【涼宮ハルヒ】谷川流 the 49章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。
Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。 嫌なときは言って欲しいのね。
Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
Q新刊ネタはいつから書いていい?
A最低でも…………一般の――――発売日の…………24時まで――――待つ。
A一般の発売日の24時まで待ってもらえますか? 先輩、ゴメンナサイです。
Q1レスあたりに投稿できる容量の最大と目安は?
A容量は4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行です。
Aんふっ。書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOKです。
一乙
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
○
く|)へ
〉 ゲシッ
_,,..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ ヾ○シ
゙~,,,....-=-‐√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ ヘ/
>>8 T | l,_,,/\ ,,/l | ノ
,.-r '"l\,,j / |/ L,,,/
,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /
_V\ ,,/\,| ,,∧,,|_/
テンプレ乙
12 :
4人古泉:2007/06/16(土) 18:37:36 ID:nMOQSn61
なんとなく投下します。エロ無し、古泉、クロスオーバーです。
我輩はキョンである。名前はまだない。
最近はいつも薄暗い文芸部室でやれやれと呟いていた事は記憶している。
どこでどう人生を間違えたのかとんと見当がつかぬ。
吾輩はここで初めて宇宙人・未来人・超能力者・そしてSOS団団長というものを見た。
しかもあとで聞くとそれは涼宮ハルヒという人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。
この涼宮ハルヒというのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。
しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただハルヒの掌で掴まれてぐいぐい引っ張られた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。
閉鎖空間の中で少し落ちついて涼宮ハルヒの顔を見たのがいわゆるハルヒというものの見始であろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
…とまあ明治の文豪のパロディで逃避するのはこれくらいにして、だな。
目の前に展開された光景は、いやおう無しに今の俺の現実と言うものを突きつけていた。
ああ事件は会議室でも現場でもなくて文芸部室で起きているんだな、と。
「これはこれは。」
古泉が4人いた。いや正確に言うとニヤケ面の古泉とニヤケ面の古泉っぽいおっさん3人だ。
「んっふっふーどうもはじめましてー古畑と申しますーんふっふー」
「ええと、何と言ったらいいでしょうか、こちらの古畑さんは刑事さんだということで…」
そうか。それで、その刑事さんが何でこんな場所で朝比奈さん謹製のお茶を啜ってるんだ?古泉君?
そう問うと、古泉にしては珍しく偽悪的な物言いもせず、嘘っぽい模範解答も持ち出さず、
まるで言葉を捜しあぐねているように「つまりその…なんと言えばいいでしょう…」等と言い淀んだ。
「あの…キョン君、そちらの方が…」
淀んだ空気を払おうとするかのような朝比奈さんの言葉に振り向くと、
もう一人のおっさんが俺に手を差し出してきた。
「やあ、はじめまして。君がキョン君か。話は聞かせてもらったよ」
何の話ですか。古泉の俺評価とかなら記憶野の無駄ですから、早々に忘れ去る事をお勧めしますが。
「この方もコイズミさんとおっしゃる、何でも政治家だと言う話なんですが…」
聞いた事がないな。
「ええ、過去未来、歴代総理から村会議員まで調べましたが、そのような政治家は存在しないと…」
「何を言うんだ古泉くん、私は総理。日本国の内閣総理大臣だって言っただろう?」
いや、だから、そう言われても確認できな…
「アイムソーリーだよ!」
…このタイプの人間が日本国の総理大臣になることは未来永劫ないと思う。俺が保障する。
「実はですね…少々困った事になっていまして…いえ、困っているのは僕だけ…なんですがね。」
…大体予想はつくぞ。つくがあまり聞きたいとも思わないんだが…
「そう言わずに。つまりその…この御3方が僕のような気がしてしまうんです」
…すまん。それはさすがに斜め上だ。何だって?
「アイデンティティの共有とでも言うべきでしょうか?端的に言ってしまえば、
御3方に親兄弟よりも強い親近感を抱いていると言うことなんですが」
それは…その、そんな親しいなら今まではどうだったんだ?
「いえ、今日目ざめたら当然のごとくいただけなんです…すいません、僕も少々混乱してまして…」
湧いて出たのか?何でそれで自分だと思える?そのあたりから考察すれば…
「…それは、今朝からずっと考えてはいるんですが…すいません…何1つとして…」
………………………………………………………………………………………………
捜査は暗礁に乗り上げた…
途方にくれて視線をさまよわせると、もう一人のおっさんと言うには若い青年と目が合った。
何というか、不思議な迫力を持った男だ。古泉のように美形と言うわけではないが、何というか、
いい男という表現がこれほど似合う男もそうはいないだろう。…何でだ?
「うれしいこと言ってくれるじゃないの」
俺は一瞬にして凍りついた。この男はやばい。朝倉とは別の意味で根源的な恐怖と言うものを感じる。
見なかったことにした。
うん。あれだな。俺にできるのは右往左往してちょっと物事の向きを変えるぐらいのことであって、
事件そのものを解決する能力と言うのにはまったくと言っていいほど持ち合わせが無いんだな。
うん。不相応というわけだ。
というわけで長門先生、お願いします。
「この3人は。」
はい。この3人は。
「古泉一樹の異世界同位体だと思われる」
ああ、異世界同位体。なるほど。異世界同位体なら仕方ない。なにしろ異世界同位体だからな。
「おそらくは涼宮ハルヒが昨夜の夢現の中で願った事。昨日に何らかの原因がある可能性が高い。」
昨日。昨日ねえ。俺には思い当たる事はないな。…なら古泉か?古泉、昨日ハルヒと何かあったか?
「昨日…ですか。いえ、特には…」
…うーむ、いとも簡単に行き詰ってしまった。どうしたもんかな…
「あ…もしかして…」
打開は意外な方向からやってきた。
「私、昨日涼宮さんと古泉くんについて話をしたんです…」
朝比奈さんとハルヒが、古泉の?
「ええ、たしか…『古泉くんてなーんか別人格とかありそうなのよねー』とか…」
それか?いやしかし、別人格と言うかこれははっきり別人になってるしな…
「うーん、あとは古泉くんの家族はどうなってるのか、とか…やっぱ似てるのかしら、とか…」
古泉そっくりの古泉一家…あまり想像して気持ちいいものでもない。
「そうだ!たしか『世の中には3人くらい自分に似た人がいるって言うし…』って言ってました!」
家族からどう脱線したのか理解に苦しむが、ハルヒがそう言ってたと言うならそれが原因だろうな。
「…涼宮さんが僕に興味を示してくれた事はありがたいですが、雑談からこの事態というのは…」
そういうのいつも俺だったもんな。まあ、団長の仲間認定だと思えば腹も立たんだろ、お前的には。
「そうですね。そう思うことにします。涼宮さんのやることなら解決しないということはないでしょうし…」
「あの〜ちょっと〜よろしいでしょうか〜?」
確か、古畑さん…でしたっけ?というか、事情とかわかりますか?
「え〜、こ〜ち〜ら〜の〜古泉君、彼と私は〜、大体の記憶を共有しているようですから〜んっふっふ」
なるほど。それならいちいち説明するまでもないということですね。
「はい。それで〜ですね〜、ちょっと思いついた解決策があるんですが〜」
え、あるんですか?
「ようは〜、涼宮さんに私たちが別人であると認識してもらえばいいんです〜」
…つまり、具体的にはどういうことをするんですか?
「はい、おそらく〜、涼宮さんに会って少々話をすればそれで解決すると思われます〜んっふっふ〜」
何だって?
「え?それは…いや、確かに涼宮さんが別人と認識すれば、同一人物でも別人になる可能性が…成程…」
古泉、わかったのか?完全に別人の俺にはちょっとついていけないんだが…
「では、説明させていただくとしましょう。いうまでも無く僕とこのお3方は…」
いや、長くなりそうならいい。…というか顔が近いんだよ気持ち悪い
「これはこれは。では、解決法だけを簡潔に解説させていただくとしましょうか。」
ぜひそうしてくれ。あと人と話すときはもうちょっと離れてくれると助かるんだが。
「おやおや、癖と言うものは厄介なものですね。では、このあたりで…」
まあ、そのあたりだな。それで、解決法ってのは何だ?
「涼宮さんに私たちそれぞれが別人で、別の家に『帰る』と認識してもらうという事です。」
なるほど。しかしそううまくいくのか?
「…まあ言ってしまえば、涼宮さんの僕への関心がそう持続するとは…」
たしかに古泉を必死に引き止めるハルヒというのも…他のメンバーに比べたら想像しにくいのは確かだ。
「こちらの…コイズミさんの選挙についての秘密の会合、という線で行こうと思います…」
…部室の隅に座っているいい男の視線は無視することにした。
「ばっほほーい!皆いる!?」
ばっほほーいって何だ。南太平洋あたりの呪いの挨拶か?
盛大に意味不明の挨拶をかましたハルヒに例のごとく突っ込みを入れておく。
「うるさいわね、こんなのノリよノリ。そんな細かい事気にしてると将来ハゲ…」
「あれ?それ誰?」
ようやく気付いたか。お前は本当に興味ないものには冷淡というか臨床心理的な視野が狭いというか…
「いいじゃない。何、ひょっとしてうちに入りたいとか…」
それはない。
「申し訳ありません涼宮さん。実はですね、こちらコイズミさんと言うんですが…」
古泉が素早くフォローを入れる。この3人は古泉のおじさんで、コイズミさんの選挙が近いこと。
密談に適当な場所がなかったこと。思い当たる場所がここしかないこと。
その他こまごまとした言い訳…この状況を正当化する嘘を軽々とひねり出す。
理路整然としていながら全くもって信用できないのは、さすが古泉というかしょせん古泉というか。
「…ふーん。」
ハルヒはいまいち納得してはいないようだったが、
「それは、依頼ってことでいいのね!?」
…しまった。すっかり忘れていたが、この状況ならハルヒは依頼とか言い出すに決まってるんだ。
「まっかせなさい!古泉くんの頼みだし、特別に相談に乗ってあげるわ!」
いやいやいや!別に相談に乗ってくれとは言ってないだろ?
そうさ、コイズミさんだって密談の中身をそう簡単に…
「実はねえ、困ってるんだ。党内の仲間が言う事を聞いてくれなくなっちゃってねえ。」
言っちゃった!いやコイズミさん、ハルヒに相談しても何も解決しませんよ!
ていうか選挙って本当だったんですか!
「解散するぞ!って言っても何だか…解散なんてしないだろうって馬鹿にするだけで…」
「リーダーとしては、一体どうすればいいんだろうねえ?」
リーダーと聞いてハルヒはがぜんその目を輝かせ、高らかに語り始めた。
…ハルヒに対する地雷ワードその77、リーダー。ちゃんと記憶しておけよ、俺の脳。
「あたしでもわかることを、その年の…しかも政治家がわからないでどうしようっていうの?」
…だいたい何を言うか予想はつくが、ハルヒ、少し控えておいた方が…
「自分が…仲間が、絶対正しいって信じること!自分は凄い、絶対勝てるって信じること!」
いやいや、俺はそんな絶対正しいとか…
「後悔するのは!負けてからでいいのよ!」
聞いてねえし。
「そうか…そうだな。何か教えられた気がするよ。うん、感動した!」
感動しちゃったよ!いやコイズミさん、こいつの言うことはそんな深いもんじゃなくてですね…
「涼宮さんに古泉君。ありがとう。おかげで決心がついたよ。」
コイズミさんはそう言うと、文芸部室のドアを開ける。もう決して振り返ったりはしない。
ていうかコイズミさん、あなたも俺の話とか聞いてくれないんですね。
「衆議院…解散するか。」
「さて〜、それでは私もおいとまさせていただくとします〜んっふっふ〜」
ちょ、ちょっと待ってください古畑さん、その前にあの危険人物を…
「あ〜そうでしたそうでした〜、阿部さん〜、そろそろおいとましないと〜。」
「ん?もうかい?意外に早いんだな」
「それでは〜、追い詰められて自分はゲイだと言い張った犯人の話でもしながら帰るとしましょう〜」
おっさんは去り。文芸部室にはいつもの風景が帰ってきた。
「古泉くん?」
ほんの少しだけ、形を変えて。
「さすがにちょっと無理があると思わない?」
…だよな。いや、勘のいいハルヒが気付かないと思うほうがどうかしてるんだが…
「いえ、その…本当に、本当に僕の…叔父にあたる人たちで…いえ、本当ですから!」
…焦った古泉というのも珍しい。脳の片隅に置いておく位の価値はあるかも知れんな。
「じゃあ、何か証拠見せなさいよ。そんなに親しい叔父さんならなんかあるでしょ?」
「…ええと…困りましたね…うん…そうですね、その…」
「そっくりだったでしょう?」
…古泉。お前は頑張った。
世が世なら吟遊詩人か何かがお前を称えるサーガの1つや2つをひねり出している頃合だろうさ。
「…それもそうね。」
ん?
「ほんっとに良く似てたもんねー。皆うさんくさくて。古泉くんの叔父さんってのも納得だわ。」
……古泉。あれだ。なんと言っていいのかよくわからんが…
「…うさんくさい…ですか?」
…おい。…お前、まさか…?
「僕は…うさんくさいですか?」
本気で…自分はうさんくさく思われてないとでも思ってたのか!?今の、今まで!?
「自分では…少し陰のあるクール系美少年だと…完全な2枚目キャラだと…」
はっきり言おう。お前は3枚目だ。お笑いキャラだ。百歩譲って2枚目半だ。
端的かつ最も明瞭な表現でお前を表すなら、一言で言って、
ネタだ。
「ちょっとキョン!はっきり言いすぎよ!」
…ハルヒ、このタイミングでそれは追い討ちと言うものだぞ。
なあ古泉。俺なんてひどいもんだ。だってキョンだぜ?
キョンが外房線にはねられましたーとか一家で爆笑だぜ?
鹿のキョンはまああれはあれで俺もかわいいと思うが…
「あなたは…むしろそのせいで稀に見せるかっこよさが過大評価されている節がある!」
ま…稀に見せるかっこよさとか言うな!恥ずかしい!
いいか古泉、うさんくさいってのは欠点ばかりじゃない。言い方を変えれば…そう、ミステリアスだ。
「ミステリアス…ですか?」
そうだ。お前にクール系は無理だと俺も思う。だが…街で見かけたミステリアスなあいつ、なら?
そこはかとなくカッコイイと思わないか?
「それは…たしかに。」
そもそもだな、この…ハルヒの周辺に2枚目キャラはいない。
つまり、メタ的に言えばお前が世界一2枚目度数の高い男と言っても過言ではない…
ならば、少々ネタ扱いされたところでどうだと言うんだ?
「…なるほど。僕としたことが、少々取り乱してしまったようですね。」
「そうよ!古泉くんはSOS団の2枚目キャラ担当なんだから!」
「そうです、古泉くんは普通にカッコイイと思いますよ?」
「…」
朝比奈さん、こいつにそこまで気を遣わんでもいいと思いますよ。
そして長門。その本さっき読み終わったはずだぞ?ホントにお前古泉には冷たいんだなあ。俺もだが。
復活した古泉のニヤケ面と定位置に戻ったハルヒ、
お茶の準備を始めた朝比奈さんといつの間にか新しい本を読み始める長門、
そして窓を見つめる俺と無意味なパンアップでこの物語は一応の終わりを迎えるのであった。
22 :
4人古泉:2007/06/16(土) 18:47:06 ID:nMOQSn61
というわけでなんとなくここで終わりです。
なんとなく乙
なんとなくマッガーレ
vipで引き受けてくれないものかな、こういうジャンルは。
26 :
SS保管人:2007/06/16(土) 19:31:54 ID:Y0iA8k5Q
なんとなく保管庫のライトノベル系の部屋を再編成。
巨大化していた谷川流の部屋も分割。
ファイル名も変更したので直リンしてた人は要注意。
>>22 GJ!
笑わしてもらいましたw
たしかに古泉は、解説がくどくて、ホ○で、時々毅然としてるよなw
>>26 いつもご苦労様です。細かい仕事ありがとう m(_ _)m
>>25 原作のキャラは雰囲気変わってないからいいんじゃないの?
原作重視のこのスレらしいし。
他版権キャラ(?)や実在人物が出演する作品はどうかと思うのよん。
一レス一発ネタならまあいいと思うけど、SS仕立てにしちゃってるから。
今更じゃね?
なるほど。まあ、確かに。
>>26 乙です。
しかし、試しに行ってみたら、ラノベ→谷川の部屋→作品リストまでは行けるのだが
各作品が開けない…他の部屋のは開けるんだが…
忘れてた。
>>26 いつも乙です!お世話になっとります!
見た感じ現在進行形で作業中みたいだから、ちょっと待った方がいいかも。
ながるんスレ以外も開かんし。
佐々木変態シリーズまだ〜ぁ?
>>35 d んじゃあ軽く12000年程待ってみますかね
8000年あたりで恋しくなるなよ。
102000年後も待ってます
15497回アクセスしてみる
佐々木変態シリーズってもう確定タイトルなのかw
あれ好きなんで待ってますw
42 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:02:43 ID:vTno4ufa
いまさらな話だけどイヤーズクリーンコンサルタントのほかキャラの話も読んでみたいな。
>>42 (゚∀゚)人(゚∀゚)
あのほのかなエロさは好き
>>42 メインはほとんど出てるが……あとは分裂組か?
佐々木や九曜がどんな反応をするのかというのは興味があるな。
45 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 01:05:57 ID:JRamFSBm
>>42 それと朝倉、喜緑、森、ミヨキチ、でオールかな?
番外で野郎どもも(笑)
世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、略して、SOS団!!!!!
いよっし、決まった!!だーーはっはっはっは!!!
いや、あの、できれば・・・あんまり気に・・・しないで・・・ください
47 :
SS保管人:2007/06/17(日) 01:17:23 ID:gEE5cmOF
x-beat鯖が原因不明のダウンみたいなので@page鯖に移転。
ファイルが1万個を越えてるとリンクの書き換えだけで1時間はかかるなあ。
ところで、前々から保管庫の中からお目当てのSSが見付けられないって問題が上がってたんで、
解決法になるかどうか分らないけど、案内用のwikiを設置してみました。
http://www35.atwiki.jp/tanigawa/ キャラ別などでお勧め作品を分類し、保管庫のファイルにリンクを張る形で。
(今回みたいにファイルを移転するとリンクを書き換えないといけなくなりますが…)
wikiの編集作業は他の方にお任せすることになりますが。
あう……マジすか。
何スレか前にもwikiの話が上がって、誰かが設置だけしたwikiってみんな覚えてる?
あれ密かにちびちびと編集してたんだけど……。もしかしていらなくなっちまうのか。
>>48 そういえばそんなこともあったね。
元々あるならあった方から使ったほうがいいとは思うけど
50 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 02:41:49 ID:Kjxf3xOU
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
>>48 今見てきたら本当に更新されてた。乙。
せっかく途中まで編集してくれたんだから、どうにか生かした方がいいかもね。
二回言うな。
>>49 でもあっちは管理人がトンズラしてるからなぁ…。新しい方に移すのも手間だとは思うけど。
53 :
48:2007/06/17(日) 03:17:04 ID:bANcrrOw
もしかすると編集する時のタグ(?)が前のwikiと同じかもしれない。
すぐ移せるかも。ちょっと見てみる。
54 :
48:2007/06/17(日) 03:23:34 ID:bANcrrOw
55 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 04:20:22 ID:0XBuyJFH
ハルヒネタまだ?
56 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 07:01:06 ID:fPw3ojPn
長門の最初の敵は問題児だったR
管理人不在だといざってときに不安が残るしねえ
前のwikiの管理人が名乗り出てくれて、未だ放棄されてないって分かれば一番良いんだけどなあ
>>54 これは……作者別に分けてるのかな? 自分の書いたやつ、一覧とかにしたほうがいいのだろうか……?
よけいなことだったらスマン
>>54 ここで言うのもなんだと思うんだが、やる気のある編集人さんが居るのなら、
>>47SS保管人さんにメールなり送ってメンバーにしてもらって権限を貰ったらどうだろう?
導入部と古泉、佐々木の言い回しで作者の力量がでる面倒な作品だよな
導入部は無くすにしても書く気が全く起きないんだよなぁ
>>47 お疲れ様です!
いやしかし鶴屋さんの次にミヨキチが来るのがこのスレらしいというかw
どっちを使うのがいいんだろ
既に手を着けだしてるけど管理人不詳なのと、
まだ外側しか作ってないけど管理人がはっきりしてるのと
明らかに後者だろう
>>54 とりあえず、新しい方にざっと移してみた。
勝手なことをしてすまない。
65 :
SS保管人:2007/06/17(日) 19:26:02 ID:A0XHvTbv
>>64 お疲れさま。
とりあえずメニュー部分を変えてみました。
66 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 20:51:28 ID:2tpMNT9/
>>47のwikiを携帯で見ているのですが…
ページ上部に色々とでているのを消すことは出来ないのですか?
要求しすぎるのは止めな。見れないわけじゃないんだろ?
68 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:13:53 ID:2tpMNT9/
そういうのをわがままっていうんだろう。
つか、新作がどれか分かりずらくなったな。
いや、ミスした。↑はスルーしてくれ。
あ〜これは@Wiki(ファイルシーク?)の仕様みたいなモンかな?
こちらではどうしようもないんじゃないかな。
普通にまとめ見ればいいことに後に気づいた
まとめってどこよ?
>>73 redribbonのほうの事を言っているのでは?
>>1にあるだろ・・
76 :
48:2007/06/17(日) 21:58:52 ID:bANcrrOw
77 :
64:2007/06/17(日) 22:03:26 ID:ODgZ/P8f
アレだぞ。今日は日曜で、珍しくちょっと暇で、やることなかったからやっただけだぞ。
まだ成仏して貰っちゃ困るぜ。
なんか、新しいところ、サポート対象外になってる・・・・・・
ネタが浮かばない…
誰か朝倉の内に秘めたるエロさを最大限に引き出したSSを書いてくれないかな〜(´・ω・`)
ごめん。僕の力じゃ書きたいんだが書けないんだ。
朝倉の眉毛をじっと見続けるんだ
何となくイメージか沸いてきただろう?
「ああっ!眉毛ッ!眉毛ッ!」
俺疲れてるのかな…
あれ?こんな時間に宅配便かな?ちょっと見てくる
最近会長×喜緑にはまってしまって非常に困っているんだが、
保管庫でいいのがあったら教えてくれないか?
タイトルだけで判別できたものは粗方読んだのだがその他が多すぎて調べ尽せないorz
そんなことがないように名前欄にカップリングとタイトルが書いてあると優しいよな
会長×喜緑さんはタイトルで分かるやつしか無かったような気が…しないでも無いような。
テープレコーダーで会長をおちょくる喜緑さんとかよかったな。
>>92 これはやべえwww
ワカいや喜緑さんテラモエス
むしろ会長にしびれるなぁ。
さっき喜緑さんのSS読んでからそこにあるものを次ぎ次ぎ読んでる。
VIPのハルヒSSwiki見たの初めてだけど、
各小説のページに題名が書いてあるのが分かり易くていいと思った。
あと、初出スレ・レス番とか日付や(ある人はハンドルも)記載されてれば完璧なんだろうな。
いつの間にやら喜緑さんのSSを紹介するスレになっている件についてw
喜緑さん(*´Д`*)/ヽァ/ヽァ
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
新作早く出てほしいね
いらんSS書きはVIPに追放しようとするのに藁た
3回言うな。
ここのまとめはカテゴライズされてないから探しにくいんだよね
携帯で新着読もうとすると下までスクロールするのがすごい時間かかって堪らん
>>104-105 ちょっと前のスレくらい読めんのか。
……と言いたいが、まだ半分も出来てないからしょうがないか。
携帯厨が前のスレを読むわけ無いだろw
協力もしないでクレクレばかりだしなw
ただ単に文句言ってるだけにしか見えないからね。
携帯向けに作られてるわけじゃないことを心得ないと。
まぁ、まとめはしょうがないとしてガイドはもっと改善されていくべきかな。
暇があるときにちょこちょこ編集してみようかとは思うが、量が量だからな…。
>>90みたいに「〜〜はコレ」みたいに上げてくれるとある程度は楽になるかも?
そういうのはどこか外部板でも借りてやったほうがいいかな。wikiに掲示板あるし、そっちの方が良いかもだが。
まとめも分割されて下まで行くのも楽になったしな
Wikiの管理人が流行らせようと必死だなw
見当違いどころか…。前のレスも読めんのかw
それで……九曜SSを書く猛者はおらん?
いや俺もちょいと考えてみたけどさ、そもそも本編でもちょっとしか出てないもんだから、イマイチ動かしようがないっつーか。
エロの方がまだイケそうな気がするが……うぅむ。
髪コキ、とか?
スレ45くらいからトンデモ昆布のSSはいくつもあるけど、エロは無いな…。
やだなぁ、九曜のエロなら前に俺が書いたぞ?
ハイフンと罫線だけだったけどw
>>115 なんと!!
心電図とかモールス信号とか昆布は奥が深すぎるwww
周防九曜のSSはいずれ攻めようと思ってるんだけど・・・
まだ原作で詳しく描写されてないから今の段階じゃ書きにくい
VIPのほうのSS参考にしてみれば?
空気を読まずにバカエロシリーズの続きを投下。保管庫様に収蔵してもらっている48−154『笹の木○○曲シリーズ』(変態佐々木シリーズ?)のハルヒ編で、2回目の『鈴の実狂操曲』の続編にあたります。
時系列的に佐々木はまだ出てきませんが、ハルヒが相当壊れたバカエロキャラになってますし、キョンもぶち切れ気味ですので、そういったのが苦手な方はスルーヨロ。
9レス予定。
『鈴の実口唇曲』
このSSは『鈴の実狂操曲』の直後にあたり、時系列的には『笹の木〜〜曲』シリーズより前になります。
・・・・・・・・・・・・・・・
ハルヒが泣き止むのを待って、名残惜しいながらもゆっくりと唇を離すと、俺はもう一度聞いてみることにした。
「あのさハルヒ。その、今日の朝練って、最初っからこれが目的だったりするのか?」
しかしハルヒはずっと俯いている。いや、すまん。こいつはデリカシーの無い質問だったな。
だが、よく見ると別に恥ずかしげに顔を伏せているというわけではなく、こやつの視線はじーっと一点に集中し、ランランに輝いていた。その視線の先には……役目を終えて元気を失いつつあるご子息!?
どぅあっ!!慌ててしまおうとするも、その手をがしっとハルヒに掴まれた。
「うっわ〜!あんたってば、こんなグロ可愛いのをあたしの膣内に挿れたちゃったの?さいてーね。ひどいわ。これってば、ぜったい犯罪よ犯罪!極刑に値するわ!」
真夏の太陽のような笑顔で嬉しそうに糾弾するハルヒ。とりあえずいつもの調子が戻ってきてくれたのはいいんだが、痛いから手ぇ離してくれ。
「あれ!?なんか血が出てない!?大丈夫?あたしどっか怪我させちゃった?」
半勃ちのご子息から糸を引くピンクがかった精液の残渣に気付くと、ハルヒは急に顔色を変えてオロオロしだした。いや、怪我させちゃったのは俺のほうだから。その、こいつはだな……
「へ!?あっ、そっか!べ、別に知ってたわよ。ちょっとあんたを引っ掛けてみただけなんだから!」
アヒル口でむーっと睨みつけたハルヒは、誤魔化すように俺の足元にしゃがみこむと、ご子息から10cmほどの距離に顔を近づけ、まじまじと観察を始めた。
あの勝手にズボン下ろさないでもらえますか?何というかその、めっちゃ恥ずかしいんですが。
「ふーん、こんな風になってるんだー。それにしても、すっごい匂い。なんか脳みそ鷲づかみって感じ!」
いや意味分からないから。それに猫じゃないんだから、棒の先をくんくん嗅ぐのやめなさい。
あまりにも興味津々なハルヒの様子に呆れつつ、欲しかったおもちゃをようやく買ってもらえた子供のような嬉しげなハルヒの顔と、
先程の残渣でテラテラ光る愚息の非現実的なコントラストを見ていたら……股間が再び微速前進をはじめた。
待て!もうちょっと節操ってもんを持て、ムスコよ!
「あはっ!また、おっきくなってきたじゃない!それにこんなにビクビク跳ねてる!あんたってば、処女のあたしをレイプしちゃった上に、その肉棒を口で綺麗にさせようとか考えてたりするんでしょ?」
チョンチョンと軽くムスコを突っついて、いたずらっ子の笑顔を浮かべていたハルヒは、潤んだ目でトンデモ質問をぶつけてきた。いや、俺はそこまで外道じゃないから。
「ほらほら、先っぽが濡れてきたわよ!口ではそんなこと言っても、こっちはあたしの上の口にも入りたいって言ってるんじゃないの!?」
おい、エロマンガ的展開では、その台詞は男女が逆じゃねーか?
「ま、レイプの被害者が、脅迫されて仕方なくしゃぶらされるってのは、よくあることだわね」
うんうんと訳のわからない理屈で肯きながら、チラチラと視線をこちらに向けるハルヒ。あのな、コンピ研あたりからエロゲでも巻き上げたんだろうが、どこからそんなアホ知識仕入れてきたんだ?
「SOS団の団長たる至高の存在が平団員に犯されちゃったなんてのは、大スキャンダルよね。ま、まぁなるべくなら隠しておきたいところだわ。その……脅迫される側って、基本的にひたすら言いなりになるしかないのよね?」
俺の股間にひざまづきながら、熱い吐息が感じられるほど愚息に顔を近づけ、真っ赤な顔で不敵な微笑を浮かべるハルヒ。
あくまで俺を犯罪者に仕立てあげたいようだが……実はお前がしゃぶってみたいだけなんじゃなかろうな?
「べ、別にあたしがあんたのチンポなんてシャブりたいわけないじゃない!喉の奥にキョンのを挿れてもらったら、オエってなっちゃわないでしゃぶり続けられるのかなとか、
キョンのって濃そうだからちゃんと飲み込めるのかなとか、もし少しでもこぼしちゃったら床を舐めて掃除させられるんだろうなとか、ぜったい思ってないんだからね!」
おーい、お前の中の俺はどこまで極悪非道なんだ?
だが、明らかに無理やりな怒気を発してハルヒがぷいっと横を向むいた瞬間、近づきすぎていた頬に愚息がぷにっと突き刺さってしまった。
「ひゃ!?」
ハルヒが驚いて飛びのく。あ、すまん、これは事故であってだな。
「口じゃなくて、あんたってばまずは顔をレイプしたかったの?やっぱ外道よ、外道!」
一度顔に先走り液が付いてしまったら抵抗感がなくなったのか、満面の笑みを浮かべたハルヒは、興味津々の瞳で再び近づいてきて、そろそろ十分な硬度を保った愚息にそっと手を伸ばし、白魚のような細い指を絡めてきた。
「うっわ〜、すっごいネバネバ。あたしって胎内にこんなの出されっちゃったんだ〜」
そういいながら、指先に付いた先走り液でにちゃにちゃと遊んでいたハルヒは、思い切ったようにそれをぺろりと舐めた。
その瞬間、雷にでも撃たれたようにビクッと全身を痙攣させ、ギュッと目を閉じて何かに耐えるようにプルプル震えるハルヒ。おい大丈夫か?
だが、再び開けられたハルヒの瞳は、どろどろの何かで濁っていた。そして呼吸は荒くなり、もはや何も言わずにただ俺の目を上目遣いにじぃーっと見つめてくる。
えーと、この状況はどうすればいいんだ?俺は今、部室で長机に浅く腰をかけながら、むき出しの股間にひざまづいた団長様を見下ろしている。
何かを期待して潤んだ瞳で俺を見上げるハルヒ。それはいつもの団長ではなく、明らかに命令を待つ従順な犬の目であり、同時に、俺の理性を蝕みドス黒い何かを呼び起こす堕天使の目だった。
その妖しい目に促されるように無言で腰を突き出し、どくどくと噴出するカウパーをハルヒの頬に塗りつける。ふにっと柔らかく、つるんとした絶妙の感触。
ハルヒはちょっとくすぐったそうに首をすくめながら舌を突き出し、糸を引いてこぼれる先走り液を必死に口に含もうとする。
それをわざと無視して、口を避けるように愚息を動かし、鼻筋から頬にニチャニチャした液体を塗りつけていくと、ハルヒの大きな瞳に大粒の涙が溜まり始めた。
「このバカキョン!意地悪してないで、さっさと口を使えばいいでしょっ!」
確かにそれは魅力的な提案だが、ここでこいつの言いなりになるのは癪だな。幸い一発出してるお陰で暴走することもなさそうだし、ここはひとつ、こいつからお願いするまでトコトン焦らしてやろう。
「だめだ。シャブりたいんなら自分から顔を寄せてしゃぶれ、ハルヒ」
う〜〜〜とアヒル口で睨みながらも逡巡するハルヒ。団長としてのプライドと、肉棒に隷属したい本能がこいつの中で激論を交わしているに違いない。じゃあ、従順なハルヒに援軍をあげましょう。
ということで、俺はハルヒの鼻先10cmで息子をしごいてみることにした。
「え!?ちょっと!あ、あんたってば、口が使えるのに顔にぶっカケるだけで満足する気?この変態!変態!!変態〜〜〜!!」
不機嫌なアヒル口で喚く団長様を無視して、その顔先10cmでシコる興奮。これはこれでけっこう悪くないな。
ニヤニヤ笑いながら無言で俺が作業を続けると、その興奮が伝染するように、ハルヒの真っ赤な顔がさらに朱に染まり、その目は熱く潤んでいった。
「あ、あたしってば、ぶっカケられるだけなの?口すら使ってもらえないの?」
ドロドロに濁った目で、胸と股間に手を伸ばし、必死にさするハルヒ。端から見たらオナニー合戦をしている変態カップルなんだろうな。
「うあすっごぃ。透明なのが垂れてきてるわ!」
嬉しいそうなハルヒの報告どおり、信じられないくらいにドクドクと溢れる先走りは、ついに糸を引いて床にポタポタと垂れ出した。
「勿体な……こ、このばかきょん、これは床を汚さないためなんだからね。勘違いするんじゃないわよ」
そう言いながら、ハルヒは長い舌を竿の下に突き出して、その粘り気の強い雫を受け止めはじめた。
「あぁんふあぁ、これがキョンの味?すごいわ。想像以上!」
一滴ごとにビクビクと痙攣しながら、完全に理性の壊れた目で見上げるハルヒ。
興奮で上気した頬の団長様は、両手で想像以上にボリュームのある胸を激しくまさぐりながら、より暖かいカウパーを求めてだんだんと顔を近づけてきた。
「しゃぶりたいなら、きちんとお願いしてからにしろよ、ハルヒ」
興奮が暴走した雌犬に冷や水となる言葉を浴びせかけると、ハルヒには半分だけ理性が戻り、団長の目でキッと睨みつけてきた。
だが、その口はおねだりするように大きく開けられている。よーし、じゃあお望みどおり、その強気な顔を汚してやる。
鬼畜な構想に興奮した俺は、こするスピードを一気に速め、睨みつけるハルヒを見下しながら、その大きく開けられた真っ赤な口を目指して砲門を解放した。
とたんに弾けるどろどろの濁流。その第1射は予定通りハルヒの舌を叩き、続けて、驚いて口と目を閉じたハルヒの眉間から頬にかけて、信じられないくらいの量の白濁をタパタパと浴びせかけていた。
すっと通った綺麗な鼻筋の分水嶺をねっとりと糸を引いて流れおちるスペルマ。
しかし、白濁汁でベトベトに汚されたはずのハルヒの顔は、息を呑むほど美しかった。
ギュッと目を閉じる団長の顔に絡みつく物体の淫靡さが、逆にハルヒの持つ一生懸命さと健康美を引き立て、
真っ赤に上気した頬を濃淡のあるテラテラのピンク色に輝かせることで、ハルヒの透明感溢れる魅力を限界にまで引き出している。
こいつをもっと俺色で染め上げたい。
そのオスとしての根源的な欲求に突き動かされた俺は、ハルヒの顔にマーキングでも施すかのように、精巣が空っぽになるまで大量の顔面シャワーを喰らわせていた。
脳が痛くなるくらいの長い噴出が終わると、所々ゲル状になった半透明の白い物質を顔一面に張り付かせたハルヒは、うっとりとした微笑を浮かべながら、口に溜まったその生臭い液体をこくんと飲み下した。
そして、目元をぬぐって恐る恐る片目を開けると、その手についたヌルヌルの匂いを深呼吸で肺の奥まで満たし、冷ましたミルクを舐める子猫のように嬉しそうにペロペロと味わい始めた。
「んぁこれがキョンの……。熱くてドロドロで美味しくて、それにすっごい香り。あたしってば、いま口も使ってもらえずに顔を汚されちゃったのよね?こ、これってすっごい惨めじゃない!?」
その台詞とは裏腹に、あげられたハルヒの顔には、これまででも最大級の晴れハレな笑顔が浮かんでいる。いつもの面白いことを見つけたときの極上の笑顔。だが、そこにべっとりとしたたる自分の体液。
顔に射精されたんだぞ!なのになんでこいつはこんなに嬉しそうな笑顔なんだ!?
ハルヒの気の強い顔にぶっカケ、あの晴れハレの笑顔を自分の白濁汁でドロドロに汚す。
いま目の前に広がる現実は、3桁を数え罪悪感で脳に焼きついたはず定番の妄想がどんなものであったかを思い出せなくなるほど、生々しく鮮烈な光景だった。
凄絶なほどに淫靡で、同時に、胸を衝かれるほどに美しい。妖艶でありながら清楚。いまのお前ほど世界の不思議を端的に表す存在はないぞ!!
もっとカケたい。こいつを汚したい。外も中も俺の色でベトベトにしたい。
高校入学以来の非現実的な現実すらガラガラと崩れ落ちていきそうな光景に、歪な興奮を覚えた俺は、たったいま出したばかりとは思えないほどギンギンに滾った息子を再びハルヒに突きつけた。
「ほらっ、ハルヒ、しゃぶっていいぞ」
その高圧的な命令に、くりくりとた犬の目で従うハルヒは、もはや一切の抵抗はせず、むしろ嬉々としてイチモツにむしゃぶりついてきた。
だが、パクリと咥えてはみたものの、どうしていいか分からないらしく、ハルヒは困った顔で上目遣いに指示を請うてきた。
妄想上の従順なこいつをオカズにしたことは一再ならずあるが、さすがに思い通りにフェラをさせるシチュエーションまでは思いつきもしなかった。
まだ精液がベタベタにこびり付いた、強気なはずのハルヒの顔にイチモツをぶっ込み、命令どおりにしゃぶらせる……あまりにもありえないはずの光景が現実のものになると、人間は意外に冷静になるようだ。
猛り狂う息子とは対照的に、気持ち悪いくらい冷静な頭で、俺はハルヒにいったん口を離すように命じ、まずは裏筋舐めから覚えさせることにした。
新しい遊びを見つけたときのキラキラな瞳で嬉々として命令に従い、舌を伸ばしてソフトクリームでも舐めるように、愚息を美味しそうに舐め上げるハルヒ。
「よーし、じゃあつぎは軽く咥えて舌で先っぽを刺激しろ」
褒めるように頭を撫でると、媚びと嬉色を浮かべた目で、ハルヒはいそいそと命令に従い、唇で亀頭を抑えながら、長い舌を絡めてきた。こいつに尻尾があったら全力で振ってそうだな。
「ぃて。歯は気をつけてくれ。ちょっとならいいけど、けっこう痛いんだ」
おいおい、そんなにオロオロしなくても大丈夫だから。そのあまりにも不安げな瞳のハルヒの頬を撫でて落ち着かせ、さらに次の指示を下す。なんかもう、ほんとに犬を調教している気分だ。
「そうそう。上手いぞ。今度は少し奥まで咥えて、舌の真ん中あたりで舐めてみてくれ。うん。よーし、そのまま思いっきり吸え」
指示通りに少し深めに咥え、ハルヒはシェイクを吸い込む要領でちゅごごっと吸い上げてきた。わったっ、ちょ、待て!いきなり気持ちよすぎだ!
俺の慌てた様子に困惑顔でいったん動作を止めたハルヒは、またしても不安そうな目をしている。
誤解を解くために軽く頭を軽く撫でると、ハルヒは俺の反応が快感ゆえのものであると理解したらしく、パッと明るい光を瞳に浮かべて、再びすさまじいバキューム攻撃を加えてきた。
柔らかな頬が極端にきゅっと凹み、その分、頬の内側が竿にねっとり絡みつく。
強引なバキュームと優しい頬の感触で、不覚にも秒殺されそうになってしまった俺が慌ててハルヒの頭を軽くタップすると、ハルヒが満面の笑みで口を離した。
「へへ〜ん、キョンの弱点一個見っけ!でも、吸うとそんなに気持ちいいもんなの?」
ああ、最高だ。他の誰かと比べたわけじゃないが、お前はルックスだけじゃなく、口の中まで完璧みたいだぞ。
つい出てしまった俺の素直な賞賛の意味を一瞬考えていたハルヒは、茹でダコのように真っ赤になると、バカッと小さく叫んでぱくりと息子を咥え、再び容赦ないバキュームを加えてきた。
こら、まずいって。そんなにされたら出ちまうって!!!
俺の慌てっぷりをいたずらっ子の瞳で確認していたハルヒは、亀頭が膨らみ始めるほど射精直前にようやくバキュームを止め、従順な犬の目に戻って次の指示を乞ってきた。
「じゃあ次は上顎の裏側でカリ首を絡めるみたいに刺激してくれ。そこは一番気持ちい所だか ら、たっ、どぅわっ、ちょっ、たんま!これやばいわ!」
余裕をなくした俺が何とか息子を静めるために黙り込むのと裏腹に、コツをつかみ始めたハルヒは、こんなことにも独特のセンスの良さを発揮し、新しい技の開発を楽しみだした。
リズミカルに動かされる頭で舌を裏筋に這わせていたと思ったら、唇の裏側の最も柔らかい部分でカリ首をねっとりと刺激する。
そして、愚息がその刺激に慣れてきたと思ったら、即座に深く咥え込み、バキュームしながら、左右に頭を振って頬内で交互に棒を締め上げる。
さらには俺の限界を察知すると、さっと口を離して甘い吐息で猛りを鎮めにかかる。こんなことにも才能を持ってるなんて、まったくもって、オールマイティーなやつだよ、前は。
ご褒美に頭を撫でられるのが嬉しいらしく、ゴロゴロと喉を鳴らす猫のように愚息にじゃれ付くハルヒの顔はとても楽しげだった。
例えるならそれは、大きなアイスクリームをボックス丸ごと食べていいと言われて、まだ硬い表面に必死にガジガジスプーンを突きたてようとする子供のようだった。
まあ実際には、咥えてるのはスプーンじゃなく俺の愚息であり、口の周りをベタベタにしてるのは、唾液とさっきぶっカケた精液なんだけどな。
ふむ。こんなに嬉しそうなら、こいつの妄想にも付き合ってあげることにしますか。
「どうだハルヒ?はしたなく平団員のチンポしゃぶりついて、自分の汁で汚しちゃった棒を舐めてきれいにする感想は?」
その残酷な言葉にビクッと震え、ハルヒがギュッと目を閉じる。あれ?さすがに傷つけちゃったか!?
だが、よく見ると、愚息をしゃぶりながらも、何かに耐えるように股間と左胸を押さながら、プルプル震えている。
おいおい、もしかしてこいつ……チンポをしゃぶりながら、こんなこと言われてイったんじゃないだろうな?
まさかとは思うが……ちょっとからかってみるか。
「やれやれ。そんなにチンポが美味しいのか?触られてもいないのに言葉だけでイくなんて、とんだ淫乱だなハルヒ」
息苦しそうにいったん口を離し、俯いたままで慌ててブンブンと首を振るハルヒ。だが、そのうなじは信じられないくらい真っ赤に染まっている。
「そっか、間違いならいいんだ。まさか団長様ともあろうものが、平団員のチンポを命令通りにしゃぶらされて喜ぶはず無いもんな。
だけど一応確認だ。もし今後も俺に命令されたいんなら亀頭にキスしろ!」
慌てたように亀頭にチュッとキスをする団長。まったく。素直なんだか素直じゃないんだかわかんないやつだね、こいつは。
その慌てっぷりを微笑ましく眺めていたら、ハルヒは心配そうにおずおずと聞いてきた。
「キョ、キョン、その、亀頭ってここでいいのよね?」
「ああ正解だ。だが、そこを舐めたってことは、団長様は俺に命令されたい変態ってことだぞ」
とたんにハルヒは泣きそうな顔で眉を寄せる。
「へ、変態?あたし変態なの?でも、だって、きょ、きょんが……その、」
俺のスペルマをドロドロと張り付かせながら、涎まみれの困惑顔でベソを掻くハルヒ。
その儚くも妖しい美しさに急激に募る愛しさと、それと反比例するような残虐な欲望に支配された俺は、有無を言わさずその小さな口にマラをぶち込んだ。
「んぐっボハァ、ぁ、グフ!んん〜!」
小さな後頭部を押さえつけ、機械的に腰を振ると、ギュッと閉じられたハルヒの目尻からはボロボロと大粒の涙がこぼれ、息継ぎをさせるために一旦抜くたびに、ケホケホと苦しそうに喘ぐ。
そんな弱々しいハルヒに、さらにサディスティックな興奮をそそられた俺は、もっと深く喉穴を使うために、遠慮なく激しいピストンを喰らわせた。
もはやなすがままになり、人形のようにぐたっと力を抜いて喉奥を俺に貸し出すハルヒ。
だが、とめどなく涙を溢れさせながらも、じっと上目遣いで俺を見つめる瞳には、赤ん坊を覗き込む母親のような優しい光が灯っている。
そのあまりの美しさに驚いた俺は、イチモツを最深部に突き入れたまま、思わず脳の快楽栓を引っこ抜いてしまった。
とたんにあふれ出し、喉に直接ダバダバと注ぎ込まれる白濁。その多量の異物をハルヒは眉根をきゅっと寄せながらも、全て飲み下していった。
その一部始終を呆然と脳裏に焼き付けていた俺のご子息がゆっくりとしぼんでハルヒの口から離れると、ハルヒはふらっと倒れこみそうになった。大慌てで支え、声をかける。
「すまん、調子に乗りすぎた。大丈夫かハルヒ!?」
覗きこんでみると、ハルヒの顔には、お菓子を満腹なるまで食べたコドモのような微笑を浮かんでいる。が、その息は荒く、目の焦点もあっていない。やばいな、助けを呼んだほうがいいんだろうか?
「あ、あんたが、わるいんだからね。だから、もうちょっとだけ……ぎゅってしてて」
命令する声にも力が無い。だが、その口調は穏やかで、すがりつくような無垢なまなざしが俺を見上げていた。
「あたまを撫でてもいいわよ?」
はいはい。とりあえず、大丈夫そうなハルヒの様子にほっとした俺は、その華奢な体を力いっぱい抱きしめながら、小さな頭をゆっくりと撫で続けた。
数分して元気を回復したハルヒは、ばつが悪そうにえへへっと微笑むと、思い出したようにビシッと指を突きつけてきた。
「このエロキョン!バカキョン!変態キョン!フェラで女を気絶するまでイかせるなんて、あんたってばこんな高等テクニックをどこで覚えてきたのよ!?」
覚えるも何も、フェラしてもらうなんて初めてだぞ。それにさっきのお前は、酸欠で気絶したんじゃないのか?
「違うわよ!キョンのが喉に入ってきたとたん、気持ちよくて、脳が緩んじゃったんだからっ!顔を精液で愛撫しておいて、喉に突っ込んでイかせるなんて。まったく油断も隙もあったもんじゃないわ!」
そういえば、ハルヒの顔にドロドロに付いた自分の汚汁は……げっ!俺のワイシャツ!?
「へへーんだ、ドジキョンってば、やっぱしょうがないんだから!ほらっこんなこともあろうかと、換えのシャツとトランクス持ってきてあげたから、ちゃっちゃと着替えなさい」
おお、さすがはハルヒ。相変わらず準備いいな。ってやっぱり今日の朝練はこれが目的だったんじゃないか?
「なに言ってんのよ、このバカキョン!パンツを思いついたのは今日だけど、このシャツは前から用意してたの!ずっと荷物になってたんだからね。心して使いなさいっ!」
へえへえ。もちろんありがたく使わしてもらいますよ。ということで、とりあえず着替えると……
あの〜ハルヒさん?精液で汚れちゃったシャツとトランクスをたたんでくれるのはありがたいんですが、
すぐ近くにあるウェットティッシュを無視して、顔に残ってた残渣も丁寧にシャツに吸わせた上に、新しいシャツが入っていた袋に入れて厳重にセロテープで封をするのはなぜですか?
「だって部室には大きいサイズのジップロックが無いんだもん。しょうがないから応急措置よ。あたしともあろう者がぬかったわ。買出しリストに加えておかなくちゃ」
むうーとアヒル口で腕組みしたあと、鞄にその袋を大事そうにしまうハルヒ。そんな着古した上に汚れたシャツと、この新品じゃ交換は成り立たんし、第一、答えになってないんだが……。
「ま、どうでもいいことは気にするんじゃないわよ。それにいま出したばっかりなのに、また勃ってきたじゃない!!
レイプされちゃった上に、口と顔まで犯されちゃったあたしは、これからずっとキョンの言いなりなのよね?
どうせあんたってば、これからは勃ったら、いつでもどこでもあたしの穴を使うつもりなんでしょ?」
いつもどおりの無茶苦茶なハルヒ節。ようやくこいつも本調子に戻ってきたようだな。
「いや、いつでもどこでもってこたーないが、しゃぶりたいって言うなら、その変態な口を使ってやらんでもないぞ?」
と、安心した俺がつい調子に乗って軽く答えてみたら、自分の体をギュッと抱きしめてブルッと震えたハルヒは、いつかのように人差し指をくるくる廻しながら、部室を歩き回ってトンデモトークをはじめた。
「あーあ、やっぱりあたしってば、穴を使われるだけのキョンの精液処理係に堕とされちゃうのよね。
普段、団長として振舞わなきゃいけないあたしは、キョンに命令せざるを得ないけど、あんたはそれをメモっておいて、あとで体に復讐する気なんでしょ。
そうに決まってるわ!きっと団活が終わったあと、みんなを先に帰らせて、部室棟の裏に引っ張っていくんでしょ。
で、そこであんたは、誰が見てるかも分からない屋外で、あたしの体をねちっこく撫で回した上に、命令×3回お尻にスパンキングをするつもりなのよね?
それで、誰かに見つからないように必死に声を噛み殺して涙を流すあたしの様子をニヤニヤと眺めたあんたは、
いやがって口を閉じるあたしの鼻を摘んで口を開かせ、立小便でもするかのようにごく自然に、イラマチオで命令した回数分きっかり精液を飲ませる気なんでしょ?」
ムムっと下唇をかみながら、熱に浮かれたような瞳で睨むハルヒ。何じゃそりゃ?だいたい俺が一日に何回お前に命令されるとおもってんだ?それから逆算してみろ、絶対無茶だって分かるから。
「その表情から察するに、あたしが飲みきれなかった分は翌日に回す気ね。
分かってるわよ。朝一でブラのカップからこぼれるくらいに射精して、それを着けざるえないあたしが一日中胸元からキョンのスペルマ臭をプンプンさせて困る様子を楽しむなのね。まったくとんでもない団員を持ったもんだわ。
それにブラ射ってことは、パイズリも仕込む気ね?ふふん、みくるちゃんには負けるけど、あたしだってDはあるんだからね。受けて立ってやろうじゃないの!ま、やり方とかは教えてもらう必要があるけど」
腕組みの上におっぱいを乗せてふんぞり返り、プルンと揺すってみせるハルヒ。まぁ確かにこいつのスタイルの良さは桁外れだからな。てか、ブラ射なんて言葉初めて聞いたぞ?自作か?
「まったく、分かったわよ。そんなにギラギラして目で見なくても大丈夫。はいはい、じゃあ今日から中休みはパイズリタイムね。
20分じゃ部室に戻ってる時間はないから……仕方ないわね、屋上近くの階段の踊り場しかないか。鬼畜なあんたは、あそこで石膏像にかこまれながら、あたしを裸にひん剥いてのおっぱいをジロジロ楽しむつもりなんでしょ。
でもダメよキョン。例え無生物でもあたしの乳首を見ていい男はあんただけなの!だから裾から突っ込んだあんたのモノを挟んであげる。
安心しなさい、もちろん先っぽは、緩めた襟から出して吸ってあげるわ。どう?北高セーラーに直接突っ込むパイズリなら、制服フェチのあんたも文句ないでしょ?」
いや、俺はそんなに制服属性ないから。てか、それをやってみたいのはお前の方だろ。ってハルヒさーん?おーい!聞いてますか〜?
「あ、それに、団長権限で平団員にパシリなんかさせちゃった日には、その週は膣内発射週間になっちゃうに違いないわね。
あたしがどんなに抵抗しようとも、冷酷な薄笑いを浮かべたキョンは、あたしを押さえつけて、子宮がいっぱいになって、溢れちゃうほど子種を仕込むの。
ま、ピル飲んでるから生でも大丈夫っちゃー大丈夫なんだけど、やっぱり0.03mmでも隔てているものがあるとないとでは大違いよね。
たとえ犯されちゃってもゴム付なら、あれはただのスキンシップだったって自分を慰めることが出来るけど、いくらピルで自己防衛しようにも、膣内発射はあたしを孕ませることを目的とした、れっきとした生殖行為だもんね。
雌としての屈辱感と恐怖感と気持ちよさが段違いだわ。さっきなんかものすごく痛かったのに、膣内に出されちゃった瞬間に、頭の中になんか花火みたいのがパッと咲いたもんね。
バカキョンのことだから、ちょっとでも無茶な命令をしたら、毎日隅田川の花火大会並みにあたしの一番深いところをタプンタプンの洪水にするに決まってるわ!」
いや、子宮をタプタプって物理的に無理ありすぎだろ。
「その上、妊娠の恐怖に怯えるあたしが必死に精液を掻き出そうにも、あんたはその手をねじり挙げて、一滴も漏らせないような極太なリモコンバイブで栓をするの。
ふふん、そうよね、エロキョンのことだから、せっかく付けた栓をあたしが勝手に外したりしないよいうに、リモコンを事あるごとにオンにして、確認するつもりでしょ?
イスに座ってたら、振動が伝わっちゃってけっこう大きい音するもんね。変な座り方をしたあたしが青い顔してたら、阪中さんが心配して近づいてきてくれるに違いないわ。
あの子とっても優しいもの。でも鬼畜なあんたは、その瞬間を狙ってまたオンにする気ね?ブーンて言う低い音がしちゃってさ。快感に耐えながら、あたしは誤魔化すために携帯を探すフリをしなきゃいけないの。
もちろん授業中に問題をあてられたら、答えてる間中ずっとオンにして、あたしが脂汗流しながら我慢するのをニヤニヤ笑って見てるつもりでしょ。
それどころか、数学で当てられたりしたら、黒板の上の方に書くために背伸びしようにも、バイブが見えちゃわないか気になってしょうがないじゃない!
何とか解答を書くんだけど、気もそぞろなあたしは一番最後になっちゃうでしょうね。
で、体よく答えの解説もさせられるあたしが、他の子の問題に目を向けて油断した瞬間にオンする気ね!分かってるわよ?あたしが授業中に、くの字になって悶えるところを蔑みの視線で淡々と観察したいんでしょ。
あんたってばほんとに鬼畜ね。この変態!色魔!!強姦魔!!
ってことで、ちょっと小腹空いたからパン買って来なさい!途中のコンビニのやつじゃなくて、駅前ベーカリーで焼きたてのチョココロネよ!大至急!5分以内!!
遅れたら購買でコッペパンの歌うたいながら、メロンパンをカリカリもふもふの刑なんだから!」
瞳に妖しい色を浮かべながら鼻先5cmにびしっと指を突きつけるハルヒ。てか、言ってることが無茶苦茶な上に、仮定と結論が支離滅裂だぞ。
「何よその呆れたような目は。あ、そうよね。正体を現したエロキョンなら今までのことも許すわけ無いわよね。
あたしってば、今までキョンのこと何度もシャーペンで後ろから突っついちゃったじゃない?だから、仕返しにその回数分だけあたしの後ろの穴を突っつくつもりなんでしょ?
寝てるバカキョンが少しでも授業に遅れないようにって、団長としての親心でやってただけなのに、逆恨みしているキョンは全部記録をとってるわよね。
一回の授業ごとに最低3回は突っついてるから……1日6、7コマを面倒だから6.5コマとして、週5日で一年50週計算で3をかけて……4875回!!
参ったわ。あたしの括約筋ってばズタズタにされちゃうんじゃないの?あ、でも今日はダメだからね。
後ろはエネマってやつを最低でも数日使ってからじゃないとダメみたいなの。だから、残念ながらこれは来週からね。あんただってせっかくなら団長の裏処女も生で犯したいでしょ?」
いや、人としてそれはないから。てか、なんなんだ裏処女って!?
「ふーん、あんたはまだそっちに獣欲を振り分けてないの?ま、いいわ。明日になったら、あんたはスカート越しにあたしのお尻を舐めまわすように視姦して、肛門の襞の数を妄想するに違いないんだから!」
妙に確信を持った表情でピシッと人差し指を突きつけるハルヒ。いや、そんな趣味はないから安心しろ。
「どうかしらね?でも、今日からでも、後ろの貞操をガードする必要があるわよね。まぁ仕方がないから、キョンが勃ったらすぐに口か下の穴で鎮めてあげるわ。
勘違いするんじゃないわよ!?これってば、仕方なくなんだからね!!乙女としての最低限のプライドを守るためだもんね。これってば最低限の妥協よ!妥協!!
でも、淫獣なキョンのことだから……授業の間の5分休みでも、襲ってくるわよね?
下はまだちょっと痛いし……しょうがないわね、休み時間は口で抜いてあげるわ。勘違いすんじゃないわよ。これはエロキョンにアナルを襲われないための涙ぐましい努力なの!」
いや、別に襲わないから。っておーーーい!!!俺の声聞こえますかーー、ハルヒさーーーん!?
「でも5分かぁ。一番近くい人気のないトイレに移動するまで1分は掛かるでしょ。てことは往復で2分だから……実質3分しかないじゃない!
ダメよ、それじゃぜんぜんダメ!ゆっくりキョンを味わえないじゃない!もー!何とかならないの!?
あ、でも3分で出すなら、さっきみたいに強引に口を犯すしかないわよね?それはそれで悪くないわ……いやいや待ちなさい涼宮ハルヒ!さっきみたいにされたらあたしは確実にイくわ。しかも完全に気絶コース。
そうすると幸せに浸る時間が最低でも5分は欲しいから……あーもうだめじゃないの!!それだけでタイムオーバーじゃお話にならないわ!!」
ガジガジと頭をかきむしりながら悩むハルヒ。てか、5分休みにトイレでフェラってありえないから。お前学校を何だと思ってるんだ?真面目ぶるつもりはないが、バレたら良くて停学だぞ。
「ふん。停学なんかよりも肛門の貞操の危機の方がよっぽど大問題よ。困ったわねー。なんとか休み時間ごとに、キョンを味わう方法がないもんかな?ほらっ、あんたもボケッとしてないで考えなさい」
くるっと振り向いたハルヒの目は完全に据わっている。やばい。どうやらジョークじゃなさそうだ。とりあえず落ち着け!まずは俺がお前の尻を狙う可能性を排除することからはじめようぜ?
「却下。そんなのありえないもの。うーん、どうしよう。あ、そういえば、今日の日直って谷口だったわね。代わってやるっていえば、喜んでほいっほいっ譲るに違いないわ。
それで授業の終礼を5分くらい早めちゃえばいいのよ!幸い今日は時間にうるさい授業ないし。うん、これはグッドアイディアね。よし、決まり!これでいきましょう!」
振り返ったハルヒは、ニパッと心から嬉しそうな笑顔を浮かべた。思わず見蕩れてしまいそうになるが……えーと、不正は良くないぞ。
「ふふん、そんなこと言いながら、ギンギンにおっ勃たせちゃってるくせに。あんただってあたしの口を精液トイレにしたいんでしょ。
そうと決まれば、早速あんたを10分以内に抜けるようにさっきの復習しなくちゃ!そうしないとまた喉を犯されて、天国行きになっちゃうもんね。
分かってるわよ。きちんと自分からおねだりしてから咥えろってんでしょ?
ま、しょうがないわね。団長たるものが、部下に上下の口と顔を犯されたなんて噂が広まったりしたら、面目丸つぶれだもんね」
ブツブツとありえないことを呟いていたハルヒは、すっと俺の足元に正座をすると、三つ指をついて、ピッと一本筋の通ったきれいな一礼をしてきた。
「どうか、あたしをキョンの玩具にしてください。好きなときに好きなだけ穴を使って、気持ちよくなってください」
あのハルヒが土下座!?おい!どうしちまったんだ?ま、まさかこの瞬間に世界がぶっ壊れたんじゃないだろうな?
いきなり尻を掲げてきたときよりも大きな衝撃でフリーズした俺が、何も答えられずに口をパクパクさせていると、再び上げられたハルヒの顔には、静かで力強い微笑が浮かんでいた。
今までのハルヒからは想像もできないような、大人びた落ち着きのある微笑。
それは凛とした揺ぎ無い決意の表明であり、同時に、何か重大な覚悟を極めたものに特有の澄み切った笑顔だった。
「えへへっ、言っちゃったわ。これであたしの全てがキョンのものになっちゃったのよね?
覚悟しときなさいよ!学校で勃ったらすぐにあたしの穴を使うこと!これは団長命令!逆らったら死刑なんだから!!」
一転、盛大に咲き誇るヒマワリ畑のようないつもの晴れハレの笑顔で、ビシッと人差し指を突き立てるハルヒ。
その嬉しそうな笑顔に呆然と見蕩れながら、俺は、やっぱりこいつは太陽が似合うなあ、と、シミジミと妙なことを考えていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一応おわる
いいぶっ壊れっぷりだ。
そのうちキョンは枯れてしまいそうだw
このシリーズ好きだ
ただ佐々木のときと違って何かエロくないんだよな
やっぱハルヒが子供っぽいからかな
136 :
作業員:2007/06/19(火) 22:09:11 ID:HQVe4IO+
待ってたw
佐々木の続きを激しく期待。
上でも散々希望したが、ぜひ遠隔調教をたの(ry
137 :
87:2007/06/19(火) 22:23:04 ID:xQP7H9xF
紹介THX
そっか…あれ以上無いのかorz
てか会長喜緑少ないな〜…足りないな〜…
>>91>>92 はまさしく会長喜緑にはまったきっかけ。
出会わなければよかったのに。そしたら毎晩夜更かししてSSあさりにせいをだして寝不足になんてならなかったのに…orz
ハルヒの口腔と同じ書き手だったりする?どこか重複してる表現がある気が…・
才能があると思った
明らかに無駄遣いしてる気がするけど
一日に何発やれるんだキョン!
今のところ二人だからな。
>>138 当たりです
スマンm(_ _)m なるべく表現は変えるようにしてるつもりなんだけど、やっぱり重複があったか;;
ちなみにエロは、36-295涼宮ハルヒの唇/口腔、47-512涼宮ハルヒの類人猿に続いて3つめなんで、そこら辺と被るのは平にご容赦を。
エロの語彙力って難しいよね orz
>>142 俺は貴方の作品好きですけど。
(;´Д`)ハァハァ
>>142 当たりかw
いやさ、唇好きでさ。そのことをスレで言ったら口腔が来ただろ。おかげでよく覚えてたんよw
>>137 続きはまだないって宣言してなくてスマソ(´;ω;`)
俺的にインターフェースはコント風味が好きなんだけど――やっぱ名作はしびれるよな
>>142 てゆーかギンギンになりました。この度は誠に―――
>>137 きみは37-707を読むといいにょろ〜
>>142 いつも乙
その作品も後で読んでみるとする、毎度毎度思うが大した人だよあなたはw
そういえばこないだ、アスタの人が今書いてるって言ってたけど、まだなのかな。
ものごっついwktkして待っとります。いや、焦らせるつもりじゃないんだけど……。
電波が受信デキネ
>>150 俺は火力が足りない。とりあえず驚愕待ちだ。
小さいネタを形にしていってみようかなぁ……。
十二時間レスがない。
しかしすぐにレスがつく
飽くまで待たざるものなのさ
飽いたとしても待たざるものなのさ
感動するとか泣けるとか、そういうSSのオススメある?
ここ以外でもあったら教えてほしいです
>>156 25-97: 『鼻歌とチョコレートケーキ』 長門とデートする話 短編
同作者の定番があるけど、あえてこちらで。
42-459、43-678は別の意味で感動する
おお、ありがと。紹介されたの読んでくる。
この中だと「二度目の選択」は読んだことがあるかな。
「チョコレート」は名前だけ聞いたことがある。
泣いてきた。
非常に申し訳ないんだが、良ければ
>>158-159の二人の他の作品も教えてもはえないだろうか。
畜生…鼻歌とチョコレートケーキで泣きそうになったのに
Googleの広告のせいで萎えた
>>164 まとめwikiの、「とある書き手さん1」、「とある書き手さん2」
168 :
137:2007/06/21(木) 00:02:17 ID:vDwJU1wo
もう諦めてたのだがドキドキしながら
>>147を最後まで読んでみた。
―とても良いめがっさでしたが、えっと…これは安価ミスかな?
生徒会の人が一瞬でてきただけだったんだが…
ああ。
俺釣られたのかorz
>>145 TFEI三人娘いいよね。
>>140 その発想は…なかったw
考えてみる。
>>156 泣きたいなら輪舞曲とかどうだろう。
長門スレまとめにあるんだがあれは名作だよ〜
>>156 11-226さんの団員三部作はガチで泣ける。
171 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 01:05:12 ID:hdPxUoEf
松井オデキは人類史上最低の屑
>>170だよな、個人としては「古泉一樹の親友」が一番胸にくるものがあった。
>>161 読んでみました。不気味でした。なんすかあれ?
感動大作大杉
やっぱ涼宮ハルヒは名作だわ。
ながるんありがとう。
俺の友達にこの作品読ませたら「かわいいなぁ、このナガモン。」とマジで言いやがった!
ナガモンは団長とキョンの物
っていうか、愛娘ポジション
>>170 >>172禿同。
まあ概出だと思うけど、
11-226さん=東出さんだからね。
しかし他にもこういうのあるのかな?と妄想すると少し楽しい。
>>169 ありがとう。それはよく知ってる。
あのまとめの中ではこれだけが異様に浮いているような気も・・・・。
>>170 それも知ってる。でもせっかくだからもう一度読んでみるんだぜ。
>>173 考えるんじゃない、感じるんだ
カオスを
>>178 東出さんは元々ss書きだったらしいから探せばあるんじゃね?
葉鍵ロワイアルとか書いてたとか書いていないとか。
東出はハカロアとはノータッチだぞ
ちょっと今日レス無さ過ぎじゃね?
普段ありすぎなだけだろ
たまにはこんな日があってもいい
エロパロ板で勢い20以上あれば充分だろ
>>182 東出は吸血大殲だよな、確か。
まぁ同じクロスものだし似たよーなもんだが。
風も香る四月に中学時代の旧友そしてSOS団モドキの三人組と出会ってから早幾月、
色々あって異種の同類と挨拶を交わすアリ達くらいには歩み寄れた俺達は今
「周防九曜の日本語教室」と題され設定された空間で
団子の様に頭をくっつけパソコンのディスプレイと睨めっこしている。
具体的にはちょっと広めのネットカフェのような所とだけ言って置こう、
物語とは相応の人数と相応の場所とがあれば何時でも何処でも展開できるのである。
とは俺のちょっとした知り合いの私見だ。重ねて言うが俺じゃない。
「九曜の」とは言ったが勿論こいつが俺達に雅やかな助詞述語を伝授してくれる訳はなく
専ら、というか当然、というか誰がどう見ても周防九曜の「為の」日本語伝授祭である。
こんな事を思いついたのは誰だ。橘京子か。全くの迷惑だ。
この場にはハルヒを除いたSOS団(正規)と勿論とは何となく言い難いが周防九曜、やはり会いたくは無い
未来人(男)は居らず九曜を挟んで俺の右隣には何故か橘京子。何を考えているのか、今回の茶番の首謀者かと俺が疑う
ハンドシェイクESPである。次回は欲しくない。何時会っても髪を二つに結っている。それは何か信条を表すものなのか。それともただの趣味か。
とはいえ、あくまでもしもの時の睨み役としてだけきた俺以外の正規団員たちはやる気ゼロの無気力症候群前線と変して
梅雨と競うのもメンドウくさいといった様子でバラバラに好きなことをして過ごしている。こんな所でも朝比奈さんの茶は上手いのだ。
これも恒例と変している。無論これ以上変わって欲しくは無い。俺はな。
そろそろ本題、どこをどう突付いてもまるきり主人公扱いされない、しかし全く動じないある意味長門以上の何かを持つ
周防九曜である。ある意味でだ。
橘京子の提案で九曜に現代のまともな言語と使い方を覚えてもらうのにはインターネットを使うのが
ぶっちゃけ最も手っ取り早いということらしい。眠たくなって来た。二人でやってればいいだろうに。茶髪の少女が手伝って欲しそうな目で
こちらを見ている。手伝いますか?チョイスザイエスノー。面倒臭いがはいと答える。実際本日のアイスコーヒー代は向こう持ちなのだ。
そして話題の中心人物に成ろうという努力を常に微塵も感じさせない黒髪の無口端末はというと
長方形の最新型パソコンの正面に陣取り、
普段の鈍間ぶりが錯覚に思えてくる程驚異的なスピードでウェブ巡回を履行していた。なんて速さだ。
「なんという」とか、「まさかここまでとは」とか、漫画的な驚嘆台詞が記憶野から吐き出されてくるのをとりあえず押し込みつつ
一時的にも情報改変されてるんじゃないかと思う処理速度で頁を変え続ける液晶画面を
俺はB級サイコギャグムービーを見る目で実際見ていた。酔ってきたかもしれないぞ。おい。
案外に俺は電磁波に弱かったらしい。十五分でバテた。間近に居た橘京子も俺ほどではないまでも
珍妙な面持ちでアイスカフェオレをかき混ぜ啜っている。どう見たって二時間前の十五倍は眠そうだ。
九曜当人はというとどんな時でも笑みを欠かさない女超能力者と団員達に下敷きうちわで仰がれる俺を置いて、
少しは満足した風の無表情でふわふわと帰っていった。あいつの家は何処に在るのだろうか。地上だろうな。
輪舞曲読み終わったぜこれは同人として書籍化されたらガチで買う
>>189 長門スレに行け
と思ったが、あとがきを見て なるほどと思った。
俺もロンド読んで面白かったんで、その作者さんの他の作品も読んでみたんだが。
あの作者さん、キョン視点になると、キョン語りが微妙だな……。
たぶんこれを読む人は朝倉戦のところで最初に泣くと思う。
連載中にリアルタイムで見てたが、俺は泣いた。
話が脱線しているよ。
もういいかげんやめようぜ
イントロだけみたけど
文体は原作重視のこのスレの住民向けじゃないな、と思う。
つか、冗長。
わざわざこのスレで話すほどのことはないと思う。
板は違うが関連性は高い、なにより投下の合間としては実に上等な話じゃないか。
>>195 語るのはかまわんが、
そこまで面白いか? という気はする。
このスレのうまい人は冗長には書かないしなぁ。
プロ評論家キタコレw
198 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 17:45:20 ID:mKUUb8up
度が過ぎた板違いな話はよした方がいいよ
アンチが沸いたら向こうの作者さんにも迷惑がかかるから
すまん、ageてしまった
なんで長門厨ってこんなに行動が痛々しいわけよ?
行動の痛い奴の事を厨と言うんじゃないのか?
●<厨房とかどうでもいいです。
○<どうでもいいところで俺のコイツをどう思う?
PSPでゲーム化だってよ。
今更その話題かよ。
既出甚だしい。つかゲーム化って言ってもどうせたいした出来にはならんだろ。
人それぞれです。
208 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 22:43:41 ID:LepCSfEg
バンダイナムコでしょ?これはゲーム化しないほうが(ry
SSスレというか、雑談スレみたいになってきたなここ
さいきんどこのハルヒスレもそんなだよw
やっぱ恋愛シュミレーションものか?
この空気を変える投降カモーン!
まずは落ち着くんだ…
ソウスレバ職人たんも
投下しようと思うハズ
書きたいのはやまやまだけど最近電波が弱い。
書いてるんだけどねー。なかなか終わんないのよこれが。
kobunenoさんのSSも待ち遠しいな
なんだこりゃ。ちょっと見ない間にとんでもないスレになっちまったな。
とりあえず
>>197はイラネ。
それともマンセー感想以外NGだというのなら、こんな腐ったスレはもう見ないことにする。
そんなことはチラシの裏にでも書いていればよろしい
流れに乗って。俺め! やる気が足りねーんだよしっかりしろ!
今だから言っておくが、俺も輪舞曲はそんな上手くはないと思うのだぜ。
悪くはないと思うが、まあなんというか唸るほど上手くはない。
中の上ぐらいというか、埼玉川口で一番美味いラーメン屋のような感じ。
ちょww俺の住んでいるところ、しかもうちの近くには○玉ってラーメン屋があるんだぜ・・・・・・
>>225 OKブラザー、頭冷やしに電気街に行ってくる。
投下します。
エロなし、18レス予定。
それは骨身に浸みる寒さがピークを迎え、春の到来が待ちわびしかったある日のこと
だった。
そのある日というのは、俺が朝比奈さんと未来から指示されたお使いを律儀にもこなし
たり、宝探しと称してハルヒから穴掘りを命ぜられたりと、いつになくハードスケジュー
ルだったあれやこれやのイベントづくしを終え、さらにその後のバレンタイン騒動も終え
た数日後だ。
その日、昼休みも半ばを過ぎ、国木田・谷口と机を合わせて食っていた弁当がもれなく
俺の腹に収まり、食後の緩やかなで穏やかなひとときを満喫していた時、入り口から俺の
見知った女生徒が顔を覗かせた。
「やっほーい、キョンくーん!」
まるで孟宗竹をナタで真っ二つに割ったようなさっぱりとした、そして底抜けに明るい
声は、あのお人だ。
すなわち、我が校でハルヒとあらゆる面で並ぶことの出来る存在、つまりは鶴屋さん
だった。
鶴屋さんは、廊下から俺を手招きすると、何がそんなに楽しいのかニカっと笑うと、
「やあ、キョンくんっ! お姉さん、ちょっくら話があるんだけど、一緒に来てくんない
かなっ?」
別にかまいませんが。
そう言って俺はドアの外へ向かい、そして廊下へ出ると鶴屋さんのお供のように付き
従って歩き出した。
その俺の後ろから、アホの谷口が「何であいつばっかり……」などと愚痴めいた言葉を
漏らしていたが、もちろん聞き流した。
谷口、お前がうらやましがるような事じゃないと思うぜ。たぶんだがな。
歩くこと数分、俺の前をスキップでもしかねない楽しげなオーラをスプリンクラーのよ
うに振りまきまきながら歩いている鶴屋さんに案内されたのは、生徒達の憩いの場である
中庭だった。
確かにここでならば話はしやすいだろう。しかし、この季節に外で話をするというのは、
ややためらわれるところではある。
というのも、俺たちの座っているベンチのあたりをビュンビュンと北風が吹きすさび、
心身もろともに凍えさせるにはそれで十分だったからだ。
しかもその直後、ここ数日分の寒さが凝縮されたかと思えるような寒風にさらされ、俺
は大いに震えた。いろいろなところが縮み上がった思いだ。
だが、俺の凍えた表情を見た鶴屋さんは申しわけなさそうな表情で、
「キョンくん、こんな寒いところに引っ張り出しちゃってごめんねっ! お詫びの印とし
てまずは温かいコーヒーを飲んでおくれよっ」
そう言って鶴屋さんは、いったいどこから取り出したのか、両手で抱えても持て余しそ
うなほどの存在感のあるポットと紙コップを用意しており、俺にコップを手渡してそこに
濡羽色の液体をトクトクと注いでくれた。
俺は鶴屋さんに礼を述べると、そのコーヒーを一口飲んでみた。
すると熱い液体がノドを通り、それが胃に到達すると、体がポカポカして心まで温かく
なる気分だ。
しかしこれ、いつも俺が飲んでいる自販機のコーヒーとはまるでモノが違う。もちろん
俺にすらわかるほどの違いだ。いや、驚いたね。
そのせいか、俺は心底感心しながらもあっという間に極上のコーヒーを飲み干してし
まった。ちゃんと味わえってんだ。
いいものを飲ませてもらって心までほっかほかになった俺は、鶴屋さんに顔を向け、
「うまいですね、これ」
コメンテーターとしては失格だなと思いながら、俺はごく素直な感想を口にしてみた。
すると鶴屋さんは、俺たちの周囲半径2メートルほどに花が咲き誇る春を呼び込みそう
な笑顔で、俺の肩をぽんぽんと優しく叩きながら、
「そっかい、それはよかったよっ!」
ついつい引き込まれそうな笑顔だった。これがカリスマなんだろうかと、ふと思う。
鶴屋さんは俺のことをまるで弟でも見るかのように優しく微笑みながら、
「キョンくん、いい飲みっぷりだねっ。ほらほらもう一献どうだいっ?」
まるで花見に来て酒盛りでもしているかのような言い草で、鶴屋さんは再びコーヒーを
注いでくれた。
俺は二杯目にそっと口を付けつつ、
「それで、鶴屋さん。話というのはなんでしょうか?」
鶴屋さんは八重歯を覗かせながら、
「それは禁則事項だよっ!」
俺はコントのようにずっこけそうになった。上空から金ダライでも落ちてきそうな気分
だ。
ええと、それじゃまるでわからないんですが……。ていうか、朝比奈さんのまねです
か?
すると鶴屋さんは「わっはっは」と大笑いしながら、
「いやーごめんごめん。みくるがよくこの言葉を使っているからさっ。ついつい真似をし
たくなるんだよねー!」
……朝比奈さん、鶴屋さんの前でもそのセリフ言ってたのか。
相変わらずうかつと言おうか、あるいはドジっ子と言おうか、そこがまた愛らしいとこ
ろではあるんだが。
「キョンくん、ごめんよっ。冗談はここまでにしておくっさ」
鶴屋さんはてへへと舌をちょろっと出し、今度はやや顔を引き締めて、俺に再び向き
直った。
「……そんなら本題にはいるんだけど、キョンくん。キミ、今週の休日は暇かいっ?」
とは聞かれても、予定などまるっきりありはしないので、俺はパブロフの犬のように即
座に返答した。
「はあ、暇ですが」
「そうかいっ、そしたらその日に宝探しでもしてみないかなっ?」
どういうことでしょう?
「キョンくん。前にキミに言われて掘ったあの山から、例の合金が出てきたにょろ? ま
あ、そのことをキョンくんに問い質そうとは思わないんだけどさっ。……2匹目のドジョ
ウを狙っててわけじゃないんだけど、他にも何か出てこないかなって思ったにょろ」
あれ、か。確かに他にも出てくる可能性はない訳じゃない。それに、俺にだって興味は
あるさ。別に朝比奈さん(大)の鼻を明かしてやろうと思っている訳じゃないが。
「いいですよ、俺も興味ありますし。でも、他の連中は誘わないんですか?」
「うーん、そうなんだけどさ。この話は、キョンくん以外にはしない方がいいような気が
しないかいっ?」
と鶴屋さんが言ったところで、俺には少し思い当たることがあった。なんとなくさ。
もちろん、ハルヒを誘えばややこしいことになるのは当然だが、朝比奈さんにしても長
門にしても、SOS団に属しているとはいえ、それぞれに立場があるってのはおそらく鶴屋
さんも理解しているだろうからな。そのうちの誰かを誘っちまったとしたら、どちらかの
組織に汲みすることにもなりかねんしな。間接的にとはいえ、鶴屋家は機関のスポンサー
だというんだから、なおさらだな。
まあなんつーか、大人の事情ってやつか? といってもまだ鶴屋さんは高校生だがな。
考えてみれば古泉を誘わないって言うのも、理由は思いつく。というのは、機関として
は、鶴屋家の次期当主である鶴屋さんに、こういった問題にはノータッチでいて欲しいだ
ろうからな。オーパーツなんていっても、どうせ未来人が関わっているんだろうし。
おっ、ひょっとして今日の俺は冴えているんじゃないか? なんて自画自賛してみる。
だが、たぶん俺の今の推測は的を射ているだろうぜ。なら結論は出たな。これ以上は何
も鶴屋さんに何も言わず、何も聞かないことにしようぜ。
その抑え気味の俺の表情から何かを読み取ったのか、鶴屋さんはニッコリと笑顔を見せ
た。まるで、わかってくれてありがとう、とでも言いたげに。
しかし瞬時にそれに気づくとは、さすがに勘が鋭い。それに頭の回転も速い。本当にこ
の人は頭の切れる人だ。
俺は舌を巻く思いで、季節をひとつすっ飛ばした夏の太陽を思わせる鶴屋さんの笑顔を
眺めていた。
「なんだい、キョンくん? お姉さんの顔をじっと見つめて。あんまり見つめられると、
お姉さん照れるじゃないかっ!」
しかし言葉とは裏腹に、鶴屋さんはまるで照れた風もなく、可愛らしい八重歯をのぞか
せながら大笑いをしていた。
鶴屋さんが照れるなんてことはあるんだだろうか? と思いながら、彼女の朗らか笑い
顔を眺めていると、なんだか俺まで楽しい気分になってくるから不思議だ。
その後、集合時間と場所を取り決めて、俺たちは中庭を後にした。
「キョンくん、じゃねー!」
その放課後、部室。俺はいつものごとく、我が天使の朝比奈さんから給仕された高級茶
葉で淹れられた緑茶を有り難くも味わっていた。
値千金とはまさにこのことで、その極上の甘露は俺にとっては1ヶ月分の小遣いに相当
する価値があった。微妙に安いのは俺の経済観念の貧しさからくるものさ。
もし部室前で朝比奈さんの緑茶を売り出せば、団の活動費が楽に稼げそうだ。もし余っ
たら部室を冷暖房完備にして欲しいものだ。
俺がそんなことを考えながらリラックスした姿勢でいると、それまでじっと黙り込んで
いたハルヒが、顎を机の上で組んだ手の上に載せながらやおらアヒル口を俺に向け、
「キョン、あんた昼休みに鶴屋さんと一緒にいたみたいだけど、中庭で楽しそうに何話し
ていたの?」
あまりに突拍子のないことを言われたため、俺はあわてて、ぶぴゅっとお茶を前方に噴
き出してしまった。
古泉の持ってきたカードゲームがお茶まみれだぜ。すまん、古泉。
しかし、見られていたのか……。なんて目ざといやつだ。だが、ここはなんとか言い逃
れしなければな。もちろん本当のことを言うわけにもいかんし、かといって躊躇ってしま
えばあらぬ疑いを持たれてしまいそうだ。
「ええとだな、あれはただの世間話さ。そう、お前が懸念を抱く必要もないほどのな」
「ふうん、でもなんか時折まじめな顔してたし、それにわざわざ鶴屋さんが教室にあんた
を呼びに来たそうじゃない。それでもただの世間話だって言い張るわけ?」
何故こいつが知っているんだ? さては谷口か。
しかし、そんなことを何でわざわざこいつに弁解せねばならんのだ、と思いつつも穏や
かならざる心境に陥り、これはあらたな言い訳をしなくてはと考えていた矢先、この部室
に救世主が現れた。
まるで、地獄に蜘蛛の糸を垂らしてくれる釈迦を見る思いだぜ。
「こんちはー、ハルにゃんいるにょろ?」
鶴屋さんだ。
さすがのハルヒも、鶴屋さんに対して仏頂面で向き合うわけにもいかないようで、少し
だけ愛想をよくした長門のような表情をしながら、
「こんにちは、鶴屋さん。今日は何かしら?」
ハルヒの口調がいつもよりもやや硬い。しかし、この場面に遭遇してどうして俺が冷や
汗をかいているんだろう? フロイト先生にでも解説してもらいたいもんだ。
「実はねー、キョンくんをちょっくら貸してもらおうと思ったのさっ」
「貸すって、どういう事?」
「今度の土曜日、キョンくんとデートしようと思ったのさっ!」
「ええーっ!?」
長門以外の全員が驚愕の声を上げた。もちろん俺は顔から血の気が引いたのは言うまで
もない。鶴屋さん、なんてことを言い出すんですか……。
ハルヒはビームが出てきそうな視線で俺を睨みつつ、
「つ、鶴屋さん、それ本当?」
「あれ、どったのかな? ハルにゃん。そんなにショックだったのかいっ? 心配しなく
ても、軽いアメリカンジョークっさ!」
鶴屋さんはあっけらかんとそう言い放った。
ハルヒは一瞬ポカンとしたあと、アホな子供のような表情で現在凍結中だ。
いや、鶴屋さん。全然軽くないんですが……。
それどころか、俺の寿命が確実に10日は縮みましたから、そう言ったジョークは本当
に勘弁して下さい。
「はっはっは。ごめんね、ハルにゃんにキョンくんも。ハルにゃんも安心していいにょろ
よ」
ハルヒはそう指摘されると、焦った様子をこれ以上見せまいと顔を引き締め、
「ちょ、ちょっとびっくりしただけよ。それにキョンと鶴屋さんじゃ、全然釣り合わない
ものね。月とスッポンよ。いえ、アルタイルとカミツキガメだわ」
ハルヒは幾分落ち着きを取り戻し、茶化すような表情で俺に視線をぶつけて来た。
ほっとけ、つうかなんて例えだ。まるでわけわからん。
「それで鶴屋さん。本当はキョンをどうするつもりなの?」
「うん、キョンくんにはこないだ掘った山の後かたづけをお願いしようと思ってさっ!
ちょうど男手が不足してたから、キョンくんにお願いしたにょろ」
鶴屋さんの説明を聞いたハルヒは納得したように、
「こないだの、ね。確かに結構掘り返しちゃったもんね。……いいわ鶴屋さん、どんどん
使ってやってちょうだい。キョンは近頃精神がたるんできてるから、丁度いい機会だわ。
それと……もしかったらあたしも手伝うけど?」
……おい、ハルヒも来るだと? どういう風の吹き回しだ。そんな殊勝なことを言い出
すなんてな。
だが、そりゃまずい。鶴屋さんが俺だけを誘った意味がなくなるからな。
しかし、鶴屋さんはまるであわてた様子もなく、
「こういったことは、男の子の仕事っさ。ハルにゃんはわざわざ土まみれになることはな
いにょろ」
「それもそうね」
おいハルヒ、汚れると聞いた途端にそんなにあっさり引き下がることもないだろう。現
金なやつだぜ、まったく。
しかし、さすがにハルヒをあしらうのが上手いな、鶴屋さん。もちろん、乗せるのも上
手いが。
いっそ、ハルヒの手綱を引き締める役をお願いしたいところだが、時には一緒に突貫し
かねないお人でもあるからな。今の立ち位置がベターってころか。
鶴屋さんは朝比奈さんから出されたお茶を飲み干すと、俺へのウィンクを置きみやげに
「ほんじゃねー!」と去っていった。
鶴屋さんが出て行った後の部室は、休日のビジネス街のようにひっそりと静まりかえっ
ていた。
ハルヒとは異質の賑やかさだな。去ってしまうと、少し寂しくなるほどのな。
それから程なく、長門が本を閉じると同時に、先ほどからの余韻を残して毒気を抜かれ
たようなハルヒが解散宣言を行い、俺たちは三々五々帰途についた。
そしてやってきた週末。つまり土曜日であり、お宝探索の当日だ。
俺は出発の準備を整えると、リビングでくつろぎながら鶴屋さんを待っていた。
何故俺の家で待っているかというと、鶴屋さんが俺を車で迎えに来てくれる事になって
いるからだ。
ただ、約束の時間まではまだ少しあるため、ここで雑誌でも読みながら車がやってくる
のを待っているというわけさ。
ところが俺が間抜け面でマンガ雑誌を眺めていると、突然この空間の静寂を破るかのよ
うに、何の前触れもなしにインターフォンが鳴り響いた。
不覚なことに、俺の聴覚は車の走行音と停止音をまったく捉えることなかった。まるで
粗いザルのように俺の鼓膜を素通りしてしまったらしい。
あわてた俺は、玄関に直行して靴を履き、そしてドアを開けた。すると、俺の目の前に
はジーパンにTシャツ、そしてその上にジャケットを羽織るというラフな出で立ちの鶴屋
さんが、いつものようににこやかな表情で手を振りながら立っていた。
「おっはよー、キョンくん。今日は絶好の宝探し日よりだねっ!」
「おはようございます。そんな表現があるのかどうかはわかりませんが、確かにいい天気
ですね」
「さあさあ、すぐに出発するから早く車に乗った乗った!」
そう促されて鶴屋家所有の高級車に乗り込んでみると、まるで外界の喧騒が耳に届かな
かないことにまず驚かされた。その圧倒的な静けさに俺は度肝を抜かれつつ、極上の座り
心地を与えてくれる本革のシートに腰を沈めた。
それを見届けた運転手が車をするすると発進させると、まるでエンジン音も聞こえるこ
となく動き出した。
窓の外に目を向けてみると、俺の目に映し出される景色が、車の加速と共に緩やかに溶
けて後方に流れていった。
なるほど、この車なら走行音が聞こえなくても俺の責任じゃないな。普段俺が父親に乗
せてもらっている車はなんだと思わせるような別次元の乗り物だ。これが天使のゆりかご
だと言われても俺は信じるね。
車が動き出してしばらくすると、鶴屋さんは俺に温かい飲み物を手渡してくれた。この
車に備え付けの保温庫から取り出したらしい。
もう何が出てきても俺は驚かないぜ。鶴屋家の車なら「やあ、マイケル」と車がしゃべ
り出してもおかしくはないからな。
俺は鶴屋さんから飲み物を受け取って喉を潤したあと、
「そう言えば鶴屋さん、何であの時ハルヒに俺を貸してくれなんて言ったんですか? あ
れじゃあ納得したハルヒは別として、他の連中には俺たちが共に行動することを怪しむん
じゃないですか?」
すると、鶴屋さんはイタズラっぽい目を俺に向けて、
「そんじゃあキョンくん。キミと一緒に行動するとハルにゃんに前もって言っておくのと、
あとでハルにゃんにバレるのどっちがいい?」
……俺には言葉がなかった。
たしかに、朝比奈さんとの一件があるんだからバレないとはいえん。いや、ハルヒのこ
とだ、俺には想像も付かない経路でおそらく耳に届くだろうな。それは何よりも恐ろしい。
そう考えると、わけもなく俺の背筋が一瞬寒くなった。
しかし、鶴屋さんは俺のそんな様子を楽しそうに眺めていた。
それに対し、俺はどうコメントしようかしばし迷っていると、都合よく車が登山口に到
着したようだ。
車を降りた俺はその高級車をつらつらと眺めながらしみじみと思った。なんと言おうか、
俺には驚きの連続で、庶民と雲上人のとの格差をまざまざと見せつけられた気分だね。い
や、よしておこう。これ以上考えると惨めな気持ちになってきそうだ。
車を降り立った俺たちはリュックを背負いつつ、登山口から少し外れたけものみちに進
み、えっちらおっちらと上り続け、そしてようやく午前十時を少し回った頃に目的地であ
る山の中腹部に到着した。
そこまでたどり着くと、俺は平地の真ん中あたりまで進んで、両手を膝について前屈み
になり、やや荒い息を小刻みに吐きだした。
これはどうやら運動不足らしいな。
しかし、年がら年中ハルヒにこき使われているというのに、いったいこれはどういう事
だ? それに若さ故のエネルギーをいろいろと持て余しているはずなのにな。
ところが、俺と同じ運動量でここまでやって来たはずの鶴屋さんは、軽く散歩でもして
きたかのようにケロリとした顔つきで、腕を組みながら俺のくたびれた様子をやけに楽し
げに眺めていた。
「キョンくん、もうお疲れかいっ? いい若い者がだらしないぞっ! しょうがないから、
取りあえずこれでも飲んで一休みといこうか」
鶴屋さんは妙に年寄りじみたことを言って、それでも俺の目の前に砂糖をたっぷりと溶
かし込んだ紅茶を差し出してくれた。
俺はみっともない姿を鶴屋さんに見せてしまったことを後悔しつつ、痺れるほどに甘い
その紅茶で疲れを癒しながら、
「ところで、お目当てのお宝ですが、あてはあるんですか? まさか、闇雲に掘るってわ
けじゃないでしょう?」
「オフコースのもちろんさっ。さあ、キョンくん、これを見てくれたまえっ!」
鶴屋さんは古びた和紙のような紙を十枚ほど、背負っているリュックから取り出した。
はて、何処かで見覚えがあるような――って、それこないだの地図じゃないですか。
しかし鶴屋さんは人差し指を左右に「ちっちっちっ」と言いながら小さく振った。
「こないだのとは違うっさ。よく見るにょろ。あれとはまた別の地図っさ。実はね、先週
倉庫を漁ったんだけど、古地図が次から次へと出るわ出るわで、ご先祖様もよくこんなに
ため込んでたもんだよねっ!」
本当だ。確かに宝を示す印の場所が違っている。
しかし、尋常じゃないこの枚数は何だ? まるで胡散臭い骨董屋じゃないか。
「それはしょうがないっさ。けっこうな変わり者だったらしいからね、そのご先祖様は」
でも、鶴屋さんだってその血を受け継いでいるんですよね。
俺はからかうようにそう言ってみる。
「あれあれ、キョンくん、キミもなかなか言うようになったね。お姉さんはキミをそんな
風に育てた憶えはないよっ」
確かにあなたに育てられた憶えは、俺にもありませんがね。
「そりゃそうだね。わっはっはっ!」
あとは、二人で大笑い。おかげでさっきまで感じていた俺の疲れが、強力な栄養剤を
打ったかのように何処かへと吹き飛んだ。
本当に鶴屋さんは、周りにいる人間を片っ端から楽しい気分にさせてくれる、不思議な
魅力を持つお人だ。俺には朝比奈さんとは別の意味で崇拝したい思いだ。
つかの間の小休止で気分一新したところで、お宝の発掘作業を始めることになった。
発掘方法だが、なにしろ宝の地図が十枚もあるので、一枚一枚しらみつぶしにしていく
しかない。
それは非常に骨が折れる作業ではあるが、鶴屋さんと一緒に発掘作業をしていると、さ
ほど苦労を感じないから不思議だ。
「どうだい、キョンくん。なんか見つかりそうかいっ?」
掘り出して十数分だが、早くも手応えがあったことに気がついた鶴屋さんが俺に声を掛
けてきた。これほど早く宝が見つかるなんて、意外だが幸先はいい。
「なんか出てきましたよ」
そう言って俺は小さな重箱を穴の底から取り出し、鶴屋さんに手渡した。
そしてよっこらせと穴からはい出て、鶴屋さんと中身を確認してみると、そこには手持
ちの地図と同じぐらいの古びた和紙が一枚入っており、そこには色あせているものの浮世
絵のような絵が描かれてあった。
「鶴屋さん、これは何でしょうね?」
すると、鶴屋さんは身内の不祥事を知られたような気まずい顔で、
「ありゃりゃ、これは春画だね。まったく、こんなモノを隠しているなんて、なんてご先
祖様だいっ。たいしたお宝にょろ」
春画――今で言うエロ本のようなものか。
そりゃ鶴屋さんだって気まずいだろう。もっとも、肝心なところはすでに色あせてし
まっているので、俺には鶴屋さんに春画だと教えられなければわからなかったのだが。
とは言っても、これじゃまるで死んだ爺さんの遺品整理をしていたら、エロ本ばかりが
出てきて、親族一同が凍り付いてしまうようなもんだ。
しかし、こんなモノを隠しておくなんて、そのご先祖様にとってはよほどの宝物だった
のだろう。その気持ちは、同じ男としてわからないでもないが。
だが、鶴屋さんは微苦笑を浮かべながら俺に視線を向けて、
「キョンくん、みっともないモノを見せちゃってごめんよ」
「いえ、全然気にしてませんよ。それにまだ宝の地図がありますから、気を取り直して発
掘を続けましょう」
「うん、それもそうだねっ!」
ニカッと全開スマイル。やっぱり鶴屋さんには笑顔が似合う。
なおも発掘作業は続けられた。しかしながら、あらかたは一度掘られたことがあるらし
く、掘っても何もなかったり、あるいは、空箱だけが残されてあったりと中々芳しくな
かった。
それでも俺は鶴屋さんと作業しているのが楽しく、鶴屋さんの冗談に笑わせられたり、
あるいは掛け合いの漫才をしながらせっせとシャベルを操った。
そんな楽しげな雰囲気の中、俺は鶴屋さんに誘われたときから考えていたことを思い
切って訊いてみた。
「ところで鶴屋さん、本当のところどうして未知の金属を探そうと思ったんです? 俺が
こう言ってしまうのもなんですが、あなたの立場上深入りすると煩がる存在があると思う
んですが……?」
俺の質問を受け、鶴屋さんはほんの一瞬思案顔になったが、すぐさま笑顔を浮かべて、
「それはね、キョンくん。あたしにだって、こういう事をしたいと思うこともあるってこ
とっさ! 誰かさんの影響にょろね」
鶴屋さんの表情には、後悔や逡巡を思わせるような気配はまったくなかった。晴れ晴れ
としている。
……そういえば古泉の話によると、鶴屋さんは俺たちの知らないところで結構な活躍を
しているらしい。本当か嘘かはわからん。それは古泉を信じるしかないがな。
だが、それでも彼女が裏で奔走していることとはまた違った楽しさが、この作業という
かイベントにはあるんだろうか。それが鶴屋さんの言う『こういう事』なのかね。
それから、『誰かさん』とは言わなくともわかるだろうが、ハルヒしかいねえな。
それでも本来なら、鶴屋さんは俺たちと関わりを持つはずではなかったと言うし、まし
てや今回彼女が、ハルヒ、もしくは未来人に繋がるかも知れないようなお宝の発掘を提案
することもなかったはずだ。
やれやれ、どこまで縦横無尽なんだ、ハルヒの変態パワーってやつは……?
なんて、今さらだな。夏休みを延々ループすることに比べればかわいいもんだ。
俺たちはさらに発掘作業を続けていたが、残りの地図はあと2枚しかなかった。
だがそんな状況にもかかわらず、今日の戦利品といえるものは、鶴屋さんのご先祖様の
春画だけだ。
むろん、古美術商に持ち込めば多少の金には換えられるかも知れんが、お宝のイメージ
にはほど遠い。ましてや、俺たちの真の目的はすでに手に入れているチタンとセシウムの
合金に続く新たなオーパーツの姿だ。江戸時代の骨董品が欲しい訳じゃないんだ。
だがそんなことをつらつらと考えていると、シャベルの先端に何か手応えのようなモノ
を感じ取った。
みると、胡桃色をした壺、というより瓶といった印象の陶器が底から顔を覗かせていた。
「キョンくん。これはなにか入ってそうだねっ!」
頭上から下を見下ろしている鶴屋さんは、まるでプレゼントを受け取った子供のように
満面の笑みを浮かべて、俺が掘り起こして腕に抱えられている古びた壺を見つめていた。
――今度こそ入っていてくれよ!
俺はそう念じながら、まるで十年以上宝くじを買い続けていながら、末等以外当たった
ことがない愛好家の面持ちで壺の中を探った。
――あった!
手触りからすると、石あるいは金属のように硬いものだ。
それを取り出してみると、10センチ四方の銀色をした金属片のようだ。ただし、均整
のとれたた形ではなく、まるで花崗岩のようにデコボコで、いかにも砕け散ったあとの破
片といった印象だ。
おそらく元は、ある程度しっかりした形ではなかったかと思う。根拠はないが。
しかしながら、俺にはそれ以上考察のしようがないので、まずは宝の地図の現保有者で、
しかも俺よりは遙かに物知りであろう鶴屋さんに尋ねてみた。
「これ、なんでしょうね?」
「そうだね。……うーん、わかんないけどなにかの装置の一部じゃないかなっ?」
「……装置ですか? どうしてそう思ったんです?」
「ちょっとした勘っさ。でも、こないだ見っけた金属も何かの部品の一部って印象だった
からねっ! これもその部品の破片じゃないかと思ったにょろ」
確かにそう考えるのが正解かも知れない。
しかしどうやら、鶴屋さんはこの部品の一部だと思われる金属について、ある程度の推
測ができているように思える。すくなくとも、この金属が当時の人間が生み出したもので
はないことを感づいているような気配がある。
鋭い人だ。この人が俺たちの味方で本当によかったと思うね。このお人だけは敵に回し
たくはないな。
今日最大の収穫であるその金属片は、結局鶴屋さんが専門家に鑑定を依頼することにな
り、とりあえずは俺のリュックに収めることにした。
さて、では最後の発掘作業に取りかかろうかと、俺は再びショベルを手に携えたとき、
さっき時計を確認していた鶴屋さんが俺を呼び止めた。
「キョンくん。そろそろお昼にしないかなっ?」
鶴屋さんにそう言われた瞬間、俺の腹に住むウシガエルが轟々と鳴き出すのだから体は
正直なもんだ。
鶴屋さんはそれを聞いて大笑いしながら、あらかじめ持ってきていたレジャーシートを
大きな木の下に広げると、すかさず大きな包みを中心に据え、割り箸と紙製の皿、それに
コップをまるで主婦のようにてきぱきと用意した。
鶴屋さんに手招きされた俺は、シャベルを木に立てかけると靴を脱いでシートの上に
座った。
そして鶴屋さんが包みを解いて重箱を並べると、俺の目には壮観ここに極まれりといっ
た景色が広がっていた。
なんとも豪華な料理の数々が、所狭しと重箱の中で俺たちに食されるのを今か今かと
待っていたのだ。
今日は何度鶴屋さんに驚かされるんだろうかと思いつつ、
「鶴屋さん、これはひょっとして鶴屋さんが作ったんですか?」
鶴屋さんは笑みを浮かべながらコクリとうなづき、
「そうだよっ! あたしがキョンくんのために腕によりを掛けて作ったにょろ。ほらほら、
いいから早く食べておくれ、キョンくんっ!」
何とも有り難いことだ、鶴屋さんお手製の料理が食べられるなんてな。しかし、どこま
でオールマイティな人なんだ。こりゃ白旗揚げて降参するしかないね。
こうまで完璧では、天はあらゆる才能や資質を鶴屋さんに詰め込んだんじゃないかと思
うしかないな。
さて肝心の料理の味だが、もちろん美味かった。ハルヒや朝比奈さんもたいした腕前だ
が、それと同等以上の水準にある断言できる。
「鶴屋さん、本当に美味いですよ、この料理。俺、感動しましたよ」
俺に表現できる最大限の賛辞を惜しみなく鶴屋さんに送った。
すると、鶴屋さんはくすぐったそうにして少し照れながら、
「キョンくん、それは褒めすぎっさ! でもそんなに喜んでくれたら、あたしも作った甲
斐があるってもんだねっ!」
鶴屋さんが照れるという珍しい光景に、俺はしばらくの間箸を止めて見入ってしまった。
だが、その視線を敏感に感じ取った鶴屋さんは、照れ隠しのためか俺に対してとんでも
ない質問をぶつけてきた。
「ところで、キョンくんとハルにゃんって、どこまでいってるにょろ?」
俺はもう少しで口の中のものを噴き出すところだった。
「あの、鶴屋さん、いっている意味がわからないんですが……? ていうか、俺とハルヒ
は何でもないっていうことは、すぐにわかりそうなもんでしょ」
だが、鶴屋さんは今にも大笑いしそうな表情で、
「キョンくん、キミ本当にそう思っているのかい?」
俺は当然ですといった風に頷いた。
「そうなのかい? そんなら、そういうことにしておくっさ!」
何か気になる言い方だ。
そんなこんなで、クリスマスと正月を合わせたようなご馳走を十二分に堪能した俺は、
最後の一枚に記されているお宝を求めて、再び発掘作業を再開した。
もっとも、俺としては先ほど発掘したオーパーツの一部と思われる金属ですでに打ち止
めだとは思っているのだが、そうはいってもまだ何かがあるのではないかという、仄かな
期待があるのも事実であり、こうして鶴屋さんに見守られながらせっせとシャベルで土を
地上に跳ね上げているわけだ。
そうしてしばらく掘り進んでいると、なにやらコツンという音がして、そこから慎重に
掘り返してみると、またも壺が姿を現した。
俺は息せき切って、
「鶴屋さん、また出てきましたよ!」
そう声を掛けて、たった今掘り出した壺を鶴屋さんに手渡した。
すると中身を取り出した鶴屋さんが、
「キョンくん、何か入っているみたいだよっ!」
俺がやっとの思いで穴から這い出し一緒に確認してみると、鶴屋さんの手には以前俺が
彼女に頼んで発掘してもらったあのオーパーツにそっくりの金属棒があった。
それは、以前のモノとうり二つ、どころか全くの同一物体に思えた。
なんだろう、いったい何だというんだ? 何故こんな場所にオーパーツの類がこれほど
出土するんだろうか……? ここら一体は特異地帯か?
俺は視界ゼロの霧の中を進むかのように自問自答を続けていたが、俺の浅い知識ではも
ちろんわかるはずもなかった。
「キョンくん。いったいこれは何だろうねっ? どう見ても今あたしん家で保管している
金属棒と同じにょろ」
「ええ、おそらく同じ種類のものでしょうね。これがいったい何に使用されるものなのか
はわかりませんが」
俺たちは動きを止めてその金属棒をじっと見つめながら、様々なことに思いを巡らせて
いた。しかし、突如それを打ち消すような出来事が起こった。
「それをこっちに渡してもらおう!」
振り返ってみると、二人の男が立っていた。年の頃は俺たちとあまり変わらないか。
だが、いつの間に? まるで気配さえ感じさせなかったぞ。
その二人の男はどちらも同じような中肉中背といった体型だ。だが、その二人の表情に
は俺たちをいかにも見下しきったような、蔑みの表情が浮かんでいた。
――この雰囲気はまるであの野郎だ。
そう、かつて俺と朝比奈さんが未来からの指令とやらで動いていたとき、それを邪魔す
るかのように花畑で立ちふさがった、あのすかした野郎に雰囲気がそっくりだ。
しかし、どう見ても姿は別人だ。つまりは、やつと立場を同じくする未来人の一派では
ないだろうか。俺は即座にそう直感した。
事態は一変し、尖った刃物の切っ先を突きつけられたような、嫌な緊張感が俺の体を駆
けめぐった。
「これを渡せとはどういう事だ?」
少しでも時間稼ぎをしなければ。
「お前たちに言うべきことなど何もない」
にべもなかった。
「君たちがどう言うつもりか知らないけどさっ。あまりに不躾過ぎはしないかいっ?」
鶴屋さんがやや強い調子で不快気にそう言い返した。しかし、鶴屋さんはこの連中と常
人との雰囲気が違うことを感づいているのか、あきらかに警戒心を滲ませていた。
ひょっとしてこいつら、問答無用で俺たちから奪い取るつもりかもしれない。
それに、こいつらが本当に未来人なら、俺たちの知らない武器を持っていても不思議じ
ゃない。
「ふん、もう少し穏便に事を運ぶつもりだったのだが、しょうがない」
そう言った瞬間、二人組のうちの一人が一瞬消え去り、次の瞬間鶴屋さんの真後ろに現
れた。
これにはさすがの鶴屋さんも反応しきれず、オーパーツを抱えながら横に避けようとし
たが、その瞬間、そいつが鶴屋さんの長く綺麗な髪をつかんで、乱暴に引っ張った。
鶴屋さんは「きゃっ!」と悲鳴を上げ、苦痛の表情を滲ませた。
その男はさらに、鶴屋さんの持つその金属棒を奪い取ろうとしていた。
鶴屋さんは抵抗するものの、髪の毛を掴まれている状態では、それもままならない。
その鶴屋さんの表情を見た刹那、俺の全身の血が逆流しそうになり、次の瞬間、我を忘
れて駆け寄り、その男を力任せに殴りつけていた。
俺の拳に鈍い痛みが走ることと引き替えに、その男は後方へ吹っ飛び、そして倒れ込ん
だ。
完璧な不意打ちだったせいか、そいつは地面に倒れたまますぐには起き上がれないでい
る。
俺はすぐさま視線を走らせ鶴屋さんの様子を確認したが、幸いにも彼女はたいしたこと
はなさそうだった。
「鶴屋さん、大丈夫ですか?」
「うん、このとおり平気っさ! ありがとうキョンくん!」
だが、俺の攻勢もここまでで、俺の前に立っている鶴屋さんの表情が驚きのそれに変
わったとき、俺はかわけもわからず、そしてそれを知覚さえ出来ず、地面に倒された。
――全身が痛い。
弱いな俺、今度護身術でも習ってみるか。だが、今はこの状況をどうするかだ。
しかし顔を上げると、俺を殴りつけた男は、倒れている俺を一瞥しただけですぐさま標
的をオーパーツを持つ鶴屋さんに変え、迫りゆく。
――動け、俺の体! あんな奴らに鶴屋さんをどうにかさせてたまるか!
だが、俺の脳が下した必死の命令にも衝撃を受けて間もない俺の体が中々言うことを聞
いてくれず、かろうじて足をガクガクさせながら立ち上がることができたに過ぎない。
「待て! もしその人に手を出したら許さねえ!」
しかし、その男は俺の必死の言葉にも立ち止まることもせず、俺を振り返ることさえな
かった。
俺は必死で追いすがろうとするが、間に合わない。
しかし、そう思ったのもつかの間俺は意外な光景を目撃した。
鶴屋さんに迫った男が彼女の腕を掴んだ瞬間、不思議なことにその男が弧を描くように
一回転してそのまま地面に叩きつけられた。
目を疑うような3秒間だった。俺には、どのようにしてその男がそうなったのかすらわ
からなかった。
さらには、さっき俺に殴られ倒れ伏していたもう1人の男がやにわに起き上がり、そい
つもまた鶴屋さんに向かっていった。
しかし今度は鶴屋さんが近寄り、その男が掴みかかったと同時に、鶴屋さんは体を反転
させるようにして避け、逆にその男をの腕を掴んでその勢いを回転運動に変化させると、
男はあっさりと地面へとダイブする羽目になった。
その男は呻きながら、まるで地を這う毛虫のようにもがいていたが、先に倒されていた
男がいち早く立ち上がり、そしてもう一人の男を立ち上がらせると、憎々しげな表情でそ
して殺気の籠もった視線を俺たちにぶつけてきた。
「わざわざこの時代に合わせて徒手でいたが、そうも言っていられないようだな」
すると、そいつらは先ほどとは打って変わって、愉悦の色を浮かべながら自分の懐に手
を忍ばせた。
――やばい、銃か?
そう感じると、俺は咄嗟に鶴屋さんの前に立ちふさがった。俺は何も考えちゃいなかっ
たさ。ケガをするかも知れないなんて思考すら働かなかった。
だが、そいつらが木々が生い茂り鬱蒼としている方向に視線を向けるやいなや、なぜか
ギョッとし、そして忌々しそうにその方角を凝視したあと、今度はいかにも悔しそうに俺
たちを睨み付け、チッと舌打ちして何処かへと去っていった。
――助かった……しかし、何だ?
遅まきながら、俺は奴らが見ていた方角に視線を向けてみたが、残念ながら何もなかっ
た。それでも、俺は直感的に何かを感じ取っていた。今はおぼろげでぼんやりとしている
んだが。
しばらくして、俺ははっと我に返ったように鶴屋さんに駆け寄り、改めて無事を確認し
た。
「鶴屋さん、大丈夫ですか!?」
「うん、このとおり元気ハツラツっさ!」
よかった、いつもの鶴屋さんだ。朗らかな笑顔を浮かべている。
しかし……なんだろう、鶴屋さんから感じる違和感は? 俺の気のせいであればいいん
だが……。
しかし、俺が鶴屋さんの手を引いたとき、俺はさっきの違和感の理由を理解した。
鶴屋さんは、足をもつれさせて躓きそうになったのだ。
幸い、すんでの所で俺が抱き留めたのでそれ以上倒れ込むことはなかった。
抱き留めて俺の腕の中にいる鶴屋さんは、普段の存在感とは裏腹にどこまでも華奢で、
このまま抱きしめれば折れてしまいそうだった。
その後しばらく、鶴屋さんはじっとしていたが、自分の置かれている状況――まだ俺に
抱き留められたまま――を理解するに従ってハッとしたようになり、
「……ごめんよ、キョンくんっ!!」
鶴屋さんは顔を赤くしたまま、少しあわてながら俺から体を離した。
しかしその時、鶴屋さんの足取りはやはりおぼつかなく、その上明らかに苦痛の色が滲
んでいた。
「鶴屋さん、まさか足を……?」
「気づかれちゃったね……あたしとしたことが、ちょっとドジを踏んじゃったよ……」
「でも、やつらに傷つけられなくて、本当によかったですよ。本当に……」
「ごめんよ、キョンくん、心配させて……。それと、ありがとう……あたしを助けようと
してくれて……」
いつもの口調とは違った鶴屋さんに見つめられていると、なぜかにわかに穏やかならざ
る気分に陥り、俺は平静を保つため、視界の半分を中空を見つめるように意識した。
だがな、この状況なら誰だってそうなってしまうに違いないぜ。普通の男ならな。
そんな俺の動揺を感じ取ったわけではないだろうが、鶴屋さんの顔が赤い。しかも妙に
艶やかな瞳で俺を見返している。
何処か落ち着かない雰囲気だ。喉が渇く。自慢じゃないが、俺はこういったことに慣れ
ていないんだ。
しかし今はそんな場合じゃない。いつまた、奴らが姿を現すかも知れないからな。
俺は心の何処かで惜しいことをしたと悔いながらも、この空気を断ち切るように、
「鶴屋さん、俺が肩を貸しますから、とにかくここを下りましょう」
「……そうだね」
鶴屋さんも心持ち残念そうな色そん表情に滲ませていたが、すぐさま俺の提案に従った。
そして俺たちは荷物をまとめると、再び獣道へと向かった。
俺は鶴屋さんに肩を貸しながら、ゆっくりと歩みを進めていた。さすがに、鶴屋さんの
足を気遣いながらの下山ではそうスピードは出なかった。当然だ、鶴屋さんに無理をさせ
るわけにはいかんのだからな。
ところで鶴屋さんだが、今日襲撃してきた連中のことを口には出さなかった。おそらく
この人のことだ、ある程度は見当がついているんだろう。だからあえて言わないんだろう
がな。
それでも、妙に静まりかえったこの空気はいかんともし難く、俺は何かを話しかける必
要に駆られた。
「それにしても鶴屋さん、あなたがあんなに強いとは思っても見なかったですよ。ひょっ
として、なにか武術でも習っているんですか?」
「まあね、ちびっちゃいころから、いろんな事を習わされていたからねっ! あんな連中
ぐらいならなんでもないことっさ」
「それでも、いくらあなたが強くてもあんな無茶はしないで下さいよ。俺の精神と心臓に
悪いですから……」
そう言うと、鶴屋さんは少し嬉しげにしたあと、打って変わってやや呆れたふうに俺を
見返した。
「なーに言ってんだいっ! キョンくんのほうこそ、無茶してくれちゃって。あたしのた
めに……。でも、やっぱりキョンくんも男の子だよねっ! あたしを守ろうとしてくれた
とき、とってもかっこよかったよっ! それに嬉しかった……なんてねっ!」
照れくさそうにしながら、鶴屋さんは俺の肩につかまったままの状態で、顔を俺に向け
た。
当たり前だが顔が近い。互いの息づかいと体温が感じられて、俺の思考がまともじゃな
くなりそうだ。
――それに、今度ばかりは自分を抑えきれそうになかった。
俺たちはまるで恋人同士のようにごく自然に互いの唇が近づけ、そしてそっと触れあっ
た。
だがしばらく見つめ合ったあと、無性に照れくさくなり、この世のものとは思えないほ
ど真っ赤になりながら視線をそらせた。
――俺は鶴屋さんとキスをしたんだ!
それでも、俺に後悔はなかった。それに他の誰かの顔が浮かぶことも……。
誰がって? さて、な……。
あとは互いに気恥ずかしくなり、俺たちは無言のまま、鶴屋家の車が迎えに来る手はず
になっている登山口まで急いだ。
俺たちがやっとのことで懐かしの地上に降り立つと車がすでに待っており、乗り込むと
車は俺を自宅まで送ってくれた。
俺は鶴屋さんに先に病院に行くように言ったんだが、自分は大丈夫だから後で行くと聞
かなかった。俺をあまり心配させたくなかったのかも知れないが。
そして車は俺ん家の前で静かに止まり、俺は降り立った。その俺を見送ったときの鶴屋
さんの一言がとても印象的だった。
「キョンくん、あたし……本気になっちゃうけど、覚悟するにょろ!」
意味がわからないほど俺はガキじゃない。わかっているさ……。俺にだってな。
しばらくしてふと我に返り、気を取り直したように玄関のドアノブに手を掛けようとし
たとき、小さなメモ書きがドアに貼り付けられている事に気がついた。
俺はそれを確認すると、反転してある場所に向かった。
俺は今自宅近くの公園にいる。そして、ベンチに腰を掛けている。
「そこにいるんでしょう?」
俺はどこを見つめるでもなく、そう呼びかけた。
「こんにちわ、キョンくん。お久しぶりね」
この間会ったばかりですが……。
「そ、そうだったわね。ごめんなさい」
その女性は、ペロッと舌を出してそれだけが少し幼さを残しているように思えた。
もうおわかりだろうが、俺の隣りに腰を下ろした妙齢の女性は朝比奈さん(大)だ。
どうやら、俺の予感も当たっていたらしい。
「説明してもらいましょうか、朝比奈さん。……まず、奴らは何者なんです? まさか、
あなたの部下かなんかじゃないでしょうね?」
俺にそこまであからさまな疑いを掛けられたことに、朝比奈さんは少し青ざめながら素
早く首を左右に振り、否定を表した。
「ちがうわ、キョンくん。あの人達は、私たちとはいわば敵対している組織の一員なの。
おねがい、信じてちょうだい」
俺は頷いて見せたが、心の底では疑いを消してはいなかった。これまでの経験から、朝
比奈さん(大)の話を額面通りに受け取ることはできないと感じていたからだ。
「それから、鶴屋さんは無事なの? わたし、それがとても気に掛かっていたの」
「ええ、大事には至っていません。今頃病院で手当を受けているはずですが……」
「そう、それはよかったわ。心配していたから」
朝比奈さんにとって鶴屋さんは、学生時代の大切な親友だったのだからな。それは偽り
のない気持ちだろう。
鶴屋さんの状況を説明し終えると、俺は朝比奈さん(大)に向き直り彼女の瞳をじっと
見据え、
「朝比奈さん、全て話してもらえませんか? あの金属のことも全て……」
朝比奈さん(大)は視線をふと地面に落としたあと、意を決したように俺に向き直り、
「そうね、あなたにそこまで色々と知られたじゃ、しょうがないわね。……わかっわ、全
てお話しします」
朝比奈さん(大)は覚悟を決めたようにそう述べた。
「では、単刀直入に聞きます。あの金属棒、俺たちはオーパーツと呼んでいますが、あれ
はいったいなんです?」
「キョンくん、あなたはタイムマシンと聞くと、どんなものを思い浮かべるかな?」
「タイムマシン……ですか? そうですね、俺なら猫型のロボットが使っていたものやら、
車の形をしたもの、あるいは箱形のものを思い浮かべますが……」
「そうね、だいたいそのあたりが妥当なところよね。実は、あなた方が発見した2つの金
属棒、あれはごく初期に試作された時間遡行のためのタイムマシン、それの部品なの」
未来人に関わっているんじゃないかと思っていたが、まさかそれだったとはな……。
「でも、今のあなた方はそういった装置は使っていないですよね?」
俺は、実際に経験したからな。もちろん何かに乗り込んだことはないぜ。
朝比奈さん(大)はコクッと首肯すると、
「ええ、今はそういったものは使っていません。詳しくは禁則だけど、もっとコンパクト
なものよ」
なら、なぜ奴らはそれほどに重要視していたんだ?
その俺の疑念を感じ取ったんだろう、朝比奈さん(大)は夕焼けの空を見上げながら、
「彼らがあれを狙ったのは、私たち未来の人間、とくに時間遡行をする人にとって、なく
てはならないものだからなの」
どういうことです?
「昔、といっても私たちの時代からすればだけど。……ある時、時間遡行の方法を考案し
た人がいたの。そして、それを可能にする装置、あなたの思い浮かべたようなタイムマシ
ンを試作することにも成功したわ。そこに部品として使用されていたのが、あなたがオー
パーツと呼んだセシウムとチタンの合金なの」
……そんな重要なものだったのか。ある意味、これほど衝撃的なこともないぜ。
なおも朝比奈さん(大)は続ける。
「その金属棒、正式にはT・S・C・D(タイムアンドスペース・コントロールデバイス)と
呼ぶんですけど、それは、時空を制御して設定した時代や場所に人や物体を正確に遡行さ
せる能力を持つの。たとえれば、この時代で言うところのマイクロチップが載った基盤の
ようなものかしら」
だったらなぜ、いつまでもあの山に埋まっていたんです?
「そうね、キョンくんがそう疑問に持つのも無理ないわ。では理由を言ってしまうけど、
あれはずっとあそこになければならなかったの」
それはいったい……?
「試作されたタイムマシンは、すぐにその博士が自ら乗り込んで実験を行ったわ。結果は
大成功。その人は私も知っている有名人として歴史に名を残すことになるの。でも、事態
は思いもよらないことになったわ。気をよくした博士は実験を何度も繰り返したのだけど、
ある時何度目かの実験で、ある時代についた直後に乗っていたタイムマシンが何らかの原
因で爆発を起こしたの。残念ながらその事故は、博士が帰らぬ人となるという最悪の結果
をもたらしたわ……」
ひょっとしてその博士というのは、俺が命を救うことになったあのハカセくんのことだ
ろうか? 俺はふとそう思った。
「博士が亡くなったことによって、時間遡行が一時的に不可能になってしまったわ。もち
ろん、その理論は論文の形で残されていたのだけれど、時空制御を可能にするそのTSCDを
製造するノウハウは博士しか知り得ないものだったし、製法については何も残されていな
かったの」
俺は朝比奈さん(大)の話を聞きながら、TSCDと言う名称があるらしいオーパーツの映
像を頭に浮かべていた。
あのパーツを作ることは、未来の技術でも簡単にはできないのか? それほどまでに特
殊なものなのか……。
「その後、多くの人がそのTSCDをなんとしても作り出そうと挑戦したけれど、誰一人とし
て叶わなかったの。それと共に時間遡行をすることも頓挫したまま。人々は途方に暮れた
わ。でも、ある人が気づいたの。そのTSCDが博士が事故にあった時代からずっと、その時
代までどこかで存在し続けていることに……。そしてそれは今も有効だと」
話が壮大になってきた。聞いている俺も、どの程度理解しているんだかわからんね。
「それから以後は、製造が至難を極めるTSCDを作り出すことよりも、何処かで眠っている
そのTSCDの力を借りて、時間遡行を出来るようにした装置の開発に心血が注がれるように
なったの。そして、ようやく成功したわ。原理は簡単、設定した時間軸をその時代に存在
するTSCDにシンクロさせて、それによって時間遡行を出来るようにしたの。おかげで装置
はずっとコンパクトで、しかもシンプルになったわ。……ただし、欠点としてそのTSCDが
存在する時代までにしか遡ることは出来なくなったけど」
といっても、今はハルヒの変態パワーによって、4年前までしかさかのぼれないわけで
しょうけどね。
朝比奈さん(大)はフフっと笑って「そうね」と答えた。
しかし、それなら奴らがTSCDとやらを狙った理由もわかるってもんだ。TSCDさえ自分た
ちのものにしておけば、時間遡行が出来るのはそいつらしかいなくなる。邪魔者はいなく
なり、既定とは違った別の未来を奴らの好きなように創り出せるってわけだ。
「キョンくんの思った通りよ。だから、今日はわたしが監視することになっていたの。で
も、あそこに来るタイミングがギリギリになっちゃったから、そのせいであなたと鶴屋さ
んを危ない目に遭わせてしまったけど……」
朝比奈さん(大)は「ごめんなさい」と言って頭を下げた。
しかし、俺たちは朝比奈さん(大)のおかげで結果的には助かったんだから、そんなに
気にしなくてもいいですよ、と答えておいた。
「今日は色々とご迷惑を掛けてごめんなさい。キョンくんには全て話し終えたし、あたし
はもう帰ります」
「待って下さい、朝比奈さん! あのTSCDはどうすればいいんですか? あなたに引き渡
せとでも?」
しかし、朝比奈さん(大)はかぶりを振り、
「いいえ、あれは鶴屋さんのおうちで保管してもらえればそれでいいわ。ただし、あれを
破壊したり、何処かへ移動させないで欲しいの。それだけよ」
そう言い残して、朝比奈さん(大)は消え去った。未来へ帰ったのだろう。
俺は一人ぽつんとベンチに座りながら朝比奈さん(大)の話を反芻していたが、やがて
雪がちらつくようになった頃、おもむろに腰を上げ、すでにあたりを夜の帳が支配しつつ
ある自宅への帰り道をたどった。
やれやれ、重い話だぜ……。
翌週の月曜日、そして放課後。俺はいつものようにSOS団アジトであるところの文芸部
室で、朝比奈さん給仕のお茶をありがたく啜りながらのんべんだらりとしていた。
至極のひとときである。ハルヒの騒音さえなければなおよかったのだが。
そんな時、突如としてドアが開き、鶴屋さんが飛び込んできた。
「こんちわー!」
鶴屋さんは驚異の回復力ですでに足は治癒したらしく、平然と歩いていた。
俺は鶴屋さんの顔を見た瞬間、あの時キスしてしまったことを思い出してしまい、人知
れず体温が上昇した事を感じたが、鶴屋さんはそんな様子を微塵も見せなかった。さすが
だ。
「鶴屋さん、今日は何かしら?」
鶴屋さんは、ハルヒの問いには笑顔だけを向けてそれには答えず、俺に近づくとやおら
口を開き、
「やあ、キョンくん。ちょっと先になるんだけど、今週の土曜日は空いているかなっ?」
「はあ、予定はなにもありませんが」
「じゃあその日、ちょっと付き合ってもらってもいいにょろ?」
「ええ、いいですよ」
するとハルヒは笑顔を浮かべて興味深げに、
「今度は何をさせるの? 薪割り? それとも温泉掘りとか? ひょっとしてメイド服姿
で一日鶴屋家の使用人体験をさせるとか……?」
おいおい、どんな罰ゲームだよそれは……。
「あら、いいじゃない。たまにはあんたもコスプレしてみたら?」
ごめん被る。なにが悲しゅうて男がメイド姿をせねばならんのだ?
鶴屋さんはハルヒに向かって首を振ると、
「キョンくんには、うちの親父さんに会ってもらおうと思ってねっ!」
その瞬間、部室の中は凍り付き、その後クラスター爆弾を投下されたようにあちこちで
怒気が炸裂した。誰に対してだって? ……そんなもの、俺に決まってるさ。
ああ、めまいがする、それにやけに寒いな。俺はひょっとして八甲田山で雪中行軍の途
中だっけか? そう勘違いしてしまいそうな境遇だ。
俺は焦点が定まらないまま視線を滑らせると、ハルヒは口を引きつらせながら、いかに
も平静を装って風に鶴屋さんに問い返した。
「鶴屋さん。それって、冗談よね? びっくりさせないでよ、鶴屋さんも人が悪いわね」
だが、鶴屋さんは再度首を振ると、
「本気っさ。キョンくんを鶴屋家の婿候補として親父さんに会ってもらうにょろ。もう親
父さんには話もしてあるしねっ!」
そう言い終えるが早いか、鶴屋さんはハルヒが凍り付いている間にとっとと部室をあと
にした。「キョンくん、じゃあまたねー」という言葉を残しつつ……。
「キョン、これはいったいどういう事なの? 説明しなさいっ!!」
再起動したパソコンのように我に返ったハルヒは、臨界を越えたプルトニウムのような、
ここら一帯消し去りかねない怒気と殺気とその他諸々のエネルギーをまき散らしながら俺
に迫ってきた。
ええと、どうしようか。つうか、どう言い訳すればいいんだ? 実は俺も錯乱していて
考えがまるでまとまらないんだ……。
見ると、古泉はこの世の終わりのような青い顔をしているし、朝比奈さんも怖い顔をし
ている。しかしより俺を震え上がらせたのは、長門が無表情ながらも以前会長に対峙した
ときのようなオーラを醸し出していることだ。
――鶴屋さん、あなたの本気って、こういう事だったんですか?
気が早すぎます。っていうか、いきなり身も蓋もなく最終奥義を繰り出すようなことは
勘弁して下さい。本当に俺の命がやばいです。
俺はライオンの群れに囲まれたインパラの心持ちで、ただ捕食されるのを待つしかな
かった……。
――合掌。
一応、俺は生きていたらしいので後日談を。まずは鶴屋さんと発掘をしていたときに先
に出土した金属に関してだ。
あれは鑑定の結果、微量だが中に水素が含まれているとのことだった。どうも水素吸蔵
合金なのではないかという見解だ。おそらくタイムマシンの動力源だったのだろう。
そして2本のTSCDだが、今も鶴屋家の倉庫に眠っている。これからも家宝として代々保
管していくとのことだ。
めでたしめでたしなのかね?
だが、めでたいかどうかわからないのが今の俺の立場だ。
あの時、俺が集中砲火を浴びるすんでの所で鶴屋さんが再び入室して、ハルヒを口八丁
で宥めてくれた。といっても、ハルヒに対して挑戦状を突きつけた事には変わりないのだ
が。
そのハルヒだが、今のところ沈黙を保っている。何を考えているのかはわからんが。
それと、閉鎖空間が毎日猛烈に発生しているらしく、古泉が毎日ヨレヨレの姿で登校し
てくることには俺も心が痛む思いだ。ま、がんばってくれ。
さて、明日は俺を鶴屋さんの親父さんに引き合わせるらしい。どうなるのかね。
どうやらキスの代償が高く付いたな。だが、俺は後悔はしていない。というのもあの時
の気持ちは本物だったからだ。だから、今回の話も誠実に対応していくつもりだ。
やれやれ、どうやら今日は眠れなくなりそうだ。
終わり
以上です。
GJ。
読みごたえがあった
だが原作ネタに関することが入ってるから、注意書きしといた方がよかったかもね
キョンハアイカワラズフラグメイカーダネイッ
GJ
オーパーツか…
穴堀名人のキョンならではの話ですね!
話は変わるがタイムカプセルでオナホ入れた奴の話を思い出した。
GJ
俺は好きだ
251 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 16:30:04 ID:c5WOGLVI
鶴屋さんSSはやっぱいいわぁ。癒される
キョンと親父さんの会話。
「娘さんを俺にくださいっ」
「…………」
「お願いします!」
「……条件がある」
「何でしょう!?」
「仏の御石の鉢、蓬莱の玉の枝、火鼠の裘、龍の首の珠、燕の子安貝を持って来なさい」
「……笑うところですか」
漫画であったな・・・
>>252 鶴屋さんはそのうちお月様に帰ってしまうのか。。。
鶴屋さんはてるよなのか
鶴屋「ドロー!魔法カード!『両親に紹介』!」
鶴屋「ドロー!モンスターカード!『二人きりの満月夜』!」
鶴屋「ドロー!トラップカード!『既成事実作成』!」
鶴屋「ドロー!魔法カード!『子作りしまs
キョン「やめてぇぇぇぇぇぇ!もう俺の体力は0なのよ!」
レッドホットチキンテラウマスwww
閑散とするなんて珍しい。
>>254 「その時はキョンくんだけと言わずみーんな一緒に連れてくにょろ!」
……閑散としてるなんて言ったけどF5押したら人大杉になった。
専ブラ使えよ
そうします。
しかしエロパロ板が人多すぎねぇ…
GW以来だな
誰かキョンが転校してハルヒがそれについて行く作品のタイトルを教えてくれまいか?
確かこのスレで見かけた気がするんだがどうしても思い出せないんだ
?あったか?VIPじゃないか?(´・ω・`)
内容の記憶が曖昧すぎて上手く言えないんだがオチがkanonっぽい作品だったんだが…
一応VIPの方も探してみます
>オチがkanonっぽい
どうでもよくなった
VIPの作品だな…
喧嘩して気まずいまま転校したやつだろ?
VIPかな?
九条の人のじゃね?
>>263 ハルヒが遊びでキョンを虐めてそれでキョンが学校を辞めて遠くの予備校に入ったらSOS団が全員いたって話だったかな
>ハルヒが遊びでキョンを虐めてそれでキョンが学校を辞めて
ここまで見て「うぉ、面白そう。読みてえ!」と一瞬持ったが、
>予備校に入ったらSOS団が全員いた
めちゃくちゃどうでもよくなったw
おそらく「キョンの決断」だと思われ。268氏の言うとおり、九条さんのとこのSS。
改訂版があるかい奇譚で公開していたが、今は公開停止になってるな。
レスくれた方々サンクス
ここのじゃなかったか…お騒がせしました
結局許してもらうまでキョンの周りをうろつくのだろうな。
読んで違和感はあるが…
タイトル見ただけで厨くせえSSだなw
いにしえのKanonSSみたいだ
ガキはお黙りなさい
祐一が家出とかな
やってることが全然変わってなくて笑えるかもw
人格設定にかなり違和感のあったSSだと記憶している
>ハルヒが遊びでキョンを虐めてそれでキョンが学校を辞めて
これでアウトだろw
つーか引っ張りすぎつーか、どうでもいいよ。なんか無理して雑談てるっぽいぞw
九条ってもしかして、40にもなってルリルリのオマ○コってやってる九条のことか?
そういやハルヒにも手を出したとか聞いてたが。
ところで森さんのエロって投下されたことある?
古泉とするお話もあったな
>>281ー282
ありがとう。これでゆっくり眠れるよ。
ごめん。ミスった。31-441だ。
連投すまそ。
>>285 これを探してたんだよ俺は…マジでサンクス
kanonを見て祐一とキョンがあまりにも似てたから急にこのSSを読みたくなったんだ
>>280 森さんに酒を飲ませたらエロい事になった話があったはず。
>>280 涼宮ハルヒの酒乱だったかな?アレも、おティンティンオッキする作品だな。
森さんssだったら古泉のズボンの尻を触る癖がなんたらってssが良かった。
つまりウホッ?
陰謀で森さんが橘に物凄い威圧感で迫った後で従わないから橘を監禁して調教する…
そんなことを朝飯を食いながら思い付いた。
珍しい流れだな
過去の作品を読み漁っていてふとよぎった考え
フラグの王様佐々木団バージョンはどんなんだろ?
(´Д`)y──┛~エロイのまだ〜?
ここぞとばかりに、あと10分レスが無かったらハルヒは俺の嫁
やれやれ。
阻止だ
>298じゃないがなんで阻止できるのか不思議すぎる
ここは書き込みはしないけど職人さんのSSをまだかまだかとチェックしてるピンク戦士が大勢いるからさっ
>>300 専ブラ使ってりゃ新規書き込みなんてすぐに分かる
まあ、書き込み1人いればロムってるのはその30倍はいるし
24時間SSが無かったらミヨキチはいただいて行きますね。
なんてこったい
>>305のために送る駄文かつ超短篇ストーリー(まとめには絶対載せないでね!)
ハルヒ、すまない。
俺はミヨキチとキスをしてしまった。
相手が小学生とかそういうくだらないものは関係ない。別に俺がロリコンというわけではない……たぶん。
そう、あれは先週の日曜日のコト。
完
>>307 GJ!ナイス阻止!!
つ24時間の間に長編SSが書かれなかったら周防は俺の嫁
どうなんだろうね、この小学生のようなのりは。
夏だし。
いい歳してつまらんことするなよ。
>>308 阻止してやんよ
「お前は・・・!」
周防九曜が、そこにいた。
「私は―――見ている・・・・・それだけ」
お前の親玉は視姦プレイ推奨か。
「視姦―――プレイ?・・・・・それは―――何?」
周防九曜なる新手の宇宙人とのいかれた日常。その始まりであった。
続く。
と書くべきだったな、失念していた
もっと耐性つけないと夏は乗り切れんぞ
周防が可愛くてやった、ドラえもんが何とかしてくれると思った。
後長門はいらない
久しぶりにSS書きたいけど時間がない…
無茶言うな
>>315 俺ほどの超低クオリティはめったにいないぞ?
何だ?レスが進んでいたと思ったら、まったく
ああ、なんか描写ばっか気にして書いてたら、気付けば内容がスカスカになってた。
描写は後でいくらでも整えられるから、まずは勢いでやってみれ
表面
(^ω^)<YOU!大丈夫だYO!投下しちゃいなYO!
心
(#^ω^)。。○(欝陶しいな。投下してないのに無駄口叩かないでくれる?)
皆、最初はだーっと書いて後から描写を書き加えていくような感じで書いてんの?
俺は今までずっと、書いては振り返って推敲して、また書いては振り返って、って感じなんだけど。
ていうか、気になってすぐに振り返ってしまうんだがw
だから最後に通して推敲する時にもあまり修正が入らないんだよなあ。
326 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 00:11:14 ID:zMIqkzFV
そろそろ変態ハルヒ&佐々木シリーズが読みたい
>>325 俺は少し書いては増やして削って
んで最終的におかしくなったが気にせず投下 って感じかな
>>325 気分次第。ちょこちょこ直すほうが多い。
でも
>>322のように描写気にして中身がおろそかになるなら、まず内容を書きたい分だけ書くのもありだと思った。
これのどこが?
ついでに訊きたいんだけどみんなプロット通りに書きあがる?
しょっちゅう外れるんだけど。
外れるって何がどういう風にどの程度
書いてみればわかる
かも。
書きながら展開考える
俺も外れるっちゃあ外れるが、最後はなんとか予定通りに着地するな。
書いている内に別の物になってるなんて良くあることだ。
ストーリー的にも最初に考えてたより良いしな
短編は結末だけ決めて書き始めるの。勢いが重要。
長編はプロットをきっちり練って書き始める。で、書いてる途中はプロットのことを忘れるようにして、詰まったときに思い出すようにする。
そういや最初の20行だけ書いて投げたSSがいっぱい溜まってる・・・
完成させたいけど何を書こうと思っていたのかさっぱり思い出せないというオチ
340 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 00:43:28 ID:fYU+snfs
「『驚愕』発売延期のお知らせ」のポスターのハルヒギザカワユス
普段からああやって素直っぽかったらいいのに
脱ツンデレ!!!!みたいな?
>>339 単に他人のやり方を聴いてみたいだけで
別に方法論について教えを請いたい訳じゃないんじゃねーの?
新ジャンル「素直ハルヒ」
VIPにどうぞ
つまり佐々木出現で今のままではダメだと思ったハルヒが素直に感情出せるように変わろうと頑張ったが、
6月1日までには無理だと思い改変された世界が『驚愕』が発売延期されたこの世界なんだ
また追い出している。
さすが発売延期は谷川のお家芸だな。
田中よりはましだかな。
佐藤大(ry
いうなW
6年夏を待ってた作品の(上)が出るとか、
10年ぶりに敵は海賊の新刊が出たとか、
パーンの竜騎士までなぜか突然出たとか、
今年の出版界はなにか異様なことが起きてるから、
砂糖=苦瓜がもうヒモで新刊なんざださねーよとかで、
バランスを取ってるんではなかろうか。
350 :
40-355:2007/06/29(金) 22:41:58 ID:2kQxWcr3
投下します。
エロなし。9レス予定。
前作を読まなくても大丈夫ですが、分かりにくい部分はあるかもしれません。
>>349 ソノラマの消滅で十分すぎるほどのバランスは取れてるなw
Prologue.
―――――――――――――――――――――――――――
「わたしはここにいる」
それは、誰の言葉だった?
誰に向けられた言葉だった?
そして、本当にわたしはここにいるの?
考えるのは良いけれど、答えなんて、きっと、―――ない。
―――ない―――けれど………
―――――――――――――――――――――――――――
平凡で平穏、普通にして不変である、まるで俺の人生そのものを象徴しているかのような、そんなある日の夕暮れ時の話になる。
浪人する事無く大学に入れたのは良いが、『人生って何だろう?』などというこの年代特有の病気にかかり、ここ数年ほどどことなく物足りない日々を送り続けていた俺は、卒業を間近にひかえたその日の帰り道、交差点で幸せそうな一組の夫婦とすれ違った。
文字通り比翼の鳥のごとく、互いに寄り添ってゆっくりと歩く彼等。
俺と一回り以上は離れているように見える男性と、俺と同い年ぐらいであろう女性。
ぱっと見は、下手すりゃ親子にも見えてしまう二人組みなんだが、………なんだろう、彼等の間を流れる空気みたいなものが、二人が確かに夫婦である事を証明している、………みたいな。
脳というエンジン内部のネジやら燃料やらが不足しているせいか、そんなどうでも良い事をぼんやりと考えていた俺の横を、子供が二人、俺との相対比率としてはサッカー選手並みの動きですり抜けて、彼等の元へと駆けていく。
―――置いて行かれた。
自分が持ってない、もしくは『いつか』に忘れてきた、何かを彼等の中に感じたのか、ただ単に目が焼けそうなほど鮮やかな夕焼けにメランコリックを打ち込まれただけなのか、………はっきりした理由は分からないのだが、俺は確かにそんな気分にさせられた。
でも、それで良いような気がした。
ああ、こっちの理由ははっきりしているようだ。
だって、彼等は笑ってたから。
幸せそうに、笑ってたから。
―――――――――――――――――――――――――――
存在しない答えを見つけるために、彼等の結末を観測する。
笑えているから幸福なのか、幸福だから笑えているのか?
ニワトリが先かたまごが先か?
笑えている彼にはどうでも良い事でも、
笑えない彼には、とても大事な事。
少なくとも、今のところは、それが彼等の『選択』の結末。
だったら、わたしの結末は?
―――わたしの『選択』の結末は?
―――――――――――――――――――――――――――
ふいに、いつかの、俺達を置いて行ってしまった、ある日の風景を、あの日の彼等を思い出した。
そこに何か引っかかりを覚えた俺は、昔の何でもない、しかし満ち足りていた頃の事を頭の中でセピア色の痛みとともに巡らせる事にした。
――――――――――――――――――――
電気少女はここにいる事を高らかに宣言する
――――――――――――――――――――
1.
―――――――――――――――――――――
忘れて―――が………彼女の―――願い
忘れないで………が………彼女の―――願い
彼の………彼等の―――意思は―――どこ?
―――わたしの………意思?
―――――――――――――――――――――
何か大事なものが記憶のマリアナ海溝に沈んだまま錆びついてしまっているような、そんなザラザラした違和感がずっと抜けなかった高校二年の三月の話だ。
俺達は見かけ上はいつも通り、モラトリアムと言えば聞こえは良いが要するにただの暇つぶしでしかないSOS団団活動に従事していた。
部室で展開されているのはいつもとなんら変わりない光景。
俺と古泉が『古泉一樹黒丸マークショー』という名のボードゲームを使った一方的な架空虐待を行っている横で、ハルヒと朝比奈さんが女二人でも十分姦しい事が証明されそうなくらいの音量で騒ぎ立てている。
「みくるちゃん、このサンバの衣装なんて、どうかしら?」
「ふえー、派手派手さんな衣装ですねー。で、これがどうかしたんですか?」
「着るのよ」
「………みー?」
「ゆー」
………訂正。どうやらこちらでも一方的なリアル虐待が行われているようだ。
「ふええええっ! む、無理無理、無理ですよー。見えちゃうじゃないですかー」
「大丈夫よ、みくるちゃん! あなたなら飛べるわ。アイウィッシュユーワーアバード、………メイビー」
「メ、メイビーとかついているうえ、さりげなく過去形なところにそこはかとない悪意を感じますー」
「でも、もう注文しちゃったしね」
「鳴かされちゃうのホトトギス!」
さて、朝比奈さんも程よく壊れかけてきている事だし、出したところで泥舟かタイタニックくらいにしかなりそうにない助け舟であるという現実はあえて無視して、止めに入る事にしよう。
「アホ、着るならお前が着ろ」
コツン、と軽くアホな子ことハルヒの頭をはたきながら、捕食者である彼女とそれに睨まれた愛くるしい小動物である朝比奈さん、二人の間に割り込む。
ハルヒは少しだけ考え込んだ後、何故か顔をほんのり赤く染めながら、上目使いでこちらを見ながらこう言った。
「何よ、あんたあたしがこれ着てるところ、………見たいの?」
「いや、全然」
「コンマ5秒で否定した!」
ってもそんなもん、俺にとっちゃ今日の日経株価指数並みに興味ないしなあ。
「うー、ちょっとは想像してみなさいよ。あたしがこれを着てあんたの前でサンバのリズムに合わせて飛び跳ねるのよ。どうなると思う」
「しわになって、洗濯するのが大変だよな」
どう洗っていいかもよく分からん服だからな。洗濯機では、………無理だろうしなあ。
「………『見せてんのよ』とか、決め言葉を用意している女って、どーよ?」
「えっと、………痴女?」
「うがー!」
殴られる俺、それをしょうがないといった感じで見つめる古泉と朝比奈さん。
いつも通りの風景だ。………そのはずだ。
だから、俺とハルヒを見つめる二人の目が悲しみを持っていた事だって、きっと気のせいに違いない。
きっと、海溝に沈んだ記憶の錆とやらが、俺の目をマイナス方向に濁らせているだけなんだろう。
―――――――――――――――――――――――――
彼の―――意思は………わたしの………意思?
観測………不明―――分からない―――だから―――
彼に―――会いに………行く。
―――――――――――――――――――――――――
「じゃ、本日の活動はこれにてしゅーりょー!」
ハルヒの能天気100%な終了宣言とともにいったん帰宅の途についた俺達SOS団であったが、そのメンバーのうち朝比奈さんを除いた俺・ハルヒ・古泉の三人は、1時間ほど後で再び部室に集合する事になっていた。
それは何故かというと、
「そいじゃあ、明日のみくるちゃんお別れパーティーの準備を始めるわよ」
という、再集合時、開口一番に飛び出したハルヒのこの言葉どおりの理由によるものである。
朝比奈さんは卒業と同時に海外へと移住する事が急に決まったらしく、普通の卒業生のようにお出かけ感覚の気軽さでSOS団にご降臨なさるのは難しくなるだろうとの事だ。
急な知らせは驚きだったし、残念ではあるのだが、移住する事自体は既に朝比奈さんも納得済みの事であり、だったら俺達に出来る事は二年間SOS団のエンジェル兼お茶くみ係を勤め上げた彼女を華々しく送り出す事くらいであろう。
………パーティーの進行表を見る限りでは、いささかやりすぎの感はあるが。
つーか、俺は口から火をふきながらムーンウォークでリンボーダンスだなんてファンキーすぎる真似はできんし、『ここで古泉くんが華々しく散る』って、朝比奈さんの前に古泉と今生の別れを済ましてどうするよ。
「うるさいわよ、キョン! あんただって、急な話だったんだから準備にかける時間が無いっていう業界っぽい裏事情や、準備不足はスタッフの熱意で補うっていう業界っぽいお約束は理解できるでしょ! それに、人間やろうと思えば割と何でも出来るんだから」
………こいつは。
「ははは、まあ、良いんじゃないでしょうか、………多分」
少し引きつり気味の笑顔でそう言うイエスマン。まあ、自分が散るかも知れん提案に満面の笑顔で賛成はできんわな。
「………いや、でも、朝比奈さんを見送りたいという事それ自体なら、僕は全面的に賛成しますけれどもね」
それは、まあ、同意する。………お前に同意する事なんて十五階からの目薬に成功するほど奇跡的な事だがな。
「失ってからでは、遅いですからね」
俺の軽口というジャブを交わしてカウンター気味に届いた実感がこもっているそのセリフに、『まあ、そうだな』などと、煮え切らない返事を返しながら、パーティーの準備をのろのろと進めていった。
そんな俺をハルヒが『遅いわよ、キョン』などと無理矢理作った元気印のハルヒボイスで責めたててくる。
別にサボっているつもりはねーよ。つーか、さっきの古泉の言葉でノックダウンされなかった俺を、ちょっとだけでもいいから褒めてくれたって良いんじゃないか、本当に。
そう言葉に出して反論しようかとも思ったのだが、空元気を空回りさせている我等が団長様を直視してしまうと、そんな気持ちもはじける事なく、プシューと音を立ててしぼんでいってしまう。
そういう風に思い通りになってくれない自分の感情ってやつを持て余しながら、こちらも全く思い通りになりやしない別れってやつの準備を進めていく俺達であった。
2.
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「これが俺の選択だ」
そう………言って―――彼は………わたしの………手を―――握り締めた。
彼の―――意思を………込める―――かの………ごとく―――
強く―――強く―――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
パーティーの最終準備のせいですっかり遅くなってしまったその日の帰り道、ハルヒや古泉と別れて一人になった瞬間に、今までごまかしてきた、ごまかせてきた寂寥感ってやつが一気に俺に襲い掛かってきた。
意味不明な言葉を叫びそうになる口を手やら気合やらで必死で押さえこむ。
それが襲ってくるのは、多分仕方の無い事だ。
思い起こされる彼女との二年間はとても楽しいもので、だからこそとても悲しいものなのだから。
そう思いながら、そう思おうとしながら、ぎゅっと目を閉じたその瞬間だった。
「彼女―――それは………誰?」
ふいにあたりに響いた声にはっと目を開いた俺は、太陽はまだ沈んでいないはずなのに、俺の周囲だけがいきなり夜になったかのような感覚に襲われた。
気配も何もなく、それでいて周囲を漆黒に染めていくような、そんな見覚えのない少女が俺の目の前に立っていた。
………見覚えなんて、無い、はず、だ、………よな?
「わたしは―――周防―――九曜?」
「何で疑問文なんだよ」
あまりに堂々とずれたセリフを喋るため、思わず隣の電柱に突っ込みを入れてしまった、がつん。
「………いてぇ」
コンクリートを割かし本気で叩いた手がかなり本気で痛い、………つーか、めがっさ痛い。
どうやらこれは現実のようだ、調査料は俺の左手、………割にあわねぇ。
「彼女は………あなたから………奪った」
俺の惨状(自爆とも言う)を無視して、延々と意味のつかめない話を続ける少女。
先程―――俺の………敵となった―――コンクリートジャングルに―――先住民の………ビートが―――響き………渡って―――いく。
すまん、今のは痛みのあまりに目の前のコレがうつった自分でも意味が分からない妄言だ、聞き流せ。
「彼女は………彼に―――与えた」
しかし、何故だろうな? でたらめに思いついた言葉を並べているとしか思えないこいつの話それ自体は、俺の妄言とは違って聞き流しちゃいけない、そんな気がするんだ。
それはまるで、戻れないとしても、進まなきゃいけない道であるような気がして………。
「選択肢の―――ある………彼は―――幸福?」
割舌の悪いテンポのズレたセリフがコンクリートで跳ね返り、俺の中の柔らかい場所に次々と突き刺さってくる。
「選択肢の―――ない―――あなたは………不幸?」
頭痛とは少し違うおかしな感覚に襲われ、頭を押さえてしゃがみこむ俺を無視し、彼女は淡々と自分のペースを崩さずに話を続ける。
確かに、ある、と、思う。
俺が誰かに奪われたもの。俺が失くしたもの。
それは―――
「………分からない。―――だから………観測者は―――石を投げ込む」
演者は、投げ込まれたその石を踏み台にして手を伸ばす。
2・3センチほどの踏み台はしかし、俺が『 』を思い出すには十分なもので………、
………思い出せそうになるには、十分な、助力で、
「観測者は―――聴衆に―――なる」
俺の手が、心が、以前失くした『 』に届きそうな気がしたその瞬間、
「キョン!」
強い力で、強い声で、俺は非現実から渡された石の上から、このどうしようもない現実世界に引き戻された。
………結局、届く事はなかった。
俺を引き戻した声の持ち主は、ハルヒは、まるで目の前にいる九曜に気付かないかのように俺だけに対して一方的に言い、喋り、叫ぶ。
「何か分かんないけど、あんたが、あんたまで、どっかに行っちゃうような気がして、いや、その、行っちゃうってのはみくるちゃんじゃなくて、でも誰だかは分かんなくって、それで、あたしも、ほんとわけ分かんないんだけど、追いかけてきちゃった」
その声を左耳から右耳へと流そうとして失敗し、脳内にハルヒボイスが溢れかえっている状態で、それでも俺は別の事を、こんな事を考えていた。
(届かなかった、………って、何に? ………誰に?)
今の状況に、そして今までの展開に、正常な思考とかいうやつを粉微塵に粉砕され、電池が切れたかのように呆然とするしかない俺に再び蛇が声をかけてきた。
「………これが――――選択肢。得るもの………失うもの―――選ぶのは―――あなた」
そう言って、俺に林檎という名の手を差し出す九曜。
「キョン、何なの、この子?」
そこでようやく異次元的な彼女の存在に気付いたのか、ジト目で俺の袖をつかむハルヒ。
何故だか浮気がばれた若旦那のような気分に陥ったが、それは今特に関係ないのでほっとく事にする。
それより問題なのは、九曜の言葉だ。
時間が止まったかのような感覚の中で、足りない頭を働かせる。
多分こいつについていく事を選ぶと、俺は俺が失くしたものを見つける事が出来るのだろう。それは疑いようが無い。
理由は、………無い、けれど。
じゃあ、仮に九曜を選ぶとして、選ばなかった方というのは何なのだろうか?
もう一つの選択肢は、失うものとは何なのだろうか?
天秤のもう片方にかけられている、そいつは、
「キョン………」
不安そうに俺の袖を掴んでいるこいつ、………なの………か?
気付くと、いつの間にか俺はハルヒをかばうように九曜と向き合っていた。
俺の手は、ハルヒの手を掴んでいた。
離れないように、失くさないように、しっかりと、しっかりと。
「それが―――あなたの………選択?」
「………知るか」
あいにくだが俺の頭は難しい事を考えられるようにはできちゃいないんでね。因数分解くらいならまだ何とかなるが、『選択?』だなんて聞かれてもどうしようもないのさ。
それでもあえて答えをひねり出せってんなら、………そうだな。
ただ、失くしたくないって思っただけだ。………思っちまっただけ、なんだよ、………悪いか。
「―――それなら―――良い」
………いや、正解なのかよ。
「あなたが………選んだのなら―――構わない」
こんな、意味が分からないまま選んだ、投げっぱなしの選択なのにか?
九曜は俺の疑問に答える事無く、振り返る事も無く立ち去っていく。
最後に風に乗って、こんなセリフが聞こえてきた。
「あなたの―――瞳は………キレイな―――まま」
冷静に考えると結局、最初から最後まで意味が分からない言葉を呟きながら立ち去って行っただけの彼女。
でも、俺はそんな彼女の後姿を見ながら、何故か、『失った』と、『完全に失ってしまった』と、そう思った。
そう思い、そう感じた事で、また寂しさが強くなる。
「キョン」
今にも消えそうなハルヒの声はそれでも確かに届いてはいたのだが、俺はそれに答える事無く、三月だというのに肌寒い風をただひたすら受け続けていた。
心も体も風をさえぎってくれるものなんて無かった。
―――無い、って思い込んでいたかった。
3.
――――――――――――――――――――――――――――――――――
観測者は―――聴衆に………なり………聴衆は―――演者に―――なる。
だから………これはきっと―――必然。
だから―――わたしは………演者に―――なる。
彼の―――意思に………答えて………。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
次の日の放課後、朝比奈さんのお別れパーティーに参加するため廊下を歩いていたところで、俺は元生徒会長であり、我がSOS団の宿敵である人物に呼び止められた。
「少し話があるのだが、いいかね?」
半強制的な疑問文、会ったのは久しぶりだがこの人も変わらないね。
いつもなら、そんな皇帝レベルの尊大さを皇帝ペンギンレベルまで中和するかのように彼の後ろには………、
(あれ?)
後ろには、誰がいたというのだろうか?
元会長は、疑問に思う事すら疑問に思えるような、そんな意味不明の状況に襲われてクエスチョンマークを舞い躍らせながら首を傾げる俺を、B級映画のエンドロールを見るような目で眺めながら、
「ふん、ま、そうなるだろうね」
無性に癇に障る諦めを込めて、そう呟いた。
原因不明ないらつきとともに、俺がその言葉の意味を問いただそうとした時、
「コラー! うちのスーパー雑用星人に何絡んでんのよー!」
ハルヒが喜んでいいのか悲しんでいいのか分からないセリフをはきながら、ヒーローごっこをする小学生のように颯爽と登場した。
………できればそのまま退場してくれ、ややこしい話になる前にな。正義の味方も悪の組織も、町を破壊する事に変わりは無いんだから。
「何よ、あんたもう生徒会長じゃないんでしょ! 今のあんたには『正義の名の下に大いにあたしを楽しませる涼宮ハルヒの団略してSOS団』に何かする権限なんてないはずよ。大人しくピーピー泣きながら女の尻でも追っかけまわしてなさい、全裸でね」
いつも通り、聞くに堪えないめちゃくちゃな内容を並べ立てるハルヒ。………勝手に団名を変えるのは悪の組織のやり方だろ、ま、今更だが。
しかし、いつもならそれに対し何かこっちもこっちだと思わせるような大人気ない言葉を返してくる元会長は、今回は反論する事も無く、ぼそりとこう呟くだけだった。
「………ああ、それも悪くないかもな」
自分の予想したのと違う反応に戸惑ったのか、呆けた顔で黙り込むハルヒに彼は続ける。
「安心したまえ。今日はそこの彼に伝えたい事があってきただけだよ。キミが目くじら立てるような内容じゃない」
「じゃ、あたしが聞いてても問題ないでしょう」
「………ああ、そうだな。もう、何の問題もなくなってしまったんだからね」
俺の意思を無視して話が進んでいく。………まあいつもの事だ、気にするな、俺もしない、てかしたくない。
「私は、………俺は、全部覚えてる」
いきなり意味が分からない。というか、あんたキャラ変わってないか?
「それがあの馬鹿の最後の願いだったから。あいつが関わった全ての事を、俺はずっと、覚えている」
それでも多分、それは本気のセリフなのだろう。
「だからお前等の仲間の事も、俺が全部覚えてるさ」
俺もハルヒも余計な茶々を入れる事無く、………違うな。
―――入れる事が出来なくて、ただ聞いている事しか出来ないのだから。
それだけだ、といって振り返り、歩き出す彼に問いかける。
「どこ、行くんだ?」
「追いかけるのさ。あいつは俺の後ろで何か企みながら、ずっと笑ってりゃいいんだから」
言いながらも足は止まらず、俺達から離れていく。
その迷いの無い後姿を見ていると、まるでもう二度と彼には会えないような、そんな気がして、
「「ちょ、待(ちなさい)てって!」」
ハルヒと二人で、追いかけようと走り出した瞬間、
「―――駄目」
聞いた覚えのある誰かの声とともに、視界が漆黒の闇に染まった。
闇に見えたのは舞い上がった髪の毛、テニスコート一面くらいならゆうに覆えそうな長髪が、俺達と彼の間を遮断し、
「あなた達に―――選択肢は―――もう………ない」
緞帳が舞い降りた時には既に、そこには誰もいなかった。
彼はおろか、あの長髪の持ち主すらも。
―――――――――――――――――――
別に………理由なんて―――ない。
ただ―――そうしたいと………思った。
だから―――多分―――
コレが………わたしの―――意思
―――――――――――――――――――
「………何なのよ、一体!」
「俺が知るか」
我に返って騒ぎ出す団長様に冷静にそう返す。
一応ではあるが、SOS団は不思議を追い求めるための団体である。
だがしかし、現実に不思議事件に出会った時に、何の力も無い高校生の集まりでしかない俺達に何が出来るかって言うと、………まあ、こんな感じで何も出来ないわけである。
あの長髪は多分九曜だったとは思うのだが、はっきりとは分からないし、そもそも九曜だったとしても、別に俺は連絡先を知っているわけじゃないからな。
「大体、人数が少なすぎるのよ」
「無茶を言うな、無茶を。あんな行動目的は不明のくせして、活動内容は半ゲリラ的な団体、四人いるだけでも十分だろう」
それも、朝比奈さんがいなくなったら、俺と古泉とお前の三人になっちまうわけだが。
「………そうだったかしら?」
まあ、奇跡的に新入生が入ってくるような事があったら話は別だがな。
「そうじゃなくて、こう、何かあったような気がするのよ、………忘れちゃいけない、何かが」
それは、俺も思う。………だけど、
『それが―――あなたの………選択?』
そう思うたびに、昨日の九曜の言葉がリプレイされる。
リプレイされる度に、俺の足はそこで止まってしまうのだ。
彼のように迷いなく足を踏み出す事は、どうやら俺には出来そうにない。
「で、お前は朝比奈さんのお別れパーティーと得体の知れない不思議事件と、一体どっちを選ぶ気なんだ?」
「その質問、ずるくない?」
かもな、とだけ返し、背を向ける。
よく分からない、けれど確かに大事な、大事だった何かに、背を向ける。
「ちょっと、待ちなさいよ、キョン!」
追いかけてくる別の『何か』を感じながら、俺は部室へと向かうのであった。
次の日、俺は失くしてしまった何かに気付き、泣き叫ぶ事になる。
選択する事の重みを、知る事になる。
それを抱えて、生きていく事になる。
―――ずっと、ずっと、それを背負って、生きていく事になる。
Epilogue.
―――――――――――――――――――――――――――――――
時は止まらず流れて行き、カーテンコールが近づいてくる。
演者は聴衆にはなれない。
聴衆は観測者には戻れない。
ならば、全公演が終了した時、演者はどうすれば良いのだろうか?
脇役のわたしは、どうすれば良いのだろうか?
わたしは、どこにいれば良いのだろうか?
詰まらずに喋れるようになっても、
人間らしく振舞えるようになっても、
今だ、その答えは出ないまま。
今日もわたしは、答えを探し続ける。
―――多分、幸福になるために。
―――――――――――――――――――――――――――――――
目の前に広がる光景を見ながら、俺は一通りの回想を終えた。
(ああ、似ているんだ)
あの日、俺達の目の前から消えた彼と目の前の男性は、年齢を考えると同一人物ではないだろうが、顔や雰囲気はそっくりなのだ。
(そういえば、)
あの日の彼は、どうなったんだろうか?
何を得て、何を失ったのだろうか?
「おとーさん、おかーさん、まってよー。………わわっ!」
転びそうになる我が子を左手一本で受け止める父親。
勢いに任せて一緒に転びそうになるのを母親が後ろで支えながら、父親の腕の中の女の子に話しかける。
「もう、慌てて走らないの。あなたも女の子なんだから、もうちょっとお姉ちゃんを見習っておしとやかに、ね」
「はーい」
「………」
母親の注意に元気よく返事する長髪で元気な妹と、追いついてからぎゅっと父親の服の袖を握り締める短髪で眼鏡の姉。
父親は左手で順番に二人の少女の頭を撫でていく。
言葉はないがおそらく、ありったけの愛情をそこに込めて。
幸せを得るためには犠牲が付き物なのだろうか?
目の前にいるのは温かい家族、しかし、父親らしき男性を見ていると俺はついそんな事を考えてしまうのだ。
彼はまだ、一言も喋っていない。
いや、俺の予測ではあるが、彼はおそらくまともに喋る事が出来ないのだろう。
その右半身はほとんど動かないようで、彼はずっと傍らの女性に支えられている。
得るものや失うものなどを考えながら、ぼーっと眺めていたせいだろう。その男性と目が合ってしまう。
彼は、『どうだ』と見せ付けるかのように、こっちを見て笑った。
やはり右側は動かないのだろう。その笑みは左側のみ口角を上げた不自然なもので、
………しかし確かに、彼の、彼等の幸福さを感じさせる笑みだった。
「ははっ」
笑顔が伝染する。
幸福が広がっていく。
答えが伝わってくる。
(どうでも、良いんだな)
それが多分、彼の、彼等の答え。
(ああ、そういう事なのか)
そして、気付く。
あれからずっと、何故かは分からないが、幸せにならなきゃいけないと思いこんでいた。
まるで呪いのように、そう心に刻み付けられているかのように、幸福だけを求めていた。
―――俺達は、不幸な事に、ずっと幸福という形だけを追い求めていたんだ。
目を閉じて、深呼吸を一つ、吐き出した息と共に思い込みを捨て、少しだけ人生やら歩みやらを止めて、ゆっくりと考える。
俺の幸せって何だったっけ?
(………あ、そうだ)
それは意外と近くにあった。
さあ、青い鳥に会いに行こう。
今から彼女に会いに行こう。
―――笑顔で、キミに会いに行こう。
―――――――――――――――――――――――――
そんないつかの二人を見て、わたしはやっと理解した。
答えなんて、ない、………けれど、
それでも構わないのだ、という事を
―――――――――――――――――――――――――
彼女へと続く道を歩きながら、先程の彼等の事を考える。
不揃いで一見ボロボロにも見える彼等。
いっぱいなくしたのだろう。
いっぱい犠牲にしたのだろう。
いっぱい失ったのだろう。
それでも、………だ。
彼等は幸福になったのだ。
つまるところはそれが全てで、
―――要するに、これはハッピーエンドなのだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そしてわたしは、おそらくもう二度と交わる事はないであろう二人を見送った。
相変わらず答えは出ないままなのだが、彼女達の選択の意味は今なら分かる気がする。
そして、だから、わたしは決心した。
わたしもここから、始めてみようと思う。
主役になって見ようと思う。
………なり方なんて、分からないけど。
とりあえず、胸をはり、前を見る。そこに確かにある未来を、自らの瞳で見据える。
そして、電気仕掛けの機械人形に過ぎなかったわたしは、
「………わたしは、」
『イマ』という現実に対し、
『ココ』という世界に向けて、
「わたしはここにいる」
―――そう、高らかに宣言した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
361 :
40-355:2007/06/29(金) 23:02:26 ID:2kQxWcr3
以上です。
では、また。
俺の読解力では内容の理解は難しいようだ。
大体記憶していたけど、↑のを読み終わってから前作を読み直してみた。
上手い感じにリンクさせてて、矛盾がなくて、きちんと繋がりができてる。
谷川原作が妙に後付的な矛盾を感じさせるから、悲劇的でも面白かった。
ただ・・・悲劇苦手な僕としては、原作にこの手の落ちがないことを願うばかりだ・・・
しかし、ゲーム化はいいんだけど、「驚愕」はまだなのかね。
この救いがあるようで、無いようで、でもやっぱりあるような感じは好きかもしれん。
「御都合主義的ハッピーエンド」じゃなかったことにある意味ほっとしてるんで、
結局この手の作風が俺の好みだってことなんだろうか。
こういう寂寥感が残る作品もすごくいいね。
まるくおさめるよりも、ずっと感じるものが多い。
次も期待しますね。
個人的にはハッピーエンドのほうが後味スッキリな感じで好きだが
この寂寞チックなのも好きだな。基本的には苦手な部類の作品なんだが・・・。
やっぱり書き方の問題だろうな。こういった作品はうまい人が書かないと
苦手な人にはつらいんだろうな。
1回目……?
2回目……やっぱりちょっと? で、前作その他を読み直す
3回目……余韻に浸ってる自分を発見
こういう軽々しいGJが似合わないくらいの静かで上質な余韻を残すのは難しいですよね。
すばらしいです。次回作にも期待!
長門厨はキモくてウザいのぉ
陶酔するのは自分の引きこもり部屋の中でだけにして欲しいわい
オペラでこんな感じの演目観た記憶があるが思いだせん
普遍性のある内容を説教臭く、下品な感じを受けずに読ませるのはやっぱ鍛錬の賜物なんだろうかね
自己啓発本のようないやらしさもあんまし感じない。掲示板形式だからなんだろうか。すげぇ不思議だ
大人が読んでも日頃逡巡したりするような問題や疑問と、宇宙人(だっけw)の側のある種対比がおもちろい
こういう問題の処理方法全てがバランスを取る事で解決されたりする事じゃないと思うけど
資本主義どっぷりになってる人間には良い意味のおせっかいの作品だと感じる
高校1年生ぐらいの時にこういう作品読みたかったわw
寂しい。寂しいけれど綺麗です。
内容がよく解らないな
長門や喜緑さんが消えててそこに九曜が出てきているってことでいいのか?
前作を見てみたい
>>371 あー。空気は読まなくてもいいから、前作を読んできてくれw
375 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 22:59:21 ID:bbvENgLZ
もうみんな子供。
空気を読まずにバカエロシリーズを投下。保管庫様に収蔵してもらっている48−154『笹の木〜〜曲』(変態佐々木?)シリーズのオチ的な番外編です。
3Pシリーズを書くつもりだったんですが、なぜか先にこっちが出来てしまったんで、投下させてもらいます。
今回は佐々木やハルヒは出てきませんが、他の登場人物がバカエロキャラとなって壊れていますので、作中のイメージを大切にしたい方は、出てきた時点で撤収することをお勧めします。
また、文中に一部ロリを示唆する表現がありますので、そういったものが苦手な方もスルーヨロ。
13レス予定。
『驚愕は結曲?』
今日も激戦を何とかくぐり抜け、ハルヒを送り届けたあと、重い腰を引きずりつつ一日の中でも数少ない自由時間を満喫していると、背後から落ち着いた声が掛けられた。
「キョンくん、こんばんは」
やはり朝比奈さん(大)か。連日ハルヒと佐々木を相手に機関砲並みの連射をこなしているというのに、それでも尚、目線を一部に固定せざるを得ない神々しいプロポーションは相変わらずだ。
「キョンくん、ちょっとお話があるの。少しだけ時間をもらえないかしら」
もちろん喜んで。朝比奈さんのお誘いなら、いつでもどこでも馳せ参じますよ。と、二つ返事でOKしたいところだが、いまの俺は二柱の神様(仮)に挟まれて、どこにどんな監視がついているか分からないご身分だったな。
「ありがとう。それに安心して。涼宮さんと佐々木さんは、あなたの下校時間だけは牽制しあって絶対に手を出してこないから。いわばこの時間帯は38度線のDMZみたいなものなの」
えーと、やはり未来のあなたは俺の現状をご存知なんですね。
「ふふ。何を言ってるんですかぁ。私も手篭めにしたくせにぃ」
!!!!!!
「あれ?今日って笹鈴戦争開始から3週間目の月曜日ですよね?……え゛?1週間ずれてるの!?やだっ私ったら……ごめんなさい!いまの忘れてください!!」
そんな風に拝み倒されても無理ですって。それにいまの俺は大概のことには驚かない間違った体質を獲得しちゃってますから、ネタバレをお願いします。
「そう言ってもらえると助かるわ。私も要件が要件だけに、どうやって切り出そうかと悩んでいたんです。ちょっと長くなるから、いったん他の時空に移動してもいいかな?」
どーぞどーぞ。いまの俺は休憩が一秒でも増えるのは大歓迎です。
と、いうことで、俺は朝比奈さん(大)のたおやかなる御手に触れるという僥倖に預かりながら、あのぐらっとした感覚を堪能した。
で、着いた先で周囲を見回すと、鏡張りの天井と回転式のピンクのベッド、それに無駄に広いガラス張りの風呂……どう見てもラブホです。ほんとうに(ry
えーと、ここは?
「ごめんなさい、禁則事項です。でも、一応言っておきますと、ここは21世紀初頭からずっと経過した時代になります。このアンティークな内装を揃えるのに苦労したのよ」
いや、我々の時代でもここまでベタなラブホはアンティークです。と、ツッコミを入れたいところだが、そんなことより確認しておく必要があるな。
こういった装備が重要になる案件についてお話をするということなんでしょうか?
「ええ。少しタイミングが前後してしまったようだけど、せっかくですから、これからあなたの身に起こることをお話しておきます。
結論から言うと、キョンくんにとっての今日から数日後、涼宮さんは小さな私や長門さんがキョンくん争奪戦へ参加してくることを提案します。
これは涼宮さん曰く、休み時間や放課後に部室を占領しちゃうのは申し訳ないし、部室で行われるイベントなら女子団員には自由参加の資格がある、というのが表向きの理由。でも本当は、彼女は私たちの気持ちを汲んでくれたの」
女子団員限定で自由意志を認める辺りがハルヒらしいが……未来人組織は朝比奈さん(小)の参戦を許可するんですか?
「ええ。昔の私も上司に聞いてみたんですが、自分が望むなら積極的に参加してもよろしいと言われて大はしゃぎしました。
日曜日の佐々木さんを交えた制服で3P対決でだいたい察しが付いていると思うけど、彼女たちには強いNTR属性があるでしょ。
だから、乱交で気を逸らしたほうが涼宮さんの感情が安定し、新たな時空震の引き金にならないと判断されたんです。まぁその判断を下したのは、今の私なんですけどね」
それじゃ、あなたが元凶じゃないですか!
「だって私にはそれが規定事項ですから。それに佐々木さんも団体戦に乗り出してくるので、遅かれ早かれ、SOS団vs佐々木団(仮)の総力戦は避けられなかったと思います」
佐々木も団体戦!?……あの、目眩がしてきたんですが、それじゃあ俺は放課後にSOS団の3人娘と乱交パーティーをする上に、家に帰ったら佐々木だけじゃなく、橘や周防の相手もする必要があるということですか?
「ええと、それだけではありませんが……一応そういうことになりますね」
……ショックは一度で済ませたいから言ってもらえませんか。それだけじゃないって一体?
「はい。えーとですね、乱交が進むにつれて、自然と得意技に応じたパート分けみたいなものが出来てくるの。ご想像通り、涼宮さんが女性器、長門さんが口、私が胸をメインウェポンとして、キョンくんにご奉仕することになります。
もちろん全穴も可愛がってもらいますけど、各自がこれだけは誰にも負けないって言う技を磨くんです。
ですが、涼宮さんの発案で、どうせなら他の技のスペシャリストも募ろうということになって、手コキ担当に名乗りを上げた名誉顧問や、菊花担当の【禁則事項】さんも参戦することになります」
!!! ……ひとつだけ確認しておきますが、このスレではアッー!はご法度ですよ。
「??……あ、それは大丈夫です。もし古泉君だったら禁則は掛かりませんから。それにその……彼はそのうち森さんにお持ち帰りされて……」
靖国を詣でる古老の目で遠くを見つめる朝比奈さん(大)。あの、やつの身にいったいなにが?
「規定事項になってしまうとやっかいなので、一応禁則が掛かっていますが、【禁則事項】さんの正体はすぐに判明すると思います!
懐かしいわ〜!彼女の『だってあたしは、イけなくて後悔するより、イって後悔したいんだもの〜!!』という甘い断末魔は、長門さんが本を閉じる音に代わって、下校時間間近の合図でしたっけ!
大丈夫!あのグラマラスな下半身はキョンくんを惹きつけてやみませんから!!」
俺の素朴な疑問をあえてスルーするために、無理やり去りし日の青春の思い出に目を輝かす朝比奈さん(大)。……古泉……無茶しやがって…… (`-´)> ☆ミ
さらに言わせてもらえば、全然禁則なってないような……なぜか脇腹の辺りがズキズキ疼くんですが、これは気のせいですか?
それにしても、3対1ならまだしも、5対1じゃ辛すぎです。せめて後発の二人だけでも、どうにかなりませんか?
「うーん……。【禁則事項】さんは、まだ禁則が掛かっていますから、変更の余地はあります。ですが、キョンくんのためにも、鶴屋さんには、ぜひ参加して貰ったほうがいいと思いますよ」
う……朝比奈さん(大)がそこまで言うからには、よほどの理由がありそうですね。
「鶴屋さんはちょっとレズっ気があるというか、フニフニした柔らかいものが大好きですし、頭のいい人ですから、臨機応変にSっぽいプレイもできるんです。だから、彼女はキョンくんのサポート役になって、私たちマゾ性奴をまとめてくれるの。
もっとも、みんなが絶頂で気絶したあとに、エロバーサクモードになったキョンくんを独り占めにして、壊れそうなくらいに目茶苦茶にしてもらえるから、めがっさ美味しいポジションにょろ!って笑っていましたけど」
さすがは鶴屋さん。そいつは心強い……のか?
「それと、もうひとつ伝えておきたいことがあります。というより、むしろこっちが本題かな?実は佐々木団(仮)にもおっぱい担当が召集されることになるの。向こうはその点で人材がいませんでしたから」
もう驚愕はお腹いっぱいなんですが、一応聞いておきます。誰ですか、そのアホウは?
「あれ?予想付きませんか?…………あ、そっか!今のキョンくんが知っている彼女のバストは、まだそんなに発達していませんでしたっけ?」
?? まったく心当たりがいないんですが、それは北高生ですか?
「えーと、キョン君の時間軸からすると、未来の北高生になりますね。藤原君がぽろっと口を滑らせたせいで、私が毎日4年後の北高に送り迎えをすることになったんです。まあ、これも規定事項ですけど。
私の時代の人間は、ジーンデザインドベイビーがはやった時代の影響で、こういうバストの遺伝子が主流になっていますが、この時代の人である彼女は本当の意味で天然ですよね。
高校生になっても、パッと見は精一杯の背伸びが可愛い大人びた小学生で、バストだけは今の私より大きいんだもの。さすがはデザインドベイビー時代に人気モデルだった逸材だわ」
……えーと、なんとなく誰かは想像つきました。ただ、俺はリアル妹持ちなんでロリ属性はないんですが。
「まーたまた!そんなに強がらなくてもいいですよ!それに、いまのあなたは某スレ住人の変態願望の最小公倍数仕様なんですから諦めてください!
だいたい数週間後のキョンくんが使う蜜壷は4年後の彼女ですから、高校2年生のあなたが高校1年生になった彼女に手を出してもロリコンにはならないんじゃないかしら?」
えーと、まぁそういうことになりますかね。それと、差し出がましいことですが、朝比奈さん(大)ともあろう御方が蜜壷などというエロワードを口走るのは、いかがなものかと……。
「あら?私を徹底的に調教して淫乱なM奴隷に堕としたのはキョンくんなんですよ!?去年のあなたにも会うたびに、若さが暴発して無軌道に突き進む若獅子様にむしゃぶりつきたかったのに!
思い出すだけでも濡れてくるわ〜。キョンくんてばとっても意地悪で、一度仕込んだプレイは私がきちんとおねだりしないと絶対にしてくれないんですもの。お陰でこの時代のエロスラングは、ばっちり習得できました。
ちなみに私の時空補正員訓練校の修了論文は『21世紀初頭のユーラシア大陸東端弓状列島地域における隠語の研究』なんです。
レポートアーカイブ作成は大変だったけど、長門さんがかき集めたボキャブラリーを涼宮さんと佐々木さんがTPOに応じてエロ変換した変態語録を網羅したお陰で、近代古典極東地域言語研究の基幹論文のひとつに数えられるくらいに評価されているんですよ。
あ、でも安心してくださいね。小さい私はキョンくんが思っている以上にウブなので、あなたの思い通りの色に染め上げられますから」
…………アーアー(∩゚д゚)キコエナーイ
と、いうことで、無理やり話を戻して一応確認しておきますが、その佐々木団(仮)のおっぱい担当ってミヨキチですよね?
「はい、吉村美代子さんです。でも、さっきも言ったとおり、彼女の全体的な雰囲気は今後、高校2年生のあなたが見ている時期からあまり変化しません。
それにも関わらず、バストだけがどんどん成長してしまい、小さい頃の私以上の童顔爆乳という非常にアンバランスな容姿になります。
昔の私はどちらかというとロリ顔爆乳だったけど、美代子ちゃんは見ての通り、清楚で上品なお嬢様タイプでしょ。だからノーブル童顔爆乳というべきかしら。
それだけでなく、彼女は少女が大人の女性に脱皮してく瞬間にのみ許される危うい美しさの雰囲気をずーっと保ち続けるの。さすがにあれは反則だわ」
いまのミヨキチに爆乳オプションか……容易に想像できるだけに生々しいな。
「ちなみに長門さんが情報操作をしてくれるお陰で、彼女は世間の好奇の目に曝されることはなく、のびのびした楽しい青春を送れます。
だけど、キョンくんが美代子ちゃんを拒否してしまうと、長門さんの情報操作申請が情報統合思念体に通らなくなってしまうの。
その結果、美代子ちゃんはそのバストがコンプレックスとなって暗い青春を過ごし、いずれ思い詰めてしまって自分と他人を傷つけてしまうノコギリエンドを迎えることになります。
彼女の不幸な一生を防ぎたいのは言うまでもありませんが、デザインドベイビー時代の人気モデルが一人消えてしまうと、規定事項が大きく破綻しちゃうんです。
この時代に来て好奇の目でジロジロ見られることが多くなった私には、彼女の気持ちが痛いほど分かるの。だから、あの子のためにも、ひと皮剥いて協力してあげてください」
えーと、なんだか突っ込みたい点がいくつか混じりましたが、もちろん妹の親友のためなら一肌でも二肌でも脱ぎましょう。
「本当?神に誓って本当ね!?うふっ、ありがとうキョンくん。彼女とは何度もダブルパイズリで協力することになるし、その後もずっと親友としてお付き合いするから、どうしても気なっちゃって!
これで中学生の美代子ちゃんも安心だわ!最初は彼女も戸惑うと思うけど、佐々木さんのときと同じく、おっぱいごとコンプレックスを揉み潰してあげてね!」
ガバッと抱きついてきて、その深遠なる谷間で俺の頭を包み込む朝比奈さん。特盛汁濁!! ってこの桃源郷にずっと浸っていたいのは、やまやまなんですが……ひとつだけ質問してもいいですか?
「はーい、おねーさんの胸で窒息しちゃっていいですよー」
……やっぱり話を逸らそうとしてますね、朝比奈さん(大)?あえて聞きますが、中学生のミヨキチも安心ってどういうことでしょうか。
「……やっぱりキョンくんは聞き逃さないかぁ。分かりました。白状しちゃうとですね。美代子ちゃんのおっぱいを育てるのは、キョンくんの役目なの」
!? あの、意味がさっぱり分からないんですが……
「ちょっとややこしいんで、混乱したらすぐに質問してね。えーと、今後キョンくんは佐々木団(仮)で、4年後の未来から来る高校1年生になった魔乳の美代子ちゃん……美代子ちゃん(高)の肢体を徹底的にもてあそぶことになります。
そして、約1年が経過した春休みのことになるんだけど、小学校を卒業したばかりの現行の美代子ちゃん(小)が、4月から着ることになるキョンくんと同じ中学の制服をお披露目に来るんです。
そこで、その初々しい清らかな美代子ちゃん(小/中)を見てスイッチが入っちゃった高3のキョンくんは、その穢れなき白魚のような手にご子息様を握らせて、無理やり手コキをさせちゃうんです」
あ、あさひなしゃん(大)!?いかなる理由があろうとも、ミヨキチを汚すようなペド野郎は即刻駆除すべきです!!
「そして、びっくり顔の美代子ちゃん(小/中)に顔射してドロドロに汚したキョンくんは、引き続き、彼女が初めて袖を通したスタンダードな紺セーラーどころか、
校則通りにきちんと折り返したハイソックスまでもがヌルヌルカピカピになるまで、少し黄ばんだ白濁液をぶっカケ続けることになります」
あ、あの、俺はなぜそんな外道な真似を!?てか、そんな事態になることが分かってるんなら止めてくださいよ!!
「実はキョンくんの涙ながらの要請で何度も介入を試みたんだけど、そのことごとくが跳ね返されちゃったの。
たぶんこれはキョンくんに初めて出会った時の佐々木さんが妄想したことの再現だからだと思うんだけど……ごめんなさい、これ以上は禁則事項です」
佐々木ならそれくらい妄想しかねん。いや、カケるだけで済んだのはむしろラッキーか……だが、よりにもよってミヨキチを巻き込まなくても orz
「でも安心して。美代子ちゃん(小/中)は最初こそ驚いていたけど、すぐにいつもの小春日和のような笑顔になって、
キョン君の大切なスペルマを制服生地に吸わせるのは勿体ないと言わんばかりに、セーラー服にこびり付いた子種汁を舌で舐めていきますから。
実はこれ、彼女にとっても願望通りのシチュエーションだったんですよ」
待ってください!あの大人しいミヨキチがそんなことを考えるはずがありませんよ!!
「えーと、キョンくんの部屋にそういう本とDVDがあったんです。それを見つけた妹ちゃんが、キョンくんのことなら何でも知りたがっていた美代子ちゃん(小)に横流しして、彼女はそういう属性に目覚めちゃったみたいなんですね。
キョンくんは今後、佐々木団(仮)との闘いに忙しくて勉強を見てあげられなくなるんです。それで妹ちゃんは美代子ちゃん(小)に頼るんだけど、キョンくんへのあてつけも兼ねて、いろいろ持参していたみたいですよ」
ちょ!!!何やってんだあのアホウ!いやちょっと待てよ?俺には現在のところ、そういった属性はないので、たぶんそこまでマニアックなエロ本なんて買わないと思うんですが……。
「そのですね、のちの調査で、どうやらそれらのコアでハードでマニアックなブツは、佐々木さんが参考資料としてキョンくんの部屋に持ち込んだものであることが判明しているんです」
佐々木……やっぱりお前か orz
「えーと、話を続けさせてもらってもいいかしら?
その後、キョン君のスペルマをほぼ牛乳瓶1本分(200ml)を啜るという鮮烈過ぎる性体験デビューを飾ってしまった美代子ちゃん(小/中)は、そのショックで性ホルモンおよび成長ホルモン分泌のバランスが崩れてしまいます。
キョンくんのスペルマはマゾ雌にとって、脳機能を惑わすくらいの非常に強力な媚薬ってことですね。
そして、これが体の成長はほとんど停止するにも関わらず、おっぱいだけがどんどん巨大化するトリガーになるんです」
俺の精液っていったい……orz
「やはり佐々木さんの願望が詰め込まれちゃっているからじゃないかしら?彼女自身に効かないのが皮肉ですけどね。
その後、美代子ちゃん(小/中)は、素に戻って平謝りなキョンくんに、これからもぶっカケてくれる様に懇願します。
もちろんキョンくんは、なんとか断ろうとしますが、彼女はニッコリ笑って『お兄さんのものが口に溜まっていれば、口を開けることができませんよね?』という名台詞を生み出すことになります。
そして当然の成り行きですが、妹ちゃんに対する口止め料として、キョンくんは美代子ちゃん(中)の口も精液便所として使うことになります。女の子って小さくても怖いでしょ?」
ガクガク((((( ;゜Д゜)))))ブルブル
「なんだかんだと言いながらも、美代子ちゃん(中)の清らかな体を白濁で染め上げる興奮を忘れられないキョンくんは、中学の入学祝として彼女にフェラや手コキを仕込みはじめ、14歳の誕生日からは菊門も使ってあげることになります。
その間、キョンくんは美代子ちゃん(中)の胸を執拗に揉みしだき、彼女もぶっカケられた精液を、御香を焚きこめるように、おっぱいをはじめとした全身に塗りこみます。
強烈な媚薬を浴びるように飲みながら、最愛の人に胸を刺激され続けた美代子ちゃん(中)のおっぱいは当然のことながら急激に膨張し、高校に上がる前にアンダー65にしてメートルオーバーの偉業を達成してしまうの。
そして、その容姿と遺伝子サンプルが記録として残って、後代のジーンデザインドベイビーのモデルとなる……これが私の知る規定事項なんです」
これから1年成長するとはいえ、大人っぽい小学生くらいの外見に規格外の魔乳か……俺ってばGJ!じゃなかった、何やってんだ>>俺!!
……なんつーかもう、暗澹たる未来にグロッキー状態なんですが、そろそろこんなにコテコテなラブホに連れてきた理由を教えてもらえますか?
「あ、そうでした。今後のキョンくんは学校ではSOS団、家では佐々木団(仮)との壮絶なバトルに明け暮れるでしょ。これだと美代子ちゃん(中)の入り込む余地がないんです。
だから、来年からは学校帰りに私が迎えに来ますから、ここで蒼い果実な彼女を思う存分喰い散らかしてください」
じゃあ俺は下校時間という唯一のオアシスすら奪われるってことですか!?
「えーと、悪く言えばそうなりますが、任意の時間に帰還できますし、なにより美代子ちゃんは手を出してもらえなくても、キョンくんと同じ部屋で同じ空気を吸っていられるだけで泣きたいほど幸せって子ですから。
美代子ちゃん(中)の膝枕で夜の戦いに向けて英気を養うっていうのも、ありなんじゃないかしら?」
あ、それならちょっとだけ希望が持てますね。
「それに、このことはもうひとつの重要な規定事項にも関わるんです」
朝比奈さん(大)の顔がキッと引き締まる。こりゃよっぽど重要なことのようだな。
「実は美代子ちゃんは、人類初のTPDD使いになるんですよ」
!!!!!!!
「ね?びっくりでしょ!詳しく説明すると、彼女がここに来るためには、当然、私が毎日エスコートする必要があるの。
でも、いくら素直な美代子ちゃんとは言え、やっぱり最愛の人との逢瀬をライバルに送り迎えしてもらうって言うのは、どっかで引っかかっていたみたいで……。
悶々と悩みつつ、TPDDの時空間移動を毎日経験していた彼女は、ある日突然、この時空に移転できるようになってしまうの。これが人類のTPDDの元祖。乙女の複雑な恋心は、宇宙律すら捻じ曲げてしまったんです。
のちに彼女は、ちょっとしたキッカケでこの経験を親友の旦那さんである研究者に伝えることになり、それが本格的なTPDD研究のブレイクスルーになります。
もっとも、彼女の能力はここへの往復だけだからとても限定的なものですし、研究が花開いてTPDDが実用化されるのは、ずっと後の時代の話なんですが」
ミヨキチがいないと、TPDDの研究自体が始まらないってことですか?
「はい。前にも言ったとおり、TPDDの概念は言葉では伝えられないですから。これも涼宮さんの望みの一部なんでしょうね。
この規定事項は小さい私がキョンくんと一緒にこなした一連の作業の締めでもあるの。ね?だから美代子ちゃん(中)のこともお願いできないかな?」
べつに規定事項じゃなくたって、ミヨキチの笑顔のためなら何だってしますよ。まぁ朝比奈さん(大)には多少の愚痴くらいは聞いてもらうことになると思いますけど。
「キョンくんなら絶対そう言ってくれると思っていたわ!本当にありがとう!! と、言うことで、美代子ちゃーん!どーぞー!!」
どうやらTPDD通信も使った朝比奈さんの掛け声と共に現れたのは、北高の制服を着て、はにかんだ笑顔を浮かべたミヨキチだった。
そのはにかみ笑いすらもが、穏やかなアルカイックスマイルとなるシンメトリーの整った顔立ちと、それを彩る清楚なストレートロングの黒髪。
そして、ちょっと困ったように下がった眉の下には、庇護欲を強烈にそそる大きく黒目がちな瞳がうるうるに輝いている。
さらに、儚さすら漂わせる細いうなじと、片手で掴める位にくびれた腰、そして、しなやかな長い手足を彩るキュッと締まった足首が、抱きしめたら折れてしまいそうなほどの華奢な印象を醸し出している。
しかしながら、その儚い印象は、きめ細く瑞々しい肌と、穏やかでありながら凛とした強いまなざしによって裏切られ、むしろ見るものに春風のような爽快感を与えていた。
そのあどけなさと、ハッとするほどの女性美のアンバランスさは、大人の女性に脱皮しようとして輝く少女期に特有のものであり、
もともと大人びていたミヨキチの容姿は、美しさに更に磨きが掛かっただけで、俺がいま見ているミヨキチとあまり変わらない。
たしかに全体的な雰囲気は、頑張って背伸びすれば高校生に見えなくもないけれども、中学生によく間違われそうな大人びた小学生だ。
……北高セーラーのリボンが、普通のデザインのセーラー服と同じくらいの位置に来てしまうほど胸部を押し上げるバストがなければな!!!
「お兄さん、こんばんは。いえ、えぇと、この私とは初めましてになるんでしょうか?」
いつも通りの深々とした礼儀正しいお辞儀に伴ってブルンと暴力的に揺れるおっぱい。それはまるでバストの重みに耐えかねて、上半身が折れたようにも見える光景だった。
春に新小学1年生を見かけると、まるでランドセルが歩いているような微笑ましさを感じることがあるが、このミヨキチは、まるでおっぱいが歩いているようだ。
まさに圧巻。ハルヒの自己紹介に匹敵するインパクトが、他にもこの世に存在するとは!!
あまりにも俺がまじまじと見つめすぎたせいか、ミヨキチはカーッと真っ赤になって俯いてしまった。いや、すまん。その……あんまりぶしつけな目で見たくないんだが、どうにも視線が固定されちまってさ。
「うふふ。気に入ってくれたみたいですね。紹介します。高校2年生の美代子ちゃんです。キョンくんと同い年なってみたいって言う彼女の要望で、今日からはあえて高2の彼女に来てもらうことにしたんです。
どう?凄いおっぱいでしょ。しかも彼女ってば、いまノーブラなんですよ。それなのに、あれだけ制服を押し上げる張り!これを一生保ち続けるんですもの。反則だわ」
!? 呆気にとられて再びまじまじと観察すると、さらに耳まで真っ赤になったミヨキチのセーラー服の先端が、ぽっちりと浮いてきた。ノーブラであれだけ制服を突き上げているのか!何というロケットおっぱい!!
だが、緊張と羞恥による震えに合わせてフルフルと小刻みに揺れているところを見ると、柔らかさも相当なもんなんだろう。張りと柔らかさをあの大きさで両立させるとは!ミヨキチ、恐ろしい子!!
「ちなみに制服属性の強いキョンくんに興奮してもらうために、あのセーラー服は彼女自身のものじゃなく、私が高校時代に使ってたやつを着てきてもらったんです。
なのに彼女のバストだと服が小さすぎて、あの通りおへそがチラチラ見えちゃうの。私だって一番大きいサイズの袖とすそを直してもらってようやく入ったのに、彼女は完全に規格外なんです」
思わず溢れる生唾をゴクリと飲み下す。何というか、もはや規格外とかいうレベルじゃねーぞ!!!
「それだけじゃないのよ。彼女は高校1年生で佐々木団(仮)に入るまで処女でいることが規定事項だから、美代子ちゃん(中)は、雌穴を使ってもらわずに、キョンくんをイってもらうことに中学の3年間を捧げるの。
だから、高校生として佐々木団(仮)の活動に参加する頃には、キョンくんを誘惑する為だけに研究に研究を重ねた浮きチクやチラB、パンチラ、菊チラを中心とするチラリズム各種、
手コキ、髪コキ、脇コキ、スマタをはじめとした、いついかなる状況であろうともキョンくんに気持ちよくなってもらえるコキ系技術、
パイズリはもとより、十年選手の娼婦のおねーさんでも真っ青な匠の技を統合したおっぱいスポンジ術、
キョンくんの御子息様を知り尽くし、何時間でもしゃぶり続けるまったりフェラも、射精寸前のテンションを15分以上キープできるハードフェラも可能なリップテク、
さらには、小ぶりで華奢でありながら、プリンと丸い桃尻をフル活用して直腸結腸連続蠕動二段締めを可能にした菊花術、
その他もろもろをマスターし、キョンくんに喜んでもらいことだけに特化したヌき専奴隷として、美代子ちゃんは佐々木団(仮)のエースになり、SOS団との対抗戦における最大の脅威になるんです」
……あの、もういっぱいいっぱいで理解が追いつかないんですが、ひとつだけ教えてください。対抗戦ってなんですか?
「ええと、さっきSOS団対佐々木団(仮)の総力戦になるって言いましたよね。恋愛ものって、なんだかんだで、いつの間にやらバトルネタが加わって、最後には天下一武闘会系に脱線していくのが規定事項でしょ。
それと同じで『【禁則事項】君に オマンコでお仕えする 性処理玩具の団』に改称されたSOS団は、しばらくすると、毎週末に佐々木さんのお宅と長門さんのアパートを借りて、
ホーム&アウェー形式で、どっちがたくさんキョンくんに気持ちよくなってもらえるかをと競う、vs佐々木団(仮)全面対抗戦を繰り広げることになるの」
ちょ!!!ジ○ンプじゃないんですから!!そもそも角川と集英社は路線が……いや待て待て待て待て!突っ込みどこはそこじゃねーぞ!?
だいたい何なんですかその団名は!数少ない本名が使われる場面がそれじゃ、泣く泣けないですよ!!
「そうですよねえ。私は『オマンコで』じゃなくて、『おっぱいで』の方がいいって主張したんですけど」
いや、そういうことじゃなくて!!
「でも、安心してください。この名前での生徒会への申請は、喜緑さんがなんとか阻止しましたから」
……いやもうなんと言ったらよいやら……突っ込み役の最後のご奉公としてひとつだけ言わせてください。未来から来たミヨキチとハルヒが鉢合わせしたら、まずくないですか?
「あ、それなら大丈夫です。だって、涼宮さんは美代子ちゃん(小)に会ったことないもの。
もっとも、小説のときには妹ちゃんと同学年って書いたのに、明らかに大人な美代子ちゃん(高)のおっぱいを見て、キョンくんは涼宮さんだけじゃなく、なぜか長門さんからも、きつ〜〜〜くお仕置きされることになりますけど」
ガクガク((((( ;゜Д゜)))))ブルブル
「懐かしいわ〜、あのドロドロでネバネバでニチョニチョで、生々しくも芳しい香りの漂う青春の日々!
マンネリ化を防ぐために、鶴屋さんのお山で開催された青姦サバゲ大会でリアル鶯の谷渡りを姦ってもらったり、夜の教室での保健体育実技で、学校机がぶつかり合う独特のカコーンカコーンていう高い音を堪能したり!
『キョ根の強襲 エピソード00』は、抜かずの四十八手満貫全席×全員という偉業を中心とした、ある意味ハードバイオレンスなアクション超大作でしたが、開始5秒目から映倫一発アウトの内容のせいで、さすがの涼宮さんも文化祭での上映は見送りましたっけ」
「春のお花見は、2回とも鶴屋お姉さんのお山で花びら大回転でしたよね。お着物であーれーお戯れをーっというやつを本当に体験できるとは思いませんでした」
「それに、機関の皆さんにフルサポートを受けた『痴漢専用貸しきり列車とスッチーセクハラし放題なプライベートジェットで行く、夢の【禁則事項】くんに食べられまくろうツアー in 合同合宿』では、
真夏の太陽の下、鶴屋家のプライベートビーチで組んず解れつのビッチバレーを楽しんだ後、大浴場が大欲情と化して温泉がヌルヌルに白濁するまで違う汗を流したもんだわ!」
「リアルピアキャロごっごを姦るためだけに、いつもの喫茶店を鶴屋お姉さんがポケットマネーで買い取ったのにはびっくりしました。
文化祭の焼きそば屋さんの制服だけじゃなく、みくるさんが愛用していたメイド衣装とか、映画の戦うウィトレス、バニー喫茶なんかもやりましたよね。
ペンネーム長鶴木みハルさんが悪乗りして作ったエロメニューを、唯一のお客様であるお兄さんにオーダーしてもらって、注文どおりの無茶でハードなサービスをするんです。
色々な服が着れて楽しかったけど、どれもわたしには胸がきつくて、ちょっと歩いただけでボタンがはじけちゃったり、おっぱいが入りきらずに乳首がチラチラ見えちゃったりで大変でした。
それに絵美里さんのおかげで、外からは見えないけど内からはオープンテラス仕様だったんで、かなり恥ずかしかったです。
しかも、通りがかりの人たちは、なんとなく気になる程度にチラチラこっちを見るくらいの情報遮断に調整されていたみたいだし……」
「またまた〜!知り合いが通りかかったら優先的に挿れてもらえるルールのお陰で、美代子ちゃんのクラスメイトが部活の遠征で駅前に集合したときなんてすごかったじゃない!
暴走して腰を振りまくった美代子ちゃんがキュンキュンに締め上げて、あのキョンくんを抜かずの16連射で初ノックアウトしたんでしょ!
あれ以降ライバル心メラメラなみんなが、キョンくんを快楽失神K.O.させるべく更にしのぎを削るようになったのよねー」
「だってそれが原因でお兄さんが過労で倒れちゃったんですから、わたしほんとに申し訳なくて。あ、でも、ナース服のみんなで姦った看護イベントは、すっごく楽しかったです」
「うんうん!みんなの連続騎乗位でスペルマをナースキャップ一杯分出してもらって、回し飲みなんていうお馬鹿企画もやったもんねー!
ま、結局キョンくんの入院が長引いちゃって森さんにお小言もらっちゃったけど。でも、あれは最高だったわ〜」
「わたしが挑戦したナース服にガーターベルトの白ストッキングで絶対領域というやつは、直立じゃないと下着が見えちゃうんで恥ずかしかったです。
それにハルヒさんってば、絶対領域って普通はニーソックスでやるってことを最後まで教えてくれないんですもん。
有希さんの視覚調整のお陰で騒ぎにはなりませんでしたが、あのわたしは端から見たら完全に露出狂のお姉さんだったと思います」
「なんだかんだで、涼宮さんの集めたコスプレ衣装は全部有効利用したわね〜。今思うと、よくもまぁあんな無茶をしでかしたものだわ!
実は一番張り切っていた長門さんがノリノリなナノマシンを注入したり、孤高を保っていた中学時代に耳年増にならなかったせいで、
意外なところでウブな涼宮さんが無茶な設定を信じ込んだりしなかったら、キョンくんはすぐに腎虚であの世行きだったでしょうね。
なんせ、暗黙の了解で誰も突っ込みを入れなかったけど、いつの間にやらテニ○゜リも真っ青な明らかに人外の技でキョンくんをヌき続ける壮絶なバトルが展開されてましたもんねぇ〜」
うっとりと視線を中に彷徨わせながらジュルリと涎をぬぐう朝比奈さん(大)と、コクコクと肯きながら顔を赤らめるミヨキチ(高)。
「もっとも、毎回最後にはマゾ雌全員が完全に意識がなくなるまでイかされて、明日のジョーのように真っ白に燃え尽きたキョンくんの足元に転がることになるんですけどね!」
……一瞬天国だが、実戦のことを考えてみると、想像するだに恐ろしい……かわいそうな未来の俺!!
もう精神的には十分真っ白な灰です!カドルト唱えたら明らかにロストです!せめて体がそうなる前に首くくってもいいですか?
「いやだわ、キョンくん!それこそがMを突き抜けてSになっちゃったキョンくんの真骨頂じゃないですか!頑張りましょうよ!!」
全てのものを恋に落とすような魅惑的な笑顔でギュッと抱きついてくる朝比奈さん(大)と、いまにも泣きそうな顔ですがり付いてくるミヨキチ(高)。
あの二人とも……首くくる前に乳圧で窒息しそうなんですが。
「ふふ。じゃあさっそくもうひとつの本題に入りましょうか。今日、美代子ちゃんとキョンくんに来てもらったのは、他でもありません、キョンくんのパイズリ修行のためです」
はい?? なんで俺『の』パイズリ修行なんですか?
「だって、いまもキョンくんは、涼宮さんのおっぱいを使ってるでしょうけど、スタンダードな挟みパイズリだけでしょ。
でも、私達の変態的なご奉仕技術は、すべてキョンくんに仕込んでもらったものなの。だから、キョンくんには、古今東西ありとあらゆる高度でマニアックなセックステクに通暁してもらう必要があるんです」
……あの、それってものすごく無茶じゃないですか?
「でも、それが規定事項ですから頑張ってくださいね!もちろん今日だけで体得してもらうわけじゃありません。
事情を知っていると言うか、むしろ黒幕な長門さんや【禁則事項】さん、少し未来の佐々木団(仮)のみんなには随時集まってもらって、それぞれの得意なテクニックをキョンくんに叩き込んでいくの。
自分の身体に還元してもらうためだから、みんな喜んで協力してくれますよ!」
あの、それってどう考えても俺に対する性的虐待じゃないでしょうか?
「もちろんここは美代子ちゃん(中)がメインに使う場所だから、彼女がここを使い始める1年以内にすべてのテクニックを習得してもらうのが理想です。
でも、小さい美代子ちゃん(中)には、ときどき遠慮してもらうことも可能ですから、そんなに焦る必要はありませんので、心ゆくまでじっくり修行してください。ね、美代子ちゃん」
「はい。お兄さんとみなさんの為ですし、中学生の私もそれなりにテストとかを頑張らないと北高に行けなくなっちゃいますから。
どれくらいの頻度かは禁則事項らしいので言えませんが、当時の私がときどき嫉妬して、いつもよりちょっとだけ多く可愛がってください週間をいただくぐらいだと思ってください」
っておい!我慢強いミヨキチがそんなこと言うってことは、かなりの頻度だろ!
「まあまあ。あんまりそうならないためにも頑張ってねキョンくん。ちなみにあの扉の向うは、この時代のラブホテルに当たる、バーチャルセックスルームになっています。
自在に操れるエッチな夢だと考えてもらうと分かりやすいんだけど、いろんな妄想のシチュエーションが好きなように実現できる空間なの。
どう?試しにアナルバイブを突っ込んだ美代子ちゃんを満員電車に放り込んで、遠隔操作で調教してみない?
もちろん快感で気絶寸前の美代子ちゃんのおっぱいをセーラー服の上から思う存分揉み潰して痴漢しながら、小柄な体が爪先立ちになるくらいに後ろ矢筈で突き上げて、抜かずの3連発とかも試せるのよ?
そのあとに、つり革につかまりながら、目の前のシートに座った私のスーツの第3ボタンだけを外して、隙間からおっぱいを犯すなんていうのはどうかしら?」
「あ、いいですね。でも、満員電車ならドアのガラスに剥き出しのおっぱいごと体を押し付けられて、停車中に向かいのホームからジロジロ見られながら立ちバックのほうが、お兄さんは燃えるかもしれませんよ?」
「むう〜さすがは美代子ちゃんね!キョンくんの変態なツボをクリティカルに突いて来るわ!じゃあ私は電車の連結部分にしゃがみこんで、ご主人様にパイズリしようかしら?
あそこなら全裸に剥かれても他の人には見つかりにくいしね!まあ連結部分で快楽に顔をゆがめている高校生がいたら絶対変に思われてるでしょうけど」
「あ、あのいつドアを開けられるか分からないヒヤヒヤ感が堪らないんですよね」
変態トークに花を咲かせる女教師風のスーツをビシッと着こなした痴女と、一見小学生にも見える清純女子高生風な痴女。あの、俺ってば、そんな無茶してるんですか?
「さすがにこのバーチャルセックスルームだけの話ですよ。ここならどんなに派手なプレイをしても犯罪にならないし。周りの人が困ったように視線を逸らす中で姦るセックスってとっても気持ちいいんですよ?」
「あ、でもわたしはリアルでも、ときどき犯ってもらってます。本来なら周りの人には気付かれてるはずですけど、有希さんの視覚調整のお陰で、けっこう思い切ったことが出来るんです。
あんまり無茶をしすぎると、江美里さんにご迷惑をかけて、あの笑顔で怒られちゃうんですけどね」
「うわーさすがに若いなぁ!今の私にはちょっと出来ないわ〜。でも、まあ実は私も飽きるほど犯ってもらいましたけどね!ということで、規定事項だからよろしくね、キョンくん!!」
ちょ!!!あなた、いま思いつきで規定事項ってことにしたでしょ!
「嫌だなあ。そんなことないわけないじゃない」
「そうですよ。そんなことあるわけないわけないじゃないですか」
ゴルア!結局あることになってるじゃねーか!
「まあまあキョンくん。そんなに硬いこと言わないで、とっとと下を硬くしてよ!ほらほら、よーく見て。美代子ちゃんのおっぱいが期待に濡れて制服が透けだしたでしょ!」
!!! あの、これっていったい?
「はーい。じゃあ白状してみようかしら、ねっ美代子ちゃん!」
「え!?は、はい。あの、そのですね、これミルクなんです。みくるさんがハルヒさんに信じてもらっちゃいまして……。
おっぱいが特別に大きい子は、好きな人に感じさせてもらうと、下と同じように母乳がジワジワ溢れるし、強く揉まれるとすぐにミルクを噴きながらイっちゃうんです、って」
朝比奈さん(大)……あなた一体なんて、すばら……無茶を!!11!
「そうですよ〜。おかげでわたしはお兄さんに揉み潰されるとすぐにイっちゃう体質になっちゃったんですよ。性処理ペットとしての慎みに欠けるじゃないですか!」
「あーん、そんなに二人して睨まないでよぅ。気持ちいいんだからいいじゃない!それに気絶してご奉仕出来ないほどイくわけじゃないし!」
「う〜ん、まぁそれはそうですけど。あ、でも、もちろん感謝もしてるんです。これがなかったらお兄さんにおっぱい蛇口として使ってもらえませんもんね」
「そうそう。パイズリだってミルクローションで快感倍増なんだから。ね!?キョンくん!」
み、みるくろーしょん?
「あ、そうか、ミルクローションパイズリは今日が初体験なんだっけ?じゃあ、いきなりダブルミルクパイズリで、とりあえず腰が抜けるまでイってもらっちゃいましょうか!」
「ハイ!1年間ズりまくったわたしたちの息が合ったコンビネーションを楽しんでくださいね、お兄さん!」
キラキラに輝く笑顔で迫ってくる二人。命の危険を感じてとっさに逃げようにも、ガシッと腰に絡みついてきて、ズボンの上からでも極上の感触を叩き込むミヨキチのプリプリおっぱいと、
しっとりとした人妻系おっぱいを首筋に絡み付ける朝比奈さん(大)に邪魔されて、すぐにジエンド。分かりましたよ。もう逃げませんから離してください。
観念した俺がベッドに腰掛けると、二匹の魔乳奴隷はそそくさと床にひざまずいて、ズボンとトランクスを脱がせ、膝頭におっぱいを押し付けてきた。
左足にはミヨキチ(高)。ふわっとした柔らかさもさることながら、ピンと弾き返すような初々しい弾力が俺の理性を根こそぎ奪い去る。こらっ、スネをパイズるのやめなさい!
そして、右足には朝比奈さん(大)。さすがにミヨキチほどの弾力はないものの、絡みつくようなネットリとして重量感のある感触がムスコの興奮を一気にレッドゾーンに叩き込んだ。
俺の反応を見て嬉しそうに顔を見合わせた二人は、まず、舌による攻撃を加えてきた。
ミヨキチ(高)のちょっと大人びた小学生にしか見えない顔にグロテスクな愚息が突き刺さり、真面目な女教師然とした朝比奈さん(大)が潤んだ瞳で玉袋にむしゃぶりつく。
おっぱい担当の二人は、長年のライバル兼親友として共闘してきただけあって、絶妙なコンビネーションを発揮し、
ミヨキチがディープスロートで攻め立てるときは、朝比奈さん(大)は邪魔にならないように俺の腿にたゆんと爆乳を乗せながら嬉しそうな上目遣いで俺を挑発し、
朝比奈さん(大)が玉を転がすように味わいねぶるときは、ミヨキチはいったん口を離して弾力ある魔乳で腰をマッサージするように包み込みながら、
ときどき竿に啄ばむようなキスの刺激を加えつつ、いぢめて光線を多量に含んだ目で俺を見つめてくる。
至近のアイコンタクトで綿密に連絡を取りあう奴隷たちの二枚の舌は、カリ裏から竿を経て玉袋までを自由自在に這い回り、加えて4個の規格外の魔乳が足腰にねっとりと絡みつく。
ハルヒと佐々木の楽しそうな競争フェラもいいが、一瞬の隙もなく完璧に連動する二人の職人芸的なダブルリップフェラは、やはり格別だ。
あまりの気持ちよさに脳天が真っ白になった俺は、とりあえず妖艶で今にも吸い込まれそうな微笑と、無邪気で一生懸命な笑顔に向かって溜まったものを吐き出すことにした。
二人の小さな後頭部を掴んで引き寄せ、快感中枢を一気に解放すると、堰を切ったように背骨を駆け下りて息子に到達した快感は、白濁の激流となって、タイプこそ違え優雅で清楚な両顔をタパタパと汚していった。
「あぁん、若いキョンくんの匂いは久しぶり!やっぱりすごい獣臭ね!雌を服従させる魔性の香りだわ〜!」
「お兄さん……二舌奉仕に興奮してくれたんですね。いつもより濃いです。まるでゼリーみたいに粘っこいのがプルプルいってます!」
二匹の性奴はお互いの顔に付くスペルマをぺろぺろと味わいながら、うっとりと満足げに微笑んでいる。
この変態どもめ!!理不尽な怒りに身を任せながら、俺は両手でそれぞれの巨魁をあらん限りの力を込めて握りつぶした。
「ひいぃっ!!」
「ひゃうっ!!」
ビクリと震えて乳汁を噴きながら軽く絶頂に達する2匹のホルスタイン奴隷。
調子に乗ってグニグニと掌を開閉するたびに、どくどくとミルクが溢れ、着衣がびしょびしょに濡れてぴったりと柔肌に張り付いている。
ボタンが今にもはじけそうに引き攣れたブラウスと、サイズの合ってない北高セーラーの布地から透けて見える乳首は、一方が少し大きめでオスを挑発するやや赤みがかった艶色で、もう一方は対照的に処女雪のように控えめな薄桃色だった。
その可憐さに煽られるように、それらのツンと勃った乳首をギリギリとひねり潰すと、ぴーんと背筋を張った乳牛どもは、甘い断末魔の叫びを上げながら、ガクリと力を抜いて床に倒れ伏した。
「さすがは旦那様!若くてもこのマゾ雌の体を熟知していらっしゃいますね」
「お兄さん、すごいです!生意気なペットにもっともっと罰をください」
2、3分気絶していたホルスタインどもは気を取り直すと、完全に壊れたマゾ奴隷の目で俺に迫ってきた。
「うふふ。それではおっぱいでご奉仕させてもらいますね、旦那様!まずは熟れた雌のおっぱいをブラウスの上から楽しんでください」
「お兄さんの大好きな制服穢しです!ミルクで透け透けになった北高セーラーの上からご奉仕しますから、シュルシュルの感触と肌の柔らかさのコントラストを楽しんでくださいね」
えーと、ダブルパイズリって、着衣でするもんなんですか?
「うふふ。とりあえずは着衣を楽しんでね。もちろん、あとから生乳もたっぷり味わってもらいますから、心配しなくていいですよ」
意外なほどに幼いいたずらっ子の笑顔で息子を挟む女教師と、負けじと一生懸命に奉仕する一見背伸びした小学生にしか見えない女子高生。
布地は母乳でぴったりと生肌に張り付き、ぱつんぱつんに張った服の上からでも魔性の弾力が凄まじいまでの快楽を摺り込んでくる。
一方はふわふわ。他方はぷにゅぷにゅ。質こそ違え、極上の感触に透け透けな布地が絶妙の待ったをかけ、コリコリの乳首がアクセントとなって、カリ裏を刺激する。
その想定外の快感に一瞬で降参を決めた俺は、すぐに2回目とは思えないほど大量のスペルマを乳奴隷どもの正装に撒き散らした。
「ぁんっ、やっぱり若さってすごいわ。ぜんぜん量が衰えない!」
「お兄さん、匂いだけでイっちゃいそうです!」
おのおのの服に溜まった子種汁を美味しそうにすすり終わると、二匹の乳牛は満を持してペロンとその山塊を俺の目に晒した。
一方は大地のおおらかさと母性の優しさを感じさせる紡錘型。他方は目を疑うほどの大きさながらも、ツンと上を向く清楚なお椀型。
その頂を飾るのは、一方が少し大きめで朱をさしながらも乳輪とおっぱいの境がぼやけた聖母乳首であり、もう一方は、乳房の迫力に比べると、控えめすぎるくらいに小さく薄桜色が可憐な処女乳首であった。
しかも、両者は雄を挑発するようにコリコリに勃起し、先端から甘い香りを漂わせるミルクをジワジワと溢れさせながら、その存在感を抜群にアピールしている。
甲乙つけがたしとは、正にこのことだろう。あまりの優美さに息をするのも忘れて穴が開くほど見つめていると、羞恥で真っ赤になった乳女神たちは、嬉しそうに微笑みながら、両側からぱふっと棒を挟み込んできた。
ミルクローションパイズリの名のとおり、母乳によってぬめりとすべりを増強したおっぱいによる攻撃は、息子を介して、脳髄を直接鷲づかみにするような強烈な快感を叩き込んできた。
しかも、ねっとりおっぱいと、すべすべおっぱいと言う2種類の天国が、それぞれの特徴を存分に生かした快感で息子を融かしにかかってくる。
まず、ねっとりおっぱいが愚息全体に1ミリの隙間もなく絡み付いて、暖かく包み込むような快感でゆっくりと擦りあげる。
そして、愚息がその感触に慣れた頃を見計らって、すべすべおっぱいに交替し、ピンと弾き返すような弾力がひんやりとした爽快感のある快楽を伴って、攻め立てるように擦りあげる。
これらが交互に交替し、息子が悲鳴を上げそうになると、コリコリの乳首で棒をさすりながら、噴き出す乳汁を直接鈴口に授乳させるようにインターバルをとる。
頭痛すら感じるほどの快楽。
俺の限界を悟ったホルスタインたちは、嬉しそうに微笑みながら、仕上げにお互いの乳首をこすり合わせつつ四乳固めで棒を締め上げ、谷間に溜まったミルクの大海に浮かぶ孤島のような俺の亀頭に熱いキスフェラを施してきた。
亀頭を挟んだホルスタイン奴隷同士のねっとりとしたディープキス。
その背徳の光景に最後の耐射力を奪われた俺は、これらの魔乳が持つ母性の象徴としての清らかさと、雄を誘惑する器官としての淫靡さに圧倒されながら、こんな時ですら凛とした美しさを失わない二柱の乳女神の顔に生臭い噴火をお見舞いした。
快楽で吐き気すら感じるほど長い長い噴射を終えると、高貴で清楚な顔にドロリと白濁を絡みつかせた女神たちは、全てを蕩かすうっとりとした微笑を浮かべながら、厳かな宣託をしてきた。
「まずは一回目ご馳走様でした、キョンくん!でも、このままあと4発は連続で抜いて、私達の深い谷間にも溜めきれないくらいのスペルマプールを作ってもらいますからね!」
「もちろんそのあとは、変則型パイズリの練習ですよ、お兄さん。とりあえずは夏服の袖から突っ込んで、横乳ファックパイズリ脇コキオプションとか、仰向けになったわたしの顔に逆向きで跨って、アナルリップをさせながら強制ファックパイズリなんてどうでしょうか?」
「ふふふっ、いいわねー!でもその前にニップルファックを覚えてもらわなきゃ。あれのおかげで私たちはいつでもどこでも1分以内に意識を飛ばすほどイかせてもらえるんだから!」
「あ、そうでしたね!じゃあ、お風呂場に行って、四乳スポンジ奉仕で洗面器いっぱいに出してもらうのは、そのあとにしましょう!」
「「さーがんばって(ください)ね!キョンくん(お兄さん)!!」」
女神撤回。お前ら悪魔や……orz
その後、予告どおりの攻撃を受けながら、俺のご子息は、獅子奮迅で疾風怒涛で神速迅雷な働きを見せ、何とかこの4つのおっぱいを撃退した。
もっとも、2匹の乳魔はこの上なく幸せそうなアヘ顔で轟沈したのに対し、俺はといえば、あと一歩で栄養失調+脱水症状で他界しそうであったことは言うまでもない。
さすがに初回から飛ばしすぎたことを反省した乳女神たちのおっぱい枕で惰眠をむさぼること数時間。やっとのことで回復した俺は、未来を知るこやつらに、最大にしてもっとも根本的な疑問をぶつけてみることにした。
「いまはみんなで楽しくやっているようですが、いつかは誰か一人に決めなきゃいけない日がやってくるんですよね?
でもハルヒだけじゃなく、佐々木もそれなりに力を持ってるようだし、選ばれた一人以外が結託すれば、神様をも出し抜けそうなメンバーが集まってますよね。てことは、やはり遠くない将来に破滅が待ってるってことですか?」
その深刻な問いの答えは、くすくすという嬉しそうな含み笑いだった。
「実は、笹鈴戦争開始から約1年経過後、わたしや鶴屋さんの卒業式の日に、キョンくんは某伝説の木の下に誰か一人を呼び出し、あの木に雌奴隷を押し付けて、立ちバックで青姦をすることになります。
でも、誰を選んでくれても構いませんよ?だって、キョンくんが意思決定をした瞬間に世界は『分裂』して、それぞれが選ばれる一種の平行世界が生まれますから!
これって友達思いの涼宮さんらしい優しい解決法だと思いませんか?」
まじで!?それは確かに、この上なくハルヒらしいご都合主義的な展開ですが……そんなんでいいのか?
「普通ならパラレルワールドは、お互いに干渉することのない別世界になるんだけど、この平行世界は非常に特殊で、いわば一本の糸が中途半端にほぐれた状態なの。
だから、お互いが複雑に絡み合いながら進行して、関係者全員が老衰で亡くなる八十数年後に、再び1つの世界に収束するんです。
こういう風に言うのは簡単だけど、この八十数年間と、その後の数代のキョンくんの子孫たちの関係を破綻させないために、すべての時代のTPDDを使えるタイムエージェントは総力を結集して走り回ることになるの。
だって、多人数プレイのたびに平行世界が収束分離を繰り返すんだけど、それぞれが自分のご主人様のところにお客さんを迎えて姦っていると思っているからその整合性を取るのが大変だし、
キョンくんが誰を選んでも、マゾ雌たちにとっては、あくまで仮の順位が決まっただけって言う認識なので、しばらくはそれぞれの団活や対抗戦での壮絶なバトルは繰り返されるんです。
もちろん、全員が集まる対抗戦だけじゃなく、NTR属性を獲得したみんなにとって、3P、4Pは日常茶飯事ですし、
ライバルに下克上されないように、それぞれがご主人様にもっと深く気に入られたいみんなは、更に性技に磨きをかけて、より一層濃厚なご奉仕でキョンくんにすがるの。
だから、私を除く全てのタイムエージェントは、てんてこ舞い。藤原君がいつもブーたれてるのも肯けるでしょ。
キョンくんってほんとに凄いわ〜。あなたは時間震動の原因である涼宮さんの鍵になる人であるとともに、並行世界の結節点でもあるんですよ!」
……スマン藤原&エージェントの皆さん (`-´)> ☆ミ
えーと、なんとなく凄いってことはわかったんですが、俺の頭じゃ何がなんだか……
「ふふっ。無理しなくてもいずれは分かりますよ。それに、このことを伝えるのも今日の重要な規定事項なんです。キョンくんが責任感と罪悪感に悩んでしまわないようにね!
だから、今後の1年間は、気の済むまですべての雌穴奴隷たちの身体をもてあそんで、ゆっくり吟味してくださいね。
ちなみに、今日だけでなく、未来から来た私はすべてキョンくんに選んでもらった世界の朝比奈みくるなんです。
今日は若いキョンくんに散々に嬲ってもらったから、帰ったら旦那様のキョンくんにきっちり折檻してもらうの。
うふふ。いまから楽しみだわ〜。でも、これって今こうして本人も知ってる歴史なのよね?どうやって旦那様の嫉妬を煽って徹底的に姦り潰してもらおうかしら?
それに言うまでも無く、ここにいる高2の美代子ちゃんも、キョンくんに選んでもらった美代子ちゃんです。ねっ?」
「はい。わたしはいま、両家の公認のもと、一人暮らしをしている大学4年生のお兄さんのアパートで、高校に通いながら性処理ペットとして飼って貰っています。
今日は帰ったら、早速、さっきみくるさんに教えてもらった人妻としての嗜みあるパイズリで、ご主人様のお兄さんにご奉仕したいと思います。夜のお散歩で、いつもより激しい青姦のご褒美をもらえるように頑張りますね!」
「ね?これって『驚愕』の結末でしょ!?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おわり
な・・・なんということを・・・
GJ
392 :
作業員:2007/07/01(日) 00:37:26 ID:prIldkou
さっそく作業に入らせてもらうんだぜ。
楽しみに待ってたんだー。
なんというエロ
これでは3Pの方も期待せざるを得ない
GJ
キョンと周防たんのエロがみたい
佐々木団まとめてっていうのはレアだしねー。期待膨らむぜ
…●は森さんと〜〜らしいが、藤原の処遇が気になるところだw
この豊富な語彙と表現力によって、素敵に変態的なSSに仕上がっている。
好みのタイプだ。
ただ個人的には、顔文字とかorzの類はあまり多用しないで欲しかったかな。
そこは脳内補正で
>>390 普通に書こうと思ったら書けるでしょ絶対w
相変わらずの変態をありがとう
>>376-390 相変わらず頭が悪いな! いい意味で! 何食ったらこんなの考え付くんだよw
あとミヨキチの設定が明らかに作者の趣味に突っ走ってる件についてw
>>395 未来に戻ったんじゃねw
なんかもーエロの向こう側だw
乱交シーンは説明文だけでもすごいな
3P編楽しみにしてる
すばらしい!(;´Д`)ハァハァ
勃った。息子が勃った。
朝比奈さん(大)の口調が崩れまくってるのがとっても気になったんですが、
笹鈴戦争でその辺を語ってくれるんですよね?w
あと、何気に妹とハカセくんの婚約が確定してる?
つーか後半のツッコミが銀さん化して見える気がするよーなしないよーな。
ここまで変態的な話をこれだけ書ける作者は
脳味噌の一部が溶けてるとしか思えない(良い意味で)
流れブッタぎってスマソ
昔、読んだSSで、朝倉によって改変された世界で、キョンと朝倉が幼なじみか、いいなずけかっていう設定のやつがあったんですが、思い出せない…
保管庫のなかのどれかだと思うんですが…
知ってる方タイトル教えてもらえませんか?
>>390 ほとんどオリジナル路線にかっとんできたな。だがそれがいい。
次はうまいところで改行してくれ。いったんテキストに落とさないとせっかくの良作が読みにくくて仕方ない。
>>405 このスレの名作SSの一つ、ループタイム。
>>405 『ループ・タイム――涼宮ハルヒの消失――』
ではないかと。
先生質問です!
なぜここまでとち狂ってるのにどうして義理の妹フラグが立たないのですか?w
「えへへ、わたしがキョンくんのことキョンくんって呼んでるのは、本当は血が繋がってないからなんだよ〜」
我が妹は部屋に入ってくるなり爽やかな笑顔で爆弾んを投下していった。
「キョンくんっ☆」
妹は俺の机からハサミを取り出して、
「じゃあ、死んで」
ヒューマノイドインターフェースと同じセリフをはいた
>>408 こうですか?わかりません
らめぇえええええ
411 :
405:2007/07/01(日) 11:19:00 ID:GGcW+V2X
今から読んできます。
ありがとうございました。
>>409 ちょ、まて妹よ。なぜ、殺そうとする。
「だってキョンくん、私という妹がいるのに、他の女ばっかりかまうんだもん。」
それが俺を殺すことと何の関係が……。
「ん、だからキョンくんを殺して、私も死ねば永遠にいっしょにいられるからね☆」
ちょ、最後に☆をつけて言うことじゃないぞ。
妹は笑いながら、「じゃあキョン君。ハルにゃん達の前であたしのこと好きっと言ってよ。」
なんと言いました?マイシスター。それは死刑出向書にサインをしろっと言うことじゃないですか?
そうして俺は意識を失った・・・
これはいいキモウト。
しかし、キョンって妹にもフラグたててだんたよな。女と見れば誰でも(無意識に)フラグたてるなんてホント節操無しだな。
>>413 あれ、俺寝ていたのか?じゃ、あれは夢なのか……?
そ、そうだよな、妹が義理の妹で、俺を殺そうとするなんて……。
「そうは問屋がおろさないよ、キョンくん☆」
はっとして辺りを見回したところで妹が俺の部屋にいるなんてことはなく
俺は自分の部屋でなんて夢を見ちまったんだと一人身悶えるしかない。
ところでなんではさみが机の上に出しっぱなしになっているんだろうね?
そうこうしている内にドアがノックもなく開かれ
「キョンくんはさみかしてー」
おい、そこのはさみはお前が使ったのか?使ったらちゃんとしまえといつも
「だいじょぶだよ。もうしまう必要なくなっちゃうんだから☆」
>>409-415 こうですね?よくわかりました><
SS倉庫はいったいどこにいってしまったんだ?
>>1から飛びなおせ。『ブックマークはこのページに』って書いてあるしね。
過去ログよんだら自己解決した
スレ汚しすまそ
421 :
妹の策略:2007/07/01(日) 19:41:46 ID:y8wlBLbe
あたしキョン君の妹なの!最近全然あたしと遊んでくれないの!
ハルにゃん達といつも遊んでばっかし…淋しいの。
ミヨちゃんと相談してハルにゃんに嫌われてあたし達と遊ぶように作戦立てたの!
ハルにゃんはエッチな事嫌いみたいだから、作戦名は「ハルにゃん、キョン君のエッチな本見つけてこのエロキョン大っ嫌い!」
手筈はもう既に整っているの。キョン君が隠しているエッチな本をわざと見つかるようにしむけてしまうの。
今日は勉強会するみたいだから鞄にエッチな本を詰めて後はハルにゃんを待つだけだね。
ピーンポーン。あっ来た来た。「ハルにゃんいらっしゃい。キョン君なら部屋にいるよ。ごゆっくり!」
ふふふうまくいった。今頃殴られるのかなぁ?後でミヨちゃんと一緒に慰めてあげるから安心してねキョン君。
あっ何だか音がする。隙間から見てみよう!
キョン君がハルにゃんにマウントポジションでいじめられている。
もうこれは仲違いしているね。
あれ?ハルにゃん顔を真っ赤にして蟹股で降りてきた、そうとう怒っているみたい。
一時間後…二人が出ていったのを確認して部屋に入ってみた。
ベットのシーツに血がついている。随分激しいケンカだね。
ちょwwwwwwww
妹wwwwwwwwwwwwwwww
所詮子どもか……
425 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 21:17:45 ID:7qkcwJS6
これは新鮮w 妹視点は珍しいなwww
俺の脳内ではキョン妹は(兄妹の)近親モノの少女漫画が本棚のほとんどを占めている。
>426
また変なネタを想像したじゃまいか!
酒飲んでいるせいでおかしくなっているぜよ。
>>424 でも心の中では
(まあいい、あの程度の女ならいつでもキョン君は取り戻せる…)
429 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 22:27:15 ID:l9BXYTG8
でもキョンがハルヒに部屋でエロ本見つけられるパロは見てみたいなw
既出だっけ?
ハルヒSSにおける腹黒四天王は
・喜緑さん
・森さん
・キョン妹
・真みくる
……ってところかw
>>429 あったよーな、なかったよーな。
てかいつの間にか腹黒で定着してるけど本当は喜緑さんって白だよな……?
国木田×長門で妄想が膨らむ俺は異端か?
純粋と無口の組み合わせは好きだ
俺は国木田×朝倉派だから心配するな
国木田は何気に純粋じゃないだろ。
主に谷口に対して。
>>431 晴れ晴れユカイの歌詞を見るかぎり黒としか思えないw
「明日また会うとき 笑ってます演技で」「イロイロ予想が出来そうで出来ないミライ 人間ごときにはムリです」
「さみしがっちゃ恥ずかしいよなんてね疲れる」「手と手をつないだら 無敵なんてヘンです」
>>435 ああそっか。
でも「普通の女の子になりたい」感じのことも言ってた。
「FIXED MIND」と「ハレ晴レ」でキャラが違うんだよな。
>>434 ていうか、どこから純粋って思ったんだろうw
発酵したお嬢様なんかは「腹黒で鬼畜」だと言ってたりするしw
>>435 ああ、真っ黒だな。
アニメキャラソン販促用の遊びの歌詞で語られる喜緑さん…
黒いというより有機生命体のもろもろの概念がよく分からないってこだろう。
>>433 そういえば、国木田と朝倉は席が隣同士だったな。
純粋でおっとりにっこりしてるけど芯は強い、
純粋が故に裏表が無く言葉もキツく聞こえることもある、
そんな喜緑さんってのはいないだろうか?
>>441 いかにも優等生な会話してたのかな。
というか、朝倉の席順関係って言ったら山根だろ山根。
よく刺されなかったよな。それともその鬱憤が関係者なキョンに向いたのか。
>>442 よし、その妄想を形にするんだ。
実際腹黒扱いの方が多そうだし、きっとその方が早いぞ。
>>443 八つ当たりってレベルじゃねーぞw
俺のイメージでは腹黒は黄緑さん・長門・朝倉・古泉・裏みくる・真キョン・国木田
白はキョン妹・ミヨキチ・ハルヒ・鶴屋さん・京子タン・阪中・WAWAWA
「全くもう、こんなに散らかして……。事後処理もけっこう大変なんですからね?」
「…………すまない」
「ふふ、別に良いですよ」
「会長」
「何かな喜緑くん」
「タバコ臭いです。健康にも悪いですし程々にして下さいね。計算上、会長が今のまま喫煙を続けますと、
会長は四十年後に死にます」
「うっ……!? ぜ、善処しよう」
SSまでいかせるのは無理でした。
>>441 席替えする前の自己紹介のシーンでも隣同士だったりするんだぜ
投下します。
エロなし。5レス予定。
―――――――――――――
ナーサリーライムをわたしと
―――――――――――――
Question.
「ねえ、有希はこういうのは知ってる?」
放課後、いつもの席で本を読んでいるわたしに、そう言いながら涼宮ハルヒが見せてきた紙切れにはこんな事が書かれてあった。
―――――――――――――――――――――
ハンプティー・ダンプティー 塀の上
ハンプティー・ダンプティー 落っこちた
王様の馬 皆集めても
家来全員 集めても
ハンプティー 塀から転がり落ちた
ハンプティー 元に戻らない
―――――――――――――――――――――
多少のアレンジは入っているものの、これはおそらくマザーグース、もしくはナーサリーライムとも呼ばれる童謡の一種であろう。
ただ、今回涼宮ハルヒはどちらかというと謎かけ唄の方の意味で使っているのだろうと判断し、わたしは彼女にその答えを告げた。
「うーん、やっぱりこういうのもちゃんと知ってるのね」
『有希が知らない事ってなんなのかしら?』などと言いながらわたしから離れていく涼宮ハルヒ。
知らない事ならたくさんあるのだが、まあそれを考える事で彼女の退屈が紛れるのならあえてこちらから教えるような真似はしないほうが賢明というものだろう。
わたしだって、これくらいは空気を読めるようになっているのだ。
「ふえー、知らない事ですかー。何かあるんですか、長門さん?」
………わたしの気遣いが木っ端微塵である。これを天然でやっているのだからこの未来人は恐ろしい。
いつの間にか部室中の視線がわたしに集中していた。ボードゲームをやっていたはずの彼と古泉一樹までこっちを見ている。
どうやら、何かを答えなければいけなくなったようだ。………とりあえず今夜は一晩中、朝比奈みくるの枕元に無言で立ち続けることにしよう。
さて、前述したとおり知らない事はたくさんあるのだが、その中で今すぐ一つあげろと言われれば、やはり今感じているこれが適切であろう。
「何となく、このナーサリーライムが気になる。その理由が分からない」
わたしの言葉を聞いて、涼宮ハルヒの目が『キラーン』という擬音つきで光る。
………何だか、面倒くさい事になるような気がする。
―――なった。
『分からない 事があるなら 調べましょ』と言う涼宮ハルヒの鶴の一声により、実地調査として知り合いに話を聞きに行かされる事になった。
『どう考えても暇つぶしのネタにされている』とか、『何故五・七・五?』とかいうツッコミは彼に任せて早々に退散する事にする。
扉を閉めた瞬間、良い感じの打撃音と共に彼と朝比奈みくるの悲鳴が聞こえてきた。
おそらく、また彼が何らかの地雷を踏んで涼宮ハルヒが暴れだしたのだろう。朝比奈みくるはその巻きぞえを食ったに違いない、早めに退散したわたしの判断は正しかったという事だ。
「彼女―――それは………誰?」
ふいにあたりに響いた声にはっと目を開いた俺は、太陽はまだ沈んでいないはずなのに、俺の周囲だけがいきなり夜になったかのような感覚に襲われた。
気配も何もなく、それでいて周囲を漆黒に染めていくような、そんな見覚えのない少女が俺の目の前に立っていた。
………見覚えなんて、無い、はず、だ、………よな?
「わたしは―――周防―――九曜?」
「何で疑問文なんだよ」
あまりに堂々とずれたセリフを喋るため、思わず隣の電柱に突っ込みを入れてしまった、がつん。
「………いてぇ」
コンクリートを割かし本気で叩いた手がかなり本気で痛い、………つーか、めがっさ痛い。
どうやらこれは現実のようだ、調査料は俺の左手、………割にあわねぇ。
「彼女は………あなたから………奪った」
俺の惨状(自爆とも言う)を無視して、延々と意味のつかめない話を続ける少女。
先程―――俺の………敵となった―――コンクリートジャングルに―――先住民の………ビートが―――響き………渡って―――いく。
すまん、今のは痛みのあまりに目の前のコレがうつった自分でも意味が分からない妄言だ、聞き流せ。
「彼女は………彼に―――与えた」
しかし、何故だろうな? でたらめに思いついた言葉を並べているとしか思えないこいつの話それ自体は、俺の妄言とは違って聞き流しちゃいけない、そんな気がするんだ。
それはまるで、戻れないとしても、進まなきゃいけない道であるような気がして………。
「選択肢の―――ある………彼は―――幸福?」
割舌の悪いテンポのズレたセリフがコンクリートで跳ね返り、俺の中の柔らかい場所に次々と突き刺さってくる。
「選択肢の―――ない―――あなたは………不幸?」
頭痛とは少し違うおかしな感覚に襲われ、頭を押さえてしゃがみこむ俺を無視し、彼女は淡々と自分のペースを崩さずに話を続ける。
確かに、ある、と、思う。
俺が誰かに奪われたもの。俺が失くしたもの。
それは―――
「………分からない。―――だから………観測者は―――石を投げ込む」
演者は、投げ込まれたその石を踏み台にして手を伸ばす。
2・3センチほどの踏み台はしかし、俺が『 』を思い出すには十分なもので………、
………思い出せそうになるには、十分な、助力で、
「観測者は―――聴衆に―――なる」
俺の手が、心が、以前失くした『 』に届きそうな気がしたその瞬間、
「キョン!」
強い力で、強い声で、俺は非現実から渡された石の上から、このどうしようもない現実世界に引き戻された。
………結局、届く事はなかった。
「まったくその通りですね」
「………」
古泉一樹がすぐ横に立っていた。
いつの間に出てきたのだろう。というか『機関』の一員として、中の惨状を放っておいてもいいのだろうか?
「アレを何とかできるのは彼だけですよ」
『まあ、アレを引き起こすのも彼だけなんですけどね』と言いながら肩をすくめる古泉一樹。
あ、そうだ。
とりあえず実地調査の第一弾として古泉一樹に話を聞いてみよう。
Answer 1
「そうですね、まずはこのナーサリーライムが作られた、その時代や場所から話す事にしましょう。そもそも………」
15分にわたる彼の講釈は要するに『わたしはハンプティーに自分を重ねているのではないか?』というものであった。
「いや、要約されるのは結構なのですが、その結論に至るまでの経緯というものをもう少し………」
「一言ですむ内容を延々引き伸ばすのは愚か者の行動」
「おやおや、あなたは愚か者になりたかったのではないのですか?」
彼の言い分は言葉遊びにすぎない、そう判断し、その場を立ち去る。
「別に、なりたいわけではない」
その前に一言だけ言い返す。
「わたしは既に、愚か者」
まあ、これも言葉遊び、なのだけれど。
Answer 2
「にょろろーん、そこを行くのは有希っ子かいっ!」
「………」
いろいろ言いたい事はあるのだが、とりあえず『にょろろーん』とは何なのだろうか?
「ん、ただの挨拶にょろー」
わたしはそんな挨拶知らない。知らない事がまた一つ、世界はかくも広いものかな。
―――とりあえず二人目、聞いてみる事にしよう。
「んー、つまりはこういう事っさ!」
ぎゅっ、と抱きしめられる。
………この人はいつもこうやってわたしの質問をごまかそうとする。
「のんばーばるこみゅにけーしょん、ってやつだよっ!」
発音からして嘘くさいのだが。
「イヤかなっ?」
「………」ぎゅっ
でも、まあ、結局の所、イヤではないのだから、わたしにはどうしようもないのであろう。………このオチも結局、いつもの通りである。
結局、その日はもはや平和的な話し合いという雰囲気にならず第二回会合もあえなく物別れに終わった。
そして翌週明けの月曜日、登校するやハルヒの市内探索反省会に付き合い、放課後もいつも通りにSOS団の活動に従事し、こうして帰宅の途についているという訳だ。
「やあ、キョン」
「うわっ」
頼むからその心臓に悪い登場を止めてくれ。
「君が無用心なだけだろう?」
昨日の今日で一体何の用だ? それにしても携帯なり家の電話なりにかけてくればいいだろうに、なんでわざわざ俺の帰りを待ち伏せてるんだお前は。
「橘さんから伝言でね」
佐々木もすっかり似非SOS団のメッセンジャーである。
「そう、まさにそれのことなんだ」
は? 何の話かさっぱりわからんぞ。
「世界をあるべき姿に戻すための佐々木さんの団、略してSAS団だそうだよ」
まさか昨日のあれか? 律儀というか何というか……。大体にしてその名称だと万が一ハルヒの変態パワーが佐々木に移ったら使えなくならないか?
「その場合は、世界をありのままに受け入れる佐々木さんの団、やっぱり略してSAS団とのことだ」
だからそのテレパシーは一体何なんだと。
「ちゃんと名前が決まったから次までにちゃんと答えを考えておくようにと彼女から伝言だ。それじゃ、キョン。また連絡する」
あくまでもマイペースに踵を返した佐々木の後姿を見送りながら、俺はしばらく立ち尽くしていた。
ようやく思考が追いついた俺は、帰宅を再開しつつ先ほどの伝言とやらについて考えていた。
SOS団にSAS団だと? 紛らわしい上に字面だけみるとますます物騒な感じだな。これじゃ平和な一年なんてものは望むべくも無いな。
全く、だれか不思議な出来事に有休の取り方を教えてやってくれ。今年も騒がしくなりそうだね、やれやれ。
Answer?
廊下を歩きながら考える。
「うふふふふ。こんにちは、長門さん」
(もしかしたらわたしの知り合いに聞くという時点で普遍的な答えというものは得られないのではないだろうか?)
スタスタスタ
「あらあら、聞こえていないようですね。こんにちは、長門さん。あなたの義姉、喜緑江美里ちゃん、心は永遠の18歳………ってそりゃ実年齢より上やないかー、ですよー」
(しかしだからといって、他に良い方法は思いつかない)
スタスタスタ
「………あのー」
(でも、まあ、今わたしに声をかけてきている存在に頼るというのは確実に地雷であろう)
スタスタスタ
「………そういえば、長門さん。あなた最近日記というものをつけ始めましたよね」
(………!)
ピタッ
「○月×日、晴れ、放課後、彼がノックなしで部室に入ってきて、着替え中の朝比奈みくるに遭遇した。『すみません』と言いながらも、彼の視線は朝比奈みくるの胸に集中している。ふと、自分の体を見下ろして、思」ごすっ!
気付くと、わたしの足元で喜緑江美里が、プスプスと煙の立ち昇る頭を抑えて蹲っていた。
おや、わたしの拳からも同じように煙が立ち昇っている。………どうやら無意識に殴り飛ばしていたようだ、よくやったマイハンド。
「うー、ひどいですよー。どうしていきなり殴るんですかー? ちょっと日記を、」ごすっ!
今度はちゃんと『意識的に』殴り飛ばす。
「あなたは何も見ていない。もし見ていたとしてもすぐに忘れる、おーけー?」
「あうう、目が本気ですね。分かりましたよ、わたしは何も見ていません、もし見ていたとしてももう忘れました、おーけー?」
コクリ、と頷く。
「喜緑江美里、一応、あなたにも聞いておく」
「はい、あのナーサリーライムの事ですね。もー、こういう事はちゃんとお姉ちゃんに相談してくれないとダメですよー」
「では質問する。わたしは自分の体を見下ろしてどう思った?」
「そこにはストーンと見晴らしが良い平坦な野原が広がって、………はっ、もしやこれは孔明の罠ですかっ!」
「情報結合の解除を申請する」
そして、始まる盛大な姉妹喧嘩。
本当に聞きたい何かがあったような気がするのだが、とりあえずこれを壊してから聞く事にしよう。
いや、壊してしまったら話を聞けないので、半壊しくらいで止めておくけれども。
Answer 3
『頭を冷やして来い』というのもあるのだろうが、喜緑江美里から引き離すという目的で情報統合思念体に学校から追い出される。
高校の知り合いはまだ校内に残っている人ばかりだったので、何もする事がなくなってしまったわたしが帰り道をトボトボと歩いていると、向こう側から顔見知りが数名歩いてきた。
「やあ、こんにちは、長門さん」
「―――やあ」
「ふんっ」
「あははは、どうもー」
………一応、聞いてみる事にしよう。
「壊れませんっ! ハンプティーは壊れないのです」
話をするために立ち寄ったファーストフード店の中で、わたしの疑問を聞いた橘京子がいきなり答えにならない力説を開始した。
「ねえ、佐々木さん。そうですよね。ハンプティーは壊れたりしませんよねっ!」
「ええ、そうね。確かに九曜さんは可愛いわね」
サラッ、とかわされ、ガタン、と音を立てながら机に突っ伏す橘京子。
「ふふ、ふふふふ。くじけません。こんな事くらいじゃ陥落しませんよ、あたしという巨城は」
何やらよく分からない決意の言葉と共に立ち上がり、
「佐々木さん、あたしは九曜さんの話をしているんじゃなくてっ」
「―――」はむはむ
アップルパイを両手で掴みながら食べている周防九曜と目が合い、
「って、本当に可愛いー!」
あっさりと陥落した。
『ね、ね、写真とってもいいですか? いやむしろ動画でお願いしたいです』などと騒ぎ出した橘京子を見ながら、
「ふんっ、おめでたい事だな」
藤原という名の未来人がそう言い捨てた。喋り方はあまり良い印象を与えないものの、目の中にハートが見える超能力者よりはまだ比較的話が通じそうな、
「おや、あのアップルパイはキミが買ってあげたものじゃなかったのかい?」
「………」
「ちなみに、おかわり、だそうだよ」
「………買ってくる」
訂正、もうダメだこの人達。
どうしようもない、と判断して店を出ようとした時、
「―――あなたは………王様?………それとも―――ハンプティー?」
「ええと、そういうのをまとめて聞いてるんじゃないんでしょうか?」
「そんなもの、他人に教えてもらうような事じゃないね」
「答えは、あなたが自分で見つけるものよ。………がんばってね」
おせっかい焼きのエールが一気にやってきた。
軽く頭を下げて、店を後にする。
わたしの、答えは………。
My Answer
「よう、長門。首尾はどうだ?」
いつかのように帰り道で偶然彼と出会う。首を振る事を答えとすると、『そっか』という言葉と共に優しく頭を撫でられた。
情報領域が真っ白な暖かさで染められ、正常に働かなくなる。
何故か『ぴよぴよ』などと鳴きたくなる感覚を押さえつけながら、思う。
どうやら、わたしはすでに壊れているらしい。
「わたしは、もう壊れている」
ボソリ、と言った。
「知ってる。んで、知るか、だ」
はっきりと、力強く、温かな言葉が返ってくる。
「………そう」
その言葉で答えが分かった。………答えを決めた。
とりあえず、押さえつけるのを止め、出てくる言葉をそのまま声に出してみた。
「ぴよぴよ」
『抱きしめたら犯罪、抱きしめたら犯罪』と、小声で繰り返しながら、蒼白になるほど拳を握り締めている彼の姿が印象的だった。
―――――――――――――――――――――
ハンプティー・ダンプティー 塀の上
ハンプティー・ダンプティー 落っこちた
王様の馬 皆集めても
家来全員 集めても
ハンプティー 塀から転がり落ちた
ハンプティー 元に戻らない
戻ってなんか あげたりしない
―――――――――――――――――――――
以上です。
では、また。
保管庫管理人様へ。450.452は外しておいてください。
以上です。
では、また。
保管庫管理人様へ。449.451.453とモザイクは外しておいてください。
458 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 00:13:59 ID:g2eCUXf3
>>458 とりあえず書いてみるにょろっ!
ふみゅう、感じる事を文章にしてみたらどうですかぁ?
んんもう。とりあえず投稿してみましょう。
ふん!ということだ規定事項だからな。
なにがどうなってんだかわからないー
ほのぼのとした文体の中にちょっぴり切ないテイストも入っていてよかった。GJ!
わたしはもう壊れている、とかそれに対するキョンの返答とか
あああ俺こーゆーの直球ど真ん中なんだよぅ!
意味の無い嫌がらせをするやっちゃなー
>>456 乙です
確かに知り合い連中に聞いたら普遍的な答えは得られないよなーw
ハルヒの保管庫でバイオレンスな奴のお勧めってある?
バイオレンス?あったかな?
バイオレンスっていう表現も難しいな。
ホラー映画的なスプラッタを意味する場合もあるし、アクション映画的なボカスカ殴り合いかもしれん。
要は強姦モノって言いたいんじゃまいか?
痛いのはNGって人も多いからあったとしても少数のはず。
長門が朝倉をフルボッコにするSSが合った気がするが、アレはバイオレンスとは言えんよな…
VIPの方にあったような?
ところで聞きたいんだが、橘京子って需要ある?
誰だっけってのはなしにしてくれよw
>>472 ああ、あの人ね、あの人。
なんか昆布っぽい…
誘い受けはあまりしない方がいいぞ
投下するしないは自由だが
アホのきょこたん大好き
くるくる橘
くるくる……。あれは良かったなあ。
それよりもくーちゃんのほうが需要は問題あると思う。
九曜は正直絡みにくい
驚愕でるまでどんなキャラなのかわからん
きっとアップルパイをはむはむしている姿に佐々木以下
偽SOS団員がもえもえするようなキャラなんだよ。
最近VIP的な雰囲気だねw投下もすこしあれば厳格な空気になるかしら。
なるほど、ここの住人は厳格な空気を放ちながらパンツを脱いで投下を待っているわけか
どんだけ変わった厳格さだよ。
そんなの男塾塾長しかできないって
パンツ下ろしたくなるようなエロい作品なんてここ数ヶ月全然投下されてない
元々エロは少ないからね。……エロスは程ほどに多い気もするが。
驚愕結局8月発売もなかったな
このまま1年以上発売延期を続けてやっとでたら作中時間が8ヶ月経過してたりするのが驚愕する内容なんだろうな。
別に1年や2年、5年や10年普通に待つぜ・・・
その程度ラノベならよくある事だ
ほんとによくあることだからたまんないね。
491 :
465:2007/07/03(火) 10:57:22 ID:QrdpeygN
すみません書き方が悪かったです
流血 バトル 拷問? などです
拷問レイプ?17-650・32-146かな?
俺はあんまり好きじゃないが‥45ー256はギャグになっているからまだまし
なんでエロ方向に持っていくんだ。
エロパロ板だからだろ
SM板のハルヒスレの方が
>>491の好きそうなのがあると思うな
投下します。6レス程度。ハルヒ短編ですが、谷川他作品への言及がありますので注意。
セックスシーンは無し。
この世には、うんざりすることが多すぎる。
たとえば、八月なのにやたら涼しいとか。
呼んだ覚えのない者たちが突然部屋にやってきたりとか。
その連中が何を言っても出て行こうとしないこととか。
その上、中身の伴わない主張を延々聞かされ続けたりとか。
あるいは、幼いころから知っているなじみの少女が連続殺人犯だったりとか。
そんな些少なことほど、うんざり感も加速する。
致命的だ。
夏季休暇も折り返し地点に入って……いやまだ夏季休暇にも入ってないが、蒸し蒸しとした熱
気がうんざり感を加速させる今日この頃。
何の間違いもなかった。腰を落ち着けた喫茶店でも、彼女はいつものように俺を見つめて微笑、
俺の顔に大人しく愛くるしい瞳を据え続けている。
「ねえな」
図書館で暇つぶしに読んでから、睡眠導入剤代わりだったわりに気に入った小説の作者が出し
たというだけで買った文庫本――作者買いってやつだ――を、ベッドであお向けになりながらパ
ラパラとめくってたとこだ。幼なじみの美少女が俺の顔を見つめてもいない。んなことあるわけ
ねー。あったらそれはそれで近所の目と社会通念上問題がある。その代わり、除湿を効かせた俺
の部屋で、床にぐてっとはいつくばりながらどうでもよさそうにこっちを一瞥してまた逸らし、
眠たげに眼を細めているのは我が家の居候三毛キャットだ。しかもオス。またあくびか。あのな、
すこしは活動的になれ、ダイエットしろ。俺は今日プリンを2個食ったが気にしてないぞ。痩せ
気味なんだ。
くどいとか皮肉っぽいとか若いくせに厭世的でうんざりするなどと、どこかの誰かに言われ続
けて久しい俺だが、この本の主人公なんてどうだ。なじみの娘が連続殺人犯なのは些少なことで、
八月に涼しくて些少なことにうんざりするのが致命的だと。もう、でたらめにもほどがある。こ
いつに比べりゃ俺なんてまだ素直でわかりやすいもんだろ? ひょっとしてこれ書いてたとき、
作者の頭に悪い虫でも湧いてたんじゃなかろうかね。そっちが心配だ。
冗談はさておき、内容というよりは冒頭の流れが少し似た小説がひとつあった。
ああ、もう退屈でしかたない。何か起こらないものか。でかいことがいい、海が二つに割れる
とか、月が落ちてくるとか、地球に穴が開くとか。どうせなら、そういうのがいい。退屈でなく
なるなら、死んでもいいくらいだ。それにしても、どうしてこんなに変わりばえのしない毎日な
んだろう?
こういう書き出しだ。ほんと、なんだろう。もっと身近で似たような話をしたような。
そうだ、中学生のときの何気ない会話だ。こういうことを考えたことはないだろうか。そう俺
が聞いたら、そういうのはエンターテイメント症候群だと言われたことがある。なるほどな。俺
たちの年代じゃそこまで達観した奴のほうが珍しい気もするが。
構成上の参考元がこれかどうかはともかく、手にしているいかにも絶望系な小説を含めて、厭
世的でやる気の足りないようにみえるちょっと苛立たしい主人公というのが、作家お得意の設定
らしい。なんとなく自分に返ってきてお前が言うな的雰囲気がかなりありそうだが気にしない。
そう、たとえばこの作家の代表作だ。ベッドから降りて、さっきの本を棚に戻した手をそのま
まスライドさせる。順番に6冊並んでいる。ヴィ・ナロード! な感じの題名だ。
学校の屋上から少年のどうでもいい主張を叫ばせ、あとは自力更生と級友たちの善意に委ねる
という、ある意味大変罪作りなテレビ番組のタイトルをもじったんだろう、たぶん。
そんな異能学園ものが6巻で中断したままになってる。なんとももどかしい。
その理由は三木一馬に聞け、じゃない新シリーズを書いてるからである。単純明快だ。この新
シリーズが難物で、俺もまだ内容がわかってない。これからの展開待ちだ。
間違いなくこれが理由で止まってるのだが、先に進みづらい理由は実は5-6巻にあるんじゃ
ないかと俺は睨んでる。
具体的には、精神感応系の超能力を使える女子生徒――テレパス――と、一巻以来の主人公の
関係だ。赤裸々かつ極論すれば、こいつらヤったかヤってないかでいうとヤっちゃったわけ。ん
で状況が不必要に生々しくなっちまった。だからそれ以上書きにくくなったのだろう。年子の妹
と兄である主人公との微妙な相関からいっても。
まあ、ここは異論のあるとこだし、そこまでいってないと信じるのも読者の自由だろう。
だが、寸止め海峡に何度も臨んでいるこの朴念仁男、どうも成就してしまったと思しき記述が
5-6巻では散見される。ここで未描写部分の仮想体験を書いてみてもいいのだが、詳しくは実
際に読んで妄想をたくましくしてくれ、すまん。
正直テレパスとの乳くりは考えるのもめんどくさいんだ。
しかしまあ、精神感応できる相手と対面するだけでも俺はできれば遠慮したいが、そいつとく
んずほぐれつアレをやるなんて、こいつは自暴自棄かそれとも精神的によほどタフなのか。さす
が、一コ下の妹に長年取り憑かれていただけのことはある。これは1巻参照のこと。
他の巻もおさらいしてみようか。3巻で主に動き回る変わった女は自分のコピーに遭遇する。
それも一人や二人じゃない。非デジタルのコピー品質が条件によって揺れ動くように、おそらく
他人の想念によって現われた人間のコピーにもばらつきがあり、中にはソフトフォーカスのか
かった想像上の天使のような者までいて普段ならありえない相手にかしずいている様子を目の当
たりにするのはまことにお気の毒さまというほかない。
ちょっと体験してみたいが、きっと気持ち悪いだろうな。
意識が飛びそうなほど動転させられることになるその女に限らず、それら誰かのコピーの大多
数はどこか誇張されたり省略されているわけで、言ってみれば生身の自分の改悪版・改変版とか
デフォルメというわけだ。二次創作はどうあがいても世界の法則(作者)の壁を越えることはで
きない。そんな現実を見させてるんじゃないかって、何を言ってるんだ俺は。
4巻で動き回るのもこの女で、あと彼女の上役男子と二人で八面六臂だ。この男がかなり癖の
ある言動なので読者を選ぶかもしれんね。流れとしては、とある才色兼備な女子高生を彼女らが
追う話。まあこの巻は作者の好きなジャンルが前面に出てるみたいで、既刊作品中でもっとも動
きが多い。アクションもそうだが実移動距離な。電車移動・世界間移動・上位世界・平行世界…
…。なんだろう、俺の身辺も似たようなあれこれで騒がしくなりそうな気がする。
一連のシリーズ、2巻がまた特別だ。俺がこの物語で最初に読んだのがこの2巻だったのもあ
る。それに、なにしろ舞台のモデルが近所らしい。他の巻とは趣が異なり、1巻のシニカルな主
人公が唯一出てこない。おまけに少年をかくまう少女が一人で住むマンションは、もうあからさ
まに長門の住むマンションとしか思えない。色は違ってるけど。要するに、幼少より見知った近
所がモデルらしいこの巻の主役たちには、ある種独特の親近感が仮借なく湧き上がってくるので
ある。
それにまあ、個人的に気になってる異常事態な体験と状況がかぶってるのさ。小説の中ではそ
れはイメージスクランブルといって、マンションに一人で住む少女によると――
なんだろうね。こんなに平然とテレパシーとかイメージスクランブルなんてトンデモを日常の
レベルで考えている自分に気づく。思えば遠くになっちまったなあ、入学式当日の常識モノロー
グ。
――気を取り直そう。そして説明しよう。イメージスクランブルとはこういうことらしい。
「イメージスクランブラが働いています。一定の範囲内において、任意の人物の身体情報を誤認
させるように働かせる能力なのです。その能力者の影響範囲では、あの人々たちは、あのように
あらゆる光学的情報を他者に与えることを阻害します。わたしにもあの方々の特徴をのぞき見す
ることができないのです」
「イメー……?」
「EMP能力の一種、精神感応によるフィールドを発生させることでフィールド内にいる自分た
ちの外見を意識的にジャミングする特技です。イメージスクランブル能力、強力な感応力が、半
径数百メートル規模で作用しているのです。ISフィールドと言います」
「……よくわからんが、それがあの半端な透明人間の正体か」
「わたしたちの目は彼らの身体データをちゃんと網膜に捕らえています。ですが、視神経から届
いた情報を脳が処理できないようにされているのです。部分的なマスキングをかけられているの
でしょう。それが、あの不透明人間さんたちの正体です」
2巻の舞台モデルと俺たちの生活圏がかぶっているという点をさきに指摘したわけだが、話は
それだけじゃない。主人公の隣家に住む姉妹の姉、料理の腕はいまひとつらしいものの、この今
期絶望暴力女がどうにもハルヒと似ているという評判だ。あいつには言えないが。ハルヒといえ
ば、これは作者の別作品で文庫2巻完結済みいわゆる萌えジャンル雑誌連載ものにも、ラスト近
くに主人公の妹が出てくるのがまたハルヒそっくりだと。そうだな、やたら噛み付くとことか、
やらせれば料理でも何でもできそうな感じとか。さらにこの作品、鶴屋さんのちょっと積極的な
分身が出てきてる、さらにさらに長門さんの双子のように寡黙な四文字熟語少女がいる。とにも
かくにも読んだ人はなにかとほくそ笑むことができそうなんである。
あとこの二作品ともに言えるけどさ、主人公たちのあまりの朴念仁ぶりに俺脱帽だ。まったく、
どういう育てられ方したらああなるんだろう。ちなみに都合の悪いときに自分を省みない性格
ねってしばしば俺は指摘されるのだが、はてさて、一体どこをどうみたらそう思えるのだろうね。
さておき、超能力学園シリーズ中やや異色である2巻中心な4人の話なら、続編としては書き
やすいだろうと思うよ俺は。個人的に是非とも進めていただきたい部分である。
ここで気になる、いや俺個人はあまり気にならないがなにかと過激な評価が後を絶たないので
少しは考証してみたくなることがある。イメージスクランブラの類を俺もこの人から受けてたん
じゃないかと疑っている喜緑さんのことだ。見かけ大人しくて清楚でそばを通るといい匂いのす
る先輩の本性とはどのようなものなのか、である。
対人テレパスでもないかぎり、相手が何者であろうとそうそうわかりっこない話だし、それこ
そ仮面野郎な古泉一樹曰く喜緑さんは長門のお目付け役らしいので、こういう人物評価そのもの
に意味があるのかいささか疑問ではあるが、ともあれ彼女というのは何かよからぬ思いを常々腹
蔵していらっしゃるのでしょうか。
簡単にいうと喜緑江美里は腹黒キャラなのか。
できることなら直接会って疑問をぶつけるのが手っ取り早いのだが、アホみたいな疑問である
うえに相手は上級生。しかも一般的には受験生だ。どう考えても個人的に会って話をする理由も
薄ければそういう間柄でもない。あまり関わりあいになりたくない気もする。別に嫌いじゃない
けどさ。それより二年連続同じクラス同じ机の並び関係な相手にうかつな動きが洩れればどうな
るか。俺の背中を極冷気な目線が貫く恐れが必要充分以上だ。なにやらモヤモヤして古泉のバイ
トが商売繁盛するまではいかなくとも、前触れもなく近所のブロック塀で猫との縄張り争いを強
制されるといった恥ずかしい制裁が下らないとは限らない。朝比奈さんならまだ許される気もす
るし、着ぐるみとか見てみたいけどさ。
とにかく、わかりやすく公明正大な接点があれば、ちょっと寄ってみました風に軽く話しかけ
ることもできるのだが。
そう、接点があれば……接点が……接点…………木工ボンド
失敬、関係ない。
まあなんだ、部活といえば文芸部の存続騒動の際に明確な助力をしてくれたわけでなし、かと
いってあからさまに妨害されたこともない、か。喜緑さんは裏方の事務処理を黙々とこなすイ
メージが強いかな。
っと、一つあった。……これなら教室から呼び出してちょっと話す用件くらいにはなりそうだ。
あとでプリントアウトしとこう。
「ふふっ」
右手を自然に口元にやって小さく笑いをこぼす喜緑さん。
手に取ったそれの内容が面白かったようだ。心の中で胸をなでおろす――
ついさきほど所在なさげな俺がおずおずと廊下から教室を覗いたとき、真っ先に目が合ったの
は彼女だった。
何も言わないうちから席をすうっと立ち、いかにも喜緑さんらしい控えめな微笑みのまま静か
に歩いてきてくれたのだ。そう、まるで俺が来るのが事前に解っていたかのように。
その間クラスメイトの視線が彼女を素通りしているようにみえたのは、これは俺が意識しすぎ
てるだけだろうか。
用件というよりただの口実だが、ちょっと面白いものを見せたいと申し出て、廊下でそれを差
し出す。彼女は
「ありがとうございます」
そう言って素直に受け取ると、おとなしい上級生はそれに無言で目を通していた。並んで歩き
ながら、どんなリアクションが返ってくるかと緊張していたが、笑う様子から察するにいいほう
に受け取ってくれたらしい。
「あの……」
感想を聞き出そうと声をかける。
「はい?」
「どうですか、それ」
「どう、とは?」
なんか、長門にもこう返されたことがあったな。
けど喜緑さんの返事はにこやかで、漫画でいうと微笑する美少女が小首を傾げて吹き出し無し
の小さなハテナマークを頭上に浮かべている感じだ。それならばと俺も一歩ふみこんで聞いてみ
る。
「喜緑さんが、その、意外にフランクというか……」
「ふふ……あなたは、平和がお好きなんですか?」
へ? 思わぬ質問返しですか?
そうか、内容はそんな感じで始まってたよな、それ。
プリントした内容を反芻していると、喜緑さんがさらに言葉を継いだ。
「わたしは平和が好きです」
慈愛をこめてそう漏らす姿が本当にまぶしくて。
なんだろう、いきなり地面に頭をこすりつけて「心根が悪くてごめんなさいごめんなさい」と
30回くらい言いたい衝動に駆られる。疑念を抱いたわたくしの罪をどうかお許しください!
……いかんな。こんなことではジャーナリストとしては失格だ。別に俺は記者志望ではないし
むしろ信心深さでは早くも及第点かもしれんが。
いい言葉が見つからないままの俺は、視線を紙に落としている喜緑さんの横顔を、目の端にと
らえつつ見とれつつ、このまま一緒に歩いていこう。
なに決意表明してるんだ、俺。
唐突だが気が付くと舞台はなんとなく体育倉庫横。食堂付近とは反対方向だ。じめじめした暑
さが瞬く間にシャツの中を湿らせる。ナマモノには厳しい季節である。
でまあ、周りに人の姿はない。
喜緑さんはというと、状況に動じることもなく、友好的な雰囲気を揺るがすこともなくしとや
かに、目の前の俺を無言で見つめている。さっきと同じクエスチョンモード。この人は汗ばんで
はいないのだろうか、その控えめな夏LALAN(おそらく)に訊いてみたい。
いかん何を言ってるんだ。もとよりその量と質に自信があるわけではないが、俺は理性やら知
性をなんとか総動員して、彼女の秘められた本性の部分にメスを入れる覚悟を決めていた。武器
は手渡したプリントという共通の話題のみ。
――さあ、行くんだ。
「そうだ、喜緑さんっていい匂いですよね」
アウチ。
照れくさそうに頭を掻くまではよかった。だがこのていたらくだ。
「ありがとうございます」
それでもにこやかに礼を述べる喜緑さん。思わず、
「えーと、なにか、いい香水とか使ってるんですか」
重ねてだめだ。
彼女の包み込むような笑顔につい甘えてしまう。こんなはずじゃなかったのに。
周知だろうが、彼女は生徒会書記である。
すなわち生徒の手本として校則を遵守すべき身なのである。自律ってやつだ。
そんな彼女が高価な香水を――俺には未知の世界だが――ひそかに学校に持ち込んでいるので
はないかと、身の程もわきまえず余計な詮索をしているわけでは決してないんです。つい口がす
べって……。
内心激しく取り乱す俺を知ってか知らずか、彼女は「ふふ」と笑って、
「最近、『海のうるおい藻』というのを使っています」
ひんやりとした空気がこの瞬間にどこからか流れ込んできたような気などしない。断じて。ハ
ルヒ風に言えば「ぜんぜんない」。信じて。
しかし、つづく言葉が俺の顔面を逆に熱くした。
「匂ってみます?」
「え……」
想定外のお誘い、戸惑う俺。
何気ない申し出といった風情で笑いかける彼女の目線は、穏やかにしてあくまで上品だ。目が
合うとこっちまでつられて顔がほころんでくるような。けど素直におしゃべりできない。
見つめられると行動を起こしにくいだろうという配慮からか、喜緑さんはいつのまにか目を閉
じていた。そればかりか一歩幅まで近づき、さらにわずかに上体をこちらに寄せて、
《どうぞ……》
そんな声が俺の精神に直接語りかけてくるような気まで若干してきた。
汗ばんだシャツの中で速まる心音、彼女にそれが届きそうなこの距離。
落ち着け落ち着くんだ。彼女に触れてはいけない!
理性が俺をパーフェクトに統御して、彼女に精神波を返す。
届け、マイ戸惑テレパシー。
《じゃあ、あの、その、ちょっとだけ失礼しまあっす!》
――レディ・ゴー。
そして俺は彼女の肩を手で支え、ふんわりうるおいヘアーにそっと顔を近づけ……
ちゃーちゃーちゃらちゃちゃ、ちゃっちゃちゃーちゃー♪
淑女との優雅なひと時を、ベッドに寝転ぶ俺があくまで理性の塊のような英国風紳士ぶりでシ
ミュレートしていると、机の上で充電中の携帯電話がいつからか勢いよく鳴っていた。
主人公古泉イツキ、その実態は朝比奈ファン(だけ)垂涎のかの3流未満自主制作映画のチー
プな主題曲はもちろん――
ハルヒだ。なんという嫌らしいタイミング。これに動じないシャミセンの図太さが少しだけ愛
おしい。にしてもなんでこんな着信音にしてるんだろうね俺は。
受けたとたん、キンキン声がむやみやたらと耳で響いた。
『遅い!』
俺はこいつの部隊の一兵卒でも職場の部下でも、ましてや薬指に指輪を光らせる間柄でなど決
してないわけだが、いやもう、いかにも将来厳しい指導で成績を押しあげる中間管理職になりそ
うな一喝だ。上司の言うことも聞かない可能性大である。で、
『ちょっとキョン、あたしのプリン食べたでしょ!』
ハイ、やっちゃいましたねー。
どこからともなく聞こえてきた気もするが気にしない。うるさい。で言いたいことはそれか。
だいたいの事情はわかるし最終的な犯人は俺らしいね。
引き出しから財布を取り出していると、
『あれあたしのだったのよ! さっき有希に電話して聞いたけど、あんたのせいよ! 明日の昼
にとっといたのにどう落とし前つけてくれんのよ。さあ吐け、戻せえぇ!』
とても年頃の娘とは思えない。しかしちょっと嬉しそうな怒鳴り声とは器用なもんだ。
思い当たる節をさらっと説明しておこう。今朝古泉が3個パックのプリンを2パック部室に差
し入れた。つまり6個。放課後に俺も一つ食ったのだが、あとになってSOS団詰め所(文芸部
室)備え付けの冷蔵庫を開けたら1個のこっていた。もったいないし季節がら賞味期限も気にな
るので、長門以外出払っていた部室で手早く頂いたというわけだ。もちろん長門には了解を得た
うえで。以上説明おわり。
俺以外に2個食ったメンバーがいるか、知らない間に部外者に1個振舞われたかのどちらかだ
ろう。ひょっとして長門、おまえか? まあいい、もう過ぎたことだ。それで俺にどうしろと?
『あんた、30倍がえしって知ってる?』
知らねえよ。お前のセンテンス限定なら聞き覚えはある。
『じゃ、駅前、30分後、遅刻したら一品追加だからね!』
こっちの返事などお構いなく切ろうとする闇金顔負け女に、俺はあわてて交換条件を出した。
「ハルヒ、明日の数学なんだが――」
『人のプリン食べといて頼みごととはいい根性ねえ。まあいいわ。教科書とノート持ってきなさ
いよ、忘れたらカテキョは無しだから。あぁ、喫茶店だから喫茶教師か。じゃあ30分後にね、
キョン。うん、あ、財布持ってきなさいよ! あたし手ぶらだから』
へいへい、尻ポケットに装着済みですよ旦那。
『ノーブラじゃなくて手ぶら!』
変な念を押すな、大きい声で言っちゃだめですそんなこと。
これ以外はやけに要領のいい返事がひっかかるが、まあちょっと助かる。ああみえてチャート
式数学Uの赤本を「ぬるい」と総括する女だからな。
しかし晩飯どうすんだあいつ。てか妹にはあの本まだ読ませたくないよなあ、ああハルヒのや
つ対俺の頭専用黄色いメガホンをまさか持ってくるんじゃないだろうな、あれ喫茶店で使うなよ
な恥ずかしいから……って、喜緑さん今日ひょっとしてバイトの日かな、そういや喜緑さんや長
門はいわゆるテレパスなのかね、あんとき朝比奈さん(大)と長門は非会話通信してたっけ……
――などと雑多なことを考えつつ、俺はエアコンの除湿を愛猫のためにそのままにして部屋を出
た。少々太り気味の彼が出入りできる隙間を残して。
(終)
以上です。
もしかして…キョンの携帯の着メロはミクル伝説ですか?www
>>503 GJ。
関係ないけど、赤チャートは計算が面倒なだけで決して難しくはないぞ。
508 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 01:11:10 ID:+9584GDU
>>505 数学は嫌いじゃないけど数字は嫌いという俺は白チャートで十分ですかそうですか
受験のときは必死に勉強したけど、受験が終わって大学が始まる頃には高校の知識の五割は忘れてたよ。
微積の計算問題すらできなくなってた。
手ブラって、たしか素手で胸部を支える技だったよね?
技なのか
>>513 技かどうかはともかくgoo辞典には手で胸を隠す事、みたいにあるね。
ちなみに髪ブラは髪を胸に下ろして乳首を隠す事らしい。
凄いぜgoo辞書!w
保管庫ガイドwikiの検索フォームって、まだ機能してないんだね
驚愕は突然、発売日を発表してサプライズを提供する企画。の可能性も捨てきれない、消失があったくらいだからな
消失の時なんかあったん?
それともアニメ公式の話?
いつも通り部室へ行き麗しの朝比奈さんのお茶をいただき平和な時間を過ごしていた。
ところがこの平和を打ち壊す魔王ハルヒ閣下があらわれるのであった。
「やっほ〜!みんなそろってる?」
いや俺と朝比奈さんだけだ。長門はコンピ研に古泉はしらん。
「ふぅ〜ん…そうなの?ところでキョン。あんた試験勉強ちゃんとやってんの?」
ふふふ今回は自信があるのだよハルヒさん。最強の参考書があるのだよ!
何てったってテストはこの参考書からでるのがわかったのだよ。たまたま国木田から教わったのだが…
「ふ〜ん・まぁいいわ。明日あんたの家に行くから、差し入れ買って置きなさいよ。」
うぐっ俺の話をまったく聞いてないし結局くるのかよ。はぁ〜っ
朝比奈さんも来ますか?妹も喜びますが?
「わ、私は鶴屋さんと出かける用があるので、行けません、ご、ごめんなさい。」
あと長門と古泉はどうするか。とりあえず連絡してみるか。
「すみません。バイトがありますので、しかし僕が行ったらお邪魔でしょうから」
「……明日は図書館行くから無理…それと頑張って…」
おいおい、勘違いするなよ。しかしハルヒだけ来るのか?まぁいいか、ただ勉強するだけだからな。
「だったら決まりね!明日十時頃あんたの家に行くからね」
この時俺の知らない所で妹に恐ろしい策略をかけられているとは思わなかった…
俺が言ってるのは公式の方だが、これだけ分かりやすいタイトルだと何かと合わせやすいんじゃないか?と言う訳で驚愕をわくわくしながら待ってる
そして次の日!
朝から妹の様子がおかしい?そわそわしている。変なものでも拾って食べたのか?
とりあえず十時迄に差し入れのおかしでも買ってくるか。
近所のコンビニまで自転車を走らせる。あいつは体に似合わず結構大食漢だからな。
等と考えていると部屋を少し散らかっているのを思い出し家に戻る。
そして片付けを終わらせると鞄が少し膨らんでいるみたいだ。まぁ気のせいだろう。
するとインターホンが鳴った。すると珍しく妹が素早く出て対応していた。まぁ来たのがハルヒだからな。直ぐに部屋に入ってきた。
「さぁ〜てキョン勉強始めるわよ!珍しくあんたが偉く自信があるようだし何の根拠があるのかはわからないけどね。」
おいおい昨日の事しっかり聞いていたのかよ。はっきり言って凄いからな。(なんせ問題丸分かりだからな。)
「ふぅんそうなの?あたしにも見せてよその参考書?まさか嫌だとは言わせないからね?」
あぁいいぜ。見て驚くなよ、これをマスターして俺は変わるんだからな。ふふふ
そしてハルヒは鞄を開けて中の物を確認している。すると顔を真っ赤にしてわなわな震えていたと思うと急に飛び込んできた。
「ねぇキョン…本当にこの本の通りに勉強したいの?あ・あたし、キョンとならしてもいい。その代わり責任取りなさいよ。いいわね!」
急に抱きついてきたハルヒまさかカンニングになると思っているのか?
いやいやカンニングとは他の人の写したりする行為であって分かっているものをまるまる分かっているモノを暗記したりする行為ではないはずだ。
ハルヒは嫌なのか?お前が嫌ならしなくてもいいが、俺はするぞ?
するとハルヒは顔を近付けてきて無言でキスをしていた。
その後は雰囲気に流されて最後までやってしまった。まさかテスト勉強が保健体育なるとは思わなかった。
以上。エロ書けねえ。(´・ω・`)
GJ!!わくわくしながら待ってるんだからっ!
キョン×古泉×国木田
を期待してみた。
そうか、なきゃ作りゃいいのか!
>>526 国木田が女バージョンならいけるかもだなぁ。
変態佐々木まだかな?
これで古泉が女化だと腐向けになるのはなぜだろうか…
532 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 11:20:48 ID:6RcD8Xm0
>532
単に希望を延べただけであって…
534 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 11:50:15 ID:gLCEv5Qy
痴女佐々木まだー?
ここに普通の佐々木もの投下しても住人の目にバイアスがかかってそうで怖いなw
それを払拭するような清純派佐々木を君が書けばいいのよ>535君!
>>536 もう清純派佐々木って時点でかなりキてるぜw
ここでアニメ二期の話題が出ないのはなぜだい?
良く訓練されてるから
よく練炭されてるから
ひゃっっっっほほおおぉぉおおぉおおおうぅぅぅぅううううう!
涼宮ハルヒの陰謀が陰毛に見えた
把握
9日までは釣られとくww
涼宮ハルヒの陰毛・・・
いける!
549 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 23:13:02 ID:1rQVDS3J
え!?二期やんの?
よっしぃゃぁぁぁぁああああ!!!
二期
「ねえキョンてば!アソコに毛はえているの?」
何だ何だ急に下ネタの質問は、生えているのに決まっている。まったくお前はどうなんだよハルヒさん?
「ア、アタシ?生えているわよ。もしかして見たいの?」
当たり前だ健全な男だし、見せてくれ、いや見せろハルヒ!
「ちょ、ちょ、キョン何その目つき嫌らしいわよ?近づかないで!」
ハルヒ…もう我慢できないんだ…はっきり言う。正直たまりません。
「いやーっ服脱がすなエ、エロキョン!」
姦
書くんじゃなかった…orz
553 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 00:48:42 ID:AwzYI2R6
まあそういうな
乙
べつのモノが生えてたりして。
明日は七夕か?真面目にネタを考えないと…
多分七夕に2期の情報が発表されそうな気がする
398 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/05(木) 19:55:56 ID:Lb4GRjt8
>>396 いろいろ教えてあげよう
アニメの放送中には二期の製作なんて無かったのだが、
終わってからも反響が大きく関連商品もヒットしたんでお上からゴー
らきすたは先に入ってたんで順調に進めば今年の秋〜冬の仕事だったのだがいろいろ問題が出てきた
400 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/05(木) 19:57:06 ID:N8urDYTo
>>398 え?何をいってんのう?
401 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/05(木) 19:57:30 ID:Lb4GRjt8
まずストーリー
タイトルはそのまま「涼宮ハルヒの憂鬱」
作品の中でも人気の高い「〜消失」をメインにまた一話完結のを織り交ぜる全14話
ただし、「〜消失」の時間軸も違って、流れは
第一章→第二章→プロローグ→以下順不明、エピ
途中途中で長門に銃を向けたキョンの回想シーンとか入ったりの追加要素を含めて6話
それと笹の葉、エンドレス、一目ぼれ、雪山、編集一直線は前編後編と
谷川氏の脚本協力のオリジナルが2話(キョンがいない日のSOS団とかだったはず)
さらに「〜消失」の回はOP、ED、次回予告も長門、笹の葉で背景にこっちを見ているキョンとか・・・ってはずだった
ここである人物が「〜溜息」のキョンとハルヒが喧嘩するシーンは必要だと言い始めた
407 名前:飛ばしてくれてもいい[sage] 投稿日:2007/07/05(木) 20:11:46 ID:Lb4GRjt8
順序的にもと、作品としての「涼宮ハルヒの憂鬱」を目指す(キョン×ハルヒ)ため
「〜溜息」の喧嘩、仲直りその他もろもろを出す必要があると
結局まとまらないままクラナドのオファーを受け年内の製作を断念
「同時に二つのストーリーを進めてみるのはどうか?」なんて意見も飛び出すが
そうすると全部の話が埋まってしまうとか全然収集がつかなくなっていったん放置されてた
411 名前:飛ばしてくれてもいい[sage] 投稿日:2007/07/05(木) 20:20:26 ID:Lb4GRjt8
画像見た人ならわかるが七月九、十日にイベントやるみたい
自分自身は直接関わっているわけじゃないのでわからない部分だが
まずクラナドを済ませることに重点をおいてる
逝くわ、あとごめん
412 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/07/05(木) 20:21:40 ID:Lb4GRjt8
あと七夕の日の公式ホームページをチェックすんの忘れないで
こんなん見つけたんだけど、どうかね?
信じるも信じないも勝手だが、鵜呑みにはしないほうがいい
消失6話は長いな。オリジナルニ話には大いに興味が引かれるな。
驚愕のつぎは恐慌か‥‥‥
562 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 04:46:53 ID:NTuonvNQ
まぁどうせ明日には、わかることだしさ
いつの時代も踊らされる連中ってのはいるモンだなあ。
とりあえずwktkしておこう、
別になくてもい釣りですむしなw
みんなこれが釣りだとわかってて乗ってるのか?
だとしたらある意味感心だよ。俺なんて釣りだった時の精神的ダメージを考慮して気持ち抑えてる。
以上初心者でした。
ヒューマのいぢインターフェイスなんだからいろんな意味で人間型なんだろう。
世界改変時も見た目は変わらなかったし
釣りだろうが何だろうが二期放送は決定したわけだ。
それだけで安心したよ。
ところで放送いつから?
そういえば分裂でインターフェースがインターフェイスになってたのは何の変化なんだ。
>>570 ほ、ほんとですか?
もう疲れた
裏切りや嘘 欺瞞に満ちた世界に
>>572 明日(7/7)SOS団HPに行け。
ハルヒが待っていたらキミはキョンだ。二期決定オメ。
待っていなかったらキミは谷口だ。カップル捕まえて歌って来い。
釣りだとわかってる。
わかってるけど信じたい。相反する感情が併存してる。そんな俺を笑えばいい。間もなく馬鹿を見る俺を笑えばいい
意味もなくネガるなよ。自己陶酔してるようにしか見えないぜ?
うpされてたニュータイプ記事の画像見て、あれがヲタの加工によるものだって思えるんなら釣りだと信じ込むがいいさ。
それ以上のことはアニメ板でやんな。
>>576 確かに穿った見方する奴多すぎで吹いたw
ハルヒファンはある意味もっとも情報に撹乱されてる存在かもなw
578 :
鈴笹協奏曲:2007/07/06(金) 22:23:57 ID:RzOcSVsp
【出演】
キョン 涼宮ハルヒ 朝比奈みくる 佐々木 橘京子 周防九曜
【ページ数】
9ページ(予定)
【公開日】
未定
ブックフェアの角川ブースでそれらしい話しは一切なかったっらしいけどなww>アニメ2期
明日明後日ヒマしてたら一般公開に凸って聞いてくれば良いんじゃね?
一般公開日でも、営業以外に編集もいるはずだしww
最近のコラ技術やばいからな
七夕のSS今必死に書いてるんだけど間に合わない気がするw
ここは遅れても質上げたほうがいいよね。
とりあえず公式は動いてないみたいだね
祭りとかもなさそうだし……今が落とし時か?
>>582 きみが納得できるのを投下すればいいんさっ
>>584 まともに推敲したらあと一週間くらいは欲しいなw
今日はアニメ報に期待して静かにしてます。
京アニ繋がり悪い。なぜ?
よし、人大杉も出なくなってきたし
>>578と
>>585に期待しながら団長校庭落書記念日を称えて投下ー。
エロなし、分裂読了必須。30〜40レスぐらい予定だけど読み違えたらゴメン。
・A−VI
その日の帰り道。
新入団員候補生への独演で気分が良いのか、ハルヒは足が地に着かないぐらい浮かれた状態で朝比奈さんに絡んでいた。
「このまま新入生の方に気持ちがシフトしていただければ、僕も同じように春うららなステップを披露するのですが」
勤労に疲れつつも営業スマイルを見せる中年男性のような雰囲気を引きずって、古泉はそんなハルヒの事を見つめている。
そんな憂いが出ると言うことは、ああ見えて未だに深層意識じゃぐたぐただって事なのか。
「ええ。ですが昨日までよりは安定しているみたいです。全ては今夜次第でしょうね」
そんなサービス残業に精を出す古泉を見てしまったからだろう。俺は下駄箱に入っていた気の進まない呼び出しに不承不承ながら
応じる事に決めた。
それにしてもつくづく女性の呼び出しに運がないな。易者に見てもらったら女難の相が出ていると言われそうだ。
『今日、あなた方の喫茶店で──橘』
頭の中で文章を回想し、俺は心の中で溜息をついた。
いつもの団体席ではなく二人がけの席で橘は一人待っていた。店の中の人間が本当に無関係かどうかなんて俺にはわからないが。
俺が席に着くと、橘はまず頭を下げて礼をしてきた。
「あたしから呼んでおいてこう言うのもなんですけれど、来てくれるとは思ってもいませんでした」
だろうな。俺自身もギリギリまで来るべきかどうか悩んでいたぐらいだ。それで用件は何だ。
「そうですね、説明と実践。まずはどちらからにしましょう」
知るかよ。大体実践って何だ、また誰かを誘拐するつもりなのか。
俺が抗議を訴えようとした絶妙なタイミングを見計らい、橘はテーブル横にあったメニューを差し出してきた。そのまま一瞬だけ
視線を俺の後ろへと送る。あまり他人に聞かれたくない話であるのは確かなので、俺は黙ってメニューを受け取ると開きもせずに戻し、
来客に合わせて再注文を取りにきたウェイトレスへコーヒーとだけ告げて早々に下がらせた。
「もし誰かを誘拐する事が最善の手だと判断した場合、あたしは、いえあたしたちは迷わずにそれを実行します。ですがそれはあたしたちに
限った事ではありません。古泉さんたちの『機関』も、朝比奈さんや藤原……あの時一緒にいた未来人の事です。ご存知ですよね」
記憶メモリの時、そして朝比奈さん誘拐の時に現れたあのいけ好かない野郎の事か。
俺の記憶の中から消去したい人物ランクの常連であり、藤原という名前だったという事すら知りたくもない間柄の奴だ。
「あなたの主観はともかく、彼や朝比奈さんといった未来からの派閥、情報統合思念体や天蓋領域、その他多数の派閥団体。涼宮ハルヒに
関して暗躍する集合体は全て必要とあらば誘拐でも殺人でも、それ以上の事であってもあっさりと実行するでしょう。
というより、そんな覚悟も出来ていない団体はこの四年間で全て他の圧力に壊滅しています。
それはSOS団に所属する、何の属性もないただの一般人と太鼓判を押されるあなたでも認識している事じゃないですか?」
わかっている。古泉や長門、それにもしかしたら朝比奈さんも。
三人がハルヒと俺にそういった影の部分を見せないように奔走している事は、この傷跡のない脇腹が痛いほどに承知している。
「あなたが涼宮さんとそのお仲間の為に全力を注ぐように、そしてあなたの知るお仲間達が常日頃奔走しているように。あたしたちもまた
遊びや冗談で活動しているわけではないんです」
瞳に強い意志を込めて橘は見つめ返してくる。だがその一瞬後、
「……でも、あの時のあれは最善でも何でもない。あれは一部の人間が他の甘言に載せられて暴走した結果でした。ごめんなさい」
そう告げると今度は謝罪の意味で頭を下げてきた。
「彼女、朝比奈さんにも謝罪しろと言うのなら何処へでも足を運び謝罪します。ですから、まずあなたには解って欲しいんです。
あれはわたしたちの総意ではない。あの一面だけであたしたちを理解しただなんて思って貰いたくないのです」
さすが世界に暗躍する『機関』と対立するメンバーと言うべきか、それともこれは橘自身の強さなのか。強い意志は何一つ動かさぬまま、
だがそれでも自分たちが間違っていたと全て肯定し謝罪してくる。
この辺りは流石というか、だてにあの時の森さんに臆する事無く対峙できた奴だ。その器の大きさは只者ではない。
「……わかった。だが朝比奈さんへ謝罪に赴く必要はない。お前らが今後一切朝比奈さんに近づかない事、それが謝罪になる」
組織内の対立による一部の暴走。共感してしまうのは悔しいが、それは俺にも経験があることだ。あの時は俺が被害者だったが。
警戒度はそのままマックス状態で待機だが、藤原のように顔を合わせる度に怒り心頭になる必要までは無いだろう。
もしSOS団の誰かを再び拉致監禁し『機関』へ対立するという意思があるなら今頃俺はさらわれているだろうからな。
「助かります。確約は出来ませんが、あたしにできる限りの事はします。でないと二度とこうして会ってもらえないのでしょう?」
現状でも次回開催予定があるのかどうかは解らんが、もう一度何かしでかしたらお前と話すのもこれが最後になるのは確実だろう。
注文したコーヒーを受け取り砂糖を大量に放り込む。それでもコーヒーが苦く感じるのは果たして店の責任かね。
「さて、あたしに聞きたい事があるんじゃないですか」
純粋にコーヒーを苦く感じていると思ったのか、橘がミルクを差し出しながら尋ねてきた。
聞きたい事だと? それは俺を呼び出したお前の方にこそあるんじゃないのか。
「ええ、あなたに聞きたいこと、話したい事はたくさんあります。でも今日はしません。先日の謝罪、それととあなたが最も知りたい事。
今日はそれだけを話すつもりでいましたから」
今日は、ね。やっぱりもう一度開催するのは確定なのか。
「もう一度と言わず、あたしとしては何度でも設けたいぐらいです。言葉の酌み交わしだけで事が穏便に過ぎるのなら、これ以上平和な事は
ないでしょう?」
誘拐犯の言う台詞じゃねえ。できれば朝比奈さんを誘拐する前にその考えに至って欲しかった。
「それに今日はあたしだけですけど、九曜さんや藤原、それに佐々木さんも。あなたに会いたがっていましたしね」
佐々木だけならともかく、他の二人に関しては拒否権を発動させてくれ。特に藤原なんかと顔を合わせた日には今度こそ殴りかねん。
俺が心の底から毒づいているのが解っているのか、橘は口にこぶしを添えると楽しそうに笑う。嘲笑ではない。ここだけ切り取って見ると
ただの女子校生が平凡な男子と談笑しているようにしか見えないだろう。
笑いをようやく抑えた橘は一度コーヒーを口につけると、ようやく今日一番の目的について切り出してきた。
「……あたしが佐々木さんのそばにいる理由、ですよね?」
黙って頷く。
橘は子供が楽しかった思い出を誰かに伝えるかのように少しだけ高揚した笑みを浮かべつつ、
「佐々木さんには涼宮さんと同じ力がある、それが理由です」
そう切り出してきた。
・B−VI
これで訪れるのは何度目か。俺たちは長門の住むマンションまでやってきていた。
「有希っ! あたしよ! 開けなさいっ!」
病人に対して言う台詞じゃねえ。俺はインターホンを連打するハルヒを羽交い絞めにすると、ハルヒに変わって冷静に告げた。
「長門、俺だ。開けてくれ」
「何よ、あたしと全然かわんないじゃない!」
全くだ。どうやら俺も思った以上に動揺しているようだな。
お互いの慌てふためきようから自分の状態を認識し、一度深呼吸して落ち着く。ちょうど最後の空気をはき終えた所で
『……入って』
インターホンの向こうから待ちわびた声と共にガラスの門戸があっさりと開門された。
長門の部屋まで訪れる。いつもと変わらぬ制服姿で応対に出た長門に対し、ハルヒは長門の向きをおもむろに反転させると両肩に手をかけ
そのまま電車ごっこでもするかのように部屋の中へと押し込み返す。
足だけで脱ぎ散らかしたハルヒの靴を朝比奈さんが揃え、ようやくハルヒの後に続いて長門の部屋へと上がり込んだところで、俺はここに
あるはずのない、だが何より原因であるはずだと踏んでいたそいつの姿を目撃する事となった。
「────」
周防九曜。
佐々木に組する三人の一人にして、情報統合思念体曰く天蓋領域。そのブラックホールを彷彿とさせるおぼろげにして脅威な存在は、
「────暖かい──」
あろう事かコタツに座りつつ目の前に出されている湯飲みに手を沿え、ただじっとその湯飲みを見つめている所だった。
朝比奈さんが遅れて荷物を持って長門の元へと向かい、その後ハルヒに鼻先へ指を突きつけられつつ
「有希を着替えさせるから合図するまで入室禁止! いいわねキョン、覗いたら明日の朝日は拝めないわよ!」
と厳命された俺が仕方なく九曜の方を凝視していると、古泉が後ろから小さな声で聞いてきた。
「どうしました」
どうしたもこうしたもない。お前、この状況がわからないのか。
「長門さんがまるであの時のように倒れた。おそらく理由は先の少女かその背景……天蓋領域でしたか、その者たちの仕業でしょうね」
古泉が俺の肩へ手を置き落ち着くよう示唆する。残念だがこんな状況で落ち着けるほど俺は人間できちゃいない。
「いいえ、落ち着いてください。長門さんが誰と逢っていたのか知りませんが、湯のみに罪はありません」
湯のみだと? 何を言っているんだお前は。俺が見ているのは湯飲みなんかじゃない。その湯のみの……。
そこまで言いかけて思い出す。そうだった、最初に街中であった時もやっていたし、つい先日の会合では喜緑さんもしていたじゃないか。
宇宙人たちは自分の存在感を自由に調節する事ができる。おそらく今は俺にのみその存在感をアピールしているのだろう。その証拠に、
「では何を見ているのです。いえ、言葉を変えましょう。あなたには何が見えているのですか?」
古泉は九曜が座る場所に虚空を見つめるような視線を送りながら俺に尋ねてきた。
「入っていいわよ」
懐かしい部屋の襖が開かれ俺たちの事を呼び寄せる。とりあえず九曜の事は無視し、布団に寝かせられた長門の周りへと集まった。
「大丈夫なのか、長門」
俺は一瞬だけリビングへ視線を送り確認を取る。長門自身の事と、あの九曜についてだ。長門は静かに頷く。
「へいき」
「だいぶ元気みたいね、有希。もう冬の時みたいになったのかって心配したわよ。いい、有希。もし次に倒れるような事があったら、
いや本当はそんな事無い方がいいんだけど、もしもの話よ、もしまた倒れる事があったらちゃんとその前にあたしに連絡するのよ!」
その連絡先には異議を唱えたいがそれ以外はハルヒと全く同じ意見だね。長門、お前はもう少し俺たちに頼ってもいい。
俺もハルヒも、古泉や朝比奈さんも、お前の事を心配してこうして飛んできてくれたじゃないか。
一方的に保護するだけが仲間じゃない。苦楽を共に歩むのが仲間ってやつだろ?
「わかった」
長門は小さく肯定し、そしてここへ集まったメンバーを次々とろ過水のような透明な瞳で見つめ返してから、
「ありがとう」
やはり小さく、でも確かな気持ちを伝えてきた。
・B−VII
「あんたたちも何かあったらまずあたしに連絡するのよ。いいわね!」
駅前まで戻った俺たちは、団長のこの微妙すぎてありがたみが解り難い締めの言葉で今日は解散となった。
ハルヒたちを駅構内へと見送りだした俺は、自転車にまたがり家へと向けて走らせる。後ろを向いても駅前が見えなくなってきたかなと
いった所で一路変更し、少し遠回りとなるが駅前や路線のそばを通らない道筋を選んで長門のマンションへと引き返した。
「長門、俺だ。開けてくれ」
『……入って』
つい先ほどと全く同じやり取りで自動扉を開けてもらい、長門の部屋へと急行する。先ほどとは違いパジャマ姿で出迎えてきた長門に
先導されながらリビングへと戻ると、そこにはあいも変わらず湯飲みを見つめる九曜に加えてもう一人、
「お待ちしていました」
「やっぱり来ていましたか、喜緑さん」
新緑の若葉を思い出させる仄かな香りを振り撒き、未だ謎多き生徒会の書記は静かに微笑んできた。
九曜との対面に長門、そして側面に俺という位置でコタツに座る。宇宙最大の派閥と新進気鋭の闖入者、それとこの水の惑星出身の俺。
「お茶が入りました」
喜緑さんは喫茶店の時と同じようにエプロン姿で微笑みをばら撒くと三人にお茶を差し出していき、最後に開いた場所へもう一つ、
自分用の湯飲みを置くと着席してお盆とエプロンを脇へとよけた。
後々三者の歴史に残るかもしれない非公式ながら第一回宇宙サミットの場としては、何ともアットホーム的な情景である。
「それで、何でこいつがいるんだ?」
俺は九曜の方へ顔を向けつつ三人に尋ねた。どう考えたってまず突っ込むべきはこの点だろう。
「────開きに……来たの──」
魚でも開きに来たのかお前は。
「言葉で────伝える事は……とても難しい────」
難しかろうがなんだろうが俺にはテレパシーも高速や圧縮言語も会得していないので話してもらうしかない。
まず前提としてこれだけは覚えておけ。言語っていうのは往々にして主語と述語がある。それらが欠けると相手に伝わりにくかったり
自分の都合よく解釈できてしまったりしてしまうのが特徴だ。さっきの開きに来たのがいい例だな。
「────わたしは……頑張る」
どうにも微妙な返答だがとりあえずいい事にしよう。今の問題はそんな些細な事ではないからな。
「情報変換に於ける過大負荷並びに輻輳崩壊、それが原因」
そう切り出した長門の言葉はいつもながら単純難解。たちの悪い変換をかます超能力翻訳機がそばに無い以上、俺は単独でこの言葉の
意味を考えねばならないわけだが、一体どういう事かと頭をひねっていると横から喜緑さんが笑いながら教えてくれた。
「つまり、今のあなたの状況そのものなのです」
「俺の状況?」
「はい。あなたは長門さんの言葉の意味を理解しようと考えていますよね。それをそのまま情報量をとてつもなく多くして、長門さんと
九曜さんでやり取りしている、そう考えると解ってもらえるのではないでしょうか」
九曜が示す意味不明のデータを必死になって解析したから、その負荷によって倒れたと?
「そうです」
「────情報の開示……でも抑えた意思は──不完全な────」
喜緑さんに出された新しい湯飲みを握り続け、視線は湯飲みに落としたまま九曜が口を開く。どうでもいいが熱くないのか。
「でも────それがここでの……情報提示────」
「完全たる個の情報は完全たる個としか認識できない。不完全な個の情報は受信側の補完次第で無限の可能性が発生する」
「それがわたしたちなりに捉えている、進化の可能性です」
よく解らんのは俺だけなのか、長門も喜緑さんも九曜の言葉に合いの手を返す。
「────求めるのは……不完全な──完全────」
そろそろマジで薀蓄付加機能付きの超能力翻訳機が欲しくなってきた。コタツの四辺にそれぞれ座り湯飲みを持ちながら語るにしては
いささか空想科学小説じみた内容だ。俺としては少し不思議程度で十分なんだが、そうもいかないのが宇宙人の世の常なのだろう。
「────知りたい……彼女を───」
モールス信号も真っ青な冗長たる言葉の区切りで九曜が語る。彼女って、やっぱりハルヒの事なのか。
そんな俺の何気ない問いかけに、九曜は湯飲みに落としっぱなしだった視線をようやく持ち上げると、長門の事を見つめだした。
何だその意思は。まさか……お前の目的はハルヒじゃなくて、長門の方だというのか?
九曜は答えず、かわりにその視線を俺にと向け、少し首を傾げてからとんでもない事を口走った。
「そして────あなたの事も──」
・A−VII
「涼宮さんに神の如き力がある、というのは正確に言うと間違いです」
いいですか、とまるで教育係のお姉さんが不肖な弟にでも教育するかのように話し始める。
「正確に言うなら、『涼宮さんは神の如き力を操れる』となります」
さっきとどう違うんだ。悪いが俺には区別が付かないぞ。
「とんでもない! 大違いです。あなたは多分古泉さんたちからは最初に言ったような言葉で聞かされていると思います。そうですね、
『涼宮さんに神の力がある』とか、そんな感じで。確かにその言葉は間違ってません。ですが全てを語っている訳でもない。それは彼らが
あなたにミスリードを誘う為に歪曲させた表現なのです」
で、その本当の言い方が後者だと。ならばどう違うのか教えてもらおうか。佐々木の事も含めてな。
「神の如き力と涼宮さんは別の物と考えてください。涼宮さん自身が力を生み出しているのではありません。彼女は手に入れた力を行使して
いるだけに過ぎないのです。そして、力を行使できる存在は涼宮さん以外にもいる」
それが佐々木だと、そう言いたいのか。
「はい。万物の法則を支配する神の威を借りられる者、それが涼宮さんであり、佐々木さんなのです。古泉さんたち『機関』は現状維持を
謳っています。当然ですよね。他の誰でもない、涼宮さんが力を握っている事。それこそが彼らの目的なのですから」
確かに面白い説だ。だがそれもまたお前がここで語るだけの一説でしかないよな。
俺の反論に対し、橘は待ってましたと言わんばかりに両肘を立てて手を組むと更に身を少し乗り出してくる。視線で合図し俺にも顔を近づけ
させると、橘は声のトーンを一段階程度落として言葉を続けた。
「証拠があります。少なくとも涼宮さんだけが力を行使できうる存在ではないという確たる証拠が。そしてあたしがあなたにアプローチを
仕掛けたのは何よりその証拠の為でもあります。なぜならあなたは既に知っているはずだから。あたしが唱える、涼宮さん以外にも神の力を
行使できるというその事実を。涼宮さん以外が力を行使したのを、あなたは間違いなくその身を以って体験したはずですから」
俺が体験した……? 何故だ、それは一体いつの話だ。
何だか互いの顔の距離が近い気もするが気にせず小声で尋ねる。まるで「何年何月何日、何時何分何秒に言ったんだ」と揚げ足を取る子供のような
切り替えしだが、橘はそれすら既定範囲だったと言わんばかりに、正確にして俺が一生忘れようもない、あの絶望に明け暮れた日時を返してきた。
「去年の十二月十八日、午前四時ニ十三分。この日付に心当たりは?」
ぐうの音も出ないとはまさに今の俺の状況か。確かにハルヒが消失したあの一件、長門は「犯人がハルヒから力を借りて世界を改変させた」
とそう言っていた。それはつまり、ハルヒの力を借りる事が出来る奴がいるというまさに確たる証拠となる。
「あなたには古泉さんたち『機関』が掲げる現状維持という意味を、そして彼らがあなたに伝えてきた事をもう一度考えて貰いたいのです。
確かに『機関』はあなたに対してウソはついていないのでしょう。ウソというのは信頼を得やすい反面、信頼を落としやすい諸刃の剣です。
彼らが目先の信頼だけを得る為にそのようなリスクを請う手段を選ぶ事は、まず無いはずですから」
情報源が『機関』だけならそれも一つの有効な選択肢だろうが、俺のように数多くの接触がある場合、どこからウソがほつれるか解らない。
そしてもしウソが発覚した場合、俺は『組織』をどう思うか。それを考えると確かにリスクが付きまとう。
「ですから、彼らは言葉足らずという選択肢を選んでいるはずです。事実を十として、実際にあなたに一も伝わっているかどうか。
あなたに語られていない九の事実は存在します。例えば、あたしたちが『機関』と対立する理由、それをあなたは知っていますか?」
俺は一度首を振る。これまでの話で予想は立てているが俺はあえて答えない。相手を騙す一番簡単なウソをつく方法は、相手の勘違いを
そのまま肯定するに他ならないからだ。だから俺は尋ね役に徹する事にする。
「あなたは何も知らない、それなのにあなたは賢しい。佐々木さんが話し相手に最適だとあなたを高く評価するのも今なら十分に頷けます」
そんな事まで話してるのか、あいつは。
「それぞれの思惑はどうあれ、こうみえてもあたしたちは友達ですから。願わくばあなたたちのような親友関係にまでなりたいとあたしは
望んでいるんですけど、流石にそう上手くはいかないみたい。佐々木さんはともかくとして、問題は他の二人。彼らが何を考えているのだか、
あたしには量りかねているんですよ。色眼鏡抜きにして考えても、あなたはあの二人と野球したり孤島に行ったりしたいなんて思いますか?
正直、未来人と宇宙人に関してはトレードしてもらいたいぐらいです」
悪いな。トレード対象が超能力者なら少しぐらい考えてもいいが、他の連中に関しては脳に情報伝達される前に却下させてもらう。
それにしても確かに古泉の言うとおりだ。こいつはまだ話ができる。これが狙ってなのかどうかは解らんが、他の奴らより遥かにましだ。
「あたしたちは佐々木さんによって力を与えられた不完全な超能力者。何を以って完全というのかは今なおあたしにも解りません。
でも自分が不完全だという事は解ります。解ってしまうんです。だからあたしたちの目的はただ一つ、現在涼宮さんが所有している力を
佐々木さんへと渡し、佐々木さんを軸とした完全な状態にする事。そしてあたしたち自身もまた完全な超能力者になる事です」
やはりそういう事か。確かにそれが目的ならば古泉たち『機関』とは何処までも平行線を辿る事になるだろう。
一つの強大なる力、それを行使できる複数の候補者、さらにその行使者たちから力を与えられた存在たち。
「これぞ神の力を巡ったエスパーウォーズってか? そんな命題、手垢がつきすぎて興行収入稼げないぞ」
「全くです。あたしも第三者の立場なら鼻で笑い飛ばしてるでしょうね」
嗜虐にして自虐という器用な嘲笑を浮かべて橘は背もたれに寄りかかる。どうやら密談は終わりのようだ。
空白の領収書を切るという何だか微妙な部分で日常を見せられた後、俺は佐々木と喫茶店を後にした。
「そう言えば不完全な超能力者って言ってたが、それってどういう状態なんだ」
「さっきも言いましたが、何を以って完全だと言うのかは解りません。もしかしたら古泉さんを始めとした『機関』の超能力者たちですら
完全ではないのかもしれませんし。でもそうですね。目に見えて解る点をあげるとするなら、あたしたち佐々木さんの超能力者は『機関』の
超能力者が行使する二つの力のうち片方しか使えません」
橘はビルに囲まれた駐車場へと俺を連れてくると俺の眼前へと手を差し出してくる。何だ、まさかここからあの空間に突入するのか。
「いいえ。あたしたちにできる事はこっちの力です」
橘がその手をすっと横にずらしきつい視線を送ると、その手のひらに青白い光が現れた。その色さえ除けばかつてカマドウマと対峙した時に
古泉が見せたあの赤い光に良く似ている。
「この《神人》を倒す力が使える、それだけです。あたしたちは閉鎖空間に入る能力がありません」
橘が生み出した青い玉を駐車場の奥へと投げる。地面に当たり、その力は小さな爆音と共に地面をえぐった。
おいおい、現実世界でその力を使えるってのはシャレになってないんじゃないか。しかも閉鎖空間に入れないって、それじゃその力は本当に
単なる超能力って事になるじゃないか。いやそれよりも、
「お前たちはあいつによって生み出された超能力者って言ってたな。閉鎖空間に入れないのはそれが理由じゃないのか?」
閉鎖空間はハルヒが生み出す空間だ。だからこそ余所者である橘たちには入る事ができない。そう考えるのが普通だろう。となれば橘たちが入る
閉鎖空間とはハルヒのではなく佐々木が生み出した閉鎖空間と言うことになる。そして佐々木の閉鎖空間で佐々木が生み出した《神人》を倒す。
それがお前たち佐々木派の超能力者の存在理由じゃないのだろうか。
「あたしたちの考えもあなたと全く同じです。あたしたちが閉鎖空間に入れないのは、閉鎖空間が佐々木さんが生み出した訳ではないからだと。
でも閉鎖空間でもないのにこの破滅の力がなぜ使えるのかが解りません。この力の強さゆえに、これは対抗組織を倒す為に佐々木さんが与えてくれた
力なんだという考えもあたしたちの内部ではあがっています」
何の予備知識も背景も知らなければ俺だってその結論に結びつけるだろう。だが、
「はい、あたしも違うと思ってます。あなたほどではありませんが、あたしも佐々木さんと知り合いました。確かに最初は任務だからと考えてましたし、
佐々木さんもそれは心得てます。でも……個人的にもあたしは彼女の友人でいたい、今は本当にそう思ってます。そしてそう思うからこそ言えます。
彼女は心の奥底であってもそんな暴力的な事を推奨する人なんかじゃない。彼女は他人を蹴落とす労力があるなら自分を研鑽する、そんな人間です」
橘はこぶしを握り締めて首を振る。コイツが佐々木と知り合ったのはいつからなのか知らないが、佐々木の事をそれなりには理解しているようだ。
「……気になる事がひとつあるんです。あたしより佐々木さんを知るあなたならもしかして理由が解るかも、そんな疑問です」
駐車場にバンがゆっくりとやってくる。どうやら橘を迎えにきたようだ。青い玉を打ち出した手を小さく掲げてバンに手を振り、橘は最後に
俺に近づくとその伝えたかった命題を残していった。
「あたしたちの知る限り、佐々木さんは今まで一度も閉鎖空間を発生させた事がないんです。空間が開かれようとした予兆すらもありません。
知っての通り閉鎖空間は日常のフラストレーション、欲求不満を発散させる為の場所。でも佐々木さんはこの四年間、その閉鎖空間を一度も
発生させた事がない。それは神の力が無いからなのか、あるいは何か別の理由があるのか……今度あなたの意見を聞かせてもらえませんか」
・B−VIII
長門が倒れてから数日後。
相変わらずSOS団は五人のまま、文芸部室の門戸を叩く奇怪な新入生は現れなかった。ハルヒには悪いが俺はもろ手を挙げて喜びたい。
正直ここ数日のごたごたで俺の処理能力も古泉の気力もいっぱいいっぱい、そろそろ長門に倣って倒れてしまいかねんぐらいだ。
願わくばこのまま平穏無事に過ごして生きたいものだと心から考えている。
「こうなったらあの人でも誘ってみようかしら」
窓から外を歩く生徒達を見つめつつ、ハルヒはポツリ呟いた。俺の心からの願いはどうやら何処にも届かなかったらしい。
頼むからこれ以上俺の生活を脅かすような要素を加えないでくれ。それで、あの人って誰だよ。
「佐々木さん」
さてこの時俺は一体どんな表情を浮かべていたんだろうね。答えは俺と対峙してゲームしていた古泉にでも聞いてくれ。
とっさに言葉が出なかった俺に代わり、
「難しいでしょうね」
いつもの爽やかさの中に色々うごめくものを内包した表情で古泉が口を開いた。
「僕の見た感じでは彼女はリーダー資質を持っているように思えました。彼女自身が望む望まないに関わらず。しかもかなり強い資質です。
そんな彼女がこの団に入団したとしたら、現団長である涼宮さんと事あるごとに衝突してしまうかと」
「活発的な衝突なら望むところよ」
「それだけならいいのでしょうが。船頭多くして船山に登る、そんな事にもなりかねません。そうですね、その雰囲気は鶴屋さんに近いと
思っていただければ話が早いでしょうか」
確かに鶴屋さんが入団した場合もどう転がるか予測が付かない。あの人にも他人を引っ張る気質というものがある。
今はSOS団と絶妙な距離感を保つ事でいい方向に向っているか、入団したとなるとまた話は変わってくるだろう。
「時々会うことでお互いの刺激となる、そういう人間関係もあります。僕は佐々木さんとはそういう風な関係になるのが一番だと思いますよ。
とは言っても他人に人間関係を諭せるぐらいできた人間ではありませんけどね、僕も」
個人的にはハルヒを始めとしたSOS団が佐々木と親友になるのは一向に構わないと思っている。アイツならこの特殊な肩書きが陳列する
メンバー相手でも十分やっていける事だろう。だが問題なのはそのバックボーンだ。その秘めた真意を掴みかねる橘、掴みたくもない藤原、
掴めるのかすら解らん九曜。あれらと接触した日には本当に何が起こるか解らないし、おそらく解りたくもない事になるのは必死だ。
「んー、ねえキョン。今度の不思議探索の時にでも彼女と会えないかしら」
頼むから俺の祈りよ何処かの誰かに届いてくれ。
俺は目の前に座る週半ばにして疲れを見せる中間管理職のような雰囲気を見せる奴と共に激しく嘆息し、不承不承に了解した。
・A−VIII
橘との会合から数日後。
あの後何度かふるいにかけられ、最後まで残った入団希望者は偶然と言うかそれともそれが運命だったのか、俺が最初の時に何となく気になった
あの女子生徒のみだった。この娘が俺の記憶の誰とかぶっているのかあれから何度も考えたが結局解らず、既に試験だ何だで顔合わせも五回目と
なる今となってはそんな既知感などどうでもいい事の一つとして脳の端の積み上げた懸案事項の束へと放り投げてしまっていた。
「うん、よく残ってくれたわ。それじゃ最初は仮入団と言うことでいいわね」
「はいっ。よろしくお願いしますっ」
「うんうん、元気があってよろしい! あたしたちみたいに何事にも挑戦する為にはまず元気が必要だからね。ほらキョン、あんたもそんな
呆けた顔してないで彼女を見習いなさい。でないとすぐに仮入団の彼女よりも立場が下になるわよ」
まるで壮年期に入りだらけるのが日課となった親父に対して呆れる娘のような色を加味して俺を見つめてくる。元気がなくて悪かったな。
俺はお前と違って懸案事項が山のように残っているんだ。主に佐々木の取り巻き連中の事でな。
待望の新人となったその娘が改めて一人一人に挨拶する。副団長の古泉、癒し系アイドル朝比奈さん、万能選手長門。そして
「ああ、そいつはキョンでいいわ」
よくねえよ。俺にだって親から貰った名前はちゃんとあるんだからな。ある人物に言わせればそれは高貴で壮大な
「下っ端団員のあんたの呼称なんてキョンで十分よ。嫌だったらもっと立身出世に励みなさい」
俺の名前の由来をばっさり切り捨て、ハルヒは腰に片手を当てつつもう片方の手で俺を狙い撃ちするかのように指差してきた。マナー違反猛々しい。
「え、えっとぉ……」
ハルヒと俺を困惑の表情で何度か見比べ、そして意を決したのか、
「慣れるまで雑用とかでも構いませんので、どうぞあたしの事をどんどん使っちゃってください」
頭を下げながら挨拶してくる。動きに合わせて癖毛の跳ねが更なる跳ねを見せてきた。
「お世話になります。フフ、よろしくお願いしますね、キョン先輩」
結局キョンという呼称で落ち着いたらしい。先輩が付いているのがこの娘なりの妥協点なのか。まあ先輩と呼ばれる事自体は悪い気がしない。
こちらも妥協点を認めつつ、チェシャ猫のように笑うハルヒに軽くけん制の視線を送ると、俺も簡単な挨拶を返してやった。
「それじゃ早速今度の土曜日、この娘を交えてSOS団野外活動を行うわよ! いいわねみんな」
そこで嫌だと言ったら中止するのか?
「する訳無いでしょ。あのね、キョン。あんたはいつまでたってもそういう態度だから下っ端だって事いい加減理解しなさい!」
はいはい、わかりましたよ。それじゃ下っ端は下っ端らしく朝比奈さんに滅私奉公でも致しますか。
俺は朝比奈さんからやかんを受け取ると、新団員心得とか言う謎の教えを授けるハルヒと少女の姿に手を振った。
・A−IX
そしてその日の夜。
『はい、土曜日がとっても楽しみです。ウフ、一体どんな事が体験できるんでしょう』
そんなに過度な期待をされると今から申し訳なく感じてしまうので、出来ればもう少し気持ち落ちつかせてもらえないだろうか。
『でもでも先輩、あたし初参加なんです。楽しみにするなって方が無理ですよぅ。もう今だってこうして布団の上でバタバタしてるぐらい』
まるで遠足前夜の妹のようなハイテンションぶりだ。前に一度、俺が風呂にいる時に電話してきた時のように、電話の相手が高揚としているのが
こちらにまで伝わってくる。俺は慈愛を込めた嘆息をついて話を続けた。
あの時謎だった電話の相手は何の事はない、本日付で仮入団の決定した彼女だった。俺と同じ中学出身の彼女はその中学時代の時に俺の事を
知っていたようで、北高で俺の姿をみつけたあの日に思わず電話してしまったんだとか。
「まさか俺を追ってSOS団に来たとか?」
『ウフ、半分はあたりです。でももう半分は違います。北高で一番楽しい部活はSOS団だって、そんな噂を耳にしたんですよ。だからです』
つまる所ハルヒ率いる俺らの悪行三昧は近隣中学の生徒達に噂されるぐらいにまで流れているわけだ。冬に自分も楽しんでいたと自覚して以降
なあなあだった常識と言う戒めを、もう一度考え直さなければならない時期なのかもしれん。既に手遅れかもしれないが。
『ああ早く土曜日にならないかなぁ。あ、最後に来た人は罰としておごりなんですよね。気をつけないと』
そうだな。あまりリークしたくない情報だが、とりあえず集合時間通りに来たら罰ゲーム確定だから注意しておけ。常日頃十五分前到着を
心がけている俺が、何故か常に罰ゲームを受けているんだから間違いない。
『ええっ、みなさんそんな前から集合されてるんですかぁ? わかりました、頑張って早起きして行きますねっ!』
土曜日は明日じゃないというのに今からでも出かけて待ちだしそうな勢いを感じる。まあこれだけこの娘が楽しみにしているなら、ハルヒの奴も
市内探索のしがいがあるってもんだろう。明日ハルヒにこの娘がどれだけ浮かれているかそれとなく伝えておいてやるか。
『ところでキョン先輩。そろそろあたしの事思い出してくれました?』
申し訳ない、それが全く以ってさっぱりだ。
実のところこの娘が誰なのかはこうして話すようになった今でも解らないままである。彼女の氏名を聞いても思い当たる節がない。
『そうですかぁ、あーあ、ちょっと残念。でも良いんです。これからお世話になる事だし、じっくりと思い出してもらいますから』
いや君が解答を教えてくれたら一発なんだが。それともアレか、凄い一方的に見られていただけだったり。
『一方的ですか。確かに一方的といえば一方的ですよね。でもでも、キョン先輩はちゃんとあたしの事知ってるはずですよ』
一体いつの知り合いなんだ。俺の過去を俺より詳細に知る古泉にでも聞いたら答えてくれるだろうか。
『あ、そうだ。それじゃ土曜日いっぱいの宿題って事でどうでしょう。そこまで考えて解らなかったら、答え、教えます』
屈託のない、それでいて何処か無理した感のある笑いが受話器に響く。解った、そういう事なら俺もズル無しで考えようじゃないか。
『はいっ。頑張ってくださいね、キョン先輩っ!』
・B−IX
そしてその日の夜。
『それは楽しみだ。ああこれは穿った解釈も暗に秘めた意味も全く無い、本当に心底から思っている気持ちだよ』
電話の相手が相変わらず何かを轢いたような奇妙な笑い声と共に狂言じみた言い回しを返してくる。
もちろんこんな口調で話す奴など俺には一人しか該当する者はいなく、まさに相手はその該当者、佐々木その人であった。
『涼宮さんとの談合か。その提案受けてもいいが、一つだけ条件を出させてくれ』
条件だと? 一体なんだ。あまり無茶な事を言わないでくれよ。
俺が抱く様々な憂いに動揺する内心を先見しているのか、佐々木は笑いっぱなしで言葉を続けてきた。
『なに、キョンにとってもそう悪い話じゃないよ。涼宮さんと僕との会談の時、そこにいるのは僕と涼宮さん、それとキミの三人だけにして
もらいたい。ただそれだけさ。涼宮さんや僕につき従う宇宙人、未来人、超能力者といった三属性やその他超常集団たちは少なくとも僕たちの
可視範囲には参加させない。どうだろう。
くっくっ。ああキョン、先に断っておくが別にこの条件には他意も第三者からの介入もないよ。僕はただ誰からも邪魔される事なく、涼宮さんと
じっくり話をしたいだけさ。その場に君を交えた状態でね』
何で俺を交えるんだ。頂上サミットなら二人でじっくりやっても構わないんじゃないのか。
『おやおやキミらしくもない。僕と涼宮さんが語る共通の話題に、キミは全く興味が沸かないと、そう言うのかい?』
ハルヒに語れる内容で二人の共通項なんてものは俺の知る限り一つしかなく、それは当然二人と別々の時期に関わった俺自身と言うことになり、
つまるところ佐々木は暗に俺の話で盛り上がるつもりだと言っているのだろう。老婆心から助言するならば、お前たちも一応青春真っ盛りな女子と
括って問題ない存在なのだから、もっと建設的な話をするべきではないかとここに進言したい。
『建設的ね。そんな事はキョンに言われるまでも無く解っているつもりだよ。だからこそ僕は涼宮さんとキミについて話すつもりでいるんだしね。
少なくとも僕にとってキミの話題は、めったに利用しない洒落た装飾店の情報やマスメディアによる情報伝達速度を確認する流行モノについて
なんかよりよっぽど建設的な話だと思っている。そしてそれは多分涼宮さんの方もね』
相変わらず斜に構えた奴だ。だからこそハルヒセンサーに引っかかってしまったんだろうが。俺は将来起こるであろう事態に対して溜息をついた。
ちなみに俺が絶望に打ちひしがれる間も佐々木はくっくっと笑いっぱなしである。一体何がそんなにヒットしているんだお前は。
『面白いさ。本当、実に面白い。キミにはこの面白さが解らないのかい、キョン。どうやら僕はあの二回の接触、それとその時に交わした軽い
けん制だけで、涼宮さんからキミたちSOS団の栄えあるライバルとして選定されたようだ。こんなに面白い事はそうお目にかかれないよ』
ちょっと待て、ライバルってのは言いすぎだろ。お前の取り巻きには若干以上の問題があるが、少なくとも俺はお前を親友だと思っているし、
ハルヒだって別にライバル心を持って会おうだなんて考えてはいないはずだ。
『ああそうさ。僕だってキミと同じ気持ちだ。だがねキョン、僕が示唆している問題はそこじゃないんだ。僕の考えを聞いてくれるかい』
佐々木はようやく笑いを静めると、その独特の音域で俺に語りかけてきた。
『僕はずっと考えていたんだ。何故僕の元へ橘さんや九曜さん、藤原といったメンバーが集ったのか。キミには解るかい?』
それは橘たちの利害が一致したからだろ。橘自身がそんな事を言っていたはずだ。ん、それとも記憶違いで本当は言ってないか?
俺は記憶の糸を辿ろうとしたが、佐々木の矢継ぎ早な言葉の襲来でそれは阻止されてしまう。
『そうだね。橘さんは僕にこそ神の力があるべきだと考えているし、後の二人もそれぞれ思惑を抱いて僕と共にいる。そんな彼らの思惑が交錯し、
涼宮さんに与しなかった者達同士で手を取り合い、ようやくキミたちSOS団と対立する為の力を得た。それがキミたちの考える理由であり、
橘さんたちが考える理由でもあり、また橘さんたちそれぞれの首脳陣が考え出したシナリオの一環なのだろう……普通に考えるのならばね』
普通って何だ。それじゃお前は何か普通じゃない考えを持っているというのか。
『そうだね。少々突飛な推測を僕はしている。いいかいキョン、さっきも言ったけど僕が本当に考えて欲しい問題はそんな事じゃないんだ。
僕が聞いた限りの情報で整理すると、涼宮さんには世界を望むままに改変する力がある。そしてその改変は時間の流れをも超越して影響する。
どうだろう、ここまでは合っているかい。もしこの前提がが合っていないのならば、僕は自分が打ち立てている推測を今すぐ破棄するつもりだけど』
ああ間違いない。ハルヒの力は時間をも越えた世界の改変すら行える。それはこの夏と冬にいたく体験した俺が認めよう。
『結構』
佐々木は俺の回答に満足し、わざとらしく一度咳払いをした。
『では僕の推測を発表する事にしよう。僕が思うに涼宮さんという人物は、自分たちSOS団のライバルが欲しいと思った事があるんじゃないかな。
あるいは今までに無いとしても、いつかそういう事を考えそうな、そんな人物なのではないだろうか。違うかい?』
確かに春休みの最中、新たな敵がどうのとか考えている節があった。だがそれがどうした。何故お前に繋がる。
『繋がるよ。涼宮さんの敵になるのは誰でもよかった。ただ涼宮さんは何処かで僕の事を知っていたのだろう。だから僕に白羽の矢が立った』
いやそれは無い。ハルヒはお前の事を知ってる雰囲気は無かったし、先のアレが初対面だったのは間違いない。もしそれより前にお前たちが
接触しているのなら少なくとも古泉がその事実を押さえているはずだ。
『確かに直接面識はアレが初めてだ。涼宮さんが僕が聞き及んでいる涼宮さんの評価そのままなら、そんな存在いやでも目に付くはずだからね。
そして涼宮さんが過去に僕と出会っているなら、間違いなく彼女は僕の事を覚えているだろうしね。だから初対面なのはまず間違いないはずだ。
だが言葉の上ではどうだろう。高校生活を謳歌するキミの周りで、中学時代にキミと連れ立っていた僕の話がただの一度も出た事がないと
果たしてキミは言い切れるかい。まあ言い切れるなら言い切れるで、僕はキミとキミの周囲に於いて話にも上がらない程度の存在だったのかと
思い知らされた事実に対して甚だ遺憾の意を表するのだが、そんな事はおそらく無いんじゃないかな。
何せ僕とキミとの関係といえばそれすなわち男女関係の話題となる。これほどゴシップとして盛り上がる他人の話題もそうそうは無い。
さてそこでもう一度思い返してもらいたい。中学時代にキョンは変な女と付き合っていたとか言って面白おかしく書き綴ったゴシップ記事を
キミは高校で一度も流された事はないかい? そしてキミの過去の話題に涼宮さんが全く興味を示さないと、キミは果たして言い切れるのかい?』
佐々木という実像は知らないが、俺が過去に仲睦まじくしていた変な女がいた、確かにそれぐらいは知っていたかもしれない。
でもそれだけだろ。それがお前をライバルにしたって理由になるとでも言うのか?
『なるも何も、ずばりそれが理由だよ。その後涼宮さんは僕を知り、そして僕こそがキョンと昔肩を並べ共に歩いていた女性だと知った。
まあ正確には肩を並べると言うより前後に連なってキミと言う原動機付自転車で走っていたわけだが、それは至ってどうでも良い部分だろう。
問題なのは僕が噂で聞いた件の女性だと言う、ただその一点だけだしね。
僕に涼宮さんの力を操る器があるとか、そんなのは本当にどうでもいい事でしかない。問題は涼宮さんの主観だけであり、その彼女が僕を
ライバルと認識したが故に、僕の周りには橘さんたちが集う事になったんだ』
古泉に脳手術されかけてまで訴えられた事だ。俺なりな主張はあるがここではお前の意見を肯定しよう。
だがお前がライバルに選ばれたからってそれがなぜあいつらと繋がるんだ。
『本当、キミはこの上ないぐらい聞き上手な存在だよ。僕の欲する質問をまさに的確に突きつけてくれる。キミはもしかしたら僕の事を賢しいと
思っているのかもしれないが、そんな事は全く無い。真に賢しい者とは相手から話をスムーズに引き出す事ができる人間の事だ。何せ人間は
情報を得る事で成長する生物なのだからね。
さてそんなキミの疑問だが、それに関しては僕が最初にキミに尋ね、そしてキミ自身がちゃんと証明してくれたはずだ。彼女の力の前には
時系列すら何ら意味を成さないとね。時系列に縛られた考えだからいけないんだ。真実と言うロジックはいつだってシンプルなモノなのに、
それを捉える人間が勝手な前提をしてしまうから事は複雑化されてしまう、それだけなんだよ』
では聞き上手の俺は語り上手のお前に尋ねよう。そのお前のシンプルな回答は一体なんだ。
佐々木はまるでホームズがワトソンの催促を待っていたかのように、それは楽しげな声で、至ってシンプルに答えてきた。
『何故僕に力があるのか、そして何故僕の周りに橘さんたちがいるのか。その答えは「僕が涼宮さんのライバル」だから、それだけさ。
あとはその回答から逆に辿ればいい。涼宮さんは僕をライバルとして選定した。故に四年前、僕へ涼宮さんと同等たる神の力の器が与えられ、
この一年で涼宮さんが集めたように僕の周りに橘さんたち三人が揃い踏む事になったんだ』
ちょっと待て佐々木。あまりにあまりな推測で一瞬思考が固まってしまったが、お前はまさかこうだと言いたいのか。
「お前の周りに宇宙人、未来人、超能力者が集ったのは────それは誰でもない、ハルヒがそうなる事を望んだからだ、と」
『それを肯定する事は難しいだろう。だが、くっくっ、この言い回しは今日何度目かな、問題は僕の推測を肯定する事ではない。もう君にもわかって
いるはずだよ。電話越しでもキミが苦渋に満ちた表情をしているのが目に浮かぶぐらいさ。
涼宮さんには何でもありな能力がある。それ故にキミはこの僕が立てた推測に対して少なくとも論理的に否定する事ができない。違うかい?』
佐々木は俺の一番痛い部分をばっさりと斬り捨ててくる。たしかに佐々木らしい突飛で馬鹿げた推測だが、それを否定する材料が俺には、ない。
『そしてそれ以上の問題は、そんなライバルとして作られた僕たちが本物のSOS団と唯一違う点があると言う事だ。
解るかい、キョン。そう、それはキミという存在に他ならない。
涼宮さんはきっとこう考えたんだろうね。キミの代役などはありはしないと。他人に対しては一線引く主義の僕でもそれは同じ考えだ。
言っておくがここで言う代役とは誰にだって他人の代わりはできないなどといった人間の価値観を語っている訳ではない。そのまま文字通り、
キミの代役など何処にもいないという事だ。そしてその一点に於いて、涼宮さんは僕をライバルに選んだ事で間違いなく失敗した。
神の力なんかには全く興味は無い。でもね、キョン。僕にだって欲しいものは存在する。僕はつい最近それを知ったばかりなんだ』
言葉も返せぬ俺に対し佐々木の独特な笑いがのしかかる。そんなこちらの気分を知ってか知らずか、佐々木は最後にこう述べて言葉を括った。
『涼宮さんとの会合、僕は本当に楽しみにしている。僕だって涼宮さんという存在には興味津々なのさ。キミと一年間肩を並べた存在としてね』
・A−X
土曜日。
俺はいつもとは少し違った気分で集合場所へと自転車を走らせていた。
結局あの娘の課題の回答は見つからずじまいだが、暇になるとその事について考えていたせいか、あの娘を交えた第一回探索と言うこの日が
普段よりも少しだけ待ち遠しく感じていたのである。
早起きしてしまったが特に急ぐ事もなく、財布の中身を確認するといつもと同じように家を出て、いつも通り十五分前に集合場所へと到着した。
「遅いっ! あんたねぇ、少しはこの娘を見習いなさいよ。この娘ったら三十分前についたあたしたちより先に来てたんだから」
「おはようございます、キョン先輩。もう今日が楽しみで楽しみで、七時ぐらいからここに来ちゃってました」
ちなみに集合時間は九時である。いくらなんでも早すぎだろそれは。
「全然、そんな事ないですよ。待っている間も凄く楽しかったですし」
純粋無垢掛け値なしで楽しんでるのが全身から溢れかえるこの娘を見ていると思ってしまう。なあハルヒ。
俺たちが今なお不思議現象に遭遇できないのは、この娘のような純真な心がいつの間にか無くなってしまったからじゃないだろうか。
「あら、あたしはいつでもこんな感じよ。毎週楽しみで早寝早起きしてるし。ヘボ団員のあんたと団長のあたしを一緒にしないの!」
それは何ていうか申し訳ない。とりあえず相乗効果ではしゃぎ合う二人をそのまま流し、その横で二人を子供を見守る聖母のような微笑で
見つめ続ける朝比奈さんにまずは挨拶した。
「おはようございます、キョンくん。ウフフ、楽しそうですよね。あの二人」
全くです。まさかあそこまで楽しい状態になるとは思いもしませんでした。
「ええ。天気もいいですし、今日は良い事ありそう」
「おはようございます。本当に良い天気、良い雰囲気ですよ」
至福の時に割って入ってくるな。お前はもう少し俺に対する気遣いというものを覚えるべきだ。
爽快な青空にあう爽やかな笑顔で語りかける古泉に毒づきつつ、俺は最後に珍しく本を読まずじっと佇んでいる文学少女へと挨拶をふった。
「よっ」
「…………」
長門の小さな首肯が全てを語る。こいつも今日は元気のようだ。
「それじゃ新生SOS団第一回探索スタートよ! まずは喫茶店でミーティングを始めるわ! もちろんキョンのおごりでね!」
はいはい解った、解りましたよ。歩きながらもみんなで会話を弾ませつつ、俺たちはいつもの喫茶店へと向っていった。
・B−X
土曜日。
俺は暗澹たる気持ちのまま、処刑台とも思える集合場所へと自転車を走らせていた。
集合場所には既にハルヒと佐々木が仲良く並んで立っており、集合時間三十分前にこうして必死になってやって来た俺に対して
「遅い。今日の支払いはキョンに決定よ」
「だ、そうだよ。悪いねキョン。ごちそうさま」
とおよそ挨拶らしからぬ挨拶をかましてきた。俺が来る前にすっかり意気投合してしまったのだろうかこいつらは。
まあそれならそれで問題が解決して結構な事だと喜ぶのだが、ことこの二人に関してそんな上手い話があるはずもない。
「もちろんだとも。僕の一年分と涼宮さんの一年分、あわせて二年分の積もる話が喫茶店で待っているよ、キョン」
「本当に楽しみだわ。中学時代に一体どんな平々凡々人生を歩んだらこんなキョンみたいな奴が完成するのか気になっていたのよ」
「同じです。今のキョンは一年前に男友数名と共に恋愛は受験勉強の邪魔だと豪語していた姿からは想像もつかない程に進化してます。
この一年で彼に一体何が起こったのか、涼宮さんから詳細を伺うのが楽しみで仕方ないわ」
「いっぱい教えちゃうわよ。その為に色々と小道具も準備してきたしね」
佐々木と共にハルヒまで奇妙な笑いを始めだす。ちょっと待てお前ら、やっぱり俺の話題で盛り上がる気なのか。
「当然。しかも喫茶店はキョンのおごり。くっくっ、吉日とはまさに今日みたいな日の事を指し示すのに相応しい言葉なのだと思うよ」
バカ言うな、今日みたいな日の事は厄日と言うんだ。それとハルヒ、サラリと流しそうだったが小道具って一体なんだ。
「我がSOS団一年の軌跡を表すものよ。本当は映画も見てもらいたいぐらいだったけど、あれにはキョンが出てないから省略したわ」
「僕も中学時代の文集や卒業アルバムなどを持参している。しかし今にして思えば残懐極まりない。僕は自分の主義を覆してでもキミと歩いた
あの頃の記録を写真などにしっかりと残しておくべきだったのかもしれない」
「そうね。モノは捨てる事は簡単だけど拾う事は凄く難しいわ。だからあたしはとにかく残す主義なの。それから取捨選択していくわ」
そういうのはしっかり取捨選択ができる人間の言う事だ。部室が現在進行形でモノが溢れかえっている状態では説得力ねえぞ。
「ちゃんと考えてるわよ。次のフリマに出す物とかもう大体決めてるし」
「フリマに出るのかい? いいね、それ」
「今から申し込みだから夏前になると思うけどね。さて、積もる話もあることだしそろそろ喫茶店に向いましょう。もちろんキョンのおごりでね」
はいはい解った、解りましたよ。歩きながらも三人で会話を弾ませつつ、俺たちはいつもの喫茶店へと向っていった。
・B−XI
ハルヒと佐々木の情報交換という俺への恥辱プレイは実に数時間にもおよび、その間軽食を一回と飲み物を二回追加で注文すると言うまさに
俺にとってはた迷惑な白熱ぶりをみせていた。
集合場所となる駅前に戻り、俺は佐々木とハルヒを見送る。向う方向は逆だが二人とも電車でやってきているので、自然とここで解散となる。
「それにしてもキョンってば中学から変わってないのね。一度ぐらいその頃のあんたに会ってみたかったわ」
俺は中学のお前と会ったことがあるけどな。心でのみ突込みを入れつつハルヒの言葉を軽く流す。
「僕は逆に高校でのキョンを一度じっくり見てみたい気分だけどね。くっくっ、そうだな。今度北高のジャージでも着て部室まで忍び込もうか」
「あら、それ面白そう。考えとくわ」
そのネタは既にお前が使ってるからやめておけ。というかやめてくれ。言葉に出す事はできないのでやはり心で突っ込み返す。
そんな俺の気苦労を知ってか知らずか、いやどう考えても知らないだろうハルヒは裏表無しの笑みを浮かべると佐々木に手を差し出した。
「今日は楽しかったわ、佐々木さん。どう、今度はあたしたちの活動に参加してみない?」
「ありがとう、涼宮さん。機会があれば是非にでも」
佐々木もまた微笑みながらその手を握り返した、その瞬間。
俺はその場所から姿を消した。
・A−XI
今年度から方針変更された不思議探索方法に則り、俺たちは六人まとまって市内探索を行った。
「先輩先輩! こんな飲み物を発見したんですけど!」
本日初登板、期待のルーキーと称される彼女が突然店の影に入っていき、何を始めるのかと思えばジュースを買って帰ってくる。
惜しいな、それは不思議な存在ではなく面白くて不味い物だ。
「えーっ、せっかく見つけてきたのにぃ。あ、でもでも飲んでみたら不思議な味がするかもですよ?」
「新人ちゃんにはまだ不思議が何たるかが理解できていないようね。でも気になった事はすぐに調べるというその姿勢は合格よ」
朝比奈さんと並んで先頭を歩いていたハルヒが振り返り、勝手な合否通知を告げてくる。そのまま不思議と称されたジュースを指さすと、
「ちなみにそれ、薄い栄養ドリンクに炭酸とグレープフルーツを入れた普通の味だったわよ。消費者の求める物が何か全く解っていないわ」
その奇妙な組み合わせのどこが普通なんだとか、それ以前に既に体飲済みなのかとか、これ以上の奇天烈さを求める消費者が何人いるのかとか
相変わらずこの春一番順風満帆絶好調な団長には突っ込み要素が満載だ。
「良い事ではないですか。団長の涼宮さんが絶好調ならこんなに頼もしい事はありませんよ」
「任せなさい! あんたたちの人生、全て娯楽の殿堂状態にしてあげるから!」
何処のパチンコ店のキャッチコピーだそれは。突っ込み返しつつ視線を泳がすと、古泉や朝比奈さんが俺たちを見て歓笑していた。
その顔に表情を見せない長門はただこちらをじっと見つめているだけだが、微妙に目笑を浮かべているよう感じるのは俺だけだろうか。
「やれやれ。それじゃハルヒ、その殿堂だか桃源郷だか知らんがとりあえずそんなのを探しにいくか。みんなで」
「もちろんよ! あんたたちちゃんと付いてくるのよ!」
「はいっ、頑張ります! って、うげ。変な味……キョン先輩もちょっと飲んでみて下さいよ」
ハルヒもみんなもいい感じに動いている。この娘が潤滑油にして活性剤となっているのだろう。
わざわざ変な味を薦めるなよと返しつつジュースを受け取り一口戴く。不思議とまでは言わないが一ヵ月後には売場から撤廃されてるだろうと
確信できる中途半端に変な味が口内に広がっていった。
気分上々なハルヒの姿に少しだけ不安もあったが、ハルヒはその力で不思議を生み出す事も特になく、今日は至って平穏な散歩だけで終了した。
「今日の涼宮さんはこれ以上無いぐらい充足した一日を過ごされたようです。更にここ数日は例の空間も発生していません。まさに新入生様々ですね」
ああ、あの娘のSOS団加入がここまでプラスに働くとは正直俺も思ってなかった。
「我々も驚いていますよ。あなた以外の一般人がここまで溶け込むとは予想外でしたから」
一般人、か。やはり『機関』はあの娘についても調べつくしているらしい。その結果はシロ、俺と同じ何の背景もないヤツだったようだ。
ハルヒと朝比奈さんと話す彼女を見つめつつ、そういえば彼女の事を思い出せるかどうか勝負していたのを思い出した。
あの時も思ったが古泉に尋ねたら答えは一発で返ってくるだろう。ただもし彼女と俺が過去に繋がっているのなら、佐々木の時のように古泉の方から
何らかのアプローチがありそうな気もする。と言うことはやはり一方的な何かなのだろうか。
まあ今日のコレが終わったら教えてくれる事になっているんだ、カンニングは無しにしておこう。
「それじゃ今日は解散! 家に帰るまでが不思議探索なのでそのつもりで気を抜かないように!」
「はいっ、ありがとうございましたー!」
駅前に戻り不思議探索の締めをする。いつから今日は遠足になっていたんだろうね。
「よろしい。今日一日のアンタの姿勢は花丸がつけちゃうぐらいの満点! 下っ端部員はしっかり彼女の姿勢を見習うように!」
もしかしなくてもそれは俺の事か? 腕を組みながら生返事を返し、俺は駅の中へと消えるハルヒたちを見送った。
改札口に背を向け腕を上げて背筋を伸ばす。今日もお勤めご苦労さん。さて俺も帰るかと首を鳴らしつつ一歩踏み出した時、
「キョン先輩」
後ろから今日一日聞き続けた、耳障り良い元気な声で呼び止められた。夜中に電話が来るかと思っていたがどうやらここで答え合わせらしい。
振り返り、予想した通りの姿を視界に捉える。
「今日一日あまりにも楽しかったから、あたしったらキョン先輩から宿題の答えを聞くの忘れちゃってました。フフ、わたしったらダメですね。
一番の楽しみはキョン先輩から答えを聞く事だったはずなのに。フフ、でも今日は本当に楽しかったなぁ」
色々振り返っているのだろう、両手を口元で組みながら破顔一笑する。その笑顔を見ていると何だかこっちもつられて微笑んでしまう。
しかしそれにしても……あと一歩、喉元まで言葉が出掛かっているというのに、やはり言葉が形にならない。一体この娘は誰なんだろうか。
「すまん、降参だ」
「ぶぶーっ、残念でしたぁ。フフ、やっぱり難しかったですかね」
解説を始める美人講師のお姉さんのごとく人差し指をメトロノームのように立てて振ると、その手でクセのある前髪をかき上げる。
そして、次の瞬間。
俺はその場所から姿を消した。
・A−XIII
俺のすぐ後ろを何かが横切る感覚がし、その横切ったものに俺は身体を掴まれると一気に引っ張られる。
さっきまであの娘を見ていた視界は大きく揺れ動き、情報が乱れ、俺が視覚と脳のシナプスを再接続し視界を取り戻すとそこには、
「ふん、相変わらず間抜け面してんな。アンタ」
いけ好かないと言う言葉すら勿体無いぐらいいけ好かない、したり顔をした未来人が飛び込んできた。思わず手が出そうになるが身体の自由が
全く以ってきかない。なにやら揺れ動く場所の中で俺の身体は二人の男に押さえ込まれている。
そこまで考えていきなり結論が生まれた。まさかこれは……この状況は。
「時間がないから説明は全て省略させてもらう。そもそも前のアレはここでの説明を省く為の茶番だったんだ、そいつらが何者なのか理解して
もらわなければ朝比奈みくるはただ単に誘拐され損って事になる」
誘拐しておいてなんだその言い草は。朝比奈さんの次は俺を誘拐したと言う事か。そのうえ前回のアレが茶番だと?
結局くそったれ野郎は何処までいってもくそったれ野郎でしかないって事か。橘との話で少しは改善されたかと思ったが、コイツ等とは永遠に
平行線を辿る運命のようだ。
「そう考えるのはアンタの勝手だ、僕の知った事じゃない。そもそも僕はアンタと馴れ合う気なんて全く無い。その点に関してだけはアンタと
同意見だと僕は思っているけどね。そうでなければアンタの評価をお人よしのバカ野郎からとんでもないお人よしのバカ野郎に変更する必要がある」
ここまでコケにされるとかえって清々してくる。もはやコイツを殴り倒すのに微塵の躊躇いも発生しないだろう。言葉を交わすのも腹立たしい。
敵意と悪意と殺意を織り交ぜた視線を以って意思を突きつけるが、クソ野郎は関する事無くバンの扉を開けると親指で外を指差し言葉を続ける。
「僕がアンタと関わる理由はただ一つ、それが僕にとっての既定事項であり、ここにいる存在理由だからだ。アンタはこの状況を打破するカギだ。
忌々しい事だが今のアンタには僕の存在する未来、それにアンタが朝比奈みくると呼ぶあの女が存在する未来、それらを含めた全ての未来の存亡が
かかっている。ふん、全く以って忌々しい」
「……そっちについては説明してくれるんだろうな。それと今は何されようが我慢してやる、だからこいつらをどかせろ」
堪忍袋の尾なんてとっくの昔に切れている。だがそれでも俺が自制してまで尋ねる理由はただ一つ、この野郎が言った朝比奈さんの未来の存亡が
掛かっている、その一点の為だ。朝比奈さんや貴様の未来が何故俺に委ねられているのか。そして未来人・藤原が見せてきたバンの外──白と黒の
コントラストに染め上げられたどう見ても通常ではない世界、かつて体験したのと雰囲気は違えどどう見ても閉鎖空間にしか思えないこの世界は
一体どういう事なのか。
藤原の指示で拘束を解かれた俺は席に座りなおす。その間藤原は扉を閉め外を見続けていたが、突然こちらに向き直ると腕を伸ばし
「頭悪いなアンタ。もう忘れたのか? 説明は全て省略させてもらう、僕はそう言ったはずだ。……アンタが勝手に思い出せ」
そう呟いて、手にしていた銃を躊躇わず撃ち放った。何かが当たった衝撃を感じ、直後に全身を何かが駆け抜ける。
未知の存在が体内を激しく這いずり回り身体を次々と侵略していく、そんな苦痛にも快楽にも似た感覚が髪の毛からつま先まで余す所無く行き渡り、
全ての衝動と衝撃が収まった頃に、俺はようやく思い出した。
風呂に入っていた俺に対して、あの娘でなく佐々木が電話を掛けてきた時間の流れを。
そして、駅前で起こったあの一件を。
・B−XIII
俺はその場所から姿を消した。少なくとも駅前にいた俺たちを見ていた人間はそう思った事だろう。
ハルヒと佐々木が握手した瞬間、世界がフラッシュバックしたかと思うと一瞬にして白と黒とのコントラストに陵辱される。
「な、何だ!? これは一体!?」
駅前である事も忘れ俺は大きな声を上げて驚いた。だがそんな俺を痛い奴だと見つめる視線は何処からも来ない。来なくて当然だ。
何せ世界が変わった瞬間、俺たち三人以外の人間は全て何処かへと消えてしまっているのだから。ハルヒと佐々木はいつの間にか地面に並んで
横たわっている。意識が無いのか目を閉じ、一見すると眠っているようにもとれる姿だ。本当ならすぐに二人のもとへ走りより無事を確認すべき
なのだろうが、横になる二人の間に立ち俺を見つめる第四の存在がそれを躊躇させた。
スマイルマークのような髪留めでクセのある髪を押さえ、少しブカブカな感じのする北高の制服を身に纏った小柄な女子。何よりも気になるのは
その女子の面立ちだった。それはまるでハルヒと佐々木を足して二で割ったような、ハルヒにも佐々木にも近い顔をしているのに、そのどちらにも
似ていると言い切れない歯がゆい感じ。言うなれば今その娘が立っている位置が示すように、その娘は二人のちょうど中間的な面立ちをしていた。
彼女を表すのにこれ以上ない簡潔な言葉が一つだけある。だが、俺はその言葉を使うことを躊躇った。それを言ってしまえばこの娘がどれだけの
脅威となる存在なのか認めてしまう気がしたからだ。現に今こうして対峙している瞬間も、見た目の可愛らしさとは裏腹にこの娘から圧倒的な
プレッシャーが襲い掛かってきていた。九曜と初めて対峙した時に感じた感覚など今の状況を前にしたら全く以って可愛く思えてくるほどだ。
その娘は一度周囲を見渡しつつ足元に倒れる二人を一瞥すると、すこし両手を口元で組みながら破顔一笑し、
「こんにちは。フフ、ようやく会えました」
まるでそうするのが当然であるかのように挨拶を交わしてきた。
認めるしかないのか。認めたうえで、対策を講じるしかないのか。俺は否定し続けたその言葉を心で呟いた。
この娘は、まさに娘と呼ばれるべき存在。
ハルヒと佐々木の間に誕生した『娘』、それこそが彼女を表す一番簡潔にして相応しい言葉だった。
「あれ、もうわたしが誰なのか理解してるんですか? やっぱり先輩は凄いですね」
「誰が先輩だ」
毒づきながらも思考をめぐらす。やはりそうなのか。
「だってあたしがこの姿になれたのってついさっきですよ。ほら、やっぱり先輩じゃないですかぁ」
その娘がタッと小走りで俺に走りよると両手を開いて抱きついてくる。その姿はどう見てもただの少女で、何だか大きくなった妹がじゃれついて
いるようにしか見えなかった。
「何なんだ。何故お前はそんな姿でいる。その姿には一体どういう意味があるんだ」
「ぶーっ、本当に解ってないんですか? 一つ二つぐらいは理由解ってますよね?」
抱きついた姿勢のまま胸の位置から俺を見上げて抗議してくる。言いたい事は解ったから一度離れてくれないか。やりにくいったらありゃしない。
「ダメですよ。だってあたしは先輩と離れたくないんですもん。フフ、文句はあたしをこんな風にしたあの二人に言ってください」
ハルヒと佐々木、か。これで確定だな。俺は腹に覚悟を決めると抱きつかれた状態から何とか片手を抜き、その娘の頭を優しく撫でた。
「だからってあのまま寝かせとく訳にもいかんだろ。せめてどっかに移動させて、それから話そうじゃないか。俺は逃げないからさ」
「絶対に逃げません?」
「あいつらを置いていく訳にも行かないしな。それに、そもそもこの世界の何処へ逃げろって言うんだ?」
これでこの空間に囚われたのは二度目か。しかも今回は前と違って脱出のヒントはない上に誰かが助けに来る気配すら感じない。ハルヒと佐々木は
倒れている状態で目の前にはこの娘がいるというこれ以上ない八方塞がり。はてさてどうしたものか。
相変わらず純粋にして純真な嬉笑を浮かべ、少女はそこでようやく俺を放すとハルヒたちのそばへと戻り、両手を大きく広げてクルクルと廻りだした。
「フフ、そうですね。その通りです。もう逃がしません。その為にこの閉鎖空間を作ったんですから。それにこの二人なら心配する事はありません」
「心配する事が無いと何故言える」
俺もまたハルヒたちに近づいていく。と、クルクル廻っていた動きを突然やめると少女はしゃがみこみハルヒと佐々木の額に手をかざした。
「だってこの世界は上書きされちゃいますもん。二人が倒れる事実は無くなり、先輩が心配する必要も無くなるんです」
世界を上書き……まずい、こいつまさか。俺がその娘の真意を読み取り慌てて駆け出すが時既に遅し。
「あたしは、わたし。彼女たちの────だから。彼女の代わりに、先輩たちと一緒に」
ハルヒと佐々木にかざした手が激しく輝きだし、世界の全てを光の中へと連れ去りだす。もちろん俺も例外ではなく飲み込まれてしまい
世界は書き換え、俺は風呂場で「もしもし」と彼女の声を聞く事になる。
・A−XIV
「……くっ!」
失っていた脳内の回顧録を読み返し、ほぼ記憶を取り戻したあたりでうめき声が聞こえた。
中空を見つめ定まってなかった視点を前方に集中すると、藤原の姿が奇妙な事になっている。受信状況が悪く映像乱れるテレビをみているかのような
そんな大小さまざまなノイズが藤原の身体を走り、そのノイズを中心に藤原の姿が消え始めていた。
いや、良く見ると藤原だけじゃない。俺をバンに連れ込み押さえ込んでいた連中にも同じ現象が起こりはじめている。
「ここに割り込むのも限界か……既定とはいえ、本当に時間ギリギリだな……バンを止めろ、事故れば全てが台無しだ」
藤原はその端麗な顔に苦痛を浮かべつつ、先ほど俺を撃った銃をこちらに放ってくる。同時にバンがブレーキをかけて急停止した。
思わず前のめりに転びそうになるが、そばにいた連中に支えられて事なきを得る。
「おい、どうした藤原! 何のパフォーマンスだこれは!」
「何度も言わせるな……説明は全て省略…………プログラムを作動……いいな……」
途切れ途切れの言葉を残し、藤原の姿はノイズにかき消されて消滅した。プログラムを作動、最後にそう残して。
こんな状況で作動させるプログラムなんてひとつしか考えられない。それはかつて長門が仕掛けておいてくれたあのプログラムの事だろう。
「彼は能力者ではない。この空間へはTFEIと天蓋領域の協力を得て無理矢理介入していた。だが、この空間には不要と判断されたようだな」
おそらく橘が所属する組織の者だろう俺を拉致した連中は、俺をバンから降ろすと藤原が伝えなかった内容を告げてきた。
「我々は閉鎖空間へ介入する力がある。だがその我らですら見ての通り。どうやらこの空間に認められているのはお前だけらしい」
藤原ほどの速度ではないが、超能力者と思われるそいつらの身体にもやはりノイズが走り存在が消失し始めている。閉鎖空間に侵入できるはずの
彼らですらこの状態とは、まさに非常にして異常事態という事なのだろう。
「お前らは何処へ向ってたんだ」
「君の通う高校だ。もっと正確に言うなら」
「北高の文芸部室だな?」
連中は頷く。どうやら前と同じで間違いないようだ。判明したやるべき事を心に刻み込みつつ、改めて藤原が投げてよこした銃を見る。
それはあの時長門が生み出した銃と同じ物だった。この銃といいプログラムの事といい、藤原は長門と協力でもしたのだろうか。
いや、おそらくはハルヒサイドと佐々木サイドの両方が手を組んでいるのだろう。この連中が協力しているのを見ても明らかだ。
「そういえば橘はどうした。あいつも超能力者だろ」
改変前には閉鎖空間への突入能力を、改変後には青い珠を生み出す力を持っていたはずだ。この白と黒が混在する閉鎖空間がハルヒによって
生み出されたものなのかはたまた佐々木が創りあげたものなのか俺には判断が付かない。だがこの閉鎖空間において一番活躍すべきはどう考えても
平々凡々ごくごく普通の一般人である俺ではなくて古泉や橘と言った超能力者の方だろう。
「その通りだ。だから橘は今アレの足止めをしている」
なるほど。それで俺が拉致された時に何も起こらなかったわけだ。でも大丈夫なのか?
──佐々木は《神人》を生み出した事がない。
橘は前にそう言っていたが、それは逆を返すとお前たちは本来戦うべき敵と一度も戦った事がないって事になるよな。
「お前の憂いは最もだが、今お前がするべき事は違う。ミッションの運転はできるか」
半分ぐらい姿が消えている連中がモスグリーンのバンを指差す。残念だがそのバンがオートマであっても俺は運転できやしない。免許所得まで
後一年以上あると思って勉強してなかったからな。スクーターぐらいしか運転できん。
「いざと言う時役に立つ、覚えておくといい」
連中はそう言いながら近くの民家に入っていく。ガンッと激しい破裂と金属音が響いた後、そいつは自転車を持って帰ってきた。やれやれ、これで
俺も窃盗犯の仲間入りか。溜息混じりに自転車を受け取り乗ると、俺は慣れ親しんだあの場所へと向う為にペダルを漕ぎ始めた。
知っての通り北高は丘の上にある。毎日通学しながら忌々しいと思っていたが、今日ほどその憤りを感じた事はない。坂突入までの勢いに任せて
一気に走り上ろうとしてみたが中腹あたりで足が付いてしまった。こんな事じゃ山岳賞すらとれやしない。さてこのまま自転車を漕ぐべきか、それとも
自転車を捨てて歩いて登るか。息を整えながら欝になる二択を決めあぐねいていると、阪下の方から軽めのエンジン音が二つ近づいてきた。
「……エンジン音、だと?」
閉鎖空間内ではありえないはずの音に、俺は自転車を置き後ろを振り向く。みれば小型バイクとスクーターが全開スピードで並走していた。
二台はそのまま坂に突入すると、俺がヘタレながら走ってきたのが何だったのかと思えるぐらいあっさりと俺の元までたどり着く。
「大丈夫ですか! やっと追いつけました」
スクーターの方がヘルメットのフードを上げる。それは先ほど話題に上がったばかりの超能力者、橘京子だった。そしてもう一人
「あまり余裕がありません、橘さんのスクーターを使ってください。橘さんは僕の後ろに」
小型バイクにまたがったそいつもフルフェイスマスクのフードを上げる。少々意外だったが、今の状況を考えればコイツがいてもおかしくない。
「お前もここに来ていたのか、古泉」
「ええ、この閉鎖空間には涼宮さんの力も使われてますからね。さあ急いでください」
橘からスクーターを受け取る。カギの部分を見るとカギ以外の何かが突っ込まれていた。この辺りあまり気にしないほうがよさそうだ。
「はい、ヘルメットです」
スクーターにまたがり橘が脱いだヘルメットを被る。彼女の残り香だろう仄かな柑橘系の匂いが鼻をくすぐった。橘はそのまま古泉の後ろにまたがる。
「飛ばしますからしっかり捕まっていてください、では行きますっ!」
古泉にあわせてスクーターのスロットルを全開にひねる。一瞬転びそうになるがすぐに立て直すと普段慣れ親しむ坂を一気に駆け登っていった。
閉じている校門前にバイクを乗り捨て部室を目指す。部室棟自体は運よくカギが開いていたので俺たちは土足のまま校舎内に入っていった。
「部室の扉はどうする。今日は誰もいないからカギが掛かってるはずだろ」
「残念ですが僕は部室の合鍵なんて持っていないんですよ……と言ったらあなたは信じますか?」
悪いが信じれん。お前の事だから十中八九、いや十全で持っているんだろうな。ところでお前らはいつから今回の事を知っていたんだ。
「あなたと駅前で別れた後です。僕と長門さんの前に未来の朝比奈さんが現れたかと思うと、いきなり銃で撃たれましたよ。おそらく朝比奈さんは
何らかの仕掛けを施していたと思われます。未来人とはいえ人間が長門さんの不意をつくなんて行為、よほどの事が無い限り不可能でしょうから」
だろうな。ところで長門はどうした。
「プログラムを維持させると言ってました。それと」
「藤原をこの閉鎖空間へ送るためのサポートもしてくれました。喜緑さんでしたか、彼女と九曜さんの三人で送り込んだみたいですね」
後ろを走る橘が言葉を続ける。そう言えば何でお前たちが組んでるんだ。
「そこまで不思議な事ではありません。ただ単に彼女たちと利害が一致した、それだけです」
「力の所有者がどうだこうだと言う前に、あたしたちは自分たちの世界で今と言う時間を生き残らなければなりませんから」
部室の前に到着する。古泉が懐から部室の合鍵を取り出すと差し込み、そのまま扉を押しあけた。後はパソコンを起動させるだけ、それで長門の
プログラムが作動し元の世界への道が開ける。
俺たちはそう思っていた。少なくとも部室の中を見るまでは。
文芸部室で待っていたモノ。それは入り口の対面に当たる壁が綺麗さっぱり無くなりモノトーンな閉鎖空間の景色を取り込んだ部室と
「遅いですよ先輩。フフ、何処行っちゃったのかと心配しました」
そんな壁無き壁をバックに、団長席に座りこちらへ朗笑をみせるあの娘の姿だった。
「ひどいですよぅ、先輩。絶対に逃げないってあたしと約束したのに逃げるんですもん」
ぶーっと頬を膨らませながら、両手で頬杖を付いて文句を訴えてくる。そのままディスプレイに視線を送り
「その上こーんな脱出プログラムまで用意して。逃がさないって言ったはずですよ、先輩」
少女がパソコン本体を片手で掴むと、まるで雑誌でも投げるかのようにぽいと後ろから部室の外へと放り投げた。パソコンに接続されたケーブルが
周囲機器を巻き込み中空を舞う。最近のパソコンはかなり小型になったというが、それでも少女が片手で放り投げられるような重さではない。
そんなありえない状況を見せ付けられ、ようやく俺はそれを口に出す事が出来た。
「……一つだけ聞くのを忘れていた。できれば答えてくれないか」
「はい、先輩の質問だったら何だって答えちゃいます。でもでも、スリーサイズとかはセクハラですからね」
その点は大丈夫だ。俺の質問はいたってシンプルなモノだ。何だったらイエス、ノーで答えられるように質問してやろう。
「キミは────《神人》なのか」
「はい」
外へと投げ捨てられたパソコンがスクラップと化した音と俺の懐で携帯電話にメールが着信したのを知らせる音にあわせ、俺の知る青い巨人とは
似ても似つかぬ少女の姿でその娘──《神人》は元気よく肯定した。
・A−XV
「あ、イエスかノーかでしたね、ごめんなさい。イエスです、先輩」
屈託のない笑顔を浮かべて答えてくる。予想通りの最悪な解答に俺は古泉と橘へ水を向けた。
「全く以って前例の無い事です。《神人》があのような姿を取ることも、このようにコミュニケーションを取ってきた事も」
「佐々木さんと涼宮さんの二人が抱いた様々な想いが混ざり合って、そんな少女の姿と意思を持ったあなたを生み出した。そうですね」
「イエスです」
《神人》は席を立つと両手を広げ、くるりとその場で一回転してからこちらへと向き返した。
「本当にいろんな気持ちが混ざってるんです。中学時代の先輩を知りたい、高校での先輩を知りたい、SOS団に入って一緒に活動してみたい、
妹さんやミヨキチさんみたいに可愛がられたい……そして涼宮さんみたいに一緒に過ごしてみたい、佐々木さんみたいに親友と呼ぶ仲になりたい。
そう言った二人が意識している部分、意識していない部分。二人が抱いたそんな大小さまざまな想いが複雑に絡み合ってあたしが生まれたんです。
先輩はあたしと、わたしと会った時にすぐ気づきましたよね。フフ、流石です」
ああ。何せ俺の話題で盛り上がりまくった後でのアレで、しかもお前の姿がハルヒと佐々木の合いの子となれば、どんなにうがって考えようと
その結論に行き当たるしかない。古泉が最近の《神人》の行動からハルヒが迷っているのではとヒントを出してくれていたのも気づいた理由だ。
「先輩、メール確認しないんですか?」
《神人》が楽しそうに告げてくる。こんな状況で悠長にメールなんか見てられるか。
「えーっ。でもでも、ここって閉鎖空間なんですよ? それなのに届いたメールって、ちょっと気になりません? あ、あたしだったら気にしないでください。
先輩がメールを読む時間ぐらい大人しく待ってますから」
本当に大丈夫なのか? 古泉と橘に視線を送ると二人が無言の了承を返してくる。俺は頭を痛めつつ携帯を取り出しメールを確認した。
圏外どころか閉鎖空間にいる俺にメールを送ってこられる奴など数えるほどしかいない。送信者の欄を見てそこに頼れるべき宇宙人の名前を見出すと、
俺は一行にまとめられた本文に目を通した。
『空間崩壊ウイルスを添付する。空間の中心に接触しプログラムを実行せよ』
空間の中心? 空間ってこの閉鎖空間の事なのか?
「おそらくそうでしょう」
「でも閉鎖空間の中心って何処なんです? 確かに閉鎖空間はこう、お椀型というかドーム状になってますけど」
「閉鎖空間が現状何処まで広がっているか不明である以上、即答はできません」
そうか、それじゃ危険だが裏技を使うしかないな。メールの内容を盗み見られたかどうかは不明だが、閉鎖空間の中心なんて曖昧な場所を誰よりも
知ってるのは目の前のこいつだろう。俺はある種の覚悟を決めると《神人》に対して聞いてみた。
「閉鎖空間の中心っていうのは何処だ」
「中心ですかぁ? それならあの駅前ですよ。だってあそこで発生させたんですから」
言われてみれば納得する。ハルヒや佐々木も本来の世界のあの場所にいるんだし。しかし……だとすると必死になってこの部室までやってきたのは
ただの無駄足だったという事か。
「どうでしょうか。藤原はあなたをここへ送り込もうと必死でした。ここに来る事がメールを受け取る条件だったのかもしれませんよ」
「とにかくあなたは駅前に戻ってそれを実行してください」
解っている。解っているが、どうやってあの《神人》を振り切ればいい。携帯を閉じて懐にしまいつつ今後の行動を考えていると、
「でも先輩、そのウィルスを実行させるんでしたら急いだ方がいいですよ」
何もかも見透かしたかのような台詞を投げかけられた。やはりメールの内容は把握されていたか。それで、急いだ方がいいってどうしてなんだ。
閉鎖空間を作り出した《神人》自身にそれを尋ねるのもどうかと思うが、《神人》は特に気にするでもなく楽しそうに答えてきた。
「だって、閉鎖空間は今も地球を取り込もうと拡大してるんですよ。そうなると空間の中心点は、さてどうなっていくでしょう」
「なるほど、やけにあっさり答えた理由はそれですか」
古泉が微笑の中に苦渋を浮かべる。橘も一度手を開くと小指から握り締めて拳を作り出す。
「急いでください。彼女の話が本当なら閉鎖空間の中心点は地中へと沈んでいってるはずです。早くしないと物理的に手が出せなくなります」
二人の超能力者は視線を交わすと《神人》へと歩み出て警戒態勢を取る。
「自分の気持ちのもやもやした部分に対し迷いに迷った結果、涼宮さんは佐々木さんと一度会って話してみる事に決めました」
「佐々木さんも同じです。彼と共に歩む、歩んでいける涼宮さんとはどのような存在なのか、会えるのを凄く楽しみにしていました」
そしてさらに一歩。あわせて二人の身体の回りに淡い輝きが灯り始める。
「閉鎖空間、破壊させてもらいます」
「あたしがいる限り不可能です……と言いたいですけど、宇宙人の力の集結じゃ解りませんね。でも、この空間は壊させないし、あたしも消えない」
「拒否されるのならば申し訳ありません、力づくでも消えてもらいます。《神人》を倒す、それが僕の役割ですから」
「違いますよ古泉さん。僕、ではなく僕らです」
橘が言葉を拾い一瞬こちらに向って微笑むと、あの誘拐劇の時に見せたような不敵な面構えで《神人》へと向かいあう。古泉もいつもの朗笑を
浮かべてはいるが、その瞳からある種の覚悟と信念を抱いているのは伺えた。
「どおりで佐々木さんが一度も閉鎖空間を生み出さなかった訳です。生み出すも何も、既に世界の全てが閉鎖空間に取り込まれていたんですから。
この閉鎖空間はあなたの欲求だけを満たす咎人の檻。この世界の行く末に佐々木さんやみんなが望む未来なんて絶対に訪れない……そうですよね。
この場所にはあなたが望む未来だけしかない」
「フフ、何で自分の望む未来だけを求めちゃいけないんです? 古泉先輩も橘さんも自分の望む未来を手に入れる為にずっと対立してるじゃないですか。
涼宮さんに力が現れてから、佐々木さんが器となってから、ずっとずーっと相手を倒して、潰して、消して、殺して、自分たちの未来を掴もうとしている。
でもでもそれって矛盾してませんか。あなたたちがしている事はあたしがしてる事とどう違うんです? あたしが人間じゃなくて《神人》だから?
あたしを倒すのが超能力者の使命だから?」
《神人》は軽くジャンプして団長の机に立つと腕を組み、静かな微笑を浮かべてこちらを見下ろしてくる。その姿はまるで佐々木を思わせた。
「あたしはキョン先輩と、キョンと一緒にいたい。キョンと一緒に過ごしたい。キョンともっと触れ合いたいし、それ以上の事だっていーっぱいしたい。
だってあたしは、わたぁしは、そんな二人の想いが実体化した《神人》なんだもん。だから」
組んでた腕を解くと片手を腰に、そしてもう片手でこちらを指差し、何者にも譲らないという固い決意を全身から発して宣言した。
「あたしの邪魔をするっていうのなら、たとえ古泉先輩や橘さんであってもこの空間から出てってくださいっ!」
宣言通り古泉と橘の身体にノイズが走り始める。だが同時に古泉も橘も超能力者としての力を解放し、それぞれ赤色と青色に染まる球体状の力場を
自分の周囲に発生させた。
「先に行きますっ!」
橘が気合を入れる。そして青い光を更に輝かせると空中に浮かびあがり、そのまま躊躇せずに《神人》へと突撃していった。《神人》は軽やかに
バックジャンプをかまして部室の外へと飛び出すがそれでも橘の追従はとまらない。彼女もまた躊躇いもせずに部室を飛び出して《神人》を追った。
「ここは僕たちにまかせて、あなたは行ってください。……いえね、こういう台詞を一度言ってみたかったんですよ」
馬鹿いってる場合か。そんな映画の登場人物が絶対に言っちゃいけない死亡フラグ立ててる場合じゃない。
とりあえずこの一年で自分のすべき事、できる事ぐらいは学習したつもりだ。だから《神人》はお前たちに任せる。でもその前に一つだけ言わせろ。
「何でしょう」
お前も橘も死ぬまでの無茶はするんじゃないぞ。お前がそんな事になればSOS団の連中が悲しむからな。ハルヒはもちろん、朝比奈さんだって
長門だって悲しむだろうよ。
「その中にあなたは含まれて?」
末席ぐらいには入ってやってもいいが、それ以上に朝比奈さんを悲しませるような奴は許さん。だからお前が死んだら許さん。
絶対に死ぬな、死ぬぐらいなら逃亡しろ。いいな。橘にも言っておけ、佐々木を悲しませる事だけはするな、悲しませたら許さんと。
「……あなたの言葉をお借りしますと」
古泉は俺に背を向けて肩をすくめる。
「まさにやれやれ、です。……できる限り善処しましょう。政治家の誤魔化しなどではなく、真剣に。僕にだってまだまだ未練はありますからね」
小さく頷くと古泉はゆっくりと宙に浮き、一足遅れて橘と《神人》の後を追いかけていった。
よし、俺も行動に出よう。一度顔に張り手をかまして気合を入れると部屋を飛び出し正門へと向かう。
校門前に乗り捨てていた原付を起こしエンジンを点火すると、俺は再び駅前へと全速力で走り出した。
駅前にたどり着いた俺は、ここが最初に《神人》との戦場になった場所なんだと思い知らされた。
駅はかろうじてその外観を残しているだけに過ぎず、水道管が破裂したのか地面は踝が沈むぐらいの水浸し状態。いつも待ち合わせしている駅前広場を
始めとして近辺一帯は凶悪な力がぶつかり合ったとしか言いようのないぐらい壊滅状態になっていた。
排気口が水に浸かり動かなくなった原付を破棄し、俺は駅入口の階段へと向かう。ハルヒと佐々木が気絶しあの娘が現れた時、あの娘がハルヒと
佐々木の力を引き出したのが階段のあたりだった。おそらくそこが空間の中心なんだろうが……正直な感想、どこが中心なのか全く解らない。
その辺りを適当に触りまくりながら携帯のプログラム起動を連打すればいいのか?
いや、もし前の時のように一度しか起動チャンスがなかったらまずい。軽率な行動は控えるべきだ。だがどうする、どうしたらいい。
「…確証できるまで探すしかない、か」
時間は決して多くはないが仕方がない。近くの瓦礫から適度な長さの鉄パイプを引っつかむと、空間の中心とやらを探す採掘作業を開始した。
十分ぐらいそうしていただろうか。後ろからザブザブと近づく音が聞こえてきた。
「どうです先輩。フフ、空間の中心は見つかりましたか」
「……古泉と橘はどうした」
後ろを振り向かずに採掘を続ける。そいつはゆっくりと歩きつつ俺のすぐ後ろまで近づいてくると、そのまま後ろから背中に抱きつきつつ、
「閉鎖空間から出て行ってもらいました。安心してください、殺したりはしてません」
少しだけ体重をかけてきつつ静かな声で伝えてきた。
「そうか」
鉄パイプの動きを止めて背筋を伸ばす。それにあわせて背後に掴まっていた《神人》は背中から脇へと身体を移動させていき、そのまま俺の身体を
すり抜けて地面へと倒れこんでいった。
「って、おいっ!」
すんでのところで身体を受け止める。昼間に不思議探索を行っていたスポーティな格好は見る影もなくボロボロ状態で、その身体もまた傷を負い
袖口から見える手や足には地が滴り落ちていた。
「フフ、やっぱり優しいですね、先輩は。あたしは《神人》ですよ?」
解っている。この傷は古泉たちと戦った結果付いた事も、この状況がお前によって起こされている事も、頭じゃ解ってはいるんだ。
でも思考だけで動けるほど俺はまだ人間ができちゃいない。目の前で血を流しボロボロになっている奴を見下すような行為、俺には一生無理だろう。
階段にゆっくりと座らせてから自分も並んで座る。こりゃまた随分と派手にやられたようだな。
「はい、お二人ともすごく本気でしたから。それで先輩、空間の中心ってのは見つかりました?」
いいや、全く以ってさっぱりだ。適当に掘り起こしてはみたものの何処が閉鎖空間の中心なんだか見当も付かない。何か解りやすい目印でもついていれば
まだ何とかなりそうな気もしたんだが、そうそう上手く事は運ばないようだ。
「……先輩、ちょっと手を出してください」
そう言うと《神人》は手を立てて、手のひらの方を俺に向けてくる。何だか解らんが手を合わせればいいのか? 俺は彼女と同じように手のひらを
立てて近づけると、突然彼女は手を伸ばしたかと思うと俺の手首をつかみ、そのまま自分の胸へと手を引き寄せた。
手のひらを通じて少しだけ身体の柔らかさと暖かさを感じる。それでこの朝比奈さん相手なら迷わず煩悩に走ってしまいそうな、健全たる男性にとって
ちょっと嬉しかった事ランキング上位に食い込みそうなシチュエーションはいったい何のつもりだ。
「嬉しいんですか? フフ、それはあたしも嬉しいな。それでですね先輩、閉鎖空間の中心はそんな地面なんかに埋まってたりはしないんです」
おいおいマジか。俺の懸命なる中心発掘作業は全く無意味だったって事かよ。頼むからそういう事はもっと早く教えてくれ。
そもそも空間の中心がここだって言ったのはお前じゃないか。
「ゴメンナサイ。時間稼ぎがしたかったんです。だって先輩とこうして二人っきりになりたかったから。だから嘘ついちゃいました、フフ」
茶目っ気の多いイタズラをした時の妹のような悪びれた顔で舌を出すと、《神人》は俺の手に両手を重ねてさらに自分へ密着させながら見つめてきた。
「閉鎖空間の中心っていうのは、あたし自身の事です。さぁ先輩、後はウィルスを実行するだけですよ」
そんな言葉とともに。
・A−XVI
「空間崩壊ウィルスっていうのは《神人》を倒すためのプログラムです。《神人》が倒れれば閉鎖空間は崩壊しますから」
拭いきれなかった汚れと血の痕が残る顔を傾げてくる。目笑しているが、その瞳の奥底には何かしらの強い意志を感じ取れた。
「でもでも、実行前に一つだけ。一つだけ言わせてください。でないとせっかく先輩と二人っきりになれた意味が無くなっちゃいます」
胸においた俺の手を少しだけ強く握り締め、目を閉じてゆっくり呼吸を三回する。そんな彼女の鼓動と呼吸が手を通じて感じ取れた。
俺の手をとったまま立ち上がる。大丈夫なのかと不安になりながら、俺も倣って立ちあがり少女と対峙した。
息をゆっくり吐いて、言うべき言葉の分量だけ息を吸う。そしてゆっくり目を開いて俺の目を捉えると
「────好きです、先輩」
《神人》は、ありったけの想いをその一言に載せてきた。そして静かに俺の答えを待つ。
俺は何度も自問自答し、そして携帯を取り出す。その上でゆっくりと、ちゃんと相手に俺の考えが伝わるように、俺は口を開いた。
「なぁ、お前のその気持ちはハルヒと佐々木によって培われたモノだってお前言ってたよな。
だったら……俺はお前にじゃなく、ハルヒと佐々木に対して答えを示さなくちゃならないって思うんだ。
俺だけじゃない、ハルヒたちもそうだ。お前という存在を借りて自分の心を打ち明けたりするんじゃなく、自分の心は自分自身で伝えるべきだと俺は思う」
一言一言しっかりと伝えつつ俺は携帯を開くと、そのままウィルスの準備を整え実行キーに指を置く。その瞬間を目の当たりにしてもその娘は何もせず、
何も言わず、俺の手を捉えたままただじっと見つめ返してくるだけだった。
ハルヒと佐々木に言いようの無い気分を与え、お前を生み出した原因が俺なのだとしたら。
謂れの無い事だと事態を突っぱねたりはせずに、お前を拒絶し、お前から恨まれ、お前を倒す役割を俺は全うしよう。
俺たちに《神人》は、代役は必要ない。だから
「……すまん」
俺は指先に力を加え、ウィルスを実行した。
実行した瞬間彼女がビクッと震える。そして両手両足の先からゆっくりとその姿が分解され塵となりはじめた。
「いいえ、先輩らしいです。だから恨みません。二人が羨ましくは思いますけど、フフ」
彼女は本当に純粋に微笑むと、消失しはじめる手から俺の手をそっと放して押し出す。そのまま小さな慣性にそって数歩後ろへと下がり距離を開けた。
同時に彼女の後ろに二つの人影が姿を現す。新緑の木漏れ日を感じさせる柔らかな雰囲気をまとった上級生と、ブラックホーを思わせる不安定な領域。
「申し訳ありません。あなたにとっては不本意な事でしょうが」
「────あなたの……情報連結を──」
そして俺の後ろから静かに響く澄んだ声。
「解除する」
声の主であるショートヘアの少女は、俺の横を通り抜けるとそのまま俺の前、少女との間に立ちはだかった。
「長門……」
「あなたは間違ってない」
前を向いたまま長門は手を《神人》へと伸ばす。後ろに立つ二人──喜緑さんと九曜もまた同じように手を伸ばし《神人》へと向けた。
「長門さんの言う通りです。むしろこの状況はわたしたちが望んだ事。もしあなたがこの状況に対して何か思う事があるのならば、それはわたしたちも
背負ってしかるべきものです。ですから」
「────その目を……見ていると──酷く……痛い──」
どうやら俺は《神人》に対して哀悼の目を向けているようだ。でもそれは
「そうですよ先輩。フフ、そんな悲しそうな顔したってダメですからね」
彼女が言うとおりだった。俺には、悲しむ権利なんて無い。俺が悲しんでいるとするなら、それは
「そうです。あたしは先輩を恨みません。でもでも、先輩があたしを消した事に対して許されるのかどうか、それは全くの別問題なんです。
フフ、だからそんな顔しても先輩は自分自身を絶対に許せませんよ。だってそんなの、あたしを消す事に対してこれだけ悲しんでいるんだぞって
周りに対して見せる自己防衛、単なる体面の取り繕いなだけですもの。
……先輩があたしを消した事に対して許される方法はただ一つ、たった一つだけです。
すぐにとは言いませんから、二人にちゃんと答えを出してあげてください。いえ、できるなら先輩の前にいるその娘にも、先輩たちを慕う他のみんなにも
ちゃんと伝えてあげてください。あたしに言わないって決めた、二人に対して伝えるって決めた、先輩の答えを」
気づけば長門がこちらへ首を向けていた。いや長門だけじゃない、喜緑さんも九曜もこちらを見つめている。
俺は絶対に口を割らないだろうと思われる三人を証人に、すでに身体の半分が消失している《神人》に対して強くうなずいてみせた。
「ああ、いつか必ず。お前を再び生み出さない為にも、な」
それが俺の出した回答だから。
「フフ。だったら先輩、そんな顔であたしの事見送らないでください。あたしは笑っている先輩が一番好きなんです」
そうか、そいつはすまない。俺はできる限りの笑顔を見せてやった。
「この数週間先輩と過ごせてとっても楽しかったです。本当に、とっても。毎日が新鮮でした」
そうか、楽しかったか。そりゃよかっ……
「…………ちょっと待て。新鮮で楽しかった、だと?」
それは突然に、本当に突然に、俺はその考えに思い至った。
ストレスとフラストレーションの象徴である《神人》が楽しんだだと?
どういう事だ、それはハルヒの意思か? いやハルヒなら新鮮って事はありえない。何せこの楽しさはいつも通りだったはずだからだ。
なら佐々木か? いや佐々木はこいつの閉鎖空間の世界じゃほとんど関わっていない。だからこの数週間俺と過ごしたなんて事も当然ない。
だとしたら楽しんだのはいったい誰だ。この娘が感じたその楽しいっていう心は、いったい誰の意思だ。
「……ハルヒでも、佐々木でもなく、お前自身が楽しんだ……まさか、そうだと言うのか?」
「どうしたんですか、先輩。そんなの当然に決まってるじゃないですか。フフ、本当に楽しかったです」
胸元まで崩壊した状態で《神人》が目をつぶる。その表情はまるで安らかな眠りにつくかのようだった。
「長門っ! ウィルスを止めろっ!」
言うと同時に俺は《神人》へと走り寄っていた。だがウィルスの作用か見えない壁が《神人》の周りに展開されていてそれは叶わない。
「空間崩壊ウィルスは自律プログラム。実行後の停止は不可能」
くそっ、どうしようもないのか。俺は壁を思いっきり叩きながら消え逝く少女に問いかける。
「おい、答えろっ! さっきの俺へ打ち明けたあれは本当にハルヒや佐々木の気持ちだったのか!? もしかしてあれは……ッ!!」
答える力がもう無いのか、いやそもそも俺の声が届いているのか、それすらも解らないまま
(フフ……)
あの特徴的な微笑を残して《神人》は光の中へと消え去っていった。
そして《神人》の生み出した閉鎖空間は崩壊する。
・B−XIV
白と黒とのフラッシュバックした、ハルヒと佐々木が生み出した閉鎖空間。
走りかけた足を止めて辺りを見回す。崩壊した様子も無い駅前にはあの時と同じようにハルヒと佐々木の二人が横になっていた。
違うのは目の前にあの娘がいない事だけだ。先ほどまで一緒にいた長門たちの姿も、閉鎖空間から弾かれた古泉たちの姿も無い。
「……くそっ!」
俺はコブシを握り歯を食いしばりながら、やり場の無い感情を体内に走らせる。
あの時の《神人》の告白、あれはどういう意味だったのか。あれはもしかして誰かの代弁ではなく、彼女自身の意思だったではないか……だとしたら
俺はとんだ勘違いで実行キーを押した大バカ野郎という事になる。何故俺はあの時もう少し考えなかったんだ。
あの娘も閉鎖空間も消えた今、彼女の真意を知る術はもう無い。
過去に行く手段があっても、過去の俺に正しい選択を選ばせる手段が無い。俺自身が体験していない以上、朝比奈さんたち未来人の力では無理だ。
そんな事が実行できるのは俺の知る限りただ一人しかいない。もちろんハルヒの事だ。かつて繰り返される夏休みを作り出した事があるハルヒなら、
そんな事ができるハルヒの力ならば確かに可能だろう。だが……それは決して望んではならない。それをするぐらいなら俺は慚愧に堪える方を選ぼう。
ハルヒに禁断の果実を求める事だけは絶対にしない。それがあの日、あの時、二人だけの世界で出した俺の結論だからだ。
……何だか無性に疲れた。その場に立てひざを突いてうな垂れていると
「なるほど。詳細は見えないが、キミはどうやら後悔しているようだね」
それはあくまでも静かに、だが俺の元へと確実に届く音域で。それまで横になっていた「親友」がゆっくりと上体を起こすとこちらを見つめてきた。
「人は後悔をする生物だ。そして後悔した分だけ人は成長する。痛い目を見ては是正し、それを繰り返して人は強くなっていく。だが人は時として
是正できないぐらいの失念を抱き、後悔という言葉では生ぬるい程の慟哭に沈む事がある。そう、まさに今のキミのようにね、キョン」
思慮を巡らせているといったポーズなのか、人差し指だけを伸ばして自分の額に当てる。そのままくつくつと相変わらずな含み笑いをこぼすと立ち上がり
俺のそばまで近づいてきた。俺もそいつに合わせるよう立ち上がり見返す。
「動いて大丈夫なのか、佐々木」
「大丈夫かどうかと聞かれたならば大丈夫と答えよう。僕は軽い立ちくらみ程度と何とも表現しがたい夢を見せられただけで、ご覧の通り外傷と呼べる
ようなものは全く見受けられない。つまりどう見ても地獄の門を潜り一切の希望を捨ててきてしまったかのような今のキミよりは大丈夫って事さ」
何だかえらい言われようだな。今の俺はそんなに消沈しているようにみえるか。
「見えるね。高校入試実力模試でコテンパンに評価された時よりも落ち込んでいる。まあ比べる事象が間違っているのは認めるけど。もし良かったら
キミが何でそこまで落ち込んでいるのか話してくれないか。話す事で楽になれるという事は実際あるものさ」
ハルヒのそばに腰を下ろし、俺は佐々木にあった事を告げた。
《神人》がもたらした閉鎖空間内での記憶は佐々木にもあるらしく「それで何となく記憶がだぶっているのか」と漏らしていた。
「詰まるところ、キミはその《神人》の気持ちを汲み取れず消去してしまった事を悔やんでいる、そういう事だね? まったくキミという人間はどこまで
僕の事を驚愕させてくれるんだ。君の取った行動はこの世界を救った行為に他ならない、つまり救世主とも英雄とも取れる素晴らしい行為なんだよ?
それなのにキミはその行為に後悔している。全く、事実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。
あ、勘違いしないでくれ。僕はキミが後悔していることを批判している訳ではない。むしろそういった部分こそキミらしいと買っているぐらいだ。
キミを表すのにもっとも簡単にしてしっくり来る言葉がある。キミは羞恥に染まり全力で否定するかもしれないが、それでも言わせてくれ」
佐々木はそこまで一気に語るとわざと一拍間をおき、俺をまっすぐに見つめるとその言葉を告げてきた。
「キョン──キミは優しいのさ。バカがつくぐらいにね」
むず痒い評価を受け言葉に詰まる俺を見て一頻り笑った後、佐々木は落ち着いた表情で聞いてきた。
「さて話を戻そう。キミはどうしたいんだい? 僕は他ならぬキミの為ならばどんな労力も代価も厭わないつもりでいる。何でも言ってくれたまえ。
キミのその辛辣な表情を消す為ならば、僕はキミが後悔する前まで時間を巻き戻す事すら実践してみせよう」
普通の奴が言えば一笑される内容だろう。だが俺は笑い飛ばせなかった。何故なら佐々木には、
「そう。僕には、神の力を行使できる能力がある」
のだから。
「……それは本気で言っているのか、佐々木」
今の言葉は、つまり佐々木がハルヒの力を奪うと言っているようなものだ。それは橘たちが望み、古泉たちが恐れる事態。言ってしまえば敵対宣言だ。
佐々木は俺の質問に小さく微笑むと、
「本気というよりは消去法さ」
そう答えてからハルヒの方へと視線を流した。
「キミは涼宮さんに力の事を内密にしている。だが僕は力の事を知っている。そしてキミの憂いを取り除くためには涼宮さんの力が必要。さてこの場合
どうするのがモアベターだろうか? 二次方程式より答えは簡単さ。涼宮さんに頼れない以上、力を行使しキミの後悔を取り除くのは僕の役目となる」
確かにモアベターだな。だが俺はベストな選択を推奨する。それは当然このまま何もせず、後はこの閉鎖空間を解いて世界を元に戻すという案だ。
「そうだね、確かにそれが最善だ。だがそれは同時に最低最悪の回答でもある。キョン、何故キミが世界の為なんかに我慢しなければならないんだ。
キョン。もしキミや世界がその選択肢を選ぶのならば、僕は迷わず世界と敵対する道を選ぼう。例えキミが望んでいなかろうが、僕は彼の為なら喜んで
汚れ役に徹する構えでいる。頼むからそこで何故、だなんて無粋な事は聞かないでくれよ?
僕はね、実際の所世界の平穏や組織集団の思惑なんてどうでもいいと思っている。和平でも戦争でもどうぞ好きなだけ勝手にやってくれればいい。
僕にとって重要な事はただ一つ、僕がおこがましくも親友と呼んでも僕の事を拒絶しない、貴重にして尊重すべき存在が苦悩している、それだけなんだ」
佐々木は相変わらず独特にして退廃的な感情を乗せた笑いを見せる。どうにもこいつは本気でそう考えているようだ。
おかげでこの佐々木の決意で、俺は二つの事を知り得る事ができた。
「その二つとは?」
「一つはお前に力を移す事は反対すべきだという事。お前の事だ、例え自分にそんなとんでもない力があったとしても滅多な事で使おうとはしないだろう。
だがもしお前が使うべきと判断したら、お前は今度は躊躇せず力を使うはずだ。それでも俺はお前が使うべきと判断する状況自体が無いと思っていた。
しかし……お前はその可能性を否定した」
「例えば今みたいな時、僕は躊躇わず力を使う。そういう事だね」
「ああ。だからこそお前に力を移すわけにはいかない。少なくともハルヒは力の存在を知らない。だから自分から力を使おうだなんて絶対に考えない。
それに最近はあいつも満足しているのか心が安定してきている。だから俺は、お前よりハルヒに力がある方が安全だと判断する」
「良い判断だ。僕自身も力の継承にはいぶかしんでいる点があるからね。さて、それで二点目は?」
佐々木はいつもの無言の笑みを浮かべて俺の言葉を待つ。俺は佐々木に習い一拍置くと、そのくそ恥ずかしい台詞を返してやった。
「決まってる。お前もまた優しいで括れる人間だって事さ」
・B−XV
佐々木がハルヒの額に手をかざし、静かに目を閉じる。
「誓って涼宮さんから力を奪ったりはしない。その力を少し拝借させてもらうだけだ。キミがその方が良いと判断したからね、僕はそれに従うよ」
佐々木が口元だけで薄く笑う。中学の時に塾の帰り道で色々語り合った、あの時のような笑顔で。
「ところでキョン。僕と二つ約束してくれないか」
すっと目を開き俺を見つめてくる。何だ、約束って。
「一つ目は必ず帰ってくる事。僕らは世界が安然としているこの時間を放棄し、再度世界存続の危機を起こそうとしている」
自覚をしているなら実行しないで貰いたいのだが、やはりその案は却下なのか。
「当然。それに本当に僕にそんな力があるのか知る良い機会でもあるしね。もし僕にそんな力が無かった場合は次の方法を考えないとならないが、
その状況はそれでキミの理想する世界の状態に近づく……違うかい?」
違わない。お前が力を使えないって解れば面倒事がいくつか減るだろうからな。
「ああ。そして橘さんをはじめとした外野が誰もいない今こそが、それを試してみるチャンスなんだ。しかも実際に力が使えると解った場合、時間遡上で
僕はその結果を知らない事になる。そもそも実験なんてした事実がなくなるんだからね。キミだけが答えを知る状況、それこそが僕の理想なんだ」
そして再び目を閉じる。本当にはじめるようだ。
「キョン、答えの知らない僕を正しく導いてやってくれ。僕と親友になってくれた、あの時のように。これが二つ目の約束だ」
解っている。それが俺の役目のようだからな、戻ってきたら頑張る事にするよ。約束する。……それと、
「いつか必ず全部話す。だからその時まで、もう暫く騙され続けていてくれ」
「……約束よ」
そして、時間は遡上する。
先ほどまでと似ているが違う、白と黒とのコンストラクトの世界。
俺の目の前から佐々木とハルヒが姿を消し、代わりに俺の手をとる少女が現れると、
・A−XVI
「空間崩壊ウィルスっていうのは《神人》を倒すためのプログラムです。《神人》が倒れれば閉鎖空間は崩壊しますから」
拭いきれなかった汚れと血の痕が残る顔を傾げてくる。目笑しているが、その瞳の奥底には何かしらの強い意志を感じ取れた。
「でもでも、実行前に一つだけ。一つだけ言わせてください。でないとせっかく先輩と二人っきりになれた意味が無くなっちゃいます」
胸においた俺の手を少しだけ強く握り締め、目を閉じてゆっくり呼吸を三回する。そんな彼女の鼓動と呼吸が手を通じて感じ取れた。
俺の手をとったまま立ち上がる。大丈夫なのかと不安になりながら、俺も倣って立ちあがり少女と対峙した。
息をゆっくり吐いて、言うべき言葉の分量だけ息を吸う。そしてゆっくり目を開いて俺の目を捉えると
「────好きです、先輩」
《神人》は、ありったけの想いをその一言に載せてきた。そして静かに俺の答えを待つ。
俺は何度も自問自答し、そして携帯を取り出す。その上でゆっくりと、ちゃんと相手に俺の考えが伝わるように、俺は口を開いた。
「なぁ、お前のその気持ちはハルヒと佐々木によって培われたモノだってお前言ってたよな。
だったら……俺はお前にじゃなく、ハルヒと佐々木に対して答えを示さなくちゃならないって思うんだ。
俺だけじゃない、ハルヒたちもそうだ。お前という存在を借りて自分の心を打ち明けたりするんじゃなく、自分の心は自分自身で伝えるべきだと俺は思う」
一言一言しっかりと伝えつつ俺は携帯を開くと、そのままウィルスの準備を整え実行キーに指を置く。その瞬間を目の当たりにしてもその娘は何もせず、
何も言わず、俺の手を捉えたままただじっと見つめ返してくるだけだった。
ハルヒと佐々木に言いようの無い気分を与え、お前を生み出した原因が俺なのだとしたら。
謂れの無い事だと事態を突っぱねたりはせずに、お前を拒絶し、お前から恨まれ、お前を倒す役割を俺は全うしよう。
俺たちに、代役は必要ない。
「……だが」
俺は実行キーから指を離すと、もう一度目の前の少女を見る。俺が迷わず実行するものと思っていたのだろう、少女は少しだけ驚いた表情を浮かべていた。
「なあ、今でもお前は二人の代弁者なのか? お前がハルヒと佐々木の感情から生まれたのは解った。だがそれは今でも同じなのか?
お前がその姿になって俺たちの前に現れてから今さっきまで、時間的に見れば短い時間だけど、お前は俺たちと共に過ごしてきた訳だが……どうだった?
部室で色々やって、不思議探索って事で街中をみんなで談笑しながら歩き回って。楽しくなかったか?」
「楽しかったに決まってるじゃないですか。この数週間先輩と過ごせてとっても楽しかったです。本当に、とっても。毎日が新鮮でした」
その娘は親譲りの百ワットの笑顔を浮かべてはっきりと答える。で、その楽しかったって感情はハルヒや佐々木がそう思っているから、じゃないよな。
「違います。あたしが、楽しかったんです。先輩と色々お話したり、SOS団のみんなと騒いだりしたのは誰でもない、あたしですから」
そうか、よし解った。こんな事できるかどうか解らんが、それこそ何でもありの団長さんなら何とかしてくれるだろう。全く、禁断の果実は使わないとか
考えてた割には俺もかなりいい加減だな。
でもそうだろ。この娘はもうハルヒや佐々木の代弁者──《神人》じゃない。この娘は、この娘として生きている。だったら。
自分自身へ突っ込み返し、俺は目の前の少女に言ってやった。
「一緒にここから出よう。お前の居場所はここじゃない、俺たちSOS団のいる世界だ」
大丈夫。きっとハルヒたちなら受け入れてくれるさ。実際そうだっただろ?
・B−XIV
白と黒とのフラッシュバックした、ハルヒと佐々木が生み出した閉鎖空間。
走りかけた足を止めて辺りを見回す。崩壊した様子も無い駅前にはあの時と同じようにハルヒと佐々木の二人が横になり、そしてその前には。
「本当にあたしの事、連れ出しちゃいましたね。フフ、トラブルを持ち込んだって古泉先輩とかに怒られても知りませんよ?」
なあに大丈夫さ。あいつなら《神人》関連の事ぐらい何とでもしてくれるだろうよ。
「……そっちの意味じゃないんだけど……ま、いっか。そういう部分も先輩らしいし。フフ、それじゃ二人を起こしてこっちの閉鎖空間も解除します」
そう呟きながらゆっくりと二人に手を添える、その手が少しだけ震えているのに気づいた。
・B−XV
「ここからはどうなるか解りません。《神人》が閉鎖空間を出るなんて、そんな事やったことも考えたことも無かったですから。もしかしたら、あたしは
ここで一緒に消えちゃうかもしれない」
否定はしない。俺だってその可能性は考えた。だからこそ、俺はハルヒに賭ける。お前も団員候補にまで選ばれたんだ、お前に対する団長の気持ちを信じてみろ。
少女は頷くとハルヒたちの額に手をかざす。俺も彼女の向かいに回り一緒に手をかざしてやった。
「……消えたくない。あたしは先輩と、みんなと、一緒にいたい。もっともっと、もっと、もっと……」
小さな呟きと共に何か力が動くのを感じる。その間も二人は起きてくることも無く眠りっぱなしだった。前みたいに狸寝入りという様子でもない。
少女は最後に俺を見つめると、涙を一滴流しながら笑ってきた。
「フフ……ありがとう、先輩」
それは何に対するお礼だったのか。お礼を言われるようなことを俺はやったのか。この二度目の選択は本当に正しかったのか。
そんな事を考えている間に閉鎖空間の空に亀裂が走り、砕け散る音と共に俺は久しぶりに街中の喧騒を耳にすることとなった。
・B−XVI
「……何変なことしようとしてんのよ、このエロキョンっ!」
そんな目覚めた第一声と共に飛んできた重みのある団長パンチと共に。今度からこいつを介抱する時は手に注意を払っておくことにしよう。
何だか懐かしく感じる風景。ハルヒと佐々木が起き上がるのを助け、俺は二人が突然倒れた事を伝えた。二人の安否を気遣い、改めて駅へと送り出す。
そうして二人がいなくなった後、駅前をぐるりと見回してみた。
あの娘の姿は、どこにも無かった。
この世界はどういう姿で落ち着いたのだろうか。本来の世界のままなのか、あの娘が作り上げた世界なのか。
それはあの娘がいなくなった以上、俺自身が確かめるしかないのだろう。
・XVII
時は流れ、次の土曜日。
「……ってな訳で遅れるそうだ」
自転車で駅前へと向かう途中、俺は今さっき受けた彼女の電話を切るとそのままハルヒへとかけ、彼女が遅れる旨を伝えた。
『ああ、そう言えばあたしの番号教えるの忘れてたわ。今日会ったら教えとかなきゃ』
そうしてくれ。最近は自転車でも走行中の携帯電話は色々見つかるとやばいんでな。
『そんなあんたにアドバイスしてあげるわ。掴まりそうになったら全速力で逃げるのよ、良いわね』
それはそれは何と素敵なアドバイスだろうか。掴まった時には団長の指令だったと言う事にしよう。
『そんな事より、あんたは何時になったら到着するわけ? 集合場所にはもう全員揃っているわよ。SOS団も、ゲストさんたちもね』
マジか。こっちはもうすぐ駐輪場だというのに。大体まだ約束時間の三十分前だぞ。
『何分前でも関係ないわ! 相手が揃ってるのにこっちが揃ってないっていうのがあたしは許せないのっ! 今すぐ全速力でかけてきなさいっ!』
けたたましい怒声と共に電話が切られる。俺は暗澹たる気持ちを更に増加させて集合場所へと向っていった。
集合場所には既に俺以外の全員が揃っていた。普段着のクセに腕にわざわざ団長の腕章をつけたハルヒは俺を指差し怒声を上げると、
「遅刻、罰金!」
いつもより気合の入った宣言を伝えてきた。
「だ、そうだよ。悪いねキョン」
その隣では佐々木がくつくつと独特の笑いを見せている。前の顔合わせですっかり意気投合してしまったのか、その姿に遠慮は無い。
まあそれならそれで問題が解決して結構な事だと喜ぶのだが。何せ見た目的にはこの二人が一番問題に見えて、その実周囲の三人の方が問題という
捻くれた図式を表しているからな、この状態は。
ハルヒの少し後ろに古泉が、佐々木の後ろには橘が立ち、こちらへと爽やかな営業スマイルを投げてきている。
その横じゃ腕を組みあからさまに不機嫌さを見せ付ける藤原を朝比奈さんがちらちらと興味半分に伺い続け、さらにその横じゃ長門と九曜が
ただただ無言でじっと見つめあっているという状態だ。
今の俺の心境を正直に言おう。このままきびすを返して帰っていいかね。
「ダメに決まってるでしょ。あたしたちと佐々木さんたちとの橋渡しはあんたにしか出来ないんだから」
「全くだね。まあキミの与り知らない場所で僕たちが勝手に会談し、その内容がキミへ一つも飛び火しないと考えているのなら僕はかまわないけどね」
佐々木はくっくっと相変わらずの笑いを浮かべ、ハルヒもまた不適な微笑みを見せている。どう考えたってこいつらが組むのは反則だろ。
今の俺の心境を正直に言おう。今すぐこの会合の解散を提案する。
「そんなのダメですよ。せっかくの機会なんですから」
「その通りです。僕もこの日を楽しみにしていたのですから」
超能力者どもが揃って俺を止めてくる。こいつらはこいつらであの《神人》戦以来とげとげしさを隠しているようだが、それでも対立しているのは
相変わらずらしい。にしてもお前ら、本当にしのぎを削りあう敵対勢力か? 少しは長門と九曜を見習ったらどうだ。
あそこなんてさっきからずっと見つめあったままフリーズ起こしてるぞ。
「…………何?」
「────呼ばれた?」
ふと宇宙人たちが互いの視線を外し、首を動かして揃って俺を見つめてくる。そろそろ銀色円盤に連れ去られる日も近いかもしれない。
「ふん、それで僕たちはいつまでこんな所でバカ面を付き合わせてなくちゃならないんだ? 移動するならさっさとすべきだ」
相変わらず俺の不快指数を上げる事に関しては超一流の未来人二号が仏頂面で口を開く。って言うか何で貴様までいる。文句があるなら来なけりゃいいんだ。
「既定でなければ誰が来るもんか。まあついさっき楽しみが出来たけどな。奢ってくれるんだろ? あんたが、僕に」
これほど罰金が罰金に思えたのは初めてだ。こいつに奢るぐらいなら今すぐ全財産を引ったくりにでも進呈してやりたい。
俺が怒り心頭にコブシを震わせていると、そっとその手を暖かい何かが包み込んできた。
「落ち着いてください、キョンくん」
俺の心を活性化させるカンフル剤、癒し系未来人朝比奈さんが俺の手を両手で握ってきていた。そのまま小さな声で伝えてくる。
「わたし解ったんです、アレが彼なりのスキンシップなんだって」
「そうよキョン、そんな安い挑発にいちいち乗らないの。SOS団の一員ならもっとどっしり構えて応対しなさい」
逆の手をハルヒに掴まれ、更に手の甲をつねられた。マジ痛いからその手を離せ。
「モテモテだねキョン。一年前にキミの男友数名と共に恋愛は受験勉強の邪魔だと豪語していた姿からは想像もつかない進化だ。この一年でキミに一体何が
起こったのか、涼宮さんたちに更なる詳細を伺うのが今から楽しみで仕方ないよ」
「あたしも気になるわ。中学時代に一体どんな平々凡々人生を歩んだらこんなキョンみたいな奴が完成するのか、もっと聞きたいしね」
佐々木と共にハルヒまで奇妙な笑いを始めだす。ちょっと待てお前ら、今日も俺の話題で盛り上がるつもりなのか。
「当然。しかもキョンのおごりでね」
ふと気づけばハルヒと佐々木だけでなく古泉や橘、長門に朝比奈さんに九曜、それに藤原までもがこちらを見つめていた。
ええいそんな風に雁首そろえて俺を見るな、何か色々減るだろうが。特に藤原、お前はムカつくからどっか向け。というかどっか行け。
「あんたが何かの任務でここにいるとしよう。そしてあんたがここにいる事で僕の怒りとストレスが増すとしたら、あんたどうする?」
もちろんそのままいさせてもらうだろう、それが解ってるだけに忌々しいんだ。今度あっちの朝比奈さんがやってきたらいの一番に尋ねてやろう。
未来じゃアレが普通なんでしょうかと。もしそうなら俺は一生朝比奈さん以外の未来人と解りあえそうもありません。
「それはえっと、たぶん禁則事項です」
どうやら愚痴がもれてたらしい。俺の心の声に朝比奈さんは汗をかいた作った笑顔で答えてくれた。
「さぁて、キョンのおごりでレッツゴー!」
野球でも始められそうなぐらいの集団となった俺たちは団長の指示のまま喫茶店に向かいだす。ふて腐れながら一番後ろを歩く俺は、ふと自分の背後に
小さな気配を感じて振り向いた。
「……よっ、遅れるって連絡を入れてきた割には意外と早かったな」
それはこの数日で見知った顔であり、先ほども俺に遅れてくると言っていた──
「こんにちは、先輩。フフ」
閉鎖空間という異世界からやってきた、ハルヒの望んだ最後の枠を埋める、準団員となった新入生の少女だった。
- 了 -
以上ッス。
新入生エロ書く予定が何故か話が膨らんだ上にエロ消えてるし……。
次こそはエロを……書けるかなぁ?
627 :
578:2007/07/07(土) 01:57:18 ID:bYAepFLM
>>581 ゴメン、釣りなんだ。原作者の人もゴメン。
ちょっと4年ほどROMってるね。
629 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 02:10:01 ID:DLCzWYnU
クイックディスクwww
ちなみにあれは、シーケンシャルアクセス=カセットテープww
あ
すまん誤爆
いい! 新入生をここまでプッシュするとは!
この展開でエロは流石に苦しい気がするなw GJでした!
>>626 GJ!!
驚愕の本編だと言われても、信じてしまう出来ですね。
>>626 GJ!
なんか驚愕もこんな感じで終りそうな気がした。
けど驚愕で最終回はやーよ。
>>626 すげえ面白かったよ! ビックリした!
サボるのやめて、俺も何か書こうと思った。
>>626 面白かったし、よう考えたなあと感心した。
GJと言わねばなるまい。
636 :
保守代わりにヨソに投下したのを手直ししてみた:2007/07/07(土) 05:37:54 ID:4QX0axdD
三年生になったハルヒ達、みくるは卒業し近くの大学に進学しているが、時々は遊びに来ている。
みくるがやってくると急にデレデレするキョン、そんなキョンの様子が面白くないハルヒはみくるに嫉妬し、ある日こう考えた。
「キョンを誑かすビッチは攫われて輪姦されてみんなの肉便器、公衆便女になっちゃえばいいのよ!」
その晩、帰り道の事……。
「ふぇっ! 誰ですかぁ? ラグビー部の方? マネージャーのお話はお断りした筈ですけど……、きゃっ! 助けて〜!」
…数ヵ月後。
さてここは人里はなれた山中にある建物、某大学の脳みそが筋肉で出来ていると評判のラグビー部の合宿所だったりする……
合宿所の朝は早い。
この合宿所の朝はみくるのアエギ声と男達の荒い息遣いではじまる。
日は昇り始めたばかりだというのにみくるのお口には朝勃ちしたチソポが早くもねじ込まれている。
朝勃ちタイムのはじまりだ。
「今日は俺が一番乗りだな、しっかりしゃぶってや、みくるちゃん」
みくるのオマソコはすかさず潤いをおびケツマソコは淫らな期待に充血し始める。
続けて次の男達が前と後ろから同時に挿入するとみくるの前後の穴はチソポを締め付けて離さない、マサにフル回転だ。
「食いちぎられそうだぜ、おい上と前後ろ同時に発射といこうぜ! みくるちゃん、しっかり受け止めてや!」
すっかり公衆便女が板についたみくる、嫌がって泣き叫んだ昔が嘘のようだ。
助けを求め泣きながらキョンの名を呼び続けた面影はもう残っては居ない。
無理やり破られて失神し出血した処女膜も今ではチソポを包み込んで離さない淫ら肉ヒダに変わった。
マサに公衆便女、淫らな雌犬という言葉がぴったりなみくるである。
「ほら、みくるちゃんもっと腰使って! あと十何人も順番待ちだよ!」
合宿所に男子部員は数十人、彼ら全員の性欲のハケ口が公衆便女のみくるである。
ただひとりの公衆便女としてみくるは日夜彼ら全員の性欲を受け止める。
「みくるちゃん、顔がいい? それともお口? じゃぁ口に出すから全部呑むんだよ!」
朝は時間との戦いだ。朝勃ちがおさまる前にみんなをイかせなければならない。
上も前も後ろも三つの穴は常にフル回転だ、忙しい時にはパイズリや両手でしごいて本数をこなす。
最高記録は右の脇の下までつかった「同時に六本」だ。
今度は左の脇も使う「同時に七本」にチャレンジしたいというみくる、正に公衆便女にぴったりな乱れっぷりだ。
…その頃北高では。
「朝比奈さんどこにいっちゃったんだろう…」
「ホントにねぇ、連絡も無しにどうしちゃったのかしら、でも案外どっかで幸せに暮らしてるのかもよ。」
「そうだといいんだけどなぁ、大学にも全く来てないんだろ?」
「みくるちゃんもいい大人なんだし、何か人に言えない事情があるのよ、それにどんな境遇でも慣れてしまえばそれなりに快適っていうし……それよりキョン、今日のデートなんだけど…」
>>626 オチでウルっときた。上手い。そうか、確かに「異世界」だよな。
こんな時間に思わず読み入っちゃったよ…GJ!
そういえば今まで謎の新入生メインの話はなかったね。
やはり『分裂』の新キャラ連中で一番露出が少ないからか。
朝日新聞ハルヒ二期広告ktkr
二期決定みんなおめでとうありがとう生きててよかた
>>626 GJ
余計な言葉は省略して一言
素晴らしい。感動した。
二期けてーマジで嬉しい!ほんとに生きててよかった
643 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 10:25:42 ID:O/rvW0Y/
>>626 GJ
ただ、途中で橘が佐々木に変ってたぞ
キンクリ発動したかと思ってビビったぜ
>>626 圧巻でした。変な着眼点ですが誤字脱字見つからなかったのがまずすごい。
本編αの少女、いかにもこんなことありそうな感じで、SSってこともふまえていいとこに落としたなぁと感心しきりです。
何というか、書き手のあなたの力量に対して読み手のわたしの感想を述べる力が符号しませんw
なのでひさびさにこの言葉をもって最大限の賛辞とさせてください。
谷川先生、お仕事のほうもよろしくおねがいいたします。敬具。
朝日新聞の全面広告確認、どうやら二期は釣りじゃなくガチだな
このスレの住人は本当に疑り深いな
ひょっとしてまだ信用してない奴がいるとか?
放映はじまるまでは信用なんかしないぜ。
というか、どうせ放映すんのだいぶ先だし、いま騒いでもしゃーねーからなあ。
新聞一面で発表されたから信じるしかねぇだろw
>>626 GJです!
神人=新人という発想に驚愕!
本編もこういう展開だといいなあ。
それにしても、神人にまでフラグを立てるとはw
キョン、恐ろしい子w
651 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 13:43:40 ID:8w1+bcuQ
>>648 今日茶飲みながら新聞見てたら吹いたww
キョンは神や宇宙人や未来人、超能力者にもフラグを立てて、無意識のままクラッシュさせる。
(ハルヒ・佐々木・長門・周防・朝比奈・藤原・古泉・橘)
SOS団のサイトに活動予定とかあったっけ
活動予定が決まりましたとか書いてるが
656 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 15:10:20 ID:8w1+bcuQ
それは前から
三時間ほどROMってくる
>>644 誤字は普通にあったが…
まぁ、気にしない!
大変だ既に5時間が経過しているのに
>>657が戻ってこないぞ!
各新聞に二期決定の全面広告してると思い、さっきまで必死に読売新聞を探ってた俺登場
おい
公式見れないぞ
公式に行こうとしたらSNSエラー宣告された…
何故だ!何故俺だけ情報封鎖されている!
公式の情報封鎖とはすなわち谷川が誘拐された事を示しているんだよ!!
今日は、SOS団と佐々木団が、キョンと【禁則事項】をすることを短冊に願掛けする日だったよな。
で、肝心のシスキョンは家内安全とか、妹のことを書いてる。
↑これってFCキョンに入るかな?誰かFCキョンの正しいフラグの折り方を教えて下さい。
キ「あぁ、そういや最近ガチホモの野郎が危ない視線をよこしてやがるな。
よし『在学中は貞操死守』っと・・・」
こんなんか? いや、スマン
>>626 この文章、アスタの人かな? 違ってたらスマン。
相変わらずのしっかりした文章&プロットには感服です。楽しませていただきました。
GJ。そして長編お疲れ様!
>>666 ハルヒ「・・・ちょっとキョン!あたしの許可なく短冊を書くなっ!」
>>626 すげーーーー、そんな回答思いつきもしなかった。
GJ!
670 :
キョンと七夕:2007/07/08(日) 02:27:19 ID:wQDEkQxY
短冊
今日は七夕…なぜか俺の家で飾り付けをする事になったのだが…
飾ってある短冊を読んで俺は愕然とした…
まぁこんな内容だった。
チヨキチ→お兄さんと恋人になりますように。
妹→キョン君と一生一緒に居られますように。
ハルヒ→キョンと結婚できますように。
長門→…彼と●●できますように。
朝比奈さん→ふみゅう〜キョン君と●●できますように。
佐々木→キョンの●●●になりますように。
橘→また閉鎖空間で●●●されますように。
周防→私は――彼と●●関係を―もって―奉仕――する。
古泉→マッ●ー●を彼に決めたい。
藤原→ふん、あいつを『禁則事項●●●●』をしたい。
谷口→ナンパ成功したい。
国木田→キョンに僕の●●を証したい。
鶴屋さん→キョン君とめがっさ●●●にょろにょろするっさ!
阪中→ルソーとキョン君と私で●●するのね。
黄緑さん→会長を情報●●する。
まっアレだ…ちなみに●はここで証す事は出来ない。あまりにもアレなのでな…
とりあえずチヨキチとは誰なのか、
説明を願いたい!
分裂ではなく、改変された前と後ってのが中々……
小柄で規格外のパワーキャラ……いい……
XIIがぬけてるように見えるんだが
俺の見間違いか?
>>670 改めて見ると、キョンのフラグの数は多いな。上条さんほどではないけど
朝倉さんの場合は、
彼を●して(ry
ただ、消失長門、ハイテンションユッキー、ちゅるやさんとササッキーの願いがわからない。
>>675 巻き込まれ型フラグ発生器のキョンは上条クンと話が合いそうだw
しかし上条はある程度の自己防衛が可能だがキョンはそれすら無理だな。
キョンに言わせると「まだ守れる分お前の方がマシじゃないか、やれやれ」
けど、能力と引き換えに不幸になる。
長門の体の構造次第では、長門に触れることすら出来なくなる。
まあ、ハルヒとキスしなくとも済むし、世界改変能力を無効化して古泉が安眠出来るようになるかもしれないが…
俺は今、危機的状況に陥っている。それは――-
「ねー、ねー、キョンくん、そろそろ私とする気になったかな?」
そう、俺は今妹に迫られている。―――ベットに縛られた上で。しかも―――
「そ、そうですよ。お、お兄さん、人間諦めがかんじんだとおもいます。」
ミヨキチにも迫られている。どうすればいいんだ、俺は。助けて長門っち。
「あー、また女のこと考えているでしょう?だから、きょうこうしゅだんにでたんだよ、キョンくん。」
わざわざ、難しい言葉使わなくてもいいぞマイシスターよ。て、それはどういうことだ?
「だって、キョンくん、鈍感なんだもん。だから、キョンくんにも気づいてもらうと思って、みよちゃんとそうだんしたの。」
ミヨキチと……?て、ミヨキチもなんでこんなことに乗ったんっだ?
「や、やっぱり気づいてないんですね。お、お兄さんはもう少し女心を理解したほうがいいと思います。」
それってどういう意味なんだミヨキチ?
「わ、私も妹ちゃんもおにいさんことがす、好きということです。もちろん、LOVEのほうですよ。」
な、なんだってー(AA略 でも、妹は妹だし、ミヨキチは年の差があ「そんなの関係ないよ」え?
「そんなの関係ないって言っているの、キョンくん。好きなものは好きなんだからしょうがないんだよ。」
そ、そんなことは言われても……
「と、ところで、お兄さん。」
なんだミヨキチ?
「か、体の調子はどうですか?」
え?体の調子?あれ、そういえばだんだんと意識がなく……
「大丈夫。私とみよちゃんで気持ちよくしてあげるからね☆」
「よ、よろしくお願いします。」
その言葉を聞いて、俺の意識は途絶えた。
ピチャピチャ…
ん………音がする。何していたんだぁ?俺?記憶を辿っていく。
ピチャ…ピチャ
確かミヨキチと妹達に迫られて…今一記憶が混乱している。
ん…んうん…
何だ変な呻き声まで、今俺は何をされている?落ち着け俺…体が自由がきかない…
『ねぇねぇそろそろ頃合いだよ』
「お兄さん怒らないでしょうか?」
ん…んピチャッ
『大丈夫だよ!そんな事で怒るキョン君じゃないよ?」
681 :
626:2007/07/08(日) 10:59:10 ID:2u9pb6fY
>>673 (ノ∀`)アチャー……番号ずれてるよ。
ミスっす。章が抜けてる訳じゃないッス。
カプリチオの外伝エロまだー?
新人の怪力で両手を押さえつけられて、羞恥プレイされるキョンとかどうよ。
新人は潜在的Sだと思うんだよ、絶対。
「う〜白線白線」
今石膏を求めて全力疾走しているあたしはごく一般的な女の子
強いて違うところを挙げるとすれば宇宙人に興味があるって所かナー
名前は涼宮ハルヒ
そんな訳で帰り道にある誰も居ない校庭にやってきたのだ
ふと見ると、女の子を背負っている一人の若い男が居た
ウホッ! いいキョン……
そう思っていると、突然その男はあたしの見ている目の前で
女の子のブラのホックを外し始めたのだ
「もまないか」
普通にワロタ
これがハルヒがおっぱいフェチと百合に走りかける理由となったわけか。
因業だなw
厨な質問&スレ違で大変恐縮なのですがニコニコでちゃんと登録してログインしているのに動画を再生できないのは何故ですか?
>>689 空気が読めない奴はお断りだからです
ここはROMの方々の素朴な質問に答えるスレではありません。
ちょっと●呼んできますね
>>680 ちょっとまて、マイシスターよ。いったいなんこ頃合いなんだ?くそ、俺の頭と体動け!!
『じゃ、まずはみよちゃんからね☆』
「え!?いいの?」
『ん。みよちゃんは一番のともだちだからね。』
「妹ちゃん……。わかった、言葉に甘えるね。」
「じゃ、お、お兄さん失礼します。」
そのセリフが聞こえたと思ったら、下半身の方に重みがかかった感じがし、そして……
>>693修正
>>680 ちょっとまて、マイシスターよ。いったいなんの頃合いなんだ?くそ、俺の頭と体動け!!
『じゃ、まずはみよちゃんからね☆』
「え!?いいの?」
『ん。みよちゃんは一番のともだちだからね。』
「妹ちゃん……。わかった、言葉に甘えるね。」
「じゃ、お、お兄さん失礼します。」
そのセリフが聞こえたと思ったら、下半身の方に重みがかかった感じがし、そして……
695 :
49-448:2007/07/08(日) 21:33:14 ID:fQJbW4QU
投下します。
エロなし。2レス予定。
―――――――――――
ナーサリーライムを二人で
―――――――――――
今にも落ちてきそうな青空が見渡す限りに広がっている、そんなある日曜日の話になる。
ロンドン橋ほど歴史があるわけではないが、それなりに人々の生活に役立っているという点では同等の価値を持つであろうある橋の上で、わたしはわたしの生みの親である統合情報思念体の不倶戴天の敵とも言える天蓋領域のインターフェイスと鉢合わせした。
「観測―――接触………成功した―――でも………解析―――不能」
本当にインターフェイスなのかどうか疑わしくなるほどの、橋渡しする気が全く感じられない素晴らしい日本語である。………もしかしたら、わたしも似たようなものなのかもしれないけれど。
「さあ―――どう………しましょう?」
………こっちのセリフである、いろんな意味で。
しかし、どうも彼女はいつもとは違うようだ。
確かにいつもどおり、おそらく彼女等なりのコミュニケーションかと思われる方向性不明な情報を彼女はこちらにぶつけてきているのだが、今回はそれがさらに不安定さを増している。
そう、言うなれば、まるで戸惑っているかのような、
「彼の―――瞳―――きれい………本当に」
「………」
ああ、なるほど。
その明らかに説明不足な一言でわたしは彼女を理解した。
………理解できてしまった。
ようするに、彼女も彼に壊されたのだ。
―――――――――――――――――――――――――――
London Bridge is falling down, ロンドン橋 おちた
Falling down, falling down, おちた おちた
London Bridge is falling down, ロンドン橋 おちた
My fair lady. さあ、どうしましょう
―――――――――――――――――――――――――――
放っておけば何時間どころか年単位でもその場に立ち尽くしていそうな彼女を連れて、橋の上から川原まで降りてくる。
「………」
「―――」
とはいえ、本当に文字通り、連れて来たのは良いものの、という状態である。
わたしはこの星でいう会話というコミュニケーションの手段が不得手であるし、目の前の彼女はそもそも会話というものの存在を知っているのかどうかが怪しい。
まあ、それでもわたしは以前ほどその沈黙は苦にならないし、彼女の方も、実際はどうなのか知らないが、情報をぶつけてくるのを止めたという事はコミュニケーション手段を探す必要性が無いほどには、この状況はイヤではないのだろう。
多分、彼という橋がわたし達の間に架かっているのだ。
………毛糸一本で繋がっている吊り橋のように、不安定なものではあるのだけれど。
「―――きれい」
隣で上がった声にふと顔を上げると、先程までわたし達がいた橋の向こう側に真っ赤な夕焼けが浮かんでいた。
夕焼けで赤く染まった彼女はわたしに問いかける。
「あなたは―――どうするの?」
「………どうもしない」
彼女の理解不能な質問を、視線は夕焼けに固定したままで、それでもちゃんと理解して、答える。
まあ、理解しようがしてまいが、答えは変わらないのだが。
そもそもつくられた存在であるわたし達に決定権は無いのだ。
落ちていようが、壊れていようが、流される事に変わりは無い。
―――ただ、わたしは、
―――――――――――――――――――――――――――
Build it up with wood and clay, 木と粘土で つくろう
Wood and clay, wood and clay, つくろう つくろう
Build it up with wood and clay, 木と粘土で つくろう
My fair lady. さあ、つくろうよ
―――――――――――――――――――――――――――
「―――そう」
小さく響いたその言葉に思考を中断させられたわたしは、声の発生源である彼女の方を見た。
言葉を出した彼女の、赤く染まった、その表情は見えない。
視覚補正を行えば見ることはできるが、多分、おそらく、見るべきでは、ない。
「では―――」
見るべきではない顔をした彼女はすがりつくように、わたしにこう尋ねる。
「あなたは―――どうしたい?」
「………」
目を閉じ、答えを探す。程なくそれは見つかった。
先程の思考の続きが、そのまま答えになっていたのだ。
―――正解かどうかは、知らないけれど。
―――――――――――――――――――――――――――
Wood and clay will wash away, 木と粘土は ながれる
Wash away, wash away, ながれる ながれる
Wood and clay will wash away, 木と粘土は ながれる
My fair lady. さあ、どうしましょう
―――――――――――――――――――――――――――
「どうもしない」
見つけた答えを、前と同じセリフを口に出す。しかし、セリフは同じでも、これは前のソレとは意味合いが全く違う。そもそもこの言葉は、目の前の彼女に向けたものですらないのだから。
これは、上から見下ろしているであろう思念体へと、この世界へと向けた、
「わたしは流された先にいるであろう自分を、その先にいた今の自分を、ただ、肯定する」
―――これはわたしの、意志。
わたしはわたしの意志で、わたしが流されたい河に流されたのだ、………流されるのだ。
わたしの、長門有希という存在の答えに彼女は、周防九曜という名で確かにここに存在している彼女は、
「―――その………答えは―――とても………きれいね」
目を閉じ、ただそれだけを呟いた。
彼女のその表情は相変わらず赤く染まったままで、未熟なわたしにはそこから何かを読み取るといったマネはできない、………もしかしたら彼なら可能なのかもしれないけれど。
「………今日の夕飯はカレー」
でも、これから知っていきたいと、そう思う事は決して悪い事ではないだろう。
「―――甘口で―――よろしく」
橋と橋が繋がりあう、これはただそれだけの話なのだから。
698 :
49-448:2007/07/08(日) 21:38:21 ID:fQJbW4QU
以上です。
では、また。
>>694 ミヨキチがスカートの中に手を入れ、ショーツを脱ぎだした。
このシチューエションは…まるでエロゲじゃないか。スカートは短いのでアソコが丸見えた。思わず俺のジョンが起き上がってしまった。
落ち着け俺!落ち着けよジョン!彼女はまだ小学生じゃないか!それに妹もいるし、それに控えめな陰毛がコントラストに愛液に反射して官能的だ。
「お兄さんごめんなさい。」
カリの先端が膣口に入りそうになる。思わず腰を動かし避けようと抵抗する!いいぞ俺!頑張れ俺!
急に腰を動かしたせいか、ミヨキチが体勢が崩れて…そのまま挿入してしまった。
ミヨキチの膣は暖かく結合部には純潔の証明である出血がみられる。
「い、痛…痛い…うっ…」
ミヨキチの顔が歪む。瞳には涙を浮かべていた。そして…
続くかもしれない
続かないでいい
●<僕のキョンタソは渡しませんよ…
続いてくれ
>>699 一応書きだめてから投下したほうがいいと思う。
投下に時間をあけると嫌われやすいし、投下している間他の人が書き込むのを遠慮するから。
705 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:05:03 ID:cWHqtMsm
弾く部分が
2007-07-08 20:50:05 domain method #000 : deny backward match ".ac.jp"
でもって弾かれたIPの表示が
2007-07-08 21:02:20 blocked 122.29.250.42 - port 0 in 0.0.0.0 - 255.255.255.255
こんな感じかね
706 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:06:29 ID:cWHqtMsm
派手に誤爆した
スマソ
>>681 いや、次回作の伏線かと思ったんでちょいと
聞いてみただけだから
なんだか俺、今すごくイィ気分なんだぜ?
>>708 どうした谷口、彼女が出来た夢でも見たか?
「それは良かったね、おめでとう」
>>670 亀だが国木田と藤原の●の内容がいまいちわからん。何だろ?
こんなネタを真面目に考えんでもよろしいってことだ。
>>711 俺予想
国木田:証したい→明かしたいの誤字で「正体」
藤原P&G:「性的行為」
>>713 あかす
じゃなくて
しょうす
じゃね?
>>714 なるほど「しょうしたい」か。なら
国木田:証したい→焼死体の誤字で「谷口」
(´・ω・`)<これ以上いじめないでくれ。
おやおや、せっかく今あなたは話の中心に存在しているというのに
そのようなつれない態度では我々としても何とも言い難い心境になってしまうというものです。
>>716 いじり倒して気を悪くしたなら申し訳ない。個人的にプチ壺にはいったネタだったもんで。
反省はするが後悔はしていない。
各キャラの下着の色
ハルヒ→ベェージュ
長門・朝比奈→白?
鶴屋・黄緑→ストライプ系
佐々木→紫
橘→ピンク
周防→紐パン
キョン・谷口→普通のトランクス
国木田・古泉→黒ビキニ
妹→キャラパン
俺の脳内イメージ
修正
ベェージュ×
ベージュ●
>>719 宇宙人はパンツを履くなんて事考えもしませんw
未来ではパンツを履くなんて文化は廃れてますw
各キャラの下着の色
ハルヒ→むしろ純白
長門→はいてない
朝比奈→黒
鶴屋→ふんど(ry
黄緑→バックプリント
佐々木→水色
橘→ピンク
周防→はいてない
キョン・谷口→普通のトランクス
国木田→ブリーフ
古泉→はいてない
妹→はき忘れた
俺の脳内イメージ
>>719 各キャラの下着の色
ハルヒ→赤
長門→水色×白色のストライプ
鶴屋→黒
喜緑→白のスケスケ
佐々木→紫
橘→黄色
周防→ノーパ(ry
キョン・谷口→普通のトランクス
国木田→ボクサー
古泉→ブーメラン
妹→キャラパン
朝比奈→いちご100%
『ある少女Hの日記』
○月●日
今日は身体測定があった。
何だかみんなちょっと可愛かったり大人びたりした下着を着けていた。
「所謂お洒落なのね、みんなが見る日だから。恥ずかしくない格好してるのね」
そう言っていた阪中さんは犬の柄がワンポイントに入ったスポーティなスカイブルー。
ちょっといいなと思えるモノだった。ちなみにあたしは面白みの無い白の上下。
今日ほど下着なんて無い方がいいと思った日は無かった。
>喜緑→白のスケスケ
>周防→ノーパ(ry
>国木田→ボクサー
妙にリアルだから困る
「なぁ古泉。何でいつもパンツ履いていないんだよ?」
すると古泉は「理由ですか?僕は発展場という素晴らしい所に通っていますからね。パンツ等履く必要ないのです…」
「どうです?一緒に行きませんか?公開はしませんよ。」
おいおい漢字間違ってないか?後悔じゃないのか。やれやれ…
しかし興味はあるな・・。とりあえず長門に聞いてみるか?
「…貴方も発展場に行ってみる方がいい。私という固体もそこに行く事を推奨する。」
長門も行く事に賛成か。おいハルヒどうした?顔真っ赤だぞ?朝比奈さんまで…
「公開しないの?古泉くん?」
「残念ながら、キョン君が初めてなので控えさせてもらいます。ですが次回から公開させますので許してください。」
そして、悲劇がまっているのを俺は知る由もなかった。
>>726 これは期待できる
ところで、一樹兄貴は六尺かケツワレ常用だと思うんだがどうだろうか?
まちがってもここでやるなよwwVIPでやれwww
どうでもいいけどパンツは「穿く」が正解
パンツを穿つ
>>728 続きはないら安心汁。
履く×
穿く●
勉強になり申した。
731 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 17:27:31 ID:D1aFl2yR
プリンスレで紹介されたSSはどこだい?
100レスほど前に
五分レスがなければ新人は俺がかすめとる
阻止?
そして静かにまた一時間過ぎるのか……orz
「そんなものですよ、フフ。でもでも落ち込まないでください」
正直弾切れ中だからなぁ……書き途中のは何個かあるんだけど。
そういえば、去年は納豆の日ってことで変に盛り上がってたのを覚えてる。
もしくは長門の日?
VIPでオススメのSSってありますか?最近涼宮ハルヒの微笑読んで感動しました
そっちの住人に聞いたほうがいいのでは?
VIPのSSは読んだ事無いし
>>738 お前最近VIPでも同じ事聞いてなかったか?
納豆祭り?
納豆ネタはちょっと前に書いたばかりだしな…
長門ネタにするか…
せっかくへたれなムードになってきたんだし、どうせならへたれ繋がりできょこたんで行こうぜ。
VIPのオススメっていつも同じのしか出ないし、二次創作的にアウトなのが多い気が。それがVIPだからいいんだろうが。
>>743 陰謀読んでたらSS界の橘のキャラが弄られすぎだとオモタ。分裂でもそんなにはへたれて無いハズなのにw
いや俺の中でもヘタレなんだが。
橘ってのいぢのせいで一番印象の変わったキャラだよな…
アウトったらハルヒと佐々木のエロは原作的にありえんだろ。
そういう意味ではVIPのほうがまだマシ。
ハルヒと佐々木のエロといえば、変態佐々木はまだかね
−ここは注文の多い図書室でつね
『涼宮ハルヒの〇天国』の続きを未だに待っている俺は間違いなくロリ
>>746 この場合は
「自分の見解だけを言い切られても困る」
「だったら長門やみくるのエロはありえるのか」
「そもそもこのスレはエロだけのスレじゃない。
むしろエロじゃない話の方が多い」
の三つのうち、どの突っ込みからするのが一番いいのだろうか。
>>748 まあ、いつもの事でつね。
>>744 橘って苗字は、ヘタレ臭がただよっちまうんだよ。
マシだからいいってもんでもないわな。サナダムシがエキノコックスよりマシ、みたいなもので。
しかし笹の葉読んでから、佐々木さんがもう変態佐々木さんとしか
考えられなくなってしまった。
>>753 確かにアレで佐々木は変態イメージに…
くるくるでは橘が調教キャライメージになった。
後悔はしていない。
>>754 なんかね、一般で下手なSS書いても、
イメージが「驚愕」の佐々木じゃなくて
「変態笹野は」の佐々木を念頭においちゃうのよ。
すごいよね笹の葉の作者の人。
誰だ変態笹野……
orz
つか・・・・・
30レス位前のパンツ話題で佐々木のが紫で定着してんのあの人のせい(おかげ)だよなww
むしろ長門のストライプには誰も突っ込まないのか?
縦線て
佐々木の紫は驚愕の服の色からっしょ
長門の青×白ストライプは譲れんな
最近の投下のうち半分近くあのシリーズだからってのがあるんじゃないかなw
変態佐々木マダー
いまさらだけど今読み終えた
>>628までしか読んでない。解釈変だったらスマソ
>>626 原作の根幹である「異世界人」に触れているのに綺麗にまとまっているなんて・・・
しかも異世界人が今までさんざでてきてた神人。
佐々木の要素も加わって表現し尽くせない。
GJ。谷川越えたよあんた。
感動した。
賛辞を贈るのはとてもよいことだが、無防備で無責任な賛辞は控えてほしいものだね。
傍から見ててもなんかもにょるが、実際に言われたらどんな気分になるんだろうね。
ある場所であるSSを書いて、似たような事を言われた。
「やめてくれ」と大声で叫びたくなった。
原作が好きだから書いてるのに……何か悲しくなった。
と変態佐々木シリーズの一ファンがマジレスしてみた。
本当にマダー
>>675 気持ちは分かるが催促し過ぎだw
もっと余裕を持って優雅に待てよ。全裸で。
基本的に同感だが、
>>762は別に無責任な賛辞ではないだろ。
評価は人それぞれだと思うが、実際アイデアとして巧いSSだしな。
そのアイデアをきちんと誉めた上の賛辞だし、無責任なマンセーでは無いと思うが。
もちろん、どんな作品でもとりあえず誉めとけーみたいなのは、
本当に感動した作品への賛辞の価値も、相対的に下げる行いだろうから、慎む方が良いとは思うけどな。
ところで投下したらスレ跨ぎそうなんですが。
原作超えたという賛辞は、本人は賛辞だと思ってのことかもしれないが、不用意に反感を招きやすい
物言いではある。
そして、その非難は賛辞を行ったものだけではなく、書き手やSSそのものにまで波及することがまま
ある。もちろん、このスレでそんなことが起きると言ってるわけではないが。
そういう意味では、無責任だと言われてもおかしくないほど危険な行為であるとわたしは思うけどな。
>>769 まあ本人もそれを見た原作ファンも反感を持つ可能性があるからねえ
>>770 次スレから投下かこっちから投下かどっちすか?
あと50KBあるがそれでも足りないのなら次スレ立てるべき
では次スレ立ててそちらに投下します。
俺の阪中ネタは次スレで投稿するか。
阪中ktkr
こりゃ次スレは久方の投下祭りだな。
wktkしつつ半裸で待機しとくわw
あと50kだし阪中はこのスレで投下したほうがいいんじゃないの?
すまんがオチがイマイチなので煮詰めて投下するよ。
頑張ってくれ。ちょろっと期待してる
さてこっちはどうやって埋めようか
■ ■ ,、_. __,....,_ _,...、 ■ ■
■■■■■ ■■■ ■■■ ■ ,} {`i;:r,;'ニ (;;;;、` , r' ■ ■
■ ■ ■ ■ {i' i:.'ー<.・)}:ム ヾi, ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■■■ ■■■■■ノ// -r /:::ミ ('ーヽ■■■■■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■■■ ■ i゙ i:/ /二./ /',=、__ノi/ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ヽヽ! {:::} //::::''´`'7!/
■ ■ ■ ■ ヽ、__ヽ!l::i:::::ii;;;;;;;|,ノ ● ●
`ヽ、`ー""ヽ
`'ー-'''
残量50kか……埋めってレベルじゃないな、コレ。
何か弾が出来たら落としたい気もするがネタが無い。
そのうち小ネタとか埋めネタとか落としてくれる人が現れる
埋
ま
れ
埋め荒らししているんじゃないよ
国木田シリーズの続きを待っているのは俺だけではないと信じたい。
最高に抜けるハルヒのSS無いか
次スレ立てるの早すぎ
まだ450kbだしな
>>790 残り50kで120kの作品を投稿するときに次スレを建てて、どう早いんだ?
>>792 50も残ってればスレ跨いでもいいじゃねえか
投下がなければどれだけ放置されると思ってんだ
埋めとしてAA使えばいいとか下らない反論すんなよ
普通の作品一つくらいなら入るから急いで埋めなくていいと思うんだが
阪中でもじっくり待とうぜ
一応、記念すべき50スレ目なんだよな
まぁ一発目にふさわしいのきたけどさ
799 :
阪中ネタ:2007/07/11(水) 13:48:12 ID:90N6Dmzv
あんまり面白くないので注意・・阪中視点での話です。
コーラス部の部活が早く終わりせっかくだから文芸部(SOS団)に顔を出しにいくのね。久々に涼宮さんと一緒に帰ろうと思うとウキウキなのね。
ドアの前に立ち扉に手をかけてみると中から音がするのね。悪戯心で聞いてみたくなったのね。だから耳を澄ましてきいてみたのね。
「ん…くっキョン…そこ気持ちいい…あ…そこ」
「ハルヒ…随分硬くなっているじゃないか?」
「う、うっさい!馬鹿キョン!そこばかりいじるな!」
何しているのわからないのね。しばらく聞いてみるのね。
「アンタもそこ硬くしているじゃないの!体は嘘をつかないからね。」
「ハ、ハ、ハルヒやめろって、強くいじるな痛いだろう!」
「へへーんアンタはそこが弱いのね。」
うりゃうりゃ!
「フフフ、そこ凄い事になっているわよ。」
どんなに凄いことになっているかまったく分からないのね。まさか中で嫌らしい事するはずはないもんね。
だって二人共クラスメイトだし付き合っているわけじゃないのね。
そろそろノックして中に入ってみるのね。コン、コンこんにちはなのね。
声をかけるとまた中からドタバタした音が聞こえてきたのね。しばらくすると涼宮さんが声をかけてきたのね。
「どーぞ!」ドアを開けてみたらキョン君と涼宮さんしか居なかったのね。何故か二人の姿は体操着姿だったのね。
質問してみるのね。何故体育が無いのに体操着きているの?
「じ…じ、実はマッサージしていたのよ。私って体動かすの好きでしょ?だからキョンに肩等揉んでもらっていたのよ。」
顔を真っ赤にして喋っている涼宮さんも可愛いのね。うーんそうだね。だから部室にマットを引いておいてあったのね。
少し濡れているけど…
「だから気にするなよ阪中・体操着に着替えたのはスムーズにおこなえるためだからな!それ以外意味はない。」
そう言うとキョン君はいそいそとバックに物をしまい始めたのね。
物を見てみると変な物ばかりなのね。ねぇねぇキョン君?と質問してみたのね。首輪とかリード線は何に使うのね?ここには不自然すぎるの。
「こ、これはだな…うーん、そ、そうだ猫!シャミセンに使う物なんだよ。
最近怪我していて脱走するから、外にださないようにする為用意した物だ!」すると涼宮さんが
「そうなのよ阪仲さん。この前壊れてしまって今修理していたのよ!」
そうだったのね。でもマッサージと関係ないし、猫が使うには大きいのね。でも涼宮さんは嘘をついているとは思えないのね。
その後は三人でお話しながらかえったのね。
「ねぇ阪ちゃん・・それ本当なの?」
と佐伯さんが言ったのね。うん間違いないのね。すると成崎さんと大野木さんは変な顔を私に向けていたのね。
私なにか悪い事言ってないよね??
以上です。
(´・ω・`)
>>801 流石阪中さん、涼宮教信者はナチュラルに騒ぎの種を撒きまくる!
「喋ったわね阪中さん! し、し、しかもよりにもよってクラスメイトに!」
と顔を真っ赤にするハルヒが見えた。
で、部室内の様子はいつ公開されるのだね? 今から全裸で待機するつもりなのだがw
紳士たるもの、ネクタイと靴下は(ry
>802
風邪引くぞ…ついでにエロは考えてなかった。
リードとリード線は(ry
液体爆弾でも作りますかw
>>804 無いのか……ハルヒによるキョンバター犬化調教計画……。
GJ、服着てくる。
>>805 リード線、の単語を見て、爆弾を思い出したのは俺だけじゃなかったかw
まあ、ハルヒが爆弾みたいなものだということで……。
>>805 (´・ω・`)気にしないのね。
暇つぶしの小ネタ
団活中にて
なぁ皆に聞きたい事があるのだが…
「どうしましたか?今更聞きたい事があるのですか?」と古泉
いや大した事じゃないがな…一人で風呂入るのいつからだ?
するとハルヒが顔をニヤニヤさせて
「もしかして今でも親父と入っているの?以外に臆病なのね。」
悪いかよ!一人で入る事出来なくて文句あるのかよ!
朝比奈さんが笑いながら
「以外ですぅ。恐がりなキョン君って可愛いですよ。」
「俺は以外にチキンなんですよ。(いつか貴女と一緒に入りたいですね。)」
長門が意外な事を言ってきた。
「私と言う固体も一人でお風呂に入れない。だから今度一緒に……後図書館で…」
あのうもしもし長門さん。図書館は何の関係があるのですか…すると背後から寒気がする。
「ちょっとキョン!変な事言わないの!まったくエロキョンなんだから」
へいへいどうせ俺はエロキョンですよ。朝比奈さんも何か言ってやってください。
「うふふ、でもお父さんが帰ってくるの遅かったら大変ですよねぇ。」
いや親とは入りませんが?妹といつも一緒に入っていますが?そう言うと周りが凍りついた。
キョン・・・あたしね、中学の頃カッコいいと思って
怪我もして無いのに腕に包帯巻いて、突然腕を押さえて
「っうわ!・・・くそ!・・・また暴れだしたわね・・・」
とか言いながら息をを荒げて
「奴等がまた近づいて来たみたい・・・」
なんて言ってた。そしたらね、アホの谷口に「何してんの?」と聞かれて
「邪気眼(自分で作った設定で私の持ってる第三の目)を持ってない凡人にはわからないわよ・・・」
と言いながら人気の無いところに消えていくの。
テスト中、静まり返った教室の中で「うっ・・・こんな時にまで・・・しつこい奴等だ」
と言って教室飛び出した時のこと思い返すとさすがに恥ずかしくなってくるわ
キョン「今とやってる事大して変わらんだろう」
古泉「あんっ!ああん・・らめ・・・閉鎖空間らめえ!ビクンビクン(赤い球になる)」
長門「エターナルフォースブリザードが具現化された。 一瞬で部室内の大気が氷結される」
みくる「涼宮さんがそういう設定作るとシャレにならないでしゅう」
ここまで書いてエロパロでもなんでもない事にきずいた
VIPでやれ
いやむしろやってくださいお願いします
ほんと申し訳ない(´・ω・`)
いいじゃねえか、好きなところでやれば。
こっちは埋めでいいのかな?
俺も調子にのって書いてしまった。反省はするが後悔もやっぱりしている。
しかしもう50章ですか。はやいな
816 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 22:31:24 ID:tckDUvjM
早くも50章か早いね
埋めるか誰か小ネタを
あと40だし、普通の中篇くらいなら投下できるな
そういえば阪中のエロってあった?
とりあえず思い浮かんだのは
28-816様: 『the hand that feeds』
だけど、ほかにも何作かあったような気がするな。
それより、誰か投下する人はいないのか…
阪中の相手はH相手は
1・キョン
2・谷口
3・古泉
4・国木田
5・藤原
誰がいいかな?
823 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 18:08:29 ID:nlrsuZN2
5・藤原はどう(ry
VIPだと国木田だな
アナルの方ね
いや何となく…
「いやーやめて!助けてなのね!」
ある北高の女生徒が悲鳴をあげている。
「ふん、悪いがお前が僕に犯されるのは規定事項だ」
書いたら叩かれるな!
>>824 VIPのアナルはかなりカオスだな
ある意味センスのあるやつらがいる
>>822 キョンか国木田がいい。
谷口は出た瞬間にギャグっぽい感じがする。
古泉はそんなキャラじゃないっぽい。
藤原は単純に嫌い。
全部俺の主観だが。
J・Jに決定
バター犬?縦貫?
でも原作では阪中さん微妙に古泉フラグ立ててね?
……JJには及ばないだろうがな!
>>806 誰も突っ込んでないのでとりあえず突っ込んでおく
そ っ ち か よ ! !
近いうちに阪中のエロに挑戦してみるか。みんなの期待にそえるかわからんが
>>832 突っ込みありがとーみたいなw
埋めネタ2レス投下ー
「それじゃキョン、有希と古泉くんに伝えといて」
放課後、ハルヒはそう言うとカバンを引っさげてとっとと教室を後にした。
先ほどまでの話の要点をまとめるとこれから朝比奈さんと秘密の買出しにでるらしく、その為今日はSOS団の活動は休止。
一時の羽伸ばしと引き換えに古泉と長門への連絡を任命されたと、ま、こういう訳だ。
教室を出たところで早速古泉と出会う。丁度良いと言うにはいささかタイミングが良すぎないか。
「最近僕自身も忘れがちですが、これでも一応あなた方の監視役ですからね。それで涼宮さんは?」
俺が本日の活動休止とその理由をざっと教えると、
「了解しました。では、僕も今日はこれで失礼する事にしましょう」
好きにしてくれ。俺もこの後部室に行って長門に伝えたら帰るつもりだしな。
「それはそれは、あなたに無駄足を踏ませず幸いです。長門さんは今、部室ではなく音楽室にいるはずですよ」
は? 何で音楽室なんかにいるんだ?
長門が放課後に文芸部室以外の場所にいるという事に驚きの念を禁じ得ない。何か問題でも発生したのだろうか。
「さてここで深い謎の一つでもあればあなたを楽しませる事ができるのでしょうが、現実はそうそう難しい事態にはならないものです」
古泉は誰の真似をしてるのか肩をすぼめると、
「掃除当番ですよ」
そう何ともシンプルな回答を告げてきた。
音楽室を覗いてみると長門が一人で席に着き何かを書いているようだった。
「何書いてんだ、長門」
「日誌。今日は日直だった」
そう言いながら手を止めて顔をあげると、その寒い日の朝の空気のような澄み渡った瞳をこちらに向けてくる。
何故俺がここへ来たのか尋ねているのだろう。
俺はピアノの椅子に座ると脇にカバンを下ろし、ハルヒから言付かった本日休止の事を長門に告げた。
まあ長門は元々文芸部所属なのでSOS団の活動があろうが無かろうがあの部室で本を読んでいても問題ない訳だが、やはりそれはそれ。
俺たちが来ないと知った上での行動なら構わないが、知らないってのはやっぱり仲間として問題だろ?
「そう」
長門はシャーペンをしまい日誌を閉じる。どうやら書きあがったようだ。それにしても意外と手間取ってたな。
お前なら日誌ぐらいさっと書けそうな気もするんだが。
「所感」
一言だけで返し、そのまま部室へ向うつもりだったのだろう、持ってきていたカバンに日誌や筆記用具をしまう。
所感。つまり今日一日の感想、って事か。確かにそれはお前にとっては鬼門のような項目かもしれないな。
長門は小さくうなずくと俺が座るピアノのそばまで近づいてくる。
「昔よりは馴れた。でもまだ上手に言語化できない」
そしてピアノのフタにかけていた俺の手をじっと見つめてくる。その微妙な表情は長門の喜怒哀楽を読めない奴でも理解できただろう。
すなわち長門が目で語っているのはただ一言、「ピアノが弾けるの?」って事だ。
自慢ではないが俺はピアノなんて習った事は生まれてこの方一度もない。せいぜいおたまじゃくしが読めるぐらいである。
よってその長門の質問に、俺は当然こう返す。
「期待に沿えず悪いが、俺に弾けるのは一曲だけしかないな」
しかも楽譜さえ知ってれば長門の方がより正確に弾けると確信できる曲だ。
「聞きたいか?」
小さな首肯に内心ほっとする。これで乗ってこられなかったら正直寂しすぎる。
俺はブレザーの袖を直して腕時計を外す。そして少しだけ席をずらし、長門に椅子を半分譲って座らせた。
長門が期待の色を込めてじっと見つめてくるのを確認し、ピアノの鍵盤蓋に手をかけると
「では本邦初公開。John Milton Cage Jr.作曲、"Silent Prayer"──」
そんな口上と共に鍵盤の蓋を開けた。
ぱたん。俺はゆっくりと蓋を閉じる。既に二回ほど蓋の開閉をしているが今回は閉じるだけ、つまり演奏終了を意味していた。
「…………」
長門はただじっと俺の事を見つめ続けている。それは胸に疑問を抱いている目であり、またその疑問も持って当然の事だった。
何せ俺はこの数分間、ピアノの蓋を開け閉めしただけで一度も鍵盤を叩いていないのだから。
俺は再びピアノの蓋を開けると、ポーンと一音だけ鳴らした。
「これは、音だ」
そして今度は三つ同時に鳴らす。いわゆる和音という奴だ。
「これもまた、音。そして」
次に俺は鍵盤を二回叩いた。チャンチャン、と表現するのが一番伝わりやすいメロディだ。
「音が繋がると曲になる。まあ今のチャンチャンってやつを曲と言っていいかどうかは正直微妙だけどな。
楽器で演奏しなくても世界には様々な音が途切れる事無く溢れている。音が繋がって流れているなら、日常は常に曲が流れているという事になる。
曲の作者はそう考え、その日常を一定区間切り取る事で『曲』としたんだ」
俺はピアノの蓋を閉じると長門を静かに見つめ返した。
長門はおそらく俺よりも、いやどんな人間なんかよりも可聴範囲が広いだろう。
それは単純に考えて、こうして並んで座って同じ時を過ごした俺よりも多くの音が混ざり合った『曲』を聞いたという事になる。
「音の無い宇宙を知るお前からしてみれば、さしずめ「ようこそ音のある世界へ」といった感じかな。どうだった長門」
「ユニーク」
ユニークか。言われてみれば確かにユニークという表現が適切だな。
何せさっき聞いた曲はその時間その場所でしか聴けない「唯一」のモノだろうから。
「まあ俺たちはこの曲をいつも聴いてるみたいなもんだけどな」
「……?」
だってそうだろ。部室に入ってからお前が本を閉じるまで。ハルヒは色々思いついては騒ぎだし、朝比奈さんはお湯を沸かしてお茶を淹れ、
古泉と俺はダイスを振ったり駒を置いたりとゲームして、お前は興味を引いた本のページをめくる。
そういったSOS団風にアレンジされた心地よい日常のBGMだって、れっきとした"Silent Prayer"だと言えるわけだ。
俺たちと一年間過ごしてきた今のお前なら、この曲のよさが解るんじゃないか?
「解る。とても心地よい、曲」
「さて、それじゃ帰るか」
カバンを拾って立ち上がり長門にどうするか聞こうとした所で、その長門にベルトをしっかりと握られてしまった。
どうした長門、何か用事があるのか。そんな問いかけに長門は小さく首肯すると前に出て自分の荷物を持つ。
「奏者はわたししかいない。いつもより盛り上がらないかもしれない」
そのまま小さくこちらを振り向くと、
「でも、わたしの曲を聴いてほしい」
奏者二人のリミックス版もたまには悪くないか。俺は静かに頷いた。
以上っす。でははー
「4分34秒」が作品のタイトルかなw
ライブでじっくり聞いてしまった。芸が細かい。
「4'33''」の第三番「0'00'' No.2」は古泉とキョンで奏でるんだろうなあ。
(ゲームプレイヤーの音を増幅する曲だから)
>>837 イイハナシダナー(AAry
あんた、ただのMじゃなかったんだな!
>>838 小粋な事を言いやがって!
いかにもキョンならやりそうで笑ったw乙GJ
うまいの一言だね。乙です
843 :
49-448:2007/07/12(木) 22:51:23 ID:hFjyRUsJ
投下します。
埋めネタ。4レス予定。
――――――――――――――――――――――
埋めネタ代わりのフラグクラッシュ PART2と1/2
――――――――――――――――――――――
1.
「ふふふ、待ってましたよ」
「ああ、橘か、じゃあな」
「ちょ、出会っていきなりその対応ってのは少しひどくないですか?」
「ん、ああ、悪い。じゃあ、………『ああ、空耳か、帰ろう』」
「出会った事自体をなかった事にされた!」
「冗談だ」
「………本当ですか?」
「………」
「気まずそうに目を逸らさないで欲しいのです!」
「まあ、それも含めて冗談だ」
「うー、ひどいですよー」
「こんな風にからかうのも親愛の表れってやつだ、許せ」
「え、あ、えーと、そんなこといわれると照れちゃいますねー。もう上手いんですからー。大体………」 クネクネ
「………」 スタスタスタ
「………そうですよねー。確かにあたし達、些細なすれ違いから敵同士になっちゃいましたけど、話し合えばきっと分かり合えると思ってたんですよ。そもそも、………」
「………」 トコトコトコ
「………と、言うわけで、あたし達が力をあわせれば向かうところ敵なしなのです! 愛の力は無限大! さあ、一緒にあの夕日に向かって叫びましょう!」
「にゃー」
「って、いつの間にか猫に変わってるしっ! あれ、もしかしてあたし、猫に愛を説いていた変な人ですか? ああっ、今更ながら周囲の視線がイタイっ、物理的にイタイっ!」
トントン
「はい、何でしょうかって、お巡りさん! え、変な人が駅前で騒いでいると通報があった? はあー、迷惑な人もいたもんですねー。って、何であたし交番に連れられて行ってるんですか? 何で? どうしてー?」
「んんっ、もう、バカー」
2.
「んったく、今日はしんどいから早く帰りたいってのに、いきなり変なのに絡まれたぜ」
「―――」 くいくい
「ん、ああ九曜か。どうした」
「―――大事な―――話」
「何だよ、手短に頼むぜ」
「あい―――らぶ………ゆー」
「………」
「―――」
「九曜」
「―――何?」
「お前の親玉、天蓋領域ってのは人間の事が分からないからってお前にそんな事まで言わせてんのか」
「え―――ちが………」
「ふざけやがって。お前を、俺達をなんだと思ってやがるんだ」
「だから………ちが―――」
「いいか、今度同じ事を命令されたらな、『くそったれ』と、そう伝えてやれ。責任は全部俺が持つからな」
「―――理解………した―――色々と」
(喜緑―――江美里)
(あら、どうしたんですか、珍しい)
(あい―――にー―――じゅー―――)
(えーと………)
(ほー―――み………たい)
(つまり、泣きたいから胸をかせ、と)
(いえす―――まむ)
(はあ、分かりましたよ。なんだかわたし、最近こんな役ばっかりですね)
(―――あり―――がと)
3.
「やあ、キョン」
「おう、佐々木か、どうした?」
「どうしたも何も、偶然あった知人に声をかけるのに理由なんて必要ないだろう?」
「ま、そりゃそうだな」
「んー、まあ、あえて理由をつけるなら、だ。久しぶりに一緒に帰らないかい、といったところだね。別にキミを待っていたわけではないよ、………と、あえて強調しておくけれど」
「じゃあ、帰るか」
「………そこは何か別のリアクションがあるだろうと思うのだが、まあ、キミはキョンだしね、仕方ないか」
スタスタスタ
テクテクテク
「ところで、キョン。キミは進路をどうするか、もう決めたかい?」
「いや、別に………」
「そうか、それは実にキミらしい答えだ。曖昧模糊とした日常に唯々諾々と流されていく未来のキミの姿が目に浮かぶようだよ」
「………確実に褒めてないよな、意味はよく分からんがそれだけは分かったぞ」
「ちなみに僕は進学するよ。大学名は………」
「そっか、もうそんな事まで決めてんだな」
「普通だと思うんだけどね。ところでキョン、キミさえ良ければなんだが………、僕と同じ大学に行く気はないかい?」
「んー、まあ、お前と同じってのも悪くは無いんだが………、ハルヒがなぁ」
「………」
「とりあえず進路とかを決めるのは、アイツに振り回されるのが終わってからだよな」
「………そっか」
「ん、どうした? 何か浮かない顔してるぞ」
「いや、何でもないよ。多分ただの勉強疲れだろうね。今日は帰って休む事にするよ」
「おう、じゃあ、ここでな」
「ああ、またね、キョン」
「………そっか」
4.
「さて、今日帰り道であった事といえばこれくらいだが、これがどうして俺がお前に無理矢理過去に連れてこられなきゃいけない理由になるんだ?」
「目の前の事象を見て、過去を振り返ってみて、まだ分からないのか? アンタの脳が空っぽなのは別にどうでも良いが、それにこっちを巻き込まないでもらいたいね」
「オーケー、とりあえずお前は絶対後で泣かす。で、とりあえず今回の俺の役目は目の前の公園のベンチに座って黄昏ている佐々木を何とかする事なんだな?」
「はっ、それも既定事項だ、という言葉で終わらせても良いんだが、まあ、あえて一つだけ言わせてもらう事にする。………この『くそったれ』」
「………」
「後の二人は別に良いって訳じゃないが、彼女は一人で溜め込んじまうんだよ。それはあんたの方がよく知ってるんじゃないのか? それとも人として失っちゃいけない知識と共にところてんのように押し出されて消えたか?」
「ちっ、分かったよ。とりあえず行ってくる。………あと、お前は後で百回泣かす」
「余計な事を喋ってないでとっとと行け、僕はこの後、残念ながら知り合いになってしまった低俗極まりない現地人を警察署まで引き取りに行かなくちゃいけないんだよ」
「ああ、それと、………ありがとうな」
「………ふんっ。さっさと行け、それが僕の既定事項だ」
5.
「よう」
「え、キョン、どうしてこんなところに居るの?」
「………あー、何か知らんが大分参っているみたいだな」
「あなたには、………キミには、………関係ないよ」
「よっこいしょっと」
「………何で隣に座るんだい?」
「お前には関係ないさ」ポムポム
「何で頭を撫でるんだい?」
「そこに頭があるからさ」
「むー」
「いや、すまん。謝るからそんなに睨むなよ」
「謝罪の言葉よりも真摯な答えが聞きたいんだけどね、僕は」
「えっと、………そうだな。あえてはぐらかさずに答えるならば、流されたんだよ、いつも通りな」
「………ああ、うん、そうだ。そうだよ。キミは流される人間だったんだ」
「いや、何だ? いきなり元気になったな」
「くっくっく、流木は引き寄せれば良い。そう、こんなに単純な事だったんだ」
「何か怖いが、とりあえず元気になってよかった………のか?」
「キョン」
「何だ?」
「覚悟しといた方がいい、僕は本気、だよ」
「………まあ、厄介事はいつもの事だよ、………やれやれ」
848 :
48-982:2007/07/12(木) 22:59:16 ID:hFjyRUsJ
以上です。
では、また。
保管庫管理人様へ。
番号を間違えました。申し訳ありませんが、これは48-982の方に入れておいてください。
パンジーナイスガイww
やっぱり橘はこんなキャラなのねwwwww
かなりGJ
ポンジーにいい人フラグがww
不覚にもパンジーに一番萌えた
このパンジーになら掘られてもいいww
>>851 ちょwwwwポンジーって誰やねん!
●<って突っ込んでみました。
キョン君、スポン(ry
ピアノの話しよかったなぁ。
妙にはまった・・・。
同感
久々に創作欲がフツフツとこみ上げてきた
しかしこの短さでの綺麗な仕上がりに嫉妬
橘は何で常に変態役なんだwww
>>858 ヒント
くるくる
閉鎖空間→キョンが調教→そしてMキャラに
キョンと橘のやりとりがそれなんて化物語な件について
キョンをめぐって長門VS橘が読みたい
>>861 「……彼は渡さない」
「あ、あたしだって渡しませんっ!」
(って不沈戦艦相手に柑橘樹が勝てる訳無いでしょーっ!!)
みくるVS九曜……
勝負が成立しそうにないな
「あ、あのぅ…」
「――――――」
「――貴女―その――は―とても―憎い―」
「……貴女とは初めて気が合った…その意見は同意…彼の視線を一人じめ」
「ふにゅ〜ぅな、長門さん、私達みかたじゃないですかぁ」
「僕も同じ意見だよ。貴女のその狂暴な胸は反則だからね。」
「神をも恐れぬでかさなのね。ルソーもそう思うのね。」
「ワォーン((;´Д`)ハァハァ)」
「――貴女―その――胸は―とても―憎い―」だった。
>>862 皇国二号兵器こと「橘花」
まあ、特攻しか手がないかもしれんことはおいといて。
>>851 お前もあのスレのモノだなw
ほかのスレに広める気かww>ポンジー
詳しくは、佐々木スレ13 609〜633まで
vipのもそうであるように他所から持ってきたなんてことを
名言するのはあまりいいことじゃないんだぜ
スレ住人間の摩擦の原因になりそうな事はないほうがいいしね
朝起きると、こんぶのや…もとい、九曜がいた。
なにしているんだ?
「―――あなたの――――観察」
そ、そうか……、あえてなにを観察しているかは聞かん。
聞かないから、視線をある一部分に向けるのはやめてくれ。
「―――それは―――無理――――な相談」
「あなたの―――――――に――――興味――しんしん」
最近エロが不足しています!神様補充をお願いします。
>>874 「くっくっ、残念だけど書き途中なのさ。悪いね」
佐々木厨って本当にうぜえな
ゴミ溜めスレから出てくんなよ
厨は何厨でもウザイです。
でなきゃ厨とは呼ばない。
>>877 ウザイと思っても、ゴミ溜めとまで言うのはどうかと。
空気を悪くするという意味では同じですよ。
もう少し穏やかにいきましょう。
ていうか、どこであろうとゴミ溜めであることには変わりねーしな!
やってることが妄想であることに違いはねぇ
落ち着きなさい!
佐々木さんも変態エロのエキスパートなんだから、じっくり見守るべきなのよ。
言ってみりゃここもハルヒ厨の巣窟なわけで
所詮同じ穴のムジナ
佐々木好きは長門好きほどうざくないからまだいいさ
884 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 10:35:20 ID:Ez9L2INM
久々になんか書いてみようかな・・・
>>882 ナガトスキーは大変ウザい存在だが、自分のスレをアホみたいに宣伝してまわるほど
脳味噌溶けてないから、近寄らなければ特に害はない
佐々木厨は呼んでもないのに沸いて出てきて空気も読まずに馴れ合い始めるから蹴っ飛ばしたくなる
佐々木スレがどうとかより、この流れのほうがうぜえ。
しかし、最近エロパロ住人がなぜかvipでここの宣伝をしているのも事実。
やっぱり同じ穴のムジナ
夏なんだから華麗にスルーしようぜ
それよりお前ら今日昼飯何食った?
俺は醤油ラーメンとピラフな。
なぜ宣伝するのかわからんね。
宣伝してるのはSSじゃないか?
オススメって何?ていう質問はどこにでもあるしな。
892 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 14:41:13 ID:2+8lbglf
____ ) 『 光の速さでケツからうんこ出したらどうなるの?』っと、
/⌒ ⌒\ )
/( ●) (●) \ )/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y丶
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ カ
| l l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l カ タ
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、. タ
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄
____
/::::::─三三─\ リアルな話すると多分お前の住んでる街が消し飛ぶ
/:::::::: ( ○)三(○)\ 光速でウンコほどの質量(約200?300グラム)
|::::::::::::::::::::(__人__):::: | _____ の物体が動いたら想像を絶する衝撃波が発生する
\::::::::: |r┬-| ,/ .| | ましてそれが地表と激突したら地球がヤバイ
ノ:::::::: `ー'´ \ | | お前のウンコで地球がヤバイ
このコピペすきだわw
地球切れるんじゃね?
というか自分の息子が耐え切れないんじゃね?
>>887 まとめの該当ファイルに誘導はしてるがこっちに直で誘導はして無いな
>>887 最近、vipからこっちに流れてきた奴が多いからだろうな。
流れぶった切ってすまない。
埋めなのでちょっと聞きたいんだけど、1と2、どっちがエロいというか、エロパロ的か悩んでる。
1
キョンは剛直した「それ」をハルヒの大事なところに押し当てた。
ゆっくりと、だが確実にハルヒの中に「それ」が入っていく。
〜中略〜
ハルヒの中をキョンの熱くて固いものが蹂躙するかのように攻め立てる。
ビクビクと波打つようにキョンの「それ」から白濁とした液体がハルヒの中を満たしていく……。
2
キョンは剛直した肉棒をハルヒの大事なところに押し当てた。
ゆっくりと、だが確実にハルヒの膣内に肉棒が入っていく。
〜中略〜
ハルヒの膣内をキョンの肉棒が蹂躙するかのように攻め立てる。
ビクビクと波打つようにキョンの肉棒から白濁とした液体がハルヒの膣中を満たしていく……
どうだろうか?なんとなく遠まわしな表現の方がいいかなと思わなく無いんだが、直接的な表現もエロいなと思って。
ガツンと言っちゃうとどっちもエロくないぜ。
三人称視点のエロをエロく表現するのは難しかろう。
902 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 21:21:24 ID:+dUAG4BX
俺にしてみりゃ一人称視点が一番難しいんだが・・・
両方書いてみるといい
ありがとう。
うん一人称難しいなって思って三人称にしたんだけど……。
やっぱ客観的になっちゃうと微妙だよな。修行してくる。
佐々木厨うぜえよ。帰れ。
厨々うるせえよ、帰れ
仲のいいこった
何が言いたいw
1000行くのと埋まるのとどっちが先か。
「ねぇ、ねぇ、キョン君。ここ凄く硬いね」
当たり前だろ!男は硬くなるんだよ。まぁ女のお前にゃ分からんだろうがな。
「ふーん。やっぱりずるーい。でもあたし欲しいよキョン君。」
これは、男の特権だからな。お前も生まれ変わって男に生まれ変わるんだな。
次の日学校にて
「って話だったの!ミヨちゃん。キョン君ずるいよね。」
思わず話を聞いて、多分私は顔を真っ赤にしていたと思います。
なんと私の親友が…こんな話をするなんて…しかもお兄さんと…
「んとねぇ…キョンに後で聞いたんだけどね。それは鍛えれば鍛えるほど硬くなるんだって!」
私は思わず想像しちゃいました。雑誌や漫画で見た事を…実物を見たのはお父さんの物位でしたから…
「アタシ、いつも見ているけど、羨ましいよ。力強くて」
いつも見ている…お兄さんのアレを!この兄妹…でどうだったの?
「あれ〜ミヨちゃんも見た事あるはずだよぅ?キョン君のアレを!」
な、な、何を言っているのこの子は…無いったらないよ。多分私は思わず声を張り上げてしまいました。
「ぶーっミヨちゃん嘘つきはいけないんだよ?」
まわりの男子も私達の会話に耳を傾けているようです。そろそろ恥ずかしくて話をやめようと提案しようとすると…
「だったら、ミヨちゃんはキョン君の腕見た事ないの?」
何を言ってるの?アレとは関係ないじゃない……どっちかと言うと亀じゃないかしら…
「亀?亀さんがどうしたの?でも以外だよ。キョン君の筋肉見たことないんだね☆」
私はその場から恥ずかしくて消えた。
「今度ハルにゃんにも言ってみよ!てへっ☆」
911 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 02:46:26 ID:q7ZXeVzs
なんて卑猥な会話だww
耳年寄りなミヨキチいいなw
相変らず黒いな(笑)
>>910 ×→お前も生まれ変わって男に生まれ変わるんだな。
修正→お前も次は男に生まれ変わるんだな。
×→「んとねぇ…キョンに後で聞いたんだけどね。それは鍛えれば鍛えるほど硬くなるんだって!」
修正→「んとねぇ…キョン君に後で聞いたんだけどね。それは鍛えれば鍛えるほど硬くなるんだって!」
>>910 修正版
「ねぇ、ねぇ、キョン君。ここ凄く硬いね」
当たり前だろ!男は硬くなるんだよ。まぁ女のお前にゃ分からんだろうがな。
「ふーん。やっぱりずるーい。でもあたし欲しいよキョン君。」
これは、男の特権だからな。お前も次は男に生まれ変わるんだな。
次の日学校にて
「って話だったの!ミヨちゃん。キョン君ずるいよね。」
思わず話を聞いて、多分私は顔を真っ赤にしていたと思います。
なんと私の親友が…こんな話をするなんて…しかもお兄さんと…
「んとねぇ…キョン君に後で聞いたんだけどね。それは鍛えれば鍛えるほど硬くなるんだって!」
私は思わず想像しちゃいました。雑誌や漫画で見た事を…実物を見たのはお父さんの物位でしたから…
「アタシ、いつも見ているけど、羨ましいよ。力強くて」
いつも見ている…お兄さんのアレを!この兄妹…でどうだったの?
「あれ〜ミヨちゃんも見た事あるはずだよぅ?キョン君のアレを!」
な、な、何を言っているのこの子は…無いったらないよ。多分私は思わず声を張り上げてしまいました。
「ぶーっミヨちゃん嘘つきはいけないんだよ?」
まわりの男子も私達の会話に耳を傾けているようです。そろそろ恥ずかしくて話をやめようと提案しようとすると…
「だったら、ミヨちゃんはキョン君の腕見た事ないの?」
何を言ってるの?アレとは関係ないじゃない……どっちかと言うと亀じゃないかしら…
「亀?亀さんがどうしたの?でも以外だよ。キョン君の筋肉見たことないんだね☆」
私はその場から恥ずかしくて消えた。
「今度ハルにゃんにも言ってみよ!てへっ☆」
お兄さんは泣きそうです。
最後の一文は
「今度ハルにゃんにも言ってみよ!(どんな反応するか楽しみだなー)てへっ☆」
という解釈でよろしいか?
>>917 うん、そうだよ。伝わりにくかったかな?
>>918 キョン妹は天然であんな会話をしちゃう純粋な子という幻想に一縷の望みを持っていたかったんだよ
もう全て過去形だがなー
妹は黒いでFA?
もうとっくにFAってるかと思ってた
うーむ、最近の小ネタはミヨキチやキョン妹と阪中しか書いていない気がする。
しかも誤字脱字が多いな。(´・ω・`)
妹はまだしもミヨキチと阪中ほぼ書いたことないやwついでに言えば喜緑さんも。
924 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 14:51:21 ID:kBFo1RnQ
新参です
話きってすまんがここのエロ抜きでお勧め教えてくれ
半年ROMれ
926 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 15:01:34 ID:kBFo1RnQ
その反応は正しい
だが三連休にめんじて教えてくれ
どうせ予定無いんだから保管庫を上から順番に読め
だがbutしかし…
>>926倉庫の“I went here”ってのが良かった
騙されたと思って「古泉一樹のある種の罠」を読んでみることをお勧めする
非単調
少年オンザグラウンド
932 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 15:50:19 ID:GEDu02DV
>>930 あれは、俺がこのスレで唯一抜かなかった驚作
「いつにもまして」シリーズ。精神が持てばね。
○月△日
今日もキョン君が女を連れてきた。……ちっ。
たく、せっかく私が他の女とのフラグを壊しているというのに。
でも、何度でも壊してやるんだから。
○月×日
今日もキョン君が女を連れてきた。しかしも、前よく来ていた佐々木とかいう女だ。
あれだけ邪魔してあきらめさせたと思ったのに……。あきらめてなかったのね。
私、しつこい女は嫌いなんだよね。どうしてくれようか……。
○月□日
今日は珍しく女がこなかった。久しぶりにキョン君と遊べると思ったら、他の女の
話ばかり………。もうこうなったら、前々から計画していたことを実行するしかないね。
それにはまず、みよちゃんにも計画のことを話しておかないとね。
>>933 それを勧めるのならパン工場もセットでw
○月□日
今日親友から相談されました。最近お兄さんの周りで女の人の影がちらついているようです。
彼女も頑張ってフラグ潰しをしているようですが…引き伸ばしが精一杯のらしいのです。
私としては両者が疲弊して共倒れをして漁夫の利をすれば一番良かったのですが…
たいして役に立たなかったみたいです。一応友人ですのであんまりな事は言わないようにします。
さぁて私が本気になったらクールビューティやツンデレ女は敵ではありません。気掛かりなのは胸デカホルスタイン位です。
○月π日
今日から友人にばれないように作戦を立て味方のふりしなければいけませんので…覚悟して下さい。愛しのお兄さん
937 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 17:40:32 ID:6ii+kiPS
938 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 17:40:41 ID:GRLk6vjO
939 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 18:37:41 ID:U186nKvQ
あれ保管庫落ちてる?
940 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 22:53:09 ID:pxSKqiTp
松井オデキは人類史上最低の屑
すまん誤爆
>>928 そのbutしかしでお前が中学のときだれに社会科を習ったのか分かったが、言わないで置こう。
ちゃんと勉強しとけ。
「だがbutしかし」って結構流通してる言い回しだぞ?
946 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 01:59:06 ID:PxyVgfIH
しかししかししかししかししかし
しかししかししかしかかしかかしかかし
(・∀・ )っ/凵 ⌒☆エロネタマダーァ?
ていうかエロパロに住んでる奴らは例外なく厨だと思うが…
そん中での威張り合い貶し合いなんて世間から見たら一万歩一万五十歩の違いだぜ。空しいからヤメレ
埋まれ……埋まれぇ〜!!
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