2ゲト?
あ、1ね〜ん乙組ぃ〜
刀、 , ヘ
/´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
/: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/
/: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : : :\: : : : :: : : :ヽ \ /: : : :/
 ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i / /: : : : :/
/: : ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/ /: : : : :/ 、
. /: : / . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : | /: : : : :/ |\
/: : ィ: : : : :.i: : | \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:! ,': : : : / |: : \
/ / !: : : : :.ト‐|- ヽ \: : : : : l::::__:' :/ i: : : : :{ |: : : :.ヽ
l/ |: : :!: : .l: :| \: : : l´r. Y {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
l: : :l: : :ト、| 、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
|: : :ト、: |: :ヽ ___,彡 ´ ̄´ ヽl-‐' \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
!: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
V ヽ| }/// r‐'⌒ヽ イ〉、
ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、 こ、これは
>>1乙じゃなくて
ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ ポニーテールなんだから
r‐'T¨「 |: | !:.∨:/:./: :| |: : : : .l: : : :\ 変な勘違いしないでよね!
/: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\
おまえら早すぎwwwまだ12スレも読み終わってないwww
8 :
前スレ839:2007/09/04(火) 00:04:24 ID:LVDWmet/
>>1 乙です
遅れましたが投下します
『ああ、すばらしきお泊り会 ゲーム結果』の続き
本来これで終わらせるつもりでしたが、長引いたので+もう一話分です
そんでもって寸止めになってます
10レス使用します
パタン、と小さな音をたてて私は自室のドアを閉めて廊下へと出た。
少し喉が渇いたから飲み物でも持ってくるよ、という言い訳の元に。
実際の理由は『いきなり襲われて結構驚いたから』とか『かがみに地獄車かけそうになって申し訳なくて』とか
『さっき物音立てちゃったからお父さんとゆーちゃんにばれてないか確かめるため』だとか色々ある。
ドアに寄りかかって誰もいない廊下を見回す。
よくある展開みたいに、ドアを開けたら誰かが覗いてましたってことはないみたいだった。誰もいないし。
さっき時計を見ると12時だったから、ゆーちゃんはすでに寝ている可能性も否定できない。
起こさないようにそっと裸足で廊下を歩く。ペタペタと音がするのはしょうがない。
台所まで行くとリビングに人影があった。どうやらお父さんはまだ起きているらしい。
「まだ起きてるんだ、お父さ」
中途半端に声が途切れてしまう。
そこにはお父さんと、なぜかその向かい側にゆーちゃんが、一緒にお茶を飲んで座っていた。
ゆーちゃんがこの時間まで起きてる事は珍しい。明日が休みとはいえ大抵この時間には眠っているはずなのに。
もしかしてさっきの床蹴った音で目が覚めちゃった……とか?
「どうしたの、お姉ちゃん」
「あ、いや……珍しいなーって思って」
「ちょっと喉渇いちゃって。お茶飲みに来たらおじさんが居たからちょっと話してたんだ」
もうお茶は飲み終わったらしく、それを示すためのジェスチャーかゆーちゃんはコップを揺らした。
カラン、と氷の音が響く。お父さんの方はまだ半分ぐらいお茶が残っていた。
話を続けようとも思ったけど、かがみを待たせているし正直何を話せばいいのか分からない。
だから早く部屋に戻ろうと、ゆーちゃんとお父さんが使っている透明のコップを棚から二つ取り出し氷を入れる。
それにお茶を注いでいると後ろから声が掛かった。
「お姉ちゃん、さっきベッドから落ちた?」
「え?」
どう反応すればいいのか考え込んだせいで、思っていたよりお茶を注いでしまった。こぼれなかっただけよかったけど。
多分、あの床を蹴った音を聞かれたんだろう。
ゆーちゃんじゃなくてお父さんにならばれてるんだしまだオープンに話せるけど、ゆーちゃんには刺激が強すぎるんじゃないだろうか。
だったら曖昧に誤魔化したほうがいいかもしれない。
嘘をつくことに罪悪感を感じるけど、一から十まで説明するのは恥ずかしすぎる。
「うん、寝返りうったら落ちちゃって」
振り向かず、二つ目のコップにお茶を注ぎながら返事をする。
だからゆーちゃんの表情は分からないけど。
「ベッドじゃ狭いの?」
後ろから飛んできた声は、妙に心配そうだった気がする。
その質問をされる理由がわからない。お茶を注ぎ終わり、冷蔵庫に片付けて。
「そんなに私寝相悪くないって」
両手でコップを持ってゆーちゃんの方を見る。
私の返事に『?』という表情を返してきた。
上手くキャッチボールが成立してないのだろうか。お父さんだけが苦笑している。
この空気がいまいち理解できずに「おやすみ」とだけ言って自分の部屋に向かった。
ペタペタと廊下を戻り、両手が塞がっているのでかがみに中からドアを開けてもらう。
「はい、ちょっと量多いけど」
「さんきゅ。……って、本当に多いし」
表面張力が働くほどじゃないけど、何も考えずに歩くとこぼれるぐらいに注いでしまった方をかがみに渡す。
布団の上でお茶を飲むのはどうかと思い、だからと言って机を出すのも面倒でそのまま床にコップを置いて座った。
スペースの都合上、隣同士ではなく向かい合わせで。スピードの時と同じように。
そう言えば散らばっていたトランプが片付けられている。かがみが片付けてくれたんだろう。
「そうそう。さっきゆーちゃんに、ベッドから落ちた? って聞かれたよ」
「えっ……ってことは、床を蹴った音聞かれたって事?」
「うん。一応そうだよって言っておいたけど。だから今からあんまり音立てないようにしよ」
「そ、そうね……」
なぜか焦っているかがみがコップを傾けて一気に半分ほどお茶を飲んだ。
別にゆーちゃんにはばれてないんだし、ただ聞かれただけだろうからそこまで焦る必要はないと思うんだけどな。
もし寝てるときに起こしちゃったのなら悪いけど。
問題はお父さんの方だ。あの苦笑はどういう意味なんだろ。
私もコップを傾けて一口だけ飲む。色々あって少し熱かった体に冷たいお茶が五臓六腑に染み渡った。
「ねえ、こなた。ゆたかちゃん、他に何か言ってた?」
「ん? えっと……ベッドじゃ狭いの? とか聞かれたよ」
「あうぅ……」
かがみがコップを両手で握り締めて俯いた。何をそこまで困惑しているのか、理由がわからない。
それよりもお父さんのあの苦笑が心配だ。大方、お父さんは私たちの関係を知ってるからさっきの音の理由も勘付いてるかもしれない。
からかってこなかったのは単にゆーちゃんが居たからだろう。
「かがみはさ、何でああいう事するの?」
そもそも、私が床を蹴った原因はかがみに押し倒されて……耳とか、舐められたからで。
理由を尋ねても明確な答えが返ってくるとは期待してないけど思わず尋ねてしまった。
「ああいう事って?」
「キ、キス以上の事、とか。最後襲ってきたりしたし」
他にどう言えばいいのやら。
気恥ずかしさから、私はお茶を飲みつつコップで顔を隠した。
かがみも返答に困ったのか、お茶を一気に飲みほしている。
飲みほしたついでに小さくなった氷も口に入ったらしく、ガリッと噛み砕く音が聞こえた。
「……好きだから……だと思うんだけど?」
「質問に質問で返すのは関心せんな」
ちょっと偉そうにあるキャラの口癖を真似てみる。
かがみが眉間に眉を寄せたけど、私が納得できる答えなんて多分誰も持っていない。
持っているとしたら、それは私自身のはず。どんな理由にせよ私が納得したらそれが正解なんだから。
「好きだからそういうことする……ってことなら、私がかがみを襲ってもいいの?」
まずありえないだろう事を聞いてみる。
驚いたようだけど、私の顔を見て声を飲み込んだみたいだった。
「こなたが私を、私と同じ理由で襲うって事はないと思う」
「好きだからって理由で襲わないってこと? 私だってかがみのこと好きだよ」
自分だって襲わないとは思っているけど、ちょっと言い方が気に入らなかった。
私の口調が少し強くなったからか、かがみは急に言葉に詰まって顔を手で隠す。
言葉を選んでいるのか数秒停止していた。
「えっとね……私がこなたに触れる理由は好きだから。それはOK?」
「分かるよ。私だってかがみに触れる理由は好きだからだし」
またかがみが言葉に詰まる。
その間に私はお茶を飲みほした。床にコップを置く。ゆーちゃんがコップを揺らしたときのように氷の音はしなかった。
私の内側から鳴る心臓の音の方が大きすぎて、氷の小気味いい音はかき消された。
「……私は、普通に触れる以上のことを望んでこなたに触れてる。それは……分かる?」
分かるも何も、さっき身を持って経験した。
小さく頷く。床に置いていたコップの表面の結露が一滴床へと垂れ落ちた。
それがよく漫画にある大きな冷や汗みたく、自分の心理を表しているようでタイミングのよさに内心驚く。
「こなたも前に比べてスキンシップ多くなったけど……私と同じ感情で私に触れてる?」
何かを求めるように私の目を見てくる。
でも心の内を見透かされているようで、罪悪感とまではいかないけどそれに似た感情が湧いてきた。
かがみの瞳に僅かながらも諦めの感情が揺らいでいる気がしたから。
かがみが聞いてきたことは、回りくどいけど端的に言ってしまえば簡単。
『最後までしてもいい?』
つまりは、多分、そういう事を聞いているんだと思う。
喉が乾燥しているようで上手く声が出せない。何でさっき全部お茶飲みほしたんだろう。
しょうがないから唾を飲み込んだ。
私がかがみのことが好きだと言うのは間違いない。
つかさやみゆきさんに抱きつくことも出来るけど、かがみに抱きつくときの感情とはやっぱり違うと思う。
恋愛感情込みの好きという感情を持っているのはかがみに対してだけだ。
そうじゃないとキスとかしないだろうし、押し倒されて流されたりはしない。
ちゃんとそこまでは自信をもって言えるのに。
「……分からない」
私は最後までしたいのか? かがみに泊まりにくるように言った時は、そう言われたら流されて頷けると思っていた。
嫌だってわけじゃない。ただ、まっすぐ目の前に質問を突きつけられてすぐに頷けるほど私は単純じゃない。
だからと言って絶対に拒否したいほどじゃない。自分が何を望んでいるか『分からない』
「でしょ?」
かがみが、私の答えを予想していたかのように聞き返してくる。
頷く事も出来なかった。その動作すら、余計にかがみを傷つけるんじゃないかと思って出来なかった。
「かがみは――私に触れたいの?」
回答は声ではなく、かがみの指が頬に触れたことで伝わった。
その指の温度は私たちの心情に反して若干冷たかった。
氷が入ったコップを持っていたからかもしれない。
だけど、その冷たさで私は指から逃げた。
もしかしたら原因はそれだけじゃないかもしれない。いや、きっとそれだけじゃない。
「……ね?」
かがみが薄い笑みを浮かべながら呟いた。
その一言に、どれだけの感情を乗せたのか私には到底わからない。
「コップ、下に持っていくよ」
私は逃げた。自分とかがみの分のコップを、中身がないから片手で持って。
再び小さな音をたててドアを閉める。ドアに寄りかかる。体が重かった。
ナイフで刺されるような痛みではなく、針で刺されつづけているような痛みが胸にありつづける。針はきっと罪悪感なんだろう。
かがみが私のことを好いていてくれるのは、それこそ痛いぐらいに分かった。
でも、受け入れられなかった。どうしてもすぐには頷けなかった。
かがみの事を好きだって胸を張って言えるなら受け入れるべきだったんじゃないのか。
台所へと向かう。足が重たいのはちょっとでも部屋に帰る時間を遅らせるためなんだろうか。
だとしたら私はどれだけかがみを傷つけているんだろう。
謝るべきか、でも謝ってもかがみを傷つける。謝るって事は、完全に拒絶するって言う事と同じ気がする。
リビングにまだお父さんはいた。ゆーちゃんはいないから、きっと部屋に戻ったんだと思う。
流しにコップを置くと、今度はお父さんが後ろから声をかけてきた。
「『どうしよう』って顔してるぞ」
「だって、まさしくそう思ってるもん」
コップを置いたけど、足が部屋に戻ろうとしない。
何となく自分の指で頬に触れてみた。
かがみに触れられたときと同じく指の冷たさを感じる。
「好きだから触りたいっていうのは当然なのかな」
心の中で呟くつもりだったのに、お父さんに尋ねるように言ってしまった。
どこかで相談したいと思っていたからだろうけど、ちょっと驚いた。
「だろうな。度合いは人それぞれだろうけど」
「好きなら相手にあわせるべきかな」
「無理にあわせる必要はないだろ。
こなたは『キスぐらいなら許してもいいけど、プラトニックをつらぬいて』と思ってるのか?」
「お父さんネタの選曲古いよ」
それに関連してか、私はじゃじゃ馬の方も思い出した。
こういう時でもそういう事言うんだねお父さん。そしてこういう時でもちゃんとツッコむんだね私。
わざとらしく笑うと、痛みが少し引いた気がした。
「そういうことをまったくしないでほしいとは思ってないんだよ。抱きつくと暖かくなるし、居心地がいいし。
ぶっちゃけちゃうと……キスだって嫌じゃないもん」
「ホ、ホントにぶっちゃけるなぁ……悩んで二人で決めた事なら、俺は何も言う事はないんだが」
苦笑交じりの声が届く。
今の私は答えを探すためじゃなくて、この重さから逃れたくて胸にある針を吐き出してるだけにすぎない。
恥ずかしいけど、言ったほうが楽になった気がした。
まぁ、お父さんとはエロゲのキャラ攻略の話なんかもしてるんだから、今更恥ずかしいもなにも無いような。
「……お父さんは反対しないんだね」
「ん? 何をだ?」
「私とかがみが付き合うこと」
そこでようやくお父さんの方を向いた。テーブルの上に置かれているコップの中にお茶はないし、氷もほとんど溶けかけていた。
コップに手を添えたままお父さんもこっちを向いている。
けど、ふいに視線を逸らして別方向を見た。
「好きあってるのに、周りから賛同されないのは悲しい事だろ。特に身内からってのはな」
お父さんの視線の先には、仏壇がある。お母さんのことを考えてるのは明白だった。
二人のなれ初めなんて少ししか知らない。でも、お父さんのセリフからは私が想像できない重さがあった。
お父さんが立ち上がり、コップを持ってこっちに近づいてくる。流しにコップを置いて、そのまま私の頭に手を置いた。
「かがみちゃんが好きなんだろ?」
私は頷く。
「一緒にいたいんだろ?」
頷く。
「なら、それを伝えればいい。想ってる事をそのまま伝えるのはむずかしいけどな」
頭から手が離れて「おやすみ」と言われて頷いた。お父さんが手を振りながら部屋へと戻っていく。
自分の想いをすべて相手に包み隠さず言える人って、いるのだろうか。
勝手に足が動く。自室ではなく、仏壇の方へ。
仏壇に飾られた写真の中、お母さんが微笑んでくれている。
正座をして、線香をあげる。すでにすべて灰になりかけの線香があった。お父さんがあげたんだろう。
かがみと付き合った事を最初に報告した人はお母さんだった。『好きな人ができたよ』って。
そのカミングアウトに関して、漫画みたく夢枕にお母さんが立ったり……なんて事は一切無かった。
鈴をならし、目を閉じて手を合わせる。
――ねぇ、私はどうすればいいかな?
瞼の裏に、お母さんの困った顔が浮かんだ。そりゃあいきなりこんな事聞かれても困るよね。
鈴の音が収まり、目を開いてうっすらとのぼる線香の煙を見つめ続けた。
立てた線香が燃えていく。我に返ると灰が落ちそうになっていて慌てて立ち上がる。
かがみはずっと待ってる。私だけじゃなくてかがみも罪悪感を感じている可能性もある。
「……やっぱり、ちゃんと言わないと伝わらないよね」
心の中で「おやすみ」とお母さんに言ってリビングと台所の電気を消す。
深呼吸をしながら、かがみが居る場所へと戻った。
一緒に寝ることになってるんだから、話す時間はたっぷりあるし、焦らずに伝えられるはず。
「ごめんかがみ、ちょっと遅くなったよ」
時計を確認すると、ちょっとどころじゃなかった。
それでも時間に対する訂正はされなかった。かがみはこっちを向いていなかった。
向こう側のカーテンと窓を開けて空を見上げていた。
まだ電気が付いていて明るい部屋の中でも微かに柔らかな光を感じる。
「か、かがみ、そろそろ寝よっか」
返事を確認して電気を消すつもりだったのに、スイッチに手を置いたら手元が狂って電気を消してしまった。
廊下の電気も消していたから、部屋の中へ差し込む月光だけが物の輪郭をうつしている。
月明かりだけでも結構明るくてベッドまではすんなり到着した。
「―――こなた」
かがみが振り向く。
月光を背負ったかがみは、かっこよくて、それでいて綺麗で。
なんだろう、高潔っていうのかな。
とにかく……場違いかもしれないけど、息も吸えなくなるほど見とれた。
ただ、逆光ゆえに表情がよく見えない。
かがみが近づいてくる。使われない、敷かれているだけの布団を迂回して。
そこでようやくかがみの表情を認識した。
思いつめた表情。考え込んで結局答えが出せないような、もっと酷く言えば助けを求めているような表情で。
「かが」
後に続くもう一文字は、その名を持つ人の左肩で塞がれて紡げなかった。
抱きしめられ、押し倒されたと言うよりは体重をかけられてそのままベッドに腰掛けてしまう。
それでもまだ体重をかけられて、後頭部を壁でうちそうだったから反射的に体をよじると、ちょうど枕の下に頭が落ちた。
さっき押し倒されたときより唐突なのに、私は比較的冷静だった。
完全に圧し掛かられたわけではなく、馬乗りされた状態。
重力にしたがって垂れているかがみの髪がカーテンのようで、月光に照らされて純粋に綺麗だった。
起きようと思えば起きれるけど、それはしようと思わなかった。
「私の方が、こなたに甘えてる」
懺悔のような響きをもったかがみの声が降ってくる。
遮って私の思っている事を言うよりも、全部吐き出させたほうがいいと思って無言で続きを促した。
「精神的に甘えてる。これぐらいなら大丈夫だろうって、変な風に楽観視してる。
こなたが嫌がってるかもって思うのに、そう言われないから大丈夫だって思ってる。
だからお願い。一緒に寝るのとか、暴走するのとか、嫌なら言って。傷つける前にやめるから」
「……かがみはネガティブすぎるよ」
言っておきながら、私も人のことは言えない気がした。
でも、そうなったのは私にも原因がある。
曖昧に受け入れてばっかりで、思っている事は伝えていないんだから。
私が考えていることがかがみに伝わらないように、かがみの考えている事だって言ってくれなきゃ分からない。
お父さんやお母さんには言えるけど、本人に伝えるのがむずかしい、なんて。
それが一番大事なのに。
「私はかがみの事好きだし、キスされるのだって嫌じゃないよ。……むしろ好き」
今だけでいいから羞恥心を遠くに投げ捨てる。
こういう事を言える機会なんてほとんど無い。後でもう一回言ってと言われても絶対に言えない。
かがみが呆然と私を見下ろしている。結構恥ずかしい事言ってるんだから照れるとか反応して欲しい。
……いや、照れられたらこっちにも伝染するからきょとんとしてる方がいいかも。
「なんと言うか、一緒に居るだけで満足しちゃうのかな。最後までって言うのは正直分からなくて……
そういう事を求めてると言われてもすぐに頷けない。完全に嫌だってわけじゃなくて」
この先が自分でもよく分かっていない。
自分の中でしっくりくる言葉を頭の引出しを片っ端から開けて探し出す。
かがみは私がすべて言い終わるのを待ってくれているようだった。
「―――たぶん、怖いんだと思う」
完全に合致するわけじゃないけど、きっと一番近い答え。
何が怖いのかと言われるとそれすらも分からないけど。
「私が怖いってこと?」
「そ、そうじゃなくて!」
かがみが、ではないことは確実なので否定する。
説明しにくい。頭の中で整理整頓しながら言葉を租借する。
口に出しながら自分で納得させていく。
「行為そのものに対する恐怖心というか……したことないから分かんないし」
「私だってあるわけないじゃない」
「そうだろうけど! 経験うんぬんじゃなくて、感覚的に分からないってこと!」
思わず声をあげてしまって、慌てて声のトーンを落とす。
かがみが少し考え込んで言いにくそうに口をもごもごさせていた。
「どしたの?」
「いや……その、ちょっと変な事聞くけど……こなたって、自分でしたことある?」
「ないよ!!」
さっき声のトーンを落としたばかりなのに思わず大声で返した。
かがみが意外そうな顔をする。なにその顔。
「成人向けのゲームとかしてるから……こなたもてっきり」
「きっとゲームで発散してるんじゃないかな。そういう気分になることがあんまないし。
そういうシーンの時はあるけど、イベント終わったら拡散してるし」
……こなた『も』?
なんかさっきのかがみのセリフだと、かがみはしたことあるって言ってるようなもんだよね。
詳しく聞かないけど。ネタは何? って冗談で聞いて「こなた」なんて返ってきたらどう反応していいのか。
「ひ、ひとまずそれは置いといて、話戻すよ?」
お互い咳払い。
かがみは未だ私に馬乗り状態だ。なんと言うか、退くタイミングを逃しまくってる気がする。
「んーと、どこから脱線したっけ?」
いきなり変な事聞かれた所為で完璧に話の内容飛んじゃってた。
かがみが記憶を少し逆戻しして思い出そうとしてる。
「……逃げる理由は、感覚的に分からずに怖いから……とかじゃなかったっけ」
「あ、それそれ」
ようやく合点がいって、それを伝えれた事で落ち着いた。
かがみがそんな私の頭を撫でる。からかいを含まないこういうスキンシップは純粋に気持ちいい。
何か今なら大丈夫な気がしてきた。
「――なら、無」
「――だから少しずつ慣れようと思う」
上がかがみのセリフ。下が私のセリフ。
綺麗に出だしがかぶって、しかもかがみは途中で区切った所為で何を言おうとしたのかは分からないけど。
かがみが私の頭を撫でて微笑んでる状態で石化した。金の針なんてないよ。
自分でちゃかしをいれて恥ずかしさを吹き飛ばす。
そうでもしないと自分の言った事を撤回したくなる。
目の前のかがみをそろそろ直視できない。かがみだって、私が今言った事を理解したはず。
「えっ……と、こなた。今の意味、端的に言ってみて」
かがみって時々言葉攻めするね。
なんて切り返しの文句も口をつかない。ほんのちょっとだけ時間を戻したくなった。
自然の摂理に反する事は無理なので、観念してかがみが望むように『端的に』言う。
「――して、ほしい」
もしかしてこれって誘い受けになるんだろうか!?
いや待って実際は『してほしい』と言うか『してもいい』と言うか!!
微妙なニュアンスの違いはあるんだけど今更それをどう説明すればいいのさ!!
かがみ、何かに堪えるようにプルプル震えないで!
「こっ、こな」
「で、ででもやっぱり怖かったらストップかけるよ!?」
「……寸止めされるときついのに。まぁ、ストップかかるって言うのは余程嫌なんだろうし、ちゃんと守るわよ。
一緒にいて、こうやって寝れるだけでも幸せもんだしね」
こつっと額を合わせてくる。
こういうプラトニックな一言でほだされて嬉しさを感じる辺り、自分って単純だなーなんて思いながら。
「……かがみ」
いつものルールで、珍しく私から名前を呼ぶ。
かがみは優しい笑顔でいつも以上にゆっくりと、かみ締めるように私の名を呼んで。
重ねられる唇と、上着の中に入ってきて腰に触れた手の感覚に微電流が流れるのを感じる。
その感覚にすぐに慣れることはなく、若干の恐怖心が沸いているのを理解しながらも抵抗せずにかがみの上着を握り締めていた。
以上です
今週のらき☆すた見たらそうじろうのシーンを挿入させずにいられなかった
GJ!
しおらしいこなた最高すぎる
>>19氏
すっごいもはもはした。テラGJ!!
あなたの書くこなたもかがみも可愛すぎて言葉も出ないよ。
GJ!
何と言うか、いかにもお互い手探りって感じのぎこちなさがいいね。
こういうゆらゆらした感じの恋物語もいいですね。
いつも読み応えがあって楽しいです。GJ!!
かがみ視点も楽しみにしてるぜ
キャラ個別板にここの出張所があったなんてな…
恐れ入ったぜ
こなかがの非エロは向こうに投下して欲しい。こなかが専用スレあるんだし。
人に指図されて別のところに行くのは嫌だ。
何よりここにとどまっていればほかに行かなくてもいろいろなのが読めるしw
こなた×かがみの非エロ投下します。
ある休日。かがみがこなたの家に遊びに来ていた。特別何するわけでもなく、世間話をしたりゲームをしたり漫画を読んだりと、普段通りぐうたら過ごしてる。
「ねえ、かがみ。……かがみ?」
気配はすれども返事がない。ゲームを止めてこなたが振り向くと、かがみはベッドにもたれ掛かるようにして寝息を立てていた。
「あらら、寝ちゃってるよ……」
真面目なかがみのことだから、受験勉強やら色々、疲れることが多いのだろう。
こなたは優しい笑みを浮かべると、机の引き出しから水性サインペンを取り出した。
「頑張るかがみのために私がしてあげられることといえば、まぶたに目を描くぐらいのことか……」
小学生みたいなイタズラをしようとペンのキャップを外したこなただが、ふと何かを思いついて動きを止める。
しばらく考えてから部屋を出た。すぐに戻ってきたこなたは、ある物を持っていた。
リモコンみたいな形の機械に、先端に平べったい電極のついた線。肩こりや腰痛を電気で癒す、低周波治療器というやつだ。
こなたは二つの電極をかがみの脇腹につけて、
「さあよみがえるのだ! このでんげきでー!」
スイッチオン。ポチっとな。
「ひゃああ!?」
両の脇腹にいきなり電気を流されたかがみは、当たり前だが飛び起きた。目を白黒させている。
「なっ、なっ……何すんのよ!? ていうか何した!?」
「お父さんの肩こりピクピクを使ってみました」
「何でそんなことするんだよ!?」
「思いついちゃったから……」
「思いつきで人の体に電気を流すな!」
「いやぁ、予想以上にびっくりさせたみたいで……ごめんね」
怒気を込めてかがみが睨み付けると、こなたは素直に両手を合わせて謝った。
「最初はサインペンでまぶたに目を描こうとしたんだけど」
「するなよ!」
「大丈夫だよぅ。ちゃんと水性だから」
「そういう問題じゃないから!」
「あ、それとも電極を乳首につけてエロい方向に持っていった方が良かった?」
「断じて良くねーよ!! そもそも寝てる人で遊ぶな!」
「むー……だってかがみが寝ちゃったら私がつまんないじゃん」
「う……まあ、遊びに来てて寝ちゃったのは悪かったけど……」
ばつが悪くなるかがみだが、
「まあそれはともかく」
こなたは頓着せず流した。
「私もちょっと寝不足だから、かがみの気持ちは分かるね」
「また夜中までネトゲでもやってたのか」
「ううん。深夜アニメの実況で」
「ふーん……」
「まあ、ネトゲもやってたけど」
「あんたは本当に趣味に突っ走ってるな。体壊すわよ」
「だいじょうブイ。……でもさすがにゲームするのも疲れてきたね」
「3D酔いとかしないうちにやめといたら?」
「そうする」
こなたはPS2の電源を切って、大きなあくびをする。
「ふわ〜ぁ……私も眠いし、二人でお昼寝しよっか」
「二人でって……まあ別にいいけど」
こなたはベッドに横たわると、端によってもう一人分のスペースを空けた。
「カモン!」
「いかねぇよ」
冷たいリアクションでこなたを一蹴すると、かがみは座布団を枕にして横になった。
「床、固くない?」
「平気よ。割とどこでも寝られる方だし」
「無理しないでベッドにおいでよ〜」
「断る。変なことされそうだし」
「ほほう」
かがみの発言に、こなたはにんまり笑みを浮かべて目を光らせた。
「女同士が一緒のベッドに入って変なこととは、面妖なことを申される」
「んなっ……!」
「変なことって具体的にどういうことなのかなー? ねえかがみ」
「し、知らないわよ! おやすみ!」
かがみはこなたの反対方向に体を向けた。
「……っておい! 何やってんだ!」
床に寝ころんだかがみの傍へ寄ったこなたは、そのまま頭をかがみのお腹へ乗せた。二人合わせてT字形のような寝相だ。
「人間枕は買うてもない、ってね。良い感じ」
「あんたは良くてもこっちが良くないからやめてよ。ていうかやめろ」
「えー、かがみのお腹こんなにプニプニしてて気持ちいいのに」
「うっ……」
こなたのその言葉は、かがみの胸にグサリと突き刺さった。
「悪かったわね……どうせプニプニよ……」
「それじゃあおやすみー」
「あ、ちょっと! こなた!」
「くかー……zzz」
かがみのお腹を枕にしたまま、こなたは寝息を立て始めた。狸寝入りではなく本当に寝ている。恐ろしいほどの寝付きの速さだった。
「ったくもう……」
ぶつくさ言いながらも、無理矢理こなたを退かせたりはしない。重さはそれほどないので、苦しくはなかった。
「人間枕は買うてもない、か……」
そういえばつかさもよくこうやって、かがみのお腹を枕に昼寝していたような気がする。昔の話だが。
(いや……つかさだけじゃなくてまつり姉さんにもされた気が……小さい頃の話だけど……私のお腹は専用枕か)
「zzz……」
こなたはこの上なく気持ちよさそうに眠っている。
「やれやれ……」
かがみはというと、眠いのは確かだが半端に目が冴えてしまっていた。
「むにゃ……かがみ……zzz」
「え、何?」
呼ばれたと思って返事をしたが、よく聞けばただの寝言だった。
「かがみ……危ない、後ろ……zzz」
「おいおい……どんな夢見てんだか……」
「こっちへ来てかがみ……そう、私の所へ……zzz」
「……」
「そう、そのまま真っ直ぐ…………くっくっく、まんまと罠にかかったなかがみ。こんな所で朽ち果てる己の身を呪うがいい……zzz」
「夢の中までひどいなあんたは!」
「ぐぅっ、この状況でまだそんな力が……しかし私はここでかがみを倒す。世界のため、人類のため! ……zzz」
「何で私が魔王みたいな存在になってんだ! ちょっと起きなさいよこなた! ていうか起きてるんじゃないのか!」
「zzz……」
大声で呼んでも揺さぶっても、こなたは微動だにしない。素で寝ているのは確かなようだ。
「かがみぃ……zzz」
「何よ、まったく……」
もう寝言は極力無視して、かがみも寝ることにした。目を閉じる。
「かがみ…………好きだよ」
「え……」
小さく呟かれた寝言に、かがみは閉じた目を見開いた。
「チョココロネが……zzz」
「……あー……はいはい。そんなオチだと思いましたよ。そもそも別に何も期待とかしてないし」
「ふふ……zzz」
「……」
お腹の上で眠るこなたを見下ろしながら、大きなため息をつくかがみだった。
数十分後。泉家に来客があった。
「こんにちはー」
「いらっしゃい田村さん」
ひよりは出迎えたゆたかと挨拶を交わす。みなみは都合が悪く、今日は一緒ではない。
「どうぞあがって」
「うん、お邪魔しまーす。ところで泉先輩は?」
「部屋にいるよ。今、かがみ先輩が来てるの」
「そうなんだ。それじゃあ、両先輩に挨拶しておこうかな」
そういうわけで、ゆたかとひよりはこなたの部屋へ向かう。
ゆたかが戸をノックするが、返事が無い。
「いないのかな? お姉ちゃん、入るよー?」
声を掛けて戸を開けると、ちゃんと二人ともいた。
「ウボァー!?」
思わず奇声を上げたのはひよりだった。こなたとかがみは床の上で二人、抱き合うような形で熟睡していたのだ。寝ているうちにこういう姿勢になったらしい。
「ふ、二人とも何やって――」
「田村さん、邪魔しちゃだめだよ」
ひよりの口をゆたかが慌てて押さえる。
「二人でお昼寝してるみたいだし、静かにしてよう」
「お昼寝って……」
(あなた方の世界では、あんな百合ん百合んな状態でシエスタするのが普通なんスか!? 日常茶飯事スか!? むしろ推奨スか!?)
おののくひよりをよそに、ゆたかは静かに部屋の戸を閉めた。
「それじゃ、私の部屋に行こうか」
「う、うん……」
ゆたかは平然としていたが、ひよりにはかなり刺激が強かった。ウブというのではなく“そういう目線”が強いせいで。
「でもちょっとびっくりしちゃったね。お姉ちゃんとかがみ先輩って、本当に仲が良いよね」
「うん……本当に仲良いね。……――的な意味で」
「え? 何か言った?」
「ううん何でもない。……ところで、小早川さんも岩崎さんと、その……二人でお昼寝とかしたことある?」
「んー……お昼寝はないかな」
「へー……」
(……お昼寝“は”ってなんスか!? 夜ならあるのか!? むしろ夜で本番なのかーっ!?)
ひよりん、妄想フィルター増殖中。
おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
リアルタイムでGJ!
>>29-33 久し振りのリアルタイム遭遇ー、GJ!
フィルター無しとはいえ動じないゆーちゃんがスゲェ。
ひょっとして分かって言ってるのか!
実はこなかがより先輩なのか! ――的な意味で!!
深夜にこういう良作が沢山投下されるからこのスレを見るのを止められない…!
GJっす!
>>33氏
眠たい目を擦りながら張り付いていた甲斐があったぜ!
GJだ!
前スレ486
ぎくっ
>>33 GJ
百合お昼寝(謎)ってイイですね。
>「ウボァー!?」
皇帝?
>「大丈夫だよぅ。ちゃんと水性だから」
以下無駄知識
顔(身体)の落書きは(時間が経つと)水性ペンのほうが落ちにくいです。
水性インクは肌の油脂の下に入り込んでしまうからだそうで。
41 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 05:58:04 ID:hT4jQrCD
牧場スレにらきすたのSSあったけど…
凌辱や調教・触手嫌いなやつは読まない方がいいな
>>33 メタルマックスwww
一体何がどうなったら抱き合う形になったのかを知りたい
そしてひよりの百合フィルターGJ
>>33 GJ!!
メタルマックスネタに吹いた
最後のひよりんもいい
>>33 >こんな所で朽ち果てる……
ハマーン様!ハマーン様ではありませんか!
待ってた人にはお待たせ!拙作「契りは、別れへの約束(後)」を投下しますー。
前編を読んでない人は、保管庫で「最後に、一度だけ」と「契りは、別れへの約束(前)」を読んでからもう一度どうぞ。
申し訳ないがわりと長いんで注意。では、早速投下!
備考:かが×こな。かがみ視点。続きモノ(これで完結)。ガチエロ。16レスほど頂きます。
寝付くのが遅かったせいか、その日の寝覚めは、最悪だった。
何だか、とても嫌な夢を見た気がする。具体的にどんな夢だったかは目覚めると同時に記憶から
消え去っていたが、「嫌な夢だった」という事だけは覚えている。どうしてこう、
夢という奴は覚えていられないのだろうか。幸せな夢も、嫌な夢も。どんな事があったにせよ、
目覚めて残るのはその残り香だけ。だったら最初から、夢なんて無ければいいのに。
私は、夢というものが嫌いだった。
もちろん漫画やアニメの世界みたいに予知夢が見られたりするわけじゃないし、悪夢しか
見られないわけでもない。私が見る夢はごく平々凡々なものばかりだし、楽しい夢だって
それなりに見る。だけど、私は夢が嫌い。……何故?
理由の一つは、虚しいからだ。
夢から醒めて現実に引き戻された時の、あの感じ。
「あぁ、自分はあの世界の住人では無かったんだ」と理解した時の、あの虚しさ。
これは、伝わる人と伝わらない人がいるだろう。実際、私の友人に聞いてみてもそうだった。
理解できる友人はとても共感してくれたが、理解できない人は「ん〜?」と首を捻っていた。
まぁ、それはそうだろう。人の感覚なんて、所詮はそんなものなのだ。
とにかく、「自分が現実世界の住人でしかない」と強制的に再確認させられるあの感覚を、
私は激しく嫌っている。私は、私でしかないのだ。そんな事、改めて言われなくても分かってるのに。
そして、もう一つの理由。こちらは誰にも話した事はないのだが……「怖いから」、だ。
「高校生にもなって」と笑う人がいるかもしれない。しかし、私は怖い。
この世界が、別の世界の私が見ている夢に過ぎなかったら?
笑ってくれて構わない。先程、「自分は現実世界の住人だなんて分かってる」なんて
言ったばかりの私がこんな事を本気で怖がっているなんて、滑稽もいい所だろう。
だが、私は私の恐れを拭えない。「邯鄲の夢」と言う故事をご存知だろうか。もしくは、
「一炊の夢」と言えば分かるかもしれない。詳しくは長くなるので省略するが、私のこの
人生が、「一炊の夢」でないとどうして言い切れる?……つまりは、そういう事だ。
もしそうなったら……こなたの事も、忘れてしまうだろう。
それはそうだ。夢の中の登場人物なんて、すぐに忘れるに決まっている。
もしかしたら、まどろんだままベッドの中で「あぁ、幸せな夢だったなぁ」くらいの感想
は抱くかもしれない。だがその感想はこの18年間の感想としてはあまりに軽く……哀しい。
そして、私のこれまでの人生が一瞬で風化し、本当の生活に戻るのだ。
夢の事など、忘れて。
もちろん、そんな事があるわけが無いだろうと笑い捨てる事は簡単だ。
けれど……逆の事は、毎朝起こっている。
「現実の私」にとって、それは夢から醒めるだけの事。
だけど、「夢の中の私」にとって、それは世界の崩壊に他ならない。
私は、夢から目覚める度に、「夢の中の私」を殺しているのだ。
夢を見る度に、私はそれを実感する。
そして恐怖する。次は、私の番ではないかと。
だから、私は夢が嫌いなのだ……。
寝覚めの悪かったその日。
私は親友の泉こなたを、抱いた。
交わされるはずのなかった情事。
ある、晴れた日の、出来事。
ジュージューという小気味良い音に乗って、食欲を刺激する香りが漂ってくる。
その音と香りの発生源のフライパンの中では、キャベツやピーマンといった数種類の野菜
とウィンナーやベーコンなどの肉類が混ぜこぜになって炒められ、時折パチパチと熱さに
耐えかねたように弾けている。何とも美味しそうな眺めだ。
「ねぇ、かがみは薄味と濃い口どっちが好き〜?」
楽しそうにフライパンを操りながら、こなたがこちらを振り返る。
危ないんじゃないか?と思ったが、笑顔のこなたに注意するのは野暮かと思い直し、私は
余計な事は言わずに素直に答える。料理に関してはこなたも素人ではないので、私が心配
したところで釈迦に説法という所だろう。
「ん〜、どっちもいいけど野菜炒めなら濃い方がいいかな?」
「おっけ〜♪待っててよー、美味しいの作るから!」
それだけ言うと、ふふんふふんふふ〜ふふふ〜ん♪と例のアニソンの鼻歌を上機嫌に
口ずさみながら、こなたは料理に集中し始めた。調味料を次々と加えていく手つきも非常に
手馴れたもので、これは美味しいお昼にありつけそうだと自然と期待も高まる。私なら、野菜炒めに
入れる調味料なんて塩コショウくらいしか思いつかない。一体、何種類の調味料を使っているのだろうか。
現在、私は椅子にのんびりと腰掛けてこなたが料理を作ってくれているのを眺めている。
何度か見た事があるが、やはりこなたの料理風景は見ていて飽きない。
身長のせいか、見た目にはお子ちゃまが頑張って料理にチャレンジしてみました!的な
微笑ましさがあるにもかかわらず、実際にはテキパキと現役の主婦顔負けの要領のよさで
次々と料理を仕上げていく。今日は昼食だからそれほどメニューも多くないが、以前夕食
に招待された時はその豪華さに驚いたものだ。
流石に調理師を目指しているつかさに比べたら見劣りしなくもないが、一般市民のこなたに
そこまでのレベルを要求するのは酷というものだろう。実際、その料理の美味しさには
舌の肥えた私でも感激したほどだ。……もっとも、一番感激していたのは食卓をともにしていた
そうじろうおじさんな気もしたけれど。何に感激していたかはさておいて。
「でっきたー!」
快活な声で、料理の完成を高らかに宣言するこなた。その声は、何となくビ○トロスマッ○を連想させた。
あの番組、ほんとにあいつらが料理のレシピ考えてるのかなぁとか余計な事を考えつつ、
テーブルに並んだお昼ご飯の出来をチェックする。
「……おー!美味しそうじゃない!流石こなた、料理の腕はなかなかのものよね。」
「褒めるな褒めるなっ♪かがみの為ならこれくらい、だよ!」
そこには、昼食に甘んじておかせるにはもったいない程の美味しそうな料理が並んでいた。
何でこいつはこんなに料理出来るのに、学校ではいつもチョココロネなんだろう……と、
何かもったいない気分になる。ちゃんとお弁当作ればいいのに。
「じゃ、早速食べようよかがみ!かがみの事だから、もうお腹が減って死にそうなんじゃない?」
ニヤニヤとこちらを見て失礼な事を言ってくるこなた。だが、もう三年の付き合いだ。いつもの
じゃれ合いだとこちらも了解しているので、適当にあしらう。
「人を胃袋キャラみたいに言うんじゃないっつの。でも、確かにこの料理見たら一気に
お腹空いてきたわ。じゃ、いただきます!」
手当たり次第に箸を付けていく。
こなたの料理は贔屓目を抜きにしてもどれも美味しくて、文句の付けようも無かった。
「どお?美味しい?美味しい??」
自分は箸を付けずに目をきらきらさせながら聞いてくるこなたは、まるでしっぽを蛇口を
全開にしたホースのようにブンブン振り回す子犬のようで滅茶苦茶可愛い。もちろん、私の答えは決まっている。
「最っ高。どれも凄い美味しいわよ。良くやったこなた!」
心の底からの褒め言葉を、何の遠慮もなくこなたに捧げる。
私の感想を聞いたこなたは、「やったぁ〜!かがみに褒められたぁ〜!!」と嬉しさを爆発させて、
小さな体全身で喜びを表現していた。そ、そこまで喜ばなくても。
「そ、そんなに嬉しいの?私に褒められたからって……」
「そりゃ当ったり前だよかがみぃ!だって、かがみに褒めてもらう為に心を込めて
作ったんだからさ!嬉しいに決まってんじゃん!!」
満面の笑みで、誇らしげに言うこなた。そんなに喜ばれると、なんだかこっちまで嬉しく
なってしまうから不思議だ。やっぱり可愛いな、こなたは……と、私はこなたの魅力を再確認した。
やがて喜びも少しは落ち着いたようで、自分も昼食を食べるくらいの余裕が出来たこなたは、
やっと自分の料理に手を伸ばし始める。自信作らしい野菜炒めをぱくり、と口に運んで、
幸せそうに顔をほころばせた。おいしっ、と弾んだ声で呟く。
「いや〜、これは我ながら良い出来だ!やっぱ、好きな人の為に作ると張り合いが
違うよね。いつもより格段に美味しく出来てるヨ!」
そんなものだろうか、と思うが、本人が言うのだからそうなのだろう。私も、こなたの為に
料理を作ったらちょっとは美味しく出来るのかなぁ……?と自問してみる。よし、今度
つかさに料理を習ってこなたに食べさせてあげよう、と誓った。
ご飯を食べた後は、当然後片付けをしなくてはならない。
こなたは、「かがみはお客様なんだからそんな事しなくてもいいんだよ」と言ってくれて
いるが、そういう訳にも行かない。私だって、皿洗いくらいは手伝えるのだ。
カチャカチャ、と食器の音が鳴る。協議の結果、洗うのは結局こなたが担当することになって、
私はテーブル拭きと洗った食器の水気を取る係りを任せられた。本当に子供のお手伝いクラスだが、
それでも手伝いを申し入れてくれたという事実がこなたは嬉しかったようで、また例の鼻歌を
歌いながら機嫌よさそうに次々と皿を洗っていく。
既にテーブルを拭き終わっている私は、それを渇いたふきんで拭って、食器棚へ戻していった。
二人きりのお昼だったので、洗い物の量も少ない。皿洗いは、すぐに終わった。
大したことはしていないのに、「やりきった!」という達成感が溢れてくる。
「ふ〜、終わったわね。」
「ん。手伝ってくれてありがとかがみ!おかげで助かったよ。」
「いやぁ、ご馳走になったんだしこれくらいはさせてよね。」
何となく誇ってみるが、別に誇るような事は何もしていない。だけど、どんな小さな事であれ
「こなたを手伝った」という事が既に誇れるのかもしれない。だって、たったあれだけの事なのに、
共同作業というか何というか……とにかく、凄く満たされた感覚を得られたんだから。
きっとそれは、こなたも同じだろう。
「じゃあ、これからどうしよっかー?いつも通りこなたの部屋でゲームでもする?」
何となく提案してみる。だが、こなたはそれを渋った。
「ん〜……。別にそれでもいいっちゃいいんだけど……。」
「だけど、何よ?」
気になったので、先を促してみる。てっきり、「そだね。行こ行こ!」というノリの返事が
来るものだと思っていたので、少し驚いた。こなたがこんな風に私の提案を渋るなんて、
普段はあまり無い事だから尚更だ。
「それでもいいんだけどさ、かがみ。今日ウチに来た理由、忘れてないよね……?」
なんとなく、本当になんとなくと言った風に、こなたはそう口にする。
だが、そこには隠し切れない不安の色があった。もしかしたら、昨日の約束は忘れられて
るんじゃないか?もしかしたら、気が変わって断ろうと思ってるんじゃないか?
……はっとする。
忘れていた訳じゃない。だけど、ついいつも通りの調子で過ごしていた事も事実だ。
――こなたが、「いつも通り」じゃない事は何度も実感していたのに。
私は、少々鈍感に過ぎたらしい。もっと、こなたに気を遣ってやるべきだった。
「忘れてなんかないわよ。当たり前でしょ?」
安心させるように、微笑みかける。恐らく自分でも気付かない内に不安な表情を顔に
出していたこなたは、私の顔をじっと見て、安心していいかどうか判断している。
「ほんとに?ほんとに忘れてない……?」
「忘れてないって!本当だってば〜!」
一瞬の間。
それを置いて、こなたは急に破顔し、からからと笑い出した。
「だよねぇ?かがみがそんな大事な事忘れる訳ないもんね!はは、変な事聞いてごめんね〜?」
「ホントよ!失礼ね、まったく。人を疑うなって、そうじろうおじさんに習わなかった〜?」
わざと明るめの口調で、こなたに返事を返す。
それはまるで、こなたがいつも通りに戻っているかどうかの確認作業のようだった。
「や〜、ごめんごめん!悪気はなかったんだってば〜!」
魅力的な、可愛らしい笑いを浮かべながら、こなたはいつも通りに喋る。
あぁ、良かった。いつも通りのこなただ……。とりあえず一安心する。
こなたは、今は色々あって少し不安定な状態なのだ。だから、私が安心させてあげないと
いけないのに。これからはちゃんと気を配るようにしないと、と肝に銘じる。
「いやいや、ご飯も食べた事だし、かがみさえ良かったら今から……と思ってね?」
少し照れくさそうに言うこなた。頬を染めながらも「そういうコト」に誘ってくる所は、
見た目は幼くても年相応の女の子なんだなぁ、ととても可愛らしく思えてしまう。
もっとも、こんな風に思っている私の顔もきっと真っ赤なんだろうけど。こなたに誘われた事が
嬉しいのと同時に、恥ずかしくて仕方ない。覚悟は昨日決めたはずなのに、やはり実際
そういう状況になると……。イメージトレーニングは、残念ながら欠片も役に立たなかったようだ。
「あ、あんたがそのつもりなんだったら……私は別にいいんだけど……。」
そういうつもりは無いのに、恥ずかしさからかどうしても持って回った言い方になってしまう。昔からの、
私の悪い癖だ。きっと、この辺りがこなたから「ツンデレ」と揶揄される原因なんだろうなぁ、と思う。
もっとも、そのお陰でこなたが私の事を好きになってくれたのなら、――それはそれで少し複雑な気分でもあるが――
まぁ、私の事を好きになる一因くらいにはなってくれたなら、この悪い癖にも少しは感謝してもいいか。
こなたになら、ツンデレ呼ばわりされるのも悪くない。
私の返事を聞いたこなたは、予想通りにすっごくすっごく嬉しそうな表情をして、
「じゃあさっそく寝室へ行こうかがみ!私は早くかがみといちゃいちゃしたくて仕方ない
んだから!」と、情緒の欠片も無い事も言い出した。
……私だってそりゃ、早くこなたと……したい、けど……
「こーゆーのは先にシャワーとか浴びるもんでしょうが!あんただって、汗かいた体で
抱き合いたくはないでしょ!?」
「え、いや、私はかがみの汗なら別に」
ぼふっ!!何かが爆発したような音が聞こえた。
恥ずかしさとか嬉しさとか、いろんな感情によって私の頭部が爆発した音だった。
ちょっ……そのセリフは、喜んでいいのか……?愛されてるのは、分かるんだけど……。
「でも駄目っ!!先にシャワー浴びるのー!!」真っ赤になって叫んでみる。
するとこなたは、何だか珍しいものを見つけたような顔でニヤニヤしていた。
「な……何よ。言いたいコトがあるんなら言いなさいっての!」
「いや〜……かがみも駄々っ子みたいになる事あるんだねぇ。いつもは大人びた雰囲気なのに、
余裕が無くなると途端に子供っぽくなるかがみん萌え♪」
ぼふんっ!!!爆発音がもう一度。さっきよりも格段に大きいのが聞こえた。
「いっ……いいからさっさとシャワー浴びるわよ馬鹿こなたー!!」
恥ずかしさを紛らわす為、もう一度大きく叫ぶ。
完全に冷静さを失っている私を見て嬉しそうに笑っているこなたが、何だか無性に憎らしく思えた。
シャワーを浴びている間、私とこなたは一言も喋らなかった。
私は「別々に浴びよう」と主張したのだが、こなたが「時間も短縮できるし、それに最初
で最後なんだから一緒に浴びたい」と自らの希望を押し通したのだ。
最終的には私も渋々同意して一緒にシャワーを浴びる事になったのだが、脱衣所で服を脱
いでいるあたりから既にお互いガチガチに緊張して、口も利けなくなっていたのだ。
無言のシャワータイム。二人で同時に入ってるから少し狭い浴室は、すぐに暖かい湯気で
いっぱいになった。無言だからといって気まずい訳ではなく、むしろ気まずさを気にして
いる余裕の方が無かった。
だが、洗いっこをしている間に少しづつ緊張も解け始め、浴室から出る時には恥ずかしげな笑顔を
見せ合うくらいには回復していた。こなたと最後に一緒にお風呂に入ったのは、
修学旅行だったろうか?あの頃は、こういう風に二人でシャワーを浴びるなんて夢のような事だったのに。
叶ってみれば恥ずかしさと緊張でそれどころじゃなかったなんて、我ながらなんとも情けない話だ。
流石に、一度脱いだ服をもう一度着るのには少し抵抗があるので、真っ昼間にもかかわらず
私たちはパジャマに着替えていた。こなたは、「ホントはバスローブを用意したかった
んだけど、私に合うサイズのが無くてさー。ほんと参っちゃうよネ。あ、でもかがみの分
は用意してあるよ?着る?」とバスローブをすすめてくれた。もちろんありがたく速攻で断った。
ご飯も食べた。シャワーも浴びた。
となると……残りは、あと一つだ。
ずっと夢見ていた行為。ずっと諦めていた行為。
大切な親友にして最愛の人、泉こなたとの……セックス。
私は、この時を待ち侘びていたのだろうか?
それとも、永遠に来て欲しくなかったのだろうか?
別れへの約束となる、この契りの時に。
いつの間にか、どちらかもう分からなくなっていた。
けれど、確かな事は。
今、私たちはお互いを求め合っている。それだけだった。
私は、こなたの小さな体を優しくベッドに押し倒す。
自然と、抱き締めあう体勢になる。こなたの感触は蕩けそうな程柔らかく、私はそれだけで
何も考えられなくなってしまいそうだった。
「……初めての時は、布団でじゃなかったの?」
「ベッドだっていいモンだよ?やっぱり、初めては使い慣れたホームグラウンドがいいかなって。」
「ふふっ、結局どっちでもいいんじゃない。」
「違うよ、考えに考えた結果だもん。」
ぷー、と可愛らしく頬を膨らませるこなた。いつものじゃれ合いも、心なしか甘い空気が漂う。
私はその甘さに痺れ、溺れてしまわないようにするので精一杯だった。いや、或いは
溺れてしまった方が良いのだろうか?
大事な宝石に口付けるかのように、こなたの柔らかい唇をそっと奪う。
唇と唇が触れ合う感触は思った以上の快楽を発生させ、私たちを夢中にさせる。少し強く
押し付けあうと柔らかい唇はむにゅむにゅと潰れあい、それがまたたまらなく気持ちいい。
やがて、どちらからともなく舌を絡めだす。時に舐め、時に吸い、時に甘く噛む。ぴちゃぴちゃと
えっちな水音が部屋中に響き、その音が私たちをより一層興奮させ、別の世界へと連れて行く。
私たちはすぐに、お互いの舌を貪りあうだけの存在へと成り下がっていった。
いつの間にか私の手は、気付かない内にこなたの服のボタンを一つ一つ丁寧に外していた。
そして、そっと服を脱がせる。ブラはしていない。こなたの薄い胸が、私の視界に入ってきた。
先程シャワーを浴びている時に散々見たというのに、こなたは頬を赤く染めて、恥ずかしさに
耐えるようにしている。だが、胸を手で隠すような事はしない。むしろ私の手をとって、自らの胸に導いていた。
「ねぇ……、お願い、かがみ。おっぱい、触って……?」
その表情、その行動、その仕草。
こなたの全てが私を興奮させる。私はこなたに言われるまでもなく、こなたの胸を撫で回し始めた。
「あっ……。うぅん……。」
艶やかな喘ぎ声が上がる。撫でる時に、硬くなった乳首が手にコリコリと当たって気持ちが良い。
時々つまんだり、ひねったりするとこなたが声をあげて反応してくれるので、嬉しくなって
ついついたくさん弄り回してしまった。その内こなたは自分だけがやられているのが
申し訳なくなったのか不満になったのか、反撃を試みだす。私がやったように服を脱がせて、
露わになった私の乳房を初めは優しく、だが時間が経つにつれて少しづつ力を込めて揉みしだき始めた。
実は、胸を揉まれる事自体にそれほど強い性的快感は無い。だが揉んでいるこなたの方は
その心地良い感触の虜になっているようで、夢中になって揉んでいる。
しかし、すぐに揉んでいるだけでは物足りなくなってきたのか、急に胸に吸い付いてきて、
乳首をしゃぶりだした。
「ひゃ、ああぁん!!」
私は、だらしない嬌声を上げる。不意打ちの乳首への刺激に、理性が耐えられなかったのだ。
こなたは変わらないペースで胸を揉みながら、右、左、右と次々と吸い付く乳首をリズミカルに変えて、
甘噛みしたり唇で挟んだり舌で舐め回したりと、色んな種類の刺激を送り込んでくる。
私の喘ぐ声を聞いて更に興奮したのか、こなたは胸を揉む手を片方外して、私の下着の内側に
手を滑りこませて……大事なところを、直接刺激しだした。
「ひゃうぅっ!?あっ、あっ!!」
既にヌルヌルになっているそこはこなたの指をすんなりと受け入れ、くちゅくちゅと掻き
回されて女の悦びを私の脳にダイレクトに伝えてきた。濡れそぼっているそこをいじられる。
それも愛する人の指で、となると、送り込まれる快感の量は半端ではない。押し寄せる快感の波に
押し流されないように耐えるには、相当の精神力が必要だった。
声にならない声を上げる私だが、私だってやられっ放しではいられない。同じように下着の内側に
手を入れて、同じ所を――あくまで優しくだが――掻き回してやる。
「〜〜〜〜っ!!?」
大声を上げるのは何とか堪えたこなただが、それも本当に「何とか」だったようだ。
半開きになった口からは、一筋のよだれと、はぁ、はぁという荒い息遣いが漏れ出している。
それもまた例えようもないくらい官能的で、興奮した私の秘所からは蜜が一層分泌されたことだろう。
もう、我慢できない。私たちの下の口は、揃って同じ叫びを上げていた。
目と目で意思疎通を図り、私が下、こなたが上になる。邪魔な衣服は全て捨て去り、
生まれたままの姿になった私たちは、お互いの蜜壷を重ねあう。こういうのは、
何というのだったか。確か、「貝合わせ」、だった気がする。それとも、「松葉崩し」、だったか?
どちらでも良い。敏感な淫核が擦れあうようにして、腰を動かす。
たちまち、今までよりもずっと激しく、鮮烈な快感が私たちを襲った。はっきり言って、
比べ物にならない。アタマは既に真っ白になっていた。その真っ白な世界でかろうじて
考えられるのは、快感の事と、こなたの事。
気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い。気持ち良い!!
こなたと、こなたと重なってる!実際に膣内に挿入されてるワケじゃないのに、
中まで繋がってる感覚が確かに感じられる!豆同士が擦れあう。どうしようも無いほどの快楽。
いっそ永遠に溺れていたいと思うほどだが、永遠どころか一時間も続けば発狂してしまうだろう。
相手が誰であれ、こなた以外では間違いなくここまでの快感は味わえなかっただろう。
やはり私は、こなたでないと駄目なのだ。こなたじゃなきゃ。こなたがいないと、きっと駄目なのだ。
「こなた……こなたあぁっっ!!」
叫ぶ。愛しい人の名を。其処に居る事を確かめる為に。
「かがみ……!かがみ、かがみ、かがみ……っ!!」
そして、こなたも呼ぶ。私の名を。たったそれだけの事が、私の体を更に熱くする。
「かがみぃ、かがみぃ……!好きだよ、大好きだよ、かがみ……!!
今だけでも良い、今だけでも良いから、愛してるって言って……!!
嘘でもいいよ、だから、私の名を呼んで……!好きだよって、愛してるって、言って……!!!」
うわごとのように懇願するこなた。きっともう、自分が何を口走っているのかもおぼろげ
にしか把握できていないだろう。
それは私も同じだった。しかし、言葉なんて無くてもこなたの求めている事ぐらい、肌を
重ねていれば分かる。私は、声の限りに、こなたに届くように、叫ぶ。
「大好きだよ、大好きだよ、大好きだよっ……!!
私は、こなたを、愛してる……!!こなたぁ、愛してるぅっ……!!!」
「かがみ……っ!!嬉しいよぉ、嬉しいよぉ!かがみぃ、かがみぃっ……!」
「こなた、こなた、こなた、こなた、こなたぁっ……!!!」
もう自分が何を口走っているか分からない。
だが、それはきっととても大事な単語なのだ。だから、何を言ってるのか分からなくても、
私はそれを叫び続ける。誰かに届くように、叫び続ける。
私たちの動きはどんどん加速して激しくなって行き、それに伴って快感も増大しつづける。
やがて快感が肉体の許容量を超えようとしたとき、馬鹿になって何も聞こえなくなっていた耳が、
ふと小さな囁きを捉えた。
その瞬間だけ、世界はすぅっと静けさを取り戻したようで。
その幽かな言葉は、私の鼓膜を揺らした。
――ありがとう、かがみ。これで、私の事は、忘れて良いから――
その言葉が終わった瞬間、さっきの静けさが嘘のように世界はまたもやワケの分からない
快感の世界へと放り出される。
「イく、イくよ、かがみ、私、もう、イっちゃ……!!」
「いいよ、いいよ!私も、イく、こなた、一緒にぃ……!!」
「「ああああぁあぁあぁぁああぁぁぁぁっっっっっっ―――――――!!!!」」
そこで、私たちの意識は、途切れた。
気付けば、私はつかさと一緒に陵桜学園の校門をくぐっているところだった。
……これは、夢だ。入学式の時の。そうだ、こんな風に、桜がいっぱい咲いていた……。
夢を「夢だ」と自覚してみる夢を「明晰夢」と言うらしい。
つまり、今私は夢の世界にいる訳だ。
そして、今見ているのは、入学式の時の――
そう思っていると気付けば場面が変わっていて、昼休みの風景になっていた。
私、こなた、つかさ、みゆきのいつもの四人組でお昼ご飯を食べている。
こなたは、当然チョココロネ。今はもう再現できない風景。幸せそうな私たちに、思わず
涙が出そうになった。
風景はくるくると変わり、そのたびに懐かしい光景が映し出される。
海の家。花火大会。こなたの家。ウチの神社のお祭り。体育祭。文化祭。そして、卒業式。
他にも、数え切れない思い出があった。寸分違わぬ精度で再現される思い出。
それは、この陵桜学園に在学している間の三年間のスライドショーのようだった。
楽しくて、綺麗で、儚くて。改めて、素晴らしい三年間だったんだなと思う。
――そして、その全てにこなたが居た。
――私の隣で、楽しそうに、笑ってた。
……ああもう、分かったよ。夢の世界でまで、私はこなたから逃げられないってワケだ。
オッケー、分かった。認めよう。一番、大切なものを。だから、もう戻ってもいいかな?
大切な人が、待ってるんだよね。
私が心中でそう呟くと、夢の世界も満足したのか輪郭がぼんやりし始めた。
そして、目覚める時の現実に引っ張られる感覚が訪れる。いつもは大嫌いな筈のその感覚
は、今は何故かとても愛おしいものに感じられた。
「……あ、かがみ。起きた?」
目覚めると、一足先に意識を取り戻していたらしいこなたが笑いかけてきた。
きっとさっきの行為でボサボサになってしまっていたのであろう髪の毛を、櫛を使用して
必死に梳かしている。いっそ、お風呂に入ったほうが早いかもしれないくらいのレベルだ。
……あの櫛、後で私も借りよう。
改めてこなたの姿を見つめる。既に服は着なおしている。パジャマではなく、シャワー前まで
着ていた服だ。時計を見た限りでは時間もまだ夕方といった所なので、まぁ当然か。
ちなみに、気付けば私も服を着ていた。げ、もしかしてこなたに着せて貰ったのか。だとしたら、
もの凄く恥ずかしい。……まあ、こなたにならいいか。寝ている私に四苦八苦して服を
着せようとしているこなたを想像すると、何だか笑えた。
こなたは、何だかスッキリした顔をしている。やるべき事は全て終えた、という感じの、
全てを清算した人間の笑顔だ。……本来は好ましい表情のはずだが、何だか
今の私にはそうは思えない。
「……うん、起きた。こなたは、結構早く目ぇ覚めたんだ?」
「ん、そだよ。かがみに服着せるの大変だったんだから、感謝してよね?」
「いや、起きたら自分で着たのに。そしたらこなたがやらなくても」
「いやいや、私が着せてあげたかったから着せたの!」
「じゃあ別に私は感謝しなくて良い訳だ?」
「ぐ……。かがみのいけず……。」
しん、とした部屋の中。外の音は何も聞こえない。
ちくたく、ちくたくと時計の音が、淡々とリズムを刻んでいた。
「ねぇ、私たち、えっち……したんだよね?」
「……うん。したわよ。」
「じゃあさ……。これで、終わり、だね。私たちの関係も。」
「…………。」
「最初で、最後だって、言ってたもんね。かがみ、もうすぐ関西行っちゃうし。
もうきっと、会えなくなるよね。」
上を向いて、しみじみと語るこなた。
私は、何も答えない。
「ほんと、楽しかったよ。今まで。ありがとうね。
最後に、こんなにいい思いまでさせて貰った。本当、に…感謝してる。」
段々、言葉に涙が混じってきている。
きっと、涙腺が決壊しないように必死で耐えているのだろう。声が、震えている。
ほら、こんなに弱いのに。強いフリをして、また傷付く。
「私、もう大丈夫だから。かがみが行っちゃっても、もう平気だよ?
でも、忘れないで…くれると、嬉しいな。ほら、たまには手紙とか、さ……。」
痛々しい声で、尚もこなたの独白は続く。
あぁ、私はこのか弱い女の子に、こんな苦痛を強いようとしていたのか。
「メールでもいいよ?『メールには気持ちがこもらない』とか言うけど、そんな事、ない、
よね。私とかがみの仲だもん、そんなの、関係な」
「夢。」
急に私が声を出した事に驚き、こなたは発言を止める。
「さっき寝てるときにね、夢、見たのよ。」
今度は、さっきと逆。私の独白に、こなたが耳を傾ける番だ。
「その夢はね。陵桜で過ごした三年間の夢だったんだ。陵桜の事だけじゃなくて、お祭り
とか、海とか、そういう思い出とかもいっぱい詰まった。高校生活の集大成みたいな夢。」
初めは面食らっていたこなただが、すぐに私の話に聞き入りだす。
私は、用意された台本を読んでいるかのように、すらすらと言葉を紡ぎだしていく。
「その思い出にはね。全部、あんたが居たのよ。ほんと、馬鹿みたいにこなたとの思い出
ばっかり。自分で呆れちゃったわよ。結局、私の三年間は、あんたとの三年間だったの。」
「……かがみ……。」
「あんたさ、昨日私に告白したとき、言ったわよね。こなたの楽しかった思い出には、
全部私がいるって。私さえ居れば、それでいいんだ……って。」
「うん……。言ったよ。確かに、言った。」
「ほんと、何なのかしらね。私も、そうだったのよ。私の思い出には、全部こなたがいた。
こなたさえ居れば、それで良かった。……何で気付かなかったのかしらね?」
全く、馬鹿みたいだ。
こんな簡単な事に、今まで気付かなかったなんて。
私には、こなたがいればそれで良かったのに。
こなたがいなきゃ、全部駄目だったのに。
「関西に行ったからって、それが何だっつーのよね。遠距離恋愛は駄目になるなんて、
誰が決めたって言うんでしょうね。馬鹿馬鹿しい。こなたがいなきゃ、どうせ駄目なのに。」
はぁ〜、と溜め息をつく。溜め息をつくと幸せが逃げるなんて言うが、あれは大嘘だ。
だってそうでしょう?幸せは、今まさに私の目の前で目を白黒させてるんだから。
「そうよね。今の時代、話そうと思ったら電話もあるんだし。顔が見たけりゃテレビ電話を
使えばいい。そりゃ普段会えないのは寂しいけど、それも少しの我慢よね。私が忙しくて
こっちに戻って来れないなら、こなたの方から会いに来ればいいじゃない。そうよ、私が
帰る必要なんて別にないんじゃない!」
「……かがみ?えっと、その、それは、つまり、どういう……」
急な展開に、何だか脳が付いていけてない様子のこなた。
そのこなたにダメ押しの一撃を加えてやるべく、私はとっても分かりやすい言葉を口にしてやる。
「……ねえ、こなた?ツンデレでツインテールな彼女、欲しくない?」
「は、え……ええぇえぇぇぇぇ!?」
あからさまに度肝を抜かれた顔のこなた。
その慌てっぷりが面白くて、ついつい噴きだしてしまった。
「ぷっ。……そんなに慌てなくたって。いい?一回しか言わないからよく聞きなさいよ。
別に欲しくないなら、『大好き!』欲しいなら、「愛してる!」って叫ぶの。分かった?」
「……え、あ、その、いきなりそんな事言われましても……」
「ごー!よーん!さーん!にー!いーち!」
「わわわわわ!ちょ、ちょっとタンマっ!!」
「ほらほら、早くしなさいよ〜♪」
急かして、からかってみる。こなたがあたふたしているところはそうそう見られないので、
この機会にバッチリ目に焼き付けておかないと。
やがて、すー、はー、と大きく深呼吸をして、こなたがきりっと正対した。
「……かがみ。」
「……何?」
こなたの答えを、待つ。
そして、その可愛らしい口から飛び出した言葉は。
「――――愛してるっ!!!!」
――例え、この世が私が見てる夢で、起きたら全て無くなっていたとしても。
それは、無くなった訳じゃないんだ。
ただ、私の中に戻っただけ。私の中から外に出て行ってた世界が、私の中に仕舞われただけの話なんだ。
だから、何も寂しい事はない。何も哀しい事は無い。
私は、夢の中の私を殺したりなんか、してなかったんだ。
仮に、この世界が「一炊の夢」だったとしても。
こんなに素晴らしい夢が見られる世界なんだ。あっちも素晴らしい世界に決まってる。
そして、そこにはこなたも居るだろう。その世界での、本物のこなたが居るに違いない。
だったら、何も恐れる事なんて無いじゃないか。
……ちなみに、私はあの時に見た幸せな夢は、今でもバッチリ覚えている。
何だ。結構いいもんじゃないか、夢って。
そして、私は今日も夢を見る。
暖かい布団に包まって、幸せな夢の世界に、まどろみ、落ちる。
今日は、どんな夢を見るんだろうか?
私の可愛い恋人は、夢に出てきてくれるかな?
青くて長い髪が、まぶたの裏に浮かぶ。
不意に、昔良く聴いていたロックバンドの代表曲の一節が頭に浮かんだ。
――夢で逢えたら、どこへ行こうか?
――どこでもいいよ、あなたがいれば。
以上、「契りは、別れへの約束(後)」でしたー。
なんか、最後安っぽいラノベみたいな展開になっちゃったかなぁ……。むぅ。
ガチ鬱展開を期待してた人には申し訳ない。何度も書き直した結果、これに落ち着いた訳で。
最終的には愛着のある作品となったので、住人のみんなにも楽しんでいただけると幸い。
では!
お疲れ様、見入っちゃったよ
……まったく、仕事中に見るんじゃなかったぜ
汗が目に入って仕事が手につかないっての
お疲れ様、見入っちゃったよ
……まったく、仕事中に見るんじゃなかったぜ
汗が目に入って仕事が手につかないっての
>>63 リアルタイムにて読了。
一発逆転急転直下、清々しくて甘酸っぱい萌えをごちそうさまでした。
「――――愛してるっ!!!!」 のくだりで転がりましたとも、ええ。GJにしてGL!
GJすぎる!!!!!!!!!!!!!
あなたならこの腐った世の中を変えてくれると信じているw
GJだけでは言葉が足りないくらいにいいSSを読ませてもらった!!!
>◆PlNKZcRIiA
素晴らしい物を見せて頂いたです!本当にありがとうございました。
『安っぽい展開になった』なんてご謙遜を、ハッピーエンドばんざい!!
ちょっとかがみの独白が堅かった感じもするけど、読後感のいい話でした。
大作GJ!
>>63 最後の「大好き」or「愛してる」のタメで、こなたが「大好き」というんじゃないかと一瞬ハラハラしたけど…マジで良かった!
マジで乙&GJ!
>>63 マジGJ
個人的にはハッピーエンドは大好物なんでむしろこの結末にしてくれてありがとう
>>63 狂おしいほどGJ
59からの流れが好きでした。
>>63 鬱入るんじゃないかと心配していたのですが、お見事なまとめ方でした !
感動しました !
>>19 テラGJ!
あなたの書くそうじろうは何故こうまでも格好良いのだ
>>33 メタルマックスに吹いたwww
少し気になった点
>そういえばつかさもよくこうやって、かがみのお腹を枕に昼寝していたような気がする。昔の話だが。
第三者視点にかがみ視点が混ざってる感じ
かなり遅レスだけど、らきすた殺人事件読んだ。
最初の数ページで投げそうになったわw
本分に入ってからはそこまで悪く無いと思うけど、
身近な人間が死んでるのにこなたの態度が普段と変わらんから、
臨場感というか緊迫感が無くて冷める
オチが何となく読めてしまうというか何と言うか(それが狙いなのかもしれんが・・・・・・)
>>75 買わなくて良かった
アマゾンかがみのキャラソンおせーよww
>アマゾンかがみ
かがみ「はああっ!ア―――マ―――ゾ―――ン!!」
(※両腕を広げたのち顔前で交差して叫んで下さい)
「おーっす、きたわよー」
「こなちゃんこんにちわー」
「やふー、つかがみー。まぁその辺でくつろいでてくれたまへ」
「混ぜるなっ!」
「あはは、じゃあ荷物置かせてもらうね〜。こなちゃん、パソコン?何見てるの?」
「んー、ちょっと古い調べ物をねー……おー、やっぱそうだった」
「ロクな調べものじゃないんでしょうけどね、どれどれ……『姉、ちゃんとしようよっ!』?
ちょ、あんたこれ、またエロゲーかよ!」
「ふぇー……あれ?この女の人たち……」
「うん、柊って苗字なんだよねー。ちょっとうろ覚えでさ、確かめにきたのだよ」
「なんでそんなの確かめる必要があるのよ」
「いやさ、このゲームは姉が6人いるんだけど、かがみのとこ4人姉妹じゃん?
あ、みきおばさんもいれれば5人いけるね。これだけいれば再現できないかなーって」
「あんま聞きたくないんだけど……いったい何を再現するつもりよ」
「わたしが柊家の皆様に美味しくいただかれちゃうお話」
「ふええええぇぇ!?そ、それは……『こなちゃんとしようよっ!』とか?」
「お、つかさいいねノリノリじゃん!」
「だ、だだだ誰がするかっ!!つかさも一緒になって馬鹿なこと言わないの!」
「えー、巫女さん修行してるわたしに『そんなんじゃダメよ、これはお仕置きが必要ね』
とかいってやりたい放題できちゃうんだよ?おいしいシチュだと思うけどなー」
「な、あ、おまっ……」
「あ、お姉ちゃん顔真っ赤……」
「これはちょっと想像してその気になっちゃってるね」
「ううううううううるさぁぁぁぁぁい!!!」
80 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 21:44:51 ID:EbXeDnjQ
>>19 あのさー、君さーちょっと言いたいんだけどさー
GJ
>>78 火ぃ吹いた時の表情のかがみが
こなたに噛み付く光景が見えた
……なんか色々と嫌
平成ライダーしかわからない俺 orz
こなたのためなら〜鬼となる〜♪
柊かがみ ここにあり♪
住人全員「かがみ!貴様が地球上のどこへ逃げようとも、このエロパロスレから逃れることはできないのだ!」
住人全員「かがみよ!覚えておくがいい――!」
>>86 がんばれww
書こうかと思ったけど……
今SS、3つくらい同時進行してるんだorz
>>88 埋め用に書いたSSが案外気に入っちゃって、埋めSSに使った事を今更後悔してる俺救いようのない馬鹿。
普通にこっちに投下すりゃ良かった。ウケ次第ではシリーズ化も……とか考えてるのを埋め用に使ってどうするよ。馬鹿馬鹿。
>>87 それは当然このスレ用のSSだよな?
超期待してますぜ。
>>90 何も気にする必要派ない
さぁシリーズ化するんだ!
93 :
4-243 ◆X9xLTlcDnY :2007/09/04(火) 23:41:50 ID:Onsw5H6a
>>90 このスレの住人は皆とにかく極上のSSが読みたいだけなんだ。
だから遠慮することはないぞ
ぐは。sage忘れごめんorz
>>90 ネコミミこなたシリーズ化に1票
今書いてるSSは、もちろんここに投下するつもりっすよ
>>95 手がぁー手がぁー!!(ムスカ調に
>>93 うめえwwwwww
萌えました
あと45分(・∀・)
>>93 ちょwそう来ましたかw
MADテープの影響で「アッー! マーゾー!」というネタがリフレインしている自分は末期。
さて、猫的ネタが続いてしまいますが1レス投下させていただきます。
99 :
前スレ331:2007/09/04(火) 23:53:17 ID:qdGEncWN
「くしゅんっ!! ……う〜」
鼻をすすると、ずるずるっていう音がしてイヤだ。
頭もぼーっとしてるし体も熱いし……あー、かがみの夏風邪、完全にもらってきちゃったかな。
「38.2℃か。うーん、すっかりやられてるな」
水銀式の体温計を振りながら、お父さんが心配そうにのぞき込んでくる。
「やっぱり……うつすと悪いから、ゆーちゃんは部屋に入らないほうがいいかな」
「そうだな、そうゆーちゃんにも言っておくよ。でも、かなり心配してたぞ?」
ありゃま、心配かけちゃってるか……そりゃそうか、私がホントの風邪なんて珍しいし。
「だよねー。風邪が全快したら、その分ぎゅーぎゅー抱きついたげよ」
「こなた、それは俺に『写真を撮れるものなら撮ってみやがれ』って挑発か?」
ああ、こんなにダメッぷりが加速してるのも熱のせいだよね。とゆーかそう思いたい。
「それはともかく、ちゃんと横になっとけよ。かがみちゃんが見舞いに来るんだからな」
「うん、わかってる」
私が寝ている間に、かがみから家に電話があったらしい。かがみが来るってことは、
あのときのおまじないがちゃんと効いたのかな。
そして、お父さんが部屋を出てからしばらくして、ちょっと厚着をしたかがみがやってきた。
「どう? 大丈夫?」
「んー……なんか、頭がぼーっとしてる」
「私のといっしょじゃないの。ごめんね、私のをうつしちゃったみたいで」
そうやって顔をのぞき込んでくるかがみは、この間と違ってすっかり顔色が良くなっていた。
「ううん、かがみが治ったならなによりだよ」
「それにしても……あの時は、よくもやってくれたわね」
「えっ?」
ぼーっとした頭でかがみの目を見ると、なんだか、ちょっと怒ってる?
「風邪で動けないとはいえ、乙女の柔肌なキスだなんて」
「うぐっ」
や、やっぱりちゃんと覚えてたんだ。
「でもっ、別にいーじゃん。ちゃんとかがみが治ったんだもん」
「それはそれ、これはこれ。
ほっぺたに指に胸にくちびる、耳に首筋におでこ。あげくの果てには猫化までして、
ホント今まで好き放題にやってくれたじゃない」
「だ、だって、かがみの肌ってやーらかいし、すべすべしてるし、とってもキレイで――」
「それは舐めてもいい理由にはならないでしょ?」
ううっ、褒めてるつもりなのに全然笑ってすらくれない。これは本気で怒ってるのかも……
「でも、でも……」
「だから、こなたが動けなくなった今、ちゃんとお返ししないとね」
そう言いながら、かがみがくちびるの端っこを吊り上げる。
「やっ、やだ……やだよぉ……」
私はなんとか後ずさろうとしたけど、体はだるくて言うことを聞いてくれそうもない。
このまま、
されるがままになるしかないのかな。ほっぺをぎゅーぎゅーされたり、デコピンの嵐を喰らわされるのかな……
なんだかちょっと怖くなって、目をぎゅっとつむる。
「ふふっ、叱られる子供じゃないんだから……んっ」
「えっ?」
突然のかがみの優しいささやきに、ゆっくり目を開けると――
「か、かがみ……?」
おでこに広がる、やわらかい感触。
そこから、ぽっと小さな火がともったようなぬくもりが伝わってくる。
「……ふうっ。ほら、こなたへのお返しよ」
照れたように顔を赤くしながら、かがみが少しだけ目をそらした。
「つかさにもやったから……その、こなたにもしないわけにはいかないでしょ」
それは、いつものかがみのツンデレな姿。
「か、かがみ……ああっ、だから私はかがみが好きなんだよーっ!!」
なんだかたまらなくなって、私は思いっきりかがみに抱きついた。
「ちょっ、こ、こなたっ、病気なんだからはしゃがないのっ! こらっ、また猫みたいに飛びかかるなっ!!」
「やだやだっ! だって、かがみが初めて私にくちびるで触ってくれたんだからっ!」
それに、かがみのおかげで熱もすっかりどっかに吹っ飛んじゃったもんね。
そういう元気をいつもくれるから、私はあなたが大好きなんだよ。かがみっ!
「お姉ちゃん、元気になったの? って、わわっ、ごっ、ごめんなさーいっ!!」
回線トラブルにやられてちょっと遅れてしまいました。すいません(´Д`;)
というわけで「きゃんでぃ・がーる『あーる』」をお送りしました。
今回の「あ〜る」は「リフレイン」。こなたたちの間で繰り返される、といったところで。
最後に出てきた彼女にまでリフレインするかどうかはまた別のお話。
>>101 毎度ながら貴方のかがこなは可愛すぐるGJ!!(*´Д`)
>>100 一番槍GJ!できてたらいいなぁ…
もうあなたの書くこなかがは大好物ですwww
そしてゆーちゃん、おいしいとこ持って行き過ぎwww
>>101 ニヨニヨが止まりません。どうしてくれる。ぐっじょぶ!
>>101 マーフィーの法則を地で行ってるなw
GJ!
今更ながら前スレ
>>669 まさかこのスレで時雨沢さんにお目にかかれるとは…w
>>101 あーっ!
夏風邪ネタを先にやられたー!
書きあがった時点で投下していれば……
って続きものだからそっちがもっと先かw
受けに回ったこなたが萌えてしょうがない
というわけでこっちもこなかが投下。
非エロ。2レスほど。
108 :
実験と証明:2007/09/05(水) 00:47:38 ID:/8quzY8y
かがみは夏カゼをひいて、一人学校を休んでいた。
一度眠ってご飯はちゃんと食べ、病人としての義務をきちんと果たしてやることがなく
なると本を読み、それも飽きてきた頃には学校も終わってつかさが帰ってくる時間だった。
「ただいまー」
予定通りつかさの声。その足音が部屋の手前まできたところでドアが開いた。
「かがみー、お見舞いにきたよー」
「へ? なんであんたがいるのよ?」
こなたはきちんと用件を伝えたのだが、かがみの反応が遅れて間抜けな物言いになって
しまった。
「せっかくお見舞いにきたのにそれはないよ」
「それは……悪かったわよ……」
かがみとしては悪気はなかった。ただ、こなたがお見舞いに来るたびに何かしらのネタ
でからかわれたりするので、思わず警戒してしまっただけだ。
こなたはかがみの勉強机の椅子をベッドのとなりまで移動させて座った。かがみは特に
気にしなかったが、客として良い態度とはいえない。
「今日はかがみんとこのクラスは宿題ないみたいよ。よかったね」
「そっちはあるんでしょ。しっかりしなさいよ」
「まあなんとかするよ。いざってときはみゆきさんがいるから」
「あんたね……」
いつもと同じような会話。
「ところで、キスすると風邪がうつるっていうよね」
「ああ、言うわね。本当かどうかは知らないけど」
「あれってさ、キスをするくらい親しい関係で、近くにずっといるからうつっちゃうだけ
だと思うんだよね」
「よくわからないけど、こなたにしちゃまともな考察ね」
「と、いうわけで」
こなたは椅子から立ち上がると、いきなりかがみにキスをした。
「!?」
それもただのキスではなく、舌を絡ませ唾液を交換するような激しいキス。たっぷり時
間をかけたあと、こなたはかがみを解放した。
「な、何すんのよ!? ……はじめてだったのに……」
前半は大声で、後半は消え入りそうな声で言う。
「実験と証明だよ」
「はぁ?」
「さっきの私の説が正しいかどうかの実験。私の説が正しければこれだけじゃ感染しない
はずだよね。かがみに風邪をもらうのも悪くないけど」
「馬鹿なこと言うな!」
「名残惜しいけど退散させてもらうよ。本当にうつっちゃまずいからね。それじゃ」
部屋を出て、本当に帰ってしまった。
「な、なんなのよ……」
相手の都合もきかずにやりたいことだけをやっていきなり帰られてしまっては、怒りも
ぶつけられない。さっきの感触が消えず、もやもやした気持ちを持て余していた。
「お姉ちゃーん」
「つかさ……」
かがみはなるべく平静を装ってつかさを迎えた。
「こなちゃんが帰るまで、私はお姉ちゃんの部屋に入らないようにって言われたんだよね。
何かあったの?」
「な、なにもあるわけないでしょ、私がこなたなんかと!」
「う、うん……」
かがみの剣幕に、つかさは思わず及び腰になる。
「まったく、なんで私が――もうちょっとムードってものを――じゃなくて! 私は何を
言ってんのよ!」
「お、お姉ちゃん……?」
「あーもう! それもこれも全部こなたが悪い! 明日会ったらただじゃすまさないわ。
……べ、別にこなたに会いたいわけじゃないんだからね! 勘違いしないように!」
「私、何も言ってないよ……」
109 :
実験と証明:2007/09/05(水) 00:48:25 ID:/8quzY8y
翌日。
「え、こなた欠席?」
「ええ、風邪だそうで……」
教室に訪ねたかがみに、みゆきは申し訳なさそうに言った。みゆきは悪くないのだが。
「お姉ちゃんの風邪がうつっちゃったのかな……風邪はうつせば治るっていうよね」
「よく言われますね。実際には、時間的に人にうつる頃にはもう治ってるっていうことだ
そうですが」
「そっかぁ。でも昨日こなちゃんがお姉ちゃんと一緒にいたのって五分もなかったよね」
「そんなものかしら……」
昨日のことを思い出してしまい、曖昧に答えた。
「……なんでよりによって、今日休むのよ」
「せっかく、泉さんに調べもののことを教えようと思ったのですが……」
「調べもの?」
「ええ……昨日、キスが風邪の感染に関係するかどうかという話を泉さんとしたんです。
俗説はともかく科学的根拠はないかと思っていろいろ調べてみたら、粘膜が接触するから
空気感染よりも感染力は強いらしいという結論に至ったのですが――かがみさん、どうか
なさいましたか?」
「あ、いや、なんでもないわよ」
「熱があるのでしたら無理はなさらないほうが」
「だ、大丈夫よ。もう完治したから」
「でしたらいいのですが……」
かがみの心境などつゆ知らず、みゆきは心配そうな顔をしていた。
「それじゃあ、ドラマとかでよく言ってるのって本当だったんだ」
「ええ。ただ、風邪の患者とそうでない被験者をキス以外の接触を絶って感染するかどう
かを実験で調べたという話は聞いたことがありませんので、完全に正しいと証明されたわ
けではありません。今後もそんな実験をする人なんか現れないでしょうし……」
「そ、そうよね、そんな実験するヤツいるわけないわよね」
かがみは乾いた笑いは教室のざわめきにかき消された。
一方、そのころの泉家。
「以上……証明終了です――げほっ」
こなたは風邪に倒れながら満足げな笑みを浮かべていた。
110 :
3-283:2007/09/05(水) 00:49:25 ID:/8quzY8y
書きたいと思いつつもアイディアがなかったこなかがを、
非エロですが思いついたので書いてみました。
読んでくださった方、ありがとうございます
111 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 00:51:24 ID:SeBWmb80
>>63 ありがとう、かがみの気持ちが心にすっと入ってきました
うは、今日も全開走行中ですねこのスレ。
一つ一つ感想書けなくてすまんですが、皆さまGJ!
てか、アマゾンかがみ!その手をどけれーーーw
……で、例の続き。つかさやみゆきさんって描いたことないなぁって。
時間の都合で、色塗ってないんですがorz
つ【
ttp://freedeai.com/up/src/up5320.jpg】
……あ、ギャグになっちゃったw
SSっぽいのも仕込んではみたけど、なんか感動もエロも盛り上がりもないので割愛。
とりあえず、指先はみゆきさんの提案で、飽和状態の砂糖湯に漬けてじっくり治すそうですが。
>>113 アッ!!!
このネタでSS書きたくなってきた
とてつもなく恐ろしい妄想の気配がする。このスレにとどまりますか?
はい
YES
オフコース
当然!
>>113神GJを送らせてください。あなたに惚れますた。
>>115今全裸で糖日部駅前で待機してる。
朝までに投下してくれないと多分捕まるんだぜ?
>>117 NO!がないからYESでいいや…前スレでやめようかと思ってたが
いまさらなんだが・・
こなた×かがみで
かがみの誕生日ネタ投下していいかな?
3、4スレほどの。
エロ無しで。
かもーん。
出勤前の楽しみにして、今日は寝ます。
むしろ、しなければ朝日は拝めないぜ?
俺が
では
4スレほどお借りして。
初めてなんで
色々バシバシ指摘してもらえると嬉しい。
――7月6日金曜日―夜―
チラッと時計をみる。
あ〜あ、もうこんな時間か・・・
とおもわずため息。
新刊のラノベ読んでたらもう夜・・・
まぁどうせあいつは余裕で起きてるんだろうけど・・・明日休みだしネトゲでもしてるのかな・・・
そういえば
夢中になると時間を忘れるってあいつがよく言ってたけど、
たしかに間違ってなかったかも・・・
でもよくエロゲとかギャルゲとかやれるよね・・・
でもなんだかんだで、あいつ・・・・・
とかポーッと考えてたら
またあいつのコトを思ってる自分に気付く。
なんでだろう・・みゆきさんとか、つかさとは違う何かがあいつにはあって・・。
会いたいな・・・って、ち、違うから、絶対。そんなんじゃないって、
とひとりで首を振ってみる。
最近わたしは何か変だ。
あいつのコト、やけに意識してる・・・
なんだか暑くなってきた。まだ夏になってすらいないなのに・・
今、顔赤いかな・・
どおせ明日学校休みだけど
そろそろ寝ようかなとか思った、その時
――ガガガガッ――
机の上の携帯が振動する。
あれ?、こなたからメールだ・・・
あいつからメールがくるなんて珍しい。なんかあったのかなあ?
てか携帯つかうんだ・・
別にメールじゃなくて電話でいいじゃない・・・
――今すぐ玄関に出てみてっ――
時間でいえば
もう0時00分を少し過ぎてる頃。
こんな夜中になによ・・・変なコトだったら承知しないからね・・・。とか思いつつも
みんなを起こさないように
静かに、ゆっくりと玄関に向かう。
音をたてないように扉を開く。
私の目に入ったのは
・・・・段ボール??
玄関には
少し大きめの段ボール。手紙付きの。
とりあえず部屋まで運ぼう・・・・と思うけどなかなか重たい
30キロ近くはある・・。んんっ・・
自分の身体とこなたのためよ!!とか思いながら
グッと力をいれもちあげる。
荷物にしては重い・・
それでもなんとか部屋まで運び切った。
自分を思わず褒めたくなる。
なにかしら。こんな時間に段ボールなんて・・。
段ボールに目をやる。この箱はたしか・・・あの引っ越し屋のマークがあるから・・。
段ボールに貼ってある封筒には、
ーかがみへー
こなたにしてはキレイな字。やればできるのにやらないのよね・・あいつは。
封筒を剥がし封を開く。
中には便箋(?が一枚、
わざわざボールペンで色付けしてあるし・・ふーん。
こなたにしてはなかなか器用じゃない。
ーーかがみへーー
誕生日おめでとう。
いつも迷惑かけてばっかりでごめんね・・・
とか。
なんかさ、いきなりなんだけど・・
かがみのこと好きになっちゃったみたい・・
会いたいな。なんか思って。わたしらしくないね。
ではでは。段ボールは丁寧に扱ってくれたまへ。
一瞬、時間が止まったような気がする。『好き・・・』すき?す・・す、すきぃぃぃぃ?!
いやいや、唐突すぎるだろこれは。
もうちょっと・・空気をよんでだな・・・
とはいえ
なんだかんだで
すっごい嬉しいんだけど・・・・
なんか・・もうっ!!照れるじゃない。
「こなた・・・・」
ちいさくつぶやく。今何してるのかな
・・・・
・・・
・まだ起きてるよね。電話してみよっ!
と思って立ち上がったその時。
段ボールが小さく動いた。
うごいた?のか?見間違いかな。
ビクッ・・・
あれ?やっぱりうごいた・・・の?
おそるおそる
段ボールに近付く。・・動かないじゃない・・。
126 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 02:30:51 ID:vrWtlPfH
とりあえず段ボールの蓋に手をかけて・・
一気にバリバリっと音を立て上から開く。
ピョコっと何かが飛び出た、
あれ?・・・なんでアホ毛?
一瞬思考が・・・・
「こ、こここ・・・こなたぁぁぁぁぁ???」
思わず大きな声がぁ・・・ハッ!みんな寝てるんだった。静かにしなきゃ。
そっと
段ボールをのぞきこむ。
そこには・・・
やっぱり
体育座りで縮こまってるあいつの姿が・・
「かがみん誕生日おめでとうーー」フラフラしながらも立ち上がって笑うこなた。
ってシャレになんないわっ!!と頭の中で思わず突っ込みをいれるわたし。
「・・・・・・。」さすがに今は言葉が出てこない。
「どーしたのかがみん?迷惑だったかな?」とわたしの顔を下からのぞきこむ、こなた。
・・・・なんかこなたが異常に可愛く感じる・・・。夜だからかな・・。抱き締めたくなる、
こなたに
「かがみん顔赤いよ〜〜」
といわれ、ハッとした。
遠のいていた意識が戻る。
「な、なにしてんのよっ・・」おもわす一声。
「なにって・・わたしが誕生日プレゼントなの。嫌かな?」笑いながら話すこなた。さすがにこれには反撃はできない。
てかベタなことするもんだね・・あんたぐらいだよ。
まぁ全ッ然嫌じゃないけど・・・
むしろ、会えて嬉しいし・・。
わたしの顔をみて察したように
「あ、嬉しかった?」と聞いてくるこなた。
「べ、別に嬉しくなんか・・」口ごもる。
「図星なかがみんも可愛いよ〜」
なっ・なにを・・・・。さらに口ごもるわたし。
ていうか・・
・・・可愛いのはあんただっ!!・・・言葉にはしないけどね。(というかできない)
ベットに顔をうずめる。わたしのほてった顔を隠すつもりで。こなたのコトを見ないように。
ズルズル・・
這いながら寄ってくるこなた。
しばらく間が開いて
「ねぇかがみん・・・・・・・手紙よんだでしょ?あのさっ・・良かったら返事ききたいな・・なんて。」
い、いまさらそんなことを言うかっ!!こいつっ!!
しかし言葉は自然とわたしの口からもれる。
「ば、ばか。そんなコトいわせないでよ。・・・・わたしも、こなたのコト好きなんだから。」
あぁもうっ。わたしはなにをいってるんだ!!ホントに恥ずかしい・・
こなたがニヤニヤしてる・・こいつぅ。
「ねえかがみん。ギュッてしてよ〜〜〜?」
ねだるように耳元でこなたが囁く。
なんか今日のあいつはおかしい・・・とは思いつつ・・
「し、仕方ないわねっ!!」
気持ちを押し殺しながら返事をするわたし。
そして、
ギュッと
こなたを抱き締める。
シャンプーの匂いと軽く汗の匂い。
こなたの匂いだ。
ずっとこのままでいたいぐらいだよ・・・・。本心。
だけどそれはわたしのプライドが許さない。
大好きなこなたと離れる。
は、離れたくないな・・
今なら、ホントのこと、言っても許してくれるよね。きっと・
おもたい口をひらいて。
「ね、ねえ、こなた・・・」
「なに?かがみん。」
「き、きょ、今日、うちに泊まるんでしょ?・・
一緒にねてくれないかな・・・い、嫌ならいいけど。」
「・・・・いいよ〜?」
あっさり返事するこなた。
わたしはこなたをもういちど、
力いっぱいギュッっと抱き締める。
そのまま、二人でベットに抱き合ったまま寝転がる。
そんな時、こなたと目が合った。
「キス・・していいかな?」こなたがわたしに聞く。
「いいよ・・・・。」
今ならきっとこなたにはどんなわたしでも見せられるだろう。
「こなた・・」
「・・かがみん・・」
軽く、二人の気持ちを確かめるようなキス。
そしてさらにもう一度ギュッと抱き締め合う。
このまま眠ってしまいそう。
今日はゆっくり寝よう、
特別な誕生日の夜を
だいすきなヒトと過ごそう。
きっと・・今までで最高に幸せな誕生日になる、
ううん、きっとじゃない。
絶対。
これからも楽しい思い出を、みんなと、こなたと作ろう。
―――end
以上です。
見づらいかもしれません
結局6スレになっちゃいました・・
では、おやすみなさい
>>130 リアルタイムGJ!!
なんかもうこなたが可愛すぎる
そうだな、改行がちょっと多いかな・・・?って感じ
そしてあなたのつかさ並の天然っぷりに萌えましたw
6スレwwwwww大杉www
>>120>>121 あえて突っ込みを入れない貴方達にも萌えたw
おっとすまない、ちょっと作業してたらきっちり投下終わってるじゃないか
GJ、キャラ可愛いぜ。しおらしいこなた好きだ
ただ、効果になってるのはわかるんだけど改行がちと多いかな?ここは匙加減が難しいな
それと、投下前にプレビュー駆使して、何レスになるか計算しとくと混乱がなくてなおクールだぜ
ともあれお疲れ様、次も待ってるんだぜ
136 :
794:2007/09/05(水) 09:48:42 ID:vbcF5uSL
モーニング投下は俺がもらった!www
ってことで、前スレ793-794からの続き投下
ペース計算すると、こなたは恐ろしい女子高生になりそうな悪寒
「38周目……か」
日差しがなくなって、だいぶ涼しくなってきた。
それでも、こなたのペースは落ちたまま変わらない。
この辺りが限界なのだろうか。
肉体的にも精神的にも。
それでも、1周10分弱の最低限のペースだけは乱さないのはさすがと言ったところか。
「こなちゃ〜ん、がんばって〜」
つかさは取り乱すこともせず、こなたの応援に徹している。
ここまで来ると、リタイアの不安よりも完走への期待の方が大きいのだろう。
「泉さ〜ん、がんばって下さ〜い」
みゆきも、今は落ち着いてる。
抱きつかれて泣き始めた時は、心臓が止まるかと思ったけど……。
(残りは、あと12周……)
現在時刻が午後6時。
このままのペースを守りきったとして、終わるのが午後8時過ぎ。
(ギリギリ……か)
8時からちょっとしたイベントがある。
出来ればその時間までに完走してほしい。
でも、これって……
(昨日のテレビと、そっくりじゃない……)
時間内にゴールできるかどうか。
それを見守る今の私は、昨日見ていたテレビと全く同じ状況だった。
でも、こなたから見た状況は昨日とは全く違う。
サポートしてくれるスタッフや沿道の応援などあるわけもない。
夏休み夕方の学校に残っている生徒などいるはずもない。
だから……
「がんばれっ!こなた!!」
私たちが応援してあげないと。
声援に押されるかのように、こなたはラスト10周へと入っていった。
「あと3周……」
最初は途方もない道程だと思ってた。
でも、それももうすぐ終わりを迎える。
47周を走り終え、残りは3周だった。
ゆきちゃんは、こなちゃんが走るのを静かに見ていた。
朝見たときよりも雰囲気が違って見えるのは、気のせいかな?
お姉ちゃんは、なんだかさっきからしきりに時計を気にしている。
こなちゃんが早く走り終えるのを期待しているみたい。
そして、私は……。
『じゃあこなたは、いったい誰に会いたいのかしら?』
言葉の意味をずっと考えてた。
こなちゃんがこうまでして会いたいのって、いったい誰なんだろう……。
「あいてっ」
「こなたっ!?」
それも、こなちゃんとお姉ちゃんの声で、現実に引き戻される。
ハッとした私は顔を上げる。
見ると、こなちゃんが地面に倒れこんでた。
「こなちゃん!大丈夫!?」
「大丈夫だって、ちょっとつまづいただけだから……」
それだけ言うと、こなちゃんはゆっくり立ち上がってまた走り出した。
もうお姉ちゃんもゆきちゃんも走ることを止めなかった。
もちろん、私も。
今まで走った47周が無駄になる、それもあったけど……
『これくらいで止めないでよ』
なによりも、こなちゃん自身がそう言ってる気がしたから。
またこなちゃんが帰ってきた。
これで残りはあと2周。
でも、こなちゃんはもう限界だ。
たぶん、歩くのがやっとっていうくらい。
もう見ていられなかった私は、ほとんど無意識にこなちゃんに向かって駆け出していた。
「こなちゃん!私も走るよ」
「え……つかさ……」
「こなちゃんがこんなに頑張ってるのに、それを見てるだけなんてもうできないよ」
きっと、やめようって言ってもダメだから。
だから、せめて最後だけでも一緒に走りたかった。
「ダメって言っても、ついてくるよね」
「当たり前だよ!」
「わかったよ。じゃあ行こう、つかさ」
私の前にこなちゃんの手が差し出される。
その手を握って、私たちはゆっくり走り出した。
すぐそばまで来ているゴールに向かって。
そして、その向こうのゴールに向かって。
141 :
794:2007/09/05(水) 09:55:05 ID:vbcF5uSL
二話投下しちった
ちなみに、PM6:08がかがみ視点、PM7:31がつかさ視点となっております
よし、今日中に完結させるか
『負けないで』でも歌いながらwww
お目汚し失礼いたしました
アマゾンかがみだと?
エックスみゆきとストロンガーつかさは?
そろそろスレ違いだ
かがみのキャラソン聴いたんだが
2曲目が百合デレソング(もちろんこなたに対する)で驚いた
こなかがはランティス公認
いや、畑亜貴公認だな作詞的に考えて
まぁつまりは
アニメ関連の人たちが百合奨励モードでつくってるから
そのキャラソンとやらがこなかがorかがこなになってるんだろうな
終了。ここからエロパロに戻ります↓
OK、まだキャラソンかえてない私が流れを変える!
>>19 せんせんせんせーっ!w
なんだか臆病なこなたが昔書いた梅SSに似ててちょっとシンクロしました。
かがこなに(・x・)きゅぅんってなるのはいつものことだけど(何)、
お父さんのこと作りたかったんだろうなってよくわかった。
きっと理想のおとーさん像なのかもね。仏壇のアレンジGJでした。
恒例だけど、ぜんらたいき!
どうもこんばんわ。ゆにすたの人です。
ちょっとアホな事して泣きそうですがめげずに投下しようと思います!
EPは5に進みます。注意事項は以下のとおりです。該当のある方はNGへ。
こな→かが なのは変わらないデス。
つかさがだいぶかわいそうなことになりました。
こなたが割りと黒いです。
Line371、8レス借用いたします。
もう夏休み最後の週になってしまった。今年の夏は勉強ばっかりしてた割りに短く感じる。
電車のノイズと揺れに身を任せながら、広げた夏目漱石をつらつらと目で追ってた。
ちょっと『私』とシンクロしそうになって、視線を窓の外に向け一息ついた。
花火大会の時「どこかに行きたいな」なんて勝負。
何とかギリギリで合格ラインに乗せることができた私のために、かがみが企画してくれた勉強合宿。
もっとも、お宿の提供はみゆきさんで「別荘がありますからそちらではいかがでしょう」なんて言葉にビックリしたんだけど。
「……ふぅん、こなた、そこちがう」
声の主は私の肩に寄りかかって寝ちゃったかがみだ。耳元でされるとものすごくこそばゆい。
一瞬驚いて顔を向けたけど完全に寝ていて、ちょっとよだれが口の端に集まってる。
普段はツンデレさんでも寝てるときは天使だよねー、なんて思いながらハンカチで拭いてあげた。
「本当によくお休みになられてますね」
「うーん、なんだか張り切って夜遅くまで休み明けテストの予想問題作ってたから……」
「そっか、ほんとに全部作っちゃったのかー」
自然と三人とも小声になってしゃべってる。
一昨日かがみの家の勉強会に行ったとき、「予想問題作るからみんなでやってみよう」なんて言ってたのを思い出した。
凝りだすと止まらないかがみの事だから、相当いやらしい問題だろうなと想像できる。
「そういえば泉さん、いつから眼鏡を?」
「いつもかけてる訳じゃなくて、勉強かまじめな読書のとき専用。ちょっと乱視の補正が入ってるくらいかなあ」
「勉強専用ですか……?」
みゆきさんがいぶかしげに聞いてくる。そういえばみゆきさんが眼鏡かけてるのを見るのは初めてかも。
少しずり落ちてきてた眼鏡を指先でカッコつけながら上げて答える。
アニメとかじゃ少しは絵になってるのかもしれないけど、私じゃあんまり絵にならない気もする。
「うーん……スイッチみたいなもの、かな。これかけてるときは勉強するときって感じで」
「泉さんなりの集中方法なのかもしれませんね。いつ買われたんですか?」
「これは中学のときかなー。文学少女にあこがれてる時期でさ」
「中学のときのなんだ、私それは始めて聞いたよ」
「つかさは勉強用って答えたらそのまま流したじゃん」
微妙な形に顔がゆがんでる気がする。きちんと笑えてるといいんだけど。
中学のことは全部まとめて母校において来たいくらい。そんなにいい思い出でもない気がするから。
高校生活は輝いてる、だからそういうくすぶった事は思い返さなくてもいいさ、なんて気取ってみる。
そんなことをしてるうち、車内放送のアナウンスが流れた。
「泉さん、かがみさんを起こしていただけますか?」
「らじゃ。つかさも降りる準備しなよー」
「うっ、うん」
「かがみんー、朝ー、朝だよー。朝ごはん食べて学校行くよー」
ほっぺたをプニプニ突付きつつ、私の体に垂れてきてる片方のツインテールをくぃっと引っ張ってみる。
気づいたのか、寝ぼけ眼で私を見てきた。怒られないのをいいことに、耳たぶを指で摘んでぐにぐにする。
「ん……? てゆーかあんた何してんのよ」
「かがみいじり?」
「やめんか。ふぁぅ……ねむ。降りるの?」
「そだよ。よくお休みでした」
寝顔がかわいかったとかよだれが肩口についたとか要らないことは言わないことにする。
んーっと席の上で伸びをしたかがみが、首を回しながら周りを見回して。
もう窓の外は一面に広がる緑の森。ちょっと気分が高揚してきた。
「さて、皆の衆。いざ行かんアヴァロンへ」
「アヴァロンって確か所在不明の楽園でしょ。場所がわかってるところには相応しくない気がするけど?」
「じゃぁエリュシオン」
「それは死後の楽園だ。あんたは私達に死ねというか」
妙なところに突っ込まれてちょっと戸惑ってしまった。
単純に最近やったゲームからノリで言ってみただけだったのに。
「じゃあかがみだったら何ていうのさ!」
「そうね、約束の地なんかどう?」
「あの、泉さんかがみさん。ドアもう開きますよ?」
妙な言い回しで遊んでたら、大急ぎで片付ける羽目になりましたとさ……。
――――――――――――――――――
ゆに☆すた 〜University☆Star〜
えぴそーど5 それぞれのカタチ
――――――――――――――――――
例のテストををみんなで解きあってからしばらくして、自然にみゆきさんがつかさの先生をする感じになった。
――もちろん私はかがみにべったり。
みゆきさんらしく声を気にしたみたいで、結構説明することも多いですし、班に分かれてやりましょうって提案してくる。
そこまで気にすることもないかなって思ったけど、かがみもつかさも頷いたので分かれてまた勉強に没頭。
「こなたと二人きりかぁ……」
問題に詰まってシャーペンの頭を噛みながら悩んでたら、かがみがいきなり独り言見たいな調子で声をかけてくる。
波一つ無かった水面に広がる波紋のような違和感。
視線を向けたら、天井を向いて物憂げな表情で息を軽く吐いてるかがみ。一瞬のうちに微妙な空気になる。
「な、急に何さ」
「別に何でもないんだけどね」
「急に言わなくてもいいんじゃない」
かがみが私のほうを向いてくる。正直まだ色々心の準備ができてないから、焦りそうで慌てて言葉を繋いだ。
なんだか心臓の心拍数が急に跳ね上がったみたい。どくん、どくんって耳に響いて来そうな感じがする。
――ちょっと、何でもないならびっくりさせないでよねー。
「ただね、あんたと一緒に勉強してると思うのよ、勉強ってこんなに奥が深いんだなーって」
「なんですか、それって私の勉強が浅いって事デスカ」
「そんなんじゃないって。同じように勉強しててもあんたの方が飲み込み良いのよね」
「そんなことないと思うのですが、かがみ様」
だって私にこんなにすらすら説明してくるかがみのほうが、明らかに頭のデキがいいように思う。
そりゃ一応秀才少女気取ってた時期はあるし、それに自信がないわけじゃない。
――でもね、かがみ。きっとかがみに教わるんじゃなきゃ、こんなにまじめに聞いたりしないし……わからない意味を理解しようと必死になったりもしないよ?
「かがみ様はやめい。まあ教えてる側としては嬉しいんだけど、同じ受験生としては羨ましいなって、ね」
「んー、毎日やってるからじゃない。継続は力なりって言うじゃん」
「それ言うなら私だって毎日やってるわよ……」
うらやましいって言われると正直こそばゆい。
正直に言えばわたしはかがみが好きだからこそ勉強するし、好きな人に勉強を教わってれば誰だって死ぬ気で勉強すると思う。
大体今勉強しているところはずっと前にかがみが通り過ぎた駅で、私はいいとこ発車してすぐの急行列車。
――必死に追いかけてるけど、それこそ新幹線でも使わなきゃ追いつけない場所にかがみはいるんだよ?
「そういえばさ。話は変わるけど、前におじさんが泣きながら進学してくれって頼んだのよね?」
「うん、あのときのかがみの太ももは大変おいしゅうございました。料理記者暦四十五年、岸○子、なんてね」
「やかましい。でもおじさんからはこなたが行きたがってるように聞いたけど?」
どうも雲行きが怪しい気がする。わざわざ手を止めてまでさっきの話をするとは思えないから、つまりこっちが確信っぽい気がする。
大体さっきまで興味なさげにしてた顔が、いきなりニヤリって笑みにかわってるから。
――おとーさんめ、余計な事を。
「あー、進路について話してて、進学しよっかなーって言ったらおとーさん本気になっちゃってさ」
「それで私と同じ学校ってのは何と言うか……でもそうね、つかさとみゆきのは合わないもんね」
かがみと同じ学校に行こうとしてる理由は、かがみが勝手に納得してくれた。
みゆきさんが遥か上なのと、つかさが中間試験でよっぽどバカしない限り指定校枠の内定が出てるのが幸いしたかな。
苦し紛れに口から飛び出した言葉。だけど、一応嘘じゃない。炊きつけてくれたのは間違いなくお父さんだ。
ホイホイ罠に飛び込んで釣られてるのは私なのかもしれないけど、かがみと一緒に居られるのは私の中ですごく重要な『ご褒美』。
でもそのことをかがみに言ったりなんかしない。伝えてどうにかなるくらいならぺたぺたしてられるこの関係が大事だから。
「そゆこと、受験科目も手ごろだし、文学も読んでみるとそれなりに楽しいし」
「あ、そういえば電車でなんか読んでたわね。ラノベとか読むようになった?」
「んーむしろお父さんオススメの文芸な小説とかかな。あのひと一応プロだけあって見る目は確かだし」
いままでの私になかった引き出しが増えただけで、ホントに嬉しそうにしてくれるかがみが好き。
ただ正直、これ以上突っ込まれたら隠し通す自信はあんまりない。かがみは矛盾があると鋭くつついてくる。
毎日のように勉強を教えに来てくれるおかげで、最近の密度は今までよりも濃ゆいから……ボロをあちこちにおいてきてる気がする。
「なんだぁ、ラノベとかの話できるかと思ったのに」
「余裕できたら読むつもりだよ。アニメの原作だったら問題なく読めるだろうしね」
「それにしても、一応プロとかおじさんが聞いたら泣くぞ」
「そだね」
「そだねって……」
正直、最初は文字に慣れるためにラノベを読んでみようと思ったりもした。かがみと一緒の話ができるかもしれないから。
私の趣味にばっかり合わせて会話してるくらいなら、共通の話題が合ってもいいと思う。
――でもさすがに試験にラノベ出る訳じゃないしね。
だから、実際に読むのは受験が終わった後にする事にしたんだ。受かった後にゆっくり過ごせるネタがあってもいいと思う。
「あ、もうこんな時間だ」
「え? ああそうね。そろそろ食事の準備を始める時間、か」
「だね」
「それじゃノート貸して、食事の前に答え合わせしとくから」
「ほい」
いつものやりとり。なんだかそれに安堵を感じてる私が居る。
ノートをかがみに渡して、かばんの中からエプロンを引っ張り出して部屋の出口へ。
そうそう、最近はかがみも私ん家で夕食を食べていく事が多くなった。家庭教師してくれてるんだし、簡単な感謝の気持ちとしてご馳走してる。
実は量だけじゃなくて、こっそり材料の質まで上がったことはまだばれてない。
「あ、こなちゃん。勉強はもういいの?」
「うん、みゆきさんは」
キッチンに顔を出したら、先回りしてキッチンで材料とボウルなんかを準備し始めてるつかさがいた。
リビング周りを見渡してみたけど、みゆきさんの姿がないから聞いてみる。
「みゆきさんはご近所さんに挨拶に行ってくるってー」
「なんだかなー、私らは行かなくてもいいのかねー」
「そう言ったんだけど、『両親の昔話ばかりなので疲れると思いますよ』って……」
確かに大人の世間話はあんまり長時間相手したいものじゃないと思う。向こうからしたら私たちの話もそうなんだろうけど。
それを一人で引き受けようなんて、みゆきさんは相変わらずいい人だった。
――あれ? うちのおとーさんってばそゆ話はあんまりしないし、基本おっきな弟だよねぇ。
浮かんだ呟きは、いいお父さんって事だよネってことで戸棚にしまうことにする。何となく、深く考えてはいけない気がしたから。
「それじゃ、サクサクと始めますか」
「うん」
まずは野菜を洗ったりしながら下ごしらえ。流石につかさは調理系志望なんていうだけあって、基本はきちんと押さえてくる。
ジャガイモの芽を器用に包丁の根でコジるのを見ながら、調理実習のときにかがみがピーラーですら苦労してたのを思い出した。
「ねぇ、こなちゃん。ちょっといいかな」
「ん、どしたの?」
「最近お姉ちゃんと一緒にいる事多いよね」
切り刻み始めた野菜ももう三分の一位かな、なんてところでつかさが話し掛けてきた。
なんだか声の調子がいつもと違う気はしたけど、あえて知らない振りをしてニンジンをいちょう切りにしながら答える。
――やっぱりそっちですか。気づかれたかな……。
手元が狂わないように気を配りつつ、クールこなた勉強版を思い出して答えた。
「そう?」
「うん、何かいつもお昼前にこなちゃんの家行ったりしてさ」
「確かに最近一緒に勉強する機会が多いような……」
「わかってるんだ、お姉ちゃんと同じ学校行くから勉強してるって聞いてるし」
さっきまでハイペースで動いていたつかさの手が今は止まってる。
つかさの声がとんがってるのがわかった。ニンジンのいちょう切りを終わらせて、包丁をまな板の上にコトン、と置いたら少しは余裕ができる。
――うん、これはきっと私のせいなんだろうな。
「……うん、そだよ」
「でもね、わたし、でもね……」
向き直ったら、つかさの肩が震えてた。うつむいて何かを必死に我慢してるみたいで。
正直、いきなりこんな風になるなんて思ってなかった私は、「どしたのさ?」ってできる限り優しい声で問いかけてみた。
でも返事はなくて……つかさは崩れるように膝をついて手で顔を覆っちゃう。
どうしたらいいんだろうって立ちすくんでたら、つかさの手の隙間からぽろぽろと水玉が落ちてった。
声もなくただ涙を落とす姿を見ていたら、ものすごく申し訳ない気がして。
そんなつかさをおなかの辺りに収めて、ふるえるつかさの頭を……大丈夫だよってキモチで優しく撫でた。
どれくらい経ったんだろう。長かったような気もするし短かったような気もする。
つかさがこうなった訳は思い当たる節がありすぎた。
わかるのは私がキモチに気づいてから起きた何か、なんだろうねってことくらい。
「わたしね、高校は凄く頑張って入ったんだ」
「うん」
「そして、これ以上ついていけないって事くらい自分でもわかってるの」
「うん」
「でも……それでもね。お姉ちゃんと離れ離れになりたくないって思うの、おかしいかな?」
――ああ、なるほど。そういう事か。かがみが私にべったりなんで、寂しいんだ。
ぽそぽそか細い声で呟くつかさを撫でながら、ようやくつかさが取り乱した理由が理解できた。
でも、私もかがみとは離れたくないし、それで諦められるならそれでいいと思う。
つかさには姉妹って絆はちゃんとあって、友達な私とは違うんだから。
だから、自分でもこんな話をするのは卑怯だと思うけど。
国文科志望の詭弁の力を、少しだけ。
「ねぇ、私は? みゆきさんとは、どう?」
つかさの気持ちを左右する一言。
わかってる。
つかさはこの言葉に素直に頷くしかできない事も。
――ごめんね、つかさ。ごめん。卑怯なのは分かってる。
「もちろん一緒にいたいよ」
「そだね、私も同じ気持ちなんだ」
「うん」
「でもね、みゆきさんはみゆきさんのやりたい事があって、つかさにはつかさのやりたい事がある。多分かがみにも」
「うん……」
「私は……まだやりたい事はわからないけど、やれる事はやっておきたいって、そう思ってる」
そう、望む事はみんな違っている。
だから、たとえ卑怯だと罵られようと望みは叶えたい。
「大丈夫、みんな友達なんだから。会いたいと思ったらみんなでまた会えるよ。つかさが友達じゃないって思ってるんだったら話は別だけど?」
「そんな事ない、こなちゃんもゆきちゃんも大好きだよ」
「かがみなんて家族でしょ、一番近くにいるのはいつでもつかさなんだからさ」
「……うん、そうだね。ありがと、こなちゃん」
私のおなかから身を離したつかさの笑顔を見て、私の中の黒い物が呟いた。
つかさはずるいよねって。
かがみとずっと一緒にいたとしてもそれは自然な事。滅多な事がない限りは必ずどこかで繋がってる。
「何かすごく偉そうに言ってるけど、私が進路を決められなかったのだってそれもあったからだし」
「え、そうなの?」
「居心地いい場所ってあるじゃん、みんなでワイワイやってるここが私にとってそういうトコだもん。いつまでもここに居たいっていうか、時間よ止まれってやつかな」
「その感じわかるわかる」
「だからね、目の前の事を頑張っていこうよ、精一杯ね」
心のもやを払うように……正直な自分の気持ちを、少し隠しながら伝えた。これも私の中では真実なんだから。
こうやってみんなで遊ぶのだって、私にとっては大切な時間。私にとって本当の意味じゃ初めてかもしれない三人の友達。
失ったら、またあの頃の私に戻ってしまう事くらいは理解してる。
「それはそうと……」
「どうしたの、こなちゃん」
「そろそろ料理を始めないと。結構いい時間になっちゃってるよ」
「そうだね、まずは……目の前の野菜を片付けちゃわないとね」
下ごしらえの段階より手前で放置されてる野菜たちをみながら、少し、笑った。
――機嫌直してくれて、よかった。
そんなこんなで、急いで分担作業をする私達だった。
しばらくしてちょっとぐったりしたみゆきさんが帰ってきた。かがみもすでにテーブルで料理を待ってる。
「遅いよ、つかさが付いててもアンタは遅れるのね」
「いやーちょっと色々ありまして……」
かがみに言い訳をしながら、料理をテーブルに運んでいく。やっぱり少し手をかけて作った晩御飯。
後は学校のお昼と同じように色々な事を話しながら食べた。
夏休み前と同じようなゆったりした空気は、私の大切な時間だなって改めて強く感じる。
「おやすみ、つかさ」
「うん、こなちゃんおやすみー」
つかさと洗い物を終えて部屋へ戻ったら、もうなんだか疲れ果ててそのままベッドに倒れこんだ。
まぶたを閉じたら今日の自分がプレイバックされていく。
――やっちゃったな……
つかさに言った言葉が頭の中に響いて、何となく嫌な気持ち。
二人きり、なんて言ったかがみの呆けた顔が浮かんできた。
――あの言葉は卑怯だよ。
何と勘違いしたのかを考えているうちに、私の意識は薄れていった。
§
「……なちゃん、こなちゃん」
「ん、あ」
誰かに揺さぶられている。まだ体は起きてないのに揺り戻されるのはあんまり気分がよくないよ……。
だるい体を無理やり起こして目を開いてみたら、つかさがいた。
――ああ、もう朝か。
「あのね、こなちゃん。驚かないでね」
「んー、どしたの」
「今日の朝ご飯……お姉ちゃんが作ったって」
「いっ!」
一気に目が覚めた。
昨日の夕食の残り物……は、残りが出ないようにきれいに片付けてあるはず、冷凍食品も買ってない。
一体かがみは何作ったんだろう。調理実習の悲劇を思い出すと背筋が冷えていくのが判った。
「おはよー、こなた」
「か、かがみサン、食事当番じゃありませんヨネ?」
「何もしないっていうのも悪いし、さすがの私でもトースト位焼けるわよ」
急いでリビングに行ったんだけど、もう全てが終わった後みたい。
トーストを焼いたとおっしゃっておられるかがみ様には大変申し訳ないのだけど、テーブルにあるのはどう見ても別の何か。
お皿に盛られた円形の黄色い何か、多分卵……だと思う。
「これはこれは、前衛的な卵焼きですネ」
「何言ってんのよ、目玉焼きじゃない」
どう見ても黄色い。しかし、かがみはこれを目玉焼きと呼ぶ。
頭の中にあるイメージと実物とを照らし合わせても、形しか一致しない。
「目玉はドチラデスカ?」
「多分……この辺りじゃないのかな」
「さすがつかさ、よくわかってるじゃない」
つかさが指差したのは円の中心よりやや右側……たしかに浮き上がってる部分がある。
かがみは『ほれ見た事か』チックな妙に自信ありげなポーズで頷いてる。
――いやー、それはちょっと厳しいんじゃないカナ、かな?
「みなさん、おはようございます」
「おはよ、みゆき」
「おはー」
「ゆきちゃん、おはよ」
みゆきさんがリビングにやってきた。
やはりその視線はテーブルの上にある黄色いモノに注がれている。
――そりゃそうだよね……。
「あらあら、朝食は卵焼きですか」
「……えっと、目玉焼きなんだけどね」
かがみの声が弱々しくなってきた。肩も少し落ち始めてるし、心なしかツインテールまで元気無さげに見えてくる。
現在卵焼きが二人、目玉焼きが二人で、賛同者は身内。
正直どう贔屓目にみても、これは目玉焼きじゃない。たぶん固まる前にいじくりすぎたんだと思うけど……。
「と、とりあえず食べちゃおうよ」
かがみを取り巻いている重い空気を感じたからなのかも知れない。
つかさがトースターからトーストを持ってきて中央に置いた。一緒に置かれてる銀色の大型牛乳入れがリゾートっぽい。
ちなみに例のブツは、ヘンに甘辛かった。かがみが作ったものじゃなかったら私は作り直してたと思う。
たぶん塩コショウを振るとき、塩を砂糖と間違えたんだと思うけど……。よく焦げなかったなあなんて感想をもつ一品でしたとさ。
こんな風に、私達の勉強会は過ぎてった。
みゆきさんにも勉強を教わったり、気分転換に森を探検したりして。
私と――たぶんほかの三人もきっと――思い出に残る夏だった。
高校最後の夏。そして……始まりの夏が終わってく。
【Finale / えぴそーど5 それぞれのカタチ】
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。
これで前半戦の追加ネタは消化完了ってことで折り返します。
あんまりSSっぽくないって言うか、長くなりすぎてラノベの出来損ないみたいですけど、よかったら楽しんでください。
あとは蛇足です。
(おまけ@『教えて! みwikiさん』)
*1 アヴァロン
アヴァロン島はイギリスのどこかにあるとされる伝説の島で、美しいリンゴで名高い楽園だそうですよ。
アーサー王伝説とも関係が深く、アーサー王の遺体が眠る場所とされていますね。
*2 エシュリオン
ギリシア神話に登場する死後の楽園で、神々に愛された英雄達の魂が暮らす世界だそうです。
*3 約束の地
それはカナンの別名ですね。カナンは地中海・ヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯の古代の地名だったと思います。
聖書で『乳と蜜の流れる場所』とされ、神がアブラハムの子孫に与えると約束した土地であることから、約束の地とも呼ばれます。
ちなみに現在のその地はというと、各国が領土を主張していたりします。
リアルタイムで遭遇
GJ!!
GGGGGGGGGGJ!
164 :
6-690:2007/09/05(水) 22:17:59 ID:o7MEqJKI
GJ!
なんか過疎ってるから、短編を1レス投下
こなかが、ゆたか×みなみ 非エロ
みなみ視点
165 :
だぁれだ?:2007/09/05(水) 22:19:37 ID:o7MEqJKI
「だぁれだ?」
「声だけでわかるわよ、こなたでしょ?」
「声だけでわかるなんて、うれしいこと言うね、かがみ」
「っていうか、学校でそんなことするの、あんたしかいないし」
「やる前からバレバレですか!?」
泉先輩と柊先輩楽しそう
わたしも同じことやってみようかな?
「だぁれだ?」
「えっ?なにっ?なにっ?何も見えないよ」
目の前が真っ暗になり、じたばたするゆたか
「だぁれだ?」
「あっ、みなみちゃん」
「誰かわからなかったら、どうしようかと思った」
「ごめんね、急に真っ暗になったから、一瞬わからなかったよ。みなみちゃんがこんなことするなんて、珍しいね」
「さっき泉先輩と柊先輩が・・・」
「お姉ちゃんたちが?」
ちなみに、今日2つの「だぁれだ?」を見た某メガネ女子は、鼻血が出るのを抑えつつ、ネタ帳にペンを走られせていたとか
166 :
6-690:2007/09/05(水) 22:22:21 ID:o7MEqJKI
お粗末様でした
余談だけど
前も書いたが、某アニメ見てるとムカついて、ムカついて、純愛ものが書きたくなるというスパイラルに入りつつあるw
ゆたか×みなみは永遠の愛を誓うわけですよ(え
>>166 首が飛ぶか誕生日に携帯が上から落ちてくるか……
GJです
>>168氏
前に投下された時も思ったんだが、
>そうじろう「……だろー?」
まさかそうじろう、舐 め た の か ?
初めてのワンレスSS投下してみちゃうんだぜ。
ネコミミシンユウをシリーズ化する事に決定したんで、これからお付き合いよろしく!
という訳で、さっそくネコミミシリーズを投下ー!
備考:ネコミミシリーズ 非エロ キャラ壊注意(いのり)
「かぁがみぃ〜、なんかオススメのSTGない〜?最近のは骨が無くてツマランよ〜。」
「え?この前貸してあげたばっかじゃない。あれ、結構難しかったはずよ?」
「もうクリアしちゃったよ。確かにそれなりの手応えはあったけど、私にはちょっと役不足だったね。」
「げ、あれをもうクリアしたのか……。あんたホントやり込むわね……。」
「いや〜、そう褒められると照れるよかがみ♪」
「褒めてないっつーの。大体、受験生のどこからそんな時間が湧いて来るのよ。」
「勉強したら負けかなと思ってる。」
「……あんたって奴は……!!」
「まぁまぁ、そうカリカリしないでよかがみ!大体、私が本気で勉強しだしたら、あんまし
こっちにも来れなくなるよ〜?それでもいいのかにゃん?」
「ぐっ……!た、確かにそれは……嫌、だけど……」
いつものように他愛も無い会話を繰り広げる二人。
平和というものを具現化したらこうなりました、と言っても過言ではないような光景だ。
可愛い女子高生二人がまったりと会話を繰り広げている様は、見ている者の頬も自然と
緩ませる。片方の頭にネコミミが装備されているのには一瞬「え?」となるかも知れないが、
とてつもなく似合っているのですぐに気にしなくなる事だろう。
だが、そんなほのぼのとした光景を見つめるには相応しくない、ギラギラとした視線が一筋。
その視線を辿っていくと、ドアの隙間から二人の様子を窺っている一人の女性の姿があった。
(あぁ、こなたちゃんってばなんて可愛いのかしら……!あの可愛らしい顔つきといい母性本能を
くすぐり放題な幼児体型といいぴょこんとハネたアホ毛といい……。そして極めつけは、
あの『こなたちゃんに装着されるために開発されました』と言わんばかりな似合いようのネコミミ!
可愛い、可愛すぎるわ……!おっとよだれが。いけないいけない。くぅ、どうしてこなたちゃんを
拾うのが私じゃなかったのかしら……。この柊いのり、一生の不覚だわ。今からでも何とかして、
こなたちゃんを私の物にする方法は無いものかしら……。)
危険である。特A級の危険思想の持ち主がそこにはいた。
その視線には、何か本気でヤバいものが乗っていたようで、それをモロに浴びたこなたは
ぞくぞくぅ!と全身を震わせて、恐る恐る後ろをゆっくりと振り返った。しかし、そこには
半開きのドアがあるだけで誰もいない。
「こなた?どうかしたの?」
かがみが、急に様子を変えたこなたを心配に思ったようで声をかける。それに答える
こなたの声には、微妙に恐怖心が滲んでいた。
「……いや、今何か尋常じゃない視線に突き刺された気がして。気のせいかな……?」
「そう?何にも居ないけど。気のせいじゃない?」
「だったらいいんだけど。何だったんだろ……?」
こなたはしばらく視線を感じた方向を訝しげに見つめていたが、ドアの外まで確かめに行こうとは
流石に思わなかった。そして、その選択は正しかったと言わざるを得ない。そのままノコノコと
確認のため部屋から出て行っていれば、あっという間に別室に拉致されていただろうから。
行き先は言うまでもないだろう。
「こなたちゃん……覚悟してなさいよ。いつかあなたを、思う存分可愛がってあげるんだから……!」
決意を固める変質者が一人。
その決意は、非常に残念な事にもの凄く強固なようだった。
以上、「ダメダメチョウジョ」でしたー。ワンレスSSに後書き付けるのって何か申し訳なくなるね。
ネコミミシリーズ、どれだけ続くかは未定だけどまったり続けてこうと思うので、気長にお付き合いヨロシク。
てけてけシリーズみたいに、長く愛される作品に育って欲しいものです。
では!
173 :
168:2007/09/06(木) 00:10:53 ID:yZ7wL6Iy
名乗るの忘れてました。いつものスパイダーマ……いや、妄想屋(仮名)でございます。orz
>>169 ……ニヤリ
174 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 00:18:13 ID:kMR61yfG
あーなんか書きたいin童貞
たぶん挫折するけど課題くれ
>>172 GJ!!
ネコミミシリーズ・・・いいなぁ・・・
長く続いて欲しいなぁ・・・
そして密かに絵を待っている俺がいるw
課題つ「サブキャラ」
サブキャラって1年ズとかみさおとかそのへんでおk?
おk
俺も今がんばって書いてるから頑張れ
うむ。
当家ではそうじろうがななこ先生と再婚するに至る壮大かつ
スーパーデリシャス遊星ゴールデンスペシャルリザーブ
ゴージャスアフターケアーキッドなラヴえろSSを製作中だ。
22話。そうじろうがかなたへの愛を語った時、ちゃんとかなたさんの方を向いてる演出に泣いた
日当たりが悪いわけではないが、薄暗い部屋。
外には月が出ている時間帯。
寝ている住人に配慮して照明の光度を抑えたため、ぼんやりとした影が、一人分。
机に向かって小刻みに動いている。
そこへ、トイレに起きた妹の影が加わり、二人分。
「……お姉ちゃんまだ起きてたんだ。こんな時間まで、なにしてるの〜」
半分は夢の中に居るような声。
通りすがったついでに訊いてみただけで、本心から何をしているのか知りたいとは思っていないようだ。
「うん、チョットね。今は内緒」
こちらは眠気とは無縁。
返答ははぐらかしたが、うきうきした気分は隠しきれていない。
「あんまり、無理しないでね」
「はいはい。一段落ついたら休むから、心配しなくても大丈夫よ」
姉の言葉をちゃんと聴いているのだろうか。
妹は一回コクっと櫂を漕ぐと、ゆっくり頭を持ち上げる。
「……おやすみ〜」
「おやすみなさい」
部屋の中の影は、一人分に戻った。
……月は沈み、太陽が昇る。
結局、夜通し机に向かっていた。
『一睡も』とまではいかないにしろ、あまり寝ていない事実は違いない。
しかしそんなことは妹の前では表に出さない。
家を出る時間になり、二人そろって出発。
「お姉ちゃん、いつもより調子よさそうだね。どうしたの」
「いつもと同じよ」
「昨日の夜、なにかあったの」
「ううん、なにもなかったわ」
「…………」
よくわからないという顔をして歩き続ける。
両者しばし無言。
「じゃあ、私はここで」
「……じゃあまた後で、お姉ちゃん」
……日は傾き、放課後。
帰路につく影は一人分。
お姉ちゃんがご機嫌な理由はなんだろう。
そればかり考えていたら、いつの間にか家の前に着いていた。
慣れた手つきで鍵をあけ、ノブを回す。
照明のスイッチを入れると――。
「おめでとう! ひかげちゃん」
クラッカーの紙テープのように、ひなたが飛び出した。
「お、お姉ちゃん、どうして……。今日バイトはまだあるんじゃないの!?」
「今日がひかげちゃんの誕生日だって話したら、店長さんが早めにあがっていいよって」
「……あ、なんだかうきうきしてたのはコレのため?」
「隠しておこうと思ってたけど、やっぱり嬉しくって、顔に出ちゃったみたいね。はい、これプレゼント」
「そういうことだったの……ありがとう、お姉ちゃん」
今まで緊張していた顔がゆるむ。
「いつも食費を削っちゃっておいしいものを食べてないから、今日は豪華にいきましょう!
なにがいい? ケーキは注文してあるから、あとは夕飯なんだけど。
お肉? フライドチキン? うなぎ? このさいどーんとお寿司でも……」
「お姉ちゃん? もしもし?」
「そうだ、ケーキを取りに行くついでに、レストランでお食事を済ませましょう。それなら今日は新しくできたお店に――」
なるほどこっちの姉妹か。
この姉だったら自分の誕生日に大量の同人誌とかを買いそうな気がするけどw
183 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 01:34:08 ID:e7SCqKA0 BE:111972858-2BP(3100)
>>176さんの課題をこなすこともかねて、お祝いSS
今日はひかげの誕生日でもありますしね
60行ギリギリまで詰め込んでしまって申し訳ない
全米が泣いた
感動した
これのおかげで鬱が治った
GJ!
見事タイトルにだまされた……
でもここまでくると清々しいw
本文中に"影"ってヒント何回も出てるのに何で気づかなかったんだろう?
姉妹=柊姉妹の先入観が強かったのか
ああ、そういえば今日ひかげの誕生日だったね
187 :
178:2007/09/06(木) 02:08:03 ID:cyoxGPGX
すまん、もう眠い
明日起きたらまたすぐに執筆に戻るから勘弁してくれ
188 :
ぶーわ:2007/09/06(木) 03:38:18 ID:0ySnqxHu
前回予告どおりふたなりななこ先生投下します。
ふたなり嫌いな人は注意。毎回のごとく、微こな×かがもありです。すっきゃねん。
↓4レスほど拝借します
「ねぇ、本当なの? こなた」
「あはは、本当本当ー」
こなたに連れられて静かな校舎の廊下を二人で歩く。夏休みなのだから、誰も居ないのは当然かもしれない。でもいつも生徒で一杯の廊下に人が誰も居ないのは、薄気味悪さしか感じない。
「かがみは怖がりだなぁー、なんも出ないって」
「べ、別にそんなんじゃないわよっ」
「大丈夫大丈夫、こんな時間じゃ私らぐらいしかいないよっ」
と笑いながら保健室の扉を開く。こなたの言うとおり……鍵は開いてた。
「おまたせー、ちょっち待たせちゃったかな?」
私の心臓が高鳴る。これは恐怖とかじゃなくて、期待。鼻を衝く薬品の香りがさらに私の気持ちを高揚させる。
「はーい、おめみえだよーっ」
こなたがもったいぶりながらかかっていたカーテンを引く。そしてそこに現れた風景に、私は息を呑む。こなたの話どおりではあったけど、百聞は一見にしかず。私の想像を、はるかに超えた姿の『彼女』が居た。
「むっ……うぅ」
ベッドに仰向けになった『彼女』の口から、涎とともに吐息が漏れる。そこにはめられた口枷や後ろで固定された手錠――どちらもこなたのおじさんの私物らしい――が、どこかインモラルで私を興奮させる。いやでも、今注目するのはそこじゃない。
「ふふ、かがみは初めて見るんでしょ?」
「う……うん」
こなたが悪戯に『彼女』の下半身に手を伸ばす。そしてそこにあった『それ』……初めて見る『それ』の印象は何て言うか、雄々しい。所謂それは……男性器、だ。それを手馴れた様子で掴むこなた。
「んむぅっ!」
それと同時に『彼女』の顔が紅潮し、口から喘ぎ声を漏らす。その間にも、彼女のそれは大きさを増していく。
「最近お預けだったから、今日はたっぷり苛めてあげるね……『先生』」
こなたがその小さな手で責め続ける相手は、黒井ななこ。こなたのクラスの担任で、今はこなたの……玩具。
話の始まりはそう難しくはない。いつものようにこなたの家に遊びに行った時に話題になった、荒唐無稽な話のこと。担任の先生が、こなたの奴隷だとかいう……馬鹿げた話のはずだった。
「あ、かがみやってみる?」
「へっ?」
始めてみるその行為に呆然としていると、こなたがこちらを振り向く。そのまま、私に席を譲る。もうこれは、馬鹿げているとかじゃない。この汗も、匂いも全て……本物だ。
「大丈夫、ほらこうするの」
「あ、ちょ、ちょっと! あ……」
こなたが私の手をとり、無理矢理男性器を掴ませる。掌に熱い感覚が伝わるのが分かり、私をさらに興奮させる。
「上下にこうやってほら。うん、上手い上手い」
私の手が上下に動くたびに黒井先生から喘ぎ声が漏れ男性器が脈打つ。何だろうこの気持ち……私今、凄く気持ちが高揚してる。
「その調子その調子……どんどん速くしてくの」
こなたの言葉に無心に手を速くしていく。私の掌が掴んでいるからよく分かる。もう……限界が近いのが。
「むっ……んっ、んぅっっ!」
「きゃっ!」
一瞬だった。男性器から熱い何かが弾け、私の顔に張り付く。一瞬それが何か分からなかったが、すぐに分かる。それは……精液。
「あはっ、一杯出したね」
私の頬に飛び散った精液を、こなたが舐め取る。呆然としていた私も、それで少し意識を戻す。黒井先生の男性器はまだ小刻みに痙攣し、精液を小刻みに出し続ける。手にへばりついた精液を舐めると、少し苦かった。
「じゃあ次、私ね」
まだ熱くそそり立つ男性器を、今度はこなたが掴む。それをそのまま口にに頬張ると、溢れた精液を舐めとっていく。
「黒井先生ね、苛められるのが好きなんだよー。ほら、今出したのにまたおっきくなってきた」
体格の大きな黒井先生が小柄のこなたに責められる姿を見て、私の体が熱くなるのを感じる。さっきからなんだろう、この気持ち……心の中で、何かが芽生えそうな気がする。
「ん、そろそろいいかな」
「……! ちょ、ちょっとこなたっ」
突然、服を脱ぎだすこなた。
「ほらかがみも脱がないと、汚れちゃうよ?」
「え……う、うん……」
少し慌てたが、私もそれを模倣する。保健室で服を脱ぐなんてのは、身体測定の時ぐらいのものだ。なので少し変な気分だったが、すぐに気にならなくなった。こなたが黒井先生に馬乗りになったからだ。
「いつもは、一回射精したぐらいで終わりなんだけど……今日は特別」
「んっ、んぅぅっ!」
黒井先生の喘ぎ声も一層激しくなる。それも仕方がない、彼女の男性器がこなたの中に……挿入された。あ、まただ……。体の中をゾクゾクと、何かが駆け抜ける。
「あはは、さすが先生。大きいやっ」
こなたの腰が上下に激しく動いていく。挿入しているのは黒井先生なのに、こなたが犯しているように見える姿は何処か不思議。縛られた姿が、そう連想させるのかもしれない。
「あ、いつまでもこれつけてたら可哀想だね」
「むっ……あぅっ」
先生の口に手を伸ばし、口枷をはずす。丸いボールの穴から漏れた涎が、何処か妖艶。紅潮した顔とうつろな瞳は、私の中の何かをさらに加速させる。
「い……ず、み」
「ふふっ、先生今私の中に入ってるよ? 気持ちいいでしょ?」
腰の動きをやめ、黒井先生の表情を覗き込むこなた。その顔は小悪魔のように笑っていて、少し私の心がときめく。ときめく? 理由が分からない。
「ほら先生、返事は?」
「は、はいぅっぁ!」
こなたが腰をまた動かし始め、黒井先生もそれに反応する。それはもはや質問ではなく、脅迫に近い。そのまま腰の動きを激しくしていくこなた。
「あ、あかんっ……そ、それっ……以上っは!」
「また出すの? 今出したのに? 先生って、節操ないねー」
こなたの言葉が、膣が、全てが先生を責めていく。
「んっ、そろそろっ、かなっ」
「ひぅっ!」
だがその腰の動きが突然止まる。そこからは、ずっとこなたのターン。
「ふふ、あと二回でも動いたら射精しそうだね。でも先生いいの? 縛られて、涎と精液まみれで犯されて」
「う、うぅ……」
腰を静止させたまま、言葉で責め続けるこなた。抵抗も出来ない黒井先生は、ただ顔を紅潮させていく。
「もっともっと、壊してあげるね」
「ひっ……な、にを」
そのままこなたの手が、腰に回る。その手の目的にいち早く気がついたのか、先生が始めて両手を動かし抵抗する。
「そ、それはっ……や、やぁああああああっ!」
可愛らしい喘ぎ声が響く。そのまま二人の繋がった場所から、精液が溢れてくる。
「あらら、先生。お尻凄い感じるんだねー、トコロテンだよー」
と、笑いながら先生の男性器を自分の膣から引き抜くこなた。まだ痙攣し続けるそれは、小刻みに揺れながらまだ射精を続けている。放心しているその表情は、何処か妖艶。
「ほら先生、放心してないで綺麗にしてよ。先生の精液なんだからさ」
「むっ……あぶぅうっ!」
そのままこなたは今度は先生の顔に馬乗りになる。
「ほら、かがみもやりなよ。時間もったいないよ?」
「えっ……あ、うん」
こなたが振り返り、すっかり観客のようになっていた私に声をかける。そうだ、私は観客じゃない……舞台に上がっているんだ。手始めにまだ痙攣している男性器を握る。熱く太いそれから溢れる精液をもう一度舐めると、苦い味が口に広がる。
何故だか癖になるその味を、今度は味わって舐めていく。するとまた、男性器に固さが戻ってくる。
「あはは、本当節操ないなー。また大きくなってる」
「い、挿れても……いい?」
「うん、次はかがみの番だよ。ご自由に」
自由に。その言葉に、唾を飲む。固くなったそれを掴むと、こなたにまねてそれの上に馬乗りになる。そしてそのまま……私の中に押し込む。
「むぅうううっ!」
こなたの下から声が溢れる。初めてで少し痛かったけど……思ったほどではなかった。むしろ上下に腰を動かすと、快楽が私を襲ってくる。
「んっ……これっ、凄っい」
自慰なんかとは比べ物にならない快楽。私は今、彼女を占領している。私と、こなたで。こんな、年上の女性を。
「初めてで騎乗位は疲れるでしょ? ちょっち待ってね」
「?」
すると先生の顔の上から降り、仰向けだった先生の体を起こす。そのまま私の上に覆いかぶさるように、先生をうつ伏せに後ろから押し倒す。
「ほら先生、かがみのために腰動かし……ってもう動かしてるか」
後ろで両手を縛られながらも、腰だけで先生が私を犯していく。自分で動いた先ほどとは、また違った快感。先生が私を犯すためだけに、腰を激しく打ち付けている。その優越感がさらに、私に火をつけていく。
「じゃあ先生にご褒美あげなきゃ……えいっ」
「ひぐぅっ!!」
私の中に入っていた男性器が、大きく固くなるのを感じる。先生越しに見たこなたの指は、先生の肛門を貫いていた。
「お、お尻は……感じ、すぎてっ」
「あははっ、どんどん入ってるよ? もう二本もっ」
「ひっ、お願っ……抜、ぃっ!」
だんだんと腰の動きが激しくなってき、先生の言葉もままならない。
「わっ、先生反応いいー。責め甲斐があるぅー」
私の中の先生も、固くなっていくのを感じる。私も次第に、絶頂に近づいてきているのが分かる。脳まで蕩けそうな感覚……でも、少し不満があった。最初の感覚とは違う。確かに先生を責め続けているのは事実。でも何処か空虚な気持ちになっていく気がする。
「あぐっうっ、あぅっ! ひぐぅっ! んんんぅっ!」
こなたが次に取り出したペニスバンドを腰にはめ、そのまま責め続ける。いつしか保健室には先生の声だけが響いていた。
「ああっ、んっ、あっ。んはぁああああああああああああ!!」
ビクンッと体が大きく揺れたとき、私の中に熱いものが流れていくのを感じた。そのまま彼女は叫び声とともに……三度目の射精を迎えた。
「あちゃー、やりすぎちゃったね。失神してるや」
男性器はまだ痙攣し続けているが、意識はすでにない。さすがにこれ以上はこなたも苛める気はない様子。
「どうだった? かがみ。楽しかったでしょ?」
気絶した先生を私の上から引き剥がすこなた。その顔は満足したのか、満面の笑みだった。でも、私は……。
「? どったの?」
浮かない表情だったのに気がついたのか、私の顔を覗き込むこなた。違う。私がみたいのは、そんな笑顔じゃなくて……さっきの悪戯に見せる小悪魔の笑顔。
「あ……」
「?」
それを思い出した時、また私の体に電気が走った。……そうだ、今分かった。私が求めていたのは……掌握する絶対的優位じゃない。
「ねぇ……こなた」
「う、うん」
心配そうに私を見るこなた。そうだ、私が欲しかったのは……被虐。
「私も……縛って、くれる?」
「へっ?」
突然の言葉に、面食らうこなた。でもすぐに状況を理解したらしい。すぐにあの表情になった。私の求める……小悪魔の表情。
「そっか、かがみも……先生と一緒だったんだね」
こなたの手が私の頬に触れ、唇を交える。そこから私の口内を犯し始め、体全体を快楽が侵食していく。今から、こなたに責められる。それだけで、先ほどの快楽とは比較にもならない。そう……こなたに。
好きな子ほど苛めたくなるって言うけど、私は逆なのかもしれない。こなたに……こなただけに、苛めてもらいたい。
そう、その赤い縄で私を縛って。その太いペニスバンドで私を貫いて。もっと、もっと……私を、苛めて。
――快楽の渦に飲み込まれ、私の体は堕ちていく。
――動かない体に食い込んでいく縄に、エクスタシーを感じながら。
――大好きな人に体を征服される喜びに、酔いしれながら。
(完)
193 :
ぶーわ:2007/09/06(木) 03:46:43 ID:0ySnqxHu
以上です。ふたなり受の陵辱とか好きです。
次はまた普通の純愛とか、書きたいです。
こなかがで? うん、やっぱそうだよね!
ふたなり受けの陵辱とか大好きです、やっぱコンプレックスから受けにまわるものなんです
というわけでGJでした、起きてて良かった
>>195 なんというGJ
これは保存せざるを得ない
ごめんダメだった…orz
みてえww
ゆい姉VS痴漢魔
高良母×強盗
とか見てみたい。男性キャラなんて殆どオリジナルだけどね。
後、今日のパンドラの箱見て思ったけどゆい姉さんって単に胸が大きいだけじゃなく揺れるくらい大きいのか
推定Dカップだからな、それなりにあるよ
>201
痴漢魔か強盗を メイン四人にすればいいと思うよ
>>203 こなた=ルパン(主役)
かがみ=五右衛門(バッサリ切り捨てるのは得意)
つかさ=次元(理由などないw)
みゆき=不二子(ナイスバディ、別行動が多い、萌えてるのはこなた(=ルパン)だけで他キャラはそうでもないw)
ちょっと空気を読まずに1レスだけ投げてみる。
「おーっす」
昼休み。かがみが、こなたたちの教室にやってきた。
「かがみ、今朝は朗報があったね」
「どういうことよ」
「ニュースで見たんだけど、材料の価格が上がったとかで来月から、値段を維持するためにポッキーの
内容量が1割減るんだって。ダイエットに励みながらもついつい一箱食べちゃうかがみには朗報じゃん?」
「朗報ねぇ…。てかあんた、そういうニュースだけはチェックしてるのな」
いつものようにまったりとした会話が、食事の最中も弾む。
と、ここでこなたが突然とんでもないことを持ちかける。
「そうだ。今日学校の帰り、かがみの家行っていい?」
「私は別にいいけど…、今日じゃなくてもいいんじゃないの?台風来てるっていうのに」
こなたが柊家に行くのはよくあること。が、「とんでもない」のは今日の天気に原因があった。
ちょうど今、強い台風が関東地方に近づいているのだ。今朝の予報によれば、その台風は明日の朝ごろ
関東を直撃する可能性が高いとのこと。実際、外はもう雨が降り出しているし、風もちょっと強くなって
きている。そしてこの天気は、これからさらに悪くなると考えていいだろう。
さっきの会話から考えると、こなたもニュースは見ているはずで、まさか台風のことを知らないという
ことはないはずだ。だから、なぜわざわざ今日を選ぶか、かがみにはわからなかったのだ。
「いやぁー、さっき出た課題がなかなかややこしそうなものでね。教えてもらおうかと」
「えっ!? 午前中の授業でなにか課題出されたっけ」
「さあ、私は覚えていませんが……。」
つかさとみゆきの発言によって、こなたの作戦が一気に失敗へと向かい始める。
「こなた、あんたいったい何企んでるのよ」
あからさまに不満げな顔をするこなたに、かがみが問い詰める。
こなたは答えない。黙秘権を行使するつもりらしい。
「……わかったわよ。放課後になってあんまり天気がひどくなってなければ、来ていいわよ」
かがみのこの発言を聞いたこなた、急に目を輝かせる。
「ほ、本当に!?」
「まぁ、こんな日にアニメショップに行こうって誘ってくるよりはマシだし」
そのとき、昼休みの終わりを知らせる予鈴が鳴った。
今は以上でし。
続くかどうかはなぜか定かではない(待
続くことになればそのときにタイトルつけますわ
>>206 続けられるかどうか分からないものを、これ見よがしに投下するのは感心しない。
完結させてからまたおいで。
208 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 15:19:24 ID:/GiP6qWR
突然だけど脳内に降臨したこなかがな替え歌を一つ。
『カガミン』
告白されて、こなただけに付いて行く♪
今日も笑う、突っ込む、デレる、そして食べられるー♪
……出だししか出来てないけどな。
しかも元ネタ古いし。
「食べられる」についてkwsk
言わずもがな
212 :
8-190:2007/09/06(木) 18:13:53 ID:lrD7SVME
ゆたか×みなみ投下。みなみ×ゆたかかも。
糖分多め。1レス。
213 :
手と頬:2007/09/06(木) 18:15:10 ID:lrD7SVME
「おはよう、みなみちゃん。今日も寒いねー」
冬。教室に入って来たゆたかはみなみに挨拶をしながら、体を細かく震わせた。
天気予報によると今日の気温は今年一番の寒さとなるらしい。
「…おはよう、ゆたか。平気……?」
呼びかけられたみなみは、挨拶を返し、ゆたかの手に自分の手をそっと寄せる。
手袋をしていたけどかなり冷えきっている彼女の手。
愛おしむようにみなみは両手でゆたかの手をそっと包んだ。
「……みなみちゃんの手、やっぱりあったかいね…」
自分の手を伝わってくるみなみの温かさを感じ、ゆたかは微笑む。
その直後、何を思ったか眉を曲げ、首をぶんぶんと振りだした。
「あっいやっちっ違うよ!みなみちゃんの手があったかいんじゃなくて、ほら、私の手が冷たすぎて…」
どうも先日の「手が温かい人は心が冷たい」と言うひよりの弁を思いだしたようである。
首を大きく振りながら慌てる親友に、みなみは微笑みを浮かべ、ゆたかの手を握っていた自分の両手を離し、
今度はゆたかの頬を包み込んだ。
「……みなみちゃん?」
「…ゆたか、頬も冷たい……」
みなみの突然の行動に少々困惑するゆたかに、
相変わらず自身の両手をゆたかの頬から離さず――比較的大きな自身の手で小さな親友の頬を殆ど包み込みながら―――
みなみは言った。
「ゆたかを暖められるなら…私は手が温かくてもいいと思う……」
「みなみちゃん……」
みなみの自分に対する言葉を聞いて、ゆたかは確信した。
目の前にいる彼女はやっぱり優しい人だ。
人の為に何か考えて、人の為に何かしてあげられる優しい人だと。
「……うん。そうだよね。みなみちゃんは手が温かくても冷たくても優しいみなみちゃんだもんね……」
「……ゆたかも、手が温かくなっても、優しいゆたかのままだよ、きっと……」
教室内の気温は相変わらず低い。けれどこの二人は、こうしてさえいればどんな寒さにも耐えられると言うように、
どちらともなく笑っていた。
その傍で田村ひよりは、真っ白に燃え尽きていた。
214 :
8-190:2007/09/06(木) 18:17:52 ID:lrD7SVME
以上。頭捻っても文が長くならない…
>>214 台風の影響で心身寒くなってしまった俺を暖めてくれてありがとう
>>214 みなみ×ゆたかだとオチは固定だなw
なにはともあれGJ!
短いの羨ましい……
逆に俺はどうやっても短く纏まらん。
イメピタだから夜はPCからじゃアクセスできないってだけじゃね?
>>220 まだ消えてないようだが
PCからのアクセスも制限されていない
PCからfirefoxやOperaみたいなIEコンポネではないブラウザ使っているなら
クッキーとリファラをON、UserAgentをIEに偽装してリロードしてみて
PCから(何も弄っていない)FireFoxで見たが
普通に見れたw
>>214 >>217 GJだが、ここはエロパロスレ。
画像はSSの挿絵や投下ネタに関するものにとどめておいた方がいい。
描いた絵を見て貰いたいのなら角煮に行くといいと思う。
角煮は空気悪いし
227 :
8-190:2007/09/06(木) 20:17:45 ID:lrD7SVME
228 :
225:2007/09/06(木) 20:17:53 ID:Pd3oycEP
214氏は別に悪くないのでは
リロードすればよかった……
失礼しました
>>225 すいません。一枚目の時点で保管庫にあるイラスト投下に関するルールを見てなかったんです。
2枚目の方は一応ネタとして出されたもののイラスト化だから大丈夫かと思って投下したけど判断が甘かったみたいですね。
以後気を付けます。
>一応ネタとして出されたもののイラスト化
これはおーるおっけーだと思うぜー
今後もがしがし頼むぜ
でも小説が投下された直後に絵の投下するのはちょっと控えて欲しいな。
俺も絵はあくまでSSの挿絵までだと思う。
しかもSSのあとに関係ない絵投下とか正直俺だったらムカつく。
お絵かき板とかじゃよほど上手かったりしないと反応なかったりするからここで見て欲しいんだろうけど
スレ違いだろ。ここは絵を晒す為の場所じゃない。
らきすたのお絵描き板なんてあるのか
もしあるなら描いてみたいな
って、空気嫁ねぇこと言ってるかもだけど
けっこう前から絵とか晒してたし、それでうまくいってたのに。
急になに言い出してんの?
偉そうだなお前ら
完結してないSSを投下済みの俺は偉そうな事なんてなにも言えないんだぜ
生産する側が絶対的に偉いとまでは言わないが、
(俺も含め)消費する側はラインの稼動を抑止するようなことを
ルールとして決めないほうがベターかと思うんだ
たとえば、てけてけかなたさんシリーズだって、
最初はSSと絵の簡単なコラボだったけど
どんどんと世界が広がっていって
最終的には沢山の人に感動を与えてくれたでしょ
何が発端となって、どう流れが変わるかなんて神様しか知らないんだ
可能性の芽を全部摘み取っちゃもったいないよ
>>239 ラインの稼働を抑止というか、
・エロパロでの絵の投下禁止は2chのルール
・SS投下直後は新規投下は控えるのはスレ内マナー
という話じゃね?
ここはSSの挿し絵は認めてるぐらいだから他スレより寛容と言える。
個人的には絵を投下してもかまわないと思うけど
SSの直後は控えてほしい。
>>239 投下後すぐに関係ない絵はられて書き手の人が書く気なくすのは稼動を抑止しないのか?
ここはエロパロ板だ。どっちを優先するのかは明白じゃないか?
そんなこといってたら、どの板でもローカルルール無視っていいってことになる。
ちなみにこの板のローカルルール
一般向け作品(漫画/アニメ/ゲーム/小説/ドラマ等)のエロ妄想・萌え談義、
およびオリジナル・パロディを問わないエロ小説創作等を行う板です。
以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
* キャラ単位、キャラ主体のスレッド →ピンクのキャラサロン
* 年齢制限付きの作品に関するスレッド →エロゲネタ&業界/エロ漫画小説アニメ/エロ同人等
* 画像の貼り付け →半角二次元/お絵描き・創作等
* 実在する人物(アイドル等)を元にした創作 →えっちねたロビー等
簡単に言うと
>>240に同意。ここは寛大なほうだよ。
ちょっと遅いが……
>>161 GJ
ラノベ好きなので毎回楽しみにしてるぜ
SSとしては多少難有りかもしれんが、ラノベとしてならアリな気がする
>>213 良質のなごみ分をありがとう!
だったらなんで最初に絵があげられた時点で言わないんだよ
携帯からなんで書くの遅くてすまん
ちょっと省略してたが、SSの直後投下を控えてもらうのには同意だよ
生産云々は
>>234の4行目以降に返レスしたつもりだったんだが、
別の意味で捉えられたようで……
あと、ここは2chじゃなくてbbspinkね
つってもここのネタを絵にして他所に投下したらまたぎゃあぎゃあ騒ぐんだろうけどな
とにかくおまいら落ち着け。
ネタ絵の投下はいままでだってあったことだし今更蒸し返さなくていいじゃないか。
それがいやならばテンプレに足していけばいいだろ?
投下後すぐには関係ない作品を投下しないとかさ・・・。
>>244 誰もが24時間ここに貼り付いているワケじゃないから。
リアルタイムにレスを返せるとは限らない。
あと、自分の発言に対しては責任を取らないといけない。
最初安価間違えてややこしくしてしまった事に加えて、主張が曖昧になってしまった点をお詫びします。
>>198と
>>217が同一人物と思ったので、
>>225でまとめて安価入れてレスしてしまった。
(しかもそこで
>>198を
>>214と安価間違えて二重ミス)
最初に
>>198にのみレスを入れるべきでした。
その上で
>>231にて作者さんが説明されているので今後は何も問題無いと判断。
多くの人同様、SSやネタに対する挿絵について何も言うつもりはありません。
こなた「ねぇみゆきさん、キャビアっておいしいの?私食べたことないからわかんない」
みゆき「びゃぁ゛ぁ゛ぁ゛うまい゛ぃ゛い゛!!」
かがみ「見た目はあんまりおいしそうじゃないわよね、つかさはどう思う?」
つかさ「一味です♪」
……ごめんなさい、SS書く作業に戻ります
バロスww
めっちゃ吹いたwwww
252 :
大木こだま:2007/09/06(木) 22:26:20 ID:ykGYem5B
>>251 めっちゃは言い過ぎやろぉ
いくらなんでもワザとらしすぎるでぇ〜
これは吹くwwww
自治厨の名を騙ったヒッキーが棲みついてるスレはここでつか?
脳内相性メーカー(だっけ?)とかいうので泉こなたと柊かがみってやってみたら切なくなった
いろいろあって一週間もスレみてなかったら、まるまる一スレ伸びててびびったぜw
……いつになったら追いつけるのかしら……orz
5巻買って読んだ
ニヤニヤしながら楽しんで読みつつ
これはネタに使えるかなとか考えてしまう
人大杉が怖い時間帯に俺、惨状!
というわけで。
22話を見たらなにか受信してしまったので、本文1レス+前書きあとがき2レスお借りします。
かなたさん主役の非エロで一発ネタ、さらに「てけてけかなたさん」のパロディーですので
「てけてけ」の印象を壊したくない方は十分にご注意ください。
NGワードは「にせ・てけてけ」で。
そう君のパソコンから買い換えたばかりのケーブルを通って、ルータへ、そしてこなたの部屋のパソコンへ。
そう君がお仕事モードに入ったのを見届けると、私はこなたの部屋に帰ってきました。
「さてと……お掃除でもしようかしら」
私は、エプロンと三角巾を手早く身にまといました。散らかったクラスタを整頓して、要らない一時ファイルはゴミ箱へ。
こなたがこっそり集めてるえっちな絵を捨てるのも忘れません。ほんとに、あの子ったらこういう所までそう君そっくりなんだから。
パソコンを見渡して一つ頷くと、今日のお掃除は終了。こなたとゆーちゃんが帰ってくるまで、自由時間の始まりです。
−−−−− にせ・てけてけかなたさん やつはなにものだ −−−−−
電子書店で買い揃えた文庫本をいくつか取り出し、今日のお茶は洋風にダージリンのアイスティー。
お湯を沸かしている間に脚立を持ち出すと、私の背丈より高いエクスプローラの中からBGMになりそうな曲を探し始めました。
けれどもそう君譲りのラインナップでは、なかなか今の気分に合った曲が見つかりません。
と。脚立から下りようとして、私はバランスを崩しかけました。
「きゃ……!」
手を突いたエクスプローラから、ばらばらとmp3がこぼれ落ちます。
片付けなくては、と手を伸ばすより早く、あたりにノイズ交じりの声が響きました。
『私の星を助けて……私は、惑星イースクウェアの、イレーネ』
私の声……とはちょっと違う声。きょとんとしていると、勇ましい音楽にナレーションがかぶさります。
『人類が、惑星間飛行をも己が手にした未来。ある強力なテレパシーが、地球に届いた……』
どうやら、何かのゲームのサウンドトラックだったようです。ナレーションで喋っているのは、ナウシカに出ていらした声優さん。
私と声が似ているからって、そう君から何度か物まねをせがまれた事がありましたっけ。
デスクトップに落ちたmp3をつついてみると、その中のいくつかが声優さんの声をあげました。
『お願い……私の星を助けて……』
救いを求めるお姫様。
『ラウンドレーザー』
武器の名前でしょうか。
『奴らは無能だ……!』
そして、悪の親玉らしき声……って、えっ?
ぎょっとしてほかのファイルを開いてみて、疑問が解けました。
どうやら、この声優さんお一人でお姫様と親玉とナレーションの3役をこなしていらっしゃるようです。
さすがに親玉さんの声は、宝塚みたいになってしまってますけど。
そういえばこなたもアルバイト先で、物まね付きでアニメのヒロインに扮していると言ってました。
お湯をポットに注ぎ入れ、お茶が出るのを待つ間。ふと、私も昔みたいに物まねをしてみようかと思い立ちます。
「泥棒はまだできないけど、きっと覚えます」
まずは、テレビで見たカリオストロの城。
「気流が乱れて上手く飛べないの!」
ナウシカはそう君とデートしたときに見ましたっけ。
「……わずかな手がかりから二つの接点を見出した人類は、最新鋭戦闘機『フリントロック』を開発し、惑星イースクウェアに向かった」
ナレーションの物まねもしてみます。
「お母さん、ただいまー」
なにか聞こえたような気がしますが、声優ごっこに夢中の私は気づきません。ファイルを突っついて開き……。
「お前達には任せておけぬ……私自らが出る!」
台詞に合わせて悪の親玉風ポーズをびしっと決めて……そのポーズのまま、こなたと目が合いました。
「もしかして……見てた?」
「……あはっ♪」
こなたの笑顔が、すべてを物語っていました。
それから何があったかについては、詳しく述べません。
ただその晩はゆーちゃんの部屋で、「かなたハウス」と書かれた段ボール箱をかぶって寝た、とだけ申し上げておきます。
うう、恥ずかしい……。(どっとはらい)
はい、お目汚しでした。
と申しますか、何をおいても◆cj23Vc.0u.さん。こんな頭悪いパロディー書いてしまってごめんなさい。
ちなみに文中の「島本さんが一人三役のゲーム」は、十数年前に出てた「ゼクセクス」。
美麗なグラフィックと音楽、そしてヤシガニ臭溢れるデモシーンで黒歴史に名を残す一作です。
ええと、とりあえずではでは。ちょっと王蟲の群れに突っ込んできます(自爆
gj
GJ!!
>>261 GJ!
それにしてもこのかなたさん、ノリノリである。
>>255 確かにちょっと切なくなった。
なので、「泉 こなた」と「柊 かがみ」で妥協することにしたw
なんで大運動会知ってんだよかなたさんwwwwwwww
266 :
アリアン:2007/09/07(金) 02:44:19 ID:f+Rd3pzc
ええっと、
>>115でいったSSがようやく完成しました
楽しみにして下さった皆さんには申し訳ない出来ですが、見てくれるとありがたいです
前半にこな×かが要素あり、後半はどっちかというとカプなし?非エロです
4レスお借りします
267 :
アリアン:2007/09/07(金) 02:46:08 ID:f+Rd3pzc
朝、いつものように目ざましが鳴り響く
半分どころか8割くらい眠りかけの頭で目覚ましを止める
カーテンを開け、大きく伸びをする
「ああ――…もう朝か……眠い…」
頬をポリポリと掻く
ふとそこで違和感に気づく
なんかざらざらとした感触
爪で頬を引っ掻くたびに何かが削れておちていく
それになんだかさっきから甘いにおいが漂っている
削れたものをよく見てみると
「……砂糖?」
なぜか頬から砂糖が落ちてきた
「おかしいな…寝る前に砂糖のかかってるお菓子なんて食べてないのに…」
そういえばさっきから漂っている甘い匂いは自分の体から出ているような…
そこで自分の手をよく見てみると…
「……え?砂糖菓子になってない…?」
「こなちゃんおはよ〜」
「おっす、こなた」
「おはよ―…」
「どうしたの?いつものこなたらしくないわね」
あの後、お父さんにこのことを話し、猛烈な勢いで慌てふためいた挙句そのまま登校することにした
病院に行っても治してもらえないだろうし、まず第一に信じてもらえないだろう
そういうわけでとりあえずはこのまま生活して様子を見ることにした
268 :
アリアン:2007/09/07(金) 02:47:51 ID:f+Rd3pzc
「二人共…信じて聞いてくれる?」
「何よ改まって?いったい何なの?」
「ん?どうしたのこなちゃん?」
「実は…朝起きたら体が砂糖菓子になってた…」
二人は私の言ったことが信じられず、固まっていた。そりゃそうだよね
「……で、それは何のネタ?いい加減私たちにもわかる話題を出しなさいよ」
「いや、ネタとかじゃなくて本当のことなんだって!ならなめてみる?」
私は開いてる左手を差し出す
「な…なめるって…!あんたね…!ってつかさ!あんた何なめてんのよ!」
「あ!こなちゃん甘い!本当にお砂糖になってる!」
つかさは差し出された私の手の人差し指を口にくわえると、そういった
「でしょ?ほら、かがみんも遠慮せずになめてみなって!」
「じゃあ…少しだけ…」
ペロッ…
かがみは差し出された手ではなく、私の頬をなめた
「あ、本当だ、甘いわね」
予想外の場所にかがみの舌の感触とぬくもりを感じ、思わず飛びのく
「うひゃぁっ!ちょっと、かがみ!」
「な…何よ!」
「何でいきなり頬をなめるかな?つかさだって指をなめたのに…」
「あ……ごめん…つい……」
こんな風に弱気なかがみを見るとついいじりたくなってしまう
「何で頬をなめようと思ったの〜?理由を詳しく知りたいな〜?」
「っ……こ…こなたの頬がかわいいからよ!柔らかそうで、ぷにぷにしてそうだから、つい…そこを……」
「舐めちゃったというわけですね?かがみも結構かわいいねえ〜」
「こ…こいつ……」
「まあまあ落ち着きたまへ〜」
「誰のせいでこうなったと思ってんのよ!」
―――この時はまだ、あんな心臓が止まりそうな事件が起こるとは思わなかった―――
かがみ「ちょっと聞いてよこなた」
こなた「どったの?」
かがみ「あんたに勧められて始めたネトゲなんだけどさ」
こなた「サド○アタックのこと?」
かがみ「そうそれ!みんな酷いのよ!」
こなた「なにが?」
かがみ「私が一番成績良かったからってみんな文句ばっかり!」
こなた「例えば?」
かがみ「チート乙とか反則とか厨とかそりゃ酷いんだから!」
こなた「かがみなにしたの?」
かがみ「スナ禁部屋でTRG使っただけよ。冗談のつもりだったのに、たかがゲームであんな怒んなくても」
こなた「…………」
270 :
アリアン:2007/09/07(金) 02:51:41 ID:f+Rd3pzc
「……ってなわけなんだよ。みゆきさん、こんな体になった理由わかる?」
「すいません、私も泉さんのような症状は初めて見るので…よくわかりません…」
「っていうかみゆきだけじゃなく全人類が始めてみる症状よそれは」
休み時間、いつものように私のクラスに来たかがみを入れた四人で話していた
話題の内容はもちろん私の体のことだった
「っていうかつかさ、あんたいつまでこなたの指なめてんのよ」
つかさはさっきから私の指をなめている
私の味が相当気に入ったみたいだ
「えへへ…だって、普段学校にお菓子とか甘いものを持ってこれないから、つい…」
「そういえば…」
ふとみゆきさんが口を開く
「砂糖菓子やアイスキャンディーなどのお菓子は、同じところを舐めているとそこのところから折れてしまう事が多いですけど、泉さんの指は大丈夫ですか?」
と不吉なことをいったその直後
ポキッ
小気味いいけれど何とも嫌な音が響いた
首をゆっくりと自分の手に向けると………
あら不思議!今さっきまであった自分の人差し指がなくなっています!
そしてその人差し指はつかさの口に!
「「「「……………」」」」
三秒ほど時間が止まった
ちなみにこの間誰もザ・ワー○ドは使っていない
そして
「「「「あああああああああああああああ―――――――――――――――っ!!!!!!!!!!!!!」」」」
四人そろって派手な悲鳴をあげてしまい、クラス中の注目を浴びてしまう
何もないように取り繕い、とりあえず皆からの視線から逃れる
「どどどどどどどどうしようみゆきさん!?!?!?どどどどどどどどうすればいいのかな!?!?かな!?!?!?!?」
「こここここここなちゃんのゆゆゆゆゆゆゆゆゆびががあああああああああ!!!!!!」
「ととととととととりあえずおおおおおちつきなさいよふたりとも!!!!!」
三人そろって(あくまでも小声で)慌てふためいている
落ち着けと言っているかがみも例外なく冷静さを完璧に失っている
「ああああああの!!もしかしたら……治せるかもしれませんよ?」
「「「えええっ!?!?どうやって!?!?!?!? 」」」
ものすごい迫力と勢いでみゆきさんに迫る
迫力に押されながらもみゆきさんが説明してくれた
「今の泉さんの体は砂糖菓子になっているので、飽和状態の砂糖湯につければ、くっつくかもしれませんよ?」
「「「それだ!!!!!いますぐやってみよう!!!!!」」」
みゆきさんをひっつかみ、四人そろって教室を出ようとした時に運悪く次の授業をするために黒井先生が入ってきた
「おうどうした?もう授業始まるから席に戻りや―」
「「「「せ……先生!!!具合が悪いので保健室に行ってきます!!!!」」」」
誰がどう見ても具合が悪いとは思えないほどの勢いで見え見えのウソを言うと、先生の返答も待たずに家庭科室にダッシュする
家庭科室にあった砂糖を(無断で)使って、1時間かけてじっくりと治した
指が何とか元通りにくっついて、4人とも心底ほっとした
……そのあと2時間じっくりと黒井先生に絞られたけれど…
271 :
アリアン:2007/09/07(金) 02:52:56 ID:f+Rd3pzc
以上です
すいません、3レスで足りてしまいました…
タイトルは「甘い甘いこなた」でお願いします
(微妙に古いけど・・・)
あま―――――――――――――――――――――い!あまいよ!あますぎるよ!秋名のハチロクに挑んでった奴らくらいあまいよ!
要するにGJ!
ああああああああああああああままままままままままいいいいいいいいいいいいいいいGJ!!
こなた型べっこう飴でもつくってみるかな。
5巻ネタバレSSを書きたいんだが、何時から位なら投下しておk?
事前警告書くにせよもう少し待つべき?
274 :
北海同人:2007/09/07(金) 05:33:43 ID:nV0+ZQLc
創価の板で俺の名が使われたから何か書く
主人公 白石みのる
パーティ みのるのハーレム
(いつものメンバー)
投下時間 未定
パラレルの可能性ありご判断はご自由に
5巻ネタバレは一週間くらい待てばいいのでは?
それだと長すぎるかな?
外部のロダとかに上げたら見たくない人は見ずにすむんじゃない?
277 :
205:2007/09/07(金) 06:36:53 ID:Zsg+87l2
今朝早くまでには続きを書き上げて投下したかったんだが、間に合わなかったーorz
今日はあまり時間をとれないが、早いとこ書き上げたいぜ…orz
だいぶ遅いんだが。
今流行の、台風ってので思わず書いてしまった、つかさ、かがみ投下。1スレいただく。
前にたしか似たのがあったが。すまない。
今わたしの耳にとどくのは、風がマドを揺らす音、ざばざばとふる強い雨、
そして・・・ガタガタと窓が大きく鳴る度に隣の部屋から聞こえてくる小さな悲鳴。
それが聞こえる度に、わたしは不安になる。ぎゅっ。と抱き締めて、守ってあげたくなる。
今夜も今までもずっとそうだった。
隣の部屋に入ると
布団の中で丸くなっていた、彼女が顔をあげる。少し目を赤くして。
「つかさ、あんた大丈夫?」
「うるさかった?ごめんね・・お姉ちゃん。でもこれだけはさすがに・・」
「もぅ・・あいかわらずなんだから。」
わたしは彼女の布団に入る。
肩を撫でて、両手でギュッと抱き締める。
「・・・ごめんね?」
「謝らないの。それに・・わたしもちょっと怖かったし・・」
「え・・・?」
「ち、違うわよ。冗談よ。間に受けないの。つかさじゃないんだから。」
そこにはいつも確かな暖かさと安心があって、
思わず守りたくなるヒトがいて。
一生、いっしょにいてあげたいくらい大切だった。
きっと・・。
今までも、これからも、ずっと。
GJ!
やっぱかがみとつかさのペアはいいね
>>261 あれ全部島本さんだったのか!すげー!
かなた「ン奴は何者だハッ!?(ズビシ!)」
こなた「……おかーさん……おとーさん忘れちゃったの?」
そうじろう「あのー、俺、一応今でも配偶者なんだけど……籍抜いてないし」
かなた「……見事にスベりました……orz」
ゆたか「かなたおばさん、どんまいです!私も経験あるし……orz」
>>271 SSぐじょーぶ!助かりました。
文字スレなのに、CGばかりで申し訳ないです。
ネタのストックはいくつかあるんですが、
「神様が降りてこなくて巧く書けないのー!」orz
>>278 姉妹愛ktkr
……時に、双子の間の心情ってのは、いわゆる兄弟間のそれより深いんだろうか?
双子な人に聞いてみたい。
>>280氏
あなたは、もしかして妄想の人か……?
違うなら申し訳ないんだが、そのレスから考えて、
「あなたが投下したCGは許可を取らずともSS化してよい」と考えてもOK?
もしOKなら、これからは遠慮せずどしどし書いていく所存だが。
>>281 もちろんOKです。つか、ぜひSS化お願いします。
ネタ提供のために、あえて文章創作板に投下しているわけですから。
自分でSS書きたい場合は、SSと一緒に投下しますのでお気遣い無用です。
よろしくお願いいたします。
>>260 ちょ、あかりハウスネタなんて懐かしすぎですってば!w
しかしモノマネ大会とはまた。とってもGJでした。
あと、ネタ使いに関してはお気になさらず。
というわけで、2レスほど投下させていただきます。
「コナタのおかげで、バグガゾウのアリガタみがワカリマシタッ!」
放課後、かがみの用事が終わるのを待ってぶらぶらしていると、私を見つけたパティが駆け寄ってきた。
「ど、どったのパティ?」
なんか、みょーにいつも以上にニコニコしてるんですけど。
「Oh! ジツはきのう、アキバでそーゆーゲームをたくさんオトナ買いしてみたのデス!
そしたらスゴイデスネ! モザイク、ミスト、ガラススティック! そんなバグの中でも、
ボディ・フリュイドはしっかり描きこむとは、プロフェッショナルのあかしデス!」
「ちょっ、パ、パティ、ここ学校、ここ学校」
ところどころ英語だからボカシたような感じだけど、お昼休みの廊下で大声で言うこと
じゃないヨ、コレは。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
真逆の世界へようこそ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「Sorry. デモ感心しまシタ。ニッポンのグラフィッカーはプロフェッショナルデス」
「まあ、確かに描き込みが細かいからね」
少し小声になったのを確認して、私たちは廊下の端に寄って話し出した。
「今はフルカラーだけど、一昔前なんかは4096色中の16色だけを使ってああいう画像を作ってたんだってさ」
「Really? そんなコトができるなんて、アーティストじゃないデスカ」
「まあ、芸術家といったら芸術家かもね。ポチポチポチッてドット単位で描き込んでたから」
「シンジラレマセン。アメリカのそーゆーゲームは、スキャンした写真を加工したポーカー
とかブラックジャック、ジャックポットが多かったデス」
「そこは国民性の違いってヤツなんだと思うよ。それに、日本のエロ絵の歴史は結構息が長いし」
「『ウタマロスピリッツ』ですネ!」
「よ、よくわかんないけど、そうなのかも?」
って、パティってばなんでそんな時代のを引っ張り出してくるかな。
「でも、最近はお上も厳しいから、最初から描き込まないでつんつるてんなメーカーもあったり」
「Hum……それはさみしいデス。もっともっとこういう文化は大切にするべきカト」
「ふっふっふっふっ……甘いっ! 甘いっスよっ! 泉先輩もパトリシアさんも!」
二人してため息をついたその時、後ろから聞こえてくる勝ち誇ったかのような声。
「ひ、ひよりんっ!?」
振り返ると、そこにはひよりんが腕を組んで仁王立ちしていた。
「そんなものが無くとも出来るものは出来るんでス!」
「いや、そうは言うけど、やっぱり無いものが無いってのはさみしくない?」
「スシにネタが乗ってないようなモノデス」
「まだまだ二人にも知らない世界があるんですねー……わかりました、今からアニ研の部室に来てください!」
「う、うん」
ひよりんの眼力に負けた私とパティは、導かれるようにしてアニ研の扉をくぐった。
「ささっ、コレを」
「コレって……も、もしかして、ボーイズラブゲー?」
もう既に立ち上げられていたPCには、5人の男性キャラが思い思いのポーズをとっている
ゲームらしきウインドウが開かれていた。
「いえいえ。これぞ女の子が主人公で、男の子にどんどん"落とされて"いく大人向けの『乙女ゲー』!」
なんか、ひよりんの背後にザパーンと波が立ったのは気のせいだと思おう。そう思おう。
「Oh! オトナ向けのオトメゲーとは初めて見マシタ!」
「昨日発売日だったんですけど、今日締め切りの原稿をやってたらカバンに入れっぱなしにしちゃって」
「だから、ここでやろうって?」
「さすがにちょっぴりだけですけどね」
そう言いながら、ひよりんがカチカチとマウスをクリックしてロードを選択した。
……うわー、やばい。コレやばいって。
「コノ声、どこかで聴いたことがアリマスネ」
「あー、国民的メカものとか、頭脳はオトナで体はコドモのオトナのほうとか、そういった
作品に出てる人がやってるみたいだよ」
「うおっ、浩之ちゃんと孝之の競演まで?!」
パッケージを見ると、ちゃんと実名で声優さんたちの名前が載っていた。
「この業界は結構おおらかみたいなんですよ。大御所さんともなると偽名を使う人はいますけど、
それでも声を聴けば一発でわかります」
ああ、確かに出てくるキャラ出てくるキャラ聴いたことがあるキャラだ。というか何やってるんですか司令。
「でも、絵はフツーだよね? 別段エロいとかそういう感じはしないんだけど」
「まだまだ待ってください。たぶんこの展開だと、もうすぐそーゆーシーンに突入しますから」
言われてみてみると、確かにヒロインとキャラの一人がいい感じになってきてる。
「……こ、これは、まだきっかけなのにエロい」
「主人公のオンナノコのボイスが、なんだかアマいデス。とってもアマいデス……」
主人公とキャラのキスが始まったんだけど、主人公にもボイスがついているせいか喘ぎ声とか
吐息とかがみょーに艶めかしい。
そして、そのうちそーゆーシーンに突入して……ええっ?!
「モザイクも無い! ボカシも無い! ガラス棒も無い!」
「というか、腕にカクレてしまってマス!」
パティの言うとおり、肝心なトコロは腕や腰で隠れている。でも、コレはコレで逆に
みょーに生々しい! しかも、二人分の声があるから……うっわー、エロっ。
「絵にそういうトッピングが無くとも、声とゆー調味料があれば美味しくなるんデス!」
せ、説得力あるなぁ、大御所がちょっと初々しいヒロインをリードしてる演技を聴くと……
「エロゲーに主人公ボイスって、まず無いからね」
「コレはコレで、ショクニンゲイってものなのかもシレマセン」
「ふっふっふっ……でしょう? だから……
ひよりんがゆら〜りと立ち上がって、私たちのほうを振り向く。
「……ど、どしたの? ひよりん」
「今からすぐにでも、先輩もパトリシアさんもこの世界に――」
「ちょ、おま、まっ、待ってよ、ね、ひよりん」
そう言いながら、私たちの手を取ろうとするひよりん――
「なぁぁぁぁぁにをしとるかっ! このバカもんがぁっ!」
「はぎゃっ!?」
――の頭に、カバンの角が突き刺さった。って、この子は一体?
「原稿が終わったかと思って来てみれば、神聖な部のパソコンにエロゲーなんざ入れて!」
「ちっ、違うんデス先輩! これはたまたま、たまたまでっ!」
「うるさいっ! もーこうなったら今日は説教タイム! さあ、準備室に来るよーに!」
「そ、そんな殺生な! せっ、先輩、泉先輩っ、たすけでーっ!」
私たちがボーゼンとしているうちに、色黒金髪の子に襟首を掴まれて奥の準備室へと消えていくひよりん。
「「無茶しやがって……」」
私たちはただ、その姿に敬礼することしかできなかった。
結論:乙女ゲーでも、ソフ倫メディ倫シールがついていたら18歳未満は学校でプレイしちゃダメだぞ!
「真逆の世界へようこそ!」をお送りしました。
最近とある事情から成人向け乙女ゲーをプレイしたのですが、
エロゲーばっかりやってる身からしてカルチャーショックの嵐でした。
主人公(女の子)は落とされまくるし、モザイクとかの類は一つも無かったし。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
>>286 Hum、コレはコレでナカナカ…
ようするにGJ!
あなたの引き出しの多さには素直に感服。
引き出しと文才、一厘ずつでもいいからわけてください…orz
このスレもずいぶん過疎ったな
こなかがを推奨する百合キチガイ厨が原作無視して傍若無人に騒ぎまくるからこなかが以外の
作者がほとんど居なくなっちまった
アニメやキャラソンでも製作サイドにそういうキチガイ厨が混ざってるんだから当たり前か
最近じゃ原作者も自己の主張よりも保身を選んでそっち方面に流れ始めてるようだし
>>288 それマジで言ったん?ソースあんならすぐ出せ
マジなら2ちゃんねら総力を上げて潰すが
そろそろ定時上がりの人が活動しだす時間だね
俺はまだまだ仕事だが……早く土曜日なーれ
もしかしなくてもこなかがスレで暴れてくれちゃった人か
真の過疎スレを保守してた身からすると
アニメ放送中とはいえ毎日稼働して作品も増えるこのスレは異常w
……だがそれがいい。
職人様方々もっとやってくださいお願いします><
エロパロ板で勢いがトップのこのスレを捕まえて過疎とはこれ如何に。
……そうか!投下が足りないってんだな!?よっしゃ今から書いてくるぜ!!
俺も書いてもう完成してるけど
初作品だから怖いなぁ
お前、投下初めてか?力抜けよ
ぬっちゃけここの住人の懐の深さは異常だから、がんがん落として問題ないと思う
もちろんテンプレ音読してからな!
>>290 総力ってお前誰だよ
今ふと思ったが
妙に「ねらー」とか「2ちゃんねら」とか言うの多いな
なんつうかBBSPINK慣れしてなそうな感じの
>>298 一応突っ込んどくがそれ最近流行ってるコピペなんだぜ・・・釣りだったかな?
>>301 コピペっつーかお約束だな
ヌルポ→ガッ! みたいな。そんな広まっては居ないけど。
おめーら馴れ合いばかりできめーんだよ
ちっとは感想レス見て気付や
いつも内容のないGJばかりでここ最近まともな感想ついたためしねーじゃねーか
とりあえずそんな事言うから投下が減るんだな
306 :
794:2007/09/07(金) 19:38:45 ID:Z1AdaPkf
「あとちょっとだよ。頑張って、こなちゃん」
つかさに促されて、どうにか足を動かしてた。
『足が棒になる』とはこういうことを言うんだろう。
もう自分の意思では足が動いてくれない。
もう私の足が動く理由はひとつしたかなった。
右手に触れる確かな温もり。
それを少しでも長く感じていたいから、なんとか足が動いてくれた。
「あそこを曲がれば、もうすぐゴールだよ、こなちゃん」
言うなれば、最終コーナー。
50回も曲がれば、さすがに見慣れる。
それもこれで最後だと思うと、少し気が楽になった。
と同時に、ゴールしたら手を離さなきゃいけないことが少し残念だった。
最後の曲がり角を曲がった先、私の目にあるものが見えた。
「ゴールテープ……」
かがみとみゆきさんが持っているもの。
それは紛れもなく、50kmのゴールを告げるテープだった。
よく見ると、かがみが髪を下ろしている。
きっとあのテープは、かがみのリボンなんだろう。
つかさは、何も言わずに笑顔を返してくれた。
最初はただ、つかさに見てほしくて始めたことだったのに。
かがみもみゆきさんも、ずっと待っていてくれた。
応援してくれる人も、助けてくれる人もいなかったけど。
それは何万もの声援と同じくらい胸に響いた。
あとは、私がゴールすれば全てが終わる。
――あと5メートル。
みゆきさん、なんか雰囲気変わった?
いい笑顔しちゃって、まったく……。
――あと3メートル
あ、かがみってば今にも泣きそう。
いや、もう泣いてるか。
顔が涙でグシャグシャになってるし。
――あと1メートル
つかさの手、あったかかったなぁ……
二人そろってゴールテープを切った。
ボーッとする頭の中で、やっと終わったんだなって思った。
「おめでとうございます、泉さん」
「よく頑張ったよ、こなた〜」「ありがと、二人とも……」
今にも倒れそうな体を支えて、二人に応えた。
本当はもっとちゃんとお礼を言いたいんだけど、今はこれが限界。
そして、もう一人……
「こなちゃん……」
「つかさ……」
つかさは今にも泣き出しそうだった。
それでも、私の手は握ったままで。
「こなちゃん……こなちゃ〜ん!!」
「うわっ!」
しびれを切らしたつかさが、私の胸に飛び込んできた。
後ろに倒れそうになった体を、かがみとみゆきさんが抱えてくれた。
「こなちゃん……頑張ったね……」
今はつかさの頭を優しく撫でてあげるくらいしかできないけど。
そんな私たちに、かがみやみゆきさんも加わって、ひとつの輪になって。
昨日のテレビで見たまんまの光景が、ここにはあった。
「みんな、ありがとね……」
「こなちゃん、足は大丈夫?」
「う〜ん、もうちょっと休んでたいかも」
こなちゃんがゴールしたそのあと。
私たちはまだ校門の前で座り込んでた。
お姉ちゃんたちは、
『さて、お邪魔虫はそろそろ帰りますかね』
なんて言って、先に帰っちゃった。
だから、今は二人だけ。
そろそろ先生が見回りに来るはずだから、あんまりノンビリもしていられないけど……。
「そういえば、まだつかさには言ってなかったっけ?」
「え? なにを?」
「私が走ろうって思った理由」
……すっかり忘れていた。
ゴールの感動で、聞きたいことがスッポリと頭から抜け落ちていた。
「つかさにさ、見てほしかったんだ。今日の私を」
「今日の、こなちゃん?」
「つかさのことが大好きなんだって私に、つかさに会ってほしかった」
なんだか、意味があんまり分からなかった。
でも、こなちゃんだからなんとなく納得できた。
「大丈夫だよ、ちゃんと会えたよ」
「つかさ……」
「だって、私のために頑張ってくれたこなちゃんは、ちゃんとここにいるんだもん」
そう言って、私はまたこなちゃんの胸に飛び込んだ。
疲れてるはずなのに、ちゃんと受け止めてくれた。
「私のことも、ちゃんと受け止めてくれるしね」
「これくらいは……ね」
「私はそんなこなちゃんの事が……」
――大好きだよ
そう言おうとした言葉は、なにか大きな音にかき消された。
「つかさ、花火だよ」
「ほんとだ、きれい……」
見上げた夜空に、大きな花火があった。
まるで、ゴールのお祝いのように。
大きく開く花火が次々に打ち上げられていく。
「つかさ」
「ん? なに?こなちゃん」
「そういえば、私まだご褒美をもらってないよねぇ〜」
「ごほうび?」
いたずらっぽく笑う顔は、もういつものこなちゃんだ。
な、なんだか嫌な予感が……
「キス……してもいい?」
「ふぇっ!? き、キスって」
「ご褒美のキ・ス」
「ご、ごほうびってそんな……」
「うぁ〜。つかさはこんなに頑張った私にご褒美をくれないほどSだったのかぁ〜!?」
な、なんだか急にいつもと変わらなくなっちゃったな……。
でも、これがいつもの私たちだもんね。
「わかったよ、じゃあ……」
「待って、私からするから……」
「こなちゃん?」
そういえば、こなちゃんがしてくれるのって初めてだっけ。
そんなことを考えているうちに、二人の距離はなくなっていって……
「つかさ、大好きだよ……」
311 :
794:2007/09/07(金) 19:44:04 ID:Z1AdaPkf
てな感じで、『泉こなたの人生が変わる瞬間』でございました
投下当初はスレ占有で住民の皆さんに迷惑をかけてしまって非常に申し訳ない
しかしながら、新たな投下テンプレも出てきたし全くの無駄でもなかったのかな?
読んでいただいた皆さん、ありがとうございました
ヤバい、キレイにまとめすぎた?
これは、俺が明日氏ぬフラグか!?
>>311流れに逆らってGJ!! せっかくだからもういっちょGJ!!
読み終わった感動をじっくり言葉にできるならもっと色々GJしたいのだが
今の俺にはGJしか言えない。だからGJ。
>>311 GJ!
GJと一言書くだけでも、大分違うよ
自分のに書いてあると普通にテンション上がるもの
さらに感想とか書いてあると発狂ものだよ?
>>311 なんていうかもう言葉にできないくらいのGJをあなたに送りたい!!GJ!
ネタが舞い降りた
今書けないけどpcつかえたら執筆しよう
なんというひよりん
とりあえず初作品SS投下します
多分8レス前後ぐらい使うかもしれません
結構長めなので今回は第1話?です
ほんの微妙なエロ入ります
320 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:23:17 ID:8ydqG/ni
「んじゃー、つかさまたねー」
「こなちゃんまたねー」
こなちゃんの家でこなちゃんと私は今日遊んでました。
お姉ちゃんは用事があってこれなかったけど…。
でも、今日こなちゃんと…イケナイ事しちゃった…。
こなちゃんは私の事好きと言ってくれた。私もこなちゃんの事が好き。
私からしたら好きな人同士でやるのなら大丈夫だと思うけど…。
やっぱ周りの人から見たらイケナイ事なのかなぁ…?
そんなことよりも早く家帰ってお風呂入りたい…。
パンツが濡れちゃって気持ちわるいよぉ…。
…
「ただいまー」
「ん、あ、おかえりー、どう?楽しかった?」
「え!…うん、ゲームとかして楽しかったよ。それよりお風呂開いてる?」
「まぁ開いてるけど、なんで?早くない?」
「う…うん、ちょっとね…」
「まぁいいや、そろそろご飯だから早くしなさいよね」
「うん、わかった。じゃあまた後でね」
急になんだろそれに赤面して。おかしいな…。
もしかしてこなた、つかさになんか吹き込んだんじゃないでしょうね…。
…
…こなちゃん…んっ…
こなちゃんに好きだよと言われてとても嬉しかったなぁ…。
さらに可愛いとまで言われちゃった…。
んあっ…だめっ…お風呂だと家族にバレちゃうかもしれない…
体洗ったらすぐ出てご飯食べようっと
お姉ちゃんに言ったら何か色々と言われるかもしれないしどうしようっか。
ずっと黙ってれば大丈夫かな…?でも…。
こなちゃんにもちゃんとお姉ちゃんに何か言われても黙っててねって言っておかないと。
「つかさー、今出た所?」
「うん、今出たよ」
「それにしても今日は風呂入るの早いわね。なんで?」
「今日はちょっと気分的に早く入りたかったんだ」
「ふーん、まぁいいやご飯もう出来てるよ」
「はーい、わかったー」
…
321 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:24:56 ID:8ydqG/ni
つかさが何か隠している事は私にはわかっていた。
18年間一緒にいたからいつもと違うのは分かる。
それを探るために私は今つかさの部屋の前にいた…。
やっぱ聞かなきゃだめだよね…。双子の姉として…。
コンコン
「つかさー、入るわよー?」
「あ、お姉ちゃん、いいよー」
カチャ
「それでお姉ちゃん何か用?」
「うん、用があるのは確かなんだけどね、えっと、今日こなたの家でなんかやったの?」
「確かにこなちゃんの家で遊んだけどさっきも言った通りゲームとか漫画読んだりしかしてないよ」
「それはわかってるけど…。だって帰って来た時楽しかった?って聞いたら顔真っ赤にしてたわよ」
「う…うん…」
やっぱなんかあるわね…。
「だからこなたと何をしたのかなー?って思ってね。
それに帰って来たらすぐお風呂に入るんだから心配しちゃってね…」
「だから特に何もしてないって言ってるでしょ。お姉ちゃんには関係ないよ」
「関係ないわけないでしょ!だって私達双子の姉妹なんだから!」
大声をだした私を見て無言になってしまったつかさ。
「…」
「隠し事とかかお互いした事ないじゃない!だから…」
「…?」
「隠し事なんかやめてさ…ね、また一緒にお互いの事全部知ってる状態になろうよ…だって…」
「だって…?」
「だって私はあんたの事…」
私は妹にある思いを告げようとしたがここで言うか迷った。
正確に言えば声にならなかった。
「お姉ちゃん…?」
「ううん、妹を守る姉として妹の事を知らなければ何かあった時…」
「うん…でもやっぱり言えない…ごめんね…」
「…」
私達の間で少しばかり沈黙が訪れた…。
だがすぐ沈黙を破ったのは私だった。
「そう…そこまでつかさが言うなら私も聞く事をやめるわ…。
人には知られたくない物もあるわよね…ごめんね急に大声とか出したりして…」
「うん…じゃあまた明日ね、お姉ちゃん。おやすみ」
「じゃあね、つかさおやすみ」
―かがみにとってかけがえのない妹だからこそ心配をしてしまうのだろうか。
それはつかさにとってもかがみはかげがえのない姉だ。
しかし今は彼女の頭はこなたの事しか考えられない。
それゆえか姉が心配してくれてるなんて迷惑だと思ってるのか
それともそんな事思ってたがつかさはその後すぐに心配してくれて嬉しいと思ったのか―
実は私も…隠し事してるなんて言える訳ないわよね…
ガチャ
…
322 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:26:19 ID:8ydqG/ni
「お姉ちゃん…やっぱり私が隠し事してるのはバレちゃってたかな…。
私は隠し事下手だなぁ。でもお姉ちゃんもなんか少しおかしかったな。
あ、そうだこなちゃんに今日の事は誰にも言わないでねって言わないとな。」
つかさはそう言って携帯を取り出しこなたの携帯へと電話をかける…。
『あ、こなちゃん?』
『おー、つかさかぁ、何か用?』
『うん、今日の事なんだけどね、明日お姉ちゃんが今日こなちゃんの家で
何があったか聞いてくると思うから黙っててね。二人だけの内緒にしようね』
『もちろんだよ、あんな事人に言える訳ないからね。さらにかがみに知られたらなんて言われるか考えたくもないよ』
『うん、やっぱり人に言える訳ないよね、さっきお姉ちゃんが聞いてきたけど適当に答えておいたよ』
『まぁそりゃぁそうだろうね。わかった。明日かがみには適当に話すよ』
『もう大丈夫だよね。明日また学校で会おうねー』
『うん、つかさまたねー。後、つかさ好きだよ』
ツーツーツー
…また好きと言われちゃった…はずかしいよぉ…」
好きと言われる感覚がつかさにはまだ慣れていなかった。
それが好きな人から言われるから慣れていないのは当然だった。
翌日…
「つかさー、起きろー朝だぞー」
例の如く朝はかがみはつかさを起こしていた。
苦にならないのは妹だからだろうか、それとも弁当のためだろうか、
それとも母にうるさく言われないためだろうか。
だが、かがみはそんな事毎日のことだから気にしていなかった。
「ん…はーい…」
気の抜けた声でつかさが返事をする
「今日あんたが弁当当番でしょ」
「え!そうだっけ。ごめん、すぐ作るから待っててね」
「うん、はやくしてねー」
ドタドタ
…
「ふぅ、出来たぁ」
「相変わらず見た目もおいしそうね。私もやってるけど全然うまくならないのに…」
「お姉ちゃん大丈夫だよ、ずっとやってればそのうちおいしくなるよ」
「うーん、ありがとつかさ。だけど後10分あるけどどうする?今日は早めに行こっか?」
「うん、今日はもう行こうよ」
「じゃあ行くか」
「「いってきまーす」」
しかし今日のかがみは少しだけ違っていた…。
…
323 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:27:36 ID:8ydqG/ni
はぁ…
私は…
「お姉ちゃん?大丈夫?」
「い、いや大丈夫よ。なんともないわよ」
「そっか、大丈夫なら良かった」
可愛い妹の笑顔で少し気分を取り戻せた自分…
私って情けないわね…いつも強がってるけどこういう時に妹に助けられてるって…
本人は自覚がないようだけど私はいつも助けられてんのよ。あんたの笑顔に…
ずっと一緒にいたい…。この可愛い妹の笑顔を守りたい…。
でもこの子の為を思うならこれじゃこの子が姉離れ出来なくてこの子のためにならないもんね…
だけど隠し事だけはする関係になりたくない。全てを知る関係になりたい
少なくとも今つかさが隠してる事をどうしても知りたい
でも私も隠し事をしている。どうしよう…
少なくとも気になった事を聞いても別に悪くないわよね
「それよりもあんた、昨日の夜私が部屋戻った後何してたの?」
「あ…あれはこなちゃんと電話してたの。別にたいした内容じゃないよ」
「そ…そう、それならいいわ」
よく考えてみれば話し声としてはなんか変だったわよね…やっぱ…
「でもさ、お姉ちゃんも何か隠し事してない?」
「べっ…別に隠し事なんかしてないわよ。それにつかさには関係ないわよ」
つかさに関係ないと言ったら本当は嘘なんだけどね…。
それにバレてたのね…。やっぱ私は不器用だなぁ。
「関係なくなんかない…。だってお姉ちゃんは私のお姉ちゃんだもん昔も今も変わらないよ…」
つかさの声が弱くなってる。
「だ、だったら!つかさが隠してる事私に教えてくれてもいいじゃん!」
一緒に歩いていたつかさの足がその場で止まった。
「そうだけど…」
「もういいわ!あんたが隠してる事があるなら私もずっと隠し通すわ!」
「…」
「ほら、早く行くわよ。」
つかさはずっと立ち止まっていた。
「…先に行くよ」
私はつかさに構わないで先に学校へと向かった
だけどいつも毎日一緒に並んで歩いていたから少し寂しかった…。
つかさもいつものつかさじゃない…それは私にも言える事だけど…
つかさが、妹がさっきみたいに黙りこんでしまったのは誰のせいだろうか。
私のせいでもあるだろうけど…こなた?あいつのせいだろうか?
でもいくらこなたでも…。やっぱりつかさになにかしたのだろうか…。
やはり今日聞いてみるしかない。
…
324 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:29:19 ID:8ydqG/ni
「ふぅ、ついたついた」
学校に着いたら日下部の顔が見えた
「おーっす柊〜」
「あんたいつもよりはやいわね」
「ん〜、まぁなんとなくだな」
「ふーん、なんとなくね」
「それよりいつも一緒にいる妹の顔が見えないけどどうしたんだ?」
「あー、あの子ね。準備が遅いから先に出たのよ」
なんで嘘ついちゃうんだろ、私…。
「何気酷いよな、柊って。それに妹一人で大丈夫なのか?迷子になったりして泣いてたりしないか?」
迷子か・・・そういえば昔あの子地元の祭りの時迷子になって見つけた時泣いてたわね…。
とりあえず教室に着いて席に座る私達。
「でもあんたもさりげなく酷い事言ってるわよね…。
大丈夫よ。もう高校生だから私がいなくてもあの子なら一人でこれるわよ」
「ふぅん、まぁ大丈夫なのかな」
しばらくしたら峰岸が教室に入ってきた
「おっす、峰岸おはよう」
「柊ちゃんおはよう。みさちゃんもはやいわね」
「あやのまで柊と同じ様な事言うなよ〜。私だって早い時は早いんだからぁ」
「ふふっ」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴って皆それぞれの席に座り始める。
やがて先生が入ってきてHRが始まった。
あの子ちゃんと来てるかしら…。様子見に行ってあげなきゃな…。
でも…さっきあんな事あったし話せる状態ではないわよね。
しばらく考え事をしてたらもうHRが終わっていた。
席を立ち廊下に出てちょっとだけ隣の教室の中を覗いてみる。
あ、ちゃんと来てた。よかった、よかった。
つかさはこなたと話してるようだった。
けど戻ろうとしたらこなたと目があってしまった…。
こなたがこっちに向かってきた。まぁいいや話したい事あるし。
それにつかさと今話したくないし…。
…
325 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:31:14 ID:8ydqG/ni
「かがみおはよ〜。」
「おっすこなた」
「まずさぁ、今日ちょっとつかさが一人で来てたけどどうしたの?」
「ん〜、別に大した事じゃないわよ。あの子朝起きるのちょっと遅かったから先に出たのよ」
「へぇ。そうなの?でも、それにしてもつかさの様子がすこし変なんだけど…」
「大丈夫よあの子なら。すぐいつも通りになるわ。
それよりもあんた、昨日つかさと遊んだでしょ?昨日帰ってから様子が変なのよ。何したの?」
あ、やっぱり聞いてきた…。
「何をしたのって聞かれてもゲームとかやったり漫画読んだりしかしてないよ」
「やっぱり同じ答えね。私にはなんか二人が隠し事してるようにしか見えないのよ」
「別にそれ以上でもそれ以下の関係でもないよ。かがみが気にする様な事じゃないよ」
「ふーん、それならいいんだけどね。つかさがちょっと変だから心配してね。」
「まぁいいや、じゃまた後でねー」
やっぱりかがみにはつかさの事は分かってるようだった
普通あんなことした後なんて人には言えないよねぇ。私にも分かるよつかさの気持ち。
かがみも妹が何か隠してる事が分かるなんて流石かがみだなぁと思った。
さてと、つかさともう少し話すか。おや、みゆきさんも来てる。
…
そういうとこなたはまたつかさの所へ行きまた一緒に話し始めた。
その様子を見てたら次はみゆきもつかさの所へ行き、話しをしていた。
やっぱりなんか隠してるようにしか見えない…。
教室に戻り席に着くなり日下部と峰岸がやってきた
今は誰とも話したくないのに…
「柊〜、どうしたんだってば。いつも授業始まるまで向こうのクラスにいるのに」
「あの子がちゃんと学校きてるか心配だったから見に行ったのよ。」
「え、柊ちゃん今日妹ちゃんと一緒にこなかったの?」
「あー、あやのはまだ聞いてなかったっけ。柊の奴、妹の準備が遅かったからって先に来たんだってよ。酷いよなぁ」
「ひ、酷くて悪かったわね!でも、昨日つかさがこなたの家から帰ってきてから少し変なのよね。」
「少し変なら相談してあげればいいんじゃない?」
「相談しようとしたけどあの子何にも言わないし困ってるのよ…」
「ふーん、妹が悩み事ねー。いつもニコニコしてるのに珍しいな」
326 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:33:43 ID:8ydqG/ni
そんなこと話してる内に一時限目のチャイムが鳴った。
だけど一時限目の授業の内容が全然頭に入らなかった。
つかさの事で頭がいっぱいだった。
そんなこと考えてるうちに一時限目も二時限目、三時限目も終わってしばらくしたらみゆきがやってきた。
「あの、かがみさんちょっとお話があるのですが…。」
「あ、うん、みゆきか。どこで話すの?」
「廊下でお話を…。」
「で、話って何?」
「えーっと、つかささんの事なんですが。」
「まぁ、そうだろうと思ったわ。」
「それなんですが、つかささんが少し様子が変なのでかがみさんに聞こうと思いまして。」
「昨日こなたの家から帰ってきてからおかしいからこっちが聞きたいぐらいよ」
「そのつもりでさっき聞いてきましたが何もわかりません。すみません…。」
「いいわよ。別に。」
教室に戻ろうとしてた所にみゆきがさらに尋ねてきた。
「後、つかささんと喧嘩でもされたんですか?」
「みゆきにはお見通しね。
うん、そうよ。登校中に少し喧嘩しただけ。それに、悪いのは私だし…」
「ふふっ、やっぱり貴方達は仲良いのですね。
先ほどつかささんとも話をしてつかささんも同じ様な事をおっしゃってました。」
「あの子なんでも自分が悪いと思っちゃうからねぇ…。みゆき、つかさを頼んだわよ」
「分かりました。つかささんは私に任せてください。」
「じゃ、チャイムが鳴ったから戻ろうか」
4時限目はさっきよりも授業には集中出来た。
それよりも弁当はつかさの方で食べるのはやめるか。
行った所で私もつかさもきまずい雰囲気になるだろうから…。
みゆきが上手くやってくれればいいけど…。
そんな事考えてたらやっぱり日下部と峰岸がやってきた。
327 :
隠し事 1話:2007/09/07(金) 22:35:39 ID:8ydqG/ni
「あれ?柊ちゃん向こうのクラスには行かないの?」
「いや、今日はこっちで食べる事にするわ」
「ふーん、珍しいなぁ。妹と喧嘩でもしたのか?」
「け、喧嘩なんかしてないわよ!」
「へぇ、でもいつもとなんか違うし怪しいけどなぁ…」
「まぁいいわよ、一緒に食べましょ。」
「いやー、柊と一緒に食べれるなんて何年ぶりだろうか」
つかさが作ってくれた弁当を口に運ぶ。
「あれ?柊ちゃんの弁当は今日妹ちゃんが作ったの?」
「う…うん、そうよ」
「え?でもおかしくない?さっき妹ちゃんより先に出たって言ってたよね?」
「うっ…それは…あの子はちゃんと起きて弁当作ってくれたけど
今日の学校の準備が遅かったから先に家出たのよ」
やっぱ嘘が下手だなぁ私…
「でも言い訳するほど自分の首をしめてるのには変わらないよね」
「ほんと素直じゃないよな柊って」
「…」
「おー?どうした柊?妹と喧嘩したのか?」
「もういいわよ。本当のこと言うと一緒に登校してたんだけどちょっと喧嘩してね、それで先に来たのよ」
「喧嘩したんだったら後で仲直りしてくればいいんじゃない?」
「出来ればそうしたいけど…あの子何にも話してくれないから…」
「へぇー、妹ちゃんが隠し事ね…」
「まあさ、そんな話後でも出来るから弁当食べようぜ!柊、弁当食わないの?もーらい!」
「あ!ちょ、日下部!」
「んー、やっぱ妹の弁当うめーなー。今度さ、妹にも私の分作ってって言ってくれよ!」
「うん、まぁ、考えとく」
「頼むよー」
やっぱこういう日常が私にはあってるのかな。
いや、私はただいつもと違う日常から逃げてただけかも知れない。
そのいつもと違う日常が今日はじめてだったから…。
とりあえず第1話はここらへんで終わりです
後それとカップリング書くの忘れてました
こなた×つかさ←かがみです
2話は…もしかしたら明日にまた投下するかもしれません
リアルタイムで遭遇
これは続きが楽しみ
なので続き待ってます、ぜんらで
とりあえず1話目乙&GJ!
>>328 GJ!!
続きの投下に早くもwktkしてまつ
>>328 視点の変化がめまぐるしいのが、ちょっと難点だったけど
話の持って行きかたが絶妙で面白かったですww
まぁつまり何を言いたいのかというと
GJ
>>328 内容は個人的に好きな話でいいと思う。話の流れも続きが気になる感じでいい。
だけど視点がバラバラすぎるのが読みづらい。
視点が切り替わるのは言わずもがな。一人称と三人称が入り混じっている。
個人的な意見だけど、この話の場合はかがみの一人称で統一するか、
三人称にしてしまうほうがすっきりするんじゃないかな?
ちょっと長い、2話に分けてもよかったり
自分でも書いてて思ったけどやっぱり視点の変化があれか…
指摘ありがとうございます
次からは少なくするよう心がけます
>>328 GJ!これは俺好みの話。
ただ他の人が指摘しているように視点の切り替えが激しくて少し読みづらいかな。
後半はかがみ視点で固定されたから読みやすかったけど。
一人称視点の作品で視点がコロコロ変わるのは基本タブーらしいので注意したほうがいいかも。
一人称視点で進む有名な作品だとシャーロック・ホームズ等があるから参考にしてみてもいいかと。
長文&生意気失礼しました。
続き期待して待ってます。
ちょいと質問
コンプティークでらっきー☆ちゃんねるが掲載されていたとき、
こなたたちは高校何年だった?
小神あきら14歳は分かるけれど、いつの時点かが不明……
読み手が混乱しますw
sageもできないようなのにレスするのも癪だけど
放置して荒れたらいやなのでさっさと回答
>>336 2005年5月号で春休み中のギリギリ2年生
>>328 視点がくるくる変わって一人称と三人称が混じってたけど、
1レスが視点切り替えの目安になってたからそこまで読みづらくはなかった
まあこれからも批判を怖がらず投下してくれたまへ〜
>>311,
>>328 お二人ともGJです
自分つかさ好きなので最近こなかが(かがこな)ばっかだなーって
感じでくさってたのでこういうのが読めてとても嬉しいです
自分ROM専なのであまり偉そうなことは言えないのですが、
311氏、おつかれさまでした。
328氏、続編期待してます。
>>338 今、本物のツンデレを見た稀ガス……
すげえ、これがツンデレか!w
>>338 べ、別にそれくらいいいじゃない
わ、私だってたまにはsage忘れることくらいあるわよ。
何よ、もう知らない!!
……すみませんでした
資料用に『らき☆すた年表』作ってみました。
スレ違いの気もするけれども、SSの資料用にどうぞ
また、年齢が分かりそうな資料、否定資料あればお願いします
らき☆すた年表
(年齢は12/31現在)
1966年 かなた(8/20)&そうじろう(8/21)誕生
1967年 ゆき誕生(7月以降)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1979年 そうじろう13歳中学一年。黒井ななこ誕生(2/8)
1980年 そうじろう14歳中学二年。
1981年 そうじろう15歳中学三年。
1982年 そうじろう16歳高校一年。
1983年 そうじろう17歳高校二年。
1984年 そうじろう18歳高校二年。
1985年 そうじろう19歳大学一年。東京へ駆け落ち?
1986年 そうじろう20歳大学二年。ゆい誕生。ゆき19歳?
1987年 そうじろう21歳大学三年。
1988年 そうじろう22歳大学四年。アキハバラ1988
1989年 こなた誕生(5/28)。そうじろう23歳大学卒業。
1990年 こなた1歳。そうじろう24歳。八坂こう誕生(2/3)。かなた逝去。ゆたか誕生。
1991年 こなた2歳。そうじろう25歳。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2002年 こなた13歳中学一年。
2003年 こなた14歳中学三年。ゆい18歳。
2004年 こなた15歳中学三年。ゆい19歳高校卒業就職。
2005年 こなた16歳高校一年。
2006年 こなた17歳高校二年。黒井ななこ27歳独身。
2007年 こなた18歳高校三年。そうじろう41歳。ゆたか他一年入学。
1966年生まれ 41歳 泉そうじろう&かなた
1979年生まれ 28歳 黒井ななこ(確)
1986年生まれ 20歳 成実ゆい
1989年生まれ 18歳 らきすた三年組(確)
1990年生まれ 16歳 らきすた一年組(確)。八坂こう(確)
なお、あきらはアニメ1話で「14歳のスーパーアイドル」て言ってたけれど、
らっきー☆ちゃんねると本編の時間のつながりが不明なためカットしました
(服装は本編にあっているものの、番組内ではあまり時間がたっているようには見えないため)
ななこ先生は11話「いろんな聖夜のすごしかた」より年齢確定しました
かがこなテイスト
こなた「ひとえに…愛だよ!」
かがみ「どうせ私は愛のない女だわよ!(スタスタ)」
かがみ(心の中ではこなたのことをこんなに思ってるのに伝わらないなんて…まだ愛が足りないのかな…)
3行で終了
年齢についてはアニメ版参照でやってるみたいだけど、
原作が(サザエさんワールドにはしないにしろ)水増しされて時間がズレてきてるからな……
いっそみんな17歳教に入s(ry
>>345 かがこなテイスト2
こなた「ひとえに…愛だよ!」
かがみ「つまり、『こなたへの愛を示してみろ!!』って言いたいのね?」
こなた「え?いや、違くぁwせdrftgyふじこlp!!」
3行で終了
>>328 GJ!
視点の切り替えに関してはレス区切りだったん出あんまりに気はならなかったが、
昔…というか未だ完結してないけど
ヤマモトヨーコって作品があってな。
それが主人公(一人称)と作者(三人称)の入り混じる文章なんだが、
文章が切り替わる度に冒頭で「誰視点か」を明記していた。
まぁ、そういう方法もあるという事で。
俺は割と好きかもしれない
視点といえば、今ひより視点のss書いてるんだが……口調が定まらないorz
っスっスあんまり書くと読み辛いし、だからって普通の一人称にすると違和感が……
>>350 ヒント:先輩には語尾に「っス」
同級生にはタメ
ひよりは、先輩には語尾に『っす』って付けるけど
同級とかにはつけないね。
>>353そのセリフは違うぞ
被った時には『シンクロ』なんてセリフを吐くもんじゃあない
こう言うんだ
『祝福しろ結婚にはそれが必要だ』ってな
「〜っス」って「〜です」だからな。
まぁ、勢いで押す系のギャグSSなら全編「〜ッス」もアリかもしれない。
もしかしたら違和感を感じるかもしれないんで、初めに書いときます。
第一章でこなたと双子が別れるシーン。電車でなく道端で別れているのは、こなたがバイトの日という
ことにしといてください。
じゃないと第二章読んだらおかしいと思うかもしれません。本来は第二章が正しい通学路です。
ですが、当方東京在住じゃない為、電車の乗換についてまで調べたけどわからなかったんで、
同じホームでの乗換ということにしましたが、本当は違うかも。その辺は適当に脳内変換お願いします。
では第一章―片想いの行方―の続きです。
>>353 9秒差か……
それじゃリロードしても回避は難しいですし
「っス」は体育会系だとどこかで見たことがあるが、
ひよりは何に影響されたんだろう
「はい、こなちゃん」
私は作ってきたお弁当をこなちゃんに差し出した。
「え? 私の……?」
こなちゃんは受け取りつつも、驚きの表情を見せる。
「うん、こなちゃんの為に作ってきたんだよ」
「ありがと。なんかギャルゲーに出てくる幼馴染みたいでいいね」
こなちゃんはいつもの顔に戻って言った。
「幼馴染って他にどんなことするの?」
「うーん、そうだなー朝起こしてくれるのはデフォかなぁ」
こういう話をするこなちゃんはとても楽しそう。いきいきしてるっていうのかな。
そんなこなちゃんを見てると私も楽しい。
「じゃあ明日から毎日起こしてあげる」
「人に起こしてもらってる分際で何言ってんのよ」
お姉ちゃんは手の甲でコツンを私の頭を叩いた。
「はぅ……こなちゃん起こす為ならちゃんと起きるよ〜」
私は頭をさすりながら抗議する。
「どうだか……今だってつかさのせいで遅れそうなんだけど?」
お姉ちゃんは哀れんだ目で私を見ていた。
「そっそれは、お弁当作るのに時間がかかったからだよっ」
「それを見越して起きないのが悪い」
「むぅ……」
反論できない自分が悔しい。
私達には私達で決めたルールがある。
私はこなちゃんに振り向いてもらえるように頑張る。
お姉ちゃんは、こなちゃんがそれでも自分を好きなら付き合うと決めた。
こなちゃんはそれを知らない。
期限はクリスマス。その日は後3ヶ月というところまで迫っていた。
―彷徨う心―
「それにしても、私もつかさも懲りないよね〜。あっこれおいしい」
昼休み、こなちゃんは私が作ったお弁当を食べながら呟いた。
「うん、だって片想いは自分がやめなきゃ終わりがないもん」
あきらめたらそこで試合終了。こなちゃんがよく言う言葉だ。
「確かにねー」
こなちゃんは私の気持ちを否定しなかった。受け入れられたわけじゃないけれど、それだけで私は嬉しか
った。
それにこなちゃんは少し優しくなった。同情かもしれない、だけど私はそれでも嬉しかったんだ。
もしかしたら、本当に振り向かせる事ができるんじゃないかって、少しでも希望を持つ事ができるから。
「ここだけまだ夏みたいですね」
ゆきちゃんの言葉に、一瞬私とこなちゃんのお箸が止まる。
こなちゃんは私の気持ちを知っているし、それでもがんばると決めてから普通にこんな話もするようにな
っていたけれど、良く考えたら普通じゃないよね……。今更恥ずかしくなって私は何も答えられなかった。
「みゆきさんがそういう冷やかすような事言うのいがーい」
「冷やかすというのは、相手を困らせたり恥ずかしがらせる事を言うことをいうので、この場合当てはまり
ませんね」
ゆきちゃんは頬に手をあてると、ニコっと笑って言い退ける。
「私は大丈夫だけど、つかさが顔赤いよー?」
こなちゃんはニヤリと笑った。
「え!? あっあぅ……」
「すっすいません、つかささん。仲がいいということを言いたかっただけでして、恥ずかしがらせるつもり
はなかったんですけれど……」
「あはは、それにしてもみゆきさんの頭の中ってあらゆる辞書が揃ってそうだよねー。あっみゆきさん『萌
え』って何かわかる?」
「『萌え』ですか? 確か……」
「頭の辞書にあるんだ……」
こなちゃんは小さく呟く。
「2004年の流行語大賞にノミネートされた言葉ですよね。一般的に架空のキャラに対する愛情というの
をどこかで読んだ気がします」
「さすが……」
「こなちゃんも答えられなかったもんね」
「そうなんですか?」
こなちゃんは胸に手を当てると、
「『萌え』は心で感じるものなのだよ、実際定義や語源も未だに曖昧なとこあるし」
「へぇ〜、じゃあ、こなちゃんは私で萌える?」
「つかさは、そういう普通言いにくいことを言ったり、自覚してないところが萌えポイントかな〜」
「え!? 私そんな変なこと言った?」
「いや〜つかさはそのままでいいと思うよ〜うん。ボ――癒しキャラは必要だからねぇ」
「たしかに、つかささんと居ると癒されるってわかる気がします」
「みゆきさんも、人のこと言えないんだけどね〜」
「え? 私ですか?」
「二人そろって自覚してないところが天然で萌え〜」
こなちゃんは万歳をしてそのまま仰け反った。
「へぇ〜ツンデレツンデレ言ってくるくせに、何でもいいんだぁ?」
「あ……」
お姉ちゃんはいつの間にかこなちゃんの後ろに居て、仰け反ったこなちゃんを見下ろしていた。
「やぁ、かがみ、元気そだねー……」
「おかげさまで」
お姉ちゃんは皮肉で返す。
「ったくあんた達は教室でなんていう会話してるのよ、しかもみゆきまで」
「すみません」
この前はそんな会話をお姉ちゃんもしてたような……。
お姉ちゃんは横の席から引っ張ってきた椅子に座りお弁当を広げると、こなちゃんに向かって意地悪に微
笑んだ。
「で、つかさに萌えたんだ?」
「え? いや……その……、デレも嫌いじゃないっていうか、その…………これなんてエロゲ? 初めてへ
たれ主人公の気持ちが少しわかったよ……」
こなちゃんはたじたじとなってはいたが、お姉ちゃんが来るとやっぱり嬉しそう、きっと自然と頬が緩ん
でる。当たり前のことなのに、それを見るたびに現実を突きつけらて、泣きそうになる。
「あんたって、そういうゲームやってるから、こういうときの対処の仕方心得てると思ってたけど?」
「二次元と三次元は別物っていうのかなー。二次元だと当たり前すぎて耐性ついちゃうのかも」
「そういうもんかしらね、私にはよくわかんないわ」
「あ、でもツンデレも好きだよ?」
「それは私を怒らせようとしてるわけ?」
「そういうわけじゃないんだけど、でも最近かがみはツンが少し取れた気がする」
「はぁ?」
「ツンデレには変わりないんだけど、なんていうのかなー萌えってむずかしぃ」
こなちゃんは頭を抱えた。
「いや、そんな真剣に悩まなくてもいいから……」
こなちゃんが言っている事が私にはなんとなくわかったんだ。
きっとそれはお姉ちゃんの心の変化。
表面的な優しさじゃないけれど、お姉ちゃんはこなちゃんに対して前より優しくなった。
こなちゃんは気づいていないかもしれないけど、こなちゃんが私に対して優しくなったことと、お姉ちゃ
んのそれは違うんだよ。
でも、私はそれを喜べない。
良いことのはずなのに。私が望んだはずのことなのに。
素直に喜べないのは、私の心の狭さなのかな……。
「つかささん?」
「え? なぁに? ゆきちゃん」
「いえ、私の気のせいだったようですお気になさらず」
ゆきちゃんは何事も無かったかのように微笑んだ。
どうしたんだろう?
私が食べ終えたお弁当を片付けようとすると、
「今日のお弁当もおいしそうでしたね」
ゆきちゃんはそれ見て言った。
「えへへ、がんばっちゃった」
「よかったら今度作り方教えていただけますか?」
「うん! いいよ。今度レシピももってくるよー」
「ありがとうございます。楽しみにしてますね」
「かがみもつかさに教えてもらえば上手くなるんじゃないのー?」
「大きなお世話よ! つかさが上手いから相対的に下手に見えるだけよっ」
「かがみとみゆきさんが勉強できるから、私とつかさが相対的に勉強できなく見えるのと同じだね」
なるほど、そうだったんだ。
「何を都合の良い事言ってんのよ、それにあんたの場合できないっていうよりやらないだけでしょうが」
「やってもその先に何もないと燃えないんだよねぇ、エンディングCGとかさ」
「またゲームかよ……って―もうこんな時間、そろそろ教室戻るわ」
お姉ちゃんはお弁当を片付け立ち上がり椅子を戻そうとして、何かを思い出したようにポンを手をついた。
「あっそうそう今日、峰岸達と寄り道して帰るから先に帰ってて」
「うん、わかったー」
椅子を直し終えると、お姉ちゃんは教室から出て行った。その姿が見えなくなると、
「なんかさ〜子供みたいだけど、仲いい友達が他の子と遊びに行ったりすると嫉妬しちゃうよねぇ」
こなちゃんは机に顔をのせたまま、口を尖らせた。
いつの間にかそういうこと思わなくなっていくけど、きっとこなちゃんのその気持ちは子供の時のそれと
は違うよ。それがお姉ちゃんじゃなかったら、きっとそうは思わないんじゃないかな……。
「みゆきさんってそういう嫉妬とかしなさそうだよね」
「そうですね。あまりそういうことを思ったことないかもしれないですね」
「つかさはすごい嫉妬しそう」
こなちゃんはニヤリと笑った。
「えっ! 私ってそんなイメージ!?」
こなちゃんはゆきちゃんと顔を見合わせる。
「だって、ねぇ?」
ゆきちゃんは答える代わりにニコりと笑った。
え? え? 私ってそんな風に思われてたの?
「でも、そういうところかわいいと思いますよ」
ゆきちゃんまで肯定!?
「褒められてる気がしないよぅ〜」
「やーつかさはそのままでいいって」
その時、先生が教室に入ってきた。
「席つきや〜授業はじめるでー」
私達は慌てて雑談を中断し、ゆきちゃんは慌てて自分の席へと戻っていき、私も椅子を前に向けた。
私とこなちゃんとゆきちゃん。クラス水入らず? こんな言葉ないか。
三人での帰り道。やっぱりお姉ちゃんがいないと少し物足りない。きっとそれは二人も感じている事で、
こなちゃんはいつもより口数が少ない。
「かがみ達どこいったんだろうねー」
でも、その少ない言葉数でさえもお姉ちゃんのこと。
「カラオケとかかなぁ? お姉ちゃん久々に行きたいとか言ってたし」
「じゃあ私達とでもいいじゃん」
「峰岸さん達もお姉ちゃんの友達だから」
私は苦笑しつつフォローしてみる。こなちゃんの気持ちもわからないわけじゃないんだけどね。
「それはそうだけどさー」
こなちゃんはほっぺたをプクーと膨らませた。
「ふふ、寂しいんですよね、かがみさんがいないと」
ゆきちゃんはこなちゃんを見て微笑みながら言った。
「寂しいっていうか、なんか物足りないんだよつっこみがいないとさー」
それって寂しいってことだと思う……。
「そういやつかさは向こうのクラスに行ったりしないよね」
「え……?」
「かがみはよくうちのクラス来るじゃん。それってつかさと双子だからでしょ」
「うーん、そういえばそうだね」
「じゃあ、つかさがかがみのクラス行ってもいいわけだよね」
「確かにそうだけど、なんとなく自分のクラス以外の教室に入るのって躊躇ったりしない?」
「なんとなくわかるかも。高学年の廊下歩いたりするのと同じ感じだよね、立ち入っちゃいけない、敵の領
地みたいな」
「たしかに少し威圧感を受けますね」
「でもかがみって、私達のクラスのみんなとも結構話してるし、馴染んでるよね」
「お姉ちゃんは昔から人付き合いが上手だから」
「世渡り上手ってやつかー、悪く言えば八方美人だけど」
「でも、かがみさんは言う事はハッキリいいますし、八方美人とは少し違うような気もしますが」
ゆきちゃんはいつもながら穏やかな口調で言った。私もそう思う。お姉ちゃんは思ったことはハッキリ言
う。そういうところが昔から羨ましかった。
それに、お姉ちゃんが私のクラスに来るようになったのは、私が人見知りするのを心配して来てくれてい
たんだと思うから……。
「そういうところもあるねー。今までかがみみたいなタイプと友達になったことなかったから、初めは結構
新鮮に思ったし」
「私もそうかもしれません、でもそんなところもかがみさんのいいところですよね」
ゆきちゃんの答えに対してだったのかわからなかったけれど、こなちゃんは少し笑いを漏らして、
「みゆきさんとつかさみたいなタイプも初めてだったけどねー」
と付け加えた。
「結局私達みんな変わり者ってこと?」
「そうなるね」
「私って変わり者だったんですか?」
「普通なんてつまらないからそのほうがいいって。私は漫画に出てくるような個性的な友達に囲まれて幸せ」
語尾にハートマークがつきそうな声でこなちゃんは言った。
「個性的って、そう言われるとなんだか褒められているように聞こえるから不思議だね」
「もちろん褒め言葉だよー」
「ふふふ、光栄ですね」
ゆきちゃんは素直に喜んでいた。
ゆきちゃんとわかれた後の車内。
私とこなちゃんは運よく開いてる席を見つけ、久々に座って乗る事ができた。
「ラッキーだったね」
「いつも混んでるもんねー」
隣にこなちゃんが居て、それだけで嬉しい気持ちが溢れてくる。こんな時間がずっと続けばいいのに。
止まってしまってもいい。ずっとこのままなら他になにもいらないのに。
「うあっすごい人」
しかし、そんな状況も一駅限定で、次の駅に停車すると、扉の向こうには大量に人が並んでいた。
やっぱり混むんだね……。
電車が進むにつれて車内が混み出して私は少しこなちゃんの方へ体を動かした。
その時、隣り合った手が軽く触れた。
そっと触れた手に自分の手を重ねる。
でもこなちゃんはその手を振り払わなかった。
同情かもしれない。でもそれでもいいんだ。
お姉ちゃんを好きでも、それでもいいんだ。
だって、それでも私はこなちゃんが好きなんだもん。
でも……やっぱりどこか寂しい。そう思ってしまうのは私のわがままかな……。
『まもなく東武動物公園です。お降りの方は――』
そんな時間も無情に終わりを告げるアナウンスが流れる。
私はその手を自分のカバンに戻した。
こなちゃんが何も言わずに先に立ち上がり、続けて私も立ち上がる。
こなちゃんの背中がなんだか遠く感じた。
なんとなく、話すきっかけが見つけられず、二人して並んで駅の広告を意味もなく見つめていた。
しばらくすると、ホームの先に、減速して近づいてくる電車の姿が見えた。
表示を見ると、私が乗る方の電車。
私は乗ってから振り返る。
「ありがとう。こなちゃん」
言い切ると同時にドアが閉まった。
ドア越しに見えたこなちゃんは、少し驚いた表情のあとにコクンと頷いた。
そしてそのまま視界から消えてしまった。
私はこなちゃんを困らせている。
笑っていて欲しいのに困らせている。
それはわかっているのに……。
私はどこへ向かっているんだろう……。
第三章へ続く。
どうしてこんなことになっちゃったんだろうorz
>>366 本っ当、割り込みスミマセン
レス内容が自分を擁護しているようで自己嫌悪
住人のシンクロ率が、400%を超えています!!
>>366 超GJっす
つかさの心情がうまく表現されてますねww
ただ、同じことを何回も言ってる感があるかも?
X::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X
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}:::::::::::/イ/{ f´ Yf Yf `ヾ:f YY:::::::{`
ム:::::r' |! { ハ } } ハリ:::::f
{ハ、{ -==x、 _,r==‐ }:f「}
V{Y\,r‐tァーォ、 ,r‐tァーォ、/jf
{__|! L_  ̄`_ノ⌒廴_ ̄´_」 |∨
ハ  ̄ / ヽ ̄ j,ノ
i 人-、__,.-人 /
∧ (、____,ノ /
_,.イ | ヽ ヾニニ '´ , ′
_/ ̄ f | \ /ト、
_,. ´ __| ヘ ` ー一'´ | |i丶.
__,. -‐'´ :| ヽ.______ j 八 \
________|___(_正_解_)___ヽ__\____
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| ら き す た |
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| ( 美 水 か が み の 描 く 4 コ マ 漫 画 ) |
|_________________________.!
>>396 X::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X v z__ `ミヘ`i|从从从从从彡ッ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;\
イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽY ト'´ k ミ///从从从从彡ミ彡ッ第27回高校生クイズ
_}::::::/:::::/:::;::::::/::::::::::::::::::::、:::::::ヽ:::{` 了イ ヾミ //尤/从从从从从从从从'~'゙~'゙~'゙~'゙~i; ; ;|
}:::::::::::/イ/{ f´ Yf Yf `ヾ:f YY:::::::{ ≧〃,//ハハハハハヽヽ≦/〃////从从从ミヾ、ヾ、ミミミ', !; ;ノ
ム:::::r' |! { ハ } } ハリ:::::f ャn/v//ハルr=、、ヾvミ彡〃//|/|~|⌒!|l||/~\ッ'、'ヾミ, __ ヽ/~l
{ハ、{ -==x、 _,r==‐ }:f「} 彡り ((( 乂 ヽ小Ee 彡!|ノ! | ! | !| |!ヽ!','彡 ____、//,)/
V{Y\,r‐tァーォ、 ,r‐tァーォ、/jf {^∨ r=x,,,,, ,,,,,x=ァ ∨^}`ヽ:| ━─、 ,,。==、 ',;/ヽ‐弋`~´ ノ | .|
{__|! L_  ̄`_ノ⌒廴_ ̄´_」 |∨ Eiヽ_r=tッ=x___rtッ=-x/ ,ソ ',(i \r‐ィッ-、‐,,__r‐ィッ-、,_/)/ ヽ ̄´ r'゙
ハ  ̄ / ヽ ̄ j,ノ {_{ └---┘└---┘}_} し, ヽ、___ノ' ゙'、__,,ノ l_/`゚‐‐゚'゙ヽ, ./
i 人-、__,.-人 / '. r'_ _ァ / ', ,. 、 ,' .-====-、 ∧
∧ (、____,ノ / 〉、 (_trrvrrr'’ ノ ', ィ `゙'─'゙' > / ⌒ / ',‐-
_,.イ | ヽ ヾニニ '´ , ′ ___,-r'’ { \`¨¨¨¨´ , イv __/ヘ \ェェェエフ /ミ` ,,__, ィ ',
_/ ̄ f | \ /ト、. '7’ { ハ_\____∠__}_}__ '''' f ヘ \  ̄ ./、_ |
_,. ´ __| ヘ ` ー一'´ | |i丶 ==^´} (___正解__) `ヽ__ ヘ _ 、__ /__|」\ \_ィ'゙ \ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、 ‐┼‐ _∧_ ─┼‐ -/─
ム-‐、 ‐┼‐ \ / .○| / ⌒
_ノ (_ /, ヘ'、 .ノ / `‐‐
AA仕事早いなwww
373 :
11-618:2007/09/08(土) 03:10:29 ID:lsDPXDPN
ここで空気を読まずに投下。
>>350で言ってたひより視点。
書いてる内に長くなったんで続編は後で投下。
今回はみなみ&ゆたか
っスっスうるさいんで注意。
4、5レス頂きます
今日、私こと田村ひよりは、岩崎さんとパティと一緒に、小早川さんの(というか泉先輩の)家に遊びに来ているっス。
泉先輩の部屋にはかがみ先輩、つかさ先輩、それと珍しく高良先輩もいらっしゃったっス。
最初はそれぞれの部屋でお喋りとかしてたんスけど、
「大勢の方が賑やかで楽しいよ〜」って泉先輩が言うもんっスから、皆でできる遊びをしよう、ってことになったっス。
そして現在、場所は泉先輩の部屋。
さすがに8人入ると少し狭いけど……
ブラボー、おお、ブラボー!
なんて、なんて素晴らしい眺め!
泉先輩がじゃれつくたびに顔を赤くするかがみ先輩。
いつも通り小早川さんを気遣う岩崎さん。
つかさ先輩と高良先輩も、何気なく喋っているようで…っていうのは気にしすぎっスか?
にしてもニヤニヤが止まらないっス!
まさに百花繚乱。いや、百花って言っても咲いてるのは百合の花っスけど!
そんな事を腐った思考で考えていると、隣に居たパティが開口一番、
「王様ゲームしませんカ?」
そう言ったっス。
「パティ、王様ゲーム知ってるの?」
泉先輩の質問に、
「モチロン!王様の命令は何デモ聞かなきゃいけない、嬉し恥ずかしパーティーゲームのことデス!」
パティは自信満々にそう答えたっス。
「また何か微妙な勘違いしてるわね…」
とかがみ先輩。以前にもそういう体験があったんスかね?
しかし……『嬉し恥ずかし』と申したか。
確かにこの面子で王様ゲームなんかしたらそりゃもうすごい事になりそう…ふふふ…
いや、そりゃあ私たち高校生だからお酒も入らないし、そんな大それたことはできないっスけど。でも……ふふふ……きっと私は奇跡を目の当たりにするに違いない。
笑いを堪えるのがこんなにも大変だとは思わなかったっス……ふふふふふふ……
気を取り直して周りの皆さんの反応を見ると、
「ゆきちゃん、王様ゲームってなあに?」
「王様の印と番号など書き込んだ割り箸などのくじを引いて王様を決めて、その王様の『命令』を指定された番号の人が実行する、といったゲームですね。私も実際にやったことはありませんが…」
「何だか楽しそうだね、みなみちゃん」
「…………うん」
とりあえずつかさ先輩、高良先輩、小早川さんは興味ありげ。
岩崎さんは分からないけど、小早川さんが参加してくれるならきっと大丈夫だよね。
泉先輩とパティはやけに目を輝かせていた。
いや、私も人のことは言えないっスけど。ふふふ……
「……うーん」
唯一、かがみ先輩は難色を示しているようっス。
でもそこら辺はさすがの泉先輩。
かがみ先輩に後ろから抱き着いて、
「やろ〜よ!ねえ、かがみぃ〜」
と鶴の一声。
「わ、わかったから離れなさいよっ!」
かがみ先輩はもう真っ赤。いやあやっぱり泉先輩はツンデレの扱い方をよく分かってらっしゃるっス!
……というかラブラブ過ぎてちょっとクるなあ。
これで付き合ってないって言うんだから信じられないっス!
「じゃあ決定、でいいですカ?」
「「は〜い」」
パティの一言に、皆が頷いたっス。
泉先輩が割り箸を取りにいっている間に、改めて高良先輩からルールの説明があったっス。
というか先輩が王様ゲームを知ってるとは意外っス。
説明し終わった頃にちょうど泉先輩が戻ってきた。
早速割り箸に王様のマークと番号を書いていくっス。
パティがそれを握って、みんな次々とくじを引いていったっス。
「「王様だ〜れだ?」」
「ふふ〜、私だよ」
泉先輩が高らかに掲げた割り箸には、確かに王冠のマークが。
「……よりによってこなたか……」
そう言ってかがみ先輩が頭を抱える。本気で嫌そうっス。
「失礼な。さすがに最初からアレな命令なんてしないよ〜」
いや先輩!顔がにやけてるっス!
というか盛り上がってきたらアレな命令とやらをするつもり見たいっスね……
まあ私も人のことは言えないっスけど!ふふふ……
「じゃあ、1番の人が7番の人に『大好き!』って言う、ってことで」
……けっこう定番っスね。ちなみに私の番号は5番なので関係なし。
「1番の人は誰かな?」
「…………はい」
そう言って手を上げたのは……岩崎さん!おお、この人の「ダイスキ。」なんて言う場面が見れるっスかーーー!?
「ふふふ、我ながら当てるの上手いな〜!じゃあ続いて7番の人!」
「…はい」
そう言っておずおずと手を上げた人を見て、岩崎さんの動きが止まったっス。
……先輩、当てるのが上手いにも程があるっス!!
いや、これはむしろ天の配剤、なるべきしてなった既定事項というべきかっ!?
なんと7番を引いたのは、
「ゆたか……?」
そう、小早川さん!期待通りの展開……っ!
「ささ、始めて始めて」
泉先輩に急かされて、2人は真正面に向き合ったっス。
「…………」
「…………」
2人とも頬が赤い。特に岩崎さんなんて耳まで真っ赤。初々しいっ!
あえて言おう、萌えであると!
何かを決意したように、岩崎さんは小さく頷いたっス。
「……ゆたか」
「……みなみちゃん」
そして岩崎さんはじっと小早川さんの瞳を見つめて。
「……大好きだよ、ゆたか」
棒読みではなく、しっかりと放たれたその言葉には深い感情が込められているように感じられたっス。
とてもじゃないけど演技になんて見えないよ岩崎さん……
「みなみちゃん……!」
小早川さんはそれに感激した様子で、岩崎さんに熱い(と思われる)視線を送り返して……
もうなんていうか感無量っス!
やはり『みなみ×ゆたか』は私の腐った脳みそに馴染む、本当によく馴染むッス!
百合!百合!YURIIIIIIIIIIIIIIIIIII(ユリィィィィィィィ)!!
はぁ、はぁ……自重しろ、自重しろ私……
まだゲームは、始まったばかりなんスから……!
【To be continued…】
378 :
11-618:2007/09/08(土) 03:23:07 ID:lsDPXDPN
お目汚し失礼しました。
とりあえず原型はできてるんで近いうちに投下できると……
では作業に戻ります
ゆりいいいいワロスwww
GJ
>>378 リアルタイムGJ!
あんまーい!
いやしかしまてよ、みなみが他の人に好きと言わされて
複雑な顔をするゆたかと、それに気付いてオロオロするみなみと言うのも(悶々)
>>378 GJ!
俺は1番がかがみで7番の人に嫉妬するこなたという妄想に取り付かれました。
383 :
ぶーわ:2007/09/08(土) 05:45:04 ID:A7AZNSvr
さんざ流れを無視してこな×かが投下させてもらいます。
↓五レスほど拝借します。あいかわらず分かりにくい内容で ゴメン。
「……暑い」
私の口から思わず声が漏れる。
部屋の人口密度は二人でも、パソコンから漏れる熱が温度を上げてるに違いない。
まったく、何であんたのパソコンはいつもつけっぱなしなのよ。
省エネって言葉を知らないの? まぁ、人の家の事だからいいけど。
「あははゴメンねー、クーラー壊れちゃっててさ。扇風機で我慢してよ」
そう言って部屋の主――こなたが寂しく首を振っている扇風機を叩く。
夏休みだというのに、こんな狭い部屋でこなたと勉強会。
といっても、例のごとく私のを写すだけなんだけど。
「ふひー疲れたー、もう駄目休憩ー」
そして例のごとく、集中力が続かず机に項垂れるこなた。
まったく、相変わらずなんだから。
まぁ私は終わってるから、あんたの宿題が終わるのが長引くだけなんだけど。
「でも確かに熱いねー、ちょっと風強くしよっか」
と立ち上がり、扇風機のつまみを回す。
「あ、ついでになんか持って来るよ。麦茶でいい?」
「んー、あーお願い」
確かにこう熱いと、こなたじゃなくてもやる気が出ないか。
群馬かどっかではもっと酷い事になってるとかニュースで言ってたっけ、想像もつかないや。
こなたもちょっとは戻ってこないし、扇風機の首も固定。
そのまま教科書を枕に寝転がる。
首振りを固定に変えただけでも、まるで違うもの。
肌を打つ風は心地よく、眠気も襲ってくる。
ああ、そういえば昨日も遅くまでラノベ読んでたっけ。
少しぐらいはいいか、どうせこなたが写してるのを待ってるだけだし。
……。
なんだろう。
少し、息苦しい。
というか、息が上手く出来ない。
口の中を何かが暴れてる感覚は、そこから痺れていくような錯覚を覚える。
ああ、分かった。
今……キスされてる。
目が覚めてるのに……夢の中みたい。
少しして、その口の感覚が消える。
それと同時に目を開けると、こなたが居た。
まぁ……今この家には、他に誰も居ないのだけど。
「目、覚めた?」
「……おかげさまで」
軽く嫌味を言ってやる。
もうちょっと長くても、とか思ったのは絶対言ってやるもんか。
体を起こすと、妙に距離が近かった。
もう本当に、目と鼻の先。
「じゃあ、改めて」
何が『じゃあ』なのか突っ込む前に、私の唇が奪われた。
汗と唾液が混じりあい、体は痺れていく。
もう、暑さなんてどうでもよかった。
むしろ扇風機の風が、邪魔なくらいに。
ただこの快楽に、身を任せていたかった。
でもその時間は、有限。
「あ……」
また彼女の唇が離れ、未練がましく口から声を漏らす。
「さすがにあっついねー」
と、また自分の所定の位置に戻るこなた。
何時の間にか机には、二人分のコップが置かれていた。
「ん、まだしたかった?」
「……別に」
こなたが悪戯に笑う。
絶対言ってやるもんか。
もうちょっとしたかった、なんて。
まだ、体の奥が熱い。
部屋の気温の所為だけじゃない、今のキスに決まってる。
麦茶でその熱を誤魔化すが、そう簡単には行かない。
私はそんななのに、目の前で黙々と宿題を写してるこなたが気に入らない。
大体今日だってそう。
宿題写させて、って言うから家に来たらおじさんも居ないし。
ゆたかちゃんは実家の方に帰ってるらしいし。
つまりは二人きり。
そんな所に「勉強しに来ない?」と誘われたらどうする?
結果はそれごらんのとおり。
その状況に、こなたは……人の気も知らないで、せっせと宿題を写してる。
私は慌ててばっかりで、馬鹿みたい。
「ねぇ、こなた」
「うんー?」
せっせと宿題を写しながら、返事だけはする。
顔ぐらいこっち見てもいいのに。
「私が男だったら……良かった?」
「ふぇ?」
>>378GJ!!これはらき☆すた6巻より続きが気になる名作だwwww
これ見ていろいろなネタが湧いてきたwwwwちょっと廃棄処分してくるwww
言ってやった。
ずっと聞けなくて、聞けなかった事。
私たちではどうにもならない、ただの妄言。
それに反応して、素っ頓狂な声と共に手が止まる。
「そしたら、ほら。キスだけじゃなくて、色々……その、出来るし」
ゴニョゴニョと語尾が消えていくのが自分でも分かる。
駄目だ、顔を見れなくなってきた。
「んー、確かに男っぽいかがみも面白そうかなー」
とか笑われる。
うう、人がかなり勇気振り絞ったっていうのに。
「でも、そんなのかがみじゃないじゃん? 私はかがみがかがみだから、好きなんだよ」
「へっ……?」
またこなたが作業に戻る。
私の頭を沸騰させたままで。
い、いや。そりゃまぁ、何回か言われてきたけどさ。
今の不意打ちはなんていうか……ずるい。
「どったの? 急にそんなこと」
「だ、だって……」
人の顔も見ないで今度はこなたから。
まだ頭の中が混乱してるため、言葉が上手く出て行かない。
だから、思わず言ってしまった。
……本音を。
「だって、私ばっかり……好き、みたいでさ」
『あの日』、私が言った。
好きだと言った。
そしてこなたは言ってくれた。
好きだと言ってくれた。
キスをしてくれた。
だけどそんなんじゃ……分かんない。
一緒に居るだけじゃ、分かんない。
キスするだけじゃ、分かんない。
そう……男の人だったら分かるのに。
だって、確かに結ばれることが出来るから。
確かに……繋がることが出来るから。
「ははぁ、なるほど」
と、そこでシャーペンを置く。
そしてようやく私の顔を見る。
うっ、しまった……もう目を離せない。
ちょっと怒ってるように見えるのは、気のせいじゃないと思う。
そしてそのまま私の目の前に。
「えいっ」
「んがぁっ!」
思いっきり指で額をはじかれた。
地味に効くんだ、これ。
てゆーか、何を突然……。
「いい? 一回こっきりしか言わないかんね」
「!」
思いっきりこなたの顔が顔の前に。
さっきも近かったけど、それの比じゃない。
しかも逃げられないように顔を両手で掴まれた。
眉間にシワが寄ってるのは、やっぱり怒ってるらしい。
てゆーか息がかかってるって!
鼻息も!
「わ、私はかがみより……」
私の目の前で、私の目を見て……こなたがゆっくりと呟いた。
「かがみが思ってるより……かがみのこと、好きだから」
「え……」
それが耳に入って、脳に届くまで時間があった。
その隙にもう一度……唇が交わった。
さっきよりは短く、優しいキス。
「……そんだけ」
そしてまた、踵を返して自分の場所に戻るこなた。
その表情は私と同じで……真っ赤だった。
そうだ。
私は何を迷っていたんだろう。
何てことはない、彼女も……一緒だったんだ、私と。
想いが届いてるのかただ心配で、冷静を装って。
何だかそう考えると、可笑しい。
どちらも探り探りで……何も出来なかったなんて。
「残念だったわね、こなた」
「?」
もう一度、こなたが視線をあげる。
大丈夫。
もうまっすぐに、彼女が見える。
あとは――言うだけ。
「私のほうが、あんたの事好きだから」
それは恋という喜劇。
愛という戯曲。
『あの日』現れた妖精は、私の瞳にオーベロンの媚薬を塗っていった。
それは花の汁から作られた、魔法の媚薬。恋の媚薬。
それをつけたらもう、彼女しか見えない。
そのまま私は、こなたに告白した。
さながら私はタイターニア。さながらこなたは……ロバでいいや。
だけど、その媚薬を作ったのは私――どうして? 私がそれを望んだから。
だけど、その媚薬を塗ったのは私――どうして? 私がそれを望んだから。
さながら私はオーベロン。
さながら私はパック。
だから、物語は終わらない。
タイターニアの恋は、終わらない。
だって魔法を解けるのはオーベロンだけだから。
――どうして?
私がそれを……望んだのだから。
それは恋という魔法。
愛という物語。
物語はハッピーエンドとは限らない。
物語はバッドエンドとは限らない。
それを決めるのは、私――私たち。
そう、これは私たちの物語。私たちの時間。私たちの夢。
『あの日』から始まった、終わらない夢物語。
永遠の――ミッド・サマー・ナイト。
――ねぇ、『貴方』には分かる?
――私の瞳に、私が、私の媚薬を塗った『あの日』がいつか。
――ふふ、それが私からの宿題。
――オーベロン妖精王からの、タイターニア妖精王妃からの、その弟子からの……柊かがみからの課題。
――さぁ舞い踊れ妖精たち、妖精王の名の下に。
――永遠の夏の夜の夢が、終わるまで。
390 :
ぶーわ:2007/09/08(土) 05:51:22 ID:A7AZNSvr
(完)
以上です。甘くしようとして失敗した感が否めません。
最近5レス程度のやつばっかりなので、次はちょっと長めの書いてみます。
>>390割り込みすいません。
そして一番槍GJ!!!
これは甘すぎる当分糖分とれないよww
最後の所は元ネタ分からなかったけど何かの神話かな?
そして長編な次回作も楽しみにしてます。
GJ!これはいいこなかが
最後のはシェイクスピアかなんか?
地に関する事なら全て見通せる地相眼という宝玉を天界から盗んで財を成した男が
ある日「新たな地相眼をつくるので息子を差し出しなさい」と、かなたさんから
警告を受ける所から始まるSSを書こうと思うのだが。
>>390 GJ
朝からいい感じに甘いですね。
ミッド・サマー・ナイト……真夏の夜の夢、かな。
>>378 GJ
これは、続きが気になりますね。
一体どういう絡みになるのか……
>>343の年表見て思ったけれど、ゆきさん(ゆい&ゆたかの母親)ってなんで埼玉にきたんだろう?
そうじろう&かなたさんは色々理由が想像できるのだけれど。
ゆい姉さんは一応埼玉出身だから、ゆきさんが埼玉に住むようになってからの子供?
>>390 充分甘いので無問題。むしろ甘酸っぱい。GL!
みなさんうまいですね
視点変更しないと話進められない俺の技量不足に嫉妬
>>374 今までのコメディ路線の話の中で一番面白かった
ひより、そのポジション俺と変わってくれ
パティの空気っぷりに俺が泣いた
アニメでも全く出てこないしキャラソン出すらしいが本当に売る気あんのか
そういえば、少し前のレスで絵がどうのこうの言ってたけど
自分のSSに自分で挿絵入れるのとかもあかんのん?
いやそれはアリだろ
別の4コマ作品だが、自分で書いた小説に挿絵を入れたいから
美術科に進学したってキャラが居てな……
これ以上はスレチかもしれないんで自重するが
ひだまりかwww
SS書いて、「誰かが挿絵描いてくれないかなぁ」とドキドキしている人もここに居るぞ
挿絵描いてもらえるぐらいに気に入ってもらえるなんてめちゃくちゃ嬉しいしね
このスレより素晴らしいスレを見たことが無い!
こなかが最高!!!!!!!GJ!!!
パチンコ「CRらき☆すた」を妄想してみる。
>>407 釘超渋そうだが要らん根性発揮して全ツッパそうだからやめてくれ
正直すまんかった……続き書いてくる。
らきすたに限らないけどそのうち萌え系のパチンコできそうだな
ツンモードとかデレモードとかあるやつ
朝鮮玉入れに金儲けのため自分の娘を売る美水……
見たくないな('A`)
だがアニメ版みてると美水の意思なんかおいてけぼりで
角川の意向だけで物事進んでる気がしないでもない
それはそれとして
>>378 ひよりの昂りっぷりが実にいい、GJ
>>400 パティはむしろアニメだと結構出現頻度高い気が。
一年生組の輪の中にしっかり入ってるところ見て、ちと感動した覚えがある。
原作は4巻以降の展開知らないんで、今はバリバリレギュラーで出てる、とか言われたらそれまでだけど。
投下させて頂きます。
多分10レス前後になるかと。
「久しぶりに、皆でカラオケ行かない?」
いつもの四人で歩く、いつもの帰り道。
珍しいことに、遊びの提案をしたのはかがみだった。
「たまには息抜きも必要でしょ。で、どうかな?」
「うん、いいよ! 行こう行こう」
「勉強ばかりだとストレスも溜まりますしね」
笑顔で同意する、つかさとみゆき。
「あー、ごめん。今日は私パス」
そう言って、ぽりぽりと頬をかいたのはこなただった。
こと遊びに関しては誰よりも情熱を燃やすこの少女にしては、少し意外な返答。
「何よ、バイトでもあんの?」
ちょっと不満そうに、尋ねるかがみ。
「いや、そうじゃないんだけど……」
こなたはどことなく照れたような表情を浮かべながら、言った。
「……実は今日、ウチのお父さんとお母さんの結婚二十周年記念日なんだよね。
だから、お祝いの準備とかしないといけなくて……」
「え、そうだったの」
予想していなかった答えに、かがみは少し驚いた。
「それはそれは……おめでとうございます」
「おめでとー、こなちゃん」
「えへへ……ありがとう」
祝福の言葉を贈る二人に、笑顔で礼を返すこなた。
「まあ、そういうことなら仕方ないわね」
「いやー、悪いねかがみ。せっかくのフラグを……」
「は、はあ!? あ、あんたはまたワケのわかんないことを……」
「違うよかがみ、そこは『べ、別にあんたと行きたかったわけじゃないんだからね!』って言わなきゃ」
「……はいはい」
相変わらずのこなたのボケに、溜め息で返すかがみ。もはや阿吽の呼吸に近い。
「でもすごいねー、二十年もの間、お互いを愛し合えるなんて。ちょっと憧れちゃう」
少しうっとりしたような表情でつかさが言う。
「そうですね。そのような相手に巡り合えること自体、まさに奇跡と言えますね」
おおらかな口調で同意するみゆき。
「私達も、いつかはそういう相手に出会えるのかな……」
どことなく遠い目をしているかがみ。
「ま、こんな話をしているうちはなさそうだけどネ」
そして、こんな空気をぶっ壊すのは決まってこなたである。
「あんたねー、もうちょっと場の空気ってもんを……」
「まあまあ、かがみならきっといつかそのうち多分素敵な人に出会えるよ」
「……あんた、遠まわしに馬鹿にしてるでしょ」
「してないしてない」
――そんな、いつもと何も変わらない、いつも通りの帰り道だった。
結局、カラオケはまた四人で行ける日に、ということになり、この日はそのまま解散となった。
「ただいまーっ」
家に着いたこなたは、いつもより三割増しの大声を張り上げた。
「あら、お帰りなさい。早かったのね」
エプロンで手を拭きながら、とたとたとかなたが出迎える。
「そりゃあね。今日はトクベツな日だもん」
「もう、こなたは大げさなんだから」
なぜか誇らしげに言うこなたに、かなたは思わず苦笑する。
「さあて、私も早く手伝わなきゃ。ゆい姉さんはもう来てる?」
「さっき、もうすぐ着くって電話があったわ」
「おーけーおーけー、いよいよ役者が揃ってきたね。さあ早く着替えてこようっと」
とててて、とこなたは階段を駆け上っていった。
そんな娘の背中を、かなたは微笑ましそうに見つめていた。
その後、手伝いにやって来たゆいに、学校から帰ったゆたかも加わって、泉家の台所は一気ににぎやかになった。
「お父さん、いつ頃帰って来るかな?」
じゃがいもの皮を剥いていた手を止めて、こなたはかなたに尋ねた。
かなたはうーんと人差し指を口に当て、時計を見ながら答えた。
「担当さんとの打ち合わせって言ってたから、七時くらいには帰れるんじゃないかしら」
「よーし、じゃあそれまでには完成させて、お父さんをびっくりさせないとね」
腕まくりをして、こなたは再び作業に取り掛かった。
その瞳はどこまでも爛々と輝いていた。
かくして、時計の針が七時を示す頃には、豪華絢爛な料理の数々が食卓を彩っていた。
「ふぅ〜、なかなか頑張ったねぇ」
額の汗を拭いながら、満足げなゆい。
「おじさん、早く帰って来ないかなぁ」
そわそわしながら、時計と料理を交互に見ているゆたか。
そんな二人とは対照的に、こなたは心なしかぼんやりとした表情で、一人、椅子に腰掛けていた。
「どうしたの? こなた」
そんなこなたの様子を見て、かなたが少し心配そうに声を掛ける。
「ん……なんか、不思議な感じがして」
「不思議な感じ?」
「うん。なんていうか……こういう日をこうやって皆でお祝いできるのって、実はすごいことなんじゃないかな、とか考えちゃったり」
いつになく、しんみりした声で言うこなた。
「こなた……」
かなたはそっと、こなたの頭に手を置いた。
「お母さん?」
「そうね……そうかもしれないわね」
「…………」
「私とそう君の結婚記念日を、こうしてこなたや、ゆいちゃん、ゆたかちゃんが祝ってくれて……
それは実は、奇跡みたいなことなのかもしれないわね」
かなたは、どこまでも優しい目をしていた。
「……二人とも、急にどしたの? しんみりしちゃって」
なんとなく別の世界にワープしそうな親子二人に、ゆいが声を掛ける。
「ん……何でもないよ、ゆい姉さん」
「ええ、何でもないわよ、ゆいちゃん」
瓜二つな笑顔で返す、こなたとかなた。
「んー、まあ、それならいいんだけど」
なんとなく引っかかりは感じるものの、幸せそうな二人の表情を見ていると、ゆいもそれ以上追求しようという気にはならなかった。
「そだ! ゆい姉さん!」
そんなしんみりムードを取っ払うかのように、こなたが声を上げた。
「ん? どったの?」
「アレ、買って来てくれた?」
「ああ、アレね! もちよもち!」
ぐっと親指を立てるゆい。
「「?」」
キョトンとしているのはかなたとゆたかだ。
「こなた、ゆいちゃん。何なの? アレ、って」
なんとなく嫌な予感を抱きながら、尋ねるかなた。
「「ふっふっふっ……」」
こなたとゆいの目が怪しく光った。
「ただいま〜」
そうじろうは家の扉を開くと、いつもより気持ち大きめの声を出した。
「…………」
しかし、返ってきたのは沈黙。
「あれ?」
訝しげに思いながら、廊下を歩く。
「聞えなかったのかな?」
独り言を呟きながら、そうじろうがリビングのドアを開くと……
パーン!パーン!パーン!パーン!
耳をつんざくような四連続の破裂音に、思わずそうじろうは目を瞑った。
「お父さん、お母さん、結婚二十周年おめでとう!」
続いて、これまたそうじろうの鼓膜を震わす大きな声が響く。
そうじろうがゆっくりと目を開くと、笑顔を称えた四人の姿が目に入った。
「???」
そうじろうは、何がなんだかわからない、といった表情をしている。
ふと、そうじろうは、何かが頭に乗っていることに気付いた。
手に取ってみると、それは色とりどりの紙テープだった。
そして目の前には、悪戯に成功した子供のような表情を浮かべている、こなた。
その手に握られている物を見て、そうじろうはようやく、自分を襲った現象が何だったのかを理解した。
「まったく……心臓が止まるかと思ったじゃないか」
「えへへ、ごめんごめん」
「でも……ありがとうな、こなた」
「……ん」
そうじろうの感謝の言葉に、こなたはちょっと照れくさそうな笑みを浮かべた。
「いやいや、ホント〜におめでとうございます」
「これからも、ずっとずっと、夫婦仲良く過ごして下さいね」
こなた同様、クラッカーを手に持ち、とびっきりの笑顔で祝福の言葉を贈るゆい、ゆたか。
「ああ、ありがとう。ゆいちゃん。ゆーちゃん」
……そして。
「お、おめでとう……そう君」
少し恥ずかしげに、頬を赤く染めて言う、かなた。
例に漏れず、その小さな手にも、やはり祝いの小道具が握られていた。
「かなた……何も、お前までやることないんじゃないか?」
「だ、だって……こなたやゆいちゃんがどうしても、って言うんだもの」
バツの悪そうな顔をして、もじもじとしているかなた。
そうじろうはふっと溜め息を一つつくと、その小さな体を抱きしめた。
「あ、ちょ、そう君……」
「……おめでとう、かなた」
「……うん」
すっぽりとそうじろうの腕の中に収まってしまったかなたを、こなた達は微笑ましく見つめていた。
……その後の晩餐は、いつになくにぎやかなものとなった。
笑いの絶えない、幸せに満ち溢れた食卓。
そうじろうとかなたにとってはもちろん、こなた、ゆい、ゆたかにとっても、最高の結婚記念日となった。
しかし、時間はいついかなる時も平等に流れるもので、楽しい宴も夜の十一時を回ったあたりでお開きとなった。
明日も仕事のゆいは名残惜しそうに帰宅し、ゆたかは宿題があるからと自分の部屋へと戻っていった。
そんなわけで、今テーブルについているのは泉家の親子三人だけとなっている。
だがそれでも、楽しげな雰囲気に変わりはなかった。
「でさー、かがみがね……」
「あらあら」
「ははは、かがみちゃんらしいな」
楽しそうに話すこなたに、笑顔で相槌を打つかなたとそうじろう。
温かな空気が、その場を包んでいた。
「……おっと、そろそろ風呂が沸いた頃だな。どうだ、たまには親子三人水入らずで――」
にこやかに言いかけたそうじろうだったが、刹那、かなたの氷の如き視線に射抜かれ、思わず言葉尻を飲み込んだ。
「じょ、冗談だよ、かなた……」
「……まったく、こなたはもう年頃の女の子なんですからね。そういう冗談は慎んでください」
「わかってますって……あ、じゃあ俺と二人で入るのはいいのか? かなた」
「なっ!」
そうじろうの発言に、ボッと茹蛸のように赤くなるかなた。
「も、もう! いいから、早く入ってきてください!」
「はは、それじゃあお先に……」
なかば急き立てられるように、そうじろうは風呂場へと去って行った。
「もう……ほんと、いくつになっても変わらないんだから」
「………」
まだ顔を赤くしているかなたを、こなたがにんまりとした表情で眺めていた。
「な、何? こなた」
「ん〜? 別に〜?」
にやにやとしているこなたを見て、かなたはますます赤くなった。
「あ、あんまり親をからかうんじゃありません」
「だってかわいいんだもん、お母さん」
「か、かわ……」
「あ、そうだ。食器洗わないと」
また沸騰しそうになったかなたを尻目に、こなたはすっくと立ち上がった。
台所の前に立ち、蛇口をひねる。
涼しげな水の音が、部屋に響いた。
「……ねえ、お母さん」
「な、何?」
まだ何か言うつもりなのかと、身構えるかなた。
しかしかなたの意に反して、こなたはいつになく真剣な声で尋ねた。
「お母さんはさ、なんでお父さんを選んだの?」
「えっ……」
「…………」
蛇口から出る水の音と、スポンジで食器を擦る音だけが、無機質に響く。
「な、なんでって……そうねぇ」
おほん、と軽く咳払いしてから、かなたは言った。
「……あの人が、唯一絶対の自信を持っているところを、私に見せてくれたから……かな」
「絶対の自信? 何それ?」
「ん〜……それはまた今度」
「えぇ〜。何それ、ずるい〜」
「だ、だって……恥ずかしいんですもの」
食器を洗っているこなたからは、かなたの様子をうかがい知ることはできなかった。
だが、きっと幸せそうな顔をしているんだろうなと、こなたは思った。
それからしばらくの間、こなたは背中越しにかなたとお喋りをした。
どんなに他愛のない話でも、かなたは一生懸命耳を傾け、相槌を打ってくれた。
それはこなたにとって、何より嬉しいことだった。
そして、何より楽しいことだった。
……でも、なんだろう?
この気持ちは。
楽しいはずなのに、どこかで大きくなっていく、この気持ちは……
まるで、気付いてはいけない何かに、気付きかけているような……
……いや、違う。
これでいい。
これでいいんだ。
母と。
父と。
従姉妹たちと。
親友たちと。
皆で過ごすこの日常に、嘘があるはずなど……ないのだから。
自分の中で膨らんでいく、とりとめのない、もやもやとした感情を消し去るように、こなたは饒舌に喋り続けた。
かなたは変わらず、楽しそうにこなたの話を聞いていた。
……それからほどなくして、こなたの話が一段落した時だった。
「……ねえ、こなた」
「…ん?」
「……お母さん、そろそろ……」
「――」
その時、食器を洗っていたこなたの手が止まった。
「……ごめんね……ほんとはもっと…」
「…………」
「こなたと、一緒に……」
「…………」
蛇口から流れる水の音だけが、冷たく響いていた。
「あ! そういえばお父さん! お風呂長くない?」
不意に、大きな声でこなたは言った。
いつの間にか、その顔からは笑みが消えていた。
「うん、長い! 長いよこれ絶対! 私、ちょっと様子を……」
「…こなた」
優しく、それでいて少し強めの、かなたの声。
「…………」
「ごめんね、こなた…」
心から申し訳なさそうに言う、かなた。
「……やだ」
だがこなたの口から出たのは、拒絶の意思表示。
「……こなた……」
「やだ」
「…………」
取り付く島もない、といった感じのこなたの口調に、かなたは困惑気味の表情を浮かべる。
「……ごめんね」
「やだぁ!」
こなたは手に持っていたスポンジをシンクに叩きつけると、勢いよく振り返った。
と、同時に驚いた。
かなたが、いつの間にか自分の真後ろに立っていたのだ。
かなたは、透き通るような優しい目で、こなたを見つめていた。
「……やだ、よぅ……」
こなたはぎゅっと、かなたに抱きついた。
こなたの瞳から、大粒の涙が零れる。
「……大きくなったわね。こなた」
かなたもそっと、こなたの体を抱きしめる。
「……お母さんが小さいんだよ……」
「ふふ……そうね」
かなたはいとおしそうに、こなたの頭をゆっくり撫でた。
でも、こなたの涙は止まらない。
「なんで……なんでなの……?」
「…………」
「私だって、もっとずっと、一緒に……」
「ごめんね……こなた」
かなたは両手をこなたの背に回し、ぎゅっと抱きしめる。
強く、しかし優しく……抱きしめる。
「ありがとう」
その言葉と共に、背中にあった感触が薄らいでいく。
こなたがはっと顔を上げると、にじんだ視界に母の顔が映った。
「おかあ……さん……」
最後に見た母の顔は、全てを包み込むような……柔らかな笑顔だった。
……涙を拭い、ゆっくりと目を開く。
そこにはもう、何もなかった。
暫くの間、こなたは呆然と立ち尽くしていたが、ドアの開く音で我に返った。
「ふぅ〜、いい湯だった〜」
タオルを首に巻きながら、ほくほくと湯気を立ち上らせてそうじろうがリビングに入ってきた。
「ん? どうした? こなた」
「ん……何でもない」
こなたは再び洗い場に向き直ると、スポンジを手に取り、少し水でしめらせた。
「……ねえ、お父さん」
「ん?」
食器を洗いながら、こなたは尋ねた。
「お母さんのこと、今でも愛してる?」
蛇口から流れる水の音。
スポンジで食器を擦る音。
そしてこなたの耳に届く、たった一つの言葉。
「もちろん」
――ねえ、お母さん。
お母さんの居場所は、ここにあるから。
ずっとずっと、ここにあるから。
だから、またいつか……。
ね、お母さん。
fin.
以上です。
予想より少な目の7レスで済みました。
読んでくださった方、ありがとうございますm(__)m
おかしいな・・・さっきから目から汗が出て止まらないんだが
部屋はクーラーが効いてるはずなのに目から汗が出てくる
台風一過の残暑で汗をかきつくしたハズなのに目から汗が止まらない
>>421 2レス目くらいからニヤニヤし始めたのに
5レス目からはなんか目頭が熱くなり始めたGJ
ディスプレーのちょうしわるいのかなー、画面がぼやけるんだが
なぜか目と鼻からも汗が止まらないんだが
目と鼻がぶっ壊れた。
ホントにこのスレの泉家への愛は凄まじいなぁ……
ちょっと病院行ってくる
鼻と目からなんか出てくる
あれ、花粉症ってこの時期だっけ。
いつも涙と鼻水が止まらないのは春だと思ったんだけど……
とにかくGJです
おしっこが止まらなくなった
ちょっとトイレ行ってくる
鼻から涙出た
俺の涙腺ダムが見事に決壊した
「雨が降ってきたな」
「……こなたはまた何言ってるの? 雨なんて降ってないじゃない」
「いや、雨だよ……」
「?」
「ハーイ! コナタ、それはハガ●ンのロイですネ!!」
「うわ、パトリシアさんいつから……いや、どこから現れたの」
「ふふん、流石パティだね。一発で元ネタを見抜くとは」
「Yes. このくらい、ニホンに住んでいるなら、わからなきゃダメダメでス!」
「またアニメのネタだったの……」
とどのつまり、何がいい対価というとGJ
>>421 GJすぎる。ふれあえないはずの親子のふれあいっていいなあ・・・・
ちょいとお前さんこの目の蛇口を直しておくれよ
まとめWikiで検索して、かなたさんが出てくる作品を調べてみた
[かなたさんが一時的に戻ってくる作品]
・いつまでも、この場所で
・おかあさん
・てけてけかなたさんシリーズ
・メスィドール
・CROSSING
・Welcome Back(おかえりなさい)
・寒さ暑さも彼岸まで
・憑依な一日
[かなたさんの過去のお話]
・グラヴィティ
・メロディー
・in old days...シリーズ
・古祀
・小さなてのひら
・二人の足跡 −アキハバラ1988−
[かなたさん自身は出ていないけど話に関わっている作品]
・あまごいこなた、おもいでかなた。
・こなたの母親
・こなたよりかなたまで
・すじ雲
・アンジャベル
・私の居場所
・穫れたてを、あなたにも
・HOME
特筆すべきは、22話よりずっと以前からかなたさん系の作品が出ていたというところか
いつの間にかスレ内でも「かなたさん」という呼称が定着してるしw
少ない情報でよく骨太なお話を書いてきたもんだと思う。作者の皆さんGJ!
>>435 22話でそうじろうとかなたさんのデートのシーンでフィギュアとか見てるシーンあるけど
当時秋葉にそんな店はないよな…と思った時点で「アキハバラ1988」は凄いと思った。
…あれが秋葉原じゃなかったらちょっと困るけど
>>421 GJとしか言いようが無い
読んでるうちにあのBGMが脳内再生されるから困る
>>435 乙
コトブキヤ立川本店かな……?
40年位前からあったはずだし
>>405 サーセンorz
挿絵描きたいと思ったSSは山ほどあるんだけど……
>>420 ……あまり私を泣かせないほうがいい……(ビキビキ、じゃなくてウルウル)
>>436 てかあれ、秋葉原とは限らないのでは?とか思ったり。
上段中央に、マクロスのVF−X4が乗ってるのが芸コマ。
OVAにしか出てこなかった幻の機体。
当然、プラモも出なかったはずだからフルスクラッチ?
>>420 :::::::::::.: .:. . ∧_∧ . . . .: ::::::::
:::::::: :.: . . /彡ミ゛ヽ;)ヽ、. ::: : ::
::::::: :.: . . / :::/:: ヽ、ヽ、i . .:: :.: :::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
gj
>>420 俺の目の水門が決壊しちまったじゃねーか
>>435 何となく思い立って、かなたさんが初めて取り上げられたSSを探ってみたんだが、
尼野録氏の「あまごいこなた〜」が最初っぽいな。
で、実際に登場したのは妄想屋氏の「Welcome back」(こなたの体を借りてだけど)が初。
以降、様々なかなたさんSSが書かれ、このスレとともに育っていったと。
443 :
11-618:2007/09/08(土) 22:16:20 ID:/Z3Uudy+
スマン、ここでかなたさん一色の流れを読まずに
>>374のひより視点の続き投下。
今回も4レス程になるかと。
444 :
11-618:2007/09/08(土) 22:18:13 ID:/Z3Uudy+
「ゆたか……」
「みなみちゃん……」
このままいくと抱き合ってキスでも始めそう……って雰囲気になった所で、
「は〜い、そこまで。それから先は2人っきりの時にやってね〜」
泉先輩がストップをかける。
完全に2人の世界に入っていた岩崎さんと小早川さんは、
顔をこれ以上ないほど真っ赤にしてうつむいてしまったっス。
うん。正直あれ以上続けられてたら危なかった、私の理性が。倒置法。
ナイス判断っス先輩。
まあ少し残念っスけどね。
「ホントの告白みたいですっごかったね〜!」
「私もあんなに真剣なみなみさん、初めて見ました……」
後ろではつかさ先輩と高良先輩がやや興奮した感じで話しているっス。
……やっぱり私の脳内補正のせいだけじゃなかった様子。
やっぱ美しいものは万人共通!やっと時代が私に追いついたっス!
私が一人目から汗を流していると、
「ベリーベリーグッドデスね!名残惜しいデスが、二回目始めまショウ!」
いつのまにか進行役になったパティが言ったっス。
こういう人が1人いると実に助かるんだよね。ちなみに私はまた5番。
そして王様を引いたのは他でもないパティだったっス。
曰く、
「2番と3番でポッキーゲームデス!」
「いやポッキーゲームまで知ってるんスかパティ……」
「愚問デス!王様ゲーム、そして何よりギャルゲーの定番イベント!これくらいは一般教養の範囲内デス!」
「だから違うって……」
律儀にかがみ先輩がツッコミを入れるっス。
そしてお待ちかね、その2番と3番とは……
「私のようですね……」
少し困り顔の高良先輩と、
「頑張ろうね、ゆきちゃん!」
ポッキーゲームの意味をよく分かっていない様子のつかさ先輩だったっス。
いや、先輩、頑張るってちょっと!
もちろん私的には頑張って頂きたいっスけど!
……そんなつかさ先輩も、ゲームについて説明を受けると途端に慌てて真っ赤になってしまったっス。
やっぱり天然は、いいなあ……!
ちなみにポッキーはちょうど机の上にあったやつを使うことに。
貧弱貧弱ゥ!な極細のそれではなく、結構太め、かつ短いやつなので、コレは期待できるっ!
実は極細もあったんだけど、すぐ折れてしまってはアレなので事前に私が片付けておいたっス。
いえいえ、あくまでゲームを盛り上げるため、他意はないっスよ?フヒヒ…………
「では、つかささん」
やや緊張した面持ちで、高良先輩がポッキーの端を口にくわえる。
相手にチョコの方を差し出すあたり、さすがの気遣いっス。
「いくよ?ゆきちゃん。……ん」
つかさ先輩がポッキーのもう片端をパクッと口にくわえて、ゲームスタート。
ポリポリ、とやや間抜けな音が立つたび、2人の顔が、唇が近づいて……
もうお互いの顔しか見えてないみたい。
ちなみに皆の視線はポッキーに釘付けっス。
にしても、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
まさか、リアルポッキーゲームがこんなに素晴らしいものだとは!
2人ともおにゃのこ座り、顔を前に突き出して、真っ赤になりながらも一生懸命ポッキーを齧る姿に萌ええええ!
頑張るっス高良先輩!頑張るっスポッキー!!
負けないでつかさ先輩!折れないでポッキー!!
最後まで齧り抜けて、っス!!
もう2人の距離は曖昧3センチ、マジでキスする5秒前!!
私たちの目は猫科動物の如くに拡大、決定的瞬間を捉えるべく瞬きひとつしないっス!
ウェルカム!ファーストキスから始まる、2人の恋のヒストリー!!
……しかしそんな周囲の、というか主にオタク3人の期待を嘲笑うかのように、
「「「……あ」」」
無情にもポッキーはポッキリと(シャレじゃないっスよ?)折れてしまったっス……
むーざんむーざん。
「お、折れちゃいましたね!」
「も、もう少しでキスするとこだったよう……」
ほっとしながらも、少し残念そうな(気がする)お2方。
もちろんその顔は真っ赤。
チラチラとお互いの顔を覗いて、視線が合うたび恥ずかしそうに俯く姿が初々しくて萌えるっス。
「せ、接近3ピクトだったのにぃ……うおおおおおんあんまりだァァァァァ」
「この世に神は居ないデスか……」
非常に残念そうなオタクの2人。いや、私も混ぜたら3人っスね。
私たちも真っ赤っス。……主に両目が。
オロオロとお互いの顔を覗いて、視線が合うたび無念そうに涙を流す姿が痛々しくて見苦しいっス。
まさにオタ涙目、ってやつっス……。
ハハハ……リアルだと全然、笑えないっス……
【To be continued…】
448 :
11-618:2007/09/08(土) 22:28:21 ID:/Z3Uudy+
ス語が多いって言われるよ
でもそんなの関係ねぇ!
ってわけで第二話でした。
にしても短く区切りすぎた……申し訳ない。
続編は多分今夜中に出せると思われ。
>>447 GJです !!!
ひより輝いてるよひよりw
アニメだと少しウザかったけど、お話がギャグになると途端に輝くキャラですねw
続きも楽しみにしています♪
>>448 ひよりのハイテンションぶりに笑いが止まらないw
次の命令に期待
>>448 ひより盛り上がりすぎGJ!www
リアルポッキーゲーム…しかも女の子同士…ひよりじゃなくても盛り上がるけどもwww
15分後くらいから投下させていただきますー。
カップリングっていうよりコンビ、ふゆき先生&ひかる先生で。
>>448 GJ。
随所にネタがちりばめられててニヤニヤしながら読ませていただいた
それでは、予告どおりいかせていただきます。
タイトルは―親友なあなた―
キャラはふゆき先生&ひかる先生
2、3レスになると思われます。
22話のひよりは空気嫁なさすぎてうざかったがこのひよりはいいなwGJ!
「なー、ふゆきー」
――私の親友は、体が小さくて
「おーい、ふゆきー?」
――それでいて、私の中でとても大きな存在で
「ふーゆーきー?」
――学生の頃からの親友
「…無視か、無視なのか」
「え、あ、ごめんなさい。なんですか?ズル休みはダメですよ?」
――それがあなた
―親友なあなた―
「ふゆき、なんかえらくボーッとしてるな?なんかあったのか?」
いつものパイポを口にくわえ、私の顔を覗き込むあなた。
「まさか、保険医が体調不良か?」
医者の不養生ってやつだなぁ、とケラケラ笑うあなた。
「意外に抜けてるもんなぁ、ふゆきは」
ニヤニヤしながら私をみつめるあなた。
きっとあなたにとっては何でもない行為。
でも、そんな行動の一つ一つが見ていて楽しくてたまらない。
……保護者、なんですかね?私って?
「…おい、ふゆき。ホントに大丈夫か?」
その一言で、また考え込んでいたことに気付く。
「えぇ、大丈夫ですよ。
抜けてるって言っても、桜庭先生よりは家事とかもできますし」
「…む、こりゃまた厳しいな。というか聞いてたのか」
開いていた目を細めて汗をかきながら視線をそらす彼女。さっきのお返し、いい気味です。
「…なぁ、いつになったら学校で私のこといつもどおり呼んでくれるんだ?」
ふと呟くように問い掛けてくる。この問いもこの答えも何度目だろう?
「私に言わせれば、桜庭先生こそ『先生』ってつけてくださいって話ですけどね?」
学校を出ればいつもどおりあなたの名前を呼ぶけれど。学校では決して呼ばないことにしてますし。
え、なぜかって?学校でしか呼べないでしょう?「先生」だなんて。
名前で呼ぶのもいいけど、いろいろな呼び方をしてみたいでしょ?
――親友だもの。
だからここではあなたを先生と呼ぶ。これからも、ずっと。
なんといわれようと、ね?
458 :
6-327:2007/09/08(土) 23:27:19 ID:rvRjSXd8
と、いうわけで、ふゆき先生とひかる先生でした。
……ふゆき先生が動かし辛すぎるよ、ママンorz
でもメインに据えちゃった自分はきっとドM……
五巻を読んでたらどうしてもこの二人が書きたくなってしまって。
ひかる先生は呼び捨てなんだから、ふゆき先生が呼び捨てしないはずはない
↓
なんで学校で先生をつけさせたいんだろう?
という疑問を自分なりに消化したものです。
いろいろツッコミどころがありそうですので、どしどしお願いします。
では、失礼しました。
新キャラGJです
新し目のキャラはまだ設定が分からなくて動かしづらいですよね
それでも書いてしまうのが物書きの性
愛だよ、愛
GJっス
天原先生は純粋培養のお嬢様だもんな……
敬称をつける癖が自然とできていたり
桜庭先生に教師としての自覚を持ってもらいたかったり
可能性は無限d(ry
>>462 神杉ワロタwwwwww超GJ!
ライフ見て笑ってたら家族から超非難あびたぜ
ひかる×ふゆきが読みたくなってきた件
職人様頼むんぜ
465 :
11-618:2007/09/09(日) 01:09:39 ID:na/yJmXl
頃合になった気が(勝手に)するので
>>444のひより視点の続き投下。
今更ながら、444って数悪いな……
今回も多分3、4レスです。
「じゃあ3回目始めるわよ。……ちょっとそこの3人!いつまで落ち込んでるのよ」
さっきの一件ですっかり意気消沈したパティに変わって、かがみ先輩が進行役を引き受けることに。
最初渋ってた割りに、結構ノリいいっス。
というかやっぱり世話焼きさん?いいお嫁さんになるタイプっスね。
「はいはい、みんな速く引いて」
学級委員をしていただけあって仕切り能力もなかなか……
お、今回も5番っスか。これで3回連続っス。
……ハッ、これは555(ファイズ)!?
スリーセブンも捨てがたいっスけど、個人的にはコッチもいいっスね!幸先いいっス!
「あ、私が王様みたい」
「頑張って、ゆたか……」
今度の王様は小早川さんみたいっス。
「どうしようかな……」
ゲームなのに真剣に考える彼女の姿、いいっスね!
「やっぱ可愛いなあ……」
つい口に出してしまったっス。
「オゥ、ワタシはユタカを見つめるミナミに萌えマスね」
パティがニッコリ笑って言った。うんうん。分かってるねっ!
ピシガシグッグッ、そんな感じに意気投合。
さっき泣いたカラスがなんとやら。そうかがみ先輩が言うのが聞こえるっス。
……まあ、落ち込みやすいわりに、すぐ立ち直るのがオタクの性質なんスかねえ?
そんな風に私が考察している内に、小早川さんは命令を考えついたようっス。
「じゃあ、6番の人が7番の人を、お姫様抱っこして下さい」
さすが童話とか好きなだけあって命令もロマンチックだなあもう!
「オゥ!ワタシ6番デス!」
妙に張り切った感じにパティが手を上げるっス。
そして、
「……7番は私ね」
そう言って立ち上がったのは、か、かがみ先輩じゃないっスか!
「オゥ!グレイトデス!ツンデレ巫女さんを抱っこスル日が来るとハ!
巫女巫女ナース!巫女巫女ナース!!」
パティはますますテンションを上げて、手を振り回しているっス。
「私はツンデレじゃないっての!……ていうかナースってなんだ」
ふふ、ツンデレを否定する時点でツンデレ確定なんスよ……先輩……!
でも……アレ?普段なら真っ先に乗ってくるはずの泉先輩が、なんかテンション低いっス。
「…………」
自分の割り箸と、それからパティを恨めしげに見つめて……
ってこれはもしかしなくても……嫉妬ってやつっスか!?
……先輩には悪いけど、子供みたいに口をへの字に曲げてるその姿には正直、かなり萌えるっス……
例えるならちょうど、天上天下唯我独尊ヒロインが、主人公とのペアになり損ねたようなっ!
しかしそんな視線に気付いていないのか、パティは、
「デハ早速いきまショウ!」
「ちょ、ちょっと!」
言うが早いか、かがみ先輩に腕を回し、一気にお姫様抱っこ。
その『大いなる形』を体現したっス!
金髪美少女に抱えられるツンデレヒロイン(絵的に)ってのは、なかなか新鮮っスね!
……さすがにパティは背が高いからこういうの映えるっス。
さっきまでとはうって変わって、オトナっぽい表情で微笑んでいるあたり役者だな〜。
見てる人を思わずうっとりさせるような、そんな顔っス、ハイ。
その端正な顔立ちを間近で見ているかがみ先輩、少し頬が赤いっス。
せっかくっスから、かがみ先輩スカートはいててくれれば良かったんスけどねー!
そのままの体勢で少し回りを歩き回った後、パティは満足気に笑って、かがみ先輩を降ろしたっス。
「フフ、どうデス、ドキドキしましたカ?」
ニッコリ微笑むパティ。
「まあ、ちょっとだけ、ね……」
かがみ先輩は小さな声で呟くと、目を逸らしてしまったっス。
「オゥ!最後までグッジョブデスね!ツンデレ!ツンデレ!!」
またパティは腕をすごく…おおきく振りかぶって、踊り始めたっス。
やっぱこっちが素なんスかね。
「だからツンデレじゃないっての!」
恥ずかしそうに叫ぶかがみ先輩。
そんな2人を泉先輩が面白くなさそうにジト目で見つめてたっス。
ふだんおどけている分、そういう本音の態度とのギャップが……グレートですよこいつはァ!
…ていうか先輩、なんて表情をするんスか…! こいつは…やばい…っス…
【To be continued…】
初のリアタイ
これはニヤニヤせざるを得ない
gj、続き楽しみにしてます
470 :
11-618:2007/09/09(日) 01:21:24 ID:na/yJmXl
今回は少し大人しめ(?)になってしまい、
ハイテンションを期待してた方には申し訳ないです。
次回は今回足りなかった分まで色々頑張るんで。
明日の夜まではなんとか……
ちなみに当初はこの話は考えてなかったんですが、
>>400のパティへの愛に負けたwww
感想には作品に使えるネタが多くて助かります
>>468 おお、やきもちこなた! 良いなあ、可愛いなあ。
GJしつつ、全裸待機に入ります。
>>468氏
素晴らしい、素晴らしい!ニヤニヤせずにはいられない。超GJ!
しかし、これだけ投下の間隔狭いなら一気に書いちゃってから投下でも良くないかな?
……はい、どう考えても一回でたくさん読みたいだけです。本当にすいませんでした。
やきもちこなたってのもええなあ
>>468 GJすぐる
これはもう、今から浪漫飛行の体勢で待機するしかない。
475 :
最早:2007/09/09(日) 01:31:42 ID:1RrI8ix6
パティに嫉妬なこなたかあいいよこなた
とGJしつつ例によりFateパロのSS続き投下。
注※
・エロなし
・説明回
・独自設定あり
それでも良ければどうぞ。
嫌なら「最早」をNGワードに。
476 :
最早:2007/09/09(日) 01:33:23 ID:1RrI8ix6
『Raki/sta ynight
開幕』
「……どないなっとんねん、泉が二人で片方は七人目のサーヴァント……ああ、もう頭こんがらがってきたわ!!」
ななこは訳が分からない様だが、こなたは気が付いていた。
その“二人の泉の片方”、“七人目のサーヴァント”が、死んだはずの母、かなたであることを。
「……久しぶりね…会うのはこなたにとっては始めてかしら…」
こなたにも分かるその幼い頃にみたはずの懐かしい面影。
「お…お母…さん……?」
こなたは恐る恐る尋ねる。その質問の回答者はにこりと笑うと、
「ええ、そうよ。わたしは、あなたの、お母さん。」
かなたははっきりと、そう答えた。
突然の成し得ない再会に呆気に取られているこなたとは対照的に実に冷静なかなた。
と、かなたが背中の方へ語り掛ける。
「ふふふ……出来ればこのまま時を越えた再会を祝いたいのだけれど……あなたはそうさせてくれないみたい。」
こなたの方を向いていたかなたがくるり、とななこの方を向く。
「………見た所、クラスはランサー、といった所かしらね…」
「……いかにも。ウチはサーヴァントの三騎士の一人、ランサーのサーヴァント。……ほな、クラスも教えた所で、」
ななこは槍を構え直し、かなたに走り迫る。
「早速、殺り合おうやないかぁっ!!」
477 :
最早:2007/09/09(日) 01:34:09 ID:1RrI8ix6
しかし、距離を詰められてもかなたは剣を抜くでなく、身構えるでもなく、ただ立ち尽くすのみ。
「はっ、ランサーと武器なしで戦おうとするたぁええ度胸やないけ!!」
ななこの槍が、かなた目がけて突かれる。が、かなたはそれを今まで手に持っていた“見えない何か”で受け止めた。
「なっ!?」
ななこは突然の硬い衝撃に驚き、ワンステップ後退する。
「ちっ、『不可視の剣』って事かい……」
ななこは忌々しそうに呟く。
「そういえば…あなたにはまだクラスを言って無かったわね……私のクラスは三騎士のサーヴァントの一人、セイバー。……私とお手合せ、願おうかしら?」
かなたはその不可視の剣を正眼に構える。
「……セイバー、なぁ…相手にとって不足なしや、存分に殺り合おう…
と、言いたい所やけど、ウチ戦闘するなら手早く終わらせぇマスターに言われててな…悪いけど、これ使こうて一撃で決めさせて貰うで。」
ななこはそう言うと槍を下段に構え直す。
すると構えた赤い槍の先端の刃に殺伐とした凶々しさが収束されてゆく。
「ぶっ刺して(ゲイ)、」
ななこの槍が槍先を震源にして血に餓えた狂犬の様に震えだす。
「穴開ける槍(ボルク)!!」
ななこがそう叫んだ刹那、槍先がグニャリと歪む。
かなたは歪みの真の意味を悟った時には既に遅く、
そしてその後庭に響くズシャリ、という嫌な音。
かなたの身体に、槍は既に刺さっていた。
478 :
最早:2007/09/09(日) 01:34:52 ID:1RrI8ix6
音が聞こえた瞬間、ななこは心の中でほくそ笑んだ。
(…槍を心に放つという原因より先に、槍が心に命中するという結果を与える、因果のコトワリを捻じ曲げる槍、
それがウチの宝具、ぶっ刺して穴開ける槍(ゲイボルク)…これを食らったら最優のサーヴァントと言われるセイバーといえども…)
しかし、ななこの思った通りには行かない。
心に刺さっているはずの槍はかなたの急所を外れ、肩に刺さっていた。
「は、外した!?」
「ゲイボルク……それじゃああなたの英霊名は……」
かなたが肩の傷を手で押さえながら言葉を発する。
「……どうやらちょいとサービスし過ぎたみたいやな……邪魔すんで。」
ななこはくるりと身を翻すと高く跳躍し、家々を越えて夜の闇へと消えて行った。
「お母さんっ!!」
今まで戦闘を見ていただけだったこなたが傷ついたかなたに駆け寄る。
「お母さん大丈夫!?」
「ええ、別に致命傷じゃないから大丈夫。」
こなたは母のその言葉に安堵する。が、それとは別に母を助ける事も出来ずに何も出来なかった無力感もこなたは胸の内に感じた。
……お母さんが大変な時に自分は何も出来なかった。
そんな思いを抱きながら、傷ついてしまったかなたを見てみると、手で触れているかなたの肩の傷がみるみる内に治ってゆく。
(凄い…さっきの傷がもう治っちゃった…)
こなたは改めて、かなたがニンゲンでない事を思い知る。
479 :
最早:2007/09/09(日) 01:35:59 ID:1RrI8ix6
(サーヴァントって、それ何てきのこ?って感じだけど…でも先生もあんなカッコしてたし……?)
こなたは今までの事を思い返してみる。
マスター。サーヴァント。ランサー。セイバー。
どれもこれもこなたには聞き覚えのある名前で、
「……そこにいるのは誰?」
かなたのいきなりの発言に驚いたこなたはバッと顔をかなたの目線の先に向け、深い闇のなか目を凝らす。
「……凄いわね。流石セイバーのサーヴァント、気配を消してたのにすぐ気付かれるなんて…」
闇の中で揺れるツインテール。家の光に照らされて現れたシルエットは、こなたの見知った顔。
「か、かがみ!?」
「こんばんはこなた。お邪魔してるわよ。」
柊かがみの姿がそこにあった。
480 :
最早:2007/09/09(日) 01:36:37 ID:1RrI8ix6
「感謝しなさいよ?ケガ治してからアンタここまで運んだの私達なんだから…」
かがみが醤油煎餅を小気味いい音を立てながら噛る。
泉家のリビングのダイニングテーブルに煎餅が入った皿とマグカップが三つ。
テーブルを間にかがみとこなたが向かい同士に座り、こなたの隣にかなたが座る。
「……ねぇかがみ、」
こなたが唐突に口を開く。
「なんで先生は戦ってたの?なんで先生は私を……殺そうとしたの?
……なんでお母さんがここにいるの?なんでお母さんが戦わなきゃいけないの?
……全部教えて。」
こなたのめったに見かけない真剣な顔にかがみは思わず煎餅を食べるのを止めた。
かがみは間合いを図る様にお茶を一啜りすると、堰を切ったように話し始める。
「……黒井先生が戦っていたのも、あなたを襲ったのも、
あなたのお母さんがここにいるのも、戦ってるのも、
……そして私がここにいるのも、一重にこの町で起きている“戦争”に関係しているの。」
今までの語群に「戦争」の二文字が加わった事でこなたの中で一つの結論が出た。
「……聖杯戦争、アンタは魔術士達のゲームに巻き込まれたのよ。」
……かがみの口からこなたが想像していた物と同じ結論がこぼれる。
481 :
最早:2007/09/09(日) 01:37:20 ID:1RrI8ix6
「……七人の魔術士達が一人づつサーヴァントを従え全ての願いを叶えると云われる聖杯を巡って戦う、それが聖杯戦争…」
「あら、質問したわりには知ってるんじゃない。
……そう、聖杯戦争は七人の魔術士と同じ数の、
剣使い(セイバー)
槍使い(ランサー)
弓兵(アーチャー)
騎兵(ライダー)
魔法使い(キャスター)
狂戦士(バーサーカー)
暗殺者(アサシン)
のクラスに割り振られた現世で英雄と呼ばれた物達、英霊を現世に召喚した存在、サーヴァントを使役し戦う魔術戦争…それが聖杯戦争。」
かがみがゆっくりとしたペースで語り終える。
しかし、ゲームの中で聖杯戦争を知っていてもこなたにはまだ疑問があった。
「でもかがみ、なんで先生がランサーな訳?おかしいじゃん、一介の社会教師が槍使いの英雄って。……あとお母さんも剣道やってたなんて聞いたことないし。」
「………何だかあたし達の間にズレがあるみたいだから説明するけど、
英霊っていうのは『英霊の座』と呼ばれる、現世とはまったく違う世界……いわゆるパラレルワールドね。
そこで現世での偉業が認められてその座に到達した英雄達……それが英霊なの。
だから一度英霊の座に到達した英雄は現世との繋がりが薄くなっているの。だから現世と繋がりのある存在……人間が必要なのよ。
さっきのランサーの場合、黒井先生の身体に英霊……あの宝具の名前からして古代ケルトの槍使い、クーフーリン……そいつを括り付けているんだと思う。
あ、ちなみに言っとくけど、宝具っていうのは英雄の偉業やら何やらを形にした、サーヴァントの武器の事よ。」
482 :
最早:2007/09/09(日) 01:37:59 ID:1RrI8ix6
かがみの説明を聞きながら、やはりゲームとまるっきり一緒って事は無いんだな、そうこなたは思った。
だがまだ疑問は残る。
「だったらなんでお母さんはサーヴァントとして召喚されたの?…その……死んじゃったのに。」
「ああ、それは…」
「それはね、現世っていうのはあの世とこの世全部ひっくるめて『現世』っていうの。
つまり、死んじゃった私の霊魂に英霊が括られる事でサーヴァントとして現世に召喚されたって事なのよ。」
かなたはそれを言い終えると、もっきゅもっきゅと二枚目の煎餅を小さな口で食べ始めた。
「そういう事。まぁ、私のアーチャーも同じく死んだ人間の霊魂を利用しているんだけどね。
アーチャーの場合、長い事この世を漂流していて性格や記憶が摩耗した浮遊霊に英霊を括り付けているから霊体化出来るのは勿論、本来ならば英霊が括り付けた存在に影響するのは英霊の能力のみなのに対して、うちののアーチャーは英霊の性格、体格までほぼ100%再現された…」
「マスター。あまりこの者に情報を流すのはどうかと思いますが?」
483 :
最早:2007/09/09(日) 01:38:48 ID:1RrI8ix6
誰もいなかったはずのかがみの背後から急にその空間に現れたシルエットがかがみを言葉で制する。
突然変異(アルビノ)特有の白肌と白髪、その長い髪に隠れた左目とかがみを見据える真っ赤な右目。
眼との色と同じ紅い衣、それは学校でななこと戦っていた紅い影。
彼女こそかがみのサーヴァント、アーチャーである。
「いいですかマスター、彼女はセイバーのマスター、つまりは敵。
敵に情報を伝える、それ即ち敗北へと繋がりかねない。私はそれを危惧しているのです。」
「何よ、別にこれから共同戦線張るんだからこれぐらい言うも言わないも変わらないと思うけど…」
「「………え?」」
喋るかがみと食べるかなた以外の二人の頭上にはてなマークが羅列する。
「ねぇかがみ、……今何て?」
「だから、魔術士柊かがみは魔術士泉こなたと聖杯戦争において共同戦線を張るって言ったの。
どう?これで聞こえた?」
かがみははっきりとそう言うと挑発的にこなたに目を向ける。
「え、えぇえぇえぇえぇ!?」
「……本気ですかマスター?」
驚いているこなたをよそにアーチャーが疑問の声を上げる。
「えぇ、魔術士に二言は無いわ!いいわよねこなた?」
「いゃ、何と言いますか、……さっきから言おう言おうとは思っていたんだけど……」
そこまで言ったこなたは自分の方を指差して、
「あたし魔術の事なんにも知らないし、ましてや魔術士なんて大層なもんじゃないよ?」
484 :
最早:2007/09/09(日) 01:39:33 ID:1RrI8ix6
「………はい?」
かがみの頭にもはてなマークが浮かぶ。
「ちょっとまて、……アンタどうやってサーヴァント召喚した?」
「え?いやそれは、先生と戦っていた時に地面がビカーってなって、風がブァーって吹い吹いた後見たら、お母さんがババーンと……」
……二人の間に琉球の香り漂う音楽が流れる。
こなたの口から擬音ばかりで、ましてや魔術士らしい論理的な言葉など出て来ない。
「……ルーン魔術は?」
「ん〜…ドラクエでちょっと知ってる。」
「……元素魔術について……」
「何それ?」
「……魔法陣の書き方……」
「だからそんな難しい事言われても分かんないって〜…」
「こなた……アンタ本当に魔術に関して…」
「うん、なにも知らない。」
かがみはそれを真実として認識した瞬間、テーブルの上に突っ伏した。
「なるほど……つまりはドシロートって訳ね……」
「…?どしたのかがみ?」
「いや……アンタの無力さと自分の無思慮さにうなだれてるの。…はぁ…」
485 :
最早:2007/09/09(日) 01:40:47 ID:1RrI8ix6
かがみは落胆していた。
その戦闘スキルから白兵戦最強と謳われるサーヴァント、セイバー。
その最優のサーヴァントを召喚その魔術士も優秀であろう、いや、優秀でなければならない。そうかがみは思っていた。
しかし全ての事にイレギュラーは存在する。最優のサーヴァントのマスターは優秀な魔術士とは一概には言えないのだ。
「マスター、貴方は思慮に欠けています。
まず彼女が聖杯戦争について質問した時点で魔術士でないと気付くべきでした。
それを…おお貴方、私の召喚形式まで自らの口で露見させるなど…情けない。
……魔術士に二言はない、ねぇ…」
一通り小声でかがみを罵倒したアーチャーが片方の目で失望し切っている自分のマスターを見ている。
この女狐め、と口には出さないものの、雄弁に目で語っているかがみ。それを見てアーチャーはにこり、と笑みを漏らす。……嫌な女だ。
486 :
最早:2007/09/09(日) 01:41:24 ID:1RrI8ix6
「……言われなくても分かってるわよ。
いくらド素人とはいえ、セイバーのマスターである事は間違い無いわけだし、こなたに知識はなくても素質はあるかも知れないし、
……大丈夫よ。多分。」
かがみはこの際ポジティブに考える事にした。
いつまでも引きずってもいられないし、第一自分で蒔いた種だ。
机から起き上がり、さて気分一新したかがみがこなたに話しだす。
「さてと……アンタもマスターになったなら報告しに行かないとね……」
「おお、一体どこぞの教会へ?」
こなたは自己の知識から最良の答えを導き出す。
が、こなた自身先程思ったように贋作(ゲーム)と現実(リアル)は得てして違う物である。
「……何言ってるの?来るのはあたしん家。正確には柊神社。……どっから教会なんて出てくるのよ?」
…魔術士は同じマスターを自らの家宅へと招いた。
487 :
最早:2007/09/09(日) 01:43:03 ID:1RrI8ix6
以上。
続き書いての声に押されたはいいものの…
なんだか変な文体にorz
>>487たん
おー。そうきますか。
いいねいいねwww
アーチャーいったい誰なんだ……。
日本にローカライズされてるあたりキュンキュン。
あ、因みに60行4KBまでワンレス。
50行くらいはまとめてもたいてい大丈夫なり。
>>208 こなたにしたがいつくしますー♪
までいって萌え死んだ
しかもタイトルが「愛のうた」
・・・着メロはこれにするか。
>>464 お前さー、無茶なリクでもんぜんぜ言ってりゃやってくれると思ってない?
その通りだ。という訳でちょっと即興で書いて来たので、短くて恐縮だけど投下させてもらう。
最早氏、ちょっと早いかもしれないけどもう眠いんで投下しちゃうな。済まない。
では、投下ー!
備考:ひかる×ふゆき。ふゆき一人称。非エロ。ニレス頂きます。
「なぁ〜、ふゆき〜。結婚してくれー」
……これで、このセリフを聞くのも今日で五度目。
本当に、ひかるは男性にこのセリフを言うつもりはないのだろうか。
ひかるは、きっと私がそのセリフを聞くたびに胸を大きく高鳴らせて、それを必死に押さえようと
している事に気付いていないのだろう。気付いているなら、そんな残酷な事、出来るはずない。
「桜庭先生、もうその冗談は聞き飽きましたよ。」
嘘だ。聞き飽きてなどいない。本当は、もっと聞きたい。本気ではないと分かっていても、
ひかるの私へのプロポーズなのだ。好きな人からのプロポーズを、聞きたくない人などいるだろうか?
……だが、同時に聞きたくないのも事実だ。けして実現しない夢を抱く事ほど、虚しい事
も無い。叶わない夢なら、最初から見せて欲しくない。期待して……しまうから。冗談だと
分かっていても、もしかしたらと、無駄な期待を。
「本当に、異性にプロポーズするつもりはないんですか?」
「ん〜?あるわけないだろそんなの。前も言ったと思うが、私の面倒を見られるのは
ふゆきだけなんだ。だからふゆき〜、結婚〜。」
頬をぷぅっと膨らませて、更に結婚を迫ってくるひかる。普段はそんな事しないのに、私の
前でだけ時々見せる子供っぽい仕草。それはひかるの子供のような外見と相まって、とても可愛らしかった。
本当に、ひかると結婚出来たらどんなにいいだろうか。だらしないひかるの世話を焼くのが
私にとってどれほど幸せな事か、ひかるは理解してないに違いない。
「……あんまり軽々しい冗談は良くないですよ。もし、私がそれに応じたらどうするつもりなんです?」
淡々と仕事を続けるフリをしながら、ひかるに訊ねてみる。
実際、そうなったらひかるはどうするのか興味があったのだ。
「そんなの決まってるだろ。こっちからプロポーズしたんだ、結婚するよ。ふゆきと。」
「……え?」
意外な反応。ひかるは、「何故そんな分かりきった事を聞くのか分からない」といった顔で
こちらを見つめていた。てっきり、私は「そりゃ困るなー」とか、そういうリアクションを
するものだと思い込んでいたのに。
まさか、ひかるは、本当に……?
「日本じゃまだ無理だから、もうちょいお金貯めて海外に行く事になるけどいいよな?
ちゃんと調べてるんだぞ、同性婚が認められてる国。ベルギーにオランダ、カナダにスペイン、
それにアメリカのマサチューセッツ州に南アフリカ共和国だ。アフリカは流石にちょいパスだけど、
ヨーロッパならふゆきもOKだろ?」
「え、えっと……」
「パートナーシップ法っつって、夫婦に準じる権利を保障する国なら結構あるんだけどな。
どうせならちゃんと結婚したいだろ?」
「ひ、ひかる……。本気なの……?」
「私はいつでも本気だよ。言っとくが、最初のプロポーズから全部本気だったんだからな?」
……一瞬、頭が真っ白になった。ひかるの、普段のやる気の無さそうな顔からは想像も
出来ないような真剣な視線が、私を貫く。
本気?本気、なの……?いや、でも、そんな……
「……それも、冗談、でしょ?」
「だから本気だって言ってるだろう。まぁ、冗談として流されるのには慣れてるけどな。」
タバコに火をつけて、口元に苦笑いを浮かべつつ自嘲気味に呟くひかる。
もしかして、私は、今まで何度も幸せになる最大のチャンスを掴みつつ、それを冗談だと
勝手に諦めて投げ捨てていたのだろうか……?
「……桜庭先生。」
「なんだー?」
「私は、嘘をつく人とは絶対に結婚しません。だから、真剣に聞きます。」
「ん、何でも聞いてこい。」
「さっきのプロポーズ。あれは本当に、本気ですか?私は、あなたと、結婚しても……いいんですか?」
「……どっちの質問も、答えは『当たり前』だ。」
タバコの煙を吐き出しつつ、ひかるは続ける。
「私は、ふゆきと結婚したい。……本気だ。」
その答えに、からかっている響きは微塵も無かった。
だから私も、覚悟を決める。
「だったら、一つ。お願いがあるんですが、いいですか?」
「おう、他ならぬふゆきの頼みだ。何でも聞いてやるぞ?出来る範囲で、だが。」
「…………キス、して下さい。」
あっけにとられた、ひかるの顔。
そのぽかんとした表情を見るのは久しぶりな気がして、何だか笑いがこみ上げてくる。
「してくれたら、結婚してあげてもいいですよ?」
「……マジか?」
「マジです。」
やがて、手元のタバコと私の顔を交互に見比べた後困ったような顔で何かを悩んでいたひかるは、
黙っていても仕方ないと思ったのかその「困りごと」を相談してきた。
「……なあ、ふゆき。」
「どうしました?」
「私、今、タバコ吸ってるんだが。」
「吸ってますね。それがどうかしましたか?」
「……いや。タバコ吸ってたらキスが不味くなるって言わないか?それでふゆきに嫌われたらやだな、って……。」
真剣な顔でそんな事を悩んでいるひかるがおかしくなって、私はとうとう噴き出してしまった。
「ちょっ……笑うなよ!」
「あ、済みません。ふふ……。あんまり下らない事で悩んでるものだから……。」
「下らないって、お前な……」
唇を尖らせて抗議するひかるの不意をついて、私は唇を重ねる。柔らかな心地良い感触が、
唇から伝わってきた。
「その程度の事で、私がひかるを嫌いになるはずないでしょう?」
私の言葉を聞いて一瞬黙った後、それもそうだな、とひかるも笑い出した。
キスの味は少しタバコの味がしたけれど、それでもとっても幸せな味がした。
以上、「タバコと幸せのキス」でしたー。
まだ二人あんまり出てないから、ちょっとキャラとか口調おかしくても気にしないで貰えれば。
ささっと眠い中書いたものだけど、楽しんで貰えれば幸いっす。
>>493 にゃー。こゆのもいいねっ。
タバコの味って恋のスパイスだとか思ってるヒト的になかなかでした。
ぐじょーぶ。
>>493 社会人ものが好きな私にはツボでした
高校生もいいが、もっと社会人百合増えないかなぁ
ゆたか×みなみの非エロ投下します。
497 :
雨(1/3):2007/09/09(日) 03:34:13 ID:DkL8fyAZ
生暖かい風が吹き始め、陰気な雲が湧いてきた。ポツリ、ポツリと雨粒が落ち、あれよという間に本降りになる。朝の天気予報では晴れだったのに、全く絵に描いたような俄雨だ。
みなみは自室の窓からこの雨を見るや、すぐに部屋を飛び出していた。もうすぐゆたかが遊びに来るのだが、傘を持たずに駅で立ち往生しているかもしれない。
玄関を飛び出したみなみは、数分とせずびしょ濡れになった親友の姿を見つけた。駅を出た後で降られたようだ。
「あ、みなみちゃん」
必死で駆けていたゆたかは、傘を差して走ってきたみなみの姿を見て、雨に濡れた顔を綻ばせた。
「迎えに来てくれたんだ。ごめんね、わざわざ――」
「いい。そんなことより、早く……」
みなみは傘をゆたかの上に掲げると、背中に手を回して、焦らず急がせた。風邪でも引いたら事だ。特にゆたかは体が弱いから、こじらせでもしたら洒落にならない。
「ふぅ……」
みなみのベッドに腰掛けながら、ゆたかは安堵のため息をつく。みなみから借りたシャツは、かなりサイズが大きく、袖が余っている。
窓の外を見ると、勢いを弱めた雨は、景色を穏やかに濡らしていた。
「ゆたかの服、今乾燥機にかけてるから……」
「ありがとう。色々とごめんね」
「これ、飲んで。暖まるから……」
みなみがお盆に乗せていたマグカップを手渡す。蜂蜜をたっぷり落としたホットレモネード。
「ありがとう」
暖かい湯気に混じって、ほのかな柑橘の香りが漂う。
「ふー……ふー……」
ゆたかは少し冷ましてから、カップを傾けた。
「美味しい?」
「うん。あったかくて甘くて、とっても美味しいよ」
微笑むゆたかに、みなみも微笑み返す。
みなみはふと、ゆたかのシャツの袖に目をやった。
「もうちょっと小さいのがあれば良かったんだけど……」
「それは仕方ないよ」
みなみに限らず、同年代が着るような服は、ほとんどゆたかには大きすぎる。素で小学生と間違われるような体型だから無理もないが。
「……そういえば前にお姉ちゃんが言ってたんだけど、小さい子が大きめの服を着るのって可愛いんだって。ちょっとよく分かんないけど」
補足すると「チョイスとしてはやはりYシャツがベスト!」とも言っていた。そしてその後、同席していたひよりと「不釣り合いに大きなサイズの物を身に付けている子は萌える」というテーマで熱いトークをぶちかましていた。
「……ゆたかはどんな格好でも可愛い……と思う」
御世辞でも何でもなく、ごく普通の口調でみなみはそう言った。
「え……あ、ありがとう」
ゆたかは気恥ずかしそうに顔を伏せた。みなみにこういうことを言われるのは、こなたやゆいに言われるのとは、何か違う気がした。
窓の外からは、ひっそりと雨音が響いている。
498 :
雨(2/3):2007/09/09(日) 03:35:16 ID:DkL8fyAZ
「……髪、梳かそうか?」
シャワーの後、拭いてそのままにしてあるゆたかの髪を見て、みなみが聞いた。
「うん。お願いしていいかな」
みなみはドライヤーと櫛を手に、ゆたかの後ろに座った。まだ少し湿っている髪を、乾かしながらくしけずる。
「……ゆたかの髪は、手間がかからない」
「そう?」
「うん……」
ゆたかの性格そのままに素直で柔らかい髪は、一つ櫛を通すたびにまっすぐ伸びた。
程よく梳いた髪を、みなみが軽く撫でる。
「……少し、伸ばした?」
「あ、分かる?」
「うん……」
結っている状態では分かりづらいが、陵桜に入った頃に比べて、ゆたかの髪は少し長くなっていた。
「このまま伸ばすの?」
みなみがそう尋ねると、ゆたかは少し困ったように眉間に皺を寄せた。
「うーん……実はちょっと迷ってるの。お姉ちゃんみたいに長くしたい気もするけど……」
「けど……?」
「その……みなみちゃんみたいにショートにするのも憧れてるの」
ゆたかは少し頬を赤らめた。
「で、でも私じゃあんまり似合わないかな。子供っぽいし……あはは」
「……そんなこと、ない」
「え?」
囁くように小さな声だった。ゆたかが振り向くと、みなみは何故か顔を逸らした。
(ひょっとして……みなみちゃん、照れてる?)
みなみは黙って傍に置かれていた髪留め用の輪ゴムを取り、ゆたかの髪をいつも通りの形に結い整えた。
「……どう?」
手鏡を渡して、ゆたかに尋ねる。
「うん、ばっちり。ありがとう、みなみちゃん」
笑顔のゆたかに、みなみも微笑みながら頷いた。
「私も……」
「?」
「私も、ゆたかみたいな髪……してみたいな。……可愛いし」
「え、ええっ……!?」
今度はゆたかが照れる番だった。
「小さい頃から、ずっとこの髪型だし……」
「だっ、だめだよ! みなみちゃんは!」
「……どうして?」
思いのほか強い口調で反対されたみなみは、ちょっとショックな様子だった。
「やっぱり、似合わない……?」
「あ……違うの、そうじゃなくて……みなみちゃんは、今のままの方がその……かっこいいし……私は今のみなみちゃんが好きだから……」
「……」
言った方も言われた方も、恥ずかしさに顔を赤くした。
「ご、ごめんね。急に変なこと言って……」
「ううん……私も……同じ……」
「え?」
ポツリポツリと、雫が落ちるように、みなみは言葉の穂を継いでいく。
「ゆたかは、その……今のままで……可愛いというか……私は今のゆたかが……良い……」
みなみは自身の口下手がもどかしかった。もっと何か、気の利いた言い回しはないものかと思ったが、それを乗せられるだけの回りの良い舌を持っていない。
しかしゆたかは、みなみが思う以上に、みなみの気持ちを汲み取ることに長けている。
「……うんっ。ありがとうみなみちゃん」
ゆたかは満面の笑みでお礼を言った。
「…………ん」
ホッとしたような満ち足りたような、とにかく暖かい気分で、みなみは頷いた。
499 :
雨(3/3):2007/09/09(日) 03:38:21 ID:DkL8fyAZ
「……雨、少し止んできたね」
ゆたかの言葉に、みなみは窓の外へ目をやる。鈍色の雲はだいぶ薄れ、小雨程度に落ち着いていた。
「……ゆたかは雨、嫌い?」
「うーん……それほどでもないかな。私って体弱いから、小さい頃から家にいること多いし……むしろ、優しい雨は好きかも」
「そう……」
みなみの目に笑みが浮いた。
「私も……こんな風に、静かな雨は好き」
「みなみちゃんも?」
「うん。……雨の休日は、部屋で暖かい物を飲みながら、ぼんやり外を眺めたりしてる」
「へぇ……何だかおしゃれな過ごし方だね」
「今もそう」
「え? あ……」
雨の休日、部屋で暖かい物を飲みながら、ぼんやり外を眺めている。二人揃って。
「……二人とも、おしゃれ?」
「ど、どうなんだろ……」
ゆたかの想像では、紅茶を片手に雨の日を優雅に過ごすみなみの図が展開していたが、実際はこんなものだ。
みなみはまた窓の外へ視線を移した。雨垂れの音が、ポツポツと耳に届く。
「やっぱり雨は良い……こういう時間は好き。特に今日は、ゆたかも一緒だし……」
「みなみちゃん……」
「ゆたかが濡れなければ、もっと良かったけど……」
「あはは……天気予報はずれちゃうんだもんなぁ」
「うん。……でも、そろそろ……」
二人は言葉を止め、窓の外を眺める。
薄暗い空は所々明るくなり、幾筋かの日の光が帯のように差し込んでいる。雨雲は淡く散り、微かに残っていた雨音はじきに遠ざかっていった。
「……止んだね」
「うん……」
ゆたかもみなみも、少しだけ名残惜しそうに、晴れ渡っていく景色を眺めていた。
おわり
読んで下さった方、ありがとうございました。
>>487 一応乙
これから先投げ出したくなるようなことがあるかもしれないけど、頑張って完結させてくれ。
この手の物は、未完だとなんともいえないんだ。
502 :
14-208:2007/09/09(日) 06:02:39 ID:lWfw7FOU
ども、
>>208 です。
『かがみん』の草案が出来たのでとりあえず投下。
1スレいただきますよ。
503 :
14-208:2007/09/09(日) 06:04:57 ID:lWfw7FOU
「かがみん 愛のうた」
引っ張られる手、こなただけについて行く
今日も笑う、突っ込む、デレる、そして恋をする
ほったかされて、切なくて、涙して
それでも私あんたに従い尽くすから
ほっぺで遊んじゃおうかな
そっと触ってみようかなーんて
嗚呼 嗚呼 横顔に
キスとか、しながら
いろんなオヤツが並んでるこの店で
今日も運ぶ、食べる、増える、そしてダイエット
顔についた、クリームを、舐められて
ああもう!私 愛してくれとか言っちゃいそう!
そろそろ進んじゃおうかな
そっと呼び出してみようかなーんて
もしもし もしもし ああ、こなた?
愛して、いるから
唇重ねて、抱き合って、食べられて
いま私はねあなたと幸せ噛み締める
帰りに手と手を、繋いで、ツンとして
でもホントはね愛しているわよ誰よりも
504 :
14-208:2007/09/09(日) 06:07:53 ID:lWfw7FOU
かなり無理してる感がある箇所がありますが、いかがでしょうか?
歌詞をもっとこうした方がいいとかあれば意見プリーズで。
>>500今日一日の活力が心の底から湧いて来た。
本当に温かい気持ちになれるSSだな。
超GJ!!
>>504こ れ はwwwwwwwwwwwwwwww神wwwwwwwwwwwwwww
そんで自分の意見言うならオヤツ→お菓子がいいかな?
そしてコメディ感覚で見てたら
>>愛して、いるから
ハアハア・・・萌え尽きたよ・・・真っ白にな・・・
グフッ・・・バタッ
「ここ」がそうですよ
なんだこの水素爆弾なみの破壊力のあるスレはwwwwwww神杉wwww
やっとてけてけかなたさん読み終わったよ……神杉
つか500作品て多すぎだろw
>>500 GJ!
やはりこの二人はいい…
心が洗われるようだ……。
ひかる先生もみなゆたもかがみんも可愛いなあ。
ここはさながら百合のデパートじゃぜ? お三方にぐっじょぶ!
・出典) 『雫』By あさき (from 『神曲/ポップンミュージック12いろは』)
・歌詞)
ttp://f6.aaa.livedoor.jp/~takanm/LYRICS/bemani_artist_album/kamikyoku_asaki/shizuku.htm ・曲)
ttp://www.youtube.com/watch?v=O-hH04LjNSw ------------------------------------------------------
写真機の縁に灯りし灯り 赤く染まる
またたき ぱちり
おもいで こころ通せんぼ
揺れた 秋桜(こすもす)
鴇色(ときいろ)に染まる 小さな頬
半導体の中で結ぶ 愛しさ
鼻息 呆れ顔 父と娘
その時訪るる心 ひとつ
時代(とき)に色褪せぬ 父の語る比翼(ひよく)の芽
寄り添う波 思い出の海
水鏡映す夕陽 たゆたえて細泳ぐ(ささめおよぐ)
雲の舟 背に乗せながら
絆を思う日あればそれでよくて
無理に強がりしことも 言の葉に募った
娘の前で
「そうか――」
と感涙に浮く静寂(しじま)
ほろり ほろり と泣き虫親父
「記念撮影だ」 呆るる娘
ねえ まだ撮るの
垂れ(しずれ) 声あげた
降り続く雨を窓の中で見守りつ
愛しき妻 敷布の波に
抱き締めた赤子 積み重ねし足跡を思い
はじめて泣いた 強がり[屋さんが]
幸せを数えたら指が足りなくなった
忘れ得ぬ思い出を静かに語る迷い人
湖(うみ)べりであそぶ羅綺星(らきすた)
新しき写真機の点滅に触れ
瞬く度に映る二人の影 妙(たえ)にまたひとつ
星が回る
薄きその人の影 朧げに像結ぶ
[花野に]風流れ 月昇る
愛しき夫(ひと)を
静かに見つめ
姿 尖り(とがり)なき朧(おぼろ)
街灯(まちあかり)に負けじと光る星がささめいて
かの人の影消していく
後に画(え)を見つめ 友の語る比翼(ひよく)の芽
写りしは 想い人の影
幸せの意味と薄き影残る画(え)抱き 思う
「かなたに会えてよかった」と
----------------------------------------------------
……正直スマンカッタorz
ぶっちゃけ、最後のワンフレーズが書きたくて突っ走った感じなんですが、
元の歌詞が難しすぎて改変無理コレ。
シチュエーションは、「ここにある彼方(本編)」とその後日談(創作)。
設定は『古祀』に準拠、あと一部独自設定です。
最後の「友」は、そうじろうがあの写真をただおの所に持ち込んで鑑定してもらった、ってことで。
マジな話、カラオケで歌いたいっす>元曲
>>513 カラオケ行っても本当に歌いたい曲が入ってなかったりするんだよな……
それに入ってても音程がな……
それから
>>500 GJ。
やっぱこの2人はこういうのが似合うな
…とか言いつつ2人が一緒に風呂入って恥ずかしそうにしてるのを想像した俺末期orz
休日ということもあってか凄い無秩序だな
>>512がなぜかNGになってるけど、またあのかがみんの人?
>>515 否。妄想屋さん作・ポップンミュージックの替え歌。
h抜きで元曲の歌詞とかようつべとか貼ってるから、そこら辺で引っかかったのかも。
>>516 ああ、一時期ニコ厨やつべ厨がうるさいからまとめてNGにしてたんだった
鑑定d
>>515 スンマソンorz
時に、
>抱き締めた赤子 積み重ねし足跡を思い
は、
「抱き締めた赤子 残される娘の先を思い」
としたほうがよかったかなーと今さらジロー。
確かポプン曲は14からはJASRAC管理外になったんだよな
メーカー直販に販売方法切り替えた関係で
12はJASRAC管理曲のはずだからファン集めてリクすればカラオケ通るんじゃね?
俺はカラオケ行っても音ゲの曲はどうも歌う気になれんが(汗
それはそうと、妄想屋氏はまさにマルチアーティストだな
荒れてる
5巻買ってきたんだが、またキャラ増えてたね。
あきらの友達が3人も……
おおはら(大原)・なかたに(中谷)・おとなし(音無or鳴無?)、だっけか。
でもサブキャラのサブキャラって設定なさ過ぎてどうしようもないよね。
書くときは独創するしかないのだろうか……
“大”原
“中”谷
“小”神
音“無”
胸ランクも名前に比例してたりしてw
しかしどっかの漫画のキャラかなんかを借用してるのかと思ったけどオリキャラだったのか。
キャラ像としては、読んだ感じ
大原=あやの
中谷=みなみ
音無=かがみ
っぽい印象を受けた
もうネタバレもへったくれもないと思うけど
公式発売日は明日の 『西暦2007(平成19)年9月10日(月) 大安』 ですよ
もうね公式とかね関係ないんだよね
雑誌は結構厳しいけど、単行本やCDの発売日はザルなんだったかな
俺もアニメイトで7日に買えたよ。普通に店頭に並んでた
アニメのひよりがみなみのことを「みなりん」と呼んでいるのは、どういう心境の変化だろう?
530 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 19:58:52 ID:WSkuAyPb
22話ラストでは確かに「みなりん」言ってるな。
>>530 某動画だったりh抜いてなかったりと色々言いたいことはあるが。
ある意味スレッドの元の意味に近いリクだなこりゃ……。
最近だとぶーわ氏、最早氏そんでもって尼野録拾七氏あたりが書けそうだから
拝みたおせば光臨するかも。
え、いらんことぬかしてないでお前が書け?
脳内なら似たようなことよくさせてるんだけどさぁ。
チリガミん中に全部おいてきたみたいな?(氏
職人さんは相変わらずすごいけど、最近住民の質は落ちたよな。
>>534 新入りにそういうのが混ざってるだけだと思う。
このスレ無駄に有名だし。
草民が誘導されて来てるのかね
VIP931導入されないかな
1スレ目の過疎は酷かったがあれはあれで平和でよかったな…
今は投下作品も多くて本来の機能を果たしてていいんだが
空気読めないのとかマナーのへったくれもないやつがこのスレに来るかと思うと複雑だ…
懐古厨?なんですかそれ
新参でごめんね、スレが2桁になった頃に住み着いて、まだ2個しか投下してなくてごめんね
今も仕事中でごめんね、時間がほしいです
>>538 あんまり気にするな。
しかし数十作品書いてる人の頭の中をのぞいてみたい。
特に二十作品を越えてる人は正気の沙汰じゃないだろう…。
SSを書くために生きてる希ガス
20以上の人って3人だけなのな
◆cj23Vc.0u.氏はマジで凄いなぁ・・・50を超えとる・・
他の20作以上書いてる人達は最近あまり見かけないような・・?・・気のせいか?
>>538 自分、3スレ目ぐらいからいるのに数本しか投下してないw
寡作だなぁ…
や…やっと追いついた……orz
一週間以上放置とかするもんじゃないわな…このスレは速さはマジで化け物だよ……
>>543 ああ、同じようなもんだ
誕生日記念とか、何かないと書いてないやor2
ではぼちぼち投下。>>466の続き、ひより視点。後半、微エロ。
今までより少し長めに、5レスぐらい?
では、はじめるざますよ
さあキリキリいくっスよ4回目……ってあれ!?
このマークは……
「もしかして私が王様!?」
「おお、ひよりんが王様か……では、ご命令をば」
期待してるよ?って感じに泉先輩が言ったっス。
そんな事急に……いや、考えろ、考えろ私……
まだゲームは4回目……無難な命令にしておくべきか……
しかし少ない回数ながらこのいい感じに暖まってきた空気なら、
ある程度までの無茶は通る気もするし何より私が見たい……とりあえず、こなかが分が足りない。
……振り向くな、躊躇を見せるな!
オタクに後退の二文字はねぇ!ぶるるああああああああああ!っス!
届け、私の迸る熱いパトス!
「2番の人に!」
ギクッって感じにかがみ先輩の肩が跳ねる。よし、ビンゴォ!!
後はどうやって泉先輩に当てるか……
って何で、手を振ってるんスか先輩…………
…………ッは!?
そうか、あれは先輩のメッセージ。
ならば―――――
「5番の人が!」
ニヤリ、と泉先輩はしたり顔で割り箸を掲げたっス。
―――分かってるじゃん、ひよりん―――
―――もちろんっスよ先輩、というかやっぱひよりん恥ずかしいっス―――
一瞬のアイコンタクトで会話。ひよりん、って言われたのは気のせいっスか。
そう、先輩が踊ったのは、自分の番号が5番だと示すため。
本来ならこんなことルール違反で、ちょっと気が引けるんスけど……
…いや、違うっス。
この場において『ルール違反』とか『気が引ける』だとか…
そんなペットボトルを買うといらないのに付いてくる、いらない携帯画面クリーナーにも匹敵するような、
その下らない倫理観がイベント取り逃しに繋がる破滅への輪舞曲(ロンド)であり、命取りっス!
クックック…… 今の田村ひよりにそれは無いっス……
あるのはたったひとつの思想だけ……たったひとつ!
『命令して百合を見る』! それだけっス…… それだけが満足感っス!
過程や方法なぞ……どうでもよいのだァーーーーーーーーーッ!
LILYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY(リリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ)!!
オーダーはオンリーワン。
「キス、するっス!」
私がそう言うと、かがみ先輩の時が、いや、動きが止まったっス。
……最高に「ハイ」になった私はもう何も怖くないっス。
「キ、キスなんてできるわけないじゃない!」
硬直状態から直ったかがみ先輩の言葉も、軽くあしらえるっス。
「大丈夫っス。するのは泉先輩からなんで、かがみ先輩は目を瞑ってるだけでいいっス!それに唇じゃなくてもいいっスから」
今は怖いもの無しでも、さすがに後は怖いっスから。それ位の譲歩はするっス!
「そういう問題じゃないわよっ!」
「まあまあかがみん、王様の命令は絶対だよ?」
「こなたは……いいの?」
「そりゃいいに決まってるじゃん!ルールは守らなきゃゲームは面白くないし」
「まあ、そりゃ、そうだけど……」
先輩上手いっ!真面目なかがみ先輩には有効な手段っス!
さっきルール破ったじゃないっスか、っていうのは置いておくっス!
そして……
「何より……かがみと、だからね!」
「な、な…………!」
よし、決まったっス!ガードを崩して畳み掛ける、対ツンデレの必勝形っス!
「わ、わかったわよ……」
かがみ先輩は真っ赤になって、ベッドの上に座ると目を瞑ったっス。
デレモードっスね!
「でも、唇は駄目だからね!」
まだ少しツンが入ってるっス。
ツンデレの鏡っスね!
本当に、ツンデレのかがみっス!!
「ふふ〜、わかってるよ」
そんなかがみ先輩も、泉先輩がそっと髪をなでると、表情を僅かに緩めたっス。
「こなた……」
もう内心はデレデレに違いないっスね。
一方、泉先輩はいつもより少し真剣な感じがするっス。
ニヤリ、とこっちを向いた先輩の瞳は、
―――ありがとひよりん、私、やるよ―――
と言っていたような気がするっス。
私が返事、という返視―――をする前に、先輩はかがみ先輩の首に手を回して、
「かがみっ!」
「…………っ!?」
ズキュウゥゥゥゥゥゥゥン!なんて効果音が付きそうな感じに、突然唇にキス!!
や、やったッ!
さすがは尊敬すべきオタクの先輩!
私たちにできないことを平然とやってのけるッ!そこに痺れる、憧れるゥ、っス!
さらにここでアクシデント!
かがみ先輩が驚いてバランスを崩し、泉先輩が覆いかぶさるような形でベッドに倒れこんだっス!
「……んーーー!」
かがみ先輩が手足をじたばたして抵抗するも、先輩はキスを止めないっス。
これはエロい……
マンガなんかでは良くあるっスけど、実際見るとすごいっス!
他の皆も驚きつつも、その光景から目が離せない様子っス。
「ふぁ、……んっ」
あ、だんだんかがみ先輩の瞳がとろんとなっていくっス。
それに抵抗していたはずの手が、いつの間にかきゅっと泉先輩の背中に回ってるっス。
これはもう完全に攻略っスね!これなんてエロゲ!?
「んっ、んっ……!」
「ふぁむ……んぁ」
……ていうか先輩、舌、入ってません!?
ディープキスってやつじゃないっスか!?
Vooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo!!
皆の前で、大胆過ぎっスよ先輩!かがみ先輩も流され過ぎ!
ファイナルフュージョンの承認は出てないっスよ!超人合体には早いっス!
ぐふう、やばい!マジで鼻血が出そうっス!!
……そしてそれから更に数分してから、泉先輩はかがみ先輩から唇を離したっス。
わお、糸引いてるよ……
「はぁ、はぁ……」
かがみ先輩はボーッとした感じで、ベッドに寝転がったまま肩で息してるっス。
その度に胸が上下して……うおおおお自重しろ私!
「とっても美味しかったよ、かがみ♡」
そう言って笑う泉先輩。
「…………ばか」
かがみ先輩はやっとその一言を搾り出すと、しっとりと濡れた瞳で泉先輩を見つめたっス。
泉先輩はそっとかがみ先輩の左頬に手を当てて、優しく反対の頬にキス。
そう、左手は、添えるだけ……。
かがみ先輩は恥ずかしそうに顔を背けて……
……あ、こっちと目が合っちゃったっス!
「……………………?」
まだ頭がボンヤリしているのか、かがみ先輩はアクションを起こさないっス。
「「「「「「…………………」」」」」」
ちなみにこれは私たち6人分の沈黙。
うわあ、気まずい……
「……………………」
長い沈黙の後、先輩はようやく自分の置かれている状況を悟ったのか、
「――――――っ!!」
声にならない悲鳴を上げると、本当に火が出るんじゃあ、って位に顔を首筋まで真っ赤にしたっス。
そして、
「こなたのばかぁぁぁぁぁぁぁ!」
そう言うと泉先輩を押しのけて突然立ち上がりスタートを切ると、まさに脱兎の勢いで走り去っていったっス。
以前、泉先輩が冗談交じりに「かがみってウサギみたいだよね〜」なんて話してたっスけど…………納得っス。
私は今確かに、ツイテをぴょこぴょこ揺らして走るかがみ先輩の後姿に、白いウサギを見たっス……!!
【To be continued…】
551 :
11-618:2007/09/09(日) 21:31:16 ID:iyReoTKW
>>546でタイトル記入してあるけど、
ありゃスマン嘘、じゃなくて間違いだった。
というわけで第4回。
今まで余りに短くみみっちかったので、今回は少し長めに頑張ってみました。
現在も継続して執筆中、次回くらいで終わりの予定。
月曜日に打ち勝ってなんとかもうひとフンバリしたい所っス。
毎回コメントくれる皆さんありがとうございます。
>>551 ちゅーだけでおっきしたのは久しぶりでした。GJかつGL。
ハ、 ∧ ハ /\ /\ /\
,{! ヾ } / !i ヽ ___/\/ \/ \/ \/ |_
. |ソハ !} jレi \
} !/¨ 〃 '{ /
ト{´{ .ハ} r'"´} !{ \ ひよりのLILYYの行動ッ!
FY'弍{ }' 斥ァ`}ハ /
ヾ{:i /ノ〉` !rソ  ̄|/\/\ /\ /\
. ヽ /'f=ヘ ハト、 _/\/ \/ \/
,ノ´f\='/ノ!ヽ\._ \
/ノ !|`ヽ三イ ヽノノ `'ー-、._ / ぼくは
/ r'/ | /::|,二ニ‐'´イ -‐''" /´{ \ 敬意を表するッ!
{ V ヽ.V/,. -‐''"´ i / |/
ヽ { r‐、___ i / ∩  ̄| /\/\ /\ /\
} .ゝ二=、ヒ_ソ‐-、 i__,. '| r‐、 U \/
. | 〉 ,. -',二、ヽ. `ニ二i___ |:| l| |
|'}:} ,/|毒|\丶 i ,::'| 'ー' {
|ノノ |,ノ:::::|ト、 \ヽ ! i }`i´ r|
|_>'ィ毒::::ノ 丶 ハ し-' | ! | |
┌≦:::::::::::::/ lハ | ) U
/ィf冬::::::イ |::.. j: }lハ. |∩ '゙}
ジョジョネタは意外と使用頻度が低いから困る
>>551 マジGJ
てかジョジョネタ大好きだなw
555 :
11-618:2007/09/09(日) 21:37:04 ID:iyReoTKW
>>554 サーセンwww
さすがにやり過ぎた。しかし自重はしない(ぉ
>>551 これはGJすぎる
にやにやが止まらない
ただ俺的には、残りのカッポーを見てみたかった気もする。
ひよりとこなたを……
>>551 超GJ!!
読んでる間ずっとニヤニヤしてた
もう俺の中ではジョジョが好きなのはGIOGIO氏と11-618氏でFA
>>551 GJ
いいこなかが分&JOJOネタ、よかったです。
次あたり、ひよりが何かしてくれるのでしょうか
>>551 GJ!! JOJOネタ最高っ!!
シリアスものとか書ける人尊敬するわ
鬱展開とかどうやったら思いつくんだか
>>560 鬱物見まくったらいいんじゃないかな?
俺は逆にハッピーエンドとか書ける人がすごいと思うよ。
562 :
560:2007/09/09(日) 22:02:43 ID:fX2+bMZA
564 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 22:06:06 ID:VD6/z/g2
>>551 ニヤニヤ止めれ
ひよりん自重ww
つぎはひよりがあたると予想、だがもっ他のも欲しかった
次回に期待しつつGJ!
>>562 テッカマンブレードとか魂狩とかしか見たこと無いよー。
大体この2つと後はいろんなアニメとか漫画の設定とかから勝手に鬱分補給してる。
どんな漫画でも探せば一点ぐらいはでてくるし。
俺はなぜか欝展開に向かってしまう件
もう完成してるけど今書いてるSSも欝なんだよなぁ
>>563 >>565 おk。チェックしてみるセンキュ
あとは保管庫の鬱のやつ、片っ端から読んでみるよ
こなかがスレに行ったら激鬱SSがあってびびった・・そしてなんかエロイという・・
>>566 というわけで鬱にはまり気味な俺は期待してるので投下頼むよ
鬱があるから甘甘が映える
ってなわけで鬱もじゃんじゃんこい
572 :
568:2007/09/09(日) 22:28:57 ID:fX2+bMZA
ついでに保管庫のオススメ鬱作品も教えてくれると嬉しいな
>>570 まぁ鬱は鬱だけど展開的にまだ結構後なんだよね
それにちょっと修正加えながら書いてるから結構遅くなる…
>>551 > とりあえず、こなかが分が足りない。
ひよりんがここの常連だということはよく判ったw GJ!!
パロディ物だけど、投下してみる。無駄に長いんで二回に分けて投稿します。
>>551 とてもいいツンデレですね
LILYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
に吹いた
こなたとかがみの大冒険〜不思議のマンション〜(前編)
「へぇ。ここが成実さんの家なんだ」
「そだよ。結構立派なマンションでしょ?」
「そうね。成実さんの家に行くのは始めてだけど、こんないいとこに住んでるとは……」
ある日曜日。こなたとかがみはゆいの住む家に遊びに向かっていた。
糟日部駅から電車で30分。都心からは離れているものの、立地もよく外観も良い感じだ。
若い婦警巡査がよくこのようなマンションに住めるな、とかがみは思った。
ゆいの夫、きよたかはもしかしたらかなりのやり手なのかもしれない。
「まあ私もここに来るのはまだ二回目なんだけどね。とりあえず上にあがろうよ。ゆい姉さんの部屋は6階だし」
二人はエレベーターに乗って6階についた。
ゆいの部屋を探して二人は廊下を歩く。
「えーと、たしかここだったと思うんだけどなぁ……」
しかし、こなたが立ち止まったその部屋には、「成実」でなく「杉本」と書かれたネームプレートが掲げられていた。
「違うじゃない」
「あれー?おっかしいな。ここだと思ったんだけど……」
二人は6階のすべての部屋を調べてみた。が、何処にも「成実」の名がある部屋は見つからなかった。
「マ……マンションの構造が変わってる……」
こなたはあんぐりとした表情で言った。
「んなバカな。どうせ、あんた階層を間違えたんじゃない?」
「ううん、それはないよ」
「じゃあどうして成実さんの部屋がどこにもないのよ」
「えと……それは……あ」
「何よ。どうしたの一体。って腕引っ張って何するのよ!」
「いいからついてきて!」
こなたは急にかがみの手を引っ張り、全速力でエントランスまで降りて、そこにある、怪しげな扉の前に立った。
「で、この扉がなにか成実さんと関係あるの?」
「それなんだけどね、かがみん、ここはいわゆる『アレ』なのだよ」
かがみの問いに、こなたは妙にシリアスな感じで答える。
「は?『アレ』じゃなにか解らないわよ」
こなたの真意が解らず、顔を引きつらせるかがみ。
そんなかがみを気にせず、こなたは続けた。
「ここは、そう!出入りするたびにマップが変わるという、あの伝説の……」
「伝説の……?」
『不思議のマンション!!』
「……はぁ?」
かがみはあきれ返った表情でこなたを見た。
「つまり、このマンションの地下にはダンジョンが広がっているんだよ。」
と、こなたは親指をビシッ!と立てて言った。
「で、この扉がそのダンジョンへの入り口ってワケ?」
「うん。そだよ〜。ねえ、探検に行ってみようよ!」
「……あほらし」
そういってかがみはガクッと肩を落とした。
「またなんかのゲームか漫画の影響……?」
「ち、違うよ〜。この前に読んだ本、『不思議のマンションとは(民明書房刊)』に載ってたんだよ」
「出版社の時点で既に胡散臭いわ!さ、バカなこと言ってないで帰るわよ」
そう言って帰ろうとするかがみ。そんなかがみをこなたは腕を掴んで引きとめようとした。
「え、え〜?ちょっと待とうよ。かがみはダンジョンに眠る宝が欲しくないわけ?」
「宝?宝って何よ」
宝の話に興味を持ったのか、かがみは足を止めた。
「うん。不思議のマンションの地下27階にはそれはそれはすばらしい宝が眠っているのだよ!」
こなたはない胸を張って誇らしげに言った。
「へえ、そんなのあるんだ。どんな宝なの?」
「えと……確かアニ○イトのポイント100万だったっけかな?」
「……全く欲しいと思わないんだけど」
心底かがみは嫌そうな顔をして、足の向きを変え再び帰ろうとする。
「あー!待って!今思い出したよ!27階にはこの世の幸せを詰め込んだ『しあわせの箱』があるんだよ!」
「しあわせの箱?ふうん……なんか素敵ね。それなら、ちょっと探しに行ってもいいかも。」
ア○メイトのポイントでは、気に召さなかったかがみも今度は興味を持ったようだ。
「よし!じゃあ、かがみの気が変わらないうちに、さっそくダンジョン探索にGO!」
こなたはかがみの腕を引いて、勢いよく扉を開けた。
「え!ちょ!私はまだ行くと決めたわけじゃ!」
「いいからいいから!行ったらきっと楽しいって!」
「よくねーーーーーーぇ!!!」
こうして二人は、今だに生還者ゼロと言われるダンジョンへと潜っていった……
「ねえ。こなた」
「なに?」
「この話、なんかどっかで見た話に似てる気が……」
「え?それは気のせい、気のせい♪」
「そうかな?私が昔やったゲームなんだけど、かまいた……」
「はーい!かがみん、余計なこと言うの禁止!あんまり変なこと言うと消されるよ?」
「消されるって何に」
「……このSS書いてる作者とか」
扉を開けて階段を降りる間、このようなやり取りをしているうちに地下1階にたどり着いた。
地下1階
階段を降りきると同時に冷気が二人を襲った。
「さ、さむっ!ねえ、やっぱり帰りましょうよ」
かがみはもう弱音を吐いた。
「え〜?ここまで来ていまさらそれはないでしょ。まだ一階だよ?バテるの早……」
こなたがそう言いかけたその時だった。
モンスター バルサ巫女があらわれた!
紫の髪にリボン、たれ目に巫女服。どこか、つかさの姿に似たようなモンスターだ。
「わっ!いきなりモンスター!?」
突然のモンスター登場に、かがみは動揺している。
「デ、デバン!ワタシニモデバンヲヨコセ!」
バルサ巫女はうなりながら、動揺して動けないでいるかがみを標的にどんどん近づいた。
バルサ巫女の攻撃!
「私、最近姿は出ても台詞がなくて空気じゃん!」
バルサ巫女は、かがみの目にバルサミコ酢を振り掛けた!
「きゃ!目にバルサミコ酢が染みて開けられない……!」
かがみは目潰し状態になってしまった!
「ああ!かがみん!大丈夫!?」
「こなた……ちょ、なんとかして!」
かがみが叫ぶ。
「よーし!モンスターよ、覚悟せい!」
そう言ってこなたは格闘技の構えを取った。
「くらえ!得意の正拳突きと旋風脚!」
こなたの華麗な10連コンボがバルサ巫女にHIT!
「ほ、ほげー」
どこかの七英雄のような間抜け極まりない断末魔を上げてバルサ巫女は倒れた。
モンスターを倒した!
パパララッパパッパ〜♪
こなたはLV.2にあがった!
こなたの最大HPが3あがった!
こなたのちからが2あがった!
こなたのすばやさが3あがった!
こなたのうんのよさが2あがった!
パパララッパパッパ〜♪
かがみはLV.2にあがった!
かがみの体重が5kgあがった!
かがみのやるせなさが6あがった!
かがみの切なさが3あがった!
かがみのレズっ気が10あがった!
「こなた、モンスターは?……ってもう倒したんだ。」
ようやく目潰し状態が治ったかがみは、こなたのもとに駆け寄った。
「うん、よゆーよゆー。格闘技経験者の腕を奮ってイチコロ、だよ♪」
こなたは腕をブンブンと振ってみせた。
「よかった……私だけじゃなくて、こなたに何かあったら私、もうどうしていいか……」
かがみは急にうっすらと涙を浮かべ、こなたの小さな体を抱き寄せた。
「か、かがみ?どうしたの、いきなりそんなデレモードになっちゃって……?」
「え!?あ……いや……何でもない……。そ、それはそうと、モンスターもやっつけたことだし、先に進みましょうよ。」
「う、うん。そうしよっか」
(なんか……へ、変なかがみ……)
(わ、私いきなりどうしちゃったんだろ!?)
かがみは自分のレズっ気が知らぬ間にレベルアップしていることに気づいていなかった。
少し歩いたのち、二人は降りの階段を見つけ、地下2階に降りた。
モンスターを倒した!
パパララッパパッパ〜♪
こなたはLV.2にあがった!
こなたの最大HPが3あがった!
こなたのちからが2あがった!
こなたのすばやさが3あがった!
こなたのうんのよさが2あがった!
パパララッパパッパ〜♪
かがみはLV.2にあがった!
かがみの体重が5kgあがった!
かがみのやるせなさが6あがった!
かがみの切なさが3あがった!
かがみのレズっ気が10あがった!
「こなた、モンスターは?……ってもう倒したんだ。」
ようやく目潰し状態が治ったかがみは、こなたのもとに駆け寄った。
「うん、よゆーよゆー。格闘技経験者の腕を奮ってイチコロ、だよ♪」
こなたは腕をブンブンと振ってみせた。
「よかった……私だけじゃなくて、こなたに何かあったら私、もうどうしていいか……」
かがみは急にうっすらと涙を浮かべ、こなたの小さな体を抱き寄せた。
「か、かがみ?どうしたの、いきなりそんなデレモードになっちゃって……?」
「え!?あ……いや……何でもない……。そ、それはそうと、モンスターもやっつけたことだし、先に進みましょうよ。」
「う、うん。そうしよっか」
(なんか……へ、変なかがみ……)
(わ、私いきなりどうしちゃったんだろ!?)
かがみは自分のレズっ気が知らぬ間にエスカレートしていることに気づいていなかった。
少し歩いたのち、二人は降りの階段を見つけ、地下2階に降りた。
地下2階
2階は薄暗く、見通しがなかなか利かなかった。
数分して、ようやく目が慣れたその時、
「きゃあ!こなた!そ、そっち!」
「ん?」
こなたはかがみの指差したほうを見てみると、
そこにはピンク色の髪と眼鏡をかけた、これまたみゆきそっくりな姿をしたモンスターがいた。
モンスター みkipediaがあらわれた!
「あ、あ……、近づいてくる……」
みkipediaは、まずはかがみに向かってくる。
逃げるかがみ。しかし、そのみゆきそっくりの姿からは想像できないほどのスピードですぐに追いつかれてしまった。
みkipediaの攻撃!
「もともとですね、ダンジョンとは、君主を意味するラテン語『dominus』に由来する古フランス語でありまして、
中世においては、城の最重要部である天守(Keep)を意味し、ダンジョンは外壁が占領された後、
守備兵達が立てこもる最後の砦であり、(〜中略)さまざまな状況でこの言葉は使われているんですよ。」
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用)
「ああ……ね、眠い……」
かがみは尋ねてもいないうんちくを聞かされ、退屈で眠ってしまった!
「あー!かがみん寝ちゃったよ……また私一人でなんとかするしかないか……」
かがみを眠らせたみkipediaは、今度はこなたを目掛けて猛スピードでやってくる。
『私の出番はうんちくだけですかーー!!!!』
悲痛な声で叫びながらみwikiはこなたに迫ってきた。
こなたがギリギリまでモンスターを引きつけた次の瞬間!!
「このまえ エフエフで へんなワザを おぼえたんだ ちょっと やってみよ〜ぜ〜!!」
と、どこかのゲームで聞いたようなトボケタ台詞と共にこなたは高く飛び上がった。
「リューキーシ!!」
自由落下の勢いをつけたこなたのキックがみkipediaにクリティカルヒット!
「ふっ……決まった。」
『ひでぶ!』
かいしんのいちげきを食らったみkipediaは、やはりどこかで聞いた断末魔を吐いてその場でノビた。
「うーん……もうこなたは食べれないよ……」
顔を赤らめて寝言を言うかがみ。
「おーい、起きろー」
こなたはかがみの頬をたたいて起そうとする。
が、かがみの起きる気配はない。
「むにゃむにゃ……あと1プレイだけ……」
(どんな夢をみてるんだか……)
かがみは一体どのような夢を見ているのだろうか。怪しさ満点である。
「起きろー!!」
「わっ!!!!」
かがみの肩を思いっきり揺らしてようやく起きた。
「あ、こなた?私今まで寝ちゃって……た?」
「うん。」
「そ、そうよね……夢じゃなきゃ私と、こなたがあんなことになってるなんてないわよね……ブツブツ」
「なに?どうかした?」
「い、いや!何でもないわよ!さ、先に行こう!」
ここでどんな夢を見ていたか詳しく問い詰めると、SSの方向性が変わってしまいそうなので、
こなたもツッコむのを諦め、先に進もうとしたその時!
『まだ終わってはいない……!』
倒したはずの、みkipediaが起きあがって追いかけてくる!
おそらく仲間にして欲しいような目では見てない。
「ちょっと!倒したんじゃないの!?」
「あれー!?かいしんのいちげきで仕留めたと思ったんだけどなぁ……」
とりあえず、全速力で逃げる二人。
『あんたら二人だけ出番多いんじゃーーーー!』
逃げる二人をみkipediaは何か恨みのこもった台詞を吐きながら追いかける。
最初はそれなりにあったみwikiとの間合いもだんだん詰められてきている。かなりピンチです。
「ど、どうしよーーーーーー!!!!!!」
かがみは少しこんらんしている。
「あ!階段がある!あそこに逃げよう!」
と、こなたが指差した階段に二人は何とか駆け込み、みwikiに捕まるすんでの所で難を逃れた。
かがみ体重増えすぎw
ここでいったん中断です。後編は明日か明後日か、とにかくなるべく早いうちに
上げます。こちらのミスで
>>582と
>>583がダブってしまいまして申し訳ありません。
589 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 22:59:26 ID:0PL7fB1y
超GJ!!続きが気になって眠れないww
かがみエロ杉wwww
>>551 こなかが!こなかが!
DIO様、もといひよりんテンション高すぎw
>>552 あれ、俺いつのまに書き込んだんだろ
>>588 かがみのステータスがwww
むしろ夢の内容を問い詰める方向のSSでw
かがみのステータスアップで吹いたw
>>588 これはうけるww
ってかLv上がるたびに体重増えるのか?
ダンジョン出る頃には、かがみすごいことになってそうだな
いやそれよりも、こなたへの愛(ry
ってなわけでGJ
>>588 GJすぐるwww
シレンとかさんざやった俺にはかなりのツボ
店がアニメイトで、盗むと店員が追ってきたりしてなwwwwww
なんか俺もパロディモノ書きたくなったけどどうすればいいと思う?
>>593 想像したらアニメ店長がゴッドフィンガーとか使って攻撃してきて吹いたw
>>588 GJ! 巫女とwikiの扱いに全米が泣き笑った。
ところでモンスター名、「みkipedia」と「みwiki」が入り混じってるゾナ。
>>594 どうすればいいと聞かれても……
それはどう答えればいいんだろうか……
まぁ取り敢えず、書けばいいんじゃないかな?
598 :
588:2007/09/09(日) 23:23:09 ID:nBeWebKZ
>>596 全て、みkipediaと打つのが面度臭かったのでところどころ手抜きで、みwikiで打っちゃってました。
みkipediaはSSの作者の扱いも悪かったという……
でも、自分はみゆきさん好きです。どうでもいいなんて思ってません。
決してバツが悪くなったからの弁解じゃないんだからね!!
>>562 遅レスだが鉄人28号2004年リメイク版とバタフライ・エフェクトおすすめ。
ゲームならサイレンとかが最強クラス。
メタルギアソリッドシリーズもある意味鬱。
>>594 参考にならないかもだけど我流の作り方w
昔書いたテキストがあったから晒してみよう。
準備するもの:
・愛
・多少高性能なテキストエディタ(秀丸・桜エディタ・EmEditor・TeraPad等なんでもOK)
@電波を受信します。ワンシーンでもOKです。
ex:ぺたつく・間接キス・膝枕・キスシーン・えっちしてるとこ……とかw
A種帳にそのシーンだけ思いつくまま書きなぐります。
Bそれを自然にするためにはどんな風にしたらいいか悩みます。*1
C悩み終わってなんとなく頭の中で形になったら、テレビを見てるようなイメージで書き起こします。
これを私は文コンテと呼んでますけど、多分普通はプロットって呼びます。
D一晩寝かせます。
E文コンテをみながらドラフト(下書き)として書き起こします。
F書き上げたらまた一晩寝かせます。
Gドラフトを見ながら推敲します。
Hやっぱり一晩寝かせます。
I印刷して眺めて最終チェックします。印刷したら誤字に気づいたなんてことがあります。
印刷を勿体無いからって会社でやると、見つかったときに死ねるので家でやりましょう。でも私は会社で印刷します。
帰り、湘南新宿ラインのグリーン車とかで眺めるとちょっとデキるヒトみたいに見えます。見えるだけで単なるアホです。
問題ないと思ったらメッセとかでらき☆すたを見てる友達に送りつけます。ちなみにこの段階を私はリビューと呼んでます。
Jコメントがあったらその点を考え直します。クレームではなくご指摘と呼びましょう。
考え直したら、可及的速やかに書き直してリビューしなおしましょう。
K上が終わったらココロの勇気を出し、まえがきとあとがきを書いてスレッドに投げ入れる妄想をしましょう。
ちなみに60行まで投稿できるらしいです。総レス計算して『1/8』とかつけるとそれっぽいかも。
※ここでちょっと高性能なエディタだとライン数を常時表示できたりするのでべんり。
L妄想の結果、ヤバイと思わなかったら投下して、コメントにwktkしましょう。――PC落として寝るほうがお勧めだけど。
*1:通勤の行き帰り、会社でふっと暇なとき、そのキャラたちのことを考えてると浮かびます。←間違いなくかわいそうなヒトです。
>>600 自分の書き方がいかにいい加減なものかわかった
2は自分の脳内に保存してるし7と9なんてない
10に至っては考えたこともないから後から誤字に気づくことはたくさんある
それに他人に見せられるようなものじゃないから誰にも見せてない
えーっと、
書き方等については控え室のまとめを覘いてみたほうが早いし、
詳しく語り合うことも出来るんで、そちらへ移動なされたほうがよろしいかと……
男ならメモ帳だろ
なんか他作品とのクロスオーバーがはやってるのかな。
スレチじゃなければ自分も書いてみようかな。
ぶっちゃけクロスオーバーものは受け入れられているとおもっておk?
受け入れられないわけじゃないがクロスオーバーばかり次々と投下されるとキツイ・・
スレタイをよく読んでなるべくしばらく投下がないときとかの暇つぶし程度に投下してくれるとちょうどいいかな
>>606 クロスオーバーに限らず、内容によって受け入れる人/受け入れない人が居る。
なので気にせず投下OK!
でも受け入れない人用にヘッダーとNGワードは必要。
609 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 01:10:27 ID:8ybwuEGu
610 :
609:2007/09/10(月) 01:14:26 ID:8ybwuEGu
ageてしまってすいません…orz
>>609 GJ!
ひよりんの顔にワロタw
ん?これってよくみるとかがみも自分から舌絡ませてr(ry
今回は満遍なく登場してた
>>609 ひよりん悪人面でワロタwwwwwwww
>>609 それにしてもこのひよりん、ノリノリである。
ここまで来ると、例えばゆたかが王様になったとして、遠慮がちな命令とか出したら、
「悪いけど小早川さん、そんな命令貧弱貧弱ゥ!」とか考えそうだなw
18禁百合同人を見たゆたか……
その中で自分と交わうみなみ……
それは目の当たりにしたゆたかはみなみにそれを見せて……
自重しろ俺wwwww
ひより「んー、私の場合は実体験とか参考にするかな」
ゆたか「じ、実体験……」
想 像 中(“妄想”でないところがポイントである)
ひより「あんっ、お、お姉さま、ダメです……私達、女同士なのに……」
お姉さま「ふふっ……ひよりは可愛いのね……。大丈夫、私に任せて……」
ひより「ひゃっ!? あんっ、だ、ダメっ……そんなトコ……あ、ああっ!!」
お姉さま「あらあら、綺麗な肌をしているのね……。それに、瞳が凄く綺麗……。
私、あなたのこと気に入ってよ?」
ひより「お、お姉さまに愛されるのは嬉しいですけど、で、でもこんな……!」
お姉さま「クスッ……こういうのは初めてなのね? うふふっ……大丈夫よ、怖がらないで……。すぐに気持ちよくなるわ……」
ひより「お、お姉さまっ……私、わたしっ、もうっ……ああっ!」
想 像 終 了
ゆたか「//////」
ひより「読んだのね?」
ゆたか「え、えーと……」
ひより「読んだのね? あんなに見せないでって言ったのに〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
みなみ「?」
>>617 真っ先にこう×ひよりを想像した俺はもう駄目かもしれない
誰か
こなたとかがみが買い物中に、こなたの中学の時の友達(魔法使いの人)に会って
こなたが意気投合して、かがみが嫉妬するというSSを書いてくだせえ
俺今SS4つ同時進行してるんですorz
こんな俺に誰か愛の手を
最新話見たんだが、予告を見て動揺してしまった
最終話にあれを持ってくるのは反則だろう
……終わるのが寂しいなぁ
非エロ投下してる馬鹿はなんなの?スレタイ読めよ低脳
622 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 12:49:15 ID:RqzJLYtn
思いつきで男体化みなみと、ゆたかの会話
「岩崎くんは背が高くていいナー」
―身長よりも―別のところが大きくなって欲しかった―
>>622 ディスプレイがお茶で汚れたじゃねーかw
どっちにしろダメダメじゃないかwwww
みさお兄(想像で)×あやのとか需要ありますかね
そもそも男との絡みに需要があるのか…?
ありありオオアリクイ
>>632 俺個人としてはうぇるかむ。みさおがこっそり覗いてたりするとなお良しw
昨日の放送でかがみが電話かけてた相手ってこなたかな?
電話が切れた理由を怒ってるせいじゃないと言って、最終的には自分から謝るかがみに萌えてしまった。
きー兄さんは声と語り口から『いい人』って想像はつくんだけど、みさお兄はほんと想像だよなー
グレードアップしたみさおなのか、それともみさおに苦労させられた常識人なのか……
ともあれ男×女の需要は0じゃないだろうし、あやののSSはまだ少ないから俺は歓迎する
ただ、『兄の名を騙った俺キャラじゃねーか』と言われる可能性は皆無じゃないから、投下時にNGワード等の断りは入れたほうが良いんじゃないかな
ありがとう、プレッシャーと闘いながら書き始めてみるよ
これはかがみいつ手を出してもおかしくないな
つかさ気で満ちてるってのは空気って事か?w
気を使ってるんじゃない?
「なあ柊、重いよ〜重すぎるよ〜」
「……あんた、私に喧嘩売る気?」
「違うよ〜脳内メーカーの鯖が何度クリックしても反応しないんだよ〜」
「アクセスが集中してるだけでしょ。ちょっと時間をおいてから見ればいいじゃない」
「え〜、だって今見たいんだよ〜。泉と柊の仲がどんなもんか確かめたいジャン」
「……みさちゃんとおんなじ考えをしてる人が沢山いるのよ。
だからってリロードしすぎてサーバに迷惑かけちゃダメよ」
「柊ぃ〜、あやのまで敵に回っちゃったよ……」
「自業自得よ」
>泉と柊の仲がどんなもんか確かめたいジャン
そこはどう見ても自分とかがみ入れるだろう
泉こなた×田村ひより の結果がひよりんかわいそうすぐる件
646 :
794:2007/09/10(月) 19:34:01 ID:Eixtv7xX
最近シリアス物ばっか書いてたらギャグ物が書きたくなったwww
てなわけで、ギャグっぽいこなかが投下
まぁ期待しないでくれ
5レスもらいます
「かがみはやっぱりツンデレだねぇ〜」
「お〜、とりあえずひっぱたいとくか?」
「いや〜ん、かがみに犯される〜」
「いい加減このアホ毛引っこ抜くぞ!!」
グイッ
ヒュ〜……
ガンッ…………
「な、なんで、金だらいが、空から、降ってくる……わけよ……」
ガクッ
「『紐を引っ張ったら金だらい』これド○フの常識だよ、かがみ」
「かがみはやっぱりツンデレだねぇ〜」
「お〜、とりあえずひっぱたいとくか?」
「いや〜ん、かがみに犯される〜」
「いい加減このアホ毛引っこ抜くぞ!!」
グイッ
(はっ!!)
そういえば、さっきはこなたのアホ毛を引っ張ったから金だらいが降ってきたのよね?
ということは、今回も金だらいが、降ってくる!
それなら、私が横に一歩ズレれば
(この間約0.8秒)
「見切った!!」
ヒュ〜……
(遅かったわね、そこに私はいないのよ!)
ガンッ…………
「な、なんで、移動した場所に、降ってくる……わけよ……」
ガクッ
「甘いね〜かがみ。降ってくる前によけちゃダメだよ」
「かがみはやっぱりツンデレだねぇ〜」
「お〜、とりあえずひっぱたいとくか?」
「いや〜ん、かがみに犯される〜」
「いい加減このアホ毛引っこ抜くぞ!!」
グイッ
パンッ!
(うわ〜、こなたのスカートから色とりどりの紙テープが……)
「って、クラッカーかよっ!?」
「あ〜あ〜、片付けるの大変なんだよ、これ……」
つ、ついていけん……
「かがみはやっぱりツンデレだねぇ〜」
「お〜、とりあえずひっぱたいとくか?」
「いや〜ん、かがみに犯される〜」
「いい加減このアホ毛引っこ抜くぞ!!」
グイッ
カチッ!
うにょ〜ん、うにょ〜ん、うにょ〜ん……
「なによ、この気の抜けるサイレンは……」
『自爆装置が作動しました。地球消滅まで、あと5分』
「じ、自爆装置?」
「かがみ、触れてはいけないものに触れちゃったねぇ……」
「あ、あんたのアホ毛って……」
「さぁ!人類最後の5分をめくるめく百合の世界で迎えようではないか!!」
「ちょっ、こなた?あっ……そんなとこ……さわっちゃ、ダメェ……」
続かない。
「かがみはやっぱりツンデレだねぇ〜」
「お〜、とりあえずひっぱたいとくか?」
「いや〜ん、かがみに犯される〜」
「いい加減このアホ毛引っこ抜くぞ!!」
グイッ
スポッ!
「うぉわっ!抜けたっ!?」
「………………………」
「あれ?お〜い、こなたさ〜ん?」
「………………………」
「もしかして……」
ズボッ
「かがみ〜ダメだよ〜、アホ毛キャラのアホ毛にさわっちゃ」
「………………………」
スポッ
「………………………」
「………………………」
ズボッ
「かがみ、いい加減怒るよ」
「………………………」
スポッ
「………………………」
「……こ、これって」
こなたがアホ毛に操られてる〜!!??1?
ズボッ
「こなた!あんたのアホ毛って……」
「かがみ」
「こ、こなた?」
「気づいてはいけないことに気づいてしまったねぇ……」
「こ、こなたさん……」
「さぁ、アホ毛属性にいらっしゃ〜い」
ちょっ、その手に持った紫色のアホ毛はなんですか?
「だいじょ〜ぶ、痛くないからぁ……」
「ニヤニヤしながら寄ってくるなぁ〜!!」
「アホ毛でツインテールキャラなんて、そうそういないよ〜」
「いや〜、や〜め〜て〜」
その後
柊かがみの行方を知るものはいない
「フンッ、アホゲガホシカッタワケジャナインダカラネ」
終われ
652 :
794:2007/09/10(月) 19:42:42 ID:Eixtv7xX
以上
後悔はしていないが反省はしている
要するに、慣れないことはするもんじゃない
じゃーーん
っちゃっちゃっちゃすっちゃららっちゃすっちゃららっちゃすっちゃっちゃ
っちゃっちゃっちゃすっちゃららっちゃすっちゃららっちゃすっちゃっちゃ
っちゃっちゃらっちゃらっちゃー(ぺぷーんぺぷーんぺ)
っちゃっちゃらっちゃらっちゃー(ぺぷーんぺぷーんぺ)
(※くりかえし)
ワロスwwwwww
655 :
14-319:2007/09/10(月) 20:57:06 ID:yTb1ump2
どうも、こんばんは隠し事の作者です。
続きはもう書いてあるけど投下するタイミングが得られなかったのは事実。
だけど、これから投下する内容は全くの別物です。すみません。
23話のつかさの空気化に私が泣いて作ったものです
つかさ視点だけで進みます
鬱要素あり?かもしれませんし、ないかもしれません
6レスほど貸していただきます
まずい
みさお兄の呼び方どうしよう
名前なんてわかんねーしみさお兄視点で書くのも微妙だし
ここは覗いてるみさお視点で書くしかない
んで舞台が回ってステージになって中山みほあたりが新曲うたうんだな
「おはよ〜、かがみ〜」
ねぇ、こなちゃん、
「おっす、こなた」
ねぇ、お姉ちゃん、
「かがみさん、おはようございます」
ねぇ、ゆきちゃん、
みんなにとって私は何なのかな?
― 一 人 ―
>>653 散々考えてでた曲名がレッドショルダーマーチだった。
たぶん違うと思う。
661 :
一人:2007/09/10(月) 21:00:20 ID:yTb1ump2
「こなた、今日買いたい物があるからさ、一緒に帰らない?」
「かがみまた買いたい物があるんだねぇ。お金なくなっちゃうよぉ?」
「大丈夫よ。
あ、つかさは先に帰っててね」
「う、うん」
「気をつけて帰りなさいよ」
「大丈夫だよ、お姉ちゃんも気をつけてね」
最近こなちゃんとお姉ちゃんはいつも一緒に帰ってる
ゆきちゃんは委員会の仕事が忙しいらしいから一緒に帰れない
だから最近は毎日一人で帰ってる
お姉ちゃん、私…寂しいよ…
この日、結局家の帰ってもお姉ちゃんと話をする事はなかった
次の日はお姉ちゃんと一緒に家を出たけど
お姉ちゃんは学校に急ぎの用事があるからと言って先に行ってしまった…
なんでだろう…最近お姉ちゃんが冷たい気がする…
学校へ着いてもそれほど友達がいないが私の一人の時間があった
こなちゃんはお姉ちゃんのクラスへ行く様になっちゃったし、
ゆきちゃんは話かけてくれるけどすぐに仕事があるからと言って行ってしまうし…
私もお姉ちゃんのクラスへ行きたいけど
私は人見知りするタイプだし、積極性などもないので隣のクラスへ行く事が不安になってしまう
こんな自分だからお姉ちゃんは私の事嫌いになっちゃったのかな…
662 :
一人:2007/09/10(月) 21:01:39 ID:yTb1ump2
今日の放課後も私は一人で帰った
正確に言えば、私はHR後すぐ教室を出てって家に向かった
家に帰っても私一人の時間が続いた…
「なんで…」
ベットの中でそう小さく呟いた
不意にドアが開く音が聞こえた
「つかさいる?」
「何…?」
「ねぇ、つかさ私たちさ…」
「やだ!それ以上言わないで!お姉ちゃん私の事嫌いなんでしょ!?もう部屋から出てって!」
お姉ちゃんの両手が私の両肩を掴む
「つかさ、落ち着いて。誰がそんな事言ったの?少なくともあんたが考えてるような事じゃないから!」
「お姉ちゃん出てってよ!」
ピシッ!
お姉ちゃんの手が私の頬を叩いた
「…」
「分かったわ!つかさがそんな態度なら私も話したいこと話さないわよ!」
お姉ちゃんはそう言って部屋から出て行った
私はまたベットに戻った
お姉ちゃん…私は…
なぜか目から涙が溢れていた
結局その日の晩ご飯は食べなかった
次の日私は珍しく朝早くに起きてお昼のお弁当を作っていた
なぜか無意識のうちに二人分をお弁当を作っていた
その後一人で朝ごはんを食べ自分の部屋でぼーっとしていた
学校に来たけどやっぱり一人の時間は変わらなかい
こなちゃんは私に興味も持たないで隣のクラスへ向かって行く
ゆきちゃんもやっぱり仕事が忙しい様子だった
授業の事なんて全く頭に入らない
早くこの場所から逃げたい気持ちでいっぱいだった
みんなが私の事馬鹿にしているように見えて仕方が無かった
授業が終わって放課後の時間も一人だった
これからずっと一人なのかな…?
自分のベットの中でそんな事考えてたら眠りに着いていた
663 :
一人:2007/09/10(月) 21:03:14 ID:yTb1ump2
―…ぇ、…かさ?
私は突然目が覚めた
「つかさ、起きてる?」
「ん…、何?お姉ちゃん…?」
「この前の話だけど、聞いてくれる?」
「うん、いいよ…」
ちょっと怖いけどやっぱり聞いて見なければ何も変わらない気がした
「じゃあちょっとこっちきて…」
お姉ちゃんの言うとおりお姉ちゃんの前で座った
お姉ちゃんの真剣な様子が見て伝わってきた
その中から優しさも伝わってきた
「話って何…?」
「ねぇつかさ、私たちさ、ずっと二人だったでしょ?それにもうすぐ高校卒業して私たちとは離れ離れになるのよ?
だからさ、私がいなくなってつかさが一人になったとしても
つかさが一人で生きて行けるようにように私はこなたとみゆきの協力を貰ってつかさを一人にしてみたのよ。
こなたみたいにずっと一人で居た事の寂しさを知って欲しかったの。
つかさはずっと私に頼ってきたから頼れる人がいなくなる辛さも知って欲しかった。
やっぱりつかさには難しかったよね。今まで二人で来たのに突然一人になるって言うのはね。
でも、一人ぼっちの辛さと寂しさが分かったでしょ?
だから私は進学しても一人ぼっちにならないようにやらせてみたの。
後さ、私がつかさの事嫌いって言ったのはなんで?私、そんな事言ってないわよ?」
664 :
一人:2007/09/10(月) 21:04:42 ID:yTb1ump2
「うん…ありがとお姉ちゃん…。
お姉ちゃんが最近冷たかったからそう思っちゃっただけなの…ごめんね…」
「まぁいいわよ。私もごめんね、この前ビンタしちゃって…
それに、つかさを一人にさせちゃったのも…姉として失格だよね…」
「ううん、大丈夫だよ…私がここまでこれたのもお姉ちゃんのおかげなんだもん…」
「そっか…」
お姉ちゃんが私に抱きついてきた
このお姉ちゃんの温もりは何年ぶりだろう…
「ねえお姉ちゃん、私たちずっと一緒だよね?」
「当たり前よ…双子なんだから…。一人にさせちゃってごめんね。もうつかさの事一人にしないから…」
「お姉ちゃんもなんかあったら私を頼ってね」
「あまり頼れないわね」
私とお姉ちゃんは笑いあった
このままずっと二人で過ごせたらいいのに…
665 :
一人:2007/09/10(月) 21:06:03 ID:yTb1ump2
「またさっきの話に戻るけどだけどつかさ、進学しても一人にならないようにね。
いざとなったら私を頼りなさいよ。伊達に18年間あんたの姉してるわけじゃないから。」
「う…うん…怖いけどなんとか頑張ってみるよ…」
「まぁ、それよりご飯よ。ちゃんと食べないで倒れたら怒るわよ?」
「うん、お姉ちゃん、ありがと…」
私たちは一緒にリビングへ向かった
ずっとこの生活が続いたら…って思うのに…
時間って残酷だよね…
終わり
ありがとうございました
隠し事2話も今日中に投下できると思います
gj
どう見ても鬱です
こなかがスレのヤンデレつかさと比べるとこれくらい…ッ
無理でした
欝すぎ
だがGJ
671 :
653:2007/09/10(月) 21:27:40 ID:WEh8OwYi
>>666 なんという鬱。でもGJ
割り込んじゃってごめんねorz
>>671 この曲だったのか。
つーか、収録曲の中で浮いてるなぁw
673 :
12-512:2007/09/10(月) 22:43:37 ID:ETLrcnUY
五分ほどで投下します。こな×かがで5,6レス頂きます。
タイトルは違いますが以前投下した「さよなら魔法使い」の続きです
「ちょっと早く来すぎたかな」
駅構内の電光掲示板を見ながら、かがみは一人呟いた。
まだ約束の待ち合わせ時間より20分以上ある。
時間にルーズにこなたの性格を考えれば、暇をもてあますのは必至だった。
かがみはため息をつくと、目の前を通り過ぎていく人波に目を向けた。
県下有数の繁華街を有する大宮駅は様々な人で溢れている。
(この中にも同性と付き合ってる人がいるのかな)
こなたと付き合うことになって、かがみは常識が案外頼りないものだと知った。
一塊にしか意識していなかった人々の姿が、それ以来妙に鮮明に写る。
すると、その中にバネ仕掛けのように跳ねる青い髪がこっちに向かってくるのが見えた。
「ごめん、待った?」
走ってきたせいか、こなたの頬はいつもより健康的な薄桃色に染まっている。
七分丈のカーゴパンツにラグランの半袖、服装はいつもと同じで飾り気がないのに
なぜかいつもより可愛らしく見える。
「ほんのちょっとだけよ、15分も早く来るなんて珍しいわね」
「そりゃあ初めてのデートに遅れるわけにはいかないでしょ」
「ちょっ、そんな大きな声で言わないでよっ」
「大丈夫大丈夫、みんなそんなに気にしてないって。
……あ、かがみ可愛いの付けてるじゃん。それってあれだよね、去年の」
こなたの視線の先、かがみの耳には青い石をあしらったイヤリングが揺れていた。
「そうよ、みゆきにもらったやつ。
なかなか付ける機会がなくってさー、こなたは付けてるの見たの初めてだよね?
どう、似合ってるかな……?」
「可愛いと思うよ。ちょっと大人っぽく見える」
「良かった。
服何着てこうか散々迷ったんだけどね、考えたらあんた私の服全部知ってるじゃない?
だから何か新鮮な物を、って思ってさ」
かがみは愛おしげにイヤリングを指で撫でた。
「……おお何という乙女ちっく」
「ん、何か言った?」
「ううん、なんでもない。さ、まずはご飯食べにいこっ」
こなたは首を振ってごまかすと、かがみの手を掴んで歩き出した。
商店街から、路地を二本程奥に入った所にその店はあった。
旗がたっているものの、気をつけないと民家と間違えてしまいそうな佇まいだ。
「すいません、予約の泉ですけど」
二人が案内されたのは唯一窓際に面した席だった。
こなたは席に着くと早速メニューを手に取って、何を食べるか考え始めた。
「あんた予約なんかしてたんだ」
「うん、ここ見ての通り小さいからさ。予約しとかないと入れないんだよね」
こなたはメニューから目を離さずこともなげに答える。
「ふーん……」
「よし、私は決めた。かがみはどうする?」
「あっ、えっと、どうしようかな……うん、決めた」
かがみはさっとこなたから目を逸らすと、慌てて注文を決めた。
こなたは、エビの入ったトマトソースのスパゲティ。
かがみはイカスミのスパゲティを注文した。
「かがみぃ〜……デートに来てそれはないんじゃないの?」
前菜に続いて運ばれてきた、真っ黒なお皿を見てこなたがぼやく。
「しょ、しょうがないでしょ!私これ好きなんだから。
それに女同士なんだし、そんなこと気にしなくてもいいかなって……。
ああもう、じゃあ男みたいにここおごってくれる訳?」
「まあ……別にいいけど」
「え、ええっ!わ、私本気で言ったつもりじゃ」
一人で焦るかがみを、こなたは指を立てて制した。
「その代わり、今度はかがみのおごりだよ。どっかいいお店見つけといてね」
「ならいいけど……、じゃあ今回は払ってもらっていいの?」
「私もお金余ってるわけじゃないけど、単純に割り勘にしてもつまらないじゃん?
ところで、どう?美味しい?」
「まじで美味しい……あんたってオタ方面以外にこういう引き出しもあったのね」
「でしょ!ふふん、ちょっと見直した?」
こなたは顔が輝かせて、料理に関する蘊蓄を語り出した。
その奔流のようなトークにかがみは苦笑した。
(はあ、やっぱ分野が違ってもこういう所は変わらないわね)
約束通りこなたが会計を済ますと、二人は映画館に向かって歩き出した。
車が多数行き交う大通りを真っ直ぐに進む。
「そういや男女だとさ、男が車道側を歩くって言うよね」
「確かにそうね、まあ紳士的な所をアピールしたいんじゃないの」
「じゃあ私が車道側!」
歩道側にいたこなたが、かがみの腕を掴んで位置を入れ替えた。
「もう、私より背が低いくせに何言ってるのよ」
かがみがこなたを押しのけて元の位置に戻った。
「でも運動神経は私のほうがいいもん」
「いつもよそ見ばっかりしてふらふらしてるくせに」
「今日の私の服装男の子っぽくない?」
「もうわけわからん」
いつしか二人はお互いの腕を掴んで周りだしていた。
どちらからともなく、笑いが漏れ出して止まらなくなる。
結局二人は映画館に着くまでそうして踊り続けていた。
「それなりにはお客入ってるんだね、もっとがらがらかと思った」
「まあまあ評判いいらしいよ。作者も結構名が知られてるしね。
……あ、前の方で真ん中の席が空いてるわね。じゃここでお願いします」
チケットを買って館内に入ると、クーラーの冷気がかがみの肩を撫でた。
半数以上の席は客で埋まっており、方々から談笑する声が聞こえてくる。
「カップル率高いなー、ああでもこっち側の人もやっぱりいるな」
「あんたは嫌な観察の仕方をするな。ま、ラノベが原作だしそうゆう人もいるでしょ」
程なくして場内の明かりが消え、上映が始まった。
物語は孤独な二人の男女が、頭の中にだけ存在する携帯電話で繋がる所から始まる。
電波状況も通話料も気にする必要はない。おかげで二人はいつどんな時でも一緒だった。
日々の些細な会話、携帯を通じた擬似的なデート。二人の距離は少しづつ縮まっていく。
そしてとうとう二人は実際に会う約束をする。
しかし実際に二人が会えたのはほんの一瞬だった。
最後の別れ際、男は声にできない言葉を女に伝える。
『きみは一人じゃない』
映画が終わって、二人は同じビルの喫茶店に入った。
ぼろぼろに泣き出してしまったかがみのために休憩していくことにしたのだ。
スタンド席に二人並んで座る。
「かがみは泣かない人だと思ってたよ」
「普段は泣かないんだけどね……ちょっと設定がツボっちゃって」
かがみはちょっとしたことで長電話を繰り返してる自分たちと、映画の二人を重ねあわせ
て見ていた。
勿論そんなことは気恥ずかしくて、とても言えなかったが。
「ふ〜ん、でもいいよね。あの携帯。
持ってたらすぐにかがみにかけるんだけど」
これを聞いてかがみは危うくコーヒーを吹きそうになった。
「ちょ、あんた……何恥ずかしいこと言ってるのよ」
「えー?私はただあれがあったら、テストも楽勝じゃーんとか思っただけだよ。
原作でもやってたよね。あれ?かがみってば何赤くなってんのぉ?」
こなたは身を乗り出してさらに追求する。
食品のものではない、甘い匂いがかがみの鼻をついた。
「う、うるさい……!わかったわよ! 私もちょっと欲しいなって思ったのよっ。
あれならあんただって、家に置いていったりしないでしょ!」
「ほほう、つまりかがみは私とずっと繋がっていたいと」
「いちいち恥ずかしい言い方すんなよ、もう!」
こなたの言葉のせいで、かがみの妄想はどんどんエスカレートした。
夏休みだろうが、クラスが別れていようがずっと一緒。
卒業しても、就職しても、あの携帯がある限り二人が離れることはない。
「まあほんとのこと言うと、私は欲しくないけどね」
現実のこなたの声が、一瞬でかがみの妄想を断ち切った。
「あ、そう……やっぱりこなたは携帯とか嫌いだった……?」
「そういうわけじゃなくてさ。いつでも繋がってたらきっとすぐに飽きちゃうよ。
なんの驚きもなかったら、恋なんてすぐに冷めちゃう」
「何よ……急に真面目なこと言っちゃって。普段は私のこと散々茶化すくせに」
ちょっとくらい想像に付き合ってくれたっていいじゃない」
「かがみんは甘えん坊だなー、そんなこと言ってるとまたみさおに泣かれちゃうよ」
これからはこっちででお弁当を食べる。
そう言った時のみさおの嬉しそうな顔が、かがみの脳裏に浮かぶ。
女と付き合うことになったと聞いても、笑って受けて入れてくれた単純バカの顔が。
「確かにそうだけどさ……あんたはそれでいいの?
普通付き合ってる人が他の……ええと男、女?を気に掛けてたら怒るもんじゃないの?」
「最近の女子は恋愛だけしてればいいわけじゃないのだよ、かがみん。
プリキュアだってそう言ってるじゃん。
っていうか、ようはかがみはさ、特別、が欲しいんでしょ?」
「え、え、ちょっと顔近いって、こんな所でするなよ!」
ふざけてキスしようと迫るこなたの顔を、どうにか両手で押しとどめる。
濡れたように光る唇が妙に艶めかしい。
「ってこなた……あんたもしかしてメイクしてない?」
こなたが急に身を引いて、顔をそむけた。
「いや、そんな見せるようなもんでも……」
「こら、ちょっとこっち向きなさいよ」
「いたっ、ちょっと痛いって、解ったから髪引っ張らないで」
こなたは観念して身体をかがみのほうに向けた。かがみは存分にこなたの顔を観察する。
「やっぱりグロス付けてる。あとチークもか。今日なんーか血色がいいなと思った。
おーおー、よく見たら結構色々手加えてるじゃん。
へー、あんたもこういうの気にするお年頃になったのねー」
さっきまでの仕返しとばかりに、かがみは思いっきり意地悪く言ってやった。
こなたが恥ずかしそうに目を伏せるのが、たまらなく快感だ。
「まあ、私も少しくらいできたほうがいいかなって……おかしいかな?」
「ううん、おかしくないよ。ちゃんと可愛いから大丈夫だって、こなたちゃん!」
冗談交じりではあるが、そこは本当だった。
元々出来の悪くないこなたの顔に、メイクが新たな彩りを加えている。
「もう、かがみの意地悪……」
「褒めてるんだから、拗ねるなよー。ねえ、何使ってやったの?」
「えっと、確か……」
結局こなたは、メイクのことで延々かがみにいじられ続けるはめになった。
夕日の差し込む電車内で、二人は別れを惜しむかのように話し続けた。
今日の出来事、受験の悩み、借りた漫画の感想。話題は尽きなかった。
「そうだかがみ、今度の誕生日はケーキ買わなくっていいからね。
私が作って持っててあげるから」
次のデートの話になった時こなたが、唐突に言った。
「ケーキって、あんたそんなんもん作れるの?あれ道具とか色々必要なんじゃないの?」
「ふふふ、うちのお父さんは凝り性だからね。オーブンだってちゃんとあるんだ。
ま、せいぜい期待しときなさい」
自信満々なこなたの様子にかがみが微笑む。二人は今確実に幸せを共有していた。
そんな二人にアナウンスが別れの時が近いことを告げる。
「もう次だよね、今日は随分一日が早かった気がするよ」
「私も楽しかったよ。まあ、やってることは普段と変わらなかった気もするけどね」
「だからキスしようと思ったのに、かがみ拒否ったじゃん」
「あんな所でできるかっつーの」
電車の扉が開くと二人揃って、ホームに降りた。ここでかがみは乗り換えとなる。
しかしかがみはなかなか動こうとしなかった。
一緒に降りた乗客はとっくに改札の向こうに消えて、人はまばらにしか見えない。
「かがみどうしたの?行かないの?」
「……まあこれくらいならいいかな」
そう言ってかがみは、こなたの顎に指を添えて上を向かせた。
「あ……」
「……じゃあね、また明日学校で」
ほんの一瞬かすめるようにキスをすると、かがみは足早に去っていった。
「かがみってば、ほんとシチュエーションに弱いなぁ……ちょっと心配だよ」
余裕ぶった口ぶりとは裏腹に声は上ずっていた。
この日メイクを落とした後も、なぜかこなたの頬から色が引くことはなかった。
681 :
12-512:2007/09/10(月) 22:56:27 ID:ETLrcnUY
ここで終了です
そろそろエロも書いてみたいですね
うわあああああああ
すいません、アホなレスで神作品に割り込みを……orz
吊ってくる。
>>656 あやの視点なら「おにいさん」でもいいんじゃない?
>>666 鬱が漂うがしかしGJ!
>>681 GJ!
惚れた方が負けとはよく聞くけれど、かがみよりもこなたの方が負けてそうだなw
>>681 GJ!
そろそろ投下しようかと思ったが、
神作品の余韻を自分なんかの投下で壊しちまうのは余りにもったいない。
てなわけでちょっとコーヒー飲んでくる
>>684 いや、4巻であったけど結婚も考えるくらい仲良いみたいだしさすがに「おにいさん」はないだろうと。
そんなに仲良いなら普通は名前で呼ぶと思って。
どうでもいいがあやのは恋人の事は「○○さん」って呼ぶイメージ
687 :
588:2007/09/10(月) 23:43:22 ID:ZCTSuOx6
こんばんわ。昨日の「不思議のマンション」の続きを投下します。
昨日は前編、後編の二回に分けると前書きしましたが、予想より長くなってしまったのと、
物語の盛り上げも考えて中篇を挟みたいと思います。今日はその中篇を投下します。
688 :
588:2007/09/10(月) 23:45:46 ID:ZCTSuOx6
こなたとかがみの大冒険〜不思議のマンション〜(中編)
地下3階
「ふう、な……なんとか……逃げ切れたわね……」
「そ、そうだね……なんとか……」
全速力で走ったので二人とも息が絶え絶えだ。
そんな二人をみkipediaは上の階から恨めしそうに見ている。
「なんで追ってこないのかしら?」
「セオリーだよ、セオリー」
「何の?」
「……あまり深くツッコまないこと」
一息ついて3階の探索を始めた二人。しかし、そんな二人の前にやっぱりモンスターがあらわれた!
モンスター エセ関西人教師があらわれた!
金髪と八重歯が特徴的なこれまた、ななこ先生にそっくりなモンスターだ。
『出番ー!うちの出番はあらへんのかー!年増言うな!うちはまだまだいけるはずや……』
と叫ぶ姿にはなぜか哀愁が漂っていた。
「ど、どうしよー!こなた!」
かがみはまたもやおろおろしている。今に関して言えばかがみの姿がつかさのように見えてしかたがない。
「ん〜、面倒臭いし、もう手っ取り早くあれやっちゃうか。」
「あれって?」
「必殺技」
そう言ってこなたはワザの構えを取った。
「いくよ!!だだだだだだだだぢぢぢぢぢぢぢぢづづづづづづづづででででででででどどどどどどどどどどーん!!」
かいしんのいちげき!エセ関西人に838861ポイントのダメージ!
『ウボァー』
どこかの皇帝のような、まったく迫力のない断末魔をあげてエセ関西人は倒れた。
「何、今のワザ」
「え?昔やってたゲームのワザでね、カッコよかったからマネしてたら出来るようになったの」
「カッコイイのか?そのワザ……」
そこにツッコむより、マネしてるうちに出来るようになったってことにツッコむべきな気もするが。
「でも、今回はえらいテンポのよい戦闘だったわね」
「まあ、ここも今まで通りの展開だと物語のテンポが悪くなっちゃうからね〜」
「物語?物語ってなんのこと?」
「……そこもあまり深くツッコまないで」
689 :
588:2007/09/10(月) 23:47:46 ID:ZCTSuOx6
気を取り直して3階の探索を再開する二人。そんな二人の前に耳と尻尾だけの猫?と形容することしか出来ない、
なんとも得体の知れない生物が横切った。
「あっ!今の!」
その生物を見てこなたが叫ぶ。
「な、何よいきなり」
「かがみ!あの生物を追うよ!」
と、こなたはかがみの腕を掴んでさっきの謎の生物を追い始めた。
「急に追いかけ始めるなんて、あの生物に何か特別な事でもあるの?」
「ありありだよ。あれはレアモンスターでね、倒すと経験値が1000貰えるんだよ。
まあ、ドラ○エでいう、メタル○ライムみたいなものだね」
「へぇ、そうなんだ。でもなんであんたそんなこと知ってるの?」
「うん、この前読んだ『不思議のマンションの歩き方(民明書房刊)』に載ってたんだ」
「それもすごーく胡散臭いんですが……」
かがみのツッコみも気にせずこなたは追いつづける。
が、謎の生物も妙にすばしっこく、追いつくことがなかなか出来ない。
通路に逃げ込んだ謎の生物を追っていると、急に向こうの動きが止まった。
「あれ、どうしたのかしら。急に止まっちゃったわよ。」
「はは〜ん、さてはこの先は行き止まりなんだな」
こなたはフフッと、エロゲーでお目当ての娘のHシーンにたどり着いた時と同じ、不適な笑みをこぼした。
謎の生物は逃げられなくなり、おびえた目で二人を見ている。
「さーて、どう料理してやるかな……」
二人が謎の生物に詰め寄ろうと足を踏み出したその時。
謎の生物は二人を見てニヤリと、してやったりな笑みをこぼした。
カチッ。
何かを踏んだ音がする。すると、今まで二人が立っていた床がぱかっと割れた!
「え?な、なに?」
戸惑う二人。……そして落ちる。
「なーー!!!!しまった!落とし穴の罠があったのかーーー!」
悔しがるこなた。でももう遅い。
「というか、なんでーーーー!あいつはーーーー!罠にーーー!かかってないのーーー!?」
「それもーーー!セオリー、なんだ、よーーーーー!!!!」
作者wwwwww
====================
ドスン!
しばらく落ちつづけていた二人も、ようやく落下が止まった。
ちょうど、こなたの上にかがみが重なり合うように落ちた。
「か……かがみ……」
「何よ」
「お……重い……しかも前より……」
「し、失礼ね!最近はお菓子も我慢してるし体重が増えてるはずないわよ!」
ガバッと起きて体重の増加を否定するかがみ。しかし、知らないうちに体重が増えている事実にかがみは気づいていない。
こなたも起きあがり、二人で周りを見わたす。一体どこまで落ちたのだろうか。
「こなた、……あれ見て」
辺りを見渡していると、かがみは一枚の看板を見つけた。
こなたもその看板に目を向けるとそこには、
「おいでませ27階へ」
と書かれていた。
「3階の次が27階……なんかキセルみたいなダンジョンね……」
「ん〜、確かに。でもいいじゃん、途中の階を探索する手間省けて。
ここに『しあわせの箱』があるわけだし、サクッと手に入れて帰ろうよ」
「そんなあっさりしてていいものなのかな……
まあここまで来たからにはもう少し頑張って『しあわせの箱』を手にいれましょっか!」
「かがみんはここに来てから何か、頑張ったり、活躍したりしたっけ……?」
「うっ……!た、確かに。……で、でも、これから頑張るのよ!これから!」
「はいはい」
こなたに痛いとこを突かれて反論できないかがみであった。
フロアを探索していると、大きな体育館と同じ位ただっぴろい部屋を見つけた。
その部屋の奥からは、一際明るい光が放たれているのが見える。
「ねえ、こなた、もしかしてあれが……」
「『しあわせの箱』かな」
二人はその光の方向に向かって走り出した。
光がだんだん大きくなる。二人の期待も高まる。
が、しかし。光の発信源にあったのは『しあわせの箱』ではなく、
白石の姿であった。
だだぢぢにメダル増殖か…何もかも懐かしい…
693 :
588:2007/09/10(月) 23:54:05 ID:ZCTSuOx6
中篇はここまでです。次回いよいよクライマックス!こなたとかがみの運命はいかに!?
ってそんなシリアスな話でもないですが。
3階から27階まで落ちてよく生きていられるなというツッコミは勘弁w
仕事から帰ると毎日幾つも投下されてて幸せだ、みんなGJなんだぜ
そしてなんとなく思いついたみさお兄の呼び方
「日下部さん、おまたせ〜」
「よ、あやの……って……俺、なんかあやのを怒らせるような事した?」
「え、な、なんで?怒ってなんてないよ?」
「昨日まで名前だったのに、急に苗字で俺を呼んでるから、なんか避けられるようなことしちまったかなって」
「あ、これね?うん、今のうちに慣れておこうかなって思って……」
「??さっぱりわからん」
「そ、その……日下部って苗字に……そのうち、自己紹介するとき私も日下部って名乗るんだし……」
「…………」
「へ、変?いや、かな?なら止めるけど……」
「……く、くくっ……はははっ、いや、いいんじゃない?練習になるなら。
でも、『さん』は抜いておかないといざって時に『はい、日下部さんです』なんて自己紹介しちゃうんじゃないか?そうなったらかなりの……ははっ」
「もう、笑わないでよ〜っ!いくらなんでもそこまでボケてません〜!」
あやのは年上には敬語かもなぁと思いつつ、でも恋人だからこんな感じで
>>693 GJ、甘い話の後にギャグ(?)がくると格別だなぁ
そして別のツッコミを一つ・・・・
このままだと、 レ ベ ル 2 で ク リ ア ですか?w
白石相手ならLV2でも充分だろ
しかし順調にレベルを上げるとかがみのレズっ気(と体重)がとんでもないことにw
21話ラッキーチャンネルの白石だったらまずいな
27階の出現モンスター
パトカーに乗ったゆい姉さんぽいもの
バレーボールをもったみなみぽいもの(遠隔射撃)
カメラを持ったそうじろうぽいもの(目潰し)
みwikiのお母さんぽいもの(混乱)
電波受信した。
700 :
11-618:2007/09/11(火) 00:34:42 ID:gQWozj59
昨日寝る直前にネタを思いつくも、お約束通り内容しっかり忘れたよ。
更にこれはこれでネタになるってガチで思った自分はもう手遅れかもしれんね。
ってなわけで王冠の続き、4レス程頂きます。
ネタ多数、注意。ちなみに原作5巻曰く、
DI…じゃなくてひよりは広守備範囲のオールラウンダー。
なんかもうここまでくると、自重したら負けかなと思えてくる。
ウサギよろしく部屋から飛び出したかがみ先輩。
でも泉先輩は意外にもその後を追わなかったっス。
「ふふ、ここはあえて追わないのがミソなのだよ。
ダイジョブダイジョブ。そのうち戻ってくるって!」
確かに今のかがみ先輩にはちょっと頭を冷やす時間が必要っス。
さすが先輩、その長いギャルゲ歴は伊達じゃない。
選択肢の選び方に狂いは無いっス!
そうして再び割り箸が回収されて、ゲームは再開したっス。
さっきのアレがよっぽど衝撃的だったのか、しばらくはちょっとした罰ゲームや一発芸などが中心になったっス。
エロスはほどほどに、ってやつっスね。
ちなみに命令の内容は割愛、各自のご想像にお任せするっス!
「ズッ タン ズッズッ タン♪ グイン! バッ!! ズッ タン……」
ギャング・ダンスを見事なキレで踊る泉先輩。
……なんでそんな妙に上手いんスか?
「One hundred million and two thousand years from now 愛〜シ〜テ〜ル〜!」
英語版アクエリを熱唱するパティ。
この人もスペック高いっス。上手い……
「それそれそれそれ!っス!」
袖をまくり、頭にタオルを巻いて、テキトーなドジョウ掬いをする私。
………………………………イタいっス。
「に、ニャ、ニャア……こ、こんな感じですか……?」
ネコ耳バンドとシッポ(なぜかあった)をつけて、物まねをする高良先輩。
きっと神様にペットがいたらこんな感じに違いないっス。…純粋に萌え。
「すごぉい、髪の毛サラサラ〜」
「………………」
つかさ先輩に膝枕されて赤くなる岩崎さん。そしてそれを見て頬を膨らます小早川さん。
意外にやきもち焼き?…やっぱり萌え。
「『爽(そう)あれたし』。
冷麺!……REIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIMENNNNN!」
冷やし中華(やはりなぜかあった)を前に、手に持った箸を十字にクロスさせて叫ぶ私。
うう……神罰が下りそうっス……
「え、えっちなのはいけないと思います!」
おそらく元ネタが分かっていないながらも、人差し指をピンと立てて、コッチの世界ではかなり有名なセリフを言う小早川さん。
ちょ、それ反則!ていうか犯罪っぽいっス!!
「ウホッ!いいおタコ……」
自分のペンダコを指差し、そんなくだらないネタを披露するはめになる私。
……せめて、食べる方のタコ(さすがになかった)があれば……
否、あっても変わらないっス……
……ていうか………………あれ?
私汚れ役多くないっスか!?
気のせい?気のせいっスよね!?
そんな感じでしばらくやっていると、
「……頃合、かな!」
突然泉先輩が言い、こっそりとドアに近づいていくと、私たちを手招きしたっス。
みんな頭に疑問符を浮かべながらも素直に従うっス。
そして先輩が勢い良くドアを開け放つと廊下には、
「――――――っな!?」
心底驚いた様子のかがみ先輩がいたっス。ちなみに体育座り。
「ふふ、そろそろ帰ってくる頃だと思ったよ。かがみんは寂しんぼだからね!」
よしよし、とかがみ先輩の頭を撫でる泉先輩。
「ち、違うわよ!1人だけ参加しないのも白けると思って…」
真っ赤になって、ゴニョゴニョ言うかがみ先輩に、
「ま、そゆことにしといてあげるよ」
可愛い奴め。先輩はそう呟くと、実に機嫌良さげにかがみ先輩の手を引いて部屋に入ったっス。
離しなさいよ、なんて言いながらかがみ先輩も満更でもなさそう。
「じゃあ、早速ゲーム再開デス!」
パティのその声と共に、ゲームの第3部が始まったっス。
……そこからが凄かったっス。
まるで何者かの絶対不可視的な力に操られるように、ゲームは進んでいったっス。
そう、私の望む方向、私の望むカップリングで……!
「ひゃうぅ!く、くすぐったいよぅ……!」
「ふふ、まだまだ!」
楽しげにくすぐるかがみ先輩と、身をよじるつかさ先輩。
う、美しい姉妹愛っス……!
もしや家でもあんな事やこんな事を!?いやいや自重しろ私!
「わあ、お姉ちゃんのほっぺ、すごく柔らかい!」
「ゆうひゃん、そろそろ止めへ〜!」
泉先輩のほっぺを、楽しげにひっぱる小早川さん。
こっちも負けない姉妹愛を感じるっス!それにしてもこの姉妹、ロリロリである。っス。
何?……本当の姉妹じゃない?
何をおっしゃるウサギさん。そこがいいんスよ!!
「お上手ですね、みなみさん」
「……い、いえ」
ゆったりしたBGMに乗せて、手を取り合って踊る高良先輩と岩崎さん。
この2人もある意味姉妹っぽいよね。
普段はクールな岩崎さんも、高良先輩の前では無意識の内に微笑みがこぼれるようっス。
……ハッ!?そうか、岩崎さんにとっては、高良先輩は幼馴染で年上な、頼りになるお姉さん。
歩く萌え要素、完璧超人の高良先輩に、さらにそんな属性がついた日にゃあもう!
我ながら、何で今までこの可能性に気付かなかったんスかねえ!?
……これだけでも十分過ぎるくらいなのに、ゲームはどんどん加速していくっス!
世界が一巡しちゃいそうっス!
「すごい……ゆきちゃんの胸、ふかふか……」
「つ、つかささん……!」
真っ赤になりながら、きゅっと抱きしめ合う高良先輩。
「もっと近くおいでよ〜かがみぃ〜」
「う、うるさいっ!」
ベッドに入って添い寝する泉先輩とかがみ先輩。
「ご、ごめん、ゆたか……」
「ううん!み、みなみちゃんのせいじゃ…」
小早川さんの服のボタンを、たどたどしい手つきで外していく岩崎さん。……え?
……加速しすぎて描写が追いつかないっス!
「オォ、ゲレイト!グレイトデス!!」
隣で嬉しそうにパティが叫んでるっス。
やっぱりあなたは同士っス……ホント、素晴らしいよね……
……パティ……私、このゲームが終わったら……この体験を元にして、原稿書こうと思うんス……
今度はいつもより頑張って、締め切りもしっかり守って……
……それに家では可愛い娘が、私の帰りを待ってるんスよ……へへ……
最近構ってやれなかったから、帰ったらうんと撫でてあげないと。
ときどき拗ねて処理が遅くなったりするけど、ツンデレっ娘でとっても可愛い、愛しい娘なんス…………
そんな思考がつらつらと流れては消えていく……
そんな恍惚状態が気持ちよくて……ああ、ここは、ここが、天国?
真っ白な花がいっぱいで、綺麗っス……その花言葉は「純潔」……
このときの私は分かっていなかったっス。
こんな都合の良い組み合わせの中、何故私だけが残されている意味を。
このときの私は気付いていなかったっス。
今まで確かにみんなの頭上にいらしたマリア様が微笑みながら、ゆっくりと私の方近づいてくるのを……!
【To be continued…】
作者のひより化が進む中、第五話をお届けしました。
……後半テンポを優先したら描写が酷いことにorz
まあ、足りないところは各自の脳内保管で宜しく(ぉ
あとツンデレなのはこなたのPCの方じゃねえか、なんていうツッコミは華麗にスルー。
次回で正真正銘、最終回です。
もう大体できてるんですが、一身上の都合から上げるのは週末になりそう……マジで申し訳ない。
でもその分も頑張るんで、気長に待ってて頂けたら幸いです。
それと、次回は金髪のあの娘が…いや、やっぱり何でもない。
705 :
11-618:2007/09/11(火) 00:43:16 ID:gQWozj59
名前また間違えた。
ド低脳なもんで……スマソ。
>>704 GJ!!!
続きが猛烈に楽しみ
>>699 きっとみwikiのお母さんっぽいものと同じ部屋にいるとみられるだけで混乱するな
>>704 GJ!ひより暴走しすぎwwwwwww
もしかして、パティ×ひよ…あれ?誰か来たみたいだからちょっとそとにでtうわなにをするやめ(ry
このシリーズは毎回ひどいな(褒め言葉)
神の見えざる手・・・
gj
ひより死亡フラグwwwww
添い寝のところとボタンを外すところはkwsk描写していただきたいw
>>704 GJ! 個人的に最近、このシリーズの続きが一番の楽しみだw
ものすごくひより暴走的な空気だけど投下します
「ああ、すばらしきお泊り会 心情整理」のかがみ視点
かがみが絶賛ネガティブキャンペーン中で、こなたの思考とすれ違いまくってます
9レス使用します 寸止めで終わるけど
こなたが部屋を出たときのパタンというドアが閉まる小さな音と共に私はうな垂れた。
自責の念という透明な物質が肩に重く圧し掛かってくる。
昔はもうちょっと我慢できたはずなのに、どうしてこうもネジが緩んでいるんだろうか。
そんなの考えるまでも無い。今と昔の違いは、付き合っているかいないか……だ。
昔は嫌われるだとか、友達にも戻れないかもしれないだとか、そういう恐怖と理性とで二重に私の行動に鍵がかかっていた。
それが今ではなくなってしまっている。
これぐらいなら大丈夫だろうなんて甘えてしまっている。
敷いてある布団に倒れこむ。使うつもりもなかったけど、使うことになるかもしれない。
さっきのことで用心して「やっぱり別々に寝よう」と言ってくるんじゃないだろうか。
こなたは喉が渇いたから水を持ってくると言って部屋をでたけど、それは言い訳で実際はこの場から逃れるためだろう。
もしかしたら、抱きしめたりキスされたりするのも本当は嫌がっているんじゃないだろうか。
言えないだけで我慢しているんじゃないか。私だけ舞い上がってるんじゃないだろうか。
ダメだ、思考のベクトルがマイナスを向いてしまってる。
腕の力で起き上がって、ベクトルの向きを変えようと自分を説得する。
――さっき、こなたは恥ずかしいのを我慢して抱きしめて、「甘えてもいい」と言ってくれた
こなたがそういう風に言うのは、きっと私だけ……のはず。
そう思うのは願望ではない……はず。
……本当にそう?
100%そう思ってる?
頭の奥に響く冷ややかな自分の声が、ベクトルの向きをマイナスのまま固定してしまう。
こめかみの辺りに小さな痛みを感じた。眼球の奥が重たい。偏頭痛のような痛みが思考を鈍らせる。
今何かを考え出してもマイナススパイラルにはまるだけだと思考を中断した。
気を紛らわすために散らばったトランプを片付ける。
思考は中断させたはずだったのに、どうやら考え込んでいたらしい。痛みが続いている。
トランプはあった場所に戻し、重い片目を押さえながらただ無心でこなたの帰りを待つ。
帰ってくるのが遅い気がする。いや、それともこれぐらいが普通だろうか。心が焦っているだけだろうか。
しばらくして足音がした。こなたが戻ってきたのだろう。
「かがみー? ごめん、開けてくれるかな」
「あ、うん」
片目から手を離して扉を開けると、両手にコップを持ったこなたが硬い笑顔でコップを手渡してきた。
ずっと片目を押していたから少し視界が悪いというか、ピントが合わないからただの見間違いかもしれない。
そう思いたい。
「はい、ちょっと量多いけど」
「さんきゅ。……って、本当に多いし」
手の平から脳へと、氷の冷たい感覚が伝わる。
喉は乾いてないと思っていたけど、お茶を見ていると無性に飲みたくなって本当は喉が渇いていたことに今更気づいた。
布団が敷いてあるために、座るスペースはスピードをしたときの場所しかない。
お互い向かい合わせで座って床にコップを置いた。
>>390 超亀レスだが、同じような台詞回しを某東方同人誌で
見かけた気がする。インスパイヤはかんべんなー。
「そうそう。さっきゆーちゃんに、ベッドから落ちた? って聞かれたよ」
話のネタにとでも思ったのか。
サラリと話してきた内容に呼吸が詰まる。
「えっ……ってことは、床を蹴った音聞かれたって事?」
「うん。一応そうだよって言っておいたけど。だから今からあんまり音立てないようにしよ」
「そ、そうね……」
口の中が乾く。潤すためにお茶を半分飲みこむ。いまいち味がわからない。
平然とそういう事を話してくるという事は、やっぱりこなたは知らないんだろう。
ゆたかちゃんは私たちが付き合っているという事を知ってるって。
……ベッドから落ちた? って聞かれてるのに、勘付かれてると気づかないって……
「ねえ、こなた。ゆたかちゃん、他に何か言ってた?」
「ん? えっと……ベッドじゃ狭いの? とか聞かれたよ」
「あうぅ……そこまで言われてるなら気づかれてるって思うでしょ普通……」
思わずコップを握り締めながら呟く。
ゆたかちゃんは『私たちがベッドで一緒に寝た』と思ってるからそう聞いてきたんだろう。
二人で寝たから狭くてベッドから落ちたの? と、言う意味で聞かれたんだと気づいてないのか、こなた。
「かがみはさ、何でああいう事するの?」
話が急に飛んだ。
『ああいう事』が何かは直感的に悟ったけど少しでも答えを先延ばしするために尋ねる。
「ああいう事って?」
「キ、キス以上の事、とか。最後襲ってきたりしたし」
なぜ普段巫女だとかメイドだとかエロゲーだとか恥ずかしい話をしてくるくせにそこでどもるのか。
コップで顔を隠しながらでもこっちの様子を見ているのは分かる。
理由を聞かれても、正直何をどう答えれば良いのか分からずとりあえず私もお茶を一気に飲み干した。
小さくなった氷も口の中に入ってきたから噛み砕く。
そう言えば、氷をかじるのは欲求不満の証拠だとどこかで聞いた気がする。
「……好きだから……だと思うんだけど」
「質問に質問で返すのは関心せんな」
いや、断定系で言ったつもりなんだけど。語尾が上がってたのだろうか。
こなたの言い方から、そのセリフはゲームか何かのキャラの真似だと思うけど元ネタが分からない。
私が突っ込まなかったからか、再び別の質問をしてきた。
「好きだからそういうことする……ってことなら、私がかがみを襲ってもいいの?」
不意打ちを食らって言葉に詰まった。
なんでこう、こいつは普段は好きだとか言ってくれないのにこういう微妙な空気の時には言ってくれるんだろうか。
それに……こなたが私を襲う?
学校で、前と同じように話しているときの感覚ならそれはあるかもしれない。
友達としてならのスキンシップは結構過剰にしてくるんだし。
でも、今現在なら?
恋愛感情でそれが起こりえるかと自問自答する。
自分の答えは……
「こなたが私を、私と同じ理由で襲うって事はないと思う」
「好きだからって理由で襲わないってこと? 私だってかがみのこと好きだよ」
怒っている。口調でも表情でも分かる。そう分かっているけど後半のセリフは言われて嬉しい。
数秒頭の中で噛み締めてしまい、反応が遅れた。顔が熱くなったようで、思わず隠す。
こなたは私のことを好きでいてくれる。そしてそれは恋愛感情でだと言ってくれる。
だけど……まったく私と同じ『恋愛感情』だろうか?
「えっとね……私がこなたに触れる理由は好きだから。それはOK?」
「分かるよ。私だってかがみに触れる理由は好きだからだし」
嬉しいけど不意打ちはくすぐったい。そして、少し悲しくなる。
やっぱり明確なズレがある。私たちの感情の間に。
ズレというか、私が望んでいる事がただの我侭なのだろう。
こなたがお茶を飲み干して床に置いた。こいつも緊張しているんだろうか。
「……私は、普通に触れる以上のことを望んでこなたに触れてる。それは……分かる?」
こなたがビクッと体を震わせ、小さく頷いた。
さっき私が暴走したときを思い出したんだと思う。
それを見て、傷つけてしまったんじゃないかという黒い何かがザワザワと胸を侵食した。
いや、その何かはずっと胸の中にあった。ただ見ない振りをしていただけだ。
「こなたも前に比べてスキンシップ多くなったけど……私と同じ感情で私に触れてる?」
「うん」という単語を。小さく縦に頷いてくれる事を私はどこかで願っていた。
でも多分、それは叶わない。なぜなら、こなたから私に向けられる感情は私とは違い、恋愛感情でも友情よりだと思うから。
こなたの瞳の中の自分を見る。ぼやけているように見えた。
私が泣きそうなのか、こなたが泣きそうなのか。どっちだろう。
視線がずっと重なっている。こなたの視線から伝わる感情は……迷っているような、気がした。
こなたは私の言外に含ませた意味を理解してくれただろうか。
『最後までしてもいい?』
多分、私がそう尋ねている事をこなたは理解してるのだろう。
口を開けて何かを言おうとしては閉じて、唾を飲み込んでいる。
言葉を選んでいるように見えた。
……それは、本当は嫌だけど私に気を使って言えないからなんじゃ?
何かに侵食されていく所からネガティブな思考が生み出されてくる。
ああ、そうかもしれない。
断る事が出来ないのなら、でも受け入れる事が出来ないなら、次のこなたの答えは簡単に予想できる。
たった五文字の答えだろう。
「……分からない」
――ほら、ね?
黒い何か気持ち悪いのが私をあざ笑うかのように私に言い放つ。
泣きたいけど泣いたらこなたが困ると上がってくる涙を押し殺した。
気にしてないように振舞わないと。それに、こなたに返事をしないと。
「でしょ?」
こなたの反応は、何も無かった。
無理やり反応しない事を貫いているような、我慢しているような。
「っ」と言葉に出来ない単語を吐いて、再び私の目を見てくる。
その瞳は、前に見た事があるような……ああ、そうだ。思い出した。
私がこなたに告白して、こなたに「恋愛感情では見れない」と言われたときの瞳だ。
「かがみは――私に触れたいの?」
こなたのその質問はもちろん耳に届いていたのだけど、それより先に私の指が動いていた。
「触れたい」と口で答えられず、正直に指が答えた。
だけど、頬に指が触れるとこなたは弾かれたように……とまではいかなくても、すぐに後ろに避けた。
行き場の無い私の指だけが伸ばされていて、こなたが指を見つめている。
ああ、触られたくないんだ、と。警戒されてるんだ、と。
申し訳なさそうに見てくる視線が……痛くて。
「……ね?」
その一言しか言えなかった。
その一言以外を口にすると、泣いてしまいそうだった。
嫌いにならないで。触れられたくないなら我慢するから一緒にいて。
泣き叫びそうなのを抑えて、でも何か喋らないと抑えられなくて。
出てきたのが、その一言だけ。
「コップ、下に持っていくよ」
数秒後、ようやくこなたが言葉を発した。でもそれはこの空間から逃げる口実。
素早く私とこなた自身のコップを手に取り部屋から出て行く。
すぐに足音が聞こえないという事は、まだドアの向こうに居て何かしているのかもしれない。
胸の中が重い。心臓に何かが纏わりついているように気持ち悪い。
きっと……その黒く気持ち悪いのは自己嫌悪の感情だ。
私は自分本位な考えだけで、こなたに好きという気持ちを押し付けてるだけ?
求めるばっかりで、私はこなたに何も与えていないんじゃない
こんなんじゃ嫌われるかもしれない
……さっき逃げられたんだから、すでに嫌われてるんじゃ――
恐怖で頭を振った。
さっきこなたは3回も好きだと言ってくれた。それを信じたい。
深呼吸をして少しでも胸の重さをなくす。
こなたが帰ってきたときに、普通にお帰りと言えるように。
中々帰ってこない。
今度は焦燥感が湧き上がってきた。
帰ってきづらいのかもしれない。私に会いづらいのかもしれない。
約束したからだろうか。一緒に寝るって。それで……嫌だから、帰ってこないのかも。
可能性は低いと、分かっているのに。
全部自分の被害妄想だと思っているのにどうしても怖い。
立ち上がって部屋を飛び出した。音を立てすぎたら迷惑だと思って閉める時はゆっくりと閉める。
他人の家でしのび足で歩くと悪い事をしているような気分になる。
……事実、悪い事はしてしまったけど。
台所まで行くと、こなたは居なかった。少し奥まで言って他の部屋も見回す。
気配を、というより何かの匂いを感じて私は足を止めた。
これは……線香の匂いだ。
ばれないように覗き見ると、こなたが仏壇を見つめてた。
お母さんに手を合わせて何を考えているのか、そこまで分からないけど。
急にこなたが立ち上がって私は急いで隠れた。
ここに居ると見つかるから部屋に戻ろう。きっと線香をあげていて遅くなったんだろう。
無理やり納得させて一歩踏み出そうとしたら。
「……やっぱり、ちゃんと言わないと伝わらないよね」
こなたの声が、確かに聞こえた。
きっとお母さんに語りかけているのだろう。
そのセリフに疑問を感じた。『何を』ちゃんと言うのか。『誰に』言うのか。
考え込んでいると危ないと、私は慌てて部屋に戻った。すぐにこなたが帰ってくるだろう。
多分……私に『何か』伝えるために。
何を? それは私が望むような事だろうか。
今の私には、そんな都合のいい解釈は出来なかった。
私に、嫌だと伝えてくるかもしれない
一緒に寝るのは止めようと言ってくるかもしれない
怖くなって、私はカーテンを開けて空を見上げた。ふんわりと月光が落ちてくる。
気分転換に星が見たかったわけじゃない。亡くなったこなたのお母さんに伝えたかった。
伝えたい事は色々ありすぎて、懺悔なのか、願いなのか自分でも訳がわからなくなるほど。
『こなたを傷つけたかもしれません、ごめんなさい』とか。
『これからもこなたと一緒に居てもいいですか、一緒にいたいんです』とかで。
どちらにしても、自分本位なことには変わりなかった。
「ごめんかがみ、ちょっと遅くなったよ」
こなたの声がした。帰ってきたらしい。
声のトーンから緊張しているように思える。
どんな顔をしているのか、見るのが怖い。
硬い笑顔なのだろうか、怒っているだろうか。
「か、かがみ、そろそろ寝よっか」
その言葉の後に、電気が消える。消えたけど煌々とした月光のおかげか明るかった。
一緒に寝てもいいのだろうか。嫌われて無いだろうか。
今から、何か言われると分かっていても覚悟が出来ない。
聞きたくない。
「こなた」
聞きたくないから……先手を打った。
カーテンは閉めずに振り向く。
逆光だから私の表情は見えないだろう。でも、私からこなたの表情は良く見えた。
驚いているように感じる。
その間に一歩一歩近づく。使わないですめばいい布団を避けながら。
かなり近づくと、多分こなたにも私の表情が見えたのだろう。
心配しているような困惑しているような表情になった……はずなのに。
私にはその表情が、断罪を下す前の哀れみの表情にしか見えなくて。
「かが」
何か言われる前に。抱きしめて言葉を塞いだ。左肩に口を押し付ける。
勢いが良すぎてそのまま倒れこみ、こなたがベッドに腰掛けた。
それでも私が体重をかけていくとベッドに倒れこむようになり、私が馬乗りになる。
ベッドにこなたの長髪がバサっと広がり綺麗だった。
さっき押し倒されたときよりも達観したような瞳で見つめられて、体勢では私の方が有利なのに、私の方が組み敷かれている感覚がした。
「私の方が、こなたに甘えてる」
拒絶される可能性がある言葉を聞くのが怖くて、早口で言葉を吐き出した。
こなたは相変わらず冷静な瞳で見つめ返してくる。
「精神的に甘えてる。これぐらいなら大丈夫だろうって、変な風に楽観視してる。
こなたが嫌がってるかもって思うのに、そう言われないから大丈夫だって思ってる。
だからお願い。一緒に寝るのとか、暴走するのとか、嫌なら言って。傷つける前にやめるから」
私は、卑怯者だ。
先に言われそうな事を言っておいて「そんな事無いよ」と言ってくれるのを待っている。
私の不安を一掃してくれる事を望んでいる。
「……かがみはネガティブすぎるよ」
こなたが薄く笑う。しょうがないなあ、という声が聞こえるような笑みで。妙に年上っぽく見える笑みで。
その反応から言って、こなたが伝えようとした事は少なくとも私が思い描いた最悪の事態ではないらしい。
「私はかがみの事好きだし、キスされるのだって嫌じゃないよ。……むしろ好き」
ちょっと待て。
耳に届いたセリフを頭で反復する。何度も何度も繰り返し再生する。
これは最悪どころか、予想だにしていなかった最高のセリフなんじゃないか?
恥ずかしいと思うより驚いてしまって言葉が出ない。
そんな私を観察するように見つめ、再びこなたが口を開いた。
「なんと言うか、一緒に居るだけで満足しちゃうのかな。最後までって言うのは正直分からなくて……
そういう事を求めてると言われてもすぐに頷けない。完全に嫌だってわけじゃなくて」
なぜサラリと言えるのか。恥ずかしいとは思ってないのか? ……いや、思っているんだろう。
微かな月光で上気した肌が見えた。我慢して伝えてくれてる。
そうやって伝えてくれたことが嬉しい。それと同時にウジウジと悩んで落ち込んでいた自分がバカらしい。
こんなにもこなたは私のことを考えてくれていた。
私の回りくどい問い掛けにちゃんと答えてくれるために。
「―――たぶん、怖いんだと思う」
「私が怖いってこと?」
主語はなかったけど、それしか思いつかない。
だけどこなたは慌てて首を横に降った。
「そ、そうじゃなくて! 行為そのものに対する恐怖心というか……したことないから分かんないし」
「私だってあるわけないじゃない」
「そうだろうけど! 経験うんぬんじゃなくて、感覚的に分からないってこと!」
声を荒げてやばいと思ったのか、焦ったように視線をゆたかちゃんの部屋の方へ向けていた。
私は周りを伺うよりも、こなたの言い回しが気になってしまった。
感覚的に分からないってことは……もしかして。
いや、だけどこれを聞いたらかなり失礼なんじゃ……
「どしたの?」
「いや……その、ちょっと変な事聞くけど」
いったん言葉を区切って、唾を飲み込んで勢いで尋ねた。
「こなたって、自分でしたことある?」
「ないよ!!」
即答で帰ってきた。
……こなたには悪いけど、意外だった。
18禁のゲームとかってそのためにしているんだとばかり思っていた。偏見かも知れないけど。
私はその手のゲームはしてないけど、まぁ……自分でしたことはあるわけで。
ネタにしている本人にそれを言いたくはないけど。
「成人向けのゲームとかしてるから……こなたもてっきり」
「きっとゲームで発散してるんじゃないかな。そういう気分になることがあんまないし。
そういうシーンの時はあるけど、イベント終わったら拡散してるし」
私の下にいるこなたが『ん?』と小骨が引っかかったようなリアクションをした。
そして視線を逸らされた。焦っているように見える。何で?
……あ、私が馬乗りのままだからか?
「ひ、ひとまずそれは置いといて、話戻すよ?」
空気を打破するためか、お互い咳払いをする。
馬乗りを止めてこなたから退くタイミングを逃しまくってた。
「んーと、どこから脱線したっけ?」
「……逃げる理由は、感覚的に分からずに怖いから……とかじゃなかったっけ」
「あ、それそれ」
妙に大人びた笑みでもなく、硬い笑顔でもなく、いつもの笑顔で。
その笑顔が妙に私を安心させて思わず頭を撫でた。
結局心のモヤモヤは全部私の空回りで、こなたはちゃんと考えてくれていた。
なら、こなたの意見を優先しない理由は私にはない。
>>704 禿しくGJ!!
ひよりん房総しすぎだずぇ
漏れのiBookもツンデレだってヴぁ!!
>>673 GJ!!
何か微笑ましかったぜ。
どうでもいいけど、長電話の多いこなたとかがみは相手先割引をオススメするぜ。
LOVE定額みたいなやつ。
「――なら、無」
「――だから少しずつ慣れようと思う」
出だしが綺麗にかぶった。
上が私のセリフ。下がこなたのセリフ。
「なら、無理せずに今日は普通に寝よう」と言おうとしたのに。
こなたのセリフだと……その、自分の都合のいいように解釈しそうだった。
もしかしたら、聞き間違いかもしれない。前半自分の声とかぶって聞き取れなかったし。
「えっ……と、こなた。今の意味、端的に言ってみて」
こなたは目を見開いて私を見て、そっぽを向いてを数回繰り返し。
観念したように最後にもう一度私を見て。
「――して、ほしい」
その空気の振動が、耳から脳へ一直線に突き刺さった。
理性の鍵があっけなく壊されそうになる。どんだけ脆いんだ私の理性。
「こっ、こな」
「で、ででもやっぱり怖かったらストップかけるよ!?」
「……寸止めされるときついのに。まぁ、ストップかかるって言うのは余程嫌なんだろうし、ちゃんと守るわよ。
一緒にいて、こうやって寝れるだけでも幸せもんだしね」
私もそう思っている。根本的に考えている事は一緒なら。
……いや、まあ贅沢言うなら触れたいけど……
こつんと軽く額を合わせる。こういうスキンシップだけでも私は十二分に幸せを感じるんだから。
こなたが嫌がった時、それ以上を求めるのは罪だ。
「……かがみ」
こなたが私の名を呼んでくれた。ああ、望んでくれているんだと暖かい感情が胸いっぱいに広がる。
ありったけの感情を込めてこなたの名を呼び、ルール通り口付けた。
いきなりしても良いものか躊躇ったけど、欲望に正直にこなたの上着に手を滑り込ませる。
軽く震えたことはキスしていたからすぐに分かったけど、嫌がるそぶりは無かったから。
嬉しさと暴走する熱とで、私は手を上へと滑らせていた。
724 :
722:2007/09/11(火) 02:33:36 ID:FYwKQ1X0
>>712 邪魔してごめんなさい
空気読まなくてごめんなさい
もう寝ます。
以上です
自炊してたら人差し指の腹ぱっくり切るし、包丁足の上に落とすしでこの頃災難なんだ。
刃物には気をつけようみんな
>>161 遅くなったけど、「せん」を増やしてもダメだって。
こなたとつかさの会話シーン好きだ。
呼んでてつくづく思うけど、あなたの書くキャラの立ち位置は俺の想像とまったく一緒だ。
ゆたかやそうじろう以外のキャラでもかぶるかも。ごめんね。
そして恒例で「ぜんらたいき」さ。
気が付いたら自分も割り込んでるし・・・
どうもスミマセンorz
>>722 気にしなくて良いよ
俺だってリロードし忘れあるし
睡眠不足には気をつけろ
728 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 05:29:33 ID:HuJ3Pyu5
>>712 GJ!!
このシリーズの続き、毎回楽しみに待ってます。
「かが×こな」好きな俺の一番のお気に入りだZE☆
これからも続編頑張って下さい♪
>>725 GJ!!!!果てしなくGJ!!!!
続きが猛烈に楽しみ
ぴんぽーん。
「はーい、今開けます」
がちゃ。ゆきちゃんが扉を開ける。
「こんにちは、ゆきちゃん」
「こんに……」
今日は土曜日。この前のお昼にこなちゃんが「そういえばみゆきさんの家に泊まったこと
ないよね」と言って、それから話が盛り上がって今日はみんなでゆきちゃんちに泊まることに
なってるんだ。
でも、お姉ちゃんとこなちゃんは何か用事があるみたいで、後で来ることになった。
私も一緒に行こうとしたんだけど、「つかさは先に行ってなさい。きっとみゆき喜ぶわよ」って
言われて先に来ることになった。どういうことだろう。
「つ、つかささん……。その髪どうしたんですか?」
「あ、これ? ちょっとこの前お姉ちゃんと髪形変えてみようって話になって、それでちょっと
ポニーテールにしてみたんだけど……。どうかな、ゆきちゃん」
「あ……。とってもかわいいですよ」
なんていってるけど、ゆきちゃんは顔を真っ赤にして目線をそらしている。似合ってなかった
かな……。
「そ、それはそうと、かがみさんと泉さんはどうしたんですか?」
「え、うん。なんか用事があるみたいで、後で来るって。あっ、おばさんこんにちは。今日は
お世話になります」
「あ、はーい。ゆっくりしていってねー」
おばさんに挨拶する。私は、真っ赤な顔のゆきちゃんの手をいつものようにとりつつ、さらに
話を続ける。
「でね、私も一緒に行こうとしたんだけど、お姉ちゃんに『つかさは先に行ってなさい。きっと
みゆき喜ぶわよ』って言われて、一人で来たんだけど……」
「……かがみさん、ありがとうございます」
「ありがとうって……。やっぱりゆきちゃん喜んでくれてるの?」
がちゃ。ドアを開けてゆきちゃんの部屋に入る。ゆきちゃんはドアをきっちり閉める。
「……大好きなつかささんと二人きりになれるのですから……」
消え入りそうな声でゆきちゃんは言った。あうー、そんな真っ赤な顔でそんなこと言われると
心臓が壊れるからやめてほしい。だいぶ慣れてきたとはいえ、どうしてもぼーっとしてしまう。
今回もぼーっとしていたようで、気がついたら唇に感触を感じた。目の前には真っ赤な顔をした
目をつぶったゆきちゃん。この前「キスするときは目をつぶるものなのですよ」と言っていたことを
思い出して、目をつぶる。
……!? そうしてしばらくキスしていると、舌が入ってきた。キ、キスは初めてした日以来
何回かしたけど、舌を入れるキスはあの日以来してないよー。びっくりしつつ、私もゆきちゃんの
口の中に舌を入れる。
やがて、ゆきちゃんが唇を離す。それに合わせて目を開けると、いつものように真っ赤な顔で
にっこりと微笑むゆきちゃんの顔がある。いっつも、私はこの顔を見ると幸せな気分になる。
いつの間にかゆきちゃんが私を抱きしめてくれていたことに気づき、私もゆきちゃんの腰に手を回す。
「ジュース持ってきたわよー。あらー、二人とも抱き合っちゃって、仲良しさんね、んもう。
じゃ、ジュースここに置いておくから、ごゆっくりー」
おばさんが突然ドアを開けて、ジュースをおいて、あっという間に出て行ってしまった。それに
しても、『仲良しさん』か……。なんか照れるなあ。そう思いながらゆきちゃんを見てみると
ぽかんとしてる。どうしたんだろう。
「先ほどはいきなりディープキスなどしてすみません」
「い、いいよ……」
おばさんが出て行ったあと、私とゆきちゃんは何もしゃべらずベットに並んで腰かけていた。
そうして十数分がたって、気まずいなあと思っていたらゆきちゃんが謝ってくれた。
キ、キスはいいんだけど、舌が入ってくると、この前のことを思い出しちゃって……。たぶん、
今私の頭からは湯気が出ていると思う。
「……髪型を変えたつかささんが、あまりにも可愛かったもので、つい……」
「そうなんだ……」
さっきは気に入ってないみたいな仕草だったけど、実は気に入ってもらってみたい。さっき
ちょっとがっかりした分、とってもうれしい。
「それで、またスイッチが入っちゃったので……」
ゆきちゃんはそこでいったん言葉を切った。スイッチ? 爆弾?
「ええと、その、……こんな昼間からで申しわけないのですが、し、したいのですが……」
「え? したいって……。何を?」
「え、エッチなことをです」
え、エッチって……。えー!
「それって、この前やった……」
「はい……」
「ええと、裸になって、触りあうやつ?」
「はい……」
「えっと、それって普通昼間っからはやららないものなの?」
「人によると思いますが……」
うー、なんか緊張してきた。この前のことを思い出す。どんどん溶けていく私の体。ゆきちゃんの
体温を感じたところから体が熱くなって、最後には何がなんだかわからなくなった。でも、
あれはいやな気分じゃなくて、むしろ心地よくて、ゆきちゃんとならまたやってみたいと思っている
ことを認識した。
「よろしいですか」
「……うん」
真っ赤な顔で聞いてくるゆきちゃんに、やっぱり真っ赤な顔になっているだろう私が答える。
答えを聞くと、ゆきちゃんは目をつぶって私に顔を寄せてくる。私も目をつぶる。すぐに唇に唇の
感触を感じ、次いで舌が入ってきた。私も舌を入れる。
キスされたまま、ベットに優しく押し倒された。その時、ゆきちゃんの口から唾液が入ってきた。
私はびっくりして思わず目を開けてしまった。ゆきちゃんは真っ赤な顔。幸せそうな顔。
(ゆきちゃんが幸せなら、いいや……)
そんなゆきちゃんの顔を見ていると、思わずそう思ってしまう。それでも、仕返しにと私の唾液を
ゆきちゃんの口の中に送り出すことにする。私の頭はゆきちゃんの頭の下にあって、唾液を送るのは
大変だったけど、がんばって舌を動かして、唾液をゆきちゃんの口の中に入れていく。
……ごくん。ゆきちゃんがのどを鳴らす音がかすかに、でもはっきりと聞こえた。ゆきちゃんが私
の唾液を呑み込んでくれたことがわかり、とてもうれしくなる。これまで口の中にためておいた
ゆきちゃんの唾液を飲み込む。
……口を離す。私の唾液とゆきちゃんの唾液の混ざったものが、口からはみ出て糸になって、
そのまま切れる。ゆきちゃんの口のまわりは、やっぱり唾液の混合物で濡れて光っている。
ゆきちゃんの顔は真っ赤で、目はうつろ。ゆきちゃんも、私も、息が上がっている。
「……ゆきちゃん、大好き」
「……私もです。大好きです、つかささん」
ゆきちゃんはそう言ってほほ笑む。この笑顔を見ると、私はこの上なく幸せな気分になる。
「ひゃっ」
ゆきちゃんが私の腕に触れる。瞬間腕が熱くなり、何でかわからないけど声が出る。
……そういえば、この前のときも自然に声が出たっけ。
「ねえ、ふぁっ、ゆきちゃん……」
「……なんですか」
「にゃっ、こういうときに、声が、出るのって、何でなの?」
「……原理はよく知りませんけど、気持ち良くなると、声が出るみたいですよ」
「あひゃっ、そ、そうなの?」
「そうみたいです」
そんなことを話しているうちに、服を全部ぬがさてしまった。
「つかささん……。脱がせてください」
「うん……わかった」
さっきのお返しに、ゆきちゃんの服を脱がせようと、ゆきちゃんの首筋を触ると、
「はうっ」という声を洩らしながらゆきちゃんの体がびくんとはねた。……大丈夫だよね。
ゆきちゃんも何も言わないし、それに私もさっきはそうなりそうだったし。
「つかささん……気持ちいいですよ」
「本当?」
ゆきちゃんは小さくうなずく。それを見て、反射的にキスをしていた。すぐに唇を離し、
ゆきちゃんの服のボタンを外し始める。
服のボタンを外し、ゆきちゃんにも手伝ってもらって袖を腕から外し、スカートを脱がせる。
私がゆきちゃんに触れるたび、ゆきちゃんが声を出して反応してくれることがうれしい。ブラを
脱がせようと背中に手をまわした。
「ふ……わひゃっ……ひゃ……」
ホックが見つからない。ゆきちゃんの背中をなでまわす。ゆきちゃんが声を出して反応する。
とってもかわいい。でも、やっぱりホックは見つからない。
「つ、つかささん、ふぁあ、これは、あああ、フロントホックですよ」
「あ、ほんとだ」
変な間違いをしたことを恥ずかしく思いながら、手を前に伸ばす。フロントホックをパチンと外す。
ゆきちゃんの大きなおっぱいがあらわになる。私はたまらずゆきちゃんの胸に手を伸ばした。
「ああああっ」
ゆきちゃんがひときわ大きな声をだす。私は嬉しくなって、ゆきちゃんのおっぱいを優しく
揉み始める。
「ふぁぁぁああああっ、あああああっ」
「ゆきちゃん、かわいいよ」
ゆきちゃんの顔はいつにも増して真赤。私は少し手を止めて、ゆきちゃんにキスした。
「みゆきー」
そのとき、おばさんが入ってきた。おばさんが入ってくる直前に唇を話したからキスしている
ところは見られてはいないと思う。
「あら、お着替え中だったの。みゆき、着替え終わったら夕食の買い物に行ってきてちょうだい。
ごめんね。じゃあ、ここに買い物リストおいておくから。よろしくねー」
おばさんはそれだけ言うと、ドアを閉めてあっという間に出て行ってしまった。
「……服、着ようか」
「そ、そうですね……」
「あれ、ゆきちゃん、パンツびしょぬれだよ」
「えっ……そうですね。パンツ着替えちゃいましょう」
ゆきちゃんはそう言うと、パンツを脱いで、箪笥から新しいパンツを出して、それと
ティッシュの箱を持ってきた。
「たぶんつかささんのあそこも濡れていると思いますので、拭いてください」
「? あそこってどこ?」
「ええっ!? ええと、ここです……」
ゆきちゃんが股間を指さしながら言った。ゆきちゃんの股間もびしょぬれだった。私の股間も
触ってみると、濡れていた。
私は、ティッシュを二枚取って、ベットに腰かけているゆきちゃんに近づく。
「ゆきちゃんのは私が拭いてあげるー」
そう言うと、返事を待たずにゆきちゃんの股間にティッシュを押しあてた。
「ああっ、ちょ、ちょっと待ってください」
「そ、そう……」
ゆきちゃんが「待って」と言ったので私は手を止めた。それにしても、もう二枚のティッシュが
びしょびしょになっちゃったよ。
「……いえ……お願いします」
「そ、そう。じゃあ始めるよ」
私はそう宣言して、さらにティッシュを二枚取って、ゆきちゃんの股間にあてた。
「ふぁっ、あああっ」
ティッシュがぐしょぐしょになっちゃたので、いったん手を止めて、新しいティッシュを取って、
また再開する。
「ふぁああぁっ、ひあああ、あああ!」
拭いても拭いても新しく液体が漏れてきているみたい。またまたティッシュが使い物に
ならなくなった。
ぴんぽーん
「はーい。あら、こなたちゃんにかがみちゃん、いらっしゃい。みゆきとつかさちゃんはみゆきの
部屋にいるからー」
「お邪魔します……」
「おじゃましまーす」
こんなやり取りがかすかに聞こえた。お姉ちゃんとこなちゃんがきたみたい。
「あわわ、たいへんです! つかささん、早く服を着てください!」
「え、でも、股間まだぬれてるよ?」
「いいですから!」
こんこん。
「みゆき、入るわよー」
がちゃ。
「みゆきさん、つかさ、こんちー」
「おーす、あれ、このにおいは……」
ちょうど服を着終わった時にお姉ちゃんとこなちゃんが入ってきた。ああそうか、だから
ゆきちゃんは急いでたのか。納得。
ふと見ると、ゆきちゃんは顔を真っ赤に、お姉ちゃんとこなちゃんはにやにやしてる。
どうしたんだろう。匂いって何だろう。クンクン嗅いでみるけど、よく分からない。
「私の言ったとおりになったみたいね」
「――つかささん、行きますよ!」
ゆきちゃんに引っ張られて、そのまま買い物に行くことになった。
「あ、あったあった、バルサミコ酢」
「あとはチョココロネだけですね」
スーパーはゆきちゃんちのすぐ近くにあった。そこでおばさんに頼まれたものを買っているん
だけど……。バルサミコ酢とチョココロネで何を作るんだろう?
「そういえばゆきちゃん。お姉ちゃんが言ってた『言ったとおり』って何?」
「……ええとですね……」
そこでゆきちゃんは小声になった。あんまり聞こえなかったからゆきちゃんに近づく。
「かがみさんに今日の午前中に『今日つかさが言ったらきっとすぐに食べたくなっちゃうわよ』
って電話で言われたんです……」
「え、食べたくなるって……何を?」
「……つかささんをです」
「ええっ! でも、私食べられてないよ?」
「いえ、食べるって言うのは……エッチなことをするって意味なんです……」
「えええっ!」
ちょっと声が大きくなっちゃったからか、ゆきちゃんに口を押さえられた。
「わ、話題を変えましょう」
「そ、そうだね……」
ええと、話題話題……。
「それにしても、なんかパンツが濡れてて気持ち悪いよう」
「そ、そうなんですけど、あんまり人前でそういう話題は……」
「ご、ごめん……」
「ただいま戻りました」
「ええと、もう一回、お邪魔します……」
「お帰りなさい。きっとこなたちゃんとかがみちゃんがもうすぐお風呂からあがると思うから、
そうしたらお風呂に入りなさいね」
「はーい」
買い物袋をおばさんに渡して、着替えを取りにゆきちゃんの部屋に着替えを取りに行って
お風呂場に向かう。ゆきちゃんがやたらむずむずした感じなんだけど、どうしたのかな?
お風呂場につくと、お風呂場からお姉ちゃんとこなちゃんの話声が聞こえた。しばらくすると、
二人がお風呂から上がってきた。
「おー、おかえり」
「ただいま」
「ただ今戻りました。泉さんとかがみさんも髪型を変えられたのですね。似合ってますよ」
「そう? ありがと」
お姉ちゃんは髪を三つ編みにして一本にまとめていて、こなちゃんは長い髪を二つに分けて
ツインテールにしている。確かに二人とも似合ってるんだけど、なんか私の髪型を見たときよりも
反応がいいような気がする。……なんか面白くない。
「……つかささん、どうかしましたか?」
「別に……。ただ、なんか私のときよりも反応いいなあって思って」
そういうと、ゆきちゃんはにっこり笑って、私を抱きしめてくれた。
「あのときは、つかささんがあまりにも可愛くて、反応できなかっただけです。……つかささんが
一番かわいいですよ」
「ゆきちゃん……」
私は嬉しくなって、ゆきちゃんの唇に唇を重ねた。
「ひゅーひゅー、アツイねえ」
「うわあ、こなちゃん!」
わわわ、こなちゃんとお姉ちゃんの存在を忘れてたよ。
「そ、それにしても、この前から気になっていたのですが、泉さんとかがみさんはいつも一緒に
お風呂に入るのですか?」
「え、うん。結構前からね」
「たしかかがみが『ねえこなた、一緒にお風呂で触りっこしよう』って言ったんだよね」
「言うかそんなこと! てか再現するな!」
「大筋ではあってるジャン」
「肝心なところを捏造するなよ!」
「じゃあかがみ、実際にはなんて言ったんだったっけ?」
「うっ……そ、それはそうと、つかさとみゆきは今日一緒に入るの!?」
「え……」
そういえば何となく一緒に来たけど、普通だったら一人ずつ来るべきだよね。
「はい、そのつもりです。……いいですよね」
「う、うん」
なんだかいつの間にか決定していた模様。でも、私もゆきちゃんと一緒にお風呂に入って
みたいと思うし、ゆきちゃんがそうしたいならいいか。
「つかささん、お背中流しますね」
「あ、うん。ありがとう」
入って、髪を洗っていたらゆきちゃんから申し出があった。返事をすると、ゆきちゃんは手に
石鹸を付けて背中を洗ってくれる。
「ゆきちゃん、気持ちいいよ」
「そ、そうですか?」
なんだか背中をマッサージされているみたい。
「終りです」
「ありがとう。ゆきちゃん、私も背中流してあげるね」
私もゆきちゃんのまねをして、手に石鹸を付けて、背中を洗ってあげる。
「はぁっ、き、気持ちいいですよ」
「ありがとう」
ゆきちゃんも気持ちいいみたい。よかった。
ふと、股間をまだ洗っていないことに気がつく。確かゆきちゃんも洗ってないはずだよね。
「ゆきちゃん、ここも洗ってあげるよ」
「え、えええー!」
ゆきちゃんは大声を出した。私はそれを返事と受け取って、ゆきちゃんの股間を洗い始める。
「あっ……んふ……あふ……ん……」
ゆきちゃんは口に手を当てて声が漏れるのを我慢している。どうしてだろう。
それにしても、洗えば洗うほど液体が漏れてくる。きりがないなあ。
「ふ……んん……んー!」
よし、こんなものでいいか。
「はい、おしまい」
「え……」
ゆきちゃんが恨めしそうな、ものほしそうな顔で私を見ている。どうしたんだろう。
「……ゆきちゃん、どうしたの?」
「つかささん……」
「ごはんよー。みゆき、つかさちゃん、早く上がっておいでー」
「あっ、おばさん呼んでるよ。早く行こうよ」
「……はい」
お風呂から上がって、髪を結いなおして、着替えてそれから二人で食卓についた。ゆきちゃんちの
晩御飯はやっぱり凄い。そんな晩御飯を食べ終わった後、チョココロネがデザートとして
出てきたときには驚いたけど……。そんな食後。
「あ、そういえば」
「どうしました」
おばさんは台所の奥に消えていった。
しばらくして持ってきたのは箱に入った大量の缶ビールと缶ジュース。
「前にお父さんが仕事の関係でもらってきてたんだけど、すっかり忘れてて賞味期限が
切れそうなのよね。だから、もしよかったら、飲んでー」
おばさんはそういうと、缶ビールを一本開けて、一気に飲んだ。
「いやー、おばさん。いい飲みっぷりですねー」
「そーでしょー。さあさ、こなたちゃんも飲んで」
「あ、あの、私たち未青年なんですが……」
「まあいいじゃん。ハルヒたちだって無人島で飲んでたじゃん。ワインだけど」
「まあそうだけど……」
ハルヒ? 何だろう。春日部の通称かな? なんかそういう風に言っているのを聞いたことが
あるような……。でも無人島? ああよくわからない。今度聞いてみよう。
「そんなわけで、飲もうよ」
「しょうがないわね……。まあ、興味はあるしね」
「じゃあ私も」
「つかささんは飲まないでくださいね」
「えっ」
なんで、と聞こうとしたんだけど。にっこり笑っているのにゆきちゃんからものすごいオーラが
出ていて、反論なんかできそうになかった。
「う、うん……」
「許容量とかわからない状態で飲むのは危険ですよ。私も飲みませんから。二十歳になったら
一緒に飲みましょうね」
「……うん」
そういうと、ゆきちゃんは立ち上がった。どうやらトイレに行ったようだ。お酒は飲んじゃ
いけないから、ジュースでも飲んで待っていることにする。
箱からジュースを取り出し、開けて、一気に飲む。
「ちょ、ちょっとつかさ」
「んー、何ー」
あれれ、なんだかいい感じに気持よくなってきたよ。なんかふわふわ、ふらふらする感じ。
「つ、つかささん!」
「何ー、ゆきちゃん」
「お酒飲まないでくださいって!」
「えー、おさけのんでないよぉー」
「今つかささんが飲んでるのがチューハイっていうお酒ですよ」
「チューハイ?」
チューハイ? お酒? ああ、だからなんかいい気持なのか。
「!」
私はゆきちゃんにチューをした。チューハイだけに。
「ひゅーひゅー。いいぞーもっとやれー」
声が聞こえてきたほうを見ると、歓声を上げているおばさんと、ぽかんとしてるお姉ちゃんと
こなちゃんが見えた。もっとやるよー。
と思っていると、ゆきちゃんは無言で私をゆきちゃんの部屋まで引っ張って行った。
「はあ、はあ」
よほどあわてたのか、ゆきちゃんの息が取っても上がってる。それにしても、二人きりの部屋に
連れてきたってことは、エッチなことしたいってことだよねー。
ゆきちゃんをベットの上に押し倒して、そのままキスをして、舌を入れる。
「ちょ、ちょっ……ん……ん……」
「ふぁ……んあ……」
ゆきちゃんの口から声が漏れてくる。ふふっ、気持ちいいんだね。もっとしてあげるよ。
私はゆきちゃんの口に舌を入れたまま、ゆきちゃんのおっぱいを触る。
「んん……ん……んー!」
ゆきちゃんの唇から私の唇を離す。私の唇とゆきちゃんの唇の間に糸ができる。
「ゆきちゃん、大好きだよー」
「はあ、はあ、わ、私も、ふぁあ、です……」
ゆきちゃんが返事をしている間に、私はゆきちゃんの服の中に手を入れ、ブラを外し、
ゆきちゃんのおっぱいを直接もむ。もにゅもにゅ。
「ああああー! い……イキます、イっちゃいます!」
そういうと、ゆきちゃんの体がはねて、ぐったりした。行くってどこにだろう。聞いてみよう。
「ゆきちゃーん!」
叫んでもゆすっても起きない。気絶してるみたい。でも、はあはあと息はしてるから天国に
行っていないことはわかる。それにしても、……気絶中のゆきちゃんってものすごくかわいい。
そうだ、せっかく二人っきりの部屋にいるんだし、脱がしちゃおっ。そう決めると、
私はゆきちゃんの服のボタンに手をかけた。ボタンをすべて外し、服をはだけさせると、
ゆきちゃんの白い肌、その上に大きなおっぱいが目につく。私は迷わずおっぱいに手をのばして、
揉んだ。
「あん、ふあぁ、あああん、ああああ!」
ゆきちゃんは目を覚まさないけど、声はどんどん大きくなっていく。……気持ちいいみたい。
もっともっと気持よくなってほしい。私はおっぱいをもみ続ける。とっても大きくて、
やわらかい……。
「あああ、つ、つかささん!?」
「あー起きたー?」
「あ、はい、ああああ!」
ゆきちゃんがまたぐったりとなる。ちょっと手の動きを止める。それにしても、何回見ても、
ゆきちゃんはかわいい……。
「はあ、あああ、つ、つかささん……」
「ゆきちゃん……」
「あああああ!」
手の動きを再開させる。ゆきちゃんはそれに反応して声を上げる。……やっぱりカワイー。
「つ、つかささん。ああ、ちょ、ちょっと手を止めてく、ください。あああ、し、
死んじゃいます……」
「ええっ、ゆきちゃん、し、死んじゃうの……。そんなの嫌だよ……」
自然と涙がこぼれてくる。や、やだよ……ゆきちゃんが死んじゃうなんて……そんなのイヤ。
「い、いえ、……私は死にませんよ。ただ、……死ぬほど気持ち良かったってだけで……。
ですからつかささん、泣かないでください……」
顔を真っ赤にして、息を切らせながら、ゆきちゃんは呟いた。……ああもう、かわいい。
ゆきちゃんは死なない。私は安心して、ゆきちゃんの胸に手をのばして、動かした。
「えええ! ちょ、ま、あああ、あああああ!」
ゆきちゃんぐったり。でも、私は手を休めない。休めなくても大丈夫だよね。私はそのまま
手を動かし続けた。片方の乳首を口に含む。んー、わたし赤ちゃんみたい。そのまま赤ちゃん
みたいに乳首を吸う。
「つ、つか、あああ、ふあああ、ひゃああああ!」
またゆきちゃんの体がはねて、ぐったり。なんかゆきちゃんがぐったりしっぱなしで心配に
なってきたけど、もっともっとかわいいゆきちゃんがみたいなーと思って、乳首を吸ったまま
手の動きも再開させる。
「つかひゃあああ、ああ、ああああ!」
またぐったり。何回目だろう。何回このかわいいゆきちゃんを見たんだろう。……何回見ても
飽きないけどー。
ふと、下をまだ脱がせていないことに気づく。……なんだかかすかにスカートの股間のところが
湿っているように見える。
「ゆきちゃーん、下、脱がすよー」
「はあああ、ひゃい、つかひゃひゃん……」
目をとろんとさせてゆきちゃんが答える。何を言っているのかよく聞こえなかったけど……。
スカートを外す。ゆきちゃんが腰を浮かせてくれなかったので、脱がすのが大変だった。
パンツは、絞ればたぶん水が出てくるぐらい濡れている。やっぱり大変な思いをして脱がす。
パンツとゆきちゃんの股間の間に糸が引いた。
「あー、パンツを脱がしたらなんかすんごく手が濡れちゃったよー」
「はうっ……」
ゆきちゃんの股間を見てみる。なんかびしょぬれ。なぜかびちょぬれになっているそこを
さわらなければいけないような気がして、手を伸ばす。
「ひゃあああ!」
その瞬間、ゆきちゃんがはねる。またぐったり。それでも私は手を止めない。
「はああ! しゅ、しゅひゃああああ! ああああ!」
この間二回ぐったり。それでも、私は手を止めない。
「ひゃあああ! しょ、しゅひょっふ! ひゃああ!」
翌朝、起きると、ちょっと頭が痛かった。昨日の夜何があったのか全く覚えていなかった。
ゆきちゃんは全裸で、いたるところがびしょびしょだった。昨日何があったのか、どうして全裸で
びしょびしょなのかをゆきちゃんに聞いたけど、教えてくれなかった。昨日何があったんだろう。
どうして覚えてないんだろう。さすがに「……おねしょ?」って聞いたら「違います!」と
言われたけど……。
なぜかゆきちゃんは立ち上がることができず、その日は一日中ゆきちゃんちで過ごした。
以上
いやー、酔っ払い視点ってむずいっす。
つかさ暴走ワロタ
おばさん気づいてるんじゃないのかw
gj
泥酔つかさ……恐ろしい子…
GJですた
あとで「らき☆すたキャラが酔ったら」みたいなSS書いてみたいな
>>746 ぼけぼけから無邪気攻めに進化したつかさに乾杯。缶チューハイで。GJ!
あ、俺もゆかりお母さんは気づいて手わざとやってるのに一票。
ゆかりはかなりの天然だから気づいてないと思ったんだが…
なるほど、わざとってのもいいな
さて、容量がヤバい訳だが
もうすぐ次スレの季節
次スレの季節ですな
ところで…みさお×かがみが読みたい人っている?
そろそろ投下しようと思ったけど
次スレにするか
>>754 ここがオリキャラ以外は何でもおkな寛大でスレであるのをお忘れか?
wktk
25kあればもう2作品くらいはいける
758 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 17:28:58 ID:R9IF+bXJ
あと何kある?
今携帯からきてるんで確認しづらいんだ。
476 KB
次すれたってる?
まだなら立ててくるよ
テンプレに従えば480超えたらじゃない?
そんなにすぐ埋まるとも思えんけど
まあ立てられるんだったら早めに立てても良いとは思うが
んじゃまあ立ててくるか
SS後1個でほぼ埋まるし
AA投下しちゃうとただでさえいっぱいいっぱいなのに
無駄に容量食うことになるのでこっちで簡潔に
>>763 乙です
>>763 こ、これは
>>1乙じゃなくてポニーテールなんだから
変な勘違いしないでよね!(AAry
>>763乙
では埋め投下。
萌えドリルハバネロネタ。ネタバレを含みます。
754さんじゃないけど、エロくないみさお×かがみ。全15レス程。
かがみ視点で、グダグダです。
苦手な方はスルー願います。
体育祭も終わり、次に中間テストが控えていた。ゆっくりと休む暇は、案外無いものね。
そんな最中の休日に、私はテスト勉強の為に、日下部と共に峰岸の家に集まっていた。
「柊ちゃん、いらっしゃい」
「こんにちは。峰岸、今日はよろしく」
今日は峰岸の家族が出かけていて、留守番を兼ねた勉強会になっている。
「だったら少しぐらい騒いでもいいよな」
「今日は何しに来たかわかってるのか?」
そんな事を言う日下部の額を小突きながら、勉強の用意をする。少しぐらい勉強をする
姿勢ぐらい見せろよ……いつもの事だけどさ。
「あうー。柊が厳しいー」
「みさちゃん、あたりまえでしょ」
「うあー。あやのも厳しいー」
私だけでなく峰岸にも怒られて、日下部が嘆いている。
厳しいも何も無いと思うんだけど、この間まで体育祭で頑張っていたし、
やりたくない気持ちはわからなくも無い。
「ほら、今日はつかさと一緒に焼いたクッキー持って来たから、後で食べようよ」
「お、妹さんのクッキーおいしいもんな」
「いちおう私も作ったんだぞ」
「へー」
日下部がニヤニヤしながら私を見ている。言わんとしていることはわかるが、やはりくやしい。
作れなくは無いんだけどね……
「それじゃあキリのいいところでお茶にしましょう」
「お、そうこなくっちゃ」
峰岸の提案に、日下部が喜んでいる。
「それじゃ、始めようか」
私は机の上にノートを広げた。
くじけそうになる日下部を励ましながら、テスト勉強をすすめ、ひととおり終わらせる事が出来た。
「やっと終わったー」
日下部が背筋を伸ばし、体をほぐしている。慣れない勉強で、さすがに辛そうだ。
正直、私も肩が凝って痛い。運動不足なのかなあ。
「体育祭の後のテストっていうのが辛いよなー」
「あんた頑張ってたものね」
私は肩をパキパキと鳴らしながら日下部に答える。
日下部は、陸上部に所属しているだけあり、そういう時にはひっぱりだこである。
けど負けてMCやらされてたっけ。
「柊ちゃんも実行委員で大変だったでしょう」
「あー、うん。まあ、色々とね」
峰岸ごめん。色々すぎて言えない。
「確かトライアスロンの水泳にも出てたでしょ。大変だったわね」
「そうそう。代理で出たのよね。水泳部と競争だなんて思わなかったわ」
元はと言えばこなたのせいだ。さすがに寒かったなあ。
そんな風に体育祭の思い出に浸っているときだった。
「そういえば噂で聞いたんだけどさ」
日下部が不意に何かを思い出した様だ。
「何を?」
「片付けする人を手違いで帰らせたっての。柊達だけでやったんだろ?」
さすが日下部、顔が広いなあ。どこから伝わってくるんだろう。
「そうなの。黒井先生が手違いで帰らせたって……」
そこまで言って、私は固まる。あの後の打ち上げを思い出してしまったのだ。
「あ、そうだ思い出した。黒井先生だよ」
日下部はそう言うと、カバンを探り出した。何を忘れてたのかな。
「ほい、柊に渡してくれってさ」
紙袋を取り出し、私に手渡してくれた。……何だか嫌な予感がする。
「あ、みさちゃん忘れてたでしょう」
「へへっ」
「笑って誤魔化すな。なあ峰岸、黒井先生何か言ってた?」
峰岸なら何か覚えているかな。
「私は聞いてないけど……みさちゃん、覚えてる?」
「んー。どうだっけなあ」
日下部は額に指を当て、思いだそうと頑張っている。でも、期待出来そうには無いなあ。日下部だし。
「そうだ。みさちゃん、柊ちゃん。お茶いれてくるわね」
峰岸が立ち上がって、休憩の用意を始めた。
「ありがとう。クッキー出しとくね」
私も持ってきたお菓子を取り出す。日下部も甘いもの食べたら思い出すかもね。
「うーん」
「覚えてないならいいよ」
「いや、もうちょっとで思い出せる様な気がするようなしないような」
「どっちだ」
峰岸が部屋を出ていった後もまだ、日下部は思いだそうと苦闘していた。
時間が掛かりそうだし、とりあえず先に中身を見てみようかな。お、手紙だ。
「えーと……」
私は手紙を開いてみた。そこには黒井先生の手書きの文字が記されていた。
『この間はすまんかったな、柊。コレはお詫びや。柊はあの時食べられへんかったし、みんなでわけたってな。
…………続きは読まず目を反らす。あの不良教師、懲りてねぇな。つーかこんな危険な物寄越すな。
パン!
「うひゃあっ」
怒りの余り、紙袋を持っていた右手に力が入りすぎて、握りしめていたみたい。
私は破裂音に驚いて、思わず袋を落としてしまった。
「うおっ!? 柊、どうしたんだ? ……怖いぞ」
思案に耽っていた日下部も驚かせてしまった。
と言うか怖いってそんな事は……やっぱ、怖いか。袋握りつぶしたもんなあ。
「あー。ごめん……頭冷やしてくるわ」
そういって私は立ち上がった。顔を洗って、血の上った頭を冷やそ……
「大丈夫か? 何か変な事書いてあったのか?」
「いや、そんなんじゃ無いから」
「それに何だコレ」
取り落とした袋から、赤い物が見えている。柿の種に似ているが、より平べったい。
「辛そうなお菓子だな」
日下部は興味津々だ。だけど食べられたら大いに困る。
「……絶対食べるなよ」
日下部をにらみ、そう言い残して、私は部屋から出た。あんなのはもうゴメンよ。
――ああ、だけど何であんな言い方しちゃったんだろ、私。
日下部が興味を持つのは、火を見るより明らかなのに……
『キャアアアッ』
私が顔を洗っていると、峰岸の絹を裂くような悲鳴が聞こえた。
「な、何?」
顔を拭くのもそこそこに、私は部屋へと駆けていった。そしてその勢いのまま、扉を開く。
「峰岸っ! どうしたっ」
そこには泣きそうな峰岸と、突っ立っている日下部がいた。
「あ……柊ちゃん、みさちゃんがいきなり苦しみだして」
「……うわひゃひゃひゃひゃ」
突然、日下部は私を指さして笑いだした。失礼な奴だ。
「え?」
「えーい。人の顔を指さして笑うなっ」
呆気にとられる峰岸を横目に、私は日下部にデコピンツッコミをした。
「うひゃっ!?」
日下部は驚いて飛び退いたけど、いつの間にかハバネロの袋を握りしめていた。
うわー……どうしよう。
「ひ、柊ちゃん。どういう事なの? みさちゃんどうしちゃったの?」
峰岸が私の袖をつかみ、不安そうに私に聞く。
そりゃ不安だよね。苦しんでたと思ったら、突然笑いだしてさ。
「えーと。あのお菓子、『ハバネロの種』って言うんだけど、アレのせいね」
――ハバネロの種。黒井先生曰く、『当社比五千倍』の辛さを誇るらしい。
これのせいで、こなたは笑い転げ、つかさは眠りだし、みゆきには絡まれまくるわで、酷い目にあった。
結局みんな疲れて眠っちゃったけど、今回はどうすればいいんだろう。
見れば、日下部はベッドに腰掛け、未だに笑い続けている。
「五千倍……」
峰岸は青ざめている。辛い物が嫌いだからなあ。
そういえば『天国か地獄が見られる』って黒井先生が言っていたけど、記憶が飛ぶのに見えるのか?
……そっか、残された方が地獄か。
「こう見ると、あいつ酔っぱらいみたいねー」
「……柊ちゃん」
私の感想に対して、峰岸の怒りの声が聞こえる。
怒る気持ちもわかるけど、私にはどうしようもないのよ……。あ、そうだ。
「辛いんだから、牛乳飲むと緩和されないかな?」
思いつきだけど、何もしないよりは、少しはましになるかもしれない。
「そうね。すぐに取ってくるわ。それまでみさちゃんをよろしくね」
峰岸はそう言い、急いで飲み物を取りにいってしまった。
「よろしくって言われてもなあ」
とりあえず、日下部からハバネロを取り上げないとな。
「おっ、やる気か?」
日下部は立ち上がり、私を迎え打つ。上着を脱ぎ、腰を落とした。何故脱ぐんだ。
「やる気はないんだけど、それ返してもらうわよ」
私も同じように戦闘態勢に入った。
「へへっ、渡さないよ」
「こらっ、おとなしく返せっ」
「やるなっ」
「だっ、から返せってのっ」
日下部と組み合い、膠着状態になった。
力では勝てる気がしないから、せめてベッドに押し倒して押さえ込めばどうにかなるかな。
私は力を込めて日下部を……あ。
「へへーん」
日下部が突然力を抜き、私はバランスを崩してしまう。巧みな体重移動により、立場が反転していた。
「え? あ、あれ?」
……おかしいな。何で私が日下部に押し倒されてるんだろ。
「やっと捕まえた」
日下部が私の上に乗って笑っている。やばい、どうしよう。
「待て待て。話せばわかる」
まあ、わからないのもわかってるんだけどさ。
「……」
日下部が突然真顔に戻った。そのまま真っ直ぐに私を見つめている。
「日下部……?」
いままでに無いほど真剣に見つめてくるから、私も目が反らせない。
何故だろうか、私の動悸が激しくなる。
「柊」
日下部が私を呼び、顔が近づいて……え。
「あ、んっ」
――そのままキスされてしまった。
……。
…………って待て。
「んー!」
辛い。あまりの辛さに一瞬意識が遠ざかったぞ。今すぐ離れろ日下部。
「は……んっ」
つか痛い。何だコレ。辛い痛い離れろ。しかも苦しい。
私は暴れてみるものの、日下部は私を放してくれない。
空気を求めて唇が離れた瞬間を狙っても、すぐに塞がれてしまう。
「う……、んー……」
痛辛くて涙が滲んできた。誰か助けてー。何か喉まで痛くなってきたぞ。
意識が遠くなってきたその時、部屋の扉が開かれた。
「柊ちゃん、おまたせ…………」
峰岸助けて。固まるのもわかる。でも助けてお願い。
私は必死に峰岸にアピールをしようとした。でも日下部に押さえられて、思うように行かない。
「あの、ごめんね。お邪魔だったわね」
うわああああっ! 違うってのっ。
「――、――!!」
私は声にならない叫びを上げて、峰岸を呼んだ。……暴れたと言う方が正しいけど。
「あ……柊ちゃん、みさちゃんの脇腹狙って!」
脇、脇……。
私は日下部が離れる一瞬の隙を狙い、脇腹に手を伸ばす。
割とお腹の見える服だから、難しくは無い。ツッ、と微かになぞる形になった。
「うひゃいっ」
日下部がくすぐったさに負け、思わず私から離れた。
今しかない。私はベッドから落ちた。
……落ちるつもりはなかったんだけど、まだ何となくクラクラして、バランスを崩してしまった。
そのまま転がって、峰岸の所に行く。うーん、間抜けだ。
「えっと……柊ちゃん、立てる?」
「――」
手を差し伸べてくれた峰岸にお礼を言おうとしたが、声が出ない。パクパクと口を動かすだけだ。
「そうだ、これ飲んで」
私は峰岸に仕草でお礼を言い、渡された牛乳を一気に飲み干した。
「……ありがとう。助かったわ」
うー、まだ何か喉が痛い。声が嗄れている。
「よかったら氷水もあるわよ」
さすが峰岸、気が利くなあ。ありがたくいただきます。
私が水を飲み終えると、峰岸が気まずそうな顔をして私に聞いた。
「あの、柊ちゃん。何があったの?」
「ハバネロの袋を返してもらうつもりだっただけよ」
私は峰岸から目を反らしながら言う。あんな所を見られるなんて、恥ずかしいったりゃありゃしない。
「そ、そうなの」
何故か峰岸の顔が赤い。理由は……聞かないでおこう。
「で、日下部どうしようか。私じゃ歯が立たないわ」
「そんな」
「なーなー、柊ー」
「うるさいな、何だ」
日下部が左肩を叩いて、私を呼ぶ。さりげなく日下部が会話に混じってきたなあ。
私は右側に振り向いた。
「ほら、食べなよー」
「んがっ!?」
話しながら振り向いたのが悪かった。逆に振り向くのも読まれてたのかな。
私は日下部からハバネロの種を口に押し込まれてしまった。
「ウガハアアァァッ!?」
ちょっ、コレ辛っ……目の前が白くなって、意識が遠ざかっていった。
ごめん峰岸。後はまかせた。
「なーなー、起きろよ」
誰かが私を揺さぶる。うーん、もう少しだけ眠らせて欲しい……ん?
「起きてくれよ、柊」
「え、あれ? 日下部?」
私は勢いよく起きあがった。日下部が泣きそうな顔で私を見ている。
「……起きたー。よかったー」
「いや、起きたけどそんなに喜ぶことか?」
何故そんなに喜んでいるのか知らないけど、日下部が一番最初に目が覚めたみたいだ。
「いやー。何か気づいたらみんなが寝ててさ、柊なんて苦しそうに眠ってるんだぜ?」
「……うなされてた?」
「そだね。眉をひそめて、うなってたよ」
記憶に全く残っていない。……もちろん夢以外もだ。
「峰岸はいいのか」
「だってあやのは……」
日下部は一旦言葉を切り、ベッドの方に視線を向けた。
「あー。確かに起こさなくていいかもなあ」
峰岸はリラッタヌのぬいぐるみを抱きしめ、安らかな寝息を立てていた。
「だろ? でも何で私寝てたんだ?」
「……」
私は無言で日下部を睨む。あとでこってり叱ってやる。
「なんだよー」
「後でな。はあ、何かのど乾いちゃったな」
テーブルの上の手をつけていないグラスに手を伸ばす。すっかり氷は溶けきっていた。
時計を見ると、六時を回っている。三時ぐらいまでは覚えているんだけど……一晩よりはましか。
「ん?」
日下部が水を飲む私を見ている。
「私の顔に何か付いてる?」
「え。いや、何でも無いよ」
日下部はやけに慌てている。どうしたんだ?
「そうだ、新しく飲み物いれてくるよ。何がいい?」
「そうね。何か寒いから……あれ? ジャケットどこいったんだっけ」
何か冷えると思ったら、いつのまにか上着を脱いでいたみたいだ。
「あ、コレじゃね?」
そう言って日下部が着ていたジャケットを脱ぎ、私に着せてくれた。
「……なんであんたが着てるんだ」
「さあ……」
ちなみに日下部のは私が下敷きにして寝ていた。ごめん日下部。
「じゃあ暖かいのいれてくるよ。あやの起こしといてくれよな」
そう言って日下部は部屋から出ていった。表情に疑問符だらけだったけど、大丈夫かな。
「おーい、峰岸。起きろー」
気が引けるけど、起こさないわけにはいかない。私は峰岸を起こしにかかった。
「うー、ごめんっ」
日下部が私と峰岸に謝っている。私がおおまかに説明をしたのだ。
日下部が私にした事は伏せたけど。
「でもあやのも柊も何も覚えてないのか?」
日下部がクッキーを一口で食べながら聞いた。
「うん……柊ちゃんに無理矢理食べさせられたのは覚えているんだけど」
「うわ、ごめん」
「まだ何となく辛い気がするわ」
峰岸は新しく持ってきた牛乳を口にしていた。私もまだ唇がヒリヒリする。
「もとはと言えば私が中身出しちゃったのが悪いんだ。二人ともごめんね」
「いや、柊のせいじゃないよ。どうせ私が開けて食べてたよ。黒井先生が食べてもいいって言ってたし」
先生そんな事言ってたのか。つか生徒にこんな危険物渡すな。
「何か今日は勉強どころじゃ無くなっちゃったね」
私はクッキーを摘みながらつぶやいた。
「私も全部飛んでっちゃったよ」
「みさちゃんはいつもでしょ?」
「ちょっ、あやのがドライアイスみたいだー」
峰岸怒ってるな……わかるけどさ。
私も日下部にキ……いや、あれは事故だ。
ミルキーはママの味、カルピスは初恋の味だとか言うけど、いくら何でもハバネロ味は無いだろう?
……って何考えてるんだ私は。思い出しちゃったじゃないか。
「どしたの?」
「うひゃあっ」
日下部が私をのぞき込んでいた。タイミングが悪いぞ。変な声だしちゃったじゃないか。
「な、何でも無いってば」
「んー。怪しいなー」
「ええい、近寄るなっ」
何だか恥ずかしい。あの時の日下部、やけに真剣だったから……いやいや、事故事故。
「ふふっ柊ちゃん、照れてるわね」
「そっ、そんなんじゃ無いってば」
うう……しばらく峰岸にからかわれそうだなあ。でもあいつ、何であんな事したんだろう……。
聞くに聞けないし、何したか覚えていないしで、どうしようもない。
うう、くやしい。
様々な疑問を残したまま、グダグダな勉強会は終わった。
後日黒井先生に抗議したら、難しいテストを出された。大人げない……。
ついでにこなたにハバネロについての考察を述べたら、『炭酸で酔っぱらう人魚じゃあるまいし』と一蹴された。
当事者になってないから言えるんだよ……はあ。
786 :
7-575:2007/09/11(火) 19:19:48 ID:R8G1z+dB
ありがとうございました。
とりあえず『とうがらしの種』というお菓子があったから、そんなんだろうと思いつつ書きました。
どうでもいいが、自分が書くとこいつら勉強ばかりしてるなあ。
GJ!!!!!!!1!!!!1!11
>>786 GJ!1!!1!!
暴走みさおワロスwww
gj
>>786 梅にするのはもったいないな
GJ
このスレともサヨナラ……
ありがとう、職人さん・住人さん・そしてこのスレ
さあ、埋めるザマスよ
494KBでガンス
ふんがー
まともに埋めなさいよ!
曖昧5KB♪
そりゃ埋めってことかい?
ちょ♪
>>746 裸になってて尚気づかないのかゆかりw
それにしても行為の意味を全く知らないのに
みゆきをいかせまくるとは……恐ろしいボケっぷり
>>786 GJだがこの設定でエロに行かなかったのが(俺的に)惜しまれる
らっぴんぐなエロパロ♪
どんなにからくても記憶飛ぶってのは無理があるなw
まあそういう設定だからいいけど
アルコール系とかなら普通にありえそうだ
そういえばかがみは自分の友達をつかさに紹介しようとしないな・・・
へんなところで独占欲が働いているのだろうか
双子同士、情報は共有→DB化されて
片方が何かをすればもう片方にも反応が……なんて電波が
まだ5キロもあるのに次スレへの投下が始まってしまったな
アバーム!埋めネタ持ってこいアバーム!
X::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::X v z__ `ミヘ`i|从从从从从彡ッ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;\
イ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽY ト'´ k ミ///从从从从彡ミ彡ッ第27回高校生クイズ
_}::::::/:::::/:::;::::::/::::::::::::::::::::、:::::::ヽ:::{` 了イ ヾミ //尤/从从从从从从从从'~'゙~'゙~'゙~'゙~i; ; ;|
}:::::::::::/イ/{ f´ Yf Yf `ヾ:f YY:::::::{ ≧〃,//ハハハハハヽヽ≦/〃////从从从ミヾ、ヾ、ミミミ', !; ;ノ
ム:::::r' |! { ハ } } ハリ:::::f ャn/v//ハルr=、、ヾvミ彡〃//|/|~|⌒!|l||/~\ッ'、'ヾミ, __ ヽ/~l
{ハ、{ -==x、 _,r==‐ }:f「} 彡り ((( 乂 ヽ小Ee 彡!|ノ! | ! | !| |!ヽ!','彡 ____、//,)/
V{Y\,r‐tァーォ、 ,r‐tァーォ、/jf {^∨ r=x,,,,, ,,,,,x=ァ ∨^}`ヽ:| ━─、 ,,。==、 ',;/ヽ‐弋`~´ ノ | .|
{__|! L_  ̄`_ノ⌒廴_ ̄´_」 |∨ Eiヽ_r=tッ=x___rtッ=-x/ ,ソ ',(i \r‐ィッ-、‐,,__r‐ィッ-、,_/)/ ヽ ̄´ r'゙
ハ  ̄ / ヽ ̄ j,ノ {_{ └---┘└---┘}_} し, ヽ、___ノ' ゙'、__,,ノ l_/`゚‐‐゚'゙ヽ, ./
i 人-、__,.-人 / '. r'_ _ァ / ', ,. 、 ,' .-====-、 ∧
∧ (、____,ノ / 〉、 (_trrvrrr'’ ノ ', ィ `゙'─'゙' > / ⌒ / ',‐-
_,.イ | ヽ ヾニニ '´ , ′ ___,-r'’ { \`¨¨¨¨´ , イv __/ヘ \ェェェエフ /ミ` ,,__, ィ ',
_/ ̄ f | \ /ト、. '7’ { ハ_\____∠__}_}__ '''' f ヘ \  ̄ ./、_ |
_,. ´ __| ヘ ` ー一'´ | |i丶 ==^´} (___正解__) `ヽ__ ヘ _ 、__ /__|」\ \_ィ'゙ \ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、 ‐┼‐ _∧_ ─┼‐ -/─
ム-‐、 ‐┼‐ \ / .○| / ⌒ 次スレ
_ノ (_ /, ヘ'、 .ノ / `‐‐
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189502643
「ただいま、こなた」
「お、おお、お母さん!?なんで!?」
「こなた達に会いたかったのよ」
「そお……なんだ」
「寂しかった?」
「……うん、本当は寂しかった」
「おいで、こなた」
「うん……」
「大きくなったわね、こなた」
「お母さん……あのさ」
「なぁに?言ってごらんなさい」
「なんで弄るの?お尻とか胸とか……」
「……」
「お……お母さん?」
「ねぇこなた……」
「な、なんでしょうか?」
「もっと触らせて、どのくらい成長したのか、お母さんに見せて」
「え、ちょ!!お母さnあwせdrftgyふじこlp!!!!!!!!!!!!!!」
ネタのつもりだったのに、かな×こなが脳内で暴走している。
ちょっとSSにしてきます
>>806 かな×こな・・・いいなぁ
SS化待ってる