激しく萌えた!!!GJ!!!!
GJ!GJ!GJ!
いいねー
103 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 11:49:28 ID:77auCaJQ
このスレまだ続いてたんだ!!
すごくGJGJ!もっと頼むよーー最終回終わってから萌え不足なんだよーー
ほんと続編放送しないかな
終わり直後で息切れになってしまったので
モチベ復活の為に書き途中ですがゆっくり投下していきます。
エロ書くの苦手ですみません…。
夢を見ていた。
釜樽の中で自分が茹で上げられている夢だった。ぐらぐらと煮立つ湯と水蒸気に身体が蒸され、とても息苦しい。思わず口を開けるとしょっぱい汗の味がした。
(く、くくく苦しい…。誰か…助けて〜…!)
「起きろ! アホ宮ぁ!」
脳天を突き抜けるような声が響き、雨宮蛍は目を覚ました。
「ぶ、ぶぶ部長? あれ? おはようございますぅ〜…」
慌てて飛び起きると、そこはいつもの縁側だった。目の前には上司の高野誠一が仁王立ちでこちらを見下ろしている。
(ああ、部長、接待が終わって帰ってきたのか……)
どうやら、眠っていたようだ。Tシャツが、汗でびっしょりになっている。
「おはようじゃない! 今何時だと思ってるっ?……いや、そんなことよりもなんだこの惨状は!?」
「え? あ、あの…借りてきたDVDですが?」
「そんなことはわかっている! 私はなぜ三日レンタルのDVDを一度に20本も借りる必要があるのかを聞いているんだ!」
四方八方に散らばっているDVDを指しながら高野は蛍に詰め寄った。いつもと同じ黒い背広姿だが、いつもと違って完全に怒っている。
「ええと…それはですね」
高野を見上げる蛍の頬をつうっと汗が伝った。それは糸を引くように顎から垂れ落ちる。
今夜は、完璧に、熱帯夜だ。
「…部長、今日は花マル金曜日ですっ」
「……それが?」
「仕事が終わって、ビールを飲みながら、夜を明かして色んなラブストーリーでも見ようかな〜っと! …思い立ちまして、レンタル屋さんに行ったら、見てない映画がいっぱいあったのでついつい沢山借りちゃいました……」
てへっと蛍は笑う。前髪を一本結びにして、こ汚いジャージを着ていても可愛らしく見える笑顔だったが、高野は陰険な笑みを浮かべるだけだった。
「そうか……“ついつい沢山借りちゃった”のか」
「……はい」
「………この、アホ宮がぁあああ!」
怒髪点を突くような吼え声に蛍は思わず頭を抱えて縮み上がった。
「ひぃぃいいい」
「どこの世界に合計55時間のDVDを三日で見終わる人間がいる!? 一日は二十四時間しかないんだぞ? 貴様、この週末は『どこにも出かけず』『寝ないで』過ごすつもりか? せめて一週間レンタルにしておけばいいだろう!」
「す、スミマセン〜〜〜!!」
「まったく……!」
苛立たしげに溜息をつく高野も、暑いのか乱暴に自分のネクタイを緩めた。
「だから延滞料を24580円も取られるような事態になるんだっ。映画は一日何本までと決めておけば、どれだけ借りたかわからなくなる事もない」
「はっ…その通りであります……」
「仕方ないから今晩は私も付き合ってやる。根性で4本は消化するぞ。寝るなよ。そして、以後気をつけなさい」
「ありがたい限りでございます……」
「……それにしても暑いな」
高野は上着を脱ぐとハンガーにかけた。首周りがじんわりと汗で濡れている。
「今夜はひどい熱帯夜だ。シャワーだけ浴びてくるから、ここで待ってなさい。15分で戻るから」
「えええ!」
平伏していた蛍が、高野の言葉に顔を上げた。
「ずるいです部長っ。汗みどろなのは部長だけじゃないんですよ! 私だって、さっきまで釜茹でにされてたんですから、ほら……っ」
そう言って蛍はTシャツの前面をびろんと引っ張った。バケツの水をひっくり返したよう……とまではいかないものの、ぐっしょり汗でぬれている。
高野はそんな蛍の姿を軽蔑そうな眼差しで貫いた。
「君は寝ていただけだろう……私は今の今までし、ご、と、を! していたんだ! 先に入ったって文句言われる筋合いはないっ」
「そんな〜〜〜〜〜!!! あ、そうだ」
蛍はがばりと立ち上がると高野の肩口をぽんと叩いた。
「部長、一緒にお風呂入りましょう。二人ですっきり!爽快! 一石二鳥ですっ」
「阿呆か君は! 出来るわけないだろうそんなこと! すぐに戻ってくるからそこで待ってろ…!」
叱り付けるように言葉を発すると、高野はそのまま背を向けて風呂場まで歩いていってしまった。
「部長〜〜〜〜???」
蛍は呆然としたままその姿を見送る。彼の足音だけが残響しやがてそれも風呂場の扉を開ける音とともに止んでしまった。
生暖かい風が彼女のうなじを舐めあげる。汗をかいた部分が一瞬ひやりとした。
(言われちゃった…出来るわけないって……)
先ほどの高野の言葉を反芻すると、ぺたりと蛍は座り込んだ。ひんやりとした木造の床が彼女の身体を受け止める。
(私たち、恋人同士じゃなかったっけ!? 部長〜〜〜〜〜???)
***
蛍が一年越しに高野の住まいに戻ってきたのは、およそ一月前のことだった。
互いの気持ちを確認しあい、この先の人生を二人で、この縁側と一緒に歩んでいこうと決めた。
一年かけて、恋人だった手嶋マコトに対する想いを思い出にして、今まで頼りになる上司だった高野に対する想いを受け入れたのだ。
もう自分に、怖いものはない筈だった。
(なのに……まさか……)
睨むようにして蛍は浴室に続く廊下を見つめた。今頃、高野は一人で快適なバスタイムを味わっているのだろう。
(ここまで女として見られていないとは思わなかった……)
このひと月の間、高野と蛍は身体の関係どころかキスのひとつもしていないのだった。最近の中学生でも、もう少し進んだ関係になっていそうなものだと蛍は思う。
「はぁぁ〜〜部長ぉぉ〜〜〜〜」
床に倒れこむように寝転がると蛍はクッションを抱き、顔をうずめる。
(私たち、一緒に住むようになって一ヶ月ですよ? 私たちの関係だって、去年とは違うんですよ? ……いや、もしかして部長の『好き』は、やっぱり親鳥が雛に対して持つ愛情と一緒で、異性に対するときめきではないのか? ああああ、もうわかんないなぁ〜〜〜!)
クッションを抱えたままゴロゴロと転がるとDVDの山に乗り上げ、思い切り崩してしまった。先ほど高野が「まったく一度にこんなに借りやがって!」と憤慨しながら集めたものだ。
蛍はクッションから顔を上げ、溜息をついた。
「……勉強しようと思ったんだもん」
ラブストーリー物の映画を観ることで、少しでも乏しい恋愛経験の足しになればと思ったのだ。参考になりそうなものが多くて、うっかり大量に借りてきてしまった。
(どうせ私なんか、干物女だしなぁ……)
部長との関係を、もう少し、今とは違う形にしたかった自分を、蛍は情けなく思う。知識や経験が足りないおかげで、こんなものにしか頼れないのだと。
先輩の山田早智子や同僚の三枝優華ならこんな悩みを持つこともないだろうと考えると、ますます惨めな気持ちになった。人生の大半を干物として過ごしてきた自分は、きっと圧倒的に女としての魅力や武器が欠けているのだ。
「はぁあ〜〜〜」
「何を溜息ついているんだ」
「……部長」
見上げると、風呂上りで紺の甚平に着替えた高野がタオルで髪を拭いていた。
こないだ38歳を迎えたはずだが、すらりとした長身とふさふさの髪の毛のおかげか、少しも中年臭くない。相変わらず現役で女性社員に人気があるのもわかる気がする。
(……けど、この男の人は、一緒に住んでる恋人にも手を出さないくらい、枯れてるんだ…)
「ほら、急いで上がってやったぞ。さっさと入ってきなさい」
「………はぁ〜〜〜〜〜〜い」
不機嫌そうに立ち上がる蛍を、高野は訝しげな眼差しで見つめるのだった。
***
先ほど流したはずの汗が、またじわりじわりと浮き上がってくるのを、蛍はえらく不快に感じた。
隣では、涼しげな顔をした高野が画面に映る映像を追っている。
「……部長」
「なんだ?」
「………暑くて映画に集中できません…」
時計は0時を回ったところだが、気候の方は全く涼しくなる気配を見せなかった。
右手に持つ缶ビールもだいぶ汗をかいている。まだ映画が一本目なのに蛍は早くもばてそうな気がした。
「馬鹿者。まだこれしか観てないんだぞ? 気力で耐えなさい。心頭滅却すれば何とかと言うだろう。もともとは君の責任だ」
「それはそうですけどぉ〜〜〜〜」
ぐったりと卓袱台に伏せる。木造の家具は夏場もひんやりとして気持ちがいいのだ。
「クーラー付けませんか?? こんな無風の状態じゃ、いくらこの家の風通しが良くても意味ありませんよっ……」
「……この家にエアコンはない。あるのは、私の寝室ぐらいだ」
「じゃ、部長の部屋いかせてくださいよ〜〜〜。これじゃ、次の映画まで耐えられません……」
高野のこめかみがぴくりと動いた。眉根に皺を寄せて、機嫌の悪そうな顔を見せる。
「いやだ」
「けちぃ〜〜〜」
蛍の抗議に、高野は心外そうな顔をした。納得のいかない様子で言葉を叩きつける。
「けちじゃないっ。だいたい、非常識だろう。こんな夜中に若い女が男の部屋にっ……」
「非常識じゃないですよっ! 私、部長の彼女だもん、違うんですかぁ!?」
「あのなぁ……!」
何かを言いかけて、高野は口を噤んだ。しばし、逡巡するように蛍の不満顔を睨みつけていたが、やがて目を瞑って長い溜息をついた。
「……わかった。私のノートパソコンにDVDをセットしなさい。向こうの部屋で観ようじゃないか」
「へ?」
「へ? じゃない、さっさとしなさい。今日観る分のDVDは全部持っていくんだぞ。私は先に行って窓を締めてエアコンの電源を入れてくる」
「……は、はいっ」
苛立ちをぶつけるつもりで言った我侭が、思わぬところで叶ったので蛍は意外な思いだった。同時に、爪の先から頭のてっぺんまでさざめくような緊張が走る。
(ららら、ら、ラッキー、なの、かな?)
一緒に住み始めて一月たった今でも、高野の部屋に入ることは稀だ。
互いのプライバシーを尊重するために、相手の領域を侵さないことが暗黙の了解になっている。
それに、今まではどちらかの部屋で時を過ごすよりも、縁側でビールを飲みながら二人で語り合ったほうが心地がいいという思いもあった。
(ようやく、恋人らしいシチュエーションに、なれそうだなぁ……)
期待と同時に、女らしい不安感が蛍の胸をよぎった。
ノートパソコンとDVDを抱えて部屋に入ると、高野は窓を閉めている最中だった。
「よし、じゃあそれを机の上に置いておきなさい。あとは再生ボタンを押してベッドに腰掛けていればいい」
「べ、ベッドですか…!」
「パソコンは机の上だぞ」
「はい!」
言われるままにパソコンを机にセットして、画面の位置を調節すると蛍は高野の寝具に腰を下ろした。同時に、エアコンの電源を入れながら高野が蛍の隣に座る。いつも縁側にいる時と同じ位置関係のはずだったが、蛍の胸は異様に高揚していた。
(部長に対してこんなに緊張したのは……初めてかも…)
いつも安心感を与えてくれる筈の存在が、今は異様に威圧感を放っている気がする。自分の勝手な思い込みなのだとはわかっていても、胸の高鳴りは収まらなかった。
ごまかすように缶ビールをぐいと煽ると、蛍は高野に笑顔を向けた。
「……や、やっぱいいですねぇ! エアコンは涼しいなぁ、クーラー万歳!」
「あ、貴様ビールまで運んできたのか! 駄目だ駄目だ、私のベッドの上で飲食など許さんぞ」
「えええ〜〜〜そんなぁ。こいつをやりながら映画を観るのが楽しみだったのに…!」
「人の部屋で勝手に楽しみを満喫するな!」
結局ビールも取り上げられてしまい、蛍は手持ち無沙汰な思いを味わう羽目になった。
目の前の画面では、男女がキスシーンを繰り広げている。蛍は気まずい気分になって横目でちらりと高野を見やったが、彼は相変わらず涼しげな表情で映画を追っていた。
(こんなに動揺してるのは、やっぱり私だけなのかぁ……)
少し期待していた自分を蛍は恥じた。
(部長は、やっぱり私に女として興味を持ってないんじゃ……そりゃ、そっか。一番彼女として見せちゃいけないような姿ばっか見て、いまさら私に女を感じるような事が……)
ふと目の芯を刺激され、涙が下瞼に盛り上がった。泣いたらいかん、とプライドが蘇り蛍は根性でその涙を飲み込んだ。
「か、か、感動的ですね。この場面。うひゃー、泣きそうになっちゃった」
「まあな」
興味なさげに相槌を打つ高野は、相変わらず半眼のまま目の前の画面を見つめていた。
映画が3本目に差し掛かってからしばらくした後、隣に座っていた高野の上半身が後ろに倒れた。
「ぶ、部長!?」
「悪い、雨宮……」
驚いて振り返る蛍に、高野は倒れたまま声をかける。
「実は、今日の接待、先方が気難しい人だったもんでね。思ったより気を使っていたらしい……正直、今すごく眠い」
言いながら高野の瞳は半ば閉じていた。既に意識が朦朧としているのか、視線が泳いでいる。
「ええ〜そんなぁ、今夜は付き合ってくれるって言ったじゃないですか」
「だから悪いといっているだろう。我侭だな君は……」
「はいはい、わかりましたよ! DVD持って出て行きますから、どうぞお休みくださいっ」
(やっぱり今夜も空振りか……どーせ、どーせ私なんて)
憤慨しながら立ち上がりかけた蛍の腕を、高野の長い指が掴んだ。
(わ!)
一瞬、掴まれた腕がかっと熱く燃えたように感じる。
心臓がいよいよ高鳴ってくるのを抑えるために、蛍は大きく息を吸い込んで吐き出した。そして、おずおずと高野の顔を伺う。
「部長……?」
「……」
相変わらず薄目を開けたままの高野の視線が、ゆっくりと蛍を捉える。何かを言いかけようと開いた唇が、少し色っぽかった。
「ぶちょ……」
「ここにいればいい」
言うと、彼はようやく瞼を閉じた。
再び、ドキリと蛍の鼓動が戦慄く。彼女の瞳が少し潤んだ。
「え?」
「暑いんだろう? ……ここで映画を観ていけばいい。私は寝るがな。音は出来るだけ小さくしてくれよ……」
それだけを続けると、そのまま高野は吸い込まれるように意識を失った。後には、蛍の腕を掴んだままの彼の指先と、規則正しい寝息だけが残る。
蛍はまだ早く鳴り打つ心臓に手を当てたまま、高野の寝顔に小さく呟いた。
「はーい…」
昨夜は夕方から夜にかけて中途半端に眠ってしまったおかげで、ノルマのDVD4本を観終わるまで蛍は眠気を感じなくて済んだ。
白々と夜が明ける様子をカーテン越しに感じながら、彼女は隣で寝入っている高野の顔を睨むようにして見下ろした。
(まったく……部長が手を離してくれないおかげで、DVDを取り出したりセットしなおしたりするのに、えらい体力使ったんですからねっ)
それほど強い力で握られているわけではないので、はずそうと思えばはずせたはずだ。だが、惜しくてそれも出来なかった。
(DVDも見終わったことだし、そろそろエアコンと電気消して自分の部屋に戻らなきゃな……)
だが高野の整った寝顔を見つめていると、離れがたい気分になってくる。
部屋に戻るには、この腕に感じるぬくもりも剥がさなければならない。
このところ仕事が忙しくて二人で話をする機会も持てなかったよなぁと蛍は小さく溜息をついた。
相手が眠っていても、こうして二人でいる時間はやはり貴重だ。
「ぶちょお〜……」
小声で呼びかけても、彼の反応はない。
「起きてください……起きないと、チューしますよっ」
ずいぶん前に高野から言われた台詞だった。
あの時の蛍は、それを聞いた途端にがばりと起き上がって、目をぱちぱちと瞬きさせた後、再び寝転んで『キス待ち』の体制に入るという大きなリアクションをお見舞いしたが、今の高野は言われたことすら気づかないように熟睡している。
(くぅ〜…憎らしい!)
半ば意地になって顔を近づけると、彼の綺麗な顔が視界に大きく広がった。
やっぱりイケメンだよなぁ……と感心しながら、蛍は身体をずらして高野の身体に覆いかぶさるようにして四つんばいになった。
「……しちゃいますよ〜? しちゃいますからね?」
囁くように呟いてもやっぱり反応はない。
虚しさと罪悪感が胸を去来して、一瞬蛍を躊躇させた。
だがその直後、先ほどまで見ていた映画の中のヒロインたちが、簡単に恋人と熱い口付けを交わすシーンが次々に蘇る。
幸せそうに、愛する人と抱擁し愛の言葉を囁き合う彼女たちが無性に羨ましく思えてきた。
(階段を二段上がったって、失恋を乗り越えたからって、干物の私が簡単に恋愛をこなせるようになるわけじゃない)
だが今は既に恋を知った。
潤いもなく乾ききった生活の中で、それでも手嶋マコトと出会い、高野誠一と暮らすようになって、自分ひとりの完結した世界は終結したのだ。
一人で生きていくことを寂しいと感じるようになった今の自分は、傷つきやすく脆い。
だが、前に進まなければならないのだ。
(部長…)
彼女の感情を後押しするように、切なさが胸を撫でる。
「大好きなんです……」
そのまま、唇を重ねた。
とりあえず切りのいいところで一端止めます。
駄文で本当すみません…。
残りは一気なので完成したらまた来ますー。
リアルタイム遭遇〜!
ワクワクしながらお待ちしています>112
今後の展開にwktkです
私も試作品作成中。
人目に晒せそうなものに仕上がったらうpしに来ますね。
GJGJGJ!
萌えすぎておかしくなりそう…w
続きも楽しみしてます
>>114 wktkしながら待ってますw
GJです
起きた部長はきっとイロイロ回復してると思うので
楽しみにしてます
わあああありがとうありがとう、嬉しい悲鳴をあげました…!
ほんとしょぼいですが、今から再び投下再開します。
>>114さんにwktkが止まらない…!
「……雨宮」
柔らかい感触を味わった途端、重ねた唇が動いたので蛍は心臓が縮み上がる思いがした。
「ぶ、部長……!」
「映画は観終わったのか?」
「は、はい」
上半身を起こすと、蛍は自分が高野の身体を跨いでいたことに気が付いた。慌てて動こうとすると、高野がそれを押しとどめる。蛍のウエストを掴んだまま、彼はうっすらと瞼を開けた。
「……にゃんこみたいだな」
「へ?」
「いや、いい。こっちの話だ……それより」
眉根に皺を寄せると、次の瞬間高野は眼前の蛍を睨みあげた。
「貴様、よくも意識のない相手に黙ってチューなんてしてくれたなっ」
「……す、すみません!」
「全くもう……」
高野が苛立たしげに上半身を起こしたので、蛍は少し後ずさらなければならなかった。
心臓が未だに鳴っている。不機嫌そうな彼の姿を見ながらも、唇の暖かさが蛍の心まで暖かくしていた。
「なんで、あんな事をした」
「すみません……」
「私は理由を聞いてるんだ」
凍てつくような口調で問いただす高野の迫力に押され、蛍は考え込むように首をかしげた。
「映画を観ていたら……ラブシーンやら、キスシーンが多くて、ですね…。
それで、ああ私も部長と彼氏と彼女なのになぁ、ラブラブじゃないなぁと思いながら部長の顔を見たら、
なにやら、むらむらっというか…ドキドキっというか……それで、なんとなく勢いに押されまして」
なんでだろう〜と考え込む蛍に、呆れ返ったような顔で見返すと、高野は溜息をついた。
「それは、君が私の事を好きだからだ」
「わかってますよ……」
「私も、君が好きだ」
はじけたように蛍が顔を上げる。驚いたような顔で高野を見つめる彼女を、彼はそのまま抱きしめた。
一年前、工事中のビルに閉じ込められた蛍を助けに来た高野が思わず抱きしめたとき以来の抱擁だった。
あの時と同様に、彼女は動転した。
彼の腕が、蛍の背中をぐっと強く掴む。
「部長……」
「悪かった……君も一応、大人の女なんだな」
「ハァ?!」
肩越しに失礼なことを言われた気がして、蛍は思わず声が裏返った。
「いや、こっちの話だ」
言うと、彼は蛍を抱いたままベッドに倒れこんだ。
衝撃でくらくらしている彼女の上に跨ると、そのまま噛み付くような口付けを浴びせてきた。
柔らかい唇の感触と、生温く濡れた舌が蛍の口内を侵食する。
(部長? 部長?! 部長〜〜〜〜?!)
驚きで声も出ない蛍は、なす術もなく高野の唇を受け止めるしかない。
仰向けのまま呆然としていると、そのうちTシャツに高野の手が侵入してきた。
突然の展開に、彼女は完璧なパニック状態だ。
「な、なんでですか部長…あの、今までそんな素振り一度も…えええ、えええええ……?」
「だから」
パチンと、背中でブラジャーのホックが外れる音がした。
(うわっ……)
思わず目を瞑って身を硬くする蛍の耳元に高野は唇を近づけた。
「悪かったといっているだろうが…! 君が、どうも…まだ、女として熟しているようには見えなかったんでね」
「ハァァアア??」
「そういう意味じゃない! …いや、手嶋が相手ならともかく、君が私とこういう関係になるのは……ずるいだろう、大人として」
言いにくそうに口ごもる高野に対し、蛍は全く理解できないというように顔をしかめた。
「部長、意味がわかりません……」
「……君に中年の男の気持ちはわからん」
「いや、そりゃそうですけど……ひゃっ…」
背中から脇腹を指先で滑るように撫ぜられて、蛍の心臓は縮み上がった。
「……そういう声を出すな」
「無理です、部長〜〜〜〜〜!!」
「はいはい」
高野はそのまま蛍の首に顔をうずめ、耳の後ろからゆっくりと唇で噛むようなキスを落としてきた。
同時に彼の右手はいつのまにか蛍の乳房に移動し、五本の指が列をなすように次々と柔らかい膨らみを辿る。
「ああ、あっ…」
羽毛で撫でられるような愛撫に、彼女の肩はびくびくと反応する。緊張のあまり、ますます身体は硬くなった。
胸を触りながら、高野は独り言のように「意外に大きいな…」とかすかな声で呟いた。
「はい、すみません……あっ……」
「いや、別に謝るような事じゃないが…」
高野は一度顔を起こし、蛍を見下ろした。息を荒くする蛍の表情を、真剣な眼差しで捉える。
いつのまにか服を脱ぎ、痩せてはいるがきちんと筋肉のついた上半身が顕わになっていた。
(何を考えているんだろう……)
彼は、何かを躊躇っているような、堪えているような、そんな顔をしていた。
それでもその瞳には、なにか貪欲な衝動が炎のように見え隠れするようにゆらめいている。
蛍はそんな彼の表情を、どこか満足げに感じていた。
(可愛い……)
女として、彼の男としての感情を受け止める部分が自分にあったことに彼女は驚いていた。
今までは、高野を頼りになる上司として保護者として、甘えさせて欲しい、守ってもらいたいという思いが先行していた。
あまりにもほっと安心できる存在だったから、無意識に寄りかかっていた。
(……この人は、そういう私の未熟な少女性を見抜いていたのだろうか)
だから、自分の男としての部分を封印し、庇護する対象として蛍を見ていたのかもしれない。
「は、あああ…っ」
蛍の下着の中に高野の指先が侵入する。
刺激が強すぎて、蛍は身体がそのまま裏返るような衝撃を受けた。
「部長…部長っ……」
なぜだか涙が出てきたので、慌てて両手で眼前を覆った。
暗闇の世界で、感じられるのは彼の指先だけだ。
剥ぎ取るようにして下着とジャージを脱がされる。肌がひやりとした外気に当たり、思わず息を止めた。
「雨宮」
耳に落ちてくる高野の声はいつもより荒く聴こえた。
「部長……」
「君が、好きなんだ」
そう言って、唇を落としてきた。柔らかいキスを残すと、そのまま囁くように彼は続ける。
「だけど、今の私には余裕がない。悪いな。君を気遣えない」
「いいんですっ。大丈夫、大丈夫ですから…! ……あ、ああん!」
彼女が言葉を紡ぐ前に、高野はやや強引に蛍の中へ入っていった。
大きく開いた両足の間で、彼は何かを堪えるような苦しそうな顔をして動く。
「あ、あ、あ……」
蛍の胸を去来する様々な感情がスパークし、それらは靄のように曖昧な姿になって彼女の意識を覆った。
「蛍、蛍……」
快楽が尖るように刺激を強くしていく中で、彼女は彼の声を聴いたような気がした。そして、次の瞬間には全てが白く塗りつぶされた。
「別に私は、あのままのー――いわゆる、去年のままの関係でも悪くはないなと思っていた」
「そりゃあ私も当初は、それだけで幸せでしたが…!」
「知っていたよ」
不機嫌そうに言うと、高野は蛍の頬をつまんだ。
「だから余計手を出しにくくなったんじゃないか、アホ宮」
ピロートークにしては色気がない会話をしながら、高野と蛍はベッドの上で楽な姿勢を取っていた。
高野は枕に寄りかかった体勢で、シーツ越しに膝に肘を乗せて頬杖をついている。
「なんれふか、それは…! 私が原因だとれも言いたいんれふか…!」
「そうだ、何もかも君が悪い! 全く、想い出すだに腹立ってくるな、このひと月…。なぜ私が負担を強いられなければならん、この干物女!」
「ハァアアア??」
がばりと起き上がり、蛍は抗議の声を上げた。
「そんなこと言うなら、もう二度としませんよ、こういうこと! 私は女ですから平気ですけど、部長は男だから耐えられないんじゃないですかぁ??」
「なにぃ?」
嘲るように言うと、高野のこめかみがぴくりと動いた。
「あ……」
彼の本気で怒りを覚えたような様子に、一瞬、蛍は頭が冷える。
「あ、あのぉ…だから、ね。仲良くやっていきましょうという意味で…ね? 部長?」
「……貴様ぁ……そこまで言うのなら、付き合ってやろうじゃないか……」
真剣な顔で彼は蛍を睨みつける。前髪がふりかかり、片目が隠れて、余計に迫力が増した。
「へ?」
呆けた顔で応えると、高野はそんな蛍に嘲るような笑みを浮かべる。
「二度とこういうことはしないんだろう? 悪いがな、私の理性は万里の長城より堅固にできている。加えて、君は女としての色気はほとんどない。まあ、我慢比べなら分があるのは私のほうだな」
「は、ハァ??」
「まあ、どうしてもというのなら、相手をしてやってもいいが……その時はお願いしますと土下座するんだな」
「ハァアアア???」
かすかな微笑と涼しげな顔で言い放つ高野に、蛍は今朝一番の大声で抗議の印を示したのだった。
fin
拙い文章を読んでいただきありがとうございました。
あああ本当もう部長と蛍が好きで好きでたまりませ…。
次の職人さんの投下を1日先週の想いで待ちわびております…それでは!
つ一日千秋
…orz
GJ!
うわぁぁぁぁぁ
GJGJGJ
やっぱ部長蛍は最高だね
GJ!
GJ!
誘い受けでつか。ぶちょおどこまでツンデレなんだかww
我慢出来なくて寝込みを襲っちゃったホタル、素敵すぎw
GJ!!キュンキュンしまくりました
129 :
名無しさん:2007/09/20(木) 00:51:47 ID:/G6AM+Ck
>>122 もう最高だった!!!!
エロはエロでも二人のキャラが壊れてないし
情景が頭に浮かんでリアルさがあったよ
すんごい萌えた〜
また書いてくれると嬉しい!!
先程の114です。
ちょっと甘々かもしれませんが、よろしければお付き合いください。
*****
「起きないとチューするぞ」
その言葉に飛び起きた蛍だが、
『いけない、起きたらチューしてもらえないじゃん』と気が付き
すぐにまた横になった。
「起きろよ、おい!起きて私の話を聞け!アホ宮!」
「あ、山口百恵引退だって!」
「いつの新聞だよ!」
1年振りに交わす、何気ない言い争いに懐かしさと嬉しさを感じて
高野も蛍も笑顔になる。
『チューは?チューしておくんなまし〜』
胸を高鳴らせて蛍は待っていたのだが、一向にその気配はなかった。
新聞の破れ目から高野を覗くと目が合った。
『ぶちょお、こんな優しい顔で笑うんだ』と小さな驚き。
『ホント、よく見るとカッコイイ人だったんだなぁ』
高野は蛍がこの家を出て行った時のことを思い出していた。
「チューくらいしておけば良かった」と蛍は冗談交じりに言った。
「しておけば良かったな」切ない思いで、横顔を見つめるのが精一杯だった。
この言葉に隠された本心に気付いて欲しいような、気付かず新しい生活へ
向かっていって欲しいような…
「キスは、惚れている女にするものだ。ま、少なくとも私はな。」
同居を初めたばかりの頃にそう話したことを思い出してはくれないか…
今、目の前に愛しい女が横たわっている。
高野はすぐにでも抱きしめたい気持ちはあったのだが、やりたい盛りの
若者でもあるまいし同居を再開したと同時に蛍に手を出そうとは思っていなかった。
今、蛍が新聞の下で自分のキスを待ってくれているだろうことは、勿論分かっていた。
しかし一年間も募らせた想いが、キスだけでとどまらせないだろうと思い
話を逸らせた。
「私は風呂に入ってくる」
立ち上がり、風呂場に向かって歩き出すと、背後から
「えー、私も一緒に入りましょうかぁ?」と言う声が聞こえる。
「結構だ」口ではそういったが、『そんな、直接股間に訴えかける
ようなことを言ってくれるな』と思っていた。
「ちぇっ」立ち上がり、不満そうな顔の蛍はそのまま高野の後を追い
風呂場の前に座り込む。
風呂を上がったところで、高野は着替えを持たずに風呂に来てしまったことに
気が付いた。
バスタオルを腰に巻き、風呂場の戸を開けると目の前に蛍が座っていたので驚いた。
蛍も、目の前に現れた高野の姿をみて固まってしまった。
『ぶちょお…、ホントに男の人なんだ』
改めて異性であることに気付かされたのだった。
「なんでこんなところに居るんだ。ほら、私の身体に見とれてないであっち行け」
高野は動揺を見せずにいつもの口調で毒づいた。
「見とれちゃいます。ぶちょおの顔も…カ、カラダも…」
予想外の答えに高野は目を見張った。
『頼むから、そんな可愛い顔で見上げてくれるな』心ではそう思っていても
口から出るのは
「体脂肪率100%の君とは違うからな」と憎まれ口になってしまう。
「さあ、君も今日は疲れたろ?私ももう寝るから。」
さっと身体を翻して高野は歩き出した。
「はい、じゃあ私も。」
自室に向かう高野のすぐ後ろで聞こえる声。
振り向き、「貴様、どこで寝るつもりだ?」
「私、とりあえず着替えくらいしか持って来なかったんですよ。
私の部屋にはお布団ありませんから。」
「君は、私の部屋で寝るということがどういうことか分かっているのか?」
「あのベッド狭いんですよね〜。ぶちょお、端のほうに寄ってくださいね。」
「アホ宮!」
「…だって…ぶちょお、私、あの、一緒に居たいんです。あの、それで…」
しどろもどろで言葉を捜しながら話す蛍が愛おしかった。
高野はそのまま蛍を抱きしめた。
唇と唇が触れ合う。舌と舌が触れ合う。そこからどんどん熱を帯びてきて、
身体中が熱い。
一番近くに居たのにお互い知ることのなかった感触を、一年の歳月を経て
初めて知った。
「来なさい。」蛍の手を引いて、高野は自室へと向かった。
部屋に入り、ベッドに倒れこむとどちらともなく唇を重ね合った。
口付けているだけなのに、言葉よりも雄弁に相手の想いが伝わってくる気がした。
「ぶちょお」
「何?」
「…好きです…」
「分かってるから」
もう一度、深く口付けを交わす。
「あぁ…んっ」
高野の手がTシャツの中に入り、蛍のわき腹あたりを掠めた。
蛍の吐息と小さな鳴き声は、高野の耳から全身を駆け巡った。
Tシャツをたくしあげて脱がせると、蛍のちょんまげを作っていた髪留めも
はずれてしまった。
オフィスでは見慣れた髪型でも、この状況で見ると干物女を感じさせない
年齢相応の可愛いらしさで、高野は鼓動が早くなるのを感じた。
蛍のジャージも下着も、そして自分の腰にあったバスタオルも外し
お互いの体温を直に感じた。
高野は蛍の白い肌の上に指を滑らせていた。
唇、頬、首筋、胸
豊かな丸みを手のひらで包む。壊れ物のようにやさしく触れる。
果実のような頂を口に含む。
「…や…ぁ」
高野に触れられるたびに、身体は反応した。
蛍の身体を滑りながら、高野の手は秘所にたどり着いていた。
蛍は高野の指を、自分の中に感じた。
「…っ!」声にならない悲鳴だった。
高野は、そんな蛍の反応の一つ一つを愛おしく感じていた。
「雨宮」
名前を呼ばれて蛍は目をうっすらと開いた。
「もし、何か不都合なことがあったらすぐに言いなさい。
そこで、とどまれる自信はないが…」
コクンとうなづいたのを見届けて、高野は蛍の中へ進んでいった。
その瞬間だった。
蛍の瞳から涙がこぼれてきた。
自分でも理由がよく分からないのに、涙があふれてきた。
「どうした?嫌か?辛いか?」
「なんか、すごく…好きなんです。ぶちょおが
今、ものすごく分かっちゃったんです。心だけじゃなくて身体の奥まで
ぶちょおのことが好きなんです。」
高野とひとつになったことで、蛍の中の漠然とした高野への想いが
はっきりと認識できるかたちになったということだろうか。
高野は背筋がぞくっとするような感動を覚えた。
「私も同じだから。これからもっと好きになるから。」
高野は自分の高まる想いを込めて、蛍の奥へ奥へと突き進んでいった。
蛍は、高野の背中に手を回した。少しでも多く触れていたいから。
高野は動きを止めぬまま、蛍にキスを落とした。
そして、二人は高みへと登りつめて行った。
気を失っているのか、眠っているのか。
瞳を閉じた蛍は幸せそうな顔をしていた。
「結局、同居再開初日から抱いてしまったな」
一回りも年下の蛍に対して、もっと余裕を持って接したかった気もするが…
『ん?待てよ…』
布団、あったよな?
酔って手嶋を連れて帰ってきたときに、手嶋を寝かせた布団は…?
しかも、敷いたのは蛍だったはず。忘れているのか?
「客用の布団、あったよな」
高野がつぶやくと
「ありますけどぉ、敷くのが面倒くさかったんですよねー」
パッチリと目を開けた蛍が高野を見上げていたずらっぽく笑う。
「貴様ー!」
「だって、一緒に居たかったんですもん!きゃっ!」
そう言われてしまえば返す言葉もない高野は、また、蛍に覆い被さった。
「ぶちょお?もう朝ですよ?ご飯にしましょ?」
「嫌だ。もう一回抱きたいもん。」
「えー、ぶちょおっ!」
the end
GJ!!
今日は幸せだ……
寝る前にもう一度覗いてよかった
114さんGJデス(・∀・)☆
GJ! ハァハァ待ってた甲斐がありました…!
幸せだ…!
>>122さん
>>114さんありがとうございます本当にありがとうございます
とても幸せな気持ちで寝る事が出来そうです
夜更かししてよかたー(ノд`)
ありがとうステキ職人のみなさま!
140 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 08:23:17 ID:3AC3sxtJ
「嫌だ。もう一回抱きたいもん。」
最高!!!!!!GJGJ!!
141 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 08:30:37 ID:uhbOvysb
実は同居初期の頃からひそかにゴムの準備していたぶちょおw
とか妄想がひろがりまくりです
ふぉぉぉ〜っっ!!!
今日は祭りですかっ、すばらしすぎる♪
>>141 例え前妻の時の残りだとしても、ホタルがそれに気付いても気にしなさそうだ。
っていうか、男だったら特定の相手がいなくても常備してまつ。
だって独りでする時もいるもんw
144 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 12:31:12 ID:GPqhLPHp
このスレいいですねぇ、ドラマ見終えたあとの欲求不満が一気に・・
心が通じた人同士の初エッチっていいでしょうね、ぞくぞくっ
145 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 12:50:54 ID:GPqhLPHp
「雨宮」
「はい」
「君は・・ 私の女だ」
「ぶちょぉぉぉ」
ジャージを着ようとするホタル
ぶ「着るなっ」
GJ!!
萌えたよ〜ありがとう!
147 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 15:37:27 ID:aqx5APGO
妄想してる人って いっぱい 居たんだね。
良かった・・・。自分だけじゃなくて。
148 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 00:35:01 ID:YRbhQR2Q
ここのスレって女性率高そう。
かく言う自分も女だけどww
ぶちょお×ホタルを投下。
またもやエロ無し。エロ部分は皆様の想像力で脳内補完をお願いシマツ。
風呂上がり、居間にいる部長に声をかけるホタル。
「ぶちょお、お先にお風呂頂きやしたー☆」
「ああ……って貴様!なんて恰好をしている〜!!」
「へ?コレですか?」
「こら〜〜!!その恰好でこっちに来るな!」
「だって着替えのジャージ忘れちゃって。そしたらちょうどぶちょおのYシャツ
が脱衣所に陰干ししてあったから借りたんですけど、着替えたらすぐ返しますよ〜。
そんなに怒らなくても……って、あれ?ぶちょお?これは……。」
「これは?」
「あの、ひょっとして女子の憧れ『お姫様抱っこ』というものでしょうか??」
「そうだ。全く、人が疲労困憊して仕事から帰ってきたっていうのに、貴様は。」
「はぁ、はぁ?」
「いいから、ドアを開けなさい。私は両手が塞がっているんだから。」
「えーと、これから私はどうなるんでしょうか?」
「決まってるだろ。私のデザートだ。」
「あの私、まだ夕御飯も食べてないんですけどぉ。」
「安心しろ。明日の朝私がちゃんとしたコンチネンタル・ブレックファーストを
作ってやるから。」
「明日って!はぁ?はぁ?はぁあ〜!?」
そしてホタルはぶちょおに美味しく頂かれた、トサ。
おしまい
151 :
名無しさん:2007/09/21(金) 01:28:58 ID:OXFiHQTY
ありがとう!!
おかげでいい夢が見れそうだ!
エロにこだわんなくても全然イイ
ぶちょお蛍は、そのいくかいかないかのラインが似合う
ここの職人さんみんな上手いから会話が映像で思い浮かぶよ
萌えた!
152 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 01:35:23 ID:rUWKAcp/
>150 清潔好きのぶちょおはホタルをベッドに置いて、風呂に入りました。
>134 「嫌だ。もう一回抱きたいもん。」
ありそう・・ ぶちょお、朝もするタイプに見えるな。。
150さん乙
お姫様だっこは萌えーですな。
154 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 09:50:56 ID:4Tue9ULl
こ、こんちねんたる…?
114です
>>130-134の続きのぶちょおの独白です。
コメディタッチでエロ少な目です。
*****
久しぶりに、雨宮蛍と食卓を挟んで座っている。
テーブルには二人分の朝食。
説明するまでもないが、私が調理した。
雨宮は、「久しぶりに朝食らしい朝食を食べました〜」などと
うれしそうに言っているが、朝食が二人分テーブルに並んでいる意味など
考えてもいなさそうだ。
いつか、こういう日が来ることを想定して、私が常々多めに食材を
購入しておいたおかげだ。
言っておくが、決してこの日が来ることを願っていたわけではない。
ただ単に、何事も万全の準備で臨みたい私の性分からの行動である。
幸せそうに朝食をパクつく雨宮を見て、こちらも少し幸せな気分に
なってしまったが、そのことは雨宮には言わないでおこう。
この女を調子付かせてはいけない。
そうそう、もうひとつクギをさしておかねば。
「今日はたまたま食材があったから作ってやったが、
明日からは今までどおり、自分の食事は自分で用意するように。」
「えー、部長の可愛い蛍ちゃんのために作ってくださいよー」
「私の可愛い蛍ちゃんは、人生の階段を2つも上って随分成長したそうだから、
私の朝食の用意までしてくれることはあっても、人に朝食を頼むようなことは
しないはずだ。」
「ちぇっ」
思ったとおりのリアクションが返ってきてうれしかったことも
内緒にしておこう。
久しぶりに、雨宮蛍と食卓を挟んで座っている。
テーブルには二人分の朝食。
説明するまでもないが、私が調理した。
雨宮は、「久しぶりに朝食らしい朝食を食べました〜」などと
うれしそうに言っているが、朝食が二人分テーブルに並んでいる意味など
考えてもいなさそうだ。
いつか、こういう日が来ることを想定して、私が常々多めに食材を
購入しておいたおかげだ。
言っておくが、決してこの日が来ることを願っていたわけではない。
ただ単に、何事も万全の準備で臨みたい私の性分からの行動である。
幸せそうに朝食をパクつく雨宮を見て、こちらも少し幸せな気分に
なってしまったが、そのことは雨宮には言わないでおこう。
この女を調子付かせてはいけない。
そうそう、もうひとつクギをさしておかねば。
「今日はたまたま食材があったから作ってやったが、
明日からは今までどおり、自分の食事は自分で用意するように。」
「えー、部長の可愛い蛍ちゃんのために作ってくださいよー」
「私の可愛い蛍ちゃんは、人生の階段を2つも上って随分成長したそうだから、
私の朝食の用意までしてくれることはあっても、人に朝食を頼むようなことは
しないはずだ。」
「ちぇっ」
思ったとおりのリアクションが返ってきてうれしかったことも
内緒にしておこう。
「ところで部長、えっちはお好きですか?」
突拍子のない話題の変化に、危うく飲んでいた味噌汁を吹いてしまうところだった。
「何だ!いきなり」
「昨夜、私、なんかすごく部長がかっこよく思えて、すごく好きだなーって思えて
なんか、幸せだなー…どうしてかなぁって」
「私がカッコイイのも、君が私を好きなのも、君が幸せなのも全部事実だろう。
何の不思議もないと思うが?」
「部長とずーっと縁側でお話をするだけで幸せだなと思えていたのに、
実はその幸せはまだまだ上げ底で、さらにその下に深ーい幸せが
あったんだなーって思っちゃいました。」
「幸せなのに、どん底みたいな例え話だな。」
「もー、ちょっと上手く表現できなかっただけですってば!
つまり、えっちってなんかすごい力を持ってるんだなーって思ったんですっ!」
いつもの雨宮なら、ここで「ビバ!えっち!」とでも言いそうなものだが、
さすがに、少々恥じらいの気持ちがあるらしい。
「この際だから真面目に話すが、セックスと言うものを身体だけの結びつきだと
思ってはいけない。
さらに、自分の気持ちや欲望を相手にぶつけるだけであってはならない。
相手のことが好きだから抱きたい、抱かれたいと思うのは
当然のことだが、相手の気持ちがこちらを向いていなければ意味がない。
心を開きあい、通わせあってこそ幸せを感じられるものだと思っている。
って、おい、何だよその顔は。」
雨宮は怪訝そうな、不満そうな顔で私を睨んでいる。
「さっきのは?」
「は?」
「さっきのは、ぶちょおが一方的に欲望をぶつけてきただけだったと思うんですけど…」
うっ。
痛いところを付いてきたな。
確かに、いささかそういう流れであったことは否定しないが…。
「だが、君は私のチューを拒絶しなかったじゃないか。」
「拒絶する暇もなかったじゃないですか!」
「ちゃんと君の身体が受け入れ可能であることを確認して入れただろう!」
「あんなふうに触られてたら、女性の身体はそうなっちゃうんです!」
私としたことが、雨宮のペースに乗せられてはいけない。
冷静な大人の対応をしなくては。
「たしかにちょっと強引だったかもしれないが、君に対する気持ちが
あったからこその行為なんだから、そんなに怒ることないだろう。」
「一つ 一方的なえっちはしない」
ちょっとふくれっつらで雨宮はそう言い残して洗面所へと向かった。
しかしすぐさま驚嘆の叫び声と共に戻ってきた。
「どーしてくれるんですか!これっ!」
首、とういうかほとんど鎖骨に近い部分を指差しながら私に突っかかってくる。
その指し示す先を見ると…キスマーク…
今朝はやはり本能の赴くままに行動してしまったらしい。
雨宮の身体のいたるところに口付けをした記憶が甦ってきた。
「いや、しかしTシャツからは見えるか見えないかの位置だし…」
「この時期、会社に来て行く服は襟ぐりが広く開いてるんですから!
丸見えですよ〜!」
「付いてしまったものはしょうがないだろう」
「くっそー、お返しにぶちょおにも付けてやる!」
そう言う雨宮の両頬に脊髄反射的に私の両手が伸びてつねり上げた。
「やめろぉ〜、このやろー!」
つねられながらも抵抗する雨宮がまた可愛いと思うのだが、これも私の胸に
しまっておこう。
申し訳ないので二人暮らし条約にもう一つ追加してやろう。
「一つ、目に見えるところに情事の跡を残さない」
目に見えないところはいいよな?
雨宮、あとでTシャツを脱ぐときに気づいてまた怒るかなあ?
158 :
114:2007/09/21(金) 16:15:45 ID:ZqI9gK3q
155と156が重複してしまったorz
159 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 20:30:47 ID:oMR3axE1
GJGJ!!!
キスマーク!萌える〜〜〜!
ありがとう!!!
きゃあぁぁぁ!!2人の言い合いが目に浮かぶよ。
職人様感謝感激です(´;ω;`)
GJ!
すっげー萌えたwありがとう!
>>154 パンやオートミール、シリアル、サラダや生ハムなどのコールドミール
(冷たい食事)とコーヒー紅茶の朝食だよー。部長好み。
蛍は若いだけあって卵料理やベーコンがついたアメリカンブレック
ファースト(イギリスではイングリッシュブレックファーストと言う
けれど)が好きそうだ。
>>155 ちょっとキャラが違う希ガスけど、でも楽しめた!GJ!
163 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 06:29:55 ID:Khv8pyJo
ビバ!えっち! GJ!!
昔、幸せだった頃のえっちを思い出してしまいました・・
ちょっとしあわせ、感じました。ありがとう。。
マックスファクターのファンデCM、ホタルが記念日とかに部長と外待ち合わせしてるみたいに見える…妄想炸裂
綾瀬はるか最高。
萌え
165 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 21:41:11 ID:EBJrJC1z
早く 次 誰か 書いて!
クレ厨ウザイ
あとちゃんとsageろ
167 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 12:15:43 ID:eqOzAvuB
>>164 「ねぇどうしたの?さっきからずっと見てる…」
てCMも前にあったよね
真っ赤になって「鼻クソついてないか見てやっただけだ」と言うぶちょおを想像
>>167たん
そういえばあった!
思い出しただけで鼻血…
あのCMにぶちょおもちらっとでてくれないかな〜…
ぶちょお+蛍をまた見たい。
ありがとう!ありがとう!
やっぱ2chより見やすいや…へへ
ドラマを一回も見ていないのにこのスレだけで萌えてしまった自分は
どうすればいいですか?
初投稿です。他の職人さまには及びませんが神待ちのお目汚しに
なれば。
「部長、できましたので目を通しておいて下さい。」
雨宮から書類を渡される。今度の内覧会の件だろう。
会社ではこんなに仕事が早いのになぜ家ではあんななんだか…
書類に目を落とすとポストイットが貼ってある。
「ぶちょー、お昼を一緒に屋上で食べましょー。ホタルより」
…何だこれは。
昼になり、屋上へ行くと先にアホ宮がニコニコしながら待っていた。
悔しいことにかわいい。目が腐ったとしか思えない。
「ぶちょー!遅いですよー!」
「仕方ないだろう、取引先から電話があったんだから」
「さっ、食べましょー!」
「何だ、コンビニおにぎりだけか」
「おかずはちゃんとありますよ」
いつの間にか私の弁当を奪って今まさに蓋を開けようとしている。
「おいっ!何をする、それは私が今朝作った私の為の弁当だ」
「部長のかわいいホタルちゃんにも分けて下さいよ〜」
「ははぁ、わかった。貴様もう給料が底を尽きたな」
「どきっ!そーんなことないですよ〜〜〜」
「いつも言ってるだろう!ちゃんと計画的に貯蓄なり何なりして
おかないと…あ、何勝手に食ってるんだ。人の話を聞きなさい!」
「おいし〜〜〜!さすがぶちょお!あ…」
説教している間にかなり食われてしまった。すぐに奪い返すべき
だった。
「あ〜、もっと食べたかったなぁ。」
ふくれっ面でおにぎりを食べ始める。
「まったく、貴様ときたら…ほら、口あけて」
「あ〜ん。もぐもぐ…おいしい〜〜〜!」
箸で特製卵焼きをつまんで口に放り込む。
「何だか新婚さんみたいですねっ、はい、あーんって。きゃ〜〜!」
「バカ!何喜んでるんだ。私からすればヒナ鳥にエサやってるような
もんだ」
「はあ〜〜〜〜〜?!」
「お腹いっぱい、ご馳走さまでした。あ、そーだ」
食べ終わるなり駆け出して行った。
「まったく…にゃんこみたいだな。満腹したらどっかに行っちまう」
呟いてはたと気付いた。
また…どこかに行ってしまうのだろうか。今は私を好きだと言って
いるがそれが永遠だという確証はない。もしかしたら手嶋と寄りが
戻るかもしれないし、他に好きな男ができるかもしれない。
そうしたらまた、私の許から飛び立ってしまうのだろうか。
「…雨宮」
ふいに胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
今日はこのへんで。エロまで辿りつけるかな…
175 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 06:09:53 ID:CSH3rKoG
GJ!いいかんじいいかんじ
GJ!!続き楽しみにしてるよ〜
177 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 10:36:33 ID:fvZruSPw
続き 楽しみ〜♪
GJ!GJ!
お目汚しなんてとんでもない!
続き待ってますぞ
続きです。
「ぶちょお〜〜〜!デザートでっす!」
風のように駆け戻ってきた。何かを持っている。
…何考えてるんだ。あの干物女とやっていけるのは私くらいしかいまい。
「はい、シュークリーム。これ女子の間で大人気なんですよお。
山田姐さんが買ってきてくれたんですよ。これは部長の分です。
お客様と商談中だったからとっておきました」
「たまには気が利くじゃないか…って何にのせてるんだ。茶托じゃ
ないのか。しかもラップもかけてないし」
「他にお皿が見つからなかったんですよ。そしたら目の前にこれが
あって」
「しかも使用済みか!せめて洗ってからにしてくれ。まったく…」
「いいじゃないですか。それくらいでお腹壊したりしませんよ」
「まったくもう…ん、美味いな。女の人はこういうの見つけるの
好きだよな…って何見てる」
「一口、欲しいなあ〜」
「もう食ったんだろう?それにさっき満腹だって言ってたじゃないか」
「甘い物は、ベ・ツ・バ・ラっ」
上目遣いに見つめるまなざしに鼓動が早くなる。
「一口だけだぞ」
「やった!おいしい〜〜!」
「あ、一口って言ったろう!こんなに食べやがって」
「育ち盛りですから」
「腹肉ばかりだがな」
「ぐっ…言い返せないのがぐやじい〜」
もう少しイジめてやりたくなってきた。
「口にクリームがついてるぞ」
「え?え?どこですか?ぶちょ…」
唇を塞ぐ。少し荒っぽく、噛みつくようにキスをする。
「んっ…、あ…急になんで…」
「デザートを食われたから、君がデザートだ」
「そんなぁ…ん…」
今度は優しく、包み込むようにキスをする。舌を差し入れると
待っていたかのようにからみつかせる。積極的になったもんだな。
首筋に唇を這わせるとこらえきれないように声を漏らす。
チュニックの裾をまくり、柔らかなふくらみに触れる。
「あ…あぁん!」
「静かに。誰かが来るかもしれんぞ」
「でも…ガマンできません…」
ブラの金具を器用に片手で外すと白桃のような乳房が現れる。
その頂は思わぬ外気に触れたせいか固くなっている。
指でそっとなぞると雨宮の身体がびくっと反応する。
まだ辿り着けません。物書くのって難しいです。
GJ下さった皆様のお声を励みに頑張ります。
ぐっじょぶぐっじょーぶ><
続き待っとります
182 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 02:03:51 ID:d9owqUBu
早くヤラないとマコトくんがくるww
「僕とサヨナラした屋上で!?」
GJGJ!!!
続き待ってます!本当に!!!
>>182 ちょw
マコト乱入はやめてくれw
プロバイダがアク禁食らってしまいましたorz
さすがに携帯からでは長すぎるので解除されてから投下します。たぶん次で終わる筈。
キャラ誰?わかんね
無駄に長いわりにエロ度が低くなってしまいましたが、よろしければ
読んでやってくださいませ。
メンズホタルノヒカリ最終話を見たことがあるとより楽しめるかも。
高野と蛍が再び同居を始めてから一ヶ月ほど経った。
二人の同居は、部内の人間にあっという間に広まり、
いつぞやは男性社員達がこの家を訪ねて来たこともあった。
今日もひとり部内の人間がやって来ていた。
蛍とのドイツ旅行を明日に控えた曽野美奈子である。
海外旅行に慣れている美奈子に、荷造りチェックをしてもらうため
蛍が呼んだのだった。
「いい?蛍。こういうものは今は機内持ち込みできないの。
スーツケースの方に入れとくよ。」
「ありがとう。これは?大丈夫?」
そんなやり取りを、高野は自分の部屋で聞くともなしに聞いていた。
『今までのことを考えたら、多少のミスはあっても、前日までに荷造りが
完了しているだけ大したものだ。ビールの力は偉大だな。』
そう、蛍と美奈子の渡航先はドイツはミュンヘンで行われているビール祭りである。
「世界最大のビール祭りなんですって!
なんか1リットルのジョッキで飲むんだそうですよ!」
ややタレ目気味の目じりをさらに下げて報告してくれたときのことを高野は思い出した。
行くなと言うつもりは勿論ないが、ちょっと寂しいのも本心だった。
陽も落ちて、暗くなり始めた。
高野の耳に蛍と美奈子との会話が聞こえてきた。
「…と、もうこんな時間?じゃ、寂しがり屋の相手しに帰るわ。」
「え?田所さん?」
「そうよ。しばらく会えないから、今日の夜はちょっと…ね。
蛍のとこだってそうでしょ?じゃあね、寝坊しないでよ!」
「うん、また明日ねー。」
「しばらく会えないから、今日の夜はちょっと…ね」か、そうだよなと思いながら
高野は立ち上がり、蛍のいる和室に向かった。
「あ、ぶちょお。美奈子ちゃん帰りました。」
「ああ、そうみたいだな。」
「じゃ、私、夕飯買いに行ってきまーす。」
「いや、今晩と明日の朝は、餞別代りに私が用意してやるからありがたく食え。」
「は!」
調理をしに台所へ向かう高野の後を、蛍はちょこちょことうれしそうに着いて行く。
普段なら高野が調理していようが縁側で寝そべっている蛍が、台所まで着いてくるのは、
相当旅行が、いや、ビール祭りが楽しみなのだろうと高野は思っていた。
「ぶちょお、明日の今頃はもう本場のビールを飲んでいるんですよー!」
「いや、まだ飛行機の中じゃないか?ちゃんと日程表を確認しなさい。」
「あれ?そうでしたっけ?」
「それから、浮かれて機内で飲みすぎるな…、いや、もう今晩から飲むな。」
「ラッシャー板前!ビール祭りまで禁酒タイム突入でありんす!」
やれやれ、こいつの頭の中はもうビールだらけだな、と思いつつ高野は苦笑した。
次々と食卓に配膳される料理を見ながら蛍は口を開いた。
「今日は純和食なんですねー?」
「ああ、しばらく食えないだろ?よくかみ締めて味わうように。」
「は!…あれ、今日は白いご飯ですね。」
「海外で恋しくならないようにな。しっかり味わって食べなさい。」
「はーい。いただきます!」
食事中に「あービール飲みたい、いや、我慢我慢!」と何度も繰り返す
蛍が可愛らしくて、ついつい笑顔になってしまう高野だった。
「美奈子ちゃんと一緒だから、いろいろ安心なんです!」と蛍。
「そうだな、私も安心だ。曽野の言うことをよく聞くんだぞ。」
「どうしてそんな子ども扱いするんですか!ブーっだ!」と尻をたたく蛍。
「こっちこそブーだ。」もうこれはお約束なのか高野も追随する。
『今晩はこんなムードになっちゃいかんな。』
高野は気を取り直して蛍に言った。
「後片付けは私がしておくから、君は先に風呂に入りなさい。」
「いいんです。私も一緒に食器洗いします。」
珍しいこともあるもんだと思ったが、同居人としては有難い申し出なので、
二人で食事の後片付けをした。
ほんの冗談のつもりで
「じゃあ、風呂も二人ではいるか?」と高野が言うと
「はい!!」と満面の笑みで返事が返ってきた。
「…はい?」
「はい!私の方から誘おうかなとか思ってたんですけど、ちょっと恥ずかしくて…
ぶちょおから言ってもらえて良かったぁ!」
想定外の展開に、戸惑い気味なのは言いだしっぺの高野の方だった。
蛍はというと、本当に嬉しいらしく高野の手を引っ張って浴室へ向かって歩き出した。
そのとき高野はハッと我に返った。
しばらく(ほんの1週間なんだが)離れてしまうから、今夜は自分から
行動を起こして行こうと思っていたのだった。
蛍の腕を掴み自分の方へ引き寄せると、さっと姫抱きにした。
「へ?」
突然のことに蛍はキョトンとしていたが、すぐにちょっと動悸が早くなった。
脱衣場に付き、蛍を下に降ろすと
「ぶちょお、着替える間は向こう向いててくださいね。」
と蛍が言った。
蛍が照れ気味になると、高野はからかいたくて仕方がない。
「嫌だ。見てたいもん。」
「う〜!やめろー」
「私も脱ぐから恥ずかしくないだろ!」
「「潮騒」の名シーンか!」
「ほらいいから!」
高野は来ていたシャツをさっと脱ぎズボンと下着もあっという間に脱いでしまった。
そして高野が蛍のTシャツに手をかけようとしたとき、蛍もものすごい勢いで
来ていたものを全て脱いだ。
もじもじしていると余計に恥ずかしさが増すばかりだと思ったからだ。
お互いの全裸の姿を知らないわけではないが、明るいところで面と向かうと、
ベッドの中とは違いどこか気恥ずかしい。
蛍は高野に手首を掴まれて浴室に引っ張り込まれた。
「折角の機会なので、ぶちょお、背中お流しします。」
背中に回れば、ドキドキしないだろうと蛍は考えたのだ。
高野にしても、蛍が後ろに回ってくれてほっとした。
前面は、最早平常な状態では無かったので…。
「雨宮」
「はい?」
「どうして一緒に風呂に入りたいと思った?」
「たぶん、ぶちょおと一緒です。しばらく一緒に居られないんだって思ったら、
少しの間でも離れたくなくて…」
「それで調理中も食器洗いのときも私にへばりついていたわけか。」
「はい。でも、やっぱりお風呂は恥ずかしかったかな…」
高野の背中で蛍の手が止まった。
そこから互いの体温が上がっていくような感覚がした。
「お返しに私も背中を流してやろうか?」
「けっ結構です。なんか、これ以上触れているとこの場で倒れちゃいます。」
「じゃ、私は先に上がっているから」
「ダメですよ。もう夏じゃないんですから、ちゃんと暖まらないと。
風邪ひいたって、かいがいしく世話をしてくれる蛍ちゃんは居ないんですから。」
猿蟹合戦の読み聞かせのどこがかいがいしい世話だったのかと思いながらも
「はいはい。」と高野は適当に返事をした。
高野が浴槽につかると「私も入れますか?」と蛍も入ってきた。
結果、あまり広くない浴槽内で二人はしっかりと密着してしまった。
「貴様つい先程これ以上触れているとどーのこーの言ったくせにこの有様は何だ?」
「やっぱり、きつかったですねー。へへへっ」
「アホ宮!もう上がるぞ。」
「ラッシャー板前!」
高野はこの状態でその返事はないだろうと思ってはみたが、これでこそ蛍らしさ
なのだと思い、突っ込むこともせずに聞き流した。
バスタオルを身にまとうと「私の部屋に来なさい」と高野が声をかける。
「はい」と蛍は返事をするが歩き出す気配がない。
「何?」
「抱っこ」
「は?」
「お姫様抱っこ」
「やだもん。疲れるもん。」
「えー、ケチ」
「さっきしてやっただろ?今日はもうそんなことに体力使いたくないんだもん。」
「はぁ…」
蛍の返事も終わらぬうちに高野は蛍の手を引いて自室へ向かう。
ベッドに並んで腰をかけ、高野は蛍を抱きしめた。
「ぶちょお…」
言葉では伝えきれない気持ちを表すように、高野は蛍に口付けた。
蛍をゆっくりと横たえて、指先で顔の輪郭をなぞってみる。
蛍も両手で高野の頬を包むように触れた。
再び深いキスを交わす。
指先と唇は、蛍の隅々までを記憶するかのように動き回る。
蛍の甘い吐息がその動きを加速させ、そして色白の蛍の身体はほのかに色づく。
夕飯のときに、高野は蛍にしっかり味わえと言ったけれど、今の自分はまさにそれ。
離れても恋しくならないように、しっかりと味わうように蛍を抱いた。
そして蛍もまた、いつもよりも熱い高野を感じていた。
「ホタル、行くよ」
蛍が軽く反応したのを確認し、高野は蛍の中に入ってきた。
身体の奥が熱く疼く。そして胸にも甘い痛みを感じていた。
『ホタルって初めて呼ばれた』
高野の動きに呼応するような蛍の声は高野の耳に心地よく響いた。
「あ…ぁ は…ぁん」
「ホタル、好きだよ」
「ぁぁああん」
二人はより深く絡みあい、快楽の深みへと堕ちていった。
翌朝
「ぶちょお!行って参ります。」
「ああ、気を付けてな。楽しんで来なさい。」
「お土産は何がいいですか?」
「そのままの状態の君が帰ってきてくれたらそれでいいよ。」
「もー、ぶちょおったら。朝っぱらから恥ずかしい!」
「何を勘違いしてるんだ?そのままの状態ということは、つまり太って帰ってくるな
ということだ。君のことだから暴飲暴食でビール腹になってしまうだろうからな。」
「ブーっだ!」
「こっちこそブーだ」
しばらく離れ離れになる別れ際に、こんな会話をする自分たちが結構好きな
高野と蛍なのであった。
(了)
GJGJGJ!
すごい良かった!上手いね〜
次作品また是非書いてください。
195 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 13:59:09 ID:sgI/gmyZ
みんな ほんとに 上手だね(^^♪
その後の ホタルとぶちょおに 会えるのは
もう ここだけか・・・。
>>191 GJ!!あれから、ぶちょおとアホ宮どうしてるのかな〜?って
思ってた・・・。幸せそうで良かった(*^。^*)
GJGJGJGJ!!!!
ほっこりした〜
ほんといい2人だなぁぶちょお〜〜〜〜
なぜ自演?
職人さん方GJです!