>>938 いいネタ振ってくれました。妄想膨らんでついつい書いてしまいましたよ。
というわけでドラクエ3で一本です。
○性格設定
勇者『ユウ』 性格『がんばりや』
武道家『トウカ』 性格『まけずぎらい』
僧侶『プリス』 性格『やさしいひと』
魔法使い『マホ』 性格『あたまでっかち』
1『プリス:まもののきもち』
「これで…、本当に魔物さんたちとお話が出来るようになるのでしょうか?」
闇に被われた世界・アレフガルド。この世界に光を取り戻すため、諸悪の根源である大魔王ゾーマを
倒すために地上界からやってきた四人。
そのうちの一人、僧侶のプリスは一冊の本を前に頭を捻っていた。
話は少し前にさかのぼる。
僧侶としての素質、資質は文句なしのプリスだったが、彼女は自身の性格『やさしいひと』のせいで
自分を襲う魔物に対しても手を出すのを躊躇ったりすることがあった。
仲間からは自分の身は自分で守るようにならないと命がいくつあっても足りないと言われたが、心優しい
プリスはどうしても自分の手で他の命を奪うことに躊躇いがあった。
「魔物さんといえども生きているのです。なんとかして、暴力以外で解決する方法はないのでしょうか?」
こんなことを喋っても、リーダーのユウ以外は取り合ってもくれない。
トウカ:「向こうから突っかかってくるんだから、倒すしかないネ」
マホ:「意志の疎通が出来ないんだから無理に決まっているわ」
そう、ごく一部を除いて魔物たちとは意志を通わせることが出来ない。話し合おうにもその前提で話が
止まってしまうのだ。
「なんとか………、魔物さんともお話ができるようになればいいのですが………」
仲間のそっけない態度に気落ちし、気晴らしにと食堂を一人で出て外を歩いているとき、後ろからプリス
を呼び止める声があった。
「もし、そこのお嬢さん」
はて?と思いプリスが振り向くと、そこにはフードを深く被り、杖をついた一人の老人が立っていた。
「あのぅ…、どちら様でしょうか?私に何か御用ですか?」
「ワシか?わしはな、モンスターじいさんと巷では呼ばれておる。
「モンスターおじいさん。ですか?」
「そうじゃ。森羅万象古今東西、この世界の魔物のありとあらゆることまで知っている究極のモンスターマニア。
それが、このワシじゃ。先程おぬしと仲間が話していたこと、悪いとは思ったが横で聞かせて貰っておった」
どうやらモンスターじいさんと自称する老人は、さっきのプリスたちの会話を聞いていたらしい。
「例えモンスターといえども一つの生きている命に変わりはない。暴力以外で解決しようとするお主の
優しい心に、ワシは大いに感動したのじゃ!」
モンスターじいさんの言葉にプリスの心はパッと明るくなった。自分の意見に、恐らく初めて賛同してくれた
人間が目の前にいるのがとても嬉しかった。
「そ、そうですよね!やっぱり、無駄に命を奪うのは間違いですよね!そうですよね!」
「ああ。モンスターのことを何よりも良く知る、モンスターの言葉さえわかるワシが言うのだから間違いはない」
モンスターの言葉が分かる。この言葉にプリスはピクッと反応した。
「言葉が分かる?おじいさんは魔物さんの言葉が分かるのですか?!」
「当たり前じゃ。伊達にモンスターじいさんと呼ばれておるわけではないぞ。ワシはありとあらゆるモンスター
の言葉を理解し、心を通わせることが出来るのじゃ」
モンスターじいさんの言葉にプリスは満面の笑みを浮かべた。仲間が出来ないといって話にもしなかった
魔物と心を通じ合える人間が今、目の前にいる!