モノノ怪でエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
難しいけど書いて欲しい
2名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 00:53:31 ID:T5ndIP5g
作ったか…w
3名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 00:56:48 ID:L6zA4KXr
誰も作っていないから、勇気を出してみた
4名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 00:58:20 ID:T5ndIP5g
とりあえず話は全部書いてからウプしたほうがいい?
5名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 01:01:43 ID:L6zA4KXr
全部出来てなくてもいいけど
ある程度まとまった方が読みやすいと思う
頑張ってくれ
6名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 01:05:56 ID:T5ndIP5g
おけ。たとえばどんなカポーがいい?
7名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 01:09:36 ID:L6zA4KXr
薬売りと加代か
のっぺらぼうの話の面を被った男とお蝶
8名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 09:31:10 ID:TqR2VW4j
落ちないように保守上げ。
9名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 10:37:51 ID:EDZm9w+I
>>7
俺も狐とお蝶、ぜひ。せつねー
10名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 11:28:02 ID:yJ5rLqa9
やっぱ狐とお蝶だよな
11名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 15:16:40 ID:U/xHyz5N
お蝶さんぐらいしか奇麗どころいないし
薬売り相手ならオリキャラでもいいなぁ。
12名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 16:20:02 ID:ZB6y4ct8
オリキャラはちょっと・・・
薬売りのあいてなら加世がいいと思う
13名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 19:21:34 ID:b9KN4wg3
薬売りと加世がいいです
14名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 23:51:59 ID:o0sey1zr
保守
海ぼうずの妹もいいな
15名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 06:24:28 ID:I2xe/CoB
だけど相手はあの兄さん(坊さん)じゃ萎えるw
16名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 13:51:58 ID:b6ZrRPzW
いっそ薬単独
17名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 19:17:17 ID:K/a02CgN
>>15
兄は美形だったじゃないか
18名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 20:47:17 ID:EBojoEwc
女体かとかは無しですか?
19名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 20:49:28 ID:EBojoEwc
しまった
女体か は 女体化 の間違いo| ̄|_
20名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 21:52:40 ID:SLwAxXKl
>16 単独てw

女体化はやだなあ
薬売りと加世がいい
21名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 21:59:31 ID:K/a02CgN
女体化は好き嫌いはともかく除外する理由はないと思う
22名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 22:09:06 ID:W+LrekKh
自分も。只でさえ過疎りそうなスレだし、何でもいいから見てみたい
とにかく、エロくさえあれば
23名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 00:42:16 ID:Z/YydHjf
寧ろ女体化を読んでみたい
24名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 01:51:24 ID:nGRsypsj
女体化とかある場合は『女体化あり』でワンクッションおいてくれればいいと思う
25名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 14:11:54 ID:cL/phl+R
ワカメで書いちゃだめ??なんか本スレとかで叩かれてたけど
26名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 16:09:20 ID:Z/YydHjf
>>25
別に良いんじゃね?
あれは厨がワカメワカメ騒いでたから叩かれただけだし
27名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 20:28:44 ID:5RRnUh9I
女体化はワンクッション置いてくれれば、後は自己責任で良いかと

薬売りとオリキャラとかでもいいけど、
やっぱり加代あたりかなあ
狐とお蝶も好きなのでぜひ読んでみたい!
職人さんがんばって
28名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 03:26:06 ID:U3MWSZSb
商売道具の媚薬を間違って飲んでしまい
仕方なしと、同じく商売道具のオトナ玩具でウズきをとってやるが
シマイには、ノリノリである薬売りを
お願い致したく候。
29名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 13:37:40 ID:AvOmabkj
是非加世と薬売りをお願いしたく候
30名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 16:24:35 ID:W0PEB91T
加世がいいな。
31名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 16:28:36 ID:PzEctZtC
是非お聞かせ願いたく早漏
32名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 20:48:18 ID:U2893spf
>>28
最初薬売りが媚薬を飲んだんかとオモタw

でもそれいいな。
台所で商談中加世がお茶菓子出したりしてて
んで薬売りが目を離した隙に
薬売りの艶本を興味津々で見ちゃう佳世。
夢中なあまりお茶菓子と間違えて
謎チョコボール(媚薬)飲んじゃって
     ↓
なんか私ヘン!?助けて薬売りさん!
     ↓
しかたない です ね・・・
     ↓
淡々といろんな道具を使いまくり
しかし最後は加世を美味しくいただく みたいなw

これを輿入れの直前仕様の時間軸を
ちょこっといじって改変出来る職人さん来ないかなぁー

是非お聞かせ願いたく遅漏。
33名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 10:24:44 ID:00HM+yzi
>>28
いや、これは薬売りが媚薬を飲むんだよな?そうだよな?
34名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 11:07:32 ID:YIqFe+N2
ほほ〜ぅ。
非常に興味深い。。。
35名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 23:18:43 ID:iAqLQZ6Q
職人さん降臨するまで作ったの投下していい?

長いわエロ少ないわ江戸の時代考証考えてないわなんですが
36名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:27:47 ID:4PrgEt2Z
どんと来い



来てくださいお願いします
37名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:43:12 ID:3kVP/FLj
江戸、港町
青空の下、帆布のたなびくそらりす丸
虚船騒動など嘘と思えるような晴れた空
三國屋多門と五郎丸は、荷下ろしに積み荷、大事な金魚の運搬の段取りであわただしい
加世はつい先日海の上で恐ろしい目にあったというのに、商人とは全く逞しい者だと関心した

薬売りは港へ着くやいなや飄々とどこかへ歩き去って行った
「もう、達者でな、くらい言ったらどうよ」
もう少しだけ話をしたかった加世が残念がっている
港は商人と船員と旅人でごったがえしていて、薬売りの姿はもう見えなくなった

「源慧さんたちはどうするんですか?」
「源慧様のお身体が気になりますので、近くの療養所へ向かいます」
船の一悶着で弱った源慧の具合を心配しつつも、元の姿に戻った源慧に戸惑っている菖源は
加世の問いにそう答えた
38名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:44:35 ID:3kVP/FLj
「お主はどうするのだ」
扇子の向こうで問いかけるのは柳幻殃斉
加世はいちいち人の話に突っ込んでくる、この怪しい男が苦手だ

「関係ないでしょー、うーん、でもまず口入れ屋に行きたいけどー・・・もう夕刻だから宿を取らないと・・・」
先刻まで命からがら助かった事ばかり考え、この船旅の目的をやっと思い出した
「幻殃斉さんは?」
「江戸で寄りたい寺がある、こう見えても行脚の途中でな」
広げた扇子をぱちんと畳み、行きたい方角へ指し向けた

旅は道連れ、とよく耳にするが実際旅の行き先が別れれば、そこまで
あれだけの大騒動に共に立ち向かい、そらりす丸に乗ったこの面々は散り散り離れて行った
39名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:46:13 ID:3kVP/FLj
宿の通りは往来が激しい
江戸の見物客に山城へ向かう途中の者、商人に客引きで賑わっている

「口入れ屋は見つけたし、明日行ってみよっと。とりあえず安い宿・・・」
「ちょっとお嬢ちゃん!宿探しかい?」
「ひゃっ、びっくりした!」
「うちなんかどう?安くしとくけどねえ」

そう客引きの女将が指さすのは立派な構えの旅籠
身銭の事を考えると一泊ですかんぴんになりそうな宿だ

「えーっ、えーっと!そんなーにー・・・持ち合わせて・・・」
「そうかい?もう木賃はいっぱいかもしれないよ?」
女将に見透かされた加世は思わず声に詰まってしまう
女将の言うとおり、木賃と蕎麦屋あたりで済ませようと思っていた
答えあぐねていると覚えのある声が聞こえる
40名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:47:43 ID:3kVP/FLj
「身共はそんな・・・いやいや、袖を引くな!いや引くなと言うに!」
客引きに強引に引っ張られているのは柳幻殃斉、あちらも同じ宿の客引きに捕まったようだ
「おお、そなたは」
会いたくなかった、加世は顔でそう答えたが幻殃斉は気付いていない

「お寺に向かったんじゃなかったんですか?」
「いやなに、寺までの道を尋ねたのだが今からではとっぷりと日が暮れてしまう程遠いので、明日出立しようと思ってな」

二人の話に小耳を傾けていた女将は、ここぞとばかり間に割って入った

「なんだい、二人とも知り合いかい?二人ひと部屋で泊まりなよ、安く済むよ!」
「ええええーっ!やだやだ絶対いや!!!」
「そんなに嫌がらんでもよかろう!!」
「そうかい?ひとりこれだけでいいけどねえ」

女将が値段分の指を立てて見せる、その指の本数からして確かに安かった
迷いはあったが、もし明日口入れ屋で職が見つからなかったら、明日以降の宿代も考えれば・・・
という不安で打ち消された
41名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:51:15 ID:3kVP/FLj
「ひっろーい!」
通された座敷は広々として、どこぞのお大尽でも迎え入れるような洒落た造りだ

「最近流行かなんだか知らないが、東海道中でお客が多くてねえ。宿場の連中は客引き合戦さ。
 おまけに食い物屋まで増えたんで木賃に取られちまってね」
お茶を運んできた女将がにこにこ顔でそう言った

「でもいいんですか?こんなにいい座敷を、あの値段じゃ・・・」
「今日はお客が来なくてね、その代わり知り合いにでもなんでもウチの宿屋を勧めとくれよ!」
「勧める勧めるっ!女将さんありがとう!」
「で、あの旦那はあんたのコレかい?」
「まっ、まさか!違う違う全然違う!」
「そこまで否定せんでもよかろう!」すかさず幻殃斉が口を出す

「ああ、聞こえちゃったねえ、ご愛敬ご愛敬」
そう笑うと女将は茶菓子を出した
42名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:52:36 ID:3kVP/FLj
「こっ・・・この宿屋では・・・」
幻殃斉の顔がゆがむ
そこには美味しそうな饅頭が盆に置いてあった

「この宿屋では!客に饅頭を食」
海座頭に受けた仕打ちを思い出し、叫びそうになった幻殃斉を加世は突き飛ばした
「どうしたんです旦那?」
叫びそうになった事情を知るよしもない女将に
「あはっ!な、なんでもないですぅ!」ぱたぱたと手を振りながら加世が濁す

「じゃ、夕飯は後でお持ちしますね。ああ、そうそう、この座敷は帳場と台所から離れてるから・・・」
にやりと意味ありげに加世を見る

「女将、冗談はやめてくれ・・・こんなおなごに手を出す気にもなれんわ!」

幻殃斉は、突き飛ばされた反動で顔面から突っ伏した座布団の中で、痛みに耐えながら否定するしかない
女将はまた笑いながらご愛敬、ご愛敬と言って帳場へ戻って行った
43名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:53:52 ID:3kVP/FLj
「あー気持ちよかったー!」
湯を浴びて潮風のべとべととした湿り気から解放された加世は、部屋の襖をスパーンと開けて帰ってきた
「もうちょっと静かに開けんのか」
「はいはーい」
(まったく若い女は・・・)そう口の中で呟くと書きかけの紙面へと目を落とした
幻殃斉は湯あみの後からずっと、何かを書き記している

「何書いてるんですかー?」
「これか?これはこの船旅で出会った、あやかしの経験を書きこんでいるのだ」
「へー、本でも出す気?」
「そうだ!私の身に起こったあやかしの数々!この本を世に出せば、
 瞬く間にこの柳幻殃斉の名前は響き渡るであろう!そして日ノ本一の修験者として世に」

野心に燃える幻殃斉を無視し、今日も一日疲れたと、明日は口入れ屋へ行って・・・
明日やる事を反芻しながら引いてあった布団に潜り込んで一息ついた
44名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:55:22 ID:3kVP/FLj
暗闇、加世はその中に居た。腹が突っ張って痛いし重い、それに嫌な臭いがする

(・・・生臭い、何の臭い?)
(・・・痛い、何の痛み?)

ああ、思い出した。私が身ごもった時の・・・身ごもった?いつ?
臭いは血の臭いと魚の腐ったような、鼻の奥でむせ返る悪臭
違う、これは

「ぎゃっ・・・!」
不意に声をあげた加世に驚いた幻殃斉は、書きかけの紙面に筆を落としてしまった
近くの行燈の火が揺れる
(ああ・・・あと少しで一枚書き終えたものを・・・!)
文句の一つでも言おうかと振り向くと、その気分は異様な加世の姿で消えてしまう

加世はぐっしょりと脂汗をかき、布団から飛び起きて壁でもない襖でもない、一点を凝視して息を切らせていた
「どうした!?」
「あか・・・赤ちゃん・・・あたしの産んだ・・・?違うあれは・・・あれは・・・!」

45名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:56:33 ID:3kVP/FLj
船の上で海座頭に見せられた幻覚を思い出す
腹を蹴る胎児、重い腹に激痛の走る腰

「落ち着け!夢を見て、あの幻覚を思い出しているだけだ!」

幻殃斉の言葉は届かず加世はあの幻覚をまざまざと思い出す、あの時の感覚

加世の目は大きく見開き、小刻みに震えだした
今、加世の中で起こっているのは産みの苦しみ、そうあの魚の赤子が産道を這い出ている感触

産道に引っかかるエラ、背びれ、肉壁に一枚いちまい食い込む鱗の感触

ひぃ、と声を出す瞬間、胃の腑から泡がこみ上げてそのまま気を失った
46名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 00:59:53 ID:3kVP/FLj
夕暮れ、加世はその中にいた。長い長い間眠っていた気がする
頬に触れる風はどこかで嗅いだ匂い

(・・・そうだ、ここは田舎の丘の上だ)
秋の刈り入れ前の田畑、黄金色に見える風景を見下ろせる、加世の秘密の場所

(そうだ、平太さんを待ってたんだっけ・・・嫌な夢・・・)
まだ加世は嫌な感触の夢の後味を味わっていた、まだ夢の続きを見ているようだ
うっすらと目に涙が浮かび体は凍え震えている

同じ集落に住む仲良しで、兄のように慕っていた平太と今年の夏祭りの夜に結ばれた
その後に平太から『夫婦になろう。加世が十六になる来年、祝言をあげよう』
と告げられた時は、天にも昇る気持ちだった

何度か逢瀬を交わしたこの丘で、いつも待ち合わせている
「加世?」と平太の声がした
47名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:01:03 ID:3kVP/FLj
加世の目は覚め、平太の顔を見上げた
いつものように優しい笑顔、焼けた肌に浮かぶ白い歯、加世の横に腰を下ろすと遅くなったと詫びた
加世がぼろぼろと涙を落とす

素敵な恋をして、子供を産みたかった。でもそれは叶わない
目の前の平太を見つめながら、涙を拭った

平太は加世が十六になる前、流行病であっけなく死んだ

平太が泣いている加世を優しく抱き寄せると、加世は大声で泣き出した
怖い夢を見た事、心のどこかで平太にずっと会いたかった事、せき止められた感情が涙になってこぼれ落ちた

平太が死んで、辛かった。忘れたいために、すぐに故郷をでて奉公に行った
知らない土地で、平太の思い出のない場所で生きたかった。めっぽう明るく振る舞ったが、寂しかった

先ほどまで畑で鍬を振っていたのであろう、平太の首筋から汗の匂いが漂う
昔逢瀬に溺れ嗅いだ牡の匂い、加世の胸の奥で熱く煮詰まった衝動がわき出してきた
48名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:04:54 ID:3kVP/FLj
「加世、・・・加世?」
問いかけを遮るように、平太を強く抱きついたまま口づけた
ふいに平太から唇が離れてしまったが、もう一度加世のふくよかな厚みのある唇が平太を求める
口づけた瞬間、平太の口から水があふれてきた


「ごほっ!」
急に流れ込んできた生ぬるい水にむせ、ついこぼしてしまう
驚いた拍子に平太を突き飛ばしてしまった

だが倒れ込んでいたのは幻殃斉、目の前に平太はいない

「やっと目が覚めたか、はっ・・・」幻殃斉は冷や汗をぬぐった
幻殃斉の浴衣は激しく乱れ、胸がはだけている。こめかみ辺りの髪が少し落ちていた
「え・・・?何・・・?まさか・・・・・・」
この状況を読めず、幻殃斉の様子から襲われたと思い叫ぼうとした

「わーーーーっ!!!違う!落ち着け!襲われたのは身共だ!!」
幻殃斉が素早く加世の口を塞ぎ、慌てながら小声で耳打ちした
「・・・え?えー!?」
「叫びたいのはこちらの方だ!お主が泡吹いて気絶するものだから、水を飲ませようとしたが飲まないし・・・
 仕方が無いので、口移ししようと抱きかかえた途端これだ!」
49名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:07:05 ID:3kVP/FLj
成る程、そういえば夢を見ていた気もする
何度も湯呑みから水を飲ませようとしたのだろう、加世の浴衣の胸元は
口からこぼれた分でびっしょり濡れていた

「ご、ごめんなさい・・・」
全てが夢であって良かったと思う反面、平太の夢からも覚めてしまい心寂しいせいか複雑な気持ちになった
複雑な思いは、加世を少し落胆させた
「あー謝らんでもよい、それより平太とは誰だ」
「え?ああええっとー・・・えー・・・」
「どうせ恋人だろう、破廉恥な夢など見おって、しかも身共に・・・どんだけ飢えておるのだ」
ぶつくさと言う幻殃斉の言葉の刺が気に障る、尚かつ、おっさんに「飢えて」いるなどとは特別頭にくる

「もーどーだっていいでしょー!それに口移ししなくったって水かけてくれればいいじゃない!」
「その言いぐさはなかろう!宿屋で水をぶちまけるわけにもいかんし!」
「そんな事言って、本当は何かしようとしたんじゃないでしょーね!?」
何故介抱しようと努めた自分が怒鳴られなければならないのか、
加世の言葉に苛ついた幻殃斉は、押さえ込もうとしていた衝動がその苛立ちで増幅されてしまう

「きゃっ・・・ちょっと!」
もう一度床に付こうとした加世の前に回り込み、強く抱き締めた
「ちょっとー何すんのよー!」
「いいか、聞け。身共は道理を外れる事を好まぬ、身共に惚れた女か、身共が惚れた女しか抱かぬ」
「じゃっ!じゃああたしは関係ないでしょー!?」
「しかし!」一喝すると、面食らった加世の惚けた両の目をじっと見つめた

「・・・しかしだ、若い娘に、いくら接吻だけであろうとも、あれだけの事をされれば道理を外れる事も、ある」
幻殃斉は真剣に呟きながら、未だこの事情を飲み込めていない
きょとんとした加世の唇を奪った

50名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:09:22 ID:3kVP/FLj
「んっ・・・んーっ・・・!!」
ぐいぐいと侵入してくる幻殃斉の生暖かい舌、厚い下唇を優しくはみ、加世の舌を沿うように舌が絡み合う
幻殃斉を突き飛ばそうとしていた加世の両手は、いつしか幻殃斉の浴衣の襟を掴む力しか無かった

少しの間部屋には加世の唇から漏れる声だけが響いた

「・・・先ほどお主はこれだけの事をした、男ならその気にもなる」幻殃斉の唇が離れる
先ほどまで惚けていた加世の顔は、酔ったようにとろけていた

つい衝動に駆られた行動を後悔したのか、加世から身を離し、加世の乱れた前髪を優しく直す

「俺も、無理強いは好まん。お主が嫌なら、俺は今からこの宿を出る」

加世の胸の奥で、平太の夢から醒め、くすぶっていた衝動がまた熱くなる

「どうする?」

問いかける幻殃斉の首筋から汗の匂いがする。平太と同じ、汗の匂い

加世の頑なに閉じていた身体が開くと、両の腕を幻殃斉の背に回し
先程よりも長く深い、ねっとりとした口づけをした
51名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:13:40 ID:3kVP/FLj
九つか、九つ半か、月明かりだけの部屋に加世と幻殃斉の小刻みな吐息が響く

「んっ・・・」
幻殃斉は柔らかい布団の上で上体を起こし、片方の足は立て、その股の間に加世の頭が動く
幻殃斉の固く起つものに舌を這わせ、ひとつ一つの舌の動きに幻殃斉が小さく反応してしまう
ぴちゃぴちゃと音が響き、加世の漏れる声も混じると一層情欲が増す

たまに果てそうなくらい強く吸い、刺激を与えては止め、愛おしそうに扱う加世が少し怖くなった
(年頃とはいえ、この手管・・・)少し気を許せば果てそうになるので、我慢を決め込んでいる

ちょっとした行き違いがあったにせよ、知り合ったばかりの若い娘とこのような仲に
心のどこかにある、そんな不安に気付くと加世の顔を撫で、そのまま抱き寄せ
本当にこのまま続けて良いのか様子を伺った

「あ・・・もう・・・止める?」
目はとろけっぱなし、口は少し開いたまま吐息を漏らす加世はもうお終いなのかと不安な顔をした
52名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:16:05 ID:3kVP/FLj
加世の顔を見上げ、その表情から安堵した
そのまま目線を下にやると柔らかくつんと上に張った乳房がある
その胸を弄ると、漏れ出す声を我慢したいのか加世は手で口を塞いだ

「ん・・・んっ・・・!」
幻殃斉がぴんと固くなった乳首を舌で押すと、そのまま加世はのけぞってしまった
「あっ・・・乳首だめぇっ・・・」
刺激から逃れようとする加世を再び抱き寄せ、腰と背中に手を添える
乳首を押し舐めるように責めると、びくびくと動く加世の反応が伝わってきた
「敏感だな」そう呟く幻殃斉の声も、今の加世には届きそうにない

抱きかかえたまま、加世の足を開かせた
つつ、と指を這わせ加世の濡れ具合を確かめると、溢れ出した蜜が加世の腿に一筋垂れ落ちる

「あぁ・・・濡れてる・・・こんなに・・・」
加世の独り言に答えるように、固く上に反ったものに加世の濡れた入り口を近づけるよう腰を下げさせた

幻殃斉のものに加世の核が当たる、久々の感触で加世は一層身体が熱くなり腰が自然と軽くくねる
53名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:19:24 ID:3kVP/FLj
「幻殃斉さん・・・入れて・・・入れて欲しいの・・・」
「そうは・・・言っても・・・」
幻殃斉は手間取っていた、ぬるぬるとした加世の入り口に押し入ろうとしても、何故か固く閉じている

(なんでだ?まさか処・・・いやいや、そんなことはあるまいて)
頭の中で自問自答を繰り返しながら、ついには体勢が良くないと結論を出した

「首、痛くはないか?」
仰向けに寝かせ、結いが崩れぬよう枕をあてがいながら囁いた
「うん、だいじょうぶ・・・」うっとりとした顔つきで幻殃斉を見つめながらも、うなじ辺りが少し気になるようだ

加世の膝裏を優しく持ち上げ、もう一度加世に入ろうとする
「あん!」一瞬加世の身体が硬直し、つま先を伸ばした

が、やはり入り口には固くなった幻殃斉のものは入らずに、何度も蜜で滑ってしまうが
そのぬるぬるとした摩擦の刺激は二人の情欲を増幅させる
54名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:20:46 ID:3kVP/FLj
「早く・・・もう我慢できないよ・・・」
「もしかして、力を入れてないか?うまく入らないのだ・・・」

加世には自覚が無かったが、こわばっているのかうまく力が抜けていない

「仕方がない・・・どこでどうするか、お主の手で・・・」
加世の手を取り、自分のものを握るようゆっくり触らせた
「入れさせてくれ・・・」

優しく握り、もう片手で自分の濡れたひだを広げる
自分で促しているせいか、頑なに閉じていた加世の入り口も柔らかくなっていた
「え・・・こう、ここ、かな・・・?」

幻殃斉のものが少し入るやいなや、一気に加世の入り口を貫いた
「ああっ・・・いやあ・・・ーーー!!」
貫くと同時に加世の頭に快感の痺れが走る
55名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:24:41 ID:3kVP/FLj
加世は口元がだらしなく半開きになり、いやらしく何かを求める舌が見え隠れする
突き上がってくる快楽に身をゆだね、時折幻殃斉の固くなったものの根本に
赤く敏感に腫れ上がった核を押しつけていた

「もう・・・そろそろ、いいか・・・?」
幻殃斉の腰のあたりで疼きが始まる、今にもその疼きは果てへと導こうとする
「いやぁ・・・まだ・・・だめ・・・」
「そうは言ってもだな・・・」

突くたびに加世の膣内の壁が絡みつく、何度も貫き果てたいが、この快楽に今少し溺れていたい
揺れる乳房を愛撫し始めると、加世の反応が変わった

「どうした?」
「あ・・・一緒に責め・・・ないで・・・うっ・・・」
うっすらと涙が見える、口元を塞いでいるのは声を出さないためなのか
存分に固く敏感になった乳首を責め、加世を突く力は弱めない
執拗に責めると、これまでとは違う強い力で幻殃斉のものを締め付けてくる

「繋がっているのか?ぐいぐいと締め付けられる・・・」
少しいじわるく呟くと、大きく加世の身体が反った
「いや!!ーーーあっ・・・!!」

加世の一瞬の締め付けで、幻殃斉の我慢の限界に来た疼きが背筋に走る
56名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:28:28 ID:3kVP/FLj
「あ」
間の抜けた声が部屋に響いた
「え?なに・・・きゃっ!」
加世の問いかけが終わる前に、急に覆い被さり激しく突き出した

「ああぁーーーーっ!!!」
「うっ・・・んっ・・・・・・」
耳元で幻殃斉の小さな途切れ途切れのあえぎ声が聞こえる
激しく突く腰の勢いが弱まる事は無く、加世の下腹部にも我慢の出来ない疼きが来ていた

「幻・・・殃斉さん駄目ぇえ・・・そんなに突かな・・・いやっ」
「・・・すまん、・・・出る・・・」
「いやぁ・・・中は駄目・・・うっ」

果てを迎え、熱い精液が加世の中を犯す
その感覚が加世の疼きを走らせ、全身に快感が放たれた
「駄目、いっちゃう・・・あーーーっ!」

快感が打ち寄せる波のように襲う、一瞬強ばらせた身体から力が抜け、身体がだらりと重く感じた
57名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:29:13 ID:3kVP/FLj
「はぁっ・・・はっ・・・」
努めて呼吸を整えようとするが、心の臓が激しく鼓動を続ける
幻殃斉は覆い被さったままで、体勢を変える力も無い
全身から汗が噴き出し、首筋から快楽の余韻が響く加世の身体に流れ落ちた

「・・・熱い・・・よぅ・・・」
加世も微熱のように身体が火照り続ける
未だ繋がったままの二人は顔を見合わせた

目と目が合い、どちらからともなく優しい口づけを交わす
情欲を奮い立たせるようなものでなく、お互いを安堵させるために、優しく
58名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:30:55 ID:3kVP/FLj
昨日と同じような快晴、加世は橋のたもとで、寺へと向かう幻殃斉を見送っている

別れ際に「達者でな」と加世の頭をぽんと撫で、口数少なく別れた
口に出すことなど何もない、そう分かり合えた気がするのか
見送りまで二人とも穏やかに過ごした

旅は道連れ、とよく耳にするが実際旅の行き先が別れれば、そこまで

だが旅の相手と深く分かり合えたら、行き先が別れようともどこかで繋がっている気がする
ひょんなはずみではあったが、もう幻殃斉が苦手だとは思わなかった

幻殃斉が小さくなってゆく、饅頭屋の前で扇子を開き饅頭を見ぬよう歩く様が見えた
その姿を見てぷっと吹き出した加世は、今来た道を戻り口入れ屋へと歩み出した
二人の姿は江戸にとけ込み、賑やかな往来へと消えていった


加世はそののち、化け物を産む夢も、平太の夢も見なくなった



終。
59名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:33:49 ID:3kVP/FLj
要望すらないカポーでしたが、要望の高い薬売りを是非職人さん書いて下さい
長々と書いてすみません、ありがとうございました
60名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:36:28 ID:iG4bvi0M
神GJ!!また他の見たい!
61名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:20:21 ID:aH18KNDT
話は佐々木兵衛×薬売りです。最初は、反対カポーで書いてたのになぜか佐薬になったw
薬売りは女体化はしてないけど、話し方とか雰囲気は女性ぽいので、それでもいい、という方はどうぞ。
それでは、始まりー始まりー。

62名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:21:53 ID:aH18KNDT
食事を終えた兵衛が席を立とうとしたとき、膳に折りたたまれた薬の包み紙のようなものを見つけた。広げて見るとそれは、薬売りからのものだった。


――私の部屋でお待ちしています。


そう綺麗な字で書かれていた。

「……」

兵衛は、ドキリとした。彫り物をしていた時、舳先に立って海を見ていた薬売りの姿を思い出したからだ。崩した感じで巻かれた紫の頭巾……自分の好きな色だ。
63名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:23:35 ID:aH18KNDT
その下に見えるうなじ……綺麗に隈取された顔立ち……紫の紅が塗られた薄い唇……
あの唇に吸い付きたい、あの細く綺麗な指で自身に触れて欲しい、と。
叶わぬとばかり思っていたのだが……。兵衛は紙を着物の袖にしまうと薬売りの部屋の外から声を掛ける。スッと障子が開いて、薬売りは兵衛を部屋に招き入れた。
64名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:24:12 ID:aH18KNDT
「……これは、お主が置いたのか?」

「そう、ですよ」

「何のつもりだ?」

「それは、お侍様がよく分かっているのではないですか?」

「……」

兵衛の手を引いて、薬売りは云った。そのまま引き寄せられて布団に寝かされる。

「私のこと……見ていたでしょう?」

耳元で、そう囁かれて唇に触れられる。柔らかく甘い唇……それだけで兵衛は理性が飛びそうになった。彼は薬売りの肩を掴んで覆いかぶさり、深く口付けた。

65名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:25:18 ID:aH18KNDT
「あ……刀が、痛い……お侍様……」


「すっ、済まぬ……大丈夫か!?」

「はい。大丈夫、ですよ」

妖艶な笑みを浮かべて薬売りは、兵衛の刀を取って邪魔にならない所に置き、薬箱の引き出しを開けた。ちらと見ると様々な薬から、色鮮やかな薬を取り出して自分の口に銜えると兵衛に口付けした。

「何の薬だ?」

「今に、分かりますよ」

そう云って、薬売りも薬を一粒飲んだ。水を飲む姿が、行灯の姿に照らされて……その、なんと艶かしいことか。口の端から漏れゆく水を見ているうちに、兵衛は自身が熱くなり、起ち上がっていくのが着物の下からでも分かった。

66名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:26:16 ID:aH18KNDT
「……お侍様……」

早く、と云わんばかりに薬売りは、彼の着物の袖を指先で引っ張った。兵衛は云われるがまま薬売りの足から足袋を脱がせた。

「綺麗な指だ」

兵衛はそう云うとむしゃぶりついた。

「……あ」

指の先、指の間に舌を這わせる度に、体の底が疼くような嬌声を出す薬売りを兵衛は愛しい、と思った。
出来れば、二度と離したくない。籠に入れて誰にも見せたくない、と。
巻脚絆を少しずつずらしていく内に見え隠れする美しく白い脚に、その歪んだ想いはより一層強まってゆく。殷の王を籠絡させたという、狐狸精に魂魄を奪われた妲己のように、毒を含んだ華のような大胆な美しさ……そうかと思えば悪戯な幼子のように違う顔を見せる。
一言で云うなら、美しい蝶……。
67名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:27:05 ID:aH18KNDT
「っ、ん……」

薬売りの吐いた息に、はっと気づいた兵衛は薬売りの眼を見た。熱に浮かされたように潤んだ両の眸、開いた唇……。兵衛は薬売りの両手に導かれるまま、深く口付けた。間近で見る彼の顔は、どこまでも扇情的だった。

「その、こういうことは、慣れているのか?」

「どう、思いますか?」

「知らぬから訊いておるのだ」

「ふふ……」

薬売りは微笑して頭巾を取った。流れるように布団の上に広がる長い髪……。

「早く、お侍様が欲しい……」

薬売りはそう云うと、兵衛自身に軽く触れる。
その白い指に口付けた兵衛は、薬売りの着物の裾を捲し上げて彼自身を口に含んだ。
舐める度、動く脚に掌を這わせると薬売りが、自分の掌を重ねる。
一頻り愛撫したあと、薬売りから先程渡された小瓶の中身を指に塗りつけ、挿入する部分に丹念に塗ってゆく。
68名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:27:45 ID:aH18KNDT
「あっ、あ、あ、もっと、掻き回して……お侍様……」

「……これで掻き回してやる」

兵衛はもう我慢できないと云わんばかりに、薬売りの体を後ろに向かせると水色の着物を背中の方に上げて、油でぬらぬらと光る自身を突きたてた。

「はっ、ん、いい、いい……です。もっと、もっと、突いて……あ、あ、あ、っ……」

布団の上で細い腕が突く度に揺れる。
その腕に手を絡めて、兵衛は優しく、時に激しく突き上げ、掻き回す。
薬売りの中は、ねっとりと纏わりつくような感じで、気をしっかりとしていなければ、すぐ果てそうになる。兵衛は射精感に襲われつつも彼を悦ばせる為に、何とか我慢し続けたが媚薬のせいで体は熱い……。

69名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:29:16 ID:aH18KNDT
「っ、おっ、お侍様、もう、もう、いっ……あっ、ああ……!」

薬売りは顔を上に向け、一際高い声を上げて、かくりと果てた。

「そんなに締め付けないでくれ……っ、もう、もたな、い……」

薬売りの形のいい尻を強く握り、兵衛は何度か腰を揺すった後に精を放った。

「っ、はぁっ、はぁっ……」

ゆっくりと自身を抜いた兵衛は、布団に寝転がり薬売りを見た。肌けた着物に汗が流れている。それだけでも美しい……。顔に張り付いた髪を除けてやりながら彼は思った。

「ふふ……」

「どうした?」

薬売りの視線を追って見ると先程、薬売りに飲まされた薬のせいか自身は起ったままだった。
70名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:30:23 ID:aH18KNDT
「元気な、お侍様」

クスクスと笑う薬売りに、兵衛は恥ずかしくなって、着物でそれを隠した。

「お前は、ずっと薬売りを続けていくのか?」

「それは生業ですから、ね」

「その、もしよければだが、俺の所に来ないか……?」

「それは私を囲う、ということですか?」

「そうではない」

「じゃあ、何ですか?」

「ただ、傍にいて欲しい。それだけだ」

「……兵衛様……」

薬売りは笑って言った。



きっと……七色の衣を纏うお前は、天女のように美しいに違いない。




71名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 08:33:51 ID:aH18KNDT


佐々木兵衛とか人気が高いみたいなんで書いて見ました。あと薬売りの女体化も読みたいとのことでしたので、話し方のみ女性っぽくしてみました。
新たな職人さん待ってます^^じゃ仕事行って来ます^^w
72名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 10:54:09 ID:Oz9pdEUf
>>59
GJ!朝のはよから萌えてしまった
加世かわいいよ加世(*´д`*)

>>ID:aH18KNDT
どこから突っ込めばいいのやら……
とりあえず、数字板に帰れ。あと半年ROMってろ
73名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 10:55:28 ID:O6xSk/np
幻殃斉×加世GJ!
74名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 13:14:10 ID:2epCIbEg
フォモかyo
ディスってんの…?メーン?
75名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 14:11:11 ID:vlygqr8t
でも一応薬売りが女ぽいからいいんじゃね?
76名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 14:19:33 ID:W/GMMXje
怖くて読んでないんだが薬売りがそのまま男なのか?
それとも男か女か分からないようにぼかしてる感じ?
77名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 14:28:36 ID:vlygqr8t
そのまま男っていうか女ぽくはあるよ。ぼかしてるといえばぼかしてる。
ミザリィな感じか。一応エロパロで数字板ではないから配慮したのでは???
78名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 14:29:41 ID:vlygqr8t
ただ文章がナルシストというかなんというかw連投スマソ
79名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 18:32:29 ID:FGlYROHj
幻殃斉は化猫騒動知ってたし興味あるだろうから当事者から話を聞きたいとか言って
暫く加世と珍道中しないかなと妄想してたので幻殃斉加世GJGJ!
終わり方も昔話みたいな読後感残してイイ!
80名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 19:28:20 ID:P6MaEKiZ
饅頭のあたりがニヤニヤしてしまうw幻殃斉いいわー
アニメももうすぐ終わり、来年も放送してくんないかな…
81名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 22:06:16 ID:th2bZHjD
番外で幻ちゃんのお話とかも見てみたいな
82名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 23:23:42 ID:z1752TDk
幻×加代GJ!
これ読んだ後だと、海坊主の加代ちゃんが良いツンデレに…!
(*´Д`)ハアハア
83名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 23:56:08 ID:hlR8x9C0
幻×加世 全然アリだww
幻ちゃんヘタレ攻めっぽくてなかなか読まされたお(^ω^)
84名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 01:42:35 ID:ONtdziXm
来週の加世さん似のおさげっ娘が何故か認められなかった俺だが
この話を見た後また何故か子孫がいてもいいかなと思えるようになった
なんか良くわからんが感謝します
85名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 21:23:50 ID:KnHOdJHs
モノノ怪って女キャラほとんどいなくね?
86名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 21:53:58 ID:v6RfRLr/
加世、たまき、まお、さと、みずえ
しの、宿屋の女将、およう、瑠璃姫

確かにあんまりいないな
87名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 22:32:27 ID:m7QYUick
お蝶、かか様、婆さんもいるぞ
88名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 23:13:48 ID:KnHOdJHs
このスレ来て幻加にハマった

薬売りじゃ逆にエロ書きにくいんだと思うんだ
熟女キラー薬売り…
89名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 23:31:12 ID:v6RfRLr/
のっぺらぼうの女キャラ忘れてた

薬売りはつかみ所ないし特徴ありすぎだからエロパロには向かないのかな
でも薬売りと加世が見たいです
90名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 00:52:59 ID:6MP3eaUo
加代がマーブルチョコみたいな薬を
お菓子と思って食べちゃって、
薬売りが「あぁ、そうでした、それは、」
加「え?」
薬「うっかり、うっかり」
91名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:12:56 ID:1+wCnL4C
幻加イイなぁ…!
でもうっかりだけど確信犯な薬売り×加世がやっぱり読みたい…他力本願だが神はいないのだろうか…
92名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 17:33:48 ID:5A60AQy/
薬売りとカヨの7日間 とか俺があいつであいつが俺で のエロコメディ。
「ある!」「ない!(゜д゜;)))」
93名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 19:42:02 ID:nUV++VLz
薬売りと加世の7日間
一度でいいから見てみたい
加世が退魔の剣を抜くところ
歌○です

94名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 20:41:40 ID:5A60AQy/
次回の化猫あらすじ
堺家の爺さんによって誘拐された薬売り。監禁されて堺家のオモチャに。
加代やサトにも遊ばれ放題だったところ、家に住み着いていたタマキの亡霊に
よって助けられ、本当の愛を知る。。
よしよし、いい子
あっ

めでたし。
95名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:42:04 ID:3hVsDPhT
92
入れ替わった薬売りは加世の胸をぽんぽんとwww
96名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 23:59:15 ID:6CWDrUNT
>>94
>薬売り監禁→堺家の女のオモチャ
裸の薬売りタン「帰して…下さい…よ」

次回永久保存せなww
97名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 01:21:55 ID:XRRSbPUg
>>95
これはインテルのCMに起用されるな
98名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 19:39:37 ID:9VIHjxrk
誰か化け猫のヌコと薬売りがタマキによしよしのトコ全行程で入れ替わったのを書いてくれ。{描くでもおけ〜
99名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 20:55:17 ID:huILE8IG
白無垢の上で腹出してたまきの手にじゃれ付く薬売りとか見たいのか?
100名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 05:12:24 ID:72XXUWKX
薬売り×加世でおねがいします。
101名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 01:48:53 ID:TY8M3rr8
千世さん、驚愕の二十い(カチン
102名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 03:52:59 ID:poofwd8P
加世と薬売りより、薬売りたまきがいいと思うのは俺だけか
103名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 12:30:54 ID:V319RY8L
たまきの方がよさげだね
可愛い女より美人な女がカップリングに違和感なさそう
104名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 13:07:47 ID:YAkZk2Wc
ところで>>4が書いてるの?
105名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:10:54 ID:wMbV+OxY
たまきもいいけど鬼畜な展開だけは勘弁
106名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:19:05 ID:drk0uoJE
まあ、やるときは冒頭に注意書きを所望したいところだな
107名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 16:40:18 ID:HzEOq7K8
×薬売り×加世
○薬売り×たまき
108名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:10:21 ID:VzGa4/oz
退魔の剣を擬女化っていうのは?
名づけて退魔タン
109名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:20:34 ID:YAkZk2Wc
>>108
性格どんなだろ?
110名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:35:08 ID:HzEOq7K8
ツンデレだろw
111名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:43:13 ID:YAkZk2Wc
ツンデレと聞いて自分の中で薬売り×退魔タンが有りになってしまったwww
112名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 00:45:47 ID:duKauWi2
仁王みたいな顔したツンデレだな。
薬売りは常人より少し体温が低いイメージ。なんとなくだが。
113名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 19:02:48 ID:eNTHQbLP
>退魔タン
「食わせろ〜」
とか言いながら飛び掛ってきそうだな
もちろん性的な意味で
114名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 21:58:26 ID:GoBHGTaY
天秤の擬女化も捨てがたい
115名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:12:32 ID:K9123M1C
>>114
やってる人見たことあるわ。
116名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:17:29 ID:0yWn5o8I
天秤タンは従順というか素直そうだな
117名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 22:23:25 ID:7aw4IizO
>>113
「解き放つ」って言うから奔放な女性であって欲しい、性的な意味で
そして退魔タンが解き放った翌朝の薬売りはげっそり顔
118名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 23:02:48 ID:eNTHQbLP
薬売りが血色悪いのは退魔タンに吸い取られていたからか
謎は解けた
119名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 23:54:16 ID:0yWn5o8I
退魔タンは絶りry)
120名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 00:28:57 ID:fLjiCihh
退魔タンは長いこと生きてそうだからババア口調な気ガス
以下個人趣味だが
乳は貧相だと萌える
121名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 00:53:26 ID:fV/FwmRp
ネタスレ「俺の妹は関羽」を思い出した。
122名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:16:19 ID:DJ3WlbO5
108からの流れで想像してみた

獅子舞顔の貧乳淫乱ツンデレ婆




妖怪だよ orz
123名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:48:12 ID:P0IcMtyb
>>122
退魔タンは獅子舞顔のお面を被っているとすると…?



もさもさ長い銀髪に、細くて華奢な褐色の体で美乳でエロエロとかもうね
124名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 06:12:39 ID:YzKj3MM1
婆は酷だろwww

なになに?婆キラーな薬売りタソなのw?
125名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 10:22:11 ID:tbgl4umd
さとや女将は薬売り見て頬染めてたし熟女キラーではある気がする。
かといって婆×薬売りは見たくないがw

126名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 00:11:53 ID:CBG4FM3I
退魔タンはロリババアなんだよ
蟲師の廉子婆ちゃんみたいな
127名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 00:26:10 ID:mYl557Ns
>>126
ちょっと逝って来いwww
128名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 00:33:55 ID:47x/JaTl
天秤を薬箱に入っているぶん全員擬女化させ、その上退魔タンも混ざって薬売り輪姦状態とか考えた
129名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 01:00:17 ID:7nbyjap6
>>128
それは薬売り×連隊?それとも反対??
130名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 01:10:39 ID:47x/JaTl
反対w
131名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 01:16:02 ID:7nbyjap6
禿げたぞwwwどうしてくれるwww
132名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 03:41:41 ID:nlmiddAv
>>99
腹出してじゃれ付く薬売りWw
133名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 02:34:52 ID:Jx5vw2gy
人外娘にヤられちゃう薬売りは萌えるな
134名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 22:53:44 ID:pxq5AYl0
それにしても職人さんが久しく現れない件
135名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 00:58:12 ID:fLRJc0dU
職人さん来てー
お願いしますー
お待ちしてますー
136名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 08:10:44 ID:9Uqr7ePC
三期は…流石に無理かねえ、妖怪〜Youkai〜なんてタイトルでやってくれんかの
そしたら今度は現代でまんまコギャルな加世さんっぽい人とか出ちゃうんだろうか
137名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 09:02:04 ID:3pnmlnCa
そこでOVAですよ
138名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 23:53:08 ID:jIAVy4fW
そこでゲーム化ですよ
139名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:33:06 ID:ZjKLG7Ap
>>136
いっそ宇宙大航海時代までいってほしい
140名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 22:33:56 ID:7QFx6HOb
薬売りをくすぐりたい
141名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 00:29:24 ID:RiIDi+tA
文才が欲しい、男も女も濡れるような文才
そして薬売り×加世を思う存分書き連ねたい
142名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 06:19:53 ID:sVRvo1a4
その心意気だけで十分だ、思う存分書いてくれ
143名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 23:57:19 ID:iRQb+Ve1
しかし、誰も、いない…
144名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 00:52:02 ID:ltP2J1YQ
ワンワン く〜んく〜ん
145名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 20:40:28 ID:gzgVwA6i
薬売りのわんわんプレイ?
146名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 18:38:48 ID:X3tPNV7o
このまま過疎になり、いつの間にか落ちていくんだろうな
147名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 19:02:09 ID:Aw5Sz51k
今現在、幻殃斉と加世のエロパロのみか…
俺は待つよ、職人さんをいつまでも…
148名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 19:09:56 ID:hzEMNqr/
個性的すぎて簡単に二次れる雰囲気じゃないからなぁ
149佐々木×カヨ:2007/09/27(木) 01:07:05 ID:bt8mctvM
「うっ…はぁ…」
「淫乱め、こんなに濡らしてからに。」
「お許し…下さい」
「もっと声をあげろ、あの薬売りの男にも聞かせてやるといい」
「嫌ぁ…はっ…あぁ!」
150名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 06:51:31 ID:PtX1n7fs
自分は初代化け猫の坂井親子とさとによるたまき陵辱でも全然おkだから
神様おねがい。
救いが無いのがわかってるから、鬱展開必至だけどな。
151名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 08:34:17 ID:VniZpNEu
>>149
短いけど萌えた
152149 佐々木×加世:2007/09/27(木) 22:58:29 ID:bt8mctvM
「お主…加世といったか?」

自室に向かい通路を歩いていた加世は突如男に呼び止められた。
「あ…は、はい」
 振り向くと赤い着物を着た男がこちらを凝視している、加世は背筋が冷たくなるのを感じたが努めて笑顔を返した。
「佐々木様…何か御用でしょうか?」
 塩谷藩藩士佐々木兵衛は加世に歩み寄り答えた。
「髪を結いたいのだが一人では上手くできんのだ、お主結ってはくれぬか?」
「…はい!お安い御用で」
断る言い訳が見つからなかった加世はそう答え兵衛の後に付いて行った。
153菴舌?譛ィテ怜刈荳?:2007/09/27(木) 23:01:44 ID:bt8mctvM
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154佐々木×加世:2007/09/27(木) 23:05:22 ID:bt8mctvM
「ここが俺の部屋だ、入れ」
加世が部屋に入ると兵衛は後ろ手にそっと戸を閉めた。部屋に通された加世は兵衛の方を振り向き
「佐々木様、髪の形はどの様な…」
背中に衝撃が走った、と思った次の瞬間視界には兵衛の着物の柄が広がっていた。
「あぅ…へ?」
突然の出来事を理解できずにいると
「痛い思いをしたくなければ声をたてるなよ」
眼前に兵衛の顔が現れそう呟いた、およそまともと思えぬ目が瞬きもせずこちらを見つめゴワゴワした髪が頬に触れる。加世は自分の身に何が起きたのか理解した。
155名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:08:52 ID:bt8mctvM
二つ目失敗してスマソ。続きが見たい人いたら反応よろしく。
156名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 23:43:22 ID:HW9R40AG
>>155
気になるぅ!!!1!
157名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 02:27:55 ID:PNZXAVpw
>>155ちょww生殺し(´д`*)
モノノ怪終わっちゃったけど続ききぼん
158佐々木×加世3:2007/09/28(金) 20:28:57 ID:R/k8TnHY
「嫌!おやめ下さい!!」
のし掛かる男を押し退けようとした両手はあっさりと頭上に纏め上げられた。
「…声をたてるなと言っただろう」
兵衛は特に慌てる様子もなく残った手で加世の胸の膨らみを撫でた。
「嫌だぁ!薬売りさん!助けてー!!」
「はは…あいつか。まぁ、誰だろうと邪魔する輩は切って捨ててやる。お前もあまり手間をかけさせるなよ。」
加世はびくりと体を震わせて喚くのをやめた、胸の上を行き来する兵衛の手によって堪らない不快感が与えられる。
(嫌…私殺されるの?)
159佐々木×加世4:2007/09/28(金) 20:34:22 ID:R/k8TnHY
「理解したか」
兵衛は薄く笑うと拘束していた手を離し加世の上から退いた。
「自分で脱げ、見ていてやる」
加世はゆっくり身を起こし涙を浮かべながら帯に手をかけた。

「…脱ぎました」
長襦袢を羽織っただけになった加世が兵衛と目を合わせずに消えそうな声で呟いた。
「それも脱げ、全部よく見せろ」
「うぅ…お許し下さい…」
長襦袢の合わせの部分を握り締めて加世は俯いた、その様子をしばらく眺めた兵衛は加世の腕を掴んで床に引き倒した。
「あっ…痛!」
160佐々木×加世5:2007/09/28(金) 20:39:45 ID:R/k8TnHY
長襦袢の合わせに兵衛の手がかかり乱暴に開かれた。
「…っ」
加世の豊かな乳が弾けるようにこぼれ出る、隠すものが無くなり露にされた体を下から上へ舐めるように見た兵衛はゴクリと喉を鳴らした。

ぺちゃぺちゃ、ぴちゃり。ちゅ…ちゅく。
「う…ん、あぅ…」
兵衛が加世の鎖骨から首筋にかけてを獣のように音を立てて舐めまわす。そのたびに、加世の唇から艶を帯びた息が途切れ途切れに漏れ始めた。
「あっ…はぁ、う…」
加世はきつく目を閉じて兵衛の着物を掴んだ。
161佐々木×加世6:2007/09/28(金) 21:04:09 ID:R/k8TnHY
腰の辺りを撫ぜていた兵衛の手が脇に滑り、触れるか触れないかの力加減で乳房の形をなぞると加世が驚いた様な声をあげた
「ひゃっ…!」
僅かな刺激を過剰に受け止り乳房の先端は徐々に張り詰め、兵衛を誘うかの如く存在感を増した。
「ここがいいのか。」
加世の脚の間に体を割り込ませた兵衛はねっとりとその部分を舐め上げた。
「はっ、ぁあん!」
加世の背がしなり兵衛を挟む脚を強張らせ着物を掴む手にさらに力がこもった。
淡く色付き硬く立ち上がった先端はまるで兵衛の行為によって悦びを得ているように見えた。
162名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 21:08:27 ID:R/k8TnHY
一端ここまで、長くなりそうです。
163名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 22:59:30 ID:8IpStXBE
>>162
あたし・・・いつまでも待ってるからっ・・・////
164名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 23:01:48 ID:HnjLECRT
GJ!!!!!
続きを楽しみに待ってる!!!
165佐々木×加世7:2007/09/30(日) 01:26:31 ID:GTCqskHM
「そんなに良いのか?こんなに硬くして…実に卑猥な体だな」
自身の唾液でぬめった先端を指で転がしもう一方の乳房もやわやわと揉みしだきつつうっとりした口調で兵衛が囁く。
「はぁ、っん…卑猥なんかじゃ…ない…です」
顔を紅潮させた加世が涙目で兵衛を睨んだ。
「どこが卑猥じゃないというんだ?先程あんなに声をあげていたではないか」
兵衛が両の先端を摘まみこねまわす。
「ふぁ…!や、ああぁ!」
加世の体がビクビクと震えて張りを増した乳房が揺れ、捕らえられた先端にさらなる快感をもたらした。
166佐々木×加世8:2007/09/30(日) 01:33:34 ID:GTCqskHM
「俺はお前を一目見て分かったぞ、お前はこの様に男に嬲られるのが好きな卑猥な女だ」
 兵衛が独特の目で加世を見つめた。
「は…あ、違う…私は、そんな…」
 加世は首を振り否定する、髪は乱れうっすら汗ばんだ肌に幾筋か張り付いていた。
「嘘を申すな、すでにばれている。お前の此処は…」
 兵衛の腿が加世の秘裂にあてがわれる、するとクチュリと音を立てて液体が溢れ兵衛の腿をヌラヌラと流れた。
「これは何だ?」
 脚が引きつるほどに大きく開脚させられその中心に兵衛の視線が注がれた。
167佐々木×加世9:2007/09/30(日) 01:38:00 ID:GTCqskHM
「こんなに濡らしてからに、淫乱め」
 空気に晒された秘裂からはトロトロと蜜が溢れ湿った肉をひくつかせて兵衛の声に応えた。
「佐々木様…だめです、こんな…こんな格好…わ、私…!お許し…下さい」
 加世が両手で顔覆い小刻みに震えて哀願した。兵衛は開かれた秘裂と手で覆われた顔をしばし見比べた。

「…お前、あの薬売りにも抱かれたんだろう」
「…へ?」
まったく予想外の答えに加世はとぼけた声をあげて指の隙間から兵衛を見た。しかし、そんな事など気にもとめず兵衛は言葉を続けた。
168名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 01:47:40 ID:GTCqskHM
今日はここまでです。
169名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 17:52:24 ID:qEsREzfD
http://www15.oekakibbs.com/bbs/dameninngenn/data/
退魔タン
擬人化。
見たくない人は見ない方がいい。

自分地のブログにちゃんとがんばったのをupしました。
検索ワードは=退魔タン  擬人化。
170名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:25:23 ID:2mDTFwld
age
171名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:52:37 ID:LYiYoT0D
兵衛×加世、wktkして待っとりますけえ
172名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 20:26:32 ID:8dsoewLF
作中の人物×オリジナルって夢になっちゃうんですか?
今まで名前変換がなければ夢じゃないと思ってて、
でもサーチ回ってたらオリキャラを夢に分類してる所が多くて。
モノノ怪の女キャラってエロ描く感じじゃないんですよね
男キャラはやけにエロスを放ってるのに
173名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 20:44:23 ID:G6cUQ95a
>>172
ここに来てる輩はおそらくモノノ怪の女キャラが色々されてるのを
期待してやってきている人が(自分も含め)殆どだと思うので
あまりオリジナル色が強すぎるのは微妙かもしれん、と忠告してみる

まぁ元々職人が少ないわけだから、この際エロなら
何でも歓迎されるのかもしれんが・・・
174佐々木×加世10:2007/10/02(火) 20:45:23 ID:A/tsNXKy
「あいつはどの様にお前を可愛がったんだ?俺に教えてみろ、そうしたら離してやる」
 加世は兵衛から顔を背け指を噛み、震える声で答えた。
「く、薬売りさんはこんなことしません…!」
 兵衛は膝裏を押さえる手の片方を脚のつけねまでずらし秘裂を指で割り開いた。
「俺に見ていて欲しいのか、やはりお前はどうしようもない淫乱のようだな」
「ぁあ…」
 そこはこれ以上ない程に開かれ、ぱくぱくと口を開けた穴から流れた蜜が尻をつたい床に染みをつくった。
「はぁ…やぁん…」
 自分でも見た事のない部分を視姦され羞恥心に震える加世は、頭がぼんやりし体の力が抜けていくのを感じた。
「く、薬売りさんは…」
「そうだ、どの様にされたんだ…?」
 加世の下腹部がうずく。
「薬売りさんは…わ、私に媚薬を飲ませて…一晩中何度も…抱いてくれました…」
 すっかり艶を帯びた息を吐き熱っぽい目で空中を見つめ、加世は続けた。
「頭巾で…私に目隠しして…」
 すると兵衛が加世の言葉を遮った。
「此処はどの様にされた?」
 言うやいなや、もの欲しげにひくつく穴に指を差し込んだ。
175佐々木×加世11:2007/10/02(火) 20:51:45 ID:A/tsNXKy
「ああぁぁ!!」
 加世は一層高い声をあげ大きく体を反らした。
「どの様にされたんだ…?」
 指を抜き差しし関節を曲げて内壁を刺激すると水音とともに蜜が溢れだし、伸縮を繰り返すたびに兵衛の指に吸い付きより奥に導いた。
「あっ!…あん!薬売りさんはぁ…爪が長いからって…し、舌で優しくしてくれました…はっ、あぅ!」
「ほぅ、そうか。お前はそのようにされて此処を濡らしたのか、嫌らしいな…」
 兵衛は差し込む指を増やして激しく動かし、残りの指で陰核を弄んだ。
「もっと声をあげろ、あの薬売りの男にも聞かせてやるといい」
 そう言うと体を折り曲げて加世のツンと立った乳首に吸い付いた。
「ふああぁぁ!お許し…下さいぃ!あぁん!もう…は、果ててしまいますぅ!」
 加世は体がとろけるような激しい快感に腰をくねらせた。
「…では、これで果てると良い。」
 兵衛は自身の着物をかなぐり捨て、いきり立ったものを取り出すと一息に加世を貫いた。
「ひぁっ、あああぁぁぁ!!」
 それと同時に悲鳴のような声をあげガクガクと体を痙攣させた加世はぐったりと全身の力を失った。
176佐々木×加世12:2007/10/02(火) 20:57:24 ID:A/tsNXKy
「果てたのか、だがまだだ」
 兵衛は加世に覆い被さり激しく腰を動かした。
「んああぁ!あっ!…あっ!あん!」
 果てたばかりで敏感になった部分を刺激され、加世は弾む様な声をあげて兵衛の背に手を回し強く抱き締めた。
最奥を突かれるごとに体の芯で熱が生まれ、兵衛のものをきつく締め上げる。律動のたび掻き出された蜜が床の染みをさらに広げ、グチュグチュと音を立てて兵衛のものと加世のひだにまとわりつき快感を煽った。
「はふ…あぁん…佐々木様ぁ」
 加世は半開きの目で兵衛を見つめ、顔を引き寄せ口付けた。
兵衛もそれに応え加世の厚い唇を吸い互いの舌を絡ませた。
舌と舌とを銀の糸が結び、口端からどちらのものでもない唾液がこぼれる。
「ん…ちゅ…あぁ、佐々木様…また果てます…ひっ…!」
 加世は二度目の絶頂を迎え未だ自身を貫いている兵衛のものをさらに締め付けた。
「…うっ、そんなに締めるな。まだ許さぬぞ」
 繋がったまま加世の体を返し体位を変えさせ今度は後ろから、加世の腰を掴んで激しく 突いた。
「はぁ…ひっ!あっ…!」
 加世はなされるがまま高く尻を掲げ、恍惚の表情でだらしなく涎をたらし揺さぶられた。
177佐々木×加世ラスト:2007/10/02(火) 21:05:36 ID:A/tsNXKy
兵衛が腰を打ち付けるたびに加世の白い尻肉が波打ち、ぱんぱんと皮膚がぶつかり合う音を奏でた。
「はぁっ…中に出すぞ…」
「あっ、あぁ…はい…全部中に下さい…」
 兵衛は一層深く加世を貫くと背中を震わせ、熱い精をすべて最奥にぶちまけた。



「ん…ちゅ…ちゅぷ…佐々木様ぁ」
 精と自身の蜜が付着した兵衛のものを丹念に舐めしゃぶりながら加世が愛しそうに呟いた。
「出るぞ…くっ…」
 兵衛が眉間に皺を寄せ加世の頬に手を添え勢い良く精を放つ。
「んっ…!んく…はぁ、苦い…」
 加世は口に受けきれなかった分を顔に浴び、味わい飲み下した。
「はぁはぁ…いいぞ…加世、愛い奴だ。ずっとここにいろ、江戸に付くまで俺が可愛がってやるからな…」
 兵衛が加世の顎を掴み持ち上げ視線を合わせる。
「ん…はぁい…佐々木様ぁ…」
 顔中を精で汚し口端からもそれと涎の混じったものを垂らして、加世は嬉しそうに微笑んだ。
178名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 21:10:10 ID:A/tsNXKy
はい、これで終わりです。長々とどうもでした。
179名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 20:10:30 ID:/pek6ELQ
GJ乙!!加世エロイよ加世
180名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 20:47:16 ID:4HbTyAtx
>178
GGGGGGJ…!!
エロい加世たんハァハァ
薬売りとの頭巾プレイも書いてほしい
181名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 21:53:16 ID:MKWzY+5e
>>178
GJ!
ありがたやありがたや・・・
>>180と同じく、頭巾プレイももしよければ・・・
182名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 03:10:57 ID:zzbGJibL
>>178GJ!!
できれば薬売り×加世キボン。見たすぐる…
183178:2007/10/04(木) 20:26:27 ID:UOsZWMz8
薬売り×加世の頭巾プレイ、書き始めるのでそれまでスレを維持してくれ。
かか様、私頑張る。
184名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 22:32:30 ID:EvOaI/Vb
亀だが
169が見れない…
185名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 00:03:26 ID:pdlgjd2M
>>183
応援‥してますyo
186名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 00:40:23 ID:LxN6l3RH
>>178
いぃやったぁ!!wktkでお待ちしております。
187名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 16:10:53 ID:633AXfbL
最終回で薬売りがタ退魔タンに「そう急ぐな」と言ってるシーン
がお預けプレイに見えた
188名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 17:45:03 ID:nh7AnV7z
>>187
なんという良い伏線・・・

>>178
ワクテカして待ってます
189薬売り×加世1:2007/10/06(土) 01:17:37 ID:ykTZFk97
「これが…こしょこしょ」
「いやー!嘘っー!!」
  柔らかな行灯の明かりが灯る部屋に男と女。
紅い化粧をした男から様々な薬の説明をされ、若い女はきゃっきゃとはしゃいでいる。
「薬売りさん、この白いのは?」
「あぁ、それは…こしょこしょ」
「あっー!きゃは!」
 頬を赤くして楽しそうに笑う女を見て、紅い化粧の男はふっと薄く微笑んだ。

化け猫騒動の坂井家を後にした薬売りは、実家に帰るという加世としばし道中をともにしていた。
日も暮れ始めた山中、その日の宿のなかった二人は空き家を見つけそこに一晩泊まることにした。
「どこの旅館も満室なんてホントついてないですね〜」
「…加世さん一人ならなんとかなったんですがね…俺に気を遣ったんですか…?」
 確かに、加世は一人部屋が開いていたにも関わらず薬売りに付いて来た。若い女に野宿は危険だと薬売りは説いたが、加世は強引に薬売りの腕を引いて宿屋を後にしてしまった。
「行商ですからね…慣れてますよ…」
 加世は床に並べられた様々な薬を見ながら恥ずかしそうに口を開いた。
190薬売り×加世2:2007/10/06(土) 01:21:06 ID:ykTZFk97
「うーん、実はあんな事があってから夜一人になるのが怖くて…薬売りさんと一緒にいれば安心かなーっなんて。」
 と言うと加世はクスクスと笑った。
「まぁ…分かりますがね。しかし、その…俺のような輩と二人きりになるのは…怖くないんですか…?」
 薬売りは薬箱の中を探りつつ加世に問うた。
「嫌だ〜、薬売りさんは私を助けてくれたじゃないですか!いい人だって分かってますよぉ。」
「いや…そうではなく男と女が…」
「きゃ〜!この亀可愛い〜、これも薬になるんですかぁ?」
 可愛い物を見つけた加世は薬売りの言葉を遮りまたはしゃぎ始めた、そんな様子を涼しい目で見つめ薬売りはぽつりと呟いた。
「俺も男なんですがね…」
「へ?なんですか?」
「いえ…何にも。それより…これ、飴なんですが…どうぞ」
 薬売りは薬箱から包みを取り出し、小さな紅い玉を二、三粒加世に手渡した。
「わぁ、ありがとうございます!綺麗、宝石みたい」
 紅い飴玉を光にかざしじっくり眺めた後そっと口に含んだ、上品な甘みとともに花の香りがぱっと口内に広がった。
「美味しい〜。はい、薬売りさんもどうぞ」
191薬売り×加世3:2007/10/06(土) 01:25:34 ID:ykTZFk97
加世の手が薬売りの口許に伸びる。
「…俺は…んっ」
 甘い物は食べない、と言いかけたがすでに遅く飴玉が薬売りの口に放り込まれた。
「不思議な味ですね〜、何で出来てるんですか?」
「まぁ…色々です…そうだ、あれをお見せしましょう」
 薬売りは薬箱の引きだしから本を取り出した。
「…これって」
 みるみる加世の顔が赤くなった。本は男女の営みが様々な形で描かれている、いわゆる春画だった。
「やだー!でももっと見せてー!」
「おっと…」


「ふは…うわぁ」
 加世は興味津津といった様子で春画の頁をめくっていた。
「…加世さんは…随分と、そちらが…お好きなようで…」
 薬売りがにやりとした。
「…やだ〜!もう、違いますから!ほら、もう寝ますよ!」
 真っ赤になった加世は春画を閉じ行灯を遠ざけた。


「う…ん、はぁ…」
床に横になった加世は腿をモジモジと刷り合わせ苦しそうに呼吸していた。
(何で…体が熱いよ…さっきの春画のせい?)
 普通ならこの様な場合自分で処理する事だろう。
192名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:30:13 ID:rQCJ384J
>>187
>お預けプレイ

薬売りが退魔タンを目隠し手足拘束して媚薬漬けにしてしまうんだな
反発しながらも媚薬でアソコが疼いて仕方ない退魔タンが薬売りにおねだり
しかし薬売り、退魔タンのアナルを責める
「そこ違うぅ」なカンジになりつつも退魔タンアナルでイきまくり、しまいには
無様に失禁してしまう退魔タン

ってな妄想をした

193薬売り×加世4:2007/10/06(土) 01:32:36 ID:ykTZFk97
しかし今は薬売りが側にいる、その考えはすぐさま却下された。
(もう、寝てしまおう…)
 と、加世は目を閉じ思考を停止させようとした。
「加世さん」
 突如加世に背を向けて寝ていた薬売りの声が響いた。
「具合が…悪いんですか?」
「あっ!いえ、何でもないんです!」
 加世は自分の体の変調を悟られぬよう努めた。
「実は…先ほどしくじってしまいまして…」
 薬売りは薄暗闇で上体を起こしその体勢で加世に近付いて来た。
「え…何を?」
 振り向くと薬売りは加世のすぐそばまで来ていた。

薬売りと目が合い、加世の鼓動が早まった。
「先ほどの飴…あれが媚薬だったようで…しかも、保ちが良いやつでした…」
 そこまで言うと薬売りは後ろから加世を抱き締めた、加世は媚薬の効果なのか大人しく動かないでいる。
「いやぁ…うっかり、うっかり…」
 薬売りは加世のうなじに唇を滑らせ耳元に息を吹きかけた。
「あ…、薬売りさん…」
「加世さんの体、温かい…。俺にも触れて下さい…、加世さんが俺にも媚薬を飲ませたからですよ…」
 薬売りは加世の手を取り自分の下腹の辺りを触れさせた。
194名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:38:01 ID:9Qc+kx3s
薬加エロキター!!
195名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:40:05 ID:d4VpOV4J
俺、起きてて良かった、ほんっとに良かった。
196192:2007/10/06(土) 01:40:18 ID:rQCJ384J
>>189>>190>>191>>193
割り込みスマソ
197名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 01:41:02 ID:ykTZFk97
一旦ここまで、次回頭巾プレイに突入できるはず。
 前の佐々木×加世の挿絵を描いたんだがUPの仕方が分からん…、教えてエロい人。
198名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 00:53:20 ID:oH2EoVCD
かなり楽しまさせていただきました。うわ、絵もあるんですか。見たいでし。
http://up.mugitya.com/
こういうとこにパソコンの中のファイルをネットに上げればいいんですよ。wktk
199名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 08:43:44 ID:p9giwheO
アニメ終わって賑わってんのかな
頭巾プレイwktk
200197:2007/10/07(日) 17:20:19 ID:ZumKEk9K
>>198
携帯厨なんです、スマソ。
あってるか分からないが取りあえず一枚貼り。
ttp://imepita.jp/20071007/477400
201名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 17:35:41 ID:eozWpuQE
>>200
ちょw最高w
挿し絵はいらんなあと思ってたけど萌えたよ
頭巾プレイ続き楽しみにしてます
202名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:08:21 ID:p9giwheO
>>200
イイヨイイヨー(・∀・)
頭巾プレイ、楽しみっす
203名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 21:51:09 ID:AS4IfE2h
絵も文も書けるとは…なんたる才能
204名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 23:21:41 ID:Ym6xXMGO
薬売りとハイパーで3Pしたら凄そうだ
205名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 19:18:21 ID:Hr3SOWvH
197の書く薬売りが一人称俺でアヤカシ版っぽくてイイ!!
モノノ怪の薬売りもいいがアヤカシ版も好きなので
206名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 23:25:30 ID:p5+M4XvP
>>197
応援してるぜ、続き見たいっす
207名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:47:55 ID:hvFHvi7U
狐面とお蝶のラブラブ生活。
208薬売り×加世4:2007/10/09(火) 01:07:55 ID:mWWwlhVQ
「あ…こんな…」
 加世の手に熱く脈打つものが触れる、それは布越しでも十分に存在感を放っていた。
「…俺も男なんです…よ」
 加世の体を仰向かせた薬売りは、そっと加世に口付けを落とした。

初めはぎこちなかった加世の舌が徐々にうねり、口内を犯す薬売りの舌と絡め互いの舌と唇を貪り合った。
「ん…ちゅ…、薬売りさん…」
 息が苦しくなり口を離す、加世の唇に薬売りの紫の紅が移り唾液を纏って妖しく光った。
薬売りは加世の帯に手をかけゆっくりと解いた、一枚一枚丁寧にはぎ取られ加世の肌が露になる。
「加世さんの体…綺麗ですね…」
 加世に跨がった薬売りは全てを露にした加世を見下ろしていた。
「そ、そんなに見ないで下さい…恥ずかしい…」
 加世は両手で豊かな乳房を覆った、しかし薬売りはそれを許さずその手はすぐに外された。
「隠しては…だめですよ」
 薬売りはその乳房の柔らかさを確かめるようにそっと触れる。ふるふると揺れる膨らみは手の平で包み込むとしっとりと肌に吸い付き、手の中で形を変え指の隙間を埋めた。
「ぁん…ふぅ…、薬売りさんも…着物、脱いで下さい…」
「…いいですよ」
209薬売り×加世5:2007/10/09(火) 01:13:05 ID:mWWwlhVQ
薬売りは重たそうな着物を脱いで黒い下穿きだけになり、加世に覆い被さった。
「薬売りさん…」
 加世は胸元に口付ける薬売りの背を愛しげに撫でる、足に当たる薬売りの熱は一層質量を増したように感じられた。
「…加世さん、一ついい事をしましょうか…」
 と、薬売りが乳房に顔を埋めたまま言った。
「え…いい事って?」
 薬売りは答える変わりに頭巾を取った、バサリと金色の長い髪が落ちる。そしてその頭巾を折り畳み帯状にし、加世の目にあてた。
「目隠し…」
 経験のないことに加世は戸惑った。

 頭の後ろで結び目を作り痕がつかないよう形を整える。
「薬売りさん…」
 しばしその姿に見入り黙っていた薬売りに加世が不安そうに声をかけた。
「はい…此所にいますよ…」
 薬売りは加世の背に腕を回し胸を突き出す姿勢をとらせ淡い乳首に吸い付いた。
「あぁん!はぁ…あっ…!」
 暗闇で突如襲う刺激に体が過剰に反応する、ぬめった感触と皮膚が引っ張られる感覚によって加世は自身の状況を理解した。
210薬売り×加世6:2007/10/09(火) 01:16:26 ID:mWWwlhVQ
加世の体がのけ反り白い喉を見せる、行き場を探した手は薬売りの首に回され長い髪を指に絡めた。
「あふっ…あん!そんなに…吸わないで…」
 目隠しのせいで加世の表情は伺えないが、媚薬の効果が十分に現れ肌に玉の汗を浮かべていた。

口内で硬くしこった乳首をさらにきつく吸い上げ舌先で包むように柔らかく刺激を与える、もう片方の乳房も根元から強く掴み柔肌に長い爪が食い込んだ。
「…柔らかい」
 薬売りは犬歯を立てる。
「あっ!ぁあん!…いた…」
 白肌に歯形と紅い痕が残された。

薬売りが加世を抱き起こし頬に手を添える。
「加世さん…これを…」
 加世の唇に何かが軽く触れる、ハッとした加世はそれを確かめるためにそっと両手で触れてみる。
それは手の中で脈打ち撫でるたびにビクビクと震え先端から先走りの液をこぼした
「…はい」
 加世がそれにゆっくり舌を這わせ始める。

亀頭部分を口に含み舌で全体を舐め唇をきゅっと絞めて時折きつく吸い上げる、口に納まらない部分は加世の手によってしごかれ流れた涎が指に纏わりついた。
211薬売り×加世7:2007/10/09(火) 01:21:54 ID:mWWwlhVQ
「はぁはぁ…加世さん…すごくいい…もっと奥まで…」
 息を荒げた薬売りが加世の頭を掴み腰を突き出す、
「うくっ…ん…」
 加世は一瞬苦しげに呻いたがすぐに根元から吸い付いた。頬の肉で擦り舌先で裏筋を刺激すると薬売りの足が震え腹筋に力がこもる、加世はその様子を掌で感じ甘い幸福感を得た。
「んっ…ちゅ…もっと気持ち良くなって下さいね…」
 視覚を封じられた加世の手が薬売りの胸を彷徨い、探し当てた先端を指で転がした。
「んっ…加世さん、それは…」
 薬売りはぴくりと胸を引いた。
「ちゅ…ちゅ、あん…逃げちゃだめです…。私、知ってますよ…此所は男の人も気持ちいいんですよね…」
 と、加世は嬉しそうに言うと再び薬売りの胸部を撫で始めた。
「まぁ…そうですがね…」
 薬売りは加世の奉仕を受け入れ未知の感覚に身を預ける、口淫と同時に無いはずの乳を弄ばれ脳が揺らいだ気がした。
「…ほら…また硬くなりましたよ…」
 唇から糸を引き硬く立ち上がったものに唾液を塗り付ける姿はひどく官能的だった。
212名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 01:27:51 ID:mWWwlhVQ
今日はここまで。
>>204
あれ?俺がいる。
213名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 04:50:37 ID:FTon12AP
GJGJ!!
でも加世タソの肌は白くはないと思うんだぜw
214名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 18:11:33 ID:jgnQbi+D
喉のとこは日焼けしてないんじゃないかな、かな?

続きは今夜かな・・・わくわく
215名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 00:13:11 ID:S4RB9jFN
くうぅっまたお預けか!
続き楽しみにしてますハァハァ
216名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 00:45:32 ID:6HrhPSLR
薬売りが女だったらいいのにのう。
そしたらハイパーと公式カポー
217名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 06:33:45 ID:EsezjUyw
何を!お主、男同士だとカポーではないと申すつもりか!!

まぁ公式とかいうと荒れる元だからあまりいわんほうが宜しいかと
大人しく虹で補完
218名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 09:52:45 ID:EvHAA/yF
>何を!お主、男同士だとカポーではないと申すつもりか!!

そういう話題は数字板でやれ
219名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 16:26:13 ID:6HrhPSLR
>>217
公式って言うのやめるから、お主もホモネタ話題はやめた方が宜しい。

キツネ面とお蝶のその後も気になるのう。
220名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 17:47:53 ID:EsezjUyw
>>219
いや別にホモネタ言いたくて言ったわけじゃないが
そもそも荒れるような話題を振ったお前に言われると微妙な気持ちになるな…

個人的には女体化だの公式カポーだのも同じように痛い話題だと思うが
ここは基準がよくわからんのう…
テンプレ決めた方がいいんじゃないか?
221名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 18:00:52 ID:H3pUsA70
スレ内で出たのは
ホモネタ禁止、女体化はワンクッション置く、公式カップル議論禁止、辺りか
他なんかあったっけ
222名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 18:06:10 ID:qu7aGaUh
ホモネタもお断りだが女体化好きに多い
性別さえ変えれば男女カプでノーマルカプよね☆

って気持ちはもう少し上手く隠した方がいいと思う
223名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 18:47:01 ID:M4SAXtK9
やっぱ変身後を別人格と解釈してる奴多いなー
224名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:00:48 ID:6HrhPSLR
公式発言スマンかった。以後自粛。
薬売りの設定が、初めから女だったら良かったのにな。

ハイパーは薬売りの変身なのか?
退魔の剣の中身が召喚されて出てくるんだと思ってるんだが。
225名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 20:48:21 ID:tRHN1bbW
>>220
ネタの危険度も個人単位であやふやだし、テンプレ欲しいね
次スレあたりまでにまとまればいいが、
職人が少ない中、果たして次スレまで続くのやら・・・

>>224
剣を抜いて変身した薬売りだと思ってた
剣を解き放つと、モノノ怪の本体と変身した薬売りは、別の次元(?)に移る、と勝手に想像
226名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:00:53 ID:x/j38tBo
ハイパーは薬売りのセカンドパーツみたいなもんだとインタビューで見たな。
むしろ別人認定してる人が多いのが不思議でならない。
227名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:20:57 ID:uLH+a7L2
綺麗どころはほぼ薬売り一人だけで賄ってて他は個性的なデザインだからねー。
絡ませて絵になるキャラがほとんどいないのも一因じゃないかと予想。
228名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 21:58:55 ID:GeODIMWZ
変身後別人認定は>>227の事情から生まれた願望だろただの
229名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:10:40 ID:sAxYNwwr
うむ
そろそろ職人さんが投下しやすい雰囲気に戻したいところ
・・・と、その前に・・・

>>221に「投下前にカプ表記」、
女体化もだが「その他特殊なシチュエーション注意表記」(例えば陵辱だとか死にネタとか穴るなど)
を付け加えてテンプレ完成でいいと思うんだけどどうかな?

細々とでもいい、このスレ続いて欲しい
応援してる
230名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 22:48:56 ID:6HrhPSLR
>>226
おお、マジで?
インタビュー知らんで、アニメだけ見てたから別人かと思った。
二人同時に存在したり、それぞれが動いてたりするから。

>>227
絡ませて・・・・って、それは数字板の住人の願望か?

>>229でいいと思う。
231名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:32:43 ID:HwVlIAUD
>>230
お前も懲りない奴だな…('A`)
もういいから数字話振るな

レスはいらんから暫くROMれ
232名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 23:48:23 ID:6HrhPSLR
数字の話、少しだけでも出してスマンかったな。
自粛する。(レスしてしまったが)
233名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:29:23 ID:rHsNPVFK
sho
234名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:35:09 ID:rHsNPVFK
失礼致した。

職人さん来ないんで雑談ばかりだな。
ところで鵺の瑠璃姫とかどうかな?
なんか一人でHなシーン有ったし。
相手は・・・・・・うーん・・・
235名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:36:13 ID:gpZ1peDn
頭巾プレイの続きはまだかな(´・ω・`)ショボーン
236名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 00:49:51 ID:eyiJXrMB
>>234
相手は婿候補の3人全部。
237名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 08:14:40 ID:Uqrz7Dqn
実尊寺はんも混ぜてあげて
238名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 13:04:49 ID:chAuYugD
東大寺に惹かれる男達の精気を吸い取っちゃう瑠璃姫か。いいな。
239名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 21:21:03 ID:egYxVHoa
スレ住人に焦らしプレイをしてくれる職人がいるスレはここですか?
頭巾プレイの続きまってるからっ・・・////
240薬売り×加世8:2007/10/11(木) 23:14:08 ID:Z4bDpMuu
肩を押されたと思うと一瞬の浮遊間の後平衡感覚が失われた。背中に何か当たる、それは床だと認識した刹那両足が自分の意思とは別に大きく開かれた。
「はっ…あ」
 暗闇で目まぐるしく起こる事態に加世が小さく声をあげ体を捩る、しかし開かれた両足はそれ以上の力で押さえられた。
「おっと…じっとして下さい…」
 体の下の方で薬売りの声が聞こえると、さらに足が押され胸と腹が圧迫された。
「あっ、あ…こんな格好…」
 加世は開陰部を晒した自分の姿を想像した、脳裏に浮かぶ自分は薬売りに早く早くとねだっていた。
「…薬売りさん…此所熱いです…」
 加世が下腹部に手を当てる。
「…すぐに静めてあげますよ」
 薬売りが加世の手を取り自身の足を掴ませた。
「自分で…開いておくんです…よ」
 薬売りが加世の秘裂を指の腹でなぞり上げ、辿り着いた陰核を押し潰した。
「ひっ!あ…っあぁ!」
 痛みを伴う快感に加世の腰が跳ね上がる、足を持ち上げる手に力がはいり指先が肉に食い込んだ。
241薬売り×加世8:2007/10/11(木) 23:17:59 ID:Z4bDpMuu
陰核を擦りながら指の関節を入口に当てぐちゅぐちゅと音をたて掻き回す、加世はその音を聞き興奮を高め体をくねらせた。
「あふっ…あん!ああぁ!もっと…もっと奥まで…下さい…!」
 薬売りは少し困ったような顔をした。
「そうしたいんですが…これが…ね」
 と、長い爪の先ですっかり充血した陰核を摘んだ。
「ひぁ!あっ…!」
 がくがくと足を痙攣させ、入口に当てられた薬売りの指を柔らかい肉がきゅっと包んだ。
「傷がついちまう…」
 薬売りは加世の腿を一撫ですると尻を抱えるように引き寄せた。
「きゃ…!う…ん」
 無理な体勢に持ち込まれた加世が呻く。
「少し…我慢して下さい」
 薬売りの声とともに秘裂に荒い息がかかる、これから起こるであろう事に加世は期待感を高めた。
「ん…、はい…」

秘裂が開かれ温かいものが粘膜に触れる、それは蠢きながらはい回り蜜を絡め取った。ピチャピチャと音をたてひだの間をなぞり陰核をそっとつつく、すると加世の腰が擦り付けるように揺れた。
「あん!あっ!…ん!薬売りさん…すごいの…もっと舐めて…」 
242薬売り×加世9:2007/10/11(木) 23:22:11 ID:Z4bDpMuu
加世の手が空中を彷徨い薬売りを探す、薬売りはその手を取り指を絡めた。
蜜を溢れさせる穴に舌を差し込み時折吸い付いては敏感な上壁を尖らせた舌先でなぞる、止めど無く溢れる蜜は薬売りの唇を濡らし飲み下された。
「あぅ!ぁあん!はっ…あん!薬売りさん…私、もう…は、果ててしまそうです…んっ…!」
「いいですよ…加世さんの果てる姿、よく見せて下さい…」
 加世と繋いだ手で強く腰を抱き、さらに深く舌を差し入れ執拗に敏感な部分を刺激する。
「あっ!ひあっ…あああ!だめ…果てます…!」
 加世が小刻みに腰を震わせ始めると、薬売りは見計らったように陰核を摘み上げた。
「ひっ!あっ…ぁあああ―!!」
 駄目押しの快感に加世の体が反り返り、薬売りの舌を締め付け派手に飛沫を散らして果てた。


「…静まりましたか?」
 薬売りは加世を寝かせその足の間に身を置いていた、秘裂からは果てたばかりだというのに未だ蜜が溢れヒクヒクと動いていた。
「…まだのようですね…」
 薬売りは自身が脱ぎ去った着物の中から帯締めを取り出し、頭上にまとめた加世の手首に巻き付け柱に縛り付けた。
243薬売り×加世10:2007/10/11(木) 23:28:49 ID:Z4bDpMuu
「あ…こんな…怖いです…」
 視覚に続き両手の自由を奪われた加世は、それを行う薬売りに僅かに恐怖をおぼえた。
「すごく…綺麗ですよ。ずっとこのまま眺めていたいくらいだ…」
 目隠しされ両手を縛り上げられた加世の姿は薬売りの情欲を駆り立てる、それは薬売りでなくとも男なら皆息を飲むであろうほど官能的な姿だった。
「今度はこれで…静めてあげます…よ」
 薬売りが自身のものをぬちゃぬちゃと濡れた秘裂に擦り付ける。
「あ…はい…入れて下さい…」
 その感触に加世は腰を揺らしその先端を疼く入口に導いた。的を定めた薬売りが力を込める、先端が入口に割り入りメリメリと胎内に侵入する。
「くっ…はぁ…!」
 待ち望んだそれに中を犯され、いっぱいに拡げられた穴が嬉しそうに薬売りのものにしゃぶりついた。
「はぁ…動きますよ…」
 薬売りが律動を始める、腰を引きギリギリまで引き抜くと一気に根元まで突き刺す。
「あんっ!ぁあ!んっ!」
 再奥を突くたび加世が声をあげる、手首を結びつけた柱が軋み上下に揺れる乳房が薬売りの目を楽しませた。
「はぁっ…はぁ、加世さん…」
244薬売り×加世11:2007/10/11(木) 23:34:15 ID:Z4bDpMuu
目隠しされ拘束された加世に覆い被さり激しく腰をぶつける、薬売りは自分が加世を凌辱しているような錯覚に陥った。
「あん!あっ…ん!薬売りさん…」
 間近に薬売りの息を感じた加世が顔を上げ、薬売りの唇をペロリと舐めた。
「ん…ふぅ…」
 薬売りの唇を捕らえ舌を吸い絡め、喉を鳴らし混じり合った唾液を飲み込む。上下の口を犯され、加世は体の中が薬売りで満たされるのを感じた。

加世の足を抱えさらに激しく奥を突き上げると内壁が薬売りのものを締めつけた。
「ん…加世さん、中に出していいですか…?」
 再奥をえぐりながら薬売りが問い掛ける。
「あぅ!ふぁあ!…あぁ…はい…」
 薬売りが律動を再開し、強く深く加世の体をえぐり子宮口をこじ開ける。加世は二度目の絶頂を迎えんと腰を浮かし足を薬売りの腰に絡める、結合部からの水音と肌がぶつかり合う音に二人の興奮がより高まった。
「あっ、あ!私も…いく…!ぅあああぁぁ!!」
「くっ…あっ…!」
 絶頂を迎え加世の下半身がビクビクと跳ね薬売りの腰を絡めた足で強く抱き締める、再奥に導かれた薬売りは痙攣しきつく収縮する穴に全てを絞りとられた。
245名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:41:54 ID:Z4bDpMuu
焦らしプレイはもうちょい続く。
ttp://imepita.jp/20071011/827700
ttp://imepita.jp/20071011/832910
246名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 23:59:39 ID:+CHAsrq4
>>245
GJGJ!!
つか絵うめえw
247名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:24:11 ID:tsZ//+ki
頭巾プレイだけじゃ飽き足らず拘束プレイまでw
なんというドSww

GJGJ!!
248名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:07:23 ID:tQIVXphf
ちょwまた焦らしプレイとは。
Mに目覚めたらどうしてくれるw
どS職人GJ!
249名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 03:13:23 ID:jvxcaIx5
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
何という投下(;´д`)ハァハァ・・・・・
250名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 03:14:41 ID:jvxcaIx5
ageてしまったスマソ…(;´д`)ハァハァハァハァハァハァハァ…
251名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 20:17:29 ID:2TbqMSda
職人にじらされるなんて・・・くやしいっ(ビクンビクン

頭巾さん早くぅっ
252薬売り×加世12:2007/10/13(土) 18:12:17 ID:YcA6afcH
未だ繋がったまま二人重なり荒い息を吐く、触れるだけの口付けをし薬売りは結合部を見やる。
「はぁ…はぁ、加世さん…まだ治まらないようです…」
 ヒクヒクと痙攣する秘裂に銜えられたそれは、一度達したにも関わらずまだ硬く張り詰めていた。
加世の体を横向け片足を肩に抱えより深く繋がる体位で再び犯し始める、結ばれた帯締めが加世の手首に食い込みギリギリと鳴った。
「ひうっ!ああぁぁ!あっ…これダメです…!すごく…奥まで来ちゃうのぉ!!んくっ…ぁああ!」
 加世は腰を引いて逃れようとするが足を抱える薬売りに空しく元の位置に戻された、そんな加世の行為は薬売りの思考を溶かし目の前の女を屈伏させ支配したいという欲望に火をつけた。
「あぁ…、奥に当たってますよ…。このまま子宮に注いで孕ませてあげますからね…」
 先ほど吐き出された薬売りの精が律動のたび秘裂からトロトロと溢れ出し、蜜と混じり合い泡立ち薬売りのものとともに再び加世の胎内に戻って行く。
「ひぁぁああ!!すごいのぉ…!あぐっ!あっあっ…お腹熱…い!あぁぁ!」
253薬売り×加世13:2007/10/13(土) 18:18:40 ID:YcA6afcH
媚薬の効果か理性のたがが外れたか、加世はもう逃げようとせず快感に溺れ激しく鳴いている。
薬売りが結合部から溢れる精を指ですくい加世の唇に塗り付ける。
「あふっ!…ん、ちゅ…くちゅ…んあぅ…!」
 薬売りの指を唇に感じた加世が音をたて舐めとる、その背徳的で淫靡な姿に薬売りは眩暈をおぼえた。
「く…はぁはぁ…、加世さん…あぁ…」
 薬売りは抱えた加世の足を曲げM字に開脚させ根元まで深く突き刺したまま腰を揺する、子宮口を亀頭でコリコリと刺激し入口を掻き回した。
「あぐぅぅ…ひぃ…ん!…もっと…もっと突いてぇぇ!」
 内臓を押し上げられる様な感覚に加世は悶え狂う、濡れた唇から嗚咽の様な呼吸が漏れ突き出された舌から唾液がたらりと垂れた。
求められ薬売りは今まで攻めていた部分を激しく突く、獣のようにぎらついた目で乱れる加世を見つめ今にも果てそうになるのを端正な顔を歪ませ耐えていた。
「あうぅぁぁ!!くひぁっ!んくぅ!ああぁぁ!!…またいっちゃうぅ…!」
 失禁したかの如く蜜を流す穴が締まり薬売りを追い詰めた。
254薬売り×加世14:2007/10/13(土) 18:26:19 ID:YcA6afcH
「はっ…あ…、俺も…だめそう…です…」
 加世の胸に薬売りの柔らかい髪が垂れふわりと撫でる、下腹部の疼きが激しい出し入れによって掻き乱され幾度目かの絶頂に登り詰めた。
「あっ、はぁ!中に…来てぇ…!孕ませて下さい…ふぁ!んああぁぁぁ―!」
「くっ…うぅ…!うあぁ…!」
 二人ほぼ同時に達し、ビクビクと震える子宮口を熱い精が犯した。
薬売りが加世の上にゆっくり倒れ込み暫く二人そのままで熱を冷ました、塞ぐ物がずるりと抜け落ちた穴からドロドロと精が流れ落ち床に白い水溜まりができた。

薬売りはぐったりしている加世の手の拘束を解き目を塞いでいる布をそっと取り去る、潤んだ目が現れ睫毛には雫が乗っており涙が流れた跡があった。
その涙を薬売りが唇でぬぐうと加世が薬売りの背を抱きうっとりした様子で呟く
「ん…薬売りさん…、もっと…もっと抱いて下さい…」
 薬売りは身を起こし口端を歪ませる。
「ふ…加世さんがこんなに淫乱な女とは…、これじゃ嫁の貰い手がなくなる…」
 長い爪で乳首を引っ掻く。
「あん!…痛…もっと下さい…」
薬売りによってもたらされる痛みと快感に加世は至福を感じた、二人の狂宴は夜明けまで続く。
255名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:32:15 ID:8NGaKgbj
これ書いたの男だな
256名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 18:35:19 ID:YcA6afcH
これで終わりです、どSっぷりを発揮できたか微妙ですが…。
↓横にして見てくれ
ttp://imepita.jp/20071013/646280
257名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:04:57 ID:fgTecYM5
>>256
お疲れさんですGJ!
でも孕ませて〜うんぬんは男側も女側も困るだろw
258名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 20:26:13 ID:8NGaKgbj
佐々木の子供をwハァハァw
259名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 22:55:00 ID:xG6Yq6/z
ああ焦らしプレイがとうとう終わっちまった!!
嬉しいような寂しいようなこの複雑な気持ち・・・!!
ゴチになりました!!

他の職人さん達も続いてくだされ!!
260名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:25:59 ID:GO8AtBCh
次の職人さん降臨するまで投下していい?

長いわちょっと暗めだわ狐面とお蝶に非道い夫が出てくる話なんですが
261名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:27:04 ID:9ebQhDuY
淫乱加世イイヨイイヨーごちそうさまでした。
262名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:28:10 ID:4pOmFqkT
敦盛とお蝶、待ってた!
263名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:44:45 ID:GO8AtBCh
烏が飛び立つ音が庭先に響く、その羽音でお蝶は目を覚ました。
疲れ果て、眠りについてから何刻ほど経ったのか。
床へ入ったのは、ついさっきの様な気がする。

お蝶がいる座敷は、昼間でもあまり陽の当たらない、じめじめとした一室を寝所として使っている。
嫁ぎ先であてがわれた自室には、寝具一組と箪笥が一竿、
嫁入り道具とはほど遠い、色のない侘びしさから始まった生活。

それから行く年経たのか、勘定する気も起こらない。

「うん・・・」
まどろむお蝶は、何故目覚めたのか思い出そうとしていた。
(・・・物音がしたような、羽ばたく音?・・・)
烏が羽ばたく音の他にも、何か音が聞こえたような・・・床がギシリときしむ様な。
(・・・嫌だ、物盗り・・・まさか!)
布団からむくりと起き上がり、左右を見た。
今宵は満月で、灯りをつけずとも部屋はうっすらと見渡せる。
幸い、月明かりが映し出す人影も気配も無く、ここにいるのは只独りお蝶だけ。
「気のせい、ね・・・」
ほっとつく溜息に、安堵の音が混じる。

夫と枕を共にしたことは無い、夫の寝所に気分次第で呼び出される。
264名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:48:09 ID:GO8AtBCh
倒れた枕を直し布団へ潜ると、再び目を閉じ、浅く息を漏らすその口元を塞ぐ手が闇の中から伸びた。
(ーーー・・・泥棒!)
口を塞ぐ手は大きく、彼女は恐怖で身が縮こまり、声を上げる事も出来ない。
自分の意志で、かろうじて動かせる目を見開くと、狐面の男が身をかがめ、お蝶の顔を覗き込んでいる。
男は、人差し指を立たせた右手をゆっくりと、面の口元にあてた。

「済まない、驚かせてしまった」
彼女はほっと息をつき、もう一度布団から身を起こす。
「・・・貴男、どこから」
「裏手の土間から・・・済まない・・・」

面の奥の表情は見て取れない、だが頭を下げしょげかえっている。
「盗人のように忍び込んでしまった・・・本当に済まない」
お蝶は、突飛な事をしでかし、叱られた子供の様な姿をしている男を見ていると、笑いがこみ上げ、つい目線を逸らした。
「済まない、ばかりね」
「済まな・・・あ、いやっ」
慌てて口を噤むが、お蝶はとうとう小さく笑い出した。

「貴男どうして今時分に・・・」
「・・・どうしても会いたくなって、仕方なく」
男は実直に答えたつもりであったが、お蝶の反応がない。
彼女はじっと面の目を見つめていた。
「また、笑うか?」不安そうに、彼女の顔を伺う。
「いいえ、そんな・・・嬉しい」
男は、ようやく目が慣れてきた薄闇の中で、優しげに微笑むお蝶の顔を見る事が出来た。
265名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:50:41 ID:GO8AtBCh
春先の夜はまだ冷え込む、二人は寄り添い、布団の上に座り込んでいる。
男の胸に背を預けていたお蝶は、めくれた浴衣の裾が気になり手で直し、
もう一度大きな体躯に身を委ねると、背から男の温もりが伝わる。
男は煙管を吸いながら、彼女と共に月明かりをじっと眺めていた。
「月夜ね」
障子から薄明かりが射し、男の煙管から吐く紫煙が美しくたなびいた。
彼女は細い指先で、漂う煙の帯に触れようとしたが、二つに分かれ螺旋を描き消える。
「・・・煙って、不思議」
「どうしてだ?」
「指先で触れようとするけど・・・触れられない。見えるのにそこに無い、私みたい・・・」
押し黙る二人、お蝶の右の目尻から涙が一筋落ちた。

お蝶は心情を吐露しない。
辛い事や哀しい事があろうと黙り込み、時間をかけその思いをやりすごす。
男はその辛い胸の内を聞かずとも解る、それは今日一日お蝶が受けた家族からの仕打ち。
妻としても人としても、居場所のない牢獄。

男は彼女が辛そうにしている理由を問わない。
問うても問わなくても、彼女はただ黙っているだけ。
しかし今日は、その理由を聞かずにはいられなかった。
「お蝶さん、今日の貴女はいつもよりも辛そうだ・・・胸の内を吐きだしてはくれないか」
「いつものことよ。何でもないわ・・・」
266名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:51:22 ID:GO8AtBCh
昼間から、妾の元へ通う夫。
(お前のような女はな、飯炊きぐらいしか能のない女だ。
 それなのに妾の元へ出かける夫に対して『どちらへ?』だと!?夫へ対して嫌味を投げかけるとは・・・!)
(そんな・・・私は、ただ・・・!)
夫は腹いせに湯呑みを叩きつけるように投げた。
床に落ち割れ、無機質な音が怯える彼女の耳を劈く。

妻として、御役目も果たさぬ傷んだ嫁と罵る義母。
(全く・・・そりゃあ、あんた無粋ってもんですよ。夜の勤めもままならぬせいで、余所に妾まで作らせて・・・
 役立たずの腐った嫁なぞ、この家には要りゃしませんよ!!)
苛立ちながら立ち去る義母が、座敷の襖をぴしゃりと締め出て行った。

その様子を見て、嘲り笑う義弟夫婦。
(お蝶さんたら、なにをやらせても愚図なのね・・・床でも、愚図・・・ふふふ・・・)
(兄上もとんだ嫁を貰ったもんだ、腐った嫁か、母上も巧い事を言う)
二人は、井戸から水を汲み、台所へ運ぶお蝶へ向かって、高らかに笑いながら言い放つ。

「そうよ・・・いつもの・・・」
散々、散々罵声を浴びせられても我慢をしていた、母のため、母のため、母のため。
だが今日の仕打ちは、女の性すらも否定されてしまった。
屈辱と悔しさが入り交じる感情がこみ上げるが、ぶつけることも、無くすことも出来ない。
言葉をかけてくれる男の優しさが、彼女のひび割れた心に浸みる、浸みた優しさは流すことの出来ない涙を押し出そうとした。
267名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:53:33 ID:GO8AtBCh
「お蝶さん・・・」
男が囁くと、お蝶の目から涙が溢れ出た。

大きな滴は彼女の膝に落ち続け、手で口を塞いだまま、苦しそうに声を押し殺して泣く。
面の男は、普通に泣くことすらままならない彼女が、不憫でならなかった。
お蝶の震える肩を取り、強引に振り向かせ、目頭に皺を寄せたまま俯き、口を覆う彼女と向き合う。
「吐きだすんだ、今日貴女が受けた仕打ちを・・・!」
堪えても喉の奥から次々と小さな嗚咽が迫る、それでも男に伝えたかった。
「あの人・・・非道いの・・・妾がいて・・・。義母様も・・・あの人達も、非道いの・・・私・・・」

男は、泣き声を我慢しすぎて、呼吸すらできずにいるお蝶を優しく抱き、子供にするように彼女の強ばった背中を撫で続ける。
声にならぬ泣き声が、無言のまま彼女を抱く男の胸で響く。
止めどなく流れる涙は頬から伝い落ち、二人の胸元を濡らした。

男は、ようやく胸の内を吐きだしたお蝶と布団へ横になり、男の腕枕の上で目を閉じている、お蝶の様子を見ていた。
泣きはらした目に、鼻腔がつまったせいか小さく唇を開けて、浅く呼吸している。
お蝶は、泣いたせいで上唇が少し痺れた感覚は、子供の頃母に叱られて以来だと思い出していた。

男が彼女の頬を撫で、あやすように背を叩くと、落ち着き始めた彼女は恥ずかしそうに笑い、
まるで子供ね、と、鼻声気味に呟いた。

「おかしい話ね・・・妾の事に気付かないなんて・・・」
「貴女の素晴らしさに気付かない、あの男が莫迦なんだ」
「素晴らしくなんかないわ、私・・・」
「そんな事言っちゃいけない、お蝶さん」
「妾か・・・私じゃあ、駄目なのよ、きっと・・・」

諦めを含んだ笑みを見せ、寂しげに男から目を逸らした。
268名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:55:43 ID:GO8AtBCh
面の男は苛立つ。
お蝶をさげすみ、お蝶の女としての自尊心すらも打ち崩すあの男に。
愛しいお蝶の人生を、独り占め出来るあの男に。
羨望と嫉妬は、男の欲を掻き立てた。

「いやっ・・・何を・・・!」
男は急にお蝶に覆い被さり、彼女の両腕を押さえ込む。
「済まないっ・・・俺は、俺は・・・」
お蝶も男を振りほどこうと抗うが、女の力では到底敵わず、あきらめた彼女は藻掻くことを止めた。
その途端、男は力無く、お蝶へもたれ掛かる。
彼女の耳元では、面の向こうで啜り泣く息が聞こえる、男はそれ以上なにもせず、ただお蝶の上で震えていた。

「貴男・・・泣いているの?」
「・・・恋しくて堪らない、堪らないんだ・・・だが貴女は俺のものにならない・・・どうしてもどうしても・・・」
「そんな、そんな事で泣かないで・・・」
押し黙る男は彼女の両腕から手を離し、見つめ合ったまま、ゆっくりと上体を起こした。

暫く思い悩み、今まで答えを求めた事のない問いを投げた。
「俺があんたを欲しいと言えば、また笑うか?」

お蝶は左胸の奥が、温かくなるのを感じた。
男の言葉を、心のどこかで待ちわびていた気がする。

小さく首を横に振り、男の頬に手を当て、優しく撫でる。
「笑わない、笑わないわ・・・」

微笑んだお蝶が静かに答えると、男はまた彼女を抱き締めた。
269名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:56:47 ID:GO8AtBCh
仰向きに寝たお蝶の腰ひもを解き、浴衣の身頃を両側へ開く。
蝶の蛹が羽化するように、お蝶の裸体が露わになった。
障子から射し込む月明かりに照らされた肢体は白く、か細い。
呼吸で上下する乳房と細い腰、時折もじもじと動く、白く艶めかしい、ぴたりと閉じた太腿。

「・・・綺麗だ」
彼女の喉に指先をあて、胸の谷間から臍まで直線を描くように滑らせると、びくんとお蝶が応える。
次は男の両手で、お蝶の両側の胸の脇から腰までの線を包み込むよう、ゆっくりと撫でる。
「くすぐったい・・・」鼻先で笑みを堪え、身悶える。
「貴女の形が・・・よく分かる・・・綺麗だ」
腰で止まっていた両手はお蝶の乳房を触り、優しく愛撫し始めた。

乳首は固く尖り、先程よりも膨らんでいる。
親指で両の乳首を弄ると、お蝶は黙ったまま身体を固まらせた。
強すぎず弱すぎず、撫でては転がしを繰り返し、薄い桜色の乳首を弄ぶ。
「どうして、黙ったままなんだ?」男が聞くとお蝶はびくっと震えた。

お蝶は黙ったまま、いまだ太腿を閉じたまま摺り合わせる、少し腰を浮かせ、何かをねだるように。
男は察したのか、右手をお蝶の太腿の間に滑り込ませ、そのまま腿の付け根へと動かした。
胎内の入り口は柔らかく、温かく、ぬるぬるとした蜜で溢れている。
男の指先が、蜜で濡れたお蝶の核に触れ、指で軽く弄られると再び反応した。

「触ら、ないで・・・恥ずかし・・・い」
「あまり声を上げないんだな・・・」
お蝶の反応から悦んでいるのは見て取れるが、艶めかしい口からは、吐息しか漏らさない。

「・・・家族に、聞こえ・・・」
彼女の言葉に手が止まる。
男は、この有様を、夫や義母達に知られたくない。貴男の事も。そう言われた気がした。
己の立場は承知しているはずなのに、男はその言葉に苛立ってしまう。
270名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 23:59:07 ID:GO8AtBCh
突然、核を弄っていた人差し指を、お蝶の中へするりと根本まで挿すと、彼女の爪先から頭まで刺激が走る。
男の指が押し出されるように締め付けられるが、男はその締め付けに逆らい、中指も強引に押し入れた。
腫れ上がりつつある核を、指の付け根で押さえつけ刺激する。
より一層刺激を欲しがり、危うくよがり声を出しそうになるお蝶に気付いた男は、左の手で乳首も弄び、お蝶の身体を大きく反らせた。
腫れあがった核は段々と敏感になっていく。

「あぁっ・・・んっ・・・」声を出したくとも出せず、自分の手の甲を唇に押し当てた。
弄り続け、溢れ出す蜜は男の指先から滴るほどに濡れる。

妻となり、夫の一方的な夜の営みを幾度か経て、女の悦びも知った。
しかしこの幾月、妾に走った夫からの慰みは無く、躰の芯が疼いた幾つかの夜。
その疼きを長い事やり過ごしてきた今、男の指先はお蝶の欲した、満ち足りる瞬間へ誘うには十分だった。
「ーーーああっ!」
唇に手の甲が食い込む、果てを迎えようとするお蝶の入り口からとろりと蜜が零れた。

その瞬間、遠くからこちらへ向かう足音が廊下に響く。

「いけない、あの人が帰ってきた・・・!」愛撫されていた手を押しのけ浴衣を取り、身を起こす。
果てられず、いまだ疼きが続くお蝶は男の顔を伺う。
面の男は無言のまま、彼女を見つめていた。
「・・・ごめんなさい」黙った男を押入へ、急ぎ促す。

「私・・・」哀しげな、詫びる目で男を見つめるお蝶。
襖を閉める時、子供を諭すような声で「いいんだ」、と男は囁いた。
271名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:04:14 ID:Mm5wbBd1
乱暴に障子を開け、夫が部屋を見回すと、布団で寝息を立てているお蝶に向かって怒鳴り散らした。

「お蝶!起きろ!」
「・・・何、でしょう?」
夫は腰を下ろし、眠たそうに起き上がったお蝶の耳元まで顔を近づけ、酒の臭いをさせながら脅すように続けた。
「帰りつき、一服したいと思えば煙草盆が無い。夫の部屋に、煙草盆を用意する気も回らんのかお前は!」

お蝶はぎくりとする。面の男が使っていた煙草盆を、隠していない。

先程まで吸っていた煙管から、漂っていた煙の匂いにも気付かれるかもしれない・・・
そう思った彼女の背筋に、冷たい汗が流れ、生唾を飲み込む音が、部屋中に響いた気がした。

「あ、あの!」言い訳を考えたくても慌ててしまう、何か良い手だては、手だては・・・。
夫は言い訳を考える隙も与えず、ある異変に気づいた。
「何だ・・・この匂いは・・・!」

( 気付かれた )
お蝶の頭の内は白く消し飛び、血の気が一斉に引いた。

煙管の匂いが、ばれてしまった。

夫に、そののち義母に、そののち義弟夫婦に、そののち、そののち、私の母様に。

夫が不適に笑いながら、お蝶の顔を舐めるように睨んだ。
「・・・何をしていた?」
彼女の震える右手を素早く掴み、強引に鼻先へと近づけた。
「匂いがする・・・何の、匂いだ?」
272名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:08:10 ID:GO8AtBCh
「え・・・何の・・・?」
「今まで眠っておったのに、どうして首筋に、汗を掻いている?」
片方の手でお蝶の首筋を拭うと、夫の指先は汗で濡れていた。
彼女は夫が何を聞いているのか解らない。
「この右手で、何をどうしていた?この牝の匂いがする右手は、今まで何をしていたのかと聞いておる!」
右手を突き放すと、お蝶の浴衣を強引に引っ張り、腰ひもごと剥ぎ取った。
「ああっ!」裸のまま布団へと倒れ込んだお蝶の両足首を掴み、うつ伏せに倒れていた彼女を仰向けに返した。

「やはりな・・・この好き者が、夫が妾へ通うなら己で手慰みとは、大した女だ」
抗い続けたが両の足を広げられ、じろじろと濡れた入り口を見られる。
疼きの治まらない核は、蜜の膜で覆われたように濡れ、お蝶の羞恥心に反し、何かを求めるように蠢いていた。
「これだけ濡れて・・・この女は・・・」
嫌悪の表情を浮かべるが、口元は笑みを浮かべたまま彼女の顔を見る。
「・・・やめて・・・」
嫌な予感がすると同時に、彼女の中に固いものが強引に押し入った。

「ああっ!やめて・・・やめて下さい・・・!」
夫は彼女の両の膝を持ち上げ、暴れぬよう下へ、下へと押し貫く。

お蝶が押入を見ると、襖が少しだけ開いていた。押入には面の男が隠れている。

夫に強引に組み敷かれ、両足をあられもなく開き激しく貫かれる姿は、その押入から存分に見えるだろう。
そう気付いた瞬間、抗う事を諦めた彼女の身体に力が戻った。

「いやっ・・・いやーーーー!」
「暴れるな、こうやって夫自ら慰めておるのに・・・礼を知らぬ女だ、くそっ!」
「んむっ、んんっ・・・」
夫は声を荒げるお蝶の唇を強引に奪い、黙らせる。
強く押し入る夫のもののように、彼女の口の中を蠢く夫の舌は、お蝶の柔らかく湿る舌の形通りに這い、刺激する。
上下の口を強引に刺激する夫の行為に、お蝶の内部ではどくどくと蜜を放ち続け、夫の分泌液と混ざり合っていた。
同様に口の中も存分に犯され、二人の飢えた唾液が混ざり合う。
273名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:10:07 ID:Mm5wbBd1
不覚にもお蝶の身体が、本能に応えようとしている事に気が付くと、彼女は夫の唇から逃れた。
「んあっ・・・あぅ・・・!」
唇から逃れても、身体は残酷なまでに、快楽を求め始めている。
声を押し殺すが躰の奥では果てが近づく、先程よりもその快感は増していた。
夫の腰使いが一層激しくなる、もう少しで果てを迎えようとしたお蝶の中へ早々と精を放ち、一方的な行為を終えた。

「ーーーっ・・・はぁっ・・・」放出した余韻を味わいながら、夫は息を漏らす。
妾との逢瀬を楽しみに訪れ夜まで粘ったが、不調を理由に断られ悶々として帰宅した夫は、
精を吐くだけ吐き散らし満ち足りたのか、お蝶の中からぬるりと自分のものを抜き出した。
顔を隠しだらりとしたお蝶の躰は、時折びくびくと痙攣し爪先を動かす。

「ふん、相変わらず具合の良くない身体だな・・・起きろ」
力の入らぬお蝶の身体を強引に起こし、自分はどかりと布団の上に腰を下ろし、
「早く始末をしろ、俺はもう眠いのだ」と、股を広げお蝶に言い放った。

果てたくても果てられない、逆らいたくても逆らえない。
言われるがまま、夫の柔らかくなったものを口で包み込んだ。

「えらく今日は貪るな・・・それほど溜めていたのか?」
夫のものを口で慰めているお蝶は、必死に土下座して許しを請うている様にも見え、
彼女の鼻息と時折空気を含んだ、いやらいしい「雑音」が口から漏れ出た。

お蝶の下半身を向ける先には押入があり、その中で隠れている面の男は、全てを見ている。

この破廉恥な行為を、姿を、彼女の情欲を。
274名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:11:07 ID:Mm5wbBd1
身体の奥に押し留めていた情欲がはじけ、お蝶の左手を動かす。
夫のものからは決して口を離さず、土下座した格好から犬のような四つん這いになり、
左手を股の間へくぐらせ、自分の入り口へと運ぶ。

「ははっ・・・面白い、飽きたらず夫の前で手慰みとは・・・とんだ女だ」
夫の蔑みにすら身体が反応し、一層激しくなった左手は、押入の男がよく見えるよう入り口を広げ、淫らな様を見せつけた。

夫のものがまた固く反り始め、口の中で脈を打ち、口内に熱がこもる。
夫は額にうっすらと汗をかき、にやにやとお蝶を見下げていた。
中指で腫れ上がった核を撫で続け、その両側の指で肉を押し開く。

(私のこと・・・それでも貴男は恋しいと言うの・・・?)

頭の中では、面の男のことばかり考えていた。

(貴男の前で、夫を淫らに求める、この私を・・・)

暗い押入の中で、耳を塞ぎ、目を背けているのか、それとも。

小刻みに動く口から全身にぞくりとした快感が駆け巡り、慰めている核へと伝わった。
「んっ・・・んっ・・・ーーーはっ・・・あん・・・!」
「そんな男を惑わす声をいつ覚えた。俺が居ぬ間に、間男でも連れ込んでいるのではないか?」

「ーーーそんな、事」
彼女は言葉を止める。

(今、私は何と続けようとしたのか、あの人に聞かれているのに)
275名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:12:43 ID:Mm5wbBd1
「まあ良い、尻をこちらへ向けろ。四つん這いのまま、犬のようにな」

夫は命令し、お蝶の体勢を変えさせ、またじろじろとお蝶の入り口を観察する。
先程よりも赤く腫れ、身動き一つしないのに、その核はひくついていた。
ぬるぬるとした悦びの蜜が溢れ、止まることを知らない。

お蝶の顔の先には、押入。
こちらは満月の月明かりで大分見渡せるが、少しだけ開いた押入の中は見えない。
だが襖一枚隔てた向こうに、男がいる。
まだ残っていた恥ずかしさが、お蝶の顔を押入から背けさせた。

「女というものは、浅ましきものよ」
夫の固くなったものが、ゆっくりと挿入される感覚が全身に伝わる。
四つん這いのまま、声を上げそうになるが、堪えた。
夫は浅く突き挿し、お蝶の入り口あたりで微かに動かすだけで、彼女を焦らし続けた。
手に入れた玩具を弄るようにゆっくりと。

「・・・だめ・・・勘弁して下さい・・・お願いします・・・」
「生意気な、夫に指図する気か?」
夫が浅く繋がっていたものをずるりと抜くと、お蝶は布団に爪を立てた。

「何をお願いするんだ?」
「・・・止めて、欲しくて・・・」爪が一段と深く刺さる。

「聞こえぬなあ、淫らな畜生の格好をした女が、何を言うても聞こえぬわ」
お蝶から抜いたばかりのものを、今度は深く強く突き刺した。
276名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:15:03 ID:Mm5wbBd1
「ぁっ・・・ああーーーーーっ!!」
貫かれ、胸の奥にまで快楽の衝動が伝わる。
うすら寒い寝所に、夫が貫くたび互いの肉肌がぶつかり合う辱めの音が響くと、お蝶の漏れ出す声が変わった。

「んっ、んっ・・・・・・あはぁ・・・・・・あっ!」
世の中では至極当たり前の、「夫」のものでよがる「妻」の声。
女としての悦びを得たお蝶は理性を失い、押入に隠れる愛しい男の前で、淫らに激しく腰を振らせてしまう。

彼女の眉は垂れ、何かを求めるように天を仰ぐ。
ふと押入へ顔を向けると、隙間から面の男が見えた気がした。
その瞬間、心の奥底から羞恥心が込み上げ、夫のものを締め付け離さぬよう力をこめた肉壁が熱を帯びる。
「あっ・・・いく・・・いぃっ・・・ーーーーあはぁっ!!」

お蝶が求め続けた果てが来る。頃合いを見計らったように、夫のものからどくどくと熱い液が放たれた。
流れ来る液体は、お蝶の内よりも熱く、浸食するように広がり彼女の中を満たす。
果てを迎えても、お蝶は夫のものをくわえ込んだまま、離そうとしない。
彼女の乱れた呼吸に合わせ内壁はびくびくと震えた。

四つん這いの上体を支えていた腕が崩れ、その反動でずるりと夫のものから離れてしまった。
「あぁ・・・んっ・・・」まだ味わっていたいという、もの惜しげな、吐息。

布団の上でうつ伏せになり、微かに喘ぎ声が混じる呼吸が聞こえる。
汗でぐっしょりと濡れた背中から熱が逃げ、冷えてゆく。痺れる爪先がたまに痙攣した。
胎内に溜まっていた夫の精が、お蝶の入り口からとろりと零れ、太腿を伝い流れ落ち、彼女はその感覚に身を震わせた。

彼女のひれ伏したような格好に満足した夫は、脱ぎ散らかした着物を羽織ると自室へ戻っていった。
277名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:18:12 ID:Mm5wbBd1

(気付かれなくて・・・良かった)彼女の瞼は重く閉じてしまう。

(このまま眠りにつきたい、何もかも忘れて)

温かく大きな手のひらが、お蝶の頬に優しく触れた。
重い瞼を開くと、面の男が側に身を寄せ、彼女の顔を覗き込んでいる。
お蝶は頬に触れる男の手を握ると、男も強く握り返し、押し黙ったままお蝶の身体を抱き寄せた。

面の中から、泣いているような息が漏れ聞こえる。
お蝶の頬にもひと筋、涙が流れていた。

「あたし・・・」
彼女がやっと言葉を放つと、男は何も言うなと強く抱き締める。

お蝶の太腿に男の固いものが当たる、その欲望が彼女の身体に伝わるともう一度、女の情欲が湧き始めた。
彼女は面を見つめ、狐の上唇に口づけ、その牙を舌で優しくひと舐めした。
「お蝶さん・・・」
お蝶は男の呼びかけに応えぬまま、口づけをせがむように、面に優しく唇を押し当てる。

男は口づけが出来ぬ代わりに、お蝶の薄く柔らかな唇に人差し指を這わせ、彼女の口中に挿し入れる。
彼女は軽く人差し指を唇ではみ、舌で包み込もうとするが、男の人差し指はすっと離れた。

「んっ・・・」
お蝶がもの惜しげに声を漏らすと、すぐさま男の太い親指が口中に滑り込む。
柔らかな粘膜と、男の親指を舐める、ぬるりとしたお蝶の舌が二人の情欲を刺激する。

男と女が繋がる行為を模倣するかのうように、男の指はお蝶の口を犯した。

十分に味わえたのか、お蝶は指を解放すると、今度は男の首筋に舌を這わせ、右手で器用に袴のひもを解いた。
278名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:21:31 ID:Mm5wbBd1
男の着物をはだけさせたまま、お蝶は男のものを舐め続ける。

舌で先端を弄り、深く含んでは浅くを繰り返し、時折筋を固くとがらせた舌でなぞられると、男は身体を仰け反らせた。
柔らかい唇だけで男の傘をぬるりと包みこみ、湧き出る男の液体を吸い込む。
(私・・・夫と同じように、舐めてる・・・)
お蝶の頭の中で、夫との行為を細かく思い出しては、身体の芯から火照りを感じていた。

男は声を漏らさぬためか、それとも果てを我慢しているのか身体に力を込め、顔を横に背けていた。
快楽に汗ばむ自分の目下では、お蝶の頭が股の間で上下に動き、両手で男の茎を支える裸のお蝶の姿を直視出来ない。
見れば興奮してしまい精を放ちそうになるからか、お蝶の淫らな姿を見たくないのかは、男にも解らなかった。

顔を背ける男に気が付くと行為を止め、男の両腿に腰を下ろし抱き合った。
男の乱れた銀髪を両手でかき上げ、耳元を優しく愛撫し、哀しげな目で狐面の目を見る。

「・・・こんな女では、嫌?」
哀しげで、今にも泣き出しそうな声で呟く。
男は察すると、大きく首を横に振った。

「夫と寝た後で、あなたとも寝る・・・汚い女だもの。仕方ないわ・・・」
「・・・違う、そんなことは無い、違うんだ」
「こんな汚い女、他に居ないでしょうね・・・」
もう一度男は首を横に振る。
「嘘、こんな女、誰でも嫌うはずよ・・・」

「・・・俺は、あんたがいい」
愛した男に求められる喜び、互いの心が深く繋がっているという確信が、お蝶の罪悪感を消し去ってゆく。

涙を浮かべ微笑むお蝶が男に強く抱きつくと、お蝶の入り口に、男のものが当たる。
二人は顔を見合わせ、男が人差し指をお蝶の唇にそっと這わせた。
その行為が合図の様に、お蝶はゆっくりと、固く尖ったものを中に迎え入れた。
279名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:23:49 ID:Mm5wbBd1
「んっ・・・」
彼女は男の首筋を強く抱き、その耳元で声を漏らす。
男のものは夫より固く大きい、みしみしと押し広げられる快感が彼女の中に走ると、全身が強ばった。

「あっ・・・あぁっ・・・!」
呼応するように彼女の中はきつく締まり、茎が圧迫されると、男はつい喘いでしまった。

「あ・・・すまない・・・」
お蝶は男の喘ぎ声に驚く。この世の中で男性が、女のような声を出すとは思いもよらなかった。
「感じる、の・・・?」
男は黙ると、間をおいて恥ずかしそうにうなずいた。
「俺は、女を抱いた事がないんだ・・・」

お蝶に妙な感情が生まれる、目の前にいる純粋で、未だ清い身体を持つ男に対して、
愛しいような、愛しすぎて苛めてしまいたいような、複雑な思い。

「お蝶さんが、落胆するようなことはしないから・・・ああっ!」
急にお蝶は、激しく腰を上下に動かし、快感で後ろへ反る男の首をつかまえる。
男のものはねっとりと締め上げられ、刺激に耐えられず声を上げてしまう。

お蝶の頭の中で、欲望が膨らみ始めた。
女を知らぬ、自分を愛してくれている清く純粋な男に、自分の身体で女の味を教えている。

夫のいる身で、この淫らな身体で、背徳感と征服感を感じながら。
280名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:25:44 ID:Mm5wbBd1
何度も何度も激しく入れては抜くが、男のものから離れないように、巧みに腰を使う。

「気持ち、いいの・・・?」
男の耳元で囁く声は、いつものお蝶の声ではなく、艶のある淫らで高慢な女の声だった。
男は囁かれる声すら耳の奥に響き、ゾクゾクと感じてしまう。

「やめてくれ・・・そんな・・・」
「出して・・・我慢、できないんでしょう・・・?」
「あっ、あぁっ!」
彼女が男の敏感に立った乳首を中指で弄ると、男は堪らず果ててしまった。

面の男の全身が震え、腰を浮かせる、女のように、面の奥から吐息を漏らしながら。
注がれた液体は夫の放ったものよりも熱く、勢いがあり、彼女の中を満たす。

「あっ・・・出てるぅ・・・っ」
彼女は、どくどくと注がれる液体が、傷ついた己の自尊心さえ、満たしてくれるように感じた。

男は激しく呼吸を繰り返し、汗だくになっていた。
果てたというのに快楽の余韻は残り、お蝶と繋がれたままの男のものは、
再び内壁の感触に反応して、固くなりつつあった。

「また・・・大きくなってる・・・どうして?」
お蝶は挑発するように腰をくねらせ、色気ある意地の悪い言葉をかける。
「あぁっ・・・動かさないで・・・感じ・・・んっ!」
男のものを包み込む内壁は、彼女の意志に従うように、男のものをきつく絞る。
281名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:27:14 ID:Mm5wbBd1
お蝶は思い出したように男のものを解放し、男から完全に身を離した。
畳に放られた浴衣を取り、再び身につけようとしている。

「お蝶・・・どうして?」不思議そうに問いかける男は、さも女のような、切ない声を出す。
「・・・さっき、「やめて」って言ったでしょう?」
お蝶は男に背を向け、ぼそりと呟いた。

身体に羽織る浴衣から見えるうなじと背中は、うっすら汗ばみ艶めかしく見え、後ろから襲いかかりたい衝動に駆られる。
しかしここで襲ってしまえば、お蝶の夫と同じく彼女を傷つけるかも知れない、
そんな想いを笑うかのように、固く張る男のものは治まらずにいる。

葛藤を続ける男をちらりと見、お蝶は浴衣を着たまま、畳に四つん這いになった。

浴衣の裾を腰までたくし上げ、よく見えるように蜜で濡れそぼった入り口を、男がぽつりと座っている方へ向ける。
「お蝶・・・」
お蝶は左手を股の間へくぐらせ、自分の入り口へと運ぶ。
男がよく見えるよう入り口を広げ、淫らな様を見せつけた。
先程、押入に隠れていた男へ向け、見せつけた事を再現するように。

「来て・・・」
面の男の身体はお蝶へと吸い込まれるように身を寄せ、一度目より固く大きく上に反ったものを一気に押し入れた。

「ああっ・・・固い・・・!夫のより・・・気持ちいいっ・・・」
欲望のまま、愛した男の前で、夫という言葉を放つとお蝶の中で背徳感が生まれ、快楽が増幅する。
後ろから貫かれているせいか、先程よりも深い奥へ当たる。
反った男のものは今まで届かなかった箇所を刺激し、蜜を溢れさせた。

主導権を奪った男は、四つん這いで切ない声を上げるお蝶の腰を両手で掴み動かす。
「突いて・・・もっと・・・はあぁっ!」
男は右手をお蝶の固く膨らんだ核へ運び、指先で小刻みに刺激した。
「そこダメぇっ・・・ダメっ・・・」
核は敏感になりすぎ、お蝶の腰が男から逃げようとする。
282名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:28:42 ID:Mm5wbBd1
すると男はぴたりと全ての行為を止め、四つん這いのまま繋がっているお蝶の背に覆い被さった。

「あん・・・どうしたの・・・?」
「・・・だろう?」
男の囁きは面の向こうから聞き取れなかった。
「・・・え?」

「駄目、なんだろう?動かしちゃ・・・」
男は聞き返すお蝶に、意地悪く答えた。

「そんな・・・あっ!」
男が豊かに膨らむお蝶の両胸を揉むと、彼女は悶え腰を動かす。
「いけない、動かすな・・・」
囁き続ける男は、指先で彼女の乳首を責めた。
「あぁっ!んっ!」
お蝶の中で男のものは動かない、彼女が望む動きは得られず、唯一愛撫される乳首の感覚が、核に伝わる。
「して・・・お願い・・・」
切なくなり、我慢できないお蝶は懇願するように、背中の男を見つめる。
男は黙ったまま、何も答えず、ゆっくりと男のものをぬこうとすると、堪らずお蝶は声を上げた。
「欲しいの・・・突いてぇ・・・!」

密着していたお蝶の背から離れ、腰を掴むとお蝶の中から茎を抜き、もう一度濡れた入り口を貫いた
「ああーーーっ!」
我慢させられていたせいか、先程より感度が増していた。男の動きも力強く、奥へ奥へと響く。

「いいっ・・・あなたっ・・・」お蝶の言葉に反応し、男も自然と貫く腰が速くなる。
吐息は喘ぎ声に変わり、男を挑発するように腰をくねらせた。
男は長く続けたいと思っていたが、限界が近づく。

「お蝶・・・愛してる・・・」
その言葉はお蝶へ届き、彼女に喜びを与えた。
責められ続けお蝶の中に溜まった快感が一斉に流れ出し、身体をビクビクと震わせる。
「あ・・・やぁっ・・・いくぅっ!ああっ!!」
果てを迎えたお蝶の内壁は急に狭まり、男を果てに導いた。
「お蝶・・・!」
283名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:29:46 ID:Mm5wbBd1
精を残らず吸い出すような、お蝶の内壁の動きに身を震わせ、
息の上がる彼女を後ろから抱きかかえ、柔らかい布団へ倒れ込んだ。

密着した二人の肌の間で、互いの汗が混じり合い、熱を帯び続ける。

「あっ・・・あぁ・・・んっ・・・気持ちいいのっ・・・凄く、いい・・・」
力が抜け、四肢をだらりと伸ばすお蝶は、未だ来る快感に身を委ねる。
男は吐息を漏らすお蝶を強く抱き締め、お蝶の名を囁いたが彼女には届かなかった。

彼女は目を潤ませ、唇は余韻を味わうように蠢く。
「好き・・・」お蝶は遠くを見つめ、ぼそりと呟いた。

もう一度男は耳元で囁く。今なら彼女へ届きそうな気がした。

「俺の名は・・・敦盛と・・・」

その時、お蝶の心が、すっと闇へ消えた。
男もその闇へ溶け込み、空気と交わるように消えていった。
284名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:33:41 ID:Mm5wbBd1
「・・・ん」
細く開いたお蝶の目に、朝日が射し込む。

目を覚ますと、障子は朝の光で眩く照らされ、雀たちが楽しそうに啄み歌う声が朝を告げていた。
「いやだ、私ったら・・・」
浴衣がはだけ、あられもない姿になっていた自分に気が付くと、急いで箪笥から着物を取り出し身に羽織る。
着付けていると身体中が軋み、昨夜の事を思い出すと頬を赤らめた。

(あんな・・・獣じみたこと・・・)
夫に受けた恥辱が悔しく思えると同時に、再び彼女の芯を痺れさせ、快楽の余韻を思い出す。
その時、夫以外の男の声が、耳の奥で聞こえた気がした。
「・・・誰の、声かしら?」
お蝶は思い出そうとしても、その声の主が思い出せない。

(俺の名は・・・その後、何て・・・)

「お蝶さん!」姑の甲高い声で、彼女は我に返った。
「まったくいつまで寝ているの?昼餉の準備までしないつもりかい?」障子には、姑の影が映っている。
「す・・・すみません、今行きます」慌てて返事をすると、姑は大きな溜息をつき居間へ戻って行った。

かまどに火を起こして、米研ぎに、汁物を・・・朝餉の支度を急ぎ考えていると、昨夜の事は忘れていた。
ただ、耳に残る男の声だけは忘れられず、台所に立つ間中、何度も思い出した。

声の主は思い出せなかったが、その男の声は、優しく心に響く。

夫や姑たちが朝餉を取っている間、台所の小さな窓の外に広がる青い空を眺めながら、
叶うならもう一度、あの声を聞きたいと願うと、二羽の雀が大空を羽ばたいていった。



三日後、佐々木家の門前で薬箱を背負う男の姿があった。



終。
285名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 00:46:36 ID:Mm5wbBd1
寝取られっぽくて後味悪いなあ、というかた申し訳ないです・・・
狐面とお蝶のラブラブ生活を、是非職人さん書いて下さい

長々とすみません、ありがとうございました
286名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:01:51 ID:lwNESxop
SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!

萌えた!泣けた!
GJGJGJ!!!!

お蝶さん…ううっ
287名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:15:53 ID:HoACrI52
GJGJGJ!!!
なんて素晴らしい話を書いてくださるんだ!!
切ないし、萌えたし本当に良かったっ!!
職人さんありがとうぅぉっ!!!
288名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:18:19 ID:t5SfvNml
GJGJ!!
お蝶攻めハァハァ(´Д`;)
289名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 02:09:19 ID:pILLwvyf
萌えるだけでなく、切なくもなる話。
良い話だった。ありがとう。
290名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 02:02:07 ID:K6FcozE8
敦盛よかたお(^ω^)
あの声で言ってんの想像したら…wwwww
ありがとぉぉぅ!!
291名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 01:18:08 ID:Skh3ACFm
薬売りの職人も敦盛の職人も大作乙!!!
めちゃヨカター
292名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 18:22:01 ID:XbTeloA4
職人に触発されて薬売り×加世を書いてしまいました
海坊主の翌日くらいの話で、やることやってますが大してエロくないです
次から投下します
293薬加:2007/10/18(木) 18:22:47 ID:XbTeloA4
痛い。痛い。下腹が痛い。
何かが身体を裂き開いてくるような感覚。
制御できない苦鳴が口を突く。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
産まれる。
足の間から顔を覗かせるのは、醜い魚の――

月が海面にほの黄色い分身を映している。
浄め祓われた船内にもはや魔の存在はなく、夜は明るい月光のただ中に静まり返るのみ。
豪奢という言葉に帆が生えたような船、そらりす丸の舳先が、月の影を揺らして割った。

派手な装束に身を包んだ男は欄干に肘を突き、目を閉じていた。
「どうしたんです? こんな夜更けに」
気配を忍ばせたつもりで背後に立っていた少女は、慌てふためいて持っていた何かを後ろに隠した。
「あっ、あの……」
一度口ごもり、先程隠した物――枕を再び胸に抱え直して勢い込む。
「一緒に寝てくださいっ!」
空気が止まる。
薬売りの切れ長の目がゆっくりと開き、流し目に加世を捉える。
「……いやー、アハハ、冗談よォ! おやすみなさーい……」
そそくさと踵を返す加世の手首を冷たい感触が包んだ。
薬売りの白魚のような指が加世の手首を捕らえている。
潮風がそよぐ。
白い手の持ち主は飄々と、
「顔色が悪い」
と囁いた。
薬売りの澄んだ静かな目に見つめられ、加世は観念した。
「……嫌な夢を見て……」
「ほう。どんな」
「話すのも嫌!」
さざ波の合唱が二人の間を流れゆく。
「で、眠れない、と」
「うっ……ま、まぁ〜……そんなトコかな〜……」
「身体が温まる薬湯を出しましょう」
薬売りはようやく手を放すと、薬箱を探り始めた。
「……ごめんなさい、休んでいたのに」
乳鉢にいくつかの干し草や種を入れ、慣れた手つきで擂る薬売りは、整った横顔を見せながら、
「ちょうど夜風に当たっていたところです。気にすることはない」
と返した。
しかし加世はますます俯く。
「この歳になって怖くて眠れないなんて、子供みたい……」
「加世さんは立派なご婦人ですよ」
加世は今度は盛大にむくれた。
「もー、それが子供扱いなの!」
「年頃の娘がそんな顔をするもんじゃあ、ありませんぜ」
「薬売りさんのせいでしょー! あっ、そうだ! 万が一お嫁の貰い手がなくなったら薬売りさんに貰われてあげる!」
「そいつは光栄だ……恭悦至極」
「もぉっ、全然有難みが籠もってないー!」
薬売りは唇の端で微笑み、乳鉢と木の碗を手に立ち上がった。
「湯をもらってきます」
294薬加2:2007/10/18(木) 18:27:52 ID:XbTeloA4
1人残された加世は、チラリと周囲に目配せすると、そっと薬箱に手を伸ばした。
「坂井のお屋敷では結局見逃しちゃったしぃ……ちょっとだけ……」
小さな引き出しを開けると、刺激的な挿し絵に彩られた春画が詰まっていた。
「やっだぁ〜ん、すごぉ〜い。売り物かしら? ……私物なワケないか」
次に開けた引き出しの中には、用途の分からぬ根やら葉やら飴玉のような錠剤やら、
「……タコ?」
何故か新鮮なタコが1匹、
「おぉっと」
「キャッ!」
湯気の立つ碗を盆に載せた薬売りが闇から現れた。
「ず、随分早かったのねぇ〜」
「油断も隙もないご婦人が、いらっしゃるもんでね……」
盆を置きながらわざとらしく『ご婦人』を強調した薬売りは、
「うっ」と言葉に詰まる加世を尻目に片付けを始めた。
「いただきま〜す……」
首を縮めて碗を持ち、薬湯を啜った加世だが、
「熱っ」
舌に痺れるほどの熱を感じてすぐさま離す。
涙目になりながら碗にフーフーと息を吹き込む加世の背中に声がかかる。
「それを飲んだら横になるといい」
「薬売りさんは?」
その問い掛けに薬売りは目を眇めて、「消えやしない。ご安心を」とちゃかした。
加世はふくれて薬湯を飲み干した。
「じゃ、あたし布団を持って来ます」
「必要ない」
「え?」
「一緒に寝れば、いいじゃあないですか」
「薬売り、さん?」
碗が手から落ちる。
視界が左右にぶれ、身体中の重力が頭に集まる。理性が遮断される――。
「俺は加世さんに頼られるような男じゃないんですよ」
固く細い腕に抱き留められるのを感じた。
「教わりませんでしたか」
続いて唇を覆うひんやりとした柔らかいもの。
「得体の知れない輩を信用すると」
口内に温かい感触が差し込まれる。まだ痛みの残る舌の火傷を軽く吸われる。
「火傷する」
295薬加3:2007/10/18(木) 18:33:00 ID:XbTeloA4
首元から胸にかけての滑らかな浅黒い肌に、紅色の花びらが散る。
唇によって刻まれたその印は月明かりによく映えた。
簪を抜かれた髪が羽のように布団に広がっている。
少女の身体は熱を帯び、汗の玉が薄い夜闇の中に浮かび上がっていた。
加世は、己が淫夢を見ているのではないかと疑った。
身体に痕を残してゆく唇と、帯を解き、
着物を容易く寛げて乳房に吸い付いてくる手のひらの主は、性の印象からあまりにも遠い。
「夢じゃあありません」
冷たい手が胸から腹を伝い、下腹に行き着く。
ああ、そこは。
「ここに、飼っているのか」
そうだ。あのおぞましい赤ん坊。
産みたくない。産みたくなんかない。
「ならばずっと閉じ込めておくつもりか」
再び唇が塞がれる。
温い舌が絡まり合う。
微かな火傷の痛みとない交ぜになった、脳が溶けるような官能の温もりを逃がすまいと、
男にしては華奢な首に腕を回す。

「加世さん。ここには何もいない」
下生えをくすぐるように指が動き、長い爪の甲が臍の下を撫でる。
そんなはずはない。だってさっき確かにそこから化け物が。
「幻に目を奪われてはいけない。――ごく普通に話して聞かせても良かったのですが……
あまりにも無防備なもんで、ね」
鼻が触れ合うほど間近にある双眸は、妖しげな輝きを湛えている。
加世は、焦点の合わない目でぼんやりとそれを見つめ返した。
「悪戯心が、働きまして」
紋様が施された能面のような美貌が、どこか優しげに緩んだ。
「忠告を兼ねて」
「うっ!」
突如下腹を強く押され、加世が呻く。
「やめて……やめて……押さないで……」
「何もいはしないと、証明しましょう」
「っう、産まれ……」
「何も産まれやしない」
嘘つき。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
だってこんなに痛い。
「その痛みは幻だ。何も恐れることはありません」
痛みに幻も何もあるものか。現に今、痛いのに。
「大丈夫だ」
「あっ……」
薬売りが加世の乳房の先を口に含んだ。
296薬加4:2007/10/18(木) 18:37:41 ID:XbTeloA4
手は足の間を蠢く。太股を滑り、時折爪の先で隠核をなぞっては離れるの繰り返し。
「うぁ……はぁ……っ」
「気持ちいいですか」
「凄い……凄……」
「それは重畳」ふざけた口振りでのたまうと、薬売りは自らの女物の帯を解いた。
加世の両膝の裏に手を入れて持ち上げ、帯でそれぞれを縛る。
秘所を晒け出す姿勢に羞恥する間もなく、鈍い衝撃が加世を襲う。
「びしょ濡れ、だ」
耳を食んで囁き、首筋をきつく吸う。汗まみれの肌に朱色の花がまた1つ増える。
薬売りが静かに体重をかけた。
「あっう」
「最後まで入ったよ」
「はぁ……は……」
「ほら、何もいない。化け物などがここに住んでいるなら、
俺が噛みつかれちまいそうなものですがね」
加世の弛緩しきった唇から零れた唾液を舐め取る。
味わうように、焦らすように、慈しむように、腰を動かして奥を突く。
「わかりますか」
「あ……、あ、ぁ、はぅ……」
「今、ここには俺しかいない」
「ん……」
言葉を理解しているのかいないのか、加世はこくりと頷いた。
1つ、加世の額に口付けると、薬売りはゆっくりと上半身を起こして結合を解いた。
「あっ、何で……」
「このままでは本当に孕んじまうからな。加世さんが良くなるだけでいい」
身体をずらし、力なく開かれた加世の両足の間に顔を埋める。
「ひぁ……!」
温い舌が花芯をなぶり、2枚の花弁の隙間を通って蜜壺に沈む。
297薬加4:2007/10/18(木) 18:40:12 ID:XbTeloA4
「はぁ……薬売りさ……」
太股に軽く爪を立てて痕を残すと、加世の全身が戦慄いて汗の霧を発した。
「ダメ……ダメ……」
「ああ、そんなに泣きそうな声を出さないで下さい」
もう片方の手で乳房を包み、そっと円を描くようにこね回す。
「もっと、聞きたくなる」
「ん……」
触れるだけの接吻の後、愛撫に戻ろうとした薬売りの肩を加世の熱く湿った手が掴んだ。
薬売りの微かに熱に潤んだ眼差しが問うように向けられる。
「あたしだけじゃ……嫌」
加世は朦朧とする意識を制して、
「これ……ほどいて」
と縛られた大腿を指し訴えた。
薬売りが帯を解くと、加世は不自然な姿勢のために強張った脚を宥めながら身を起こした。
薬売りの下腹部に手を伸ばす。と、その手を掴まれ、やんわりと押し戻される。
「俺はいいんだ」
長く柔らかな指が加世の髪を梳き、頬を包む。
加世はその上に手を重ねてうっとりとしながらも、頑として首を左右に振り、
「されるだけなんて嫌なの」
男に抱きついて、
「はぁっ……」
隠茎にゆっくりと腰を落とした。
「ぅん……んん」
しかし、ぬめる愛液で滑り、なかなか上手く入らない。
「加世さん」
薬売りが加世の腰に手を添え、挿入を促した。
「あぁっ……!」
加世の尻と薬売りの腿とが密着する。
薬売りはぐったりと凭れ掛かる加世を褥に横たえ、
額に貼り付いた髪を気遣わしげに払ってやっていたが、やがて腰を使い始めた。
「ぁうっ……あぁっ……は、薬、売り、さ……」
「加世さん、凄いよ。温かい……」
「は、……気持ち、いい?」
「ああ」
「嬉、しい……ぅあっ!」
二人の素肌を汗の滴が繋ぐ。
月に照らされた仄明るい一角に、濡れた音と荒い息遣いが響く。
298薬加6:2007/10/18(木) 18:42:25 ID:XbTeloA4
「はぁっ、はっ……あぁ、ぅんっ……いきそ、……っあっく、あ、ああっぁ……!!」
頬を紅潮させ、加世が達した。薬売りはその表情をじっと見つめ、温かな胎内の蠕動に耐えた。
揺さぶるように何度か腰を使った後で隠茎を引き抜く。加世の唇から湿った吐息が漏れる。
「あ……」
加世の臍に白く濁った体液が滴る。
「ここも、塞いでおこうか」
薬売りの手がそれを擦り付けるように動く。
「……あれが、息をできないように?」
「あれ、とは?」
「だからアレよ……あの魚の顔したヤツ……うげぇっ、思い出しちゃったじゃない!!」
「なるほどねェ。……もう大丈夫だ。だろう?」
「……うん。ありがと、薬売り、さん……」
「強姦されて礼を言うとは、変わった人だ」
「強姦、じゃないわよ……相手が脂ぎったオヤジだったら、股間蹴り上げてでも、抵抗、……」
加世の瞼が次第にくっつく。
薬売りはその額の汗を拭ってやり、「おやすみ」と囁いた。


群青の空の裾が白む。
水平線をまばゆく輝かせながら朝日が昇る。
黄金の光が、夜の名残を西へ西へと追いやっていく。

そらりす丸が、今度は酒饅頭の悪夢を見た加世の絶叫に揺れるのは、まだ何刻か後のこと。
299名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 18:43:35 ID:XbTeloA4
以上です。
改行とか通し番号とかgdgd気味ですみません。
300名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 18:45:51 ID:ekZdvg+2
まったく、夕方からお前は何を書いて・・・よくやった、GJ!
301名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 19:05:13 ID:d/mEYQNE
GJGJGJ!
前のも良かったがこちらもいいな。
二人の掛け合いとかそれっぽい!
302名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 21:08:25 ID:hfCchJVp
ちょw
今度は酒饅頭かいっ!!

以前投下された薬加の薬売りがayakasi版ならこれは正しくモノノ怪の薬売りだな。
妖しい感じが上手く出てたよ。ぐっじょ!!
303名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:24:16 ID:V9WcZFwJ
いいぞもっとやれ、もとい、やってくださいお願いします
304名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 22:33:02 ID:WMBv0MOO
GJ
305名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:42:52 ID:f8q9dfVq
薬加GJ!!!!みんな文才あって羨ましい…

誰か市川節子のSS書いてくれー!相手は森谷でも薬売りでも誰でもいい。

306ドS職人:2007/10/19(金) 00:53:59 ID:XY5nQY/k
↑相手誰でもいいのかよww
敦盛と上の薬加GJ!! 俺も人を切なくさせる話を書けるように頑張る。
307名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 00:32:54 ID:ifexr8M1
あまりにもマニアックなプレイはスレ違いだろうか。前の佐々木×加世の続きで緊縛、羞恥、異物挿入、穴ル、で途中まで書いたやつがあるんだが住人にひかれないか心配。
308名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 01:26:58 ID:5NohMoJ6
>>307
マニアックでも大丈夫。むしろドンと来い!
が、苦手な人もいるかもしれんので、注意書き等あった方がよろしいのではないかと
名前んとこに題名とか入れて、避け易くしておくと親切かもしれない
309ドS職人:2007/10/21(日) 00:43:20 ID:8u6yZ0CZ
ではまず注意書きを。

これから何度かにわたり投下する「佐々木×加世―加虐愛―」という話には一部マニアックなプレイ(緊縛、羞恥、異物挿入、穴ル等)が成されているので不快になる方は無視して下さい、一応念のため話の節々にも注意書きしますがクレームなしでよろしく。
また焦らしプレイになるけど皆最後まで付き合ってね。
310加虐愛1:2007/10/21(日) 00:46:24 ID:8u6yZ0CZ
「佐々木様の手…好き…」
 無骨な手をとり構造を調べるように撫で回している、白い小さい手と重なりそれはくすんで汚れているように見えた。
「…そうか…」
 兵衛はわざとそっけなく答えた。


あの晩から加世はずっと兵衛と共にいる、寝るときも一緒の布団に入り取り付いて離れず風呂にまでついて来る始末だ。
今まであの様に女を組み敷いた事は何度かあったがどの女も事が終わればすぐに逃げ出した、というより世間の女達は兵衛の姿を見るとあからさまに嫌悪した表情をするものだった。
ところがこの女、逃げ出すどころか懐かれてしまうとは。何か目的があるのかまさか本当に自分を好いているのか、様々な考えが兵衛の頭を駆け巡る。
「…ぅん…」
 そんな事をぼんやり考えていると加世が兵衛の顎の辺りを唇で食んでいる、口付けをせがむ仕草だ。
軽く顔を引いて唇を預けてやると体を伸ばし啄み始める、恋人にするような優しい口付けに兵衛の黒い感情がふつふつと沸き上がった。
311加虐愛2:2007/10/21(日) 00:50:04 ID:8u6yZ0CZ
唇を離しおもむろに加世の方頬をつねり上げた。
「う…痛いです…」
甘い口付けから一転、加世の顔が歪み呻き声をあげる。
「お前はずっと俺の側にいたいのか?」
 頬を掴んだまま鋭く加世の目を見つめ問い掛ける、加世はつねられた頬を紅潮させ小さく頷いた。
「…はい…」
「なんだ?聞こえんな」
 つねり上げる手にさらに力を込め前後に揺らしてやる、掴まれた頬を軸にして加世の体が揺れ切なげな声があがった。
「…ひぅっ…!ずっと佐々木様のお側に…いたいです…!」
 目に涙を溜めて痛みを堪える加世を兵衛はとても愛らしいと思った、そしてこの愛らしい女を辱め悶え怯える姿を心行くまで堪能したいと思った。
「ほぅ、そんなに俺のことが好きか」
 そう言うと頬をつねる手を離し加世の胸を軽く突き飛ばした、子犬のような声をあげて加世が後ろに転がる。
それを横目に兵衛はすっと立上がり戸に向かった。
「あ…、佐々木様どちらへ?」
 起き上がった加世が頬をさすりながら不安げに声をかけた。
「すぐに戻る、待っていろ」
 背中越しに答え兵衛は部屋を後にした。
312加虐愛3:2007/10/21(日) 00:53:29 ID:8u6yZ0CZ
 残された加世はぺたりと床に座り頬を撫でる、そこは熱を持ちジンジンと痺れていた。
「…痛…」


あの晩から何かが変わった、兵衛の言葉の一つ一つが体に染みて心を浸食する様な――。陳腐な言葉を使えば心に首輪を付けられたとでも言うのだろう、つまりは兵衛に犯され嬲られて彼に魅了されたのだ。
今となっては自分の性癖に困惑するより、兵衛に抱かれたいひどい言葉を浴びせられたいという欲望が行動を支配している。
頬に残る痛みさえ兵衛によるものと思うと愛しく感じる、加世は目を閉じて薄れる頬の痛みを噛み締めた。
「…佐々木様…」
 ぽつりと愛しい名を呼んでみる、返事はなく風と波の音に消えていった。


戸が開き兵衛が戻って来ると加世は兵衛の手にあるものに釘付けになった。
「…縄?」
 それはやや細めの白い縄、毛羽立っているが柔らかそうな縄の束を兵衛が持っている。
「お前のために用意したんだぞ」
 縄の束を床にぽんと放り兵衛はにやりと笑った。
「どうした?さっさと着物を脱げ」
「…はい…」
 加世は立上がり兵衛に背を向け着物を脱ぎ始める、これから自分が何をされるか想像すると胸が高鳴っていた。
313名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:53:30 ID:gG2HfpQ+
wktk
314加虐愛4 (緊縛開始):2007/10/21(日) 00:58:44 ID:8u6yZ0CZ
 兵衛はその様子を見ながら九字兼貞ともう一振りの刀を置き縄をほぐし始める、はらりはらりと花が散る様に着物が落ちやがて滑らかな曲線を描く花芯が現われた。
「こちらへ来い」
 床に座った兵衛が自分の膝の上を指差している、
「はい…」
 加世は手で体を隠したまま遠慮がちにそこへ跨がり腰を下ろした。

兵衛は着物から腕を抜き肌脱ぎになると、縄を加世の首にかけ器用に結び目を作る。
「手は後ろに組んでおけ」
 言われるままに胸を隠している手を背後に回す、兵衛の温かい息が間近に乳房にあたり意図せず先端が反応を示した。
「ん…?立っているぞ、これだけで感じるのか?」
 兵衛は作業する手を止めずに乳房を見ている、
「ぁん…焦らさないで下さい…」
 加世がもどかしそうにもじもじと体を動かす。
「ふん、まぁ待て」
 兵衛は満足そうに笑むと加世の股に手を運ぶ、
「…」
 早くそこに触れて欲しい、その手でえぐって掻き回して、それから最後に――。
「あっ…!」
315名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 01:01:56 ID:8u6yZ0CZ
今日はとりあえずさわりの部分だけ、続きはまた明後日くらいに。
316名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 04:22:27 ID:4bmhSqkw
ところでモノノ怪って女キャラ少ないよなー。
加世、たまき、真央、志乃、お庸、お蝶、瑠璃姫、チヨ、節子か。
生きてる人だけだと4人か。
あとはおばさんや婆さん。
317名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 08:59:51 ID:bjG4NGpL
さとや女将だって若い頃は結構美人だった。
時の流れって残酷だなw
318名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 09:01:54 ID:eRL4NNSZ
薬売りって死んだ人ともSEXできるんかな?

話変わるけどこれって携帯からは絵アップできない?
319名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 09:07:18 ID:gG2HfpQ+
320名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 09:25:33 ID:eRL4NNSZ
>>19 おお、ありがとう!これ使えば出来るのか。
その内絵アップするかもしれないんでその時使います。
321名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 11:10:18 ID:ydoFDBCH
ドS職人さん続き楽しみにしてます
322名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 22:39:46 ID:vdUpm0LZ
なんというじらしプレイwwww
323名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 23:36:25 ID:2vZRssmC
ここはドSが多いスレですねwww
324名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 23:37:30 ID:AOtKw/5K
いやいやドMもいっぱいだよハァハァ
325名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 23:53:05 ID:IPi6v/3h
エロパロ書かずにお預けプレイで住民を満足させる高度なスレはここですか?
326加虐愛5(まだ緊縛):2007/10/24(水) 02:43:18 ID:jE5+lB5+
思いも空しく兵衛の手はそこを通り過ぎ縄が股の間をくぐった、背側で引かれピンと張った縄が秘裂に食い込む。
「う…んっ…」
「まだゆるいか?」
 兵衛が縄を掌に巻き付け強く引き上げる、縄がギリギリと秘裂に食い込み柔らかい粘膜を擦りつけた。
「ひっ…痛…!痛いです…!」
 加世の体が痛みに跳ね逃れようとする、しかしそれは兵衛に押さえ付けられ阻まれた。
「ん?そうか、すまんな」
 兵衛が一息遅れて縄をゆるめる、その顔は実に楽しそうな表情をしていた。
背後に組んだ両手にクルクルと縄を巻き付け背中に固定する、加世は目を閉じて縄の感触に集中した。
胸上と腹の結び目で仕切った輪に左右から縄を通し菱形を形作る、余った縄を背側で硬く結び形を整えた。

「できたぞ」
 その声に加世が目を開き拘束された自分の体を見下ろす、
「…はぁ…」
 縄が美しい図形を自分の体に成している、乳房の上下を縁取る縄が膨らみを強調してまるで自分の体でないような奇妙な気分になった。
兵衛は加世を膝の上から降ろすとその周りをぐるりと歩いて隅々まで見渡した。
327加虐愛6:2007/10/24(水) 02:46:35 ID:jE5+lB5+
そしてしばし考える仕草をした後加世の髪に手を触れた、簪を抜き櫛を抜き結い上げた髪が落ち全て解き終えた髪を指ですきながら兵衛が薄ら笑った。
「まるで女囚だな」
 そして乱暴に髪を掴み自身の下腹に顔を押しつけた、
「んっ…!」
「しゃぶれ」
 冷たく命令されて加世は背中がゾクゾクとした。

着物を噛んで引っ張り合わせを開く、股ぐらに顔を突っ込み褌をずらすとそれは熱を帯び立ち上がりかけていた。
加世はそれの先端に口付けるとチロチロと舌を這わせ始める、膝立ちで顔を動かすたび股縄が秘裂に擦れて痛みと快感をもたらした。
「ん…ふぅ…、ちゅ…」
 腿を擦り合わせて快感を求めるが縄は的確な場所に当たらずもどかしさに腰がくねる、加世は欲を高ぶらせて口内で硬くなるものにきつく吸い付いた。
「…んっ…」
 加世の行為を眺めていた兵衛が自ら褌の結び目を解きバサリと床に落とした、邪魔な布がなくなったことで加世が深く飲み込むと兵衛は低く呻き喉を反らした。
328加虐愛7:2007/10/24(水) 02:50:54 ID:jE5+lB5+
「…喉も使え」
 そう言うと兵衛は加世の髪を鷲掴み激しく前後に動かした、
「んっ!んふぅ―!」
 加世は喉の奥を突かれ頭を振り逃れようとするが兵衛は構わず動かし続けた。
「んぐ…んうぅ…!」
 掴まれた髪が引き千切れる音が耳の中に響く、激しい嘔吐感に加え頭を揺さぶられて加世は意識が朦朧とした。
ひとしきり行為を繰り返すと兵衛は加世の口からそれを引き抜いた、溜まった唾液が根元に垂れ妖しく光った。
「ふん、下手くそめ」
 そう吐き捨て投げるように加世を床に倒した。
「きゃっ…」
 腕を拘束された加世は受け身をとることもできずしたたかに体を打ち付ける、
「あぁ、まだ足があったか」
 兵衛はぼそりと呟くと加世の片足首を掴み引き寄せた。

膝裏を持ちM字に開かせるとその中心はしとどに濡れて股縄に湿らせていた、
「もう濡れているぞ、何を考えていた?」
 兵衛はにやつきながらそこに視線を注ぐ。
「ぁん…佐々木様…、早く来て下さい…我慢できない…」
 加世は息を荒げねだる、縄に絞られた乳房の間から潤んだ目で下方を見ると兵衛が片足を延ばして刀を一振り引き寄せた。
329加虐愛8:2007/10/24(水) 02:55:54 ID:jE5+lB5+
刀を加世の膝裏に挟ませ縄で膝をぐるぐると縛り体に固定する、器具によって開脚を強制され屈辱的な格好を晒した加世はこれまで感じたことのない奇妙な悦びを感じた。
「良い格好になったな、どれ…犯してやるか…」
 股縄を左右に割ると肉に深く食い込み秘裂も尻の穴も丸見えだ、
「はぁ…あん…、早く…佐々木様ぁ」
 先端を秘裂に当て入口を探りゆっくり挿入する。

――ゆっくり、ゆっくり、一息に満たしてはつまらない、まだだ、まだだ――

三分の一ほどだけを出し入れし入口を掻き回し焦らし続ける、密を溢れさせる穴は亀頭に食い付き奥へ奥へと飲み込もうとしていた。
「やぁん…は…あぁぁ…、もっと奥まで…全部入れてください…!」
 生殺しの快感に耐え切れず加世が声をあげた、
「これでは不満か?…まったく…、どうしようもない淫乱だな、お前は」
 兵衛は刀に手を置き涼しい顔で加世を見下ろしている。
「…どうして欲しいかはっきり言ってみろ」
 そう言うと兵衛は腰の動きを止めた、
「あぁ…やめないでぇ…、もっと…」
330ドS:2007/10/24(水) 03:04:16 ID:jE5+lB5+
一旦ここまで、長くなりそうだ…。
ttp://imepita.jp/20071024/093710
331名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 09:10:34 ID:dLV8rfZp
ドSさまがいらっしゃった―wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
332名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 17:25:53 ID:HLTAtBuc
おぉ〜〜〜ぅ!こりゃすげぇ。
しかも、文章では縛り方がよく分かんないやと思ってたら、親切にも挿絵付きと来たもんだ。

ところで、画像はスキャナとかで取り込みなんですか?
333ドS:2007/10/24(水) 20:41:48 ID:jE5+lB5+
>>332
おぉ、やっぱ挿絵つけて良かった。
絵は写真撮影したやつを載せてます。
334名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 00:47:41 ID:+y+N2uaJ
紙にペンで書いた絵を撮影ですか。
それでも結構きれいに写る物なんですね。
自分も同じ事やった事あるんですが、何かぼやけちゃって。
335名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 04:46:02 ID:o9DAVpyg
太い線だけで描いたやつならぼけないんじゃないかな、此所は絵メインじゃないしあまり気にすることはないと思う。さぁUPしてくれ(゚∀゚)wktk
336名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 04:24:14 ID:Edyldhpl
職人様に、おまかせ・・・します、よ。
337名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 17:06:10 ID:7g1q/lCD
ドS売りさんの続きにwktkしていたら、天秤(擬人化とかじゃなく、ママ)×加世
なんつー電波が降ってきた。道具繋がりだろうか。
338名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 01:18:16 ID:GmZkgtsB
薬売りさぁん早く‥
339加虐愛9:2007/10/28(日) 22:50:14 ID:N+9CEdST
「もっとどうして欲しいんだ…?」
 兵衛は結合部を眺めている、そして今までと違う優しい口調で静かに加世を攻め立てた。
「はぁ…もっと…根元まで…全部入れて下さい…」
 加世は生理的な涙を一筋流しその欲望を口にした、
「それから…?」
 兵衛が腰を動かし再び入口を掻き回す。
「あぅ…んっ!…それから…、沢山出し入れして…奥まで突いて下さい…」
「ふん…このようにか…?」
 加世の体の縄を掴むと入口を混ぜていたものを一気に根元まで突き入れ激しく腰を打ち付けた、
「あひっ…!あっ!あああん!」
「どうだ、こうされたかったのか?」
 加世が歓喜の声をあげ体を反らせる。
「あっ!んぅう…!はい…こうして欲しかったんです…はっ!あんっ!」
 自身を拘束する縄を掴み激しく揺さぶる兵衛を見上げて、加世は自分が兵衛の自慰の道具になった様に思えた。
「はぁ…うっ…、絞まるな…随分と具合が良い…」
 ぶれる視界の中で兵衛がこちらを見て微笑んでいる、刀傷が無数刻まれた体から汗が滴った。
ほどよく筋肉がのった体、薬売りとはおよそ正反対な男の匂いのする愛しい体。
340名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 22:51:43 ID:0dCXdjTf
どSキタ――(゚∀゚)――!!
341加虐愛10:2007/10/28(日) 22:55:29 ID:N+9CEdST
 薬売りは加世を置いていった、人と違いすぎる彼との別れが来るのは分かっていた。
「…相容れん」
 連れて行って欲しかった、たとえ相容れなくとも愛したかった。
そらりす丸で偶然再開し加世の心は乱された薬売りは何もなかった様に加世に接してくる、そんな薬売りに加世は努めて平静を装い明るく振る舞った。
薬売りはモノノ怪を斬るためだけに存在している、彼の心に自分はいないという事を突き付けられた気がして加世は悲しみに満たされていた。

「あんっ!あっ…くぅ…!佐々木様…私の事捨てないでね…はっ、あぅ!」
 加世が絶え絶えに呟いた。
「あぁ…捨てるものか…、お前は死ぬまで俺の女囚だよ…」
 兵衛は自分を求めてくれる側に置いてくれる、只の性の捌け口に過ぎないとしてもそれが嬉しかった。

「あふっ!…佐々木様…、もっと…」

――もっと私を見ていて、もっと辱めて縛り上げて惨めな姿から目を離さないで。
女囚、貴方の女囚。貴方の鎖に繋いでずっと離さないで、ずっと側に居て――
342加虐愛11:2007/10/28(日) 23:00:12 ID:N+9CEdST
「あん…!う…んぅ!もう…果てます…あぁん!」
 加世の腿が痙攣し刀がカチャカチャと鳴った、
「はぁ…はぁ…っ、全部…受け止めろよ…」
 加世の膣が収縮し兵衛のものを締め付ける、血管の浮き出たそれははち切れんばかりに張り詰め熱い精を放つ準備をした。
「あっ!はぁ…あん!佐々木様ぁ…!うっ…あ!くっ…ああぁぁあ!!」
「うっ…、出るぞ…ん…あぁ…っ!」
 掴んだ縄を引き寄せ突き刺す様に律動を繰り返し二人は絶頂を迎えた、そのまま加世の上に覆い被さった兵衛の汗が滴りその水滴の感触に加世の体がビクリと震えた。


しばしの間繋がったまま腰を擦り付けて結合部を混ぜていた兵衛が未だぐったりしている加世に声をかけた。
「加世…疲れただろう?風に当たりに行くか…」
 加世の顔に張り付いた髪を払い優しく頬を撫でる、加世はその手に擦り寄り掌に口付けて答えた。
「…はい」
 身を起こした兵衛が辺りを見渡して何かを探し始めた、
「よし、少し待て」
 加世の中からゆっくりと自身を引き抜き着物の合わせを直すと兵衛は自分の荷物から何かを取り出した。
「…ほら、これも口でしてみろ」
343加虐愛12(異物挿入開始):2007/10/28(日) 23:05:06 ID:N+9CEdST
兵衛が加世の口元に出したのは彼が昼間彫刻していた木の塊、表面が滑らかで先端の丸い棒状の木だった。
「んむっ…!あ…うん…」
 有無を言わせずそれが口内にねじ込まれる、木の香りが鼻に抜け乾いた木が湿った粘膜に引っ掛かった。
「漏れているぞ、締めておけ」
 兵衛の指が加世の膣から漏れ出た自身の精をすくい再び中に押し込んだ、
「ん…ちゅ…、あふ…」
 加世は言われるまま下腹に力をいれて少しだけ差し込まれた兵衛の指に食い付いた。
「そうだ…そのまま…」
 兵衛が加世の口を塞いでいる木の棒を引き抜いた、乾いていた表面はねっとりと濡れて加世の唇から唾液が伝った。
それを加世の入口に当てがい先端を挿入した、
「あっ!嫌…っ!佐々木様…そんな…、あぁ…う!」
「漏れないように…塞いでおく」
 制止を無視してそれを捩じり込まれ再奥まで突き刺さった。
「あうぅ…!んっ…太い…きついです…うくっ!」
 兵衛のものより太い木の棒は加世の膣を限界までおし拡げ精の流出を止どめた、異物を咥えこんだそこは卑らしくひくつきさらなる行為を望んでいるようだった。
344ドS:2007/10/28(日) 23:10:54 ID:N+9CEdST
今日はここまで。
モノノ怪パネル展によると佐々木は全身刀傷だらけらしい。
345名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 12:54:59 ID:3ubTfzTE
ここって結構男性向けっぽいSSが多いけど、
エロ薄め、心理描写多めの乙女向きSSは需要無いのかな?

ちなみに薬加。
346名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 12:55:58 ID:TbvFZxld
щ(゚д゚щ)カモーン
347名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 14:29:59 ID:MzyYD6Op
加世総受けだなw
ちなみに旧化猫見た時は、加世は小田島とくっ付くのかと思った。
348名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 16:14:31 ID:ODzKyabO
あげとく
349名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 18:12:01 ID:nL5K/F6C
>347
思ったw

加世好きだけどもっと女がいればなあ。
こんなノリのモノノ怪読んでみたいと思った自分は間違ってるか。
http://annex.s-manga.net/oshitone/
350名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 18:23:55 ID:Wd55mMKr
そこで女体化ですよ
351名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 18:55:13 ID:3ubTfzTE
女体化って数字の一種だと思ってたんだけど、
ノーマルに分類されるものなの?
352名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:00:18 ID:a8bWYugn
おしとねてんぜんの柳生 列桃って男なの?
353名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 20:58:24 ID:dUy4702R
ぬこ×たまきとか。
354名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 21:34:03 ID:LHzJIpXH
屏風の前でウフーンアハーンしてた瑠璃姫とそれを覗く半井をねっとり詳しく描写とか
355名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:00:25 ID:d7M92+M2
前に洩らした天秤×加世+薬売り、本番なし。
>>345の言う乙女向けになる……のかな?
356天秤×加世1:2007/10/30(火) 22:02:58 ID:d7M92+M2
 ちりん、と鈴の音が聞こえた気がした。
 夢の中で、加世はその涼しい音を懸命に手繰り寄せようとする。
 なんだかとても慕わしい。どうしてだろう。どこで聞いたんだったろう。

 ――ちりん。

 聞いたのはつい最近だ。そう、確か、くすり、うりさんの――



 ちりん。



 加世はぱっと目を開ける。目の前を極彩色の天秤がひらひらと舞っていて、
思わず叫びそうになった。ひゅっと息を吸い込んだ口を、しかし横から伸びた
手が即座に塞ぐ。
「しぃーっ」
 何事かと余計に驚いた加世は、手の主を認めてようやく息を吐いた。大丈夫、
と目だけで頷くと、そろりと白い腕が離れた。独特の化粧を施された顔は夜目
にも白く浮かび……あれなんか明るい?
「どこここぉーーーっ!?」
 布団からはね起きた加世の隣で、注意をあっさり無視された薬売りが顔を
片手で覆う。その背後は玉虫色にぼんやりと光る霧がたゆたい、刻々と色を
変えながら混沌と渦巻いていた。天も、地も。天井も床もありはしない。どこ
とも知れぬ空間に、布団と天秤と二人だけが浮かんでいる。
「ぅぎゃあああっ!? 落ちるぅぅぅぅっ!!」
 加世はひしと布団にしがみつく。視覚に惑わされて五感が浮遊する。とっさに
目を瞑りしばらくそのまま硬直していたが、やがて、そろそろと手を離した。
「……落ちない……?」
「落ちやせんぜ」
 一連の一人芝居を一から十まで冷静に眺めていた薬売りに至極真面目に
頷かれて、加世はかえって身の置きどころをなくした。あはは、やーねもぉ、と
誤魔化し笑いを浮かべつつ、何の気なしにまじまじとした視線の先を辿って、
今の自分の格好に気がついた。
 あたりまえだが起きるまでは布団で寝ていたわけで。
 つまり自分は夜着一枚で。
「きゃーーーーーっ!?」
 結構本気で叫んで薄い掛け布団をひっぺがし、慌てて身に巻きつける。
いや、しかし男の前で布団にくるまっているというのは嫁入り前の娘として
どうなのだ。しかも相手まで夜着だけで、頭巾もなければ髪まで下ろして。
憎らしいほど綺麗な顔が、静かにこちらを見ている。
357天秤×加世2:2007/10/30(火) 22:04:44 ID:d7M92+M2
「……ムッツリ助平」
 八つ当たりを選択すると、薬売りは軽く眉を上げた。
「まぁ……否定はしませんが、ね……」
「否定してよーっ! 嫌なら指一本触れないとかなんとか!」
「噺売りの語る男を、真に受けちゃあいけませんぜ?」
「わかってるってそれくらい! いいじゃない夢の中だもの!」
「……夢、とは?」
 面白そうに繰り返した薬売りに、加世は少し怯む。とっさに脳裏をよぎった
のは荒れ狂う化け猫の唸り声だった。恐怖をさっぱり拭い去るには、あの
事件からまだ日が浅すぎる。思わずあちこちを見回してしまう。
 うたかたの、幻のような光景。
「夢……でしょ? アヤカシがいるんだったら、薬売りさん、そんなのんびり
してるわけない、よね……?」
「アヤカシとモノノ怪は……いや、まぁ、いいか。
 確かにこいつぁアヤカシやらモノノ怪やらの類じゃないが……夢でも、ないんですよ」
 一番怖い可能性を否定されれば、加世の顔にはあっさりと笑顔が戻る。
ぱたぱたと小さな手を振った。
「まったまたぁ〜。こぉんな変なトコ、普通にあるわけないじゃないですかぁ〜」
「普通なら、ね……」
 薬売りが指を差し伸べると、ちりん、と天秤がその先に止まる。くるくると回って、
ぴたりと動きを止めると、加世を見上げた。一礼に、加世も会釈を返す。
「ここは……薬箱の中、です、よ」
「薬箱……って、あの、いつもの?」
「そう。ご存知ありませんかね……。ほら、猫型自動絡操が四次元懐を
持っているじゃあ、ありませんか。あんなもので」
「それは絵双紙の話でしょー?」
「ものの喩え……って奴です、よ。ともあれこいつが、思った以上に加世さんを
気に入ってしまったようで、ね……。褒美を寄越せと、実に煩い」
「ほーび?」
「滅多に言うもんじゃないんだが、一度言いだすと頑固でいけない。挙げ句、
加世さんを引っ張り込んじまった」
 ふぅん、と加世は天秤を覗き込んだ。
「つまり……あたしから何かご褒美が欲しい?」
 ちりん。
 小動物が飼い主を伺うような動きを見て、加世は笑み砕ける。かわいー!と
叫んで頬ずりしたいくらいだ。
 満面の笑みで加世は頷いた。
「いいよー、天秤さんも頑張ったもんねぇ。なんでも欲しいものあげ――」
 る、と、音は喉の奥に消えた。
358天秤×加世3:2007/10/30(火) 22:06:32 ID:d7M92+M2
 口づけられたのだ、と理解したのは、薬売りが顔を離して飄々と
「それでは有り難く」と嘯いてからだ。
「誰があんたにやると言ったーーー!?」
「いや、俺はもののついでで」
 主役はこちら、と示された天秤がひらひらと飛んで、何時の間にやら
鈴と持ち替えたボンボンで加世の頬を掠めるように撫でた。
 別の一基が布団を押さえた指に止まると、何かを訴えるように左右に
大きく振れる。
「脱いでくれ、だそうです、よ」
「え、えええええ!?」
「それじゃ俺は寝ますんで。どうぞ、ごゆっくり」
「いやー! ちょっと待ってぇー!!」
 ふわふわとした感触がうなじを撫で、唇を滑る。意図するところは明らかで、
加世は混乱した。
 お屋敷で奉公などしていると、色恋沙汰に巻き込まれることもある。
先日否応なしに経験した事件などもっと酷かった。色欲に蹂躙されたあの人も、
ネコも、とても可哀相で。恐くて、悲しい。
 だがまさか無生物に求められるなど、一体誰が予想するだろう。
「いやあの、そういうのちょっと困るって言うか、待てこら寝るな薬売りー!」
 ごろんと何もない空間に横になった薬売りは、億劫そうに頭をもたげる。
「そう気にすることもない。夢ですから、ね」
「夢じゃないってさっき言ったでしょー!? ……んひゃあっ」
 うなじから滑り込んだ天秤が、ひんやりと背中を下りていく。あんな見かけに
反して肌に引っかかりもしない。心得でもあるのか。なんのだ。
「なんでも、と言ったのは加世さん、ですよ」
「言った、けどぉ……っ!」
 くすぐったさに身をよじると、手元の緩んだ隙に胸元にも天秤が滑り込む。
目線で追えば何時の間にかその数が多い。一基、二基――背中にいるのも
含めて五基か。慌てて取り押さえようとするが、ちょこまかと指先をすり抜けて、
入れ替わり立ち替わり飛んできては片翼に器用に袷を引っ掛ける。
襟元を押さえれば裾を割り、裾を引っ張ればもう帯まで手が回らない。
「や、だから、薬売りさ……ひゃっ、ね、寝ないでぇっ、あ、」
「ほぉう?」
 薬売りがちらりと笑う。
「そいつぁつまり、俺に見ていて欲しい……と? また、加世さんも随分な好き者だ」
「やっ……違っ、ばかぁっ!」
 声が上擦る。一筋、二筋ほつれた髪、上気した頬、乱れた夜着から覗く
鎖骨や脚―――、まさしく、あられもない姿を、見られて、いる。
 自覚して心の臓が暴れだした。まともに呼吸ができない。恥ずかしい。怖い。
苦しい。
「ヤダぁ……っ!」
359天秤×加世4:2007/10/30(火) 22:10:29 ID:d7M92+M2
「どうしても……厭、ですかね」
「あっ、い、……いや……っ」
 かろうじて胸元をかきあわせ、力なく首を振ると、薬売りはようやく
起き上がって人差し指を伸べる。
「だ、そうだ。諦めろ」
 イヤイヤをするように天秤が揺れたが、見合うことしばし、無言の圧力に
天秤が負けた。ぴょいぴょいと順番に薬売りの人差し指を踏んで、どこへ
ともなく散っていく。最後の一基だけが、加世と薬売りの間に降り立つと
くるりと回った。ボンボンが鈴に戻ると、薬売りは黙然と加世の方を示す。
圧されるように天秤が頭を下げ、そのまま戻らない。何かしょぼくれている
ようだ。翼の下の研磨された青緑の玉が、涙のように光る。
「……と、反省しているようなんで、許してやっちゃもらえませんかね」
 途中まで放置していたクセに、厚かましいとしか言い様のない薬売りの
言葉だったが、しゅんとした小さな背中を見続けるのは忍びない。想いは
受け取れないけれど、怒っているわけではないのだ。もちろん嫌いなわけ
でもない。
 加世は簡単に袷を整えると、そっと天秤の前に手を出す。おいで、と呼べば、
ちょんと指に乗った。蝶のような体に唇を寄せる。
「……これで許して?」
 赤い目を伺うと、天秤は大きく頷いて浮かれたように跳ねまわり、ちょんと
薬売りの背後に控えた。あとはもう、ぴくりとも動かない。
 しばしの沈黙。
「……さて」
 薬売りが加世へ視線を戻した。その目に自分が晒した姿を思うと、こうして
薬売りの前に座っているのがいたたまれない。もう今すぐにでも帰りたい。
煤けた宿の一室で、やれやれとんだ夢を見たと息をついて、今度こそ朝まで
ぐっすり眠るのだ。
「あれの用件は片づいた。次は加世さんの番……ですよ」



薬×加世につづく
360名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:15:48 ID:LHzJIpXH
天秤かわいいよ天秤
361名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:39:45 ID:IY2VC5XL
>猫型自動絡操が四次元懐を
噴いたw

天秤責めって何か新ジャンルだなw
軽くて助平な薬売りもいい
続きはないのか…わっふるわっふる!
362名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 22:44:20 ID:+UDZ7trN
同じく猫型自動絡操でワロタw
薬売りが最後まで寝てるままで終わるのかと思ったので、更にワロタw
363名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 23:28:46 ID:3Pny576T
>>341
ドSさんそんな設定も用意してたんすね。
スバラシイ。
続き待ってます。
364名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 00:09:24 ID:mPwCO9Cb
>>356
天秤と加世ってどうなるのか、と思ったら何とも愛らしい話でGJ!!
薬売り×加世につづく、という言葉に期待。

>>345じゃないけど自分も乙女向きに挑戦しようと思ったが、エロ部分がユルく、
これじゃあここには投下できないとブログを借りてアップするも、
エロなしOKなんだったら面倒なことせず投下すればよかったと後悔中orz
365名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 14:21:39 ID:uyXedoYj
わっふるわっふる(*゚∀゚)ー3
366名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 18:24:12 ID:41wh00QF
うっかりうっかり(*゚皿゚)ー3
367名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:43:15 ID:OISP2M8y
ちょw 退魔までw
ナニを解き放ったのやらwww

>>364
釣られクマー!
……捨てアド晒すんでブログのアドレス教えてくださいお願いしますorz
メ欄だと何故かはじかれるので直書きだけど……
monokaifor2*yahoo.co.jp
368364:2007/11/01(木) 00:02:56 ID:mPwCO9Cb
>>367
こっちにも何とか投稿しようかと思ったけど、あまりにも長くなりそうで
かえって迷惑だからブログのアドレス張っておきます。期間限定予定だから気にシナイ。
というかわざわざ反応してくれる人がいるとは思わなかったです。有難う。
折角だから今からもう1本更新します。

アク解憑いてるから嫌な人は注意してね。
http://ayakashibayashi.blog105.fc2.com/
369名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:50:46 ID:y8lj/kIY
>>368
367ではないけどサンクスこ
普段エロパロ板のSSぐらいしか読まないんで
ブログでじっくり読むのは新鮮だわ
今後も楽しみにしてる
370367:2007/11/01(木) 23:26:52 ID:CSQ49ty1
>>368
ありがとう! ありがとう! 美味しくいただきつつ続きをwktkして
待ってます。

わっふるをいただいて、ビビりながら続き投下いきます。
もはや乙女向け以外の何ものでもない。
薬売り×加世+ちょびっと天秤。エロありと言っていいのか悩む……。
371薬×加世1(天加続き):2007/11/01(木) 23:28:58 ID:CSQ49ty1
「……あたしの?」
 思ってもみなかったことを言われて、加世は顔を上げる。
「だって……天秤さんがあたしをここへ呼んだんでしょう?」
「だが、応えたのは加世さんだ。呼び掛けが聞こえるだけの下地があったの
でしょう。そちらの用件も片づかないと、ここから出られない」
「ええーっ。そんな、用事なんてないから、もう帰してください」
「それを決めるのは俺じゃない。加世さん、ですよ」
「そんなぁ〜。明日も朝早いのに、困ります」
「俺も困る。お互い様です」
 ぷぅと膨れた加世だったが、薬売りの表情が変わらないのを見ると、
腕を組んで考え始めた。
 用事……用事。なんだろう。何か気になっていたことがあったろうか。
「……あ」
「何かありましたか」
「んー、えっと、今思いついただけなんだけど」
「どうぞ」
「手、だいじょうぶですか?」
「何の」
「薬売りさんの」
 淡々と問いを放っていた薬売りの顔が、一瞬、素を晒した気がした。
「……俺の?」
「うん。ほら、化け猫を抑えるときに、血、出てたでしょう」
 その後に起こった事々の印象があまりに強烈で、加世がそれを思い出した
のは薬売りが屋敷を去ってしばらく経ってからだった。モノノ怪祓いの後、
特に痛そうな素振りも見せなかったから気づかなかったのだろうが、傷跡が
どうなっていたかどうしても思い出せず、片手では手当てもしにくかろうと
しばらく気にしていた記憶がある。
「手、やられたら薬擂るのも大変でしょう?」
「ああ……成る程、ね」
 薬売りはどこか苦笑する風情だった。
「御陰様で、なんともありゃしませんよ。……俺みたいなのの傷の心配とは、
加世さんも大概変わった人だ」
「何言ってるんですか。人が怪我してたらそりゃ心配くらいしますよ」
「そうですかね?」
 あっさりと言ってのけた薬売りに、そういえばこの人はあの男(ご隠居様などと
断じて呼ばない)に『あんたが殺されようが、殺されまいが、知ったこっちゃない』と
言い放ったのだった、と思い出す。
 己が身の生き死ににも無関心そうだな、と思ったら、何かいきなり心配になった。
「本当に治ってますか? ちょっと右手見せてください」
372薬×加世2(天加続き):2007/11/01(木) 23:30:48 ID:CSQ49ty1
「故無く人を疑うのは、感心しませんね……」
「いいから出して!」
「はい、はい」
 とぼけたような声音で出されたてのひらを両手で受け取って、加世は
丹念に表面をなぞる。
 親指の腹を辿って、残りの四指を開く。閉じないように己の指を絡ませる。
傷ひとつ見落とすまいと顔を近づけ、指でも確かめていく。
 自分と違って白過ぎるほど白い膚、そこに赤い色が見えないことに
ほっとした。長い指、形のよい爪。でも少し節くれ立っている辺りは男の手だ。
水仕事が当たり前の自分はもちろんだが、薬売りの手も少しかさついている。
薬を扱うのに、やはり水を使うのだろうか。それとも別の理由か。染みついた
薬の匂いは渾然として、甘いような、苦いような、独特の温(ぬく)みを感じさせる。

 この温度が、失われてしまうのは、いやだ。

「……死なないでくださいね」
 ―――思い出した。
 黄色いお札に守られながら、赤黒くうねる化け猫の中へ、鮮やかな着物が
呑み込まれていった瞬間、胸をぎゅっと握り潰されたような気がした。
 死への恐怖―――だったかもしれない。
 彼が失われてしまったら、もはや荒御霊から逃れる術はない。死にたくは
なかった。ましてやあんな、潰され壁になすりつけられるような、無残な死に様は。
 保身のための勝手な願いだったかもしれない。
 けれど、生死の狭間で強烈に刷り込まれただけの感情なのだとしても、
この人が死ぬ様を想像することは、心の底が震えるほど冷えるのだ。
 祈るように長い指を握り締めると、ふ、と息をつく気配がした。
 空いていた薬売りの左手が伸びてくる。やんわりと加世の両手を包んで外した。
そのまま自由になった右手で加世の頬を滑り上げ、耳朶に触れる。軽くくすぐり、
人差し指と親指でふにふにと挟む。
「……薬売りさん?」
「据え膳は遠慮しない質(タチ)なんでね……」
「は」
「なに、嫁に行けないような体にはしませんよ。やりようは幾らもある」
「え、ちょ」
 何か体に強い力がかかったかと思ったら、肩を抱き寄せられ唇に柔らかい
ものが触れていた。
 既視感。
 ―――てゆーか今日二度目だし!
 はたと我にかえって振り上げようとした手は、二人の体に挟まれて行き場がない。
 二度、三度と啄まれるうちに肩の手は頭の後ろを支え、耳たぶをくすぐって
いた方は再び頬を通って顎を掴む。本格的に狙いを定めた目で、薬売りが
口調だけは優しく囁く。
「……目を、瞑ってもらえませんかね」
「や、ちょ、ひっ、人の唇なんだと思って……!」
373薬×加世3(天加続き):2007/11/01(木) 23:32:59 ID:CSQ49ty1
「柔らかいですね」
 真顔で返されて、加世は絶句した。如何と訊いてるんじゃない!と
叫んで突き飛ばしてやりたいのに、言葉がうまく出てこず、金魚のように
口をぱくぱくさせる。
「厚みがあって大層具合がいいですよ」
 露骨な言葉を向けられて、急速に現実感が襲ってくる。
これは―――これは。今の状況は。
 どん、と1回大きく波打った鼓動はもう弱まらない。体は座っているのに、
疾走しているよりも強く速く。みるみる顔が熱くなる。いくら地黒でも色が
変わったのが見て取れるのではないだろうか。たとえそうならずとも、
触れた箇所から確実に伝わる。
「こちらの案配もよさそうですねぇ……」
 薬売りがそんなことを呟きながら顔をずらし、
「んひゃあっ!?」
 耳を食まれて、加世がのけぞる。
「ほら、ずいぶんと柔らかい」
 囁きが産毛をかすめて行き過ぎる。背すじから腰までがざわついて、
肌が天秤にくすぐられた感触をまざまざと思い出す。
 ―――見られた、ことも。
「くすり、うり、さ……」
「厭では……ないでしょう?」
 その自信はどこから来るのだと問うてやりたい。だが、事実加世は首を
振れずにいる。せめてもの意地で、絶対に頷いてなんかやらない、と心に
決める。
 促されて瞼は閉じた。上から闇が降りてくる。
 また唇が重なった。加世の体に回った腕に、力がこもって、強く
抱きすくめられた。鼻の奥がつんとする。泣きそうだ。
 加世さん、と囁きを聞く。下唇を甘噛みされた。なぞるように唇が行き来して、
熱く舌が絡む。ざらりとした感触がこすれあって甘い。呼吸を盗まれて頭が
朦朧とする。闇が深くなって熱ばかりが肌を占めていく。
 手探りで薬売りの背中を辿っていくと、指先に柔らかな髪の感触がした。
鉤の形にした指で何度も梳いていると、その手を取られた。熱く湿った感触。
 うっすら目を開けると、薬売りは一心に加世の指を舐めていた。猫みたい、
と思う。吸いつかれると体の奥がぞくぞくして、じんわりと潤む。
 熱に浮かされたように、つながった手を引き戻して、今度は加世が薬売りの
親指を含む。猫になるなら―――記憶の中の傷を舐めよう。癒すことは
できなくとも。
 口の中で指を転がし、吸い、時折軽く噛んで、唇にあてがわれた次の指を
また舐める。空いた手で背中を撫でてもらうのが気持ちよかった。
 腕を引かれるまま、布団に倒れ込んだ。薬売りの手が夜着の裾を割る。
踝からふくらはぎ、膝の裏をくすぐられて、あ、と声が洩れた。のけぞった
視界の先に、天秤の色がちらりと映る。
374薬×加世4(天加続き):2007/11/01(木) 23:36:02 ID:CSQ49ty1

 ―――ちりん、と鈴の音を聞いたあのとき。
 会いたい、と、思った。
 だから―――この人は此処にいたのだ。天秤が呼び、加世が応えた
だけなら、きっとこの人は此処にいなかった。
 夢だろうか。現実だろうか。朝になれば、すべて消えてしまうのだろうか。

 ちょい、と薬売りの指が差し招いて、天秤が空を滑ってくる。肌蹴られた
胸元に降り立って、ふわふわしたボンボンで薄い肌をあますところなく
くすぐっていく。くすぶっていた快楽が喉を溢れて嬌声を生んだ。
 薬売りの手は太腿の柔らかさを楽しむように何度となく行き戻る。軽く
中心に触れては加世を焦らす。涙がこぼれた。慰めるように天秤が
拭ってくれはするが、後から後から、溢れて止まらない。やがて薬売りの
舌がそれを舐めとって、幾度目かの口づけと共に強く陰核を擦りあげられた。
白く灼かれながら、体が硬直する。
 虹色に光りながら、空間が収縮した。




 ちりん、と暗闇の中に天秤の鈴の音が響く。気遣わしげに、主の様子を伺うように。
「泣いちゃ、いませんよ……そんな、いい年して」
 気怠げに髪をかきあげ、薬売りは改めて己の手を見下ろす。
「爪でも、伸ばしましょうか、ね……」



 ―――ちりん。



   おわり



薬売りセクハラ大爆発。
中途半端なエロでごめん(´・ω・`)
375名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 00:29:40 ID:XD+t+lUp
薬売りと天秤と加世の面子で3Pかます勇者っぷりに乾杯!w
376名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 13:47:30 ID:UHUzt4S0
天秤まで参加には驚いたけど、最後、なんか切な…
続きあるようなないような。でも期待。
377名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 15:33:11 ID:IVoODna5
続き期待続き期待続きお願いします(**´Д`**)
378名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:28:13 ID:S9y/JI6L
しっとりエロくて良かったぜ
天秤も活躍してるしw
しかし天秤×加世の流れからこんな切ない話になるとは思わんかった。
379337:2007/11/03(土) 23:50:17 ID:zDQITWie
以降投下時は最初のレス番で統一しようかと思います。

ところで読み返したら意味不明な文があったんだ。
あれだけ何度も読み返したのに……orz

× 黄色いお札に守られながら〜(ry

○ 黄色いお札に守られながら、赤黒くうねる化け猫の中へ、鮮やかな着物が
呑み込まれるのを見た瞬間、胸をぎゅっと握り潰されたような気がした。

どっちにしろわかりにくい文章orz 精進します。

〆たつもりだったんでこれ以上何を書けばと悩んだんだけど、
一晩寝て起きたらプロットが出来てた不思議w
全体で薬加を進めつつ、各話のゲスト話を別に書いていけたらと
思っている。次はさと(若)陵辱話予定。もうちょっと待ってください。

ついでに小ネタで今回のボツ案を落としていく。次のレスでどぞー。
380薬加ボツ案:2007/11/03(土) 23:58:40 ID:zDQITWie
「呼び出しの駄賃ぐらいは、いただきましょうかねぇ……」
 ちょんちょん、と薬売りは自分の唇を示す。何を、と問い掛けようとして、
その意図が閃いた。
 ―――口づけろ、と。
「なっ、そ、厭ですそんなの! だっ、大体接吻ならさっき無理やりして
きたじゃないですか!」
「ありゃあそんな色気のあるもんじゃないんですがねぇ。言霊―――言葉が
真を持たないように、あくまで親切で止めたんですぜ? ……余計な
お節介でしたかねぇ……」
 嫌みったらしく言って、ちらりと制止している天秤に視線を流す。加世は
思わず体をかたくしたが、さっきので本当に満足したのか、天秤はまったく
反応を示さなかった。ほーっ、と胸を撫で下ろす。
「不問にしてあげます! それでいいでしょ!?」
「駄目ですね」
薬売りはにべもない。
「あれには、加世さんから、したじゃあないですか」
 何を細かいことに拘っているのだこの男!
「薬売りさんて……」
「ん?」
「ねちこい」
 半眼で言うと、薬売りが動きを止めた。勢いに乗って加世は続ける。
「せこい」
「…………」
「みみっちい」
「…………」
「そんなんじゃ女の子にモテないんですからねーっ、だ!」
「……ほぉう……。それで言いたいことは終わり、ですかね……?」

→がばちょ、となるはずだった。
381名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:08:58 ID:ObWeS4iw
可愛いじゃねーか二人ともwww
新作も期待してるよ
382名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 01:53:04 ID:4MCJG0nc
がばちょw

若さと話に期待
昔のさとってかなり美人だよな
スタイルも良さげだし

383加虐愛13(穴ル開始):2007/11/04(日) 03:39:33 ID:Bqh4Rr70
「加世…こちらの穴は使ったことがあるか?」
 兵衛が股縄によって晒された加世の菊門を指の腹で押した、
「ぅ…んっ…、使う…?何にですか?」
 加世はきょとんとして兵衛を見上げている。
「知らないのか……?では俺が教えてやる…」
 兵衛は嗜虐的な笑みを浮かべると漏れ出た蜜を指と菊門に塗り付けた、指先でそこを揉まれて最初は大人しくしていた加世の表情が変わり不快そうに体を捩った。
「佐々木様…何だか、変な感じ…ぅん…」
 粘液に塗れた菊門がひくつき僅かに口を開けた、
「力を抜け」
 そう言うと兵衛の小指の先がぷつりと菊門に侵入した。
「ひっ…!嫌…!おやめ下さ…あぁっ!」
 暴れる体は押さえ付けられ先端だけ入っていた指が根元まで押し込まれた、初めて異物を受け入れた菊門は兵衛の指をどこまでも締め付け外へ排除しようとしている。
「…きつい」
 想像以上に狭い穴を傷付けないようゆっくり出し入れし緊張をほぐす、
「あうぅぅ…、く…んんっ…!」
「大人しくしろ、動くと傷が付く」
 兵衛に威かされた加世は暴れるのを辞めた。
384加虐愛14:2007/11/04(日) 03:42:21 ID:Bqh4Rr70
未知の行為による恐怖と違和感から緊張していた筋肉が徐々にゆるみ始める、すかさず出し入れしていた指を円を描く様に掻き回し締め付ける穴をこじ開けた。
「んぅ…くっ…はぁっ…」
 悪寒が体内を駆け巡り冷たい汗が背中から滲んだ、反射的に下半身の筋肉が動き尻を締めるが兵衛の指をやわやわと食むばかりだった。
「…だいぶ柔らかくなったな」
 兵衛は菊門の具合が変わったのを見届けると懐からもう一つ木の棒を取り出した、先程のものより一回り小さく太さも兵衛の親指程しかない。
 それを口に含み唾液をたっぷり塗り付けると菊門から指を抜き口を開けたそこに押し付けた、
「あ…!うぅっ…嫌だ…!そんな…入らないです…!」
 体を引いて嫌がる加世を捕らえて無理やりにねじ込むと棒の先がメリメリと菊門に割り込み一気に突き刺さった。
「……っ…!」
 加世の息が止まり筋肉がぴんと張って動きが止まった、大きな目は見開かれて涙が溢れている。
「…力を抜け、切れていないから大丈夫だ」
 兵衛が安心させようと加世の顔を覗き込み頬の涙を拭った。
385加虐愛15:2007/11/04(日) 03:46:35 ID:Bqh4Rr70
惨たらしい行為を成している本人とは思えないほど優しげな兵衛の顔を見つめ返して加世は小さく頷いた。
「…んっ……」
 加世は目を閉じて全て受け入れる、体を貫く痛みも兵衛からのものだと思うと愛しく感じた。


陰部に挿さる二本の棒が抜け落ちないように股縄を当て膝に巻き付けた縄を解き下肢を解放した、膝に挟んでいた刀には加世の体温が移っていた。
「立てるか?」
 兵衛に手を取られ加世がヨタヨタと立ち上がろうとしている、しかし拘束されていた足は痺れているうえに陰部に異物が挿入されているため膝立ちのまま動けずにいた。
「…あ…ぅ、無理です…」
 加世は膝立ちの体制で震えている、
「仕様がないな、俺が運んでやるか」
 布団に敷くはずの大きな白い布をはぎ取りそれを加世にかけて体が見えないように前をぴったりと閉じた、
「…あ…、きゃあ!」
 突然兵衛に抱き上げられ加世が悲鳴をあげた、

「さてと、甲板にでも行くか」

この言葉を聞き加世の背中が凍った。
「やめて…!嫌です!私…こんな格好…!!」
386ドS:2007/11/04(日) 03:55:58 ID:Bqh4Rr70
一応ここまでで前半終わり。
今日俺は此所で天秤萌えという新しいジャンルを発見した。
387名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 12:23:08 ID:oAT6GC8F
ドS様キター!
てまだ半分w 盛りだくさんですなw
次は公開羞恥クルー?

ところで、江戸って銭湯とか混浴じゃなかったっけとか、
春画とかって実際どんなだとかググってみた。
……なんかすげぇ。江戸深いよ江戸。
388名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 11:57:08 ID:VvTI0OQK
スレ的には動きはないけど、職人さんは頑張っておられるのだろうと
信じてエールを送ってみる。ファイトーーー

上のブログは今日は中々エロかったな
389名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 15:55:52 ID:vQFDckwk
いっぱぁ〜つ?
337だけど、今夜落とすよ。残業になりませんよーに!
390名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 16:48:10 ID:sxiyRKuh
天秤+薬売り×加代の人!?(*゚∀゚)ー3
391337:2007/11/07(水) 21:22:46 ID:OhXZdnQH
あい、天秤の人です。むしろこっちをコテハンにしたほうが
わかりやすい……?

シリーズ名っぽいのも決めました。
前回のは『後(のち)の事語り〜化猫〜薬売りと娘の事』、
今回のは『前(さき)の事語り〜化猫〜さとといふ女の事』
……そのまんまですが。

若さと陵辱メインなので苦手な方はご注意お願いします。
392前の事語り〜化猫〜 1:2007/11/07(水) 21:24:48 ID:OhXZdnQH
「加世!」
 坂井家の台所に、険のある声が響く。昨今の娘らしい、俗っぽい柄の
帯がびくりとはねた。
「さ、さとさん……」
「有田の皿を出すように言っておいたろう! まったくあんたときたら―――
塩野のお遣いがもういらっしゃるって言うのに、何をぐずぐずしてるんだい!」
「いえ、その―――」
「言い訳はいいからさっさと行っておいで!」
「……はぁーいぃ!」
 投げやりな返事をして、加世はぱたぱたと勝手を出ていく。無駄飯食らいが、
とさとは小さく吐き捨てた。
 あの娘はつくづく気に障る。
 何も知らない小娘が、自分ばかりお綺麗な顔をしやがって。
 ぶつぶつと口の中で毒づきながら、さとは茶を淹れる準備を整える。
 娘の時分にゃあたしにだって、それなりに持ってるもんがあったさぁね。
 平穏な日常、多少の退屈、ささやかな不平不満。それでも明日という
ものへの不安も抱かず、いずれは今よりずっと幸せになれるものと、漠然と、
でも確かに夢見ていた。
 今となっては若さも失い容色も衰えて、険のある顔でぴりぴり怒鳴り、
主人の顔色を伺って惨めに毎日這いつくばっている。まさかこんな有様に
なろうとは、露ほども考えなかった。
 あんたもいずれそうなるんだ、とさとは加世を心であざ笑った。
 いや、どうだろう。何分にもあの娘はあまり良い器量とは言えないから。
いい年をして子供のようにむくれるし、ばたばたと忙しない動きは品がなく、
色気のいの字も感じられない。
 あたしがあの娘の年には、道を歩けば男衆が次々振り返るほどだったのに。
あの娘にはそんな芸当、逆立ちしたってできはしまい。
 はン、とさとは鼻で笑って、膳を抱え立ち上がった。


    *    *    *    *
393前の事語り〜化猫〜 2:2007/11/07(水) 21:27:54 ID:OhXZdnQH


 お止めください、と娘が叫ぶ。坂井の2人の男はよく似た顔で笑い声を
たてると、それを追いつめにかかった。
 世間知らずで傲慢な、愚かな娘だ。
 それなりの商家で育てられたものの、所詮は商人ふぜい。人が崇める
のは金―――それも親の金であって、己自身でないことに気づかない。
生意気でしかない頭を利発と思いたがい、かしましい口をきく。自惚れと
見栄でできた卑しい性根、ためしに少し豪華な衣服を与えてやれば、
当然のような顔をして身に纏い、紅をさして己を誇る。周囲を見下して
かかるさまは滑稽の一言だ。とさかを振りたててやかましく鳴きわめく鶏と、
ほとんど変わるものではない。
 そんな鶏ごときの、見目かたちだけでも認めてやろうというのに、
娘は半狂乱で逃げ惑う。
 まぁ、それを躾けてやるのも飼い主の務めだ、と男らは嗤う。根拠の
ない矜持をへし折って、涙ながらに赦しを請わせるのも、また一興という
ものだ。
 逃げろ逃げろ、と男らは口々に囃した。お止めを、と眦をひきつらせながら、
娘は青い格子の中をぐるぐると駆ける。金糸を織り込んだ帯がひらひらと
揺れた。どうせなら枝垂れ金のついた簪もつけさせればよかったか。
しゃりりしゃりりと悲鳴をあげて、狩りの気分を一層盛り立てたろうに。
 二手に分かれて左右から迫ると、獲物は円の真ん中をつっきろうとした。
そろそろ追いかけるのにも飽きてきたところだ。鮮やかな色留袖の裾を
踏みつける。娘が悲鳴をあげて転がった。腕だけで必死に這いずり続け
ようとするが、距離を詰めるほうがよほどに早い。
 つんのめって無理に引かれた皺寄せは襟元にあらわれ、白い首と肩を
剥きだしにする。乱れた裾から長襦袢と足袋、それに細い脚がわずかに
覗く。なかなかに好い姿だ。
「お止めを……いやぁ!」
 振り回す腕を捕らえ、暴れる脚を押さえ込む。必死で寛恕を願う声が、
なんとも耳に心地よい。男らはべろりと舌なめずりをした。なす術なく
嬲られる獲物は、いっそ愛おしい。
「そうよなぁ……」
 くく、と男は笑った。
「許してやってもよいが……」
「お願い致します!」
 娘は即座に餌に食いついた。なんと他愛無いことか。男らは忍び笑う。
ゆっくりと、次の札を開いてみせる。
「……その代わり、お前の実家は、只では済まんぞ」
 組み伏せられた娘が、はっきりと目を見開いた。
「―――何を仰います!?」
「主君が可愛がってやろうと言うに、恐縮し勿体ないと固辞するならいざしらず、
手前勝手に断ろうというのだ。娘の躾もろくろく出来ないで、まともな商いが
出来ようか。何ぞ害の出ぬうちに、手を打つのも坂井の務めというものよ」
394前の事語り〜化猫〜 3:2007/11/07(水) 21:30:01 ID:OhXZdnQH
「本来この場で手打ちにされても文句は言えぬのだがのぅ。取り潰し
だけで済ましてやろうというのだ、感謝するがよいわ」
 そんな、と娘が悲痛に声をあげる。
「さぁ、どうする」
「家を取るか、己を取るか」
「…………っ」
 唇を噛みしめて俯く娘に、男は追い討ちをかける。
「まぁどうしてもと言うのなら……そうよな、先日届いた刀の試し斬りに
使ってくれようか。端から順々に落としていくのもまた面白かろう。
心ゆくまで切れ味を堪能したら、無礼を不問にしてやってもよいが?」
 ぱたり、と力なく白い手が床に落ちた。答は明白だったが、男らは更に煽る。
「ほれ、きちんと答えんか。主人が訊いているのだぞ」
「やれ、まったく礼儀を知らぬ。どんな教育を受けたやら」
 嘲りに、娘は奥歯を噛みしめ、屈辱に身を震わせた。が、やがてのろのろと
身を起こすと、無残な姿のまま男らの足元に平伏する。
「―――伽に……侍らせていただきとう、ございます……」
 折れた。
 震え、消え入りそうな声に、男らは一瞬満足そうに笑う。
「ハナから素直にそう言えばよいのだ。どうせ男が欲しくてたまらぬのだろうが。ん?」
「どれ、牝犬に躾というものをしてやらねばのぅ」
 男の白い足袋が娘の細い肩を踏む。そのまま爪先に襟をひっかけ、
乱暴に肌蹴させた。一方で、形の崩れた帯も力任せに引きずられる。
娘の口から悲鳴が洩れた。
 男らはわざと手荒に、恐怖を刻みつけるように、娘から着物を剥ぎ取っていく。
手慣れた行為だった。
 娘はされるがままになっていたが、男の手が肌襦袢にかかるのを見ると、
慌てたようにその手を押さえた。
「これは、どうぞこれはお許しを……!」
 普通は交わるにも襦袢程度は残すもの、そして隠れているが故の風情を
楽しむもので、素裸は露骨に過ぎる。
 だが飛んできたのは容赦のない蹴りだった。
「……おぉっと、いかん。足が滑ったわ」
 柔らかい脇腹を抉るような蹴りが臓腑に響き、娘はたまらず咳き込んだ。
涙が滲んでひとすじ滑る。男らが、また楽しげに笑い声を上げた。
「はて、牝犬が何やら鳴いていたような」
「何、聞こえなんだがのぅ。これ、なんぞ申したか?」
 なにも、と娘は咳の下から苦しげに首を振る。暴力を受けるのは初めてか。
男らを見上げる顔から血の気が引いていた。白い歯がかちかちと音をたてる。
 もう少し、脅してやるか。
 上下の示しは早いうちにつけておかねばならぬ。
 男は腰のものの鯉口を切って見せる。ふざけた口調を改め、低い声を出した。
「脱げ」
395前の事語り〜化猫〜 4:2007/11/07(水) 21:32:01 ID:OhXZdnQH
 かたかたと娘は震える。震えたまま反応を示さない。竦みあがるあまりに
思考が働かぬようだ。女達にはよくあることだが、利発な頭が聞いて呆れる。
「聞こえぬか! 脱げ!」
 再度恫喝してみると、慌てたように指が腰周りに伸びた。結び目を
ほどこうとして、言うことをきかぬらしい指にますます恐慌を深くしていく。
男らと襦袢の紐を、ちらちらと視線が行き来する。
 そう―――それでいい。
 獲物が心底震えあがるさまは、男らの肥大した嗜虐心を心地よく愛撫した。
男らの手が自らの袴の紐に伸びる。
 薄い襦袢と、火熨斗のきいた袴が同時に床へ落ちる。男らはそれぞれ
脇差1本を手に、身を守るものが何もなくなった女の体をとっくりと眺めた。
ふむ、と唸って、鞘に差したままの刀の先端を、局部の辺りへ前触れなく
押しつける。
「ひっ、」
 焼きごてを当てられたかのように、女の体が跳ねた。反射的に隠そうとする。
「膝を閉じるな!」
 怒鳴り声にびくりと肩が震えた。涙で潤んだ瞳が、おずおずと上目遣いに
男らの様子を伺う。
「もう媚びるを覚えたか。まったくいやらしい牝犬よな」
「はは、イヌやイヌ、脚を開け。こちらへ向かって大きくだ」
 いまだ諦めきれていないのか、娘の視線が救いを求めるようにあちこちを
彷徨う。すかさず鞘がその体を打ち据えた。肉を殴る鈍い音とともに、娘の
体が倒れ伏す。
「まだわからぬかのぅ……覚えの悪い畜生よ」
 ひんやりと温度を下げた声音に、娘はぼろぼろと涙を流しながら、慌てて
体を起こす。どこか痛むのか、その顔が歪んだ。男の手が伸びて結い髪を
掴みあげる。
「痛……っ!」
「主人の伽に侍るのに―――」
 つつ、と鞘の先が娘の顎を滑る。
「―――醜い顔を見せるでない」
「は……」
「笑え」
 涙が幾すじも頬を流れる。その中で、娘は無理やりに口角をあげた。
滑稽な顔だと、男らは指をさして笑う。
「ふっ、……ふぐぅ……っ」
 嗚咽を洩らしながら、娘はなんとか口元をあげ続け、男らは白けたような
視線を交わした。放り出すように髪から手を離すと、娘を四つんばいにさせる。
赤い唇をこじ開けて、口に鞘をねじこんだ。
396前の事語り〜化猫〜 5:2007/11/07(水) 21:34:20 ID:OhXZdnQH
「歯を立てるなよ」
「んっ、んんっ」
 陽根にさせるように前後へ動かし、たっぷりと唾液を塗りたくりながら
口中を犯す。一方で脚の方へ陣取った男は、尻肉を押し広げると、
準備も何もなく娘の中へ陽根を突きたてた。
「んふぅ―――っ!」
 娘は大きく目を見開く。悲鳴と同時に、口の鞘を強く押しこまれ、ぐぅっと
喉が鳴る。男が鞘を引き抜くと、娘が苦しげに咳き込んだ。鞘の金属細工に、
くっきりと歯形が残っている。
「歯を立てるなと―――」
 ぱぁん、と娘の頬が高い音をたてた。
「言ったろうがぁ!」
 崩れ落ちた体は、下から突き上げられてゆさゆさと揺れる。動きにあわせて、
娘の喉から短い叫びが断続的に洩れた。
「ひっ、は、あ、痛ッ、あ、ああーーーーっ!」
 白い太腿にぬるりと赤いすじが伝う。滑りがよくなったか、徐々に男の
動きがなめらかになる。再度髪を掴んで顔を持ち上げると、男は娘の口に
自らのものを含ませた。今度歯を立てたら殺す、と低く脅す。色鮮やかな
床にぽたぽたと娘の涙が、唾液が、血が落ちる。


 屈辱は、男2人が果てるまで続いた。


    *    *    *    *


 解放はある冬の日、突然にやってきた。
 豪奢な造りの、しかしけして暮らすには向かない牢獄に、若い女が倒れ伏している。
 その細い肢体を見下ろしながら、さとはぎりりと奥歯を噛みしめた。
 ―――何故。
 何故もっと早く来なかった。
 珠生さえもっと早く捕まっていたなら、さとが犠牲になることはなかった。
 あたら若い、もっとも華のある時期を、汚らわしい男らに嬲られ、弄ばれ。
 ようやく外へ出るを許されてみれば、男衆は何も知らぬふりでさとを避け、
女衆はごみでも見たかのように視線を逸らし、陰でこそこそと囁きあう。
 さとをこんな境遇に落とした男らは、新たな玩具―――1人はこの女、
もう1人は外の女―――に夢中で、飽きたさとに目を向けるのは珠生を
嬲るのに必要なとき程度。それはさとに自由を与えはしたが、同時に
女としての何かを著しく傷つけた。
 もう嫁にもいけはしない。ただ、針の筵の中で目立たぬよう、傷つかぬように、
身を縮め頭を垂れてひたすらに耐えるばかりだ。
 何故。どうしてこんなことに。
 あたしは悪くない。何も悪くないのに。
 ほろほろと涙が零れる。
 牢獄へ続く朱塗りの階段で、さとは声を忍ばせて泣く。珠生などに泣き声を
聞かれたくはなく、しかし他に泣ける場所もなく。
 女の嘆きが、恨みが、哀しみが。
 その部屋に降り積もってゆく。
397前の事語り〜化猫〜 6:2007/11/07(水) 21:36:23 ID:OhXZdnQH



 その後、まったく何もよいことがなかったわけではない。
 坂井の家は徐々に傾いて、同時にさとの過去を知る者も、少しずつ
さとの周りから姿を消していった。
 辛い―――苦しい日々に、勝山はさとの名前を呼んでくれた。
 その勝山とて、出世の欲に振り回されるちっぽけな男に過ぎなかったが……。
 それでも何かは確かに救われたはずなのに、さとの憎しみはどうしても
癒えなかった。封印したはずの忌まわしい記憶は、若く明るい加世を前に、
いともたやすく甦る。

 因果と、縁に、囚われる……。

 ああ憎らしい疎ましい。ちっとは世間ってものを教えてやらなくちゃあねぇ。
 有田の皿を運んできた加世に、さとは次々用事を言いつける。本来さとは
侍女なのだ。下女の仕事など加世にやらせればよい。
 そうして……そう、いびりに耐えかねて逃げ出せばいい。食うに困って
惨めに泣いて。やつれて醜くなればいい。
 ―――お逃げ。
 それとも実家に戻されて、ろくでもない男と娶されるか。なにせ気の利かない
役立たずだ、奥様に暇を出すよう進言しようか。まぁなんて外聞の悪いこと
だろう。屈辱に顔を歪ませて、醜い皺を顔に刻めばいい。
 ―――お逃げ。
 不幸になれ、不幸になれ。所詮女なんてものは、男らに踏みにじられて
一生を終えるのだ。お前も早く思い知れ。そうして絶望すればいい。
 ―――おまえは外へ。自由におなり。


 さぁ、どうやってお前を追い出してやろうねぇ?



   おわり
398337:2007/11/07(水) 21:41:21 ID:OhXZdnQH
裸体うんぬんは、春画が服着てたから。
……放送上の都合かもしんないけどw

次はまた薬×加世(たぶん)予定です。
399名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:43:30 ID:VvTI0OQK
本編でもありそうな話…
心の中の善と悪に哀が混じって思わず涙。
さとさんも若い頃は美人だったんだろうなあ…
>>337氏GJでした!
400名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:52:35 ID:sxiyRKuh
キタキタキタキターーー!!(*゚∀゚*)
何ていうか…GJ…本当原作でありそうだ
401名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 21:54:17 ID:frIlR3iG
天秤の人GJ!
本編の裏設定とか言われたら普通に信じてしまいそうだ。
まさかこのスレで目から汁が出そうになるとは思わなかったよ。
402名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 00:26:10 ID:D7ieguFS
汁出た。337氏GJ!
403名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:01:21 ID:TDvBf1wU
さとさん・・・目汁でそうになった・・・・
GJ・・・!
404名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 00:50:59 ID:OOy9OJGD
あの、違ってたらごめん。
これ読んで思わず化猫見返したんだけど、さとが『犬』呼ばわりなのって
たまきとの対比なだけじゃなく、勝山の後ろの襖絵が犬→勝山×さとを
暗示してる?
405337:2007/11/09(金) 22:59:07 ID:psptx2AW
みんなありがd。
擦り切れないのをいいことにDVDエンドレス再生した甲斐があった。
今なら大詰めのセリフ暗誦できるぜ……。

>>404
あ、ホントだ。
狙ってなかったけど結果オーライでそういうことにしといてくださいw
せっかく原作がああなんだから、そういう遊びを仕込んでみるのも
おもしろいな……。考えてみる。
406名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 12:16:32 ID:Vfnp21Iz
>>337氏が上のブログの人?
407337:2007/11/10(土) 22:01:46 ID:1/QnvR43
>>406
違う人。
>>337>>367=天秤スキー(自分)、>>364>>368=ブログの人です。

今回のボツネタ、てゆーか元ネタ。
本編のイメージを著しく損なう恐れがあります。


続きキボンされた
→天加世やって薬加世やって、続きってゆーと……退魔の剣×加世?
→退魔プレイでトキハナツー!
→どーしよ、と佇むハイパー
→まいっか、と両手を合わせて「馳走になる」「んきゃー!?」
→薬売り一味×加世(・∀・)完了!

いやいや、いくらなんでもと自重して、別案のさと話と合体……で
脇差プレイに。さとさんゴメン。
でも誰か退魔×加世書いてくれないかなぁと思っている。


次の投下は月曜辺りと思われます。
408名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 09:38:17 ID:ai3hVcSI
さとさんにそんな過去が!
泣けたー。
409名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 10:50:04 ID:PraRLNSE
最後の文章、さとさんは悪態つきながらも心の底では加代を逃がしてあげたいって思ってる、て自分で解釈して勝手に泣いたんだけどあってる?

とにもかくにもGJでしたっ!!!!
410名無しさん@ピンキー:2007/11/11(日) 13:18:49 ID:/5IdqK03
その辺聞いちゃ興ざめだよ……解釈はあってると思うけどね
411名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 02:02:02 ID:XjyQ2FDC
337氏の書く加世たんの悲鳴って可愛いな。萌えす。

>→薬売り一味×加世(・∀・)完了!
見たすぐる。
412加虐愛16:2007/11/12(月) 02:54:03 ID:0TBOZ0kY
「他の乗客が見たら何て言うだろうなぁ…、男ばかりだし…輪姦するのも一興か」
 腕の中で暴れる加世を抱いて兵衛は片足で戸を開けた、
「そんな事…!嫌ぁ!下ろしてーっ!!」
 制止の悲鳴も空しく兵衛の足が廊下に踏み出し少し冷たい空気が肌に触れた。
「まぁ…今は真夜中だ…、大声を出すとまずいのではないか?」
 今は真夜中、誰も部屋で寝ているはずだ大人しくしていれば誰にも見つからないかもしれない。
「………」
 加世は喚くのを辞め身を縮めて顔を伏せた。
「…なんだ、気が変わったか?」
 わざとゆっくり歩きながら兵衛は俯く加世を見てニヤニヤ笑っている。
「へぇ…輪姦されたいのか…、奇特な女だな」
 加世の心臓の鼓動が速まりそれが兵衛の肌に伝わる、体を縮め震えているその姿は怯えた子猫のようだ。
静かな船内、極彩色の空間に風と兵衛の足音だけが響く。
甲板への階段を踏むごとにギシギシと木が軋む、静寂の中にその音が響き渡り加世を焦らせた。
「さて…誰がいるかな」
 階段を登りきり畳を踏んだ兵衛が辺りを見渡す。
413加虐愛17:2007/11/12(月) 02:57:24 ID:0TBOZ0kY
「………」
 加世も恐る恐る顔を上げて前方を見やる。

「ふん、誰もいないか…つまらんな」
 甲板には誰もおらずただ池に月明りが注いでいた。
「…はぁ…」
 加世はほっと胸を撫で下ろした、
「つまらなそうだなぁ…加世」
 兵衛は甲板の隅に腰を下ろし膝の上に加世を抱いた。
「そんなにここが寂しいか…?」
 加世を包む布の中に手を潜り込ませ秘裂を割る棒をつついた、
「はっ…ぁんっ!」
 胎内をえぐられ加世の中の消えかけた熱が再び燃え上がった。
「声を出すと誰か来てしまうぞ」
 兵衛は加世の耳元で囁くと膣をえぐる棒を掴み激しく出し入れする、激しく小刻みに律動し下腹を掻き回すそれに加世の体がわなないた。
「あぅ!あぁん!佐々木様っ…だめぇ…!声…あん!…出ちゃうぅ!」
 兵衛は律動を緩め体を捩る加世が転げないように後ろから抱きかかえる、つんと尖った乳首を摘みうなじに顔を寄せて深く息を吸い込んだ。
「加世…加世…、俺の事は兵衛と呼んでくれ…」
 哀しげな声で囁かれ加世ははっとした、顔を横に向けると兵衛の髪が頬に触れた。
414加虐愛18(まだ穴ル):2007/11/12(月) 03:01:33 ID:0TBOZ0kY
「…兵衛…様…?」
 兵衛の顔は髪に隠れ表情は伺えないが肩が震え僅かに嗚咽が漏れていた。
「あ…兵衛様…?どう…」
「嫌…何でもないんだ…、すまない」
 加世が言い終らないうちに唇は兵衛によって塞がれ、唇を繋げたまま膣をえぐる律動を再開した。
「こちらも…もういいんじゃないか?」
 菊門に挿さる棒をゆっくり粘膜を傷付けないよう引き抜いた。
 ぱっくり口を開けた菊門はひくひくと蠢きだらしなく腸液を滴らせていた、
「ふぁ…あっ…」
 そこは兵衛の指二本を難なく飲み込み内部できつく締め付けた。
前と後ろを同時に出し入れし柔らかい腸壁を腹の方に押すと堅い木の感触が指先に伝わった、
「ああぁっ!ひっ…ぐ!これ…すごいのぉ!!ふぁあああ!!」
 すっかり柔らかく弛緩した菊門に指を出し入れするたびいやらしく水音がたち、蠢く腸壁が柔らかく兵衛の指を包み込んだ。
「加世、挿れるぞ」
 兵衛がすでに堅く立ち上がったものを加世の菊門に押しつけ力を込めると亀頭が菊門の皺をいっぱいに伸ばして割り入った、
「あっ…あっ…、ひぃっ!!あぁ…二本も…はいってるぅ…」
415ドS:2007/11/12(月) 03:09:12 ID:0TBOZ0kY
仕事が忙しくてペースダウン…。
そして何よりもスレ住人がマニアックプレイに引いてないか気掛かり、皆付いて来てくれる?
416名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 10:13:29 ID:kxxB0H7t
俺はついて行く!
職人さんGJ!加世可愛いすぐるっ!!
417名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 16:08:09 ID:F3c614eW
ノシ
スカトロまでいくとキツいけど、これくらいならばっち来い!
加世や兵衛の心情もチラ見えしてきてwktk。
お仕事お疲れ様です。自分のペースでがんがってください。完結を楽しみにしてます!
418337:2007/11/12(月) 22:16:36 ID:y+3U3o30
天秤の人です。予告どおり落としにきたんだけど……。
ドS様、直近投下すみません。自分も続き楽しみにしている1人です。
自分じゃどう頑張ってもドS様みたいなエロエロいの書けないorz
精進します。


<注意>
今回のエロらしきシーンは薬売りが1人でヤってます。
男のオナニなんぞ見たくねーわ! という方はスルーお願いします。
ちょっと短めで全4レス。
419名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 22:17:05 ID:la/f0vpg
キター
420:2007/11/12(月) 22:20:41 ID:y+3U3o30
後(のち)の事語り〜座敷童子〜 薬売りと娘の事


 雨は変わらず降り続いている。
 薬売りはそれを、自室で聞くともなしに聞いていた。灯りは点けず、
うっすらと物の輪郭が浮かび上がるだけの部屋で、燻らせているキセルの
火だけが、蛍のようにゆっくりと明滅する。
 明けの鐘はまだ遠い。宿は先だってまでの騒ぎも知らず、深い眠りの
中にある。もっとも、女将と番頭をいちどきになくしたこの宿は、朝が来ると
同時に大騒ぎになるだろうが―――それは、薬売りの預かり知らぬところ
であった。
 志乃とかいうあの娘と、お腹の赤子が、この先どうなるのかも……。
 薬売りは、細く、長く煙を吐き出す。紫煙が渦巻いては消えていく。
 ―――さても人の業は深く、情は強(こわ)い。
 女であればなお……。
 ゆっくりと息を吸い、ぽわり、と煙で輪を作って遊ぶ。退魔の剣も天秤も、
薬箱の中で静まり返っているようだ。屋根を、道を、雨がざあざあと叩く。
 ―――女、か。
 おんな。
 加世。
 連想で浮かんできたものに、薬売りはちょっと首を傾げた。今日の
出来事を、脳裏でなぞってみる。
 加世なら、どうする。
 かの娘が母になっている図というのは、存外簡単に想像できるような
気がする。子供っぽい割に、変なところで度胸が据わっている娘だ。
無邪気な顔を残したまま、重たい腹にふうふう言って、時に愚痴なども
こぼしながら、小さな手で愛しげに腹を撫でるだろう。生まれてくれば
その背に負って、女が子供を目にしたときの、あの独特の高い声で
あやしながら、あれやこれやと立ち働く。時折言うことをきかない赤子に
癇癪を起こしながらも、笑顔で日々を過ごすだろう。
 加世は、女だ。
 だから、やはり―――モノノ怪を産もうとする……かもしれない。
 うっかりすると、志乃のように本能で悟らぬまま、本当に産み落として
しまいそうなところが怖い。女の陰には神性が宿る。太陽であり、豊穣で
あり―――死でも、ある。
 あのやわやわとした体が、冷たく強ばるところは見たくない。ましてや
その腹を裂いてモノノ怪が飛び出し、吹き出た血に赤く染まるところなど。
 ……なにか、嫌な想像をしてしまった。
 中空を見つめていた目を、煙草の火に引き戻す。少し眩しい。やれやれ、と
軽く首を振った。やり直し。
 そうだ、母となりたがるとは限るまい。あれで結構生きることに貪欲な娘だ。
健康な生命の在り方をしている。人妻となり、母となった後ならともかく、
娘のままなら、ことさら好んで苦痛に踏み出したりはしない……だろう。
しないと思いたい。
421後の事語り〜座敷童子〜 2:2007/11/12(月) 22:24:37 ID:y+3U3o30
 非難は、免れえないだろうが……。
 それもまた、容易に想像がつくことだった。
 普段のふくれっつらとは違う、後ろめたさを滲ませた、本気の非難だ。
 化猫のときもあれだけ悲鳴をあげ、泣き、恐ろしい思いをしたろうに、
真と理を知るやあっさりその死を悼み、亡骸を丁重に葬った。モノノ怪へも
惜しみなく振り向けられる情けは、容易に薬売りへ向ける刃となりうる。
 斬るなんて可哀相だと―――もっとなんとかならぬのかと。
 加世なら言う。あるいは泣くかもしれない。
 それがどれだけ傲慢な思い上がりか、たぶん娘が知ることはない。
それでいいのだとも思う。人の柔らかな心の有様は、不快ではない。
 ただ―――やはり、少しばかり理不尽だ。人がどれだけ非難しようと、
逆にどれほど褒めそやそうと、所詮は蚊帳の外の雑音。己に関わりない
ことではあるが、体をはってモノノ怪を斬り、挙句に泣かれてはたまらない。
 ああ……でも。
 薬売りは、ぽん、と煙草盆に灰を落とした。薄闇の中に己の指が見える。
なんとはなし、左の指で右手のそれを撫でる。
 死なないでくださいね、と零された呟きを、記憶の中からそっと掬い出す。
その声は薬売りの中で、幾重にも柔らかな布で包まれているようだった。
 欠落を惜しまれるのは、モノノ怪だけではない……。
 瞼を下ろして闇を招く。小さな手の感触を思い出す。水仕事でいささか
荒れた、けれど温かく湿った指。それが辿った軌跡、あわせた唇の柔らかさ。
記憶に従って己の輪郭をなぞると、血が逆流するような、酩酊感が沸き起こる。
 実際に貫きこそしなかったものの、耳を胸に、口を陰に見立てて気持ちの
上では散々に抱いた。しっとりと指を包んだ舌の感触が欲しくて、仕方なく
親指の関節を自分で咥える。
 ぽってりした唇に白い指が呑みこまれていく光景にぞくぞくした。ざらりと
熱い粘膜が皮膚をこすれば尚更。立ちのぼる甘い女の香り、伏せ気味の目が
潤んでこぼれそうだった。うなじを撫でれば首は折れそうに細く、微かに
汗ばんでしっとりと手のひらに吸いついた。鼻から抜けていく声にならない声、
含羞を見てとれる頬。たまらなくなって指を増やすと、丸ごと包み込まれた。
爪と指の間を舌先でなぞられて、強く吸われて。
 背筋から腰へ衝動が駆け下りて、薬売りは、は、と息を吐いた。途端に
冷めるのは男の性(さが)か。どっと空しさが去来する。
 帯も緩めず何をやっているやら、と苦笑した。のしかかる虚脱感をなんとか
振り切り、襤褸(ボロ)で始末すると窓を開ける。両手を差し出せば雨が
降りかかり、冷たい空気に頭も冷える。
 アヤカシやらモノノ怪を、不可思議だと人は言うが、薬売りに言わせれば
女の腹のほうがよほどに不思議だ。子種を仕込むとは言うものの、男の精など
どう見たところでただ粘りのある液体、影も形もなかった命が、何をどうして
生まれてくるやら。
 己には関わりないことか……。
 ぶるり、と体が震えて、いささか冷やし過ぎたかと我に返る。雨から両手を
引き抜くと、花の雫がぱたぱたと畳を濡らした。さて手拭いはと振り返った
薬売りは、そのままその場に静止する。
422後の事語り〜座敷童子〜 3:2007/11/12(月) 22:28:30 ID:y+3U3o30
 顔の前に、天秤が浮いていた。ちりん、と楽しげに鈴を鳴らす。
モノノ怪のときと違うのは、ちりんと鳴らしてはゆっくり戻り、今度は
逆へちりんと傾く、特殊な鹿威しのような動きだ。遊んでいる。それは
わかる。
 だがその更に後ろの光景は。
 虹色に渦巻く空間、布団が一組、寝ている人影。部屋の隅にあった
はずの薬箱は気配も掻き消え、振り返ればこれまた窓がない。
ないはずの地面に、めりこむような心地がした。
 またか!
 人影を起こそうとするように枕元でちりちりしている天秤を、急いで、
ただし音をたてぬよう摺り足で近づいて捕まえる。手の中で活きのよい
魚のように暴れるのを押さえ込むと、別の天秤も飛んできた。四方八方
から褒めて褒めてと期待に満ちた眼差しを向けられる。
 ……何をどう考えたのかまったくもって不明だが、天秤なりに、気を
遣った結果らしい。
 なんと言っていいやら、薬売りはその場に突っ伏すのをかろうじてこらえた。
小さな親切大きなお世話でむしろ迷惑この上ない、だが頭ごなしに叱って
ヘソを曲げられても困る。ただヘソを曲げるだけならともかく、この場なら
天秤は確実に加世を起こして泣きつくだろう。悪役は誰だ。己だ。そうして
加世に咎められるのか。何の因果だ。嫌がらせか。
 人が薬箱の中での記憶を留めることはない。そもそも人の時間の流れは
一定速一方向で、此処とは在り方が違うのだ。此処はむしろ彼岸に近い。
過去にあり、未来にある。
 せっかく忘れているのだからそのまま生きてゆけばよいものを、何を
ほいほい天秤に呼び出されているのだこの娘は。あのまま攫ってしまえば
よかったかと、冗談めかした自嘲が冗談で済まない。しかもあんな……枕絵
代わりにした後で……ああ、気まずい。
 音もなく、ただし真剣に天秤と攻防を繰り広げていると、それでも気配が
伝わったのか、ん……、と加世がうめく。はっとした瞬間隙をつかれた。
ぴょーいと指先をすりぬけ飛んでいった天秤が、軽く加世の頬をつつく。
 うん?と加世が目を開けるまでにとった行動は、我ながら大変手早かった、
と薬売りは後に思った。
 とっさに天秤たちを布団の下にまとめて押し込み、出てこられないよう
縁を膝で押さえ、動きのまま屈んで袖越しに加世の目を覆う。
「……なんでもない。夢、ですよ……」
「んんー?」
 囁くとぽやぽやと加世がうなる。一拍遅れて、寝ぼけてまわらない舌が
「ちーぼー?」と呼んだ。
 ……ちぃ坊?
 誰だそれは。弟か何かか。
「……まぁた、怖い夢でも見たのぉ……? もぉー……ほら、おいで」
「あ」
 もそもそと加世は端に寄り、袖ごと手を掴んだ薬売りを布団にひっぱり
こむ。いやちょっと、と抵抗すると、暴れないの!と叱られた。
423後の事語り〜座敷童子〜 4:2007/11/12(月) 22:31:04 ID:y+3U3o30
 あふ、とひとつ大あくび。うとうとしたまま、薬売りの頭を包み込む。
「やだもうこんな冷えて……風邪ひくでしょー? ほら、ねんねしなぁ……」
 背中にまわった手があやすように、とん、とん、と拍子を刻む。下手に
動くと完全に起こしそうで、薬売りは息をひそめた。拍子が徐々に弱まって、
やがてすぅすぅと寝息に変わる。女の柔らかな腕は庇うように薬売りを
抱いたままだ。動けない。
 頭から布団をかぶせられているので、少し息苦しい。暗く、狭く、温かい。
 寝かしつけるとはこのようにするのか……。
 頭を抱えられたまま、そんなことを思う。ぬくぬくとした空気は薬売りの
知らないものだ。いや、もしかしたら忘れただけだろうか。知る術もない
疑問がとりとめもなく浮かんで消える。
 ……眠い……。
 ことん、と肩から力が抜ける。温かな闇がゆっくりと降りてきた。



 おめでとう、と微かに耳に残る声。人の姿となる前の、色とりどりの仲間
たち。羨みと祝福に送られて母の腹に宿り、人はこの世に生を受ける。
 いい子、いい子ね。
 今度はきっと、今度こそきっと。
 生まれておいで。いつか私を見送った子どもたち。



   おわり
424337:2007/11/12(月) 22:33:52 ID:y+3U3o30
1発目タイトル失敗orz
薬売りが寝たり食べたりするのかわからないけど、
性欲があるなら三大欲求つけちゃれと思いました。
天秤は布団の下からもそもそ這い出してきてると思われ。
425名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:35:15 ID:Gj9M2gD9
>>337
とっても良かったです。
全体的にシリアスとまでは行かないけれど
どこか情緒のあるお話なのに、天秤相手に四苦八苦する
薬売りさんに悪いと思いつつ笑ってしまいましたww
426名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 07:40:32 ID:HowTzN0x
職人さんGJ!
427名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 16:12:10 ID:bqwbzaZg
>>337さんGJ!です

> 人が薬箱の中での記憶を留めることはない。

薬売りは知っててあのセクハラか!けしからん!と思ったけど
天秤の暴走に免じて許すw
428337:2007/11/13(火) 18:30:11 ID:KX66p4ec
事語り薬加の化猫→座敷の間の話。
後出しなのはわざと、天秤オンリー、エロなし、脚本仕様、コメディ。
ノリが苦手な人はご注意。
429事の間〜天秤〜:2007/11/13(火) 18:32:05 ID:KX66p4ec
「諸くぅーんん! しゅぅぅ〜ごぉ〜!」

「ん? なんだ」
「どうした」
「モノノ怪出た?」
「モノノ怪! モノノ怪! お仕事!」
「え、違うだろナンも感じないよ」

「静粛に! せーしゅくにぃぃぃ! これより! 我々天秤は作戦会議を
とりおこなう!」

「なんの? てゆーかお前それ立駒のマネだろ。天秤の風上にもおけねぇな」
「あれだと僕らなんだろね。“ごぉすと”が憑いてることになるのかな」
「それを論じるにはまず“ごぉすと”の定義から始めなくてはならない」
「いや別版権だし」

「静粛に! 今回集まってもらったのは他でもない、我らがご主人さまの
件である!」

「?」「?」「?」「?」「?」

「先日出会った加世ちゃんはいい子だった! まんざらでもない風だった
のにあっさり別れてきてしまったご主人さまのために、我々は我侭を言う
ふりで加世ちゃんを召喚した!」

「そーそー」
「まさかうまくいくとは思わなかったけどね」
「悪戯仕掛けたら放置しやがってどうしようかと思ったよね」
「嫌われなくてよかった。ほんっとーによかった」

「あのご主人さまにもついに! ついに春が来たかと喜んだのもつかの間、
あの野郎は触るだけ触って加世ちゃんを放り出しやがった!」

「僕、そういうのなんて言うか知ってる。“かいしょーなし”ってゆーんだよね」
430事の間〜天秤〜 2:2007/11/13(火) 18:33:11 ID:KX66p4ec
「意気地なしとも言うよ」
「朴念仁」
「ろくでなし」
「女の敵」
「性的不能」

「え」「え」「え」「え」「え」

「不能なのか? マジ?」
「いやナイナイそれはナイ」
「でもあの人って人間? 人型してるだけのナニカなら性的能力持って
ないかもよ。魔法使い?」
「それを論じるにはまず“人間”の定義から」
「定義厨はすっこめ」
「なんだとぉー!?」
「喧嘩すんなよ。そもそも性交渉ってアレ何? よくわかんない」
「はははお子様だなぁ。僕もわかんないけど」
「くっつけて擦ると気持ちいいらしいよ。僕もわかんないけど」
「気持ちいいってゆーと……たとえば鈴を最高にうまく響かせられたとき、
みたいな?」
「あーっ、あれシビれるよねーっ!」
「あの余韻の中で『決まったぁぁぁ!』て浸るのクセになるよなー」
「またあの音で周囲の緊張が張りつめていくのがなんとも言えなくてさぁ」
「そーそー」「わかるわかる」「モノノ怪ー!」「モノノ怪ー!」

『モっノノ怪! モっノノ怪!』
431事の間〜天秤〜 3:2007/11/13(火) 18:34:24 ID:KX66p4ec

「待て! モノノ怪コールは待て! 今はご主人さまと加世ちゃんの話だから!」

「あー、お前セリフ横文字ー」

「茶々をいれるな!」

「線を切るな!」

「塩もご存じない? ―――て話ズレてるから!」

「うん、まぁナニカはよくわかんないけど、でも加世ちゃんに欲情してた
んだから人間っぽいナニカでしょ?」
「生物であるならオスとメスがつがうのが自然だ。摂理だ」
「でもさ、普通に考えたら加世ちゃん先に死んじゃうよ?」
「そしたらまた次探せばいーじゃん」
「えー、僕、加世ちゃんが死んじゃうのヤダなー」
「生き物はいつか死ぬんだよ。しょうがないよ」
「どうせいつかはいなくなっちゃうなら、なるたけ一緒にいたいよね」

「うん」「うん」「うん」「うん」「うん」

「というわけで最初の議題に戻ろう! 名づけて『加世ちゃんこんな男
だけどお嫁にきて!』作戦!」

「お嫁さん? 加世ちゃんの白無垢!? うっわ見たい!」
「待て待て先走るな。まずは加世ちゃんにその気になってもらわないと」
「なにせねぇ……甲斐性なしだし」
「意気地なしで」
「朴念仁」
「ろくでなしの上」
「女の敵。……無理くない?」
432事の間〜天秤〜 4:2007/11/13(火) 18:36:47 ID:KX66p4ec

「そこをなんとか! なんとか我々でフォローしていこうというのが作戦の
主旨である! ……どうしたらいいかな?」

「ノープランかよ!」
「とりあえず……やっぱ、会わないことには、ねぇ……」
「そうだよね、縁がぷっつり切れてるわけだし」
「せめて、離れてても文の遣り取りするとか、加世ちゃんの居場所は
わかっててたまに寄ることができるとかの状態にもっていかないことには、
お話にならないよ」
「んじゃまた召喚?」
「繋がるかなぁ、不安だなぁ……」
「でも他に僕らが出来ることってないし」
「逆に繋がらなかったら脈なしってことで、別の人探すことになるんじゃない?」
「えー。僕、加世ちゃんがいいー」
「なら頑張れ。根性で呼び出せ」
「あっ、そぉーだ退魔さんにも協力してもらおうよ! モノノ怪斬るんなら
どっち行ってもいいんでしょ? なら加世ちゃん方面を中心にしてもらえば!」
「おおっ! それだ!」
「そんな都合よくモノノ怪いるかな?」
「加世ちゃんはご奉公してるんだし、人がたくさんいるところならモノノ怪も
いるよきっと」
「鈴も鳴らせて一石二鳥」
「うまく遭遇できたらまた加世ちゃんにごほーびもらえるかも」

「!」「!」「!」「!」「!」

「よし、では本日の議論はここまで! 当面の我々の行動指針は、
退魔さんと交渉しつつ、暇なときに加世ちゃんを呼び出すこととする!」

『意義なーし!』

「では、ご主人さまと加世ちゃんの春のために!」

『えい、えい、おー!』

 ちりーん!



    おわり




……また1発目投下タイトル失敗orz
433名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 18:39:50 ID:iODXC+sY
GJwwwwwww

可愛すぐるよ天秤wwwww
434名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 18:54:52 ID:bqwbzaZg
>>337さん重ね重ねのぐっじょーーーぶ!

私もタチコマのイメージあったんでまったく抵抗なし
天秤がんがれちょーがんがれw
435名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 19:32:58 ID:Gj9M2gD9
カワイさに身悶えた。
もう薬売りさんの立場なんてどうでもいい。
がんがれ!がんがれ天秤! 退魔も頼んだ!!
436名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 01:48:50 ID:4DqSl08Y
>>435
IDがGJな件について。



天秤がこんなにけなげで愛らしい子達とは思わなかった。
退魔との作戦会議もお聞かせ願いたく候。
437名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 02:06:25 ID:6eYV33OQ
激しくGJだが、ここはエロパロスレなんだぜ?
438名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 02:31:54 ID:FGgipeWk
>>437
エロに向けての準備であるのだから仕方あるまい。
数少ない職人を減らすような無粋な発言はご遠慮願いたい。
439337:2007/11/14(水) 06:43:40 ID:e1zy0mMN
取り急ぎ。

>>437
うん、わかってる。ごめん。

>>438
大丈夫だよ、ありがとう。


次回は女将の話。投下予定はまだわかんないやすまん。頑張る。
440名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 11:39:14 ID:NZ/ujH6t
天秤スキーな337さん

 旧化猫
  ↓
 >>356-359 天秤×加世
  >>355 前説
  ↓
 >>371-374 薬×加世(天加続き)
  >>370 前説
  >>379-380 修正・ボツ案
  ↓
 >>429-432 事の間〜天秤〜
  >>428 前説
  ↓
 座敷童子
  ↓
 >>420-423 後の事語り〜座敷童子〜
  >>418 前説
  >>424 後説
  ↓
 海坊主


wktkを禁じえない


オマケ:天秤とタチコマの共通点

 1. 沢山いる
 2. 可愛い
 3. 主人がエロカッコイイ
 4. 色黒でたくましい人が好き
441名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 18:02:58 ID:x1puRb5Z
> 4. 色黒でたくましい人が好き

ちょwww
442名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 23:15:25 ID:ZjzH/hDT
モノノ怪後続番組の菌たちにも似ているような。原作しか知らないけど。

かもすぞ! → (鈴)鳴らすぞ! みたいな。
443名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 00:59:13 ID:mtnDdva8
攻殻も好きなんでツボったw
さらにもやしもんも好きなんで天秤劇場も期待致したく候。
444名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 09:58:03 ID:dVCqewO5
あー見えて加世ちゃん脱ぐと凄いらしいよ



上腕二頭筋が (by 薬売りの中の人)
445名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 01:17:05 ID:24o5OwR6
天秤達×退魔さんが見てみたい俺は本格的に人間失格
446名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 09:58:27 ID:tdCbNqs7
その場合何をどうするんだ?w
447名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 12:10:13 ID:oQerF32w
あんまり想像したくないwww
448名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 14:51:03 ID:fxojuEO2
退魔が子供産んだら薬売りはびっくりするだろうなぁw
449名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 14:58:16 ID:h4fauvfD
トキハナツー!

オギャー!!

薬:何っ!?(ジョジョ風)
450名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 16:07:52 ID:oQerF32w
薬売り「…あまり、口やかましくは 言いたく ないのですが…」
退魔「…………」
薬売り「父親は、誰…  いや、どれ、なんです…?」

天秤A「僕だよ」
天秤B「俺だよ」
天秤C「私です」
天秤D「いや、自分」
天秤E「拙者でござる」

薬売り「この節操無しがあああ!!!!」



退魔って女の子だったのか…
451337:2007/11/16(金) 18:18:35 ID:fxojuEO2
それなんて乱交パーティーin薬箱?www
個人的に退魔も天秤も無生物、ただし言動は男基準と
思ってるけど、顔の部分が天秤仕様の退魔の剣(※子ども)とか
見てみたいw

ところで自慢させてくれ。自分ちょーがんがった。
女将の話、明日には投下できると思う。
452名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 18:23:08 ID:lthOqjzm
天×退・・・・・・・・・・・・・・(゚Д゚)

あの鬼か獅子舞のような顔で女の子か・・・・・・・・・
453名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 19:21:25 ID:Abcjs+DR
顔部分が退魔仕様の天秤だったら、きっと天秤萌えにはならなかったと思う。

>337
女将wktk
勿論若い頃の話だよね?
454名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 01:40:13 ID:Bg91eYFV
老女将のまま艶話なら、それはそれで物凄い手腕が問われるだろうと
思ってしまった俺がいる。
455337:2007/11/17(土) 22:13:13 ID:Z0x0D5GO
天秤の人来ましたー。女将の話、投下いきます。

はっきり言って捏造もいいところ。
オリキャラあり、ロリ?(13歳くらいか)百合、史実とのすりあわせも一切なし。
苦手な人は(ry
全8レス予定。
456前の事語り〜座敷童子〜 1:2007/11/17(土) 22:17:00 ID:Z0x0D5GO
前(さき)の事語り〜座敷童子〜 或る女の事


 苦界十年、と言う。
 少女はわずかな金品と引き換えに、その世界へ足を踏み入れた。わずかと
言っても少女の知る限りで一番の大金には違いなく、家族がこの冬を越すのに
重要な一助となることは変わらない。人の世にあって更に苦界と呼ばれる
その世界の、何もかもを承知しているわけではなかったが、一家で死ぬよりは
よほどいい、と、少女は堂々と門をくぐった。子供らしい無邪気さで、己に値の
ついたことを誇ってもいたかもしれない。土と埃にまみれた暮らしから、
煌びやかな世界への憧れもあったろう。
 ―――遠い、昔の話である。


 うめ、と呼ばれて、彼女ははっと顔をあげた。只今、と返して、もはや顔も
思い出せない家族への思いを打ち切る。急ぎ部屋へ駆けると、目にも
鮮やかな紫の長襦袢を打ち掛けて、若竹が朝寝から覚めたところだった。
「おはようございます、あねさま」
「あいよ」
 煙草と小唄、嬌声のあげすぎで、若竹の唇から洩れる声は低くかすれて
いる。だがその乾いた声で耳元に囁かれると、滲む甘さとあいまって
なんとも言えぬ味があるのだと、馴染みの男たちは口を揃える。此方は
御公儀に認められた廓でなく、宿場につきものの、ただの女郎屋でしかない。
とはいえあからさまに媚を売る女より、若竹を粋ともてはやす風潮が、自然
格を物語っているとうめは密かに得意に思っていた。
 姐さん分の若竹を、うめは心底敬愛している。うめ、と名づけてくれたのも
若竹だ。挨拶にあがったうめを一目見て、この子は紅い色が似合いそう
だから、と。女衒(ぜげん)から売られてきた芋童を、妹分として様々に
躾けてくれた。
 そして、今も。
 運ばれてきた盥(たらい)で顔と手を洗い、体を拭って、襦袢をひっかけ
朝餉をつつく傍らで、若竹はうめに目配せをする。
「給仕はいい。やってお見せ」
「あい」
 うめは小箪笥の一番下から柳で編まれた匣(はこ)を取り出す。蓋を
開けると、まず目に飛び込んでくるのは色とりどりに刷られた枕絵だ。
男と女が様々な体勢で絡みあっている。染みついた煙草と酒の香りを
吸い込むと、うめは顔を赤らめた。恥じらいから、ではない。遊女にとって
これらは教本のようなものだ。
 枕絵一式を取り出すと、その下には男のものをかたどった、木の張形が
納まっている。濡らした手拭で軽くぬぐって、使い込まれて黒光りする面に
指を這わせた。
 まずは、根元から茎をやわやわと撫でさする。その手を見るたびに、
うめの胸中には感慨のようなものが浮かぶ。幼い頃から畑仕事に駆り
出されていたうめの手は、ここへ来た当時荒れきっていた。がさがさと
かたい肌、爪は不恰好で、あかぎれだらけ。もちろんここへ来てからも
皿洗いや洗濯などの水仕事は多かったが、手入れは欠かすなと若竹に
厳命されたおかげで、なんとか見られるようになっている。今はまだ爪も
素のままの桜色で、それはそれで可愛らしいと若竹の馴染み客は笑うが、
いずれは赤く染められるようになりたい。
457前の事語り〜座敷童子〜 2:2007/11/17(土) 22:19:47 ID:Z0x0D5GO
 赤は、あたしの色だ。
 若竹がそう言ってくれたから。
 指と手のひらを何度も上下させるうち、徐々に力を込めてしごくようにする。
時折亀の頭に指をやり、裏筋も刺激する。張形は実際と違って反応を
返さないのでよくわからないが、男はそれが気持ちいいのだと教わった。
合間に若竹へ目をやる―――が、睨まれた。箸を持った手が乱暴に振られる。
 しまった、とうめは慌てて視線を戻した。今度はゆっくりと、伏し目がちに、
視線を流す。思わせぶりに、なだらかな曲線を描くように。若竹が咀嚼しながら
頷いて、うめはほっと息を吐く。自然と微笑んだ。
 ふとした折に覗くその笑顔はなかなか好い、と若竹が褒めてくれたことがある。
洗練された手練手管の合間から、垣間見える純朴な顔にも男は弱いもんさ。
大口開けて笑うのは頂けないが、せっかくの武器だ、忘れるんじゃないよ、と。
 視線を絡ませたまま、若竹が箸を運ぶのに合わせて、張形を口へ持っていく。
ちろちろと舌先で先端を舐める。見れば軽くあわせただけの襦袢の合間から、
若竹の白い肌が覗いていた。まろやかな体の線は、触れると蕩けそうに
柔らかいことを知っている。嚥下のためにこくりと動く喉の動きに、うめの体が
熱くなる。うっとりと張形に舌を這わせた。
「……ん……」
 舌を立ち上げ、竿を支えるように強く押しつける。歯が当たらぬよう注意
しながら吸いつき、左右の頬の内側でやんわりと包む。深くしゃぶっては
浅く戻し、じっくりとねぶりまわす。片手は咥えきれない根元に添え、首の
動きに合わせてしごく。その間、若竹から視線は外さない。高みから見下ろす
目線を粛々と受け止める。微かに笑みが浮かんだ顔、慈愛というには多少
意地が悪く、時折うめに見せつけるようにちらりと赤い舌が箸に絡まる。
 その顔にぞくりとした。どこが触れているわけでもないのに、うめの呼吸が
あがる。煽られて一層熱心に張形をしゃぶる。唾液がつぅと口の端を滑った。
じゅぷじゅぷと水音がする。何もかもが、覚えてからさほどに経っていない
快楽を連想させて、うめは体をくねらせた。下腹部が疼いて潤み始める。
だが自分で触れてはいけないのだ。若竹の許可がなくては。
 ぬれぬれとした唇は唇淫でぽってりと赤く充血し、まだあどけない顎の
線を透明なすじが伝う。両目が潤んで、早く、と目線で若竹に訴えた。両膝が
もじもじと擦りあわされる。張形の先で唇をなぞっては、さらに刺激を求めて
様々に角度を変え、口でそれを弄ぶ。
 朝餉を終えた若竹は、その姿にくすりと笑った。
「まったくお前は覚えのいいことだねぇ」
「ねえさま」
 切なく求める声に、若竹はこれみよがしに茶碗を示す。
「これを飲むまでお待ち。……もっとも、ずいぶん熱いからしばらくかかるかもねぇ」
 からかうような声音も、うめを焦らし、快楽を高めるばかりだ。仕事にする
にはいささか感じ過ぎる、と若竹には言われるが、浅い経験では自分の体を
制御できない。いずれ少しは慣れることを祈り、しかし悦楽を味わえなくなる
ならそれもつまらない話だ、と密かに思う。ねえさんたちのよがりは半分以上
演技だとか。やがては自分もそうなるのだろうか。
458前の事語り〜座敷童子〜 3:2007/11/17(土) 22:22:10 ID:Z0x0D5GO
 だが、今は目の前の快楽がただただ欲しかった。若竹が碗にふぅふぅと
息を吹きかけながら、にぃっと笑う。
「ほら、呼んでご覧」
「……ね、ねえさま……」
「少し下卑ているよ。縋るか余裕をみせるか、どちらかにおし」
「ねえさまぁ……っ!」
 迷わず縋る方を選んだうめに、若竹は少し眉をひそめた。それをごまかす
ように茶碗をあおると、しゅっ、と衣擦れの音をたてて立ち上がる。
「どれ、お脱ぎ」
 待ち構えていた言葉に、うめは急ぎ張形を床に下ろす。たっぷりとうめの
唾液にまみれて、紛い物の陽根がぬらぬらと光る。うめは若竹から体の
正面を外し、襦袢の紐を解いた。そのまま所作に気をつけながら、舞うように、
だが性急にはならぬように、肌の上から滑り落とす。近づいてきた若竹が、
まだ青い体をじっくりと検分する。
「回りな」
 うめは一糸纏わぬ姿を若竹に晒す。少しは丸みを帯びてきたが、まだ
貧相な体だ。どこもかしこも柔らかな若竹の体とはずいぶん違う。だがまだ
茂みも淡い内股はしっとりと濡れていて、うめが女であることを示していた。
熟れて安定する前、瞬きほどしか存在しない危うい色香がそこにはある。
 しかし、うめ自身はそんなことはどうでもよかった。視線に炙られて
ざわめきたつ体を、ひたすらに堪える。餌を前に待てをされている犬の
ようだ。たらりと蜜が零れる。忠犬でありたい。捧げる心は、耐える苦痛すら
甘美な疼きに変える。
「横になって陰をお見せ」
「あい、ねえさま」
 うめは板の間に腰を下ろすと、外から膝をすくうようにして自ら開いた。
爪よりはいささか色味の強い、桃色の花びらがひくひくと蠢いて蜜を
垂らしている。抱えた膝小僧が胸の突起に当たって、あ、と小さな声が洩れた。
「……たいしたモンだ。もう十分いいみたいだねぇ。だが、ちょっとはしたな
すぎやしないかい」
「ごめんなさい……」
「これじゃあねぇ……」
 呟きながら、若竹の指が伸びてくる。触れられた瞬間、びくりと体が跳ねた。
「あっ、ああ、ねえさま……っ!」
 ぬるりと割れ目をなぞり、蜜を掬って小さな肉芽へ。
「あああああ―――ッ!!」
459前の事語り〜座敷童子〜 4:2007/11/17(土) 22:24:40 ID:Z0x0D5GO
 びくん、と硬直した体に、若竹は眉を寄せた。
「やっぱり気を遣ったねぇ……。うめ、お前こないだあたしが言ったことを
覚えてるかい?」
「あ……あい……。遊女、は……」
「遊女は?」
 うめは息も切れ切れに、言葉を絞り出す。
「客を一夜、夢の世に遊ばせる、もの……けど……己の在るは、現し世と
心せよ……」
「覚えてはいるんだねぇ」
 若竹が小首を傾げる。そんな何気ない仕草すら、妖しいものが匂いたつ。
「まぁ、お前はまだ若いしね。それがいいというお客もいるだろうさ。だが
あんまり嵌るんじゃないよ。心の隅にいつも留めておおき」
「あい……」
 うなだれると、若竹の手がうめの頭を撫でた。
「それからねぇ、あんまりあたしに気を許すんじゃないよ」
「え……? ……あ、ああっ」
 何か嫌われるようなことをしたか、とうめの目が潤んだところで、若竹の
指がうめの陰にするりと忍び込んだ。くちゅくちゅと出し入れされると、
うめの背が弓なりに反る。
「あっ、ねえさまっ、ねえさまぁ……っ!」
 慣れた手は女の感じる場所を確実に責めたてる。板の床は冷たく固いが、
そんなものを気にする余裕もない。むしろ新たな刺激になるほどだ。
片足を高くあげられて、横向きに倒れ伏す。若竹の脚が伸びて、うめの
両脚に割りこんだ。
「さて、この格好は?」
「あ……あんっ、あ、ま、窓……まどの、つきぃ……っ、ああんっ」
「このまま、男が寝ると?」
「あ……え、えぇと……あんっ、ふっ、あ、ねえさまっ……」
「答えられないならここまでだよ」
 冷静な声に、うめは必死でまわらない頭を働かせる。覚えたはず、わかる
はず。だからお願い。もっとして。
「んっ! あ、ま、松葉、くずしっ!」
「おやま、必死だこと。まぁいいよ、今日はこのくらいで許してやろう。おいき」
 若竹が床に放置されていた張形を手にとる。しとどに濡れた柔肉を割って、
早く早くと乱れる体に挿し込まれる。うめの口から離れてしばらく経っていた
それは冷たかったが、絡みつく襞から熱を奪ってたちまちのうちに温もりをもつ。
 たとえそうでなくたって、若竹にされるのだったら、なんだって構わない。
「あぁぁんっ、あっ、イイっ、ねえさまっ、ねえさまイイっ、そこ、そこ突いてぇっ!」
「声を抑えな。まだ早いンだから。それに、抑えに抑えて、たまらず洩れた
鳴き声の方が男はイイんだって言ったろうに」
「あ、あい、ごめ、ああっ、ねえさま、ごめんなさい……っ!」
 床にしがみつくようにしてうめは湧きあがる衝動のままに腰を振った。
涙が零れ、唾液が伝う。両手で口を押さえると、なんとか声は響かないようだ。
指を噛みしめる。痛い。痛いけど気持ちいい。張形の動きが早くなる。じわじわと
全身に広がって、また収縮していくものがある。集まって密度が高くなる……。
460前の事語り〜座敷童子〜 5:2007/11/17(土) 22:26:18 ID:Z0x0D5GO
「はぁっ、あああああああああ―――っっ!!」
 がくんと音がしそうなほどに硬直して、弛緩して。
 ゆっくりと崩れ落ちる前に、若竹が呟く。
「店に出たら、あたしとお前は商売敵なんだけどねぇ……」
 そんなの。そんなことない。格も全然違うのに。
「参るね、まったく」
 あたしは、いつだってねえさまの―――
 なんとか口を開こうとしたが、圧倒的な虚脱感に、結局言えたかどうか
わからなかった。



   *   *   *   *



 うめが飛梅(ひうめ)と名前を変え、見世に出、男を知ってからも、若竹を
慕う心に変わりはなかった。若竹を姐さん分として立て、よく躾けられた
妹分として控えることがうめの幸せであり、誇りであった。緑竹紅梅と対に
呼ばれることの、どれほど嬉しかったことか。
 苦界にも、幸福はある。
 その満足感が、うめを輝かせた。すさんだ男たちの心を慰め、優しい夢を
見せる。華やかでありながら一皮剥けば生臭い世界で、女たちをすら慰撫し、
叱咤した。うめへ捧げられた褒め言葉は若竹への褒め言葉、時折視線を
交わしては、微笑んで頷いてもらうことこそがうめの喜び。
 だが―――
 その日々が、ある時を境に壊れていくこととなる。
 若竹が、恋をしたのだ。



 うめは滑るように座敷廊下を横切り、左右に人影がないのを確認すると、
そっと部屋に呼びかけた。
「姐さま」
「……飛梅かい?」
「あい」
 人目をはばかり、抑えた声。すっ、と静かに障子が開く。
「よく来ておくれだ。頼むよ、座敷を代わっておくれ。ほんの半刻で構わないから」
 ああ、あの男が来るんだな、とうめは俯いた。必死な声音が耳に悲しい。
 妬心もある。若竹のすべてを捕らえて離さぬ男。だがうめは遊女で妹分だ、
比べられるものではなく―――そう、たとえばここで若竹を助けられるのは、
あの男でなく自分のみ。それは代わりのきくものではない。
461前の事語り〜座敷童子〜 6:2007/11/17(土) 22:28:02 ID:Z0x0D5GO
 自分の心をごまかす方便だと、うめ自身にも薄々わかっていたのだが、
うめは無理にも頷いた。どちらにせよ若竹の、縋りつくような頼みを断れる
わけがない。
 ありがとう、と若竹は笑う。お前ならわかってくれると思っていたよ、と。
これ以上などないと思っていたのに、前よりなお美しくなったその笑顔。
 幸せなのだ、と思った。うめが若竹に幸せにしてもらうように、あの男が
若竹を幸せにする。
 ならば、しかたない。
 うめも笑って、さ、早く、と促した。若竹の涙は見たくない。叶わぬ恋に
身を絞る若竹の、少しでも助けになりたかった。


 飛梅、飛梅、聞いておくれ。
 あの人が今夜来てくれるんだ。

 飛梅、飛梅、お願いだ。
 あの人に文を届けておくれ。

 飛梅、飛梅……


「ややこができたんだ」
 うめはぎょっと顔をあげる。若竹は青白い顔をして、口元を手拭で押さえて
いた。吐き気がするという若竹の、丸い背中をうめは撫でる。
「やや……」
「あの人の子だ」
 血の気はよくないながらも、どこか誇らしげに若竹は言い切った。その手が
愛しげに腹に触れる。
「あの人は、一緒になろうと言ってくれたよ」
 ―――それは。
 うめは言葉を失くして立ち竦む。
 おめでとうと祝うべきなのか。だが若竹の身請けにはかなりの額がかかる
はずだ。あの男は商家の息子のはずだったが、そんなに用立てできるほど
大店ではない。
「こう見えてあたしも結構稼いできたしね……。あの人もそれなりの蓄えは
あるそうだ。すっからかんになっちまうだろうが、何、働けば済む話さね」
 そうなのか。本当に? わからない。
 けれど若竹が言うのなら、とうめはぎこちなく頷いた。
「姐さま……おめでとう、ええ、おめでとうございます」
「ありがとう。……でもね、飛梅」
 若竹が目を伏せる。ぎゅ、ときつくうめの手を握った。
「少しだけ……全部あわせても、少しだけ足りないんだ。あんたももう
売れっ子だ、そんなに負担になる額じゃない。必ず返すから、用立てちゃ
くれないか。一生恩に着るよ」
462前の事語り〜座敷童子〜 7:2007/11/17(土) 22:30:26 ID:Z0x0D5GO



 飛梅、飛梅―――



「……あたしは、この子を産むよ」
「姐さま!」
 真っ赤に泣き腫らした目で、若竹が言う。泣いて泣いて、泣きつくしたと
思っても涙は涸れない。元よりかすれた若竹の声が、ほとんど木枯らしの
ようになっていた。
「もう、あたしにはこの子しか残っていないんだ。後生だよ、あたしにこの子を
産ませておくれ。……それに、」
 ややこの顔を見れば、あの人の気持ちも戻るかもしれない。
「……姐さま……」
 抜け殻のようになった若竹に、それはない、とは言えなかった。うめに遊女の
いろはを教えてくれた若竹は、夢の世へと行ってしまった。つつけば破れる、
儚い世界。
 取り残されたうめは、現し世でこっそりと泣く。恋とはなんと怖ろしい、哀しい、
苦しいことか。
 ―――これが苦界か。
 だがややは現しの者だ。生きるためには食わねばならぬ。食うには先立つ
ものがいる。誰かが迎えてやらなくては。
 ―――ならば。
 生まれておいで。若竹の子。若竹があたしを迎えてくれたように、今度は
あたしがあんたを迎えよう。苦界にあっても生きればいい。泣いて、苦しんで、
だが笑顔も幸せも知ればいい。そしてただひたすらに生きるその姿で、
おまえのおっかあを呼び戻しておくれ。



 飛梅……うめ。



 ―――どうすればよかったのか。
 どこで止めればよかったのか、何を間違ってしまったのか。
 もう若竹の声がうめを呼んでくれることはない。酒に溺れ、せっかく産んだ
ややこを殴る。火のついたような泣き声に、暴れ狂っては酒をあおる。止めに
入れば痩せ細った手が、うめの襟元を締め上げた。
 いつもいつもお綺麗な顔しやがって、あたしを立てるフリで肚の底じゃ
嗤っていたくせに、わからないとでも思っていたかい、少しは言い返したら
どうだ、罵ってみろ、本音を吐きな、あんただって薄汚い人間だろうが、
裏切り者、裏切り者!
 ざんばらに乱れた髪、ぎらつく双眸。赤く黄色く浮腫んでざらついた肌。
 ――― 一度、だけ。
 いい加減にしろとその頬を殴った。疲れていた。心が乾いて棘だらけになって。
 苦しい、切ない、辛い、……憎い。
 これが苦界だ。人の業にまみれ、地べたに這いつくばって泥を飲む。
泣いて叫んで悶え転がる。思い出だけでは食えはしない。むしろ、昔の記憶が
輝かしいほど、余計に餓えるものがある。
 そして。
 若竹は、冷たい川に赤子ともども骸となって浮かんだ。焼かれてかすかすに
なった骨だけが、始末の間の壁に埋め込まれる。
 うめに残されたのは莫大な借金ばかり。
 ……もう、涙も出ない。

463前の事語り〜座敷童子〜 8:2007/11/17(土) 22:33:19 ID:Z0x0D5GO

   *   *   *   *



 女将の1日は、その座敷の掃除から始まる。足腰は矍鑠(かくしゃく)と
しているものの、もう結構な齢の女将に、掃除なら自分が、と申し出る者が
いなかったではない。だが女将は頑として譲らず、結果、ある者は守り神でも
祀っているのだろうと言い、またある者は隠し財産でもあるのではと噂した。
 その宿に、ある日、薬売りの男が訪れる。

「女将さんが、この宿を?」
「まぁね。建物自体は、あたしが娘時代からあるんだよ」
「宿にする前は……、なんだったんですか?」
「どうだったかねぇ……。年のせいで、はン、忘れちまったよぅ」

 その真と理を、知る者はいない。



    おわり




誰か1人にでも真と理が届けばいい。
誰かー! 誰か受け取ってー!
464名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 00:09:03 ID:8WkI/gxb
>>337の 真と 理  しかと・・・・受け取った。
激しくGJです。
465名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 00:49:13 ID:o6ZovvEY
ノシ自分も受け取った。
説得力あるよGJ。
466名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 00:54:58 ID:HElxMlPA
オリキャラの文字に戦々恐々のぞいてみれば、

あ な た が 神 か 。

言っても詮ないこととはわかりつつ、女将逃げて超逃げてー!
467名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 01:23:52 ID:Xk1wsd+F
また目汁出そうになったぞ。どうしてくれる。
468名無しさん@ピンキー:2007/11/18(日) 01:24:17 ID:GOrlCZuE
>>337
そろそろアップされてるかなーと思ってきて見たらされてた!
真と理、これでもかと受け取ります。
最初の艶やかな紅色から段々とくすんで最後は灰色になり
アニメ本編に続く印象な一偏でした。
469名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 17:15:07 ID:opAJsOfw
そーいや337氏はここでたくさん書いてくれてるのに
メイン(?)の薬加だけは今だ本番が無いんだなあ。
焦らし上手?
470名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 21:57:16 ID:iQeGyvh0
自分も、337氏の薬加話続きを待ってじりじりしているひとりw
退魔、ハイパー参戦もきっとやってくださる、と楽しみにしている。
471名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 22:00:57 ID:m19fudmy
>退魔、ハイパー参戦

おまいら一体何をトキハナツーのかと(ry
472337:2007/11/19(月) 22:12:01 ID:SDfcASt9
>>469
……白状すると、エロらしいエロを書いたの今回が初めてで……。
単純に、力量不足。
幼女将でようやくぶった切らずに最後まで書けたんだ。
初めて逆上がり成功したぜ! みたいな感覚w

感想貰えて嬉しい。みんなありがd。海坊主もがんがる。
473名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 23:40:21 ID:HO5GYA5k
ドSさまはお元気かのぅ。
474名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 00:15:47 ID:RBped3I0
一晩を共にして明けた朝、男の伸びたヒゲをざりざりして戯れる
シチュとか結構好きなんだが、薬売りはどうなんだろう。
人かどうかもわからないからなぁ……。
小田島様のは痛そうだw
475名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 00:18:56 ID:oogpF3ow
小田島と加世、くっ付いちゃえよーー
と、思った頃が懐かしい。
476名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 00:48:30 ID:7069TXJ3
自分も薬売りと加世は兄妹みたいな関係が良いと思ってた頃が懐かしい。

薬売りはヒゲ生えなさそうだな…なんとなく
477名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 01:26:51 ID:fG/e6kKm
ん?
薬売り×加世って異種姦?

みなぎってきた
478337:2007/11/21(水) 23:56:39 ID:u7pJJwst
海坊主コメンタリでそらりす丸の船員について触れてるって
マジかーーーーーッ!?
ちょ、下手したら大幅改稿が必要に……orz

ごめん、事実関係の確認に今しばらくかかりそう。
そして話自体も、折り返し地点だ!と張り切ってたら長くなりそう。
この間に他の職人さん降臨してくれないかな、と呟いておく。
誰かー、誰かー。
479名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 02:32:50 ID:Ha5C+5hF
>>337
そんなに気にしなくても本物は本物、パロはパロでおK
まあ折角資料が来るんだからリアリティは追求したいだろうけど
合わせたばかりに337氏の『ここが売り』的な一文が削られるのも勿体無い。
テレビ放送時すぐにパロ書いてた人なんかは今更なんだしwww
でも期待して待ってます。
480ドS:2007/11/22(木) 03:15:20 ID:5EHG12U8
>>473
御久。

今からちょっとだけ投下するけどエロは薄いし兵衛は嫌な奴だし殺し&流血&死姦の描写があるので苦手な人は飛ばして下さい。
481加虐愛19:2007/11/22(木) 03:18:40 ID:5EHG12U8
「っ…!う…っ、きつい…千切れそうだ…」
 兵衛の体が強張り加世の足を持つ指が柔肉に食い込んだ、顔を歪ませ快感に耐え徐々に加世の尻を沈め根元まで挿入した。
「はっ…!あふぅ…、お腹…苦し…」
 内部から腹を圧迫され加世は苦しげに息を吐く、本来排泄の為の器官を犯された背徳感に加世の目には夜空がぐるぐると渦を巻いて見えた。
「…動いて良いか?」
 後ろから加世を抱いている兵衛が声をかけた、
「もう少し…このままでいて下さい…」
 兵衛にもたれ掛り首筋に顔を寄せて加世が呟いた。


暗黒の夜空に浮かぶ青白い月が二人をしっとりと照らす、月明りの下で見る加世の肌は艶を増し幾分か青く見えた。
―そういえば、前にもこの様に女を抱いた事があったな―
 加世の暖かい息が兵衛の首にかかり過去の情景と重なった。
―確か…遊女だったかな―

その遊女は藩でも浮いた存在だった兵衛に優しかった、他の侍や遊女は兵衛の異様な風貌を毛嫌いしあからさまな態度を示したものだった。
それでも兵衛は構わなかった、ただ側にその遊女がいれば幸せだった。
482加虐愛20:2007/11/22(木) 03:21:47 ID:5EHG12U8
毎日のように郭に通い掻き抱いたものだった、兵衛は遊女を愛していた遊女もそれに応えてくれた。
―兼貞を手に入れたのもこの頃だったか…―
 兼貞を手に入れてから兵衛は狂った、毎夜人を斬り流れる血に酔い痴れた。
それでも遊女に会いに郭に通い続けた、そしてある月の美しい夜に己の罪と心の内を打ち明けた。
―俺は人斬りだ、いずれ手討ちになる。どうか一緒に逃げてくれないか…?―
 遊女は兵衛から逃げようとした、兵衛の手を払い美しく化粧した顔を歪めて悲鳴をあげた。
―あんたが辻斬りだったのね!人殺し!誰か来てーー!!―
 これから先は兵衛自身の記憶は定かでない、ただ彼の脳裏に焼き付いているのは九字兼貞が遊女を斬り裂き美しい着物が血に染まっている光景。
―そうだ…あの女、俺が斬ったんだっけ…―
 月明りが差す郭の一室で息耐えた女を抱き血飛沫が飛んだ襖や畳を眺めていた、
―これでいいんだ…良い女がいたら捩じ伏せて犯してやればいい、俺の物にならない奴は殺せばいいんだ―
 狂気じみた笑い声をあげながらもう動かない遊女の着物をはぎ取り激しく犯した。
483加虐愛21:2007/11/22(木) 03:25:42 ID:5EHG12U8
遊女が囁いた愛の言葉、母の様に優しく撫でてくれた白い手、果てない快楽を与えてくれた肉体、全て幻と消えてしまった。
押さえ切れない感情に兵衛は咆哮をあげ遊女の亡骸を犯し続けた、一度果て二度果てそれでも兵衛の熱は収まらなかった。
やがて異常を察した番頭に発見され兵衛はその場を逃げだし江戸に落ちることにした、道中何人も人を斬ったが何故だか以前ほどの快感は得られなかった。


「ん…兵衛様…、愛しております…」
 己の腕の中で加世が呟いているのを兵衛は黙って見ている、それはあの遊女を斬った夜と全てが重なって見えた。
「…ずっと側に置いて…」
―嘘に決まっている、女など皆同じだな―
 腹の中で悪態をついた兵衛はふと戯れを思い付いた。
「……加世…、俺も愛してるよ」
 加世ははっと兵衛を見上げた、その頬は赤く染まり目には涙が溜まっていた。
「…兵衛様…、嬉しい…」
―白々しい、馬鹿な女だ―
 そして薄ら笑いを浮かべながらあの夜と同じ台詞を優しく囁いた。
484ドS:2007/11/22(木) 03:32:29 ID:5EHG12U8
言うまでもないかと思うけど、これは全部俺の妄想です。
じゃあまた次回、なるべく早く投下できるようにするから。
485名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 12:20:35 ID:Ha5C+5hF
>>478
今、コメンタリー見終わったけど、とくに二次に関わるような
キャラの裏設定みたいなことは言ってなかった。
笑い話で『薬売りは退魔の剣の○○』ってことくらいだ。
486名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 17:13:36 ID:3mTHmcO+
>>484
兵衛の心の内が切なくて良かった。乙です。
次回作も待ってる。



海坊主のDVDパッケージを良く見ると皆の小指が繋がってたのだね。
薬売りと加代が一番絡まっている様に見えるのは
ここのスレの見過ぎだろうか。

さて、天秤の人の次回作を待つ事にするか。
487名無しさん@ピンキー:2007/11/22(木) 20:35:35 ID:RrxgR/6N
>>484
兵衛ーーーーーーー!!

ドSさまGJGJ!
加世はなんて返すんだろうとソワソワが止まらない。
兵衛にとって兼定はなんだったんだろうな……。
続きも待ってる。いつまでだって待ってるからー!
488337:2007/11/23(金) 23:42:32 ID:rreVVDLp
今日が休みだって忘れてた、ボケな天秤の人です。
DVD見れたよ皆ありがとう! 船員はギャラリに載ってたw まぁいいや。

投下いきます。薬売り×加世シリーズの続き。
でもごめん、今回の投下分では完結しない。
エロもないorz
ネタ被りを避けようとしてたら、なんか意外な方向に転がり中。
今回の投下分は全6レス。
489後の事語り〜海坊主〜 1:2007/11/23(金) 23:46:30 ID:rreVVDLp
後(のち)の事語り〜海坊主〜 アヤカシの海にて遭いたる不思議の事


 モノノ怪二体が斬り祓われた船上で、加世はほっと息を吐いた。
アヤカシは出るわモノノ怪は出るわ、とんだ江戸道中となったが、
これでもう邪魔はないはずだ。あとは航路を取り直し、肝心の江戸へと
向かうばかりである。
 ほっとすると、現実が戻ってくる。ひらたく言うと、
「お腹空いたぁ……」
 心に浮かんだまま口にすると、く、と笑う声がした。いまだ退魔の剣を
手にしたままの薬売りが、空いた片手を口元にあて、くつくつと笑っていた。
「いやぁ……加世さんは大物だ」
「なっ、そんな笑わなくたっていいじゃないですかー!」
「いや、いや、いや。それが加世さんのいいところ、ですよ」
「いや確かに」
 気がつくと幻殃斉も三國屋も、菖源まで笑っている。少なからず疲労
して座り込んでいた源慧も、両手を合わせ目元を和ませていた。
「空腹を覚えるのも、この命があるからこそ」
「生きているのですなぁ。いや、めでたい」
 緊張の糸が切れ、さざ波のように笑いが広がる。加世も笑った。
 卑怯で、ちっぽけな、この命が愛しい。
 海が、風が、世界が美しく見えた。
 色々あったけれど、みんななんとか無事に済んで、よかったと思う。
「取り急ぎ、何か口にするものを持ってきましょう。今夜は宴でもいたしますか」
「佐々木殿は布団に寝かせた方がよかろうな。どれ」
「あ、あたし手伝います」
「私も疲れた。すまないが休ませていただこう」
「どうぞお掴まりください、源慧様」
 思い思いに人が散る。息をひそめていた時間が再び流れ始める。

 だが。

 ここは龍の三角、アヤカシの海。
 気を緩めるには、いますこし早かったのだ。

490後の事語り〜海坊主〜 2:2007/11/23(金) 23:48:24 ID:rreVVDLp


「―――ね、幻殃斉さん、他に海のアヤカシっていったらどんなのが
いるんですか?」
「どんな……いや、なかなか一口にまとめられるものではなくてな」
 兵衛を寝かせて、加世と幻殃斉は薬売りの元へ戻る。
「なにせ八百万もいる。人の口が常にある分、陸の話が多いが、ただ
知られていないだけのアヤカシもさぞ多かろうな」
「つまり……名無しのアヤカシ?」
「そうだ。それに、同じアヤカシで呼び方の違うものもあれば、呼び名が
同じでも違う性質のアヤカシもいる」
「え……」
 加世はちょっと首を傾げる。甲板の畳仕切りの間で、なにやら薬箱を
いじっている薬売りに目をやった。
「そういうのって、形はどうなるんですか? えっと、それとも、アヤカシと
違ってモノノ怪には絶対名前がある……?」
「……名前と形は似ているが、まったく同じでも、ない」
 淡々と答える薬売りに、ふむ、と幻殃斉が扇子を広げる。
「真名とあだ名の例もある。名が先か、形が先か?」
「失くすことはあっても、消えることはない。……同時、と言えるかもしれません」
「なるほどな」
「……あのー、二人だけでわかりあわないでほしいんですけどー」
 心なし薬売りが楽しげで、加世は口をとがらせた。こういった方面で
語り合える相手というのは、薬売りにとって珍しいのかもしれない。次は
どんなアヤカシが、と笑っていた薬売りと印象が重なって、妙に寒々しくなる。
 補足してくれたのは、やはりと言おうか、口数の多い幻殃斉だった。
「夜這いってあるだろう」
「へ? あ、はぁ」
 何故いきなり下ネタ。
 疑問符を浮かべる加世だったが、幻殃斉は照れもしない。
「あれは、元は『呼ぶ』という字を使って『呼ばい』と書くのだ。呼ばう、と
いうと求婚のことだな。神代の時代には、名は隠されたものだった。名を
知られるということは、己の核を握られることだ。だから、滅多な相手には
教えない。それこそ、結婚してもいいような相手でなくては、な」
「えぇ? 呼べない名前なんて意味ないじゃないですか?」
「だからあだ名、つまり真の名以外の名をつけるのではないか。言葉は
力をもつのだぞ。あまり疎かにしてはいかん」
 ふぅん、と加世はとりあえず頷いてみる。
491後の事語り〜海坊主〜 3:2007/11/23(金) 23:50:11 ID:rreVVDLp
 ふと、何かが頭の隅にひっかかった。首を傾げて、かすめた影の尾を
掴もうとする。
 何かが見えたような気がした瞬間、きゅるる、と腹の虫が鳴いた。思考を
ぶった切って赤面した加世を、男二人は礼儀正しく視界から外す。
 ……肩が震えているのは、気づかなかったことにしよう。
 幻殃斉が扇子で口元を覆って、階段の方へ視線を投げた。
「しかし、船主の戻りが遅いな」
「で、ですよねーっ!」
 これ幸いと飛びついた加世は、ぱたぱたと手摺りに駆け寄り、吹き抜けを
見下ろした。
「―――あれ?」
「どうした」
「なんか、変なモヤみたいなのが……」
「モヤ?」
「薄桃色の……下が見えないんですけど」
 言った瞬間、ぴんと空気がはりつめたのがわかった。
 思わず振り返ると、ふわりと天秤が宙に浮いている。幻殃斉が大股に
近づいてくると、加世を押しのけるようにして階下を見下ろした。
「……あれは」
「な、なんですか?」
「瑞雲」
 ぼそり、と外を見ていた薬売りが呟く。その手はすでに札を握っていた。
「加世さん、こちらへ」
 厳しい声音で言われて、慌てて薬売りの元へ戻る。見回せばいつのまにか
同じ色の雲が船をとりまいていた。虚ろ船の淡い色。それさえなければ
ただの濃い霧のようだ。舳先へとかかる橋が、もう見えない。
「ず、瑞雲って……おめでたい雲のことですよね? なんで」
 そんなに警戒を、という疑問に、答えてくれたのはやはり幻殃斉だった。
「そう、見るだけなら確かにめでたい。吉兆と言われているな」
 雲の模様の扇を翻し、
「だがあれはカミの領分だ。下手に人が踏み込めば、」
「祟られる」
「そういうことだ」
「えーーーーーーっ!?」
 なんて迷惑な、と加世は天を仰いだ。なんなのだこの旅は。呪われて
でもいるのか。
「じゃ、じゃあ、三國屋さんや源慧さんたちは?」
「……雲が晴れないことには、確認しようもない」
「あー……。まぁ、一応呼んでみるか。おぉい、船主! 源慧殿! 佐々木殿!
誰か聞こえるかぁー!?」
 幻殃斉の声は意外によく通った。加世も耳を澄ますが、返事らしきものは
聞こえない。
492後の事語り〜海坊主〜 4:2007/11/23(金) 23:52:43 ID:rreVVDLp
「…………」
 うぅむ、と唸りながら幻殃斉もこちらへやってきた。薬箱の引き出しから、
次々に天秤が飛び出して、三人の周囲を丸く囲む。その内側に、薬売りが
札を貼り巡らせた。じじ、と何かが焦げるような音がして、文字が浮かび、
目玉の模様が浮かぶ。ぎろりと赤く染まって空を睨む。

 ―――りん。

 りん。

 りぃん。

 雲は、甲板を這うようにゆっくりと流れる。きらりきらりと潮風が吹いた。
合間に響く鈴の音。吹き抜けを煙のようにのぼってきた瑞雲が、のろのろと
三人の周囲を取り囲んだ。結界が効いているのか、円形に遮られたように
煙(けぶ)り流れ、もやもやと船の外の雲と合流すると、ゆっくりと流れ去って
いく。
 それとも、船の側が流されたのか……。
 海上にわだかまる薄桃色の塊を見送りながら、加世は、ぐ、と肚に力を
込めた。
「さ、探しに行きましょう」
「……離れないほうがいい。行くなら全員で」
 薬箱を背負った薬売りが言い、幻殃斉も頷く。薬売り、加世、幻殃斉の
順で、そろそろと足を踏み出した。
「三國屋さーん! 聞こえたら返事してくださーい! 誰かー! 佐々木様ー?」
「源慧殿ー! 菖源殿ー!」
 上から順に降りていくと、寝かせた兵衛を確認するのが一番早い。
 つい先程広げた布団を確認するが、人の形に盛り上がっていた布団は
ぺったりと空間をなくしていた。そんな、と駆け寄ろうとした加世を制して、
薬売りが布団をめくりあげ表に触れる。
「……まだ温かい、ですが……」
「薬売り、これはやはり、」
「いや、まだ結論を出すには早い」
 幻殃斉と薬売りには見当がついているのか。
 加世の方を憚りながら、目配せと最低限の言葉でとり交わす彼らの
会話が悲しい。
 きゅ、と奥歯を噛みしめる。まだだ。まだ諦めない。そうとも、思わせぶりな
フリをして、みんなで示し合わせて加世を驚かそうとしているのかもしれない
ではないか。あの変な色の雲だって、薬売りなら作れそうな気がする。
 種を明かされたら、盛大に怒ろう。拗ねてそっぽを向いて、せいぜいみんなで
機嫌をとればいいのだ。それも旅の余興のひとつ。思い出になる。
493後の事語り〜海坊主〜 5:2007/11/23(金) 23:55:10 ID:rreVVDLp
「源慧さーん、菖源さーん! もー、みんなどこ隠れてるんですかー? 
船の上なんだから、すぐ見つけちゃいますよー!」
 からり、と富士の描かれた襖を開ける。やはりぺたんこの布団が一組。
触れた薬売りが首を振る。
 加世の案内で奥の厨房へ。かまどには火が入っていた。盆の上に
並べられた湯呑は6つ。鍋からはほこほこと湯気が上がっている。
 なのに人影が、人影だけがない。
 火の始末をし、立ち入ったことのない船の奥にまで踏み込む。そうしている
うちに三國屋か五郎丸か他の船員か、誰でもいいから誰かがひょっと顔を
出し、困りますと苦情を言ってくれればいいのに。
 物陰まで丁寧に見て回る。
 人がいた気配はある。ついさっきまで一緒にいた人たち。
 だが、そらりす丸にはもう、誰もいなかった。



「どうして……。みんなどこ行っちゃったのぉ〜?」
 座り込んで半泣きになる加世を、難しい顔をした幻殃斉と、何を考えているか
わからない薬売りが見下ろしている。
「いるはずの人間が、出られるはずもない場所で、跡形もなく消え失せる。
これは……」
「神隠し」
「だろうなぁ。まさか己が遭う日がこようとは」
 嘆息する幻殃斉に、加世は噛みつく。八つ当たりだと、自分でもわかっていた。
「神隠しって、天狗が攫っていくんでしょう? ここは海じゃないですか!」
「陸ではな。だが天狗以外の場合もあるし、海にも神隠しはある。御伽噺の
浦島とてそうよ。あれは神隠しだ」
「……じゃあ、みんな竜宮に?」
「いや、なんとも言えんが」
「どうして? アヤカシの海をつくったモノノ怪は祓われたのに!」
「中核を成していたものがなくなっても、棲み着いたアヤカシがすぐに
河岸替えをするとは限らん。むろん、徐々には減っていくであろうが……」
「いまだ此処は、アヤカシの海」
「そういうことだ」
494後の事語り〜海坊主〜 6:2007/11/23(金) 23:58:17 ID:rreVVDLp
「そんなぁー!」
 声をあげた加世に、幻殃斉が首を振る。
「娘。他人の身の上ばかりを心配している場合ではないぞ。身共は数多の
術に優れ、弁舌知識のほど類稀なること甚だしいが、船の操縦は―――できん」
 あ、と加世は口を開ける。思わず薬売りの顔を見るが、
「……漂流するしか、ないようですね……」
「嘘ォーーーーーっ!?」
 頭を抱える加世の前で、薄々事態を把握していた二人は冷静だった。
「先程見た限りでは、水も食料もあるにはあったが」
「足りますかねぇ……。食い扶持は、半分以下になっちゃあいるが」
「神隠しは早ければ数刻で戻ってくることもある。船員が戻るのを期待する
しかあるまいな。あとは……そう、生簀(いけす)もあることだし」
 しばしの沈黙。
 人間たちの騒ぎなど知らず、ゆったりと泳いでいる金魚に、幻殃斉が、
薬売りが、最後に加世が視線をやる。
「……金魚は、元はフナの変種であったな」
「食えますかねぇ……」
「食べる気ーーーーー!?」
「まぁ、最後の手段だ。あまり美味そうなものでもなし」
 大真面目に答えられて、かえって真実味が増した。本当に、非常事態なのだと。
 加世は涙ぐむ。もしかしたら、数日後には死ぬかもしれない。
「ほんと、どうしてこんなところに来ちゃったんだろう……」
 薬売りが視線を逸らした。ややあって懐から何かを取り出すと、ぽんぽん、と
加世の背中を叩く。
「加世さん、これを」
「なんですかぁ〜?」
「ちまき」
 ちょん、と手に乗っていたのは、なるほど確かに笹でくるまれたちまきのようだ。
「腹が空くと、人は悲観的になる。とにかく食べましょう。幻殃斉殿もどうぞ」
「おお、いただこう」
 広げると、笹の青い香りともち米の香りがした。ぐすぐすと鼻をすすりながら
口に運ぶ。ゆっくりと咀嚼して、こくりと飲み込んだ。
「……こんなときだけど、でも、おいしい」
「そりゃあ、よかった」
 先はともかく、今はまだここに生きている。
 薬売りが、ほんの少し笑ってくれたような気がした。



  つづく



エロパロ板でやることじゃない気がしてきた。
ダメなら個人サイト作る(´・ω・`)
495名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 00:20:02 ID:TntPbQBZ
面白いからこのままやってくれ。エロもそのうち
入るんだろ?ならいいじゃん。
496名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 01:02:58 ID:J94fH3kN
ここでやりつつ個人サイトも作るという手もあるよね
サイトになれば迷わずリンクする
497名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 01:08:41 ID:AaxXKNOT
投下されてた! 天秤さん、乙です。
おもしろいよ、続き楽しみにしてますよ。
なんか心当たりありそうな薬売りw 後ろ暗いのか?
薬売り特製?のちまき・・・美味しそう、こっちもおなか空いた。
498名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 02:44:54 ID:0Ui1/iXL
ここでも続けて個人サイトも作るに一票。
リンク用意して全裸で正座して待ってます。
499名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 03:49:16 ID:+clCALtE
ここでやるにせよ、個人サイトを作るにせよ
ついて…行きますよ。

>>498
ブログの人でしょうか。
全裸で正座に引っ掛かったのでw
500名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 14:32:24 ID:0Ui1/iXL
>>499
すみません。ブログの人です。
仕事が忙しくて自分家の更新が滞り気味なので、
他の職人さんの作品が今心の支えです。

…然し全裸で正座で気付かれるってどうなんだかorz
501337:2007/11/25(日) 13:13:28 ID:zgVZY4Bn
天秤の人来ましたこんにちは。
個人サイト……頑張ってみる。タグ忘れてるなぁ、でもモロに18禁内容で
ブログはマズい……よね。陵辱モノもあるし。うーん。

投下いきます。この話エロ入れる余地がない。
なんのために女将で練習したんだか……。のっぺらまで待ってください orz
でもって短いんだけど今回は2レス分。薬売りと幻殃斉しか出てこないw
他に切る場所がなかったごめん。次回の投下で完結します。
502後の事語り〜海坊主〜 7:2007/11/25(日) 13:16:48 ID:zgVZY4Bn


 現状を受け入れてしまえば、加世はよく立ち働いた。とりあえず海は
穏やかで、時化の気配はない。嵐になれば対応のしようもないので、
それは諦める。
「魚のアラで、お雑炊作りますね!」
 襷(たすき)をかけて包丁を握る加世に、男二人はよろしくお願いしますと
頭を下げるしかない。加世のそばには天秤を残し、陸か船かの姿を求めて、
見張りに立つことになった。ほとんど気休めのようなものだが、しないよりは
ましだろう。
「狼煙を上げる用意だけ、しておきましょう」
「そうだな。もっとも、晴れんことにはしようがないが」
 薪と、獣の糞を積み上げ、探してきた筵をかけると板を立てかける。
「薬売り」
 せっせと作業をしながら、幻殃斉が口を開いた。
「はい?」
「おぬしと、あの加世という娘、どういった間柄だ?」
 しばらく返事はない。
 この不可思議な男の何がしかに触れたのかと、幻殃斉は顔をあげたが、
薬売りは視線もあげていなかった。幻殃斉の目に気づいたか、ふ、と、
貼りついたような笑みが浮かぶ。
「さぁて……。どうお答えすれば、ご満足頂けますかね……」
「坂井の化猫騒動でたまたま居合わせただけかと思っていたが、
それにしてはえらく構うではないか。遠ざけたいのか、からかいたいのか、
それとも手元におきたいのか、さっぱりわからん」
「それが、幻殃斉殿に、何か関係が……?」
「何、とっさの判断に迷わぬようにな。なんといってもアヤカシの海だ。
いつなんどき、何が起こるかわからん。危急の折、ただの顔見知りと
それ以上では人のとる行動も違ってこよう。あらゆる想定をするのに、
情報を求めているだけのことよ」
 薬売りが笑う。先ほどよりは柔らかいものだった。
「なるほど、道理だ」
「当然だ」
 ぱたぱたと手を払って、薬売りが立ち上がる。水平線に視線を投げた。
「どう……言ったらいいやら、正直、己でもはかりかねてまして、ね……。
幻殃斉殿、猫はお好きですか」
「猫? 別に、好きでも嫌いでもないが」
「旅などしていると……たまに、懐こい猫がいるでしょう。連れもない道中で、
にゃあにゃあすり寄ってきたら、まぁ……悪くは、思いますまい。撫でて
ひとしきり構ってやって、しかし日暮れまで遊ぶものでもない。先の都合で
別れてそれきり、そういうものでは」
「……その猫は女か。女なのか」
503後の事語り〜海坊主〜 8:2007/11/25(日) 13:19:10 ID:zgVZY4Bn
 問うと、薬売りは笑って答えない。
「悪感情など持っていないから、思わぬ場所で元気にしているのを
見れば嬉しく思う、その程度のものなのですが」
「……おぬし、今までよくぞ刺されなかったな……」
 その顔で、一体どれだけの女を泣かせてきたやら、わかっていながら
あえてやっていそうなところが、なおのこと性質(タチ)が悪い。
 ふふ、と薬売りが笑う。
「幻殃斉殿がどう思われているか知りませんが、そもそも滅多にない
ことですよ。女の情念は怖ろしい。進んで踏み込みたいものでは、ない」
「ほう、おぬしでも女は怖いか。真と理を明かすのに、巻き込まれることも
あるだろうに」
「はたから見るのと、己の身に起こるのとでは違いますよ。所詮は他人事だ」
「……あっさり言ったな」
「俺なりに、幻殃斉殿には敬意を払っているつもりなので、ね」
 さらりと言われて、思わず目をみはる。扇子を広げ、空咳をしてごまかした。
「そ、そうか。殊勝なことだ」
「―――猫には猫の生活がある」
 薬売りは欄干に手をやると、空を見上げた。長い前髪が顔にかかって、
表情を隠す。
「勝手に手を出していいものではない」
「人に飼われる猫もいよう」
「ええ……います、ね。そして死に別れる」
 幻殃斉は息を呑んだ。髪に隠れた横顔を、こっそりとうかがう。
「……死んだのか」
「物のたとえ、ですよ。普通は、そうでしょう。人より長く生きる猫など、
それはもう猫ではない」
「猫又だな」
「いかにも。……もちろん、人だとてそれはわかった上で飼う。覚悟も……ある。
情けをかければかけるほど、死に別れれば、辛く、悲しいものだが、
いずれは……癒える。人によっては次を飼う。それを、非情と誹(そし)る者も
おりますまい。ましてや、かけた情が、失った悲しみが偽りだと、誰がどの口で
言えるやら」
「そうまでわかっているのなら、飼えばよいではないか」
 薬売りが振り返る。
「そう。……だが、俺は人と猫ほどには、人と違わない。だから、戸惑って
しまうのでしょう」
 幻殃斉はぱちんと扇を閉じ、ぽんぽんと首の後ろを叩いた。しばらく言葉を
探し、ややあって溜息をつく。
「……この世に、怖ろしいものはひとつではないな」
「まったく。人とは、難儀なものだ」
「……念のため聞くが、神隠しはおぬしの仕業ではないな?」
「違う、とお答えしておきましょう」
「ならば、いい」
 潮風が過ぎ行き、海はゆったりとうねる。


 そして、幻殃斉も姿を消した。



  つづく
504337:2007/11/25(日) 14:39:03 ID:zgVZY4Bn
しまった、加世以外が相手かもしれない薬売りがいます、て
注意書き入れるの忘れました……。

退魔の剣にブッタ斬られて紙吹雪になってくる
505名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 16:27:22 ID:Vmx35SiP
>>337
面白い面白いと読んでたら、最後に幻ちゃん消えたーーーー!!!!
エロ入れる余地なしと書いてあるけど二人きりになったら
薬売り「ラッキー」てなものかと思ったんだがな とりあえずGJ サイトもガンガレ

ブログで18禁もよく見かけるが、問題はエロの濃さなんだろうな。
上のブログの人のブログみたいにあからさまな表現よりは
美しい表現で、文章をぼかして読む側の想像に任せるのと、
>>337氏のさとの陵辱話や座敷童子みたいにガツンと来るものではやはり違うし。
ブログにするなら注意書き前提・反転とかだとダメか?
506名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 20:38:17 ID:ro39dt7J
幻ちゃん消えた!







海に落ちたとかだったら笑えるw
507337:2007/11/25(日) 23:17:28 ID:zgVZY4Bn
>薬売り「ラッキー」

そ れ だ ! www

一応最後まで書き終わってるんだけど、そっちの方が最初に考えてた
話に近い。そっちも書いてみて納得いく方落とすよ。
ありがとう>>505
508名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 03:55:39 ID:YBwpamf8
いや、違う。
幻ちゃんが消えたのは神隠しでもなければ海でもない。
フスマの向こうに消えたんだよ。
509名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 05:26:48 ID:+8HoyeKS
つくづく賢い襖だなw
510名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 14:58:42 ID:n0NYcGtN
>>508
先に言っておくと、あくまで冗談……です、よ。


「おっ膳立て! おっ膳立て! ハイ!」

「「「「「おっ膳立て! おっ膳立て!」」」」」

「襖さん襖さん、こんにちは!」

「「「「「こんにちはー!」」」」」

『…………』

「僕ら、今日は襖さんにご相談にきました」
「実は、これこれしかじか」
「かくかくうまうまで」
「ご主人様と加世ちゃんを、二人きりにしてあげたいんです」
「お願いします! 協力してください!」

 ぺこり。ぺこり。ぺこり。ぺこり。

「幻殃斉さんにはちょっと申し訳ないけど……」
「実はいい人だよね」
「うん、嫌いじゃない」
「だが、大いなる目標のためには些少な犠牲はやむを得まい」
「ご主人様にもう少し甲斐性があれば、こんなことしなくてもいいのに」

「ね」「ね」「ね」「ね」「ね」
511名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 14:59:16 ID:n0NYcGtN
「まさか証拠や記憶が残らない範囲でしか手を出さないなんて」
「卑怯だよねー」
「このままじゃご主人様、「お腹にややこが」「……そうなんだ(棒読み)」
と同じキャラって言われても申し開きできないよ」
「あ、でもそれ、言われると男はひやっとするんだって?」
「今のままじゃそこにも辿り着けない……」
「若旦那以下ッ!?」
「いやでも、もしご主人様がそんな真似したら……どうする?」
「えー?」

 (想像中)

「……とりあえず、楽には死ねないと思え? みたいな?」
「眼球班と爪剥ぎ班と串刺し班と」
「頚動脈の位置確認しておこうか。解剖図どこだっけ」
「ここにあるよ!」
「待て。頚動脈じゃ即死だ。やるなら気道を」
「あ、そっか。人の体って難しいね」
「よし、アフターフォロー対策も完璧」
「僕らってご主人様思い! ひゅーひゅー!」
「と、いうわけで襖さん、どうかお願いします!」

「「「「「お願いしまーす!」」」」」

『…………』

 すたーん!!


こうですかわかりません><!
……すみませんごめんなさい。
512名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 16:28:40 ID:+8HoyeKS
天秤達GJ!
仕事人にもなれるのかwww

ご主人様思いというか、加代思い?
513508:2007/11/26(月) 17:31:52 ID:YBwpamf8
>>510
腹抱えて笑いました。GJ! 楽に死ねないと思えって…www

「ご主人様にはお仕え申す! 然しお守りするのは加世ちゃんのみ!」

みたいな?
514名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 23:23:54 ID:Q4KvPVTJ
>>510
神隠しはおおマジでテンビンズの企みのような気がしてきたw
515名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 23:27:59 ID:xofiqzkv
もはや玉川声にしか聞こえず。
516337:2007/11/27(火) 23:29:43 ID:diJaGTce
のっぺらの難しさに壊れかけの天秤の人です ヽ(゚∀゚)ノ アッヒャッヒャ!
あ、言ってなかったけど海坊主のゲスト話はなしで。
お庸はいじる隙がない。

書いてみた! 結果、エロなしに軍配が上がった!
……ごめん。
投下いきます。海坊主編これにて完結。全8レス……かな?
517後の事語り〜海坊主〜 9:2007/11/27(火) 23:31:21 ID:diJaGTce

 がちゃん、と加世は膳を落とす。碗の中身が零れて畳の床に飛び散った。
「加世さん!」
 珍しく慌てたように薬売りが駆け寄ってくるが、そちらへ反応する余裕が
加世にはない。限界まで目を見開き、わなわなと震える手が頬に伸びる。
「なんで―――幻殃斉さんっ!?」
 右を見る。左を見る。どこにもいない。食事の準備ができたから、膳を
運んできた。見張りの二人に声をかけ、薬売りに続いて幻殃斉も降りて
きた。靴を脱いで座敷への階段へ踏み込もうとした、その瞬間に。
 姿が、掻き消えた。
 今度は瑞雲などなかった。一瞬驚愕にひきつった顔までありありと
思い出せる。なのに、なのに。
「幻殃斉さんッ!?」
「加世さん、落ち着いて」
 背後から腕をとられる。海座頭に幻を見せられたときのように。ならば
これも夢幻の類か。そうならいいのに、
「痛っ」
 暴れるうちに薬売りの爪が肌をかすって、腕に赤く痕を残した。
 ああ―――現実だ。
 加世は糸が切れたように動きを止めた。見開いたままの目から涙がこぼれる。
 海座頭の幻も、とんでもなく痛かったが何かが違う。どこがどうとはうまく
言えないが、やはりあれは幻で、ひりひりと痛いこの傷は現実だ。
 すみません、と薬売りが言う。
「消毒しましょう。……足袋も脱いで。火傷、したでしょう」
 水を汲んできます、と踵を返す、その袖をとっさに握った。
「行かないで!」
 必死で爪を立てる。恥も外聞もない。あらん限りの力を込める。
 ―――今。
 この人が消えたら。
 可能性に思いあたってぞっとする。
 茫漠と広がる海の上、見渡す限りに影もなく、海からすれば木の葉の
ような船ひとつ。
 その中でさらに、一人きりに、なる。
 臓腑を冷たい手で掴まれたような心地がした。怖い。それは怖い。世界に
たった一人になる恐怖。
518後の事語り〜海坊主〜 10:2007/11/27(火) 23:32:33 ID:diJaGTce
「行かないでください……」
 薬売りの腕に縋りつく。その指が震えて、どうしても収まらなかった。
「一人に、しないで……」
 薬売りが目を伏せる。思案しているのか、呼吸を数度。
「では……」
 ちょい、と長い指が差し招くと、天秤が次々と飛んできた。花道を作りでも
するように、半間ほどの両脇にずらりと並んでいく。ぐるりと階段も巡り、
どうやら厨房までの道を先導するようだ。薬売りの腕が伸びてきて、
ひょいと加世の腰を攫った。
「え」
 視界が。あの。
「暴れないでください、ね……」
「うひゃおぉーっ!?」
 肩に担ぎ上げられて体が硬直する。斜め結びにした帯が目の前だ。
薬売りの歩みに合わせて、ひらりひらりと裾が揺れる。二人を迎えるように、
りん、りん、と天秤が順繰りに傾いた。
「ちょ、あの、く、薬売りさんあたし重いですから!」
「たいしたこたぁ、ないですよ。薬箱の方が、重いくらいだ」
「いやそれは嘘ですから! あたしあれ担いだことあるし!」
「ああ」
 薬売りの足取りは確かで、階段を下るにも危なげがなかった。
「あれは、担ぐ人によって重さが変わるんです、よ」
「はぃっ!?」
「機嫌でも損ねようものなら、そのうち、岩でも担いでいるんじゃないかと
いう有様に」
「そ、そんなわけ―――」
「ない、と思いますか? 本当に?」
 うっ、と加世は言葉に詰まる。ひとりでに動く天秤に、形と真と理がなくては
抜けない剣。それらを思えば薬箱の重みが変わっても、あんまり不思議では
ないかもしれない。
「そら、着いた」
 厨房の踏み台にすとんと降ろされる。もちろんここもぐるりと天秤が囲って
いた。りん、と揃って鈴を鳴らす。汚れた足袋を脱がされて、止める間もなく
足をためつすがめつされた。
519後の事語り〜海坊主〜 11:2007/11/27(火) 23:33:38 ID:diJaGTce
「少し、赤くなっちゃいるが……」
 水に浸した手拭で軽く撫でられる。どろりとした雑炊が、逆に足袋に染み込み
にくかったのか、水ぶくれになるほどの火傷ではないようだ。むしろ腕に赤く
走った傷を見て、薬売りが顔をしかめた。
「ミミズ腫れになっちまいましたね……。申し訳ない」
「いっ、いやいやこの程度! すぐ治りますから!」
 それより足! 足首離して!
 加世は心の中で絶叫した。
 白い男の指が、褐色の自分の足首に絡んでいる様は、妙な緊張感を
呼び起こす。油断してはいけない。隙を見せれば襲われる。
 ―――え?
 自然にそこまで思って、加世はふと我に返ると思いきり赤面した。
 そんなわけないのに。なんて自意識過剰な。
 一人百面相をしている加世に気づいているのかいないのか、薬売りは
懐から今度は貝を取り出した。ぱかりとねじると、中は軟膏のようだ。
腕を出して、と手首をとられる。
 早くなっている脈に気づかれたくなくて、加世はあわあわと話題を探した。
「え、えっと……薬売りさん、その爪どうしたんですか? 坂井のお屋敷の
ときは、そんなに長くなかったですよね?」
「面目ない」
「あっ、いや責めてるわけじゃなくて! ほら、だって薬売りさん、モノノ怪
相手に立ち回りするでしょ。剥がれちゃったりしたら、すっごく痛いですよ。
化猫のときだって、血が出てたのに……だから、なんか訳があるのかな、て」
 薬売りは顔をあげない。傷跡を手拭で押さえるように清め、綺麗な赤い
軟膏を指ですくって、加世の腕に塗りつける。胡麻のにおいだろうか。
鼻につく、独特の匂い。
「加世さんは、俺の手がお気に召したようだ」
「いっ、いやあのそういうわけじゃ!」
 揶揄するような響きに自由な方の片手を振る。一体加世の心情の
どこまでを見通しているのか。顔が火照って困る。
「まぁ……何と言うか、色々ありまして、ね……。記念のような、戒めの
ような、操立てのような……。願を掛けたつもりは、なかったんですがねぇ……」
 独り言に近くなっていく返事に、え、と加世は呟く。
520後の事語り〜海坊主〜 12:2007/11/27(火) 23:34:33 ID:diJaGTce
 ―――女の、人?
 操というなら、それはずいぶん近しい相手で、好意をもっているときに
使う単語だ。なんとなく、薬売りは一人なのだと思っていた―――けど、
もしかして。
「こ……恋人?」
 立ち入り過ぎだとわかっていたが、気がついたらそう訊いていた。
びっくりし過ぎたのか、なんだかうまく呼吸ができない。さぁっと指先から
熱がひいていく。
「いいえ……。違い、ますよ」
 否定の言葉は、どこか柔らかかった。言葉を、大事に、唇にのせるように。
「でも」
 薬売りが、苦笑する気配がする。前髪に隠れて、よく見えない。
「これ以上は、勘弁してもらえませんかね。人に話すようなことじゃあ、ない」
 とん、と突き放されたような気がした。
 何故だか目頭が熱くなってきて、加世は慌てて俯く。
「ご、ごめんなさい。変なこと聞いて」
 いや、と呟く声は、どこか痛みをこらえているようだった。ひどく傷つけた
のかと、心配になる。
 胸が、痛い。
「ごめんなさい……」
「気にしてません、よ」
「でも」
 薬売りが、溜息のように笑う。軟膏を塗り終わって、細く裂いた布を巻き始める。
「……じゃあ、俺からも訊きましょう。それで、あいこということで」
「はい」
「加世さんは、どうしてこの船に?」
「え? 江戸で、新しいご奉公先を探そうかな、て」
「坂井から、実家に戻られたんでした……ね」
「ん……。だけどやっぱり、居づらくなっちゃって。奉公に出ないなら嫁に
行けって言われるし……」
 しゅん、と加世は首を垂れる。
「薬売りさんの言うとおりです。あたし、貰い手がなくて。実家は田舎だし、
化猫と縁があった娘ってなると、十分傷物扱いされちゃうんです」
「そうですか……」
521後の事語り〜海坊主〜 13:2007/11/27(火) 23:35:36 ID:diJaGTce
 加世はちょっと笑う。
「気にしないようには、してたんですけど。だって、あたしはあたしで、
そのまんまのあたしを気に入ってくれる人もいるかもしれないでしょ?」
「いいんじゃないですか」
「でしょ? でもダメでした」
 なるだけ、あっけらかんと言っているように気を遣う。明るく、明るく。
「一応、お見合いもしてみたんですけど、なんかぴんとこなくて。悪い人
じゃなかったけど、その人に嫁いで、子供産んで、あたしの人生それで
終わりなのかなーって」
「どうして? 幸せな結婚をして、可愛い子供を産むのが……夢、なんでしょう?」
「ううん、違うの。あたし……」
 ……ああ、それであの幻だったのか。
 なんとか薬売りに伝えようと言葉を探すうち、いまさら海座頭の幻の
意味が腑に落ちる。
 怖かったのは、自分の人生がこのまま終わることだ。
 恋をしたい、夢中に溺れるような。そして想い通じあって、祝福されて、
幸せな、幸せな結婚をして。
 だが、加世もそろそろ嫁き遅れと囁かれる年頃だ、否応なく現実が見えて
くる。世間知らずの小娘の戯れ言と、耳に入ってくる声が怖い。このままでは
十も二十も年の離れた、男やもめの後家さんになりかねない。
 そんなのは嫌だ。
 だって。
 ―――好きな人が、いるのに……。
 浮かんだ言葉に愕然とする。え、と混乱して視線を泳がせる。
 そんな、まさか。
 だって会ったのは一度きりで。偶然この船で再会するまで、どこにいるのかも、
また会えるのかも全然わからなかった。むしろ、もう二度と会えないだろうと、
そう思って。
 だから江戸へ―――いや、海へ。
 確実な陸路を選ばなかったのは何故だ。
 ―――女一人の旅だから。
 だから陸を行くより、少し高くついてもいい船に乗った方が安全で。心の底、
呼ばれるままに港へ、出た……?
522後の事語り〜海坊主〜 14:2007/11/27(火) 23:36:18 ID:diJaGTce
 ―――船は、沈む。
 着かなくていい。
 江戸に、辿り着かなくたって構わない。奉公に出たからって、縁談から完全に
逃げられるわけじゃない。世話好きの女中頭でもいたならそれまでだ。
それなら、いっそ。

「―――加世さん」

 腕を強く引かれて、はっと我に返った。
 あれ、と思う。
 薬売りが、泣きそうな顔をしている……。
「呼ぶ声に、安易に応えてはならない」
 かたかたと鳴っているのはなんだろう。妙に重たく感じる頭で、のろりと
視線を動かす。
「人の心に闇ある限り、訪なう者は絶えずして」
 薬売りの帯に挟まれた退魔の剣が、モノノ怪を求めて―――いる。
「迎え、誘(いざな)う声こそは、形を求め、名を盗む」
 ずきり、と右目に鋭い痛みが走る。


「痛っ、いっ、いやあああああああっっ!!」


 がくんとのけぞった体を、強く腕が抱きとめる。
「―――乗った者らが姿を消せば、それは正しく虚ろ船」

 カチン。

「江戸の港に着きたくない、その思いが船を迷わせる」

 カチン。

「……その、理。お聞かせ、願いたく……」
523後の事語り〜海坊主〜 15:2007/11/27(火) 23:37:20 ID:diJaGTce
 いつもの、厳しく真実を暴く声ではない。優しい声音に、残った片目から
涙がこぼれた。
「……薬売り、さん……」
 ごめんなさい、と流れた涙が、薬売りの上ではじけて花になる。
 既に大事な人がいるというのに、身勝手な、酷い想いで巻き込んだ。
 それでも、薬売りは加世の想いにつきあってくれたのだ。嬉しいと思う
心根が―――醜い。
 でも。
 目を逸らすことは、自分自身で許せない。ここで醜い己を拒んでは、
薬売りに申し訳が立たなくなる。
「斬られたら、痛い?」
「おそらくは」
「この船……消えちゃう?」
「そうですね」
「薬売りさんは、陸に、帰ってね」
 切れ切れに言うと、薬売りは首を振る。
 抱き寄せられた。
「加世さんをこの海に呼んだ、原因の一端は俺にある。一人には、しませんよ」
「ダメ。待ってる人がいるでしょう」
「いません」
「嘘」
「……加世さん、こそ。ちぃ坊とは誰ですか」
「甥っこ。泣き虫で怖がりで」
「でも可愛い。でしょう」
「……うん」
「貴女は、帰らなくては。なんとか、しますから」
「……うん。薬売りさん」
「はい」
「ごめんなさい。……でも、一緒にいたかったの……」


 ―――カチン。


 ぐいと強く、かたく抱きしめられる。薬売りの体温が、こぼれる涙があたたかい。
耳元に、低い囁き。
 爆発するように溢れた金色が、瞼の裏に灼きついた。
 ―――綺麗。
 とてもとても、綺麗な光だった。

524後の事語り〜海坊主〜 16:2007/11/27(火) 23:38:17 ID:diJaGTce


    *    *    *    *



「おお幻殃斉殿、どちらにいらしたのですか。随分探しましたぞ」
「ああよかった、ご無事で何よりです」
「……はて、薬売りの方と娘御はどちらに。ご一緒ではなかったのですか」
 見知った顔に次々言われて、幻殃斉はゆっくりと首を巡らす。極彩色の、
元御朱印船そらりす丸。江戸への道行きに袖すりあった、船主、船員、侍、
坊主。
 ―――そうか。
 神隠しに遭ったのは、己らの方だったか……。
 幻殃斉は瞑目する。
「……あの二人は、戻ってこまいよ」
「は!? なんと言われます」
「アヤカシに、惑わされたのだ」
 たぶんもう、二度とあいまみえることはないだろう。



   おわり



長い話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
525名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 23:54:06 ID:iHMXlJ/0
リアルタイムで読みました!GJ!!。
526名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 00:11:58 ID:irbsf9bD
凄すぎる。感動した。
GJ!!!
527名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 00:40:02 ID:9VZudB85
エロがなくても十分納得の出来だったよGJ!
528名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 00:41:34 ID:SYStJqst
こうきたか!!と思わず唸ってしまいましたぜ。
うわあ…手が震えるほど感動してますよ。
天秤のひと、ありがとうございます!
といいますか、泣いてるんですけどなんか自分。
529名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 01:06:07 ID:0pkE36Is
人大杉で入れなかったのが今やっと入れた…
>>337氏の薬加は切なすぎて卑怯だ!
真剣に泣いたじゃないかちくしょう
530名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 01:15:39 ID:pCMq8ovc
ドSさんどこ行っちゃったの(´・ω・`)
続きが読みたいです・・・
531名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 08:33:45 ID:9hdL3X21
薬売りとの心中モノみたいなニュアンスを感じるから泣けるんだろうな…間違っても竜宮城行きじゃなくてwww
532ドS:2007/11/28(水) 08:42:58 ID:yQi+OS6S
天秤の人すげぇ、実際こういう脚本でも全然いけそうだ。

朝一で投下。
533加虐愛22:2007/11/28(水) 08:46:23 ID:yQi+OS6S
「俺は人斬りだ、いずれ手討ちになる。どうか一緒に逃げてくれないか…?」


 芝居の台詞を朗読しているような奇妙な感覚、
―…切り刻んでやる―
 兵衛の見開いた目に殺気が宿った。
加世を斬ったとしても此処は海の上、亡骸を海に捨ててしまえば誰にも分からない仮にばれたとしても刀で脅して従わせればいい。
―暇潰しくらいにはなったか…―

「…加世…、俺と来てくれ」
 加世は未だ黙ったままでいる、その背中に兼貞の刃を滑らせ赤い血が吹き出る様を脳裏に描き兵衛の下腹がゾクゾクと疼いた。


「……はい……」



「地獄まででも…付いて行きます…」
 加世が兵衛の方を振り向き屈託なく笑った。


「…な……ん」

 口から出るのは言葉にならない不自然な呼吸だけ、頭が真っ白になり夢を見ているような錯覚に陥った。

加世の体を包んでいた布を引き剥がし夜の冷たい外気にその裸体を晒した、乱暴に床に押し倒し後ろから尻を高く抱え上げる。
「ひゃ…!」
 自分の体温がひどく低く感じられる、それと裏腹に下腹部に血が集まり堅くそそり勃つそれはドクドクと脈打ち加世の腸壁を刺激した。
534加虐愛23:2007/11/28(水) 08:48:34 ID:yQi+OS6S
両手で邪魔な尻肉を割り開き深々と突き入れ狭い腸壁をこじ開けた、
「あっ…く、…ひぃ…」
 腹の中深くをえぐられた加世は半ば白目を剥き全身から玉の汗を滲ませている。
「はぁ…はぁ…、黙れ…!くそっ…」
 平静を失った兵衛は加世の様子に目もくれず欲望のまま律動を繰り返した、引き抜くたびに緋色の肉がめくれ上がり先刻まで可愛らしい蕾だった菊門は卑猥な肉の穴と化した。
「んくっ…兵衛さ…ま、ひっ…!」
「うるさい!!黙れ!この、売女が!」

―パーーン!―

苛立ちを押さえられず加世の尻を思い切り平手で打った、
「ひぅっ…!嫌ぁ…、痛い…」
 苦痛を訴えるものの成されるがまま抵抗の素振りすら見せないその姿に兵衛は困惑していた。
「くっ…お前は…!」
―パーーン!パーーン!―

「うっ…!あぁ!」
 柔らかく形の良い尻をさらに打ち続けると加世の尻が痙攣し兵衛のものを締め付けた、
「ははっ…!なんだ、尻を打たれるのがそんなに良いのか?とんでもない変態だな!」
535加虐愛24:2007/11/28(水) 08:50:37 ID:yQi+OS6S
一層激しく突き入れるとその刺激で膣に入っていた棒が抜け落ちた、白濁した粘液と透明な粘液が纏わりついているそれは膣から粘液の糸を引きながら落下しコロコロと床に転がった。
「おい、誰が抜いて良いと言った?」
 兵衛はそれを拾い上げるとぱっくり口を開け精と蜜を垂れ流す穴に再び捩じ込んだ、
「あぐっ…!ひっ!あぁああぁ!!」
 直腸に挿入していることにより狭くなっている膣内をえぐる感触がゴリゴリと手元に伝わった。
「うっ…っあぁ!すごいな…急に締まったぞ…」
感触を楽しむ様に棒を出し入れし角度を変え膣壁を刺激すると加世の腰がくねり不規則に膣と菊門が収縮した、それは兵衛の快感を煽りたまらず激しく突き上げた。
「あっ…あっ!あ゙あぁぁあ゙ああ!!」
 前後の穴を同時に激しく出し入れされ加世が断末魔に似た嬌声を上げた、
「はぁ…はっ…!加世…俺は…!」

―俺は、ひどい男なんだよ―

 二つの穴を隔てる薄い粘膜を破らんばかりに擦り上げ高まる射精感に奥歯を噛み締めた、律動のたび加世の秘部から水音がたち腸液と精と蜜が混じりあった液体がドロドロと内腿を汚した。
536ドS:2007/11/28(水) 08:52:44 ID:yQi+OS6S
きりが悪いけどここまで、時間が欲しい。
ttp://imepita.jp/20071128/308180
537名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 08:57:08 ID:9hdL3X21
リアルタイムで読みました!辱めている筈の方が辛いあたりがらしくてGJ!!
538名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 12:41:29 ID:pCMq8ovc
ドSさん朝から超GJ!
539名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 15:39:32 ID:I17fLu3Z
ドS様は投下する時間帯までドSだなw
540名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 20:49:37 ID:SnxEOJ+p
ドS様キター!! てちょと投下時間www
本文の影響もあってか、>>536の兵衛がえらく可愛く見えて困るw
ガンガレ兵衛。幸せをつかんでくれ。
541337:2007/11/28(水) 23:33:17 ID:SnxEOJ+p
ブログの人のいち早い対応により、既に知っている住人の存在も
確認しつつw、個人サイトお披露目。
tp://w3.abcoroti.com/~sasayab337/
目新しいものは、調べ物副産物を記事にしたブログのみ。

海坊主読んでくれてありがd。
のっぺらこそはがっつりエロを目指します。
542sage:2007/11/29(木) 00:01:13 ID:elGfu/Zy
ドS様のも、337氏のも、なんだか胸にぐっと来ます!
GJ!!!
エロパロで切なさを感じるとは・・・
543名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 08:07:08 ID:jwBCISfV
天秤の人もドS様も切ない…。朝から切なくなってしまった。
良い話を有難うございます。
皆幸せになれると良いのに(´・ω・`)

ドS様>
時間掛かっても待ってますよ。

天秤の人>
個人サイト開設おめでとうございます。
544名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 22:58:23 ID:elGfu/Zy
とある宿街の、本屋。
本屋と言っても、旅の案内や暇つぶし程度の通俗小説、枕本・・・
そんな類が申し訳程度に置いてあるだけだ。
その本屋の店頭で、平積みの枕本をむさぼるように読みふける男が1人。
初めの内は背中の大きな薬箱を背負ったままだったが、
2冊目に入った所で下におろし、
3冊目でとうとう薬箱に持たれかかる様にして読むようになった。
そして5冊目に入ろうかと言う頃。
店主がとうとう、申し訳なさそうに話しかけた。
「おまえさん、熟読中の所申し訳ないんだけどねえ・・・」
因みに先に読んだ4冊は、薬箱の上に置かれている。
全部買うつもりらしい。
「ちょっとは周りを見たらどうなんだい」
薬売りの周りには、人だかりが出来ていた。
最近の若いもんは、とか、現実の女に興味持ちなさいよぅ、等、ひそひそと聞こえてくる。

いやあ・・・薬売りが慌てた様子もなく呟く。
「違うんです、よ、店主さん。
先日薬を買った男が、ついでにと売り物の枕本を全部買占めちまいましてね・・・
全く、それでこうして仕方なく、こうやって仕入れをしているわけでさぁ
いや、うっかり、うっかり。」
言い訳だろ、と、誰かが突っ込んだ。
買うならさっさと買っちまっておくれ、と店主。

その様子を、少し離れた所から金髪の妊婦が見ていた。
中の子に腹を蹴られ、は、と我に返り、微笑んで蹴られた辺りをさする。
「ややこ、ごめんね・・・泊まるとこ、探さなきゃね」
薬売りと志乃が座敷童子によって出会うのは、これより数刻後の事である。

終わり

色々とすみませんでした!
薬売りが、どこで枕本を仕入れてるのか気になっただけです、ハイ。
545名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 23:35:22 ID:5gaX08Pm
>>544
GJ! あの顔で何やってんだwww
546名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 00:02:50 ID:jP6tC7ro
>>544
思いっきり趣味と実益を兼ねとるなwww
だがそんな薬売りが好きだ。
547名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 00:15:30 ID:MIAkKgvV
>>544
こんな薬売りは……嫌いじゃないwwwww
GJでした!!
548名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 02:10:50 ID:lacl0w5R
昨日リアルに春画や江戸の媚薬や性愛の本端から読んでて人の事言えないwww
549337:2007/12/02(日) 00:28:39 ID:LUVP9Vdv
ばんは。
ちょっと穴埋めちっくな投下いきます。いい加減ネタの使いまわし感が
増してきたので、天秤会議は今回で最後になると思う。

とゆーわけで海坊主→のっぺらの間の話。フォローともいうw
天秤オンリー、エロなし御免。全4レス。
550幕間2〜天秤〜 1:2007/12/02(日) 00:29:55 ID:LUVP9Vdv
「天秤のーっ! お悩みっ☆相談しぃ〜つ!」

「「「「「イェーーーー!」」」」」

「とゆーわけで早速、本日のご相談者さんは?」

「はい! はいはい!」

「どうぞ。ご発言ください」

「はい! ご主人さまが口をきいてくれません! どうしたらいいでしょう?」

「「「「「………………」」」」」

「……あー」
「うん……」
「そうだね……」
「怒ってるよね……」
「うん、すげー怒ってる」

「偵察部隊、現状の報告を」

「はっ! こっそり様子うかがいにいったら、こっちには目もくれずに
『来るな』って吐き捨てられたのであります!」
「下手に近づくと、壊されそうなのであります!」
「退魔さんなんかモノノ怪斬った後、地面に叩きつけられたそうであります!」

「……うわぁ……」
「退魔さん、巻き込んじゃって悪いことしたね……」
「お願いしたの、僕たちだしね」
「後でみんなで謝りにいこう」

「うん」「うん」「うん」「うん」「うん」
551幕間2〜天秤〜 2:2007/12/02(日) 00:30:57 ID:LUVP9Vdv

「……で、肝心のご主人さまは」
「まぁ……怒りたくなる気持ちもわかるけど」
「まさか加世ちゃんがモノノ怪化するなんて、僕らだって思わなかったのにね」
「勝手だよねー。自分だって加世ちゃんに会えて内心喜んでたくせに」
「だからこそ、余計に怒らずにはいられないんだよきっと。責任感じるとか、
後ろめたいとか」
「……それって八つ当たりって言わない?」
「言う」
「モノノ怪にならなくてよかったね。ご主人さまが取り憑かれたら、誰が
祓うんだってことに」
「てことは、八つ当たり気味な負の自分も、自覚してはいると」
「頭でわかってても、理不尽な行動をとらずにはいられないってやつかな?」
「おおっ、なんかご主人さまってば、まるで人間みたいじゃね?」
「うんうん。人間ぽい!」
「ぽいぽい! すごいね!」
「すごぉーい☆」
「…………」
「…………」
「…………」

「……………………」


「「「「「……はぁ〜……」」」」」


「……マジ凹む……」
「加世ちゃんごめんねごめんねぇぇぇっ! もうお嫁さんになってなんて
ムチャ言わないから!」
「無事目を覚ましてくれますように……」
552幕間2〜天秤〜 3:2007/12/02(日) 00:32:16 ID:LUVP9Vdv
「偵察部隊、加世ちゃんの具合どうだった?」

「はっ! ご報告します。ちょっとショック症状起こしてて」
「脈と呼吸が弱くなって」
「低体温になって」
「意識不明になってるっぽいのであります!」

「うわああああん! 加世ちゃーーーーーんっ!!」
「加世ちゃーーーーーん!」
「加世ちゃーーーーーん!」
「加世ちゃあーーーーーんっ!」

「待て! 落ち着け! まだ息はあるんだし!」
「かっ、加世ちゃんが死んじゃったら、どっ、どど、どぉしよぉ〜!!」
「縁起でもないこと言うな!」
「うわあああああん!!」
「泣くな! てゆーか僕ら涙ないし!」
「そっ、そっか。これが泣きたいって気持ちか……うっ、うっ」
「僕らがしっかりしなくてどうする! ご主人さまはああだぞ!」
「ああって……どう?」
「たとえて言うなら……子供抱えた野犬みたいな……?」
「近づくと『きしゃーっ!!』てされそうな感じ。あの人実際牙あるし」
「『わかったわかった、おまえが警戒してるのはわかったから、いいから
保護させろ怪我してんじゃねーか!』みたいな?」
「そうそう」

「……じゃ、手当ては?」

「それが……」
「加世ちゃん抱え込んだまま動かないんだよ……」
「なんかこう、頭働いてないみたい」
「薬の調合とか、いろいろやることあると思うんだけど……」
「薬売りのくせにっ!?」
「頼りねぇぇぇぇッ!」
「とりあえず、薬研(やげん)と生薬、こそっと置いてきたよ」
「ぬき足で」
「さし足で」
「しのび足で」
「……怖かったね。すんごい怖かった……」

「乙」「乙」「乙」「乙」「GJ」
553幕間2〜天秤〜 4:2007/12/02(日) 00:34:04 ID:LUVP9Vdv

「それにしてもご主人さま、ものすごい動揺っぷりだね」
「変な遠慮しないで、最初っからきちんと加世ちゃんにアタックしてれば、
加世ちゃんだってモノノ怪にならずに済んだのに」
「それは言うな。過去が変わるわけじゃなし」
「うん。じゃあ僕らも加世ちゃんを招いた責任を取る方向で考えよう」

「だね」「だね」「だね」「だね」「だね」

「とりあえず、加世ちゃんの回復に全力をあげなくちゃ」
「どうやって?」
「気のきかないご主人さまのフォローだけでも結構することあるよ。えっと、
まずは……人の看病に必要なのって何?」

「……布団?」
「体温下がってるなら火鉢も」
「お湯沸かす鉄瓶」
「薬を煎じる土瓶」
「ならまず根本的に炭と水」
「湯たんぽもあった方が」
「清潔な布と、できれば着替えもほしいね」

「布は薬箱のどっかにあったような……。それ以外はどうする?」
「そらりす丸から借りればいいんじゃない?」
「うん、後で返しとこう」
「加世ちゃんが目を覚ませば、ご主人さまの態度だって軟化するよね」

「よし、では調達班と観察班を各々結成、各自加世ちゃんのために全力を
尽くすこと!」

「「「「「了解!」」」」」

「がんばるぞ!」

「「「「「おー!」」」」」



 おわり



天秤は所詮天秤で人ではない、とゆー話? かな?
554名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 01:00:10 ID:YtZ5RW/y
>「退魔さんなんかモノノ怪斬った後、地面に叩きつけられたそうであります!」

バロスwそのシーンがありありと頭に浮かんだw
555名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 01:47:27 ID:PCEB6PII
乙です。
健気な天秤達テラモエス
556名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 01:50:33 ID:rmgg/Syk
>「退魔さんなんかモノノ怪斬った後、地面に叩きつけられたそうであります!」

悲惨な状況なのに笑ってしまいましたorz
うっかりうっかりw
557名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 05:02:43 ID:UoU70xmI
あの時流した涙台無しwwwしかし和むgj!。
558名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 08:12:59 ID:ki39LMOm
GJ!
退魔はモノノ怪を祓ったのに叩き付けられたのかwww
次の天秤会議に愚痴と共に参加してそうな勢い。
559337:2007/12/02(日) 10:00:41 ID:LUVP9Vdv
ぎゃあああああ! 見直したら何余計なとこまでコピペしてんだ自分!!
ごめんマジごめん。おわり後の一文、脳内消去してくださいorz

でもって笑ってくれたなら幸い。
切なさを求める人は、会議を元に薬売り視点を想像推奨。
抱きしめてるのに冷たい加世の体とか。斬った時の手の感触とか。
560名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 12:22:39 ID:x1Vov4HN
後味わるくて欝ってたんだが、天秤会議で救われた気がする・・・
337氏乙です
561名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 14:12:56 ID:/P1n4W2M
そんなうっかりうっかりな337に萌えw
最後と言わず、また天秤会議傍聴したいっす。
562名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 14:21:23 ID:3ePVPGUp
GJGJ!!
最近天秤に萌えすぎて困るww

サイト持ちなんで337氏やブログの人にリンク張りたいけど
ちゃねら&ピンク板住人バレしそうで踏み切れない俺超チキン
563337:2007/12/04(火) 14:26:06 ID:2XsIutL0
投下いきます。お仕事学業お疲れさまな全ての人へ。

のっぺら薬加、全8レス……かな?
地の分が多くて、黒さに笑いが洩れたので改行入れまくってみた。
いつもと勝手が違うもので、かえって読みづらくなってたらゴメン。
564後の事語り〜のっぺらぼう〜 1:2007/12/04(火) 14:28:49 ID:2XsIutL0
 あ、と微かな吐息が洩れるのを、心楽しく聞く。
 なめらかな褐色の肌は大地母神を思わせて、畏怖と征服欲の、相反する
感情を掻き立てては男を煽る。それとも、本気で惚れた女には、男はみな
同じような感慨を抱くものだろうか。

 耳朶を甘噛みして舌を這わせると、ぴくりと体が揺れた。ふ、と息を吹き
かけると、おののいて逃げを打とうとする。それをいささか強引に引き戻して、
首筋をくだった。襟元をくつろげると、女の体に温められた空気が立ちのぼって
甘い。ほどけ乱れた黒髪に指を絡め、左右の鎖骨の隙間に吸いつき、再度
唇へ。大きな目が潤んで己を映すのに満足する。あえて視線を絡めたまま、
たっぷりと厚みのある唇を舐める。

「や……」

 かすかに胸を押し戻されるものの、舌を招けばおとなしく差し出してくる。
まったくいつの間にそんな媚態を覚えたのだか、女というものはつくづく
油断がならない。

 舌を吸い上げると加世の両手が首に回った。頭巾の結び目を手探りで
ほどく。ばさりと己の髪が流れて落ちた。何がいいのか自分ではさっぱり
わからないが、癖のある猫っ毛の感触がお気に入りらしく、加世は口づけの
間も繰り返し指を通す。頭を撫でられた。尖った耳の裏をさわさわと指が
辿って、また髪を梳く。

 物足りない。

 加世の帯をほどいて放り出す。はやる男に加世は少し首を傾げたが、
自ら着物の袖から腕を抜いた。身軽になった体を再度抱きしめる。素肌に
近くなった感触が、飢えを強めた。腰紐を緩めるのももどかしく、柔肌を貪る。
 存外にふくよかなふくらみを撫であげ、舐めあげる。頂きを爪で軽く
引っ掻いては押し潰す。舌でつつくとびくんと体がのけぞった。

「あ、く、すりうりさ……」

 指先に力がこもって、薬売りの後ろ襟を掴む。拒んでいるわけではない
にせよ、引き剥がす方向に力を入れられれば、いささか苦しい。しぶしぶ
顔を離して、ぐいと口元の唾液を拭った。己の帯をほどいてこれまた
放り出すと、先ほど放った加世の帯に被さって、交合する蛇のようにくねる。
今度は同時にほどいて、絡めて放り出してみようか、と一瞬思う。思う端から
忘れた。邪魔な服を脱ぎ捨てる。
565後の事語り〜のっぺらぼう〜 2:2007/12/04(火) 14:30:42 ID:2XsIutL0
 片足を持ち上げてじっくり指を這わせると、おもむろに小さな足指を口に
含んでみる。ひゃ、と声があがった。手の指とはまた違う感触だろう。
くすぐるように舌を這わす。そのまま上目遣いに視線をやると、真っ赤に
なった顔が慌てて横を向いた。気をよくして指と足の平の間をつぅっとなぞる。

「あっ、やぁっ……!」

 イイのか。

 発見に喉の奥から低く笑いが洩れた。順に足の指をしゃぶりながら、
ゆっくりと視線を動かす。小さな足、細い足首と踝(くるぶし)の突起、
ふくらはぎの曲線を辿って膝小僧、その先は襦袢の裾がちらちらと視界を
遮って、見えそうで見えない。緩みかけていながらもかろうじて役割を
果たしている腰紐、肌蹴た袷からのぞく胸から肩、首への曲線。細い首、
黒い髪、そして恥じらいを湛(たた)えながら俯く顔。どれもよく見えて、
なかなかいい位置だ。加世が『見られる』ことに弱いのはもう知っている。
足指の愛撫に悶えながら、両手で顔を隠す。

 さて。
 視線を避けているつもりのようだが、視界が遮られれば、それはそれで
追いつめられやすくなるはずだが。

 自ら袋小路に飛び込んで、兎が食べてくれと願うなら、有り難く頂かねば
なるまい。

 れろ、とふくらはぎの内側を舐めあげて、軽く歯をたてる。腿の方へずりあがる
と、襦袢の裾を跳ね上げた。脚のつけねを爪先でなぞり、黒い茂みをくすぐる。
柔らかな下腹部に口づけ、強く吸い上げる。

「あぁっ!」

 びくりと浮き上がった腰をすかさず抱え込む。片足を肩にかけさせれば、
とろとろになった秘部が目の前だ。
566後の事語り〜のっぺらぼう〜 3:2007/12/04(火) 14:32:19 ID:2XsIutL0
「やっ、だめ、だめです!」

 いやいやと首を振る様が可愛らしい。拒むつもりで閉じようとする内腿は
やわやわと頭を挟み込み、微かに身動きするだけで感触が頬に楽しい。
くすくすと笑みが洩れる。応える代わりに、つん、と舌を伸ばした。

「やっ、ひゃ、あ、だめだって、いやっ、あ、あああっ!」

 とろり、と蜜が溢れてくる。赤くのぞく陰核の先をちろちろと舌で刺激すると、
加世の体は面白いほど跳ねた。どこから出ているのか不思議で仕方ない、
高い声がひっきりなしに喉を溢れては、薬売りの耳を楽しませる。
 反応を見ながら、あちらこちらと存分に舌を這わせると、頭を挟んでいた
太腿にぐっと力がこもる。顔を隠していたはずの両手は、敷布をくしゃくしゃに
掴んでいた。

「や、んっ、あっ、だめぇ……んあっ、はっ、あああああ―――っ!!」

 びくんと大きく揺れてぐったりした体を一旦横たえると、再度唇を合わせる。
加世に涙目で睨まれた。厭って言ったのに、と詰(なじ)られる。
 やめますか、と耳元で囁くと、ぽかぽかと裸の胸を叩かれた。

「薬売りさんの馬鹿ばか、いじわるっ」

 あんたを好くさせるためなら、いくらでも意地悪くなりましょう、と囁きながら
耳を食む。ぷいと顔が背けられるが、耳まで真っ赤だ。
 どうします、と追いつめる。加世はしばらく黙っていたが、薬売りがゆっくりと
うなじをなぜてやると、消えそうな声で、して、とねだった。

 承知、と笑い含みで答える。手のひらを重ねて指を絡めた。ぬるぬると
何度か入り口を行き来して、ぐ、と体重をかけた。

「あっ、はっ、ふぁぁあんっ!」
 背中が反り返って胸の膨らみが薬売りに押しつけられる。細い腰が
しなやかにくねった。

 熱い。

 内襞が蠢いて男を包み込む。誘って、誘われて、もう何を考える余裕もない。
ただ高みへ、果てへ。もっと悦楽を。もっと。
 呼吸が荒い。血潮が騒ぐ。汗と、肌がぶつかりあう音と、水音と。
567後の事語り〜のっぺらぼう〜 4:2007/12/04(火) 14:34:03 ID:2XsIutL0
 柔らかく吸いつく襞の中に、ざらりとした感触があたる。思わずそこへ腰を
擦りつけると、加世が悲鳴のように喘いだ。きゅうっときつく締めつけられる。
ここか、と本能が歓喜する。

「やっ、だめッ! そこだめぇッ!!」
 そうは言われても止まれない。聞けない願いは言わせないに限る。唾液で
濡れて、いっそうぽってりとして見える唇を奪って、噛んで、舌を封じる。
「ふっ、うんっ、ううう―――ッ!?」

 声も、呼吸も、何もかも。飲み込んでしまえ。

 加世が目を見開く。声を出せないのは薬売りが思ったよりも加世を
追いつめたらしい。柔襞の収縮が一気に強まる。

「んっ、ふぅっ、んんッ! ……んふっ、んッ! んんッ! んんん―――ッ!!」

 びくり、と腕の中で加世が硬直する。そのまま何度かがくがくと揺れる。
揺れにあわせて、薬売りを絞りあげるように締めつける。
 目を閉じて、ぐ、と腰を押し込むと天を仰ぐ。は、と鋭く呼気が洩れた。重力に
引かれるまま、加世の上にくずおれる。倦怠感に身を委ねて、荒い呼吸を
繰り返した。

 触れあった肌の熱さが、ひたすらに、心地よかった。



   *   *   *   *



 昏睡から目を覚ましたときの、薬売りの顔が忘れられない。二人、何処とも
知れぬ場所で逢瀬を繰り返していたのを、夢に見たような、見なかったような。
ただ、ぼんやりと光って七色にうつろう、この世ならざる光景に驚かなかった
のは確かだ。同時に、何を聞かずとも薬売りの気持ちがすとんと胸に落ちて、
ひたひたと心を染み潤し、溢れこぼれて涙になった。
568後の事語り〜のっぺらぼう〜 5:2007/12/04(火) 14:35:57 ID:2XsIutL0
 どこか苦しいのかと訊かれて言葉に出来ず、馬鹿みたいに首を振った。
衝動的に起き上がろうとして、血が下がり、くらくらと頭を抱える。支えるために
薬売りの腕が伸びてきたのを幸い、そのまま胸に縋りついた。包み込んで
くれる薬売りが温かい。それだけで、もう、なんでもいいや、という気になった。

 薬売りさん、と呼びかけると、何を察したのかそれ以上言うなと遮られた。
よほどに不満げな顔をしたのだろう、薬売りは加世の体に回した腕を緩めぬ
まま、そっと背中を撫でた。何かを―――加世を、確かめるような仕草。

 そのくせ、口では早まるなと加世を諫めるのだ。化猫、船幽霊、海座頭、
海坊主。よくもこれだけ行きあったもので、最後には加世まで取り込まれた。
恐ろしい思いを散々味わって、そこに事態を収束させる者がいれば、
惹かれた気にもなるだろう。だがそれは揺れる吊り橋の上で出会ったような
もの、人の体は恐ろしければ心の臓が騒ぎ、手に汗もかく。それが色恋に
似ているだけ。たまたま薬売りが居合わせただけのことで、そんな取り違いは
さっさと忘れた方がよい、と、低い声で淡々と言ってのけた。

 殴ってやろうかと思ったが、背中の手に免じて許した。乖離する体と言葉、
どちらも薬売りの本心なのだろう。人の感情というものは、えてして矛盾し
混沌と渦巻いて、けれど、大事に思われていることは―――わかる。自分で
決めきれずに加世に選ばせようとする辺りは、甘えですらある気がする。

 たくさん心配をかけて、迷惑もかけて、それでも心を差し出すこの可愛い男を、
甘やかしてあげたいと、そのときつくづく思った。




 そうして、薬売りは今、窓辺でのんびりと煙管を吹かしている。鳥の声でも
聞いているのか、あらぬ方向を見つめる姿を、加世は布団に横たわったまま、
これまたつらつらと眺めた。
569後の事語り〜のっぺらぼう〜 6:2007/12/04(火) 14:37:45 ID:2XsIutL0
 薬売りの目は、常から当たり前のように終わりを見ている。こうして共に
過ごすようになっても、加世と薬売りの間を隔てるものは多い。いつだったか、
今の加世が思っている以上に、二人の上に同じだけの時間が流れないことは
苦しいはずだと、忠告もされた。どうにもしんどくなったら、いつでも離れて
いいなどとのたまったので、今度は遠慮なく頬を張ったが、なんだかんだで
結局薬売りはその言を撤回しなかった。

 苦しんだのだろうか、と思う。かつて、そんな経験をしたのかと。

 それでどうして絶望しないでいられるのか―――満ち足りたように笑えるのか、
加世にはわからない。加世がいるからだと、薬売りは言うけれど。
 薬売りを失くすことを考えてみる。薬売りは加世のことばかり想定している
ようだけれど、モノノ怪との対峙を繰り返す以上、薬売りの方が先に逝くこと
だってあるかもしれないではないか。しかも、加世は薬売りの死を知らないまま、
延々と待ち続けることになるかもしれないのだ。
 悲しくなってきて布団に突っ伏すと、衣擦れの音がした。煙の匂いを纏わり
つかせて、どうしました、と声が降ってくる。
「……心配、したんですからね」
 ぷぅと膨れて見せると、薬売りは珍しく神妙な顔で、すみませんでした、と口にする。
「まったく、一体どこに顔を落としてきたのかと思いましたっ」
「いやぁ……つい、うっかり」
 うっかりでのっぺらぼうになられては、たまったものではないのだが。
「でも、加世さんが書いてくれたじゃないですか」
「それは、だって薬売りさんが書けって言うから」
 おかげで、へのへのな薬売りという、世にも珍しいものを見てしまった。
絵師でもない加世に、この顔を再現しろという方が無理なのだ。
「どんなものであろうが、加世さんがくれた顔なら、大事に思いますけど、ねぇ……」
 薬売りは面白そうに笑う。
「とはいえ、へのへのもへじじゃ、加世さんに接吻もできない」
 だから取り戻してきました、とあっさり言われて、脱力する。つまり何か、
帰ってくるなり求められたのは、顔を取り戻した記念なのか。
 まったくもう、とむくれると、薬売りは機嫌をとるように加世の髪を撫でる。
……これで許してしまうのだから、自分も大概だと思う。
570後の事語り〜のっぺらぼう〜 7:2007/12/04(火) 14:40:43 ID:2XsIutL0
「……さっき」
「はい?」
「外、見ながら……なに、考えてたんですか?」
「ああ……いや何」
 薬売りがころりと加世の隣に転がる。
「己という形があることに、感謝、してたんですよ」
「感謝?」
 ええ、と薬売りは頷く。
「たとえば俺が、煙のようなものだったら……どれだけ想っても、こうして」
 ぐ、と肩を引き寄せられて、その胸に抱きとめられる。
「加世さんを抱くことも、できないでしょう?」
「それは、まあ……」
「仕合わせだと、思って、ね……」
 薬売りは加世の手をとって軽く唇を寄せた。柔らかく触れる薬売りの手を、
加世はそっと撫でる。
 これが、退魔の剣を握る手だ。
 薬の調合をする手でもある。
 加世が愛し、加世を愛する―――手。
「この世は牢獄でなく、己は囚人ではない。そういうことのひとつひとつが
嬉しいのだと言ったら……わかりますかね」
 わからない。
 だが、とにかく薬売りが幸せらしいことはわかった。
 なら、まぁいいか、と思う。
「……あんな煙管、持ってましたっけ?」
「預かり物、ですよ……。明日、届けに行ってきます」
「ええ!? 人の物勝手に使っちゃダメでしょー!?」
「道具は、使ってやらないと、すぐに古びちまいますから……」
「1日2日で古びるかぁーっ!」
 きゃいきゃいと叱ると、煩く思ったのか薬売りの腕が伸びてくる。もう黙って、
と言いながら、頭が擦り寄ってきた。眠いらしい。
 ぽん、ぽん、と背中を叩いてやると、ほっとしたように目を閉じる。
 こんな薬売りの顔を見られるのは、加世の特権だ。
 ならば、頑張って無事に加世の元へ帰ってきた薬売りに、今夜は好物でも
作ってあげるか、と思う。寄り添って、一時、目を閉じた。どこかで遠く鶯が鳴く。


 ほぉう……、ほけきょ。



  敦蝶へつづく
571337:2007/12/04(火) 14:43:12 ID:2XsIutL0
全7レスだったorz
敦盛とお蝶を、なんとか幸せにしてあげたいと思ってしまったもので、
今回はゲスト話がそのまま後事。
薬売りの魚好きはガチだと思うので、夕飯はきっと鮭の粕汁とかだ。
572名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 15:02:03 ID:/PvRwu9N
> 天秤の人

悶 え る ほ ど G J

加世ちゃんは薬売りに言われるままに描いたのかなw > へのへの
573名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 16:01:09 ID:Wz9tRWbF
今凄い幸せ気分で読み終わりました、煙管やら薬売りの小物が案外モノノ怪由来の借り物やら譲り物だとするとwww
574名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 18:52:27 ID:hMnfB+WH
GJ!
すげえラブラブになってて驚いたけど萌えた。
我慢してたぶん箍が外れたんだな、薬売りw

>>562
そ知らぬふりしてサーチでめっけた素敵サイト様v
ってリンクすればいい、じゃあないですか
575名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 23:59:38 ID:acHnWvpV
あああああGJですよ!
なんか幸せのおすそ分けを頂いた気分です。
そして加世ちゃんが無事で何より・・・

敦盛とお蝶さんも、幸せになってくれるといいですね。
576名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 00:58:05 ID:3ZJJY9UW
天秤の人GJ!!
海坊主で悶々としていた思いがこれでスッキリしたよ。
薬売りもようやく解き放たれたか。

今夜は満足して眠れそうだ。
577名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 01:18:33 ID:x/hJ8mUU
二人とも幸せそうで良かった。ほんっとーに良かった…!
でも正直この二人より、二人が想いを遂げた後の、
天秤たちのフィーバーっぷりが気になる自分はどうしようもないorz

>>562
ファイト
578名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 03:02:57 ID:KCbmWAvt
今日初めて覗いたスレが、言わせて欲しい
天秤の人GJGJGJGJ!!!
すげーおもしろかった。サイトもさっそくおきにいりに入れたよ
続きも楽しみにしてます。
579名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 16:03:17 ID:kt68qqyT
>>578
ようこそ。

>>577
フィーバーw 旧化猫並にずら〜っと並んで、三々九度を見守る
天秤を思い浮かべた。やんややんやw
580名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 20:32:20 ID:oLHPXEc8
加世の実家に結婚申し込みに行って、加世父か加世兄に、

薬売りの顔見る前↓
「(ちょっと寂しいけど)やっと加世も貰い手が見つかったか! めでたい!」

薬売りの顔見た後↓
「おまえみたいな胡散臭い男に娘(妹)をやれるかーっ!!」

とか言われて、追い出されてたりしたらいいと思うんだ!.。゚+.(・∀・)゚+。.゚
小田島様みたいな堅物イメージでw
581名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 21:34:05 ID:97pxaUr1
>>580
薬売り「こいつは手強い…」

その後の立ち回りが見物ですね。
582名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 21:44:39 ID:ruJ9HBXL
「そもそも名は何だ!」と言われてやっぱりいつも通り
「ただの薬売り です よ」で言い切る場面が浮かんだ。
583名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 21:51:42 ID:x/hJ8mUU
でも加世母とか加世姉とかいたら、味方になってくれそうだぞ。
584名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:34:59 ID:4pgfqxNQ
きっと夜の悩みに効くごにょごにょなお薬で懐柔するんだよw
585名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 22:52:39 ID:97pxaUr1
一連の住人のレスが天秤に見えてワロスw
586名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:17:05 ID:SCyLptS/
挙式の際には、天秤(と住人)全員で、高砂を大合唱させていただきますw
587名無しさん@ピンキー:2007/12/05(水) 23:20:45 ID:oLHPXEc8
ほんとだw
天秤の正体は、ここの住人だったのか……!
588名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 08:00:56 ID:lyMvFiZk
ドS様の!ドS様の御光臨は未だか〜!チリンチリンチリン〜!御期待申しておりますぞー!
589名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 11:27:14 ID:OlzTFzDt
毎回337氏の投下後に、ドS氏はまだかというコメントする人がいるけど、
あんまり催促しちゃ駄目だよ…。 
職人さんだって実生活があるんだからさ。プレッシャーかけないであげて。
590名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 13:53:04 ID:XrtnYa1d
自分は588ではなく、催促したいわけでもないし職人お二人の作品が大好きだ。
ただ、337氏の投下レベルと人気っぷりに、ドS氏が投下しにくくなって
フェードアウトしてしまわないか、それだけを以前からちょっと心配している。
591名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 14:19:30 ID:wPVukLfK
楽しみにしてるんだよーという気持ちで全裸で正座してまったり待とう。みんなで。

ところで、小田島様は娘を大切にするあまり口煩くなってしまうお父さんタイプだが
幻ちゃんはある程度理解を示して自主性を重んじるお兄ちゃんタイプだな、と
>>508を見て思った。
592名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 17:32:10 ID:XOV32Q3q
さしずめワカメは近親相姦かね。
593337:2007/12/06(木) 23:25:23 ID:pwdvJ6SZ
HAHAHA! 空気読まずに投下行くぜ。
だいじょーぶ、こんな連投、長く続くわけないじゃないか。
故にまったりドSさまをお待ちすればよいのだ。

のっぺら敦蝶のつもり、ごめん二人の幸せ優先したらエロ入んなかった、
全4レス。
594337:2007/12/06(木) 23:29:11 ID:pwdvJ6SZ
やべ、途中送信した……gdgd orz
のっぺらは色んな解釈があると思うんだけど、なんか口上が似てたから、
ここでは仮に海坊主風に解釈。
なるだけ矛盾ないように気をつけたつもりだけど、穴あったら教えてください。
595後の事語り〜のっぺらぼう〜 8:2007/12/06(木) 23:29:57 ID:pwdvJ6SZ
 庵主さま、と障子の外からかかった声に、老女はうっすらと目を開けた。
 懐かしい夢を―――見ていた。
 愚かであった若い自分、それでも愛された記憶、すべてを知ったときの
涙の苦さと温かさ。
 長いこと頼りなかった体に、今日はやすやすと力が入る。老女は少し笑って、
床の上に起き上がった。お入り、と声をかける。
 すらりと開いた障子戸の向こうには、弟子の尼僧ともう一人。つい先程までの
夢にもいた、薬売りが両手をついていた。老女は微笑む。
 ―――私は。
 もう、ずっと長いこと、この時を待っていた……。
 瞑目する老女に、尼僧が慌てたように近づいてくると、背中を支える。
「庵主さま、お起きになって大丈夫なのですか?」
「ええ、大丈夫。ありがとう。……何か、羽織るものを頂戴」
 只今、と離れた背中を見送って、老女は薬売りに目をやる。
「……お待ちしておりました、破魔の方。こんな姿でごめんなさいね」
 薬売りが微かに笑う。
「ただの、薬売りでございます。お気遣いなく……」
「ええ……そう、そうだったわね」
 こちらへ、と招くと、大きな薬箱とともに薬売りが布団脇に座する。若い尼僧が
持ってきた綿入れを着込み、老女は少し二人で話をさせて頂戴、と断った。
忠実な弟子は心配げな様子を見せたが、結局は老女が押し切った。何かあったら
すぐに呼ぶ、と薬売りも口添えする。
 衣擦れとともに足音が遠ざかると、部屋には静寂が戻ってくる。障子越しの
柔らかな日の光、まだ春は浅いが確実に日は長くなっているようだ。ぴちゅぴちゅと
遠く小鳥のさえずりを聞く。
「御手を失礼いたします」
 促されて、恐ろしいほど白い手に、染みの浮き出た細い手を預ける。思っていた
より、ずっと温かい。長い指が、手首を押さえて脈をとる。
「……片割れは、戻られたようで」
「ええ、おかげさまで。ご苦労をおかけして、申し訳なかったですね」
「仕事ですから」
596後の事語り〜のっぺらぼう〜 9:2007/12/06(木) 23:31:42 ID:pwdvJ6SZ
 舌を診、腹部を触診する。恐ろしげな剣を操っていたのと同じ手が、人の体に
柔らかく触れるのを、不思議な気分で眺めた。
「……薬を、またお出ししておきましょう」
「そうね。お願いします」
 もう、そう長くはない。己の半分を取り戻したことで身の内に巣くっていた
虚無は消えたが、老女にはそれがわかっていた。たぶん、薬売りにもわかって
いる。優しい人だ、と今は思う。
 引き出しを開け、なにやら薬を調合し始める薬売りの作業を、微笑ましく
見つめる。この世にある、こうした何気ない事の一々が愛しく、眩しい。
 どうして今まで、見過ごしていられたのだろう。
 この世は、こんなにもうつくしい。
「……初めてお会いしたときは、なんて失礼で嫌な人だろうと思ったものだ
けれど……」
「それは、失礼をいたしました」
 笑いを噛み殺すように、薬売りが頭を下げる。
 当初ふらりとこの庵を訪れた彼は、脈をとりながら、中身が足りていませんねと
言い放った。どこへ置いてきた、と問われて、訳のわからないことを言うと
思ったものだ。
 饒舌なようで言葉を惜しみ、胡散臭い印象ばかりが強かったのだが、
思い返すと子供が浮かれているようにも見えて、可愛らしさすら感じる。
孫がいたら、こんな感じだろうか、と思った。
 ―――はて。
 この場合、初めて会ったのは庵でなのだろうか。それともあの、牢の中に
なるのだろうか。
 何もかもを捨てて逃げ出した。寺に駆け込んで髪を下ろし、尼となった。
逃げてからの人生は変わらず重なっているのに、半身を知らず、母の期待に
背いた後ろめたさに苦しみ続けた自分と、呪縛から解き放たれて生きてきた
自分。二つの人生は矛盾しながらも、当然のように、老女の胸の内にある。
どちらも己だと、心が知っていた。
 だが、周りの者たちの反応は、狭隘な視野しか持たなかった己を知らないようだ。
 ……いや、それすらも、己の物の見方が変わったせいなのだろうか。
 不思議ね、と老女は笑った。不思議で、奇跡のようで。とても、有り難い。
「本日は、こちらもお届けに」
 薬売りが小さな風呂敷包みを差し出した。目で問うと、彼は頷く。
 結び目をほどいて、ああ、と老女は瞳を潤ませた。薬売りは作業に戻ることで、
いない者のように振舞っている。その気遣いに感謝しながら、感慨深くその
懐かしい煙管を撫でる。
597後の事語り〜のっぺらぼう〜 10:2007/12/06(木) 23:33:21 ID:pwdvJ6SZ
 あなた―――形も顔も持たなかったあなた。
 変幻自在に、あまねくこの世に存在する自由を捨てて、私のすべてを
受け容れてくれた。
 苦しくなかったろうか。それだけが今でも気がかりだ。己を殺し、ひたすらに
相手の望むままに振舞うことが、どれほどの苦痛を伴うか、私は知っていた
はずだったのに。
 それでも、そんな愚かな私を、あなたは見捨てなかった。傍にいてくれた。
愛してくれた。その価値に気づけず、哀しいモノノ怪を作り出したのは私の責。
 頑張ったのよ、と心の中で語りかける。
 あなたは、褒めてくれるだろうか。今度こそ、私の心の投影ではなく、
あなた自身の声で。
 一旦形成されてしまった性格を変えるのは、自覚ができてからでも容易では
なかった。ともすれば同じところでつまづき、穴に落ちる。その度にもがいて
泣いて、苦しんで。
 それでも、あなたに愛された記憶が、どれほど私を支えてくれただろう。
 ずっとずっと、あなたに助けられてきた。もう一度あなたに会えたとき、
恥ずかしくないように。心から笑って、あなたにすべての感謝を伝えられる
ように。
 そっと煙管を持ち上げると、薬売りの手が伸びてきて、静かに香炉を置いた。
「こちらも、お納めください」
「……これは?」
 なんの変哲もない香炉だが、記憶にない。薬売りに目をやると、火種です、
と答が返ってきた。なるほど、蓋を開けると灰が詰まっている。中に炭火が
埋まっているのだろう。
「かまどから、お運びいただきました。なにとぞ、お守りくださいますよう」
 まぁ、と声を洩らして、老女は急ぎ尼僧を呼ぶ。
 かまどの火は家の邪を祓う。その火を守り、仕えるのは女の役目だ。故に、
外から嫁いできた女を、かまどの火を移した門火(かどび)で迎える。
 仏門にあろうとも、無意識の領域まで染みついた習性が老女を動かす。
恭しく火種を香炉から火鉢に移して、火口をかぶせ、付け木を加えて炭を足す。
やがて赤々とした火が現れた。どうぞ、と横から煙管を差し出される。すでに
刻みがつめられていた。
「ごめんなさい、私、煙草は……」
「では、火をつけるだけでも」
 首を傾げながら火を移す。細く、煙がたなびいて、ゆっくりと天井へのぼっていく。
「……では、私はこれにて。どうぞ、御身お大事に」
 薬売りは深々と一礼すると、薬と、煙管と、火を残して帰っていった。
598後の事語り〜のっぺらぼう〜 11:2007/12/06(木) 23:37:45 ID:pwdvJ6SZ



 ―――お蝶さん。

   ―――お蝶さん。

     ―――お蝶……。



 十人いれば十通りの、アヤカシがいればアヤカシの、モノノ怪には
モノノ怪の、真と理があるもので。
 同じ人であっても、真を交わすことは難しい。ましてやそれが、あやふやな、
霞のような存在とであればなおのこと……。
 アヤカシと、人の道理は違うのだ。
 恋をし名を持ったアヤカシは、人の心と愛し方を知らず、恋を望んだ人間は、
自身と愛され方を知らなかった。想う心に偽りがなくとも、それは哀しい
モノノ怪を生む。
 けれど。
「想う一念岩をも通す……って、ね」
 たまには、こんなことがあったとしても。
 そう、悪くは……ない。



 近隣に徳の聞こえた老尼僧が亡くなったのは、そのひと月ほど後だった
そうである。
 この尼僧には様々な逸話が知られるが、葬儀にもまた、いくつかの不思議が
語り残された。
 曰く、永眠した日の朝、見たこともない七色の霧が立った。
 曰く、故人が生前大切にしていた煙管を棺に入れようと探したが、どこにも
見あたらなかった。
 曰く、通夜にはどこかで見たような、しかしどうしても思い出せない顔が散見し、
誰に聞いてもその正体がわからなかった。
 だが、ともあれその穏やかに微笑む死に顔は、いかにも幸せそうであったと、
葬儀に集った人々は泣き笑いで語ったのだった。



 おわり



敦盛の正体=煙→今回かまど神にパワーうpと考えてみた。
願望が混ざっているのは否定しない。
599名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 00:23:49 ID:pbUNxidE
神、いわゆるゴッド…

乙!
600名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 02:27:57 ID:AaqQYPN/
600ゲツ
601名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 03:01:26 ID:vmPsVZiA
竈神とはこりゃ深い!一介の煙管(言い得て妙)が超進化!…他にも私物が使い込んで九十九神になってません?天秤ズ連中との仲や如何に。
602名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 16:42:09 ID:/X4Vik1L
ごめんなさい天秤の人。
馬鹿なもんだからよくわからない……。
録画見直してみたけど余計ぐちゃぐちゃんなった。
誰か時系列解説ください……。
603薬加信者 1/2:2007/12/07(金) 18:29:42 ID:GG4Plebc
 >>440 薬×加&天秤
 ↓
 海坊主
 ↓
 >>489-494 薬×加
  >>488 前説
 ↓
 >>502-503 薬×加
  >>501 前説
  >>504 後説
 ↓
 >>510-511 オマケ 天秤
604薬加信者 2/2:2007/12/07(金) 18:31:36 ID:GG4Plebc
 >>510-511 オマケ 天秤
 ↓
 >>517-524 薬×加
  >>516 前説
  >>504 後説
 ↓
 >>550-553 天秤
  >>549 前説
  >>559 後説
 ↓
 のっぺらぼう
 >>564-570 薬×加
  >>563 前説
  >>571 後説
605天秤の人の時系列1/4:2007/12/07(金) 18:54:01 ID:GG4Plebc
 >>392-397 さと(陵辱)
  >>391 前説
  >>398 後説
 ↓
旧化猫
 ↓
 >>356-359 天秤×加世
  >>355 前説
 ↓
 >>371-374 薬売り×加世(天加続き・本番なし)
  >>370 前説
  >>379-380 修正・ボツ案
 ↓
 >>429-432 天秤
  >>428 前説
 ↓
606天秤の人の時系列2/4:2007/12/07(金) 18:54:53 ID:GG4Plebc
 ↓
 >>456-463 女将(オリキャラあり・ロリ・百合 起点はもっと昔のはず)
  >>455 前説
  >>472 後説
 ↓
座敷童子
 ↓
 >>420-423 薬売り+加世(薬オナニ)
  >>418 前説
  >>424 後説
 ↓
607天秤の人の時系列3/4:2007/12/07(金) 18:55:57 ID:GG4Plebc
 ↓
海坊主
 ↓
 >>489-494 薬売り+加世
  >>488 前説
 ↓
 >>502-503 薬売り+加世
  >>501 前説
  >>504 後説
 ↓
 >>510-511 天秤(オマケ)
 ↓
 >>517-524 薬売り+加世
  >>516 前説
  >>504 後説
 ↓
608天秤の人の時系列4/4:2007/12/07(金) 19:00:07 ID:GG4Plebc
 >>550-553 天秤
  >>549 前説
  >>559 後説
 ↓
のっぺらぼう
 ↓
 >>564-570 薬売り×加世(起点はのっぺら以前のはず)
  >>563 前説
  >>571 後説
 ↓
 >>595-598 お蝶+敦盛
  >>593-594 前説
609名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 19:22:22 ID:/X4Vik1L
>>603
乙。ありがとう。

でもごめん、違うんだ。言葉足りなかった。
のっぺらアツ蝶の流れがわかんないって意味だったんだ。
惨殺ループはどこ消えたの?
610ドS:2007/12/07(金) 22:31:41 ID:8Oq+8dCn
遅くなりました、俺自身が途中から兵衛に自己投影していた部分があり色々と思いを巡らせていた結果です。
おかげ様で今日でラストです、張り切って投下。

全裸で。
611加虐愛25:2007/12/07(金) 22:34:43 ID:8Oq+8dCn
「お前が悪いんだよ…、加世…」
 加世の髪を掴んで床に押さえつけると高く掲げた尻に腰を擦り付け内部を円を描くように掻き回した、
「あっ……ひぃ…」
 加世が体を震わせ背を反らした。
床に這いつくばり涎を垂らして獣の様な声をあげるそれはこの上無く無様であり淫らだった、

―こんなにされてまで…何故好いてくれるんだ―

加世の膝が浮くほどに腰を打ち付ける兵衛の目から涙が溢れた。
「はぁ…あぁ!頼む…頼むから…」
 頬を伝った涙が加世の尻に落ち幾つかの水滴となり窪みを伝い結合部に溶けていった、

―俺の手から逃げてくれ、俺を拒んで嫌悪してくれ。でないと俺は…―

「お前を…斬れないじゃないか…」

加世の腰がうねり深く奥へと二本の異物を導く、不規則に収縮を繰り返す二つの穴は絶頂が近いことを示していた。
「はぁ…あん!お尻…いいのぉ…!あぅ!もう…いきそうです…!」
 加世の菊門がきゅうときつく締まった、膣よりも何倍もきつく締め上げられそのあまりの刺激に兵衛の体が戦慄いた、
「うぁ…!くっ…中に出すぞ…」
 膣に挿れた棒を最奥まで押し込み乱暴に突き上げた、それにより直腸の粘膜がせり上がり兵衛の裏筋の辺りを柔らかく包んだ。
「あぐっ…あっ!ふあああぁぁぁ!!」
「んっ…、う…あぁ…!」
 加世の体が一瞬硬直した後ガクガクと震え幾度目かの絶頂を迎えた、秘裂から飛沫を散らし痙攣する膣にくわえ込んだ棒をたっぷりと濡らした。
612加虐愛26:2007/12/07(金) 22:38:05 ID:8Oq+8dCn
「はっ…あ…はぁ、熱…」
 直腸内に放たれた熱い精の感覚に加世が震える息を吐いた、
「はぁ…はぁ…、っ…」
 兵衛が加世の中から自身を引き抜くと支えを失った加世は床に崩れ落ちた。


兵衛の目の前に自らが犯し尽くした女が力なく転がっている、全身に張られた縄が肌に痛々しく痕を刻み打たれた尻が赤く腫れていた。

―俺は…何をしているんだ…?―

膣に刺さった棒が抜け落ちトロリと内部に溜まった精が溢れた、未だ口を開けた菊門からも腸液と精が流れだし尻を伝い床に白い水溜まりを作った。
「…加世…」
 加世の元に寄り縄を解いてそっと抱き起こした、
「ぅん…ふふっ…、痺れちゃった…」
 加世はぎこちなく体を動かし薄く微笑んだ。

―俺は…こんなことをしたいんじゃない…―

「お…俺は…、なんで…こんな…」
 腕の中の加世をきつく抱き締め兵衛は声をあげて泣き出した、驚いて見上げた加世の頬に兵衛の涙が降り注いだ。
「兵衛様…?どうなさったの?」
 加世が自らも泣きそうな顔をして兵衛の顔をのぞきこんだ、まだ痺れの残る手を伸ばして涙を拭い頬に張り付いた髪をそっと払った。
613加虐愛27:2007/12/07(金) 22:42:01 ID:8Oq+8dCn
―どうか俺に優しくしないでくれ―

「加世…俺は…、全部お前のせいにしようと…」

―全部お前のせいにして逃げようとしたんだよ、俺より弱いお前のせいにして兼貞に頼って…―


加世の手が兵衛の頭を挟みそっと胸に抱き寄せた、
「大丈夫よ…ずっと私が守ってあげるから」
 豊かな乳房の感触とともに柔らかい女の香りが兵衛の胸いっぱいに広がった。

「俺は…お前を愛していいのか…?」

「…はい」

「普通の男の様に優しくしてやれない…」

「…はい」


加世はまるで子供をあやす様な手付きで兵衛の髪を撫で穏やかに言葉を返した、兵衛はしばし何も言わず加世の胸で嗚咽を漏らし泣いていた。



 ふと兵衛が顔を上げた、
「冷えるな、部屋に戻るか」
 何事もなかったようにそう言うと再び加世を抱き上げ足取り重く歩きだした。
加世は何も言わず兵衛に身を預け広い胸板を指先でなぞったり髪を指に絡めている、
「その…なんだ」
 口を開いたのは兵衛からだった。
「…先程のことは…忘れてくれ」
 加世が見上げると兵衛は真っ直ぐ前を見たままばつが悪そうに咳払いをした。
「…はい」
 加世が手遊びをしながらくすりと笑った。
614加虐愛28:2007/12/07(金) 22:47:49 ID:8Oq+8dCn
 部屋に戻ると加世が水を貰ってくると言い一人で部屋を出ようとした、しかし髪が下りているうえに腕やうなじの縄の痕は着物の上からでも見てとれる。
兵衛はこればかりはまずいと加世に部屋に残るように言い付け自ら船の水場に向かった。

いつの間にか夜は過ぎ遠くの空は白んでいる、先刻まで漆黒だった海原は藍と紫の穏やかな波をたたえていた。
湿った海風になびいた髪を払い足早に廊下を行くと踊り場の畳の上に男が一人寝転んでいた、

―加世を待たせて正解だったな―

兵衛は男の背に一瞥をくれるとそのまま通りすぎようとした。

「…随分と仲がよろしいようだ…」

不意に男が言葉を発し兵衛は足を止めた、
「佐々木殿は楽しい遊びをご存知のようで…いや、私も仲間に入れてほしいくらいだ…」
 兵衛が横目に見やるとつい先程まで加世が裸体に纏っていた縄を男が白く細い指で弄んでいた。
「…お主には関係ない」
 男にそう吐き捨てると兵衛は再び歩き出した、階段を中程まで降りると男の低い声が微かに聞こえた。

「後は…頼みました…よ」


 船主から湯を受け取り部屋に戻ると加世が湯飲みを並べて待っていた、茶を注ぐ加世を眺めていた兵衛は遠く幼い日の事をふと思い出した。
―剣の稽古の後にはいつも母上が茶をいれて菓子をくれたっけな―
 加世が差し出した湯呑みを受け取ると兵衛は自嘲気味に笑った、
「へ?何か変ですか?」
 加世が自分の湯呑みを覗きこみ不思議そうにしている。
「いや、何でもないんだ」

―こいつ母上の若い頃に少し似ている…かな―

何年ぶりかのとても穏やかな心、

「加世」

「はい」

「俺の嫁になるか?」

「…はい」

忘れてきた心をやっと見つけた。


―終―
615ドS:2007/12/07(金) 22:51:34 ID:8Oq+8dCn
加虐愛これにて終りです。
616名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 22:57:07 ID:3sVrxTd5
>ドS様
加世ちゃんが菩薩に見えた!
眼福です、GJです、佐々木を末永くよろしくお願いしますw
拝ませていただきました、全裸で。
617名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 22:58:22 ID:zHEqFTfv
ドSさま待ってましたよ。GJ&乙です!
リアルタイムで読みました。兵衛幸せそうで良かったー!
618名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 23:09:38 ID:l7j1uc0Z
ドS様お疲れさまです完結ありがとうございますGJGJGJ!!
モノノ怪版罪と罰とお呼びしたい! 気高き娼婦万歳!
これから兵衛には、加世の愛を道しるべに贖罪の道を一歩一歩
進んでいってほしい。ガンガレー!
619名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 02:17:34 ID:Dum2hrgW
ドS様ありがとう!感動をありがとう!なんかもう色々と解き放ちそうな気持ちだ…!
620名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 12:37:09 ID:VYr/daIY
ドS様ありごがとうございます!
最初はまさかこんなハッピーエンドになるとは思わなかった!
佐々木の心情ちょっとわかるわ…二人とも幸せにな…
621337:2007/12/10(月) 12:12:42 ID:yoNH8kG7
投下じゃなくてごめん、取り急ぎ。

>>602
個人サイトの方にのっぺら解説つきでアップしました。
よかったら参考までにどうぞ。

次は、ドSさま完結祝い、つかネタ被りが恐くて出せなかったw兵衛話予定。
お相手は兼貞。あれ、兼定? どっちが正しいんだろう。
妄想のきっかけはまたしてもドSさまだった。自作品こればっかw
622名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 19:57:50 ID:9MCnlqtg
>337氏
秘かに誰か書いてくれないかな、と期待していた兼貞がついに!
兼貞はものすごい色気がある美人に違いないと勝手に妄想してます。

退魔と一緒に歯をガチガチ言わせながら待ってます!
部屋が寒いんだorz
623名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:31:01 ID:N+Kp0xS/
>>622を薬箱の外から見ている薬売り


「…?(モノノ怪の気配はしないのにおかしいですね…)」
624名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 00:32:17 ID:N+Kp0xS/
ごめんなさい。途中で間違えて送信してしまいました。


>>622を薬箱の外から見ている薬売り

ttp://m.pic.to/hfx2s

「…?(モノノ怪の気配はしないのにおかしいですね…)」
625名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 02:46:28 ID:OXodl++d
>>624
かわええww
626名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 09:28:49 ID:4Sk7wbU9
>>624
お願いしますPCアクセス許可出してくださいorz
627名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 11:51:14 ID:vIShw+Gd
本当だ。PCからは見られないや…。残念。
628名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 17:01:01 ID:N+Kp0xS/
>>626>>627
おじゃー!
忘れてました。許可しました。
629名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 17:33:23 ID:vIShw+Gd
>>628
ありがとう。
冷静に考えたら怖いけど、かわええ。
次は加世ちゃんも頼みます。
630名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 21:11:13 ID:TB8i+FKu
>624ネタにしてくれてありがとう。
今日も一緒にガチガチ鳴らしてます。

対抗して、ステキな投下をしてくれる337氏、ドS様並びに文章書きの皆様、
スレの天秤たちに感謝をこめて
「笑顔の佐々木(+元気な兼貞)」を描いて見ました。

しかし、新手のモノノ怪を生み出してしまった気がしないでもない・・・。

ttp://pict.or.tp/img/33957.jpg
631名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 21:22:11 ID:ooATWHRc
>>630
ちょwwwwwww確実にユンケル入ってるwwww
632337:2007/12/12(水) 16:08:50 ID:s9Ez/qJ3
小ネタ。事語りとは別口。天秤じゃないけど会議モノ? 薬加。
兵衛話はやっと方向性が見えてきた辺り。もうちょっと待ってね。
633○○会議 1:2007/12/12(水) 16:11:01 ID:s9Ez/qJ3
好きです、と伝えた。
あなたが何であっても構わない。
ありのままの―――あなたが。全部、好き。
本当に、とあなたが何度も訊くから、あたしも繰り返し頷いた。
あなたは困ったように首をかしげて、でも、最後には根負けしたように
笑ってくれた。
目隠しされて、手を預けて。この世のモノではないあなたに引かれて、
あたしは境を越える。
踏み込んだ中有で―――あなたが、あたしの名を、

「加世さん?」
「加世さんだ」
「ああ、確かに加世さんだ」
「何故ここに」

……はい……?

あたしは思わず手を預けた先を見上げる。見えないけど。
その分耳が周囲を探る。人の気配。驚いたようなざわめき。繰り返される
自分の名。
ぽん、とあたしを連れてきた人はあたしの肩を抱く。

「嫁にもらってきました」

どよっ、と空気が揺れる。ちょ……、ちょっと待て。これって、まさか。
ぱさり、と目隠しが外されて目の前に広がった光景は、予想通りと
いうか想定外というか。

「えええええええっっっ!!?」

薬売りさんの 大 群 。
肩を抱いたままの薬売りさんが、ちょっと身をかがめてにやりと笑う。

「ありのままの私を、愛してくださると、言いましたよね?」

言った。言ったけど。

「言いましたよね?」
「え……えぇと……ハイ……」

634○○会議 2:2007/12/12(水) 16:13:33 ID:s9Ez/qJ3

「ほぉう……」
「それは、また」
「いやはや、まったく」
「まぁ、加世さんがいいというのなら」
「迎え入れるのに、やぶさかではないですけど……ね」
「あれはどこ行きました? 肝心の、化猫の私は」
「今出ちまってますよ」
「ならば、仕方ない」
「我らだけで歓迎を」

「「「「「ようこそ、加世さん」」」」」

あたしは何度か瞬いた。目をこすった。深呼吸もしてみる。
が、当たり前かもしれないが薬売りさんズは消えない。
その数、ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いつ……

「な……何人いるんですか、これ」
「さて。点呼でもしてみますか?」
「数など。その時々で変わりますから」
「あまり、意味はないですね」
「まぁでも……今は、15人くらい……ですかね?」

安心してください、とあたしを連れてきた人は笑う。

「全部私です。喧嘩なんかしませんよ。加世さんは私たちみんなの
嫁ということで」
「これはこれで、いろんな楽しみ方ができますし、ねぇ……」

一斉に向けられた思わせぶりな視線に、思わず乾いた笑いが漏れた。

「あは、あはははは……。すみません帰っていいですか」

「いまさら」
「逃がしませんよ」
「今宵は朝まで……ね」
「楽しみましょう、我らが花嫁」

「いいいやああああああああああっ!!!」


  エロ部分は各自脳内補完よろ


薬売りがたくさんいたら、セルフ輪姦とかできるよね! と思ってみた。
正直すまんかった。
635名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 20:23:59 ID:2TGFHxdO
加世逆ハーかw
どうでもいいが薬売りズ、欠片も話し合ってねえwww
636ドS:2007/12/13(木) 00:34:41 ID:qirO3oHl
>>624
しかと受け取ったww

>>天秤氏
実は俺も天秤氏からインスパイアされたネタがあるんだがそのうちUPしていい? 薬箱の中ネタで加世×ハイパーなんだが。
637337:2007/12/13(木) 00:54:57 ID:qpAAvZ87
>ドSさま
加世がハイパーを攻めるんすかwww
うpしてくださいお願いしますwktkドキムネして待ってます。全裸で。
職人が複数いて連鎖が発生するって、なんかいいなぁ。幸せだなぁ。

見えた、と思うとあっちゅーまに書きあがる不思議。
兵衛話、一晩寝かせて明日落とします。次は鵺だー。
638名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 01:09:55 ID:iicf7ynB
えぇ!加世攻め!?w
しかもハイパー受けwwww
怖い物見たさで読みたいかもw
639名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 03:01:13 ID:PMQLpiNi
加世ちゃん凄いなwww
興味深々です!楽しみにしてます!
640ドS:2007/12/13(木) 17:03:42 ID:qirO3oHl
その通り、加世で逆レイ-プを考えてます。
では後日UPします。
641名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 18:07:03 ID:iicf7ynB
とうとうハイパーまでエロパロに登場か。
と思ったら、加世に犯されるw
加世すごすぎるよwwww
642337:2007/12/13(木) 19:41:04 ID:qpAAvZ87
マジその発想はなかったwww
あと意外性のある組み合わせって何があるかなぁw

兵衛話投下いきます。全8レス予定。これ前の事語りになるのかなぁ?
643前(さき)の事語り〜海坊主〜 1:2007/12/13(木) 19:44:16 ID:qpAAvZ87
 月のない夜だった。
 ……それとも、ぬらりと赤い、満月だったろうか。
 覚えているのは闇。塗り込められたような。奥もなければ果てもない、
濃厚にまとわりつく闇の底に―――女が、いた。
 誰だ、と提灯を掲げて誰何(すいか)した声に、ぬばたまの黒から白い
面がゆっくりと浮かびあがる。あらわになった口元がひたすらに赤い。
尋常ではありえないその姿が、輪郭も判然としない闇の中、内側から
滲むように輝いて、兵衛の目に焼きついた。
 手元に灯りがあるというのに、何故。
 こんなにも。
 はっきりと―――見える、のか。
 違和感が形をもつより先に、女の唇が開く。殊更ゆっくりとした動きに、
視線のすべてを奪われる。
 ど、な、た……?
 魅入られたように動けない。脳髄が痺れて世界が消えた。女と、自分。
この世にただふたつのみが存在するかのような、錯覚。
 粘るように間延びした時間の一方で、かすかに残った思考が白拍子か、
と女を認識する。舞い歌っては春をひさぐ女たち。しかしそれにしては
いやに赤くはあるまいか。昨今はこれが今様、なのか……。
 赤く彩られた腕が動く。ゆるやかに舞うように、手首がひらり、再度ひらり。
指の先まで美しく波打って、兵衛を闇の底へ招いた。文楽の人形にでも
なったように、足が一歩、前へ踏み出す。手からこぼれた提灯が、背後で、
ぼぅ、と儚い炎をあげた。
 残るは闇。そして女。
 一歩、また一歩。進むうちに風に混ざる、これは―――
 血臭。
 慄然と肌があわだった。女を染める赤い色、生臭いはらわたがてんで
ばらばらに飛び散って、苦悶の表情で事切れた―――人、だったものが。
 ひゅうひゅうと喉が鳴る。叫ばなくては、誰か人を。呼んで。
 だが、体は意思とは裏腹にふらふらと女の元へ近づいていく。ぴちゃりと
鳴った足下の泥濘は、いやに粘った。
 無言のまま見下ろす兵衛に、血だまりに座り込んだ女がにこりと笑う。
真っ赤な腕を、指を、手のひらを、兵衛に見せつけるようにちろりちろりと
猫の如く舐めあげる。白く現れた肌は舌が這った痕、赤と白、そして闇。
濡れ濡れと光る唇の端を、赤い唾液がつつ、と滑った。兵衛の背がざわめく。
恐怖よりは―――何か、別の……もの?
644前(さき)の事語り〜海坊主〜 2:2007/12/13(木) 19:46:50 ID:qpAAvZ87
 惑わされるな、と兵衛は丹田に気を込める。
「何者だ」
 女の手が兵衛の手のひらをとる。指が動いて、血文字を書いた。
 ―――兼定。
「男名か」
 ひらりと女は兵衛から離れると、口元を袖で隠す。くすくすと笑い声がして、
どうやら唖者ではないらしい、と兵衛は思う。
「このとおり、白拍子でございますから……」
「白、というには余りにも」
 顔をしかめた兵衛に、兼定は、ああ、と自身を見下ろした。
 上目遣いに兵衛を見やる。
「では緋色拍子とでも……。わたくし、血を必要とする者にございますれば」
「そうか。御託は番所で話せ」
 捕まえようとした手を、女はするりとかわす。逃げるか、と追いかける兵衛の
側に逆に踏み込んで、まるで抱きつくような格好になった。
 ついと動いた女の指が、そっと兵衛の胸を上下する。
「……お侍様、お名前は?」
「曲者に名乗る名などない」
 ふふ、と女が嬉しげに笑った。
「素敵。わたくし、お侍様が気に入りました。お仕えさせてくださいませ」
「いらん。おとなしく、人を殺めた罪を償え」
「ああ、ますます素敵」
 女は陶酔したように身をくねらせる。その顔が笑みの形に歪んだ。声もなく囁く。
 どうでも貴方が、欲しくなりました。
 赤い両手が兵衛の頬を包んで引き寄せる。鉄錆びた、冷たい接吻。女の
体にたっぷりと染み込んだ血液が、兵衛の着物にじわじわと染み通る。
じっとりと湿った感触が気持ち悪い―――
「―――ひぃやあああああっ!?」
 耳をつんざく叫びに、は、と目を開けると、兵衛はひとりだった。
 いつの間に、取り逃がしたかと辺りを見回そうとして、右手ががちがちに
強張っていることに気づく。
 べっとりと柄まで血に汚れた、抜き身の刃。
 血まみれの己、足元に死体―――。
645前(さき)の事語り〜海坊主〜 3:2007/12/13(木) 19:49:01 ID:qpAAvZ87
 そんな。
 これでは、まるで。
「誰か、誰か来てくれ、人殺しだぁーーーーっ!」
 愕然と佇む兵衛の硬直を、続いた悲鳴が解いた。慌てて己の影を
ひるがえすと、橋をまろぶように駆けていく後ろ姿に追いすがる。
違うのだ、これはあの女がしたことで。俺は違う。俺は藩士だ。聞いてくれ、
叫ばないでくれ。今人が来ては―――。
 袖を捕らえると、つんのめった小男の目が恐怖でまなじりまで見開かれた。
なんとか誤解をとこうと口を開きかけた兵衛を、男の叫びが遮る。
「ひっ、ひひ人殺しぃーーーっ!」
 遠くに男の悲鳴を聞きつけたらしいざわめきが生じる。闇に踊る提灯、
今は聞こえぬ足音が、いずれここまでやってくる。
 違う―――違う違う違う!!
「ああああああああっ!」
 兵衛は、大きく刀を振りかぶった。



    *   *   *   *



 兵衛様、と女が囁く。今宵の血はまた、格段に美味しゅうございました。
ご馳走様でございます。……まぁ、震えておられるの? 大丈夫、わたくしも
きれいに洗っていただきましたし、服も着替えたではありませんか。
 大丈夫、大丈夫。
 この世に怖いものなど、なんにもありはしないのです。
 さぁ、ささやかながらわたくしの感謝の気持ち。今夜もお楽しみになって。
 女の指が兵衛の襟をくつろげる。白銀に輝く肌は打ち鍛えられ磨きこまれた
鉄の色、ひやりと冷たい感触が兵衛の体温を吸ってじきにぬくもる。兼定の
手で脱がされる衣は紫とも茶ともつかぬ濃い色合いで、女の肌がよく映えた。
返り血が目立たないよう、最近は同じ色ばかり着ている。
 髪も伸びた。人に顔を見られることが恐ろしく、かえって怪しまれる風体に
なるとわかっていながら、切ることも結ぶこともできない。いつかの夜、女は
長い黒髪を振り乱しながら、お揃いですねと艶やかに笑った。
 助けてくれ、と思う。
 誰か。
646前(さき)の事語り〜海坊主〜 4:2007/12/13(木) 19:51:30 ID:qpAAvZ87
 兵衛の全身をがんじがらめに絡め取る傷痕を、兼定は愛しげに撫でる。
先日治ったばかりの傷はまだ瑞々しい肉色で、うっとりと舌を這わせる様に
ぞっとした。
 やがては食われるのか。初めて出会ったあの夜、無残な屍を晒していた
男のように。
 だが、それもいいかもしれない。死は恐怖だが、いつ終わるとも知れぬ
殺戮と逃亡の日々もまた、十分に怖ろしい。
 怖い。怖い。
 だが震える胸の一方で―――集まる、熱が、ある。
 ふふ、と兼定が笑った。するりと指が帯をほどき、いっそ優しいほどの
手つきで兵衛の陽根に触れる。ぞわりと背筋から頭へ快楽が走った。
 人を殺めるのは、楽しゅうございましょう……?
 涙と鼻水で顔面をぐちゃぐちゃにしながら、命乞いをするみっともない姿。
 助けてやろうかと期待させると、何でもすると、額を地べたにこすりつけて
兵衛を崇める。
 それを存分に味わって、弄んで、兼定を振り下ろすときの愕然とした顔―――。
 ちゅくり、と兼定は丹念に唾液をまぶして竿をしごく。熱い。熱い。気持ちいい。
 胸に凝った恐怖が溶けていく。どくどくと巡る血潮に溶けて、汗となって
体外へ流れ出す。
 残るのは熱。そして甘美な心地よさ。
 こういうのもようございますよ、と、兼定は硬さを増したそれをふくよかな胸の
間に挟んだ。やわやわと包み、擦りあげ、臍より下の辺りへ何度も唇を落とす。
 ふ、と兵衛は吐息を洩らした。どちらかというと弱い刺激だが、兼定は兵衛の
快感を高めるのに手間を惜しまない。兵衛が感じるまで、根気よく、いくらでも
続ける。
 刀の化身でありながら、何故身の内が熱いのだ、と問えば、鋼は内に火を
宿しているもの、と笑う。炎が盛れば白銀の肌も、ほんのりと色づく。熱を帯びた
視線が舐めるように兵衛を見上げた。どれほど洗い落とそうと、血の色を
湛えたままの唇が微笑む。咥えろ、と命じれば、長い黒髪を白い指で耳にかけ、
素直に口一杯に頬張った。
 じゅくじゅくと水音を立てながら、小さな頭が上下に振れる。その手は兵衛の
腿を這って、茨の傷痕へがりりと爪を立てた。滲んだ血を愛しげに撫で、
塗り広げる。負けじと兵衛も兼定の髪を掴み、激しく腰を振り立てて喉を責める。
仕打ちに女は嬉しげに目を細め、いっそう激しく舌を絡めて先端を吸い立てた。
 くっ、と兵衛は息を呑む。どぴゅ、と勢いよく噴き出した白濁を、兼定はうっとりと
啜りあげた。
 男の精もまた、この女を喜ばせる。
 ぺろりと唇を舐めると、女は男の肩を押し横たわらせてのしかかり、口づけを
ねだる。顔をしかめて背ける兵衛に、つれないこと、と笑った。気を悪くしたふうも
なく、男の喉笛に軽く噛みつき、そのままちゅ、ちゅ、と音を立てながらあちこちに
吸いつく。男の手が兼定の細い腰を撫で、豊かなふくらみを揉みしだいた。
つんと尖った先端が手のひらでころころと擦れ、指からはみだした柔肉が変幻と
形を変えては隙間を埋める。
647前(さき)の事語り〜海坊主〜 5:2007/12/13(木) 19:52:59 ID:qpAAvZ87
 ああ、と艶やかに満足げな声が兼定の喉から洩れた。ぬちゃぬちゃと
股をすり合わせ、再び硬さと質量を取り戻した兵衛の怒張を身の内に
受け入れる。
 兵衛様、と陶酔したように唇に名を乗せて、兼定は白い腰をくねらせる。
何度か下から突き上げると、堪えきれなくなったように首を左右に振っては
嬌声をあげる。黒髪が激しく踊って、白い喉が空に晒される。
 兵衛様、兵衛様。
 切なげな声が繰り返し兵衛の様子を伺った。
 気持ちいい、ですか?
 黙ったまま兵衛が動きを止めると、刀の分際でありながら、まるで泣きそうな
顔をする。
 捨てないでください。
 どうか、抱いて。
 わたくしには、兵衛様だけ……。
 ―――ああ、まったくタチの悪い。
 これも手管だ。わかっている。何処で覚えたのだか、希代の悪女にも
匹敵する様々な手練を、いくらでも披露する。血を啜るため、使い手を
去らせぬために。
 それでも兵衛は体を入れ替えると、激しく女の奥を突いた。動きにあわせて
女の胸がふるふると揺れる。恍惚とした表情で兼定は高く鳴いた。
 いつの間にか恐怖は溶け消え、体の何処を探っても見あたらない。
 ただ渦巻くような高揚と興奮に、頭の芯まで犯される。
 人を、切り裂く、瞬間のように―――。
 兵衛様、兵衛様。
 犯してください、殺めてください。もっと、もっと、もっと!
 そうだな、という呟きと、二度目の絶頂とは同時だった。


 慣らされる。覚えこまされる。血の臭いとその味に、人を殺める快感に。
 大丈夫、大丈夫。
 怖いものなど何もない。
 追っ手もすべて斬り殺して、そう、次は江戸へでも―――。



    *   *   *   *

648前(さき)の事語り〜海坊主〜 6:2007/12/13(木) 19:54:49 ID:qpAAvZ87


 わたくしは、兼貞と申します。

 青い水の底で、白い影が訥々(とつとつ)と語る。
 踊る金魚の影、丸く並んだ蝶のような天秤たち。
 壁を、床を、ひらひらとしたヒレを揺らめかせ、華やかな魚の影が横切った。

 ええ、違います。定ではなく貞なのです。九字兼定は和泉守兼定様の
業物(わざもの)、わたくしは無名の刀匠の作にございます。無名では
ございますが、一生一度の出来映えと、わたくしができあがったとき刀匠は
大層喜びまして、ご高名な方にあやかるべく兼貞と銘をいただきました。
 元はお社に奉納される身でございました。恥ずかしながら、この姿は
白拍子ではなく―――巫女装束、なのでございます。

 奉納舞の衣をまとい、ひとつに束ねた長い髪、手に持つのは榊だろうか。
その両目はかたく閉ざされたまま開かない。
 兵衛の体を映したように、全身に痛々しく走る傷痕が、ひたすらに赤かった。
 ぎゃああ、と海坊主が咆える声。
 何本もの腕が魚に巻きついて、その身に取り込もうとする様が、影絵のように
映し出される。
 その攻防の上で、白い影の語りは続く。

 ところが、ある日金に困った夜盗に盗み出されまして、この名の故に
誤解を招き、九字兼定の贋物(がんぶつ)として、人の手から手へ渡る
ようになりました。
 兵衛様も、兼定と思ってわたくしをお求めになりました。それを、平素から
兵衛様と対立していらしたお侍が、贋物を掴まされた、見る目のない男よと、
それは酷く兵衛様を侮辱なさいまして……。
 主が道を踏み外すのを、止められぬばかりでなく助けたのでございます。
妖刀と呼ばれても致し方ありません。お諌めすることも、お止めすることも
できず、主人に仇なすとは……ほんに、情けない。
 わたくしに出来るのは、せいぜいが海座頭の引き出した怨念を、幾ばくか
この身に引き受けること程度。そうしてこの身を投げ出しても、あの方の
御心は救えませんでした。
649前(さき)の事語り〜海坊主〜 7:2007/12/13(木) 19:56:02 ID:qpAAvZ87

 ちりん、と退魔の剣に結ばれた鈴が鳴る。
 薬売りの構えに、白い影は必死な様子で顔をあげた。
 閉じられたままの目は焦点を結ばない。手探りと、音を頼りに顔を向ける。

 本当は優しい方なのです。ずっと罪に怯えてらした。何かに追われるように、
仏を彫っておいででした。わたくしなどよりも、彫り刀の方が、よほどに御手に
ふさわしい。
 刀は武士の魂と申します。偽者のわたくしでは、兵衛様の魂となること
かなわなかったのでございましょう……。

 わたくしを、どうか斬ってくださいませ。
 それであの方の心に平穏が戻るなら。

「―――かねさだ!」
 右目の痛みに突っ伏していた、兵衛が不意に起きあがる。懸命に左手を
伸ばした。
「馬鹿を言うな、兼貞!」
 白い影は驚いたような顔をして、次の瞬間、泣きそうに澄んだ微笑を浮かべた。

 ……名を、呼んでくださるのですか。

 嬉しげな、切なげな声に、兵衛はふらつきながらも自らの足で立ち上がる。
「これは俺の罪だ、おまえは戻って来い!」

 ……その、お言葉だけで、十分……。

 まろい頬に、つぅと涙が滑る。薬売りに、そして兵衛に向かって深々と頭を下げた。
 ぱぁんと白い花となって砕け散り、一振りの、折れた刀となる。
650前(さき)の事語り〜海坊主〜 8:2007/12/13(木) 19:57:54 ID:qpAAvZ87
「兼貞……」
 兵衛の左手がその柄を握る。ぱたぱたと、涙がこぼれて花となる。
 犯した罪は消えない。刻まれた傷は戻らない。だが兵衛の何かを癒す
涙だった。
「魂に、真贋のあるものか……」
 失ってから、気がつくなんて。
 道具に善悪のあるはずもない。あるならばそれは、握る手に宿るのだ。
 善悪の由縁は、人にこそあるのだから。
 嗚咽をこらえて奥歯をきつく噛みしめる。掠れる声が、静かに佇む薬売りを
見据えて放たれた。
「―――斬ってくれ」
 もう、逃げない。
 カチンと退魔の剣の歯が鳴った。モノノ怪祓いの、始まりである。



 道具の身の程もわきまえず……兵衛様、お慕い申しあげておりました。
 今まで、有り難うございます。
 どうか、この兼貞のことはお忘れになって。
 今度こそ、どうぞお幸せに……。



 おわり



もう少しドス黒くしてもよかったかなと思いつつ。
これ兵衛の話じゃなくて兼貞の話だwww
651名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 20:14:31 ID:iicf7ynB
おぉ、擬人化兼貞いいよ。
切なくていいね。
しかも本編に上手く絡んでる。
気に入った。
652名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 21:00:35 ID:y0VtH2ri
あれ、目から汗が。
ついでに鼻から血が。
兼貞の色気に、斬られずとも失血死しそうです。
GJでした!
653名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 01:22:32 ID:KWLRBZ3H
何か違う意味で刀剣フェチになりそうwww
gj!!でした。
654名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 02:16:36 ID:boW4fE+o
>>633>>634の脳内補完。

襖に向かって伸ばされた手は、あっけなく一人に絡め取られた。
たすん。一人が、後ろ手に襖を閉じる。

「まぁ、まぁ」
「まぁ、まぁ」
「いいじゃあ、ないですか」
「全っ然、よかぁな──ひゃあぁっ!」

抗議の声が途中で悲鳴に変わる。
一人が背後から、おもむろに、両手で加世の胸を包み込んだのだ。

むにむに。
「おっと、……これは、なかなか」
むにむに。
「思っていたより?」
「思っていたより」
「ほおぅ」

淡々とした会話に喜色が混じる。
美しいが、揃いも揃って皆同じ顔。同じ声での会話劇は、なにか…気色が悪い。

「ちょ、ちょっ、やだ、やめ……っ!」
自由な片手でどうにか薬売り(の一人)の手を剥がそうと奮闘するも、またしても、別な一人によってその手が掴まれる。
無防備状態となった加世の着物の帯止めを、するすると、背後の白い手が器用に解きにかかった。
「ひえー!」
「大丈夫、優しくしますから」
「愛する人に、無体なこたぁ」
「しません、よ」

単数に対して複数というこの状況がすでに無体だボケェ、と言いたい加世の唇は、前方からの一人によってあえなく塞がれた。
「んん、んふぅ!」
相手は(おそらく)百戦錬磨の薬売り(が、約十五人)。
おぼこい小娘がたった一人、何をどうしたところで、太刀打ち出来るわけもない。
ばさりと帯が落ちる。途端に胸元が涼しくなる。さらに襦袢の腰紐が解かれ、前があらわになった。
「んんんー!」
655名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 02:18:31 ID:boW4fE+o
続き。



背後の一人が、豊かな乳房をやわやわと揉みしだく。
右手を掴んだ一人が、ふぅと耳朶に息を吹きかけ、舌を這わす。
前面の一人は、執拗に口内を貪り、着物の隙間から手を差し込んで、柔らかな尻肉を掴み、撫で回す。
左手を掴んだ一人は、その小さな手に己の手を合わせて指を絡め、一本一本を丹念に舐った。
「……っ、……っ!」
四方から与えられる刺激は、未開発の加世の身体が耐えうる許容量をはるかに越えていた。
がくがくと足を震わせる。立っていられない。
いやすでに、四人の薬売りによって支えられていると言っていい状態である。
それを取り囲む、順番待ちの面々。

「……羨ましい」
「まま、あせらず」
「褥の準備が整いましたよ」
「そうか、では」

目配せを受けて、四人が頷く。
と。

──がこがこがこがこがこ。

一人分の下駄音が、何やら慌しげに近付いてきた。
「おや、帰ってきたようだ」
と(順番待ちの)一人が言い切らないうちに。
すたぁん!
と、襖が勢い良く開け放たれた。



魔が差してやった。
反省はしているような、してないような。
337氏でも誰でもいい、続きヨロー。
656名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 08:08:18 ID:kUrj18oI
>>654-655
オッケーイエロー超GJ! もっと魔が差せ。差してくださいお願いします。



その目に映ったのは、白い腕が四方から鎖のように絡みつき、物も言えず涙目になっている―――加世。
顔面に思いきり皺を寄せ、牙をむいて、(遅れてやってきた)薬売りがずかずかと襖の内に踏み入れる。

ああ、覚えがある。
この薬売りさんは知ってる―――。

加世が少し安堵したのも束の間、その薬売りの肩に、ぽん、ぽん、ぽん、とみっつほど手が置かれた。

「そう急くな」
「順番、ですよ」
「下駄ぐらい、脱ぎなさい」

がうっ、と唸るようにその手を振り払った薬売りは、加世に絡みつく四人へ鋭い目を向ける。

「……離れて、いただきましょうか」
「なにゆえに?」

問いかけながら、右手の一人が、見せつけるように加世の耳朶を食む。びくりと加世の肩が揺れた。
束の間感じた安堵は、瞬く間に羞恥へと変わっていく。
なんて格好を―――見られて、いるのか。
背後の一人は相変わらず両手を蠢かせて加世の柔らかさを楽しみ、
前面の一人は膝をついて加世の太腿に手を這わせ、
左手の一人は手首を縛めたまま、丸い肩に吸いつく。
加えて順番待ちの面々の視線に撫でられ、正面の男に鋭く見据えられ。

「み……みないで……みないでぇっ!」

ぽろぽろと泣き出した加世に、男らは最後の一人へ一斉に非難のまなざしを向けた。

「泣かせた」
「泣かせた」
「モノノ怪の帰りとはいえ」
「そう、恐い顔をしては……ねぇ」
「いっそのこともう一体、斬ってきては」

「泣かせているのはおまえたちだろうがッ! 大の男が寄ってたかって!」
「寄らねば、花嫁を愛せないじゃあ、ありませんか」
「なにが花嫁だ、そこまで堕ちたか! 俺は坂井のジジィか!?」
「何を馬鹿なことを。愛してますよ。それはおまえも、十分にわかっている……でしょう?」
657名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 08:10:16 ID:kUrj18oI
続き



くすくすと、ひそひそと、笑いが満ちる。

「そもそも、おまえが惹かれたのが事の発端」
「おまえは私」
「私はおまえ」
「だから嫁に、もらってきたんじゃあないですか」
「加世さんが欲しい、でしょう?」

雲行きの怪しさに、加世は泣くのも忘れて首を傾げた。
一人を非難するのに、責め苦の手が緩んだせいもある。
……喧嘩しない、と言っていたのに。
これは一体、どうしたことだろう。

薬売り(化猫)は、顔をしかめると、思い出したように薬箱を下ろす。そのまましばらく俯いていたが、やがて何かを吹っ切るように顔をあげた。

「……加世さん」
「は、はい」
「おいでなさい。帰してあげますから」

え、と加世は正面の薬売りを見、きょろきょろと周りの薬売りを見る。

「でも」
「正体を隠して言わせた誓いの言葉など、なんの真も宿りはしない」
「……怖い思いをさせて、すみませんでした」

背後からの声にぎょっと振り向くと、何故か薬売りが増えていた。
元からいた一人はついに加世から手を離し、加世を奪われまいとでもするようにそちらへ向き直る。

「ありのままを愛すると、そんな言葉を信じたんですか。本当に?」
「そんなこと、できるわけないでしょう」
「気持ちだけ受け取って離れていれば」
「こんな惨めな思い……せずとも、済んだのに」

ゆらり、ゆらりと薬売りが幾人か加世たちを取り囲む。

「……真であろうとなかろうと、そんなこと、どうだっていいじゃあないですか」
「卑怯で結構」
「惨め上等」
「欲しいんだから、仕方ァない」

ちょ、思いっきり喧嘩してんじゃん。
一触即発の空気に、加世は心中で思う存分ツッコんだ。



反省はしているような(ry
658名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 11:10:16 ID:2fgvILsa
654-655氏も656-657氏もGJぅぅぅう!

この薬売りたちの天秤的会議が見てみたいなww
薬売り達VSいつもの薬売り一人で一見穏やかなのにすげえ口喧嘩になってそうだ
659名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 12:41:04 ID:KWLRBZ3H
いや…真逆この量、このノリ、見事なまでの連帯感。もしや天秤さん達化けた?wwwwwwwww
660名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 13:59:29 ID:MOygc5bD
おまいらの中の天秤像はどんだけ万能なんだと小一時間www
661薬売りズ+天秤会議:2007/12/14(金) 18:02:35 ID:kUrj18oI
こんなか。薬売りアホの子注意。



「天秤のーっ! お悩みっ☆相談しぃ〜つ!」

「「「「「イェーーーー!」」」」」

「とゆーわけで早速、本日のご相談者さんは?」

「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」

「…………」
「…………」
「……あー……」
「……えぇと……」
「ご主人さまたち―――そこで一体何を?」

「ただの、悩み相談……です、よ」
「他に、何があるんですかね」
「あるわきゃあないでしょう」

「「「「「………………」」」」」

(……ど、どうする? 混ざる気満々だよあの人ら。てゆーか混ざってるよ)
(正座だ。思いっきり正座だ)
(聞くの? 聞かなきゃいけないの? この上この時間まで上司につきあえって?)
(横暴だ。我々は待遇の改善を要求するべきだ)
(いや、でも情報の共有こそ仕事を円滑に進める鍵かもしれない)
(あの人らの悩みが仕事関係のわけないじゃん)

「あのですね」

(勝手に喋りだしたっ!?)
(えぇい、もういっそヲチれ。状況を楽しめ。それでこそ天秤だ)
(了解)(了解)(了解)(了解)(ラジャー)

「加世さんがフテ寝したまま口をきいてくれません」
「どうしたらいいですかね」

(((((知るかぁーーーーーーっっっ!!!)))))

「やっぱり昨夜、無理をさせたせい……ですかね?」
「水分補給には、気を配ったつもりだったんですが」
「足りませんでしたかねぇ……」

(((((そーゆー問題じゃねぇぇぇぇぇ!!)))))
662薬売りズ+天秤会議:2007/12/14(金) 18:03:54 ID:kUrj18oI
「足腰、立たなくなっているようですし」
「それは……でも、仕方ないでしょう」
「慣れてもらえませんねぇ」
「これでも、ずいぶん自重しているというのに」

(どの辺がっ!? ねぇどの辺がっ!?)
(僕に訊くな!)
(加世ちゃんかわいそう……)
(誰か、花梨蜂蜜持ってお見舞い行ってこい!)
(あ、じゃあ僕抜けるよ?)
(僕も)
(じゃあ僕も)

「薬、使うと、そのときはよくても……後で、やっぱり怒りますし」
「使った方が楽だと思うんですけどね……」
「まぁ、病でもないのに、薬を服用するというのが嫌なんでしょう」
「それはそれで、健康的な考えではありますが」

(((((絶対違げぇぇぇぇぇぇぇ!!)))))

「やはり、数が難ですかね……」
「加世さんも、増やせればいいんですけど……ね。できれば五、六人くらいに」
「出来ぬものは出来ぬし……」
「かといって、これ以上我慢する気も」
「ない」
「ありませんね」
「ありえません」
「ですよねぇ……」

(いや退けよそこは)
(いっそフラれろ。嫌われろ)
(でもそうすると、きっと加世ちゃんも泣くよ)
(これ以上うちのご主人さまに泣かされるのと、どっちがいいかな……真剣に)

「とはいえ、どうにもならぬ以上、こちらの数を減らすしかないんですが……」
「人員の削減、ですか」
「あまり、賛成は出来ませんが」
「未来のための改革に、痛みは付き物……」
「埋蔵金でどうにかなる話でも、ありませんしね……」
「で、そのリストラの基準は」
「……加世さんに、選んでもらえばいいんじゃないですか。一番、角が立たないでしょう」

(お?)(お?)(お?)(お?)(お?)

「―――で、その懐の簪を貢ごうと」
「賄賂はいけませんね……」
「はて、何が悪いのやら。男の価値は、経済力にも……あるんです、よ?」
「ふふっ。面白いことを言う」
「いや、いや。それほどでも」
「ふふふ」
「ふふふふふ」

「「「「「ふふふふふふふふふ」」」」」
663薬売りズ+天秤会議:2007/12/14(金) 18:07:08 ID:kUrj18oI
「……我らは結局、同じモノ……」
「狙ったのが、貴様だけだと思うなよ」
「何ッ!?」

「櫛!」「匂い袋!」「紅!」「帯!」「甘味!」

「そして簪……と。おおかた、揃ってしまいましたねぇ」
「ならば、勝負―――」
「するしか、ないようですね……」
「望むところ」

「……あのぉ」

「なんだ、天秤」

「……そもそもご主人さまたち……、口、きいてもらえないんじゃ」

「「「「「―――ッ!!」」」」」

(お、ブルー入った)
(今の加世ちゃんが欲しいのは、物じゃなくて休養だしね……)
(わかってない。ほんっとわかってない)
(休養が必要なほど追い込まれたら、ふつー愛情を疑うよね)
(ね。まったく、どこの性奴隷だか)
(今するべきなのは、誠意を見せることなのにね)
(ね。でも教えてやーらないっと)
(答だけ教えちゃ生徒のためになんないもんね。自力で気づけ)
(時間稼ぎにもなるし)
(僕らってほんとご主人さま想い!)

(それでも、どうしてもわからないようなら―――)
(あれでしょ)
(やるしかない)
(もちろん)

((((( 去 勢 ! )))))

(誰から狙おうね?)
(さぁ、誰にしようね……)



書き逃げ御免。
664名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:18:45 ID:boW4fE+o
>>656-657の続き。



ごごごごごごご。
この場で聞こえるわけもない地鳴りの音が、本当に聞こえたような気がした。

悩ましい縛めから解放され、腰が立たずにぺたりと座り込んだ加世の眼前には、二手に分かれ睨み合う、沢山の薬売りの男。
方や帰せと言い、方や帰さぬと言う。どちらも一向に引く気配がない。
びりびりとした緊張、否、殺気に、場を満たす空気までもが真っ二つに裂けるかと思えた。

彼らの意識は、どこかで繋がっているのかもしれない。
当初は皆が皆、嬉々として、加世と朝までしっぽり楽しむもとい、「我らが嫁」として迎え入れることに同調していたのだ。
そこに「化猫」の薬売りが飛び込んだことで、様子が変わった。
彼の、加世への憐憫──あるいは己への侮蔑──に同調した者が、「化猫」の薬売りの側に付いた結果、このような有様となった訳である。
(やっぱり、沢山いても、薬売りさんは「ひとつ」の存在なんだ……)
流石は加世。『勘の鋭い、頭の良い娘』面目躍如の察しの良さであった。
などと、状況を説明している場合では、ない。

「もはや、相容れん」

と言ったのは、どちらの陣営の、どこの薬売りだったか。
しゃん!
沢山の鈴の音が、綺麗に重なる。
その言葉が引き金となり、全員が一斉に退魔の剣を手に持ち、掲げたのだ。
「ちょおっ!?」
頓狂な声をあげたのは無論、加世である。
(まさかっ、自分をモノノ怪として斬るつもり─────!!!?)
冷静な彼(ら)らしくもないが、どうやら見た目以上に各々、頭に血が上っているようだ。
そんなことをしたらどうなる。
665名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:21:58 ID:boW4fE+o
続き。



───そして(加世以外)、誰もいなくなった───。

あまりに寒い光景がありありと脳裏に浮かんで、青ざめた顔をぶるぶると横に振った。
「そっ、そんなの絶対、駄目ぇぇぇ───っ!!」
思わず叫ぶ。自分の状態も忘れて両陣営の間に割って入った。

「待って!ちょっと、お願いだから皆、落ち着いて!」
両手を広げ、己らの前に立ちはだかった加世に驚いたのは、「帰せ」派筆頭、「化猫」の薬売りであった。
「か、加世さん…っ」
目が見開いたのは一瞬、直後視線を反らすように顔が斜め横を向く。
眉間に皺が寄せた難しい顔。が、なにやら、ほんのりと、頬に赤味が差しているよう、な……?
両側の薬売り達が比較的冷静に言葉を差し挟んだ。

「加世さん」
「前」
「前」
「開いてます、ぜ」
「!!!!!」

きゃあぁぁ、と甲高い悲鳴を上げ、慌てて前をかき合わせる。
羨ましい、と背後からぼそりと呟く、一人の声が聞こえた。

続く



オッケーイエロー!(敬礼!!)
覗いてみたら本当に続きがあってびっくりした。
嬉しかったので調子に乗ってしまった。
あともう一回投下して、図々しくも流れを示唆してみるつもり。
リレー!リレー!

天秤会議の薬売りズもGJ!!超噴いたwww
ちなみに薬売りズは337氏の設定(ブログ参照)準拠のつもりだす。
勘違いあったらスマン。
666名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:24:42 ID:XgcYH49e
職人たちの見事な連携プレイに感涙www
667名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 22:26:36 ID:ra2KUsvi
いつからこのスレはカオスになったんだwww

職人さんズ乙です。
出来れば自重無しでゴー!ゴー!
668名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 07:26:27 ID:B44Xe9vM
>>664-665
バッチこーい! 流れ示唆、エロシーン試し書きしながら超待ってる。

でも職人様方、作品できたら躊躇せずぶったぎって投下してください。
ハイパーを襲う加世が楽しみで仕方ないw
669ドS:2007/12/16(日) 01:14:43 ID:G9LCdIT3
ではちょっとだけ全裸で投下、加世×ハイパー逆レイ-プ。
670加世×ハイパー:2007/12/16(日) 01:16:18 ID:G9LCdIT3
 空気が渦巻き流れる音
 そして不自然な静寂

―あれ…?私…どうしたんだっけ―

 ふわり、ふわり。
不快ではないが心地好くもない浮遊感に頭がうまく働かない、薄く目を開けると玉虫に彩られた空間が果てなく広がっていた。

―あ…、薬売りさんの薬箱を勝手に開けたんだっけ、そしたらフワーってなって…―

のろのろと体を起こし辺りを見渡した、薬売りの姿はない。
「むぅ…四次元懐」
 ぽつりと呟いた加世はよいしょと立ち上がり宛もなく歩き出した、
「まいったなぁ…勝手に開けるんじゃなかった。薬売りさん早く来てくれないかな…」

 些か不安だが玉虫に彩る空間をぶらぶら散歩するのも悪くはない、此処は異界だが竜の三角の様な禍々しさは微塵もなく暖かい静かな気で満たされていた。

「薬売りさーーん!!」

天に向かって頼りの男を呼んでみる、男の名は木霊すらせず七色に揺らめく空に飲まれていった。
「もう…早く気付いてよ」
 天を仰いだまま加世はぷぅと頬を膨らませた。


リ―――…ン


はっと正面に向き直るといつの間にか天秤が一機空中に静止していた、天秤は加世を見付けたのを喜ぶようにくるりと回りちりちりと鈴を鳴らした。
「天秤さん!」
 地獄に仏、差し出した指先に天秤が止まると加世はほっと息を吐いた。
「良かったぁ…天秤さん私此処から一人で出られないの、だから一緒に外に連れてって!」
 しかし天秤は加世の指先でくるくると回り右に傾き左に傾き困ったように舞っている、どうやら主の命なしには天秤も外には出られないようだ。
「えぇー!天秤さんもなの?そんなぁ…」
671加世×ハイパー2:2007/12/16(日) 01:19:11 ID:G9LCdIT3
「うーん、じゃあ此処から薬売りさんを呼ぶ事はできる?」
 申し訳なさそうに頭を垂れていた天秤がぴんと立ち上がりひょいと加世の指から飛び上がった、天秤は加世から少し離れた所に着地すると鈴を鳴らしぴょんと跳ねた。
「…? そっちに薬売りさんがいるの?」
 駆け寄った加世に天秤はこくりと頷く仕草をし、再び飛び上がり加世を導いた。
「あ!待ってー!」


 どれだけ歩いたか足が重くなり少し息が苦しい、
「はぁ…うぅ、天秤さん…薬売りさんは?」
 天秤は前方に向く鈴をちりちり鳴らし急かす様に導いている。
「はぁ…はぁ、まだなのね…」
 それから半刻ほど歩くと天秤がくるりと回り遥か前方に跳んでいった、
「ん?どうしたの?」
 加世は天秤の軌跡を追いかけ歩を早めた。


「待って天秤さ…、あ…」
 そこには男が一人横たわっていた、男の胸の上で天秤がぴょんぴょんと跳ね加世を呼んでいる。

―…薬売りさん?―

その男は確かに薬売り、白銀の長い髪に黒い肌特徴的な紅い化粧が金色の紋様に変わっていることを除けば。
「この人…、あっ!」
 薬売りに聞いたことがある、退魔の剣を抜くと薬売りはもう一つの体に入りモノノ怪を斬るのだとそしてその体は普段薬箱の何処かで眠っていると。
加世は無言でじりじりと横たわる男に近づいた。
672加世×ハイパー3:2007/12/16(日) 01:22:17 ID:G9LCdIT3
―…これが…―

 男の横に座り改めてその姿を見渡した。
普段の薬売りより背が高く体躯もがっしりしている、顔は同じだが幾分か表情が険しい。
「眠ってるのかな…、薬売りさーん」
 加世は男の名を呼び肩をつついてみた、
「ぅ……ぇん……っ」
 男はそれに反応し僅かに口を動かし不明瞭な言葉を発した。
「え?なぁに?」
 加世は身を屈め男の口元に耳を寄せた、

―ぎゅ―

「…ぇ…んつ…」
 抱きすくめられた、男は眠ったまま加世を抱きぶつぶつと寝言を呟いている。当の加世は男の息づかいを耳元に感じ顔を真っ赤にした、
「もう!ほんとは起きてるんでしょ!?」
 頬の一つでも張ってやろうと体を起こそうとするが男の力は強く腕の拘束は解けない。

 男の白銀の髪が触れた、薬草のようなほのかな香りがふわりと鼻孔をくすぐる。

―薬売りさんの匂い…―

重なり合った胸から心臓の鼓動が感じられる、男の肌から伝わる体温が堪らなく心地好い。
ごそごそと体を動かし男の顔を覗き込んだ、
「ねぇ…起きてるんでしょ…?」
 何も答えない男の薄い唇から目が離せない。
673加世×ハイパー4:2007/12/16(日) 01:25:23 ID:G9LCdIT3
 そのまま吸い寄せられるように口付けた、
「…ん…ふぅ…」
 動かない唇を舐め啄み舌を割り入れ歯列をなぞった。
ひとしきり唇を貪ると加世は男の耳に唇を滑らせやわやわと食みながら囁いた、
「薬売りさん…してもいい…?」
 男は眠ったまま何も答えない。
加世は大きな耳を舐め回しふぅと息を吹き掛けた、
「…ん…ぅ」
 男が小さく声を上げぴくりと震えた。
「気持ちいいの?…なら、してもいいよね…」
 加世は嬉しそうに微笑むと男の頬に軽く口付けた、その瞳は情欲に濡れて煌めいていた。


「脱がせてあげるね」
 男の纏う奇妙な着物を剥ぎ取らんと蝶結びの帯を引っ張り前をはだけさせた、器用に帯を取り去り腰に股がって男の体にそっと手を触れる。
普段の薬売りよりもずっと逞しい、黒い肌に覆われた筋肉の形を調べるように胸から腹腰を掌で撫で回した。
胸の先端、僅かに隆起したそれを加世が爪の先で軽く引っ掻いた。
女のものより小さなそれは徐々に存在を主張しぷっくりと立ち上がった、
「はぁ…ん、薬売りさん…もう我慢できない…」
 加世は男に股がったまま自分の着物の帯を解いた。
674ドS:2007/12/16(日) 01:31:11 ID:G9LCdIT3
一旦ここまで。ところで俺の勝手なイメージなんだけど下半身の立派さは
薬売り<ハイパー
なんだ。
675名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 01:42:47 ID:kKeL9rBe
>>674
ドSさんGJ

ウエンツに噴いたw
676名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 01:43:45 ID:Pk+3DpP1
これは同一人物説の前提でなのか。
レイプ後に別人だという話になったら、加世蒼白かもしれんがw
677名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 01:53:59 ID:ZmwCN/Ui
>レイプ後に別人
後から現れた薬売り&目覚めたハイパー×蒼白加世
「お仕置き」と称した3Pに突入すれば問題ないよ

ドS氏GJ!
678名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 02:11:59 ID:Pk+3DpP1
それすげぇ見たいよ!
いいな、薬売り&ハイパーで攻めw最強じゃん。
別人説で誰か書かないかな。
679名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 02:14:57 ID:5PqlFHtc
ドSさまGJ!先が気になる展開ですな!
自分もウェンツわろたww
680名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 02:38:48 ID:zOdXH2Te
ずっとウェンツばかりの夢を見るハイパー可愛い!ドS様GJ!!!
寝起きをやらしく起こされるハイパー楽しみです〜!

…薬売り≦ハイパー希望w
681名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 02:55:10 ID:94sGzi3H
ドSさま超GJww!!
ウェンツってあーたwwwww
一瞬、それしか喋れないんじゃ・・・とかオモタwwww
駄目だ、ギャグにしてもシュールすぎて苦しいwwwwww
682名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 07:09:24 ID:ZmwCN/Ui
>>654す。

>>656-657氏の正体知って嬉しい通り越して((((;゚д゚))))gkbr チョ、マジデェー!?
氏のブログ分岐読んでさらに((((;゚д゚))))onnk スゲェェェー!!!
超逃げてぇ衝動に駆られた…w

自分は思い切りギャグ方向に転がしていたヨー。
無駄に長い上にエロくない。カオスでふざけた内容ダヨー。
ドS氏の力作投下後でこれまた((((;゚д゚))))gkbr オモシレェー!!!
なんだが、腹括って投下いくぜ。
683名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 07:12:09 ID:ZmwCN/Ui
>>664-665の続き



「なるほど、我に返って」
「改めて、惚れた女の裸をまともに見てしまい」
「思わず動揺してしまった……、と」
「いうところ、ですか」

「勝手に(俺の心の)解説するなっ!」

「帰さぬ」派の沈着なる突っ込みにまんまと図星を指されたか、「化猫」薬売りは、くわ!と例の「あの顔」をして吼えた。

「青い、ですね……」
「全くもって、青い」
「いくらこの中で一番、経験の浅い未熟者とはいえ」
「一人純情小僧め」
「そんなだからおまえは、いつまでたっても」
「末っ子扱いなんです、よ」

「やかましいっ!!!」

言われてみれば確かに、他の薬売り達に比べて、彼は少々、幼く見えるところがあるかもしれない(キレやすいところとか)。
ああ、食えない兄達にいいように弄られる弟の図だぁ───。
などと、暢気に合点している場合ではなかった。

「とっとっ、とにかくっ!」
ひとまず解かれた腰紐を結び直し、かき合わせた衿をしっかり握って、一応の体裁を整える。
頬の赤味は残ったまま、しかしなんとか厳しい表情を作って、加世は前に後ろにと一同を見やった。
「その退魔の剣はしまって!で、──あたしの話を、聞いてくださ、い」
語尾に力を込めて精一杯睨んでみれば、皆、案外と素直に剣を下ろした。
(約一名のみ、しぶしぶ、と言った風情だったが)
先のやり取りで彼らも多少、頭が冷えたのかもしれない。
ほっとしてから改めて、ぺこんと頭を下げた。
「えっと。さっきは色々……、取り乱したりして、ごめんなさい」
「加世さんが、謝ることじゃあない」
と言ったのは、当然「帰せ」陣営の薬売り。
「悪いのは、全て」
「騙まし討ちした、あいつらです」
「同じモノかと思うと反吐が出る」
「言ってくれるじゃあ、ないですか」
「つい先刻まで、我らに同調していた者に言われたかぁ、ない。ですねぇ」
「己の欲を見て見ぬ振りして、良い人ぶってる、おまえのほうが」
「よほど、性質が悪い」
「……ほぉう」

「だーかーら!喧嘩はしない、のー!!!」
684名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 07:14:03 ID:ZmwCN/Ui
続き



加世の怒声に、両陣営の静かな罵り合いがピタリと止む。
全く、なんなのだこの男共は。子供か。「化猫」の薬売りだけに言えたことではない。
一人一人の口数自体、そう多くはないが、何せ頭数が多すぎる。
ああ言えばこう言うの連鎖続きで、話が一向に進まない。困ったものだ。
加世はこほん、と咳払いをひとつした。

「──坂井のお屋敷で、初めて薬売りさんに会ったとき、良い人だな、って思ったんです」

これ以上話が脱線する前に、とっとと本題に入ることを決め込んだらしい。
加世はおもむろに話を始めた。
「全部が終わって。あのとき、あたし実家に帰るとか言って、あっさり別れちゃったけど。本当はちょっと後悔してた。
……また遭えたらいいなって、ずっと思ってました」
俯き加減にはにかむ加世のその言葉に、ほんの少し、切なげな眼差しを向ける「化猫」薬売り。
「……加世さん、お」
「無論、私もです」
「私も」
「私も」
「……あんたら、黙れ……っ」

「そしたら、今度はそらりす丸で偶然再会して。嬉しかったけど……。
少し、がっかりしちゃった。だって薬売りさんたら、なんかそっけないんだもの」
途端、一人の薬売りに大勢の視線が集中した。
突然の注目を浴びることになった「海坊主」の薬売りはしかし、しれ、とした態度で、うっすら微笑を浮かべた。
「ただの、照れ隠し……。です、よ」
「そうだったのか!?」←化猫薬
「分かりにくい」
「我らの中で一番、読めない男、ですしね……」

そんな彼らの様子を知ってか知らずか、とつとつと、加世の言の葉は紡がれていく。
「だけど海座頭にひどい幻見せられて、大騒ぎしたあたしを、優しくなだめてくれたの、……嬉しかった」
ふ、と「海坊主」薬売りの目が柔らかく細まった。
喜んでいるようだ。
(ちなみに彼は「帰さぬ」陣営にいた)

「……さっき。皆消えちゃったら、『薬売りさん』がどこにもいなくなったら、どうしようって思った。
そんなの、絶対に嫌だ、て、思った……」
声が、衿元を抑える小さな手が、微かに震えている。
泣きそう、なのか?──と、男共の心に緊張が走ったそのとき。
だからね。と加世は言った。
「あたし、ああ、やっぱりこの人が大好きなんだなって思ったの」
するりと、その真は入ってきた。
全ての薬売りの胸に。
それまで俯いていた顔を上げ、真っ直ぐな瞳はそのままに、彼女はぐるりと一同を見渡した。
「あたしは、薬売りさんが好き、です」
685名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 07:15:35 ID:ZmwCN/Ui
続き



「あなたが何であっても構わない」

「ありのままの―――あなたが。全部、好き」

それは、ここへ誘われる前に加世が告げた、愛しい男への告白。
ひとこと、ひとこと、目の前の男達に確かめさせるように。

「加世、さん」
「あんたは、本当に」
「こんな、男(達)で……いいんです、か……?」
加世はにっこり笑って答えた。
「あなたが、いいんです」
ああ。

この時のことを、後に薬売り達はこう語る。
彼女の背に間違いなく、己を暖かく照らす、後光を見た、と。

「おお、我らが慈母」
「作品違いますよ」
びしり。(突っ込み)

端っこのほうの、一部のそんなボケツッコミをあえて聞き流し、「でーもっ」と加世は続けた。
「だからっていきなり、ああいうのはちょっと、困りますから!
あたしの身体はひとつしかないんだし、その、やっぱり、は、初めて……なんだし……。
だからもっと、こう、一人の人とじっくり……っていうか、ええと、なんていうか」
人差し指同士をつんつんさせながら、再び頬を染め、いとけない仕草で際どいことを言い出す。
そんな彼女の姿は、男達の保護欲と征服欲を無闇同時に煽るほど愛らしい。
ぽってりした唇から語られる希望も、それは乙女の夢としては、至極納得できるものである。
のだが。
「だから、皆いっぺんになんて無理です。絶っ対」
「じゃあ、どうしろてぇ言うんです」
きっぱりはっきり意思表明した加世に、今度は薬売り達も率直に不平を漏らした。

「一人ずつ順番に、ならいい、と?」
「順番は、まあ、ここなら意識の一部は常時接続状態ですし」
「待つことに、多少の我慢は出来ぬでも、ないですが」
「しかし一通り終わるまで、となると」
「朝までどころか、何日かかるのか、知れたものではありません、よ」
「加世さんの体力がもつわけが」
「なら、おまえは不参加ですね、末っ子」
「末っ子言うな!」
「一人あたりに、どれだけ時間を取られるか、にも」
「よりますかねぇ」
686名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 07:24:28 ID:ZmwCN/Ui
続き



「だ、だから無茶ですってばあ!!」
加世は慌てて口を挟んだ。
「じゃあ、どうしろと」
心なしか拗ねたような声音で同じ質問を繰り返す。
それを見計らっていたかのように、加世は思い切り叫んだ。
「最初に『数なんてその時々で変わる』とか『意味はない』とか言ってた薬売りさんっ!!」
「「あ、ハイ」」
突然の呼びかけに面食らい、滅多にないポカンとした表情で、二人がついと左手を挙げる。
その二人に、加世は必死の形相で詰め寄った。
「あたし思い出したんです。あのとき言ってた言葉は、本当なんですよねっ?」
加世の気迫に僅か後退しつつ、二人の薬売りは頷く。
「ええ、それは」
「本当です、よ」
「じゃっ、じゃあっ!」
その言葉に加世は、ぱぁ、と顔を輝かせ──、
「だったら、『一人』にだって、なれるんじゃないんですか!?」
一縷の望みをかけた提案をした。

「あ」
「あ」
「あ」
「あ」
「ああー」

ぽん。×15

「なるほど、統合てやつですか」
「そいつは盲点、でした」
「うっかり、うっかり」
「やってみたこたぁ、ないが」
「試してみる価値は……、ある、でしょう」
(((((加世さんを、己の腕に抱く、ためにッッ!!!)))))

今、十五人の薬売りの心がひとつとなった。
……約一名を除いて。


続く?
687名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 07:29:56 ID:ZmwCN/Ui
大まかに一回戦目は化ぬこベース薬売りとラブラブ
心身ともにほぐれたところで、どさくさ分・裂!薬売りズ参上→なし崩し汁だく二回戦
みたいなノリ妄想してたんだ。でもなんか一人余った…。
後続の人に上手く料理していただきたく候。頼む。

実は長編書いた事ない&エロ描写自信ないだったので、
自分以外の誰かにエロシーン書いて欲しくて推奨したリレー形式だったりする。
故に337氏さえ良ければ、自分は飛び入り大歓迎!
……尾長いします。(´・ω・`)

IDでばれてるから言っちゃうけど、なんか自分林間好きな人みたいだな。
薬加が好きなだけダヨー
688名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 09:05:15 ID:X8Q7N5L5
>>687
まったく朝っぱらからなんというゴッドジョブ。この林間好きめ!

「そんなら、私が胸を」
「ずるいですねぇ……なら足を」
「そうきましたか。では私は耳」
「一番おいしいところは」
「全員で、ね」
「いやはや」
「(……出遅れた)」
薬売りズにいいところ全部とられて視姦しかない化け猫薬売り、まで想像した
689名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 11:48:58 ID:h5hpbCqi
>>654氏GJGJ! この林間好きめ!!w

>「我らの中で一番、読めない男、ですしね……」

「『化猫』がやられたようだ」
「だが奴は我らの中で最弱……」
「所詮、数合わせにしか過ぎぬ」
「『座敷童子』戦が見物よ……」

と暗い部屋でひそひそやってる薬売りズを受信した。
690名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:14:49 ID:cC0pFWOw
>>686続き

薬売り統合、エロ導入まで。更なるカオスを目指して、巷で囁かれている薬売りの謎やら、
ホモじゃないけど腐要素……ってゆーの?もぶちこみますた。



薬売りたちの姿が重なりあっては、ふっと消える。
確かめるように両手を見下ろし、握って、開いて、再度重なるの繰り返し。
やってみたことがない、というのは本当のようで、どこか慎重な、緊張したような、それでいて面白げに観察する面持ちに、加世はぎゅっと胸の前で手を握る。

「く……薬売りさん」
「はい」
「どうしました」
「だ……大丈夫? なの?」
「大丈夫、ですよ」
「元は、同じモノですし」
「少し、待っていてください、ね」

統合へ向かう薬売りが、通りすがりざま加世の頭をぽんと撫でる。直後きゅっとこぶしを握るのは、感触を愛おしんでいるのか、何かに耐えているのか―――。
はらはらと見守るしかない加世の横で、「化猫」薬売りがぽつりと口を開く。

「しようのない人だ」
「え?」
「好き好んで、苦労をしょいこむこたぁ、ないだろうに」
「だぁって、好きになっちゃったんだからしょーがないんですぅー」

唇を尖らせる加世に、薬売りが苦笑する。

「お医者様でも草津の湯でも、か」
「そうそう。それに……」
「それに?」

加世は少し照れたように、上目遣いで「化猫」薬売りを見やる。

「助けてくれる……でしょ?」

……思わず、手が伸びた。きつく、細い体を抱き寄せる。

「……加世さん、俺もずっと」

「ちょ、おま」
「抜け駆けすんな末っ子!」
「……あんたらちったぁ空気読め……!」

怒りだか照れだかで顔を赤くした薬売りが、もごもごと統合を続ける薬売りたちに噛みつく。あと三人、か。
691名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:16:44 ID:cC0pFWOw
続き



加世はちょっと笑って、ずっと?と訊き返したが、「化猫」薬売りは深い溜息をついた。

「……少し、待ってもらえますか、ね……。俺だけで言ったんじゃ、後々まで揉めそうだ。抑えの部分も、必要でしょうし……」

『なんだかんだ言って兄達が大好きな弟』の図に見えて、加世はころころと笑う。深く考えると不気味なので考えない。みんないなくなってしまうくらいなら目をつむる。
距離の取り方、接し方。
少しずつ、考える。
この先、ずっと一緒に過ごしていくために。

加世から体を離した薬売りが後ろを振り向く。歩み寄ってきていた薬売りとその姿が重なって―――


一人に、なった。


「……薬売りさん……?」
呼びかけに瞼がゆっくりと上がる。青い目が加世を認めて、その顔が微かに緩んだ。加世さん、と低い声が呼ぶ。大きく広げられた腕に、加世は思いきり飛び込んだ。
「薬売りさん……!」
「加世さん」
ぽん、ぽん、と背中を叩いて、薬売りはその耳元で囁いた。

俺達の、妻になってくれますか。

はい、と加世がはにかみながら頷く。お互いの瞳を覗き込み、そこに映る自分を幸福な気持ちで認めると、引かれるように唇が重なった。




褥に横たえられると、顔中に口づけが降ってくる。加世がくすぐったそうに首をすくめると、そういえば、と薬売りが笑った。
「坂井のお屋敷じゃあ、いろんな話をしました、ね……?」
「……そうでしたっけ?」
ええ、と薬売りは頷く。しゅる、と再び襦袢の腰紐が解かれた。
「ほら。花嫁さんにいい薬……です、よ」
がっ、と加世の頬に血が昇る。そういえばあのときは、それこそ『ただの薬売り』だと思ってあれやこれやと―――
「知識があるなら、話は早い」
「つっ、つっ、つつつ、使うんですかぁっ!?」
「さて。どうしましょう……ね」
ああ、雰囲気が混ざってる、と加世はぼんやり思う。はぐらかすような、からかうような声音。
692名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:17:31 ID:cC0pFWOw
続き




優美なようで意外と節の立った白い手が、加世の肩から胸の脇、細い腰を通って太腿までをそっと撫でる。
「あんたが悦くなれるんなら、どっちでもいいんですが、ね……」
「や……優しくして、ね?」
「無論」
言って薬売りが加世の首筋に吸いつく。ぴくんと加世の肩が揺れた。

「ん……っ」

ちくりとした痛みの後で、顔を離した薬売りが同じ場所を撫でると満足げに笑う。
痕、つけて喜ぶなんて。
やっぱり、ちょっと子供のようだ。

そのまま、また覆い被さってきた男に、加世はちょっと首を傾げる。
「薬売りさんは脱がないんですか? てゆーか自分ばっかり、ズルい」
胸のふくらみをなぞりかけていた手が、ぴたりと止まる。
「ああ……そうです、ね……」

目が泳いだ。

それを目ざとく見咎めて、加世は無言のまま説明を求める。これ以上騙してくれるようなら、こっちにも考えがあるぞ、と目線に込めると、通じたのか通じなかったのか、薬売りはちょっと眉を下げた。
まったく秘密の多い男である。

「あの……驚かないで、ください、ね……」
「……まさかその服まで薬売りさんの一部で、脱げない、とか……」
「いや、さすがにそれは。脱げなかったら、出来ないじゃあないですか」

さらりと返されて、そそそっか、と加世は頬を染める。じゃあ何?と目線で問うと、薬売りはおもむろに襟を開いた。

「見えますかね……この通り」

白い肌にくっきりと赤く走る、これは。
693名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:20:31 ID:cC0pFWOw
続き



「お札の、紋様……?」
「まぁ、元々こんな形(なり)で言えた義理じゃあ、ないでしょうが」
薬売りはそそくさと襟を戻す。
「歌舞伎者みたいじゃ、ないですか。こんなのが、全身あるようじゃ」

恥じているのか、頬を染めて視線を逸らす様子は、なんというのか……物凄く、腹が立った。

「……薬売りさん」
「……はい」
「言いたいことがふたつあります」
「どうぞ」
「ありのままが好きって言ったでしょう! まだ疑うんですか!?」
「……すみません」
「それから!」
「はい」
「女のあたしより色っぽいって、それってすっごく酷くないですかぁっ!?」

薬売りは一瞬ぽかんとして、くっ、と笑った。くつくつ笑いながら、そいつぁ失礼、と切れ切れに言う。

「ほら、帯解いてあげますから! 後ろ向く!」
「はい、はい」

加世の手が、帯締めと、斜め結びにした帯に伸びた。


つづく!


長くなってごめん。あああ、早く林間部分書きたい……。
694名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 03:26:55 ID:rirP3ihn
うおおGJ!ついに統合完了ww
695名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 04:55:41 ID:teefWLYJ
GJ!良かった続いてくれてw
とりあえず思いついたとこまで書いた。

>>693続き



薬売りの袖の下に腕を通し、帯止めの結び目を解く。
自然、加世が薬売りを背後から抱きしめているような姿勢になる。
たっぷりとした斜め結びの帯が間に挟まっているものの、背に点った微かな温みに我知らず安堵の息が漏れた。
「こういうのも、悪かあない、ですね」
と言えば、
「何言ってんですか、もう」
と、照れ隠しなのか、少々つっけんどんな返答が背後から聞こえた。
妻が夫にしてやるように、着物を肩から外すように抜く。半襦袢も同様に。
薬売りの素肌の背中が加世の前に現れる。

「わぁ……」
白く均整の取れた身体に刻まれた、赤い紋様に思わず目を奪われる。
「あんまりジロジロ、見ないでやってくださいよ」
やはり恥ずかしいのか、薬売りは多少落ちつかない様子だ。
おもむろに諸手を上げると、常に被っている頭巾の結び目を器用に解きだす。
ばさり、と加世の視線を遮るように、色の薄い癖毛が背に落ちた。
「加世さん」
薬売りが、僅かに顔をこちらに向けて、加世の名を呼ぶ。
その一連の動作がこれまた色っぽく、加世は思わず、うぅ、と呻いた。
完全に、負けている。
思えば薬売りの容姿に対して、自分は結構鈍感だったのだ。
それを今、嫌と言うほど思い知らされたような気がする。もはや腹が立つと言うよりは。
「……薬売りさんは、あたしなんかのどこが良かったの?」
「は?」
「だって、あたし美人じゃないし。色だってこんなに黒いし。性格だって、がさつとか、子供っぽいとか、言われるし……」
よく考えたら、全然釣り合いが取れてない。
急に自分がこの男に対し、ひどく分不相応な存在に思えて、平たく言えば、いじけてしまったのである。
そんな加世の態度に余裕が戻ったのか、薬売りは、くす、と微かな笑みを漏らした。
「やれやれ。さっきまでの強気な態度は、どちらに行っちまったんで?」
「だって……きゃあ!」
身体を捻って加世の腕を掴むと、少々強引に褥に引っ張り込む。
倒れこんだ柔らかい身体の上に圧し掛かり、両手を顔の横について、覗き込む。
薬売りの肩から零れ落ちた髪の毛先が、加世の頬を撫でた。
696名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 05:00:08 ID:teefWLYJ
続き



「俺があんたを、好きだと思うのは」

ひどく真剣な、そして熱の篭った眼差し。
「人間らしいから、ですよ」
「え?」
赤い隈取に彩られた青い瞳の中に、加世の姿が映りこむ。
「どういう意味なんですか」
加世には訳がわからない。
人間らしいも何も、人間だもの。そう言って尖らせた唇に薬売りの唇が吸い付く。
「んん……っ」
加世の口内で薬売りの舌が動き回る。
口蓋をなぞり、加世の舌先と根元を擦り上げ、思い切り絡めた。
「ふぅ……ん……」
鼻にかかった甘い呻きが、肉厚の唇の隙間から漏れる。
くちゅりと音を立てて唇が離れる。唾液で塗れた口の端をぺろりと舐められた。
「……自分に正直、てことですよ」
顔をずらし、耳元に唇を寄せて、そっと囁かれる。低く、少し掠れた声に加世はぞくりとした。
「……それに。あんたは充分、魅力的ですよ」
俺にとってはね、と、薬売りの指が加世の肌を這い出した。



このぐらいでサクサクいけたらいいなぁ。
頭数減った&エロ導入のお陰で地の文増えたw
697名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 03:04:02 ID:quLm3x/K
きたきたぁwwGJ!
698337:2007/12/18(火) 12:13:08 ID:1FvE5ZQY
リレーのせいでエロエロモードになった脳内薬売りを華麗に、嘘、必死で
スルーして鵺投下。全4レス。
699前(さき)の事語り〜鵺〜 1:2007/12/18(火) 12:15:40 ID:1FvE5ZQY
 はたり、と女は襖を閉めた。
 薄闇にうち沈んだ部屋は、しんしんと冷え込んでいる。戸外にきらきらと
降り積む雪が、六角の結晶の間に音を封じ込めて、静寂が深い。彼女の
求婚者たちは今頃、あるはずもない香を求めて屋敷を彷徨っているのだろう。
さしもの雪も、人の雑念までは吸えないらしい。
 見つけでもしたらどうするのだ、と、女は微かに笑う。玉の発表を待たず、
盗んで逃げでもするのだろうか。まったく男というものは、つくづく愚かな。
 ―――否、愚かなのは女も同じ……か。
 衝立の陰で帯を解く。今宵も彼女の死が近づいている。火の気のない
空気に晒された肌がそそけだつのは、かつて取り込まれた女の意識が、
どこかに残っているからか。
 いや、そもそもそんな女が本当にいたのだろうか。いつとも知れぬ時の
狭間に集(つど)った妄念が、なんとなく女の形になっただけか。
 消滅とは、かくも恐ろしい。今確かにあるものが、時を経るごとにどんどん
あやふやになっていく。しまいには、あったかどうかもわからなくなる。

 無へと、帰す。

 女は寄る辺ない子供のように、己の肩を抱いた。
 寒い。
 熱を求めて、肌に指を滑らせる。座り込むのはいつもの畳敷きの上、向かい
合った屏風の男に微笑みかけた。返ってくるのは紙の手触りと知りながら、
つぅとその頬を、首をなぞる。彼女に群がる男たちに興味はない。我も我もと
伸ばされる手が、求められる事実が重要なのであって、それ以上にはなりえない。
彼女を維持するのに必要な―――そう、言うなればエサ……なのだ。
 では、何故己はこの行為に耽り、夜毎殺されてやるのだろう、と女は他人事の
ように思う。
 仮初めとはいえ、その死は女に凄絶な痛みと恐怖を残す。
 避けることもできるはずだ。凛とした、男らの夢見る『姫』の姿のまま、廻船
問屋の男を適当にあしらって、出された答と違う玉を記す。男らが何と言おうが
違うものは違うと言ってやり、その背中を見送って―――また、明日の夜を待つ。
それでいいはずなのに、何故。
700前(さき)の事語り〜鵺〜 2:2007/12/18(火) 12:18:43 ID:1FvE5ZQY
 女はするすると襦袢の腰紐を解いた。冷え切った体は性急に熱を求める。
香木としての己は知らない、女の感触。唇を幾度かなぞり、胸の頂を
押しつぶす。唾液で濡らした指を、肉芽に沿わせた。くるくると小さな円を描く。
屏風の男は、声もなくそれを見つめている。
 あぁ、と微かに呟いた。あの男が来る前に、もっと。もっと熱を。
 軽く腰を浮かせ、半眼になって意識を集中する。胸を揉み、割れ目を幾度か
指が行き来すると、ぬるり、と花弁が潤み始めた。すかさず掬い取って陰核に
擦り込む。何度か繰り返すうちに、ぼんやりと下腹部に熱が生まれる。続いて
爪先に。じわじわと広がって、快楽の尾を掴もうと、意識が深く潜っていく。
 はぁ、と女は熱く吐息をこぼした。軽く腰を揺らめかせ、屏風に片方の手を伸ばす。
 求めたものは、なんだっただろう。
 思い出せない。こうして熱を貪り、高めていくと、見えそうな気がする。なんとなく、
この先にあるような気がするのだ。女の勘、というやつだろうか。
 なのに、いつもあの男が邪魔をする。それでいて甘んじて受け入れてやるのは、
不思議と、あの激痛と噴き出す血潮と暗くなる視界の中に、同じ答が潜んでいる
ようにも思えるからだ。
 何が、共通するのか。
 そもそも、求めていたものなど本当にあったのか。
 わからない。わからないのだが―――。
 びくん、と肩が揺れる。あふ、とあえて声を洩らしてみると、耳に届く淫猥な
響きに熱が高まった。屋敷を彷徨う亡者どもに聞かれるかもしれない、そう
思うとますます興奮する。聞けばいい、見ればいい。これがおまえたちの手の
届かぬものだ。指をくわえて眺めながら、もっと私を求めるがいい。
 間断なく蜜をこぼし始めた花芯に浅く指を入れ、再度陰核に戻る。
 ……はぁん……、ああ……ふぅ……ん。
 ふふ、と微笑いながら、屏風の男に体を寄せると、胸の頂きがこすれて
気持ちがいい。火照りだした肌に、人肌ではありえない冷たさがかえって
刺激になる。思わず、縋るように何度も体をすりつけた。その動きが腰をも
揺らめかせ、肉芽を擦る指が速くなる。
 ……あぁ……ああ、ああんっ。
 包皮を剥いて、先端をちろちろと軽くくすぐると、今度は意識するまでもなく
声が出た。夢中でその感触を貪る。
 もっと、もっと、もっと。
 じりじりと熱に炙られる。温度が、上がって、ちらり、炎の舌が―――
 ―――ああ……っ!
 脳裏に弾けた衝撃に、思わず手が止まる。求めるものの影が一瞬閃いた
ような気がしたが、明確になる前にあっという間に見失った。かくりと、膝が
折れる。
 ……これもまた、昨日と同じ。一昨日も、その前も、その前も。もはや
いつから繰り返しているのかもわからない、ずっと前から。
701前(さき)の事語り〜鵺〜 3:2007/12/18(火) 12:20:26 ID:1FvE5ZQY
 女はわずかに肩を落とす。
 いつの間にか、耳元で鼓動がうるさい。息があがっている。ぽたりと蜜が
こぼれて、畳に染みを作った。
 ―――おかしな、話だ。
 生きているわけでもないのに、と女は微かに笑う。その手は既にまた動き
出していた。何百夜、何千夜と失敗したとて思い切れずに続けているものを、
この程度で諦められるようなら、女はとうにここにはいない。
 余韻を絡めとるように体をくねらせ、ばさりと髪を下ろす。まっすぐな黒髪は
コシがあり、女の体を包み込んではさわさわとくすぐる。今宵もそれは、
彼女の期待を裏切らなかった。
 ―――はて。
 まるで、裏切られたことがあるかのような。
 一体、何と比較しているのやら……。
 これも、女の記憶か。香木に裏切りも何もなかろう。
 束の間とりとめもなく浮かぶ思考の糸を手繰ったが、その先はやはり
曖昧模糊と消えていく。早々に投げ出して、今度はとろとろと蜜をこぼす
蜜壷を指で探りはじめた。
 軽く目を閉じると、入り口がひくついているのがわかる。しばらく指と花弁の
双方でその蠕動を味わってから、くちゅくちゅと指を動かした。一旦深く奥まで
差し込み、ぬるつく襞の形をなぞる。見たことなど無論ないし、当然だが指の
届く範囲しか知りえないそれが、少し、不思議な気がした。己の、体だというのに。
 ……意外と、そういうもの、か……。
 己で把握できる己など、実は己の一部にしか過ぎないのかもしれない。
 見る者触れる者によって形が違うなど、実はそう珍しくないのではないか。
 たっぷりと指に蜜を絡めて、今度は浅い位置を探る。ざらりとした粘膜が
指先に当たった。
 はぁん、と再度声が洩れた。陰核とは少し違う、奥まったような、深いような
快楽は、直接的でない分、より熱を感じさせる。自然と腰が振れて、肌を掠める
髪に襦袢、ざらざらとこすれる畳までもが女を高める。

 ―――そろそろ。

 愚かな、死に神の声が。
 恋い慕っていると言いながら、まやかしにしか過ぎない名を呼んで。
 今宵も、仮初めの死をもたらしに、やって、くる。

 ……瑠璃姫様……。

 それは一体、誰のことやら。
702前(さき)の事語り〜鵺〜 4:2007/12/18(火) 12:32:36 ID:1FvE5ZQY
 女は口の端に嘲笑を刻むと、わざと甘い声を出してみせる。
 ―――この痴態を見よ。
 香に狂って糟糠の妻を死に至らしめ、築いた富も信用もドブに捨て、長く
仕えた奉公人たちを路頭に迷わせてまで、おまえが求めたものがこれだ。
 その無用の眼(まなこ)で、とくと見定めるがよいわ!

 ふふ、と洩れた笑いは止まらない。
 愚かな、まったく愚かな男。
 失ったものを女のせいにして。鶯を手に女を殺す。
 香を口実にしながら、香道具を穢す。それが女の首を刺すものでないと、
いつになったら気づくやら……。
 絶叫する痛み、噴き出す生温い血に打たれ、女は目を見開いたまま事切れた。



 ―――愚かな、女。



 女の死に被さって、哄笑の波動は止まらない。
 ―――消滅が怖いか、喪失が怖いか。
 ―――ならば留め置いてやろう、今しばらく。この苦しみの中に。
 ―――おまえたちが、この私にするように。
 人の意識が消えて、束の間香木の想いが頭をもたげる。
 混沌と、混じりあう、雑多な思惑。
 人の因果と縁が、焼けつく強い情念が、香木を蝕み病へと引きずりおろす。
 ―――愚かな、人間たち。
 幾本も幾本も伸びる手が、鎖のように香木をこの穢土へと繋ぎ止める。
燃やしてしまえば何も残らぬなどと、馬鹿なことを口にして。
 やめて、離して。空へ帰して。月へと昇って、ようやく私は私になる。何故
おまえたちは邪魔をする。

 ―――どうしても、離さぬというならば……。

 ぬらりと悪意が形を持つ。
 ―――殺してくれよう。私を求める者すべて。殺し尽くして、私はようやく
自由になる。
 血を、死を、そして燃え盛る熱を。
 もはやそれしか方策はない。

 ―――求めたものは。
 ―――求めたものは……?

 願いはいつしか変質する。深く病んで―――鵺を、生した。



   おわり



液晶画面の見すぎで頭痛がしますorz
703名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 19:35:05 ID:qZtto7DT
匂い立つようなエロス
GJです!
704名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 23:22:05 ID:Junk+26e
この鵺ならば薬売りに焚かれても、狂おしく歓喜と絶望に酔い痴れて果てそうだと。

瑠璃姫姿で薬売りとの絡みまで受信してしまいました!GJGJ!!

705337:2007/12/20(木) 00:31:14 ID:+ukxzTcK
ついさっき家に帰りつきました。勢いのまま鵺薬加投下。
終わったら寝る。

死別ネタなのでハッピーエンド好きはのっぺらまででストップよろ。
エロもない、ごめん。全4レス。今回はこの後にもう1本SSがついて鵺編完了。
706後(のち)の事語り〜鵺〜 1:2007/12/20(木) 00:33:07 ID:+ukxzTcK
 滾々(こんこん)と湧く清水の脇には、山吹が群生していた。今を盛りと
咲き誇る鮮やかな色が、水に映り込んでいっそう眩しい。薬売りは手桶を
下ろすことも忘れて、しばしその光景に見入った。
 春だ。
 山の上も朝夕の冷え込みが薄れた。一斉に花が開き、新緑が日々空に
向かって伸びてゆく。その合間を虫が飛び、鳥が鳴き交わす。賑やかな
色彩の乱舞に、平素は目立つ薬売りの着物すら、景色に埋没するかの
ようだった。
 咲きこぼれた黄色の花びらが、一枚、二枚、透明に澄んだ水面でゆらゆらと
揺れている。
 ―――山吹の。
 立ちよそいたる山清水……。
 穏やかに風が吹く。
 ちちちち、と背後で鳥が枝から飛び立つ、その甲高い声ではたと我に返った。
完全に気を取られていた自分に気づいて、薬売りは微かに苦笑する。
 ただの山吹、ただの湧き水。それ以上のものではなく、それ以上であっても
困るというのに。
 つい、由無いことを。
 かつりと高下駄の歯が岩を噛む。手桶に水を汲んで、山吹の枝を一差し
生ける。そのまま山道を戻ると、樹木が拓けた。敷地を横切り、一抱えほどの
丸い石へと近づいていく。寄り添うようにひょろりと柘榴(ざくろ)の木が
植わっているので、足取りに迷いはない。花の時期には早いが、芽吹いている
ことは薬箱を下ろしたときに確認した。軽く水をやり、そっと幹を撫でる。
 柘榴の根元に鎮座した石は、よく乾いていた。薬売りは、その前へ山吹を
生けたままの手桶を置くと、緑の新芽から突き出た、立ち枯れたままの雑草を
引き抜いて、ぽいぽいと脇に積む。柔らかな草の上にゴザを敷いて、足を
崩して座った。
 目を閉じて空を仰ぐと、春の日差しが暖かに降り注ぐ。
 その温もりを肌で受けながら、薬売りは微動だにしない。
 この季節、この場所はこんな光景なのだと―――長いこと、知らなかった。
 鮮やかな色彩に溢れているだろうことはわかっていた。だからこそ、薬売りが
ここを訪れるのは雪深い冬ばかり。雪かきもされない山道を通(かよ)って
くるのは難儀したが、しんと静まりかえり、時折木々の枝から雪がどさりと
落ちる以外なんの音も気配もしない、墨絵のような景色の中にこそいたかった。
凍えるような寒さが、似合いであるとも思っていた。
707後(のち)の事語り〜鵺〜 2:2007/12/20(木) 00:34:28 ID:+ukxzTcK
 色をなくした世界は、まるで鯨幕のそれにも似て。
 薬売りの心情を、代弁するものであったから。
 ふぅ、と息を吐くと、薬売りはゆっくりと目を開ける。薬箱を開け、こまごまと
した道具を取り出すと、かちかちと石を打って火を熾す。
 ほけきょ、とどこかで鶯が鳴いた。忙しなく虫が飛んでいる。
 やがて。
 薬売りは深く呼吸をすると、座を正した。長い指が動いて香炉に火を移す。
試しの香、かぐや。先日行なった組香の、余りである。
 正式の名をつけるなら……、と薬売りは火を待つ間にひとり考えてみる。
 ―――加世、だろうか。香を聞けば様々のことが脳裏に浮かぶという、
その言葉に惹かれて調えてみた。
 立ちのぼる大地の息吹、雑多な生命に満ちた空気の中で聞香とは、
香狂いのお歴々はさぞや顔をしかめるだろう、と、薬売りは微かに笑う。
 だが、これでいいのだ。加世の香であるならば。
 馥郁と立ち始めた香りを、そっと聞いてみる。
 しばしの、沈黙。
 ひらひらと蝶が視界を横切り、緑の中へ消えていく。
 薬売りは黙ったまま香炉を戻し、溜息をついた。ややあって、少し苦笑する。
春爛漫に身を置いているとはいえ、思っていたよりずっと色調が暗かった。
彼女との逢瀬の思い出が深い、薬箱の光景を表したつもりだったが。
 加世と名をつけるなら、もっと明るい色だろう。陽だまり、干し草、八重山吹。
そういえば加世は、黄色い着物地を好んだ。
 ならばこれは―――追憶、といったところか。
 渦を巻く暗い七色、頭の芯が痺れるような……、甘さと、嘆き。
 立ち直ったつもりでも、足はなかなか上がってくれない。踏み出したつもりで、
あちこちで躓(つまづ)いている。
 ゆるゆると香は立ちのぼり、広がっていく。あえかに儚くたゆたって、大気へと
溶けるように消えていく。言葉では近づけず、けれど、そこにあり、見えは
すれども、触れられない。かぐや姫は月へと帰り、人は地に残される。
708後(のち)の事語り〜鵺〜 3:2007/12/20(木) 00:35:53 ID:+ukxzTcK
 だが、見えるなら―――まだ、いい、と羨む自分がいる。空を見上げて
偲べるのなら。
 それとも、なまじ見えなどしては、未練が募るばかりだろうか……。
 ふ、と溜息をつく。
 ……未練、か。
 上等ではないか。愛し愛された事実は、いまだ疼く心の中にこそ息づいている。
 まるで人のような今の有様は、加世によってもたらされた。ならば、悪くは
ないだろう。
 閉じ込められた死人(しびと)の魂を見過ごせず、わざわざ解放するような行いも。
 結婚を考える女より香木に目の色を変える男らに、ほんの少し意地悪い
真似をしてみたことも。
 悪く、ない。そう、自分に言い聞かせる。
 そうして薬売りは再度身じろぐと、薬箱の奥、隅の隅に追いやっていた包みを
取り出した。薄桃色の、肉片のようなもの。もうずいぶん長いこと放置していた
というのに、変色もなく、あくまで瑞々しい。
 薬売りはそれを指でつまんで、しげしげと眺めた。
 気味が悪い、と言うだろうか。どれだけ時を経ても、腐りもしない肉など。
 ―――いや。
 加世なら、墓を作るだろう。海のアヤカシ、人魚の遺骸。線香をあげ、両手を
あわせるだろう。どれだけ時を経ても変わらない、己に連れ添った女だから。
 ぽい、と火にくべると、じゅ、という音とともに、焦げた匂いが春の気配を乱した。
 何もかもが順調だった……わけでは、ない。
 その程度には、長い年月だった。
 特に、事前に予想していた通り、ある程度年齢を重ねてからの悋気には
かなり辟易させられた。女の容貌が衰えていく一方で、男が若くあり続けるの
だから当然だろうが、煩悶する様を見るのは苦しく、すれ違う心が辛かった。
何度、これまでかと覚悟したことだろう。仲直りしたならそれはそれで、
抱きしめる体と同じ時を過ごしてやれないことが悲しかった。
 そこまで深刻でなくとも、些細な衝突は数知れない。不満に膨れる頬、
己の冷ややかな眼差し、刺々しい雰囲気の背中、気詰まりな沈黙……。
 その日々が―――どうしようもなく、愛しかった。
709後(のち)の事語り〜鵺〜 4:2007/12/20(木) 00:37:51 ID:+ukxzTcK
 思い返せば最後には、同じだけ、いや、それ以上に与えられた笑顔に辿りつく。
 加世は見事に年をとった。可愛らしい小さな老婆は、自身が陽だまりである
ように温かかく。
 だからこそ、迷って、迷って、結局この不老長寿の薬を、加世に渡すことが
できなかった。ましてや、飲めということなど。今でも、できる気がしない。
 悔やまなかったといえば嘘になる。
 否、今でも悔やんでいる……かも、しれない。
 だが。
 香木は、火で焚かなくては本当の香りを引き出すことはできない。いつまでも
この世に留め置こうとすれば、それはもう香木ではない。ただの腐った木だ。
 ―――人の一生もまた。
 燃えるからこそ、輝かしい。

 残るのは切なさ。愛された思い出。今はもう、ないという記憶。

 ……ああ、参った。
 薬売りは天を仰いだ。焦げ臭い煙が目に沁みる。そう―――これは煙の
せい、だ。
 いささか思い出しすぎた。あれこれと、想いは間断なく湧き上がる。なるほど
香とは罪作りな。
 鳥が鳴く。虫が飛ぶ。緑がざわめく、この地に在って。
 薬売りは、加世を失くして初めて泣いた。


 ―――あんたに、会いたい、ですよ。


 加世。



  おわり
710337:2007/12/20(木) 00:42:22 ID:+ukxzTcK
注)
山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みにいかめど 道の知らなく

万葉集挽歌より。直訳すると、山吹がそばに茂っている泉に水を汲みに行きたい
んだけど、道がわからなくていけない、とゆー意味。

で、挽歌らしい意味をとると、山吹=黄 で、山吹の泉=黄泉。

黄泉へ行ってもう一度愛しい人に会いたいけれど、道がわからない、という嘆きの歌。

そんなわけで、四次元懐の元イメージは鵺のかぐやの香を嗅いだときに出てくる
ぐるぐる色彩でした。お粗末!
711名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 01:34:53 ID:DLTqRvx7
>>710
GJ!!その薬、人魚の肉ですか?…焼却処分出来るのかと邪推してしまいますが、普通に薬売りと添い遂げてくれたんですねぇ。
変らない薬売りが変わらず訪れる春の山吹に姿を見出だしているのが凄く好きです。
712名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 01:36:26 ID:6A3if7Kr
337氏の辞書に容赦って言葉はないのか。

頼むから鉄猫で救いがあると言ってくれえええええっ!!
713名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 01:41:07 ID:SP1a+Tt1
337氏乙!なんだろう目から汁が
714名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 03:58:28 ID:+blA4yLW
「残るのは切なさ〜」のくだりでとうとう泣いたw
原作の台詞をうまく使っているなぁ…。
715名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 16:53:15 ID:iOR/v708
まだちょっと早いけど、1000行くか容量制限に引っかかるか
微妙なラインになってきたな。450KB超えた辺りで次スレの
テンプレ検討に入ればいいか?
716名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 19:45:43 ID:DLTqRvx7
>>715
必要かもですね。
それだけ良作を読ませて頂きありがとうございます。
717337:2007/12/21(金) 00:11:30 ID:2YMxOeGz
>>711
人魚の肉です。焼却できるかどうかは自分も疑問に思ったんですが、
全体を竹取物語に掛けてるので、ここは燃やしていただこうとw
富士は霊峰なんで、別の山だとは思います。地方の○○富士とかかも?w

>>712
内緒www
718名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 02:16:07 ID:8r6C+SEq
>>717
レスして頂き、有り難う御座います。

竹取物語…実は豪華婿入り道具を常時持参してた薬売り、次は一体どんな顔して現れるやら…楽しみです。
719名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 10:55:43 ID:QEDdxCA7
337さん

泣いた
でもGJ!よく添い遂げてくれた
でもでも泣いた
720名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 13:54:35 ID:aAHmQBv2
337さん
凄く切なくて胸が苦しくなりました
いつも感動をありがとうございます!
この後鉄猫でチヨちゃんと出会うこと
電車内でのアイコンタクト、天秤さんのおじぎまでを考えると
本当に泣けてきますね…
鉄猫楽しみに待っております

そして>>719が何だかとても可愛いw
721名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 14:03:20 ID:8r6C+SEq
…薬売りの御膝で丸くなる加代婆ちゃんが真っ先に浮かんでしまい…しんみりしてました。
722名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 19:34:01 ID:2YMxOeGz
>>696 続き。ある意味寸止めwww



「少々いとけないところも、可愛いですし……」
やわやわと胸を揉まれ、ぺろりと鎖骨の窪みを舐められる。
「馬鹿正直に、俺なんぞを信用しきっちまうのも、ね。結構、クるもんが」
つつ、と指が滑って、ぴんと頂きを弾かれた。
「ひゃっ」
「ああ、だからって俺以外の男まで、ほいほい信用しちゃあ……駄目、ですぜ」
色の濃い部分を指先で弄られて、背中がざわめく。口に含まれ舌で転がされると、体が跳ねた。
「やぁん……っ!」
「ほぉ。結構、敏感ですね?」
「び……っ!? もぉっ、ばかばか!」
「そうは言っても」
薄く笑いながら、薬売りは愛撫の手を緩めない。くにくにと指の腹で乳首をつままれ、もう片方は甘噛みされては唇で擦られ、甘い刺激に加世はあっさりと翻弄される。
「……っ……!」
「ほら。もう……硬くなってます、ぜ?」
あんたを好きな理由がまた増えましたねぇ、と薬売りが妖しく笑い、ぷっくり立ち上がったそれを長い爪で軽くつつく。加世はこらえるように息を呑み、唇を噛んだ。気づいた薬売りが顔を離して、耳元に囁く。
「声、出しちまった方が、楽……ですよ」
「や……だぁ……っ」
「どうして?」
「だって、……な、なんか、その、は、恥ずかしいし……」
うろうろと視線を泳がせる加世に、薬売りは手を休めぬまま少し首を傾げる。
「誰も聞きゃしませんぜ?」
「くっ……、薬売りさんが、きっ、聞く、で、しょ……!」
「……そりゃあ、お互い様じゃ、ないですかね。加世さんだって、俺の着物を剥ぎ取っちまったわけだし」
「剥ぎ取っ……!? 人聞きの悪いこと言わないでくださいよもぉっ!」
ぷいと顔を背けた加世に、薬売りがくつくつと笑う。
「だから、誰も聞きゃしない、と。……それに」
ちゅ、と宥めるように、目元のほくろへ口づけ。
「言っときますがね、俺だって、加世さんのありのままが、見たいんです、よ」
自らの発言を逆手に取られて、うう、と加世が唸る。染まった目元で睨むが、かえってそれが薬売りを煽った。男が真顔になったのがわかって、加世はヤバい、と体を引きかけるが、そもそもが褥の上だ。逃げ場などありはしない。あっさりと、厚みのある唇を貪られる。
「ん……ふっ」
逃げた舌に追いすがられて、側面をざらりとなぞられる。自然、鼻に抜ける声が出た。

723名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 19:35:43 ID:2YMxOeGz
続き



……唇、が。
こんなに、気持ちよさを感じる器官だなんて、知らなかった。

微かに目を開けると、伏せ気味の薬売りの目がちろりと動く。若干細まったのは、笑ったのだとわかった。青い眼差しに、心臓まで鷲掴みにされる。きゅうっと胸が縮まって、熱いものがこみあげる。
薬売りの舌が、整列する歯の形を確かめるように口中を探っていく。一方で両手は加世の柔らかさを求めるように、休まず肌を滑っては時折やわやわと揉まれる。
溢れそうになって、こくりと飲み込む唾液が甘い。薬売りの、赤い紋様が刻まれた背から肩からこぼれた、柔らかい毛先にくすぐられて、肌がざわざわする。

……どうしよう。
なんだかすごく、気持ちがいい。

これが普通のことなのか、それとも自分が敏感(なんか淫乱と同義に聞こえる!)だからなのか、加世にはわからない。おかしくないだろうか、この青い目に変に映らないだろうかと、そんなことが気になるのに、薬売りは自分を立て直す隙を与えてくれない。

散々追い立てられた舌が、何か硬いものに触れる。ちくりと尖って、怖い。怖いのに、怖いもの見たさからか正体を知って安心したいのか、なんだろうと舌が探る。ざらりと、なぞって、これは。

薬売りの、犬歯だ。

閃いた瞬間、加世はものすごい勢いで舌を引っ込めた。どんな顔をしたんだか、薬売りが喉の奥で笑う。

「……そう、怯えずとも。取って食いやぁ、しませんぜ」

いやいやいや。現に今、食べられかかってるから。
心の中でツッコむが、口にはできなかった。

……なんだか、自分がはしたない気がする。ぞくぞくと気持ちがよくて、まるで酔っているような。正気との境があやふやになって、知らない自分が顔を出す。

薬売りの手が行きつ戻りつしながら、太腿を撫でた。思わず膝に力を入れてしまって、しまった、と思う。思うが、今さら力を抜くのも恥ずかしすぎる。

どうしようどうしようとぐるぐるしていたら、頭を撫でられ、髪を梳かれた。
「……大丈夫、ですよ……」
囁かれて、こくりと頷く。怖いんじゃない。いや、そりゃちょっとは怖いけど、でも。
724名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 19:37:30 ID:2YMxOeGz
続き


「く……薬売りさん」
「はい?」
「名前、呼んで……?」
「……加世さん?」
低い声に安堵する。ほぅっ、と息を吐いた。全身から力が抜ける。
「……薬売りさんの声、好き」
「おやおや。声だけ、ですか?」
軽口を叩きながら、薬売りは何度も、加世さん、と繰り返す。緩んだ脚の間にゆっくりと白い手が忍び込み、何度か撫であげられると、これがまた気持ちよくて意識せずとも下腹部がざわめいた。
それは未知の感覚で、加世は思わず出所を探る。

……お腹?
違う、もう少し下。疼いている。待っている。さっきから与えられてきた快楽が、最後には全部そこに集まって。

自覚したと同時に、薬売りの手が奥の花弁に触れた。
「あ……」
「怖く、ありませんから」
気持ちよくなってください、と大好きな声に言われて、加世はなんとか緊張を押し殺し、熱を探る。薬売りの髪を、引っぱらないようにしながらも一房握った。自分の髪とは明らかに違う感触が愛しい。

くちゅ、と微かに水音がした。濡れてるんだ、と思って、一気に全身の熱があがる。

好きな男をこの身に迎えるために。
体が、反応している。
不思議で、少し恥ずかしくて、でも幸せで、嬉しい。

加世の蜜でぬるついた薬売りの指が、陰核に触れる。
「……っ……!?」
びくんと体が跳ねあがる。背筋が総毛だった。びっくりして目をみはってしまう。
話には、まぁそれなりに聞いていた。聞いていたけど。
「なっ……なに、今の……」
「痛い、ですか?」
首を振る。痛くはない。続けても?と薬売りが言うので、恐る恐る頷いた。
「……自分で、触ったことも、ない……ですね?」
「う、えと……ハイ。ない、です……」
視線を泳がせると、薬売りは大丈夫、と囁いた。その指がゆっくりゆっくり、加世を蕩かす。ふぁあ、と今度は堪えようもなく声が洩れた。


こんなところでヘイ、パス!www 誰か受け取ってー!
女性視点ムズいorz
725名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 20:21:39 ID:NJY2cGZi
もちろん、ヘイ!GJ!!! なんだけど、
こんなところでパスとは、何たるヘビの生殺しパス!!
続きをさくっと書いて下さる職人さんを全裸で正座して待ってます。
726名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 22:03:52 ID:+5GXsD4S
337氏の話に目から汁が大洪水状態になり
722氏の話に鼻から血が大洪水状態になり…
ああもう。

次の職人さんが来るまで全裸で正座しながら茶をすすってます。
良ければ皆様もお茶をドゾー
つ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~ 旦~
727名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 01:39:36 ID:NGXaJ8eh
>>724続き。新参者の乱入ですがお付き合い下されば幸いです、よ。


「っふ、……ぅ」
 きしきしと加世の手の中で薬売りの髪が小さく鳴っている。明るい色の、くせのある長い髪。
 引っ張ってはいけないと思いつつも、何かすがる物がなければ叫びだしてしまうか、子供みたいに泣きわめいてしまいそうで手を離せない。
 細かく震える加世の手にそっと薬売りの手が重ねられて、するりと髪をはずすと頭の後ろへ導く。
「加世さん」
「は……はい?」
 奥の花弁へ置いた指先もそのままに、薬売りは目元だけで笑うと加世の胸元へ顔を伏せた。
「……爪を立てそうで、こわいですか」
 舐めるわけでもなく、甘噛みするでもなく、ただ胸元へ唇で触れる。するすると滑ってゆくだけの感触にすら背中がぞくぞくした。
「俺の首を、掻ききりそうですか」
「……っ」
 肌をかすめ撫でる感触が胸の突端にたどりつき加世は全身を震わせる。少し温度を上げた気がする薬売りの吐息、体の中心に据えられたままの指先の感触、流れるようなうなじの線に沿わせたままの加世の指に軽く力がこもり、指先が薬売りの髪を掻いた。
 乱れた長い髪が加世の体にさやさやと落ちてくる。
「ならば、掻いておしまいなさい」
 はく、と空気を呑みこんだ加世の喉が鳴る。
「……や、嫌、で、す」
「どうして」
「き、……傷つけるの、は」
 たとえどんな理由があっても薬売りさんを傷つけるのは、いやです。
 生理的な涙のたまった目を向けて加世は喘いだが、薬売りは喉の奥で笑っただけだった。
「それじゃぁ、不公平なんですよ」
 赤い紋様を刻んだ半身がほんの少し起こされる。
 彫り物、だろうか。少なくとも染料で塗られているわけではないようだ。
 それはどこか真紅の紋様で均整のとれた体を豪奢に飾っているようで。
 ゆるゆると加世の花弁を揺らしていた指先が少しずつ、なにか狭い所を動きはじめる。熱くぬるつく指先が絡みついてくる感触に加世はたまらず高い喘ぎを漏らした。
「ぁあ、……ふ、っく」
 胸のふくらみの厚いところへひとつ、口づけの痕を残してから薬売りは加世の顎の線を唇でたどり、頬をのぼり、最後にふっくらとした唇へたどりつく。
 角度と深さを変えて、繰り返し繰り返し、じっとりとした熱を帯びた舌に口の中をさぐられて加世は強く目を閉じた。脚のつけ根のところでおよぎまわる指先と熱い舌の感触が同じ動きをしているような気がして、頭の中がぐらぐらしてくる。
 いつのまにか薬売りの指が自分の体のなかに入り込んできていることを知り、加世の腰が跳ねた。熱いものが薬売りの指の動きにあわせてにじみだしてくる。濡れた音を立てて肌を伝う。
 ゆっくりと、しかし確実に加世の領分を侵して動き回る指と舌。
 どこからが薬売りの領域でどこからが自分の領域なのか、どんどん曖昧になってくるような錯覚。
 じりじりと加世の指先にさらに力が入り、短く切られた爪が薬売りのうなじに軽く食い込む。まだ加世の手に沿わせたままだった手でやわやわと撫でさすられ、加世はつるりと自分の横っ面を涙が流れたことを知った。
728名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 01:42:11 ID:NGXaJ8eh
 ただ柔らかく腕の線を確かめられるだけでも、息があがる。
「……加世さん、俺はね」
 息つくひまもないような口づけを長く繰り返したせいか、薬売りの呼吸が少し早く、浅い。
「これから、一生消えない」
「っあ……!」
 く、と体の中で薬売りの指が曲げられて加世は目を瞠った。奔流のような熱い衝撃が腰から背骨を伝って突き上げてくる。
「隠し彫りをいれようとしている」
 耳元で低く囁かれる声。耳朶を震わせるその響きすら今はもう快楽に直結する。
 均整のとれた体を飾る赤い彫り物。
「だから、多少の掻き傷でもつけてくれなきゃ」
 不公平、ってもんでしょう。
 どくり、どくり、夢中ですがる加世の手の平へ薬売りの心臓の鼓動が伝わる。首ではなく肩、肩では足らず背中、翻弄されるほどの熱い波の中で加世は薬売りの存在を確かめるように両手へ力をこめる。
 いつのまにか自分が泣き声に似た声をあげていたことを加世は知る。
「あ、あぁ」
 熱く濡れる感触が加世の領分を侵してくる。
 どくり、どくり、耳元で自分の心臓がせわしなく鳴っている。
 痛みに驚いて引ける腰をそっと撫でさすり、支える手の平の温かさ。
 苦しければゆっくり大きく呼吸をすればよいことはわかっているのに、胸はひどく浅く空気をさらうだけだ。
 額に張りついた髪をそっと払う指先に気付き、加世は目をあける。じりじりと灼けつくような熱さが体の奥のほうにあり、は、と薬売りが耳元で何か切羽詰ったような溜め息をついたのがわかった。
 その吐息のあまりの熱さに加世は事態をようやく把握し、なぜだか今すぐこの場から逃げ出したい気分になる。しかしこうなってしまってはもうどうしようもない。
 消えてなくなってしまいたいほどに恥ずかしい。でも泣きたくなるほど何かが満たされている。
「加世さん」
 ほんのわずかにかすれた声。痛くないなんて言えばとんでもない嘘になるが、炭火に似た甘やかな感触がわだかまりはじめる。まだ熱いままの吐息がかかるくらいの近さから、青い瞳が加世を見下ろしていた。
「大丈夫、ですか」
「は、……い」
 なんとか笑顔をつくると、薬売りは声を押し殺して笑った。
「……こりゃあ、いけない」
「何が、です」
「俺のほうががっついてるみたいじゃ、ないですか」



 ……な、なんかこれ、全然進んでないデスネ…!?
 またもや生殺しタイミングで申し訳ない。だれかパス受け取ってー!
729名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 03:14:54 ID:9Qq80cs1
お二人ともGJ!!
すっげぇ、元がギャグ、かつ林間待ちとは思えん純愛っぷりwww
自分続き書かなくてヨカタよ。
730名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 12:16:54 ID:oCV7Luyb
このリレーは、カオスから、職人たちが総力を挙げて薬売りと住人を
焦らす場に変わりますたwww
731名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 18:43:41 ID:kz41ogYP
くやしいっ!でも焦らされちゃう!
732名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 22:13:31 ID:/zVPJ0WZ
ちょ、誰かマトメサイトでも作って!
いっき読みしたいって!てかdat落ちで読めなくなるとかもったいなさすぐる!!

職人さんたち超GJ!!
733337:2007/12/23(日) 11:34:09 ID:0l9hNb9r
次スレ行きそうだし、まとめサイト欲しいねー。Wiki でも借りますか?

鵺完結編、今夜の投下を目指します。
……またエロないよごめん……。つかもう事語りではエロないかもしれん。
でもせっかくだからここに落とさせてくださいお願いします。
ほんじゃ、仕事行ってくるノシ
734名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 17:45:57 ID:f/BWdCDl
>>728続き

薬売りの、照れ隠し紛れの軽口に、加世は一瞬目を丸くした。
途端に密着した互いの下腹の更に下、今まさに繋がっている部分を──意識してしまった。
加世の領域を侵して入り込んできたもの。

痛みを覚えるほどに、己の内部を圧迫してそこに在るそれは、とても熱く、硬く。そして。
……おおきい。とも加世は思った。

話にだけは聞いている(結局、春本は見れず終いだったので)。それがそうなるのは、つまりはそういうことで。
すでに何度目か。再び顔に血が上がるのを、加世は実感した。
そんな加世を見て、薬売りの心にもまたむくりと、何度目かの悪戯心が沸き起こる。……本当は、そんなに余裕はないのだが。
「加世さんの考えていること、……当てて、みせましょうか」
「え……っ」
ギクリと、焦りの表情を交えた赤面に顔を寄せ、こしょこしょと何事か耳打ちする。
「〜〜〜〜〜っっ!」
加世はもう、本当にこれ以上はないというほど顔を赤くし、あうあう、と言葉にならない単語を発した。
坂井の屋敷で似たような会話をしたときは、恥ずかしがりながらもきゃいきゃいとはしゃいでいたものだったが、それはあくまで他人事だったからだろう。
自分の身に現実として降りかかっている今となっては、確かに、何をどうしてはしゃげようか。
「も……、もぉぉーっ!!薬売りさんて、ほんっと、意地悪なんだからぁー!!」
言ってぷりぷりと怒り出した。
その様子に薬売りは噴出すのを堪えた。堪えながら膨れた頬を突付き、小さな頤を甘噛みしてやる。
そして結局、堪えきれずに加世の首筋に顔を埋めて、くっくっと忍び笑いを漏らした。
加世は憮然と「全く」とか「もう」とかぶつぶつ言いながら、それでもその指で、薬売りの背を優しく撫で、柔らかい髪を梳いている。

全く、たった今結ばれたばかりだと言うのに(しかも現在進行形である)、どうにもお互い、色気が続かない。
この娘といると、自分も何処かゆるくなってしまうようだ。
だがそんな自分を、薬売りは嫌だとは思わなかった。
楽しい。
そうだ。この娘といると、自分は楽しいのだ。

「……でも」
ひとしきりぶーたれた後で、加世はポツリと言葉を漏らした。
見れば、ばつ悪そうに視線をうろうろ彷徨わせて、何事か、言うか言うまいか迷っているようだ。
「でも?」
と薬売りが促せば、観念したのか背に回した腕に力を込めて、今度は自分から薬売りを引き寄せる。
薬売りの尖った耳に、加世の肉厚の唇が寄せられた。

「……嬉しい……です」
735名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 17:46:59 ID:f/BWdCDl
続き


消え入りそうなほど小さい、呟きに、薬売りは軽く目を瞠った。
潤んだ瞳を幸せそうに細めて、自分を見つめる加世の表情は、先刻と打って変わって大人びて見えて。
喉が渇く。薬売りは無意識に、口中の唾液を嚥下した。

ずっと遠い人だと思っていた。
一緒に歩くことなど、出来ない人なのだと。

だから、憧れのまま、終わらせるべきだと思っていた。

それでも遭いたいと思い。
遭えて嬉しいと思い。

憧れで終わらせることなど、出来はしないと、思い知った。

その人が、自分を欲していた。
自分を欲して、こんなに。

「は、……っあ」
昂ぶった加世の唇から、甘い溜め息が零れる。
体の奥からじわりと熱いものが滲み出る感覚。
入り込んだものの形を確かめるように、纏わり付いて、蠢いている、自分の──。
恥ずかしい。
痛みだってまだある。でも、止まらなかった。

恋が叶った喜び、愛されて求められる悦び。そんなものがいっぺんに、加世の心と体を満たしている。
受け入れてもらえたのは自分のほう。
幸せすぎて、死んでしまうんじゃないだろうか。

「加世、さん」
薬売りの声が、擦れている。
白く、綺麗な指が、加世の乳房を這い腰を這い、太腿を這って、止まる。
「がっついちまって、いい……ですかね」
頬を撫でる呼気の熱さに、加世も否応なしに煽られてしまう。
はい、とはにかみながら頷き、
「薬売りさんになら……、何、されてもいい……です」
うっとりと、うわ言のように、呟いた。



どんだけ焦らし(ry
前半やっぱりギャグっぽくなっちゃって反省。
頑張って軌道修正したヨー
ヘイ、パース!
736名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 20:27:46 ID:sBFwIbJm
後半も勿論GJだが、前半二人とも可愛いぞ。
737名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 23:47:29 ID:0l9hNb9r
>>734-735
グッジョーブ!! 忍び笑う薬売りがなんかイイ。
そして加世が雰囲気に流されてとんでもないこと口走った……w
これで林間準備整いましたなwww
738337:2007/12/24(月) 00:18:21 ID:QFvIi5fy
鵺完結編いきます。位置づけ的には、更に後の事語り?
エロなし、退魔モノ。全5レス。
どうでもいいけど733ゲトして、337が733、上から読んでも下から読んでもだよ!
やったぁ(・∀・)やったぁ!
739更に後(のち)の事語り〜鵺〜 1:2007/12/24(月) 00:21:46 ID:QFvIi5fy
 もう、どれだけこうしているのだろう……と、男はふと思った。
 頭に霞がかかったようで、うまく働かない。ぼんやりと、牛の歩みよりなお遅く、
思考を巡らせる。
 そもそも……何をして、いるの、だったか……。
 のろりと視線を上げるが、どうにも暗い。己が目を開けているのかどうかも
判然としない―――闇。
 男はしばし考え、己の中からふさわしい単語を拾い出した。
 ……夜、か……。
 しかし、それにしてもいささか暗すぎるような、
「……香、焚きあがりました」
 ひそやかな女の声にはっとする。
 ああ……そうだ。そうだった。
 聞香の最中だ。何を、ぼんやりしているのか。
 そうと判ると、闇の中から香席の有り様が浮かびあがってくる。何故今まで
見えなかったのかわからないとばかりに、くっきりと。
 雪明かりとは不思議なもので、雪そのものが発光するわけもないのに、
夜の底にあっても確かに明るい。あるいは雪というものは、ひらりひらりと重く
落ちてくる間に天の光を食ってでもいるのだろうか。僅かばかりの光を集め、
身の内に溜め込んで、腹の中に宿ったそれが、ぼんやりと透けて人の目に
映っているのかもしれない。
 そういえば雪は音も食う。更けた夜はしんと静まり返って、物音ひとつしない。
軋みそうなほど凍えた空気が、香を聞くのにいかにもふさわしいようだった。
 意識の腕が伸びて、目前の香炉を持ち上げた。立ちのぼる香りを深く
吸い込むと、一転して恍惚と脳裏に色彩が弾ける。
 ―――なんと、麗しい……。
 火で焚いてありながら、瑞々しく滴る甘露を思わせるのは何故だろう。ほぅと
満ち足りた吐息が洩れる。
 ちらりと主の座を見れば、同様に麗しい瑠璃姫の姿がある。
 彼の心に、温かいものが灯った。
 自慢の一人娘だ。よくぞここまで育ってくれた。
 妻との間に継嗣は授からなかったが、娘はよく香の道を歩んでいる。容姿も
教養も申し分なく、妻問いの申し込みが引きもきらない。
 ゆくゆくは笛小路にふさわしい婿を迎え、男子を産み家を盛り立てていくこと
だろう。
740更に後(のち)の事語り〜鵺〜 2:2007/12/24(月) 00:23:29 ID:QFvIi5fy
 男は目元を和ませ、感慨深く息をついた。
 幼い頃、ととさま、と呼んだあどけない声が今でも耳に残っている。抱っこを
ねだる小さな手は、握るとふくふくと柔らかかった。
 そういえば先程の香りは、昔、娘が好きだった桃ではなかろうか。剥いて
やればきゃあきゃあと手を叩いて喜び、種を植えては、芽が出ないかと日々
覗き込んで小さな肩を落としていた。子供の常でやがては飽きて忘れたようだが、
さてあの桃はどうなったのだったか。
「……香、焚きあがりました」
 次はどのような、と伸ばした手を、不意に背後から伸びた白い手が押さえた。
「……あんたも、業の深い」
 ゆっくりと視線をずらすと、何やら、見知らぬ顔が一人。家人ではない。こんな
時分に何処から入ったと訝しく思い、その言葉を咀嚼して再度首を傾げる。
「……業、とは」
 のろりと動いた口は、己のものとも思えなかった。ひび割れた、地鳴りのような声。
 しばらく考えて、どうやら自分は怒りを堪えているようだと悟る。
 途端、真っ黒に赤い激情が、男の中で怒涛のように渦巻いた。
 辛い―――辛い辛い、苦しい悲しい、辛い。


 ―――娘を、返せ。


「鵺はいない。外はとうに春だ。わからないか」
 奇矯な面で男は言う。鵺というのが娘を指すと、どういうわけか言われずとも
わかった。そんなはずはないと視線をやれば、つい先程まであった姿が影も
形もない。
「貴様、何をした!?」
 何も、と男は言う。
 ……そんなはずがあるものか。
 せっかく娘と二人、幸せのただなかに居たというのに。
 また、私から娘を奪おうと―――この下賤の輩が!
 反駁した声はもはや言葉にならず、轟と怨嗟の叫びになった。


 返せ、返せ返せ返せ―――!


 思い出すのは、恥知らずが、と怒鳴る己の憤怒と、愛しい娘の、胸を
かきむしるような嘆きの涙。
741更に後(のち)の事語り〜鵺〜 3:2007/12/24(月) 00:24:44 ID:QFvIi5fy
 許せぬ、とひたすらに思う。憎くて憎くてたまらない。
「剣で祓い、火で清めて、なおモノノ怪を宿すか」
 東大寺……と、男の唇が動く。
 ―――東大寺。
 はッ、と彼は嘲笑を浮かべた。
 あの、役立たずの香木が。
 反魂香と聞いて、家が傾く危険を冒し、数々の罪に手を染めてまで手に入れたのに。
 娘は、瑠璃姫は、戻らぬ、まま―――


 返せ。返してくれ。娘を返せぇっ!


 ちりん、と鈴の音をたてて、怪しい男は剣を構えた。上唇に、笑みの形で
紅が塗られている。それがまた気に障った。
 私がこれほどまでに悲嘆に暮れているというのに。
 娘を奪った貴様が、何故に笑っている。
 その、真っ赤に血塗れた手で。
 娘を―――貴様は!
 怒りのままに腕を伸ばすと、影が鋭い爪となって男へ襲いかかった。きん、と
男の手にした剣に弾かれて、火花を散らす。ひらり、鮮やかな袖が翻って、
影はすかさずその残像を追った。きん、きん、と立て続けに硬い音が響く。
「娘は、何故死んだ」
 貴様が、貴様のせいで。
「……何故、死んだ」
 貴様が、甘言を弄して娘を誑かして。
 笛小路の跡目を継ぐ大切な娘であったのに。
 汚して、もてあそんで、金をむしりとるだけむしりとって、捨てた。
 恥知らずめ、恥知らずめ。
 この怒りの声を、今も耳にこだまする娘の泣き声を思い知れ。
 ―――娘の墓の前で、土下座して詫びるがいい……!

「……それだけか」

 低く問われて、ぎりりと黒い影は奥歯を噛む。
742更に後(のち)の事語り〜鵺〜 4:2007/12/24(月) 00:26:04 ID:QFvIi5fy
 何を、訊くか。
 娘を死に追いやっておきながら。
 その口で、娘の死に様を思い出せと私に言うか。
 ならばとくと聞け、娘は、娘は―――!



『この―――恥知らずが!』
 記憶の底から甦るのは、己の激しい怒鳴り声と、娘の泣き声。
『笛小路の名に泥を塗りおって、この淫乱が!』
 ごめんなさい、と涙ながらに繰り返す声に、影は打たれたように動きを止めた。
 ……な、に……?
 瑠璃姫が、愛しい娘が、冷たい床板に額を擦りつけるようにして、身を
投げ出して―――いる。
『どこの馬の骨とも知れぬ男に入れあげて、貴重な沈香を持ち出すとは―――
嘆かわしい、情けない!』
『おまえなどもう親でもなければ子でもないわ……!』
 おもうさまごめんなさい、と娘が泣く。こぼれた涙が溜まりに溜まって海になる。
 ……火で、焚いてありながら。
 濃厚に感じる水の気配。
 甘露―――のわけが、ない。悲しみと苦しみで浸されて、だが娘のもの
なればこそ嫌悪はない。
 泣いて、泣いて、涙に暮れて、息もできずに溺れながら、娘は部屋で小さな
手に鶯を握って、


 ―――瑠璃、瑠璃、やめろ!!


 絶叫する影の記憶の中で、娘の首から激しく血が噴き出す。海が染まる。
黒髪がゆらゆらと藻のように漂って。赤、赤、そして黒。
 それは、どれほどの痛みであったろう。
 あのようなものを、命を断ち切るほど己に突き立てるとは、どれほどの覚悟と
絶望か。死に顔は苦悶に歪み、生前の美しさはどこを探しても見当たらなかった。
 あの人を失って生きる望みもない、死んで詫びると書かれた遺書には、
首から吹き出した血が幾つか、染みを作っていた。自害の手立てに香道具を
選んだのは、己が手に馴染んでいたからか、父へのあてつけか。死んだ娘は
語りはしない。
743更に後(のち)の事語り〜鵺〜 5:2007/12/24(月) 00:30:54 ID:QFvIi5fy
 娘をたぶらかした男を憎み、恨み、あの男のせいで歪んだ娘の人生を取り
戻そうと、

 ―――いや。

「瑠璃……」
 黒い影は娘の名を呼んで、がくりと膝をつく。
 歪んでいたって構わない。人を殺めたならいざしらず、命と引き換えに
せねばならぬ過ちとは、一体どれほどのものだ。否、たとえ人を殺めて
いたとて―――
 ただ、もう一度呼んで欲しかった。ととさまと、あの声で。
 そうして詫びたかった。祝言をあげる娘の姿を見たかった。幸せに、笑って
ほしかった。
 笛小路のためではない。
 ―――帰って、きてくれ。


 お前は私の、たった一人の娘なんだ……。


「……死者は、戻らん」
 噛みしめるように無情な言葉を吐きながら、男が剣を投げ上げる。空に
浮いたそれが、カチンと鳴った。
「黄泉路を行け。娘も、待っているだろう」
 行けぬ、まだ行けぬ、と黒い影は頑なに首を振ってむくりと鎌首をもたげる。
娘を取り戻すまで、もう一度あの声に呼んでもらうまで。
 行くわけには、いかぬ!
 ぎろりとモノノ怪の眼が薬売りを睨む。持ち上がった影はどこまでも黒く、
雪明かりのように腹の内に海を湛えていた。
 轟と踊りかかった爪の先で、溢れる、金の光―――。



 ―――黄泉路を行け、人の子。
 そうして、己が娘と会って……もしも、かの人に会うことがあったなら。
 どうにかやってると、伝えてくれ。
 俺はまだ、そちらへは行けぬから。

 花落ちて見事に葉を茂らせた桃の木の幹を撫で、薬売りは静かに廃屋を
歩み去った。



   おわり
744名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 02:05:48 ID:Q7LclApL
鵺本編の大詰めを読んだ心地、GJ!!でした。
745名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 18:35:15 ID:crNjpktV
337氏GJ!
父親視点なんて考えもしなかったから新鮮だった。
最後のほうなんかまた切ない……。

>>733の件だけど誰かお手すきの人がいればお願いしたいですね。
自分は事情があって管理はちと無理……。
wikiよく知らんのだけど、記事編集出来るんだっけ。
手直ししたいところがボロボロあるよ。
337氏見習って一晩寝かせるべきだとおもた654ですた。
746名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 21:49:12 ID:+DJMBRic
新参者です。
なんかめっちゃくちゃ投下しづらい雰囲気あるんだけど、平気?
ここ、エロパロ板だよね?
747名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 22:13:34 ID:ex7dcK9J
>>746
何を投下するかによるんじゃないかな。
748名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 22:17:07 ID:m8i1oQNt
>>746
新規さんはいつでも歓迎だよ。
注意があるとすればホモNG、
読み手を選ぶような特殊なシチュは投下前に一言申告するを推奨。
くらいか?

投下しづらい雰囲気ってのがエロなしの多さや組み合わせの
偏りを指しているのなら、使いやすいキャラに集中してしまうとか
元々職人さんがあまり多くないせいもあると思われ。
あまり気にせぬよう。
749名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 23:26:06 ID:+DJMBRic
>>747>>748
ありがとう。マイナーな小田島×加世です。旧化猫の。
人生初の文字書きなのでgdgdに長いんですが・・・

特殊シチュはないっす。むしろありがちなくらいorz
ドS氏の薬加と時系列かぶっちまいました。申し訳ないです。
長すぎるので前半のエロなし部分7レスだけ投下します。
750いざよひ【怪化猫】小田島×加世1:2007/12/24(月) 23:28:39 ID:+DJMBRic
小田島と加世は夜道を歩いていた。提灯は先程なくしたが月がある。歩くのに差支えはなかった。
件の化猫騒動から翌々日の夜のことである。
加世は着物を少し短く着付け、手っ甲脚絆の旅装、手に笠と杖を持って小田島の後ろをついて行く。無言のまま、互いに表情は冴えない。
行き先は、小田島の住まいだった。
「小田島様・・・あの、本当に――――いいんですか?」
「・・・仕方が、あるまい・・・あれでは、宿とて落ち着けぬであろうし・・・」



―――明日坂井家を辞し、実家に戻るつもりだが、流石に最後の晩とはいえ、あのような惨劇のあった屋敷では碌に眠ることもできない。
夕刻、加世からそう打ち明けられ、ならば宿を取り明朝一番にそこから出立するがよいと、見送りを兼ね、街道近い旅籠まで連れて行ったのだが。
そう広くはない土地のこと、すでに噂は噂を呼び、旅籠は何処へ行っても化猫騒動の話題で持ち切りだった。

―――化け猫なんだとさ
―――ご長男は猫好きかと思ってたがなんでまた
―――とんでもない、刀の試し切り、って話だ
―――いやあ、女の恨みよ。意外とお好きな人だったちゅうがよ
―――ご当主はおだやかな方と聞いたが?人は見かけに寄らんものだな
―――おっ、思い出した、となりの爺さんの話
―――なんだいそりゃあ
―――先代の時分にゃあ、娘さらわれて泣いた親御が相当いたってな。家から出さんようにするか、出しても泥を顔や手足に塗ったくって目ぇ付けられないようにしたとか
―――聞いた事ねえぞ
―――ああ、あったあった。道端で出っくわした時にゃあ震えたそうな
―――そうすっと坂井の屋敷の女はみんなお手つきかい?
―――ありうるな。今の当主になってからは耳にしないが、案外屋敷の女で間に合ってるせいかもなあ・・・
―――坂井のお屋敷の女ってなぁそこまで別嬪ぞろいか?一度お相手してもらいたいもんだ

このような噂に晒されて女子一人耐えられる訳がない。小田島も、ここまでとは思い及ばず宿を勧めたことを後悔した。そして、さてどうしたものかと思案に暮れていると後ろで加世の悲鳴が聞こえた。
「何すんのよお、やめて、やめてください!」
「おねえちゃん、いい尻してんじゃん。今夜どう?」
751いざよひ【怪化猫】小田島×加世2:2007/12/24(月) 23:30:39 ID:+DJMBRic
まだ宵の口とはいえ、大分に出来上がった男二人が加世に絡んでいる。
「宿ないんならオイラんち来りゃいいよぉ」
「宿代はねえちゃんのハマグリ食わしてくれるだけでいいからさあ、安いもんだろ」
「はなして!!」
「おい、貴様ら!何をしている。離れろ!!」
加世に抱きついてくる男らを引き剥がし背後にかばう。男が一人地面に転がり倒れた。
「何しやがんでい。すっこみやがれ!」
「やべえよぉ、お侍だ」
「げっ、魚屋の・・・辰吉!」
加世が小さく驚きの声をあげる。突き倒れた男は顔見知りか。悪い場面で出くわしたものだ。
「んあ?」
加世の声を聞きとがめたらしい、辰吉と呼ばれた男が酒によどんだ目をあげる。
「なんだお加世ちゃんじゃねえか。聞いたぜ坂井のお屋敷の話」
「お、おい・・・やべえんじゃねえの?」
「っせえな!どおりでこっちにゃあ、なびきもしねえ。とうに男を咥えこんでたって訳かい」
「そんな・・・っ」
いつもなら加世とて負けてはいない。言われた倍は言い返すのが常だが、さきの噂話に続いての中傷にとうとう絶句し、表情から血の気が失せた。
「おい、よせって」
「どうせ何処ぞで男とシケこもうって腹だろうがよ。相手はこのお侍か?」
「ぶ、無礼者!下がらんか!!」
あまりのことに小田島の左手が刀の反りをうった。
「うっひゃ、辰やめろって」
旅籠の往来はまだまだ人が多い。物見高い輩が騒ぎを聞きつけ集まってくる。時間をかけすぎれば加世が好奇の目に晒されるだけで、それでは本末転倒だ。ちらりと加世を見やる。
「加世どの・・・かまうな走れ」
「え・・・?」
男の正面に向き直り、ゆっくりと鯉口をきる。
「走れ!」
腰の刀が鞘走る。
集まった連中が声をあげると同時に、加世は群集をすり抜け一目散に元来た道を走り出した。小田島が皆の目を引き付けている分、加世に気付いたものはわずかだったろう。これでよい。
「さて、武士に往来で恥をかかせた以上、それ相応の覚悟はできているのであろうな。刀を抜かせた始末・・・付けさせてもらおうか」
切っ先が男を間合いにとらえた。
752いざよひ【怪化猫】小田島×加世3:2007/12/24(月) 23:32:12 ID:+DJMBRic
旅籠から五町ほど離れた寺への参道口の大木の脇に、加世はしゃがみこんでいた。
旅籠の往来からまっすぐ走ってきたのだ。ここなら小田島も探しやすかろう。しかし見つけてくれるだろうか。尚のこと騒ぎになってはいまいか。
「・・・小田島様・・・」
心細くなって小田島の名を呼んでみる。意外にもすぐ近くで応えがあった。
「加世どの、そちらか」
ほぅ、と息をついて木陰から身を起こす。月が昇り始めたばかりだが間違いない、小田島だ。怪我もないようだ。
「すいません!わたし・・・こんなっ―――・・・本当にすいません!」
「謝らんでいい。俺のほうこそ嫌な思いをさせてしまった。許せ。あの時すぐにでも加世どのを出立させておればこのような・・・」
即座に加世は首を振った。少し首をすくめて言う。
「いえ、あれはまあ・・・成り行きともいいますけど?先には帰れません。ところで―――その、斬った、んですか・・・?」
「斬りはせぬ。すぐに逃げ出した、そんなものだ。こちらも重さに慣れぬし・・・」
「―――重さ?」
「ところでだ、物は相談だが・・・、その、加世どの・・・」
「なんです?」
「・・・屋敷へは戻れまいし宿も無理なら・・・、今夜は俺の住まいに泊まらぬか・・・?」



化猫騒動後、加世が坂井家から暇を取るのを二日も遅らせたのには理由がある。それは化猫以上の生々しい現実に直面したからだ。
屋敷内部もとい屋敷の門から内側にいた人間で生き残りはたったの三人。
隠居の坂井伊行
用人・小田島
下働き・加世
それ以外は皆、死んだ。
婚礼の祝いを盛り上げるために呼んだ傀儡(くぐつ)らも、振舞酒に酔い痴れていた出入りの者も。
つまりはこの被害の後始末、である。

753いざよひ【怪化猫】小田島×加世4:2007/12/24(月) 23:33:57 ID:+DJMBRic
薬売りが屋敷から去った後、猫の亡骸を犠牲になった娘―珠生―の眠っている古井戸の隣に埋め、いずれ一緒に墓をたててやろうなどと二人で話していると、表門で悲鳴が聞こえた。
「ひっひぃぃ!死んでる、みんな死んでるぅう!!」
あわてて駆けつけると、下馬に控えていた門番と塩野家から来た駕籠かき二人が、腰を抜かして震えている。
花嫁の出立があまりに遅いと門の中をのぞいてみれば傀儡らも出入りの者も一人残らず死んでいるのだ。当然といえば当然なのだが、加えてこの暑さだ、どんな状態かは言うには及ぶまい。
屋敷内のことだけに気を取られていた小田島と加世も、ここで薬売りの言葉を思い出す。
―――札の結界の外にモノノケの領域
彼らが「その領域」にいたのは分かっていた、はずだった。しかし実際はそんな事には頭が回らなかったし、回っても事実どうすることも出来なかった。
「誰がこんな、こ・・・こ」
「あいつだぁ!あの男・・・妙な格好した薬売り・・・」
「!!さっき出てった・・・あいつか!まだ近くにいるかもしれん」
「え?・・・ちょ」
呆然としていた加世と小田島が今度は驚く番だった。殺された人間に対する薬売りのその無関心ぶりにも改めて驚き呆れはしたが、せっかく化猫を祓ってくれた恩人を殺しの下手人にさせてはならない。
「ちょっと待って待ってえ〜〜!!」
「門番!違うんだこれは」
「何が違う!怪しいのはあの男だけだ。このままだとわしは曲者を屋敷に入れた責めを負って首を切られる羽目になるじゃないか!!」
「だからちがうんですって!化猫なの!!」
「か、加世どの・・・」

・・・いかに事実とはいえ、この混乱した場で化猫と説くことがどれだけ三人に受け入れられよう。
案の定、駕籠かきの一人は蒼白になり、もう一人は怒り出し、門番はおいおい泣き出した。
どうやってその場を取り繕い、何といってなだめたか、覚えていない。
兎にも角にもこのままではいられない。小田島は門番には門を閉ざすように言い、駕籠の一人を寺へ、もう一人は人足を集め夜を待って屋敷につれてくるよう言付ける。加世には屋敷の片付けを頼んで、自身は塩野の屋敷へと出向いた。
姫の輿入れ先へ、事の次第の説明と応援を頼むためである。あとお上へ当主死亡の届けも出さなくてはならない。やることは山のようにあった。
本来なら、勝山がお上への届出や塩野家への説明、笹岡が寺や人足の手配、小田島が人足共の陣頭指揮となろう。だが勝山も笹岡もいないのだ。小田島一人で全てこなすしかない。

そして加世も、そんな小田島を放って一人実家へ戻るわけには、いかなかった。

754いざよひ【怪化猫】小田島×加世5:2007/12/24(月) 23:35:37 ID:+DJMBRic
慌しく二日が過ぎた。
二人ともわずかの休息のみで碌に眠っていない。横になっても眠りは浅く、少しの物音にも飛び起きる。ことに女の身には辛かろう。加世の話好きには閉口したものだが、今はほとんど口を開かないのだ。



小田島の住まいは、坂井の屋敷から間に二軒ほどおいた侍長屋である。妻帯した者はここを出ていき、また坂井の台所事情により去ったものも多く空き家が目立つ。男の一人住まいの割には小ざっぱりしている、と加世は思った。賄いの老夫婦が長屋の面倒をみているという。
「どおりで」
くすり、と笑った。ようやく安堵したのだろう。


老夫婦の手で賄われた汁物を加世が温めなおし、冷めかけた飯で二人おそい夕餉をすませた。その間も二人とも終始ほぼ無言だったのだが、武家方は食事時の会話は慎むべしという習いは加世も知っているのであまり気にしていないのか。
加世が洗い物をしている間に、小田島が奥の部屋を加世の寝間にあてていた。終わったら休むよう言うと、加世は礼を言って素直に奥に入ってゆく。入ってすぐにぺったりと腰を落とした。
(つかれた・・・)
いまさらに疲労が一気に押し寄せる。その割には張り詰めた神経がまだほぐれず目は冴えたままだ。小田島もそうなのだろうか。
考えている内に暗い部屋に慣れ、行灯はどこかとゆっくり見回せば蚊帳が吊ってある。加世は瞠目した。
(・・・一人暮らしなのに!)
おそらく蚊帳も一枚きりだろう。それを加世に譲って自分は夏の夜を蚊帳なしで過ごすつもりか。眠れなければ体は持たぬではないか。


この二日、小田島がどれだけの仕事をこなしたのか、加世はすぐ傍にいてずっと見てきた。たった一人でこなさねばならぬ重責や疲労と戦い、かつ加世に対しさり気ない気遣いを見せてきた。
先刻の旅籠での出来事も、その場から加世を逃がすためだけに刀を抜いた。集まった見物人は小田島をどう思ったのだろう。

小田島は、何も言わない。

755いざよひ【怪化猫】小田島×加世6:2007/12/24(月) 23:36:43 ID:+DJMBRic
手前の板間で徳利と盃を目の前に、小田島はごろり横になっていた。脇に投げ出した大小。脱いだまま放り出した羽織と袴。もう何をする気も起きなかったが、かといって眠るに眠れぬ。
盃を嘗めながら、これまでのことをなぞる。実際にあったことなのに幻のようにも思える。

姫の怪死。
謎の男。
化猫。
過去に起きた忌まわしい事件―――関わった者と巻き込まれた者。

日も暮れてから人足を指揮して遺体を片付け、傀儡らは故郷が知れぬので無縁仏として寺に引き取らせ、出入りの者は親族に引き渡す。加世が気を利かして筵(むしろ)を用意してくれたので、外の遺体を必要以上に鴉に荒らされずにすんだ。
それでも死体には慣れているはずの人足も、押し潰され壁に貼りついた遺体には吐く者も出、嫌がる者が多かった。そんな人足どもを叱咤し、血を洗い清めて、亡くなった屋敷の者の仮葬儀もやっと終わらせた。
お上には表向き、婚礼の酒肴が夏の暑さで痛んだための集団食中毒、として届け出た。


ふと、口をついて出た言葉。
「―――これから、どうする・・・?」


塩野の屋敷は、いかにも形ばかり、といった応援しか寄越さなかった。
その者達から聞いた話では、勝山を通して内々に塩野家から養子を迎え入れる話が進められていたという。小田島は初耳だった。
確かに姫の輿入れで坂井家が経済的に持ち直しても、跡継ぎがいなければ断絶は免れない。同時に、借金の抵当(かた)とも言うべき、いわゆる人身御供同然な姫に対し、養子縁組さえ成立すれば婚家で粗略な扱いはされまいという配慮も、多分に含まれていたに相違ない。
しかし、今回の騒動で一切の話は立ち消えた。

武家の体面もあろうが塩野家は、結納の名目で肩代わりした金を返せとは流石に言わなかった。しかしその金も、人足の酒手―口止め料―や坊主の布施に消えた。財政逼迫は、変わらない。
お上への届出は受理されても、当主も跡継ぎも居らぬではその後の沙汰も分かりきっている。

暗澹たる思いをかかえ、気付けば手の内の盃は空になっていた。

756いざよひ【怪化猫】小田島×加世7:2007/12/24(月) 23:38:01 ID:+DJMBRic
「手酌は、駄目ですよ」
不意に聞こえた声に顔を上げると、加世が立っていた。浴衣姿だった。
身を起こした小田島の傍らに座り、盃に酒を満たすと、放り出された羽織と袴をたたみ始める。
「早く休んだほうがいい。明日早いのだろう」
「―――目が冴えて。・・・少し、いいですか」
空けた盃を渡し、徳利を傾ける。満たされた酒を加世はためらいもせず飲み干した。気のせいかその姿が妙になまめかしい。
付いた紅を指で拭い盃を返す。それを受け取ろうとして―――なぜ、そうしたのか―――掴んでいたのは加世の細い手首だった。からり、と盃が落ちた。
自分自身に驚いて目を上げれば、加世も真っ直ぐこちらを見つめていた。


視線が、絡まる―――


慌てて手を離し目を背けた。化猫が見せた凄惨な「真」がよぎり罪悪感が胸に湧く。かすれた声が自分のものではないようだった。
「部屋へ、戻れ・・・!」
「・・・・・・小田島様・・・も、来てください・・・」
「! どうかしている」
「違います」
「加世・・・どの?」
驚いて見返せば、今度は加世の視線が彷徨う。
「・・・いえ・・・たぶん、どうか・・・していると思います。でも、小田島様はとっても辛そうです・・・」
声が、震える。
「・・・そんなに辛そうなのになんで・・・あんな人のために、そこまでしなきゃならないんですか?どうして小田島様が苦しまなきゃ、ならないんですか!どう、して・・・っ」
加世の思わぬ語調の激しさに、小田島は答えられない。
たかが盃一杯で酔ったわけでもない。加世も分かっている。先刻からの自分の様子が普通じゃない。胸の奥が押し潰されるように苦しい―――
「・・・あたし・・・あたし、そんな、風に苦しんでいる小田島様を見る、のが・・・・・・辛い・・・です・・・」
声が消え入るようにかすれ、やがて嗚咽に変わっていった。


気付けば小田島は目の前で泣く娘を抱き寄せていた。どうにも愛おしくて堪らなかった。
「・・・小田、島さ、ま・・・」
「・・・すまぬ・・・俺も、たぶんどうかしているんだ・・・」
かたく、加世を抱きしめた。
757名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 23:41:26 ID:+DJMBRic
gkbrしながら前半ここまでです。ちょっと自分半泣きTT
758名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 00:14:02 ID:qAb/r6s4
新しい書き手さん来たと思ったらなんと小田島×加世ですか!続きwktkしてお待ちしてます!!
759名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 02:29:32 ID:eEyWtlm1
小田島×加世イイ!!
わっふるわっふる!!
760名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 07:51:49 ID:tCcj3px4
小田島の武家サラリーマン生活wにリアリティがあって、
それがあって、二人雪崩れ込むまでの流れがとても自然に読めた。
続き、マダ〜?
761名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 07:51:49 ID:tCcj3px4
小田島の武家サラリーマン生活wにリアリティがあって、
それがあって、二人雪崩れ込むまでの流れがとても自然に読めた。
続き、マダ〜?
762名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 20:32:10 ID:kXKcGUFw
小田島さまカコイイ!!
これで初SSとか…レベル高いな…
続き待ってます
763337:2007/12/25(火) 23:06:02 ID:8UOWzzoo
新規職人さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
小田島さまかっこいいよ小田島さま!

ところで、保管庫の件。@Wiki は規約にアダルト禁止とあったので(バレなきゃ
いいみたいだがw) MyWiki 借りました。

(省略なしアドレス)
ttp://mywiki.jp/mononoke/%83%82%83m%83m%89%F6%82%C5%83G%83%8D%83p%83%8D%82%DC%82%C6%82%DFWiki/

(サブドメイン仕様)
ttp://mononokeeroparo.matome-site.jp/

とりあえず3本収録しました。トップページの文言とか、注意書きどの辺に
表記するかとかまだ全然方針決まってない。マニュアルと首っ引きw

ところで自分のPCだと、サブドメインアドレスは編集へのリンクが出なくて、
省略なしアドレスじゃなきゃ編集できそうにないんですけど、他の環境だと
どうなんだろう。
要望&エラー報告ヨロ。そして編集手伝ってくれる人募集……。

でもってそろそろ450KB超えですよみなさま。
テンプレ案できたらそれも Wiki 収納しよう。
764727:2007/12/25(火) 23:31:04 ID:hPwPrB5y
新規職人さんキター。よきかなよきかな。
小田島様は地味にカッコイイ人だと思います。青だけど。

そして337様もまとめサイトお疲れ様です。
自分、Wikiはさっぱりで何もできないのが心苦しい……
こちらの環境(winXP、火狐)でもサブドメだと編集へのリンクは出ませんでした。
サブドメは閲覧者への公開専用アドレスなんでしょうかね?中身いじられないための。
765小田島×加世書いた人:2007/12/26(水) 00:49:32 ID:XR/go+qt
>>758-764
レスありがとうございます。ビビりながら後半6レス(+1)投下します。
766いざよひ【怪化猫】小田島×加世8:2007/12/26(水) 00:51:14 ID:XR/go+qt
青く垂れ下がる帳の奥で、かすかに衣擦れと吐息が聞こえる。
ほの明るい光に浮かび上がる、男と女。
腰紐を解けば浴衣の前が割れる。行灯に照らし出された量感のあるその姿に、小田島は息を呑んだ。
浅黒いが行灯の光をはじき返すような艶のある肌。ぴんと張りのある乳房。ゆるくくびれた曲線をたどれば中心を覆う翳り。
抱き寄せ、口付ける。
「・・・ん」
加世の唇が逃げる。そう思ったとたん頬を両手で包まれた。
「どうした」
加世は答えずにくすくす笑っている。撫でられる感触で、ああ、と気がついた。
「痛いか?」
「少し・・・」
言うなり頬を包まれたまま加世からの口付けを受けた。
それに応え下唇を食んでやればわずかに声が上がる。すかさず舌を差し入れると身を震わせた。逃げる舌を追うように絡ませる。加世が身悶えた拍子に肩から浴衣が滑り落ちた。浴衣を剥ぎ取り唇から頬に移ると加世の腕が背に回る。
「小田島・・・様も・・・」
しゅる、と帯を解く音を聞きながら、二人は褥に倒れこむ。帯を解いた手が背から襟へ伸び、そのままゆっくり男の着物を引き降ろした。

広い背。
ようやく指先がつなぎ合わせられるくらい。
ふれあう肌も、ぬくもりも、体に掛かる重さも何もかもがうれしい、と加世は思った。
この間までは、怖気を震ったものだった。何かにかこつけて触ってくる弥平も、言い寄ってくる辰吉も。嫌で嫌で堪らなかったのに―――
からだが、ぴくん、と震えた。

小田島の愛撫が首筋へおりる。大きな手に背を支えられ、当然のようにのけぞると乳首を口に含まれた。
「あ!・・・や・・・ぁ、あ・・・ぁあ・・・」
その年頃特有のまだ固さの残る乳房。その先端を吸われ、舌先で玩ばれ、いじられる。空いた手でもう一方の乳房をやわやわと揉みしだかれ、時には先端を同じようにつつかれる。
体をくねらせ逃れようとするが、背を浮かすように抱き留められているのでそれもできない。
かえってその動きが益々快楽を呼ぶようで、一気に体温があがり汗が噴き出した。

男の愛撫はやまない。
それどころか少しずつ下におりてゆく。片手は乳房を玩んでも別の手は背から腰をやさしく撫でさすり、加世を怯えにも似た期待へ導いてゆく。その相反するような期待が、さらに加世の体に熱を呼ぶ。
とろり、と熱い蜜が溢れ出す感触が、あった。
767いざよひ【怪化猫】小田島×加世9:2007/12/26(水) 00:53:02 ID:XR/go+qt
小田島はいつしか、その娘盛りともいうべき女の肌に溺れかけていた。
きめ細かい張りのある肌は、触れればしっとりと吸い付いてくる。その肌を持つ女が自分を愛し、背を抱き、この自分の腕の中で悦びの声を上げるのだ。これを至福といわずに何といおう。


もともと考えもしていなかったこの娘との関係。
身分違い、というのが大きな理由だが、その割には二人はどこか馬が合った。
打てば響く、とでもいうのだろうか。時には身分差ゆえの固定観念の違いで話が噛み合わぬことはあっても、本当に大事なことはきちんと通じた。
それでも加世がいつから自分を慕ってくれていたのか、小田島には皆目見当もつかなかった。
「まったく堅物というのか朴念仁というのか」
当主の兄・伊國からもよくからかわれた。
「一物が硬いなら女は喜ぼうが、頭が固いのでは逃げられるぞ」
妻帯はしていないが、女との情交(わけ)もなくはない。悪い冗談でしかなかったが、その生真面目さが、傾城らには野暮と捉えられることもままあった。

しかしその生真面目な性分も、男の本能の前には勝てなかった。

娘の肌を味わっている間に、下帯はとっくに自分ではずしてしまった。加世も気付いているのだろう。勃ちあがった自身が娘の脚に触れている。その度に肌が震え、無意識に膝を擦り合わせるのがわかる。己の最後の領域を守ろうとしているのか。
だが。
―――お前はもう、俺のものだ。俺だけのものだ。俺を迎え入れてもっと声をあげてくれ!


小田島は、腕の中の娘を確かめるように愛してゆく。脇腹から腰へ、腰から尻へ。娘は少しずつ喘ぎはじめ、首に腕を絡めて体重を預けるようにもたれかかってくる。腰を少し浮かせるように支えて、今度は尻から内股へ指で探りを入れた。てきめんの反応があった。
「あ・・・ぁあっ!だっ駄目ぇっ!!それは・・・や・・・っ、やあっ」

ぬるり、とした感触。
それは加世自身、期待しながら隠したかった己の反応。小田島に知られてしまえば、先刻からくすぐるように、責めるように、脚に触れてくるものが猶更猛りだすだろう。
その猛り立つ男に怯え、なのに望んで望んで、どうしようもなく欲して気が狂いそうになる。
体の熱は少しずつ奥へ溜まっていく。その熱が心の臓の高鳴りと呼応し脈打ち始め、小田島の指の動きが更に加世を追い詰める。
768いざよひ【怪化猫】小田島×加世10:2007/12/26(水) 00:54:36 ID:XR/go+qt
黒い茂みに守られた、厚みのある花弁。ゆっくりとなぞると核に行き着いた。
押し触れこね回すと、のけ反り嬌声をあげる。花弁が震え蜜を振り零す。
花弁の中心をわずかに指で突くと盛んに痙攣している。その中心に指をわずかに埋没させると反射的にきつく閉じた。かまわずに埋め込んだ指で周りを探る。痙攣し、腰が撥ねる。

加世は小田島の腕の中で、己の痴態を止められなかった。指の動きに感じ、悶え、声を上げる。
力の入らぬ体を男にもたせかければ、己が乳房を男の顔に押し付けた格好になり、逃げるように動けばいつの間にやら片膝を上げさせられ秘所を曝す。更に男を誘うのだと分かってはいても。
そうして更に熱い蜜が流れ、男の掌をぐっしょりと濡らした。

女の用意は順調に進んでいた。二本、三本と増やし慣らしてゆけば娘はもう涙目で睨むような惚けたような表情をする。衝動的に指で大きく揺さぶった。
「あぁああぁっ!」
悲鳴に大きく膝が動くのを見すまして娘の両膝を広げ覆いかぶさる。硬く張り詰めた己をこれ以上放置してはおけず、娘の花弁に強く押し当てていた。

―――加世・・・・・・加世・・・

触れ合った部分が、熱い。
女の厚みのある花弁はひくつき、男を包み込む。男も痙攣し鼓動する。わずかにでも腰を動かせば核と茎がこすれ合い、更に互いの体に熱を呼ぶ。いつしか互いの動きが大きくなっていった。
娘が生々しい感覚に小さく悲鳴を上げた。呼吸が荒く、額に汗が浮き出ている。

・・・違う、と気がついた。
腕の中の娘の震えは怯えのそれだと。すでに膝は立ち腰が動く。体は求めていることがはっきり分かるのに、肌だけが怯えている。性急すぎたのだろうか。

「加世・・・どの、怖い・・・か?」
頭をかかえるように抱きしめ、聞いてみる。こくん、と頷いた。
「―――嫌・・・か・・・?」
しばしの逡巡の後、首を振った。
急ぐまい。
なだめるように背を叩くと小田島は加世の額へ口付ける。額から瞼へ、頬へ。そして唇へ。
加世の舌は今度は逃げなかった。舌の表面を嘗めると逆に絡め取るような動きをする。
互いの舌を求め合い吸い付きあう内に体全体がまた律動を始めてゆく。小田島は己の先端を娘の花弁の中心にあてがった。わずかに埋没させると入り口が痙攣するように動いた。
「加世・・・入るぞ」
小さく、―――はい・・・、と声がした。
ゆっくりと、娘の体の中に小田島が入り込む。その感覚に体が拒否を示しきつく閉じようとした。
加世は悲鳴を上げる。破瓜の痛みに、侵入してくる熱に、脈動に。
「ぁ・・・あ、く・・・ぅう、小、田島さ・・・、あ、ああぁ!あ!い痛、ぁ!あ!」
769いざよひ【怪化猫】小田島×加世11:2007/12/26(水) 00:56:03 ID:XR/go+qt
男は、一寸埋め込み周りを探る。娘の熱を帯びた鼓動に合わせ更に奥へ。奥へ。
指で慣らしてはいても、襞は強く擦れ合う。はやる思いをなだめつつ逃げる尻を抑え付ける。

痛みから気を逸らすために核に押し触れる。膝が暴れる。
乳房に触れ、先端をつまんでやる。全身がくねる。
首筋に舌を這わせると仰け反り、肌が朱を帯びて震えた。

逃れようと伸ばした手が蚊帳を掴む。青い帳がよじれ、揺れる。天井には絡み合う男女の影法師。

探るように蠢く男の背に、こりっ、と何かが触れた。
「は・・・!ぁあぁっ」
女が叫ぶ。

部屋の隅の行灯のともしびが、細く小さくなり、消えていった。
明かり取りから入る月光は弱く、障子紙をかろうじて白く浮き上がらせるだけでしかない。
部屋の中は触れ合う肌と衣擦れの音、互いの吐息が占める闇となった。

そうして暗闇の中で続けられる男の甘い責め苦に、女は狂いだす。
悲鳴が少しずつ甘みを帯びる。
浅い呼吸に全身が痙攣する。
全身から火が吹き出たような熱に浮かされ、そして思考は止まった。

女のしこなしが、豹変する。

男の動きに引きずられ、同じように腰が動く。逃げるように求めるように。
小刻みに震え熱く纏わり、己の、男の快楽を探ってゆく。
男が刺激を求め突き入れれば、はぐらかす様に緩まり、不意に動かせぬぐらい締め付ける。
女の手は男の腰を抱え動きを促す。脚は高く上がり空を蹴る。
男が動きを止めようとすれば、自ら腰を振り懇願する。
「や・・・っ、やだやだ・・・っ・・・小田島様・・・やめないでやめないで!もっと・・・もっと!!」

女の中は熱く痙攣し男を締めつけ駆り立てる。そうして再び男に導かれ女は昇り詰める。
「加世・・・加世・・・そんな、にっ・・・」
「小、田島様・・・!も、う・・・駄目、あたし・・・っ!あ、ぁああ!!」
今までにない締め付けと痙攣に、最奥を熱い奔流が迸る。その感覚に二人とも同時に身を震わせて

意識が、とぎれた。



770いざよひ【怪化猫】小田島×加世12:2007/12/26(水) 00:57:37 ID:XR/go+qt
先に身を起こしたのは小田島のほうだった。自分の体の下にいる娘を窺うと、まだ意識が戻っていないようだ。
己のものを引き抜き、気だるい体を起こして行灯に火をともす。
改めて娘の体を確認した。肌は朱のはなびらを散らし、下半身はべっとりと自身の蜜と己の精で濡れそぼつ。秘所は赤く腫れまだ痙攣していた。わずかに血が匂う。

何を思ったか、陶酔の表情のまま気を失っている娘の膝を立たせ内股に口付ける。赤く腫れた部分に舌を這わせ、己の精とともに蜜を嘗め取る。女の内股に力が入り秘所が震えた。
終わった後で・・・など、こんなことは今までしたことがない。加世が、初めてだった。



加世は小田島の腕の中で目を覚ました。ぼんやりとした眼差しのまま身じろぎもしない。
体を動かせる状態ではなかった。目を覚ましてさえ、宙を漂うような感覚を何度も反芻していた。
不意に涙が零れ出た。自分でも理由はわからない。
「加世・・・どうした」
小田島が慌てだす。訳も分からず、すまない、すまない、と謝ってくる。
加世は首を振ることしかできない。あとからあとから溢れ出す涙に声がでなかった。

小田島は、加世が落ち着くまで髪を撫でていた。撫でながら、離したくない、と思った。
だが同時に、本気なのか、一時の過ちなのか、との疑いも湧く。お互い常の精神状態ではないままに惹かれ合ったのではないかと。明日になれば後悔してしまうのか。加世が泣いたのは後悔しているからなのか。
俺の場合は、いい。
独り身なのだ。一時の過ちの責任取れと詰め寄られてもかまわない。だが、加世はどうなのだ?

「加世・・・本当に明日実家に帰るのか?」
加世は、唐突な問いだと思った。
なぜ今そんなことを聞くのか。まだ腕の中で余韻に浸っていたい。何も考えられるわけがない。
「・・・・・・・・・明日・・・決めます・・・」
それしか答えられなかった。
「小田島様は・・・?」
小田島はそれには答えない。
まもなくお上の沙汰がおりよう。それ次第だ、といっても結果はひとつしかない。
断絶による取り潰し。
仕える身の自分は屋敷への出入りは出来なくなる。最後を見届けるのも一興か。
しかしそれはもう、加世に言うことではなかったのだ。

771いざよひ【怪化猫】小田島×加世13:2007/12/26(水) 00:59:28 ID:XR/go+qt
現実に立ち返れば、周囲では何かが終わりを告げ始めている。
褥の上の二人にとってもそれは百も承知の上で、あまりにも短すぎる夏の夜を過ごす。
互いに脚を絡ませ頬を寄せ、睦み、いたわりあいながら、ぽつりぽつりと言葉をかわす。
「―――明日が来なけりゃいい」
思わず、そんな言葉が零れた。らしくはない、と自分でも思った。加世がしがみついてきた。

蚊帳の中は暑く体も火照ったままだが不快ではない。夜半過ぎ、二人抱き合ったまま眠りについた。

久しぶりの、穏やかな眠りだった。



「あーんもっ、これじゃ外歩けないぃ〜」
朝湯の後、身づくろいを終えた加世がいつもの調子で声を張り上げている。濡れ手ぬぐいを目にあてているが効果はないらしい。ゆうべ泣いた所為でまぶたが腫れぼったいのだそうだ。
女は変わるというが、加世は変わらないのか、と小田島は呆れたように眺めていた。

本当は。
加世は、湯船の中でも泣いていた。小田島に思い切り愛された己が体。その印がはっきり刻み付けられている。愛おしくて愛おしくてずっと留めおきたい。でも、決めてしまった。
―――ここは、人の目が痛い。自分が気にするほど人は自分のことを気にかけてはいないというけれど。

やはり実家に帰る、と加世は言った。
小田島も、そうか、と言ったきりあえて引き止めようとはしなかった。
無言で街道口まで連れ立って歩いた。
「達者で・・・暮らせ」
「小田島様も」
「何か、あったら文をくれ・・・」
その意味が通じたのだろう。しばらく小田島を見上げていた加世の瞳が潤む。
一度視線を落としてから加世は口を開いた。
「―――はい」
その『何か』があるのかないのか、知るのは月日だけだろう。
今はまだかしましい蝉の声は、その時にはもう聞こえまい。


   ――おわり――

772小田島×加世書いた人:2007/12/26(水) 01:03:50 ID:XR/go+qt
以上です。投下しっぱなしで逃げたい気分。
今更ながら、タイトル間違えてたかもしれない・・・orz


あってもなくてもいい蛇足のCパートw
*  *  *  *

五日後、坂井家を訪ねた者がいた。
江戸よりの使者である。お上の沙汰を携えてきたのだった。
内容は予想通りであった。一方的で無味乾燥な下知を伝えると三日の期限を切り、使者は早々に立ち去った。その間に屋敷を明け渡せ、というのだ。
使者の去った後、坂井家の生き残り・齢七十を越えた隠居の伊行は小田島にこう言った。
「跡継ぎを擁し、後ろ盾を頼り、坂井家再興を目指してくれ」

跡継ぎとは誰なのか、後ろ盾とは何者なのか、隠居は肝心のその名は口にしなかった。
だから小田島はそれを、坂井家にはもう構うな、との意味に受け取った。
表向き、屋敷を離れるにはその方が聞こえがいい。年寄りの配慮か本当にそう思っていたのか、詮索する気は起きなかった。

坂井家を辞したあと、小田島は実家の家督を継いだ兄の元へ身を寄せた。気楽な部屋住みの身分に戻ってまもなく、坂井家の翁が亡くなった、との報せを受けた。
死の詳細までは知れなかったが、その死を見取ったものは、次男、つまり亡くなった当主・伊顕の寛大な沙汰により命拾いをした者だとのことだった。


全てが終わったのだと、小田島はそう思った。
義姉が、なにやらほっとしたようだ、と話しかける。あいまいに笑みを返す。
あれから実はひと月もたっていない。なのに、小田島にはとうに昔のことのような気がしていた。
―――加世のお陰だ。何かに囚われていた俺を救ってくれた。
義も忠も世の中には聞こえがいい。自分を縛っていたのはそれだろうか。だがあの時すでに自分は、隠居の言葉をまともに受け取ることはしていなかった。


小田島は目をつむる。容赦のない時の移り変りに溜息が零れた。
聞こえてくる蝉の声はひぐらしに、替わっていた。

*  *  *  *

773名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 10:24:43 ID:KuhLfu93
GJ!二人とも切ない、だがそれがいいw
774名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 12:14:29 ID:9cGKI7wV
初めてここ来たけど職人さん方みんなすごい!GJ!
エロパロ板というだけで覗いてみる気すらしなかった己の偏見がウェンツされた。

自分の環境はVista+IEですが>>764様に同じくでした。
775727:2007/12/26(水) 16:10:02 ID:T9tyeiED
なんか変なのが来てるぽいので保守上げ。

ちょっとくらいは手伝えるようにWikiの編集を勉強してみます。
776名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 17:30:34 ID:ZLvXLG+c
今来てる変なのものっぺらみたいに退治してくれないかなあ>薬売り

モノノ怪(スクリプト)に頼った挙句が
この有様(クソスレ乱立)だ
777727:2007/12/26(水) 19:17:38 ID:T9tyeiED
もっかい保守上げ。

荒らしの真と理、お聞かせ願いたく候。
778名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 22:41:09 ID:QUk0v7sg
うむ、では保守がてら次スレテンプレ案でも。

<普通の>
怪〜ayakashi〜、モノノ怪 のエロパロスレです。
基本sage進行、次スレは>>970くらいと見せかけて、投下数によっては残容量注意。
宣言してからのスレ立てヨロ。

投下時はカップリングを併記、特殊シチュ(エログロ、陵辱、SM等)は注意書きを。
男同士の組み合わせは数字板へ。
煽り、叩き等の荒らしはスルー。

前スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188488875/


<ネタっぽいの> モノノ怪でエロパロ 2札目
皆々様の妄想と情欲、お聞かせ願いたく候。
怪〜ayakashi〜、モノノ怪 のエロパロスレです。
基本sage進行で、まったり☆まったり。
次スレは>>970か、札の使用量によって随時対応。口上を述べてから有言実行。

投下時はカップリングを併記、夾竹桃(エログロ、陵辱、SM等)は注意書きを。
男同士の組み合わせは相容れん。数字板へどうぞ。
煽り、叩き等の荒らしは、海座頭でないので答える必要はありません。


……いまいちうまくないなぁ……。
779名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 01:58:09 ID:C/DPUMpu
780名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:04:29 ID:019JbWBw
>>778
テンプレ、ネタっぽいのに受けたwww
面白くて好きだけど、投下数=札の使用量とか
初めて見た人には分かりにくいかな?という心配も。

個人的にだけど、擬人化、女体化とかにも一言あるといいな。
一応誘導できるスレも提示して、あとは自己判断による選択で
投下してもらうとか。

【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】5話目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182867370/

擬人化総合SSスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176796139/
781337:2007/12/27(木) 11:45:41 ID:bGXv1gbh
やっとwikiに慣れてきたよー。スレが昨日の騒ぎで落ちなくてよかった。
保守ってくれた皆様GJ! でもって>>727氏、>>774氏環境報告ありがd。
混乱のあまり言い忘れてたけど小田加世の人もGJGJ!
蝉の声の〆が余韻を残してイイ!

さて、保管庫相談。スレ初期で物議をかもしていた薬受けの1本。
分類としては(ぼかされてるけど)女体化? 注意書きつけて収蔵していいもの?
投下した職人さん、まだここ見てますかー?
作品は、職人さん本人が嫌だと言わない限り、淡々とすべてを収蔵するのが
保管庫だとは思いつつ、投下後の荒れ具合から自分のみで判断しちゃいけないと
思いまして。
ご意見お聞かせ願いたく候。
782名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 15:07:56 ID:3d5AXHM3
保守あげ。

>>781
注意書きつきなら、保管してもいいんじゃないかな…。
確かにスレ違いっぽい感じもするけど。
783名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 16:12:52 ID:R3R7NnZK
読みたいのに読めない!よりはいいんじゃないかな。
また何かあったら削除なりすればいいし。
784727:2007/12/27(木) 22:58:39 ID:koemsJbJ
テンプレ案お疲れ様です。
自分はネタ案のほうを推したいんだけど他の御方はどうなんだろう。
ネタのほうをわかりやすい?感じにいじってみた。
普通のはまんま>778でいいんじゃないかと思うので。

<ネタっぽいの> モノノ怪でエロパロ 2札目
皆々様の妄想と情欲、お聞かせ願いたく候。
怪〜ayakashi〜、モノノ怪 のエロパロスレです。
基本sage進行で、まったり☆まったり。
次スレは>>970か、投下量によって随時対応。口上を述べたのち有言実行。

投下時はカップリングを併記、エログロ、陵辱、SM等は注意書きを。
女体化、擬人化については自己判断で。
男同士の組み合わせは相容れん。数字板へどうぞ。
煽り、叩き等の荒らしは、海座頭ではないので答える必要はありません。

前スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188488875/

保管庫(Wiki)
http://mononokeeroparo.matome-site.jp/

●関連スレ

【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】5話目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182867370/

擬人化総合SSスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176796139/


どんなもんでしょうか。ご意見お聞かせ願いたく候。
785746=小田加世の人:2007/12/27(木) 23:11:13 ID:1/srI286
歳末スケジュールから帰ってみれば、スレ騒ぎって何事?

>>773
感想ありがとうございますw
>>781
wiki確認いたしました。保管作業お疲れ様です。
Cパート組み込んで頂いてありがとうございます、あと感想も。(胃が・・・緊張する・・・)
件の1本は・・・なくていいような・・・でも注意書きつきなら、いいかな・・・
786名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:23:54 ID:PZLbt552
自分も女体化の一本は混乱・曖昧の原因になるから入れないほうが良いように思う。
女体化って『元が男』なんだから、結局は数字の一種だと思うんだよね。
まあ個人的な意見だから、女体化はあくまでノーマルの一種って言う人もいるかもしれないけど…
787名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:04:09 ID:fVZauUbf
こんな盛り上がってくれて嬉しい・・・
このスレきっともっと細々と続いていくんだろうと思ってたから
投下してくれる職人さんにひたすら感謝!
788名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:07:20 ID:3g7cyRd2
>>781
あれ女体化かなぁ?
確かにぼかされてはいたが書いてる本人はどうも数字のつもりな雰囲気が出てたから微妙
789337:2007/12/28(金) 00:13:56 ID:oIJnt28i
一通り作品収蔵したはず、です。あ、違うごめん自分のがまだだ。
とりあえずそっちは個人サイトあるから後回しでー。

取りこぼしないかどうかチェックお願いします。
まだ収蔵マニュアル作ってないので、編集難しかったら教えてもらえれば
自分が入れます。
作品てほどじゃないけど小ネタとして入れてほしいとかの要望も、あったらどうぞ。
作品ページ自体の見栄えはもうちょい待ってorz
ううWikiめ、空行1つと2つでは意味が違うんだってのこんちくしょー。

一応、女体化も入れたけど、一通り意見が出るのを待ってから残すか削除か
決めたく思って候。今んとこ2対2?
790名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 00:20:51 ID:40wonXXF
あれ、書いた人は「読む人におまかせ」って感じじゃなかったっけかな。
「薬売りは中世的だから女性と思えば思える」って感じじゃなかったかとか。
むしろ女体化と言うより、中性モノ?(そんなジャンル有るのか?w)
入れるかどうかはどっちでもいいです。

ところで小田島×加世GJです。
旧化猫ではいい雰囲気出てると思った事を思い出しました。
小田島好きだから、幸せになってほしいな。
791337:2007/12/28(金) 00:24:22 ID:oIJnt28i
リロードしたら2対3だったorz

ネタっぽいテンプレ、どうせなら各話網羅してほしいw
入れるなら……こんなかな?

エロパロスレです→エロパロスレでおじゃる。
基本sage〜→基本sage進行、ねこねこいいこの精神で。

のっぺらと新化猫が思いつかない。……ふざけすぎかな、ごめん。
女体化〜の文は、

女体化、擬人化は専用スレあります(後述)。投下は自己判断で。

とした方がわかりやすいかも?
792名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 21:53:43 ID:IB3tJ7fa
本音で言うなら

退魔の剣、天秤、兼定、襖等、元が無性別な無生物の擬人化兼女体化→有り
薬売り、ワカメ、小田島等、男性キャラの女体化→無し、むしろ相容れん
793名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 22:09:44 ID:pVnepqj+
>>792に禿同
794名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 23:13:09 ID:zC69R4qI
>>792
襖までw やるとしたらもちろん幻×襖だよな?

「まったくお前はいつもいつも我が見せ場を邪魔しおって!
身共が何をしたと言うのだ!?」
だって、と襖子(仮)がうなだれる。
「幻さまの素敵なところ、他の女に見せたくないんだもの……」
「襖子(仮)……」

ライバルは扇子で。
795ドS:2007/12/29(土) 02:15:23 ID:N+g3NoUy
ノロウイルスにウエンツ!されて久しぶりに来てみたら新職人のクオリティの高さにウエンツ!された。
俺も未完では終わらせないから皆々様もなま物には気を付けてくれ。
796名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 03:21:04 ID:/WiB/Igw
>>794
www
何故か擬人化ではなく
襖のまま幻さまを押し倒す襖を想像しちゃったぞw
797名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:32:52 ID:s99JzOue
>>796
それは単なる家屋倒壊ではwww

>ドS氏
乙。病み上がり大事をとってください。でも続きもwktkで待ってる!
798名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 11:39:55 ID:NcuKQISC
家屋倒壊フイタw

加世ちゃんと天秤ズが会話できたら
とても可愛い光景になるんだろうなあ
こう、可愛いものに可愛いものを足したら
すごく可愛いものになっちゃった!というか
マイナスイオン的な癒し効果が得られそうというか…
799名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 19:22:01 ID:Q6zzUuzN
ブログの人のブログでは加世ちゃんと天秤、会話してたっけ。
何かほのぼのだった。
800名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 16:30:10 ID:q80m9gSZ
まだちょびっと容量に余裕あるよね、てことで>>735続き。



薬売りの熱が、加世の奥を思うさま蹂躙していく。悲鳴のような、泣き声のような音が、こらえようもなく断続的に喉を飛び出して、加世は必死で薬売りの背にしがみついた。
……いよいよ、爪を立ててしまったかもしれない。
でも、たぶん、それでいいのだと―――未知の世界に叩き込まれて、翻弄される心が囁く。既に思考は働かない。ただただ感じることしかできないけれど、その分、色とりどりの心の綾が、素直に加世の中へ沁みわたるようだった。
薬売りが加世と同じ気持ちであるのなら、痛みすら泣きたいほど愛しいはずで、たぶんその前提にズレはない。
刻まれる、一生消えない隠し彫り。
薬売りと加世だけが知る印。消えなくていい、消えないでほしい。どれだけ痛くとも構わないから、もっと深く、鮮やかに。あなたを、この体に刻み込んで。

あなたのものに……して。

傷つけることを許されている。愛されている。その幸福感でひたひたに潤み、痛みを押しのけて頭をもたげる感覚がある。
「ひぁっ……あっ、あっ? え、や、あんっ……んぅっ?」
加世の変化に、薬売りが強く加世の手を握った。言葉にされずとも、嬉しく思われているのがわかる。触れた箇所から、絡む視線から、上がった呼吸、呼応する鼓動、今二人の間にあるなにもかも。存在のすべてをかけて、伝えてくる。訴える。
―――知らなかった。
肌を重ねるということは、心を重ねること、なのか……。
それを教えてくれたのが大好きな薬売りであるということが、また目眩がしそうなほど嬉しい。溢れる喜びが、薬売りを締めつけ快楽に変わる。
悲鳴が甘さと艶を帯び、全身が熱にうち震える。羽化、するように―――女の感覚が、拓かれる。
801名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 16:51:42 ID:q80m9gSZ
続き


奔流のような衝撃に、加世はぽろぽろと涙をこぼして男を呼んだ。薬売りさん、と繰り返して、だがなんとはなし物足りない。
……あたしはもう、この人の妻、なんだから……。
思って、照れ恥じらいながらも、あなた、と呼んでみると、激しい口づけになって戻ってきた。息継ぎの合間に浮かされたように、加世、加世と呼ばれる。その声にまた煽られる。溺れて、息もできずに、脳裏が、真っ白に染めあがる―――。


褐色の細い体がぴんと爪先まで張りつめ反り返ると、くっ、と短く声を洩らした薬売りの体が深く沈む。
熱く精が放たれるのと、加世が薬売りの背中に強く掻き傷を刻むのとは、ほぼ、同時だった。



呼吸が少し落ち着いて、薬売りが軽く半身を起こす。目があって、お互いに微笑みあった。いたわるように髪を撫でられ、優しく唇を啄まれる。
応えて加世が薬売りの首に腕を回し、頭を撫でると、その手をとられて指先にそっと口づけられ……って、あれ……?
うっとりと薬売りの唇に酔っていた加世は、その矛盾にうっすら目を開ける。
目の前に幸せそうな薬売りの顔、ではこの指先に感じる舌は誰、の……
「―――ンええええええええええっっ!?」
加世の手を嬉しげに愛で、視線に気づいて微笑んでみせる、もちろんそれも薬売りには違いなかった。



一回戦終了ー。でもって再分裂。携帯からなんで色々ごめん。ヘイパス!
802名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 03:21:00 ID:ShM0Z3z/
GJ!!二回戦目は年またぎになるのかな。
そして何回戦までやるんだwww
803名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 16:57:17 ID:XfN3Furm
>>802
大晦日だし、108かな?
804名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 19:37:38 ID:MVICqSj5
>>803
え、ちょ、エエエエエエww
805名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 23:27:55 ID:H/7i0n2X
間違いなく失禁・失神
806名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 00:15:53 ID:lUCUnza6
そんなに煩悩受け止めたらさすがに可哀想だw
ところで皆様、新年明けましておめでとう…ござい、ます
807名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 00:25:12 ID:sEipaZyu
おめ。
職人様方、いつも良作ありがとうございます。
天秤化するスレ住人も大好きだ。
今年もよろしくお願いします。
モノノ怪に栄光あれ!
808名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 00:36:00 ID:ZA0gtjMA
あけましておめでとうございます!本年も宜しくお願い致します!
809名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:10:31 ID:Lx01h6Dz
天秤なスレ住民のみなさま、あけおめことよろでございます。
萌えで息が詰まりそうな年末をありがとうございました!!
今年もどうぞよろしくお願いします。
ところで小説の投下はできないのですが
イラストの投下をさせていただいてもいいでしょうか?
投稿された小説にインスパイヤされてハアハアなオリジナリティのない落書きばかりですけど…
810名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:44:51 ID:sEipaZyu
>>809
わっふるわっふる!
811名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 03:03:36 ID:45vgXe3g
明けましておめでとうございまする。
このスレの職人&住人に今年も幸あれ。

しかし、108回戦も加世ちゃんがしかと受け取ったら
慈母以外の何者でもないよーw


>>809
щ(゚Д゚щ)
812名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 02:27:45 ID:t1Yw8ZD6
>>809
щ(゚Д゚щ)ハァハァ

あけおめ
皆々様に幸がありますように候
813名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 16:12:05 ID:IRjVsbRb
無事に薬売りさんと加世ちゃんは姫始めをすませたかと
二日酔いの頭でそんなことばかり考えています よ…
814名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 17:14:47 ID:g54CEBqv
>>813
元旦の房事は早く老けると言われるから、加世ちゃんが拒否。
その分、二日の今夜は薬売りさん張り切るだろう。
815名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 20:14:42 ID:bKrDMvZf
明けましておめでとうございます。
今年もこのスレが大いに賑わうことを祈るで候。

てな事でこんなもんでスマンと思いつつ、年始の挨拶代わりに初投下。
>>801の続き

目の前にいる薬売りと同じように、というか。
同じ顔、同じ表情で、加世の顔を覗きこむもう一人の薬売りは、まさに夢見心地……といった声音で囁いた。
「加世さん。……とても、良かったです……よ」
「え、やっ、やだそんなっ、こ、こちらこそ…………って、じゃあなくてぇー!!!」
どちらが女だか分かりゃしない。色っぽく見つめられた上に色っぽく囁かれ、照れて、加世は思わず謙遜した。
そして再び状況を思い出し、絶叫した。

「えええ、くくく薬売りさん!? えええええ、ななな、な、な、なんでぇぇぇ!?」

目の前にいるのと、その隣りにいるのと、交互に見つめ、言の葉に表れまくるほど動揺する。
「すみませんね」と、目の前にいる薬売りが悪戯を見咎められた子供のような表情で、つまりは『しまったと思いつつ、でもあまり反省はしてなさそうな顔』で、加世に詫びる。
ついさっきまで己が醸していた雰囲気はどこに行った、おい。と加世が突っ込む間もなく、
「ついつい、気が緩んじまったようでして」
背後、というか、頭頂部のほうから声がかかった。と思ったら肩に手を置かれ、軽く上半身を起こされた。
赤い文様の浮かぶ白い胸板に、頭を預けてもたれかかる姿勢を取らされる。肩から離れた手は、そのまま掬い上げるように加世の両胸を揉みだした。
「あっ、やぁんっ、……て、そんな、嘘ぉぉー!?」
頬を朱に染めたまま、顔を引きつらせる加世のそんな反応すら楽しむように、小さな褐色の五指を啄ばんでいた唇が、白い指が絡む乳房の先端を含む。
焦らすような舌の動きに負けじと、もう片方の乳房を弄んでいた白い指が、その腹の部分でくにくにと先端を捏ねだした。
「ひゃっ!あっ、ああんっ」
再び、しかも複数の方向から始まった愛撫に、未だ情交の余韻醒めやらぬ加世の体は、素直すぎるほど素直に反応した。
816名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 20:19:09 ID:bKrDMvZf
続き

やはり、良い感度……と、どれかが嬉しそうに言ったのが聞こえた。言うな!と思ったものの、それを口にするまでの余裕は今の加世にはなかった。
外側の丸みをなぞるように揉みしだかれながら、熱をもってじんじんと疼く先端を、方や舌、方や指が容赦なく責める。
快楽に、どんどん思考が霞んでいくのだが、このままではまずいことになる、という危機感が、なんとか理性を持ち堪えさせていた。
「残念ながら」
「嘘じゃあ、ありません」
「そ、そんなぁぁ、……ひぅっ!」
そういえば、まだ繋がったままだった。
胸への愛撫に加わって、自分の胎内に納まっていたものが、ゆっくりと、再び行き来をし始めたことで、加世はそのことを思い出した。
……何か、また、おおきくなって……いるんです、けど。
それでも、男を受け入れる悦びを覚え始めた体は、己の意思とは裏腹に絡みつき、奥へ導くように蠢きだす。
加世の最奥から滲み出たものと、放たれた精とが混ざり合って、男が動くたびに耳を覆いたくなるようないやらしい水音が立つ。
淫猥な音に耳朶を嬲られ、両の乳房を舌と指で責められ、そしてまた内側を擦り上げられ、……恥ずかしい、のに。
「あっ、やっ、やぁ……! んあっ、あ、あうぅっ!」
勝手に口を割って零れる喘ぎを、どうしても止めることが出来ない。
「大体ね、末っ子が……、いけないんです、よ」
甘い加世の声に興奮したのか、律動の速度を徐々に速めていきながら、目の前の薬売りが呟いた。
「そうそう。まぁ、気持ちは分かりますが……ね」
「加世さんを、もっと、隅々まで、味わいたい。なんてことを、思っちまったもんだから」
「その直後に気をやって昇天しちゃあ、歯止めも何もと」
………………。
昇天と言っても幽霊とかじゃないんだから、成仏したというわけではないだろう。
気絶して意識をなくした、という状態に近いのだろうか。
て。いやいやいや。

(ちょっとぉぉぉーーー!!!薬売りさぁぁぁーーーん!!!)

正真正銘「初恋の君」と言っても過言ではない、「化猫」薬売りに対して、加世は脳内で激しく突っ込んだ。



ヘイパスでおじゃる。
>>809楽しみにしてますぜぇ。
817名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 22:57:21 ID:bHeao2CO
>>816
パスゲット!


きゅ、と内側が締まると同時に、先ほどは昂ぶり過ぎて気づかなかった、ずくりとした痛みが走る。
「あっ、や、ダメ痛っ、お願い助けて……!」
縋るものを求めて彷徨う手がつながって、目の前の薬売りが辛そうに眉を寄せた。
「……痛い、ですか」
「初めて、ですしね……」
「一度、離れては」
薬売りたちが互いに目配せする。何か説得を試みるような視線に対して、今まさに加世の中にいる薬売りは酷く惜しそうな顔をした。離れがたい、とありあり顔に書いてある。
加世の痛みは薬売りの熱と呼応していて、狂おしいほど求められていることはわかる。耳年増の知識を動員すると、この状態でやめるのは男の人にとってかなり辛いだろう。けれど、さすがにちょっと、応えてあげるには加世が保たない。
涙目で見上げると、薬売りが息を吐いた。少し、笑う。
「あんたに嫌われちゃあ、元も子もないですし、ね」
ごめんなさい、と呟く。圧迫感の消えた下腹部が、楽になったはずなのにどこか心もとないような、寂しいような気がした。
「……代わりに、と言っちゃあなんですが」
薬売りが加世の頬を撫で、目元に口づける。
「もう少し、触っていても、いいですかね」
「痛みを、感じない範囲でなら、許してくれませんか」
「もう少しだけ」
懇願するように見つめられて、加世はしばらく迷ったもののゆっくりと頷いた。薬売りが譲歩してくれるなら、こちらも譲歩せねばなるまい。
それに。
先程から体を弄られて、また内側に熱がこもり始めている。
覚え始めた快楽を、体が、求めている。
「い、痛くしないで……ね?」
はい、と揃って頷く、そのあまりの聞き分けのよさを訝しむべきであったのだと、加世は後に噛みしめることになる。
818名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 23:00:41 ID:bHeao2CO
続き



ああ、と加世の口から甘い声があがる。四方から寄せる快楽は、女の悦びを垣間見た後でもあんまり強くて、瞳がうろうろと彷徨った。足元から大地が消えてしまうような、体が勝手に泳ぎまわって戻ってこないような恐怖。
「くすりうりさ……!」
辛そうに眉を寄せる加世の頭を、宥めるように白い手が撫でる。
「大丈夫、ですよ」
「怖く、ありませんから」
「今は快楽を覚えてもらうだけ」
「気持ちよくなることだけ考えて……」
掠れた、けれど優しい声がひたひたと押し寄せる。加世に暗示をかけるように、男の色に染め上げるように、繰り返し、繰り返し。
「ん……」
座らせた加世の体を抱きとめるように支え、頭を斜め上に仰向けさせて唇を合わせる。
左右に陣取った二人がそれぞれに胸を揉みしだきながら、首筋に舌を這わせる。
指を繋ぎ、手のひらをくすぐっては口づけを落とす者。
足の甲から膝下までを丹念に撫で、足指をつつく者。
その間もさざ波のように、甘い睦言を浴びせ続ける。
とりあえずここまで、と薬売りたちは言葉もなく会話する。別々の体を持ちながら同一の存在である利点を、これほど感じたことはなかった。
「加世さん」
「加世さん」
「好きですよ」
「可愛いですよ」
「愛してますよ」
「……ん、あ、……はぁっ……」
警戒しているのか、口づけの合間にちらちらと周囲をうかがう目へ、安心させるように、とっておきの笑顔を大盤振る舞い。
強張っていた体から徐々に力が抜けていくに至って、ようやく揃ってほっとする。
結局、嫌われたくはないのだ。見交わす視線に苦笑が滲む。
どの自分が発端であっても、もはや関係ない。この感情は自分と、自分であるところの全員に、深く根づいてしまった。
受け入れてもらえなかったら、とそればかりが怖い。
ならば、受け入れられるよう努めるだけ。どうせそれしか出来はしない。
「加世さん」
「加世さん」
熱く甘く名を呼べば、少しずつ加世の目が潤んでくる。嬉しくなって更に呼ぶ。唇を解放して顔中に口づけを降らせると、くすぐったそうに加世が笑った。
一人がどこからともなく竹筒を持ってくる。
「加世さん、水を」
「みず……?」
ぼんやりと繰り返すのに、薬売りは竹筒をあおって口に含み、唇を重ねた。
こくり、と細い喉が動く。おいしい、と加世が囁いて、もう一口?と訊く薬売りにこくんと幼子のように頷いた。
一口、二口と清水が薬売りと加世の間をつなぐ。途中、ころりと丸いものが加世の口中に転がり込んだ。なんだか苦い。疑問を浮かべた目に、水と一緒に飲んでください、と薬売りが言う。
よくわからないまま嚥下すると、今度は甘い塊。薬売りの舌が忍び込んで、からころと加世の口の中で転がす。
「のど飴、ですよ」
「鳴き過ぎで喉を傷めちゃあ、可哀相ですから、ね」
加世の口元からこぼれた水を舐めながらくすくすと笑う薬売りらに、この人たち、もう少し慎みをもってもらえないかなぁ……と、加世は遠い目をした。



とぉりゃっ! パスー!
819名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 00:26:41 ID:EyB3rSAY
GJGJ! いよいよ本題かw
末っ子は無事戻ってくるのか気になる。すごい妨害工作受けそうwww

ところでそろそろヤバいだろと思ったけど新スレ解き放てなかったorz
誰かお願いします。
820名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 03:10:53 ID:ATtIyr3w
きっと末っ子は今頃別の場所で他の薬売りズに詰問されてるんだよ。



次スレは立てた方がいいのかな?
まだ容量有るように思えるけど…。
821名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 18:29:30 ID:riJL0O1d
意外と容量の数字当てになんないんだよね。
前にまだ500ちょいなのに容量オーバーになって、投下途中で
誘導もないまま新スレ立てることになり、涙目になった自分が言ってみる。
でも今は、例の騒ぎで即死判定が厳しくなってるとかも聞くしなぁ。

職人さんが直近で投下予定あれば新スレ立てた方がいいか。
どうでしょう?
822名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 03:00:45 ID:HDz/JjN4

500KB超えたら、もう書き込めないだろ?
823名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 12:35:28 ID:lvUFgaf2
>>822
mjd? 512KBまでだと思ってた自分アホスorz
824名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 15:38:31 ID:fj7zqSPn
さて>>823までで容量が489KBとなった訳だが
次スレを立てるタイミングが…。
825名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 16:57:53 ID:lvUFgaf2
テンプレ、これまで出ていた意見を集約+色々してみた。


皆々様の妄想と情欲、お聞かせ願いたく候。
怪〜ayakashi〜、モノノ怪 のエロパロスレでおじゃる。
基本sage進行、ねこねこいいこの精神でマターリと。
次スレは>>970か、480〜490KBほどで随時対応。
口上を述べたのち、スレタイ・テンプレ・愛を揃えて解き、放つ!

投下時はカップリングを併記、エログロ、陵辱、SM等は注意書きを。
女体化、擬人化については専用スレあります(後述)。投下は自己判断で。
ただし元が男性キャラクターの女体化は歓迎されにくいです。メザシの頭や
塩や灰やお札で魔除け結界張られても泣かないように。
まして男同士の組み合わせは相容れん。数字板へどうぞ。
煽り、叩き等、視野が狭くてKYなアヤカシは、海座頭でないので答えぬこと。

前スレ モノノ怪でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1188488875/

保管庫(Wiki、誰でも編集可、作品保管に協力を)
http://mononokeeroparo.matome-site.jp/

●参照

【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】5話目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182867370/

擬人化総合SSスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176796139/



全部のネタ入れたはず。これでよければ解き放つよ。
826名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 19:26:03 ID:v9lr4I4b
>>825
自分はオッケーイエロー!
面白くてイイw
827名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 20:40:26 ID:IRKBKWLv
825ににねこねこいいこ!
それでいいよー
828名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:02:35 ID:lvUFgaf2
立てたので、天秤諸君お引越しよろしく!

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199455293/
829名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:28:39 ID:78E0Qja9
>>828乙!
830名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:17:37 ID:ofQ6+n8Z
埋めの雑談でもするか。
加世の胸はCぐらいだと思うがどうよ。
831名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:36:23 ID:SrBrEjre
D〜Eくらい?
でも貧乳だったらだったで
「ほおう…これはまた育て甲斐のある…」
なんてのもアリな気が。

自分の中では、お蝶さんが巨乳だと思ってる。
832名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:51:57 ID:4PDEUDLw
巨乳は志乃、貧乳はお庸。これはゆずらん。
加世の胸は触り心地よさそうだね。
833名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 02:26:47 ID:w5pYKiGy
>>828
おぉ〜乙です!
つ【塩】

で、加世の胸は小振りが良いな。言うなれば美乳で。
個人的に大きさよりも形と、張りにこだわりたい。
褐色の肌に、唇と同じくらいに鮮やかな紅色の乳首だったら尚良し。
張りのある乳に、薬売りさんの白い指が喰らいつくように食い込む様を
色々と妄想しながら寝ます。おやすみ。
834名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 02:32:47 ID:l4qCl41L
>>833の妄想だけでティンコ起ちそうな件
835名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 04:15:58 ID:uReL1aYp
ついでに、縛るとしたら赤よりは白かな。
コントラストを楽しむ的な。襦袢もか?

あと、ちょっと寒くて男の着物羽織ってる姿とか、素肌にYシャツorぶかぶか上着に相当しそう。
萌える。
836名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 08:17:41 ID:w5pYKiGy
>>835
是非薬売りさんの着物を素肌に羽織って頂きたく候。
または頭巾で目隠し、帯で踏ん縛っちまうってのも、また…いいです、ねぇ…。

>コントラストを楽しむ的な。
まさにツボだなー!薬売りさんが色素薄い・陰っぽいイメージに対して
加世は色黒・陽っぽいイメージがあるから、その差を楽しみたいっていうか。
その点、このスレの職人さん達は、巧みに表現してるから、本当に凄いよ。
837名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 08:28:54 ID:w5pYKiGy
あと個人的なイメージで、薬売りさんって加世のぽってり唇・ぷくぷくほっぺに
大喜びで犬歯で甘噛みしてそうだなぁって…大好物かいっ!的な。

上のリレー小説の中の「がっついて…」じゃないけど、加世の身体の至る所とか
それこそ涙とか汗とか愛液とか…遍く甘噛み&舐め啜って
「嗚呼美味いですね…」って心底本気で言いそうだなぁって。
変態薬売りさん。むしろ変態自分、乙。会社逝って来ます。
838名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 09:10:11 ID:V0H/mvMD
どうやらここの見過ぎで私の中では薬売り=変態の図式が成り立っている。

帯や頭巾プレイがあるなら首から下げてる鏡を使ったプレイも有るに違いない。
839名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 09:24:42 ID:usbJ35Ct
ネックレスで数珠プレイ連想しちゃった私はオロカ。
840名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 13:31:55 ID:fLxuNbLl
>>836
まるっと同意なのに、自分の中では薬売りは火で、加世は水か土な不思議。

コントラストといえば、敦盛とお蝶、たまきと黒猫も捨てがたい。
841名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 21:56:48 ID:uaGY7UJ0
鏡で映して「ほら、こんなにしてしまって…加世さんは…」みたいな
鏡プレイってこうですか?わかりません^^^

>840
あーでもそのイメージは合ってるとおもうよー
何だっけ隠喩?が男は火で女は水だったとなんかに書いてあった気が

たまきと黒猫・・・擬人化したらぬこは誠実な池麺な感じだなぁ
842名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 22:32:46 ID:73ASaiHP
このスレの職人は神だ
843名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 22:35:38 ID:73ASaiHP
しまった途中で書き込んでしもた…


まぁとにかくこのスレを消化して、新スレで早く新作を読みたいと思う私は…わがまま…ですか…ねぇ?
844名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 22:49:39 ID:jLR6kwjM
薬加以外ってやっぱ少ないよな…需要ないのか
加世以外の女性キャラのも読んでみたい私も…わがまま…?

自分で書けとかいわれそうだけど・・・・・・才能が・・・・・・
845名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:44:28 ID:cuOVJHLU
>>844
ちょw せっせと加世以外の女性キャラ書いてる自分涙目www
さとも女将も兼貞も、誰も続いてくれないのは何故……なんですか、ね……orz
才能なんてキニスルナ、書いてるうちにうまくなる! 萌えを文章にぶつけてくれ!

ところで>>809氏はどうしたんだろう……。
体壊したりとかしてなきゃいいけど。
846名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 23:49:48 ID:jnhj7Gc2
別スレで、女性キャラ美人ランキング見つけた。

276 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2007/08/26(日) 16:40:36 ID:2HKZf8cj
ヒロイン容姿レベル

タマキ>>>>>>加世≧お庸>>>お蝶>>>>>>>>志乃>>>>>>>>>>>>>>>瑠璃姫


688 : 【凶】 【1217円】 :2008/01/01(火) 21:05:54 ID:???0
関係無いけど興味有るw
個人的好みでランク付けするなら、
たまき≧節子>若い久代>若いさと>お庸>お蝶>志乃>加世=チヨ>瑠璃姫


690 :メロン名無しさん :2008/01/01(火) 23:35:25 ID:???0
若い久代>若いさと>節子>たまき>ハル>お蝶>瑠璃姫>ばーさん>カヨ>チヨ>志乃>若いみじゅえ>お庸>ルリルリ姫
どっちかってと可愛いより綺麗が好きどす
こう考えると結構女性っていたんだなー


694 :メロン名無しさん :2008/01/02(水) 00:38:51 ID:???0
>>690
真央と謎の子供(鵺の)も忘れないでください。
847844:2008/01/06(日) 00:32:10 ID:qVNpsMNN
>>845
うん…ありがとう
ちょっと節子が気になるんだが…取っ掛かりがないんだよな
848名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 00:36:31 ID:VKUr33UJ
自分も他スレ話ですが。
携帯からなんでコピペできないんだが、神これスレで着物のあわせの
覚え方を披露している御仁がいた。
『後ろから抱きついた人が、右手であわせから手を入れて、おっぱい
揉み揉みできる着方が正しい』
細かい言い回しは違うかも。
とにかく一発で覚えた。
849名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 00:43:10 ID:B7gDx/C3
マネキンズ×チヨの陵辱話を妄想している自分が通りますよ。
形に出来たら投下するかもしれん。

節子ね、生々しい部分有りなら、体を武器にのし上がり
「でも自分は他の馬鹿な女とは違うんだから」みたいなのもいけそうだが。
850名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 00:57:48 ID:qVNpsMNN
>>849
よろしく頼む、いや、頼みますw
チヨでも節子でもw
かなり前にどっかのサイトでモダンガールの裏の意味がチヨみたいな女性を指してた、
みたいな内容のがあったの思い出したよ
851名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:28:05 ID:AwzK5Vky
書ける人はすごいよなあ。
自分も妄想はするけど、文章に起こせない。
この妄想を、誰か文章にしてくれる職人がおらんかの。
852名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:31:27 ID:mBJB9br/
その妄想とやらを書き込んでくれないことには意味がないww
853名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 01:51:56 ID:AwzK5Vky
だがそれを書き込むと、ちゃんとした文章になる前にあらすじがネタバレになるというw
854809:2008/01/06(日) 02:53:17 ID:voZWq/1B
天秤な皆々様 元旦ぶりです。
誘いうけしておきながら消えてしまって申し訳ありません。
正月をなめてました。ずっと親族サービスしてましたが元気です。

というわけで、お粗末ながら初投下とりゃ!
263氏の敦盛×お蝶のワンシーンをインスパイアさせていただきました。
パスは目欄
http://up.mugitya.com/img/Lv.1_up45960.jpg.html

この手の絵を描いたのは初めてなので加減がわかりません…
2に絵を投下すること自体が始めてなのでドッキドキです。gkbr
アプロダもここじゃまずい場合は誘導おねがいします。
855名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 04:19:27 ID:Hb/pO5MS
ちょ、滑り込み!
感想書き込めないし、良かったら新スレに貼ったらどうかな?

というわけで1幕目はとりあえず幕を下ろしますか
856名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 06:41:11 ID:sIgg2VPz
                               
                               
                               
             ― 完 ―             
                               
                               
                               
857名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 12:30:51 ID:+QIo2lM1
きみがーいなーいとー うまくわらえーないー

(中略)

あのひーびがー たとえよーもーなく いーとしーくてー♪


ありがとうございました
858名無しさん@ピンキー
あれ、まだ書ける。それじゃもう1曲。

そぉらをー うーめる はぁなのー いーろ
うつりにけーりな わがこぃいー

(中略)

あぁ このこえが きこえーまーすか
あなたをおもう こーえがー♪


ついでに。


きみのーひーとーみーにー うつる
わたしーはなにいろでーすーか♪

(中略)

わたそう こぉのすーべーてをー♪


いっきでーいても ふくすうけい♪
せいべつーなんてないけれどー♪
てーんびんずはー (ららーららー) どーりのみーかたー♪
てーんびんずはー (ららーららー) ぴんちのあかーしー♪
わらいじょおーごで なみだもろい♪
あやかし もののけ どんとこい♪
いっのっちっは ないけれどー♪
みんなをすくーう すーぱーてんびん♪
いーつか じつげんすーるぞ ごしゅじんさまのよめー(かよちゃーん!)♪
あーあー たいまのきぼーぉさー ばんのーてんーびんー♪
おくーすり せーんたい てーんびっんっずっ♪
おくーすり せーんたい てーんびっんっずっ♪