1 :
名無しさん@ピンキー:
ドラマ再放送&映画公開を控え、盛り上がっているところなので。
職人さん、投下お待ちしています。
2 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 02:25:10 ID:yT3M+bae
久利生×雨宮とか需要ないかな?
羽男×バースト姐さん
久利生×雨宮で読みたい
芝山×美鈴だな
7 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 00:49:02 ID:shkp9iOb
久利生×雨宮で一つお願いします!!
8 :
ありすます:2007/08/30(木) 18:23:38 ID:Et6E61j+
久利生×雨宮読みたい!!
久利生が通販で怪しいグッズを買って、雨宮に使用する妄想
芝山×美鈴読みたい!
みたいなぁ。
職人到来求む!
ほしゅ
初心な雨宮に、少し戸惑いながらも燃える久利生が読みたい
「これこの前3本セットで買ったバイブなんだけどさ、1秒間に1000回振動するんだぜ」
「…………ゴクリ」
「今、試してみたいとか思った?」
「思ってません」
「ムキになるなよ」
「なってません」
続きみたい!
期待age
雨宮かわいい
1秒間に1000回振動ってすごっ
保守
ほしゅ
職人様、久利生×雨宮是非お願いします!
24 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 05:24:08 ID:j+IYZFvo
ネタバレに期待
久利生×雨宮お願いします。
>>16 の続き
「雨宮、飲み行かない?守衛さんも帰っちゃったし」
「……」
「雨宮?」
「仕事がまだ残ってるので」
「…怒ってる?」
「怒ってません」
「怒ってる」
「怒ってません!!」
「1000回だもんな〜ヒリヒリしちゃって集中出来なかったとか」
「違っ……違います」
「ところでこれ買ったんだけどさ」
「……」
「『アナル用EX!!うねりを重視した動きで貴女を虜に…』だって。凄くね?」
「……ごくり」
「試そうか?」
「試します」
「雨宮……変わった?6年で」
「変わってません」
「6年変わらずにエロエロって事?」
「っ……ああもう!早くして下さい!!」
あっ、あんっ、久利生さっ…ん!
「お前、いつもそう強がって」
「こんな風になるなんて分からないじゃないですか。」
「キスのひとつもしたことないってほんとだったのか…」
「―っ、…いったーい」
「初めてなら、痛いに決まってるだろ」
雨宮がバーヂンであることを祈る!
エロエロな久利生が読みたい
エロエロな雨宮が読みたい
31 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 01:47:36 ID:PPrvpZOz
職人の神様どうぞよろしくお願いします!
久利生×雨宮希望です!
32 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 08:04:01 ID:VTwKzcYz
観た人いますか!
ラスト教えて!
>>32 普通にネタバレ聞くよりちゃんと映画みたほうがいいと思う。
34 :
(1/2):2007/09/10(月) 23:43:43 ID:2OkyH1X4
今日映画見に行ってきました。
なんだ、あの二人。
*
ここは城西支部。
かの代議士、花岡も混ざり複雑になった公判を終えた二人、
久利生と雨宮は残って書類の片づけをしていた。
「・・・っしゃー!終わったー!」
「・・・」
「・・・雨宮ぁー、飯いこ。飯ー」
「・・・」
「あーまーみーやー?」
「・・・・・」
「・・・寝てんのかよ」
気持ちよさそうに寝ている彼女を見て笑う。
俺をどう思ってんだか、こいつは。
「はぁー雨宮さん?」
「む・・・」
「おーい?」
「・・・」
「んな格好しやがって。・・・襲うぞ?」
好きな女が無防備な格好で横にいる。
普段なら着ている上着は先程までの作業の為か着ていない。
そして今の眠り方。
首を傾げているせいか、彼女の白い首筋は久利生から丸見えだった。
まるで襲ってくださいと言っているようなものだ。
理性が切れる前に、悪戯をしかけるまえに、
さっさと横にいるこいつと飯食って帰ろうと思案していた久利生だったが、
「・・・まーいーこー?」
そんな考えはふっとばされた。
「・・・こー・・へぃ・・・さ・・・ん・・・・」
「!!」
35 :
(2/2):2007/09/10(月) 23:44:20 ID:2OkyH1X4
こんな反応がくるなんて思わなかった。
下の名前なんて彼女から聞いたことがない。
なんせいつもなら"仕事が恋人"的思考な彼女だ。
やっと、やっと六年もの片思い、
そしてあの事件が終わって想いが通じ合えた。
それでもまだ普段の彼女の口からそれが出ることなんてなかった。
やっとの思いで言わせたのはアノ時、ベッドの上で、
しかもまだ一回だけだ。
―あっ・・・やぁ・・・久利生さぁ・・・・んんっ・・・!
―なぁ、雨宮・・・俺の・・・名前・・・呼んでっ・・・?
―ひっ・・・んああっ・・・
―・・・・なぁ・・・・舞子・・・・・っ
―・・・・・やっ・・・・こうっ・・・・こうへいっ・・・さぁっ!
―・・・ッ!
―いくっ・・・・いっちゃ・・・あぁっ・・・!
力を込めたら折れそうな華奢で柔らかい身体。
汗ばんだ白い肌。甘く啼く声。
自分を求めて縋る細い腕。
自身を迎え入れるあたたかくて蕩けそうなナカ。
涙を流しながらイク時の表情。
「・・・・・たくっ・・・
お前・・・俺をこれ以上煽ってどーすんの?」
食事なんてもうどうでもいい。
目の前にいる雨宮-こいつ-を食べたい。
「お持ち帰りけってーい。」
久利生は雨宮の荷物を手に取り、
そして雨宮を抱き上げ、目線を下におろせば見える首筋に齧りついた。
赤い華が首に咲く。
「・・・ここからだと俺ん家が近いよな。」
久利生は部屋の電気を消し、その場を後にした。
*
あぁエロがねぇ!
修行が足りない…出なおしてきますorz
だれか職人様が降臨してくれることを・・・。
やっと神キター!萌えました
イイヨイイヨー
GJ!ひたすらGJ!!
38 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 07:59:22 ID:krmMAs9L
終わり方がどうであれw
GJ!
スレがもっと盛り上がりますよーに!!
40 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 09:09:09 ID:R3BCaX6c
あのラストでどう盛り上がれと
少しラスト物足りなかったね。
でも進展したことにはかわらない
ひたすら待ち
>>41 その後の二人とか、続編作って見てみたいよね。
職人様、お願い!
待ってるぜ
46 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 19:20:41 ID:1+J//2ka
映画のラストkwsk
>>34書いた者です。
こねたを会話のみでお送りします。
酔っ払った雨宮を部屋に連れてきた久利生。
「うわぁー」
「おわっ、危ねぇよ」
「久利生さぁん」
「ったく、なんだよ」
「通販のがいっぱいですねーえへへ」
「えへへ、じゃねぇよ(かわいいんだっつの)」
「これ、通販ですかー?」
「違ぇよ。つかただのボールペンじゃん、なんでそれが通「あー」
ガッ
「!!」
「これも通販のやつですかー?なんかでっぱってますよー?」
「ちょっ・・・、あま、み・・・やっ、どこ触ってんだよ!」
「ふぇ?」
「ふぇ?じゃ・・・ねぇよ(そこ股間だろーが)」
「んー・・・なぁんかあったかいですよー?」
「・・・・、は・・・・(撫でんなよ)」
「あ、膨らんじゃったぁー。久利生さん何か隠してるでしょー」
「隠してねぇ・・・よっ(そりゃお前に触られりゃあでかくもなるって)」
「よーし、ひっぺがしまーす」
「って、おい!」
「よぉーし、終わりましたよー?くりゅーさぁん」
「・・・っ、直に触んなよ・・・」
「あー。なんかこれ、どっかで見たような?」
「(ぷっちーん)」
「あれぇ、久利生さん?どうかしたんです・・・・んんっ」
「(もう我慢限界)」
「あふっ・・・・・ちゅ・・・・ん・・・」
「雨宮・・・・・」
「はぁ・・・・」
「舞子」
「・・・・・ん?あれ?え、久利生さん?」
「あ、覚めた?」
「え、なんで私こんな格好、て久利生さん!」
ぐいっ
「ちょ、何してるんですかっ!」
「お前が悪い」
「は?・・・・って、押し付けないで下さいよそんなものっ」
「責任とれよ(こんなにしやがって)」
「あっ、んんっ」
「(よかったー明日調査に行かないで)」
初話を調子乗って書こうか書かまいか考えていたり
48 :
34と47:2007/09/12(水) 22:05:27 ID:svPKg3MC
>>34>>47 すいません、雨宮、"あまみや"ではなく"あめみや"でした。
恥ずかしい誤字すいませんでした。
>>48 「あまみや」の勘違いでした…
あまみやでよかったんですね…。
GJ!久利生かわゆすw
>>47あめみやはホタルノヒカリですよw
47さん、書いちゃってください!
初話是非!
…誰も…w
47です。
あと少しで書きあがりますので、仕上げたらここにだそうと思います
結構長めになるかな…と。
>>55 ありがとうございます!お待ちしております!!
57 :
sage:2007/09/15(土) 14:07:40 ID:2PDv8Zv3
スミマセン!エロなしですが投下しちゃいます!
劇場版のラストの続きで。
二人の気持ちを確かめ合い重ねた唇が少しずつ離れて
互いを見つめあう久利生と雨宮。
「・・・・俺さ、」
「あ!もう帰らないと!お疲れ様でした。また明日!!」
コートと鞄を両手に抱えたまま店をでる雨宮
「ちょ!!待てよ!マスター、それ・・・チックショー雨宮!」
(また食えねぇじゃんよチョングッチャンorz)
コートを羽織ながら早足で歩く雨宮の後姿を見つけダウン片手に追いかける
「おい!お前また俺にチョングッチャン食わせねー気かよッ!!!」
人目もはばからず大声を出す久利生に雨宮はまわりをキョロキョロしながら
久利生に小声で言う
「久利生さんここは石垣でも山口でもないんです。大声はやめてください。」
もう時間的には十分遅い時間で歩く人の気配もないアスファルト街に久利生の声は響いていた
「じゃあお前こそ何なんだよ説明しろよ。」
「・・・あの・・さっきのことは・・ワタシ酔っ払ってたので・・あの、無かったことに・・」
「なんだそれ。説明になってないじゃん。
気持ち通じ合ったからしたんじゃねえの?酔った勢いでキスしたってか?」
棒立ちになりしどろもどろになっている雨宮にジャケットを着ながら一歩ずつ近づいていく久利生、
離れていた二人距離がだんだん短くなっていく
「・・・久利生さん、私達同じ職場なんですよ?」
「うん。そうだよ。」
「ワタシは久利生さんの事務官で、」
「だから何だよ。」
「だから!・・その私達が、そういう関係になるなんてダメだと思うんです!」
「俺がそれ分かってないとでも思ってんの?」
「・・・・・。」
「お前俺のこと好きなんじゃねえの?」
「ワタシこれからも久利生さんの事務官でいたいんです。一緒に仕事していきたいんです。
だから、恋愛なんてしちゃいけな・・」
「お前、色々考えすぎ。」
二人の靴のつま先がぶつかり小さな音がコツンといった
続きです!ageちゃって申し訳ないです!
「俺はお前が好き。これからだって一緒にいる。・・・お前さっき言った意味
分かったんだろ?」
「でも、それとこれとは・・」
「検事と事務官が恋愛しちゃいけないなんて決まりはねーんだよ!」
そう言って久利生がチュッと音をたててキスをする
雨宮の手が久利生のジャケットをギュッと握る。それは以前爆弾犯に襲われた時のような
不安な気持ちをあらわした時のように
「お前は色んな事考えすぎ。面倒なことは俺に任せてお前はついてくりゃいいんだよ!」
雨宮の眼鏡の奥の大きな瞳から真珠のような涙がこぼれる。
次にいつ会えるかも分からない渡り鳥のような男を
不安な気持ちでずっと待っていたのだ。
言葉が出てこないかわりにポロポロとこぼれ落ちる涙。
久利生は少し困ったような顔をしながら
「あーーー。俺がお前に言いたいことは、たっくさんあるけどとりあえず1つ。」
「髪は伸ばせよ。な。」
「へ?髪?」
「チンチクリンなゆでたまごのくせにデキる女風にしてもダメだっての。」
「チンチクリンって言いました?今!」
雨宮の泣き顔はいつしか笑顔になっていた
「それにな、俺達検事同士じゃないし不倫でもないんだから飛ばされる事は、ないんじゃねえの?」
「?!・・それ誰のこと言ってるんですか?」
「なんでもねえよ!ほら行くぞ。チンチクリン!!」
「あ、また言った!」
「とにかく俺にチョングッチャン食わせろ。店、戻るぞ。」
以上です。本当にスミマセンでした!(土下座)
昼間っから来てみれば…GJ!
チンチクリン!!w
最高!
これからもよろしくお願いします!
47です。
書き上がりました・・・!
・だいたい10レスくらい使用予定です
・結構(いや、かなり)、くどいです
・まとまりないかも
まとまりのない文になってしまいましたが、投下しますね。
重なった唇。
洩れる吐息。
「ん・・・・」
目と目が合う。
「・・・・・・・!」
「あーもう離さねぇ、つーか離してやんねぇ」
キスして目が合って、それが恥ずかしかったのか雨宮は身じろいだ。
その様子が愛らしく、久利生はその華奢な身体を抱き締めた。
ぎゅう、と突然腕の中に閉じ込められ雨宮は暴れだした。
「久利生さん!・・・ちょっ、人!人!」
「ひとがなに?・・・あ、ヒトデでもいた?」
身体が動くたびにふわりと香りが漂う。
離したくなくて久利生は雨宮に頬擦りをしつつはぐらかす。
「あぁ、もう!違います!人が見てますってば、もうっ」
ついに雨宮はいい加減にしろとばかりに久利生の身体を離した。
「・・・ちぇー」
「・・・少しは場ってものをわきまえて下さいっ!」
「えー」
「えー、じゃないです」
「じゃあ、おー」
「通用すると思ってんですか!」
名残惜しげにも雨宮から離れ久利生は不満を洩らす。
まぁ、しょうがないのだ。こんな彼女なのだから。
チラ、と目線をまだブツブツと独り言をいう彼女にやる。
怒りと羞恥で赤く染まった顔。
ああなんて可愛らしいのだろうか。
しばらく眺めているうちにまた沸々と不満が沸いて出た。
六年も待ったというのにこんな仕打ちは無いんじゃないか?
「なぁ雨宮ぁー」
「なんですか」
「場ぁわきまえろつったけどさー、ならどこならいいの?」
反撃開始だ、とばかりに口で攻める。
「え、そんなの知りませ「はい残り時間五秒前ー」
無理やり進めていく。
「ちょっ、久利生さ「ごーよん、さん、にー、いーち、はい終了ー」
「なっ、そんなの横暴じゃないですかっ!」
「あ、マスター」
「話聞いてるんですかっ・・・わっ!」
無言でマスターは二人の方へ振り向いた。
「会計ここに置いときますんで。・・・・お釣りはいいっすから!・・・じゃ」
「くっ、久利生さん!」
久利生は雨宮の右腕と荷物をひっつかんで店を後にした。
久利生の部屋までの道のり。
部屋に着くまでの間も久利生は離さまいと愛しそうに雨宮の頬を撫で、髪や額に口づけた。
部屋に着いた。
片手でドアを開け、雨宮を入れる。
「おじゃま・・・します」
「どーぞ」
「前とそんなに変わって・・・ないですねぇ」
「・・・どういう意味だよ」
お馴染みの通販グッズが目に入る。
そんなに来たことがないというのに何故だろうか、ひどく安心する。
久利生の跡が残っているからだろうか。
たわいもない話をしているうちにベッドまで辿り着く。
そんなに広くはない部屋なのであっという間だった。
ドサ、とベッドの上に座る。
二人の荷物はソファの上に仲良く置かれている。
部屋に沈黙が広がる。
「わ、くりゅ、さん・・・」
「雨宮」
華奢な身体を抱き締める。
ふわりと香水のいい匂いがした。
どんどんその匂いは久利生の神経を麻痺させる。
主張し過ぎない、だがちゃんと存在感がある。
そして包んでくれる。
彼女らしい。、ピッタリな香りだと思う。
控えめながら雨宮も抱き返してきてしみじみと呟いた。
「こんな風になるなんて、思わなかったですあたし」
けれど。
「俺は、ずっと、ずーっとお前のことしか想ってねぇよ」
久利生は一回深呼吸し、真剣な眼差しで雨宮を見つめる。
「好き。すっげー好き。
・・・・・・・今すぐお前を、俺のにしたい。」
いいか、とばかりに目の前の頬を撫ぜる。
雨宮は自分の頬を撫でていた手に自分のそれを重ねた。
それとほぼ同時に二人はシーツの海に身を投げた。
ちゅ。ちゅ。
久利生は雨宮の服を脱がし、自分のものだとばかりに首筋に赤い痕をつけていく。
「んっ・・・久利生さ・・・っ」
「・・・ん?」
その作業を続けながらも答える。
「あたしで、いいんですか?」
「・・・・・・・・・は?・・・なんで」
その瞬間、久利生の動きは止まった。
「だって、生真面目だし、堅いし、口うるさいし、
その・・・彼氏もいなかったし、
・・・そんな、そういう経験ない・・・し・・・。」
今更になってそんなことをいうのか、お前は。
下にいる雨宮を見れば、俯いている。
久利生は左手で顔を覆い、深くため息を吐いた。
「お前さ、自信持てよ。俺はお前だからいいの。」
ぽんぽん、と頭を撫でてやる。
「それに、彼氏もいなくて、経験とかだってそんなん無い方が嬉しいし」
「・・・なっ、からかってるんですかっ?」
あまりの言い様に雨宮は顔をあげた。
久利生はそのあげた顔を両手で挟んで額同士をくっつけ、見つめた。
「からかってねぇよ」
別に経験も何も関係ない。逆にあったら嫌だ。
知らないところで彼女に触れた存在に嫉妬してしまうから。
自分が居なかった間、雨宮の傍にいただろう江上のことを考えただけで妬いていた。
一方的だけれど雨宮に好意を抱いていたのだから。
無垢な彼女の身体を初めて自分が拓き、快感を植えつけていく。
なんて喜ばしいことだろうか。
「だってずっと俺だけがお前の相手でいられるんだろう?」
ちゅ。
「・・・・はい」
ちゅ。
「ならいいじゃん」
ちゅ。
「・・・・・」
額、目尻、鼻、頬・・・と何か口に出すたびに口づけられた。
「返事は?」
「・・・・・はいっ」
「ところで、・・・・続けていい?」
雨宮は、今度は自分から、返事の代わりに久利生の唇に触れるだけのキスを施した。
こんな彼女を知ってるのは俺だけだよな。
久利生は雨宮を見た。
艶かしい白い肢体。
羞恥で紅潮した肌。
すでに、雨宮は裸の状態に近かった。
眼鏡ははずされ、着けているのは今ではもう下着だけだ。
「すげーきれー。お前」
「んぁ・・・・・・っふ・・」
頭を押さえ、深く口づける。
舌を絡め、歯列をなぞり、唇を舐め、舌先で口腔を犯す。
銀糸が二人の間にかかる。
「俺、今日我慢できっかわかんねーや」
ははは、と苦笑交じりでつぶやいた。
「こんなお前見せられちゃ・・・あー、どうしよ」
「・・・・ょ」
「ん?何か言った?」
「・・・・ぃいで、すよ」
「へ?何が」
周囲のことは敏感なくせに、この久利生公平という男、
どうして自分のことについては鈍感なのだろうか。
雨宮は堪え切れなくなってついにキレた。
「だぁーかぁーらぁーっ!さっきから何度も何度も言ってんでしょーが!
つーか、始めたんならとっととやっちゃえばいいじゃないですか!
まったく久利生さんは・・・・
・・・・・・・だから、・・・我慢、しなくっていいんですっ・・・」
あたしだって、久利生さんに触りたいです。
駄目ですか?とそんなことまでいわれたのでは男が廃る。
久利生はしばらく呆然として、そして笑った。
なんて威勢のいい女だろう。それが雨宮舞子という女なのだが。
気づけば雨宮は下着を取り払われ、一糸纏わぬ姿になり横たわっていた。
「あぁ・・・・」
雨宮の唇を堪能した後、久利生は唇で様々な所を愛撫していく。
顎、首筋、肩、そして形のいい膨らみ。
久利生はその頂を口に含んだ。
「やっ・・・」
そして片方の手で空いている方を揉みしだく。
その間も舌は赤くなったそれを弄る。
舐めて、吸って、突いて、甘噛みして。
施しを受け、雨宮の胸は唾液で光り、赤い華であふれていた。
舌はなお蠢いている。
形のいいへそを通り、ニの腕、掌、わき腹、足の指先、ふくらはぎ、ふともも・・・
忘れずにしっかりと印を残しながら。
愛撫をうけ、雨宮は自分の変化を感じていた。
そして舌は秘所へとたどり着いた。
「・・・・んやぁっ」
「雨宮、もうこんなになってる」
久利生は舌先で突起を突きながら、秘裂に沿って指を這わせた。
感度はとてもいいみたいだ。
もう雨宮の秘所はしとどに濡れていた。
手に付いた愛液を雨宮を妖艶な笑みを浮かべながら見つめて舐めとってみせる。
「やっ・・・・汚いですっ・・・」
直視できなくて、雨宮は顔を背ける。
「汚くなんかねぇよ。雨宮のだし」
「ひゃうっ?!」
指で勃起した突起を擦られ、雨宮の背中に電流が走る。
そしてつぷ、と中指を入れられた。
「あ!・・・・っうぁ」
「やっぱ狭いな・・・」
足の間で茶色の髪が揺れている。
骨ばった長い中指をクネクネと動かして、イイ場所を探す。
その間も親指を使い突起を撫で続ける。
舌は溢れ出る愛液を貪っている。
「あっ・・・・やぁ、んぁ・・・」
「やらしい声・・・・もっと聞かせろよ」
雨宮の中は狭く、指を離さまいとばかりに咥えこむ。
もう指は三本入っていて、愛液は手首の方まで垂れてきている。
「んっ、あぁっ!」
どうやらイイ場所に当たったらしく、雨宮は声をあげた。
突いて擦って舐めて。同時に攻めると、雨宮はガクガクと揺れた。
久利生はそれが雨宮がイったと気づくと、うっすらと笑んだ。
「そろそろ、大丈夫か」
久利生は着ていたシャツをがばっと脱いだ。
適度に日に焼けた肌。
しなやかな指。
鍛えていると感じられる腕。
流れるようなラインの背中。
背を向けてシャツを脱いでいた久利生を雨宮はぼーっと見つめた。
・・・きれいだなぁ。
「・・・・・あまみや?」
気づけば目前に久利生がいた。
どうした、と言わんばかりに顔を覗きこんでくる。
だがしかし、
『初めて見た久利生さんの裸(といっても上半身)がきれいで思わず見とれてましたー』
なんて、普段久利生に対して素直でない雨宮が言えるわけが無い。
言えず、頬を赤くして躊躇していると耐え切れなくなった久利生が抱き締めてきた。
「っ!くくくくくりゅうさんっ?!」
「・・・んな可愛い行動してんじゃねーよ(どうしてくれんだ)」
「なんか・・・っ、か、硬い何かが・・・」
「お前のせいでこんなんなったんだよ」
ズボン越しに雨宮の腹部に触れているのは雨宮の媚態で大きくなった久利生自身だった。
準備は整いましたとばかりに今度久利生は全てを取り払った。
「っ!」
今度は間近で見たそれ。雨宮は起き上がりそっと触れてみる。
とても熱かった。
初めて見た男のそれは大きく、そんなものが入るのかと思った。
思わずギュッと握ってしまう。
すると手の中でびくびく震え大きくなり、それと同時に久利生の呼吸が荒くなった。
「あまみや・・・・もういいから」
手を解かれ、身体をまたベッドに戻された。
久利生としては雨宮を壊したくなくて、これ以上煽らないで欲しかった。
久利生が左手で雨宮の右手をしっかりと握り締めると雨宮も握り返してきた。
「いくぞ・・・」
久利生はじっくり自分の手と舌でほぐしたそこに先端を当てた。
「ああああっ!」
「雨宮・・・・っ、」
「 痛ぅ・・・・・」
雨宮の目にじんわりと涙が溢れる。
それを唇で拭い、久利生はキスの雨を顔中に降らす。
まだ先端しか入っていない。
「・・・もう抜いてっ・・・・」
やっと繋がったのに、抜くなんて出来やしない。
少し我慢してほしいと久利生が言うと、雨宮は小さくだが縦に頭を振った。
雨宮のそのサインを見て久利生は雨宮の髪を撫でた。
そして、深く口づけるながら、ず・・・・と押し進めていく。
そのたびに、繋がった部分は破瓜の血が伝い、ギチギチと軋んだ音をたて、
部屋には雨宮の泣き声が響いた。
シーツは、赤く染まっていた。
「全部・・・・入った」
根元まで収まったその中は雨宮の呼吸に合わせて収縮し、
狭く暖かく久利生を包み込む。気持ち良い。
今すぐ動きたい衝動と、ずっと居留まりたいという思いが衝突する。
だが雨宮を傷付けるような真似はしたくない。
全部収まっても、暫く動かずに抱き締めあっていた。
お互いハァ、ハァ・・・と荒い呼吸をしつつ見つめあう。
背中を撫でられる。
見ると、久利生の額はうっすら汗を掻いていた。
「・・・っ・・・・久利生さん・・・・・」
「・・・・なに?」
「ちょっと、、痛い・・・け、ど・・・へ、きです・・・・」
まだ少し、いや結構痛かった。
けれど、それより久利生が入ってきたことの方が嬉しかった。
久利生が自分を心配し動かないのはわかってる。
けれどそんな心配をしないでほしかった。
「ね・・・、」
・・・久利生さん。
「ん?」
優しい眼差しを向けられる。
その眼差しに返事をしたくて。
雨宮は両手で久利生の顔に触れる。
「あ、たしは・・・・・だいじょ・・ぶ・・・だから・・動いて・・・?」
久利生さんを感じたいんです。
久利生はゆっくりと腰を動かしだした。
「んぁ・・・・・・・・」
結合部から出た血が潤滑油となったのか、動きが滑らかになった。
さっき指で突いた所を探し、ソコ目がけてギリギリまで抜いて、勢いよく突く。
「・・・・っキツ・・」
痛みだけじゃなくなったのか、雨宮の声にだんだん艶が混じってきた。
「あっ・・くりゅ・・、さっ・・・!」
じゅぷじゅぷと二人の愛液が混ざった水音がする。
直に聞こえるその音がいやらしくて恥ずかしくて、身体を捩り枕で顔を隠そうとする。
しかし久利生がそれを許すはずがなく。
枕を掴もうとした手を掴み自分の背中に置かせ、雨宮の顔を胸に引き寄せる。
「、掴むなら俺を掴めよ・・っ」
自分じゃない他の物に頼った雨宮を責めるかのように執拗に奥を突く。
突く度に白い身体は面白いように跳ねあがる。
「ん、くっ…ふぁっ・・・」
「唇・・・噛むな・・・・、傷、んなる・・・・」
声を出すまいと唇を噛んでいたせいか、唇には跡濃く歯形が残っていた。
「俺を・・・、噛んでいいから・・・声聞かせろ・・・」
―お前が俺に感じてる声、聞きたいんだよ。
懇願にも近いその切ない声を耳にし、雨宮は中が疼き、愛液が溢れるのを感じた。
噛め、といったが久利生の身体に傷をつけたくない。堪えることをやめた。
「はぁ・・・・・ん・・・」
久利生はいきなり締め付けられて、また自身が大きくなったのがわかった。
限界が近くなるのを感じた。
突きながら、少し下にある膨らみをおもむろに揉んでやる。
その先にある先端を爪で弾くと部屋中に声が響いた。
そして、手を下ろして結合部に触れる。
―くちゅ・・・
締め付けて離さない、欲しい欲しいと貪欲に蠢く襞。
快感に乱れ、汗ににじむ身体、甘く啼く声。
彼女を構成する一つ一つが愛しくてしょうがなかった。
「繋がってるの・・・・・わかる・・・・?・・」
「・・・・ひやっぁ!・・・もっ・・やぁああ!」
さらに突起を潰すように擦ると久利生自身を締め付けた。
どぷ、どぷっとうっすらだが所々赤い愛液が触れていた指に伝う。
「なぁ、雨宮・・・俺の・・・名前・・・呼んでっ・・・?」
「ひっ・・・んああ」
息も絶え絶えに、強請られた。
お願いとばかりに激しく動く自分とは違う大きな身体。
「・・・・なぁ・・・・舞子・・・・・っ 」
ずっと、呼ばれたくて仕方なかった。
幾度願っただろうか。
その声にすら感じ、自分が中にいた久利生を締め付けてしまったのがわかった。
久利生は結合部を弄っていた手を戻し、今度は雨宮の両手を強く握った。
「ねぇ、まいこ・・・・」
久利生は心中でいつも呼んでいたけれど口に出せなかった名前を再度呼んだ。
何度も、何度も。
雨宮の、手の力が強くなった。
「・・・・・やっ・・・・こうっ・・・・こうへいっ・・・さぁっ!」
「・・・・・!」
「、また・・・おっき、くなっ・・・た・・・っふぁ!」
「そろそろ限界・・・・っくっ・・・・」
「こ・・・へぇさ、ん・・・・・・すき・・・だいすき・・・・・」
「!舞子・・・・・・」
「・・・んぁ!」
「・・・俺も好き・・・けど、あいしてる・・・・・っ」
こいつに、届いただろうか。
久利生は、ラストスパートをかけた。
後押しするように、中も収縮の回数が多くなった。
ぐちゅぐちゅと水音も強くなる。
「・・・ッ!」
「いくっ・・・・いっちゃ・・・あああああっ・・・!」
全身に電流のようなものが駆け巡るのを感じた。
久利生は、雨宮の中から自身を抜いて熱く滾ったものを彼女の腹部にかけた。
二人して絶頂に登りつめたあと、ぐったりとした雨宮をシーツに包んで抱え、
久利生は浴室に行って彼女と自分を清めた。
とりあえずシーツは換えておいた。
そして、今。
「・・・・・シーツ、汚しちゃってすいませんでした。」
「いいって。・・・・俺、すっげー嬉しかったし」
二人は裸のまま、抱き合ってまだ情事の跡が色濃く残ったベッドの中に居た。
「あの、その・・・・・」
「あ?」
「・・・・その・・痛かったけど・・気持ち、良かったです・・・」
ぼそり、と耳元で囁かれた。
途端、久利生の顔が赤くなった。
「・・・・・くりゅう、さん?」
訝しげに、雨宮は顔を覗きこんでくる。
それを、左手で押し止めて、久利生は雨宮の肩に顔を埋めた。
「やめて、見んな。・・・・俺、今、顔赤い」
今までずっと思ってきたが、どんだけコイツは天然なんだろう。
さらりと言いのけてくれる。
あのときだってそうだ。韓国で見た、あのノート。
本人の口からは聞いてないが、あれを見た瞬間に胸の奥から何かが溢れ出た気がした。
この先ずっと、振り回されるんだろうな。
そして、1回深呼吸をし、顔をあげた。
目線を雨宮に合わせ、ずっと言いたかったことをいった。
「改めて、・・・・雨宮さん。
僕と、つきあってくれませんか。」
普段のひょうひょうとしているあの態度とは一変、真剣な眼差しで告げられた。
じんわりと目尻には涙が溜まってきている。
もちろん、雨宮の出す答えは決まっていた。
「当たり前じゃないですか。
あたしは久利生さんが、大好きです」
その瞬間、久利生は少年のような笑みを見せて、雨宮をきつく抱き締めた。
//終わり
72 :
47:2007/09/16(日) 00:19:28 ID:9mePJ1NC
とりあえず終わりました!
一応推敲しましたが、間違ってる箇所があったらすいませんorz
>>70、(8/10)でなく、(9/10)でしたね。
後日談
*
「お前、なんで久利生さん呼びに戻ってんの?」
「へ?」
「へ?じゃねぇよ。・・・・あんなにしてるときは俺の名前よんでたのに」
「・・・・・!ななななな、なにいってんですか久利生さん!」
「・・・・・あ、また言った」
「・・・う〜・・・・」
「うー、じゃねぇよ(・・・やべ、反則だろ)」
「・・・・・」
「別に、仕事ん時はそりゃ、久利生でいいけどさ、二人んときは名前で呼べよ」
「・・・・」
「じゃないと、久利生って呼んだ毎にペナルティやっけど?」
「・・・・」
「・・・・・ほら、返事。・・・・舞子(ちゅ)」
「え、あっ?ちょ、久利生さんっ!」
「また言った。はい、ペナルティなー」
「え、あっ・・・ちょ、ぎゃあああっ!」
「(ぎゃあああってなんだよ・・・ま、いいか。こいつだし)」
今度こそ終わり
やべぇ…GJv
47さん!投下の約束守ってくれてありがとう!!
これからもこのスレの繁栄を担っていってくだたいvV
47さん超GJ!!
GJ!!
初の本格的な作品投下嬉しいっす。
なんか、映画見たくなってきたww
マジ超GJ!!!
映画の終わり方があれだったから、続きすげー妄想してたw
後日談もGJ!
GJ!!!
GJ!
いいですw
新作も待っていますよ!
GJ!!!
GJ!!
ノベルスのラストもアレはアレで良かったが、個人的には47さんを推したいw
映画を見に行ってない人は今すぐに(w)映画館へGO!だvwww
47さんに期待!
あとこのスレもっと盛り上がってくれ
GJ!!!
エロでもエロなしでもどんと来い!
そうだ!
何でも来い!!
石垣行った時はどこに泊まったんだろうね……
そりゃ久利生ん家じゃん?
…てことは据え膳を食わなかった…?久利生orz
それとも石垣にてもう二人は…w
石垣でしたんですかねー?
しかし個人的には雨宮が酔って寝て、久利生が夜悶々とするに一票なんですがw
映画版の雨宮の不機嫌が気になるとこです
89 :
47:2007/09/18(火) 18:21:57 ID:V4mCIgC/
もっとこのスレが繁栄するのを願ってます!
神が到来しますように…
さらに只今ネタを構想してたりします。
時間かかるかもしれませんが文に表現でき次第投下したいと思っていたり…してます。
映画ネタバレ含むが、W杯観戦の時はどうだったんだろ?
石垣でも東京でもなければどこかで泊まったりしたのか?
>>89 是非是非!待ってます!
>>88 それ(悶々)もモエるな〜w
>>91 でも一試合…って夜の試合なら帰れないのか?
サッカーよくわからんよ;
誰か2002年のWカップについて詳しい方…教えてplease!!
うはあここ最高(*´Д`)ハァハァ
萌泣きというものを初めて経験したw
映画の小説版読んだ人いる?
キスの続きとか雨宮、久利生それぞれの各場面での心情とか描かれてて妄想がえらい広がるw
95 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 13:09:00 ID:A0mmIYhe
マジッスか!?
キスの続きとかギザヤバス!(笑)
ワールドカップ観戦の様子もよかった
映画公開効果のせいか人が戻ってきた気がするw
47さん、まじ楽しみにしています!
映画小説!絶対見る!!
いろいろ落ち着いてからと思ってたんだが…明日も映画行くのでその時買ってくる!!!
100 :
94:2007/09/20(木) 01:15:06 ID:ZzpClJAv
続きって言ってもその後のやり取りがちょろっと書いてあるだけだから…
期待させすぎスマソ
101 :
47:2007/09/20(木) 20:01:29 ID:V0dd1+pW
ネタの方がやっと半分いったんで、ちょっと小休止にこねた投下します(´・ω
*
雨の日は憂鬱だ。
気分は晴れないし洗濯物も乾かない。
「あーだりぃ・・・どうにかなんねーんかな、雨」
「久利生さん」
「あー?」
「くりゅう、さん・・・」
「どうしたよ」
「あの、・・・その」
「なーに?」
「異動・・・しないですよね?」
「・・・へ、しねぇよ?・・・なんか変なことしねぇ限り」
「・・・・・」
「?どうしたんだよ・・・いつにもなく大人しいけど」
ぎゅっ
「、雨宮?(・・・え、わ、はっ?)」
「・・・・・せっかく、くりゅうさんが戻ってきたのに、」
「・・・・・」
「なんか、いなくなっちゃいそうで、怖いんです」
ぎゅうううう
「!」
「いっつも、危ないことするから・・・」
「・・・・・はぁ」
「く、久利生さん?」
「ばーか」
「ば、ばかって・・酷いじゃないですか人が真剣に考えてんのに!」
「だってばかじゃん。・・・そんな心配してんじゃねーよ」
「けど・・・」
「けども何もないの」
「・・・・・」
「お前、俺のこと信用してねぇの?」
「なっ、「・・・ずっと俺の事務官でいてくれる、っつーのは嘘なん?」
「嘘なんかじゃありません!」
「なら」
ちゅ
「いつでもどこでも、俺の横いろよ」
「久利生さん・・・」
「(・・・・こいつ、俺の言った意味わかってんのかな?)」
102 :
47:2007/09/20(木) 20:04:27 ID:V0dd1+pW
そのあと。
*
「「・・・・・・・・・」」
「・・・なぁ」
「?」
「それ(雨宮を指差す)」
「・・・?」
「手。・・・・・いつまで抱きついてんの・・・嬉しいけど」
「!」
「だーめ、離さねぇ・・・勿体ねぇ」
「・・・・・・・う」
「あーやわらけー・・・気持ちいー・・・」
「・・・・・・・離してくださいよー・・・(すでに顔真っ赤)」
「やだ。・・・あんなこと言った罰」
「そんなっ」
「言い訳は聞きたくありません。・・・ヒヤヒヤさせやがって(・・・ま、大人しい姿見れたけど)」
「・・・今日はさっさと終わらして、お前俺ん家来い・・・で、泊まれよ」
「(ムッ)・・・・なんでそうなるんですかー!」
「・・・余計な心配かけさせた罰・・・・たーくさん可愛がってやるよ」
「・・・!!!!!」
「何してやろうか?」
「なっ、何考えてんですか!やめて下さいよ!」
「何って、お前のことだけど。・・・・つーか」
くちゅ
「!・・・やっ」
「ここは嫌がってないっぽいけど?・・・・こんなに濡らして。・・・なぁ」
「ばっ、久利生さっ・・・・」
「続きは、夜な?」
「〜〜〜〜ッ!」
雨の日も、たまにはいいかもしれない。
このあと雨宮はいつもより数段速いスピードで仕事を終わらせた久利生に、
家まで連れて行かれて見事においしく頂かれ可愛がられましたとさ。
//こねたおわり
---
映画ノベライズかなり気になります!
ねた、あと少しで書き上がるようにします遅くてすいませんorz
GJ!雨宮カワユスw
あんなところで触るなんて
淫らね(´Д`)
発情期マンセー!
ラノベ臭が…
105 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 00:20:11 ID:UJ8h2ZGK
GJ!
スケベ久利生万歳!
>>93 映画未見だが、2002年のワールドカップなら
国内7カ所の競技場で観戦してきたよ。
どういうことが聞きたいん?
GJ!!
書き上げたら、また投下お願いします!
期待w
エロい描写はないですが。
ありでもなしでもどんとこいってレスがあったので。
どんとずうずうしくいってみますw
投下どころか、カキコミ自体したことない初心者なので、失礼があったら申し訳ない。
久利生×雨宮。
無駄に長い。申し訳ない。
2002年ワールドカップ的ななにか。
109 :
1:2007/09/22(土) 01:04:03 ID:UWbm5URR
2002年日韓ワールドカップ。
カメルーンの代表選手をすべて言えたら。
そうしたら、いっしょに連れて行くと。
そう言った久利生に、彼女は答えた。
真珠のような涙をこぼして――――
110 :
2:2007/09/22(土) 01:06:07 ID:UWbm5URR
「すごかったですねー、久利生さん!」
「やっぱカメルーンだよなー!見たか、あのシュート!」
「さすがエムボバですよね!」
「ちっげーよ!エトオだよ!」
素で間違っている雨宮に、久利生は突っ込んだ。
カメルーンVSサウジアラビア。
1対0で勝ったその試合の、得点を取ったのがエトオである。
が、もともとサッカーに興味があったわけではない雨宮。
ふつうに間違っている。
久利生が笑うと、ばつが悪いのか、雨宮はそっぽを向いた。
「さて、と。これからどうする?メシでも食ってく?」
「…………。」
「あーまーみーやー?聞いてる?」
「き、聞いてますっ!聞いてるから、耳元で叫ばないでくださいっ!」
「いやいや、叫んでねーし」
「いいですよ、ご飯行きましょう。私もお腹すきました」
「よっしゃ。んじゃ、なに食おっかなー。埼玉名物ってなに?」
「しりません。」
111 :
3:2007/09/22(土) 01:07:41 ID:UWbm5URR
相変わらずの反応が、懐かしい。
久利生が石垣支部に転勤してから、数ヶ月が経っていた。
石垣島は、のんびりしたところだ。
久利生はそこで釣りを覚え、今ではめっぽうハマっている。
けれども、どんな些細な事件でも、起きれば警察→検察と回ってきて、起訴の有無を判断しなければならない。
そして、久利生は当然のごとく、手を抜かなかった。
のどかであるがために人手は少なく、否が応にも忙しくなる。
今回の休みだって、本当に無理やりねじ込んでもらったのだ。
「……久利生さん、怖いです。」
「怖いってなんだよ」
「1人で笑いながら歩いてたら、ふつう怖いと思いますけど」
「え、オレ笑ってた?」
「笑ってたっていうか、にやけてました」
「…………。」
おまえのこと考えてたんだけど、とは言えなかった。
もちろん、ワールドカップが楽しみで、必死にチケットを取ったのは本当だ。
けれども、それとはべつの気持ちがなかったといえば、うそになる。
約束したからだ。
ワールドカップに連れて行くと、約束した。
何も告げずに石垣島へ行った久利生にとって、それだけが雨宮に繋がる糸だった。
こうして、久しぶりに会えたことが、とてもうれしい。
変わらない彼女のくるくる変わる表情を見ていることが、とても楽しい。
そして、あのとき追いかけてきてくれた彼女が、何より愛しかった。
「よし!今夜はオレのおごりな!」
「ええ!?久利生さん、サッカーで興奮しすぎておかしくなっちゃったんですか!?」
「んだよ、素直に喜べよ」
なんでメシおごるって言っただけで、んな心配されなくちゃなんねーんだよ?
久利生は憮然として、雨宮を見た。
雨宮が、きょとんとした顔で、久利生を見返す。
眼鏡の奥の瞳が、数回瞬きを繰り返したかと思うと。
彼女は、花が咲くように破顔した。
「ごちそうさまでーす」
その飾らない笑顔のためなら、メシくらいいくらでも。
そんな風に思った自分が可笑しくて、久利生は笑った。
112 :
4:2007/09/22(土) 01:09:18 ID:UWbm5URR
いやいやいや。
そりゃ、確かに思った。
メシくらいいくらでもおごってやる、と。
でも、ちょっとこれは想定外だ。
てゆーか、むしろ想定しておくべきだった。
でも、だからって、これはない。
目の前の惨状に、久利生は本気でめまいがした。
サッカーで、ひとしきり盛り上がったあと。
それじゃあご飯でも、ということになって。
ホテル近くのレストランバーに行った。
雰囲気が、城西支部にいた頃通っていたバーによく似ていたのが、選んだ理由だ。
なんだかどこかで見たことあるようなマスターが出す料理はおいしくて。
試合後の興奮も手伝って、2人とも酒がよく進む。
べつに、忘れていたわけではない。
たった数ヶ月だ。
だが、失念はしていた。
雨宮は酒好きだが、どちらかといえば酒に弱く――――
若干、酒乱気味だった。
113 :
5:2007/09/22(土) 01:11:53 ID:UWbm5URR
そろそろまずいなとは、思っていたのだ。
時計を見ると、11時。
離れがたい気持ちがないわけではなかったが、そろそろ帰そうと思っていた。
だから、トイレから戻ったときには、会計を済ませて帰るつもりでいたのだ。久利生は。
が、久利生がトイレに立つ前から、それなりに酔っていた雨宮は。
久利生がトイレから戻ると、すでにつぶれていた。
―――なんでだよっ!?
心中のツッコミが、むなしく響く。
なんで、たかが数分の間に、撃沈するのだ。
見ると、空のグラスが増えている。
………コイツ、追加でオーダーして空けやがったな。
苦笑して、雨宮の頭を小突く。
雨宮は小さく身じろいだだけで、目覚めない。
114 :
6:2007/09/22(土) 01:15:49 ID:UWbm5URR
さて、どうしたものか。
久利生は、仕方なくもう一度椅子に座りなおすと、思案した。
ここは、東京ではなく埼玉だ。
自分は石垣からここに来る関係で、当然ホテルを取っているが、雨宮は東京である。
日帰り可能な距離だから、泊まるところなど用意していないはず。
終電を逃す前に、何とかしないと。
「あーまみや?」
「んー……」
「おーい、雨宮ぁ?起きろー!」
「………ぁ、くりゅうさぁ……ん?」
「ほら、ちゃんと立てって」
「……ん、やぁ………んっ!」
―――ちょっとちょっと、雨宮さん。
オレ、ヘンな気分になっちゃうんですけど。
やってることは、酔っ払いをたたき起こそうとして、抵抗されているってだけなのに。
雨宮の口から漏れる寝言の、やらしいことといったら。
眠さゆえか、舌ったらずになった声。
酔って色づいた頬と、熱い体温が、久利生に彼女を意識させる。
「てゆーか、おまえが意識しろよ」
どんだけ無防備なんだよ……。
思わずため息をついた久利生の内心は、複雑だった。
仕事上のパートナーだったからだろうか。
雨宮は、すっかり安心して、信頼しきっているようだ。
まあ、自分だって雨宮のことは、信頼している。
が、それとこれとは別だった。
こんなところで全面信頼されても、非常に困る。
以前、仕事で相部屋になったときのことが、よみがえる。
あのとき、彼女は警戒という言葉を、着ているかのようだった。
そのときの久利生は、まあ下心がまったくないでもなかったが。
それでも、何かしようという気は、さらさらなかった。
だから逆に、そこまで警戒しなくてもと、思ったものだ。
が、今はちがう。
もっと警戒してくれないと困る。
今の自分が、下心の塊だという自覚があった。
そのつるんとした卵のような肌に、キスがしたくて仕方がない。
「雨宮、頼むから起きて………」
オレだって、男なのだから。
115 :
7:2007/09/22(土) 01:16:39 ID:UWbm5URR
肩を貸して、なんとか雨宮を立ち上がらせた。
久利生は会計を済ませると、表でタクシーを拾った。
朦朧としている雨宮を押し込んで、自分も乗る。
とりあえず行き先を駅へと告げたものの、とにかく雨宮の酔いを冷まさないと帰せない。
結局、駅に着いたはいいが、1人で立つこともできない状態の雨宮に。
久利生は、運転手に自身の泊まるホテルを、行き先として告げた。
116 :
8:2007/09/22(土) 01:17:33 ID:UWbm5URR
「あ……くりゅぅ、さ……ん……!」
「ちょ、雨宮、待てって……!」
「……や、もう……だめぇ………」
「イテ、ちょ、雨宮!爪立てんなよ!」
「やぁ……っ、んっ………!」
苦しそうな雨宮の声に、久利生はあせった。
もう、限界が近いのかもしれない。
無理をさせているのは、わかっている。
でも、もう少し―――
117 :
9:2007/09/22(土) 01:19:02 ID:UWbm5URR
「ほら、着いたぞ雨宮っ!」
「………っ、トイレ借りますっ!」
必死に吐き気に耐えていた雨宮は、ふらつく足取りで、倒れこむようにトイレに消えた。
タクシーの揺れと、エレベーターの浮遊感にやられた彼女は、かわいそうに顔面蒼白だった。
間一髪、間に合ったようでなによりだ。
何気にプライドの高い雨宮である。
久利生の前で嘔吐したと知ったら、二度と彼の前に現れない気がする。
久利生は、ベッドの上に横たわると、腹に溜めた息を吐き出した。
本当に、今日はなんて1日だろう。
人員不足の関係で、有給が2日しか取れなかった。
もっとゆっくり彼女に会いたかったが、どうあっても今日しか会えない。
そのことを、なるべく気にしていないように、淡々と告げると。
実に淡白な返答を、よこされたものだ。
「1日あったら、サッカーはじゅうぶん見られると思います」
もうちょっと、残念がるとかしてくれればいいのに。
電話の向こうにいる雨宮を、恨めしく思った久利生である。
それなのに、今もまだ、彼女は久利生のそばにいた。
………といっても、今はトイレに篭城中だが。
118 :
10:2007/09/22(土) 01:20:25 ID:UWbm5URR
「あー、もー、どうすっかなぁ〜っ」
体を伸ばしながら、うめく。
とりあえず、もう終電はないから、雨宮はここに泊めるしかない。
部屋の空きがないかは、フロントに聞くだけ無駄だ。
何しろ、今日はワールドカップだったのだから。
空室なんて、あるわけがない。
「据え膳食えねぇって、何の罰ゲームだよ、これ?」
さきほどの、彼女の声を思い出した。
苦しんでいるのがわかっていても、思い出すだけで胸が騒ぐ。
まるで、あえぐような色っぽい声。
甘く、溶ける。
普段では考えられないような。
その声で、彼女は何度も久利生の名を呼ぶのだ。
食っちまおうかな、と。
ちらりと頭の隅で思うが、実行には移せそうもなかった。
何しろ、相手はあの雨宮である。
おそらく、過去の反応から見て、恋愛経験はゼロ。
もし、成り行きで久利生とそんなことになったと知ったら………。
まず、自分を嫌悪する。
次に、久利生を嫌悪する。
そして、二度と口をきいてもらえない。
それでもいいやと思うには、彼女は大切な存在になりすぎた。
今までつき合ったどの女性より、人間としていとおしい。
だから、下手な手出しができないのだ。
119 :
11:2007/09/22(土) 01:22:41 ID:UWbm5URR
「つーか、アイツ遅くね?」
トイレから出てこない雨宮に、久利生が身を起こす。
聞こえていた呻き声も、止んでいた。
「おーい、雨宮?だいじょうぶかぁ〜?」
トイレのドアをリズミカルにノックしながら尋ねるも、返答がない。
「あまみや?」
開けるぞと断って、中を覗けば、うずくまる雨宮が顔を上げた。
「うぅ……くりゅうさん、きもちわるい………」
「大丈夫かよ?水飲むか?」
「……ん」
弱々しく、雨宮が両手を伸ばした。
起こせということらしい。
久利生が立たせようと、雨宮の両脇に腕を回す。
すると、白い腕が絡みつくように、久利生の首に回された。
「おーい、雨宮ぁ?」
「くりゅうさん、おみず………」
「おまえ、オレこれ、拷問だぞ?わかってんの?」
「んー………」
返事のつもりか、耳元で甘く息を吐く。
そのまま、久利生の肩に顔を埋めた雨宮からは、やがて安らかな寝息が聴こえた。
なんかもう、絶望的な気持ちになる。
はい、絶対にわかってねーから。これ。
久利生はこれから始まる長い夜を思って、天を仰いだ。
おわり。
すいませんっ!長すぎた!
>>120 いやいや、よかったですよ。GJ!
エロなしでもエロありでも美味しくいただけますw
長すぎてない!むしろもっと先まででも大歓迎w
今回もGJでしたv
GJ!!
連休中にこの続きを投下なんていかがですかww?
GJ!!
自分も連休中に続編投下を激しく希望。
125 :
47:2007/09/23(日) 20:15:30 ID:b/rYwtZ8
場の雰囲気ぶったぎってすいません
>>120さんGJ!
続編投下すこぶる希望してます、裸踊りしてまってます。
前にいっていたネタ、出来たので投下します。
7レスくらい使うかと・・・嫉妬ネタです。
まとまり皆無・・・・・orz
126 :
(1/7):2007/09/23(日) 20:16:43 ID:b/rYwtZ8
「あっ!雨宮ぁー」
「ねぇー、雨宮あの事件の被疑者は?」
「おぉ、雨宮!いいところにいたなー」
「あーもう!雨宮さーんコーヒー手伝ってよー」
イライライライライライラ。
今日は普段隣に居る人間との時間が、比較的少ない。
久利生のお出かけによって皆に仕事を手伝わせ、ある意味仕事妨害してしまったという原因もある。
それは先程ようやく一段落して今はもう勤務時間を過ぎていた。
帰宅してよい時間だったので遠藤なんかは颯爽と「今夜は女医さんと合コンなんすよ」と帰った。
今は残ったメンバーで休んでいた。
久利生はコーヒーを飲みに来て、ついでに休んでいたところだった。
他の皆には感謝しているがそれはそれだ。
「あっ、雨宮!」
「どうかしましたか?」
「あのさ〜今日、K-1の試合が(以下省略」
問題はさっきから江上が雨宮に纏わりついていることだ。
雨宮は、江上から好かれているのに全く気づいてない。
(・・・ったく、危機感持てよ。触らせてんじゃねーよばーか。)
江上はさりげなく雨宮に身を寄せていた。
話は明後日あたりにあるK-1の試合の話で、チケットが取れないというものだった。
頑張っている江上のことなどお構い無しにさっきから雨宮は熱心に語っている。
(安易に触らせてんなよ。江上さんもでそろそろ諦めろよ)
次第に無言になって俯いてしまった久利生に美鈴が話しかけてきた。
「お疲れねー、久利生君」
「・・・・あ、お疲れっす」
「あーあー、雨宮のヤツ捕まっちゃって・・・」
「そーっすね」
「ふふふ・・・久利生君結構機嫌悪いでしょ?」
美鈴は鋭く、久利生は何も言えない。認めざるを得なかった。
「そう見えます?」
「なーんか、怖い顔してるわよー無表情?」
「ははは・・・」
凄ぇ。やっぱ経験?
久利生が次の言葉を言おうとしたが言葉は出なかった。
「えっ、いいんですかっ?!・・・・・行っても!」
「あぁ・・・知り合いがね、どうしてもっていうんだけど・・・・この選手、雨宮好きなんだろう?」
「はいっ、そうなんですー!すっごい好きで・・・あたしファンなんですよー!」
127 :
(2/7):2007/09/23(日) 20:17:20 ID:b/rYwtZ8
楽しそうに雨宮と江上が盛り上がっていたからだ。
「あーあー・・・あんなにはしゃいじゃって・・・」
いいのー?久利生君。と、美鈴が面白そうに久利生を一瞥した。
「このままだと、二人して行っちゃうわよ?
雨宮、江上君のこと久利生君が居るから何とも思ってないけど、江上君は逆だもの」
二人して行くのかと思うと久利生は全身の血液が凍っていくような感覚を持った。
行くんじゃねーよ。
どんどん暗い空気を背負っていく久利生に気づいて美鈴は助言した。
「・・・久利生君・・・顔、そんなにするならさっさと雨宮連れてどっか行きなさい」
「・・・・・・はぁ」
「飼い犬の紐ぐらい、ちゃんと持って置きなさいよ」
「・・・飼い犬っすか?」
飼い犬、というのが可笑しくて、久利生は笑った。
雨宮は飼い犬ではないと思う。
飼い犬だったらこんなに飼い主を振り回さない。
美鈴はさっさと行けと言ったが、久利生は様子を見ることにした。
さーてどうすっかなーと考えこみ始めたとき、また会話が聞こえてきた。
「・・・でさー、偶然二枚とれたんだけどね、」
「わーすごいですねー!」
「そーなんだよ。偶然ね」
「大変だったんじゃないですかー?」
「これ、貰い物だからね」
(嘘つけ、嘘を。
わざわざ取りに行ったに決まってる。
本当に鈍い。下心くらい気づけよ。あームカつくー・・・)
どんどん不快指数が高くなっていくのと久利生の表情が無くなっていくのが比例するなか、
江上が言った言葉をもう聞きたくなくて行動に出た。。
「で、なんだけどね・・・・?雨宮は、さー・・・・、俺と・・・「雨宮。」
いい加減わかんねぇならその身体に叩きこんでやる。
128 :
(3/7):2007/09/23(日) 20:17:52 ID:b/rYwtZ8
絶対零度。
俺の顔は素晴らしく目が笑ってないだろうな。
と、久利生は笑顔の下ではそんなことを考えていた。
「・・・・・く、久利生?」
「久利生さん?」
一気に二人はこっちをむいた。
部長も末次さんもみんないたけれど気にせずに久利生は二人の方を向き、雨宮に目を向けずにっこりと江上に笑ってみせ
た。
チラリと見れば美鈴はニヤニヤしていた。
そして、雨宮にも目線をあわせ、どんどん近づいていけば雨宮はおろおろしだした。
「!!」
久利生はギュッと雨宮を抱き寄せる。
嗅ぎ慣れた香りが身体を包む。
いつもなら暴れだすが、突然のことと久利生のただならない雰囲気のせいかすっぽりと腕の中に収まっている。
雨宮は真っ赤な顔して久利生を見た。
それに安堵しつつ久利生は江上を見る。
案の定、我に返った江上は何だとばかりに噛みついてきた。
「く、久利生!おまえ、ななな何してんだよ!」
だけど、文句は言わせない。
久利生は雨宮の顎を掴んで唇を奪った。
外野が何かいってたけれど気にしねぇ。
そしてにっこりと笑顔を作って宣戦布告した。
「江上さん。こいつ、俺のなんですよ。だから、手ぇ出さないで下さいね?」
とりあえずフリーズしてなかった人・・・と言っても美鈴くらいだったがお疲れ様でしたと挨拶をし雨宮の手を引っ張ってその場
をあとにした。
久利生は城西支部をあとにして、そのあと雨宮を家に連れて帰った。
帰宅までの道のり、雨宮は久利生を見て何か言いたそうな目をしていた。
右手で雨宮の手を引っ張って、左手で部屋の鍵をあける。
「んっ・・・・!」
ドアを閉めて雨宮をそこに押し付けてキスをする。
まぶたを閉じる時間が勿体無いと言わんばかりに眺めていれば、雨宮は苦しくなったのか涙目で頬が紅潮していた。
唇を離してやると、床に倒れこんだ。
「なんなんですか!」
雨宮はぜーはーぜーはーと息を荒くしながら怒鳴った。
「怖かったんですからね久利生さん!無表情で!」
久利生は何も言わなかった。
雨宮の身体を抱き上げ、近くにあったソファに降ろした。
雨宮の服を剥ぎ、部屋の隅に向かう。
突然久利生がいなくなり、雨宮は不安になった。
「く、久利生さん・・・・・?」
心細くて名前を呼んだ。
129 :
(4/7):2007/09/23(日) 20:18:43 ID:b/rYwtZ8
少しして久利生が戻ってきた。その手には雨宮には見えなかったが何か持っていた。
が、それを雨宮に悟らせずに久利生は雨宮にまた、今度は長く貪るように口付けた。
そして雨宮が惚けているうちに手を下腹部の方へ移動させる。ついに手は秘所に触れた。
そこは、久利生の口付けだけですでに濡れていた。
「お前、なんで濡れてるわけ?・・・・実は淫乱?」
「ちがいまっ・・・ひゃっ?」
陰核をグリグリと擦られて声をあげた。
ましてや文句を言おうとしてもさらに陰核を抓まれてしまい、それを阻止する。
久利生のその指が動く度、雨宮の身体がソファの上でおどる。
すでに雨宮の秘所はトロトロだった。
「・・・そろそろいいかな」
久利生はベルトを緩め、ズボンのジッパーを下げて避妊具も付けずに手早く挿入した。
「ひああああああっ!」
少しギチギチと音がした。
久利生は愛撫をしても雨宮の胎内には何も施さなかったのだ。
「キツ・・・・・・・」
しかし、雨宮のそこは久利生が収まるにつれて次第に愛液がこぼれて久利生自身に絡まり咥えこんで離さない。
「なんで何も挿れてもないのに具合いいわけ?・・・・やっぱ誰にでも感じんの?」
「そんな・・・ふぁっ・・・・」
久利生は自嘲気味に言い放った。
―誰にでも感じるのも何も、雨宮をそうさせたのは自分だ。
自分にも雨宮にもイラついて、久利生は雨宮にあたってしまった。
「ひゃあっ!やぁ!んぁ・・・」
緩く抽挿を続ける。時々敏感なところを掠めながら。
その度に愛液は溢れ、入り口はヒクヒクと動き、快楽を得ようと腰が揺らめく。
肝心なところはいじってもらえないまま刺激が緩やかに続けていたせいか、
イケなくて苦しくなった雨宮は久利生の服の裾を掴んだ。
「もぉ・・・やですぅ・・・・・くださいよぉ・・・」
焦らしに焦らされ我慢の限界だった。
雨宮が求めても、久利生は受け入れなかった。
「だーめ・・・何が欲しいか言ってみれば?」
「え・・・・」
「はやくしないと、このままだけど?」
この熱を解放して欲しい。
だけど目の前に居るこのひとは動かない。
「久利生さぁ・・・・ん・・・・、ハァ・・・・」
「・・・ほら」
久利生は軽く身体を揺すって急かした。
いつも素直じゃない雨宮の口から自分を求める声を聞きたかった。
「・・・・欲しいんだろっ・・?」
「ぁん!・・・ふぁ・・・・
ください・・くりゅ、さん・・・・
ほしいっ・・・!」
130 :
(5/7):2007/09/23(日) 20:19:20 ID:b/rYwtZ8
雨宮は久利生の背中に腕を回した。
「ああああっ!!!!」
欲しいいう言葉が雨宮の口から出た瞬間、久利生の箍が外れた。
半ば強制的だが、自分から求めてくれた。
支離滅裂だなと久利生は思ったがそんなことどうでもよくなった。
奥に誘い込まれるように動くと、ソコはひくひくと収縮して久利生を搾り取るかのように締まる。
とぷとぷと二人の愛液が混ざり合ったものは雨宮の太ももの方まで垂れている。
「あぁ・・・あつい・・ふぁあ!」
陰核を抓めばさらにびくびくと身体は跳ねた。
雨宮は軽くイキっぱなしの状態だった。
雨宮の目から流れ出ている生理的な涙を舌で舐め取ってやる。
自分がこんなにも独占欲が強いとは思いもしなかった。
いままで付き合ってきた女性には全くそんなことはなかった。
むしろ彼女らは付き合っていたって何とも思わなかった。
ただの性欲処理で、どうでもよかった。
しかし目の前で乱れているこいつは、欲しいと思えた初めての存在だった。
はぁはぁ、と荒い呼吸音が部屋に満ちる。
久利生は抽挿を速くすると高い嬌声が響いた。
いやらしくくねる肢体。汗ばんだ肌。
どれも久利生にとっては興奮剤になる。
久利生は自分の限界が近くなったのを感じて先程以上に抽挿を激しくした。
時折子宮口を先端でグリグリと刺激してやる。
その度にぎゅうぎゅうと胎内はうねり、逃さまいと絡みつく。
「く・・・・・雨宮っ・・・・中に出す、から・・・・・」
このまま中に出してしまいたかった。
いっそ孕ませて、繋げておきたい。
水音が激しくなり、それと共に雨宮の久利生の背中に爪を立てる強さも変化した。
「やぁん、あっ、あぁ・・・・!」
「・・・・・あまみや・・・・」
一段と雨宮が喘いだ。
ナカの収縮が強くなる。
「もうっ・・・・もぉ・・・いくぅっ・・・!」
「・・・・ッ!」
その瞬間、久利生は雨宮の胎内に熱い白濁をぶちまけた。
131 :
(6/7):2007/09/23(日) 20:20:47 ID:b/rYwtZ8
久利生は、果てたあとに気絶した雨宮を腕の中に収め、寝顔を見つめていた。
自分の黒い感情で、雨宮を傷つけてしまった。
触りごこちの良い髪に指を絡める。
「ごめんな・・・。」
「ん・・・・」
「あ」
思いが届いたか知らず、雨宮は目を覚ました。
「くりゅう・・・さん?」
「・・・・・おぅ」
雨宮は寝起きでまだ朦朧としているのか目を擦っていた。
久利生はどうしようもなく愛しくなってその身体を抱き寄せる。
「・・・・・・」
「・・・・どうしたんですか?」
久利生は黙り込んだ。しかし雨宮はなおも話を続ける。
「驚いたんですからね?いきなりだったし・・・・中に出しちゃうし・・・・
赤ちゃんできちゃったらどうするんですか!」
―いつもの久利生さんじゃないみたいで、怖かったです。
雨宮がそういうと、久利生は抱き締める腕の強さを強くした。
本当のことを言えばこいつはわかってくれるのだろうか。
雨宮の前ではいつものひょうひょうとした態度も崩れてしまう。
彼女の前では余裕など無くなってしまう。
久利生はぽつりぽつりと理由を話しだした。
「妬いたんだよ、江上さんに」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっ?」
「反応遅ぇよ。だから、お前が江上さんと仲良さげに話してんの見てムカついたんだよ」
やっぱわかってねーじゃん、と久利生はやややけっぱちで話した。
雨宮はじーっと無言で久利生を見つめてきた。
「・・・・・・・」
「・・・・・あんだよ」
どうも目が合わせられなくて目を逸らす。
「久利生さんでも、嫉妬って・・・・するんですね・・・」
その言葉に頭にきて久利生はぺしん、と雨宮の頭を叩いた。
「このバカ、鈍感!俺だって嫉妬ぐらいするっつーの!
第一なぁ、どんだけ俺が苦労してんだと思ってんだよ、
お前がフラフラするせいで毎日毎日はらわた煮えくり返ってしょうがねーんだよ!」
本当にこいつは鈍感だ。ああ、もう真面目に子供を作ってしまおうか。
出来ちゃった結婚でもすれば周りだって認めるんじゃないか?
久利生がやや危険な方向に考えを伸ばしていたそのとき、ふわっと胸に何かがぶつかった。
他の誰でもない、雨宮だった。
俯いていてあまり見えないが、髪から覗く耳は真っ赤だ。
「・・・・・あまみや?」
「・・・・うれしー、です。久利生さんがそう思っててくれて。・・・・あたしだけだと思ってたから・・・」
「・・・・・へ?」
「だから、あたしだって妬いてたんですっ!美鈴さんとか・・・巽さんとか、皆美人で大人って感じで・・・」
普段の久利生は何を考えているかわからない。
だから、それが不安だったんですと雨宮はぼそぼそと言った。
132 :
(7/7):2007/09/23(日) 20:22:22 ID:b/rYwtZ8
「・・・・・・ふ、はははっ」
「な、何笑ってんですか!」
久利生は可笑しくて笑いが止まらなかった。
お互い、嫉妬していた。これじゃあ堂々巡りではないか。
つまりは結局、二人ともお互い大好きなわけで。
「〜〜っ」
ほんと、どこまでこいつは自分を振り回すのか。
久利生はひとしきり笑ったあと、尻ポケットの中身の存在を思いだした。
「あ、雨宮」
「〜〜ッ、なんですか」
「はい、これ」
ポケットから取り出したのは、小さな四葉がついた銀のペンダントだった。
「、これ・・・・・」
「付けてろよ、なぁ。お前は、俺のものってやつで」
「・・・ってあたしは久利生さんのじゃありません、久利生さんがあたしのです!」
「・・、・・じゃあ俺はお前のでお前は俺のでいいじゃん」
どうでもいいよ。お前がいるなら。
久利生は内心苦笑した。
「とりあえずつけてみろよ」
と、久利生は雨宮の身体を回転させてペンダントを付けた。
裸の雨宮に唯一ついているのは自分が与えたそれだけ、という事実が久利生を嬉しくさせた。
安堵し、首筋に顔を埋めると、ふわりと―シャンプーの匂いだろうか―香ってくる。
それに加えて擽ったそうに身じろぐ雨宮を見て、久利生の欲望はむくむくと大きくなった。
「っ!」
「なぁ、またしたいんだけど。・・・今度はじっくり」
そろりと秘所を撫でてやると先程までの名残がこぼれだしてソファを汚す。
そして羞恥に悶える雨宮に久利生は臨戦状態なそれを押し付けた。
「ぁ・・・・」
「まいこ・・・・」
悪魔の囁きには断れなかった。
雨宮は久利生を抱きしめ返した。
「まずは着てる服全部脱いでからにしてくださいよ?」
―あたしだけ裸は恥ずかしいんですからね?
「そうだった」
自分達が可笑しくて、二人はお互い腹を抱えて大笑いした。
133 :
47:2007/09/23(日) 20:24:34 ID:b/rYwtZ8
終了です。
やっぱ嫉妬といえば江上か巽かと。
時間かけたわりにしょぼい・・・ww
GJ!!
嫉妬もの最高!!
いつもありがとうございます!!
GJ!!
いまドラマレジェンド見たとこです。
それもあって超興奮w
これからもよろしくお願いします!
136 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:39:28 ID:oHOVjIm7
初andエロ無しですが
投下します;
雨宮視点です
137 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:40:04 ID:oHOVjIm7
短いようで、長かったキスのあと。
なんだかぼ〜っとして…
ぐるぐる色んな言葉が頭を駆け巡る
………。
遂に交わしてしまった。
久利生さんとのキス。
本来なら、こんな大衆の場で私があっさりキスを許すなんて有り得ない。
キスどころか、きっと手を繋ぐことですら避けてしまっていたはず。
なのに、気持ちが溢れて止まらなかった。
近付く久利生さんの唇に、
早く触れたいと思ってしまった。
「なぁ、おまえ大丈夫?えらい真っ赤なんだけど。」
〜〜〜〜〜っ!
138 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:41:32 ID:oHOVjIm7
「真っ赤になんかなってませんっ!と、トイレ!」
ガタッ
「ぅきゃぁぁっ!」
余韻に浸っていたことが恥ずかしくて、トイレに逃げようとしたのに、何でこんなとこでこけるのよ;
「おまえ…動揺しすぎ…プッ」
こけて、地べたにおっこちたハズなのに、
キレイにすっぽりと、
久利生さんの腕に収まっちゃって…
あぁ〜
顔上げられない。
穴があったら入りたい。
「は、はなしてくださいっ…トイレ…」
「ホントにトイレかよ?」
「?どういう意味ですか…?」
「ただハジぃだけだろがよ(笑)」
…
「べっつに、はずかしがってなんかいませんっよっ…!」
139 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:42:18 ID:oHOVjIm7
もぅ、弁解すればするほど空回り。
身体中の熱が、全部顔に集まったかと思うほど、火照ってしまった。
「ほんとに、トイレなんですっ!(`□´)」
「ハイハイ、いっトイレ(笑)」
今は久利生さんの、つまんないギャグに突っ込む余地すらありませんっ
久利生さんの腕から解放されて、私はトイレに逃げ込んだ。
横目に、バーテンのマスターが小さく笑ってるように見えたのは気のせいかしら?;
…………
トイレの鏡に写った私は、ひどい有り様だった。
もぅまるでトマト。
無駄に今抱えてる事件の調書を思い出して、気持を落ち着かせ、再び店内に戻る。
なんとなく、目線は下向で。
だって、今、久利生さんを直視できない気がする。
…席に戻って、驚き。
「あれ…?」
さっき、私と並んで座っていたその席に、久利生さんの姿はなかった。
140 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:43:09 ID:oHOVjIm7
え…どこいったの?
一瞬、久利生さんが石垣へ旅立つときが思い出された。
わたしが追いかけなければ、何も言わずに去っていったはず。
いやだ…!
あんな思いはもぅ…
「おぅ、戻って来たか」
「…!久利生さんっ!」
背後から、その脳天気な声が聞こえた。
「帰るぞ、ホラ。コート羽織れ」
「へ?」
わけもわからないまま、わたしは子どものように、久利生さんにコートを着せられた。
久利生さんの肩にはわたしのバックがかけられてる。
「マスター、ごっそさんでした」
軽く会釈してスタスタと店を出る久利生さん。
わたしの荷物を持ったまま出ていくので、ついていかざるをえない。
「ちょっ!く、久利生さんっ!」
141 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:44:07 ID:oHOVjIm7
外に出ると、タクシーが待機してあり、すでに久利生さんが中で待機してる…。
ドアは空き、わたしの場所と思われるスペースを残して。
「さみぃよ、早く乗れって」
「失礼します…」
「おまえんち…どこだっけ?」
「ぇ?あぁ…」
自宅を告げようとしたとき。
「あ〜〜〜やっぱヤメヤメ。
今日は、おまえ帰すの無理だわ」
(@_@)
「おまえ、一々かわいすぎだから。わりぃけど、お前が今日帰る場所は俺んちね」
「!?」
驚くすきもない内に久利生さんの顔が近付き、わたしの耳元にチュッと音だけのキス。
そして…
『っていうか、ずっと。』
еиd
絵文字とか小文字、改行がうざい。
ラノベしか読まない人?
>>104=
>>142?
とりあえず書いてる人1人じゃないんだし、レスアンカーつけないと誰にいってんだかわかんないよ?
>144
感動したSSにはちゃんとアンカーつけてGJコールしてるよ。
てか、馬鹿?
顔文字・小文字・改行がおかしなSSもどきのオナニーレスの直後に
それを指摘するレスつけてんだよ。
他の書き手にレスしてるように見えるかよ。
空気悪いなー by雨宮
147 :
6:4:2007/09/25(火) 23:19:42 ID:2GGsvzx+
「お疲れさんでーす」
珍しく定時に仕事を上がった久利生公平が、帰り支度をしていた城西支部の面々の横を
颯爽と通り過ぎていった。
「え……? 何が起きた?」
「はやーい」
「明日は雨でも降るんすかね」
「雨どころじゃないだろ、槍が降る」
江上達夫、末次隆之、遠藤賢司、芝山 貢は今にも不吉なことが
起きるのではないかというような深刻な顔になった。
過去の彼の所業を考えればそれは当然の反応だった。六年前、彼は他の取調べが
あろうと、納得できない事件はとことんまで調べたおした。そのとばっちりを
十二分に残りの検事、事務官達は受けた――――いや、彼が帰ってきた今、
それは過去形ではなく現在進行形へと変化している。
「どうして今日に限って早いんだろ」
中村美鈴は小さく呟いた。
「いいことじゃないか、ひっかきまわされなくて……まぁ、確かに不気味だが」
普段、久利生が原因で胃を痛めることの多い牛丸 豊が喜び半分、不安半分に言った。
「お疲れ様でしたー!」
仕事帰りだというのに妙に元気な雨宮舞子が、久利生のことを話し合っていた面々の横を
足早に通り過ぎていった。
「あ、雨宮、今日さ俺と」
「もう行っちゃいましたよ」
末次がにこにこと無神経に突っ込んだ。
「俺たちもちゃっちゃと帰りましょうよー、いつも久利生の仕事回されるのこっちなのに
帰るのあっちが早いとかまるっきり損じゃないですかー、まあ今日が初めてだけど」
「そうしようそうしよう、たまには胃を休ませたいよ」
ぶつぶつ言いながら城西支部を出た牛丸、遠藤、末次、機嫌の悪い江上は珍しく早い時間の
家路についた。
「それじゃ」
「ええ、それじゃ」
彼らに一足遅れて城西支部の入り口で分かれた芝山と美鈴は、正反対の方向へ歩き出した。
ただし、この「それじゃ」の後には「ホテルで会おう」が省略されている。二人の不倫関係は
まだ続いていた。
148 :
6:4:2007/09/25(火) 23:20:40 ID:2GGsvzx+
(あー、いつまでこの関係が続くのかしら)
仕事帰りのサラリーマンを逆行しながら、ホテルに向かう美鈴は思う。
結局芝山の離婚裁判はなくなり、今までと変わらない愛人ポジションを継続することになった。
結婚したいか、と聞かれればYESというよりない。なんだかんだでもういい年になっている。
(でも、なんかもう腐れ縁に近いわよね……)
今の関係に抱くじんわりとした不満。爆発するほどではないが、時にそれはじくりと疼く。
「……はぁ」
思わず溜息をついた時だった。視界の横に、ちらりと見慣れた後姿が映った。
「……雨宮?」
美鈴より先に城西支部を出たはずの舞子だった。珍しく駆け足で地下鉄の駅へ下りていく。
だが彼女がいつも使っているのはこの駅ではなかった気がする。
「……あ」
もしかすると。……そういえば帰るとき、妙にテンションが高かった。
「雨宮が久利生の家に?」
「勘だけどね。少し荷物重そうだったし」
ホテルのベッドの上で、情事の熱が冷めてきた芝山の胸板にもたれかかって美鈴が言った。
「進展したのか、あの二人。っていうかまだやってなかったのか」
「みたいよ。まあどの程度進んでるのかはわからないけど」
六年前、中学生レベルの――――現代の中学生は進んでいるからもしかするとそれ以下――――の
関係だった久利生と舞子も、ようやく変化の兆しが見え始めている。おしゃれのおの字もなかった
舞子が香水をつけるようになったのだから、大した成長だ。
もっとも、それが久利生と舞子の関係による変化ではなく、六年という時間による変化だという
可能性は否定できない。
「問題はむしろ久利生君かもね。全然変わってないみたいだから」
「そうはいっても久利生だって男だろ。一晩一緒にいて何もせず我慢できるとは思えないけどな」
芝山は六年前、久利生が二度に亘って舞子に大して何もせず夜を明かしたことを知らない。
「うーん……」
* * *
「んじゃま、どうぞ」
149 :
6:4:2007/09/25(火) 23:21:48 ID:2GGsvzx+
いつもと変わらぬ調子で久利生はドアを開けた。緊張しつつも久利生の部屋に足を踏み入れた舞子は、
ぽかんとした。
「……あれ? ここ一度引き払ったんですよね?」
「そうだけど」
「なんで全然変わってないんですか?」
久利生の部屋を訪ねたのは一回きりだが、その時と大して様子が変わっていないように思う。
せいぜい通販の商品が増えたくらいではないだろうか。
「そうか? 結構変わったと思うんだけど……」
「変わってませんよ」
「まあいいから座れよ」
舞子はまだ反論しようとしたが、促されてソファーに腰を下ろした。
部屋の変化が重要なわけではなく、緊張していることを久利生に気付かれたくないだけだった。
(……いざとなるとやっぱりどきどきするな)
先日キスを交わしたものの、今日にいたるまで久利生がそれ以上手を出すことはなく舞子は内心
拍子抜けしていた。だがだからといってプライドの高い舞子が自分からそれを訴えることなどできるはずもない。
恋愛のテクニックについての知識など無いに等しい頭を捻って捻って、出した考えが「とりあえず
家に行く」だったのだ。
無論、それ以上のことについては全く計画を立てていない。
「なぁ」
「はい!?」
「……お前どうしたんだよ」
明らかに様子のおかしい舞子に久利生は怪訝な顔をした。
「な、なんでもありませんよ!」
「……あ、そう。で、今日は何しにきたの」
「……はい?」
「だから何しにきたんだって聞いてんの」
「何しにって……」
あまりに鈍い質問に舞子は唖然とするしかなかった。
彼女からすれば肉食獣の巣穴に飛び込むような決意だったのに、飛び込んだ巣穴に
草食獣しかいなかったのと同じようなものだ。
(石垣島とワールドカップの時と同じだ……)
二度あることは三度ある。こんな時にこんな諺を思いつく自分が久利生以上に嫌だった。
久利生は普段と変わりない、表情があるのかないのかよく分からない顔で質問の答えを待っている。
「……そ」
「そ?」
「そんなこと私が言えるわけないじゃないですか!! 久利生さんのばかぁ!!」
* * *
「やっぱり無理かもね」
150 :
6:4:2007/09/25(火) 23:23:36 ID:2GGsvzx+
「どうして?」
「だって久利生君全然変わってないんだもん。あれが素だとしたら相当厄介ね」
仕事に対して情熱を持っているのは素晴らしいが、男として少々疑いたくなるほど久利生という人間は
子どもっぽい。そしてそれはこの六年間、舞子の変化とは対称的に一切変化しなかったようだ。それが彼の
長所ではあるが、現状を思えば美鈴でさえ舞子が可哀想になる。
ふと、美鈴はいつかテレビで見たドラマのセリフを思い出した。
(「三十過ぎたらキスとHは一回でまとめろ」って、あれ格言よね)
二十代ならまだ段階を踏んでいられる余裕がある。三十代になってそんなことをしていたら結婚が遅れるだけだ。
もっとも、不倫の場合年など関係なく結婚の予定がたたないが。
「まあ、六対四ぐらいでやらない確率が高いかなぁ」
「確率あるのかよ。俺なら絶対にやるな」
「あら、じゃあ賭ける?」
「いいよ」
「私が勝ったら今度夕食食べる時はランク少し上のところに連れてく」
「じゃあ俺が勝ったら今度の夕食は君のおごりで」
どうなるかはおまえら次第。以下数レス(最高でも10レスぐらい)
アンケとる。
誰も希望がない場合はこっちで勝手に書く。
そりゃ、やって下さいよー、久利生さん
152 :
6:4:2007/09/25(火) 23:35:18 ID:2GGsvzx+
追記。
エロとしては微妙かも。
153 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 23:39:45 ID:U9v5h0pR
是非ともやっちゃう希望でw
そりゃ、やらなきゃ失礼でしょー!
アッハッハッハッハ!!
やりましょうよw
エロ希望
つか全裸でwktk
ウテウテだー
ウテウテだー(号泣)
久利生君、いい加減逃げずに観念なさいw 期待w
やるな
やっちゃうな
そりゃやらなきゃしっっつれいだろー!
別のアプローチから行こう。
寧ろ賭けに勝ったにもかかわらずワンランク上で奢らされてる芝山が見たい。
>>159に一票っノシ
久利生には、是非やっちゃって頂きたいんだが…
芝山はヘタレっぷりがいいと思うんだよ。
賭けに勝った芝山だけどその後久利生が雨宮食っちゃって賭け無効とか
↑いいね!
おまえらよく読め。
芝山が「勝つ」条件は「二人がヤった」だ。
文章矛盾しててわけわからんぞ
>>161 "勝った"というより"勝ったつもり"でいいんじゃない?
166 :
6:4:2007/09/26(水) 23:05:07 ID:zA+QVzWF
アンケはとりあえずここで打ち切り。
以下はできるまで他の人頼む。
とりあえず
・ヤる
・芝山はヘタレ
で書いてみる。にしてもおまえらエロ好きだなw
>>166エロパロ版なんだから好きだろ
168 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:16:46 ID:vcKHOVnh
このスレ大好き!
愛してる!
雨宮最高!
169 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:24:37 ID:vcKHOVnh
ここのすれの人たちの小説
サイトにのせちゃだめですか?
今日映画観て来たんだけどさ。何あの終わり方。
この後はお好きに妄想して下さい、って言ってる様なもんだよね。
妄想したけどさ
171 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:35:28 ID:vcKHOVnh
妄想しちゃうよね
もーやばいよあれはw
172 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 17:39:59 ID:vcKHOVnh
小さい女の子が、上映終了後に
「キムタクキスしてたよおおぉぉぉ」って叫んでた
173 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 18:04:00 ID:vcKHOVnh
スレのまま終わらせるのもったいないから、
サイト立ち上げてあだ名つきでのせちゃだめかな?
6:4さんのとか、このスレ全ての小説を
>>169 とりあえずsageましょうね。
保管庫を作るということなら、職人さんや住人の皆さんと相談の上で
してください。
ごめんなさい、こんなスレ見つけたもんで興奮しちゃって・・・
保管庫はあったほうが自分的にはうれしいけど…他の方はどうですかね?
特に職人さんで絶対保管しないでって方がいた場合はその旨カキコってかたちにしたら問題もなさそうだし。
てか他の板にもだいたい保管庫あるしなw
うれしい言葉ありがとうございます。
反対意見がなかったら作らせてもらっていいかな?
ぜひ保存したい。
パスワードはちゃんとかけます!
パスかかってる保管庫ってみたことないんだけど…
今はそれがスタンダードなの?
正直、保存庫ってよくしらない・・・w
なんか私の想像するのって、小説サイトみたいな感じだから
外からやってきた人がエロエロみたらやばいかなぁって・・
もしかして勘違いしてるかな?
>>180 作ったことないなら他のエロパロ保存庫見て勉強するなりしないと
意気込みは嬉しいけどさ
>180は昨日のID:vcKHOVnhなの?
正直、ID:vcKHOVnhに保管庫は作ってほしくない。
著作権とかいろいろわかってなさそうだし、本当に21歳以上なのか怪しい。
専ブラでログ見れば充分じゃないか?
保管庫はほしいんだけど…180さんは自分のサイトみたいな感じでつくろうとしてるのかな?
保管庫は誰の物でもなくて保管庫なわけで(むしろネタは作者のもの)、そこの管理人をしてくれるっていうなら大歓迎だけど、
自分のサイトにここのスレのネタをのせるって感覚ならちょっと違うかもしれないね;
なんにしても他のパロ板の保管庫何コか見てきてもらって、
それからできそうだったらやってもらうって形のほうがいんじゃないかと自分は思うけど…?
どうですかね?180さん??
184 :
180:2007/09/29(土) 16:50:48 ID:PB2vyBDd
保存庫の意味、勘違いしてました;ごめんなさい。
自分のものにするつもりはなくて、過去ログにしたら見方わからないから
サイトに載せてみんなで見れる感じに・・・・ってしたかったんですけど
182さんの言うとおり分かってないです^^;
ほかの保存庫見ながらちょっと学んできますね。
まじめにレスしてくださってありがとう^^
185 :
180:2007/09/29(土) 16:57:28 ID:PB2vyBDd
なんかスレ荒らし的になってたらごめんなさい!
私にかまわず小説続けてください
ほか見て管理人できそうだったらお願いします。
180さん!
馴れ合いうざいな。
たかだか1スレ目で、しかも200レスもついてないのに、「サイトだ」「保管庫だ」って、
どれだけ気が早いんだよ。
188 :
180:2007/09/29(土) 17:12:19 ID:PB2vyBDd
スレがあること自体嬉しいんですよ!
まず職人さんの意見が最優先でしょう。
保管庫に収録されるのを嫌う方もおられます。
この板全体の保管庫に入れてもらうのもありかと思います。
あと「保存庫」とは普通言わないですね。
まぁ、普通に考えてまだ保管庫作るほどスレ伸びてないからね。
個人的に読みたいって思うなら、コピペしてメモ帳にでも保存して楽しんでくださいな。
まだ投下数だって数本なんだから、それだって大した時間はかからないはず。
>>180 は2ch自体に不慣れなようだから、うっかり発言は控えた方が良いと思いますよ。
ってことで、職人さまカモーン!!!
伸びてるから職人キタ━━━(・∀・)━━━!!!!と思ったらorz
194 :
しおり:2007/09/30(日) 02:38:05 ID:5cyTH3Rp
久利生×雨宮
>16
>26-28
>109-119
>137-141
>57-58(エロなし)
・47氏
>34-35
>47
>62-72
>101-102
>126-132
・6:4氏
>147-150(未完)
195 :
180:2007/09/30(日) 07:43:45 ID:3c+mf5R7
ここって21歳以上しかきちゃいけないんですか?
HEROとか、久利生で、検索してきちゃったんですが。
196 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/30(日) 10:20:02 ID:fvrw/l+V
えりこに嫉妬する雨宮を書いてほしい
ちょっと前に規約変わって18歳以上になったはず
200 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 09:19:08 ID:Now62hww
えりこに悪戯される雨宮
6:4さんの続きを楽しみに待っている。
全裸正座して待っています。
6:4さん、頑張って
自分も全裸正座しつつ…
大泉…松とつきあってないよね…と祈りながらいいとも見つつ待ってまつ。
大泉って松たか子さまとつきあってるの!?
中の人の話はその人のスレでどうぞ
新作投下wktk
職人さんお待ちしていまーす!
207 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 20:54:56 ID:uu8k78OM
208 :
6:4:2007/10/02(火) 22:46:28 ID:7jg5quJT
「お前何怒ってんだよ?」
まるで舞子の考えていることが分からないという風に訊く久利生に、舞子の怒りは一気に増大した。
「もういいです! まだ終電残ってるから帰ります!」
「おいちょっと待てって」
荷物を持って玄関に向かおうとした舞子の腕を掴んで、久利生は強引に自分の方を向かせた。
睨む舞子の眼は今にも涙が零れそうだった。
(……ちょっとやりすぎたか)
「……いいの?」
「え?」
「触る……っていうか、それ以上。いいの?」
「……」
(……どういうこと?)
今度は舞子が分からなくなった。
きょとんとして見詰める舞子の混乱を察してか、久利生がため息をついて言った。
「ごめん。からかった」
「へ?……え、ちょ、それじゃ……分かってたってことですか!?」
舞子の顔が照れと怒りで一気に紅潮した。
「だってお前が犯人に脅されてるわけでもないのに俺の家に行きたいなんて、ふつー言うわけないじゃん。
手ぇ抜けねえし、早めに仕事終わらせんの疲れたんだんな」
久利生はソファーに座って僅かに俯いた。少し耳が赤かった。舞子の顔はそれに輪をかけて赤い。
いきなり「今度仕事が早く終わった日に久利生さんの家に行っていいですか」である。流石の久利生も察した。
というよりは六年前から、久利生は舞子の気持ちを理解しながらも明確な態度で示さずにいた。
それは舞子の反応が楽しいからでもあり、対する久利生の舞子に対する気持ちが比較的穏やかだからでも
あるのだが、最大の理由は久利生が存外、好きだの何だのを言葉や態度にするのが苦手だからだ。
(いきなり夜、家に来いなんて言えるかっつの)
昨日まで舞子が自分から言ってくるのを待っていた久利生は、それが原因で今日、きっちり定時で仕事を
終えたのだった。
「そ、それならもっと素直に言ってくださいよ、分かりにくい!」
「あんなに必死こいて仕事してたら見て分かんだろ?」
「わからないですよ言ってくれなきゃ!」
「じゃあお前俺が泊まりに来いなんて言って泊まりに来んの?」
「……」
「ほら見ろ」
「そんなこと言って、久利生さんだってあれからなんにもしないじゃないですか!」
「……」
「……」
二人は互いの顔を見たまま黙り込んだ。何年経っても進展しなかった理由を、今更なんとなく理解した。
「……で、さ」
「……はい」
「……いいの?」
「……」
久利生が前傾気味に舞子の顔を覗き込む。
209 :
6:4:2007/10/02(火) 22:48:08 ID:7jg5quJT
「……だから、私に聞かないで下さいよ……」
「お前そこはいいって言うべきだろ、ここまできてんだから……」
「知りませんよそんなの!! なんで私に言わせるんですか!!」
がっくりと項垂れた久利生に舞子が更に文句を言おうとした途端、久利生が立ち上がった。
少しぎこちなく舞子の頬に手を添えて、あの日以来のキスをした。
「……言ってもらえると、嬉しいからお願いします」
「……なんかずるいです、それ」
「……だめ?」
「……わかりましたよ」
「おっはようございまーす」
翌日の朝、いつも通り城西支部のエレベーターホール前に並んでいた
検事、事務官の列に久利生が妙に生き生きした様子で加わった。
「? 不気味だな……何かいいことでもあったのか?」
いつもながらのポーカーフェイスだったが、明らかに機嫌のいい久利生に
牛丸が訊いた。
「いえ、別に?」
久利生はとぼけた。
「おはようございます……」
久利生に少し遅れて舞子が列に加わった。こちらはいつもほど元気がない。
「? 雨宮は何だか調子が悪そうだな……」
「え? そ、そんなことないですよ!?」
訊かれてぎくりとした雨宮は、どうみても作った笑顔を浮かべた。
「そうか? 体調には気をつけてくれよ、ただでさえ調書がたまり気味なんだから」
親切にも雨宮の健康面を心配している牛丸が前に向き直ったのを確かめて、
久利生と舞子はちらりと互いを見て、気まずそうに眼をそらした。
(……こりゃ、俺の勝ちだな)
横目で見ていた芝山は、牛丸達に気付かれないよう美鈴に視線を移した。
どうやら向こうも賭けの勝敗に気付いたようだった。
勝利を確信して得意げな笑みを浮かべた芝山に、しかし美鈴は悔しいどころか
嬉しささえ伝わってくるような微笑を返した。
(……?)
怪訝に思い、口を開こうとした芝山の前でエレベーターのドアが開いた。
「賭けは俺の勝ちだな」
事務官達がトイレに行った隙を見計らって美鈴の部屋に入ってきた芝山が言った。
「そうかもね」
「? 悔しくないの?」
210 :
6:4:2007/10/02(火) 22:49:31 ID:7jg5quJT
「まあね」
生真面目に過ぎるところもあるが、舞子は唯一の同性の仕事仲間で、いいところもある。
悪く思っていない人間が幸せになるのは、結構いい気がするものだ。
(六年も待ったんだし、少しは報われなきゃ可哀想だもんね。惚気てきたら容赦しないけど)
「……? なんだよにやついて、気味が悪い」
「べつにぃ?」
「それより、今度のディナーは君の奢りだぞ」
「あら、それはどうかしら」
「?」
「忘れてるの? 次の食事の約束」
にやりと笑った美鈴に、芝山は嫌な予感がして慌てて自分の部屋に戻った。
スケジュール帳に記された次の約束の日付を見て唖然とした。
「誕生日かよ……」
次の約束は美鈴の誕生日だ。まさか誕生日の当人に奢らせるわけにもいかない。
というか、美鈴はそれをわかっていたのだ。
(畜生……はめられた)
「芝山さーん、とっておきの新情報! あの愛人問題で飛ばされた武藤検事が……あれ? どうしたんすか?」
帰ってきた遠藤がいつもの軽い調子で訊く。
少し機嫌のいい久利生と美鈴、無口ながらどうやら幸せらしい舞子、何も気付かない他の面々をよそに、
芝山はその日一日をブルーな気分で過ごした。
完
「……ちょ、ちょっとどこ触ってるんですか!」
「どこって……お前この段階になって怒るのかよ……」
「怒りますよ、そんな……っ、ん……」
「……さっきいいって言っただろ」
「あれは久利生さんが言わせたんじゃないですか!」
「……痛くてもしらねぇからな」
「え……」
「なに?」
「痛いんですか……?」
「…………」
エロなのにエロくならない。
それがHEROクオリティーだと思う俺の限界。
書いた総括
・城西支部はツンデレとヘタレでできています(除く鍋島)
・久利生はエロパロの敵
・雨宮は久利生と俺の嫁
全裸で待ってて良かった!!
6:4さんGJーーー!!
エロくならないっつのもガチでドラマ観てるみたいで良かった。
俺のHERO映画はここで終わったことにしようそうしよう。
GJ!
確かにHEROの久利生はエロパロの敵だな。
でも興奮したぞw
おお、GJ!
確かに城西支部はツンデレとヘタレで出来てるwww
個人的にもある意味
マスターもツンデレと思います。
GJv
笑ってしまった…エロパロ板なのに…w
まぁスタンダードなエロ見てニヤけるのも、↑みたいなの見てニヤけてるのも、ニヤけてることには変わりないか;ww
ホントGJでしたv
216 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 06:22:24 ID:6IjXmuvS
GJ!
この終わらせ方は素晴らしいですね
また書いてください!
GJ!!
キャラが崩れてなくてドラマ観てるみたいで面白かったです!またお願いします!
GJ!!!
脳内ではっきりと映像が浮かび上がった!面白かった〜
次を期待してます!
映画ノベライズ読んだんだが、あれ読むとエロパロ作るの難しくなるな。
職人さんは読まないほうがいいかも。
本は本で面白いんだが。
それにしてもこのスレの職人さん達はレベル高いな。
>>220 久利生に性欲のせの字もないからじゃまいか
6:4氏の言うとおり、エロパロの敵
しかし逆に考えたら、
雨宮が香水つけたみたいに
脱カタブツ化してく過程を楽しめると思うんだ。
それこそ美鈴にちゃちゃ入れられつつアドバイス貰ったりとか。
まあサクッとエロにはもっていけないのが難ですが。
HEROー
H・EROー
エッチ・エロぉー(ノ∀`)
職人さんいませんか?
恵理子に苛められちゃう雨宮かいてください
HEROって難しいのかな
ドラマはほんとエロなしだからな
読みたい
>>225 難しい。何しろドラマ自体結構前だ。
何より久利生が書きにくいしな。
…という事で挫折。
えー
みんながんばれ
てか俺がんばれ
職人さん、COME ON
世間は連休なのに…
エロパロは一日にして成らず
いい言葉だ…
ども。108です。
以前は、初投下にもかかわらずGJコールをありがとうございました!
続編をと言ってくださって、とてもうれしかったデス。
が、書けないので鳴りを潜めておりました。
でも、ちょっと調子に乗って書いてみたので、再投下。
109〜119の続き。久利生×雨宮。
エロい描写はないのに、無駄に長い。申し訳ない。
なんか切ない系を目指して失敗したみたいな。
職人さんが現れるまでのつなぎとしてどうぞ。
カーテンから漏れる日差しのまぶしさに。
雨宮は、ゆっくりとまぶたを開けた。
「……ん………?」
生真面目な雨宮らしく、今の時間が知りたくて、手を伸ばす。
けれども、普段目覚まし時計が置かれているはずの場所に、それはなく。
雨宮の細い指は、むなしくサイドテーブルの上をすべった。
代わりに行き当たったのは、眼鏡のフレームだ。
雨宮は不可思議に思いながら、寝ぼけ眼のまま、それを引き寄せる。
細めた目に眼鏡を引っ掛け、ようやくクリアになる視界。
「………………え?」
間の抜けた声が、口からこぼれた。
身動き1つしないまま、数回の瞬きを繰り返す。
「え……あれ?えっ?ここ………どこ?」
頭が、一気に覚醒した。
自分の部屋にいるものと思い込んでいたが、目覚めた雨宮の視界に広がる光景は、見知らぬもの。
簡素なベッドに、味気ないカーテン。
必要最低限のもの以外何もない、よそ行きの部屋。
なにがなんだかわからない。
すぐに、雨宮はパニック状態におちいった。
ど、どこよ、ここ!?
なんで私、こんなところに?
そうだ、久利生さ―――!
心の中に浮かんだ名前で、はっとする。
そうだ。きのうは、確かに久利生といっしょにいたのだ。
約束のワールドカップカメルーン戦を観に行った。
そのあと、2人で食事をして―――
そこまで考えて、雨宮は絶句した。
そこから先の記憶が、ない。
けれども、頭痛がその理由を教えてくれた。
間違いない。自分は、またやったのだ。
「もう、最悪っ!」
思わず叫んで、頭を抱える。
自分の声すら、脳天に響いて頭が痛い。
酔って記憶を失うことは、今までも何度かあった。
そのたびに、次回からは自重しようと思うのだが、酒を前にするとどうにも駄目だ。
しかも、きのうは柄にもなく緊張していたせいで、酒の回りも早かった。
―――久利生さんに、謝らなくちゃ………!
雨宮は、慌ててベッドから降りようとして――――
さらに、絶句した。
ちょっとまって。
どうして私、着替えてるのっ!?
自身の姿を見下ろして、雨宮はまたも混乱する。
てっきり、着の身着のままで眠りこけていたものとばかり思っていたが。
なぜか、雨宮はきっちりパジャマに着替えていた。
おそらくホテルに備え付けられているパジャマだろう。
水色だかねずみ色だかわからないような、微妙な色合いのワンピースタイプで―――
って、そんなことはどうでもいい。
問題は、雨宮自身に、着替えた覚えがまったくないということだ。
え?え?
私、自分で着替えたのよね?
覚えてないだけ…………よね?
混乱した頭で、自身の格好を再確認する。
ボタンはきっちり一番下まで留めてあって、けれども寝相が悪かったのか、かなり上までめくれ上がっている。
履いていた靴下も今はなく、白い足が、無造作に投げ出されていた。
何とはなしに気恥ずかしく、慌てて居住まいを正す。
そして、その瞬間、気がついた。
―――私、下着つけてないっ!?
胸の圧迫感を微塵も感じないと思ったら。
ない胸を寄せて上げていた下着は姿を消し、若干ボリュームの足りない胸が、パジャマの下に直である。
それに気がついた途端、雨宮は顔を蒼白にした。
――――まさか。
行き着いた考えに、青くなった顔が赤くなる。
まさかまさかそんな。
私、久利生さんと――――?
本当にまったく記憶にないのだが。
思い至った途端、雨宮は全身真っ赤になった。
そんなバカなと胸の内で否定するも、全身を血が駆け巡る。
顔が、熱い。
咽喉までカラカラで、息苦しい。
どうしようどうしようどうしよう。
とにかく、久利生さんに会わないと―――いや、ダメだ。
顔なんて見られない。
なんて言っていいかも、わからない。
本当に、どうすれば―――!
完全に、混乱の境地に立たされた雨宮だったが、それもわずか一瞬だ。
サイドテーブルに置かれたメモが。
雨宮の困惑を、悲しいほどに打ち消した。
おはよーございます。気分はどーよ?
おまえ、きのう大変だったんだかんなー。
起きたら覚悟しとけよーって、まあそれはいいや。
一応、誤解のないように書いとくけど。
おまえは、ちゃんと自分で着替えてベッドに入ったから心配すんな。
どーせきのうのこと、覚えてねーんだろ?(笑)
オレ、下のロビーで寝っから、なんかあったら起こせな。
名前も何も書いていないメッセージだが。
久利生の筆跡を、事務官として何度も見ている雨宮には、すぐにわかった。
そっと、そのメモを拾い上げる。
そして、2人の間には、心配するようなことはなにもなかったことを、知った。
確かに、下着も下はちゃんと穿いている。
「………なんだ。なにもなかったんじゃない」
熱くなった体が、急激に冷めていくのを感じた。
酔った勢いで、久利生と体を重ねてしまったものと、一瞬でも思い込んだために。
勘違いした自分が、死にたいくらいに恥ずかしい。
………でも、だって。
こんなホテルのベッドで、パジャマ一枚で。
下着だってつけてないし、記憶はないし。
だれだって、誤解しちゃうでしょ。
ふてくされながら、自身を正当化する一方で、雨宮は冷静に考える。
誤解されるから、だから久利生はここにいないのだ。
もしも、目覚めたときに久利生がいたら。
きっと、雨宮は混乱のままに責めていた。
たとえ、酔って意識を手放した自分が悪いとわかっていても。
わけもわからず、動揺したまま久利生を責めて、どんな言葉も言い訳として取っただろう。
だから、久利生のとった行動は、たぶん正しい。
それなのに、そうだとわかっているのに。
雨宮は、なぜか深く傷ついている。
久利生のメモを何度も読み返して、そして思う。
―――そんなに嫌なんだ。
誤解されるの。
無意識のうちに、眉間が寄った。
なにをスネているのかと、自分でも思う。
けれども、わざわざこんなメモを残して。
自分が取った部屋なのに、ロビーで寝ることを選んだ彼の。
その心中を思うと、どうしても――――
「私って、そんなに魅力ないですか………?」
こぼした言葉に、自分自身で驚いた。
なにを、言っているのだろう?
これではまるで、なにかあってほしかったみたいではないか。
熱を失ったはずの頬が、再び赤くなる。
雨宮は、自身に対する言い訳を、頭の中に並べ立てた。
断じて、そんなつもりで言ったセリフではないのだ。
ただ単に、気になっただけ。
男の人って、我慢できないものでしょう?
そう本に書いてあったから、だから私は魅力がないんじゃないかと、心配になっただけで――――
久利生のメモは、気づかぬうちに握り締めていたようで、くしゃくしゃだった。
誰もいない部屋で、自分で自分に言い訳していることに、むなしさを感じる。
彼女に魅力が足りないから、だから久利生は、その気を起こさなかったのだろうか?
雨宮は、その可能性の高さに、我知らずうなだれた。
確かに、自分は色気が足りない。
実を言えば、久利生が部屋を出た理由は、まったくの逆で。
このまま一晩同室で過ごしたら、なにをするかわからない自分を恐れたのが、本当なのだが。
もちろん、雨宮がそれを知ることはない。
雨宮は、くしゃくしゃになったメモを、丁寧に広げた。
久利生の文字を、指でたどる。
まるで、彼の肌に触れるかのように。やさしく、ゆっくりと。
―――ぱたっ
朝の静寂に、かすかな音が響く。
メモの文字が、見る間に滲んで、雨宮が瞬いた。
ぱたぱたっ……!
続けて落ちるその雫が、涙だと気づくのに、時間がかかる。
私―――泣いてるの?
驚いた。
なにに泣いているのか、自分でもまったくわからない。
ただ、こぼれる涙は止まらず、静かに彼女の頬を濡らした。
久利生のことになると、彼女はいつもおかしくなる。
彼が城西支部を去るときも、反射的に追いかけた。
そして、あの時も自分は泣いたのだ。
その涙の意味を、雨宮は今も、はっきりとわからないままでいる。
でも、今わかった。
―――ああ、そうだ。
わたしは久利生さんが。
久利生さんのことが、好きなのだ。
ずっと胸の奥にしまいこんでいた感情を、認めると同時に。
雨宮の口から、嗚咽が漏れる。
涙はとめどなくこぼれて、彼女はベッドに突っ伏した。
―――好きだから。
だから、悲しいのだと理解する。
久利生と何かあったかもと思ったとき、嫌悪など微塵も感じなかった。
ただ動揺して―――そして、胸が騒いだのだ。
でも、それはすべて彼女の勘違い。
2人の間には何もなく、彼は誤解を与える余地もないくらい、すべてを否定してくれた。
彼にとって、自分は同僚でしかなく。
彼は今日、石垣島へ戻ってしまう――――。
初恋も同然の拙い感情を、雨宮はどうすることもできない。
今まで一度も、恋愛らしい恋愛をしてこなかった。
恋なんて、仕事や勉強にやりがいを見出せない人間が、夢中になるものだと。
そう思って、遠ざけてきたから。
だから、どうしていいのか、わからなかった。
こんなにも、恋焦がれているのに。
彼になら、なにをされてもいいと。
そう思っているのに、久利生は雨宮のそばにはいない。
「………っ。いかない、で………!いかないで、久利生さ……っ!」
苦しくなるほど締めつける胸に。
本人に届くことも、届けることもできないと知っていて。
雨宮は声を殺して―――
――――泣いた。
「おはよーございます、久利生さん」
かけられた声に、久利生がぼんやりと目を覚ます。
行き交う人々の雑踏を、聴覚で認識するのと。
口づけんばかりに寄った雨宮の顔を、視覚で認識するのは、ほぼ同時だった。
近すぎる雨宮に、久利生は起床早々、意識が一気に冴え渡る。
「お、はよ」
「おはようございます」
目を丸くしている久利生に、笑いがこみ上げた。
泣きたくなるくらいに、愛しい人。
覗き込んでいた久利生から体を離し、立ち上がる。
目をこする久利生を見ながら、雨宮はやわらかく微笑した。
「すいません、久利生さん。きのうは迷惑をかけてしまったみたいで」
「んあ?あー……や、気にすんな」
「寝づらくなかったですか?」
「ん。体イテェ……。まぁ、でも飛行機の中で寝っから。
それより、おまえ気分は?大丈夫かよ?」
「はい。おかげさまで。ちょっとだけ二日酔いですけど」
「ちょっとか?」
意地悪く笑みを浮かべる久利生に、雨宮はムッとした顔を向ける。
それは、いつもどおりのやりとり。
それができている自分に、雨宮は安堵した。
泣いたあとなど、微塵も見せない。
「久利生さん、飛行機何時ですか?」
「んー、確か3時。そっちは、今日仕事は?」
「休み取ってあるから、大丈夫です」
「そか。んじゃ、一旦部屋戻っていい?チェックアウトまで時間あるし、シャワー浴びてぇ」
「はい。私はもう借りたので」
「つか、化粧までばっちりじゃん」
久利生の指摘に、笑って返す。
泣いたあとをごまかすために、シャワーを借りた。
服を着て、化粧もきっちりしてから、降りてきたのだ。
今はまだ、気づいたばかりのこの不安定な感情を、久利生に告げることはできない。
本当は、今すぐ縋って引き止めたいけれど。
行かないでと泣き叫んだり、キスをしてくれとせがんだりできるほど、自分が素直でないことは、重々承知している。
「あの、久利生さん!」
「なにー?」
前を行く久利生を追いかけながら、雨宮は問う。
「石垣島って、暑いんですか?」
「あ?暑いに決まってんじゃん。南の島だぜ?」
「どのくらいですか?」
「どのくらいって…………なんで、んなこと聞くんだよ?」
「あ、久利生さんエレベーターが閉まります!」
さらりと話題を変えて、質問から逃れた。
今はまだ、秘密にしておこうと思う。
でも、きっと必ず。
この恋心を言葉にできるだけの、確信と自信が持てたなら。
石垣島まで、久利生を追いかけていくのだ。
そして――――
「………あの日焼け止め、どこにしまったんだっけ?」
「ん?なんか言った?」
「いいえ!なんでもありませんから気にしないでっ!」
「なんだよ、それ?つか、リアクションでかくね?」
「でかくないですきにしないでください。」
「いや、なんでそんな棒読み?」
いぶかしむ久利生に、雨宮は笑った。
けれども、彼女は知らない。
一大決心で石垣島まで行ったはいいが、空振りに終わり。
その後、互いに6年間も音信不通になろうとは――――
今はまだ、知る由もないのだった。
おわり。
中途半端ですいません。
でも、再会するまで、2人はなにもなかったはず!
不快な思いをさせたようなら、申し訳ないです!!!
241 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:08:31 ID:iA7pGKll
リアタイGJ!
雨宮の心に萌えた!
GJ!!
くぁwせdrftgyふじこl
GJ!
雨宮の気持ちが切なかった〜。
雨宮が何故次の日休みをとっていたのか、どうしてそこで疑問に思わない、久利生。
君に足りないのはそこだよ、そこ。
歯がゆいところがたまらんっす。職人様、ありがとうございました。
っていうか、雨宮が自分で着替えた事、なんで知ってるんだ?
横で見てたのか?手伝ったのか?本当はやってあげたのか?気になりますな。
横で着替え始めて、たまらんくなってロビーに逃げたに一票。
ここの職人の小説はドラマ見てる感じで楽しめる
>>244 突然服を脱ぎ出したのを見て慌ててパジャマを投げて逃げ出したに一票。
「あーもう、暑いなぁ」
「ちょ!ちょ、待てよ!」
てな感じかと。
もしくは脱いでる途中で(お約束通り)寝こけたのを見るに見かねて、着替えさせたのかもしれん?
気になる。
その際の久利生は
いつぞやのお泊まりの回みたいに
微妙な距離を保って見ないようにしながら着替えさせると萌ゆる。
そして更にうっかり胸を掠めてしまい
テンパりつつなんとか着替えさせて
ロビーに逃げたらいいと思うんだ。
俺はエロパロなりに着替える途中で襲っちゃう久利生も素敵じゃないかと思うんだ。
ごめん、キャラ崩れすぎた
誰か書いてくれ〜〜
251 :
180:2007/10/12(金) 00:36:41 ID:TzAzutQ2
わわ。皆さん、すごいw
実は、雨宮サイドとはべつに、久利生サイドのお話も書いたんですが。
あまり続くと、私物化と思われる気がする小心者。
2chに不慣れなため、職人さんの投下の妨げにならないよう、空気をうかがいつつ投下の予定です。
こっそり「雨宮said」と書いておいたのはそのためだったりw
252 :
108:2007/10/12(金) 00:40:30 ID:TzAzutQ2
まちがった。
自分108だった…。
said…sayの過去形
side…〜側
255 :
108:2007/10/12(金) 13:39:28 ID:TzAzutQ2
あー…
ふつうにまちがってる。しかも今まで気づかなかった…
教養のなさが露呈されてますね。失礼!
書いたもの、もう一度推敲します。
なんか、あちこちまちがってる気がしてきたw
期待してるよ108たん。
108様 早く投下頼む
258 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 11:16:34 ID:Ljva7vu7
裸でまってる
まだかな〜
まだかにゃ〜
やっぱいいね映画HERO
神じゃ
少し趣旨とずれるかもしれんが作品の自給率が低いので
新しい職人に増えてもらう為にも、我流だが
こうすりゃHEROでパロ(久利生と雨宮)ができるみたいなのを書いてみる。
不快に思う人がいたらスマソ。
・久利生は鈍感
徹底的に
ただし「お前もう三十半ばだろ」って人は
待ち受けととってもおk
・雨宮はツンデレ
ツン・デレの割合は
7:3か8:2ぐらいで
場合によっては9:1でもまかりとおるかも
・久利生と雨宮の進展具合は365歩のマーチ
三歩進んで二歩下がる
・城西支部はお好みで
ツンデレな美鈴、ヘタレな芝山、
空気の読めない末次、多きと大きに従う遠藤、
いじりキャラ江上、うだつの上がらない牛丸を加えれば、より本編ぽく
・エロイこと考えてるのはのは本人達より周り
例)御宿にお泊り回の江上、牛丸
通信ペンダント回の城西支部殆ど全員(除く鍋島)
一観客として、新しい職人の登場に期待する
おおお〜
265 :
108:2007/10/14(日) 21:21:01 ID:bK28JZxO
どーも。英語力のない108ですw
他投下があってからと思ってましたが、待ってくださってるそうなので。
推敲のため読み直したら、たいしたことない話で、激しく腰が引けてます…。
が、投下すると書いたからにはせねばねば。
久利生×雨宮。109〜119の終わりからのもろ続き。
相変わらず無駄に長い。まことに申し訳ない。
266 :
108:2007/10/14(日) 21:22:10 ID:bK28JZxO
本当に好きな女には、いつだって手が出せない。
いままでも、ずっとそうだった。
久利生は、自分に抱きついたまま眠り込んでしまった雨宮に、深いため息をつく。
とりあえず、しゃがみこんだままの体勢が辛かったので、彼女を起こさないよう腰を下ろした。
トイレの前に座り込んだマヌケな体勢に、二度目のため息。
「勘弁してくれよ、あまみやぁ…………」
こぼれるセリフにも、覇気がない。
彼女の無防備さには、正直呆れる。
かつての警戒心は、どこに置いてきたものやら。
信頼されているのだとすれば光栄だが、信頼するところを間違っているとしか、思えない。
「マジで襲うぞ、コラァ」
やけくそでつぶやいて、彼女の背中に腕を回した。
酒で体温の上がった体が、心地よい。
6月ともなれば、気温も高く、夏と呼んでも差し支えないはずなのに。
温かい雨宮の体は、少しも久利生を、不快な気分にさせることがなかった。
こうして、意識のない雨宮を抱きしめていると、おかしな気分になってくる。
このまま貪って、めちゃくちゃにしてやりたいような。
大切に抱きしめたまま、ずっと守っていてやりたいような。
でも、きっとどちらも無理だ。
めちゃくちゃにするには、大切すぎて。
守り続けるには、欲が強すぎ、自制できない。
久利生は、背中の手を雨宮の頭に乗せた。
抱き上げて運んでやれればよいのだが、体勢が悪すぎる。
彼女を担ぎ上げることもままならず、久利生は雨宮の頭をやさしく叩いた。
「雨宮、起きて。寝んなら、ベッド行けって。ゆずってやっから」
「…………」
「おまえが起きてくんねぇと、オレも立てねぇじゃん。ほら!」
「………………ん」
「あと3秒で起きないと、襲うぞ〜」
「………ん、くる、し…………!」
うめくような声を漏らした雨宮が、顔を上げるのが気配でわかった。
なんとか意識を取り戻したようで、安堵する。
寝ついたところを起こして悪かったが、こんな体勢では、どうせ安眠は期待できない。
久利生が雨宮の肩を叩くと、彼女はゆるゆると、身を起こした。
「立てるか、雨宮?とりあえず、ベッドまで――――って、雨宮ッ!!!」
彼女を気遣うようにしゃべっていた久利生が、鋭く叫ぶ。
彼の視線の先では。
朦朧とした瞳の雨宮が、トップスのボタンを、外すところだった。
無言のまま、自分の衣服を脱ぎ始める雨宮に、久利生は滑稽なほど慌てた。
彼女は、ここに久利生がいることを、認識していない。
まるで、帰宅したかのように、衣服を剥ぎ始める雨宮。
露出し始めた胸元に、久利生は大慌てでストップをかける。
「雨宮、たんまっ!まずいって!」
「………あれ?くりゅう、さん………?」
「そ!オレいんだから、ちょっと待てって!」
「だって、くるしー………」
言いながら、前のめりに倒れてくる。
それをとっさに受け止めて、久利生は心の中で、頭を抱えた。
要するに、雨宮は今も気分が悪いのだ。
胸を圧迫する下着類を、取り払いたいのが彼女の行動理由だが、久利生にそれがわかるはずもない。
とりあえず、彼女が着替えたがっていることだけは認識できた。
久利生は、手を貸して雨宮を風呂の壁に、もたれかからせると。
部屋のクロゼットから備え付けの寝巻きを手に、取って返す。
「ほら、雨宮。これ、着替えな」
「あー……ありがとおございます………」
「おまえ、マジで大丈夫か?」
「だいじょおぶですよー」
「ホントかよ……」
なぜか笑っている雨宮に、不安が増す。
けれども、着替えるのをそばで見ているわけにもいかず、久利生は扉を閉めた。
「着替えたら呼べよー」
「はー……」
――――なんで返事がフェードアウト!?
背を向けたはずの扉を、二度見する。
が、もう一度扉を開くわけにもいかないだろう。
特に物音もしないし、大丈夫…………だと思う。きっと。たぶん。
久利生は、ユニットバスの扉に背を預けたまま、ずるずるとその場に座り込んだ。
「なんの嫌がらせだよ、マジで」
うなだれて、つぶやく。
昔に比べたら、ずっと品行方正に生きているはずなのに、この試練は何?
俺、なんかしましたか神様?
サッカー観戦より、ずっと気力使うんですけど。
なにに気力が持っていかれるって。
据え膳です!とばかりに差し出された彼女を前に、自制することが、なによりきつい。
あんな風にされたら、ふつう我慢できないと思う。
手を出しても、きっと罰は当たらないにちがいない。
――――でも、それでも。
「意識のない女にやることじゃねぇだろ………」
自分はそれでもいい。
本当は、今すぐにでも襲い掛かりたいくらいである。
が、雨宮にしてみれば、寝込みを襲われるようなものだろう。
ましてや、きっと初めてだ。
昔から、本当に好きな女には、指一本触れられなかった。
フェロモン振り撒くような色っぽい女が好みの割りに。
本気で惚れるのは、いつも委員長タイプのお堅い女ばかりだったから。
「つか、真面目っ子のくせに酒癖悪いって、どんな個性だよ………」
ため息混じりに、扉を睨む。
そこで、気づいた。
着替えるだけにしては、ずいぶん長い。
「………雨宮?」
呼びかけてみるが、返事がない。
立ち上がって、ノックする。
「おーい、雨宮?終わった?」
何度呼びかけても返答のない様に、まさか中で倒れているのではと、不安になった。
入るぞと断って、恐る恐る扉を開く。
一応、着替えをさせるために閉めた扉なので、開く手も遠慮がちになった。
「あまみ――――!!!」
呼びかけた声が、凍る。
目の前の光景に、久利生は言葉を失った。
飛び込んできたのは、白い背中だった。
羽根が生えていても不思議ではないくらい、真っ白な背中。
雨宮は、なにもまとっていない背中をこちらに向けて、浴槽にもたれかかっている。
肩から伸びる細い腕が、頭を支えて。
その下には、体を斜めに向けているせいで、胸の曲線がはっきりと認識できた。
今まで目にすることのなかった、彼女の姿。
目をそむけるべきだと、わかっている。
こんな、盗み見るような真似。
でも、できない。釘付けになる。
今すぐ駆け寄って、組み敷きたい――――
思考が、危険な―――ある意味、男として正常な―――方向に流されそうになって。
久利生は、ハッと我に返った。
「わりっ……!」
慌てて、後ろを向く。
彼女からの罵声を覚悟するも、どれだけ待っても、何の反応もなかった。
しばし逡巡して、ゆっくり、もう一度振り返る。
やはりそのままの格好で、突っ伏している雨宮。
ぴくりとも動かない。
「雨宮……さん?」
薄目を開けて観察する限り、どうやら彼女は寝ているようだ。
微かに、寝息も聞こえてくる。
「…………マジか。」
もはや、試練とかいう問題ではない。
「寝んなら、ぜんぶ着替えてから寝ろよ……!」
愚痴るようにこぼして、久利生は深く思案した。
どうするべきかを、指折り考える。
@このまま放っておく。
Aとりあえず、服を着させる。
B襲う。
「いやいやいや。だから、B番はマズイって」
見ていると、冷静な判断力を保てるはずもなく、再び久利生は背を向けた。
その上で、考える。
とりあえず、B番は論外。
選びたいのは山々だが、強姦魔になる気はない。
かといって、放っておくわけにもいかないだろう。
いくら暖かい季節とはいえ、裸で風呂場は、風邪を引く。
――――ということは。
行き着いた考えに、めまいがした。
着替えさせんの?オレがぁ?
ちらりと視線をずらせば、白い背中。
あれに触れて、平静を保っていられるわけがない。
久利生は、下を見て、上を見て、頭を掻いた。
意味もなく彼女の名を呼んで、起きる様子がないかと確認する。
ダメだ。
動く気配すらねぇ。
「だー、もー、ファイナルアンサー?」
自分で自分に最終確認。
彼女に服を着させる。
あの肌に触れながら。なにも、しないで。
―――ファイナルアンサー。
この世の終わりみたいな表情で、久利生は決意すると。
六法全書を思い浮かべながら、苦行に立ち向かうべく、振り返った。
眼鏡が、浴槽の中に落ちている。
眠る雨宮に近づいた久利生は、まず最初に、それを拾い上げた。
罪の意識が強すぎて、彼女の肌を直視できないのだ。
もちろん、久利生は彼女が風邪を引かないよう服を着せるのであって。
けして、邪な気持ちで、触れるのではない。
けれども、下心が皆無とは呼べない状態ではあるから、だから罪の意識を持つのだ。
「オレはなんもしない。着せるだけ。はい、ちゃっちゃと終わらす!」
呪文のように繰り返し唱えて、着るつもりだったのだろう渡した寝巻きを、拾い上げた。
広いとはいえないユニットバス内で、久利生の顔と雨宮の肌が、近づいた。
規則的な呼吸音が響くそこで。
無防備な、素肌の彼女。
―――あ、やべぇ。こりゃ、欲情するわ。
他人事のように考えることで、かろうじて理性を保つ。
実際、彼女の白い肌を間近で見ることは、思った以上の刺激になった。
長い時間かけて精神統一を図り、いざ向き合ってみれば。
六法全書も吹っ飛んでしまったのだから、意味がない。
おそらく、着替えの途中だったのだろう。
座り込んだ足元に、衣服が脱ぎ散らかされて、固まっている。
久利生は、視線を合わせたりそらせたりを無駄に繰り返すと、とうとう彼女の肌に触れた。
吸いつくようなやわらかな感触に、よからぬ妄想が駆け抜ける。
雨宮は目覚めない。
ずっと、男としては賞賛に値するほどに、理性を保ち続けていた久利生の。
一角が――――崩れた。
白いうなじに、口づける。
それは、まるで吸い寄せられるように。
衝動のままに、口づけた。
触れるだけのキスを落としたまま、ゆっくりと下がる。
うなじから、首のつけ根へ。華奢な肩から、肩甲骨へ。
背中に指を這わせながら、いっそこのまま――――と考えた瞬間。
雨宮の口から、寝言が漏れた。
「………くりゅう……さ…ん………!」
「―――――ッ!?」
弾かれたように、身を離す。
顔が赤くなっているのが、自分でもわかった。
―――俺……今、なにを?
我に返って、後悔する。
最低だ。もう少しで、雨宮を汚すところだった。
安らかに眠る彼女の顔を見る。
安心しきって、眠っているその寝顔。
素顔の彼女を、今まで何度意識したことだろう。
初めて見たときから、ずっと惹かれ続けている女。
「…………わりぃ」
届かないとわかっていながら、視線を伏せて詫びた。
鉄の自制心を呼び起こして、取り落とした寝巻きを羽織らせる。
細い腕を取り、袖に通した。
ひたすら六法全書に頼りながら、着せた寝巻きのボタンを留める。
夜が明ければ、石垣へ帰る身で。
彼女に、なにが言えるだろう。
待っていてほしい、など。
東京に戻ることなど、もう二度とないかもしれないのに。
なにも言えないのならば、なにもするべきではない。
そもそも、この感情が恋と呼べる類のものなのか、久利生にも自信がないのだ。
大切なのは確かで、女として意識しているのも確かだが。
それ以上に、事務官としてパートナーとして、雨宮舞子という女性が大切だった。
たった一度の過ちで、彼女に嫌悪の対象と見られるのは、御免である。
「雨宮、担ぐぞー」
何とか無事やりとげて、久利生は雨宮を抱え上げた。
雨宮の頭がかくんと揺れて、白いのどが、あらわになる。
久利生は、開いた口を強く結んだ。
いちいち揺さぶられる自分の情けなさを、笑う。
彼女をベッドまで連れてきて、ようやく一息ついた。
本当に、今日1日で、何年分も年を取ったような気持ちになる。
そっとそのやわらかな髪を撫でると、ちいさく身じろいだ。
その様子が、小さな子供のようにかわいらしくて、頬が緩む。
「ごめんな、雨宮」
久利生は侘びの言葉とともに、彼女のそばを離れた。
走り書きのようなメモを残し、まっすぐ部屋を出る。
そばにいれば、またよからぬことを考えてしまうのは、明白だから。
だから、今夜はいっしょにいられない。
もう少し、自制がきけばよかったのだが。
最後に一度だけ振り返って、扉を閉めた。
大きく伸びをしながら、廊下を歩く。
「あー、どうすっかな。とりあえず、ロビーで寝っか。つーか、俺寝れんのかよ?」
真夜中過ぎの、ホテルの廊下。
独り言をつぶやきながら、久利生はエレベーターの中に消えた。
ちなみに、久利生はその日、なかなか寝付くことができなかった。
目を閉じれば、まぶたの裏に浮かぶ、白い肌。
その幻影を追い払うのに、結局彼は数ヶ月を要し――――
きちんと頭の中で整理される前に、雨宮が石垣島へやってくるものだから。
ビーチで披露された水着姿に、この日のことが彷彿とされて。
表向き、仕事を理由に雨宮を放置したことになっているが、本当のところは。
この件が、理由の3割を占めていたことは、秘密である。
END
274 :
108:2007/10/14(日) 21:40:39 ID:bK28JZxO
というわけで、久利生氏の受難話。
そうやってすれちがいながら6年を過ごしてればいいと思う。
その気がないわけじゃないのに、行動に起こせずはっきり自覚せずを繰り返せばいい。
お粗末さまでした!
>>108 お疲れさんでした。
こやってエロをはさむのもありなんだと勉強になったわ。d。
GJ〜!
久利生ナイスヘタレっぷりw
>>108 GJ!英語力ないのは俺も一緒なんで!
裸雨宮に萌え萌え
GJ!!
個人的には久利生側のほうが好きです!
GJ!!
こんなのもいいな。
108さん、また頼みます。
GJ!!
また書いて下さい。
芝山×美鈴みたい。
HEROみたいにキャラひとりひとりが生きてる映画は
なかなか無いね
久しぶりに来てみたけど…
いつきてもここは天国だよ(つД`)
職人さん方、神作品投下ありがとうございます
特に6:4さんは本当にドラマみたいですな
だれかーかいてー
職人さん。書いて下さい!
大の男が4人もいるのに美鈴一人不機嫌なだけで
ビクビクする城西支部のへたれっぷり いいなー
8話の感想でした
下がりすぎてるのでage
職人さん待ってますー
職人さん。また書いて下さい!
290 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 19:58:09 ID:Hbrlg0U8
保守
エロは苦手なので読みづらいと思いますけど
書いていいですか?
292 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/26(金) 21:51:12 ID:+3esd28O
291さん
書いてください!
どうぞ!というかお願いします!!
切実にお願いします!
書いてくれ〜
頼みます〜
お願いします!
ほしゅ
誰か〜〜!
300 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 16:04:57 ID:W1DFZrvb
たのむ!書いて!
301 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 23:17:59 ID:tYCWz7rS
クレクレ厨なレスが続くと
職人降臨しにくくなるから。
雨宮的ツンデレなレスならまだアリw
別に書いてくれなんて頼んでませんけど!
…まぁ…そんなに書きたいっていうなら…書いてくれてもいいですよ?
美鈴様萌ゆる
304 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 19:11:19 ID:qgq8qhxX
ファイナルアンサー、職人さま!書いてぇー!!
美鈴さんエロい。
306 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 11:16:02 ID:T8LpUUF0
あげ
ガリレオこわいねw
職人こないかな〜
このスレは過疎ってしまったのか…?
俺はこのスレを愛してる
まだまだ離れる気はないけどな。
一日レスないと不安になる俺。
HERO続編まだかにゃまだかにゃ
今日2回目映画行って来た!
やっぱ雨宮カワエーな。
およそ2ヶ月ぶりに見たんで若干興奮気味だw
俺5回目いってきた
雨宮かわいーな
久利生になりたい
ゆで卵な彼女がほしい俺
自分も日曜また見に行ってきた。やっぱり面白いね。
エロ苦手なんで書けないかもだけど、なんか書いてみる。
ありがたい。最近確かに過疎ってきたなと思ってたとこだった。期待。
318 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 12:09:31 ID:03eBvm16
ありがとう316
天使が舞い降りた
316です。初投下なんで、変だったら申し訳ない。
雨宮はまた、久利生の捜査に巻き込まれて職場からは遥かに離れた千葉に居た。
どうして久利生がこんなにお出かけ捜査が好きなのかは、事務官としての付き合いの間に分かったようで、
その後のとばっちりを考えると未だに分からないような、つまりは素直に喜んで付いていくものではなかった。
「久利生さん、まだ何かあるんですか。まさかまた泊まるとか言うんじゃありませんよね」
「んー別に…」
目的があって海岸を歩いているようにはどうにも見えない久利生は、はっきりしない口調で答える。
ついさっき事件の関係者の自宅を訪ねて、さあ帰ろうという時に久利生は考え事の時間を作るためのように海岸を歩き出したのだ。
雨宮は嫌な予感がして、海を見ながらゆったりと歩いている久利生の横顔に、
砂浜に足を取られかけながら、宣戦布告のように強調して言っておいた。
「言っておきますけど、今回泊まっても私は帰りますからね!」
前回と違って、別に部長からの叱責が待っている訳でもないし、たとえあったとしても、
また久利生に仕事を押し付けられた同僚達からの不平くらいだ。
いくら事務官でも、いきなり泊まるとか言われたらよほどの理由がない限り、流石に付き合いきれない。
心も体も準備が出来ていない。
「やっぱ俺泊まってくわ」
ほら来た、やっぱり。
「私は帰りますからね」
「そ」
「とにかく帰るんです。仕事だってうーんと溜まってるんですから」
「…あ」
「何ですか」
「前さあ、今度仕事任せちゃったら雨宮とワリカンで食事奢る約束しちゃったんだよね」
「はああ!?」
何をそんな約束をさせられて…というか、何で私までいつの間にか巻き込まれてるの!?
むしろ迷惑かけられているこっちがフルコースで奢ってほしいくらいだというのに。
「帰るんだったら悪いけどさ、代わりにみんなに奢っといて。よろしこ」
雨宮は思わず頭の中で奢った場合の費用を計算する。1人2千円としてかける6人。
…い、1万2千円!?しかも1対6では言い訳するにもあまりに分が悪すぎる。
皆に責められた挙句の果てに夕飯を全員分奢らされるのと、久利生に付き合って1泊するのと。
雨宮は少しの間考えて、答えを出した。
「わ、私も泊まります!」
「帰んじゃなかったの」
「いえっ、久利生検事のじ、事務官ですから!」
「…あっそ。じゃあ行くよ、事務官」
のんびりと、それでも今までよりは速い歩みで歩き出した久利生の背中を、雨宮は半ばやけくそになりながら追いかけた。
2人が泊まることになったのは、話を聞いた事件の関係者の家族がやっている民宿だった。
(久利生さんは何か千葉の民宿に因縁でもあるんだろうか)
いきなりの宿泊ではあるが、流石に今回は部屋はあると思っていたのだが、
雨宮の予想(むしろ希望というべきか)は見事に裏切られることとなった。
「生憎今日は一部屋しか…」
二度あることは三度あるというか、申し訳なさそうな顔で宿の人間に一部屋しかないと告げられた時は、
何だか仕組まれているような気さえした。
廊下を歩きながら、肩を落とした様子で雨宮はぼそりと呟く。
「やっぱり帰ればよかった…」
「あ?何か言った?」
「何でもありません…」
雨宮がそう言うと、気落ちした雨宮とは反対に久利生は嬉しそうに呟いた。
「やっぱ布団かな。布団だな、うん」
「……はあ…」
さらには、部屋に入った時に真っ先に目に飛び込んできた、まるで最初から一枚の布団だったように
隙間なくぴったりとくっつけられた二枚の布団を見た時には、もはや眩暈さえしてくる雨宮だった。
えろが書けないんでとりあえずここまで。
エロパロだから何かしら書きたいが、自信ない。
316さんありがとー!新作待ってました!ぜひぜひ続きおねがいします!
ふぉぉぉぉ!!久しぶりの新作!!GJ〜
エロ自信なくてもおkおkですので待ってます。
お待ちしております。
えろなんていらない!あなたがいてくれて幸せです。
ということで続きをw
326 :
316:2007/11/20(火) 16:24:50 ID:GychqOJG
再び316です。長ったらしくなりましたが、一応続き。
雨宮の強い希望で6年前と同じように2枚の布団の間にテーブルを置くことで落ち着いた2人は、
久利生がいつの間にかコンビニで買っていたチューハイを飲み交わしていた。
最初こそ遠慮気味だった雨宮も、喉が渇いていたせいもあってか、
アルコールの抵抗がほとんどなくするすると喉を滑り落ちていくそれを、
酒に強くもないくせにハイペースで飲み進めていく。
あまり飲み過ぎるようだったら止めようと思いながら反対側で酒を飲んでいた久利生が、ふと思い出した。
6年前のあの日、恋人が居ると嘘をついた雨宮とこんな風にテーブルを挟んで話をしたことを。
あの時の自分は、果たしてこの日の姿を想像することが出来ていただろうか。
あの日の言葉どおり、短期で気の強い、真面目で堅い雨宮を好きになって、所謂恋人というさやに納まった。
何度も転勤を繰り返して、帰って来た城西支部では、再び雨宮が自分の担当事務官になった。
多分、想像できていなかっただろうな、と久利生がかつての自分に想いを馳せていると、雨宮がまたチューハイの缶を開ける音がした。
「おい、飲みすぎだっつーの」
久利生が止めると、雨宮は聞いていなかったように「あー酔えない。どうして?」と言いながらまたも酒を煽る。
…どう見ても酔っているのだが。
酔うのは結構だが、もう少し場所を弁えて欲しいものだ…
机の上に既に空になって置かれた4本の缶を数えながら、久利生は思わず心の中で溜息を吐いた。
酔ってしまった雨宮は性質が悪い。
そのままころりと寝てしまえば可愛いものだが、まだ意識があるうちは何を言い出すか分からないのだ。
327 :
316:2007/11/20(火) 16:26:41 ID:GychqOJG
ああ、親切心で酒なんか買ってやるんじゃなかったと久利生が後悔しながらも、
どうにか彼女の意識を飲酒から逸らそうと適当に思いついたことを言ってみる。
「おい、風呂入れよ、風呂」
そう言うと意外にも、反論を予想していた久利生に、雨宮は「そうですね」と素直に従って手にしていた缶をテーブルに置いた。
少しだけ拍子抜けしながら、バスタオルやら浴衣やらを準備し始めた雨宮の背中を見ていた久利生も、
ぼんやりしていないで自分も風呂に入ろうと、手にしていたチューハイの残りを一気に煽った。
「あーいい風呂だったあ」
満足気な様子で風呂を上がった久利生は、ちょうど隣の女湯から出てきた雨宮と鉢合わせした。
久利生に気がついた雨宮は、にこりと笑顔を浮かべながら、彼に声を掛けた。しかし、その様子はどこかおかしい。
「あ、くりゅうさん」
「……お前、酔ってない?」
「ぜんぜん、そんなことありません」
舌足らずに久利生の言葉を否定する雨宮は明らかに酔っている。
足取りも覚束ない様子で、雨宮はふらふらと歩き出した。どうやら風呂に入って余計にアルコールが回ったらしい。
見ていて危なっかしいので、隣に立ってペースを落としながら一緒に歩いてやると、
雨宮は独り言のように「ぶちょうしんぱいしてるかなー」とか、「あしたもしごとたくさんやらなきゃー」と妙に現実的なことを、上手く回っていない舌で心配し始めた。
それより自分自身を心配しろよ…。
久利生がまた心の中で溜息を吐いていると、不意に隣の雨宮の身体がゆらりと傾ぐ。
慌ててその腕を掴むと、どうにも力の入りきっていない彼女の身体の感触が返ってきて、
久利生は仕方なく身を屈めて、彼女の腕を自分の肩に回させるようにして、歩き出した。
すっかり酔ってしまっている雨宮は、久利生に身体を預けきって、どこぞの酔っ払ったサラリーマン状態になっていた。
酔っ払った男の介抱も嫌だが、これはこれで嫌な光景だな、と久利生は何とはなしに思った。
328 :
316:2007/11/20(火) 16:28:27 ID:GychqOJG
「おい!着いたぞ、雨宮」
「んー…」
半ば引き摺るようにして雨宮を部屋まで連れてきた久利生は、明かりをつけることもままならず何とか布団に彼女を寝かせようとしたのだが、
下手に手を離すと彼女が床に頭から落ちそうだったので、彼女の意思でどうにか布団に寝てもらいたかったのだが、雨宮は久利生の浴衣をしっかりと掴んで離さない。
どうにか身を屈めて彼女を安全に布団に下ろしてやろうとしたとき、雨宮の力の抜け切った身体がぐらりとずり落ち、久利生の浴衣を思い切り引っ張ったまま倒れた。
巻き込まれるように倒れこんだ久利生は、衝撃で思わず瞑っていた目を開けて初めて自分が雨宮を押し倒しているような格好になってしまったことに気がつく。
咄嗟に身を離そうとして、身体が糸で引っ張られたように中途半端な体勢で止まる。
明かりを消したままの部屋で、窓の外からの弱弱しい明かりの中に雨宮の姿がぼんやりと浮かぶ。
体勢を崩したりしたせいで肌蹴てしまった浴衣の胸元から白い肌が覗く。ふわりと香る清潔な石鹸の香りは、妙に鼻をついて、惹きつけて離さない。
酔ったのと、風呂に入ったせいで頬はほんのりと色づき、崩れ落ちた衝撃で眼鏡は外れてしまったのか無防備な顔が久利生の前に晒されていた。
目の前を、いつかの夜の雨宮の姿がフラッシュバックした。
329 :
316:2007/11/20(火) 16:30:17 ID:GychqOJG
酔っ払っているからだろう、久利生の苦労も知らずに布団に倒れこんでそのまま目を閉じてしまっている雨宮の薄っすらと開いた唇に、
そのまま半ば衝動で口付ける。
いつもよりもやわらかく感じられる無防備なそれに、触れては離れ、触れては離れの軽い口付けを繰り返すうちに、
身体の奥底がじわりと熱くなってくる。
久利生も多少は酔っ払っていたのか、いつもなら押し止められるはずの衝動を止められずにいた。
ここには仕事で来ているということも忘れて、久利生がさらに事を進めようとした時。
「んー…起訴…くりゅ…さん……」
雨宮が酔っぱらって寝ぼけたまま呟く。それを聞いた途端、久利生はいきなり現実に引き戻された。
既に夢でも見ているのか、雨宮はむにゃむにゃと口を動かしながら起訴だの不起訴だの、証拠だの呟いている。
そうだ、ここには捜査で来てるのに、何してんだ俺。
いきなり頭上から冷水をぶっ掛けられたように平生に戻った久利生の目の前には、それでも、肌蹴た胸元と無防備にも程がありすぎるほどの雨宮の姿。
目の前に据え膳を差し出されたような状態で久利生は苦悩した後、未だに事件の夢を見ているらしく「起訴―」と呟いている雨宮の胸元をそっと閉じてやり、
布団を被せて自分から見えないようにすると、それでも尚振り切るように後ろを向いてから、暗い部屋の中一人、疲れきった溜息を吐いたのだった。
END
長くて、しかもえろに持っていけなかった、申し訳ない!
他の職人様の到来もお待ちしてます。
おちかれー
ちょいと苦言。
一文が長すぎ。音読してないでしょ?
もう少し短めに文をまとめて改行したほうが読みやすいよ。
>330
確かに仰る通りです。投下してからしまったと思った…。
しばらく潜ってくる。
>>316 投下GJ!
私は投下する勇気だけでも立派だと思うけど・・・
GJGJ!イイヨー
一文が長くても違和感なかった、楽しめました!
どうもありがとう
文章と点のつけ方がうまい!
335 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 01:23:24 ID:k4WVXzcQ
保守
このスレ愛してる
俺も。
338 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 05:09:42 ID:jLSE0IDs
ホシュ
同じく
ほしゅ
保守
342 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 11:19:51 ID:wl9xIQlN
ここのスレ守ります
保
保守。
映画とうとう終わっちゃったね。
昨日最後の最後に見たけど、何度見ても面白かった。
345 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 11:09:59 ID:xU+Ek3mI
dvd楽しみ!
俺も水曜に最後行ってきた…
今までありがとう。これからもよろしく。
という心境
過疎…dvd発売に期待。
保守
メリークリスマス
350 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 19:24:18 ID:M+useQKk
ほしゅ
保守。
もう今年も終わりだな…
保守
あけおめ
ことよろ
新年よろしこ
356 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 14:59:45 ID:uRqUlzHa
今年もよろしこ〜
DVD発売決定おめ!
358 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 18:40:05 ID:fHodKn38
DVD8000円のほう買うよ
儲かれHEROw
久利生×雨宮激しくキボンヌ
360 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 18:58:36 ID:OU2MM/uF
ほしゅ
保守。
そういえば久利生の中の人がやってるラジオって、エロパロ的においしいこと結構言ってるな。
HERO-Rとか…
自分もこのスレ守りますぞ
363 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 23:43:20 ID:yZEuM82C
だからほす
なんかかきたい
DVDきたら書けるかな
366 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 21:31:33 ID:zvvIizHa
367 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 16:32:28 ID:x/cTFCyX
保守
369 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 16:31:52 ID:0pkXTEpi
ほす
ほしゅ
371 :
名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 13:56:31 ID:cglsWBiE
372 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 15:15:57 ID:yaANi203
DVDの雨宮の中の人のすけべ発言GJだった。
でも久利生、鈍感ですけべってww
374 :
名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 15:21:16 ID:D46TGS2Y
>>374 インタビューの「久利生公平の魅力について」で、
「芯が通ってるけど、普通にすけべなところもある」
みたいなことを言ってた。
保守
377 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 13:07:17 ID:AVGcGIjK
保守
4
380 :
名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 21:34:44 ID:1WodSzSs
良スレ保守
もひとつおまけに保守
保守
383 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 22:43:38 ID:TYnt6pb7
保守っ
保守
385 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 00:20:45 ID:99D6VOh3
あげ
386 :
108:2008/07/25(金) 20:52:28 ID:zbYiO7LF
お久しぶりです。
以前3作ほど駄作を投下しました108です。
過疎っているので、久々に投下したいと思います。
久利生×雨宮前提の久利生×巽。
たとえ昔でも、久利生と巽に何かあったなんてNO!という人はスルーが吉。
特にエロくはない。
そして、相変わらず無駄に長い。
387 :
久利生×巽:2008/07/25(金) 20:54:02 ID:zbYiO7LF
「私たち、別れよっか」
彼女は、突然そう言った。
まるで、買い物にでも誘うかのような気軽さだ。
あまりの唐突さに、久利生の目が丸くなる。
「――は!?」
飛び起きた久利生の前で、彼女は艶然と笑っていた。
それは、まるで。
相手を挑発するような、勇ましい笑み。
388 :
久利生×巽2:2008/07/25(金) 20:55:38 ID:zbYiO7LF
巽江里子は、いい女である。
美人でスタイルがいいだけでなく、頭もいい。
気が強く好戦的だが、腹を割って話せば意外にとっつきやすい性格なのも、好感が持てた。
そんな男らしい性格とは裏腹に、色気は特盛。言い寄る男も数知れず。
その彼女と、同期のよしみで友人となり、一歩進んで悪友となった。
久利生は、まったく意識していなかったものの、
「私たち、つき合わない?」
と言われて、断る理由など存在しない。
一足飛びに恋人となって、逢瀬を続けること3ヶ月。
今度はいきなり
「私たち、別れよっか」
で、チェックメイトされてしまった。
ちなみに、場所はホテルの一室。
ついさきほどまでその腕に抱いていた彼女に、今は別れを切り出されている――――
なんだか、とてつもなく情けない状況だ。
久利生は、最初の驚きから回復すると、乱暴に頭を掻いた。
いきなり別れを切り出される理由は皆目検討つかないが、巽は戯れにそんなことを口にする性格でもない。
それはアレですか俺のテクでは満足できませんとかそーゆー理由ですか江里子さん?
もしそれが真実なら、ちょっとマジへこむんですけど。
若干しょんぼりとした様子の久利生に、巽が声を上げて笑った。
いまだ服も纏わずベッドに身を預ける久利生と異なり、彼女はすっかり通常モードだ。
あどけなさを残す素顔にキリリとしたメイクを施し、スーツをきっちり着こなしている。
巽は、広げたメイク道具はそのままに、ドレッサーからベッドサイドに移動すると、久利生のそばに腰掛けた。
389 :
久利生×巽3:2008/07/25(金) 20:56:51 ID:zbYiO7LF
「ね。理由―――知りたい?」
からかうような巽を、久利生は恨めしげに見る。
「そりゃあ、まあ」
巽が、小さく肩をすくめる。
久利生の肩に身を寄せて、囁くように巽は言った。
「私、弁護士を目指すことにしたわ」
「――うん?」
それと、別れを切り出されることに何の関係が?
そんな表情をしている久利生に、巽が笑った。
何もわかっていない久利生。
まるで少年のような久利生。
そんな彼が、巽は好きだったけれど、でも彼女だって譲れないものがあるのだ。
「私、1番じゃないと嫌なの」
「あ?おまえ、いっつも1番じゃん」
「何言ってんの。いつもあんたがあたしを阻んでんじゃない。
公平が検事一本だっていうから、あたしは弁護士になるって決めたの」
「んだそれ。俺が検事で、江里子が弁護士目指すから、別れるって?」
「ちがうわよ。私が1番じゃないと嫌だから、よ」
巽はそう言って、思い切り久利生の耳に息を吹きかけた。
驚いた久利生が仰け反るのを、楽しそうに彼女は見ている。
「なにすんだよっ!」
「それはこっちのセリフ。あんた、他に好きな女いるでしょ?」
「はあ!?」
突然の指摘に、久利生が訝しげに眉を顰めた。
「なに、浮気疑惑?」
「まっさか!公平に浮気するなんて甲斐性、あるわけないじゃん」
「おま、じゃあ何なわけ?」
「ほんっと、自覚症状薄いわね」
巽が、呆れたようにため息をつく。
困惑する久利生は見ていて楽しいが、自覚ぐらいしてもらわないと、こちらも報われない。
巽は、久利生のこめかみを小突きながら、言ってやった。
「あんた、高松さんのこと好きでしょ?」
「は!?」
言われた言葉に、久利生の思考が停止する。
390 :
久利生×巽4:2008/07/25(金) 20:58:02 ID:zbYiO7LF
高松という女性もまた、久利生らの同期だった。
お堅い委員長タイプの彼女は、馴れ合いを嫌う努力家で、久利生とも巽とも交流は浅い。
けれども、孤立しがちな彼女のことを、久利生は何かと気にかけていた。
が、けっして巽のいうような好意を、彼女に持っていたつもりはないのだ。
第一、彼女には片思いの相手がいるという噂である。
「おま、何か勘違いしてねぇ?」
「あら、何か間違いでも?」
「だって知ってんの?俺、高松さんに微妙に煙たがられてるし」
「もちろん、知ってるわよー。何かと孤立しがちな彼女に、ことあるごとにちょっかい出して嫌われてるんでしょ?」
「あ、ひでー」
「だって、ホントのことじゃない。ついでに言うと、公平っていっつも彼女のこと目で追っかけてる」
「いや、だから勘違いだって―――」
「だったらそれでもいいけど。認めるくらいしないと、いつか後悔するわよ」
悪戯っぽく笑って、巽は立ち上がった。
ぽかんと阿呆面さらしている久利生を、もう一度だけ小突いてやる。
久利生の少年ぽさが好きだった。
自分も、純粋でいられる気がして。
でも、やっぱり彼はダメだ。自分は、いつまでも少女のままではいられない。
「じゃ、あたし行くわ」
「………ん。」
巽の言葉が効いたのか、久利生は口の中で小さく返答する。
けれども、巽が部屋を出る直前に、久利生は彼女を呼び止めた。
「江里子っ!」
「ん?」
「明日、研修所でな」
久利生が笑うと、巽も笑った。
じゃね、と。
昨日までと変わらない顔で、巽は颯爽と立ち去っていく。
その後姿に、やはり彼女はいい女だと、久利生は改めて思った。
巽に指摘された気持ちは、まだ自分でも認めることのできない非常に曖昧なもので。
それよりも、巽に対して感じていた気持ちの方が、久利生にとってはリアルなものだ。
軽いノリで始まったつき合いだったけれど、久利生は久利生なりに巽のことが好きだった。
でも今となっては、恋人でいるよりも、自分をライバル視して張り合ってくる巽の方が、しっくりくるような気もする。
だから、きっとこれでいいのだ。
391 :
久利生×巽5:2008/07/25(金) 20:59:04 ID:zbYiO7LF
「―――で。
結局、高松さんには何も言えず終い。
自覚したときには、高松さんは弁護士の男と電撃結婚してしまいました、と。」
もはや何杯目かもわからないカクテルグラスを傾けながら、巽が意地悪く笑った。
あの頃と変わりない笑い声に、久利生は視線を泳がせるより他にない。
なじみのバーに2人並んで、今日は珍しく2人きりで飲んでいる。
こうして互いに検事と弁護士になって、連絡を取る機会はめっきり減ってしまった。
けれども、たまには肩を並べて、昔話に花を咲かせることもあるのだ。
「だっから言ったでしょー?いつか後悔するって!」
「うっせーよ。いーんだよ、高松さんのことは」
「あっそ。今は愛しの補佐官さんがいるもんねー」
「げぇっほ!」
派手にむせ返った久利生に、巽がけらけらと声を上げる。
「その様子だと、ようやく実ったみたいねー。何年越しよー?5年?いや、6年?」
「おま、ふざけんなよ!」
「やだ、公平きったなーい!ほら、口拭きなさいよ!」
「誰のせいだよ!って、おしぼり投げんな!」
少しだけ酔っている巽は、ぶつぶつ文句を言いながら酒を拭いている久利生を、ぼんやり眺めた。
一度恋して、そして友人に戻った彼を、今はそういう対象として見ることなどない。
相手の女性には、互いに別の道を歩き始めて再会した6年前に、一度会ったきりだ。
確か、名前は雨宮と言っただろうか?
お堅そうな雰囲気が、高松さんにそっくりだった。
彼は、どんな風に彼女を抱くのだろう。
彼女は、どんな風に啼くのだろうか。
392 :
久利生×巽6:2008/07/25(金) 21:00:09 ID:zbYiO7LF
「ねー、公平?」
「なんだよ………って、江里子さん江里子さん笑顔が何か怖いんですけど!」
「ね、補佐官さんどんなカンジ?」
「………なにが?」
「やーね、決まってんじゃない!体の相性、確かめたんでしょ?」
ガシャン!!!!
久利生のグラスが、テーブルに落ちた。
結局、一度も味わうことのできなかったカクテルが、グラスごとご臨終となる。
「ちょっと、何やってんのよ公平〜」
「江里子が変なこと言うからだろっ!」
「いい年なんだから、そんなことで動揺してんじゃないわよ。
あたしとだったら平気でこなしてたっていうのに、本命となると相変わらず腰抜けなんだから」
「ざっけんな!だれが腰抜けだよ!?」
「久利生公平に決まってるでしょ。
ちがうってんなら、これから補佐官のトコ行って、夜這いでもかけてらっしゃい」
「おう、行ってやろうじゃん!!!」
どうやら、久利生にもだいぶ酔いが回ってきたらしい。
売り言葉に買い言葉で、とんでもないことを口走っている。
そして、巽も以下同文。
「おー、行け行けー!景気づけに、カンパーイ!」
「グラスねぇけど、カンパーイ!マスター、追加ぁ!」
「精力増強的なものあったら、入れちゃってマスター!」
「んなもんあるか!」
「―――あるよ」
「「あるの!?」」
そんなこんなで夜は深けて――――
393 :
久利生×巽7:2008/07/25(金) 21:01:21 ID:zbYiO7LF
ピーンポーン。
響いたインターホンの音に、雨宮は顔を上げた。
就寝前の勉強時間を邪魔されて、いささか不機嫌そうに眉が寄る。
「………?こんな時間にだれよ!?」
夜は、まだまだ終わらない。
END
394 :
108:2008/07/25(金) 21:08:25 ID:zbYiO7LF
以上、続きません。
高松さんは捏造ですが、雨宮さんの中の人から文字りましたw
事前の注意書き等は記載しましたが、不愉快な思いをされた方がおりましたら、平にご容赦を。
それでは、職人さまが現れることを願いつつ、ROMに戻ります。
お粗末さまでした。
>>108 GJ!!マスターの発言に吹いたw
自分的にはこの設定ありだと思ってるんで楽しめた〜。
ありがとうございます!
ただでさえ過疎っているので、微妙なものを投下して怒られるかと思ってましたw
多謝感激です。
かそ
400 :
sage:2008/10/05(日) 16:57:37 ID:r2Co1n5f
400
ほす
保守
今更ながら108さん乙!超GJ
404 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/12(水) 15:10:03 ID:B/sCHrhY
108すばらしい
405 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 18:52:50 ID:+qrLlhNt
雨宮のツンデレ可愛すぎ。
雨宮こそツンデレの女王。
今さらだけど
>>108さんGJ! 久利の雰囲気がよく出てる。
また気が向いたら何かお願いします。