【腐男子】音ゲー総合スレ【専用】

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934390 1/4:2009/12/31(木) 23:15:41 ID:mbW/spN+
予告通りサス六投下


剣の稽古が終わり、昨日から泊まっている旅籠の一室に戻るが早いか、六は流石に唇を奪われていた。
閉めたばかりの襖を背に、流石は六の顎を掴んで無理やり自分の方に向かせるようにしながら、離れまいと唇を押しつけている。
六は暴れて抵抗しようとしたが、右手は手首を掴まれており、また左手も肘で抑えつけられているためにせいぜい体を揺らすことしかできなかった。
そのうちやにっこさのする舌で薄い唇を割り開かれ、なすすべもなく口腔内に侵入され、六はいよいよ脱力し始める。
「ふっ…んん、あふ…ちゅば…」
舌同士を絡めて吸われ、息継ぎのたびに漏れ出る甘ったるさを含んだ自分の声に、六は羞恥心を苛まれると同時に着々と興奮していった。
顔を耳まで熱く火照らせ、固くつぶった目からはうっすらと涙を滲ませている。
対して余裕の表情を浮かべていた流石は、それを確認すると、手首を拘束していた右手をするりと六の股間に差し入れた。
稽古の最中にかいた汗で、じっとりと蒸れた褌の膨らみをまさぐると、それだけで六は内股になってびくびくと打ち震えた。
流石は口を離すと、ピアスのついた耳の付け根を舐めながら、低音の効いた声でつぶやくように言った。
「…男に口吸いされて感じたか?」
「ひぎっ」
手探りでわずかに剥けた亀頭の割れ目を親指の腹で擦ると、六は短く鳴いて、食いしばった歯列からよだれを垂れ流した。
流石は耳の穴を舌先で舐め回しながら、満足げに微笑んだ。
完全につぼを抑えた流石の責め方に、六はもう逆らえなくなっていたのだった。
六はずるずると足元からくずおれると、流石に引きずられて六畳の部屋の真ん中に追いやられ、それから着流しを脱がされて全裸にされた。
畳の上に寝転がされたまま身悶えしている六を冷ややかに一瞥すると、流石も旅装束を脱ぎ始め、ほどなくさらしだけの姿になった。
左肩から大きく袈裟がけに走った胸元の古傷を誇示するかのように、流石は六の上に覆い被さると、右腕を上げさせて腋窩を舐め始める。
「はぁ…あぁ…」
浅黒い肌にうっすらと生えた空色の腋毛をとかすように舐め上げられ、六はたまらず腋を締めようとしたが、流石に再び手首を掴まれていたためにかなわなかった。
開けた口をつけてぞりぞりと舐め回され、時には音を立てて吸われ、六はたくましく盛り上がった胸をぴくぴくひきつらせる。
935390 2/4:2009/12/31(木) 23:22:21 ID:mbW/spN+
「汗でいやらしい味と臭いがしておる」
「あっ!あぁ…」
ひとしきり腋下の饐えたような味と臭いを堪能した後、流石はもう一方の腋窩をさらけ出させて、何のためらいもなしに口を押しつけた。
さらにこれまでの刺激ですっかりとがった乳首を乳輪に埋没させるように、空いた手の親指でくりくりとこねくり始める。
「あ…ぁ、うぅん…」
責められている箇所からじわじわと湧き起こる快感が、少しずつ熱を持って性器を充血させ、六の包茎のものは十二分に勃起して膨れ上がった。
流石は依然として腋窩を舐め回しながら、乳首をひねっていたぶり続けている。
「あっ…あっ、あぁ」
流石は腋下から大胸筋の流れに沿ってちろちろと舌を這わせると、空いていた乳首を焦らすように舐め上げる。
舌先を押しつけるように何度も乳首を舐め上げられ、そのうち六は流石の舌の動きに合わせて胸を反らしていた。
その卑猥な踊りのような動きに誘われるまま、流石は乳輪ごと乳首にしゃぶりついた。
同時に指先でいじっていた乳首も、上に引っ張り上げるようにつまんで扱き始める。
「んはぁっ、あっ、あ」
それだけで六はより一層胸を反らし、頭上の両手を爪が食い込むまで握りしめ、外聞をはばかることなく喘いだ。
鈴口からは早くもぷくぷくと透明な先走りが吐き出されている。
流石が口の中で舌を動かして乳首を舐め回すと、くすぐったさからくる弱い快楽に六はふるふると震えてみせた。
流石は指先で扱いていた方の乳首にも口をつけて、同じようにそこを責め始める。
六は頭がぼんやりして、理性的な思考をほとんど保てなくなっていた。
代わって六自身が嫌っている煩悩に支配され、内に秘めた淫らな性癖が暴き出されてしまう。
それは男女関係なく、幾度となく情交を繰り返してきた流石にとって、最も好む趣向でもあった。
流石は上体を起こして座ると、六の両腿を掴んで開脚させた。
先走りや恥垢の臭いが、内股が発汗して蒸れていたのに加わって、腋と比べものにならないほどの陰部臭となって漂っている。
六が血の色をした瞳で反抗的に睨んでくるが、流石は好色そうな笑みを貼りつけたまま、六の股間に屈み込んでその臭いを嗅ぐ。
「ここもいやらしい臭いがしておるの。どれ…」
「あっ」
ぴちゃりといきなり肛門に舌をつけられ、六は嫌悪感にびくんと尻を跳ねさせる。
糞便特有のえぐ味がするが、流石はさして気にするでもなく、肛門を舌で愛撫し続ける。
「やっ…だ、気持ち悪ィ、離せ…っ、んあぁっ」
わずかにへこんでいる入り口にぐりぐりと舌先を押しつけられ、六は肉感的な尻をぷるぷる震わせて悶える。
排泄口であるそこを舐められ、背徳感で快楽を増幅されて感じているのだった。
放射線状に伸びた皺の一本一本を引き伸ばすように丁寧に舐められ、唾液まみれになった肛門はひくひくと蠢いている。
「うぅ…、うぁーっ…」
もはや意思のこもっていない低くかすれた声を上げて、六はすっかり上気した顔に惚けた表情を浮かばせていた。
肛門に舌を入れられ、腰を引いて逃げようにも、そこを抱え上げられているためにかなわないでいる。
流石は小刻みに舌を出し入れし、肛門を押し広げている。
「あぁーっ、あぁっ、あっ、あっ、あっ」
直腸を刺激されたせいか、肛門から放屁の音が混じり始める。
六はそれを相手に聞かれまいと必死になって腰を引こうとするが、肉づきのいい脚が大きく揺れるだけに終わる。
流石は今度は届きうるまで舌を差し込んだ。
「あああぁーっ」
鈴口から薄い脂肪の寄った腹筋に汁を散らし、口からだらしなく舌をはみ出させて六が嬌声を上げる。
流石は直腸の襞一つ一つに唾液をなじませてなめらかにしていくように、ゆっくりと舌を動かし始めた。
収縮する内壁が舌を締めつけ、熱くねっとりとした肉の味わいが流石を楽しませた。
「ふう…」
直腸を存分にまさぐった後、ようやく流石は顔を離し、抱え上げていた六の下半身を畳に降ろしてやった。
936390 3/4:2009/12/31(木) 23:28:21 ID:mbW/spN+
肛門はぽっかりと口を開けたまま、ひくひくと蠢いて腸液混じりの唾液を排泄しており、六自身も直腸に残った肉厚な舌の感触に軽い痙攣を繰り返している。
流石は重たい六の体を持ち上げ、頭の位置が互い違いになるように仰向けに寝転んだ自分の上にうつ伏せにさせると、ちょうど唇に触れた睾丸の裏をぺろぺろと舐めてやる。
「あ、あ…っ」
くすぐったさか気持ちよさから声がこぼれ、丸く持ち上がったふっくらとした睾丸が、六が小刻みに震えるのと一緒になって震えている。
「もっとしてほしくば、…わかっておるだろう」
流石は一旦顔を離すと、右手で自分の陰茎の根元を支え、膝を立てて亀頭を六の唇にあてがう。
使い込んで赤黒く変色したそれは、勃起しかけとはいえ六のものより二回りは大きかった。
六は一瞬躊躇したものの、おそるおそる舌を伸ばして亀頭をぺろりと舐め上げた。
「ん、む…あふ…ちゅ…」
それを皮切りに、六は右手で陰茎の根元を支えながら亀頭を舐め、左手で汗ばんだ内股を愛撫して流石への奉仕を始める。
強気で自尊心の高い六が屈服する様に流石は自然と頬を緩ませ、再び睾丸の裏を舐め始めた。
六はいかにも屈辱といったように目をつぶって亀頭を舐めていたが、そのうち垂れてきた先走りに味をしめて、亀頭の先に吸いついていた。
それに合わせて、流石は左手で六の尻を鷲掴むと、空いた手の人差し指をゆっくりと肛門に差し入れた。
「んんうぅッ」
六は亀頭を咥え込んだまま、目を見開いてくぐもったうめきを発した。
ずぶずぶと指が直腸に沈み込む感触に、六は掴まれている尻を小刻みに上下させて逃げようとしながら、鼻息を漏らしている。
流石は睾丸に口をつけて舐め回してやりながら、ゆっくり指を抜き差しし始めた。
くちゅくちゅと粘着質で卑猥な音が立ち、六は口淫をやめて、流石の股の間に顎を乗せて悶える。
さっき舌でほぐしたというのに、直腸は依然として流石の指を締めつけている。
この二人旅で今のような情交は幾度となく重ねてきたのだが、六の肛門はまるで緩む気配がなかった。
武術の鍛錬で鍛えられているから当たり前かもしれないが、じっくり時間をかけて馴らすのも余興だと流石は密かな楽しみにしていた。
「あっ」
前立腺を探り当てられ、六は流石の指を持ち上げんばかりに尻を突き上げる。
流石は逃げられないように六の尻を左手で抑えつけ、前立腺に指の腹を擦りつける。
「あっ、あぁッ、いッ…んはぁ、あぁ」
いいと言いかけたのを飲み込んで、六はむちむちとした尻を揺さぶって喘ぐ。
陰茎は痛々しいほどに勃起しており、鈴口から垂れ流されている先走りには精液が混じり始めている。
流石は人差し指を第一関節の辺りまでゆっくりと引き抜くと、今度は中指と一緒に勢いよく肛門に突き入れた。
「あぁーッ!」
前立腺を擦られ、六はあっけなく絶頂に達した。
直腸を一層きつく締め、流石の上にうずくまった姿勢のままびくびく痙攣し、先走りを噴き出させた。
流石は完全に快楽に支配されている六に追い討ちをかけるように、二本の指を素早く抜き差しし、前立腺をつつきまくる。
「あっあっあっあっ、あぁ、イク、イクッイクッイクッイクッ」
接合部からはぐちゃぐちゃと音を立てながら腸液があふれ出し、六はあられもなく腰を振り、夢中になって快楽を追っている。
流石はそろそろ頃合いだろうと赤く腫れ上がった肛門から指を引き抜き、ぐったりと全身で息をしている六の下から抜け出すと、背後から彼の上に覆い被さって左手で腰を持ち上げる。
「あ…」
流石が自分の陰茎を数回扱いてから、六の肛門に亀頭の先をあてがうと、六はそれだけで小さく尻を跳ねさせた。
流石は両手で六の尻たぶを掴んで力いっぱい広げさせると、耳元で告げる。
「まずはお主の一番好きな体位でしてやる」
「あっ、あうっ…」
そう言い終わった直後に流石は性器の挿入を始め、六は直腸を押し広げながら少しずつ侵入してくる陰茎の圧迫感にうめく。
流石は出し入れを繰り返しながら陰茎を直腸の中に沈めると、六のうなじに舌を這わせながら、ゆっくりと動き出した。
937390 4/4:2009/12/31(木) 23:35:16 ID:mbW/spN+
「あん…あっ…はぁ…んん…」
少し腰を引いて軽く突くだけの緩やかな動きだが、じっくりと時間をかけて前戯を施された六の体は、過敏なまでに反応していた。
腸内はひくひくと収縮を繰り返し、突かれるたびに押し出されるように先走りが垂れた。
流石はいったん前後運動をやめ、六の股間に両手を伸ばす。
左手で睾丸を包むように持ち上げながら陰茎の根元を支え、右手の親指と人差し指、中指で作った輪で包皮を剥き始めた。
「あ、ぁ…出るっ、んんー…ッ…」
悩ましげに眉を寄せ、鼻にかかった甘え声を漏らしながら、六は待ち望んだ射精を迎えた。
焦らしに焦らされ、さらに今は直腸を性器で穿たれているために勢いがなく、精液はとろとろと畳に垂れている。
包皮を剥く時にともなう鈍い疼痛と吐精の解放感、射精時に収縮する肛門からの快楽に、六は腰をくねらせながら打ち震えた。
流石は自分の陰茎が締めつけられる感覚に堪えながら、包皮を剥き終わると、敏感になっている六の陰茎を根元から扱き上げる。
「あっあっ、やめ…イ、クぅ…」
流石の股間に尻を押しつけるかたちで腰を引くも、鈴口からは断続的に精液が搾り出され、やがて精液が出なくなって陰茎がくたりと萎えるまで六は何度も昇りつめた。
流石は畳にこぼれた精液を指先ですくい上げると、それを無遠慮に六の口に含ませる。
六は噎せそうになりながらも、舌できれいに精液を舐め取った。
「いい子だ」
流石は六に指を咥えさせたまま、前後運動を再開させた。
今度は陰茎を亀頭冠まで引き抜き、一気に根元まで突き入れるを素早く繰り返す。
激しく腸内を掻き回され、前立腺を叩かれ、六はたまらず流石と一緒になって腰を打ち振る。
「んっ…んっんっ、んんぅ…」
あまりの快楽に六はとうとう泣き出していた。
精悍な顔を火照らせ、特に紅潮した頬を涙や鼻水でぐしょぐしょにして、流石が腰を突き出すたびにうめきをこぼしている。
射精して萎えていた六の性器は、中空で前後に揺れながら少しずつ硬度を取り戻していき、再び鎌首を立てて先走りを垂らし始めていた。
流石は腰を振る速度を徐々に落としていきながら、先ほどと同じように六の性器を持ち、やわやわと睾丸を揉みながら亀頭に親指を滑らす。
「はぁっ、あぁ、イクッ…イクぅ…」
刺激に不馴れな亀頭を擦られ、六は甘えた声で絶頂を訴えながらとろりと新たな先走りをあふれ出させる。
同時に直腸がぶるぶる痙攣しながら流石の陰茎を締め上げ、堪えきれず流石は大量の精液を六の腸内に放出した。
「あっ…あ」
腸内にじんわりと生温かな液体が染みていくような感覚に、六は尻を突き出したまま、恍惚感に崩れた表情を浮かべている。
流石は軽いめまいを覚えながらも、二、三度腰を振って精液を出しきり、小さくなった性器を引き抜かないまま体位を変える。
「ああぁっ」
横向きに寝かされ、腸内が擦れて、六は声を上げて悶えた。
流石は六の左足を肩に担ぐと、四十八手でいう松葉崩しの体位を取り、さらに体重をかけて深く結合する。
六は畳を引っかいてもがいたが、流石が浅く陰茎を抜き差しすると、それ以上に腰を振って悦んだ。
「っはぁ…」
六の腸内で陰茎が再び勃起し始め、流石はだんだん腰の振りを大きくしていく。
躍動するような動きに、六は空色の短い髪を振り乱して悶え、流石が二度目の射精を迎える前に意識を手放した。
938名無しさん@ピンキー:2010/01/07(木) 19:00:27 ID:bOSmg/jq
保存したGJ
939名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 02:17:43 ID:eWSG9cQz
テスト
940名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 02:20:02 ID:eWSG9cQz
規制解除! やっと書き込めるぜ!

>>390

今回もすごくよかった!
文章うまいしエロいし本当すごい
すぐに感想書けなくてジレンマでした
941名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 17:19:19 ID:jU4hci4g
>>927

 暖房器具を一切取り入れていない部屋にある布団はある程度覚悟していたものの、想像以上に冷たかった。
 折角の毛布も、こうも冷たくては後の温度差で身体を壊してしまうだろう。

「同じ布団で寝れば、暖かいよ」
「う、うん…」

 同性とは言え、やはりセシルには誰かと同じ布団で床に付くのは抵抗があるのだろう。
 逆に、ケビンには全くと言って良い程にそれが無い様だ。
 或いは、役者と言う仕事に触れて、他人と接する事に抵抗が無いだけなのかも知れない。
 そこがセシルの受け入れ難い部分であり、受け入れられない部分でもある。

(僕達って、ひょっとして歯車みたいなものなのかな)

 同じ部分が突き出ていたり欠けていたりしては、決して噛み合わない、
 凹と凸がバランス良く揃っていないと、何処かで反発して弾け飛んでしまう。

(同じじゃ無いから噛み合う事が出来るんだ)

「…へへ」
「どうしたのさ、いきなり笑いだして」
「ん…。僕達ってさ、考え方とか色々と違うのに、こんなに仲良くなれたじゃない?だから、まるで歯車みたいだなって」
「歯車?」
「うん。へこんでいる部分と突き出ている部分。きれいに揃って回っているな…って。んと…ほら、こんな風に」

 説明する為にケビンは左手の指を丸めて穴を作り、その中に右手の指を一本一本入れ替えながらセシルに見せていく。
 ケビンが得意気に見せる反面、セシルさはそれに納得しかねている様だ。
 軽く俯いて、何故か頬がほんのりと赤くなっていた。

「そ、そんな感じなのかな。ボク達…」
「うん」
「あ、あうぅ…」
「?」

 きっと何か違うものに見えたのだろうが、ケビンにはそれが 何なのかは想像も出来無かった。

「んーまぁいいや。でもさ、こうやって一つの布団に潜り込んで話すのって、何だかわくわくするよね」
「わくわく?」
「だって、なんだか僕達だけの秘密の遊びって感じがして、これから朝まで何が起こるんだろうって。そう考えると、まるで悪戯する時みたいにドキドキする。やってはいけない事をやっているみたいで…スリルって言うのかな、えっと……。ごめん、何だか上手く言えないや」
「良いよ。大体言いたい事は分かるから」
「だよね?」
「わくわく…ってのは分からないけど、ドキドキするのは良く分かるよ。この狭い空間の中に、自分以外の誰かがいる。振り向けば、その人の息遣いですら近くに聞こえて来る。どうやっても触れ合って、相手の熱を直接感じる」
「セシル…」

 同じ事を言っている様に見えて、実は論点が微妙に違う気がした。
 これからの時間を楽しみにするケビンとは対照的に、セシルのそれは何処か不安を抱いている様に思える。

「誰かと一緒に寝るのは…怖い?」
942名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 17:21:55 ID:jU4hci4g
>>941

 ここで聞き出さないと先に進め無い様な気がして、思い切ってケビンは聞き出してみる。

「…なのかな。自分でも良く分からない。だけど、何かに期待してしまうのもある様な気がする」
「期待?」
「うん。何かが起こるかも…って言う期待。…はは、ボクも何て言って良いのか分からないや」

 要は、不安と期待が入り交じっている状態なのだろう。
 ケビンには「それもわくわくと同じなんじゃ…」と思ったが、セシルは一つ一つの言葉の意味を細かく捕らえている様で、きっとセシルが思っている事は同じでも、セシルの言葉ではやはり違うものなのだろう。

(やっぱり、まだ難しいよね。僕達が通じ会うのは)

 いつか、その日は来るのか。
 そうなる事を祈って、ケビンは段々重くなって来た瞼を閉じるのだった。

「僕達、ともだち……だよ」
「…ありがとう。ごめんね、ケビン」


「ん…暑い」

 いくら寒かったとは言え、二人が一つの布団に潜り込んでいると、それだけ熱量が上がる。
 真冬の熱気に耐えられず、ケビンはゆっくりと身を起こした。

「セシルを起こさない様に…あれ?」

 手の届く先に本来居る筈のセシルが、そこには居なかった。
 時計で時間を見ても、一人で何処かへ行ってしまう様な時間でも無かった。

(トイレ…かな?)

「セシル?」

 少しだけ声を大きくして呼んでみる。
 しかし、それでもセシルからの反応は見られなかった。

「ひょっとして、迷ったのかな…」

 自分の家の事ながら、無駄に広いと思えるこの家は、始めて来た人には確実に一度は迷ってしまうだろう。
 かく言う自分も、幼少の頃には何度も迷った事があり、その度に両親は捜索劇を演じる事になった。

「………ん」
「セシル?」

 扉の外から僅かに声が聞こえる。
 同時に、何度か床の軋む音が聞こえた。

「そこに…居るの?」

 やはり返事は無い。
 しかし、声も音も止む気配は無かった。

「ん……」

 扉に近付くに連れ、乱れた呼吸音と共にセシルの声が次第に聞き取れる様になる。
 ドアノブに手を掛ける頃には別の音も聞こえた。
 水が跳ねた…と言うより、沢山の水泡が弾けた様な音だった。
943名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 17:23:42 ID:jU4hci4g
>>942

(セシル…だよね。何やってるんだろう)

 音を立てないようにドアノブを回し、同じ様に外が見える程度の隙間を作った。
 堂々と出れば良い筈なのに、自分がどうしてこの様な出方をするのかが分からなかった。

「う…あ……ぅ」
「せ、セシル…?」

 鮮明に見える白くなった吐息で、セシルの息遣いがかなり荒くなっているのが分かる。
 虚空を見つめる瞳は既に焦点が合っていない。
 頬は完全に紅潮してしまっている。
 何より目を疑うのは、腰から下は何も身に着けていない事だった。
 外気に晒された、自分の幼包を乱暴に扱っている。

(な、何だこれ…。セシル、どうしちゃったんだよ)

「ん…ケビ……ン」

(ぼ、僕?ひょっとして、苦しいのかな…。だったら、手当てしなきゃ。でも、あんなの見た事無いよ。そ、それに…)

「やっ…は……」

(僕も、何だか変な感じ…)

 セシルの病気の様なものが伝染ってしまったのだろうか、自分も胸の辺りが締め付けられる様な感覚に襲われる。
 しかし、ここでセシルに気付かれてはいけないと思い、荒くなって来た息を潜める。
 何故そう思ったのかは分からない。
 ただ、そうしなければならない。
 …いや、理由は舞台衣装の着付け用の姿見に映る今の自分を見れば一目瞭然だった。
 下の衣服を全て脱ぎ捨て、股間に手を伸ばす惨めな自分の姿をセシルに見られたくない。
944名無しさん@ピンキー:2010/01/09(土) 17:31:52 ID:jU4hci4g
>>943

(痛い…。こんなの初めてだ。セシル、どうやってたっけ…)

 もう一度、扉の隙間からセシルの行為を覗き込む。
 先端が赤くなり、宙へと反り立ったそれを乱雑に弄っている。

(僕のも、なんだかぬるぬるしてる…)

 何度も上下に擦り合わせている筈なのに、先端から滲み出した透明な液体のお陰で痛みは感じない。
 始めはゆっくりだったのが、次第に糸に操られる様に、その行為の速さが増して来る。

(凄い…。ヘンに、気持ち良い…)

「ケ、ビン…」

 瞬間、心臓の鼓動が跳ね上がった。
 甘く溶けてしまいそうな声で自分の名前を呼ばれる。
 熱い。
 身体中の血液が一点に集中している様。

「ケビン…ケビン……!」

(ここに…ここに居るよ。僕は…!)

「セシルっ…!」

 そして、ケビンの熱は全て放たれる。
 気持ちが舞い上がるとはこう言う事を言うのだろうか。
 何も考えず、何も見ず。
 ただ在るがままに流され続ける。
 まどろみの海の中に、身を浮かべていた。


たったこんだけ書くのに一ヶ月掛かってしまった…
>>930
こんなんで家宝にしていただけるなら幸いです。
でも、正直明るい話じゃないので後の展開が気に入ってもらえるかどうか…。

>>933
オレにくれ

>>934-937
これがガチエロか…参考にさせてもらいます。
自分描写薄っぺらいんで羨ましい限りです。
945名無しさん@ピンキー:2010/01/19(火) 18:09:45 ID:akP7+nU1
ほしゅほしゅ
946名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 03:09:09 ID:NlV1e9To
>>944

 一瞬何が起こったか分からずに彷彿としていた。
 しかし、ほんの少し程の時間が経つと、ケビンは今度は全身の血の気が引いていく感覚に襲われた。

「ケ、ケビン…?」
「あ…」

(しまった…。声が…)

 扉の隙間越しに、セシルは凍り付いた表情でこちらを見ている。
 その瞬間、彼は全てを理解しただろう。
 自分に行為を見られ、自分もその行為に浸っていた事に。

「セ、セシル…僕は……」
「見て…たんだね」

 言葉が出なくても、引っ張られる様に首が縦に動く。
 後ろめたさや申し訳無さよりも、自分の感情の流れに勝てなかった。

「それ…拭いておいた方が良いよ」
「え…?」

 改めて自分の周囲を見渡してみる。
 自分の身体の上、フローリングの上に点々と見受けられる、白濁した斑点。

「な、何…これ……」
「…やっぱり、知らないんだね」
「これ…僕から出たの?」
「そうだよ」

 側に置いてあったウェットタオルを見付け、セシルはフローリングに落ちた斑点を拭き取る。
 状況を未だに理解出来ずに、ケビンは呆然と拭き取られていく斑点を見つめていた。

「これが何か知らないなら、今ボク達が何をやっていたかも分からないだろうね」

 これも、黙って頷くしかなかった。
 事実でしかないのだから。

「こんなの…知らない。何でこんなになっちゃったの?病気…?」
「うん、そう思っても不思議じゃ無いかな。でも、違うよ。これは、ケビンが大人に近付いて来ているって事」
「大人に…。僕が?」
「そう。ねぇ…気持ち良かった?」
「え…?」

 正体不明の白濁した液体を拭き終えると、セシルは両手両膝で固める様にケビンに寄る。
 腹部にはまだ液体が残っているにも拘らず、ケビンは完全に視界をセシルに奪われていた。

「セ、セシル…?」
「ねぇ、気持ち良かった?」
「う、うん…。凄く、気持ち良かった…」
「うん、正直な方が良いよ。ねぇ、もっと…気持ち良くなってみない」
「も、もっと…?」

 先刻の様な儚げで美しい瞳の色では無かった。
 何もかも、光さえも奪ってしまいそうな、黒く鋭い色。
 まるで、ほんの一瞬でセシルが彼に良く似た別人に代わってしまったかの様だった。
947名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 03:11:40 ID:NlV1e9To
>>946

「ボクの言う通りに…。それまではじっとしてて」
「あ…」

 先端に残っていた粘液を広げる様に、セシルはケビンの幼包を撫でる。
 つい数分前に熱を開放したばかりだと言うのに、ケビンのそれはもう一度宙を向き始める。

「ひょっとして、さっきの…」
「繰り返しなんかじゃ無いよ。これは、さっきの続き。何も考えないで。全部ボクに任せて」

 言われる迄も無く、既にケビンの思考は殆ど使い物にならなかった。
 もうセシルの声が遠くに聞こえる。
 胸の中心に熱を感じた。
 セシルの両手がそこにあった。

「何、してるの…?」
「服を脱がしてるんだよ」
「何で…」
「当然、あったら邪魔だからに決まってるじゃないか。こうやって…」
「ひぁ…ん……」

 上着のボタンは全て開けられ、肩も晒される。
 肘の上辺りまで下ろされ、もうケビンには隠すべき部分は全て露にされた。

「本当、綺麗だなぁ…」

 同じ歳の子供と比べても、まだまだ未成熟な自分の身体を、セシルは指で滑らせる。
 氷の上を滑るかの様に、セシルの指遣いはしなやかだった。

(凄い…。身体がどんどん熱くなって行く。セシルの指がひんやりと冷たくて、気持ち良い…)

「どう?ケビン」
「もう、何にも考えられない…。気持ち良くって、身体が溶けそう…」

 糸に操られていると言う形容をより一層引き立てる様に、ケビンはセシルの指一本で身体の全てを支配されていた。
 もう何もかもをセシルに任せていれば良い。
 その結論に至るのは、至極当然の様に思える。

「あぅ…ひぁっ!」

 一瞬意識を手放しかけたところで、ケビンは自分の幼包に違和感を感じる。

「んっ…」
「な…何、何…やって……?」

 最早言葉もはっきりとしない。

「良いから。ケビンは呼吸を整えて、そのまま…っ!」

 苦痛の表情をセシルは浮かべる。
 それでも、セシルは行動を止めない。

「見て…ケビン。ボク達、繋がって…る……!」
「う…ぁ…」

 腰辺りにセシルの体重を感じる。
 異様な程に熱く、柔らかい。
 ただでさえセシルの手によって弄られて敏感になっていると言うのに、更に異様な光景に目を疑った。
 「繋がってる」と言ったセシルの言葉は正にその通りで、二人は身体の一部を通じて繋がっていた。
948名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 03:13:06 ID:NlV1e9To
>>947

「だ、大丈夫なの?その…そんなトコ……」

 顔を真っ赤にして逸らしながらも、ケビンは目線だけは接合部分へ向けた。
 亀頭が丁度隠れる様にして、セシルの菊門に完全に飲み込まれていた。

「あふ…ぁ……ケビン………」
「セシル…セシル……!」

 セシルの“中”でケビンの先端が何度も上下に擦れ合う。
 自分の手て扱った時とは比べ物にならない程に熱く、甘い快感に襲われる。
 いつの間にか、ケビンも自ら身体を動かしていた。
 行為の意味すら知らないのに、初めから行動を知っていた様に身体が先に動いていた。

(あぁ、そうか。だから、役者なんだ)

 両腕をセシルの背中の後ろに回す。
 もっと側にセシルを感じたくて、セシルの身体を引き寄せた。
 手も指も腹も胸も唇も、身体の何もかもを重ね合わせた。

「んっ…!」

(自分から役を考えるんじゃなくて、役に“ならないと”意味が無い)

「は…ぅ」

 お互いの舌が絡み合う。
 初めて知った他人の唾液の味。
 人間の身体の中は、こんなにも柔らかく熱い事を体感する。

(何て、感情豊かな人形なんだろう…)

「ふぁ、あっ…セ、セシル…僕、また……ヘン……!」
「やっ…めないで。そのまま…ボクも……!」

 血が脈打つ。
 頭の中が真っ白になって、何も考える事が出来無かった。
 ただ、もっとセシルが側に欲しくて、力一杯抱き締めた。

「うぁっ…あぁ、ケビン…ケビン……」
「あっ…ああああぁぁぁ!!」

 身体の下の部分が電撃が走った様にはねた。

「はっ…ぁ…」

 顔や腹部の至る所が熱かった。
 それが先刻の正体不明の液体だとはまだ気付かない。
 お互いが離れるまで、ケビンは正体に気付かないままセシルと繋がったままだった。
949名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 03:14:48 ID:NlV1e9To
>>948

 既に身体中がもうどうしようも無い事態になってしまった為、二人はもう一度風呂に入るのだった。
 異様にぬるぬるとした身体を洗い上げ、湯船にはったお湯の温度が染み渡る様だった。

「仕事以外でお風呂に二回も入るなんて事無かったけど、こうやってみると良いもんだよねぇ」

 年寄り臭く息を吐きながら、ケビンはセシルへと視線を向ける。

「…」

 先刻の行為から、セシルは俯いてしまい顔を合わせてはくれなかった。
 無理も無いといえばそうかも知れないが、一気に狭まった距離がまた大きく開いてしまった様な気がして、悲しくなった。
 しかしここで不安気な表情を浮かべてしまっては、今度はセシルが不安を抱えてしまう。
 出来るだけ不自然にならない様に「大丈夫」を振り撒く。
 一体何が「大丈夫」なのだか分かったものでは無いが。

「…どうして?」
「え?」
「どうして何も聞かないの?」
「そ、それは…」

 やはり相当後悔している様だ。
 どうすれば良いのか一番分からない部分をセシルは突いて来る。
 何が最善策なのか、それはケビンには分からなかった。

「ぼ、僕は…平気だよ?」

 迷った末に口走った一言。
 数秒経った時点で、逆効果だった事に気付いたが、既に手遅れだった。

「どうして…!」
「セシ…」

 反射的に名前を叫ぼうとしたが、それよりも先にセシルが自分の胸に縋り付いて来て、言葉が詰まる。

「平気なものか!友達だって言った矢先にこんな酷い事したのに、大丈夫な筈無いじゃないか。君だって…気持ち悪いって思っただろう?」
「そ…」
950名無しさん@ピンキー:2010/01/21(木) 03:21:34 ID:NlV1e9To
>>949

 言うよりも先に身体が動く。
 気が付けばセシルが自分の腕の中に居た。
 今ここでセシルを掴まえていないと、もうセシルが居なくなってしまう様な気がした。

「だったら…そんなに後悔しないで。僕達、まだ友達になったばかりじゃないか。それなのに、セシルはこれで何もかも終わらせてしまうつもりなの?そんなの…嫌だからね。僕は、これで終わりなんて…絶対に嫌だからね!!」
「ケビン…」

 自分の肩が震えている事にセシルは気付いただろうか。
 そうだとしても、もう自分には自分を制御出来るだけの支柱は残っていない。
 それでも、決してセシルを離そうとはしなかった。

「居なく…ならないで。ずっと、友達で…」

 もう言葉の至る所が抜け落ちてしまっていた。
 風呂の蒸気に紛れて、目から熱いものが零れ落ちる。

「うん。ごめんね…」

 背中に柔らかい感触があった。
 真っ白で細いセシルの指の…掌の感触。
 温かくて、安心出来た。

「一つだけ言っておくね」
「…………何?」

 お互いが丁度首を交差させている状態なので、自然とセシルの声が耳元で聞こえる。
 もう距離は感じない。

「ボク達がやっていた事はね、本当は友達同士でやってはいけない事なんだ」
「そう、なの?」
「うん」
「じゃあ、どうすれば良いの?どうだったら許してもらえるの?」
「それは…」

耳元の声が、特別なものに聞こえた瞬間だった。


         恋人同士…かな



と言う訳で1部完結しました。
はい、出だし部分でまだ何一つ解決してません。

戦国稼働日で馬鹿みたいにずっとゲーセンに入り浸ってました。
ネタになりそうなキャラは…つよしぐらい?
951名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 00:48:52 ID:DEwrTbN1
投下してみたい、なんて思ったが・・・会話文だけって・・・・駄目だよな・・・
952名無しさん@ピンキー:2010/01/25(月) 01:28:59 ID:2Gf0rm6G
板がエロパロ&文章創作だし、何もSSに限った場所じゃないから良いんじゃない?
寧ろネタどんどんウェルカム!
953390:2010/01/28(木) 12:23:56 ID:1WNpjkYC
もう規制解除されたかな?
とりあえず18六のグッドアクションがエロすぎるぜ…
流石も復活オメ
954名無しさん@ピンキー:2010/01/28(木) 18:54:59 ID:obFkg+p+
フンチラが控えめだったような気もするけど
それも焦らされてる感があっていいな!

六と流石復活オメ!
955名無しさん@ピンキー:2010/02/02(火) 00:09:12 ID:vRA28WAx
このスレ的に
パンデス、ゲレゲレ、しま〜、チョッキー、チチカカ、ウェルダン、シシワカ、カゲトラ、カネノブの需要ってある?
もしもあるなら会話だけ、会話だけ、会話だけ!!(大事ry のものでも書こうかな・・・
956390:2010/02/02(火) 19:08:44 ID:Ulu29+mL
ここ投下そんなに多くないし、スレ活性化のためにも書いたらいいじゃない
957955  チチウェル:2010/02/02(火) 22:27:00 ID:vRA28WAx
それではチチウェル(原型)を投下・・・投下は初めてなのでドキドキ、そしてエロ無し


「ナアナアウェルダン」
「なんだ?」
一日の終わり、ベッドの上に座り寝酒を飲んでいるウェルダンの足の間に入り体を預けるチチカカ

「ウェルダンハウシナノカ?」
「・・・それじゃあ今まで俺の事を何だと思ってたんだ?」
体をウェルダンの方に向け、肩に仮面を乗せ、耳元で囁くように呟かれた問いにウェルダンはため息をつく

「イヤ、シッテイルガカクニンシタカッタンダ、ウェルダンハ ウシ ナンダナ?」
「だから牛だって言ってるだろ・・・」
再度の確認に呆れたように応える

「ソレデハウェルダンカラチチハデルノダナ!ナラヨカッタ!」
嬉々としたように先ほどより強く抱きつき顔をウェルダンの胸元に強く埋め擦りつける

「おいチチカカ、お前は一体何を言ってるんだ・・・?」
突然抱きつかれてさらに、胸元に顔を擦り付けられたせいで、ほんの少し顔を紅潮させるが、それより強い困惑がウェルダンにはあった

「?・・・ベツニオカシイコトハイッテナイゾ?ウシカラチチガデルノハトウゼンデハナイノカ?」
顔の下から上目づかいでそれがさも当然の如く自信満々に応える
「・・・乳が出るのは雌だけだ、雄からは出ない」
チチカカの間違った知識にあきれ果てる

「ヌ、ソウナノカ・・・ザンネン・・・ウェルダンノチチ、ノミタカッタ」
「全く突然何を言い出すかと思えば・・・そんなに牛乳飲みたければ買ってこいよ」
「イヤ、ウェルダンノチチガノミタカッタノダ・・・」
残念そうに肩を落とし落胆するチチカカを慰めるように、そして自分の乳が飲みたい等と言われたせいで真っ赤に紅潮した顔を見られないように右手で抱き寄せる」
958955  チチウェル:2010/02/02(火) 22:32:51 ID:vRA28WAx

「ソウイエバウェルダン?」
「今度は一体なんだよ?」
再三の問いに嫌な予感を覚える

「ソレデハウェルダンの(コレ)カラデテイルアレハイッタイナンナノダ?チチトハアジガチガウシネバネバシテイルガ?」
ウェルダンの(これ)に指で撫でるように柔らかく触る

「ブッー! ゲホッ! ゴホッガハッ!」
「ウェ、ウェルダン!ダイジョウブカ!?ナニカヘンナコトヲイッテシマッタカ!?」
あまりにも恥ずかしいことをサラッと言い、それに加えて(これ)に手を這わせられて驚きと羞恥のあまりに酒を噴き出す
それに慌てたようにウェルダンから飛び退き、自分が何かをしてしまったのではないかとオロオロと心配する

「お・・・お前・・あれが何か分かってなかったのか!?」
右手で口の周りに付いた酒をぬぐい、顔を炎のように真っ赤にさせ、チチカカを指さす
「タダウェルダンノ(ソレ)ヲイジッテイルトデテクルチチトハチガウノミモノダトオモッテタが・・・マチガッテルカ?」
右手の人差し指を口にあて顔を傾ける

「・・・お前には生物の構造を一から教える必要があるようだな・・・・」
右手で頭を抱えてうなだれながらも、これからなるであろう展開に少しだけ(これ)が熱くなる

「?」
先ほど傾けた首をさらに傾けるチチカカであった


とりあえず読みにくくてマジスマン・・・でも俺の中ではチチカカはカタカナしか喋らないんだ!
チチウェルは俺のジャスティス!
959名無しさん@ピンキー:2010/02/03(水) 00:27:53 ID:sYtqviHz
見直したら誤字多数・・・死んで来る・・・
960390:2010/02/03(水) 05:14:37 ID:aosPfN6S
ttp://www39.atwiki.jp/otogeparo/
SS保管庫作ったよ
読みたいSSを探しやすいように、上から作者(不明の場合は表記なし)・登場キャラクター・()内におおまかな内容を表記しておいた
()内の説明が書かれていない場合、タイトルの重複を避けて数字を振ってあるものがある。スマソ
誤字・脱字等は訂正済み。もしページ内に関して、要望があったら遠慮なく言ってほしい

>957-959
とりあえずGJ
チチカカ様天然すぎw
961名無しさん@ピンキー:2010/02/04(木) 09:17:01 ID:YD+DIL4k
>>390
超乙!
だれかやってくれないか待ってたけど、まさか本当にやってくれるとは
考えてみれば結構このスレも息長いよな
エロパロに移住する前のもいれたら、4年くらい経ってる気がする
これからも>390のSSを楽しみにしてるんだぜ

>>950
なんか、こう、読んでてニヤニヤしちまう
ショタに目覚めそう
続き待ってる

>>955
片言かわいいw
チチウェルって初めて読んだけど、いいなww
これからもどんどん書けばいいと思うよ!
962名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 21:52:06 ID:J8o4bsAf
乙!

こりゃ次スレも必要だなw
まとめWikiもできたことだし
963390:2010/02/06(土) 11:48:46 ID:QV9Q0o9L
六「は、ぁ…あ、あぁあっ」

ガラッ

流「………」

流石が泊まっている旅籠の一室に戻ると、そこには敷きっぱなしの布団の上で大股を広げ、自ら肛門をまさぐっている六の姿が

六「んッ、んんぅ…」
流「おい」
六「…っ、い、いつからいたんだよ」
流「ついさっきからだ。お主、某と睦み合うだけでは飽き足らず、肛門で手すさびか(ゲシッ!)」
六「ああっ!(ビクビクッ)」
流「蹴られて果ておったか。…ん?なんだこれは…(ニュクニュク)」
六「あ…や、やめ…、ひぃ…」
流「綿棒か。お主はこんな細いものでは満足しないだろう(チュポッ)」
六「あ…っ」
流「じき3スレ目に突入するというのに、未だ某から離れられないのが何よりの証拠だ。某の陽物が癖になっておるからな。スレの住人達も、これからもよろしく頼むぞ」


ところでちょっと聞いてみたいんだが、みんなはどんなプレイ傾向が好きなのかなぁ
参考までに教えてくれ
964名無しさん@ピンキー:2010/02/06(土) 20:12:52 ID:Fqfo1r2p
規制で遅れたけどケビセシも乳ウェルも390も乙
自分は六がひいひい言ってりゃなんでもいいです
965名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 01:32:03 ID:UrRRKN/E
うんこネタよかったよ後はバイオレンスとか渡世人ネタもハァハァした

強気なのが屈伏してる姿が最高にくるね口腔に刃物とか銃口押し込んでンーンー言わせたい
966名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 05:43:31 ID:x2CumdpK
もっと人外が書かれたらうれしいなと思ったり
967名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 07:15:59 ID:GF/mQFnz
>966
同意する、ケモノ分が足りない。無機物系でも構わない
何なら重患とかでも(ry
968名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 14:26:34 ID:OdnE306W
俺はわりと何でもいいな
普段の自分の傾向と違ったカップリングとかプレイとか読めて楽しいし

希望があるとすれば、未完の小説を完成させてくれれば嬉しいかも
エイタロと六の痴漢電車、実はずっと待ち続けてるぜ
969名無しさん@ピンキー:2010/02/10(水) 17:12:03 ID:HCG31qaF
生意気盛りの厨房でショタ六…

そこで流石先生に教鞭をとって頂くとか
970名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 02:53:49 ID:R2vMmTGw
レイナが男だったらドストライクだった件について
971名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 03:43:41 ID:i0F0O6dD
初めて買ったCSなので嫁がじっくり見られる機能があって歓喜
972名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 20:03:46 ID:VAhdz83e
ポプに隅田川夏恋歌が来たとのことで
今日中に3レスつけばカゲトラ受けのほのぼの書く
973名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 20:44:07 ID:2FcoSgAE
過疎スレに3レスとはなかなか厳しいな

カゲトラ見たいぜ
974名無しさん@ピンキー:2010/02/12(金) 21:55:11 ID:RYsOasDH
見たい
975390:2010/02/12(金) 23:02:28 ID:6N8x88eF
>972
よし、頑張れよ
俺も頑張るからな
976390:2010/02/14(日) 19:17:31 ID:u98FQCFR
みんな意見ありがとう
かなり遅くなったが、痴漢電車(>775)の続き投下


「ひっ…」
犯人が耳元に顔を近づけ、生温かな吐息を吹きかけられ、六はふるりと身震いする。やにっこさのする口臭が漂い、一瞬えずく。
不意に尻を揉みしだいていた両手が離れ、六が解放されたことに気を取られている隙に、犯人は着流しの上前から右手を股間に差し入れる。六が気づいた時には、犯人はすでに褌の上から完全に勃起した性器をさわさわと撫で回していた。
「もう勃起してるのか」
嘲笑を含んだかすれた低い声が耳元でささやき、六はそれまで募らせていた羞恥心を一気に昂ぶらせ、さらに感じて先走りを漏らしてしまう。
「へえ、言葉でも感じるのか。意外とマゾなんだな、お前」
薄い布地に液体がじんわりと広がっていく感触に、犯人が嬉しそうな声を上げる。六は歯を食い縛りながらも、屈辱に目に涙を溜めていた。
「お前、**デパートで個展やってる六だろ。周りの客に気づかれたくなかったら、おとなしくしてな」
「あっ」
褌の脇からずるりと陰茎を引っ張り出され、六はとっさに腰を引いて左手で隠そうとしたが、犯人は空いていた手で六の手首を掴み妨げる。亀頭まで包皮を被った陰茎がぴくぴくとかすかに跳ねる様に、犯人が鼻で笑った。
「包茎なんだ。かーわい」
「む、剥くな…んんぅ…」
六の精一杯の抵抗を無視し、犯人は節くれだった細い指で包皮輪を摘むと、焦らすようにゆっくりと包皮を引き下ろし始めた。六は必死に声を抑えるも、犯人の股間に尻を押しつけるかたちで腰をくねらせ、じわじわと下腹から湧き上がる快楽と共に先走りをあふれ出させている。
犯人は包皮輪を亀頭のくびれに引っかけると、剥きたてで敏感になっている亀頭を、上から摘み上げるように刺激し始めた。
「はぁ…んっ、んんんっ」
生ぬるい愛撫にも六は膝をガクガク震わせながら腰をくねらせ、物ほしそうに鈴口をひくつかせて先走りを垂らす。着流しの、陰茎に接している部分から染みが広がっている。六の尻に微妙に擦られ、犯人の性器も勃起して、スラックスのファスナー部分を押し上げていた。
「も、イクッ…」
六が絶頂寸前であることを訴え出すと、犯人は手を止め、後ろ髪をまとめていたヘアゴムで六の陰茎の根元をきつく縛ってしまった。それから勃起したままの性器を褌に収め、身なりを正させて、下車する準備を整えた。呆気にとられている六に、犯人は再び耳元でささやく。
「次の駅で降りて、俺の指示する通りに歩け。着いたところで続きをしてやるよ」
続きと言われ、おとなしく犯される気はないと反抗しようとした途端、かすかな音と共に背中に硬いものをあてがわれ六は口をつぐむ。
「お前みたいな上物、みすみす逃すわけにはいかねえよ。安心しろ、すぐにイイって言わせてやるからよ」
犯人は端正な顔に残忍な笑みを浮かべながら、より力を入れて小型銃の銃口を六の背中に押しつけた。
977名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:27:12 ID:KespdD+V
地味にタイムオーバーだけどバレンタインネタ。
暫くケビン&セシルはお休み。


「うおえぇぇ〜」
「…朝っぱらから随分と爽やかな様だな、ハジメ」

 何処をどう見ればそう思えるのか分からないが、嫌味だと分かっているので敢えて反論はしない。
 机に突っ伏していた顔面をのそのそと起こし、ハジメはおさむの方へと振り向く。
 顔面が見事なほどに真っ青になっていた。

「気持ち悪ぃ…」
「何だ、昨日の夜に酒でもかっくらったのか?」
「だったらまだマシだっつ〜の」
「あ?」

 指先で机を2.3回叩く。
 その先に置いてある包みをおさむは見つけた。
 質素なラッピングも施してあった。

「ほう。お前もなかなかにモテるもんだな」
「だと思うか?」
「どういう事だ?」
「…それ、翔のだよ」
「弟が貰った奴をお前が…って事か?」
「違う。翔が作ったんだよ」

 成る程とおさむは納得する。
 こういうものを翔が作るのはおさむのイメージには無かったが、以前から料理は翔が管轄している事は知っていたからそれ程意外性は感じなかった。

「愛する弟からの贈り物ってか。可愛いもんじゃないか」
「…何個目だと思うか?」
「………成る程な」

 その言葉だけで、おさむは事のあらましを理解する。


 話は戻ってその前日…
 蒼井家の台所は朝から既に翔の独壇場となっていた。
 近所のスーパーの特売で大量の材料を買い込み、早速作業を開始する。

「…よし!」

 両手に握り拳を作って、脇を締める。

「今から頑張れば…明日までには間に合うよな?」

 時計やカレンダーと何度も睨めっこする。
 我ながら不似合いなエプロンを身に付け、必要な調理器具を全てテーブルの上に揃える。

「こーいうの作った事無いけど…本を見ながらだったら出来る筈!」
978名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:28:37 ID:KespdD+V
>>977




「わあああ!!?」
「何だ何だ!?火事でも起きたのか…って、何やってるんだ翔」

 真っ黒な煙が充満した台所から、ハジメは翔を引っ張り出す。

「どうしたんだ?何か創作料理にでも手を出し始めたのか?」
「ち…違う!そんなんじゃない!!」
「じゃあどうして…」

 換気扇を回しに台所に入ると、ハジメはテーブルの上の大量の徳用板チョコレートが視界に映った。
 窓を開けて翔の方へ振り返ると、仄かに顔を赤らめた翔が目を逸らす。

「はは〜ん、そう言う事か」
「お、男のオレがこんなもの作って…やっぱり、ヘンなのかな…?」

 床の方へと俯き、エプロンの裾部分をぎゅっと握り締める。
 握り拳も肩も、微かに震えていた。

「馬鹿、何もそんな事言ってないだろ。つまりはお前にもチョコ渡したくなる様な奴が出来たって事だろ?だったら、兄として嬉しい限りだ」
「ほ、本当?」
「冗談でこんな事言わないっての」
「ハジメ兄ぃ!」

 勢い良く翔はハジメの胸の中へと飛び込む。
 バスケットボール部の顧問として自らも鍛えているだけあって、後ろに押し倒される様な無様な姿は見せない。
 愛する弟を見事にハジメは両腕で受け止めてみせた。

(あ〜あ。こういう甘えんぼは全然変わんねーのな)

 微妙な心境を抱きながらもハジメはわしわしと翔の頭を撫でる。
 台所の煙が晴れると、ハジメは煙の発生源を見付ける。
 どうやら鍋の中のチョコレートが焦げてしまったのが原因の様だった。

「お前、チョコレート鍋で溶かすなら湯煎にしろよ」
「ゆ…せん?」
「ってオイ。お前料理は出来るくせに湯煎は分かんねーのか?」
「し、知らない…」

 小さくハジメは溜息を吐く。
 このまま放っておけば、また同じ事の繰り返しだろう。

「しょうがない。この元蒼井家料理番家元ハジメ様がお前にチョコレート作りを伝授してやろう」
「え? ハジメ兄ぃ、お菓子作りなんて出来るのか?」
「そりゃあ、お前と違って料理暦長いからな。肝心要の硝子はとんでもないダークホースに育っちまったし」
「ま、まぁ…」

 蒼井家の誇る世紀末料理家の妙に勝ち誇った顔が二人の頭の中に浮かぶ。
 今度は二人揃って盛大に溜息を零した。

「そんじゃ、いっちょ始めるとするか」
「おー!」
979名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:31:42 ID:KespdD+V
>>978

☆皆もやってみよう♪

「まずは、大きい鍋と一つ小さい鍋を用意する。大きい鍋にお湯を入れて小さい鍋をその上に浮かべる。後は小さい方の鍋にチョコレートを入れて火を点ける。ほら、こうすれば直接鍋に熱が伝わらずにチョコレートが焦げ付く事は無くなるだろ?」
「おぉ!成る程!」
「もっと小さい容器を使う時は大きい鍋に布を敷いて、その上に乗せれば良い。これが湯煎。バターやチョコレートとかを溶かす他にも卵を温めたりも出来る」
「そっか。直接温めたら駄目なんだな」
「ま、それも場合によりけりだけどな。そんじゃ、予習はこれ位にして早速作るか」
「う…うん」
「おいおいこんな所で緊張してどーすんだ」
「やっぱり、上手く出来るかどうか不安で…」
「安心しろって。そんな難しい事なんかしないから。最初はさっき湯煎にして溶かしたチョコレートを2つの容器に分ける。そんで、片方のチョコレートに生クリームとラム酒を加えてかき混ぜる。ほら、まずはこれでガナッシュの出来上がり」
「へぇ…。こうやって作ってるんだ」
「そんでそのガナッシュをラップを敷いた天板の上に生クリームの絞り器とかで絞り出し、冷蔵庫で冷ます」
「あれ?折角綺麗に出来たのに冷ましちゃうのか?」
「ガナッシュで食べたいなら冷ます必要も無いが、まあ見てなって。ある程度固まってきたらそれをもう片方のチョコレートに突っ込む」
「わ…」
「ほい。冷めたらこれでトリュフの出来上がり」
「凄ぇ!もう完成なのか!?」
「固まる前や後にミモザの砂糖付けとかチョコペンで飾り付けると良いかもな。他にもガナッシュをタルト生地に流し込んだり、生クリームをキャラメルクリームに変えても良い」
「他には?」
「そうだな…余裕があればチョコレートケーキにも使える。簡単で尚且つバラエティ豊かなチョコレート菓子が出来るって訳だ」

★二時間後

「出来そう…か……」
「あ、ハジメ兄ぃ」
「あ、じゃねーよ」

 時間を置いてもう一度台所を訪ねると、思わずハジメは頭を抱えた。
 台所が煙塗れになると言う事態は免れた様だが、別の問題に直面する。

「本当にお前は何もかもがハイスピードなのな」

 テーブルを埋め尽くす程のチョコレート菓子に、呆れを通り越して素直に感心した。

「何か…一つ考え付いたら止まらなくなっちゃって」
「それは素直に“調子に乗る”って言うんだよ」
「う…。でもさ、どっちにしろ沢山作らないといけなかったから」
「どう言う事だ?」

 ボール…ボウルをテーブルの上に置き、翔はその中に出来た渦を眺める。

「オレさ、新人戦の時に結局皆に手伝ってもらったじゃん。結局あれから何もお礼とかそう言うの、全然出来てなくて。だから、こうれ位はやろうかなって思って」
「あぁ、レギュラー取れずに落ち込みまくっていた時な」
「…」

いつもの翔だったら、この程度の言葉にはすぐに反論して来る筈。
しかし、この件に関しては本当に責任と感謝を感じている様で、何も言い返して来ない。
ハジメが翔をレギュラーに再選択して以来、翔を含めたチームの力の飛躍には目を見張るものがあった。
それには確かに翔自身の能力の向上が大きく関係しているのもあるが、何よりも翔がチームに居る事。
つまり、翔と言う存在そのものがチームの士気を高めているのが大きな理由だろう。
当然その事は当の本人は自覚していないのだろうが。

(お前が居るだけで、あいつ達は嬉しいんだよ)
980名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:33:22 ID:KespdD+V
>>979

 等と言った所で、翔が何と思うだろうか。
 この場は黙っておく事にする。

「そう言う事か。成る程、理解」
「分かってくれると嬉しい。でもさ、正直言うと…まだ、不安なんだ」
「何がだよ」
「こう言うと失礼かもなんだけど、ハジメ兄ぃはオレが弟だから選んでくれたんじゃないかって。そう…思う時があるんだ」
「翔、お前…」

 小さく震える身体。
 ハジメには新人戦以来吹っ切れたと思っていたが、どうやらまだ乗り越えてはいなかったらしい。
 と言うより、流れた時間の間に少しずつ不安が積もって来たのだろう。

「ふん、バカタレ」
「あいて!」

 翔の額をハジメは中指で軽く弾く。
 状況が良く分からず、取り敢えず翔は両手で額を押さえた。

「俺がんな事するようなお人好しかっての。大体、そんなんだったらこの前のテストでも少し傘増してやってるって」
「ハジメ兄ぃ…」
「ったく、少しは自信を持てよな。不安になるのも解らんでも無いが、周りを信用してみろよ。誰もお前に奇異の目なんか持ってはいない。だから俺も平気でお前にヒントを言えたんだ。そして、何よりその答えを見付けたのは…お前自身。だろ?」
「………………うん」

 長い間をかけて翔は頷く。
 ハジメはもう一度翔の頭を撫でた。
 こうやって、いつも自分は翔を慰めて来たのだ。
 今も、これからも。
 いつまでも可愛くて仕方が無い自分の弟なのだから。

「そう言えば、誰に渡すつもりだ?」
「えっと…ハジメ兄ぃとショーコ姉ぇ。それから……」
「それから?」
「あっ! その、えっと……秘密!」

 顔を真っ赤にして声を張り上げる。
 どうやら翔が菓子作りをする理由はもう一つある様だとハジメは気付く。
 頭の中が一杯一杯になっているらしく、随分と忙しく翔は慌てふためいていた。

「だから、あの………。こ、これ! ハジメ兄ぃの分だから!!」

 そう言って、大量のトリュフに加えてケーキとタルトが二切れずつ。
 軽く見積もっても3人分はある量を翔は指差した。
981名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:34:43 ID:KespdD+V
>>980

「お、おい。幾ら何でも…」
「やっぱり…駄目だよな」

 もう一度翔は俯いてしまう。
 やたらと感情の起伏が激しいこの弟に負けて、結局自分は翔を甘えさせてしまうのだろう。

「分かった分かった。貰うから、これ全部」
「え…本当!?」
「あぁ。折角お前が作ったんだ。食べないと勿体無いからな」

 ハジメがそう言うと、一面花が咲き誇ったかの様に、翔に笑顔が戻る。
 翔は兎に角表情が素直に現れるので、心の底から嬉しいのだろう。

(甘ったれる原因は、絶対に俺だよな…)

「な、なぁ…ハジメ兄ぃ。これ、食べてみてくれないか?」
「何だよお前。自分で味見してみてないのか?」
「いや、食べたんだけど…やっぱり他の人の意見も聞いておきたくてさ。自分ではそれなりに良いかなって思ってるんだけど」
「まぁそれもそうだな。よし、どれどれ…」

 自分が教えたトリュフをハジメは口に運ぶ。
 2月の冷気で綺麗に固まったそれは、冷たく甘い。
 一度自分も何かの切っ掛けで作ってみた事はあったが、やはり自分以外の人間が作ったからであろうか、その時よりも柔らかく温かみのある味が口の中に広がった。

「うん、美味い。材料のバランスも良く取れてるみたいじゃないか。これなら他の人に渡しても全然大丈夫だと思うぞ」
「本当!?」
「あぁ」
「やった! ハジメ兄ぃ!!」

 これまた翔はハジメへとダイブする。
 今度も後ろに倒れないようにハジメは両腕を広げて翔を受け入れた。

「おっと…。全く、びっくりするから止めろってそれ」
「ありがとうハジメ兄ぃ。大好き」
「翔…」

 幾つになっても素直な翔の言葉。
 それが今、始めの中で響き渡った。
 当然その言葉には恋愛的な感情を入れているつもりは無いのだろうが、世俗の風を浴びたハジメにとって、その言葉は何よりも特別だった。
 何の混じり気も無い、純粋な唯一つの意味を持つ言葉。
 しかし、同時にその言葉は自分だけに対するものでも無い。
 先刻感付いた様に、もう自分は翔が特別な感情を抱く程の人間では無い。
 少しずつ、翔は自分から離れて行っているのだろう。

(兄としては、それを見守るべきなんだろうな。でも…)

 やはり何処かで翔を自分だけのものにしたいと言う独占欲が、ハジメの中で確かに存在している。
 教師と生徒。
 兄と弟。
 垣根を越えて、もっと親密な仲に。
 もう一つの意味で抱き合える関係になれれば良いのに。
 そう思うのは罪なのだろうか。
982名無しさん@ピンキー:2010/02/15(月) 00:44:34 ID:KespdD+V
>>981

 一限…二限…三限…四限…放課後。
 ハジメによると今日は他校との教師の合同会議があるそうで、部活も補修も何も無い。
 四限後のクラス会議終了の合図を聞くなり、翔は両腕で包みを抱えながら向かい側の校舎の三階へと駆け上った。
 授業の合間では決して会う事が出来無い、空の元へ。

(ソラ、喜んでくれるかな…)

 ハジメからも太鼓判を押されているだけあって、翔の中では期待は膨らむばかりだった。
 何と言って受け取ってくれるだろう。
 どんな笑顔で食べてくれるだろう。

「ん?」

 階段を昇りきった所で、翔は足を止める。
 沢山の女子達が空の教室の前に集まっていた。

(何だろう…)

「おーい、ソラ…」

 空の名前を呼んだ辺りで、翔はその場に固まってしまう。
 沢山の女子に囲まれていたのは、他ならぬ空だった。
 思わず自分の持っている包みを強く握る。
 ここに居る全ての女子に対して的確に対応しながら、空は獣道を歩くかの様に集団を払い分けていた。
 そして、ようやく空は翔が底に居る事に気付く。

「あ、翔君」

 いつもの様に、空は笑顔を向けてくれる。
 両手一杯に大量の女子からの贈り物を抱えながら。

「見てよ。まさかこんなに一杯もらえるなんて思わなかったなぁ」
「そ、そうか…」

 周りの女子の視線。
 空の笑顔。
 自分が持っているものの重み。
 全てが翔に突き刺さる様だった。
 …何で自分はこんな所に居るのだろう。

「じゃ、じゃあ…オレ、先に帰るから」
「え?」
「じゃあな!」

 今自分には空を見る勇気は持てない。
 出来るだけこの場から離れたくて、翔は来た時よりも早く階段を駆け下りた。
 両手から包みが派手に落ちた事も気付かずに、ただ空との距離を感じるだけだった。

「翔君?」

 形の崩れた包みを空は拾い上げる。
 そして、翔が駆けて行った方を暫く眺めていた。
983名無しさん@ピンキー


とりあえずここまで。

>>390
保管庫設置乙です。
リクをそのまま実装できるってのは凄いなぁ。

>>957-958
チチカカ様がこんなに可愛いって思ったの初めてだ。
牛って酒飲むものなのかな。

>>972
タイムオーバーだけど見たい。