円盤皇女ワるきゅーレのエロ小説 第7期

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336真田でございます:2008/01/27(日) 23:24:07 ID:De3JA+ul
今日はここまでに。
続きはなるべく早くさせていただきます故、何卒。

明日からまた一週間、社会人の方はお仕事に、学生の方は勉学に励まれますよう。
それではおやすみなさいませ。
337名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 16:52:43 ID:azZ6Ot+7
芸が細かいな・・
日付と50番目と第一作とをかけてくるとは
続き期待してます
338名無しさん@ピンキー:2008/01/29(火) 16:54:49 ID:azZ6Ot+7
>>324
いないみたい
職人諸氏もわからないみたいだよ
339名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 01:43:47 ID:ZZQsH9HT
これ読んでると、自分も一緒になって盗撮してるみたいで、くすぐったい気持ちになるな。
続きwktk
340真田でございます:2008/02/03(日) 04:37:30 ID:mp3oKBnh
途中ながら感想いただきまして、ありがとうございます。
それと、続きが遅くなって申し訳ございません。
では、続きをさせていただきます。
341名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:39:29 ID:mp3oKBnh
和人が布団をめくるとワルキューレが手を伸ばして和人に抱きついた。
2人の間に言葉は無く、一瞬見つめあうと唇を合わせる。
「まぁ……!」
ライネが思わず声を挙げた。
決してスムーズに事が始まったわけではないが、2人は実に器用に互いの寝巻きを脱がせている。
和人の寝巻きは和装なので、帯を解けば簡単に脱がせられるがワルキューレはパジャマ。
ソデを抜く時もさりげなく和人が脱がせやすいように協力している様子が伺える。
しかも目を閉じてキスをしたまま。
「……」×3
3人の皇女は複雑な様子で画面を見続ける。
潔癖症でこういう事に一番疎そうなワルキューレがまるで娼婦のように和人(男)にしなだれかかり、流れるような動作で相手の服を脱がせ、相手が自分の服を脱がせるのを手助けしてるのだから。
いくら婚約者同士とはいえ、自分達の知っているワルキューレがどこか遠い所へ行ってしまったような感覚。
自分達を置いて、一人で「女」に「大人の世界」の住人になってしまった気がした。

しかし、ライネは切り替えが早く
「真田さん、ちょっと……」
手招きして真田さんを呼んだ。
「はあ? 如何なさいました、ライネ様」
「ちょっと協力してくださいましな」
そう言って横になると、真田さんを四つんばいにして、自分の上にこさせた。
今日は私服を着ているライネ。
「真田さん、ちょっとあたくしの服を脱がせてくださいましな」
とあらかじめボタンを外した。
「はぁ……?」
言われた通りにすると、ライネも先程のワルキューレを思い出して、少しだけ肩を上げて袖を抜くのを手助けした。
「何してるのです?」
イナルバが怪訝そうに聞いた。
「いいえぇ、あたくしも「その時が」いつ来てもよろしいようにちょっと練習おば……」
しかしそれを聞いたイナルバは
「何バカな事言ってるのです。 初めての時は、相手の殿方にお任せすればよろしいのです。 ワルキューレも前はそうでした!」
342名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:40:31 ID:mp3oKBnh
イナルバもメームも真田さんも自分が和人と秘めやかな関係にある事は知らない。
ライネにしてみれば、今度の内緒のデートの時に活用しようと思ったのだが、当然口うるさい堅物の姉は自分が既に乙女でな無いことなど露ほども思ってはいまい。
「はいはい。 解りましたわよ」
まあしかし、大凡の要領はつかめたので再び画面に注目したのだった。
画面の中では2人は既に一糸纏わぬ姿になっていたのだが、布団が邪魔で肝心な部分が見えない。
3人の皇女と、皇室侍女長は画面の左側から覗き込むように居間のTVを食い入るように凝視するが、当然ながら布団の向こう側が見える訳ではなかった。

だが、月明かりに照らされて見える、張りがあり大きく盛り上がってる白い胸では無く、布団に潜り込むようにして下半身へと狙いを定めた和人の動きが、居間の空気を一気に熱を帯びさせたのだった。
ピクッ!
画面のワルキューレの身体が反応すると同時に、視聴者である4人の身体も反応してしまった。
(「はぁぁ…… あふぅっ…… か、和人様ぁ……」)
甘えるような、それでいて粘りつくようなワルキューレの声。
メームは再び扇子で口元を隠し、結構純情なイナルバは顔が赤くなってしまう。
既に和人と経験済みのライネではあったが、ゴクリと唾を飲んで、慌ててお茶を飲んだ。

(「あっ! だ、ダメ! 和人様、そこは…… だからダメですってばぁ」)
先程と変わってワルキューレも少し驚いたような声がした。
少し身体をのけ反らせ、手を布団の中に入れて、恐らく和人の顔を引き離そうとしてるのだろう。
二の腕あたりに力が入ってるのがハッキリ確認できた。
しかし、ワルキューレのお腹あたりにかかってる布団のせいで和人が何をしてるのか、ワルキューレの言う「そこ」はどこで「何がダメ」なのかは解らない。
「もう! 「そこ」と言うのはどこなのです? 何が「ダメ」なの?」
イライラした様子でイナルバが画面に問いかけるが、画面の中のワルキューレは悩ましげな嬌声を挙げるだけで返事は返ってこなかった。

「! コ、コホン」
3人の視線を感じてイナルバが咳払いをして、お茶を一口飲んだ。
「だ、だって、貴方達も気になるでしょう?」
顔を真っ赤にして当り散らす。
「まあ、確かに気にはなりますけどぉ」
確証は無いが、ライネには何となく解った。
和人のクセというか、性器とその周辺部への愛撫。
胸では無く、いきなり下半身に向かったのは少々驚いたが、自分の時もそういう事はあり、自分も姉と同じような反応をする部分があるので、和人はおそらく「そこ」を攻めたのだろう。
しかし、今はそんな事より、堅物のイナルバもやはりそういう事に興味がある事の方が、ある意味人間らしくてホッとして少しからかうように言ったのだった。
343名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:42:19 ID:mp3oKBnh
既に映像を見た事がある真田さんは今後の展開を知ってるので、黙ってはいたが、
「わっ! お姉様方ご覧になって。 ホラ!」
ライネが画面を指差す。
ワルキューレが激しく身を捩ったので、布団がベッドから落ちたのだった。
「……っ!」×3
(ワルキューレ、よくぞ!)×2
(お姉様ナイス!)
しなやかな身体を弓なりに反らせて、その手は和人の頭を離そうとしてるのか、はたまたもっと愛撫をしてくれるようにせがむように押さえつけてるのか。
微妙な具合で和人の頭に添えられ、白い指から和人の髪が出ているのだった。

(「や…… いやぁ…… 和人ぉ、そんな所ばっかりぃ。 あっ! ああ〜っ……」)
和人の頭を掴んでる手にさらに力入ったのが画面越しにも解る。
しかし、やはりイナルバは
「もう! あの子ったらハッキリしないわねぇ。 「そこ」じゃ解らないでしょう!」
イラだった様子で煎餅をかじった。
さらにメームも
「ホント、昔からワルキューレは物事をハッキリ言わなかったわねぇ」
2人の年長皇女の言葉を
(さすがにそれは、今回には当てはまらないのでは?)
と思いながら聞いていた真田さん。

何も言わないライネを見て
(意外とライネ様は冷静でいらっしゃいますわねぇ)
とか思ったりしたのだが
「そうですわねぇ。 お姉様には説明責任をハッキリと果たしていただきたいですわ。 和人様を参考人として招致いたしましょうか?」
ニュース番組でも見て覚えた言葉なのだろうが、この場面で使える言葉ではなかった。
しかし、さすがにライネの言葉には
「何、バカな事言ってるのです! そんな事出来るわけ無いでしょう!」
イナルバが睨む。
「そうですよ、婿殿は喋らないでしょうし」
メームが扇子をパチンと鳴らしながら言うが
「違うわよ。 そんな事したらこの事が婿殿にバレてしまうでしょう。 当然ワルキューレにも」
口から泡を飛ばしてイナルバが2人を叱ったのだった。
344名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:43:39 ID:mp3oKBnh
(「やぁぁ…… いやぁん。 和人ぉ、もうイヤぁ。 お願い、もう許してぇ…… イジワルしないで……」)
ワルキューレの切なげな声で3人の注目は画面に戻った。
(「じゃあ、行くね……」)
顔を上げた和人が囁くと、ワルキューレは涙を溜めた目で和人を見て、小さく頷いた。
和人が半身を起こすと、いきり立った陰茎がシルエットではあるが露になった。
「……まぁっ!」×2
メームは扇子で口元を押さえ、イナルバは両手で顔を覆う。
当然、イナルバは指の間からしっかり画面を凝視してたのだが……
「んまぁ、影になってあまり解りませんけど、和人様ったらごリッパでございますわねぇ」
やはり頬を染めながらではあるが、青い瞳を爛々と輝かせ
ほうっ!
とした、ため息と共に呟いた。

画面の中では和人が身体をズリ上げ、ワルキューレをキスをした。
「いくら相手が和人様とはいえ、アソコを舐めた口に口付け出来るもんなんでしょうかねぇ?」
ライネも自分と内緒のデートの時にはそれをする事があるが、こうして客観的に見るとふと思ってしまい、それが口に出てしまった。
「しっ! 黙って!」
イナルバが制する。
(「んっ…… んんんぁっ……!」)
和人の陰茎がワルキューレの膣に入ったのだろう。
顔と身体を少し仰け反らせて喘ぐワルキューレに、画面を見ている4人も言葉が出なかった。
「ごくっ……」
誰と無く唾を飲み込む音が居間に響いた。

3人の皇女は画面にクギづけで気づかなかったが、既に先を知っている真田さんは顔を真っ赤にして俯いている。
(「あっ……」)
問題の場面にさしかかったのだろう。
真田さんの耳とシッポがピクンとハネた。
(「ああぁ…… 入って、来てるぅ…… 和人がぁ私の奥まで…… 硬くて…… 熱ぅいぃ……」)
「イ、イナルバお姉様。 和人様は熱くて硬いそうですわ!」
興奮を隠さずにライネが画面から目をそらす事無く言う。
「ええっ! わ、私にも聞こえました!」
イナルバも少々目を充血させながら答えた。
「ワルキューレの奥まで入ったみたいですね」
メームも彼女にしては珍しく頬を染めながら言ったのだった。
「熱くて硬いのが奥まで…… ゴクリっ」×3
345名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:44:54 ID:mp3oKBnh
しかし、画面の中は急に慌しくなる。
和人がワルキューレの胸を下から持ち上げるようにして、うっすらと桜色に霞む乳輪とふるふると震える乳首を口に含み、腰の律動のペースを上げた。
(「ダメ…… それ、ダメぇ。 !!! ひゃうぅ」)
さらに和人のもう片方の手が画面では確認し辛い2人の結合部に伸びる。
(「そ、それはぁ、ホ、ホントにダメぇぇっ。 いやぁ、許して! お願い! それは許してぇ、和人ぉっ!」)
「!」
メームとイナルバは画面にクギ付けだったが、ライネはハッとした。
この前和人とのデートの時、いつもの海辺のホテルで和人が自分にした事と同じだったから……
厳密には、ライネが手引きして和人にさせたのだが、それを姉にしてるのだ。

2人こそが婚約者同士で、自分との関係は許されざる関係。
それは理解してるだけに姉に対する嫉妬は、全く無いとはいえないが、それ程なかった。
それよりも画面の中の姉の姿が自分とダブってしまい、あの時は自分もあんなふうに乱れていたのだと思うと、身体が熱くなり、私服のスカートの下に穿いているショーツには熱い蜜のシミが出来てしまったのだった。
(あっ! 濡れてきちゃいましたわ……)
2人の姉と真田さんに気づかれぬよう、ショーツの中に手を潜り込ませると、股間は熱くぽってりと充血し、ワレメからは粘り気のある汁が漏れている。
(もう、ヌルヌル……)
和人との情事を思い出して、オナニーしてしまいたかったが、さすがにそれは無理。
何とかそれを堪えると、ショーツから手を引き抜いた。

(「ダメぇ……ダメだったらぁ。 いやっ! いやぁぁっ! いっ………… ぁ……」)
「あっ! イっちゃいましたわ」
ひときわ大きな声で喘いだ後、操り人形の糸がプッツリと切れたように声が止み、荒い呼吸を繰り返し、一定の間隔で身体を痙攣させてるワルキューレを見てライネが呟いた。
「……」
それ程暑くない居間だが、イナルバの顔に一筋の汗が流れ、ハンカチで拭った。
「それにしても…… 婿殿のが、ワルキューレに入って、その、あまりにも直ぐに達してしまいましたね。 あの子」
イナルバ同様、少し顔を火照らせながらメームが言った。

(でも、あの責め方をされたら仕方ございませんわよ。 あたくしだって……)
姉の言葉を聞いて、そう考えたライネだったが、イナルバはメームの言葉に同調した。
「そうですね。 こういう行為は夫婦の営みですから、どちかが一方的にというのは、問題かもしれませんね」
「でもぉ、かと言ってワルキューレお姉様に申し上げるワケには参りませんでしょう? まして和人様には尚更……」
ライネにしては正論を言うと
「そんなのは当たり前です。 真田さん!」
「は、はいっ!」
まさか自分に飛び火するとは思ってなかった真田さんが慌てて返事を返した。
「真田さん。 貴方からそれとなくワルキューレに言って聞かせてあげてちょうだい。 貴方にはこういう事もお願いしてあるハズですよ!」
「い、いや…… あの…… しかし……」
「何か? お願いしますよ!」
「は、はぁ……」
しぶしぶ返事すると画面ではメームとイナルバの心配が形となって現れていた。
346名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:46:16 ID:mp3oKBnh
(「和人様ひどい! 私だけ…… その……… 和人様も一緒に、その…… それなのにぃっ!」)
ワルキューレが目に涙を溜めて抗議してるのが薄暗い画面でも解る。
(「ごめんね。 でも、ワルキューレの…… あの…… 膣内(なか)が気持ちよくて……」)
困ったように頭を掻きながらなだめる。
(「うそ! だって、その私のアソコが気持ち良かったら、和人様は…… そのお出しになられるじゃない!」)
ワルキューレの抗議に3人の姉妹はウンウンと頷いたが
(「だ、だから、何度も…… その、したいけどそれは出来ないからボクだって必死に我慢したんだよぅ」)
何か雲行きが怪しくなってきた。
「ああそうですか! さようでございますか!!!」
和人の言葉を聞いてライネが呆れたように言い放った。
それに続いて
「ホントに。 前もそうだったけど、何だかバカバカしいわね」
イナルバも、煎餅を取って勢い良くかじった。

さらにワルキューレと和人の愛(?)の会話が……
(「もう、いつもそんなことおっしゃって! 私が、その…… おもらししちゃうまでとか、気を失うまで激しくなされるのじゃない!」)
(「どれだけ恥ずかしいか、どれだけ和人様に対して申し訳なく思ってるか! 和人様を満足して差し上げられないダメな女だって悩む事だっていっぱいあるのにぃ!」)
「あら、何か本格的に夫婦喧嘩みたいになって来ましたわねぇ」
不貞腐れてたライネが興味深そうに画面を見ると、イナルバも煎餅をお茶で流し込んで、画面に見入った。
(「だ、だって仕方ないじゃないかぁ!」)
珍しく和人が反論すると、メームまで身を乗り出して見だした。
(「さっきも言ったけど、ワルキューレの…… その…… アソコが気持ちいいけど、男は一度にそう何回も出来ないし。 時間があればその大丈夫だけど、普段学校がある日とかは……」)
(「だから、少しでも我慢して、なるべくワルキューレの…… ワルキューレを感じていたいんだ」)

(「で、でも……」)
(「ボクはワルキューレが好きだから、ボクだけでなく、ワルキューレにも気持ちよくなってもらいたいし」)
(……バカ」)
(「え?」)
(「和人様のばか! 私のことなんか気になさらなくてもいいのに。 私は和人様が満足なさってくださる事が一番嬉しいのに……」)
(「ばかばかばかぁ…… 和人様なんて! 和人様なんてぇっ! …………すき」)
ガタンッ
3人の皇女がちゃぶ台に突っ伏すようにずっこけた。
347名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:47:46 ID:mp3oKBnh
(「和人様ななんてぇ、大好きなんだからぁっ!」)
(「ぼ、ボクもワルキューレの事大好きだよ」)
(「ホント? 私の事愛してる?」)
(うん、この世で一番愛してるよ」)

「ケッ!」×3

和人の言葉と同時に、3人は吐き捨てるように言ったが追い討ちをかけるように
(「でも、やっぱりお布団かベッドがいいナ。 お外はちょっと…… 見られるかもしれないし寒いし」)
(「ごめんね。 もうしないから」)
和人が頭を掻きながら謝ると
(「で、でも。 その…… 和人様がしたいとおっしゃるなら…… その、たまにだったら…… いやぁん!」)
恥ずかしさから和人に抱きついてしまった。

「あ〜あ、本当にバカバカしいですわぁっ!」
ライネがゴロンと床に寝転がりながら叫んだ。
間もなくして記録されてるデ〜タが終わり、画面は砂嵐になった。
「ふぅ……」×2
メームとイナルバが同時にため息をついた。
「どうしたものかしら……」
呟くようにメームがいい
「本当に、どうしたものかしらねぇ」
イナルバも忌々しそうに言うのだった。
348名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 04:48:42 ID:mp3oKBnh
そこへ
「ただいま」
「ただいま、戻りましたぁ」
和人とワルキューレが帰ってきた。
真田さんが慌ててTVからケーブルを外し、パソコンをシャットダウンする。
居間のふすまが開けられ2人が入ってきた。
「あら? 皆どうしたの?」
当然ながら何も知らないワルキューレ。
「あのですねぇ、ワルキューレお姉様! もがが……」
体を起こしてワルキューレに話しかけた所をメームとイナルバが止めた。
「な、何でもないのよ。 ささ、貴方達も上着を脱いでらっしゃい。 ワルキューレ! 婿殿の着替えを手伝って差し上げないと……」
メームがいつになく慌てて言うが、ワルキューレは素直に
「はい、ではそうさせていただきます」
和人と2人、部屋に戻った。

2人が戻って来て、楽しそうに今日の事を語りだした。
真田さんにとってはいつもの事だったので、それ程でもなかった、3人の姉妹は
(ああそうかい! そりゃ、よかったわね!!!)
口にこそ出さなかったが、複雑な表情を浮かべ聞き入るだけだった。
「貴方達は本当に仲がよろしいのですね。 非常に結構な事です。 婿殿、ワルキューレの事、これからもお願いしますね。 そしてワルキューレ。 貴方もしっかりと婿殿に尽くすのですよ」
映像を見たばっかりで、これ以上ノロケ話を聞くのはウンザリだったので、打ち切るメームであった。


「侍女長は見た 〜姉妹も見た〜」・・・・・・おしまい。
349真田でございます:2008/02/03(日) 04:55:28 ID:mp3oKBnh
お気づきの方もおられるかも知れませんが、こちらにお邪魔した時の第1作目のリメイクでございます。
ただ、1作目は書き方はムチャクチャで読みづらかったはずでございますが、こちらの皆様の暖かい声を頂きまして今日がございます。
あの時よりも書く時間が制約されて、あの頃のようなペ〜スでは書く事は出来ませんが、これからもよろしくお願いします。

さて、来週は2月10日。
何を隠そう、わたくし真田の誕生日でございます。
もし、どなたも行かれない場合は、この真田の誕生日話をさせていただきます。
よろしければおつきあいくださいませ。
それでは、皆様いい休日を。
350名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 16:34:52 ID:45rhcUBj
GJ!
1本目はこういう話だったのか
保管庫に入ってるなら読んでみたいが機能してないんだよね?
351名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 01:23:59 ID:G6TMwELr
めちゃワロタw
「和人様なんてぇっ!…………すき」
のくだりとかww
GJ
次も楽しみにしてます

機能してないんだよなぁ…
352名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 09:46:17 ID:Grl7d1xN
GJ
ワルキューレのツンデレっぷりにワロタwww

年長コンビも興味本意で見てるとしか思えねぇww
353真田でございます:2008/02/10(日) 22:47:32 ID:+D88Fg/g
感想いただきましてありがとうございました。
さて、今日からはわたくしの誕生日のお話でございますが、これはTVシリ〜ズ、OVAとは別の話でございます。
題しまして
「ピュア・ラブ 〜お誕生日おめでとう真田さん’08〜」
始めさせていただきます。
354名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:48:43 ID:+D88Fg/g
鉛色の雲が空を覆い、そこから白い便りが降り注いでいる。
昨夜から降る雪は止む気配は無く、窓から見る風景は真っ白の銀世界で、歩いてる人達もいかにも寒そうな様子で慌しく歩いてる。
「去年の…… 地球に来た日も雪でしたわねぇ……」
思い出すようにしみじみ言う真田さん。
「そうね、時乃湯まで寒いでしょ? いいの? 本当に送らなくても?」
支度を終えて、部屋から出てきたワルキューレが声をかけた。
「はい…… あの人が迎えに来てくれてますから……」
少し恥ずかしそうに俯き加減に言うと
「はいはい。 こんなお天気なのにお熱い事。 和人様をお待たせするわけにはいきませんから、そろそろ行きましょうか?」
からかうように言うと、エレベーターのボタンを押した。


51st 「ピュア・ラブ 〜お誕生日おめでとう真田さん’08〜」


「真田さん、今まで本当にありがとう。 真田さんには感謝してもし切れないくらいだわ」
エレベーターの中で今までの労をねぎらう。
「いえ、そんな…… わたくしこそ、ここまで取り上げていただいた恩義も全く返せないまま、この様な事に…… しかも姫様を差し置いて……」
最後は少し申し訳無さそうに言った。
「ううん、そんな事はいいのよ。 でも、私を差し置いて結婚するんだから幸せにならないとダメよ」
「は、はい……」
涙を堪えきれず、声が震えた。
「もう! 折角の幸せへの門出なんだから、泣いちゃダメよ。 和人様にそんな顔をお見せするの?」
今まで仕えた主君に諭され、涙を拭った。

エレベーターが1階に着き、ドアが開くとネコミミ侍女が左右に並んでいた。
その間をワルキューレについで歩く。
「真田侍女長、おめでと〜!」
「おめでとうございます」
今日まで彼女の部下だった侍女達が祝いの声をかける。
声がする方にニッコリ微笑んで会釈をしていると、侍女達の列の先に和人が待っていた。
和人の前で立ち止まるワルキューレ。
「ワルキューレ様」
和人が会釈をしてから挨拶をすると
「ワルキューレで結構ですわ、和人様。 それより、外はお寒かったでしょう? よろしければお送りさせていただきますけど」
外は雪が降りしきり、数センチ程積もっている。
寒さに弱い真田さん、いかにも防寒対策をガッチリしている和人を気遣うが、
「いえ、お気遣いありがとうございます。 でも、ボク達2人で……」
やはり真田さんと同じ返事をしたのだった。
355名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:49:49 ID:+D88Fg/g
「そうですか。 和人様、真田さんをよろしくお願いしますね。 生憎私はヴァルハラ星に帰らねばならぬ身。 お2人の結婚式には出られませんが、宇宙の果てより、お2人の末永い幸せを願っております」
地球式に頭を下げて挨拶すると、真田さんも和人の横に立ち、2人で深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。 きっと幸せになります」
ほぼ同時に3人が顔を上げると
「では、外は寒いですし、雪も積もっておりますので、くれぐれもお気をつけて。 真田さん、早く赤ちゃんの顔見せてくださいね」
「はい…… 姫様ぁ……」
また涙が止まらなくなった。
「ホラ、ダメでしょ。 真田さんはこれから幸せになろうとしてるんだから、涙は似合わないわよ」
ハンカチで真田さんの涙を拭くと、和人の見て1つ頷いた。
和人も頷き、真田さんの肩を抱いて、ホテルのロビーを出た。
・・・・・・

事の起こりは昨年の正月明け。
リカといつものように夕食を食べている時だった。
「この度、地球とヴァルハラ星の間に友好条約が締結されました。 地球、ヴァルハラ星に双方の領事館、大使館が置かれ、今月下旬には特別親善大使としてヴァルハラ星の第5皇女、ワルキューレ殿下が地球に1年程滞在される模様です」
TVで見たニュース。
映像はワルキューレが手を振っている様子が映し出されていた。
「うわぁ〜! ワルキューレ皇女ってすんごい美人! ねえ、お兄ちゃん見て見て。 やっぱりホンモノのお姫様って違うね。 あんな美人ってマンガとかアニメの中にしか存在しないと思ってた……」
ため息混じりに言うリカ。
和人も画面を見た。
「うん、ホントだ。 キレイな人だね」
しかし、兄の言葉はそれ程興味が無さそうな感じで
(お兄ちゃん、女の人に興味ないのかな? 秋菜ちゃんともフツ〜の幼馴染の接し方してるし)
(ま、まさか! お兄ちゃん男の人が好きって事は…… まあ、それは無いだろうけど……)

数日後、雪が降り積もり羽衣町が一面の銀世界になった日、金色に輝く大きな湯たんぽのような機体に大きな羽根が眩しいワルキューレの円盤・アルヴァクが数隻の護衛を従えて宇宙港に到着した。
タラップに姿を現すと同時に一斉にカメラのフラッシュがたかれ、にこやかに笑顔を振りまきながら手を振る姿は女神と形容するに相応しかった。
地球に降り立ったものの、領事館は既に完成し、領事は赴任していたが大使館はまだ出来ておらず、またワルキューレは皇女という立場上、政府がホテルを手配して、その最上階に滞在する事となった。
「おいしい! この地球(ほし)のお料理は美味しいですね」
地球の各国、特に日本の政治家との会談を終え、食事を採っているワルキューレがホッと一息つくように言った。
「さようでございますねぇ、ここはお肉もお魚も…… そうそう、特にお魚はもう!」
今にも涎を垂らしそうになって真田さんが誉めた。
それを見て笑みを称えるワルキューレ。
2人は主君と侍女と言う関係ではあるが、ワルキューレが幼少の頃から真田さんが従事してる事もあって姉妹のように仲が良かった。
356名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:50:55 ID:+D88Fg/g
だから、ワルキューレは他の侍女にも言えない事や相談事も彼女にだけは話せた。
「地球の方々は良くしてくださるし、お食事も美味しいんだけど……」
皇女のワルキューレにしては珍しく行儀悪くフォークをクルクル回しながら呟いた。
「何か不備でもございますでしょうか?」
真田さんが声をかけると
「まあ、ホテルだから仕方ないと思うんだけど、お風呂が……」
「はあ、お風呂でございますか。 まあ、確かに……」
ヴァルハラ皇家にとって入浴は神聖な儀式でもあり、8人の皇女も儀式云々は関係なくお風呂が好きだった。
その話はそれまでとなったが、心に留めておき、ワルキューレは食事を終えたので、他の侍女に片付けの指示を出すと、真田さんもワルキューレの部屋まで従った。

「真田さん、今日はもう結構です。 お風呂は私1人で入れますし、その後ちょっと早いけど休ませていただきます。 ですから……」
それだけ言うと
「さようでございますか。 かしこまりました、では姫様、何かございましたらお呼び下さいませ」
一礼して部屋を辞した。
侍女にも部屋は与えられてるが、皇室侍女長という立場の真田さんはそのまま部屋に戻るわけにはいかない。
ワルキューレの部屋のドアの前で待機していた侍女を伴って侍女達の控え室に使われているフロアのロビーに向かった。
「それでね、結構いいんだから。 いや、かなりイイ線行ってるよ」
「そうねぇ、あれならヴァルハラ皇宮のお風呂と変わらない、いやそれ以上かも」
「ちょ、ちょっと!」
1人の侍女が真田さんの姿を見て、相手に注意する。

ヴァルハラ皇室に仕える侍女でありながら、皇宮の風呂より良いと言うのは問題発言である。
当然侍女長の真田さんに叱られる場面ではあるが、先程のワルキューレの話を思い出し
「あの、貴方達。 そんなに良いお風呂が近辺にあるのですか?」
真田さんもまだ若いが、彼女よりさらに若い侍女に尋ねた。
「えっ? あ、はい…… ここから…… あ、ちょっとこちらに」
窓際に呼ぶ。
真田さんが行くと侍女が指をさし
「あの商店街の離れにお風呂屋さんがあるんです。 時乃湯さんっていうんですけどぉ、あそこのお風呂は素晴らしいですよ」
「そうそう、私達今から行こうと思ってたんです。 侍女長もご一緒されませんか?」
もう1人の侍女が誘った。
(姫様もお休みになられるようですし……)
「ちょっと、この中で待機中の者はおりますか?」
真田さんが声をかけると、数人の侍女が寄ってきた。
357名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:52:15 ID:+D88Fg/g
「私は今から少し出かけますので、姫様のお部屋の前と、ここで全体の指示をする者を…… 貴方と貴方にお任せします。 よろしいですね」
真田さんが指名すると、引き締まった様子で返事をした。
部屋に戻って用意をし、ロビーに行くと先程の若い侍女達とさらに加わった2人の侍女、4人が待っていた。
「お待たせ。 それじゃ参りましょうか」
エレベーターに乗って1階に着く。
1階のロビーのウインドウから外を見ると、歩いてる人達はコートの襟を立てて、いかにも寒そうな感じだ。
自動ドアが開き外に出る。
「ひゃぁぁあ! ちょ、ちょっと寒いわねぇ」
ネコミミ族は寒さに弱い。
他の侍女達も身を縮こまらせて震えている。

「は、早くお風呂屋さんで暖まりましょう」
真田さんが声をかけるが、他の侍女達は寒さのあまり返事が出来ず、ただ頷くだけだった。
それでも、商店街に入ると、両側が建物な為、風には晒されなくなり多少はマシになった。
しかし寒いのは同じで、一同は先を急ぐ。
「あっ! 侍女長。 あそこです」
1人が指差した方には、高い煙突が見える。
目的地が見えて、一同はさらに早足に目的地を目指した。
しばらくすると、少しひなびた建物があり、お客さんが出てきた。
「ここですか」
「時乃湯」と書かれた暖簾をを見て呟き中に入った。
履物をロッカーに入れてガラスの戸を開けると
「いらっしゃ〜い」
少し気の抜けたような、やる気の無さそうな声が番台からした。

真田さんが見上げるとナルト柄のハンテンを来た少女が客である自分達すら見ず単語帳を見ている。
「あの、大人5人を……」
お金を置くと少女はやっと自分達を見た。
「あらぁ、ネコミミのお姉さん達。 また来てくれたんだぁ。 いつもありがと」
やっぱり少し気の抜けたような声で
言ったのだった。
「お世話になります」
真田さんが頭を下げると
「あれ、そちらの人って初めてだよね? 新しいお客さん連れてきてくれたんだぁ。 ありがと〜、ゆっくりしてってね」
お釣りを渡すと、また単語帳に集中した。
358名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:53:39 ID:+D88Fg/g
服を脱ぎながら、何かを喋っているネコミミ族の女性達。
番台での会話は非常に流暢な日本語だったが、今はリカには解らない言葉で話している。
今日初めて来た女性が立場が上の人物なのだろう。
一同の中心にいる。
(うわぁ…… キレイな肌してるなぁ…… うわっ! それにしても…… 胸大きい! 他の人達もスタイルいいけど、あの人凄いなぁモデルみたい)
真田さんが視線を感じたのかリカの方を向いてニコリと笑った。
別に悪い事をしているわけではないが、リカは慌てて視線をそらせた。
その後、盗み見るように真田さんに魅入った。
服を脱ぐ仕草からして上品で、清楚な感じがするが、その身体から滲み出ている過剰なまでの色気が、同じ女性のリカからみても妖艶な感じだった。
衣類をロッカーにしまうと一同は浴室に入っていった。

「ふぅ……」
思わずため息が出た。
(そう言えば、この前来た時にあのメイドさんヴァルハラ皇家の侍女だって言ってたなぁ。 あのニュースでやってたお姫様の侍女って事だよね?)
(あのお姫様の趣味なのかな? 皆可愛いよねぇ。 でも、あの人は可愛いというより美人か…… やっぱりお姫様に仕えるんだから選び抜かれた人達なんだろうなぁ。 頭いいのかな? 受験とかどうしたんだろ? 仲良くなったら勉強のコツとか何か教えてくれるかなぁ)
とりとめもなく、そんな事を考えた。

浴室では、様々な宇宙人に混じって5人のネコミミ族が一角に陣取ってまずは体を流していた。
桶でお湯を溜めて流すと浴槽に浸かろうとする。
まず、真田さんが片足をゆっくりと入れ、やがて、全身をお湯の中に浸けた。
「ああぁ〜っ……」
うっとりとした声をあげる真田さん。
「どうです、侍女長?」
返って来る返事は解ってはいたが、一番年少の侍女が真田さんに尋ねた。
「ええ。 これは本当にいいお湯ですこと。 とてもやわらかくて暖かい……」
「ですよね〜 こんな辺境の星でこんなにいいお風呂に入れるなんてぇ」
「やっぱりお風呂は大切だよね〜」
侍女達がそれぞれ喋りだしたので、真田さんは1人黙って、感触を味わうようにじっくりとお湯に身を委ねた。
・・・・・・
359名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:54:52 ID:+D88Fg/g
侍女達が出てきた。
リカはまた真田さんを見てしまう。
ほんのりと桜色に染まった肌がこれまたリカから見ても色っぽい。
バスタオルで体を拭き、下着を着けメイド服を着る様子もしなやかだったが、メイド服を着終わると全員の表情が一瞬引き締まった。
自分達は、やんごとなき御方に仕えてるのだという、プライドの表れだろうか?
だが、真田さんを先頭に出入り口に向かってくる様子は年頃の女性の表情になっていた。
「あの、こちらのご主人様であらせられますか?」
またもや流暢な日本語で尋ねてくる。
「えっ? あたし? ううん違うよ。 ココの責任者はあたしのお兄ちゃんだけど、何かあったの?」
少し心配になって聞いた。

「いえ、とても良い…… 結構なお湯でございました。 是非ともご主人に、ご挨拶申し上げたく存じまして……」
真田さんの言葉を聞いて安心したリカ。
「ちょっと、待ってて。 そこのボイラー室にいるから」
番台から出ると、和人を呼びに行った。
しばらくして、リカが和人を連れて戻ってきた。
「あの〜、ボクが時乃湯の責任者、時野和人です」
挨拶をすると、
「わたくしは、ヴァルハラ皇室より、皇室侍女長及びワルキューレ皇女殿下付きの任を賜っております真田と申します。 以後お見知りおきの程」
真田さんが深々と頭を下げた。
それにつられ和人も頭を下げた。

顔を上げた両者。
「!」
何か心に感じるものがあったのか、2人は一瞬向き合ったまま互いを見つめるだけだった。
それでも
「あ、あの…… とても良いお湯でございました。 わたくし様々な所でお風呂をいただきましたがこちら程素晴らしいお風呂にはめぐり合えませんでした。 またお風呂をいただきに参りますので、どうかよろしくお願いいたします」
それだけ言うともう一礼して、そそくさと出て行った。
和人が返事をする間もなく帰って行った侍女達。
「……」
「どうしたんだろうね?」
和人がリカに尋ねると
「さあ、なんか慌てて出て行ったね。 やっぱり皇室侍女ともなると時間の制約があるのかな?」
リカはさほど興味なさそうに答えたのだった。
360名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 22:55:50 ID:+D88Fg/g
一方侍女達も
「侍女長〜、どうなさったんですかぁ? 慌てて」
質問されたが、真田さんにも解らなかった。
「ま、まあよろしいじゃありませんか。 わたくし達は姫様の侍女なのですから、一刻も早く姫様の許に参じないといけないのですよ」
最後の方は少しヒステリックになってしまった。
なぜそうなったのか?
やはり、当の真田さんにも解らなかった。
「それにしても…… 本当にいいお湯でした」
ホテルに着くまで、何度も呟き、侍女達も同じような事を言ったのだった。

「ねぇ、侍女長?」
「何ですか?」
「あのご主人って、ちょっと良いと思いません?」
少しクセ毛のある侍女が言った。
「なんですか、はしたない!」
たしなめるように言うが
「だってぇ、あのご主人優しそうだし、あんなステキなお湯を沸かしてくれるんですよぉ」
「それに、ちょっとカワイイし」
別の侍女が話しに乗ってくる。
「貴方達、はしたないですよ」
今度は少し重いトーンでたしなめる真田さんだった。

しかし、言われてみると確かにその通りだ。
彼が優しい人間である事はあの全てを包み込むような、あのお風呂と同じく優しく柔らかな暖かい笑顔が物語っている。
男性ながらちょっと線の細い、頼りなさげの地球人の事が頭から離れない真田さんだった。
361真田でございます:2008/02/10(日) 22:57:53 ID:+D88Fg/g
今宵はここまでに。
しかし、容量の関係上、少し駆け足な内容になるやもしれません。
なるべく早く、なるべくまとめて披露させていただきますので、どうかお付き合いくださいませ。
それでは、皆様よい休日を。
お休みなさいませ。
362名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 14:16:57 ID:cATj1qwS
                          ,. -――- 、
                      /し, /    _>.
                     / { \レ/,二^ニ′,ハ
                     |'>`ー',' ヽ._,ノ ヽ|
                     |^ー'⌒l^へ〜っ_と',!
      __             ! u'  |      /
  /´ ̄       `!             ヽ  |   u'  , イ
  |  `にこ匸'_ノ            |\_!__.. -'/ /|
  ノ u  {                 _.. -―| :{   ,/ /   \
. / l   | __  / ̄ ̄`>'´   ノ'    ´ {、    \
/ |/     {'´    `ヽ. " ̄\ U `ヽ.    __,,.. -‐丶 u  ヽ
| / ヾ、..  }      u' 〉、    }    `ー''´  /´ ̄ `ヽ '" ̄\
! :}  )「` ノ、     ノ l\"´_,,ニ=-― <´  ヽ{  ノ(   `、  |
l   、_,/j `ー一''"   },  ノ ,  '''''""  \   ヽ ⌒ヾ      v  |
ヽ   _         /   } {. { l ┌n‐く  ヽ/ ``\        ノ
  `¨´    `¨¨¨¨´ ̄`{ 0  `'^┴'ー┘|ヾ    }、 u'   `  --‐r'′
【緊急】押し貸し詐欺にご注意ください

毎年2月中旬になると
チョコレートなどの物品を渡し、一ヶ月後に3倍などの法外な利息を請求する
いわゆる「押し貸し」による被害が多発します。
今年度もこのような詐欺が横行することが予想されますので、
くれぐれもご注意ください。

また、万が一これらの詐欺にあってしまったら、
消費者生活センターや警視庁に相談しましょう。

【消費生活センター】全国の消費生活センター
363真田でございます:2008/02/17(日) 22:44:53 ID:k17nk9JL
更新がおくれて、申し訳ございません。
それとバレンタインのお話を考えてらした職人様がおられましたら、これまた申し訳ございません。

遅くなりましたが、続きをさせていただきます。
364名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:46:40 ID:k17nk9JL
次の日、ワルキューレが公務をこなし、その間も影のように付き添っていた真田さんが主君の部屋を辞したのは10時半を過ぎていた。
(ああ…… お風呂どうしましょう? また、あのお風呂屋さんはやってるのでしょうか?)
時間が無いだけに素早く決断すると、他の侍女に指示を出して、自室に戻って用意を済ませると外に出た。
「はっ、はっ、はっ……」
寒い中外に出たからにはどうしても、お風呂に入りたい。
身も心も暖まる、あのお風呂に……
早足が小走りになり、やがて本格的に走り出した。
昨日通った道を行き、暫くすると煙突が見えてくる。
曲がり角を曲がり、時乃湯の敷地に入ると、数名のお客さんで出てきた。

その脇を抜け、急いで暖簾をくぐり、下駄箱に履物をしまうと戸をあけた。
「はぁ、はぁ、はぁ…… んはぁ…… あ、あの、大人1人……」
息が整わず、それだけ告げると
「あらぁ、昨日の…… え〜っと…… 真田さんだっけ? いらっしゃ〜い。 真田さんが最後のお客さんかな?」
リカが昨日同様、少しやる気に無さそうな声で言うと、お金を受け取ってお釣りを差し出した。
「はい、さようでございます。 真田でございます。 はぁ…… はぁ……」
まだ苦しそうだ。
それでも何とか顔を上げて脱衣所を見ると、閉まってるロッカ〜は2つだけで、後は全て開けられている。
しかも、その2つのロッカ〜を使ってる女性達であろう、2人がちょうど、出てきた所だった。
「よ、よろしいのですか?」
リカに尋ねると、
「まあ、真田さんがそれだけ頑張ってまできてくれたんだからお兄ちゃんもダメとは言わないだろうし。 気にしないでゆっくりしてってよ」

リカが真田さんに言った時、ボイラ〜室から出てきた和人が男湯の方を一通り見渡し
「こっちは、OKだよ。 そろそろ閉めようか?」
番台に向かって言った。
「うん。 お兄ちゃん、昨日の人…… 真田さんが来てくれたけど、いいよね? あとは今出てきた2人だけだから……」
「え?」
一瞬番台越しに女湯の方を覗き込もうとしたが、慌てて止める。
「あ、あの…… 本当によろしいのでしょうか? 差し障りございましたら出直して参りますが……」
今度は真田さんが番台越しに覗き込む。
2人の目が会う。
申し訳無さそうに尋ねる真田さんの顔は不安そうだった。
だいぶ呼吸が整ってきたが、メイド服の上からでもハッキリ解る、大きな胸はせわしく上下している。
365名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:47:40 ID:k17nk9JL
「!」
自分でも解らなかったが、和人は慌てて視線をそらせた。
「う、うん。 どうぞ、真田さん。 ゆっくりしていって…… リ、リカ、ボクは暖簾を仕舞ってくるから」
その場から逃げ出すように外に出て行った。
「あ、あの…… 和人様、ご機嫌がよろしくないのでしょうか?」
心配そうにいうが、リカは
「それはないよ。 お客さんを嫌がる事なんてないもん。 あっそれよりさぁ、あたしも一緒に入っていいかな? 家のお風呂よりこっちの方が好きなんだ」
真田さんの返事を待つまでもなく、手提げ金庫をもって、番台から出た。

リカの言葉を信用して、真田さんがメイド服を脱ぎだす。
しばらくしてバスタオルや着替えをもって、リカが戻ってきた。
(うっ!)
まじかで見る真田さんの肌はキメが細やかで、リカよりずっと白い。それでいて漆黒の黒髪と、それに合わせたようなネコミミとシッポ。
そして、昨日も圧倒された胸の膨らみ……
ブラジャーを外すと、ぶるんと弾み、息苦しさから開放されたように
「あっ……」
と真田さんがため息交じりの声を出した。
(で、でかっ! でも大きいだけじゃなくてキレイな胸だなぁ…… それにさぁ、大きいのに乳輪とかあまりおっきくないし…… 500円玉くらいかな? でも全体があれだけ大きいんだから、大きく感じないんだよねぇ)
(それに、色が白いからかな? 薄いピンク色…… あ、あたしと変わんないじゃない! 何かハラ立つなぁ! でも乳首はあたしよりちょっと大きい。 まあ、やっぱりあれだけ大きいんだから、あれ位ないとかえって不自然だよねぇ)
(あ〜、だんだん本格的にハラ立って来たぁ! 同じ女なのにどうしてこんなに差がつくんだろ?)

そんな考えを巡らせていたら
「それでは……」
とだけ言って浴室に入っていった。
リカも続く。
真田さんは桶でお湯をすくって体を流していた。 リカも隣の場所で同じように体を流すと先に湯船に浸かった。
「ああ〜。 暖まるぅ〜!」
思わず声が出るリカ。
それを聞いた真田さんも
「それではわたくしも……」
湯船に入ろうとした。
366名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:48:42 ID:k17nk9JL
湯船の縁を跨いだので、真田さんの秘部が少し開いたのがリカにも見えた。
楚々として生え揃ってる陰毛は髪やシッポと同じ漆黒で、手入れでもしてるのか? と思えるくらいに形が整っている。
一瞬見えた性器の内部もピンクで、陰唇のビラビラもそんなにハミ出してない。
無論メガネを外してるのでハッキリ見えたわけではないが、以前興味本位で手鏡を使って自分の性器を見て愕然とした事を思い出し、あの時は
(うわぁっ! 見るんじゃなかった…… どうして、世の男どもはこんなの見たがるんだろ?)
クラスの男子がえっちな本を見て盛り上がってるのを見ては
(ホント、男ってバカばっか……)
とか思ったのだった。
ハッキリとは見えなかったが、真田さんのそこはピンクに色づき、ハミ出しも殆どない。
(やっぱり、キレイな人はアソコも含めて全部キレイなのかなぁ? だとしたら不公平だよねぇ……)

「あっ、そうそう。 まだあたしの名前言ってなかったよね? あたしは時野リカ。 お兄ちゃんの妹なんだ」
「お兄ちゃんの妹」とは、少しヘンな気もしたが、真田さんは気にせず。
「さようでございますか。 改めてよろしくお願いいたします」
丁寧に言った。
「ところでさぁ、真田さんってヴァルハラ星の皇室侍女長って言ってたよね?」
「はい、さようにございます」
「だいたい、そういう立場になるのは、経験をつんだベテランがなるんじゃないの? 真田さん、もの凄く若く見えるんだけど、実は40歳とか行ってるの?」
悪気は無いのだが、リカの言葉に真田さんも一瞬言葉を失った。
「え〜っと…… いえ、わたくしはこちらの年齢に換算しますと今年で22歳でございます」
「ええ〜っ!」
真田さんの答えにリカがかなり驚いたのか、広い浴室中に響く声をだした。

「22歳って、日本で言えば大学卒業したてか、高校卒業して4年しか経ってないって事じゃない? 何かコネとかあったの? あっゴメン……」
言葉が過ぎたのを詫びたが、真田さんはまたもや気にせず
「いえ、わたくしめは天涯孤独の身でございました。 施設で育って、ネコミミメイド星人ですので、メイド育成施設に入って…… そこからたまたま姫様付きの侍女になって。 あっ一応テストがございましたが、たまたま通ってこうなってしまいました」
「……」
施設で育って、育成施設で訓練したら「たまたま」姫様付きの侍女になって、選抜試験に「たまたま」通ってその若さで侍女長になんてあるのだろうか?
喋り方からして控え目な性格なのは解る。
「たまたま」ではないのだろう。
例え「たまたま」であっても、それは彼女の努力か才能の賜物なのであろう。
「真田さん、頭良いんだ……」
少しため息混じりに言うと
「いえいえ、あくまでたまたまでございます」
367名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:49:32 ID:k17nk9JL
謙遜する真田さんだが、それは彼女の本心にも思えた。
「あのさ。 あたし受験生なんだよね。 だからさぁ、何か勉強のコツとかあったら教えて欲しかったんだけどなぁ」
少し残念そうに言うと
「さようでございますか、では昨年配属された侍女がおります故、その者にでも聞いておきます。 何かご参考になられるような話がございましたら、またお風呂をいただきに参りますのでその時にでも……」
言い終わると、暖まったのか真田さんが湯船の外に出た。
リカも後に続いて出て、真田の横に座った。
タオルに石鹸をつけて洗い出す。
大きく盛り上がった胸、引き締まったお腹とウエスト。
そこから急カーブを描いて再び盛り上がってるお尻。
艶かしい曲線で構成された体をタオルで泡まみれにしていく。

「リカ様、お背中流しましょうか?」
一通り洗うとサっと流して尋ねてきた。
「え? いいよ。 真田さんお客さんなんだし、悪いよ」
首を振って遠慮するが
「まあまあ、よろしいじゃありませんか」
リカからタオルを受け取ると小さい背中を流し始めた。
ガラガラガラ……
その時、男湯の方で戸が開く音がした。
暖簾をしまい、脱衣所とかの片づけが済んだのだろう。
浴室を磨こうとして和人が入ってきたようだった。

それを聞いたリカ。
「お兄ちゃ〜ん、あたし今お風呂入ってるから、向こう(家)で沸かさなくていいからねぇ」
男湯の方に向かって叫んだ。
「え? あ、そうなんだ。 ところであのお客さんも一緒なの? だったらダメじゃないかぁ」
和人が注意するのも当然で、お客と一緒というのは礼を欠くのではかいか?
そう考えたからだった。
しかし、真田さんは
「いいえ、結構でございます。 ワタクシもムリに押しかけてお湯を頂いてございますし」
それ程大きな声ではなかったが、男湯の和人にも聞こえたであろう。
「だってさ」
リカが和人に向かって言う。
「すみません。 でもゆっくりしてって下さいね」
とだけ言うと、ブラシで床をこする音が聞こえてきた。
368名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:51:13 ID:k17nk9JL
真田さんもリカの背中を流すのを再開する。
「リカ様、ここは本当にいいお風呂でございますわね」
ゆっくりと、強過ぎず背中を洗いながら言うが
「そう? あたしには解らないなぁ。 まあ、あたしがずっとお兄ちゃんのお風呂に入ってるせいかもしれないけど」
リカには理解できないようだった。
それでも
「そんなものかもしれないですわね。 当たり前になってしまうと有り難味が解らない場合もございましょうし」
「でも、こちらには地球の方々はもとより、宇宙人のお客さんも多いようでございます。 皆様にはそれがわかってらっしゃるのではないかと、わたくしは思うのですよ」
桶にお湯を溜めて、リカに背中にかける。
「そうかなぁ。 あっ、今度はあたしが真田さんの背中流したげる」
リカがタオルを受け取ると、真田さんと前後の場所を変わろうとするが
「いえ、とんでもない」
侍女の真田さんが他人に背中を流してもらう事などなかったので、つい言ってしまったが
「いいよ、だってお客さんの真田さんに背中流してもらったんだもん。 あたしもこれくらいは。 それに……」
「それに?」
「あたしは…… ううん、あたしとお兄ちゃんは2人で暮らしてるし、お父さんもお母さんも普段は家にいないから、誰かの背中を流すとか流されるとかしないのよ。 まさかこの歳になってお兄ちゃんと一緒にお風呂入るわけにはいかないし」

リカの言葉に真田さんは驚いた。
リカは受験生だと言っていたが和人もまだ学生に見える。
その2人だけで、この銭湯を切り盛りしてるなんて。
まだ知り合ったばかりだが、2人はとても明るく振舞っている。
事実、2人だけの生活に慣れてるのかもしれないが、やっぱり淋しい事もあるだろう。
そう考えると
「さようでございますか。 ではよろしくお願い申し上げます」
リカの座っていた椅子に腰掛けた。
「しっかし、ホントに肌キレイだよね」
真田さんの背中というか、肌を見た率直な感想だったが
「いえいえ、わたくしなんか……」
どこまで本気で思ってるのかは解らないが、持てる者の余裕とでも言うのか、イヤミになるギリギリの謙遜に思えた。
タオルで擦りだすと、脇からハミ出ている白い膨らみも小さく揺れいる。
「しかし、すんごくおっきい……」
つい口走ってしまった。

「は? 何がでございますか?」
これもまた持てる者の余裕なのだろうか?
真田さんにとって、胸が大きいのは当たり前の事で、いちいち気にする事なんてないのだろうか?
「何って、胸よ胸。 ヨコからハミ出てるし」
少しため息混じりに言うと
「リカ様は胸の事でお悩みですか?」
真面目に尋ねてきた。
根が真面目なのだろう、からかうようではなく、年頃の少女の悩みに真剣に耳を傾ける姉か、母親か、保健の先生のようだった。
「いや、そんなには気にしないけど、やっぱり女だしねぇ。 少しは…… ねぇ真田さんっていつから大きくなったの? つ〜か重くない?」
矢継ぎ早に質問するが、帰ってきた答えはリカにとって慰めにもならなかった。
「はあ?…… まあ、重いには重いですけど慣れてしまえば。 走ったりすると少々つろうございますが、それと、大きくなりだしたのは…… 何時からでございましょう? 何分気がつけば大きかったと申しましょうか、周囲の者より大きかった記憶はございますが……」
悪気は無いのだろうが、リカは
「ああ、そうかい!」
背中を強くタオルでこすったのだった。
369名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:52:11 ID:k17nk9JL
その時、リカの目に真田さんのシッポが入った。
漆黒のシッポ。
ちゃんと腰から生えている。
泡まみれの手で握ってみる。
「ひゃぁっ! リ、リカ様!」
かなり敏感な器官なのだろう。
体を大きく弾ませて反応した。
「わっ! 結構敏感なんだぁ」
面白そうに言うと、さらに手を上下させゆっくりと扱き出した。
「あっ…… にゃぁぁ…… あにゃぁぁん」
妙に色っぽい声が広い浴室中に響き渡った。

「リ、リカ! 真田さんに失礼だよ」
男湯の方から、かなり焦った感じの和人の声がして、リカは慌ててシッポから手を離し、真田さんは口を押さえた。
そうだった。
男湯では和人が掃除してたのだ。
という事はさっきの胸の話も全て聞かれていた事になる。
真田さんは急に恥ずかしくなって、顔を真っ赤にしてしまった。
2人は互いの顔を見てクスっと笑って首をすくめると、石鹸を流して湯船に浸かった。

上がって服を着終わると、リカが飲み物のストッカーからフルーツ牛乳を2本持ってきた。
「どうぞ」
真田さんに差し出す。
「ありがとうございます」
受け取って、財布を取り出そうとしたが
「いいよ、飲んで。 お兄ちゃんいいよね?」
リカが勧めてくれたが、申し訳ないとも思えた。
しかし、2人が服を着たのを確認した和人が番台の前にある仕切りの扉を開けて脱衣所に入ってきて、
「どうぞ、飲んでください。 でも他のお客さんには内緒ですよ」
風呂の中での会話があったからか、和人が少し顔を赤くしながら言った。
それを見ると真田さんも恥ずかしさが出てきて
「は、はい。 それでは有難く頂戴いたします」
とだけ言って、俯き加減になってフルーツ牛乳を飲んだ。
飲み終わって、ビンを返そうとしたら、また和人と目があってしまった。
2人はまた、顔を赤くして俯く。
370名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:53:12 ID:k17nk9JL
ささっと素早くビンをケースに入れると、ロッカーから荷物を出して。
「あ、ありがとうございました。 とってもいいお湯でございました。 またいただきに参ります」
と深々と頭を下げて帰っていった。
「真田さんって可愛い感じがするね」
珍しく女性に対して「女性」を意識した和人を試すように言ってみる。
「う〜ん、そうだね」
これまた珍しく和人が肯定した。
「まあ、あたしやお兄ちゃんより年上で、可愛いというより美人なんだけど、でもなんか可愛いよね。 純情そうだし」
「……」
これには和人は応えなかった。
顔を赤くして掃除を続けた。

次の日も真田さんは、かなり遅めにやってきて、お風呂に入っていった。
和人と顔をあわせると、少し照れたように頬を染め俯いてしまったが、入浴後はお風呂談義に花を咲かせた。
そして、リカには真田さんの部下にあたる年少の侍女から聞いてきた受験のコツらしきものを伝える。
「ここじゃ何だから、ちょっと寄っていきなよ」
リカが真田さんの手を引いて母屋に連れて行こうとした。
「い、いえそんな…… ご迷惑をおかけするわけには」
チラっと和人を見て言う。
しかし和人は
「そうですね。 真田さんさえよければ」
暖かい微笑で返してきたのだった。
ドキッ!
この和人の笑顔を見ると、何かシッポのあたりがムズムズしてビリビリした感じになる。
「は、はい…… それでは……」
遠慮気味に、それでいて、少し弾むような足取りで母屋に向かった。

居間に通されて、お茶を出される。
「……」
「……」
和人と向かい合わせに座った真田さん。
しかし、2人は俯いて喋ろうとしない。
「ちょっと、お見合いじゃないんだからさぁ」
シビレを切らしてリカが言うと、2人はさらに意識したのか、さらに顔を赤くして俯いた。
それでもしばらくすると、昨夜とおなじようにお風呂の話で盛り上がる。
時間は過ぎていった。
ピピピピ……
真田さんのポケットから音がした。
慌ててポケットに手を入れて通信機を取り出すと
「ええ、それでよろしいですよ。 そこの判断は現場を任されてる貴方の判断で結構です…… ええ、解りました。 直ぐに戻ります」
部下が彼女に判断を仰いだのだろう。
通信を切ると
「申し訳ございません。 わたくし戻らねばなりませんので、これにて失礼いたします」
頭を下げてから、帰る準備をした。
371名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:54:13 ID:k17nk9JL
時計を見たら1時を回っていた。
「こちらこそ、すみませんでした。 お忙しいのにお止めして」
和人も頭を下げて謝ると
「いえいえ。 とんでもございません。 とても良いお湯で、とても楽しい時間をありがとうございました」
改めて頭を下げてから帰っていった。
「皇室侍女長ってやっぱり忙しいんだろうなぁ」
リカがしみじみ言うと
「そうだね。 引き止めちゃったみたいで、何か悪い事したかな?」
いつでも自分より他人を思いやる和人だが、ことさら彼女の事を思ったのだった。

次の日は少し余裕のある時間に部下の侍女を連れてやってきた。
「いいですか、貴方達。 他のお客様やこちらの方にご迷惑にならないよう。 よろしいですね」
いかにも侍女長らしく指示をする。
「は〜い侍女長〜」
解っているのかいないのか、返事をすると、衣服を脱ぎだした。
真田さんが番台のリカに微笑みながらお金を出す。
「今日もお風呂をいただきに参りました。 これ、5人分でございます」
受け取ったリカが
「あのさぁ、毎日来てくれるから、回数券にしたらどうかなぁ。 1枚オマケがついてるし」
回数券の実物を見せて説明すると
「あら、そのようなものがございましたか。 では、ひとついただきます」
リカに言われた不足分を出して、今日の5枚をちぎって、真田さんに渡された。

回数券をサイフにしまうとロッカーにカバンを入れて服を脱ぎだした。
(そうだ!)
昨日、和人と言ってた事を思い出して真田さんに言う

「真田さ〜ん、昨日はゴメンね。 忙しいだろうに、なんか引き止めたみたいで」
両手を合わせて、謝るポ〜ズをして言った。
「いいえぇ。 ワタクシも楽しい時間を過ごせましたので、お気になされず。 和人様にもそうお伝えくださいませ」
それだけ言うと、他の侍女と共に浴室に入っていった。
40分位経っただろうか。
お客さんの数もまばらになり、そろそろ閉めようかという頃になって真田さん達が出てくる。
他の侍女達よりも一足早く服を着終わると
「あの…… 和人様はご多忙なのでしょうか?」
風呂上りからなのか、少し顔を上気させて尋ねる。
「え? お兄ちゃん? 多分、ボイラーを落としてる頃だと思うけど。 なんかマズかった?」
心配になって聞き返す。
しかし
「いえ、とてもいいお湯でございました。 一言ご挨拶申し上げようと…… あの……」
少し歯切れが悪い。
「?」
と思いながら和人を呼んでくる。
372名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:55:08 ID:k17nk9JL
ボイラー室から出てきた和人が男湯側の番台の前に来ると
「真田さん、まだ侍女の人達服着てるみたいだから、そこ通ってこっちに来て」
番台の前の仕切りを指差す。
真田さんが仕切りの扉を開けて男湯の脱衣所に入ると和人が待っていた。
「あっ……!」×2
目が合うと、2人は俯いて黙ってしまった。
「あの……」×2
またもや2人が同時に声をかけ、2人は少し気恥ずかしくなって、また俯いた。
しかし、次は真田さんから声をかけて2人は、実に楽しそうに談笑し始める。
(なんか良い雰囲気よねぇ)
和人がベンチに誘って並んで座り談笑してる様子を見て思った。
「あっ、侍女長」
服を着終わった侍女が番台越しに真田さんを見て、少々驚いたように言うと、それが合図になったようで、他の侍女も寄ってきた。
リカの直ぐ下でネコミミの侍女達がなにやら話している。
真田さんと和人の方を指差して、やはり少し頬を染めて。

(何て言ってるんだろ?)
ヴァルハラ言語で話してるので、リカには解らないが、彼女達の年代は地球人だろうが宇宙人だろうが恋愛ネタが好きなのだろう。
きゃぁきゃぁと喜んでいる感じだ。
その声で気づいた真田さんが、何やら注意すると、侍女達は首をすくめてかしこまった。
「では、和人様リカ様。 今宵はこれにて失礼いたします」
2人に頭を下げると、またヴァルハラ言語で侍女達に指示を出し帰っていった。

その帰り道……
「侍女長〜。 何時の間にあのご主人とあんなに仲良くなられたんですかぁ?」
興味津々の様子で聞いてくる。
「何、言ってるのですか。 わたくしと和人様はそういう事じゃありませんよ」
さらりと言ったが
「和人様ですって! 私達、ご主人の名前も知らなかったのに」
「怪しいですぅ」
他の侍女達も一気に食いついてきた。
「あ〜ん、私ぃあのご主人の事、ちょっぴりいいなと思ってたのに〜」
一番若い侍女が悔しそうに言った。
「!」
その言葉にハッとする。
しかし
「何言ってるのですか、私達は姫様にお仕えする身。 恋愛なんてせめて姫様のご婚礼が決まるまでは……」
侍女達というよりも自分に言い聞かせる感じで言い放ったのだった。
373名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 22:58:19 ID:k17nk9JL
そして次の日。
(今日は…… 来ないのかな?)
時間も遅くなったので、表に出て暖簾を片付けた時だった。
「はぁっ、はぁ、はぁ……」
息を切らせて走って来る影。
「あ、あの…… ダメでございますか?」
息を整える間もなく真田さんが尋ねる。
「あっ真田さん。 来てくれたんですね。 どうぞ」
そのまま暖簾を持って中に入り、彼女を招いた。
番台に入り、真田さんから回数券を受け取ると、手提げ金庫を閉めて、石鹸やシャンプー等の在庫を調べだした。

真田さんも、無理に開けてもらってるのを自覚して、手早くメイド服を脱ぎ始めた。
「んっ……」
息とも声ともつかぬ声がして、和人は反射的に彼女を見てしまった。
ブラウスを脱いでボタンのついてないシャツを脱ごうとしてて、大きく伸びをしてる姿勢になっていた。
突き出された胸が彼女の大きな膨らみを強調してるようだった。
首からシャツが抜かれると、その膨らみは大きく弾み、見てはいけないと思いつつ、目を離すことが出来なかった。
(リカが言ってたけど、本当に大きいなぁ……)
和人も番台に立つことはあり、当然女性客の裸を見る事はあったが、意識して見た事はなかった。
真田さんが初めてで、どうしてそうなったのか、彼女の裸体から目が離れないのはどうしてなのか?
まだ、その答えを見出せない和人だった。

2人の距離は確実に近づいているが、その想い、自分の心に気づくのはもう少し後の事だった。
374真田でございます:2008/02/17(日) 23:00:36 ID:k17nk9JL
誠に申し訳ございませんが、今宵はここまでに。
しかし、残り10KBでございますか。 微妙な残り方ですが、続きはなるべく早くいたしたいと思っておりますので、どうかお付き合いくださいますよう。
おやすみなさいませ。
375名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 00:31:43 ID:h8SXvDyH
乙であります
そして容量が少なくなったので新スレ

円盤皇女ワるきゅーレのエロ小説 第8期
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203262228/

しかし400行く前に容量満タンて結構すごいことだぞw
376名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 04:42:17 ID:+Wy5jtCl
うわー
続きがすごく気になるな…

真田さんの身体の描写がエロくてGJ
377名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 13:56:00 ID:P65kO+Qx
GJ!
結論を先に出すやりかたもいね
>>375

でも、テンプレは第5期のままだったよ
378名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 07:06:25 ID:q3D/ClpH
おはようございます。
途中ながら感想いただきましてありがとうございます。
それと新スレ立てご苦労様でした。

続きは今日の夜か明日未明になるかと思われますが、こちらに投下して埋めた方が良いのでしょうか?
それともこちらは雑談とかで費やして、向こうに投下した方がよろしいのでしょうか?
このようなケ〜スは初めてですので、勝手が解らなくて……
一応埋めていく方向で考えてます。
どうすれば良いとかございましたら、1つよろしくお願いします。
379名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 16:42:59 ID:5NfAV2Z3
雑談で埋まらないから
ここ埋めてくれていいよ
380真田でございます:2008/02/25(月) 05:57:57 ID:Vjw3Ot1u
更新が遅れて申し訳ございません。
では、こちらに続きを投下させていただき、残った分は新スレにさせていただきます。
381名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 05:59:14 ID:Vjw3Ot1u
「ねえ真田さん?」
書類に目を通し、見終わった書類に署名をしながらワルキューレが紅茶を持ってきた真田さんを呼び止めた。
「はい?」
執務室を辞そうとした真田さんだったが主君に呼ばれて、再びワルキューレの許にやってくる。
「これが終わったら、少しおでかけしたいの」
いくら皇女とはいえまだ18歳。
公務ばかりの窮屈な生活は堪えるのだろう。
「かしこまりました。 ではSPの方に手配を……」
「ちょっと待って」
インターホンに手をかけた真田さんを止める。
「ここの近所に商店街があるでしょ? 雑貨屋さんとか本屋さんに行きたいだけだから」

滞在しているホテルから歩いて数分の商店街に行くのに物々しい警備やSPの随行は必要ない。
とワルキューレは考えた。
しかし
「はあ…… しかし、この国の政府より派遣されてる方々でございますし、彼女らもそれが任務でございましょうし……」
なまじワルキューレの気持ちも解らないわけではないので、真田さんの返事も歯切れが悪い。
しかも、2人のSPを帯同させて本屋や雑貨屋に行くのは気分が晴れないだろう。
「そうね…… 解ったわ。 じゃあ、真田さん。 お願いするからちょっと見てきてくれない?」
最後の署名にサインをすると、う〜ん! と伸びをしながら言い、欲しいものをメモ書きして真田さんに渡した。
頭を下げながらメモを受け取って見てみる。
「ファッション誌でございますか?」
いつも、白を基調としたコスチューム。 正装をしているワルキューレだが、やはり18歳の乙女。
ファッションにも興味があるのだろう。
さらに故郷を遠く離れた地球の流行やファッションを是非とも知っておきたいと言う気持ちもあるようだ。
「真田さんが見て良さそうなのを1冊でいいからお願いね」
「かしこまりました」
頭を下げて部屋を辞した。

真田さんがホテルを出て商店街に出向くと、変化に気づいた。
昨日までとは違って、やたら赤いハートマークが目立つ。
和人やリカと話す時に使う日本語とは違う言語で何やら書いてある。
(あれは…… 英語と申しましたか? この星のかなりの広範囲で通じる主要言語でしたわね)
(え〜っと…… 「バレンタインデー」と読むのでしょうか? 何かのお祭り?)
意味までは解らないまま、目的の本屋に着いた。
ファッション誌のコーナーに行き、端から順にパラパラとページをめくって行く。
(あら! これは!)
手に取る雑誌全てに
「バレンタイン特集」
なる記事がある。
……
382名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 06:00:15 ID:Vjw3Ot1u
(ふむふむ。 女性が殿方に想いを伝えチョコレートをプレゼントするイベントでございましたか)
そう言えば商店街に入った時、いつも甘いいい匂いを発しているケーキ屋が特に活気づいていたのを思い出した。
(まあ、それはさておいて)
どれも微妙に違ったが、真田さんがこれ!と思った1冊を買ってワルキューレの待つホテルへ帰った。
「あら、貴方達」
侍女達が待機しているロビーに着くと、若い侍女達が真田さんが買ったのとは違う雑誌を広げてわいわい騒いでいる。
日本語の解る侍女が翻訳して、聞かせると他の侍女達が少し顔を赤らめて目をキラキラさせている。
「あっ侍女長〜。 侍女長は和人様にチョコを贈られるのですかぁ?」
一番年少の侍女が、やはり頬を染めて尋ねてきた。
「え? な、な、何を言ってるのです。 わたくしと和人様はそういう間柄じゃないとあれ程……」
本屋で見て知ったバレンタインデーの意味。
(わ、わたくしが和人様に…… ま、まあ和人様は素晴らしいお風呂を沸かしてくださいますし、お優しいし…… はっ! いえいえ、わたくしは姫様にお仕えする身。 ヴァルハラ皇室侍女長の身。 とてもとても)

いろいろ想像するが
「そうなんですかぁ。 でも私達は和人様に贈るつもりなんですよぉ」
その言葉に他の3人もウンウンと頷いた。
「ええっ! あ、貴方達、和人様の事を?」
驚きの声を上げると
「違いますよぉ、義理チョコです。 いつも良いお風呂に入らせていただいてありがとうってお礼ですよぉ」
「そうそう、侍女長から和人様を盗りませんから、ご安心ください」
冷やかし半分に言ったが
「あら。 そんな意味のプレゼントもあるのですか?」
知らない事を言われて、反論する事も無く感心したのだった。

「なぁに、皆楽しそうね。 あら、真田さん帰ってたの?」
聞き間違える事のない声がして、真田さんを含む全員が立ち上がって、声の方を向き頭を下げた。
「これは姫様、申し訳ございません。 お騒がせいたしまして…… それに姫様のお使いを賜りながら……」
一層深く頭を下げるが
「ううん、そんな事はいいから。 それより皆、何を話してたの? 私にも教えてくれない? あっ! 皆いいから座って」
近づいてきて、ソファに腰掛けるとテーブルの上で開けられてる雑誌のページに目をやる。
真田さんが一礼して対面に座ると残りの侍女達もそれにならう。
「バレンタインデー…… ふ〜ん、この星(地球)にはこういうイベントがあるのね」
日本語が堪能なワルキューレがパラパラとページをめくりながら呟いた。
「姫様、ここでお茶になさいますか?」
真田さんが尋ねると
「そうね、こちらで皆と一緒にいただきましょうか」
383名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 06:01:26 ID:Vjw3Ot1u
それを聞いた真田さんが侍女の1人に指示を出すと、彼女はお茶を入れに行った。
お茶が来る間
「そう言えば、皆さんチョコを贈るとか言ってたけど、どなたか意中の殿方を見つけたの?」
主君の問いに
「い、いえ。 私達は…… でも侍女長は……」
「そうですよぉ。 私達がお贈りする殿方は侍女長と同じ方なんですけどぉ。 私達と侍女長は意味合いが違うのですぅ」
侍女達がはやしたてる。
「だ、だから私と和人様はそういう間柄ではないと……」
「和人様? 地球の方なの?」
ワルキューレが興味深そうに割って入ってきた。

「い、いえ違います。 和人様…… 時野和人様は私がお湯を頂いてる銭湯の主人でございます」
真田さんが慌てて弁明するが
「ええ〜、そうですかぁ。 和人様と侍女長って楽しそうにお話とかしてるじゃないですかぁ。 お2人で話してる時ってすっごく良い雰囲気ですよぉ」
一番若い侍女がワルキューレと真田さんの方を交互に見ながら言う。
さらに
「そこのご主人、優しくて、殿方なんですけど、結構可愛いんです」
和人の事も付け加える。
「あら、貴方達もそのお風呂屋さんに行ってるの? ここのお風呂は使わないの?」
お風呂と聞いてワルキューレもさらに興味を示した。
「はい。 とってもいいお湯、いいお風呂なんです。 ね、侍女長?」
丁度お茶とカップを持ってきた侍女が返事をした。
「そうかぁ。 折角の好意で用意してくれたホテルだけどお風呂は…… その…… でもそんなにいいお風呂なら私も入りたいなぁ。 それとそのちょっと可愛いステキなご主人ともお会いしたいわ」
チラっと真田さんを見ながら言うが
「とんでもございません。 下町の銭湯ゆえ、姫様が赴くような所では……」
警備上の問題もあるし、いくら主君、2人の時は姉妹のように振舞うワルキューレでもそれは出来ない。

しかしワルキューレは
「大丈夫よ。 それに別に真田さんの彼氏を盗るつもりじゃないんだから。 ね、私も連れてってくれない?」
からかうように、少し笑いながら小首を傾げて聞く。
「ひ、姫様まで。 お戯れを……」
顔を赤くして俯く真田さん。
ワルキューレが子供の時から仕えてる真田さんだったが、ワルキューレもこんな真田さんを見るのは初めてだった。
2人だけの時は姉のように慕ってる真田さん。
それだけに彼女の様子からして、「ただの銭湯の主人」と思ってないのは解る。
だとしたら余計に会ってみたい。
侍女達だけでなく、皇宮のお風呂も知っている真田さんが絶賛するお風呂。
そのお湯を沸かし、侍女達の言う「ちょっと可愛い殿方」に。
384名無しさん@ピンキー:2008/02/25(月) 06:02:38 ID:Vjw3Ot1u
「ね、決まりね。 今日行きましょうよ。 こっちに来てからお風呂だけはちょっと不満があったし。 ね?」
真田さんを覗き込むように言うと
「はぁ。 ではSPの方に申しておきます」
政府から派遣されてるSPにワルキューレの外出を伝える事にした。
「お風呂屋さんに行くだけだから、別にいいのに。 それにここから近いんでしょ?」
SPを随行させての堅苦しい外出に不満そうだったが
「いえ、それをしてしまうと彼女達が任務の不履行などの咎を受けるやもしれません。 是非ともお聞き訳下さいますよう」
他の侍女達がいるからだろうか? あくまで皇室侍女長として言う真田さん。
「そうね、解ったわ。 真田さんのいいようにしてくれる?」
ワルキューレもあまり困らせないように言うと、お茶を飲んだ。

その後年齢も近い皇女と侍女達はバレンタインデーの話題で盛り上がる。
ワルキューレの公務が無い時にチョコレートを作る話までまとまってしまった。
「でも私、お料理とか得意じゃないし…… 真田さん、教えてくれる?」
少し行儀悪く口にクッキーを放り込んで真田さんに尋ねた。
皇女とは言え、ワルキューレは年長の3人とは違って、少し活発…… 悪く言えば奔放な所がある。
無論、公務は完璧にこなし、要人との会見の場では皇女らしく振舞っているが、真田さんから見ると少々窮屈そうに見える。
ワルキューレ本来の姿ではないのだろう。
子供の頃、お風呂で騒いでメームに叱られた事もあったし、学園惑星では校長の銅像にイタズラした事もあった。
さらに子供の頃には真田さんをそそのかして皇宮から抜け出したりする事もたびたびあった。
「それはようございますが姫様、お行儀が悪ろうございますよ。 わたくしを始め下々の者がいる前でそのような……」
姉が妹をたしなめるように言うと
「は〜い、ごめんなさ〜い」
いつものようにたいして反省してない口調で返したのだった。
385真田でございます
では続きは新スレにて……