嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ37.5ロシ(皆殺し)
>>677 保管庫の「曇天のち…」という作品を読んでみてください。
F-14どころかヒロインはF/A-18ホーネット使いです。
これまでにない戦闘方法か…そういや人型兵器(所謂巨大ロボット)ってあったっけ?
って、これ書いてて脳汁が出てプロットがひとつ出来上がったんですが、
擬人化&ロボット戦闘物って需要ありますかね?
擬人化&ロボット戦闘ものならないがそれぞれならある
擬人化は九十九の願いで、ロボット戦闘者はやんでれの保管庫にあったな
勘違いしてた
需要があるか・・・
とりあえず書き上げてupするんだ話はそれからだ
なぁ、女の子がサ
思いを寄せてる男の子が男友達と仲良くしてるのを嫉妬する、ってのは
あり?
ありじゃないか?男友達にも軽い嫉妬を覚える作品は何作かある。
深い嫉妬にしたいのなら、親しい人間全てに嫉妬するようにすれば違和感ないと思う。
37.5スレを見殺しにするなんて、絶対に許さないよ
ごめん
38スレが待ってるんだ
……じゃ
38 は 38 で危機的状況のようだが。
はっっっ!!
ともだおれで、ヤンデレまたはキモ姉妹が漁夫の、やっやめsauotekふじこ・・・
あ、まだ死んでなかったんですか。
先輩言ってましたよ、前の女が付き纏って気持ち悪いって。
だから綺麗な思い出になってもらおうと引導を渡してあげたのに、本当にしつこいですね。でも終わりです。
感謝してくださいよ?今のあなたの、顔以外埋められて、しかも汚い血泡まみれの姿を名無し先輩に見られずに済んだんですから。
じゃ、さよなら。
確認
なんかトリついてると期待してしまうじゃないか
こっちもまだチェックしている人が居るみたいなので埋めついでに投下いたします。
タイトルは 香水と機械油と忘恩の花 です。しばしお付き合いください。
『月側8時の方向、交戦距離突入!各機散開して迎撃!』
隊長代理の声に『了解』と通信を入れてペダルを踏み込みスティックを握り締める。
そして同時に音声入力でミサイルの射撃管制を起動させて…
「FOX2! …当たった、一機撃破!」
『管制よりBlack2へ、Black2ヒース准尉はSフィールドの増援に向かってください』
「Black2了解。これよりSフィールドへ向かう!」
ミサイルラックの残弾はあと13発。そして手持ちの100mm狙撃銃に固定武装の
腕部40mmバルカンこれが俺の相棒である人型機動兵器"ラナンキュラス"の装備だ。
俺の名はヒース。年齢は21、階級は地球軍准尉。
21XX年、地球は宇宙怪獣とでも呼ぶべき異形の怪物に襲われていた。
幸か不幸か第何次になるかわからない世界大戦で地球に残った国家は片手で
数えられるほどしかなくしかも強固な友好国だっため対宇宙怪獣の部隊創設や
各国の戦力の一本化はスムーズに至った。
そして地球を荒れさせないためにも戦場に宇宙を選び、かくしてこの俺も
宇宙で巨大ロボットを乗り回して化け物退治をしているということさ。
「Black2、Sフィールドに到着敵兵力多数確認これより戦闘に入る!」
この日俺は片腕を化け物にもぎ取られながらも、そいつに最後のミサイルを
ゼロ距離で叩き込んだところで戦闘が終わった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ヒースおつかれさま、ハイ、タオルとドリンク」
「おう、ミントかサンキュ」
整備兵のミント一等兵からタオルとドリンクを受け取り一息入れる。
ショートボブに眼鏡をかけた彼女は俺の機体の整備兵だ。
学徒兵で歳はまだ17才と聞いている。
序盤の劣勢を学徒兵と人型機動兵器の投入で五分五分に戻した地球だが、
最近また劣勢に転じ始めている。
なんとかしないと…
「ヒ、ヒース怖い顔して…も、もしかして今日の調整どこか悪かった?
やっぱりあたしの整備が下手だから片腕やられちゃったの?
ご、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいきらわないでごめ…」
「ち、違うよ、ミントの整備はどこも悪くないよ調子いいよ!
ちょっと考え事をしていただけさ」
虚ろな目をしながらブツブツと謝罪の言葉を呟くミントの肩を掴み目線を合わせる。
するとミントの顔に表情が戻ってきた。
「ほ、ほんとうに?」
「もちろんだとも。腕もちょっと敵に近づかれて格闘戦をするはめになっただけさ」
「良かった… ヒースが死んじゃったらあたし…」
「大丈夫さ、ミントを残してやられたりなんかしないよ俺は」
戦局が悪くなってきてからは補充されてくるのは学徒兵ばかりで、精神が戦場という
ものに慣れる前に壊れてしまうケースが多い。ミントもそうだ。
シェル・ショックに陥り、壊れて、死ぬ寸前に俺は人間として最低の事をして
ミントを踏み止まらせた。
今のところ俺がついているからあと一歩のところで踏み止まっているが…
「そうそう。ヒース准尉は私が守るから平気よ」
「え? あ…サイネリア少佐…」
振り向くとロングストレートの髪をなびかせながら歩いてくるのはサイネリア少佐。
俺たちの艦である軽巡洋艦"イラクサV"の僚艦である"イラクサW"の艦載機隊長だ。
士官学校主席卒業にして地球軍宇宙艦隊総参謀長の父親を持ち、地球でも屈指の
エレクトロニクス系会社の名誉会長の祖父を持つ絶世の美女。
どうも俺は彼女に惚れられたらしくことあるごとに転属を勧められていた。
「またですか少佐? 何度も言うように俺は"イラクサV"の艦載機乗りで…」
「ええ、だから私が"イラクサV"に転属したわ。"W"は丁度昇進した見込みのある
部下が居たからそいつに押し付けてね」
少佐は笑いながらとんでもないことを口にする。
確かに先週の戦闘で我が艦の艦載機隊長は負傷、後送されまだ補充が着ておらず
さっきの戦闘も副隊長が臨時に指揮をとっていたが。
少佐はそう言ってミントから俺を引き離して見せつけるように俺に抱きついた。
「しょ、少佐! やめてくださいって」
「い・や」
「ヒース、やっぱりあたしより少佐がいいの?
あたし少佐より背は低いし胸も小さいしあたしなんかあたしなんかあたしな…」
「ミント落ち着けっ! 少佐も勝ち誇ったように笑みを浮かべるのはやめてください」
「あ〜ら、誰だってこんな機械油臭い子供より、香水の香りのする大人ほうがいいはずよ?」
「そういうものではありません! 人前なんですから抱きつくのは」
「じゃあベッドの中でならいいのね? …ミント一等兵、その目はなぁに?
その目は上官反抗罪モノよ?」
ミントを見ると完全に瞳がイっちまってる。
やばい、ああなるとミントは…
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ヒース、ハァ、ハァ、ハァ、ヒース、ヒース、
ハァ、ヒース、ヒース、ヒース、ヒース、ヒース、ヒース、ヒース、
ヒース、ハァ、ヒースはあたしの、ヒースはあたしの、ハァ、ハァ、ヒース、
ヒースはあたしの、ヒースはあたしの、ヒースはあたしの、ヒースは…」
顔を真っ青にして過呼吸を起こしながらミントは腰に挿していた
マルチプルドライバー(サイズや+−を調律できるドライバー)を取り出して
形状を鋭い錐状の刃物へと調律させた。
やばい! こうなると血を見るかアレをしないとミントは戻らない!
ミントは凄い形相で、だけど美しい笑みを浮かべて、凶器と化したドライバーを
思いっきり振りかぶって突進してきた!
腕を首に回してしなだれかかっていた少佐を俺は突き飛ばすように放す!
「少佐、離れてっ!」
「ヒィィィィィスはぁァァぁ゛ァ゛あ゛たしのぉぉぉぉぉぉっっ!!!むぐっ!!」
ドライバーを持つ右手首を掴みながらもう片方の手でミントの頬を寄せて
その可憐な唇に俺の唇を無理矢理押し付ける。
「っ!!…っ!……っ……っっ………………っ…………………………っ……っ」
数秒か、数十秒か、自分でもよくわからないほどの時間が経つ。
足元にドライバーが力なく転がり落ちた音を聞いた俺は唇をそっと離した。
もうミントの過呼吸は収まっており表情も戻り、瞳にも光が満ちていた。
「ヒース………あ、あたし、ま、また……なんてことを………」
「いいんだ。なにも言わなくていい。
少佐、すみませんがミントには俺が居ないとダメなんです。
だから、俺には少佐の想いに応えることはできません」
「ヒ、ヒース准尉…そ、そんな…」
そして俺は失礼しますと言い残すとミントの手を取って自室へと向かって行った。
俺は、最低の、人間の、屑だ。
人型機動兵器のパイロットというのは一種のエリートで士官学校生の憧れの的だ。
卒業し初めて任された人型機動兵器と部下と言う名の専属の整備兵。
それに浮かれて、固執していた。
だからミントが精神が壊れそうになったときに恐怖した。
『この子が壊れたら俺は責任を取らされてパイロットを降ろされる』って。
今思えばそんなことあるわけがない、パイロットにだってシェル・ショックはあるし
こればっかりはどうしようもない。
違う艦に所属している士官学校の同期も何人か整備兵が壊れたが、補充が来ただけで
今でも――生き残っているやつは――人型機動兵器のパイロットを続けている。
そのときの俺は馬鹿で無知だった。だからミントを、俺に依存させた。
壊れかけた精神を俺という膠で繋ぎとめて、本来なら後方の安全な場所で
ゆっくりと療養しながら歳相応の人生を歩めたはずなのに、俺のせいで
壊れかけた精神で戦いを強要されている。
「すまないミント、俺のせいで…」
「なんで謝るのヒース? うふふ…あたし、幸せ」
今夜は一晩中ミントと居よう。そう考えていたからだ。
通路を曲がり見えなくなる直前、少佐が呟いていた言葉を聞き漏らしてしまったのは。
「あの女さえ死ねば、ヒースは私を………」
投下終了です。これもしかしてここじゃなくて依存スレ向き?
続きも考えてありますが、どうせ1レスもつかずに他の職人さんが
降臨して忘れ去られる運命なんで書きません。
どうしても続きが読みたいなんていう奇特なかたは、
☆印をクリックしながら"わっふるわっふる"と書(省略されました
何ていうか…構ってちゃんだな
構ってチャンはこのスレにはむかないよ。
依存スレでたっぷり可愛がって上げるからそっち行こう
ume
るのは少し待ってほしい
朝、太陽がのぼり晴天の一日を約束すると、七誌は思わずにはいられない。
こうして人間はまた、互いにつぶし合う天の財宝を手に入れたわけだ、と。
自分たち人間が奪い合わぬものは何一つない。富、健康、名声、楽しみ、情愛、そしてこの連中のように、罪の許しさえ。
目の前に並んでいる人間は様々だ。悲痛な面持ちの女性もいれば、飲んだくれて赤ら顔の中年もいる。あの老女のように、習慣で黙想会に参加した信徒。親の意志で洗礼を受けさせられたのだろう、何も知らない、きょろきょろとあたりを見回している少年。
こいつらは誰も彼もが七誌の憎む両親と同様に、神によって罪を許され、死後の幸福を得るために必要な『徳』とやらを貪り食うために集まっている。
熱心な信徒ほど性質の悪いものはない。無分別に神の愛を解き、他人にそれを強制して悦に入って、罪の意識という自虐的な快感に身もだえし恍惚の涙を流す信心家<ありがたや>は、自分だけでは済まさず周りの人間にも不幸を撒き散らす。
七誌の両親がそうだった。七誌が基督教徒になったのも、寺めぐりやお経を覚えるなどの、死んだら極楽浄土へいきたいという例の似非仏教徒特有の強欲さにうんざりしたからだった。
両親は年寄りだから仕方がないともいえるが、まだ若い七誌がもつ潔癖な正義感からどうもそれが好きになれなかったのだ。
しかし、七誌の嫌っていたそれは基督教の教会でも同様だった。
年老いた信者たちは涙を流し、子供たちは大人から聞かされる神の罰に恐れおののく。退廃的ではなかったが、辛気臭い、気味の悪い清浄さがこの地の教会に漂っていた。
葡萄酒の臭いが充満した暗い告解室で、その臭いの元となっている外人の老司祭に金網を隔てて跪く。
片手をあげながら事務的にラテン語の祈りを唱え終えると、老司祭は体を横に向けて七誌の告白をじっと静かに待っていた。
「私は……。」
七誌は言いかけて口をつぐんだ。たとえ宗教的な義務とはいえ、自分の罪をこの老人にさらけ出すことをためらった。
「早くしなさい。」
老司祭が促す。後が支えていると言外に示しているのだろう。次の人が待っている、早く私はこんな仕事を終わらせたい、だからさっさとしろ、と。
この葡萄酒くさい息を吐く神父を前にして、七誌の気持は楽になった。彼は役所の人間と一緒で、七誌のことなんかこれっぽっちも気にかけてはいない。だったら自分も事務的に罪を告白してやろうと七誌は思った。
「私は……。」
私は取り返しのつかない罪を犯しました。私は、一人の女を不幸にしたのです。
私と女は結婚の約束をしていました。女は私を愛し、私も女を愛して、男女の関係に、婚前交渉さえ行っていたのです。
その女は美奈子という名で、私の幼馴染でした。私と美奈子は同じ年に生まれ、共に幼い日々を過ごし、手をつないで学び舎へ通いました。
十二になるときにはもう、私たちは自分たちの恋に夢中になりました。私たちはお互い、福音書にある高価な真珠のように相手を想っていました。
それを手に入れるためならば、持ち物を残らず売り払おうと考えられるほど、私たちは互いに恋焦がれていたのです。
美奈子は物語が好きな娘でした。幼い頃から美奈子は私に物語を語り聞かせて、私もまた、彼女の語る恋物語にうっとりとして聞き入ったものです。
美奈子の空想のなかにいた少女たちは一途に男性を想い続けて、様々な困難を乗り越えたあげく、ついには想い人と結ばれるのでした。
私たちは彼女たちの物語を自分たちの将来に当てはめて、いつかきっとこの方々と同じように一緒になろうと指を切ったのです。
それは子供らしい、無知ゆえの純粋な恋でした。
そして、私たちお互い恋慕を抱いたまま成人しました。精神は依然幼いままでしたが、肉体は成熟しておりました。
ええ、その頃の私は異教徒でもありましたし、何ら罪も感じずに肉体関係を持ってしまっていたのです。
今思えば、私は彼女を本当には愛していなかったのかもしれません。幼い頃からの惰性で感じた思いを、メディアで嫌というほど垂れ流されている恋愛感情とやらに置き換えてしまったのかもしれないのです。
それというのも、成人してしばらく経ったある日に、私は他の女性に恋焦がれてしまったからです。
私が生来もつ浮気性からきたものではないと断言は出来ません。ですが、今の私が彼女を愛しているのかと聞かれたなら、胸を張って愛していると答えられます。
私が愛するその女性は、とある教会の娘でした。
成人してしばらく経ったある日、熱心な異教の信者である両親の偶像崇拝にうんざりした私は、その女性のいた教会にふらりと迷い込んだのです。
彼女は私の支離滅裂な打ち明け話に、嫌という顔一つせずに聞き入ってくれました。
その聖女の名は、美弥といいます。
宗教アレルギーとでもいうのでしょうか、その頃の私は自分の周りに広がっている信仰と名のつく全てのものに対して、大変な怒りを抱いていました。
私は彼女を罵倒したのかもしれません。両親に対する憤りから、彼女と彼女の主に向かって愚かな怒りをぶつけたのかもしれません。
ですが、美弥は私に一つも咎めの言葉をかけませんでした。彼女はじっとしたまま、私の罵詈雑言を全て受け止めてくれました。
そうしてあらかたの話を終えた私に、美弥は私のためになればと、一冊の聖書を差し出しました。
これをきっかけして主への信仰の道が開けたのですが、その過程は今語るべきことではありません。ともかく、美弥のおかげで私は救われたのです。
そうして基督教徒になった私は、毎日のように教会へ通い続けました。
美弥と共に祈り、主への愛に身を委ねるうち、私は彼女に恋慕の情を抱きました。
その感情は忌むべきものでありましょう。主に仕える聖女に、邪な想いを持ってしまったのですから。
ですが、私が彼女への秘めた愛を抱いたと同時に、美弥も私に同様の想いを感じていたのです。
私たちは互いに隠しあい、己の罪深さに涙を流しました。そうして悲しみに身を震わせる日々が続いたある晩、運命の皮肉とでもいいましょうか、私たちは互いの想いを知ってしまったのです。
十字架の前に跪いて主に私への恋慕を告白する美弥の姿に、耐えに耐えてずたずたに引き裂かれていた私の情愛はとうとう決壊しました。
私は叫び、美弥に想いを打ち明けました。二人は涙を流して抱き合い、主の眼前で接吻をかわしました。
はい。これは婚姻の儀でありましょう。秘蹟を授ける神父様はおられませんでしたが、私たちは将来を誓い合ったのです。
ですが、美弥と永遠の愛を誓った私には美奈子という恋人がいました。
私はそのことを美奈子には言い出せずにいました。美奈子は胆汁質で嫉妬深い女です。美弥とのことが知られれば、私はともかく、美弥の身にどのような報復が待ってるかわかりません。
美奈子の親はその土地の有力者でした。私は彼女の行使する権力によって、美弥が傷つけられることだけはどうしても避けたかったのです。
美奈子は学生時代にも、私に告白した女性に悪魔の所業とでもいえる振る舞いをしました。詳しいことは、私の口からは言えません。彼女たちの名誉に関わることですから。
結局、私と美弥がとった手段というのは、駆け落ちして私たちを知るものが誰もいないこの地に逃げ延びることでした。
美弥のご両親にはすまないと思いましたが、彼女と彼女の肉親の安全を護るにはそれしかなかったのです。
私たちは置手紙を一つ残して、住み慣れた故郷を後にしました。
今はようやく新しい生活も軌道に乗ってきたところです。風の噂ではまだ美奈子が私を探していると聞きましたが、私と美弥は幸福な日々を過ごしています。
しかし、愛のためといえば聞こえはいいでしょうが、美奈子を捨てて他の女に走ったのですから、私のしたことはれっきとした裏切り行為です。
一方的に婚姻の約束を破棄して他の女と逃げることは、許されざる悪行なのです。
私の罪とは、そうして美奈子という一人の女を不幸にしてしまったことです。私は不誠実な男として生きてきました。私は美奈子に対して罪を犯しました。
私は懺悔します、神父さま。
「我々の罪をすべて背負って、彼は死んだのですから……。」
事務的な口調のまま簡単な訓戒と簡単な償いを命じると、外人司祭はまた片手をあげてラテン語の祈りを唱えた。
安心して行きなさいと面倒臭そうに促され、七誌は立ち上がって葡萄酒臭い告解室を出る。
罪は許された。跪いた膝が少し痛むが、とにかく彼の罪は許されたのだ。この告解で、七誌の心の底に淀み、留まり続けていた美奈子への感傷は完全に埋まった。
「さて、注文していた指輪をとりに行こう。」
クリスマスが近い。七誌は晴れやかな気分のまま辛気臭い教会を後にした。家では美弥が彼の帰りを待っている。
以上、埋めネタです。
37.5(みなこ)と38(みや)かよwwww
最後に気付いて噴いたぜ
>>703 >「我々の罪をすべて背負って、彼は死んだのですから……。」
彼?
>>704 GJだぜ!なんか、このあと、見えないところでいろいろ起こってそうだが・・・
美奈子視点も見てみたいな|ω・`)
>>694 俺のような依存スキーとしてはGJとしか言えない!
>>706 よく知らないけど懺悔の時に言う決まった台詞なんじゃないか?
37.5さんと38さん
俺は最後までッ
気づかなかったッ
まだ・・・まだ死ねないのよ・・・あの女を殺すまでは・・・
私は死のうと思っていた。ありったけの錠剤を机の上に広げてコップに水を注いだとき、吐き気を覚えた。
急いで買い求めてきたそれにはうっすらと青い線が浮き出ていた。
私は妊娠していた。生まれるまでは、生きていようと思った。
彼が突然姿を消した日から八ヶ月後に、私たちの赤ちゃんが生まれた。
赤ちゃんには、「さくら」と名づけた。彼が私の前から居なくなる直前に、彼と二人で眺めた桜のことを思い出して。
保育器の中で泣き喚いているさくらを、私は醜いと思った。
今回も自殺に失敗した。両親にさくらを奪い取られた。
おっぱいをあげなきゃいけないのに。ひとりぼっちは寂しいのに。私はお母さんなんだから、いつまでもいっしょにいてあげなきゃならないのに。
白い壁に囲まれた部屋の、小さな鉄格子から桜の木が見えた。
シーツが桜の花と同じ色になっていることに気付いて、お腹を抱えて笑い転げた。
くすくすと笑い続ける私を押さえつけて、白い服を着たオバサンが何かを叫んでいた。
私とさくらを会えなくしちゃうなんて、パパとママは酷いことをする。
今日もわたしはいいこにしていました。ママはこの前会ったときに、もうすぐ出られるからがんばってねとはげましてくれました。
何をがんばればいいのか私にはわからないけれど、ここから出れば七誌くんと会えるから、とにかくいいこでいようと思いました。
さくらは泣き止んでくれません。せっかくいっしょに住めるようになったのに、おっぱいをあげようとするとわんわんと泣き出してしまいました。
わがままする子はめぇーだから、わたしはちゃんとさくらをしかってあげます。
そうしたら、パパとママにさくらをとられてしまいました。七誌と同じように、この二人も私から大切なものを……どうするんでしょうか。わたしには何もわかりません。
今日もわたしはいいこでいましょう。そうすれば、少しでも早く七誌くんと会えると思いますからね。
クリスマスの日が近づいてきました。わたしはパパとママとさくらの四人で、さくらのお誕生日プレゼントを買いに町へやって来ています。
道路のわきの真っ白に染まった木はぴかぴかと光っていてとてもきれいです。
お家の屋根も真っ白に染まっていて、なんでもかんでも白く染まっている街はまるであの部屋のようだと思いました。
でも、つめたいあの部屋とはちがってここにはパパも、ママも、さくらもいるからとてもあったかいです。
もしも七誌くんがいれば、わたしはぽかぽかしすぎて熱がでちゃうかもしれないけれど、わたしはあったかいのが大好きなので、サンタさんに七誌くんと早く会わせてくださいとお願いしました。
靴下に入っている七誌くんの姿が頭にうかんでわたしはとても幸せな気持になり、道路の真ん中でくるくると踊り続けます。
そうしていたら、遠くからとてもきれいな声が聞こえてきました。声のあるほうへいってみると、そこはとても大きな家で、大勢の子供たちがみんなでお歌を歌っていました。
黒い服をきたお婆さんが大きなオルガンを弾くと、それに合わせて子供たちが誰かを誉める言葉を合唱します。
すると、わたしは大きな音にびっくりして思わずしゃがみこんでしまいました。
だけれど、しばらくじっとしたまま子供たちのお歌を聞いていたら、なんだか胸がどきどきして、体じゅうがそわそわしてきます。
わたしはなにかに背中を押されるように、体育館のように大きな部屋のなかを進んでいきました。
子供たちが私に背を向けて並んでいます。何かを見つめながら、一心不乱に誰かを称える歌を歌い続けています。
きらきらと虹色に輝く窓から差し込んだ陽の光が、わたしを照らします。舞台に近づくにつれ、吐き気を催す香炉の香りがただよいはじめます。
わたしは突然立ち止まり、呆然とした目それを眺めました。
パパが後ろで何かを叫んでいます。さくらを抱いたママが狂ったように喚いています。
わたしの視界には、人間の罪の証がありました。
かつて基督が背負い磔にされた、賤民によって石をぶつけられまたその賤民によって教義の証に仕立て上げられた、原罪という大仰な名を付けられ生来の自虐愛好家どもによって崇め続けられている罪過の借用書が。
そう、わたしから彼を奪った根本原因である忌々しく妬ましい存在が、十字架がそこに整然と突き立っていました。
子供たちは私の叫び声に怯えていました。パパは携帯電話を取り出そうとしていました。ママは跪いて絶望しきった顔で啜り泣いていました。さくらは苦しそうに唸っていました。
そうして私は、全てを思い出した。
何もかもが不愉快だった。体全体に広がる虚脱感、水をいくら飲んでも収まらない喉の渇き、耳元で鐘を鳴らされるような頭痛。
この原因が自分にあるとわかっているから、なおさら不愉快だった。口に広がった酸味のある唾液が気持悪い。吐く息にさえアルコールが混じっている気がする。
大量の水で膨らんだ胃から、体中に毒素が染み込んでいくようにも思えた。口を開いたままでも唾液が分泌されて、否応なく酸っぱい体液を味わう羽目になる。
体は冷え切っていて、心臓が鼓動を刻むのと同時に寒気を伴った痛みが脳髄に響いた。焦点の定まらない視界のまま、ふらつきながら便所に駆け込む。
便座を上げる動作さえもどかしく、すかさずしゃがみこんで水面を凝視した。傍から見れば、便座に顔を突っ込んでいるようにも見えるだろうが、痴態を晒す相手は誰もいないので関係ない。
大きく口を開けて、犬のようにだらしなく舌を垂らす。便器から漂う塩素臭が不快感を加速させる。この苦痛の元凶であるおぞましい液体を吐き出すべく、たぷたぷと脈打つ水っ腹を思いっきり引き締めた。
だが、吐き出されるものはつんとした臭気ばかりで、みぞおちに力を込めるごとにげぇげぇと空しいげっぷが喉から響く。便
便器の中は酒臭い空気で充満し、呼吸するごとに嗅覚を刺激した。
今度こそはと、指を口に突っ込んで硬く閉ざされた喉の奥を無理矢理こじ開ける。そのまま臭気を大きく吸いこみ、意図的に吐き気を増幅させてから腹筋に力を入れた。
ようやく熱いものが喉を通り、口から勢い良く飛び出してくれた。びちゃびちゃと便器に叩きつけられる胃液を目にしてやっと私は意識をはっきりさせることが出来た。
あまりに不快感が激しすぎると、死のうという気持ちさえ萎えてくるものだ。
昨晩あれだけ激しかった自殺衝動も今はなりを潜めている。脱水症状で朦朧とした頭のなかでは、とりとめのないことや、下らないことが駆け巡っている。
いのちの電話とやらで自殺志願者を思いっきり罵ってやれば、今の自分のように不快感に支配されて自殺する気なんてなくなるんだろうなと一瞬思ったが、すぐに撤回した。
どうせあとになってリバウンドして、とてつもない欝が襲ってくるだろうと確信したからだ。
くすくすと自虐的な笑い声が漏れる。今の自分の精神状態はいわゆる躁の状態だ。激しい二日酔いで気持悪さを通り越して、逆にハイになっているのだ。
それを自覚すると、暗く澱んだ心の奥底からふつふつと爽やかな衝動が湧いてくる。
泥棒のように私から七誌を掠め取った名も知れぬ女への妬み。手紙一つ遺して私の前から消えた七誌への憤り。悪魔のように七誌に囁いて誑かした基督教への怒り。
なぜ私が苦しまなければいけない。どうしてさくらが父なし子にならなければいけない。なんであの泥棒猫だけが笑っていられて、私だけがこうして暗闇の中で罵っていなければいけない。
理不尽だ。アイツが幸せで私が不幸なんて、理不尽だ。後から来て七誌を掠め取ったくせに、理不尽すぎる。
七誌たちの神はこの理不尽を許すというのか。正当な幸福を受けるべき者が罰を受けて、公正な罰を受けるべき罪人が幸福になることを。
いや、あの自己中心的な異教徒はそれを肯定するだろう。七誌が置いていった彼らの経典をぱらぱらとめくると、旧約の部分で神は随分と凄惨な所業をしている。
異民族を皆殺しにするのはあたりまえ、敬虔な同胞にさえも理不尽な罰を与えている。
『神はおのれの姿に象って人間をつくった。そのお返しに、人間はおのれの姿に象って神をつくった』というヴォルテールの言葉はたしかに正しい。
この汚らしい紙束からは信者どもの卑しい根性がにじみ出ている。自分たちだけが救われるという、ある意味もっとも自己中心的で、彼らのいう隣人愛とやらとは矛盾した教えがまかり通っている。
私から七誌を奪った女は、敬虔な信者なのだろう。つまり、それだけ自己中心的で、貪欲な雌豚だということだ。
砂漠の聖者は薄汚れている。彼の体には蝿がたかり蛆を産み付け、その臭いに釣られて豚さえもがよってくる。
あの聖女とやらはその豚のなかでもっとも卑しい者に違いない。体じゅうから腐った臭いを発して、穢れた口で糞尿を貪り、ブゥブゥと呻きながら七誌に擦り寄る豚。
そしてあまりの臭さで七誌の鼻は曲がってしまい、ついには涙で目も利かなくなり、豚の口で引っ張られるがまま盲目の彼はほいほい付いて行ってしまったのだ。
ならば、この破廉恥な家畜に対して私たち人間様がすべきことは決まっている。
厚顔無恥な泥棒豚から七誌を取り返して、きちがいじみた教義に洗脳された彼を助け出すことだ。
そう、それこそが彼の永遠の伴侶であり半身でもある私、美奈子の義務なのだ。
考えたその瞬間、私の体に稲妻が走った。脳髄から発されて背筋を通ったその衝撃は、私の肌を粟立たせ、肢体全体に激しい熱を伝達する。
涙腺は緩み、かつて七誌の子種を受けた子宮からぞくぞくと電流が走る。
開放のカタルシスとでもいうのだろうか。嘆き悲しみ苦悩したこれまでの記憶が走馬灯のように意識を横切り、一斉に解き放たれる。
すると、負の方向へ向いていた意志が、正の方向へ転じ、私という理性的存在者は快方へ向かった。
そうだ。私は私の義務を認識したのだ。私は七誌を取り戻さなきゃいけないんだ。
あの女に誑かされた七誌を、私の手に取り戻す。それが私のすべきことであり、存在意義なんだ。
今までだってそうしてきたじゃないか美奈子。中学のときは不埒な女をみんなに虐めさせた。高校のときは根暗なストーカーを強制的に彼から遠ざけさせた。大学のときは淫らな売女を社会的に抹殺してやった。
私は、常に勝利者の座に在り続けたのだ。そして、王者というものには挫折がつきものだ。たかが一度や二度奪われただけで、絶対に諦めたりしない。
不死鳥のように何度も甦り、愛する者を取り戻すのだ。幸いなるかな、私には不屈の王者に必要とされる力がある。
金銭という社会的権力と、何よりも大事で絶対不可欠な力、七誌への愛という意志の力があるのだ。
母として、一人の女として、私は七誌を取り戻してやる。
北の町はひっそり静まりかえって、ただ屋根をさらさらとすべる雪のかすかな音ばかり。
あの教会で十字架を見た日からちょうど一年のこの日、私は辛気臭い基督教の教会の前に立っている。
二年と八ヶ月だ。さくらが生まれて二年、私が私自身を取り戻して一年、七誌が失踪してから、二年と八ヶ月も経ってしまった。
それだけの長い時を、あの女と七誌はともに過ごしている。いや、違う。たったそれっぽっちの時間といったほうが正しい。
私が七誌といた二十二年間に比べれば、八分の一以下の時間でしかない。
あの女の八倍以上、私と七誌は愛を育んできたのだ。七誌と私は一緒の乳房から乳を飲み、ともに学び舎で過ごし、同じ瞬間に純潔を失った。
七誌の魂の髄まで私という存在が染み込んでいる。そしてそれは私もいっしょだ。
だから、今みたいに二人が離れているのは自然の摂理から反したことなんだ。
目の前の教会の中では今、黙想会という怪しげな儀式が繰り広げられている。
その詳細は知らないが、どうせろくでもない儀式なのだろう。
連中は元は金貸しだ。無法者で、やくざな手合いなのだ。そして、やつらの聖典にはこうも書いてある。
われ昔律法(おきて)なくして生まれたれで誡命きたりて罪は活かえりわれは死り――ロマ7-9
つまりやつら自身自分たちに罰が帰ってくるのだということを自覚しているのだ。それでいて救いを求めるのだからなんとまあ面の皮が厚い連中だ、腐れきりしたんどもめ。
現に、神父とか名乗るジジイに金を握らせたらすぐに名簿を漁って七誌の名を見つけてきてくれた。賄賂をやった私がいうのもなんだが、本当に卑しい連中だ。
興信所を頼る前にこの方法に気付いていれば、もっと早く七誌に会えたかもしれないが、過ぎたことは忘れよう。
私に大切なのは、これから作る七誌との未来なのだから。
邪教の館の扉が開いて、日本人の誇りも忘れ欧米にかぶれた非国民どもがぞくぞくと飛び出してきた。
どいつもこいつも卑屈な面構えで、自分が救われるためなら平気で他人を突き落とすような人種だろう。
本物の日本人、日本に誇りをもち、日本の神を信仰する人間を銀貨数枚で欧米人に売り渡すような思想の淫売ども。
私はこいつら卑劣な狂信者どもから七誌を救い出さなきゃいけない。テレビニュースのインタビューで『尊師がやれと仰ったから殺しました』なんて言う連中の仲間には、絶対にさせない。
私は、何度盗られたって七誌を奪い返してやるんだから。やつらは病人を治すために一度殺すような連中なんだ。そんな連中のなかにいちゃ、七誌もいつか殺されちゃうんだ。
私はどんな手を使ったって、七誌と添い遂げてみせる。
来た、七誌が出てきた。気だるそうに歩いて、七誌が私の前に現れた。
私は七誌に駆け寄る。足元は雪に埋まっていて、歩きにくいけれどかまわない。
七誌、七誌、七誌、七誌、七誌!
「みな……こ……。」
「やっと逢えたね……七誌。」
どんな人でも、いつか死んでしまうだろう。火葬されるにしろ、土葬されるにしろ、死者の肉体は土の中に埋められてしまうのだ。
死者は暗闇の中で、まだ生きている人間を羨み、妬み、呪詛を唱え続ける。
かつて愛した者は他の人間を愛し、かつて妬んだ者は愛する者を掠め取る。
それでもなお、埋められた死者には孤独に罵ることしか許されていない。たとえ最愛の人を奪われても、ひとりぼっちで呻いているしかないのだ。
私は死のうと思っていた。けれど、生きていようと思った。七誌の愛を取り戻し、彼とともに生涯を過ごすまでは。
――それまでは、私は絶対に埋まらない。
力作おつ
もう七誌はいっしょに埋まるしかないな
読めば読むほど味が出る良作
でもさくらはダメだろww
七誌が鬼畜すぎるww
39スレ目の事か>さくら
>>721 GJ!!!!
続きがあるのなら激しく期待
このしつこさは旧劇場版エヴァの弐号機に近い…。
うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふh
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふひ
なんで?なんで埋めちゃうの?そんなに私の事嫌いなの?