・声優が彼女、あるいは彼氏…
・枕営業の模様…etc
実在の声優を出すのはもちろん御法度です。
2 :
ボツネタ 1/3:2007/08/19(日) 20:28:52 ID:sndvIL4t
15年前の、とある夕暮れ時……。
「いっけねー!!もう6時だ!『タケル』始まっちゃうぞ」
「早く帰らなくちゃ!じゃあ、また明日ね!」
「バイバーイ!」
子供たちは駆け足で家に帰っていった。
「ただいまー!」
家に駆け込んだ少年は、手も洗わずに居間に飛び込んだ。
「よかったー、間に合った!」
テレビをつけると同時に、時報のチャイムが鳴った。
母親の怒る声が聞こえるが、気にしてなんかいられない。
主人公と仲間たち、主人公の声を演じている声優が歌うオープニングテーマが流れ出す。
♪今 ぼくらは 大きな青い空の下で夢に向けて走り出す
そのフレーズの後に、タイトルが大きくかぶさる。
『冒険少年伝説タケル』
少年は、そして全国のテレビの前の子供たちは胸を高鳴らせる。
♪戦え タケル 君の見えるものは夢だけさ
オープニングの後、本編に入る。
『ねえ、タケル。ホントに大丈夫?私怖い』
『こんなの大したことねえよ』
主人公・タケルとヒロインの少女が洞窟に潜入する。
だが、敵の罠にかかり、ヒロインは人質に取られてしまう。
テレビの前の子供たちはハラハラする。
『どうするタケル!どうやってこのピンチを乗り切るのか!』
あっという間に本編は終わり、同じくタケル役の声優が歌うエンディングテーマが流れ出す。
♪生きるための燃料なら 夢で全て満タンさ
次回予告の後、タケル役の声優が画面に出て来た。
このサプライズに、視聴者の子供たちは驚く。
「タケル役の水野あゆみです。テレビの前のみんなに、プレゼントのお知らせです!」
主題歌のCDのプレゼントの告知だ。
「みんなから応募、待ってます。明日も冒険するぞっ!!」
決め台詞で、告知は終わった。
タケル役の水野あゆみは、18歳にしてその優れた演技力と歌唱力で注目されていた。
コンサートやイベントは毎回満員、まさに人気絶頂のアイドル声優であった。
「タケルやってー!!」
「やってー!やってー!」
「えへへ……明日も冒険するぞっ!!」
子供たちからの歓声に、あゆみは笑顔で応えていた。
3 :
ボツネタ 2/3:2007/08/19(日) 20:50:04 ID:sndvIL4t
そして、今……
「あんっ…いい……いい……もっと、もっとぉ」
「わかってるって」
「ふああっ……いい、いい……」
真夜中、アパートの一室で、男と女が絡み合っていた。
「…あっ…もう、だめ、あああっ!」
揺れる乳房を男が揉みしだいていた。
「あああっ、ああああっ!!」
胸を掴まれながら、女は達した。
「2、4、6……はい、ありがと」
コトが終わり、女は男から金を受け取った。
「しかしなあ、あのアイドル声優が今はこんなことしてるなんて、オタクどもが知ったらどうするだろうな。
あ〜、僕のあゆみたんが〜、なんてな」
「はっ、どうせ私なんか忘れてるわよ。一旦売れた後は、鳴かず飛ばずだったんだから」
女は吐き捨てるように言うと、テレビをつけた。
『ねえ、私と先輩とどっちが好きなの!はっきりしてよ!』
アニメが映った。ヒロインが主人公に詰めよっているシーンだ。
「今時、アニメなんて夜中にやってるのが大部分なんだから。Hゲームから
H抜きにしてアニメ化してるんだもん。こんなの子供に見せられないでしょ」
「いや、お前こういうの、向いてんじゃねえのか? カムバックすりゃいいだろ」
「無理無理。どうせ私なんか、どこも相手になんかしてくれないわよ」
もう、『冒険少年伝説タケル』のというアニメのことは、余程のアニメファンでない限り、誰もが忘れていた。
もし思い出したとしても、彼女が『タケル』を演じていた声優だなんて、信じたくはないに違いない。
いや、『元』声優だ。
大人気アイドル声優、水野あゆみの名前は、もうどのアニメのタイトルにもなかった。
4 :
ボツネタ 3/3:2007/08/19(日) 21:22:12 ID:sndvIL4t
人気絶頂だったあの頃、突然不祥事が起こった。
プロデューサーが、声優志望の少女と関係を持っていたことが発覚して、逮捕されたのだ。
番組は打ち切りになってしまった。
突然の打ち切りに、テレビ局から何のコメントもなかったため、抗議が殺到した。
それ以来、『タケル』は局にとってタブーとなってしまったのである。
だが、悲劇はそこでは終わらなかった。
どこからともなく、あゆみがプロデューサーと寝て主役になったなどと噂を流され、
気がついた時は仕事がなくなっていた。
事務所から放り出され、よそからも相手にされず、引退するしかなかった。
色々な職を転々としたが長続きせず、もう3年以上も仕事らしい仕事はしていない。
生活費は、男との関係でまかなっていた。
たまに外に出ても、どこも行くあてはない。
今日も何となく街をぶらぶらして、何気なく古本屋に入った。
(ん?何これ……)
たまたま目に入ったのは、『タケル』の同人誌だった。
どこかの同人サークルが、同人誌即売会のために作ったのだろうか。
(こんなの作ったって売れるわけないじゃない……)
しかし、自分が出た作品の本だから、何か気になる。100円という安さだったので、結局買った。
家に帰って開いてみる。
(何これ……H本じゃない……)
1ページ目から、タケルとヒロイン、リナが絡み合っているシーンだった。
そこへ他のヒロインたちが次々と入って来て、行為に加わっていく。
「……どうだ、俺のは!気持ちいいか!」
(あれ?私、何やってんだろ?)
気がついたら、タケルの声を出して台詞を読んでいた。
5 :
1:2007/08/19(日) 21:24:02 ID:sndvIL4t
ここまで書いて行き詰まって、やめました。
後は読まれた方にお任せします。
糸冬 了