☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第26話☆

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275ておあー=前スレ666
>>274
心得ました、我が主。
実は多少鮮度が必要なネタだったんでああいったものの迷ってました。

今回の注意
・なのは陵辱もの
・ておあー式なのはStS23話(たぶん全編放送禁止)
・描写の中に記憶違いによる設定捏造の可能性、及び若干の拡大解釈あり
・それにしてもこのクアットロ、ノリノリである
・バッドエンド注意

以上がアウアウな方はオプティックハイドで、おkな方は部屋を明るくして画面に近づきすぎず、周囲に人が居ないことを確認した上でご覧ください。
276『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:10:49 ID:naRQ3qGS
「ヴィヴィオ……」
 どこまでも続く暗闇を飛行魔法で進みながら、レイジングハートを構えたなのはが呟く。

 ――聖王の器は、この通路の先にいるよ。
 先ほどの部屋で相対した戦闘機人――ディエチと名乗った少女はそう言っていた。
 巨大な狙撃砲を武器にする彼女と、『砲撃魔導師』である自分(もっともなのはは接近戦も柔軟にこなせるが)。
似たような戦闘スタイルである二人の勝負はすぐに決着がついた。
大威力砲撃の撃ち合い。結果的には少なくない量のカートリッジと魔力を消耗してしまったが、
戦況が一刻を争う状態である以上短時間で戦闘を終わらせる事ができたのは幸運と言えるだろう。

 待っててね、ヴィヴィオ。
 なのはは心の中でもう一度呟くとさらに飛行速度を上げた。
間もなく前方に小さな光が見え始め、目指す目的地がそこである事をなのはに知らせる。
なのははレイジングハートを握り直し、逸る気持ちを抑え光の中へ飛び込んだ。

「ここは……?」
 眩しさに目を細めながら、なのはは部屋の様子を観察する。
 学校の体育館ほどの広さの灰色の部屋。その無機質な空間の中心に青い何かが立っているのが見えた。

「あなたは……」

 それは見覚えがある人影。先ほど倒したディエチと共に、レリックとヴィヴィオを移送中のヘリを襲った戦闘機人。
「お久しぶり〜になるのかしら♪ ナンバーズ四番、クアットロと言います。よろしく王子様」
 クアットロが両手を広げ満面の笑みを浮かべる。
「どういう意味?」
 周囲への警戒を怠らないまま、レイジングハートを構えたなのははクアットロに問う。
「だって〜あなたこの先の聖王の間にいる、囚われのお姫様を助けに来たんでしょう?」
「ヴィヴィオ! ヴィヴィオがこの先に居るのね!?」
「うふふ〜……王子様はずいぶんせっかちなのね……ってあらぁん?」
 楽しげにくるくると回転していたクアットロの動きが、桜色の枷によって封じられる。
「……この輪っか、『バインド』ってやつかしら? 王子様ったらずいぶんアブノーマルなプレイがお好きなのねぇ」
「ふざけないで! 邪魔をするなら容赦なく撃つわ」
 なのはの周りに複数の魔力弾が形成される。
なのはが最も得意とする魔法の一つ、アクセルシューター。誘導操作が可能な魔力弾は、この距離ならばバインド無しでも確実にクアットロを捉えるだろう。
「武装を解除して投降しなさい」
「あぁんこわ〜い! そんなに怖い顔で聖王の間に行ったら、お姫様泣いちゃいますよぉ〜」
「……このっ!!」
「ところでぇ〜、さっきゆりかごの内部をお散歩してたら、私おっきな落とし物を
見つけちゃったんだけど……これってもしかしてあなたのモノじゃないかしら?」
「え!?」
 なのはは目を疑った。
277『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:11:29 ID:naRQ3qGS
 クアットロが指を鳴らした瞬間に虚空から姿を現したモノ。それはなのはがよく知る人物だった。
「ヴィータ……ちゃん」
 それはバインドのような光輪で両腕と脚を拘束され、空中で十字磔にされたヴィータだった。
俯いているため表情は確認できないが、胸には明らかに軽症ではない傷があり
今も傷口から流れ出る血が彼女の赤い騎士服をさらに紅く染めている。
「あらぁ、やっぱりコレってあなたの落とし物だったのね〜。だめよぉ……大切なモノなら、目に届く範囲に置いておかないと……簡単に手放しちゃあ」
「ヴィータちゃんを解放して! 早く!! それに、ヴィータちゃんをモノ扱いするのは許さない!!」
「あぁらぁ? でもこの子、確か闇の書の一部から切り離されたプログラムなんでしょう?
目的のためだけに擬似的に用意された人格を持つただのプログラムを人間て呼べるのかしら〜?」
「違うわ! ヴィータちゃんは確かに人間じゃないかもしれない、でもちゃんと自分の体と心を
持ってる、
自分の意志を持ってる私の大切な仲間なの! モノ呼ばわりなんてさせない!!」
「……そうなんですか〜? でもそんなに大事な仲間は今私の手の中にあるんですよぉ……その気になれば、こんなガラクタゆりかごの外に投げ捨てちゃうこともできるのに」
「……なんですって!?」
「私のIS『シルバーカーテン』の能力は短距離間の瞬間移動……あなた達が使う転移魔法と似たような能力でぇ〜、
一定の距離内なら指定した対象を自由自在に移動させることができちゃうんですよ〜。
さっきこの部屋にコレを出現させたようにね」

 実は、クアットロのISの能力にそんな能力は無い。
 シルバーカーテンの能力は幻影と対象の透明化。今起こった現象も、あらかじめかけておいた透明化を解除しただけの事に過ぎない。
 だが、一刻も早くヴィヴィオを救いたいという焦り、目の前で起こった現象のインパクト、大切な仲間をモノ呼ばわりされた事への怒り……それらの要素によって心を乱されているなのはは、クアットロの言葉を簡単に信じてしまう。

「んまあ〜ゆりかごの外に放り出すってのはちょっぴり言い過ぎたけど、ゆりかご内に居る他の妹達の場所まで
運ぶくらいなら余裕で出来ちゃうんですよ〜。私はあなたの落とし物だからあなたに返してあげたいけどぉ〜、
他の妹達はどうかしら? ゴミ箱にポイッてしちゃうかも〜」
「……くっ」
「それに怪我してるなら早く治療してあげないとコレ、壊れちゃうかもしれませんねえ〜」
 レイジングハートを握る手に力が入る。

 どうする。
 彼女がISを発動させる前にアクセルシューターで彼女の意識を奪う?
 だがもし彼女のIS発動のほうが早ければ、ただでさえ重症を負っているヴィータをさらなる危険に晒すことになる。
 ヴィヴィオを無事に奪還するために、自分が傷つくのは構わない……けれど、ヴィヴィオを助けるためにヴィータの命を犠牲にすることなど絶対にできない……

「そんなこわぁい顔しちゃだめよぉ〜、美人が台無しになっちゃうわ」 
 クアットロが微笑む。
「それじゃあ王子様ぁ、今のお互いの立場を理解したところで、この拘束を解いてもらえないかしらぁ?」


  魔法少女リリカルなのはStrikerS仮想23話『Fallen Star』
278『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:12:29 ID:naRQ3qGS

「やだぁ〜、体に痕が残っちゃってるんじゃないかしら」
 先ほどまでバインドを掛けられていた箇所を指で触りながら自由になったクアットロが呟く。

 降伏。
 それがなのはの選択だった。
 レイジングハートを取り上げられ、バリアジャケットも解除させられた事で現在は出撃前の六課の制服姿に戻っている。
もちろん武装を解除したところで、クアットロがヴィータを開放する保証など無い。というより十中八九しないだろう。
だがそれでもヴィータの命が向こうに握られている以上、なのははクアットロの言うなりになるしかなかった。
(状況は……絶望的。でも、まだ諦めたわけじゃない)

 圧倒的不利な状況で、なのはに残された僅かな希望。

(自分で拘束を解けなくても、意識さえ戻ってくれれば……)
 元々闇の書のプログラムの一部だったヴォルケンリッターの面々は、なのはたち普通の人間と比べて回復力が高い。
並の人間ならば致命傷になりかねない傷でも短い時間で再行動が可能な状態にまで回復する事ができる。
ほんの一瞬でいい。目の前のクアットロに隙が生まれれば、そこに勝機が生まれる。
皮肉にも、クアットロに言われて否定した『ヴィータが普通の人間ではない事』が、今のなのはにとって状況を打開できる最後の切り札だった。

「うふふ〜、ずいぶん警戒してるみたいだけどぉ、私は別にあなたを殺したり傷つけたりしたいわけじゃないんですよぉ。
『聖王のゆりかご』が衛星の軌道上に到達するまであと数時間、それまであなたをここで足止めできれば私達の勝利は揺るぎないものになる……
だからあなたには、それまでちょおっと遊んでてもらいたいだけなんですから」
 クアットロが指を鳴らすと、部屋の奥から見慣れたカプセル型の機械兵器が姿を現す。
「ガジェット……」
「そう、ガジェットドローン……元々はあなた達管理局が名付け親だったんですよねぇ。これはT型でしたっけ?
でも、あなたが知ってるガジェットとこの子は少し違うんですよぉ〜♪」
 クアットロの目の前に幾つものモニターとパネルが現れる。十の指がせわしなく動き始めると共に、
指遣いに連動するかのようにガジェットがゆっくりと前進しなのはの前に立ちはだかる。

「きゃあっ!」

 不意にガジェットの側面から数本のケーブルアームが飛び出しなのはを襲った。
クアットロがそうコントロールムしているのかそれとも偶然なのか、アームは茶を基調とした
六課の制服だけを器用に毟り取り、飾り気のない萌黄のブラジャーに覆われた豊満な胸が曝け出される。
「何をっ……あぁっ!?」
 ガジェットの予想外の行動に混乱しているなのはに、さらに数本のアームが立て続けに襲い掛かる。
股下から撫でるように振り上げられたアームがスカートを切り裂き、背後から伸びたアームが上着を剥ぎ取り白い背中を露にする。
「……さて、コレで準備完了、っと」
 パネルの操作を終えたクアットロがなのはに向き直る。
「……そのガジェットには私が組んだ特別製のプログラムが内蔵されているの。ガジェットT´型とでも名づけようかしら。
ああ〜、ターゲットを傷つけたりするようには出来てないから安心してねぇ。
むしろその逆……ターゲットに極上の快楽をプレゼントしてくれるわ」
279『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:13:52 ID:naRQ3qGS
「極上の……快楽……?」
 敵の前で裸に近い姿を晒される恥辱に、なのはが顔を赤らめる。だが両手で胸を隠し内股で立つなのはの姿はクアットロの嗜虐心を煽る結果にしかならない。
「その通り」

 その一言が合図になったかのように、アームの動きが変化する。

「ひゃぁっ!」
 十本以上のアームが四肢や胴体、首などあらゆる箇所に次々と巻きつき、なのはを拘束していく。
両腕は胸から引き離され、脚部はM字に固定されパンティー一枚の無防備な陰部が強調される格好になる。
「くうっ……これはっ……」
 なのはは拘束から逃れようともがくが強靭な縛鎖と化したアームはびくともしない。
戦技教導隊のエースとはいえ、魔力による強化がなければ一般人とほとんど変わらない腕力のなのはでは、
この鉄触手の戒めを解く事は不可能だった。
「離してっ……!」
「いいですよぉ、その代わりそこに拘束されている『大切な仲間』がどうなってもいいのなら」
「……!」
 なのはの動きが止まる。
「あら、抵抗はおしまいですか」
「……ヴィータちゃんに手を出さないで」
 クアットロは溜息をつき再びパネル操作に戻る。
「こんなものにそこまでする価値なんてないと思うけど」
 その一言に何かを言いかけるなのはを無視し、パネルに表示されたボタンを押す。

「うふふ、さあまずは前戯からいきましょうか」
 拘束に使われずウネウネと宙空を漂っていた数本のアームがなのはの胸を、股間を、腰を、腋を、臍を、首筋を、脚を――
「ふぁあぁあぁっ!!」
 体中の敏感な箇所を一斉に責められ、なのはが惚けた声をあげる。
 性に関しては同年代と比べてやや疎いといえるなのはだったが、男性経験が全く無いわけではない。
幼馴染であり十年来のパートナーである恋人とは何度も交じり合ったし、若さに任せて一日中互いを貪った事もある。
だが、全身の性感帯を一気に刺激されるこの『前戯』はそのささやかな獣の記憶さえ忘却の彼方へ消し去ってしまうほどの苛烈さで。
抵抗の意志も、此処に来た目的も忘れ、なのはは狂ったように喘ぎ続けた。
「やぁっ……あふんっ………ダメぇ…も……そこは…………ひぁあぁん!!」
「あ〜らあら……これってちょっと激しすぎじゃないかしら」
 口ではそう言いながらも内心は楽しくて仕方ないと言った表情のクアットロがくるりと一回転すると同時に――

「ふぁああぁあぁぁあああぁあ!!!」

 ――なのはは果てた。
「もうイッちゃったのぉ? さすが管理局のエースオブエース、最初から『全力全開』なんですねぇ〜」
 まぁ、人間の手を模した特注のアームにドゥーエお姉様監修のプログラム、並の人間には耐えられるはずなんてないんだけど。
「……ぁ…はぁ…」 
 クアットロの呟きは、どうやらなのはの耳には届いていないようだ。
「……この程度で満足してもらっちゃ困りますよぉ」

 再びアームが動き始める。指のように先端が枝分かれしたアームがなのはの
ブラジャーとパンティーを引き千切ると、先ほどまでは行わなかった乳首や秘所への責めを敢行する。
280『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:14:29 ID:naRQ3qGS

「…ぁ……だめ……アアッ!!」
 それは硬直した乳房の先端部を摘まれたからか、それとも既に太股を濡らす蜜を垂れ流し続ける、薄く小さな茂みに異物の侵入を許したからか。
両の乳首とクリトリス、体の中でも最も敏感な三点を場所・時間共にランダムに責められる。
ある時は焦らすようにじっくりと。またある時は一息つく余裕すら与えぬかのように激しく。
どれだけ集中して襲い来る快楽の波に耐えようとしても、アームは巧みになのはの警戒を掻い潜り予想以上の快感を彼女に与え続ける。
 ぴちゃぴちゃという音と悲鳴にも似た嬌声だけが灰色の空間に響き渡り。

「んあぁ! ひぁあ、はああぁああああ!!」

 二度目の絶頂が訪れ、なのはの全身からがっくりと力が抜けたのがわかった。
アームで拘束されていなければ、きっと地面に倒れ伏し立つ事すらできないだろう。
弛緩しきった全身のうち、酸素を取り込む口と胸だけが激しく上下している。
「……予想以上に弱いのね。本当はもっと楽しみたかったんだけど……本番に移りましょうか。
これ以上遊んだら、仕上げの前に壊れちゃうかもしれないし」

 放心状態のなのはがアームの力で無理やり引き起こされる。責めから開放された事でその目に
再び戦う意志が戻りつつある事を確認するとクアットロの眼鏡が怪しく光った。
「それとも、もう限界ですか? 王子様」
「………ま…だ……」
 呼吸を整える事に精一杯のなのはが、かろうじて否定の意を示す。
エースとしての意地、仲間を護りたいという強い意志だけが力尽きそうな彼女を支えていた。

「よかったぁ〜それじゃあいよいよ本番を始めましょうか。そろそろ十分にほぐれた頃でしょうしぃ」
……ただそれは崩れかけたブロックが、ギリギリのところで奇跡的にバランスをとっていたに過ぎない。
だからクアットロのその言葉がなのはに届いていたのかどうか、それはもう誰にもわからない。

「…ぁ、あ……」

彼女の体力が限界に差し掛かっていたからではなく。
彼女の視界にあるものが映ったから。そしてこれから自分の身に起こる事態を、想像してしまったから。
 ガジェットの正面から新たに出現した赤黒いアーム。アームの先端からは白濁した液体が流れ出しており、アーム全体をヌメヌメとした膜で覆っている。

「い、や……」
「うふふのふ〜、嫌よ嫌よも好きのうちぃ、なぁんてね」


「ああ”ぁあああ”あ”あぁあぁぁ!!」

 ずぶり。

粘着質な音を立てて、なのはの中にアームが受け入れられていく。
それは今のなのはには強烈過ぎる快感。
十分すぎるほどの愛撫で広がった秘所はいかな異物を受け入れようと、そのような感覚を生むはずはないのだけれど。
『痛み』と化した快楽の衝撃は一瞬で脳天まで突き抜け、なのはは壊れたスピーカーのように大音量の悲鳴をあげ続ける。
「うああぁん、はあぁん、いぁああぃぃいっ!!」

 アームが前後に蠕動しなのはの内部を激しく突く。
281『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:15:06 ID:naRQ3qGS
最深部を貫かれるたび稲妻に打たれたような感覚になのはの意識は寸断され、

「やめ……てっ………ぁっ……やっ…」

 今度は悲鳴も途切れがちになってゆく。
 全身に絡みつくアームもなのはの体を小刻みに揺らし、拘束されているという事実をより感じにくくさせている。
気がつけば全身を珠の汗で濡らしたなのはも、自ら望んで腰を振り、髪を乱れさせている。
ガジェットの側もなのはの変調に気づいたのか、心なしか拘束を弱めているようにさえ見える。

「……お願い…もっ…と……激し…く……貫いてっ!」

言語機能のないガジェットは当然応えない。しかし言葉の代わりにアームを抜き差しする速度を速め、徐々にその動きは激しさを増してゆく。
 クアットロ(とドゥーエ)が完成させた大胆さと繊細さを兼ね備えたこのプログラムも、
また狂気の天才科学者ジェイル・スカリエッティが産み出した作品の一つと呼べるのかもしれない。
 今なのはが体験しているのはもはや一方的な陵辱ではなく、セックス。奇跡の技術によって実現した人間と機械の性行為。
 それはおぞましくも背徳的な美しさを醸し出す、一種の芸術にも似たもので――作者であるはずの
クアットロでさえも、思わず見惚れてしまわずにはいられなかった。

(……っと。うふふ、私らしくもない)
 クアットロは我に返ると冷静にそのタイミングを見極める。
(あと30秒くらいかしら……10、9、8……)

「ひゃあぁっ……もうっ、だ――」
 この日三度目の絶頂を迎えかけたなのはの動きが、その直前で止まった。 

「…ぁ……はっ……どうし…て……」
「止めてほしくなかったのかしら?」
「……ち、違う…わた…しは」
「あんなに求めていたのに? 最後は自ら腰を振って哀願していたのに?」
「わたしは……わたしは……」
「うふふ……いいんですよぉ、否定なんてしなくても。だって人質を取られてるんですものね。
『大切な仲間』のために、私の言いなりになるしかなかったんですものねぇ〜?」
「……わたしはっ……」
「あぁ〜いいんですよぉ、すぐに続きをやってもらって。ただその前にどうしても伝えなきゃいけない事があるのを忘れてたんでぇ」
 クアットロがシルバーケープを翻すと室内の空間上に大小様々なスクリーンが出現する。
スクリーンに映るのは顔、顔、顔。なのはがよく知る人物達の顔。なのはの『大切な仲間』達の顔。

「……はやてちゃん。スバル……ティアナ…エリオ、キャロ……みんな…………フェイトちゃん」

 ある者は泣き、ある者はモニターに向かって叫び続け、また別のある者は視線を逸らし……
「ま、まさか……」
「管理局最強のエースオブエース、高町なのはの痴態……めったに見られるものじゃないんで実況中継しちゃいましたぁ」
「そんな……そんな……」

「……ママぁ」

 絶望が心を支配していく中、なのはの目に留まったのは一つの小さなスクリーン。
「ヴィヴィオ……」
 それは今一番会いたかった人。どれだけ傷ついても、再び胸に抱くと誓った人。血は繋がっていないけれど、心が繋がった愛しい『娘』――
282『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:15:46 ID:naRQ3qGS
「久しぶりの親子の対面、感動的ですねぇ」

 クアットロが手元のパネルを操作すると、スクリーンがなのはの目の前で拡大されていく。
 ヴィヴィオは彼女には不釣合いな大きさの『玉座』に座らされていた。
ぐったりと項垂れている姿からは顔の表情までは確認できない。もしかすると意識を失っているのかもしれない。
『玉座』の背面から伸びた桃色のケーブルを白い光が流れていく度、ヴィヴィオの体はビクリと痙攣する。
ヴィヴィオはきっと、その小さな体からゆりかごを動かすための魔力を供給させられ続けているのだろう。
「ヴィヴィオ、ヴィヴィオっ、ヴィヴィオおおおおおぉぉ!!」
 愛する者が蹂躙され、絞り尽くされる姿を見て、なのはが絶叫する。
それは先ほどまでの快楽から来るものではなく、自身とスカリエッティ一派への激情が齎す魂の叫びだった。
 なのはの叫びに呼応するように、俯いていたヴィヴィオがゆっくりと顔を上げる。
「…マ……マ…」
「ヴィヴィオっ!? ママだよ、なのはママだよっ!!」
「なのはママぁ……」
「うんっ、うんうんっ!! 待っててねヴィヴィオ! なのはママがすぐ助けてあげ……ふぐう゛っ!!」
 ようやく届いたヴィヴィオへの声は、再び股間で蠢き始めた鉄の肉棒によって中断される。
「ごめんなさいね〜、邪魔しちゃって。私からの伝言は以上で終わりなんでぇ、引き続き楽しんでくださいね……なのはママァ♪」

「ぶぁあんあぁあ゛あぁぁあ、ヴィヴィオおぉおお゛ぉっ……んん゛っ………はあぁっ……」
 アームのピストン運動が徐々に激しさを増し、怒気を多く含んでいたなのはの声も再び甘く切ないものが多くなっていく。
「…ママぁ…ママぁ………」
「ヴィ…ヴィオッ……お願い…うぁ……見ないでえ……」
 ヴィヴィオ(そして他の六課メンバー)の見ている前で機械に犯されている。
 それだけで体が燃えるほど恥ずかしくて悔しいはずなのに、いまやなのはの体はその視線さえも
簡単に受け入れ、興奮を高める糧に昇華させていく。
それはアームの先端から出る分泌物に含まれる媚薬の成分が効力を示し始めたからだったが、
今のなのはにそれを説いたところで、きっと彼女は理解してくれないだろう。
だからクアットロはそれをなのはに告げず、最後の仕上げに入った。

その時、渦のような感情に心と身体を支配されながら、なのはに僅かに残った一片の理性がある会話を認識した。
「ゃめてぇ……ママをいじめないでぇ……」
「ダメよお姫様、ちゃあんと目を開けて、最後まで見届けなくっちゃあ」
「……いや……いやぁ……」

「…ヴィヴィ…オ……くぅんっ……」

「私、お姫様にはちゃあんと言っておいたはずですよねぇ〜。『泣いても叫んでも、だぁれも助けになんか来てくれませんよぉ』って」
「……えぇぐぅ…いや゛ぁ……」
「ちゃんと忠告したのに、お姫様は泣き叫んでママの事を呼んだでしょう? 助けて、助けてって何度も何度も」

「……グア゛ッドロ………おねがい゛………」

「だから捕まっちゃったんですよぉ、あなたのだぁいすきななのはママ。あなたを助けようとして」

 ――お願い、やめて。

「あなたが悪いのよ。あなたがあんなわがままを言うから。なのはまま、裸で体中を縛られて……喘いで…とおっても苦しそう」

 ――これ以上、ヴィヴィオを傷つけないで……

「あ な た の せ い よ。ぜぇんぶお姫様が悪いんだから」

「いや゛ああああああああぁああーーーーー!!」
「うがああぁぁあああ゛あああぁーーーーーー!!!!」
283『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:16:21 ID:naRQ3qGS
 ヴィヴィオが絶叫するのとなのはが絶頂を迎えたのは同時だった。
そしてこの瞬間、不屈の心を持つと言われた少女に決定的な一本のヒビが入った。

「ママァアアァ、ママァァアアア

 プチン

 部屋を覆っていた全てのスクリーンが消え、部屋が静寂を取り戻してもなのはの耳にはなお娘の悲鳴がこびりついて離れない。
だが、それでも今の彼女に出来るのは虚ろな目で荒く呼吸することだけ。
救えなかった。それどころか助けるはずの娘の前で、快楽に溺れ無様な姿を曝け出し……
彼女の心に一生かかっても塞ぎ切れないほどの大きく、決定的な傷を与えてしまった。
崩れかけたその心は、この数瞬最後の均衡を保っているに過ぎない。
彼女は遠からず自身がやった事を冷静に認識するだろう。その時きっと、彼女の心は完全に崩壊する。
だが、クアットロはそれでもなお堕ちた相手を踏み躙り、泥の海に突き落とすべくなのはに歩み寄る。
(飽きたおもちゃは壊され捨てられる運命……そしてそれをいつ決めるかは、持ち主の心一つ……)

「……ヴィータ……ちゃん」
 なのはの前に立つ赤い騎士服の少女。逆転勝利のために必要だった最後の希望。
ヴィータは無言で微笑むと、その手をなのはに向かって差し出す。
なのはもその微笑につられ、ゆっくりと腕を伸ばし――

 両者の指が交錯した瞬間、ヴィータの姿は跡形もなく消えた。

「あ……」
 どれほど堅牢なダムや堤防でも、決壊する時はたった一本の小さなヒビから始まるという。

「なのはさん……もしかして私の嘘を信じてたんですかぁ?」
「嘘……?」
「私のIS、『シルバーカーテン』、その能力は電子が織り成す嘘と幻。瞬間移動なんて不可能ですよ」
 クアットロが指を鳴らすと、彼女の背後からヴィータがひょっこりと姿を現す。
「人間・機械に関係なく使用可能な幻影。ここにヴィータなんて少女は居なかった。あったのは私のISで作り出した幻」
 幻影のヴィータがクアットロに抱きつこうとして、そのまま彼女を貫通して消滅する。
「だから言ったでしょう? 『こんなものにそこまでする価値なんてないと思うけど』って」

 一度始まった決壊は止まらない。

「本物のこの子は、ほら……」
 なのはの目の前にモニターが突きつけられる。
 そこに映っていたのは、記憶の隅に残る異形と同型の機械兵器。
蟷螂を思わせる鋭角的なフォルムのその機械が、群れをなして赤毛の少女を犯しつくしていた。
「大怪我を負っているのに、『大切な仲間』の敵と同じ姿をしたこの子達に我を忘れて突撃し、結果はご覧の通り。
ほぉんと、あなた達の部隊は仲間想いが多いのねぇ。ちょこっと羨ましいかも」
284『Fallen star』:2007/09/01(土) 17:18:04 ID:naRQ3qGS
(そうか……ヴィータちゃんも壊れちゃったんだ……)

 小さなヒビは蜘蛛の巣のように広がり、加速度的に崩壊が進んでいく。

「あなたは何もできなかった。共に突入した仲間を一人にして瀕死の重傷を負わせ、自分はその仲間を模した
私の幻影も見破れず捕らえられ……ガジェットとの快楽を貪り、愛する人間にその痴態を見せつけた。
そしてこの後は人質になり、さらに多くの仲間を自分達と同じ目に遭わせる事になる」

一度壊れてしまった心は、決して元には戻らない。

じりりりりりりりりりいいいいいいいいいいいいいん。
室内に終焉を告げるベルの音が鳴り響く。

「聖王のゆりかご、衛星軌道上に到達……ドクターの勝利は確定、これから地上は火の海になるわ。
でもその前にあなたに好きな方を選ばせてあげる。あなたが愛した六課の仲間達……
皆殺しか、あなた同様捕虜として生き永らえるか。どちらか好きな方を選ばせてあげる」

「……どっちでも、いいよ」
 それは少女の口から発せられた敗北宣言。望んでいた言葉を聞くことができたクアットロは
満足そうに笑うと部屋を出て行きある場所に向かった。



「どーお、ディエチちゃん? 生きてるぅ?」
「……ハァ…クアッ……ハァ……トロ…」
 ゆりかご内の一室。
 なのはを捕らえたのと同じ、ガジェットT´型に拘束されたディエチが、息も絶えだえにクアットロの名を呼ぶ。
「向こうが終わったから、あなたもこれで解放してあげる」
アームがするするとガジェットの内部に引き込まれ、戒めから解き放たれたディエチが地面に倒れこむ。
「…ハァ…ひどい……よ……クアットロ……ハァ」
「ああら、酷いのはディエチちゃんの方よ。あの砲撃魔導師との戦闘、イノーメスカノンを全力で撃たなかったでしょう?
聖王の器になったお姫様に同情したのかもしれないけど、そのおかげで私は一人であの怪物とやりあうことにやったのよぉ。
たまたま私が幻影を武器にするタイプで、相手が猪突猛進型だから勝てたものの、他の姉妹だったらどうなっていたことかしら」
「……わかって…たの…」
「これでもあなたとは長い付き合いじゃなあい。幸いもう一人の厄介な侵入者であるガラクタ副隊長ともども捕らえる事が
できたし、あなたがやった事は私の胸の内だけに留めておいてあげる」
「ごめんなさい、クアットロ……ところで、その……」
「ああ、例の魔導師? 完全に心を壊しちゃったからぁ、今はもうT´型の完全な虜じゃないかしら? 
まだ後ろと上の穴も残ってたし、もうしばらくはとお〜い世界までイッちゃってるかもね」
 クアットロは手を伸ばしディエチを助け起こす。
「これで、直接…その…穴を……?」
 今まで自分が受けていた『おしおき』以上の責めを想像してしまったせいか、ディエチは顔面蒼白である。
クアットロはそんなウブな妹を微笑ましく見守っていたが、やがてある事に思い当たる。
「そう言えば、ゆりかごが衛星軌道上に到達するまであと何分かしら?」
「……私に言われてもわかんないよ。あの部屋にアラームを仕掛けてたんじゃなかったの?」
「うぅん、ちょっと面白い事を考え付いちゃったから時計をいじっちゃったのよねえ」
「全くクアットロは……ドクターに怒られたって知らないよ」
「ドクターには秘密って事で、おねがぁい♪」
「……わかったよ。その代わり、絶対さっきの事言わないでよね……」


 数十分後。
衛星軌道上に到達した聖王のゆりかごは真の力を発揮し、地上と次元航行部隊を壊滅させる。
後の歴史書には、この一戦をきっかけに、拮抗していた戦局は一気にスカリエッティ側に傾き
管理局はスカリエッティへの全面降伏を決断したと記録されている。
しかし、実際はその直前、管理局が誇る不屈のエースが堕ちた瞬間から全ては決まっていたのかもしれない……