【卓球場】野村美月作品エロパロ【文学少女】

このエントリーをはてなブックマークに追加
645ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:28:41 ID:gnIIfb6f
 午前中はメイドとして朝食や昼食におやつのリクエストに応えて作り、
マッサージ、ゲームの相手等恙無くメイドとしてななせお嬢様にお仕えした。
ある程度時間がたってくると、メイド姿も気にならなくなってくるし、
最近なかなかかまってあげられなくて、寂しそうだったななせが喜んでくれることはぼくも嬉しい。
 しかし夕食のリクエストに応え作ろうとしたところ、どうも材料が足りない。
「いかが致しましょうか、お嬢様」
…なんか少し楽しくなってきた。
「そ、そうね。だ、だったら」
 ななせは急に何かを思いついたように悪戯っぽい表情をして
「今から買い物に行ってきてもらおうかしら!」
まあ当然だよね。
「かしこまりました、お嬢様。では行ってまいります」
ちょうど他にも買いたい物もあったし、せっかくだから一緒に済ませてしまおう。
「え、あ、あの、ちょっと…」
なぜかななせが少し慌てたように、何かいいたそうにしている。
「なにか、他にご入用のものがございましたか?」
「い、いやそういう訳じゃないんだけど…」
「そうですか?それでは行ってまいります。まるべく早く戻ってきます」
少しななせの態度が腑に落ちなかったがとりあえず買い物に出かけることにした。
646ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:30:31 ID:gnIIfb6f
 夕食及びそれ以外の買い物をしているのだが、おかしい。
妙に視線を感じるし、店の人も怪訝な顔をしたり、なぜかオマケしてくれたりする。
今もすれ違うたびに振り返られたり、遠巻きに見られたりしている。
 なんなんだろうと思っていたら、遠巻きに見る人の中に知った顔を見かけた。

「あれ、こんにちは森さん」
「…え!?え、えと」
声をかけるとなぜか驚いたようにして後退った。
「…あの、どうしたの?」
ぼくが誰か分かってないかのようなしぐさにむしろこっちが驚く。
「え、あの…え?・・・・井上くん?」
なんで疑問系…、あっ!

ようやく気付いた。今自分がメイド服で往来を闊歩していたことを。
どうりでやたら見られるわけだ…
「ええと、井上くん、もしかしてそういう趣味が…」
マズい!趣味でやってるなんて誤解受けたら、また学校に行けなくなる!
謎の美少女作家より恥ずかしい!
「いや、これは今日だけで、趣味でやってるんじゃなくて…」
ぼくの趣味は着る方ではなく着せる方だ。
ただ果たしてこの状況をなんと言おうか。下手に誤魔化すより正直に言った方が傷は少なくて済むかもしれない。
「今日一日お嬢様のご命令に逆らえないんです(にっこり)」
さて、これで乗り切れるか。
「お、お嬢様…も、もしかしてななせのこと?」
結局これまでの経緯を包み隠さず話した。
「そうなんだ、罰ゲームで…」
「うん、趣味でやってるわけじゃないから、本当に」
若干引き気味ではあったものの、女装好きの変態のレッテルを貼られることは避けられそうだ。
「でも、メイド服か…井上くんのというよりななせの趣味…?着るのはともかく、着せるのは…それにしても似合ってるなぁ…」
なにかぶつぶつつぶやき始めた。
「まあ、折を見て、ななせにはもっと恥ずかしい格好をしてもらうことになるから」
「いや、さらっととんでもないこと言わないでよ、こんなところで…まあうまくいってるようで何よりだけど。…程ほどにね」
「そうだね、まあ流石に裸エプロンとかは自重しておくよ」
なぜだか急に森さんの視線が異様に泳ぎ始めた。
「じゃあ、ここで長時間立ち話してても、お互い恥ずかしいし」
「そうだね、あ、その前に!」
ぴろりん☆

森さんにも撮られちゃった。
647ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:31:37 ID:gnIIfb6f
「ただいま、戻りましたお嬢様」
帰宅すると、ななせは顔を真っ赤にして
「だ、大丈夫だった?なにも問題はなかった?」
今なら分かる。まさかぼくが何の抵抗もなくすんなり買い物に行くとは思ってなかったんだ。
「はい、問題ありません。途中で気付いてちょっと恥ずかしかったですけど」
せいぜい森さんに会ったくらいで、問題ということはない。
「ふ、ふ〜ん。恥ずかしかったんだ、あんまりそうは見えないけど」
まあ色々と自分でも最近麻痺してきてるなあ、とは思うよ。

 夕飯を作り、少し時間つぶしはしたものの、どうやらネタが切れてきたらしい。
 ななせはなんとなく落ち着かない様子になり、若干イライラし始めたようだったが意を決したように、寝室に来るようぼくに命じた。
648ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:32:52 ID:gnIIfb6f
 寝室に着くなり、ななせの手によってメイド服が半脱ぎ状態になる。
 全部脱がすのではなく、中途半端に脱いだ状態で羞恥心を沸き立たせる、というのは普段のぼくの趣味だが、
いざやられる側に回ると、恥ずかしいよりも先に、こんなときでも一生懸命なななせの姿にただただ頬が緩むのを我慢するばかりだ。

 スカートと下着が脱がされ、露出したぼくのモノを咥えようとしてやめ、代わりに白く冷たい手でしごき始めた。
「ふふっ、こ、こんなになってる…こ。こんな格好で感じてるんだ…い、嫌らしいんだね、コノハちゃんは…」
顔を真っ赤にして、呼吸も荒くしたお嬢様による言葉責めが始まった。
これもすることはあってもされるのは初めてだ。
慣れてないからたどたどしいことこの上なく、恥ずかしがってぼくと目があわせられないヘタレ攻めだけど新鮮でいい!
 否が応でも興奮は増し、一日メイド服を着た甲斐が果たされ精を放とうとした刹那、ななせの手がピタリと止まった。

「き、気持ちいいんだぁ…コ、コノハちゃん、イ、イキそうなの?イカせてほしいの?」
 どこで覚えてきたのさ、そんなセリフ…
 ぼくの見つかるように隠している秘蔵書物にその手のはなかったはずだけど…
 しかし、寸前で止められ収まりもつかないし、今日は一日メイドを演じきると決めた以上、ここは乗るしかない。
「お、お願いします。イ、イカせてくださいっ!」
言うと、ななせは顔を更に真っ赤にしながら、不安と決意を織り交ぜた表情で、
「だ、だだだったら、こ、ここにキ、キスしなさいっ!!コノハ!」
と、ぼくの鼻先に右足を突きつけてきた。

あれ、なんかデジャブ。
似たような状況におかれたことが過去にあったような気がするんだけど…
ななせのほうを見ると、顔を真っ赤にして眼をかたく瞑っている。
しかし足舐めはしたこともさせたこともないけど、普段ついつい胸やお尻にばかり意識が行きがちだが、
ななせの脚は白く、すらっとしていて見事な脚線美を現していて、中々に奉仕のし甲斐がありそうだ…
新鮮な興奮と共に、お嬢様の命に従うべく、ぼくは跪き、お嬢様の脚に舌を這わそうとしたところ、ななせと眼が合い

「きゃあっ!!」

蹴飛ばされた。
649ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:33:45 ID:gnIIfb6f
いてて、鼻血出ちゃった。
「ご、ごめん!心葉大丈夫!?」
すっかり素に戻ったななせが心配そうに駆け寄ってきた。
今のぼくの姿を客観的に見てみると、上半身は着乱れたメイド服、下半身は丸出し。
そして女装をしながら鼻血を垂らしている、なんとも締まらない姿だなあ…
「ごめん、ごめんね。あ、あたし調子に乗りすぎた…こんな真似するつもりなかったのに…」
涙を滲ませながら謝る姿には、全てのことを許してしまいそうになるが、蹴られたことはともかく、
なんでぼくが女装をする羽目になったのかは聞いておきたい。
「ええと、聞きたいことがいくつかあるけど…最近遠子先輩に会った?」
びくっという音が聞こえそうなほど、ななせは体を振るわせた。どうやら図星らしい。
やはり過去の女装話を遠子先輩がななせにバラしたらしい。
まあ以前はぼくのスリーサイズをバラした(どうやって調べたんだろう)こともあるから大して驚くことではないのかもしれないけれど…
帰郷してるなら、会いたい気もするけど…

「あ、あの実は、遠子先輩にも会ったけど、遠子先輩だけじゃなくて…」
あれ?遠子先輩以外にあの話を知っている人と言えば…

ななせの話を要約するとこうだった。
たまたま街を歩いていたら、帰郷していた遠子先輩と、一緒にいた麻貴先輩と再会し、3人で一緒に喫茶店に入った。
近況を互いに話しているうちに、ぼくとの話に及んだときに、麻貴先輩がななせに、
男に良いように遊ばれてる都合のいい女になってるだけじゃないか、とか挑発してきたらしい。
しばらくは遠子先輩が窘めたりしていたらしいが、麻貴先輩が、以前ぼくが女装してきたときの写真を持ち出して
井上くんは遠子のためならここまでやったけど、おたくのためにここまでやってくれるかしら、などとさらに挑発を重ね、
期限内にぼくに女装させることが出来るかどうか、の勝負、という流れになったらしい。
650ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:34:30 ID:gnIIfb6f
「…あのさ、ななせは今まで余り接点なかったから知らないかもしれないけど、
麻貴先輩は他人を不安にさせることをライフワークにしてる人だから、
あまりあの人の言うことを真に受けたらダメだからね」
今までは遠子先輩が主な被害者だったけど。
「え、えっと…確かに姫倉先輩の言うことも気になったんだけど…そ、そのなんていうか…あの…」
なんか妙に煮え切らない様子だ、まだなにかあるのかな。
「しゃ、写真のセーラー服姿が凄く可愛かったから、メイド服姿も見てみたかったのっ!」
ななせまで何を言うんだ。

「いや、別に可愛くないから、本当に」
「な、なんでよ!今だって物凄く可愛いじゃない!あ、あたしよりよっぽど似合ってるじゃないっ!」
「ななせこそ何言ってるのさ!メイド服もナース服もななせが着て初めて輝くものじゃないか!自分で着る為に買ったんじゃない!」
「う、ううううるさいっ!何言ってるのよ!バカ!大体セーラー服なんか着て遠子先輩たちとなにしてたのよ!」
「思い出したくもないよっ!そもそもあれはななせのせいでもあるんだからねっ!」
「どういう意味よっ!」

こうしてツンデレお嬢様と喧嘩をしながら、ぼくの人生で二回目に女装をした日が終わりを告げようとしていた。
651ID:EZB7pqo/:2009/02/09(月) 23:38:10 ID:gnIIfb6f
とりあえず以上です。
なぜか途中であがってしまいました。すみません。
同人でななせのメイド姿の話を読んで以来、それにインスパイアされたらこんなのになっちゃいました。

もっと精進します、特にエロ描写。
一応続き(というかおまけ)の構想があるのでまた書きます。

需要は今や俺自身だけかもしれませんが。
652名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:43:11 ID:dcIinuvm
楽しかったよー乙。

というか専ブラ入れてないなんて事はないよね?sageチェック外さなければ無問題だと思うけど
653名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 23:55:39 ID:aKO6TwV9
GJです。
相変わらずいい意味でいろいろと突っ込みどころ満載で片っ端から突っ込みたいところですが、あえて一言で。
心葉自重しろww

設定が設定なだけに嫌う人はいるでしょうけど、どうせ誰にも万人受けするものなんて書けないのですから、
気にせず我が道を突っ走ってもいいと思いますよ。少なくとも私はついていきます。
654名無しさん@ピンキー:2009/02/11(水) 14:10:26 ID:hAsxHYxv
今思ったけど妹のエロパロってないよな


なんかよさそ
655ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:06:25 ID:VZOVYYiw
投下します。
前回の裏話。
エロなし。
656ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:08:09 ID:VZOVYYiw
 あたしが心葉に初めて出会ったのは中2の冬。
 
 それまであたしは男子なんて嫌いだし、男子もあたしのことが嫌いだと思っていた。

 あたしも、すぐに人と喧嘩してしまうあたしが嫌いだった。
 
 けど、その時出会った男の子は、そんなあたしにも何の見返りも求めず、助けと笑顔をくれた。

 一目惚れだなんて、漫画や小説だけの話だと思ってた。

 だけど確かにあたしは恋をした。

 ずっと伝えられなかった想い。

 だけどずっと伝えたかった想い。

 そして高校での再会。

 そこにいたのは、あたしの知ってた曇りのない笑顔の男の子ではなくて。

 笑顔の仮面を被った得体の知れない男子。

 それが信じられなくて悔しかった。

 訳が知りたいのに聞けなくて、ただ当り散らした。

 そして高2の冬。

 あたしにとって、とんでもなく辛くて、苦しくて、悲しい出来事が起こった。

 あたしは弱くて、耐えられず何度も崩れ落ちそうになったけれど。

 心葉が支えてくれた。

 あの日と同じように心葉が助けてくれた。

 心葉が戦う力をあたしにくれた。

 だからあたしも勇気を出して戦った。

 冬の凍てつく寒さに凍えそうになったけれど。

 互いにはぐれたときもあったけれど。

 あたしたちは一緒に春を迎えることが出来た。

 もうこの先はなにがあろうと、ふたりなら乗り越えていける。

 そう信じている。
657ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:09:06 ID:VZOVYYiw
 のはともかくとして、今あたしは久々にピンチを迎えている。
 
 目の前には、尊敬すべき先輩にしてかつての恋敵、天野遠子。とその友人である姫倉麻貴。
場所は以前イブに心葉たちとパーティーをした店、確か櫻井の行きつけの店。

 これはマズい。今更ながらあたしはここしばらく平和ボケしていたことを実感した。


 午前中、心葉の仕事場のほうを訪ねたんだけど、心葉は〆切間近の原稿に集中していて、あたしの相手をしてくれそうな様子はなかった。
心葉は話を書くとき、一度集中し始めたら周りのものが目に入らなくなるみたいで、放っておいたら食事も忘れて何十時間でも机に向かい原稿用紙に書き連ねている。
いかにも作家らしいといえば作家らしいのだが、周りは気が気でない。自宅で書いているときは、心葉のお母さんや妹の舞花ちゃんが気をつけているんだけど、
仕事場にいるときはそれはあたしの役目だ。とりあえず、今は邪魔はしないでおこう。
 進み具合を見ると恐らく今日中に脱稿するだろうし、労いになにか美味しいものでも作って食べさせてあげたい。
昔の文豪の妻たちもそんなことを考えていたのかな、と勝手な想像をして、思わず赤面したりもする。

 そんなことを思いながら買い物に出かけたのがほんの1時間前。

 そして、道で偶然遠子先輩と再会したのが50分前。
 立ち話もなんだから、という理由でこの店に入ったのが40分前。
 なぜか店に入ると、まるで図ったかのように赤子を抱いた麻貴先輩が声をかけてきたのが20分前。
 そして今に至るわけだけど、あたしは久しく忘れていた感覚を思い出した。

 ハメられた…


 遠子先輩は決して悪意で動く人間ではない。
穏やかで綺麗で賢くて、決して偉ぶらず、それでいて茶目っ気もある、あたしから見たら、夕歌とは別の意味で理想の女性だった。

 心葉に芥川や臣、それにあたしや朝倉も彼女に救われた。

 にも関わらず、今思い出すのは彼女にハメられた記憶ばかりである。

心葉のスリーサイズの情報と引き換えにコスプレパブへの制服での潜入を手伝わされたり
(あれであたしは骨折する羽目になった)、
演劇で心葉が主人公であたしがヒロインという話だったから出演を快諾したのに、実際には自分がちゃっかり主人公をやったり
(よく考えたらあのヒロインは主人公を振って別の男に走る役だった、やらなくてよかった)

 悪意はないはずなのに、いつも酷い目に合わされた気がする。
658ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:09:57 ID:VZOVYYiw
 いや、遠子先輩はまだいい。問題は隣にいる姫倉先輩だ。
何度か、顔合わせはしたことがある、という程度で、直接話をしたことはほとんどない。
ただ、聖条高校でこの人の存在を知らない人間はいない。
余りにも多くの噂があって、しかもその全てが真偽はともあれ突拍子もないものばかりだ。

 全生徒の弱みを握っているとか
 教頭の愛人の名前や働いてる店も知っているとか
 一声かければ、何でも従う大勢の部下がいるとか
 高校に自分専用の部屋があり、中で気に入った子を引き擦り込んで食べてるとか
 ノンケでも構わず食っちゃう女だとか
 文芸部が潰れないのは、遠子先輩が姫倉先輩の情婦(イロ)だからとか
 卒業間際に男を引きずりこんで、孕ませたとか

 あたしが知っているだけでもこれくらいだ。
今抱いている赤子が、男に孕ませたとか言う子だろうか。
 店に入ってからもずっとあたしのことを挑発するような笑みを浮かべてこっちを見ている。
正直苦手なタイプだ…

 今のところは、遠子先輩とあたしがたわいもない近況報告をしているのを、姫倉先輩が聞いているだけ。
あたしの進路のことや、図書委員での活動や、竹田の話。
遠子先輩での大学生活やサークルでの話。

 一見自然な会話だけど、不自然なまでにある話題を避けている。
そんな均衡した危ういバランスを保っていた会話が姫倉先輩によって大きく崩された。

「ところで、おたく心葉くんと付き合ってたわね。彼は元気にしてるの?」

 きた。
659ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:10:56 ID:VZOVYYiw
どの道、避けられるわけのない話題ではあったけど、遂にきた。

 あたしは逃げる気は毛頭ないし、負ける気もない。
遠子先輩には悪いけど、あたしは満面の笑みを浮かべて、
「ええ、とっても元気ですし、すっごく仲良くしてます!」
ちょっとでも遠慮したことを言ったら一気に食われそうな気がする。

「そう、それは良かったわ」
答えたのは遠子先輩のほうだった。
「心葉くんが元気にやっていることも、ななせちゃんと仲良くやっていることも」
遠子先輩はあくまで穏やかな笑顔を浮かべていた。

 どうも姫倉先輩以上に、遠子先輩の真意が読めない。
実は再会したのは本当に偶然だったのかも、とも思えてきた。
あるいは、単純に心葉がどうしてるか知りたかっただけなのか。
だとすると、ここになんで姫倉先輩まできたのか…

「でも、本当にうまくいっているのかしらね」

色々と思考に没頭しかけたあたしは、姫倉先輩の声が現実に引き戻した。
「ちょっと!麻貴!何言ってるのよ!」
遠子先輩が窘めているけど、姫倉先輩は止まらない。

「あたしは高校時代の心葉くんにはよく遠子関連のことで頼まれごとされたりしてたから、
よく覚えてるんだけどあの頃のふたりは本当に妬けちゃうくらい仲が良かったからねぇ」
「麻貴!いい加減にしなさい!ごめんなさい、ななせちゃん!すぐに黙らせるから」

 どうやらこの人はあの櫻井の同類のようだ。
 それと遠子先輩の様子から見ると、ふたりがグルという訳でもないらしい。

「あら、本当のことじゃない、幽霊騒ぎのときも、夏の別荘での事件でも、
心葉くんは遠子のために駆けつけてきてくれてたじゃない」
「そもそも誰のせいで起こった事件だと思ってるの!」

なにやらあたしの知らない話を持ちだして、あたしにプレッシャーをかけようとしている。
だけど、お生憎様!朝倉や櫻井とやりあった経験でそんなのはもう慣れっこになってしまった。
別に心葉が過去になにかあったとしても、他人の口から聞いたものなんて信じない!
そんな安っぽい挑発には乗らない、あくまで冷静に対処できる。

「そ、そそれは、た、単に心葉が、や、や優しいから先輩のために、い、色々し、してあげたってだけで、
べ、別に、れ恋愛感情とかじゃ、な、ないと思いますけど?」
「あら、あたしは恋愛感情の話なんてした覚えはないけど?」

即座に切り返された。
660ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:12:15 ID:VZOVYYiw
「まあ、でも心葉くんがおたくと付き合い始めた理由って、案外遠子と会えなくなった寂しさの穴埋めの為で
おたく、単に男にとって都合のいい女ってだけじゃないの?」
「そんなことないわよ!!バカにするなっ!!」

そう、そんな訳がない。でも、相手がそもそもこっちの話を聞く気がないのでは、永遠に平行線だ。

「そうね、そこまで言うなら、少し賭けをしてみる?」
 そう薄ら笑いを浮かべたまま、姫倉先輩は一枚の写真を取り出した。
写真にはロングヘアでうちの高校の制服を着た女の子が写っていた。

女の子…?
改めてその写真をよく見ると、そこに写っていたのは女の子ではなかった。

「流石に気付いたようね…それは去年、コノハちゃんが遠子のために女装した姿よ」
「麻貴!なんてもの見せてるのよ!あんたは!」

嘘…、写真に写っているのはどこからどう見ても女の子。
長い黒髪、薄い胸、羞恥に頬を染めた様子は、同性から見ても魅力的でかわいらしい女の子。
だけど、見間違いようもない、ここに写っているのはあたしの恋人だ。

可愛い…

「心葉くんは遠子のためならここまでやったわ…それで賭けというのはカンタン、
心葉くんがおたくのためにこれと同等、あるいはそれ以上のことをやってくれるかどうかを証明してくれればいいのよ!」

姫倉先輩の声でまたあたしは現実に引き戻された。どうやら少しトリップしていたらしい。
いけない、冷静さを保たなくちゃ。

「ど、ど、どどどどどういうことよ!?」
問い返すあたしに
「だから心葉くんにおたくが頼んで女装したら、おたくと心葉くんが互いに想いあってるってあたしも認めるわ
どう?この勝負受ける?それとも自信ない?」

当然ここは引けない、引くわけにはいかない。
勝って、コノハちゃんの艶姿を、もとい、あたしと心葉の絆を姫倉先輩に見せ付けてやる!

「の、臨むところよ!」
そう答えると、姫倉先輩はさらに笑みを深くし、なぜか遠子先輩まで一瞬新世界の神の様な笑顔を浮かべていた。
661ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:13:20 ID:VZOVYYiw
「そう、じゃあ証拠として女装した心葉くんの姿を撮影してきて、おたくデジカメは持ってる?」
幸いにして持っている。当然言われるまでもなく、網膜のみならず、しっかりとデータにも残しておくつもりだ。
「なら、そのデータをあたしのアドレスに添付ファイルで送って。期限は3日以内で、当然出来るわよね?」
そういって、メアドが書かれたメモをどこに用意していたのか渡されたが、3日だなんて冗談じゃない。
そんなに待ってられない、今すぐにでも、コノハちゃんの姿を見てみたい。そのためならあたしはどんな手段でも使うつもりだ。

「じゃあ、あたしはこれで」
「ああ、衣装なんだけど、おんなじセーラー服じゃ芸がないわ。
そうね、メイド服でもナース服でもなんでも望みがあれば服はこっちで用意するけど」
「そのへんはちゃんと一式揃えているので結構です」

はじめて姫倉先輩の笑みが消え、一瞬真顔になった気がする。
 とにかくメイド服もナース服も、なんならゴスロリだっていつもあたしが着せられてる分がちゃんと仕事場のほうに揃ってる。
サイズは大きめに作られてるから、心葉もなんとか着られるはずだ。

 そう色々な衣装に身を包んだコノハちゃんに思いを馳せながら、店を出たところで遠子先輩に呼び止められた。
662ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:14:10 ID:VZOVYYiw
「ななせちゃん、これ」
遠子先輩が差し出してきたのは、黒のロングヘアのウィッグだった。
「これは以前記念にとってた物なの。ちゃんと心葉くんの頭のサイズにぴったりのはずよ」

 あたしはすっかり髪の事を失念していた。
 それを親切にもわざわざあたしに思い出の品を渡してくれるなんて本当に遠子先輩は親切な人なんだろう。

「大丈夫よ、ななせちゃんはこの賭け絶対に勝てるから!期待して待ってるわ」
そうあたしを力強く励ましてくれる遠子先輩の笑顔はまるで聖母のようだった。

「はい!ありがとうございます!絶対に心葉にメイド服を着せます!」
 ついでだから色々と普段やってくれないことや、やらされてることをやらせてみよう!

「絶対よ!楽しみに待ってるからね!」
笑顔で手を振る、遠子先輩に別れを告げ、あたしは一路、心葉の仕事場へと急いだ。

 どんな困難があったって、もう絶対に負けない!
なにがあっても、この賭けに勝って、心葉にメイド服を着せるんだ!
663ID:EZB7pqo/:2009/02/19(木) 02:15:15 ID:VZOVYYiw
以上です。
このネタもうちょっと引っ張ります。

ななせ視点は異様に難しいです。
664名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 08:50:46 ID:rAUtpDN1
賭をしようのやりとりが、流人×ななせ・陵辱の人と同じ流れなのは、どうなのよ。
そのあとのななせの遠子への暴言も、↑への嫌がらせみたいで、すげー感じ悪かった。
あのななせの発言、書き手の代弁してるだけで、マジムカツク。
665名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 08:56:14 ID:rAUtpDN1
で、今回の書き出しは、心葉×遠子の冒頭のパロ?
他人の影響受けやすいのはわかったけど、パロを他のパロからもってくるのは気分悪い。
666名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 18:13:44 ID:D6zXYDuU
ななせー、ぜんぜん冷静になってないぞー。

確か文学少女にはバカテスコラボから入ったのでしたっけ?
実際、「冷静に対処〜」のところは明久のそれっぽいですし。
となると恐らくななせ一人称の短編は読んでないでしょうね。
だからどうというわけではないのですが。
667名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 19:50:10 ID:MJJRSwew
愚痴を言うなら自分でかけ。
あんたが嫌い=他が嫌いという訳じゃないくらいここに来る年齢なら分かるだろう。
俺嫌いだから、だから何?スレの雰囲気悪くするリスクを考慮してまで言いたいことだったの?
668名無しさん@ピンキー:2009/02/20(金) 18:59:24 ID:eYOLzWuO
冷静に対処できると言っておいて冷静でないあたりにななせらしさが感じられていいわw
669ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:35:49 ID:dmtjaESj
ななせの恋日記が超読みたい。

前回の続きです。
遠子と麻貴の話。
エロなし。割と真面目な話。
670ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:37:34 ID:dmtjaESj
「あっ!」
あたしのメアド(当然捨てアド)に添付ファイルつきのメールが送られてきた。
「遠子!琴吹さんから写真届いたわよ!」
奥で悠人をあやしていた遠子に声をかけると、遠子は悠人を抱きかかえながら、あたしの元にやってきた。
「どれどれ?あっ!コノハちゃんメイド服着てる〜」
「…丈が若干短いあたり、元々は琴吹さんの衣装だったのかしら?」
「うわ〜やっぱり可愛いわね〜…でも」
「「恥じらいが足りない」」
 最後の方はヤケなのか楽しくなってきたのか、笑顔を浮かべてポージングまでしている。
それはそれで中々に楽しい絵面ではあるものの、あの日見せてくれた羞恥に打ち震える姿が見たかったのに、少々残念だ。
671ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:38:38 ID:dmtjaESj
 人は変わっていく生き物、そんな言葉をあたしは今まで信じていなかったが、あたしの周りがこうも変わっていったならば、信じざるを得ない。
悠人を産むことを決めて、祖父と立ち向かうことになったとき、高見沢だけでなく、父や草壁までもがあたしの味方についた。
姫倉の因習を打ち壊したいという気持ちは、父や草壁、そして祖父自身があたし以上に強かったのかもしれない、と今では考えている。
 当然あたしの婚約は破棄されたが、世間体もあるから勘当も出来ない、ので病気療養の名目で姫倉の名義のマンションで悠人と二人暮しをしている。
 屋敷から放り出された身ではあるが、それこそがあたしの切望してやまなかった自由であった。それにあたしは一人で悠人を育てているわけではない。

 父や草壁、高見沢は、様子見という名目で、屋敷にいたとき以上に頻繁にあたしを訪ねてくる。
 かつての浮気な預言者である悠人の父親は、麻貴ひとりに任せておくと悠人がどうなるかわかったもんじゃない、
と悪態をつきながら面倒を見にくる。
 その悪態にかぶせて、かつての死にたがりの道化は、あたしたちの将来の予行演習だよね、
などと笑顔で語りかけながら慈しみに満ちた表情で悠人を抱き上げていた。
 暇を見つけてはお義母さまもよくやってきて、悠人の写真を大量に撮っていったり、初孫の世話を買ってきてくれる。
ちなみにあたしとの関係は極めて良好で、悠人を抱きながらいつも父親にだけは似ませんように、と呟いている。(当人がいる時でさえも)
 そういえば今回のコノハちゃんの写真と、お泊り中の遠子の寝顔はセットで送っておこう。間違いなく喜んでくれる。

 あたし自身も悠人が生まれたことで大きく変わったんだと思う。
当初は悠人は、姫倉への復讐、祖父に対抗するための道具、という考えが確かにあたしにはあった。
けれども、祖父との衝突や周りの人の協力を得て、そして自分自身がお腹を痛めたということで、そのような考えは今では微塵も存在しない。
ただただ、この子とあたしが幸せになる為に全力を尽くすだけだ。

 一度だけ、あいつをこの部屋に呼んだ。
 悠人を前にどうすればいいか分からない様子で困っていたが、それでも確かに悠人を抱きかかえた。
 人は変わっていく、あいつも例外ではないはず。
あいつが変わることは、蛍にとっても決して悪いことではないはずだ。
672ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:39:32 ID:dmtjaESj
「それにしても、麻貴」
遠子の声であたしは現実に引き戻された。
「いくらなんでもこの前のは言い過ぎよ。打ち合わせではあそこまで言うはずじゃなかったでしょ?」
「打ち合わせ以上のことをやらないと、おたくは演技下手だからすぐバレてたわよ」
 この写真の撮影者、琴吹ななせに協力を仰いだときの話である。
 正直、お人よし過ぎる親友のことを想い、少し意地が悪くなったこともあって、必要以上に挑発的な口調になったかもしれない。
ただ、それ以上に…
「それにしても、からかい甲斐のある子だったわね」
虚勢を張って平静を装おうとして、欠片もうまくいってない姿は一種遠子に通じるものがあった。
「あっ!やっぱりそう思うわよねっ!ななせちゃんって純情で、一生懸命で、色々考えていることが表情に出て、それがすっごく可愛いわよね!」
かつての恋敵にここまで思わせるというのは、ある種魔性の女といえるのかもしれない。
 寧ろ、琴吹ななせにメイド服を着せるべきだったろうか。一度描いてみたい。

 ただ、それにしても
「ところで、遠子。おたくは…心葉くんには会わないの?」
遠子を傷つける質問だったかもしれないが、あたしは聞かずにはおれなかった。

 人は変わっていく生き物。この言葉はこの文学少女にもあてはまるのだろうか。
関係性という意味においては、あたしと遠子の関係は高校時代と今では、大きく変わったといえる。
 遠子が北海道の大学に進学したことで、物理的な距離は遠くなったにも拘らず、心理的な距離は信じられないほど近くなった。
今みたいに、泊りがけであたしの家に遊びに来るなんてことは以前では考えられなかった。
 関係が変わったのは、あたしが変わったことが理由のひとつだが、遠子もあの事件が解決したことで変わったのだろうか。
673ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:40:43 ID:dmtjaESj
「…あのね、麻貴。わたしが大学でも文芸のサークルに入ってることは話したわよね?」
遠子は急に神妙な顔をして、語り始めた。
「ええ、確かそこのサークルで、おたく、小説を書き始めたって言ってたわね」
そうなのだ。正直、遠子は文学少女であるが、今まではあくまで純粋な読み手であったが、今は書き手たろうともしていると聞いて、正直あたしも驚いた。
「わたしがずっと願っていたこと、それは小母さまのために、母さんの物語をつむげる作家を見つけること
そして父さんのように作家を成長させる人になること、だったわ」
あたしは口を挟んだらいけないと思い、ただ黙って聞くことにした。
「幸いにして、井上ミウという作家を見出すこと、そして心葉くんに出会うことが出来たわ。
だから、わたしは心葉くんに書いてもらうことで、その二つの願いを同時に叶えようとしたの」
あくまで穏やかに、大切なものを見るように遠子は語り続けた。
「それでも、その願いは中々叶わなかったし、わたしはそれ以上のことも願おうとした。
けれど、それを抑えつけて、当初の願いだけを叶えようと思ったわ。
それでもわたしの高校生活も終わろうとして、どうしても時間が足りなくて、
結局焦って我慢できなくなって心葉くんを傷つけてしまった」
 柄にもなく、遠子が悪いわけじゃない、と叫びそうになってしまった。
彼女がもっと我侭一杯振舞ったところで、誰が責めることができようか、そう思った。
「それでも、心葉くんは、わたしたちが囚われていた過去の桎梏を全て解き放ってくれた。
そして、その時心葉くんが立派に成長したこと、想像から物語を紡げる本当の作家になったんだって実感したわ」
実際、井上心葉は、作家井上ミウとして、遠子の卒業後も、学生との兼業作家として執筆活動を続けていると聞く。
「だからあたしももう過去に囚われたままではなく、変わっていかなきゃ、そう思うようになったの。
そして、心葉くんに告白した…」
 その結果については今更反芻するまでもない。
「勿論期待はあったけど、心葉くんが誰のことを本当に好きなのかは分かってたわ。
告白したのは、わたしが変わっていくために必要なことだったの。例えそれが失敗に終わったとしてもね。
だから、吹っ切れたといったら嘘になるけど、別に心葉くんに会いたくないわけじゃないし、
ななせちゃんと仲良くしているっていうのは本当に嬉しいことなのよ」
 そう言い放った遠子は嘘も衒いもない、眩しい笑顔を浮かべていた。
674ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:41:19 ID:dmtjaESj
「会えない理由は、もしかして今本を書いていることにあるの?」
ようやくにしてあたしは口を開いた。
「ええ。今までの本当のことを知っても、やっぱり父さんはわたしにとって大事な人なの。
だからわたしの作家を成長させる人になりたいという願いが変わらないわ。でも、父さんとは別のやり方で、その願いを叶えてみたくなったの。
だから、わたし自身、物語を紡ぐことをやってみたいと思うの」
「作家になりたいわけではないの?」
「わからないわ。もしかしたらわたしも作家になりたいと願うかもしれない。
まだまだ色んな可能性があるわ。だからわたしも物語を紡ぐ、そしてそれがどんなに稚拙な物語だったとしても
それを自分で成し遂げることが出来たとき、その時、改めて心葉くんに会って、読んでもらいたいの。
だから、それまでは会わないでおこう、って決めたの」
 そう締めくくった遠子の眼は、あくまで輝いていた。

 みんな変わっていく。
 ずっと変わらないままだと信じていたものも、変わっていく。
 多分それは、嬉しいばかりじゃなくて怖いことでもある。
 それでも、みんなみんないい方向に変わっていけばいいと思う。

「でもね、麻貴。変わらないことだってあるのよ」
そう、それでもやっぱり変わらないことだって存在する。
「わたしは物語を紡ぐことをしようとも」
「わたしは、古今東西のありとあらゆる物語を愛している」

「「正真正銘の"文学少女"ってこと」よ!」
675ID:EZB7pqo/:2009/02/27(金) 02:45:05 ID:dmtjaESj
以上です。
まだこの話引っ張ります。次で最後。

基本はギャグというより悪ふざけで書いてます。
676名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 08:54:52 ID:/WSsi9d7
保守
677名無しさん@ピンキー:2009/03/10(火) 22:41:41 ID:qMPf6bb/
くららが...くららが勃った
678名無しさん@ピンキー:2009/03/18(水) 00:00:28 ID:u3qcli8t
保守のついで

「井上。朝倉のことで相談があるんだが」
「え?ミウのおしりのほくろのことかな?」
「………」

「朝倉。ほくろがあるのか?」
「なに一詩?なんなの?急に」
「いや…、その…、井上がな…」
「コノハが?…ああ、ほくろってコノハのおしりのほくろのこと?」
「………」

ガンバレ芥川君
679ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:46:13 ID:zD9E14YH
ハードディスクが壊れたり、データが初期化されたり、アクセス規制を食らったりしたけど何とか元気です。

前回の続きで
心葉×ななせ
エロです。

例によって>>526設定
キャラ崩壊してると思います。
680ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:47:01 ID:zD9E14YH
「うーん」
駄目だ、やっぱり捨てアドだったらしい。
ななせが麻貴先輩に教えてもらったアドレスに、メールを送ってみたけれど送信されなかった。

うぃーん

「うーん」
しかしそれにしてもあの先輩も何を考えているのだろう。
一児の母となって少しは真人間に近づいてきた、と流人くんが言っていたけど、あの麻貴先輩だからなあ。

うぃーん

「うーん」
いや、それより遠子先輩だ。あの日以来会ってないけど、元気にしてたのだろうか。
ななせの話によると元気そうだったらしいけど、会いたかったな…
身勝手な考えなのかもしれないけれど…

うぃーん

「うーん」
「ちょっ、ちょっと!そ、そんなところでっ…わ、わざとらしく…、う、唸って、ないで、は、早くコレ、は、外しなさいよっ!」

声のする方向を見ると、両腕をベッドに拘束され、乳首と、クリトリスにローターを装着されているななせの姿があった。
まあ僕がやったんだけど。
681ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:48:05 ID:zD9E14YH
「ダメだよ、ななせ。これは、罰なんだから。約束は昨日一日の間のはずだったのに、最後の命令は12時過ぎてたよね?」
ぼくは心からの笑顔で言った。
まあ、まさか留守中に早くも画像データを送られてるとは思わなかったので、その腹いせもないといったら嘘になるけど。

「ううっ!き、気づいてた癖にっ!もう12時回ってたことを!だ、大体、そ、それなら、な、なんで、まだメイド服着てるのよ!」

ななせの指摘通り、もう約束の時間は過ぎたのだから、メイド服を強制される義務はない。義務はないけれど
「ああ、これはアフターサービスですよ、お嬢様」

再び、メイド:コノハちゃんのスイッチを入れ、ななせの秘所を指でかき回す。

「あんっ!」
「随分と感じてるんですね、お嬢様。」

ななせの秘所から早くもとめどなく愛液が溢れていた。

いつもよりも、反応が早い。
ぼくのメイド服姿に興奮しているのか。
両手を固定されている状態で責められてるのがいいのか。
はたまた、夕飯に混ぜた隠し味が功を奏したのか。

おそらくその全部だろう。

「お嬢様、本当はこんな風にいぢめてほしかったんですね」
「はぁ…ち、違うっ!そ、そんなんじゃ、ない…」

息も絶え絶えに否定するななせ。
だが、なろうと思ってもなかなか素直になれない上の口とは裏腹に、下の口は本当に素直だ。

「でも、こんなにびしょびしょになってますよ?これって感じてるってことですよね?」
そういいながら、糸を引いている愛液ををななせの目の前まで見せつける。

「か、感じてるんじゃないっ!そ、そ、そそれは汗よ!」
言い放った瞬間ななせの顔がより一層赤くなった。
まるで咄嗟にした言い訳が、あまりにバレバレだったから、かえって恥ずかしくなったかのような態度だ。

「ああ、汗だったんですね。申し訳ありません。では、拭き取らせてさしあげます」
舌で。
682ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:48:54 ID:zD9E14YH
びちゃ、にちゃ、ずずっ、

「ちょっ、あん!あああぁ!!はぁ、うんっ!はぁっ…」

汗まみれで濡れたままの不快な状態でいつまでもいさせるわけにはいかないので、舌で丹念に拭き上げる。
しかし拭けども拭けども、滲み出てくる汗は増える一方で、ななせの秘所はますます湿ってきている。

「う〜ん、なかなか乾きませんね」
「はぁっ…はぁっ…ば、ばかっ…、か、乾くわけないでしょ…、も、もう、は、早く…」
「やっぱり奥の方から汗ばんできてるから、なかなかうまく拭けないみたいですね」

と、言っても、舌じゃ、ななせの秘所の奥の方まではどうやっても届かない。
ならば別のもので拭き取ればいい、ポケットから今日、いや昨日、こんなこともあろうかと買っておいたものを取り出した。

「これなら、奥の方まで届いて拭き取ることができますよ」
そう微笑みながら、ぼくは取り出したバイブレーターのスイッチを入れ、汗ばんで潤滑しやすくなったななせの秘所に一気に差し込んだ。
「ひっ!…あんっ、やっ!はぁ…はぁっ…」
決してイカさないよう、調節しながらゆるやかに動かす。
「どうですか、お嬢様?このままイカせましょうか?」
寸止めを繰り返したため、もう限界間近のはず。だが返ってきたのは
「嫌ぁっ…」
拒絶の意志だった。

「バ、バイブじゃ嫌ぁ…こ、心葉のをちょうだい…っ!」

その言葉を待ってたよ。
683ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:49:35 ID:zD9E14YH
「わかったよ、ななせ」
メイド:コノハちゃんスイッチ再びオフ。さようなら、コノハちゃん。
メイド服を脱ぎ捨て、もう必要のなくなった拘束具及びローター、バイブと言った小道具を取り外す。
ななせも限界間近だが、ぼく自身もさっき寸止めされ、妙な中断があったためムズムズした半端な状態だった。

はむっ

ななせは、3割がた意識を飛ばしながらも、左手で自らの秘所を愛撫しながら、ぼくの肉棒に舌を這わせる。

くちゅっ!ずちゅっ!ちゅばっ!

しばらく卑猥な二重奏を響かせていたが、ぼくもほぼ準備はできていたので

「ななせ、もういいよ」

完全に蕩けた表情のななせに声をかけ、肉棒から離させ、ゴムをかぶせ臨戦態勢に入った。
ななせはゴムを被せたぼくの肉棒を見るたびに、最近では何かを訴えたそうにしているが、いつその訴えは口に出るのだろうか。

「入れるよ」
「んっ!」

正常位で挿し込み、ぼくが覆いかぶさる形で、互いに向かい合う。
ななせは、当初は自分の恥ずかしいときの顔を見られるのが嫌、という理由であまり好きではなかったらしい正常位だが、
今ではぼくの顔が見れるから、一番好きな体位だという。

「あんっ…はふっ!はぁっ!あっ!あっ!あっ、こ、心葉、イクっ!イっちゃうっ!!」
「ぼくもっ!イクよっ!ななせっ!」

ビクッ!ビクビクッ!

ゴム一枚を隔てた状態でも十分に伝わる熱さ、おあずけしていた一週間分の精を放ち、一気に脱力した。

心地よい疲労感の中、ふとななせの方を見ると、ななせも落ち着いたのか、目の焦点が合ってきて、ぼくの方を見るとにっこりと微笑んで…

殴られた。
684ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:50:12 ID:zD9E14YH
「…痛い」
「こ、ここここっちのセリフよ!な、な、何してくれてんのよ!こ、こ、こんな拘束具やバイブとか、いつのまに買ってたのよ!」
「え?昨日だけど」
「あ、あああの格好で!?」
「最近ずっとカンヅメ状態だったし、ネットの通販とかなんか好きじゃないし」
「バ、バ、ババカじゃないの!?買うなら別の日でも、ていうか買うな!こんなもの!」
「せっかくだから休み中にいろいろ試してみたかったからね」
「このバカっ!」

こうして別の意味での第2戦が始まり、なし崩し的に、本当の意味での第2戦を調子に乗って交えたため、原稿を取りに来た佐々木さんの顰蹙を買ったのはまた別の話。
685ID:EZB7pqo/:2009/03/23(月) 02:52:46 ID:zD9E14YH
以上です。
真面目にエロ書くのはしんどいです…

こうもっとコノハちゃんがななせを責めたててるところをうまく表現できないかと
試行錯誤しましたが俺にはこれが限界…
686名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 14:12:18 ID:3pY+MjKe
良作。誰も何も言わないのは。よくないと思う。
687名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 21:03:05 ID:QnhbVbFr
第一の質問ですが、なぜ■■さんがここにいるのですか?
688名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 01:26:45 ID:DDTvQ7LE
>>677
くららは勃たない
689名無しさん@ピンキー:2009/04/06(月) 02:13:27 ID:m8pHGRMj
乳首とかクリとかある
690名無しさん@ピンキー:2009/04/08(水) 01:26:27 ID:jbyHdzsN
保守代わり。

「じゃあ一詩ここでいいから」
「うむ。あ、そうだ朝倉。男手が必要な時は言ってくれ。
 蛍光灯の交換とか」
「はぁ?そんなの自分でやるわよ。
 なんだかんだ言って、あたしの部屋に上がり込もうとしてるんでしょ?」
「いや、そういうわけではない」
「とにかく大丈夫だから。じゃあね」

     ☆   ☆   ☆

「すまんな、井上。広報誌なので掲載料といっても謝礼程度しか出せないが」
「ううん、芥川君、そんなこと気にしないで。
 僕なんか作家といっても大先生じゃないんだから。
 それより芥川君。
 仕事も忙しいとは思うけど、たまにはミウのとこにも顔出してあげてね」
「ん?朝倉のとこへか?」
「この間もミウのところに遊びに行ったら、蛍光灯の交換をさせられちゃったよ」
「そ、そうか…」

がんばれ、芥川君
691名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 18:21:14 ID:1cwmuQID

保守
692名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 22:14:31 ID:YZ1/lWpB
保守のついで――

「いつもすまんな、琴吹。俺には女性の好みはわからんから」
「いいけど。朝倉さんへの誕生日プレゼントの相談くらい。
 でも、毎年マメだよね、芥川は」
「どうも俺は融通が利かないというか、つまらん男だそうだから、これくらいはな」
「真面目もいいけど、たまには息抜きも必要だよ。
 だから、この間は芥川も来ればよかったのに」
「この間?」
「そう。この間、井上の部屋で鍋パーティーした時だよ。
 わたしと朝倉さんが買物してたら、ばったり舞花ちゃんと会っちゃって、
 急遽、井上の部屋で鍋パーティーすることになったんだよね。
 芥川も呼ぼうって話になったんだけど、
 朝倉さんが電話したら『一詩は今日は忙しいって』って言ってたけど?」
「あ、ああ。そうなのか。(……電話は来てないな)」

がんばれ、芥川くん!
693名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 22:46:01 ID:6HFn2bcF
がんばれ芥川くんシリーズは好きです。
694名無しさん@ピンキー
「がんばれ芥川くん」シリーズ、いい味出してますね。