「ちょっとアヤ歌やめて!!」
「あ…ごめんなさいうるさかった?」
「じゃなくてェ…!アンタ、このツタっ…!お風呂場にまでっ…
あっ、ヤだぁ、ここつまんじゃっ…、ちょっ、あん!」
(生殖機能まで揺らしてしまったかしら…アレンジ変えなきゃ)
エロゲーにありがちな触手プレイきぼんぬ。
>711
GJ!
その手は思いつかなかったw
歌だけでヤコの性感を刺激して逝かせる、または
中途半端に発情させてヤコ自家発電的なネタもできそう
録画失敗したのでこのスレで慰めて下さい
>>713 スレ違いです、お仲間のいるアニメスレ行って下さい。
慰める、の意味が違うんじゃね?w
716 :
名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 04:13:52 ID:bb+uzpsV
携帯だとここ一ヶ月たまにしか正しくここ見たり書き込んだり出来ないんだけどどうなってんだ?
単発ネタ以外すげー投下しにくいんだが。
13巻表紙のアイがエロ杉
ネウロになりたい
改めて13巻はサイアイの巻だよなあ。誰か幸福なサイアイを頼む・・未だショックだよ。
今週の兄の異常な可愛さっぷりに悶えた自分はスレ的に間違ってると思う。
弟、苦労するんだろうなぁ・・・・・と、幸せかどうか分からないが13巻見て泣きそうに
なりながら書いたサイアイ1レス小ネタを>718へ送るぜ同士。
サイアイは不滅ですっ!
【呟(ねがい)】
無機質な部屋の中、家具と言えるのはその中央に置いてある大きめのソファ一つ。
そのソファに座っている女性は自分の膝の上でゴロゴロと転がる少年の髪を優しく、黙ったまま梳いて。
「アイ〜」
「はい、何のご用でしょうかサイ?」
「そろそろ眠い気がするんだけどさ、俺。どうしたらいい?」
「隣の部屋にベッドがあると毎晩教えている筈ですが、未だに覚えて頂けていないご様子ですね」
「あれ?そうだったっけ。まぁいいや、面倒だからアイが連れてってよ」
けらけらと無邪気で無垢な子供のような笑い声を立ててサイは笑い、その少年にしては細い両腕をアイの首へと絡め、そして
「アイでも今の俺だったら運べるでしょ?だからー、はこんで?」
ね、とけらけらと笑いながら彼女の首に抱き付く。
溜息混じりの吐息を漏らしながら、アイはサイの身体を支えるように抱き抱えて立ち上がり、そのままバランスを崩して
ソファの上へとまた座りこんでしまい。
「申し訳ありません、サイ。さすがに私では運ぶのは無理な様子です」
「えー。ベッドがあるならそっちで寝てたかったんだけどね、仕方無いか。アイ、膝貸して。寝るから」
「かしこまりました、サイ。起こすのはどの位経ってからに致しますか?」
「んー・・・・にじ、かんくら・・・・」
言葉が途中で途切れたのはいきなりストンと眠りに堕ちたためだろうか。無防備に、アイにしか見せない純粋無垢な素顔を
曝け出したままサイはすやすやと軽い寝息を立てて眠る。
その柔らかい髪。もしかすると、それは『サイ自身』のモノでは無いのかもしれないけれど、アイにしてみれば
彼の中でも好きな一部を撫でながら、眠る少年をじっと、ただ見つめる。
「私は・・・アイでいいのです、サイ。永遠に殺されて消えた『イミナ』ではなく、あなたの傍にいる『I』でいられれば」
それで構わないのです、と言う呟きは無機質な部屋の中にあるパソコン達の機械音に混じってかき消され、アイも瞼を閉じる。
二人が見たのは、手を繋いで見る夕焼けの夢。うたかたの、ほんのひとときの、淡く儚い夢。
それでも彼女は永遠にサイの傍にいる事が出来た。事切れる寸前まで、愛しい人の傍に、愛しい人の役に立つ為に。
髪を撫でながら瞼を閉じた彼女は声にならない言葉を呟く。
”愛しています、私のサイ。永遠に、あなたの中身が判るまで、ずっとお傍に・・・・。”
>>719 あれ…目から水が…
GJ!サイアイ切ないよサイアイ
>>705 全部見たらネウヤコ多すぎワロタ
そろそろ別のネウロ攻&弥子受来ないかなー
>>719 ありがとう!ありがとう!GJ!!!
サイアイは不滅だ!
ネウヤコは人気あるからな。なんだかんだで俺も好きだし。
でも俺はずっと吾ヤコと池由香を待っているんだ…神よ頼む。
ネウロ以外の男キャラも頑張ってくれ。
特に吾代はヤコ誘拐の一件で心配してたし、その後が気になる。
ところで、石垣と等々力が意外と萌えるんだが、俺だけ?
食玩野郎が哀れでなあ…
>>721>>722 同意
ネウヤコもいいけどそろそろ別の弥子受けが見たい・・・
後、池由香は自分も好きだ
そして今後の展開によっては等々力関係が増えるかもしれない
ヨシダレモイナイ(ry
最近このスレを知って勢いで書いた。
しかし、単行本派(12巻まで)なんで、ネタばれが怖くて、無謀にも最近のレスも読まずに投下。
一応過去の分は一通り目を通したが、最近のながれぶたっぎりなど、空気が読めてなかったら
申し訳ない。
もし、最近できた注意事項などがあったら、教えてくれると助かる。
<とりあえず注意書き>
・END捏造風味
・オリジナルキャラ(無名)が後半少々出張るので、そういうのが苦手なのは見ないが吉
>>721>>722>>724 ・すまんな、ネウヤコ風なんだorz
・しかし、ポジティブに読んでもらえれば、最後はどの組み合わせでもいけるかと…
・そして、さらに申し訳ない。直接的なエロは行方不明なんだ…or2
726 :
No.1:2007/10/05(金) 04:52:15 ID:C8kIDNA7
ネウロが起きない。
錯乱した犯人に銃で胸を撃たれてからもう一週間が過ぎた。
撃たれた時は、いつもどおり柳に風と受け流してて、そのあともいつものとおり謎を喰べていた。
いつもと違ったのは、いつまでたっても止まらなかったその血。
それに気づいたのは事務所にもどった途端、崩れ去ったネウロの体の下から流れ出した色を見たときだった。
そう、ほんとうにその時のネウロは「崩れ去るように」ではなく「崩れ去った」のだ。
まるで、人形遊びをしていた子供が、気まぐれで手を離した。
そんなように、唐突に体のすべてが重力にしたがって落ちていったのだった。
「あかねちゃん、ただいま〜」
『休業中』のカードがかかったドアを開けると、壁からあかねちゃんがパタパタと髪を振って答えてくれた。
ソファの上のネウロは相変わらず眠ったままだ。昨日とは体勢が微妙に違っているから、寝返りでもうったんだろう。
一応生きてはいるらしい。
あの時は、まさか死んじゃったんじゃ!と思い、馬鹿みたいに名前を呼んで、反応のない体に泣いてすがった。ドラマとか
でよくあるご都合なクサい一場面のようだったけど、今なら言える、
あれは正しい。
人間極限状態になると、本当にあんな行動しちゃうもんなんだなと、あとになって変にしみじみ思った。
縋りついた胸からかすかながら呼吸音を確認した時には、寝てるだけとわかって怒るよりも先に、安堵感がこみ上げてきた。
とりあえず、ネウロの体をなんとかソファの上まで移動させ、意味があるのかないのかわからないけど、出血を続けていた
傷口を消毒して包帯をまいておいた。ただの自己満足だったかもしれなかったけど…。
その時は、ただ寝ているだけとわかったという安堵感も手伝って、今までになかった異常事態すら気にならなかった。
改めてその異常事態を認識したのは、次の日事務所にきてからだった。
ネウロが起きないのだ。
傷が治らないのは体が人間に近づいてきてるせいだと思っていた。でも、人間は普通こんなに長時間眠ったりはしない。
三日目から、事務所を休業中にすることにした。だいたい、ネウロは来客用ソファを陣取って寝てるし、何より、こいつが
いなきゃ事務所を開けている意味がないんだから。
とりあえず安心できたことは、傷口が翌日からふさがり始め、昨日にはもう、痕も残らず治っていたことだ。
それに、時々寝返りのつもりなのか、もぞもぞと動くこともあったので、生きているということは認識できた。
「…まったく、早く起きなさいよこのねぼすけ魔人」
向かいのソファに座って呟く。
「早く起きないと、究極の謎を食べ損なっちゃうかもしれないでしょ」
一人がけのソファに小さくまるまって座って、肘掛に頭を預ける。
あいかわらず魔人が起きる気配はない。
目をつぶる。あかねちゃんのぱそこんの起動音や外からの車のエンジン音にまじった、ネウロの呼吸を探す。見えないはず
なのに、そこに確かにネウロの気配を感じる。そっと、その気配に同調するうち、いつのまにか眠りの世界に引きずり込ま
れていった…。
727 :
No.2:2007/10/05(金) 04:53:41 ID:C8kIDNA7
目がさめると、向かいのソファにネウロがいなかった。
「…っ!?」
あわてて、視線を動かすと、すぐに見つかった。魔人様はトロイに寄りかかり、腕を組み、尊大に見下ろしていた。
「まったく、なにをだらしのない顔で寝ているのだ、このミカヅキモ」
「なっ!この一週間グースか惰眠をむさぼってたのはどこのどいつよ!!このねぼすけ魔人!」
「ほぅ・・・?久々に聞くドレイの不協和音が愛しくて、我輩思わず頭をかいぐり回してやりたいのだが・・・」
「すみません、ごめんなさい、ねぼすけなのは私のほうでした」
素直に非を認めると、私の頭を包もうとしていた見るからにヤバげな刃物化した掌は、大人しく引いていった。
・・・くすっ。
「・・・なんだ?寝すぎてとうとう脳みそが融解したか?」
「いや、なんか、いつものネウロだなぁって・・・」
「……ヤコよ、我輩が寝ている間にとうとうMに目覚め…」
「て、なーーーーーい!!!!!まったく、人がしんみりしてるってときに。で、一体なんだったの?あんたが倒れてから、
ソファに担ぎ上げたり、傷の手当てしたり、血だまりふいたり結構大変だったんだよ!」
さりげにあの血だまりはやばかった。万が一警察に家宅捜査されたら、あかねちゃんとワンツーフィニッシュ決めれるくら
いに。血液反応検査とかされたら、この事務所殺人現場認定くらうよ、あの量は。
「ふむ、奴隷としてはギリギリ及第点といったところだな。あとは、いつ目覚めてもいいよう、食事を用意しておくべきだったな」
「はいはい、気の回らない奴隷ですみませんでしたねっ!だいたい、何なのよ。謎を食べたから魔力とかは問題ないんじゃなかったの?」
「ふむ」
ひとつうなずくと、ネウロは私のそばまでゆっくりと歩きながら、喋り始めた。
「確かに、空腹感は常のものだから置いておくとしても、魔力は現在それほど消費しているわけではないな」
「ならどうして…」
「瘴気だ」
私の目の前で立ち止まったネウロの顔は、夕日のせいで、なんだか、今まで見たことのない表情をしているようにみえた。
「地上は瘴気が圧倒的に不足している。こちらに留まりつづければ体が人間化するなりなんなり、それなりの適応を見せる
かと思っていたが、どうやら、認識が甘かったようだな。傷は魔力さえあればおのずと自然修復するが、やはり、瘴気の不足
による体自体の基礎代謝までは補えんかったようだ。それゆえ、傷などの身体に直接影響があるものの場合、一時的に休眠状態
に陥り、その修復に労力を割いていた、と、いったところか…」
ネウロにしては、やたらと推定の語尾が目立つ。きっと、ネウロも自分の体に起こったことを考察しつつ話した、推測の
結論なんだろう。
「このままここに留まると、魔人としては脆弱で人間にもなりきれない、中途半端な存在になってしまう。我輩、自分が
どのカテゴリーに属していようとあまり気にしんのだが、さすがに、傷を負うたびに休眠してしまっては、如何ともしが
たいのでな。というわけでだ、ヤコ。我輩は魔界に帰る」
「えっ!?」
思っても見なかったことに、一瞬、ネウロがなにを言ったのかわからなかった。
「え?か、帰るって、魔界に帰っちゃうの?」
「たった今そういったろうが、このウジムシが」
ネウロが心の奥底から馬鹿にした顔で見下ろす。うん、…まあ、バカな質問したなとは思ったけど…。
「いや、ちょっと、突然のことで信じられなくって…。………そっか、帰っちゃうんだ…」
あれ?なんでだろう私、コイツがいなくなれば、こんな探偵業ともおさらばできるし、普通の生活、普通の日常にももどれ
て、万万歳なのに…。なんで、なんか、胸のとこがもやもやするんだろう…。
フッ、と頭上からため息のような笑い声が落ちてきた。
私がその表情を確認する前に、ネウロがその長い腕を私に向かって伸ばしてきた。
728 :
No.3:2007/10/05(金) 04:55:08 ID:C8kIDNA7
気づくと蒼い世界に囲まれていた。
視線をずらすと、肩越しの世界に事務所の天井が見えた。ネウロは私の肩口に顔をうずめていて顔が見えない。
時々首筋にかかる吐息がくすぐったい。
「…アンタがこういうことするとは思ってなかったわ」
「なんだ、せっかく人間式にしてやってるというのに、どうせなら魔界式のほうがいいか?」
「…いえっ、人間式で結構デスッッ」
手やら腕やらから、なにかトキトキとしたブツが生えるのを感じて慌てて丁重にお断りする。
突起物の気配が消えるのを確認し、改めて、今度は私から腕を背にまわしてみる。そのままネウロの胸に頭をあずけ、
そっと目を閉じる。そういえば、こういう風にふれあうのって、初めてかもしれない。
まぁ、スキンシップ自体はかなり多いほうだったハズだ。ただ、そのほとんどが虐待だったというだけで…。
息を大きく吸い込むと、何かを感じた。においと言うほど強くもなく、それでいて、まるで直接神経をさわさわと刺激する
ような何か。でも、どことなく懐かしいような体に馴染んだような何か。
ああ、ひょっとして、これが瘴気ってやつかな?
ネウロ前に、体から瘴気がにじみ出てる〜とかなんとかいってたし、なら、この感じにも納得。いっつも一緒に(主に無理やり
振り回されて)いたからなぁ。ネウロのにおいなんて、もう日常の一部になっちゃってて、改めて感じたことなんてなかったもんな。
もう一度胸に顔をうずめて吸い込んでみる。眠気のような、酩酊感のような、それでいて妙に感覚ははっきりしているような不思議な
感じが神経を犯す。
あれ?確か瘴気って人間には毒じゃなかったっけ?ってことは、私もしかして日常的に強制毒物摂取?
『小さいころから薬物を少量ずつ摂取していたため、毒物に強い体に〜』とかって、よくドラマとか漫画とでみるけど、
ムリムリ、私の場合もう第二次成長期まできちゃってるし。てか、このドS魔人の毒がそんな生易しいものなわけがない。
絶対、水銀とかカドニウムとかの体内蓄積系の毒だよ。
そこまで思考が至り、気持ち頭を離す。
「ぶっ!」
すると、ネウロはまるで私の考えなんかお見通しと言った感じで、頭をぎゅうぎゅうと抱きこんだ。
胸板に押し付けられた鼻が痛い。体を通してネウロが笑みをもらした振動が伝わってくる。
ちくしょう。心身的DVに加えて、日常的に細胞レベルからも犯してたなんて、どこまでドSなら気が済むんだ。
まったく、私の老後とか子供とかに影響でたらどうしてくれるんだ。
毎日毎日虐待かましてくれて。
そう、毎日毎日。そっか、これが今の…。
「ねぇ、ネウロ」
「ム?」
「私ね、お父さんの謎解いてくれたこと、今でも相当感謝してるんだよ」
「ほう?の、割にはあまり普段から主人への忠誠心が見受けられんかったのだがな」
「イヤイヤイヤ、感謝と忠誠心関係ないから。だいたい、せっかく『日常』を返してくれたのに、奴隷とかいわれて探偵として
ひっぱりまわされて、日々の虐待から、挙句のはてにTV出演までさせられたり、誘拐されたり、etc…。もう、みごとな
『非日常』だよまったく」
ネウロの胸におでこをくっつける。ゆっくり目を閉じて今に集中する。
「でもね、今じゃこの『非日常』が私の『日常』になってたの」
ネウロの声を、その吐息を、その手の感触を忘れないためにも。
「ねぇ、私また『日常』を失さなきゃならないのっ…?」
こいつのことは好きか嫌いかときかれれば、ギリギリ「好き」の部類に入るんだろう。でも、それは、甘ったるい恋や暖かな
愛情とは確実に違うと思う。どんなに最悪な状態になっても、望む望まずにかかわらずすべてを切り捨てれない、一ミクロン
でも残ってしまう繋がり。
そう、それは『家族』に似ている。
「ここにはあかねちゃんがいて、トロイがいて、ネウロがいて、謎が来て…、そりゃ、人が死んだり、アンタからのDVは
いやだったけどさ。でも、それも今では生活の一部で、私のもう一つの『家』だったのっ……」
『家』で起こってた『日常』。いつ、何をしていたか、何をしたか。漠然と覚えてはいても、細かいことまでは思い出せない、
そんな特別じゃない何気ない日常。
「また、突然それをなくすなんて、やだよぉ…」
729 :
No.4:2007/10/05(金) 04:57:03 ID:C8kIDNA7
「…それはつまり、我輩に魔人でもなく人間にもなりきれないできそこないの中途半端なままで、貴様の願望のためにミキサーで
龍角散レベルまで心身ともに粉にして、地上に留まれと命令しているのか?」
「あ〜もうっ!!違うっっ!てか、なんで龍角散!?しかもアンタと一緒にいて身を粉にするのは私のほう!!そうだよね、
あんたにこの感情を理解してもらおうなんて、思ってないけどさ…」
「ほう、我輩の言葉も理解できん豆腐頭の分際で、理解云々の言葉をつかうなぞおこがましいわ」
「ひひゃい、ひひゃい!ほへんははい、ふひはへんへひは!」
口の中に指先が差し込まれたかと思うと、そのままぐぃ〜〜っと限界まで引っ張られた。
こんな場面でほっぺたひっぱられて、涎たらす女の子なんていない。まったく、ムードもデリカシーもまったくない。
期待したほうが馬鹿だった。…て、アレ?ひょっとして私ちょっとでも期待してたのか?
頭上から「はぁ〜」などと、わざとらしいまでの呆れたため息が漏れてくる。
「優しい主人がミミズレベルしか脳細胞のない奴隷のために、分かりやすくもう一度言ってやろう。
ヤコよ、我輩確かに『魔界に帰る』とは言ったが、『戻って来ん』とは言ってないぞ」
…………。
「はぁっ!?」
思わず顔を上げると、魔人は例のニヤニヤとした人を馬鹿にした笑顔で笑っていた。
「主人と離れがたく、泣いて縋ってくるようになったとは、やはりこれも我輩の調教の賜物だな」
「誰が、泣いて縋ってって…、ちょ、帰ってくるんなら、はじめっからそう言ってよ!」
ちくしょう、こいつが倒れてからさっきまでの私のいろんな感情はなんだったんだ。あんたのために流した涙利子つけて返せ!!
「で、いつ頃帰ってくるの?」
「さあな、再び地上で長期間活動できるようになる程度瘴気が溜まるまで、だな。我輩にもどれぐらいかかるのか見当がつかん」
だがな、といって、ネウロは私の瞳を覗き込んできた。
「貴様が死ぬまでには帰ってきてやる」
「……一生帰ってこなくていいよ」
細められた泥沼色した瞳がぼやける。デリカシーのないこいつに、複雑な読心術を求めるのは無理だとわかっている。
でも、この言葉と笑顔の裏くらい読めるだろう。
そっと瞼を閉じると、最後の一線を越えた涙が一筋こぼれた。
730 :
No.5:2007/10/05(金) 04:57:57 ID:C8kIDNA7
「この事務所はすでに我輩の巣だ。貴様が何を言おうと、すでに貴様はこの巣の構成物だ」
なんだ、このムードを台無しにするその宣言。ひょっとして、これでも私のさっきの『家』発言をこいつなりに肯定して
くれてるんだろうか?
……冷静になれ桂木弥子。そんなことでちょっとでもうれしいなんて感じたら、もう人として後戻りはできない。
「ついでにいうと、一構成物たる貴様が主人である我輩が留守の間に、同位的存在であるその他構成物を1‰たりとも欠損
させるのは許さん。さらに言うと、事務所及び貴様の探偵としての名声もこれに含まれる。よって、我輩が帰ってきたときに
今よりも知名度が下がっていたら、一知名度ごとに脳細胞を千消滅させるから、今後とも心して探偵業に精を出せ」
「ちょっとまて!私にこのまま探偵続けろっての?ムリムリムリムリ!私未だにトリックとか解けないし。てか、『一知名度』
ってなにその単位!そもそも一単位の基準がわかんないよ!!」
「フン、単細胞生物たる貴様に、もとよりそこまで過剰な期待はしておらんわ。しかし、貴様には我輩にはない『他人の内面を
観察する』という能力がある、それと雑用や刑事どもをフル活用して貴様ができる範囲内で、かつ持ちうる力を振り絞って解決
していけばよい。せいぜい手駒を減らさんようにアバズレ具合に磨きをかけておけ」
その身勝手具合に思わずため息をつく。
「まったく、…あんたは最後の最後までそんな無茶を言って……」
ニッといつもの魔人的な笑顔で笑ってのたまう。
「だが、これが貴様の言う『日常』だろう?ヤコ」
はぁ…。ぽすん、とネウロの胸に頭を預け呟く。
「…まあね」
最後の瞬間、ネウロは一瞬だけぎゅっと私の体を抱きしめた。私も一拍遅れて、離れていったその隙間を埋めるように一瞬
だけ抱きしめ返した。
涙で重たくなった瞼をそっとあけると、もうネウロの姿は見えなくなっていた。
すまん、思いのほか長くなったんで、残りは今日、出社前に余裕があったら投下するよ…
>>731 GJ!続き待ってる!!!
自分は13カァンを読んでサイアイ書き出してしまったよ。
ちゃんと完成できるといいんだが…。
ついでに早坂兄弟ヤコを書きたいのだが、書けない。
GJ!!ネウヤコだからって遠慮しないでくれ。需要はちゃんとある!続き待ってるぜ!
734 :
731:2007/10/05(金) 15:13:13 ID:C8kIDNA7
>>732>>733 反応返してもらえるってうれしいもんなんだな。
ありがとう!
というわけで、続き↓
一応注意書きにも書いたが、オリジナルキャラが出張中。
むしろそいつメインで話が進んでるんで、要注意。
735 :
731:2007/10/05(金) 15:15:32 ID:C8kIDNA7
*
「祝!高校入学!!」
「カンパーイ!」
触れ合ったグラスが、からんと涼しげな音を立てる。
4月の第一金曜しかも駅前とあって、店内は私達と同じような新品の制服を着た女子高生グループであふれていた。
「いや〜、まさか、高校まであんたと一緒になるとは思ってもみなかったよ」
「ん?」
運ばれてきた期間限定・きのこのクリームスパゲッティをほおばりながら聞き返す。
「だってまさか受かるとは思ってなかったもん。あんたの食への執念がこれほどとは思わなかったよ」
「お母さんと一緒にしないでよ。わたしの志望動機は近場に安くておいしいお店がいっぱいあるっていうののほかに、
ちゃんと、セーラーががかわいいからっていうのもあるんだから」
「そういえば、おばさんは学食のためだけにあの都内有数の高校に偏差値20も上げて入学したんだっけ…。
まぁ、多少色気づいてるだけマシってとこね」
多少…ね。とつぶやいて呆れた顔でテーブルを見下ろしてくる。
テーブルの上には女子高生二人が食べきれるとは思えない量の料理が、文字通り所狭しとならんでいた。
私にとっては夢のような光景なんだけどな…。
「あんたこんなに注文して大丈夫なの?いつもサイフのために夕飯は家で食べるっていってたじゃない」
「ふっふっふー。実は今日から月曜までおばあちゃんもみーんな仕事で家にいないから、外で食べなさいって、
お金もらったんだ〜」
「あっそ。しっかし、あんたんちの家族も大変ね、あんたとおばさんの食費のために総出で働いてんだから」
「別に、おばあちゃんがまだ仕事してるのは家計のためだけじゃないんだけど…」
「まあ、あんたんとこはおばあさんもまだ若いからね。でも、エンゲル係数が高いのは間違ってないでしょ」
……言い返せない。
なるべく視線をあわせないようにオムライスのスプーンをもくもくと動かす。
「で、でも、私も晴れて高校生だもん、バイトぐらいはじめるよ」
「へー、なにすんの?おばさんの手伝い?」
「……なんでそこでお母さんが出てくるの?」
「だって、おばさんは高校生のときから探偵はじめたんでしょ?ま、あんたの脳みそじゃ探偵なんかできないか。
それ以外は何から何まで瓜二つなのにね、ほんと、父親の遺伝子どこいったんだか、ってくらいに」
……再び言い返せない。とりあえず、沈黙が痛いのでえびピラフに手を伸ばす。
そう、お母さんの職業は探偵だ。しかも高校生の時から今の仕事をはじめていたらしく、当時から『女子高生探偵・桂木弥子』
の名前は相当有名だったらしい。今でもそこそこに有名で、時々雑誌の取材なんかも受けてるようだ。
しかし、私は普段のお母さんしか知らないからいまいちピンとこない。どうしても『探偵』という特殊な職業を、しかも
在学中から選ぶような人には見えないからだ。それに当時の記事も見せてもらったこともあるけど、どうも私の知ってる
性格とそのメディアへの露出の大胆さが合わない。
一度不思議になって「どうして探偵なんかはじめたの?」と聞いたことがあるが、やたら遠い目をされて
「のっぴきならない事情が…」といわれた。
とにかく、私はそんな有名人なお母さんにそっくりなのだ。もう、クローンかなんかじゃないかってくらい似ている
おかげで、『あの桂木弥子の娘』というフィルターでみられてちょっとわずらわしい。成長するにつれことあるごとに
比較されるし(主に推理力)。ほんと、お父さんの遺伝子はどこへ淘汰されたというんだろう。唯一違うのは
ロングにしてもさらさらな髪質くらいだけど、それもどっちかっていうと、おばあちゃん似な気もするし…。
どこまで優性遺伝なんだよ桂木家遺伝子。まあ、もう諦め入ってるけどね。
736 :
No.7:2007/10/05(金) 15:16:53 ID:C8kIDNA7
「げ」
「ん?はひ?ほうひひゃほ?」
「口に物入れたまま喋らないの」
ほら、アレ。といわれ、顎をしゃくられた先を見ると、カップルが一組座っていた。どことなく、男のほうに見覚えがあるような…。
「…あ〜、えっと…、前の彼氏、だっけ?」
「前の前の彼よ。あいつ、3股かけてやがってさ、しかも自信過剰で身勝手で性格もサイテーで、1週間で分かれたわ。
顔はいいんだけどさ…げ、こっち気づいた」
そういうと、何気ない風を装って視線をそらし、ジュースを飲み始めた。
しかし、向こうの男は、彼女が化粧室に席を立つとすぐ、こっちに来た。
「よぉ、久しぶり。元気そうじゃん。あれ?そのセーラー…、あの高校受かったんだ。お前マジで頭よかったんだな」
なんだ、この人を馬鹿にしたあいさつは。さすがに第三者の私でもムっときた。
そうね、とか、へぇしか返事がないのに、この男はひたすら自分一人で話しつづけた。さすがにうっとおしくなってきた。
「あんたいいの?彼女とデート中に他の女に声かけて」
「あ?いいのいいの、あいつ一度化粧直しに立つと5分は戻らないから、どんだけ厚化粧なんだよってな」
「いいんですか?自分の彼女をそんな風に言って」
さすがに、自分の彼女まで悪く言うその無神経さに頭に来て、自分は無関係とわかっていながらも口をはさんでしまった。
「いーのいーの、アイツ彼女なんてたいしたもんじゃないから。ん?へぇ、結構かわいいじゃん、なんなら、今度俺と…」
「人の幼馴染にまで手を出すのやめてくれない?」
「なんだよ、ただ遊びに誘ってるだけだろ。なに?やきもち?」
思わず二人一緒に深いふかいため息をつく。なんだコイツ?どうポジティブに生きれば
こんなに自分中心な性格になれるんだろ…。
「ちょっと、誰?その女」
あ、彼女登場。
「あ?ただの友達」
今まで口説いてた相手目の前にして悪びれもせず…。怒るというより、むしろあきれた。
「うそ!この前もそう言って…!!」
悪化する修羅場の横でごはんはさすがにちょっと気まずい。一応当事者その2に数えられている向かいの席をチラっとみると、
我関せずといった風に、隣で吹き荒れるブリザードを徹底的に無視していた。私も見習って食べることに専念する。
あちゃ、春限定スペシャルイチゴパフェ頼むの忘れてた。
結局、「もうあんたなんか知らない!」という捨て台詞をはいた彼女を男がおいかけるという、お決まりのパターンに落ち着いた。
これでようやくスペシャルイチゴパフェが頼める。
「ほんとに最低な男だったね」
「でしょ」
苦笑交じりの応えで、あまり堪えてないのがわかり安心する。
「あ〜あ、ホント、一週間だけとはいえ、なんであんなのと付き合ったんだろ。いい?あんたもくれぐれも顔だけで
男を判断するんじゃないよ。ああいう、身勝手で傲慢で人の話を聞かない自己中に捕まったら最悪だからね」
「はいはい」
737 :
No.8:2007/10/05(金) 15:20:58 ID:C8kIDNA7
「は?警察?」
え?ちょっとまって?なに警察って?
「あの子が、あの子がもしかしたら、犯人かもって、…さっき連絡が、電話に出たら…、人が死んでたって……!
血まみれで、泣いてて…!!」
「ちょっと、まって、おばさん。え、何があったの!?落ち着いて、順番に話して」
だいぶパニックになっているおばさんを落ち着かせて、とにかく少しでも詳しい話を聞こうとする。でも、こっちも突然の
ことに混乱して、大まかな流れを理解するのにだいぶ時間がかかった。
もう一度、状況を確認するため、なによりも自分を落ち着かせるためにも、改めて確認する。
「えっと、つまり、メールで呼び出されて出かけていったんですね?」
「そ、そう、TV見ながらメールを打っていて、突然、出かけてくるって…、1時間くらいですぐ戻るからって言って…」
「で、その後電話があったんですね?」
「電話に出たら、あの子泣いてて、血まみれで倒れてるって、心臓刺されてるって、どうしたらいいのかわからないって、
泣いてて、わ、わたし、咄嗟に救急車呼びなさいって…。わたしがそんなこといわなければ、あの子は……っ」
「おばさんのせいじゃないよ!もし、その場で逃げてたら、余計疑われてたって!」
「でも、でも、警察から電話が…」
受話器からはまた、おばさんのすすり泣く声が聞こえてくる。
とにかく、混乱した頭でなんとか情報を整理する。おかしなもので、自分よりもパニックになっている人がいると、かえって
落ち着くようだ。
今日駅で私と別れたのが7時。で、メールで例の元々彼から連絡をもらって家を出たのが8時。なんで、あんなやつのメールの
言うことなんかきいたの!思わず、八つ当たり気味にクッションを殴る。で、元々彼のマンションまで片道20分くらい。
一時間で戻るってことは、はじめから、少し話をしてすぐ帰るつもりだったってこと?おばさんのところに、男が血まみれで
倒れてるって連絡があったのが8時半くらい。そして、救急車に連絡して、警察へも連絡が伝わる…。
容疑者扱いされてる原因は第一発見者という理由だけでなく、多分、おばさんが聞いたと言う、警察が漏らした言葉。
エントランスの防犯カメラに、他に出入りする人間が写っていなかったということ…。
「でも、なら、ベランダから出入りできるんじゃ…」
「…っひく、け、警察の人も、は、はっきりとは言わなかったんだけど、高層マンションの中層階だから、無理だって…」
「そんな……」
そんなことって…。人殺しするような奴じゃないってことは幼馴染の私がよく知ってる。
もし、何か事情があって、そうなってしまったとしても、ちゃんと、自分がやってしまったことは自分がやったとはっきり
言える子だ。なのに、それを証明することができないなんて…。
なんで、こんな2時間ドラマか推理小説にでもでてくるようなことが、現実に起こるの……?
推理…?そうだ!!
「おばさん、安心して!すぐにお母さんに頼むから!!」
「…ヤコに?」
「そうだよ、お母さん腐っても探偵だもん!きっと謎を解いて助けてくれるよ!」
「そう、そうね、なんで思いつかなかったのかしら…」
「うん、だから安心して、ね?」
「……ありがとうね、お願いするわ」
お母さんのことを思い出してからは、おばさんとの会話さえもどかしい。電話を切ると、すぐにお母さんに電話をかける。
本当!なんで思いつかなかったんだろ!!!
738 :
No.9:2007/10/05(金) 15:32:12 ID:C8kIDNA7
――――オ掛ケニナッタオ電話番号ハ、電波ノ届カナイ場所ニオラレルカ、電源ガ入ッテイナイタメ…
「へ?」
何度かけなおしても、聞こえてくるのは無機的な呼び出し音ではなく、有機的で事務的な女性の声。
「…なん、で……」
今まで喜び勇んでいた体から力が抜け出て、ぼすんとソファに沈んだ。
なんで?なんでこんなときに限って…。
昨日の会話がどこからともなく聞こえてくる。
――――う〜ん、ちょっと今度の仕事先はかなり山奥らしいからひょっとしたら、携帯も通じないかも…。
――――え〜?人が住んでるトコで、いまどき携帯の通じないトコなんてあるの?
「なんで、いまどき携帯が通じないのよぉ…」
今になって、あらためて絶望が押し寄せる。
目の奥が熱い。鼻の奥がイタイ。
飽和した感情の中、かってに思考だけは進んでいく。
必死にほかに頼りになりそうな人を探す。警察は所轄ごとのナワバリが厳しいってきくし、
かといって、階級の高い人はかえって小さな事件には関われない。たとえ、どんなに情報を集めてもらっても、
それはきっと警察と同じ物しか集まらない。
今必要なのは、その情報から真実を読み解ける人なんだ…。
親の職業上、かなり特殊な職業を持った人とのつながりはあるけど、でも、今どんなに考えても探しても、
今私達を助けてくれそうな人は思いつかなかった。
「そんなぁ…」
目の奥が熱い。鼻の奥がイタイ。のどが締め付けられる。心が苦しい。
「……うっ、っく、お、かぁ、さぁ…」
たすけて。
「っ、えっ、おっ、ひっく、ばぁ、ちゃぁ、うくっ、とっ、ひっ、…ぉさぁん…」
誰か、助けて。
「…っく、ひくっ、たすっ、ぇてよぉ…」
誰でもいいから、お願いだから、あの子を助けて。
739 :
No.10:2007/10/05(金) 15:34:18 ID:C8kIDNA7
「なぜ泣いているのだ?」
「…ひっく、そりゃ、友達の無実が、証明できないなんて、うっ、誰だって…」
ん?
そぉっと、後ろを振り向く。いまこの家には私しかいないはず…。
一瞬のうちに『ベッドの下の男』だの『電気つけなくてよかったな』などの都市伝説が頭を駆け巡る。
「…」
やっぱり誰もいない。
ほっとして、ソファに座りなおす。
幻聴が聞こえるなんて、そうとう堪えたのかな…。
「それはおかしいな」
幻聴じゃない!
その時、視界の上部になにか見慣れない色がちらつくのに気づいた。
首の骨が軋む。それが何なのか認識したくないのに勝手に視線が吸い寄せられる。
そこには
「貴様は泣くのではなく笑うべきだ」
蒼いスーツを着た見たこともない男が壁に垂直に立って、不気味に笑っていた。
「謎のために泣いていると言うのなら、我輩が喰ってやるのだからな」
「…っ、ぁっ!」
声が出ない。言葉にできない。
「まったく、久々に帰ってきたというのに、事務所に行っても誰もおらんとは。主人の帰宅には奴隷は
三つ指ついて出迎えるものだろう」
ジムショ?シュジン?ドレイ?
理解できない状況下で、男はぶつぶつと理解できない言葉をつぶやく。
唯一理解できるのは、こいつが断じて人間じゃないってことだ。
「冬眠してたあかねにきけば、奴隷なりに我輩への奉仕活動は怠っていなかったらしいからな。まあ、それに免じて
今回の仕置きは48手網羅(プロレス編)でゆるしてやろう。覚悟しておけ、ヤコ」
「や、『ヤコ』って、ひょっとして『桂木弥子』?」
「ん?」
そいつは、ようやく私の存在に気づいたように、改めてこっちを向くと、軽やかに床に下りて近づいてきた。
おもわず逃げの体勢にはいるけど、ソファに邪魔され、体をちっさくして背もたれに押し付けるしか方法がなかった。
「貴様、ヤコではないな?」
ふむ、とつぶやくと、そいつは観察するように、私を眺めた。
「確かに当時のヤコにはコスチュームプレイなどという趣味はなかったし、たかだか2カップUPのために
豊胸手術をするような度胸もなかったな」
どういう判断基準よそれ。
とりあえず、驚きのあまり、泣くのさえ忘れた。
「謎の気配と、懐かしい匂いに誘われてきてみれば…。そうか、貴様ヤコの娘か」
「お、お母さんの知り合い?」
仕事柄人脈が広いのは知ってたけど、人外生物にまで及んでるなんて聞いてないよ…。
「あ、あんた、ダレ?」
「なんだ、ヤコから聞いておらんのか?まったく、やつはどんな躾をしているというのだ」
突然、男の顔が蜃気楼に包まれたかのように歪む。
「我輩の名は『ネウロ』、『脳噛ネウロ』。謎を喰って生きている、魔界の生物だ」
その頭部部分には人間ではなく、鳥のようなそれがのっていた。
「な、謎を喰う?ま、魔界〜?」
だめだ、ついていけない。もう、お母さん早く帰ってきて〜。
「おおそうだ、こんなことをしている場合ではない。謎の鮮度が落ちてしまう。おい、貴様」
びっ、と中指で指差され、思わず体がびくつく。いつのまにか、顔は普通の人間の顔に戻っていた。
「今、謎と接触しているな。そこへ案内しろ」
740 :
No.11:2007/10/05(金) 15:36:59 ID:C8kIDNA7
「な、謎って、いま私の友達が巻き込まれている事件のこと?」
「そうだ、我輩の主食は謎を解いたときに発せられるエネルギー。我輩は謎を解くことによって、その謎を喰うのだ」
「謎を解くって、つまり私の友達助けてくれるの!?」
私は、おもわず文字通りネウロにすがりついた。
「貴様の友人とやらが助かるか否かは、謎を喰ったのちの結果であって、我輩の関与するところではない。
が、貴様の友人が無実だというのならば、おそらく警察から釈放はされるだろうな」
だが、というと、ネウロは私の頭をつかんでひっぱりあげ、瞳を覗き込む。
「いたいいたいいたい!!!首が抜けるっっ!」
「わけあって、我輩地上では目立てんのだ。推理を代弁したことにする奴隷にんぎ(ryもとい、探偵役がいるのだ」
「え、今明らかに奴隷人形って言おうと…」
「あいにくと現在元祖探偵役のヤコがいない、が、ちょうどよく、貴様がここにいる」
とん、と床に下ろされる。瞳を覗き込む眼はそのままに…
「この謎、貴様が探偵役となれ」
「えっ!」
「なに、問題ない、我輩が解いた謎を貴様が解いたことにしてくれればいいだけのこと」
そんな、いきなり探偵とか、謎解きとかって言われても…。てか、謎を喰うってナニ?
だめだ、理解しようとすると脳みそがショートする。
でも…。
「…あんたが謎を解いてくれれば、私の友達は助かるんでしょう?」
「……そうともいうな」
なら、答えは一つだ。
「いいよ、やってあげるよ探偵役」
そういうと、魔人は目を細め、禍々しくうれしそうに笑った。
「よろしい、ではいくぞ、娘よ」
そして、私の『非日常』的『日常』が幕を開けた。
You can fly ......to another daily life.
741 :
731:2007/10/05(金) 15:45:57 ID:C8kIDNA7
以上。おそまつでした。
死別、お別れ、俺達の謎解きは(ry以外の終わり方を考えたら、こんなんなったんだ…
ピーターパン的エンド。
ところで、結構無駄に長くなってしまったため、気づいたら現在494KBなんだが、
新スレってひょっとしてもうたってるのか?
つくづく、ネタばれビビリなチキンですまんor2
742 :
731:2007/10/05(金) 15:51:37 ID:C8kIDNA7
うわぁぁぁぁ、今見返したら、No6だけ、名前部分直すの忘れてた…orz
GJ
若干話の繋がり方に違和感があったが面白かった!
途中からピタパンエンドがチラツいて、
個人的なトラウマスイッチONだったけどww
>>745 …その言葉でネタバレだってわかっちまったじゃないか。
さりげなくネタバレする
>>724もそれを指摘したらどうなるか想像も出来ない
>>745も死ねばいいと思うよ。
次スレ立ててこようとしたのに立てられなかったorz
せっかく
>>1の一行目を
華代子さんでも華代子さんでも華代子さんでも華代子さんでも華代子さんでも稲荷山さんでも猫巡査でもカップリングはご自由に
にしようと思ったのに残念だ
ネタバレなんてスルーしておまえら代わりに立ててきてください
次は楓さんでいいと思うんだ
ネタバレ書き込む奴はそれをひけらかしたくてたまらないガキなんだね
死ね
一応まとめサイトの掲示板にエロパロ話専用の早売り感想スレも用意してますんで
住み分けはきっちりやっていきましょう
…といいつつまとめの鯖がやや不安定なんで大変申し訳ないっす
スレ立ていってみます
753 :
sage:2007/10/06(土) 02:44:44 ID:9+4girRI
手伝い人様いつも乙です
手伝い人いつも乙
埋めネタがない
誰か
濃いの
頼む
13巻読んでみたが、改めて「絹の布で磨いてやったボロ雑巾」って台詞にエロスを
感じた。
ということで、埋めついでの投下でネウヤコ。エロはほんのり程度。
756 :
手中の珠:2007/10/07(日) 02:21:14 ID:h8GtZGvy
ふるっと髪が揺れた。
小刻みに震える弥子の身体は決して逃れられないように、ソファーの上で魔人に後ろ抱き
にされて今日も弄ばれていた。
「やだって…離して」
「我が輩が、貴様如きの要求など呑むと思うか?」
ネウロはいつものように、こんな時はやたらと楽しそうだ。実際に奴隷風情を自由に扱って
いるのだ。これほど面白い遊びもないのだろう。
「ぅ、くっ…」
敏感に過ぎる内部が二本の指で引っ掛かれて、思わず甘い声が上がる。この行為に弥子
の意思など欠片もない筈なのに、繰り返されることで慣れて当たり前のようになった今は
むしろ触れられなければ不満に感じるようになった。
「逃げたければ、逃げるがいい。不可能なことだがな」
何もかも知り尽くした指が、傲慢に緩急をつけて内部の襞を擦る。それだけでもう堪らなく
て仕方ない。
「うぁ…」
「貴様は、我が輩が手ずから育ててやったのだ。逃さんぞ」
どろりとした執着を感じさせる声が、首筋を撫でる。すっかり感じ入ってしまった弥子にとっ
ては、それすらも愛撫に思えた。散々に掻き回された内部からとろとろと愛液が零れ出て
スカートを汚していった。
「ぁああぁ…私、逃げたいなんて言ってな」
かぷり、と尖った歯が剥き出しになった肩口を噛む。
「ひゃっ」
「そうだ、そんな姿は我が輩だけに見せていればいい」
「あ…ネウロぉ…」
「誓え、ヤコ」
弥子の何もかも思い通りにして、それが当然と振舞っている癖にこの段になって些細な誓
いを欲しがる魔人のある種の幼稚さに、思わず心が緩む。そんな言動の不均衡に笑む余
裕が生じていること自体が関係性の変化をもたらしているのだ。
そう。
何もかも完全に強いられたままで、弥子自身もそれを嫌だと思ったままだったらきっと今頃
は心が壊れていただろう。ネウロによって変えられていくことを受け入れているからこそ、
こうしている時間を何より大切だと思えている。
「あぁぁ…ネウロ、私はあんただけ…一生あんただけのもの…」
それでようやく満足したのか、密やかに笑う声が慈愛のように耳に降る。乱暴でも、傲慢
でも構わないと魔人の手に全てを委ねて弥子は目を閉じた。
終わり
これで埋まるかな。
とりあえずは職人の一人として、このスレが長く続いて繁栄してくれればこれほどの
幸せはない。
ネウロという作品にそれだけの魅力があるからこそ続いている訳だし。
職人たちと、読んでくれる人たちのこれからの日々に幸いあれ。
最近ネウロにはまった者ですが、このスレ最高ですね
こんな良スレ久しぶりに見ました
保管庫も最初から読ませてもらってます
職人さん、乙です
楽しませてもらってありがとうございます
埋まった?
13巻はいつも以上に内容充実だし、おまけも豊富。
その上アニメも始まって、もっと一般の知名度も上がることと思う。
でも良い意味でジャンプ作品らしくないネウロのこれまでの良さは失わない
まま、程よく続いていけばいいな。
原作もアニメも共鳴し合って、もっと良いものになってくれると更に嬉しい。
そしてこのスレに繁栄あれ。