1 :
涼水玉青:
2 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 11:11:12 ID:dBNacfH/
前スレが容量オーバーで書き込めなくなったっぽいので、次スレ立てました。
テンプレはほとんど変えてません。
SS保管庫
ttp://www.wikihouse.com/sutupani/index.php もテンプレに入れるか迷ったけど、ずっとサーバが落ちてるっぽいので保留。
>Shining way
渚砂と玉青の劇での共演に、遂にキスがキター。しかも渚砂からか。
でもって告白もキター。何という神展開。
前スレそのうち落ちるから、
最新話だけこっちにも再投下していただけるとありがたいです。 >職人さん
3 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:02:17 ID:qyg4uNgN
Shining way 13話(だっけ?)はあれで終わりです。今まで重ねたすべては
このためでしたがはたしてうまくいったのかどうか。話はもう少し続きます。
今夜くらいには再投下しますんで。
4 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:35:09 ID:589Ol1hp
13話 ソラミアゲ
それから・・・二人のサマースクールから帰った私達を迎えてくれたのは・・・
何故かいちご舎に帰っていた千代ちゃんでした。何か用事があって早く帰ってきた
そうですが。そのあとも三人で海に行ったり、夏祭りに行ったりするうちに
夏休みは過ぎて行きました。でも・・・何度も決意したけれど・・・結局、
想いを伝えることは出来ませんでした・・・。
二学期に入り、だんだんと秋が色濃くなってきたある日のこと。今日は
光莉さん達のお部屋で夜のお茶会です。
「ふーん、千代ちゃん達は学園祭でロミオとジュリエットをやるんだ?」ポリポリ。
「はい。まだ決まってはいませんけど、希望する人が多いですね」
「そっか。それで・・・皆はなんの役をするんだろうね?」パリパリ。
「私はジュリエットに立候補するつもりなんです」そう言ったのは蕾ちゃん。
「うぇ・・・」
「なんですか夜々先輩?その嫌そうな声は?」
「私はロミオやりたいんだけど・・・」
「ぐ・・・」
「そっちこそ、その心底嫌そうな顔はなんなの?」
「だって・・・せっかくのラブロマンスなのに・・・」
「同感。光莉がジュリエットなら素直にハッピーエンドを喜べるんだけど・・・」
「私は、主役はちょっと・・・」あら?今何か違和感があったような?
「まぁまぁ。そういえば・・・千代ちゃんは出ないの?」ポリポリ。
「はい・・・。今年はミアトルが裏方をする年だそうです。唯一の例外は
エトワール様ですけど」
「そうなんだ。でも、千代ちゃんのお芝居も見たかったかな」パリパリ。
「実は・・・私もジュリエットをやりたかったんです・・・」
「千代ちゃんならきっと可愛いジュリエットになると思うよ」ポリポリ。
「本当ですか!それで・・・できることなら・・・周りから祝福されて・・・
渚砂お姉様のロミオと結ばれたかったです」・・・もしかすると?
「あの・・・つかぬことを聞きますけど。ロミオとジュリエットが悲劇だって・・・ご存知ですよね?」
「「「「「ええっ!?」」」」」反応したのは・・・5人。やっぱり・・・。
「玉青ちゃん、それってほんと?」
「ええ。渚砂ちゃんはどこまで知っていますか?」
「えーっとね・・・『あなたはどうしてロミオなの?』ってアレだよね?」
「「「「うん」」」」
「まぁ・・・確かにそのシーンが有名ですね。あとは?」
「え?えっと・・・」
「確かに二人は結ばれるんですけど・・・ちょっとした誤解から最後は互いの
後を追うように自殺する、という結末なんです」
「そうなんだ・・・。じゃあ、玉青ちゃんが企画したっていう・・・えっと」
「カルメンですね」
「そう、そのお話は?」
「こちらもハッピーエンド・・・とは言えませんね。古典の名作には悲恋悲劇が
多いんです」
「そうなんだ・・・。あれ?」
「どうしました?」
「もう無くなっちゃったね。クッキー」
「ほとんど一人で食べちゃったのは誰です?」
「「「「・・・」」」」蕾ちゃん・・・誰もがあえて言わなかったことを・・・。
「で、でも、夜中にこれだけの量を食べられるのは渚砂お姉様くらいですよ」
千代ちゃん・・・あまりフォローになってない気が・・・。
「あ、あはは・・・。きっと千早ちゃんがいけないんだよ。お菓子作るの
上手だから・・・」まぁ、『食欲の秋』ですしね・・・。
「今日はこれくらいにしましょうか」
「そ、そうだね」
5 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:36:31 ID:589Ol1hp
結局のところ下級生が『ロミオとジュリエット』を、上級生が『カルメン』を
演じることになり、カルメンの脚本は私が任されました。前回の脚本では
いろいろと反省する点もあったわけで・・・できることならもう一度書いて
みたいと思っていたんですよね。執筆中・・・つい先ほど冬森会長の妨害・・・
もとい、売り込みがあったりもしましたが・・・。
「完成です」
「玉青ちゃん、一息ついたら?」
「あ、お茶を入れてくれたんですね。ありがとうございます」
「私にはこれくらいしかできないけど」
「いえ、嬉しいですよ。そうだ、ちょうど今完成したところなんです。良かったら
見てもらえますか?」
「あ、うん。いいの?」
「はい。感想も聞きたいですし」
「どうでした?」
「この脚本でお芝居するんだよね?すっごく楽しみだよ」
「気に入ってもらえたみたいですね。良かった」
「あ、そうだ。読んでて気になったんだけど」
「はい、なんでしょうか?」
「カルメンってエトワール様のイメージじゃない気がする」
「鋭いですね。では誰のイメージだと思いますか?」
「うーん」
「ではヒントを、消去法でいくと他の有力候補は?」
「天音さん・・・は違うね。千華留さん?」
「正解です。千華留様の演技、とてもお上手なんですよ」
「へー、そうなんだ」
「どこか気に入った場面とかはありましたか?」
「うん。ここの・・・カルメンとエスカミーリョが踊るところ、素敵だと思うよ」
そこは・・・エトワール選で踊った時のことをイメージして書いた場面でしたっけ・・・。
コン、コン
「あ、誰だろ?どなたですか?」
「花園です」静馬様?
「花園さん・・・って誰だっけ?」渚砂ちゃん・・・。
「エトワール様の姓は『花園』ですよ」
「あ、そうだった・・・。どうぞ」
「こんばんは。夜遅くにごめんなさいね」
「いえ、そんなことはないですから」
「そう、ならいいのだけど。実はあなた達に頼みたいことがあるの」
「なんです?」
「配役が決まったら練習に付き合って欲しいの」
「私もですか?」
「ええ、渚砂ちゃんと玉青ちゃんの二人に。もちろん、無理にとは言わないわ」
「私はいいですけど。玉青ちゃんは?」
「ええ、お引き受けします」断る理由もありませんしね。
「そう、ありがとう。よろしくね、渚砂ちゃん、玉青ちゃん」
「「はい」」
6 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:38:39 ID:589Ol1hp
配役は前と全く同じに決まり、私達は静馬様の練習に付き合うことになりました。
私がカルメン役、渚砂ちゃんがエスカミーリョ役で・・・。まぁ、確かに
エスカミーリョはホセとの決闘シーンがあるので渚砂ちゃんの方が向いてますし。
でも・・・役の上とはいえ、渚砂ちゃんと静馬様が私をめぐって決闘すると
いうのはなんとも・・・。最初は渚砂ちゃんの迷、ではなくて名演技に二人で
大笑いしたりもしましたけど・・・。そんな練習期間も終わり、明日は
いよいよ本番前のリハーサルです。
「今日まで付き合ってくれてありがとう。後は明日のリハーサルと本番を
残すだけね」
「私は楽しかったですよ」
「そう?ならいいのだけど。渚砂の演技も随分上達したわね。玉青も
そう思うでしょう?」そう言って私にウィンクする。静馬様?あ、もしかして。
「そうですね。みんな楽しみにしてますよ。渚砂ちゃんのエスカミーリョ」
「あ、ありがとう、本番もがんばるね・・・ってあれ・・・?もう、
静馬様も玉青ちゃんもからかわないでよ」
「ごめんなさいね。でも、できるならあなた達と演じたかったわ。それは本当よ」
「静馬様・・・。そうですね、私もお二人と演じてみたかったです」
いつの間にか静馬様は私達を玉青、渚砂と呼ぶようになっていました。
そして私達も静馬様と・・・。
翌日・・・
リハーサルは順調に・・・ほぼ順調に進んでいますね。まぁ、約二名ほど
気になる方がいますが・・・。
「玉青さん、少し来てもらえる?」
「六条様?」
舞台袖に行って見ると、そこには静馬様と千華留様もいました。
「脚本のことで話があるの」
「どこか不都合でも・・・」
「いえ、内容ではないの。ただ・・・少し時間をオーバーしそうなの。それで、
どこか削るとしたら・・・」
ズゥゥゥン。舞台から大きな音が?・・・もしかして!?
「渚砂ちゃん!」
舞台に行ってみると・・・背景が倒れている?渚砂ちゃんは・・・倒れた
背景の横に倒れていました。隣に倒れているのは・・・天音様?
「渚砂ちゃん!お怪我はありませんか?」
「あ、うん。私は平気。天音さんが助けてくれたから。天音さん!?足が!」え?
天音様の右足が背景の下敷きに!?
「なに、大したことはないよ」
「ごめんなさい・・・。私のせいで・・・」
「気にしないで。君に怪我が無くてなによりだよ」
「それに・・・背景も・・・私のせいだ・・・」渚砂ちゃん・・・。
「大丈夫よ、渚砂」
「静馬様?」
その後、皆で修復作業を行い・・・なんとか明け方に終わりましたけど・・・。
前は千華留様が本番で足を痛めたんですよね。もしかして・・・あの二人が?
7 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:41:35 ID:589Ol1hp
そして・・・ロミオとジュリエットも終わり、いよいよカルメンが始まりました。
2回目とはいえ、千華留様のカルメンは本当に素敵ですね。それに、
静馬様のホセも。舞台は順調に進み、次はあのシーン。前に千華留様が
怪我をしたシーン。渚砂ちゃんが素敵だと言ってくれたシーン。開始直前に
カルメンの靴を調べたけれど特に異常はありませんでしたし。今回はきっと大丈夫。
『ああ、カルメン。私はお前が大好きだ』
『私も貴方が大好き』
『今日の祭りの試合でも私は勝つ!お前のためにな』
『あぁ、エスカミーリョ』そう言って千華留様がしなだれかかった瞬間、
靴のかかとが折れた?天音様の?そのまま二人は倒れてしまった。アドリブで
千華留様を抱き上げ、舞台袖に降ろすと同時に天音様も崩れ落ちてしまった。
そんな、どうして?
「二人とも大丈夫?」
「六条会長。すみません、足をくじいてしまったみたいで、立つのも辛いです。
天音さんは?」
「すまない。私も同じだ」
「天音さん・・・もしかして、私を助けた時に足を?ごめんなさい・・・
私のせいで・・・」渚砂ちゃん・・・。
「今はそんなことを言っている時ではないわ。なんとかしないと・・・」
「でも、カルメンとエスカミーリョの二人とも動けないんじゃあ・・・」
「深雪、私に考えがあるわ」
「静馬?」
「代役がいるわ」
「静馬様・・・?まさか!?」
「そう、玉青、あなたがカルメンを。そして、渚砂がエスカミーリョをやるの。
ずっと私の練習に付き合ってくれたあなた達なら・・・きっとやれるわ」
「私と・・・渚砂ちゃんが?」
「代役を・・・?」
「玉青ちゃん、できるのなら・・・お願い。私はこの足では舞台には
立てないけれど・・・成功してほしいの」
「千華留様・・・」
「渚砂、私からも頼む。ここまで皆でやってきたんだ、なんとしても成功してほしい」
「天音さん・・・」
渚砂ちゃんの顔を見ると・・・はっきりと目が語っていた『一緒にやろう』と。
「決まりだね」私も同じ目をしていたみたいですね。
「ええ、やりましょう」
「深雪、それでいいわね」
「静馬・・・。わかったわ。すべての責任はミアトル生徒会・・・
いえ、私が取ります。冬森会長、それでよろしいですね?」
「・・・しかたありません」
「私がアドリブ・・・ホセの独白で時間を稼ぐ。渚砂は準備が出来次第舞台に、
そこから決闘に繋げるわ。深雪、音響と照明をお願い」
「わかったわ、30秒後に舞台に上がって。後はなんとかするから」
「それじゃあ、こっちも衣装合わせを始めましょう。まずは渚砂ちゃんの
エスカミーリョね」
8 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:43:15 ID:589Ol1hp
「よし、これでOKよ。急ごしらえだけど短時間なら大丈夫」
「はい!」
「渚砂、頼む」
「まかせてください!」
「渚砂ちゃん、私もすぐに行きますから」
「うん、待ってる」
「さ、次は玉青ちゃんのカルメンね」
「はい」
「できたわ。玉青ちゃん、後は・・・お願い」
「はい。お任せください」
舞台では二人の決闘が終幕に近づいている。台本を頭で確認する。深呼吸。
では・・・行きます!
『やめて!お願い、決闘なんかやめて!エスカミーリョ、貴方はセビリアの英雄、
祭りの花形。さあ行って!』
(今度は私の番です)
(うん。頑張ってね)
『ホセとやら、憶えていろ』
そう言ってエスカミーリョは走っていく。お二人が繋いだこの舞台・・・
絶対に・・・演じきってみせます。
『ああ、カルメン、私はお前が大好きだ!竜騎兵隊をやめ、泥棒になったのも
みんなお前のため!お前だってそのことを良く知っているではないか』衣装の
せいなのか、練習の時とは迫力がまるで違う。
『ふん、それがどうしたっていうのよ。私はいつだって自由な女よ。自分の気持ちに
うそはつけないわ!』私も・・・カルメンの気持ちを思い描いて言葉をぶつける。
『なあカルメン。お願いだから遠くの街に行って一緒にやりなおそう』
『いやよ、いや!貴方に貰った指輪なんかこうしてやる』指輪を投げつける。
『ああっ!?』悲痛な声を上げるホセ。演技と分かっていても流石に・・・
堪えますね。
そして、響き渡る歓声。
『あの人が勝ったんだわ!行かなくちゃ!』
『ま、待て!カルメン!』
『あっ!?』
『うああああああっ!』ホセの刃が私の脇をすり抜け、舞台が緋色に染まる。
『あ・・・ああっ・・・』崩れ落ちる私をホセが抱きかかえる。
『ああ、カルメン、カルメン・・・カルメン・・・カルメン・・・・・・・・・
カルメーン!!!』そして・・・ホセの叫びが響き渡った・・・。
「お疲れ様、玉青」
「静馬様・・・」いつに間にか幕が閉じ周りには皆が集まっていました。
「やったね、玉青ちゃん!」
「渚砂ちゃん・・・私、上手く出来てましたか?」
「うん」
「私も渚砂ちゃんと同感よ。とてもよかったわ」千華留様・・・。
「渚砂、君も立派だったよ」
「天音さん・・・」
「大成功よ、二人ともお疲れ様」
「渚砂お姉様、玉青お姉様、お二人ともすごく素敵でした」六条様も
千代ちゃんも・・・皆私達を称えてくれる・・・。嬉しいけど・・・
少しくすぐったいですね。
「渚砂、玉青、二人とも良くやったわ。あなた達は胸を張って自分を誇っていい。
それだけのことをしたのよ」
「玉青ちゃん」そう言って渚砂ちゃんが上げた掌に・・・私も手を叩きつけた。
9 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:44:51 ID:589Ol1hp
炎を囲んでの後夜祭。渚砂ちゃんと一緒に舞台に立てるなんて夢にも
思いませんでした。また、素敵な思い出が出来ましたね。
「ねぇ、玉青ちゃん。ちょっと一緒に来て欲しいんだけど」
「渚砂ちゃん?どこにですか?」
「それは・・・まだナイショ」
「いいですよ。ではそこに連れて行ってください」
「うん」
やって来たのは・・・。
「舞台の片付けは明日ですよね?」誰もいない舞台でした。
「うん、それはわかってるんだけど。ほら、あのシーンだけ最後まで
できなかったでしょ?だから・・・」そういえば・・・あのシーン、
気に入ってくれてましたね。
「だから私達で演じるんですね?面白そうですね」
「まぁ、脚本を見ながらなんだけどね・・・」
「仕方ないですよ。ホセのいないシーンは練習してませんし」
「それじゃ、初めよっか」
「はい」
『ああ、カルメン。私はお前が大好きだ』
『私も貴方が大好き』
『今日の祭りの試合でも私は勝つ!お前のためにな』
『あぁ、エスカミーリョ』
そして、間近で見つめ合う。
「玉青ちゃん・・・」え?
「ん・・・」その時なにが起きたのか?目の前にあった渚砂ちゃんの潤んだ瞳が
さらに近づいて・・・そして・・・唇に柔らかい感触が・・・。これは・・・?
「はぅ・・・」私・・・渚砂ちゃんに・・・。頭が理解したのは、
二人の唇が離れてからでした・・・。
「玉青ちゃん・・・」恥ずかしそうにそう言った渚砂ちゃんの表情が・・・。
「あ!?」瞬時に驚き、そして・・・。
「あ、あの・・・ごめんなさい・・・」哀しみと涙に染まる・・・。
どうして・・・?
走り去っていく渚砂ちゃんを・・・私は・・・引き止められなかった・・・。
「渚砂ちゃん・・・」まだ唇が熱い・・・。渚砂ちゃんは・・・どうして・・・?
「え?これは・・・」いつの間にか頬が濡れていた・・・。涙?私は
哀しかったわけじゃない。ずっと・・・ずっと求めていたことだから。
今、胸にあるのは・・・。
「じゃあ・・・渚砂ちゃんは!?」私を傷つけたと思って?・・・
追いかけないと!
「渚砂ちゃん!」
10 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:47:34 ID:589Ol1hp
「渚砂ちゃん・・・どこにいるんですか?」
後夜祭会場、温室、そして・・・私達の部屋にも戻ってきた跡は無い。
不意に目に映ったのは・・・机の上で月明かりに照らされていた・・・赤いリボン。
「もしかしたら!」
「渚砂ちゃん・・・」ずっと押さえていた想いが・・・いつしか・・・
溢れ出していた。
「渚砂ちゃん・・・」もう・・・嫌です。なくしたものを追いかけまわして・・・
後悔して・・・泣くのは・・・。
「渚砂ちゃん・・・」たとえ友達としてでも傍にいられればいい?違う。
そう自分に言い聞かせて・・・無理をして・・・笑っていたけれども・・・
本当は辛かった・・・。貴女が私でない誰かを愛しているのが・・・
悲しかった・・・痛かった・・・苦しかった・・・。私だけを見てほしかった。
私だけを想ってほしかった。私だけを・・・愛して・・・ほしかった。
「渚砂ちゃん・・・」どこまで行けば・・・どこまでうまく・・・
いくかなんて・・・わかりません。それでも・・・この想いを・・・
貴女に・・・貴女に・・・。
私達が出会った・・・あの場所で・・・渚砂ちゃんは・・・
木に縋るように・・・泣いていました。足音を忍ばせてそっと近づく。
「私・・・なんであんなことしちゃったんだろう?玉青ちゃんとは・・・
ずっと・・・ずっと・・・仲のいい友達でいられたのに・・・」渚砂ちゃん・・・。
「夢ならいいのに・・・夢だったら目が覚めたら・・・またおはようって
言ってくれる。ずっと友達でいられるのに・・・」夢だったら?ずっと友達で?
でも・・・私は・・・。
「私は・・・嫌です!」
「あっ!?」
「待って!渚砂ちゃん!逃げないで!」今度は・・・手を掴むことができた。
「貴女に・・・伝えたいことがあるんです。だから・・・どうか」
「やだぁ!聞きたくないよ!」
「渚砂ちゃん。お願いです」
「嫌だよ・・・聞きたくない・・・玉青ちゃんに嫌われたくないよ!お願い・・・
私のこと・・・嫌いにならないで・・・」
「渚砂ちゃん・・・」私の言葉は届かないんですか?それでも・・・
この想いを・・・どうか!
「渚砂ちゃん!」
渚砂ちゃんを振り向かせて・・・唇を・・・重ねた・・・。
「ん・・・」そして、そのまま抱きしめた。
11 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:48:57 ID:589Ol1hp
「ふぁ・・・」
今度は・・・逃げないでいてくれた。
「渚砂ちゃん。順番が逆になってしまいましたけど、貴女に伝えたいことが
あるんです」もう迷わない。
「さっき私は涙を流しました。でもそれは哀しかったからじゃない・・・
嬉しかったんです」この想いを伝えよう。
「私は・・・ずっと貴女のことが好きでした・・・貴女を・・・愛しているんです」
「玉青ちゃん・・・。ほんとに・・・私のこと許してくれるの?だって・・・
私・・・」
「私だって同じようなことをしましたよ?」
「私のこと・・・嫌いにならないでいてくれるの?」
「貴女を嫌いになるなんてできません。たとえ・・・貴女が望んだとしても」
「玉青ちゃん・・・」
「ねぇ、渚砂ちゃん。貴女の返事を聞かせてください」
「私は・・・この気持ちが玉青ちゃんと同じなのかわからない。でも・・・
玉青ちゃんへの『好き』は・・・静馬様や千代ちゃんへの『好き』とは違う。
私は・・・玉青ちゃんのこと考えるとなんだかドキドキする。玉青ちゃんといると
それだけで幸せな気持ちになれる。玉青ちゃんが傍にいないと・・・すごく・・・
辛いよ」
「渚砂ちゃん・・・。きっと・・・二人の気持ちは同じですよ」
「玉青ちゃん・・・。あ、あれ?」
「渚砂ちゃん?」
「あれ、おかしいな・・・私ね、すごく嬉しいの、嬉しいはずなのに・・・」
渚砂ちゃんの頬を流れる熱いものが・・・。
「ね?嬉しくても涙は流れるんです」
「うん。そうだね・・・そうだね・・・」
渚砂ちゃんの体を抱きしめて、頭を撫でる。
「憶えてますか?前にこの場所でこうしてくれたこと。こうしていますから。
貴女が落ち着くまで・・・ずっと・・・ずっと・・・」
空を見上げると月が滲んで見えた。でも・・・今の私には・・・それが・・・
とても綺麗だと・・・そう思えた。
12 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:50:28 ID:589Ol1hp
「・・・もう朝でしょうか?」すぐ隣には渚砂ちゃんが。あれから・・・
一緒に寝たんでしたね。そっと唇をなぞる。
「夢じゃ・・・なかったんですよね」昨夜、私達は・・・。
「ん・・・」
「渚砂ちゃん。おはよう」
「あ、おはよう、玉青ちゃん・・・。あのさ・・・昨夜のことって・・・
夢じゃないんだよね?」そう言って唇をなぞる。同じことを思って
いたんでしょうか?
「ええ、もちろんですよ」
「・・・・・・うわぁっ!」渚砂ちゃんは布団を被ってしまいました・・・。
「あの・・・渚砂ちゃん?」はっきりわかる。声が震えているのが・・・。
そんなことって・・・。
「あの・・・昨夜のことなんだけど・・・ね」
「は、はい・・・」震えが止まらない・・・。
「昨夜のこと思い出したら・・・恥ずかしくて・・・玉青ちゃんの顔、
見れないよ・・・」
「・・・・・・はい?」えーと、それは・・・つまり・・・拒絶されたわけでは
なくて・・・。ほっとすると同時に悪戯心が沸き起こる。
「渚砂ちゃん、こっちを見て。どうか、その恥じらいで真っ赤に染まった
可愛いお顔を見せてください」
「・・・やだ!」
「でも、そろそろ起きないと朝ごはんに間に合いませんよ?」
「うー。・・・玉青ちゃんの意地悪」
「おはよう。渚砂、玉青」
食堂に向かう途中で静馬様に声をかけられました。
「「おはようございます」」
「昨日はお疲れ様。あなた達の評判も良かったみたいよ。・・・あら?」
「静馬様?」
「そう・・・。おめでとう、でいいのかしら?」もしかして?
「あ、ありがとうございます」
そのまま静馬様は行ってしまった。
「二人ともどうしたの?」
「気付いていたみたいです。私達のこと」
「ええっ!?どうして・・・」
「さあそこまでは?・・・あっ」
目線を下に向けると・・・気がつきませんでしたけど、いつの間にか
手を繋いでいたんですね。思わず離してしまいましたけど。
もっと繋いでいたかった・・・。
「ねえ、玉青ちゃん。もう一回、手、繋いでもいい?」
「は、はい、もちろんです!」
13 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 20:52:09 ID:589Ol1hp
以上で再投下終了です。内容は前スレと全く同じです。
>>553 とうとう二人が結ばれました〜〜
作者さんお疲れ様
あとがんばれ
レスがなくて驚いた
>>1乙
GJです!
前スレが500kb突破してたのに今気が付いた(;´Д`)
新スレたってた!
いろいろと乙ですわ
一気に読み終えて鼻血吹いた
18 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 18:57:38 ID:kDnOmR0i
Shining way 投下します。今回はあの悲劇に挑戦(?)してみました。
19 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 18:59:34 ID:kDnOmR0i
14話 私に愛されている人
あれから・・・互いの想いを伝え合ったあの日から2週間が過ぎました。
特別、何かが変わったわけではないけれど・・・なんだか、雲の上にいるような、
でも不思議と落ち着くような、そんな気分です。でも、一つだけ、
変わったことは・・・時々、一緒に眠るようになったこと。そして、その翌朝は、
決まって私の方が先に目を覚ますので・・・渚砂ちゃんが目を覚ますまでの間、
寝顔を観察するという日課(?)ができたこと。渚砂ちゃんは
「恥ずかしいからやめて」と言うけれども、やめられないんですよね。
そして・・・今も・・・。
「本当に可愛いらしい寝顔。何度見ても飽きませんね」せっかくですし、
寝ているうちにその可愛い唇を頂きましょうか。これもなぜか飽きないんですよね。それに・・・渚砂ちゃんが恥ずかしがるから・・・いつも不意打ちになってしまいますし。まぁその後の真っ赤になった渚砂ちゃんもまた格別なんですけど・・・。
「う・・・ん」残念、起きたみたいですね。
「おはよう、渚砂ちゃん」
だけど・・・渚砂ちゃんは私に微笑むと、そのまま何も言わずにまた
眠ってしまいました。寝ぼけていたんでしょうか?でも・・・。
「私が傍にいても・・・当たり前ってことですよね?渚砂ちゃん」
「今週も終わりですね」
今日もいいお天気。青空に紅葉が良く映えますね。
「そうだね。ところで・・・なにかあったの?」
「どうしたんです?唐突に?」
「うん。玉青ちゃん朝からずっとご機嫌だから。どうしたのかな?って」
「それは・・・内緒です」
「そう・・・。でもね、玉青ちゃんが楽しそうだと私もなんだか嬉しいな」
「くっ・・・」本当に油断できませんね。また理性が飛びかけましたよ・・・。
でも・・・一生の不覚・・・。録音し損なうなんて・・・。
「玉青ちゃん?」
「え、あ、はい。なんでしょう?」
「明日の休みなんだけど・・・その・・・二人で・・・紅葉狩りに行かない?」
「え?」紅葉狩り・・・。
「こないだね、千華留さんが教えてくれたの。近くにすごく綺麗なところが
あるから、玉青ちゃんと行って来たらって」
「そう・・・ですか」苦い思い出があるんですよね・・・。
「もしかして・・・好きじゃないの?」
「あ、いえ。そんなことはないですよ。そうですね、せっかくのお休みですし」
「じゃあ、決まりだね」
「ええ。では腕によりをかけて美味しいお弁当を作りますね」
「そうじゃなくて・・・」
「え・・・?」
「その・・・一緒に・・・作ろう?」
「あ・・・。はい、渚砂ちゃん」
20 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 19:01:35 ID:kDnOmR0i
そして翌日。
澄み切った空。鮮やかに色づいた紅葉。爽やかな風。そして・・・
傍らには愛しい女の笑顔。きっと・・・『幸せ』とはこういうものを
いうんでしょうね。
「あ・・・玉青ちゃん、動かないでね」
そう言って私の頭に手を伸ばす。
「どうしたんです?」
「これが頭に乗ってたから」
差し出したのは・・・一枚の紅葉。あ、そうだ。
「何枚か持って帰りましょう」
「塩漬けにでもするの?」渚砂ちゃんらしいです・・・。
「押し花にして栞にするんです」
「そっか。『読書の秋』だもんね」
「渚砂ちゃんは『食欲の秋』ですね」
「そんなことないよ。私だって読書くらいするよ」
「はい。では、眠ってしまったら風邪をひかないように添い寝してあげますね
『睡眠の秋』ですし」
「・・・意地悪」
そう言ってそっぽを向いてしまう。でも・・・そんな仕草もいとおしい。
後ろから・・・そっと抱きしめる。
「ごめんなさい。でも・・・渚砂ちゃんがいけないんですよ」
「ふぇ?」
「貴女があまりに可愛すぎるから・・・つい、いじめたくなるんです」
「そんなの・・・わかんないよ・・・」
「どうか機嫌をなおしてください。私の可愛い渚砂ちゃん」
「ん・・・」
振り向かせて・・・そっと・・・。
「ほんとに意地悪だよ・・・。そんな風にされたら・・・怒れない・・・」
「ね、渚砂ちゃん。私ね、思うんです。きっと・・・私は・・・
世界で一番幸せだ・・・って。貴女を愛し、そして・・・貴女に・・・
愛されているから・・・」本当に・・・掛け値無くそう思うんですよ。
「・・・違うよ」
「え?」
「玉青ちゃんを愛してる。そして、玉青ちゃんに愛されてる私が世界一幸せなの。
だから・・・玉青ちゃんは・・・二番目」
「・・・渚砂ちゃんも意地悪ですね」
「うん、さっきのお返し」
「でも・・・いくら渚砂ちゃんでもこれだけは譲れません。私が世界で
一番幸せなんです」
「私だよ!」
「いいえ!私です!」
「私なの!」
「私です!」
「私!」
21 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 19:03:28 ID:kDnOmR0i
「はぁ、はぁ・・・きりが無いね・・・」
「はぁ、はぁ・・・ですね・・・」
「じゃあ、こうしよ。二人とも世界で一番に幸せってことで」
「そうですね・・・ふぁ」
「玉青ちゃん?」
「お腹が一杯になったら少し眠くなってきました・・・」
「あはは、玉青ちゃんも『睡眠の秋』だね」
「実は・・・昨夜眠れなくて・・・」
「そうだったの・・・。あ、そうだ」
渚砂ちゃんは・・・私を・・・引き倒しました。
「えっ!?」柔らかい感触・・・こ、ここここれは・・・もしかして?膝枕!?
「寝心地は良くないかもしれないけど・・・」
「いいんですか?」
「うん。玉青ちゃんはどんな寝顔を見せてくれるんだろう・・・すっごく楽しみ」
やけに楽しそうですね・・・というかどうしてそんなに目を輝かせてるんです?
気のせいでしょうか?目の中に星が輝いて・・・さらに
ハートまで混じっているような・・・。それに、なんだか妙な既視感が・・・。
「あの・・・それは少し恥ずかしいので・・・」
「だーめ。今日は私が玉青ちゃんの寝顔をじっくり観察するの。だから・・・
ゆっくり眠って。ね?私の可愛い玉青ちゃん」
優しく頭を撫でられると・・・あまりに気持ち良すぎて・・・
意識が遠のく・・・だめです・・・せっかくの・・・渚砂ちゃんの・・・
膝・・・枕・・・なの・・・に・・・。
「玉青ちゃん!起きて!」
「んー・・・。ろうしました?」
「玉青ちゃん!雨!」
「・・・え!?」いつに間にか空はどんよりと曇って雨が・・・。
「とりあえず、雨宿りしよう」
荷物をまとめて木陰に逃げ込むと、一気に土砂降りに・・・。危なかったです。
もう少し遅かったらびしょ濡れでしたね・・・。
「ごめんね・・・。私もうとうとしてて、気が付いたら」
「そうだったんですか。でも・・・困りましたね。この勢いだと当分
止みそうにありませんし」
「私ね・・・傘持って来たの」
「用意がいいですね」
「でも・・・」
「でも?」
「その・・・えーっとね、うっかりしててね・・・一本しか
持ってこなかったの・・・その・・・だからね・・・あの・・・一緒に入らない?」
なんだか歯切れが悪いですね。それに顔も赤いような・・・もしかして?
「あの、本当ですよね?」
「うん。ほら、これ一本だけ」
「そうではなくて・・・一本しか無いのは『うっかりしていたから』なんですよね?」
「え!?な、ななな何言ってるの。ほ、ほんとだよ。別に『相合傘できたら』
なんて全然、これっぽっちも思って無いよ」渚砂ちゃん・・・語るに落ちてますよ。
でも・・・。
「そうですね。一本しか無いならしかたありませんね。一緒に入りましょう」
「あ・・・うん」
「もっと寄らないと濡れてしまいますよ」
「うん・・・。そうだね」
「ええ、傘が無い以上しかたありませんよ」
渚砂ちゃんは真っ赤になって・・・でもなんだか嬉しそう。本当に・・・
幸せすぎます。こんな日々がいつまでも続いて欲しい・・・。
22 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 19:05:14 ID:kDnOmR0i
コン、コン。
「どうぞ」
「失礼するわ」相変わらず時間に正確ね。
「いらっしゃい、深雪。それで、なんの用なの?随分あらたまった話みたいだけど」
「次のエトワール選の事よ」
「そう・・・やっと開放されるのね・・・」
「・・・どの口がそれを言うの?」まだ根に持ってるの?
「言いたいことはそれだけ?」
「いいえ、ミアトルからは誰が出馬するのか?ということよ」
「今年はスピカの鳳天音で決まりでしょう。なら誰でも同じね」
「確かに、私もそう思っていたわ。少し前まではね。でも・・・状況が変わったわ」
「随分もったいつけるわね。あなたらしくもない」
「ミアトルからのエトワールを狙えそうな候補がいるの」
「誰?」
「一人は、涼水玉青さん」
「玉青が?」
「ええ、彼女は元よりの有力候補。下級生の支持も厚いわ。それに・・・
学園祭の演劇では脚本以外にも見事にカルメンの代役を演じ切った。結果、
いい宣伝になったわ」
「それで・・・もう一人は?」
「蒼井渚砂さんよ」
「まぁそうでしょうね。少なくとも、玉青は渚砂以外のパートナーを
認めないでしょうね。決して。そして渚砂も。でも・・・渚砂はこの春に
編入したばかりよ?」
「ええ、でも、話題性では玉青さん以上よ。彼女もエスカミーリョの代役を
見事に演じきったわ。・・・それと・・・編入早々に誰かさんがやらかしてくれた
おかげでね」
「・・・」
「それに・・・彼女はミアトルだけでなくル・リムや・・・鳳天音を擁する
スピカの下級生にも慕われているわ。あの飾らない性格に惹かれるのかしら?
アストラエアにはあまりいなかったタイプね」随分よく調べたものだこと・・・。
「それで・・・私に説得しろ、と?」
「話が早くて助かるわ。あなたとしても彼女達に後を継いで欲しいでしょう?」
「確かに・・・ね」・・・けれど。
「だから・・・」
「断るわ」
「なぜ?」
「私自身はあの娘達が次のエトワールになってくれたら嬉しいわ。そのためなら
協力も惜しまない。でも・・・それはあの娘達が望むならの話」
「静馬・・・」
「自分の意思で出馬するならそれでいい。でも・・・無理強いするつもりなら・・・
私はあなたの敵に回るわ」
「はぁ・・・とんだ薮蛇ね。わかったわ。明日『依頼』する。断られたら諦める。
それでいい?」
「ええ」
「一つ聞かせて。なぜそこまで入れ込むの?」
「あの娘達には借りがあるのよ。大きな借りが・・・ね」
23 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 19:07:40 ID:kDnOmR0i
紅葉狩りの一幕はこれで終わりです。やりすぎた気もしますけどまぁ気にしたら
負けということで。私用で次の投下はお盆すぎになると思います。
GJです!
ラブラブな二人がみれて幸せです(*´∀`)ポワーン
乙。
2人で幸せ自慢で張り合うとか、相合い傘とかGJ。
そして遂にエトワール選か。玉青は深雪の依頼を受けるかな?
保守
保守2
続き期待保守
わっふるわっふる
ほっシュほっシュ
31 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:26:44 ID:5aFnVDmP
だいぶ間が空きましたけど今からShining way 投下します。
32 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:27:55 ID:5aFnVDmP
15話 OSOROI
ドアをたたく音、そしてドア越しに渚砂ちゃんの声が聞こえる。
「玉青ちゃん、いないの?玉青ちゃん」
「はい・・・。ここにいますよ。・・・渚砂ちゃんの言いたいことは解かっている
つもりです。だけど・・・このままで送らせてください」え!?私は・・・何を?
「どうして・・・」
「自分勝手な理由です。貴女に別れの涙を見せたくないんです。だから、どうか・・・」
「渚砂、そろそろ・・・」静馬様の声が聞こえた。これは・・・まさか!?
「あっ、静馬様・・・」
「玉青ちゃん!私、むこうに着い・・・たら手紙・・・書く・・・から、
読んで・・・くれる?」だめです!渚砂ちゃん!
「もちろんです!私も、たくさん書き・・・ます・・・から」ドアが・・・開かない?
「いってらっしゃい。渚砂ちゃん」どうして!?行かないで!行ってはだめ!
「うん、いってきます。玉青ちゃん」だめです!渚砂ちゃん!
足音が遠くなると・・・ようやくドアが開いた。二人を追いかけないと!
「どうして・・・?」走っても走っても追いつかない?
「待ってください!」声も届かないの?早く止めないと・・・二人が・・・。
「え!?」
いつの間にか場所はお御堂に・・・。目の前にあるのは・・・渚砂ちゃんの
写真が飾られた・・・空っぽの棺。
「あ・・・そんな・・・そんなことって・・・嫌・・・いやあああああぁっ!!!」
33 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:29:09 ID:5aFnVDmP
「・・・っ!?」
「玉青ちゃん?」目の前にいるのは・・・渚砂ちゃん?
「はぁ・・・はぁ・・・。今のは・・・夢?」
「大丈夫?うなされてたみたい・・・。それに・・・すごい汗だよ」
「夢・・・なの?でも・・・どうして・・・今になって?」
「怖い夢・・・だったの?」
「ええ、でも・・・ただの夢です。心配しないでください」
「・・・一緒に寝てもいい?」
「渚砂ちゃん・・・」
「ごめん・・・こんなことしかできなくて・・・」手を握ってくれると・・・
ほんの少しだけ・・・落ち着いた。
「ありがとう・・・」
「玉青ちゃん?大丈夫?まだ顔色が悪いよ」
「ごめんなさい。心配かけて・・・」
渚砂ちゃんのおかげで少し落ち着いたけれど・・・多分ひどい顔をしてるでしょうね・・・。
「無理しないで休んだほうがよかったんじゃない?」
「大丈夫。夢見が悪かっただけですから、心配しないでください」
「玉青ちゃん・・・」
「玉青さん、渚砂さん」
「あれ?六条さん?」
「急で悪いのだけど、あなた達に話したいことがあるの。今夜少し時間を貰えないかしら?」
「あの・・・今日は玉青ちゃんが具合悪いんです。それで・・・少し
待ってもらえませんか?」
「いえ、大丈夫です」
「玉青ちゃん?でも・・・」
「いつまで落ち込んでいても仕方ありませんよ。それに・・・貴女にこれ以上
心配をかけたくはないですから」
「玉青ちゃん・・・」
「今夜ですね、かまいませんよ」
「ありがとう、なら今夜7時に伺わせてもらうわ」
34 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:30:09 ID:5aFnVDmP
「それで・・・話というのは?」
「そうね、単刀直入に言うわ。次のエトワール選に出て欲しいの。あなた達二人に」
エトワール選・・・不意に浮かんだのは・・・今朝の・・・あの夢・・・どうして・・・?
「あの・・・聞いてもいいですか?」
「ええ、どうぞ」
「どうして・・・私と玉青ちゃんが?」
「今年はスピカの鳳天音が有力なのは知っているかしら?」
「噂くらいは・・・」
「けれど、あなた達なら勝算はあると判断した。それが理由よ」
「そんな・・・」
「ただ・・・あなた達が嫌ならあきらめるわ。静馬にも釘を刺されているから」
「静馬様が?」
「ええ。『無理強いするなら敵に回る』。そう言われたわ」
「そうですか」
「急で悪いけど明後日の夜に答えを聞かせて欲しい。いいかしら?」
「は、はい」
「玉青さんは?」
「玉青ちゃん?」
「え?あ、はい。なんでしょう?」
「明後日の夜までに決めて欲しいの。エトワール選に出るかどうかを」
「あ、はい。わかりました」
「なんかすごいことになっちゃったね・・・」
「ええ・・・。渚砂ちゃん・・・」
「なに?」
「明日の夜に二人で話し合いましょう。それまで・・・一人でよく考えたいんです」
「玉青ちゃん・・・。うん・・・わかったよ」
35 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:32:41 ID:5aFnVDmP
翌日・・・。
渚砂ちゃんは本心から私を気遣ってくれる。でも・・・それが辛い・・・。
きっと・・・渚砂ちゃんに隠し事をしているから・・・。だからなのか・・・
お昼休みになると同時に私は教室を抜け出した・・・。そして・・・
いつの間にか・・・あの場所・・・渚砂ちゃんと結ばれた場所に来ていた・・・。
「はぁ・・・」私は・・・どうしたら・・・。
「こんにちは、玉青ちゃん」
「あ・・・千華留様・・・」
「悩み事?」
「どうして・・・?」
「見て」
千華留様が取り出した手鏡を見ると・・・確かに。我ながらひどい顔ですね・・・。
「ね?私で良ければ相談に乗るわよ」千華留様・・・。
「実は・・・六条様に言われたんです・・・。エトワール選に出て欲しいと」
「それで・・・相手が渚砂ちゃんじゃないから?」え・・・?
「どうしてそう思うんですか?」
「あなたと渚砂ちゃんの間にある・・・空気っていうのか・・・何かが変わって
いたから・・・そうじゃないかなってね。学園祭の後くらいかしら」
「かないませんね・・・。でも、パートナーは渚砂ちゃんです」
「それなら・・・何を悩んでいるの?」
「私は・・・私自身は渚砂ちゃんと一緒にエトワールになりたいと思っているんです。
でも・・・それはミアトルの為でなく・・・渚砂ちゃんの為でもないんです」あの夢を
見て以来不安が消えない・・・。それは、ずっと忘れて・・・忘れようとしていたもの。
渚砂ちゃんが・・・またいなくなってしまうのでは・・・ということ。
そして・・・渚砂ちゃんに隠し事をしていることを辛いと感じる・・・。知って欲しい・・・
私の・・・全てを。でも・・・そう思うと同時に怖い。もし渚砂ちゃんがこのことを
知ったら・・・今のままではいられないかもしれない・・・。
だけど・・・渚砂ちゃんと一緒にエトワールになれたなら・・・その時は・・・ずっと・・・
ずっといつまでも一緒にいられるんじゃないかって・・・。私の全てを受け入れて
くれるんじゃないかって・・・。そんな・・・何の根拠も無い・・・ただの・・・妄想・・・。
「そんな私のわがままに・・・渚砂ちゃんを付き合わせていいんでしょうか?」それに・・・。
「もし・・・私が望むなら・・・渚砂ちゃんはエトワール選に出てくれると思います。
思い上がりでもなんでもなく。でも・・・それに甘えてしまいそうで・・・」私は・・・渚砂ちゃんの重荷になりたくない・・・。
「ねぇ、玉青ちゃん。あなたは・・・渚砂ちゃんに甘えられるのは嫌い?」
「え?いえ、そんなことは・・・」むしろ私は・・・それを嬉しく思う。
「あ・・・」
「それにね、そこまで相手を気遣うことが出来る玉青ちゃんなら・・・よりかかるだけ
にはならないと思う」
「それは・・・」
「渚砂ちゃんはなんて?」
「まだ・・・聞いていません」
「そう、一人で考えてわからないなら二人で話したらどう?」
「そう・・・ですね」私は・・・自分の気持ちしか見ていなかったのかもしれない・・・。
「ありがとうございます。相談に乗っていただいて」
「役に立てたかは自信ないけど」
「いいえ。なんだか、胸が軽くなった気がします」まだ、不安は消えないけれど・・・
それでも。
「あの・・・このことは渚砂ちゃんには・・・」
「ええ、内緒ね」
今夜、ちゃんと話し合おう。渚砂ちゃんと。
36 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:34:45 ID:5aFnVDmP
「はぁ・・・」
放課後・・・あの・・・玉青ちゃんとの思い出の場所に来ていた・・・。今日も玉青ちゃんは
ずっと悩んでた・・・苦しんでた・・・でも、私には『心配無い』って・・・。私は・・・
私じゃあ・・・何もしてあげられないのかな・・・。だけど・・・もし・・・。
「コンニチワ、ナギサチャン」
「ナンダカ、ゲンキナイミタイダケド」
「ふぇ?」
話しかけて(?)きたのは・・・ブタさんとパンダさんの人形・・・を手にはめた千華留さん。
「こんにちは。渚砂ちゃん」
「千華留さん・・・」
「何か悩み事?」
「どうしてわかったんです?」
「いつも元気な子が落ち込んでいれば・・・ね」・・・そうだ!千華留さんなら。
「・・・あの、相談に乗ってほしいんですけど・・・」
「ええ、私で良ければ」
「実は・・・六条さんに言われたんです。玉青ちゃんと一緒に・・・エトワール選に
出てほしいって」
「ええ」
「私は・・・玉青ちゃんと一緒にエトワールになりたい。でも・・・それは・・・私のわがまま
なんです・・・」昨日、玉青ちゃんは怖い夢を見て・・・泣いてた。でも・・・私には
心配しないでって・・・。私じゃ頼りないのかもしれない・・・けど、それでも・・・頼って
欲しい。玉青ちゃんが苦しい時には・・・支えてあげたい。本当の意味でのパートナーに
なりたいって思う。だけど・・・それは・・・私のわがままなんだよね・・・。
それに・・・玉青ちゃん泣きながら誰かを呼んでた・・・必死に。そのことを考えると
・・・なんだか・・・胸が・・・痛い・・・。私だけを見て欲しいって・・・
そう思ってしまう・・・。
「そんな理由に玉青ちゃんをつきあわせてもいいのかな?って」
「玉青ちゃんはエトワールになりたくない。そう思うの?」
「もし、そうだったら・・・」
「玉青ちゃんのことを嫌いになる?」私が・・・玉青ちゃんを?
「そんなことありません!」
「それじゃあ・・・玉青ちゃんに嫌われる?」玉青ちゃんが私を?そんなことない。
言ってくれたから『私を嫌うなんて絶対無い』って。それに・・・私は信じてる。
玉青ちゃんを。え?
「あ・・・」
「ごめんなさいね。無神経なことを言ってしまって」
「そんなことないです」そっか・・・そうだったんだ・・・。
「決めました。私・・・玉青ちゃんに・・・」
「ストップ。それを最初に伝えるのは私じゃないわ」
「千華留さん・・・。ありがとうございました。相談に乗ってくれて」
「どういたしまして。それにしても・・・赤い糸の二人はどことなく似ているのかしらね?」
「ふぇ?」
「ナギサチャン」
「アマリ、オモイツメナイデネ」
「あ、うん!」
玉青ちゃんに伝えよう。私と・・・。
37 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:36:29 ID:5aFnVDmP
「・・・・・・」
「・・・・・・」
夜・・・いざ渚砂ちゃんと向き合ってみたけれども・・・空気が重い。どう切り出せばいいのか・・・。
「玉青ちゃん・・・」
「は、はい」
「あの・・・ね。私と一緒に・・・出て欲しいの。エトワール選に」え!?
「渚砂ちゃん・・・?」
「私じゃ頼りないかもしれない・・・けど、私、玉青ちゃんのパートナーになりたいって
思う。本当の意味で」
「それは・・・どういう・・・」
「私は・・・いつも玉青ちゃんに頼ってばかりだけど・・・玉青ちゃんが苦しいときは
支えてあげたい、頼ってほしい。一昨日もそうだった・・・。玉青ちゃんが泣いてても・・・
何もできなかった」渚砂ちゃん・・・。私は・・・いつの間にか貴女を傷つけて
いたんですね・・・。でも・・・。
「貴女は支えてくれましたよ。一緒にいてくれた。手を握ってくれた。とても・・・
安心できたんです」
「そう・・・なのかな?」
「はい。渚砂ちゃん・・・私のわがままを聞いてください」
「何?」
「どうか・・・私と・・・エトワールになってください」
「ほんとに・・・いいの?」
「はい。貴女と二人で・・・エトワールになりたい」
「うん。私でいいなら」
「いいえ」
「え?」
「『貴女でいい』のではなく、『貴女でなければだめ』なんです」
「玉青ちゃん・・・。うん、私も・・・玉青ちゃんと一緒に・・・エトワールになりたい」
「決まりですね」
「うん。・・・ふぁー」
「どうしました?」
「なんだかね、伝えたいこと言ったら・・・気が抜けちゃった・・・」言われてみれば・・・。
「私もですね・・・」
「千華留さんのおかげかな?」
「千華留様?」
「うん。放課後ね、相談に乗ってもらったの」
「渚砂ちゃんも?実は私も・・・」
「そうだったの・・・。ところで・・・エトワール選ってなにするの?」
「いろいろありますけど・・・特に重要なのはダンスですね」
「ダンス!?私・・・盆踊りくらいしか・・・」
「大丈夫。私が手取り足取り教えて差し上げますから」
「・・・何だか目がいやらしいよ?」
「え!?そ、そんなことは・・・」
「でも・・・玉青ちゃんになら・・・」
「ええっ!?」
「な、なんでもない!それよりも・・・よろしくね。玉青ちゃん」
「はい。こちらこそ」
今はまだ・・・このままでいさせてください。どうか・・・。
38 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:37:58 ID:5aFnVDmP
と、言うわけで今回はここまでです。
GJです
いよいよクライマックスですね
どうなるか楽しみです
またおいしそうなところで話が切れる
結局2人がどうなるのかすごく気になる
保
GJです!
次はダンスの特訓中のラブラブっぷりが
みれるのかな?(*´∀`)
>「・・・何だか目がいやらしいよ?」
>「え!?そ、そんなことは・・・」
>「でも・・・玉青ちゃんになら・・・」
>「ええっ!?」
このやり取りに萌えた。GJ。
玉青ちゃん可愛いよ玉青ちゃん
45 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:27:59 ID:RhmrrhSn
Shining way続き投下します。思うところがあって16話は前後編になってますんで。
46 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:30:03 ID:RhmrrhSn
16話 陽だまり(前編)
エトワール選に出ると決めてから・・・様々な練習をするうちに日々は過ぎ、本番まで
あと一週間となりました。
「どうしよう・・・。なんだか緊張してきた・・・」
「渚砂ちゃん・・・。まだ練習ですよ」
「それはそうだけど。でも舞台とか衣装は本番さながらだし・・・少ないけど観客も
いるし・・・それにやっと一通りのステップ覚えたばかりなんだよ、私」
「私を信じてください。しっかりフォローしますから」
「玉青さん、渚砂さん、始めるわ」
「「はい」」
曲が流れ始める。渚砂ちゃんがミスしやすい場所は覚えました。後は先回りで
フォローすれば・・・。
曲が半分ほど終わったところで・・・なんだか・・・不思議な感覚が・・・。これは・・・
渚砂ちゃんを抱きしめた時に似ているような・・・。渚砂ちゃんは・・・なんだか楽しそう、
つられて私も楽しくなってくる。とても・・・心地いい。
え?いつの間にか曲が・・・。客席が静まりかえっている中、六条様が歩いてくる。
しまった、フォローするのを忘れていました・・・。
「どうしよう・・・。怒られるかな?」
「多分・・・」
「渚砂さん」
「は、はい!」
「一通りのステップを覚えたばかりと言っていたけれど、本当なの?」
「はい・・・その・・・」ごめんなさい、渚砂ちゃん・・・。
「素晴らしいわ」
「「・・・・・・はい?」」
「前半はぎこちないから心配だったけれど、後半は見事だったわ」え?
「珍しいわね。深雪がここまで誰かを褒めるなんて。本番は雪かしら?」
「静馬」
「もっとも・・・私も同感だけど」静馬様も?
「あの・・・ほんとですよね?」
「渚砂?」
「実は全然駄目だったけど・・・冗談で言ってる。・・・とかじゃ・・・無いですよね」
「ええ、本気よ。何か気になるの?」
「なんだか・・・途中から不思議な感じがしたんです。なんだか・・・玉青ちゃんと
一緒にベッドの中にいる時みたいな感じが。すごく気持ち良くて・・・後はそれに
流されちゃって・・・」
「渚砂ちゃんもですか?」
「うん。ってことは・・・玉青ちゃんも?」
「ええ」
「なるほど・・・ね」
「「静馬様?」」
「あなた達なら・・・そのくらいは造作無い、ということなのね。後は数を重ねるだけね」
「それと、本番で実力を発揮出来れば問題無いわね」
「それは心配ないでしょう。二人とも舞台度胸はあるから」
「そうだったわね。これなら、明日にでも出馬宣言をできそうね。いいかしら?」
「「はい」」
47 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:31:40 ID:RhmrrhSn
「私、涼水玉青と」
「私、蒼井渚砂は」
「「ミアトルの代表としてエトワール選に出馬することをここに宣言します!」」
出馬宣言の後で部屋に戻ると・・・千代ちゃんがお茶の用意をして待っていました。
「どうぞ」
「ありがと。それにしても・・・緊張したよー」
「ですね」
「そうですか?でも・・・渚砂お姉様、素敵でしたよ」
「そうかな?本番まで後少し。悔いの無いようにしないと」
「がんばって下さい。そういえば・・・今朝噂で聞いたんですけど・・・スピカも
明日出馬宣言するそうです」
「スピカは天音さんと・・・光莉ちゃんが出るんだよね」
「大変よ!」
「あ、千早ちゃん。お茶飲んでく?」
「それどころじゃなくて・・・。今ちらっと聞いたんだけど、天音様が落馬して
保健室に運ばれたって・・・」
「「「ええっ!?」」」そうでした・・・。忘れていたけれど・・・確かこの頃に・・・
。これまではあまり気にしていなかったけれども・・・今は前とは違う。でも・・・
前にあったことは少なからず起きている?なら・・・渚砂ちゃんも・・・また?
「玉青ちゃん、玉青ちゃん!」
「え?あ・・・なんです?」
「大丈夫?顔が・・・真っ青だけど・・・」
「・・・なんでもありません。それより・・・様子を見に行きませんか?」もし・・・
天音様が光莉さんのことを・・・。
「うん!」
どうか・・・光莉さんのことを憶えていてください・・・。そうしたら・・・きっと・・・。
48 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:33:45 ID:RhmrrhSn
「少し早いけれど、今日はここまでにしましょう。明日は本番前の打ち合わせをするから」
「「はい」」
いよいよ明後日がエトワール選。私達の方は順調に進んでいますけれど・・・。
「ね、玉青ちゃん。お御堂に寄ってもいい?」
「ええ、構いませんよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
天音様は光莉さんのことをすっかり忘れていました・・・。そして、そのことは
渚砂ちゃんに影を落としていました。それは・・・私にも。こうしている今も
感じている。失うことの・・・怖さを・・・。
「光莉さん達のことですね」
「うん・・・。明日が出馬宣言の期限なんだよね」
「ええ」
「私は・・・玉青ちゃんと一緒にエトワールになりたい。それはほんとなんだよ・・・でも・・・」
「ええ。でもそれは・・・こんな形ではないですよね」
「うん・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「上に登ってみませんか?」
「え・・・?」
「この季節なら前とは違う景色が見えると思いますし・・・。それに・・・
少しは気が晴れるかもしれませんよ」
「そう・・・だね」
だんだんと、冬の色に染まりつつあるアストラエアは・・・少し寂しげでした。
「光莉ちゃん達・・・大丈夫だよね?」
「わかりません・・・」私の『記憶』では・・・天音様は光莉さんのことを
思い出すはずですけど・・・。でも・・・。
「信じましょう。あんなに思い合っていたお二人なんです」
「うん・・・。だけど・・・それだけじゃないの」
「なんですか?」
「玉青ちゃんは忘れないよね。私のこと」
「渚砂ちゃん・・・」
「もしも・・・玉青ちゃんが私のこと忘れたらって・・・そう考えたらね、
すごく怖かった」渚砂ちゃん・・・。
「大丈夫。貴女を忘れたりはしません。それに・・・貴女が私を忘れることも無いですよ。決して」
「・・・ごめん。おかしなこと言って」
「そろそろ戻りましょう。風も冷えてきましたし。それに・・・」手を握ると・・・。
「手もすっかり冷たくなっています」
「うん・・・」
「ねえ、玉青ちゃん」降りる途中、渚砂ちゃんは立ち止まりました。
「はい」
「こないだ・・・さ。怖い夢を見て泣いてたよね?」
「ええ・・・」
「その時なんだけど・・・」
そう言って手すりに寄りかかった渚砂ちゃんの体が・・・後ろに・・・倒れた?
「え・・・!?」
「渚砂ちゃん!!!」
49 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:35:56 ID:RhmrrhSn
「くぅっ・・・」
「玉青ちゃん!?」
落ちる渚砂ちゃんの手を掴み反対の手で手すりを掴んだものの・・・私も宙づりに・・・。
両肩が痛い。上を見ると手すりが壊れていた。まさか実際にこんな経験をするなんて・・・。
「玉青ちゃん!?」
「私なら大丈夫。それより、私の体をつたって上に登れま・・・」
ミシッ!
今の音は!?上を見ると・・・私が掴んでいる手すりにもヒビが!?このままじゃあ・・・。
「離して」え!?
「このままじゃ二人とも落ちちゃうから」渚砂ちゃん?何を?
「上手く着地出来れば大丈夫だよ。きっと」
「無茶です!四階以上あるんですよ!」
ミシッ!!
「玉青ちゃん!」
「嫌です!」
「離して!お願いだから!もし・・・玉青ちゃんになにかあったら・・・私・・・
きっと耐えられないよ!!!」
それは本心からの言葉だったと思う。でも!
「馬鹿なことを言わないでください!また・・・私を置いて行くんですか!?」
あの夢が・・・。
「また貴女はいなくなってしまうんですか!?」あの・・・事故の知らせが・・・。
「今度は私の目の前で!?」あの・・・空っぽの棺が・・・。
ミシッ!!!
「お願い!!!離して!!!このままじゃあ・・・」
「それでもいい!」
「え・・・?」
「嫌です・・・。また・・・貴女を失うくらいなら・・・私も・・・消えてしまいたい!!!
その方がずっと・・・ずっといい!もう嫌なんです!あんな思いをするのは!!!」
バキッ!!!
ひときわ大きな音、一瞬の浮遊感の中で私は・・・渚砂ちゃんを抱きしめた。
激痛、反転、そして・・・大きな衝撃。
「かはっ・・・」
「玉青ちゃん!玉青ちゃん!」
「なぎ・・さ・・・ちゃん。だいじょ・・・ぶ・・・ですか?」
「うん・・・。私は平気」
「よかっ・・・こん・・・は・・・まもれ・・・」
「玉青ちゃん!」
(泣かないでください。貴女の涙は苦手なんです)
あれ?声がでない?なんだか・・・目の前が・・・暗く・・・。
「玉青ちゃん!?そんな・・・玉青ちゃん!!!玉青ちゃん!!!」
50 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 10:37:35 ID:RhmrrhSn
以上、前編終わりです。
乙
GJ!でも玉青かわいそう…
「一緒にベッドの中にいる時みたいな」でやましい想像してしまった俺は
吊ってくるべきだろうかorz
二人が絶頂の真っ只中にいただけに、悲劇が際立ちますな
続きを楽しみに待ってます
うお、この後いったいどうなるんだ……。続きが気になる。
56 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 19:48:06 ID:WL7thwH9
Shining way16話後編投下します。
57 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 19:49:55 ID:WL7thwH9
16話 陽だまり(後編)
「ん・・・」なんだか体がだるい・・・。眠っていたんでしょうか?ここは・・・
渚砂ちゃんとの思い出の場所?どうしてこんなところで・・・?
「玉青ちゃん・・・」いつの間にか隣では渚砂ちゃんが・・・泣いていた・・・。
どうして・・・?見ている私まで苦しくなる・・・。
「どうかしたんですか?」
でも・・・渚砂ちゃんは私のほうを見ようとしない・・・。
「私の・・・せいだ・・・。私を助けようとしたから・・・玉青ちゃんは・・・」
渚砂ちゃんは何を・・・?あ・・・思い出した。私は・・・お御堂で・・・。だけど・・・
私は・・・。
「泣かないでください。私ならこのとおり。なんともありませんよ」だから・・・どうか・・・。
けれども・・・伸ばした手は・・・渚砂ちゃんの体を・・・すり抜けた?
「え・・・?」
「どうして・・・玉青ちゃんと出会ったんだろう?どうして・・・好きになっちゃったんだろう?
私と出会わなかったら・・・私なんかを好きにならなかったら・・・きっと・・・
玉青ちゃん・・・こんなことにならなかった・・・」そんな・・・。
「渚砂ちゃん!そんなこと言わないでください!私ならここにいます!」
でも・・・渚砂ちゃんは私を見てくれない・・・。声も届かないの!?
「私も・・・玉青ちゃんのところに行くから」
「え?」
そう言って取り出したのは・・・包丁!?まさか!?
「待って!だめ!だめです!!!」だけど私には触れることもできずに・・・。
渚砂ちゃんは刃を手首に・・・そして・・・流れた血が辺りを真っ赤に染め・・・
渚砂ちゃんはその中に・・・沈んでいった・・・。
「あ・・・嫌・・・嫌・・・いやあああああああっ!!!」
58 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 19:52:28 ID:WL7thwH9
「いやああああああっ!!!」
「玉青?気が付いたの?」目の前にいたのは・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・。え?静馬様・・・?」
「ひどくうなされていたようだけど・・・大丈夫?」
「・・・うなされていた?なら・・・今のは・・・夢?」
「気分は・・・良い訳ないわね」
「はい・・・。最悪の気分です・・・」だるい上に全身が痛い。それに・・・右足が動かない。
見ると・・・吊られていた。
「ここは・・・保健室ですか?」
「病室よ」
「4日も眠っていたのよ。覚えてる?」
「はい・・・。お御堂で渚砂ちゃんと一緒に・・・。渚砂ちゃん!渚砂ちゃんは
無事なんですか!?くぅっ・・・」あちこちが痛い・・・。
「落ち着きなさい。渚砂は怪我一つ無いわ」
「・・・良かった」
「はぁ・・・少しは自分の心配をしなさい」
「そういえば・・・我ながらよく無事でしたね・・・私」
「無事・・・ねぇ。正直あなたが助かったのは奇跡みたいなものなのよ」
「奇跡・・・ですか?いったいなにがあったんですか?あまりよく覚えていないんですけど・・・」
「推測になるけれど・・・落ちる途中、二階の手すりに当たったらしいわ。あなたの右足が・・・」
「それで・・・折れてますか?」
「ええ、ものの見事に。でも・・・それで勢いが弱まったのね。そして・・・
あなたが下敷きになったから渚砂は無傷で済んだ」
「そんなことが・・・」
「後は・・・ル・リムの源千華留に感謝しなさい」
「千華留様?」
「たまたま近くを歩いていたらあなた達の悲鳴が聞こえた。入ってみたら二人がぶらさがって
いた。それで・・・持っていた生地をクッション代わりにした」
「生地?」
「防寒着の材料と言っていたわ。あなたが助かったのはそのおかげ。その後上に登る途中で
あなた達が落ちた・・・と」
「そんなことが・・・」
「すぐに救急車を呼んだのも彼女。渚砂は怪我こそなかったけれど・・・ひどく
錯乱していたから・・・鎮静剤を打たれて一緒に運ばれたそうよ。その日のうちに
帰ったけれど」
59 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 19:53:59 ID:WL7thwH9
「そうだったんですか・・・。ところで・・・渚砂ちゃんは来ていないんですか?」
「ええ、一昨日来ただけ」
「そう・・・ですか」
「今は謹慎中」
「え・・・?」
「一昨日・・・エトワール選の日にここに来たの。無断でね」
「エトワール選・・・?」
「ええ。今年はスピカの鳳天音と此花光莉で決まったわ。鳳天音の記憶は戻ったそうよ」
「そうですか・・・。申し訳ありません。結局棄権してしまって・・・」
「あれは完全に事故だった。手すりの老朽化ということで決着も付いている。
気にすることじゃないわ。話がそれたけど・・・渚砂は謹慎中。理由は無断外出。
幸い・・・というか今日までだから明日は会えるわ」
「良かった・・・。渚砂ちゃんは元気にしているんですね」
「元気?どうやったらあれがそう見えるの?」
「え?」
「ごめんなさい。あなたを責める気は無いの。でも・・・見ていられない、というのが
正直なところ。まるで・・・抜け殻みたい」
「渚砂ちゃん・・・」さっきの夢は・・・まさか!?
「でも、あなたが目を覚ましたと聞けばすぐに元気になるわ」
「静馬様!」
「何?」
「あの・・・渚砂ちゃんは・・・手首を切ったりは・・・してないですよね?」
「随分唐突ね。なぜそう思うの?」
「さっき・・・夢を見たんです・・・」
「そう・・・それであんなにうなされていたのね。わかったわ、すぐに帰って伝えるから。あなたが目覚めたと」
「お願いします」
「ええ。あなたも・・・お大事にね」
「はい。ありがとうございました」
「私は・・・渚砂ちゃんに隠し事をしてるんですよね・・・」さっきの夢・・・。
あれは・・・きっと以前の私・・・。ずっと隠していたこと・・・私の全てを・・・
知って・・・受け入れて欲しい。でも・・・同時に恐怖もある・・・。もし・・・
渚砂ちゃんがこのことを知ったなら・・・。わからない・・・
私が望んでいるのはどっちなのか・・・。
60 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 19:55:47 ID:WL7thwH9
「入るわよ、渚砂」
「・・・・・・」
渚砂はベッドの上に座っていた。玉青の心配は取り越し苦労ですんだようだけど・・・。
机の上に置かれた食事には手をつけた様子が無い。昔の私もこんなだったのかしらね?
「渚砂」
「・・・・・・」
はぁ・・・ショックなのはわかるけど・・・。
「玉青が目を覚ましたわ」
「・・・え!?」
途端に目に光が戻る。そして、こっちに走ってくる途中で・・・。
「あ痛・・・」転んだ・・・。
「あの・・・ほんとですか!?」
「ええ、ついさっき。今は検査中でしょうね。詳しくはわからないけど、意識は
しっかりしていたわ」
「玉青ちゃん・・・よかっ・・・よかったよ・・・」
抱きしめて頭を撫でる。昔はよく深雪にしてあげたわね・・・このくらいなら
いいでしょう?玉青?
ぐぅ〜。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「渚砂?」
「え、えーと・・・気のせいです」
「だけど・・・」
ぐぅ〜。
「気のせいです!」
「そう。まあいいわ。なんにしても・・・今夜はしっかりシャワーを浴びて髪を
洗っておくこと。玉青にみっともないところを見せたくないでしょう?」
「はい!」この分なら夕食はきちんと食べるでしょうね。もっとも・・・
何人前になるかは知らないけど・・・。
「あなたの外出許可も申請しておくわ。まさかとは思うけど今から飛び出さないように。
いいわね?」
「え・・・。あ、あはは。そ、そんなことは思ってませんよ。それはもう全然、
全く、これっぽっちも」
「渚砂・・・」考えてたわね・・・本気で。
「あと一日我慢しなさい。また謹慎しくはないでしょう」
「はーい」
「なんにしても良かった。渚砂が・・・あんな思いをせずにすんで」せっかくだし
明日は二人きりにしてあげたほうがいいわね。
61 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 19:57:50 ID:WL7thwH9
「ごめんね・・・玉青ちゃん」
ベッドに入ると・・・あの時のことが浮かんだ。よっぽど印象に残っていたのか・・・
はっきりと思い出すことができた。
『馬鹿なことを言わないでください!また・・・私を置いて行くんですか!?また貴女は
いなくなってしまうんですか!?今度は私の目の前で!?』
あの時の玉青ちゃん・・・すごく・・・辛そうだった。きっと・・・前にもあったんだよね。
私が・・・玉青ちゃんの前からいなくなったことが・・・。でも・・・私は・・・
全てを・・・玉青ちゃんとの思い出も一緒に過ごしたことさえ忘れてるんだ・・・。もし・・・逆の立場だったら・・・すごく悲しいと思う。
「思い出したいよ・・・」
病室の前。ネームプレートを確認する。『涼水玉青』うん、間違いない。ドアを叩く。
「あれ?」
もう一度、さっきよりも強く。
「いないのかな?」
ドアノブを握ると・・・。
「開いてる?」
中に入ると・・・玉青ちゃんは眠っていた。静馬様も言ってたし病院の人にも
確認したから昨日目を覚ましたのは間違い無いはずだけど・・・。近くで見ると、
静かに寝息をたててる。でも・・・あちこちに巻かれた包帯は・・・私のせいなんだよね・・・。
「ごめんね・・・」
返事は無い・・・。けど・・・玉青ちゃんの唇を見てると・・・なんだかおかしな
気分になってきた・・・。
「よく寝てるし・・・大丈夫だよね?」
柔らかい・・・。目を開けると・・・玉青ちゃんも驚いた顔で目を開けてた!?
「え!?」
「・・・・・・。うわあぁぁっ!」
62 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 20:00:09 ID:WL7thwH9
「あ、あの・・・具合はどう?」
「ええ・・・右足以外は大したことないそうです。来週中には退院できそうです」
「そっか・・・」気まずい・・・。玉青ちゃんの目を見れないよ・・・。でも・・・
聞かないと・・・。
「あの・・・聞きたいことがあるの・・・」
「はい、なんでしょう?」
「私さ・・・ミアトルに来る前に玉青ちゃんに会ってるんだよね?」
「・・・あの時言ったことですね?」
「うん・・・」私は・・・前にも玉青ちゃんを置いていなくなったことがあったみたいなんだよね。
「昨夜ずっと考えたけど・・・思い出せなかった。でも・・・知りたいよ。玉青ちゃんとの
思い出なんだもん」
「・・・聞いてくれますか。私が・・・今まで隠していた・・・全てを」玉青ちゃんは
すごく悲しそうだけど・・・。
「聞かせて」それでも・・・私は・・・知りたい。
「多分、突拍子も無い話になりますけど・・・」
「私が貴女と初めてあったのは貴女がミアトルに編入してきた日です。それは間違いありません」
「そう・・・なの?」どういうことなんだろう?
「回りくどいのはやめます。渚砂ちゃんがミアトルに編入した年。それを過ごすのは
2度目なんです。私にとっては・・・」えっと・・・。
「それって・・・小説なんかで出てくる『タイムトリップ』?」
「多分」
そんなのって・・・普通なら信じられない・・・はずなんだけど。玉青ちゃんの目は
真剣で・・・それに・・・私自身すんなりと受け入れることができた。
「前回と今回は似ているところもあるけど・・・違う点もたくさん有ります。例えば・・・
前に渚砂ちゃんと出会ったのはミアトルの保健室でした。渚砂ちゃんはサマースクールに
行くことができました。学園祭の演劇では渚砂ちゃんがカルメンの代役を演じました。
そして・・・渚砂ちゃんは・・・静馬様と結ばれました・・・」
「私が・・・静馬様と?」
「ええ。卒業後、静馬様は海外に留学することになり、渚砂ちゃんは・・・
一緒に行くことを選びました。ですが・・・」玉青ちゃんが目を伏せた・・・。
すごく・・・悲しそうに・・・。
「おふたりの乗った機は・・・墜落。それが・・・永遠の別れになりました・・・」
「うそ・・・」
「それから・・・何日か過ぎて・・・私は夜にいちご舎を抜け出しました。
そして・・・手首を・・・切ったんです」
「そんな・・・」玉青ちゃんが?
「でも・・・目が覚めると目の前に貴女がいたんです。それが・・・貴女との出会い」
63 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 20:02:35 ID:WL7thwH9
「あ・・・ごめ・・・なさい・・・。ごめんな・・・さい・・・」涙がとまらないよ。
私・・・なんてことを・・・。
「え!?待ってください。どうして渚砂ちゃんが謝るんです?」
「だって・・・あの時・・・私が・・・『手を離して』って言った時・・・言ったよね。
『また置いていくの?またいなくなるの?』って。すごく痛かった。でも・・・玉青ちゃんは
・・・もっと・・・私なんかよりもずっと・・・苦しかったんだよね。私・・・
なにもわかってなかった。気付くことも・・・ううん、気付こうともしなくて・・・
自分が辛い思いしたくないからって・・・玉青ちゃんが・・・どんな気持ちなのかも
考えないで・・・。それなのに・・・玉青ちゃんのパートナーだなんて言ってたんだよ?」
「渚砂ちゃんこそ・・・許してくれるんですか?」
「私が・・・。何を?」
「だって・・・私は・・・ずっと隠していたんですよ?パートナーである・・・貴女に。
怒ってないんですか?」
「そんなことない!」確かに・・・玉青ちゃんは私に隠し事してた。でも、それを
責める気は起きない。
「玉青ちゃんこそ・・・怒ってるよね・・・私のこと」
「いいえ。貴女は何も悪くありません」
「でも・・・」
「・・・・・・・。ねぇ、渚砂ちゃん。こうしましょう。私は・・・貴女を許します。
貴女も・・・私を・・・許してください」
「玉青ちゃん・・・。いいの?」
「キリがありませんよ、きっと。それに・・・」
「それに?」
「貴女と過ごす時間を・・・そんなことに費やしたくないんです」あ・・・。
「うん・・・。私も・・・」
「やっと・・・笑ってくれましたね。渚砂ちゃん」
「そう・・・かな?」
「はい。近くに・・・来てください」
「うん・・・」抱きしめられた・・・。
「嫌ですか?こうするのは?」
「・・・嫌じゃないよ」うそ・・・ほんとは・・・嬉しくてたまらないのに。
「あと・・・どれくらいここにいられますか?」
「えっと・・・10分くらいかな」
「それまでこのままでいさせてください」
「うん・・・」
「ありがとう。私の全てを知って・・・それでも好きでいてくれて」
「玉青ちゃん・・・」
「貴女に・・・全てを知って欲しいと思っていました。でも・・・怖かったんです。
もし、知られたなら・・・今のままではいられないかもしれない・・・って」
「ばか・・・」
「渚砂ちゃん?」
「前に言ってくれたよね。私を嫌いになるなんて私が望んでもできないって。私も・・・
同じだから・・・」
「渚砂ちゃん・・・。私は・・・人知れず・・・自分でも気付かないうちに影を
越えていたんですね。陽だまりの・・・光へ・・・」
「陽だまり?」
「はい。ずっと求めていたんです。貴女という・・・陽だまりの光を」
64 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 20:03:48 ID:WL7thwH9
「そろそろ時間ですね」
「うん・・・」
「行ってください」
「玉青ちゃんは・・・寂しくないの?」
「名残は惜しいですけど・・・門限を破ってまた謹慎になったら・・・明日は
会えませんよ?明日も来てくれますよね?」
「うん。明日は土曜日だから。ゆっくりできるし、千代ちゃん達も来ると思う。
なんか今日は皆用事があるからって言ってたけど」
「そうだ。渚砂ちゃんの髪飾りを貸してもらえますか?」
「え?・・・これ?」
「はい。ありがとうございます」
「どうするの?」
「『ガラスの靴』の代わりにと思いまして。大丈夫、明日も会えますよ」
「玉青ちゃん・・・。じゃあ、また明日ね」
「はい。また明日」
65 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 20:08:49 ID:WL7thwH9
これにて後半終了です。
今更ですけどこの話ではいわゆる『物理考証』というものはしてません。理不尽な
点は『愛の奇跡』ってことで・・・。ふと思ったけどストパニキャラをこれだけ
傷つけたヤツっていないだろうなぁ・・・(物理的には)。もうしませんので。
良かった、二人が無事で本当に良かったよ〜。
エトワール選に不戦敗したのはちょっと残念だけど、
玉青と渚砂の2人とも無事で、お互い隠し事がなくなったので良かったね。
そして、流石だな千華留。
物理考証よりも何よりも大事なのは
玉青と渚砂がいちゃいちゃできることだと思ってたり…
千華留が持っていた生地を最初、ブタさんとパンダさんの
人形と思ってしまいなんともシュールな光景が浮かんだw
何はともあれGJ!
69 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:13:08 ID:p47TUHEC
Shining way続き投下します。今回は変態分増量でお送りします。
70 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:15:16 ID:p47TUHEC
17話 Always Together (前編)
現在12時20分、授業が終わってから最速の電車で来たとして・・・まだ30分くらいありますね。
渚砂ちゃんが来るのが待ち遠しい。
「ふぁ・・・」
昼食も終わりましたし、一眠りしましょうか。あ・・・寝たふりをしていたら・・・
また渚砂ちゃんにキスされるかも・・・。
コンコン。あら?誰でしょうか?
「どうぞ」
入ってきたのは渚砂ちゃんと・・・六条様?
「こんにちは、玉青ちゃん」
「玉青さん、静馬に聞いていたけれど元気そうで安心したわ」
「ありがとうございます。それにしても・・・随分早かったですね」
「ええ、あなた達に話したいことがあったから、公欠扱いにしてもらったの」
「そうだったんですか・・・」
「それで・・・話っていうのは?」
「渚砂ちゃんも聞いてないんですか?」
「うん」
「エトワール選のことよ」あ・・・。
「それは・・・申し訳ありません。ミアトルの名に泥を塗ってしまったんですよね。私・・・」
「玉青ちゃんのせいじゃないよ。あれは私が・・・」
「そうじゃないわ」
「「え?」」
「静馬から聞いていない?あれは事故だったと」
「聞きました。それなら・・・?」
「来年のエトワール選に出て欲しい・・・いえ、次のエトワールになって欲しいの。あなた達に」
「来年の・・・」
「エトワールに・・・」
「今回の棄権はやむをえない理由がある。来年あなた達が出ても不自然にはならないわ。
たしかに・・・ミアトルの体面、生徒会長として、というのもある。でも、それ以上に
私自身、六条深雪が・・・望んでいたの。あなた達のエトワールを。もちろん無理強いはしないけれど・・・」
「「やります!」」
「渚砂ちゃんも?」
「うん。私ね、エトワールになりたい理由があったの。その理由は無くなった・・・
ううん、それ以上のものを得られたの・・・。でも・・・今でもエトワールになりたいって
思ってる。玉青ちゃんとふたりで」
「・・・つくづく似ているんですね、私達は・・・。六条様、その話お受けいたします」
「玉青さん・・・。渚砂さんもそれでいいの?」
「はい、もちろんです!」
「ありがとう。さて、私は退散するわ」
「もう行かれるんですか?」
「ええ、やることが山積みだから。静馬だけに押し付けると高く付きそうだし。それに・・・
今日はあなた達のお友達も来るでしょう?なら私はいないほうがいいわ」
「すみません、気を使わせてしまって」
「気にしないで、お大事に」
71 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:17:34 ID:p47TUHEC
「責任重大だね」
「ええ、一緒にがんばりましょう」
「ところで・・・さ・・・今日は千代ちゃん達も来るって言ってたの。でも授業が終わって
からだから・・・まだしばらくかかるんだよね」
「ええ」それはそうですけど?
「また・・・昨日みたいにしてくれない?」
「もしかして・・・?」
「うん・・・。玉青ちゃん好きでしょ?だから・・・」確かに好きですけど・・・。
渚砂ちゃんも顔が赤いですよ?本当にわかりやすいですね・・・。
「ええ。でも渚砂ちゃんは?」
「えーと・・・」
「言ってください。でないと・・・してあげません」
「う・・・。嫌じゃないよ」
「だめです。正直に言ってください」
「好き・・・」
「何が好きなんですか?」つい意地悪をしてしまうのは・・・渚砂ちゃんが
可愛すぎるせいですよね?
「その・・・玉青ちゃんに・・・ぎゅってされるの・・・好き・・・」
「よくできました。来てください」
「うん・・・」
「今日は髪を下ろしてるんですね」
「うん、だって・・・。結んでくれる?」
「はい。でも・・・髪を下ろした貴女も可愛いですよ」
「ありがと。私も・・・髪を下ろしてる玉青ちゃん・・・好きだよ」
「髪を束ねている私は?」
「・・・意地悪。でも・・・良かった」
「何がです?」
「今日もまた会えて」
「ええ。でも・・・昨日言いましたよね?また会えるって」
「あ、うん・・・」
「信じてくれなかったんですか?」
「え・・・そんなことないよ」困り顔も可愛い。もっと困らせてみたくなりますね・・・。
72 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:19:18 ID:p47TUHEC
「そんな貴女にはおしおきが必要ですね」
「おしおき?何するの・・・?」そんな雨に濡れた仔犬のような眼差しで見られると・・・
もっと苛めたくなるじゃないですか・・・。
「私を信じてくれなかったんです。それ相応の罰は覚悟してください」
「うん・・・」ああ、もう。どうしてここにカメラが無いんでしょう!
「怪我が完治するまでの間、私の世話をしてください」
「ふぇ?」
「しばらくは日々の生活も不便だと思いますし。ちなみに・・・貴女に拒否権は
ありませんので」
「え・・・?な、なんだ・・・そんなこと。うん、いいよ」
「そんなことって・・・。一体どんなことを予想してたんですか?」
「あ・・・う・・・えっと・・・それは・・・その・・・」
「教えてください」
「どうしても?」
「はい」
「その・・・○○○で△△△を・・・□□□したらって・・・」
「な、ななな・・・」渚砂ちゃんが・・・そんなことを!?なんて素晴らしい。
でも・・・渚砂ちゃんが知っているのは少しおかしい様な気も・・・。
「静馬様が言ってたの。きっと喜ぶって」
「・・・・・・」静馬様・・・。一体ひとをなんだと・・・。まるで私が
変態みたいじゃないですか。それに・・・明らかに『悦ぶ』が正解でしょうが・・・。
でも・・・こんなチャンスはもう無いかもしれませんし。
「せっかくですし・・・お願いしてもいいですか?」
「ふぇ!?え、えーと・・・やっぱり恥ずかしいよ・・・」
「そこをなんとか!」
「でも・・・」
コンコン。
「あ、ほら!誰か来たみたいだよ。(助かった・・・)」
「残念・・・」
「だ、だめだよ、そんなこと言ったら」
「そうですね」十分楽しみましたしね・・・。
73 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:21:19 ID:p47TUHEC
「どうぞ」
「「「失礼します」」」
入ってきたのは千代ちゃん、夜々さん、蕾ちゃんの三人。
「玉青お姉様が元気そうで安心しました。渚砂お姉様もずっとふさぎこんでいましたし・・・
心配したんですよ」
「千代ちゃんにも迷惑をかけましたね。ごめんなさい」
「光莉も心配してましたよ」
「あれ?光莉ちゃんは一緒じゃないの?」
「光莉先輩はエトワールの引継ぎ中だそうです。でも、時間を作ってお見舞いに来るって
言ってましたよ」
「エトワールかぁ・・・。光莉ちゃんと天音さんのエトワールってどんなだったの?」
「おふたりとも素敵でした。でも・・・渚砂お姉様の晴れ姿も見たかったです」
「それは来年のお楽しみね」
「ええ」
「「「え?」」」
「私達来年のエトワール選に出ることにしたの」
「私・・・絶対渚砂お姉様のこと応援します!」
「ありがと」
「でも大変ですよ?光莉と天音様の後ですから」
「いいえ、渚砂お姉様なら・・・きっと今以上のエトワールになります!」なんだか・・・
微妙に引っかかりますよ?千代ちゃん?
「む・・・。聞き捨てならないわね。光莉先輩以上のエトワールなんてそうそう
出る訳無いじゃない」天音様は?千代ちゃんと蕾ちゃんは似たもの同士なんでしょうかね?
「そんなことありません!渚砂お姉様なら・・・アストラエアの歴史に残るような・・・
そんなエトワールになります」だから私は?でも・・・。
「まぁまぁ・・・ふたりとも・・・」
「待って、渚砂ちゃん」
「え?」
「止めないんですか?」
「ええ、久しぶりじゃないですか。こういうのって」
「言われてみれば・・・」
「そうだね」
74 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:23:29 ID:p47TUHEC
「随分にぎやかね」
そう言ってやってきたのは。
「千華留様」
「こんにちは、玉青ちゃん。元気そうで安心したわ」
「千華留様・・・。ありがとうございました。聞きました。もし、千華留様がいなかったら
私は・・・」
「たまたま近くにいただけよ。そんなにかしこまらないで」
「そんなことないです!私も・・・わけがわからなくなってて・・・ほんとに
感謝してます」
「そこまで感謝されると照れるわね。それなら・・・一つ頼まれてくれない?」
「なんでしょう?」
「一日でいいから変身部に入って欲しいの。玉青ちゃんと渚砂ちゃんの二人に」
「変身部?」
「千華留さん・・・まだ憶えてたんですね・・・」
「だって・・・二人を見てるとあれも着せたい、これもいいかもってどんどん
浮かんでくるのよ」
「あの・・・変身部というのは?」何度か聞いた名前ですけど・・・。
「その名の通りいろいろなものに変身するの」
「確か・・・前に絆奈ちゃんと檸檬ちゃんが看護婦さんの格好してたような・・・」
「看護婦さん?」
看護婦さん・・・渚砂ちゃんの看護婦さん・・・。
「熱測るよ」額をくっつける渚砂ちゃん。
「はい、あーんして」お粥を食べさせてくれる渚砂ちゃん。
「汗拭くね」背中を拭いてくれる渚砂ちゃん。
「寒いでしょ?」人肌で暖めてくれる渚砂ちゃん。え?そ、そんなことまで!?
「玉青ちゃん、玉青ちゃん!」
「・・・え?」
「どしたの、ぼーっとして?顔赤いよ・・・」
「え、その・・・あの・・・」さすがに言えません・・・。
75 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:25:54 ID:p47TUHEC
「他にもあるのよ」
千華留様が取り出した写真・・・というか持ち歩いてるんですか?
一枚目は・・・修道服姿の檸檬ちゃんでしょうか?やけにレースやフリルが
多い気がしますけど・・・。
二枚目は・・・赤と白の袴姿の絆奈ちゃん?この格好は・・・夏祭りで行った
神社で見たような気がしますね。これも妙に装飾が多い気が・・・。まぁ・・・
可愛らしいですけど・・・。
そして三枚目。
「ええっ!?」
「なっ・・・!?これは・・・」
写っていたのは・・・少し恥ずかしそうな絆奈ちゃん。まぁそれも当然でしょうけど・・・。
黒の水着?とタイツはまだいいとして・・・頭にはウサギの耳、お尻には丸い尻尾。
確か・・・これは・・・バニーガールというものでは?渚砂ちゃんがこの格好を・・・?
「やっぱり恥ずかしいよ・・・」
「渚砂ちゃん!」
「な、何?」
「やりましょう!!!」
「ふぇっ!?」
「こんな美味しいチャンスを逃す手はありません!しっかり保存して末代まで
残しましょう!!!」
「「「「玉青ちゃん(お姉様)(さん)(様)・・・」」」」
「え・・・」視線が痛い・・・。しまった・・・。
「・・・と、言うのは冗談ですが・・・」
「冗談?なんか玉青ちゃんすっごく目が真剣だった気がするんだけど・・・」
「それは・・・その・・・」鋭い・・・。
「でもね・・・玉青ちゃんがしたいなら・・・」
「え?」
「その・・・恥ずかしいんだよ。けど・・・玉青ちゃんがどうしてもって言うなら・・・
私・・・してもいいかなって・・・」
「渚砂ちゃん・・・」
「なんだか完全に二人の世界に入ってますね・・・」
「一人身には目の毒ね・・・」
「渚砂お姉様ぁ・・・」
「これも青春かしらね」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
76 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:27:05 ID:p47TUHEC
「それはそれとして、観客は変身部の部員三人くらいだし、そんなに恥ずかしいことは
無いと思うけど?」
「そうなんですか?それなら・・・うん、いいよ」
「と、言う訳でお受けします」
「変わり身早すぎだよ・・・。玉青ちゃん・・・」
「ええ、『善は急げ』と言いますし」
「善なのかなぁ・・・」
「結局OKでいいのかしら?」
「「はい」」
「わかったわ。準備しておくから。詳しい話は玉青ちゃんが退院してからでしょうけど」
「あの・・・渚砂お姉様・・・」
「何?」
「私も・・・見に行きたいです」
「うん。いいよ」
「ほんとですか!?」
「何かリクエストがあるなら聞くけど?」リクエスト・・・。それなら・・・。
「あの、千華留様。お耳を・・・」
「何かしら?」
「その・・・・・・・・・・・・・・・を」
「OK」
「玉青ちゃん?何頼んだの?」
「ナイショです」
この会話が後にあんな事態を引き起こすことになろうとは・・・この時の私には
全く予想できませんでした・・・。
77 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 09:28:50 ID:p47TUHEC
と、いうわけで17話前編終了です。
きっと前回の反動がきたんです。スミマセン、やりすぎました。
GJ!
光莉を買いかぶりすぎてる蕾ちゃん萌え
保管庫・・・orz
いつか見られるようになるのか?
>77
やりすぎ? いえいえそんなことないですよ。
後編では一体どこまで暴走するか楽しみだ(w 玉青と千華留の悪巧みとか。
81 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 20:52:33 ID:Pr46CMMz
Shining way続き投下します。
82 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 20:55:19 ID:Pr46CMMz
17話 Always Together (後編)
それから数ヶ月・・・私の怪我もすっかりよくなりました。まぁ・・・おしおきを口実に
渚砂ちゃんに密着できたのでそれはそれで良かったんですけど・・・。そして・・・
卒業式も間近にせまった頃に・・・それは起こりました・・・。
「まだ1時間前なのにもう客席埋まってるよ・・・」
「ええ、どうしてこんなことになってしまったんでしょうか・・・」
私達が変身部に一日入部するという話。それがどこからどう漏れたのか・・・そして・・・
私達の晴れ姿を楽しみにしていた下級生達の間で広がってしまったのがまずかったんでしょうか?
それに並行して例の事件の話にどんな尾ひれが付いたのか『奇跡のカップル』として噂が
広がっていたのがまずかったんでしょうか?
そんな話は六条様の耳にも入って・・・エトワール選の布石にとミアトル生徒会が
動き出し・・・おまけに『面白そう』と元エトワールの静馬様まで協力を申し出たことが
まずかったんでしょうか?
変身部の宣伝になれば・・・と千華留様=ル・リム生徒会も動いたのがまずかったんでしょうか?
現エトワールのおふたりも興味を持ってしまい・・・それならばとスピカの生徒会まで
関わったのがまずかったんでしょうか?
それだけの勢力が相手だったとはいえ学校側が説得されてしまったのが致命的に
まずかったんでしょうか?
直前まで私達に知らせないあたりなにやら陰謀めいている気がしなくもないのですが・・・
そんな状況下で私達が拒否できる訳も無く・・・『いちご舎演劇の衣装披露会』という名目で
変身ショーが行われることとなりました・・・。エトワール選並の規模で・・・。
こんなことでいいんでしょうかね?
83 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 20:57:03 ID:Pr46CMMz
「せっかくだし・・・楽しまない?」まぁ少なくとも私の望みは叶う訳ですし。
「そうですね。いきなりでない分カルメンの時より余裕もありますしね」
「少し早いけれど・・・準備してもらってもいいかしら?」
「あ、千華留さん」
「お客さん達も待ちきれないみたいなの」
「わかりました」
「じゃあ・・・まずはこれからね」
最初の衣装は・・・。渚砂ちゃんは若草色の和風っぽい服。黄色い帯がアクセントに
なっていますね。やけに裾が短いのが素晴らし・・・もとい、気になりますが・・・。
私は・・・黄色を基調とした着物でしょうか?これも何故か裾が短いですけど・・・。
少し子供っぽい感じもしますね。
「まずは和風で決めてみたの。どう?」
「可愛いと思うんですけど・・・」
「けど?」
「なんて言うか・・・玉青ちゃんが10才でアメリカのGEDを突破してたような気が・・・」
「私もです・・・。なぜか渚砂ちゃんが虎に跨ってるような気が・・・」
「???何のこと?」
「「さぁ・・・?」」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「何言ってるんだろ?私達・・・」
「ですね・・・」
そんなこんなでショーが始まりました。最初は緊張していた渚砂ちゃんもだんだんその気に
なってきたのか、歓声に応える余裕もありすっかり楽しんでいました。私はというと・・・
ある意味拷問でした・・・。千華留様の衣装と相まって渚砂ちゃんの可愛さは犯罪級にまで
跳ね上がってしまい・・・平静を装うので精一杯でした・・・。すっかり忘れていましたけど
・・・私も見られる側なんでしたね・・・。そんな訳で転げまわる訳にもいかず・・・。
まぁ今日の写真及び映像は貰えるよう手配してあるので後でゆっくり観賞できるとして・・・。
そして・・・何度目かの休憩時間。
84 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 20:59:54 ID:Pr46CMMz
「疲れました・・・」
「そうだね・・・。結構体力使うんだね・・・」もっとも・・・私の場合は精神的なものも
大きいんですけど・・・。
「お疲れ様。次で最後よ」
「え?なら休憩入れなくても良かったんじゃ?」
「ちょっと・・・ね。これが最後の衣装よ」
「あ・・・」
「これは・・・」
「玉青ちゃんのリクエストだったわね」
「はい・・・」
千華留様が持ってきた二着の衣装。それは・・・純白の・・・ウェディングドレス。
「自分で言うのもなんだけど・・・最高の出来だと思うわ」
「どうでしょうか?」
「綺麗・・・」うっとりした表情で言う渚砂ちゃん。でも・・・。
「渚砂ちゃんこそ・・・」私も同じ表情をしているでしょうね・・・。
「ところで・・・なんでこれをリクエストしたの?」
「あら?私だってウェディングドレスに憧れはあるんですよ。もっとも・・・貴女以外の
ために着るつもりは無いですけど」
「あ・・・それはわかるかも」
「ね?それじゃあ・・・行きましょう」
「うん」
「あれ・・・?」
「誰もいない・・・?」
舞台に上がると・・・満員だったはずの客席には・・・誰もいませんでした。
「こっちこっち」
入り口の前で手を振っていたのは・・・千華留様。
「はい、これ」差し出したのは・・・ブーケ。
「あの・・・これは一体・・・?」
「ちょっとした贈り物かしらね?皆外で待ってるわ。あなた達を」
扉を開けると・・・歓声が上がり、紙吹雪が舞った。いつの間にか赤い絨毯まで・・・。
これは・・・まるで・・・。
85 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 21:01:17 ID:Pr46CMMz
「ふたりとも、とても綺麗よ」
横から声をかけたのは牧師・・・に扮した・・・静馬様?
「これは・・・?」
「見ての通りよ。コホン・・・蒼井渚砂」
「はい?」
「あなたは・・・涼水玉青をパートナーとし、いついかなる時も信じ、愛することを
誓いますか?」
「あ・・・はい。誓います」
「涼水玉青」
「はい」
「あなたは・・・蒼井渚砂をパートナーとし、いついかなる時も信じ、愛することを
誓いますか?」
「はい、誓います」
「では・・・指輪の交換を」
差し出した小箱には紫の花をあしらった一対の指輪が・・・。
「久しぶりだったから出来はあまり良くないかもしれないけれど・・・」
「これ・・・静馬様が?」
「ええ、紫蘭。花言葉は・・・変わらぬ愛」
「「静馬様・・・」」
「さ、指輪の交換を」
「じゃあ、私から・・・ね」
「はい」
渚砂ちゃんが私に指輪をはめる・・・。
「玉青ちゃん」
「ええ」
そして私も・・・。
「愛しています。貴女を・・・永遠に・・・」
「うん。私も・・・愛してる。今までも・・・これからも・・・ずっと・・・」
そして・・・口付けを・・・交わした・・・。ずっと昔にあこがれてた・・・いいえ、
それ以上に素晴らしい・・・今。私達は・・・そこにいるんですね。
「渚砂ちゃん」
「うん。せーのっ!」
放り投げたブーケは・・・突風にあおられ・・・。
「え・・・?」
そして・・・舞い降りた先にいたのは・・・。
86 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 21:02:56 ID:Pr46CMMz
と、こんなところで後編終了です。
GJ!
なんつーか、冒頭部分が楽しすぎ…何もかもがまずすぎるw
相変わらずのGJです!!
夢にまで見た結婚式、本当によかったですね玉青ちゃん。
もうすぐクライマックスですかねぇ?最後まで
頑張ってください!
_,,..=―-、_ -=ニミ-、ハ、, z==-
,.r-y´:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ ,ィ二ニ=ーco-‐三≧ャ
/:./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:,ィ;.:.:.:.:.:ヘ\ /´ `ヽミ`ヽ
,.y'{:.:.:.:.{:.:.:.::.i:/_i_リ:.:.:.ト:ヘ:.:ヤ ftミ、 ー=ィ/ ./ / ,ィハ i `rftァ、ヽ
z==彡イi.|:.:.:.:.|:.:.:.:.|リ_,ィ`ハリ、:.i:.;}リ! { ´!`i //.i , i ,イi /-リ-ハ i|ゞ、ヽヽ
\ ,./i ヘ:.:.:(|:.:.:.:| ̄ ミ/:.ハリ _,. -ヘ i | イハイ.i .リ⌒ 、_ } } i ゝ、 \ 保守
了,.ィi i , \:.i:.:.:.i| -´ !く ,.ィ",..ィ"`| |ヽ り| .{zク 、  ̄/ィリ) イ | \ ヽ、
j ` く`|i:.:.i、. /ミ_`ー",./" .i |', \ / `ヽ. ‐ イi ハヘ` \
,.ィー-" ノ ノ.ノi:.:∨`´ _,._`ー´ ./ |.ヽ \. ー"フィ.>.、_ /|ノリ \
`\_,.ィく, ー--‐",_\:ヘ ̄ `ー- 、 / .| ヽ ヽ ´_ _i ゝ、_,. -- ー--
,' , \`、 ヒ.,..__ `ー-' | ', `-――ー―"  ̄ ¨ ` ´ ,. ,,
i Z,-‐-、_v `i:.ミミ、 `ー--、,___/ \_ _ ___,,__、 , く,. - ´ ̄
/ f `ー-ハ:リ)) t/ ,.-―-Y,ィ´ ̄`i
/ .∧ ノ ヽ iリ ヘ, レ´ }
/i / `,._´ 、 | ,.,/ ノ ` 〈、`ー-ー
ー´ ./ / ノ! `ー´`ー、 i `ヽ、 ,,.ノ ィ―-、_,,.ー--ァ、`ー--
i ./,/ ヽ ヤ `ー----ーー―-―ー--ー-ー--" ハ ト、
_,../ / } {、 / .i .i ` ̄ ̄
/ / / ` ヽヽ、 __,,.ノ" | 、 .{
. / / ./ i ヽ ` ーー ー―-―-―- ―-ー"´ / ヽ
/ /,.ィー-、 , ',. / . \
. /ー―-ー イ 、 `ー-、__ } /-ー-`-、_ ノ-―`\
== =ー/ ` `\ __,./" ,\-
-/" ̄ ̄`、 / \._,,._,.-ー―-―---―-―´ i ヽ / __
(/ .Yt-ァー、 i_,._ ,._ v ,/ ̄ `i、
_,.. .,,/ /"ー/ \__ ,___ ./.i `iーく |
/ ./ / /`ー、____,.-ー――" ̄ " | i. ヽ .|
90 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:36:51 ID:hvNX4h9w
Shining way投下します。
91 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:38:45 ID:hvNX4h9w
18話 卒業
「どうかしら、深雪?」
「そうね・・・。『泣き虫だった親友』というのは一体誰のことなのか問い詰めたい
ところだけれど・・・おおむね良いと思うわ」
「そう・・・」
「答辞の最後に詩を贈る・・・か。玉青さんの影響?」
「多分ね。それにしても・・・この部屋も随分と殺風景になったわね」
「ええ、私物は全て引き払ったから・・・」
「アレは明日持っていくの?」ただ一つ机の上に残されていたのは・・・以前に渚砂と玉青が
投げたブーケ。風に流されて・・・後ろの方にいた深雪の手に舞い降りたもの。あの時の
深雪の顔、見物だったわね。
「いいえ、置いていくわ。私が持っていったら・・・二人に申し訳ない気がするの」
「深雪・・・」
「皮肉なものね。私の手元に来るなんて・・・」
「・・・・・・」そうだった・・・深雪は・・・卒業したら・・・。
「ずっと・・・覚悟していたから。このアストラエアで過ごした六年間は本当に充実していた
のは本当。でも・・・後悔もしている」
「後悔?」
「ええ、失うことも初めから知っていたから・・・」
正直・・・深雪がどんな想いでいたのか・・・私には理解できないと思う。でも・・・。
「私と出会ったことも後悔しているの?」
「そんなことはないわ・・・」
「初めから無いよりも失うほうが辛いに決まっているわ。それでも・・・出会わなければ
良かったなんて考えるのは・・・間違っていると思う。私も気付いた・・・教えられたこと」
「理性では解かっているの。大丈夫、私も・・・いつか乗り越えるわ、あなたのように。
心配しないで、これでも強くなったのよ」
「嘘・・・」
「嘘じゃないわ」
「なら・・・どうして・・・泣きそうな顔をしているの?」
「な、何を言って・・・る・・・の。そんな・・・こと・・・ないわ・・・」
「深雪・・・」言ううちにも涙が溢れてる。
「ごめんなさい・・・。そろそろ行くわ」
「待って」
「深雪?」
「静馬・・・最後に・・・一つ・・・だけ・・・お願い。今夜は・・・一緒に・・・
いて・・・。あの頃のように・・・」
92 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:40:48 ID:hvNX4h9w
いつの間にか深雪は・・・泣き疲れて眠っていた。いつも隣で支えてくれた。それが
当たり前になって・・・すっかり忘れていたのね。深雪が・・・こんなにも小さかった
ことを・・・。
「深雪?」
翌朝、目が覚めると深雪の姿は無かった。まだ式の開始までは大分あるけど・・・
準備に行ったのかしら。机の上を見ると昨日は無かった手紙があった。
「深雪の?」
静馬へ
昨夜はありがとう、そしてごめんなさい。恥ずかしいところを見せてしまったけれど
心配しないで。あなたとの思い出があれば・・・きっと大丈夫だから。
「深雪・・・」
内に沸きあがったのは・・・悲しみでも寂しさでもなく・・・怒り。生まれた・・・
生まれる前からの鎖で深雪が縛られることへの。深雪がそれを受け入れていることへの。
そして・・・ずっと支えてくれた親友に・・・何も出来ない自分自身への・・・?
「え・・・?」
不意に・・・繋がった。前に玉青が話してくれた・・・『以前』に経験したこと。
留学自体は夏ごろに取り止めていたからさほど気に留めていなかったけれど・・・
かすかに引っかかっていた・・・それは・・・。
「もしかしたら・・・?」
「静馬?起きていたの」
「深雪?」
「忘れ物があったの。式まではまだ時間があるからゆっくりしていてかまわないわ」
いつもの深雪だったけれど・・・それは演技だと・・・なんとなくわかった。
「・・・一つ聞かせて」
「どうしたの?」
「もしも・・・もしもの話よ。この先・・・自由を手にするチャンスがあったなら・・・
あなたはどうするの?」
「静馬・・・。無意味な問いかけよ」
「言ったでしょ、もしもの話だって。それでも・・・聞きたいの。その時が来たなら・・・
初めからあきらめるの?それとも・・・全力で足掻くの?」
「静馬・・・」
「答えて」
「もしも・・・もしも可能性があるなら・・・。でも・・・そんなことは」
「ありがとう。無駄話に付き合ってくれて。それと・・・あのブーケは私が預かるわ。
いいかしら?」
「ええ」
決心がついた。今までの借りは・・・返す。
93 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:42:17 ID:hvNX4h9w
「これで卒業・・・。ここでやることもあと一つね・・・」
昨夜・・・深雪の部屋に行く前に渚砂達の部屋に手紙を入れた。『明日、式が終わったら
二人に来て欲しい。私と渚砂が出会った場所に』と。
「静馬様とも今日でお別れなんだね・・・」
「ええ・・・。渚砂ちゃんは・・・寂しいですか?」
「うん・・・。玉青ちゃんは?」
「寂しいです。いつの間にか・・・私にとって・・・静馬様も特別な存在になっていたん
ですね・・・」
「嬉しいことを言ってくれるのね。でも・・・浮気はだめよ?」
「「静馬様?」」
「悪かったわね。呼び出した上に待たせてしまって」
「あ、いえ。そんなことは・・・」
「そう・・・?ならいいのだけど。それにしても・・・この場所には随分とたくさんの
思い出があったのね・・・。花織とのこと、渚砂に出会ったこと。玉青に叩かれた
こともあったわね」
「ええっ!?玉青ちゃん、そんなことしたの?」
「ええ・・・まあ」
「ふふ、これでも感謝しているのよ、玉青には。私の目を覚まさせてくれたことに。
もちろん、渚砂にもね」
「ふぇ・・・?私なにかしましたっけ・・・?」本当に居心地がいい・・・でも。
「本題に入りましょうか。随分と遅くなってしまったけれど・・・あなた達に受け取って
欲しいものがあったの」
「リボン・・・ですか?」
「ええ、エトワール選の日に渡したかったのだけど」
「えっと・・・?」
「エトワール選でミアトルの候補は緑のリボンを着けるんです」
「そう、受け取ってくれるかしら?」
「「はい」」
「ありがとう。手を出して」
「え?」
「結ばせて」
「はい」
94 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:44:09 ID:hvNX4h9w
玉青の手をとる。あら・・・?
「指輪は・・・?」いつも身に着けてくれている、そう思っていたけれど・・・自惚れて
いたのかしら?
「校則に触れるんです・・・」
「それもそうね」
「だけど・・・いつも身に着けていたいから・・・こうしてるんですよ」
二人とも・・・鎖に通して首にかけていた。
「ありがとう・・・」
渚砂の手にも結び終えた・・・。これで・・・本当に・・・最後ね・・・。
「名残惜しいけれど、行くわ」
「静馬様・・・お元気で・・・」
「ええ、玉青も元気でね。渚砂?」
「・・・・・・」
渚砂はうつむいて・・・肩を震わせていた。
「渚砂。また会えるわ。だから・・・笑顔で送って。ね?」
「静馬様・・・。はい!」
「そう。あなたには笑顔が似合うわ。元気でね、渚砂」
「はい。静馬様もお元気で」
ありがとう・・・私の大切な・・・妹達。あのリボンは・・・私と花織がエトワールに
なった時につけていたもの。花織との思い出は今も私の中にある。決して色あせることなく。
そのことに気付かせてくれたあなた達に受け取って欲しかった。
こんなにも気持ちが高揚するのは始めてかもしれないわね。花園家の自家用機は先月納品された
ばかりで・・・私の知る限りまだ一度も飛んでいない。そして、発注先の経営者は・・・
深雪の婚約者だった・・・。玉青が話してくれた墜落事故。それは『かつて』玉青を
苦しめたと思う。でも・・・今はそれが武器になる。深雪・・・私は・・・あなたを
解き放ってみせる。
95 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:45:22 ID:hvNX4h9w
さあ、笑って手を振ろう。今、新しい旅が始まる。
にぎやかな毎日だった。その全てが宝物。
桜花のような貴女。心真っ直ぐなあの子達。『いつも支えてくれた』親友。
みんな・・・みんな・・・忘れない!
変わりゆくことを怖がらないで。変われないことを抱きしめていて。悲しくなったら
思い出して。ひとりじゃない、大丈夫。
もう行かないと、未来が待ってるから。
本当にありがとう。いつか・・・また逢う日まで。
96 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 18:53:35 ID:hvNX4h9w
以上、静馬様の『はじまり』でした。静馬様と六条さんをと思ってたんですけど
私にはこれが限界でした。静馬様が六条さんの結婚式場に乱入(窓ガラスぶち抜きで)
してGガン最終回的なノリでかっさらうというのが思いついたんですけどさすがに
自粛しましたが。ちなみに、ドモン→静馬様、レイン→六条さん、アレンビー→花織で
脳内変換してGガン最終回を見たらやけにはまってて驚きましたが。
随分長くなりましたが次回ふたりにとっての『はじまり』でこの話は終わりになります。
おお、次回で最終回ですか
最後まで期待してまつ
98 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 20:15:21 ID:kGJ/scox
Shining way最終話を投下します。
99 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 20:17:26 ID:kGJ/scox
最終話 春いちばん
「行ってしまいましたね・・・静馬様」
「うん・・・」
「また一つ思い出が出来ましたね。ここに」
「そうだね・・・」
不意に・・・風が舞い上がった。
「春いちばんですね」
「ふーん、そんな名前があるんだ。ね、憶えてる?私達が出会った日もこんな風が吹いてたこと」
「そう・・・だったんですか?」記憶をたどってみても・・・。
「うん、はっきり憶えてるよ。あの日、風に乗って赤いリボンが飛んできたの。そして、その先に
玉青ちゃんがいたの」
「あの日・・・春いちばんが過ぎ去ったあの時から・・・また、色を放ち始めたんですね。私の世界は」
風に乗ってきたのか・・・私の掌には桜の花びらがあった。
また風が舞い上がった。
「うわぁ!?」
「また!?」
そして・・・春いちばんで舞い上がった空に一瞬見えたのは・・・。
「え・・・?」
「玉青ちゃん・・・。今・・・空に見えたの・・・」
「まさか・・・?」
「空のむこうに・・・私と・・・静馬様が・・・」
「渚砂ちゃんにも?」
「うん」
「思うんです。あれは・・・『かつて』のおふたりなんじゃないかって・・・」
あまりに都合のいい考え・・・いえ、私が望んでいるだけかもしれない。
「そして・・・『今』の私達を祝福してくれているんじゃないかって・・・」
「わからない。でもさ・・・幸せそうだったよね、ふたりとも」
「ええ」
私も・・・応えよう。空に・・・。ふたりに・・・。
「見えていますか!聞こえていますか!私は・・・私達は・・・今・・・幸せです!」
届くかどうかわからない。それでも・・・。
「届くよ」
「え?」
「玉青ちゃんの想いは。春いちばんに乗って・・・。桜が咲く頃にきっと・・・ね」
100 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 20:18:48 ID:kGJ/scox
「渚砂ちゃん」
「何?」
「この先・・・私達の旅がどんなものになるのか・・・全くわかりません」
「うん・・・」
「でも・・・貴女と・・・ずっと一緒にいたいから・・・貴女を・・・守ってみせます。
何があっても・・・なんとしても・・・」
「・・・・・・怒るよ」
「え?」
「私を大事に思ってくれるのは嬉しい。でも・・・そんなこと言わないで」
「渚砂ちゃん?」
「ふたりで・・・越えて行こう?」あ・・・私は・・・また・・・。
「そうでしたね」
「うん。玉青ちゃんと一緒なら・・・私は・・・きっと何だってできる」
「私も・・・貴女がいてくれるから・・・何も・・・怖くありません」
「あはは・・・」
「ふふ・・・」
「だったら大丈夫」
「ええ」
この手には掴めないと・・・諦めた夢があった。
口にさえ出さないまま・・・遠ざけた恋があった。
聞こえていたのは・・・過去達の泣き声。
ずっと・・・遠回りしていたような日々。
けれど・・・今はそれさえも愛せる。
さあ・・・その先へ行こう。貴女と一緒に。
ずっと・・・ずっと・・・。
「私達は・・・どこまでだって一緒だから」
「私達は・・・どこまでだって一緒ですから」
101 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 20:30:36 ID:kGJ/scox
ふたりの『はじまり』。これにてShining way終幕です。
随分とかかりましたけど書いてて楽しかったです(あれだけ好き放題やれば当然かも)。
ただ・・・改めて全話読み返してみると千代にはだいぶ割を食わせてしまったなぁと。
そんなわけで番外編で千代ものを書こうと思います。各話タイトルにした後藤沙緒里さんの
曲でまだ使いたいのもあったんで。ちなみに、この話の後日談にする予定です。
長い間お疲れ様でした。最後までスッゲー楽しませてもらいました。
幸せなそうな二人に、何時不幸が来るかとドキドキしてましたが
最後はめでたくHAPPY ENDで本当に良かった。GJでした!
後日談・番外編楽しみにしてます!
禿同
毎度毎度「楽しみにしてます」としか言えないが、
本当に楽しみにさせてもらってる。
後日談だけと言わず、また良い話を思い付いたら
来てくれないか?
俺も頑張って書いてみるよ。
お疲れ様、毎日このスレを楽しみに見てたが
最大限の賛辞を贈りたい、GJ!
2人とも幸せになれてよかった〜…やはり渚砂×玉青は最高♪
浮かぶ言葉は限りないけど、あえて一言。
GJ!!
106 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:37:55 ID:kYk1Kdm9
では予告どおりShining way番外編を投下します。ちなみに、オリジナル色強めです。
107 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:39:11 ID:kYk1Kdm9
番外編 花いろ日記
「それで・・・私達に話というのは・・・?」
「千代ちゃんのこと・・・なんだよね?」
「はい」
今、目の前にいるのは・・・在学中からすでに伝説と言われていたエトワールのお二人。
お会いするのは初めてだけど・・・。
「単刀直入に言います。妹さんを・・・私にください!!!」
108 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:41:33 ID:kYk1Kdm9
「朝・・・。ここは・・・?あ、昨日から個室に移ったんでしたね」
この春休みが終わると私も五年生か・・・。改めて部屋を見回す。机の上には色あせた
一冊のノート・・・入学してからつけていた日記帳。引越しの最中に見つけて・・・
なんだか気になって・・・そのまま机に置いたんでしたっけ・・・。
4月○日
今日からいちご舎に入ることになったけれど、やっぱり寂しい。早く夏休みがきてくれたらいいのに。
4月□日
今日はいちご舎に編入生の方が来るという話でもちきりでした。その方は四年生からの
編入ということらしいけれど・・・その方も寂しいのかもしれない、そんな風に考えたら
なんだか親しみを覚えてしまいました。
夕食前に食堂にやってきたその方。失礼ながら年上の方に「可愛らしい」という印象を持ってしまいました。
4月△日
今日は土曜日で授業が早く終わったので図書館に行ってみました。とても落ち着いた雰囲気で
すっかり気に入ってしまったけれど、高いところの本を取ろうとして本を崩してしまいました。
でも・・・あの方・・・編入生の方が心配して駆け寄ってくれて・・・とても心配してくれて
なんだか嬉しかったです。ルームメイトに聞いたところその方は「蒼井渚砂」という
名前みたいです。
4月●日
今朝お友達と一緒に廊下を歩いていたら転びそうになってしまいました。その時にあの方、
蒼井渚砂様が私を・・・抱きとめてくれました。なぜかわからないけれど・・・顔が熱く
なりました。
新入寮生歓迎会ご一緒できるかもしれない、そんな風に思っていたけれど残念ながら
編入生は対象外でした。会の間ずっと捜していたけれど渚砂様はいなかったみたい・・・。
おまけに・・・エトワール様のお言葉もすっかり聞き流してしまいました・・・。
5月○日
明日はどなたのお部屋番になるのか決まる日。クラスでその話が出た時真っ先に浮かんだのは
渚砂様のお顔でした。もし、あの方のお部屋番になれたならどんなに素敵でしょうか。
なんだか・・・今夜は眠れそうにありません。
109 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:43:56 ID:kYk1Kdm9
5月□日
あの方・・・渚砂様のお部屋番になることができました。カードを引いて書かれていた
お名前を見た時は天にも昇る気持ちでした。でも・・・挨拶の練習をしているうちに
消灯時刻になってしまいました・・・。明日はきちんとご挨拶をして渚砂お姉様のお役に
立たないと。
5月△日
渚砂お姉様のお部屋番としてお仕えする一日目。初日から大失敗です。私のせいで
お姉様までシスターに怒られてしまいました。でも・・・この後のお茶会で汚名を
返上しないと。
追記。結局私が見つかってしまったせいでみなさんが罰を受けることになってしまいました。
ごめんなさい・・・。
5月●日
先日の罰で今日は一日中お掃除でした・・・。また失敗をしてしまい・・・渚砂お姉様に
怪我までさせてしまいました。それなのにお姉様は私を気遣ってくれて・・・。もしかしたら
私は渚砂お姉様にふさわしくないのかもしれません。でも、もっとがんばって・・・
「私はこの方のお部屋番です」と胸を張って言えるようになりたい・・・なってみせます。
7月○日
試験前ということで今日はお姉様方のお部屋で勉強しました。玉青お姉様の教え方は
とてもわかりやすかったです。でもそれ以上に驚いたのは渚砂お姉様が私よりずっと先を
進んでいることでした。フランス語を始めたのは同じ頃のはずなのに・・・。やっぱり
渚砂お姉様はすごいです。
7月□日
試験も無事終わって明日からサマースクール。用意した水着は・・・気に入っていただける
でしょうか?それに・・・二日目の夜にある肝試し。一緒に回りたいです。
110 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:46:11 ID:kYk1Kdm9
7月△日
サマースクールから帰ってきました。渚砂お姉様が一緒だったら・・・どんなに楽しかった
でしょうか?でもお姉様はすっかりお元気で本当に良かった。それに・・・約束できました。
来年は一緒に行くって。
7月●日
本格的に夏休みが始まり、明日から家に帰ります。入学したころはあんなに待ち焦がれて
いたのに・・・今は帰りたくない・・・いえ、渚砂お姉様と離れたくないです・・・。
7月■日
家でやることを三日で済ませ、いちご舎に帰ってきました。残念ながら渚砂お姉様は
いませんでしたが。でも明日には帰ってくるとのことで楽しみです。
7月▲日
四日ぶりに渚砂お姉様と再会できました。でも・・・渚砂お姉様と玉青お姉様の間に
ある雰囲気・・・のようなものが少し違っているみたいで・・・なんだかちょっとだけ
胸が痛かった・・・。
8月○日
渚砂お姉様、玉青お姉様、私の三人で海に行きました。サマースクールでは
ご一緒できませんでしたけど、今日はすごく楽しかったです。それに・・・水着を
褒めてもらいました。あと、気になったことが一つ。玉青お姉様が渚砂お姉様を見て
何度かため息をついていました。何かお悩みだったんでしょうか?
8月□日
今日はお姉様方と三人で夏祭りに行きました。渚砂お姉様の浴衣姿はとても素敵でした。
でも・・・なぜ玉青お姉様は渚砂お姉様や私の分も浴衣を用意していたんでしょうか?
本人は「こんなこともあろうかと」と言っていましたけど・・・。渚砂お姉様はすっかり
屋台に夢中でした。けれど、時々玉青お姉様を見て何か考え込んでいるみたいで・・・
聞いてみても「なんでもないよ」と言っていましたけど、でも・・・あの表情は・・・。
9月○日
今日(昨日?)のリハーサルで一騒動ありましたがなんとか本番には間に合いそうです。
徹夜明けで眠いですけどがんばります。
111 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:48:26 ID:kYk1Kdm9
9月□日
カルメンの本番で天音様と千華留様のお二人が負傷してしまいました。でも・・・
なんとその代役を渚砂お姉様と玉青お姉様が演じることになりました。そしてお二人は
見事に演じきりました。渚砂お姉様のエスカミーリョ。本当に素敵でした。
でも・・・後夜祭でお姉様方にお話を聞こうと思っていたのですが見当たりませんでした。
どこに行ったんでしょうか?
9月△日
今朝朝食に行く途中でお姉様方がエトワール様とお話しているのを見かけました。いけないとは
思ったのですがつい聞き耳を立ててしまいました。そして・・・お二人のことを知って
しまいました。ショックでしたけれど、あの渚砂お姉様・・・いえ、お二人のお顔は
本当に幸せそうで・・・お似合いだと思いました。私にとっては玉青お姉様も尊敬できる方
なんです。だから・・・これで良かったんです。きっと・・・。でも・・・どうしてこんなに
も胸が痛いんでしょうか?
10月○日
お姉様方から今度のエトワール選に出るというお話を聞きました。出馬宣言はまだ
先のようですがお二人の意志は固いものだと感じました。だから、全力で応援しよう。
大切な方・・・達のために・・・私にできる精一杯の。
112 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:50:19 ID:kYk1Kdm9
11月○日
今日お姉様方はエトワール選の出馬宣言をしました。ですがその直後にスピカの天音様が
落馬したとの知らせが。渚砂お姉様も心配されていましたがそれ以上に玉青お姉様は
蒼白になっていました。一体どうなってしまうのでしょうか?
11月□日
夕方信じられない知らせがありました。お姉様方がお御堂の四階から転落して病院に
運ばれたと。詳しくは聞けませんでしたが・・・。どうか・・・ご無事でいてください。
11月△日
昨夜は一睡もできませんでした。朝、六条様にお聞きしたところ渚砂お姉様は大した怪我も無く
昨日のうちに戻ってきたそうで・・・良かった。でも・・・玉青お姉様は一命は取り留めたものの、
意識不明のままだと・・・。渚砂お姉様に会ってみたけれど・・・魂が抜けてしまったみたいで・・・。
やっぱり・・・駄目なんですよね?私では・・・。早く戻ってきてください、玉青お姉様。
11月●日
今年のエトワールは天音様と光莉さんに決まりました。悩んだけれど、見届けることに
しました。玉青お姉様が目を覚ましたらお話できるように。
12月○日
玉青お姉様の意識が戻りました。良かったです。渚砂お姉様も元気になって。ただ・・・
あんなに勢いよく食べてお腹を壊したりはしないでしょうか?少し心配です。明日はお二人だけ
にして差し上げた方がいいですよね。
113 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:52:16 ID:kYk1Kdm9
12月□日
夜々さん、蕾さんと一緒に玉青お姉様のお見舞いに行きました。玉青お姉様がお元気そうで
なによりでした。それに・・・渚砂お姉様も。そして、来年はお二人がエトワール選に
出るそうです。途中でル・リムの千華留様がお見舞いに来たのですが・・・。玉青お姉様は
事故で頭をぶつけたりはしなかったんですよね?
12月△日
いよいよ明日玉青お姉様がいちご舎に戻ってきます。渚砂お姉様は朝から
舞い上がりっぱなしでした。今さらながら思ったのですが、まだ私はお二人に
「おめでとう」を言っていないんでしたよね。明日、玉青お姉様が帰ってきたら伝えよう。
12月●日
やっとお姉様方に「おめでとう」を伝えることができました。でも・・・その時に
いろんな気持ちが溢れてきて・・・泣いてしまいました。お二人はそんな私を
抱きしめてくれて・・・。でも、今はなんだかすっきりした気分です。私も・・・
いつかは・・・お二人のような素敵な恋ができるでしょうか?
3月○日
今日は待ちに待ったいちご舎演劇の衣装披露会でした。六条様の指示で私も根回しに
協力していたのですが・・・最後のアレは私にとってもサプライズでした。ブーケは
取れませんでしたけど。お二人の幸せを願います、心から。
114 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:55:05 ID:kYk1Kdm9
「本当に・・・渚砂お姉様のことばかり・・・」
翌年、お二人は見事エトワールになられた。それから月日は流れて・・・お二人が無事ご卒業
されたのが一年前。
「お二人がアストラエアを去ってからもう一年になるんですね・・・」
この一年、寂しさを感じることは無かった。それは・・・多分『あの子』のおかげ。
四年生になって、私のところにもお部屋番の子がやってきた。その子は・・・元気で、明るくて、
真っ直ぐで・・・そして、おっちょこちょいで、食いしん坊な・・・けれど、努力家で、
それゆえに自信家で、破天荒な子。なぜかあの子も前では・・・思いのまま、素直なままで・・・
いつもいられた。この一年間、いつも一緒だった気がする。そして・・・一週間前・・・
私は・・・あの子に・・・。
「ただいまー」
「蕾さん?もう帰ってきたんですか?」確か・・・夜々さんのお引越しを手伝いに行って・・・
新学期ぎりぎりまでむこうにいると思っていたんですが・・・。
「ま、まあいろいろあるのよ。いろいろと・・・」つまりは・・・。
「喧嘩したんですね。また・・・」
「う・・・。と、とにかく!今度という今度は絶対に許せないのよ」その台詞も両手で
数え切れないほどには聞いたんですけど・・・。
「それで・・・今回はどうして・・・?」
「たい焼き」
「はい・・・?」
「知らないの?中にあんこが入ってて・・・」
「いえ、たい焼きは知っていますけど・・・それが・・・」
「頭と尻尾のどっちから食べるかで」
「・・・・・・。まあ、春ですしね・・・」
「う、うるさいわね。それよりも、そっちはどうなの?あの子とは上手くいったの?」
115 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:56:53 ID:kYk1Kdm9
「なっ・・・。どうしてそれを?」
「出かける前に相談されたから。でも・・・その様子だと上手くいったみたいね」
「ええ、まあ」
「で・・・なんて口説かれたの?」
「口説かれたって・・・。それに確定ですか?むこうからって・・・」
「違うの?」
「いえ、違いませんけど・・・。それに・・・話さなきゃいけないんですか?」
「私のおかげでもあるのよね?」
「う・・・」
「何度も相談に乗ったわよね?あの子にも、あなたにも」それを言われると・・・。
「『まず手始めにエトワールになりましょう!』と・・・」
「は・・・?『手始めに』?」
「まあ呆れますよね。エトワール経験者の蕾さんとしては」
「いや、普通は誰だって呆れるでしょ?」
「でもあの子は全て知った上で言ったんです。私と・・・渚砂お姉様のことも。そして・・・
『私は蒼井渚砂さんを超えます。そして、貴女を私の虜にして見せます』って。それで・・・
そのまま・・・その・・・奪われてしまいました・・・」
「また大胆な・・・」
「ええ。でも・・・あの子はやると言った以上は必ずやり遂げます。そして・・・そのための
努力も惜しまないんです」
「断言するの?」
「はい。あの子のことは良く知っていますから」
「そっか」
「はい」
「おめでとう、でいいの?」
「はい」
「はぁ・・・。夜々先輩に電話してくる。そんな顔見てたら喧嘩してるのが馬鹿らしくなったわ」
「そうですか」
「ところで・・・その本人は?まだ寝てるの?」
「いいえ。昨日の朝ドアにこんな手紙が・・・」
とても大事な用事ができました。三日ほど出かけてきます。
116 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 20:57:58 ID:kYk1Kdm9
「自宅にでも行ってるんだと思いますけど」
「・・・まさか・・・ね・・・」
「心当たりでも?」
「うーん、いや、無いわね。いくらなんでも。さて・・・」
「では・・・ご武運を」
ねえ、渚砂お姉様。私にも・・・恋人が出来ました。その子は私より三つ年下。
でも、今にも私を追い越してしまいそうな、あるいは・・・もうずっと先を歩いている
かもしれない、そんな子です。だけど、私も負けていられません。一緒に歩いていけるように、
置いていかれないように、頑張ります。今度お会いする時は成長した私と・・・
私の恋人を見てくださいね。
117 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 21:01:55 ID:kYk1Kdm9
番外編終了です。
個人的な意見ですが、可愛くて気立ての良い娘は幸せになるのが義務だと思ってます。
まあ、幸せの定義なんてのは人それぞれでしょうけど。
>>117 長い間、お疲れ様でした。
千代ちゃんにも恋人ですかwしかもその相手は・・・w
さらにたい焼きを頭から食べるか、しっぽから食べるかで
喧嘩する夜蕾にも萌えましたw
無粋を承知で聞きたい。
千代の恋人は誰?
渚砂のいも(ryなんじゃないか?
渚砂と初めて会うって言ってるから妹は不自然だと思う。
>番外編
千代視点からのダイジェストみたいな感じで面白かった。
ところで、Shining wayにおけるエトワールの変遷ってこうなるのかな?
天音(5年)・光莉(3年)
↓
渚砂(5年)・玉青(5年) ※翌年、お二人は見事エトワールになられた。
↓
夜々(5年)・蕾(3年) ※「まあ呆れますよね。エトワール経験者の蕾さんとしては」
↓
(予定)
千代(6年)・千代の恋人(3年) ※「『まず手始めにエトワールになりましょう!』と・・・」
あ、分かった!
千代ちゃんの恋人が渚砂ちゃん達にあなたたちの妹(=千代ちゃん)さんを下さい
と言いに行ったのだな
「大事な用事がある」と書き置きしてるし。
保守
今日はストシス保守
保守
保守
誰か書いて・・・寂しいよ
129 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 15:34:16 ID:hY0TO3M4
静馬スレにあったごく短い話、というか会話があったな。静馬が自作のエロ小説を
渚に朗読させる、というシチュらしい。以下そのまま貼り付け
「えーっと・・・ナギサはシズマをベッドに押し倒すと一枚ずつ服を脱がせはじめた!?
あっという間にシズマは下着だけにされてしまう!?ふ、震えるシズマにキスをすると
そのままし、下着の中に手を・・・手を・・・・・・・・・・」
「それで?ナギサはどうしたのかしらね?渚砂?」
「ふぇ〜静馬様〜これ以上読めません〜」
「そう。なら私がしてあげるわ。ナギサのかわりに」
「ふぇ〜ん」
そんなごくいつも通りのふたりでしたとさ。めでたしめでたし。
著作権とかは知らね。
一年ぶりに保守
保管庫復活まだか
保守
保守
がんばって保守
また書き込みが少なくなっている
ひょっとして、書くすらないほど知名度が落ちてるのか?
っと言うことで保守age
・
・
・
238 :名無しさん@お腹いっぱい。:200X/0X/1X(土) 01:28:42
次の生徒会長は玉青タソ
239 :名無しさん@お腹いっぱい。:200X/0X/1X(土) 01:30:59
玉青会長ハアハア
240 :名無しさん@お腹いっぱい。:200X/0X/1X(土) 01:45:48
次の会長は佐希子さんだってのヽ(`Д´)ノ
241 :名無しさん@お腹いっぱい。:200X/0X/1X(土) 02:00:35
誰それwwwwww
・
・
・
「ふむ…大分劣勢のようだね」
某掲示板をプリントアウトしたと思しき紙を手にしながら
スピカ女学院副生徒会長の剣城要はつぶやいた。
「確かに涼水さんの評判と能力、エトワール選のドラマ性を鑑みれば彼女は会長の器です。
でも、ものには順序と言うものがありまして……」
困り顔で窮状を説明するのは、ミアトル女学園副生徒会長の水無瀬佐希子。
「5年生の副会長が頭越しに4年生に会長になられたら、ミアトルの秩序と私の立場が………」
エトワール選がひと段落したある休日、三校共用の生徒会会議室で二人は極秘に接触し会談を行っていた。
議題は―――「後継問題」。北の某国に限らず、どの組織にも起こる問題。
5年生である千華留が現会長のル・リムは別として、ミアトルとスピカは6年生の六条会長と
冬森会長が卒業するので、副会長が(信任)選挙を経て会長に就任するのが慣わしであった。
余程のヘマをやらかすかビッグな出来事がない限り、不信任や対立候補の立候補・推挙などは
ありえない案件だったが、今年はその「ビッグな出来事」がミアトルで起こってしまったのである。
佐希子自身は然程、生徒会長というポストに対して執着や野心があるわけではなかったが
秩序と伝統を柱とするミアトルで「下級生に頭越しに会長になられた」などと言うことになると
在校中はもちろん、卒業後も佐希子の肩身は狭まりっぱなし確定である。
廊下を歩けばヒソヒソ嘲笑される自分、OG会で六条元会長や他の面々に微妙な顔をされる自分…
考えただけで胃がキリキリする。
お?新しいの来てる!!GJ
「で、次期会長のポストが磐石なこの私を手本としたい。その為に助言を請いたい。こういう事だね?」
「…まあ、そう言うことです」
「You are nics choice!アストラエアに輝く私の人気に嫉妬せず、謙虚に学び取ろうとする
その姿勢、その慧眼、さすがはミアトルを継ぐ者!」
「……お、お褒め頂きまして……」
本当は六条会長に相談したかったが、「自分の力で切り拓きなさい!」と叱責されることは
100%確実だし、源会長に持っていったら「プロパガンダ部結成よ!」とか言って斜め方向に
話が飛ぶこと請け合い、他のメンバーは相談しても常識的に過ぎ、収穫はあまり見込めないと考え、
結局消去法で要が残ったのであった――――――
「ボクシングに関心は?」
「ボ…僕針具…ですか?」
「…………そっちではなくて、普通の方」
「い、いいえ」
「『ヒール』と言う言葉は?」
「この制服でピンヒールはちょっと…」
唐突且つ微妙な会話の後、要はどっかとロングソファに身を沈め足を組んだ。
普段は合同会議の後、生徒会長達のお茶会に使われるソファだ。他の者が座る事は暗黙のうちにタブーとされていた。
そのちょっとワルっぽい態度と、スピカ制服のミニから伸びる要の足にドキッとしながらも佐希子は要の次弾に備えた。
「現在、日本ボクシング界では亀●と言うヒール、即ち悪役が大変な人気を博している」
「はあ、そうなんですか」
「そして君を含めたアストラエアの乙女達を虜にしているこの私。善人ではない。
いわゆる『小悪魔』というタイプだ。分かるね?」
「はあ……」
佐希子は猛烈に後悔し始めていた。
このままだと、夜になっても延々と脈絡の無い講釈を垂れられそうだ。
「水無瀬さん、客観的に見て君は良く六条会長を補佐して精勤していると言える。」
「生徒会役員として責任を果たすのは当然ですから。」
「そう、『責任を果たす』。常識だ。だが、いまは悪が持て囃される世の中と言うのは先程言ったね?」
「ええ、そのような意味のことを……」
「つまり!」
パチン!と指を鳴らして立ち上がった要はずずい、と佐希子の鼻先に顔を近づけた。
ミアトル生には少ない、シャープな顔に佐希子は一瞬惹かれかかったが――――――
「大衆は刺激を求めている!常識や既成概念と呼ばれるものから外れた存在に飢えているのだよ!
真面目な者や常識的な者に飽きていると言うことだ!」
――――――熱弁のあまりモロに顔に飛んでくる要の唾が、甘い動揺を冷ました。
「わ、分かりました。分かりました!つまりあのエトワール選のインパクトが涼水さんをスターダムに押し上げた。
地味で目立たなくて面白みの無い私はそのまま埋もれるべき存在、と言うことですね!」
ハンカチで顔を拭いながら、やや自棄気味かつズレ気味に要の分析をまとめた佐希子。
「ふっ…私の的確な指摘にタジタジの様だね。その冷や汗が何より証拠。」
(あんたの唾です!)と心の中で毒づくも、さっさと会談終了に持ってきたいので黙っていた。
「まあ、兎に角、自分は押し出しが弱いことは良く分かりました。参考にさせて頂きます。
有り難う御座います。それではごきげんよう。」
バロスwwwww
要にたじたじになる佐希子さん、いいねぇ
この空間から脱出すべく、失礼にならない程度にそそくさと去ろうとする佐希子だったが、
要に腕を掴まれて阻まれてしまった。
「…?!何を…!」
「アドバイスをもらっておいて『それではごきげんよう』は頂けないなぁ」
「(……アドバイス???)お、お礼なら後で実家から送ってきた乾パンの缶詰をお分けしますから」
「ふっ…それも魅力的だが…それ!」
そのまま腕を引っ張られて先程のソファに放られる。
「もっと魅力的なギフトがここにあるじゃないか」
言うや否や佐希子に覆いかぶさり、抱きすくめる要。
佐希子といえば、あまりに突飛な展開でしばし要の成すがままになっていたが、我に返り抵抗を試みる。
「ちょっ…と!冗談は止めてください!人を呼びますよ!!!」
「ふふふ、無駄無駄。君はそんな事出来ない」
制服のポケットからドラえも●よろしくペン状のものを取り出し高々と掲げる。
「さっきからの会話は全部録らせてもらったよ。」
「!!!!ICレコーダー?!」
「そう、君の泣き言は全部この中に入ってる。これを六条会長に流したらどうなるかな?」
自分にも他人にも厳しい六条会長のことだ、「他校の生徒に泣き言を言うような者に会長の資格無し!」とやられかねない。
「それに今は『音声編集ソフト』と言う便利なものも出回ってる。君の美声を如何様にも変えることが出来るのさ」
「!!は…初音●クを買ったんですか…?」
「…………あれは少し違う。まあ、いずれにしろ君に選択の余地は無いということだ」
「あううううぅ………」
勝負あった。要の方が一枚上手であった。
「リーダーたらんとする者、この位の策謀は常に頭にストックしておくものだよ水無瀬さん」
部屋一杯に要の哄笑が響く。腰に手を当て、レコーダーをペン回ししながら仁王立ちするその姿は
正に悪そのものであった。
>>140 ミ●www
何でそんなの知ってるんだw
>水無瀬さん
要ならどちらかというと水無瀬くんと言いそうだな
前回の玉渚SSといい、この水無瀬SSといい、キャラへの思い入れが良く伝わってくるよ
自分もこういうSSを書いてみたいものだ
142 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 14:49:43 ID:5x94/YAz
読んでて吹きましたよ。さすが自称美しくて素敵なひとは一味違うなと。
魅力的なのかwwwwwwwww
佐希子www誰それwww
――――――「さあて、ケーキを前にした子供の心境だ」
要はソファに座らせた佐希子を嘗め回すように見る。
その視線が佐希子の全身にぞわぞわとした感触を走らせる。
「どの部分から食べようか、楽しい優柔不断だ」
「ううううう……どうせ食べるなら一気に食べれば良いじゃないですか」
悲壮なる覚悟を決めたか、上衣に手を掛け一気に脱ごうとする佐希子だったが、要に止められる。
「無粋だなぁ。デコレーションの無いケーキは味気ないだけだよ」
言うや否や、佐希子を包むミアトルの制服を撫で回す。こういった行為は全く初めての佐希子は
全身を這い回る要の指に未知の疼きを感じる。
前エトワールの静馬に見初められた子たちもこんな感じだったのだろうか?
「前々からミアトルの制服はアンティークドールのようで狙っていたんだ。存分に楽ませてもらうよ」
「んんっ…くすぐったぁ…い」
「くすぐったい?素直に『気持ちいい』と言い給え」
佐希子の反応に官能を感じ取った要は、更に容赦なく身体をまさぐり回す。
普段から桃実やファンの生徒たちを相手に、この手の行為に慣れている要にとって
佐希子は実に初心で分かり易い相手だった。
「ミアトル生徒会の副会長様もこっち方面の経験は浅いと見えるな。
老婆心ながら、六条会長を見習ってもっと経験を積むべきだと思うよ」
耳元に囁きかけつつ、その耳を嘗め回す。時々舌先を耳の中に差し入れて
刺激することも勿論忘れない。
「ひゃん!ろ…六条会長はっ…か…関係ないです」
と言いつつも、何度かミアトル生徒会室での二人の秘め事を目撃してしまっている
身としては強く反論できない。
まさか自分にもこんなことが起こる日が来ようとは…
147 :
名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 18:54:45 ID:NM4ebpI/
GJです。剣城さんすげーよ。
ちなみに深雪様のお相手はやっぱり静馬様なんでしょうか?
あと不安がひとつ。来年のスピカは大丈夫か?いろんな意味で。
ヒント:もう手遅れ
保守
合コン行ったら友達の連れて来た女の子に釘づけ…やばい。
保守
ほす
続きマダカナー
ほ
ほす
>>136→
>>138→
>>140→
>>146 要の舌は耳から首筋、頬へと這い回る。そのぬめぬめとした感触を不快と感じない自分に戸惑いつつも
必死に耐える佐希子。そして唇に到達した時はさすがに口をヘの字にして抵抗した。
…が、
「うふふふふ、可愛い抵抗だね。だが無駄だよ」
ICレコーダーを目の前に突きつけられては、なす術も無い。調子に乗った要は歯医者よろしく
レコーダーで佐希子の口をこじ開けようとする。ご丁寧に「はい、あ〜ん」の声付きで。
「ふっ…くっ…ちゅ…んっ…」
受け入れるフリをして、レコーダーを噛み砕こうと試みたが、歯形がつくだけで全く歯が立たない。
「往生際が悪い。これはオリハルコン製だよ」
僅かに開かれた口から遂に要のキスが侵入してきた。佐希子にとってファーストキスであった。
思考が麻痺して来る。想像よりもずっと甘く蕩けそうなキスだった。
「ちゅっ…んんん…ああ…ん」
唇を何度も柔らかく吸われ、更には舌まで絡められてゆくうちに襲われている感覚までが
薄れてくる。
「はぁ…いい…です。もっと…」
「もっと?」
「…キス…下さい…」
終いには佐希子の方から積極的に要の舌を求めるまでになった。
口の端からどちらのものとも分からない唾液が流れ落ち、なんともいえない淫蕩さを
醸し出している。
158 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 22:36:15 ID:tewXYCvl
ストパニの保管庫ってないの?
そろそろ桃実が生徒会室に用事で来て、修羅場になるのかな?
それとも最後までいっちゃうのか。どちらにせよ続きが楽しみだ。
なぁ、アニメの籠女ちゃんって
手先がすげぇ器用なんだよな?
これは…
つまり…
続きマダー?
164 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:39:20 ID:7nZx0QWc
保守
マダー
>>136→
>>138→
>>140→
>>146→
>>157 「もったいない」――――――
これが要の佐希子を弄び中に感じたことだった。
要の情報網によると、この副会長には浮いた話がまるで無い。
優雅にゆるくウェーブのかかった髪、ほのかにキリリとした穏やかな顔。
スピカ生だったら、自分ほどではないが、選り取りみどりのモテモテライフが送れたことだろうに…
――――――などと思いつつ、胸への侵犯を開始した。
全体的にフワリとしたシルエットのミアトルの制服だが、胸部はコルセットを
思わせる造りとなっており、結構締め付けが厳しい。
故にボタンを開いたときに現れた胸は思いのほか大きく、これまた要を大いに満足させた。
「ふむ…非常に豊かで形が良いな。まぁ桃実には及ばないがね」
「………………」
いささか無神経な発言をしつつ、手のひらで軽く揉んでみる。
さっきのキスで熱に浮かされているせいか、やや熱を帯びた双丘は手触り抜群であった。
「っ…くぅん!そ…そんなに揉まないで…下さい」
「初めてなんだね?誰でも慣れていない感触には戸惑うものだよ」
「そ、そうでは無くて…!ひゃん!」
コリコリと乳首を責められた上、舌先で転がされて思わず艶声を上げてしまう。
胸への刺激については、友人の話などで聞きかじってはいたが、実際に
自分で実行してみたり、ましてや他人に触られるなどと言った事は無かった佐希子である。
今日は自分の身体にとって忘れえぬ一日になるな、などと考えつつ乳房を
快感と要の吸うがままに任せておく。
167 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 23:14:13 ID:ir29V65T
続き!!素晴らしいです!言わせて下さい。GJ!!
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
GJ!
169 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 15:15:12 ID:bFqpS4nA
GJ!!
続きが楽しみですッ
170 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:32:27 ID:JRQjatql
続きを期待しつつ保守。
171 :
名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:36:50 ID:Opx6Z/od
保守
緊急避難age
よかった、生きてたか
お姉さま方、あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします 保守
保守ですわ
もうダメなのかしら…
177 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 02:42:19 ID:koSyiprW
そんなことない!
178 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 23:48:13 ID:zwMY43xb
保守です
保管庫復活は望めないのか・・・?うぅ
保守
ストパニのSS読めるサイトで教えてくだしあ><
ケータイだと以外にある。
白昼夢という所が割と良かった
>>136→
>>138→
>>140→
>>146→
>>157→
>>166 襲撃開始からはや数十分、頭のてっぺんから爪先まで文字通り要にしゃぶり尽くされた
佐希子の身体は全身が興奮に火照り、感度が最大値まで上昇していた。
完全に脱がされず着乱れた制服姿や、ほつれた髪が顔に掛かっている様は
要の責めがいかに執拗かつ、淫靡に続けられたかを如実に物語っていた。
もはや要に触れられるだけでなく、僅かな息の揺らめきにもゾクゾクとした快感を
昇らせる身体に佐希子の理性はどこかに飛んで行ってしまっていた。
「んん…はぁ…そこ…で…す」
「んんん?どこかな?ハッキリ言ってもらわないと。私はエスパーでは無いのでね」
「ああ…意地悪…な…」
お決まりのやり取りを交わす二人。要の手は佐希子の太腿辺りをまさぐっている。
滑らかな感触を存分に楽しみつつ、最後の砦たる秘裂に侵攻し始めていた。
「ふふふ、良いさわり心地だね。充分に濡れてもいる。」
下着越しに秘裂をなぞられ、陰核を摘まれるうちに達しそうになるが、一歩手前で愛撫を止められる。
絶妙のコントロールで何度も愛撫と寸止めを繰り返され、佐希子の性感が爆発寸前の目盛に到達したことを
確認した要は、一気に下着を引き下ろし仕上げに掛かった。
秘所を嘗め回す要の舌。
とめどなく溢れる佐希子の愛液を掬い取っては存分に味わう。
「うん、実に甘露だ。君も味わってみるといい」
掬い取った愛液を舌に乗せたまま、佐希子に口移しで飲ませる。
「うぅ…んんん…」
いやらしく舌を絡ませられ、口から零れ落ちた愛液と唾液のミックスジュース
が顎や喉を伝って乳房にかかる。
「ああん…ベトベト…」
「シロップはタップリ派でね。ホットケーキを食べる時、よく桃実に怒られるんだ」
またもや無粋な発言をしつつ、佐希子の上半身を舐め回す要。手はしっかりと秘所を責め続ける。
グチュグチュと割れ目に指をねじ込み、陰核を強く刺激して、クライマックスに持ってゆく。
「ん!ああ…!!いっ…やっ…!」
「この期に及んで我慢かい?無理は体に毒だよ。そら!!」
「ひゃん!いっ…ちゃ…あああああああん…!!!」
脳内で火花が飛び散り、快感の痺れが一気に身体を駆け上がり遂に佐希子は達した。
「はぁ……はぁ…」
行為後の気だるさの中、佐希子と要は緩やかに余韻を貪っていたが、
やがて熱気が徐々に醒めてゆくと、佐希子はゆるゆると身繕いを始めた。
当初の後継問題の相談から何故こんなことに…
と、そんな佐希子に同じく身繕いしていた要が囁きを寄こす。
「水無瀬さん、こ れ か ら も スピカとミアトルを代表するもの同士、仲良くしようじゃないか」
「…!!!!」
このスピカの策士は今日だけでなく、ずっと佐希子を絡め取っておくつもりらしい。
佐希子としては「冗談ポイ!」で一蹴したいところだが、あのレコーダーがある限り
動きが取れない。デジタル技術でどんな不利な捏造をされるか分かったものではない。
「まあ、心配無用。私の任期中はちょっとだけスピカと私に便宜を図ってくれるだけで良いんだ」
「ううう……それだけでは済まないでしょう…。どうせ…」
………万事急須…万事窮す…
必死で打開策を搾り出さんとする佐希子。
そんな佐希子にマリア様かお釈迦様かが憐憫の情を感じたのか一本の糸が下ろされた。
――――――ああ、聞こえる。救いの足音が!佐希子は決断した。
まだ、少し続けさせてもらいます。
勤め先で配置換えにあったりで、変に穴が開いてしまいました。
申し訳ありませんです。
この板やストパニ板で気にかけてくださった皆様に感謝です。
184 :
名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 20:35:14 ID:vbNAUJIX
GJ!
いくらでも待てますので、楽しみしてます^^
キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
GJ!!!
ほす
保守ですわ
久々に来たら続きが!素晴らしい…
ほ
上へ参ります
test
チチチチ……。夏の虫が静かに鳴く夜。
「ん…んっ………」
微かに震える声が聞こえる。
「……?」
竹村千早は、その異音に気付く。異音は自分の直ぐ側から聞こえるわけではない。
ということは……
ひょいと隣を覗いてみる。
そこには
「んんっ………ん…!」
ベッドに潜り込みながら小さく震えている水島の姿。
水島はそっと手を動かす度に体を震わせているのだ。思わず漏れる声を抑えられないまま。
「へーたくそ〜」
「……ち、千早!?」
二人の間に流れる奇妙な沈黙。
「う、うるさいな! あっち行ってよ!」
しかし千早は水島を見るのを止めない。むしろ楽しそうに水島の身体の上を視線でなぞっていく。
……ダメだ。
その視線に水島は耐え切れない。
我慢しているのにトロリと愛液が垂れて
「っんく……!」
つい声が漏れる。そんなイケない水島の様子に満足した千早は声を掛ける。
「貸してみな?」
「じ、自分でやるってば……じゃなくて!」
「明日も練習でしょ? 腕がつったらダメじゃない」
もはや無茶苦茶である。水島は身を固くしている。
「どこが気に入らないのよー、もぅ」
「ゆ、弓を引くとき、時々思い出しちゃって引っ掛かるんだ。あ、ダメっ……」
するりと固いガードを潜り抜け、いつの間にか千早は水島の秘所を撫でる。
「へんねー、いつもと同じやり方なのに」
そんな千早の言葉に思わず横目で切なそうに千早を見る水島。
胸をふにふにと揉みながら千早は歓喜したように囁く。
「あー! あなた、また胸が大きくなったのね。
だから、いつもと同じやり方だと刺激が強いのよ、そうでしょ?」
………。
コクンと頬を染めながら水島は頷く。
「何で最初から胸が大きくなったって言わないのー? そしたらちゃんと優しく揉んであげたのに」
「だって千早去年は言われなくても胸が大きくなったの気付いてくれたじゃん」
「そうだっけ」
「そーだよ」
その言い方に千早はムッとした表情を浮かべる。しかし直ぐにニヤニヤした表情になり
「ふ〜〜ん。それで去年は、あんなに嬉しそうだったんだ?」
「んっ……!」
汝が意得たりとばかりに千早は水島を優しい手つきで責め立てる。
「で、今年も私に気付いて欲しかったってわけぇ?」
「んぁっ……」
どさっ、倒れる水島に千早は追従して覆いかぶさる。
「ちゃぁんと答えなさい、水島紀子?」
「し、下の名前まで………あンっ、てか、下の方まで摘まんだりし……くふぅ!」
「素直じゃないぞ、水島〜♪ 私に気付いて欲しかったわけ?」
「う、うるさ………んんっ!? あ、あ………!」
本当は自分から謝ろうとも思っていた。
しかし、そんなことさえも千早の手業で思考は白い世界に誘われていく。
「ち……千早ぁ………っ!!」
少女は息を止め彫像のようにピタリと動きを止めて、快感のさざ波に耐えるのであった――
…………
……
「じゃ、私はもう寝るからね」
去ろうとする少女に対し、
ぐいっ。
パジャマの裾を掴む手。
「……い、一緒に寝てよ」
ふぅやれやれ、仕方ないな〜、と少女は嘯きながら、
まどろんでいく最愛の娘の身体を優しく包んであげたのだった。
そんな夏の夜。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
我ながら下品すぎる。すまんかった。ちなみに元ネタはアニメ14話
この発想はなかったw
ワラタ
196 :
あ:2008/02/21(木) 18:20:01 ID:cGE07aCF
な
ほす
よるよるかわゆすなあ
>>198 その発言は俺にとって「太陽は東から昇るんだな」レベルだと言っておこう
まだだ、まだ落ちはせん!
そう、例えば
DAT落ちだ。
嫌な例えはやめたまえ
保守
保守
ですわー!
ほ
落ちたら、いけませんですわ!
おめでとう、渚砂ちゃん。
おめでとう…
おかえりなさい渚砂ちゃんハァハァ
円柱もーど
ほす
保守
神降臨を期して投下
「ああ、ここに居たのですね天音様」
「やぁ詩遠か」
エトワール選。アストラエアの丘が最も騒がしくなり、お祭り気分に皆が浮かれるイベント。
いや、正確に言うのなら今は単なる準備期間に過ぎないわけだが、それでも
皆が楽しくはしゃぐ季節なのには変わらない。
そして、我らがスピカ陣営の当事者、つまりエトワール候補の鳳天音と運営代表の冬森詩遠は
イベントの合間に出会ったのである。
「天音様、エトワール戦のことで打ち合わせしたいことが」
天音は、ふぅ……と溜息をつくと、くるっと振り向き詩遠を少し真正面からずらして捉えながら言った。
「詩遠はマジメだね」
「これも天音様を輝かせるためです」
本人としては少し拗ねたつもりの発言にもストレートな回答を返され天音はぎこちない表情を隠せない。
「それでですね……今度はプリンス天音に――」
「詩遠!」
天音は急に声を荒げた。
「……天音と呼んでくれるように言ったじゃないか」
「も、申し訳ありません、しかし」
「…………」
天音の表情が曇る。
「私たちスピカ生にとって天音様は偉大なスター、ぞんざいな扱いなど」
「私は、そんなすごい人間じゃないよ」
「でも」
「例え百歩譲ってそうだとしても、エトワール戦に協力してくれる人達に恭しく扱われては敵わない」
「……はい。ですから天音様と呼ぶよう約束したのでした」
天音は詩遠の手を取り胸の高さまで持ち上げて言った。
「そうだろう?」
(あ、あの………天音、さま……)
「私にとっては詩遠や生徒会役員の人は共に戦うパートナーみたいなものなんだよ。
だから私は詩遠たちとは親しく普通の友人のようにありたい」
普通などと、そんな扱いは……そう言いたかったが、できなかった。
天音に手を握られて表情を平静に保つのに精一杯だったのだ。
詩遠は思い出していた。昔、天音様ワナビーズ(親衛隊が前身である)の一人が
贈り物を渡す時、手が触れて卒倒したという話を。
その話は少しも大袈裟じゃない。
挙句の果てには「詩遠、わかってくれるかい?」などと憂えた表情で、のたまうのだから。
我らが生徒会長様も戸惑ってしまうわけで。
「天音様、いくらなんでも本当に私のようなものが普通に接して良いなどとは……」
「思うよ」
天音相手に言われても信じられない。それが詩遠の心情だった。
「美人で頼りになる生徒会長で」
容貌など天音様に比べて何になりましょう。未熟な手腕が何になりましょう。
「私に無理難題を押し付けることもあるけど元気が良くて清清しくて」
好意も気遣いも空回りばかりで……。
「………」
なぜか顔を曇らせる詩遠に流石の天音も一旦口をつぐんだ。
「詩遠、キミは『雪の女王』って言われて慕われているんだってね」
なぜかヒンヤリとした気持ちが詩遠の胸を包んだ。
『雪の女王』 その称号は必ずしも詩遠を不快にしたわけじゃなかった。
スピカ創立以来の秀才、そんな意味が裏に流れるあだ名だからだ。
しかし、今は何か空しい。
人情のわからない人間と言われてるみたいで。
一部の人間は、そう呼んで好んでも天音は好きではないかのようで。
ますます顔を曇らせていく詩遠に天音は、どうにか励まそうとして――
「詩遠。桃実が教えてくれたんだが、キミは、この前寮の部屋から星空に向かって叫ぶくらい
エトワール戦の支援に熱が入ってるんだってね」
詩遠は思わず顔が熱くなるのを感じた。
それは「私が生徒会長の年にプリンス天音というスターがいるのは
スピカの星に導かれた運命だわーっ」と思わず叫んでしまった時の事だからでもある。
目の前の天音が笑い出してしまうのを堪えるような困った笑顔だからでもある。
何より本人には知られたくない事を知られてしまった気まずさを感じたからでもある。
「ね、詩遠。だから私は周りの人の努力、好意を無駄にしないように頑張るよ」
「はい………」
「私だってスピカには愛着があるからね……。
私じゃなければダメと言われても、そんな気にはならなかったけど、皆の真剣さに心打たれたんだ。
今年一年はスピカが輝く年にしよう。そのためにも詩遠の力を貸して欲しい」
詩遠は胸が熱くなった。
ああやっぱり、わかってくださっていたんだ。同じ気持ち。
矮小な自分を知られて恥に思ったことも大したことじゃないように思える。
今年この場所でこの人こそをエトワールに! 詩遠は、もう一度固く強く思った。
「ところで詩遠。なんて叫んだんだい?」
「な、なんでもありません!!」
それはともかくとして桃実には罰が必要だと冬森会長は思った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おれの会長像は小説版準拠だからデコが光ったりはしないんだぜ。以上保守代わりに。
GJ!さすが小説版の真のヒロインたまらんのうw
あと個人的に小説版の天音様が好きなので嬉しかった
キテル━━━━━━
220 :
219:2008/04/07(月) 18:31:40 ID:HPETVOfv
スマン、間違えた。「貴女」ではなくて「あなた」だったわ。書き手の性別まで
わかるはずないよな…。ただ、一発変換で「貴女」と出るあたりMyパソコンも
アレだよなぁ…。
>>220 実は指摘しようか迷っていた。
百合モノだと作者も女性扱いする決まりなのか?とかさ。
パソコンが覚えるほど百合好きなら短いの書いてみるのはどうかな…?
何言ってんだ、このスレに居るのは全員女性だろ?
忘れてましたわ
>>222 申し訳ないことを言ってしまった。ごめんなさい。
☆
このスレが過疎りだして保管庫が落ちてからもうじき一年だっけ?
まだ何人かの職人さんたちががんばってくれてるけどやっぱ寂しいものがあるな。
と、いうわけで二期決定を切望しつつ保守。
そもそも、このスレは一体何人で回しているものなのやら…。
さて、いつになったら漫画の三巻は出るのでしょうかね、お姉さま方。
ほ
アニメの最終回以降、知名度は愚か完全に忘れ去れている・・・
ついでに、保守age
キマシタワーAAとして残ってる
少なくとも地球温暖化だけは一度見たら忘れられないさ。
今日から見始めました
まだ3話だけどもう睡魔が…zZ
とりあえず八話まで観てみようか
話を追うたびにエロさ増してるんですが…
いま12話
ものっそい速さで見てるんだな…アニメ版設定でいくつか確認したいことがあるから
機会を作って見ようとしているのだが中々時間が取れない。羨ましい限り。
やっとこさ全部見ました!
ほとんどながら作業でしたので抜けてる部分も多いですが
このやり切れない気持ちをどうしてくれよう(;´Д`)たまおぉー…
しかし千華瑠様はいいですね
出てくると落ち着きます
>237
おお、玉青派の新たな同志がw
ていうかアニメ版でも小説版でも、同級生カップルが成立しないのが不満なんだよな。
どちらかでは渚砂×玉青、光莉×夜々をやって欲しかったものだ。
確か過去スレに渚砂×玉青エンドなSSがあったので探してみると良いかも。
>>238 おぉ、それはぜひ読まなくては!
ありがとうございます
しかし保管庫が潰れてしまっているのは不便ですねぇ
保管庫の復活は望ましいけど無理だろう。
所で、夜々にとっての光莉のキーワードって「天使」なんだよな。
しかし14話の独白で自分一人の天使じゃない、と呟いたり
最終話で、まるで天使みたい、と直接言うも光莉は天音に連れて行かれたり。
どこまでも報われない。以上チラ裏兼保守。
夜々にとってのというか、天音・光莉・夜々の三角関係のキーワードだよな
天音・夜々→光莉、光莉→天音
夜々は堕天使みたいなもんだな
保守
何と夜々だった。――ではなくて南都夜々だった。
不意に廊下で出合った奥若蕾は驚きを隠せない。
「あら。蕾じゃない」
正確には驚きや、喜びや、恥ずかしさや、そんな自分に対する怒りを隠せない。
彼女は努めて不愉快そうな小難しい顔を作ると、やっとの思いで言い返す。
「どこ行くんですか?夜々先輩。聖歌隊の練習が無い時は暇そうですね」
「どこに行こうと私の勝手でしょ」
可愛げのない後輩を軽くあしらうと夜々はプイっと歩き出した。
こんな所で時間を無駄にはしていられないのだ。
しかし彼女は直ぐに後悔することになる。蕾が夜々の後ろを歩くのだ。
『ちょっと、付いて来ないでよ』と言いたかったが、それはあまりにも自意識過剰で大人気ない。
そもそも、ここから外に出るなら皆そちらへ行くだけのことなのだから、不思議でもない。
ならば先を行かせてタイミングをずらしておけば……と、夜々が思考を巡らせていると
前からミアトル下級生がやってきた。
上級生のお部屋番制度のためだろう、ミアトルカラーのメイド服が夜々の心を和ませた。
夜々は思わず立ち止まって、そのフワリとしたスカートや
その淑やかに歩く様や奥ゆかしい後ろ姿を目で追いかけ、
果ては微かに香る残り香さえも逃さぬように楽しんでみるも、そんな楽しい時間は続かない。
自校の下級生が不機嫌さ二割増しの顔で睨んでくるからである。
また、つまらぬものを見てしまった……そう思いながら夜々は囀る。
「良いわよねー、ミアトルの一年生って。健気で可愛くて」
「………」
スピカの一年生の人相は更に悪くなる。またまたつまらぬものを見てしまった。
「ほんっと"ミアトル"の一年生って可愛いわよねー」
「……なにが言いたいんですかっ」
「……………」
しかし夜々は言葉を返さない。代わりに飄々とした表情を返すのみ。
結果睨めっこのような形になる。
片一方は、嘲笑うようなからかうような冷ややかな目で。
もう片一方は、悔しさを滲ませた睨むような熱い目で。
…………。
随分と長い間睨んでいる。ケンカじゃなければ恋人同士のようだ。しかし――
「どうして先輩は人をバカにするようなコトを言うんですか!」
結局先に声を出した蕾の負けである。そもそも片っぽが冷ややかで
もう片っぽが頬を赤くして睨んでいる状態で勝負などあったものだろうか……。
しかも夜々は、慈悲もなく止めを刺すのだ。
「どうしたの、蕾。私は独り言を言っただけよ」
「……っっ!?」
わざとだ。故意に意地悪を言っているに決まっている。
蕾だってわかっているのだが『私は独り言を〜』というセリフは色んな意味で彼女を刺激する。
例えば。
もしも本当に独り言だったらどうしよう……、とか。
でも例え独り言だったとして何がマズいことがあるだろうか、とか。
もしかして話しかけてくれないと不安になってしまうほど夜々先輩を××なんだろうか、とか。
いや、それは絶対にないから安心だけど、自己中思考な痛い娘と思われなかっただろうか、とか。
何を気にしているんだろう、嫌われたって構わない相手のはずなのに、とか。
考えすぎ!そもそも夜々先輩はわざと言っているんだから、とか。
わざと、ということは本当は私の気持ちを――とか。
『故意に意地悪』を『恋に意地悪』とか。
そ、そんなわけないもん……とか。
このように蕾は壮絶な死闘を自分の中で繰り広げていたわけだが、それは目の前の敵からしてみれば
隙だらけなのだった。夜々は睨み返すだけで精一杯の蕾を軽く鼻で笑うと、くる、と背を向けた。
「ぁ……」
夜々先輩が行ってしまう――。思わず漏れた自分の声の弱さに萎れていく気持ち。
それを無理矢理押し込めて、去っていく夜々の姿を蕾は見つめ続けた。
一方、夜々は上機嫌そのものだ。
後輩を撒いてスッキリした。それしか頭の中にはない。
夜々は全く気付いていないのだ。蕾がどんな思いで、いつも夜々と接しているのかを。
睨み合いの時だってそうだ。
夜々が視線を少し逸らした途端、蕾は頬を染めてボーっと夜々を見つめているというのに。
その様は、まるで吸血鬼に魅了された娘のようなのに。
例え振り返っても蕾は自動的に、しかめ面に戻ってしまうので仕方ないのだが、彼女は蕾が部屋で一人、
夜々との事を思い出して身体が異様にポカポカしてしまって困っていることも知らない。
恐らく知っても怒りで腹が煮えくり返っているとしか解釈しないだろう。
二人の日々は、こうして過ぎていく筈だった。
ある日、蕾は聖歌隊の練習を終え、倉庫へ入った。昨年使った衣装を調べる必要があったのだ。
倉庫は明かりがあるのだが、白熱灯は頼り気なく周囲を照らすのみで覚束ない。
そういえば、ここは「出る」という噂がある。こんな時に蕾は思い出してしまった。
(そんなもの、下級生を脅かすために上級生が作ったものに過ぎないってば……!)
そう、例えば夜々先輩のような意地の悪い――って、なんで、ここでまた夜々先輩が!
三又槍を持った夜々を頭の中から追っ払うと、蕾は辺りにスイッチがないか探した。
確か、この倉庫は中にもスイッチがあって、それを押せば、もう少し探しやすくなる筈だ。
最初入り口傍の頼りない白熱灯のスイッチを入れて、それを元に次のスイッチを、という順番に
なっていて、更に奥に行きたいときは更に奥のスイッチを、という仕組みなのだ。
ややこしいシステムのせいで蕾は大変な目に遭っているのだが。
そのとき、蕾の肩が急にグッと掴まれた。
「蕾」
「ひぃっ……!?」
「次のスイッチはあっちよ」
振り返ると、薄暗く狭い部屋の中で白熱灯に照らされた夜々がいた。
「あ、悪霊………!」
「………」
流石にムカッときたようだが、夜々は続ける。
「一年に倉庫を任せるのは酷だから、ということで来てみれば、悪霊とか……」
ポンポンと肩を叩いて夜々は奥へと進んでスイッチを押した。
すると、パッと、明かりが付くのだが、頼りない白熱灯が、もう一つ奥に増えるだけのようである。
「け、結局、明るくならないんですね……」
その発言に夜々はニヤリとした笑みを返した。しまった!と蕾は思った。
「さ、さーて、昨年の衣装は……っと」
蕾は黙々と作業を続ける振りをする。
「で? 倉庫の幽霊の話でも思い出して怖がってたの、蕾?」
「ち、違います! いきなり夜々先輩が出てきたから……」
それは本当だった。驚いたのは、むしろ夜々がいきなり直ぐ傍に来たからだった。
それを「悪霊」と言ってしまったのは、直前の思考とこんがらがってしまったからだ。
「実は、あの話って私が作ったんだけど、意外と信じられているのよね」
「な……っ!!」
蕾の予想は大当たりだった。
「なんで、そんなことをするんですかっ!」
「ん〜? 可愛い子が怖がってる姿って、やっぱり可愛くない?」
「そ、それだけのために……」
蕾は、ふにゃふにゃと脱力した。
「あと、光莉が怖がったら、どんな顔かなって」
脱力した身体に楔を打たれたような気がした。
(夜々先輩……また光莉先輩の話ですか?)
夜々の視線の先には常に光莉がいる。夜々が常に気にかけているもの。それは少なくとも蕾ではない。
「あ、そうだ。実は話そうと思ってたことがあるのよ」
「………なんですか」
「今度、私の部屋に来ない?」
「え?」
「ほら、蕾も光莉のことが好きなんでしょ? それで聖歌隊に入ったぐらいなんだし」
「!? 前にも言いましたけど、それは大きな誤解ですからっ」
「事実でしょ?」
「違います! 光莉先輩は尊敬する先輩のお一人です!」
「照れない照れない。素直になりなさいよ、蕾。まあ光莉に会えるってわけじゃないけど」
蕾が聖歌隊の誰かに憧れて入ったというのは良く知られている話だ。
それで「誰なの?」とからかわれることもあるのだが……蕾は何だか泣きたくなってきた。
そりゃ勿論、蕾だって夜々が天使と形容するほどの光莉を前にして、眩く思うことはあるのだが。
「で、それで今度二人で光莉を手に入れるための対策を練ろうと思うのよ」
「夜々先輩と二人で、ですか……?」
「そ。とりあえず天音先輩から光莉を奪って次は私たちの勝ったほうが光莉を手に入れるって寸法」
(夜々先輩と二人っきりで………)
夜々が何か言っているが蕾の耳には入っていないようだ。
そういえば今も二人っきりだ。蕾は考えた。
倉庫の入り口は閉まっていて殆ど密室。こんな狭い場所で二人きり。
思えば、倉庫の照明も薄暗くて逆にロマンティックな雰囲気な気がしてきた。
「あっ、こんなとこに去年の衣装があった! ……じゃ、そういうことで良いわね、蕾」
「わ、私は別に構いませんよ」
「光莉相手に、どう接するかの模擬訓練を行うつもりだから」
それは、つまり夜々を光莉と見てアレコレするという意味だ。蕾は一瞬クラッ、とする自分を感じた。
一体、どんな訓練をするのだろうか?
戸惑う蕾をよそに夜々は手をひらひらと振りながら倉庫の出口へと向かっていった。
そうして迎えた当日。
部屋に招き入れられた蕾はベッドに、ちょこんと腰掛けていた。
スピカの制服にセーターが似合う女の子はスカートの端をぎゅっと掴んで、伏し目がちに
夜々から目を逸らしていて普段より随分としおらしい。
ハハァ、やっぱり仮想的とは言え光莉相手に練習するのは緊張するのだな、と夜々は盛大に誤解した。
それにしても初々しくて実に良い! ――更なる誤解の極みへと夜々は進んだ。
「さて、最初の課題だけど、まずは光莉が天音先輩の話を切り出そうとした時、どうするか――」
「あ、あの。夜々先輩?」
「なによ」
「例えば……例えばの話ですよ? キ、キスの練習とかはしないんですか……?」
「キスぅ〜?」
蕾は顔が真っ赤だ。
「それはまた、短絡的というかなんというか……」
流石の夜々も腕を組んで、はたと考え込んだ。
「っていうか、その前の段階さえどうにかなれば、後のことは如何ようにも好きにできるし」
「そ、そうですか?」
蕾は軽いカルチャーショックのようなものを感じた。
「でも、そうね。練習しておいて損はないかも。念を入れるには越したことないか」
夜々は豪気な性格だった。練習のキスは練習と割り切れるようだ。それが幸いした。
彼女は蕾の隣りに腰掛けると蕾の肩に手を置いて言った。
「じゃ早速やるわよ。まずは蕾から。私を光莉と思ってするのよ」
「………」
茫然とした表情で夜々を見つめる。自分からの提案とは言え、いきなり、することになってしまった。
夜々はスッと目を閉じると蕾のキスを待つ。もう逃げられない。
蕾は震える手で恭しく壊れやすいものでも触れるかのように夜々の顔に手を添える。
緊張するのも無理はない。……初めてのキスは好きな人としたいものなのだから。
綺麗な瞳。今は閉じているが。艶やかな黒髪は今も光を弾き。
いつも意地悪なことをいう唇は、そっと閉じられ口付けを待つ。
蕾は、何度も躊躇うようにして、じぃっと夜々の顔を見つめてから目を閉じると夜々の顔へ近づく。
そして蕾はついに口付けをした。
投下キタァー!?
夜々は――中々上手いキスだと冷静に思っていた。思ったよりも積極的で少し驚かされたけれど。
まあ、これぐらいなら光莉には良いんじゃないだろうかと分析していた。
蕾の唇の柔らかさを楽しむこともできたし、さてこれで採点も終えようかと思っていたところに。
「ん……れろっ」
「…………!」
蕾は舌を絡めてきた。
(いきなり……? これは流石に光莉相手にはどうかしら)
夜々は、まだ驚かない。飽くまでも客観的に判断し、後で注意しておこうと思うほどだった。
夜々は本当に豪気な性格だった。舌をちゅっ……ちゅっ……と吸われてもまだまだ慌てない。
少し苦しいが。これは練習だから。蕾のキスを採点するためなのだから。
――しかし状況は一変して変わる。
「んぅっ………夜々せんぱ……くちゅ………」
「!?」
今、誰の名を呼んだのか。
目の前の、そう本当に目の前にいる蕾は夜々の名を呼んで尚キスを止めようとしない。
はむっ、と唇に吸い付きじゃれ続けている。まさか蕾は……光莉目当てじゃなかったのか!?
蕾はひたすら一心不乱に夜々の唇の感覚を味わおうとする。
夜々はタジタジになっている自分を感じた。気付けば蕾に押され身体が倒れ始めそうになっている。
しかも蕾は少しもペースを緩めない。とても冗談とは思えない様子だ。
胸にカァーーッと熱いものが込み上げて夜々は蕾を恐る恐る引き離した。
「んぁ……っ。 ………お、おわり……ですかぁ………?」
名残惜しそうな蕾と合わせるように二人の間をつぅと引く銀糸。
「……っ」
どれだけ激しいキスをされてたかわかるというものだ。
彼女は「も、もう少し、練習しませんか……?」と、ぼーっとしながら言った。
……蕾は気付いていない。途中で夜々の名前を呼んでしまったことも。
どれほど夜々とのキスを熱心にしていたのかも。
盛大に誤解していたとは言え、ここまでやられれば誰だってわかる。
夜々はスッと立ち上がると「今日の練習はここまでよ……」と言った。
「え……?」と未練たっぷりの声を出す蕾だったが、ふわふわと覚束ない足取りの自分を
夜々が送ってくれて、しかも、その背中を押す手が温かくて幸せだった。
………………。
パタン。
一人自分の部屋に戻り夜々は、頭を抱え考え込んだ。
まさか蕾が自分目当てだったとは……。にわかには信じがたいことだった。
しかし、そう考えるしかあるまい。でなければ、あの夢中な様は説明つかない。
少なくとも仮想の練習相手にすることじゃない。
夜々はそっと唇に手を当ててみた。まるで蕾とのキスの感覚が蘇るようだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
文章の悪癖が治らない。でも神降臨誘発のための保守ということで。
GJ
生きててよかった
ずっと待ってた甲斐があった!
蕾×夜々GJ!
ぜひ続きをお願いします
自分にも文才があればなー…
このスレもっと活気づけたいぜ(´・ω・`)
新たな神降臨で嬉しいね。GJ!
夜蕾GJです!
このカプだとよるよるが一方的に蕾を弄るってイメージが強かったけど
積極的な蕾というのもまた素晴らしいよ。
あと……1行目で吹いたのは自分だけではないハズ。
255 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/05(月) 23:44:45 ID:A2PAjf/w
おわあああああああ夜蕾GJすぎる
蕾可愛いよ蕾
保守
やっぱホシュしてれば良いことあるんだな
しかしこのまま静かに終わってしまうのかな。
公式が終了していると、どうしても活気がなくなるよね。
でもまだonlyイベントが開かれるぐらいだから人気はあると思うんだが。
6月29日が楽しみだぜ。
保守
261 :
名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 03:21:28 ID:HDb23VcW
捕手
ほっしゅ
パジャマぱーとぃー
ほす
ほ
し
268 :
夜光保守短編:2008/06/22(日) 10:24:18 ID:2frHg+AE
「夜々ちゃん」
「なぁに、光莉」
「見て」
光莉が指差す先には、紫色の花が野草に紛れてひっそりと咲いていた。
「綺麗なアイリス」
「そうね…」
いつもは通らない道を散歩しながら、いつもは見られないものを見つける。
そんなのんびりした時間もまた、心を豊かにしてくれる。
森の方から吹く風が、深緑の匂いを運び、二人の少女を包む。
清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
「はー……気持ちいい…」
木々が揺れ、擦れ合うさわさわという音が、心地よく耳に響く。
「ねぇ、今日はもう午後の授業さぼっちゃおう」
「えぇー駄目だよぉ」
「いいじゃない、たまには。ね、お願い」
「…もう、今日だけだよ?」
アイリスの咲く野道に降りる二人。光莉がその中の一輪にそっと手をかける。
「一本だけ摘んじゃ駄目かな?」
「いいんじゃない?」
「ごめんねアイリスさん」
「その花、どうするの?」
「えへへ…夜々ちゃん、はい」
光莉が差し出した手の中には、小さなアイリスが収まっている。
「私に?」
「うん」
「…ありがと」
「アイリスの花言葉、知ってる?」
「何?」
「ふふ、教えない」
「意地悪」
269 :
夜光保守短編:2008/06/22(日) 10:26:58 ID:2frHg+AE
花を傷付けないように、優しく握ってまたゆるゆると歩き出す。
「夜々ちゃん、手、つなご?」
手を繋ぎあった二人の少女。言葉に出さなくても想いは通う。
アイリス。花言葉は「あなたを愛す」。
麗らかな太陽の日差しと木陰がつくる斑模様の中、大切な人と一緒に過ごす。
そんな午後の優しいひと時。
稚拙な文章だけど、愛はあるんだ…神降臨保守。
きたあああああああああああ
夜光も良いものだ
☆
273 :
名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 18:43:23 ID:NOPzg8Km
ストシス行って燃料補給してきた。
とりあえず夜蕾は至高だというのを再確認。
久々にWordを立ち上げるか。
wordとは?
すまん察した
たっまおちゃーん
277 :
名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:07:30 ID:yTIoDXMx
ストパに
tamaochaーnn
nagisacyaーnn
nagisaoneーsama
たまおっちゃん
chiyochaーnn
nagisa
erowaーrusama
hoshu-age
何だこの流れww
保守がてら玉渚萌えを叫んでく
夜夜が み た い で す
ほ
し
い
のぉ!
何が欲しいんだい?
渚砂ちゃんの使用済みパンティがほしいですわシスター!
おやすい御用だ
渚砂ちゃんとセクロスしたい
297 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/13(水) 00:34:44 ID:sTZ3MTYB
須兎波二
_____
(\ ∞ ノ
ヽ、ヽ /
`ヽ)⌒ノ
 ̄
ねんがんの なぎさちゃんのぱんてぃを てにいれましたわ!
保管庫、死んでる・・。
もし保管庫作り直すって言ったらログくれる?
今日〜明日の朝方ぐらいに非エロな夜蕾ssうpを考えてるんですが…非エロでもいいですか?
おk
303 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/18(月) 20:43:16 ID:vHnX12SL
おk
>>299 お手伝いしたいのは山々ですがログとかは持ってないです。
見に行くことは出来るのでそこからコピペって来るとかその程度ならできると思いますが……
>>300 どうぞご遠慮なくいらして下さい。
名門お嬢様学校が三校建ち並ぶ、緑豊かなアストラエアの丘。
全校生徒から憧憬の視線を浴びている存在、エトワール。
今そのエトワールの座には、聖スピカ女学院の鳳天音、此花光莉が就いている。
―今回は、エトワールの二人では無く、別の人物が主人公である。
一話・聖スピカ女学院
今日もあの人は聖歌隊の練習に来なかった。
光莉先輩がエトワールになってから、暫くは驚く程元気だったのに、日が経つにつれ、あの人の顔から笑顔が無くなり、姿を見せなくなった。
「夜々先輩…」
今日で、一週間。
夜々先輩は聖歌隊のエース。流石にこのままだと他の部員に迷惑をかけかねない。
「全く…世話のやける先輩ですね…」
まとめておいた荷物を肩にかけ、私は夜々先輩の捜索を始めた。
夜々先輩は、きっと天音様より光莉先輩を想っていた。
同じクラスで、同じ部屋で、ずっと光莉先輩を見てきて、今まで支えていたのは…夜々先輩以外考えられない。
エトワールになった今でも。
夜々先輩の心の中に、少なくとも私、奥若蕾は大きな存在ではない。
そんなの、分かってた。
だけど…それでも、私はいつの間にか目で追っていた。叶うことはほぼ無に等しい。分かってる。理解はしてるはずなのに。
私の心の中で、夜々先輩の存在は大きかった。
私が夜々先輩の側に居ても何も変わらないかもしれない。
むしろ、邪魔かもしれない。
だけど…今はただ、近くに居たい。
夜々先輩の為だけではなく、私が側に居たいだけかもしれない。
…それでも良い。
頭で考える前に、足は駆け出していた。
二話・御聖堂
「居た…」
最初は駆け足だったが、気付けば全力疾走していて、お目当ての夜々先輩を見付けた時は、息も切れ切れだった。
夜々先輩は、御聖堂の中の長椅子に寝転んでいた。
無防備な姿に少しドキッとするが、表情は決して良くは無かった。
大きな悩み、多くの迷い。
幸せな夢を見ているとは、到底思えない。
私は意を決して、悪い夢を見てるであろう先輩の体をゆすった。
「夜々先輩、起きて下さい…」
「…ん…」
うっすらとだか、彼女の目が開く。
…私を認識しているだろうか、目は合っているのに、無言が続く。
暫く無言のまま見つめていると、次第に夜々先輩の瞼が閉じられていく。
「ちょ、あ…夜々先輩?風邪をひきますよ…?」
何度か体をゆすったり、頬を軽くたたいても反応なし。
どうやら、先程よりは深い眠りについてしまったらしい。
私より背が高い夜々先輩を一人で抱えても行けず、とりあえず着ていたセーターを脱ぎ、夜々先輩の体にかぶせる。
「…夜々先輩…」
投げ出されている右手を握り、顔にかかってる髪の毛をはらう。
綺麗な顔。
意識しなくても、心臓が高鳴るのが分かった。
少しだけなら…大丈夫かな…?
一方的につないだ右手を強く握り、夜々先輩が目を覚まさない事を祈りつつ、私はゆっくり夜々先輩の頬に口付けた。
ごめんね、夜々先輩…
だけど、もう少しだけ…もう少しだけこのまま…
「私は…夜々先輩が好きです…」
とりあえず、夜蕾ssうp完了しました。
一応続く予定ですが、皆様の反応を参考にして、どうするか決めようと思います(^^)
309 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 09:42:39 ID:eGQi8NKI
ぜひ、続けてください!!
>>308 続き期待してます!
最終的には夜蕾甘々展開希望だけど、夜々には蕾にすぐ靡かないで欲しいな。
夜蕾好きだし、続きはすっごい期待しているけど…
天音様だって光莉のこと大好きだよ(´・ω・`)
>>308 わっふるわっふるるるるるるるるううう!!!!!!!
三話・聖母との出会い
…何だろう。誰かに体を揺すられてる。
特別良い夢を見ていた訳でもなく、私は躊躇なく目を開けた。
「―々ちゃん、夜々ちゃん」
「―ッ、千華留様!?」
「あら、光栄ですわ。夜々ちゃんが私を知ってるなんて」
にこにこと満面の笑顔の千華留様の前でいつまでも寝ているのは大変失礼だ。
私は慌てて起き上がり、もう一度千華留様を見た。
「そんな…姉妹校、聖ル・リム女学校の生徒会長、源千華留様はスピカでも有名ですし……それより、他校の私の事、どうして…」
「エトワール、此花光莉ちゃんの親友、南都夜々ちゃん。他校でも気になるお方の名前と顔くらいはチェック済みよ」
…今、さらっと嬉しい事を言われたような…
相変わらず優しい表情の千華留様につられ、私も口元が緩んでしまう。
「こんな所で寝てると風邪をひいてしまうわ。日も暮れてるし、いちご舎に戻りましょうか」
確かに、ここでずっと寝ていたら、いくらセーターを体にかぶせていても…………
……セーター?
特に意識もせずに掴んでいたセーターを凝視する。
布団代わりにした覚えは無い。…という事は、誰かがかぶせてくれた…?
「夜々ちゃん…?」
「あ、はい」
座ったままセーターを見つめ、動こうとしない私を不思議に思ったのか、千華留様が声をかけてきたので、私はとりあえずセーターの事を考えるのを止め、立ち上がった。
「行きましょうか」
「…あ」
自然に手を繋がれ、私の一歩前を歩く千華留様の背中を見つめる。
優しく穏やかで、ル・リムの聖母と慕われている方が、手を繋いでこんなに至近距離に居ることを自覚し、今更ながら緊張してしまう。
どうしよう…繋いだ手を意識してしまう。
汗とかかかなきゃいいけど…
……ル・リムの生徒会長、源千華留様、か…
夕日でオレンジ色に染まる彼女の後ろ姿は、まさしく聖母のようだった。
四話・持ち主
あの後、ちゃっかり部屋の前まで送ってもらい、千華留様は帰って行った。
結局ずっと緊張しっぱなしで、何を話してたのかイマイチよく覚えていない。
唯一覚えているのは、何故私があの場所で寝ていたのかという話を一切しなかった事である。
千華留様のお気遣いだろうか、ホントにありがたかった。
「…はぁ」
終始繋がれていた左手がまだ暑い。
私はベッドに仰向けに寝そべり、左手を天井に向けた。
―そういえば、千華留様は何故あの場所に来たのだろうか。
…そして、このセーターは一体誰の物なのか。
とりあえず、あのまま御聖堂に置いとく訳にはいかず、持って帰ってきてしまった。
考えるべく優先順位はこのセーターが一番なので、私は早速個人を特定出来るようなモノを探した。
…それにしても、私はこのセーターに見覚えがあるのは気のせいではないだろうか。
身近な人物で、この色のセーターを着ている姿を私は幾度となく目撃している筈なのだ。だけど、肝心の『誰』かが特定出来ない。
割と記憶力には自信があったのだが、どうもそれは思い過ごしらしい。
私はとりあえず、消去法で個人を特定する手に出た。
まず、見ず知らずの人物の物だとは考えにくい。
となると、少なくとも一度は私と認識のある人物になる。
光莉はこの色のセーターは持ってないし、光莉なら私を起こす行動をするだろう。
渚砂さんや玉青さん?…否、ミアトルの生徒がこのセーターを着用しているのは見た事が無いし、光莉と同様、あのお二方なら起こしてくれるはず。
千代ちゃんもミアトルだし…ル・リムの二年生コンビは何かとウルサイから、起きてもおかしくはない。
…残りはクラスメートか聖歌隊のメンバーに絞られ………
「あ」
私と認識があり、このセーターを着用しており、尚且つその姿を私は何度も見た事がある。
その人物の名は……
「奥若…蕾……?」
みなさんの温かい、「続編希望」とのコメント戴きましたので、夜蕾ssの続編うpしました(^-^)
意外にも続編を希望してくれる方が多くて、感激です(>ω<)
あと、天音様の件ですが、あくまで私個人の妄想上ですので…ご了承ください。
また今日の夜中に続編うp予定なので、もし良かったら閲覧お願いしますm(._.)m
続編キテル━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
>>316 突然、千華留様出てきて驚いたけど、GJです。でも、これで終りじゃないよね?
続編に期待してます
レス遅いけど続編期待!!!
マダー?
五話:微笑み
一足遅かった。
ホームルームが終わって教室を飛び出し、三年生の教室に急いで来てみれば、夜々先輩の姿はどこにも無かった。
まさか聖歌隊の練習に出る…とは思えないので、私は御聖堂に向かった。
今日こそは練習に出てもらう―
上級生として、エースとしての自覚は持ってもらわないと、けじめがつかない。
それに…悔しいが、夜々先輩が居ないと何となく心寂しい。
好きになった弱み?こんなにも必死になってる自分に苦笑する。
さて…まず目が合ったら何と言葉を交わそうか。
考えれば考えるほど口元が緩んでいくのは、気のせいだと思いたい。
「遅い!もう練習始まる時間だけど」
「は、はいっすみま……って、何でここに居るんですか!」
「はぁ?何よ、練習に来たら駄目なの?」
御聖堂に居ない事で相当驚いたが、図書館やら色々探し回って散々走り回ったというのに、彼女は平気な顔で聖歌隊の練習場に居た。
「今日はちゃんと来たんですね」
「…アンタはいつも言い方にトゲがあるわね」
「ッ!や、その…い、いつもは来ないからビックリしたんですよ」
「答えになってないし。…ま、ちょっと休み過ぎたしね」
―あ。
久々に見たな…夜々先輩の笑顔。
前みたいな満面の笑みでは無いけど、私には充分だった。
「…そ、そうですよ。夜々先輩は聖歌隊のエース!ちゃんと自覚してください」
そう言うと、夜々先輩は「ハイハイ」ってめんどくさそうに答えた。
ホントにホントに悔しいんだけど、こんなささいな会話でも、心底嬉しさが込み上げてくる自分が情けない。…程、
私が、夜々先輩を想う気持ちと比例してるんだ、きっと。
六話・訪問者
「それじゃあ夜々先輩、お先に失礼します」
「あぁ、おつか……じゃなくて。ちょっと待って」
聖歌隊の練習が終わって、夜々先輩と寮に帰りたかったんだけど、久々に部活に来たモノだから、練習後すぐに囲まれてる状態。
…ま、夜々先輩を狙ってるのは私だけじゃないって事か…と一人諦めて帰ろうとしたら、思わぬ出来事が起きた。
「ホラ、これアンタのセーターでしょ?」
「…!」
丁寧にたたまれたセーターを夜々先輩から受け取る。
それは間違いなく私のモノで、昨日夜々先輩にかぶせたモノだった。
「夜々先輩がたたんだんですか?しわしわで丸まって返ってくると思」
「それ以上言うと張り倒すわよ、アンタ」
「…すみません」
って、何謝ってんだ私…
「とにかく…ありがとう。意外に優しいのね」
「意外に、は余計です」
私ってつくづく可愛い気ない後輩だな…
でも、口ではそう言うものの、心の中がじんわり暖かくなるのが分かった。
―――しかし、幸せに浸るのもつかの間だった。
「あら、もう聖歌隊の練習は終わってしまったのね」
「―千華留様!」
室内がどよめくのと同じくらいのタイミングで、夜々先輩は私の視界から消えた。
「どうしてここに?」
「ちょっと近くまで来たモノだから、貴女の顔が見たくなってね」
「ち、千華留様…」
これは一体どういう状況なのか。
―何、夜々先輩と千華留様は知り合い!?っていうか夜々先輩の顔が見たいって…ちょ、夜々先輩もほんのり顔赤らめてるし(←レアだ!!)
まさか、まさかこれは非常にヤバイのでは…?
笑顔の二人を横目に、私は突然起きた出来事を整理するのに必死だった。
ようやく仕事が落ち着いたので、五話、六話うpしました。
続編待っててくれた方、大変お待たせしました!
千華夜フラグを妄想内でたててみる…(笑)……イケる!
というわけで、千華留様がキーパーソンになるかも…しれないです(笑)
>>323 GJ!千華夜とは斬新な・・・
続きwktk
続編キマシタワーGJデスワー
七話・星空の下
何…何だっていうのよ、アレ。
結局あの後、二人は楽しそうに話しながら帰って行った。
…まさか、ノーマークだった千華留様が出て来るとは…しかも、夜々先輩のあの楽しそうな表情…ほんと久々に見た気がする。
一方、私はと言うと、何と無く部屋に帰りたくなくて、一人寂しく外のベンチで星を眺めている。
今日は雲一つない青空が広がっていたので、夜になっても相変わらず星や月が隠される事無く輝いている。
「はぁ…」
こんな時は隣に誰か居てほしいものだ。
例えば、夜々先輩とか…もしくは夜々先輩、あるいは夜々先輩が居てくれれば……
「…馬鹿だ。あたし」
「そんな事は無いと思うわ」
不意に。耳元で誰かが囁いた。
と同時に、背後からベンチ越しに抱きしめられた。
「―ッ!!?…千、華留様ッ…!?」
「ふふ、正解」
条件反射で顔だけ振り返ると、意外と近くに千華留様の顔があって不覚にも顔が赤くなる。
「今日は星が綺麗ね。明日もきっと晴れ、ね♪」
「は…はぁ…」
いつまでたっても千華留様は私を抱きしめたまま、離そうとしない。
どうしても腕がまわってる首に意識が集中してしまう。
なんで…千華留様は、ライバルなのに。どうしてその相手にドキドキしてしまうのだろうか。
「…千華留様…」
落ち着け、私。
千華留様にお会いしたら、聞きたい事があったんだ。
「ん?なぁに?」
「千華留様に一つ、お聞きしたい事があるんです」
「…何かしら?」
「千華留様は…夜々先輩の事、どう想ってるんですか?」
八話・光莉
ねぇ、光莉。
今光莉はとても幸せだよね。大好きな天音様とずっと一緒に居るんだから。
一緒に食事をする事も、放課後を共にする事も。
天音様と一緒に居て笑う貴女の横顔を、私は何度目にした事だろう。
光莉にとって、親友の私は、どういう存在なの?
支え合える関係?それとも…天音様の居ない時の代わり?
でも、どっちだっていいよ。貴女が私を必要としているのなら。
最近は一人で眠る事が多くなった。
消灯時間が過ぎても帰って来ない貴女は、私が朝目覚める時にはもう居ない。
からっぽのベッドに背中を向けて眠る日々を何度迎えただろう。
朝起きて「おはよう」を、教室で言うようになったのはいつからだろう。
昼食を一人で食べるようになったのは、同じくらい前かな。
聖歌隊の練習をサボってる私を探しにくるのは、いつも蕾。
さみしいって言ったら光莉の迷惑になるから、言わないよ。
だってあの時誓ったんだ。エトワールが決まる、あの時。
教室で貴女に会って、笑顔を見るだけでいいの。それ以上は望まない。だって私達、親友だもんね。
だけどね、時々どうしても苦しくなって、泣いてしまう時もあるんだ。
でも光莉には心配かけたくないから、貴女の前では笑っているから。
いつもの「南都夜々」で居るから、御聖堂で泣くことは、許してね。
今日も消灯時間が過ぎていく。ベッドは空のまま。
いつも多めに作り過ぎてしまう紅茶を捨て、自分のベッドに横になる。
「…おやすみ、光莉」
ねぇ、光莉。今貴女はとても輝いているよ。
光莉と、光莉の好きな人が幸せでありますように。
光莉が聞いたら笑っちゃうかもしれないけど、いつも紅茶を多く作ってしまうのは、光莉がいつ帰って来ても良いように。
カップも二つ用意してるんだよ。
―きっと、貴女は知らない。
七話、八話ぅp完了しました〜
あんまり長々続けるのは皆様嫌かと思いまして、今回ちょっと展開を…p(^^)q
なんだか光莉がひどい人みたいになっちゃってますが、光莉ファンの方ごめんなさい(>_<)
私個人光莉は好きです!妄想で話の都合でこんな扱いに…!orz
次は早ければ明日にでもぅp予定です(^^ゞ
夜々と蕾のすれ違い切ないね。でもGJです。
長々続いても全然OKですよ。たぶんその方が期待されてるかも……。
期待してますはぁはぁ
ほしゅ
せ、切ねえ・・・保守
長らく間を空けてしまって申し訳ありません(>_<)
今日の夜〜朝方に続編(二話分)うp予定ですので、お暇な時は閲覧お願いします(^^ゞ
うおっしゃあああああああああ
九話・変わらぬ想い
「私が…夜々ちゃんの事をどう想っているか…?」
「…はい」
うーん、と多少の困惑じみた言葉が聞こえてくる。相変わらず抱き着かれたままだから、どうしても声が耳元で聞こえてしまい、反応してしまう。
…何考えてるんだ、私…
「…秘密」
「ッな!?…んですか、ヒミツって…」
「ふふ、女の子の大切な秘密だもの。簡単には教えられないわ」
あからさまに不機嫌な表情をしてみるが、千華留様には効果がないようだ。
千華留様はにっこり笑うと、私の頭を撫でて言葉を続けた。
「嫌いじゃ無い、とでも言っておくわ。夜々ちゃんも、蕾ちゃんも」
「…私も入ってるんですか」
「籠女ちゃんや絆奈ちゃんの大切なお友達ですもの♪」
よしよし、と頭を二、三度撫でて、千華留様はようやく私を解放してくれた。
「ごきげんよう、蕾ちゃん」
聖母のような微笑みでこの場を立ち去る後ろ姿を見つめ、なんだかうまくかわされたような、何とも言えない感情が渦巻いていた。
―結局、千華留様の真意は分からないまま、か。
らしくない事ぐらい分かっている。
でも、私の中のなにかが、千華留様に対して敵意を持っている…とでも言うのだろうか。自分でもよく分からなくて、頭がショートしそうだ。
…星はいいよね…何の悩みもなく、輝いている。
ちょっとはしたないが、ベンチに寝っ転がってみる。別に誰が見てる訳でもないし、横になった方が星空がよく見える。
シスターに見つかればちょっとヤバイだろうけど、今の私はこの満天の星空に魅了されているとでも言うのか、構わず続けた。
色々考えてみたが、結局一つの結論にしか持っていけ無い気がする。
千華留様が夜々先輩をどう想っているかで、今後の私は何も変わらない。どうあろうと、私の想いは変わらないのだから。
深く考える必要なんて、はじめから無かったって。やっと気付いた。
十話・紅茶の葉
結局、あのあとしばらく寝っ転がったままつい寝入ってしまい、それをシスターに見つかり、こっぴどく怒られてしまった。
そして今、部屋に戻るため廊下を歩いている最中である。
時計を見ると、短針は一と二の間をさしており、四時間も寝ていたのか、と我ながら呆れてしまう。
「はぁ…早く寝よ」
響かないように小さく呟き、目線をあげると、何かぼんやりとした白いモノが暗闇で動くのが見えた。
―ま、ままままさか。ゆっ…ゆゆ…幽霊ッ…!?
体が凍りつくのが分かる。が、小さな好奇心が私の足を動かした。
「…ひ、光莉先輩…?」
「きゃっ!…蕾ちゃん…」
その白いモノはシスターでも、ましてや幽霊でもなかった。
「あ、すみません…先輩より、エトワール様とお呼びした方が良いですか?」
「そ、そんな事、いいよ…」
『エトワール』と呼ばれる事にまだ慣れていないのか、慌てて顔をそらされた。
でも嬉しい気持ちは隠せてない。…幸せそうで良かった。
「いつもこの時間にお帰りですか?」
「う、うん…そう、かな」
「そうですか………あれ、手に持ってる物って…」
「あ、これは紅茶の葉っぱ。昨日久々に飲もうと思ったら、残りが少なくて。…夜々ちゃん、いつも沢山飲むのかな…?」
「夜々先輩って、そんなに紅茶沢山飲みましたっけ…?」
少しの間があいて、光莉先輩は優しく微笑むと私の目を見た。
「そろそろ寝よっか…」
「あ、ぁぁあそうですね!おやすみなさい、光莉先輩」
「おやすみ、蕾ちゃん」
しばらくして後方からドアを閉める音が聞こえ、私は駆け足で部屋に向かった。
この時は、まだ。
私も、光莉先輩も。
夜々先輩の事を何一つも分かってはいなかった。
遅くなってしまい申し訳ないです〜↓
…ってか、私の駄作なんか楽しみにしてる方は居ないと思われ(笑)
夜蕾九話・十話やっとこさうp出来ました…全然夜蕾な雰囲気もないですが、後々…後々は夜蕾に!\^o^/Yahoo!
ほんとに、もしかしたらエロパロ板らしくエロ描写が入るかもしんないですw
新作キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
いよいよ物語が大きく動き出しそうですね、次作楽しみに
しています♪
早く夜蕾のいちゃいちゃが読みたいですw
>>337 そんな事ないですよ
楽しみにしている人は少なくともここに1人います(^-^)b
そしてGJ
頑張って下さい
楽しみにしている奴がここにもう一人
エロエロ大歓迎っす!
いちゃいちゃ期待してます
続き期待してます
十一話・ふしあわせ
「はぁ…」
今日も練習に行けるような状態では無い。いつもの場所…御聖堂に私は居た。
いい加減、私は自分が嫌になる。
光莉の事を未だに引きずっている自分。弱くて、情けない自分。
一人になると、どうしても考えてしまう。
私は…誰かに必要とされているのかな…?
「や・や・せ・ん・ぱ・い!」
「………何の用」
「…練習時間は始まってます。迎えにきたんですよ」
「…ほっといて」
「…光莉先輩の事ですか?」
「―!」
いつものように現れたかと思えば、核心をついた…今、まさに考えていた人物の名を言われ、言葉に詰まる。
「昨日、少しお話する機会があったんです。光莉先輩、とても幸せそうでした」
「…そう、良かったわね」
「何で夜々先輩は幸せそうにしてないんですか?」
蕾が横に座りながら発した言葉は、今の私には重かった。
何も言い返せず…というより、考える事すら出来なかった。
「夜々先輩が光莉先輩の事を今も大切に想ってるのは分かってます。だけど…夜々先輩はいつも苦しそうです」
―なにが。
「私は光莉先輩はもちろん、夜々先輩にいつも笑ってほしいんです」
―何も知らないクセに。
「…だって、私はッ…!」
「アンタに何が分かるのよ!!」
「ッ…や、や…せんぱ…い?」
「人の事…何一つ知らないくせに…分かったような口を聞くのやめて!」
あぁ、私は。
何て最低な人間なんだろう。
十二話・涙
本当に、私は、夜々先輩の事を何一つ分かってはいなかった。
いつも通り練習場所に来ない夜々先輩を探して、見付けて。
千華留様の事もあって、少し積極的に距離をつめていった。
心の距離は、こんなにも遠かったというのに、一人で勘違いをしていたんだ。
「私の何を知ってると言うの!?」
名前・所属部活・部屋の番号・学年・年齢……
聞いたり調べたりすればすぐに分かるような事ばかりで、私は知ってる気でいた。
「そんなに簡単に断ち切れるようなことじゃないの」
夜々先輩の言う事はもっともだ。
すぐに断ち切れる事なら、こんな事になっている筈がない。
「私が毎日どんな想いで居るのか…知らないでしょう?」
自分の自己中心的な考えに、私はすごく腹が立った。
夜々先輩の考えてる事を私は考えず、我が道を行くだけで、迷惑だとか、不快な思いにさせていたかもしれない。
毎日伝わらない想いを抱き、孤独の時を過ごす夜々先輩の姿を思い浮かべるだけで、目頭が熱くなった。
そのあとも、夜々先輩の言葉は止まらなかった。
口調は怒っているが、言ってる事は自分自身を責めているように聞こえる。
何故だかわからなかったが、涙が溢れてくる。
私なんかが泣いたところで、夜々先輩の今までは変わらないのに。
胸が痛い。
それに比例して、涙は止まる事を知らない。
「…人を愛した事も無いアンタに、私の想いが分かる訳無い!」
夜々先輩はその言葉を発して、何も言わなくなった。
涙でぐちゃぐちゃであろう自分の顔。視界は相変わらず歪んでいた。
―愛しています。夜々先輩。
そんな事言える訳無くて、私は開きかけた口を閉ざした。
夜蕾SS、11・12話うpしました〜(^O^)/皆さんの温かいコメントに励まされてます!ありがとうございます(゜▽゜)
今回、ちょっと話を大きく進めてみました。何と無く終わりが見えてきたかも…?(笑)
早く夜蕾をイチャコラさせたry
駄作ですが、暇つぶしにでも読んで頂ければ幸いです^^
346 :
名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 02:16:32 ID:NoceaK5O
GJです!! 続きがきになります。
うpお疲れ様です!
つらい展開になってきましたね。でも、つらい展開があるほど、
後のイチャイチャが・・・あぁ、続きが楽しみですw
山場展開きた―!
続き期待してます。
GJ
そして切ない…
はやく夜蕾のイチャイチャがみたい。
十三話・暖
「ごめんなさい」
気が付いた時には、自分の呼吸も荒くて、目の前にあの子は居なかった。
血の気が、引いた。
私は、あの子に、散々酷い事を言って。
泣かせてしまった。
いつもの強気に振る舞ってる蕾の姿は無く、ただただ涙を流し、言い返す事も無く…見た事も無いような悲しい表情をしていた。
あの子は…エトワール選のあの時も。
今だってそうだ……こんな私の傍に居てくれたのに。
「─…ッ!!」
馬鹿だ。私。
蕾は何も悪くないのに。悪いのは全部、自分なのに。
悔しくて、悲しくて、情けなくて、その場に座り込んでしまう。
「夜々ちゃん」
「…ち、かる様…」
入口に見覚えのある人物の姿があった。
最近、何かと会う事がある。ル・リムの生徒会長。
…でも、今は一人にしてほしい。
こんな私なんかに、近付いてほしくない。
「…蕾ちゃん、泣いてたわ」
「……」
「…ごめんなさい、盗み聞きするつもりはなかったんだけど…」
私の思いとは裏腹に、千華留様はゆっくり私に近付いて来て、私の頭を二・三度撫でた。
「貴女は悪くないわ」
「!そんな訳ない…!」
「もちろん、蕾ちゃんも悪くない。だけど、夜々ちゃん。貴女も悪くない」
「…違う、悪いのは全部…全部わた…ッ!?」
『私なの』と言えなかったのは、強く私を抱きしめてくれた千華留様のすべてが、暖かくて。
何かの糸が切れたように、私は声をあげて泣いた。
十四話・会いたい。
涙もおさまり、ようやく落ち着いた時は、もう日が落ちかけていた。
顔をあげるのが恥ずかしくて、未だに私は千華留様に体を預けていた。
「…ようやく気持ちが落ち着いたようね」
「…はい」
うふふ、と頭上から声が聞こえる。
あぁ…この人はどうしてこんなに優しいんだろうか。
「さて…どうしたものかしら」
「?…何が、ですか?」
千華留様は私の頭を撫でながら、暫くして口を開いた。
「蕾ちゃんの事」
「……」
「流石に少し、言い過ぎたわね」
「…はい」
落ち着いて、自分がどれだけ酷い事を言ったのか…そしてあの子は、どんな想いで私の言葉、否、暴言を聞いていたのだろう。
蕾のあの表情。後ろ姿。…もう見たくない姿だ。
「謝らなきゃ…私、最低な事を…蕾に…」
「…そうね、それがいいわ」
また少しうるんできた涙を拭って、ちょっと名残惜しいが、千華留様から離れる。
「私…行ってきます。蕾の悲しんでる姿はもう見たくないんです…」
「……夜々ちゃんは蕾ちゃんの事、大切にしてるのね」
「え!?や…そ、そういう意味じゃ…ッ!?」
「あら?私の勘違いかしらね、フフッ」
千華留様の意味深な言葉と笑顔を見て、ふと考える。
言われてみれば…あのセーターの件以来、光莉の事ばかり考えていた中の、所々に…蕾の事を考えることがあった。
正確に言えば、エトワール選が終わってから…だろうか。
─…あの子に会えば、何か分かる気がする。
千華留様に何度も何度もお礼を言って、私は御聖堂を後にした。
『謝りたい』から『会いたい』に気持ちが変わって行った事に気付いたのは、いつの間にか駆け足になってることに気付いたのと同時だった。
蕾、早く貴女に会いたい。
こんばんわ!
夜蕾SS(と、言い張る)を無謀にも携帯から送っている者です(携帯房でスミマセン;)
皆様のコメントを見るたび早くうpしなきゃと考えるのですが…スローペースで申し訳ないです(-_-;)
近々、ストパニSS+イラストサイトでも開こうか考え中だったりします…99%の確率で夜々ちゃんMainですね!きっと(笑)
うおーGJ!!!
夜蕾大好きだから続きマジ楽しみにしてます。
盛り上がってきたー!
非常にGJです!
GJ。
早く、二人のいちゃいちゃが見たいです。
サイトの方も期待してます。
保守
次回予告
長らく間を空けてしまって申し訳ないデス…↓
今日の夜〜明日の朝方にかけて、Agapeの続きをうpします!
夜蕾が大きく進展するかも…?
暇つぶしにでも、是非是非閲覧お願いしますm(._.)m
楽しみに待ってマース
十五話・再会
まいったな…結構ダメージは大きいみたいだ。
誰も居ない真っ暗な教室で想いふける…なんて、ドラマや漫画のワンシーンにでもあるようなシチュエーションだ。
門限の時間はとっくに過ぎている。…まぁ、ちょっとはしたないけど門をよじ登る事も出来るし、シスターに見つかったら見つかったでそん時はそん時だし…と、深くは考えなかった。
自然と、涙は止まっていた。
結局、私は何も夜々先輩に残せないし、何もしてやれなかった。
─…人を愛した事が無い、か。
すごく胸は苦しいはずなのに。
心は痛んでいるのに。
渇いた笑いしか出てこないのは何故だろう。
閉ざされていたカーテンを開け、外を見る。
何も、ない。どことなく自分に似ているような気がした。
「…このまま、夜々先輩ともう話したり出来ないのかなぁ…」
「それは無いから安心しなさい」
独り言のつもりが、まさか返事が返ってくるとは思わなかった。
そして、『また』背後から誰かに抱きしめられた。
─だけど、あの時とは決定的に違う、私の心音。
「や、夜々せっ…!!」
「シッ!……ったく、落ち込んでるなら部屋とかに居なさいよ…探したじゃない」
大声を上げる前に、夜々先輩の手によって口を塞がれた。
何?何で夜々先輩がここに!?
探してたって…っていうか、何でこんな近くに…ッ?抱きしめられてる!?
あまりに突然すぎて、聞きたい事は沢山あるけど、口を塞がれているので、声が出ない。
仕方なく、夜々先輩の言葉を待つことにした。
心臓はドキドキしたままだ。
やっぱり、あの時─…千華留様とは違う。
私の顔は見せられない程真っ赤だろうし、心拍数がヤバイ。
夜々先輩らしい香水の匂いが微かにして、とても温かくて。
私の好きな─…愛している、人だ。
「…はぁ…走って探したんだから…ちょっと、休ませなさい」
やっと見つけた、と一言呟いた夜々先輩。
私は、未だにまだ今の状況が理解出来なかった。
十六話・告白
「ごめんね…」
ぽつり、夜々先輩が呟いた。
体勢は先程から変わらず、背中に夜々先輩が張り付いてるままである。
「…何が、ですか?」
「さっきの…蕾は間違った事なんて一つも言ってないのに……ごめん」
夜々先輩の気持ちを分かってなかったのは私なのに。
苦しくて、悩んで、やっぱり苦しくて。一番辛かったはずなのに。
「や、夜々先輩が謝る事は無いです!悪いのは全部ッ…!」
「蕾!」
答えなんて、最初から分かっていた事なのに。
淡い期待を持って、結局一番大切な人の気持ちを分かる事が出来なかった。
私は夜々先輩から体を離し、夜々先輩と向き合う形になった。
その距離、約二メートル。
夜々先輩の表情は、いつもの先輩らしさがなく、今にも涙を流しそうな…そんな顔だった。
「…夜々先輩、そんな顔しないでください」
「蕾…?」
「私は…夜々先輩の悲しそうな表情も、辛そうに笑うのも…もう見たくないんです!…私は光莉先輩みたいに可愛くないし、素直で優しくもないし、劣ってばっかりで、全然違うけど……それでも!夜々先輩のそばに居たいんです」
「だって、私は夜々先輩の事が、好きだかッ…───!!?」
ちょ。
ちょ、ちょ、ちょっと待って。
今、私、何を───!?
前に居る夜々先輩は私の目を見て固まったまま。
自分の顔が凄いスピードで真っ赤になっていくのが分かり、私はとりあえずこの場から逃げたくて、教室を飛び出していた。
こんばんわ!毎度の事ながらうpが遅くてすみません↓
Agape…15、16話うp完了しました!\^o^/
なんかいつも以上に稚拙な文章ですが…orz
最終話が近い感じ…最後は夜蕾ハッピーエンド!になる予定ですが……・ω・
閲覧してくださる方々には感謝してます!長々と続けてしまい申し訳ありません!もうしばらくお付き合いください(>_<)
焦らなくて良いのよ
いつもGJ!
蕾ついに言ったね〜
続き楽しみにしてます。
十七話・蕾
…さて、とりあえず落ち着くのよ、夜々。
私は御聖堂で蕾に酷い事を言ってしまって、あの子を探して、教室に一人佇んでるあの子を見付けた。
謝りたくて、会いたくて。
その一心で寂しげなあの子の背中に抱き着いた。
あの子の背中が思った以上に冷たくて、少しゾッとした。
同時に、自分があの子を傷付けてしまったんだと、とにかく冷たい体を温めたくて、私はあの子から離れなかった。
悪いのは全部私なのに、あの子は自分が悪いと言っていた。
そして。
…蕾は私の悲しそうな表情は見たくないと。
こんな私のそばに居たいと、言ってくれた。
────私が、好き。と。
元々言うつもりは無かったのか、あの子は顔を真っ赤にして教室を飛び出して行った。
しばらく固まってしまったけど、すぐに後を追った。だけど、校舎の中を探しても、あの子は居なかった。
時間帯が遅かったし、私は仕方なく部屋に戻る事にした。
…そして、今。
私はシスターの目を盗み、ようやく自分の部屋にたどり着いた。
光莉も流石に帰ってきて眠っているだろうし、音をたてないようにそっとドアを開ける。
中は予想通り真っ暗で、時計の針の音だけが耳に響く。
明日…、もう今日か。
目が覚めたら、あの子の所に行こう。
後ろ手でドアを閉め、制服を脱ごうと制服に手をかけた。
瞬間。
「─…夜々ちゃんっ…!」
視界が一気に変化し、私はベッドに背中をつけ、押し倒された形になった。
十八話・夜々
「ちょっ……光莉…?」
「…何処に行ってたの、夜々ちゃん…」
私を押し倒した(?)犯人は、どうやら光莉らしい。
私の胸に顔を埋めたまま、背中に手を回したまま、動こうとしない。
「ごめん…心配した?」
「うん…私が帰ってきた時はいつも居るから…」
「…私はいつも心配しているわ?」
「……ごめん」
私が眠る時は居ないのに、逆の立場になると、コレか…
何だか少し可笑しくて、声を殺して笑う。
まぁ…光莉を責める気は全く無いし、私は光莉の頭を撫でて、目を閉じる。
「…ねぇ、光莉?」
「なぁに?夜々ちゃん…」
「天音様と一緒に居るの、楽しい?」
「………」
「……天音様の事、好き?」
「………………うん」
たっぷり間があったのと、返事が消えそうなくらい小さかったのは、光莉なりの私への気遣いだろう。
…光莉には、色々な事を教えてもらったな…
眠たい中私を待っていたのか、光莉はすぐに寝付いてしまった。
一つのベッドに二人並んで眠る…事はしなかった。
光莉には大好きな人が居る。
そして、光莉の事を大切にしてる人が居る。
…にしても、不思議だな。
光莉に抱き着かれて、前までは光莉がそばに居たら、あんなにドキドキしていたのに。
今は…すごく落ち着いている。
いつからだったかな…心のどこかにあの子が居たのは。
そして、今ではこんなに私の中心にいる。
【私は夜々先輩の事が───】
「……ばーか」
早く朝になってほしいと。
産まれて初めて強く想った。
Agape、17話・18話うpしましたぁ〜♪(・ω・)
珍しく連日うp…w
予定としては、次うp分が最終話になります…
エロを組み込むと続きそうですが………千●音ちゃん、私どうすればいいのかry(笑)
すごく、すごく良いです。
あと少し、あと少しで二人が幸せに・・・あぁ、
もう速く続きが読みたくてたまりませんw
>エロ
エロパロのスレだから…エロ大歓迎です、が
姫●の好きなようにしたら良いと思うよw
ついに、ついに二人のイチャイチャが見れる!
早く朝になってくれー!
あ、エロも期待してますw
乙です。
夜蕾好きとしてもwktkだけど、何より光莉が普通に良い子だと安心するわ…
ありがとう
>>368 続き楽しみにしてます!
あとエロはばっちこいw
キタ―――(゚∀゚)―――!!!
続けてほしいからエロ期待w
十九話・親友
目が、覚めた。
時計を見れば、いつも起きる時間。ただ、いつもと違う事は、光莉がまだこの部屋に居た事だった。
「おはよう、夜々ちゃん」
「…お、はよう…光莉、天音様は…」
「今日はオヤスミ。夜々ちゃんと一緒に居たくて」
前の私なら、光莉のこの言葉を間違って受け取っていただろう。
私はゆっくり立ち上がって、光莉の方を向いた。
…苦しくなんか、無い。
私は今、心から笑顔でいられる。
「学校にいこっか、光莉」
「うん!…あ、夜々ちゃん」
「?」
「昨日の…あの、私…天音様が好き。だけどっ、夜々ちゃんも大好きだよ…?」
この子はこの子なりに、昨日(今日?)の事を考えてくれてたのだろうか。
そんなに、恐る恐る言わなくたっていいのに。
「あら、奇遇ね。私も光莉の事、好きよ」
前の私と光莉の好き、は、想いがすれ違っていた。
だけど、今は…私の好き。も、光莉の好き。も。
一緒だ。
いつまでも、私達は『親友』だよ。
放課後、温室に向かう光莉を笑顔で見送った。
…さて、私にはまだやるべき事がある。
朝は結局会えなかったし、お昼休みに教室を覗いてもあの子の姿は無かった。
蕾…貴女に伝えたい事がある。
貴女にもう一度、聞きたい事がある。
…会いたいよ。
聖歌隊の練習場にいるであろう蕾に会うためといっても過言では無い。
私は廊下を走った。
二十話・千華留
「廊下は走っちゃいけません!」
めんどくさいのに見つかった、と軽くため息をついて、顔だけで振り返った先にまさか千華留様が居るとは思わなかった。
「千華留様…?」
「ふふ、びっくりした?」
クスクス笑いながら千華留様は私に向かって歩いてきた。
「ちょっとスピカに用があってね。そんなに急いで何処に行くのかしら?」
「…聖歌隊の、練習場に」
「…、……御聖堂には、もう行かないのね?」
何も言わないので気付いてない。と思っていたが、どうやら千華留様にはすべて分かられてるらしい。思わず笑ってしまう。
「…今私が行きたい場所はそこでは無いですし…多分、これからも」
「ふふ…夜々ちゃんには笑顔が似合うわ」
「…千華留様…」
「お幸せにね、夜々ちゃん」
満面の笑みをうかべて、千華留様は私の横を通り過ぎて行った。
─…千華留様にも、沢山助けてもらったな…
すでに小さく見える千華留様の背中に小さく会釈をして、私はまた足を進めた。
と。
目の前を、桜色の髪をした人物が通った。
「あ」
「!やっ…ややや夜々先輩ッ…!!?」
蕾は顔を真っ赤にして、私の前から逃げようとした。
ずっと…朝から探していた人────。
「ちょ、ちょっと!」
「!?は、離しッ…」
とりあえず何故逃げようとするのかは置いといて…私は蕾の手を掴み、目を離さなかった。
最初はわたわたしていた蕾も、ようやく覚悟を決めたのか、ゆるりと私の手を握り返した。
「……夜々先輩に、お話があります」
ドモ。Agape書いてる者デス。
…終わりが見えなry
今回のお話で終わる予定だったのですが、この馬鹿野郎めはまだ続くお話展開にしてしまったようです。
…すみません、もうしばらく夜蕾ssにお付き合いください↓
折角のエロパロ板だし、エロを絡めないとは言語道断だ!
と思ってる方もいらっしゃると思いますので、頑張って!エロ展開します!w
デハデハ、閲覧ありがとうございました(^O^)/
続き、しかもエロ展開宣言キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
もうしばらく楽しめるんですね、非常にうれしいですw
神様仏様マリアサマー!!!(゚∀゚)!!!
GJ!
続き楽しみにしてます。
超期待(*´Д`)
二十一話・オレンジ色の教室
…もう、後にはひけない。
覚悟を決めるのよ、蕾。
皆部活とかがあるのか、教室には誰も居ない。
朝見る風景ではなく、オレンジ色に染まる教室は、何となく寂しかった。
手をあてなくても分かる…夜々先輩にこの音が聞こえるんじゃないかと、それぐらい大きく、すごく、ドキドキしていた。
「……夜々先輩、あの…昨日の、事なんですけど…」
らしくない。
こんなの私らしくないのに。何このしおらしさ。
…なんだ、私も案外乙女なんだなぁ…
伏せていた顔を上げると、真剣な表情の夜々先輩が居た。
─…言うしかない、か。
「…昨日、私が言った事は…嘘じゃ無いです」
「ん?蕾昨日何て言ったっけ?」
「な!!?や、夜々先輩…!?」
「覚えてないの。もう一回言ってくれる?」
私は口元の緩みを見逃さなかった。
…や、夜々先輩はイジワルだ!
今更な事じゃないって分かっていても、何だかやりきれない気持ちになった。
「だ、から…ッ」
「んー?」
「私は─……夜々先輩の事が、好きです!」
…言っ、ちゃった……
夜々先輩は、光莉先輩が好きなのに…迷惑、だったよね…
顔を上げていられず、俯く形になる。
…はぁ……明日から私、どうしよう……
「私も好きよ」
「はい…………………って、……!?」
「だから、私も蕾の事、好き」
「……、え。ぇえぇぇええッ!!!?」
二十二話・受け入れて
今、今、夜々先輩、何て…─!?
私も、好きって。
蕾の事が、好きって…
「…何、その顔」
「やっ!だ、だって…な、何で…か、かかからかってるんですか!?」
「あーもう!めんどくさいわね」
夜々先輩が声をあげて、どんどん近付いてくる。
どんどん距離が近くなって、顎に手を添えられて──────。
私と夜々先輩の唇が、重なった。
「〜ッ!!??」
「分かった?からかってなんかないっての」
腰に手をあてて、仁王立ちの夜々先輩を目の前に。
私はと言うと、まだ熱を持ってる唇をおさえる以外出来なかった。
何だか頭がパニック状態で、何を考えればいいのか、何を言えばいいのか分からなくなってきた。
暫く無言が続いて、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
「……は、や、夜々先輩…」
「なによ」
「あの、わ…私のどこを好きになってくれたんですか…?」
恐る恐る顔を上げると、夜々先輩は何か考えていた。
……か、考えなきゃいけないような事なんですか…
「んー…ホント、何でだろ」
「ッな!?」
「確かに特別可愛くて優しい訳じゃないし、意地っ張りで全然素直じゃないし、何かと口うるさいし」
「〜…」
あれ、好きな所どころか、私の悪口言ってる風にしか聞こえないんですけど…
「ちょ、夜々せんぱ」
「でも!」
「そんな蕾を…ありのままの蕾を受け入れられるくらい、大好き。意地っ張りな所も、お節介な所も含めて…好きよ」
って、答えになってないケド。
と笑う夜々先輩の胸に飛び込んだ。
背中に回された腕と夜々先輩の温もりが心地よくて。
顔を上げれば、ゆっくり夜々先輩の顔が近付いてきて、視界いっぱいに夜々先輩の顔が映った時に、私は目を閉じた。
(・∀・)コンバンワ!
「お待ちなさい、タイがまがっていてよ」と一度は言われてみたいAgape作者デス(・ω・)
閲覧ありがとうございます!
Agape、21・22話ぅpしました!
さて。
告白も終わった。
ちゅーも終わった。
…となると、次は……
Q.今後の展開は?
1.ラブラブイチャコラww
2.めくるめく18禁の世界へ
つオーディエンス
二人とも素直になりきってない展開がらしくてGJです。
今後の展開はできれば1のあと2に突入が良いなぁ。
イジワルな夜々に振り回され蕾が
非常に可愛いですな、実にGJです。
我侭な自分も
>>383同様、1⇒2を
望んじゃうのだw
イチャイチャえっち希望w
>>382 2がいい
ただ展開がちょっとたるいかな
アニメ本編での蕾の印象が薄いので、夜々ちゃんとの絡みがいまいち想像できません
脳内補完余裕です
二十三話・図書館
静かな…本のページをめくる音しかしないスピカの図書館。
ミアトルほどの落ち着いた感じはしないものの…どこかさみしげな場所。
奥の方は少し埃かぶった本が並び、照明も届かない場所なので、昼間でも少し薄暗い。
──私と夜々先輩の気持ちが繋がって、二週間がたつ。
「…んっ…」
ドン。と本棚にあたった背中が少し痛い。
「ふ…あっ…や、やせんぱっ…」
唇を唇で塞がれ、上手く言葉が発せない。
抵抗しようとしても、手首を掴まれ、抵抗が出来ない。
「はァッ…だ、誰かに見られ…ッ…」
「少し黙って」
「んむっ…」
…何やってんだろ、私達。
毎度の事ながら練習に顔を出さない夜々先輩を探して……………………べ、別に寂しいからとか、心配とかじゃないんだからね!
夜々先輩が居ないと練習に差し支えるし…聖歌隊の為なんだから!
…。
何はともあれ、夜々先輩を見付けたはいいものの、探し物があると言うので、着いて来てみれば……今の状態になった訳で。
「あっ…や…」
制服のリボンをほどいて床に落とす。
唇が解放されたかと思えば、今度は首筋に吸い付かれた。
「あぁっ…!」
何、コレ…すごく、あつい。
頭がボンヤリしてきて、何も考えられなくなる……
「…蕾」
「はぁ…ッ…夜々先輩…」
大好きな人に耳元で小さく名前を囁かれ、熱い舌の感触がする。
「んんっ…!」
もぅ…駄目…
夜々先輩の手が、ゆっくり私の制服のボタンを外し始めた。
二十四話・上々
──────…って。
「だっ…駄目ですってば!」
夜々先輩の肩を力の入る限り押し、行為は止まった。
夜々先輩は一瞬びっくりした顔をして、すぐに不機嫌な顔になった。
「……何」
「だ…だって…ここ、図書館ですよッ!?」
慌てて外されたボタンをとめ、床に落ちたリボンを拾う。
ほ…ホントに危なかった…!
ようやく呼吸も落ち着いてきて、夜々先輩をにらみつける。
が、夜々先輩には全く効果が無いようで、逆ににらみ返され少し怖かった。
「何よ、アンタがノコノコ着いて来るから悪いのよ」
「探し物があるから一緒に探せと言ったのは夜々先輩です」
「…。……チッ」
今、今舌打ちしました?この人!?
…まさか、探し物があるとか言うのも嘘なんじゃ…
「…そ、それにですね」
「?」
「……は、はじめてはこんな所じゃなくて…ちゃ、ちゃんとした部屋でが…いい、です」
…は、はすがし……でも、ホントの事だし…なぁ
夜々先輩の顔を見ると、小さく笑みを浮かべていた。
「…ハイハイ。分かった分かった」
「……」
「アンタも意外と乙女なのねー」
「!う、うううるさ…ッ」
ちゅっ。
「…ま、そんな所も可愛いんだけど、ね」
…何だ、もぅ。
そんな事されて、可愛いとか言われたら……何も言えなくなるじゃん…
「さ、て。練習行けばいいんでしょー」
くるり、と背中を向けて、さりげなく繋がれた手。
柄にもなく嬉しくなって、強く手を握り返した。
こんばんわ!
いつもいつも…コメントくださりありがとうございます!
夜蕾…に関しましては、賛否両論あるかと思いますが、皆様の想像力(妄想力?)をフル回転していただき、「夜蕾もいいじゃないかw」と思ってくだされば、書き手としては幸いです。
ちなみに私は夜々ちゃん大好きなんで、夜蕾・夜光・千華夜(←?)バッチコイです(笑)
さて今回、ちょっぴり妖しい雰囲気から始まりましたが…長々と続けるのもウンザリするでしょうし、展開早くするよう頑張ります!
ここまで読んでくださり、ホントにありがとうございました!(>_<)
夜蕾はネ申
もはや“も“ってレベルじゃない
アニメの最終回見て以来、夜蕾が一番好きだな俺は(*´ω`)
二人共可愛すぎる・・・
夜蕾最高だ!!!
>>389 夜蕾も最高だが、貴方の作品もなお最高だぜ!
続き期待して待ってる!
395 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 00:08:30 ID:GCbc+wRL
GJ
ゆっくり待ってるお
アニメ公式のDVDのイラストで顔が違うのを無視すると
玉青ちゃんの手と蕾の足とセンターの2人に目移りする。
今から玉渚投下しても大丈夫ですか?
もちろんおk
399 :
玉渚『闇呼』:2008/10/16(木) 21:10:56 ID:KirVga3Q
玉渚でエロ投下
400 :
玉渚『闇呼』:2008/10/16(木) 21:12:55 ID:KirVga3Q
月の光は雲に隠れ、星の明かりが疎らに灯る。
二人分の体重を支えギシギシと軋むベッドの上、私たちは体を重ねた。
「ん…」
離れた唇と唇を透明な糸が繋いだ。私は、あなたが流し込んだものをコクリと喉を鳴らし嚥下する。
長くて青いあなたの髪が私の顔にかかる。前より少し伸びたみたい。
熱くて優しいあなたの掌が私の小さな胸を包み込む。
「は、ぁ…」
私はあなたの柔らかな唇にそっと触れる。呼んで欲しい。名前を。
「渚砂ちゃん」
その愛しい唇で。
「あぁ…!」
秘所を犯すあなたの指に、私は何度も体を震わせ、あなたの首にしがみついた。
あなたの瞳に写る私の顔は恍惚の表情をしている。
「渚砂ちゃん、可愛い…」
私はあなたがくれる快楽に、ただ身を委せた。
401 :
玉渚『闇呼』:2008/10/16(木) 21:15:50 ID:KirVga3Q
「はぁ…はぁ…」
「渚砂ちゃん、もっと私を感じてください…」
そう言うとあなたは、着崩していた私の寝間着をすっかり脱がしてしまう。
あなたの指にもてあそばれて、疾うに濡れてしまった白い下着が露になった。
細く白い指が、その下着さえも退けようとしている。私は咄嗟に脚を閉じた。
「あ、待って…」
「渚砂ちゃん?」
「は、恥ずかしいの…」
消え入りそうな声で言う私に、あなたはそっと口付けしてくれた。
暗闇の中で、頬が染まってゆくのを感じる。
「大丈夫ですよ、優しくしますから」
太股を撫でられ、脚の力が次第に抜けていった。
402 :
玉渚『闇呼』:2008/10/16(木) 21:18:55 ID:KirVga3Q
下着が取り払われ、秘部に指が伸びる。
「これが、渚砂ちゃんの…綺麗…」
「ん…」
あなたの指が秘裂を這うと、私の体が小さく震えた。
堪らずあなたの手を握ると、あなたは私の手を優しく握りかえす。
安心した私の股に、あなたは顔を埋め、秘部に口をつけた。
「ん、あ、ぁ…」
「…美味しいですわ、渚砂ちゃん…」
「だめ…声、出ちゃう…」
「いいですよ、聞かせてください…」
陰唇を舌で押し広げ、膣口を先が擦る。それだけで達してしまいそうになった。
「玉青ちゃん…」
「なんですか?」
「おしり、こっち向けて…」
403 :
玉渚『闇呼』:2008/10/16(木) 21:33:39 ID:KirVga3Q
「こうですか?」
「うん…」
あなたの寝間着のスカートをたくし上げ、薄青色のショーツ越しに秘部に触れた。
「あん…」
艶っぽいあなたの声。
もっと聞きたくて、ショーツをずらし、既に濡れていたあなたの熱いそこへ口付けた。
私達は互いに秘部を愛であった。
「ん、ふぅ…んあっ」
「んんっ…」
溢れる蜜を舐めとり、吸いあげる。
熱く火照った秘部から、じわじわと快感が広がっていく。
あなたのそこが、ヒクヒクと痙攣し始めた。
「だめ…玉青ちゃん…っ…私もう…いきそ…っ」
「んっ…渚砂ちゃ…私も…」
膣内で舌が肉襞を擦り、指が肉芽を摘み上げる。
私はあなたの勃起した陰核を口に含み、ぐっと押し潰した。
「あっ、やっ…!たっ、玉青ちゃ…んああっ!」
「渚砂ちゃん…!あ、あああっ!」
妖艶な熱気が立ち込めた部屋に、二人分の嬌声が響く。
そして私達は一緒に果てた。
404 :
玉渚『闇呼』:2008/10/16(木) 21:35:54 ID:KirVga3Q
絶頂の余韻の中、私達は互いに唇と体を貪りながら、手を絡める。
暗闇の部屋で、あなたの体温と乱れた息遣いだけが、私に生の感覚を与えていた。
唇と唇が離れる。
もっと繋がっていたい。
一人は怖い。
呼んで欲しい。
名前を。
「渚砂ちゃん」
以上です…
玉渚至高
夜蕾は任せました
二十五話・夢中×末期症状
…クヤシイ。
悔しい。うん、この感情は間違いない。
聞けば、蕾は私なんかより長く私を想っていたという。
つまり、私の事がそれほど好きっていう事になる。
……なのに。
何よ、何なのよ。
今じゃ私の方が蕾に夢中じゃない。
授業中も、蕾のクラスが外で体育をしてる時は無意識にあの子を探してる自分が居る。
昼食も一緒にとるようになってから、教室まで行きたい衝動を抑えて今か今かと待ってるし。
練習中もあの子を目で追ってるし、サボる時は早く蕾が探しに来ないかと…矛盾してるし。
この前も……早く蕾の中に私という存在を残したくて、…図書館でそういう行為をしようとした。
…なに、私ってこんなに惚れっぽい性格だったっけ…?
一つ言える事が…正直、あの子が可愛くて仕方がない。
全然らしくないんだけど。
わかってるんだけど。
この気持ち…いつまで抑えていられるのかしら……?
「夜々先輩?」
「──…………な、何よ」
「何ですか、その間は」
今は昼休み。
今日は天気が良いから外で食事をとった。
蕾はもぅ。とかぶつぶつ呟いて、やたらと辺りを気にしていた。
、かと思えば、私の肩に微かな重みが。
条件反射で隣を見ると、案の定蕾が私の肩にもたれかかっていた。
「─…な、」
「べ、べ、別に二人きりだからとか、あああ甘えたいとか、そん、そんなんじゃないですからね!す、すす少し疲れただけですから!」
…あーもぅ…何なのよ、コレ。
何でこんなに嬉しくてドキドキしてる自分が…意味分かんない。
昨日よりも今日。
今日よりも明日。
私は蕾を好きになっていく。……末期ね。
二十六話・チャンス
好機は、突然訪れた。
「今週の土日…居ないの…?」
同室の友達が、今週の土日、部活の遠征で居ないとの事。
つまり、部屋には私一人という事になる。
…て、事は。
夜々先輩を呼んで、二人っきりになれる…!?
「や、やや夜々先輩!!!」
「…!?───…なに」
夜々先輩、制服から部屋着にお着替え中。
イコール…下着姿。
「すっすす、すみませっ…!?」
「あーもぅいいから。何か用?」
顔を真っ赤にして慌てふためく私とは逆に、一番焦っていいはずの夜々先輩は平気で着替えを続行していた。
…つ、次からはちゃんとノックしよう。て、言うか…光莉先輩じゃなくてよかった……
「あ、あの…今週の土日なんですけど」
「んー?」
「…その、同室の友達が部活で居ないみたい、で。一人なんですけど」
「へぇ」
…………あ…あれ?
特に興味無し…?
夜々先輩の返事は『へぇ』だけで、黙々と着替えをすましていた。
「…あ、あのー…」
「あ、分かった!アンタ一人じゃ怖くて眠れないんでしょ」
「な!?ち、違…!」
「ハイハイ、分かった分かった。アンタが寝るまで傍に居てあげるわよ」
クスクス笑いながら脱ぎ終わった制服をベッドに投げる夜々先輩。
何だか結果オーライな気もするけど、何か間違ってる気がする…
ま、まぁいいか…な?
で、でも…もしお泊りってなったら…図書館での続きを…?
あの時はいきなりでパニクってたし…心の準備もまだだったし……でも、そういう雰囲気になったら…
「…何、一人で赤くなったりして…気味悪いわね」
夜々先輩の言葉は耳から耳へと抜けていった。
あと…四日。
暫くリアルが忙しくて、ひっさびさに来たら素敵な玉渚小説キテルー(゜▽゜)!!!
>>405様GJ!神作品キター(>∀<)
さて、私は相変わらずエロに到達しない夜蕾を投下しました。
…30話までいっちゃう勢いデス…↓↓
でも今回フラグはたてたつもりです…(主張)
玉渚GJ!玉渚GJ!
夜蕾GJ!夜蕾GJ!
だけどエロワール様も好きだぁあ…(笑)
夜蕾の作者様、素晴らしくGJ!です。
焦らし展開がもどかしいけど、すごく良いです。次回が待ち遠しい!
渚玉の作者様、久々に投下された渚玉堪能させていただきました。
やっぱり渚玉も良いよね。
久しぶりにきたら素晴らしいSSがー
>>405GJ!
玉渚最高だー!
>>411 あいかわらずGJ!
次回投下が待ち遠しい限りです
頑張って下さい(^^)/
☆
こんにちわ!
夜蕾を投下してる者です!
間をかなりあけてしまって申し訳ありません>_<
今夜あたり二話〜四話くらい続けて投下する予定なんで、暇潰しにでも読んでクダサイ(^O^)/
楽しみにしてます!!!
夜蕾さいこー
ほす
二十七話・土曜日
四日、というものは意外にも早く過ぎていったようで。
もっとも、前日はドキドキして中々寝付けなかった。
まるで、遠足を明日に控えたこども…と例えるのが正しいだろう。
大人なつもりでいたけど、結構こどもっぽい所もあるなぁ…と苦笑する。
『ちょっと用事があるから、夜に行くわ』と当日の午前中に言ったっきり、もう夜も更け、間もなく十時になろうとしているが、夜々先輩が部屋に来る気配は無い。
…もしかして、忘れちゃってるのかなぁ…
部屋を出て探しに行きたいのは山々だけど、もし入れ違いになったら…意味ないしな…
色々考えてると、ベッドで座って待っていられず、とにかく部屋をウロウロして、マイナスな考えを除こうと頑張った。
「何ウロウロしてんのよ」
「何って─……夜々先輩が来てくれるか心配……でっ!!?」
「はろー」
音もたてず突然背後に現れた夜々先輩に驚きを隠せない。
に、忍者かこの人ッ…!?
「ノ、ノ、ノックぐらいして下さいよッ!」
「ちゃんと声はかけたわよ。アンタが聞いてなかっただけじゃない」
「……うぐ」
そう言われると何も言い返せなくなる。
言葉に詰まる私と、ニヤニヤ笑みを浮かべる夜々先輩。
何だろう…悔しい。んだけど、夜々先輩が来てくれて安心してる自分が居る事にもっと悔しい。
「…とりあえず…ごめん、少し遅くなったわね」
「─…や、べ、別に…ッ!心配してたとかじゃ無いですからね!」
私のバカ。
またやってしまった…
自分の性格が、ホントに…時々嫌になる。
はぁ、と小さくため息をついて視線をうつすと、夜々先輩と目があった。
「…はいはい」
多少の呆れも入っているけど、夜々先輩はそう言って小さく微笑んでくれた。
二十八話・帰宅!?
さて、どうしたものだろう。
皆で集まってやるお茶会とは違い、この暗い部屋の中に私と夜々先輩の二人きりで、意識してしまうともう逃れられない。
ベッドに二人並んで座れたのはいいものの、微妙に空いている私と夜々先輩の距離が、何だかもどかしい。
次第に会話も途絶え、部屋の中はとても静かである。
「…蕾」
「ひゃいッ!!?」
「…そ、そんなに驚かなくてもイイじゃない…」
「す、すみません……で、どうしたんですか?」
「私帰ってもいい?」
「何だそんな事ですか。夜々先輩帰──────…?」
「えぇええぇっ!!?」
「何よ……だってアンタずっと黙ってるから眠いんだと思って」
「と、とと、泊まっていくんじゃないんですか…!?」
「アンタが寝るまで居るとは言ったけど…泊まるなんて言ってないわよ」
言われてみればそうだけど…!!
普通は泊まりません!?土曜日の夜に互いに好きな人と一緒にいて、帰るって…帰るって!!
「も、もう遅いですし、泊まっていけばいいじゃないですか!」
「あーもぅ、声が大きいのよ!…ま、明日も休みだし、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
…あ、危ない危ない。
せっかく二人っきりなんだし……まだ今日は夜々先輩に一度も触れてない。
…ゆ、勇気を出すのよ!蕾!!
「や、夜々先輩!」
「……!」
私は意を決して夜々先輩との距離を埋めるように、体を密着させた。
シャンプーのいい匂い…そして、とても温かい。
しばらくそのままでいたら、そっと肩に手を置かれ、引き寄せられた。
「わっ…!?」
自然と夜々先輩と目があう。ゆっくり近付いてくる、整った表情。
夜々先輩の顔が視界いっぱいにうつって、私はそっと目を閉じた。
二十九話・幸せの口付け
「ん…」
「…つ、ぼみ…」
この展開は一体どうしたものだろう。
最初は軽くキスしたり、くっついてただけだったのに、いつの間にか夜々先輩はベッドに寝て、その上に私が覆いかぶさってる形で、お互いの唇をくっつけあった。
はたからみたら、私が夜々先輩を押し倒してるような形になる。
「…夜々、せんぱ…」
優しく腰にまわされた腕が、くっつけあう唇が、体が、とても温かい。
「…なに、やけに積極的じゃない」
「ち、違っ…!べ、別にそういう訳じゃ…!!ちょっと冷えるからくっついてるだけですから!」
「……全く…素直じゃないわね」
クスクス笑われながら、頬に口付けられて、ぎゅっと抱きしめられた。
…一ヶ月前の私が今の私達を見たら驚くだろうな…
あんなに想っていた夜々先輩が、今こうやって私を抱きしめてくれるんだから。
ホント、時々夢なんじゃないかって、不安になる。だけど、夜々先輩の温もりが、その不安を解消してくれる。
「蕾…」
「夜々先輩……」
しばらく見つめ合って、髪を撫でられて。
私の首に腕をまわして、そのまま引き寄せ、少し強引気味に唇を奪っていく。
最初は触れるだけのキスが、徐々に深くなって……舌を絡められ、少し苦しくなってとん、と肩に手を置くと、夜々先輩は最後に音をたててキスして、ゆっくりと離れた。
「はぁ…はぁ…」
「……好きよ、蕾…」
くるり。
視界が反転して、今度は私に夜々先輩が覆いかぶさる形になった。
…ほんのりと、夜々先輩の頬が赤い。
そして…夜々先輩はゆっくりと口を開いた。
「蕾………いい…?」
三十話・大切な人
今更気付いた事がある。
私は光莉の事が好きじゃなくなったのではなく、それ以上に蕾の事が好きなんだ、と。
「あの…夜々先輩…」
「…なに、また抵抗するの?」
ここまで許しておいて、また前のように抵抗するのだろうか。
…まぁ、好きな人の意志は尊重したいし、こういう事は同意の上でしたいから、蕾が嫌なら…と。私は口元を緩め、蕾に覆いかぶさってた体勢をやめ、ベッドに座りなおした。
「あ…」
「蕾、別に無理しなくていいから…私は、アンタの事、大事にしたいし」
「や、ち、違うんです!」
「…?」
ぎゅっと手を握られ、条件反射で蕾の顔を見る。
顔を真っ赤に染めて、それでも、視線をそらす事なく、蕾はじっとしていた。
「えっと…」
「…なぁに?」
「………い、嫌とか。そんなんじゃないんです…ただ、こういうのってはじめてで、私どうすればいいのか…わ、わかんなくて」
恥ずかしいのか、蕾は顔を隠すように私に抱きついてきた。
これは……いい、んだよね?
「蕾…」
少しでも安心出来るように。怖くないように。私は蕾の頬に軽くキスしながら、ゆっくり蕾を押し倒した。
「その…─…」
まさか、自分がこういう台詞を言う日がくるなんて、思いもしなかった。
「…や、優しく、するわ」
「〜ッ!…は、恥ずかし…」
「な、何でアンタが恥ずかしがんのよ……こっちの台詞よ…」
「…へへ、夜々先輩」
「………なによ」
「や、優しく…してください」
おわぁ…とりあえず、一言。
すみませんでした!(ジャンピング土下座)
えらい長い事間を空けてしまってて申し訳ありません…orz
今回は四話一気に投下してみました!次話からめくるめく18禁の世界に突入しますので、苦手な方はご注意ください
…まぁ、苦手な方はエロパロ板には来ないと思いますが…
もうしばらく、お付き合いくださいませ
2828が止まらなくなってしまったじゃないか
どうしてくれる!www
GJと言わざるを得ない!!!
GJです!!
素晴らし過ぎて眠れなくなってしまったじゃまいかww
次話もwktkしながら待ってます
しかし展開おせえ。久々に来たけど全然エロに進んでないし
言葉回しも毎回同じなので尚更進んでないように感じる
エロパロが読みたいのであって、そこに至るまでの経緯はある程度端折っていいよ
GJ以外の感想・意見を封殺することはないと思う。
今は薄いエロ要素を次で補充されることに期待している。
そういえばスレ初期にあった昔話風にアレンジしてたシリーズは
ストレートなエロはなくても好きだったな。
Agapeの人、GJ!
次回が本当に待ち遠しいです。
雑音は気にせず頑張って!
要×天音って需要ある?
ここは乙女の寄宿舎、通称いちご舎。
今日は貴重なお休み、土曜日である。
そんな土曜の昼下がり、要は何も考えずブラブラと廊下を歩いていた。
今日は桃実がいない。
何でも実家に用事があるそうで明日の夕方まで帰って来ないそうだ。
普段食事も寝るのもお風呂もトイレでさえも、ずっとずっとずっと桃実と一緒にいるため桃実がいないと酷く退屈なのである。
と、前から見覚えのある顔がやってきた。
あの日まで要を苦しめてきた彼女。
エトワール選が始まる前のあのテニスの勝負までは決して仲が良いとは言えなかったが、あの決闘でわだかまりがとれ、今ではお互いに数少ない友人として二人は友情を育んでいた。
二人は目が合い、先にこのアストラエア三校のエトワールである鳳天音が声をかけた。
「やあ要、何してるんだい?」
天音王子はいつもさわやかである。
それに対し要は。
「見てわからないかい?
この私の長く美しい足を交互に動かす事によって華麗な二足歩行をしているんだよ。
どうだ、歩く姿でさえ私は美しいだろう、天音」
天音は苦笑いである。
「相変わらずだね。
ところで今時間はあるのかい?
せっかくの土曜だから私は光莉と過ごしたかったんだが、残念ながら光莉は聖歌隊の練習で。
私も普段なら馬場で練習なんだがご覧の通り今日は雨だろう。
時間を持て余していてね。
君さえ良ければ私の部屋に来ないか?
光莉にもらった美味しいお茶があるんだ。」
要に友達はいない。
今まで桃実以外の部屋に呼ばれた事なんて唯の一度もない。
何とも淋しいスピカ五大スターだ。
だからその誘いに一瞬戸惑い、私にも友達が出来たんだなと涙ぐみそうになったが、ここは廊下だと、余裕の表情に戻し
「折角の申し出を断るのも悪いからね。
お呼ばれされるとするか。」
長い前髪を右手で流しながら告げた。
「適当に座って楽にしててくれ。」
そう言って部屋の主はお茶の準備をし始める。
要はベッドの上に座り足を組み、天音の手元に目線を移した。
そこには意外や意外、アンティーク調の綺麗なティーカップがあった。
(王子の愛称を持つあの天音君がこんな女の子らしい物をね…)
「君がそんな綺麗なカップを持ってるなんて思わなかったよ。
意外と少女趣味なのか?」
天音は、ん?と首をかしげた後ああこれかと微笑んだ。
「これも光莉から貰ったんだ。
綺麗なカップだから、綺麗な天音先輩に使って欲しいと言われてね。
私なんかよりも光莉の方がずっと綺麗なのに。」
そう言い頬を染めた。
「惚気かい?天音。
君たちはいつまでも新婚気分で幸せそうだな。」
ヤレヤレと言った様子で意地悪な笑みを浮かべている。
「なっ、惚気なんかじゃ…。
まあ良い、お茶出来たよ。」
テーブルにカップを置いて天音は窓の外を見る。
雨はザアザアと吹き荒れている。
空は暗く、人をナーバスな気持ちにさせる。
「雨止まないね」
これ以上雨を見たくなくてカーテンを閉めた。
「おい天音。」
要は先ほどと変わらない意地悪な笑みを浮かべている。
「なかなかこのお茶は美味いじゃないか。
ところで君らの新婚生活、夜の方はどうなんだ?
ちゃんと光莉を喜ばせてあげてるのか?」
こ、こいつは何て事を言うんだ…。
天音は突然の問いかけに驚いた。
「か、要には関係ないだろ?何でそんな事聞くんだよ!」
「そんなに取り乱すなよ、天音。
私はただ君らが上手く言ってるのか心配になって聞いただけだ。
只の親切心さ。」
そこは流石純粋な天音。
そうか悪かったな、と思い、要の横に座りながら呟いた。
「光莉は勿論気持ちよさそうにはしてるんだが…、ほら、私は今までそういう経験をした事がないだろう?
そういった事にも興味がなかったからあまり詳しくなくて。
だからまだ光莉を達せさした事はないんだ。」
消え入りそうな声で呟いた天音は王子という称号を持っていても、とても可愛く見えた。
「なんだ、まだイカせた事がないのか。
それじゃあいつか飽きられてしまうかもしれないぞ。
いいか、天音。
愛とセックスは切り離して考えられる物じゃない。
もちろん愛においてセックスだけが全てじゃないが、満足いくセックスをしていれば普段の生活も上手く行く。
喧嘩も少なくすむ。
その証拠に私と桃実を見てみろ。
私と桃実は1日平均3回はしている。
最低でも1日1回はする。
休みの日は1日中してる時もある。
そして桃実はいつも私のこの舌とゴッドハンドによってイカされてしまうのだ。
最中の桃実は実に可愛いぞ。
頬を真っ赤に染めて『要、おねがい』と自ら私のゴッドハンドを求めてくるからな。
フフフ」
何もそこまで聞いてないのに…と天音は思ったが要の話はまだ終わらない。
「それに加えて私達はリバーシブルだ!!
桃実が私を優しく責めたててくれる日もある。
あの桃実の柔らかな舌が私の体中を舐め回し、いやらしく、時に激しく秘部を犯される時は限りない快感だ。
桃実はああ見えて実にエロティックでね。
私のイく顔が好きだと良く言っている。
まあ私はどんな時でも美しいからな。
フッ、しかしどうも私は口下手で困る。
つまり何が言いたいのかというと天音君、君のために文字通り一肌脱いであげようかという事だ。」
言うやいなや天音をベッドの上に押し倒した。
天音はこの急展開に頭がついていかない。
この惚気のよーなエロ話がいつまで続くのかと鬱蒼とした気分になっていた所いきなり押し倒されたのだ。
「え…要?」
呆けた声が出た。
天音の腕を押さえつけながら要が耳元で囁く。
「ハハ、まだ分からないのかい天音君。
光莉をどうやって責めたら良いのか良く分かっていない君に私が体で教えてあげようと言っているんだよ。
こんなサービス、友人である君だけだよ」
天音は考えた。
これは光莉を裏切る行為になるのではないかと。
しかし、光莉を気持ちよくさせたい。
光莉のもっと乱れた姿を見たい。
光莉を快楽の絶頂に導きたい。
そのためには自分に何が足りないのか天音自身分かっていた。
そう、経験だ。あと知識。
知識は自分で補える部分ではあるが経験は一人では無理だ。
もう答えは出ている。
「仕方ない。
背に腹は変えられないからな。
光莉のために、君に教えてもらう事にするよ。
君が経験豊富なのは周知の事実だしな。
ただしこれはあくまで…その、そう。
勉強だからな。」
天音が言い終わるのを待たずに要は服を脱がし始めた。
要の服の脱がし方は上手い。
部屋の中なのでジャケットは脱いでいたものの左手だけでブラウスのボタンを外し簡単にはぎとられてしまった。
その間右手は太ももへの愛撫が行われ、舌は形の良い耳を舐め続けていた。
「う…んぅ…」
思わず天音の吐息が漏れる。
「いいかい、天音君。耳はただ舐めれば良いというわけではない。強弱をつけて
軟骨をなぞり耳たぶを齧る。時に優しく息を吹きかけ愛撫する。こんなふうにね。」
「あっ…!」
「フッ、案外良い声で鳴くんだね。
行為の最中で解説をはさむのも無粋だし、君は体で覚えてくれたまえ。」
そうしてスカートも脱がされた天音は今は下着姿。
いつ脱いだのか要はもう全裸だ。
要の身体は美しい。
胸は特別大きいわけではないが全身引き締まっており、足が長く、美脚。
加えて色も白く肌もキメ細かい。
普段は意識した事がなかったが実に美しい。
天音は思った。
要は危険だ、と。
天音がボンヤリとそんな事を考えてるうちに要は既に臨戦体勢に入っている。
要が天音に覆いかぶさり耳元で囁く。
「天音君はどこが感じるんだい?ここかな?」
左手の指先でなぞるように天音の首元を撫でる。
そのまま指は下に降りていき全身を触れるか触れないかの微妙なラインで撫でられる。
「あっ…んんっ、ん…」
焦らされる感覚にまたもや官能的な声が出た。
「君はなかなか焦らされるのも好きみたいだね。
見た目と違い実はMか?
まあ喘ぐ君もなかなか素敵だよ」
全身を撫でながら右手でブラジャーを外す。
天音の豊かで形の良いそれが外気に晒される。
そして要の指先は柔らかい膨らみにたどり着いた。
いきなり強く揉んだりはせずやわやわと膨らみのふもとを触る。
撫でるように引っかくように。
少しずつ力を込めていき、最終的には頂上に辿り着く。
右胸の先端を指で擦り反対は舌で舐めあげる。
時に爪ではじいてみたり、口に含んでみたり。
くちゅくちゅといやらしい水音が聞こえた。
先ほどから天音の声が聞こえない。
もしやと思い要が顔を上げると案の定、天音はシーツを噛んで声を我慢していた。
「天音君、どうして声を我慢するのかな?
気持ち良くて声が出るのはとても自然な事だ。
無理に我慢する事はない。
まさか、この空間には今私しかいないのに恥ずかしがっているのかい?
私達は友達だ。
恥ずかしがらなくて良い。
君の淫らでいやらしく喘ぐ声を私に聞かせておくれ」
要の言ってる事は滅茶苦茶だ。
恥ずかしがるなと言いつつわざと相手の羞恥心をくすぐるような言い方をする。
ベッドの中でも性格が悪い。
「フフ、まあいい。
君を快楽の絶頂に導いてあげるよ。」
要は体勢を変え天音の足と足の間に入り込んだ。
そしてショーツの上から口付ける。
「ちょっ、要!!」
「何だ?」
顔を動かさずに喋るものだから吐息が快感となって天音のソコに届く。
「んんッ!!ぃや、要…下着ッ、越しとはいえソコを舐められるのはちょっと…ッ」
羞恥心と快感で天音の息は絶え絶えになっている。
「そんな事は気にするな。
君はただ快感に身を任せていれば良いんだよ。」
要は優しく微笑んだ。
そしてついにショーツが脱がされる。
戸惑いながらも天音は腰を上げ、足を抜き、顔を真っ赤にしていた。
露になった天音の秘密の花園を見て要が一言呟いた。
「極上物だな。」
意味が分からず、え?と聞き返す。
「いや、最高に綺麗だなと思ってね。
君は自分で見た事ないだろうけれど、綺麗なピンク色で形もシンメトリー。
まだ触ってもいないのに勃起したクリトリスが皮を剥いでとてもいやらしい。」
天音はもう黙る事にした。
これ以上会話を続けると更に恥ずかしい事になる。
大人しく快感に身を任せよう。
しかし、天音が黙ることは出来なかった。
何故ならば。
「ああっ!…んッ、やぁ………はぁ…はぁ…。」
要が快楽の機能しか果たさない種を舐めはじめたからだ。
要はたっぷり唾液を含ませた舌でイヤらしく、そして丁寧に刺激する。
天音の下の口からあふれ出る蜜を舌で舐めとり、突起に塗りたくる。
クチュクチュ、ちゅぷっと音が響く。
そして舌を尖らせ天音の一番敏感な部分をつつく。
「やぁん……だ、要ぇ!!ああっ、もう……」
先ほどから天音の喘ぎは止まらない。
そろそろかな。
そう思った要は両手を天音の胸に伸ばし先端を刺激し始める。
あくまで優しく、時には強く。
軽く触って爪を立てて。
指先ではじき、きゅっとつまむ。
その間も舌は艶めかしく天音の最もイヤらしい部分を責め続ける。
と、その時。
天音の体が今までにない絶頂感に包まれた。
「ああっ、あっ…、んあッ!ダメ、なんかダメ、も、も、もうダメ…!!!!」
最後に一際大きくアアッと声をあげた。
そう、天音は果ててしまったのである。
ようやく要は動きを止める。
そして息を乱しながらぐったりしている天音の手をとりそっと口付ける。
「可愛かったよ、エトワール様」
そう呟いて意識を手放した天音に布団を掛けてあげた。
天音が目を覚ますとそこには既に服を着ていた要が優雅にお茶を飲んでいた。
「私は…どれ位…?」
「30分程かな。」
お互い無言になる。
気まずい。なんだか気まず過ぎる。
天音はそう思ったが何故か要はニコニコしている。
「要?」
「ハハ、天音。
どうだ気持ち良かっただろう?」
だから何でこいつは恥ずかしげもなくこんな事が言えるんだ。
しかし気持ち良かったのも事実。
天音はコクン、と頷く。
要は満足そうな笑みを浮かべ話始めた。
「まあ、私の手にかかれば当然の話なんだがな。
そして今日の君を見て思ったよ。
君、行為の最中余り喋らないだろう?
セックスとは愛とエロス。
相手の羞恥心を刺激してやる事は快感へとつながる。
特に光莉のようなタイプには効くだろう。
君が照れ屋なのは知っているがたまには大胆にイヤらしく言葉責めもしてみるのも良いと思うぞ。
光莉とのセックスが更に気持ち良いものになると良いな。」
「ああ、ありがとう。
頑張ってみるよ。」
なんだか要が優しい。
ずっと、ナルシストで自分大好きで桃実とのセックスと地球温暖化の事しか頭にないのかと思っていたが意外と良いところもあるんだな。
変な奴と思ってて悪かった。
天音がそう思った時。
「あ、そうそう。
今日の事光莉にバラされたくなかったら今度私の言う事を一つ聞く事。
良いね?」
フフフとまた意地の悪い顔で要が耳元で囁いた。
天音は思った。
やっぱり要は危険だ、と。
END
一人でも反応があったので投下させて頂きました。
稚拙な文章で申し訳ないです。
読んで頂けたら幸いです。
442 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/03(月) 23:05:09 ID:DEkgwFmb
意外な組み合わせだけど面白かったです。
>>441 GJです!天音はどう考えてもドMですw
>>441うわああああああGJ!! 良かったよ!
攻められちゃう天音様…(*´Д`)
一日平均3回・・・
最低でも1回ということは5回もする日があるんだな
ステキ!
>>441 GJGJGJ!!
天音様はストパニ屈指の受け属性だと思う
>普段食事も寝るのもお風呂もトイレでさえも、ずっとずっとずっと桃実と一緒にいるため桃実がいないと酷く退屈なのである。
トイレの場面を詳しく願おうか
449 :
441:2008/11/06(木) 00:50:03 ID:jVvkBUxV
うわああああ!!
皆さん感想有難う御座います!!
GJ言って貰えると嬉し過ぎてウハウハしてしましますwww
そして要桃のトイレの部分、詳しく書いたので投下させて頂きます。
450 :
441:2008/11/06(木) 00:51:03 ID:jVvkBUxV
今、要と桃実は要の部屋でくつろいでいた。
「ちょっとトイレ行って来るわね。」
桃実が立ち上がりトイレのドアを開ける。
その後を要がニヤニヤしながら追う。
「何でついてくるの?」
戸惑いながら桃実が問う。
要は自分もトイレの中に入りながらこう言った。
「私は桃実の傍を片時も離れたくないんだ。」
「ちょっと何言ってんの!早く出てってよ!漏れちゃうじゃない」
桃実は尿意が限界にきてるらしく、太腿をこすり合わせながら要をトイレの外に追いやろうとしているが、力では適わない。
「ああ、それも悪くないね。粗相してしまったら私が綺麗に掃除してあげるよ。」
要はいつも通り意地悪な笑みを浮かべている。
「なっ!!」
真っ赤になる桃実。
「それが嫌なら大人しく私の前で排泄するんだな。私はどちらでも良いんだよ。決めるのは桃実だ。」
「っっっ!!」
要はやはり外道だ。
便座に座りパンツを下ろし目に涙を溜めて要を睨み付ける桃実。
トイレの中では桃実が排尿しているシャーッという音が響いている。
要は満足そうに桃実の頭を撫でながら
「良い子だ。やれば出来るじゃないか。どれ。」
スカートをめくろうとする。
しかし桃実は必死に抵抗する。
「要、やだ、お願いやめて。」
それに対し要は更なる意地の悪い笑みを浮かべ桃実の両腕を左手で拘束する。
空いた右手を桃実のスカートに伸ばし、そっとめくった。
桃実の陰部から放たれる半透明な液体。
だがそれが見えたのは一瞬だった。
「なんだ終わってしまったのか。」
残念、といった風に溜息をついた。
桃実は顔を紅潮させながら、怒りからか、それとも恥ずかしさからなのか、全身を震えさせている。
451 :
441:2008/11/06(木) 00:51:45 ID:jVvkBUxV
「桃実?怒っているのか?」
要が問うと桃実はハッキリ答えた。
「当たり前じゃない!!無理矢理オシッコするとこ見られて怒らない筈ないでしょ、要のバカ!!」
要が真面目な表情になる。
「嫌だった?」
「当然!!」
桃実は大きな声を出したからなのか肩で息をしている。
と、要がフハハハハと笑い、桃実の耳元で囁いた。
「バカは桃実だ。嫌だったならこれは何?」
要は桃実の秘裂に右手を伸ばす。
桃実は慌てて足を強く閉じるが間に合わない。
そして要の指がソコに触れた。
その瞬間ヌルっとした液体が溢れてるのを要は感じた。
「桃実は本当にイヤラシイ子だ。嫌だったんじゃなかったのか?まあ、普通の人間だったら恥ずかしくて当然だ。それなのに桃実はここをこんなに愛液で濡らして…私に見られて感じていたんだろう?」
言いながら要は入り口付近を中指で撫で回す。
「あっ…!だめ…」
たまらず、桃実は声をあげてしまう。
「ハハ、やっぱり桃実はイヤラシイな。もうトロトロになっているじゃないか。慣らす必要はないか。」
指を二本、桃実の中に挿入した。
「ああんっ!やぁっ…要、ダメ…」
個室内ではイヤラシイ水音が響いている。
「ダメじゃなくてイイだろう?こんなにクチュクチュと淫乱な音を出しときながらまだそんな事を言うのか。イヤなら止めても良いんだよ?」
「あっ…ああん、要…かなめぇ…イイの、気持ちイイの…!」
「桃実はやれば出来る子だ。それ、ご褒美だ」
要は指を折り曲げ、かき出すように秘部をえぐる。
「ひッ、ひゃあん、ああっ…やぁああっ!」
桃実の喘ぎが変わった。
それは絶叫ともとれる程、激しく、そして卑猥な声だった。
要は桃実と何度も肌を重ねている。
だから知っていた。
桃実がそろそろ達してしまう事を。
452 :
441:2008/11/06(木) 00:52:20 ID:jVvkBUxV
要は桃実に顔を近づけ、瞳を見つめて言った。
「良いよ、桃実。イッてしまっても」
そして唇を塞ぐ。
口内に深く舌を進入させ桃実の舌と絡ませる。
時に激しく、時に緩やかに。
混ざりあった唾液が舌を伝って零れ落ちる。
そしてお互いの唇が離れたその時。
「ああん…!ひゃあっ、イクっ!要、イっちゃうわ!」
桃実の身体が大きくビクンと震え、そして、果てた。
後日。
「桃実!!ついて来ないでくれないか。」
要がこめかみをピクピクさせながら言い放った。
「あら、何言ってるの?私、要と一時でも離れたくないんだもの。」
ここは聖スピカ女学院の廊下。
周囲の人間はまたあの二人の痴話喧嘩かと呆れている。
何故ならここはトイレの前。
要がトイレに行くと言ったら桃実も付いてきたのだ。
これはもちろんあの時の報復。
桃実は満面の笑みを浮かべている。
「ほーら、要。休み時間終わっちゃうわよ。」
そして要を個室に押し込む。
勿論自分も一緒に。
「うわあああ!誰か助けてくれーーーー!!」
要の悲痛の叫び声が響き渡る。
そして二人は次の休み時間まで戻って来なかった。
こうしてお互いがお互いを攻めあって、いつしか二人でトイレに入るのは当然のになってしまったとさ。
END
453 :
441:2008/11/06(木) 00:55:33 ID:jVvkBUxV
エロ長くなくてすいません。
桃実オシッコ長くね?
っていうのは多分勘違いですwww
トイレに行く度えっちするようになったんですね、わかります。
てかこのバカップル大好きwGJです!
しておきながらやられるのを拒む要可愛いw
大の時はどうなってんだ
桃実たん可愛いよハァハァ(´Д`*)
ほしゅ
久々に来てみたら剣城さんラッシュに遭遇できたな。
いいものを見せてもらったよ。
ところで……少し(だいぶ?)前にミアトルの副会長か誰かが剣城さんに
襲われる話があった気がするんだがアレは止まってるのかね?
>>459 そういえばあったな どうなったんだろ?
佐希子さん・・・
あげ
ほす
あげるんあげるんちかるんるん
規制解除されたかな?ほす!
職人様どうしたんですか…
夜蕾は…?
どうしたことだ 保守
夜々スレにSS来てる
このスレ保管庫ないの?
あったけど落ちた
☆
保守
圧縮回避保守
あけおめ保守
古本屋でストパニの同人誌見かけたんで立ち読みしてきた。
いつのかは知らんけど、天音様が要様とちかるんに押し倒される話だった。
天音様はやっぱ受けが似合うね。
保守
未完の作品、多いね……。職人さん、待ってます。
ほす
保守
どうしたというのだ この過疎っぷりは…
スピカスレも落ちちゃったよ…
483 :
名無しさん@ピンキー:2009/02/07(土) 14:09:55 ID:8cMXYevm
夜々*蕾SSの続きはどうなんたんだろ? まだ完結じゃないよね?
スピカスレがあああ
三十一話・初夜
「─…ッ!」
初めての感触に、思わず身震いする。
あっという間に舌を絡められて、その間に夜々先輩の手が直接肌に触れた。
「やっ…」
「…服、脱がしてもいい?」
私が答える前に、すでに夜々先輩は私のパジャマのボタンを一つ一つ外していった。
…き、聞いた意味あるんですか…!?
部屋は真っ暗。
と言っても、やっぱり自分の体を見られるのは恥ずかしい。
ボタンを全部外されて、前があらわになった瞬間、私はとっさに横にどかされたフェザーケットを掴もうとした。
「ちょっと。駄目よ、蕾」
「なっ…だ、だって恥ずかしいです…!」
優しく、だけど力のこもっている手で、それを静止された。
自分の顔はきっと真っ赤だろう。
余裕たっぷりの夜々先輩は、その事を知ってか知らずか、ブラジャーのホックを外しにかかった。
「や、夜々先輩…!」
「なによ」
「もー…駄目です、恥ずかっ…あ…!」
私が言い終わる前に、夜々先輩の指先が胸の先端に触れた。
「…かたくなってる」
「何言っ…ん、んぁ…」
「本当は嫌、なんて思ってないでしょ?体は正直ね」
クスクスと含み笑いが聞こえ、先程まで首に感じていた舌の感触が胸に移動したのに気付いた私は、いきなりの事で思わず声を出してしまった。
「あっ…あ、ん…」
「やらしー……気持ちいい?」
「ん、ん…べ、別にっ…!ひぁ、あっ!」
否定をすれば、今度は甘噛みされて、声が大きく出てしまった。
左手は夜々先輩に手首をおさえられていたので、自由な右手で口をおさえる。
…何、コレ…やばいよぉ…
次々と押し寄せてくる初めての感触に、私は必死にこらえることしか出来なかった。
三十二話・初夜A
抱いていれば分かる、体の震え。
優しくしてあげたい。大切にしたいという想いはあるのだが、どうしても欲が先走ってしまい、体が動くままに行為をしている。
「夜々、せんぱ…ッあぁ!」
かり。と歯をたてれば、この反応。
─…可愛い。
しばらく胸を堪能して、顔をあげると、目に涙をうかべた蕾と目があった。
気持ちいいのか、嫌なのか─……前者であってほしいと願いながら、私は蕾と唇を重ねた。
蕾はすんなりと私の舌を受け入れてくれた。
「…下、脱がしてもいい?」
「……そうやって聞いといても、答えも聞かず脱がすくせに」
「う」
図星。
「………」
「…駄目…?」
蕾の桜色の髪をそっとときながら、頬に口付ける。
ここから先は、本当に同意の上でやりたい。私の欲望を、必死に理性でおさえる。
「…いい、です…よ?」
「蕾…」
「すごく恥ずかしいけど、…や、夜々先輩と、一つに、なりたいし…」
「……可愛い事言うわね」
「な…!べっ、別にいいじゃないですか……って、ちょっ…!!」
蕾の了承も得た事だし、私は蕾の足と足の間に体を入れ、足が閉じないような状態にした。
…こっちの方が、やりやすいし。
蕾が何か言ってるのを無視して、私は早々に蕾のズボンと下着を脱がせ、ベッドの下に落とした。
産まれたままの姿になった蕾を見て、思わず赤面する。
……らしくない。
「夜々先輩…恥ずかしいです」
「大丈夫…すぐに気持ち良くさせてあげるから♪」
「…や、夜々先輩の馬鹿ぁ…!!」
三十三話・初夜B
まだソコには一度も触れていないのに、既に蜜で溢れており、下のシーツをグッショリ濡らしていた。
「蕾…そんなに胸だけで感じた?」
「!?か、感じてなんか…ッ!」
くちゅり。指を這わせただけで、蜜が絡み付いてくる。と、同時に、蕾の体もビクンと反応する。
…そんな官能的な蕾に理性が負けた。とでも言っておくべきか。
私は本能の赴くままに、蕾の秘所に顔を埋めた。
「―ッあ!あっ、んあぁっ…!」
「…蕾」
「や、やだっ…先、ぱ…汚いっ…!」
舌で舐めても蜜はとどまる事を知らないように溢れてくる。
本人は汚いと言ってるけど、どこが汚いのだろう。
ただ―………ただ舐めるだけじゃ物足りないのか、かすかにだが腰をよじらせたり、涙で潤んだ目で私を見つめてくる。
…そろそろ、か。
顔を上げて蕾の唇に口づけようとすると、慌てた顔で私の肩をおさえてくる。
「…なによ?」
「夜々先輩っ…その、くち!…えっと…付いてるんですって!」
「口…?…あぁ、アンタの」
「だーっ!!!と、と、とりあえず拭いてくださいってば!」
側にあった蕾のパジャマで口を塞がれ、私は蕾の手ごと掴んで口元からどける。
「まったく…今からって時に」
「ぅ…だ、だって夜々先輩が……大体、何で先輩だけ服脱がないんですか…」
「何、そんなに私の裸が見たいの?蕾のエッチ」
「だ…!!誰が…ッ!!?」
「黙って」
何かとうるさい唇にはフタをして、その間に右手を蕾の秘所にあてがう。
初めて…という事だったけど、これだけ濡れていれば問題はなさそうだし…蕾も察したのか、私の首に腕を回して私を引き寄せた。
「……蕾」
「夜々先輩…私は、大丈夫ですから」
「………うん」
三十四話・初夜C
「ひぁあぁぁっ…!!ふぁ、あぁっ!」
「…中、キツ…ッ…」
「言、言わなっ…あ!」
いつもの蕾からは想像も出来ない程の甲高い声が私の耳に響いた。
第一関節まではすんなり受け入れてくれたのだが、第二関節まで指を入れると、蕾は苦しそうに声をあげた。
「ふにゃっ…ぐすっ…ん、んっ…ひっく…」
「ごめん…痛い、よね…?」
せめて蕾が泣き止むように。落ち着くように。
私は唇、頬、瞼…いたる所にキスを落とした。
―…大好き、の気持ちを込めて。
…それにしても、いつもは強気な蕾が泣き出すとは思わなかった。
「ひっく…ぐす…夜々先輩…」
「…蕾、大丈夫?…じゃ、ないか…」
「も、もぅ平気です…私、嬉しくて…」
全然平気そうじゃないけど、笑顔を作る蕾がとても愛しくて。私は、空いてる左手で蕾を抱きしめた。
「ん、ん、あっ…ふぁっ…!」
「蕾…」
湿った水音と、蕾の声と、乱れた呼吸。
私たちはお互いの名前しか知らないように、必死に名前を呼んだ。
右手の中指、と、薬指を交互に動かし、蕾をてっぺんまで導く。
パジャマの袖口に溢れ出る蕾の蜜が付いても、気にはならないくらい…私も、蕾も必死だった。
中の蜜が泡立つくらい激しく掻き回し、余ってる人差し指と親指で蕾の自己主張する突起をグッと掴むと…
「―ッ!!や、先ぱっ、だ、だめっ…うぁ、んんっ…!」
「ダメ…?じゃあ…やめる?」
「んくっ…だめぇっ…あ、あぁんっ、何、か…くるっ…!!」
「…蕾…!」
「ひゃっ…あ、あぁあっ!!夜々、先輩ッ!!」
――…大好き。愛してる。
三十五話・Agape-無償の愛-
「…ん」
部屋が明るい。ぼんやりした頭で時計を確認し、ゆっくり間があって、ようやく今が朝の九時だと悟った。
…何だか腰が痛い……とりあえず、服着て寝よ…
……んん?
「〜ッ!!?は、裸―ッ!?」
「うるさいッ!!」
声を上げるのとほぼ同時に、げんこつが降って来た。
痛みで頭をおさえながら振り返ると、目の前には…
…そうか、私…昨日……
「うぉ、おはようございます」
「…うぉ、て何よ」
「う…あ、あの、私…」
「…大切にするから」
「え…?」
「アンタ…いや、蕾の事。やっぱ責任はとらなくちゃ」
クスクス笑いながら、私の耳に口を寄せて来て……
「蕾の処女(はじめて)…私がもらっちゃったし♪」
「〜ッ!!?や、夜々先輩のバカァ!!」
「〜♪」
夜々先輩が少し体を起こし、私に覆いかぶさるようになると、朝一番の温かいキスをくれた。
そのキスが幸せ過ぎて、本当に涙が出そうになったのは、私が夜々先輩に隠す秘密の、最初で最後になりそうだ。
夜を共にした恋人が、朝目覚めのコーヒーを一緒に飲み、甘い時間を過ごす。
…なんて、ドラマや漫画の世界だと思っていたけど。
「ブラックコーヒー飲んだ後キスしないでね。苦いから」
「な、なな何言っ……って、夜々先輩も飲んでるから関係ないじゃないですかぁー!!!」
「うるっさいわねー……はい、おかわり」
「それぐらい自分で…ッん」
何だかここまでくるのに凄く色々考えさせられた事があって、沢山悩んで、泣いて…そして、笑って。
夜々先輩、私は今、一番幸せです。
そして、夜々先輩も私と同じ気持ちで居てくれれば、って。
「…うぇ、やっぱりにがー」
「……夜々先輩」
大好き。
End
490 :
Agape:2009/02/17(火) 20:55:15 ID:Jb40Jot3
ご無沙汰しております。
約三ヶ月ぶり、でしょうか?長らく間を空けてしまい大変申し訳ありません(>_<)
ただの言い訳になると思うのですが、最後に投下した翌日にバイク事故にあい、今まで入院してました…
一昨日帰ってきたので、最後まで投下させていただきました。
今更なんだよ馬鹿が!
おせーよ、はげ!
大変申し訳ありませんでした
夜蕾は以上です。
次からは短い夜蕾をちょこちょこ投下していくと思いますが、またよろしくお願いしますm(._.)m
>>490 おお、大丈夫なのか??
待ってたぜ、こんちくしょー!!GJだ!!!
>>490 事故にあっていたとは、、、、災難でしたね。
命に別状無くて、本当に良かったです。
作品GJでした!次作楽しみにしています。
>>491さん
>>492さん
GJありがとうございます!
想定外の長編になりましたが、お付き合い頂いてホントに感謝感激です(^O^)/
事故った時はホントびっくりしました(゚_゚;
まぁ、命に別状はないし、10-0で相手が悪かったんで(相手の居眠り運転+信号無視)医療費もバイクの修理代も負担していただいたのが不幸中の幸いでした(>_<)
2008年の終わりと2009年の始まりを病院で過ごした不運女ですが、ストパニ熱は冷めず!(笑)
目指せ1日1SS(笑)
何か読んでみたいシチュなどあれば、夜々ちゃん絡みならいけると思うので、是非是非教えて下さい(ノ><)ノ
>>493 長いこと待ってたよ。最後まで甘々ですごく良かったです。
来れなかった理由が事故だったとは……、命に別状がなくて何よりです。
早く元の生活に戻れると良いですね。
一つだけ忠告。今後、性別は書かない方が良いですよ。時には荒れる原因になることもあるから。
バレンタインは終わったばっかだし、夜蕾二人の卒業旅行なんてどうでしょう?
>>490 GJ!
バイク事故に遭われたとの事ですが、大変でしたね。
退院したようですが、あまりご無理をなさらぬよう…
保守
498 :
名無しさん@ピンキー:2009/03/11(水) 22:23:43 ID:3TaMVVae
ストパニの存在は前から知っていたが、昨日アニメを始めて見た。
全26話を10時間一気に視聴・・・
なんでもっと早くチェックしておかなかったんだ!!!!
っと今更後悔orz
所で保管庫ってまだ見れないの?
Shining wayの13話以前の話が読みたいのだが・・・
玉青×渚砂派の自分は非常に気になる
そしてAgape(夜蕾)GJ!
初投稿になります。
静馬×渚砂です。
なんだか少し息苦しい。
でもとってもあたたかくて気持ちいい…
…それでもやっぱり息がしづらくて目が覚めてしまった。
うっすらと瞼を開くと、目の前にあるのはおっぱい。
うーん……
目をこすってもう一度見ても、暗くてもよくわかる。
やっぱりおっぱいだった。
しかもはだけた胸元から色づいた先端が顔を覗かせているではないか。
大きなふくらみが呼吸に合わせてゆっくりと動いているのを見ていると、なんだか口の中が寂しく……
気づいたらもう先端を口に含んでいた。
やわらかくって、ふにふにだ。
口内の感触がなんとも心地よく、それをちゅうちゅう吸ってみる。
なんだかとても幸せな気分。
それにどういう訳か安心する。
吸い続けていると最初より少し硬くなってきた気がした。
舌の上で転がしてみるとよくわかる。
上下に舌を動かすと弾力を持ったそれが引っかかるのだ。
硬いものはほぐしてみたいわけで…
今度は、はむっと歯を立ててみた。
そうやってかみかみしていると、
「んっ…」
と上の方から声が聞こえた気がした。
そういえばこのおっぱいは誰のなんだっけ…?
それにさっきから優しく頭を撫でられているような…
口は動かして感触を楽しみつつも昨晩を思い出す作業に取りかかってみる。
えっと…、昨日はふかふかのベッドの中で静馬様にギュッて抱きしめてもらったら、すごく気持ちよくて安心して…
そのまま寝ちゃったのかな、多分…
…って、
…あれ…?
………
………
「しッ、静馬様あああああああああああッ!」
バッ、と口を離しそのまま勢い余ってベッドからドスンと落ちてしまう。
「な、渚砂ッ?」
パッと明かりがつき、静馬様が駆け寄ってくる。
「渚砂ッ!?だ、大丈夫!?」
は、恥ずかしい、恥ずかし過ぎる…
自分では見えないが顔が真っ赤になっているのがわかる。
恥ずかしくて静馬様の顔を直視できない…
まさか寝ぼけて静馬様のおっぱいを吸っていただなんて…
「…ぁ…ぅ…ふぇ…」
あんまりにも恥ずかしすぎて、混乱して、顔を両手で覆っていると涙がこぼれてきてしまった。
「渚砂…」
そのまま床にうずくまっていると、ふわっと柔らかくて温かい感触に包まれた。
そっと指の隙間から周りを見てみると静馬様に抱きしめられている。
「い…いいん、です、静馬様。私ッ…」
「渚砂…大好き」
「あ、あの…」
「渚砂のおっちょこちょいなとこも、あわてんぼうさんなとこも、みんな大好き」
「静馬、様…」
そう言って静馬様は抱きしめながら優しく涙を舐めとってくれた。
しばらくの間そうされているとなんだか落ち着いてきて、そっと自分からも手を静馬様の背中に回す…。
◇ ◇
「…どう?渚砂。落ち着いてきたかしら?」
二人はベッドに腰掛け、紅茶を飲んでいた。
長い間の抱擁を楽しんだ後、静馬が淹れてくれたのだ。
「あ、はい静馬様…。もう、大丈夫です…」
「良かった、それなら安心だわ」
「それにしても、ホンッとにごめんなさい!あんなことして…それに、こんな時間に起こしちゃって…」
静馬が時計に目をやるとやっと午前一時を過ぎたところだった。
「もう、だから渚砂がそんなに気にすることないのよ?」
「で、でも…」
「……ほら、渚砂。こっちにいらしゃい」
そう言うと静馬はおもむろに服を脱ぎ始める。
「え…し、静馬様?」
「だ、か、ら、おっぱい、恋しかったんでしょう?それにあれだけ人を愛撫しておいて何もなし、だなんてね…」
渚砂の顔がカァッと熱くなる。
「ぁ…ぁ…ぅ…」
「…ほら、いらっしゃい?」
「う…ぁ……しっ静馬様ぁッ!」
バッと渚砂が抱きつき、二人ともベッドの中に倒れ込んだ。
両手で抱きしめながら、ほっぺたを静馬の豊かな胸に押しつけそのどこまでも頬に吸い付いてくる感触を存分に堪能しする。
きめ細かく白磁のような肌を通して心臓の鼓動までもが伝わってきた。
「んっ…静馬様ッ…」
今度は一度顔を離し乳首を口に含んでみた。
甘噛みして、吸って、舌先で転がして、思う存分に味わう。
舌の上でころころと転がしているとクッと静馬の身体が仰け反った。
上を見上げると静馬様が必死に荒い息づかいで声を上げまいとしているではないか。
そんな静馬を見て気をよくした渚砂は吸い寄せられるように手を下腹部に下ろしていく。
あばらからおへそを通り、ふわっとした毛の感触を確かめる。
ふわふわとした柔らかい感触を楽しみ割れ目に指をあてがおうとした…が、突然ぐるっと体勢が逆になってしまった。
目の前に見えるのが静馬様なのは変わらないのだが上下が逆転しているのだ。
「あっ、んんッ」
静馬は何も言わずに唇を塞ぐ。
「んッ、んっふ、ちゅるっ」
すぐに舌が差し込まれ唾液が流し込まれていく…。
「はぁっ…はぁっ…」
どのくらいたっただろうか。
何度も何度も唾液を流し込まれ、散々唇を吸われた渚砂は力なくぐったりと息をしていた。
「…本当に欲張りな子ね、渚砂は。でも渚砂が私を食べようなんてまだまだ早いのではなくって?」
「ぁっ、静馬…様…ッ」
既に攻守は完全に交代してしまっていた。
一瞬で寝間着をはだけられ、間髪いれずに静馬の愛撫が渚砂を蹂躙する。
「あッ、やんッ、んあ…ッ、ああッ、静馬様ぁ!」
指の間で乳首を捏ねられればたまらず声が漏れてしまい、またそれは静馬を興奮させるスパイスにしかならないのだった。
今度は左右から寄せて、下から持ち上げる様に胸全体を揉みしだく。
上げて、寄せて、ときには上から押しつぶしてみる。
いくら力を入れても自在に形を変えて指の間に吸い付いてくる感覚に酔いそうになりながらも、静馬は乳首への愛撫を再開した。
軽く乳首にキスを落とし、さっきのお返しとばかりに適度に転がしつつも、何度も何度も吸ってやった。
「やッ、ふぁんん…あうぅッ」
ちゅっ、ちゅっ、と乳首への刺激は続けながらも、静馬の右手はだんだんと渚砂の下半身へと下っていく。
可愛いおしりをふにふにと堪能した後、寝間着の上から渚砂の秘部に手を当て、ぷるぷると震わせてやる。
「ひゃぁッ、ふ、ふぁんッ」
「ほら渚砂?服着たままだと汚れちゃうわよ?」
「あっ、やっ、やあッ」
観念したように渚砂が腰を少し浮かすと一瞬で寝間着と下着が抜き取られてしまった。
外気に晒された渚砂の秘裂にすぐに静馬の指がつぷ、と進入してきた。
「ひゃうッ、だ、ダメェッ、静馬ッ、様ぁッ」
突然の強烈な快感に喘ぐ渚砂を横目に静馬は一気に奥まで貫いた。
「ひぃあッ、あぅッ」
あまりにも強い快感に耐えられそうもなく、腰を引いて逃れようとするのだが、
いくら腰を動かしても静馬にしっかりと押さえ込まれており逃がしてはくれない。
「ああ、あうッ、ひあぁ!」
中で指を動かされる度にどうしようもない快楽が身体中を駆け巡る。
とろとろと溢れ出てくる愛液はとどまることを知らず、腰もがくがくと痙攣し始めた。
「どう?気持ちいい?渚砂。もっと?」
「あ、あんっ!い、いきなりッ、激しっ…あ、あぅ、あぁっ」
静馬は指の動きを早める。
渚砂のまだ生えかけの若草をかき分け、親指の腹で淫核をこすってやる。
「あ、あッ、きゃううッ!」
足が宙を蹴り、ビクンと大きく身体が跳ねると同時に、きゅっと静馬の指が締め付けられる。
絶頂の快感に意志に反して繰り返し跳ねてしまう渚砂の身体を静馬は上から優しく身体で押さえつけてやった。
「は、はぅぅ…」
押し寄せていた波に耐えきり、ゆっくり目を開けてみると既に静馬様の顔が眼前に迫ってきていて、
ちゅっ、とキスされた。
「あ、静馬様…」
「ふふっ、渚砂。可愛かったわよ?」
「ゃ…恥ずかしいですよぅ…」
荒い息づかいをしながらくたっと横になっている渚砂に微笑みかけ、静馬も隣に横たわった。
顔にかかっている髪の毛を払ってやると、ちょっとためらいながらも身体をすり寄せてくる様子が何とも可愛らしい。
思わずぎゅっと抱きしめ、額にキスすると渚砂からも手を回してきた。
「…わ、私も大好きです…静馬様のこと…」
「私もよ。…何度でも言うわ、愛しているわよ。渚砂。」
「静馬様…」
あまりに幸せで思わず涙が零れてしまいそうになり、静馬に回している手に力を込め顔を押しつける。
「もう、渚砂ったら…。それより早く眠った方がいいわよ?二度寝は朝がつらいわ…」
「はい…。おやすみなさい、静馬様…」
「ええ、おやすみ、渚砂…」
急に行為の疲労と睡魔に襲われ、静馬の温かく柔らかな身体を全身に感じながら渚砂は眠りに落ちていった…。
翌朝、二人とも起きることができずに寝坊してしまったのは言うまでもない。
以上です。
夜の妙なテンションで気づいたら静渚の妄想をssにしてました。
作者はアニメの方も去年やっと見た新参です。
変なところがあったりしたら、言ってもらえれば嬉しいです。
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。
506 :
絆奈×千華留:2009/03/23(月) 23:09:42 ID:zrOaOXJM
「……はぁ、退屈だわ…」
この日千華留は授業中に体調を崩し保健室で休んでいた。
担当のシスターに診てもらった所、軽い風邪らしい。もうすぐ千華留の大好きな部活の時間なのだが、
可愛い妹達に風邪をうつす訳にはいかないし…そもそもこの体調では行けそうにも無かった。
だが退屈がなにより嫌いな千華留は、体調が悪くてもベッドの上でただ横になっている事はやはり性に合わなかった。
「あーぁ…どうして風邪なんか引いちゃったのかしら…
今日の部活…私がいなくたって絆奈ちゃんも檸檬ちゃんも籠女ちゃんも、3人で楽しくお話したりして…はぁ…」
いかにも退屈そうな表情をし、ベットの上でそんな事をぶつぶつ言いながら下校時間を待っていると、
「千華留お姉様ー!」
「千華留様、大丈夫ですか?」
「お姉様…?」
ガラガラッ―と扉を開けながら、妹達が千華留の寝ているベットへと駆け寄ってきた。
「きっ、絆奈ちゃん、檸檬ちゃん、籠女ちゃん?どうしてここに?まだ部活の時間は始まったばかり…」
「千華留お姉様がお風邪で保健室に運ばれたって、もうル・リム中の噂ですもん!」
「ですから今日は部活はおやすみして、3人で千華留様のお見舞いに来たんです。」
「お姉様…お風邪……だいじょうぶ…なの…?」
「みんな…」
可愛い妹達が自分を優先してお見舞いに来てくれた。
千華留は先程までの退屈そうな表情から一転し、感無量の笑顔を向けて3人を腕の中に閉じ込めた。
「ありりがとうっ!嬉しいわ…」
しかし自身が風邪を引いていることを思い出しすぐに3人から離れる。
「えへへ…お姉様、私達今日の部活は千華留様の看病をすることにしますね!」
「あらあら…可愛い看護師さんね♪どんな看病をしてくれるの?」
絆奈はうーんと考えた後ここう言った。
「じゃ、じゃあずっと千華留お姉様のお話相手になります!」
今の千華留には一番最適な看護だった。病気の看護よりも、ベットの上の退屈の看護をしてくれた方が助かると心から思った。
――それから三十分程、千華留は3人…と1匹とのお話を楽しんでいた。
507 :
絆奈×千華留:2009/03/23(月) 23:12:54 ID:zrOaOXJM
いきなり保健室の扉が開かれると、シスターが顔を覗かせた。
「夏目檸檬さんと…白檀籠女さん?いるかしら?」
「えっ…あ、はいっ。今行きます。…絆奈ちゃん、またね」
「あっ…う、うん…またね、檸檬ちゃん、籠女ちゃん」
シスターに呼び出され、保健室には千華留と絆奈だけが残されてしまった。
「行ってしまったわね…2人とも」
「そうですね…」
「絆奈ちゃんも無理しないで、今日はもういちご舎に帰ってもいいのよ?」
「…千華留お姉様」
「…どうしたの?絆奈ちゃん」
絆奈は深刻そうな、緊張したような顔で千華留を見つめる。
「実は…千華留様の看病をするって、本当はお話しじゃないんです」
「え…?」
「檸檬ちゃんとも話し合っていたんですけど、風邪って人にうつすと早く治るって言いますよね?
だから絆奈達、早く治る様に千華留お姉様の風邪を貰っていっちゃおうと思って…」
話が読めない。妹達は何をしようとしていたのか?
まだよく分からないが、自分の風邪をうつさせる訳にはいかない。
「そんな事する訳にはいかないわ。絆奈ちゃんや檸檬ちゃんが苦しむ姿は見たくないもの…。
…でも風邪を貰っていくって、どうやってするつもりだったの?」
「それは…」
絆奈は千華留のベットに乗ると、上半身を起こして座っている千華留と向き合う。
「えへへ…千華留お姉様、動かないでくださいね?」
絆奈はそう言いながら千華留の両手を自分の手で捕まえる。
口はきけども、風邪で弱っている千華留は3歳年下の妹の力だけで抑え込まれてしまう。
「ま…待って絆奈ちゃん…ダメよ、本当に風邪がうつってしまうわ…」
「じゃあ……お姉様が好きだから、じゃだめですか…?」
「えっ…き、絆奈…ちゃん…?」
わずかな抵抗も絆奈の言葉で封じ込められてしまったと同時に、小さく柔らかな感触が千華留の唇に触れた。
絆奈は最初は唇を当てていただけだったが、暫くすると少し唇を開き、その隙間から舌を千華留へと入り込ませていく。
その動きは子供らしく恐る恐るで小さい動きではあるが、熱で思考がうまく働かない千華留の理性を揺るがすには十分なものだった。
508 :
絆奈×千華留:2009/03/23(月) 23:14:29 ID:zrOaOXJM
(だめ…だめよ、今こんなことをしては絆奈ちゃんに風邪がうつってしまうだけなのに…
だけど絆奈ちゃん…私も絆奈ちゃんのことが…)
絆奈に風邪がうつってはいけまいと自分からはキスをしまいとしていたが、その内千華留の理性は熱に支配されれてしまった。
千華留は自分の口の中を動き回る絆奈を絡めとり、絆奈への思いを込めながら舌への愛撫を始めた。
「んっ…ふぁ…、おねえ、さま…」
需要があれば続k
続け
スノウとドロシーか
続きキボン
年下の絆奈ちゃんに攻められちゃう千華留様だとッ
続きが楽しみです!
最高すぎる
新作読ませてもらいました。どっちも乙です。
このスレの流れもなんだかんだで面白いと思う。
職人さんが現れる。と、長い冬の時代を交互に繰り返すあたりが。
保管庫が死んだころからずっとその繰り返しな気がする。
514 :
絆奈×千華留:2009/03/28(土) 01:14:21 ID:UVvypeQV
ひとしきり絆奈への愛撫を続けた後、唇を離した千華留は絆奈と再び向き合う。
絆奈の顔は上級生からの卓越としたキスを受けてか、頬は赤く染まり恍惚としている。
「……もうきっと絆奈ちゃんの体には私の風邪菌がたくさんうつってしまったわ。早くお帰りなさい…。
帰ったらうがいをして、晩ご飯をしっかり食べて、夜はちゃんと消灯時間に眠ること。
今の絆奈ちゃんに出来るせめてもの風邪対策よ。これ以上私なんかには何も気を遣う必要は無いから…」
その言葉を聞いた絆奈は正気を取り戻し、真剣な目つきで口を開いた。
「…嫌です…絆奈は、千華留お姉様が苦しそうにしているお姿を見る事の方が辛いんです!」
そう言い放ったと同時に勢いよく千華留を押し倒すと、制服のリボンに手をかける。
「絆奈ちゃん!?何を…」
「ねえ千華留お姉様…風邪ってお熱が一番まで上がると、そのあとは下がり続けるんですよね?
なら絆奈が千華留お姉様のお熱を一番高くしてあげます…」
その解釈は間違っているんじゃ…と考えている内に、絆奈の手は既に制服へと手がけられている。
リボンをほどき、順次良く制服を脱がされ――段々と千華留の真っ白な素肌が垣間見えていく。
千華留は段々と暴かれていく体に羞恥を感じ始め、うまく働かない体を動かし抵抗するがやはり絆奈に押さえ込まれてしまう。
「だめですっ、千華留お姉様は安静にしていて下さい!」
「だ、だって…そんな…」
やがて露わになった胸が目に入ると絆奈は少し迷ったが、片手で下着の上から柔らかな膨らみをそっと揉み始めた。
「あぁっ……」
「わぁ…千華留お姉様のお胸…大きくてとっても柔らかくて…、絆奈羨ましいです…。」
自分よりずっと大きさの違う膨らみを見、絆奈の胸はドキドキと音をたてる。
515 :
絆奈×千華留:2009/03/28(土) 01:28:48 ID:UVvypeQV
下着をも脱がすと淡いピンク色の乳首が顔を覗かせ、絆奈が人差し指でそれに触れてみるとそこはツンと固くなっていた。
それを見て嬉しくなった絆奈は千華留の胸に顔を近付け、先端を口に含めぺろぺろと舐め始める。
「ひゃうっ……!んっ、んぅ…」
―千華留はもうその頃には抵抗する力も入らなくなり、ただその身で絆奈の行動を受けとめていた。
与えられる快楽と絆奈の行動に、熱で元々少し赤かった顔が蒸気を放つくらいに赤く染まり、熱い息を漏らしている。
顔を染めながら声を我慢している姿が愛おしくて…絆奈は抵抗しなくなった千華留の腕から手を離し、もう片方の胸を揉みしだく。
「千華留お姉様ぁ……お身体熱くなってきましたか…?」
「あんっ……やぁ…くわえたまま話しちゃ…っ…」
「もうちょっとかな…失礼します、千華留お姉様」
「えっ…」
そう言われた瞬間、下半身から刺激が走る。絆奈の手は千華留のスカートの中へと潜り込み、布の上から秘部に指を当てていた。
「…あっ…」
「触っても…いいですか?」
「……はぁっ…絆奈ちゃんになら…」
もう絆奈を止められない…その事は千華留も分かっていた。絆奈も最初こそ心配の気持ちからだったが、千華留に触れていく内にもっと千華留に触れたい、感じてほしいという欲望が絆奈の中で浮かび上がってきていた。
絆奈はゆっくりと薄い布の下に指を入り込ませ、秘部へと触れていく。
「きゃんっ!っあ、んんっ…」
「お姉様…気持ち良いですか?」
「あぅっ…はぁ…、はぁッ…絆奈ちゃ…ん……」
既に濡れていた秘部はクチュクチュといやらしい音をたてながら絆奈の指で形を変える。
快感に耐えられず、千華留は自分に覆い被さっている絆奈の体を強く抱き締める。
「っ…お姉様…」
516 :
絆奈×千華留:2009/03/28(土) 01:37:17 ID:UVvypeQV
絆奈の指は千華留から溢れ出る愛液に纏われぬるぬると滑りの良いものになり、
その指が膣内へと進んでいくと―千華留の声は一層甘味をおびたものに変わっていく。
「あぁんっ!ぁっ…んあぁっ…」
「千華留お姉様のここ…すっごく熱いです」
「やぁっ…そんなっ、…あっ、ふあぁっ…!」
絆奈が指の抜き挿しをし始めると千華留の体がビクビクと震えだす。
千華留は自分の喘ぎ声が廊下に漏れないように出来るだけ口を閉め我慢していたが…もう限界だった。
絆奈の与える快楽に、もはや自分の力では自然と漏れ出る声を制御出来ない。こんな事をしても絆奈はまだ14歳のお子様なのだ。その辺の気遣いには疎い―
「…おねがい…キス、して…絆奈ちゃん…」
「はい…千華留お姉様…」
そう言って絆奈に唇を塞いでもらった。
自分より少し小さい唇は少し頼りないが、優しい舌使いから絆奈の気持ちが伝わってくるのが分かる。
絆奈の指が小さな固まりに触れると、自分の口の中で千華留の苦しそうな声が響く。
「ん、んんッ、うぅ…っ!」
千華留お姉様って、ここが弱いのかなぁ…?と思った絆奈は抜き挿しに加え、余った指でその固まりを刺激してみる。
自分を抱き締める千華留の力がより強くなり、絆奈は身動きが取れなくなったが
反射的に秘部に当てていた手に力が入ると小さな固まりを押し潰し、指は膣内のずっと深い地点に入り込んでしまった。
「っぷは…あぁっ、き、絆奈ちゃぁあん!」
朦朧とする意識の中、これにはたまらず口を離した千華留は、限りなく甘い悲鳴を上げながら果てて行った――
517 :
絆奈×千華留:2009/03/28(土) 01:44:41 ID:UVvypeQV
―翌日、絆奈のお陰なのかはよく分からないが千華留の風邪は一晩で治ってしまったようだ。
しかし当の絆奈はやはり千華留の風邪がうつってしまい、学校を休み寮のベットの上で横になっていた。
ベットの隣には心配そうに絆奈を見つめる千華留がいる。
「千華留お姉様〜、絆奈は大丈夫ですから、学校へ行ってください〜…」
「あらあら、病気で苦しんでいる絆奈ちゃんをほうって学校なんて行けないわ。それに元はと言えば私の風邪が原因なんだし…
今日一日は絆奈ちゃんの看護をさせてちょうだい。そうしないと私の気が済まないのよ。ね?」
「…あ、ありがとうございます…、それと…千華留お姉様…昨日はごめんなさい…絆奈、あんな事しちゃって…」
「…ふふ、私が弱っているところを襲うなんて、絆奈ちゃんも意外とオオカミさんなのね♪」
ニッコリと笑ってそう言うと、絆奈は慌てて反論した。
「ぇえっ!?ち、違いますよぉ…」
「冗談よ、じょーだん♪私の為にしてくれたのよね?謝らなくていいのよ。凄く嬉しかったんだから…。
「千華留お姉様ってば…」
「そういえば絆奈ちゃんに一つ聞きたいことがあるんだけど…今聞いても大丈夫かしら」
「もちろんですっ…何ですか?」
「昨日私のことを好きって言ってくれたのは本当?」
「…えっ…!…あっ、…その…えっと……///」
昨日言った事を思い出して絆奈の顔はまた赤くなる。恥ずかしくて言葉が出てこない。
「聞かせて、絆奈ちゃん…」
そう聞く千華留の顔はいつもの笑みを湛えているが、少し心配そうな表情をしていた。
早く言わないと千華留が傷付いてしまう、と察した絆奈は一度呼吸をしてから口を開いた。
「本当です…絆奈は、千華留お姉様のこと…大好きです」
「絆奈ちゃん…良かった…っ!」
「わわっ、千華留お姉様、またお風邪がうつってしまいますよお!」
千華留はそんなことには全く気にしない様子で、抱き寄せた絆奈の顔にすりすりと頬ずりをする。
「絆奈ちゃん…絆奈ちゃんのお風邪が治ったら、また昨日みたいにたくさんキスをしましょうね♪」
「…はいっ、千華留お姉様…」
―他にも絆奈ちゃんがまだ知らない事をたくさん教えてあげるわ、なんて言ってみたが、絆奈はあどけない表情で返事をしただけだった。
FIN
投下完了です
三人×が面倒になって絆奈のみになったので細かい事は気にせずに読んでくれると助かるorz
>>518 なんだろう、千華留お姉様がまだ二年生の絆奈ちゃんにイカされる、っていうシチュにすごく興奮してしまった
GJ !
>>518 攻められる千華留様・・・素敵ですわー!!GJ!!
保守
圧縮回避保守
とりあえず保守
524 :
名無しさん@ピンキー:2009/04/15(水) 10:28:41 ID:Fb1HJ0LO
保守あげ。
玉青ちゃん、誰もいないね。
渚砂ちゃんを独り占めできるから無問題ですわ〜
渚砂は私のものよ、涼水さん
このスレでは私のほうが優勢ですわ〜
どっちでもいいから、はよ渚砂と犯ってください
保守
圧縮回避
以前は静馬さまやチカルさまなどのおねいたまキャラが好きだったのに、最近は渚砂がすごい好きだ。特に髪をおろした渚砂が最高!俺の妹になるがいい!
特に髪をおろした渚砂が最高!
この一点だけは同意できるよ。
「玉青ちゃん?どうしたの?」
「も、もう我慢できませんわ・・・。」
「ふぇ?」
「渚砂ちゃん!」
「な、なに?」
「いつになったら犯らせてくれるんですのー!」
「人がいないんだから仕方ないよ。玉青ちゃん保守」
保守
保守
カーテンの隙間から心地よい朝の日差しが入り込んでくる
ここアストエラ寮、通称いちご舎でもいつもと変わらない朝が始まろうとしていた
ただ一つを除いて・・・
「渚砂・・・渚砂、朝だよ」
渚砂が誰かに起こされるのもいつもの風景
「う〜ん、あと5分〜・・・」
この台詞もいつもの風景
「まったく・・・困った子だな渚砂は」
そう言うと、まだ夢見心地な渚砂の口元にそっと顔を近づけ・・・
ちゅっ
「ん・・・ふぇ・・・」
「ふふ、やっとお目覚めかい。眠り姫さん」
眠れるお姫さまは、王子のキスで目を覚ます
「あ・・・ああ天音さまぁーー!?」
「おはよう渚砂。今日もいい朝だよ」
いつもと少し違う、アストラエアの一日が始まろうとしていた
続かない
続かないのかよ!
本当は続いてるけど、読み返したらなぁにこれってなったから封印した
1スレ目の
>>2を思い出したよ。続きがあるというのも怪しい。
「ど、どうして天音さまがここに?」
「どうして?おかしなことを聞くね。私たちはルームメイトじゃないか」
「る、ルームメイトォ!?」
本日二回目の絶叫がいちご舎をつつんだ
「ルームメイトって・・・その・・・私はミアトルで・・・天音さまはスピカで、学年も違うし・・・それに玉青ちゃんは・・・」
部屋を見渡しても涼水玉青、本来の渚砂のルームメイトの姿はどこにも見当たらなかった
「玉青ちゃん?ああ、渚砂の友達の。あの子は別の部屋だけど」
「で、でも、私のルームメイトは玉青ちゃんのはずじゃ・・・」
「今日の渚砂は少し変だよ」
「渚砂が転学してきた時、人数と部屋の関係でミアトルにあいている部屋がなかったから、スピカでルームメイトがいなかった私の部屋に入ることになったじゃないか」
「転学してきた時・・・って・・・」
「やっぱり、今日の渚砂は少し変だな。うん、ちょっとそこに座って」
言われるがままに自分のベッドのはしにちょこんと座る渚砂
これから何が起きるのかわからないという不思議な顔をしている
そんな渚砂の前に天音はそっとかがみこみ
「あ、あの天音さま・・・お顔が・・・」
そっと額と額をあわせた
「う〜ん、熱はないみたいだね」
(天音さまのお顔がこんなに近くに・・・とってもきれいで・・・りりしくて・・・)
「でも顔も赤いし、念のため今日は休んでおいた方がいいかな」
「えっ、私なら大丈夫ですよ」
「風邪の前兆ってこともあるからね」
「日ごろの疲れが出てるのかもしれないし、一日、ゆっくり休んでくれないかい」
「・・・そこまで言うなら・・・わかりました」
素直にうなずく渚砂
まだ頭の整理も終わっていないし、今のこの状況がどうなってるのかも考えなくてはいけない
それなら一日ゆっくり寝ながら考えるのもいいかもしれない、渚砂はそう思っていた
「それじゃ私はシスターに連絡してくるから。ゆっくり寝てるんだよ」
そう言って天音は部屋をあとにした
うん、続きはこんなんなんだ
ノリで書いてたらこんなんになったんだ
>>542 良いじゃん!わっふるわっふる
ただ、アストラエアな
>>543 言われるまで気づかなかった
残された渚砂は一人考える
どうやら自分の物は特に変わっていないらしい
机も他のものも全部そのままのようだ
変わっているのは・・・いつも玉青ちゃんがいた場所に天音さまがいること
「はぁ・・・何がどうなってるんだろう」
まるで自分ひとりだけが別世界に迷い込んだような、そんな感覚だった
今は天音さまの言うとおりゆっくり休もう・・・もしかしたらまだ夢を見てるのかも・・・
そう思い、渚砂は2度目の眠りに落ちていった・・・
・・・・・・・・・・・・
「う〜ん・・・もう朝ぁ・・・?」
眠い目をこすりながら時計の針を見てみると、その長針はちょうど12時をさしていた
「ねっ、寝坊したー! もうなんで起こしてくれなかったの玉青ちゃ・・・」
そこまで言いかけて、今の自分の状況を思い出す
(そうだ・・・今は天音さまがルームメイトになってて・・・今日はお休みしたんだ)
ぐうぅ〜
(そういえば今日はまだなんにも食べてないや・・・)
ちょうどその時、ドアの向こうから声が聞こえてきた
「渚砂、起きてるかい?両手がふさがってるから、ドアをあけてほしいんだけど」
「あっはい、今あけます」
「ありがとう。渚砂はご飯まだだよね。もってきたから、一緒に食べよう」
「わぁ、わざわざありがとうございます」
「気にする事ないよ。 ・・・ん?渚砂、少し汗かいてるんじゃないかい」
「えっ」
言われてみれば少しべたべたする
まだ夏本番ではないとはいえもう6月、ずっと布団に入っていれば汗もかく
「だめだよちゃんと汗はふかないと。本当に風邪を引いたら大変だ」
「ご、ごめんなさい・・・」
「うん、それじゃあご飯の前に着替えておいた方がいいね」
「そうですね、じゃあ着替えて・・・」
そう言って着替えにいこうとする渚砂を
「あ、まって渚砂」
天音はそっと呼び止めた
「はい?」
今度はなんだろと頭の中に?が浮かぶ
「今日一日は私にまかせてくれないかい」
「はい?」
さきほどとは違うニュアンスの返事。渚砂には天音の言っていることの意図が理解できなかった
「渚砂は今日一日休むこと。身の回りのことは、私がするよ」
「え、ええっ!? それって・・・その・・・お着替えも・・・」
恥ずかしさと天音に対する感情からか、顔がどんどん赤くなっていく
「そうだね。ほら、ベッドに座って。タオルと着替え持ってくるから」
(天音さまが着替えさせてくれる・・・それって、天音さまが私の身体を見て、それから・・・)
少女の妄想は止まらない、本当に風邪を引いてしまったように赤く紅揚している
「よし、それじゃあまず身体を拭こうか」
天音が渚砂の前に戻ってくる、それだけで渚砂の心は飛んでしまいそうだった
「はずすよ・・・」
渚砂のパジャマのボタンに手をかけ、ぷちっ、ぷちっ、と丁寧に一つずつはずしていく
「あっ・・・・・・」
瞬間、淡いピンク色のパジャマに隠されていたやや小ぶりだが形のいい2つのふくらみが天音の前へと現
れた
「だっ、だめ・・・やっぱり私恥ずかしっ」
腕を胸の前で組み、必死に隠そうとする
「渚砂・・・大丈夫だよ、ね?」
渚砂を安心させるように優しい笑顔を浮かべる
その笑顔は、スターではなく聖母のその顔だと渚砂は感じた
「うぅ・・・わかりました・・・」
組んでいる腕をはずしていく。天音に全てをゆだねるように
パサッ・・・と渚砂の肩からパジャマが落ちる音がした
「じゃあ、拭くよ」
天音の持つ純白のタオルが、渚砂の緊張をほぐすように、優しくゆっくりと白い肌をはっていく
肩から腕、手のひら、指の先まで丁寧に
渚砂はただぼうっとその姿を見ているだけだった
(天音さまに身体を拭いてもらってる・・・スピカの人たちが見たらどう思うかなぁ・・・そういえば光
莉ちゃんとか夜々ちゃんはどうしてるんだろう)
そんなことを考えていたその瞬間
「ひゃっ!?」
「あ、ごめん渚砂。いたかったかい?」
「だ、だいじょうぶです・・・」
いつのまにか天音のタオルが胸のところまで動いていた
(あぅ・・・意識したら急に恥ずかしく・・・)
そんな渚砂の気持ちを知ってか知らずか
タオルはかわらず渚砂の敏感な部分に触れ続け
(だ、だめ・・・そんなにされたら・・・私・・・)
小さく存在を主張する突起が天音の手の中で踊る
「ん・・・あっ・・・そこ・・・」
ついに耐え切れなくなり口から吐息がこぼれ
その声に満足したのか、天音の手はさらに渚砂の感じる場所をせめる
胸全体をやさしくつつみ、赤ん坊が吸うように乳首を優しく強く、強弱をつけ指先でつまむ
「はうっ・・・天音さまぁ・・・」
「渚砂・・・」
2人の視線が交わる
引かれあう磁石のように2人の身体は重なり合い・・・少女達の夢と恋はこの時――永遠になった
・・・・・・・・・・・・
カーテンの隙間から心地よい朝の日差しが入り込んでくる
ここアストラエア寮、通称いちご舎でもいつもと変わらない朝が始まろうとしていた
ただ一つを除いて・・・
「渚砂ちゃん・・・お・き・て♪」
「う〜ん・・・あと5ふぅん・・・」
「もう、渚砂ちゃんったら困った子ね、そんな子にはイタズラしちゃうわよ」
そう言うと、まだ夢見心地な渚砂の口元に近づき・・・
ちゅっ
「ん・・・ふぁ・・・」
「フフ、やっと起きたわね。お寝坊な渚砂ちゃん♪」
眠れる少女は、聖母の優しい微笑みの中目を覚ます
「ち、ちち千華留さまぁーー!?」
「おはよう渚砂ちゃん。今日もいい朝よ」
「ど、どうなってるのーー!?」
いつもと少し違うアストラエアの一日がまた始まろうとしていた
終わり
なぁにこれ、な続きでした
うまくかけないから誰か渚×天音かいてー!
>>549 GJ!!天渚萌えます
最後の千華留×渚砂も気になるw
「退屈ね」
聖ル・リム女学校、授業も終わり生徒達も各々自由な時間をすごしているとき
ル・リムの聖母こと源千華留は暇を持て余していた
いつもなら可愛い天使たちと一緒に部活動にいそしんでいるところだが
今日は生憎宿題がたくさん出たらしく必死に勉強中らしい
やることがない
自分の宿題は終わっている
新しいコスプレの衣装を作るのもいまいち気乗りしない
夕暮れの教室に一人、窓際の席で物思いにふける少女
切り取れば一枚の美しい絵になりそうな状況だった
「ようし!暇つぶし部結成!」
・・・・・・・・・
当然誰も何も反応しない
今この教室には千華留一人しかいないのだ
「・・・・・・・・・・・・」
はっと、急に何か思いついたのか廊下に出てあたりをきょろきょろと見回す
念のため他の教室にも誰もいないことを確認する
「よしっ」
ガチャンと教室のドアに鍵をかけ、とことこと自分の席へ戻る
すると突然、バタッと机に倒れるように突っ伏した
「ふぅ〜」
アストラエアでは無作法で恥ずかしいとされている行為
ましてやそれをしているのがル・リムの聖母にして生徒会長である源千華留だと知れたらどうなるだろうか
人は禁忌に惹かれる。それは千華留も例外ではなかった
「・・・・・・・・・・・・」
突っ伏した格好のまま窓の外を見てみる
夕日がまぶしい
ただ座っているだけのときとは見える景色そのものが違っていた
まるで世界に自分一人しかいないような錯覚に陥る
「それは・・・さみしいわね」
"さみしい"
そんな事を考えていた自分に苦笑する
そう、もう私は一人じゃさみしくて仕方ないのだ
千華留のまわりにはいつもいろんな人がいる
絆奈ちゃんに檸檬ちゃん、籠女ちゃんにスピカやミアトルのみんなも
そんな毎日が楽しくて、幸せで、いつまでも続けばいいと思ってしまう
だが現実は違う、5年生である千華留がル・リムにいられるのもあとわずか
卒業はすぐそばまできている。卒業・・・別れが
「いっそ、ル・リムの教師か・・・シスターにでもなろうかしら」
それもいいかもしれない
ああでも、私がそうなるころには絆奈ちゃんたちも卒業しちゃってるわね
そこまで考えはっとする
みんなを頼っているのは私の方なんだ、と
何か行動するにしても、いつもどこかに絆奈達の姿がある
「本当・・・どうしようもないほど好きになっちゃったのかも、しれないわね」
初めて言葉にする、嘘偽りない自分の気持ち
「絆奈ちゃん・・・」
胸の奥がしゅんとする
確かめるように、自然と手が自分の胸へとのびていき
「んっ・・・・・・」
制服の上から少し強めにつかんでみる
普段なら絶対にしない行為。ましてや教室でなど
この空間のせいなのか、夕日にあてられたからか、全てがいつもと違っていた
「・・・ぁ・・・ぁ、ん・・・はぁっ」
制服の上からでは物足りない
もっと欲しい
もっともっと
制服の下に手をまわし、今度はブラの上から同じように強くさわる
「んん・・・・・・や・・・ぁ・・・」
前よりも強い刺激が千華留の身体を走る
だがこれも身体が求めるものではない
はぁはぁと荒い呼吸のまま、千華留は自分のあいている手をまっすぐスカートの中へと導いた
「ひゃっ、んっ・・・」
今まで以上に身体が火照る
下着の上からでも千華留の秘部はしっとりと濡れているのがわかった
「あ・・・はぁ・・・っくぅ・・・」
割れ目にそって軽く上下になぞるだけで身体の奥が熱くなり、ゾクゾクという快感が襲い掛かる
やがて生暖かい液が指先を濡らすようになるとついに我慢できなくなり、下着の中へと手をのばす
瞬間、くちゅっといういやらしい音と共に今までとは比べ物にならない快楽を感じた
「っっ・・・・・・く、ぅん・・・」
その快感に流され、指先を秘部の中へと進めていく
十分に濡れている蜜壺は細くしなやかな指をすんなりと受け入れ、さらなる快感を得ようと奥へ導く
「あっ、ああ・・・いい・・・そこ、んっ!」
膣が指をきゅうっと締め付ける
その締め付けに反発するように指をクチュクチュと震わせ、中で鍵爪のように曲げ刺激する
「・・・はあっ・・・ぁ・・・もう・・・」
最後の快楽を求めより一層激しく指先を動かす
ピチャピチャという音の中、指を最奥へ突き入れた瞬間
「ん、あぁああ・・・! ・・・ぁ・・・ぅ・・・っ」
割れ目からとろとろとした液が流れ下着、スカート、太股をつたい床を汚す
はぁはぁと肩で息をしながらぐったりと机に顔を当てる
ひんやりとした机の感触がほてった身体に心地いい
「・・・・・・・・・はぁ」
やってしまった、と、全てが終わったあとで素に戻る
終わってしまったことは仕方ない。しばらくはこの余韻を味わうことにしよう
寮の門限の時刻がせまる
一度くらい遅れてもいいだろう。生徒会の仕事・・・と言えばシスターも許してくれるはず
心地よい疲労感の中、千華留はゆっくりと目を閉じた・・・
おわり
渚砂×千華留が思いつかないから何か書いてみたり
相変わらずなぁにこれですが後悔はしてない・・・
GJ!久しぶりに覗いてみたら新しいの来てて嬉しいな。
保守age
保守がてら思い付きのネタ
「あの〜千華留さま?これは一体どういう……」
聖ル・リム女学校のとある教室
部活動のために一人教室を訪れた私、夏目檸檬はその悲惨な状況に出くわした
「どういうって言われても……う〜ん、千華留わかんな〜い♪」
とても生徒会長とは思えない発言にため息がでる
「わかんないーじゃありませんよ。こんな状態、部活動をするのはともかく、シスターに見つかったらなんて言われるか……」
「それが問題なのよね。檸檬ちゃん、何かいいアイディアはない?」
「アイディアって……片付けるしかないんじゃないですか?」
そう……部屋のいたるところに散らかったコスプレ衣装……
これをなんとかするには片付けるしかないだろう
「だいたい、どうしてこんなに散らかってるんですか」
「それはね……檸檬ちゃん、心して聞いて……」
さっきまでとは違う千華留さまの雰囲気に自然と身体が緊張する
一体何があったのだろうか、もしかして何か事件が……
「昔作ったターミネーターの衣装を探してたらこうなっちゃったのよ」
「た、ターミネーター!?」
まさか私たちにターミネーターのコスプレをさせる気だったのだろうか、この生徒会長は
「つまりこの一連の騒動はターミネーターのせいだったのよ」
「いや全然違いますから。100%千華留さまのせいですから」
「未来から私たちを抹殺しに来るかもしれないわよ」
「ないですから」
「でも心配しないで檸檬ちゃん。対策はばっちりしてあるから」
「勝手に話を進めないでくださいよ」
……ん? 千華留さまは今なんて……対策?
「ぽちっとな」
その瞬間、ゴゴゴゴゴという重低音と共に教室の中央に地下へと続く階段が現れた
えーと……千華留さま? ここ一階じゃないですよね? 下に教室ありますよね?
なんで地下へ直結しちゃってるんですかーこれ!
もしかして私の目がおかしいのかな……きっとそうだよね、目が悪いから眼鏡かけてるんだもんね
「ほらほら檸檬ちゃん。はやく行くわよ」
現実逃避する私をおいて階段を下りていく千華留さま
「ま、まってください!千華留さま〜!」
ドラマCDのあれへ続く
ほ
キ
マ
シ
タ
「ふぅ……いいお湯〜……」
ミアトルの大浴場
まだ日が沈まない夕方の時間に奥若蕾はゆったりと湯につかっていた。
当然蕾の他には誰もおらず、広大な浴場を独り占めしている。
「こんなことなら光莉先輩と……どうせ暇そうな夜々先輩もさそえばよかったですね」
現在アストラエアの3校では、各校の交流を深めようというイベントが行われている最中であり
その一環として、このミアトルの大浴場も他校の生徒に解放されている。
「さすがにこの場所で一人は寂しいものが……交流も何もあったものじゃないですよ、まったく」
独り言がむなしく響き渡る。
聞こえてくるのはザザザァーッという水音だけだった。
――さすがにのぼせそうだし、もう出よう。
そう思い湯船から立とうとしたその瞬間。
「ほんっとに広いわねー、ミアトルの大浴場は」
――っ!?
どこかで聞き覚えのある声。いや、いつも聞いているその声が浴場に響いた。
(どっどど、どうして夜々先輩がここにー!?)
人間あわてると正確な判断が出来なくなるもの。
蕾もその例にもれず、立ち上がろうとした身体をブクブクブクーと勢いよく浴槽に沈めてしまった。
その音は当然夜々の耳にも届く。
「あら? 誰もいないと思ったけど……ま、どっちでもいいわ」
ぴちゃぴちゃと、湯が流れているタイルの床を歩く音が聞こえる。
その音はまっすぐと蕾が入っている浴槽へ向かっていた。
(こ、このままだと夜々先輩に見つかって――――)
――見つかればあの先輩のことだからさんざん私で遊ぶに決まっている
――遊んだあげく、この後もそれをネタにからかわれるかもしれない
先ほど夜々もさそえばよかった……と言った事は頭にないらしい。
今は白い湯気に隠れあまり遠くは見えないが
下手に動けばその音で気づかれるかもしれない。
今はただ、身体を沈めたままじっとしているしかなかった。
「あー……いいお湯……」
チャポン、と夜々が浴槽に身体を入れる音が広い浴場に響く。
「これだけ広いと、一人ってのも寂しいわね」
思うところは蕾と同じらしい。
どれだけ豪華な物を集めても、心には埋めれない隙間がある。
「こんなことなら光莉と……どうせ暇そうな蕾でも誘えばよかったわ」
(どうせ暇で悪かったですねー。ふんだ)
先ほど自分が夜々に対し同じことを言った事も頭にないようだ。
「〜♪」
(うう……こっちの気もしらないでのんきに鼻歌を……)
蕾が入浴してからすでに10分以上がたとうとしていた。
すでに意識はおぼろげで、いつ倒れてもおかしくない。顔も真っ赤に染まっている。
――もう限界
ふらふらと壁に手をつき浴槽から立ち上がる。
夜々は蕾に背を向けるようにしているので、蕾に気づく様子はまったくない。
「―――♪」
(あ……この歌、聖歌隊の……夜々先輩……ちゃんと練習して……た……)
突如、ザッパーンと何かが水に落ちたような音がした。
「な、なにっ!?」
反射的に音のした方向へ顔を向ける。
「え……蕾?」
浴槽に仰向けで浮かぶ蕾の身体
呼吸も荒く、全身が紅揚している。
「ちょっと蕾!? あんた……っ!」
バシャバシャと湯をかき分け蕾の元へと急ぐ。
見るまでもなくまずい状態だというのが感じ取れる。
――っ
両手で抱きかかえたその身体は、とても華奢で
今にも壊れてしまうのではないかという不安に駆られる。
「本当……世話のかかる子ね」
世話のかかる子ほど可愛いというのは誰の言葉だったか
そんな言葉を胸に、夜々は蕾を抱き大浴場をあとにした。
「う……ん……」
頭に柔らかい感触と、心地よい風を身体に感じる。
うっすらと眼を開き状況を確認しようとするが、視界がぼやけて上手く見ることが出来ない。
身体を起こそうとしても動かすことすらできなかった。
「あら。目、覚めた?」
声が聞こえる。
――いつも会えば口喧嘩ばかりするのに、こんなときに優しくなるなんて、卑怯な人だ。
「夜々……先輩……」
「なぁに、蕾」
脱衣所のソファの上で私は夜々先輩に膝枕されていた。
優しく髪を撫でる手が妙に気持ちいい。
「あんたの着替えどこにあるかわかんなかったから、とりあえずタオルだけかけておいたわよ」
夜々先輩は私服に着替えていた。 自分だけそんな格好かと思うと急に恥ずかしくなってくる。
「や、夜々先輩……見ました、よね……その……私の、裸……」
「ええ。ばっちりと」
――そんなのずるい。
落ち着いていた体がまたカァーっと赤くなる。
「むぅ……夜々先輩が見たなら、や、夜々先輩も見せるべきですっ!」
「は、はぁ!? あんた何言ってんのよ。熱で頭でもやられた?」
「私は正気ですっ!」
正気だという言葉がどれだけ信用できるだろうか。
ただ言われたから言い返しただけ。
ほんの少しの対抗心。
「まったく。病人はおとなしくしてなさい」
「……それって、夜々先輩の膝で寝てていいっていうことですか?」
「勝手にしなさい……」
「……勝手にします」
そう言った少女達の顔は、少し嬉しそうだった。
fin
えろいの?書けません(^q^)
保守代わりの駄文
>>567 エロ無くても、十分に萌があったから問題ないよ!
やっぱ夜蕾良いわ
また違うシチュでの二人お願いします
翠星石&雛苺
571 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 02:12:01 ID:vRWn4WRC
あ
保守
573 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/24(金) 16:11:07 ID:3cnDSE/w
あ
574 :
名無しさん@ピンキー:2009/07/27(月) 15:58:41 ID:Iocjxqct
ほ
コラッ!
ホ
しゅ!
キ
マ
シ
タ
ワ
ー
hosyu
#保管所が閉じてるのが惜しい
#どなたか過去スレを頂けないでしょうか
ほ
syu
キマセンワー
無かったのか…
作る?
俺みたいに
最近のアニメ(咲とか青い花とか)を見て百合に興味を持つ
↓
ストパニを見る
って人が他にもいるかもしれないし、保管庫あるといいね。
自分で作れればいいんだけどwikiとか全然わかんなくて。
このスレも立ってから2年経つけど、前の保管庫が見れなくなってから2年以上経つんだね
591様、保管庫作成お願いします
渚砂の娘と玉青の娘がミアトルで会うシーンを妄想しながら保守
静「iPS細胞というので同性の間でも子供ができるそうよ」
渚「あいぴー・・・なんですか?」
静「人工多能性幹細胞。
まあ細かいことは置いておいて・・・渚砂」
渚「は、はい?」
静「私の子供、産んでくれない?」
二期希望!
598 :
名無しさん@ピンキー:2009/09/08(火) 21:12:02 ID:JM19vKHz
二期と言わず三期希望の打ち上げ
ずっと想っていたあの人。
叶うはずがない『夢』が現実のモノになったのは、数ヶ月前。
私はついに。憧れのあの人と恋人同士になれた。
「はぁ…」
何度目か分からない溜息を、また一つ。
視線の先には、夜々先輩。―――と、複数の女子生徒。
聖歌隊のエースで、華族系財閥の本家という家柄。
容姿端麗で下級生から人気を集めている。
現に、私の目の前で複数の生徒に囲まれている夜々先輩が居る。
最近、真面目に部活に来るようになったせいか、日に日に人数が増えているような気がするけど…
人気があるのは良いことだけど、なんか面白くない。
夜々先輩は私の!…なんて、そんな事言ったら狭量みたいだし。
呆れられるのは嫌だし、かと言って、こんな光景いつまでも見たくないし。
…何だか、私ばっかり夜々先輩の事考えさせられて…
……くそぅ、ちょっとムカつく…
外は少しずつオレンジが暗くなっていく。
一向に帰る気配を見せない夜々先輩と、囲んでいる人達をもう一度横目で映し、私は椅子に座った。
相変わらず笑顔の夜々先輩。
相変わらず仏頂面な私。
…そういえば、ここ最近恋人らしい事してないな。
手を繋いだり、抱きしめたり、キスしたり。
柄じゃないのは重々承知してるんだけど、私だって、やっぱり甘えたいし、『好き』とか…言葉が欲しい時もある。
そばに居るだけで幸せ、なんて。
あの時はそれだけで十分過ぎるくらいだったのに。
少し、欲張りになっていたのかな、私。
―み。―ぼ、み。
「…蕾、起きて」
「ん、…ぅ?」
あれ、私、寝てたのかな…
いつの間にか机に突っ伏して寝てしまっていたのか、ちょっと体が所々痛い。
ぼんやり辺りを見回すと、すっかり暗くなっていて―――
「ぅわ!?」
「ッ!?びっくりしたー…」
「私、寝てっ、門限ッ!………?」
ん?
「!やっ…夜々先輩!!?」
「イチイチ煩いわね…アンタ」
「な、何、なんでここに…?」
「アンタが私のカバン敷いて寝てたから帰るに帰れなかったのよ」
…成程。確かに私は夜々先輩のカバンを敷いて寝てしまってたらしい。
慌てて体を起こすと、夜々先輩は小さく溜息をついて、私を見た――と、言うより、睨んだ。の方が表現が正しい気もするけど…
「…で、何?」
「はぁ…?何、って、何が…?」
「アンタ今日いつも以上にご機嫌ナナメだったけど」
…『いつも以上』って、私そんなに毎日機嫌悪そうに見えるんですか…?
だけど、何だ。ちゃんと私の事、見てくれてるんだ…
今更二人きり、とう現状に気付き、意識してしまう。
「べ、別に、何も―」
「…私に隠し事する気?」
だ、だから目が怖いですってば!
夜々先輩に正直に言おうか言わないか迷って無言でいると、夜々先輩は表情を変えずに、近付いて来て…
近付い…って、近――――――
「…んっ…」
久々の、感触。
温かくて、柔らかくて、優しくて、甘くて。
キスされてる、って理解したのは、たっぷり十秒たってからだった。
「ん、ぁ…夜々、先輩…?」
「……私には言えない?」
切なそうに、悲しげに夜々先輩は目を伏せた。
…これは、言ってもいいのかな…
コホン。と咳ばらいを一つ。
「その、夜々先輩が他の人と…話してるのを見てると…何か、ムカついてって言うか…」
「…あー………嫉妬?」
「しっ…!?ち、違ッ―…くもないかもですけど、だから、その…」
え?あれ?何で?
夜々先輩が歪んでよく見えない。
「…他の人には…触れないで…ほしいです」
ぽたっ。
何、コレ…私、泣いてんの…?
やだ、そんな、泣くつもりじゃ無かったのに…
涙を拭おうと、右手を顔にやった瞬間、その手を掴まれた。
そのまま抱き寄せられ、私は顔を夜々先輩の胸に埋める形になっていた。
「やっ…私、バカみたいですよね。泣くなんて、こどもみたいな…」
「…蕾、ごめん」
「…し、仕方ないですよね。夜々先輩、前から人気あったし―」
「もう…もう何も言わなくていいから」
顎を持ち上げられ、口を塞がれた。
背中に腕が回って、より抱きしめられたのを確認して、私も恐る恐る夜々先輩の背中に腕を回した。
ガタン。
夜々先輩に抱きしめられたまま身体を預けていると、机に座らされた。
「…夜々先輩?」
「誰にも触れるな、なんて。随分難儀な事言うのね」
「なっ…だ、だって夜々先輩が…」
「煩いわね…シスター来たらどうすんのよ?」
そう言う夜々先輩は、私の制服のボタンを一つ一つ外していく。
「ちょっ、…こ、ここでするんですか…!?」
「誘ったのは蕾よ」
「さ、誘ってなんか……あっ…」
胸元に吸い付かれて、思わず声が出てしまう。
制服のボタンを全部外されて、リボンも解かれて。
いつの間にかブラジャーのホックも外されていて、ほぼ半裸状態の私。
胸の先端に強く吸い付かれて、私は声が出ないように片手で口を塞いだ。
「ん、…んーッ!」
「…かたくなってきた…」
右の胸は舌で、左は指先でコロコロ転がされる。
夜々先輩の一つ一つの愛撫に反応してしまい、次第に二つの欲求が生まれてきた。
…もっと、愛されたい。
夜々先輩と、一つになりたい。
「はぁ…ッ、ん、んぁっ…」
夜々先輩の唾液でベトベトになってしまった両胸が、空気にさらされて、少し冷たく感じる。
小刻みに震える私を見て、夜々先輩はほくそ笑んだ。
と、同時に、スカートの中に手を入れてきて、下着越しに私の秘所に指を這わせてきた。
「あぁっ!?」
「すご…濡れすぎ…そんなに気持ち良かった?」
ニヤリと意地悪に笑う夜々先輩に、私は何も言い返せず、顔が真っ赤になっているのを自覚しながら、夜々先輩に自分からキスをした。
「あッ!あッ、んぅ…」
下着越しに何度も指を動かされ、自分でも分かる位濡れていた。
ダメ、このままじゃ、私―
「ひぁっ…ア、やっ、夜々ッ、せんぱ…ッ!」
腰が自分の意志ではなく、快感を求め、動いてしまう。
「あぁん!やっ…イ、イッちゃ…!」
やだ、私、もう駄目…!!
夜々先輩の制服をギュッと掴み、私は絶頂へと――
「―ッ…?ハァッ…ハァッ……?」
「簡単にはイカせてあげない」
「何でっ…」
私の問いは一切無視され、夜々先輩は私の体を再度抱き寄せた。
くるり。ガタン。
「…な」
今の私の体勢。
両手を机に置き、お尻を夜々先輩に向け、高くあげている。
「…私はね、蕾」
耳元で囁かれて、体の奥がゾクッと震えた。
同時に、二本の指がヌプリと入るのが分かった。
「あっ…あ、あぁっ!」
私のソコは一気に熱を持ち、二本の指を離すまいと奥まで飲み込んでいる。
「あ、ンッ…!ひ、あぁぁッ!!」
「こんな風に触れるのも、抱きしめるのも、キスするのも」
「くっ…あぁっ、んぁ…」
「蕾、貴女だけよ。大好き」
グチュグチュ掻き回される音と、抜き差しされる指の音に興奮して、自ら腰を動かした。
「やっ!イ、イッちゃう…夜々先輩ッ!」
「…!?すご、締まっ…」
「あっ…あぁぁッ!イッ…あ、は、あ、アァッ…!!!」
―愛してる。
頭の中が真っ白になって、果てる瞬間、夜々先輩の言葉がスッと心に入った。
ようやく落ち着いた頃には、当然ながら門限の時間はとっくに過ぎていて、辺りは真っ暗だった。
「…夜々先輩の変態」
「イイじゃない、久々だったし…」
「よくな…!!」
「ちょっ、静かに!シスターにバレるじゃない!」
「…むぐ」
何とか門を登って、ただ今二人で帰宅中。
コソコソ部屋まで向かい、もうすぐ私の部屋に着く。
「…蕾」
「はい?」
「…悔しいけど、私、アンタの事相当好きだわ」
「――な…」
「アンタより可愛くて、性格良さそうな後輩達に囲まれても、さ」
「ちょっと、ソレって…」
ぎゅっ。
不意に抱きしめられて、つい声が出そうになった。
「絶頂アンタが頭の中に居るんだもん…」
「…」
「ムカつく。のはこっちの方だっつーの」
何、何だ何だ。
私ばっかり想ってるとか、そんなの全然心配無かったんだ。
「…何笑ってるのよ」
「別に、何も」
「……ムカつく。あー言わなけりゃ良かった」
さっさと歩いて行ってしまう、大好きな夜々性格の背中。
ブツブツ言ってる姿も何だか、私しか知らない夜々先輩って感じで。
もう少ししたら、後ろから抱き着いて、『大好き』って言うんだ。
End
お久しぶりです。
このスレで以前『Agape(夜蕾)』を投下させていただいてた者です。
今回も夜蕾、投下させていただきました。
読んでいただければ幸いです。
最近、ストパニ熱が再発してるので、また近々投下しに来るかもしれませんが…その時は、ぜひお付き合いしてくださいませ\^o^/
GJ
次を楽しみにしてます
今ミスに気付きました(ノ><)ノ
>>604の夜々の台詞
×「絶頂アンタが〜」
○「絶対アンタが〜」です
ヤバい台詞になってますねw
>>606様、GJありがとうございます!(^^)!
良い作品でした。
しかし、夜蕾はいいですなぁ〜。実に良い。
次作楽しみにしています。
>>605 GJ
ツンデレカップル最高!
俺も何か書くかと思って構想を練っていたのだが、うまく言語化できない。
自分の筆力の無さに絶望した。
とりあえずアニメをもう一回見るぜ。
たまにSS書いたりしてみるけど
アニメと小説の設定がごっちゃになったのが出来上がる
久々に覗いてみたら、スレが残ってるだけじゃなく新しいSSがきてて嬉しいかぎりです
605さんの書く夜蕾ものはホント良いね
新作期待してます
>>610 設定がごっちゃにねってても良いから読んでみたいです
キター!!!!!!!毎日覗いたかいが!!
とりあえず
>>605 さん嫁にもらってきますね自分女だけど
皆様こんにちわ。
この度
>>612様と婚約した605ですww
皆様のお言葉…ありがとうございます\^o^/
次回を書く意欲がさらに沸きました>∀<
そこで…皆様から、「こんな話が見たい!」とかあれば、伺いたいのですが…←切実w
みんなで雪山にスキーしにいったら偶然にも2人がはぐれてしまい
これまた偶然見つけた洞穴で寒いときは人肌でゲフゲフ
615 :
婚約オメw:2009/09/14(月) 19:11:44 ID:ry4s6UX6
次の劇は夜々と蕾が主役。
タイトルは
「私の後輩がこんなに可愛いわけがない」
スイマセン冗談です。
>>613 これからの季節だと、体育祭でどちらかが捻挫
翌日は振替休日でお休みで寮には誰もいなくて一人でふて寝
他の友達と遊びに行ったと思ったもう一人が、お土産を持ってお見舞い
なんてどうかな?
ほ
し
ず
か
ん
ち
自分は書けないから職人光臨をまつまで…
スレ1から読み直してもいい作品ばっかだわ
よるよる待ってるよ嫁
保守シマスワー
>>613 帰省する夜々ちゃんに付いて行く蕾
で、夜々ちゃんのことが好きなメイドさんにいじめられるお話
シ
ズ
アリエマセンワー
「渚砂ちゃん、『甘い』は英語でなんと言いますか?」
「スイート?」
「もう一回お願いします」
「スイート」
「もう一回」
「スイート…玉青ちゃん、これ何か意味あるの?」
(スイート…すいーと…好いーと…好いとう…)
妄想力ってレベルじゃねーぞ
便乗
「渚砂ちゃん、お昼ご飯食べに行きましょう」
「うん、そうしよっか」
「あれ、今日はすいてるね玉青ちゃん」
「……渚砂ちゃん、今なんて!?」
「えっ!? すいてるね玉青ちゃん……って」
(すいてるね玉青ちゃん……すいてる玉青ちゃん……好いてる玉青ちゃん///)
ほ
れ
た
な
ぎ
さ
玉青「最近、女の子が仲良くするアニメが多いですね」
渚砂「そうだね。咲とか青い花とかささめきこととか」
玉青「(ようやく、時代が私たちに追い付いてきましたわ…!)」
保守
静馬「最近、仕事ばっかりで渚砂と会う暇ない……ぐれていい?」
渚砂「あわわ、スネないでください」
夜々「最近聖歌隊の練習で忙しいのよね」
光莉「夜々ちゃん最近は真面目にきてるもんね」
蕾「練習よりも私がいじられてる時間の方が多い気がするのは気のせいでしょうか」
蕾「…む。何をニヤニヤしてるんですか?光莉先輩」
光莉「え!?う、ううん、なんでも無いよ」
保守
ネタがないのう
「相変わらず、ここの大浴場は誰もつかってないわね。もっとみんな使えばいいのに」
「それぞれの部屋にシャワーがあるんだから当然でしょう?」
大浴場の扉を開け湯気に煙るその広大な浴室に誰も居ないことを確認して
軽く舌打ちした静馬に深雪は半ばあきれたように答える。
ミアトル寮では設備が古いままになっているため浴槽が部屋にあるのが深雪が使っているような個室などに限られてしまうため、この大浴場が解放され、三校の誰でもが使える様になっている。
もっとも年頃の乙女が使うに相応しく、いちご舎の各部屋には元々シャワールームは備え付けられており、スピカ寮以降の部屋では浴槽も新たに備え付けられているため全体としての利用率は決して高くないのだが。
そもそも静馬が比較的大浴場をよく利用するのは年頃の少女達の入浴姿を眺めたいという魂胆であることはわかっている。
当人は自分の部屋に浴槽がないからなどと言っているが、ちょくちょく深雪の部屋のお風呂を使っていることを考えてもそれが理由ではあるまい。
だから静馬が大浴場に行くときには出来るだけ同行して釘を刺すようにしているのだが。
「誰も居なければ何事も起きない、わね」
そう、静馬と自分ではなにも起きないのだ。
これがもし渚砂が一緒であればどうであろうか。
瞬間、脳裏に浮かんだ邪な考えを首を振って打ち消す。
違う。なにも起きないことこそが正しいのだ。
そもそも今日は静馬の温室の世話を手伝っていたら二人ともそれなりに汚れてしまったのでどうせなら、と大浴場を使うことになっただけのこと。
「どうしたの?深雪」
入り口で突っ立ったままの深雪を静馬が不思議そうに見ている。
「なんでもないわ」
「そう?ならいいけど」
長い時間だれも出入りしていなかったのか真っ白く湯気でけむる洗い場に深雪が足を踏み入れると待っていたとばかりに静馬が腕をとってぐっと身体を引き寄せてくる。
「今日は私の用事で深雪を汚しちゃったから私が洗ってあげるわ」
そっと耳元で囁くようにいう声にぞくっと身体全体がふるえる。
静馬の言葉を理解するより早く手をひかれて洗い場のシャワーの前に連れて行かれる。
「さ、座って座って」
「ちょっと静馬。どういう……」
ある意味いつも通りとはいえ、静馬の強引さに抗議の声を上げようとしたが、椅子の上に肩をぐいと押されて座らされる。
しかもこれではシャワーを背にしているので背中を流してもらうにしては向きが逆だ。
仕方なく深雪が座り直そうと立ち上がると再びぐいと椅子に押し戻されてしまった。
「静馬?」
「いいから。深雪はおとなしく座っていて頂戴」
そう言うと静馬は楽しそうに桶を持ってシャワーの前でボディーシャンプーを泡立て始める。
やがて。
桶一杯の泡を持って深雪の前へと戻ってくるなり、静馬は深雪が体に巻いていたタオルをほどいてしまう。
「ちょ、ちょっと!」
静馬の前にその豊満な乳房を余すところなく晒してしまった深雪は反射的に両腕で胸を隠す。
その隙に静馬は腰に引っかかっていた部分もすべて外してしまう。
「洗うのに邪魔だからタオルははずしておいてね」
事も無げに言って、静馬は御幸の前にひざをついて座った。
しかし生まれたままの姿になってしまった深雪はそれどころではない。
別に一緒にお風呂に入ることは珍しいわけではないが、こんな正面から静馬に全裸をさらすなど、普段ではないことだ。
両腕で身体を隠すようにしながら無駄な抵抗とは知りつつも静馬に声をかける。
「し、静馬?別に洗ってもらわなくても大丈夫だし……それにもし洗ってくれるにしても背中だけ流してくれれば……ね?」
「言ったでしょ。私の用事で深雪が汚れちゃったから私が綺麗にしてあげるって」
「で、でも」
「ほーら。何を恥ずかしがってるの。ほら、腕だして」
いうなり胸をかばっていた深雪の左腕を引き剥がすと桶からたっぷりの泡を掬い取って深雪の腕につけ始める。
かばっていた腕が離れてむき出しになった乳房にも静馬の手がやわやわと泡を擦り付けはじめる。
「ちょっと静馬、どこ触って…いやっ」
「暫くぶりに触ると見た目よりもずいぶん大きく感じるわね。私と同じぐらいあるんじゃない?」
反射的に静馬の腕をつかむが泡が滑って力を入れてつかむことができない。
そうしている間に静馬の手がむにゅむにゅと揉みこむように両の乳房を泡まみれにしていく。
それと同時に手のひらで乳房の中央にある桃色の突起をこすられびくっと腰が震えた。
「感度はよさそうね。でも気持ちよくするんじゃなくて綺麗にしてあげるんだから」
腰の震えを指摘されて顔に血が上るのがわかる。
静馬が桶に手を戻した隙に深雪はすばやく胸をかばい直す。
「それじゃ右手も出して」
ぐい、と股間をかばっていた右手を引っ張られ左手と同じように泡まみれにされていく。
右手が終わると次は左手で隠している乳房の下、お腹から丁寧に泡を塗りつけていく。
お臍を通り過ぎて静馬の手が下腹部へとかかる。
「静馬!」
泡でぬるつく右手で静馬に掴みかかろうとすると、意外、静馬は両手を左右に分けて深雪の腿に泡を塗り始める。
「動かないでね」
拍子抜けした深雪にそういうと再び大量の泡をとって丁寧深雪の両脚を泡まみれにすると満足そうに静馬は自らのタオルをはずした。
目の前に晒された静馬の裸身はいつ見ても美しい。
大きく豊満でありながらつんと上をむいた形良い胸。
きゅっと締まったウェスト。
そこそこの大きさに丸みを帯びながらも引き締まったおしり。
そして。
ちょうど深雪の目の前に静馬のあの部分がある。
たかが同性、しかも今でもお風呂では見かけるし昔は良くみたものだ、と思いながらも深雪の目は目の前に惜しげもなく晒された静馬の裸身から目が離せなかった。
目の前では静馬が楽しそうに泡を両手で掬っている。
「ねぇ静馬。洗うにしてもその…タオルとか…」
「心配しないで。とっておきのスポンジで洗ってあげるわ」
このまま両手で泡を塗りたくり続ける気だろうかと心配になったが静馬は意に介していないようだ。
それにしてもスポンジ…?
深雪は再び持ち上げられた左腕を諦めて静馬のなすがままに預け、見あたらないスポンジを求めて視線を下に落とした瞬間、左腕が暖かで柔らかい物に挟まれる。
「!」
しっている。
見えてはいなかったが深雪にはそれがなにであるか一瞬で分かった。
それは今まさに自分のものが自分の視界に写っているもの。
「ちょっとなにやってるの!」
「どう?気持ちいい?」
あわてて左腕を引き抜こうとしたが手首を静馬に押えられてしまう。
「とっておきだって言ったでしょ?」
そういって静馬は再びその豊満な乳房で抱きかかえる様にして深雪の腕を上下する。
静馬の張りがありながらも腕が沈み込む様な柔らかさを兼ね備えた胸に鳥肌が立つ。
あの静馬が、自らの胸で腕を洗ってくれているのだ。
こんな事はおかしい、いけないと思いつつもごくりと生唾を飲み込んでしまう。
「じゃあ今度は手の平ね…」
深雪の手が大きくて暖かいふくらみを感じる。
そしてその人差し指と中指の指の股に感じるのは……
硬く、それで居て弾力のあるそれが、深雪の指の股を刺激する。
それは洗っていると言うよりもむしろ、深雪の指にこすりつけてくる様な感触。
人差し指と中指の間からとなりの中指と薬指の間へ、そして小指の間へ。
そこから洗っていなかった親指と人差し指の間へと移動する。
その間深雪の手のひらは、静馬のふくらみの柔らかさと、その先端部のざらつきとを余すところ無く感じていた。
ぼうっとしていた深雪の右手が不意に持ち上げられると、左手と同じように丸くって暖かなものに当てられる。
深雪は両手で静馬の両の乳房を感じていた。
ただ一つ違うのは、右手に感じるそれは、先端近くでもう一段階ぷっくりと盛り上がり、指の横に感じる突起は果てしなく硬くとがっていた。
……勃っている?
恥ずかしさのあまり伏せていた顔を上げるて見ると、静馬は興奮している様だった。
改めて見た静馬の左胸ははじめから手を当てていた右のそれに比べて乳輪がふっくらと盛り上がり、小さな乳房の様になった上に、小指の先ほどにピンと乳首が主張していた。
静馬の興奮した姿を見るなどいつ以来だろう…
丁寧に右手が左手と同じように洗われていくのを見ながら深雪はぼんやりと考えていた。
──静馬が、私を相手に興奮している?
そう考えた瞬間きゅんと股間の奥が疼いた。
そして一回疼きを意識してしまうと、もう止まらなかった。
右手から伝わってくる乳房の柔らかみを、指で鷲づかみにして揉みし抱きたい衝動に襲われる。
ふっくらと盛り上がった乳輪を指でなぞりたい。
なぞって今指の間に感じている静馬の乳首を摘んでみたい。
摘んで押しつぶしてみたい。
そんな欲望が次から次へと現れては消えていく。
しかし。それでも深雪にはその手を動かしてはいけないことも分かっていた。
この手を動かしてしまえば、もうそこで終わりかもしれないのだ。
そんな葛藤を知ってかしらずか、すべての指が洗いおえた静馬は、深雪の手を胸を離してしまう。
ふっと右手から乳房の暖かみが、感触が離れた瞬間、迂闊にも深雪は未練から指を閉じてしまった。
なにもない空間を深雪の指が空しく掴む。
そしてその動きを、静馬が見逃すはずはなかった。
「そんなに名残惜しかった?」
右腕の二の腕に両の乳房を乗せる様にして横に回りこんだ静馬が耳元で囁いてくる。
かっと顔が熱を持ったのを感じて深雪は再び下を向いてしまう。
その深雪の右腕の上をふにょふにょと頼りない感触が前後に動いている。
ずっしりとした重量感は感じるが、左腕を胸に挟まれていた時の様な圧迫がない。
奇妙に思って顔を向けると静馬は先ほど乳房を乗せたのと同じ状態で深雪の腕を前後していた。
「どう?私の一番も柔らかいところの感触は?」
乳房の裏側。
その透き通る様な静馬の肌の中でも特に雪の様に真っ白な部分で深雪の腕は洗われていた。
深雪の腕に押し上げられてツンと上を向いた静馬の両の乳首は先ほどよりもさらに、硬くとがっている様に見えた。
ひとしきり腕を洗うとそのまま静馬が後ろへと移動する。
すっと深雪の胸の上に静馬の腕がからみつくと背中で先ほどまで腕で感じていたふくらみを意識する。硬くとがっていながらも心地よい両の乳首の弾力が背中の上を円を描く様に降りてゆく。
どこまでも柔らかく、かつはっきりとした弾力の主張が感じられる乳房の感触に身を委ねていると交差する様に深雪の両胸を押えていた静馬の両手が動いた。
ビクッと身体を硬くする深雪など意に介さない様に優しく、それでいて力強く深雪の乳房が揉み込まれる。
「やっぱり大きくなったわね。本当に私と変らないぐらい。張りも、柔らかみも。手から溢れちゃうわ」
そういうと一旦両手がするすると下へおり、お臍のあたりまでいったところで優しく深雪のお腹をこすり始めた。
それからすっとまた上に戻って、下から乳房をすくい上げると左右にぷるぷると揺すりはじめ、大きく左右に揺れ始めた深雪の乳肌同士がパチンと乾いた音をたてる。
そうやって柔らかみを確かめるように左右の乳房同士を打ち付けながら、静馬の人差し指は深雪の乳輪をくるくるとなぞり始める。
静馬の指先を感じた乳輪は熱を帯びてそのざらつきをいっそうはっきりとさせる。
その中央にある乳首がムクムクと首をもたげ始めた瞬間、静馬の指が乳首を再び乳房の奥深くへと押し込んでしまった。
乳首が元の様に収まったのを確認すると再び指を乳輪に戻してなぞり始める。
そんな動きを感じれば感じるほど、深雪の股間の疼きも次第に押えられないものへと変ってゆく。
そして、静馬の指に胸の先端をなぞられる乳房もたまらないと言った感じで乳首を再び勃起させ始めてしまうのだ。
「本当に気持ちいい。素敵に育ったわね。流石はミアトルが誇る生徒会長様ね……」
うっとりとした様に静馬が言うと今度は深雪の胸を下からボールかの様にポンポンと跳ね上げる。
深雪の乳房はその柔らかみを誇示する様にぶるんと大きく弾んで再び静馬の手の中に戻る。
「静馬!」
そうして何度もされるうち、自分の胸で遊ばれているのに気付いて深雪は大きな声を上げてしまう。
叫んでハッとした。
確かに静馬の手は離れた。
しかし背中に感じていた静馬の重みも、乳房の柔らかさも身体から離れてしまったのだ。
一瞬の後悔。
しかしそれは、杞憂だったとすぐに思い知らされた。
深雪の膝の上。
椅子が低いが故に水平よりも高く立てられたその膝の上に、静馬が座ったのだ。
またがる様にして深雪の膝に座る座る静馬。
そしてその深雪の膝は確実にある一点を、静馬が押し当ててきたそこだけを感じていた。-
「……!」
口を開きかけたところでそっと静馬の指が深雪の唇に当てられる。
まるでなにも言わなくていい、と言う様に。
ふっくらとした柔らかみの間から熱くぬめるような頼りない襞の感触が伝わってくる。
静馬が膝から腿へかけて腰を動かすと、柔らかとはいえ他の肌の柔らかさとは明らかに異質な毛の感触が伝わり、その後ろから硬い突起物の感触が伝わってくる。
その後ろからは静馬の限りなく熱い体温が感じられて柔らかな襞がぬめる様にして腿の上を這っていく。
否、事実深雪の腿にはボディーソープの泡とは明らかに異質な水跡がきらきらと光っていた。
「ねぇ……わかる?」
「ええ……感じるわ……」
静馬はなにを、とは言わない。
深雪もなにを、とは答えなかった。
広い大浴場に静馬と深雪の荒い息づかいだけが響く。
深雪の両腿がヌトヌトになり、透明に光っていた筋がいつしか白く濁り始めた頃、漸く静馬は深雪から離れてたちあがった。
静馬の肌が興奮で上気しているのが分かる。
今まで深雪の腿をこすっていたそこには同じくぬめった汁の跡がある。
そんな静馬を見あげるようにしている深雪も自分のそこがぐっしょりと濡れているのを自覚していた。
静馬にも、それは分かっているはずだ。
だが肩で息をしながら、静馬はじっと深雪を見つめている。
思えば一度も静馬はあそこに触れようとはしなかった。
それは自分で言わなければならないのだろうか……?
ふっとそんな考えが頭をよぎる。
だが。その思考を残った理性が一瞬で打ち消す。
そうだ、自分はなにを期待しているのだ。
そもそもこれは静馬が思いつきでやっているだけの遊びなのだ。
それなのに私はなにを期待していた……?
そこまで考えてドクン、と心臓が高鳴るのを感じた。
感じてしまった。
そう、期待していたのだ。
あの静馬が。
今このとき、私のためだけにここで痴態を晒している。
いや、痴態を晒しているのは自分の方かもしれない。
それでも静馬はここにいるのだ。
なのに期待をしてはいけないというのか。
「あ…あの……わたしっ……!」
そこからは思うより先に体が動いた。
椅子から腰を上げ考えるより先に声が出た。
なんと言えばいいのかは考えていなかった。
いや、考えられなかったのだ。
ただ、静馬が欲しかった。
フワッと静馬の肌の臭いが鼻腔いっぱいに広がる。
開いた口の中に静馬を感じる。
この間は、なにがなんだか分からないうちに終わってしまったこの感触。
不意打ちだったのに。
その気はないと分かっていたのに。
それでもこの味を感じてしまった瞬間に舌を絡ませた自分が何より嫌で思わず静馬を引っ叩いてしまったけれど。
でも今は。
言葉にする前に口はふさがれてしまったけれど。
たとえこの一瞬だけだったとしても想いは伝わったのだと思いたかった。
深く深くキスをしたまま静馬がそっと深雪を床に横たえる。
ひんやりとした床のタイルが火照った体に心地いい。
静馬は体を入れ替えて上下さかさまになって深雪に覆いかぶさった。
深雪の眼前にあれほど焦がれた静馬自身がある。
濡れそぼっててらてらと光るそこから白濁とした愛液がつーっと垂れる。
その興奮を、自らに感じてくれたことが深雪は何よりうれしかった。
そのおいしそうなご馳走に恐る恐る深雪が舌を伸ばしたのと時を同じくして、静馬も深雪の待ち焦がれたそこに痛烈な一撃を加えてきた。
痛いほどに勃起した深雪最大の弱点に歯を当てたのだ。
こりっ、という音が聞こえたかと思うほどだった。
深雪の声はもはや音でしかなかった。
どぷっと深雪の奥から溜め込まれていた白濁が溢れてくる。
それは先ほどまで膣口付近を濡らしていた透明なものとは、明らかに異質な濃いエキスだった。
静馬の舌が深雪自身の上を這ってその本気汁を舐め取っていく。
「ん……おいし……」
そのつぶやきに反応して更に深雪の子宮は更に本気汁を吐き出してしまう。
深雪は自分の顔の上に静馬がうずめた股間を一舐めするのが精一杯だった。
それは至福の味だった。
もう一度静馬が深雪のクリトリスを甘噛みする。
やわらかく自身を包んでいた包皮を自らの勃起で押しのけてしまい、無防備に震えるその敏感な肉真珠は、静馬にとって絶好の弱点でしかなかった。
静馬が歯を立てるとギュッと深雪の膣口が収縮する。
そのたびにどぷっと愛液がこぼれでる。
このまま続けると深雪の愛液は永遠に枯れてしまうのではないかと思うほどの量だった。
とめどない愛液の大洪水をすべて綺麗に舐めとりながら静馬の舌がとある一点で立ち止まる。
逡巡の後、今度は深雪の大陰唇に歯を立てる。
乳房にも共通する脂肪の柔らかみを感じながら静馬は先ほどの一点を唇で感じている。
歯を立てた刹那、ブクッと深雪の股間の一点が火山の様に盛り上がり、呼吸をする様に一瞬口を開いた後またすっと隠れる。
同時に押し殺していた深雪の声が限界を迎えるのが分かった。
もう一度確認する様に、今度は充血して厚みを増したビラビラを噛んでみる。
深雪を象徴する様な、慎ましやかでありながらもどこかしっかりとした肉感を楽しみながら、静馬は再度股間の盛り上がりを確認する。
これなら……。
これから体験できるであろう甘露に胸を躍らせて深雪の腿を支えていた腕を放して二本の指で深雪の膣口をかき回す。
股間全体を彩るのサーモンピンクとは明らかに異質の、桃色と言っていいその肉襞がきゅっと窄まり静馬の指を捕らえる。
心地の良い締め付け。
そのままぐるっと指を上に向けると深雪の天井、尿道の裏に当たるであろう襞をこすり始める。
ぶるっと深雪の腰がびくびくと震えるのが分かる。
深雪のあえぎは高すぎて先ほどから声になっていない。
もう一押しとばかりにもう片方の手で深雪の肉真珠を根元からくりくりと擦る。
膣の天井をまさぐる指が探していたかすかな盛り上がりを見つけると、静馬はそこを重点的に擦り立てた。
その瞬間、深雪は決壊した。
深雪の尿道口がぐぐっと噴火口の様に盛り上がると観念した様に透明な液体を噴きだす。
静馬はそれを待っていた様に口で受け止め、ガクガクと腰を震わせて、声にならない嬌声を上げて深雪は果てた。
周りからはアストラエア一の堅物だと思われているミアトル生徒会長が。
静馬しか知らない泣き虫の深雪が、潮を吹いて果てたのだ。
口の中に広がる深雪の味を確認しながら、静馬はちょっと感慨にふけった。
いちご舎の大浴場に深雪の荒い息づかいが響いている。
未だに呼吸が整わないのだ。
そんな姿を見て手を止めた静馬に深雪が胡乱な瞳で哀願する。
「一緒に……」
ここまできたらもう躊躇う必要はなかった。
もう見せるだけの痴態は見せてしまったのだ。
まさか自分が潮を吹くとは思わなかったし、まさか静馬がそれを口で受け止めたとも思わなかった。
先ほどその事実を、さらには美味しかったなどと告げられたからには、もう迷う必要はないのだ。
そして今度は静馬も一緒に気持ちよくなって欲しかった。
互いに責めればまた間違いなく自分だけが気持ちよくなってしまうだろう。
だから、深雪は心を決めたのだ。
深雪はおぼつかない手元で静馬の腰をたぐり寄せる。
先ほどさんざん静馬に責め立てられた股間を静間に向けてみせると、そのまま静馬の股間と足を交差させる様にして密着する。
くちゅり、と湿った音がして深雪の舌の唇と静馬の舌の唇が深い深いキスをする。
雌芯同士が鼻面を擦り合わせ、唇の奥で熱い汁を吐き出す膣口同士が密着した。
貝合わせと一般に呼ばれるそれが一番自然な行為だと思えた。
もう言葉は必要なかった。
そのまま互いの腰を押し付け合い、もっとも神聖で最もふしだらな部分を擦り合わせる。
ぐちゅぐちゅと愛液の白い泡が立ち、陰唇が捩れ、密着し摩擦される。
激しく擦り合わされた二人の下の唇は淫らに糸を引いて離れまた密着する。
子宮は潤滑液を吐き出しながら可能な限り下へと降りてきており、強く密着させれば子宮口同士がキスをした様な気さえした。
押しつけ合い、擦り合う性器から伝わる快感で深雪の脳は焼け落ちていた。
「静馬!静馬!静馬っ!」
ただ、静馬とこうしているという事実以外はもうなにも認められなかった。
長い間子宮の中にため込まれたその欲望は、ついに念願の時を迎えた事実と共に弾け、深雪の意識は遠くへと旅だった。
それは静馬のそれよりも一瞬早く、そのときを見ていられなかったことが唯一の心残りだった。
ところで、深雪が静馬を求めたその声は大浴場の外にまで漏れていたという。
結局、気を失った深雪は静馬と共に何事かと現れたシスターに発見され、こっぴどく叱られた。
幸いにして静馬が居たとはいえ、ミアトルの生徒会長である深雪が、ということであったために「長風呂でのぼせた深雪が私をの名前を呼びながら倒れた」などという静馬の適当な説明にもシスターは一応の納得を見せ、ひとまずは解放された。
ただ、深雪が静馬の名を大声で叫んだ挙げ句意識を失ったという不祥事があったこと自体は消えないのだ。
部屋に戻ってから我に返った深雪が事の発端を静馬に小一時間問いつめると、静馬は諦めた様に白状した。
そもそもは昨日渚砂に試そうとしたのだが、玉青にさんざん邪魔をされた上に渚砂も恥ずかしがって猛烈に抵抗されたため諦めたのだそうだ。
「だからって……私なの……?」
「だって手近には他に……いいえ。親友は親友の好意を無駄にしないものでしょ?」
「あきれた……」
「いいじゃない。深雪にもそれなりに楽しんでもらえたようだしね?」
悪びれず答える静馬を見ていると親友も悪くないんじゃないか、と深雪には思えるのだ。
保守代わりに書き始めたんだが、
なんだか長くなってしまった上に読みづらくなってしまった。
ゴメンよ。
>>659 気にすんなw
書いてくれるだけでありがたい
今日はいい日だ
664 :
名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 04:32:03 ID:BSrYQO2M
あげ
今更だが、最近ストパニ見た
夜々×蕾な今後に期待した
夜蕾ほす
夜蕾がそんなに好きかー!
好きだー!!!
夜々と六条会長は意外と相性よさそう……な気がする
なんだか夜蕾以外は投下しづらい流れにw
夜六は接点無いけど良いかもね…。
保守
要と夜々に萌える私
ふと思ったんだが、このスレで千代渚ものってあったっけ?
1つぐらいあったきもするが稀少だな
そいや千代といえば、どっかのHPにあった最終話後の玉青を励ますためにがんばるSSはよかったな
>>674 詳細希望
というかキーワードだけでも教えてくれれば自分で探すから……頼む……!
メリクリ
お姉様方メリークリスマス
お久しぶりです。
>>605です。
久々うpが、またまた夜蕾…ですゴメンナサイorz
しかもエロパロなのに非エロです…(´Д`)
そして、せっかくの皆様のリクエストに応えてないというorzorz
だけど、以前お伺いしたシチュエーションのリクエスト、必ずやりますのでorz
夜になると、急に孤独感に襲われる。
ここ一週間の私は、自分でも気味が悪いくらい、一人が怖い。
いちご舎に入りたての頃はホームシックになっていたものの、それも最初だけで、割と早く環境に馴染んだ私が、だ。
今更になって、独りの夜が怖い。
勿論、ルームメイトは向かいのベッドで深い眠りについており、『一人』では無いのは分かっているんだけど。
冬は人肌が恋しくなる。とは、よく言ったものだ。
こんなに独りが怖いと感じるのに、現にルームメイトのベッドに潜り込もうなど、微塵も思わないのだ。
肉体的に落ち着きたいのでは無い。
―心が、たった一人を求めている。
「…我ながら気持ち悪いよ…」
ポツリと出てしまった言葉は、本音か、強がりか。
こんなのキャラじゃないってのは、自分でもちゃんと分かってるんだけど。
心を無にしようと考える事を止めれば止める程、どこからか一つの欲求がもわもわと沸いて来るのだ。
今すぐに、あの人に逢いたい。
今なら素直になれる気がする。
…夜々先輩に、逢いたい。
逢ってどうこうしたい訳じゃなくて、ただ傍に居て欲しい。
抱きしめてもらったり、手を繋ぐだけでもいい。
この夜な夜な襲ってくる孤独感を、一瞬でもいいから拭って欲しい。
それが出来るのは、この世でたった一人、愛しい人。
「……夜々先輩、だ…」
ヤバイ。何か泣けてきた。
毛布を頭まで被っても、一度名前を口にしてしまったら、もう無理だ。
…いつの間にこんなに弱くなったの、私。
「―…?」
時計の短針は一と二の間をさしている。
上半身を起こして、辺りを見回すが、既に眠っている光莉の姿しか無い。
名前を呼ばれた、気がした。
夢の中での出来事?…にしては、この心にひっかかる感じはなんだろう…
絶対に無視してはいけない。
何を?誰を?
再び上半身をベッドに沈めても、一向に眠れなかった。
…今日で、一週間か。
私はここ一週間、必ず目が覚める。
その度に、誰かに名前を呼ばれて目が覚めた、気がしてならない。
「私を…必要としているの…?」
じゃあ、誰が?理由は?私じゃないと駄目なのか?
私を必要としてる人が、このいちご舎に…?
必要としている人……私が、必要としているのは…?
『夜々先輩!』
「!」
…同じだ。
私を呼ぶ声と、あの子の声が。
あの子が、私を呼んでる…の、なら、私は悠長にベッドに横になってるヒマは無い。
あの子…蕾が、私を必要としているのなら、考えてる場合じゃない。
勢いよくベッドから抜け出し、上着を羽織った所で、私は一瞬冷静になった。
「…私も、変わったわね…」
蕾と付き合う前の私は、こんなにも誰かの為に動く事があっただろうか。
…違う。蕾の為だけじゃない。私の為でもあるから、出来るんだ。
蕾を守るって。支えるって。
あの無邪気な笑顔の横で笑っていたいって。
蕾を好きな気持ちなら、負ける気がしない。
…もし、私の自意識過剰だったとしても、その時はまた笑えばいい。
「……ありえない」
人ってこんなに変わるんだ。
早く、早く朝になってしまえばいい。
朝になれば、夜々先輩に逢える。
今はただ、夜が明けるのを独りで待つしか無いんだから。
ガチャッ。
「―!!」
「蕾…!」
涙でぼやけた視界に、世界で一番逢いたかった人が、映った。
いつもみたいな余裕や、私をからかう時のような表情では無く、少し困ったような、だけど、どこか嬉しそうな顔で、抱きしめられた。
「……な、んで…」
「…呼んだでしょう?」
ぽすん、とベッドに背中を付け、その上から夜々先輩が覆いかぶさるように暖かい口づけしてくれた。
正直、あまりにも突然過ぎて、思考回路がパンクしそう。
ただ確実なのは、涙が出るくらい逢いたかった人が、近くにいる事。
「…ん、は…ッ…夜々先輩…」
抱きしめ返そうと両手を伸ばすと、夜々先輩は小さく笑って、私の右手を掴み、自分の頬にあててくれた。
唇を離して、額をあてて、夜々先輩がココにいる。
私の声が。叫びが。聞こえて、来てくれた。
「…大好き」
「ハイハイ。…ほら、いつまでも悲しそうな顔しないで、笑って?」
「…逢いたかった…です」
「…話聞きなさいよ…」
夜々先輩は少し呆れたような顔をしたけど、まだ伝え足りなくって。
再び言葉を発そうとしたら、また口を塞がれた。
…このまま朝が来なくなればいい。
つい五分前に思っていた事の逆を思うほど、『二人』ってスゴイんだ。
私はやっと、安心して目をつぶった。
―それから。
蕾が眠りについたのをしっかり確認して、私はベッドから抜け出した。
その際、羽織っていた上着を掴んで離さないので、上着はそのまま蕾の手に握らせたまま、毛布の上から被せた。
良かった。気付けて。
良かった。あの子が求めてる人が、私で。
良かった。…蕾を、守れた。
最後に、蕾の頬に口付けてから、隣で寝ている蕾のルームメイトを起こさないように、部屋を出た。
学校で会ったら、あの子は一体何を話すだろう?
素直じゃないあの子の事だ、部屋に入る時はノックをしろとか、ルームメイトが起きたらどうするんだ、とか言われるだろう。
…まぁ、弱ってしまってるより、蕾らしい、か。
好きとか逢いたかったとか言われるのも嬉しいけど、いつも通りの蕾で居てくれれば、それで良い。
また朝がきて、夜がきて。
その時蕾が、次の日を楽しみにして、眠って。
またまた朝がきて…ってなれば、私の今日の行動は、満点。
「…さて、どうするか」
廊下の奥から近付いてくる光と足音。
楽しい朝を迎えるのに、一つ壁が出来てしまった。
…どうやり過ごしましょうか、ね。
End
キマシタワー!
エロの有無とか気にする必要無いっすよ。
あい変わらずあなたの書く「夜×蕾」最高ですね。
GJでした!
685 :
612:2009/12/29(火) 02:37:37 ID:g+7eK+36
嫁キター!
相変わらずGJ!エロなくても十分!
>>685 あらあら、私の嫁でしてよ
お姉さま方、あけおめですわ
あら、随分と人気があるのね。
あけましておめでとうあなたたち
一週間カキコなしですわ…
ほす
a
692 :
nanasi :2010/01/26(火) 22:53:52 ID:Izx+FJ6e
百合って素晴らしい
ほす
とても途中半端で申し訳ないが眠くてもうダメだということで>645ぐらいに投下した続きです。
とはいっても千華留×佐希子という超変化球な上に大分オリジナル入ってるのでお好みでない方はスルーでお願いします。
後半はまた暇なときにでも…
「うーん。やっぱりこれはアレ、ね」
源千華留は床の上を人差し指で擦りながら独りごちた。
どうやら先ほどミアトル寮の大浴場で何かあったらしいとの話を聞いた彼女は、
秘密部部長としての血が騒いで調査に訪れたのだ。
千華留は滅多にこのミアトル大浴場を利用することはない。
ル・リム寮の内装がリフォームされたのはことのほか新しく、スピカ寮に習った浴室の改築も含めて自分の部屋に不満なところはなかった。
むしろ、千華留にとっては可愛い後輩と狭いお風呂を使う方がよっぽど好みであった。
実際今日もすでに籠女たちを綺麗に洗ってきたところだ。
だが今ここにいる目的は違う。
なにしろミアトルの六条会長が大浴場で気を失ったらしい、との話なのだ。
なにがあったか気にならない方がどうかしているというものだ。
介抱していたのが元・エトワールこと静馬様であるというのも怪しい。
誰がどう見たって元々あの二人の関係は怪しすぎる。
現在このアストラエアの丘にエトワールであった花園静馬を呼び捨てにするのは六条深雪ただ一人であるし、同様に彼女を名前で呼ぶのも一人だけだ。
六条さんは他の生徒のように名前で呼ばれるのを極度に嫌う。
千華留が知る限りに於いて彼女を苗字以外で呼ぶものは他に一人もいなかった。
そう、亡くなった前エトワール桜木花織も名前で呼ぶのを見たことがない。
生前の彼女達は相当に親しい間柄であったと聞いている。
その間ですら、六条深雪は自分のことを「六条さん」と呼ばせていたはずなのだ。
「調査は終了、ね」
一応ぱっと見綺麗にはなっているが、大浴場に入った瞬間、強烈に感じたこの年頃の女の子特有の濃くて甘い香り。
そして一脚だけ無造作に使われたままになっている椅子とその周辺にかすかに残った汚れ…いや、ぬめりとでも言った方が良いだろうか。
これは明らかにアレの跡だ。
ある意味予想通り、しかし今まで静馬様は六条さんに手を出しているようには見えなかった。
あれほどの美少女が常にそばにいるのだから静馬様の性格ならば手を出していてもおかしくはないと思う。
誰がどう見ても六条さんは静馬様に好意を寄せている。
だが実際は静馬様は渚砂さんを選び、六条さんは諦めとも不満ともつかない態度でいた様に見えていた。
「エトワール戦が終わってお二人の関係も少し変ったのかしら」
六条さんが気を失ったと言うことは静馬様が攻め立てたのは想像に難くない。
現場もそれを物語っているしその逆は考え辛い。
と言うことは、何らかあって静馬様に漸く受け入れてもらえたと考える方が自然なのだろうと思う。
それともエトワールでなくなったから、静馬様の心の制限がなにかはずれたのか。
だが、千華留はそれ以上、このことを追求する気はなかった。
あの二人の間のこと自体には興味がない。
むしろ、関係性が変ってきたのならそっとしておくのが良いというものだ。
千華留はざっと自らの身体を洗うと大浴場の所以たる湯船にそっと入る。
誰も居ない浴槽で手足を広々と伸ばしての入浴も偶には悪くない。
そんなことを考えながら暖まっていると突然大浴場の入り口から誰かが入ってきた。
水無瀬佐希子は気が気ではなかった。
深雪様が気を失っただなんて、一体なにがあったというのか。
大浴場でのことと聞いて思わずここまできてしまったが
幸いにして大事には至らなかった様で既に深雪様は介抱していたエトワール様…もとい静馬様と共に部屋に戻られたという。
お二人は部屋が隣同士であるから当然のことと言えば当然のことだが、
あの深雪様が気を失ったのだ。
絶対に静馬様がなにかやらかしたに決まっている。
深雪様の前で静馬様の事を悪し様に言うといい顔をされないので普段は黙っているが、
佐希子は静馬があまり好きではい。
別に静馬様の人柄が嫌いだというのではなく、深雪様を不幸にしている様な気がしてならなかったからだ。
誰が見てもあの二人の深い絆は分かる。
静馬様と渚砂さんの間にだってあんなに深い絆はないだろうと思う。
その一方で深雪様が静馬様に別の絆を求めているのも分かっていた。
だが、静馬様はその気持ちを利用するだけで、無視し続けた。
少なくとも佐希子にはそう見えていた。
だから、今回の件も深雪様の気持ちを静馬様が悪用したに決まっているのだ。
そうでもなければ深雪様が気を失うなどという失態を犯すわけがない。
佐希子は乱暴に制服を脱ぐと大浴場へと入っていった。
「あれは…水無瀬さんみたいね」
濃く煙る湯気の向こうに見えるのはウェーブのかかったヘアが特徴的なミアトル副会長水無瀬佐希子のようだ。
こんな時間に、と自分のことを棚にあげて千華留は思う。
今はもう消灯まで幾ばくも時間はないはずだ。
だが、先ほどの自分と同じように佐希子がまっすぐに使われた跡のある椅子のあたりに行ったことでピンときた。
彼女も、六条会長のことがあってここにきたのだと。
「今日の秘密部は収穫がいっぱいですわね」
ミアトルの大浴場は温度を保つためか使用中の換気は極めて悪い。
だからこそ、あの二人の残り香も強烈に感じることが出来たのだが。
必然的に湯気も残るため入り口からでは気をつけてみないと湯船に浸かっている人物、
特に千華留のようにはじっこにいる人物にまでは気付かないこともある。
まして、注意が他のところに向いていれば尚更だ。
佐希子はまだ自分に気付いていない様だ。
「それじゃ……」
千華留は悪戯っぽく目を輝かせるとそっと湯船を出た。
「お背中お流しましょうか」
突然の声に佐希子はぎょっとして振り向いた。
この時間なので誰も居ないと思っていたが先客がいた様だ。
しっとり艶々の流れる様な美しいこの黒髪は……
「源会長様!」
ル・リムの源千華留その人である。
普段滅多に出入りしないル・リムの、それも生徒会長である源千華留がなぜここにいるのか。
いや、それ以上になぜ私の背中を流そうなどと声をかけてきたのか。
「け、結構です。自分で洗えますから」
「あら。でも、ここでなにがあったかは知りたいんじゃないかと思って」
ぎょっとした。
確かに源会長はその鋭い洞察力に定評がある。
しかし、今来たばかりの自分の目的を既に知っているなんて事はあり得ないはずだ。
「既にここは秘密部が調査を終了しました。大体はなにがあったか水無瀬さんも察しがついているのでしょう?」
「い、いいえ。何のことだかさっぱり。源会長様はなにか勘違いをされておいでなのでは?」
そういえば源会長は探偵まがいの部活動をしていることでも有名だと聞いた。
ということは、ここにいたのは偶然ではなく、やはり深雪様の失態を調査しに来た、と言うことなのだろうか。
だとすれば、生徒会副会長である自分が迂闊な事を言うわけにはいかない。
そう心に誓うと、佐希子は改めて千華留に向き直って身構えた。
思わせぶりな発言には同意しないでつっぱねる……予定通り。
独りごちて千華留は更に続ける。
「でも水無瀬さんはここに入って来るなりこの使われた跡のある椅子の前に来た。と、いうことはこの使われた椅子か椅子を使った人かどちらかに興味があった、と言うことだと思うんですけど?」
「な、なんのことです。私はただ身体を洗おうと手近な洗い場を使おうとしただけです」
「手近…ねえ」
あくまでもここであった出来事は知らないという姿勢を貫く……これも予定通り。
「それじゃあ……ここの甘ったるい空気はどうかしら。ミアトル大浴場はいつもこんなかんじなのかしら」
「それは……」
流石にこれに気付かないとは言えない……と後もう一押し。
「水無瀬さんの足下、そこの汚れはどうかしら。少しぬるぬるしていて糸を引く汚れ、なんですけど」
はっとした様に佐希子がしゃがみ込んで手を当てる。
概ね彼女も理解したようだ。
いや、理解したと言うよりは確信した、と言った方が良いのかもしれない。
「み……源会長様がなにを仰りたいのか分かりませんが深雪様はなにもしていらっしゃいません!」
語るに落ちる、これも予定……深雪……様?
きょとんとした千華留の顔を見て佐希子はしまったという様にして口に手を当てる。
だが、こんな面白そうなことを見逃す千華留ではない。
続く…
珍しいキャラだ
それにしてもお風呂ネタ多いけど書きやすいのかな
GJ 千華留様の誘導尋問いいなw
GJ!!続き気になる!
GJ!!文章すごく上手でかなり萌えたわ
適当に書き進めたらなんかちょっと思ってたのと違う感じになりましたが>701続きです
何となくにょーを出してしまいましたので嫌いな方はスルーをお願いします……。
あとちかるんのキャラが多分だいぶ違いますファンの方ごめんなさいorz
「六条会長様だなんて……私一言も言っていませんよ?」
気付いてか気付かないでか敢えて千華留様は「六条会長」という言葉を使った。
単に深雪様の名を出した事を失言と捕らえられたのか、それとも……。
「いえ。六条会長が倒れたというお話はお耳の早い源会長様の事ですから
当然存じていらっしゃると思ったものですから。私の早合点だったようですね」
千華留の真意を測り損ねた佐希子ではあったが、
追求されない限り自分から傷口を広げない方が良い。
そう考えて佐希子はその件に触れるのを避ける。
「じゃあやっぱり水無瀬さんは六条会長様が……と考えていたのでは?」
千華留の明らかに佐希子が深雪の失態を確認しに来た前提での物言いに
佐希子の頭にカッと血が上る。
「だから深雪様はそんな事はしていないと言っているじゃないですか!」
佐希子は深雪の事を言われた事が先に立ってしまっていた。
しかし千華留は追求を放棄したわけではない。
それどころか自身二度目の失言には気付いてもいなかった。
「……『深雪様』なんですね。水無瀬さんは」
ドキリとした。
同時にしまったという想いに駆られるがもう遅い。
自分の気持ち総てが千華留様に見透かされた、そんな思いにとらわれる。
千華留様のいたずらっ子が対象を見つけたときのような楽しそうな瞳。
二度までも口走ってしまった以上もはや言い逃れも難しい。
「水無瀬さんは、六条会長…いいえ、六条さんの事がお好きなんですか?」
なんという不躾な質問だろう。
幾らル・リムの生徒会長だとはいえ、そんな事を聞かれて答える義理はない。
まして、ミアトルの生徒会長と副会長が…等という事が知れ渡ればそれこそミアトルの名に、
ひいては深雪の名に傷が付くというものだ。
ただでさえ静馬様という台風のような存在を抱えているミアトルに
これ以上の不祥事が起きては沽券に関わる。
そして、それが自分の秘めた想いと失言から、等という事を
佐希子に認められようはずはなかった。
六条さんもやっぱり……人気あるんですね。
千華留にしてみれば当然とも思えるし、
むしろ佐希子のような存在が今まで露見しなかった事も少し意外だと思った。
確かに六条深雪自身の行動を考えれば自分から手を出す事は考えづらいが、
彼女自身の想いはどうあれ、あれほど素晴らしいお姉さまもそうはいない。
当然影ながら慕っている下級生は多いはずだと思っていた。
もちろん、エトワールであった静馬との関係から
下級生がアプローチするのも難しかったであろうことは想像に難くないのだが。
「でも珍しいですね。六条さんが下の名前で呼ぶのを許しているのは静馬様だけかと思っていました」
意地悪である。
千華留も深雪がそれを許していない事は理解していた。
そして恐らくは静馬がそう呼ぶのをずっと羨望の眼差しで見続けてきたはずだ。
いつか自分も六条深雪に下の名前で呼ぶ事を許されたい。
それが出来た時こそ六条深雪にとっての特別な存在になれる、と。
もちろん、千華留が佐希子と出会うのは公的な場のみである。
だから、もっと私的な、砕けた場所での二人の関係は知りうるべくもないが、
公的な場においても深雪が思わず静馬を呼び捨てるのをたびたび目にしていたことを考えれば
佐希子との関係がそれよりもよほど薄いものである事は想像できる。
「っ……」
だから当然言葉につまる。これは予想通り。
しかしそれが分かってしまった以上、千華留には佐希子がとても愛おしく思えた。
今のままでは残り短い深雪の卒業まで、佐希子との関係が変る事はないだろう。
それは彼女も分かっているはずだ。
だから、意地悪をしてでも六条深雪に想いを打ち明けさせてみようと思った。
「水無瀬さんは六条さんに想いを打ち明けてはいないんですか?」
そんな事していようはずもないのは分かっている。
でも千華留が佐希子の口からそれを聞きたかった。
「ち、千華留様にはそんな事関係ないじゃありませんか!それはミアトルの問題です!」
佐希子の返答はもう破れかぶれである。
ミアトルの問題というか彼女と六条深雪の間の問題であるような気がするのだが。
もしかするとミアトル史に残る生徒会長像としての六条深雪のことを考えているのかもしれない。
でもエトワール様からしてあれでしたからね……。
前代未聞の二年連続、しかも亡くなった桜木花織との実質単独でのエトワール。
それを強引に成し遂げたのは誰あろう六条深雪の手腕である。
そもそも満足に歩く事もできない桜木花織との初年度のエトワール戦ですら、
イメージ戦略と根回しだけで、当の候補者は何もせずに勝利したと言われている。
最もその二年間に引き起こした不祥事の数も大概ではないのだが。
三校生徒会では把握していても「学校側」にはそれと知られず処理したケースも多い。
いずれにしても史上希に見る破格な二人であったことは間違いない。
それはどちらか一方だけではなしえなかった事ばかりだ。
だから、今更深雪の側に色恋沙汰の一つや二つ増えてもさほどの問題にもならないはずなのだが……。
千華留自身はそういった事が嫌いではない。
むしろ、ミアトルの持つそういう堅苦しさはあまり好きではなかった。
だからル・リムに入学したのではあるが……。
しかし今目の前にいる佐希子は、ミアトルの制服を脱いで生身の身体を晒している彼女は、
そういったものからは無縁の、千華留が愛すべき少女だと思えた。
そしてそんな彼女に悪戯をしたいと心から思った。
「教えてくれないなら……こうしちゃいますよ?」
言うが早いか千華留の右手が佐希子の下腹部、
薄い恥毛の下に深く刻まれた縦スジに指を滑り込ませる。
両側から圧迫してくる佐希子の割れ目が恥華留の指に彼女の体温を直に伝えてくる。
瞬間、ビクンと震えて腰を引いた佐希子であったが指を割れ目から引き抜くよりも早く、
千華留の指先は目的のものを捕らえていた。
柔らかな包皮にくるまれた繊細な粘膜で出来た神経の塊。
千華留の指先はその佐希子の急所を的確につまみ上げていた。
「イヤッ!」
予想もしなかった急所への直接攻撃に佐希子は反射で反応するが時既に遅い。
千華留の肩に手をかけ身体を離そうとするが自らの急所を摘まれた状態で力を入れられるはずもない。
縦スジ深くに侵入されてしまった以上、
もはや佐希子の敏感なクリトリスを守るものはふにゃふにゃと頼りない柔らかな包皮しかない。
その上から千華留の指が目的の急所を的確にクリクリと刺激すると
佐希子の急所が急速に硬くとがりはじめたのが感じられた。
とがり始めたボタンを捏ねるように人差し指で割れ目の中を擦りながら、
残りの指全体でふっくらとした肉厚の大陰唇の柔らかみをふにふにと確かめる。
圧迫され、内側に秘めていた小陰唇をビラビラと露出させつつも、
佐希子の割れ目は豊かな弾力で元の一本スジに戻る。
「言ってくれないと……このままイカせちゃいますよ?」
それを何度か繰り返すうち、目に見えて佐希子の抵抗が弱まってきた
「ち、千華留様に言うことなんてな、なにもありま……せん……!」
ビクンと身体を震えさせながら気丈に答えてみた佐希子ではあったが、
ピンチである事に変わりはなかった。
今まで自分でもあまり弄った事のないまして誰かに触れさせた事などない、
乙女の部分をまさか千華留に責め立てられるなど思ってもいなかったことだ。
深雪を想って過去に包皮の上から軽く撫でるような愛撫しかした事のない自分を慰める行為が
まさに児戯に等しかったということを今更ながらに佐希子は思い知らされていた。
緩急をつけて女性器全体を責め立ててくるその行為が、
片手だけで行われているものとはとても思えなかった。
クリトリスを擦る指を中指に変えて、大陰唇と小陰唇の間にも指を入れてこすりたてる。
ふにゃふにゃとしていたビラビラがだんだんと熱を帯びてプリプリと弾力を増していくのが分かる。
敏感な粘膜から送られてくる快楽信号が佐希子の子宮にだんだんと蓄積してゆく。
その千華留が生み出す快楽に腰が引けそうになった瞬間それは起こった。
ビクン、と自分の意志では止められない腰の震え。
痛みとも快楽ともつかない強烈な刺激。
佐希子が腰を動かしたせいで、包皮の上からクリトリスをこねていた指が、
その包皮を剥きあげ直接押しつぶしてしまったのだ。
その反応を見て、千華留は理解したようだった。
佐希子のクリトリスが、今まで大切に守られ続けてきた事を。
一度も、外気に晒された事がなかったという事に。
「だ、だめ剥いちゃ……戻して…おねがい……」
佐希子の懇願が受け入れられる事はない。
包皮は無惨にも根元まで剥かれてしまい最も敏感な急所が全くの無防備になってしまう。
初めて外気に晒され、縮こまろうとする佐希子自身を千華留の指が容赦なくこね回す。
どれほど佐希子が慎み深かろうとも、今まで大切に包皮に守られていたクリトリスを
剥きだしにされて責められてはどうすることもできなかった。
なんとかして千華留の指先から逃れようと必至に腰を引くがもはやその腰自体に力が入らない。
ジンジンとした痛みのような感覚はやがて完全な快楽へとその信号を変えた。
千華留の肩に手を置いたへっぴり腰のような体勢で敏感な突起から送られてくる刺激に
必至に耐えながら時折佐希子の意志とは無関係にびくっと腰が跳ねる。
佐希子の膣口からはとろとろと光る粘液がこぼれはじめ、
千華留になすがままにされている無防備なクリトリスは硬く、
大きくその存在を主張してしまっている。
ますます捕らえやすくなってしまったその突起を根元から
親指と中指で潰すようにしながら先端を人差し指で擦られる。
「んーーーーーーーーーーーー!!!」
佐希子の声にならない悲鳴が大浴場の空間に、壁に反響する。
このままでは千華留にイカされてしまう。
ル・リムの生徒会長にミアトルの副会長である自分がイカされる。
伝統あるミアトル生としての矜持が打ち砕かれてしまうような気がして佐希子は必至に耐えた。
自身の子宮の爆発的に溜まってゆく悦楽が、女の子の恥ずかしい蜜液として吐き出されていく。
太腿を伝って流れ落ちるその汁は、透明であったものが次第に濁り、白濁としてきていた。
な……なんとか……千華留様の責めの手をゆるめなければ……!
力の入らない腰の代わりに体重を支えていた片手を
千華留の美乳とも言うべき形よい胸にあてがって揉みはじめる。
しかし、対外的には堅物とみられ、現実的には奥手で満足な経験もない佐希子に
千華留をひるませるほどの愛撫が出来ようはずもない。
むしろ千華留の乳房の素晴らしい感触に不覚にも我を忘れるほどであった。
柔らかさと相反するように指を押し返してくる弾力の心地よさ。
押しつぶすように手のひらで押し込んでも
しっかりとした主張で立ち上がってくる千華留の乳首の硬さも心地良い。
それは愛撫と言うよりもクリトリスから送り込まれる快楽にあわせて
手からも快楽を得ているにすぎなかった。
子宮は既に限界であった。
佐希子の未熟な子宮はもうこれ以上の快楽を溜めておけそうにはなかった。
女性にも射精の概念があるのであれば佐希子の卵巣は今すぐにでも排卵してしまいそうだ。
連続して腰が跳ね上がり千華留の胸をも見込んでいた指も止まる。
声にならない甲高い呼吸を発している佐希子は、どうみても陥落寸前である。
と、一瞬千華留の指の動きが止まる。
その刹那を利用して快楽突起からの一層の刺激に耐えようと
佐希子が呼吸を整えようとしたときである。
クリトリスよりもっと下。
今までクリトリスの頂点を責め立てていた千華留の細くて長い人差し指が
佐希子のあらぬところをまさぐり始める。
ぶるっと腰が震える。
今までのクリトリス責めで感じた電流が走るような鋭い快楽ではない。
しかし、もっと鈍い、下腹部全体に響き渡るような刺激が佐希子を襲っていた。
一体なにを……。
膣口を探しているようではない。
それならば探るように動く指先が手前すぎる。
だが、その不可解な動きを訝しがる余裕は無かったのだと佐希子は思い知った。
ちゅっ…と音がしたような気がして佐希子のなにかが千華留の爪先をくわえ込んだ。
その瞬間、灼けつくような衝撃と共に、
佐希子はそこにも女の子の穴が存在していた事を思い知らされた。
「ま…さか……そこはおし…っこの…ダメ…千華留…様…!!」
目の前には目的のものを見つけ出して悪戯っぽく笑う千華留の顔。
ぺろっと小さく赤い舌をだしてくすりと笑うと
千華留の人差し指がそれまで固く閉ざされていた佐希子の尿道をほぐし始める。
それと平行するように親指と中指が佐希子のクリトリスを左右からクリクリと転がしてゆく。
既に耐えきれないほど子宮にため込まれた快楽に加えて
佐希子の尿道を通じてすさまじい刺激が膀胱を突き上げる。
もはや何が正しい信号なのかを理解できなくなった脳が佐希子は猛烈な尿意を訴え始める。
佐希子の中に蓄えられた清らかな聖水が出口を求めて暴れ始める。
このままでは……漏れてしまう……!
そんな考えが佐希子の脳裏をよぎる。
しかし、それを我慢すべき佐希子の尿道は着実に千華留の指によって揉みほぐされ、
おしっこの穴は酸素を求める魚のようにぱくぱくと口を開いては千華留の指先に吸い付いている。
そもそも千華留の責めの総てを受け止めて耐えるべき佐希子の腰自体、
全く力が入らずビクビクと快楽に震えている始末。
これでは佐希子に耐えるすべはない。
「や……そんなに…弄られたら……出…ちゃう……」
もはや佐希子を支えているのはミアトル生徒会副会長としての矜持だけであった。
このままでは執拗な尿道責めの前に遠からず佐希子の堰は決壊してしまうだろう。
だが、もはや佐希子にはそれに耐える手段も方策もなかった。
ただ、ミアトル副会長たる自分が、例えどんな状況であれおしっこを漏らすなどという事態が
あるはずがないという決定があるだけだった。
千華留は本来責められるべき弱点である子宮に通じる女の子の穴を一切責めていない。
にもかかわらずこの一方的なやられようはなんなのか。
ジンジンと痺れている下腹部がもはやどうなっているのか佐希子自身にも分からなかった。
佐希子の股間を弄り続ける千華留の手は先ほどからビュクビュクと溢れる真っ白い本気汁と、
ときおり耐えられないようにひらいた尿道口からぴゅっと噴き出す
ダイヤモンドのかけらにも似た透明な潮の飛沫でびしょびしょになっていた。
「ダメ…ダメ…もう…イッちゃう……イッたら…イッたら出ちゃう…!」
だがそんな快楽に対する女の子の反応とは別に、佐希子は恐ろしい尿意とも戦っていた。
おしっこの穴を直接刺激される事でこれほどまでに尿意が高まる事を彼女は知らなかった。
既に先ほど心に決めた漏らす事などありえないという決定もどこかへ消えかかっていた。
このままでは漏れてしまう。
「や…ダメ…もうホントに…ホントに出ちゃう……!」
どうやれば耐えられるのかも、どうすれば解放されるのかも佐希子には分からなかった。
一層の刺激がクリトリスから送られ沸騰する子宮と、出口を求めて暴れまわるおしっこに佐希子の脳はもはやその許容の限界を超えた
。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…ダメェェェェェェ………」
ちょろ…ちょろちょろ……しゃ…しゃあああああああああ……
明らかにこれまでとは違う音がして千華留の手に熱い熱い液体が降り注ぐ。
ビクンビクンと佐希子の身体全体が揺れて千華留に体重を預けてくる。
千華留の手を濡らす熱い黄金色の液体とは別に
ゴボッとマグマ溜まりのような真っ白い愛液の塊が噴き出して床に糸を引く。
もう、佐希子は自分の力では立っていられなかった。
心も体力も限界だった。
ふんわりと甘く香る心地よい匂い。
ぼんやりとした視界に、薄紅色の突起が見えている。
本能でそれをとても美味しそうだと感じた佐希子は無意識に口を開いてそれを含もうとする。
「吸ってもいいわよ」
優しい声に後押しされるように硬く、それでいて弾力に富んだその突起をくわえて吸いたてる。
「んっ……!」
佐希子の急激な行動にくわえた突起が身体ごとビクっと跳ねる。
突起の母体であるふくらみにの柔らかさを顔全体で感じるように押しつけて
美味しい突起を吸い、舌先で転がしていく。
汗に由来するほんのちょっぴりした塩気とそれ自体が持つ甘い香りと味を
ぼんやりとした意識で味わってく。
「そんなに吸っても……おっぱいは出ないわ」
それは残念……。
このおっぱいならさぞかし美味しいミルクが味わえたことでしょうに。
そんな事をぼんやり想いながらもそれだけでも美味しい肉の柱を暫くちゅうちゅうと吸い立て、
舌先で味わっていた佐希子は、
ふと、自分が何をしているのかを考えて我に返った。
預けていた上体をがばっと起こした視線の先には優しくほほえむ千華留がおり、
その左乳首はたった今まで佐希子がくわえていた事を示すかのように唾液に濡れ光っていた。
「気がつきました?」
どうやら身体を預けたまま僅かばかりの時間であったようだが意識が飛んでいたらしい。
あげく、どうやら朦朧としたまま千華留様の乳首に吸い付いてしまったようだ。
「そんなに美味しかったですか?私のおっぱい」
そんな事を聞かれても佐希子には答えようもない。
まさかとても美味しそうに見えたから思わず吸い付いたなどとは言えないのだ。
「でもきっと。六条さんのおっぱいの方が水無瀬さんにとってもっともっと美味しいと思いますよ」
チクリ、と胸が痛んだ。
そうだった。
自分は千華留様に心の内を見透かされるのが嫌で強情を張ったのだ。
その結果は、見るも無惨な敗北。と言っても良かった。
一方的にイカされてしまった上におしっこまで漏らしてしまったのだ。
なすすべもなくイッたところをみられた上にこの年になって人前でお漏らししてしまうなど
もはやミアトル副会長としての矜持も何もなかった。
ただ幸いにしてここは大浴場。
佐希子の粗相の後は千華留が綺麗に流しておいてくれたようだ。
ふぅ…と大きく息をついて佐希子は観念したように顔を上げた。
「ええ…お察しの通り。私は六条会長を…深雪様をお慕い申し上げております…でも…」
そこから先は言葉が続かなかった。
一度言葉にしてしまえば、それはなんだかとても惨めな気がしたから。
自分の想いは深雪様には届かない。
それは分かっていた。
深雪様は静馬様しか見ていない。
そしてその深雪様の想いも渚砂さんの前に打ち砕かれた。
誰が悪いわけでもない。
しかし現実はうまくはいかないのだ。
千華留は言葉につまった佐希子を再び抱き寄せそっと胸に埋めるように抱きしめる。
そしてそっと耳打ちをする。
ハッとしたように顔を上げた佐希子の口にそっと人差し指を当てる。
「多分、ですけどね」
と悪戯っぽくいうともう一度佐希子を抱きしめた。
頑張ってくださいね、という想いと共に。
夜々先輩、最近ずっと寒い日が続きますね。
そういう晩には、ひっ、人肌がこっ、恋しくなりませんか?
保守
保守
保守
727 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 16:20:42 ID:jJbBvFh1
お姉さま……寂しいですわ
久しぶりにきたら保管庫が落ちてる・・・
保管庫が落ちたのって、もう何年も前だったんような……
お久しぶりです。
このスレでは、恐れ多くも夜蕾ssを投下させていただいてる、
>>678です。
エロ要素が皆無なssですが……またまた夜蕾です。
3レスほどお借りします。
3月上旬。
2月の厳しい寒さが和らいで、暖かくなって、春が来る。
…と言っても、雨の降るこんな日は、3月と言えど寒く感じてしまう。
こんな日は、心身ともに暖かくなりたい、と思うのは自然な事…だよね?
「夜々先輩」
手に持っているコップから目線を私にずらして。
…何だかんだで一緒に居るからだろうか、夜々先輩の目は決して優しく恋人を見る目ではなく、鬱陶しいモノを見る目だと分かってしまう。
嬉しいような、悲しいような。
複雑な気持ちになりながらも、1つため息。
文句は言わないんで、ため息くらい許してくださいよ?
目を合わせようと顔を上げると、夜々先輩はもう目線を、温かいレモンティーが入っているコップに落としていた。
…ちょっ…
「夜々先輩」
「……何よ」
何でそんなに不機嫌なんですか…
「ちょっと来て下さい」
「めんどくさい」
「ホラ、月が綺麗ですよ?」
「……はぁ?」
アンタ馬鹿じゃない?とか
ドコに目付けてるの?とか散々言いながら、夜々先輩はベッドの上から、窓の近くに座る私の隣に座ってくれた。
「あのねぇ、今雨降ってるんだから月なんか見える訳…」
「あぁー私の勘違いだったみたいですねー」
「…アンタね…―…ッ」
夜々先輩はいつもクールな顔してるから、こんな顔あんまり見ないなって思うくらい、驚いた顔をしていた。
…ちょっと手、握っただけなんですけどね。
「…蕾?」
勘が無駄に良い夜々先輩なら、気付くかなって思ったんだけど、表情を見る限り、まだ気付いてないみたい。
「月なんて、見えませんでした」
「…は?」
「口実です」
「………あ、あー…」
雨が降るこんな夜に、お月様なんて見えませんよ。
隣に、傍に居て欲しかっただけの口実なんです。
「最初から素直に言いなさいよ…」
「……素直に言えば、来てくれました?」
「…当たり前じゃない」
いつもは流される私だけど、今日は違いますよ?
ただ、照れてる夜々先輩の横顔を、今私1人が独占してるんだって。
コレって、かなり凄いですよね?
握っていた手を一旦離し、夜々先輩の腕に自分の腕を絡めて、再度手を握る。
うん、距離が縮まって、暖かい。
その間、夜々先輩は紅茶を口に運びつつ、くっついた部分に目を向けていた。
「…寒かったんで」
「体は冷たくないみたいだけど?」
「う……こ、心が…………って、何言わせるんですか」
むぅ。
もう夜々先輩のペースか。
ちょっと悔しいけど、こうなったら逆転は難しい。
当の夜々先輩は何かニヤニヤしてるし。
…まぁ、いっか。
傍に居てくれてるんだし。
暫く真っ暗の景色を2人で眺めて。
変わらない景色から夜々先輩に目を向けると、夜々先輩もすぐにこっちを見てくれた。
…それだけで嬉しくなる、私って単純?
「…誘ってる、のよね?」
「……あの、言ってる意味が…」
「キスして欲しいって顔してる。いただきまーす」
「ちょ、あのッ…―ッ」
寒い日は人肌恋しくなるって言うけど、夜々先輩も例外じゃ無かったって。
キスする直前、夜々先輩の顔見て気付いた。
…誰でも良いって、訳じゃないんですよね?
夜々先輩は私が誘ってる、って言ったけど。
それが反対になるのは、時間の問題だったんじゃないのかな。
そんな事をボンヤリ考えながら、暖かい背中に手を回した。
…何か大事な事忘れてる気がするけど。
END
【おまけ】
「…完全に私と玉青ちゃん空気だよね…」
「ここで2人を止めれば、俗に言う『KY』ですわ、渚砂ちゃん」
「……でも2人とも、何だか幸せそう」
「えぇ、そうですね」
「ね、玉青ちゃん。私も何だか寒いなぁ」
「それは大変ですね。すぐに温かいミルクティーでも淹れ」
「…玉青ちゃん」
「―ッな、渚砂ちゃん…?」
「……キスして、くれないの?」
「―〜ッ…!!」
「だぁい好きだよ?玉青ちゃん」
「…私もです。渚砂ちゃん」
END
以上です。
>>722様と
>>724様に釣られました(笑)
今回は夜蕾+αで、おまけで会話文のみですが、玉渚要素をちょこっと入れてみました。…このスレなら、需要ありますよね?\^o^/
…あ、お茶会なのに、千代ちゃんが居ないのはツッコまないでくださいorz
おおおおおお!!夜蕾きてたー!!
二人ともかわいいな(*´Д`*)
玉青ちゃんと渚砂のこと忘れるとかさすがだなw
てか関係ないけど
三月になって雪が降るとは思わなかったわ(関東)
相変わらず、両思いなんだけど微妙な距離感の夜蕾最高でした。
圧縮回避の保守してた甲斐がありました
737 :
名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 02:43:44 ID:N6lpxOsS
ごちそうさまでした!
キマシタワー!!!!!
GJですこのゆったりな雰囲気いいですね。千華留様好きだったけど、よるよるさんも素晴らしいことに今更ながら気付いたよ
嫁キター!!この距離感がたまらない…GJ
おそかれながらちかる様の方もGJ!!エロ展開にどきどきしました…
あらあら、なぎさちゃんたら…
優しくしてくださいね…
わふー
ほす
えろわーる
744 :
名無しさん@ピンキー:2010/04/25(日) 14:28:25 ID:WmUciPuH
あ
あらあら
あらら
ありゃ
ありゃりゃ
こりゃりゃ
キマセンワー
最近ストパニにはまってSS書き始めたけど 趣味が高じて福本みたいな世界観になってしまった・・・
\(^o^)/
どんなだよw
どんなものか検証するために見る必要があるな
キマシタワー ヌルリと
やっと新しいSSが投下されると思うとタマリマセンワー
書き始めたんだけど当分投下はできそうにないやorz
いまのtxtファイルで48.8kbぶん書いてあるんだが構想の5/1できたかできないかくらい\(^o^)/
その割にはエロあまりないし\(^o^)/
5・・・一分の五・・・
この際エロはあんま関係ないお
1/5 かww
なんという誤記・・・
気長に待ちましょう
760 :
人モドキ:2010/06/24(木) 22:54:05 ID:xwHGWXUj
Anime GalleriesにあるMOZONaZ氏が描いた光莉×夜々のイラスト(ニコニコ動画のヤマイ様の「女女」に使用されているやつです)を見て自分がしうた妄想を文章化しました。
文章を書くのは5年ぶり、小説は初めてなので下手なものしか書けませんが、今日から修行するので生温かい目で見で見守ってください。
アニメ版はあまり見ていないので、二人の性格の大きなズレがあれば指摘をお願いします。
ではまず第一章を投下します。プロットは完成しているので、二章ももうすぐ書きあげられそうですが、
先に今回投下した一章を書きなおすかもしれません。
Yorugao(1)
「あら、あなたは今日スピカに編入された此花光莉さんかしら?」
「え…」
寮の自室を探しに、伏し目がちに歩いていた光莉は、自分の名前が呼ばれていることに驚いて顔を上げた。
「こんにちは」
瞬間、光莉は更なる驚愕に息を飲んだ。
目の前に、絵本から出てきたような美少女が立っていた。綺麗に整った顔だちに、艶やかな黒髪。少し大人っぽい雰囲気。それでいて可愛らしい目。
その姿はまるで絵本の中のお姫様のよう。
「はじめまして。私は南戸夜々。夜々でいいわ。光莉」
「此花光莉です。よろしくお願いします。夜々…ちゃん」
「ふふふ、じゃあ私たちの部屋に案内してあげるわ」
そう言いながら、目の前のお姫様、夜々は光莉の手を握った。
「ええっ!?」
その発言に驚いた光莉に、夜々は少しイジワルそうに微笑んで光莉に告げた。
「私たち、同じ部屋なんだよ」
驚きの連続の新学期の開幕に、光莉は胸を高鳴らせた。(どっ、どうしよう…、こんな綺麗な人と同じ部屋だなんて…)
一方、胸を高鳴らせているのは夜々の方も同じだった。
「わぁ、ここが私たちの部屋…」
目の前でこれから寝床になる部屋を見回している少女、光莉の可愛らしさに夜々は感嘆していた。 ハーフか何かなのだろうか。その瞳は宝石のような水色で、肌は透き通るように白い。
なにより目を引くのが、ふわふわとやわらかくウェーブしている金色の髪。 初めて光莉を見たとき、地上に舞い降りた天使が迷子にでもなったのかと思った。
「…?どうしたの?夜々ちゃん?」
ずっとこちらを見つめている夜々に光莉は困惑気味だ。その目は潤みを帯び、声は少し震えている。 保護欲をそそる光莉の姿や声色に、夜々の感情は音もなく高ぶっていく。
(ああ、いたずらしたくちゃう……!!ふふふ、いいこと思いついちゃった)
「身体測定をします」
「身体測定…?」
嬉々とした夜々の発言に、光莉はぽかんとして意味もなく繰り返した。
「まだスピカの制服まだ取りに行ってないでしょ?制服貰う時に、その身体測定の結果が必要じゃん」
「ううん…って、ええっ!?」
メジャーもなくじりじりと近づく夜々に、慌てた光莉は言葉も出ない。
「そんな!いやっ…きゃっ、私っ…」
「おとなしくしててね」
夜々は興奮気味にそう言うと、素早く光莉の背後から抱きしめ控え目な膨らみに触れた。
「こっ、こんなの身体測定なんかじゃなっ…、やっ…」
「ふふふ、可愛らしいお胸」
その膨らみをさわさわと撫でたあと、夜々は光莉のふくらはぎに手を伸ばし、撫でながらゆくっりとその手をずり上げていく。
「光莉、脚もすべすべしてるね…」
徐々に夜々の手がお尻へと近づけば近づくほどはっきりと分かる、くすぐったさとは違う未知の感覚に光莉の呼吸は熱を帯びていく。
「はぁ…はぁ…ひゃんっ!」
夜々の手がお尻に到達すると、未知の感覚に高ぶった光莉は小さな悲鳴をあげる。
光莉の腰はふるふると震えはじめ、頬は後ろからでも分かるほど上気している。
「すっごく可愛いよ…光莉」
「いやぁ…もう…」
とうとう夜々は光莉の内ももに手を伸ばし、ゆっくりと撫で上げはじめた。
火照った光莉の肌の感触を楽しみながら、光莉の中心に手を近づけていく。
「…って、わっ!どうしたの光莉!!」
光莉にはあまりに強すぎる刺激で高ぶりすぎた感情は意識を押し流し、光莉は気を失って倒れてしまった。
慌てて夜々は崩れ落ちた光莉をベットに寝かせ、呼吸があることに安堵すると、光莉が目を覚ますまでその天使のような寝顔を見守った。
期待
期待2
夜々×光莉キマシタワー
続きはまだですか。
期待
お久しぶりです(__)
恐れ多くも、このスレでは夜蕾ssを投下させていただいてる、
>>730です。
>>760様の夜々*光莉ss、続きをめちゃくちゃ楽しみにしております!
それで、期待保守がわりの稚拙な夜蕾ssを今夜にでも投下したいのですが、お許しいただけますでしょうか?o(><)o
是非してください(*^^*)
>>768様、ありがとうございます。
>>767です。
ようやく仕事が終わりましたので、保守代わりの夜蕾ss投下します(^O^)/
夜々*蕾でエロ有り、ちょっと長いですが、9レス程お借りします(>_<)
追伸:以前使っていたトリ忘れてしまったので、新しく付けました(笑)
―…コン……コン。
微妙な間のあるノック音。
そろそろ来る頃だろうと予想していた私は、読んでいた雑誌を伏せ、立ち上がった。
このノックの仕方をするのは、一人しか知らない。
「―…と」
ドアノブを回す前に、振り返る。
今日は珍しく、同部屋の光莉が居た。
「光莉、私今日はつぼ…ちょっと用事があるから、もし部屋出るんなら、戸締まりよろしくね」
「…うん、蕾ちゃんの所でしょう?」
「…ん、まぁ。さっきノックしたの、蕾、だと思うし」
心なしか、光莉の元気が無い。
天音様と何かあったのか…そんな所
だろう。
元気が無い光莉を置いて行くのは、とても心苦しい。
形は違えど、光莉も私の大切な人だって事は、変わらないのだから。
「光莉…?」
「…夜々ちゃん、蕾ちゃんが待ってるんじゃない?」
「…ッ…」
―仕方ない。
蕾には悪いけど、ちょっと部屋で待っててもらおう。
光莉の話を聞いて、それからでも遅くはないだろうし。
「つぼ…」
「…夜々ちゃん…!」
トン。…―ガチャ。
誰かに強く抱きしめられた感触、と。
ドアが開く音が、静かに聞こえた。
「…夜、々先輩…?」
「蕾……」
声のする方に目を向けると、蕾が居た。
その表情は、何が起きてるのか理解していない、戸惑いを含んだ、唖然とした表情で、私は何も言えなかった。
依然、私に抱き着いたままの光莉は、蕾の存在には気付いてないみたいで、私の胸に顔を埋めたままだった。
「夜々先輩…あの、私…」
「…ごめん、蕾。折角来てくれたのに、悪いんだけど、ちょっと部屋で待ってて…」
「…!?」
光莉の肩を左手で抱きながら、「必ず後から行くから」と、続きの言葉を言おうと、もう一度蕾の方を向いた。
「――……すみません」
「あの、蕾。私、必ず…」
「お邪魔しました」
視線が交わる事は無かった。
蕾は俯いたまま、部屋から出て行き、ドアの閉まる音がやけにうるさく響いた。
「蕾…」
出来る事なら、背中に回された腕を振りほどいて、追いかけたかった。
…けど、今の私には、そんな事が出来なかった。
光莉も、大切な人なのだから。
とりあえず、光莉が落ち着いて、話を聞いて、力になれる事があれば、親友として、力になろう。
蕾の事は…何があっても…必ず…。
光莉の頭を撫でながら、今はただ、待つ事しか出来なかった。
「…ゴメンね、夜々ちゃん」
何分くらいたっただろう。光莉はようやく顔を上げた、が…まだ表情は曇ったままで、私は小さく息をついた。
「謝る事なんて無いわよ。どうしたの?」
「…ちょっと…」
「……天音様絡み?」
「…!」
光莉は隠し事が出来るタイプでは無い。『天音様』の名前をだしたら、すぐに反応を見せてくれた。
「…天音様は、優し過ぎるから」
「…うん、何たってエトワール様だからね」
「私が勝手に落ち込んでるだけなの。私じゃなくても、天音様の隣は別の人でも良いんじゃないか、って」
…うん。ちゃんとけじめはついてるハズなんだけど。
やっぱり私は、天音様は苦手かもしれない。
光莉の口から天音様の名前が出るのは、そして、天音様の事で悩んでる、という事だけで、少し気分は下がってしまう。
未練がある訳じゃ無い。
…今の私は、もう昔とは違うんだ。
「…そんな事、無いよ」
「夜々ちゃん…」
「エトワールって、二人揃って、初めてエトワールになるのよ。…まぁ、前エトワール様はちょっと例外だけど…誰でも良い訳無いじゃない」
「うん…でも…」
「知ってる?光莉。自分で言うのもなんだけど、天音様の隣で笑ってる光莉、誰よりも素敵で……悔しいけど、私の隣に居る以上に、ね」
今にも泣き出しそうな光莉の頭を撫で、改めて、人って変わるんだな、と再確認した。
まさか私が、天音様の隣に居る光莉を認めちゃうなんてね。
「笑ってよ、エトワール様」
「……」
「全校生徒の代表よ?天音様と光莉以外、誰が務まるのよ?」
「……うん…!」
「よし♪」
偉い偉いって、クシャクシャに髪を撫でると、今までの暗い顔から私の好きな笑顔に変わっていた。
「…じゃあ、光莉、私ちょっとやる事があるから」
「あ、蕾ちゃん…ゴ、ゴメンね、夜々ちゃん…!」
「大丈夫、私から蕾には言っておくから…ホラ、天音様の所行くんでしょ?きっと待ってるわよ」
「…うん、夜々ちゃん。ありがとう」
「そうそう、笑っててよ、光莉。私の大好きな光莉は、いつも笑ってるわよ」
――――。
驚いた。光莉を笑って天音様の部屋に送り出せる日が来るなんて。
あの、過去の私はもう居ない、という事なのかな。
光莉の事が大切で、大好きで、一方的な矢印を向けてる事だって、彼女の矢印は私の方を向いてない事、分かってて。
それでも、辛くても、ただ想い続けて。
人を好きになる事が、ただ辛い事なんだって、思ってた。
あの子を…蕾を意識するまで、は。
決して光莉の替わりとか、想いを寄せてくれてるから、とか。
不純な理由で今、こうしてる訳じゃない。
大好きって伝えて、大好きって返してくれる人が居る。
「…待っててね、蕾」
今日は同室の友達が部活の遠征で居ないから、遊びに来て下さい。
もし良ければ、迎えに行きましょうか?
――…いつもよりご機嫌な蕾とのやり取りを思い出す。
…理由はどうあれ、色々誤解してるであろう蕾の事を思うと、少し心が痛む。
ノックをしようとして、やめた。静まりかえった廊下、見慣れたドアの前。
「…バカ」
そう呟いて、無言でドアを開ける。と同時に、枕が飛んできた。
ギリギリの所で避けて、目に入ったのは泣き顔の蕾。
「何泣いてんのよ」
「…泣いてなんかいません。何の用ですか…夜々先輩」
「蕾に会いに来たのよ。コレが理由」
「ッ…!」
再び俯いた蕾は、私に背を向けて…少し肩が震えていた。
「蕾、さっきのは…」
「夜々先輩、別れましょう」
「ひか…――…って、…はぁ?」
「時々思ってたんです。私じゃ、夜々先輩には不釣り合いって事。夜々先輩の隣は、私の居場所じゃないって事とか…」
「ちょっとアンタ、何言って…」
「居ますよ、必ず。夜々先輩に相応しい人が。だから、私とは、もう……」
…バカ。馬鹿。
声詰まらせてまで、泣いて。
勝手に誤解して、自分で思い詰めて。
光莉と似たような事、言って……。
………そうさせたのは、私か…。
本当、大馬鹿よ、私。
「ふざけないでよ…」
私は蕾の腕を掴み、ベッドに押し倒した。
「ちょ、夜々先輩…!?」
「光莉の事は、相談にのってただけ。親友として」
蕾の体を跨いで、両手首を押さえ付ける。
ちょっと乱暴だけど、話を聞いてくれなきゃ、困る。
「アンタが日頃そう思ってて、私の隣に居たくないってのが本心で…別れたいんなら…!…私は、アンタと別れる…」
「…!!だ…って…」
「だけど!本心じゃないのなら……私の隣に、居なさいよ…」
ポタ、ポタ。
蕾の頬に水が落ちる。
あぁ…泣いてるんだ、私。
「蕾から意識させといて…私を独りぼっちから解放してくれたのは…人を好きになる事が、こんなにも幸せな事だって、教えてくれたのは蕾なのよ…?」
「…私…が……?」
「…蕾という人を知って……今更一人は、絶対無理よ…!」
この人を失うのが、怖い。
蕾の頬を撫で、存在を確かめる。…人はこんなにも暖かい。
まだ自分に好意を向けている人を、大切な人を、失いたくない人を。
自ら手放して、一人になるのは、耐えられる訳、無い。
「…夜々先輩の隣に居て…いいんですか」
「蕾以外、相応しい人なんて居ないわよ…今も、これからも」
「夜々先輩…ッ!!」
…本日二回目。背中に腕を回されて、強く抱きしめられた。
ただ、一回目と決定的に違うのは、想い。
「好きです…別れたいなんて…ッ…嘘です…!私には、夜々先輩しか…!!」
分かってたよ、蕾。
一番大切な人の事だから、ね。
それから、何度も、何度も蕾と唇を重ねて、覚えたての赤ちゃんのように、その下唇に吸い付いた。蕾の顔から涙が消えて、噛み締めていた唇は私を求めて、小さく開いてる。
それがすごく官能的で、私は思わず蕾の服を脱がせにかかっていた。
「…夜、々…先輩…」
「久しぶりね…最近二人っきりって少なかったから…」
顕わになった胸元に吸い付き、赤い印を残す。
つい夢中になって、蕾にやんわりと肩を押された時は、真っ白な肌に無数の印が刻まれていた。
「ちょ…学校の授業でプールあるんですけど!」
「あー…ごめん。まぁ良いじゃない」
「良くないです!って、ちょっ、どこ触っ…あっ…!」
蕾の、情事中の文句すら愛しく思える。
胸の先端を口にふくんで、もう片方は指で転がすと、文句は喘ぎ声に変わった。
口の中で先端が固くなってきたのが分かった所で、舌を使い執拗に舐め回して、蕾をゆっくり導く。
「あッ…ん、ンッ…!やぁっ…ソレ、ばっか…あぁっ」
ふと目線を下に下げると、腰がピクピク動いてるのが目に見えて分かった。きっと、すごく濡れてる。
…ちょっと早いけど、そろそろ、かな。
右手を胸から下に降ろし、左手を一緒に使って下着を脱がせる。
透明の糸をひいていて、少し興奮する。
「すごい。グショグショ」
「言…言わないで下さい!」
下着を完全に脱がせて、大きく足を開かせた。
「まだ触ってもないのに…沢山濡れてるわよ?」
「やぁ…ッ…はぁ、ッあ…」
「もう指挿れるよ?」
「え、や、待っ…あぁッ!!」
蕾のソコはすんなり私の指を受け入れ、締め付けてくる。
抜き差しする度に絡み付いた蜜が音をたて、恥ずかしいのか、蕾は両手で顔を覆っていた。
「あっ、あっ、…!ンッ…は、アァッ!!」
「もうイキそう?」
「ふぁあ…夜、やや…せ…んあっ…」
…答えらんない、か。
次第に大きくなる音と比例して、喘ぎ声と指の締め付けも強くなっていく。
蕾が高みにのぼって行くのが分かって、ちょっと痛いくらい指の抜き差しを激しくする。
「あぁぁッ!!や、激しッ…あ、あ、ダメ…ッ!」
「いいよ、イッても」
「ん、んぁ…は、あぁぁッ…――!!!」
ガクガクと震える体を抱きしめて、目一杯の想いを込めて、蕾の唇に自分の唇を重ねた。
それを受け止め、答えてくれるかのように、蕾の方から舌を絡ませ、力無く私の舌に吸い付いてきた。
「はぁ、はぁ…夜々先輩…」
「…何?」
「…今、幸せ、ですか?」
「……いつもよりは、ね」
素直じゃないですね、なんて。どの口が言うのやら。
お互い様よ、って返して、蕾の隣に寝転んだ。
「光莉も、ごめんって言ってた」
「え?あ…そう、なんですか」
「―ったく、少しは私を信用しなさいよね」
「なっ…!だ、大体いつも夜々先輩は…―!!」
ようやく落ち着いてきたのか、蕾も本調子に戻ってきたらしい。
さっきのような、素直で官能的な蕾は何処へやら……まぁ、私の前でだけ見せてくれるんなら、別に良いんだけど。
未だにブツブツ何か言ってる蕾の肩を抱き寄せ、頭を抱き抱えると、小言は止まったけど。
…うん。最近、こーするとあーなる、っていうのがちょっとずつだけど分かってきた気がする。
「…私の性格だと、今回みたいに誤解させる事、あるかもしれない。だけど、もういちいち傷付くのは、やめなさいよ」
「……」
「本当は逆なのよ?私でいいのかな、って思う事あった」
「!わ、私は……その、夜々先輩…と、一緒が…」
「ん、今日確信したわ」
私の胸に顔を埋めても、真っ赤な耳、隠せてないんだけど。
いつものようにおちょくろうと思って…やめた。
「…や、夜々先輩」
「何?」
「……寝ても覚めても、気が付いたら毎日夜々先輩を想っていて……夜々先輩の声と、笑顔で一日が始まって、終われたら…それが夜々先輩も同じなら、私達、いつまでも一緒に居られますよね?」
「―――ッ!!!!」
も、もう寝ます!って言い逃げされたけど、顔に熱が集中するのが簡単に分かった。馬鹿、って呟くのが精一杯。
…明日目が覚めたら、一番に返事をしてあげよう。
一択しかない質問の答えを、蕾の好きな笑顔、とやらで。
END
以上です。
表記ミスがあったらスミマセン(>_<)
純粋に甘いssが書けない…orz
780 :
名無しさん@ピンキー:2010/07/07(水) 23:15:46 ID:NGIkXRII
GJです!待っててよかった!
蕾が可愛すぎる!!!!
毎度毎度ありです!
窈さんこと私の嫁グッジョブ!待ち続けた甲斐があった!夜々がだんだんゾッコンに…。
今百合ってブーム?チックだけどストパニいいよねやっぱ
h
GJです
規制でずっと書き込めなかったorz
久しぶりに来たら新作来てる!
蕾かわええ…なにこのかわいいいきもの
蕾のヘタレ受けかと思っていたら、まさかの攻め。
続き、いつまでも待ってます。
「たーまーおーちゃんッ」
「ふぁっ!?…な、渚砂ちゃん?」
「玉青ちゃん大好き!」
「ちょ、あの、凄く嬉しいんですけど、ココ廊下で…」
「…玉青ちゃんは、私の事、嫌い?」
「そ、そんなハズありません!私は渚砂ちゃん一筋です!」
「ホント!?良かったぁ〜」
「私が渚砂ちゃんの事嫌いになるハズありませんよ。…さ、部屋に入りましょう」
バタン。
「…」
「…アンタも渚砂さんくらい素直なら可愛いんだけどね」
隣でボソッと何か聞こえたけど、あえて聞いてないフリをした。
あ、申し遅れました。聖スピカ女学院1年、奥若蕾です。
今夜のお茶会のお誘いを、と思い、渚砂さん達の部屋に来た所なんですが…声をかけるタイミングを完璧に失ってしまった訳です。
「…ど、どうしましょう」
「玉青さんの目、完璧に渚砂さん狙ってたからね…今ノックでもしようものなら…まぁ、野暮よねぇ」
「ね、ね、狙っ…!?」
「…まぁ、とりあえず私も部屋に戻るわ。じゃあね」
「あ、ハイ、また………って、もも、戻っ…?」
危ない!そのまま返事しちゃうトコだった!
「何よ」
「あ、えと…よ、用事が無いなら、私の部屋に居てもいいですよ?お、お、お茶ぐらいなら、準備しますけど?」
別にこのまま1人になるのが嫌とか、渚砂さんと玉青さん見て羨ましいと思ったとか、そんなんじゃないんだから、ね!?
めんどくさい、とか。眠い、とか。散々言ってる夜々先輩を、どうにか部屋まで連れてくる事は出来た。
夜々先輩は私のベッドの上で雑誌を読んでいる。
私は、紅茶の準備。冷房が効いてて涼しいけど、温かい紅茶を飲む気にはなれなくて、冷たい紅茶を用意する。
…でも、ホント、冷房よく効いてるな…半袖だと少し肌寒い。
長袖着ようかな…てか、ちょっとコレ、冷房、さ、寒……
「寒ッ!!!夜々先輩設定何度にしました!?」
「17度」
「えェッ!!?ちょっと何考えてるんですか!リモコン貸して下さい!」
慌てて夜々先輩の所に駆け寄り、リモコンを探す。
いくら暑いからって、適温ってあるのに…コレじゃ地球温だ…………要先輩が煩そうだし…
「寒いわね」
「当たり前です!もー夜々先輩ホントに何考えて―――…」
ぎゅっ。
背中に柔らかい感触と、胸の前で組まれてる、自分のじゃない、腕。
座ったまま抱き寄せられたから、体を全部、後ろに居る人…夜々先輩に預けてる状態。
「寒いね…」
「…あ、あの…夜々先輩…!?」
「アンタ馬鹿だし、体温高そうだから……」
耳元で声が広がる。冷たいハズなのに、顔は火照ってくるのが簡単に分かった。
冷房のスイッチ切れば良いじゃないですか、なんて。
…そんな事言うのも…野暮、ですよね?
「…もっと上手に甘えられないんですか?」
「ッ!う、うるさいわね…」
「寒いから抱き着く、なんて…安直ですよ」
夜々先輩の腕の中で、クルリと反転する。
頬を赤く染めた夜々先輩が、愛しくて、可愛くて。
「…私も素直じゃないけど、人の事言えませんよ?」
「あ、安直で悪かったわね…」
「…そんな夜々先輩も、好きですよ」
目の前に居る、年上だけど可愛い恋人を抱きしめる。
…今ぐらい、リードしても良いよね?
何だかんだ言って優しい夜々先輩は、いつも私を甘えさせてくれる。
夜々先輩にも、甘えて欲しかったんだ、本当は。
「…何か、ムカツク…けど……私も、好きよ」
「夜々先輩…」
目と目があって、夜々先輩が目をつぶる。
…こ、これは、良いんだよね…?
ゆっくり口付けると、背中に手を回され、私はそのまま夜々先輩をベッドに押し倒した。
シャツの中に手を滑り込ませると、体がピクリと反応した。嫌がってる様子は無い。
私はそのまま、夜々先輩の首筋に顔を近付け、舌を這わせ――。
コンコンコン! ガチャッ!
「蕾ちゃーん、私ッ、渚砂だよ!今夜のお茶会の事なんだけ…ど…」
「な、渚砂ちゃん、勝手に開け、ちゃ…」
「「「「…あ………」」」」
…渚砂さん、玉青さん、酷いです…
END
皆様、こんにちわ。窈です。
前回のssに、沢山のGJありがとうございました\^o^/
続きを期待してくれてる方も居て、嬉しいですm(__)m
前回のssの続き…短くて良ければ、一応考えて文章にしてるんで、機会があればまた投下したいと思いますp(^^)q
今回もいつもと変わらず夜蕾です。
いい加減、ss投下するなら夜蕾以外も投下しろよ、って感じですよねorz
あ、誤字脱字がありましたら、すみませんorz
毎度、甘々な夜蕾ごちそうさまです
>いい加減、ss投下するなら夜蕾以外も投下しろよ、って感じですよねorz
う〜ん、自分は夜蕾だけでも満足です
ご本人が夜蕾以外も書いてみたいっていうのならそれはそれで良いと思いますけど、プロじゃないんだ
し自分の好きな物だけ書けば良いんじゃないかな
↑同感。
毎度毎度GJです。こっちは見てるだけですし、むしろ感謝ですよ
遅ればせながらGJ!
金取ってるわけじゃないんだし、
自分の好きなものを書けば良いと思いますよ。
GJです!
好きなのを書くのが一番。書く側にとっても読む側にとってもそれが一番楽しいかと。
そんな自分もはやくSS完成させたい。。。
がんばれー
まあ、ミアトルのオーナー一族である源家とその乗っ取りに踏み出る花園家が、
今後のミアトルの経営権を賭けてマージャンするようなぶっ飛んだ話ですけどねw
麻雀って楽しいよねw
>796 その台詞、百合違いだしっ!
でも麻雀って楽しいから、SSも3年間迄なら待ち続けますよ
脚本は同じだっけか保守
同じだな。浦畑達彦って人。
因みに、今現在は、ストパン2の脚本もしてるみたいwww
百合の語らいについては大得意ってことか?
浦畑さんに限らず、ストパニスタッフは後に百合で話題になる作品には結構関わってるよ
マリみても、そうなのかな
うおおお!
新しいまとめサイトきたー!
GJです!
スレごとにまとめられてたりカップリングが一目でわかって見やすい!
超GJ
お疲れ様です!
さて、もう一回読み返すか
玉青「ふぅ…これでまとめ作業も完了ですわ」
渚砂「玉青ちゃ〜ん」
玉青「これで私と渚砂ちゃんのあんな話やこんな話がいつでも見れますわ〜。あ〜たまりませんわ〜」
渚砂「玉青ちゃん、さっきから何をしてるの?」
玉青「な、渚砂ちゃん!?いつからそこに?」
渚砂「さっきからいたけど、玉青ちゃんノートパソコンに夢中で話しかけても無視するんだもん」
玉青「ごめんなさいですわ、渚砂ちゃん」
渚砂「うん。それはいいけど、そんなに夢中になって何をしてたの?」
玉青「あ〜見ちゃだめですわ〜」
正直すまんかった
保管庫の整理がひとまず終わったので報告を
願わくは新たなSS書きさんが現れんことを
玉青って手書きで舞台の脚本書いてたよな?ノートPC持ってるのが
ばれたらシスターに何言われるか。
携帯、ポケベル等(この「等」にPCが収まると思う)はいちご舎では厳禁なんだが。
いちご舎ではなく校舎に情報処理の授業用ならある?
そういやゲーム版だと主人公が兄にPCでメール送ってたな
ゲーム売ってねえ…
夜々先輩、台風通り過ぎたようですね。でも、もう少し荒れてくれた方が、あっ、甘え……
>>802 久々に来たらマジGJとしか言えんGJ!!
保守
hoho
保守
さて、もう一回見るか
ほろ
818 :
名無しさん@ピンキー:2011/02/24(木) 17:43:22 ID:r6etkl5h
まだまだ
819 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/07(月) 02:25:38.64 ID:ThgBBtaX
保守
もう落としてやれよ
821 :
名無しさん@ピンキー:2011/03/13(日) 03:51:40.87 ID:SN3kJ8+e
保守
保守
823 :
忍法帖【Lv=2,xxxP】 :2011/04/27(水) 21:28:45.46 ID:6uWx2KEf
hoshu
hoshu
hoshu
保守
保守
┌┴┐
イ iソ 必 立 |了
ホノ人_` 山 口 |
,ィ' ̄` ー、_
((”Y:ハMリソY ち
,ゞ-{|モュ tチ|ト. く, ,ノ⌒ヽ-、_
`tー'ゝ ワ,.イ:`イ ,.ィ'" 入 ヽ i_,,.
/::::::_:ィヤ'Y::/7`ー-ゥ=、-―=ー―--y'" ,./_ゝ i Y }_
/:::イ キ/|./::/f / /| { ヤi | |ヘ、_
/:/Y ヤ"|:::| キィ、 ヤフ`ー--=、..,,__i i / | `ー' イ/Yー'
/::/イ i. , i::| /::::`Y"::\ ∨. |. 百 .| 変 .|
Yモ`、_,,.=-―ー{(.>、Y i || /::::::::::::::::::::::\. ヽ } 合 .| 態 |
`ー--zー―-イノ:::::::ノ }{ ):::::::::::::::::::::::::::\ } / 部 .| 部 |
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 ̄ ̄" ̄`ー/7フ ̄ii ̄ii ̄iT∧ ヾ . | | |
ほしゅ
ほす