らき☆すたの女の子でエロパロ15

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現在、アニメも放映されていてノリに乗っている「らき☆すた」でエロいの行ってみよ。

☆カップリングは自由
☆基本的に百合マンセー
☆801は禁止(と言っても男キャラあんまいねぇ)
☆投下した作品の保管を希望しない場合、前もってその旨を知らせること

※マナー等※
※割込みを防止するため、書き込みや投下の前等にリロードを。
※荒らしや煽り、気に入らない人・作品等はスルーで。
※グロやSM、鬱モノなどの過激な内容は断りを入れてから投稿する
※読者=主人公の作品(いわゆる俺キャラもの)についてはNGワード指定や断り文を確実に。
※480KBまたは950レスのどちらかに近づいたら、次スレの準備を。

マターリはぁはぁしましょうか。

☆まとめサイト(管理人と職人に感謝!)
ttp://www33.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1.html
☆派生サイト:てけてけかなたさん伺か化計画
ttp://neo-experiment.hp.infoseek.co.jp/index.html
☆前スレ
らき☆すたの女の子でエロパロ14
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188828383/
2名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 18:28:02 ID:aE4MfEz5
                          刀、           , ヘ
                  /´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
              ,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
               /: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
     ,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/
    /: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : :    :\: : : : :: : : :ヽ  \   /: : : :/
    ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i  / /: : : : :/
     /: :     ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/  /: : : : :/         、
.    /: : /  . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : |  /: : : : :/            |\
   /: : ィ: : : : :.i: : |   \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:!  ,': : : : /              |: : \
   / / !: : : : :.ト‐|-    ヽ    \: : : : : l::::__:' :/  i: : : : :{              |: : : :.ヽ
   l/   |: : :!: : .l: :|            \: : : l´r. Y   {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
      l: : :l: : :ト、|         、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ    '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
      |: : :ト、: |: :ヽ ___,彡     ´ ̄´   ヽl-‐'     \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
        !: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      V  ヽ|    }///  r‐'⌒ヽ  イ〉、
              ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、       こ、これは>>1乙じゃなくて
                  ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ     ポニーテールなんだから
              r‐'T¨「 |: | !:.∨:/:./: :| |: : : : .l: : : :\   変な勘違いしないでよね!
               /: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\
3名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 18:28:28 ID:25rINxs7
                          刀、           , ヘ
                  /´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
              ,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
               /: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
     ,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/
    /: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : :    :\: : : : :: : : :ヽ  \   /: : : :/
    ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i  / /: : : : :/
     /: :     ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/  /: : : : :/         、
.    /: : /  . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : |  /: : : : :/            |\
   /: : ィ: : : : :.i: : |   \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:!  ,': : : : /              |: : \
   / / !: : : : :.ト‐|-    ヽ    \: : : : : l::::__:' :/  i: : : : :{              |: : : :.ヽ
   l/   |: : :!: : .l: :|            \: : : l´r. Y   {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
      l: : :l: : :ト、|         、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ    '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
      |: : :ト、: |: :ヽ ___,彡     ´ ̄´   ヽl-‐'     \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
        !: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      V  ヽ|    }///  r‐'⌒ヽ  イ〉、
              ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、       こ、これは>>1乙じゃなくて
                  ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ     ポニーテールなんだから
              r‐'T¨「 |: | !:.∨:/:./: :| |: : : : .l: : : :\   変な勘違いしないでよね!
               /: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\
4名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 18:31:12 ID:pWUyjVbA
                ,. -─‐ー=-<._   ノ―- 、
              ,. '´: : : : : : : : : : : : : :`:<: : : `ヽ、_` 、__
          ,. -一'´: : : : : : : : : : : : : : :   : : : ヽ: : : : :.ヽ ̄
       ,. '´:  . : : : : : i: : : : : : : : :ヽ.   :',: : :.丶: : : : :.\
     ,. '´ ,'       イ:.∧:.ヽ: : : : : : :.',: : : . .:',=-: :}:::: : :|: : : ヽ
   _,. '´-‐'7  . . : : : : :/|:.l ヽ: :l\‐- 、: :.',: : : : :.!: : :.`、::: :lミ、: :.}/^i
.   ̄    /: : : : :i: : : : l, |:.|   \! \: : : : ',: : : : .!: :.〃}::: :l }: :/ イ
       /: : :./: :!: : :./| l:|     ヽ  \: : :.',: : :l:.|: ://:|::::/ノ‐'´ノ/
      /: : /{: : |: : : : | l:l       r勿示ミ、',: :.!:.|彡':::!:/´   ィ_
      l: :/ !: : l: :.l: :.lxィキ       !::fr..:ト、!: ト.:ト、::::从 ,. ' ´ `i
      |/   |: : :!: ヽ.:{ 代..ヽ     代.じ:| |: l´ヘ Y  ノ'´     |
        |: : : ',: :.ト〈{:::じi|      辷ソ  !/ }} ノ /        l._
           l: : : ∧:.い弋ソ  .     xxx ,.ァ '   {           }
         l: : / ヾヽ}xxx   __,.    ∠、    l           l
            !: :l     ヽ、.__     ,. ィ〃: : y'⌒ヽ、!           |
         ヽ{         ,.`「¨刀´   /: : /     >、       l
                ノ ノ: : :l   /: /    ,. '´ .::rヽ、     ヽ
               / ヽ: : :.l  //   /   ,.. |        }
                   {     \:| //  ,. '´  /   私じゃ短すぎて
                 /\      Y/ イ    /      乙できないね
5名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 18:40:05 ID:DTlSjAak
             / ̄ ̄ ̄ 丶、
         /        \ ______
       , --'、             /         `〉
        / ⌒ )        /         /
       ,′  ノ          /  >>1乙     /
       l  T´_        /       r'´ ̄ヽ
    /:\ノ>―`丶、   /       (  ̄  l
    { ,>'´ /  /  `>'―――― --、ゝ-  /
    /-―/ / /  /    /   ヽ.| \  xく
   / 〈 `/ , /  / X |/l   ∧ 1  ∧  \_:. |
     V ,イ /  /,.く \ l   /__」斗- l ∧ __/
      /ハl/ /l/  \  l /__j.」l  ト l   |
      |'  j| /V}  ̄ ̄  '、| \  l  | V  /
         V/ 人.  >-、__,   `.ハ l  /
        /  / l\ ゝ.__,ノ    .ノ|/V ィ´
       /  /、| || 「ー 、/ ̄厂| j  /
        | /.:.:.:l/ll |  / /! / l/l
        /∨.:.:.;小 ヽjl / / / / /:  \
     / .:.:.:./ ̄` ォ`二 ィ/./l:.:.   、 \
      / l:.:∠. __.ノ! |  l _Kチ:.:.:l:.:.|:   ヽ、ヽ
      |:∧/:.:.:l/,  〈  lーく、 ̄}:.:.:.:.lヽ   | ヽ |
     l:| |:.:.:〈/ / l\|,丶、\/:.:.:.:.l  V l  jノ
     丶 ヽ:.:.|V_  l  \ >イ:.:.l:.:.:l   l:.:l /
        ヽlヽ:.`T┬-‐く\\:.:l:.:.:!  j:./
            \`'l |:.:.|  l:.:ハ-ヘ\{ /'′
              {ーlヽj  レ' l__|
            l__l      じ'
                ゞ_)
6名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 18:44:10 ID:nZNn2kru
>>1
7名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 18:47:25 ID:m46FspCW
>>1
84−601:2007/09/11(火) 19:13:07 ID:RAlvVZGK
スレ立て乙です。
前スレの埋めにいこうかと思ったのですが、投下しておられる方いらっしゃったのでこっちに。
5レスお借りします。

○拙作「レイニーロジック」シリーズと話が繋がっています。保管庫に収録されていますので
もしよろしければそちらもどうぞ。
○つかさとかがみの話です。
○非エロです。
○明るい話ではありません。
○つかさがつかさっぽくないかもしれません。無理だと思ったらスルーお願いします。
9名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:13:56 ID:EWYaAfKp
>>4
(こなた風に)萌えた
104−601:2007/09/11(火) 19:14:29 ID:RAlvVZGK
 私は、きっと。何も知らない。
 時々、そんな風に私に向かって風が吹いてきて、悔しいような、いたたまれないような、そんな気分になるとき
がある。それがいったいどこからくるものなのか、私にはよく分からない。
 朝、目を覚ますと、私は一人だった。同じ家の中に家族がいることは知っていたけれど、私は不意に、まるで春
一番が桜の花びらを全部吹き散らしてしまった後のように、気付いてしまった。
 ああ、私は一人なんだ、って。





 少しずつ、一人になる(レイニーロジック・W)
11少しずつ、一人になる(2/6):2007/09/11(火) 19:16:36 ID:RAlvVZGK
 布団を捲り上げて体を起こすと、私は時計を手に取った。時刻は六時三十分。休日のこんな時間に目を覚ました
ことが未だかってあっただろうか。二度寝しようかなと思ったけれど、残念なことにもう目は覚めてしまっている
みたいだった。それもいいか、と思いながら、ベッドを出る。愛しい愛しい私のお布団にしばしの別れを言いなが
ら、膝を伸ばして立ち上がる。カーテンを引くと、まぶしい朝の光が一瞬で部屋の中を染め上げていった。少し暴
力的だな、なんてことを思う。まぶしすぎるものは、直接見るには少し辛いものだ。
 例えば、自分の双子の姉のように。なんでもてきぱきこなして、成績も優秀で、周りからも頼りにされて、そん
な姉がいることは誇らしいのだけれど、じっと見つめるには少しまぶしすぎる。そんな、曖昧なパラドックス。
 ふあ、とあくびを一つ。
 くう、とお腹が鳴った。
 ご飯を食べよう。ちゃんと早起きできた朝は、きっとご飯だって美味しいに違いない。
 パジャマのままで階段を下りてリビングに入ると、姉の柊かがみがもうテーブルについてご飯を食べていた。
「お姉ちゃん、おはよう」
「おはよう。珍しく早いわね、つかさ。今日お休みなのに」
 もうすぐ十八歳だしね。そんな風に、あんまり答えになっていないような答えを返しながら、私はお姉ちゃんの
向かい側に座った。お母さんも「珍しいわねぇ」と言いながら私の前に朝ご飯を運んでくれる。これだけ珍しがら
れるのならたまに早起きもしてみるものかもしれないなぁ、なんて思いながら、ご飯を食べる。ほかほかのご飯と、
お味噌汁。お漬け物に、焼き魚。美味しいご飯は幸せだ。
「お姉ちゃん、今日は家にいるの?」
 何気なく、私はそう聞いてみた。本当に、話のとっかかりくらいの積もりだった。こなちゃんやゆきちゃんと遊
ぶという約束もしていなかったし、別にお姉ちゃんの用事が気になるとかではなくて、世間話の一つに過ぎない言
葉だった。
 でも、私の言葉に、お姉ちゃんは「ああ、うん、そうね……」と言葉を濁して目を逸らしてしまった。それを見
て、私は自分がお姉ちゃんのあまり触れて欲しくないところに触ってしまったのだと知った。昔から、お姉ちゃん
は嘘のつけない人だった。いつだって真っ直ぐだった。お父さんが大切に床の間に飾っていたお皿を割ってしまっ
たときも、どうやって誤魔化せばいいのかと考えていた私を引っ張っていって、真っ直ぐにお父さんのところに向
かうと、本当に誤魔化しの一つも入れずにやったことを正直に話して謝っちゃうような、そんな真っ直ぐな人だった。
 だから、嘘をついているときは、すぐに分かってしまう。それを話したくないんだってこともすぐに分かってし
まう。双子とは言っても、ずるい私とはまったく違うのだ。
12少しずつ、一人になる(3/6):2007/09/11(火) 19:18:05 ID:RAlvVZGK
「どっか、出かけるんだ」
 私がそう言うと、お姉ちゃんはほっとしたように表情を緩めて「ああ、そう、そうなの」と言った。出かけるの
は嘘じゃないんだ、と私は思った。出かける相手を私に言いたくないんだ、と思った。
 そんなことを考えている自分に、私は苦笑した。詮索してどうしようと言うのだろう。
「つかさは、今日はどうするの?」
 私は少し考える。さっきのまぶしさからすると、きっと今日は日射しが強くて、気温はぐんぐん上がっていくの
だろう。
「今日は、家にいるよ」
「……あんまりグダグダな生活しないのよ?」
「うーん、き、気をつける」
 私が曖昧に笑うと、お姉ちゃんも笑った。それで、もう、いつもの空気だった。さっきまでの小さな棘はもうど
こかに引っ込んでしまっていた。


 なぜ、この世には宿題というものが存在しているのだろう。いやそもそも、勉強とはいったいなんなのだろうか。
少なくとも私には、数式の並びに美を感じることはできないということは分かった。それを知るための勉強なのか
もしれない。わからないこと、できないことを一つ一つ知っていく。無限に広がっているように思える将来への道
を一本一本塞いでいく、それが勉強する、ということなのかもしれない。そんな意味のないことを考えてしまうの
は、目の前の問題とにらめっこしたまま三十分立ち止まってしまっているせいなのだろう。
 ペンをノートの上に放り投げて、背もたれに体重を預けて、天井を仰ぐ。こういうときはお姉ちゃんに聞くのが
一番だ。しょうがないなぁ、なんて言いながら、それでもいつも、分からないところは教えてくれる。
 後で聞こう。そんな風に考えた私に、ほんの刹那の間だけ浮かんだのは、今朝のお姉ちゃんの曖昧な表情で、朝
目を覚ましたときの理由の分からない感触だった。なぜそんなことを私は思い出すのだろう、と思った。どうして
こんなに気になっているのだろう、と私は思った。
 よく、わからない。
 わからないけど、私はもう一度ペンを握ると、本棚から参考書を引っ張り出して、今自分が悩んでいる問題の解
説が載っているところを探し始めた。


 お姉ちゃんが帰ってきたのは、夜になってからだった。隣の部屋で物音が聞こえて、ああ、帰ってきたんだな、
と私は知った。一瞬どうしようか迷ったけれど、どうしても分からなかった問題を教えてもらおうと思って、私は
ノートと参考書を持ってお姉ちゃんの部屋に向かった。
13少しずつ、一人になる(4/6):2007/09/11(火) 19:19:16 ID:RAlvVZGK
 こんこん、とドアをノック。返事はない。でもさっき物音がしてたから帰ってきてはいるはずだ。もう一度ノッ
ク。また返事はない。私は意を決して、そっとお姉ちゃんの部屋のドアを開けてみた。開いたドアの隙間は、真っ
黒だった。一瞬遅れて、電気がついていないんだ、と私は理解した。ひょっとして物音は錯覚で、まだ帰ってきて
いないのだろうか。けれど、私の手はそのままの勢いで、ドアを開いてしまっていた。
 開いたドアの四角い空間から入ってくる、廊下の蛍光灯の明かりだけが部屋の中を複雑な陰影で飾っていた。そ
んな中で、私のお姉ちゃんはおそらく着替えもしないままで、ベッドにうつ伏せに寝転がっていった。まるで、全
てが静止してしまっているような光景だった。私の空けたドアから入ってくる光だけが進んでいる時間のようだっ
た。だから、私はお姉ちゃんに声をかけることができないままで、そのまま部屋の入り口に立ち尽くしてしまって
いた。
「……誰?」
 そんな風に声をかけられて、ようやく私の体を縛っていた見えない糸が解けた。何故か焦った口調で、
「しゅ、宿題で分かんないところがあって、教えてもらおうと思って」
 と私は言った。何に焦っているのか自分でもわからなかった。分からないけれど、手を意味もなく振りながら、
私は言った。お姉ちゃんはゆっくりと顔を上げた。部屋に入ってくる光が届かない場所で顔を上げたお姉ちゃんの
表情は、私には分からなかった。私はその場所で立ち止まっていた。近づけばいいのか、そのまま部屋を出て行け
ばいいのかわからなかった。
「……ごめん、明日に、して」
 うん、と私は答えた。たぶん、答えたんだと思う。自分ではちゃんと声が出ていたのか自信が持てないけれど。
「お姉ちゃん」
「なに?」
「何か、あったの?」
 そう聞かずにいられなかったのは、やっぱりお姉ちゃんは私のお姉ちゃんだからなのだろう。私の言葉に考え込
むような仕草を見せたお姉ちゃんは、ベッドに座り込む姿勢になると、片方の膝を立てて、その膝を抱くように抱
え込んだ。
「あったわ」
「そう、なんだ」
「でも、今日のことじゃないの。ずっと、あったの。それが続いているの」
「ずっと……?」
「雨みたいなものかもしれないわね」
14少しずつ、一人になる(5/6):2007/09/11(火) 19:20:44 ID:RAlvVZGK
 うん、そうかもね。お姉ちゃんはがそう言うと、部屋の中の空気が少しだけ揺れたような気がした。私はその気
配で、お姉ちゃんが笑ったんだと思った。真っ暗な中で、笑ったんだと思った。
「夕立みたいに突然やってきて、全部めちゃめちゃに濡らしていっちゃうの。色は滲んで、組織はふやけて、ぐに
ゃぐにゃになって、もう戻らなくなっちゃうのね」
 分からない。
 お姉ちゃんが何を言っているのか、分からない。ずっと一緒にいた双子の姉妹なのに、いままで絶対にどこかで
繋がっているという自信があったのに、今はほんの数メートルの距離が、酷く遠い。
 何を感じているのか分からない。
 何を悩んでいるのか分からない。
 何を想っているのか、分からない。
「わからないよ」私は小さく頭を振った。「お姉ちゃんが何を言ってるのか、分からない」
「そうね」お姉ちゃんは言った。「きっと、そうなっていくのね」
「雨は、いつか止むんでしょ?」
「でも、また降ってくるわ」
「服だって、乾くよ」
「滲んだ色は、ふやけた組織は、もう、戻らないの」
 お姉ちゃんはもう顔を上げていなかった。
「つかさ」声だけは、近くて、優しかった。「あんたは、こっちに来ちゃだめよ」
「こっち?」
 お姉ちゃんの言う『こっち』がどこなのか、私には分からなかった。分からないという私に気付いたのだろう、
お姉ちゃんは「それでいいのよ」と言った。その声が静かで、優しすぎて、何故か私は言葉に詰まった。その優し
さが、私とお姉ちゃんを決定的に隔てるものなのだということを、私は理解してしまった。私は私が今立っている
場所を見た。そして、お姉ちゃんが座り込んでいる場所を見た。光と影で隔てられた場所に私たちは立っていた。
一歩近寄ろうとした私を、お姉ちゃんの手が制した。こっちに来ちゃだめ。もう一度、お姉ちゃんはその言葉を呟
いた。
 私は一人になったんだ、と知った。まるで春一番が桜の花びらを全部吹き散らしてしまった後のように、気付い
てしまった。全部吹き飛ばされた後、残ってしまったただ一人の私。双子の半身は別の場所に、一人だけの場所に
行ってしまった。
「私は」俯いて、言った。「どこに行けば、いいの?」
「それは」お姉ちゃんは言った。「自分で決めなさい」
15少しずつ、一人になる(6/6):2007/09/11(火) 19:22:13 ID:RAlvVZGK
「自分で?」
「私は自分で選んだの」お姉ちゃんは顔を上げた。「だから、つかさも、自分で選びなさい」
 顔を上げたお姉ちゃんの顔は、笑っているようだった。笑っているように、泣いているような、そんな顔だった。
「もうどこにもいけなくても、私はそれを選んだ、から」
 だから。その後の言葉は聞こえなかった。何を選んだのか、聞いてしまいそうになる口を、私は手で押さえた。
「お姉ちゃん」私は言った。「おやすみなさい」
「おやすみ、つかさ」
 ゆっくりと後ろに下がって、私はドアを閉めた。部屋に戻って、ベッドに潜り込んで、電気を消した。部屋が真
っ暗になった。目を閉じると、ほんの僅かな陰影も見えなくなった。これがお姉ちゃんのいる世界なんだろうか、
と私は思った。
 こんな世界で、何を想うのだろう。
 そんなことを考えて、少しだけ私は泣いていた。



 駅のホームで、お姉ちゃんとこなちゃんが楽しそうにおしゃべりをしながら、滑り込んできた電車に乗り込んだ。
私もそれに続こうとして、でも、足が止まってしまった。二人が振り返って私を見る。その二人の顔が軽い驚きの
色に染まった。そのまま私たちを隔てるようにドアが閉じた。驚いた顔のままの二人を乗せたまま、電車はゆっく
りと走り出した。私は笑って、二人に向けて手を振った。電車は加速していき、すぐに二人は見えなくなった。私
はしばらく電車の走っていった方向を見送った後、次の電車をホームのベンチに座って待つことにした。
 見上げた空は雲一つない快晴で、雨の気配なんてどこにも感じられなかった。
 練習だよ、お姉ちゃん。
 空を見上げたまま、私は小さく呟いた。
 ひとりぼっちになる、練習なの。

 次の日から、私は朝寝坊をすることを止めた。宿題もできる限り自力でやるようになった。私なりに積極的に、
お姉ちゃんやこなちゃん、ゆきちゃん以外の人とも話をするようになった。そうやって、私は少しずつ、一人にな
ることに慣れていこうと思った。それはとても寂しいことだったけれど、慣れなければいけないことなんだろうと
思った。
 今はまだ何も選べてはいないけれど、いつかは私も、あの日のお姉ちゃんのように何かを選ばなければいけない
日が来るのだと、私は知った。
164−601:2007/09/11(火) 19:23:20 ID:RAlvVZGK
以上です。すいません、容量計算間違えてて6レスになってしまいました。
エロもない明るくもない笑いもない話で申し訳ないです。
読んでくださった方、ありがとうございました。
17名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:27:07 ID:87yfkgUB
GJ
このシリーズ好きだから何気に続いてくれてて嬉しい
18名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:41:32 ID:UUuezpOI
GJ
19名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:47:55 ID:m46FspCW
gj
20名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:48:24 ID:EWYaAfKp
GJ
かがみのいう「こっち」って、なあに?
21名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 19:57:04 ID:nZNn2kru
氏の過去作を読めば分かると思うよ
22名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 20:17:16 ID:IkLRfdGz
今度はつかさ視点か
こなたはくるのかなぁ
23名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 20:23:32 ID:C8OG4tUf
いい作品きた後で投下しようと思うと気が引けるのはなんでなんだぜ
24名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 20:25:17 ID:EWYaAfKp
百合は知ってるけど薔薇は知らなかった
25名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 20:28:28 ID:F+fEck8z
宇宙暦1422年、惑星間における公式通貨がみだれ、エリダス第9惑星は大恐慌にみまわれた。
宇宙協会(スペースギルド)の調査から、何者かがメノン星人を操り、外貨を奪い、
糟日部地区に巨大要塞を建造しているとの情報が入った。
早速、かなたさんはへ糟日部地区へと向かったのだが……

ラウンド4のボス、ウルトラスーパービッグマキシムグレートストロングぎょぴちゃんは必見ですよ?(謎
26名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 20:51:38 ID:zYZYRW4s
こなかがでちょっと借り エロなし
すこーしだけこなた病んでるかもなので嫌な人は注意
27だだっこ:2007/09/11(火) 20:52:16 ID:zYZYRW4s
だだっこ

「かーがみ〜ん」
 授業が終わり、紙の類は一切入っていない鞄をぶらぶらさせながら、私は隣の教室の入り口で呼び慣れた名前を呼んだ。
 視線の先に、お目当ての彼女が居る。
 丁度帰り支度をしつつ向こうを向いていた彼女は、私の声が聞こえた途端びくりと肩をすくめた。
 そして、ゆっくりとこっちを向く顔は驚きとか羞恥とか複雑な表情で真っ赤。
 ああん、かわいいなぁ。
 やっぱり、あの頭には一度うさみみをつけてみたいもんだよ。
 調子に乗った私はそのまま彼女の名前を呼び続ける。
「かーがみー、かがみさまー、かがみおねえさまー! ごしゅじんさまー」
「やかましいっ!」
 ものすごい勢いでこっちに歩いてくるかがみ。
 眼前にかがみのおっきい瞳があってちょっとどきどきだね。
 …怖い意味も少しあるけど。
 でもこんなんでびびってちゃあツンデレ攻略はままならないのだよヘイスティングス。
 私は自分で言うのも何だけど、ふにっとした柔らか猫口でかがみに挨拶する。
「やふー、一緒にかえむぐ!」
 とたん、私は顔面にヘッドロックをかけられたまま引きずり出された。
 ああん、この柔らかな唇を独り占めしたいの…って痛い痛い痛い! か、かがみっ! いえ、かがみさま!
 こめかみが! こめかみが、骨がぎりぎりって! こめかみぐぁぁぁっ!
「おねえちゃーん」
「柊さん」
 と、私たちを待っていたつかさとみゆきさんが声をかけてくれる。
 おお! そこの勇者よ! この魔王を成敗してたもれ!
「お姉ちゃん、こなちゃん、なんかぴくぴくしているよ?」
「あー? いいのよこんなん、この程度で」
 こんなのあつかいって非道いよかがみん! つかさもつかさで、なんか、で済ませますかっ!
「ふおっ! ぷはーっ! ひどいよかがみぃ! みんなで帰ろうって呼びに言っただけなのに!」
 ようやくヘッドロックを外され、私の頭蓋骨はアステカの儀式よろしく変形の危機から解放された。
 どうせならその胸にぎゅっとしてくれないもんかねぇ?
「だったら普通に言いなさいよ普通に!」
 かがみはまだ顔を赤くしたまま文句を言っている。
 かがみってまじめだから、ちょっとした冗談も本当だったらって意味できちんと考えちゃうから可愛いなぁ。
「いつも通り言ったじゃん?」
「だれがご主人様かっ!」
「お、お姉ちゃん、こなちゃんにご主人様って呼ばせているの? 知らなかった…」
 つかさが顔を赤らめて聞く。
 おいおい、もうすこし空気を読み給え。
「んなわけないっ!」
28だだっこ:2007/09/11(火) 20:54:55 ID:zYZYRW4s
「でも、主従関係と言うのは本来互いの役割を補い合う関係でもありますから、決していけない事では
ありませんし…」
 いやいやいや、みゆきさん、そこでボケなくていいから。そこが天然クオリティだけど。
「もう、一体何しに集まっているのよ!」
 進まない会話にかがみがしびれを切らす。
「だから一緒に帰るためだよ」
 特に用はなくても、一緒に帰る行為自体には大切な意味があるのだ。
「それならさっさとそうしなさい! 行くわよ」
「はいはい、それじゃ帰」「おーい、ひぃらぎー」
 と、わたしの言葉がやや舌っ足らずな声で中断された。
「あ、日下部」
 振り向くと、かがみのクラスの日下部さんがすたすたとこちらへやってくる。
 この人、本当にいつも笑顔だな。
 そして、その笑顔に八重歯が似合っている。
 そしてそれは、かがみに向けての笑顔。
「どしたのよ?」
 かがみがいつものかがみの顔で問いかける。
「……」
 何だろう。かがみが私達以外にこうやって遠慮のない喋り方をしているのを見るのって酷くか違和感を
覚える。
「んー、実はぁ今日新しいシューズを買おうと思っているんだけど、ひぃらぎにつきあって欲しいって
思ったんだ。
今度の大会用で、しっかり選びたいんだよね」
「ふぅん、峰岸は?」
「もちろん一緒だよ。意見が欲しいんだ。私一人だとデザインとかで買っちゃいそうだからぁ」
「そうねー、あんた見た目で選んで失敗する事が時々あるもんね。この前のオイスターチョコも、あれだけ
やばそうだったのに、色が美味しそうとかって理由だけで注文して泣いてたし」
「みゅぅ〜〜〜思い出させないでよぉ…。だからお願いしたいんだよぉ」
 日下部さんはうるうるとこれ見よがしに瞳を潤ませ、かがみの両手を取って懇願する。
 涙で誘うなんて…それに、両手、握っている。
「しょうがないわね」
「えっ…!?」
 かがみの言葉に私は思わず声を出す。
 だって、かがみ、ついさっき一緒に帰るって…。
「やった! ありがとぉひいらぎぃ!」
「…か、かが…」
「そんじゃそう言う訳で、今日は特に帰りに用がある訳じゃなかったからさ、私日下部達に付き合うわ」
「うん、日下部さん、いいシューズ選んでね」
「では、失礼しますね」
 つかさとみゆきさんがにっこりと微笑み、かがみにばいばい、と手を振る。
 何で? なんでそんな簡単に!?!
 って、ああっ! かがみ! かがみもなんでそんなあっさりと私達以外の人と帰れるの? 何で?
「…こなちゃん?」
「こなたさん、どうしました?」
「え?」
29だだっこ:2007/09/11(火) 20:55:45 ID:zYZYRW4s
 いけない。思わず立ちつくしてしまっていたらしい。
「あ、え…ううん。何でもないよ。いやしかし、かがみんもああ見えてなかなか悪よのう」
 心臓がばくばくしている。
 冷や汗が出そう。
 私はそれに気付かれないように、無理に笑いへ走った。
「もう、こなちゃんったらぁ」
 つかさがころころと笑ってくれる。
 良かった、心臓も収まりそう。
「かがみさん、ご自分のクラスでもやっぱり頼られる存在なのですね。日下部さん、あんなに嬉しそうです
もの」
 でも次の瞬間、みゆきさんのその言葉が私の心臓に突き刺さり、再び心臓が大きく鼓動した。
 かがみが他の人に頼りにされる。
 かがみが他の人と親しくしている。
 かがみが他の人と笑っている。
 かがみが他の人のお願いを聞いている。
 かがみが…かがみが…。
 頭の中を取り留めのない嫌な想像が駆けめぐり、いつの間にか足が震えていた。
「こなちゃん、行こう」
「え? あ、う、うん」
 私は反射的に歩き出してしまったけど、視線はかがみから離れなかった。
 いや、もうかがみは行ってしまった。
 正確には、かがみのいた場所から視線を話せなかった。
 そこで、かがみが楽しそうに笑って話していたから。
 そこで、かがみが私とは別の人と帰ってしまったから。
 私は胸の中にある灯りがふっと消えた様な気分になり、体温が下がったと思った。
 そして、こんな事思ってはいけないと解っている。
 解っているのに、かがみを引き留めてくれず、何事もなかった様に笑って歩き出す二人に、ほんの…ほんの
少し、ほんの少しだけ怒り、苛立ちを覚えてしまった。
 いつもの帰り道。
 いつもの道を通り、何度来たか解らない商店街のクレープ屋さんで、何度食べたか解らないチョコクレープを
食べている。
 でも、味がしない。
 楽しくない。
 私は一体何をしているのだろう。
 つかさも、みゆきさんも、何でそんなに無神経なの?
 思わず考え、そこではっとする。
 自分の汚い部分を自分でさらけ出した気がして、落ち込みかける。
 私は二人に心の中で謝った。
「一人で食べると、このクレープちょっと大きいんだね。いつもは…」
「…今日は、私達、ちょっと静かですね」
 二人が、誰かの事をつぶやいた。
 あ…。
30だだっこ:2007/09/11(火) 20:56:33 ID:zYZYRW4s
 私は気付いた。
 つかさも、みゆきさんも、きっと同じ気持ちなんだって。
 私だけが寂しいと思っていたんだって。
 ごめん。
 ごめんなさ。
 私は心の中でもう一度謝った。
 二人のためにも元気を戻そう。かがみは今日たまたま居ないだけ。
 そう、明日になればまた一緒に…。
 その時、みゆきさんとつかさが、あ、と言う顔で通りの向こうを見ていた。
 何? と顔を上げた時、私はまた信じられない光景を見る。
 街路樹を挟んだ反対側の遊歩道に、かがみ達を見つけてしまった。
 日下部さん、峰岸さんと一緒に歩くかがみは楽しそう。
 私が隣にいないのに。
 かがみはお日様みたいに笑っている。
「いやー、やっぱりひぃらぎと峰岸に一緒に来て貰うと色々たすかるよ! おまけにセール中のお店
見つけてくれるし!」
 日下部さんは大きな袋を持っている。
 靴を買った帰りなんだろう。
 買い物が済んだんだから、かがみとさっさと別れれば…いけない、また酷い考えを浮かべてしまった。
 私は街路樹の向こう側のかがみ達を目線で追う。
「ひいらぎぃ、今日付き合ってくれたお礼にアイスぅおごっちゃうよ!」
「いいの?」
「いいのいいのぅ! 今日の功労賞はかがみなんだからぁ、特別にダブルのレギュラーおっけーだよ!」
「ふふっ。ありがと…でも、スモールにしておくわ」
「おやぁ? さてはさてはカロリーが気になりますかな? にゅふふ」
「うーるーさーい。あはは」
 かがみがまた笑った。
 笑った。
 私以外の人に…笑った!
「ほい、峰岸のオレンジにぃ、かがみにはぢゃーん! レアチーズとラムレーズンのダブルぅだよ!」
「んー! おいしそ。サンキュ。で、あんたは?」
「ふふふ、私はなんとバニラだぁっ!」
「意外ね。また素っ頓狂なの頼むかと思ったけど」
「かがみのおかげで成長したのだよ! アイスはバニラが基本! バニラが不味い店にろくな店はない!
 女将を呼べぃ!」
「はいはい。そもそもサーティーワンに外れは無いと思うけどね」
 かがみは日下部さんに対しても、やっぱりつっこみで話を合わせている。
 本当なら、そこにいるのは私だよ? 私がつっこまれる役の筈だよ?
 ヘンな事言って、かがみに怒られたり、笑われたりして、頭をこづかれたり、でも優しくなでられたりする…。
 それは、それは私の役目だよ。
 微笑ましい友人同士の会話。
 なのに、私の目頭はぐんぐん熱くなり、あたまがふわふわしてむず痒くなり、鼻の奥が痛くなってきて、
瞳に涙がこみ上げてきた。
31だだっこ:2007/09/11(火) 20:57:21 ID:zYZYRW4s
「みさちゃん、おいしいわね。柊ちゃんはどう」
「うーん、至福の味だわ」
「……」
「日下部? どしたの?」
「こういう時ぃ、人が食べているのの方が美味しそうに見えるのは、なんででしょうねぇ?」
 日下部さんはかがみのアイスをじとっと見詰めている。
 嫌らしい瞳だと思う。
「そんなの、食べてみればいいじゃないの。はい」
 かがみが、食べかけのアイスを日下部さんに差し出した。
 私は耳がおかしくなったと思った。
 息が出来ない。
「わーい! はむ!」
「!!!」
 心臓が止まったと思った。
 私は思わずクレープを握りしめる。
 かがみの食べたアイスを、日下部さんも食べた。
 かがみの口が付いたアイスを。
 かがみの口が、日下部さんの口に…。
 手がチョコソースまみれになり、生クリームも指の間に入り込む。スカートにもソースがこぼれた。
 でも、そんなの気にならない。気にする余裕なんて無かった。
「こ、こなちゃん?」
「こなたさん!」
 そんな私を見て二人が慌ててハンカチやティッシュを出そうとする。
「うっ…! うぐ…うぁああっ!」
 涙が瞳から決壊する。涙腺が壊れたみたいに。
 私は、走り出していた。

「うっ…うっ…ひっく…う…ひぐ…ううぅ…」
 嗚咽が止まらない。
 私は、気が付いたら川のほとりを歩きながら、尚も涙を流し続けていた。
 今の私、端から見たらどんな格好なんだろう? でも、どうでもいい。
 どうでもいい。
 頭の中に、定期的に思い出したくない風景がフラッシュバックして、その度にまた涙があふれ出し、
いつまで経っても泣き止めない。
「えぐぅ…ひん…ひん…かがみのばかぁ…ばかぁ…」
 誰のせいでもない。
 もちろんかがみのせいなんかじゃないのに、さっきから嗚咽以外の言葉はこれしか口からでない。
 頭の中はかがみでいっぱい。
 でも、その中に思い出したくないかがみの姿が浮かんでは消える。
 このまま涙を流し続けて、乾涸らびて死んじゃうんじゃないかとぼんやり考えた時。
「こなた!」
「ひっ!」
32だだっこ:2007/09/11(火) 20:57:53 ID:zYZYRW4s
 心臓がまた大きく鳴った。
 胸を突き破るかと思うくらいに。
 だって、今聞こえた声は今一番逢いたくて、でも会いたくない人の声だったから。
 私は逃げ出す。
 怖かった。
 泣きはらした顔を見られるのが怖い。
 それに、今の私はみっともない格好だろうから、それを怒られるかもと思うとそれも怖い。
 また日下部さんが隣にいたらと思うと怖い。
 こんな情けない私を見られるのが怖い。
 それを見てかがみが私を嫌ったらと思うと、背筋が寒くなるくらい怖い。
 怖くて怖くて、怖くてたまらないのに、それなのに、走り出そうとした私の手はかがみにしっかりと
捕まれてしまった。
「こら! 何で逃げるのよ!」
「は、はなして! はなしてよぉ! やだやだやだぁっ!」
「おいおい、これじゃ私が誘拐犯か何かだろ!」
 かがみは力任せにぐいっと引き寄せる。
 体力に自信はあっても、こういう時は何の役にも立たず、私はかがみの正面に立たされた。
 目を開けない。
 顔を見る事が出来ない。
 酷い顔をして、酷い格好の筈。
 それが恥ずかしくて顔を上げる事も何も出来なかった。
「あーあ…まったく、ひどいもんね」
 その通りの事を言われてしまった。
 そうだよ。だから、もう私になんかかまわなくていいよ…。
 …嫌だ。
 それは嫌だ。
 頭が混乱する。
 ふと、顔に冷たいものがあてがわれる。
 理由はないけど、もしかしたらぶたれるかもと思っていた私は肩をびくりと強張らせてしまう。
 でも、そうじゃなかった。
 泣きはらし、熱をもってしまっている私の頬に当たっているのは冷たく濡らしたハンカチ。
 いい香りがする。
 ローズかな?
「目が真っ赤よ」
 かがみはゆっくり、丁寧に私の顔を拭いてくれていた。
 まるでお母さんが子供の顔を拭いている様な風景だと思う。
「すん…すん…」
 嗚咽はまだ止まらない。でも、かがみの手が顔に触れている。
 そう思うだけで張りつめていた胸の苦しみがどんどん溶けていった。
「はい、ちーんして」
33だだっこ:2007/09/11(火) 20:58:40 ID:zYZYRW4s
 今度は鼻にティッシュがあてがわれた。
 これじゃ本当に親子だけど、私はいわれるがままに鼻をかむ。
 こんな事してもらうの、一体何年ぶりだろう? いや、そもそもあっただろうか?
 三回かませてもらってようやく鼻の通りが良くなり、深呼吸が出来る様になる。
 一呼吸毎に、私はだいぶ落ち着いてきたのが分かった。
 そして、ようやくおそるおそるだけど目を開ける決心が付いた。
 ハンカチが目元から離れた時、私は瞳をあける。
 体は震えたままだけど、瞳を開いてみる。
 瞳に光が入るより先に、私は見たい人を見た。
 かがみが、目の前にいる。
 私をじっと見詰めている。
 かがみの大きくて綺麗な瞳に私が写っていた。
 ああ、かがみだ。
 かがみの瞳だ。
 かがみの顔だ。
 かがみの微笑みだ。
 私は堪らなくなり、両手を上げて抱きつきかけた。
「ちょい待ち」
 無体な制止。
 か…かがみ、それは本当に地獄だよ…。
「うぇ…うぅ…」
 反射的に瞳から、今拭って貰ったばかりの涙がぼろぼろとあふれてこぼれる。
 あんなに丁寧に拭いてもらったのに、あっという間に私の顔はかがみと逢う前に戻ってしまった。
 もう、本当に見た目を気にする余裕なんか無いよ。
「かがみぃ…かがみぃ…ひぐ…うええ…」
 私は本当に小学生の子供の様に、スカートの裾をつかんでぐずぐずと泣き出してしまう。
 …あ、また、鼻、出てるかも。
 でも、それは…だって、だって、かがみが、かがみが、抱きつかせてくれないから…。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! 意地悪じゃないの! す、スカート! スカート拭いてから、ね?」
 かがみは酷い顔になっているであろう私の顔を見ると、大慌ててしゃがみ、濡れティッシュでスカートに
付いたチョコソースをぽんぽんと叩く。
「応急処置だから、家に帰ったらすぐ浸け置きするのよ」
 そして、かがみはもう一度立ち上がり、私の顔をもう一度拭き直してくれた。
「ぐす…ふ…ひっく…」
「ふふ。あーあ、可愛い顔が台無しよ。もう、本当に子供ねあんたは」
 こんなみっともない格好で泣いている私に、かがみは笑ってくれた。
 その一言に、私は私の心の中すべてを見られた気がした。
 すべてを受け止めてくれた気がした。
 かがみがもう一度ハンカチを顔にあてがおうとした時、もう、私の我慢は限界を超える。
「うわあぁああーーーーん!」
「きゃっ!」
34だだっこ:2007/09/11(火) 20:59:26 ID:zYZYRW4s
 私は力の限りかがみに抱きつき、しがみつき、かがみの胸に顔を埋めた。
 瞬間、かがみの体の香りが鼻腔を満たし、そのまま脳の嗅覚をすべて支配し、思考を止めさせ、それが
ますます涙腺をゆるめる。
「いたいたいたい!」
 いつの間にか爪を立てていた。
 かろうじて意識が戻り、鷲掴みだけは止める。
 ごめんなさい。
 でも、それ以外はとても遠慮なんか出来ない。
 私はかがみの胸で、今までの人生の中で一番強く、長く泣いていた。

 私が泣きやみ、話が出来るくらいに落ち着くまで、小一時間が必要だった。
 今、私はかがみと一緒に河原の遊歩道にあるベンチに座っている。
 横隔膜が変になっちゃったかもしれない。
 まだ、嗚咽は止まらないけど、かがみが手を握ってくれているから苦しくない。
 かがみが貸してくれたハンカチは…もうびちょびちょだ。
 ついでに、かがみのシャツもびちょびちょ。
 本当に、ごめんなさい。
「…話、出来る?」
 かがみが頃合いと見て話しかけてくる。その言葉は一字一句が優しい。
「うん…」
「こな」「かが」
「……」
 しまった。声が被った。
 かがみがあーあ、みたいな顔をしている。
 またやっちゃった。
 どうしよう。どうしよう。
 呆れられるかもしれない。
 怒られるかもしれない。
 叩かれるかもしれない。
 …嫌われるかもしれない。
 体が、震えた。
「…少しは、あんたらしさが戻ってきたかしら?」
 ちょっと笑ってかがみが言う。
 …大丈夫、だった。
 嬉しい。
 ひたすら嬉しい。
「ほら、言いなさい」
「…いい?」
 本当に? と首をかしげたら涙がこぼれた。
 まだ涙は残ってたみたい。
 かがみがハンカチで目元をおさえながら、いいわよ、と笑ってくれた。
35だだっこ:2007/09/11(火) 21:00:14 ID:zYZYRW4s
「あの、ね、かがみ…どうして、私がここにいるって…分かったの? て言うか、どうして追いかけてきたの?」
「あんた、私達がアイス食べている時同じ所に居たんでしょ? あんたが泣きながら走り出したって、
つかさとみゆきが大あわてでやってきたのよ。まぁ、その前にあの大声は私にも聞こえたけどね。本当、
一体何事かと思ったわよ」
「あ…」
 あのときの恥ずかしさがお釣り付きで襲ってきた。
 私は顔から火が出そうになり、思わずハンカチで顔を隠してしまう。
 とっさにかがみの手を離してしまったのも後悔。
「…でも、私、多分全速力で走ったと思う…よく見つけてくれたね」
 横目で見ると、かがみがにやにや笑っていた。
 いつもならどうって事はないのに、今のかがみのその笑いはどこか怖い。
「…小学生くらいの子が、泣きながら走って来ませんでしたか? って聞いたら、ほとんどの人が教えて
くれたわよ」
 にたり、と笑うかがみ。
「!……」
 私は声が出なかった。
 つまり、私はマーキングしながら逃げていた様なものだったんだ。
 しかも見る人全てに分かる、と言うか印象づける様な…。
 それなら、かがみがあれだけ用意が良くても不思議はない。
 私はかがみに、さあさっさと捕まえて世話をし給え、と言わんばかりの恥ずかしい逃走をしてしまったんだ。
 私は頭を抱えて縮こまる。
 消えてしまいたい。
 本当にそう思った。
 でも、そうしてばかりもいられない。
 かがみはそんな私を、恥ずかしがりもせず聞いて回り、探し出してくれた。
「…か、かがみは、何を言いたかったの?」
 私は震える声で問いかけた。
「決まっているでしょ」
 かがみの手が私の頭をぽん、とたたいた。
「どうして逃げ出したの?」
 また息が止まりそうになった。
 体が震える。
 口が魚みたいにぱくぱくと動くけど、声なんて出ない。
 私はまた涙をこぼしていた。
「あー、ちょっと待ちなさい。ほら、固まらないの」
 かがみがそっと肩に手を置き、私の体を引き寄せる。
 私はかがみの体に身を寄せる形となり、頭がかがみの頭にごっつんこする。
「…私の自惚れじゃなきゃ…分かっているわよ」
「…ふえ?」
 おかしな言葉が口から漏れる。
 どういう意味、とおそるおそるながら顔を上げると、私のほっぺはそのままかがみの両手に包み込まれて
しまった。
 かがみの顔がさっきよりもずっとずっと近い。
 そうじゃない。
 どんどんちかづいているんだ。
36だだっこ:2007/09/11(火) 21:01:01 ID:zYZYRW4s
「か、かか…かがみ…」
 ほっぺをつつむてがなんだかあたたかくて、あたまがぼうっとする。
 ちからがはいらない。
 かがみのといきがかおにかかる。
 おおきいめが…わたしでいっぱいになる。
「こら、目ぇ瞑りなさい」
 わたしはめをとじる。
 そのつぎのしゅんかん、くらやみのなかにひかりがともり、くちびるが…とろけた。

「…なた、こなた」
「…うあ!」
 次に気が付いた時、私はかがみの膝枕の上だった。
「やっと気付いた」
「わ、私…あれ?」
「あんた、あの後気を失っちゃったのよ。びっくりしたわ」
「……」
 あの後。
 それは、かがみとの…。
 かがみの唇が…。
 ああ…。
「ふふ、あんた、なんでそんな簡単に顔が真っ赤になるのかしらね?」
 かがみが私の頭を優しくなでてくれた。
「こなた」
「な、なに…」
「私の言いたい事、分かってくれたかな?」
 分かった。
 とっても、とってもよく分かったよ。
 私は、今ほど幸せだと思った時は無い。
 口を動かそうとして、また涙がこぼれる。
 私はかがみの腰に抱きつき。
 ひたすら泣いた。
 でも、さっきまでの涙とはまるで違う。
 心地よくて、気持ちよくて、心の膿を全部洗い流してくれる。
 今の私が流す涙は、そんな涙だった。

 それから後。
 あれ以来も、当然だけどかがみは日下部さん達と一緒にお弁当を食べたり、休日に出かける事もある。
 でも、私はもう気にしない。
 私とかがみには、絆がある。
 ほんのちょっとだけど、肉体的な繋がりも…。
 だから、この前の様な組み合わせで休日に出かける事になって、外でかがみ達を見つけても、もう心臓は
そんなにどきどきしない。
 私、かがみの信用を得るに相応しくなっているかな?
37だだっこ:2007/09/11(火) 21:01:40 ID:zYZYRW4s
「ひいらぎぃー」
「なーにー?
「お昼のドリアがほっぺについてるよぅ」
「あ、しまっ」「ぺろり、ちゅ」
 !!!
「こ、こら! 何するのよ!」
「にゅふふ。おべんと食べちゃった。デザートのやわらかさくらんぼ唇も美味しかったよ〜」
「あらあら、みさちゃんたら」
 かがみが日下部さんを追いかけて行ってしまった。

「…みゆきさん」
「な、何でしょう?」
「憎しみで人が殺せる方法って、無い?」
「…き、禁則事項です」
 みゆきさんは引きつった笑顔で指を口に当てていた。

おわり
38名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:02:21 ID:zYZYRW4s
以上、おそまつ。
キャライメージ違ったらすまん。
39名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:08:52 ID:KP2h63yC
>>38
こ、この泣き虫さんめ! 可愛いじゃないか! てな訳でGJ。
40名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:09:26 ID:pkcSndb2
>>38
おお GJ!!
泣きこなた可愛いよこなた
41名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:10:26 ID:EWYaAfKp
ヤキモチこなたん萌え
42名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:11:44 ID:C8OG4tUf
嫉妬するこなたいいね

後それと、ほんの些細な事だけど
みゆきさんは柊さんじゃなくてかがみさんって呼ぶよ
43名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:25:43 ID:SW9Qk6So
>>38
嫉妬して泣きながら走りだしちゃうこなた萌え
GJ!!!!!!!
44名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:25:46 ID:zDCJFhWD
>>38
こなた可愛いよGJ!
ラストでやっちまえこなた!と思った俺は駄目人間。
45名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:30:57 ID:nZNn2kru
>>38
GJ!
こなたがかがみにやきもち焼くってのは俺のストライクゾーンど真ん中だぜ
46名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 21:35:15 ID:m46FspCW
>>38
GodJob!
47名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 22:17:19 ID:IP/g5o6a
>>38
GJ!
泣き虫こなたに全俺が悶えた

…ここのスレは本当にいい職人達に恵まれてるな。
48名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 22:35:24 ID:IYfqGiEG
>>38
こういうこなたの暴走も割りと好き。ここまで愛されるかがみも好きw


こんばんわ。ゆにすたの人です。
後半戦開始で、EPは6を投下します。

注意事項は以下のとおりです。
こなた×かがみ (記号変わりました)
最初かいたときは砂ざーりざーり吐きながら書きました。
一応ゲロ甘チックかも知れません。

Line370、8レス借用します。
49ゆにすたEP6-1/8:2007/09/11(火) 22:36:21 ID:IYfqGiEG

 お正月が終わったと思ったらあっという間に受験の日がやってきた。泣いても笑っても、普段どおりに勉強するのは今日が最後。
 いつもの待ち合わせの駅、いつもの待ち合わせの場所、そこでこなたを待つ。
 冬も半ばの朝だけあって、厚着の人や寂しげな枯れ木が目に入る。空はずいぶん澄んでいるけれど。

 学校は三学期に入ってすぐに自習体制になっている。
 それでも私はいつもと同じ時間に同じ電車で登校し、人がめっきり減ってしまった教室の中で黙々と勉強を続けてた。
 この学校の生徒でいられるのもあと僅か。
 わざわざ登校する必要はないのだけれど、できるだけ学校の緊張感を感じていたいからか、平日の勉強場所はもっぱら教室。

 この学校の中としては珍しいのだろう。つかさは調理師系の短大の指定校枠を貰ったので、気が向いたら程度にしかこない。
 もう今からその気になっているのか、気が付くと料理ばかりしているような気がする。
 傍から見るともう受験すら諦めたような行動に、姉として少し危機感を覚えなくもない。
 差し入れ程度にしか私の所に来ない所を見ると、姉離れが進んでいるような寂しさもある。
 ――その分手間のかかる妹が一人増えてるんだけどね。

 平日はつかさを除いたいつもの面子。土日や祝日はこなたと私、みゆきさんとチームが分かれてしまう。
 こなたの家にも私の家にも、お互いの下着とフリース一式くらいは常備されるようになった。私に至ってはこなた家の鍵まで持ってる始末。
 同じ大学を受けるんだと言い出したこなたが、本気でそう思っている結果みたいなものだ。
 一時は『友達の家で勉強なんて……集中できるの?』と心配した私の親や姉たちにとっても、今となっては普通の出来事になっている。
 むしろこういうのは私の家だけで、こなたの家では問題になることすらない。

「おはー、かがみっ! なんだかセンチな雰囲気じゃん?」
「かがみ先輩、おはようございます」
「おはよ、こなた。ゆたかちゃん。最終日だからかもね、いきましょ」

 返事はしたものの、しばらくぼうっとして空を見上げていた。なんだろう、私は緊張しているのかもしれない。
 いつの間にか腕に抱きついているこなたが見上げている。ゆたかちゃんも何だか心配そうな目をしている。
 腕にその体重の一部を乗せて、心配と興味が半分こみたいな顔をしてじゃれてくれるのが心地よかった。
 体を引き寄せて頭を撫でたら、とたんにふにゃっと顔が緩む。そんなことをしながら通学路を歩いてく。

「ああそうそうこなた。センターのときにみゆきに上げたお守り、明日試験だから作ったわよ」
「おぅ? 作ったって……あれって、かがみが作るもの?」
「作るっていっても、外側はそういうのを売ってるとこから買うんだけどね。中身は私が籠めたわよ」
「中身って……もしかして乙女の、伝説のアレデスカ!?」
「おねえちゃん、それってどういうこと?」
「えっと、そのーなんていうかデスネ……」

 ――ああ、世俗にまみれてるわ。
 汚れきったこなたと違って、純粋なゆたかちゃんは意味が分からなかったみたい。
 少女の純粋な言葉に対し、返事に困って縋るような視線を向けてくるけど助けてあげる気もしない。
 自分の言った発言には責任を持って頂かなくてはいけない。存分に反省するがいい。

「何を想像してるのか知らんが……とりあえずご利益の事もあるから伏せておくわ」
「ううう……かがみノってくれない」

 そんな事を言われても、私としては真面目に言ってる訳で。
 軽口の後にあからさまにしょんぼりされても、こちらとしては何も言いようがない。
 話の流れを変えるために、女の子が好きそうな……神聖かつロマンチックなことを教えてあげることにする。
50ゆにすたEP6-2/8:2007/09/11(火) 22:37:03 ID:IYfqGiEG

「籠めるっていうのはね。神前で、巫女装束つけて……祝詞唱えながら神楽鈴を鳴らして、神様の力を降ろすって言う儀式のこと」
「な、なんだか本格的だねえ……みてみたかったナ」
「わー素敵ですね、かがみ先輩」
「そりゃ一応私は神社の娘ですから。というかそれは見せちゃいけない儀式だからね」
「つかさのはないんだ?」
「つかさは指定校だったからね。自分のはやらないのが決まりだから、私のはつかさのだけど。はいこれ」
「私が受験のときも作って……頂けますか」
「ええ、もちろん。まぁ、気休めなんだけどね」
「巫女が神社を否定しやがりましたよ、奥さん」
「奥さんって誰よ。日々の努力が大事って事よ。ほらっ」

 制服のポケットに入れておいた、こなたのお守りを白袋に入れて渡してあげる。
 両手で受け取って、お守りを裏返したり観察して……ハンカチで包んでしまうのを見て、そこまで丁寧にしなくてもいいのに、なんて思った。
 ――そんなに大事にしてくれるなら、作ってよかったな。
 そんなことをしながら下級生たちに混じって歩く通学路。なんだか寂しく感じてしまう私だった。

 学校についてゆたかちゃんと分かれ、教室行ったらいつもどおりみゆきが居た。数人、もう参考書を広げてる人もいる。
 挨拶を交わして、机を三角に並べながらちょっとした話をして、いつもどおりの勉強タイム。
 
 夏を過ぎたころから、だんだんとこなたがこなたでなくなっていくように感じる。
 良く言えば天真爛漫、悪く言えば傍若無人な今までのこなたが影を潜め、静かで理知的なこなたになる。
 勉強中だけというのがこなたらしい。

 スイッチみたいなものだという眼鏡をかけ、ルーズリーフにシャーペンを走らせているこなた。
 目の前の紙だけを真剣に見つめる瞳。そのちっちゃな体全体に纏う張り詰めた糸のような雰囲気。
 質問してくるときの声は、声が変わったわけでも無いのに気を抜くことを許さない。
 ――ほんとに信じられないスイッチだわ。

「しもた、ここ欧米のってくだりで引っ掛け……てことは、ダートマスとアナポリス?」
「また妙な単語並べてるわね。世界史?」
「いやー、自信もって弾いた答えが、見事に間違っててさ」
「確かにこれはちょっと意地悪ですね……設問の文章自体が少しおかしい気もしますし」

 問題集の答え合わせをしていたらしいこなたが呟いて、私たちも手を止めてしまった。
 受け取って見てみたら、確かに引っ掛けというより問題文がちょっとヘンだ。
 模範回答を見てるからそうでもないけど、普通にやってたら私も間違うかもしれない。
 この結果には納得いかないようで、こなたは自前のまとめノートを引っ張り出して、シャーペンをぐるぐる回し始めた。

「むぅ、気がぬけちゃったよ。んー! 体固まってるー。もう二時間か、休憩だねこりゃ」
「そうね、そろそろ私も集中力切れそうだし。みゆきは?」
「ええ、構いませんよ」
「かがみー、おやつーおやつー」
「たぶんクッキーだと思うけど……こら、後ろからとろうとするな! 重いわ!」

 急に席から立ち、私を後ろから抱きすくめながら、つかさ謹製のおやつをねだってくるこなた。
 こんな生活になってから、つかさが毎日ちょっとしたお菓子を用意して渡してくれるようになったので、ハゲタカは収奪に余念がない。
51ゆにすたEP6-3/8:2007/09/11(火) 22:37:46 ID:IYfqGiEG

 最近のこなたは、勉強に勤しんでいる時を除いてずいぶん甘えてくるようになった。
 まるで高校に上がる以前、一時期のつかさみたいに私とくっつきたがる。
 高校生にもなって『せっせっせーのよいよいよい♪』なんてするとは思ってもみなかった。
 一体何を考えているのか、時々わからなくなる時がある。

 真剣モードで消費された何かを、それで補充でもしてるかのように感じる。
 じゃれてるときのこなたは、外見相応の幼さで溢れてる。本当に楽しそうにころころ笑う。
 不思議になって聞いたら、『子供のときにしなかったから、今かがみとすると楽しいんだよ』なんて返された。
 そのときなぜかこなたにそっくりだったかなたさんの写真を思い出して、それ以上聞けなくなったんだけど。

「んー、あまいねー。バターいっぱいだね」
「おいしいわねこれ。あんまり食べたこと無い味だわ」
「ええ、これはイギリスで有名なバターと砂糖と小麦粉しか使ってないお菓子ですから」
「へー、イギリスのなんだ」
「ショートブレッドといいます……ただ、確かこれ一枚でおにぎり半分くらいのカロリーがあったはずかと」
「……え?」
「かがみんの顔がひきつった! ぷにぷにー」
「ええいやめんかっ!」

 さすがにおにぎり半個分ともなると、ついつい手が止まってしまう。
 調子に乗ってほっぺたを指先でつついてくるこなたの指を掴んで剥がした。
 こなたはちょっと残念そうな顔をしたけど、しっかり猫口の中にカロリーメイトみたいなクッキーを放りこんでる。
 ――よく気にならないものね……。
 別の意味で羨ましい。

 こなたは甘えるのがものすごく上手。たぶん今までの友達の中で一番、その辺の空気を読むのがうまい。
 私が本気で怒れない、それ以上やったら悪ふざけじゃ済まないよっていう微妙なところに触れそうになると、すぐに引き下がってしまう。
 私の心の中に容易く潜り込んできて、気持ちの悪いところには触れないくせに、気持ちのいいところだけくすぐっていく。
 まるでこなたの手の平で遊ばされているような、操られているような、それで納得できるかと言えばそうでもない微妙な感じ。

 ちなみに最近読んだラノベの影響なのか、突拍子もないことを考えたことがある。
 もし私が男だったらそんな感じのこいつに惚れてたんだろうな、とか。ずいぶん倒錯してて、これじゃゲームと一緒にするな、なんて叱れない。
 ――もちろんそのときの私に、こなたが懐いてくるかどうかは別だけどね。


――――――――――――――――――
ゆに☆すた 〜University☆Star〜
えぴそーど6 ふたりめのいもうと。
――――――――――――――――――


 ――まったく、この論説文もうちょっとまともに書きなさいよ!
 二人で昨日の入試問題の解きなおしをやってたら、現代文の論説文の半分くらいをミスった事が発覚し、かなりブルーになった。
 試験が終わったからって気を抜いて遊びほうけるのもなんだよねってことで、土日のいつもの勉強会をこなたの家で開催してる。

 もっとも、お互いの問題の解きなおしと答えあわせを兼ねたのだけど。
 私が悩んだ問題を、こなたがすらすら趣意を抜き出して誤答を弾く。相変わらずうらやましい。
 さすが小説家の娘って感心したりもする。遺伝子がそんな風に組まれてるんだろうか。
52ゆにすたEP6-4/8:2007/09/11(火) 22:38:38 ID:IYfqGiEG

「どうかがみ、どんなもん?」
「多分、七割前後ね……これだと。配点もわからないし」
「そーだねえ。私は国語は九割近く取れてると思うけど。はー、さすがにまとめてやるとへたばりそー」

 そう言って後ろ向きにこてん、と倒れるこなた。
 端っこにおいてあったお菓子ボックスを引っ張り出してきたと思ったら、こっちにお饅頭を投げてきた。
 シャーペンを問題用紙に落っことしながら、ぎりぎりでキャッチする。

「こら! 食べ物を投げるな!」
「ごめんごめん。なんかもうクタクタになっちゃっててさー」

 ――まぁ私も疲れてるしね……。 
 包装フィルムをはがして、ベットに寄りかかるようにしてお饅頭をかじる。
 こなたは完全にだらけモードに入ったみたいだった。
 おじさんに買ってきてもらったという、通称冬コミボックスから一冊引っ張り出している。
 さすがに私達は参加できなかった。おじさん……参加するのはいいけど仕事はどうしたんだろう。
 お正月に挨拶した時はやけにぐったりした様子だったけど。

「読んでも良いけど、それ一冊だけよ」
「わかってるですよ、かがみ様〜」
「様は止めろと何度言ったら……」

 私の許可が出た、と解釈したらしいこなたはうつ伏せになって、脚をぷらぷら投げ出しながら読む体制に入った。
 その格好で器用にお饅頭をちまちまかじってるあたり、なんだか愛らしい。

 ――流石のこなたも英語はギリギリ……か。
 国文科英語の問題用紙のコピーを眺めながら、そこいら走り回ってる回答内容らしい英語をながめた。
 こいつのレベルは秋から冬にかけて恐ろしい勢いで上がってきて、こっちが気を抜くとあっさり撃墜されるくらいになってた。

 国語の問題を改めて見なおしたら、配点が高い分法学部より問題量そのものが多かった。
 選択はこいつらしく古文で攻めてる。ちなみに、私は漢文のほうが好き。英語と同じで単語だけで何となくわかるから。
 何で選択だと必ず古文なの、って聞いたことがある。
 『あさきゆめみし読んで妄想しながら原文読んだら、完璧に古文を把握したのだよかがみん』なんてほざいてた。
 原動力が妄想で、点を取れるのが末恐ろしい。

 漢字の書き間違いを見つけてあららと思いながらレ点をつけたとき、急に肩に重みがかかって髪の毛が触れ合うのがわかる。
 ――はいはい、またですか?
 どうやら甘えたい周期らしい。後ろを向こうとするとほっぺた同士がくっついて、こなたの髪の香りが漂った。

「どしたのよ。休憩してたんじゃなかったの?」
「マ○見ての同人見てたんだけど、ちょっとやってみたいなーと」
「……いちおう聞くが、どんなことだ?」
「じゃーん! これだ!」

 既にスタンバイ済みらしく目の前で開いて見せてきた。見た瞬間、脳内の私は盛大にお茶を吹いた。
 そこに描かれている絵は一見でもかなりのインパクトがあった。見続けるともう気恥ずかしすぎて顔を背けたくなる。
 冷静に、まずは冷静に状況を判断しよう。
53ゆにすたEP6-5/8:2007/09/11(火) 22:39:52 ID:IYfqGiEG

 とりあえず、いったいどういうシチュエーションなのかはあえて突っ込むまい。
 聖様に祐巳ちゃんが横向きに抱えられてて、そこまではまぁうん、許せなくもない、と思う。
 祐巳ちゃんが根元をくわえたポッキーを……うん、ふたりでポッキーの恋人食い、ポッキー戦争、言い方はいろいろあるけどそんなのをしている。
 ――本気か、本気なのか? それをするのか。こなたと私で。

「あ、あんたってば……。すぐに影響されるんだから」

 とりあえず声を出す事で、自分の頭を机に打ち付けたくなる衝動を抑える。
 ――って、こなた、既にその手に持ってるポッキーは何なんでしょう?
 どんなコメントをするべきか頭の中で考えてる間に、こなたはお菓子ボックスからわざわざムースポッキーを引っ張り出してきた。
 確かにそのティラミスバージョンは、以前に私がわざわざこなたにリクエストした奴だった。それは認める。

「かがみ、私とじゃだめ……かな?」

 ――あーもう! どーしてそういうときだけ私に罪悪感抱かせるような顔するかな。
 横から乗り出してきたこなたの顔が、息がかかるくらいそばにある。親猫を追いかける子猫みたいに体を摺り寄せてくる。
 嫌なのか、無理なのかといわれると、別に嫌悪するほどのことではない気はする。むしろやってみたいんじゃないかとさえ思う。
 でもそれは私達の間じゃ越えてはいけない一線、という思いが存在することも事実だったりする訳で。

「やっぱり、イヤ……だよね?」

 こなたの表情が泣きそうになり、ちょっとぐずった声になり始めた。
 ――ええい、どうすればいいのよ、一体!
 この顔でずっといられると精神的にとてもよろしくない。まるで小動物を虐待してるような気分になってくる。
 おまけに、こんな風におねだりするときのこなたはかなりしつこい。

「……仕方ないわね。ほら、やってあげるわよ」
「やたー!」

 指でこなたの口のあたりを指しながら、あきれてるような感じでいってみた。本当にそんな感じに言えてるかどうかは……いまいち自信がない。
 もう覚悟はできた、というか無理矢理させられたというのが正答なんだろう、この場合。
 こなたはすぐさまにぱぁと笑みを浮かべて、躊躇なく机のと私の間に滑り込んで太ももの上にお尻を乗せてきた。
 微笑むこなたにつられるように微笑ましくなる……そして心のどこかでうれしがってる自分がいる事に気付いた。そう、気付いちゃったんだよね。
 その気持ちを振り払うように憎まれ口を叩いてみる。

「まったく、泣いた子がもう笑ったってこういう事ね」
「だって嬉しいじゃん。かがみだってちょっとはドキドキしてるくせにー」
「そりゃ、今からやるってイメージ画像見せられたら、普通は落ち着けないわよ」
「むー。こんな感じかな……」

 いくらこなたが軽いとは言っても、ヒト一人に体重を預けられてる。下敷きになっている足は身動きが取れない。
 もぞもぞと体勢を決めていたらしいこなたが、顔を横にして見つめながら右手を腰に巻きつけてくる。
 少し上にあるこなたの潤んだ瞳が見上げる私を見つめてくる。
 耳の裏の辺りまで心臓の鼓動に合わせてドクドクいってる気がする。
54ゆにすたEP6-6/8:2007/09/11(火) 22:40:39 ID:IYfqGiEG

「かがみお姉さま」

 一瞬、意識がトびそうになった。
 お茶を吹くどころの騒ぎじゃないくらいのディープインパクト。
 自分の指先まで鼓動が広がる、こなたに気付かれそうで強く抱える事すらためらってしまう。

 鼓動を抑えるように大きく鼻で息をつき、冷静な自分を呼び起こす事に集中する。
 ――姉役だから、ああ祥子さんは祐巳って呼んでるから、名前をそのまま呼べばいい……のかな?
 冷静と思われる自分の回答はただそれだけだった。

「こなた、どうしたの?」
「お姉さま。こちら……よろしいでしょうか?」
「ええ、構わないわよ。これでいいのかしら?」

 おずおずと封を開けたポッキーの袋を差し出してくるこなた。
 ちょっと震える指で少し太めのムースポッキーを一本だけつまみ出す。
 ――私が咥えてる間、こなたが食べるんだよね。

 根元をはぐり、と咥えてみる。ぐらぐらしないように舌の付け根くらいまで入れたら、舌先にチョコの味が広がっていく。
 絵でみるだけでも恥ずかしいが、実際は予想以上に恥ずかしい。誰かに見られたら末代まで祟りかねない。いや、本気で。
 こなたがゆったりとポッキーの袋を床においてから、開いた左手も私の腰に回してぎゅう、と抱きしめてくる。

「お姉さま、後生ですから私が食べきるまでどうかそのままで……」

 どうも私は頭が茹で上がっているらしい。その言葉に素直に頷いちゃってる。
 元々近かったこなたの顔がポッキーに近づいくる。白い歯が見える。
 この状況でこなたって歯並び良いのね、なんて考えてる自分がすこし可笑しく感じた。

「はむ。ちゅっ……あむ」

 数十秒だろうか、意識を飛ばしていたらしい。すでにこなたが先っぽを舐めるようにしている。
 視線を絡ませたまま、少しづつ、ほんの少しづつ、こなたの顔が近づいてくる。
 時折姿を見せる舌とポッキーを舐めまわす仕草が、異様なほど艶かしくて。
 こなたが近づくにつれ、掛かる吐息が盛り上がりに追い討ちをかけてくる。

「ぺろっ……ぱき、ちゅぅ」
「ぱき、ちゅう……」

 口の周りがチョコでべたべたになって来る頃、折れそうになってたポッキーを噛み切って少し吸い込んでみる。
 逆を咥えているこなたが、同じスピードで寄ってきた。
 自然の行為なのだろうか、バランスを取るためだろうか、こなたと同じように腰に手を回してみる。
 応えるように、こなたが背中に回してる手を少し上げて上半身を更に寄せてくる。こなたの顔もほんのり赤い。

「ちゅう、ぺろ……ぱき、あむっ」

 ポッキーが残り少ない。互いのくちびるの距離まで、たぶん2センチくらい。
 その辺でこなたが止まって二人見つめ合う。どちらとも言えない息の音だけが響いている。
 しばらく……どれくらいの時間が経ったのだろう。
 お互いの体温すら感じる事が出来そうな、そんな微妙な距離と、空気。
 愛しさのあまり、背中に回した手を上げて、頭を撫でる。
55ゆにすたEP6-7/8:2007/09/11(火) 22:41:24 ID:IYfqGiEG

 それが合図になった。

「ぱきっ」

 こなたが残ったポッキーを折って、くちびるを離してく。私は口元のそれを、咀嚼して飲み込んだ。
 口の周りでべたついているチョコを、舌を回してなめ取る。
 こなたは私が食べるのを待っていたのだろうか。口の中にポッキーの残りを収めてから、ゆっくり噛み始めた。

「こく」

 こなたが残りのポッキーを飲み込んだのが、のどの動きと音でわかる。
 永遠にも思える時間、切り取られたかのような空間、それが抱きしめあった私たちを包んでた。
 その時の私は、こなたのこと以外は何も考えていなかった。

「ありがとうございました。お姉さま」

 そして時間は動き出す、私の意識だけをそこに置き去りにして。
 そばにあったティッシュを引き寄せたこなたが、私のくちびるを優しく拭いてた。
 拭き終わった所で、私はそのティッシュを受け取り、こなたのくちびるも拭きとって、丸めたティッシュを勉強机の上に投げた。
 机の上を転がって行くティッシュペーパーを、呆けた頭のままで見つめてた。

「お姉さま?」

 こなたを抱き寄せた手も、頭を撫でた手もそのままに、動きを止めた私に首をかしげて呼びかけてくる。
 離したくなかった。このまま抱きしめていたかった。もっと、強く強く。そして、折れたポッキーとともに終ってしまった事の続きも。
 でも、戻ってきた私の中のもう一人の自分がそれを許さない。そう、『妹みたいな存在』、『親友』、『同姓』と必死に叫んでる。
 少しづつ浮ついた意識をクールダウンして、祥子様の口調を思い出しにかかった。

「いえ、何でもないわ。どう、こなた、おいしかったかしら?」
「ええ、とても」
「なんだか疲れてしまったわね、一本だけでいいのかしら」
「はい、お姉さま……」

 行為自体に心残りが無かったと言えば嘘になる。でもそれは許されない。
 抱き寄せた手を離してこなたをゆっくりと開放する。
 こなたも素直に離れて、ポッキーの袋を机の上に上げながら隣にぺたん、と座り込んだ。
 ――こなたも緊張してたんだよね、きっと……。
 大きく息をついてからこなたのほうを向いたら、もう完全にいつものこなたに戻ってた。
 あの生意気な子猫みたいな顔でニマニマとこっちを見てる。

「かがみん、デレですかいデレですかい?」
「……ぅ、うるさいわ! あんたが言い出したんじゃない」
「そだね。ちょっと私も目覚めちゃいそうデス」
「いやいやいや、目覚めるな目覚めるな」

 こなたのおちゃらけた物言いにちょっとカチンと来る。
 とはいえ、今回の事はもう記憶の奥底に封印する事に決めた。
 まだ続く強い鼓動の中にチクリと痛みが走った気がするけど、気のせいという事にする。
 ようやく普通にやりとりができるようになったタイミングで、控えめなドアのノックの音がした。
56ゆにすたEP6-8/8:2007/09/11(火) 22:42:20 ID:IYfqGiEG

「はーい」
「おねーちゃん達、お疲れさまです。おじさんがお寿司取ったのが届いたよって」
「おおう、そういえばお昼にそんなこと言ってたなぁ」
「あんたの家で出前なんて珍しくない?」

 いつもかわいらしいゆたかちゃんが、ドアから顔だけぴょこんと出して私たちに知らせにきた。
 もしかしてあの最中を見られたんじゃないかと一瞬緊張したけど、その顔は至って普通だった。
 正直、最中じゃなくてよかったとほっと胸をなでおろした。
 邪魔されなくてよかったと思った自分が居たことも確かだったから。
 自分のことまではよくわからない。とりあえず普段どおり、適当に話をあわせた。

「おとーさん、あさって締め切りらしくてさー。ものすごい感じ」
「発表日と一緒なのね。それとお寿司がどう結びつくの?」
「むしゃくしゃして電話したって。あ、あと極上を五人前頼んだ、反省はしていない! って叫んでた」

 ――特上通り越してるよ。
 むしろ極上って有るのか、なんて頭の中で突っ込みを入れる。
 締め切り前の作家さんって大変なんだなあと思いつつ、私たちは階下に降りた。

 そのお寿司は確かにおいしかったけど、トロとかはあるのに何故かマグロの赤身だけはひとつもなかった。
 場所が開いてたからおじさんが食べたんだろうって事になったけど、人数分位は残しておけってこなたが不機嫌だったり。
 今後しばらくのおじさんが不憫でならない。

 そんなこんなで、試験後初の土日の定例会は過ぎ去ってった。
 帰るときに言われたこなたの言葉は、私はきっと一生覚えてるんだろう、きっと。
 
 ――ねえかがみ、何回か話してたけど。ほんとに、ほんとに二人とも受かってたら、一緒に四年間暮らそーね、約束だよ!


【Finale / えぴそーど6 ふたりめのいもうと。】
57名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 22:43:10 ID:IYfqGiEG

以上です。お読みいただいた方、ありがとうございます。
書き忘れの注意事項がありました。
マリア様が見てるをご存知ですと、よりお楽しみになれます。
お嫌いでしたらごめんなさいでした。

周回遅れのアニメを見てネタが振ってきたので、もしかしたら次回は単発を出すかもしれません。
そのときはそのときで宜しくです。

>>前スレ725氏
いつもありがとー。んー、想像が似てるのは方向性が似てるからなのかなw
うちのコたちはかなり黒いとこ黒いから、あーでも黒いピュア?(帰れ
せんせーのはかがみんの暴走とうじうじがすごい好きです。
なんだか終わりそうで悲しいけど、続きもぜんらたいきしてます☆
58名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:12:12 ID:IP/g5o6a
>>57
GJ!
極上の糖分頂きましたwww

キャラの心情描写、実に参考になります
同じポッキーゲームでも、ここまで差がでるとは…やはりモノが違いますね

氏の才能に嫉妬しつつ、ぜんらたいきに入りますw
59妄想屋(仮名):2007/09/11(火) 23:36:11 ID:r7XzkJVA
新スレおめでとうございます&>>1乙。
前スレも週刊ペース、おまけに本スレもしょっぱなから神作品の連発ってどんだけー。


なんか、前スレラストの妄想に引っ張られました。

つ【ttp://freedeai.com/up/src/up5331.jpg


そう君萌死支援w
(するかなぁこんなんで)
60名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:39:05 ID:eTcoKSUV
>>59
なんつー挿絵!!
感動的なこのシーンのあとに、例の扇情的なシーンでニャンニャンと……まさにGJです。
61名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:44:55 ID:m46FspCW
両氏ともgj
62名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:57:57 ID:25rINxs7
>>59
これもしかして、俺が前スレラストで曝け出したかな×こなっすか!?
俺がSSにする前に挿絵がくるなんて……

気合入れて書かにゃ〜いけんじゃないとですか!!
6314-208:2007/09/12(水) 00:13:59 ID:fs+pc/lB
14-208ですが、初めてらき☆すたでSS書きましたー。
こなかがでセリフばっかりだけど投下しておkッスか?
64名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:16:11 ID:Y6Ky3Kgn
かたやマリみて風ポッキーゲーム、こなた禁断の母娘キス……!
両氏ともいい仕事しすぎてて、どうにかなりそうです。ぐっじょぶ!
65名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:18:41 ID:XKe7SVci
>>63
テンプレを読んでさえくれればどんな作品でもドウゾドウゾ
66名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:19:12 ID:waDjW9Z1
うわぁ、また投下するタイミング逃した
まぁいいやお先にどうぞ
6714-208:2007/09/12(水) 00:34:18 ID:fs+pc/lB
では、逝きます。
何レスになるか分かってない初心な俺ですんまそん。
68名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:47:54 ID:UfW2Ci12
>>57
あんたの作品、いつもGJすぎるぜ・・・・・・!!超ニヤニヤが止まらない
果たしてこなたとかがみは受かったのか。気になる〜〜
69名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:50:01 ID:Qj2Wh2NH
>>67
sageたほうがいいのでは。
7014-208:2007/09/12(水) 00:51:25 ID:fs+pc/lB
……なんか改行多いとかで投下できないorz
皆さんお先にどうぞ……。
71名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:52:56 ID:AdOJsc33
>>70
1レス50行くらいに分けてみましょう
72名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:56:47 ID:V4LyjG3G
なるべくならメール欄に「sage」を
73名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:59:30 ID:QBdmhE55
設定しておくと便利
74名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:59:59 ID:AvgFgA+E
みなみん誕生日オメ
75名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:00:22 ID:Qj2Wh2NH
みなみはぴばす
7614-208:2007/09/12(水) 01:05:43 ID:fs+pc/lB
皆さんありがとうっ!
とりあえず、早朝出勤前にひっそりと投下することにしましたよ。
早起きできる人はヨロ。
77名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:14:17 ID:AdOJsc33
>>76
その前に下げましょうね

E-mail(省略可):
の部分に『sage』を入れるだけですから
7814-208:2007/09/12(水) 01:21:31 ID:fs+pc/lB
>>77
スマソ。
79名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:43:46 ID:Xlvn3Ib+
寝る前に投下
お泊り会続きこなた視点ではなく、告白シリーズの後、お泊り会の前の話
つかさはどういうキャラになるかと考えた結果こうなった
2レス使用します
80ストロベリーストロベリー 1/2:2007/09/12(水) 01:44:26 ID:Xlvn3Ib+

「おはよ、お姉ちゃ――」

朝と言うには遅く、昼と言うには少し早過ぎる時間に。
寝起きの挨拶をしようとお姉ちゃんの部屋を開けたら、お姉ちゃんがこなちゃんを後ろから抱きしめてお互い寝ていた。
もういつもの事なのであんまり驚かない。
邪魔したら悪いかなとドアを閉めようとしたらこなちゃんが起きてしまった。

「あ……つかさ、おはよー」

二人ともこっちを向いた状態で寝ていたから、目を開ければ当然私が視界に入る。
抱きしめられてると気付いてないらしいこなちゃんは、起き上がって私に手を振ろうとしたけど体と腕がが動かない事で
ようやくお姉ちゃんに抱きしめられていることを認識したようだった。
前にがっちりと回されている腕と、後ろで寝ているお姉ちゃんを確認した瞬間に手首だけをバタバタと動かして弁解するこなちゃんが微笑ましい。

「い、いや、違うんだよつかさ! 気が付いたらこうなってて!」
「そんなに慌てなくていいよ、いつものことだもん。それに大声出すとお姉ちゃん起きちゃうよ」
「確かにそうだけど……ここまで受け入れられるとちょっと恥ずかしいんだけどな」

諦めたのか、それともお姉ちゃんを起こさないためなのか。
そこまでは分からないけどこなちゃんは大人しくなってしまった。
昨日はこなちゃんは泊まりに来てなかったから、今日の朝早くにでも来たんだろう。
そして二人して寝ちゃったのかもしれない。
こういう風に寝るなんて本当に仲がいいなあと思う。

「羨ましいな」
「え?」
「こなちゃんとお姉ちゃん、すっごく仲がいいよね。そうじゃないとこういう事できないもん」
「こ、この状況を『仲がいい』って表現ですますとは……いや、まぁ、そりゃあ」

こなちゃんが恥ずかしそうにもぞもぞと体を動かしている。
多分寝返りをうちたかったんだろうけど、うったらお姉ちゃんと向かい合わせになるから出来なくてもぞもぞしてたんだと思う。
結局恥ずかしそうに笑って。

「――やっぱ……好きだから、かな」

語尾を上げたりせず、断定系で言うこなちゃんの笑顔を見ると思わずこっちも笑顔になる。
こなちゃんはこういう『幸せ』っていう笑顔よりも『楽しい』と感じているような笑顔が多い。
『幸せ』そうな笑顔の場合は、いっつもお姉ちゃんが関係してる。
友達がその人だけに見せる笑顔っていうのは、凄く眩しくて届かないようで。
恋愛感情とか、独占欲とかじゃなくて……なんか羨ましいなと思った。
こなちゃんに思ったのか、お姉ちゃんに思ったのか、自分でもよく分からないけど。

「あ、まだ朝ご飯食べてなかったから食べてくるね」
「遅っ……って、起きる時間帯に関しては私も人のこと言えないけど」

いってらっしゃいの意味か、こなちゃんが手首だけでパタパタと手を振ってくれた。
私はお姉ちゃんを起こさないようにゆっくりと扉を閉めて階段を下りると少し遅めの朝食をとることにした。
81ストロベリーストロベリー 2/2:2007/09/12(水) 01:45:01 ID:Xlvn3Ib+

朝食を終え、邪魔をするつもりじゃなかったんだけど気になったからお姉ちゃんの部屋をもう一回覗いた。
こなちゃんはまた寝てしまったらしくて、さっきと変わらぬ体勢で二人仲良く眠ってる。
起こさないように扉を閉める途中、今度はお姉ちゃんが目を覚ました。

「……つかさ?」
「ん、おはよ。お姉ちゃん」

こなちゃんと違って慌ててない。すごいよお姉ちゃん。
寝起きだからかぼんやりとした表情だったけど、腕の中に居るこなちゃんを見て『優しい』笑顔になった。

「……こなちゃんとお姉ちゃん、仲がいいよね」

ついさっきこなちゃんにした同じ質問をする。

「そ、そう……? でも、勝手に私がこうしただけだし、こなたからしてきたわけじゃ」
「さっきこなちゃん起きてたけど、逃げようとしてなかったから大丈夫だよ」

こなちゃんが聞いてたら「なんで言うの!?」って言われるかもしれないけど、寝てるからいいよね。
それを聞いておねえちゃんがきょとんとして、その後。

「……そっか」

また『優しい』笑顔で、こなちゃんを抱きしめていた腕に少し力をこめていた。
お姉ちゃんはこういう『優しい』っていう笑顔よりも『苦笑い』とかの方が多い。
『優しい』笑顔を見せる場合は、いっつもこなちゃんが関係している。
双子の妹としては、ちょっと寂しい時もある。胸の奥がモヤモヤする時だってある。
お姉ちゃんに対する不満や、こなちゃんに対する嫉妬だって無いわけじゃない。
でも、まったくその笑顔を見せてくれないわけじゃないし……


それになにより、私は。
こなちゃんがお姉ちゃんに向ける『幸せな』笑顔と。
お姉ちゃんがこなちゃんに向ける『優しい』笑顔が好きだから。


「ねぇ、お姉ちゃん」
「ん?」
「今からケーキを焼くけど、食べる?」
「あー、いいわね。でも、いいの?」
「うん。出来たら呼ぶから寝てていいよ」


再びドアを閉める。こなちゃんを起こさないようにゆっくりと。
台所に向かいながら、二人のためにとびっきりのケーキを焼いてあげようと思った。



二人のように――――甘い甘いショートケーキを。
82名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:46:37 ID:Xlvn3Ib+
以上です

つかさが好きなのは、かがみの事が好きなこなたと、こなたの事が好きなかがみなんじゃないかと
黒くならないように……というか>>57氏とかぶらないようにを意識したらつかさがしっかりしすぎたような
あれ? みゆきさんの出番が

>>57
GJ!
ポッキーゲームのシーン読んでたら思わず奇声発してしまった。
本当にあなたはエロくて良い仕事してるよ。
二人が合格してる事を願いつつぜんらたいき! です。
83名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:50:36 ID:V4LyjG3G
GJ!!!
かがこなの中につかさを入れると超高確率で黒くなってしまう自分にとってこの展開は見習いたい
84名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:56:08 ID:AdOJsc33
>>82
GJっした!!

あなたの意見には同意っすよ。
俺も、つかさが好きなのはどちらか片方じゃなくて
一緒にいるときの2人なんだと思う。つかさの性格的に。
俺が今書いてるSSのつかさも、丁度こういう立ち位置だし。
同じ意見の人がいて嬉しいさww
85名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:57:01 ID:iFohzJH1
>>82
GJ!
ああ、もう誰も彼も可愛いな。
86名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:43:32 ID:V4LyjG3G
どうしよう
みさお×かがみを書いているはずがいつのまにかドス黒いつかさを思いついてしまった
 
 
 
 
 
……読みたい人…いる…?
87名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:48:01 ID:9sOUjQUQ
そこまで言われて「読みたくない」と言えるかい?
妄想はとりあえず書き上げろ!!
黒くたってGoGo!!
88名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:52:38 ID:l6vT5UZ/
読んでみたいかな。





みなみちゃん誕生日おめでとう。
89名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:53:56 ID:9sOUjQUQ
らき☆すたから大切な
お知らせとお願いです。

五日前に製造された、古い年式のらき☆すた年表を探しています。
1990年にゆたか、八坂こうの誕生と記述があるものの点検や無償修理を行っています
無点検のままご使用になられますと、設定上の矛盾がSS内にあふれ出し、
万一の場合大恥をかく危険性があります。
1990年にゆたか、八坂こうの誕生と記述があるもので、まだ点検を済ませていない方は
ただちに使用を中止しいただき、
まことにお手数ではございますが、至急、下の年表に修正をお願いします。

何卒、ご理解とご協力をお願いします。
90名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:55:11 ID:9sOUjQUQ
らき☆すた年表
(年齢は12/31現在)

1966年 かなた(8/20)&そうじろう(8/21)誕生
1967年 ゆき誕生(7月以降)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1979年 そうじろう13歳中学一年。黒井ななこ誕生(2/8)
1980年 そうじろう14歳中学二年。
1981年 そうじろう15歳中学三年。
1982年 そうじろう16歳高校一年。
1983年 そうじろう17歳高校二年。
1984年 そうじろう18歳高校二年。
1985年 そうじろう19歳大学一年。東京へ駆け落ち?
1986年 そうじろう20歳大学二年。
1987年 そうじろう21歳大学三年。ゆい誕生。ゆき20歳?
1988年 そうじろう22歳大学四年。アキハバラ1988
1989年 こなた誕生(5/28)。そうじろう23歳大学卒業。
1990年 こなた1歳。そうじろう24歳。かなた逝去。
1991年 こなた2歳。そうじろう25歳。八坂こう誕生(2/3)。ゆたか誕生。
1992年 こなた3歳。そうじろう26歳。
1993年 こなた4歳。そうじろう27歳。小神あきら誕生?(2/14)
1994年 こなた5歳
1995年 こなた6歳
1996年 こなた7歳小学一年。
1997年 こなた8歳小学二年。宮川ひかげ誕生
1998年 こなた9歳小学三年
1999年 こなた10歳小学四年
2000年 こなた11歳小学五年
2001年 こなた12歳小学六年
2002年 こなた13歳中学一年。
2003年 こなた14歳中学三年。
2004年 こなた15歳中学三年。ゆい18歳。
2005年 こなた16歳高校一年。ゆい19歳高校卒業就職。
2006年 こなた17歳高校二年。黒井ななこ27歳独身。成美ゆい結婚。金魚のたまちゃん(ぎょぴちゃん)柊家へ
2007年 こなた18歳高校三年。そうじろう41歳。ゆたか他一年入学。


1966年生まれ 41歳 泉そうじろう&かなた
1979年生まれ 28歳 黒井ななこ(確)
1987年生まれ 21歳 成実ゆい
1989年生まれ 18歳 らきすた三年組(確)
1991年生まれ 16歳 らきすた一年組(確)。八坂こう(確)
1993年生まれ?永遠の14歳 小神あきら
1997年生まれ 10歳 宮川ひかげ
2006年生まれ 1歳 たまちゃん(ぎょぴちゃん)

1967年7月以降 〜40歳 小早川ゆき
1988年9月〜1985年 19〜22歳 柊まつり
91名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:57:03 ID:9sOUjQUQ
一年組の出生年に根本的な問題が見つかった他、数点修正しました。
あきら、ひかげはらき☆すた公式ガイドブックの学年より
しかし、あきらは登場当初から14歳を名乗ってたし……ということで永遠の14歳
泉そうじろう&かなた、成実ゆいの年齢など(確)のついていないのは推定ですので使用時にはご注意を
92名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:57:05 ID:V4LyjG3G
あ、ちなみにみさ×かがとドス黒つかさは別の妄想
それでもおkならいったん中断して黒つかさ書くけれど
93 ◆0iImM7mexo :2007/09/12(水) 03:17:28 ID:ss9omWZ/
>>89-91
まとめwikiの参考資料に年表入れてたんで、たった今修正してきました。
……というか、載せてもおkですよね?
94名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:18:45 ID:9sOUjQUQ
物書きとして一言物申す

書きたいのなら書け、書きたくないのなら書くな

妄想が沸いてこないなら無理して書いても仕方ないし、
そのネタについての妄想が沸いてきて止まらないなら書いちまった方がいい。
>>1のルールさえ守ってくれれば、何書いてもいい
読者は面白ければレスしてくれるし、つまらなきゃスルーされる(一部例外あるが)
別につまらない作品を書いても問題ない。自分が楽しければそれが一番だ

誰に強制されて書いているわけでもない。自分のやりたいようにやればいい。
失敗したときに他人の意見を言い訳にするな
95名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:21:10 ID:9sOUjQUQ
>>93 管理人様
お仕事お疲れ様です。修正ありがとうございます
参考資料に掲載OKです。ってか、ぜひ

某所を見たら他のスレにも転載されているみたいで
間違った情報が広まっちゃったのが一番の懸念ですが……
96名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:29:00 ID:V4LyjG3G
>>94
そうだった、すまない
言い訳をさせてもらうとこのスレに一番最初に投下したのがバリバリの鬱モノでそれ以来鬱モノの投下をためらってきた
そんなわけで鬱モノを投下するのにまだ恐怖心というかそんなものがある
でももう迷わずに投下するよ
97名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 03:36:57 ID:9sOUjQUQ
欝モノなら欝モノと最初にはっきり書けばOK
見たくない人はそれでスルーしてくれるし、
それでも噛み付くなら噛み付くほうが悪い
他の人から金をもらっているわけでもないんだし、好きなの書いちゃえば?
自分の好きなように書いたSSが、自分では一番面白かったりするし

……って、何やらえらそうに書いてごめんなさい
98アリアン:2007/09/12(水) 04:05:32 ID:V4LyjG3G
というわけで30分でなぐり書いたSS
こなた×かがみ前提のつかさ→かがみ
バリバリ鬱モノです
それでもいい、という方は読んでください
2レスお借りします
99アリアン:2007/09/12(水) 04:08:25 ID:V4LyjG3G
お姉ちゃんとこなちゃんが付き合っている、らしい
それを聞いた時から、私の中に何か黒い炎みたいなものが現れ始めた
そしてそれが大きく燃え上がれば燃え上がるほど、激しい怒りが湧いてくる
そういうときはたいていお姉ちゃんとこなちゃんが一緒にいるときだった
どうやら私はこなちゃんがお姉ちゃんと一緒にいることが許せないみたい
 
しばらくしてわかった
この黒い炎は「憎悪」だ
こなちゃんとお姉ちゃんが一緒にいるだけで、憎悪がわいてくる
こなちゃんがお姉ちゃんを奪っていったことに対する、憎悪が
 
こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんと長い間一緒にいるのに
こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんの事をいっぱい知ってるのに
こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんの事を長く想ってるのに
こなちゃんより私のほうが……………
 
なんでこなちゃんが?私よりお姉ちゃんのことを全然知らないこなちゃんが?
なんで私より先に「私の」お姉ちゃんを横取りしてるの?
 
こなちゃんのくせに
こなちゃんのくせに!!!
コナチャンノクセニ!!!!!!
 
許さない
絶対に許さない
「私の」お姉ちゃんを横取りしやがって
今までは友達と思ってきたけれど、もうあんな奴友達なんかじゃない
あいつは敵だ
私の最大の障害
一刻でも早く、一分でも一秒でも早くこの世から排除しないと、私がおかしくなりそう
目の前からいなくなってくれないかな?
蒸発してくれないかな?
死んでくれないかな?
100アリアン:2007/09/12(水) 04:09:50 ID:V4LyjG3G

そうだ
いま思いついた
なんでこんな簡単なことを思いつかなかったんだろう
 
こなちゃんを殺せばいいんだ
こんな簡単な答えを見つけ出すのに、なんでこんなに時間がかかったんだろう
こなちゃんが死ねば、すべて解決する
そうなればお姉ちゃんは私だけのもの
お姉ちゃんはだれにも渡さない
私がこなちゃんを殺った直後の数日は悲しむかもしれないけど、私がそばにいて励ましてあげる
そうして少しでも早くあんな奴のことを忘れさせてあげる
お姉ちゃん、頭いいから気付くよね?
こなちゃんなんかより私のほうが何倍もお姉ちゃんの事を好きだっていうこと
 
決まりだ
すべて決まった
後は実行に移すだけだ
私はこなちゃんにメールを送る
 
<<今からこなちゃんの家に行ってもいい?>>
 
<<いいけど?こんな夜に何の用だい?しかもいきなり>>
 
<<なんでもない。気にしなくていいからそこで待ってて>>
 
これでこなちゃんの命日が今日に決まった
出かける前に台所に忍び込んで出刃包丁を手に取る

これでこなちゃんを嬲り殺してやる
まずは叫び声を上げられないように、気道を切り裂く
そして逃げられないようにあの鬱陶しいほど長い髪で両腕を縛る
そしてあとはじっくりじわじわと全身を切り刻んでいく
あははは、考えるだけでも楽しくなっちゃう
待っててねこなちゃん、今すぐ行くから
そして最大限の苦痛と恐怖を与えてあげる
お姉ちゃんを奪われた私の憎しみ、たっぷりと教えてあげる
 
 
 
 
 
アハハハハハハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ
オネエチャンハワタシノモノ
ワタシダケノモノ
ワタシカラウバオウトスルヤツハ、ワタシガヒトリノコラズコロシテアゲル
101アリアン:2007/09/12(水) 04:12:16 ID:V4LyjG3G
以上です
こんなのを書くなんて、きっと疲れてるんですね
さっさと寝ます
次回はみさ×かが投下します
 
最後となりましたが勇気をくれた>>94氏に感謝
10294=320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 04:19:39 ID:9sOUjQUQ
リアルタイム投下キタコレ
ってか、散々好き勝手言って、自分が名乗らないのは失礼かと思ったので、とりあえず名乗っときます

見事な黒モードつかさ、GJです
自分もちょいと欝モノ好きだったりするんですが、
つかさの見事な黒、壊れっぷりには感服です

…ヤバイ、自分にも欝発作が……
103アリアン:2007/09/12(水) 04:28:28 ID:V4LyjG3G
あ、タイトル忘れてました
「私だけのお姉ちゃん」でお願いします
104名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 06:44:59 ID:Q2bJxFeH
なんというはるちん……
10514-208:2007/09/12(水) 06:49:58 ID:fs+pc/lB
昨日の晩に投下出来なかったSSを投下します。
こなかがで台詞のみです。
106名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 06:50:10 ID:94YgmS8P
>>16
最近このスレに来たので過去作を読んでないですが、
思わずWikiを開こうとしている自分が居る
今から開いたら遅刻するがなw

>いつかは私も、あの日のお姉ちゃんのように
ここの「あの日」言い回しだけちょっと気になったかな


>>38
これはとてもいいかがこな成分ですね


>>57
今回もラノベっぽいけどむしろそれが良い
サブタイトルが多少違和感有るかしらw


>>82
あれ、みWikiさんが……
目から汗が出てくるよ?


>>101
イイ壊れっぷりですね!


全員GJ
107「勉強よりも」:2007/09/12(水) 06:52:38 ID:fs+pc/lB
「こなたー、いるー?」

「あれ、かがみん?
どしたの? もうすぐ授業始まっちゃうよ?」

「あのさ……、昨日の宿題ってやった?」

「あー、あれ?
なんとか自力で全部やったよ。
……誰かさんが見せてくれなかったおかげでねー」

「いや、自分でやるのが普通だろ……。

まあ、いいわ。
私も今日は人の事言えないし……。」

「え?」

「こなた……。
お願い! あんたの宿題写させて!」

「…………はい?

えっと……誰が、誰の宿題を写すのデスカ?」

「だから、私が、あんたの」

「え、ええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「しーっ! 声が大きい!」

「だ、だって、むぐっ!」

「普段見せてあげてるんだから、今日ぐらいはいいじゃない!
第一減るもんじゃないんだし」

「べ、別に良いけどっ!
でもなんで、急に!?
それに、なんでみゆきさんのじゃなくて私のなのさ!?」

「う。
だ、だって……やり忘れちゃったものは仕方ないじゃない。
次の時間に回収するって言うし……、だからちょっと急ぎでさ……。

あとみゆきは……、前にあんた自分で言ってたじゃない。
それと同じで借りづらいというか……、分かるでしょ?」

「あー、なるへそ」
108「勉強よりも」:2007/09/12(水) 06:55:34 ID:fs+pc/lB
「でも、珍しいね。
かがみんが宿題やり忘れてくるなんてさ」

「う、うるさいなぁ……。
元はと言えばあんたが……」

「? 私がどうかした?」

「あ! ううん、何でもない!」

「もしかして……」

「な、なによ……」

かがみんはレベルが上がった!
ツンデレが5上がった!

「……って感じ?」

「どんな感じだっ!
と、とにかく借りてくわよ!」

「かがみん、ちょっちタンマ」

「ぐっ!
ひ、人の髪の毛を引っ張るなっ!」

「誰もタダで貸すとは言ってないよ」

「なんでよ!
あんただって普段散々タダで私の宿題を借りてるじゃない!」

「え?
だってかがみのものは私の物で、私の物は私の物じゃん」

「ちょ! ジャ○アニズムかよ!?」



「というわけで、かがみにはこちらの出す条件をのんでもらいまーす。
ぱちぱちぱちぱちー」

「納得いかーん!」

「まあまあ、条件って言ってもそう大したことじゃないし。
それにかがみにとっても悪い話じゃないはずだよ」

「〜〜っ! で、何!?」

「なんだかんだ言って話を聞いてくれるツンデレなかがみん萌え〜」

「茶化すな!
そんなこと言うなら聞いてあげないわよ!」

「じょ、冗談です、かがみ様〜。
あとここだと言いづらいので廊下でオネガイシマス」

「な、何よ?」

「まあ、いいからいいから」
109「勉強よりも」:2007/09/12(水) 06:58:34 ID:fs+pc/lB
「で。
廊下に出たわけだけど、一体何なの?」

「ん……。
あのさ……。

……キス、しよ?」



「――――ッ!
こなた、それって、どういう……」

「そのままの意味だよ。
キス、ちゅー、接吻、ベーゼ……って、これだけ言えば分かるよね?」

「わかる……、けどいきなりというか急というかTPOをわきまえろというか……」

「ごめん、もう我慢できないし」

「ちょ、ちょっ、待っ……!
こな……んっ!

んっ……んふぅっ!」


「れろ……ちゅぱっ、ふっ……」

「ふあっ……あむ、ん、ん、あふっ……」

「ちゅ、んむっ……くちゅ……」

『……ぷはあっ!』

「けほっ、げほっ、こほっ!
こな……!」
110「勉強よりも」:2007/09/12(水) 07:01:43 ID:fs+pc/lB
「はい、これにて終了〜」

「……ぁ、え?」

「ノートは明日返してくれればいいよ。
私のところはもう提出し終わったし。」

「……はぁっ……くぅっ!」


「じゃ、私は自分のクラスへ……って、かがみ?」

「……ずるい。」

「へ?」

「なんで私が宿題忘れたと思ってるのよ。
あんたと……その、え、えっちなことした時を思い出しちゃって、そしたら集中出来なくなって、宿題が手に付かなくなったって言うのに……。
それなのにこんなことされたら私……体が疼いて、もうクラスに戻れないじゃないのよぉ……」

「……じゃあどこに行こっか?」

「……え?」

「校舎裏?
女子トイレ?
それとも体育館の器具庫とか?
どういうシチュがかがみんは好きカナー?」

「あんた、まさか私がこうなることを見越してわざとっ!?」

「さて? 何のことやら。
それはさておき。
こういう時はお姫様抱っこで連れて行った方がいい?」

「それは勘弁して……。
そ、それにいまからの授業はどうするつもりよ!
私、結局宿題写してないし……」

「そこはそれ。
かがみんが体調不良になったのを私が颯爽と保健室に連れて行ったという設定で。
……おお、それなら保健室でベッドを共にするというシチュもありですな!」

「おいおい……」

「それとも、かがみんはイヤ?」

「……イヤじゃ、ないけど」

「ん。
じゃ、手つないで行こ?」

「う、うん」
111「勉強よりも」:2007/09/12(水) 07:05:54 ID:fs+pc/lB
「ねえ、こなた」

「んー?」

「私も今度宿題見せてあげる時に条件付けていい?」

「う……。
そ、それはどんな無理難題デスカ?」

「そう怖がらないの。

ん……」

「!?」

「今度はいまみたいに、私からもキスしていいかって聞いてるの。
ねぇ、ダメかな?」

「う、うぅん!
全然イイ、全くイイ、モーマンタイ!」

「あれー?
こなたってば紅くなって、可愛いのねー」

「むー、かがみんのクセになまいきー」

「うん。
……好きな人が自分のことで照れてくれるのって嬉しいね、こなた?」

「うん、そだね」
112「勉強よりも」:2007/09/12(水) 07:06:56 ID:fs+pc/lB
「着いたわね、保健室」

「いまから最後までやりたいと思ってるけどさ……かがみんはやっぱりまだ怖い?」

「ううん、もう大丈夫よ。
それにね……凄くドキドキしてる」

「……ねぇ、かがみ。
ん?」

「かがみは私のもので、私はかがみのものだから。
それだけは覚えといて」

「……何それ? ジ○イアニズムならぬコナタニズム?」

「さあね? 案外カガミズムじゃない?」

「…………ばか」

「先に入ってるよ?
入り口の鍵を閉めてきてね」

「うん。

……こなた」

「何?」

「大好き」

「私もだよ、かがみん」

「優しくするのよ?」

「愛があるから、だいじょぶだよ」

「うんっ!」
11314-208:2007/09/12(水) 07:14:37 ID:fs+pc/lB
以上です。
稚作&寸止めですいません。
あと、改行エラー気にしてレスを多めに使ってすいません。
それと昨夜色々教えて下さった方々に感謝を。

では。
114名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 08:09:06 ID:SZE1XRAt
>>89-91
年表作成乙。
ゆい姉さんの年齢ですが、3巻P80に26とありますぜ。
115名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 08:13:58 ID:ldcafLEp
>>113
朝からGJですよ

>>25
それ何てファンタジーゾーン?
116名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 09:50:57 ID:ds2YuYpD
>>101

KOEEEEEEE!

この後、殺されそうになって逆上したこなたがつかさを逆に撲殺……、
とかいう展開になったら、なんかこういろいろと黒が爆発しそうだ。
117名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 10:45:17 ID:8N2ijhCV
>>113
GJ!!!!
朝からニヤニヤしちまったじゃねぇか!
118名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 12:12:18 ID:GBxVoHlu
>>101
GJ!
でも、何か前にも似たようなの書いてなかったっけ?
119アリアン:2007/09/12(水) 13:02:24 ID:/cwjUfZy
>>118
一番最初のSSはこなたが三人にいじめられるやつです
違う物を書いたつもりですが被ってるようでしたらすいません
120名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 13:23:16 ID:GBxVoHlu
>>119
あ、ごめん違う人だったかも
お騒がせ失礼
121名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 13:28:42 ID:9sOUjQUQ
なんだか、>>99を読んでから妄想が止まらないのだが……
人のSSの続きを勝手に書くのはちょっと気がひけるんだけれど、
できれば作者様の許可を……
122名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 14:46:20 ID:p8NhuiW4
>>113
GJ!

それにしても保健室に入ったらゆたかとみなみにばったり会いそうな展開だね。
123名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 15:08:42 ID:YwKPTHYw
>>120
ぶーわ氏の作品だな多分。
ちょっと被り気味だったからわからなくもないが。
124リク ◆yk1swKhbl6 :2007/09/12(水) 15:14:20 ID:+Nh72lje
>>前スレ368
そういう意味でそういうタイトルにしてたんですがちょっとくどかったようですねすいません。気をつけます。

1話の時点で全部書き上げてたのでちょっと修学旅行と場所的にかぶっちゃったけど、場所変更するのもあれなんで
そのまま投下します。


第二章―彷徨う心―の続き。
125第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:14:52 ID:+Nh72lje
「今度の土日、みんなでどこか旅行に行かない?」
 
 お姉ちゃんのそんな一言から始まった。


 十一月某日。

 紅葉も時期を過ぎ、寂しげに映る街並み。人々の心も服の露出と共に閉じていくような気さえする。
 春と秋は似てるような気がするのに、秋が何故か終わっていくような悲しさを感じさせる。
 そんな涼しいのを通りこし、少し肌寒く感じてきた頃だった。

 日常を非日常に変える。それは案外容易なことなのかもしれない。

 その場にいた全員が、特に断る理由も見つけられず、とはいっても断ろうと思っていたメンバーはいない
と思うけれど、全員が二つ返事で行くと答えのだった。

 「今月はテストとかもないし、たいした行事もないしね」なんておねえちゃんは言っていたけど、本当の
理由がなんなのかこの時の私にはわからなかった。


 そして今、私達は新幹線の中にいた。


   ―想いを乗せて―
126第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:15:17 ID:+Nh72lje
「わぁ〜このへんはまだ紅葉が綺麗だね〜」
 窓から見える景色は、鮮やかな紅葉の色で埋め尽くされていた。
「結構地域によってずれがあるのね〜」
「本当に綺麗ですね〜」

「それとこれとあれください」

 私達三人が秋の景色を楽しんでいる中、こなちゃんは車内販売のお姉さんを引きとめ、お菓子を大量に買
っていた。

「あんたそんなに買ってどうするのよ……」
「いやーなんか限定ってみるとつい」
 限定という言葉に釣られてしまうのは日本人の宿命なのかな。
「ほらほらみんなも食べなよ。かがみの好きなポッキーの緑茶ミルク味もあるよ」

「へぇ〜そんなのあるんだ。じゃあ一本もらう」
「どぞどぞ」
 こなちゃんに差し出されたそれを三人で一本づつ貰い食べる。
「あっおいしいわねこれ」
「ほんとだ緑茶の味がちゃんとするね」
 ほのかな緑茶の味と濃厚なミルクが絶妙に絡み合っていた。
「限定商品って結構まずいの多いけどこれはいけるねー」
「おいしいですね」
 全員に好評だったようだ。緑茶のお菓子も結構良いかもしれない。今度何かに使ってみようかな。

 こんな風においしいものを食べるとみんな笑顔になる。私はそれが好きだった。

 私が料理をするようになったのは料理自体が好きなんだけど、結局はそれも同じ理由で、こうやって人を
笑顔にできるから。私は面白いことも言えないし、話が上手な方でもない。でも、私が作ったものをみんな
がおいしいと笑顔で言ってくれる。私でも人を笑顔に出来るんだと、自信をもてた。
 その中でも特にお菓子は、途端にみんなを笑顔にする。だから一番好きだったりするんだ。

 
 みんなが笑ってる。お姉ちゃんもゆきちゃんもこなちゃんも。

 私達はもうすぐ卒業する。こんな風に笑い会える日も、もう数えられるくらいしかないなのかもしれない。

 ――あ。

 そうか、そうだったんだ。何故この時期にお姉ちゃんが旅行なんて言い出したのか、今わかった。

 来月、クリスマスが来たら、きっと私達の関係は少なからず変わってしまう。それは私自身が望んだこと
であり、招いた事だけど、きっと今みたいな気持ちで卒業旅行には行けない。だから今、お姉ちゃんはこの
旅行を計画したんだ。

 四人でただ笑いあえる今だからこそなんだ。
127第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:15:42 ID:+Nh72lje
「あ、そろそろ名古屋だねー。名古屋限定お菓子は何かな〜」
「また買うのかよ!」
「だって名古屋限定だよ! 味噌カツポッキーとかはあったとしてもまずそうだけどね」
「味が想像できないや」
 味噌の甘さとチョコの甘さは合わないような……。
「チョコって考えるからダメなのかもね、棒に味噌カツ塗ってあるなら食べれそうじゃない?」
「いや、そしたらもうそれポッキーじゃないわよ」
「あ、そっか」

 結局こなちゃんは、名古屋でも大量にお菓子を買い漁っていた。残念ながら味噌カツポッキーはなかった
らしい。
 大阪についたころにはもうみんなのお腹はいっぱいになっていた。


「もう……大阪でたこやきとか食べようと思ったのに食べられないじゃない!」
「あれーお菓子は別腹じゃなかったー?」
 こなちゃんはにんまり顔でお姉ちゃんをからかう。
「私にだって限度ってもんがあるわよ!」
「夜にお好み焼きでも食べようよ。ね、お姉ちゃん」
「……うん」
「じゃあ時間ももったいないし、急いでUSJへ!」
 こなちゃんは元気に飛び上がった。
128第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:16:06 ID:+Nh72lje
 さすがに土曜日なだけあって、園内は人、人、人だった。

「うわーすごい人だね」
「土曜日だし、今の時期って修学旅行も多いのよねー」
「そういえば制服の子が多いね」
 見渡した限りでも制服を着た子が多く見受けられた。
「どれから乗る!?」
 こなちゃんは子供のように、はしゃいでいた。
「あんたは何から乗りたいのよ」
「初めてだからどれが面白いのかわかんないし、とりあえず手前から行こう!」
 こなちゃんは一人スキップでどんどん歩いていく。
 私達三人はこなちゃんに続いて歩き出した。

 こなちゃんはしばらくして振り返って、手を大きく振ると「こっちだよー」と叫んだ。

「あの恥ずかしい奴どうにかしてくれ……」
「あはは……」
 乾いた笑を漏らす私達にはお構いなしに、こなちゃんは再度叫んでいた。

 いくつかの乗り物に乗った後、こなちゃんがフラフラーと何かのお店に入っていった。それに続けて着い
て行くと、そこはフェイスペインティングの店だった。
「ね、これやろうよ!」
 こなちゃんの目は輝いている。
「嫌よ!」お姉ちゃんは即答。
「えー。やろーよー」
 こなちゃんは子供のように駄々をこねる。
「やりたかったらあんただけやりなさいよ」
「つかさとみゆきさんも嫌?」
「私もちょっと……。すみません」
 ゆきちゃんは本当に申し訳なさそうだ。
 ちょっと抵抗はあるけど、私は嫌というわけでもなかったし「いいよ」と答え、結局私とこなちゃんだけ
がやる事になった。

 ペイントが終了し、私達はお姉ちゃんとゆきちゃんにお披露目する。

「ぷ……ふははははははは」
 お姉ちゃんはお腹を抱え涙を流すほど笑った。
 そんな笑わなくても……。心なしかゆきちゃんも笑いを堪えてるような……。

 しかし、こなちゃんは臆することなく、
「スパイダーマン!」
 ポーズをとっていた。

 その日は一日遊びまわった。全部の乗り物にのって、パレードをみて、サメに食べられる写真を撮ったり
なんかして、全部が胸の中に残っていく。
 今から写真を現像するのが楽しみでしょうがない。
129第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:16:23 ID:+Nh72lje
 そして夜は予定通りお好み焼き。
「こっちって本当にもんじゃがメニューにないんだねぇ」
 こなちゃんはメニューを眺めながら呟いた。
「そういえばそうね。まぁこっちにきてまで食べたいとは思わないけど」
「それにしても、まだなのかな……」

 目の前に並べられたお好み焼きにもう既に十分以上お預けを食らっている。

「でも、焼くのは店員にまかせろって張り紙あるし……」
「生殺しだよぅ……」

 結局食べれたのは二十分ほどたった頃だった……。
 でも待たされたせいか、みんなで食べたせいか、今まで食べたどんなお好み焼きよりもおいしいと思えた。

 料理のおいしさで人を笑顔にできるけど、それにはきっと限界がある。どんなにおいしいものでも、大切
な人たちと一緒に食べないと本当の意味で笑顔にはできないんだ。家のご飯が一番おいしく感じるのはきっ
とそういうことなんだと思う。

 私はこの大切な人たちと食べたご飯を噛み締めるように味わった。
130第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:17:22 ID:+Nh72lje

「ジャンケン、ポン」

 一斉に出された四本の手。
 グー、グー、グー、パー。

「やたー! 私いっちばん! んで窓側〜」
 こなちゃんはベッドの上で飛び跳ねる。

「これも一応ゲームだからか……」
 いきなりこなちゃんの一人勝ち。

 私達はホテルに着き、お風呂の順番とベッドの場所をジャンケンで決める事にしたのだ。

 次に勝ったゆきちゃんは申し訳なさそうに謝っていた。

 そして残ったのが私とお姉ちゃん。

 何で二人が残ったかというと、二回戦もチョキ、チョキ、グー。と私とお姉ちゃんが同じ手を出したに他
ならない。

 そして、「ジャンケン、ポン」と出された七回戦目。
 また パー、パー。

「さすが双子〜。いいシンクロ率してるね〜」
 こなちゃんはニンマリとして楽しそう。

「シンクロ率言うな! ってかつかさぁ! 同じ手ばっかだすなー!」
「えぇっ私のせいなのっ」
 同じ手を出してるのは同じなのに、なんで私が怒られるんだろ……。理不尽だよぅ。
「もう二人一緒に入ればー? とにかく私は入ってくるよー」
 こなちゃんは着替えを持ってバスルームへと歩いていった。

 それから何戦かやった。しかし決着がつくことは無かった……。
「私、次パー出すから」
「えっ」
「もう勝ち負けとかどうでもいいから終わらせたい」
「それって勝たせてくれるって事?」
「そういうこと。まぁ私が違う手出すかも知れないけどねー」
 お姉ちゃんは白い歯を見せた。
「それって終わんないんじゃ……。」

「いくよ! ジャンケン、ポン!」
「うわっ」
 急な掛け声に、思わずチョキを出した。
 
 パーとチョキ。

「勝っちゃった……。ありがとうお姉ちゃん」

「いいわよ、私を信じたからでしょ」
「え……?」
「私がパー出すって言った事信じたからでしょ」
 確かにそうだけど、そこまで考えていたわけでもないんだけど。
「そうかもしれないけど……、でもありがとう」
「はいはい」
131第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:17:49 ID:+Nh72lje
「ふーさっぱりしたー」
 こなちゃんがあがり、続けてゆきちゃんが入る。
 バスルームから出てきて髪を拭くこなちゃんの仕草を見てふと思った。
「そういえば、私以外みんな髪長いから乾かすのとか大変そうだよね」
「あーそういえばそうね、私やみゆきはともかくとして、こなたって結構そういうことめんどくさがりそう
だから、短くしそうなのに」
「私がやるコスプレのキャラって長髪が多いんだよねー、やっぱカツラじゃ表現できないリアリティってい
うのかなー? そのために髪は伸ばしといて損ないんだよ」
「結局そういう理由か、相変わらずそういうことの為には努力するんだな……」
「かがみはそのままでもコスプレみたいだけど」
 こなちゃんはボソっと呟く。
「なんか言ったか!」
「ほわぁ〜」
 聞こえてたみたい。

 こうやってふざけあう事って、できる人にとってはきっとなんでもないことなんだろうけど、私は羨まし
く思うんだ。
 でも、それはやろうとしてこなかったからなのかな。
 私にもこんな風に、こなちゃんとふざけあうことができるんだろうか。

 ドアの開く音が現実に引き戻す。

「お先に頂きました」

「あっじゃあ私入って来るね」
132第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:18:19 ID:+Nh72lje
 お風呂からあがると、こなちゃんは遊び疲れたのか既に寝息を立てていた。
「こなちゃん寝ちゃったんだ」
「さっきまで起きてたんですけどね」
 ゆきちゃんはこなちゃんの寝顔を見ながら優しく微笑んだ。
「じゃ、次は私入ってくるわね」
 お姉ちゃんがバスルームへ行き、私は窓際へいって外を見渡した。さすがに中心部のホテルなだけあって、
周囲はビルが沢山あり、そこから漏れる光が綺麗に交錯していた。
「イルミネーションが綺麗だねー、こういうのみると都会って感じするね」
「そうですね、埼玉も都会な方ですけど」
 右手に先ほどまで居たUSJが見えた。
「今日楽しかったね」
「ええ。かがみさんに感謝しないといけませんね」
「うん、そだね」

 ゆきちゃんも私の隣にならんで、外を見渡した。

 ガラスに私とゆきちゃんが映る。

 私はそのガラスに映ったゆきちゃんに向かって、
「ゆきちゃん……ごめんね」
 ずっと言いたかった言葉を言った。
「なにが……ですか?」
 ゆきちゃんは本当に何かわからないといった様子で頭にハテナマークを浮かべる。
「私のせいで、ゆきちゃんには気まずい思いとかさせちゃってると思うから……」
 その言葉で意図することをわかってくれたようで、
「そんなことないですよ。でも、もしそうだとしても、それは友達だからだと私は思ってますよ?」
 ガラスに映ったゆきちゃんは微笑んだ。 

「ゆきちゃん……」
「私にとってつかささんも泉さんも大切なお友達ですから、無責任にがんばれとは言えませんけど、でも、
みんなにとって後悔しない未来であればいいなと思っています。私のわがままでしょうか」
「ううん、ありがとうゆきちゃん」

 私は精一杯の笑顔で、ガラス越しのゆきちゃんに微笑んで見せた。

 私は幸せ者だと思う。こんなにいい友達をもてて。

「がんばれ」という言葉よりもゆきちゃんの言葉はずっとずっと私に勇気をくれた。
133第三章  ―想いを乗せて―:2007/09/12(水) 15:18:41 ID:+Nh72lje
「ふぅ〜、ん、何見てんの?」
 バスルームから出てきたお姉ちゃんは、バスタオルで髪を拭きながら窓際へと歩いてくる。
「夜景が綺麗だなって。ね、ゆきちゃん」
「ええ」
「都会って感じねー。たまにはこういうの見るのも良いわね」
「うん、私今日のことずっと忘れないよ」
「私も忘れません」
「私だって忘れないわよ。約一名寝てらっしゃる方がいますけどねー」

 三人の視線は同時にこなちゃんに向けられる。

「泉さん走り回ってましたから、疲れてしまったんでしょうね」
「こうやって夜にみんなでしゃべるのも旅行の醍醐味なのにね」
 呆れたように口ではそういいながらも、こなちゃんを見るお姉ちゃんの瞳は、今まで見たどんな瞳よりも
優しくみえた。

「とは言っても、明日も早く起きて色々まわりたいし、私達もそろそろ寝るかー」
「そうだね、明日はたこ焼き食べたいな」
「そうですね、大阪に来たからには食べて帰らないといけませんよね」

 三人で顔を見合わせて微笑んで、私達はそれぞれのベットでその日を終えた。

 次の日も大阪周辺をいろいろと見て回り、帰りの新幹線はみんな疲れて寝てしまっていた。

 あっというまに過ぎた一泊二日の旅行。
 たった二日間だったけれど、その非日常は私の胸に沢山のものを残してくれた。

 お姉ちゃんの一言がなければただの日でしかなかった日が特別な日に変わった。
 

 私にも何か変えることができるのかな……?

 そんなことを考えながら、四人で撮った写真を写真立てに入れた。
 その写真の中で私達はとてもいい笑顔で笑っていた。


第四章へ続く。
134リク ◆yk1swKhbl6 :2007/09/12(水) 15:22:14 ID:+Nh72lje
以上です。
最後の写真 つttp://freedeai.com/up/src/up5332.jpg
135名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 15:34:20 ID:9sOUjQUQ
投下キター
楽しい旅行だけれど、この後に卒業が控えていてバラバラになってしまう事を考えると、
ちょっぴり寂しい感じがしますね
こんな感じで笑い合える友人ってとてもいいですね
自分も卒業旅行、どこ行こうか……

ってか、味噌カツポッキーはねーよwww
でも味噌カツチップスとか手羽先チップスなんてのはあったりする
手羽先チップスは結構おいしかった記憶が……
136名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 16:05:12 ID:AdOJsc33
>>134
続編キター
GJっした……てかこの写真のつかさ、変にはまってますねww


それで話は変わるけど
こなたの部屋って引き戸だっけ?
137アリアン:2007/09/12(水) 16:19:52 ID:/cwjUfZy
>>121
どうぞどうぞ
お好きにしてください
続きをwktkで待ってます
138320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 16:28:34 ID:9sOUjQUQ
>>137
ありがとうございます
それでは早速投下……

☆投下量三……か四。三で足りるか
☆いうまでもなく欝展開です。苦手な方は退避を
☆さらにグロ? そこまでハードじゃないですが……
☆展開は作者の妄想です。お気に召すか分かりませんが……とりあえずどうぞ
139続・私だけのお姉ちゃん1/3 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 16:29:42 ID:9sOUjQUQ
雨の中、私はこなちゃんの家に向かって自転車をこぎ続ける。
おでこにまとわりつく髪、濡れる服。
そのどれもが気持ち悪い。
でも、その存在よりももっと許せないもの。
私のもっと許せないもの。
それを殺すために私は駆ける。
こなちゃんの家まではもう少し。
こなちゃんが死ぬまで、もう少し。
140続・私だけのお姉ちゃん2/4 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 16:30:53 ID:9sOUjQUQ
「うおっ、だ、大丈夫、つかさ。そんなびしょ濡れで」
玄関に出てきた私を、こなちゃんは驚きの表情で出迎えた。
ふふふ、何驚いているの?
そんなものよりも、自分の命の心配をしたほうがいいんじゃないの。
家の奥からもってきたバスタオルで私の頭をごしごし拭くこなちゃん。
そんなことしても、お姉ちゃんは見ていないんだよ?
ポイント稼ごうとしたって、無駄なのに。
「用事もいろいろあると思うけれど、このままじゃ風邪引いちゃうし、
 とりあえずお風呂入った方がいいよ。今日は私以外誰もいないから大丈夫だしさ」
へぇ、それは好都合だね、こなちゃん。
ここでこなちゃんを殺しても、明日の朝まで誰にも見つからない。
誰にも見取られず、一人で死んでいくなんてこなちゃんにお似合いだ。
こなちゃんは私に背を向けて、お風呂の湯温を操作している。
鬱陶しいほど長い髪の毛が、向こうでわさわさと揺れている。
まったく隙だらけ。自分を殺そうとしている殺人鬼がすぐ後ろに迫っているというのに。
一歩、二歩、足音を殺してこなちゃんの後ろに忍び寄る。
三歩、四歩、鞄に隠していた出刃包丁を取り出す。
五歩、六歩、包丁をこなちゃんの背中に向けて振り上げ……
「そういえばつかさ、一体何のよ……」
その後に言葉は続かない。
ごふっ、と空気の漏れる音とともに、こなちゃんの口からあふれ出た血が床に広がる。
綺麗な赤が床を染める。
141続・私だけのお姉ちゃん3/4 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 16:31:25 ID:9sOUjQUQ
やった、やったよお姉ちゃん。
ついに邪魔者がいなくなった。私からお姉ちゃんを奪う邪魔者が。
こなちゃんがいなくなってすぐはとっても悲しいかもしれないけれど、
でも、私が癒してあげる。
きっと後になったら、こなちゃんがいなくなってよかったと思えるようになるから。
こなちゃんの体が力を失って床に倒れこむ。
ぬるっとした血に手が滑って、出刃包丁が手から離れる。
背中に出刃包丁を突き刺したまま、こなちゃんは床に横たわった。
「ごほっ……なんで、どうして……つかさ」
信じられないものを見るような目でこちらを見るこなちゃん。
私はゴミ虫のように這い蹲るこなちゃんを見下ろす。
まだ、気づいていなかったの? 私がこんなに傷ついていたのにしらんぷりなの?
「こなちゃんは私の大切なお姉ちゃんをとっちゃったんだよ。
 こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんと長い間一緒にいるのに、
 こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんの事をいっぱい知ってるのに、
 こなちゃんより私のほうがお姉ちゃんの事を長く想ってるのに、
 私のたった一人の、一緒に生まれたお姉ちゃんなのに、
 どうしてこなちゃんはそれを奪うの? なんで私より先に「私の」お姉ちゃんを横取りしてるの?」
地面にはいつくばったこなちゃんは、私に蹴飛ばされる度に小さく声を上げる。
何? いまさらかわいそうな振りをして被害者面するの?
そうやってかわいそうな振りして、私からお姉ちゃんを奪っていったんだね。
もう、許さない。
こうやって蹴っ飛ばしててもこなちゃんは死なない。
ううん、この程度の痛みで許さない。
そのためには、こなちゃんの背中の出刃包丁を回収しないと。
「このまま死ぬなんてことは許さない。
 逃げられないようにあの鬱陶しいほど長い髪で両腕を縛って、
 体のあちこちに包丁を削ぎとって、突き刺して、
 私と同じだけ苦しんで、生まれてきたことを後悔しながらこなちゃんは死ぬの」
こなちゃんの血でべたべたする包丁の柄をハンカチで包んで、こなちゃんの背中から引き抜く。
くぐもった、押し殺した声と、ごぼっと傷口から沸き立つ鮮血。
ああ、このハンカチお気に入りだったのに。もう血でべたべただよ。
最後までこなちゃんはうっとおしいなぁ。
「わ……私、つかさのことずっとずっと苦しめていたんだね」
何、いまさら命乞い?
死に際になってこなちゃんは血迷った事を呟きだした。
やっぱり、最初に気管を掻き切らなかったのは失敗だったのかな?
よし、次は喉を突き刺そう。
それも、すぐ死なない程度に、ずっと苦しめるように加減して。
「私、つかさのこと、大好きだったのに……」
142続・私だけのお姉ちゃん4/4 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 16:33:52 ID:9sOUjQUQ
カラン
床に出刃包丁が落ちて、跳ね返る音。
「私、ずっとつかさの家みたいな暖かい家、つかさみたいな家庭的な女の子に憧れていたんだ。
 お母さんが死んじゃってから、私お父さんと二人暮らしでさ、
 作る料理もお父さんから習ったものばかりだから男の料理みたいで大味でさ、
 つかさみたいな女の子らしい、かわいい料理が作ってみたかった」
なに、私、どうしたの?
あんなにこなちゃんが憎らしかったんじゃない。
なんで、どうして体が動かないの?
「最初に会ったときのこと、覚えてる?
 つかさが外国の人に絡まれていると思って助けに入ったときのこと。
 それまでにも何度もつかさの事見てた。何度も声かけようとして、
 でもつかさは結構人見知りするみたいで声かけづらかったしさ、
 だからあの時は、ちょっとだけチャンスって思っちゃった。
 私はつかさみたいにかわいらしい事はできないけれど、つかさみたいな女の子を助ける事ができる。
 私はお姫様にはなれないけれど、お姫様を守る騎士にならなれる。
 でも、本当は私、ずっとつかさを苦しめていたんだね……」
「う、うそ、だってこなちゃんはお姉ちゃんのことばかり見ていた。
 私のことなんかいつもほったらかしで、いつもお姉ちゃんのことばっかり見てたのに」
「それは……ごめんね。本当はずっとつかさと話したかった。でも、ついつい話し易いかがみのほうへ逃げちゃってた。
 私みたいなのがつかさに話しかけたら、純粋なつかさが壊れちゃいそうで……でも、ごめんね、つかさ。私の……せいだよね」
うそ、うそ、うそ、うそ、うそ、うそ、うそ、うそ、うそ……
私はその場に崩れ落ちる。
ぬるっとした血の海に膝をつく。こなちゃんの体を抱きかかえる。
背中の傷口からあふれ出る血、血、血……
「あ、あ゛あ゛あ゛あ゛……」
止まらない、止まらないよ。
なんで、何で私、こんな酷い事したの?
早く、早く助けないとこなちゃんが、こなちゃんが死んじゃう!!
「あはは、つかさが私をぎゅっとしてくれたの、初めてだね。
 本当はずっとこうしてほしかった。つかさに、ぎゅっとしてほしかった」
「そ、そんな事言っちゃダメだよ。それってこなちゃんが前に言ってた死亡フラグだよ。
 こんな事言ってたら、こなちゃん死んじゃうんだよ!!」
「あはは、つかさ、そこはボケるとこじゃないよ。せっかくの感動のシーンなんだしさ……」
こなちゃんが私の手をぎゅっと握る。
血でべたべたする手。こなちゃんの柔らかい、小さな手。
「でも、つかさに殺されるなら……ちょっとだけ幸せかな」
こなちゃんは弱弱しく微笑む。
こなちゃんの手が力を失って、血の海にべちゃりと崩れ落ちた。
143320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/12(水) 16:35:35 ID:9sOUjQUQ
以上です
欝モノを書こうとしてもどうしても最後にこう引っ張ってしまうのはもはや癖でしょうか?

テッペンカケタカ オトトコイシ
144名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 16:42:06 ID:HJEUVxWT
これはいい鬱(違

そしてGJ!
145名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 16:58:52 ID:Y6Ky3Kgn
>>134
切なくともみゆきさんの友情にぐっじょぶ。

あ、あと味噌カツポッキーはないが八丁味噌プリッツは実在する。
「残念ながら」まともな味だけど。

>>143
こっちは別の意味で切ない……こなたの魂に安らぎあれ。あとつかさにも。GJ。
146アリアン:2007/09/12(水) 17:19:24 ID:/cwjUfZy
>>143
GJです!!
素晴らしい続きを考えてくださりありがとうございます!
147名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 17:21:59 ID:Kopd/ZDm
知らぬ間にまたこんなにも神SSが・・・・!!
皆さんGJ!
148名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 17:42:39 ID:b9Ju0Z44
皆さんgj
>>143
\   ヽ   才 _  . -┼-   -┼-   -┼-   -┼-   -┼-   -┼-   -┼-   -┼-     /
 \  ̄ ̄`i /|/  ヽ ,-┼/-、 ,-┼/-、 ,-┼/-、 ,-┼/-、 ,-┼/-、 ,-┼/-、 ,-┼/-、 ,-┼/-、  /
  \ _/  |   ノ ヽ__レ ノ ヽ__レ ノ ヽ__レ ノ  ヽ__レ ノ ヽ__レ ノ ヽ__レ ノ ヽ__レ ノ  ヽ__レ ノ/
          .,ノ';`′,,  |.゙ュ          r'゚'=              ,,,,..ぃ―-、,,,_
        ,/  .. .|`ヽ ,l゙.l゙ .ム       / ̄`''''"'x、          r'く.l゜| ,,.、  ゙ヽ
       ../   、`.ヽv-イ/ /.,!    ,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_   | ゙l.゙l | .l゙.゙l  .‐ .ヽ
      .,/     .゙li、 .!、゛.,テ'" _,,/    i!        i, ̄\ ` 、 ..゙l,レヘ-,i´ 、.シ \
     .,i´  ,,,i´  l゙ . ゙̄"⌒  - "  |   /ヽ      /・l, l,   \ `゙_'{ .',,,/ .__,ィ" ゙‐  ヽ
    .,ノ  、,「.゙ .  .|     /(     1  i・ ノ       く、ノ |     i  i゙  .`゙゙゛ :|  .  .゙l,
   ./   ,l゙    .l゙     | i     {,      ニ  ,    .|     {   {     .| .'i、    ゙l、
   l゙   ,l゙   .,ノ      l,  i,     }   人   ノヽ   |    . }   |     |  :゙'ii、   ゙l
   ,l゙   .゙l   .,iン‐'"゙゙゙゙゙''i、 },  |    Tヽ.|lF-―-ヵl|\__,/     }   i      .|   ゙l   .゙l
  ,i´   ′ .ヾ″   ヽ. ヽ.} , |.  ̄`/}  {.ト、_ノ} i  /―i、、.,-.|   ,}゙゙'-、  ゙l    _゙    .|
  l゙     .、   .  .''、,. . | ,i_,iJヘヽ  `x, ヾ┴┴'ソ  x=‐'''~  .゙-|   ,}   、  ‘\.` `."    ゙l
 .l゙     ‥‐r-  "゙.!゙゙'^ '.   ./ ヽヽ    ` ニ ´ ノ     r==ゝ、i_,ノ.'(二 .     ヽ .   .、゙l

そしてスピーカーからはyouが流れてきた
14914-319:2007/09/12(水) 17:59:53 ID:waDjW9Z1
いい作品の後で気がひけるのですが
今投下しないとまた投下するタイミング逃しそうなので投下します
隠し事2話です
エロはまだありません
多分6レス程度で収まると思います
150隠し事 2話:2007/09/12(水) 18:01:07 ID:waDjW9Z1
 お姉ちゃん…ごめんね。

 今日はお姉ちゃんがこっちのクラスにこなかった…。
 何も言わない私が悪いのは当然だよね…
 お姉ちゃん怒っちゃってたし…

「つかささん」
「あ、ゆきちゃん」
「先ほどかがみさんとお話をしてきました」
「お、お姉ちゃんはなんて言ってた?」
「はい、とても心配してるようでしたよ。それに隠してる事についても。」
「ねえこなちゃん、やっぱお姉ちゃんに本当の言った方がいいよね…。」
「うん、悩んでるつかさの顔はつかさには似合わないよ…つかさには笑顔が一番似合うよ。」
「聞いておきますけど、泉さん、つかささんは何をされたんですか?」
「こなちゃん、私…恥ずかしくていえないよ…」

「うん、わかったよ。大声で話せないんだけどね、昨日はつかさと二人で…をね…」
「…」
「そ、そうでしたか…」
 顔が真っ赤になっていくのが自分でも分かる
 ゆきちゃんの顔も少しずつ赤くなっている
 でもこなちゃんは平気そうな顔をしてる

「た、確かにそんな事人に言える訳ありませんよね」

 私は恥ずかしくて声も出なかった…

「…」
「つかささん?」
「つかさ?」

「え、えーと今日頑張ってお姉ちゃんに本当の事ちゃんと言ってみるよ」
「うん、まぁこれでかがみとも仲直りできるかな」
「でもこんな事でお姉ちゃん許してくれるのかな…」
「かがみさんはつかささんが隠し事をしている事で困ってたみたいですし
 どんな内容でもかがみさんならきっとつかささんの事許してくれると思いますよ」
「そうだよね…二人共ありがと」
151隠し事 2話:2007/09/12(水) 18:02:05 ID:waDjW9Z1
放課後…
「こなちゃん、ゆきちゃん、一緒に帰ろ」
「かがみと一緒に帰らないの?」
「うん、いいの、家に帰ってから話すつもりだから」
「それがいいでしょうね。つかささん、かがみさん二人の問題ですから。」
「ちゃんと仲直りしてきてよ、かがみいないと少し寂しいんだから」
「うん、こなちゃんわかったよ。ちゃんと話して明日からもみんなと一緒にご飯食べようね」

 家に帰ったらお姉ちゃんはもう帰ってきていた
 いつものお姉ちゃんだよね…?
「ただいまー」
「おかえりー、それより遅かったわね」
「うん、こなちゃんとゆきちゃんと話をしてたら遅くなっちゃった。ごめんね」
「どんな事あったなんて聞かないわ。そんな事よりそろそろご飯よ」
「じゃあすぐ着替えてくるからね」


 ご飯を食べ終わった後少しリビングでしばらくくつろいでいたら
 お姉ちゃんがそろそろ上行って話をしようと言ってきた
 やっぱ話さなきゃね。
 私は覚悟を決めてお姉ちゃんの後についてった
152隠し事 2話:2007/09/12(水) 18:04:03 ID:waDjW9Z1
 お姉ちゃんの部屋で私達はとても真剣な顔で向き合っていた

「それじゃあもう私に言う事わかってるでしょ?つかさ、覚悟出来てるでしょ?」
「うん、大丈夫…だけど…」
「…?」
 う…やっぱり恥ずかしい…

「こなちゃんと…な事したの…」
「ん?こなたと二人で何?聞こえないわよ」
「…エッチな事をしたの。こなちゃんと…」
 お姉ちゃんが突然ビックリして私もビックリしてしまった

「え…冗談とかじゃないわよね?」
「うん、本当だよ…二回も言わせないでよ…」
「ちょっと、女二人でおかしいわよあんたたち」
「やっぱおかしいよね…。でもこなちゃんは私の事好きだと言ってくれた。
 私もこなちゃんの事が好き。だから好きな人同士でやっても悪くないよねって思ったの…。」
 それでさ、お姉ちゃんも隠し事してるって言ってたよね…?」

「実は私も…私も人の事言えないんだけどね…」
「…?」
「私はつかさの事が…」

「えっ、ちょっとお姉ちゃん!?んっ…」
 お姉ちゃんは途中で言葉を止めて私の顔を持って唇を強引に奪ってきた
153隠し事 2話:2007/09/12(水) 18:05:39 ID:waDjW9Z1
「んっ…」

 しばらくしたらお姉ちゃんは離してくれた
「こなたとこういう事やったんでしょ。なら少しぐらい…」
「…確かにこなちゃんとやったけど…」

 私は一回言う事を止めた
 しかしその後すぐ別の言葉に繋げた
「お姉ちゃんの事は嫌いじゃないけど好きだよ。
 だけどそれは勿論家族としての好きであって、けどお姉ちゃんは好きじゃない…なっちゃいけない様な気がするんだ…
 それに今みたいな事…いくらお姉ちゃんだとしても嫌だな…」

「…」

 …そう言ったらお姉ちゃんの様子がなんだか少し変だった
 少し何かを考えてるようだった
 時々私の顔をちらちら見てきた

 お姉ちゃんはなんで私の事好きになったの?
 そう言おうとしたけど言葉にならなくてやっぱり止めた

「お姉ちゃん…?」

「つかさ…ごめんね。急に…。」
「ううん、私こそ…昨日、今日でずっと隠し事しててごめんね。
 でもやっぱり好きって言われると恥ずかしいけどうれしいね」
154隠し事 2話:2007/09/12(水) 18:06:57 ID:waDjW9Z1
「つかさ、私たちはずっと一緒よね…?」
「うん、当然だよ。私たち双子なんだから。
 それと、こなちゃんがお姉ちゃんがいないとお昼の時間がつまんないって言ってたよ」

 でもお姉ちゃんには悪いけど私はお姉ちゃんよりもこなちゃんとずっと一緒にいたい。こなちゃんの傍にいたい。
 こなちゃんの近くなら安心出来る。なぜか最近のお姉ちゃんがとても怖い。
 なんで?お姉ちゃんの様子がおかしい。どこかおかしい。よくわからないけどおかしい。

「まぁそうよね、こなたの事だからそうだろうと思った。
 わかった。明日はちゃんとつかさのクラスへ行くわ」


「それより、宿題は?あるんだったらみてあげるわよ」
「うーん、あったかなぁ?ちょっと待っててね」
 そう言いながら私は立ち上がり自分の部屋へむかった
 えーっと…あった。これだよね。

「宿題あったのね?」
「う、うんあったよ。」
「じゃあ見ててあげるから分からない所は私に言いなさいよね」

 宿題を見てもらっていたら時計は10時を回っていた
「お姉ちゃんありがとー。じゃあおやすみ」
「うん、つかさおやすみ」
 私はお姉ちゃんにおやすみの挨拶をして自分の部屋に戻って布団に入った
155名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 18:08:27 ID:waDjW9Z1
ありがとうございました
これで2話は終わりです
3話も出来たら今日中に…って言っても多分投下出来なさそう…
156名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 18:26:00 ID:Kopd/ZDm
GJなんだぜ
こなつかってなんか新鮮
157名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 18:35:45 ID:Blke7yN7
無理に期限決めてちょくちょく投下するよりも、
全部書き上げてから投下したほうが負担は少ないかと

続きを書いて詰まったら、今までに書いた文を推敲したり
『あ、このシーンをここに入れたらもっとよくなるかも』なんてネタを練ったり……

もっとネタを練らなきゃダメだという意味ではないんだけど、
ゆっくり寝かせて、熟成させて、一番おいしいときにお披露目するという手もありますよ。と
158名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 18:39:44 ID:9sOUjQUQ
>>155
GJです 続・私だけのお姉ちゃんもラストはこなつか風味だったからこなつか二連続?
かがみがこれからどうなってしまうのかちょっとドキドキ

熟成投下には賛成〜
しばらく置いてから見直すと客観的に見れて、ミスなどが分かりやすい。
次から次に直したいところが出てきて投下しづらくなったりするけど

>>148
ふと思い出してyou聴いてみた。……やっぱええ曲や
ちなみに自分のこのSSのイメージでは「Lie lies-lies lie」。
ひぐらし系では一番のお気に入り
ttp://k2works.com/nerve/midi/player/lie.html
ついでに、作中の参考でCROSS † CHANNELのサブシナリオ「トモダチの塔」
こっちもいい具合に欝
159名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 18:40:08 ID:waDjW9Z1
>>157
実はもう全部書いてありますが
もう一話から全て一気に投下してしまったら恐らく30レスは普通に超えそうなんですよ
その間他の方が投下出来なくので一話ずつに見てもらったほうが見やすいだろうなぁと思ったので…
迷惑だったらすみません
160名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 18:59:44 ID:F+LDis/z
今からでもまとめて投下していいと思うよ。
一応GJ
161名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 19:00:51 ID:b9Ju0Z44
gj
162名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 19:29:38 ID:Blke7yN7
>>159
これは失礼
作者さんの配慮を無下にしてしまって申し訳ない
ちゃんと練ってから投稿しなければならないのは私でしたね

個人的には、30レスでも30スレでも歓迎ですよ
163名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 19:37:02 ID:9sOUjQUQ
>>159
30レス……ひぇぇ……おみそれいたしました。
量が多いならアップローダーにテキストでアップというのも手段の一つかも
まとめもそちらのほうが楽だと思いますし
でも、それだと携帯からの読者が……
164名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 19:40:31 ID:F2Rrc/Hb
>>159
30レスだったら、別に問題ないんじゃないか?
以前に◆cj23Vc.0u.氏が30レス越えのSSを投稿してるって前例もあるし。
>>163氏のようにうpろだに上げるというのも手かもしれない。
1657-896:2007/09/12(水) 20:11:15 ID:AdOJsc33
神SSばかり投下されてる中で、俺なんかが混ざっていいのか
なんて思ったけれど、一応投下することにします。

どうも、あと1話で終わってしまうことがちょっと寂しい7-896です。


かがみ視点
カップリングなし
微エロ
15レス程度
※みんな壊れ注意

ネタが少なくなってきたため、ちょっと非現実に走っています。
では、投下します。
166『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:12:39 ID:AdOJsc33

なんでもない日常。
そんなある日の朝、妙な事件が起きた。

時間:朝、6時くらい
場所:泉家 こなた自室
原因:不明
証言:
泉こなた氏「にゃんじゅゃこりゅああぁぁあぁぁぁあああ!!」











「どうしちゃったんだろうねこなちゃん……」
 いつものようにB組で昼食をとっていると
 隣で玉子焼きをつつきながら、つかさが言った。
「知らないわよ、携帯にかけてもでないし……いつものことだけど」
 今朝こなたに会わなかったのは、寝坊か何かのせいだと思ってたんだけど
 どうも学校自体に来ていないらしい。
「黒井先生は何か言ってなかったの?」
 私のことを見たままぽかんとしているつかさ……私の言ったことが理解できなかったのか?
 そんなつかさに代わって、みゆきが私の質問に答えた。
「泉さんからは、何の連絡も承っていないようでしたけど」
「全く、なんだってのよあいつは」

 ずずずっと少し大きな音をたてながら、スパゲティーを啜る。
 その様子を、2人が苦笑いで見ていた。
 私がご機嫌斜めなのは、決してこなたが携帯にでなかったからではない。
 なんたって、そんなのは日常茶飯事だからね。
 私が怒っている原因は、こなたの家に電話をかけたときのおじさんの一言だ。
 『ごめんね、今日こなた……誰とも会いたくないって言ってるんだ』
167『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:13:18 ID:AdOJsc33

 誰とも会いたくない……その言葉がすごくショックだった。
 『誰とも』っていう単語が、親友と他人を同等のものであるように感じさせたからだと思う。
 私たち3人とも会いたくないっての?
 そんな思考に、悲しさよりも怒りの感情の方が強く湧き出た。
 ……よし
「つかさ、みゆき……帰りにこなたん家寄ってくわよ」
「え?……う、うん」
「は、はい」
 びくびくしながら手を取り合うつかさとみゆき。
 私の顔そんなに怖いか?

 まぁそんなことはどうだっていい。
 こなたのやつに文句言ってやらないと、腹の虫が治まりそうにないわ。
 みてなさいよこなた、私を無視した代償は大きいんだから。
 どんな手を使ってでも、あんたに会ってやるわよ。

「ふっふっふっふっふ……」
「ゆ、ゆきちゃん……お姉ちゃん、怖い」
「はい……」
 怯える小鹿2匹を尻目に、私は背中にメラメラと炎を携える。
 私に会いに来たのだろう日下部と峰岸が、笑顔で手を上げたまま、扉の向こうへとスライド移動して消えた。
 ちょっと待て、そんなに怖いのか?私の顔……
 結構凹んだ。







 時期が時期なだけか、5時を過ぎても、空はまだ青く
 吸い込まれそうな群青色をしていた。
 私達は今、泉家の前にいる。
 といっても、中に入るのを躊躇しているわけではない……入れないんだ。
 私の前には、泉家の大黒柱……そうじろうおじさんが仁王立ちで立っている。
 私もそれに対抗して仁王立ち。
 傍から見れば『変な人達』でしかないだろう。
168『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:13:48 ID:AdOJsc33

「おじさん、そこを通してください」
「悪いがそうはいかないんだ」
 一歩も引かない2人。
 その様子を心配そうに見守るつかさとみゆき。
 このままじゃ埒があかないわね、仕方ない。
「ってあれ?こなた?」
 私は、おじさんの後ろへと視線を送った。
「!?こなた!?出てきちゃだめだとあれほど!!……?」
 おじさんは慌てたように後ろを振り返り、娘の名前を呼んだ。
 しかしそこには誰もいない。
「……しまった!!」
 私達は、おじさんがこちらに向き直る一瞬の隙をつき、泉家の中へと駆け込んだ。

「ね、ねぇお姉ちゃん。勝手に入っちゃってよかったのかな……かたくしんにゅーとか」
「家の人がいるんだから大丈夫でしょ」
 間の抜けた天然な質問に、私は適当に返事を返す。
 つかさは『そっか、それなら大丈夫だよね』と、納得していた。
 つかさ……いや、何も言うまい……
 後ろの方から『こなたすまん……俺じゃ止められないみたいだ』と何か諦めたような声が追いかけてきた。

 そういえばおじさん、出てきちゃだめとか言ってたわよね……
 今のこなたは、見られちゃまずいほど荒れてるのか?

 そんな思考を巡らせているうちに、こなたの部屋の前へと到着した。
 部屋の中からは物音一つしない。たぶん、息を潜めているのだろう。
 そんなに誰とも話したくないのか?
「こなた、いるんでしょ?」
 シーーーーーン
 そんな音が聞こえてきそうなほど、静まりかえっているこなたの部屋。
 いや、シーンって音がするなら静まりかえってないか……あれ?よく分からなくなってきた。
「開けるわよ」
 扉に手を掛ける。……が、ドアが開かない。
 どうやら、ドアが開かないように向こうで押さえてるか何かしているみたいだ。
 そこまでするか……
「もういいわよ……帰るからね」
 なんでそこまでして誰とも会いたくないのよ。
 ドアから手を離し、私達は階段へと向かう……ように見せかけた。
 3人で、その場足ふみ。
 まるで遠くに行くかのように、だんだん足音を小さくしていった。
 学校で考えた作戦の一つだ。作戦の……
「(お姉ちゃん、これ……)」
「(わ、分かってる、言うな……)」
「(……)」
169『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:14:20 ID:AdOJsc33
 空しい。
 あはは、小学生以来かな?こんなことするの……
 あの頃はつかさがよく引っかかってたっけかな。
 なんという悪あがきだろうか。
 こんなの今時引っかかる人がいるはず

 ガタン  ふぅ〜
 扉の向こうから安堵の声が聞こえた。本当に私たちが帰ったと勘違いしたようだ。
「(マジか……)」
「(こなちゃん)」
「(あらあら)」

 あいつこんなにバ……純粋だったか?まぁいいや。
 開いたんだったら、あとは入るだけだ。
「ふぇ〜……いちじはどうなることかとおもったよ」
「こなた!!」
 思いっきり扉を開ける。
「んみぎゅ!?」
 なんとも珍妙な声をあげるこなた。
 ――ん?
 声が幼いような気がする……ん……だ…けど



 時間が止まった。
 たぶん私だけじゃなくて、つかさやみゆきも……
 私達の前には、小さな少女。
 いや、こなたが小さいのは今に始まったことじゃない。
 だけど……

 私の声にびっくりしてぽてっと尻餅をついたこなたは、私の知るこなたよりも
 ずっと小さかった。







『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』
170『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:14:57 ID:AdOJsc33







 空が赤いなぁ……
 夕焼けって綺麗だなぁ……
 でもこれってきっと夢なのよね。
 それなら早く覚めて欲しいな。
「……」
「……」
「……」
「……ぷぇ」
 緊張に耐え切れなかったのか、かわいらしい溜息を一つ吐くこなた。
 ちょうど状況説明を終えた後だった。
 ……曰く、こんな姿になった経緯はこうだ

『朝起きたら、体が縮んでいた』

「納得できるかぁあああ!!」
「ふぇ!!」
 こなたが私の声に驚き、体を震わせた。
「あ……ご、ごめん」
「?」
 だめだ、いつもの調子でいくと、なんかいじめてるみたいな感じが……
 いつものこなたなのに、この小ささは反則だ。
「しかたないじゃーん、ほんとうにそうなんだから……あ、そうだ」
 いいこと思いついた、ってな顔をして、こなたが立ち上がる。
 そして、みゆきから強奪した眼鏡をかけると、力強く言った。
「みためはこでょも、ずのうはおたく!!そのなは、じょしこうせい、こなたん!!」
 仁王立ちでそんなことを宣言するこなた。バーロー……
 決まっているつもりなのだろうが、眼鏡がずれているのでなんか微妙だ。
 おまけに舌ったらずだし……
「しんじつは、いつもひとつ!!」
 そう言って、私をビシッと指差す。
 いや、この場合効果音は『ふにゃ』の方が合ってるかもしれない。
 なんか……かわいい
171『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:15:26 ID:AdOJsc33

「遊んでんじゃないの。このままで困るのはあんたでしょ?」
「うぐぅ」

 いちいちかわいい奴め……じゃなくて!!
「なんか原因っていうか、心当たりみたいなのないの?」
「ぜんぜーん」
 お手上げだぁ〜みたいに、両手を大きく広げるこなた。
 困ったなぁ……
 みゆきとか何か知らないかしら。
 さっきから全くしゃべらない2人の方へと、視線を向ける。
 こなたを見たままもじもじと体を動かすつかさとみゆき。
 2人の今の心情を瞬時に理解した。
 かわいいもの好きで、構いたがり屋のつかさのことだ……
 ただでさえ、私達のグループでマスコット的な存在だったこなた。
 以前からよく『こなちゃんってなんかかわいいよね♪』とか『ぷにぷにしてそうだよね♪』とか言ってたけど
 それが更に愛らしくなったわけだから、今すぐ抱きしめたい衝動が治まらないんだろう。
 見たとおり、母性本能溢れさせまくりなみゆきも同じく。
 いやまぁ、こなたを抱きしめたいのは私も同じなんだけど……常々

「とりあえずわたしは、いまのじょーきょーをたのしむことにするよぉ〜」
 小さくなっても、いつもの飄々とした態度は変わらず、パソコンの電源を入れ始めた。
 心なしか、隣にいる2人の息使いが、大きくなっているような気がするけど……
 今2人を見ると、私の中の『つかさとみゆきのイメージ』が崩れてしまいそうだったので、目線はこなたの方を向いたままにした。
「きっとじかんがかいけつしてくれるのだよ」
 顎に手を当て、目を細めながら言うこなた。
 だから、決まってないっての。


「あ……あるぇ〜?」
 突然の間抜けな疑問の言葉に、焦点が合っていなかった目を向ける。
 椅子の前で、こなたがおたおた(決してオタクという意味ではない)していた。
「いすがおっきいよかがみぃ」
 困った様子でこちらを振り返るこなた。
 その瞳は純粋な子供そのものだった。
 くっ……こいつ、わざとやってるんじゃないだろうな。
「くっはぁ!?」
 隣で、心臓を弓矢で打ち抜かれたかのような声(どんな声だ)が聞こえた。
 目だけをそちらに向けると、口を手で押さえぷるぷると震えて俯く、つかさがいた。
 耳まで真っ赤だ。
172『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:16:21 ID:AdOJsc33

「かがみぃ、わたしのこと、いすにのっけてぇ?」
「よ、よじ登ればいいでしょ?」
「このいす、ろーらーついてるから、うごいてあぶないよぉ」
 いやまぁそうなんだけど、なんというか今触れてしまったら、自分に押さえが効かなくなりそうだから。

「こ、こなちゃん!!私が乗せてあげる!!」
 気がつけば、つかさがこなたの目の前まで近づいていた。
「ん?おーありがとーつかしゃ」
「つかしゃ!?」
 予想だにしない呼び方に、つかさがよろける。
 そのまま後ろ向きに倒れそうになったのを堪え、元の姿勢に戻る勢いのまま、こなたの脇腹に手を置いた。
「じゃ、じゃあ……持ち上げるね」
「う、うん、よろしく……つかさ、なんかかおこわいよ?」
 ゆっくりと持ち上がっていくこなた。
 なぜかつかさの息が荒い。
「か……軽」
 そう呟いたのが聞こえた。
 そのまま椅子の上へと、ガラス細工を置くように、ゆっくりこなたを下ろす。
 いくらなんでも慎重になりすぎな気が……
「お、置いたよこなちゃん」
「へ?あ、うん、ありがと」
 こなたは、つかさに怪訝な視線を送っていたが、それを振り払うように椅子を回転させた。
「ぅぁ、きーぼーどたかいよぉ」
 椅子は一番高くしているはずなのに、キーボードがこなたの肩くらいの高さにあった。
 ちょっと待て、どれだけ小さいんだあんたは……
 その隣では、再びつかさがよろけていた。
 私の隣では、みゆきが鼻をおさえながらティッシュを探していた。
 みゆき、何があった。

「ねぇこなちゃん、その……わ、私が椅子に座るから、その上に座ったら?」
 原因不明に吹き出た鼻血をふき取るみゆきを不安気に見ていると、つかさが変なことを提案した。
「おーつかさ、それいいかもぉ」
 こなたが、ナイスアイデア!!みたいな視線をつかさに送る。
 つかさの瞳は完全に曇っている。もはや何を考えているのかも分からないくらい焦点が朧だ。
 こなたよ……あんたは今すごく危険だわ。
 このままいくと、あんたは間違いなく食べられるわよ。
 そんな思考を電波に変換してこなたに送っていると、つかさが急くように椅子へと腰掛けた。
173『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:16:59 ID:AdOJsc33
「ささ、こなちゃん早く」
「うん、ありがとね、ちゅかしゃ」
 つかさは既に息も絶え絶えであった。
 みゆきは隣で『愛い!!』とか叫んでいる。
 こいつ本当にみゆきか?
 私の中で音をたてて崩れるみゆきのイメージを悲しんでいる間に、こなたはつかさ椅子に座っていた。
 つかさは、こなたのお腹のところに手を回して、いとおしそうに抱きしめる。
 こなたは少し擽ったそうに『きゅふふ♪』と、致命傷物の大ダメージをつかさに与えた後、パソコンを弄り始めた。


「ぼーけんでっひょ、でっひょ♪」
 舌ったらずに歌を歌いながら、懸命に手を動かすこなた。
 もうやめて!!つかさの理性のHPはもう0よ!!って言ってあげたかったけど、どうにも手遅れらしい。
 つかさは、こなたの髪に顔を埋めていた。
 スーハースーハーと、危険な息遣いも聞こえる。
「こなちゃん……甘いにおいがする」
「ふ〜ん……あは♪く、くしゅぐったいってつかしゃぁ♪」
 つかさはもう臨界点を突破してしまったみたいだ。
 耳とかはむはむしたり、服の中に手を入れたりしている。
「あっはは♪……ん、ふぁ……つ、つかさ?」
 こなたは、つかさの手の動きに合わせて小刻みに震えている。
 尚もつかさの攻めは続き、どんどん過激になってゆく。
「こなちゃん……こなちゃん、はぁ……はぁ……こな、ちゃん」
「か、がみぃ……つかしゃ……ん!!……つかしゃがぁ」
 こ、これ以上はまずいわよね……
 私は急いで2人の元にかけより、つかさを引き剥がしにかかった。
「こらつかさ!!あんたいいかげんにしなさい!!」
「はぁ……こなちゃん」
 うわ、だめだこいつ。早くなんとかしなきゃ。
 つかさの腕を掴んで、全力で退かす……が、びくともしない。
 つかさこんなに力強かったっけ……
「はーなーれーなーさーいーよーーーー!!」
「こなちゃ〜〜〜ん♪」
「かがみぃ〜たすけてぇ〜」
 こなたが私のお腹に引っ付いてきた。
 やば……ちっさ……かわ……
 更にそれどころか、顔をすりすりと摺り寄せてきた。
 独特の幼い香りが私を襲う。
174『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:18:13 ID:AdOJsc33

「ちょ、ちょちょちょちょちょっとこなたぁ!!それやばいって!!」
「なにが?」
 くあ!?そ、そんな無垢な瞳で私を見るな!!
 やばい、折角いままで保ってきた理性が……いや、まぁ前に一回暴走したけど
 ……あれはこなたの『うるうる』っていう反則技で、ノーカウントだから。
 そんな無意味な思考でその場を乗り切ろうとしていると、不意につかさのハグが緩み、つかさとこなたの間に隙間ができた。
 ここぞとばかりに、その隙間に手を突っ込み、思いっきり引っ張る。
 その隙に、こなたはつかさの腕の中から脱出した。
「はぁはぁ、だ、だっしゅつせいこー……」
「……あ、あれ?私?」
 突然、つかさが我に返ったように、周囲をきょろきょろと見回した。
 もしかしてさっきまで自分が何してたか、分からないのか?
 簡易記憶喪失なのか?自分に都合がいいのか?
「うぅ〜……わたしちょっとといれ……」
 さっきのつかさの攻めで、何かしら感じてしまったのだろうか。
 こなたが股を押さえながら、部屋から出て行った。
 体が幼女でも感じるもんなのね。

「ねぇお姉ちゃん、私何かしたのかなぁ?」
「こなたのこと襲ったのよ」
 ちょっとストレートすぎただろうか。
 いや、ちゃんと言って聞かせておかないと、またいつ暴走するか分からないし。
 べ、別に、自分のことを棚にあげているわけじゃないのよ?
「それ……ほ、ほんと?」
「うん。まったく、ちゃんと自分を制御できなきゃだめじゃない」
 つかさの顔から、さーっと血の気が引いていくのが分かった。
 同時に体中から変な汗を噴き出していた。
「どど、どうしよう。こなちゃん怒ってないかなぁ?」
「すぐトイレ行っちゃったから分からないけど。あの子のことだから大丈夫でしょ」
 心が広い……っていうのとは違うのかな。
 感覚っていうのかな?このくらいのことでこなたは怒らないってことは確実に分かった。
 だってこなただし……
「でも……ちゃ、ちゃんと謝らないと……」
「当然よ」
 緊張した面持ちで、掌に書いた人という字を飲み込むつかさを見ながらこなたを待っていると


「うひゃぁああぁぁあぁぁぁあああ!?」


 突然トイレから幼女の叫び声が聞こえた。
 な、何事!?
175『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:19:42 ID:AdOJsc33
 私は、通り道にいたつかさとみゆきを蹴散らして、トイレへと駆けだす。
 その勢いのままトイレのドアを開けた。

「こなた!!いったいどうし……ふぉおぉおおぉぉぉおぉおおお!?」
「ふぇえぇ……かがみぃ」
 そこには、見事なまでにトイレにすっぽり填ったこなたがいた。
 しかもこちらを向いた状態だったので、その……丸見えなわけで……あそこが。
「ど、どうしたのよこなた!!」
「いつものかんじでべんざにすわったら……その、すっぽりと」
 あ、そうか、なるほど、今のこなたには大きすぎたわけか……
 にしても……こ、ここ、このアングルは……なんかすごいわね。
 思わず喉がなった。
 あ、そういえば携帯どこやったかしら?
 え?何に使うのかって?
 言うほどのことじゃないわよ。

「かがみぃ、みてないでたすけてよぉ〜」
「あ、ご、ごめん……」
 ポケットから取り出した携帯を仕方なく戻し、こなたの方に向き直る。
 この体勢だと、足だけ引っ張るのはまずいわよね……

 背中と太ももに手を回し、垂直に持ち上げると、以外にすんなり抜くことが出来た。
 あ、そういえばこれ、お姫様抱っこだわ。
 私の腕の中にすっぽりと納まったまま、上目遣いでこちらを見るこなた……おっと涎が。

「えっと……かがみ、あの、もういいよ?おろしてくれて」
「え!?そ、そうね!!」
 名残惜しくも、抱えていたこなたをぽてっと下ろした。
「むぅ……びっくりしたせいでおしっこでなくなっちゃったよ……」
「お、おしっこって……」



「ねぇかがみぃ、おしっこするのてつだってよ」

 ――――――――――――――は?
 ちょ、ちょっと待て、こいつ今何て言った?
 手伝って?手伝ってって言ったか!?
 マジか!?マジで言ってるのか!?

「こういうかんじであしひらけるように、かかえてくれない?」
「うぼぁ!!」
176『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:20:25 ID:AdOJsc33

 間違いない、こいつ見た目だけじゃなくて中身まで幼児化してやがるわ。
 つまりあれだ、幼稚園児におしっこさせる時みたいに、こなたを抱き抱えろというわけね?
 あほかこいつは。
 私にとってそれは、遠まわしに『襲って』と言ってるようなもんだぞ?
 ただでさえこなたの筋……お、お股を見ちゃった後だし、とてもじゃないけど耐えられる自信がないのですが。
「かがみはやくぅ〜」
 気づくと、こなたは私の前でお尻を振っていた。
 誘うな!!
 私は思いっきり首を背けた。ボキッとか音がしたけど今はそれどころじゃない。
「てつだってくれないの?……しかたない、つかさかみゆきさんに」
「抱えればいいのね!?」
「むぇ!?う、うん」
 つかさとみゆきが代わりに?そんなのだめに決まってるでしょ。
 今の2人"も"ちょっとしたことで理性の糸がプッツンと切れちゃう状態だろうし。
 大丈夫、私は大丈夫。
 鍛えられた理性で、この場を乗り切ってみせるわ!!

 変な気合を入れつつ、後ろからこなたの太ももへと手をまわす。
 ぷにぷにの感触を楽しみつつ、持ち上げた。
 うわ……本当に軽い。羽のように軽いっていうのはこういうときに使うのかな。
「ありがと……んっ」
「!?!?!?!?」
 私の腕の中にいるこなたが、突然ふるふると震えた。
 少し覗き込むと、なんということだろう、こなたが自分の大事なところを弄っていた。
「ちょちょちょ、ちょちょちょちょちょっとこなた!?あんた何してるのよ!!」
「だって、こうしたほうがしたくなるかとおもって」
 私のほうがしたくなるわよ!!いろいろと!!と言いそうになるのをぐっと堪えた。
 姿勢上、こなたの息遣いがダイレクトで耳に届く。
 電気信号となって、理性という名の糸を傷つけた。
 まずいまずいまずい、もう耐えられないかも……

「か、がみぃ」

 糸が切れた

「こなた」
「んぅ?」
「手伝ってあげる」
177『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:21:24 ID:AdOJsc33


「……え?……ひゃ!!」
 間髪入れずに、太ももを腕の部分で支えながら、こなたの大事な部分へ触れた。
 わー、柔らかい。ぷにぷにでふにふにでぷよぷよでぽよぽよでぷにゅぷにゅ。
 小指くらいなら入れても大丈夫よね。
 勝手に脳内で納得して、割れ目に小指を入れてみた。
「ふぇぁ!?かがみなにして……はぅ!!」
「こなたのここ……敏感だね」
「あ、あたりまえだよ!!てかぬいてよぉ!!」
「おしっこ出やすいように手伝ってあげてるんだから、我慢しなさい」
「だからってゆびいれなくてもぉ……うっ」
 くいっくいっと、小指の第一関節だけを動かす。
 それに合わせるように、ぴくんぴくんと動くこなたがかわいくて仕方ない。
「どお?出そう?」
「もうちょっと……かも……は、ぅ」
 幼稚になっているせいか、妙に従順だ。

 余程感じているのだろう。
 背骨の限界まで仰け反りながら、私の服を片方の手でぎゅっと握り締めながら、もう片方の手を口に当て声を我慢している。
 もう、そんなことされたらますますやめられないじゃない。
 中に入れた指をくるっと回してみた。
「んぁ!?」

 刹那。
 ぷしゃーっと勢いよく、黄金水が噴き出した。
 我慢してたんじゃないかというほどすごい勢いで、便器の中に吸い込まれてゆく。
 アンモニア独特のつんとした匂いが、鼻を擽った。

 少しして、全て出し切ったのだろうか、ちょろちょろという音が止む。
 それと同時に、私の中でどうしようもない感情が出てきた。

 や っ て し ま っ た

 あれだけ、暴走しないように暴走しないようにと気をつけていたのに……
 この時、自分の理性ほど頼りにならないものもないなと学んだ。
 あーどうしようどうしよう。流石にこなた怒って
「あ、りがとう……かがみ、手伝ってくれて」
「……」

 いろいろ言いたい事はあるけれど、取り敢えずこれだけ言っておこう。


 踏 ん 張 れ 理 性!!
178『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:22:28 ID:AdOJsc33

 私は『がんばって』、ゆっくりとこなたを降ろす。
「ふぁ〜、すっきりしたぁ」
 そんな潤んだ瞳で私を見るな!!
 今あんたの相手をしてるような余裕はない!!
 って何を力強く言ってるんだ私は……

 不意に、自分の手が濡れていることに気がついた。
 見てみるとどうやら、少しおしっこがかかっちゃったみたい。

「……」
「かがみ、ちゃんとて、あらわないとだめだよ?」
「わ、分かってるわよ」
 失礼ね。
 いくら私がちょ――――――っと変態さんでも、流石に排泄物とかを口にするようなことは……

 ……。

 ……ないわよ。

 今の間何?とかつっこむな!!

「とりあえずかがみ、へやもどろ?」
「そう、ね」

 トイレを出て手を洗ってから部屋に戻ると、申し訳なさそうに正座するつかさがいた。
「あ、あの、こなちゃん!!さっきは、その……ごめんね?」
「なんで?」
 こなたが頭の上にいくつものクエスチョンマークを浮かべる。
「ほら、その……私、暴走してこなちゃんのこと」
「あーいいよいいよ、かがみもさっきわたしのこふぉんむぅ」
「わーわーわーわーわー!!」
 電光石火の速度で、こなたの口を塞ぐ。
 こいつなんてこと言おうとしてるんだ!!
「それなら……いいんだけど」
 多少疑問を抱きつつも、こなたが怒っていないことを知り、つかさは安心したようだ。
 と、取り敢えず話題を逸らさないと。
「そんなことよりも、本当どうするのよ、この体。やっぱりこのままだといろいろ不便でしょ」
「ん〜たしかにねぇ、でもどうすればいいかわからないし」
 そりゃそうだ、こんな例が世界で2つとあるとは思えない。
「私で良ければ、家に帰った後に調べてみますけど」
 あまり情報は期待できませんが、と付け足しながらみゆきが言った。
179『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:23:09 ID:AdOJsc33

「おーありがとぉー、みゅゆきしゃん」
 ピシッ
 みゆきの眼鏡にひびが入った。
 みゆきどうした。

 笑顔のままで固まるみゆきをスルーしつつこなたは続ける。
「そろそろいいじかんだし、みんなかえったほうがよさそうだね」
「で、でも……私、こなちゃんのこと心配で」
 私もそれには同意見だ。こなたはまだこの体に慣れてない。
 さっきのトイレでのこともそうだけど、この家にはあまり人がいないわけだし。
 もしものことってのがあるわけで。
「だいじょーぶだいじょーぶ、もうすこしでゆーちゃんもかえってくるし」
 あ、そうか、この家にはゆたかちゃんも居るんだった。
 それなら安心ね。
「きょーがっこういくときも『急いでお洋服とか買って帰ってくるから、待っててねお姉ちゃん!!』って言ってたからたぶんすぐに」

 ……ん?
「なんで洋服?」
「ほら、こんななりだから、いつものふくきれないし」
 こなたは、今着ているぶかぶかのパンダの服を指差した。
 いや、それはそれでかなり……
 というかそのゆたかちゃんのテンションが気になるんだけど……
「だからみんなはあんしんしてきたくしたまへ〜」
「そこまでおっしゃるのなら」
「うん、わかったよこなちゃん」
 私たちは、こなたに言われるまま、こなたの部屋から出た。

 玄関まで送るよ、というこなたに連れられて廊下を歩いていると
 ちょうどゆたかちゃんが帰ってきたところに鉢合わせた。
 両手には、5つの大きな袋を抱えている。
「あ、みなさんこんにちは、こなたお姉ちゃんに会いに着てくれてたんですね」
 ゆたかちゃんと挨拶を交わすつかさとみゆきを見ながら
 異常な袋の量のことは、聞かないことにした。
「もうお帰りですか?」
「うん、時間も時間だしね。こなたのことお願いね?ゆたかちゃん」
「はい、もちろんです♪お姉ちゃんのことは、私が責任を持って着せ替……じゃ、じゃなくて、面倒見ますね♪」
 一瞬何か本音らしきものが聞こえたような気がしたけど、気のせいだろうか……
180『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:23:53 ID:AdOJsc33
「むぅ、ゆーちゃんにそういわれると、なんかまけたきがする」
「あはは♪ほらほらお姉ちゃん、早く部屋に行こうよ!!」
 異様にテンションの高いゆたかちゃんに疑問を抱きつつも、私たちは泉家をあとにした。








「ん?」
 お風呂からあがり部屋に戻ると、携帯がピカピカと自己主張していた。
 どうやらメールがきているみたいだ。
 送り主は……こなたか。どれどれ?


『かがみ助けて、ゆーちゃんがぁ』


「……」
 頼ってくれるのはうれしいけど、私にどうしろと?
 いまからそっちに向かうのは無理だし。
 というか私が行ってもどうしようもない気がするんだけど……
 まぁ取り敢えず返事はしないと。


『がんばれ』


「これでよしっと」
 携帯を充電して、ベッドに横たわる。

 こなたのあそこ……やわらかかったなぁ……
 って何考えてるんだ私!!
 枕にぎゅっと顔を押し付けて思考を中断する。
 その間に何度も携帯が震えたけれど無視した。だってどうしようもないし。
 少しづつ意識がまどろんでいく中……
 明日、ゆたかちゃんと一緒にこなたのこと可愛がろうかな
 なんて考えていた。
181『こな☆フェチ 〜6才こなたん〜』:2007/09/12(水) 20:25:11 ID:AdOJsc33

異常です……じゃなかった、以上です。
進むにつれてみんなの崩壊度&変態度が上がっているような気がします。

そして
【 fin 】
入れ忘れた(´・ω・`)
182名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:28:34 ID:ON5nePw1
GJ
183名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:34:24 ID:tYAamo49
周りのやつらが異常すぎてこなたの幼児化が
ほんの些細なこととしか思えなかったw
がんばれって何をがんばれとw
184名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:44:33 ID:MoP9eT6z
>>181
ぐっじょ・・・
うっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ
うっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!!
だめだ!!
笑いとまらねえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
185名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:44:43 ID:LCU2gbWq
>>181
GJ ! 爆笑したw
全員壊れてるwww

最近笑えるSS増えてきて、個人的には凄く嬉しい♪
186名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:48:57 ID:PzEtY0mD
みゆきさんの静かな崩壊っぷりにクソワロタww

みゆきさんの暴走が見てみたいwww
187名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:04:27 ID:Kopd/ZDm
おもしろすぐるwwwwwwwww
GJ!!!
かがみの変態っぷりはヤバスwwwwwwww
みゆきで一番吹いたwww
188名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:05:25 ID:Y6Ky3Kgn
>>186
あー、まあ、なんだ。


読んでたら目覚めた。なにかに。ぐっじょぶ。
189名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:16:06 ID:LryZeTSw
男のショタコンは聞くが……
女のロリコンってあるんかな?
あるんだろうな〜

…すみません。801禁止でした;自重します。
190名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:23:51 ID:XKe7SVci
>>181
これこそエロを含みつつ笑えるこのスレにピッタリの作品ではないかぁ!!
最近キャラ壊れがツボな自分には最高の一品でした。
そしてよく見るとお気に入りのこな☆フェチシリーズだったとは・・ぐっじょぶ。 
191名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:26:21 ID:waDjW9Z1
みゆきさんのめがねにひび入るところでワロタww
192名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:30:34 ID:2018fkX+
おにんにんが爆発したのは俺だけか……。
193名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 21:34:00 ID:/PiWOhZ3
最初なぜか「6年生こなた」を想像してて、読み進めていくうちに「6才こなた」を正確に認識したorz
194名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:04:53 ID:fs+pc/lB
>>181
GJ!!!!!
こうなってくると、こなた以外の6歳化も見てみたいな。
195みなみとゆたか、Thank you for your smile (0/5):2007/09/12(水) 22:15:04 ID:3a1FZUJe
>>181
やばいっスwwずっとニヤニヤしっぱなしでしたwww

しかし二週間も遠出するとスレにおいつくのが大変なこと大変なこと…
そんな遠出の中でちょっとずつ書いていったSSを投下したいと思います。
みなゆたモノで、エロ無しです。5レスお借りします。
196みなみとゆたか、Thank you for your smile (1/5):2007/09/12(水) 22:16:31 ID:3a1FZUJe
 小早川ゆたかと岩崎みなみは私立陵桜学園一年D組のクラスメイトである。
 いや、単なるクラスメイトと呼ぶのは相応しくないだろう。
彼女達は心で繋がりあった友なのだ。
 知り合ってからの時間は短くとも、
 二人の友情はもう何年も付き合ってきた親友のようにとても強いものとなっていた。
「おはよーみなみちゃん」
「おはよう、ゆたか」
今日も二人はいつもの教室でいつもの挨拶を交わす。
 そして席につき、先生が来るまでの間、とりとめのない話題に花を咲かす。
そんな何の変哲もない日常は彼女達の友情を少しづつ、少しづつ深めていった。
 お互いの好きなこと、嫌いなこと、
 ふとした時に見せるそれまでは見られなかった新しい表情……。
 時は二人の気付かない間に着実に二人の思い出を築いていた。


「次の体育は外で短距離のタイム測定だってー」
 膝下まではある長い黒髪をなびかせ、田村ひよりがゆたかとみなみにそう告げる。
 彼女もまた、二人にとってかけがえのない親友である。
「今日は太陽が照ってて暑そうだねぇ。小早川さん、大丈夫?」
 体の弱いゆたかを気遣い、ひよりが問い掛けた。
 ひよりの言うとおり今日は雲一つ無い快晴であり、
 外は昼前の強い太陽の光と焼けた地面の熱で熱気に包まれていた。
 クラスの中には下敷きをうちわ代わりにパタパタとしている生徒も見受けられる。
「うん、今日は体の調子もいいみたいだし授業に出るよ〜。あんまり休んでばっかりもいられないしね」
「具合が悪くなったらすぐに私に言って、ゆたか……」
 えへへとほほ笑むゆたかにみなみが少し心配そうにして言った。
 みなみはクラスの保健委員であり、クラスメイトの体調を気遣うのは当然のことなのだが、
 もちろんみなみはそういうつもりでゆたかに心配の言葉をかけたのではない。
 みなみはクラスの保健委員という立場の前に一人の友人として、
 ゆたかの良き理解者としてゆたかに頼ってほしいのである。
 それは紛れもなくみなみの本心であり、
 ただただゆたかを守ってあげたいという気持ちから出た言葉なのだ。
 そんなみなみの胸中を知ってか知らずか、
 ゆたかは嬉しそうに「ありがとう、みなみちゃん」とほほ笑んだ。
 ちなみにこのやり取りを見てあらぬ妄想を繰り広げている友人も近くにいるようだったが、
 彼女の頭の中はゆたかには到底理解出来そうにもない世界である。
197みなみとゆたか、Thank you for your smile (2/5):2007/09/12(水) 22:18:04 ID:3a1FZUJe
「いちについて、よーい……」
 パーンというグラウンドの端まで響く銃声と火薬のにおいと共に、みなみがスタートラインから走り出す。
 そして端麗な容姿からは想像も出来ない抜群の運動能力で、先頭となってトラックを駆けていく。
(うわぁ……すごいなぁ、みなみちゃん……)
 ゆたかはそんなみなみの姿を体育倉庫の屋根の下の日陰から見つめていた。
 太陽はほぼ真上の位置にあり、日陰の部分はほとんど残されていないが、
 ゆたかの小柄な体にはちょうど良いほどの大きさであった。
 断続的に聞こえるセミの鳴き声が一層暑さを感じさせる。
 ゆたかは子供の頃から体が弱く、どうしても休みがちになってしまう体育の授業はあまり好きではなかった。
 しかし今は違う。
 こうして何もしていないときでも、ゆたかにとって体育の時間は特別なものとなっていた。
 もちろんそれはみなみの所為に他ならない。
 ゆたかはみなみの活躍している姿を見ることが嬉しく、なによりも楽しみなのだ。
「ほえー、やっぱり早いねぇー岩崎さん」
 ゆたかのそばにいたひよりが間の抜けた声を出す。
「ホント、みなみちゃんはすごいよ! あ、みなみちゃ〜ん!」
 ゴールラインのほうからタオルで汗を拭いながら帰ってくるみなみに、
 ゆたかは小さく手を振って駆けていった。
「お疲れ様! 早かったねぇ、みなみちゃん」
「そんなこと……ないよ……」
 みなみはそう言うとふいと横を向いて黙ってしまった。
 ライトグリーンの髪が目を隠し、どの様な表情なのかはあまり分からない。
 おそらくみなみをよく知らない人から見れば落ち込んでいるか、怒っているように見えただろう。
「ううんっ、みなみちゃんは勉強もできるし綺麗だし、ホントにすごいよ〜」
 しかしみなみの表情がどの様な意味であるか一番良く分かっているゆたかは、
 これでもかというほどに無邪気な笑顔でみなみを褒めちぎった。
 ゆたかがそんな風にするのでみなみの顔はみるみるうちに赤くなっていき、
 手を胸の前の辺りでもじもじさせながら固まってしまった。


「じゃあ、私も頑張ってくるね」
「うん……頑張って、ゆたか」
 測定の順番が周ってきたゆたかをまだ少し赤みの残った顔でみなみが見送った。
 小走りで駆けていくゆたかの小さめのツインテールがかわいらしくぴょこぴょこと跳ねる。
 その横を少し強い風が通り過ぎ、グラウンドの砂を巻き上げた。
 そしてせわしなく聞こえていたセミの鳴き声が不意に止まった、その時だった。

 ――突然の視界の歪み。

 ゆたかは一瞬自分の体がどの方向を向いているのか分からなくなった。
 やけに自分の周りの動きが遅く感じ、気がつくと目の前には地面が迫ってきていた。
 ぶつかる、とゆたかは直感的にそう思った。
 しかし、ぶつかる寸前で柔らかい何かが自分の体を支えてくれたのが分かった。
 そして聞き慣れた、どこか安心できる親友の声が自分の名を仕切りに呼んでいるのを聞いたことを最後に、
 ゆたかの視界はゆっくりと暗転していった。
 太陽は二人の姿を相変わらず静かに見下ろしていた。
198みなみとゆたか、Thank you for your smile (3/5):2007/09/12(水) 22:19:08 ID:3a1FZUJe
「んっ……」
 一体どれほどの時間が経った後だろうか、
 ぎらぎらと照りつけていた太陽が夕日に変わり始めていた頃、
 ゆたかは見慣れた天井とかぎなれた匂いのする部屋で目を覚ました。
 そしてすぐに自分があの時倒れてしまったのだと気付き、ゆたかは自分の体の弱さに少し嫌気がさした。
 はぁ、と溜め息をつくのと同じくして、ゆたかは誰かが保健室のドアを開いた音を聞いた。
 そして自分の居るベッドのカーテンの隙間から、元気のない顔でこちらに向かってくるみなみの顔を見た。
「ゆたか……? もう大丈夫なの……?」
 少し驚いたようになって、みなみがゆたかに駆け寄る。
 その手には水の入ったボールが収められていた。
 それを見てゆたかは初めて自分の額に濡れたタオルが乗せられていることに気がつく。
「みなみちゃん……ありがとう、看病してくれたんだね。うん、もう大丈夫みたいだよ」
「そう……なら、良かった……」
 みなみがほっとした表情になり、ベッドの横に置いてあった背もたれの無いイスに腰掛ける。
 きっとみなみはそこに座りずっとゆたかのことを看病していたのだろう。
「失礼しまーす。あっ、小早川さん、もう体の具合は良くなったの?」
 入口の方を見ると授業を終えたのであろうひよりが、
 少し重たそうに三人分のカバンを持って保健室に入ってきていた。
「うんっ、もう大丈夫だよ。ありがとう、田村さん」
「お礼なら岩崎さんに言ってあげてよ。
 岩崎さん、小早川さんが倒れてからずーっと付きっきりで看病してくれてたんだよ」
「みなみちゃん……そうだったんだ……」
「そうそうっ。小早川さんが倒れちゃった時の岩崎さんの迅速な対応ったらすごかったんだから。
 特にゆーちゃんをおぶって保健室に向かうみなみちゃんの勇姿はかっこよかったねぇ」
「田村さん……それは、ちょっと……言い過ぎ……」
 ひよりの言葉にみなみはまたすっかり顔を赤くして俯いてしまった。
 その顔は夕日に照らされ、ますます赤く見える。
「おっとっと、ごめんごめん……。あっ、二人のカバン持ってきておいたからここに置いとくね〜。
 授業のノートも取ってあるからいつでも言ってね。じゃあ岩崎さん、後はよろしくぅっ」
 みなみは少し首を傾けて頷き、ゆたかはひよりに別れの挨拶をした
199みなみとゆたか、Thank you for your smile (4/5):2007/09/12(水) 22:20:25 ID:3a1FZUJe
 ひよりが扉を閉める音が聞こえ、保健室は再び二人きりとなった。
 放課後であることを示すかのように外ではたくさんの話し声が集まり、不安定な音色を奏でている。
「本当に、ありがとうね、みなみちゃん……」
 ゆたかがやや視線を下に落として言う。
「私、みなみちゃんに助けてもらってばっかりだよね……。
 今日だって……ちょっと調子がいいかな、と思ってた途端にこれだもん……」
「ゆたか……」
「私、きっとみなみちゃんに迷惑かけてるよね……」
 夕日が雲に隠れ、部屋に射していた光が弱まる。
 新たに出来た影がゆたかの表情を隠すようにして覆った。
 保健室に少しの間沈黙が訪れる。
 時間にして数秒程度であろうが、二人にとっては長い長い沈黙だ。
 ゆたかはこの間、何を考えただろう。
 迷惑だと、みなみにバッサリ切り捨てられる自分を思い浮かべたのだろうか。
 凡そみなみがそんなことを言うとは思えないが、
 ゆたかは大切な友を困らせているのではないかという自責の念に囚われているような、
 そんな思い詰めた表情をしているように見えた。
 薄暗くなった部屋の中、先にみなみが沈黙を破いた。
「そんなこと、ない」
 その口調はいつもの落ち着いたものとは違い、少し感情がこめらめているようだった。
「迷惑なんかじゃない。それに私も……ゆたかに助けられてる」
 その整ったまなざしはまっすぐにゆたかへと向けられている。
「上手く説明できないけど……ゆたかは、私の心の支え」
「心の……支え?」
「うん……。私は、ゆたかが居るとすごく安心する……。
 ゆたかが笑っているのを見ると……私も楽しい」
 少し何かを思い出したような表情になって、みなみが続ける。
「私は……こんな性格だから、今まで仲良くしてくれる人はあまりいなかった。
 私は上手く笑えないから……冷たいとか暗いって言われることもあった……。
 でも……ゆたかはこんな私でも仲良くなってくれた。私を必要としてくれた。
 私はそれがすごく嬉しい……。ゆたかは私の人生を変えてくれた」
「そ、そんなっ、人生だなんて大袈裟だよぅっ」
「ううん、大袈裟なんかじゃない。私はゆたかに感謝してる。
 ゆたかがいなかったら……きっとこの高校生活も全然違うものになっていたと思う……。
 だから私のほうこそ、ゆたかにたくさん助けてもらってる……」
「みなみちゃん……」
 先ほどまで雲に隠れていた夕日が顔を出し、再び部屋の中へと光が射す。
 夕日はゆたかの顔を眩しく写しだし、みなみに安心したようにほほ笑むゆたかの顔を見せた。
「私がゆたかを助けるのは……きっとゆたかのことが好き、だからかな……」
 いつもと変わらない落ち着いた表情でみなみが言う。
 それとは対称的に、言われた側のゆたかの頬は少し赤みがかっているようだった。
「ゆたかには笑顔が似合うから……いつも笑顔でいてほしい……」
「な、なんだか照れるな……。
 でもありがとうね、みなみちゃん……。私もみなみちゃんのこと、大好きだよ」
 そう言ってゆたかはこの上ないほどのとびきりの笑顔をみなみに向けた。
 それに対して「ありがとう、ゆたか……」と言うみなみの顔には柔らかい、自然な笑みが浮かんでいた。
 保健室に再び沈黙が訪れる。
 だがその沈黙は少し前の時とは違い、二人にとってとても心地よい時間であった。
 床に伸びる二つの影が寄り添うようにして仲良く並んでいる。
 暖かい静寂が流れる部屋は青々と繁っている木が風に吹かれて鳴らす葉の音を、優しく響かせていた。
200みなみとゆたか、Thank you for your smile (5/5):2007/09/12(水) 22:22:00 ID:3a1FZUJe
 家に帰り夕飯をとった後、みなみは自室で今日のことを思い返していた。
 今日自分がゆたかに伝えた一つ一つの言葉。それには一つの嘘も含まれてはいなかった。
 みなみがゆたかに馳せる思いは間違いなく本物のものである。
 しかしそれは異性でいうところのそれとは全く違う。
 なぜならみなみが目を閉じ、ゆたかのことを思い浮かべても胸が高鳴るということはないからだ。
 では何の感情も沸き起こらないかと言われればそれも違う。
 みなみがゆたかの、特に一番好きな表情であるゆたかの笑顔を思い描いた時、
 みなみはどうしようもなく安心する。そしてみなみ自身は気付いていないが、
 とても穏やかにみなみの顔はほころんでいく。
 ゆたかは自分に友達とはなんなのかを教えてくれた。
「手をかけてくれるだけじゃなくて友達との距離をもってくれるのが嬉しいから」と、
 ゆたかはそう言ってくれた。
 みなみの中で、ひょっとしたら家族以上に大切な存在となっているゆたか。
 みなみは小さく、しかしその思いだけは本当にゆたかに届きそうだと思わせるほど優しい感情を込めた声で、
 保健室にいたときと同じく「ありがとう、ゆたか……」と呟いた。
 窓の外に広がる星空を見上げ、みなみは思う。
 星の数ほど居る人々の中で、
 ゆたかのような人物と出会えたことは果たして単なる偶然なのだろうかと。
 そして偶然ではないとしたら、このすばらしい出会いはどうして自分にもたらされたのだろうかと。
 使い古された陳腐な言葉を使うとするならば、それはきっと『運命』というものなのかもしれない。
 みなみはらしくないかなと思いながらも、この二文字の言葉が本当であればいいなと夜空を見上げながら思った。
 星空では二つの隣り合った星が、決して強くはないが穏やかな光を発している。
 しかしみなみの目にはそれが他のどの星よりもずっと輝いて見えた。
 そしてその光だけは目を閉じてもみなみの中でいつまでも光り続けていた。


 翌日、ゆたかが教室に入るとひよりがだるそうに机に突っ伏しているのが見えた。
「おはよー田村さん、なんだか眠たそうだけど……どうしたの?」
「おはよ〜小早川さん……いやー、夕べかなりテンションの上がることがあって……。
 それについてもうs……考えたり、漫画にして描こうと思ったりしてたんだけど……
 気付いたら朝方近くになっちゃってて……」
「ええーっ!? 一体何があったの?」
「いやー……甘い甘い蜜を飲んだといいますか……なんといいますか……。
 ……立ち聞きなんてするんじゃなかったかなー……」
 ひよりの言っていることの意味がよくわからず頭にクエスチョンマークを立てているゆたかを他所に、
 ひよりは静かに百合の花咲き乱れる夢の世界へと入っていった。
「……田村さーん? 寝ちゃったのかな……あ、みなみちゃん、おはよう!」
「おはよう、ゆたか」
 そうこうしている間にみなみが教室に入り、二人はまたいつもの挨拶を交わした。
 今日は一体どんなことが二人を待ち受けているのだろうか。
 おそらく何も大それたことは起こらないのであろう。
 しかし、それでいいのだ。
 そんな日常の一つ一つは、また二人の絆をより強くしてくれるのだから。


「そういえば昨日、みなみちゃんが夢に出てきてね……
 なんでか分かんないんだけど、みなみちゃんはありがとうって言ってて……」
2019-727:2007/09/12(水) 22:23:13 ID:3a1FZUJe
これで終わりです。なんだかしみじみしたものが書きたいなぁと思って書きました。
今まで3つ書いてきて初めてエロ無しを書いてみたのですが、
途中で「キスくらいならいいんじゃ…」という悪魔の声が聞こえたりして大変でした。
あと三人称も初めて使いましたが、使うのが難しくて途中手が完全にストップしたりもしました。
四苦八苦した割にストーリーはベタですが、何とか形にはなったかなと…。
あと最初のほうで文頭の下げ忘れがあったみたいで、大変失礼致しました。
長くなりましたがお読みいただいた方、ありがとうございました。それでは。
202名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:25:06 ID:kFaHHm9E
>>181
GJ!!
あんたは漏れの腹筋を壊す気だろ
アホ過ぎやwwww (←褒めている)

怪電波を受信した。ちょっと仕込んでくる。
203名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:26:59 ID:b9Ju0Z44
gjする暇もねえぜ・・・
だからこそ今ここで言わせてもらおう
    _,,,,._                、-r    r--,      、-r
   ,.','" ̄',〈... _,,,_   _,,,_   _,,,,,| |     ~`l |  _,,,_   | |,,,,,_
  { {   ,___ ,'r⌒!゙! ,'r⌒!゙! ,.'r⌒| l      .| | ,'r⌒!゙! ..| |⌒','i
  ゝヽ、 ~]| ,i i  i l i l  i i .i i  .i .i      .| | i i  i l  .| i  .i |
   `ー-‐'"  ゞ_,.'ノ ゞ_,.'ノ ゞ__,.',、'ュ    ..l l  ゞ_,.'ノ.. .L、-_,'ノ
                        (~'-'ノ
                         `~~
204名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:39:54 ID:AvgFgA+E
>>201
GJ!
ぜひとも悪魔の声に耳をかたむけて欲しかったww
205名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:46:49 ID:PVp3KogT
「6歳こなたを愛でるなぞ、たとえ渦中の次期首相候補が許しても
 この元美少女主婦かなたが許しません!」

「おかーさん……」
206名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:49:32 ID:RRTGU0xE
前スレで「不思議のマンション」を書いてた奴です。
今回最後になる後編を投下したいと思うのでスレを使わせてもらいます。
207名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:52:11 ID:RRTGU0xE
こなたとかがみの大冒険〜不思議のマンション〜(後編)

=========================

「な、なんで?なんでセバスチャンがここに!?」
「あんた、こなたのクラスの……」
予期せぬ事態に驚きを隠せない二人であった。
「おお、泉とかがみじゃないか。思ってたより早かったな。」
二人とは対照的に落ち着いた様子で白石は言った。
「セ、セバスチャン、なんであんたがここにいるの?もしかしてセバスチャンもしあわせの箱を探しにきたとか……?」
こなたは今、一番の疑問を白石にぶつけた。
「しあわせの箱……?はは!ははは!あー!これはおかしい!!!」
白石は急に笑い出した。
「何がおかしいの……?」
聞いたのはかがみだった。
「まだわからないかな。おまえ達は騙されたんだよ。あの本に書いてあった『しあわせの箱』について内容は全くの
デタラメさ。俺はあの本を読み、宝の存在を鵜呑みにしてここまでやってくるバカな奴らを倒し、
そして倒した奴らより力を吸収して、より強い存在になる。泉が読んだ本はそのための罠さ」
そう言って白石はクククッと嫌な笑いをした。
「ちくしょー、やはりあの本はこういう罠だったのか!」
「いや、出版社の名前の時点でまず気づけ」
かがみと白石が同時にツッコんだ。
「さて、本題だが」
白石はかがみに近づて、全身を嘗め回す様に見た。
「これはいい。かがみ。君は今まで俺が見たことがないくらいすばらしい力を秘めている」
「力って……私にはそんなものないわよ!」
かがみは全力で否定した。
「君は気づいてないだけだ。ああ、そんなすばらしい力を持ちながらそれに気づいていない。悲しいなぁ」
「うう……何よ何よ!もう!そんな変な目でジロジロ見るのはやめろ!」
白石の品定めをするかのような視線に耐えられず、かがみは叫んだ。
「こらー!かがみに変なことする奴は許さんよ!」
まるでかがみは自分の嫁だ、と言うような口調でこなたは白石に牽制を送る。
208名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:52:59 ID:RRTGU0xE
「おお、怖い怖い。しかし、君達の相手をするのは俺じゃない。いでよ!人造人間あきら28号!」
白石が指をパチンと鳴らすと、暗闇の中から一人の小さな少女が現れた。
テレビでたまに見る『小神あきら』にそっくりの少女だ。
現れたあきらは白石の横に立った。
「ははは!この人造人間あきら28号で君達を葬ってあげよう。やれ!」
白石の合図であきらは目を光らせると、右手を人間の腕から何本もの、見るからにグロテスクな触手に変えた。
「ひぃ!何よあれ!」
それを見たかがみは怯んだ。
「かがみ、目をそらしちゃダメ!やられるよ!」
こなたがかがみに注意を促した次の瞬間、あきらの触手がこなた達を目掛けて襲ってくる!
伸びる触手に反応してこなたはサッと防御の構えを取った。
一方のかがみはこなたの身を盾にして隠れた。さっき、頑張るとか言ったのはどうなったのだろうか。
「来るか!」


ズシャァァァァ!!!!!
何かが人間の体を貫いたような、そんな鈍い音がした。
やられた……!?
こなたは思った。しかし、自分の体に怪我はどこにもない。
まさか、かがみが!?
後ろを振り返って、身を隠すかがみを見る。
「ねえ、こなた。何……今の音……?」
怯えるかがみ。しかし、かがみにも異変はなかった。
「じゃあ今のは一体……?」
不思議に思ってあきらの方に目を移したその時、こなたは見た。


あきらの触手が白石の胸を貫いているのを。

「な……バ、バカな……」
胸を突き刺された白石は信じられない様子であきらを見ていた。
が、すぐにその表情は青ざめ、そして事切れた。

「こ……こなた、これどういうこと……?」
「わ、わかんない……」
その様子を二人は呆然と眺めていた。
白石を葬り、血や体液といった、書き表すには精神衛生上あまりよろしくないものを色々とつけた触手を、あきらは元の腕のサイズに戻して、二人の居る方向に向かって歩き出した。

あきらが一歩近づくと二人は後ろに一歩後ずさり、二歩近づけば、今度は二歩下がる。
そんな感じで、二人はあきらとの間を取る。
あきらはゆっくりと近づいてくる。
間合いを取るため二人はまた下がろうとした。が、知らないうちに壁まで来てしまい、もう後ろに逃げることが出来ない!
209名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:53:53 ID:RRTGU0xE
『ジャマモノハホウムリサッタ……アトハオマエタチダケダ……』
ここにきて始めて、あきらが口を開いた。
「邪魔者……?邪魔者ってセバスチャンのこと……?」
こなたが呟いた。
『ソウダ……アイツモマタ、ワタシニダマサレタノヨ。
シライシハ、ウマクオマエタチヲオビキヨセテクレタ。ソコデヤツハモウ、ヨウズミヨ。ダカラシマツシタ」
あきらは悪びれもなく答えた。
「あ、あんたの目的は一体何なのよ!?」
今度はかがみが問いかけた。
『ソレハダナ、オナエタチヲホウムリサッテ、ワタシガ『らき☆すた』ノシュヤクニナルノヨーーーー!!!!』
あきらはそう叫んで再び右手の触手を伸ばし襲い掛かる!
ついに不思議のマンションもラスボス戦に突入か!?

あきら様の攻撃!

伸びた触手がかがみの体に巻きつく!
「ああっ!か、かがみ!」
「え、ちょっとなにすんのよ!?」
かがみの体は触手に持ち上げられ宙に浮かされる。
そして、何本もうねうねと動く触手の一本がうまくかがみの服をずらして、胸、尻、お腹などいやらしい所をピンポイントでまさぐる。
「やぁ……、ヤダ、やめて!」
恥ずかしい部分をいじられ真っ赤になるかがみ。
「おー!これはいい触手プレイ!『くやしいけど感じちゃう!』ってやつですな!くーっ!これでかがみの服が巫女服とかならもっとそそるんだけどなぁ……」
「って何こんなときにまでバカなこと言ってるのよ!早く助けてよ!」
「ちぇっ。もうちょっと見てたかったけど……仕方ない、なんとかするか」
しぶしぶ、こなたはかがみを弄るのに夢中なあきらの前に立った。
「よーし!もう一発このワザで決めてやるぜっ!」
こなたは3階で使ったワザと同じ構えを取った。
「だだだだだだだだぢぢぢぢぢぢぢぢづづづづづづづづででででででででどどどどどどどどどどーん!!」


が……何も起こらない。
「ちょっと!どうして何も起きないわけ!?」
「ゴメーン、MP切れみたい。ずっと必殺技ばかり使ってたからか……」
「なんじゃそりゃーーーー!!」
かがみは悲痛に叫んだ。必殺技のご利用は計画的にね。
「とにかくどうするのよ!あ……ああっん!もう!私はこんな気持ち悪い触手なんかじゃなくて、こなたにいじられたいのに!」
さらりと不穏なことを言うかがみであった。

こなたの攻撃!

「こうなったらもう地道に通常攻撃で削るしか……」
そう言ってこなたがあきらに飛び掛ろうとした時だった。

あきら様のカウンター!

あきらは空いていた左手を触手に変え、それを伸ばしてこなたの体を捕らえた!
「し、しまった!油断した……」
「ああ!こなた!」
こなたの体もかがみと同じ様に宙に持ち上げられた。
「こなた!大丈夫!?」
かがみが叫んだその時!触手はこなたの体を振り下ろし、地面に叩きつけた。

210名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:55:00 ID:RRTGU0xE
「こ、こなた!!!」
かがみは地面に叩きつけられたこなたを見て叫んだ。しかし、こなたはピクリともしない。
「こなた、こなた!!」
こなたの名をもう一度叫ぶ。しかし、反応がない。
「……う、嘘……嘘でしょ?こなた……!こなた!しっかりして!ねぇ!」
何度も何度もこなたの名を呼ぶかがみ。それでも、地面に倒れているこなたの反応は、なかった。
「そ……そんな……こなた!こなた!こなたー!!!」
触手の中でこなたの名を叫び続けるかがみ。そうやってうるさく騒ぐかがみに、あきらは苛立ちを感じていた。
『ウルサイヤツダナ……イジルノニモアキテキタシ、ソロソロトドメヲサスカ……』
あきらは今までかがみの体を弄っていた触手を尖らせた。
そしてその触手を振り上げかがみに突き刺そうとした時である。
「こなたーーーー!!!どうして!どうして!」
かがみの腹の底から涌き出たような悲痛な叫び声がダンジョンに響く。
『ギャーギャーウルサイヤツダナ!』
しかし、それはただの叫び声ではなかった。


『ナ!ナンダ!』
突然、ダンジョンが大きくゆれ始める。床が、壁が、天井が。
「ああああああーーーーーーーー!!!!!!!」
かがみの声を震源にして、共鳴するように震えるダンジョン。
その震えはどんどん強くなっていく。
「どうして!!こなた!どうして!?」
揺れは激しさをまし、段々かがみの体にとてつもなく大きな力が集まっていく。
『バ!バカナ!コンナコムスメニ、ナゼコレホドマデノチカラガ!!??』
先ほど白石の言っていた、かがみの持つ力とはこのことであったのだろうか。
愛する人を大切に思う気持ち。愛する人が何者かにより傷つけられる悲しみ、そして怒り。
それらの想いがかがみに力を与えているのだろうか。
かがみの体の周りを青白いオーラがつつむ。
始めは小さく、いびつな形であったそのオーラは、段々と大きくなって、丸く綺麗な球形になったそのとき!


かがみはすべての神力をときはなった!!!!


『コ!コレハ!』
かがみの体から閃光が放たれる。それは、怒り、そして悲しみから出来た、大きな大きな力。
『マ、マサカコンナヤツニヤラレルトハ……!!!!』

その閃光は、あきらの触手を、あきらの体を、グサリと貫いた。

211名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:56:21 ID:RRTGU0xE
こなたが目を覚ました時、そこはダンジョンの入り口の扉の前だった。
「……ん、ここは……?」
まだ意識がはっきりしないこなたが辺りを見渡すと、かがみの姿が見えた。
「こ、こなた!よかった!意識が戻ったんだ!」
起きあがったこなたを見て、かがみはこなたを強く抱きしめた。
「ダンジョンの外に居るってことは……もしかして、あきらはかがみが倒してくれたの?」
こなたを抱きしめたまま、その問いにかがみはコクッとうなずいて答えた。
「そっか……かがみ、頑張ってくれたんだね。でも危なくなかった?あまり無茶なことはもうしちゃダメだよ?」
「……無茶なことするのはどっちなのよ……」
「そうだね。私、人の事言えないね。……かがみ、心配かけてごめんね」
こなたはバツが悪そうに笑って、かがみの方を見た。
そのかがみの顔の頬には、まだ乾ききってない二本の涙の跡があった。
「かがみ……泣いてくれてたの?私の為に」
こなたが尋ねるとかがみは、はっと気がついたように頬を袖で拭いた。
「そんなわけないでしょ。確かに心配はしたけど、私があんたの為に泣くなんてこと、あるわけが……」
ここに来てまで、ツンな態度を取るかがみ。が、しかし。
「ふふ、やっぱりかがみはツンデレだね」
もう、かがみは言い訳することが出来なかった。
こなたの無事を見て、かがみは溢れる涙を抑えられなかったからだ。


二人はマンションを後にして帰路につく。
外に出ると既にもう夜。満月が綺麗に輝く夜だ。
「……結局、『しあわせの箱』は手に入れられなかったわね」
かがみは少し残念そうに言った。
「そだね。でも」
「でも、何?」
「私は手に入れたよ。しあわせを」
こなたはかがみの方を見て言った。
「え?そうなの?どんなしあわせ?」
「うん、それはね」
こなたはかがみの顔を指差した。
212名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 22:57:21 ID:RRTGU0xE
「……え?どういうこと?」
首をかしげるかがみ。
「いつも私の側に居てくれて、いつも私と楽しさを共有できて、そして……私のことをなにより一番大切に想ってくれる。そんな私の大好きな人が、すぐそばに居てくれてる。っていうしあわせ」
こなたはそう言って立ち止まり、かがみの目をじっと見た。
すると、かがみの顔があっというまに茹でだこのように真っ赤になる。
「お〜お〜、またかがみは面白いくらいに真っ赤になるなぁ」
そんなかがみの様子を見てこなたはニヤリと笑った。
「う!うるさい!……でも」
「ん、どしたの?」
「私も……その……こなたに、そんな風に思ってもらえるなら、私もしあわせだなって思って……」
かがみは真っ赤な顔のまま、消え入りそうな声で言った。
こなたは、恥ずかしさでモジモジしてるかがみの姿を見て、今度は優しく微笑んだ。
「ね、かがみ」
「……何?」
「……手繋いで帰ろうか」
と言って、こなたは右手をかがみの方に差し出す。
「……うん」
その愛しい人の右手を、かがみは自分の左手でギュッと握った。

しあわせが沢山詰まった宝『しあわせの箱』は手に入らなかった。
けれどその代わり。
二人は、しあわせを無限に作り出せて、なおかつ、そのしあわせを一緒に共有することが出来る、『しあわせの箱』なんて目じゃないぐらい素敵で、すばらしいパートナーを、互いに手に入れたようだ……


―終―










「ねぇ、かがみ。今から私の家に来ない?」
「また急ね……でも今から?今からって……一体何するつもりよ」
「ふふふ、『アレ』でもしようかなと」
「……何、『アレ』って何よ」
「それはね、かがみが顔を真っ赤にしながら見ちゃう夢くらいにあま〜く、そして刺激的なことだよ」
「ああ、なるほどね〜!……って!!ちょ!あんた、それ意味解って言ってるのか!?」
「さあ、どうだろうね?まあ、とにかく、かがみ来るの?来ないの?」
「是非とも、行かせていただきます」
「素直でよろしい」




二人の一日はまだまだ終わりそうにない。





ゆい「……あれ?なんか、お姉さん忘れられてない?」


―完―
213206:2007/09/12(水) 23:01:28 ID:RRTGU0xE
これで完結です。最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
ラストはちょっとシリアスになりすぎたかな……?

最後の数行はそう思って付け足したものですがw

次の作品はこの後、こなたの家に行ってからのてんまつを描くSSでもいいかもw
214名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:30:34 ID:mXT1qhvB
なんなんですか今日のお祭りはw
>>181さんのSSでみんなの壊れっぷりにアテられ、
>>201さんのSSでしみじみして、
>>213さんのSSで友情っていいよなぁと思ったりして、
大変充実した一日でした。皆様GJです。

というわけで、自分も投下させていただきます。

●短編5レスほど投下させていただきます。
●こなた&つかさ、&みゆき、&かがみ、&ななこ先生の非エロ話。
●こなたが見ているある世界。ちょっと独自の世界観があります。
215(1/5):2007/09/12(水) 23:31:56 ID:mXT1qhvB
 
 ――――

 ワゴンに乗せられたお皿から漂ってくる、甘い香り。
 そこに、熱々のティーポットからの香ばしい匂いも加わって準備もOK。自信を持って
作った組み合わせなんだから、きっとこれで大丈夫なはず。
 私は慎重に、待ち望んでいるお客様のところへワゴンを押していって……深々と、一礼した。
「お待たせしました。デザートの『紅玉のアップルパイ ヨーグルトソースとチョコレート
ソースの双子仕立て』になります。お飲み物は、ご希望のアッサムティーをお持ちしました」
「ああ、ありがとう」
 カップルらしいお客様が、二人とも私に笑顔を向けてくれている。
 私も思わず笑顔になりながら、二人の目の前にアップルパイのお皿をゆっくりと置いていく。
 懐中時計を見てみれば、そろそろ三分。蒸らし時間を確認してティーポットのふたを
開けた私は、スプーンで中を軽く混ぜてから茶こしを注ぎ口にかざして、カップへゆっくりと
回すように紅茶を注いでいった。
 湯気といっしょに広がっていく、香ばしい匂い……うんっ、ちゃんと私たちのイメージ通りにできた。
「こちらがアッサムティーになります」
「これはこれは……へえ、かなり本格的なんだね。最初は君がそういうメイドさんの格好を
していたから少し不安だったんだけど、料理も様式も本格的で驚いたよ」
「当店では、お客様に北欧風の雰囲気でお料理を味わっていただくのがモットーなんです」
 エプロンドレスの裾をつまんで、しずしずと二人に頭を下げる。これも数年間のメイド
喫茶勤めで得たものだけど、まさかこれがまた役に立つ日が来るなんて思わなかった。
「このお茶、アップルパイとよく合うわ。料理をする人のセンスがいいんでしょうね」
「ありがとうございます、チーフにそう伝えておきます」
 ううっ、やばいやばい。にやけそうになるのを抑えないと。
「では、ごゆっくり」
 私はまた一礼して、ゆっくりとワゴンを押して厨房へと戻っていった。
「ど……どうだった?」
 おろおろしながら、私のところへ駆け寄ってくる調理師姿のつかさ。その不安を打ち消す
ように、私はぐっと親指を立ててあげた。
「よ、よかったぁ……」
「ほら、あんまり不安に思うことなかったでしょ」
 気が抜けたのか、椅子に座り込むつかさ。その背中をぽんぽん叩いてあげると、えへへっ
と照れたように笑った。
「だって、初めてのお客様だったんだよ?」
「前のお店でもチーフやってたじゃん」
「雇われているのと、独立したのじゃ全然違うもん」
 ぷうっと頬をふくらませるつかさ。よしよし、いつも通りのつかさだ。

 そして、カップルのお客様は「また来るよ」と言って帰っていった。あれだけ満足そうな
顔をしてもらえれば、こっちも本望だってことですよ。
「ありがとう、こなちゃん」
「んー?」
 厨房から顔を出したつかさに、ちょいちょいと金勘定をしながら生返事で応える。コース料理
三千円が二人前で六千円かー……前の店でのツテがなきゃ、こんな値段で出来るわけないって。
「こなちゃんの接客、すごく堂に入ってたから。さすがずっとやってただけあるよね」
「なーに言ってるの、こっちこそありがとうだよ。ぶらぶらしてた私を雇ってくれたの、つかさのほうじゃん」
 レジにお金をしまって振り返ると、つかさが私の手をぎゅっと握ってきた。
「ううん、私ひとりじゃ不安だったから。こなちゃんだったら、経験もあるしきっと大丈夫だって思ったんだよ」
「うー……面と向かって言われると照れるなー」
 つかさは感情をストレートに出すほうだけど、こうやって言われると恥ずかしい。
でも……悪くはないよね、こういうのも。
「だから、これからもよろしくねっ。メイド長さん」
「私こそ。さーて、夜にはみゆきさんやかがみも陣中見舞いに来るんだし、黒井先生が
桜庭先生や天原先生連れて予約で来るんだから、気合い入れてがんばろっ!」
「うんっ!」
 高校時代のおどおどしたところをちょっと見せてたつかさだけど、今はもう大丈夫。
一国一城の主になったっていう自覚もあるみたいだし、なんてったって腕がいいもんね。
 私はつかさの手をぎゅっと握って、いっしょに厨房へと戻っていった。
216(2/5):2007/09/12(水) 23:33:03 ID:mXT1qhvB
 
 ――――

「はいっ、お薬。ちゃんとごはんを食べた後に飲まなきゃダメだよ?」
「うっさいなー。わかってるよ、こなたねーちゃん」
 ううっ……小四のガキのくせに、私より身長高いからって威張るなよなー。
「ほらほら、お姉ちゃんと先生に失礼でしょう? すいません、うちの子ったら……」
「いえいえ、いいんですよ」
 オトナの顔をしなくちゃね。冷静に、冷静に。
「みゆきセンセーと違ってペチャパイのくせに」
「ふごっ?!」
 き、効いたぜ、今のストレートは……無邪気なだけにザクザク来たよ……
「ああっ、この子ったら何マセてんのっ!」
「べーだっ!」
「ふふふっ。それだけ元気なら、明日は学校に行けそうですね」
 今の騒ぎを聞きつけたのか、白衣姿のみゆきさんが診察室から笑いながらやってきた。
「うんっ。みゆきセンセー、明日はちゃんと学校に行くよ!」
「そのためには、家に帰ってしっかり寝てくださいね」
 少しかがんで、ガキんちょといっしょの視線で話しかけるみゆきさん。
「はーいっ!」
「この子、高良先生の言うことはよく聞くんですよ。本当、女の先生だと鼻の下伸ばして」
「ちげーよ。みゆき先生だけは特別」
「あらあら」
 そう言いながら、ぎゅーとみゆき先生に抱きつくガキんちょ。って、こらっ、胸に顔埋めるな。
 でも、そうしたくなるのもわかるかな。みゆきさんの診察は優しいし、同じ目線に立って話してくれるしね。
「それじゃあ先生方、ありがとうございました」
「みゆき先生、ありがとっ! あ、ついでにこなたねーちゃんも」
「はい、お大事に」
「ついでは余計だっつの」
 私たちが手を振ると、ガキんちょとそのお母さんは頭を下げてから病院を出て行った。
「ふう……やっぱり、子供相手の受付って疲れるやねー」
 受付のソファに体を沈み込ませながら、みゆきさんのことを見上げる。
「そうですか? というより、子供の相手をする事務の人っていうのも珍しいと思いますよ」
 そのみゆきさんも、診察してたときの緊張がほぐれたのか、私の向かいに座ってふうっと一息ついた。
「それって、やめたほうがいいのかな?」
「いえ。むしろ、時と場合によってはありかと思います。先ほどの子も、泉さんと話して
いてとっても楽しそうでしたから」
「子供が好きってわけじゃないけど、なんとなくね」
 まあ、小さい頃のゆーちゃんの事とかいろいろあったけどさ。元気づけるにはこういうのがいいかなって。
「同じ波長というのでしょうか。子供は、それを感じ取るのかもしれませんね」
「……みゆきさん、それは私がガキっぽいってこと?」
「いいえ。同じ目線でいられるということは、子供も安心して向かい合えるということですから」
「そういうものなのかねー」
「ええ、そういうものです」
 私の言葉にあたふたすることもなく、優しく答えるみゆきさん。そう言われるとそう
なんだなーって思えるんだから、なんだか不思議だな。
「早く慣れないと、さっきのガキんちょとかにはやりくるめられそうだー……」
「大丈夫ですよ。さっきのじゃれ合いも、きっと慕われているということでしょうし」
「むしろ、みゆきさんのほうが慕われてなかった? ぎゅーって抱きつかれてたし」
「あ、あれはしょうがないというか……大学病院でもたまにありましたから」
 むう、大学病院の頃から……やっぱり、みゆきさんのお母さんっぽいところを感じ取ってるのかね。
「まあ、みゆきさんが子供に慕われる先生なように、私も子供に慕われる事務をやってみますよ」
「お願いしますね、泉さん」
 大学を卒業してからぶらぶらしていた私に「いっしょにお仕事しませんか?」と声を
かけてくれたみゆきさん。それに応えるためにも、ちゃんとやっていかないと。
 次の患者さんがやってくるまでの間、私はみゆきさんといっしょにまったりとした時間を過ごしていた。
217(3/5):2007/09/12(水) 23:35:08 ID:mXT1qhvB
 
 ――――

 まとめておいた資料を、一件ずつホチキスでまとめていく。
 裁判所で謄写したその資料は、財産関係っていうこともあってか分厚くて雑多で、とても
まとめづらくなっていた。
「あと何枚だー……? 百枚以上なんてもんじゃないよねー……」
 ホームセンターで売ってるようなコピー紙の束よりも、ずっと分厚い束。それを見ているだけで、
なんだかうんざりとしてくる。
 それよりも、今はもっとやらないといけなさそうなことがあるんだよ……
「……はぁ」
 事務所の奥にあるソファに、体を沈み込ませているかがみ。その表情はどこか虚ろで、
考えることを放棄しているみたいだった。
 でも、しょうがないか。今日はとんでもなかったから……
「かがみー」
 その姿にこらえられなくなった私は、かがみの隣に座った。
「どこか、飲みにいかない? 少しは気分転換しないと――」
「いい……今は、そんな気分じゃない」
 うーん、ダメか……いつもだったら、飲みに行けばどうにかなってたのに。
 かがみは体をちょっと起こすと、私のほうに寄りかかってきて、しばらくそのままじっとしていた。
「家族ってさ……なんなんだろうね」
 そして、ゆっくりと口を開く。
「遺産の分与とかで、どうしてあそこまで兄弟が憎しみあったりするのかな」
「かがみ……」
「私のところって、いつも穏やかだったでしょ。だから、全然想像がつかなくて……」
 確かに、びっくりしていたっけ。「取り返して欲しい」「あいつは許せない」と連呼していたあの人に。
 個人事務所を立ち上げて、遺産関係は初めて受ける種類の案件だったけど……憎しみを
剥き出しにするその態度に、どうもかがみはショックを受けたみたいだった。
「はあ……ダメだよね、いろいろ覚悟はしていたのに」
「……もう、かがみってば」
 自嘲気味に言うかがみの頭を、ぎゅっと抱きしめる。
「こなた……」
「やっぱり、こういう仕事してるといつかはそういう依頼が来るんだから。そういうものだって
割り切るまで時間はかかると思うけど、自分を責めてたら前に進めないよ」
「……まさか、こなたにそんなことを言われるなんて」
「むう、失敬だなー」
 あまりのことに、私は抱きしめていた腕をゆるめてかがみを放した。
「高校時代はあんなにぐーたらだったのに……そんなこなたに慰められるなんて、私ってばホントにダメね」
 そう呟くかがみの顔には、ちょっとだけだけど笑顔が浮かんでいた。
 バカにされてるみたいだけど、これじゃ怒るに怒れないじゃん。
「でも、そうよね……そういう人たちの手助けをする前に折れてたら、何にもならないもの」
「そうだよ、かがみ」
 そう言うと、かがみの表情がどんどん明るくなっていく。
 うんっ、やっぱりかがみはこうじゃないと。
「どうしてそうなったのかとか、前の事務所の先輩はもういないけど、私だったらいっしょに
考えられるかもしれないから」
「こら、あんたはフツーの一事務員でしょ」
 あうっ、なんで人差し指でおでこをつつくかなー。
「でも……今日みたいになったら、ちょっとはお願いしようかな」
「くふふっ、やっぱりかがみはそーゆーところがいいやね」
「ツンデレとか言ったら、またつつくからね」
「だってツンデレじゃん。高校時代から寸分たがっ、わっ、ずっ、いっ、いたっ、いたいってばー」
 言った瞬間、リズミカルに私のおでこをつついてくるかがみ。抗議の声を上げても、
かがみってば面白そうに笑ってるし……まあ、いつものかがみに戻ったならいいか。
「もうっ、あんたもホントに変わらないんだから……まあ、そこがあんたらしいけどさ。
よしっ! せっかくのお誘いだし、今日は飲みに行きましょうか。もちろん、あんたのおごりで」
「ちょっ、ま、まだ安月給なんだからおごりは無理だよっ?!」
 ぐいっと手を引っ張ってくるかがみに、私は必死に抵抗する。
 ……でも、今日はかがみも頑張ってたんだから、ちょっとはいいかな。
 そう思いながら、私はかがみといっしょに笑い合っていた。
218DREAMS DREAMS(4/5):2007/09/12(水) 23:36:54 ID:mXT1qhvB
 
 ――――

「――とかいう夢を立て続けに見たんですけど、私はどーしたらいいんでしょうか」
「進路面談ん時に夢診断を持ちかけるアホがどこにいるか。そこに直れ」
 はうっ! 黒井先生、やっぱりダメデスカ?!

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 DREAMS DREAMS
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 午前半ドンで始まった進路面談で、私は黒井先生にここ数日立て続けに見ていた夢のことを話してみた。
でも、やっぱり夢の話ってことでさっきみたいに突っぱね――
「でも、考えようによっちゃ、それは泉の進路に関する悩みかもしれんな」
「えっ?」
 ――られたと思ったら、なんか意外な形で受け止められていた。
「泉はいつも進路に関しては『未定』って書いていて心配しとったんやけど」
「だって、実際全然決まってないんですから、しょうがないじゃないですか」
「……お前、それ三年の二学期に胸張って言うセリフやないで」
 うー、呆れることないのに。
「まあ、それはそれとして。泉は、いつもその三人といっしょにいたいんやろ? いつも
仲良うしてるし、よく休日でも会ってるみたいやし」
「それはほら、大好きな友達ですから」
「素面でそれを言えるって、どんだけ好きやっちゅうねん。まあ、その願望が夢になって
出てきたと言ってもええんやないか?」
「願望……」
 そう言われると、そうかもしれない。
 この先、どんな職についてもみんなでいたいというか……上手く言えないけど、そんな感じ。
「そう。がんばっている柊妹、母性バリバリの高良、どこかさみしそうな柊姉のことを、
どこかで手助けしてあげたいとか、そういう風に心のどこかで思ってたとか」
「それは……そう、なんですかね」
 先生、ちゃんとみんなのことを見てたんだ……なんだか、ちょっと意外。
「まあ、自覚がなくてもしゃあないか。夢に見るぐらいやし。でもなー、正直難しいんとちゃう?」
「やっぱり、先生もそう思います?」
「去年の夏休みに出かけたときに言っとったけど、柊妹の場合は調理師専門学校が希望やろ。
高良は医学部、そして柊姉は法学部。三人いっしょにっていうのは、どう転んでも厳しいな」
「ですよねー……」
 自覚はしてないとは言っても、改めてそう言われるとちょっと辛い。
 やっぱり、三人ずっといっしょっていうのは都合が良すぎるよね……
「まあ、手がないわけやないけどな」
「へっ?」
 苦笑いしていた黒井先生が、ずずいっとこっちに顔を寄せてくる。
「例えばの話や。柊妹が自分の店を持ったり、高良が分院したり、柊妹が独立したら、
必ず必要なものがある。それって何やと思う?」
「……パートナーですか?」
「違う違う」
 さっきの夢のことを思い出して言ってみたけど、先生は手を横に振った。
「店、医院、事務所。つまりは建物や」
「あー、そりゃ必要は必要ですけど……えっ、それってまさか……」
219DREAMS DREAMS(5/5):2007/09/12(水) 23:38:44 ID:mXT1qhvB
 頭の中に、ぽんっと三階建てのビルが思い浮かぶ。
 一階がつかさのお店で、二階がみゆきさんの病院。三階がかがみの事務所で……
「わ、私がそのオーナーってことですか?!」
「おー、ご名答。そうすればオーナーと入居人って関係でよく顔を会わせられるやろ?」
「いやっ、そりゃそうですけど、先立つモノなんて全然――」
「なーに言うてるんや、親御さん譲りの妄想力があるやないか。しかも文章の先生が
おるんやし、小説でも書いて一山当てて、ビルをドカーンって建てるのも面白いんとちゃう?」
「でも、私はそんなに国語系は得意ってわけ……ん?」
 それはさすがに無理があるんじゃ……と思ったけど、頭の中でさっきの妄想が進んでいく。
 楽しそうにお客さんを料理でもてなすつかさ。優しい眼差しでやってくる患者さんを
癒してあげるみゆきさん。そして、真剣なまなざしで案件に取り組むかがみ。
 それを、夢の中みたいじゃなくても手助けしてあげられたら……
「まあ、今のは冗談やけどな。そんな簡単に一山あてられたら、世間の小説家は今頃何人も
億万長者になってるか。って、聞いてるか? 泉ー?」
 もしかしたら、それが私の希望なのかな。
 将来進みたいと思っている、私の進路の。
「あの、泉? ま、まあ、とりあえずは大学に進んで色々勉強してから――」
「黒井先生っ!」
「はぁいっ?!」
 色々こんがらがってた頭がすっきりして、私は思いっきり先生の手をとった。
「私、がんばってみます! お父さんに習って小説書いて、いつかビルを建ててみんなを支えてあげますっ!」
「ちょっ、おまっ、それはいくらなんでも飛躍しすぎ――」
「いえ、なんだか目標が見つかったような気がするんです。高すぎる目標かもしれない
ですけど――」
 そう言って、私は先生にずずいっと顔を近づけた。
「もし叶ったら、面白そうじゃないですか」
「……ホント、お前は一度突っ走ったら止まりそうもないんやからなぁ」
 仕方ない、と言う風に笑う黒井先生。
「よかったら、どうです? 先生も四階あたりで学習塾なんか」
「お前はそこまで妄想してたんかい!」
「ひよりんといっしょで、妄想が止まったら死んじゃいますから」
「進路相談ってことすっかり忘れとるやろ!」
「いーえわかってます! 私たちのバラ色の未来への進路相談ですよね!」
「全然わかっとらんやないかぁっ!!」
「いーじゃないですか。もう、ここまできたら思い浮かんだ夢は全部叶えるしかないでしょ!」
「だーかーらーっ!」
 私の襟首をつかんでがしがしと揺さぶってくる黒井先生。だけど、こうなったら突っ走るしかないよねっ!

 えっ? お前にそれが叶えられるのかって?
 ちっちっちっ、甘い甘い。
 絶対、ぜーんぶ叶えてみせるんだから!
220 ◆cj23Vc.0u. :2007/09/12(水) 23:39:50 ID:mXT1qhvB
というわけで「DREAMS DREAMS」をお送りしました。
某サターンの名作を引っ張り出して、EDの曲を聴いてたらふつふつと。

で、ついでにアニメ版のビデオを見返していたら、
第1話のタイトルが「つっぱしる女」……
なんか、両方のタイトルからいろいろあてられてしまったようです。

お楽しみ頂けましたら、幸いです。
221名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:50:11 ID:AdOJsc33
>>220
GJっす!
いままでとはまた違う、新しい未来予想図に、顔が蕩けます。
しかもあなた様に今日の締めをしていただけるなんて
感謝感激であります。
222名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:59:11 ID:dC8iPIbQ
みなみの誕生日に何か書きたかった
今帰宅・・・orz
223妄想屋(仮名):2007/09/13(木) 00:08:24 ID:VZauiSre
>>220
GJ!つっ走れこなた!
寄生させながら寄生するんだ!(意味不明)

いやー、その手があったか!!と考えてしまった自分がだめぽ。
……てか、その引き出しの多さが正直羨ましいですわっ(キーーーw



さて。
……い、>>181が悪いんだからね!>>181がっ!!

つ【ttp://freedeai.com/up/src/up5334.jpg


むらむらしてやった。ぶっ壊れたみゆきさんが描きたかった。なにげに後悔はしている。
224名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:12:18 ID:QZRcr0w7
>>220
たしかNightsだよね。 (´ω`)ナツカシス
225名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:14:35 ID:Qbw1JGef
gj
226名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:30:34 ID:WuTzi1bf
>>213
どこまでがギャグでどこまでがマジなのかわからない展開に
哄笑し苦笑しつつGJ

>>220
そういえば泉宅は3階建てだったような、なんて。
相変わらず情景描写が巧いです。
秋葉原や並木道を歩くような「風景画」の表現も巧みですけど
日常を切り取った「人物画」もよくできているというか。
227名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:33:05 ID:XMCRpkU7
>>213
GJ!
なんというかどんなテンションで読めばいいのか困るSSだなw
228名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:37:09 ID:zGUAstbQ
いまからリレー小説をしようと思うのだが…
誰か参加してくれる?
229名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:38:18 ID:QgDr3wmN
力の及ぶ範囲なら
230名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:43:59 ID:m/NrxMAm
上に同じく
231名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:44:15 ID:qPlyyUVp
>>223
壊れたつかさと鼻血みゆきさんがなんともw
というか、初めて壊れたみゆきさんが見られました。
SSと一緒に見るとイメージが湧いてきてGJですw
232名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:44:29 ID:Ex5rSFjf
リレー小説か・・保管庫にも一個あったけどあれはなかなか良かったなぁ
ハッピーエンドとバッドエンドがあってエロも鬱も楽しめたし
233228:2007/09/13(木) 00:47:38 ID:zGUAstbQ
ならば一番最初の部分を
ひより×ゆたかです
 
「田村さーん」
ゆたかがクラスメートであるひよりの元へ歩み寄ってきた
「ん?どうしたの小早川さん」
「あのね、少し聞きたいことがあるんだけど…」
「私に?何?」
「あのね、「百合フラグ」って、どんなの?」
その瞬間、声にならない叫び声をあげた
「そ……それは…誰から……聞いたの…?」
「こなたお姉ちゃんがゲームをやりながら言ってたんだけど、それを聞いたら「ひよりんに聞いてみな」って言ってたから…」
234名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:48:09 ID:WuTzi1bf
ただでさえ投下のタイミングに困るこのスレで
リレーSSをやられたら収拾がつかないだろうと
思うのが正直なところだけど……
235名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:58:46 ID:M5S1Eba2
日にちとか決めれば大丈夫じゃね?
見てみたいし・・・
236228:2007/09/13(木) 01:03:10 ID:zGUAstbQ
そうだな、そうするよ
いつがいいかな?なるべくなら投下の少ない時間帯を狙いたいんだが…
237名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 01:05:52 ID:Q60u3w9e
4時とかその辺ならいいんじゃない?
238名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 01:11:54 ID:m/NrxMAm
カップリングって固定?
239228:2007/09/13(木) 01:17:06 ID:zGUAstbQ
俺が一番最初にするんだったら>>233
240名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 02:38:37 ID:IY2dzhy3
今だったら大丈夫かな?

本来ならあと3時間ばかり早く投下すべきだったであろう、みなみ誕生日ネタをちょっくら。
タイトル:みなみちゃんへ   分量:2レスで収まるはず   エロではないな多分
241みなみちゃんへ(1/2):2007/09/13(木) 02:41:10 ID:IY2dzhy3
9月某日 夜  泉家。

「お姉ちゃん、ちょっと相談したいことがあるんだけど」
「なに?ゆーちゃん。恋と勉強以外なら何でも相談に乗るよ?」
「あのね、今月の12日、みなみちゃんのお誕生日なんだ。でね、その日の放課後、みんなでみなみちゃん
の家に行ってお誕生会することになったんだけど、プレゼント、何を持っていけばいいかなぁ?ずっと
考えてるんだけど、いいのが思いつかなくって……」
「ふーむ……。まあ、まだ日はあるし、明日までに考えてみるよ」
「ありがとう、お姉ちゃん」


9月12日 朝  泉家。

「ゆーちゃん、おはよー。いよいよ今日だね」
「うん。……でも、緊張するなぁ。」
「大丈夫だって。心配しなくても、みなみちゃんなら絶対喜んでくれるって。ほら、『お金で買えない価値
がある』とか、よく言うじゃん?」
「うーん、そ、そうだけど……」
ここでそうじろう、こなたの耳元で、小声でこなたに尋ねる。
「おい、こなた、本当に『あれ』を……?」
「うん。……なにお父さん、最初あれだけ賛成しておきながら、今さらよせ、とか言うつもり?」
「いや、そうじゃない。―――こなた、お前も行くんだろ?だったら、……是非、なんらかの記録を…!」
「はいはい、わかりましたよ。しょーがないなー、お父さんは」

 夕方  糖武線(都内方面行き)車内。

「疲れたー。やっぱり駅ダッシュなんてするもんじゃないね」
「そうですね。人も多くて危ないですし」
 こなたとみゆきは、二人で岩崎家へと向かっていた(柊姉妹は今回不参加)。受験も近いということ
で、3年生は、1・2年生より1時間多く授業があったため、1年生ズとは、別移動になった。
「ところで、泉さんは、何かプレゼントなど用意されたのですか?」
「いや、私は一応ゆーちゃんの付き添い、って形だし。まあ、長門のコスプレ衣装でも買ってきて、
着させてみるのもいいかも、とは思ったけど、さすがに自重したよ。似合うとは思うんだけど」
「は、はぁ……?」

 こなたとみゆき、岩崎家に到着。

「遅くなってしまってすみません。もう皆さんおそろいですね」
「学校からみんな一緒に来たんですから当たり前デース」
「じゃ早速始めようではないか。我々(埼玉組)にはあんまり時間が残されてはいないのだ」
「昼休み中になんとか終わりにしないといけないんデスネ?」
このパティの発言に、意味を理解できないみなみ、ゆたか、みゆきはきょとんとしていた。

 ローソクの火が消え、部屋が一旦真っ暗になった後、すぐに部屋の電気が点いた。
「みなみちゃん、お誕生日おめでとう!」
「ありがとう…」
「みなさん、遠慮せずに食べてくださいね」
テーブルの上には、今までローソクが刺さっていたケーキのほか、出前の寿司や、鶏料理などが並ぶ。
「いただきまーす!」
その声とともに、各人思い思いの料理に手を伸ばす。
「このおスシ、とってもおいしいデスネ!」
「ほんと、いいネタ使っているッスね!」
そんな中、なんだか辛そうな顔をする人が約一名。
「みゆきさん、どうしたの…?」
「す、すみません。―――お、思ったより、ワサビが……!」
242みなみちゃんへ(2/2):2007/09/13(木) 02:44:37 ID:IY2dzhy3
 そんなこんなでみんなのお腹もふくれたところで、そろそろプレゼント・タイムということに。
そしてこなたにとっては、それはミッション開始を示すものであった。
みゆき、ひより、パティがそれぞれみなみにプレゼントを渡した。が、ここではその部分は省略。
 最後に、ゆたかの番となった。
(お、お姉ちゃん……、やっぱり緊張するよぉ)
(大丈夫だって、ゆーちゃんならできる!)
こなたと目でこんなことを言い合った(?)あと、ゆたかは覚悟を決め、みなみの前に立った。
ここでこなた、自分の携帯のムービーモードを起動し、急いで容量設定などを行い始めた。

 プレゼントを渡すべくみなみの前に来たはずのゆたかだが、その手にはそれらしいものはなかった。
「ゆたかはいったい何をプレゼントするつもりなのでしょうネ?」
「さあー、私にもさっぱり……」
皆が見守る中、ゆたかが口を開いた。それと同時、こなたは立ち位置を変え、撮影スタート。
「あ、あのね、みなみちゃん。わたし……、いろいろ考えたんだけど、いいプレゼントが思いつかなくて、
……その、こんなこと言うと、変に思われるかもしれないけど、でも、あの……、……わ、わたしが、
わたしからのみなみちゃんへのプレゼントっ!わたし、みなみちゃんとこれからもずっといい友達で
いたい、って思ってるから、だから、わたしを、受け取ってください!」

 全世界が、停止したかのように思われた。
……というのはうそぴょーんで、実際には「停まって」などいない。確かに無音状態でこそあったものの、
各人の表情等はしっかりと変化していた。そして、その無音を破ったのはみなみ。
「…うん。…ありがとう、ゆたか」
「う、……受け取ってくれる?みなみちゃん」
「もちろん」

 次の瞬間、岩崎家は急に騒がしくなった。
こなたの、ゆーちゃんGJ!という叫び声。パティの歓声。みゆきの、どう反応していいか分からない、
といった感じのオロオロした声。そして、何かが崩れ落ちるような音。
「た、田村さん、大丈夫!?」


 「わたし、小早川ゆたかは、世界中の誰よりも、岩崎みなみを愛しています」
「ゆたか…」
あー、だめッス……。自重しろ、自重しろ私……
 でも、生であんな光景見て、自重するほうが無理ってものッスよ。泉先輩、あなたは大変な爆撃機に
 給油してしまいました……。 でも、その爆撃の犠牲となれるなら、ほ、本望ッス…

「あー。こりゃ激しいね。まあ、ひよりんのことだし、すぐ復活するでしょ。」
「で、でも……」
「…田村さん、少し、私のベッドで休む?」
その言葉を聞いた瞬間、ひよりはこなたの予想通り、瞬時に復活した。
「いやいやいやお気遣いなく。もう大丈夫ッスからっ!そ、それよりもうこんな時間ッス!私達は
そろそろ帰らないと。帰って今のを原k……いやいや宿題とかしなきゃいけないッスから」
「そうですね、ではそろそろお開きにしましょうか」
「おー、そうだね。明日も学校だし、そろそろ帰りますかね。あ、でも、ゆーちゃんはせっかくだから
泊まっていくといいんじゃないかなー?お父さんには私から言っとくから」
「え、えぇっ!? 私も帰るよーっ!」
 こうして、みなみの誕生会は幕を閉じたのであった。

        【fin】
243名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 02:46:41 ID:VTYF+Z9h
これはニヤニヤが止まらないwww
244名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 02:49:00 ID:IY2dzhy3
はい以上です。ずいぶんベタな感じな気もしないではないが…。

 それにしてもくそー、記念日SS、またその日のうちに投下できなかったorz
今回は、昨日、用事が予想を超えて長引いた、というのもあるが…。
俺の執筆の遅さが恨めしい。
245名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 02:55:54 ID:Qbw1JGef
2828gj
246名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 03:48:10 ID:Os/SAY7l
>>244
GJ!!
ゆーちゃんお泊まりしちゃいなよ!!
247ぶーわ:2007/09/13(木) 05:52:29 ID:/oaoeiCc
長編とかってのに挑戦してみました。
始まりなので短くてエロもないです、すんまそん!
↓3レスほど拝借。あとみなみちゃん誕生日、おめ!
248人として袖が触れている-序章-(1/3):2007/09/13(木) 05:53:25 ID:/oaoeiCc
「平安時代ってさ……萌えるよね」
「……はぁ」
 いつもの昼休み。
 いつもの友人からいつもの妄言が耳を通り抜け、口からいつもの曖昧な返事が漏れる。
 とりあえず、おかずを取ろうとした箸を止める。
「何よいきなり……脳に蛆でも沸いた?」
「お姉ちゃん、それは酷いよ……」
 向かいの席のつかさから声が飛ぶ。
 いいのよ、調子に乗るじゃないまた。
「だってさだってさ、皆着物だよ? 十二単とかさ、一度は着てみたいじゃん? 雅じゃん?」
 はしゃぐいながら無駄に手でジェスチャーをつけているが、十二単をどうジェスチャーするんだか。
「しかし十二単は、大分重いと聞きますよ」
 と、私の隣からみゆきが口を挟む。
 まぁそりゃ、十二枚も着てればね。
「重いって、どれくらい? みゆきさん」
 こなたやつかさが首を傾げる。
「正式名は五衣唐衣裳といいまして、本当は十二枚着るものではないのですが……ええと、大体20キロ。といったところでしょうか」
「んげっ」
 指折り数えるみゆきに、こなたの顔は「やった! 第三部完っ!」といった感じ。
 さらに十二単は後からつけられた俗称だ、と付け加えるみゆき。
 へー、それは初耳。
「あははっ、あんたじゃ潰れちゃうわね。雅が聞いて呆れるわ」
「むぅー、かがみは浪漫がないなぁ」
 と頬を膨らませながら自分の弁当箱から玉子焼きを摘む。
「浪漫? どの辺りがよ」
「だってほら、私たちも着てたかもだよ。前世で」
 ……。
 また何か、途方もない事をいいだしたよこいつは。
 誰か、ヒロユキを呼んで来て。
 ニシムラじゃねーよ、エハラだよ!
「ええと、何だって?」
 とうとう私の友人からも、電波出身者が出たのか?
 前世は大天使ミカエル様でーす、とか。
 あのー、キリスト教に輪廻の概念自体ないんですけど!
「ほらよく言うじゃん……えっと、袖が触れたらどうこうって」
「袖?」
 つかさが首を傾げる。
 袖が……ああ、そういうことね。
 あんたにしては、洒落たこと言うじゃない。
 心配したわ、血管から蛆が沸いたんじゃないかって。注射器注射器。マジックマジック。赤いカプセル赤いカプセル。
「袖触れ合うもタショウの縁、ですね」
「そそ、それそれ」
 みゆきにも何とか意味は通じたみたい。
 つかさも頭を悩ませたあと、思いついたような顔をする。
 あ……今嫌な予感が走った。
 テリーなら靴紐切れてるレベル。
249人として袖が触れている-序章-(2/3):2007/09/13(木) 05:54:01 ID:/oaoeiCc
「あ、聞いたことあるよ。袖が触れた人は少しくらい縁があるってことだよねっ!」
 と……自信満々で言われた。
 この笑顔がまた、痛々しい。
「あ、あの……ええと」
 みゆきも慌ててる。
 このやるせない空気を打ち砕く勇気は、生憎私にはないみたい。
「……いいの、みゆき。世間の辛さを教えてあげて」
「ふぇ?」
 本人はまだ顔に?が浮かんでるのが、姉として悲しい。
「ええと、ここでいうタショウは『多少』ではなく『多生』と言いまして……生まれ変わりや前世のことを言うんです」
「えっ、そ、そうなのっ!?」
 一気につかさの顔が真っ赤になる。
 たまに居るのよね、意味を取り違えてる人って。
 ……まさか自分の妹がそうだとは思ってなかったけど。
「つまり、袖が触れ合うようなことでも、それは何度も繰り返された過去の世の縁によるもので、すべては理由のないただの『偶然』ではなく、縁によって定められた『必然』である。という意味です」
「へ、へぇー……?」
 みゆきの長い説明に頷くつかさ。
 この顔は、理解出来てないみたいだけど。
 というか最後まだ疑問符ついてるし。
 はぁ……まったく、仕方ないわね。
 みゆきの説明で大分空気も緩和されたし、少しは妹を助けてやらないと。
「簡単に言えば、袖が触れたぐらいでも前世では縁がある。ってことよ」
「そ、そう……なんだ」
 私の短い説明で、何とか理解はしたらしい。
 まぁそれぐらい覚えておけば恥はかかないでしょ。
「でもこなた。あんたよく知ってたわね。てっきり間違って覚えてるかと思ってたわ」
 そして話を持ち出した張本人に話を向ける。
「ああー、よくマンガでネタになるからね」
 そっからかよ!
 期待した私が馬鹿だった! 絶望した!
「だから袖が触れたぐらいで前世に縁があるならさー、こうやって一緒にご飯食べてる私らも縁ぐらいあったかもねーってこと」
「あははっ、それ面白いね」
「ええ、夢のある話ですね」
 こなたの言葉につかさやみゆきも共感し、平安時代に思いを馳せる三人。
 私は……いまいちピンと来ないかな。
 こなたやつかさやみゆきが、和服を着て宮廷を雅に歩いてる姿なんて想像も出来ないし。……特に最初の人。
 それに神職の父の娘が言うのもなんだけど、前世だなんて馬鹿らしい。
 今は今、それで十分だと思わない?
 輪廻転生? リーンカーネーション? 
 はっ、迷惑なだけね。
 何度生き返ったからって、意味があるわけ?
 私が信じるのは、アキヒロの天草四郎だけよ!
 ……なんて事言ったら話の腰折りそうだから止めとこう。
250人として袖が触れている-序章-(3/3):2007/09/13(木) 05:54:54 ID:/oaoeiCc
 ともあれその日の昼休みは、その話題でもちきりだった。
 やれ宮廷の造りがどうだの、結婚が早かっただの。
 みゆきの口からはどんどん平安知識が漏れていく。
 なんでも昨日一日で源氏物語を読み終えたらしい……みゆき、恐ろしい子。
 気分はまさにそう、平安時代。
 宮廷装束を纏って飲めや歌えや、貴族の雅で優雅な世界。
 そうだ……それの所為。
 絶対、それの所為に違いない。
 その夜……あんな夢に誘われることになったのは。
 話はとりあえず、そこから。
 そう、そこから。

(続)
251ぶーわ:2007/09/13(木) 05:58:56 ID:/oaoeiCc
以上、続きます。
鬱ばっかりに話がなるので、今回はギャグ風?みたくしたかったけど無理でした!
エロは今後入りそうな予定。
次回、平安時代編に入ります。個人的に女房装束とか……好きだから。
252名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 06:44:50 ID:/WDUVcqg
乙!
ぶーわさんの作品はいつも素晴らしいNE!
253名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 06:55:55 ID:qPhsCVp/
首相がいきなり辞任発表したり円谷プロが身売りしたり
おかしいですよかなたさん!ヽ(`Д´)ノ
254名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 07:21:33 ID:jQjGogjt
>>223
もうみゆきがみゆきじゃないですね。まぁ俺のせいっすけど。
というか挿絵描いてもらえるとは……顔がにやけますね。

>>251
平安時代の夢な香がする
続編待ってるGJ
25514-319:2007/09/13(木) 07:31:12 ID:QgDr3wmN
>>150-154
隠し事2話の続き投下します
5レスで終わります
256隠し事 3話:2007/09/13(木) 07:32:25 ID:QgDr3wmN
―近い内にとても……が…


翌日…

「…」
 私、昨日変な夢見た…?
 どんな内容だっけ…近い内になんだっけ…?
 まぁいいよね。ただの夢…だからそんなにきにしなくて

 色々と考えながらドアの前に来た

カチャ…
 ドアノブに手をかけようとしたらドアノブが逃げてドアがこっちに向かってくる…
 そんなに運動得意じゃない私によけられるはずもなく…

ドン!

「つかさ、おは…あっ…」
「いったぁ…」
 
「つかさ大丈夫?怪我ない?」
「お姉ちゃん、私は大丈夫…だよ」
「う…うん、ごめんつかさ…」
「…まぁ、それより下行こうよ」
「でも今日は起きるの早いわね」
「毎日お姉ちゃんに迷惑かける訳にも行かないからね」

 うぅ、痛い…
 でも昨日の夢ってこれの事かなぁ…?
 こんだけの事だけで夢に出てくるのかな…
 なんか不安がひとつ解消されたような気がした
257隠し事 3話:2007/09/13(木) 07:33:44 ID:QgDr3wmN
 夢の事をずっと考えてたけどなんだかよくわからない変な感覚に襲われた

「…っ」
 …?あれ?私は今なに考えてたんだっけ?

「つかさ、やっぱ大丈夫?」
 でも気にしたってしょうがないよね、過ぎちゃった事だから

「うん、大丈夫だよ」
「あら?つかさ具合でも悪いの?」
 そんな会話をキッチンで聞いていたお母さんが口を開く

「つかさはさっき…んっ!」
 私は急いでお姉ちゃんの口を塞いだ
 さっきの事言ったらお母さんたち心配して多分学校休む事になりそうだから言わないでとお姉ちゃんに小声で言った

「え、あ、うん、なんでもないから大丈夫だよ、昨日ちょっと色々あったから疲れちゃって。
 でも、心配しないで。もう大丈夫だから。」
「そう、なんでもないならいいわ」
258隠し事 3話:2007/09/13(木) 07:34:47 ID:QgDr3wmN
 私たちは一緒にご飯を食べて家を出た
「つかさ…朝の事だけど、ごめんね」
「もう大丈夫だからいいよ」
「ごめん…つかさ」
 お姉ちゃんはずっと朝の事を気にしてたようだった
 心配してくれるのはいいんだけど…

「お姉ちゃん、もうごめんはやめてよ…ずっとごめんねって言われてるとなんか恥ずかしくなってきちゃう…」
「うん…まぁそうだよね、つかさはなんだかんだ言って強い子だし」
「私、そうなのかな…?私は弱いよ…」
「細かい事は気にしない。私が言うんだからそうなのよ」


 校門の前にこなちゃんの後姿が見えた。
「こなちゃんおはようー」
「おっす、こなた」
「お二人さん仲直りは出来ましたか?」
「じゃなかったら私達二人でこないわ。…っ、それより私ちょっと仕事あるの思い出したから先行くわね…」

「うん、お姉ちゃんまた後でね」
「つかさ、あの事はかがみに話したよね?」
「うん、もう話してあるよ」
「じゃあ私達に迷惑にならないように二人きりにしてくれたんじゃない?」
「あー、そっか。お姉ちゃん優しいね」
259隠し事 3話:2007/09/13(木) 07:35:53 ID:QgDr3wmN
 教室に入り席にかばんを置いてこなちゃんの席へ向かった
 そのうちゆきちゃんも教室へきた
「泉さん、つかささん、おはようございます」
「ゆきちゃんおはよー」
「おはよ、みゆきさん」
「つかささん、かがみさんとは仲直りされましたか?」
「うん、もう大丈夫だよ。それにお弁当の時間もちゃんと来てくれるって言ってたよ。」
「おぉ〜、ありがとつかさ。かがみがいないと何か物足りなくってねぇ」
 そう言ってこなちゃんは私に抱きついて来た
 好きな人に抱きつかれて嬉しくないわけがなかった。
「私はこなちゃんの楽しそうな笑顔見るだけでも嬉しいからね」
「なんかつかさにそう言われると恥ずかしいなぁ」
「えへへ…」

 その後も色々こなちゃんとゆきちゃんと話していたらHRのチャイムが鳴り私は席に着いた。
 一時間目から四時間目までの間の休み時間はこなちゃんとゆきちゃんと話してたけど、お姉ちゃんがこなかった。

 でももうお昼の時間だけど来てくれるかな?と、思ってたらお姉ちゃんがきてくれた。

「あら、かがみさんこんにちは」
「おっす、みゆき」
「お姉ちゃん、なんで休み時間こなかったの?」
「いや、ちょっと仕事があってね」
「まぁいっか。じゃあ一緒に食べようよ」
「いやぁー、四人で一緒に食べるのは一日ぶりだけど
 なんか一週間ぐらい一緒に食べてなかったようなきがするよ」
「あんたはまた…」

 みんな楽しそうでよかった。



 それから数日は何も変わんない日常が訪れていたけど…
 ただ変わっていたのはお姉ちゃんの様子だけだった。
260隠し事 3話:2007/09/13(木) 07:37:17 ID:QgDr3wmN


 一方かがみに忘れられた二人は…

「なぁ、あやのぉ…今日は休み時間ずっとこっちいたのに弁当一緒に食べれると思ったのにこれはないよ…」
「みさちゃん、たまにある事でしょ?だから…」
「だって昨日は柊がいるだけであんな楽しかったのに…」
「そりゃあ私も寂しいけど…柊ちゃんは妹ちゃんと仲直りしたみたいだしさ
 それだけでもよかったじゃん。私は柊ちゃんの困った顔は見たくないな」
「それもそうだけどさ…
 昨日の様な特別な事がずっと続いて欲しかったな…」
「みさちゃん、これが普通なのよ。柊ちゃんと食べれる事なんて普段ないんだからさ、楽しめただけでもよかったって。
 特別な事が毎日あったらそれはもう特別じゃないよね。
 いつもの日常を楽しもうよ。ね、みさちゃん」
「うぅ…確かにそうだよな…
 それより妹の弁当一回でもいいから食べてみたいなぁ…いつも食べれる柊が羨ましい…
 ちゃんと約束覚えててほしいけど…」
「まぁ、ね、それより早く食べちゃおうよ。時間なくなっちゃうよ?みさちゃんの大好きなミートボール取っちゃうよ?」
「あぁ…あやの、それだけはやめてくれぇ…」

 いつもよりテンション低いみさおだったが
 いつもの日常を過ごしているようだった。
261名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 07:41:16 ID:QgDr3wmN
ありがとうございました
次回で一気に投下しちゃおうかと思います
262名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 09:38:58 ID:LtSLq8Hp
>>251
かがみってそこまでリアリストでもなくて、意外とロマンチストだと思うけど、まあGJ
263名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 11:50:10 ID:YLWs4mLG
>>262
確かに意外とロマンチストのかがみ、リアリストのこなたっていう対比があるよね。
264名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 12:16:53 ID:XB445mIR
>>263

表向きはときおり逆に見えるところが、またこの二人の魅力だよな。
こなたが夢見がちなコト言って、かがみがリアリスト視点で突っ込んだり。
このへんの丁々発止感がいい。
265名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 12:18:37 ID:iNUVNxoq
>>261
話のメインじゃないみさおに萌えた
GJ!!
266名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 12:57:11 ID:7SZBGVe/
寂しん坊みさきち萌える
GJ!!
2674-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/09/13(木) 15:34:55 ID:2Z1FmOCW
>>242
遅レスだけどなんとなく描いてみますた(´・ω・)ノシ
http://bbs.freedeai.com/src/up5747.jpg
268名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 15:53:10 ID:83HSSq8y
>>267
やべえええええええ鼻血があああああああああ
269名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 16:07:24 ID:35ZSLf7W
>>267
これを拒否する奴がいるだろうか
いや、ない
270名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 16:08:40 ID:J0CRRr+7
>>267
だが断わ・・・れねえよ!
gj
271名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 17:20:59 ID:WuTzi1bf
>>267
みなみがこれを断るはずがあろうか、いやない。
イメージなのか絵師様なりのオプションなのか
リボンが破壊力を増しているGJ


これからSS投下します。たぶん9レスほど。
恋愛分ありのおちゃらけ無しでややシリアス。
272何かをするために:2007/09/13(木) 17:21:56 ID:WuTzi1bf
「私たちって、浮いた話ないよね」
 昼休みのいつもの四人組。こなたも女子高生なのだから、そんな話題を振ってくること
自体はおかしくない。
「あんた、彼氏作ろうともしてないだろ」
 おかしくはないのだが、やはりこなたにこんな話は似合わないような気がして、かがみ
はつっけんどんに言い返した。
「つかさなんて男受けしそうじゃん。今まで声かけられたことないの?」
「私はそんな……」
「つかさはこれで人見知りするからね」
 困惑気味のつかさに、かがみは助け舟を出した。
「お姉ちゃんがガードしてるから手を出せないわけだ」
「確かに、かがみさんを見てるとそんな感じですね」
「うっ……」
 こなただけでなく、みゆきにまで言われてしまっては反論できなかった。
「なるほどね、つかさを攻略したかったらかがみに認めてもらわないといけないわけだ」
「攻略言うな。それにそんな、私が頑固親父みたいな言い方……。確かに、信用できない
やつにつかさを任せたくはないけどさ……」
「かがみの気持ちもわかるけどね。つかさってドジっ子だし」
「はうっ!?」
 そう、つかさは抜けてるところがあるから、目を離せない。生まれてこの方、つかさか
ら目を離したことはない。
「でも、かがみのハードルって高そうだよね」
「そりゃあね、よほどのものじゃなきゃつかさは任せられないわよ」
「私、そんなに……」
 よくよく考えてみれば、つかさに酷い物言いをしたような気がしないでもない。
「あえて言うならみゆきぐらいなものね」
「私、信用されてないの!?」
「こなただって、どっちかと言えば誰かが世話してやるタイプじゃない」
「うっ……」
 つかさが困っているときにこなたが助けたのがきっかけで、二人は友達になったと聞い
ている。多少の勘違いはともかく、こなたのつかさを助けようとした行動と精神は本物で、
そこは信用している。だけど、この二人ではどこまでも堕落しそうな気がしてならない。
「しばらくは諦めたほうがいいよ、つかさ」
「え、え?」
 そんなこんなでチャイムが鳴って、この話は終わりとなった。
 終わりとなった、はずだった。
273何かをするために:2007/09/13(木) 17:22:35 ID:WuTzi1bf
「すいません……こんなところまでお呼び立てして……」
 放課後、みゆきからこっそり二人きりになって欲しいといわれ、かがみはそれに応じた。
「どうしたの? みゆきがこんなことするなんて、珍しいわね」
 みゆきは親友だと思っているから素直に二人きりになったのだが、その理由が気になる
というのも大きかった。
「一つ相談が……いえ、相談とは違いますね。お願いと言いますか……」
 歯切れが悪い。頬を赤らめて、目線が定まらない。一体何がみゆきをそうさせるのか。
「あの……その……つかささんとの交際を認めて下さいっ!」
「え……?」
 思いも寄らぬ申し出に、かがみの思考が停止した。脳と身体が完全に停止して、時間の
経過さえも止まってしまったかのように、一切の動きを見せない。
「すいません、御幣がありましたね。私はまだつかささんに気持ちを告げていないので、
まだ私の片思いなんです。私が言いたいのは、もしつかささんが私の気持ちに答えてくれ
るならそれをかがみさんに認めてほしいということです。それと、少々身勝手なお願いな
のですが、かがみさんさえよければ私とつかささんがなるべく二人きりになるように協力
していただけないかと……かがみさん、どうなさいましたか?」
「あ、うん、ちゃんと聞いてるわよ」
 聞いてはいたが、対応はできてないというのが正しい。
「それで、かがみさん……お願いできますでしょうか」
 訴えてくるみゆきの表情は真剣そのもの。
「みゆき……本気なの?」
 それでも確認してしまうのは、自分が信じていないからなのか。
「本気です。私はつかささんを愛してしまったんです」
 確かにみゆきになら任せられると言った。決してそういう意味ではなかったのだが。
「なるべく二人きりになるようにすればいいのね……?」
「はい。つかささんを振り向かせるのは私自身が努力します」
 親友の真摯な瞳にあてられて断れるほど、かがみは薄情にはなれなかった。
「そ、それ以上の協力はできないからね」
「ありがとうございます。それとこの話は泉さん以外には内密にお願いします」
 深々と頭を下げるみゆきは、やっぱり誠実な人間なのだとかがみは思った。
274何かをするために:2007/09/13(木) 17:23:27 ID:WuTzi1bf
「それで私ん家に来たってわけだ」
「今頃みゆきがつかさの部屋にいるわ。勉強会ってことでね」
 こなた以外には内緒ということは、こなたには話してもいいということ。かがみは一人、
こなたの部屋に訪れていた。
 先日のあの件以来、どうにもすっきりしなかった。勉強しても何も頭に入らず、好きな
本を読んでも面白いと感じず、今こうしてこなたの部屋に上がりこんでゲームをやってい
ても、どこか空しさを感じる。
「みゆきさんがねえ。いつの間にそんなフラグが」
「フラグ言うな」
 そんなオタク用語ばかりで会話されても困る。少しは一般人にも配慮してほしい。
「かがみは、ハッピーエンドになると思う? それともバッドエンド?」
「そんなのわからないわよ……。エンドされても困るし」
 漫画にしろゲームにしろ、恋人がくっついたところで物語は終わる。しかし、現実には
まだまだ人生は続くし、物語の中の彼らだってそこから幸せに暮らすはずだ。
「じゃあさ、かがみは二人のこと認めるの?」
「認めるって……」
「やっぱりいろいろと問題があるじゃん」
「それはそうだけど……」
 かがみにとってはある意味不意打ちだった。こなたがそんなことを言ってくるとは思わ
なかった。さっきまで攻略だとかフラグだとか言ってたくせに、考えているところは考え
ているらしい。
「今までお姉ちゃんのものだったつかさにコイビトができちゃうんだよ」
「何言ってんのよ! 私はそんな」
 かがみは言葉に詰まった。そんな、なんなのだろう。
「ねえ……今までつかさに恋人ができなかったのって、私のせい?」
 今までなら、平然と彼氏という言葉を使っていたはずだった。おそらくこなたも同様に。
「ただフラグがなかっただけじゃない? よく知らないけど」
 かがみやつかさとは付き合いが浅くてよく知らないから、完全に否定はできない。多分、
こなたはそんな意味で言ったはずだった。
 つかさの姉として、いつもつかさを守ってきた。双子なんだから姉や妹は関係ないと口
では言っていたものの、つかさはいつもかがみを頼ってきて、かがみはいつもつかさを可
愛いと思っていた。双子だからこそいつも一緒にいられて、それを理由にいつも二人は傍
にいた。
 でも、本当にそれはいいことなのか?
 いつか自分が恋人を作るということを、真剣に考えていなかった。それはつかさがいた
からかもしれない。だからといって、それをつかさにも強要していいものなのか?
「まあ、みゆきさんなら任せられるわけだし」
 確かにみゆきになら任せられると言った。決してそういう意味ではなかったのだが。
 なかったのだが、みゆきならばつかさを幸せにしてくれるのだろうか。
「みゆきさんなら二人きりだからって悪いコトしないだろうしね」
「うちには姉さんたちがいるわよ」
 悪いことって何だと突っ込みたかったが、墓穴を掘りそうなのでやめておいた。
275何かをするために:2007/09/13(木) 17:24:16 ID:WuTzi1bf
「みゆきは……まだいるみたいね」
 帰宅して、玄関の靴を確認してかがみは呟いた。みゆきの邪魔をするまいと思ってただ
いまを言わずに自分の部屋に篭る。
 とりあえず勉強をすることにしたが、やはり集中できず、いまいち成果があがらない。
 つかさは今頃勉強しているだろうに。……いや、勉強しているとは限らない。つかさが
長続きする保証はどこにもないし、もしかしたらみゆきといい雰囲気になっているかもし
れない。仲のいい二人が勉強会の途中で、というのはラブコメでもよくある展開だ。
 みゆきがそんな早まった真似をするとは思えない。しかし、みゆきはつかさを愛してい
るのだ。もしつかさがみゆきのことを受け入れるなら、キスの一つでもしているかもしれ
ない。若い二人のこと、止める者がいないのなら、もしかしたらもっと先のこともしてい
るかもしれない。もしかしたらもしかしたら――
「こなたじゃあるまいし」
 かがみは自分の発想に思わず苦笑いした。もはや完全にペンは止まっている。
「それじゃ、またねー」
 部屋の外からつかさの声が聞こえてきた。もうすぐみゆきが帰るはずだから、つかさか
ら直接話を聞くこともできるが、それは野暮というものだろう。
 またしばらく引きこもると、夕食の時間になって母に呼ばれた。
「いただきまーす」
 家族が一斉に唱和する。かがみは口だけ動かしたが、それを声に出せなかった。喉の奥
から自分の知らない声が出てきそうな気がして怖かった。
 隣につかさが座っているが、そちらの方を見ることができなかった。つかさがさっきの
出来事で何か変化を遂げてしまったのではないか、それを見るのが怖かった。
 同じ食卓に座っても、つかさに話かけることはできなかった。つかさが自分の知らない
何かを知ってしまったのではないか、それを確かめるのが怖かった。
 始終黙ったままのかがみは口を食べることだけに使って、いち早く食事を終えた。
「ごちそうさま」
 自分の分の食器をさっさと片付ける。
「お姉ちゃん、どうしたの?」
「別に」
 妹を振り返らずに、自分の部屋に戻った。
276何かをするために:2007/09/13(木) 17:25:08 ID:WuTzi1bf
「それでその、つかさとはどうなのよ?」
「ど、どうと言われましても……」
 みゆきとかがみの二人きり。
 結局、つかさには聞けなかった。つかさの口から聞いたらどんな結果だろうとダメージ
を受けそうな気がした。
「勉強会よ、勉強会」
 いくらなんでも『みゆき、まさかあんた二人きりなのに乗じてつかさにあれやこれやし
たんじゃないでしょうね?』などと聞くわけにもいかず、曖昧な質問になってしまった。
「つかささんのおかげで大変楽しいひと時を過ごさせていただきました。あのあどけない
笑顔で見つめられるとどうしようもなく胸が高鳴ってしまいまして、やっぱり私はつかさ
さんのことが好きなのだと……いえ、それ以上のことはしていませんよ。勉強はきちんと
やりましたので」
 聞かれてもいないのにそんなことまで逐一答えるあたり、やはりみゆきは真面目なのだ
と思った。そんなみゆきを疑っていたことにかがみは罪悪感を覚えた。
 親友だと思っている。信用している。それは間違いない。
 しかし、薄っぺらかった。簡単に翻ってしまうほど薄っぺらかったのだと思い知らされ
た。みゆきに何と言って詫びればいいのかわからない。
「今度の日曜日につかささんと遊園地に行く約束をいたしまして……かがみさんからもご
家族のほうによろしくお願いいたします」
「そう……」
 よろしくというのが何のことなのかかがみにはよくわからなかった。『つかさは友達と
遊びに行ってる』と言えばいいのか、『つかさはデートしてる』と言えばいいのか。
 いずれにしろ、みゆきのことを疑うのは絶対にやめようと誓った。親友を疑うようなこ
とはもうしたくないし、つかさの身を心配していたらきりがない。
 もし相手が欲の強い男だったらとっくにすることされていたかもしれない。そう思えば
相手がみゆきでよかったと思うべきなのだろう。
「みゆきに口出しはしないけど……もし結果が出たら最初に私に教えてよね」
「はい、そうさせていただきます」
 これでいくらかすっきりしそうだった。
277何かをするために:2007/09/13(木) 17:26:20 ID:WuTzi1bf
 気に入らない。では何が気に入らないのか。自分で考えてみた。
 まず、つかさに恋人ができるのが気に入らない。それは認めざるをえなかった。しかし
恋愛は個人の自由。つかさにだって恋をする権利はある。
 相手が同性であることが気に入らない。だが、相手が見知らぬ男だったらイラつきは今
の比ではなかっただろう。そんな自分が容易に想像できた。
 よくよく考えてみれば、今の事態が気に入らないというのは己の身勝手でしかないのだ。
つかさの気持ちがわからないからどうしようもないが、もしうまくいったら祝福してあげ
よう。妹が幸せになるのはいいことなのだから。
 今の段階では、ただみゆきの気持ちを応援するしかない。
「何やってんのかしら、私は」
 いちいち悩まなくても、こんな答えは一秒で辿り着けるはずだった。親友を裏切らず、
妹を見捨てることにもならない、シンプルな答えだった。
 学校から帰るなり自室でこんな考えに耽るには不毛な気がしたが、気にしたら負けだ。
「お姉ちゃん」
「なによ」
 つかさにお姉ちゃんと呼ばれるのは何度目のことか。そのときは大抵かがみに助けを求
めてくるのだが、これからはみゆきにそれが行くことになるのだろう。そんなことを考え
ながら、かがみは目を合わせずに答えた。
「今度ゆきちゃんと遊園地に行くんだけどね、お姉ちゃんは」
「ああ、それパス。こなたと出かける用事があるのよ」
 後でこなたと口裏を合わせなければならない。心の中でメモをつけておいた。というか
みゆきは二人きりって約束にしなかったのか、とやはり心の中で突っ込む。
「一緒にどう? 今度の日曜日なんだけど……って、なんで知ってるの?」
「みゆきから聞いたのよ」
 つかさが鈍いことを今更ながら確認した。この期に及んで他人を誘っているようでは、
好意に気づかれてないわけで、みゆきも苦労することだろう。
「そうなんだ……それじゃあ、その前の土曜日に」
「ごめん、それもパス」
「なんで?」
 しまった、と思った。反射的に答えたものの、理由を用意していなかった。
「とにかくダメなの」
「うん……」
 それっきり用は済んだのか、少し落ち込んだ様子のまま、つかさは部屋を出ていった。
 みゆきと一緒になれば、もしならなくてもいつかの未来には、二人はべったりというわ
けにはいかなくなる。お互いのためにも、今から慣らしていってもいいはずだ。
 ――それにしても。かがみは思う。つかさがみゆきをどう思っているのかは全くわから
ない。つかさに恋愛経験はないし、好みのタイプすら知らない。だから想像しようにも手
がかりすらない。
 自分が一番よく知っているはずだと思っていた妹。本当は何も知らなかったのだ。
 つかさはかがみだけのものではない。今更ながらそれを思い知った。
278何かをするために:2007/09/13(木) 17:27:39 ID:WuTzi1bf
 その次の土曜日。つまり遊園地の前日。
「それで私ん家に来たってわけだ」
 この日は都合が悪いという嘘を現実にするため、かがみはこなたの部屋に来ていた。
「私としては嬉しいんだけど、私を口実にするってどうよ」
「しょうがないじゃない。これしか思いつかなかったんだから」
「かがみが来てくれるのは嬉しいんだよ。でも勉強会はやめよーよ」
 ついに耐え切れなくなったようで、こなたは机に突っ伏した。二時間はこなたにしては
よくもった方だ。
「今頃つかさとみゆきだって頑張ってるのよ」
 日曜日にちゃんと遊ぶために土曜日は頑張るらしい。そうみゆきから聞いた。
「それはどーかな?」
 こなたは顎に手をやって怪しげな笑みを浮かべた。机に突っ伏したままなので様になら
なかったが。
「二人っきりだよ二人っきり。もしかしたら別のことを頑張ってるかも」
「やめろ」
 まるっきりこなたと同じことを考えていたわけで、それが恥ずかしくなった。
「ん? かがみ赤いよ。何考えてるのかナ?」
「何も考えてないわよ!」
 考えていないというのは本当だ。それなのに必要以上にうろたえて誤解を与えてしまう。
「私たちもお年頃だからね。何かあってもおかしくないよ」
「やめろって言ってんでしょ!」
 このまま不毛な争いが続くかとも思ったが、インターホンとそれを鳴らした来客が二人
を止めさせた。
 止めざるをえなかった。やってきたみゆきは泣き崩れていたのだから。
「まさか、みゆき……」
 うまくいかなかったのか、と思った。つかさのことを好きな人がいるというのが気に入
らなかったはずなのに、こうして泣き崩れるみゆきを見ると、自分の心が何かで締め付け
られるような感覚を覚えた。
「かがみさん、ごめんなさい……私のせいでこんなことに……」
「どういうこと?」
「つかささんが泣いてたんです……最近お姉ちゃんが冷たいって……」
「――っ!」
 全くの予想外だった。
「かがみさんたちの仲を裂くつもりはなかったんです……ごめんなさい……」
 妹離れしようと決意した。
 間接的にみゆきの恋を応援した。
 つかさが誰かと幸せになれればいいと思っていた。
 みゆきが幸せになれればいいと思っていた。
 つかさのために。みゆきのために。そのはずだった。
 そのはずだったのに。
「私がつかささんを好きになったせいで、こんな……」
「みゆきさんは悪くないよ」
 こなたはみゆきを胸に抱き寄せ、頭を撫でた。こなたの方が小さいのに、みゆきが幼子
に見えてしまうような、そんな錯覚がした。
「かがみとつかさのことは私に任せて……みゆきさんは自分のことを頑張って」
 かがみには何も言えなかった。なんで私がこなたに任されなきゃいけないんだ、などと
いう疑問はわいてこなかった。
 みゆきは悪くない。悪いのは、自分だ。――そんな思いが頭から離れない。
「はい……でもこれ以上引き伸ばしたくありませんから……」
 みゆきは涙を流したまま、決意を表明した。
「明日、つかささんに告白します」
279何かをするために:2007/09/13(木) 17:29:43 ID:WuTzi1bf
「で、結局つかさに何て言ったのよ」
 その翌日、みゆきとつかさが遊園地に行く日、かがみはやはりこなたの部屋に来ていた。
今では自分の部屋よりこなたの家のほうが居心地がよかった。
 もっとも、自分の部屋の居心地を悪くしたのは自分自身――かがみは自嘲した。
「かがみのことは私に任せて、遊園地を楽しんでって、それだけだよ」
「その任せるってのをどうするのかって聞いてんのよ」
「収まるように収まるよ」
 そんなんでいいのか。かがみは不安になってきた。
「つかさから聞いたよ。お姉ちゃんと話しても上の空だとか頼みごとを聞いてすらくれな
いとかお姉ちゃんのほうからは全然話しかけてこないとか」
「それは、つかさのためなんだから……」
 はぁ、とこなたはため息をついた。
「かがみってほんっと、不器用だよね」
「……悪かったわね」
 その必要もないのに妹と親友の板挟みに悩んで、行動が全て空回りした挙句にその二人
を苦しめてしまった。つまりは不器用である。
「ツンとデレを上手く使い分けられないんだよね、かがみは」
「ツンデレじゃないっつの」
「つかさは誰かがフォローしてあげなきゃいけないけど、かがみはいつも誰かをフォロー
してなきゃいけないんだよね。その役目をみゆきさんにとられちゃうかもしれないから、
こんなふうになってたんだよ」
 ツンデレ云々はともかく、多分こっちは正しいのだと思った。
「みゆきさんがハッピーエンドかトゥルーエンドを迎えたらかがみはどうする?」
「トゥルーって何よ」
 それを言うなら、何がハッピーなのだろうか。恋が成就するのは幸せなことだが、それ
はかがみにとっては妹が離れてしまうことでもあるのだ。
 恋愛が全ての人間にとって幸せとは限らないから、こんなにもかがみは悩んでいる。
「私は、みゆきさんがつかさとうまくいっても私たち四人がいつもどおりでいられるのが
トゥルーエンドだと思う」
 こなたは真面目に言っているようだった。この親友は時々底が知れない。
「もちろんうまくいかなかったとしても元通りになれたらいいって思うよ。そうなれるよ
うにかがみがフォローしてやってよ」
「無理よ。もう少しでみゆきの気持ちを台無しにしてたところだったのよ」
「大丈夫だって。私も協力するし」
 こなたの口からそんな言葉が出てきたのは意外だった。それでもなんとなく嬉しかった。
一人で悩み続けて荒れ気味だった心に、すっと染み込んでいったような気がした。
「……うまく行ったらどうするのよ」
「かがみは誰かをフォローしてなきゃいけないからさ、私をフォローしてよ」
「――ったく、あんたってやつは」
 かがみは苦笑いを浮かべた。時々どうしようもないヤツだとも思うが、こんなヤツだか
らこそ友達でいられるのだろう。
 妹が離れるんじゃないかとか、親友を傷つけてしまうんじゃないかとか、さんざん悩ん
できたけれど、そんなことはかがみがどうにかすればどうにかなる。こなたはそう言って
くれている。
280何かをするために:2007/09/13(木) 17:30:56 ID:WuTzi1bf
「なんかさ、今のあんたは気が利いてるわよね。利きすぎなくらい」
 そのおかげで助かったとは言えない。照れくさくて。
「決意したことがあるんだ。もしみゆきさんがうまくいったら私もやろうって」
「それで張り切ってるのね」
 かがみは再び苦笑した。現金なやつだと。
「それで、決意って何よ。何するつもり?」
「……姉妹揃って鈍いよね。私も苦労するかも」
「はあ?」
 かがみには何のことだかわからなかった。
「いずれにしてもみゆきさん待ちなわけだよ。実はさっきからドキドキしてるんだよね」
「あんたでもそんなことがあるのね。……結果が出たら真っ先に私に知らせるようにって
言ってあるけど」
 かがみも言われたら急に気になってきた。態度には出さないがそわそわし始める。
「かがみはうまくいってほしいって思ってるの?」
「……今はそう思ってるわよ」
「でも、女の子同士だよ? いいの?」
「つかさがいいんなら、それでいいわよ」
 つかさが幸せになれれば何でもいい。随分と遠回りしたあとにようやくその答えに辿り
ついた。もし親から反対されたら自分が助けてやろうかとも思っている。
 そんなふうに思うようになるまでの、何が最終的な決め手になったかと考えてみれば、
みゆきの涙だった。我ながら単純だと思った。
「認めるんだね……いい傾向だ」
「何がいい傾向なのよ?」
「いや、こっちの話」
 またもや、かがみには何のことだかわからなかった。
「まあ、みゆきになら任せられるって言ったの私だしね」
「今にして思えばあれがフラグだったね」
「あのな――」
 反論しかけたそのとき、かがみの携帯電話に着信があった。発信者はみゆきだった。
「みゆきからよ」
 恐らく、結果を報告してくれるのだろう。こなたではないがドキドキしてきた。うまく
いっていたらおめでとうって言ってやろう。うまくいかなかったら――
「うまくいってなかったら何て言おうかしら」
「そんなの考えなくていいよ。早く」
 結果を聞くのは楽しみではあるが不安でもある。なんといっても事は妹と親友に関わる
のだから。少し躊躇ったあと、こなたに再び急かされ、親指で着信ボタンを押した。
「もしもし――」
 つかさのために。みゆきのために。
 何かをするために、かがみはみゆきの答えを待った。

−おわり−
281名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 17:31:54 ID:J0CRRr+7
gj
2823-283:2007/09/13(木) 17:33:13 ID:WuTzi1bf
かがみより先につかさに恋人ができそうになったら
こんな感じかな、というのをかがみの性格を自分なりに
解釈しつつ書いてみました。
283名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 17:43:51 ID:2zAZZUkL
>>281
あんたすげーよ!
相手がみゆきさんって辺りにちょっと無理感じたけどそれ以外は読んでて
こんなに違和感感じなかった作品は久しぶりだ!GJJJJ!!
かがみのあまりの立ち回りの下手さに恋愛経験の無さがひしひしと感じられるw

あえて結果を書かずに切った所もGJ
なんとなくだけどこのまま結果書いちゃうと最後の最後であー見なければ良かったって人が出てくるところだったと思う
というか俺がそうなんだがw
284名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 17:45:13 ID:2zAZZUkL
ってアンカー間違えた
281じゃなくて>>282だった

作者さんスマソ
どうやら少し興奮しすぎてるようだ
285名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 18:07:16 ID:LtSLq8Hp
>>282
GJ。かがみの複雑な心情が掴めていますな。
>>283
みゆつかを否定するだと?ボケとフォローの連鎖の萌えがわからんか。
素人め。
286名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 18:10:58 ID:ZcButxHA
オレは結末までちゃんと書いて欲しかったわ……。
287名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 18:19:16 ID:KZQn1n+Q
GJすぎる!!!!

終わり方に最初はびっくりしましたがなかなかニクい演出ですねぇ
288名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 18:56:57 ID:Tvj3TJmP
自分はあの終わらせ方はうまいなと思ってしまった派。
自分ならいらない蛇足をつらつら書いてしまいそうで
かがみの不器用さがとてもいい感じでした。
289名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:09:44 ID:Ss1CBTyT
あそこでとめるほうがいいよ
作者さんGJ!
290名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:19:41 ID:2Z1FmOCW
>>282
ぐはぁ!なんという巧さ(*´Д`)
これはこの終わり方で正解だと思う。

結果を読者にゆだねるというより、結果に関係なく
四人が今まで通り仲良くまとまるんだろうな、って
トコに落ち着くストーリーだと思うので。

なんとなく本質はもっともっと深いものだと思うんだけど
それを言葉にできないので、何が言いたいかというとGJ!!
291320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/13(木) 19:22:22 ID:Tvj3TJmP
そろそろ投下してよかかな?

タイトルは某有名SF作品のパクリのつもりなんだけれど、
書いてて何人気づいているか不安になってこんにちわ
「オタク少女は恋する乙女の夢を見るか」の続き投下します。
☆投下量4レス程度。行数見積もり次第で変更有
☆「オタク少女は恋する乙女の夢を見るか」の続きです。前は保管あり。
☆例によってオリジナル男キャラ×ひよりです。苦手な人は退避を。
292オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 1/4:2007/09/13(木) 19:23:19 ID:Tvj3TJmP
帰りのHRが終わり、放課後。
七限目の授業の途中から高くなり始めた鼓動は、今や高橋名人の連射も超えるレベルとなっている。
「田村さーん。一緒に帰ろ?」
小早川さんは朝から積極的に私に話し掛けてきている。
昨日相談しちゃって、余計な心配かけちゃったかな……
岩崎さんも私のことを心配そうに見ている。
ダメ、岩崎さんが見ているのは小早川さんじゃないと。
「ゴメン、今日はアニ研の方で用事があって、一緒に帰れないの」
「え、少し遅くなるくらいなら待ってても……」
「いやー、部誌の原稿落としそうでさ。あ、もう時間が。ゴメン、もう行くね」
何かを言いかけた小早川さんを置いて、私は足早に教室を出る。
もちろん、書きかけの原稿なんてない。
部誌の締め切りはこう先輩に無理を言って延ばしてもらったし、
今日の集まりも欠席する連絡を入れてある。
昨日の別れ際に約束した時間、告白の返事を返す刻限が迫っている。
293オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 2/4:2007/09/13(木) 19:23:55 ID:Tvj3TJmP
あてもなく校舎を歩く私。
約束の時間まであと30分。おかしくなってしまいそうな鼓動の高鳴りに、じっとしていることのできない。
ぐるぐる回る思考、高まる鼓動。少しでも押さえ込むために私は校舎の中をぐるぐる回る。
私は、彼のことが好き?
分からない。恋愛なんて自分で考えたこともなかった。
恋なんて漫画の構成要素。
時にはそれが男の人同士、女の人同士だったりするけれど、
そういった場面で恋に落ちるのは、私なんかとは違うかわいい女の子やかっこいい男の人。
私の周りでいったら小早川さんと岩崎さんのような……あ゛ーっ、だからみな×ゆたは自重しろ自分。
ともかく、あんなかわいい女の子とかっこいい人が結ばれるもの、私になんて手に届かないものだと思っていた。
でも……うっ、昨日のことを思い出すな、思い出すな自分!!
廊下を歩く速度がさらに速くなる。
学食、購買、体育館。部活へ急ぐ人たちが黙々と歩く私をどんな目で見ているかすら気が回らない。
何も考えず、とにかく手近にあった階段を登る。
そんなことよりも、どうしたらいいかが分からなくて。
今までこんなシチュなんて何度も漫画やゲームで見てきたし、自分の本でも書いてきた。
でも、私みたいなかわいくない女の子の場合なんて、どこにも載ってない。
なんで小早川さんみたいなかわいい女の子に告白しないんだろう。
どうして岩崎さんのようなきれいな人に告白しないんだろう。
どうして、私みたいな……
「あ、田村さん。来てくれたんだね」
「ひゃぅっ!!」
突然の声にびくっと私は立ち止まる。
壁にもたれかかって笑っている彼。
周囲を見渡す。ここは特別教室棟の端っこ
って……待ち合わせの場所に着いちゃったじゃないっすか!!
あ゛ーっ、わたしのバカバカバカっ!! まだ決心がついていないのに……
294オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 3/4:2007/09/13(木) 19:24:26 ID:Tvj3TJmP
「それで返事、聞かせてもらえるかな」
夕日に照らされる彼の顔。
見つめていると、またも心臓がバクバクと音を立てて鳴りはじめる。
言葉が出ない。言おうと考えていた候補はいくつもあったのに、
ま、まずなんて言ったらいいんだろ。あ、こんなんじゃ変に思われちゃう。
焦れば焦るほど言葉が出てこない。
「あの……あの、私、今まで誰かと付き合うなんて考えたこともなくて、
 だから、好きってのもよく分からなくて、だから昨日からずっと考えていたんです」
もう、何を言うか考えている余裕なんてない。
思いついている言葉を、心に浮かんだ言葉をそのまま吐き出す。
「昨日からずっと好きってことを考えていて、でもよく分からなくて、
 で、でもっ、なんだかよく分からないんだけれども、あなたと一緒に居たいんです。
 あなたと一緒にいるドキドキが気持ちいいんです。だから、そばに居させてください!!」
あぅぅっ、なんだ、この馬鹿っぽいセリフ。
思いつくままに言ってみたら、こんな感じになっちゃった。
真っ赤になった顔をあげることもできず、ぎゅっと俯く。
自分の同人誌だったら、こんなセリフを絶対に登場人物に言わせたりしないのに、
何で自分の考える言葉はうまく言えないんだろう。
絶対、彼、変な娘だと思っちゃったよなぁ……
彼が一歩近づく感覚。
後ろに腕を回して、軽く抱きしめられる。
「僕も君と一緒にいたい。君は好きって感覚が分からないといっていたけれど、
 それでも、一緒にいたいと思ってくれるなら僕には充分だ。
 これから君に、もっともっと好きって感覚を教えてあげるから」
彼の顔がすっと近づく。
唇に包まれる、暖かな抱擁感。
粘膜を通して伝わってくる、相手のぬくもり、心地よさ。
それがキスだと分かったのは、彼が顔を離した後だった。
きゅっと、顔が紅潮する。唇を両手で抑えた。
「あれ……もしかしてキス、嫌だった?」
彼の言葉にふるふると首を振る。
恥ずかしくて、彼の顔を見ることもできず、俯いたままでしか喋れない。
「キス、初めてだったから」
彼はどんな顔をしているのだろう。恥ずかしくて顔をあげられない。
いまどきキスしたぐらいでこんなに真っ赤になっちゃうなんて、絶対変だよね……
彼の手がすっと伸びて、私の眼鏡の弦を掴む。
彼の指先が私の下がった前髪をかきわける。
ぼやける視界には、彼の顔しか映らない。
295オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 4/4:2007/09/13(木) 19:24:59 ID:Tvj3TJmP
「田村……いや、ひよりさん。やっぱり君は眼鏡を取ったほうがかわいいと思うよ」
顔が近づき、今度は軽くついばむようなキス。
目を閉じて、何度も繰り替えす甘い彼の感触に浸る。
「ひよりさん……」
彼の手が、肩からすっと体のラインを伝って降りてゆく。
それが更なる行為を促すものだと分かり、私は彼の名を呼ぼうとする。
緊張して、震えてうまく声が出せないけれど……
「あ、あの……」
バツッ、といきなりの無機質な音が聞こえて、びくっと私は縮み上がった。
しばらくして屋上に取り付けられたスピーカーから音楽が流れ始める。
スピーカーのノイズに彼も驚いたのか、体が離れている。
へなへなと体の力が抜けてゆく。
下校を促すこの時間のチャイム。
私が乗らなきゃいけないバスの最終便の時間が近づいている。
「あの、もう時間が。ごめんなさ……」
謝りかけた私の唇を、彼の指がそっと抑える。
「大丈夫、僕たちにはこれからずっと時間があるから。続きは明日、ね」
同人誌でしか知らないこの続きが頭の中を一瞬で埋め尽くし、私の顔が沸騰しそうになる。
そんな私の背中をそっと押して、彼は送り出してくれる。
「校門まで送っていくよ。少しでもずっと居たいからね」
彼の差し出した手。
ぎゅっと握って、二人で階段を降りていく。
相変わらず心臓の鼓動はおさまらない。
でも、階段を上るときにはなかった幸せを抱えて、私は階段を下りてゆく。
296320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/13(木) 19:26:16 ID:Tvj3TJmP
以上です。
エロなんて書けるかヽ(`Д´)ノ

ひよりんは同人誌でエロエロ描いちゃうのは平気なのに、
いざ自分がそういうシチュになると真っ赤になって何もできないというのは自分の妄想でしょうか
あと、男のありえなさは仕様です。
返品、交換は一切行っていませんのでご了承を。

なんにせよ、30分レスなければひよりんは俺の嫁
297名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:39:49 ID:lM3gRijR
>>296
GJだが
「 や ら せ る か 」。



でも私は
オリキャラ<かがこな
ですから・・・残念!(古い)
298名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:44:14 ID:b61zwZ2V
>>296
先客もいるが、ひよりんの独占を阻止してやるんぜw
GJっした。でも男の「眼鏡を取ったほうが」の言葉を読んだ瞬間、「俺、眼鏡属性ないし」という
杉田ボイスが脳内再生されてしまった俺はもうだめだorz

それにしても、このスレの開始からまだ50時間弱しか経ってないのに、もう容量の半分を突破……!
このスレ、おそろしい所…!
299名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:50:59 ID:2zAZZUkL
>>296
なんともいえない甘酸っぱい青春の一ページですなー・・・
・・・って読んでる俺が恥ずかしくなっちまったじゃないかww
こんなこっぱずかしい文章書けるあんたは一体何歳だwwwwwwww
そんなあんたにGJだぜ

ひよりって実際に恋愛したらもっと淡々というか、ものすごく冷めてるかもね
これはどっちかというと八坂こうとかみさおっぽい反応な希ガス
300名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:52:17 ID:f426qulA
便乗っぽいが阻止阻止GJGJ

>>298
勢い144.8、スレッドランキング文句無しの1位ですよ
ここまで誕生日が起爆剤になるとは……
301名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:55:02 ID:Ss1CBTyT
ほんとに恐ろしいスレだなここはw
破壊力がこれなんてビッグバンかめはめ波??
302名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:56:08 ID:WN5f4+Uh
>>299
ああ〜、確かにみさおの初恋はこんな感じになるかもねw
ヤバイ、想像したら萌えてきたw
303名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 20:18:34 ID:Tvj3TJmP
>>302
よし、その妄想を創作にぶつけるんだ。
甘々の、糖尿病になるぐらいあまあまのみさおSSを!!

みさおの初恋ってのも気になるな
家で兄とみさおがいちゃついているのを見ることあるだろうけれど、
みさお自身はどうおもっているんだろ?
「……うわっ……えろっ」か?
304242:2007/09/13(木) 20:33:53 ID:b61zwZ2V
おっと、今になって気付いた
>>267
挿絵ありがとうございます!自分のSSに挿絵を描いてもらえるって、嬉しいものですね。
しかも、つけた方がいいかなと思いながらも諸事情で断念していたリボンが…!
305名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 20:44:13 ID:J0CRRr+7
>>296
gj
306名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 21:01:27 ID:1lErVxq3
空気読まずに突然発言するんだが……。

自分はこなかがが好きだ。
それは声を大にして言える。
だけど俺、考えたんだ。

もし、かがみんが仮に泉そうじろうおじさんと籍を入れたら――。

かがみんはこなたの義理の母親に……なるよな?

とか、思った病んでる俺に乾杯(ぉ)

追伸
22話のかなた母さんも大好きです。
307名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 21:07:15 ID:Ss1CBTyT
>>306
そうじろううらやましす
308名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 21:42:33 ID:qPhsCVp/
ちょっと俺、電車で過去に行ってくるわ。
そうじろうより先にかなたさんをゲットしてくる。
309名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 21:43:59 ID:+PeFJM/l
>>308
しかし時の運行とかがみの嫁を守るために俺、参上。
310名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 21:45:44 ID:2zAZZUkL
電王ネタ自重www


あのネタは思い出すだけでニヤニヤ笑い出すから困る(俺が)
3114-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/09/13(木) 22:01:59 ID:2Z1FmOCW
>>304
完成直前まで裸+リボンだったですが、あまりにもSSから掛け離れてしまうために断念orz
服がやっつけ的なのはその為ですw

・・・しかしひよりんの妄想という事にしとけば可能だったかもしんないと今思った(´・ω・)
ひよりん妄想便利だなー
312名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:33:27 ID:Z0oPObAx
>>306
それなんて俺が書こうとしてたSS?
313名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:41:29 ID:vLHTEZjH
かがみママがこなたに毎日母乳を与えるわけか
314名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:43:56 ID:WN5f4+Uh
>>306
かなたさんと、将来のこなた嫁のために全力で阻止 !

ちゅーか、あんた、その発想人として終わってるなw
315名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:44:08 ID:jQjGogjt
>>313
想像して死んじゃったじゃないか
あんまり俺の命を粗末にするんじゃありません
316名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:48:39 ID:qPhsCVp/
友人宅で留守番しながらベットで寝てたら、小柄で可愛いメイドさんが掃除を始めて、
それを手伝ってたら、仕草があんまり可愛いので、いきなりベットの上に引っ張り上げて両手握って
「結婚してください!」と真剣に迫った―――という夢を以前見たことがある。

何が言いたいかというと、こな×かがのSSを空想してから寝てください、という事だ。
317名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 22:59:20 ID:jQjGogjt
>>316
小柄で可愛いメイドさん:こなた
自分:かがみ

という視点でいくと、かなり萌えるな
3184-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/09/13(木) 22:59:59 ID:2Z1FmOCW
319名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:06:57 ID:WTynFiZ9
>>306
>もし、かがみんが仮に泉そうじろうおじさんと籍を入れたら――。
>かがみんはこなたの義理の母親に……

うわっ、リクエストしたかったけど、
そんなことしたら怒られそうだなと思って自粛してたシチュエーション!
320名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:20:02 ID:wsK+bdoH
>>318
だからそのネタは止めてくれとwwwwwwwwwwwwww
321名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:21:37 ID:f426qulA
>>306
ドリフのもしもシリーズ(このスレ的には“もしもDEらき☆すた”のほうがいいのか?)
の延長としてできそうだな
エロは流石にアレなんでギャグまっしぐらなんだろうけど
322名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:37:44 ID:+QYsbZlf
オチはこなたの「だめだこりゃ」で〆るのかw
323名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 23:39:16 ID:Ss1CBTyT
>>318
おまwwwwww
324こんな感じか?:2007/09/14(金) 00:05:15 ID:yZGmfVoo
「お父さん、お願い!わたし達の事認めて!」
「泉おじさん、お願いします!」
「……ひとつ、条件がある」
「なに?認めてもらえるならなんだっていいよ!」
「かがみちゃんを俺の嫁にすぐへぇっ!!」
「あ、あなたはよりによって娘の彼女に手を出すかっ!?最低だ最低だと言ってきたけどまさかここまでだなんて……。
うう、お母さん、わたし親の教育間違えたかなぁ……」
「こ、こなたちょっと落ち着きなさいよっ!おじさんもいきなり何の考えもなくここまでの妄言を吐くはずないじゃない、たぶん!」
「いたた……かがみちゃんの言葉も心に痛い……だが、その通りだこなた。ちょっと落ち着いて最後まで聞くんだ」
「わ、わかったよ……」
「わかったなら構えを解きなさい、怖いから。
あー、コホン。お前達の交際自体は俺自身は何も気にしていない。俺だって駆け落ちしたような身分だし、人の色恋沙汰にとやかく言える資格はないからな。
ただ、世間はそうはいかないぞ。
20代のうちはルームシェアだなんだと同居も不自然じゃないかもしれないが、年月が経つにつれ、二人の関係を不審に思う者も居るだろう。
そうでなくとも、過剰に一緒に居るだけで勘が良い奴や噂好きな奴なんかが何かに気付くかも知れん。
そういうのが誰も彼も同性愛に好意的とは限らないんだぞ?」
「う……それは……」
「でも、わたし達はお互いさえ居れば大丈夫って信じてます!この気持ちは……絶対です」
「かがみ……」
「うん、それはそうなんだろう。
でも、自分達の恋を認められない、許されない……というのは、結構辛いものなんだよ。
そういう目で、あるいは声に出して『お前達は間違っている』って感情をぶつけられるのは……耐えられるかどうかを抜きにしても、な。
出来るなら、そういう境遇にお前達に置かれてほしくないんだ」
「お父さん……」
「そこでお父さんからの提案だ。
かがみちゃんを俺の嫁にすれば、お前達は紛れもない家族になれる。
四六時中家で一緒にいたって誰も不思議に思わない。……いまのとこ、外でいちゃいちゃしてるとこを誰かに見られてる、とかはないんだろ?」
「し、してないよ、まだ!」
「まだってあんたする気だったのか!?微妙な立場なんだから自重しろとあれほど……っ!!」
「そんなこと言ったって、かがみが可愛いのが悪いんじゃん!」
「あー、惚気と痴話喧嘩は後にしてくれるかー。
まぁそういう提案なわけだ。
最近、売れ始めてきたからか周りから再婚を勧める声とかもあがってきてて正直ウザかったんだよなー。
だから、この結婚は俺にとってもメリットがあるんだ。
俺の嫁は生涯かなた一人だからな……かがみちゃんの身の安全は、この言葉に誓わせてくれ」
「…………どう、しようか?思ったより真面目に考えてくれてたみたいで、わたしは考えがまとまらないヨ」
「検討する価値はあるんじゃないかしら……合法的に家族になれるわけだし。ちょっと立場は変わるけど」

「あ、でもちょっとしたスキンシップくらいは覚悟してくれよー、俺の家族にもなるわけだしな!」
「「……やっぱやめようかな……」」
325名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:08:15 ID:nNVamn4t
娘の親友で小説?好き

うん、世間的フラグとしては十分だな
326名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:10:39 ID:ph2XRnD4
「わたし親の教育間違えたかなぁ……」 で噴いた。
つか上手い手考えたなそうじろうさん。オチもつけたけど。
327名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:11:00 ID:nkZcVmEg
>>324
最後に余計なこと言っちゃうあたりがそうじろうらしいですねwww
328名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:37:22 ID:XxLhFSlH
そうじろう…最後のが無ければ口先の魔術士だったなになwww
329名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:39:17 ID:t2bdbGv2
同性愛者が家族になるために養子縁組に
入るっていうのは実際にある話らしいね
それでも>>324のそうじろうは悪いこと
考えてるとしか思えないけどw

ただいま更新中の保管庫の中の人乙
330名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:42:12 ID:nNVamn4t
かがみが両刀遣いになりそうな件
331名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:45:29 ID:jhHyiZ6C
そうじろうと結婚すれば立場上は、かがみ(母)>こなた(娘)なので
「教育」「躾」と言う口実でかがみがこなたに色々できるメリットもある。
332名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:46:34 ID:dHVr/iZm
ああ、バイブとディルドーの二刀流か
333名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:46:55 ID:QlPaws6+
俺のかがみんがそうじろうの汚いチンコに犯されるーー
334名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:48:25 ID:IXoxFGXl
つまりこういうことになるわけか


   柊家
.ただお┬みき   泉家
┌─┬┴┬─┐  ???
│  │  │ 司 ┌┴────────┐小早川家
祷  祀  鏡──そうじろ┬×─かなた ゆき─┬???
                こなた    成実家┌┴─┐
                   きよたか─ゆい   ゆたか
335名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:48:44 ID:wabnYdcU
>>331
ヤバイwだんだん読みたくなってきたw
336名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:54:31 ID:9WcuXrjY
そう言えば、娘が好きでその父親と結婚した計画的なのを思い出した
337名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:56:56 ID:WgVMIYXx
なんかもう犯罪者のスクツだな
現実剥離もほどほどにしておけよ
338名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 00:58:42 ID:nNVamn4t
一つ屋根の下で暮らすうちに次第にそうじろうに惹かれていくかがみ
こなたとそうじろうの間で揺れるかがみの心
339名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:02:33 ID:2C9Dpb0W
そんなことしたら、かなたさんが化けて出るだろ・・・常考・・・
340名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:07:02 ID:nNVamn4t
いやそうじろうはかなたさん一筋

報われぬ想いとこなたへの罪悪感で鬱になるかがみ萌え
341名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:12:46 ID:zBYquRx+
そっから鬱展開へ

一家心中オチ
342名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:15:06 ID:WgVMIYXx
またヤンデレかよ
343名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:15:29 ID:IXoxFGXl
もしかがみとそうじろうの間で子供ができたらゆーちゃんとただおさんが遠い親戚関係なっちゃうな
344名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:21:36 ID:5xoBxYnd
何よりそうじろうさんがただおさんの息子になるのがアレだな
娘さんを(ry
345名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:22:15 ID:nNVamn4t
そうじろうはかなたさんに「いつまでも自分に縋るな」とお叱りを受ける

いっぽう元はノーマル嗜好のこなたはこのままかがみを自分に縛りつけていいのか悩む
346名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:25:55 ID:iYZZ84HB
で、こな×かなになるのか
347名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:29:03 ID:WG13v48n
かがみはこなたのことが好きでたまらない方が俺好み
348名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:31:40 ID:nNVamn4t
そして>>330
349名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:37:38 ID:nkZcVmEg
>>346
かな×こななら今書いてますけど
350名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:39:48 ID:Nv5xlaVb
432 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/09/14(金) 00:04:50 ID:fZaFSozM
 こなた「ねんがんの ひいらぎかがみを こうりゃくしたぞ!」
 ttp://vista.jeez.jp/img/vi8969571412.jpg
3514-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/09/14(金) 01:49:40 ID:NdHLOzUV
>>339
なんかもう色塗ってないしかなたさんに見えないけどw(`・ω・)ノシ
http://bbs.freedeai.com/src/up5767.jpg
352名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:50:14 ID:WgVMIYXx
>>351
年齢バレますよ〜
353名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 01:50:52 ID:wabnYdcU
みんなつかさの立場忘れすぎだろw
354339:2007/09/14(金) 02:00:05 ID:2C9Dpb0W
>>351
盛大に吹いたw
そうだよねえ、呪い殺されちゃうよね
355名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 04:53:10 ID:pVkhma3F
>>351
何というかあなたは毎回仕事早いなGJ!
356ぶーわ:2007/09/14(金) 05:30:13 ID:zBYquRx+
『人として袖が触れている』>>248-250の続き投下します。
タイトルは言わずもがな、あれのパクリです。
長編だと思うと、伏線張りまくれていいね。
今回は調子に乗って 挿絵なんか入れてみちゃった。
↓6レスほど拝借
 その花は綺麗というには、何処か不恰好で。
 優雅というには、何処か粗暴で。
 華やかという言葉からは、一番離れているような花。
 その花を折りたくて。
 その花を手に入れたくて。
 でも、私は知っている。
 その花が気高く、優しく……愛くるしいことを。
 まるでそう、咲き誇る梅の花。
 見上げる空を朱に染める、高貴な紅梅。
 その花がどんなに枝を下ろしていても。
 その花がどんなに狂い咲いても。
 私の手に、届く事はない。
「――た様ー? ――なた姫様ー!?」
 声が頭に響き、急に視界がはっきりとする。
 あれ? どこだろうここ。
 家でも、学校でもない。
 むしろ神社とかのほうが雰囲気は似てるのかもしれない。
 はて、自分の部屋でまだ寝てるはずなんだけどな。
 ああそうか、夢だ夢。
 最近の夢は豪華ね、顔に当たる風もなんだか現実味がある。
 所謂あれ、既視夢とかってやつかな。
「どう、居た?」
 すると勝手に口が動き、言葉を出した。
 それに返事をしたのは先ほどから大声を出している女性。というか、つかさ。
 ……のはずなんだけど、何処かおかしい。
 何だろう、この違和感。
 中原麻衣じゃなくて福原香織? な気分。
「ううん全然……またあそこ、かな?」
「そう……かもね」
 まただ。
 また口が勝手に動く。
 いや口だけじゃない……体も、私の自由には聞かない。
 まるで私が私じゃない気分。
 視界さえも強制され、見るものすらも限られる。
「仕方ないわね……私が行ってくるわ。つかさ、一応貴方も宮中を見ておいて」
「う、うんっ」
 私の口から勝手に漏れていく指示に頷き、つかさが慌てて廊下を駆けて行く。
 その後姿を見て、ようやく先ほどから感じていた違和感に気がつく。
 つかさだけじゃない、私も……装束姿なんだ。
 よく見れば行きかう女性は全て同じ。
 そうか、それで説明がつく。
 この固定された視界から見える場所は、家でも学校でも神社でもなくて……何処かの邸(やしき)。
 みゆきが必死に説明してくれた平安の世界が、まるごとそこに広がっていた。
 私やつかさは……いわゆる、そこの女房(にょうぼう)みたいな感じかな。
 ええと、朝廷出仕の高位の女官……だったっけ。用は小間使いかな?
 しこたまみゆきが説明してくれたんだけど、うろ覚え。
 それがなんで私なのかは分かんないけど……まぁ夢なんて小説や物語と一緒よね。
 得てして、理不尽な設定が突きつけられるものよ。
 少しすれば勝手にその設定に振り回されるに決まってる。
 そう、戦うウェイトレスが未来人だったり世界史教師がふたなりだったり。
 まぁその辺りは置いておいて、とりあえず現状を把握しよう。
 折角の珍しい既視夢なんだから、楽しまないとね。
 とりあえず今分かるのは、『誰か』を探しているという事ぐらい。
 ……いや、そろそろ誤魔化すのはやめよう。
 聞こえてるじゃないか、さっきから。
 いや、耳には入っていたんだけど大脳の方がちょっと拒絶反応をね。
 でもそろそろ限界だ。
 とうとう、耳を傾けなければいけないらしい。
 つかさが鼓膜が破けんばかりの大声で叫んでいる、その名前に。
「――なた様ー? こなた姫様ー!?」
 ……。
 悪い夢になりそう。
 とか打ちひしがれてる間に、私の足は庭に。
 そのまま女房装束の裾に土がつくのも気にせず、丁寧に整備された庭園を歩いていく。
 するとまず、派手な色が目に入った。
 それはどう見ても単(ひとえ)よね、私やつかさが着てるようなのよりちょっと高級だけど。
 転々と落ちているそれを拾いながら、辿っていく。
 そして大きな梅の木の前まで来て、視界が急に上に。
 そこに広がった風景が、私の網膜に焼きつく。
 綺麗なピンクの花の色の中に、青いワンポイント。
 そこだけ穴が開いて、空が写ってるのかと一瞬思った。
 その一瞬に……同時に心を奪われたのは、内緒。
 その太い梅の木の、太い枝の上には――少女が立っていた。
 http://bbs.freedeai.com/src/up5761.jpg
「まったく、またこんな所に……」
 言わずもがなそれは……こなただ、残念ながら。
「お、かーがみー」
 そしてこちらに気がつき、消える。
 いや、消えるわけない。
 その木の枝の上から飛び降りたのだ。
 またそんな危ない真似をして……まぁ運動は得意だったわよね。
「いやーさすが、すぐに見つけてくれるなんて女房の鑑だねー。かがみだけに」
 目の前で笑顔を見せるこなた。
 ……頭痛がしてきた。
 その頭痛は多分、私のだけじゃない。
 こっちの、体の方も同じ状態。
 ああ、今の頭痛の同調で慣れてきた気がする。
 頭の中の二人の私が、ようやく混ざり合ってきた気分。
 そうだ、思い出した……というより理解した。
 私はこの屋敷の女房。
 それもこの……こなた姫様側近の、だ。
 そうこうしているうちに私の手がこなたの頬を思いっきり摘み、そのまま邸のほうに引っ張っていく。
「いたたたっ、ちょ、か、かがみー?」
「つかさとの稽古をサボって、何をしてるのアンタは! しかもそんな格好で!」
 梅の木に登るのに邪魔だったのか、小袖姿(こそですがた)のこなた。
 いわゆるこの時代の……下着。
 はぁ……みっともないったらない。
 そりゃ木登りに単は邪魔だけど、何も脱ぎ捨てなくてもっ。
 せめて脱いだ単ぐらいは綺麗に畳んでおいて欲しかったっ!
 それを私が悔しく思うのは多分、体の私と同調してきてる証拠かな。
「と、とれるーとれるってー!」
「大臣(おとど)様が呼んでるのっ、とっとと支度するわよっ」
 ここで言う大臣様は、位が高い人を指す。
 つまりは私たちの主人であり、この家の主。
 それも何となく、誰だか分かる。
 まぁこいつが『姫』などと呼ばれてるのだから……あの人だろう。
「やぁこなた、お稽古はどうだった?」
「あー、まぁ楽しかったデスヨ?」
 御簾(みす)の向こうからの、主人の言葉に曖昧におこなたが返事をする。
 それを私はこなたの後ろに控えながら空々しく聞き流す。
 逃亡までしておいて、よくもまぁヌケヌケと。
「それで、どうかした? 父さま」
「ああ、今日もお前あてに『文』が届いていてね」
 この文は、普通の手紙ではない。
 わざわざこなたに届く、恋文。
 この時代は、16も超えれば女の華。
 男がせっせと送ってくる求愛の文に、適当なところで返歌をして婚約となる。
 つまり今はその最初の段階。
「中納言殿の文はなかなか、筆遣いもよく字も綺麗だなぁ。いやいや此方の文もなかなか……」
 大臣様の声が次々と文を読み上げていく。
 それにうんうん、と頷くこなた……ってあれはウトウトしてるだけか。
 でも、何だろう。
 少し気分が悪い。
 私が、じゃなくて……体のほうが。
 いや気分が悪いじゃないな……これはなんていか、不機嫌。
 イライラしてるのが、まるごと伝わってくる。
 原因は……不明。
 まだ完全にはシンクロしてないみたい。
「……はぁ」
 返事がないのにため息をつき、文を読む声が止まる。
 どうやら娘が寝息を立てているのが聞こえたらしい。
「大納言家の娘が、未だに婿一人も居ないとは……私は恥ずかしくてならんよ」
「……んあ?」
 嗚咽の声にようやく目を覚ますこなた。
 最初の頃は沢山来ていた求愛の文も、今では来るか来ないかというところ。
 まぁ返歌の一つもしなければ、当然か。
「とうとう最近では大納言の娘は異常者だの、欠陥があるだの噂も立つ始末……はぅあぅあぅ」
「あーもうだからゴメンってば」
 泣きじゃくる大臣様に、眠そうな目を擦りながら返事をするこなた。
 まぁそれも、これが毎日のことだから仕方がない。
 大臣様こと、大納言・藤原そうじろう。
 彼からしてみれば、摂関家の流れを汲む名門の姫君が未だに結婚していないのは大変世間体が悪い。
 摂関家ってのは分かるわよね? 授業でもよく教えられるから。
 つまりその家の家系のみが、摂関や関白の役職になれるわけ。
 ……しかしおじさんは大分キャラが違うな。
 もっとこうこなたにベタベタであまあまだったのに。
 何だか冷たいというより、厄介者扱いしてる。
 まぁ夢なんだしね、それくらいは気にしないでいいはず。
 ……でもなんだろう、気にした方がいい。と本能が叫んでる気もしなくもない。
 いいや、面倒だし。
 設定よ設定。
「じゃあ私は管弦の宴の準備があるから……考えておいておくれよ、こなた」
「はぁーい」
 いつもの癇癪がようやく収まり、御簾の向こうから大臣様が消える。
 それにようやく肩を下ろすこなた。
「ふぅー、かがみー。なんか飲み物」
「はい、かしこまりました」
 それに私が頷く。
 同い年の女房、とはいえこういう場所では敬語と決められている。
 もちろんそれにこなたは良い顔をしないが、渋々分かってくれたらしい。
 だから普通の会話なんてのは、二人の時ぐらいしか出来ない。
「父さまもしつこいよねー、結婚しろ結婚しろって」
 私の持ってきたお茶を飲みながら、こちらも愚痴をこぼす。
 その愚痴を聞いて流すのも、女房の役目。
「もう、尼にでもなっちゃおうかなー」
「んなぁっ!」
 私の口から勝手に声が漏れる。
 それを見て、笑い出すこなた。
「あははっ、冗談冗談」
「はぁ……まったく」
 尼……つまり出家すれば、全ては無意味。
 理由は簡単だ。
 比丘(男性の尼)や比丘尼(女性の尼)には五戒というものがある。
 その五つのうちの一つ、不邪姪戒(ふじゃいん)。
 要約すれば……男女で淫らな行為をするな、ということ。
 当時は一夜を過ごせば婚約、とかって風習があったようなことをみゆきが言ってたっけ。
 つまりは、結婚も無理。と最初にようやく戻ってくるわけ。
 まぁいいんじゃない? 尼になるくらい。
 その代わり、そのクセのある長髪とはオサラバすることになるだろうけど。
 剃髪(丸刈り)が、尼の義務だしね。
 なんか体の方の私は嫌がってるみたいだけど、何でだろ。
「あぁーそっか、今日だっけ。管弦の宴」
 すると先程大臣様が残した言葉を思い出したのか、またため息を漏らす。
 管弦の宴……名前は何処か雅だが、ただの宴会といえば聞こえが悪いか。
 管弦、というからには勿論琵琶や琴の演奏があったりもする。
 大納言の邸なのだから、訪れる面々も相当なもの。
 なので御簾ごしに座ってるだけとは言え、緊張で肩がこる。とのこと。
 しかも大臣様の口利きで、結婚相手も集まるのだからなおさら、か。
「それより、今日の稽古がまだ終わってません」
「えー、まだやるのー?」
 とごねるこなたの襟首を掴み、また広い邸を進んでいく。
 だが抵抗するので、なかなか先には進まない。
「あぁー、もう」
 辺りを少し確認。
 聞き耳を立ててるような女房はいないし、雑色(ぞうしき:男の小間使い)も姿はない。
「いい加減観念なさいっ、なんで毎回つかさの時は逃げるわけっ?」
 一応こなたの側近の女房は、私とつかさ。
 習字や琴なども、交代で教えたりしている。
「えー、だって。つかさって教え方下手なんだもんっ。かがみのがいいなっ」
 と、腕に飛びついてくるこなた。
 それと、同時だった。
 顔からボンッと火を噴く。
 ……。
 ちょっと、待て。
 何故お前(私)が赤くなるっ!
「や、やめなさいよっ……こなた」
「んーっ、もうちょっと」
 腕に絡み、甘えるこなた。
 さっき、おじさんに感じたときの違和感が蘇る。
 どうやら私の知ってるこなたよりは、ちょっと甘えん坊らしい。
 うーん、夢なんだからそのままの性格でいいはずなんだけどなぁ。
 ああでもそれより腕に感じる感触に、上昇していく顔の温度のほうをどうにかしないと。
 ……。
 ああ、そうか……分かってしまった。
 どうしてさっき、不機嫌だったのか。
 どうしてイライラしてたのか。
 今私たちは、完全にシンクロした。
 夢見る私と、夢の中の私が。
 ……さぁさぁ、どうしよう。
 どうやらこの『私』は……好き、らしい。
 この、目の前の少女が。
 私だってそりゃ、嫌いじゃない。
 好きではあるけど……さすがに愛だの恋だのって感情じゃない。
 あくまで友達として、親友として。
 だって、相手はこなたよ?
 はぁ……まったく、夢の中の私とはいえしっかりして欲しいわ。
 恋なんて精神病の一種……とまでは言わないけど、相手が相手。
 一にまず身分が違いすぎる。
 身分差別のこの平安の夜に、大納言の娘がその小間使いと?
 はっ、どっかの源氏物語でも読みすぎじゃないの?
 二に私もこなたも……女性じゃん。
 この辺は平安も平成も関係ないわよね?
 はぁ……せめてかっこいい殿方との目くるめくラブロマンスな夢が良かったのに。
 まぁ夢は夢よ。
 体が自由に動かないのはともかく、もう少しこの平安の時代を謳歌するのもいいか。
 どうせすぐ覚める夢だし、ね。

 ……正直に言おう。
 この時点での私は、事態を完全に楽観視していた。
 だってそうでしょう?
 こんなのは現実にありえない事。
 夢に決まってる。
 いや、夢なのだ……実際。
 でも事態は確実に胎動していた。
 私のまるで知らないところで……少しずつ。

(続)
363ぶーわ:2007/09/14(金) 05:41:28 ID:zBYquRx+
以上。また続きます。
あと-『花は折りたし梢は高し』なのに 投稿してから気がつきましたっ!
保管の時、修正お願いしますっ(折たし→折りたし)
364名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 06:06:00 ID:0tsMuVK/
ぐじょーぶでした!
365名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 06:13:32 ID:gmSwbHCU
パクリ乙
366名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 07:15:37 ID:ph2XRnD4
>>363
おおう、平安絵巻におてんばこなた姫!
てーか前世チームのほうがアニメ版の面子なんですな。それもまたをかし。


そして。今回も悲恋フラグが積み重なっているような……はらはらしながらGJ。
367名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 08:34:43 ID:Jb3/0Ofn
GJっした!

ふと「らき☆すたの登場人物の貞操観念って?」
と、妄想してしまった俺は……ちょっと黄泉(そこ)まで逝ってこようと思う。

368名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 09:25:39 ID:56mhWbKM
なんとなくAIRのSUMMER編を思い出してしまった……
こっちも悲劇フラグが立ちまくってる気がしなくもないけど、果たしてどうなるのか。
369名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 09:37:49 ID:HJkot7ec
かがみのツン分が八割増しぐらいになってるな。
370名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 10:32:58 ID:wbx7HDGI
>>363
GJです!

ところで質問なんですが前スレの619さんの案貰っていいでしょうか?
携帯からになってしまいますが……
371前スレ619:2007/09/14(金) 10:44:07 ID:nkZcVmEg
>>370
どぞ〜
3727-896:2007/09/14(金) 11:13:23 ID:nkZcVmEg
1レスネタを投下してみます。

『寝言』

「あれ?」
 読み終わったラノベを閉じて、こなたの方を向くと
 テーブルに突っ伏して、寝息をたてていた。
「こなちゃん、寝ちゃったみたいだね」
「昨日徹夜したと仰っていましたからね」
 もう、仕方ないわね。
 いつもの飄々とした面影は、完全になりを潜め
 あどけなささえ残る寝顔を微笑ましく思いながら、毛布をかけてあげようと近づくと
「お母さん……」
「ふふっ♪」
 お母さんの夢でも見てるかな。
 夢の中では、お母さんと楽しく過ごせるといいわね。

「つかさお母さん」
 つかさがお母さんかよ。随分珍妙な夢見てるのね。
「お姉ちゃん、うちにテープレコーダーとかあったっけ?」
「ないわよ」
 つかさ突然どうした。
 いや聞かないでおこう。
「うふふ♪なんだか可愛らしい夢を見ているようですね♪」
「みゆきママァ……」
「ジーザス!!」
「みゆきうるさい」
「申し訳ありません」
 全く……こなた、もちろんその夢には私も出てくるんでしょうね?
 出てこないなら、なんとしてでも……

「かがみお母様」
「お、お母様!?」
「申し訳ありませんお母様、すぐにいたしますので……あぁ、そんなおしおきだなんて!!あっ!!
 おやめくださいお母様、癖になってしまいます!!ふぁあ……そこはぁ!!」

 ちょっと待てこなた。その夢の私はいったいどんな人間なんだ。
 つかさはレコーダーとデジカメ買ってくるって家を飛び出していった。
 みゆきは隣で、なぜか分からないけど服を脱ぎ始めた。
 みゆき落ち着け。
 というかもう収拾がつかない状態に……
 まあいいや、取り敢えずお茶でも飲んでこよっと。


以上。なんかこなフェチだなこれは。
373名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 11:16:35 ID:56mhWbKM
こなフェチ以外の何であろうか!!
374名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 11:32:25 ID:wbx7HDGI
>>371
許可ありがとうございます
初めてSS書くのですが頑張ります〜
375名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 11:38:31 ID:ph2XRnD4
>>372
貴方の書くかがみ達は、なぜこうもどうしようもなくHE☆N☆TA☆Iなのでしょうか。
もっとやって下さい。ぐっじょぶ。
376名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 11:58:49 ID:QlPaws6+
gj!
377名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 12:53:23 ID:CEm61fYD
>>372

前回といい、みゆきさんの自己完結型壊れっぷりがたまらんw
みゆきさん、アンタ脳内でエラーダイアログ出まくってるんちゃうかとw
378名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 14:05:25 ID:nZinc5rw
>>345
かなたさんが降りてきてかがみと融合、かがみでもありかなたでもある存在に

かがみは恋愛感情が母性愛に変化し、母性愛で満足できるようになる
そうじろうは戻ってきた愛妻(かなた)と一緒に暮らせる
こなたはノーマル嗜好の範囲内での愛情(=家族愛)を保てる

これで八割がたオッケー
かなたとかがみの"変化"については、草薙素子と『人形遣い』みたいな感じで
彼女自身は違和感を感じない、とゆーことでひとつ

しかし、外見が融合してしまうと、下手をしたら「Tinyみきさん」になってしまうなw
379名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 14:10:52 ID:WgVMIYXx
こなかが百合厨の脳内にはもうつかさの姉としてのかがみは存在しないらしいな

なんて便利な道具としてのかがみ
380名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 14:51:35 ID:HJkot7ec
>>378
そこは
「かがみはお母さんじゃない!お母さんはかがみじゃない!
私ば柊かがみ"が好きなんだよおっ!」
ってこなたが告白するとこだろ、常識的に考えて。
381名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 15:08:41 ID:Z9KbrjNb
簡単な一発ネタを書いていたはずが、気が付いたら17KB越えてた。
382名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 15:16:16 ID:yQyJmuCI
何も問題ない
3837-896:2007/09/14(金) 15:18:18 ID:nkZcVmEg
本屋で立ち読みしてる時に思いついた、またもや1レスネタを1つ

『作者に失礼だ』

 今日は珍しく4人で寄り道。
 両方行くぅとか言ってたこなたを制して、アニ○イトには寄らずゲ○ズだけに行くこととなった。
 少し珍しいのか、みゆきはきょろきょろ店内を見回している。
「あれ?これ……」
 突然こなたが立ち止まり、一点を凝視し始めた。
 その視線の先を見ると。
「ねぇかがみ、この表紙のキャラさ、私に似てない?」
「確かに……そっくりね」
 泣き黒子とあほ毛を携えた青髪の小柄な少女が、元気にジャンプした絵が描いてあるコミック。
 正にこなたそのものだった。
「なんか面白そうかも」
「そうかしら」
 そうは言いつつも、あまりにもこなたそっくりなイラストから、目が離せなかった。
 これは……『こなたコレクションズ(柊かがみ自室隠し金庫内特設)』に加えなきゃ。
「むぅ、でも5巻か……また今度にしとこっと、それよりコ○プ、○ンプ〜♪」
 そう言って、こなたは別の棚に行ってしまった。
 5巻か……他の巻置いてないかし……ら!?
 ポストカード全員サービス……
 5巻についている応募券で、漏れなくこなた(勝手に脳内変換)のポストカードがもらえるようだ。
 しかもそのイラストが、スク水……これは手に入れなきゃ!!

「あ、その本……新刊出てたんだぁ、買わなきゃ♪」
「つかさ?このコミック知ってるの?」
「うん♪私が今一番はまってるやつだよお姉ちゃん」
 先を越されていたか。
「1冊は好きなところのイラストを切り抜いてファイルに閉じて、もう1冊は名前のところを『こなた』に書き変えて読んでるんだ♪」
 つかさ重症だな。
 なんか作者に申し訳ない気がしてきたわ。

「カードでお願いします」
 いつの間にやら消えたみゆきが、このコミックを10冊ほど抱えてレジの前に立っていた。
 みゆきもうだめだな。
 おっと、私も早いとこ買わないと。
 コミックを3冊手にとって、私はレジへと向かっていった。

※上記のコミックは存在しません

以上。
どう書いても、ネタ物はこなフェチっぽくなっちゃう(´・ω・`)
384名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 15:25:32 ID:dCGb6QT/
勝手に>>383の続き

ギロロ店員「店長!ゲ〇ズで〇〇〇5巻が15冊も売れました!」
兄沢「もう勝ち目無しジャン!」

死ね、俺。
385名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 15:50:36 ID:QlPaws6+
みゆきバロスwwwwwwwww
386名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 15:51:47 ID:5serd+Ap
>>383
大丈夫。俺はこなフェチ大好きだ。むしろもっと暴走暴走。

流れ切っちゃうけど投下します
『ああ、すばらしきお泊り会 心情整理』の続き
とりあえずこなた視点はこれで終了です
なんかエロいんだかエロくないんだか微妙
11レス使用します
メダパニにかかったら多分こんな感じだと思う。
行為に対する緊張や恐怖で思うように動けないのに、手足や背中の筋肉だけは勝手に収縮してしまうし。
口を塞がれているから酸素不足で頭がクラクラする。一生懸唾液を飲み込んでいるのに無くならない。
喉まで流れてこないで、舌が絡まりあう辺りで纏まっているから飲み込むことすら出来ずにこぼれているのかも。
口を離された隙に呼吸をしようとしても、口内に溜まっている二人分の唾液が邪魔をして充分な酸素は取り入れなかった。
完全に圧し掛かられているから、パジャマ越しのかがみの体温を感じる。
今まで以上にお腹のグルグルを感じる。グルグルしているというか、ジンジンと熱いというか。

「かっ……かが、み、苦し……っ!!」
「え!? ご、ごめん……」

かがみの腕をポンポン(必死だったからバンバンかも)叩いて呼吸困難を訴える。
すぐに申し訳なさそうに離れて謝るかがみを見ると、なぜかこっちが悪い事をしたように思えてきた。
深呼吸をするけど、横隔膜が上手く動かない。熱を持ってるけど唾液で濡れた唇が呼吸の度に冷えていく気がする。
結局浅い胸式呼吸で細かく酸素を吸うことしか出来なかった。
酸素不足で頭が働かないのかと思っていたけど、酸素を吸ってもぼんやりとした思考しか浮かばない。
アルコールを飲んだ時みたいな感じがする。

「あ、あの……こなた、大丈夫?」
「へ?」
「今の『ストップ』ってことでしょ?」

あー……そう取ったんだ。
確かにストップはかけたけど、それは呼吸したかったからで。
決して止めてほしいとか怖いからとかじゃないから続けていいんだけど……

「だ、大丈夫だから、続き……して?」
「はぐっ!!」

かがみが奇声をあげて左胸を押さえた。頭の中に半透明ブルーのウインドウが出てきて『クリティカルヒット!』って表示された。
いや、何がかは全然分からないんだけど。もしかして変な事言っちゃったのか私は。
さっきのキスのせいで私の頭はかなり溶けてしまったらしい。
何らかのダメージから回復したらしいかがみが私をまっすぐ見る。
中途半端に私の上着の中に入り込んできている、遠慮しているのか肋骨辺りでウロウロして止まっていた手を再び動かし始めた。
骨の窪みを指でツツっとなぞっては、また最初の所に戻る。じれったいような感覚がピリピリと肌の上を走ってく。

「ん、くっ……ふっ、ぁ……かがみっ……そ、それはくすぐったいよっ」
「仕方ないでしょ!?」
「ひぁっ!? ちょっ……つ、爪は立てないで……!」
「ご、ごめん……」

というか、何がどう『仕方ない』のか。
他人への仕方が分からないとか? もしくは私への遠慮でいきなり胸にしないだけ?
でも肋骨だけ集中的に触られてるこの状況はきつい。何かこう、くすぐったいやらもどかしいやらで。

「えーっと……上着、捲っていい……?」
「ふ、普通それ聞く!?」
「だっていきなりされたら困るでしょ!?」

確かにいきなり捲られていきなり色々されたら困るけど!!
だからと言って『○○してもいい?』ってすべての行動の実行許可を私に求められても困るよ!!
困るというか恥ずかしいって!!
……かがみ、何でいきなりここまで弱気になってるんだろ。
さっきは襲ってきたくせに……もしかして、その事でも気にしてるのかな。そんなの杞憂なのに。

「あ、あのね。私は了解したし……本当に『ストップ』かける時は」

ポンポン、とベッドを二回叩く。

「こういう動作するから……だから、それ以外なら、続けて……いいし」

いちいちしてもいいかなんて聞かなくていいから。
ああもう声が続かない。口パクだけで伝わったかな?
……あれ? もしかしなくても私は誘い受けっぽいことを言ってない?
かがみだって散々(でもないか)襲ってきたりしたのに、いざってなったら気を使いまくりって……ヘタレかがみ。
ちょっと酷いことを思っていたら、ゴクっと唾を飲む音が聞こえた。
私じゃないという事は必然的にかがみから発せられた音という事になる。
かがみ? と聞こうとしたら、お腹から胸がゆっくりと外気に晒され、体温で暖まった生ぬるい空気が纏わり付いた。
つまり、上着を胸の上まで捲られてるという事で……まぁ、端的に言っちゃえば胸とか見られてるわけで。
『カァ』とか『ボン』とかじゃなく『ガッ』と血液が顔に集中した。
Tシャツ形式じゃなくてボタン形式のパジャマの方がよかったかな? いや、見られるのはどっちも一緒だ。
前に海に行った時に一緒にお風呂入った時に見られたけど、それとこれとはまったく違う。
なんか、視線が熱くて……くすぐったい。ぞわっと首筋に氷が当てられたような電気が走る。
かがみ……胸を凝視したまま停止しないでお願いだから。
あと、私だけ恥ずかしいのはずるい。

「か、かがみもっ……脱ぐべきだよ」
「あ……あ、そ、そうねっ」

声が裏返ってる。かがみも私も。
かがみが脱ごうとするより早く、私はかがみのパジャマのボタンに手を伸ばしていた。
普通の服よりパジャマのボタンって大きいのは脱ぎやすくするためなのかな。

「こ、こなた?」
「……私が脱がすよ」

上着を捲られたんだから、こっちだって上着を脱がすぐらいはする。
これは仕返しになるのかな、それともお礼になるのかな。
個人的には恥ずかしがらせたいって意味合いがあるから仕返しなんだけど。
全部ボタンを外し終えると胸が現れた。さすがに寝るときは外してるんだ。
風呂場で見たはずだけど……意外と胸あるよね、かがみ。
至近距離で見てるっていうのも、重力に従って胸が下を向いているからっていうのもあるだろうけど。

「ふぁっ!?」

じっくりかがみの胸を観察している余裕は無かった。右胸に手の平が当てられる。神経が集中する。
血液を送り出す心臓の鼓動が否応無しに体中に響いていた。
胸の先端を人差し指と中指の間で挟まれてゆっくり回される。
指に力が入れられるたびに薄い胸が少し形を変えられていく。
これは、くすぐったくはないんだけど、何か……頭がおかしくなりそうな感じがする。
お腹のジンジンが、そうされる度に倍増していく。
駆け上がってくる感覚に理性がぶん殴られる。

「んっ……ん、はっぁ……」

今度は指とは違う暖かさを持った舌が、鎖骨から胸へと下がっていく。
遠慮してじかに胸にいかないで遠回りしてるとしたら……逆効果だよっ! 余計に頭が変になってきた……
舌が這ったところはすぐに冷える。それでも舐められたという事実で体は熱い。
胸の周りで舐めるのを止めて、左胸に耳をつけてきた。だけど右胸を弄ってくるのはやめない辺りがすごい。
何をしてるのかは分からないけど、しばらく耳をつけてじっとした後、胸の先端ではなく肋骨の中央あたりを結構強い力で吸われた。

「い……っ!! あ、ふぅ……かがみ……?」
「痛かった……?」
「す、少しだけ」

痛みもあったけどそれよりも驚きで声をあげた。
私には見えないけど、きっと微かに内出血はしてると思う。
俗に言うキスマークってやつだ。
いや、まあ学校じゃ見えない場所だからいいけど何ゆえ左胸?
疑問に思ったけど答えは出ないし考える間もなかった。

左胸の、自分でも固くなってると自覚している先端が舐められ、次の瞬間口に含まれた。
声が出ないで息だけが漏れたのは幸いだった。きっと声帯が震えたのなら叫んでる。
吸われるのと、舐められるのと、歯が軽く甘噛みしてくる感覚で一瞬目の前が白くなった。
鎖骨を舐められた時点でこうされるだろうって思ってたから「赤ん坊みたいだね」とか言ってやろうと内心思ってた。
無理。そんな余裕ない。
強烈に襲い掛かってきた何かに抗うように頭を振って目を瞑った。
そしたら余計に感覚が鋭くなった気がしたし、鼓膜に届く自分の声と吸われる音で余計に恥ずかしい。
しょうがないから天井にピントを合わせて、大声を出さないように自分の手を噛んだ。
手の痛みで少しは自分が戻ってきた気がする。

「こなた……手、外して」

けど、声がくぐもった事に気づいたのか、かがみが私の口から手を離させた。
歯形が付いてる。かなり強い力で噛んでたみたい。かがみがその歯型の痕を舐めてきた。

「なっ、ぁ……かがみっ!?」

ペロペロと犬みたいに。綺麗に歯形に沿って。
もしかしたら消毒のつもりなのかも。
胸ほどでもないけど微電流が肌の上を走って脳へ伝わる。首が引きつる。

「もうい、いっ……かがみぃ、もう……!」

私の訴えを聞いてかがみが手を離してくれた。すぐにかがみに抱きつく。
とりあえず体に力を入れてないと自分が自分じゃなくなりそうだった。
熱くて理解できない何かに体を支配されていく。
足も反射的にかがみに絡ませていた。
かがみが息を呑んで、すぐに口を塞いでくる。
今のうちにちゃんと呼吸しとけばよかったなんて思っても後の祭りだった。
少し自分の体を浮かして、私とかがみの体の間を開けると胸を触っていない方の手がどんどん下へ移動してくる。
反射的にやばいと感じて自分からかがみにキスをした。
口を塞がれていれば多少の声は抑えられると思ったから。
かがみの手が一瞬止まったけど、すぐにパジャマ越しに股の部分に触れていた。
その奥でクチャっと湿り気のある音が聞こえる。
指に力が入れられて下から上へと撫でられ、下着がずれて豆が擦れた。

「ひゃ、ぁっ……ぁ、うっ……ん、んっ!!」

お父さんとゆーちゃんがいる。
その一点だけで理性が持ってる気がする。
聞かれないように必死に声を押さえているはずなのに、だんだん訳が分からなくなってきた。

なんで声が出ちゃうんだっけ?
なんで声を出さないようにしてるんだっけ?

自分が自分じゃなくなるような、理性がドロドロと溶けて流されていくのが分かる。
今どんな声出してるのかすら分からなくなってきた。

「こなた」

かがみが呼んでる。
そうだ、この声はかがみには絶対に聞こえるんだ。
変な声なんじゃないかな。私らしくない声出してるんだろうな。
そんな思考が過ぎると声を出さないようにと目の前の何かに噛み付いていた。
すぐにそれはかがみの肩だって分かったけど、口を離してしまったら絶対に叫ぶ自信があった。
私が私じゃなくなって、かがみが触るとこだけに五感が収束して。
かがみが触れるたびに流れる理解できない電気に体が侵食されていく。
だけど、かがみの存在が胸にありつづける。
ああ、分かった。私が何を怖がっていたのか。



――この感覚が、怖いんだ



「う、ぅうっ……ん、うっ!!」
「こなっ……痛っ……!! ……お、落ち着いて、泣かないで」

耳元で優しい声がする。湧き上がってきていた電気が来ない事でかがみが触れるのを止めたんだと気づいた。
そして泣いていたらしい。目を瞑ってたから分からなかった。
かがみの肩から口を離して、心配そうに私の顔を見るかがみの瞳を見つめる。

「……怖いんでしょ?」

すべてまるっとお見通しなのか、お姉ちゃんな微笑で尋ねてきた。
勝手に溢れてきた涙を瞬きしながら落としつつ頷く。

「私が怖い?」
「ち、違うっ……違うんだよ」

背中に回して抱きついていた手を離して、瞬きで落としきれなかった涙をぬぐう。
そしたら「痛くなるから擦るなって」と腕を抑えられた。

「私が怖いのは……かがみが私の体に触れるたびに、そこから変な感覚がきて、変な気分になって……
 お腹の奥もジンジンして、頭がぼーってなって、何も考えられないのにかがみの事だけははっきり分かって」

感覚的な事を言語化するのって難しいよね。
さっきのことから良く分かってる。だから、纏まってないかもしれないけど思ったとおりに伝える。

「嫌じゃないのに、体中が熱くて変な感覚で、それがすべてになりそうで、私がどうかなっちゃいそうで……怖い」

かがみがじーっと見つめてくる。やっぱり伝わらないのかなって思っていたら苦笑というか、しょうがないって顔をして私の横に寝転がった。
ベッドの広さから言ってちょっと狭いけどくっ付いたら大丈夫。
かがみは私の捲っていた上着を下ろすと、胸に抱いた。かがみの上着はまだ肌蹴たままだから、胸にじかに顔が埋められる。

「今日は……慣れるだけにしとこ?」
「え……?」
「まぁ、ちょっと私は不完全燃焼が否めないけど……おじさんやゆたかちゃんだって居るわけだしね」

確かに……あれ以上してたら絶対に声でばれてるだろうけど。
実際ゆーちゃんに聞こえてそうで怖いし。でも。

「か、かがみは……その、ここでストップしていいの?」
「あのね……さっきまで本気で怯えたやつがそういうか? 噛み付いてきたし」
「いや、それは」

抵抗じゃなくて、声を出さないためなんだけどね。
そして噛んでごめん。痕が付いていてもいなくても本気で謝らないと。

「私だってちょーっとばかし暴走してこなたを襲ったりするけど、一緒に居るだけで満足。こうしてるだけで満足だから」

かがみが私の頭を撫でながら諭すように囁いてくる。
胸からかがみの心音が聞こえた。なんだか凄く落ち着く。

「でも、襲うって事はそれなりにしたいってことでしょ?」
「うわっ、直球か。……そうだけど、やっぱりする時は家に二人っきりの方がいいでしょ?」

直球なのはどっちだ!
という抗議としてかがみの背中を一回叩いておいた。

「……二人っきりの時でも私が怖がったらどうするの?」
「んー……今回は慣れってことでここまでだけど」

上目で確認するとかがみが目を瞑って考えていた。
しばらく考え込んで、多少「うーん」唸りながらも何か閃いたらしい。

「私はこなたの事を好きだけど、その感情は受け入れてくれてる?」
「そ、そりゃそうだよ。嬉しいもん」

なんでこう……かがみはヘタレだったり直球だったりするんだろ。
卑怯だよね。絶対卑怯だよ。

「えっと、さっきこなたが言ってた『変な感覚』も私が与えている感覚だから……
 わたしがこなたを好きって感情と一緒にそれも受け入れてくれると嬉しい」

ダメ? とハの字眉の笑顔で尋ねられた。
ああ……そうだ。そうだよ。あの感覚も全部かがみがくれたものなんだ。
それなら……そう思ったら少しは怖くなくなるかも。
実際その時にならないと分からないけど、あの感覚に対する恐怖は少し薄れた気がした。

「……でも、次って……いつ?」
「あ……私の家は絶対に誰かしらいるから、やっぱりこなたの家になると思うけど」
「そっか。心の準備はもう大丈夫だから……ゆーちゃんとお父さんが居ない日に誘うね」
「ぐふっ」

な、何ですか? 今の呻き声。

「こなた……前から言ってるけどあんたもうちょっと警戒心持ちなさいよ」
「失礼だなぁ。ちゃんと人並みに持ってるよ?」

ああもうダメだこいつ……と呟かれた。本当に失礼だ。
仕返しで顔を左右に振る。私の髪が胸に当たっているから結構くすぐったいはず。

「んっ……こ、こなた? 折角我慢してるんだからそういう事したら今すぐする」
「わ、わっ!! うそウソ嘘だよ! 今日はもういいって!」

やっぱりかがみは不完全燃焼なんだろうな……悪いとは思うけどね。
私は……やっぱり二人っきりの時がいいや。
それにしても下着の中が気持ち悪い。私でも濡れるんだなーとか変に感心した。

「我慢するから、もう寝るわよ。3時だし」
「明日が休みだしいつもはまだ起きてる時間帯だけどね」
「たまには早く寝ろ」
「あーい」

ベッドは狭い。だからかなり密着して目を瞑った。相変わらずかがみの心音が聞こえる。
赤ん坊っていうのはお腹の中でずっとこの音を聞くらしい。
私には胎児の頃の記憶なんて無いし、お母さんに抱っこされてた記憶もない。
実際抱っこされた事はあるだろうけど覚えてない。
でも、何だろうね。こうしてると凄く落ち着いて懐かしい気がした。
実際は自分より年下の人に母親らしさを感じるっていうのも少しおかしいかも知れないけど。
かがみはしっかりしてるし、頼りがいあるしね。そりゃつかさもずっとお姉ちゃん子に育つってもんだよ。
でも、かがみはお母さんじゃないし、お母さんはかがみじゃない。


――お母さん、私は自分が自覚している以上にかがみの事好きみたいだよ


胸の内で、声も知らないお母さんに語りかける。
みんながいる。お父さんやゆい姉さんやゆーちゃん。ゆーちゃんも学校にはたくさん友達が出来た。
私もつかさやみゆきさん、かがみがいる。
その輪の中にお母さんが見えないことはやっぱり悲しくて残念だけど、お母さんはずっと胸の中にいるから。
だから心配しなくていいよ。私は幸せだよ。

「ねえ、かがみ」
「……」

返事が無い。上を向いて確認したら目を瞑っていたから寝てしまったのかもしれない。
かがみっていつも何時ぐらいに寝てるのかな。勉強とかしてるのなら夜更かしは結構してると思ったけど。
寝てるほうがいいかな。流石に恥ずかしいしね。

「私はみんなに……かがみに会えてよかったよ」

もぞもぞと上へ移動して、寝ているかがみに一瞬だけキスをした。
好きだよとおやすみを込めたキス。
やっちゃった後で恥ずかしさが込み上げてちょっと後悔。
かがみが寝ててくれて助かったかも。
再びもぞもぞと下へ移動してかがみの胸に顔を埋める。
肌蹴たままでいいのかな。ボタン閉じたほうがいいような……いいや、私自身がパジャマの役割するだるろうし。
そのまま抱きついて目を瞑る。引いてきたけどまだ残っている体の熱とかがみの心音のおかげで最高の気分で眠れそうだった。

朝、起きるのはかがみの方が早くて、私が起きたらすでに私服に着替えて髪を結んでいた。
起こしてくれてもいいのに。かがみの髪、結んでみたかったんだけど。
というか、そこまで万全体勢なのに何故私の隣で寝ているのかな。

「おはよう、こなた」
「ん……おはよー」
「少し前に起きたんだけど、洗面所借りたわ」
「あいあい。早いね……」

時計を見る。うわ、まだ8時だよ。
上体を起こすとかがみもベッドから立ち上がった。
何で横で寝てたんだろ。寝顔でも見てたんだろうか。

「ほら、着替えて。おじさんが朝ご飯作るって言ってくれたんだから」
「お父さんが?」

作るって言ってもシリアル系なんだろうなと思いながら着替える。
……かがみ、じっと見ないで。確かに今までは普通に着替えれたけど……今はちょっと違う。

「どしたの? こなた。着替えないの?」
「……し、下着も着替えたいんだけど……」
「え、あっ!? ごめん!」

慌てて視線を体ごと逸らされた。見られてないと分かっていても変な気分で下着ごとズボンを脱ぐ。
詳しい描写は省くけど、下着を見て結構私も感じるもんなんだなと思った。
かがみが居るから急いで服を着る。えーっと、適当にTシャツとズボンでいいや。
上着を脱いだときに付けられたキスマークが見えてしまってかなり恥ずかしかった。

「も、もういいよ」
「早っ!?」

そりゃ、服選んでないしね。上にあったの取ったし。
もうちょっとオシャレに気を使えよって視線が痛い。い、今は急いで着る事のほうを優先したんだよ。

「んじゃ、洗濯機に入れてくるからかがみ先にリビング行ってて」

返事も待たずに洗面所へ。
流石に結構汗をかいただろうし、パジャマはそのまま洗濯機へ。
下着は一応手洗いして洗濯機へ。なんだろう、この恥ずかしさは。
手を洗っていると左手にうっすらと歯形が残っていた。やっぱり結構強く噛んじゃったんだ。
……だとしたら、かがみの肩にも痕が残ってるかも。確認しとかないと。
顔を洗ってタオルで拭いてリビングに向かうとお父さんが台所から出てきた。
リビングではゆーちゃんとかがみが何か話してる。
こっちに気づいたのかゆーちゃんが「おはよう」と座ったまま声をかけてきた。「やふー」と返事をする。
かがみが「おいおい」とツッコミをいれてきた。我が家ではこれで通じるんだって。
目の前にいるお父さんも声をかけてきたけど、第一声は朝の挨拶じゃなかった。

「ちゃんと伝えられたか?」

寝る前の話のことを聞いているんだろう。お父さんも心配してくれてたのかな。
でも笑顔でその事を聞いてくるという事は、すでにちゃんと伝えたと知ってるんだろう。
私とかがみの対応で分かっているんだろうけど。
私はスクイズのチビッ子ばりのVサインで答えた。
お父さんも満足げな笑顔で頷く。かがみとゆーちゃんは首をかしげていた。
リビングで朝食。あえて言わなくてもいいだるろうけど相変わらず朝食はシリアルだった。
牛乳かけると美味しいけどね。

『ごちそうさまでした』

4人の声がハモる。
かがみは昼の3時に帰るからまだまだ一緒に居られる。
部屋に戻ろうとしたら。

「お姉ちゃん、待って」

ゆーちゃんに呼び止められた。見るとかがみはお父さんに呼び止められている。
お父さんもゆーちゃんも、リビングの右端と左端に別れて手招きしていた。
……あの、その光景は少し怖いんだけど。
でも呼ばれたんで行くしかない。かがみも不安げな顔でお父さんに近づいていった。

「どしたのゆーちゃん」
「あのね……黙ってたけど、私おねえちゃんとかがみ先輩が付き合ってること知ってたんだ」
「ああ、そうなんだ……って?」

今、何て言った!?
あまりにもサラリと言われたから流しかけたけど……知ってた!?


『えええええええぇぇぇぇぇぇ!!!』


私とかがみの声がかぶった。向こうも向こうで何か言われたらしい。
驚いた瞳で見詰め合っていたら、お父さんとゆーちゃんは楽しそうにピースしあっていた。
つまり……二人とも知ってたんだ。お父さんの『してやったり』な笑顔がちょっと腹立つ。

「でね、お姉ちゃん。私次の土日にみなみちゃんの家に泊まりに行くんだ」
「そ、そう……」
「あと、おじさんも土日は出かけないと行けないんだって」
「へぇ……え?」
「だからまたかがみ先輩を呼んでお泊り会していいよ」

えっと、あれ?
何かものすごーく都合の良い話をされたような。

「……ゆーちゃん、昨日の私たちの会話聞いてた?」
「何の事? これは昨日の夜、おじさんとお茶飲みながら決めた事だよ。おじさんが言い出したことだけど」
「あ、あの時……!」

じゃあ昨日の私たちの会話は聞かれてなくて、偶然なんだ……
ちょ、ちょっと『その時』が来るのが早すぎな気がするけど。

「お姉ちゃん!」
「ん?」
「嬉しそうだね!」

ニッコリと笑いかけられた。
このゆーちゃんの笑顔に免じて、お父さんの事は許しておこう。
というか、私とかがみが付き合ってることに関してゆーちゃん不思議に思う事は無しなんだ……

「かがみ先輩は、私が二人の事知ってる事を知ってるんだよ」
「……なるほどね。お互い互い違いに知ってる人を知ってたんだ」

だから私が「ゆーちゃんにばれる」って言ったら「大丈夫」って言ったわけか。
……でもだからって押し倒すシーン見らるのはダメだと思う。
かがみを見る。かがみもこっちを見ていた。
きっと向こうも今私が言われた事と同じような事を言ってるんだろうな。
土日に泊まりに来なさいとかなんとか。想像しやすい。
ゆーちゃんが急に私の背中をグイグイと押してかがみの前へと移動させた。

「な、何?」
「お姉ちゃんから誘わないと、ね?」

何でそんなに楽しそうなのゆーちゃん?
あっという間にかがみの前へ到着して、お父さんはニコニコしながらメモ帳に何か書きなぐってる。
何を書いてるのか知らないけど、娘の実体験をネタとかにしてたら流石にしばらく口聞いてやらない。
ゆーちゃんは……後ろに居るから見えないけどきっと同じようにニコニコしてるんだろうなぁ。
これなんて周知、じゃない、羞恥プレイ?

「え、えっとね……」

たぶん、かがみはもう私が何を言おうとしてるのか知ってるんだろう
だって満面の笑みなんだし。私じゃなくても分かる。
周りにお父さんやゆーちゃんも居るけど、かがみが思ってる通りの事を言ってあげよう。



それが私の望みでもあるわけだしね。





「ねえ、かがみ。来週の土日なんだけど――――」
398名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:02:02 ID:5serd+Ap
以上です
とりあえずこれでお泊り会シリーズこなた編終了です
あとはかがみ視点

初心者っぽさを出そうとしたらこなたがかなり純粋に
そしてかがみがかなり(前半が特に)ヘタレになりましたとさ
399名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:09:29 ID:d+kr0ZCK
GodJob!
400名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:19:04 ID:7G7F5rsE
リアルタイムGJ!あなたの話、大好きだ。
かがみ視点も楽しみにしてます。
401名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:27:48 ID:QlPaws6+
GJ!!!
長編乙です
402名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:41:51 ID:WG13v48n
>>398
ああもう!何回GJ!って言っても足りないくらいGJ!
かがみ視点も期待しています!
403名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 16:55:46 ID:4bLGtTnN
GJです!

>というか、私とかがみが付き合ってることに関してゆーちゃん不思議に思う事は無しなんだ……
  少し画面の上のほうを見る
>「でね、お姉ちゃん。私次の土日にみなみちゃんの家に泊まりに行くんだ」

詳しくは省くけどワクワクテカテカ
404名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 17:09:09 ID:WiCrt9rf
くっはぁーー!たまらん!!
か、かがみ編を読むまで死ぬわけにわ…、萌え死ぬわけにわぁ……グッジョ…ブ……
405名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 17:27:41 ID:exKIt6fN
上官殿おおおお!護国とか言ってる間に私は萌死にますうううううううああああああ!!

gj!
406名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 17:37:43 ID:7Hw0TRK8
>>398
寸止めかーと思ったら、さらに来ますか。
その上ゆたかまで察してると思ったら、ゆたか自身も……?
いろんなことが頭の中で広がって、実にGJです!

それでは、自分も一編投下させていただきます。

●短編7レスほど投下させていただきます。
●そうじろう×かなた……なのですが、かなた本人が出てこない非エロ話。
●恋愛関係に関わりなしの男性オリジナルキャラあり。ちょっと独自の世界観があるかもしれません。
 
407懐想譜(1/7):2007/09/14(金) 17:38:51 ID:7Hw0TRK8
 湯飲みに注がれたお茶を、ぐいっと飲み干す。
「……ふうっ」
 体育館が涼しかったこともあって、温かいお茶が体にしみていった。
「……ぷはっ」
 隣にいるこなたも、俺と同じようにお茶をぐいっと飲み干していた。
 こなたはセーラー服姿。俺は全然着慣れてないスーツ姿っていう格好……とはいっても、
こなたの三者面談とかそういうわけじゃない。
「いやー、まさか私まで来賓室なんて大層な場所に案内されるとは」
「俺も、まさか母校にこんな形で来ることになるとはな」
 そう言って、二人同時にため息をつく。
「というか、まるでアレだね。体育館の舞台ってのは、お立ち台ならぬ立たされ台というか。
お父さんの顔、上がったときに思いっきり引きつってたもん」
「しょうがないだろ? 壇上に上がって講演なんて初めてだったんだしさ」
 手のひらで持てあましていた湯飲みをテーブルに置いて、ニヤニヤ笑うこなたに苦笑してみせる。
 そう……俺は二十数年ぶりに母校に来て、ご大層に「講演会」なんてのをさせられた。
「進路説明会で、成功しているOBに話をしてもらう」ってことで呼ばれたんだが、そんなのは
全然、俺のガラじゃないわけで。
「だねー。真面目なお父さん、学校の面談以外で初めて見たよ」
「わ、忘れてくれ、今すぐ忘れてくれ……頭の中は不真面目だったんだよー」
 大学に入ってどうだったとか、高校生活はどうだとか、創造力というのはこうだとか、
原稿におこして書いて頭に叩き込んでおいたのに、全校生徒の前に出たらすっかり吹っ飛んじまった。
「くふふふっ、『どう人生を過ごしていくか』だったっけ?」
「だ、だから言うなっ!」
「『悔いがあってもいい。それをバネにして次のステップに進めばいい』なーんて、
どこぞのエロゲから取ったの? それとも、花ゆめとかマーガレットあたりから取ったん
でしょーかね、おとーさん?」
「やめろっ! ハズいっ! 超恥ずかしいっ!」
 ニヤニヤ猫口で笑いながら、革のソファーにふんぞり返るこなた。ううっ、お父さんは
そんな娘に育てた覚えはありまくりだけど、今はやめてくださいっ、マジで!
「わっはっはっはっ。相変わらずだな、泉」
 そんな風にじゃれあっている俺らの後ろから、しわがれながらも力強い声が聞こえてくる。
「あっ、先生」
 振り向くと、そこには二十数年前にたくさんお世話になった先生がいた。
 ……すっかり、老いた姿になって。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 懐想譜
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「講演では立派だったが、情けないところは変わらんものだな」
「ひどいじゃないですか、先生。俺が口下手なの知ってたはずなのに」
 俺の抗議に、笑いながら真向かいのソファーに腰を下ろす先生。
 黒々としていた髪の多くが白髪になり、頬や額に年輪のごとく皺が刻まれたその姿は、
今日までの年月の長さを雄弁に物語っていた。
「何を言っとる。文章で飯を食っとる人間が、講演ぐらい朝飯前だろうに」
「いや、だからしゃべるのと書くのは別物なんですってば」
「そのわりには立派な講演だったじゃないか。自著からの引用までしおって」
「自著からって……えっと、俺の本を読んだんですかっ?!」
 額に汗がひとすじ垂れてくるのを感じていると、先生がニヤリと笑う。
408懐想譜(2/7):2007/09/14(金) 17:39:55 ID:7Hw0TRK8
「お前が送ってこないから、図書館に入れる分までいつもオレが買ってるんだぞ」
「ちょっ……! せ、先生っ、なんてことするんですか!」
「教え子の成長を見守るのは当然のことじゃないか」
 当たり前とばかりに笑っている顔は、まさに貫禄そのもの。高校時代に俺らを叱ったり、
褒めたり、話を聞いてくれたときのことを思い出させてくれた。
「それは有り難いですけど……ホント、校長先生になっても変わらないんですね」
「フンッ、歳を取ったり偉くなったりしたからってコロコロ心変わりするなんざ、軟弱者のすることだ」
「あはははっ」
 ああ……ホント、この人は変わっていない。
 俺やかなた、昔の仲間たちが世話になっていた頃と、ほとんどいっしょだ。
「ん? おお、いかんな。嬢ちゃんをほっぽっといては。こんにちは、お嬢ちゃん」
 先生はぽけっとしていたこなたに顔を向けると、皺だらけの顔をほころばせた。
「えっ……? あ、は、はい、えっと、こんにちは」
 突然のことに、こなたは慌てて何度も頭を下げた。
「こなた。この人はな、俺とかなたが高校時代に世話になった担任の先生なんだ。今は、
この学校に戻って校長をされている」
「校長先生って、え、あの……」
 一通りあたふたして、何故か両方の拳を握り合わせて前に突き出すこなた。
「こ、こなた、何やってるんだ?」
「いや、目の前に校長先生がいると、何故かしょっ引かれるような気がして」
「ぶわっはっはっはっ! 泉、嬢ちゃんの性格はお前そっくりだな!」
 俺とこなたを交互に見て、先生は盛大に爆笑した。
「こなた、俺が高校時代にやらかしてたことを今ここでやらなくても……」
「おおっ、もしかしたら遺伝子レベルで刷り込まれてたとか?!」
「そうかもしれんなぁ。泉はよく俺に怒られるとこうやってたもんだ」
「なんかもー、俺ってばフルボッコ?」
 ううっ、父ちゃん恥ずかしくて涙が出てくらぁ。
「しかし……うむ、そうだな。顔立ちや佇まいのほうは、実にかなた君そっくりだ」
「はははっ、そうでしょう?」
「ああ、びっくりした。体育館で制服姿の彼女を見て、一瞬かなた君が帰ってきたかと思ってしまったからな」
 笑いながらも、どこか切なそうな目でこなたを見る先生。
 やっぱり、先生もかなたのことを思い出しているんだろうか。
「あのー、そんなに私とお母さんってそっくりですか?」
「ああ。今でこそ女子はブレザーだが、かなた君がいた頃は制服がセーラー服でな。
学ラン姿の泉に付き添って、よく俺のところに来てたんだよ」
「そうなんですか」
 先生の言葉に、こなたはきょとんとした目で俺のことを見上げてきた。
「俺に怒られた泉を迎えに来るのは、かなた君の役目だったからな」
「ロマンチックかと思ったら、全然違うじゃん!」
「すんませんすんません、馬鹿やってた俺が全部悪いんです……」
 娘と元担任からのフルボッコなんて、俺ってば情けなさ過ぎじゃねーか?
「当時は職員室でも色々言われてたんだぞ。『良くできたカミさんじゃないか』とか
『ダメ旦那を支える恋女房』だとか」
「ちょっと、当時は俺とかなたは付き合ってなかったじゃないですか!」
「何を言うか。当時からお前らは立派な夫婦だと評判だったんだからな」
「高校生をゴシップの種にしないでくださいよ」
 まあ、あの時からかなたのことは好きだったけどさ。俺があんなんだったからなかなか
振り返ってもらえなかったけど、まわりにはそう見えてたのか。
「だから、結婚の知らせが来たときは『やっと来たか』って職員室で話題になってんだぞ」
「へえ……お父さんとお母さんって、先生たち公認のカップルだったんですか」
409懐想譜(3/7):2007/09/14(金) 17:40:51 ID:7Hw0TRK8
「ああ。あれは将来尻に敷かれるなとかみんなで噂していたぐらいにな」
「ひどいっすよ、先生ー」
 ただついてきただけの娘に、わざわざそんなことまで言わなくても……
「でも、そうか……写真の中ではあんなに小さかった子が、もうこの歳になったんだな。
かなた君が逝ってから、もう二十年近く経つのか」
「ええ……もう、そのくらいになりますね」
「お前一人で、よく嬢ちゃんをここまで立派に育ててきたな。かなた君のように、まっすぐな目をしとる」
「あ……ども」
 先生の優しいまなざしに、こなたがどこか照れくさそうにつぶやく。
「俺だけじゃないですよ。妹や姪っ子が、よく俺を支えてくれましたから」
「そうか。きっと、いろんな人に囲まれて豊かに育ったんだろうな」
「はい、友達にも恵まれているようですし」
 話しているうちに、俺もこなたのことを優しく見つめていた。
「ええっと、その……あっ、お茶。お茶もらってきますね」
 そんなまなざしがこそばゆかったみたいで、顔を赤くしたこなたは湯飲みが乗ったお盆を
手に外へと出て行った。
「ああいうところも、かなた君そっくりだ……おい泉、似てきたからって手を出すんじゃないぞ」
「そんな馬鹿なことしませんって。娘ですよ?」
「お前ならやりかねん」
「ひっどいなぁ」
 ニヤリと笑う先生に、俺はただ苦笑するしかなかった。
 
 *   *   *

「それにしても、とってもにぎやかな先生だったね」
「にぎやかすぎて疲れるがな」
 そう言ってから、歩きながら軽く伸びをする。
 あの人のペースには、いつも乗せられちまうんだよなあ……
「そのわりには、お父さんも楽しそうだったじゃん」
「まあ、久しぶりだったからなー……あんなに豪快な先生が、今や校長だなんて」
 来賓室を辞した俺とこなたは、先生から許可を貰って学校の中をふらふら歩いていた。
 夕暮れが迫る教室棟にはほとんど人はいなくて、たまに居残った生徒が遊んでるぐらい。
ほとんどは帰ったか、部活をしてるかなんだろう。
「それだけ、長い年月が経ったってこと?」
「ああ。もう、二十年以上前になるか……この廊下なんて、飽きるほど歩いてたよ」
 木張りだった床がリノリウムに変わって、すっかり綺麗になった廊下。でも、所々傷ついた
壁や柱があの頃の面影を思い出せてくれる。
「こういったところでクラスの連中とサッカーなんかやってて、蛍光灯にボールが直撃して、
大事になったりとかもしたなー」
「何子供みたいなことやってんの?!」
「だってガキだったから。その度に、さっきの先生に首根っこ引っつかまれて職員室に
連行されて……何故か、かなたが駆けつけていっしょに謝ってくれた」
「ガキにも程があるよ。とゆーか、その頃からお母さんに迷惑かけてたんだ」
「その時はかなたが勝手についてきたかと思ってたんだけどさ。今思うと、俺を心配して
わざわざ来てくれたのかもしれないな」
「フラグクラッシャーなんだか、主人公なんだか」
「まあ、そういうフラグもあるってことだろ……おっ、ここだここだ」
 呆れてため息をつくこなたをよそに「3−2」と書かれた教室の札を見上げる。
「この教室がどうかしたの?」
「ここが、俺とかなたが通ってた教室だ。誰もいないみたいだし、ちょっとお邪魔するか」
410懐想譜(4/7):2007/09/14(金) 17:42:00 ID:7Hw0TRK8
「もう、何してるかなー」
 そう言いながらも、こなたは先に入った俺について教室の中へとやってきた。
「……うーん、やっぱり改装されてるか。ちょっと残念だな」
 机や椅子、壁紙なんかはつい最近変えたような新しさが伺える。それでも、木枠の黒板は
ボロボロながらもまだ健在みたいだった。
「でも、なんか不思議な感じだね。他の学校の教室にいるのって」
 机に寄りかかりながら、こなたが一人ごちる。
「まさか、お前がついて来るとは思わなかったよ」
「お父さんが誘ったから来たんじゃん」
「そりゃそうだけども、柊さんや高良さんと遊ぶ予定とかあったんじゃないか?」
「かがみとつかさは神社の秋祭りの準備で、みゆきさんはみなみちゃんトコと用事でしょ。
ゆーちゃんもついていっちゃったから、学祭の代休だって言ってもヒマそーだったし――」
 こなたは確かめるようにそう言うと、俺に楽しそうに笑いかけた。
「久しぶりに、お父さんとお出かけするのもいいかなって」
「そうか」
 こうやって親子で出かけるのって、いつぐらいぶりだったろうか。
 まさか、こんな形で久々にこなたと出かけるとは思ってもいなかった。
「でも、退屈だったろ? 俺の母校の訪問だなんて」
「そうでもないよ。お父さんのギクシャク演説が見られたから」
「だから、それを持ち出すなっての」
 まったく、どうしてこうも父親をおちょくるかね、こいつは。
「あははっ、冗談だってば。冗談」
 そう言いながら、こなたがぱたぱたと手を振ってみせる。
「それに、お父さんとお母さんがどういうところで過ごしたのかを見れたし、さっきの
先生にいろいろ聞けてよかったよ。高校時代のお父さんたちのこと、全然知らなかったから」
「そういえば、実家に高校のアルバムを置きっぱなしだったっけ」
「なんかさ、お父さんとか先生の話を聞いて、こうやって学校を歩いてるると、こんな風に
過ごしてたのかなってイメージが浮かんでくるんだ」
 俺や先生の話って、俺が情けない頃の話ばっかりじゃないか? そんな頃のことをイメージされても……
「ねえ、お父さん。お母さんとのこと、もっと教えてくれる?」
 みじめにそんなことを考えている俺の顔を、じっとのぞき込んでくるこなた。
 開けっ放しの窓から吹き込んだ風が、こなたの長い髪をさあっとなびかせた。
「えっ? でも、さっき先生からいろいろ聞いてたじゃないか」
「お父さんの口から、お母さんのことを聞いてみたいんだってば。ここにいたときのこととか、
私が知らないことばっかりだし」
「むう……」
「ね、お願い」
 思えば、こうやってこなたが物以外のものをねだってくるのも珍しい。それに、なんと
いっても話はかなたのことだ。まだ話していないことだって、いっぱいある。
「よし、わかった。ただ、もう時間も時間だし……学校の中を散歩しながら話そうか」
「うんっ」
 楽しそうにうなずくこなた。その瞳は、お話をせがむ子供のようにきらきらと輝いていた。
「確か、最後に座ったのは……ああ、この辺りか」
 遠い記憶を掘り起こして、ゆっくりと窓際最後列の席へと近づいていく。
「俺がここに座って、かなたがその前に座ってたんだ」
「へえ、前と後ろだったなんてよっぽど縁があったんだね」
「ああ。で、授業中暇になるとかなたの髪をいじって怒られたり」
「だからなぜアナタはそんなことをしますか」
「好きな子ほどいぢめたくなるってよく言うじゃないか」
411懐想譜(5/7):2007/09/14(金) 17:43:01 ID:7Hw0TRK8
「ホントにその頃から成長してないんだねー……」
 いや、さすがにやりすぎたとは思ってるよ。勝手に三つ編みにしたりポニーテールにしたりとかは。
でも、可愛かったんだからしょうがないじゃないか!
 ――なーんて、そんなことを言ったら、こなたはもっとガックリするんだろうな。
「お父さんは、その頃からお母さんが好きだったの?」
「ほとんど片想いだった――と思ってたよ、その頃は。小さい頃からかなたのことをよく
からかってたし、迷惑もいろいろかけてたから、きっと心の奥では嫌われてるんだろうなって。
それでも、好きだっていうのは止められなかった」
「ふうん。じゃあ、大学になってようやくお母さんに言う勇気が出たってこと?」
「ああ。東京に出てから色々あって、かなたといっしょに過ごすことが多くなってな」
「それで、あの『最低』な告白に繋がったんだ」
「あ、ああ、悪いか?」
「何照れた顔してるのさー」
「いや、こら、やめろって」
「くふふふっ」
 うりうりと、俺の頬をつついてくるこなた。
 でも、これも言えないよなー……アレはただの照れ隠しだっただなんて。

 そんなやりとりをしながら、俺たちは学校の中を転々と歩き始めた。
 階段では、荷物持ちでこけそうになったかなたの下敷きになった話をしたり。
 二年のときの教室の前では、作ってきてくれた弁当がクラスの他の奴らの餌食になった話をしたり。
 体育館の前では、体調が悪くなって倒れたかなたの体が軽かったことを話したり。
 昇降口では、俺が職員室から戻ってくるのを待ってくれていたことを話したり。
 校門の前では、一度だけ告白しようとして、でもすれ違っていたことを話したり。

 この学校のどこにいても、なんとなくかなたの姿を探していたことを話したり……

「お父さんってば、本当にお母さんが大好きだよね」
「当たり前だろ」
 靴を履き替えた俺たちは、やがてグラウンドへの小径を歩いていた。
「そこまで愛してもらえて、お母さんも本望だったのかな」
「まあ、恨み言を言われたことはほとんど無かったよ」
「ほとんど?」
「『子供をオタクにするのだけはやめて』ってことは、何度も何度も言われた……」
「……ゴメンナサイお母さん、娘は立派なオタクになってしまいました」
「……ゴメンナサイかなたサン、娘を立派なオタクに育ててしまいました」
 叶うことのなかったかなたの願いに、二人してうなだれる。
 そりゃそうだよな、小さい頃から"英才教育"を施してたらこうなっちまうよなー……
でも、まっすぐに育ったならそれでいいじゃないか。なあ、かなた。
 空の向こうでぷんすか怒っているかなたを想像しながら、俺は心の中で苦笑いした。

 そんなことをしながら歩いているうちに、目の前の風景が開けていく。
 だだっ広いグラウンドでは、野球部や陸上部といった運動系の部活が、夕陽の光を浴びながら
それぞれまとまって練習していた。
まわりが田んぼで障害物が無いっていうこともあってか、かけ声もよく響く。
「さすがに、ここはほとんど変わらないか」
「わぁ……なんか、うちの学校より広いね」
 しゃべっているうちに、音楽室のほうから調子っ外れた吹奏楽部の音まで響いてくる。
「田舎だから、こういうことに土地を利用するしかないんだ」
「ウチの学校もまわりは田んぼばっかりだけど、そんなにグラウンドは広くないなー」
412懐想譜(6/7):2007/09/14(金) 17:44:07 ID:7Hw0TRK8
 こなたは珍しいものを見るように、あたりをきょろきょろと見回している。
 俺は花壇に腰掛けながら、昔と変わらないグラウンドの光景に目を細めていた。
 変わったのは、時の流れとここにいる人々……か。
 
 目を閉じてみると、はるか昔の記憶がすうっと呼び起こされる。
 かなたといっしょに購買でジュースとパンを買って、花壇に座りながらいろんなことを
話した場所。進路のこととか、家のこと。勉強のこととか遊びのこと、それに、悩みごと。
 何かあったたびに、どちらともなく昇降口で待っていたっけ。
 いっしょに話して、ぼーっと校庭を見て、吹奏楽部の演奏に耳を傾けて……
 ここに来るまで忘れていたことなのに、今ではつい昨日のように鮮明に思い出していた。

 小さい頃から、かなたと俺はずっといっしょだった。
 一番古い記憶は、幼稚園に入る前。まだずっと小さかったかなたといっしょに遊びに行ったり、
駄菓子屋に行ったりして、そんなときはいつも俺がかなたの手を引いていた。
 小学校になってもそれは変わらなくて、中学校になっても同じ。
 無意識のうちに、俺はかなたといっしょにいることが当たり前だと思い込んでいたのかもしれない。

 ……かなたは、一体それをどう思っていたんだろうか。
 しょうがないなという風に笑ったり、心底呆れられたり、怒ったりはされたけど、
拒絶されたことはほとんど無かった。
 記憶は美化されるとよく言うけれど「幸せだった」という最後の言葉は、信じていたい。
 俺も、かなたとずっといっしょにいて幸せだったから。

「……なーんて、かなたしか知らないよな。ホントのところは」
 そう呟いて目を開けてみれば、そこは「現在」。あの頃と変わらない夕焼けだけど、
ここにかなたはいないんだ。
 少しさみしくて悲しいことだけど、想い出はそのまま残っているし、今の俺にはこなたがいる。
「なあ」
 気を取り直して、俺は隣に座っていたこなたに声をかけようとした。
「こな――」
 だけど……その横顔を見て、言葉を失う。
 オレンジ色の夕陽を浴びて、校庭を見つめるこなた。
 その横顔は、あの頃のかなたと同じで、
「かな……た……?」
 思わず、その名前が俺の口からこぼれていた。
「……? どしたの? お父さん」
 しばらくして、こなたがいつものように俺のほうを向く。
「えっ? いや、なんでもない」
 俺は慌てて、うるみそうになっていた目をぬぐった。
「なんでもないって、なんか目がうるんでたよ?」
「夕陽をずっと見てたら、目にしみたんだ」
「ずっと目を閉じてたのに?」
「うっさい」
「くふふっ、そういうことにしておくよ」
 ちくしょー、こりゃやばいところを見られたな……
 どことなく優しいこなたの声を聴きながら、俺はまたスーツの袖で目をぬぐった。
「さーて……そろそろ、埼玉に帰るか。明日はお前も学校だしな」
「もういいの? 想い出に浸ってなくても」
 ごまかすように言ったけど、こなたは相変わらずニヤニヤと笑っている。
413懐想譜(7/7):2007/09/14(金) 17:45:20 ID:7Hw0TRK8
「だからからかうなって」
 こりゃ、しばらくはからかわれそうだな。まあ、最後にあの懐かしい表情を思い出せたんだから、
これくらい、我慢、我慢。
「そうだ、あっちに帰る前に実家でアルバムでも貰ってくか」
「アルバムを?」
「ああ」
「珍しいね、お父さんが自分から実家に行こうだなんて」
「まあ、たまにはいいだろ? それに――」
 そう言いながら、俺はそっとこなたの手を取った。
「かなたのことを、いっぱいお前に伝えたいからな」
「……うんっ!」
 俺が笑ってみせると、こなたも同じように笑顔を返す。
 こなたのおかげで、かなたとの想い出にたくさん触れられたし……それに、せっかく
かなたの話を望んできたんだ。いい機会だから、いっぱい話してやろう。

「お父さんさ、こうやってお母さんと手を繋いで帰ったりしたことあるの?」
「うーん……あったけど、五分ぐらいで恥ずかしがって振りほどかれた」
「フツーだったら、それってフラグクラッシュだよね」
「それで攻略できるギャルゲーなんて、絶対売れないよな」
「売れない売れない。発売後すぐにワゴン行きだよ」
「だよなー」

 そんな他愛のないことをしゃべりながら、俺はこなたといっしょに学校を後にした。
 最後に、少しだけ振り返って……記憶の中の俺とかなたに、心の中で小さく手を振りながら。
414名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 17:46:11 ID:ntUz+veK
GJ!!!
もうそれ以外の言葉が見つからないですぜ旦那!!
415 ◆cj23Vc.0u. :2007/09/14(金) 17:49:45 ID:7Hw0TRK8
というわけで「懐想譜」お送りしました。
前回に続いて曲名から標題を頂いて、今度は親子で想い出を辿っていただきました。

お楽しみ頂ければ、幸いです。
416名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 17:53:19 ID:nkZcVmEg
>>415
あーなんていうんでしょうかこの感覚
心地いいよ……
あえて言葉にするなら……和み死に?
ってか校長いい味出してますww
GJです!!
417名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:01:48 ID:fyVjO6pO
>>415
GJ!!

そろそろ文化祭の季節だし、
ちょっと私も母校に行ってみようかという気になりました
公立なんで校長先生のような人はもう居ないでしょうが……
418名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:03:58 ID:kAxg8ZBd
あれ?なんか神がいっぱいいるよ?凄く、凄く幸せな気分だよ?
このスレにいるだけで、何回GJさせられるんだろうなぁ。無意識の内にGJを連発している気がする。
GJせざるを得ない神作品が投下されまくるこのスレに乾杯。
そして、まとめて申し訳ないが職人の方々にこれを捧ぐ。

つ【超ベリーGJ】
419名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:26:28 ID:QlPaws6+
>>415
泣いたわ
そうじろうはいい親父だ
420名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:29:07 ID:YWXt5+qb
>>415
そうじろうかっけええええ俺が書くのとえらい違いだ
こなたも良い娘になってるなー校長も良い人だなー
やっぱこれですよ、らきキャラは笑顔でつながってるんスよ。GJ
421名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:40:22 ID:QlPaws6+
泣きたいときはこちら↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm993819
422名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 18:55:01 ID:AYD/oco1
>>415
乙GJ!
しみじみするねぃ…。
どんな曲かと思ってタイトルをぐぐったらいきなり演奏が出てきて吹いた。
423名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:10:32 ID:ph2XRnD4
ああもう。愛すべきHENTAIどもといい、初々しいこなかが&策士ゆーちゃんといい、
かなたさんの残してくれた絆といい……GJがいくつあっても足りないや。
お三方、ありがとじゅしたー!
424名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:25:47 ID:nkZcVmEg
この空気に便乗して……

どうも、最近眠くて眠くて仕方がない7-896です。
前スレで言った、かな×こなSSが完成しました。


かなた視点
かな×こな
エロ含む
15〜17レス程度
※途中からかなたさんが壊(ry

では、投下します。
425『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:26:37 ID:nkZcVmEg

 あれから、どれくらいの年月が流れたのだろう。
 一瞬にも永遠にも感じられる時。
 時間の感覚がないって言った方が正しいだろうか。
 太陽が滲み月が翻る。
 花が息絶え、また蘇る。
 鳥が空を泳ぎ、魚が海を飛翔する。
 最初は新鮮だったそれも、今では見慣れた光景だ。


 『生きていた時』にはたくさん感じた、時間の錯覚。
 楽しいことをしてる時には、時間はすごく駆け足に過ぎて
 暇なときには、一分一秒が一時間にさえ感じるときもある。

 過ぎていった時間は元に戻らないという。
 でも、私は……それは違うと思った。
 戻らないんじゃない。
 ……戻れないんだって。


 だから『今』が怖かった。


 大事な人の中に、私は居るのだろうか、とか……私の中にいるあの人達は、今でもあの人達のままなのか……とか。
 本当は、私があの人たちを置いて、先に行ってしまったのはずなのに
 まるで、私がそこに取り残されているんじゃないかって……心を掻き毟られるくらいに、不安になる。


 痛いとか苦しいっていう感覚はもうなくなった。
 だけどその分『怖い』という感情が、今の私を縛っていた。
 終わらない輪廻。
 これを終わらせることができるとしたら
 その方法は、一つしかない……と思う。







 ――会いたい
426『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:27:12 ID:nkZcVmEg
『母と娘と幸せと……』




「ど、どうしましょう」
 遥か向こうの星空に輝く、真ん丸な黄色い月。
 街を優しく照らす光も、暗がりで慣れていた私の目には少し眩しく感じた。
 私が居るのは、17年前に旅立った我が家の丁度玄関前。
 何が起こったのかしら……
 2秒くらい前……ううん、瞬き一つ前まで、私はこの世界にいなかった……はず。
 ところが今私は、残していった家族の住んでいるであろう場所に、ぽつんと佇んでいる。
 目の前には、脳裏に焼きついて離れなかった扉が、今もまだデンと構えたままだ。

 す、少し経緯を辿ってみましょうか。
 私はいつものように何もない世界で、過ぎてゆくのであろう時間を惜しんでいたと思います。
 それで、ふと寂しいって感じて……それからそれから……

 ――会いたい

 そうだ、会いたいって願ったんでした。
 ……え、それだけ?
 それだけで私は今ここにいるのでしょうか?
 神様からのプレゼント?ドッキリテレビ?
 いや、後者は在り得ませんか。

 そのまえに、こういう場合はやっぱり喜んだ方がいいのでしょうか。
 よ、喜びを表現するには……

「ば、ばんざーい……」

 十五夜のお月様に照らされた草むらから、虫達の大合唱が聞こえてくる。
 そよそよと戦ぐ風が優しく頬を撫で、道端に咲く花の花弁を空に巻き上げた。
 涼しいです。



 ……いや……べ、別に恥ずかしさを紛らわせていたわけではありませんよ?
427『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:27:56 ID:nkZcVmEg

「あのぉ……どうかなさいましたか?」
「……え?」
 不意に後方から聞こえた声に驚いた。
 振り向くと、どうやら巡回中のお巡りさんみたい。
 少し不思議そうな視線をこちらに向けている。
 もしかして不審者だと思われてるのかしら……
「あ、いえ、少し散歩しているだけですので」
「そうですか……では、お気をつけて」
 特に質問は投げかけずに、お巡りさんは暗がりへと姿を消した。
 あ、そうか、巡回の人ならいつもこの辺りを回ってるわけだし
 たぶん私を、こなたと勘違いしたのでしょうね。それなら、すぐに行ってしまったのも納得できます。



 ……?
 なんだか、もっと根本的な疑念を見逃しているような……




 ―――――――――!!


 見えてる!?
 なんで!?
 急いで自分の体を確認すると、いつもの半透明な体ではなく、しっかりとした存在が確かにあった。
 こんなことって……
 あれかしら、蘇り?でもそんなことが現実にあるなんて……
 ……疑うわけにもいかないか。
 いままで信じていなかったのに、自分が死んだ後で『本当にお化けっているんだ』って信じざるを得なかったわけですし。
 今回だって、現に私は実体を持ってしまっている。これは事実だもの。

 ……どうしましょう、顔がにやけてしまう。
 だって、また人間として生活することが出来るのなら……私のあの夢が叶うということなんだもの。



 ――もう一度会いたいっていう、夢が
428『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:28:27 ID:nkZcVmEg


 金属の擦れる音と同時に、扉に僅かな隙間ができる。
「わ、開いてる……」
 恐らく深夜といえる時間帯にもかかわらず、玄関の扉は鍵がかかっていなかった。
 無用心ね、とは思いつつも、かなり感謝していた。
 鍵がかかっていたら、家に入れなかったわけですし……

 ゆっくりと、できるだけ音をたてずにドアを開けた。
 中で燻っていた空気が、外へと流れ出す。

「変わってない……」

 ちょっとした飾りとか、匂いとか、ところどころ変わっている部分はあるものの
 根本的な部分……私のことを受け入れてくれるような、優しい雰囲気は、17年前から全く変わっていなかった。
 ちょっと涙でちゃった……

 居間を覗き込むと、電気は付いたままだけれど、そうくんはいないみたい。
 テーブルの前に置かれたパソコンの画面には、たくさんの文字が並んでいた。
 そうくん……がんばってるみたいね。
 耳を澄ませると、脱衣所のほうからシャワーの音が聞こえてきた。
 そうくん、お風呂なのかな。
 ゆらゆらと誘われるようにお風呂へと向かう。
 お風呂のぼやけたドアから見える体は、どうやら体を洗っている最中のようだ。
 背中のサイズからすると、どうやらこなたではないみたい。
「……」

 やだ、私ったら……これじゃあ覗きと変わらないじゃない。
 頭をふるふると振って、思考を振り払った。

「こなたぁ?いるのかぁ?」
「っ!?」
 気づかれちゃった!?
 わ!!わ!!どうしよう!?
 ととと取り敢えずここから出なきゃ!!
 急いで洗面所から飛び出し、階段を音もたてずに駆け上った。
 我ながら器用なものですね。

 というか私、なんで逃げたのでしょうか……
429『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:29:25 ID:nkZcVmEg


 廊下をすり足で進むと、こなたの部屋の前へと辿り着いた。
 あの子、まだ起きてるんじゃないかしら。
 っと思ったけれど、部屋の電気は点いていないようだし、寝てるみたいね。
 安心だけど、ちょっと寂しいかな。
 ……あ、そうだ。

 細心の注意をはらって、扉を開ける。
 ゆっくりと部屋の中へと足を踏み入れた。
 ……なんだかすごい部屋ね。
 あ、この人形かわいい。

 ……なんて和んでる場合じゃない。

 ベッドの方へと視線を移すと、愛しい娘が仰向けに寝息をたてていた。
「スゥー……スゥー」
「うふふ♪」
 すぐ近くまで移動して、ベッドの端に腰かける。
 ギシッとバネが軋んだ。
「クゥー……ん、ぅ」
「……」
 寝顔は天使ね。あ、これって親バカかしら。
 本当は見ているだけにしようと思っていたけれど
 こんなにかわいい寝顔見せられたら……

「こなた……」
 思わず、頭に手を添えて、優しく撫でる。
 ちょっと擽ったそうに身を捩った後、再び気持ちよさそうな寝息をたて始めた。
 心なしか、さっきよりも笑顔な気がする。
「ふぇ……ん?」
「……あ」
 ゆっくりと、何かを確かめるように瞼を開けるこなた。
 しまった、起こしちゃったかしら。
「んぁ?おかーさん?……どうしたのこんな時間に」
「ごめんね、起こしちゃったね。なんでもないから、もう一度お休みなさい」
「うん……おやすみなさい」
 そう言って、タオルケットを首辺りまで引っ張り上げ、目を閉じた。
 寝ぼけちゃってるのかしら、かわいい♪
「……」
「……ふふ♪」
430『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:30:09 ID:nkZcVmEg




「―――――っ!?!?!?!?」


 ガバッ
 という擬音語が飛び出しそうなほど、激しく身を起こすこなた。
 あまりの激しさに、一瞬だけど、こなたがベッドから30cmくらい浮き上がった。

「!?!?!?だ、誰!?あ、お母さん!?あれ!?私!?」
「ちょ、ちょっとこなた、落ち着いて?」
 あたふたと手をばたつかせながら、必死に今の状況を把握しようとしているこなた。
 余程混乱しているのか、頭の上から煙が上がっている。
 大丈夫なのかしら……
「と、取り敢えず深呼吸しましょうか」
「お、オーケーマイマザー……オフコース……すぅーはぁー」
 やっと落ち着いてきたみたい。
 大きな深呼吸を何度も続けるこなたを、また優しく撫でる。
 ちょっと頬が赤くなっているみたいだけど、照れているのかしら。
「聞かれる前に、今の状況を説明しちゃうわね」
「イ、イエスサー」
 ビシッと敬礼をしながら、こなたは聞き入る体勢に入った。
 なんかカタコトなのは気にしないで、私は事の発端と恐らく原因であろうことを事細かに説明した。
 


「つまり、今お母さんが今目の前にいるのは、奇跡、ミラクル、ミックルンルン♪ってこと?」
 完全に落ち着きを取り戻したこなたが、一階から持ってきた麦茶をコップに注ぎながら言った。
 口をつけて飲み下すと、涼しげな味が口の中いっぱいに広がった。
「最後のはよく分からないけど……そういうことになるわね」
「んー、でもいまいち信じられないような」
 それはそうよね。
 私は自身に起きた出来事だから、すぐに納得することができたけれど。
 私がこなたの立場だったら、やっぱり信じられないかも。
「でも、私がここにいるのは事実よ」
 そう言って、私の存在を記すように、ノンスリーブで露出したこなたの肩に手を置く。
 そのまま横に移動させて、鎖骨から首辺りにかけて、ゆっくり撫でるように動かした。
 こなたは小さく『ん』と単音を発したけれど、私の行為に身を任せてくれた。
431『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:30:47 ID:nkZcVmEg
「こなたの肌、すべすべしてるわね……」
「……お母さん」
「ん?」
 胸元を見ていた視線を、顔の方に移すと
 真剣で、それでいて優しいような顔をしていた。
「私、お母さんのこと……信じるよ」
「こなた……」
「だって私が信じなきゃ、他に誰が信じるっていうのさ」
「……ありがと」
 そっか、ちゃんと人を信じられるような、素直な子に育ってるみたいね。
 お母さん嬉しいわ。
 膝のところで、ぎゅっと握りこぶしを作っていた小さな手に、私の手を重ねて
 ゆっくり、やさしく解してゆく。
 こなたはそれに答えるように、いそいそと少し強く握り返してくる。
 そんな健気なところが、とても愛おしく思えた。

「でもさぁ、お母さん」
「何かしら?」
「これが全部夢だって可能性もあるんだよね」
「……ほっぺたでも引っ張ってみる?」
 ふぇ?っと私が言ったことを理解できていないよな反応をしたけれど
 無視して、こなたのほっぺに手を伸ばした。

「そーれ、うにょーん♪」
「うぇ!?ひょ、おひゃーはん!!らにふんふぉ!!」
「夢じゃないって教えてあげてるのよ?」
「だふぁらっふぇ……ふぉのー!!」
 こなたが、反撃!!とばかりに、私のほっぺを左右に引っ張った。
 たぶん今の私は、こなたと同じ顔をしているんだと思う。
「あっふぁふぁ♪おひゃーはんへんなふぁおー♪」
「ぷっ♪こなふぁだっふぇ♪」

 2人で笑った。
 大きな声で。
 こんなに笑ったの、何年ぶりかしら。
 だけど、隣の部屋にゆたかちゃんが寝ていることを思い出し
 急いで口に手を当て、笑い声を遮断した。
 向かい側のこなたも、私と全く同じタイミングで、全く同じポーズをしている。
 それがまたおかしくて、私たちは、顔を見合わせてクスクス笑った。
 たったそれだけなのに、私の体の真ん中には、暖かくて優しいふわふわとした何かが生まれていた。

 あー、これが幸せなんだって、私は改めてその大切さをかみ締めた。
432『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:31:41 ID:nkZcVmEg


「ねぇお母さん」
 下を向いたままのこなたが、私を呼んだ。
 まだその表情を知ることはできない。
「どうしたのこなた?」
「いや、あの……その」
 ようやく顔を上げて、こちらを上目遣いで見上げるこなた。
 両手の人差し指をつんつんとつき合わせて、頬を赤く染める。
 その表情は、言ってもいいのかどうか迷っている、といった感じだろうか。
 そんなに恥ずかしいこと言おうとしているのかしら。
 でも恥ずかしい事に耐える自信は結構あるのよね、私。
 そうくんにこれ着てあれ着てとせがまれて、たくさんコスプレしたし。
「なぁに?言ってみて?お母さんができることならなんでもやってあげるわよ?」
「そ、そお?それじゃあ……」



「あの、ぎゅってして……いい?」



 ――――え?
 それってつまり、抱きしめるってことよね。
 そんなに恥ずかしいことかしら。

「ほら、私小さい時お母さんに甘えた記憶ないからさ……それで、その……
 この年になって恥ずかしいんだけど、だ……抱っことか、してほしいなぁ……なんて」

 顔を真っ赤にしながら、ぽつぽつと言葉を吐き出していくこなた。
 あーもう、この子ったらなんてかわいいのかしら。
 そうくん好みの子に育っちゃったみたいで、かなり心配だったけれど
 まさか、私好みの子にまで育っていたなんて。
 あー、なんて素晴らしいのでしょうか。
 可愛すぎるわこなた……

「ダメ……かなぁ?」
「……おいで、こなた」
 私は両手を広げて、抱きしめる準備をした。
 さぁおいでこなた、お母さんの胸に飛び込んで来て!!
433『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:32:25 ID:nkZcVmEg

「……うん」
 私の目の前に近づいてきてはみたものの、手を伸ばしたり縮めたりで躊躇しているよう。
 こなた……お願いだから、そんな可愛い仕草でお母さんを惑わせないで。
 あ、そんな。耳まで真っ赤にして。お母さん我慢できなくなっちゃうでしょ。

「お母……さん」
 意を決したのか、私の背中に手を回……そうとしたその時。



「か、かなた?」
「へ?」
「お、お父さん!?」
 声のしたほうに顔を向けると、そうくんが唖然と突っ立っていた。
 お風呂からあがったばかりのようで、肩から湯気が立ち昇っている。
「俺に会いたくて……戻ってきてくれたのか!?」
「そ、そうくん?落ち着いて?」
 愛しいその人は、今にもこちらに飛び掛りそうな体勢だ。
 で、でも今そんなことされたら……


「かなたぁああぁぁあぁぁぁあああ!!」
「だめぇええぇぇえぇぇええぇえええ!!」


 ボッコォオオォォオォォオオオ!!


「ぐほぁ!?……か、かな……」
 『ルパンダイブ』で飛び掛ってきたそうくんを、渾身のアッパーで打ち返す。
 そのまま廊下まで転がって、壁にぶつかり止った。

「あ、あの……お母さん?」
「な、なにかしら?こなた」
「お父さん、白目向いてる」
「き、気のせいよ」

 明らかに気のせいではないんだけどね……
 心の中で『そうくんごめん、あとでちゃんと説明するね』と謝りつつ、立ち上がりドアのところまで行き
 倒れているそうくんが挟まらないように、気をつけながら扉を閉めた。
 乾いた音が部屋に響く。
434『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:33:08 ID:nkZcVmEg

「ささ、こなたさっきの続きね」
 元の位置に戻り、さっきと同じ姿勢でこなたを待つ。
 こなたは、これ以上このことには触れずに、私に体を預けてきた。
 ぎゅっと抱きしめる。

 あ、私より少し暖かい……
 それにこの匂い。なんだかやさしい気持ちになる。
 今まで忘れていた感覚。そっか、これがお母さんなんだ。
 ただ抱きしめるだけで、体全体に広がっていく、温もり。
 好きな人を抱きしめた時とはちょっと違う。
 守ってあげたい、離したくないっていう……狂おしいほどに、強い感情。

 腕の中にいるこなたは、至極安心したように目を瞑り、腕に込める力を少し強くして、呟く。
「お母さん、いい匂いするね」
 そう言った後、さっきよりも強く、顔を私の胸に擦り付ける。
 こなたも、やっぱり私の匂いで安心してるんだ。
 血が繋がっているから、なのかな……それとも……
「お母さんもやっぱり……」
「ん?」
「胸無いね」
「何 か 言 っ た か し ら?」
「ご、ごめんなさい……」
 全くもう、この子は……そうくんみたいなこと言って。

 ……。

「こなた」
「何?お母さ……んぅ!?」
 こなたが顔を上げたところを見計らい、唇を重ねた。
 極限まで目を見開いて、私の服をキュッと握り締めてくるこなた。
 こなたのそんな表情を楽しんだ後、私は目を閉じる。
「ん……っちゅ……」
「お、お母ふぁん……んむ……ちゅ」
 啄ばむようにキスの雨を降らせる。
 ごめんねこなた、お母さん、抱きしめるだけじゃ我慢できなくなっちゃった。
 ずっと触れられなかったから、愛しいっていう感情が爆発しちゃったのかも。
 ちょっと親子の触れ合いが過激になってるかもしれないけど、お母さんの我侭、許してね……

 背中に回していた左手を頭の方に移動し、向こうに逃げられないようにして唇の接触面を増やす。
 キスに慣れていないのだろうか。こなたはプルプルと震えたままだった。
435『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:33:52 ID:nkZcVmEg

「んふ……ぴちゅ……あむ」
「んん!?っは……んむぁ……ちゅぷ」
 舌を入れてみた。
 一瞬体が強張ったけれど、おずおずと私に合わせるように、舌を動かすこなた。
 少し薄目を開けてみると、瞳は焦点が合っておらず、とろんとしていた。
 そんな弱々しい表情が、また私の心を波打たせる。

「おふぁ……はん……んちゅ、ぴちゃ……ちぅ」
「んっちゅ、ぴちゃ……くちゅ……っぷあ」

 思う存分堪能してから、私は唇を離す。
 一呼吸置いてからこなたを見た。
 ぴくぴくと小さく痙攣しながら、呼吸を整えようとする。
 この子、私より敏感なのかしら。
「こなたごめんね?あんまり可愛いものだから、ちょっと我慢できなくなっちゃって」
「……だ、大丈夫。ちょっと……驚いたけど、い……嫌じゃなかったし」
「そぉ?」
 もう一度こなたを抱きしめた。
 興奮したせいか、さっきよりも暖かい気がする。
 ゆっくり確かめるように、こなたが背中に手を回してきた。

「それにしてもお母さん、大胆だね」
「こなたが可愛いからよ」
「むぅ……なんか振り回されてるような」
「仮にもお母さんですから♪」
「……なんか、お母さんには一生敵わない気がしてきたよ」

 そんなことないわ。
 むしろ、こんなにも愛しく思ってしまう時点で
 私の方が、負けてるのかもしれないわね……

「ごめんね、こなた」
「え?どうしたのいきなり」
「ずっと、寂しい思いさせちゃって」
「……」

 友達の前では強がっていたみたいだけど、本当はすごく寂しかったんだって……
 笑って済ませていたけれど、本当はその話になるたびに、傷ついていたんだって……知ってた。
 だって私はお母さんだもの。
 だからこそ逆に、傍にいられなかったことが、悔しくて悔しくて……仕方がなかった。
 だけど、今こうして抱きしめてあげられる。
 その幸せにもう一度、深く感謝した。
436『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:34:45 ID:nkZcVmEg

「お母さん……」
「何?こなた……」
 抱きしめた腕の中で、こなたがぽつりと呟く。
 俯いていた顔を上げたけれど、私のことは見ずに視線を左右にうろうろさせている。
「どうしたのこなた?」
「あ、いや、その……」
「?」
「手が……」
 手?
 手がどうかしたのかしら。
「手?痺れちゃった?」
「いや、そうじゃなくて……」
 私の服を掴む力が強くなる。
 こなたは、私に聞かせるつもりがないのではないか、と思えるほど小さく
 それこそ自分にすら、聞こえているのか分からないほどにか細い声で言った。


「お母さんの手が、その……お、お尻に」
「え?」


 あら、本当。
 触ってるわ。
 ぷにぷにした感触が掌に伝わってくると思ったら、こなたのお尻だったのね。
 張りが……いいのね。
 私は、こなたの焦りをよそに、体を弄り始めた。
「ふぁ!?お、お母さん!?」
「こなた、私が最後にあなたに触れたの……いつだか分かる?」
「え!?……ん〜と」
 体を撫で回されているにも関わらず、右上を向いて考えるような仕草をするこなたが、可愛らしかった。
「お母さんの没年は、私が1歳の時だから……17年前?ひゃう!!」
「そ、当たり♪」
 正解♪とばかりにうなじを下から上に指でなぞる。
「お母さんね、こなたが私の知らない間にどのくらい大きくなったのか、知りたいの」
「お母さん……」
「成長したこなた、もっとお母さんに見せて?お願い」
「……」
 こんな言い方、卑怯かしら。
 こなたなら断らないって分かってやってるんだもの、お母さん……卑怯よね。
 でも、止められないの……ごめんね、こなた
437『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:35:48 ID:nkZcVmEg


「うん……いいよ、お母さんなら」
 ほら、やっぱり。
 なんていったって、私の子なんですものね。
「ありがとう、こなた」
 腕を解き、こなたの肩を優しく押して、ベッドへと横たえる。
 少しだけ頭を撫でた後、その手を私譲りの控えめな胸に移す。
 触れた瞬間、こなたがぴくんと跳ねた。
 嫌がっていないことは分かっているので、気にせず続ける。
 小さいなりにもしっかりとした弾力があり、服の上からでもその感触を楽しむことができた。
 ゆっくりと掌で円を描き、形を確かめるように揉む。
 そのリズムに合わせるように、こなたが

 ピクン  ピクン

 と、震える。
 首を曲げて私の手の動きを見ながら、頬を染めるこなたは
 恥ずかしさを手から滲み出させるように、ベッドのシーツを握り締めていた。
 そんなに恥ずかしいなら見なければいいのに。

 ……でもそんなところが、更に私を沸き立たせる。

 手の動きを止めずに、首筋にキスをする。
 途端に、こなたは『あっ』と、妙に艶っぽい声を出す。
 その声が耳から入り脳を揺らすと、全身にぞくぞくするような電気が走った。
 私、娘で快感を得るような、おかしな母親だったのかしら……
 なんて自分を責めつつも、手は止まることがない。
 こなたが可愛すぎるせいね、なんて責任転嫁をしてみる。

 胸を捏ねくり回していた手の片方を下にずらし、Tシャツとズボンをずらしながら体をなぞる。
 運動はしていないはずなのに、キュッと引き締まった体は他の女子からすれば羨ましい限りだろう。
 手を添えた肌は、きめ細かく瑞々しい。筋肉と皮だけなわけではなくて、程よい柔らかさがあって均等の取れたさわり心地。
 女性としてのふくよかさはないけれど、こなたの体はどれをとっても女の子そのものだった。
 というか、さわり心地でいうと『極上』の部類に分類されるくらい綺麗な体なんじゃないかしら。

 そうね……言うなれば『究極の抱き枕』といったところかしら。

 今度は、張りのいいお尻に手を触れた。
 だけどそこまで。
 これ以上は、大事な人ができたときのために、とっておいてあげなくちゃいけませんからね。
438『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:36:53 ID:nkZcVmEg
 右手をお尻、左手を胸に添えた状態で、大人のキス。
 こなたは今まで以上に大きく、全身で反応した。
「んちゅ……はむ……んぅ……おふぁ……はん」
 こんな切羽詰った状況でも、健気に私を呼んでくれるこなた。
 あぁ……私の可愛いこなた。
 自然と舌の動きが激しくなる。
「んく……ちゅぷ……あむ……ちゅぅううぅう」
「っんふぁ!?」
 ぎこちなく動き回る、こなたの舌を唇で捕まえて強く吸うと
 こなたが一際大きく跳ね上がった。
 ……もしかして

「っぷぁ!!……はぁ、はぁ……ん……は、ぁ」
「ふぅ……こなたもしかして……イっちゃった?」
 唇を離して、息を整えながらこなたに聞く。
 こなたは、耳まで真っ赤に染めながらコクンと小さく頷いた。

 き、キスだけで?……こなた、敏感すぎるのにも限度ってものがあるでしょ。
 ぅうぅぅうう……ここは我慢しなくちゃ、我慢を。

「そう……」
 まだ焦点の合わない目で私を見るこなたを、そっと撫で
 前髪をかきあげて、おでこにキスをする。

 すると、糸が切れるように、ふっと寝息をたて始めた。
 あらあら。疲れちゃったのかしら。

 ――あ、なんだか手が暖かいと思ったら

 ――ふふ♪本当に幸せそうな顔して……

 ――おやすみ


 ――― 愛 し い こ な た





439『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:37:45 ID:nkZcVmEg



「んぁ?」
 開け放たれた窓。
 風が吹き込み、波打つカーテンの隙間から差し込む日の光が眩しい。
 白んだ街の風景と、囀る小鳥達の声に、朝が来たということを再確認する。

「……」
 昨夜のことを確かめるように、掴んだはずの右手を見つめる。
 だけど、もうそこに母の温もりはなかった。
 あったのは、汗のにじんだ自分の手だけ。
 意味もなく、グーパーグーパーと手を閉じたり開いたりするこなた。

 ――夢

 そう自覚したのだろう。
 胡坐をかいて、何かに思いを馳せるように、すっと目を閉じた。
 その横を、窓から吹き込んできた風が、掠めるように通り過ぎてゆく。

「!!」
 そこで始めて少女は、自分に刻まれている……愛された証に気がづいた。
 体にかすかに残っているのであろう、暖かい何か。
 形としては残っていないのに、確かにそこにあったんだって。
 そう信じられる、確かな何か。
 その何かは何なのか……なんて、言葉で表すのは難しいかもしれない。
 だけどこなたは、言った。
 自分の言葉に、精一杯の愛を乗せて……


 ――ありがとう、お母さん


 【fin】









 ……♪
440『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:40:08 ID:nkZcVmEg










 なんて♪
 センチメンタルな顔も可愛いけれど
 やっぱりこなたは、笑顔が一番ね。
「こなた♪お母さんを勝手に帰らせないでくれるかしら?」
「うぉおぉぉおおぉおおお!?おおおおおお母さん!?な、なんで!?帰ったんじゃ!?」
「帰るなんて一言も言ってないのだけど?」
 あ、そういえば……なんて、苦笑いを浮かべるこなた。
 してやったりって感じかしら♪
「さぁこなた、準備して。出かけるわよ!!」
 私が昔着ていた服をこなたに渡す。
 こなたはまだ状況の変化についていけていないみたい。
「で、出かけるって……ていうかこの服なに!?」
「私が高校生の時に着ていたお古よ?あ、もしかしてお母さんに着替えさせて欲しいの?こなたは甘えんぼさんなんだから♪」
 こなたの後ろに回りこんで、両手でホールド。
 Tシャツに手を掛けた。
 あら、カペカペ……私のせいかしら。
「ちょ!!お母さんテンション高いって!!ってかお父さんは!?」
「そうくんなら、もう着替えて準備万端よ?何ていっても、初めての家族3人での旅行ですからね♪」

 今日の旅行を提案したのはそうくん。
 昨日こなたが眠りについた後、ようやく目を覚ましたそうくんに、私は帰ってきたんだということを示す。
 なんの疑いもなく信じて、泣きながら私に抱きついてくるんですもの。
 泣き止ませるのにすごく時間かかっちゃった。
 でもこれで……私たちはまた『家族団欒』をすることができる。
 それならと、そうくんは3人で旅行に行くことを提案した。
 勿論私も大賛成♪

 初めて、家族3人で旅行にいけるんですよ?こんなに嬉しいことはありません。

「そ、それにお母さん。あんまり私にばっかり構ってると、お父さん凹んじゃうよ?」
「大丈夫よ、さっきそうくんにも抱きついてきたし。それに、いままでできなかった分、こなたに抱きつきたいの」
「……べ、別にいいけどさ」
 そこで頬を染めるからいけないんですよこなた。
 だから私が止まれなくなってしまうのよ?
441『母と娘と幸せと……』:2007/09/14(金) 19:41:02 ID:nkZcVmEg

「さぁさぁこなた♪脱いで脱いで♪」
「ちょ!!ま!!お母さん……あーれ―――――」
 一瞬で裸になるこなた。
 およよと涙を流し『もうお嫁に行けない』なんて呟く。
 ノリノリねこなた。
「さぁ!!目指すは沖縄よ!!」
「お、沖縄!?待ってよお母さん!!明日学校」
「一日くらい大丈夫よ♪」
「お母さん……なんかお父さんに似てきてるような……」
 呆れたような溜息を一つ、だけどこなたは笑顔だった。
 こなたも、私が戻ってきたこと……喜んでくれているみたい。

 いつの間にか着替え終わったこなたの手を引いて、部屋を出る。
 そしてそのままの勢いで、外に飛び出した。

 空には眩しいほどに明るい太陽。
 雲はそれに圧倒されて、隠れてしまったみたい。

 そうくんは、もう待ちきれないとばかりに、その場で足踏みをしている。
 もー、そんなに荷物いらないでしょ。そうくんってば……
 ほら、こなたも呆れてるじゃない……

 そんな私達の反応をそっちのけで、スポーツバック3つ分もの荷物を抱えたまま
 汗を撒き散らして、走っていってしまったそうくん。

 その光景を唖然と見つめていた私に、こなたが手を差し出してきた。

「行こう!!お母さん!!」

 握り締めたその手は、17年前と同じ
 優しい温もり。

 ――ありがとう

 ――こなた、私がんばるからね


 ――これからも、あなたの大好きなお母さんでいられるように




【 True Fin 】
4427-896:2007/09/14(金) 19:42:05 ID:nkZcVmEg

以上です。
こなた敏感にしすぎた……
そして俺の書くキャラはいつもどこかで壊れます……(´・ω・`)

さてと……い、生き返らせてしまった……
最初は一時的に戻ってきて、終わったら帰らせるつもりだったのに。

ま、いっか。
3人とも幸せそうだし。

このままかがみと『こなた争奪バトル』をさせてみるのも面白いかもしれない。
443名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:45:48 ID:7Hw0TRK8
>>442
リアルタイム乙ですよ。
こういう風に持ってきましたかー。手つきがみょーにえっちぃのは
17年間という待ちかねた時間が成せる技なんでしょうか。
ラストの楽しそうな家族の肖像に思わず頬が緩みました。GJです!
444名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:46:46 ID:UKo+lNn2
>>442

最後には帰ってしまう話が普通の中で、意表をついたオチにGJ!
445名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:49:13 ID:ey0R+Tn3
容量やべえええええええ
446名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 19:53:29 ID:wabnYdcU
>>442
GJ!!
なんと過激な親子のふれあいw
かなたさんは最後帰ってしまうのがほとんどだからこういう終わり方もいいと思う
むしろかなたさんが帰ってきたその後のいろんな話(こなた争奪バトルとか)も見たくなった
なんかもう「帰ってきたかなたさん」シリーズみたいなw


・・・ちょっと興奮しすぎたようだ・・コーヒーでも飲んで落ち着いてくるorz
447名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:00:05 ID:t2bdbGv2
>>442
「15から17レス」ってそういうことかw

むしろかがみつかさみゆきが親子丼を企むとかそういう展開で
448名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:17:09 ID:9n+70YnE
>>442
gj!
449名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:21:16 ID:QlPaws6+
テラGJ!!
450名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:22:35 ID:ph2XRnD4
>>442
祝・かなたさんご復活。ていうかほんとに旦那さまに似て来ましたね、かなたさん。
そのうち親子でほのぼの3Pとかしそうだなあ、してほしいなあ。ぐっじょぶ。
451名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:48:25 ID:p8NJfzVv
>>442
GJ!!!

>>447
むしろかがつか姉妹丼 VS かなこな親子丼で!



って、

な に を 闘 う ん だ ! ?

…………技巧?
452名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 20:58:10 ID:WG13v48n
>>442
GJ!面白かった!
俺はかがみとかなたがガチンコでこなたを奪い合って欲しいなぁ。
453名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 21:39:12 ID:Z9KbrjNb
初めて投下してみます。
上手く書込み出来なかったらごめんなさい。

・11レス程
・非エロ
・こな×かが(かな?)
・コメディ
454名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 21:42:19 ID:nkZcVmEg
>>446
シリーズ化ですか……
最初は単品のつもりだったけれど、いいかもしれませんねw


そして皆さんのコメントのところどころにネタがww
参考にさせていただきます!
455(1/11):2007/09/14(金) 21:43:18 ID:Z9KbrjNb
 「それでは、今日の占いーっ、らっきー☆すたー!!」
 女性アナウンサーのはきはきとした声が流れる中、柊かがみは朝食を頬張りつつ、ぼん
やりとテレビへ顔を向けた。

 「今日、最も良い運勢は…」

 画面に表示される本日第一位の星座を眺めながら、かがみの頭に浮かぶのは、もうそん
な時間なのかということだった。花も恥じらう女子高生としては、甚だ間違った思考であ
ろう。
 それに比べて、テーブルの向かいに座る妹のつかさは、パンを手に持ったまま、口に運
ぶことも忘れるほど熱心に画面に見入っている。
 姉妹にしてこの違い。本当に双子なのかと首をかしげたくなる程だ。
 尚、今日に限って姉妹揃って朝から牛乳を飲んでいるのは、別に友人である某眼鏡天然
お嬢様のバストサイズに関係した話では全くない。
 妹のそんな様子に苦笑しつつ、口に含んだ目玉焼きを嚥下し、牛乳を流し込むと、かが
みは促すように声を掛けた。

 「ほら、つかさ。パン、冷めちゃうわよ」

 その声に、はっとしたようにつかさは手にしたパンを口に運ぶと、そのまま動きを止め
て、かがみの顔をじっと見つめた。

 「何、どうかした?」

 視線に気付き、手にしていたコップを下ろして訊ねると、倣うようにつかさもパンを皿
に戻し、上唇と鼻の間を両手の人差し指で押さえるような仕草で言った。

 「お姉ちゃん、口に牛乳のお髭がついてるよ」
 「えっ!?」

 はじかれたように口元を押さえると、慌てて手の平で拭う。朝から牛乳を飲むこと自体
が久しぶりであるためか、長いブランクから、普段の彼女からはとても考えられない、―
―いや、充分に考えられる失態であった。
 家の中であったのがせめてもの救いか。よく見ると、羞恥のためか耳まで赤くなってい
る。もしこれが学校であったなら、そう思うかがみの脳裏には、自分をからかうように猫
口で笑う人懐こい顔が浮かび上がる。
456(2/11):2007/09/14(金) 21:44:34 ID:Z9KbrjNb
 「……取れた?」

 手を外し、蚊の鳴くような声で訊ねると、つかさは再びパンを頬張りながら、「うん」
と頷いた。
 その言葉を聞いて安心したのか、「ふう」と一息ついたかがみは、手と口周りを洗おう
と立ち上がり、

 「そして今日もっとも悪い運勢はー……、ごめんなさい、蟹座のあなた!」

 という言葉を耳にした。慌ててテレビ画面を振り返る。そこには、疑いようもないほど
はっきりと、自分の星座が最下位であることが表示されていた。
 普段から占いなど信じないタイプのかがみではあるが、いざ自分の星座が最下位だと目
の前で言われると、さすがに少し心にひっかかりを覚える。ましてやたった今、いくら身
内の前とは言え、牛乳髭などという醜態を晒した後では特に。
 よく見ると、双子であるから当然同じ星座であるつかさも、ショックのためか、食事の
手を止めて呆然と画面に見入っている。

 「でも、大丈夫!」

 爽やかな朝の空気の中、突如固まった柊家の空気を何とかしようと思ったのか、はたま
た決まった流れなのか、もちろん後者であるが、女性アナウンサーの声が二人を宥めるよ
うに響く。

 「そんなあなたを助けてくれるおまじないはー……」

 数秒の溜め。思わず二人の喉が鳴った。つかさだけではなく、いつの間にか、かがみの
顔も真剣そのものだ。画面を食い入るように見つめる瞳は瞬きすら忘れている。
 尚、この時かがみの上唇周辺の産毛が、ところどころ乾いた牛乳片によりきらきらと輝
いていたことは、誰も気付かなかったので割愛する。
 このままCMに入れば、残り時間を確認したつかさが是非の判定を下してくれたであろう
が、今回はクイズでなく占いであるため、そうはならなかった。当然CMも入らない。
 そうして永遠に近い2秒弱が流れた後、画面の切り替わりと同時に女性アナウンサーの
声が響いた。

 「好きな人とハグをする!」
 「ええーッ!?」

 間髪入れず聞こえた叫び声は一つ。その声に驚いた顔も一つ。前者は、思わず阿呆毛を
ひょこひょこ踊らせつつにじりよる人物が思い浮かび、それを必死に否定するための悲鳴
であり、後者はその声に反応して竦み上がった彼女の妹のことであった。
 つかさはかがみを見つめ、かがみはテレビの画面を見つめ続ける。再び固まりかけた空
気を動かしたのは、今度もやはりテレビから流れる声だった。

 「それでは、今日も元気に、いってらっしゃい」

 画面が切り替わり、違う番組が始まったことで我に返ったかがみは、手と顔を洗いに行
く途中だったことを思い出し、ぎくしゃくと洗面所へ向かった。
457(3/11):2007/09/14(金) 21:45:33 ID:Z9KbrjNb
 洗面台の前に立ってまず思ったのは、鏡に映った自分の顔が、我が事ながらツッコミた
くなる程真っ赤であるということだった。
 それと同時に、先程のおまじないとやらが脳裏に浮かび、併せて身長の低さをアホ毛で
補う彼女の顔が思い出され、更に顔が赤くなる。
 そんな思考を振り払うように、かがみはぶんぶんと首を振り、蛇口を捻って流水に手を
浸した。熱を持った手の平に、冷たさが心地よい。そのまま、髪を濡らさないよう注意し
つつ顔を洗うと、顔の火照りも取れ、気分も落ち着いてきた。

 「よしっ」

 タオルで顔と少し濡れた前髪を拭き、大きく息を一つ吐く。もうすっかりいつも通りだ。
 そのまま歯磨きを終え、捲っていた袖を下ろし、外していた腕時計を巻いて廊下に出ると、つかさが待っていた。
 かがみの鞄を差し出しながら、声を掛ける。

 「お姉ちゃん、そろそろ行かないと遅れちゃうよ」
 「ん、ありがと。そうね、遅れたらこなたの奴に何言われるか分かったもんじゃないわ」

 答えながら、手を出して受け取ろうとするもタイミングが合わず、落ちた鞄がかがみの
つま先を強打する。

 「ぐあっ!!」
 「ご、ごめん、お姉ちゃん。大丈夫?」

 慌てて姉の様子を気に掛けて屈もうとしたつかさの頭と、返事をしようと顔を上げたか
がみの額が、これまた見事にぶつかった。

 「きゃっ!」
 「あうっ!!」

 痛みと衝撃で落としたつかさの鞄が、自らのつま先にヒットする。

 「ひああっ!!」

 しばらく悶絶する二人。連続して聞こえる悲鳴を気に掛け、様子を見るために廊下に出
た母親が見たものは、仲良く丸まって足のつま先を押さえつつ、ぷるぷると震える姉妹の
姿であった。
458(4/11):2007/09/14(金) 21:46:37 ID:Z9KbrjNb
 「ぅおはよーっ」

 頭の天辺から飛び出たアホ毛をリズミカルに揺らしながら、泉こなたが待ち合わせ場所
に立つ二人に向かって元気に手を振る。周囲には会社員や他の学生等の姿も見られるが、
そんなことはお構いなしだ。

 「……って、どったの? 二人とも」

 遠目では気付かなかったが、近くで見ると二人の表情が妙に暗い。何故か二人とも額が
赤く腫れているし、かがみは右の靴が泥で真っ黒だし、つかさはスカートのお尻のところ
に砂埃がついていた。

 「こなちゃーん!」

 怪訝そうに近づくこなたが射程圏内に入った途端、つかさが涙を滲ませながら、飛びつ
くようにして抱きついた。身長差があるために、思わず倒れそうになる体を、しっかりと
踏ん張って何とか支える。

 「う、ぐ……、ど、どうどう。つかさ、落ち着いて」

 宥めるように背中をぽんぽんと軽く叩きつつ、傾いていた身を起こすと、つかさの後ろ
でまごついたように立ち尽くすかがみの姿が目に入った。

 「二人とも何かあったの?」

 つかさに抱えられたまま、こなたが小首を傾げつつ重ねて訊ねると、ようやくかがみは
状況に気付いたのか、二人を引き離しにかかった。
 そんな三人がじたばたと絡み合う内に、車輪の軋む音を響かせながら、電車が滑り込ん
できた。慌てて乗り込み、車内に入ると同時に扉が閉まる。列の先頭で待っていたはずな
のに、ぎりぎりセーフだ。

 「あ!」

 座席の方へ移動しようとして、かがみが声を上げる。こなたとつかさが振り向くと、ス
カートの裾を扉に挟まれて身動きの取れないかがみがいた。

 「あー、もう」

 明らかに苛立った様子で扉を睨む。その様子を見つめるつかさの表情も、やけに沈んで
いる。
459(5/11):2007/09/14(金) 21:47:29 ID:Z9KbrjNb
 「ありゃー、かがみん。今日はツイてないねぇ」

 普段の調子で猫口で笑いながらこなたがそう言うと、目に見えて空気が凍り付いた。深
刻な表情で俯いたかがみとつかさを見て、流石のこなたも動揺する。

 「あ、あれ……?」

 二人の顔を交互に見つめながら、どうしたの? と視線で問うが、かがみもつかさも黙
ったまま動かない。いや、よく見ると、かがみの肩だけが小刻みに震えていた。
 その光景は火山が噴火する寸前の地鳴りに酷似しており、最も近くにいたこなたが本能
から危機を察知した瞬間、間髪入れずにそれは怒った。いや、起こった。

 「ツイてないなんてもんじゃないわよっ!!」

 大喝一声、あまりの迫力に車内がしんと静まりかえる。いくつかの視線がその発生源に
向けられ、すぐさま首の骨を折るほどの勢いで背けられた。触らぬ神に祟りなし。
 言葉通り、乗客は揃って明後日の方を向き、図らずも切っ掛けとなってしまったこなた
は、今まさにかがみと言う名の祟りと直面していた。

 「え、えーと」

 何とか状況の把握と打開を試みようと話しかけるも、かがみの「人も殺せそうな」視線
を間近で浴び、こなたは竦み上がった。アホ毛まで痺れ上がっている。
 いや、よく比喩表現として使われるが正にあれは殺人兵器だった、と後にこなたは語る。
成人男性なら3人、老人や子供であれば6人は殺せたであろう。車内に死者が出なかったの
は奇跡であり、偏に盾となって全てを受け止めた私のおかげであると。

 「まったく、何だって言うのよ。今日は本当に……」

 地の底から響くようなおどろおどろしい声。電車の揺れと、車輪とレールのぶつかる音
も合わさって、何とも形容しがたい雰囲気が漂っている。強いて例えるならば、地獄の釜
の底であろうか。
 救いを求めるようにつかさの方へ目をやるこなた。つかさは視線に気付くと、かがみを
ちらりと見やった後、「実はね」と出来るだけ刺激しないよう小声で話し始めた。
460(6/11):2007/09/14(金) 21:48:10 ID:Z9KbrjNb
 「うーん、それはまた何とも災難だったねぇ、二人とも」
 「だから災難なんてそんな簡単なものじゃ……!」

 つかさが簡単に事の経緯を話し終えた後、しみじみと感想を述べるこなたに、憤懣やる
かたないかがみが噛み付く。
 それも致し方ないことだ。こなた達が乗車後ずっと、どの駅でも反対側のドアが開き、
結局スカートが挟まった扉はいつもの降車駅でも開かず、ようやく開いた見知らぬ駅で降
車後、現在折り返しの電車に揺られて遅刻確定の学校へ向かっている途中なのだから。
 更に、どうやら家を出て待ち合わせ場所に着くまでにも、犬には吠えられ追い回され、
左折車に巻き込まれそうになったと思えば、横道から飛び出してきた自転車を避けようと
して転んで尻餅をつくし、鳥の糞は降ってくる、さすがにこれは回避したと思えば踏み出
した先は蓋の外れた側溝だったり、正に踏んだり蹴ったりを具現したと言えよう。

 「星の巡りってのも案外馬鹿にならないネ」

 腕組みをしてうんうんと頷くこなたに、目元に涙を浮かべたかがみの鋭い視線が突き刺
さる。さすがに自重しているのか先程までの迫力はないが、相手がこなたでなければ肝が
縮んでいるだろう。男性であればコツカケを習得してしまう程に。

 「それにしても……」

 こなたの目がつかさに向けられる。

 「ん?」

 視線を感じたのか、窓の外を流れる景色など眺めつつ、バルサミコ酢ぅ〜などと口ずさ
んでいたつかさが振り返った。

 「私が見たところ、かがみはかなり不幸な目に遭ってるけど、つかさはそうでもないよ
ねぇ」
 「え?」

 そんなことない、と反論しようとして、良く考えてみると、こなたと会ってから不思議
と急に何も起きなくなっていたことに気が付いた。
 かがみの方はスカートを挟まれる以外にも、この短時間で、電車が揺れた拍子に転んで
スカートが捲れそうになったり、乗り換える際には靴を片方車内に脱ぎ落としそうになっ
たり、階段では蹴躓いたり、ホームでは鞄のバックルが外れて中身を撒き散らしたり、と
実にバラエティ溢れる事態に遭遇したと言うのに。
461(7/11):2007/09/14(金) 21:48:56 ID:Z9KbrjNb
 「あ、あれ?」

 首を傾げて考え込む。こなたに会うまではつかさもかがみも同じ状況だった。それが会
ってからは、つかさの方のみぱたりと不幸が止む。一体何があったのか。

 「何かフラグでも立てた?」
 「うーん……」

 待ち合わせ場所で会う前後のことを頭の中でリプレイする。こなたに会うまでは不幸が
起きて、会ってから不幸が起きなくなったということは、つかさとかがみの分岐はこなた
と会う直前か、会った直後ということになる。

 「これがゲームならTIPSとか出て真相に近づいたりするのカナ、カナ?」

 会心の物真似によるこなたの呟きは、しかし二人の耳には届かなかった。仮に届いてい
たとしても、状況は何一つ変わりなかったであろう。
 ただ、この時3人にもっとも近い座席で微睡んでいた雑誌編集者A氏は、この後一日中
「カナ、カナ?」というフレーズが頭の中でリフレインし続け、ついには午後の会議にお
いて席上で「カナ、カナ?」と口走ってしまったため、上司に長期の病気休暇を申し出る
ことになるが、とりあえず三人にはまったく関係のない話である。
 まあ、そんなことがある中、突然つかさの脳裏に鋭い閃きが走った。

 「あーっ!!」

 勢い込んで顔を上げると、こなたがしかつめらしい顔で妙なポーズをしている。しばらく無言で見つめ合う二人。

 「……えっと、どうしたの? こなちゃん」
 「パリイ!」
 「え?」
 「いや、つかさが何か閃いたーって顔してたからサ。うん、いいよ。分からないよネ。
忘れて」

 どこか隅の方を見つめて落ち込むこなたに苦笑した後、つかさはかがみの方へ向き直っ
た。

 「お姉ちゃん、分かったよ!」
462(8/11):2007/09/14(金) 21:49:47 ID:Z9KbrjNb
 つかさが閃いた事というのは、朝の占いで言っていたおまじない、好きな人とハグをす
るというものだった。

 「……つまり、どういうこと?」

 いつもの駅に着いて電車を降り、改札をくぐっても、「遠くへ行きたい」を呟くように
歌っていたかがみだったが、救いの光が見えたことでようやく現実に復帰した。

 「だからね、ほら、朝にこなちゃんと会った時、私抱きついちゃったでしょ」

 つかさに言わせると、つまりそれが占いのおまじないで、それを実行したために不幸を
免れるようになったのだということだった。

 「で、でも、あれって好きな人とって言ってなかった?」
 「うん、そうだよ」
 「いや、だから、ほら、それだとつまり、その、こなたのことを……」

 ごにょごにょと呟くかがみの顔は、話の終わりに近づくに従って赤くなっていった。そ
んな彼女の様子を見て、こなたは堪えきれない様子でにまにまと笑い、つかさは不思議そ
うに訊ねる。

 「お姉ちゃん、こなちゃんのこと好きじゃないの?」
 「え゛っ!?」

 反射的に身を引くかがみの見事な裏声、見事な赤面、そして見事な動揺。その完璧なま
でのデレを目の当たりにして、こなたのにまにま笑いが更に深くなる。

 「べ、別にこなたのことが好きとか嫌いとかじゃなくて。……そ、そう言うつかさはこ
なたのこと好きなの?」
 「うん、私こなちゃんのこと好きだよ。お姉ちゃんは?」
 「ぐっ……!」

 正に墓穴。しどろもどろで必死に言葉を紡ぐも、自らドツボに嵌っていく。事ここに至
っては、「私もこなたのこと好き好きー」などと口に出来るはずもない。さすがはかがみ
と言えよう。
 こなたのにまにま笑いは今や最高潮だ。と思いきや、横合いから伸びたかがみの手が、
八つ当たり的にその口をつまみ上げる。

 「ひだだだだだだだだっ!!」
 「さっきからあんたは何笑ってんの!」
463(9/11):2007/09/14(金) 21:50:24 ID:Z9KbrjNb
 ぶにぶにと上下左右に引っ張られるこなたの頬。その柔らかさ、その感触に思わず怒り
も忘れ、しばし夢中になるかがみ。引っ張るだけでは飽きたらず、両手で挟んだり、撫で
たり、そしてまたつまんだり。心なしかやや息が荒くなっている。

 「……かがみ?」
 「はっ!?」

 こなたの声に我を取り戻し、慌てて手を離すと、誤魔化すようにそっぽを向いて咳払い
をする。

 「ふー、まさかここまで怒るとは意外だったヨ。そんで、どうすんの?」

 やや赤くなった頬をさすりながらこなたが訊ねると、かがみはばつの悪そうな顔で「ご、
ごめん」と謝った後、きょとんとした顔をして聞き返した。

 「何が?」
 「何がって、ほら。これ」

 こなたはそう言うと、にんまり笑って両手を広げる。その様子を3秒ほど見つめ、やが
て言わんとすることに気付いたのか、かがみは赤面して大声を上げた。

 「ちょっ、こ、こなた!?」
 「ほれほれ」

 道の途中で立ち止まり、こなたは両手を広げたまま、かがみに向かって手首だけをくい
くいと動かし手招きをする。何とも男らしい行動だ。ノンケの人だってほいほいついて行
くだろう。あまりの堂に入った姿に、つかさも感心したように眺めている。

 「う、ぐ」

 しかし、かがみは動かない。いや、動けない。こなたの広げた両手を見つめたまま、硬
直したように立ち尽くしている。
 分かってはいるのだ。不幸から逃れる術があるというのならば、あらゆる可能性を試す
べきだということは。
 しかしこの時、彼女の頭の中では、不幸を一刻も早く何とかしたいという願望とか、こ
なたの勝ち誇ったような顔がむかつくとか、朝だけでこれなら今日が終わるまでにはどれ
程の不幸が降りかかるのだろうという不安とか、もしこなたに抱きついても不幸が消えな
かったらどうしようとか、それってつまり私がこなたを好きじゃないってこと? つかさ
より? そんなことあるはずない! とか、それはもう様々な考えがぐるぐると回り続け、
結局動き出せずにいたのだ。
 こなたもそんなかがみを特に急かそうとはせず、ただじいっと待っている。
 風が、静かに流れた。
464(10/11):2007/09/14(金) 21:51:22 ID:Z9KbrjNb
 少し離れて二人を見守るつかさは、何となくムツゴロウさんのテレビ番組を思い出して
いた。
 そうそう、野生の動物は警戒心が強いから迂闊に近寄っちゃダメなんだよねー、などと
妙な感心をしている。この場合、野生の動物とは彼女の姉であり、ムツゴロウさんは彼女
の親友である。
 つかさの頭の中では、次第に様々な動物ドラマが繰り広げられ、それはもう色々と何だ
かすごいことになってしまっていたが、実際には状況に何の変化もない。両者は膠着状態
に陥っている。
 しかし、全く動きがないというのも当事者以外には退屈なもので、脳内劇場が盛り上が
っていた彼女もやはり例外ではなく、ふと何かを思いついたつかさは、静かにかがみの後
方へと回り込んで行った。
 じりじりと秒針がその位置を変えていく。流石にそろそろ事態の打開を図らねば、と二
人が考え始めた時、極めて人為的な形で切っ掛けが訪れた。
 それはある種、爆弾の投下にも似た行動で。

 「わっ!!」

 静寂の中、これ以上ないタイミングで響いた大声に、驚いて飛び上がったかがみは、反
射的に目の前のこなたに抱きついていた。

 「きゃああああああああっ!?」
 「うおっとー!」

 訳が分からず慌てて振り返ったかがみの視線の先には、つかさが照れ笑いを浮かべて立
っていた。

 「な、な、な、いきなり何してるのつかさー!!」

 こなたにしがみついたまま、猛然とつかさへ食って掛かる。心臓はあまりの衝撃にばく
ばくと悲鳴を上げ、目元には涙が滲み、頭の中はごちゃごちゃで、現状の把握すら出来な
い。そのため、とりあえず目の前にあるものへ感情をぶつけているのだった。
 こういった際の人間の行動について、この時点までまったく名前が出てきていない主要
メンバー残りの一人、歩く百科事典の異名を持つ彼女がいれば、適切な説明をしてくれる
のであろうが、残念ながらこの場において彼女の登場は無く、今後においてもその予定は
ない。関係者各位については、心からお詫び申し上げる。

 「ごめんね、お姉ちゃん。でも、ほら」

 かがみが本気で怒っている訳ではないと分かっているためか、つかさは申し訳なさそう
に笑って、かがみの後方を指さした。
465(11/11):2007/09/14(金) 21:52:02 ID:Z9KbrjNb
 「……何よ、ほらって」

 つかさに促され、ゆっくりとかがみの首が後ろと言うか前を向く。丁度45度ほど振り向
いた時、「それ」が視界に入ったのか、かがみの体が音を立てて固まった。
 そう、彼女の目に飛び込んできたのは、これ以上はないくらい満面の笑みをたたえるこ
なたの顔。何をどうすれば人はここまでとろけた顔になれるのかと言うくらい、文字通り
喜色満面な笑顔だった。
 更にこなたは追い打ちを掛けるように、

 「いやー、かがみん、情熱的だねえ。でも、そのほとばしる熱いパトス、確かに受け取
ったヨ」

 などと言って、かがみの頭を撫でた。ちなみに、もう一方の手はしっかりと背中に回さ
れている。
 かがみは慌ててぶんぶんと首を振った。

 「ち、ち、ち、違っ、違う! 違うんだから!!」
 「違うって何がだね? ここまで熱く抱擁しておいて、今更違うだなんて、そりゃつれ
ないってもんだよ、かがみん」

 猫口で笑いながら、かがみの胸に顔を埋めるこなた。かがみはようやく自分の両手がこ
なたの腰をしっかり抱いていることに気が付くと、大慌てで手を外し、今度は肩を掴んで
引っぱがそうと藻掻いた。

 「えーい! 離れんかぁーっ!!」
 「そんなに照れることなにのに。かがみんはまったくツンデレだなぁ」
 「ツンデレ言うな!」

 すったもんだともつれ合う二人。実力伯仲、一進一退の攻防だ。端から眺めると仲のい
い馬鹿ップルのじゃれつきにしか見えない。
 それを正に端から羨ましそうに見つめるつかさ。彼女の脳内劇場第二幕は、これまたす
ごいことになっていた。現実が妄想に追いつく日も、そう遠くはないのかもしれない。

 「もおっ、何よ! おまじないだなんて嘘ばっかり! 全っ然不幸が終わらないじゃな
いのよぉーっ!!」

 かがみの叫びはどこまでも青い空に吸い込まれるように消えていった。ついでにつかさ
の呟きも。

 「……でも、お姉ちゃん、幸せそう」

【終わり】
466名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 21:55:00 ID:Z9KbrjNb
以上です。

タイトルは、
「らっきー☆すたーであんらっきー!?」
です。今考えました。
467名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 21:57:03 ID:jO5B2B2q
締めのつかさの言葉が効いてますな。GJ〜

てか、平日だというのにこの神作品ラッシュはナンデスカ?
468名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:03:55 ID:nkZcVmEg
>>466
俺こういう日常どたばたコメディーちっくな作品大好きなんですよww
すごくGJです!!
469名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:11:41 ID:wabnYdcU
>>466
おもしろいし、タイトルがまたイイッスね〜GJ!


あと職人さん達に一言・・・
まだ生後4日の新スレにもう400KBとかあなた達はかなりの鬼畜w
だがそれがいいwもっとやってくだせえw
470名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:13:07 ID:kGTFV7rD
てけてけかなたさんプロメテウス(07年10月期新作SS)推奨主題歌

かなたん かなたん かなたさん
Let's Go!! 飛び出せ oh!
かなたん かなたん かなたさん
天界主婦のかなたさん 

夢の中から生まれた 憑依自在のかなたさん
熱い母性の魂 萌える 僕らのかなたさん
時を飛び越え いつも助けてくれるよ
PCにその名を呼んだなら……

かなたん かなたん かなたさん
君のデスクトップに oh!
かなたん かなたん かなたさん
天界主婦のかなたさん 
471名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:15:46 ID:hqnYZv+A
>>466
おもしろかったですよ〜w
お話としてもきれいにまとまっています。
ところで、らき☆すた殺人事件を読んでますね? カナ?でわかりましたよw
472名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:16:25 ID:ph2XRnD4
>>466
つかさ脳内劇場についてkwsk。そしてなんつーか、いろんな意味でご馳走さま。GJ!

>>470
待て、それだと最終回でかがみあたりが暴漢に刺されて死ぬぞ。
473名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:21:40 ID:QlPaws6+
かみ☆さくひん
GJ!!!!
474名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:44:35 ID:p8NJfzVv
>>464
ちょっと暴走しますたww
↓↓↓

ムツコナタ「あそこにいるのは野生のカガミウサギですよ。 いや〜、可愛いですネ〜」
カガミウサギ「…………!」
ムツコナタ「でも可愛い見た目に騙されたらダメですよ? カガミウサギはかなりのツンデレさんですから、色々フラグを立てなければいけないのです。
……お〜い、カガミウサギ様〜」
カガミウサギ「!?」
ムツコナタ「カガミウサギ様〜、私はあなたの事が大好きです〜」
カガミウサギ「〜!〜〜!
 ∩_∩
(*>_<*)」
ムツコナタ「捕まえた!」
カガミウサギ「!?」
ムツコナタ「ほ〜ら、ペロペロペロペロ〜」
カガミウサギ「……ぁ…ん……くぁ………」
ムツコナタ「カガミウサギは耳が弱いんですよ〜?」
カガミウサギ「あ、あんっ! こな、たぁ……っ!」
ムツコナタ「最初は凶暴なカガミウサギだけど、えっちにはとても貪欲だから躾るのは簡単ですね〜」
カガミウサギ「んく、ひ、き、気持ひいぃ……キモチイィよぉ……」
ムツコナタ「皆さんの家にも一匹、カガミウサギはいかがですか?
……でも、一匹たりともあげないけどね……ふふふ」
カガミウサギ「あぁ〜! イク! イクのぉ!
こなたぁ! こなたぁ! こなたぁ!」
ムツコナタ「それではまた次回、躾けが終わったカガミウサギをご覧にいれましょう。 それでは〜」
カガミウサギ「こなたぁ、もっとぉ……もっとちょ〜だいよぉ……」
475名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:55:28 ID:QlPaws6+
>>474
飼いたいッス
476名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:57:37 ID:l9GF53pG
>>475ッ!
おまえごときのうすっぺらな住人が
深遠なる目的のこなたとかがみの世界に
踏み込んでくるんじゃあないッ!
477名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:58:07 ID:tXZ5zJeA
>>475はひよりん
478名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 22:59:29 ID:exKIt6fN
>>All
gj!
479名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:27:19 ID:VY4YSDQk
もうGJすぎて萌え死にしそう…
そうじろうさん、ここにくれば萌え死にできますよ!(グッ

>>415
前々から気になっていたのですが…吹奏楽経験者だったりします?www
480ぶーわ:2007/09/14(金) 23:30:32 ID:zBYquRx+
休日前だし夜中は込みそうなので、速めに投下します。
人として袖が触れている>>357-362の続きです。
↓6レスほど拝借。
481名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:33:36 ID:xw/dxMG9
>>455
こ、これは見事なツンデレ。GJです。
そしてつかさにもGJ。ムツゴロウさんモードがナイスでした
さりげに雑誌編集者A氏がツボりました。
編集者さん、大丈夫カナ?カナ?

>>474
ほ、欲しいっ!! カガミウサギっ
うさぎ繋がりで↓がリフレイン中
ttp://www.youtube.com/watch?v=Lig8Rh1BGBw
 南庭で管弦の宴はすでに始まっていた。
 御簾の向こうから流れる琵琶や琴の音色が不思議と交じり合い、辺りを支配しているのが分かる。
 賑々しく開かれているその宴に、ようやく私たちも加わる。
「遅いぞ、こなた」
「申し訳ありません、準備に手間取ってしまって」
 つかさと一緒に深々と頭を下げる。
 当の本人は知らん顔なのだから、他に謝る人なんて居ないし。
 この遅刻には理由があった。
 唐衣に裳をつけた正式な女装束(俗に言う十二単)を着せようとしたところで、こなたがまた逃走を図ったからだ。
 どうやら、この宴にはあまり出たくないらしい。
「もう皆さんいらっしゃってるじゃないか」
「いやははっ、大丈夫大丈夫。ばれないって」
 と笑いながら自分も大臣様の隣りに腰掛ける。
 まぁ主催者側はいつも御簾のこちら側に居るわけだから、向こうから見えることはない。
 まさか今頃遅刻してやってきたなど誰も思うまい。
 集まってきた公達も篝火のもとで酒を飲み交わし、音楽に耳を傾けるぐらいなのだから当然といえば当然か。
 そんな中で自分の体重の半分はあろうかという正装をさせられたこなたは、面白いはずもないだろう。
 ロクに身動きも出来ず、ただ騒がしい宴会を見るだけなのだから。
 ……。
 その時、また違和感。
 まただよ、何なんだろう一体。
 ちゃんと家族三人仲良く座ってるだけ、和やかな風景じゃないか……ん?
「次は遅刻したら駄目よ、こなた」
「はぁーい」
 あれ?
 聞き覚えのない声に耳が反応する。
 体は勝手にこなたの後ろに控える形になっているが、五感ぐらいははっきりする。
 えと、今の声は……だれ?
 声は確かに、大臣様の隣り……こなたとは逆側から聞こえてきた。
「かなた……あまり甘やかさないでやってくれ」
 そこには居た。
 まるでそう……こなたがそのまま、比率がおかしくなったような。
 雰囲気は違えど、幼い顔立ちは確実に彼女を連想させる。
 話は、学校とかでこなたから聞いた事がある。
 夢の中の私の記憶の中にも、確かに彼女は存在している。
 へぇ、こんな顔してたんだ。
 あれよね? こなたの母親の……かなたさん、だっけ。
 今は奥様、かな。
 でもやっぱり……違和感。
 どうして、ここに居るの?
 ……。
 まぁ、夢だし何でもありよね。
「ほら、見てみなさいこなた。あの笛を吹いていたのが白石卿宮の第二子、将来有望じゃあないか」
 と、うだつの上がらなそうな青年を指差す大臣様。
 管弦の宴、と銘打ってはいるが言ってみればこれはお見合いの宴。
 将来有望な若い公達を集めては、娘と結ばせようという大臣様の企みなわけだ。
「ふーん」
 まぁその企みも、こうアクビで受け流されては意味もないけど。
 ああ、また体の方の私も安心してるし。
 いい加減ウザったいたらないわ、これ。
 こなたの前だと一喜一憂が激しすぎて、私にまで影響してくるんだから。
「今宵はお招きいただき光栄に存じます、大納言殿」
 と、今まで笛を吹いていたそのうだつの上がらないのがわざわざ寝殿の階(きざはし)の下まで着て控える。
「いやいや、こちらこそわざわざ出向いていただいて恐悦至極」
 大臣様もそれに定例の言葉で返す。
「こなた姫様は琴の達人だとお聞きいたします、ぜひ私と合奏を」
「んげっ」
 その男の提案に、こなたが声を漏らす。
 無論、琴の達人などというのは嘘。
 最初の稽古から飽きてほとんどやらなくなったのに、噂が一人歩きしたらしい。
「どうだい、こなた。いい機会じゃないか」
 大臣様がにやけているのが分かる。
 これを機会に二人の仲が進展すればとでも考えてるらしい……本当、こっちのおじさんはなんか情けないな。
「はぁ……仕方ないなぁ」
 と、私のほうを向き手招きをする。
 そして耳打ち。
 この時代、貴族の女性は生の声を聞かせないのが美徳とされている。
 なので受け答えなどは、女房が代わりにするわけだ。
「おとといきやがれ、って言っといて」
 ……こいつは。
 とりあえず頷き、御簾のところまで裾を引きずりながら歩いていく。
 まぁでも確かに、こんな酒で真っ赤になった魂胆まるみえの顔の男は嫌だろう。
「大変光栄な申し出ではありますが、ただいま指を痛めております。どうかご容赦を」
 と、優雅に言っておいた。
 これもまた、優雅な女房の務め……か。
「はぁー、疲れたぁー」
 長かった宴を終え、寝床に項垂れるこなた。
 ああほら、まず着替えないと。
「もー駄目ー、脱がせてー」
 と体を引っ張り起こすと、また甘えてくる。
 仕方なくつかさと二人で重い単を一枚ずつ剥がしていく。
 まぁこんなの着させられちゃ疲れるか。
 20キロとか言ってたっけ、あな恐ろしや。
「ふぃー楽ちん楽ちん」
 ようやく小袖姿にまで脱げたところでもう一度寝床に突っ込む。
 今はもう大臣様も奥様も寝室に下がり、邸の中は女房や雑色たちが片付けに追われているところだろう。
 その点で言うと、私やつかさは運がいいのかも。
 こうやってお守りをするだけで、その片付けから逃れられるわけだから。
「お疲れ様、こなちゃん」
「もー本当、お疲れだよ。つかさ、代わってー」
「あはは、ゴメン無理ー」
 寝室には私とこなたとつかさの三人だけ。
 誰にも気兼ねする必要はなく、口調もいつものように。
 もっとも今は脱ぎ散らかした単をまとめているところだけど。
「折角の宴だってのに雲行きは悪いし、最悪だよねー」
「うん、お月様でも出てれば綺麗だったのにね」
 確かに空はまだ曇っている。
 篝火がいやに印象的だったのはその所為か。
 まぁ、そんなのはいいや。
「ちゃんと休んでおきなさいよ、明日は雪姫様のところに行くんでしょ?」
「んおお、そうだった」
 私の言葉に、つかさとじゃれていた手を止める。
 雪姫とは……まぁ、大体想像はつくでしょ? ここまできたら。
 私とこなた、つかさ、雪姫……みゆきは、幼い頃からの親友だった。
 あの頃は良かったなぁ。
 女房や主人と言った気兼ねもなく、ただ遊んでた。
 よく四人で邸を抜け出しては、怒られたっけ。
 ……と、私が昔を懐かしむのはおかしいか。
 どうせこれは、夢の中の私の記憶なんだし。
 二つ思い出があると、結構厄介なものね。
「じゃあ、ちゃんと寝るのよ」
「へいへーい」
「じゃあおやすみ、こなちゃん」
 宴で疲れていたのか、いつもの素直だった。
 いつもならもうちょっと遊んでー、とか言ってくるんだけど。
 私とつかさも、自分たちの寝室へと帰ることに。
 さすがにあれよね。
 言葉はおかしいが、寝れば目も覚めるはず。
 そしたら平安の夢も終わりか、結構楽しかったかな。
 でも聞いたその日にその夢を見るなんて……結構ロマンチストじゃん、私も。
 と、不意に曇った空を見上げた時だった。
 ――事件は、起きた。
「えっ?」
「?」
 素っ頓狂に上げた声に、つかさが振り向く。
 そして私の見ていた方向を見て、声をあげる。
「あっ、今頃出てきたね……お月様」
 私とつかさが見上げるその先には、丸いお月様が光っていた。
 どうやら空を覆っていた雲が、晴れてきたらしい。
 いや問題は、それじゃない。
 あれ?
 どうしてだろう。
 この、感覚は……。
「つ……か、さ?」
「うん?」
 口から声が出た。
 当たり前? いいや、違う。
 だって私は今の今まで、『声が出なかった』はずだ。
 喋っていたのはずっと私じゃなくて、あくまで体の……夢の中の私。
 その……はずだったのに。
 今、確かに私の声が言葉となって口から漏れた。
 いや、口だけじゃない。
 手も、足も……全てが私の思うまま。
「どーかしたの? お姉ちゃん」
「えっ、あ、えと……」
 どうしよう。
 確かに自由に動ければ最高なのに、とは思っていた。
 でもいきなり傍観者から舞台に立たされたって、何も出来やしない。
 それより私を襲っているのは、突然の異変への不安。
 どうして……こんな事に?
「な、何でもないわ……私たちもはやく寝ましょう」
「うん、そーだね」
 そうだ……これは、あくまで夢。
 何が起きても不思議じゃないはず。
 もういいから、早く目を覚ましてしまおう。
 ほら、私だって宴で疲れてもう眠たくなってきたし。
 寝床で寝て、覚めたらきっとまたいつもの日常が返ってくる。
 そして学校で笑うんだ、こなたがお姫様だったー。なんて言って。
 こなたは何ていうかな? そうそう、これこそ浪漫のある話じゃないか。
 浪漫がないなんて、もう言われないでしょこれで。
 ……うん、そうだ。
 はやく……寝よう。
「あれ?」
 だけど事態は……そう簡単に収束してはくれなかった。
 私の部屋の前まで来て、つかさが声を上げる。
「どうかしたの?」
「あはは、お姉ちゃんにまた文が着てるよ」
「文?」
 見ると扉には、何かが挟まっていた。
 昼見たときはこんなものはなかったはず。
 おそらく文使いが私が居ない時に来て、置いていったのだろう。
「お姉ちゃんもてるもんねー、そろそろ結婚でもして落ち着いたら?」
 と、扉から文を抜き取り私に手渡す。
「あははっ、無粋だったかなー。じゃあ私も部屋に戻るね」
「ん……うん、おやすみ」
 そして笑いながらつかさも去っていく。
 文、かぁ……包んでる紙には何も書いてないけど、私宛と思ってもいいのかな。
 恋文よね、こういうのは普通。
 つかさが言うには夢の中の私はもてるらしいし。
 いい事じゃないか、どの道私なんだし。
 夢から覚める前に、最後のお楽しみだとでも言うつもりかな?
 まぁ恋文なんだから、悪い気はしないか。
 最後の思い出に私宛の恋文を読みながら、現実に戻るとしよう。
 ……。
 この時私は正直浮かれていた。
 初めての恋文、ということもあって。
 どうせ中には読めないような汚い字で、チグハグな恋歌が綴ってあるのだろう。
 それもまた一興か、と部屋で一人……心を躍らせてその文を開けた。
 でも……私を襲ったのは、恐怖でしかなかった。
『警告』
 ……。
 あれ?
 最初の一言に、思わず目が丸くなる。
 時代に似合わない綺麗な赤い字が、そこには浮き出ていた。
 違和感を覚えたのはまず、紙。
 おかしい。
 これは……ノートだ。
 それも大学ノートの、切れ端。
 そんなものが、この平安の時代にあるわけがない。
 それにこの字も、冷静に考えればおかしい。
 この時代の字が、こんなワープロで打ったような綺麗な明朝体のはずがない。
『これは夢ではありません』
 そしてそこに書かれた言葉に、心臓が跳ね上がる。
 まるで、私の心を読んでいるかのような一文。
 私の背筋に汗が伝っていくのが分かる。
 そんなはずないでしょ?
 夢じゃない?
 はっ、馬鹿げてる。
 何回も言ってるじゃない、こんなことが現実にあるはずがない。
 ここが本当の平安時代だって? 馬鹿にしすぎよ。
 タイムトラベルなんて、もう古い言葉。時代錯誤も甚だしい。
 大体こんな大学ノートの切れ端が、ここにある時点でおかしいじゃない。
 つまりこれも、夢の産物。
 あっはっは、馬鹿ね。警告文が墓穴を掘ってるじゃない。
 続きにも色々書いてあるけど、こんな紙気にする事ないか。
 さっさと起きて学校に行かなきゃ。
 そのまま勢いよくノートをビリビリに破き、丸めて辺りに投げる。
 そして寝床に格好も気にせずこなたのように突っ込む。
 さようなら、平安の夜の夢。
 なかなか楽しかったけど、オチがいまいちだったわ。
 次は同じ優雅でも、ヨーロッパの貴族とかがいいな。
 ……そんな夢を期待しながら目を閉じた。
 明日に、いつもの日常がある事を信じて。

■破り捨てられたノート
 http://bbs.freedeai.com/src/up5771.jpg

(続)
488ぶーわ:2007/09/14(金) 23:40:30 ID:zBYquRx+
続きます。
甘い話が続く中でこんなのあげてしまいました。
空気詠み人知らずでごめんっ。
489名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:42:46 ID:xw/dxMG9
>>488
リアルタイム遭遇。GJです
ってか、割り込み、すみません。
ノ、ノートまで……ここまで芸が細かいとは感服です
最後のレス分で一気に展開来ましたね
かなり続きが気になる展開……
あと、かなたさんの立ち位置もどうなるか気になるかも
490名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:47:15 ID:WG13v48n
>>488
おお、ちょっと背筋がゾクゾクしました。GJです。
随分と楽しい展開になってきましたね。
続きもかなり楽しみにしています。
491名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:49:41 ID:BX0Zr/Hh
>>488
GJ!
後半の展開は鳥肌ものでした!
これは続きが気になります。
492名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:17:38 ID:IhOj0LOB
>>491
これは・・・ノベル化映画化漫画化ゲーム化決定だな

並行世界の自分と入れ替わってしまって未来の何者かから警告がくるというなんというSF
493名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:21:49 ID:TfQoi6g5
普通に容量がやばい件について
494名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:26:08 ID:w4hQxAJz
ただいま413KB
495名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:26:50 ID:45ZaXshT
お気楽に>>474描き始めたら既にぶーわさん神作品投下済みとか。このスレどんだけ〜(´・ω・)ノシ
http://bbs.freedeai.com/src/up5776.jpg
496名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:27:19 ID:+fqRRuTH
なんかすげえおもしろくなってきたww
GJ!!そしておやすみです
497名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:31:26 ID:USdPEtyZ
火曜日にスレ建てて、もう415kbとかどんだけー。
なんか今日は明日には新スレが立っていそうな気がする……

>>495
ヅラ吹いたw
そしてこの後地獄(カガミウサギにとっては天国?)が始まると。
498名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:31:52 ID:/LKHhh7j
アニメが終わってもこの勢いが続きますように・・・・
499名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:39:19 ID:dPo9AMgX
ちょっと静かになったか?
と思うと過疎ではなく皆黙々書いているだけという事実が恐ろしい
まったく……お前ら最高だっぜ
500名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:50:54 ID:385Ys8Qr
こんな流れで投下していいのか困っちゃうぜ
501名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:54:14 ID:LFxaxZJA
容量と連投規制の許す限り、投下してくれて無問題ですぜ?
502名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:56:27 ID:5RQsnJ6H
>>500
迷ってると先に投下されてタイミングを失う罠
投下しようと思ってたら一歩早く投下されて、
GJの嵐が終わって投下しようと思ったらまた先を越される……
さすが『らき☆すた』、これだけ投下されてもなんともないぜ!!
503名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 00:57:13 ID:2Cfo8Feu
ここに産み落とされた作品とGJの数は壁にぶち当たるまで増え続けるんだぜ

俺はGJを送り続ける、貴方はその流れを加速させる
それがこのスレのあるべき姿だと思うんだぜ
50414-319:2007/09/15(土) 01:06:21 ID:385Ys8Qr
それじゃあ投下してみます
と言っても隠し事の方じゃありませんけど…

エロあり?微妙だけどたぶんエロだと思います

とにかく作者が変なテンションで書き上げたため
文章が変な所あります。
50514-319:2007/09/15(土) 01:08:11 ID:385Ys8Qr
あぁ、すみません
7レス程度使用します
506名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:09:33 ID:385Ys8Qr
「あぁぁ〜…いいネタが浮かばないッス…」
 最近ひよりはずっと同人誌のネタを考えていた

「田村さん、ずっと困った表情してどうしたの?」
 ひよりの席の周りにゆたかとみなみが一緒に来た
「いやぁ最近ねぇ、漫画のネタ考えてるんだけどいいネタが浮かばなくてね…」
「う〜ん…ごめんね、その話は私じゃ役に立てないかも…」
「私も…」
「いやいや、二人共ありがとう」
「そうだ、お姉ちゃんに聞けばいいアドバイス貰えるかも知れないよ!」
「おぉ、ナイスアイデア!その手があったか!」
「あぁ、行っちゃった…岩崎さん、私たち役に立てたみたいでよかったね」
「…」
 みなみは無言でうなずいた 

― こなたとひよりの作戦 ―
507こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:10:44 ID:385Ys8Qr
 お…ちょうどいいところに先輩が…
「先輩ッ!」
「おぉ、ひよりん。どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないッス!
 同人誌のいいネタが浮かばなくて悩んでるのでいい助言を先輩に聞きにきたッス!」
「う〜ん…同人のネタねぇ…やったことある主なネタは?」
「えーっとスね、…と…とか…などそこらへんが多いッスね」
「ひよりん、世の中には灯台下暗しということわざがあるの知ってる?」
「知ってるッス。けど急になんすか…?何か関係が…?」
「関係あるよ〜、私たちの身近にいいネタがあるじゃん」
「…?」
「ヒントはツンデレと天然ドジっ娘」
「おぉぉぉぉっ!流石先輩!ありがとうッス!その発想はなかった!」
 私は戻ろうとした所で先輩が止めてきた
「ねぇ、ひよりん…せっかくだから妄想で書くんじゃなくて生で見たいと思わない…?
「え…?それどういうことッスか?」
「この目で見るってことだよ」
「どうやって…?」
「明後日を楽しみにしたまえ、ひよりん」

 とりあえず泉先輩の言う通り明後日まで待った
 一体何をするんだろうか…?
508こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:12:05 ID:385Ys8Qr
二日後…

「ひよりんおまたせ〜。はい、これが…で」
「こっちはなんスか?」
「これはね、簡単に言えば人を興奮させるやつだよ」
「どこで手に入れたんスか…?」
「ネットでそういうの持ってる知り合いがいてね、
 ちょっと欲しいって言ったらすぐ分けてくれたんだ」
「先輩、すごいッスね…
 でも、ヤバくないッスか…?」
 私はそれらを受け取りながら言った
「大丈夫大丈夫。実は私もね、あの二人がどんな関係見せてくれるのかきになってね…」
「先輩はそんな属性ないと聞きましたけど…」
「いやぁ、誰でも双子姉妹と聞いて黙ってらんないよ?」
「だからと言ってこれは色々な意味でヤバイッスよ…」

「こなたたち何してんの?」
 急に柊先輩が来てびっくりしてしまった
 そこで私は手に持ってたものを咄嗟に隠した
「いやぁ、ちょっとひよりんが同人のネタが浮かばないからって私に相談してきたんだ」
「そ、そうなんスよ、全然いいネタが浮かばないから泉先輩に協力してもらってたんスよ」
 先輩が上手く言ってくれたおかげで私も焦る事なく返せた
「ふーん、まあいいわ。頑張りなさいよ」
「あ、ありがとうございます!」
 応援してもらえたのは嬉しかったが
 後の事をかんがえると少し…
「で、ひよりん、やるの?やらないの?」
 ここまできたならやるしかないッスよね…
 せっかくの先輩の好意も無駄にしてしまうし…
509こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:13:24 ID:385Ys8Qr
「じゃあ私一人で…」
「やる!私もやるッス!でもどうやってやるんスか?」
「心配ごむよう〜。もう考えてあるよ」
「流石先輩!」
「まず私が…を保健室に…して入ってきたらひよりんが…して
 その後も私がかがみを保健室に呼んでひよりんが…をする」
「おぉ!それは完璧ッス!」
「じゃあ昼休みにやるから忘れないようにね」
「オーケーッス先輩!」
 

 とりあえず昼休みになって私は保健室である準備を終えて保健室のある所に隠れていた
 ふぅ〜、どきどきわくわくしてきたなぁ…
 しかし、安心できたのもつかのま。
 作戦とは違う事がおきてしまった。
 まず最初に柊かがみ先輩が来てしまった…
 泉先輩…ちゃんとやってくださいッス…
「ったく、こなたは急にこんな所に呼び出してなんの様かしら?
 まだこなたの奴は来てないみたいだし…」
 うあぁ〜…どうする?どうするよ私!?
 もういいや、どうにでもなってしまえと考えながら私は飛び出した
 そして私は柊先輩に眠らせる奴を染み込ませたハンカチを口に当てた
「…?誰かいるの…?んっ…………」
 上手く眠ってくれたようだった
 しかし、ずっと私の心臓はバクバクと音が鳴っていた
 こんなんで大丈夫かな…
 とにかく柊かがみ先輩をベットに寝かせて次を待った
510こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:14:37 ID:385Ys8Qr
 そのうちに柊つかさ先輩もやってきた
「お姉ちゃ〜ん?大丈夫〜?」
 どうやら泉先輩の記憶は曖昧に出来ている様だった
 作戦と全く違うじゃないッスか…
「なんだぁ、お姉ちゃん眠ってたんだねぇ。こなちゃんからはなんか怪我してるって聞いてたけど…」
 うぅ〜、小早川さんみたいに純粋で健気な先輩を…
 私は良心を殺してつかさ先輩にあるものを含ませたハンカチを口に当てた。
「…!誰…?ん…」
 すみません!先輩!
 私はとにかくすぐに隠れた。いつのまにか泉先輩も来ていた
「おつかれさま、ひよりん」
「おつかれさまじゃないッスよ先輩!どうして先にかがみ先輩がくるんスか!
 つかさ先輩じゃなかったんスか?」
「あるぇ〜?そうだっけ?細かい事は気にしない気にしない」
 小声で話してるうちにつかさ先輩がかがみ先輩に近づいて行ってた
 どうやら上手く行った様で良かったッス

 そんなことよりノートとペンを…あれ…?
 もしかして忘れた…?持ってきたはずだけど…
「ひよりん、探してるのはこれ?」
「おぉ!先輩サンキューッス!」
「いやいや、礼には及ばんよ」
511こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:15:48 ID:385Ys8Qr
 そのうちに柊つかさ先輩もやってきた
「お姉ちゃ〜ん?大丈夫〜?」
 どうやら泉先輩の記憶は曖昧に出来ている様だった
 作戦と全く違うじゃないッスか…
「なんだぁ、お姉ちゃん眠ってたんだねぇ。こなちゃんからはなんか怪我してるって聞いてたけど…」
 うぅ〜、小早川さんみたいに純粋で健気な先輩を…
 私は良心を殺してつかさ先輩にあるものを含ませたハンカチを口に当てた。
「…!誰…?ん…」
 すみません!先輩!
 私はとにかくすぐに隠れた。いつのまにか泉先輩も来ていた
「おつかれさま、ひよりん」
「おつかれさまじゃないッスよ先輩!どうして先にかがみ先輩がくるんスか!
 つかさ先輩じゃなかったんスか?」
「あるぇ〜?そうだっけ?細かい事は気にしない気にしない」
 小声で話してるうちにつかさ先輩がかがみ先輩に近づいて行ってた
 どうやら上手く行った様で良かったッス

 そんなことよりノートとペンを…あれ…?
 もしかして忘れた…?持ってきたはずだけど…
「ひよりん、探してるのはこれ?」
「おぉ!先輩サンキューッス!」
「いやいや、礼には及ばんよ」
512こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:16:57 ID:385Ys8Qr
 いつのまにかつかさ先輩が眠っているかがみ先輩に覆いかぶさっていた
 そしてだんだん顔と顔が近づいて…

 とにかく私はこの光景を脳に焼き付けておいた
「ん…んん……?」
 かがみ先輩が目を覚ましたようだ
「ん…んんん!ちょ、ちょっとつかさ!何してんの!?」
「何か…この保健室入って誰かになんかされてから
 おねえちゃんが欲しくなって…体が勝手に動いて…」
「つかさ、あんた何か変なものでも食べた?」
「ね、お姉ちゃんもっとやりたいな…」
「ちょっと、落ち着きなさいよつかさ!」
「やだ、私はお姉ちゃんが欲しくて欲しくてたまらないの…
 お姉ちゃんも私の事欲しいでしょ…?」
「私はいやよ!早く離れ…!んっ…」
 
 くぅぅ!抵抗する姉に責め続ける妹!最高!最高ッス!
 これ以上の事はあるか!?いや、ない!
 今私の中で全米が拍手喝采!そして全世界が泣いている!
 こんな積極的なつかさ先輩が最高ッス!
「ひよりん、楽しんでますね?」
「当たり前じゃないッスか!こんな状況の中で楽しむなと言われる方が無理ッス!」
 私はこの光景をずっとノートにメモをしたり絵を描いたりした
513こなたとひよりの作戦:2007/09/15(土) 01:18:22 ID:385Ys8Qr
 かがみ先輩もまんざらではないのかじきに抵抗をしなくなってつかさ先輩のことを受け入れていた

「先輩!やっぱこれが正解ッス!攻守が逆だったら今よりは良くなかったッス!」
「え?そう?礼には及ばんよ」
「先輩、それ二度目ッスね」
「まぁまぁ、気にしない」

「ん…お姉ちゃん…」
「つかさ、そろそろやめなさいって…」
「お姉ちゃん、別にこういう事嫌いじゃないでしょ…?」
「私は嫌よ…
 でもつかさ、よく考えて、保健室に入った時なんかされたんでしょ…?
 その犯人がまだこの部屋の中に隠れてるかもしれないわよ…?」
「何言ってるの?お姉ちゃん?もう今更私は恥ずかしくないよ…?」
「つかさ…やっ…んっ…」

 いつも強気なかがみ先輩が妹のつかさ先輩に押されてるッス!
 最高すぎて泣く子も黙るッス!

続きあるのかな?
51414-319:2007/09/15(土) 01:19:55 ID:385Ys8Qr
なんかすみません…
例の如くカップリングも最初に書くの忘れてしまっていた…

後同じの二回投稿して無駄にスレ消費してすまんのです
515名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:38:39 ID:1hkhvMGq
>>514
GJ

俺も書いてたんだが、17KBいっちまった
こりゃ、次スレ立ってからだな
516名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:43:01 ID:5RQsnJ6H
>>514
GJです。

続きあるのかな、ではない。
続ける義務があるっ!!(を
517名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:43:42 ID:tKyWsQHm
>>511>>512の間がなんか抜けてない?
ともあれ>>514GJ

こなたヤバイくらい腹黒すぎwwこれじゃ犯罪者じゃないかwwwwww
518320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/15(土) 02:09:09 ID:5RQsnJ6H
投下されるSSの量だけじゃなくて、最近はレベルも高い……
質でも劣るのに投下量も負けて(投下量四位→五位)、どないしような320です
どんどん増えてきた職人さんたちに負けないよう頑張りたいんですが、
最近妄想の出が悪いのは年のせいか……って、まだ若いよ!! 枯れるの早いよ!!
「オタク少女は恋する乙女の夢を見るか」シリーズ投下します

☆投下量4スレ分。いつもと同じです。
☆「オタク少女は恋する乙女の夢を見るか」シリーズです。
☆オリジナル男キャラ注意です。男キャラに感情移入はオススメできないけど
519オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 1/4:2007/09/15(土) 02:09:51 ID:5RQsnJ6H
「おはよう、田村さん……あれ、眼鏡は?」
朝、駅で出会った田村さんは、眼鏡をかけていなかった。
少し前に一度だけコンタクトレンズで学校に来た事があったけれど、
あんまり合わなかったみたいで、それ以来田村さんがコンタクトをつけているところは見たことがなかった。
コンタクトの田村さんはいつもと違って結構新鮮。
「いやー、それがその……心変わりというか……」
毎日顔をあわせていた田村さんだったけれど、眼鏡を取った姿はどこか新鮮。
なんだか前よりもずっとかわいくなってる気がするんだけれど……
「あ、あと、二人には言わなきゃいけないことがあるんだ」
眼鏡を取った田村さんがもじもじと指を付き合わせる。
よく見ると薄く色つきリップを引いた唇を開く。
「私、彼と付き合うことにしたから」
520オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 2/4:2007/09/15(土) 02:10:55 ID:5RQsnJ6H
「ゴメン、今日はあの人とお昼食べることにしてて」
田村さんが目の前で手をあわせて頭を下げる。
「ううん、いいんだよ、気にしないで」
横でこくりとみなみちゃんも頭を下げる。
「ほんっと、ゴメン」といいながら、教室を出ていく田村さん。
その手にはお弁当が二つ。
いつもなら手早く購買のパンで済ませている田村さんが、お弁当を二つも。
あれって、やっぱり彼氏の分だよね?
田村さんを見送り、私はみなみちゃんと二人、机をくっつけてお弁当を食べる。
いつもなら三人、多いときパティさんも含めて四人で食べているのに、
二人っきりだとなんだか机が少なくて……
「ゆたか……やっぱり寂しい?」
そんな私に気づいたのか、みなみちゃんがやさしく声をかけてくれた。
「寂しくない……って言うと、嘘になるかな。
 いつも三人でご飯食べてたし、なんだかいつもよりがらんとした感じがする」
みなみちゃんとお話するのは楽しいけれど、
田村さんみたいなにぎやかな人がいると、もっと盛り上がるから。
ご飯を食べるときは、大勢の方がおいしいし。
「でもね……さっきの田村さん、とっても幸せそうだから。私たちもそれを応援してあげないと」
さっきの田村さん。
二つのお弁当を抱えて待ち合わせに急ぐ姿は、なんだかとっても幸せそうで、
見ているこっちまで幸せになりそうなくらい。
今朝だって、あんまりおしゃれに興味のなかった田村さんがちょっぴり薄化粧をしていた。
嬉しそうに携帯で撮った彼の写真を見せてくれる田村さん。
女の子って、恋をすると変わるんだなって、なんだかあこがれちゃう。
私の言葉にみなみちゃんもコクンと頷く。
そうだよね、あんなに楽しそうな田村さん、邪魔したくないよね。
521オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 3/4:2007/09/15(土) 02:11:38 ID:5RQsnJ6H
小早川さんと別れた私は、上へ上へと階段を駆け上がる。
その先にあるのは、鍵のかけられた屋上への扉。
陵桜学園にもちょっとした屋上があったりする。
もちろんギャルゲーとは違って、世間一般の学校と同じく鍵がかけられて、一般の生徒の立ち入りは禁止されているけれど。
ギャルゲーでは屋上でお弁当ってよくあるシチュなのに、義妹と同じくらい現実じゃあまり見かけないはかない夢だ。
でも、彼の場合は特別。
彼の友達がここの鍵をこっそり隠し持っているみたいで、
お昼休みは先生に隠れてこっそりとここでお弁当を食べているみたい。
彼と彼の友人しか入れない秘密の基地。
初めて入る私は、いつもは鍵をかけられているはずの扉で緊張している。
汗と一緒に扉のノブを回す。錆付いた音と共に開く扉。
「お、おまたせしました……」
扉の向こうにいた、昨日と変わらないやさしい笑みを浮かべる彼。
それと、見知らぬ男の子が三人……
「彼らは僕の友達。ひよりさんをみんなに紹介したくて」
「あ、そうなんですか。初めまして、田村ひよりといいます」
ぺこりと頭を下げる。みんなの興味深そうな視線が私に集中する。
ううっ、ちょっと恥ずかしいっす。
「そ、そうだ。よかったらこれ……」
周りの視線に慌てながら、彼にもう一つの弁当箱を差し出した。
朝、あんまり早いのも苦手だし、あんまりお弁当を作ってくることはなかった。
でも、彼が食べてくれるのなら……
「え、これ僕に? 食べていいの?」
彼の言葉に頷く。今度は私のお弁当箱に視線が集中。
自分が直接見られている訳でもないのに気恥ずかしい。
お弁当箱の蓋が開けられる。他の人も一緒になって中を覗き込む。
ここのところ、まともにお弁当なんて作ってないから、ちょっと自信がないんだけど。
「じ、じゃあいただきます……」
彼の箸が私の作った卵焼きに触れる。
卵焼きの味付けって人によって好みが分かれるから、
こ、告白の時ぐらい緊張するっす。
彼の箸の卵焼きが彼の唇へと運ばれる。
その唇に触れた昨日の記憶がよみがえり、私の顔はもう真っ赤。
でも、視線だけはそこからはずせない。彼の箸の先をじっと見つめる。
彼の口に入った卵焼きがもぐもぐと数回咀嚼され、彼の細い喉をコクンと鳴らせる。
「うん、甘くておいしい。ありがとう、ひよりさん」
その一言、それだけで私の心に幸福が広がっていく。
いままで想像もできなかった幸福が、ここにある。
522オタク少女は恋する乙女の夢を見るか 4/4:2007/09/15(土) 02:12:39 ID:5RQsnJ6H
「でも田村さん、羨ましいな」
今日の田村さんはいつもよりもずっと輝いて見えた。
好きな人ができるだけで、女の子ってあんなにも変われるんだってくらいに。
そんな田村さんが、ちょっぴり羨ましい。
私も好きな人ができたら、あんな風になれるのかな。
「今はそれよりも、自分の体を気にして」
「てへ、ゴメンね、みなみちゃん。また迷惑かけて」
みなみちゃんがふるふると首を振る。
さわさわと風がカーテンを揺らす音、白いシーツ。
通いなれた保健室。今は午後の授業中。
昨日仮病を使った罰があたったのか、今回は本当に体調が悪くなっちゃった。
遠くに聞こえるどこかの教室の音を耳に、私はベッドで横になる。
ふかふかのベッドと横にいるみなみちゃん。
今の私はこれだけで幸せ。
でも、私もそのうち好きな人と一緒になるのかな?
みなみちゃんや田村さんも、ゆいお姉ちゃんにこなたお姉ちゃんも大好きだけれど、
その好きとは違う"好き"。
「ねえ、みなみちゃん。私も……ゴホ……ゴホッ」
咳き込んだ私にすばやく駆け寄り、背中をなでてくれるみなみちゃん。
空気に感じたかすかな違和感。
ほんの少しだけ感じる、タバコの臭い。
「しかし、あんなにうまくいくとはな」
窓の外からタバコの臭いと一緒に聞こえてくる声。
生徒の声? まだ、授業中のはずなのに……
「賭け持ち出したのはお前だろ。あいつ落とせたら一万円て」
「ちくしょー、俺、今月金欠なんだけどな」
窓の外から聞こえてきたのは、男の人の声。
夜、コンビニで集まっている人たちのような、少し距離を置きたくなるような人たちの声。
みなみちゃんが眉をしかめて立ち上がる。
あの人たちに、何か言いに行くのかな。
そう考えると、みなみちゃんが遠くに行っちゃう気がして、その袖をぎゅっと掴む。
「大丈夫だよ。窓を閉めれば煙も入らないし、声も聞こえないから」
心配そうな顔をするみなみちゃん。
でも、私だってみなみちゃんが心配だから。
私のせいで危険な目にあってほしくないから。
私の気持ちが分かったのか、みなみちゃんがこくりと頷く。
「……そう」
みなみちゃんが窓を閉めに立ち上がる。
窓を閉める直前、外から聞こえてきた声……
「しかし、楽勝だったよな。あの田村ひより。それで、この後はどうするよ」
「さー、適当にフっちまおうか。それとも二、三人集めてマワすか」
「あー、いいね、それ」
その言葉に、私もみなみちゃんも凍りつく。
え、今の名前……
「ゆたか!?」
私はベッドから飛び降り、窓の外に顔を出す。
少し陰になるところだけれど、あの人は写真で見た……
「ゆたか、体は……」
後ろに聞こえるみなみちゃんの声をおいて、私は保健室を飛び出した。
終業のチャイムが鳴り始めた廊下を走る。
田村さん、早く田村さんに……
523320 ◆9JWa9YQ1I2 :2007/09/15(土) 02:13:31 ID:5RQsnJ6H
以上です。
いやぁ、幸せ絶頂から叩き落すって気持ちいいですね(異常です)
ってか、ここからが本編です。
ふわふわしているひよりんを書くのも楽しかったけれど
コンセプト的に「オリジナル男キャラなのに俺キャラではない」という
微妙なのを書きたかった……
ストック分は投下し尽くしたので、次回投下まではしばらくお待ちを

いつものことながら30分レスがなかったらひよりんは俺の嫁
524名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 02:19:04 ID:1hkhvMGq
>>523
阻止
そんな奴には渡せないお
525名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 02:32:39 ID:/LKHhh7j
>>523
便乗して華麗に阻止しつつGJ
そしてまさかの急展開にwktk
526名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 02:43:00 ID:dPo9AMgX
>>523
これは今後の鬼畜展開にwktkしても良いのか!?
続きを待ち望みつつGJなんだぜ

ところで、こなたは俺の嫁って言えるけど、ひよりんて自分に近すぎて嫁と呼ぶのに抵抗があるのは俺だけかしら?
527名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 02:47:47 ID:45ZaXshT
>>526
かがみは俺の嫁の嫁
こなたは俺の嫁
ひよりんは俺
528名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 02:55:12 ID:IOd0iFX5
スレの流れる速度めちゃくちゃはええ!!
今書きかけのSSをこのスレに投下できると思ってたけど、無理そうかな…
 
>>523
GJ!!
「幸せ絶頂からたたき落とす快感」は少しわかる気がするついでに阻止
529名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 03:29:28 ID:G7XPXbF4
>>526
俺の頭の中でかがみがどんどんヤンデレっぽくなってるせいで
こなたのことも俺の嫁って言えなくなりました。怖すぎる。
530名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 04:45:57 ID:XYsmV0Ot
「いやんッ♪」ってデレるから(イ)ヤンデレだと思ってた俺が通りますよ
531名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 05:06:13 ID:G8kcFl3x
>>531
ヤンデレを「ヤンキーがデレる」と思っていた俺が続きます
532名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 05:51:35 ID:5bCNZfiP
五巻でみゆきさんが痴漢されたって話を聞いて
みゆきさんが集団に囲まれて痴漢されてる姿を想像してしまった
533名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 06:17:43 ID:tKyWsQHm
実はこなたによる痴漢イメージプレイ
534名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 06:34:04 ID:dQdcu2HV
らき☆すた45巻よんで思い付いたけど、みなみ×ゆかりってありそうで無いな。

・・・むしろエロならゆかり×みなみになりそうだが。
535名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 07:21:47 ID:ytJ0HuT8
>>534
45巻とはなんという未来…
536名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 07:33:52 ID:QOy5QH36
>>535
とりあえず146巻まで出ることは間違いない。
その頃には、こなたに握手をする習慣はなくなってるし、
M16改造銃で超絶狙撃したり葉巻を吸ったりしているはず。
537名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 08:09:25 ID:rge8wH++
というかアレだ。このままスレが順調に流れて午後6時30分までに新スレが立つと、
15スレ目は丸4日も持たなかったことになるな。
538名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 08:11:27 ID:ObeXSUMo
>>523
これはなんと感動友情モノになりそうな予感
たたき落とされた分ひよりん達の仲深まれ
539名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 08:24:30 ID:ddgVxNsQ
>>523
うはん、そう来たか……! ひよりんの運命に手に汗握りつつGJ。
540名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 09:30:12 ID:PhU784FH
>>537
あと、午後6時半に間に合わなくとも、午後10時24分までに新スレが立てば、
このスレの消費所要時間が100時間という大台を切ることになるわけで…
5416-690:2007/09/15(土) 09:51:23 ID:OWjKlT4T
皆さん、おはようございます
スレまだ生き残ってたみたいなので投下
いつものようにゆたか×みなみです 非エロ 4レス投下 みなみ視点
オリキャラ男が出てくるけど、実際に絡んでくるわけではないです
5426-690:2007/09/15(土) 09:52:00 ID:OWjKlT4T
「そういえば」

休み時間 パトリシアさんがすっとんきょうな声を出す
ゆたか・田村さん・パトリシアさん・私の4人でおしゃべりをしていたけど、ゆたかはトイレに行っていて、席を外している

「ゆたかがいない今だから言いますけど、昨日の放課後、ゆたかと桂クンが手をつないで歩いてるところを見ました」
「桂君って、C組のクラス委員だよね?」
「そうです、どう見てもあれはラブラブな2人に見えました。School Loveです」
「桂君って、かっこいいと言うよりやさしそうなイメージだよね。でも、男女で手をつなぐなんて、恋人同士じゃないと普通はしないよね」

ゆたかのことだから、ちゃんとした理由があるはず。そうちゃんとした・・・

「みなみ、どうかしましたか?顔は青白くなってますけど」
「大丈夫・・・大丈夫だから」
今日ゆたかがうちに泊まりに来るから、その時に確かめよう

「おまたせー、みんなどうしたの?」
急に黙り込む3人
「小早川さん、なんでもない。なんでもないよー」
田村さんがなんとか、ごまかす
ゆたかは首をかしげたが、ちょうどチャイムがなったのでその場はお開きとなった。
543ごかい (2/4):2007/09/15(土) 09:53:13 ID:OWjKlT4T
その夜、ゆたかが家にやってきた
いつものように晩ご飯を食べ、一緒にお風呂に入ったけど、どうも楽しくない
いつもなら、楽しい時間なはずなのに・・・

お茶とお菓子をもって、私の部屋に入る
そのお茶とお菓子をテーブルの上に置いて、カーペットの上に座る

そして、ゆたかが口を開く
「今日のみなみちゃん どこか、そわそわしてて、変だよ。そういえば、わたしが休み時間にトイレから戻ってきてから、ずっとそわそわしてるけど、やっぱり休み時間に何かあったの?」
まさか、ゆたかからそんなこと言われると思わなかった・・・
「それは・・・」
「何があったか、教えてほしい。じゃないと今日は楽しくない・・・」
そして、2人とも黙り込む。沈黙が長く続く
沈黙を破ったのは私だった

「今日パトリシアさんから聞いたけど、昨日の放課後 C組の桂君と手をつないでたって・・・」
「それはね、委員会の後、わたしが具合悪くなって、桂君が保健室に連れていってくれただけ」
「そう・・・よかった・・・パトリシアさんがラブラブな2人に見えたとか言うなら、すごく不安になって・・・」
「そんなことがあったんだ・・・ごめんね、心配かけちゃって」
目に涙を浮かべるゆたか
「悪いのは私。ゆたかのことを信じることができなかった。ゆたかはなにも悪くない。だから、なかな・・・いで・・・」
さっきまで涙なんてどこにもなかったのに、急に涙が出てきて止まらなくなる。
「泣きながら、それ言っちゃダメだよ。誤解させちゃったわたしが悪いんだから、だから・・・ね」
久しぶりに人前で泣いた気がする。そういえば、ゆたかに涙を見せたのは初めてだっけ
544ごかい (3/4):2007/09/15(土) 09:54:23 ID:OWjKlT4T
ゆたかが私の髪をやさしくなでてくれる
いつもだとゆたかが落ち込むことが多いから、私がゆたかの髪をなでるけど、今日は逆
「ゆたか・・・」
「なに?みなみちゃん」
「いつもとポジションが逆だね」
「そういえば、そうだね」
いつもと逆だけど、ゆたかがそばにいてくれるだけでうれしい

「でも、みなみちゃんが嫉妬深いとは思わなかったよ」
「・・・それは言わないで」
「ごめん、ごめん でも、わたしも同じことがあったら嫉妬しちゃうかな」
「ゆたかもそうなの?」
「きっと、そうだと思う・・・ だから、不安なことがあったらすぐに言ってほしいな。わたしとの約束」
「うん、わかった」
「でも、そんな約束しなくても見てるだけですぐわかっちゃうけどね。今日みたいに」
「だから、それは・・・」
「ごめんね、それじゃ、指きりしようか」

「「ゆびきりげんまん〜うそついたら〜はりせんぼんの〜ます ゆびきった」」

「指きりなんて、久しぶりにした」
「わたしも」
「高校生になると、なかなかやらないよね」
「そうだね」

いつもの2人に戻れた
「ゆたか」
「ん?」

ふいにキスをする私
ゆたかは最初驚いた顔してたけど、いつもの顔に戻る
そして、お互いに離れる

「今日のみなみちゃん、ずるい」
「そうかな?」
「ずるいよ、絶対」
「ごめん」
「謝らなくてもいいよ」

「みなみちゃん」
「ん?」
「大好き」
「私も大好き」

そして、いつものようにおしゃべりをする2人
こうして、夜がふけていった。
545ごかい (4/4):2007/09/15(土) 09:55:18 ID:OWjKlT4T
翌週月曜朝
ゆたかはまだ学校に来ていない。

「岩崎さん、おはよう」
「みなみ、おはよう」
「2人とも、おはよう」

「パトリシアさん」
「なんですか?」
「先週、ゆたかが桂君と手つないでたのはゆたかが具合悪くなって、桂君が保健室に連れて行ったから。ゆたかに聞いたら、そう言ってた。だから、付き合ってるとかそういうのじゃない」
「なんだ、そうだったんですか。早トチリですね」
「それに・・・」
「それに?」
「ゆたかの恋人は私だから」

顔を見合わせる2人
(何気にこの人すごいこと言ったよ。わたしの妄想が事実ってことに(ry )
(さらっとカミングアウトしましたね。鉄の結束ってやつですか?)

「みんな、おはよう あれ?どうしたの?」
またしても黙り込む3人
「なんでもない。少なくともゆたかに心配させることはしてない」
私の姿をじっと見る
「今回は大丈夫みたいだね」

チャイムが鳴り、席に座る

ゆたか・みなみにとっては普通の1日が、ひより・パティにとっては悶絶し続ける1日が始まった
5466-690:2007/09/15(土) 09:56:18 ID:OWjKlT4T
以上です

これを書いてて、ふと「南くんの恋人」というフレーズを思い出したよ
タイトルと悲しい結末になることしか知らんが、アマアマデレデレが好きな俺には書くのは無理だな
誰か書いて(え
547名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 09:56:57 ID:OJtwVFS/
いかにも超DQNって感じの男ですねえ〜〜〜
Sにはたまらない設定です。GJ!!!!
さてさて容量がヤバイんですが
548名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 10:55:36 ID:cDSmcEdq
>>546
TVドラマ版準拠なあハッピーエンドだよ。

容量はあと、57KBもあるぜ。
大作が、あと2つはいける。
549名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 10:58:09 ID:n1A46rrW
ぐじょー。

んじゃ、5分SS(5分レスがなかったらSS投下します)
550妄想屋(仮名):2007/09/15(土) 11:03:55 ID:n1A46rrW
最近CGばかりだったので、SSひねりだしてみました。3レスいくでがんす。
みさお×つかさ、非エロ。神様が降りてこなかったのでイマイチかも……orz

時系列は若干オリジナル。原作5巻以降にアニメでの運動会があった、という想定です。
------------------------------------------------------------------------------
551みさ×つか(1/4):2007/09/15(土) 11:05:36 ID:n1A46rrW

「はぁ……私って、どうしてハードルダメなんだろ……」

 体育館を挟んだ向こう側から、楽しそうな音楽とみんなの歓声が聞こえる。
 だけど、私はちょっとだけ凹んでる。
「万能な人なんてそうそういないよ。つかさには料理っていう特技があるじゃん?
 それに、ドジっ子は運動神経がないほうが萌えるんだよ」
 ……って、こなちゃんはなぐさめてくれたけど……

「……でもやっぱり、シオシオのパーだなぁ」
 落ち込むときまで死語使ってるよ、でもそんなの関係ねぇ。

 変なギャグが、誰に聞かれることもなく高い秋空に吸い込まれてった。

「……はぁ……」


――――――――――
   みさ☆つか
 〜アドバイスの巻〜
――――――――――


「……おっ、柊の妹さんじゃーん」
 にぱっと笑いながら声をかけてきたのは、えっと……
「C組の……えと、日下部さん?」
「そだよー。……そういや、今まで直接話したことってなかったっけなー」
「えへ、そ、そだね」

 ……うぁー、やっぱ何か緊張するよぅ。

「こんなところでどしたのサ?」
「え、うん……ちょっと……」
 倉庫の壁に寄せて集められた、数台のハードルが目に入ると、
「はぁ〜……」
 またひとつ、ため息が出ちゃう。

「どしたー? ため息つくと幸せが逃げてっちゃうんだぜー?」
 日下部さんの口元から、八重歯がちらり。
「うん、お姉ちゃんもそう言ってたけど……はぁ〜」

「……あ、そーゆーことかぁ」
 日下部さんの頭の上に、ピコン、って電球が灯ったみたいに見えた。
「妹さん……って、なんか言いにくいなぁ。でも柊だとアイツとかぶっちゃうし、う〜〜ん……」
「つ、つかさでいいよー、日下部さん」
「んじゃつかさ、ちょっと時間いっかー?」
「え? うん……」
552みさ×つか(2/4):2007/09/15(土) 11:07:07 ID:n1A46rrW


― × ― ― × ― ― × ― ― × ― 


 裏の階段のところから非常口の前まで、ハードルが三つ。
「おっし、できたZE☆」
 拳で「ぐっじょぶ」のポーズを作って、日下部さんが自画自賛してる。テンション高いなぁ。
「えっと、その、あの……」
「まあまあ、ここはこの私にまかせたまへー(ドンッ!)……げ、げほげほっ」
 力いっぱい自分の胸を叩いて、咳き込んでる。なにやってるんだろ。

 ていうか……私何も言ってないのに、なんでこんなことになっちゃってるんだろ?

「んじゃ、やってみよっかー」
「ふ、ふぇっ!?」
 さっきの失敗が頭に浮かんで、思わず目が点になっちゃう。
「まずはハードルじゃなくて、横走ってみなよ」
「横……って、何もないとこ?」
「そそ。好きな曲とか歌いながらさー」

 別にいいよー、って言おうと思ったんだけど、なんだか断れなかった。
 だって、日下部さんの目はとっても真剣で……
 真剣、っていっても怖いんじゃなくて……何ていうのかな、

 一生懸命な、コーチさんみたいな目をしてたから。
553みさ×つか(3/4):2007/09/15(土) 11:08:11 ID:n1A46rrW


― × ― ― × ― ― × ― ― × ― 


 土の上に足先で引かれた、スタートラインに立つ。
「えと……じゃ、やってみるね」

 好きな曲、好きな曲……えーと。

 ――♪失敗なんてGood Night 寝逃げすることも 悪くないよね♪――

 あっという間にゴール。コースの長さがほとんどないから、ワンフレーズで終わっちゃった。

「んー、なんかスローテンポすぎね? まぁいっか」
 日下部さんはそう言って、
「んじゃ、今度はテンポに合わせて、右足だけ高く上げてみ」

 今度はスタート地点に向かって、

 ――♪きっと 目が覚めて 忘れちゃう みんな♪――

 って、歌いながら走った、私の上げた右足は……


 ……ちょうど、ハードルのところで上がってた。
「……あ……!」


「まあ、あれなんじゃね? つかさ、『1,2,3』で跳んでたんじゃね?」
 腕を組んで顎に手を当てて、ちょっと空を見上げたポーズ。
「え、うん、そうだけど……」
「あれってさー、緊張してる時はダメなんだよなー。順番ぐちゃぐちゃになっちゃってさ☆」
 そう言って日下部さんはまた、にはは、って笑った。

「んじゃ、今度はハードルまたいでみよっか」
「……うんっ! やってみるね!」
554みさ×つか(4/4):2007/09/15(土) 11:09:15 ID:n1A46rrW


― × ― ― × ― ― × ― ― × ― 


 翌朝……は代休でお休みだったから、その次の朝。

「おっす、こなた」
「あー、こなちゃんとゆきちゃんだ。おはよー」
「おはよん」
「おはようございます」
 いつものように、校庭で朝の挨拶。こなちゃんとゆきちゃんが一緒って、ちょっと珍しいかも。

「どったのつかさ? やけにご機嫌じゃん」
「うん、ちょっとね〜」

 って、言いかけたところで、前を行くあの人に気がついた。
 峰岸さんと一緒に、並んで登校してるのは……

「おーい、みさちゃーん、おはよー♪」
「おーっす、つかさー♪」

「!! み、みさちゃんん!?」
「いつの間にみさきちとの友情フラグを……なかなかやるな、つかさ」
「日下部さんとはほとんどお話されていなかったので、心配していたのですが……思いのほか仲が良くてよかったです」

 みんなが驚いてる。お姉ちゃんも驚いてる。みゆきさんは笑ってるけど。
 ……そりゃそうだよね。一昨日のことは、まだ誰にも話してないもん。
 今度の体育の時に、ちゃんとハードル跳んでみせて、みんなをびっくりさせてやるんだ。えへへ。


――ありがとう、みさちゃん☆


― Fin. ―
555妄想屋(仮名):2007/09/15(土) 11:10:28 ID:n1A46rrW
------------------------------------------------------------------------------
以上です。新スレ前に間に合わせようと思ったら、どうにも詰めが甘くてスマンスorz

……それにしても、これだけSSが多いと、ネタがかぶらないか心配ですな。
エロパロスレのまとめWikiは検索できるから、事前にチェックできるけど、
他のSSスレとか本スレで上がったSSまでは把握できないし……
556妄想屋(仮名):2007/09/15(土) 11:12:24 ID:n1A46rrW
言い忘れてたorz

原作では4巻後半で出会ってるけど、実はみさおとつかさの会話シーンってまだないんですよね。
そこから妄想しました。
557名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 11:18:29 ID:Z8HUxKkM
GJ!!

みさおのこのテンション大好き
558名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 11:36:30 ID:OJtwVFS/
GJ!
559名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 12:11:28 ID:4d6bMjf9
みさお分が足りなくなってきてたんだよね!
ぐじょーぶっ!
560名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 12:15:14 ID:385Ys8Qr
GJ
つかさとみさおの会話いいなぁ
キャラソンの歌詞が出てきてちょっとワロタww
56111-685:2007/09/15(土) 13:13:42 ID:Z8HUxKkM
いまからこなかがのエロを投下します。
2レスほどです。
おかしな所があるかもしれませんがいきます。
562こなたの夢(1/2):2007/09/15(土) 13:14:53 ID:Z8HUxKkM
放課後、一人教室の中に立っていた。自分の服装を見るとなぜか体操服に。
なぜここに?なぜ体操服?
外は夕焼けに染まっていて部活動に励む歓声が聞こえてくる。
すると教室の扉が開いた。
「あれ、こなたまだいるの?」
かがみが教室の扉を開けて入ってきた。かがみも自分と同じ学校の白のシャツと青い半ズボンの体操服を着ていた。
「かがみこそなんでいるの」
「ちょっと用があってね」
そういって教室の後にある自分のロッカーを漁るかがみ。
「オトコか〜、そうなんか〜?」
ひとまずかがみをからかってみる。
「ちっ、違うわよ!なんでもいいでしょ!」
予想通りの反応が返ってきてなぜか安心した。
「こなたはまだ帰らないの?」
「制服に着替えたらすぐ帰るよ」
「じゃぁ一緒に帰りましょよ」」
着替始めるかがみ。しかし何を思ったのか、私はシャツに手をかけたかがみの腕を掴んだ。
「えっ、なに?どうしたの?」
かがみの驚いた声でふと、我に返った。
「……え?あれ。何で?あっ、あぁ、ごめん!」
「あ、うん、いいわよ……どしたの?なんかあった?」
着替えるのを止めて心配そうに見つめてくるかがみ。かわいい。
私の視線がかがみの唇に下りた。
……柔らかそう。
って、私何考えてるんだ。いくらかがみが好きだからってそんなこと……
でも、誰もいないし、ホントに――
「ねぇこなた?大丈……」
――ちゅ
563こなたの夢(2/2):2007/09/15(土) 13:16:23 ID:Z8HUxKkM
「……えっ」
――あ、やば、ホントにやっちゃった。
てゆうか、ここのままじゃ怒られるかな?怒られるよねぇ。どうしよ。
「……かがみ、私、かがみのこと……好き」
とっさに思いついたのが告白。ていうか唐突過ぎるような気がするけどこの際気にしないことに。
「……はぁ?ちょっとこなた、いきなり何を――!」
そのまま机の上に押し倒し体操服のシャツを捲り上げ、指で胸の辺りを嘗め回した。
「ばかっ!ちょ、やめてよ!」
抵抗してくるが自分の全体重をかけて押さえつける。でもたかが知れちゃってるから机の脚に自分の足を絡ませる。かがみの胸を舌で攻め始めて少し経つと
「ひゃ……んぁ、あぁ、」
喘ぎ声のようなものが聞こえてくる。しばらく続けていると足に湿りを感じた。
「……かがみ、濡れてるよ?」
それを聞いたかがみは頬を赤らめ潤んだ目でこちらを見下ろしてくる。
「えっ、そ、そんな訳……」
言い訳しようとしても体は正直だよ、かがみ。
「くッ…」
悔しそうに顔をしかめる。なんかヤな気分。

でも、その瞬間を狙ってズボンと下着に手を掛けてざっと膝まで下ろしてみた。
「ばか、こなたやめな、んんっ!」
反抗の言葉なんて言わせない。すっかり気持ちよくなって抵抗する力も残ってないとみてさっとかがみのわれめを口に含んだ。
「あ、ン……、は、はぁぁっ!」
色っぽい声出しちゃって……ヤバイ、私も我慢できなくなってきたかも。
ズボン一緒に下着も下におろして私とかがみの大事なところを重ね合わせ……
「ん、あ、あぁぁ」
ようとしたら体中に電気が走った感覚が襲ってきた。
触れただけなのに、気持ち良過ぎだよぉ。そのまま腰を下ろして離れないように前後に動いていく。
「うんっ、ああぁん、はっ、あぁ」
だめだ。かがみ可愛い過ぎる。この可愛い顔を長く見てみたい。でも、
「こ、こなたぁ……あぁっ!だ、だめぇ…」
「かがみぃ、わ、わたしも、もうっ!」
私もそろそろ限界かも。腰が勝手に動いちゃう。
「あ、あぁあ、い、イク、イっちゃうぅぅっ!!」
びゅしゃぁぁっっ!

―――バッ!!
「……あれ?……夢!?」
その後、気づいたらパンツが愛液でぐしょぐしょになってた。

           〜FIN〜
56411-685:2007/09/15(土) 13:19:25 ID:Z8HUxKkM
以上です。

11スレでゆたみなの鬱モノ書いた者ですが、そのさらに以前に夢で見たネタをSSにしました。
下手なSSを読んでくださってありがとうございました。
565名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:33:44 ID:1LzXvSvb
本当に流れが速いな・・・こりゃほんとに100時間はかからないかも
566名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:45:32 ID:DZw5fxxH
あと45kですか……
もう2つくらいいけますね
567名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 14:47:19 ID:0wlyjl9X
>>564
GJです!

こんなに流れの速いスレ初めて見たwww
568名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 15:01:08 ID:JByk6kFL
今週のラジオネタで白石に邪険にされてみさおに嫉妬するあきら様マダー
569名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 15:56:15 ID:UScdCTPM
なんかもー凄まじい勢いにびっくりだ。

>>479
はい、吹奏楽経験者です。
いくつかのタイトルも吹奏楽曲から取っています。


というわけで、2レスほど投下させていただきます。
570きゃんでぃ・がーる7:2007/09/15(土) 15:58:17 ID:UScdCTPM
 それは、よく晴れた日曜日のこと。
「かーがみーっ!」
「こらっ、やめんかっ!」
 こなちゃんはいつものようにお姉ちゃんに抱きついて、お姉ちゃんはいつものように
嫌がっているようでいて、こなちゃんのされるがままになっていた。
「えーっ? なんでさー」
「いくらあんたの部屋って言っても、ここにはみゆきとつかさが――」
「あ、私たちはおかまいなく」
「二人とも楽しそうだから大丈夫だよー」
 ゆきちゃんと私は、向かいで起きているそんな様子を見ながらひらひらと手を振った。
「あっ、そう? それじゃ遠慮無くー」
「ひゃあぁぁああぁぁっ?!」
 あっ、こなちゃんってばごろごろ言いながら喉元に顔を寄せてる……いいなー。
「でも、ゆきちゃん」
「はい?」
 私は温かい目でお姉ちゃんとこなちゃんを見てるゆきちゃんに、ちょっとした疑問をぶつけてみた。
「どうして、こなちゃんってこんなにお姉ちゃんに懐いてるんだろうね?」
「確かに……言われてみると、そうですね」
 学校の行き帰りでもよくお姉ちゃんを探してるし、昼休みもいっしょに食べてると嬉しそうだし、
よく電話もするし、お休みの日もこうやって集まることが多いし……どうしてなんだろ。
「海外では愛情表現としてのキスやハグはよくありますが、日本では珍しいですよね。
もしかしたら、泉さんの猫っぽさが関係してるのかもしれません」
「猫っぽさが?」
 私が首を傾げながら二人を見ると、こなちゃんはお姉ちゃんの首筋を舐めるのをやめて、頬ずりに移っていた。
「あー、やっぱり落ち着くー……」
「もう、こらっ、こなたったら」
 お姉ちゃんも口ではそう言ってるけど、手は優しくこなちゃんの髪を撫でてあげてる……
やっぱり、いいなー。
「確かに、こなちゃんってそんな感じだよね」
「猫口、とでも言いましょうか。私たちといるときにああいった口をよく見ますが、
かがみさんといっしょにいるときは特にそういった傾向が顕著ではないかと……」
 自信が無いのか、こくんと首を傾げてるゆきちゃん。いつもは見ないしぐさだから、
なんだかかわいく見えるなぁ。
「確かにそうかも。こなちゃん、猫みたいに懐いてるし」
「かがみさんも、時にはしつけ、時にはオープンに受け入れていますから」
「ということは、お互い信頼しあってるってことなのかな?」
 そう思いながら、またお姉ちゃんたちのほうを向いてみる。
「こなたー……もう、すっかり甘えんぼなんだから」
「ふにゃあ〜……」
 こなちゃんは、お姉ちゃんの膝に頭をのっけて気持ちよさそうに声を上げていた……
ううっ、ほんとに気持ちよさそうだよー。
「きっとそうなんでしょうね。ちょっと怒られることはあっても、裏切ることはないと
知っているといいますか。全幅の信頼を置いているということなのでしょう」
「そっかあ……」
 全幅の信頼、かあ。
571きゃんでぃ・がーる7:2007/09/15(土) 16:00:20 ID:UScdCTPM
 お姉ちゃんはもちろんだけど、私もこなちゃんとゆきちゃんのことが大好きだし、二人のことを信じてる。
 だって、二人とも私を助けてくれた人なんだもん。
「ねえ、ゆきちゃん」
 だから、この間こなちゃんが教えてくれたように――
「私も……やってみて、いいかな」
「えっ?」
 ゆきちゃんにも、同じことをしてあげたくなってきた。
「だ、だめならいいんだけど、その、ちょっとだけ」
「えっ、えっと、その、あの……」
 ほっぺたを赤く染めながら、私の言葉におろおろしてるゆきちゃん。
 ううっ、かわいいよー……こなちゃん、いつもお姉ちゃんのこんな表情を見てるのかな。
「えっと……少し、少しだけなら……」
「ほんと?」
 こくんと、ゆきちゃんが小さくうなずく。
 それを見た私は、ゆきちゃんのほっぺたに両手を沿えて……おでこに、そっとくちづけをした。
 ゆきちゃんのぬくもりがくちびるからじわっと伝わってきて、とっても心が温かい。
「ふぅっ」
「ふぁっ……」
 くちびるを離して顔をのぞきこむと、ゆきちゃんは目を潤ませていた。
「あのっ、ご、ごめんねっ、ゆきちゃん」
「い、いえ……その、あの……」
「……ゆきちゃん?」
「私も、お返しを……」
「ふわっ?!」
 そうつぶやくと、ゆきちゃんは私の頭を大きな胸にぎゅっと抱き寄せた。
 ゆきちゃんの胸はとっても温かくて、ふわふわしてて……心が、ぽかぽかになっていくみたい。
 こなちゃんとお姉ちゃんって、いつもこんな気持ちいいことをしてたんだ。
 なんだか、くせになりそう……

「おー、いきなり大胆だねぇ」
「つ、つかさまでこなたみたいになるなんて……」
「っ?!」
「い、泉さん?! かがみさん?!」
 ど、どうして二人して間近に来てるのっ?!
「くふふふっ。二人とも、こっちの世界へよーこそ」
「まあ、つかさとみゆきだったらいいか」
 いつもの猫口で笑ってるこなちゃんと、苦笑いしてるお姉ちゃん……って、えっと、その、
あの、今のこと、二人に――
「あ、あの……見てた?」
「おーいえー」
「ばっちりとね」
「っ?!」
 そ、そんな、しっかり見られてたなんて……
「……ふぅ」
 あっ! ちょ、ちょっと、ゆきちゃん、どうして倒れてるのっ?! 顔真っ赤だよ?!
「ゆきちゃん?! ゆきちゃん、ゆきちゃーんっ!!」
 体をゆさぶってみても、目がぐるぐる回ってて起きてくれないよー!
「やっぱり、二人ともウブだねー」
「みんなあんたみたいじゃないっての」
「ああっ、もうっ、二人とも感想言ってないで、ゆきちゃんを起こしてよーっ!!」
 この間の私みたいに倒れたゆきちゃんだけど……いつかはきっと、慣れてくれるよね?
 さっきの温もりを思い出しながら、私はゆきちゃんのやわらかいほっぺたをぺちぺち叩いていた。
572 ◆cj23Vc.0u. :2007/09/15(土) 16:01:16 ID:UScdCTPM
感染拡大。
573名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:12:13 ID:iwZGFCzI
なんか今回埋まるの早いな
もう460kもある
あと40kbで次スレか
574名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:13:56 ID:DZw5fxxH
>>572
ぐじょじょっした〜
俺にも感染しそうです
か、顔が蕩ける……
575名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:21:50 ID:IKaXRGAR
んでは次立ててくるね
576名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:22:22 ID:cTp6q1B3
>>575
まだ早いんじゃないか?
577名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:31:58 ID:IKaXRGAR
ではもう一作品待つか
578名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:34:50 ID:cDSmcEdq
480KB or 950レスあたりが目安だぜ ><
579名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:35:58 ID:iwZGFCzI
580名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:36:53 ID:iwZGFCzI
誤爆したんだぜ
581名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:58:14 ID:oINPAcjf
このスレの早さが嬉しくてワラタw

とりあえず、みさ×つかでひよりん並に妄想が暴走しかねない
582名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 17:04:23 ID:D/ccy/v7
>>572
GJ!(*´д`*)b
583名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 17:43:02 ID:ihGwrnsX
つかさ「ううん、この歳になって恥ずかしいんだけど・・・好きな人ができちゃったの
 
急に意識するようになっちゃって
最近やり取りがぎくしゃくしてしちゃって・・・
何もできず終わりたくはない一方で、
何か行動に移せる気もしないかな…かな…
 
 
どうにも情けないんだけど、
「仲間を信じるスキル」や「愛情と共存するスキル」みたいなものが
すっぽり欠落したまま成長してしまったんだと思うの
 
まあ私の場合の話だから
お前にも当て嵌まるかはわからないから一撃でバルサミコ酢〜♪」
584名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:05:10 ID:wy2k4ekm
もう450KBこしてるし。早っ

かがみ視点書いてたら話が浮かんだので3レス使用します
みゆきさんをあんまり出してなかったのでみゆきさん視点で
かがみがヘタレじゃないので多分お泊り会後
585いわゆるちょっとした不幸属性 1/3:2007/09/15(土) 18:06:15 ID:wy2k4ekm

授業が終わって、泉さんとつかささんが分からなかったことを聞きに来ました。
前の席と隣の席の人の椅子を拝借して座ってくるのは、いつもの事です。
私は先生ではないので上手くは教えれませんが、掻い摘んで教えているとつかささんはうんうんと頷いているのですが。
泉さんは……

「――で、ここの公式を当てはめるのですが……あの、泉さん?」

ンゴツッ!

「……いたい」

さっきから頭が舟をこいでいた泉さんが自分のノートに額をダイブさせました。
あからさまに痛そうな音がしたのにそのまま目を瞑って眠りに落ちようとしています。
余程眠そうなのですが、音が音だけに私もつかささんも泉さんを心配して起こそうとしました。

「こ、こなちゃん? 大丈夫?」
「眠いのなら無理をしないほうが……」
「いやー……中途半端に寝ちゃったほうが眠くなるんだよ……」

腕で踏ん張って上体を起こしても額は少し赤く、目はいつも異常に眠そうで。
しかもやっぱり痛かったのかちょっとばかり潤んでます。
私は泉さんには友達としての感情以上、厚かましいかもしれませんが親友としての感情を持っています。
愛情よりの感情ではありませんが……こんな泉さんをみるとかがみさんの感情も理解できます。
保護欲というか、放っておけないような。かがみさんの感情に比べるとちっぽけなものでしょうが。

「泉さん、額を冷やしたほうがいいのでは?」
「んー……だいじょーぶ」

またガクンとノートへ顔面ダイブをしそうになり、慌ててつかささんが泉さんの体を支えました。
驚くべき素早さです。でも、体だけを支えられて首に負担がかかりそうだったので私も慌てて泉さんの両頬を挟んで頭を支えました。
これでも起きずに眠りへ落ちようとしている泉さん、流石です。

「大丈夫かな、こなちゃん額赤くなってるよ?」

つかささんが心配そうに額を覗いて、私はこぶになっていないか確かめるために片手は頬に置いたまま額へ触れた時。


「こなたー、ちょっとい……い?」
「あ、お姉ちゃ……ん?」
「かがみ……さん?」
586いわゆるちょっとした不幸属性 2/3:2007/09/15(土) 18:07:00 ID:wy2k4ekm

かがみさんがクラスに遊びに(実際は泉さんに会いに)来ました。
それだけなら全然問題ありません。あるはずがないです。むしろ微笑ましいです。
でも、何でしょう?
この居た堪れない空気は。
笑顔のまま固まっているかがみさんを見ているとなぜか背中が薄ら寒いです。
何故でしょうか?
別にやましい事はしていません。
つかささんは泉さんが額をぶつけないように体を支えただけ。
私は打ってしまった額を確かめようとしただけです。


では、事情を知らずに今、この状況を見たかがみさんはどう見てるのでしょうか?


かがみさんの方へ向いていた首を泉さんへと向けて、客観的に私たちの状態を確認します。

1:つかささんが泉さんに抱きついて顔を近づけています(体を支えたので&額を覗き込んでいるので
2:私の片手は泉さんの頬に添えられています(頭を支えたので
3:泉さんを支えようとしたので、私は椅子から少し立ち上がっていて泉さんと顔が近いです(あと少し近づけば額がぶつかる位には
4:泉さんの額を確かめようとした手は意味深に泉さんの顔の前に(恋愛小説とかではキスする前のポーズですね
5:泉さんは目を瞑ってなすがままです(寝ているので

1〜5の結果から導かれる、今のかがみさんの心境は?


「な、なんかお姉ちゃん怒ってない!?」

怯えたつかささんがますます泉さんに抱きつきました。あ、あああっ……かがみさん、妹にまでやきもちはどうかと。
横恋慕なんてないと分かっていても嫉妬というのはコントロールできないのでしょうがこれは事故です事故なんです。
起きてください、泉さん。事件です。ピンチです。

「かがみさん、あの……泉さんが眠ってしまい頭をぶつけたので今度はそうならないように……」

しどろもどろです。説明文は大丈夫なのにアドリブは弱いのです。
でもかがみさんは納得してくれたのか「そっか、ありがと」と妙に弾んだ口調で笑顔のまま近づいてきました。
お、遅いかもしれませんが……心の中で言っても意味はありませんが……
泉さん、起きたほうがいいかと思いますよ?
かがみさんが泉さんの額に手を当て、笑顔で「あ、手はもう離してもいいわよ」と言いました。
はい、もちろんそうします。だから笑顔固定は止めてください。
つかささんも泉さんを抱きしめていた手を離して、思わず見つめあいました。
かがみさんは泉さんの体を片手で支えて、耳元にもう片方の手を添えて何かを言いました。
そして。
587いわゆるちょっとした不幸属性 3/3:2007/09/15(土) 18:07:52 ID:wy2k4ekm

「ひゃ、ぁっ――――!?」

泉さん、飛び起きました。
ガバッと立ち上がった所為で座っていた椅子が膝で押されて飛んでいきました。凄い勢いです。
私とつかさんは呆然として周りの視線を集めている事に気づいて身を縮めましたが泉さんとかがみさんはその事に気づいていません。
かがみさんはようやく満面の笑みで、泉さんにいたっては何が何だか分かってません。当然です。寝てましたから。

「か、かがっ……かがみ!? え、ちょっ、ここ学校だよ!?」
「でも今ので起きたでしょ? あんまりつかさとみゆきに迷惑かけるんじゃないわよ?」

かがみさんが泉さんの額を突付き、泉さんはかがみさんに何か言われた耳をずっと抑えています。
というより顔が真っ赤です。何を言われたのか非常に気になります。
楽しそうに笑っているかがみさんが私とつかささんの方を向いて言いました。

「もうこなたの眠気は覚めたと思うから」
「そ、そうなんだ……」
「あの……一体何を言ったんですか?」

尋ねると、ツインテールを揺らしてかがみさんが……私的に見れば、とても悪戯っぽく笑いました。

「何も『言っては』ないわよ?」
「か、かがみっ!!」

泉さんが真っ赤になってかがみさんの口を手で塞ぎました。
……『言っては』ないということは、『何かした』んですね、かがみさん……
眠気もすっかり飛んだらしい泉さんがかがみさんと言い合いをしてます。
いつもと少し違う点はかがみさんが優勢というところでしょうか。クラス中の注目集めてると気づいてません。
私たち置いてけぼりです。しょうがないので泉さんが飛ばした椅子をつかささんと一緒に取りに行きました。

「……つかささん」
「何?」
「……かがみさんは……お二人が付き合っていること、隠してるつもりなんですか?」
「だと……思うんだけど」

前の人と隣の人の椅子を元の場所に戻し、戯れている二人を見つめます。
私の目にはどう見ても……あれです。言い方が悪いかもしれませんが『バカップル』です。
でも……止めるには勿体無い気がしました。


「幸せそうで何よりです」
「そうだよねー」


こんな微笑ましいシーンを見れる私たちも、きっと幸せ者ですから。
588名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:10:02 ID:wy2k4ekm
以上です
少しみゆきさん黒いかも?

>>403
気づかれたか
次それっぽいの書こうかと思ってる
589名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:15:07 ID:nmVdGeT7
GJ!
590名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:18:12 ID:IKaXRGAR
GJ ではたててくるね。
591名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:18:35 ID:YKwFJEmS
>>572
つかみゆ!つかみゆ!
もっと!もっと!
百合!百合!
落ち着け俺

>>588
みゆきさんは黒いっていうより
青(かがみに見られたあたり)→桃色(その後)って感じがした
ていうかみゆきさんってこなかがものだとこういう立ち位置なんだな、とw


こちらも短いSSを書いたので投下。一時間くらい置いておけば大丈夫かな?
592名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:20:09 ID:IKaXRGAR
次スレ

らき☆すたの女の子でエロパロ16
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189847951/
593名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:25:02 ID:YKwFJEmS
>>592
スレ立て乙
せっかくなんで新しいスレのほうに投下します
どうせ4kb程度だからあんまり埋め立てにもならないし
594名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:25:29 ID:G7XPXbF4
>>588
GJ!
595名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:39:23 ID:n1A46rrW
>>591
GJ!みゆきさんって、こなかがものだとそんな感じですね。
優しい傍観者というか、とばっちり処理係というかw


>>592
新スレ乙です。

さて、スレが立ったのが、火曜日の午後6時24分。
470KBを超えて新スレが立ったのが、土曜日の18時19分。
ついに、週刊どころか週2回刊に。……どこのニュー速スレですかここはw

おまけに、レス番は600弱で容量がピンチ。
どれだけ長文レス(=SS本体)が多いか、ということ。
スレに投下された思考エネルギーの量では、下手をしたら2ちゃんねるでも1,2を争うスレなんではなかろうかと。
596名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:50:48 ID:IKaXRGAR
今速度だけ見るなら、こことなのはが2強になるのかな。
この2つとも、谷川スレのようにアニメが終わっても息長く続くかどうが楽しみ。

東方はその意味、驚異的な持続力を誇るともいえるw
597名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:59:36 ID:+xP2BqnT
>>596
そういえば、最速のエリアでは明日の深夜に最終・24話が放送なのか?(最遅のエリアは
13日遅れだとかいうが)
その次のスレあたりからは、>>1の1行目を変えないといけなくなるな
598名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:01:28 ID:xF0sz4z3
ああ、そうか、明日が最終回の放送日なのか…
全然実感沸かないわorz
599名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:03:23 ID:oINPAcjf
どう考えても今まで一番早く使い切ってます
さすがアニメの最終回前……
600名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:06:44 ID:iwZGFCzI
>>592
お疲れさん
さあ行こう・・・ここもじきDATに沈む・・・




ってまだ28kもあるよ!
601名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:28:31 ID:1yK4hsEN
来週で大半の地域は終わりか
なんだかんだ言ってもしばらく残りそうな奴多そう
秋新番は面白そうな作品あまり無さそうだしな
602名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:35:04 ID:OJtwVFS/
らき☆すたはガチで神だった
603名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:35:08 ID:C4rS6mDy
らっきー☆すたーであんらっきー!? を書いた者です
読んで下さった皆様、本当にありがとうございます

>382 の方には、迷っていた際に背中を押して頂き助かりました

感想をくださった方々には、いくら感謝しても足りません
心の糧として、これからの人生を歩みたいと思います
繰り返しになって恐縮ですが、本当にありがとうございます

私に出来ることと言えば、書くことぐらいしかありませんので
拙作ではありますが、精一杯の気持ちを込めて書いたおまけSSを
用意が調い次第、次スレの方へ投下させて頂きたいと思います
もしよろしければご覧下さい

最後にもう一度だけ、ありがとうございました
604名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:43:27 ID:d/9P4PXl
最終話は原作にない話だから、一番怖いのが千葉・埼玉・熊本県民からのネタバレだな……

アニメ版が終わったらスレの速度は半分くらいになって落ち着くと思うし、
そうなったらまた原作のイメージ通りまた〜りと進めていけばいいわけだ
(蔵のときのように、らき☆すた2期制作決定!!なんて特報が出なければの話だけど)
605名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 19:55:01 ID:xF0sz4z3
>>604
その地域内に住んでる俺としては耳が痛いお言葉で…orz
じゃあここでは最終回の話題はできるだけ出さない方向でいくのか?

それとゆったりペースでも構わないが、俺は今の投下ラッシュも好きだぜ?w
それだけこのアニメが慕われてるってことになるし
606名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:03:06 ID:2zAc05VL
とりあえずtvkの放送がある月曜深夜までは自重かなぁ
MX放送の水曜深夜までにはお喋りな人が喋っちゃうと思うし
そもそもニコ動(ry
607名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:12:40 ID:1yK4hsEN
俺自身は田舎暮らし長いから、ネタバレは慣れっ子だけど
ネットについでる以上、ネタバレは避けられないかと
ここは節度はあるから、大丈夫だとは思うけど
っていうか、らき☆すたのスレ ここしか見てないや
608名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:18:38 ID:IOd0iFX5
俺熊本に住んでるけど日曜の夜から出かけるから見れない
俺ってことごとくアニメの最終回見逃してるんだよな…
609名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:24:00 ID:rge8wH++
>>596
東方はキャラが豊富だしなぁ…ネタには事欠かないのかもしれん。
一時期あそこの住人だったけど、SS投下一切なしでもしっかり動いてるのは凄い。
610名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:51:32 ID:f/2lObo5
えと……。
多少のネタバレは仕方ないかも……。かなたさんの回にもあったしネ。

さて、初投稿したいんですが。ええですかね?
自分で出した「貞操観念」からの妄想です。
611名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:55:33 ID:385Ys8Qr
もう次スレたってるし
埋めの役割にもなるしいいんじゃね?
612名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 20:58:26 ID:ihGwrnsX
さーいしゅーかーい!しまっていこー!
613てーそ:2007/09/15(土) 21:19:38 ID:f/2lObo5
ではでは……

たぶん3レスほど拝借。
非えろ。会話多し。CPとまでは言えないかも。

その上、文章が稚拙。それでも読んでいただければ、幸いです。
614てーそ:2007/09/15(土) 21:21:06 ID:f/2lObo5
泉こなたは爆弾を投下した。
無論、実際に投下した訳では無い。
所謂、爆弾発言というやつだ。

とある休日の昼下がり。時期は晩春か初夏か…。
泉こなた、柊つかさ、柊かがみ、高良みゆきの四名は一堂に会していた。
…なんて、大仰に言ってはみたが、何の事は無い。
かがみの部屋で勉強会が行われているだけだ。
その休憩中。
いつも通り、つかさの作ったお菓子、今回はリーフパイのようだ、を食べていた時のことだった。

「ふと思ったんだけどね……みんなは『処女』ってどう考えてる?」

そうして。爆弾は投下された。
615てーそ:2007/09/15(土) 21:23:00 ID:f/2lObo5
「むぐぅっ!!」
「えと…あの……。あっ、かがみさん!はい、紅茶です。」
「少女?」
こなた印の爆弾はカオスを生み出した。
…なんてことはなかった。
しかし、波紋は残った。

「流石かがみ。食べ物を喉に詰まらせても、吐き出すことはないか……。」
「コクコク…。ふぅ。っさいわね!で、なんだって?」
猫口でニマニマしながらからかうこなたに、
喉に詰まったパイを漸く流し込めたかがみがツッコむ。
「処女だよ、処女。バージンとか、初体験って言ってもいいけど。
それをどう思ってるかってこと。」
「…取り敢えず、連呼しないでくれない?
こっちが恥ずかしくなってくる。」
力説するこなたと恥じらうかがみ。
赤面するみゆきに理解できていないつかさ。
616てーそ:2007/09/15(土) 21:26:53 ID:f/2lObo5
「話を戻すけど、つかさはどう考えてる?」
「どうって?」
「……つかささん、それはマジデスカ?」
疑問符を浮かべていたつかさが、更に疑問符を増やす。
今のつかさの半分は?で出来ている。
「みゆきさん、説明お願いしまふ…。」
「えと、簡単に言えば、その、せ、性的な初体験の自分のなかの位置付けについて、泉さんは尋ねているのです。」
少し調子めかして言うこなたに、みゆきは恥じらいながらも真面目に答えた。
その説明につかさは赤面し、「あうあう〜」と唸っている。
「恥じらってるみゆきさんも萌えるなぁ。」
「あんたの頭にはそれしかないのか?」
かがみはいつも通りボケるこなたにツッコミをいれた。既に習慣となっている。
「いやいや。それじゃ、かがみ。さっきの続きだけど…。」
「わ、私?言い出しっぺなんだからあんたが最初に言いなさいよ。」
「ん〜。それでも良んだけど、逆にトリをもらおうかなと。」
「…あんたにしては、考えてたのね。」
「酷いな〜。失礼だなぁ。」
そんなやり取りの後、結局かがみは答え始める。
二人の中にはつかさに振り直すという選択肢はないようだ。
「まぁ良いわ。そうねぇ…。私は早めに捨てたいかな?あ、でもそのとき本気で好きな人じゃないと嫌だな。」
「かがみ、そんな人いるの?」
「いないわよ!悪い!?」
「いやいや。じゃあ次は、みゆきさん。」
こなたがかがみを茶化しながら、みゆきのターン。
「私は、そうですね〜……。やはり、初夜でしょうか。」
「お〜。みゆきさんらしいと言えばらしいね。」
617てーそ:2007/09/15(土) 21:28:26 ID:f/2lObo5
こなたは、ふむと納得していたようだが、ふと、気付いたように聞いた。
「そう言えば、神社の娘ってそういうの守らなくて良いの?」
「昔は厳しかったらしいし、今もなくはないんだけど、うちはそうでもないわよ。少子化とかあるし。」
「……いつもながら、現実的で。」
「あによ?」
こなたとかがみの掛け合いを終了し、つかさのターン。
「いえいえ。次はつかさ!」
「う〜ん。やっぱりよく分かんないや。でも、そういうのは好きな人とじゃないとやっちゃいけないと思う。」
「う〜ん。やっぱ、そうくるか。」
「私のときと対応が違くないか?」
答えている事は似ているのに、こなたの反応が違うことに食ってかかる、かがみ。
「気にしたら負けだよ。」
「何に負けるんだ。」
「細かい所は気にしない。」
かがみのツッコミを受け流し、こなたは自分のターンに入った。
「んじゃ、私の番だね。私は……もしかしたら、一生捨てないかも。」
「は?あんた、まさか…?」
かがみは某掲示板を思い出し、冷や汗をかく。
「なに考えてるかは知らないけど、多分違うよ。」
「だったら、どういう意味よ?」
「こういう意味。」
食ってかかるかがみに、こなたは素早く近付き……。

−−−チュッ☆


唇を奪った。そして、放心した三人に告げた。
「私が好きなのは、かがみだから。捨てる機会は一生来ないかも。」



その後、かがみがツンになったり、デレになったり。
つかさが嫉妬したり、自己嫌悪したり。
みゆきが羨んだり、嫉妬したり。

そして、こなたがかがみと一線を越えてしまったり。

それらはまた、別のお話。
618名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:39:37 ID:f/2lObo5
分量を見誤っていていました。

お目汚しな上に重ねて失礼致しました。


「別のお話」はカブりそうなので、書かれるかは未定です。

最終回は、よ…とかニコ…には頼らないよ〜に…したい……かも。
619名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:40:44 ID:ihGwrnsX
いえ〜い!
gj!
620名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:45:24 ID:1LzXvSvb
GJ!
さあさあこのスレもあと少し!
がんばって埋めようでわないか
621名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:46:34 ID:385Ys8Qr
とにかくGJでした

とりあえずちょうどよい感じに埋めれるようなSSあるけど
どうしようか…
もしかしたら投下してる途中に容量オーバーになってしまうかもしれないし…
622名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:49:20 ID:DZw5fxxH
>>618
GJです!!
ぜひ別のお話を!!
内容が同じだったとしても、書く人によって風味や色合いが変わるのですよ。
だから躊躇せずにトライです!!
623名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:56:53 ID:ddgVxNsQ
>>618
>捨てる機会は一生来ないかも
こなたさんや、世の中にはディルドーという便利な道具があってだね?(自爆
そんな感じでぐっじょぶ!
624名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:57:04 ID:OJtwVFS/
GJ!!
さてさて埋め立てといきますか

最終回ネタバレはよそうな
俺はらきすた二期製作決定に100000PTS賭ける
625名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 21:58:58 ID:g9d0pWqo
良作の後に気は引けるが、埋めついでに小ネタをひとつ

「Noooooooooooo!」
「どったのひよりん?いきなり叫んだりして」
「パソコンが、うちの娘が〜!」
「わーこりゃまた見事に画面が真っ青に」
「描きかけの原稿が〜締め切りが〜ぬぉぉおぉおおぉぉぉ…」」
「まあ途中までは出来てるんだし、頑張れば何とか…」
「ふ、ふふふ、ふふ、そーっスね。頑張ればまだ何とか…はっ!?」
「ふおっ!?今度はどしたの?」
「今日の分、一回も保存してない…」
「……ドンマイ」

つい数時間前の出来事からネタを取ってみた。
嗚呼、初SSが…orz
626名無し@ピンキー[sage]:2007/09/15(土) 22:04:39 ID:Lxe2smNp
電王ネタがあったと聞いて急いで飛んで来ましたよ。

……もう、終わりかよ。便乗しようと思ったのに……。進行速杉orz

埋め替わりにでも投下しますわ。


ナレーター(CV:石丸):「萌えの列車、らき☆ライナー。次のコミケはこなかがかゆたみなか」


萌えの波を捕まえて〜 今すぐに逝くのさ約束の有明(バショ)
限界〆切 いざ飛び越えClimaxJump!(いーじゃん!いーじゃん!いけるじゃん?! いーじゃん!このネタ!スゲーじゃん?!)
描きまくりたいカプがあるけど それ実は親友の二人(書いちゃえ!)
迷いそうな時必ず 心の悪魔が囁く
キミが望む未来 壁サークル
始まりはいつも突然 導入部まで描いたら間に合わねぇッス
不可能超えて 描いてみせるッス全カプ
自重すること恐れないで 明日の自分見失うだけ
誰より売れる 本を描くのさ ClimaxJump!(いーじゃん!いーじゃん!いけるじゃん?! いーじゃん!このネタ!スゲーじゃん?!)


同人ライターひよ☆王



始まり……ません!
627名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:06:29 ID:Z7Ot+rmC
>>442
いい加減、百合ネタ自重しろ
そうじろう可哀想だよ・・・
628名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:06:56 ID:Lxe2smNp
まぁ、何だ

色 々 ス マ ン カ ッ タ


ちょっくら吊って来る
629名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:11:32 ID:4GtmJVz3
>>627
>>1を見ような!
630名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:14:19 ID:JByk6kFL
カップリングは自由とか書いてるのにスレタイが「女の子で」だったり「基本は百合」だったりってのは、なーんかホコタテな感じ。
白石×あきら様大好きな身としては肩身の狭い思いなんだが…
631名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:22:05 ID:0wlyjl9X
>>1さえ守ってくれればなんでもアリのスレなんぜ
632名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:22:38 ID:ddgVxNsQ
>>630
あきら様も「らき☆すたの女の子」だから無問題。
狭い肩身ならひぎぃとこじ開けるのだ。需要はあると思うよ?
633名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:24:43 ID:d/9P4PXl
友里だけに、ユリオカ超特Qさんの芸風で「基本」を調べてみた

きほん 【基本】 
物事が成り立つためのよりどころとなるおおもと。基礎。
「政策の―」「―を学ぶ」
三省堂提供「大辞林 第二版」より

きそ 【基礎】
(1)その上に建物を建てたり大きなし装置を設置したりするためにすえる土台。いしずえ。
広辞苑 第五版より

どだい 【土台】
(3)物事の基本。もとい。基礎。
広辞苑 第五版より

もとい 【基】
(1)土台。基礎。また、物事の根本。根拠。
広辞苑 第五版より

こんぽん 【根本】
(1)草の根。
広辞苑 第五版より

草の根BBS(くさのねビービーエス)とは、
パソコン通信のうち主に個人やグループが運営していた小規模なものをいう。
google先生→みwikipediaさんより


……あれぇ?
634名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:29:09 ID:+xP2BqnT
>>624
俺は、来年の夏辺りに特別編とかと称して25・26話が放送されるに一票
そして、その時にさらなる続編の発表が(ry
635名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:32:14 ID:lS2K3o1j
>>634
ハルヒ2期とCLANNADで京アニはカツカツに50モリタポ
636名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 22:37:31 ID:VsYMW+Qm
>>634
それ明日の最終回がぶつ切りフラグだから勘弁して
637名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:26:24 ID:xWa0dXGQ
テラギアスwww
638名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:29:35 ID:OYTkgfeX
>>634
大丈夫だ!ある4コマは特別編やるぞ!希望は持った方がいい!
639名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:31:49 ID:DB+JSq5t
つかみゆかがこなみなゆた大好きだー埋めのついでに愛を叫ぶ
640名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:41:41 ID:JQTqfQ1v
>>639
ひよりんのことも愛してあげてください・・・

そして、黒井先生のことも忘れないで上げてくだしあ><











は?ゆい姉さん?なにそれ?
641名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:45:40 ID:tVt2D03C
ちょwおまいらwGJwww
642名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:48:18 ID:OYTkgfeX
ゆい姉さんはプロジェクトDのダウンヒルエース







だったら面白いのに・・・・
643名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:59:09 ID:DZw5fxxH
>>640
パティの名前すら出ていない件について
644名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 00:03:39 ID:JQTqfQ1v
正直、すまんかった・・・
64511-618:2007/09/16(日) 00:11:10 ID:HshAi7jW
すまん、ちょっと20分ぐらいで気分転換に書いたやつ投下する。
王冠〜の番外ってことで。
646ぼたん:2007/09/16(日) 00:12:59 ID:HshAi7jW
どうしてこんなことになったのだろう。
「み、みなみちゃん……」
私の目の前には小さい体を更に縮こまらせて、不安げに私を見つめる親友、ゆたかの姿があった。
いや、親友というと語弊があるかもしれない。
ゆたかは私の片思いの相手だ。
いつ頃からこの想いが胸に生まれたのか、それは私にも分からない。
最初は何気なく差し伸べたはずだった手。
それが今では逆に私を支えてくれている気がする。
ゆたかといると、心が穏やかになる。
ゆたかに触れられると、体が熱くなる。
こんな風になったのは生まれて初めて。

「みなみちゃん……」
ゆたかが再び私の名前を呼ぶ。そのたび私の理性は頼りなく揺れる。
ゆたかの服はすでにはだけていて、彼女らしい地味目な下着と、滑らかな素肌がのぞいていた。
普段は病的なほど真っ白なその肌も今はほんのりと桃色に色づき、可愛らしい彼女に妖しい色気を加えている。
それが見られている羞恥からか、それとも興奮からきているのかは分からない。
「みなみちゃん、早くして……お願い……」
ゆたかが濡れた瞳で私に懇願する。
もう我慢できないのだろう。無理も無い。
こちらとしては悪気はないとはいえ、かなり焦らしてしまっている。
恥ずかしがり屋の彼女にとっては、耐え難い状況なのだろう。
「じゃあ、いくよ?ゆたか…」
「うん、お願い…」
私は覚悟を決めて、震える手で残っているボタンを外し始めた。










「アレ?ドウシマシタ、ヒヨリ?」
「……そしてついにみなみは、最後のボタンに手を……」
「これはどっか他の世界に逝っちゃってるみたいだね……さすがひよりん」
64711-618:2007/09/16(日) 00:16:59 ID:HshAi7jW
ここら辺ちょっと描写不足だったかな、ってことで書いてみました。
本編のほうはもう少しお待ちを。

それから、ひよりはジョジョラーじゃないよ。
っス語を見つけてもジョジョ風にツッコまないであげて下さい…
648名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:21:53 ID:4vhITlj3
別の世界に逝くより現実のほうが楽しいのにw
ここから数日間ひよりは同人誌を書きまくるんだろう
649名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:22:33 ID:LiC/Bmyk
さあ、埋めるザマスよ♪
650名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:26:25 ID:QYb8nXUH
埋めるでガンス
651名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:26:54 ID:GIIo1HjF
490KBでガンス
652名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:30:21 ID:mjCP2kec
ふんがー
653名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:33:09 ID:F94lnmz0
まともに埋めなさいよ!
654名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:33:54 ID:nvCKIO5U
曖昧10KB
655名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:34:29 ID:QYb8nXUH
うちのクソオヤジめ・・・あのクルマを抜かねーと勝ったと認めてくれねーだろな・・・
しょうがねぇ、あれやるか!ガソリン満タンかかってるからな・・・・
仕掛けるポイントは・・・この先の>>660だ!
656名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:37:09 ID:T3HEEhGl
>>655
それイニDってことかい?ちょっ!
657名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:40:24 ID:jWo0q8FO
ゆい「やっほー!秋名のハチロクってのはおにーさんかなー?」
658名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 01:44:15 ID:m8lhKGJJ
ちょめちょめD的な流れをぶった切るようにしてネタ投下

こなた「ねえかがみ、きしめんほしい?」
かがみ「きしめん?突然何よ」
こなた「いやー、つい買いすぎちゃって…」
かがみ「はいはい、もらっていくわよ」
こなた「はい、じゃあこれ。あと自分の部屋で開けてね」
 
柊家、かがみの部屋にて
かがみ「な……何これ………?」
 
翌日
かがみ「こなた!あれのどこがきしめんなのよ!」
こなた「かがみん、あれは通称「きしめん」と呼ばれるエ○ゲーなのだよ」
かがみ「そんなものを他人にあげるな!っていうかあんた昨日「買いすぎた」って言ってたけど、何個買ったのよ!」
こなた「いやー、マンガとかを買う時の癖で保存用、観賞用、布教用って三つも買っちゃったよ…」
かがみ「こんなものを布教させるな…」
659名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 02:02:40 ID:QYb8nXUH
宣言より早めに投下!くそっ!立ち上がり重視の溝落としだ!

ネトゲー徹夜で 遅刻する時代 でも早起きの仕方がわからない
宿題移せばいい なんてノンキなヤツにラリアート3回
ヲタ知識生かしてただボケ合い ネタ言っている事に気がつかれない
萌死にする前に叫ぼうぜ Ho!!!!!! らき☆すた二期希望!
(1stOPで)

即興には限界あるぜ・・・
しかしチョメDのBGMにまでネタしこんでたとは・・・・
660名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 02:13:19 ID:Ehn/b0vv
さすがに残り11Kでは短編でも難しいか、安全を考えれば1発小ネタ程度ってとこか。
661名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 02:31:27 ID:UvX1tpm9
>>660
    ( ゚д゚)
  _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
    \/    /
       ̄ ̄ ̄
    ( ゚д゚ )
  _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
    \/    /
66213-264:2007/09/16(日) 02:40:15 ID:2b0CFa6Q
ということで、一発小ねたー。

「こなたー、私もう寝るからー」

 かがみからかけられた声に、こなたは漫画から目を離すこともなく返事をした。
 途端、取り上げられる漫画。
 こなたが目線を上げると、その先には眉を釣りあがらせたかがみが居た。

「……私、もう寝るんだけど」
「いや、だから返事したでしょ」

 こなたの言葉を受けて、かがみの顔がみるみる赤くなっていく。
 そして、怒りの表情は段々と情けない物へと変化していった。
 そろそろかな、とこなたは思った。
 口元には笑みを浮かべておく。

「まったくもー、かがみはさびしんぼうなんだから」
「な、何よ! 私は何も言ってないでしょ!」
「はいはい。私も着替えてから行くから、先にベッドに入っててねー」

 かがみはまだぶつぶつと文句を言っていたが、こなたは聞こえなかったことにしてタンスの中を漁り始めた。

おしまい。
663名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 02:43:34 ID:2b0CFa6Q
……最近、同棲妄想が止まらないんだよ。

遅くなりましたが、前作に感想をくれた方々ありがとうございましたー。
処女作で緊張していたのでありがたかったです。
また、何か書いたときにはよろしくお願いします^^
664479:2007/09/16(日) 02:46:19 ID:WPuaG+v3
>>572
ぐじょーぶ!
あなたの書くキャラはなんでこんなに可愛いかなぁ、もうwww

おぉ、やはりそうでしたか。描写に吹奏楽がちょこちょこ入るからもしや、とは思ってたのですが。
これからも密かに吹奏楽ネタでニヤニヤさせていただきますwww
665名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 03:03:13 ID:T3HEEhGl
ちょいと埋め小ネタを一つ。


「最近、『おしりかじり虫』とかいう歌が流行っているらしいね」
「あ、それ私も聞いたことがあるー。ああいう曲とかって、なんか頭から離れなくなるよねー」
「そういえばつかさ、最近家とかでもよく口ずさんでいるわよね」
「はぁうっ!」つかさの顔が急に赤くなる。
「でも、つかさの言うことも分かる気がするわね。「かじってナンボの商売」とか、わけわかんないのに」
「おぉ〜う、かがみも結構そういうの聞いてるんだ〜」
「ち、違うって!この間テレビで特集されてて、ちょっと気になったから調べてみただけよ!」
そんな、顔を赤くしたかがみを、こなたはそれ以上からかわなかった。
その時こなたはかがみの後ろにまわり、狙いを定め、タイミングを見計らっていた。そして次の瞬間
「おしりかじりむし〜♪」
「ぅわっ! ―――な、なにしてんのよあんた!」
こなたは、かがみのスカートの中に手を入れ、かがみのおしりをつまんでいた。
「だめだなー、かがみ。そこは「かじられちゃって超いい感じ」って言わなきゃ」
「そ、そんなこと、言うかーっ!」
昼休みの教室に響いたその声に驚いた何人かがこちらを向き、かがみはさらに恥をかくこととなる。
666名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 03:06:51 ID:T3HEEhGl
うん、CDTV見てたらこんな電波を受信してしまったわけだ。だって
10位 こなたキャラソン
11位 おしりかじり虫
12位 かがみキャラソン
13位 つかさキャラソン(みゆきキャラソン:18位)
これは何か狙ってるとしかだな(ry
667名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 03:11:37 ID:Htpaswud
新スレに写ったらみさおネタ投下するか。
668名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 03:40:41 ID:Oqeuw9LY
いつになっても埋まる様子ないので
10分程度で書いた小ネタ


気づけばTVアニメらき☆すたが放送してからもう23回目
次で24回目。そうらき☆すたは24話で最後なのだ。

さぁ、始まるザマスよ
いくでガンス
ふんが〜

ここでもやるんかいっ!
空気読もうよ…かがみ…

 ―最終回に向けて― 

「と言うわけでみんな〜、今までの放送を振り返ってみよう〜」
「また唐突ね…まぁ最後だからだろうけど…」
「ねぇ、最後だからみんなとお別れしちゃうの・・・?」
「つかささん、大丈夫ですよ。これからも4コマ漫画として色々な雑誌に掲載されるようですから」
「うんうん、きっと大丈夫だよ」
「きっとってあんたね…」
「まぁまぁ、それより今までの話で気になった事ってある?」
「う〜ん…みんなの中で一番初めに喋ったのが私だったよね、私あの時すごく心臓がバクバクしてたんだ…」
「主人公の私よりつかさが先に喋るなんて思いもしなかったなぁ」
「原作の通りだから仕方ないわよ」
「でも泉さん、一番最初に映りましたね」
「まぁ、そこは主人公だからね〜」
「自慢げに言う所が少しむかつくわ…私も登場が遅かったし…」
「それになんといってもチョココロネの会話にその他色々な会話!」
「私はそれのせいで出番遅れたからその話はやめてよ…」
669名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 03:41:58 ID:Oqeuw9LY
「でもあれは延々と話し続けてるだけだったからなんか不評だったらしいよ」
(みんな私の出番待っててくれたのかな…?)
「お姉ちゃんどうしたの?」
「何も考えてないわよ!」
「う〜ん、否定する所がかがみらしい〜」
「誰がツンデレよ!」
「誰もツンデレって言ってないけどねぇ」
「うっ…」
「後目立つ所と言えばOPのダンスですね」
「あれはすごかったねぇ、私全然ダンス覚えられなかったんだもん…」
「でも最後はちゃんと踊れてよかったじゃん」
「あれはほんといろいろな意味で疲れたわ…」
「OPの途中の会話もみんなちゃんと喋れてるのに私だけ喋る言葉を忘れて変な事言っちゃってるし…」
「つかさらしいわね。それにこなたもこなたらしかったわね」
「それとEDだとカラオケでしたよね」
「カラオケねぇ…こなたのアニソンメドレー聞かされた時はどうにかなりそうだったわ…」
「でもこなちゃん、歌結構上手かったよね」
「私からしたらなんか満足いかなかったんだよね」
「自分が出して聞こえる声と人に聞こえる声は違うらしいですからね」
「そうそう、それにつかさ夏休みの時変な事言ってたわよね。バルなんだっけ?」
「あ…あれはちょっと、なんか急に言葉になって出ちゃったから…」
「へぇ、つかさもアドリブするなんてねぇ」
「6話もすごかったですよね」
「あぁ、原作にないオリジナルの話ね、てぃもて〜てぃもて〜」
「私は思い出したくもないわ…」
「う…うん…私も…虫が…思い出しただけで…」
「ちょ、ちょっと急に抱きつかないでよ」
670名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 03:43:17 ID:Oqeuw9LY
「でもさ、みゆきさんの雑学知識もすごいよね、1〜12話でほぼ毎回と言っていいぐらいやってたよね」
「みゆきも凄い物知りよね。でもその後の話で全く機会がないのが少し残念だけど…」
「毎回やるのも少しあれでしたから…
 みなさん、12話では楽しそうでしたよね私は行きたかったのですが行けなくて残念でした…」
「いや、みゆき、行かなくて正解だったわよ」
「いや〜、ほんと楽しかったよ」
「コ…コミケ…?」
「つかさ、また抱きつかないでよ…子供じゃないんだから…」
「それに初詣にかがみさんたちの所に行きたかったですね」
「いやぁ、巫女服可愛かったね二人共」
「かがみさんたちの巫女姿一度見てみたかったですね。東京にいるので遠くて残念でした…」
「こなたよりみゆきに着て欲しかったわほんと…」
67114-319:2007/09/16(日) 03:44:56 ID:Oqeuw9LY
時間あったらもっと詳しいネタ書けますけど
時間も容量もなかったのでこんな簡単になってしまいました
13〜23話の話も多分書きます
672名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 04:00:00 ID:d+OfpLEx
673名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 04:01:44 ID:iHOgeoSa
うめ
674名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 04:04:56 ID:Oqeuw9LY
もう一つ埋め小ネタ

「まぁ、そんなこんなでらき☆すたも最終回だねぇ」
「思えば長かったようで短かったね」
「最後は文化祭よ、こなた、やる気出しなさいよ。
 つかさ、迷惑かけないようにね。
 みゆき、二人が何かしないようちゃんと見張っておくのよ」
「はい、かがみさん、大丈夫です」
「いやぁ、もしかしたらみゆきさんが一番危険だったりして…」
675名無しさん@ピンキー
最後にもう一つ

「ねぇ、ゆきちゃん…なんで私たちっていらない子なんだろ…」
「そうですね…なんででしょうか…もしかしたら天然ドジなキャラは扱いにくいのでしょうかね…
 泉さんの様なボケキャラの方が動かしやすそうですし…」