らんま1/2のすばらしき小説希望 その7

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96掛け合い漫才・男と女 1/4
まあ乙。
ご好評につき、もう一つ書いてみた。


ある日、ある夜。お好み焼き屋『うっちゃん』にて。
二人は人気のなくなった店内で、カウンター越しにだべっている。

良牙は、カウンター席で腕組みをしている。
「……う〜〜む……」
「なんやの、良牙。さっきからなに悩んでんねん、うっとうしい」
「いや、お前に関わる謎がある」

「謎? 何やねん、いきなり」
「俺は知っての通り、硬派だ。女性と付き合った事は、ほとんどなかった」
「硬派? ヘタレの根性なしと同義語やな」
「やかましい。あかねさんとは真正面からよく話せないし、あかりちゃんともそうだ。
 どーも敬語を使ったり古風になったり、余所余所しい。今時の若者らしくならん」
「うんうん、そうやな。それで?」

「そんな俺が、どーして一応女であるお前とは、かくも対等に話せているんだ?」
97掛け合い漫才・男と女 2/4:2007/11/10(土) 22:22:24 ID:e8HFh9Cr
右京が豚玉を焼きながら、仏頂面をする。
「……アホらし。聞いて損したわ」
「いや、すまん。つい気になって、な……」

「せやなあ、うちは乱ちゃんと親父さんに小さい頃捨てられてから、
 女である事を捨てて、お好み焼きの鬼となっとった。中学校も男子校や」
「そうだったのか……苦労しているな、お前も」
「せやから、いまいちうちが女やと意識してへんのかも知れんなあ。乱ちゃんも、あんたも。
 ……こーんなええ女捕まえて、どないな根性してんねん。アホくさ」

良牙はとりあえず、肯く。
「なるほど、辻褄は合うかもな」
「それと、乱ちゃんが男やーちゅう事は、あんたもよう分かっとるやろ?」
「当然だ」
「その乱ちゃんが、水被ったらかわいー巨乳の女の子になって、半裸でうろちょろしとる。
 それ見ても、あんたは別に欲情せえへんやろ? してもええけど」

良牙が少し考え、肯く。程よく焼けた豚玉を食べながら。

「そりゃ、まあな。あんななりでも、乱馬は乱馬だ。気色悪いだけだ」
「で、そんななりした乱ちゃんを、あんたはぶん殴れる。うちはぶん殴れん。
 硬派のあんたは、普通女の子には、手ぇあげられへんやろうが」
「ふむふむ。中身というか人格というか、その違いという事か」
「せやな。もし乱ちゃんの人格まで女の子になっててみい、あんた殴るか?」
「……気色の悪い想像をさせるな。まあ、殴れんな」
98掛け合い漫才・男と女 3/4:2007/11/10(土) 22:25:13 ID:e8HFh9Cr
「ああ、丁度ええサンプルがおったわ。小夏、ちょっと来いやー」
「はっ、右京さま。ここにおります」
「うん、ちょいそこにおってんか。……この『くのいちの小夏』は、どっちや?」
「どっちって……」
「体は男でも、見かけと心は女。どや、こいつ殴れるか?」
「……うっっ……いや、ちょっとな……」

びっと右京が、良牙を指差す。
「ほら、そこや。あんたは『女』とゆー人格、性質に対して、引いとるんや。
 女々しいのは殴れへん、男らしいのは殴れる。そーゆーこっちゃろ」
「う〜〜〜む、余計分からなくなった」

「ちょっとややこしくしてもうたな。まあつばさのアホといい、なんでうちの周囲にはロクな人間が集まらへんのやろ」
「それは、俺もか? 誰だ、つばさって」
「あんたは甲斐性なしのロクでなし。つばさは女装趣味の変態や。女好きやけどな」
「そんな変態と俺を同列に扱うな。乱馬の同類だろうが、そいつはっ」

右京は少し考え、小夏に手を振る。
「小夏、明日の仕込みに戻っとり。……うーんと、ああそうや、うちとあんたが初めて会った時。
 男子校の制服着とったうちに、あんたは遠慮なく攻撃して来たやないの」
「……そうだったかな。というか、襲ってきたのはお前からじゃなかったか?」

「あんたがうちと乱ちゃんの縁談に、ごちゃごちゃ文句つけとったからやろ。乱ちゃんの助太刀や。
 あんた、結構近付いても、うちが女やと分からんかったやないか。それなりに傷ついたで」
「す、すまん。化粧っ気もないし、立ち居振る舞いが男らしかったのでな……」
99掛け合い漫才・男と女 4/4:2007/11/10(土) 22:27:15 ID:e8HFh9Cr
右京が笑う。
「わー、うち、すっぴんやったんかぁ。サラシの下のうちの胸見たら、あんた鼻血噴いて気絶して」
「乱馬がやった事だろうが! それに、その後で乱馬に不意打ちを喰らったからだ!」
「あの後、あんたと再会して、あかねちゃんとあんたをくっつけるお膳立てをしてあげたんやなあ」
「それも、この店でな。懐かしいな……」
「まだ作戦継続中やで。あかりちゃんに浮気せんと、あかねちゃんを奪う根性見せたりぃや」
二人は口論を続ける。

「……ええええい、何の話だったか忘れただろうがっ。方向音痴は三次元空間だけで充分だっ」
「あんたの周囲、異次元空間に包まれとるのんとちゃうか? 話もどこ行くか分からんやなんて」
「とにかく、なんでお前と対等に話せるのか、一つの結論が出た」
「おおー、おめっとさん。言うてみ言うてみ」

「お前、男だったんだな」
「何でそういう結論に行き着くねん、ドアホ――――――っ!!(べいん)」

おあとがよろしいようで。

(蜜柑)

ええーい、エロはどこだっ。通常のらんまパロディSS投下スレ、ご存知ないでっしゃろか。
たまにエロパロも書きますんで……。