らき☆すたの女の子でエロパロ7

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891名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:38:15 ID:mnUe17sH
なんか懐かしいノリでワロタwww

まぁ人物名は……頑張ってくれ
892名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:38:26 ID:ZSlr7cJF
すまん、途中まで読んでたが
訳分からなくなって挫折した…
893>>887:2007/07/19(木) 21:41:23 ID:KhIdkru8
本当は名前入れないでやりたかったんだけど
どうしてもワロスとかktkrのネタ入れたかったから…
「ワロス」まで書いて自分でも誰が言ってるのか分からなくなってしまったんorz
894名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:42:10 ID:wyYR1qaG
テラシュールwww
読者置いてけぼり感がたまりませんなw
二度目はなさそうだけど・・・
895名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:44:55 ID:SGKtx7vA
改めて、口調や口癖のトレースって重要だなと感じる・・・
896>>887:2007/07/19(木) 21:48:14 ID:KhIdkru8
>>894
すまんネタわからなすぎたかも
ムスカとか2chとかウルウルとか荻野とか遊戯王とかパッションとか
ネタ詰め込みすぎたかも…
誰か俺を殴ってくれ
897名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:49:38 ID:vOisLb2D
トレースって結構難しいんだよなぁorz
オリジナルばっかやってると特に

初めは最悪こんなのでも(自分は)いいと思う
つかさは言った
「ねーこなちゃん」
それにこなたは答えた
「ん〜」
みたいなの。そこに行動の描写を挟んでいくとか。
ノートになにかを書きとめながら、つかさはこなたにたずねた
「ねーこなちゃん」
「ん〜」
とか。
まぁ、自分もまだまだ初心者ですが参考程度になれば
898名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:49:55 ID:mnUe17sH
>>896
俺はお前の勇気に花束をやりたいくらいだが
899名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 21:51:12 ID:ZSlr7cJF
>>896
とりあえず、問題点はそこじゃない、とだけ言っておく。
900名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:19:58 ID:dvQ9SiGQ
創作のお供にと頼んだPHSが届いて『中にWindowsMobile6が入ってて、
専用プレイヤーがあるけど古いからダメだろー』とか思いながらちくちくいじってみたら、

ttp://ranobe.com/up/src/up202069.jpg

思いっきり麦茶吹いた。


>>853
こなたの純粋な願いが届いた、という気持ちに胸を打たれました。
母がいたからこその「今の幸せ」という感じですね。
素晴らしいお話、本当にありがとうございました。
901名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:26:39 ID:qoYZu5tS
>>900ちょっ!マテ。WinMでも動くのかよw
902名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:28:26 ID:qwuu/ZSe
>>896
そんなに気を落とすなよ
少なくとも、俺はニヤニヤしながら楽しめた

勢いに任せて走り抜けるのは、若さの特権だと思うぜ?
903名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:29:34 ID:SGKtx7vA
>>900
SUGEEEE!!
うちの[es]はWM5だがちょっと調べてくるw
904名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:55:49 ID:qYASpm23
俺のiPAQ(WM2003)でも導入できたwww
905Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:10:18 ID:Zcvggujh
OK、小説の神様が舞い降りてきたようだ。
TU-KAどうみてもエロの神様です本当に(ry


枯れ木も山の何とやら、楽しんで頂ければ幸いであります。
でわでわ、ゆーちゃん×みなみちゃん小説第二段、
Shifting Heart -episode2-をどうぞご賞味あれ。
906Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:11:13 ID:Zcvggujh
「おはよう、みなみちゃん」
「おはよう、ゆたか」

 ある日の学校。朝、二人が交わすいつもの言葉。
……ちなみにひよりはというと、

「うわぁぁ! 締め切り今日だーっ!!」
残念ながら徹夜三日目でそろそろ学校のことなど頭から欠落し始めていた。
両親曰く、余りの絶叫と集中オーラで部屋に入ることもできなかったとか。
「……何とか間に合ったけど、走馬灯が見えたっス」
とは、翌日のお話。

見回した教室は、まだ時間も早く誰も居ない。
深閑とした教室の中で、二人は何ということもなしに見つめあった。

誰もいない。まだ誰も。ちょっとくらい──うんうん……
お互いにお互いを想っていても、ここは学校。
おふざけや冗談ならともかく、女の子同士でカップルなんて……



ガラッ。
「うひゃぁっ!」

丁度一人の制服が教室に入ってきた。
気がついてゆたかが時計を見ると、たっぷり10分も経過していた。
振り返ってみなみを見ると、その顔はほんのり紅潮していた。

でも。
「ゆたか、顔、赤いよ。大丈夫……?」
「え、あ、だ、大丈夫だよ」
自分まで紅潮していた等とは露知らなかったゆたかであった。

ちなみに、これで噂が真実の姿へと近くなったのは言うまでも無い。



3時間目は体育。それもバレーボール。
コートの中をあちこり動き回り、ボールをジャンプして迎え撃つなど、
到底ゆたかにはできない。従って隅っこで休み、見学する。
はずだった。今年は、今回は、いつもと違う。
今回は、見学する場所が違った。みなみがその長身を活かして次々とサーブを決める、
そのコートの隣だ。

「みなみちゃん、がんばれー!」
ゆたかの応援にみなみは応え、一際大きいジャンプとスパイクで誰をも取れない一撃を放ち、
一点を自らのチームに入れた。
みなみはゆたかへと振り向き、微笑む。そしてまた強烈なサーブを打つ。
その繰り返しだった。

が、それでいくつか不満が出てきた。全く勝負にならないという相手チームの愚痴以上に、
「私も打ってみたい」というチーム内の発言が増えてきたからだ。
無論これに逆らって、「勝つ」ことを目標としない授業に対してずっとサーブをやる道理も無い。
「うん、いいよ。ごめんね、私ばかりで」と快くボールをクラスメイトに預けた。


悲劇はそこから始まった。
907>>896:2007/07/19(木) 23:12:10 ID:KhIdkru8
みんなアドバイスサンクス
ちょっと突っ走っちゃった感があるので
こんどは少し癒されるの書いてこようと思う
908Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:12:36 ID:Zcvggujh
サーブ主がみなみでなくなったのに気をよくして、今度は相手チームがどんどんと点を入れ始めた。
みなみも必死になって返すが、勢いづいた上に力のある男子のスパイクは中々かわせない。
そんな折、ある男子の一撃がみなみの腕を捉えた。
「あ……っ!!」

ボールはネットの向こうではなく、あらぬ方向──よりによってゆたかの方向へ──飛んでいった。

上がる悲鳴。立て続けに起こるどよめき。
何より、その中で呆然と全てを眺めていたみなみが、誰の目にも痛々しかった。
だが彼女は機転が早い。ハッと我に帰るが早いか、
ゆたかを抱き上げて保健室へと猛烈な速さで走っていった。

余談ながらそこにいた陸上部によれば、是非とも勧誘したかったとか。



「……ん、あれ、私、体育館で……? あ、みなみちゃ」
「ゆたかっ!!」
みなみはゆたかの身体をひしっと抱きしめた。
華奢で小さなその身体を、思い切り。
「ごめん、ごめんね、ゆたか。私が、私がボールを……」
慌てふためいて、目から溢れ出した大粒の涙を拭おうともせずに、
ただひたすら、ゆたかの身体にしがみ続ける。

みなみが初めて見せた、ゆたかへの涙だった。
「ごめんね、ごめんね……」

寡黙な口と一見して冷たい風貌の所為で、友達らしい友達はいなかった。
男子からは「暗くて冷たくて……近寄りたくない」と陰口を叩かれた。
一時期、そんな自分が嫌で無理に明るく振舞ってみた。
そうしたら今度は女子に「愛想を振りまいていい顔をしているブリッコ」と言われ、
完全に孤立した。

嫌で嫌で、部屋でひっそりと泣いた。何度も何度も枕を濡らした。
自分が生まれついた星を呪うほどに何度も何度も泣き腫らした。

そんな時に出逢ったのがゆたかだった。
最初は、入試の日に受験していた誰かの妹、それくらいの気持ちだった。
否、それ以上の感情など、持ち合わせられるはずも無かった。
この時既に心は凍っていた。いっそ高校なんて行きたくないとさえ考えていた。
だから彼女に会ったことも、ハンカチを渡したことも、一時の親切として
完全に心の中から消し去っていた。

ところが彼女はまた現れた。今度は自分の同級生として。
"暗くて、冷たい"はずの自分に、温かい笑顔を向けてくれて、「ありがとう」と言ってくれた。
その時にみなみは気付いた。自らの卑屈さに。
自分が前ではなく地面を向いていたことに。

いつの間にか、周りの言葉に合わせて"暗くて、冷たい"自分を演じていたことに。


その日からみなみの中で、ゆたかという誰よりも大切な友達ができた。
友達どころではない、親友──もっと、もっと大切な人になった。
それがいつしか「好き」という気持ちに変わっていた。
それはどんどん、「大好き」に変わって、そして誰よりも大きな、「愛」になった。
もちろん、ひよりも好きだし、もっと後で仲良くなっていった人達も、
皆みんな好きなことには変わりない。
それでも、ゆたかだけは特別だった。特別な「大好き」だった。
909>>896:2007/07/19(木) 23:12:45 ID:KhIdkru8
うわ…割り込みすまんorz
910Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:14:02 ID:Zcvggujh
どれくらい経っただろうか。みなみの涙が涸れた頃、ゆたかはみなみに言葉を掛けた。
それまでは、強く抱きしめてくるみなみに対して、暖かく背中に手を回しているだけだった。
「みなみちゃん──いいんだよ」
「え……?」
ハッと顔を上げるみなみに、ゆたかはゆっくりと答える。
「いいんだよ。私はそんなに痛くないし、ただの事故だって事も分かる。
 あの時ボールが飛んできたのに避けられなかった私が悪いんだし、
 みなみちゃんが飛んできたボールを返せなくても、何も悪くない。
 ただ、ちょっとだけタイミングがずれちゃっただけなんだよ。
 私は大丈夫だから、元気出して。ね?」
「ゆたか……ゆたか……」

みなみは、ゆたかに危害を加えた、『その事だけ』に係留して泣いていた訳ではないことを、
泣かれていた当の本人は知っていた。
自分がほんの些細なことで、消え去ってしまうのではないか、
自分に嫌われてしまうのではないか。
「みなみ」という存在が、「ゆたか」を大切に想う資格を失うのではないか。
そんな脆い心を携えた、本当の"岩崎みなみ"を知っている小早川ゆたかであるからこそ、

「じゃあ、私がみなみちゃんのこと何にも思ってないって、証拠見せてあげる」
「え──

心からの口付けを交わすことができたのだった。



夕方の保健室。既に保健の先生も学校を後にし、暮れ時の紅が辺りを包んでいる。
野球部やサッカー部の怒号が遠くに響き、教室に残っておしゃべりを楽しんでいる生徒が
そろそろ帰ろうという頃に、二人は保健室のベッドで愛を確かめ合っていた。

「ん……ちゅぱ……みなみちゃん……」
「んん……ゆたか……」
二人のキスが終った後に引く銀色の糸はどこまでも切れることなく長く、
それさえも重力に引かれて落ちる前に、二人の口は、舌は再び交じり合う。
ちゅぱちゅぱと淫靡な音を立てて、ゆたかの積極的な舌にみなみは翻弄されて、
キスは延々と続く。

「みなみちゃん……」
「なに……?」
「胸、大きくなれた……?」
「ううん、まだ……」
そんな小さな言葉の端から、心遣いではない、本当の愛の声が聞こえる。
そしてその声を出す口が、小さく動いた。
「じゃあ、私が大きくしてあげる」
911Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:15:20 ID:Zcvggujh
ゆたかは体操着の裾からスルリと手を滑り込ませて、みなみの胸をサワサワと擦り始めた。
悲しきかな嬉しきかな、みなみの洗濯板にはブラジャーは不要、
だからしてゆたかは思うがままにみなみの双丘を──厳密には大平原を──蹂躙できた。

そんな大平原にも、小さな蕾がある。
ゆたかはその桜色を、柔らかくつまんだ。
「ゆたか、やめ……ふぁっ」

みなみの懇願にも関らず、乳首をこねくり回すゆたか。
その頂を更に責めるように、体操服の上から舐めるように、ゆたかは口を付けた。
途端に喘ぎが大きくなるのも構わず、少しずつ自己主張を強める突起を吸い上げた。

「みなみちゃんの体操服、ちょっと汗の匂いがするね」
「そっ、そんなこと言わないで……恥ずかしい……」

恥ずかしさなど露知らず、ゆたかはみなみの体操服を捲り上げて、
すっかり充血した乳首へとまた口を進めた。
周りからゆっくり焦らすように。噴出す汗を舐め取るように。
じっくりと突起を避けるように、しかしそのスレスレいいとこをチョンチョンと舌で突くように。
何ともみなみにとっては生殺しの舐め方をされた。

「ゆ、ゆたか……」
「どうしたの、みなみちゃん?」
「お、おねがい……」
「ん?」
リズム感を含んだ『ん?』に対し、みなみは震えながら哀願する。
「お願い……もっと、もっと気持ちよく、して……」
「みなみちゃん……いいよ、気持ちよくしてあげる」

ゆたかは遂にみなみの乳首をその口の中へと入れた。
そしてそのまま、舌で優しく舐める。
途端に大きくなるみなみの声をよそに、ゆたかの胸責めは止まらない。
裏側のザラザラした部分で擦り上げたり、そうかと思えば堅くなった蕾を舌先で弾いたりした。


そしてゆたかが手を軽く動かすと、みなみの下着に触れた。
そこはもうしとどに濡れぼそっており、乳首よりも敏感な突起がショーツからでさえも分かるほど、
存在を主張していた。ゆたかはそれに優しく触れる。
すると、みなみは可愛く「ひぁっ!?」と声を出して、ガクガクと震えた。

「気持ちいいんだね、みなみちゃん」
「はぁっ、はぁっ、ゆたか、ゆたか……」

ゆたかは今度は焦らすことなく一気にショーツを降ろした。
現れたのはショーツとの間にもう一本の銀糸を引く、もう一つの口があった。
愛液でテラテラと淫らしく濡れるその場所は、みなみにとってゆたか以外には見せられない場所だった。
……それでも。

「は、恥ずかしいよ、ゆたか……」
「ダメだよ、みなみちゃん。ちゃんと──

──ちゃんと気持ち良くなってね。
912Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:16:25 ID:Zcvggujh
ゆたかはみなみの秘裂に指を這わせた。
クチュクチュと音を出して、「もっともっと」と誘うようにヒクつく。
蜜がベッドに滴り落ちる度に、ゆたかは自らの指を舐め取る。
「ふふっ、みなみちゃんの、おいしい」
「そ、そんなこと言わないで……恥ずかしい……」

もうみなみの言葉は何処吹く風。
尿道口をチョンチョンと突いて、その縦スジを上下に擦り上げる。
その度にクリトリスへと触れるゆたかの指に、みなみは何度も声を上げた。

「ふふっ、みなみちゃん。ここ、すごくコリコリしてる」
そう言ってゆたかは敏感な突起を摘み上げた。途端……
「あっ、あっ、ああぁぁぁっ!!」
みなみは身体を大きく海老反りにして何度も身体を揺らした。
そしてそのリズムに合わせて、蜜壷から蜜が零れ落ちる。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ、はぁっ……」
「イッちゃったんだね、みなみちゃん。でも──

──でも、まだ終わらないよ。


遂にゆたかはみなみの秘芯へと、強烈で執拗な責めを開始した。
この前の初体験ではおっかなびっくりで怖くてできなかったことだ。
それは、こなたが──こなたが「えっ!? まさか!!」と言い出すのは、随分と経ってからだ──
持っていた件の百合小説を半分コピーしてきたテクニックだった。
それでも、性に疎く敏感なみなみには耐えられない程の快楽であった。

まずは突起へと愛液をまぶしてぷるぷると、振動を与えるように小刻みに指を動かす。
それにみなみが慣れたと見ると擦り上げては摘むといった行為を繰り返す。
そしてお次は蕾を覆う皮を剥き上げては戻し、剥いては……と扱く。
特に最後のはみなみには効いたらしく、何度も愛液を連続してトロトロと流し、声にならない声を上げた。

……だが。
ゆたかも意地悪なもので、ここまで来てまだ一度もイかせていない。
絶頂に至る声を敏感に聞き分けては指を離し、波が引きかけたら津波のように快楽を与える。
何度も近くにいて、何度も声を聞いて、そして何度も思い描いた像のままに、
そう、ゆたかの思いのままに、みなみは翻弄されていた。

そしてまた今、ゆたかの思い通りになる。
ヒクヒクと震えてコリコリになったクリトリスに、ゆたかは口をつけたのだ。
その瞬間、みなみは一際大きな声を上げて絶頂に達した。
……が、そこからゆたかの苛烈な責めが始まった。
乳首の時と同じように、いやそれ以上の強さで、突起にしゃぶりつき、舐め上げ、
甘噛みし、歯で擦り上げ、舌で突き、そして吸い付いた。
身をよじって逃げようとするみなみだが、圧倒的快楽の前には指一本動かすことができない。
ゆたかが舌を一走りさせただけでビクンと愛液を流し、
ゆたかが歯を少し立てればビクビクと身体を痙攣させた。
何度も何度もイッた。回数など途中から忘れてしまった。

最後にゆたかが自らの秘唇をみなみのと合わせてきた時には、もう熱くて熱くて仕方が無かった。
ピクピクと嬉しそうに震える突起同士が擦れ合い、再会を喜ぶ度、二人の「上の口」からは歓喜の声が漏れ出た。
感覚は既に熔けていた。炎に焼き焦がされ、蜂蜜をかけられたように粘ついた「下の口」同士が
深い深いキスを交わす度に、震える指先はお互いをしっかり繋ぎ止めて離さなかった。

「みなみちゃん……好き、大好き、大好き……!!」
「ゆたか……私も、大好きだよ、ゆたか……!!」

燃え上がる愛情と性情の炎が、二人を一つにした。
最後の最後に搾り出した絶頂の声は、長く長く尾っぽを引いていた。
913Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:18:17 ID:Zcvggujh
「はぁ、はぁ……も、もうこんな時間だね……」
「ゆたか……早く帰らないと、家の人に怒られるよ」
「それはみなみちゃんも一緒じゃないかな?」
「うーん、……そうだね、ふふっ」
小さく、鳥が啄むようなキスを交わす。そこには眩しく輝き炎上する閃光はなく、
静かに時の中に佇む暖炉の炎を思わせる、暖かい愛情だけがあった。

「さて……これ、どうしようか……」
「どうしよう……ね……?」

愛の痕跡は思ったよりも深い傷跡となり、学校のベッドそのシーツを抉っていた。
「おもらし」と言ってさえも通用しないような粘液と毛髪。それ以前に保健室に垂れ込めるこの匂い。
ごまかすのは不可能に思われた。


「……やっほー」
「うひゃぁっ!!」
そこに現れたのはこなた。
聞けば、夜遅いのに帰らない、みなみもまだ帰っていないと岩崎家より聞いて、
心配になって飛んできたとのこと。

「うーん……なるほど、なるほど。お盛んですねぇ、若い人たちは羨ましいですじゃ」
「な、な……」
みなみは口をパクパクさせて、愛する人の従姉を見る。
ゆたかも似たり寄ったりで、こなたを呆然と見つめていた。

「あー、そういうこったろうと思ったよ。大丈夫、こっちには処理班がいるから。
 ゆーちゃん達は気にせず帰っていいよ」
「しょ、処理……?」
「早く帰った、バレても困るんだよ!?」
「わ、分かったよおねえちゃん。みなみちゃん、行こう?」
「う、うん……」


余韻も何とやら、そそくさと二人は退室して行った。
こなたはその背中を見えなくなるまで見送ると、徐に声を大きくした。
「ゆい姉さん、かがみ、出番だよ〜」

物陰からヒョイッと出てきたのは、晴れてこなたの恋人となったかがみと、
ゆたかの姉であるゆいだった。
「しっかしダンナと初めて愛を確かめ合ったのが大学行ってからだっていうのに、我が妹は……」
「ゆいさん、今は自分の境遇を嘆いてる場合じゃないですよ」
「さっさと処女を捨てた"女"に言われても納得できるかー!!」
「ゆい姉さんゆい姉さん落ち着いて、今は後処理だから」
「しっかし、派手にやっちゃってくれたわね」
「我が妹ながらびっくりだ……ま、今は後処理だわね。では」

この場で最年長のゆいが、布告する。
「お片づけ開始ー!!」
「「ラジャーッ!!」」



何を勘違いされたのかは、翌日を待たなくとも既に野球部の噂になっていた。
「頼むから勘違いしないでくれ……」とかがみが叫んだかどうかは、定かではない。
914Foolish Form ◆UEcU7qAhfM :2007/07/19(木) 23:27:31 ID:Zcvggujh
今回は事情により何分の一とか付けられませんでした。
PC環境が変わるとここまで不便とは。

何でもいい、このクオリティで「すげぇ」とか思った人は俺に、
俺にみなみちゃん分の更なる補給を!!(黙れ


ところで、暫く来ない間に凄い絵師様が光臨されているようですが。。。
某しゅ○厨がいる某スレとか、
「ちいさなむねのゆめ」……間違えた、「ちいさなほs(ry
とかで絵を描いてるあなたですねっ!!
絵が描ける皆さんは至極羨ましい限り。



>909氏
いやいや、構いませんよん。その代わりちゃんと読むんだっ!(酷


そんな感じで。またムラムラしたら書こうと思う。
寡作なFoolish Formだがどうか生暖かく見守っていて欲しい。
多分次もゆーちゃんみなみちゃんだ。だが攻め受け逆転の可能性がある。
どっちに転ぶかは小説の神様次第だ。

では、このスレの幸せを願って、また会う日まで皆様お元気で。





追伸
書いてる時間のお陰で単位落しが半分確定しちゃいました。まる。
915>>896:2007/07/19(木) 23:30:31 ID:KhIdkru8
>>914
2回も割り込んでしまって
ほんますいやせんm(_ _;)m

すごく…GJです
またどうぞよろしくお願いします(д・´)ゝ
916名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 23:53:12 ID:Rh04UUDw
>>914
なんというサービス精神……
ROMのために自分の単位を犠牲にした行動ッ!
ぼくは敬意を表するッ!!
917名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 23:53:16 ID:nWcG+t6d
>>914
なんというGJ、そしてGL…。
しかし、名前が“ゆたか”である処の自分としては激しく複雑w
そして………ファイト…!

それでは自分も久々に、『らき☆すたクエスト』を投下します。
今回は書いてたら少々長くなってしまったので、前後編に分けて前編のみ投下します。
3レスお借りします。
918らき☆すたクエスト第三章・前編(1/3):2007/07/19(木) 23:55:55 ID:nWcG+t6d

━━━ドガァァァァァァァン!!!!

 前振れは無かった。
 突然、目の前が真っ白になって、強烈な轟音と熱風と黒煙が、私達に降りかかってきた。


『かつて糟日部は全ての世界を治めていたのじゃ。
 しかし、戦争が起こって、多くの人々が死んだ。
 そして、海の向こうに通じる、旅の扉を封じ込めたのじゃ』


 糟日部の城下街で、あるおじいさんに聴いた話。
 その話に出てきた“旅の扉”を解放する為に、私達はそれはもう頑張りに頑張って、
 その為に必要なアイテム、“魔法の珠”をゲットした。
 そんで早速、旅の扉のある“誘いの洞窟”に来て、
 魔法の珠を、行き止まりの壁にぽっかり開いてた穴に填め込んだまでは良かったんだけど…。

「げほっ、げほっ……。あー…みんなだいじょぶ?」
「まあ、一応ね…。服とか髪とかは凄い事になっちゃったけど…」
「び、びっくりしたぁ……」
「本当ですね…」

 まさか、壁に埋め込んだ珠がいきなり爆発するなんて思わなかったヨ。
 こーゆー時のパターンって言えば大抵、眩い光を放ちながら壁が開いていくとか、
 突然何処とも知れない場所に飛ばされるとかなのにさ。ホント参っちゃうよねー。
919名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 23:59:51 ID:qoYZu5tS
>>914
>単位落しが半分確定しちゃいました。まる。
住人はその行為に感動した。

冗談ウキで再履修で何とかなるかな。
選択なら、別のを取ればいいしw
920らき☆すたクエスト第三章・前編(2/3):2007/07/20(金) 00:01:33 ID:nWcG+t6d

「うわ。何これ、あちこちボロボロじゃない」

 解かれた封印の先にあった階段を降りると、そこには方々に枝分かれした通路と、
 それを形作る、だけど、あちこちが崩れた石の床と、ヒビ割れた緑色の壁があった。
 緑色の壁……クズ翡翠か何かかな? 何か殺人事件のトリックに使われて、逆に犯人を特定する決め手になりそうな感じがする。

「長い間封印されていましたからね……最短距離も通れなくなってしまっています…」
「ゆきちゃん、道知ってるの?」
「ええ。だいぶ小さい頃の記憶ですけど、ごく簡単な道程でしたから。…ですがこれでは…」

 そう言いながら、みゆきさんは少し先の空間に広がる、長い地割れに視線を落とした。
 地割れはご丁寧なコトに、みゆきさんの言う「最短距離」の通路左右の壁を繋ぐ様にできっちり続いていて、
 オマケに、その幅も飛び越えれそうに無い程にあった。

「迂回するしかないってコトだねー。みゆきさん、他の道は分かる?」
「残念ながらそこまでは……申し訳ありません」
「虱潰しに回り道を探すしか無いって事ね……って!」

 溜め息を吐きかけたかがみが突然、何かに気付いた様に、横手に鎖鎌の鎌の部分を投げ付けた。
 慌ててその先を見ると、通路の陰から覗く派手な羽が、鎌の刃で壁に縫い付けられていた。
 どう見ても人面蝶です。本当にありがとうございました。

「おお、かがみんお見事!」
「ありがと。でも、やっぱりモンスターもいるのね…」
「昔はいなかったんですが…」
「うぅ……大変そう…」
921らき☆すたクエスト第三章・前編(3/3):2007/07/20(金) 00:04:51 ID:QqfyweFU

「後は、右の通路の扉を開けて、真っ直ぐ進むだけです」
「いやぁ、長かったネー。私ゃもうヘロヘロだよ……もうホイミの1回も唱えられないや」

 長い間人の手が入ってなかったせいか、洞窟の中はモンスターだらけだった。
 バブルスライムやアルミラージとかだけならまだしも、
 今まで見た事の無いモンスター達はどれも手強くて、私達はすっかり消耗しちゃってた。

「まあ、私のMPと薬草のストックはまだ余裕があるし、何とかなるんじゃない?」
「そうだね。もしいざとなったら、外に出てすぐにキメラの翼使ったらいいし」
「ここを抜ければロマリアは目と鼻の先ですから、キメラの翼は使わなくても大丈夫だと思いますよ」
「あ、そなんだ。どんだけー?」
「祠を出れば、もう城下街が見えるぐらいの、本当に近くですから、
 モンスターと遭遇する事もまず無いと思います」
「そりゃありがたいねー。流石にもう眠いし、着いたらすぐに宿屋に行きたいヨ…」
「そうね。んじゃ後一息、さくっと行っちゃいましょ」
「ハイハイ、それではご開帳といきますか」

 目の前の一際デカい扉の鍵穴に、盗賊の鍵を差し込んで回す。
 すぐにカチリと音がした。

「じゃ、開けるよ〜」

 古びた扉がギイィと軋んだ音を立てて、ゆっくりと奥向きに開いていく。
 すぐにもわっとカビっぽい臭気が漂ってきて、目の前には───モンスターの御一行様がお待ちでした。
922名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:09:45 ID:69oD/Tj4
       、--‐冖'⌒ ̄ ̄`ー-、
     /⌒`         三ミヽー-ヘ,_
   __,{ ;;,,             ミミ   i ´Z,
   ゝ   ''〃//,,,      ,,..`ミミ、_ノリ}j; f彡
  _)        〃///, ,;彡'rffッ、ィ彡'ノ从iノ彡
  >';;,,       ノ丿川j !川|;  :.`7ラ公 '>了   なに?>>914 らきすたのせいで単位を落した?
 _く彡川f゙ノ'ノノ ノ_ノノノイシノ| }.: '〈八ミ、、;.)
  ヽ.:.:.:.:.:.;=、彡/‐-ニ''_ー<、{_,ノ -一ヾ`~;.;.;)  
  く .:.:.:.:.:!ハ.Yイ  ぇ'无テ,`ヽ}}}ィt于 `|ィ"~
   ):.:.:.:.:|.Y }: :!    `二´/' ; |丶ニ  ノノ    逆に考えるんだ
    ) :.: ト、リ: :!ヾ:、   丶 ; | ゙  イ:}
   { .:.: l {: : }  `    ,.__(__,}   /ノ   「単位よりらきすたの方が大切だ」と
    ヽ !  `'゙!       ,.,,.`三'゙、,_  /´
    ,/´{  ミ l    /゙,:-…-〜、 ) |       考えるんだ
  ,r{   \ ミ  \   `' '≡≡' " ノ
__ノ  ヽ   \  ヽ\    彡  ,イ_
      \   \ ヽ 丶.     ノ!|ヽ`ヽ、
         \   \ヽ `¨¨¨¨´/ |l ト、 `'ー-、__
            \  `'ー-、  // /:.:.}       `'ー、_
          `、\   /⌒ヽ  /!:.:.|
          `、 \ /ヽLf___ハ/  {
923名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:09:54 ID:QqfyweFU
はい、今回はここまでです。
お読みくださった方、ありがとうございました。

尚、らき☆すたのネームドキャラと原作(DQV)の主要キャラの数を比肩すると、圧倒的に後者の方が多い為、
今回省かれたナジミの塔のエピソード同様、今後も省かれるエピソードが多少あると思います。
その為、原作をプレイされていない方には、些か解り難い展開・描写等ある事をお詫び申し上げます。
どうかご了承くださいませ。

商人の町のエピソードはちゃんとやりますのでご安心をw
924>>896:2007/07/20(金) 00:12:12 ID:fVXVwRjA
>>923
なんかもう小説とか出しちゃえばいいですよ
GJ×∞

>>922
また出てきたか…
毎度ながらあなたの一言には
説得力がありすぎます
925名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:18:08 ID:dQtmDwYs
>>923
GJ
早くも商人の町が楽しみになってきたw
926名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:30:43 ID:S3OUYnTE
亀レスだが>>900
アドエスすげー
927名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 00:43:10 ID:5ppk6pGC
ttp://vista.crap.jp/img/vi8485034195.jpg
ttp://vista.jeez.jp/img/vi8485032332.png
ぶっちゃけ同じこと考えてる人はいるんだなって思った
928名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 01:32:36 ID:1Rs7k0l+
ゆたかテクニシャンだよゆたか
ハァハァ
929名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 02:03:55 ID:ETnJqS7X
>>914
何と言う黒ゆたか。

これだけ元気なら、体育出ても大丈夫じゃない?w
930名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 03:13:31 ID:TdZLWnWw
投下します。
みのる×あきらでエロ無しです。
9314/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:14:14 ID:TdZLWnWw
その日、あきらの機嫌は絶好調だった。
収録中に駄目元承知で呟いてみたライブ企画。それがまさか通ってしまうとは。
本編に出演する筈が風邪をこじらせ、せっかくのチャンスをふいにしてしまったことを随分と長い間引き摺っていたのだが、
自分の為だけに用意された大舞台に立てるのだからそれも小さなことに思える。
OKが出た直後は目を見張ったが、直ぐにテンションが鰻登りになってしまい、
そうして盛り上がったまま廊下をスキップして控え室に飛び込んだ。
鼻歌を歌いながら備え付けの冷蔵庫を開き、オレンジジュースのペットボトルを手に取る。
興奮し過ぎてからからになってしまった喉を潤すべく、
行儀が悪いと思いながらもコップに注がずにそのまま口を付けた。
「失礼しまーす」
ごきゅごきゅと喉を鳴らしてジュースを飲んでいると、
あきらよりも入念にスタッフ一人一人に馬鹿丁寧に収録後の挨拶を済ませたみのるが部屋の扉を開いた。
直ぐさまペットボトルを口から離して机の上に置くと、あきらはポケットからクラッカーを取り出す。
とてとて、と足音に効果音が付きそうな位に軽い足取りで後ろ手に扉を閉めるみのるに駆け寄る。
9324/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:15:33 ID:TdZLWnWw
何事かと首を傾げるみのるの顔面に向かって、
「ライブイベント決定、おめでとぉー!!」
あきらはクラッカーのしっぽを思い切り引っ張った。
人に向けて発砲してはいけません、との注意書きを完全に無視している。
おもちゃの割には耳をつんさぐ大きな破裂音に、みのるはあきらが笑ってしまう程体をびくつかせた。
降り注ぐ色とりどりのテープがみのるの頭の天辺に不時着して足の爪先に落ちるその様は、
今のあきらにとってはカラフルな雨が降っているように瞳に映った。
「あきら様ぁ……これ、誰が掃除するんですか?」
みのるは鼓膜を直撃した破裂音にじんじんと痛む耳を手で覆い、
足に絡まるテープを見下ろして情けない声を上げた。
いえどうせ僕が片付けるんですけどね解ってますよ、とのみのるの呟きは無視して、
あきらはポケットの中からもう一つクラッカーを取り出した。
頭に絡み付くテープを払っているみのるの手を背伸びして強引に掴み、小さな筒を握らせた。
次に椅子の上に立ち、そこから机の上に移動して、中央で仁王立ちする。
もちろん登る前に靴は脱いである。
9334/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:16:28 ID:TdZLWnWw
はやくやはく、とたっぷり余った袖をあきらが振り回すと、
みのるは手の中の物を見て彼女がして欲しいことを会得したのだろう、
たまにしか見れない彼女の年相応の振る舞いにへにゃりと笑った。
「おめでとうございます、あきら様!」
斜め上に向けて発砲された紙テープは、あきらのピンク色の髪のとげとげした部分に二本程絡み、
それ以外は机やら床やらに落ちていく。
ただしあきらの安全の為に、みのるは彼女がしたのより大分距離を取ってクラッカーの紐を引っ張っていた。
「あーりがとぉー!」
既にライブで一曲歌い終わったかのように手を頭上高く降り、あきらはぴょんぴょん飛び跳ねた。
床より高い足場でそれをされると見ている側としては冷や冷やものである。
紙テープを踏んづけてバランスを崩し、滑り落ちて床に叩き付けられやしないか、と心配するのと、もう一つ。
「………あの、あきら様、大変言い難いんですけど……スカートの中見えてしまいますよ」
言ってから、どこ見てんだよボケ!
との怒号と共にキックが飛んで来るかもしれないことに気付き、素早く身構える。
しかし、
「いいもーん!スパッツ履いてるから」
9344/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:17:42 ID:TdZLWnWw
等と的外れな答えが返って来た。
そうでなくて、もっとこう根本的な恥じらいを、
と云々言ってもあきらは全く聞く耳を持たないだろう。
「とにかく落ちたら危ないですから、降りて下さいよー」
「そんなに鈍臭くないもん、あんたじゃあるまいし」
ぶつぶつ言いながらも、気が済んだのかあきらは割とあっさりと机から降りた。
「ライブ、ライブかぁー……」
靴を履き直さずに椅子に腰掛け、肘を机に付いて両方の手の平で頬を押さえる。
鼻歌を歌いながら、身長が足りずに床に届かず、
宙ぶらりんになっている足はぱたぱたと交互に前後させる。
何時に無くご機嫌なあきらにみのるはさっきから情けない笑顔しか出てこない。
幼い頃から大人の世界で生きてきたせいで、
表舞台以外では滅多に見せない年齢に相応しい無邪気なはしゃぎっぷりが可愛らしい。
しかし、あきらをここまで浮き浮きさせるライブ企画にOKが出たその日付が厄介だ。
「まさか、これもエイプリルフールの嘘じゃないよね?」
そう、今日は四月一日。嘘を付いたって笑って許される日。
もしこれが嘘だとしたら笑って許すどころか、あきらはこれまでに無く荒れ狂うだろう。
9354/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:18:30 ID:TdZLWnWw
「さぁ…?」
残念ながら、今回の企画がスタッフからあきらへの、
綱渡りのような命を賭けた嘘では無いという確かな証拠は今のところ一つも無い。
「ぶー」
頬を支えていた手が腕ごと机にべったりと張り付く。
頬を膨らませ、大きな目で睨み付けられると、機嫌を損ねてしまったかと焦ってしまう。
ここで自分が太鼓判を押してもそれで企画が本物だと証明される訳では無い。無いのだが。
「いえ、きっと絶対やりますよ!」
「だよね!」
ぱあっ、とあきらは一気に顔を輝かせ、冷蔵庫に駆け寄ると、
そこからサイダーのペットボトルを取り出してみのるの前に勢い良く置いた。
「小神あきらライブイベント決定を祝してぇー」
オレンジジュースのペットボトルを高く掲げたあきらに合わせるべく、
みのるは慌ててサイダーのペットボトルの蓋を開ける。
「かんっぱーい!!」
あきらの元気な声と、ぶつかったプラスチック容器の中の二色のジュースが数滴弾けた。

午前十一時五十七分。
先程とは打って変わって一言も喋らずに、
数分前からずうっと壁に掛かった時計の秒針を目で追うあきらがそこにいた。
紙テープは既にみのる一人の手によって片付けてある。
9364/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:19:54 ID:TdZLWnWw
時計版の上を回る中で、一番長いその針が一周する度に分針が動く。
時たまその分針も確認しながら、他の物は一切目をやらずに時計だけを見つめるあきらに、
みのるは時計の何がそんなに面白いのかとぼんやり考えながら自分もそれを見つめる。
十二時に近付くに連れて、あきらはそわそわと体を揺すり始めた。
見たい番組でもあるのだろうかと思ったが、だとしたらもうテレビを付けていてもいいだろう。
先程のお祭り騒ぎの賑やかさはすっかりなりを潜め、テレビも付けず会話も交さず、
あきらの意図が掴めないままに並んで時計を見つめているこの空気はみのるを不安な気分にさせた。
かちっ、と音がして一番短い針の上に分針と秒針がぴったりと重なる。
午前から午後になったその途端、あきらはずっと見つめていた時計版から漸く目を離した。
重苦しい空気がやっと動き、ほっと息をついたみのるを真正面から見据えて一言。
「私、嫌いじゃないよ」
「………へ?」
唐突過ぎる言葉に固まる。
あきらに何かを好きか嫌いかなんて聞いていないというのに、いきなり嫌いじゃないと言われた。
9374/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:20:50 ID:TdZLWnWw
一体何が嫌いでは無いのか。
答えは意外にも直ぐに出た。
「あんたのこと、嫌いじゃないよ」
「それは……どうも……?」
嫌われないに越したことは無いのだが、何故なんの前触れも無しに唐突にそれを言うのだろう。
と、そこまで考えて、ああ、エイプリルフール、とカレンダーを見直すまでも無く気付く。
嫌いじゃないというのは、けれど好きでもないというのとイコールで結ばれているものだ。
あきらの普段のみのるに対する扱いを見ていると、
それは好きじゃない相手にすることにばっちりと当て嵌まる。
では、嫌いじゃないが嘘だとしたら、その反対であることを言いたいのだろうか。
つまり、嫌いだと。
「表ではああやって弄り倒してるけど、ほんとは応援してるよ。陰ながらね」
だとしたら、質の悪いいたずらだ。
今回でみのるだけ番組から降板だというのだって心臓に悪かったが、
しかしあの時は直ぐに種明かしをしてくれた。
エイプリルフールの嘘だよー!と心底楽しそうな笑顔で人差し指を突き付けて。
いくら皆から好かれるのが仕事のようなアイドルでも、人間なのだから相性の合う合わないは当然ある。
9384/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:21:52 ID:TdZLWnWw
それは仕方が無いにしても、応援しているという言葉が嘘だとすると、それは。
「い、いやですねー、あきら様ったら。微妙にマジとも取れちゃいそうな嘘は止めて下さいよぉ」
どうしても卑屈な考えに持って行ってしまう自分に嫌気が差し、
慌てて明るい声を出してあきらに遠回しにやんわりと釘を差す。
「どうせつくならもっとこう、ありえねーって直ぐに解るようなスケールの大きい方が、
ついてるあきら様もつかれる僕も楽しいでしょう?」
ぎこちなく意思を伝えると、あきらはぱちぱちと数回瞬いた後、俯いて黙り込んだ。
怒らせてしまったのだろうか。
先輩であるあきらに後輩であるみのるが意見したのが許せないのかもしれない。
無言で静かに怒りを溜めているのだとしたら、それは怒鳴り散らされるのより数万倍も恐ろしい。
「あきら様……?」
恐る恐る目の前のつむじに声を掛けると、ばね仕掛の人形のようにあきらは頭を跳ね上げた。
横の尖った髪がぴょんと揺れる。
大きくきらきらとした瞳の真中にみのるの姿を映し、彼女は一言。
「あきら、みのるおにーさんだーいすき!!」
呆気に取られてぴくりとも動けなかった。
9394/1 PM0:00:2007/07/20(金) 03:28:21 ID:TdZLWnWw
ぽかん、と口が逆三角形を描く。
無言の数秒間を迎え、やっと我に返ることが出来たかと思えば、
そう、それですよ、そういうスケールの大きな……、
となんとか言葉を紡ごうと努力した結果に出た声は、笑ってしまう程震えていた。
ついたあきらは満足そうな表情をしているが、つかれた自分は全く楽しくなかったのだ。
こんなもやもやした気持ちになるのなら、あんなこと、言うんじゃなかった。

同日同時刻、別所。
「あ、ねぇあんた知ってる?」
「なーに?」
「エイプリルフールってさ、一日中嘘ついていいんじゃなくて、
それが許されるのは午前中だけなんだって」
「へぇー、てことは午後からは嘘ついちゃいけないの?
それは初耳だなぁ。で、ソースはどこにあるんだい?かがみん」
「ソース…?食堂にあるんじゃない?」
940名無しさん@ピンキー
読んで下さった方、ありがとうございます。
それでは。