☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十九話☆

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137名無しさん@ピンキー
レジアス・ゲイズ准将は今回のミッションを説明していた。
「このミッションは本局、陸上部隊、航空隊の合同ミッションだ。それぞれの特性を活かした働きを期待している」
綿密な捜査によって違法研究をしている魔道師の根城を突き止めたのだ。
作戦目的は犯人一味の掃討。
無論、戦闘が予想される以上、一般市民と局員の無事は最優先事項だ。
「以上!解散後、各員は所定の場所にて待機する事!犯人が暴走する恐れがあるので、防衛意識を強く持つ事!」
レジアスの説明を受け、各員は自分の持ち場へと散っていく。
この作戦は合同ミッションのパイロットケースだ。
各部隊のメンツも絡んでいるのだろうが、レジアスにとっては犯人を抑えられるのであれば
「准将!今度のミッション、必ず成功して見せます!」
任務への熱意を瞳に宿らせ、1人の青年がレジアスに語りかける。
執務官を目指す彼はエリートとしての王道を進んでいた。
「大尉か。うむ、期待しているがくれぐれも無理はせぬようにな。この作戦は誰一人として欠けては『成らぬ』のだ」
「はい!『一粒の砂で大地は成っている』ですよね?」
いつものレジアスの口癖を先回りして彼は言う。
畑は違えど、平和と秩序を誰よりも愛する彼をレジアスは気に入っていた。

作戦は犯人一味との全面戦闘となった。
作戦区画内の一般人は全員避難済みである以上、戦闘のプロである管理局が優勢に事を運んでいた。
オペレーターが制圧率と損害状況、取り押さえた犯人のリストアップをする中、戦場より入電があった。
「現場より、報告入ります!原因不明の爆発により部隊は散開っ!統制が取れません!」
堅く前線を守っていた部隊の後方で中規模の爆発があったのだ。
時限式の魔法か物理的な爆弾かは不明だが、後方支援部隊は散り散りになってしまった。
「前線は現状維持!うろたえてはならぬ!狙い撃ちにされるぞ!後方部隊の安全確保と戦闘不能者の救出急げ!」
全体通信でレジアスが指示を下す。
「陣形復元45%・・・・いけますっ!」
レジアスの迅速な指示に士気は盛り返し、戦況は徐々に管理局へと傾いていた。
そこに部隊員からの入電が通る。
「ザッ・・・・ザー・・・将・・・ブツッ・・・こちら・・・です・・・強襲の・・・・人物を・・・追い・・・」
それは航空隊の彼であった。
偶然にも謎の爆発の近くで重症を免れた彼は不意打ちのグループこそ犯人一味のトップと睨み、それを追おうとしていた。
「よせっ!追うな!我々の任務は『護る』事だ!現場を立て直せ!」
独走とも言える判断にレジアスが叱責を飛ばす。
単独での追走はバクチに等しい行為だ。
「・・平凡な自分を・・・・て・・・りがとうござい・・・・・ザザーッ・・・・・」
以降、彼の通信は途絶え、こちらからの呼びかけに答えることはなかった。

「いけませんっ!准将!ここは危険ですっ!下がってください!」
司令部が定位置となったレジアスが幾年ぶりかの魔道甲冑を纏う。
「えぇい、どけぇっ!あそこに血を流し、命を削り戦う同胞が居るのだ!」
腕の一振りで止めに入った局員が数名壁へと吹き飛ばされる。
「くっ!誰か!准将をおとめしろ!」
瞬間、レジアスをバインドが締め上げる。
万が一にも旗頭を失ってはいけないのだ。
「HA☆NA☆SE!何故だ・・・何故私の指示に従わぬ!?」
怒号と共にレジアスは気を吐き、バインドを引きちぎる。
「准将が指揮を執らずに、誰が動けるというのですか!」
後方より、女性の悲痛な叫びが響く。
燃え盛る炎の前でレジアスが吼えた。
138名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 09:29:32 ID:03MdICNm
後日、勇猛果敢に犯人を追った未来ある職員の奮闘もむなしく、犯人は取り逃した。
彼に目をかけていたレジアス・ゲイズ准将の落胆は酷いものだった。
何より、彼の奮闘を「局員失格」「役立たず」と叱責した椅子に座るだけの上層部が許せなかった。
知らないのだ。知らずに椅子に座っているのだ。
一滴の血を惜しみ、千滴の汗を流す我々を海の連中や本局は知らないのだ。
あの青年がどれほどの決意で犯人を追ったのか知らないのだ。
知らないから、「自分の部隊から出した人間が功績を立てることが出来なかった事」だけで彼を蔑む事が出来るのだ。
一部のエリートによってこの組織は腐っていく。
ならば私が座ろう。
痛みを知らない者に代わり、私があの椅子に座ろう。


平凡な一介将校だったはずの、私、レジアス・ゲイズに訪れた突然の悲劇。
心に刻まれたのは悲しみの記憶。手をかけたのは権力への扉。
出会いが 導く偶然が、今、静かに動き始めて…立ち向かっていく日々に、俯かないように…
魔法中将ジェネラルレジアス、はじまります。