強制女性化小説ない?Part29

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411京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:19:16 ID:2WBFRhPy
 ◆◇木陰の散歩道◆◇

===親友===

『何だか面白くねえ』
俺の親友の事だ。
前を女の子に挟まれて歩く如月歩って少女は、小さいガキの頃からの大親友なんだよ。
何時も一緒に居た。
だが元男の子なんだよな、あいつは。
男女比?遺伝子?ウイルスだか何だかで、ついこの前脳は男のまんまで体が女の子になっちまった。
科学的根拠?そんなの俺には分かんね。

家族は喜んだ。
歩は死ぬほど悩んだ。
急に女の子でございって言えねえよな。
結局は諦めたみたい。
しかし家族は能天気だから、通学ん時平気で女子のブレザーで送り出した。
最初は女子のブレザーで現れたから、びっくりだ。

「歩だよな」
「そだよ?分からない?」
「顔は歩みたいだが・・・ってなんで女子のブレザー着てんだよ!」
「僕、女の子になっちゃったみたい」
「はぁ?何馬鹿な事言ってんだ?」
「疑うなら触ってみなよ」
って突然手を取って胸を触らせやがった。
ぷにゅとした感覚にびっくりした。
おっぱい触っちまった!
「あ、あそこも?」
股間をちらと見る。
「無くなっちゃった」
「本当に女の子になっちまったのか!なんで?」
「分かんないよ」
「お前が女の子かぁ」
「僕が女の子なんて、いやだよね?」
「別に嫌な事ねえが、歩は良いのか?」
「今日介が良いなら別に良いかなって思った」
「俺が良いなら、良いのかよ!お前は」
「うん、親友だろ?」
「何が有っても歩が親友には変わりないが・・・」
「なら僕も良い」
こんな具合だ。

男の子だった時から何時も一緒に遊んでたから、変な噂も立った。
歩は昔から俺にくっついてたからな・・・。
元々男にしておくには惜しい位可愛かったから、そんなに違和感は感じ無い。
確かに歩の奴は妙に可愛くなったしな。
目鼻立ちがくっきりして、以外と良い体で・・・いやいや、俺にはそんな趣味は無い。
女の子になっても俺達は大親友の筈だ。
お互い少しわだかまりは有ったが、そう思っていたさ、マジでな。
しかし急に取り巻きがうざったくなった。
俺を歩から避けさせる。
一緒にさせない。
親しく話もさせない。
何かわだかまりを大きくしようとしてるみたいに見えちまう。
まるで、俺が危ない人間みたいな扱いしやがる。
特に前を歩くこの二人!
こいつらがウザいんだよ
412京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:20:18 ID:2WBFRhPy
左の麻里って奴、こいつは歩が女の子になった途端親友ぶりだした。
んで右の和葉って奴。
歩が密かに思いを寄せていたが、相手にもしなかったのにそれが急にベタベタしだした。
百合か?百合なのか?
親友を百合の相手なんかにゃさせねえぞ、俺は。
今日も歩は迎えに来たが、何時の間にか現れて、俺から離した。
歩も歩だ。
何も言えないでやんの。
「今日介、今度の僕の誕生日さ、例の」
って歩が言い掛けて、女二人が言葉を被せやがる。
「誕生日だったよね、何処か行こう」
「女の子で遊ぼうよね」
「え?あの前から今日介と約束が」
「だーめ!もう予定組んでるんだから」
「あ、あの・・・はい」
これだ・・・。
強く言えねえんだ、俺の親友はさ。
好きだった負い目も有るかもしれんが。
毎年、誕生日にはお互いの好きなもんご馳走するって決めてんだ。
駅前に美味いラーメン屋が出来たっつうから、歩の奴が連れてけって約束だった筈だ。
歩は俺の方を向いてすまなさそうにしてる。
そう思ってるなら、きっちり言えって!
ラーメン喰って、ゲーセンで格闘ゲームして遊ぶ。
そう決めていた。
悉く邪魔しやがる。
俺達ゃ親友だっての。
昨日や今日の間じゃねえっての。
変に意識させてるのは、お前ら女二人だっての!

もう俺は、後ろをついて歩くのは馬鹿馬鹿しいから、追い抜いて先に行く事にした。
「歩、先に行くわな」
「今日介、待ってよ」
「良いじゃない、あんなの先に行かせりゃさ」
『ムカ!』
拗ねる情けない俺。
オモチャを買ってくれない幼児か俺は。

学校でもあいつらはおろか、女共が離れん。
仲良くするだけなら俺も何も言わないが。
先程の約束、日時を変えてメールで送った。
これなら聞かれる事も無いだろうし。
携帯が机の中で唸りをあげて、歩が取る・・・前に和葉の奴が先に取った!
「電話よ、誰?今日介か・・・何々?」
麻里も覗き込んでる。
「あっ!僕の携帯」
「一緒に行っちゃ駄目!この日も予定組むからね」
「え?でも」

さすがにブチっと来る。
俺がキレる前に様子を見ていた翠がつかつかと歩み寄っていった。
高野翠、このクラスの委員長なんだが、こいつは男らしい!
本当に女にしとくのは勿体ないと思う。
真っ直ぐで美人だしな
413京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:21:13 ID:2WBFRhPy
「ねえ、あんたら何で人の携帯見て、行動まで指図するかなぁ」
「男の子と一緒に行動しちゃ、歩ちゃんに何が有るか分からないじゃん」
「それをあんたらが決める権利が有るとでも?」
「私、歩ちゃんの為に」
「分からない子だね!それは歩ちゃんが決める事だって言ってんの!」
歩はおろおろしてる。
「あの、喧嘩は」
「誰の為にやってんの!大体歩ちゃんも悪いよ?あんたはどうしたいの?」
「今日介ぇどうしよ」
俺にふるかっ!て俺は無理強いするつもりは無い。
「歩の行きたい方に行けば良いさ。俺の決める事じゃねえんだし」
翠が和葉と麻里に聞く。
「あんたらはどうさ」
「歩ちゃんは私達と一緒に来た方が良いの!」
翠がほくそ笑んだ。
「決まったね、今日介はやっぱり歩ちゃんの親友!歩ちゃん分かった?」
「僕、今日介と行く」
「なんで?男の子なんかと一緒に行ったら危ないよ!私達親友でしょ?」
歩も漸く分かったようだ。
「親友なら、押しつけないでよ・・・」
歩、良く言った!
お前はやはり男だ。
そして翠はやっぱり男らしいな、格好良いぞ。
思い切り彼氏を尻にひいてるのも頷ける。
翠にこっそり囁いた。
「高野、すまね」
「今日介、あんたももっとしっかりしなよ」
「了解・・・」
やはり男らしい。

まぁ、あの二人がこれで諦めるとは思わないが。
とにかく歩と日時を取り決めた。
「ごめん今日介・・・優柔不断でさ」
「良いって、で明後日の土曜日で良いか?」
「行こ行こ!美味しいらしいよ?後これね」
コントローラを操る仕草をする歩。
富子と和葉と少しの取り巻きがじろりと睨んでいたが、俺はもう気にしね!
翠が睨み返したら顔を逸らした。
俺は歩がこんなに一緒に行きたかったのかと、凄く喜んでしまった。
『俺なんで歩が来るのを、こんなに喜んでんだ?』
ある思いがひょいと浮かんだが、振り払ったよ。
『俺は親友だ』
言い聞かす俺が居た。
しかし、帰りも二人は中々離そうとしない。
何でこんなにイラつく。
一緒に歩けないからか?
もっと話せないからか?
分からない・・・。

ブブブブブ

携帯が震えた。
歩がこちらをちらと見た。
苦労してメールを打ったらしい。
[後で家に行く]
来る?俺んちに?
俺はぶんぶん頷いた
414京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:22:18 ID:2WBFRhPy
帰宅すると、その後歩が家に来た。
「振り払うのに苦労しちゃった」
お袋に挨拶する歩。
「あの、こんな時間にすみません」
「あら、歩ちゃん!又晩御飯食べて行きなさいよ、前みたいにさ」
「ありがとうございます」
「家には、おばさんが電話しとくから」
「はい、すみません」
「歩ちゃんが今日介の彼女なら嬉しいんだけどな」
歩が何故か喜ぶ。
「僕が今日介の彼女?」
「お袋、急に何馬鹿を言いだすんだよ!」
その時歩が悲しそうな顔をして俯いたんだ。
「馬鹿な事なんだ・・・」
「そ、そういう意味じゃ無いぞ!」
歩がにかっと笑った。
「良かった」
『良かったって、俺の彼女で良いって意味か?』

歩を部屋に入れ、ジュースを入れる為台所に行く。
「今日介、あんな可愛い子離しちゃ駄目だよ?悪い虫から守らなくちゃ」
「歩とはそんなんじゃねえって!」
「何年あんたの母親してると思ってるのよ!既に好きになってるでしょ?」
「な!好きって!親友だろが、あいつは」
「親友を好きになっちゃいけないの?今は可愛い女の子だし、母さん歩ちゃんなら安心なのよね」
「あ・・・えっと」
「どちらにしても、他の訳の分からない男に奪われたら嫌でしょうに」

さすが昔、ぶいぶい言わせまくったお袋だ。
モテまくるお袋を、男どもの中から強引にブサイク親父は奪い去り結婚した。
親父すげえぞ!
とにかくお袋に気付かされるとは思わなかった。

他の男に奪われる?
それは嫌だ!
俺は嫌だと思っている自分に愕然とした。
まぁ、歩が他の男にほいほい付いて行くとは思えないが・・・。

部屋に戻ると、ベッドに腰掛けて足を投げ出して座っていた。
ジュースを出してやると、歩が頬を染めてやがる。
「ここも久しぶり」
「歩、なに真っ赤になってんだ?」
「だってさ、おばさんが僕を今日介の彼女にって」
「俺は男で、歩も男だったんだぞ?」
「今日介なら良いよ」
『又俺なら良いか・・・俺はどうなんだ?親友だと言うのは変わらないが』
そんな事をつらつら考えてると、歩が俺の顔を覗き込んで来た。
「ねえ、どうかした?」
直ぐ目の前に歩の顔!
女の子の甘い体臭!
胸元から覗く深い谷間!
意識が一瞬飛んだ。
仕方ないだろ、俺は女に免疫の無い童貞なんだよ!
415京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:27:05 ID:2WBFRhPy
===初キッス===

俺は気付くと歩をベッドに押し倒していた。
「あっ」
目の前の可愛い少女の、ふっくら唇を奪いたい!
そう思った。
目を丸くして俺を見る歩。
『やっちまった!!』
「すまねえっ!」
顔を逸らして離れようとしたら、歩が俺の服の肩口を掴んだ。
恐る恐る歩の顔を見る。
「良いよ・・・」
何時ものニコニコ顔じゃ無くて、真剣な顔。
こんな顔、進路に悩みきって相談に来て以来だ。
短い間俺は逡巡した。

良いじゃ無いか、奪え!
親友だ、止めろ!
越えても俺達は親友として居られるのか?
「歩は俺でも良いのか?最初の相手がよ」
「今日介なら良い」
歩は同じ言葉を吐いた。
それは親友としてか?
もう理屈付けは考えられなかった。
俺は歩の顔に自分の顔を近付けていく。
お互い初めてで、心臓がエイトビートを刻んでやがった。
直ぐ目の前に有る歩の顔を見つめる。
変わっては居たが基本的には歩の顔だが、でも凄く可愛い。
艶々の赤い唇。
歩が静かに目を瞑った。
こりゃやるしか無い!
ここで離れる事なんぞ最早無理。

唇をそっと重ねると、瞬間俺の体にビリリと電気が走った!
『わ!柔らけえ!』
俺は色々焦りまくりそうになったが、歩がぶるぶる震えてるのに気付いた。
「んっ・・・む・・・」
だからなるべく冷静になるべく努力したよ。
唇を交差して、舌を歩に差し込んでみる。
体がぴくっとしたが、おずおずと歩も舌を差し出してきた。
静かに舌が絡む。
まさか、親友と舌を絡ませるとは思わなかったな。
歩の鼻息がめちゃ熱い。
体も気のせいか熱い。
我慢したさ!
それ以上色々したいのを必死に我慢した。
唇を離すと、歩がこちらをじっと見ている。
顔は真っ赤っかだ。
「初めてのキスが今日介か・・・何か不思議だね」
「俺も初めてなんだ」
「でも、ありがとう」
「何がだ?」
「僕、キスされた時、少し怖かったんだよ?色々されるかもしれないって」
「なし崩しは嫌だ」
「だから僕は今日介が好きなんだよ」
「好きって言うなよ、恥ずかしいだろが」
「何時も僕の事尊重してくれるだろ?だから」
『俺も好きなのかな』
その答えの代わりに、俺はもう一度歩とキスをした
416京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:30:05 ID:2WBFRhPy
二度目のキスの後、歩は俺の首にしがみついた。
「キスって凄いね」
「凄い?」
「僕の全てが、今日介に持っていかれちゃう」
「良いのか?」
「良い・・・持っていかれても良いと思った」
俺も何だか分かる気はしたんだよ。
でも、多分お袋が居なかったら俺は止められなかった気はする。
まだそこまでの覚悟は出来ないが。
親友と初体験?あまりにも想定外な出来事だ。
しかし・・・女の子の唇って何て柔らかくて暖かいんだ。
まるで歩そのもので、俺の唇に歩の柔らかい唇の感触が残ってる。
「僕の唇見て何思い出してるんだい?」
歩がクスっと笑った。

『可愛いなもうくそ!』

「歩とのキスだよ!仕方ねえだろ?例え親友のお前が相手とは言え、初めてなんだしよ」
「ねえ、もう一度キスしても良いよ?」
「うん・・・俺も断る理由はねえしな」
「なんだよそれ、嫌ならさせたげないからな」
「お、俺が悪かった!させて」
「やっぱりキスしたいんだ・・・僕もだよ・・・」
今度は歩から唇を押しつけてきた。
歩の右手が優しく俺の頭を撫でる。
「んっんんっ・・・」
歩の吐息が荒くますます熱くなってきた。
歩が興奮してきているのが良く分かる。
ずっと味わってたいと、つい歩を強く抱き締めてしまう。
「今日介っ!」
歩も強く抱き締めてきた。女の子の体って柔らかくて良い匂いがする・・・。
馬鹿な俺は漸く分かった気がした。
俺は大親友の歩を好きになってきてる。
キスの功罪は大きい。
お互いの気持ちが劇的に動いた。

初体験。

その言葉が、俺と・・・多分歩の中にも浮かんだ。
そんな事を考えてると、抱き締める力が知らず知らずに強くなっていた。
「今日介、痛いよ」
「あ、すまねえ!思わず力入っちまった」
「力が入ったんだ・・・僕、何か嬉しいな」
歩がおでこをコツンと当ててきた。
未だ抱き合いながら話す内容は、男の子と元男の子の親友同士がする会話じゃ無いが。
これが逆だったらどうなってた?
俺が歩を好きになったかどうか、はっきり言って自信は無い。

「そうだ!で、話は何だったっんだ?」
「あ、忘れてたよ・・・最近話まともに出来なかっただろ?」
「そうだったな」
「僕が優柔不断だったせいで、今日介に嫌われたと思ってた」
417京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:31:23 ID:2WBFRhPy
「俺が嫌う?」
「でも、もう良い・・・解決したみたい」
歩が俺のニキビ面の頬っぺたにキスしやがった!
頬っぺたにキスはある意味とても反則だと思う。

「さ、飯食うか」
「僕も料理覚えなくちゃいけないなぁ」
「料理?その内食べさせてくれよな」
歩は何やら意味ありげに微笑んだ。
「ん、分かった」

台所に行くと、親父と姉貴が帰っていた。
「おう、歩君又可愛くなったな!今日介、お前しっかり捕まえてろよ」
「歩ちゃん今晩は」
「おじさん、お姉さん今晩は」
「今日介も、早く歩君を物にし・・・ん?歩君真っ赤だが何か有ったか?」
「な、何もねえよ!」
「何も無かったよね?」
「まあ、な」
「ふん、まぁそうしておくとするか」
親父がにやりとした。
この両親にゃ勝てん。
お互い真っ赤になるしかない。
帰りは、親父が車で送ってくれたのは有り難たかったな。
寝る前に歩からメールが来た。
[ファーストキスは君・・・僕、濡れちゃった]
・・・何がってあれか?
歩、これ嫌がらせか?
俺がこの文で落ち着いて寝れると思うか?
[おう、良かったな]
しか返信出来ねえだろ!
仕方ねえから、思い出しオナニーして寝たよ。
しかし、歩の奴キスしてから変わった気がするな。

===デート?===

次の日も歩は迎えに来た。
もうあの二人とは一緒に歩かず、俺の傍を離れなかったよ。
べたりくっつかれるのも困ると言えば困る。
片時も俺の傍から離れん。
近寄りがたい雰囲気が有るのか、二人も取り巻きも必要な会話以外はしない。
翠はにたりと笑った。
何か感じ取ったか?
確実に歩は変わった。
開き直ったとしか思えないんだよな。
俺の方がヘタレになっちまってた。
キスでこんなに変わるもんなのか?
これは歩に関してだけなのか、経験が無い俺には分からない。
とにかく、あいつの唇を見てるだけでドキドキする。
そして歩はそれを分かっているかの様だった。
椅子を移動してきては横に座る。
唇をふと見たら、グロスを塗っていた!
この唇を昨日・・・。
やべえ!俺のアレが立ってきたじゃねえか。
歩が横に居る俺にメールを送ってきやがった。
「僕、キスしたい」
歩に主導権を握られつつあった。
仕方ないから屋上まで行ってしてやった。
俺もしたかったしな
418京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:32:57 ID:2WBFRhPy
土曜日。
歩んちに迎えに行く事になっている。
家に行くと、お母さんが出てきた。
「おばちゃん、こんちは」
「歩とデート?」
「いや、あの、例の誕生日イベントでして」
「もう!さっさとお付き合いしなさいっ・・・あっ歩を呼ぶのね」
『おばさんまで、お付き合いさせようとしてる』

歩が、ノースリーブとミニスカートで現れた。
ぐわ!か、可愛い・・・
「母さんがこれ着ていけって、可愛いぃ?」
「す、すげえ可愛い」

すれ違う男は皆歩を見た。
一緒に歩く俺は有頂天になっちまう。
俺達は駅前まで歩き、ラーメン屋に来た。
並んでたが、漸く食べれたラーメンは美味しい。
歩は女の子ってのを忘れ、夢中で掻っ込む。

「替え玉!」

お前はやはり根は男だ。
しかし美味しかったと笑う笑顔は可愛いんだよな。
俺は曳かれているのがはっきり分かった。
キスまでしてるんだから、普通の関係は越えているとは言える。

歩が突然映画に行こうって言い出した。
ゴールドマンの木陰の散歩道を題材にした映画が公開中だとの事。
俺達はこの曲が大好きだったから、興味も湧いた。
落ち零れブラスバンドが、落ちぶれ男の手で少しずつ活躍していく内容らしい。
座席に座り、横を見ると、ミニスカートから生足がにょっきり生えている。
やべえ!見るな見るな。
映画が始まってすぐ、歩の手が手摺りに乗っているのが分かった。
握ろうか止めようかと悩んでいたが、向こうから握ってきた。
少し冷たいが柔らかい小さな手に、ドキドキしながらも映画が中々面白い!
引き込まれていく。
しかし途中で、歩がぎゅっと手を握って俺に近づいてきた。
俺は映画に夢中になってたし、こんな中でキスも無いだろう。
そのまま座っていた。
歩の手が汗ばんできた。
握る手も強くなってる。
はっきり言って映画に集中しろよと言いたかった。
そんな時間が10分程続いたかな。
歩が俺を見てる。
体をもじもじさせ、目を見ると泣いていた。
「う・・・いやだぁ・・・今日介、助けて」
何が有ったのかと見たと同時に怒りが頂点に達した。
見知らぬおっさんが、ミニスカートの奥深く手を突っ込んでいた。
右手は捕まれている。
脚が左右に少し拡げられ、その間におっさんの手が侵入していた
419京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:34:35 ID:2WBFRhPy
要はおっさんが、歩のあそこを触っていやがった。
当然これは一瞬の間に察知した状況だ。
見ていた訳じゃ無いぞ!
歩を椅子に座らせて置いて、俺はおっさんの胸ぐらを掴んで外に引きずりだしたさ!
そして、館内員の居る部屋に突き出した。
ふと見ると歩も付いてきている。
館内員は即警察を呼び、歩も辛い証言をした。
何か責任有る立場の男の様だが・・・。
俺は住所と名前を書き上げ、万が一の為今後に備える事にした。
映画館側は平謝り。
そして無料にし、招待券までくれた。
映画館側は関係無いし、断ったんだが、どうやら外に言われたく無いらしい。
まぁ有り難く貰っておく。
「歩、俺に言わなくちゃ駄目だろうがよ」
「だってさ、いざ痴漢されたら怖くて言えなかったんだよ」
「今度はちゃんと言うんだぞ?もう忘れろ」
「ごめん、今日介より先にあそこ触られちゃった」
「ば、馬鹿、何言ってんだよ」
「気を取り直してもう一度最初から見よう?」
「そうだな、中々面白い映画だったしな」

その後、高い料金の指定席に座らせてくれて、最初から見る事にした。
歩はショックだっただろうな。
気付かなかった俺も悪いと反省したよ。

気を取り直して、今度はお互い映画に集中できた。
手は握りあってたがな。
最後、林並木で木陰の散歩道を演奏する。
やはり良い曲だ!
歩も俺も体を揺らしてノっちまう。
見終わって、聞こえない様に小さく二人で拍手した。

外に出たら夕方が迫っている。
歩と俺がメール問合せしたら、歩に翠からメールが来ていた。
内用を見せて貰ったが、呆れたよ、俺は。
あの麻里と和葉が、二人の後を付ける相談していたって密告だ。
何でここまで、執着するのか、俺にも歩にも全く理解出来なかった。
翠宛てに丁寧に感謝のメールを送らせて、二人はここから少し歩いた所に有る林並木に来た。
此処は俺達が一番好きな場所なんだ。
丁度、あの木陰の散歩道の曲に良く合いそうで。
良くベンチに座って色々話をしたもんだ。
周りを目だけで注意深く見渡すと・・・あの女二人が木の陰から見ているじゃねえか!
俺は怖くなったよ。
「顔を動かすなよ?あの二人が居るぜ」
「本当に?僕何だか怖くなってきたよ」
そして決心した
420京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:35:40 ID:2WBFRhPy
俺は歩を引き寄せ、唇を重ねた。
「今日介?むぐ・・・」
少しびっくりする歩。
周りに人は幾らか居たが、あいつらに分かるようにキスしてやった。
抱き寄せると、歩も俺の首に手を回してくる。
「んんっ、んっ・・・」
深く長く熱いキスをずっとしてやったさ。
目の端で見る・・・まだ居やがるか?
とどめだ。
中指を立ててやる。
あいつらが漸く去った。
翠には本当に感謝。
「行ったみたいだぜ」
歩を見ると、ぼうっと惚けた目で俺を見ていた。
「ど、どうした?」
「もう・・・今日介、強引だよ?」
「す、すまねぇ」
「良い、僕もう身も心もとろけちゃった」
「そうなの、か?」
「二人が一番好きな場所でキスされた」
「此処は俺達の木陰の散歩道だからな」
「ここじゃ無かったら、まだ僕覚悟出来なかった・・・」
『覚悟って、まさか』
「来週の土曜日、家には一日中誰も居ないよ」
ざわざわと緊張感が二人を包んでいく。
「あ、うん」
思い切りきょどる俺。
歩は俯いて呟いた。
「い、良いよ?」
来た!遂に来ちまった!
心臓が爆発しそう。
「それって、俺が貰って本当に良いって事か?」
「僕は今日介だから貰って欲しいんだ」
「そ、そうか・・・俺童貞だからな、上手く出来るか自信ねえなぁ」
「僕も、童貞、じゃなくて処女だから」
「分かった・・・あれ凄く痛いって言わねえか?」
「今日介なら僕我慢するから大丈夫」
「俺は親友の処女を奪っちまうのか・・・」
「それなら、僕は親友の童貞を奪うんだね」
「不可思議な関係になりそうだな、俺ら」
「でも、今日介は大事な親友には変わり無いよ?」
「それは俺も変わり無いけどな」
「最初はキスからだよ?僕それだけで感じちゃう」
「感じるって、おい」
「だってさ、今だって僕凄く感じちゃった」
「最近、歩の方が大胆発言多いよな」
「ちょっと来て」
「な、何だよおい」
歩は周りから見えない木の蔭に俺を引き込み、そしてしがみついてきた。
胸に歩の豊かな乳房が服越しに押しつけられる。
歩の動悸が激しくなってんのが良く分かった。
当然俺もすげえ動悸!
「今日介だからだよ?他の男となんて気持ち悪い」
「歩、ありがとな」
「帰る前に、もう一度キスしてよ」
歩の顎をくいっと上に持ち上げ俺は唇を重ねた
421京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:36:46 ID:2WBFRhPy
自宅でも不安になる。
来週どうすれば良いのかイマイチ分かんね。
独り善がりで、突っ走らない様にすれば良いだろうけど。
来週、元男の子で親友の処女を貰う・・・。
まさか、こうなるとは想像もつかなかったな。
夜歩からメールが来た。
[本当は僕少し怖いけど、後悔はしない]
[心配無い、任せろ!]
こう送り返したが、俺も不安いっぱいなんだよ。

月曜日、いつも通り歩は迎えに来た。
歩も緊張しているのが俺にも分かる。
あの二人は逆に後ろを付いてくる様になったが、今更何で付いてくる?
それだけ歩が好きなんだろうと、少し余裕の気持ちで思う。
翠が俺に目でどうだった?と聞いてきた。
俺はにっこりと親指をビシッと立てたさ。
歩にあの二人が話し掛けても、俺はそんなにイラつかなくなってきている。
緊張と期待と不安の一週間が経過していき、金曜の放課後が来た。
歩が俺に耳打ちする。
「明日十時過ぎに僕んちに来て」
奴の吐息が熱い。
俺は静かに頷く。
あの二人は何か不穏な空気を感じた様だが、邪魔はさせねえ。
その夜俺は無理に寝た。
寝坊は避けたい。
暴発回避のオナニーはしたがな。

===初体験===

土曜日。
歩んちの前まで来た。
あのな・・・あいつら二人が家の近くに居た!
お前ら何なんだ?
何か可哀想な気もしてきたが・・・。
ちらりと一瞥して、呼び鈴を押す。
歩がタンクトップとホットパンツで出迎えた。
俺は歩に耳打ちする。
「また居るぞ?」
歩が聞こえよがしに言ってくれた。
「待ってたよ、お風呂沸いてるから先に入って。家族は居ないからさ」
あいつらを見たら、愕然としていた。
そりゃここまで言えば、何をするか分かるだろ。
焦る息子を宥め透かしながら俺は風呂に入った。
女の子の体ってどんななのかな・・・。
焦るなと言い聞かす。
浴室から出ると、歩がスポーツドリンクを用意してくれていた。
「飲んだら部屋で待っててよね」
脱衣場での歩の衣擦れの音を聞きながら、ドリンクを飲み干す。
期待と不安に火照る体に心地良く染み渡る。
歩の部屋は、小綺麗に整頓されていた。
何げに女の子の部屋だ。
大きめのベッドにトランクス一枚で横たわると、女の子の匂いが鼻をくすぐる。
女の子の匂いっつっても歩しか知らない訳だが
422京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:37:49 ID:2WBFRhPy
歩が入ってきた。
見るとバスタオル一枚!
ベッドの上に座ると、歩も横に座った。
そっと肩を抱くと、体がぶるぶる震えてる。
俺がリードしなければいけねえと心に誓う!
「良いんだな?」
歩はこくりと頷いた。
落ち着いてる様に見えるかもしれんが、俺は頑張って落ち着かせてんだよ。
体を纏うバスタオルの結び目を解くと、はらりとタオルが落ちる。
中からお湯と興奮で赤く染まった歩の全裸が目に飛び込んできた。
俺は・・・固まった。
初めて見る女の子の裸。
オッパイは前に大きく張り出し、桃色の乳首がツンと飛び出してる。
肌は何処迄も美しく滑らかで、俺みたいな野郎の肌とは段違いだ。
そして、下に視線を落としていくと、淡い陰毛がデルタを形づくっている。
この部分だけは写真でも見たことねえ!
歩の裸は男の俺が嫉妬する程綺麗だった。
「わ、わぁ・・・」
「今日介、じろじろ見られたら恥ずかしいよぉ」
歩は初めて裸を見られる恥ずかしさに、頬を真っ赤っかにして俯く。
「仕方ねえだろ、女の子の裸って初めて見るんだからな、俺は」
「僕の裸、どう、かな?」
「綺麗って簡単に言えねえくらい綺麗だ!」
「今日介に綺麗って言って貰えて嬉しいよ」
歩は漸く俺をみてにこりと微笑んだ。
『ダメだ・・・こいつ可愛すぎる』
トランクスを脱ぎ、歩を抱き寄せた。
とっくに俺の一物はガチガチだ。
強く抱き締め合う。
直に触れる肌の感触。
すっげえ柔らけ!
俺は興奮で我を忘れそうになるのを必死に抑える。
それが男の責務だ。

「お前の体すげえ熱い」
「今日介も熱い・・・」
「女の子って良い匂いすんだなぁ」
「今日介も、男の子の良い匂いがする」
歩の顔を見つめる。
「今日介、キスして」
もう応えは要らない!
歩の唇の感触を確かめる様に、唇で唇を滑らせた。
自然とお互いの舌を出し合いざらつく舌を味わう。
歩の唾液を感じ、歩も俺の唾液を感じる。
興奮が更に俺達を熱く包み、息が荒くなってくる。
「今日介!僕、もう」
先に我慢出来なくなった歩が、俺の髪の毛を掴み、自分にぐいと押しつけた。
「んっ!んん」
二人の口内で互いの舌が激しく絡み合う。
歩は尋常じゃないくらい興奮してる。
鼻と口の端から漏れる息が熱く、つつっと唾液さえ垂れた
423京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:38:52 ID:2WBFRhPy
唇を離すと、つっと唾液が糸をひく。
「僕、体が熱いよぉ」
「俺に任せろ」
「うん・・・」
俺は歩の体に手を添えて仰向けに寝かせた。
突っ走らない様に、自分に言い聞かす。
そっと歩の巨乳に手を被せ、ふんわりと揉み、片方の乳首に舌を這わした。
「あぁん」
親友のそんな声を聴いたのは初めてだ。
聞くのは野暮だが、敢えて聞いてみる。
「気持ち良いのか?」
「気持ち良い・・・」
初めて揉まれると痛い事も有るらしい。
「痛くないか?」
「もっと揉んで良いよ」
少しずつ力を入れていき、乳房の弾力を俺も楽しんでみた。
『オッパイってこんななんだ!柔らけえ!』
乳首も勃起するってのは聞いた事有ったが、実際どうなるかは知らなかった。
歩の乳首はツンッと固くなってコリコリしてる。
右乳首を優しく指先で弾き、左乳首を舌先で転がしてみる。
「くっ、ああぁ、うぁ」
歩が声を出して感じてくれているのを、俺は嬉しくなった。
もっと気持ち良くなって貰いたいし、喘ぐ声を聞きたいと思う。
右乳房を揉み解しながら、人差し指で乳首を弾く。
そして首筋に舌を這わしてやった。
「あっ!今日介・・・あぁ、ああん」
体がくねくねと静かにくねりだし、たまにピクッと震える。
歩は口を半開きにし、眉を寄せて熱い吐息を荒く吐いていた。
そして時々唾を飲み込むのが生々しい。
「凄いよ!女の子って凄い!気持ち良い、こんな気持ち良いの初めてだよぉ!」
俺も興奮しまくっていたが、反面あまりの気持ちよがり様に羨ましくなる。
「そんなに良いのか?なんか羨ましいなぁ」
歩は快感で歪む顔をこちらに向けた。
「今日介だから、気持ち良いんだよ?」
「そっか、俺もそう言ってくれると嬉しい」
視線を歩の股間に落す。
歩のマンコを見たい!
俺は体の向きを替え、歩の一番大切な秘密の場所を見る事にした。
歩の両足を左右に拡げていく。
「あ!今日介・・・」
「歩のを見たい」
歩の動きが止まった。
自分の秘所を遂に見られる覚悟をしたんだろう。
俺も心臓が爆発しそう。
淡い陰毛の下に歩の割れ目が見えた。
ほんのり色が濃い、小陰唇が、ふっくらした大陰唇と共に開いてる。
そこはお湯をかけた様にぐしょぐしょだ。
これがそうか・・・。
濡れまくっているのが、俺を又嬉しくさせた
424京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:39:53 ID:2WBFRhPy
「歩、すげえ濡れてる」
「恥ずかしいよぉ」
歩が両手で顔を隠す。
ぱっくり開いているもんなのかどうかは、比べた事ねえから分からん。
しかし歩のマンコは、くぱぁと開き穴が二つ有る。
上に有る窄まった穴はオシッコが出るとこで、下に有る少し開いてる穴が俺の一物を入れる所だな?
男とは違い複雑だ。
ここぞと観察をする。
二つの穴の周りはピンク色の粘膜で、濡れて光っている。
そして独特の甘酸っぱい匂いがつんと・・・。
「ねえ、じっと見られてると恥ずかしいったら」
「すまね、つい」
俺は顔を埋め、舌を粘膜に這わせてみた。
瞬間、歩が震えた。
「あっ!やだっ」
歩が嫌では無いってのは、手で俺の頭を押さえ付けてきたから良く分かる。
二つの穴の周りを丁寧に優しく舐めてやる。
ぴちゃくちゅと舐める音が歩を狂わせる。
「ああっ、いや、あぐぅ、腰が動いちゃう!」
歩の腰が動き、俺の舌の動きに合わせてきた。
クリトリス・・・。
女の子の一番気持ちの良い場所だって位は俺も知識だけでは知ってる。
小陰唇沿いに舌で辿っていくと、ぷくんと膨れた箇所が有った。
「あっ!!」
歩の体がビクッと大きく跳ねた。
ここがそうか!
最初からきつく攻めるのは御法度らしい。
舌先でツンツンする。
その度に歩の喘ぎ声が響き、悶えた。
「あ、くぅ・・・良い、良いよ!そこ良いぃ!」
ハウツー本が役立って良かったと思う。
舌先でクリトリスを包む包皮をくりんと剥く。
「ひっ、あ、ぁぁ」
優しく優しく触れるか触れないかで舐める。
「い・・・あぁ・・・凄く・・・良い・・・」
どうやらあまりの気持ち良さに声さえ出ない様だ。
俺の髪の毛を強く掴む。
しかし俺はそこで反撃を食らった!
歩の目の前には俺の勃起した一物が有る訳で。
それを歩はいきなり口に含んで、舐めやがった。
「ぐっ、歩!」
俺の方が危なくなった。
今にも出そうだ!
我慢なんて無理。
出ちまう!
「歩、駄目、出るぅ」
歩は一物から口を離して俺に言った。
「良いよ!僕に今日介の精液飲ませて!」
「そんな、良いのかよって駄目、出ちまう!」
最初の尺八で我慢なんぞ出来るか!

ビュッ!ビュッ!ビュッ!

俺は歩の口の中に思い切り射精しちまった。
425京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:50:50 ID:2WBFRhPy
「ぐおっ」
なんつう気持ちの良さ!とにかく沢山出た。
げほごほと歩がむせた。
「おい、歩!吐き出せ」
歩を見ると、喉に手を添えて俺の精液を無理して飲み下している最中だった。
「無理すんなって」
飲み終えた歩はにこりと微笑む。
「僕、飲んじゃった」
「歩・・・お前」
俺はたまらず歩を抱き締めた。
「飲みにくいんじゃねえのか?あれって」
「今日介のなら良い」
その言葉で、俺の一物が再び力を取り戻す。

入れたい!

「入れるぞ?」
「うん・・・」
「あ、ゴム」
「良い、僕まだ生理来てないから、中に出して!」
「良いのか?」
「中に欲しい!」
どうやら歩の女としての機能は完成前みたいだ。
二人にとってこれからは未知の領域だ。
一物を握り、歩のマンコの穴に添えて、先っぽを埋める。
ぬぷっと言う感じで、俺の先が埋まった。
ここからだ・・・。
「力抜いた方が良いぞ」
「う、うん」
歩の中に挿入していくと、歩が眉をしかめる。
「あっ、く」
『うわ!何これ!!』
ヌメヌメと絡み、きつく締め付けてくる。
歩は俺にしがみ付く。
「ぐ、すげえ・・・」
途中で先が何か抵抗を受けた。
これが処女膜か?
ぶつっと膜が破れる。
「今日介!痛いぃ!」
「我慢だ!すぐ全部入るから!」
「う・・・い、痛・・・痛いよぉ」
歩は目をぎゅっと瞑り、涙が溢れている。
下半身を見ると、処女の証が滴り落ちていた。
破った後は、長引かせず一気に押し入れる。
「あぐ・・・あっ!」
「全部入った!」
「中、今日介で、いっぱいだ・・・」
「まだ痛いか?」
「は、入りきったら、少し遠退いてきたよ」
「動くぞ?又痛くなるかもしんねえが我慢しろよ」
歩を気遣うより俺が先にいっちまいそうで、気を逸らし何とか出さずにすんだ。
歩の中でゆっくり動かしていく。
歩の中は想像以上の気持ち良さだ。
歩の体が揺れ、歩とセックスしている実感がわく。
つい早くなりそうなのを、我慢する。
出し入れする度に下半身にマグマが溜まっていく。
歩も痛さの中に、何か得体の知れない感覚を感じて来はじめたみたいだ
426京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:53:55 ID:2WBFRhPy
「歩ぃ!」
「うぐ、あぁっ、今日介!気持ち、良い?」
「気持ち良いなんて、もんじゃねえぞ!」
「僕も、体がふわふわしてきた」
やはり、お互い望まれてのセックスは感じ方が違うのかもしれない。
無理矢理しなくて良かったと俺は思う。
射精を我慢しつつ、突き込みに力を入れていく。
歩が遂に挿入による快感を感じ始めたらしい。
「あ!ああっ!何これ、良いっ、気持ち良い」
俺の首に手を回し、脚は俺の腰に離れたくないと絡み付く。
「あ!あ!あ!今日介!もっと!もっと!」
もっとって言うが、俺はもう限界だ!
「駄目、出るって」
「もう少し!何か来る!まだ待って!」
・・・何とか抑えた。
さっき出していて良かったかもしれない。
「今日介!!何か来る!ああっ!抱き締めて!!」
歩がショートカットの髪を振り乱しながら、俺にしがみ付いてきた。
俺も限界はとうに越えている。
強く歩を抱き締めると、一物に強烈な締め付けが襲ってきた。
下半身のマグマが一物に殺到する。
「もう、出る!」
「今日介、僕いく!いく!いくっっ!!」
歩の中の一物が、根元から先に向かってぎゅっと締め付けが走った。
まるで、射精を促し、精液を受けとめるかの様にすげえ締めてくる。

ビュッ!ビュッ!ビュッ!「ぐっ!」
「ああ、良い!イク!飛ぶ!飛んじゃうぅ!うあっ、ああ、あああ!」

歩の体が弓なりにお腹を凹ませながら、大きく痙攣を起こしている。
歩は焦点の合わない目で荒く息を吐いている。
「あ・・・はぁ、はぁ」
俺は歩が落ち着くまで、優しく抱き、静かな時間が流れた。
歩の肌を玉のような汗が伝っている。
歩と俺の下半身は、歩の出した液体でぐっしょりと濡れていた。
腕の中の元男の子だった親友の事を考えたよ。
二人はセックスしてしまったが、勿論後悔なんざしちゃいない。
俺は歩を絶対離さないと決めてはいる。
しかし歩はどうなんだ?俺で良いのか?
女なんて無縁だった俺には自信なんてねえしな。

ふと、急に歩が俺に思い切り強く抱き付いてきた。
「今日介!僕・・・」
「ど、どうした?」
歩を見ると、目から大粒の涙が零れていた
427京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 02:57:49 ID:2WBFRhPy
===歩の告白===

「僕、最初は女の子って自覚あまり無かったんだ」
「でも、痴漢されて女の子だって気付かされた」
「過ぎた事だよ」
「うん・・・で僕もう一つ気付いた事が有るんだ」
「何に?」
「んっと、あの・・・」
「なんだよ」
歩が俺の胸に顔を埋めた。
「僕、今日介が凄く大好きになったんだよ!」
「歩・・・」
「迷惑?元男の子の親友からこんな事言われて迷惑だよね?」
なんてこった。
同じ悩みを持った訳だ。
それで泣いちまったのか。
「同じ悩み持った訳か・・・俺もお前が大好きになっちまった事に気付いた」
「ほ、本当?」
「嘘なんか言わねえよ」
俺も漸く好きだって気付いたんだよな。
仰向けになると、歩が俺の胸に頬を乗せ、手をしっかり握り締めてきた。
「僕、キスされてからもう気持ちを抑えられなくなって・・・そして今日介に抱かれて」
「初体験だな」
「今日介、愛してるよ」
「俺もだよ」
「僕を絶対離さない?」
「絶対離さねえ」
「僕はもう今日介のものだよ?」
「うん、歩は俺のもん」
「僕一生離れない!今日介から離れない・・・」

「なぁ、歩」
「ん?何?」
俺の一物が節操無く勃起してた。
「あ、立っちゃってる」
「ごめん、良いかな」
歩が俺の一物を熱く見つめて、握ってきた。
「何度もして!したい時はいつでもして!見て、僕シーツまでこんなに濡れちゃってるよ?早く入れて」
どうやら、やりたいのは歩も同じみたいだ。
俺は歩を四つんばいにし、尻を突き出させた。
入れられる期待に、歩はぬるぬるになってる。
バックから突き入れた。
「あ、良いっ!あふぅ」
歩は今度は、最初から気持ち良いみたいだ。
「あっう、ああっ!良いよ!もっと突いてっ!」
後ろから見る歩の体はすげえエッチだ。
尻が大きく、窄まった肛門まで丸見え。
「今日介!あぁ、ああ良い、気持ち良いぃ!」
中はぎゅうぎゅう締め付けてくる。
バックで突きながら、両手で乳を揉んでやる。
歩は、腕を突っ張り激しく悶えだした。
「ああん、おっぱいも凄く良い!狂っちゃうぅ!」
女ってやはり羨ましいと、突きながら俺は思った
428京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 03:00:27 ID:2WBFRhPy
歩は乳を揉まれながら挿入される快感に、すぐに昇り詰めていく。
「今日介、クリトリス摘んで!」
言われた通りに、片方の手で歩のクリトリスをキュッキュと摘んでやると、歩の体が暴れだした。
「いやぁ!凄いぃ!いく、いっちゃう!!」
びくんびくんと大きく震え、歩はまたイった。
今度は同時と言うわけには行かなかったが、構わず突いてやる。
「今日介って凄いよぉ!またいきそうだよ!」
何か変な自信が湧いてくるな・・・。
歩のマンコの奥深く、コリッとした突起物にごりごり擦れる。
俺にはそれは何かは分からんが、歩は堪らなく良いらしいのは分かった。
「あっ、あっ、そこ良い!良いよぉ!いくう!!」
ぐちゅぐちゅと突き入れる度に音が出る。
っと、俺も限界だ。

「出る!」
ビュクッビュクッ・・・
「あ、あぁ、うぐぅ、いく、いく、あああぁ!」
歩は俯せに倒れこんだ。
「あぁぁ・・・はぁ、はぁ、はぁ、今日介・・・」
マンコの穴からどろっと俺の出したのが流れる。

さすがに、元気いっぱいな俺も疲労困憊だ。
歩の横に俺も倒れこむ。
「僕、狂っちゃった」
「俺も、すげえ気持ち良かったけど、疲れたぁ」
歩がまとわりつく様に甘えてくる。
「今日介、好きになるのが止まんないよぉ・・・」
「受けとめてやるよ」

暫く惚けていたが、汗を流すため、二人で風呂に入る事にした。
漸くエッチの嵐から落ち着く。
「二人でお風呂に入るのも、小さい頃以来だね」
「そういやそうだなぁ」
「ねえ、将来どうする?僕戸籍女になるよ?」
「一緒になる?」
「それって・・・」
「大学は行った方が良いだろ?その後俺は就職」
「うん」
「で、歩を俺のだな、女房にしてやる」
歩がまた泣き出した。
「僕、今日介のお嫁さんになって良いの?」
「つうか、俺の事一番知ってるのお前だからな・・・成って欲しいんだ」
「嬉しい!!」
水しぶきをたてながら盛大に抱き付いてきた。
「お母さんに料理しっかり習うからね?お弁当も高校に持っていくよ」
「弁当は嬉しいな」
俺はもう歩が元男の子だったて事は気にならない。
他にこんな一途に愛してくれる可愛い女の子って絶対いねえ!
そう確信した
429京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 03:02:28 ID:2WBFRhPy
==木陰の散歩道==

何の不満が有る?目の前に居るのは、俺だけを愛し、優しく、可愛く、体の相性も抜群。
まぁそれに胡坐をかいて、良い気にならない様にしねえとな。
そんな事を、湯槽の中で俺に背中を預けて甘える歩を見て思った。

俺はその後、歩の両親と兄の前で正式に交際と将来を宣言した。
喜びさえすれ、反対などは皆無だ。
兄の「妹を頼む」には何かこそばかった。
当然俺の両親と姉貴は何の問題も無し。

日曜はおばさんに料理を習う日にした様だ。
俺の為になんだから、本当に有難いな。

月曜が来て、歩は俺に腕を絡ませる様になった。
人目なんざ気にならん。
例の二人は未練がましく歩に言ってきたが。
「歩ちゃん、今日介と何か有ったの?」
歩は落ち着いていた。
二人の耳元で歩は言う。
「僕はもう今日介の彼女だよ?何が有ったか分かるでしょ?今日介に土曜日、女にされたんだ」
もう付け込む隙も無いっつうのは、歩を見れば一目瞭然だ。
翠だけ、小さく手を叩いて喜んでくれた。
翠には感謝しきれん。
全て翠のおかげ。
なんでここまで味方してくれるのか謎は残るが。
歩と二人で何かご馳走したいと話はしてる。

これからも色々大変な事は有るだろう。
まだまだ高校生のガキでしか無い俺は、甘い考えしか持っていないかもしれん。
でも、絶対歩を誰にも渡さないし、離さない。
大親友兼恋人。
別に親友を止めた訳じゃねえんだ。
お互い一番良く知ってるんだから、こんな良いカップルはいねえ。
俺は確信を持って、格段に色っぽくなった親友を見て微笑んだ。

後、思わぬ出来事が二つ有った。
歩の家族が遊びに来た時、俺の姉貴と歩の兄が出来ちまった!
まぁこの二人は大人だから心配ねえだろ。

後一つは、翠にご馳走したんだが、びっくり。
「僕も、歩ちゃんと一緒なんだ。知らなかったっしょ?彼以外には誰にも言わなかったからね」
翠も元男の子だった!
それで味方したらしい。
事実は奇なり。
どうりで男らしい筈だと歩と納得した。

俺達の木陰の散歩道を二人で歩く。
歩をなにげに見る。
その度に歩は視線を感じ、俺に微笑んだ。
『やっぱ可愛い!』
微笑み返す俺。

「明日、家族居ないよ?ねえまたしよ?」
歩は今度は怪しく俺に微笑んだ

===END===
430京丸@ピンキー:2007/08/19(日) 03:06:29 ID:2WBFRhPy
ENDまで投下完了。
強制転換でなく陳謝。
歯が浮く程甘くなった。
たまにはお許し下され。
次回は例のシチュで挑戦してみようかと。
大作になりそうです。
プロットを整理中。
暫くお待ちください。
431名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 03:09:41 ID:avtBCm6A
GJです。
こういう甘甘なのも、たまにはいいと思いますよ。
安心して読める感じがしますし。

次も期待しております。
432名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 03:27:18 ID:peqrXw5G
京丸の芸風が広がったな。大歓迎。
433名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 03:33:21 ID:RUeKS4/q BE:559969373-2BP(0)
神職人大杉で
歓喜のあまり脳内出血
434名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 09:52:18 ID:zXGXn2oq
>>433
お兄さんお兄さん。それ致命傷。

何はともあれ職人の方々GJ!!
435名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 21:52:10 ID:pRQdbhjg
何故かかしましを思い出した
436京丸@ピンキー:2007/08/20(月) 09:37:33 ID:h1N2myDz
435>それは『気のせい』って事でW
まぁ、ああなるのが一番自然じゃないかと。
437名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 22:11:40 ID:9Tpo6n4v
やばいww甘すぎて部屋中転がりまわったww
GJ!!
438名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 10:18:23 ID:ZQlljtU2
睾丸を輪ゴムで縛り壊死させる、11歳少年の肉体をおもちゃにした兄弟−台湾
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/dqnplus/1187609668/l50
439名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 13:15:34 ID:nzstOZPL
>>438
投下してきた
440hiroshi ◆Y.43p63hRA :2007/08/23(木) 01:43:54 ID:Q8kTWHtP
前スレと、前々スレに少しずつ投下した
病気で女の子に生まれ変わってしまう、和宏君→紗希ちゃんのお話を

ちょっとだけ設定を変えて、初めから投下しなおそうと思います。
いいですよね?だいぶ同じ部分があるけど。


どうやってとんでもないほどエロいものにしていこうか、思いついたので
少し変えました。とりあえず、今日から何回かに分けて投下します。
今日のは、前投下した部分とほとんど同じです。ごめんなさい。

あゆこのお話は、その後でまた投下します。

それでは。


441hiroshi:2007/08/23(木) 01:45:50 ID:Q8kTWHtP
「下山、かわいいよ。」
「う・・・あぁ・・・ぁん」
つい6日前、学校のトイレで・・・僕を強引に犯して・・・処女を奪った
小学校のときの親友だった山崎君・・・
その山崎君の部屋・・・ベッドの上で僕は、裸になっていた。

「きもちいいか?」
「う・・・ぅん・・・きもちいい・・・もっと・・・」

ふと時計を見ると、夜の8時を回っている。
もう、帰らなきゃ・・・そういえば、放課後・・・3時45分にはもう
この部屋で裸になってた・・・

その間、山崎君と・・・3回セックスした・・・そして、一度は
山崎君のおちんちんをしゃぶってたら、そのまま顔に発射された・・・
でも、この男子中学生の性欲は・・・並外れていて
4回も射精したのに、まだ、僕の、女の子のカラダ・・・
まだ成長しきってない、女の子のカラダを弄びつづけていた。

「また、入れてやるよ。中で出すと気持ちいいだろ?」
「う・・・うん・・・」
「気持ちいいんだろ?」
「うん・・・」
「じゃあ、中で出してください、って言えよ。」
「えっ・・・?そんなの、いえないよ・・・」
「じゃあ、今までの話は全部なしな。」
「そんな・・・ダメだよ・・・」
「じゃあ、言えるな?本当のお前の気持ちを・・・」
「山崎君・・・」

女の子になって、僕は、今、初めて後悔していた。
女の子になって・・・それが、どういう意味か、少なくとも
もっと注意して生きていかなければいけないはずだった。

「あぁん・・・はぁ・・・ん」
山崎君は、返事を渋る僕の、クリちゃんをぺろ、ぺろ、と優しくなめて
442hiroshi:2007/08/23(木) 01:46:27 ID:Q8kTWHtP
僕の女の子の欲望を・・・刺激する・・・

「きもちいい・・・きもちいい・・・」
うわ言のように、僕は本当の気持ちを繰り返す。
「じゃあ、言えるだろ?この次はどうして欲しいの?下山。」
「・・・」
どうして・・・こんなことになったんだろう・・・
「下山、いえよ!」
「あぁん・・・あぁん!」
女の子になって77日目・・・山崎君のテクニックは、僕の、生まれたばかりで
敏感な女の子の性感帯を・・・性欲を刺激するのに充分すぎるほど成熟していた。
「入れて・・・セックス・・・セックス・・・」
僕は、この、小学校のころからの親友に・・・犯されて、
その後、急激にクラス中、いや学年中、学校中の女子に・・・いじめられるようになって
それで「俺が守ってやるよ」という、山崎君の言葉にすがった。

そして、久しぶりにいろんな話をして・・・女の子に生まれ変わったときのことや
いろんなことを話してしまった。

3年生の2学期に転入してきた僕・・・女の子としてのこの公立中学校での生活は
半年で終わる・・・すぐに終わる・・・そう思っていたけど
いじめられるようになると、やはり、つらい。

守ってくれる、という山崎君の言葉にすがった僕は
処女を奪ったこの男に、まだ初潮が来ていないことまで話してしまった。

「じゃあ、アソコの中に出してもOKなんだな。」
「・・・たぶん・・・」
いや、とはいえなかった。
いじめられるのは・・・学校にいる間、彼に守ってもらえないのは、
もっとイヤだった。

「セックスだけじゃなくて、どうしてほしいんだよ。」
「中・・・おまんこの・・・中にだして・・・一緒に、イこう・・・」
調教・・・されていた。
彼が喜ぶようなことを言うように・・・そう、女の子として
443hiroshi:2007/08/23(木) 01:47:38 ID:Q8kTWHtP
いや、エッチのための道具として・・・育てられていた。

でも、僕は・・・でも、ただ守ってもらうだけじゃなくて、
いけないことと知りつつも、山崎君とのセックスが
楽しくて、気持ちよくて・・・夢中だった。
帰らなきゃ・・・そう思っても、次の瞬間には・・・
もうちょっと・・・そう思うようになっていた。セックスを楽しんでいた。

どうして、こんなことになったんだろう・・・
女の子に生まれ変わって・・・どうして、こんなことに・・・

「入れてやるよ、淫乱なお姫様。」
「あ・・・あぁん・・・」
ゆっくりと・・・今日4度目のエッチが始まった。
ゆっくりと・・・僕の処女を、6日前に奪った彼のおちんちんが
僕の・・・割れ目に、強引に侵入してくる
「ふぅ・・・ぅん・・・」
しかし、僕のアソコは・・・充分に濡れて、まだ初潮もきていないのに、
悦んで男を受け入れてしまう。

どうして・・・こんなことになってしまったんだろう?

***
「母さん、なんだかおなかが痛いんだけど・・・」
その一言が全ての始まりだった。

14歳、中学3年生の春。
僕、下山和宏は東京の有名中高一貫私立男子校に通う
164センチ、56キロ、見た目も特にさえない、かといって
ブサイクでもないと思う・・・そんな
成績だけは普通の男子よりちょっといい普通の中学生だった。

とはいえ、男子校なんかに来てしまって、
2年ちょっとの間、ほとんど女の子と触れる機会は無かった。
学校が終わって、部活が終わると、家に帰る。
次の日はまた早く起きて学校に行く。その繰り返しの日々だった。

ちょっと、気になっていた下腹部の鈍い感覚・・・
「痛い」と表現するのはあまり適切ではないというのが本音だった。
ずる休みをしようとしていると思われたくなかった。
だから、今まで黙っていた。

「うーん、ちょっと・・・分かりませんね・・・」
医者に仮病のように言われた気がした。
写真をとってもなお「分からない」といわれたのだ。
444hiroshi:2007/08/23(木) 01:48:46 ID:Q8kTWHtP
大きな病院への紹介状をもらわされた僕は、二日続けて
学校も、部活も休むことになった。

「この時期に、休むなんて・・・」
中学生としては最後の大会が直近に近づいているというのに、
正直、痛みというよりただ鈍いだけの感覚で休むことには抵抗があったが
気になって仕方がないほど、「鈍さ」が増しているのも事実だった。

「君・・・下山君、だったね・・・」
大きな病院の先生は、診察室で、深刻そうな顔をしていった。
「お母さんか、家族の方はいらっしゃっていますか?」
どき、とした。
「それって・・・」

この若さで、不治の病?そういう、最悪のことを考えた。
だが、運命はそんなに単純ではなかった。
「ちょっと、服を脱いでもらえますか?」

「は、はい・・・」
先生は、立ち上がって僕の上半身をくまなく触った。
聴診器が登場するものとばかり思っていた僕は、べたべたと触られて
ちょっと気持ちが悪かった。

少し伸びた髪の毛を首筋でかきあげて、「うなじ」を確認した後、
うなずいて、僕の前に座って、話を続けた。

「下山君・・・君の体は、女の子の体へと変化しようとしているみたいだ。」
「はっ?」

どんな言葉にも驚かないようにと身構えていた僕は、ちょっと拍子抜けした。
「・・・言いにくいことだけども・・・君の感じた、下腹部の痛みね・・・
それは・・・」
先生は僕の下腹部を写したCTやレントゲンを指差しながら説明した。

「急速に・・・子宮って言うんだけど・・・女の人が子供を生む器官が発達して・・・」
僕はあっけにとられたまま、このSFのような話を聞いていた。
「同時に女性ホルモンがものすごい勢いで作られている。君の肌の質がすこしずつ
変わっていることに、気づかなかった?」
いわれてみれば・・・
445hiroshi:2007/08/23(木) 01:49:52 ID:Q8kTWHtP
「筋トレしても、なかなか筋肉がつかなくて・・・それで・・・」
「うん・・・それはもう今までのようにはきついだろうね。君の体は
もう、女性への変化を始めている。」

「なんですか、それは・・・なおせるんですか?」
先生は、少し考え込んでからこう答えた。

「治す・・・治すか・・・何をもって治すというかだね。」

先生の説明では、本来男の体である僕の中に、
女性ホルモンが間違って異常なほどはたらくことで、結果的に死ぬことになるという。
それを避けるためには、選択肢は二つ。

「女性化を止めるような手を打つか、それとも、進んで女の子へと変化するか、
考えられるのは大きく分けてこの二つです。」

それじゃ、選択肢じゃないじゃん。
選ぶのは、女性化を止めるような手立てに決まっている。

「ところが・・・」
せんせいは、僕の返答を遮って話を続けた。
「女性化を止めようとしても、止めきれるかどうかは分かりません。
おそらく成功率はほとんどない。それに、もし、成功しても
普通に男性としての機能を果たせる体に戻れるかどうかは分かりません。
正直、健康な成人男子へと成長できる可能性は、ゼロに近い・・・」
「な・・・それって・・・」
「反対に、女性化をこっちで、医療の手でちょっと手助けしてあげれば、
この状態なら、ほぼ完全に女性として生まれ変わることができるでしょう。
外見も、そして、おそらく・・・この症例は極めて少ないのですが、
下手な手を打たなければ、子供すら生めるような完全な女性へと
スムーズに変化することができます・・・」

「・・・」
僕は、絶句した。

「中学生まで、今まで男の子として生きてきたあなたには
つらい選択かもしれません・・・でも、どうしようもありません。
男性としての人生にこだわって、死んでしまう可能性が高い方にかけるか
女性に変化することを受け入れるか・・・
最終的にはあなたが、ご両親とよく話し合って決めてください・・・」

「は・・・い・・・」
446hiroshi:2007/08/23(木) 01:50:26 ID:Q8kTWHtP
とはいえ、先生によれば、選択のリミットは「3日後」だという。
僕のからだの女性化のスピードは速くて、想像がつかない。
もし、何の手を打つことなく、子宮が完全に構成されて、
女性としての生殖機能が体の中で完全に出来上がってしまったら、
僕の体の中で初潮が起きて・・・体のなかに行き場を失った血がたまり、
そうなると、生命の危機は避けられない。
3日、3日の間に決めてくれ、ということだった。

男であることにこだわるなら、男性ホルモンの過剰投与で「毒をもって毒を制す」
上に、すでにできてしまった女性としての生殖機構を外科手術で摘出する。
しかし、そのあと、男性としての機能が生き残っているかどうかは分からないし、
とにかく、リスクが大きい。

女性化を受け入れるなら、むしろ女性ホルモンを投与して
女性化を促進する。初潮が起きる前に血を出す方法だけは確保しさえすれば、
数少ないこの症例では、「男性器は、きわめて自然に女性器へと変化する」
という。
そして、その他の体つきや、外面的な変化も、「自然に」進行するというのだ。

「原因は・・・原因はなんなんですか?」
ようやく口にできた言葉は・・・原因が分かれば、何とかなるのではという
わずかな希望をこめた質問だった。

「原因?それが、分かっていないんだ。たぶん、ウィルスではないかとは思うんだが・・・
いずれにしても、どこで感染したかとか、どうやったら感染するのかはまったくわからないんだ。でも、強引にこの症状を説明しようとすれば・・・」
「しようと・・・すれば?」
先生は一瞬僕から目をそらして、深呼吸をしてから、僕に告げた。

「この症状を、病気、と私が言わないのは、いままで何人かの男の子が
この症状を経て、ある人は死に、ある人は意地で男としていき続け、
そして、最近はほとんどが女の子に変わっているが・・・
女の子として生まれ変わる決断さえすれば、まったく普通に生活できるからなんだ。
つまり・・・からだが女の子になりたがってるというしかない。
我々が、医者が、医療が助けてあげられると思うのは、
様々な障害を抱えた男性に留まることではなく、
普通の女性となって健康な体を再び得て、新しい人生を始めることだと、
思うんだ。」
447hiroshi:2007/08/23(木) 01:51:23 ID:Q8kTWHtP
「じゃあ・・・原因は・・・」
「人間は、不思議なんだ。畑の大根だって、同じところで同じように育てているのに、
二股になったり、曲がったりするだろう。君の体は・・・
女の子へ変化するように、育ってしまったんだ。原因は、まだ分かっていない・・・」

「分からないんですね・・・」
「そうです。残念ながら。」

先生は、また深く深呼吸をした後、こういった。
「下山君、君は女の子に生まれ変わったほうがいい。
そして、普通に、女の子として生きていけるように、我々は全力でサポートする。
まだ、この手術をしたことはないが
上手くいく確信はある。」
「男のままでいようとすれば・・・?」

「・・・君の症状は・・・今までにも何人かかかる人がいたんだ。
その人たちは、原因不明のままみんな死んでいった。
女の子に生まれ変わることで、普通に生活できることが分かったのは、つい最近のことで、
だから、私に言わせれば、君は運がいい。
女の子に生まれかわることが唯一の治療法、とわかったからには、
それほど難しい症状ではないんだ。」

「今まで、それで、女の子に生まれ変わった人は・・・いないんですか?」
「うん。実は、一人、別の病院でいたんだが・・・その人は・・・」
「その人は・・・いったいどうしたんですか?」
「女の子に生まれ変わることを拒否して、ビルから飛び降りてしまった。」
「・・・そんな・・・」

僕は、息を呑むとともに、その、飛び降りたという人の気持ちが分かる気がした。
「だからこそ、願うんだ。君には、普通の女の子として生きていく
高い可能性がある。だから、そっちを選んでくれないだろうか?」

会話はしばらく続いた。僕にはまだ決断がつかなかった。
われを失ったまま、待合室で待つ僕に、父と母が飛んできて、声をかけた。

「和宏!」
「わあっ・・・」
448hiroshi:2007/08/23(木) 01:52:00 ID:Q8kTWHtP
両親を目の前に、僕は突然涙が止まらなくなった。
はっきり言って、情けなく、そして申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
原因となるような出来事が次々と思い浮かぶ・・・
2週間前に食べた、賞味期限の切れたプリンのこと、3週間前に転んで頭を打ったこと・・・

父が先生に説明を受けている間、僕は母の胸で泣き続けた・・・
それも、そんな風にずっと泣き続けたことも、きっと、女の子へと
僕が変化しつつあるひとつの兆候だったのかもしれない。

かえって、ゆっくりと家族で話し合ったが、
選択肢はひとつしか無かった。

数字や資料は雄弁に語っていた。僕の進むべき道がひとつ、女の子としての人生だと。
釈然としないまま、納得しないまま、僕もとにかく
「女の子になるための」治療に同意したのだった。

少なくとも・・・僕が生きていてさえくれれば・・・といって
大粒の涙を流す母・・・そして、普段は見せない涙を見せた父・・・
僕は・・・両親にとって息子、である以前に、子どもなのだ。
両親の愛の結晶であり・・・失うことのできない・・・
そう思ったから、決断できた。

「お父さん、お母さん、僕・・・女の子に生まれ変わって、女の子として生きていくよ・・・」
そう、決断したころには、その日の日付は変わろうとしていた。

だが、その決断は悪夢の始まりでもあった。
普通の男子中学生だった僕の、転落の始まり・・・
お医者さんの言うことは、単に体の健康のことであって
女の子に生まれ変わった僕がどんな人生を送るのかとは無関係なことだと
このときはまだ知らなかった。

「治療」はスムーズに女の子に生まれ変わるためのもので、
その日から、女性ホルモンの投与など、「女らしい」体を
積極的に作り出すという、男としては屈辱的なものだった。

「すごいんですね。現代の科学って・・・」
449hiroshi:2007/08/23(木) 01:52:35 ID:Q8kTWHtP
そんな言葉を生返事でしゃべっては見たものの
自らの体に、男を捨てるための薬をわざわざ流し込むなんて
いったい僕は・・・何のために生きているのか・・・

ただ、その治療も即効で効果が現れてくるというものでもない。
ゴールデンウィークをはさんで、6月の中旬までは、男として
学校に通っても問題ないほどの変化しか出ないという。

そして、予定では6月の下旬に・・・
僕は入院して、「集中治療」と「手術」をうける。
そして、女の子として生まれ変わるのが7月にはいったころだという・・・

その後は、男子校である中学校に通うことはもちろんできない。
今の友人たちとも、あと1ヵ月半でお別れだ・・・

だが、感傷に浸っている暇も無かった。

「これは、女の子として生まれ変わった後の、君の幸せを思ってなんだが・・・」
先生が言うには、当然のことながら、「女の子としてのあれこれ」
を学ぶ必要があるという。

ぎりぎりまで、今の学校に通うことを望んだ僕。
しかし、自分が女の子になることが次第に現実的になっていくにしたがって
男の子たちの中にいることが不思議に、そして苦痛になってくるのだった。

周りには、僕は変わらず男でしかないのに、次第に女の子のそれへと変化していく
僕の体と、心。
少しずつ膨らんでくる、胸。
お尻が少しずつ大きくなってくるのも分かる。
肌は柔らかく、白くなっていって、生えるようになってきたひげも生えなくなっていく。
産毛、としか呼べないようになっていく。

「和宏、胸、また大きくなったわね。言いにくいんだけど、もうそろそろ、ブラ・・・」
「やめてくれよ、かあさん!」
僕は、大きくなっていく胸を、ただの布をきつく巻いて
誤魔化して、そして学校に通っていた。ブラジャーなんて・・・
450hiroshi:2007/08/23(木) 01:53:14 ID:Q8kTWHtP
そんな、胸を綺麗に見せるための・・・形を保つための下着だと知っていたから
絶対に身につけたくない。僕の意地だった。

そんな、自分を今までと換わらないように見せる努力は少しは功を奏して
外から見れば、それほど気にならないかもしれない、という状態を保つことができていた。
でも、自分では少しずつ変わる自分の体が、悔しくてたまらなくなっていった。
そして、男の子たちの中ですごすことがつらくなっていって
毎日、帰ってから泣くようになってしまった。

「和宏・・・もう、学校はお休みしてもいいのよ。」
「嫌だ・・・絶対に手術まではかよう・・・」
だって、いつのまにか病気は治ってしまうかもしれない。奇跡は
いつ起こるとも限らない。でも、
休んでしまったら・・・それは僕が負けを認めて
女の子になることを、もう受け入れてしまうことになるような気がして・・・
絶対に・・・意地を張り通して、最後まで・・・いや、
この先もずっと、男として生きていくつもりで、毎日を何とか過ごしていた。

でも、その毎日は、残酷に過ぎていく。先生の言ったとおりに
毎日、少しずつ変化していく、僕の心と体。

「和宏、やっぱり最近、調子悪そうだ。」
親友の豪がそんなことをしきりに言ってくる。

「あ、うん。ちょっとな。」
自分の声が、どんなにおさえても少しずつ高くなっているのが分かる。
もう、限界であることは分かっていた。

「豪、俺、しばらく学校これないかもしれないな・・・」
「おい、本当に大丈夫なのか?どこかわるいのか?」
「はは、冗談だよ。」

豪は、同じ小学校から中学受験で入ってきた、大親友だった。
でも、そんな豪にすら、本当のことを打ち明けられなかった。
僕は、一人ぼっちのような気がしていた。
451hiroshi:2007/08/23(木) 02:00:44 ID:Q8kTWHtP
そんな、胸を綺麗に見せるための・・・形を保つための下着だと知っていたから
絶対に身につけたくない。僕の意地だった。

そんな、自分を今までと換わらないように見せる努力は少しは功を奏して
外から見れば、それほど気にならないかもしれない、という状態を保つことができていた。
でも、自分では少しずつ変わる自分の体が、悔しくてたまらなくなっていった。
そして、男の子たちの中ですごすことがつらくなっていって
毎日、帰ってから泣くようになってしまった。

「和宏・・・もう、学校はお休みしてもいいのよ。」
「嫌だ・・・絶対に手術まではかよう・・・」
だって、いつのまにか病気は治ってしまうかもしれない。奇跡は
いつ起こるとも限らない。でも、
休んでしまったら・・・それは僕が負けを認めて
女の子になることを、もう受け入れてしまうことになるような気がして・・・
絶対に・・・意地を張り通して、最後まで・・・いや、
この先もずっと、男として生きていくつもりで、毎日を何とか過ごしていた。

でも、その毎日は、残酷に過ぎていく。先生の言ったとおりに
毎日、少しずつ変化していく、僕の心と体。

「和宏、やっぱり最近、調子悪そうだ。」
親友の豪がそんなことをしきりに言ってくる。

「あ、うん。ちょっとな。」
自分の声が、どんなにおさえても少しずつ高くなっているのが分かる。
もう、限界であることは分かっていた。

「豪、俺、しばらく学校これないかもしれないな・・・」
「おい、本当に大丈夫なのか?どこかわるいのか?」
「はは、冗談だよ。」

豪は、同じ小学校から中学受験で入ってきた、大親友だった。
でも、そんな豪にすら、本当のことを打ち明けられなかった。
僕は、一人ぼっちのような気がしていた。
452hiroshi:2007/08/23(木) 02:01:26 ID:Q8kTWHtP
女の子になったら・・・たぶん・・・というか当然
男子校である今の中学校に通い続けるわけには行かないだろう。
そうなると、豪ともお別れだ。小学校のときからの親友と
こんな形で別れるなんて・・・

その時、胸がきゅん、となるのを感じた。
「なんだろう、この感じ・・・」
豪のことを考えると・・・どきどきが止まらないことに気がついた。

「豪・・・ずっと・・・一緒にいたいのに・・・」
そう、自分の部屋で、一人つぶやいてみて・・・
認めたくないけれど、自分の気持ちが・・・
豪に対する気持ちが・・・今までとは全然変わってしまったことに気づいた。

「・・・豪・・・豪の・・・ことが、僕・・・好きなんだ・・・」
女の子に・・・僕は、体だけじゃなくて、心も、女の子に変わりつつあることを
自覚した。

「間違いのないうちに・・・」
そして、もう一人の古い親友のことが頭に浮かんだ・・・

「山崎・・・元気かな・・・」
小学校のとき、僕と豪と三人でいつも一緒だった山崎のことを
思い出した。

女の子に生まれ変わったら、とりあえずこの中学校3年生の残りの期間
2学期と3学期は、地元の中学校に通うのが、普通だろう。
そこにいる・・・もう一人の親友だった男のことを考えるようにした。

「豪・・・もう、だめだ・・・ごめん」
心まで、女の子に生まれかわりつつあることを、はっきりと認識した僕は
豪のことを・・・男の子として好きなことに、気づいてしまった。

男として生きていくことが完全に限界であると感じたのだった。

そして、その日を最後に僕は中学校に通うのをやめて
453hiroshi:2007/08/23(木) 02:02:37 ID:Q8kTWHtP
2日後には、最終的な「手術」のために入院した。

手術の朝、眠ることができずに、親友の豪に「本当のこと」を綴った手紙を残した。

「もし、生まれ変わった俺をかわいいと思ったら・・・」

自分が、心すら女の子に生まれ変わりつつあったこと、
あのときの気持ちは・・・今から考えればそのことをはっきりと示していたように思う。

「生まれ変わった俺を・・・」
その言葉を書いた瞬間、僕は顔を真っ赤にして、
その部分を線で消して、そのページをくしゃくしゃに丸めて、
新しい便箋を取り出して・・・
でも、その先を書くことができないまま・・・

手術の時間がやってきた・・・

「明日の朝、起きたら、それからが君の新しい人生だよ。」

僕は2ヶ月間僕を苦しめたこの病気との闘いが、とにかく終わることのうれしさと
男としての自分が、少なくとも肉体的には完全に消えてしまうことの寂しさを
両方感じながら、オペ室のベッドの上で小さくうなずいた。

上に光るいくつものライトがまぶしい。そう感じた次の瞬間
全身麻酔が僕の記憶を突然中断させた。

そして、次の瞬間、僕は、完全な女の子へと生まれ変わっていた。
そして、その日から、「女の子」として生きるための教育がはじまるのだった。
「これ、着るの?」

母が用意してくれていた、女の子の服。
病院の中できるものだから、ただの女の子用のTシャツと、
女の子用のショートパンツだったけれど、
初めて着る・・・女の子の服は抵抗があった。

「なんだか・・・はずかしいな」
僕は、白いパンティに続いて、女の子用の短パンに脚を通すと、
体が女のこのものであることや、声が女の子のものであること以上に
自分が女の子になってしまったことを実感した。
454hiroshi:2007/08/23(木) 02:03:45 ID:Q8kTWHtP
病気という特別な事情で、女の子になった僕にまっていたのは、
新しい戸籍、男子校からの退学、地元の公立中学校への編入手続という
女子中学生としての、新しい人生をはじめるための、こまごまとしたことだった。

と、書けば簡単なことに思えるが、実際にはとても面倒くさくて
お金もかかるし、時間もかかるし、とんでもない労力を伴う、出来事だった。

考えてもみてほしい。僕は、女の子として生まれ変わった。
下着からなにから、今まで使っていたものでこれからも使えるものがほとんどないのだ。
女の子の体が正常に機能していることを確かめるための
「健康診断」だけで2日間もかかったし、戸籍を書き換える作業は
あまり僕には関係なかったけれど、

病院から退院した後には、洋服や靴も、一通りそろえないといけない。
女の子に生まれ変わることで一回り小さくなった僕の体には
今までの服は、サイズ的にも合わない。
学校が変わるということは、それだけでもいろんな準備をしなければいけないのに
僕の場合は制服のサイズから計りなおさないといけない。
150センチ、36キロ、バスト70センチ、ウェスト51センチ、ヒップ73センチ、
靴のサイズは21センチ、視力は両目1.5
それが、女の子として生まれ変わった僕の、新しいサイズだった。

少しずつ、体が小さくなってきたことは分かっていた。
でも、いちいち計っていなかったから、
男だったときの・・・最後の、春の身体検査よりも14センチも小さくなって
体重なんか20キロ近く落ちてしまっている。

「女の子に体が変化するのに、君の体はそのくらい体力を使ったんだ。
入院しているあいだはもちろん、退院してからも
栄養のあるものを食べるようにね。お母さんにもいっておくよ。」
先生の言葉を信頼するしか、今の僕には頼るものがない。

「あれ、なんだか・・・遠いなぁ。」
足の長さが少し変わっただけでも、結構歩くのが大変だ。
向こうに見えているトイレや自動販売機に向かうだけでも
455hiroshi:2007/08/23(木) 02:04:21 ID:Q8kTWHtP
感覚よりも遠いように感じる。
この体に慣れるまでには、病院のなかの「リハビリ」だけではとても足りなかった。

それでも、病院の先生に言わせれば
「こんなにスムーズに女の子の体に生まれ変わることができるとは思わなかった」
らしい。僕は、手術の一週間後、退院するときには
まるで普通の女の子のように歩いて、普通の女の子のように話していた。

もちろん、口調や身のこなしまで女の子のそれにすっかり生まれ変わったというわけじゃない。
女の子の体が、男とつくりが違うことで感じる違和感はたくさんあったし、
退院した後、社会に、女の子として復帰すること自体が、
特殊な病気にかかった僕の、大きな挑戦でもあったし、
現代医学の挑戦でもあったという。

「たとえば、これが体だけの症状で、君の頭の中や心の中は
男のままだとしたら、このあと、性同一性障害として少しずつ
男に体を戻していくような治療もありうるんだけど・・・」

一瞬、僕は、「男に戻る」ことが選択肢にあるような希望を覚えた。

先生は、僕自身の体のいろんなことについて説明をしてくれた。
そのなかでも、僕が女の子として生きていくべきだと結論付けた。決定的な理由は・・・

「少なくとも医学的には、君の心や精神のありかたまで、女の子のものに
少しずつ変化しているようなんだ。
だから、君は、女の子としてのいろんなことを学んで、女の子として生きていくのが
いいと思う。」

科学的な事実に基づく意見だけに、冷静すぎて、残酷にも響きかねない言葉だった。
「そ、そうなんですか・・・」

僕自身の心までが、女の子のそれに変化しつつある・・・
血やおしっこを調べるだけで・・・そんなことまで分かってしまうのか・・・
そんなことまで、決められてしまうのか・・・
456hiroshi:2007/08/23(木) 02:05:53 ID:Q8kTWHtP
僕は、何か納得のいかない気持ちをいだいたけれど、
目の前にある自分の体が、女の子のものであるという事実は
動かしようもないものでもあった。
女の子の体も、心も、僕の一部として、まだ消化できていなかった。

そして、7月の中旬。
女の子として生きていくことを余儀なくされた僕は、入院して、手術して
一週間くらい、女の子としての「リハビリ」を続けていた。

そんな僕にも、15回目の誕生日がやってきた。
誕生日のその日、僕は女の子になってから初めて外出を許され、
自分の家に帰って、家族とともに誕生日を祝うことを許された。

母が持ってきた、僕が初めて外で着る女の子の服は、
夏らしい水色のワンピースだった。

「これ、どうやって着るの?」
女の子の生活は、初めてのことばかり。普通のスカートすら、
穿く、ということをしたことがなかった僕には、上と下がつながっている服の
着方など分かるはずもなかった。
病院の中で着られるような・・・女の子用でも、
男物と大して変わらないようなTシャツや短パンしか知らなかった僕には
初めての女の子の服・・・初めてのスカート、初めてのワンピースは
自分が女の子になったことを改めて実感させるものだった。

家に帰って、誕生日を祝う、
と、いっても、家族は両親だけなのだが、
この日ばかりはちょっと違った。
僕が、女の子として生まれ変わり、女の子として社会の中で生きていくために、
幼馴染で、隣の家に住む、香澄さんが僕の誕生日と、そして新しい人生を
お祝いに来てくれたのだった。

「かずくん。大変だったね。あっ、もうかずくんじゃおかしいのか。
とにかく、女の子として生きていくのに、あたしのことを本当のお姉さんだと思って,,
たよってね。」
457hiroshi:2007/08/23(木) 02:09:03 ID:Q8kTWHtP
「香澄さん・・・ありがとう・・・」
僕は、女の子になってから・・・いや、この体が女の子に変化し始めてから
明らかにゆるくなった涙腺から、温かいものを流して、香澄さんの言葉に感動していた。

「それで、これからの和宏の・・・いや、君の名前なんだが・・・」
父が気恥ずかしそうに話し始めた。
「はいっ。」
僕は緊張する。

「紗希。新しい名前は紗希だ。」
大きく半紙に書いた名前を僕にも見せる父。
「今日は、紗希の新しい人生の始まった日ね。」
母も、うれしそうに微笑んでいる。

「紗希・・・今日から・・・お・・・あたしは、紗希・・・」
驚くほどに女の子らしい名前に、僕はとまどう。
ああ、本当に女の子になっちゃったんだな・・・
そう心の底から思うのもいったい何度目だろうか・・・

誕生日のケーキには、15本のろうそくと、そして、
これから名前を書くように、チョコレートのホイップが用意してあった。
「紗希」と僕は自分で書いた。自分の、これからの名前をはじめて書いた瞬間だった。
まだ慣れない、自分の名前。

ふうっ、とろうそくの火を消したとき、「紗希」という名前が自分のものだと
不思議に実感した。

女の子になった僕・・・普通の両親と娘の会話・・・
まるで、昔から娘だったような、幸福な風景。

女の子らしいのは、体だけでも、服装だけでもなくなった。
名前が「紗希」となったときから、もう僕は和宏じゃない。
下山紗希・・・本当に女の子になってしまったことの違和感はまだ消えない。

僕は自分の部屋に、久しぶりに入った。
女の子になる準備は、入院する前から始まっていたけれども、
まだまだこの部屋は男の子の部屋だった。
「女の子になったらいらないものは全部かたづけようね。」
458hiroshi:2007/08/23(木) 02:09:38 ID:Q8kTWHtP
香澄さんが部屋に入るなりそう言った。
「うん・・・」
ぼくは小さくうなずいたけれど、心の中では納得していなかった。
男として僕が育ってきた、さまざまな証拠を、
女の子になったからといって、捨て去るなんて・・・

でも、香澄さんの言ってることは正しかったのも事実だ。
下着や服のほとんどは女の子になった今、不要なものだし、
漫画や雑誌やCDはともかくとして、
なんというか、この部屋には

「女の子の部屋のふいんきがないんだよねぇ。」
香澄さんが僕のベッドにすわってそう言う。

「そんなこと・・・僕は・・・別に・・・気にしないんだけど・・・」
香澄さんがぼくを、きっ、とにらんで言い返す。
「そりゃ、ベッドも枕も、このままでも寝られるし、勉強する机だって
あのままでもいいけど。でも、あなたは女の子になったんだよ。」

どきっ、と胸が鳴る。
立ち尽くしたままの僕はまだ、自分が「女の子」だと指摘されるたびに
違和感を感じる。そして、ひとつさっき間違いを犯したことに気づいていた。

「まずはこれから剥がそうか。」
香澄さんはベッドの横の壁に張ってあったアイドルのポスターを剥がした。
「あっ、やめて!」

「どうして?女の子の部屋にあったら変だよ。それから、さっき僕って言ったでしょ。」

「はい・・・ごめんなさい・・・」
「ごめんなさいじゃなくて、女の子になって、女の子の輪の中にも入っていかなきゃ
いけないんだよ。紗希ちゃんにはその自覚が足りないなじゃない?」

「自覚、ですか?」
紗希ちゃん、というのが自分のことだと分かるのにもまだほんの少し時間のかかる僕に
女の子としての自覚なんてない。
459hiroshi:2007/08/23(木) 02:10:13 ID:Q8kTWHtP
「そう、これからは、道を歩くときも男の子じゃない。女の子なんだよ。
電車に乗って大股開きでふんぞり返ることも許されないし、常に
男の目線を気にして生きないと、女の子として生きていることにならないでしょ。
あたしが呼ばれたからには、紗希ちゃんをちゃんと女の子にしないと、
紗希ちゃんのお父さんやお母さんにも申し訳ないし。」

女の子としての・・・自覚。
手術の後、毎日のようにいろんな女の人が来て
僕に女の子の心得を何時間も教えていった。

女子トイレでの作法すら知らなかった僕には、覚えることすら大変な数の
女の子として生きるための数々の決まり・・・ルール。
でも、そんなこんなを一言「自覚」と表現されると、
なんだか・・・すっきり頭に入る気がする。

「あたしが女の子である・・・そういう自覚ですか?」
「そう、紗希ちゃんは女の子なんだから、もう男の子じゃないんだから。
ただ女の子のまねをして生きるだけじゃなくて、
女の子として、生きるんだよ。わかる?」

「女の子のまねじゃなくて・・・女の子として・・・」
僕は、なんだかすっきりしたような気がした。
その二つが全然違うことだというのは、なんとなくだけど分かった。

「おかまのお兄さんや女装するおじさんとは、紗希ちゃんは違うの。
だから、あたしが、紗希ちゃんをちゃんと、女の子に育て上げるって、
あたしは紗希ちゃんのお父さんとお母さんに約束したの。
紗希ちゃんの、今日からお姉さんなの。」

「香澄さん、よろしくお願いします。」
熱く語りかける香澄さんに、僕は感動せずにはいられなかった。

初めて聞いたことだった。香澄さんは、隣に住む幼馴染としてだけではなく、
「お姉さん」として、僕を・・・女の子らしくする同世代のお姉さんとして、
お姉さんとなるように。両親からも頼まれていたのだった。
460hiroshi
「よろしい、夏休みの間に、女の子として独り立ちできるように頑張ろうね。」
「はいっ。」

香澄さんは、美しくて、かわいくて、小さい頃から僕の憧れだった。
さすがに中学生くらいになると、隣の女の子と遊ぶということは少なくなったけれど、
ずっと、ずっと、憧れだった。

その香澄さんが、今ぼくの「お姉さん」として、僕を女の子として・・・育てるという。
香澄さんみたいになれるのなら・・・女の子も悪くないかも・・・
僕はそう思った。
女の子になって、初めて・・・目標ができたような気がした。

「退院はいつなの?」
「明日の夜、また病院に戻って、たぶん一週間くらいいろんな検査のためにまだ
病院にいてくださいって、いわれてます。」
「ふうん、じゃ、一週間か。それと、明日はどうするの?」
「あしたは・・・夜までうちにいれるから・・・」
「それじゃ、買い物にいこうよ。女の子のものをいろいろとね。」
実は、初めからその予定になっていた。

「はい、実は、お母さんとはそういう予定になってたんです。香澄さんも、きてくれるんですか?」
「うん。行くよ。紗希ちゃんが女の子になれるように、お手伝いするんだ。」

香澄さんの目は輝いていた。
一人の、幼馴染の男の子が突然女の子に生まれ変わって、
その子を自分の妹として育てられるなんて、それは確かに楽しいことに違いないと、
後になって思った。

香澄さんは、僕よりもひとつ年上の女の子だった。
僕と香澄さんが育ったこのあたりは、大企業のエリートや、有名人も住む
ちょっと郊外の住宅街で、二人とも子供のころにここに引っ越してきた。

それは、幼稚園のときのことで、お互い一人っ子の僕たちは
きょうだいのように育ったというのが、正当な評価だと思う。