少女ファイトでエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
現在イブニングで月一連載中の「少女ファイト」。
青さ以上に痛さが売りの日本橋ヨヲコ作品の中では
比較的爽やかな青春群像劇じゃないでしょうか。

本スレでもたびたびエロ発言が飛び出すほどに
萌える男女が多いのも特徴かと。

是非どなたかこの漫画に出てくる少年少女たちでエロをお願いしたい。


自分は3巻ラストの怒涛の展開でミチルと学がみたくてしょうがない。
21:2007/09/26(水) 03:41:33 ID:94PztDT/
需要あるかは分からないけど立ててみたノシ

エロ無しでも何でもいいから少女ファイトの二次創作、誰かプリーズ。
3名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 04:00:32 ID:z59/elEB
>>1
初立て乙
4名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 04:56:06 ID:OERSsmSp
>>1

5名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 07:13:51 ID:9ly3iWwi
無茶をするなっ!!
6名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 07:16:58 ID:srMOPK4f
立て方が雑だと言ったんだ
7名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 07:53:33 ID:z+gN3E33
糞スレ乙
8名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 12:43:33 ID:Tc0bxTue
>>6
「ぼくは、監督のことを考えるだけで、こんなになっちゃうんですよ。」
「たて方が雑だな」
9名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 20:34:32 ID:Llwz3jBd
このスレ見た刹那、「少年フェイト」に見えた
10名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 22:34:49 ID:HAhwGW03
>>1
乙です

鎌倉絡みで誰か書いてくれませんかね
書けない事も無いけど見せられるものじゃない
11名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 22:37:50 ID:v+UACo/C
この漫画って、男×男も女×女も男×女も全部大して変わらなさそうだな・・
いや、好きだよ、この漫画。
12名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 22:55:42 ID:HAhwGW03
みんなでにゃんにゃん
これでいいじゃない(←
13名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 23:02:48 ID:EKgdHJ3O
3巻読んで学とミチルで妄想したが、よく考えたらミチルインポじゃねーか…。
14名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:08:48 ID:YuqyDTzo
乙かきこくれた皆ありがとう。

自分>>1だが、本スレにアドレス貼ってしまってスマン。
注意してくれたヒト、ここ見てるか分からんが、向こう話が変わってるみたいなのでこちらで。
どうもありがとう。これから気をつける。

>>13
学とミチルは、恋人の"振り"をしているうちに、何だかんだでいい雰囲気になって

ーーーーー

ミチル「……お前とだったら出来るかもな」
学「何がですか?」
ミチル「ナニって……」
学「? ……あ! あーはい、わ、分かりました!そうですね!出来たらいいですね!」
ミチル「……ほんとにそう思うか?」
学「は………、はい。」
(以下朝チュン)

ーーーーー

こーゆーやり取りになるんじゃないかと結構マジで思ってる。
最後まで出来なくてもペッティングとかで。
15名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:14:47 ID:aZZxsvA9
>ペッティング
耳年増な学のオドオド攻め劇場キタコレ
16名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:30:39 ID:HBLdtxc9
日本橋漫画だからミチルと学はほっといてもセクロスするんだろうな。
学のおっぱいをミチルは無視できんだろう。
17名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:16:40 ID:LrPN/srg
でもなぁ・・良く考えたら、
学とミチルって名前だけでいったら性別逆だよね
そこがタマランのだが。
18名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 12:21:15 ID:sWJZuZuf
そういうのはあんま考えたことなかったなー
どっちも中性的でかわいい名前だと思うけど。

>>15
学攻めイイ(・∀・)!
職人光臨希望
19名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 09:54:59 ID:QNG0YVf7
三國弟×厚子
もしくは
三國弟×鎌倉
が読みたい……。
誰か投下希望。
20名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:37:51 ID:T2+9cL85
三國弟はドSっぽいな。

自分は鏡子×千石、ルミコ×町蔵が好きだ。
町蔵はなんだかんだとルミコに押し倒されそうな気がする。
21名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 00:15:12 ID:JAAsXFAn
三國弟はドSだよな。でも厚子相手だと黒いSっぷりを抑えそうな気がしなくもない。
厚子が嫌がりそうなべたべた甘々な言葉攻めとか。

町蔵はルミコに美味しく頂かれてしまって翌朝がっくりしてる図が頭を過ぎった。
22名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 15:30:41 ID:Z7PJgcnR
ちょっと聞いてみるけど、学ネタだと

・隆子の手下の男達に集団レイプ
・おどおど責め(相手はミチル)

だったらどっちのほうが需要ある?
あんまたいした物は書けないと思うが……。
23名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 17:46:46 ID:+UDar7Cu
>>22
おどおど責めに一票
24名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 19:50:06 ID:s+KcJnne
>>22
おどおど攻。
想像しただけで萌え。

ところで由良木×鎌倉とか需要ありますか
でも>>19の三國弟×鎌倉がスゴイ気になって仕方ない
……駄文でいいなら投下しようかなとか考えてる
25名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 20:00:06 ID:aUnjNKIu
超ある。無茶苦茶ある。
鎌倉プリーズ!
26名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:03:55 ID:ASyJ98gJ
>>24
三國弟×鎌倉っていうのは、
なんか賭けバレー中のやり取りを見て

三國弟、鎌倉に一目ぼれ→権力で脅してモノに

なんてのが、昔あったらいいなと思ったんだ…。
妄想はなはだしいな!
27名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:28:18 ID:ZOKVr5Dj
由良木×鎌倉読みたいです!
是非書いて下さいー
28名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 22:33:16 ID:l7mWALC7
ちょ…女の子が学って…漏れの名前と漢字一緒やん(゚д゚;)
29名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 00:18:33 ID:WJmpRaAL
>>28
学は可愛いぞ。
是非単行本読んでみ。
30名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:12:20 ID:kmgOhdf9
>>22
>>15です。つーことでオドオド攻めにもう一票。
3122:2007/09/30(日) 02:25:44 ID:eN929N5X
>>22です。レスくれた人ありがとう。
ちゃんと学責め出来るのか自信がないのだがなんとか書いてみます。

あと>>15は勝手にネタ使ってしまってすまん。
32名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 02:33:47 ID:C/YvcpUs
>>22
>・隆子の手下の男達に集団レイプ
はきっと作者がやってくれる・・・
33名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 09:41:38 ID:TbJ5UwcP
小学生の隆子が、叔父に施設から引き取られてきたその夜…

「叔父さん、どうもありがとう」
「なに他人行儀な事言ってるんだ。叔父さんだってずっと寂しい一人暮らしだったから、かわいい家族が出来てうれしいよ」
「そ、そお?えへへー」
「ほら、ご飯の前にお風呂に入っちゃいなさい」
「うん!」

「あー、叔父さんやさしそうな人でよかったなあ…」
ガラガラッ
「キャア!な、なに叔父さん」
「僕たちは今日から家族なんだ。裸のつきあいは当然だろ?しかし、隆子ちゃんの体は本当にどこもかわいいなあ」
「や、やめて叔父さん、イヤッ、やめ、い、痛い、ヒ、ヒギィーッ…」

その日から、叔父の欲棒に昼夜を問わず貫かれる、隆子の地獄の日々が始まった…

ってな感じはどうでしょう。
34名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 13:59:41 ID:C/YvcpUs
ひぎぃワロタ
35名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 17:45:36 ID:C/YvcpUs
シゲルと練はマッサージ中に変な雰囲気になったりしないのかな
36名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 19:04:28 ID:6dActJHk
>>14から続き妄想してみた
朝。
「出来ましたねっ、良かったですね式島君」
「あー…あーうん。……ってか、小田切は何でそんな普通な訳?…痛いとか、無ェの?」
「あっ、はい。コンタクトの時もそうでしたけど、思い切って入れちゃえば、想像してたより痛くなかったんです」
「……」
「式島君?」
「…お、お前…サラッと凄い事言うな」
「…っあ!〜〜い、いえ、あのそのあのっ!!(アワアワ)」

「もっかい、…してイイか?」
「〜〜……は…ぃ」

駄文失敬。
37名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 19:45:36 ID:6MG0aInW
あ、ごめん。
自分>14氏では無いッス。
勝手してスマン。
38名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 22:43:35 ID:jNte9Nzy
初めまして。最近「少女ファイト」にハマりました。
私も三巻の終わりのミチルと学にやられたクチです。
男目線で書けないので、学目線でもよければ書いてみたいです。
しかもエロにはなかなかたどり着けそうもないですが、いいでしょうか?
39名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:36:41 ID:02WRHEx8
>>38
ぜんぜんいんです。
投下は なんでもいんです。



……というのは学の台詞からなんだが。

真面目に、少女ファイトで二次創作って難しそうだし
SS以外でも、絵とか台詞掛け合いとか三行ネタとか
ガンガン落としていいと思うんだ。

つか落としてくれ。頼む。
4038:2007/09/30(日) 23:42:24 ID:jNte9Nzy
>>39
ありがとうございます。
では、学の言葉に甘えてw

-------------
 朝練ハグを見られた後、更衣室でルミさんたちにからかわれた。
 練さんの反応が気になって振り返る。練さんも笑ってた。
 それから小声で、ちょっとしゃがめと手招きされた。練さんの口元に耳を寄せる。
「ミチルと学は似合ってると思うよ。
あたし以外で、ミチルがあんなに自然に一緒にいられる女の子って初めて見た。
ほら、中坊のときはいろんな子と一緒にいたみたいだけど、
学といるときみたいな穏やかな顔じゃ……あ」
 練さんは一瞬、まずいこと言ったかなって顔をしかめたけど、大丈夫ですよと笑ってみせた。
 今日、式島くんは隆子さんが外国に行った後のことも全部話してくれた。
 でもそれは式島くんが立ち直るために通ってきた仕方ない道で、
過去に嫉妬するような感情は私にはないですし。
 それよりも、式島くんのことを少し離れた場所から応援している様子の練さんを見て、
式島くんの想いは届いていないのかなと、少し切なくなった。
「学は……こんなことあたしが言うのも変だけど、
小学生のころからは見違えるくらい自信持ってて、かっこいいよ。ミチルをよろしくね」
「あー、はい」
 想いが伝わっていないことは式島くんが望んだ結果なんですよね。
 この気持ちは封印します。絶対に練さんにはバレないようにします。
 私は望んでなった式島くんの共犯者ですから。
4138:2007/09/30(日) 23:45:29 ID:jNte9Nzy
「あー、学」
「はい?」
 廊下で低い声に呼ばれて振り返った。
 少し赤い顔をした式島くんがそこにいた。
「まずは形だけでもちゃんとしとかねーと、
あいつらすぐに穿ったツッコミいれてくる奴らばかりだから、
バレるのも時間の問題だと思うんだ」
「あの、なんの話ですか?」
「俺たち、付き合ってるってこと」
 式島くんに左手をとられて、ごつごつした手にそっと包まれた。
 手をつなぐってドキドキする。
「学も俺のことミチルって呼べよ」
「……はい」
 廊下中の目線がこちらを向いているような気がして恥ずかしくなって、窓の向こうに目を向けた。
 悪趣味なつくりの体育館しか見えないけどそれでもいい。
 ミチルくんとふたりで、しばらく窓の外を見ていた。つながれた手があたたかかった。
4238:2007/09/30(日) 23:48:21 ID:jNte9Nzy
 インターハイ予選に向けての練習が始まった。
 最初の三対三で試合をしたときと六人制のバレーは何もかもが違う。
 ルールだけは頭に入れていたけど、それだけでは追いつかないことばかり。
 見るのと実際にプレイするのでは別物という事実に改めて直面する毎日で、
頭の中がオーバーワークぎみ。
 ミチルくんたち男子も本格的な練習が始まったのに、
夜は公園で個人練習に付き合ってくれる。
 同じセッターでよかった。
 キャプテンには聞けないこともミチルくんにはいろいろ聞けるから。
 部活が終わって、ミチルくんのお父さんのところで膝を診てもらって、
それから公園に行って一緒に練習して、
少し話をして、うちまでミチルくんが送ってくれる。
「練や兄貴にはちゃんと付き合ってるように見えるみたい」
「そうですか。よかった」
 ミチルくんも朝練ハグの日の動揺が最近は全然出てないですよ。
 それだけで彼女の役を申し出た甲斐があったんだと安心してます。
4338:2007/09/30(日) 23:51:10 ID:jNte9Nzy
「禁止事項その二!」
 ミチルくんが目を見開いて、突然私の目の前に指を二本立てた。
「彼氏彼女の間で敬語は不自然。
練は学の憧れの相手だからしょうがねーけど、俺らタメだろ?」
「あ、はい」
「そういうことで、敬語禁止」
「え」
 無理ですよ、ずっとこうだったんですから。
「学、弟いんだよな?」
「はい」
「お前、弟にもそんな口調なのか?」
「いえ」
 ミチルくんが近づいてきて、私の両肩に腕を回した。
 この距離は、朝練ハグの距離ですね、なんて思い出したらまた照れてきた。
「実際、千石さんと由良木さんには疑いの目を向けられてる。
あのあたり騙すの難しいからな」
 ミチルくんの少し硬い髪が頬にふれる。
 耳元でミチルくんの声が響く。
 それだけでドキドキが増していく。
「傍目にも、お前と弟レベルの口調で俺たちが会話してねーと、疑われても騙しきれねー」
「はい」
「はい、じゃねぇだろ?」
「……えーと」
 メガネやコンタクトなしでも、きっと表情がはっきりわかるほどの近さで、
ミチルくんの瞳がちょっと困ったような表情をしているのがわかった。
「お前頭いいのに……バカ」
 そう言った唇が近づいてきた。ほんの一瞬、私の唇に触れた。
 少し離れたミチルくんの顔にピントが合った瞬間、やっと何が起こったのか理解できた。
 これも「彼氏のふり」のオプションなんでしょうか。
 でも初めてのキスの相手がミチルくんだったことがなんだかうれしいです。
「なに笑ってんだよ、バーカ」
 そんな私を見てそっぽ向いてしまったミチルくん。
「もう遅いから帰るぞ」
 背中を向けたまま歩き出すミチルくんの後をボールを抱えて追いかける。
 追いついて、今度は私から手をとる。
 ミチルくんが急に足を止めて振り返る。
「置いてくなよ、ミチル」
 驚いた表情で私の顔を凝視するミチルくんを見て、恥ずかしくなった。
「……やっぱり練さんの真似っていうのは恥ずかしいですね」
「心臓に悪いから、やっぱいつも通りでいいわ」
 頭をグッと引き寄せられる。
「でも俺だけ特別って感じで話しかけてくれると……うれしい。演技でいいから」
 また前を向いて歩き出す。
 身長がぐんぐん伸びだしてから、手をつないで歩くなんてことはだれともしなくなった。
 高校生になってから久しぶりにつなぐ手は、私をとてもおだやかに満たしてくれる。
 練さんに次いで、ミチルくんも私の特別になってきている気がします。多分。
4438:2007/09/30(日) 23:52:32 ID:jNte9Nzy
とりあえず勢いだけでここまで。
長いのに進展なくてスミマセン。
学の場合、きっとゆっくりペースで進むんだろうなーなんて勝手に妄想しています。
45名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 23:59:10 ID:XWWszsP3
>>38
乙&GJ!!
進展ないくらいのスローペースが二人らしいと思ったよ。
続き楽しみに待ってます。
46名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 07:07:58 ID:0i7IDGPo
>>38
GJGJGJGJ!!

二人とも可愛い!
ローペースでも着実に進展してるな
4724:2007/10/01(月) 14:30:14 ID:JCFuHMyG
GJ!超GJ!!神光臨!!
スローペースばんざーい!!(悶絶
手繋ぐとか抵抗無くできるのにいざとなると互いに緊張しちゃうきっと萌え!


需要があったので今度ネタまとめて由良木×鎌倉SS投下します。
そして役を鎌倉と由良木に置き換えるとあくまで個人的には
雰囲気が合わないでもない気がする曲投下しときますー。
ttp://jp.youtube.com/watch?v=fhC48yyMic0
でもこれだと由良木がヒドイ人←
4838:2007/10/01(月) 23:52:33 ID:tQTy5p6r
 インターハイ予選も終わり、バレーを始めて初の夏がやってきた。
 もうすぐやってくる期末テスト。
 赤点をとるとレギュラーを外されるという女子バレー部のしきたりを恐れて、
部活がオフの今日は女バレ一年のみんなで集まって女子寮で勉強をした。
 今のところ、まだ中学までの知識でなんとかなるから楽できそう。
 練さんと同じテーブルを囲んで勉強できるなんて、なんだか夢見心地だ。
 練さんから「友達」という言葉で呼ばれたいけど、
心のどこかでまだ恐れ多いって思ってる私もいる。
 隆子さんの姿はインハイ予選のときに見かけた。
 練さんとアイコンタクトして笑ってた。
 練さんへの片思い……とは言わないけど、ちょっときゅんときた。
「学ぅ、なにボーッとしてんのぉー」
 テーブルについたひじをナオさんにカクンとつつかれた。
「ミチルくんのこと考えてたんだよねー。
ごめんねーせっかくのオフなのに邪魔しちゃってー。
だってルミ、数学ほんとヤバいのー」
「ち、違いますよ」
「ま、どうでもいいから、この訳教えろ」
「えーと、どれですか?」
「あなたたち、小田切さんばっか頼ってないで、もうちょっと自力でがんばってみなさいよ」
 中学時代は、こんなふうに女友達とにぎやかに勉強するなんてことなかった。
 これも黒曜谷に来ることができて、
バレー部に入ったからの出会いなんだってうれしくなる。
「あー、また学がにやついてるぅー」
「にやついてませんってー」
4938:2007/10/01(月) 23:53:44 ID:tQTy5p6r
 女子寮を出たのは五時ごろ。
 ルミさん、志乃さん、厚子さんは寮に残って、
ナオさんは彼氏と会うと言って別れた。
 練さんはお風呂掃除の時間だとかで少し早く寮を出たから、
まだお日さまの高い夕方の道を私ひとりで歩く。
 角を曲がれば「銭湯おおいし」が見える。練さんのおうち。
 軒先で打ち水をしていたのはミチルくんだった。
「あれ、今日は練さんちのお手伝いですか?」
「いや、なんか、ヒマだったから。ていうか、ペナルティ1」
「ペナルティって?」
「敬語一回でペナルティ1。ペナルティ10で罰ゲーム」
「ええええええ、聞いてないです!」
「はい、二回目」
「ああー」
 いじめっ子気質じゃないですかミチルくんて。うれしそうにニヤニヤして。
「とりあえず……」
 息を詰めて何を言い出すのか見守ったら
「俺にも勉強教えてくれ」
 ちょっと情けない表情のミチルくんに思わず笑みがこぼれた。
5038:2007/10/01(月) 23:57:20 ID:tQTy5p6r
>>45-47
ありがとうございます。
楽しんでもらえてうれしいです。

私は単行本派なので、さっき本スレで「もうすぐ長期合宿に入る」と聞いて
自分の妄想と違ってくるなぁと焦りましたが
二次なので妄想道を突っ走ります。
といってもあまり進んでなくてすみません。

>>47
由良木×鎌倉SS楽しみにしてます。
私も怖いもの見たさ(?)で興味あります。
51名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:49:04 ID:dPoIDi4P
ミチル×学…ほんとこの2人可愛らしいなぁ…!
GJです!
52名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 22:20:43 ID:bIroH4rQ
学って胸何カップあると思う?
私服で谷間披露したからC〜Dかな。
5338:2007/10/03(水) 22:42:08 ID:MtrF6baO
「こんにちはー」
 いつもなら治療院の方しか入ることのないミチルくんの家、
今日は玄関からおじゃました。
 最初のうちは数学の問題にちゃんと向かっていたのに、
ものの十分ほどで脱線してしまう。
 勉強教えてくれって言ったのミチルくんですよ?
「お前の目ってそんなに悪いの?」
「あ」
 私のメガネを取り上げて、自分でかけてみるミチルくん。
初めて見たかも。
 そういえばベットバレーの変装のときにかけていたかな。
「やっぱりシゲルさんと似てませんね」
 ぼんやりとした表情しか見えないから少し前のめりになる。
「シゲルさんみたいに額を出したら似てるかな?」
 前髪を書き上げようと手を出したら、
メガネの奥のミチルくんの瞳と視線が合った。
 急に恥ずかしくなって手を引っ込めた。
「兄貴はオヤジそっくりだろ? 俺は母親似なんだよ」
「そうなんですか」
「にしても、このメガネの度きっついな」
「乱視がけっこう強いみたいで、
遠くからだとミチルくんと鎌倉先輩の区別つかないかも?」
「なんで鎌倉さんと間違うんだよ」
「髪型似てるから」
「似てるか!?」
 シゲルさんが人を声で区別するっていうの、わかる気がします。
 でもシゲルさんて練さんのことだけは絶対間違えないんでしょうね。
メガネかけてなくても。
 部活のときは分け隔てなくみんなに接しているけど、
練さんへのふとした視線の温かさは、ああこれが愛なのかなって思っちゃいます。
「腐っても男なんだから、女と間違えんなよ」
5438:2007/10/03(水) 22:44:07 ID:MtrF6baO
 ひょいとメガネを外したミチルくんの手が近づいてきて、
私にメガネをかけ直そうとする。
 急に視界がクリアになって、
うまく耳にかからないメガネのつるを注視している瞳に目が釘付けになった。
 この瞳に涙があふれるのを見た。
 笑うと目が細くなるところも、ちょっと三白眼ぎみだけどにくめない表情も。
 思い出して胸が苦しくなる。
 この現象は一体なんなのかな。
「あの、全然勉強進んでないですけど。
勉強しないんだったら、私帰りますよ」
 そんな気持ちをごまかすように
メガネの位置を直す私の手首を待てよとつかまれた。
「勉強なんて口実に決まってんじゃん」
「口実?」
「家でゲームしてたら兄貴んとこに練来るし」
 あれ、お風呂掃除は?
「なんかオレ邪魔みたいだったから、
お前待ちがてら代わりに打ち水しといてやるって家出てきたし」
「や、そんなこと言ったんですか?」
 いくらふたりにミチルくんの練さんへの想いを悟られないためっていっても、
それはちょっとつらいんじゃないかなって心配になった。
「あの、彼氏彼女っていっても休みの日までずっと一緒にいなくても……バレないと思いますよ。
あまりがんばり過ぎなくてもいいと思うんです」
「あのなー」
 ミチルくんがいたずらっぽい目つきで片眉を上げた。
「学、だれかを本気で好きになったこと、ないだろ?」
 失礼ですね。
 そう思ったけど、男の子に関していえばないかもしれない。
 練さんにはずっと憧れていたけど、ずっと雲の上の存在だったし、
中学が別れてからは姿を見られるだけでラッキーみたいな感じだった。
 一緒にいたいだなんて恐れ多くて考えたこともなかったから、
去年の雨の日、バレーボールを買った日に、
練さんに偶然出会っただけですごくすごく緊張した。
「あー、ワリ。別にお前を困らせようと思ったんじゃないんだ」
 ミチルくんの言葉で我に返る。
 考え込んだ私を心配そうに覗き込むミチルくんの顔が映った。
 自分の恋愛経験のなさを笑われたとか、そんなふうに思ったんじゃないです。
「困ってないですよ」
 ミチルくんの不安げな顔は胸が痛くなるから笑ってみた。
「もう少しここにいてもいいですか?」
「ああ。練たちにあきれられるくらい一緒にいようぜ」
 好きな人とはずっと一緒にいたい。
 なにを差し置いても、と切望することはまだないけれど、
練さんや女バレのみんなや、こうしてミチルくんといる時間は楽しくてすぐに過ぎてしまう。
 今はそれでいいと思う。 
5538:2007/10/03(水) 22:46:31 ID:MtrF6baO
すいません。まだこんなとこでモタモタしてます。

>>51
ありがとうございまーす。

>>52
私服の谷間は結構ありましたよね。
出てくる女の子みんな胸大きく見えるから、実際はどれくらいなのかな?
小学生時代の学の胸は既に結構大きかったし。
56名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:59:50 ID:9Us7bWKb
学は昔太ってた影響も有って胸でかく見えるのかも。

ミチルが私服になってから谷間のことに驚いてたから、
制服では普通くらいに見えるサイズと予想。
まあ、少し大きめ(有ってもDくらいか?)くらいじゃないかな。
57名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 22:05:57 ID:cC6QOBPw
>>56
そうそう。
服着てるときはそんなに大きく見えないんだよね。
他の娘と比べて、学が特別大きくも見えない。
だから私服のアレはパットか何かなのかなぁ〜と少し思ったんだけれど。

体が痩せ気味ならCでもアレくらいの谷間は出来るのか?
58名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 01:46:10 ID:2LoPzNYi
意外に賑わっていて驚き。
学萌え。
5938:2007/10/06(土) 18:44:46 ID:kbYK2Eag
「花火、ですか?」
「うん」
 夏休みのある日、花火大会に行かないかとミチルくんに誘われた。
「練さんも?」
「誘うわけねーじゃん。
オレとお前、ふたりだけ。それに練呼んだら兄貴も来るし」
 そうですよね。
 練さんとシゲル先輩が一緒にいるところをわざわざ見るのはキツいですよね。
「学がどうしても練と見に行きたいなら止めないけど、オレはふたりだけがいい」
 『ふたりだけがいい』
 その言葉にどきどきしていたら、後で、
お前だったら人混みでもはぐれないだろうしって笑った。
 練さんは小さいから、
きっと花火大会で見失ったことがあったんだろうなと、言葉の裏を考えた。
 きっとそのころは練さんとシゲル先輩とミチルくんと……
もしかしたら練さんのお姉さんもいたのかな。
 私の知らないミチルくん、私の知らない練さん。
 どんなふうに過ごしていたんだろう。
「ジャージ、Tシャツ禁止。浴衣推奨。じゃ、また電話する」
 そう言って片手挙げて去っていったミチルくんの後ろ姿につぶやいた。
「お望みの女装していきますからね」
6038:2007/10/06(土) 18:46:35 ID:kbYK2Eag
 とはいっても、前に借りたような胸元の開いた服なんて持ってないし、
少し伸びた髪もちょっと結べる程度の長さ。
 浴衣は小学生時代に着たのが最後でとても着られる大きさじゃない。
 女バレの誰かに着ていく服の相談をするのも恥ずかしかったし、
練さんじゃサイズが違いすぎる。
 仕方ないから、持っている服の中で一着だけあるワンピースを着た。
 そういえば制服以外のスカートは久しぶりかも。
 駅でミチルくんと出会ったとき、おっ、と一言発したけど
女装とは言われなかった。よかった。
 それから無言で駅の中を歩いていたけど、
改札を出たとき耳元で小さく、かわいいなって言ってくれた。うれしかった。
 乗り換えをしてから急に混みだした電車の中。
 こういうときは背が高くてよかったと思う。
 実は花火大会を生で見るのは初めてだった。
 地面を揺るがすような轟音と目を閉じても残像の残る鮮やかな閃光。
 人混みの蒸し暑さに時折流れてくるやさしい風。
 ミチルくんを見失うことはなかったけれど、
人波に押されて離れそうになったとき、強く手を引いてくれた。
 そのまま寄り添ったとき、花火の連打が始まった。
 足元から響いてくる音に負けないくらい、私の鼓動も強く響いていた。
 言葉をほとんど交わしていないのに、もっとこのままでいたいと思った。
 それまで強く握りしめていた手が離れて、私の肩を抱いた。
 泣きそうになった。
6138:2007/10/06(土) 18:49:35 ID:kbYK2Eag
「学?」
 うつむいた私をいぶかしげにミチルくんが覗き込む。
「人混みに酔った?」
「……大丈夫」
 花火のクライマックスの中、
人の間を掻き分けるように川の土手から離れる私達。
 ようやく人気が少なくなってきたところで、
少し早いけど帰るかと耳元でささやかれた。
「えと、もう少し……」
 一緒にいたい。
 でも言えなくて、代わりにミチルくんの手をぎゅっと握ってみた。
 それで私の気持ちを汲み取ってくれたのか、
近くの自動販売機のそばで立って花火を見ていた。
 花火が終わるアナウンスが流れると、人波は一斉に駅の方へ向かう。
 目の前の道は一方通行の人の流れで身動きできなくなった。
「人がもう少し減ってから帰るか。時間大丈夫か」
「はい」
 お母さんは私が友達と出かけるなんて珍しいと喜んで送り出してくれた。
 もちろん一緒に行くのは女バレのみんなだと思ってる。
 ちょっとだけ嘘をついた。ごめんなさい。
 目の前の渋滞を避けて路地に入った。
 知らない小学校の校門の横の花壇に腰掛けた。
 ミチルくんがさっき買ったSOCARI PWEATを手渡してくれた。
「ありがとう」
「都民のくせに人混み苦手なんだ」
 からかうように横目で見られた。
「違います!」
 こうしてからかわれるのもミチルくんなら嫌じゃない。
 小学生のとき私をからかった男の子たちに負けるなと叱ってくれた練さんと同じように、
中学時代、先生から私の漫画を取り返してくれたミチルくんは、
私の中では知らないうちに特別で大事な存在だったのかもしれない。
「酔ったんじゃなくて、考え事をしていただけ」
「デートの最中に何を深刻に考え事なんかしてんだ」
 そうでした。これはデート。でも。
 今はバレー部の誰も見ていないオフでのことなのに、
恋人同士みたいに手をつないだり肩を抱いたりする必要ってあるのかな。
 もしかしたら……って馬鹿な想像をしてしまいそうになる。
 そんなふうに考えてしまう時点で、
ミチルくんの存在が自分の中ですごく大きくなっていたことに気づく。
「難しいこと考えなくていいから……オレのことだけ考えてな」
 頭を抱き寄せられて、また胸が苦しくなった。
 どうしよう。 
 手に持っていたSOCARI PWEATを取り上げられる。
 思わず顔を向けたらすぐ間近にミチルくんの顔があった。
 その表情は、きっと今の私も同じような顔をしていると思うような困った顔で、
その切なげな瞳に釘付けになった。
 ミチルくんのそんな表情をもう何度見てきただろう。
 二度目のキスは、なかなか私を放してくれなかった。
 抱きしめられて、髪をなでられて、
こんなに胸の中が暴れているのに、どうしてもっともっとと望んでしまうんだろう。 
62名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 23:35:33 ID:0IpkohnO
>>59-61
乙!悩む学可愛いなー。続きwktk

>>57
Cなら普通に谷間出来ると思う。
Dまでいくと制服とかジャージでももっと大きく見えると思うんだよなー。
なのでCもしくはBで女装時はパッド入れてたと予想。
63名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 00:01:56 ID:kjjKsIa2
学といえば、ミチルとのこと明には話してるのかな〜?
ミチルが明のこと知ってるかも気になる。
知ってるなら扉越しに普通に挨拶とかしそうだなとか。


>>59-61
GJ!!!学かわええ!
続き待ってます!
64名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 07:38:50 ID:5EcgHRCn
広之「今日はお呼び立てしてしまってすみませんでした」
厚子「お前にはナオの件で借りがあるからな。で、用事って何だよ」
広之「これから早坂さんと本間さんと一緒にデートしませんか?」
厚子「はぁ?」
広之「お二人とも待ち合わせしてるんです。さあ行きましょう!」
厚子「おい、ちょっと・・・」

------------------------------------

ナオ「ねーねー厚子。あの子と付き合ってるの?」
厚子「んなわけねーだろ。あいつにはちょっと・・・まあ暇つぶしだよ暇つぶし。ナオとどっかいくのも久しぶりだしな」
ナオ「えー怪しぃー。あの子と一緒にいると厚子楽しそうだよー?」
厚子「うるせぇ!おちょくるなら帰んぞ」
ナオ「冗談だってば。でも三國君てかわいいよねー。女の子みたい」
厚子「でもあいつ、ああ見えて結構腹黒・・・」
広之「延友さん?呼びました?」
厚子「うわっ」
広之「延友さんが僕の話をしてくれるなんて嬉しいです。何の話ですか(ニコニコ)」
厚子「な、なんでもねーよ!さぁ行くぞ」
65名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 00:39:19 ID:/LwVzAHd
>>64
続き希望 よみてー。
66名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:11:03 ID:7sGT/hWJ
ここは町蔵×ルミコはオケなのかな?
67名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:30:33 ID:nveSATdH
自分はあり。
町蔵ルミ子ドンと来ーい
68名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 11:47:42 ID:GylRSdHE
町ルミwktk
↑の広×厚も続き読みたいし、投下予告があった由良木×鎌倉も楽しみ。
69名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 21:36:10 ID:7sGT/hWJ
ルミ「町蔵ーっルミ今日ね先輩に彼氏居るかって聞かれちゃったぁー!」
町「一体お前のモテ期は何回来るんだ…?」

ルミ「でもねー今日はちゃんと町蔵の事ゆったからぁ!」
町「ぶはっっっ!!!!!」
(コーヒー吹く町蔵)
町「ばっ…!ルミコっお前っ…」
ルミ「ちゃんと名前は出さないで結婚したい人ってゆったからっあはっ☆びっくりしたぁー?」
町「ばかやろ…危うく捕まるとこだっただろが…」
(一回り以上も上はアウトだよな…)


ルミコリードの町ルミのような…
小ネタですみません。

70名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 16:49:13 ID:5VugJa1j
>>69
かわいいなw(*´Д`)
そしてこの会話がなされている状況が気になる。
G線のラストのようにただじゃれ付いてるのでもよし、ベッドの中でもよし?
でも下手なことしたらあの狂気で凶器なルミ両親が黙っていないような気がするし
やっぱり犯罪にならなくなるまで紳士的に接しているだけかな。
71名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 17:43:50 ID:fLrvjlG7
ルミは寮に入ってるから電話じゃないかね?
毎晩町蔵にラブコールしてるに違いない。
何かある度に即報告メールしてても可愛いと思う。
72名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:26:44 ID:IMGeKEru
下手に手出したら、久美子にいもけんくんで刺されそうだもんな、町蔵。
73名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:51:24 ID:AGWwjb1k
>>72
手を出すのは町蔵だったらと逆に温かく見守りそう
でも他の女と遊んだりと泣かせるようなことがあったら
鉄男と久美子がトーンカッターといもけん君でry
74名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 20:02:08 ID:PoN6VKsd
>>69です。
シチュエーションについては最終回のようなマターリとした部屋を考えてたのですがルミコの寮生活をすっかり忘れてました…orz
こじつけですが休日という事で…すみませんー(;;)

毎日のラブコールと報告メールのルミコ萌えましたw
75名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 17:32:41 ID:GC8VauN3
町蔵×ルミコ小話、投下してみます。事後。


目が覚めた瞬間、体中の血の気がざざざと引いていった。
「……やっちまった……」
隣でブランケットにくるまって眠る少女を起こしてしまわないように、町蔵は控えめに呟いた。
己も全裸なら、少女も全裸。
回転の鈍い頭と、やけにすっきりとした下半身。
皺の寄ったシーツと、ベッドのまわりに散乱した衣服。
窓に掛けられたブラインドの隙間から差し込む日光と、ガラス越しに聞こえる小鳥の鳴き声。
紛うこと無き、コトのあと。俗に、朝チュンといわれるシチュエーション。
合意の上で相手が妙齢であれば、何も問題はない。
しかし。
76名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 17:35:24 ID:GC8VauN3
未成年の上、現役女子高生、しかも生まれたときから知っている親友夫妻の娘で十八歳年下とくれば、これはもう犯罪以外の何ものでもない。
思い起こせば、昨夜はまずかったのだ。いろいろと。
通常の週刊連載の原稿、雑誌のカラー表紙絵、コミックスの表紙絵、それに収録される原稿の手直しのチェック、これらの締切を一気に乗り越えたあとの夜だった。そこを襲われても、抵抗するためのHPなど、自分にはこれっぽっちも残されてはおらず。
そんなときに憎からず思っている少女に本気で来られたら、それをかわすオトナの余裕も度量もふっとぶわけで。―その結果がこれだ。
結婚したい人がいるって言っちゃっただの、部活のチームメイトの一人に彼氏が出来てどうこう、という内容のメールやら電話が、少女から頻繁に来ると思ってはいたが、まさかいきなり特攻されるとは思っていなかった……。
さて、自分を待ち受けるのは、狂気のトーンカッターかいもけん君か。
少女の両親の恐ろしさは、この身をもって知っている。
頭を抱え込む町蔵の隣で、少女はこの上なく幸せそうに、健やかに寝息を立てた。
77名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:10:41 ID:ksd5ZnDe
何そのルミ地雷女設定w

GJ
78名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:16:46 ID:xzG4KMGr
>>75-76
GJ!!激しく続きが読みたい!
79名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 22:58:37 ID:lggAEpJ6
>>75-76
GGGGGGGGJ!!
続き希望w
80名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 02:47:35 ID:xtUXADmK
合宿編に入るにあたって一年女子部屋でこんなような会話シーンがあったら良いなという希望をネタにしてみました。
一年女子フル出演です。





ルミコ「あー!それ最近発表された新作だぁ!ペアリングなのぉ?」
ナオ「そー!先週記念日だったから買って貰ったvv」
厚子「てゆーかナオ!お前その日も何時に帰ったんだよ!いつも携帯の電源切りやがって!」
ナオ「ごめんね〜厚子〜でも途中で携帯なったムードぶち壊しだもん、向こうが萎えちゃったら嫌じゃんっ」
学「萎える…?」
ナオ「式島だってヤってる最中に邪魔入ったら嫌がりそーだよ!絶対!」
練「えっ!学ミチルともうやったの!??」
学「まっ…!!!まさか!!ごごごっごっ誤解です!私達は何にもっ…!!!」
ルミ「えー!そーなのー?じゃぁちゅーもまだなのー?」

81名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 02:50:33 ID:xtUXADmK
学「私と式島君は一緒に登下校したりとかバレーを教えて貰ったりとか…そんなみっ…淫らな事…!」
(目の前で手ブンブン)
厚子「淫らって…見掛けによらず式島って硬派だったりすんのか?」
練「変な所でチキンだからねーミチルは…。」
ルミ「きゃーvvこーゆー話楽しいね!ねっねっ!練ちゃんは?」
練「あー。私はないない。中学も寮だったしね。」
ルミ「そっかぁー白雲山って規則厳しかったもんね〜…じゃぁ志乃ちゃんは?」
志乃「ちょっ…!いきなり会話を振らないでよ!もともと会話にすら入って無いんだけど!」
学「伊丹さんは聞き役なのかと思ってました。」
志乃「馬鹿じゃないの!貴女達恥ずかしくないの!?下品よ!低俗だわ!」
ナオ「ちょっと!下品ってー!ただの恋バナじゃんかぁ!」

82名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 02:53:08 ID:xtUXADmK
志乃「他人が純潔かあばずれかなんて私には関係ないわ。大体ね、長谷川さん。貴方人の事を聞く前に自分が先に言うのが筋じゃなくて?」
ルミ「ルミ?ルミはねー結婚するまでしないのーvv」
志乃「は?」
練「長谷川さんって彼氏いたんだっけ?」
ルミ「ううんーっ彼氏じゃないのーwでもちゃんと約束したんの!結婚するまで待ってくれるって!きゃーvv」
厚子「順序おかしくねー…?いきなり結婚って…ぶっとんでんな…」
学「素敵ですねーvv」
ナオ「結構志乃はどうなのよっ!」
志乃「だから言う訳無いでしょ!」
ルミ「えー!ルミちゃんと言ったよぉ〜」
ルミナオ「志乃ちゃ〜ん!」「志乃〜!」
(志乃を囲んで騒ぐ)
83名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 02:54:54 ID:xtUXADmK
厚子「あー!もううるせーよ!もうこいつぜってぇ言わねえだろ!」
ナオ「だって〜」
学「じゃぁ延友さんの番ですね。」
厚子「…え…。」
練「そうだね。あと延友さんだけだしね。」
ルミ「わーいvv広之君とどうなったのかルミ知りたーい!」
ナオ「えー!あたし聞いて無いよーっ!?なんでゆってくれないのー?」
厚子「えっ…ちょ…おい!…伊丹!助けろよ!」
志乃「悪いけど私こんな会話に参加した覚えないわ。」
厚子「てめーっ!ふざけろ!」
84名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 03:01:49 ID:xtUXADmK
ナオ「どーなの!ねぇなんでゆってくれなかったのぉ〜?どこまでいったの?」
厚子「馬鹿!知らねーよ!」
ナオ「わーん!厚子が遠い人になったぁ〜!」
厚子「お前がゆーな!」

練「…なんか広之?だっけ?あの子可愛い顔してるけど、ドSっぽいよね。」
学「サディストですか…?」
ルミ「きゃー!きゃー!アブノーマルプレイとかなのっ!?www」
ナオ「まさかー!厚子に限ってそんな趣味…」

厚子「…………////////」
(思い出し中)

厚子以外「えぇえぇぇ〜!!!!!」

その日厚子は明け方まで事情聴取されたに違いない。


という感じで合宿編では魔女達のオフショット的な物が見れたら良いなぁ…
あと個人的に町蔵ネタ来てくれ。
85名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 23:45:51 ID:3evtdswJ
ミチルと学って、いつ頃まで付き合ってる“ふり”するつもりなのかなー。
ふりだけじゃ終われない気がする、といっている以上
ミチルは学に好意以上のものを抱き始めてる気がするんだが…。
学がミチルをどう思っているかが分からない。

>>80-84
GJGJGJGJGJGJ!!!
こういうやり取り実際にありそうでいいなー。
伊丹が恋バナ全否定するのがらしくて萌えたwww
86名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 06:22:42 ID:LucMHGYR
やっと書き込めた!

女バレ1年の話書いた人GJ!
こういうのいいなー。
練は広之のことを意外と見てるんだw<ドS

町蔵×ルミの話も(・∀・)イイ!
少女ファイトしか読んだことないんだけど
町蔵の出る話も読んでみたくなったよ。
87名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:24:04 ID:AQ37mrFS
案外広之君Sじゃなかったりして

厚子って「かわいい」とか言われるのに慣れてなさそうだから
致してる最中に厚子かわいいよ厚子とか言われて(一種の言葉攻めか)
徐々に性格を開発されていったりして

みんなの前だといつもどおりなのに
広之君の前だとちょっと女の子っぽくなってしまう厚子とか
88名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:38:15 ID:T+QHMiAo
>>80-84
GJ!個人的に志乃ちゃん可愛くて仕方ないです

あと予告してた由良木×鎌倉SS、漸くパソの方に送れたので投下します。

++++++

休み時間にサラちゃんと他愛の無いことを話していたら、
後で同級生に付き合っているのかと聞かれた。
曖昧に肯定したらどちらから告白したのかと聞かれた。
告白した時の記憶が無いので曖昧にして逃げた。

「どっちからだっけ」
「………どっちでしたっけ」
部活の後にその話をすると、サラちゃんはいつも通りの無表情のまま
顔色一つ変えず小首を傾げて疑問をあらわにした。
なんか仕草が犬みたいでかわいい…じゃなくて。
どっちも覚えてないようだ。
付き合い始めて時間は経ってないはずなのに。
「推測なんですが…もしかして告白自体してないんじゃ」
「あー…あるかも」
「そういうことでしょうか」
「そういうことだね」

その場のノリで付き合うことになったんだっけ。
よく二人で話すからそんな噂が立って、
互いに嫌じゃないし否定するのが面倒だからって。
すげーいい加減だけど。
そしてそのまま会話は終了した。
多分調子がよければ数十分は沈黙が続くだろう。
俺は人を観察していれば一時間は無言でも簡単に潰せるし、
サラちゃんは元から無口だし。
普段は平気なのだが、今日は無性にその沈黙が不愉快で
試しに声をかけてみた。
「ねぇ、サラちゃ「お黙りなさいクリストフ」
誰だよ。
一瞥もせずにサラちゃんは続けた。
89名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:43:28 ID:T+QHMiAo
「……何ですか今日は騒々しいですね」
「……サラちゃんは好きだとか言ったり言われたりは嫌?」
「嫌ではないです」
「言ってあげようか」
「反応に困るので遠慮します」
「じゃあサラちゃんが言う?」
「お断りします絶対いやです」
「………」
嫌なんじゃねーか。
「ちゅーまでした仲なのに?」
「私千石さんともしてましたよ」
「は?」
「小さい頃の話ですけどね。今でも飲み物の回し飲みはします」
「紛らわしい言い方しないでよ…」
「……………すいません」
「……………いえ」
「他の男性との接触は不愉快ですか」
「いやそうじゃなくてさ」
「やはりこういった関係上少し接触を控えてみるべきでしょうか」
「いやいやいやいや、千石先輩とは控えなくていいから。
それよりちょっと俺に愛情表現してほしかっただけだから」
「……………」
サラちゃんはちょっと考えているように黙って、
数十秒後。
俺の胸倉を掴んで引き寄せた。
一瞬、触れるだけのキス。
えっと………………。
「男らしいね」
言葉がそれしか浮かばない。
「………不満ですか?」
「いや、充分だよ。ありがと」
「…………………どうも」
まあ、仕方ないかなぁ。

++++++

すいません、大したもの書けなくて。
何かエロパロなのにエロに発展できそうになry
90名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 13:24:38 ID:6T/9Uzzv
由良木×鎌倉…
GJすぐる…読んでて震えた。
ありがとう。是非続編を。
9138:2007/10/14(日) 18:49:19 ID:TG/Fyg/v
 二学期も半ば、黒曜谷高校のちょっと風変わりな学園祭も終わり、
もうすぐ中間試験が始まる。
 口実と実益がごっちゃになって、
最近ではミチルくんとふたりで勉強することも多い。
「なあ、相談があんだけど」
「はいはい、なんですか」
 どうせ今向かってる化学の問題とは関係ない話なんだろうなと思いつつ
耳を傾けようとすると、面と向かっては言いにくいからって私の隣に座った。
「あんま思い出したくないけど……隆子のことがあってから」
 『タカコ』の言葉を聞いた瞬間、
思い出した月刊バレー天国で見たきれいな人。
 最初に隆子さんとのことを聞いたときには
心になかった感情に取り込まれそうになる。
 練さんにとっていい思い出はそのままに、
そして私がミチルくんの前の防波堤になれればいいと思ってた。
 でも、ミチルくんの怯える姿を見ていたら、
守りたいって思うと同時に、もっと違う感情を抱き始めた。
認めたくない、嫌な私。
「ずっとオレもうダメだって思ってたけど、お前なら、大丈夫な気がすんだ」
 落ち着きなく目をそらしたミチルくんが、それでもゆっくりと話してくれた。
 私なら、練さんにも隆子さんにも
後ろめたさを感じないでつきあっていける、ってことですよね。
なんだかうれしい。
 その気持ちを込めてミチルくんにほほえみかけた。
ミチルくんはさっきまでと違って、今度は真剣な表情で私を見つめた。
抱きしめられた。
9238:2007/10/14(日) 18:51:44 ID:TG/Fyg/v
「本当に大丈夫かどうか……試させてくんね?」
 吐息がかかるほど近くで低い声がささやく。
ちょっとくすぐったい。
「試すって、練さんやシゲル先輩の前でも
大丈夫かどうか試すってことですか?」
 あのふたりが一緒にいるところにいても
平気になったかどうかを確かめるってことですよね。
 ミチルくんはいきなり私から離れて肩をつかんで叫んだ。
「お、お前、オレは一体どんなプレイが好みだと思ってんだ!?」
 その顔は真っ赤で、なにをそんなに興奮しているのかわからない。
「えーと……これはバレーの話ってことですか?
 速攻ツーアタックと見せかけて実は自分コートへの自爆フェイント、とか?」
 なんだかよくわからないけど、
好みのプレイの話に移ったみたいだから適当に答えてみる。
「いや、なんかわけわかんねーし」
「私もわかりません」
「もしかしてオレの話通じてねえ?」
「試すの意味が……」
 しばらく見つめ合って沈黙がふたりの間に降りた。
 自分の鼓動だけが頭に響く間、ミチルくんは頭をかいたり、
赤くなったりして思いを巡らせているみたいだった。
「空気読んでくれるの期待して、
あえてはっきり言わなかったんだけど、なんか通じてねぇよなぁ」
「ごめんなさい、今日はちょっと調子悪いみたい?」
 どうやら暗黙の了解は今回は守備範囲外みたいで。
「試すってのはな」
「はい」
 言いにくそうにしていたけど、
しばらく視線を外して、それから勢いをつけたように言った。
「お前と、セックスしたいってこと」
「え……?」
 思いがけない言葉を聞かされて固まった。
なんでそれが試すっていうことなんですか? 
だってお試しでするようなものでもないと思う。
まあ、男の人はわからないけど、
女の子はたぶんそんな簡単なものじゃない気がする。
9338:2007/10/14(日) 18:55:34 ID:TG/Fyg/v
「やっぱ……伝わってなかったってことだよな」
 あからさまに肩を落としたミチルくんがため息とともにぽつりとこぼした。
 その後ずっと、ベットバレーの翌朝ミチルくんがしてくれた話を
私がきちんと理解してなかったという説明を聞くことになった。
 ミチルくんが「いざとなると隆子のことを思い出してダメだ」と言っていた
「いざ」というのは「女の子と体を重ねようとした」ときで、
「ダメ」というのは「体が反応しない」ということだったと初めて知った。
 私は、つきあう女の子たちとどれだけ日々を過ごしても
気持ちが傾かないことがダメなんだと思ってた。
 ミチルくんが急に遠くの人のように思えてきた。
 小学生時代に既に隆子さんとそんな関係になっていたこと、
でもそれは練さんへの想いに押しつぶされそうにつらくて、
それからも女の子と体を重ねようとするたびに思い出して苦しんだこと。
 練さんに憧れて漫画ばかり描いていた私とは、練さんを見ていたこと、
同じ学校だったということ以外は全く共通点のないところで、ミチルくんは十代前半を過ごした。
 頭では理解できる。でも気持ちがバラバラで、言葉にならない。
 ミチルくんが今度こそって思うなら、
それで本当に隆子さんからの呪縛から解き放たれるなら、
私の体を差し出してもかまわない。
 でも、もしもほかの女の子たちと同じ結果になってしまったら、
ミチルくんはもっと落ち込んでしまうかもしれない。
 そもそも「お試し」から始まる恋愛って、私には受け入れられるのかな。
 もしもまたダメだったら、ミチルくんの気持ちはどこに向かっていくんだろう。
 私も過去の彼女たちみたいにお別れすることになるのかな。
 そんなの……つらいな。
 ミチルくんとこうして一緒にいるのは、練さんやシゲル先輩のためでも、
ミチルくんを守るためでもなく、なによりも私がそばにいたいからだって気づいた。
 考え込んでしまった私をミチルくんがぎゅっと抱きしめた。
「ワリ。想像もしてないこと言われたって、
すぐにいいよとは言えんわな。悪かった。忘れてくれ」
 前にもこんなことがありましたよね。
 そのときのミチルくんは必死で助けを求めていて、私は助けてあげたいと思った。
 だから彼女のふりを引き受けた。
 今はふりだけでとどまらずに、私の気持ちはこんなにミチルくんに傾いてしまったけど、
ミチルくんの感情まではわからない。
 セックスしたいイコール好きだ、ではないかもしれない。
 それでもいい、と思った。
 恋をするって、理性や意志が普段からは
考えられない方向に向かうこともあるんだってわかった。
「お試し……してください」
「え!?」
 驚いて私を見つめたミチルくんは少し涙目だった。
 ミチルくんだって軽い気持ちで持ちかけた話じゃないんですよね。
 それがわかっただけで、もう十分です。
 私はミチルくんの助けになりたい――。
9438:2007/10/14(日) 18:59:14 ID:TG/Fyg/v
やっともう少しでエロパロに持ち込めるかな?
長くてすいません。

>>88-89
前に怖いもの見たさなんて言ってごめんなさい。
由良木×サラ、すごく二人らしくて
でも静かに想い合ってる感じがして、ドキドキしました。
続き読みたいです。
95名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 21:39:29 ID:h585aqyS
>>90>>94
温かいお言葉をありがとうございます
ミチル×学超絶続き気になりますミチル可愛いよミチル。
やばいここ天国w

続き・・・!思わぬお言葉です頑張ってみます
96名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 23:04:19 ID:pO9JnPvR
すげーいい話ばかりで感動した!
ハァハァを期待して来たんだけど、そんなのどうでもよくなった。
書いてくれたみんな、ありがとう!


>>88
ところで、最後のお黙りなさいクリストフは
何かの間違いですか?
もしそうなら本来の文章が読みたいです。
97名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 23:04:09 ID:SHnA1lVL
下がり過ぎなのでage
98名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 18:36:39 ID:RN4t8mc7
はい>>88です
間違いではないと思いますネタなので
ちなみにクリストフの名前は元ネタありますけど分かりづらいこれは
自分の作品見返すって照れくさいなホント
99名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 13:28:40 ID:Lp0H2rbs
>>98
ネタでしたか。
分からなくてすみませんでした。m(_ _)m
100名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 23:49:48 ID:u1Aw/N6o
つか>>96が間違いだと思った訳が知りたい
「誰だよ。」ってツッコミがあるじゃんよ
101名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 10:12:50 ID:/HZ/q/1M
あげ
102名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 11:31:44 ID:rGLGQ/QX
続きを待ちつつ保守
103名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 01:41:35 ID:NdEjqfd+
保守。
今更だが今回もさりげなく学とミチルが仲良さそうなのに萌えた。
ああ言う派手に表に出さないってのが2人らしくて良いね。
104名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 14:02:24 ID:2qQTlm8m
町ルミ、お待ちしてます。
105名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 21:00:46 ID:xecHNi5y
つづきをきたいしてあげ
106名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 22:12:50 ID:s/HlzXlf
このままじゃ落ちそうだぞage
107名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 13:38:11 ID:Oayjt+1s
108名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 19:32:21 ID:NoQO+KwC
ほす
109名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 21:29:50 ID:+bhYj0UZ
保守しかないので保守ついでにちょっと妄想一行シチュ
箇条書きで数個投下してみる



・犬神(父)に絡まれて不可抗力涙目状態鎌倉
・泥酔状態で弟の服を脱がしにかかる政子様(その際弟は全力で拒否ってるとベター)
・お嬢×千石 と見せかけた千石×お嬢
・他にも色々考えて結局ミチルと学の初々しい二人に原点回帰←

現実逃避用のマイサプリメモR18区分ともいうが 
110名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 09:59:19 ID:qxUIvxLm
今度の少女ファイト掲載イブニングは12月25日発売かな。

なんかクリスマスのイラストとかプチ漫画みたいなのがあるといいな。

公認カップルのそれぞれのクリスマス
みたいな

111名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 14:36:42 ID:v0Ot4lnc
「恋人はサンタクロース♪ 背の高いサンタクロース♪」
「私、そんなに背高くないですよ〜」




なんてやり取りを想像してしまった
112名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 17:34:07 ID:KdRg6vWo
学とミチルで勝手に>>111の続き。

「や、お前十分背ぇ高けーよ」
「あんまり言わないで下さいってばー。結構気にしてるんですから」
「いーじゃん、バレーすんのには恵まれてんだから」
「でも一応女の子としては彼氏と同じくらいっていうのはちょっと…」
「多分まだ伸びるから安心していいぜ?つーかちゃんと彼氏だって思ってくれてんだな」
「えぇ!?あ、その、当たり前じゃないですかっ!」

どこの少女漫画だよってくらいベタで失礼。
113名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 20:39:57 ID:jCDnZNGk
何を仰る
充分、有り得るシナリオですよ♪
114名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 05:27:09 ID:tKkh7hzu
>>112
萌えた、あり得そうで萌えた。
この二人のクリスマスは健全そうだよな。

二人で普段よりちょっと良いケーキ買ってきて、公園でいつもの練習がてら一緒に食べて、
突然降った雪にホワイトクリスマスだ〜とか言いながら束の間の幸せを噛み締める…

自分も少女漫画展開になってしまった…でもこの二人の初々しい恋の行方を妄想するのは楽しい。
115名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 20:07:25 ID:AZrOrZ1C
この二人はかわいいよなホント…
どんな展開にするにも汚せない。
>>112グッジョブー
116名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 00:41:27 ID:t9CO+Qhx
>>111-112>>114の少女マンガ展開にうずうずと萌えた

最近単行本で読んで少女ファイトにハマったんだけど、3巻ラストのミチ学がよすぎた
よく考えたら不良少年(?)と優等生なんだな、この二人
小中時代のクラスメイト以上友達未満な二人の妄想が止まりません
117名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 03:25:30 ID:bPITFi7f
上の方でミチ学書いてた人続きマダー
118名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 19:31:08 ID:ct+z2+Aa
たったいま見てしまった光景の衝撃が拭い去れず、心の整理がつかないまま俺は来た道を引き返し
ていた。
あれはきっと『良い事』なんだろう。想いあっている者同士が辿る自然な成り行きでの行為。兄貴のこ
とは尊敬している。練のことも大切に思ってる。俺だって、二人の幸せを望んでいたはずだ。
だったらどうして心の底から『良かったな兄貴』、『良かったな練』と思えないんだろう。俺は……俺っ
て奴は……。
不意に誰かが俺を背後から抱きしめる。学だ。すっかり忘れてた。二人で練を探していたんだった。
「お、おい……」
「……すいません。でも……ミチルには私がついていますから……だから……あの……元気出してく
ださい……って。わたし……何を言ってるんでしょうね……はは……」
……こいつはいままで、どんな気持ちで俺の背中を見ていたんだろう? 抱きしめる腕と声が震えてい
る。馬鹿野朗! なんでお前が謝るんだよ! なんでお前が泣いてるんだよ!
悪いのは全部、俺なんだ。
どうした、俺。こういう時こそ、いつもの俺らしく振舞わなきゃ。そうだろう?
『やぁ、なんかスッゲーもん見ちまったよなぁ。これぞ『決定的瞬間』ってやつ? あっ、このことはお互い
黙ってようぜ。あんなシーン見られたとあっちゃぁ、いくらなんでも立つ瀬がないだろうからよ。あっはっは!』
馬鹿面で、馬鹿みたいな声で、馬鹿みたいに笑って。そうすれば、学だって
『あはは……そうですね』
と、笑い返してくれるだろう。
だけど……だけど、どうしても声が出せない。出せばその場で泣き崩れちまいそうで……最低だ。
わりぃ、学。許はと言えば俺のあまりに手前勝手な理由で『交際』することになっちまった俺とお前だ。い
つかはお前も俺に愛想をつかして去っていってしまうかもしれない。
だけどその日が来るまで……せめて今だけは……こうして、俺の傍にいて欲しい。






今週号を読んで、勢いだけで書きました。色々おかしな点が多々見られるかもしれませんが、クリスマス
ということで大目に見てください。
119名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 12:20:35 ID:VXDITvRC
>>118
GJ!!
神すぐる!!

今回の内容ヤバすぎる…そんな時に名作をありがとう。
120名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:40:29 ID:0VttFKoL
>>118と今回の内容に触発されてミチ学書いてはみたけど…長くなった。
あと、今までROM専だったから改行とか一回にどれだけ書き込めるのかとか全然分かってません。
内容も大したことないんで、お目汚しすいません。
121名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:42:47 ID:0VttFKoL
「この街に住むなら、みんなはどの家がいい?」

真理が聞いた時、ほんとは一番最初に惹き付けられたのは、丘の上にポツンと立ってる赤い屋根の家だった。

練が脱走から帰ってきた翌日、自由時間にフラリと街に出た。
軽く飯だけ済ませて帰るつもりだったけど、気付けばあの模型センターの前にいた。
脱走した練を、兄貴がここで見つけた。
このジオラマを見ていると、練もあの日のやり取りを思い出すんだろうな。

「オレここがいい」

兄貴が選んだのは木造二階建ての落ち着いた感じの家だった。
オレは…と赤い屋根の家を指す前に、隣の練が口を開いた。

「ねりもー」

反射のように口を付いたのは
「オレもー」
という、ありきたりな肯定の言葉。
あの時は、何で嘘を付いているのか自分でも分からなかった。
皆と話を合わせたかったのか、雰囲気に飲まれたのか、それぐらいに思ってた。
今なら分かる。
オレは、練と一緒にいたかったんだ。
あの頃から、ずっと。
122名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:45:05 ID:0VttFKoL
昨日、橋から眺めた光景が頭から離れない。並んで話す兄貴と練を見つけた時、咄嗟に声をかけられなかった。兄貴と練の姿はとても自然で、風景の中から一枚切り取った絵のように綺麗だった。
兄貴が手を伸ばして練にキスして、そっと押し倒す姿を、コマ送りのように見ていた。
上に伸びたままの練の手がそっと兄貴の背に置かれた時、自分の中で何かが死んだ。
いつか二人が幸せになるべきだと言い聞かせてきた自分。
二人がちゃんと結ばれた時に、笑いながら「おめでとう」と言うつもりだった自分。
そんなオレの中にあった覚悟とか、守ってきた小さなプライドが、ガラガラと崩れる音を聞いた。

寝ている練に一度だけキスをした。
猛省したし、もう二度とあんな事しないと決めてたけど、昨日気付かされた。
練が好きだった。
唇も、腕も、指も、背中も、ホントは全部オレだけのものにしたかったんだ。
123名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:48:13 ID:0VttFKoL
ジオラマの前に立ち尽くすオレの足元に影が重なった。
それだけで、誰なのかすぐに分かった。

「何でここって分かった?」

「…自由時間、過ぎてますよ?みんな、練さんの次は式島君かって心配してます。」

小田切が、小さな声で噛み合わない返事をした。

「…式島君?」

小田切は隣に並んで、心配そうにオレを見ている。

「真理と兄貴と練と四人で、よくここに来たんだ。練がここ好きでさ。」

「式島先輩に聞きました。多分ここにいるって…」

小田切はガラスにそっと手を添えた。

「オレ達さ、あの頃は四人でこの家に住みたいって言ってたんだ。でも、もう無理だよな。」

乾いた声がこぼれた。
「バレーは三人でもできたけど、恋愛はペアでしかできないもんな。」

小田切の手が、そっとオレの手を握った。
124名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:51:26 ID:0VttFKoL
「とりあえず出ましょう…式島君」

二人並んで、昨日の土手を歩いた。
橋の上で自然と足が止まる。

「ワリ…あんな話して。オレ達一応…付き合ってんのにな。」

小田切は、真っ直ぐにオレを見つめて

「ずっと想い続けてきた人への気持ちが、すぐにリセットされるわけないです。」

柔らかく、笑ってくれた。

「いんです。練さんの事を好きでもいんです。その方が、私も式島君の人を想う気持ちを、好きって言葉を、信じられますから。」

オレの頬を小田切がそっとなぞる。
気付けば、自分の頬が濡れていた。

「ちょ…ワリ…オレ、かっこ悪…」

慌てて顔を背けようとしたら、小田切に抱きしめられた。

「あんまり恋愛経験の無い私が言っても説得力ありませんが…誰かを好きになった気持ちって、たとえ叶えられなくても十分意味があると思うんです。大切な宝物だと思んです。だから…。」

おでこをくっつけて、小田切が頭をそっと撫でてくる。

「今まで他の人の前ではずっと隠してきたんですから、私の前では練さんへの気持ち、隠さなくていいですからね。」

気持ちの中で張りつめていた糸がプツンと切れた。
小田切の肩に顔を埋めて、いつ以来だろうか、声をあげて泣いた。
125名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:55:30 ID:0VttFKoL
人前で恥ずかしかっただろうに、オレが泣き止むまで小田切はずっと頭を撫でてくれた。小田切のシャツの肩口は色が変わるくらいに濡れてしまったけど、ずっとそのままでいてくれた。
それから、夕焼けの中、手を繋いで学校へと歩いた。
小田切の表情を盗みみるといつもと全く変わらなくて、さっきまで泣きじゃくっていた自分が逆に恥ずかしくなった。

練を好きだった気持ちはすぐには消えない。多分、これから先も胸が痛む時はある。
でも、幸せな事にオレには今、一緒に歩いてくれるコイツがいるんだよな。

目が合うと、小田切はしまらない顔でニヘラと笑った。
そんな顔を見てると、俺も釣られて笑いが出てくる。

「ジオラマの街…覚えてるか?」

「はい、良くできてましたよね。」

「俺、ガキん頃はみんなと一緒にあの家に住みたいって言ってたけど…ほんとは一番最初に惹き付けられたのは、丘の上にポツンと立ってる赤い屋根の家だったんだ。」

「ああ、あのちょっと目立ってる家ですね。何か式島君らしいです。」

「なんか…調子いいけどよ、今度あのジオラマを見に行く頃にはきっと、あの赤い屋根の家でお前と暮らせたらなって思うようになってるよ、オレ。」

へ?と間の抜けた顔で小田切は聞き返してくる。

なんでもねえよっと頭を掻いて、人がちょっと勇気出した時に限って恐ろしく察しの悪い恋人の手を引き、そっと頬にキスをした。
126名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 12:32:49 ID:Es2zQMLA
>>118>>120もGJGJGJGJGJ!!!

ミチまないいなー。可愛いなー。
127名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:47:36 ID:qhhH1/Yk
支援age
128名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:45:07 ID:feT+qU+7
>>118>>120もかわいすぐる…
GJ!!!!
ミチ学萌えるよミチ学
129少年もファイト:2007/12/28(金) 20:19:36 ID:O3L03Mqt
私の中学校時代の渾名は、『鉄仮面』
他者から見た私の印象は、『無口』、『暗い』、『何を考えてるのか分からない』、『犬神の犬』
心無い男子生徒からの聞こえよがしの中傷が、何故か耳から離れない。

『鎌倉ってさぁ、感情ってもんを親の腹の中に忘れて来たんじゃねえの?』

目が覚めた。
時計を見れば、深夜の2時。普段は寝付きのいい私が、何故こんな中途半端な時刻に。胸騒ぎがした。
何の根拠もない。だが、確かめずにはいられない。私は躊躇無くベッドから起き上がり、部屋をでた。闇
と静寂に包まれた廊下を慣れた足取りで進む。不躾な足音を立てることなく速やかに。長年、犬神家に
仕えている母から仕込まれた歩行法で、目的の場所へ向かう。
(どうか、私の思い過ごしであってほしいが……)
だが、悪い予感は的中した。部屋の外からでも激しく咳き込む声がする。自然に足が速くなる。
「失礼します。お嬢」
ノックをするのももどかしく、同級生にして親友、そして私が仕える主人、犬神鏡子の部屋のドアを開けた。
一刻も早く安否を確認したかった。
私がそこに見たのは、ベッドから上半身を起こし、背中をくの字に曲げて口元を押さえ咳き込む彼女の姿。
布団の上には何やら怪しげな工具やら部品やらが散らばっている。
「大丈夫ですか、お嬢?」
ベッドの傍らに腰掛け、背中を擦る。
「……やあ、新しい玩具に夢中になっててねえ。根を詰めすぎちゃったみたい。今回のは、少しキツかった
かな?」
「あまり無理はなさらないでください。練習試合も近いことですし」
「そうだった、そうだった。心配させてごめん」
「いいえ、とんでもありません。……で、今度は何を作っておられたんです?」
「ああ、これはねえ……」
お嬢が私に製作途中の工作の説明をしてくれる。この手のことに関して私は詳しくなくて、残念ながらお嬢の
言っていることの半分も理解できない。だけど、実に楽しそうなお嬢の顔を見るのが嬉しくて話に聞き入ってし
まう。
「それはまた、由佳に怒られても知りませんよ」
私が、そう言うと、クックックッと愉快そうに
「そうだねえ、怒るだろうねえ。楽しみだなあ」
悪戯を仕掛けた子供のような笑顔を向けてくる。
顔を真っ赤にして憤る、もう一人の親友、蜂谷 由佳の姿がありありと脳裏に浮かんだ。でも、それは彼女なり
のお嬢への気配り。感情をストレートにぶつけられる彼女が、時々羨ましいと思うことがある。私は自分の性格
上と立場上、とてもそんなことは出来そうも無いから。
その間も、私はお嬢の背中を擦り続けていた。これには、ちょっとしたコツがある。どうすれば、お嬢の発作を軽
くして上げられるか。長年、試行錯誤して編み出した私がお嬢にして差し上げられる数少ない奉仕の一つ。
「ああ、やっぱり沙羅は上手だよねえ。すごく、楽になったよ。……悪いけどさあ、もうしばらくの間、このまま……」
(はい、お嬢が望まれるなら、いつまでだって)
やがて、私の腕の中で軽い寝息をたてられたお嬢を、頃合いを見計らってベッドに寝かせ布団を掛ける。でも、油
断は禁物だ。治まったと思った発作がぶり返すことは、決して珍しいことではないからだ。椅子に腰掛け、お嬢の寝
顔を見守る。穏やかなその表情を窺っていると、その体内に病魔が巣食っていることなど信じられない思いがする。
それだけに、お嬢が不憫で……。
(止めろっ! お嬢の前で、そんな顔をするなっ!)
130少年もファイト:2007/12/28(金) 20:22:51 ID:O3L03Mqt
激しく己を戒める。危なかった。私らしくも無い失態だった。
十分ほど経過して、お嬢の容態が安定したことを確信すると、ようやく安堵の息をつくことが出来た。
布団の上の工作の部品を一つ一つ丁寧に、後でお嬢が困らないよう配置を崩さないよう慎重に箱に
しまうと、音を立てないよう部屋を出て軽く一礼してドアを閉めた。
部屋に戻りベッドに潜り込むと、堪えてきたものが限界を越えて溢れ出して来た。
「う……くっ……」
お嬢は決して弱音を吐かれない。『つらい』とか『苦しい』とか『もう駄目』など一度も仰ったことはない。
だけど、私は見てしまった。中学時代、大事な試合でチームがピンチの時、笑顔で応援しながら試合
に出られない悔しさを拳を握り締めて堪えているお嬢の姿を。私はお嬢のように強くない。由佳のよう
に素直になれない。私は弱い人間だった。だから私は感情を棄てた。お嬢を含め周囲の人間全てに
冷徹に、冷静に、慇懃に対応してきた。お嬢と接した際、感情が乱れないよう。もし、お嬢の前で同情
するような素振りを見せれば、それはお嬢を侮辱するような行為だと思った。
しかし、その抑制も効かずに暴発してしまう瞬間がある。いまが正にその時だった。
(ここが、私の部屋で良かった)
この部屋だけが、私が己を吐露できる唯一の空間だった。
医学書をよく読む。少しでもお嬢の力になりたい一心で。医学は飛躍的に進歩したという。ガンの特効
薬さえ開発されつつあるという。
(だったら何故、お嬢の発作一つ止めることが出来ないのか!)
私は無力感に打ちひしがれた。
夢をみる。それは決まってバレーの試合の夢。
お嬢はセッター。両サイドには私と由佳。お嬢と『風神』、『雷神』の3人を前にして敵うチームなど在りは
しない。お嬢はとても生き生きとしていた。走って、跳んで、ボールを追い掛ける。試合終了の笛が鳴る。
勝った。フルセット出場したお嬢は全身汗みずくになりながらも、実に清清しい笑顔で皆と健闘を称えあ
う。やがて、私の方を向き、
「やったね。よく頑張った、沙羅」
と肩をたたく。
「はい、お嬢」
お嬢の笑顔に、私も笑顔で……
……いつも、そこで目が覚める。分かっていた、これが夢だと。在りえない夢物語。だから、わたしの笑顔
など夢の中でも思い描けない。そしてまた、ベッドの中でむせび泣く。
(早く寝よう。練習試合も近い。今日も厳しい特訓が待っている。無駄な体力を消耗しているヒマはない)
お嬢は感の鋭いお方だ。泣いた跡が残らないように気をつけないと。いつもの自分らしく振舞えるようにして
おかないと。
電気を消して闇の中に身を横たえ、目を閉じた。寝付きの良い私は、すぐに眠りに落ちていた。
お嬢が安らかな一時を過ごせるよう祈りながら。
決して夢を見ることのないよう願いながら。
131名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 08:57:14 ID:A14IrI/h
>>129GJ!!!

鎌倉×お嬢が来るとは思ってなくて油断してた俺が通りますよ。
百合マンガ系の同人サイトで「微百合」の項目に少女ファイトがあったけど、これは鎌倉×お嬢とか、学×練あたりなんだろうな。
厚子×ナオは友情ということで。
少女ファイトは百合好きな人にもそういう視点で楽しめる作品なんだと思った。

実際、鎌倉のカップリングはお嬢もありだよな。
お嬢×千石も好きだが。
まぁ…俺は学はミチル派だがノ
132名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 07:39:16 ID:CU4T5YFo
鎌倉×お嬢GJ!!
お嬢につくしすぎな鎌倉萌えw


ただ……苦手な人もいると思うから百合作品には注意書きあったほうがいいと思います。

>>131
おいおい。厚子ナオだって十分百合だぞ。

と厚子ナオ好きの自分が言っておくw
133少年もファイト:2007/12/30(日) 09:18:53 ID:8imCwfN1
そうでした。読み返してみてレズ・百合スレに投下すべき作品
だったかもしれんと反省。
ここの空気がすきなので、ついここで書きたくなる。
134名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 11:59:44 ID:3RsiaiNt
>>132
うん、正直言うと俺も厚子ナオ好き。
ただ、どっちも彼氏ぽいのがいるから保守的に友情て書いたけど、俺以外にも厚子ナオ派がいて嬉しいw
好きな気持ちが、ちょっと厚子>ナオぽいのがいい。
厚子はナオの事考えまくってて泣ける。

>>133
いや、132の言うように注意書きさえ書いてくれれば、百合嫌いな人は問題無いわけで、これからもバンバン投下してください。
せっかくの少女ファイトのSSをここで読めないのはもったいない。てか俺がもっと読みたいのでお願いします。
135少年もファイト:2007/12/31(月) 01:11:20 ID:Piz43iFy
百合です。しょ−こりもなく鎌倉×お嬢で(笑) あんまエロくもない。苦手な方はごめんなさい。

今日も私はお嬢の傍らに立つ。お嬢の影として僕として、自分を押し殺したまま。

「はい、鎌倉先輩、大ファンです?」
(え……ちょ……)
スカッ
(ああ……)
瞬速のスパイクになるはずだったボールは、見事、鈍亀のヘナチョコボールと化した。
ギャラリーが騒つく。『まさか、ここでフェイントとは……』という声が聞こえてくるが、そんなんじ
ゃない。黒曜谷ストレイドッグス恒例のエキシビション。新入部員実力測定テスト『制服レシーブ』
を任された私の失態だった。
(まさか、この程度のことで動揺するなんて……)
今までも私の『ファン』と称する生徒は何人か存在したが、遠巻きに眺めるだけで声を掛けてくる
様なことはなかった。こうまであからさまに直球で好意をぶつけられたのは初めての経験だった。
(まさか、私の動揺を誘うための作戦?)
と勘繰ってみたが、様子を窺うと本心からの叫びだったようで、
(天然、恐るべし!)
長年の付き合いである由佳は、流石に気付いたようで
(沙羅が、あんなにうろたえた姿なんて、初めて見たわ)
と、苦笑している。恥ずかしくて、穴があったら入りたい気分だ。
お嬢は……とても顔を向けられなくて、どんな表情をされていたのか分からなかった。

お嬢は、終始ご機嫌だった。新入部員が曲者揃いの粒揃いだったせいだろう。廃部寸前まで追い
詰められ、紆余曲折を繰り返してきた女子バレー部も、いよいよ本格始動となりそうだ。お喜びに
なられるのも、むべなるかな。
部活終了の下校時、帰宅されてからもテンションは高いままで、浴室で私がお嬢の背中をお流し
している時も、なにやら鼻唄まじりで、私もつい嬉しくなって、
「何か良いことでも、御ありだったんですか?」
と訊いてみた。
「うん? ああ、あった、あった。お澄まし顔以外の沙羅の表情が久しぶりに見られたもんだから、
嬉しくなっちゃってさあ」
「えっ……見られてましたか? やっぱり」
思いがけない返答に、言葉が詰まる。
「とーぜん?」
「申し訳ありません」
「おかしいよ。何故、謝るの?」
何を思ってか、お嬢は突然、こちらへクルリと向き直り、私の顔を両手で挟みこむ。不意のことで
身体が硬直し、訳も無く心臓がドキドキした。
「私はね、幼い頃のことをよく憶えてる。あの頃の沙羅はとても表情豊かで、よく笑ってた。沙羅の
笑顔を見なくなって随分久しい気がする。前から思ってたんだけど、それって私のせい……」
「違います」
私は言下に否定する。
「前から申し上げている通り、私は本来こういう性格で……」
「本当に?」
お嬢の瞳がいつになく真剣な眼差しで、私の心を射抜く。核心をつかれた人間の心理は脆い。だけ
ど、私はその点、充分に鍛え上げていた。お嬢の真っ直ぐな瞳に耐えるのは、至難の業だったが。
「本当です」
「……そう」
そう言って、目を伏せられる。嘘を述べたつもりは無い。だけど、お嬢を傷つけてしまったことは間違
いなく、私は激しい罪悪感にさいなまれた。


136名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 01:17:59 ID:Piz43iFy
「はい、鎌倉先輩、大ファンです」

「とーぜん」
の語尾には、本来、ハートマークが入るはずでした。
ハズカシイ・・・・・・

それと、もうちょい続きます。気長にお付き合いのほどを。
137名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 10:59:08 ID:p9/P3Kfe
支援age
138名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 18:49:55 ID:Bb9LwXWA
>>135の続き

重苦しく気まずい沈黙が浴室を覆った。
何とかしてこの嫌な空気を払拭しなければと焦るが、何をしても空回りしてしまいそうで、それが恐
ろしかった。
お嬢には、誓って嘘は言ってない。だから、堂々としていれば良い。しかし、どうしても後ろめたい思
いがつきまとう。それが私を、ひどく臆病にしていた。いつだって冷静沈着でいられる自信はある。で
もお嬢絡みのことになると、その自信は雲散霧消してしまう。
先に動いたのは、お嬢の方だった。そのまま何も言わず立ち上がり桶で湯を掬い、身体の泡を洗い
流す。黙ったままでいるときのお嬢を見ていると、妙な不安に掻き立てられる。その後に大抵、突拍子
も無い行動に出られるからだ。私は嫌な予感がしていた。
そして、それは的中した。
クルリとこちらを振り返った時のお嬢は、普段通りのにこやかな笑みを浮かべて、こう仰った。
「さあ、今度は私が沙羅の背中を流してあげよう!」
「え……ちょ……そんな、結構です。自分でやれますから」
「いーから、いーから。おねーさんに、任せなさい♪」
「同い年じゃないですか!」
お嬢が、一度こうと決めたらテコでも動かない。結局、使用人の娘が雇い主の一人娘に背中を流して
もらっているという、母が知ったら卒倒しそうな光景が繰り広げられていた。
「どっか、痒いところはございまして?」
「……いえ、大丈夫です……」
もう緊張して、それ処じゃない。一体、何故こんなことに。
仕方が無い。諦めて成り行きに任せることにした。状況が状況であるが、やはり背中を流してもらうと
いうのは気持ちがいい。日頃の部活に疲れ、適度に温まった身体。いつしか私は半分、夢うつつの中
に身を浸していた。
あれは……中学一年の夏休み。バレーボール部の練習に向かう途中の出来事。暑い日がずっと続い
ていて、その日も早朝だというのにすでにジリジリと日差しの照りつける真夏日の様相を呈していた。
そこで私は初めて見た。お嬢が発作に襲われる瞬間を。隣にいたはずのお嬢の姿が消え、後ろを振り
返るとお嬢が道上に蹲っていた。慌てて駆け寄ると顔色は真っ青で激しく咳き込んでいた。これまでは
何かしら予兆めいたものがあったらしく体調が悪くなると事前にかかりつけの病院に行ったり、床に臥
せられるようにされていた。今回はお嬢にとっても不意打ちの出来事だったようだ。
(何とかしなきゃ……)
だが、一体どうすれば? 早朝ということで周囲には誰もいない。私は完全なパニックに陥っていた。足
が竦んで動けず、声も出ない。ただ、呆然と見ていた。太陽のように輝くお嬢の顔が苦悶に歪むのを、歌
うように軽やかな声を発するお嬢の口から獣のような呻き声が漏れるのを。何にも出来ないまま、ただ見ていた。
(このままじゃ……お嬢……死……)
そこでやっと足が動くようになった。私は走った。
(誰かに知らせないと!)
犬神家まで戻り、私の泣き声に驚いて飛び出してきた家人に事情を説明し、緊張の糸がプツリと切れてし
まい、私は気を失った。
夢を見た。
『何故、私を一人にしたの? 何故、傍にいてくれなかったの? あんなに苦しかったのに! あんなに心
細かったのに!』
お嬢の批難が、私の心に突き刺さる。
『親友だと……信じていたのに!』
悲鳴を上げて飛び起きた。全身汗まみれで、蒸し暑い夜だというのに震えが止まらない。夢。だけど、ただ
の夢じゃない。きっと、お嬢もそう感じているに違いない。
あの時私は携帯を持っていた。お嬢の傍を離れる必要は無かった。その場で家になり病院になりに連絡す
ればいいだけの話だった。私は怖かった。怖くて怖くて仕方なかった。目の前で苦しみもがくお嬢が。それを
何も出来ない呆然と見ていることしか出来ない自分が。
……だから、逃げ出した……親友なのに。
次の日、病院へ見舞いに行った。
(一体、どの面下げて逢いに行くつもりなのか……)
139名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 18:51:49 ID:Bb9LwXWA
でも逢わずにはいられない。逢って、きちんと謝罪したかった。たとえ何と言われようと、罵詈雑言
浴びせられようと構わない。そうされても仕方ないことをしてしまった。だから逢いに行く。そうしない
と私の罪は償えない。私の魂は救われない。
だけど、お嬢から告げられた言葉は
「ありがとう」
という謝辞だった。
「沙羅がいなければ私一人じゃ、どうしようもなかったよ。沙羅がいてくれて良かった。命の恩人だね」
(違います!)
そう叫びたかった。
(私は逃げ出しただけです……お嬢を見捨てて……命の恩人どころか……ただの卑怯者なんです!)
だけど、言い出せなかった。お嬢が誤解しているのを良いことに、それを利用した。苦しんでいるお嬢
からも真実からも逃げ出して……私はつくづく最低の人間だった。

それ以降、私は己を棄てた。もう、二度とお嬢の傍から逃げ出すことのないよう、弱い自分を切り捨て
た。これは自信への戒め。そうしないと、私はお嬢の傍らに立つ資格が無い。

「お嬢?」
過去の古傷を思い返すことに意外に嵌まり込んでいたせいか、背中のお嬢の手が止まっていることに
気が付くのに時間がかかった。振り向こうとした瞬間、お嬢のしなやかな腕が首筋に巻き付き、背中に
しな垂れかかって来た。お嬢の柔らかい肌が密着する感触が、はっきりと伝わってくる。思いがけない
事態に、心臓が飛び上がりそうになった。
「お……お嬢。いくらなんでも、お戯れが……」
立ち上がろうとして、足が滑った。頭をしたたかに打って目の前に火花が散った。天使が輪を描いてダ
ンスを踊る様を眺めながら、今度はお嬢と正面から抱き合って押し倒されているような形になっている
ことに気が付いた。
「お嬢、いい加減に……」
「沙羅、好きよ」
幻聴だと思った。だけど、
「沙羅、大好き」
今度は、はっきり聞こえた。
「……だけど、だからこそ、あなたには自由でいて欲しい。自分の運命は、とっくの昔に受け入れる覚悟は
している。だけど、沙羅まで重いしがらみに囚われるような顔をしているのを見るのは、とてもつらいんだ。
だから、私の分まで生きるのを楽しんで……」
(ああ、お嬢。どうか、どうか、私のことなんかで苦しまないでください! 泣かないでください!)
何も言わず、ただお嬢を抱きしめた。世界中の何よりも愛しく大切なものを、腕の中に留め置いた。今まで、
お嬢の言葉には全て『はい』と従ってきた。だけど、今回ばかりは首を横に振らざるを得ない。これは自信が
考え抜いて決めた道。迷いも後悔もない。お嬢が涙する理由など、何一つ在りはしない。これが、私なりの精
一杯の愛情表現。
(お嬢。私も、お嬢のことが大好きです)

そして、今日も私はお嬢の傍らに立つ。お嬢の影として僕として、自分を押し殺したまま。

「はーい、じゃあレシーブ練習、開始!」
「鎌倉先輩、よろしくお願いします!」
(ああ……)
スカッ
だけど最近、いつまでこの状態を保てるか。ちょっと自信が無くなってきている。

140名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 20:33:38 ID:fEcjES2Z
>>138>>139
GJ…鎌倉に瞬殺されました。
141名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 22:45:18 ID:DUtMPmaP
>>140

ありがとうございます。
でも、エロパロ板にエロ要素の薄い百合物投下
するのも考えものなので、これからもう少し
精進します。

142名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 17:54:36 ID:lFTtUoHX
>>138超GJ!
サラがお嬢を好き過ぎて泣ける。
俺もまた何か投下したいなぁ…ミチ学でシチュのアイデアがあったら教えてください。
143名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 01:12:42 ID:xGDj/lg3
少女ファイトメンバーの初詣が見たい。
組み合わせ関係無く。
144名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 21:40:01 ID:JumzMqvZ
みんなで、練の家の銭湯にいく話が読みたい。
145名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 22:30:51 ID:B5Jlq3sN
厚子ナオでSS書きたい。
エロイのと微エロっぽいの
二つくらい。
時間がなぁ〜。
146名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 14:58:38 ID:00avjUIo
ほしゅ
147名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 13:09:43 ID:XBmTZgsG
hosyu

148名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 00:55:53 ID:AKc9pW1v
ほーしゅ
149名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 21:32:16 ID:lEMowVme
ほしゅっとな
150少年もファイト:2008/01/28(月) 22:44:03 ID:zJwFtbA6
性懲りも無く百合です。苦手な方はスルーで。
設定は、厚子と奈緒の中学時代。

昼休みが終わり、午後の授業が始まったにも拘らず、厚子は教室に姿を現さなかった。
(ははあ……またか)
状況を察知した私は、手を挙げて教室に入ってきたばかりの先生に告げる。
「せんせーい、お腹が痛いので保健室に行ってきまーす」
先生の返事も待たずに教室を飛び出す。構うことは無い。どうせ私はクラスでも馬鹿で通ってる。私
がいなくったって、誰も気にしやしない。それで結構。いまの私には、授業よりも大切な事があるんだ。
迷うことなく目的地を目指す。
(きっと、彼女はそこにいる)
私には確信があった。外へ出る。木枯らしが吹き付けて寒い。体育館とグラウンドの間にある用具置き
場。使わなくなった工具やら備品やら……とにかくガラクタを貯蔵しておく場所。滅多に先生や生徒が
やって来ることもない。一目を気にせず、コソコソと何かやらかしたい者には打ってつけの不良どもの
隠れスポット。
重く錆付いた鉄の扉に手を掛けて開ける。ガラガラと耳障りな音が響く。ツンと鼻を衝く独得の臭気。饐
えたカビの臭い。染み付いた汗の臭い。時間と共に積もりに積もった埃の臭い。そして、真新しいニコチ
ンの臭い。
そこに彼女はいた。
「サボリ魔、見――っけ♪」
煙草を口に咥え、三段重ねの飛び箱にドッカと腰を下ろした我が親友、延友厚子が私を凝視し固まっていた。
「――なんだ、奈緒かよ。びっくりさせんな。いま授業中だろ、こんなとこで何してんだ?」
「それはこっちの台詞でしょ。厚子こそ何してんの?」
「私は……その……一服してんだよ」
「ふ――ん」
「寒い。入るんならさっさと扉を閉めれ」
「うん♪」
厚子の隣に腰を下ろし、ポケットからプリッツの箱を取り出しポリポリと齧る。
「ねえ、厚子も食べる?」
「いらん」
「ねえ」
「何だよ」
「煙草ってさあ、美味しいもんなの?」
「――駄菓子を嬉しそうな顔で食ってるようなお子様には、理解できんだろ」
「ああ、ひどーい! 同い年のくせにい――えいっ!」
隙を衝いて、厚子の手から煙草をもぎ取る。
「おい!」
取り返そうとする手を制して、素早く口に咥え思い切り煙を吸い込んで、そして――思い切り咽せ返った。
「ゲホッゲホッ! 何なのよこれ。喉が痛い。よくこんなの吸ってられるね、厚子」
「馬鹿! だから言ったろ。奈緒にはまだ早いんだよ。返せ!」
私の手から再び煙草を取り戻し、口に咥える厚子を見て、不意に思ったことが言葉になって出て来た。
「あっ、間接キスだ!」
今度は厚子が咽せ返った。指から煙草がポトリと落ちる。
「ゲホッゲホッ……馬鹿……突然、何を言いやが……ゲホッ! ああ、もったいねえ。まだ充分吸えたのに
……ゲホッゲホッ!」
煙がよほど深く気管に入り込んだのか、厚子の咳はなかなか治まりそうも無い。仕舞いには涙まで浮かべて、
私は申し訳なくなり背中を擦った。
151少年もファイト:2008/01/28(月) 22:45:40 ID:zJwFtbA6
「ああん、ごめん厚子。大丈夫? 悪気はなかったのよ。私って馬鹿だから考えなしに何でも
口に出しちゃうのよ。ねえ、まだ苦しい?」
まだ喉をゼエゼエ言わせながら涙を浮かべている厚子が、私にしがみ付く。そしてそのまま私の身体
に頬を埋めてきた。
「う……くっ……うう……ううっ」
「――厚子、もしかして泣いてるの? そんなに苦しいの?」
予想外の事態に気が動転する。これはもしかして、保健室に連れて行った方が良いのかも?
でも……
「……大丈夫。ごめん……でも、お願い。もう少し、このままでいさせて」
厚子は同い年だなんて思えないくらい、しっかりしている。私なんて、いつも厚子に叱られてばっかりだ。
だけど、その分、私を助けたり励ましたりしてくれたのも厚子だけだった。失恋して落ち込んだ時、バレー
の試合で私のミスで負けて泣いた時、母さんと喧嘩して家を飛び出した時。厚子がいてくれなかったら、私
はどうなっていたことか。
厚子は確かにしっかりしている。でも、やっぱりただの十代の女の子であることに変わりは無い。脆さや弱
さも併せ持っている。厚子がSOSを発信したときに、それを受け止めてあげられるのは、きっと私だけなんだ。
「うん、いいよ。厚子の気の済むまで。私なんかで良かったら、いつまででも良いよ」



つづく



152名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 01:28:13 ID:kZRdLBAF
学とミチルが付き合うようになってから、はや一ヶ月が経過しようとしていた。
当初ミチルは、部員たちに冷やかされるのでは?と心配していたのだが、
それは男女別々のバレー部員の中でも、入学当時からかなり仲のよかった二人のこと。
すんなりと納得してしまう部員の方が多く、学の冷やかしに全く動じない度胸も相まって、
ただのミチルの杞憂で終わってしまっていた。
今日も校舎を出てすぐ他の部員たちと別れ、ミチルと学は二人きりで帰路へつく。
『付き合う』ことになってから、特に用事のない時は二人きりで帰るようにしているのだが、
ミチルと学の間に流れる空気は、付き合う前も後も何も変わらないものであった。

「それでですね、その時練さんがですね…」

しかも、帰宅まで話す内容は9割方練のことなのである。
もともと学とミチルは私生活での接点(趣味や嗜好など)がバレーを除けばほとんどない。
仲がいいのは小学生の時幼馴染だったことが大きな理由で、それがなければ、
ただの優等生と不良。お互い最も親しくない部類の相手になるだろう。
最も、この付き合い自体、『練を守るため』に始めたものなのだから、この会話の選択は間違っていないのかもしれない。
部活中の練の様子、部活中に何を話したか、部活内の関係はどうか……。
学が口にする内容は、どれも練の現在を知るには必要不可欠なものであり、
『練を守る』という付き合いの主旨には決して反していないだろう。

が、しかし……。

(な〜んか『付き合ってる』って感じじゃねえよな、俺たち……)

次第に、そんな状況に不満……というほどではないにしろ、疑問を覚えてしまう自分がいることにミチルは気付き始めていた。
二人きりの時、学がする会話、時折見せる笑顔、これからの目標、そのどれもかれもが練さんが、に始まり、練さんに、で終わるのだ。
分かっていたことではある。否、知っていたことではある。
学がどれだけ練に憧れていたのか。その理由も、切っ掛けも、全部ミチルだけが知っているのだ。

だけど、それでも……。

「私も、練さんみたいに、あんな風に…」

隣でただ、練のことだけを話されるのは、面白くない。
――そう、ミチルは感じ始めていた。
153名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 01:31:36 ID:kZRdLBAF
うわ〜〜〜すみません、>>152です。
リロ忘れて割り込みになりました。

今号の展開でちょっと思いついたのでミチル×学を書きたいと思っています。
ただなんか難しいんで、ちまちまと、ですが…。
とりあえず今は>>152だけです。

いきなり割り込んでしまい申し訳ありませんでした。
厚子と奈緒続き楽しみにしています。
154名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 09:20:18 ID:6P7SyKTH
いいよ、いいよ。
こちらこそ続き期待してます。
お互い良作目指して頑張ろう
155名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 09:19:53 ID:EpdF1t2V
>>152>>153
お二人とも期待しています。
自分も燃料があったら、またミチ学書きたいです。
156少年もファイト:2008/02/01(金) 22:28:20 ID:xcF0LANk
>>151の続き

奈緒の胸に顔を埋めたまま、厚子の嗚咽は続いていた。
(私が人前で泣くなんて……)
自分で自分の有様に驚く。一体、何故こんな気持ちになってしまったのか?
己の心の内に秘めた葛藤。絶対に誰にも言うまいと決めていたはずだった。これは、私一人の問題。
誰かに縋って、答えを導き出せるものではない。それに本来、厚子は他人に頼ることを由とはしなかった。
しかし正直、
(もう、疲れた……)
答えの出ない問いに思い悩む行為が、こんなにも苦しいものだったなんて。それは確実に厚子の精
神を疲弊させていった。その苦痛から逃れるために、世間のあらゆることから目を背けてきた。あん
なに好きだったバレーの練習にも顔を出さなくなった。煙草にも手を出してみた。だが、所詮は一時し
のぎの逃避に過ぎず、より一層自分を追い詰める結果となった。
(このままでは、私は本当に駄目になってしまう。どうすれば……)
そんな時、思いがけず奈緒が目の前に現れた。彼女とちゃんと言葉を交し合うのは、どれ位振りだろう?
 奈緒の明るく屈託のない声を耳にしている内に激しく胸に込み上げてくるものがあった。不意に涙腺が緩む。
(泣くもんか)
しかし、零れ落ちてくる涙は止めようがない。自分の急変に奈緒はさぞかし驚いていることだろう。
(格好悪いな)
しかし、そんな厚子を奈緒は黙って受け入れてくれた。そのことが何より嬉しい。
(あの頃に戻りたい)
登下校も休み時間も部活でもいつも一緒。奈緒さえいれば、それで良かった。
『厚子といたら、どこでも楽しーもん』
あの言葉を、もう一度素直な気持ちで聞けたら。
こうなったら、全てを吐き出してしまいたい。答えも意見もいらない。ただ、話してしまいたい。ただ、聞い
てもらいたい。それだけでいい。

「お母ちゃんが死んだとき……ただ哀しくて、つらくて……心の中にポッカリと大きな穴が開いてしまった
みたいで、どうしようもなかった。父ちゃんから『母ちゃんは、天国で幸せに暮らしてる』って聞かされて、
それでどうにか自分を慰めてきた。それでも埋められない穴はバレーに打ち込むことで誤魔化してきた。
とにかく身体を動かして余計なことは考えないようにして……なんとか、これで乗り切っていける。そう思っ
てた。だけど、しばらく前に家へ帰ったら知らない女の人がいて、とうちゃんが『今日からこの人が、お前の
新しい母ちゃんだ』って言うんだ――ショックだった。頭の中が真っ白になった。その人は、とても良い人で、
多分出会い方がこんな形じゃなかったら、私もすぐに好きになったと思う。でも、『もし私までこの人を受け
入れてしまったら、死んだ母ちゃんはどうなる? 誰も母ちゃんのことを思い出さなくなる。母ちゃんのことを
忘れてしまう。そんなの可哀想すぎる』 そう思ったら、とてもその女の人を受け入れることが出来なくなった。
ひどいことを言ったり、ひどいことをしたり……その人は、とても傷ついていると思う。でも、どうしようもなくて
――傷つけることで母ちゃんを守ったつもりになって、逆に母ちゃんのことまで傷つけてるようで……そんな
自分に、うんざりで―― 奈緒、私どうしたら良いのかなぁ?」
(厚子が私に、自分の心の闇を曝け出してくれている)
その事実に奈緒は衝撃を受けた。例え親友同士であろうと己の弱い部分を見せることなど、普段のプライドの
高い厚子なら考えられない行為だ。逆にそれだけ厚子が追い詰められていたという証でもあるのだろうが。
目頭が熱くなった。涙もろい性格で『フランダースの犬』は何度観ても泣いてしまう。でも、今回ばかりは必死に
なって涙を堪えた。厚子は世界中の誰よりも私を選んで打ち明けてくれた。縋って頼ってくれた。私まで泣いて
しまったら、それは厚子の気持ちを裏切ってしまうことになる。
いつもなら泣き言を言うのは奈緒で、厚子はその度に『しょうがねえなぁ』という顔で奈緒の手を引いてくれる。
(今度は私が厚子の手を引いてあげる番なんだ)
だから、絶対に泣いてちゃいけない。


つづく
157少年もファイト:2008/02/10(日) 23:09:36 ID:9vB1PCaF
>>156の続き


「うちはお父さんもお母さんも元気だから、厚子の気持ちをとても全部理解してはあげられないけど。
―-厚子はさ、もっと自分に自信を持ってもいいと思う。厚子はとっても優しくて強い娘だから、何があ
ったってお母さんのことを忘れたりなんかしないよ。厚子のことを、ずっと見てきた私が言うんだから間
違いないよ。それよりもさ、厚子が落ち込んだ顔をしてることの方が、お母さんに悪いと思うんだ。厚子
が元気になってくれないと、お母さんだって安心して天国にいけなくなるじゃない。つらいこともあるけれ
ど、世の中には楽しいことがもっと一杯あるし、厚子はこうして生きてるんだからさ。もっと二人で楽しも
うよ。ねっ、厚子」
傷ついた親友を励ますという、およそ自分には不向きな大役を引き受けた今、奈緒は必死になって脳を
フル回転させ、言葉を紡ぎ出した。何とかして友達を救いたい。その一心で。
お母さんを亡くしたことの哀しさ、喪失感は理解できるつもりだ。だけど、それに囚われすぎて厚子まで死
人みたいな状態になっているのは間違っている。
(厚子……お願い。元気を出して)
だけど
「無理だよ……。私、そんなに器用じゃないし要領よくもない。お母ちゃんのことが頭から離れない。何を
やってても楽しいと思えないし……。やっぱり前みたいには戻れそうもないよ」
厚子はすっかり萎縮してしまっていた。母親という拠り所を失い、父親にも裏切られたという思いを抱えて
懸命に一人で突っ張って生き続けてきた結果、自らの殻に閉じ篭り、そこから出て来れなくなってしまって
いた。今の彼女にとって世界はとても窮屈で息苦しいものなのだろう。そこから彼女を解放することは容易
ではない。生半可な慰めや励ましの言葉の羅列では、なんの効力もない。
では、どうすれば? 実力行使しかない。それもかなり荒療治の。
ゴクリッと、唾を飲みこむ。正直、これから自分がやろうとしていることが正しいことかどうかわからない。
(でも、私が厚子にしてあげられるのはこれだけ。これは、私にしか出来ないことなんだ)
「厚子。顔をあげて」
深く息を吸い込み、決意を固めると奈緒は言った。その先に起こることも知らず、厚子は言われるままに顔
をこちらに向ける。その後頭部をそっと右手で抱えて自分の方に引き寄せる。そして一息に唇を奪った。










親友との初キッスは、しょっからい涙と臭いニコチンの味がした。

158名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 22:07:04 ID:Z1LSRyK/
>>156>>157
GJ。
あれ、何で目頭熱いんだろうな…

そういえばもうすぐバレンタインですね
159名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 22:37:37 ID:CvnjqQ2l
>>157の続き

(こ……これって……なんなの?)
一体、どうしてこういう展開を迎えているのか? 目の前一杯に奈緒の顔が迫って来たかと思えば、
唇が得も言われぬ感触に包まれた。徐々に状況を理解した。唇を奪われている。女同士でキスし
ている。私と奈緒が。
(ふ、ふざけないで!)
カッとなった。頭に血が上った。親友だから、奈緒だからこそ心の闇を吐露した。慰めや同情なんか
いらない。ただ聞いてさえもらえれば良かった。奈緒ならきっと、分かってくれる。そう思っていた。そ
れなのに……こんなことをするなんて。あんまりだ。
急いで唇を引き剥がそうとする。
『馬鹿っ!』
そう吐き捨てて、引っ叩いてやるつもりだった。
だが、奈緒がそれより早く厚子の肩を掴み、そのまま引き倒した。腰掛けていた飛び箱の下には体
操用のマットが放置されていたおかげで怪我をするようなことはなかったが、先程とは逆に、厚子の
顔から血の気が引いた。
奈緒が、冗談やおふざけのつもりで、こんな行為に及んでいるわけではないということを悟ったからだ。
「な、何を……するつもりなの?」
声が震える。闇が急速に勢いを増し、目の前にいるはずの奈緒の表情さえ判別できない。それが否
が応でも不安を掻き立てる。相手の本心が読めない。目的が分からないというのは、こんなにも怖い
ことだったのか。
「さっき言ったでしょ。『世の中には、もっと楽しいことが一杯ある』って。私がそれを今から厚子に教え
てあげるの」
淡々と、いつもと変わらぬあっけらかんとした口調で奈緒が言う。そしてそれをすぐさま、実行に移した。
厚子の右の耳朶を軽く軽く甘噛みし、次いで舌先を耳の穴に差し入れる。穴の淵をザラザラとした舌が
這う『ジョリッ』という音が、やたら大きく聞こえた。
背筋を冷たいものが駆け抜けていく。
「嫌ァッ!」
パニックになった。気が狂いそうだ。全力で奈緒を払いのけようとした。
冗談じゃない! 冗談じゃない! 冗談じゃない!
(私は……私は、こんなこと知りたくも無い! 望んでなんかないっ!)
パアァンッ!
乾いた音が闇に響く。一瞬、何が起きたのか分からなかった。激しい電流に打たれたような。頬が熱い。
叩かれたのだ、と脳が理解した。奈緒に。心がそれを受け入れようとしなかった。この期に至ってもまだ
信じられない。あの……奈緒が。
だが、


「手間を取らせないで。暴れると、余計に苦しい思いをするだけなんだから」



奈緒の抑揚のない冷たい言葉が、それが真実であると告げていた。


160名無しさん@ピンキー:2008/02/26(火) 02:59:46 ID:9mtebJTm
hosyu

161名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 00:26:40 ID:bagC+Gw0
千石*お嬢(逆アリ)
とかはないもんなのか…?
162名無しさん@ピンキー:2008/02/29(金) 16:23:22 ID:HNrdMiIC
>>161
自分的にはすごくアリだと思うよ
163--:2008/03/04(火) 21:38:43 ID:0SLn66W4
164名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 01:09:07 ID:9vAyEpwt
捕手
165名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 22:29:19 ID:hQz2hRsg
>>159の続き

厚子の全身から急速に気力が萎えていった。
唇を奪われ、押し倒され辱めを受けて、抵抗したら頬を打たれた。
長い付き合いの、誰よりも理解しあえていると思っていた親友の突然の豹変に思考は混乱し、どう対
処して良いのかさっぱり分からなかった。不安だった。恐ろしかった。
授業をサボり、煙草を吸い、不良を気取ってはいるものの、厚子はそれ以外では至って一般的な十
代の少女に過ぎなかった。鬱屈した感情をコントロールする術を知らず、自分を傷つけ周囲に当り散
らすことでしか解消できない不器用な女の子だった。
月に一度の『お客さん』が訪れるようになって以来、そこそこ性の知識はあるが、それ以上の興味は
無く寧ろ嫌悪していた。
(女であることが、鬱陶しくて仕方ない。生理の不快感、膨らんでくる胸、周囲の視線。全部、全部、
ウザッたい!)
それなのに……何をどう間違えて、こういう事態に陥っているのか?

木枯らしの吹きすさぶ中をやって来たせいか、奈緒の手はひどく冷たい。その冷たい手が今、厚子の
セーラー服の下に差し込まれ臍の上を這い進み、自分以外誰も触れたことの無い小ぶりの乳房を掴んだ。
「痛ゥ……」
奈緒の指の力が思いのほか強く、呻き声が洩れた。
「あっ、ごめんね」
奈緒は案外素直に謝ると、今度はそっと優しく包み込むような加減で揉み上げていく。だからと言って
厚子の気持ちが変化するようなことはない。
「お願い。もう、やめて」
一縷の望みをかけて懇願するが、もちろん受け入れられはしなかった。それどころか乳房への愛撫は徐
々に激しさを増していく。
「はぁああ……」
背筋を電流が走りぬける。脳に靄がかかっていく。血が沸き立ち皮膚の表面を小さな虫の大群が這い回っ
ているかのような疼痛感。
(なにこれ……私、まさか――感じてるの?)
認めたくない。だけど身体の芯から絶え間なく生じる熱は、厚子の理性を着実に溶かしていっていた。
脚を擦り合わせ、何かを縋りつこうとするように手は宙を彷徨う。その手を奈緒が掴んだ。
「ねえ、厚子も私に触ってよ」
そう言うと、厚子の手を自身の服の下に滑り込ませ導いていく。振り払いたかったが、先程の頬を叩かれた
痛みがフラッシュバックのように蘇り抗う気力が失せた。あの衝撃はかなり深く厚子の心に根付いてしまっていた。
外気は氷のように冷たいのに、奈緒の身体も汗ばむほどに熱かった。他人の素肌に触れたことなど、ほとん
ど無い。そして意外に豊満な奈緒の乳房に指がかかった。その大きさ、熱さ、柔らかさに息を呑む。
「――ねえ、もっと、もっと気持ちよくしてあげるからさあ……厚子も私を気持ちよくしてよぉ」
淫猥な毒気を含んだ奈緒の吐息が、厚子の耳朶を擽った。
166名無しさん@ピンキー:2008/03/09(日) 11:24:16 ID:Cx3mnlSK
思ったけど鏡子って胸何カップぐらいだろ?
2巻のカラーを見て気になった
167名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 14:18:20 ID:R6iOcEzY
ほす
168名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 15:09:05 ID:YfnfFRNS
だれか何か投下してくれ
169少年もファイト:2008/03/13(木) 18:24:47 ID:yvKcnsBi
取りあえず、燃料投下。出来は保証しない。


「あの……式島クン」
登校途中の俺を、学が呼び止めた。
「んっ、よお学。おはようさん」
「あっ、おはようございます――あの、それで……これ……」
と、言って差し出したのは綺麗な包装紙に赤いリボンのかかった小さな箱。そこから漂う甘い香りが
鼻腔を擽る。
それで、ようやく今日が何の日か思い出した。
「ああ――ありがとう。気ィ遣わせちまって、悪ィな」
「いいえ。私達、一応付き合ってることになってますから」
「あ、ああ――そうだよな」
「それじゃ、私、朝練がありますから。お先に失礼します。じゃ、じゃぁ、また後ほど」
と言って駆けて行く学。
「お、おおい!」
一人取り残される俺。
それが先月の今日。ヴァレンタイン・デーの話。


「おい、学」
登校途中の学を俺が呼び止める。
「あっ、式島クン。おはようございます」
「お、おはよう。それでだなぁ――これ」
と、言って差し出したのは綺麗な包装紙に白いリボンのかかった小さな箱。そこから漂う甘い香りが
鼻腔を擽る。
「?」
「――先月のお返しだよ」
「あっ、す、すいません。わざわざ、ありがとうございます」
「そ、それとだなぁ」
「はい?」
「俺たちは『一応』付き合ってるんじゃねえ。『ちゃんと』付き合ってるんだからな。ここ、結構重要なポイ
ントだからよ」
俺のこっ恥ずかしい宣言に、キョトンとした表情をしていた学の顔。が、すぐに頬を桜色に染めて晴れや
かな笑顔で
「はい――はい、そうですね。私達『ちゃんと』付き合ってるんですよね」
その笑顔に、俺は思わず見とれて――更に追い討ちをかけるように
「二人ともおはよう。何してるの、こんなところで?」
「げっ、練! 何でもねえ、本当になんでもない! じゃ、俺、朝練あるからお先に!」
「あの、式島クン――」
見られたくない光景を、一番見られたくない相手に見られた気まずさに、俺は後ろを振り返ることなく駆け
続けた。
これが、今日。ホワイト・デーの話。


エピローグ

「ミチル、どうしちゃったの。あれ、何か良いことあった?」
「どうしてです?」
「何だか瞳がキラキラしてるから」
「――はい、とっても」




170名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 00:05:13 ID:f7NQUnbH
hosyu

171名無しさん@ピンキー:2008/03/22(土) 12:20:13 ID:A9MC9P5F
保守
172名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 02:37:58 ID:QPu8/W6+
最新号の内容がミチ学全開すぎて悶えまくった。ちくしょうにやにやがとまらねえ
173名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 23:38:26 ID:TVKXEJ9t
誰か何か書いておくれ
174名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 22:27:02 ID:4/qMC1Wo
>>137
何でもいいなら昨日見た夢の話でも

夢で鎌倉と由良木が一緒の布団で寝てました
性的なのじゃなくて添い寝っぽい(服着てたし
でもちゃっかり手を握ってらっしゃいました

うん、それだけ。
ツッコミどころはミチ学期間中なのに鎌倉と由良木だったってところ
175名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 12:49:13 ID:EI4GsU8J
saade
176名無しさん@ピンキー:2008/04/19(土) 04:30:56 ID:vr2px6hF
保守
177名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 16:06:12 ID:Sls2Q+OS
下がりすぎage
178名無しさん@ピンキー:2008/04/24(木) 19:02:48 ID:4DF33RAX
4巻合間合間の鉛筆書きシゲルがムッツリすぎてワロタ。
179名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:57:29 ID:Gn4tmN0h
まさか、ここまで過疎るとは
180名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:17:17 ID:4awcj3fa
今更にハマって来てみれば過疎っているこの事実。
ミチル学で何か投下したいけど、絵じゃなぁorz
181名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 02:33:57 ID:hpk5DIOv
>>180
期待してます
182名無しさん@ピンキー:2008/06/16(月) 01:50:47 ID:lQ4VZ5EX
>>180
活性化のためにも是非がんばってくれ!!
183名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 06:34:50 ID:4EpNmT5d
>>120とかの神作品の頃はまだ元気だったのに、あれからまだ60しかレスを消費していないのか…
職人カムバック
184名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 01:23:15 ID:QoloIDAJ
百合っぽいのなら書けるんだけどな
185名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 17:28:30 ID:TQTyxoGz
かいてかいて
186名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 01:38:15 ID:BNwXa+tV
前に『スレちがい』って言われたから、止めといた方がいい
187名無しさん@ピンキー:2008/06/24(火) 15:52:16 ID:5gLzy1RC
age
188名無しさん@ピンキー:2008/06/27(金) 22:05:54 ID:iQbvDJcT
少女ファイトだけ?
日本橋ヨヲコの他作品もスレ違いなんかな
189名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 15:45:00 ID:z+BKTAig
いや、前に百合もの投下したら、『百合スレの方が良くね?』
って言われたことあるので
190名無しさん@ピンキー:2008/07/15(火) 03:47:21 ID:txkFbIpd
保守
191名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 01:55:48 ID:LY5FFXYC
初書き込みです。ルールとか、もし間違っていたらご容赦を。

今月号の最後のシーンから。
隆子を並んで見送る、ミチルと学。
「隆子、行っちまったな・・・」
「えと、わたし、何かまずいことでも言ったでしょうか」
「いや、そうじゃなくて、あんな、
 他人をコントロールできない隆子、見たことなくて。
 でも、あれでよかったんだよ」
「式島くんにはまだ想いがあるのでしょうね・・・。
 なんだか気の毒な感じもします。」
「あのさ」
「はい」
「さっき、『唯さんがいやでしょうから、しません』って言ってたよな」
「は、はい・・・」
「いないんだけど」
「そうですね」
「いい、のか・・・?」
ミチル、向き直る。一歩踏み出す。学、答えられない。
「目、閉じてみ」
「は、はい」
抱き寄せられて、ふとあごを持ち上げられ、くちびるに軽い、くちづけ。
「オレ、もう、フリじゃなくて、ずっとお前と・・・」
「えっ、あの、練さんのこと、とか」
「学は、イヤか?」
「いやだなんてとんでもないです・・・。
 あの、わたしなんかで、いいんですか」
「学がいいんだ、オレは」
「はい・・・」
192名無しさん@ピンキー:2008/07/28(月) 17:29:51 ID:+mV1rDXo
夏休みの作文か
193名無しさん@ピンキー:2008/08/30(土) 11:09:00 ID:HNJ1dN+3
保守
194名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 21:12:57 ID:OqxJ0a3s
ほっしゅ
195名無しさん@ピンキー:2008/11/14(金) 22:19:40 ID:dcekIvop
耳年増な母親に無理やり着させられたメイド服でおどおどしながら
母親仕込みの誘惑台詞を棒読みで放つ学と
そのあまりのいじらしさに思わず押し倒してしまうミチルという夢を見た捕手
196名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 16:16:34 ID:E8EUOZuy
↑いいね
197名無しさん@ピンキー:2008/12/16(火) 00:04:34 ID:Rkv3UZcP
>>180の絵を今でも待っている。
198名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 19:23:03 ID:7ArdQ9LI
最新号のイブニング読んで、じりじり近づいてってるミチルと学の距離に
本気で悶えてのた打ち回った俺が来ましたよ。
なんだあいつら甘酸っぱいにも程がある。
199名無しさん@ピンキー
このあいだ、北江古田公園を散歩しながら色々妄想してしまったw
あそこは木が多いから青カンいけるな。