているという。
 何故前触れも無くヴィータがそのような奇妙な発作を起こしたのか、守護騎士と
しての性質と生身の人間へと移行している状態を周知している医務局各位さえもわ
からないらしい。
 ザフィーラが何よりも恐れていた事態は、着実に守護騎士の面々の将来を脅かそ
うとしている。
 恐らくヴィータには、更新障害の初期症状がその小さな身体で発現してしまった
のだろう。シャマルが最近になって口にしていた夢も、その症状の一つと考えられ
なくもない。
 魔法科学では対処不可能な事態は、次々に呱々の声を上げて騎士達を蝕んでいた。
 彼は聡明な瞳の奥に不自然な力が込められるのを自覚する。この世界に対する郷
愁と、仲間に忍び寄る魔手に独り立ち向かう意志が漲っていた。
「待っていろヴィータ。今すぐ助けてやる……」
 あの無邪気な笑顔が、今は謎の苦しみに歪んでいると想像するだけで、ザフィー
ラの中で胸が締め付けられる想いが滲む。
 毅然と広大な植林に包まれた都市遺跡を見据えたザフィーラは、後方の森林部の
中に察知された魔導の気配に素早く振り返った。
 砲撃魔法の閃光がザフィーラの眼前に迫る。彼は咄嗟に急な崖へと飛び退き、奇
襲を回避する。
「もう気付かれたか」
 俊敏に移動した先の森林に退避し、ザフィーラは時空管理局で主に汚れ仕事を担
当している部署からの刺客に憎々しげに吐き捨てた。
 抵抗は厳しく自戒しなければならない。下手に向こうへ攻撃の意思でも見せたが
最後、管理局お得意の暴論理屈で塗り固められた逮捕状を突きつけられるだろう。
 時空管理局という名で知られていない時代から、この組織はそうした闇の顔を持
ってきたのだろう。
 無限書庫の途方も無い広さと莫大な文献・其の他資料。
 質量兵器の大量生産とそれに伴う戦争の続発で魔法文化が台頭したというが、そ
れも果たして真偽の程はどうか。
580騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:09:58 ID:aSyfmop5
 正式に時空管理局が今の構成で運営が開始されたのは新暦元年、今から約七十年
程前に遡る。
 時空管理局が発表している年代記録では、ミッドチルダやベルカで行われた質量
兵器乱用による様々な事件や争いの中で、現在の時空管理局に通じる組織が鎮圧に
尽力したという。
 上空から続けられる長距離攻撃の牽制を掻い潜リながら、木々の合間を疾走する
ザフィーラは渇いた笑みを口の端に貼り付けた。
「ユーノ・スクライアの言った通り、歴史は得てして美化され改竄されるものという事か」
 世界の真実はどうでもいい。今のザフィーラにある問題は、それ程広範な視野で
見るものではなかった。
 掛け替えの無い仲間の未来を繋ぎ止める為、彼は時空管理局への反逆の道を駆け出した。
「時間が無い。管理局から調査隊が派遣された時が最後か……。私の記憶が確かな
らば、闇の書の真の機能とは──」
 ザフィーラは日を増すごとに溢れ出てくる嘗ての記憶を思い返しつつ、母なる大
地に蒼い体躯を走らせた。
 どうやら刺客を撒いたらしく、何時しか攻撃は止んでいた。ザフィーラは大きな
樹木の根元で足を止め、少し休憩を取る。
 梢に生い茂る葉と葉を縫うように、空を仰いだザフィーラに晴れ晴れとした空間が広がる。
 あの空の蒼は、まだこの世界が生命の息吹を保っている何よりの証拠だった。

 いいかいザフィーラ、これからは私の代わりにあの娘達の事を頼んだよ。

「……」
 不意に脳裏に過ぎった男の声に、ザフィーラは遠い眼をして更に空を見上げた。

 実はね、この魔導書の管制人格は妻をモデルにしてあるんだ。はは……情けない
男だな私は。何時までも何時までも死んだ人間の事を……。

「……」
 暫く、男のすすり泣く声がザフィーラの中で虚しく響き渡った。

 血の繋がりなんて無い家族だったけれど、私も私の妻も、三人の事を心から愛し
ていたよ。でもこれは独善なのかもしれないね。よしザフィーラ、私は決めたよ!
この魔導書をどうするかは君に託そう! 必要無いと感じたなら壊してくれてもいい。
でも……卑怯な言い方だが、出来たらでいい、何時か世界に平和な時代が訪れた時、
君がこの魔導書を起動しておくれ。そして、この魔導書の中に眠っている三人の傍
にいてあげてくれないか。

「……主……」
 知らず知らず呟いたその言葉は、はやてに対してなのか、この頭の中の声に対し
てなのか、ザフィーラ自身も判別出来なかった。
581騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:10:37 ID:aSyfmop5
 悔しいけれど、聖王様は確実に負ける。それでも勇敢に戦われるあの方を、私は
心の底から尊敬する。なぁザフィーラ、どうして人間は心安らかにお互いに理解し
合えないんだろうね……。シグナムも、ヴィータも、シャマルも、身勝手な人間が
起こした身勝手な戦争で全てを失って……何とかして静かな生活を与えてやりたか
った。そうじゃないとあんまりじゃないか! この娘達のこんな最期はあんまりじ
ゃないか……!

 ザフィーラの遥かな記憶の中で、当時と寸分違わずに男は泣き崩れた。燃え盛る
炎の中で、ザフィーラに一冊の魔導書を託し、その男は愚かな業火で素晴らしき想
い出と共に灰になる。
 記憶の中のザフィーラ自身は、炎の中で朽ちる湖畔の邸宅を何時までも無感情に
見届けていた。
「あぁ……」
 漸く辿り着けたというのに。
 数百年、またはそれ以上の歳月を経て、やっと八神はやてという運命の主に巡り
合えたというのに。
 歴代の主によって闇の書は幾度と無く改造され、または歪み、ザフィーラさえも
守護騎士のプログラムに組み込まれ、何時しか戦闘者としての不要なシステムが追
加されてしまった。
 守護騎士として盲目的に主に付き従う三人を見る度に、ザフィーラはどうして闇
の書を処分しなかったのか、自責の念に苛まれた。
 今までのような辛い境遇が待っているのなら、いっそ三人を永遠の眠りに就かせ
てやるべきではなかったのではないかと、寡黙な顔の奥で己を責め続けてきた。
 しかし希望はあったのだ。今ならば、ザフィーラは彼女達の未来を信じてきた自
分に誇りが持てた。
「主……」
 だからこそ、ザフィーラは全ての決着をつける為に立ち上がらなければならなかったのだ。
 自分達が騎士でなくなる時、それははやてと真の家族となれる日。
 三人が、麗らかな陽射しの中で過ごしたあの頃に還る時。
 もう四名には、守護騎士の責務も、使えるべき主も必要無いのだ。
 歪められた数多の過去を清算する為に、ザフィーラは己の初めての主が待つ聖都
郊外の湖畔を目指して歩き始めた。

 一日の業務を終えるや否や、はやては医務局内の患者室へ急いだ。残業はあった
が、リインフォースUが気を利かせてくれた。
 到着して中に通されると、寝台の上に横たわる小柄な少女と、その傍で彼女の様
子を窺っているシャマルが居た。
 ヴィータははやての見舞いに、血色の悪い顔で喜色満面の笑顔を取り繕った。
 はやてには、その表情にさえも不吉な影が見え隠れしている気がして一瞬だけ呼
吸が詰まった。
 なるべく窓から見晴らしのいい景色が見れるよう、入院する部屋は当局から厚意
で工面してもらった。
582騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:12:07 ID:aSyfmop5
 ヴィータの主治医を申し出たシャマルには、その処置が医務局の降参の表明であ
るように思えて、そんな後ろ向きな妄想を強引に振り払う。
「ヴィータ、具合はどうや? 頭痛いんとか無いか? ちゃんとご飯食べてる?」
 室内の椅子を寝台の近くまで引っ張り、腰掛けながら切り出す。
「大丈夫だって。皆、大袈裟すぎるんだよ。こんなもん、ちょっと家でゆっくりし
たら治るって言ってるのに。あ! でもやっぱり、ご飯ははやてが作った奴が食べ
たい!」
「もう、ヴィータちゃんったら」
 シャマルは努めて明るい表情を維持し、ヴィータの活発な振る舞いに呆れた風に
はやてと一緒に笑みを交わす。
「とんだ災難だぜ。あたしも漸くはやて達みたいに大きくなれるっていうのに、こ
んな足止めを喰らうなんて。仕事だって前以上に遣り甲斐を持ててきたのにさ」
「そうやね。そっか、ヴィータのも何年かしたらええ揉み心地になるんかなぁ」
 はやては無節操に、ヴィータの看護服の上から胸に手を当てた。悲しいがヴィー
タのそこは、今はまだ揉むという行為が出来るには程遠い大きさだった。
「ちょっ、放せよはやて! 止めろってば! シャーマールー、助けろって!」
「あはは、第二次性徴が楽しみやなぁ」
 はやてはヴィータと肝胆相照らすやり取りを楽しみ、それをシャマルが慎みのあ
る笑顔で見守っていた。
 面会を終えたはやては、シャマルと連れ立って部屋の外へと出た。
「……どうなん?」
 先程までの和やかな雰囲気とは打って変わって、吐息の様なはやての問いにシャ
マルは暗く曇った顔で視線を逸らす。
「遺伝子単位で異常が……時空管理局の医療技術じゃ、どうする、事も……っ」
 それ以降を続けられず、シャマルは眼の奥から溢れてきた涙を掌で押さえ、姿勢
を動揺させた。はやてが慌ててシャマルの身体を支える。
「原因は? 何が悪いんかわかったら、手の施しようもあるんとちゃうん?」
 はやての顔も強張りを消せなかった。彼女達の懸命な看護を嘲笑うかのように、
ヴィータの容態は悪化の一歩を辿っている。
「多分、転生やデバイスとの適合最適化、主への忠誠心といった守護騎士に関する
プログラムだと思うんですけど……それが変なんです。何とかしてヴィータちゃん
の中のバグを取り除こうとしているんですけど、こちらからの入力に何も反応しな
くて、そもそも守護騎士プログラム自体が病原菌みたいになっていて……」
「何でよ、そんなんおかしいやん。四人は守護騎士やのに、何で一番重要なプログ
ラムがそんな風に……それ、ホンマに最近出て来るようになったバグの一種なん?」
 シャマルは混乱する頭を横に振った。彼女もヴィータの身に降り掛かった災厄に、
無力な自分を突きつけられるばかりで精神が消耗していた。
 何故だ? それははやてとシャマルの間にある至極単純な疑問だった。どうして
守護騎士であるヴィータが、守護騎士としての存在に最も作用する最重要なプログ
ラムに苦しめられている?
 生身の人間への肉体の更新に何らかの不備がある件も考えられたが、更新自体は
順調に進行していた。
 それは守護騎士プログラムも同様で、要は完全に更新が終了するまでヴィータ自
身が生き長らえれるかどうかの問題だった。
 その望みは、残酷にも一抹の奇跡に縋れる程の可能性も無かった。
 夜勤組との交代時間の間際、人が出払った応接間で、シャマルと密やかに会話を
続けるはやては堪え切れずにシャマルの腕を掴んでいた。
「なぁシャマル、何とかなるやろ? ヴィータ、ちゃんと治るやろ? なぁ、そう
やって言ってや。私、力になれる事なら何でもやるから、なぁシャマル! 大丈夫
って言ってや!」
 必死に縋り付くはやてに、シャマルは何の気休めの言葉さえ投げかけられなかった。
583騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:12:55 ID:aSyfmop5
 シグナムは慣れない浮遊感に難儀しながらも、無限書庫を下ってこの施設の主の
姿を捜していた。
 柔らかい砂色の長髪はすぐに見付かった。シグナムは険しい顔付きの儘、一枚一
枚分離されたページに囲まれているユーノの前まで降下する。
 シグナムの来訪に気付いたユーノは、珍しい客人に少しだけ眼鏡の奥の目を見開いた。
「何処だ」
 開口一番、シグナムは怒気すら孕んだ声色でそう発した。通常ならばそれだけで
相手は不快感に顔を顰めるだろうが、ユーノは頗る平然としていた。
「何処、と言われても……どうしたんですか突然」
「ザフィーラが長期休暇を取る以前、頻繁に無限書庫に出入りしている事は割れている」
「だからといって、僕が彼の行方を知っているとは限らないんじゃ」
 シグナムはユーノの発言を最期まで聞く事無く、問答無用でデバイスを抜き放った。
 制服から騎士甲冑へと変身したシグナムは、突如とした己の凶行にも気後れせずに
ユーノを凝視していた。
 ユーノはレヴァンティンの剣先を小規模の防御用の結界魔法で防ぎ、展開された
魔方陣の先にあるシグナムの鋭い瞳を見返した。
「一体どうしたっていうんですか? 何故こんな真似を……」
「下らん猿芝居も止せ、リーゼアリア! 私はスクライア司書長は何処だ、と聞いている!」
 二人の間に言い知れない沈黙が漂った。シグナムは全力でレヴァンティンを貫か
せようと膂力を込めるが、相手が一枚上手だった。
 ユーノの顔が、悪戯が失敗した子供のように怪しい笑みに歪む。
「何だ詰まらない、あんたにはバレていたわけね」
 正体を看過されて本性を露にしたリーゼアリアは、魔法を展開したまま残念そうに口を開いた。
「スクライア司書長の予定を勝手に調べさせてもらった。今日のこの時間はミッド
チルダ放送局の生放送の教育番組にゲスト出演する筈が、本人がこんな場所に居る
筈も無いからな。ついさっきお前の姿を見たと言う局員の話を耳にして、もしやと
思ってみれば……。テレビの方もリーゼロッテだろう」
「ご名答。あの子、今ちょっと手が放せないのよね、例の新発見の次元世界の事で」
 シグナムは独自の調査に基づいた確信を持って、リーゼアリアを睨む眼を細めた。
「彼が学会も通さずに、一人で遺跡の調査やロストロギアの監査に向かったとでも?
何度も同じ事を言わせるな。スクライア司書長は何処だ。ザフィーラの事で聞きたい事がある」
「それは私も知らない。本当だ。でも今こっちで調べているのは、古代ベルカ文明
と闇の書に関する文献。あの子が何の目的で此処を飛び出したのか、もうわかるでしょ?」
584騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:13:49 ID:aSyfmop5
「ザフィーラの出奔やヴィータの病魔について、司書長は自ら奔走してくれている
というのか……?」
 シグナムはレヴァンティンを停止し、困惑顔で俯いた。もし自分の推測が正しか
ったとして、どうしてユーノがそんな行動に出るのかが解せなかった。
 リーゼアリアはシグナムの心中を容易に汲み取れる顔で、歳の離れた弟の無茶を
案じる姉のような微笑を浮かべた。
「馬鹿が付く程にお人好しなんだよあの子は。闇の書事件の時は言うまでも無いけ
ど、この前のJS事件の時だってそうさ……私達にお願いに来てね、何とか自分の
顔で通せるところに掛け合って欲しいって。もう聖王教会どころじゃなかったわよ、
ゆりかごに関する情報の為に、色んな国のお偉いさんや著名人に頭をペコペコ下げ
させられたんだから、この姿で」
「そうだったのか……それはご苦労だったな」
 あの事件において自分達が何の迷いも無く前線で戦う事が出来た裏で、一体どれ
だけの人々の支援があったのか、シグナムは感慨深く痛感した。
 取り敢えず一応の納得は出来たのか、シグナムは無限書庫を上昇していく。
「あんたはどうするの?」
 下からユーノの姿をしたリーゼアリアが、ゆっくりと上へ遠ざかっていくシグナムへ問う。
「どうするも無い。ザフィーラがあの次元世界に向かったのは確実だろう。私はス
クライア司書長に会い、一体何が起こっているのかを正確に見定める」
「そう。気を付けな。上層部はあの次元世界の調査にトップエリートの魔導師を派
遣するみたいだよ。丁度いいわ、首突っ込むなら本局の動きに関して新しく入った
情報をあげるよ──これは多分あんた達への牽制だろうね、あのエース・オブ・エ
ースも一時的に調査隊へ転属されるかもしれないってさ」
「何、高町なのはが……?」
 意外な異名を聞かされて制止し、シグナムは思った以上に本局内部が揺れ動い
ている気配を如実に感じ取った。
 ザフィーラやユーノの独断に加担するならば、なのはと敵対する事も大いに有り得る。
「ん……? ちょっと本気なの?」
 随時本局上層部の決定を諜報している人物から、最新の本局の動きが無限書庫に連絡される。
「どうした?」
 リーゼアリアの長い薄紫の髪に縁取られた顔が、焦りと当惑に染まっている。
「調査隊に次元航行部隊の投入も決定……って、何やってんの上層部は! 昔に戦
争して滅ぼした世界があるったって、ここまで血眼になって証拠隠滅する必要なん
てないでしょうが!」
 シグナムは急降下でリーゼアリアと合流し、彼女の前に映し出された情報を確かめる。
 そのシグナムの顔が、投入される次元航行部隊の名を知った瞬間に俄かに強張った。
585騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:14:43 ID:aSyfmop5
 シグナムの内心を察し、リーゼアリアは深呼吸をして心を落ち着けると、彼女を横目に留めた。
「さて、どうする? ユーノとザフィーラにはちゃんと弁護団を用意してあるから、
あんたがどちらにつこうと今後の立場に支障は起きないよ」
 リーゼアリアの挑発的な声に、シグナムは挑み返すような闘志に満ちた笑みを浮かべた。
「いいだろう。私はスクライア司書長の側につく。本局の横暴は重々理解した、
私は私の正義で今回の本局の方針を正してみせる。ロストロギアや遺跡の調査は、
何も絶対的な力を行使して行うものでもあるまい」
 それは、十年前の事件で深く思い知らされた事だ。
 シグナムは歓喜しているとすら思える程の高揚振りで、今度こそ無限書庫を後にしていく。
 去り際の彼女の様子に、リーゼアリアは切迫した状況でも自分らしさを失わない
シグナムに呆然と苦笑いを漏らした。
「投入される次元航行部隊……所属魔導師、フェイト・T・ハラオウン、ティアナ・ランスターの二名、か」
 リーゼアリアは、特に興味も無さそうにそう読み上げていた。
 シグナムは通路へ出ると、胸の高鳴りをそのままに足早に宿舎へと戻っていく。
 湧き上がってくる気力を噛み締めながら、永遠のライバルとの合法的に全力で闘
えるこの機会に、逸る気持ちを抑える事で精一杯だった。
「まさかお前と全力で刃を交える機会に恵まれるとはな……ふふっ、決戦の舞台は
古代ベルカ発祥の地! 楽しみにしているぞ、テスタロッサ!」
586騎士よ眠れ:2007/10/03(水) 18:15:49 ID:aSyfmop5
続きます
587名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 18:24:13 ID:o23Kljq9
>>574-577
422氏の「Miracle Change」だな、俺も好きだったぜ! レス見てたら読みたくなって保管庫探しにいったが、
「獣姦」なんてカテゴリーあったんだな。まぁ、件の作品しかなかったわけだがw
588名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 18:36:30 ID:7CvEVF1V
>>586
GJ!!
うは、色々動き出してきたwww
てか、個人に変身するのって犯罪行為じゃなかったか
シグナムみたいにアリバイ調べられたらまずいじゃんリーゼ達ww
続き楽しみにしてます
589名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 18:47:20 ID:3nIWZ8KL
>>586
GJ!
おおなんかグッと面白くなってかた!諸々に期待します!
590名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 18:59:30 ID:shRhC8+/
>>570
GJ! いい昔語りだった。1期〜2期を変わった視点で回想した気分。
聖王強いw睡眠魔法効かないw「それはもう覚えた!!」こうですか?わ(ry
あと前フリの長さと本番の短さの差にも吹いたw

>>586
GJ! 盛り上がって参りました!
リーゼロッテ達を使うところとか最高です。懐かしかっこいいぜ。
そしてヴィータはいつもフラグ役……頑張れ。生き残れー!!
微妙に辞書を使わないと読めない箇所があるところも好きです。続き待ってます!
591名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 19:09:56 ID:7CvEVF1V
>>587
ところであれ、何でユーノとなのはのタグがないんだろうな
おかげで見つけるの大変だったよ
原作に当たる?方にはあるのにね
592名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 19:33:57 ID:4E9UOlJS
>>586
GJ
もっと続け!

あと、ターンA氏とユーノ×クアットロの人カムバーーーック!
593名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 19:39:13 ID:pZrwBXPM
>>586
これは続きが楽しみなる
続きをwktkしながら待ちます
594名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 19:57:49 ID:sY+PB33H
>>586
続きwktk
595名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 20:55:17 ID:FmvKZvJH
>>586
GJ
ザフィーラ&ユーノ&シグナム対フェイト&ティアナ・・・
うはwwwwwみなwwwwぎwwwってきたwwwwwww
作者さんもザフィレベルに渋い、惚れた
596名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 21:09:55 ID:hmxfaQm1
>>595
なんという(言葉は悪いが)サブキャラ祭り……これは>>586の続きに期待せざるをえないwwww
597名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 21:51:44 ID:UN5gB/2t
>>595
そのメンバーで戦いになったらシグナムたちが有利だろうけど、ユーノやザフィーラが直接戦いに加勢するかどうか。
シグナム単独VSフェイト&ティアナだとフェイトたちが有利だが(次元航行部隊もいるし)、状況次第でアギトがシグナムに加勢する可能性もあるな。そうなるともはやどうなるか読めない……wktk
598名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:23:21 ID:mHIYw1rL
いやいやリーゼキック再びですよ
599名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:48:58 ID:Ew+IHvVb
変態仮面勇者王再びとな?
600名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:49:09 ID:nIUMSysA
>>586
あんま急かしてクオリティ下がっちゃうのもアレだけど、早く続きをwwwwww

やっぱ、筆力があると重厚さがダンチですなあ
601名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:50:44 ID:cl73ThTf
そして気がつけば460kb、アニメは終わってもまだまだ元気があるこのスレに乾杯
602名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:57:16 ID:VP+EiPPF
>>601
俺達はいつでもクライマックスさ・・・
そうだろ? 兄弟。
603名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:02:39 ID:Ew+IHvVb
>>602
地獄兄弟とモモが混ざっとるw
だがそのとおりだぁぁーー!!!
604名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:10:26 ID:DVIMs2eW
うはwwwみなぎってきたwwwww
605名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:43:41 ID:1YavzPma
>>570
>ユ「それじゃあそろそろ…出すよ?」
>な「良いよ…どんと来て? 私も全力全開で受け止めてみせるから!」

なのはさんは漢らしいなあ。

GJ。催眠魔法と避妊魔法は淑女の嗜みッスね。
606名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:45:23 ID:NubwotOM
ユーノ×フェイトで超短編投下ー
エロ無ストライカーズ後。
では行きます
607ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:49:00 ID:NubwotOM
 時空管理局は常に人手不足とは言え、数多の次元世界の秩序を預かるとだけあってそれなりの人数が働いている。
 そうした組織だからこそ、公理福祉設備の充実は必須であり、その一環として巨大な本局内には幾つものカフェテラスが存在していた。
 そんなカフェの一つで、のんびりとコーヒーを啜りながら読書を楽しむ男がいる。
 そんなに気を使っている訳でもないのに、艶やかな光沢をもつハニーブロンドのその青年の名はユーノ・スクライア。
 無限書庫の司書長であり、本局髄一のワーカーホリック。
 本人としてみればワーカーホリックであるという自覚は無く、無限書庫の長としてやるべき事をやっているだけなのだが。
 まぁ、何をどう言おうが彼の仕事が非常に過酷である事に違いは無いので本人の意識や周りの風評の差異など余り意味の無い事ではある。

 激務の合間のほんの僅かな時間。仕事でも研究でもなく、全くの娯楽目的で本を読のは、彼の楽しみの一つ。
 そこに、コーヒーがあるのなら、もうこれ以上の幸せなど無いと感じられる一時であった。
 だからだろう、本を読むのに夢中になり直ぐ傍まで誰か来ても気づけなかったのは。
「ユーノ」
 随分と聞きなれた声に、ユーノはふと顔を上げる。
 そこに居たのは、彼の11年来の幼馴染。
「やぁ、フェイト」
「相席、いい?」
「もちろん」
 友人の申し出を断る理由など何一つ無く、ユーノは快く了承する。
 フェイトはユーノの向かい側の席に座り、ブザーを鳴らす。
 程なくしてウェイトレスがやってきて、フェイトはカフェラテを注文した。
「……なんか、逢うの久し振りだね」
「そうだね、前に逢ったの。アグスタでの事件の時だったし」
 永い付き合いで、部署は違えど同じ職場で働いているのに「久し振り」という言葉が出てきてしまう事実に二人は苦笑してしまう。
 逆を言えば、永い付き合いだからこそ、その程度で済むのだが。
「何を読んでるの?」
「これ? 辞典だよ」
「辞典?」
「そう、辞典」
 てっきり、何かの論文だとか小説とかを読んでいるのだとばかり思っていたフェイトは、予想もしなかった代物に目を白黒させてしまった。
「面白いよ? これだと小さいけど、百科事典とかだと何時間読んでても飽きないし」
「そうなの?」
 冗談とかで言っている様子も無いのだから、本当の事なのだろう。
 実際、辞典を読んでいるユーノはとても楽しそうだ。
 そうこうしている内、フェイトの注文したカフェラテが運ばれて来る。
 程よい甘さのカフェラテに口をつけ、ほっと一息つく。
「仕事、大変そうだね」
「うん……一年間、機動六課の仕事をしていたから」
 久々に「海」の仕事に戻って、勘が鈍るという事は無かったがやはり一年間という期間を別の部署で働いていたのか気を使う事が多かった。
「でも、それだけじゃないだろ?」
「え?」
 何時の間にか本を閉じて、こちらを見ていたユーノの視線。
 フェイトは、自分を見透かしているようなそれに少しばかりうろたえてしまう。
「どうして、わかるの?」
「そりゃ判るさ。11年も付き合いがあるんだよ?」
 あっけらかんと言ってのけるユーノ。
「そっか、わかっちゃうんだ」
「うん」
「……この前ね、エリオとキャロに逢ったの」
「フェイトが保護したっていう二人だよね?」
「うん」
 名前だけは聞いていたが、結局会話をする事も無かった少年と少女(尤も、六課の新人達とは誰とも話すらしなかったが)
 その二人に逢ったのに、何故フェイトは暗い顔をしているのだろうか?
 流石に、11年の付き合いでも其処まで読む事が出来ずに内心、ユーノは首をかしげる。
「元気だった?」
「うん、二人ともすごいがんばってた」
「なら、よかったじゃない」
「そう、なんだよね。良かった筈なんだよね」
608ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:53:53 ID:NubwotOM
 そこまで言って、口籠るフェイト。
 息苦しい、暗いモノが彼女を縛っているのが判る。
 だがユーノは何も言わない。じっとフェイトが言葉を続けるのを待っている。
 自分の中の、自分の言葉を邪魔するものを押し退けるようにカフェラテを飲み、ようやく口を開く。
「二人とも、凄く頑張ってた。私を護れるようになりたいって。二人で力を合わせて二人で立ち上がって……それが、凄く嬉しい筈なのに、何故か凄く寂しいの」
「……」
「どうしてかな。私はあの子達の保護者で、あの子達を助けたいって思って。機動六課で一緒に過ごして色んな事教えて……あの子達が自立しようとしているのを見守ってあげるべきなのに」
 二人が、手元から離れていくのが無性に寂しい。
 その事を自覚する度、フェイトの中でスカリエッティの呪詛が蘇る。
 自分は、あの子達を自分の思い通りにしようとしていたのでは無いだろうか?
 あの子達が自分の元から去って行くのを、本当は恐れているのでは無いだろうか?
 エリオは何度も自分に言っていた。
 私を、護れるようになりたいと。
 それを……何故、素直に受け入れる事ができないのだろうか?
「私は、やっぱり母さんと同じなのかもしれない……ううん、そうじゃない。私は、親にはなれないのかも」
 母が、プレシアが姉アリシアと過ごしたアリシアの記憶。
 その中の母はとても優しかった。
 最期は、間違えてしまった母だったがアリシアの成長をちゃんと受け入れていた。
 それなのに、何故自分は出来ないのだろう。
 エリオとキャロは自分達の道を歩けるのに、それを祝福できない自分。
 自分から、離れていく子供たち。
 もしかしたら、それを認めたくないのかもしれない。
 認めてしまったら、母と同じように壊れてしまうかもしれない。

 それが、とても怖い。

 なのはにすら話した事の無い、自分の恐怖。
 まるでヒビの入ったダムが決壊するように、ユーノにその全てを漏らしてゆく。
 そして、それをじっと聞いていたユーノは、ゆっくりと口を開く。
「そっか」
 俯いて、震えているフェイト。
 ユーノは少しの間目を閉じ、優しく微笑む。
「大丈夫だよフェイト。フェイトはお母さんのようにはならない」
「……どうして、そんな事が言えるの?」
 未来の事など、誰も判らない。
 フェイトが、プレシアのようになる可能性だって十分にある。
 けれども、ユーノはそれをきっぱりと否定する。
「だって、フェイトは11年前、なのはの手を取ったじゃないか」
 小さく、声にならないほどの声を上げてフェイトはユーノと向き合う。
 翠色の瞳でユーノはしっかりとフェイトを見据えている。
「あんなに、お母さんの為だけに頑張って無茶していたフェイトが、なのはの手をとったんだよ?」
 思い出される11年前。
 記憶の中に居る母にもう一度逢いたくて、その一念でなんでもした。
 海の中に沈んだジュエルシードを、全部一斉に起動させるなんて事まで。
 あの時、母はフェイトの全てだった。
「君は、あの時本当にボロボロで。辛くって何もかも諦めても誰も咎めなかったのに。それでも起ち上がって、お母さんと向き合って。それでもお母さんを失って、でも今まで頑張って来た」
 ユーノは、自分がフェイトの古傷を抉っている事を自覚している。
 けれども、自分の伝えたい事をちゃんと伝える為に決してそこを避けようとはしない。
「その勇気と力をくれたのは誰?」
「……なのは」
609ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:56:00 ID:NubwotOM
 そう、あの時なのはが勇気をくれた。
 自分の事を知りたいと願って。酷いことだってしたのに、それでも諦めずに。
 そして、名前を呼んで、新しい自分の始まりをくれた。
「フェイト。フェイトの大切な人は、エリオとキャロだけじゃないだろう? なのはだって、君にとって大切な筈だ」
 それは、勿論そうだ。
 二人で一緒に空を飛んできた。
 隣になのはがいたから、何だって出来た。
 闇の書の夢からも醒める事が出来た。
「だから、大丈夫。フェイトがなのはを大切に想っているように、なのはもフェイトを大切に思っていてくれる。フェイトが間違えそうになったら、なのはが止めてくれる。いや……君自身が、なのはを悲しませない為に間違いに立ち向かえる」
「……」
「自分を信じられないのなら、君が信じる誰かを信じて。その人も君を信じてくれる」
 絆は、信じることから始まる。
 フェイトはなのはを信じた。
 その信頼は、二人を親友にし二人は力を合わせてはやてを救い、ヴォルケンリッターズを救った。
 一つの絆が新しい信頼を生み出し、そしてそれがまた絆を生む。
 今のフェイトは、独りでは無い。
 多くの人々と繋がっている。
 フェイトと繋がっている人達全てが、フェイトを支えている。
「今は、まだ怖くて不安でも。いつかちゃんと向きあえるよ。それまでは皆がフェイトを支える」
 フェイトの手を、ユーノはしっかりと握りしめる。
 たったそれだけで、震えは止まっていた。
「……ユーノ……」
 自然と、涙がこぼれてくる。
 そんな事を、今まで忘れていたのか。
 いつもある、当たり前の繋がりを自分は見失っていたのか。
 強くなったつもりで、なんてみっともない。
「そう……だよね、エリオとキャロも私を信じてくれているんだ」
 だからこそ、私を護ると言ってくれている。
 その為に、自分の足で歩く事を決めた。
 そんなあの子達との絆が無くなるなんて、どうして思ってしまったのだろう。
「ユーノも、私をささえてくれる?」
「勿論、フェイトが嫌だって言っても、助けにいくから」
 きっと皆も同じことを言うだろう。
 それが、フェイトと皆の絆なのだから。
610ホッドミーミル:2007/10/03(水) 23:57:42 ID:NubwotOM

 フェイトは涙を拭き、笑顔をつくる。
 そこには、もう憂いなどなかった。
「ありがとう、ユーノ」
「どういたしまして」
 冷めかけたコーヒーをユーノは一気に煽る。
「さて、それじゃ僕はそろそろ行くよ」
「うん、仕事頑張って」
「君もね」
 ユーノは立ち上がると、二つのレシートを取っていった。
 その内の片方はもちろん、フェイトが払うべきモノでフェイトは呼び止めようとするが、ユーノはカラカラと笑いながら「ここは僕がもつよ」と背中越しに言って、そのまま立ち去ってしまう。
 残されたフェイトは、そんなユーノの身勝手さに「もう」と不満を抱くがすぐにそれは消えてしまった。
「……敵わないなぁ」
 今更ながらに痛感する。
 自分達が何故飛べてこれたのかを。
 なのはも、自分もずっと飛び続けることなんて出来ない。
 挫けて、負けそうになった事もある。
 その時、本当に助けてくれたのは誰だったか。
 墜ちきってしまう前に、この翼を癒し護ってくれきた大樹。

 きっと彼は、これからもその枝葉を枯らす事無く。
 どんな業火にも耐えてそこに在るのだろう。
 魔法でも、力でもなんでもない、本当の強さがそこにはあるのだから。
611名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:03:48 ID:NubwotOM
以上。
微妙になのフェイなのは気のせいです。
多分。
612名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:09:59 ID:A/jOcKkS
>>611

どことなくSS03での彼の立場を一歩進めた感じだね
613名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:16:12 ID:2TTLCaF9
>>611

くそっ孔明、ユーノ×フェイトと見せかけてなのフェイを書くなんて、何と恐ろしい奴だ
614名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:16:15 ID:P9Ncaywk
>>586
乙。侍かっこいいよ。あとキャラのチョイスが素晴らしすぎる
>>611
乙。なんだな、SS聞いたあとだと妙にきゅんきゅん来るなぁ。
615名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:25:03 ID:vMfoxuIz
愚問
リッターの複数形ってリッターズなのか

リッターってドイツ語だろ?
616名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:30:59 ID:hNPvQcHQ
しまった、そこまで深く考えてなかった。
ただなんとなく自然と書いちまった。バカか俺、バッカじゃねぇか。
617名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:33:00 ID:vY8fdRu6
英語だとどうなるんだろうな。クラウディナイツ?

自分英語で落第しかけた経験があるのでそこヨロシク。
618名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:36:59 ID:muXvQ0ZK
>>611
乙。
こうしてユーノは意図せずしてフラグを立て続けるのであった……

ところで、
> 「自分を信じられないのなら、君が信じる誰かを信じて。その人も君を信じてくれる」
何となくグレンラガンっぽいと思ったのは俺だけ?
619615:2007/10/04(木) 00:39:19 ID:vMfoxuIz
ちょっと調べてきたけど
Riterと書くから元々複数形なんじゃないかな?
ドイツ語の複数形の定型に-erっていうのがあったよ
620名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:41:39 ID:/ZNM6+3U
ズィルバー正体
621名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:42:29 ID:hNPvQcHQ
>>618
実を言うと俺も書いててそう思っちゃったんだが……
アニキの言ってることと内容真逆だしいいかなーと思った。
やっぱダメか……

>>619
ゲフッ……本当にもうどうしようもねぇ失態だ。
ちょっと守護騎士全員にフルボッコにされてくる。
622名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:43:14 ID:2TTLCaF9
>>617
なぜに英語に?
The Knight of Clouds

独語のRitterは単数とも複数ともとれる
623名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:44:30 ID:ZfdF7x7C
Ritterは単数複数同形(変化なし、ただし3格目的語のときはRittem)
だそうだ
624名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:52:07 ID:ZfdF7x7C
おっと忘れてた
>>611
GJ!!
俺もSS聴いた後だが、胸にくるものがあるよ
ユーノはやっぱり大物だな


ついでに、さっきの追記
※ドイツ語の複数形
 英語やフランス語のように、単純に単語の語尾に-sとつけるだけでよい複数形は少数派。Ritter、Technikerは単数複数同形(変化なし、ただし3格目的語のときはRittem、Technikem)、
Ingenieurの複数形はIngenieure(3格目的語のときはIngenieuren)、
Ritterin、Technikerin、Ingenieurinなどの女性形の複数形はRitterinnen、Technikerinnen、Ingenieurinnenなど。
さらに、冠母音変化などバリエーションに富んでおり、英語の外来語に使われる-sを含めると8パターンにも及ぶ。

だそうだ
625名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 00:58:03 ID:ZdI4OfFS
そろそろ、と思ったが次スレ立てられんかった。
誰か頼む・・・
626名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 02:08:31 ID:fbnZc1iV
>>611
なのはとユーノとフェイトの3人が皆仲よさそうですごくほっとする内容でした。
テラGJ!

やっぱりこの3人はこういう仲が一番しっくりきそうだ。
627名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 02:15:07 ID:YIHZa55B
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第32話☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191431631/
628名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 03:15:41 ID:ejYMkWzG
さぁ埋めやしょう



スバル×ノーヴェと打ってみるテスト
629224 エリキャロ ◆Nw9Ad1NFAI :2007/10/04(木) 04:34:10 ID:KpHCu7iJ
埋めとして、今後エロエロでラヴラヴなのを書く予定のカップルを記す。

 ・ティーダ×ラグナ
  ズッコンバッコンをやっていたティアナとヴァイスを見てしまったラグナちゃんは、ティーダお兄ちゃんにお嫁さん宣言をする!

 ・ゼスト×シグナム
  ベルカ流の騎士として、互いに鍛えあう。雪山を舞台にした特訓をしている最中、雪流れに巻き込まれる。
  ゼストが気づいた時、寝袋に裸になって入っていた。
  ポカポカと温かいと思ったら背中越しに烈火の将が、顔を真っ赤にし髪から湯気をたてて「べ、べつに好きで肌を合わせているわけではないんだからな!」

 ・ウーノ×ジェイル
  12人勢ぞろいしたしたナンバーズがその優秀性を実証するために戦闘演習を行う。
  しかし、相手にしたのは、たった6人の狂人。半分の人数でナンバーズほぼ壊滅という状態で辛くも勝利することが出来た!!
  一歩間違えれば全滅していたこの原因はなんだ?
  課長「今回の辛勝に至った原因は何か!?それは根本的な経験値!そう、人生経験が足りないッッ!!だからどうでもいい騙しに引っ掛かるのだ!」
  課長「特にドクターの経験の無さは絶望的だ……しかし、私はそれを改善するプランがある!一晩中寝て朝起きて三分で閃いたプランとはそう、人生において重要なイベント、結婚式をジェイル君とウーノ君に経験させるのだッッッ!!!」
  課長「こんなこともあろうかと!既に婚姻届と式場準備を済ませておいて良かったわい!さあ、残るは……今日中に嬢ちゃんたちをおめかしをさせるだけだな」
  課長「とりあえず2人はこれからスグに翠屋に言ってプロポーズだ。ハイ、指輪。しっかりしろよ無限の欲望持ちよ。愛も“愛欲”という意味では欲望のひとつなんだからな♪」

 ・エリオ×キャロ+アルフ×ザフィーラ

 ・ティアナ×ヴァイス お手洗いでの第2ラウンド & 2人のはじめての過去回想編
630名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:47:35 ID:bodf+f+c
>>629
ティーダ×ラグナ

「無理しやがって」なカップリングだな。
おそらく世界初じゃね?
631名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:55:03 ID:ZfdF7x7C
年の差いくつなんだろうな
632名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:59:37 ID:2oER+X4H
>>629
ちょっwwwティーダって時空歪める気か?
633名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 06:59:02 ID:ejYMkWzG
>>632
魔王や闇の書が居れば大丈夫
634名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 07:00:01 ID:wMau5zh5
ティーダ×ラグナ
誰?
63538 ◆KHEtQ2j5Nc :2007/10/04(木) 07:00:31 ID:WxZGWb87
>>629
ティーダ×ラグナも十分無茶だが、課長のノリにも吹いたw

何故か対抗心が刺激されたので、こちらも埋めとしてこれからの予定を記す。

第10話 SS01温泉でエリキャロエロ
第11〜13話 ホテル・アグスタ。ロッサ×はやてエロ、ユノなの告白
第14話 スバティア訓練&スバル正体告白&オリキャラ×スバル告白
第15話 オリキャラ用サポートデバイス支給
第16話 ユノなのエロ
第17話 オリキャラVSスバティア再戦、オリキャラが冥王やるという無茶w
第18話 オリキャラ×スバルエロ

の、全18話になると思われます。
636名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 07:42:21 ID:Q8l5tpSN
>>635
楽しみに待ってます
637名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 08:38:46 ID:B5LL9Al0
プレシア×リニス(進行形)
リニス×プレシア
スバル×ギンガ×ノーヴェ・ヴァイス×スバル×ノーヴェ(長編)
ネタは有るけど時間が足りない…
638名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 09:08:20 ID:Yapnh+4l
>>586
神だ・・・神が降臨してる・・・
639名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 10:15:53 ID:E3LRMsZy
>>485
GJ!!
フェイトそんがかわいすぐる
エロオとのラブラブ展開希望して待機
640名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 10:51:46 ID:fbnZc1iV
フェイトさん、このスレではお馬化からぬけだせたようだな。
641名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 10:53:07 ID:RG78fW2q
自演うぜぇ
642騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:22:32 ID:r9mC1ptd
続きです
643騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:24:04 ID:r9mC1ptd
書き忘れましたが、デバイスに関して幾つか独自の二次設定があります
ご了解ください
644騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:25:04 ID:r9mC1ptd
 今日の午前中は休暇を貰い、なのははヴィヴィオの授業参観に赴く為に家を出た。
 機動六課の解散から早くも半年程が過ぎ、ミッドチルダにも蒸した暑気に包まれ
る季節が訪れていた。
 ヴィヴィオが通う魔法学院には、なのはの他にも多くの父兄が我が子の様子を知
る為に各々の教室へと人並みを形成していた。
 正門を潜ったなのはは校舎へと進み、愛娘の下駄箱で履物を換えると、見知った
廊下を悠々と歩いていった。
 ヴィヴィオのクラスには、既に半数以上の親御が教室の奥で列を成していた。着
いたなのはは教室には入らず、出入り扉の陰でヴィヴィオの姿を捜す。
 授業の内容も上の空で、ヴィヴィオは自分の席でそわそわと後ろを振り返ったり
忙しなくしていた。なのはの姿に気付くと、彼女の不安げな表情は俄然と嬉しさで赤らんだ。
 授業参観で実施される内容は作文だった。各生徒、自由な題目で書き上げた作文
を起立して朗読している。
 なのはは他の生徒の声を聞きながら、不意に物思いに耽った。
 充実した毎日。何の憂いも無い生活。世界のあらゆる幸福よりも満たされた人生が、
今のなのはにはあった。
 しかし、何故かしらそんな彼女の心には、冗談の様にぽっかりと穴が空いた気持
ちが刻まされていた。
 余りにも順調過ぎる日々に、精神的な麻痺が起こっているのだろうか。教導官と
しての業績は申し分なく、再三繰り返される本局からの昇進の勧誘も、まだ個人的
な踏ん切りがつかずに保留を続けている。
 平穏としていて、何もかもが満足で、彼女は恵まれた楽園にも似た現在に、だか
らこそ自由を奪われていた。
 ヴィヴィオを一人の母親として育てる決心を固めた日から、何か自分の中の歯車
が噛み合わなくなった感覚が次第に強まっている。
 それは母としての務めという人生で初めての義務でもあった。
 今まで彼女が背負ってきた管理局の局員としての責任は、彼女自身が意識せずと
も何とか遂行していける類のものだった。
 しかし、今回は決定的に具合が違う。意識も無意識も無い、もっと別の次元の強
固な制約が、新たになのはを縛り付けていた。
 その事に不平不満を抱いているわけではないが、我武者羅に自分の全てをヴィヴ
ィオに捧げられる程、彼女の人生経験は今の生活に余裕を持てるだけの広さを持っていなかった。
 なのは自身、最も多感な時期に少し両親との距離が開いてしまった事もあり、見
本という見本も無い状態で手探りの試行錯誤に追われる時が多い。
 確かにヴィヴィオが日々育っていくのを見守るのは楽しくもあり充実感を得られ
るのだが、育児がそんな個人的な感情だけで完了出来る筈も無かった。
 仕事、家事、育児、それだけを一日に費やせるならばまだ気楽なものだった。社
会人である以上、彼女を取り巻く環境は否応にも避けられない行事や予定を強いてくる。
 疲労を認めたくないと思えば思うほど彼女はそんな自分を突きつけられ、ふと漏
らす物憂げな溜め息さえ最近では急激に増えてしまった気がする。
645騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:25:59 ID:r9mC1ptd
 周囲の知友各位はなのはの実際的な労苦を慮っては何かと気を遣ってきてくれるが、
蓄積された日々の鬱積はそんな温かい善意さえも億劫にさせてしまう。
 一日、いや一時間だけでも、自分以外の何者も存在しない世界で慰労したいという、
厭世主義とも思える逃避的な思考がなのはの中で鎌首をもたげる。
 心の陰影を浮かべる瞼に視線を感じたなのはは、ヴィヴィオがじっと自分を見つ
めている事に気付いて反射的に微笑みを取り繕う。
 だがしかし、ヴィヴィオは何時もの様に無垢な笑顔を返してはくれなかった。顔
の向きを直す間際、明確に彼女の横顔は微かな寂しげな頬を垣間見せていた。
 これでは駄目だと心中で自分を叱咤し、なのははヴィヴィオが作文を
朗読する番まで顔を上げて静かに待った。
「では次、高町ヴィヴィオさん」
 教師の指示に従い、ヴィヴィオは緊張を隠し切れない動きで席を立つ。机の上に
広げていたノートを両手に持ち、ゆっくりと自分で書き連ねた文章を口に出していった。
「わたしのママは、時空管理局の教導官というお仕事をしています。毎日色んな人
に魔法を教えたりするお仕事です。他にも、テレビに出たり、偉い人と会ったり、
色んなお仕事をしています。わたしもママがお仕事をしているところを見に行く事
があります。お仕事をしている時のママは、とても格好よくて、わたしも何時かマ
マのような人になりたいと思っています。家に居る時のママは、優しくて、わたし
はどっちもママも大好きです。そんなママに、わたしはこの作文でありがとうと伝えたいです。
 ありがとうと、もう一つだけ伝えたい事があります。なのはママ、会いたい人が
いる時は、すぐにその人の所に行ってあげてください」
 ヴィヴィオにとっては何気無い段落だったのだろう。しかしなのはは、そのヴィ
ヴィオの言葉に暗く沈んだ胸を衝撃で穿たれた様に一瞬だけ姿勢を揺らした。
「最近のママは元気がありません。どうして元気が無いのか、わたしはわからない
けれど、わたしはママが会いたい人に会えないから元気が無いのかなと思います。
この前、電話をしている時のママは凄く辛そうでした。そんなママを見るわたしも、
何だか鼻が痛くなって、そんなママを見たくなくて、どうしていいかわかりませんでした。
 なのはママはずっと格好いいわたしのママでいて欲しいです。わたしはお空を羽
ばたいている時のママが一番好きです。だから、なのはママは何時までもわたしの
大好きななのはママでいてください。なのはママが居ない家は少し寂しいけれど、
わたしは全然平気です。空を見上げれば、なのはママが何時もそこからわたしを見
守っていてくれる気がするからです。なのはママ、会いたい人がいるなら会いに行
っていいんだよ。帰ってきたら、また楽しいお話を沢山聞かせてね」
「ヴィヴィオ……」
 作文中で取り上げられた電話──恐らくは以前に断った筈の、新発見の次元世界
の調査隊出向の件で来た電話だろう。
 あの時は就業中に教習生の不手際で少し事後処理に歩き回ったのもあり、つい語
勢を強めて厳しく応対してしまった苦い記憶がある。
 子供特有の他人の顔色に敏感な感性で、鋭く現在の精神状態を見抜かれていたのだろうか。
 なのははヴィヴィオの朗読を最後まで聞き、嘘の様に胸のしこりが抜けていくのを実感した。
 ヴィヴィオは今年が学院生の一年目だ。そしてなのはも今年で母親一年目なのだ。
646騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:26:51 ID:r9mC1ptd
 何事も完璧じゃなくて当然で、この先時には親として手痛い失敗をしてしまう事
もあるだろう。
 しかし今はそんな不安もなのはは素直に肯定出来た。それらの体験を積み重ねて、
親子で一緒に学んでいけばいいだけの事だったのだ。
 なのははそっと眼を閉じ、自分が今最も何がしたいのか、何処に行きたいのかを沈思した。
 調査隊への出向要請。彼女は漠然と感じた違和感で一度はそれを拒んだ。
 先程の作文に込められたヴィヴィオの想いが、複雑な事情を覗かせるその違和感
へと一歩踏み出す勇気を与えてくれたような気がした。
 先日、一緒に視聴した教育番組でユーノがゲスト出演した時、ヴィヴィオが唐突
に漏らした「この人誰?」という反応も気懸りだ。
 なのははそんなヴィヴィオに驚いて、普段から自分と遊んでくれるユーノだと諭
したが、当のヴィヴィオはまるで画面に映るユーノが偽者のように顔を背けて「違
うもん」と膨れ面を見せた。
 当時は気の所為だと決めて深く考えないようにしたが、後々振り返ってみると確
かにあの時のユーノには所々に不思議な点があった。
 付き合いの長さから来るものだろうか、何処と無く画面で司会者と話す彼に対して、
ユーノ本人ではない感じがあった。
 消息を絶ったザフィーラ、ヴィータの異変、あの時のユーノの違和感、意図的に
情報規制で存在が沈黙している次元世界の詳細……一見全てが無関係に見える中で、
目に見えない細い因果の糸がそれらの事柄を連関させている気がしてならない。
「何か、あったんだ。ユーノ君、ザフィーラさん……フェイトちゃん……」
 揺るぎ無い想いを含んだなのはの声は、誰に聴かれる事も無く少しざわついてい
る教室の物音に掻き消された。
 授業参観が終わり、学院を去るなのはの顔には、新たな戦場に旅立つ歴戦の魔導
師の風格が備わっていた。

「聖都は既に跡形も無く消滅しているみたいですね」
 ユーノは動き易い軽装の姿で、広々とした荒野に視界を一巡させた。
 リーゼアリアの努力で、古代ベルカ世界の主要都市近辺の地理はある程度確認が
取れている。
 管理局の刺客から身を潜める一方だったザフィーラも、大人しく彼と合流して行
動を共にするようになっていた。
 ザフィーラは嘗て自分達が暮らしていた湖畔の家があった場所も寄ってみたが、
当時の面影等何一つ無い水溜りと藪があるだけだった。
「夜天の書の仕様プログラムだ。あれさえ発見出来ればヴィータを救える。現に主
の夜天の書の制御から離れている彼女に手を施すには、それしか効果的な方法は無
い。幾らその場凌ぎの処置を行ったとて、同じ事の繰り返しに過ぎん」
「えぇ……調査隊の本隊が到着する迄には、何としても仕様プログラムを見つけ出
して持ち帰らないと。もう先遣部隊は本局から出動したとロッテから連絡があったし……」
「今さっき着いたよ」
 死角から届けられた怜悧な声に、ユーノとザフィーラは咄嗟に身を翻す。
647騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:27:45 ID:r9mC1ptd
 二人の視線の先に、金の長髪を持つ女性と、鮮やかな橙色の髪を背中に流している女性が立っていた。
 上空から降下してきたのか、衣服や頭髪が悠然と靡いている。
「思った以上に早かったねフェイト……久し振り」
 ユーノの朗々とした仕草を見て、フェイトの容貌が複雑な心中で渋くなる。
 フェイトから見たユーのは、自分の置かれた立場を全く考慮していない、場違い
とさえ思える能天気な態度だった。
「ユーノ、ザフィーラ、早くこんな真似は止めて一緒に帰ろう。今ならまだ間に合うから……」
 説諭の口火を切ったフェイトの傍で、先遣部隊の現地要員として同行してきたテ
ィアナも同意の意を示す。しかしユーノは沈着とした動作で首を横に振った。
「ごめんフェイト、それは出来ないんだ。たとえ管理局にとって不都合な史実が残
る世界だとしても、調査隊の好きにさせるわけにはいかない」
 フェイトは切羽詰った顔をして、反射的にユーノ達へと一歩歩み出していた。
「お願いユーノ、私と一緒に来て。そこまで言うなら調査隊の本当の目的も知って
いるんでしょ? この世界を焦土に変えるんだよ。このままこの世界に留まってい
たら、二人だって不慮の事故で片付けられてしまう……私はそんな事、絶対に見過ごせない」
「ユーノ先生、ザフィーラさん、何をそんなに執着しているのかわかりませんけど、
どの道この世界にいると危険なんです。フェイトさんの気持ちも汲んであげて……」
「断る」
 確固たる覚悟の重厚な声色が、ザフィーラの勇猛な口腔から放たれた。ティアナ
は眼の前の守護獣から感じられる迫力に気圧され、続けるべき言葉を飲み込んでしまった。
 機動六課時代では見る事の出来なかったザフィーラの明白な意思表示に、ティア
ナはその貫禄のある雰囲気で一瞬にして硬直させられた。
 今まではザフィーラ自身の印象も薄かった為に、だからこそ衝撃も一際強かった。
しかし彼女は更に思い出す。正式にランクを所有していないが、ザフィーラの魔導
師ランクは自分よりも格上の推定AAランク相当という事実を。
「時間が無いから今はまだ何も話せないけれど……大丈夫だよフェイト、僕達は何
も時空管理局に逆らおうとしているんじゃない。ただ真実を知りたいだけなんだ。
僕が所属している学会にも時空管理局の緘口令が通達されてね、仕方無く僕だけザ
フィーラの協力をしに来ているんだ」
 ユーノが毅然とした口調で述べる。しかしその説得だけでは、フェイトの職務へ
の厳格な責任感を溶かす事は叶わなかった。
「お願いユーノ、お願いだから……。こんな事していたらなのはだって悲しむよ。
これ以上問答を続けるなら、私も相応の手段を選ばなくちゃならないんだよ。そん
なの嫌だよ……だからユーノ、本当にお願い……」
 フェイトは弱々しく顔を下に伏せ、血色のいい唇に白い歯を立てる。ティアナも
同様に、上官の葛藤を肌で感じて苦しげに押し黙る。
 このまま互いに水掛け論が継続されれば、先行した二名はユーノとザフィーラに
対し強硬手段を用いなければならない。
 調査隊本隊の到着まで愚劣な問答に終始し、挙句に二人を無駄死にさせる位ならば、
実力行使も厭わずに二人を引っ張ってでも連れて帰るべきだ。
 だが、フェイトにそんな冷酷な行為が可能かどうかといえば話は違った。
 ユーノにバルディッシュを向ける自分を想像しただけで、足腰に激しい痙攣が発
生してしまう。
648騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:28:37 ID:r9mC1ptd
 二人の視線の先に、金の長髪を持つ女性と、鮮やかな橙色の髪を背中に流している女性が立っていた。
 上空から降下してきたのか、衣服や頭髪が悠然と靡いている。
「思った以上に早かったねフェイト……久し振り」
 ユーノの朗々とした仕草を見て、フェイトの容貌が複雑な心中で渋くなる。
 フェイトから見たユーのは、自分の置かれた立場を全く考慮していない、場違い
とさえ思える能天気な態度だった。
「ユーノ、ザフィーラ、早くこんな真似は止めて一緒に帰ろう。今ならまだ間に合うから……」
 説諭の口火を切ったフェイトの傍で、先遣部隊の現地要員として同行してきたテ
ィアナも同意の意を示す。しかしユーノは沈着とした動作で首を横に振った。
「ごめんフェイト、それは出来ないんだ。たとえ管理局にとって不都合な史実が残
る世界だとしても、調査隊の好きにさせるわけにはいかない」
 フェイトは切羽詰った顔をして、反射的にユーノ達へと一歩歩み出していた。
「お願いユーノ、私と一緒に来て。そこまで言うなら調査隊の本当の目的も知って
いるんでしょ? この世界を焦土に変えるんだよ。このままこの世界に留まってい
たら、二人だって不慮の事故で片付けられてしまう……私はそんな事、絶対に見過ごせない」
「ユーノ先生、ザフィーラさん、何をそんなに執着しているのかわかりませんけど、
どの道この世界にいると危険なんです。フェイトさんの気持ちも汲んであげて……」
「断る」
 確固たる覚悟の重厚な声色が、ザフィーラの勇猛な口腔から放たれた。ティアナ
は眼の前の守護獣から感じられる迫力に気圧され、続けるべき言葉を飲み込んでしまった。
 機動六課時代では見る事の出来なかったザフィーラの明白な意思表示に、ティア
ナはその貫禄のある雰囲気で一瞬にして硬直させられた。
 今まではザフィーラ自身の印象も薄かった為に、だからこそ衝撃も一際強かった。
しかし彼女は更に思い出す。正式にランクを所有していないが、ザフィーラの魔導
師ランクは自分よりも格上の推定AAランク相当という事実を。
「時間が無いから今はまだ何も話せないけれど……大丈夫だよフェイト、僕達は何
も時空管理局に逆らおうとしているんじゃない。ただ真実を知りたいだけなんだ。
僕が所属している学会にも時空管理局の緘口令が通達されてね、仕方無く僕だけザ
フィーラの協力をしに来ているんだ」
 ユーノが毅然とした口調で述べる。しかしその説得だけでは、フェイトの職務へ
の厳格な責任感を溶かす事は叶わなかった。
「お願いユーノ、お願いだから……。こんな事していたらなのはだって悲しむよ。
これ以上問答を続けるなら、私も相応の手段を選ばなくちゃならないんだよ。そん
なの嫌だよ……だからユーノ、本当にお願い……」
 フェイトは弱々しく顔を下に伏せ、血色のいい唇に白い歯を立てる。ティアナも
同様に、上官の葛藤を肌で感じて苦しげに押し黙る。
 このまま互いに水掛け論が継続されれば、先行した二名はユーノとザフィーラに
対し強硬手段を用いなければならない。
 調査隊本隊の到着まで愚劣な問答に終始し、挙句に二人を無駄死にさせる位ならば、
実力行使も厭わずに二人を引っ張ってでも連れて帰るべきだ。
 だが、フェイトにそんな冷酷な行為が可能かどうかといえば話は違った。
 ユーノにバルディッシュを向ける自分を想像しただけで、足腰に激しい痙攣が発
生してしまう。
649騎士よ眠れ:2007/10/04(木) 14:29:41 ID:r9mC1ptd

 軌道衛星上に待機している艦内に一時帰還したフェイトは、一目散にデバイスの
メンテナンスルームへと急行した。
 ティアナはフェイトの決然とした雰囲気に口を挟む余地すら無く、戦々兢々とし
て後を追った。
 折り良く、メンテナンスルームにはフェイトの長年の補佐官であり、デバイス関
連の専門家であるシャリオが整備作業で部屋を使用していた。
 彼女はフェイトの中ではかなり険しい顔で入室してくるのを、半ば呆然として眺めていた。
「シャリオ、突然で悪いけどバルディッシュとクロスミラージュの調整をお願い」
「え、えぇ……」
 操作盤の席から立ち、シャリオは目線でティアナに事態の経緯を求める。しかし
返ってきたのは肩を竦めるティアナの素振りだけだった。
「私のバルディッシュには非殺傷設定用の基部を取り外して、その空いた部位に機
動性向上の部品を入れて欲しいの。後、出力面はデバイスの耐久限界ギリギリまで
引き上げて。それとゲマトリアサポートシステムを組み込んでくれると完璧だよ」
「ゲマトリアサポートシステムって……それ、本局指定の運用許可システムから削
除された奴じゃないですか。それに他の仕様変更も、そんなガッチガチの戦闘用の
調整で一体どんな戦場に行く気なんですか」
 シャリオはフェイトの異常な要請に眉を顰め、有無も言わずに承諾する事を躊躇った。
「何ですか、ゲマトリアサポートシステムって」
 ティアナが互いの想いで見詰め合う二人の横から介入し、初耳のデバイス機能の
内容を質問した。シャリオが取り敢えず疑念を置いて、ティアナへの解説に移る。
「簡単に言って、カートリッジ方式の特性を恒常的に維持するシステム。八神部隊
長がお持ちだった夜天の書の魔力蒐集機能から着想を得たもので、同じ様に大量の
魔力を記述して保存する端末を数個デバイスに組み込んで、その魔力を消費して術
士の戦力を補強するの。カートリッジは一発一発使い捨てだけど、こちらは一つの
記述用端末に保蔵出来る魔力量が段違いで、次期主力デバイスの基本機能に採用さ
れる予定……だったんだけど」
「扱いも難しいし、想定外の強化率に本局が試験データ採取直後に運用禁止の決定
を出した禁忌のシステム。それに現時点の規格だと、Sランク以下相当のデバイス
は出力に耐え切れずに破砕してしまうから……」
「そんなシステムを導入して、フェイトさん何をするつもりなんですか。まさかフ
ェイトさん……」
 フェイトの一連の行動の真意を突くティアナに、フェイトは静謐な顔付きの儘で
ティアナへ沈黙の返答を渡した。
「……クロスミラージュにはリンカーコアコネクトシステムをお願い」
 ゲマトリアサポートシステム以上の曲者の名を持ち出され、更にそれを部下のデ
バイスに追加するよう頼んでくるフェイトに、シャリオは眼鏡の奥の眼を瞠る。
「……本気ですか?」
650騎士よ眠れ
「お願い。あの三人に勝って本局に連れ戻すには、そうするしか方法は無いの。本
隊が到着した時点で全てが終わるんだ」
 自分を見つめるフェイトの瞳に、不動の決意が光沢となって潤んでいるのをシャ
リオは認めた。
 先程同様にティアナが説明を求める顔をしてきたので、シャリオは重い口を開いた。
「いい、ティアナ。リンカーコアコネクトシステムは、名前の通り魔導師のリンカ
ーコアを魔力に変換する為のデバイス機能よ。もう想像出来ると思うけど、純粋な
魔力の源泉であるリンカーコアを消費する事に大きな危険が伴うのは確か。だけど
このシステムを巧く活用すれば、魔導師は飛躍的に戦力を増強させる事が可能なの。
ティアナが作動させた場合、きっと魔導師ランクは軽くS+ランク辺りまで引き伸
ばせる筈よ。勿論、単純な魔導師としての実力じゃなくて、厳密な魔導師ランクの
定義に基づいた上でね。このシステムで、貴方は一時的にしろストライカーに匹敵
する実力を得られるの」
 ティアナは自身の実力とは程遠い魔導師ランクを耳にして、そのシステムに対す
る驚愕を隠し切れなかった。
(恐らく、シグナムはレヴァンティンにゲマトリアサポートシステムとリンカーコ
アコネクトシステムを双方組み込んだ状態で挑んでくる。それでも私は負けられない。
ううん、絶対に負けたくない……!)
 フェイトは我知らず、限界近くの握力で掌を握り締めていた。思い沈むフェイト
の横で、シャリオとティアナが打ち合わせを続けている。
「でもこっちは個人差が激しいの。確証があるのは、ミッドチルダ生まれの人間の
リンカーコアとは相性が余り良くない事。それとは逆に、ベルカ人とは本当に相性
抜群。年代を遡っていく程に適性は高くなっていく事も判明しているの。古代ベル
カ人ともなれば、数倍、数十倍のキャパシティを弾き出せる位にね。あと余談だけ
ど、最も相性がいいリンカーコアは、魔法文化の無い管理外世界の人間のものって
いうのがあるわ。たとえば、地球出身のなのはさんや八神部隊長がそれに該当する
わね」
「はぁ……」
 現実感の欠如した説明だったが、ティアナは最早自分が立つこの場所は嘗て無い
程に慄然とした状況に突入している事は察せられた。
 そして、フェイトは敵の数が三人と明瞭に言った。ユーノとザフィーラの他に、
残る一人があの荒野に潜伏していたのだろう。
 フェイトの様子が豹変したのも、その敵の存在が原因というのがティアナ個人の
推測では濃厚だった。
「シャリオさん、あたしのクロスミラージュにもフェイトさんが言った通りの調整
をお願いします」
「……わかったわ。今になって言うのもあれだけど、二人とも無茶だけはしないで
くださいね。艦長は二人の報告があるか、本隊が合流するまではここで待機を続け
るって仰っているんですし」
 シャリオは前に立つ二人の固い意志にそれ以上他言を挟まず、彼女達を信じて作業を開始した。
 フェイトはメンテナンスルームを出ると、多少和やかに崩れた顔で傍に続くティアナを見た。
「戦うのが辛いなら、ここで待っていてもいいんだよ」
 今更なフェイトの気遣いに、ティアナは怯えも無く頭を振った。
「言葉で伝わらない思いは、デバイスで伝える……それがあたし達、機動六課の流儀ですから」
 ティアナの意志を改めて確認し、フェイトも相棒を信じる思いで微笑み、ゆっくりと頷いた。