昨日もいっぱい投下されてたみたいですね。
皆さんGJです。
で、ss投下
>>472-477 「ぼけぼけお泊り会」の続き
タイトル「ぼけぼけ遊園地」
こなた&かがみ、みゆき&つかさ、つかさ視点、非エロ、10レスぐらい
金曜日、お昼、いつものように四人でお弁当またはチョココロネを食べていた。
こなちゃんがチョココロネを机に置いて、なにやらごそごそしてる。
「そういえばさ、こんなのが手に入ったんだけど」
そう言ってこなちゃんが机に広げたのは四枚のチケット。
「こなちゃん、これ何のチケット?」
「どうやら近くの遊園地のチケットみたいですね」
「いやー、かがみがさ、『毎日毎日ゲマズかアニメイトばっかりじゃやだ』っていうからさ、バイト先の人に聞いて
みたんだよ。そしたら、これをくれたわけ。ちなみにその分給料から引かれたり、体で支払わなくちゃならない
羽目にはなってないヨ」
「いや、誰もそんな心配してないから」
「それでさ、今度の日曜日、一緒にどう?」
「いいですね、ぜひ一度行ってみたかったんですよ」
「うんうん、行きたいねえ」
「じゃあ決まりだね」
「でも、今週はいっぱい宿題出てるから、日曜日に一日中遊ぶなら、土曜日は勉強会ね」
お姉ちゃんがそういうと、こなちゃんがいやな顔になった。たぶん私の顔もそうなってるんじゃないかな。
ゆきちゃんがくすりと笑った。
土曜日、お昼。こなちゃんとお姉ちゃんが作ったお昼御飯をみんなで食べて、お勉強会の続きをしている。
私は、数学の問題がわからなくてゆきちゃんに聞いていた。
「ほら、つかささん、ここが違ってますね。8×7は54じゃなくて56ですよ」
「あ、あれー」
うー、恥ずかしいよう。高校生にもなってこんな間違いするなんて。たぶん私の顔は真っ赤になってるに違いない。
ゆきちゃんが私をにこにこしながら見てる。恥ずかしいからそんなに見ないでよ……。
「そうそう、こなた。この直線は半径と垂直になるから……」
お姉ちゃんはそこでいったん言葉を切ってあくび。
「珍しいね。かがみがあくびするの」
「まあね、ちょっと昨日遅くまで起きてたから……。ふぁーあ」
そういえばお姉ちゃん、昨日遅くまで起きたたもんね。勉強会が始まるときにはもう英語がほとんど終わってたし、
遅くまで宿題してたのかな。
「いつもはお熱い夜の次の日ぐらいにしかあくびしないのにネ」
「あ、あんたはいつもいつも!」
あ、お姉ちゃんが真っ赤になって怒ってる。ここ最近真っ赤になってお姉ちゃんが怒ることが頻繁にある。
そして、その時はゆきちゃんも一緒になって真っ赤になるんだ。今日もゆきちゃんは真っ赤になりながら
あくびしてる。何でだろう。
夕方、勉強会が終わった。宿題を渡された時はこんな量無理だよーとか思ってたけど、結局ゆきちゃんに
教えてもらいながらだけど宿題を自力で解くことができた。ゆきちゃんありがとう。こなちゃんも同じだった
みたいで「宿題を自力で解くなんて何ヶ月振りだろう」とか言ってた。その後お姉ちゃんに怒られてたけど。
そのあと、こなちゃんとゆきちゃんが帰った。私はゆきちゃんにもらった本を読んでいたんだけど、
そしたらいつの間にか夕食の時間になっていた。
一階に降りて行って、テーブルについて数分たったけど、お姉ちゃんが降りてこない。
「つかさ。ちょっとかがみ呼んできて」
「はーい」
お母さんに言われて二階へと上がっていった。
「お姉ちゃん、入るよ」
部屋は暗かった。私が電気をつけると、お姉ちゃんは机に突っ伏して寝ていた。電気をつけたのも
気がつかなかったみたい。やっぱり昨日夜遅くまで起きてたのかな。
「こなた……」
そんなことを考えていたら、お姉ちゃんの声が聞こえてきた。寝言みたい。
「こなた、大好きだよ。……ねえ、キスして……」
え? えと? お姉ちゃん何言ってるの?
「つかさー、まだー」
「あ、うん。お姉ちゃん、起きて、晩御飯だよ」
「う……ん?」
(ええと、お姉ちゃんはこなちゃんのことが好き?)
(キスして、って言ってたってことは、恋愛感情として?)
(でもこの前友達通同士で「あーん」ってしたし、もしかしたら、たとえばほっぺたとかなら友達同士でもやるのかも)
(そういえばこなちゃんもお姉ちゃんのこと恋愛感情で好きなんだよね)
(でも、もしかしたらあのメールは冗談だったかもしれないし)
(うーん)
「つかさ、さっきから箸が止まってるけど、食欲ないのかい?」
「ふぁ、いや、大丈夫だよー」
考え込んでたら、箸が止まってたみたいです。
(でもきっと、相思相愛だよね)
(じゃあ、私が二人をくっつけてあげなきゃ)
食事が終って部屋に戻ってからも私は考えていて、ついに結論が出たというところで机からバイブレーターの
音が鳴った。
ここのところ一番電話がかかってくる相手だったので、誰だったか一発で分かった。
「もしもし、ゆきちゃん。今晩は」
「もしもし、つかささん。今晩は」
ここのところゆきちゃんはほとんど毎日電話をかけてくる。とりとめもない話ばかりだけど、楽しいんだ。
今日は何話そうかな。
よく考えたら、お姉ちゃんとこなちゃんのことのこれ以上の相談役はいないかも。そう思って、ゆきちゃんに
お姉ちゃんとこなちゃんのことを話してみることにした。
「ゆきちゃん。ちょっと相談したいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
「ええ……」
「あのね、お姉ちゃんとこなちゃんって、相思相愛だと思うの」
「え?」
「ええとね、この前ね、こなちゃんのメールを見ちゃったときにね、下書きのところにお姉ちゃんへの
告白メールがあったの」
「そうだったんですか……」
「操作間違えてお姉ちゃんのところに送信しちゃったんだけどね。あと、今日、お姉ちゃんがね、寝言で言って
たんだけどね、ええと、『こなた、す、好きだよ。キ、キ、キスして』って。これって二人が相思相愛ってこと
だよね。それでね、ここは二人をくっつけてあげるべきだと思うんだけど、どうかな。ゆきちゃん」
なかなか返事が返ってこない。どうしたんだろう。
「ゆきちゃーん?」
「は、はい。ええと、二人はもうつき、あ」
「?」
「いえ、そうですね。お二人をくっつけて差し上げるのがいいですよね」
「そうだよね!」
よかった。ゆきちゃんも協力してくれるみたい。
「では、明日の作戦を考えましょうか」
「作戦? あ、そうか」
そうだよね、明日は二人をくっつけるチャンスだよね。やっぱりゆきちゃんが協力してくれてよかった。
「私は、やっぱりかがみさんと泉さんを二人きりにさせてあげるのがよいと思います」
「うんうん。そうだよね」
「お昼を食べたあたりから別行動ってことにしましょうか」
「うん、それがいいかも。やっぱり四人で行くからには午前中は四人で楽しみたいし」
「あと、帰りにも二人きりにさせたほうがいいですね」
「あ、そうだね」
「……つ、つかささん」
「? なーに?」
「帰りにお二人に二人っきりにさせるということで、明日うちに泊まりに来ませんか?
明日はお父さんもいませんし」
「え? あ、それいいかもー。じゃあ、明日はお泊り道具も持ってくね」
「明日の勉強道具も忘れないでくださいね」
そんなこんなでいろいろとおしゃべりしてた。
「そういえば、明日もつかささんがお弁当をお作りになるんですよね?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、今日は早めに寝たほうがいいですね。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
ただいま十時。いつもよりはかなり早いけど、明日早く起きることを考えればちょっと
遅くなっちゃったかも。
そして日曜日。朝早く起きて気合を入れて作ったお弁当、お泊り道具、明日の勉強道具をもって、
集合場所に集まった。そして四人で電車に乗った。電車に乗ってすぐ、ゆきちゃんが何やらお姉ちゃんに
聞いてたみたい。そのあとは、おもに私とゆきちゃん、お姉ちゃんとこなちゃんがおしゃべりをしていた。
ゆきちゃんは私にお姉ちゃんとこなちゃんに聞こえないように、今日の作戦について話しかけてきたりした。
私は正直忘れてたんだけど……。
目的の駅に着いて、ちょっと歩いて、遊園地についた。
「うわ、やっぱりというか、すごく混んでるな」
「行列とかやだよー」
「右に同じく」
「あんたイベントとかで行列慣れてる癖に、やっぱりこういうのはやなのね」
「まあまあ、こういうのは並ぶのも楽しいものですよ」
「コインロッカーはあっちみたいね。荷物を置きに行きましょ。何に乗るかは歩きながら決めましょ」
「そうだねー」
私は反対したんだけど、こなちゃんの「やっぱ最初はジェットコースターでしょ!」という声、
それとお姉ちゃんのプレッシャーによって、最初のアトラクションはジェットコースターに決定してしまった。
それで今、並んでるんだけど、暑い。お姉ちゃんとこなちゃんは並ぶ前にジュースを買ってたみたいだった。
私もなんか買っておけばよかったなあ。ゆきちゃんも何も買ってなくて、お姉ちゃんとこなちゃんをじっと見てるし。
「かがみのジュースもーらい」
「あ、ちょっとまちなさいよ! もうほとんど残ってないんだから」
「ずずー」
「口で言うな! あんたのもよこしなさいよ!」
「つかささん、もうすぐみたいですね」
「あ、そうだね」
もうすぐで私たちの番のようだ。そう思うとなんだか怖くなってきた。
……十五分後、私はふらふらになっていた。
「だ、大丈夫ですか? つかささん」
「そういうみゆきさんこそ、ふらふらになってるヨ」
「い、泉さんとかがみさんは平気そうですね」
「ほ、ほんとだね」
「さてこなた、次はどれにしようか」
「うーん。やっぱりお化け屋敷じゃない」
「え!」
そ、そんなあ。何でこんなに今日はハードなの?
「さー、そろそろお昼にするか」
「そだね。つかさもあれだけ叫べばおなかもすいたでしょ」
「う……」
お化け屋敷では、中の薄暗さ、中のお化け、それからこなちゃんに驚かされ、赤くなって全然怖がってないふう
だったゆきちゃんにしがみつきつつ、お化け屋敷全体に響き渡るほどの大声で叫び続けた。確かにおなかは
すいたけど、そういう問題じゃないよー。
そう思いつつ、お弁当を出した。
「おー、これは気合を入れて作ってきたねー」
「おいしそうですね」
こなちゃんとゆきちゃんが顔を輝かせた。えへへ。気合いを入れて作ったお弁当を褒められて、機嫌が直った。
我ながらちょっと単純だなって思った。
いま思い出したけど、午後から二人ずつでの行動なんだよね。お姉ちゃんとこなちゃんをくっつけるための。
あ、そういえば、午前中にするはずだった作戦、まったく実行してないよ。ジェットコースターに乗った
あたりから何にも考えられなくなっちゃったみたい。でもまあいいかあ。チャンスは今日だけじゃないし、
これからお姉ちゃんとこなちゃんは二人の時間を過ごすわけだし。
「じゃあ、午後からは私とこなた、つかさとみゆきがペアになって行動しましょ。集合は五時半にここね。
そのあと観覧車に乗りましょ」
「そだね。じゃあかがみ、どれ乗りたい?」
「そうね、これ乗りたいわね」
お姉ちゃんとこなちゃんはお昼を食べた後、休憩もそこそこに手をつないで歩いて行ってしまった。
ゆきちゃんはにこにこしながら二人を見ていた。
「お二人は、はじめから午後は二人で回るつもりだったそうですよ」
「へー」
「それと、二人とも帰った後泉さんの家に泊まるらしいです」
ゆきちゃんがウィンクをしながら言ってきた。偶然ってあるものなんだな、と思った。
「じゃあ、午後はゆったりとしたアトラクションを見て回りましょうか」
「そうだねー」
「まずどれに乗りましょうか」
「うーん。そうだねえ。メリーゴーランドとかどうかな」
「いいですね」
人気がないのか、メリーゴーラウンド(ゆきちゃんによるとメリーゴーランドは間違いらしい)には
すぐ乗れた。白馬に乗ったゆきちゃんは妙に似合っていた。そのことをゆきちゃんに話したら
「ふふふ、つかささんもかわいかったですよ」
だって。なんかてれるなあ。
こんな会話を、足こぎボートに乗るために並んで、その前に買ったジュースを飲みながらしていた。
と言っても、足こぎボートも人気がないのか、私たちが並んだ時点で五人しかならんでなかったけど。
「地方税法施行規則っていう法律によりますと、遊園地とはメリーゴーラウンドと遊戯用電車がある場所
なのだそうです。ジェットコースターとかお化け屋敷は法律的に遊園地の主要な施設じゃないんですね」
「そうなんだ。でも、私もそっちのほうがいいなあ」
「そうですね。私もそう思います」
足こぎボートには人気がないからか特に時間制限がないらしく、私たちは漕ぐのをやめておしゃべりしていた。
毎日学校で、あるいは電話でおしゃべりしてるのに、不思議と話題が尽きなかった。
「あの、つかささんのジュースいただけますか」
「あ、うん。はい」
「ありがとうございます。では、私のジュースもどうぞ」
「ありがとう」
そんなこんなでおしゃべりして、三時間ぐらいぷかぷか水の上に浮いていた。
「あ、そろそろ時間だね。戻ろう」
「そうですね……」
私たちが集合場所につくと、お姉ちゃんとこなちゃんは手をつないで待っていた。
「遅れてすみませんかがみさん、泉さん」
「いやー、私が人を待つようになるとは」
「ごめーん、こなちゃん」
「いいから、観覧車に乗るわよ」
観覧車にはまずお姉ちゃんとこなちゃんが乗って、その次のに私とゆきちゃんが乗った。
私は四人で同じのに乗るのかなって思ってたので、ちょっと戸惑った。でも、お姉ちゃんとこなちゃんを
くっつけるならこっちのほうがいいかも。また私は作戦のことを忘れてたけど……。あっ、もしかしたら
ゆきちゃんがこういうふうになるようにしてくれたのかな。ゆきちゃん、ありがとう。
観覧車のてっぺんらへん。夕焼けに染まった景色がとってもきれいだった。逆光で街が黒く染まって、
太陽と雲がオレンジ色に染まっているのを見て、思わず溜息が出た。なのに……
「ゆきちゃん。景色見ないの? とってもきれいだよ」
「はっ、はい!」
ゆきちゃんは時々溜息をつきながら顔を真っ赤にしてあさっての方向を見ていた。ええと、そっちだと
前の観覧車しか見えないと思うんだけど……。この景色は見ないと損だよ。
「わぁー、きれいですねー」
「そうだねー」
二人で景色に見入っていると、いつの間にか観覧車が一周していて、遊園地でのひと時が終わった。
「じゃあまた明日ね」
「ばいばーい」
駅から出て、お姉ちゃんとこなちゃんは私とゆきちゃんとは違う方向に手をつないで歩いて言った。
なんだか不思議な感覚。
「じゃあ、私たちも帰りましょうか」
「そうだね」
「たくさん召し上がってくださいね」
「は、はい。いただきます」
遊園地から帰った後、予定どおりゆきちゃんの家にきた。今、夕御飯をごちそうになっている。
でも、やっぱりゆきちゃんの家の晩御飯はすごい……。
「遊園地で遊んできたんですって。みゆきすごかったでしょう。昔からジェットコースターとかお化け屋敷とか
苦手でしたから」
「あ、あの、お母さん……」
ゆきちゃんがあわててる。何か新鮮なものを見た気分になった。それにしても、ゆきちゃんは
ジェットコースターは怖がってたけど、お化け屋敷はちっとも怖がってなかったなあ。お化けとか克服したのかな。
私もお化けとか克服したいな。今度ゆきちゃんにコツでも聞いてみようかな。
食事も終わって、ゆきちゃんの部屋。いつもは電話で話すのだけど、今日は同じように直接話した。
いつも以上に楽しかったような気がする。それでも、今日は早起きしたし、いろいろあって疲れたし、
眠くなってきた。
「つかささん、眠くなってきましたか?」
「うん、ちょっと……」
「明日も早いですし、もう寝ちゃいましょうか」
そう言って、やっぱり大きいゆきちゃんのベットに二人で入った。
「そういえば、ゆきちゃん」
「はい」
「お姉ちゃんとこなちゃんは、今頃何してるんだろうね?」
「……さあ、何してるのでしょうね」
真っ赤になったゆきちゃんの顔を見ながら、私は眠りについた。
以上
書きたいことを書いていったらなんか無駄に長くなってしまいました。
あと、貼ってから気づきましたが、(9/10)の
"手をつないで歩いて言った。"は"手をつないで歩いて行った。"
ですね。
それにしても、右下に赤い文字で468 KBって書いてあるのは何だろう。